その言葉は笑顔とも相まって、心を凍らす。
冷たく暗く、猿野の言葉が冷気を含んで響いた。
部員の動きを止めた言葉。しかし猿野が紡いだ言葉は、それだけではなかった。
「……永遠なんてそんなもの、紛い物だって俺は知ってる。
真実の愛なんて、永遠の恋なんて、そんなものが本当にあると思ってんの?」
蕩々と、猿野は語る。
「今はたしかに『好き』かもしれねぇよ?あんたらが嘘ついてるなんて思ってない。
多分あんた達、俺のことが本気で「好き」なんだろうね。その気持ちは疑わない」
言葉は止まらない。
「でも、飽きるよ。
俺が笑っても、泣いても、怒っても、静かにしても、なにをしても。
いつかそれを無感動に見る日が来るよ。
ゾクゾクするような気分、感じられなくなる日が来るよ。
暖かな気持ち、忘れる日が来るよ。
冷たいまなざしで、俺のこと見る日が来るよ。
他の誰かを好きになる日が、いつか必ず来るよ」
痛みを伴って広がる波紋。