賢木はだらしなく椅子を鳴らしながら報告書を読む。
「黒巻節子。19歳。写真を撮る、という行為を通じて相手とのリンクを繋ぐテレパス、
+ヒュプノの合成能力者。性格的にバベルとあわずに脱退、監視対象になっていたが、
一年ほどまえからロスト、以後消息不明、そんで…紫穂ちゃん曰く、『ヒュプノによる自己
暗示+催眠。外部からの精神本体への干渉は不可能。備考として、何らかのキーワードの存在
の可能性』っと」
賢木は報告書を机に投げ出すと、椅子ごと彼女に近づいた。
彼女は穏やかな寝息をたてて眠っている。その寝顔はむしろ幼くみえた。
「なんであんな爺に従ってんだか…」
彼女の髪をなでながら賢木はつぶやく。答えは知っている。バベルが、そして桐壺局長がどれほど
「エスパーの力の一般解放。それによる共生」を謳っても、所詮エスパーは国家の道具でしかない。
実際、バベルですら上級職にはエスパーはいない。
「柄じゃねえな」
思考を切り替え、彼女の心に手を伸ばす。
いた。暗闇に眠る眠り姫。手を伸ばすと、触れる直前に消え去り、離れたところに現れる。
数度繰り返し、賢木は接続を切る。
「なるほど、こりゃ無理だ」
賢木は立ち上がると机に向かう。
(おそらく、「目を覚まされ」そうになると、その自我を消して、別の「眠っている」自我を
作り出しているのか。つまり、彼女が認めない限り「起きない」わけか)
そしてペンを一本掴むと、再び彼女の元へ向かう。
「なら、物理的に刺激を加えるとどうかな?」
賢木の口元は微妙に歪んでいた。
賢木は彼女の服の前を脱がすと、ペン先で彼女を刺激する。
彼女の体が痛覚に反応する事を確認すると、満足げな吐息をもらした。
「なるほど、体まで麻痺させているのではなく、あくまで精神的なものなわけだ」
賢木は笑う。他人が見ればおそらくぞっとするような笑みを。
賢木はペンを置き、彼女の胸に手を当てると、再び彼女を『読んだ』。今度は心で
無く体を、性感帯を読み取る。記憶する。
そして何の前触れも無く、賢木の両手がうごめきだす。右手は乳房から鎖骨を経て
うなじへ。左手はわき腹からへそを経て内股へ。なでるように、こするように、揉む
ように。緩急をつけて。決して単調にならぬように。
賢木の両手は生き物のように彼女を這いまわる。やがて彼女の頬に赤みがさし、息が
荒くなる。乳首か硬く尖りだし、股が自然に開きだす。それは本能に従う雌の動き。
そして右手が、今まで決して触れなかった陰唇を掻き分け、陰核をつまむと、彼女は
全身を硬直させ痙攣した。
賢木はそんな彼女を満足げに見つめた後、半開きになった唇に自分のを重ね、舌を差し込む。
動かない彼女の舌とからめ、歯茎をこすり、上あごをなめる。
もちろん両手も活動を再開する。
やがて賢木の口はそこを離れ、うなじに痕の残らぬぎりぎりの強さで吸い付き、鎖骨に
ぬめりを残し、胸にたどり着く。乳房を堪能し、乳首に軽く噛み付き、吸い上げる。
へそを蹂躙し、叢を経て、ついに秘所へと達した。
十分に濡れそぼった秘所に舌が進入する。はねようとする腰をしっかりと捕まえ、十分に
犯す。
…やがて賢木が口を離した時には、彼女の秘所は唾液と、それ以外の粘液でびしょぬれに
なっていた。
賢木は手早く服を脱ぐ。引き締まった体と、…馬並みの一物が現れる。
賢木は一物をあてがうと、一気に貫いた。一物の先に彼女の子宮を感じる。
挿入だけでいってしまったらしい、痙攣する彼女の腰を掴むと、賢木の腰が動き出す。
単純なピストンだけでなく、捻るように、こすり付けるように、変幻自在に動き回る。
賢木は彼女にのしかかる。
「ふっ、うっ、はっ、うぅ…」
肺を圧迫された彼女の苦しげな吐息が漏れる。賢木の腰つきはより激しさを増し。
「うおっ!!」
賢木は直前に一物を引き出し、彼女の体に精液をぶちまけた。
「ふう…」
賢木は一息つく。しかし、一物はいまだに天を指していた。
「せっちゃん、2R目行こうか?」
まだ荒い息をつく彼女の目の前に顔を近づけ、賢木は宣告する。
彼女をひっくり返し、後ろから塗れそぼる秘所に突き入れる…
実のところ、賢木がもてないのはひとえにその性豪ぶりが知れ渡っているせいだった。
なにせ、賢木は商売女を病院送りにした「実績」があるのだった…。
「ふーーーーー満足満足」
賢木が彼女を解き放った時、彼女は息も絶え絶えに、瀕死の状態だった。
前で4回、後ろで3回、口で2回、胸で1回しておきなから平然としている賢木に比べ、
彼女がイッた回数は両手両足でも足りないだろう。
「おっといかん。皆本にばれたらうるさいからな・・・」
賢木は後始末を始める。朝の光のなかで。
翌日、いや、当日。
「それで何かわかったか?」
皆本の問いに賢木は黙って首を横に振る。
「くそっ、兵部の目的だけでもわかれば…」
「まあ、あせるなよ…まだ昨日の今日だ。時間はあるさ」
「ならいいんだが…ん、何だ?…わかった。すまないが出動がかかった。調査頼む」
あわてて出て行く皆本を見送りながら、賢木はつぶやく。
「大丈夫。ちゃんとやるさ…ちゃんと、ね」
聞こえていないはずの黒巻の顔がさっと青ざめたように見えた。
お粗末でした。長くなるとだめですね。反省。
お医者さんが生でとは宜しくないなあ
720 :
名無しさん@ピンキー:2006/02/10(金) 03:06:10 ID:O+GcLkKP
スレの下がりすぎイクナイ
投下GJ。
それでは今週号から、紫穂×皆本です。
久しぶりの二分割ですが、今回投下分は前フリなのでエロなしです。申し訳ない……。
【絶対可憐チルドレン 28th.Sence ナショナル・チルドレン@ OtherSide】
昏睡事件の慰労という名目でスーパー銭湯に来ていたザ・チルドレンと皆本。
近場で済まされたことに不満を漏らしつつも、三人はそれなりに楽しんでいるようであった。
──と、不意にチルドレンの前を歩き去る、巨乳を持ったソバージュの黒人女性。
外国人女性特有の日本人とは別種のボリュームで、浴衣を持ち上げゆさゆさと揺れる乳房。
そんな強烈なセックスアピールを放つ女性に、三人が興味を示さないはずはなかった。
女性を追って、三人はもう一度風呂に入りに行った……はずだったのだが。
「──皆本さん」
「っ!?」
不意に背後から掛けられた言葉に、皆本は飲みかけの牛乳を吐き出してしまいそうになる。
慌てて振り向いてみると、そこには紫穂が立っていた。
風呂上がりのせいか、いつものふわふわの髪の毛が少しボリュームを失くしている。
──その様がそのまま、紫穂の今の心境を現しているように、なぜか皆本は感じた。
いつもの笑顔ではなく、どこか無理をしているような。
「……二人と一緒に行ったんじゃなかったのか?」
皆本がそう問うと、紫穂は軽く首を横に振る。
「おトイレに行くって言って、先に行ってもらったの。
……ちょっと、皆本さんに聞いてもらいたいことがあって」
「……僕に?」
紫穂の真剣な口調に、皆本は牛乳瓶を傍らに置いて向き直る。
それを待って、紫穂はゆっくりと口を開いた。
「あの『未来』、私……見ちゃったの」
『あの』とは、どの事か……などと考えるまでもなかった。
先の昏睡事件で皆本が無限に突き付けられた未来の姿。
紫穂の表情を見るに、そのことを言っているに違いないと皆本は直感する。
息と共に言葉が詰まる。ただ、紫穂の次の台詞を待つしかなかった。
「皆本さんの心の中にね……、伊号おじいちゃんのかけたプロテクトがあったの。ずっと。
超度(レベル)7の私でも突破できないくらい強い防壁が。
──……この間までは」
薫は夢の中での告白を、予知の未来の姿を──目覚めたときには忘れていた。
ただ、皆本だけがその時のことをすべて覚えたままで目覚めたのであった。
──皆本は常にチルドレンを信じ、予知された未来を変えられると信じている。
──自らの心だけに閉じ込めて、ずっと。
そしてそれは、接触感応能力者(サイコメトラー)である紫穂にその事実を容易に知られることと同意であった。
「……し、紫穂……」
皆本の頬を、風呂でかいた汗とは別の冷たい汗が垂れ落ちる。
超能力者(エスパー)と普通人(ノーマル)が、互いに殺し合う未来──の予知。
そんな物を見せてしまったということに、皆本に自責の念が高まる。
つい今まで潤していたはずの喉が突然干からびたように乾いて、言葉が出ない。
それでもなんとか紫穂に言葉をかけようとした所で、当の紫穂がその言葉を奪った。
「──あれ、は……」
「いいのよ、皆本さん。判ってるわ。あれは可能性に過ぎないことも、
……皆本さんが私たちを信じてくれてることも。
薫ちゃんにも葵ちゃんにも喋ってない。あれは──あくまで可能性だもの」
10歳という年齢を感じさせない、大人びた表情。
紫穂は、皆本の杞憂をすべて理解していた。皆本の表情に安堵が浮かぶ。
──が、それも束の間。
「……でも、ね」
そう言った紫穂の眉根が悲痛に寄せられる。
あぐらをかく皆本に縋るようにして抱きつき、顔を胸板に埋める。
表情を見せまいとするかのように。
「────……私だけ、未来にいないの。……何でかな?
ねぇ、皆本さん……。……どうして、私だけいないのかな……?」
薫は「破壊の女王(クイーン・オブ・カタストロフィ)」として予知の中で皆本と対峙していた。
葵は、街の別の場所から薫に通信を送っていた。
──しかし、無限に繰り返される予知の中で、紫穂だけがまるで出て来なかったのだ。
そのことを今更気付かされ、皆本は戦慄を覚えた。
(……仲違い……? いや、それならまだ良い。もしも──……)
三人の絆の深さは、昏睡に陥った薫のために満足に寝もせずに見守ってことからも解る。
そんな三人がいがみ合い道を分かつということは、皆本には想像出来なかった。
──ならば、もしも。
「……私、あの未来だと……もう、死んで────」
「っ! バカを言うな……!!」
その考えは、勿論紫穂も共通のものであったらしい。
震える口唇でそう紡ぎ出した台詞を、皆本が声を荒らげて遮る。
そして皆本の両腕が、胸の中で縮こまる紫穂の背中をかき抱いた。
──そうしながら、改めて皆本は予知を思い返す。
あれだけ幾度も予知を繰り返して、一度も紫穂の名前が出ないことは不自然に過ぎた。
チルドレン三人の中で、直接自らの身を守る手段を唯一持たない紫穂。
一番先に狙われるとすれば、それは間違いなく──。
不吉な未来には冷静でいられた紫穂も、変えなければ必ず訪れるだろう数年後の未来に、
他の皆がいるのに自分がいないということには耐えきれないのか、
湯船に入って温まったはずの身体をガチガチと震わせて皆本に寄り添う。
「皆本さん、私、私──……」
告げたことで恐怖が高まったのか、顔色を青くする紫穂。
「私、そんなのイヤ、……皆、居るのに、私だけ、いないなんて──」
能力のせいもあってか三人の中で一番大人びていて、普段から冷静な紫穂。
その紫穂が涙を溜めながら自分にすがりつく様に、皆本は唾を飲み込んだ。
寄り添ったために顔のすぐ下に来た髪の毛から、ふわりと花のような香りがする。
それに混じって、恐らくは少女特有のモノであろう甘い匂い。
「やっぱり子供だったんだな」と考える暇などなく。
むしろ、子供であると自分に強く言い聞かせることを必要とし。
その弱さがむしろ愛しく。庇護してあげたいと。──僅かな劣情混じりにそう思ってしまった。
(──……っ! な、何を考えてるんだ、僕はっ……)
ふと浮かんでしまった考えを振り払い、真面目な思考を取り戻す。
絶望に震える少女の身体を、皆本は必死に抱き留めた。
「大丈夫だ……! あの未来は必ず変わる。僕は君たちを信じている。
──絶対だ。絶対に……!!」
気の利いた慰めの言葉も浮かばず、そう繰り返す。
どのくらいの時間が経っただろうか。
皆本の腕の中にいた紫穂が、俯いたままでぽつりと言葉を漏らした。
「──信じる、だけ……?」
「っ……!!」
か細く告げられた言葉に、皆本はハンマーで頭を殴られたような衝撃を覚える。
自分がしなくてはならないことを再認し、精一杯の思いを込めて語りかけた。
「読まれ」て既に伝わっているだろうことを、ゆっくりと噛み締めて言葉にする。
「違う、僕だって出来ることはなんでもするさ……!!」
「……なん、でも……?」
「ああ……!」
「──ホントね?」
「…? あ、ああ……」
「────そう」
次の瞬間、俯いていた紫穂がすっ、と顔を上げた。
その顔に涙のアトはあったが、表情はいつもの微笑で。
「それじゃ、一緒にお風呂に入りましょう?」
──と、嬉しそうに皆本にしがみつきなおした。
「え!? って、ちょっと、紫穂っ!?」
一気に混乱させられたのは皆本である。
真面目な話をしていたはずが、いきなりコレなのだから無理もないが。
「紫穂、っ……君は……」
当惑のまま問い掛ける皆本。ウソだったのかという落胆が、読まなくても顔に書いてある。
それを読み取ったのか、紫穂は意地悪そうな微笑みを浮かべる。
「全部本当のことよ。私が見たことも、全部。皆本さんが見た結末も……薫ちゃんとの新婚生活も」
「し、しんこ……っ!?」
その言葉に硬直する皆本を強引に促し、男湯へ歩みを進めていく二人。
「このままにしてると、未来で二人だけ「ああ」なるのよね?
それは、阻止しないといけないし。皆本さんは「何でもしてくれる」って言ってくれたし」
だから、もっと皆本との仲を深めておかなくてはいかないと。
だから、まずはお風呂なのだと。
いささか論理性に欠ける気はするが、そう言い放った。
「し、紫穂っ!? 男湯だぞ!? 判ってるのか!? は、恥ずかしくないのかっ!?」
兵部に突き付けられた「このロリコンムッツリ助平」と書かれた写真のことも思い出し、
嫌な汗をダラダラと流しながら思い止まってくれるよう進言する皆本。
だが、皆本に返ってきたのは、頬を赤らめて上目づかいに見上げる──
紫穂の、KO級の一撃であった。
「そりゃあ……恥ずかしいわよ? とっても。だから、皆本さん。
皆本さんだけが見れるように──――ちゃんと、私のハダカ、隠してね?」
屈ませた皆本の耳元に熱く囁きかける言葉に、皆本の中の何かが切れた。
夢遊病者のようにふらふらと動いたかと思うと紫穂を積極的に伴い、男湯へと歩を進めていく。
──その右腕に腕を絡ませた紫穂に伝わってくる皆本の心のナカは、
使命感や劣情や愛情のようなものががないまぜになって、渾然一体としていた。
自分に向けられる、そんな感情の奔流にさらされてぞくぞくと身震いをさせながら、
紫穂は一瞬だけふい、と皆本から顔を背けると、
「──薫ちゃんとだけ幸せになろうったって、そうはいかないんだから」
悪女の笑みと共に、そう呟く。
そして二人は『男湯』と書かれたのれんをくぐって行くのであった。
つづく
【おまけ】
──そうして、紫穂が皆本に連れられて男湯の脱衣所へ足を踏み入れたその頃。
「……紫穂、遅いなー」
「……ひょっとしたら、大きい方なんちゃうかな」
「そーかもなー」
もうもうと湯煙の立ち込める女湯の湯船に浸かった薫と葵は、
実は合衆国エスパーチームの一人である黒人女性の大きな胸を肴にそんなことを話していた。
おわり
以上、紫穂×皆本の前編でした。後編は男湯の中でむにゃむにゃとする予定です。
……これで実は読み落としてただけで予知の中にちゃんと紫穂がいたりしたら恥ずかしいですね。
それではまた。
>黒巻陵辱
GJです。何て賢木鬼畜なー。さすがカルい男といった感じです。
ただ、文頭に「賢木は」「賢木が」というのがちょっと多すぎるかなと感じました。
>>729 さすがのクオリティですね。GJです。後編に期待してます。
指摘された点はその通りだと思います。以後精進します。
いやもう、いつもベンさん(ぉぃ>自分)の作品には細かい突っ込み入れさせて貰ってるけど、
なんつーか空気がいいんですよね。だから敢えて指摘したくなっちゃうw
残念ながら今日は突っ込みどころなし。寧ろ目の付け所に感服しました。
絵も描けるのかよ!
才能に嫉妬w
椎名本人と確認しますた
そうだったのか!
なるほどーなるほどー
うは
まさかこんなところで拝めるとはw
太ももにあるのはパンツかと思ったら男の手なんだな
GJです〜。後編に期待w
しかし絵も上手い・・・うらやましい
GJ!
良い展開です!
続きも期待しとります〜!!
紫穂×皆本の後半も書いている途中なのですが、何となくネタが出たので時事ネタの小ネタを。
劇中でもチョコネタはやってほしいものですが、今のエピソードが終わるころには3月でしょうねぇ…。
【絶対可憐チルドレン Xth.Sence ヴァレンタインデイ・キッス】
「皆本さん?」
時は2月14日。世間がバレンタインデー一色に染まる中。
自室で報告書作りに追われていた皆本に、背後から落ち着いた声がかかる。
「……紫穂か。二人は一緒じゃないのか?」
パソコンの画面から目を離さず、背後の紫穂に語りかける皆本。
「薫ちゃんは友達と公園に行って来るって。
葵ちゃんは来月を見越して賢木さんに義理チョコあげに行ったわ」
『チョコ』という言葉を聞いて、皆本はふとキーボードの上を走らせていた手を止めた。
「……そうか、バレンタインデーだったな」
「うん。二人とも、帰ってきたら皆本さんにあげたいものがあるって。楽しみね」
そう呟いて、紫穂はソファに座る皆本のすぐ後ろへと歩を進める。
「――だから、私が一番乗り」
くすり、という僅かに妖艶な微笑み。
それと共に、かり……と、何か乾いたモノを齧る音が聞こえてきた。
かり、こり……としばらくその音が続く。
それが止んだかと思うと──、紫穂は再び口を開いた。
「はい、食べかけのチョコあげる♪」
──『いつものか』『紫穂らしいな』──と、振り向かないままに皆本が苦笑する。
その思考を遮るように、紫穂の手が伸ばされた。
頭と頬に這わされたその柔らかな手で、強制的に振り向かされる格好になる皆本。
背伸びをして、紫穂は皆本の顔に向けて首を傾ける。
そして身体に無理を強いる体勢のまま、紫穂の口唇が皆本の口に重ねられた。
「…………っっ!?」
まったくの不意打ちに、皆本は目を白黒させる。
口の中に、咀嚼されたチョコが流し込まれてきたのである。
どろ……ぉぉっ……。
口腔内の熱さでとろとろに溶かされた、溶岩のような熱濁。
それを潤滑油代わりに、紫穂の舌が皆本の口の中を蹂躙していく。
にちゅ、にちゃ、にちゅっ……。
「紫、……穂っ、っうっ! んんっ!!」
ねとりとした感触と共に、十歳の少女の口づけで良いように嬲られる皆本。
チョコの甘さを感じていられたのは、初めの少しの間だけであった。
二人の唾液を絡められ、すぐに溶け消えてしまうチョコ。
あとは、紫穂に与えられる唾液を嚥下するだけの口づけに成り代わっていった。
味などしないはずの唾液が、酷く甘露に感じられる。
口元から溢れるチョコと唾液のアトが、そのキスの激しさを物語っていた。
やがて、抵抗しないことを悟った紫穂の手がゆっくりと下へ降りていく。
ソファ越しのために下半身まで到達させることは出来なかったが、
緩められたワイシャツの襟元から侵入するには十分であった。
カリ……!
「んっ!? んんっっ!!」
人指し指の爪が皆本の胸の突端を軽く引っかく。
皆本が新たな衝撃に驚いて身を震わせた隙に、紫穂はさらに深く口づけをしていった。
舌先を喉へも届かせようというかの如き勢いで、深く舌を口腔の奥まで届かせていく。
器用に皆本の上顎を、歯朶を舐めねぶり、舌同士を絡ませあった。
「っ!! んむっ──……!!」
ペニスを嘗められるのとは違う、口腔同士の、しかも一方的な接触による快感。
背筋をぞくぞくと震わせる別種の悦楽が、皆本の全身へと波及していった。
ちゅぱ……っ。
舌を引き抜くように口唇を離した紫穂が、眼下の皆本の表情をまじまじと覗き込む。
未知の快楽に緩んだ貌。まなじりを泣きそうな程に下げ、
更なる愛撫を求めるように半開きの口を動かす様を満足げに眺めて、
長く深い口づけで昂った自身を震わせて、舌なめずりをしながら紫穂は熱い息を吐く。
「んぁ……っ。皆本さん、可愛い…………♪」
────ぞくぅっ!!
その一言が、引き金になった。
年端もいかぬ少女に『可愛い』と揶揄される屈辱に、身体中から熱さが込み上げてくる。
熱さが屈辱以外のモノから来ていると、半ば気付いてはいたが
「ぁ……やめ、ろ……っっ!!」
口だけで拒否をしつつも、笑みの形から開かれる紫穂の口腔粘膜から視線を離せない。
蠢く舌が、まるで何かの軟体動物のように見える。
捕食される──と、皆本が本能的な危険を察したのも、当然であっただろう。
口元にばかり注意が行ってしまっていたので皆本本人も気付いていなかったが、
そのペニスはズボンの中ですっかり固く反り返り、暴発寸前だった。
──そして、皆本本人が気付いていないことも、紫穂には読み取られてしまっていて。
見せ付けるように大きく口を開き、かぶりつくようにとどめの口づけをしにかかる。
ん……んちゅうううぅぅぅっっ……っ……!!
「んッ、ん、むぅぅぅっ!!」
それまでよりも更に強い紫穂の吸いつきに、明滅する皆本の意識。
ビリビリと痺れるような感覚に合わせて全身に伝播する快楽のパルスに耐え切れず、ついに限界が訪れた。
「んぐっ!? んッ――――!!」
口を塞がれたまま、目をしきりに瞬かせる皆本。ガクガクと腰が前後に震え、内側での放出の勢いを伝える。
ペニスからぶちまけられた精液は、外側からは見えないが確実に皆本自身へと降り注いでいった。
「……ンっ……」
鼻でだけ繰り返される呼吸の荒さをこそばゆく感じたのか、紫穂が顔を上げる。
間近で苦しげに射精を続ける皆本の額に浮いた汗を舐めとると、ようやく皆本から身を離した。
「はぁ、はぁっ────……」
声も出せず、顔を赤くし目尻に涙まで溜めて息をつく皆本。
そんな10歳年上の成人男性の顔をまるで宝物のように眺めながら、
紫穂は口元をハンカチで拭いてにっこりと頬を綻ばせる。
「……ごちそうさま♪」
してやったりと言わんばかりのその表情を、皆本はただ恨めしげに睨むことしかできなかった。
======================================
「たっだいま──!!」
「帰って来たでー」
「〜〜っっ!!」
紫穂との口唇交合の余韻も覚めやらぬ中、玄関から元気に響く薫と葵の声。
一種哀れなほどに皆本は慌て、弾かれたようにソファから立ち上がる。
口元のチョコと唾液の洗い落とし、そして何より下半身の始末のために洗面所に駆け込んでいく。
キスで与えられた性感だけでズボンの中で無様に射精してしまった、
──それでもなお屹立し続ける股間を前かがみになって隠しながら。
そんな皆本が自分の横を通り過ぎる瞬間に、紫穂は挑発的な笑みを浮かべる。
「皆本さん、来月のお返し……、期待してもいいわよね?」
その言葉が、何を望んでのことなのか。
以後一ヶ月の間、皆本は悶々と悩まされることになったという。
おわり
以上、バレンタインSSでした。
皆本受け過ぎな気もしますが、いつか書いた13話のSSとはパラレルということで…。
ちなみにタイトルの元ネタと私の年齢は比例しません。
それではまた。
うわははははGJです。
てぃんこ勃ちました。
ぐぐぐGJ!!
確かに13話SSでの
紫穂をキスだけでイかせた攻め皆本とはどうみても別人です
受け皆本これもまた良し
ありがとうございました
それでは、場所を男湯に移しまして紫穂×皆本の後編です。
公の場での性行為……というくくりになりますので、野外露出風味と言えますでしょうか。
【絶対可憐チルドレン 28th.Sence ナショナル・チルドレン@ OtherSide 後編】
実際、10歳の少女が男湯に入るということは、ないわけではない。
独りでは髪や身体をまだ満足に洗えない子供や、親が見ていないと危ない場合、
異性の親が銭湯に入れてやることなどはままあることである。
──とは言ってもそれは、まだ二次成長も迎えていない子供であることが常で、
普通、異性を気にする年頃になってはそうすることはない。
接触感応能力(サイコメトリー)は、モノに触れてその来歴や思考を余さず読み取る能力。
それを最高超度(レベル)で持った紫穂は、人一倍成熟が早かった。
故に。皆本と共に男湯の脱衣所に入った紫穂の心臓は、
自分以外すべてが異性であるという状況に、破裂しそうなほどに脈動していた。
とはいえ、ここで恥ずかしがる素振りを見せれば逆に注目を浴びてしまうことは自明の理。
紫穂はごくん、と喉を鳴らして意を決すると、浴衣の帯を解いていく。
脱衣所の隅の隅に陣取り、紫穂が角に立つ。その姿を他人の視線から遮るために皆本が立っていた。
帯を解き終わり脱衣籠に入れると、留めを失った浴衣の合わせ目から紫穂の白い肌が覗く。
首筋から、僅かな膨らみを見せる乳房の中央を通り、可愛らしいおへそを通って──、
そして、まだ生えかけの和毛が眩しい肉の割れ目へと。
皆本の呆然とした視線が、なぞるように下ろされていく。
それを敏感に察して、紫穂が浴衣の合わせ目を恥ずかしそうに閉じた。
「……皆本さんのえっち」
「! や、いや、違う、そ、そのっ!!」
この期に及んで言い繕おうとする皆本に、紫穂は可笑しさを覚える。
それと同時に、これこそ皆本らしいとも思うのであった。
「……それじゃあ、脱ぐわね。──ちゃんと、隠しててね?」
言うが早いか、ゆっくりと見せつけながら浴衣の前を開く紫穂。
肩口からするりと落とされるようにして、生まれたままの姿が露わになった。
まだ子供らしさを残した身体なのに、やけに大人じみた所作が劣情を煽る。
小さな胸の頂点にある桜色の乳首が白い肌のアクセントになり、可愛らしさと同時にいやらしさを引き立てていた。
皆本はその裸体から目を離すことが出来ないまま、震える手で紫穂にタオルを渡す。
入浴用の小さいそのハンドタオルは、縦にしてようやく胸と股間を隠すことの出来る程度の代物であった。
胸を隠すように片手で持ち、もう片方の手でタオルを伸ばすようにして生えかけの陰毛を隠す紫穂。
それでも少し動かすと乳首や恥毛が見えてしまいそうになるほどで、どうにもままならない。
「……そ、それじゃ……、行くぞ」
「う、うん……」
皆本が少し後ろに立ち、なるべく紫穂を壁際に位置させるようにしながら歩く。
そんな中で、他人の目から隠す──という大義名分を抱えつつも、
内股になりながら歩く紫穂のお尻に皆本の目は釘付けだった。
歩くたびにふりふりと揺れる白いお尻。
「もう、皆本さんっ。……今はまだ、ダメ……っ」
それに気がついた紫穂が皆本を振り向き、咎める声を出す。
──が、両手は前を隠すために塞がっているので、普通に歩くよりも余計にお尻が揺れるだけで。
紫穂を庇いつつ、皆本は自らの下半身に流れ込む血液を抑えるのに必死であった。
カラカラ……と、浴場のガラス戸を引くと、もわりと熱気が漂う。
なるべく人気のない壁際を選んで、そこを陣取る。
紫穂と自分の分を合わせて二つのイスを取ろうとした皆本を、紫穂が制した。
「一つでいいわ。……私が独りで座ると、後ろからお尻とか見られちゃうから……。
皆本さんの膝に座らせてちょうだい?」
「っ……! そ、そう、か……、分かった……」
風呂の熱気よりも、内側から来る熱気にあてられて目眩を感じる皆本。
周囲を気にしながらタイルの上にイスを置いて、まずは自分が座る。
──と、紫穂が前面の鏡に手を着き、横からひょいと脚を上げて跨がってきた。
「っっ!!」
皆本にお尻を向けて脚を開く。当然のように秘所のすべてを皆本の眼前に晒して。
恥毛は土手にしか生えていないため、皆本が目にした割れ目はまだつるつるの無毛で。
少しだけ開いた秘裂の上、丸い尻たぶの分け目の奥の密やかな窄まりまでもが目に入った。
皆本の膝の上に座る紫穂。柔らかい太腿が、背中が皆本に密着する。
鏡越しに、紫穂は皆本に話しかけた。
「残念だけど、薫ちゃんと葵ちゃんを待たせちゃってるから……。
あんまり長くは入っていられないわね。
身体を洗って、お風呂に入るだけにしておきましょ?」
僅かに曇る鏡越しにそう告げて笑う裸の紫穂。
視覚と触れ合う肌の触覚、そして紫穂の洗い髪の匂い──嗅覚と、
三つの感覚を同時に刺激されて皆本の息はどんどんと荒くなっていく。
「はい、皆本さん」
そんな皆本の劣情に出口を与えるかのように、紫穂が据え付けのボディシャンプーを取り渡した。
びゅぶ、びゅぶっ……と、幾分か多めにその中身を手に取り、皆本は両手で泡立てる。
そして真白いシャボンに包まれた手を、それに劣らぬほど白い紫穂の肌に塗り付けた。
「は……っ、くぁ……ぅっ! んッ!!」
肌の上を滑る大きな掌の感触に、声を噛み殺して喘ぐ紫穂。
胸の膨らみを楽しむようにこねまわし、先端の乳首をこするようにつまむ。
なだらかな稜線を描くお腹と背中をなぞり、腕をバンザイの状態に上げさせる。
「っ、ひっ、はぅんっ……!?」
脇腹に浮いた肋骨の隙間にも指を滑らせ、脇の下から指先まで丹念に洗っていくと、
紫穂は断続的に吸い込むような悲鳴を発した。
「ひぁ、っ、皆本さんっ、く、くすぐった……ふぁっ」
口唇を噛み、声がなるべく漏れないようにしながらも我慢できずに嬌声をあげる。
そう言いながらも腕を下ろさずに皆本の好きなようにさせてくれるので、皆本は更に調子に乗った。
几帳面に首筋、耳の後ろまでボディソープを塗り込め、上半身をすべて泡まみれにしてから下半身に手を伸ばす。
「ふぅっ、ぁっ、っっ……んっ」
まだ細いが十分に女の子らしい柔らかさに満ちた太腿を、尻たぶを両手で包むようにして洗い、
両足を爪先──足指の股の一つ一つにも念入りに指でこすりあげていった。
身体を移動させずに足を曲げさせて洗い続けていた為、
紫穂は皆本の身体の上でカエルのように膝を曲げ秘所を剥き出しにした格好で固定されていた。
全身が泡に包まれていく中、未だ一度も触れられていない剥き身の割れ目だけが、
肌色を誇示するようにひくひくと震える。
尻の下の、タオルを隔てた皆本自身が緩やかに勃ち上がっていることも、紫穂の性感の昂りに拍車をかけていた。
生地越しに秘所をごつごつと突き上げるそれが、サイコメトリーよりも早く皆本の劣情を伝える。
肩で息をしながら、紫穂は直に触れて欲しいと訴えるように皆本を見た。
「み、皆本さん……、────……」
名を呼ぶだけの問い掛けを理解し、皆本が頷きを返す。
そうして、秘所を残したすべてをボディソープで包み終えた指先が、
この時を待ちかねたように──紫穂の一番大切な場所へと伸ばされた。
恥毛を指に絡め、優しく梳きあげる。外側から徐々に内側へ向けて、陰唇を指先で弄んでいく。
「ん……っ、ぅ、ふぁっ──」
軽く触れただけで洪水を起こしたように内側から沁み出す愛液が、秘所周りの泡を溶かす。
その反応に、皆本はこれ以上焦らす必要はないと判断した。
そして、恐らくは紫穂の身体の中で最も弱いであろう箇所に、触れる。
にゅるっ────!!
「ひぁ、ンッ、ンンッ──!?」
皆本の指先が紫穂の陰核の包皮を剥きながら、
──自身のペニスをしごきたてるのと同じ要領で上下にすりあげていく。
「ンっ、んひっ、んんんッッ!!」
同時にもう片方の手の指先は背後から回り込み、浅くではあるがお尻の穴にさえも抽送を繰り返す。
共に泡まみれだったはずの指先は紫穂の愛液で洗い流され、紫穂の昂りようを如実に示していた。
身体が絶頂を予感して、自然と足を突っ張らせる。
攣ってしまいそうなほどに伸ばされた足が、鏡についてずるり、と滑った。
「は、ひぁ、っあぁっ、っっ……!!」
その瞬間、紫穂の目が鏡の中の自分と合った。
周囲に他人のいる空間であるにも関わらずひどく乱れた自らの姿に、今さら羞恥心が沸き上がる。
脚の中心で開く自身淫花の肉色が、やけに目に痛く見えた。
それを察したか、皆本の口元が紫穂の耳に寄せられる。
『ほら、周りの人が皆──後ろから紫穂のここを見てるぞ……?』
――キュ、ン――――!!
暴走するように発動した紫穂の能力が、皆本の声と心を同時に耳に届けた。
それは誰に見られるより恥ずかしい、内側と外側から一斉に責められる感覚で。
「っ、あぅっっ、や、イっちゃ、っ……――――!!」
ビクッ、ビクンッ――――!!
ぶるぶると震える鏡の中の自身の痴態を眺めながら、紫穂は絶頂に達した。
泡と恥液に包まれたまま、背後の皆本にぐったりと倒れこむ。
そして小さな胸を上下させつつ目を閉じて、すべてを優しく洗い流すシャワーを浴びるのであった。
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──そんな饗宴が繰り広げられているころ、女湯では。
湯船に浸かった薫と葵が、紫穂を待ち疲れて湯あたりでダウンしかけており。
また、合衆国エスパーのメアリー・フォードもチルドレンが三人揃っていないことに警戒し、
実はすべて見張られているのではないかと懸念して攻めあぐねていた。
そんな膠着状態を無視するように。――というか意図的に考えるのをやめつつ。
壁一枚隔てた男湯では、紫穂と皆本がゆっくりと湯船に身を沈めていた。
体勢は、ちょうど対面座位のように。
座る皆本に、紫穂が正面を向き合う形で座り、ちゃぷちゃぷと水面を揺らしながら。
『仲の良い兄妹』
──と周囲に見られようとするには、いささか仲の良すぎる格好で見つめ合っていた。
予知への答えは出ようはずもなかったが、とりあえず二人の仲は少し深まったようである。
おわり
容量いっぱいで終わらせるとは凄いな
まだ多少は書けるだろ
てぃんこ勃ちました。
おいちいおかず、ごちそうさま。
GJ〜!
ギリギリ感がよいですなぁ。
そしてスレ立て乙です!
そういえば、以前、家で3人が入浴していて、そこに誰かが来た時に
「きっと皆本だ」と引きずり込んだ時が有ったよね?
この3人の子たちは、皆本になら裸を見られても良いと思ってるのか?
一緒にお風呂に入ってもかまわないのか?
いかん、妄想が妄想を呼ぶ。
て、いうか、意味無し埋め。
あのシーンでは薫&紫穂は間違いなく、裸OKと思ってるな。
葵は「今ウチラ丸出しやで?」とか言ってたから
丸裸以外(タオル装着とか?)ならOKかと。
どっちにしても、混浴程度なら問題無しと…ハァハァ