「す、凄い…」
「う、うん…まさに必殺技かも…」
脱力して床に横たわり、ハアハアと息をするのが精一杯の一夏。それを見下ろす皐月と蛍子が発した言葉はそれだけであった。電気あんまとは一体いかなる技なのか疑問に感じていたのだが…その実態は二人の
予想を遥かに越えた大技であった。一人エッチの経験が皆無の一夏でさえも、容易に昇天させてしまう
とは…「対女の子専用の必殺技」という未知留の言葉に偽りは無かった。
振動こそ止めているものの、未だ一夏の両足首を掴み、そのスカートの中に脚を差し込んだままの
未知留が、二人の言葉を受けて言う。
「…そうですね…女の子にとって…この電気あんま以上の責め技なんて…存在しないかもしれませんね…」
「その…未知留ちゃんは誰から、これを教えてもらったの?」
「…さっきも言いましたけど…私は妹がいますから…」
「え?妹さんから教えてもらったわけ?」
「…いえ。姉妹がいれば…自然に思いつくものですよ…」
皐月の抱いた疑問に答える未知留。確かに彼女には小学生の妹、瑠唯がいる。
「そ、それじゃあ、未知留ちゃんは妹さんにも…この技をしちゃうわけ?」
「…はい。でも…妹にする時には…主に悪いことをした時のお仕置きとしてですけど…」
「そ、そうなんだ…」
「…でも…兄弟姉妹がいなかったとはいえ…電気あんまの経験が無いのは…女の子としては…少し勿体無いことかもしれないですね…」
「「…それは確かにそうかも…」」
首肯する皐月と蛍子。未だにぐったりとしたままの一夏の姿を思えば、未知留の言葉に反論出来るような
余地は無い。女の子として生まれた以上、この電気あんまという奥義を耐える事が出来る術などあり
そうに無い。一方的に蹂躙され、快感の極みへと追いやられる運命を甘受するしかないであろう。
もしも一夏では無く、自分が電気あんまの餌食になっていたなら…間違いなく今の一夏と同じように悶絶していたであろう。そう考えると、思わず内股になって両手で股間を守ろうとしてしまう皐月と蛍子であった。
「で、でも、さっき未知留ちゃんは『由緒ある拷問技』なんて言ってたけど…そんなに拷問って感じはしないんだけど」
「あー、確かに蛍子の言う通りかも…」
蛍子の抱いた疑問も当然だろう。女の子の一番大切な部分を、足底で震わされ、揉みしだかれ、蹂躙されると
いうのは、ある意味、屈辱的な事かもしれない。だからと言って、拷問技と言うにはいささか言いすぎで
あろう。何より、悶絶している一夏だって、苦痛によってそうなったのではない。甘い快感によってそう
されてしまったのであり、これでは拷問になっていない。
しかし、そんな疑問に対しても未知留は答える。
「…それはですね…脚を振るわせるのでは無くて…大事なところを踏み抜くような感じにするんです…」
「う…確かにそれは…」
「…拷問技かも…」
「…お仕置きの時は…そのやり方ですね…」
「「…」」
つい先程、お仕置きとして妹に電気あんまを炸裂させると言っていた未知留に、それはお仕置きになってない
のでは無いかと思った二人だったが…今の未知留の言葉を聞いて考えを改める。オマタを打ちつけられた時の
苦悶は想像に難くない。そんなお仕置きをされてしまう瑠唯に同情を禁じえない皐月と蛍子であった。
もちろん、一夏に対してはそのような電気あんまを炸裂させるつもりなど、未知留には毛頭無かったので
あろうが。
「…でも…拷問技と言われるのには…本当の理由があるんですが…」
そう言うと未知留は、一夏のスカートの中に差し込んだ脚を再び蠢かし始めるのであった。
「ひゃああ!み、未知留ちゃん!」
荒かった息も何とか落ち着き、絶頂の極みからようやく舞い戻ってこようとしていた一夏であったが…
再び加えられる股間への振動に声を挙げてしまう。
「あう…あ…お、お願いだから…や、やめて下さい…」
「…」
「はああああん!!」
一夏の必死の懇願も耳に入らないのか、未知留はそのまま振動を強めていく。既に一度昇天させられて
敏感になっている一夏に、その振動が耐えられようはずもない。女の子の部分から全身に広がっていく、
蠱惑の快楽刺激に、再び一夏は絶頂の極みへと押し上げられていくのであった。
しかし…それはまだプロローグに過ぎなかった。一夏にとっての地獄はこれからなのであった。
「あ…あ…も、もう…駄目です…」
「…まだ…です…」
「…え?」
ますます激しくなる振動により、再び昇天してしまうかと思われた一夏であったが…その直前に未知留が
右脚の振動を緩めたのであった。それだけではなく、一夏の一番敏感な部分からわずかにずれた部分へと
脚の位置を変える。
あと僅か、そのままの振動を与えられ続けていたら果ててしまっていたであろう一夏にとって、それは
絶好の息抜きとも言えた。とはいえ、未知留の脚の振動そのものは依然として続いており、力が入らない
状態には変わりないのだが…ゆっくりと思考回路が回復するには充分であった。
「み、未知留ちゃん…許してくれるんですか?」
「…いえ…違います…ごめんなさい…一夏ちゃん」
「きゃああああ!!!」
電気あんま地獄から開放されるかと思った一夏であったのだが、その期待も一瞬のこと。未知留は再び脚の
位置を調整し、振動を強めていく。またしても絶頂の間際へと追い込まれていく一夏。だが一夏がまさに
果てようとするその直前、未知留は先程と同じ様に振動を緩めたのである。
「あうあう…ま、まさか…未知留ちゃん!」
「「…これってもしかして…」」
この時点で一夏も、事態の推移を見守っていた皐月と蛍子もようやく未知留の意図に気付いたのである。
ごく短い時間の間に昇天間際まで追い込まれるのと、そこから開放されるのを繰り返す…。
「…そうです。この無間地獄のような責めこそ…電気あんまが拷問技と呼ばれる…本当の理由です…」
ついに未知留の口から明らかにされる真実。快楽の坩堝に叩き込まれ悶えてしまうこと…女の子にとって、
それはハシタナイ事であると同時に、喜びでもある。しかし、それも絶頂に至った場合のこと。絶え間なく
襲う甘美な責めに身を委ねようと、決して絶頂に至ることを許されず…だからと言って、その責めからは
決して解放されることもない。女の子にとって、これ以上の生き地獄があるであろうか?女の子を生殺し
状態で虐める…電気あんまとは、まさにそのために長い年月を経て洗練されてきた技なのである。
「いやあああ!だめえ!ゆ、許してください!」
その後も一夏を嬲り続ける未知留。完全に果ててしまう間際まで追い詰められながらも、その直前で解放
される。さりとて、快楽の波が一段落したところで再び絶頂へと押し上げられていく。そして再び解放…。
振動の強弱と脚の位置を微妙に変化させながら、女の子として生まれてきた喜びと苦しみを一夏に
味あわせ尽くす未知留なのであった。
「だ、だめ…も、もう…限界…です…」
一夏が未知留の電気あんまの餌食となってから既に十五分以上が経過していた。その間に、幾度となく
昇天直前へと昇り詰めさせられた一夏に、もはやまともな思考能力は残されていなかった。女の子のところ
から押し寄せる快感によって四肢は完全に脱力し、抵抗する力さえ入らない。頬を真っ赤に染め上げ、
涙を湛えた切なげな瞳で未知留に懇願することしか出来ない。
「お、お願いです…もう…これ以上…虐めないで…ください…」
「…一夏ちゃんは…どうして欲しいのですか?」
「…お願いですから…最期まで…私を…逝かせて…ください…」
「…分かりました…トドメを…刺してあげますね…」
普段の真面目な一夏からは決して聞くことが出来ないであろう、ハシタナイお願い。それを聞き遂げた
未知留は、これで拷問は終わったとばかりに、今日最大の振動を一夏の女の子の核を中心に送り込む。
「ひ!ひゃ!!はああああああああああ!!!」
全身を仰け反らせ、絶叫とともに遂に昇天へと至る一夏。ビクンビクンと体を震わせながら…気を失って
しまうのであった。
「…これで終わり…ですね…」
一夏が果ててしまうのを見届けた未知留は、ゆっくりとスカートの中から右脚を抜く。ストッキングに
包まれたその爪先は…一夏の淫液のためにくちゅくちゅと濡れそぼっていた。
「…ごめんなさい…一夏ちゃん。ちょっと…やり過ぎてしまいました…」
「い、いえ!わ、私も…あんな風になっちゃうなんて…さすがに思っても無かったですし…」
一夏が気絶していたのは、それほど長い時間ではなかった。徐々に意識を取り戻していく一夏であった
が、体の回復の方はそうはいかなかった。女の子の敏感な部分を責める技ではあるが、恥骨を踏み
抜かれたりしない限り、電気あんまが肉体に残すダメージは決して大きくない。無論、未知留が一夏に
行なった電気あんまは、完全に快楽系のそれであったが…さすがにすぐには腰に力の入らない一夏であった。
漸く立ち上がれる位にまで回復してきた一夏に対して、謝りの言葉を述べる未知留。そういう状況だった
とはいえ…さすがに調子に乗り過ぎたと反省しているのであった。
「…その…もう…脱ぐしかないですよね…」
「…はい…私もストッキングを履き替えないと…」
自分のスカートの中の状況を把握して真っ赤になってしまう一夏。あれほどの責めを受けた以上、
ショーツもパンティストッキングも洪水状態になってしまっているのは想像に難くない。その部分に押し
当てられていた未知留の右脚も…そのまま靴を履くことなど出来そうにないであろう。
「…未知留ちゃんは…ストッキングの替えは持ってますか?」
「…はい。鞄の中に入れてますので…」
「…私もストッキングはあるんですけど…問題は…」
「…下着…の方ですよね…」
伝線した時のために、予備のストッキングを用意しておくのは女の子としての嗜みであるが、一番の
問題点は…一夏のショーツをどうするかであった。水泳の授業でも無い限り、替えのショーツなど持ち歩いていないのが普通である。
「…皐月ちゃんと蛍子ちゃんが戻ってくるのを…待つしかないですね…」
「…はい。まだ売っていれば良いんですけど…」
「ただいまー!」
「購買部にまだ在庫があったから買って来たよー」
「本当ですか?」
「うん、はいこれ。水着用のアンダーショーツね」
一夏の介抱を未知留に任せて、皐月と蛍子が向かっていたのは校内の購買部であった。いくらパンティ
ストッキングを身に着けたからといって、替えのショーツ無しで表を歩けるはずが無い。何とか調達せねば
ならないのだが…とりあえず思いついたのがアンダーショーツを代替品にすることであった。
既に水泳の授業がある季節も過ぎ去っており、購買部でまだ売っているかが問題だったが…一夏にとって
幸運な事に、何とか入手できた。ただ無駄な出費となってしまったのは痛かったが。
「それじゃ私と蛍子は表で待ってるからね」
「また後でね、一夏ちゃん。未知留ちゃん」
女の子同士とはいえ、さすがに気を利かせて教室から出て行く二人。替えのストッキングを手にした未知留が
告げる。
「…お待たせするのも悪いですし…着替えましょうか…」
「はい…」
未知留に促されて、ストッキングとショーツを脱ぎ始める一夏。未だ火照りを残したままの股間が、外気に
晒されるのが気持ちよく感じられた。
「あ…」
とんでもない状況になっているストッキングとショーツを実際に見て顔を染めてしまう一夏。予想はして
いたものの…さすがに恥ずかしさに悶えてしまう。そんな一夏の姿を見ていた未知留が声を掛けるのだった。
「…大丈夫ですか、一夏ちゃん…」
「い、いえ。さすがに少し…恥ずかしくなってきて…」
「…電気あんまの餌食になったのですから…仕方がありませんよ…」
「…そうなんですか…」
未知留の慰めの言葉であったが、それで一夏の羞恥心が消えて無くなるわけでもない。そんな彼女の心中を
感じ取ったのか、未知留は更に言葉を紡ぐ。
「…一夏ちゃんだけじゃありませんよ。皐月ちゃんも…蛍子ちゃんも…私も…もし電気あんまの犠牲者に
なってしまったら…きっと同じように…なると思います」
「…電気あんまって…恐ろしい技なんですね」
「…ええ。女の子にとって…これほど恐ろしい技は…他には無いでしょう…」
未知留の言葉どおり、女の子に生まれたことを、これほど後悔させられてしまう技は他には無いであろう。
しかし、同時に女の子に生まれた悦びをこれほど味あわせてくれる技も他には無い。天国と地獄…
電気あんまとは、この二つを兼ね備えた対女の子必殺技なのだ。
「でも…私一人が餌食にされたのって、何となく不公平かもです」
「…それじゃ…今度は皐月ちゃんや蛍子ちゃんにも…餌食になってもらいましょうか…」
「え?」
「…でも…もう学校では止めておきましょうね…」
ふと口から漏れ出た一夏の不満に対して答えた未知留の言葉。それに驚いた一夏は、未知留の顔を見た
のだが…いつもの静かな彼女と変わりがなかった。いや…ほんの一瞬だけ…妖艶な笑みを浮かべた気も
するのだが…一夏の気のせいだったのだろうか?
いずれにせよ、この瞬間に皐月や蛍子の運命が決まったのかもしれない。そして…一夏自身も更なる
電気あんま地獄に絡めとられることが決められてしまったのであろう…。