厳しかった残暑も影を潜め、少しずつ深まっていく初秋のとある午後のこと。
ここ鎌倉女子学園でも、一日の授業は全て終了し、今は放課後の掃除時間であった。
「ふう…季節はもう秋なんですよね…」
この学園に通う中学二年生、橘一夏は一人呟く。
「あれえ?一夏ちゃんったら何を物思いに耽ってるの?」
「うんうん。ため息なんかついてちゃいけないぞー」
一夏の独り言を聞きとがめた篁蛍子と多岐川皐月が詰め寄ってくる。今、一夏達は掃除当番として
音楽室の掃除中なのであった。とはいえ、掃除そのものは既に終わろうとしていたが。
「い、いえ。別に物思いとかため息とか…そんなんじゃなくてですね…」
友人達の言葉に慌てて弁解を始める一夏。同級生の皐月や蛍子に対しても丁寧な物言いをするところが、
生真面目な一夏らしいと言えば一夏らしい。
「…秋は誰でも…アンニュイになる季節ですから…」
「そ、そうですよね。未知留ちゃんの言うとおりです」
もう一人の掃除当番であり、友人でもある宗方未知留が助け舟を出してくれる。しかし、実際のところ、
一夏が物思いに耽っていたのは間違いでは無いのだ。過ぎ行く夏の日を感じ、自分の分身とも言うべき
少女、黒城舞夏のことを思い出していたからだ。
この中学二年生の夏休み、一夏は舞夏と一緒に『試し』と呼ばれるとてもとても不思議な体験をして
来たのだ。それは少年少女が大人になっていく通過儀礼とも言うべきものだったのだが…一夏には今でも
良く分からない。一つだけ分かっているのは、この夏を過ごした舞夏はもうどこにもいないと言うこと
だけ…。
「少し…今年の夏のことを思い出していたんです…」
「そっか…今年の夏は…色々あったもんね」
「うん…色々あったよね…」
「…ええ…色々…」
一夏の言葉を受けて皐月、蛍子、未知留もそれぞれの夏の思い出を反芻する。一夏のような不思議な
体験では決して無いが、三人それぞれが色々な事を経験していたのだ。それは彼女達が大人の女性に
なるために必要な経験ではあるのだろうが。
「…大人になるって…どういうことなんでしょうね?」
「…大人…ですか?」
ポツリともらした一夏の呟きに、未知留が反応する。少女から女性に変わろうとしている、この年代の
女の子達にとって、その疑問は単純ではあるが、それ故に深遠でもあり…容易に答えが導き出される
ようなものではない。
「…私には分からないです…。いえ、もしかすると…誰にも分からない事なのかもしれないですね…」
「あはは、未知留ちゃんに分からなければ、私には絶対に分かりっこないかな」
「そうですよね。未知留ちゃんにも分からないんですから」
四人の中で一番の物知りである未知留にだって分からないのだ。他の誰もが分かるはずも無いと、一夏も
蛍子も単純に納得したのだが、皐月だけが異を唱えたのであった
「うーん、大人になるってことの全てが分かる訳じゃないけど…一部分だけだったら分かるよ」
「「「え?」」」
皐月の意外な言葉に思わず声を揃える三人。
「皐月ちゃん、一部分だけって…それは例えばどういう事なんでしょうか?」
代表として一夏が皐月に尋ねるが、皐月はそれには答えず、すすすと一夏の方に近づいていく。
「それはね…例えば…こういう事!」
「きゃあああ!!!」
皐月は一夏に近づくと、突然、彼女のスカートを前から思いきり捲り上げたのであった。当然の帰結と
して、一夏のスカートの中が少女達の眼に晒される事になる。ほんの一瞬のことであったが、学校指定の
黒いパンティストッキングを透かせて、中学生らしい淡いピンクのショーツが顕わにされたのであった。
スカートを両手で押さえて思わず後ずさる一夏も、さすがに抗議の声を上げる。
「さ、皐月ちゃん!い、いきなり何て事するんですか!」
「あはは、ごめんごめん。実例で示した方が良いかなって思ったから」
「え?実例?」
「つまり…大人の女は下着も大人っぽい物を穿くってこと。一夏ちゃんはまだまだだよねー」
「えー!」
抗議を受けての皐月の弁明に、再び声を上げる一夏。確かに皐月の言うように自分の身に着けている
下着は、決して大人っぽい物とは言えないが…何も自分を見本にする事は無いだろうと思う一夏であった。
「皐月ちゃんのいう事にも一理あるとは思いますけど…」
「でもさあ、女の子同士なんだから、スカート捲られた位で一夏ちゃんもそんなに驚かなくても良いんじゃないかな?」
「け、蛍子ちゃん!お、女の子同士だからって…そういう問題では無いと思います!」
今度は蛍子の言葉に抗議の声を挙げる一夏。女の子同士であってもスカートの中を見られて恥ずかしく
ない訳がない。こういう事に関して、一夏の精神年齢はある意味とても初心でネンネなものと言えるだろう。
「そうだよー。体育の着替えも、水着の着替えも一緒にした仲じゃない」
「もう、皐月ちゃんってば!だから、そういう問題では…」
「それに一夏ちゃんってば、パンストまで履いてるけど真面目だよねー」
「うんうん、この季節にパンスト履くのはまだ暑いのに」
「え?え?だ、だって冬服の時にストッキング履くのは決まりじゃないですか」
いきなり変わった話題に狼狽する一夏であった。確かに彼女の言うように、鎌倉女子学園では冬服の時は
黒のストッキングを履くことが校則で決められている。しかし、まだ日中は少し暑さも残るこの時期、
その校則をきちんと守っている生徒は多くは無い。実際に皐月も蛍子も素脚のままである。
「やっぱり…」
「一夏ちゃんって…」
「「真面目だよねー」」
「だ、だって校則で決められていることですし…」
声を揃えて揶揄してくる皐月と蛍子に対して、うろたえるばかりの一夏。このストッキングの一件を
見てみても彼女がよく言えば真面目、悪く言えば融通が利かないことが見て取れるのであった。
「…まあまあ皐月ちゃんも蛍子ちゃんも…。私だってストッキングは履いてるんですから…。そんなに一夏ちゃんを苛めないで…」
「み、未知留ちゃん…」
未知留から再び助け舟を出されて、思わず情けない声を出してしまう一夏。皐月も蛍子も別に一夏を
苛めるつもりなど無いのであるが、生真面目な彼女をついついからかいたくなってしまうのだ。
「でもさあ…一夏ちゃんみたいに真面目だと、やっぱり『アレ』は経験したことないんだろうなー」
「うんうん、皐月ちゃんの言う通りかも」
「え?『アレ』って…何ですか?」
「えー?『アレ』って言えば『アレ』だよね」
「うんうん、『アレ』の事だよね」
「ですから…『アレ』って何の事なんですか?」
皐月と蛍子の交わす会話を聞きとがめた一夏であるが、『アレ』が何を意味しているのか全く理解出来ない。
尋ねる一夏であったが、皐月も蛍子も含み笑いのような笑みを浮かべるばかりで答えてくれようとしない。そんな二人にさすがに業を煮やす一夏であった。
「皐月ちゃんも蛍子ちゃんも、二人だけで秘密の会話なんてずるいです」
「えっと…一夏ちゃんってば本当に分からないの?」
「…分からないです」
「仕方無いなー。『アレ』って言うのは…『オナニー』のことだよ」
「オ!オナ…!!」
「うんうん、『一人エッチ』とも言うよね」
「!!!」
あまりに予想外の言葉に一夏は言葉を失う。彼女とて既に中学二年生。その言葉が意味するものが何かを
理解はしていたが…実際にそれを経験したことは無い。皐月と蛍子の予想は全くもって正しかったのである。
「あはは、その驚き方…やっぱり一夏ちゃんは『アレ』をやったことないんだ?」
「あ、ありません!と言うか…皐月ちゃんは…経験あるんですか?」
「うん、あるよ」
「!!!」
あっけらかんと答える皐月に衝撃を受ける一夏。同級生の少女が…そのような行為を既に経験していると
聞かされ、驚かないはずがない。
「そ、その…もしかして、蛍子ちゃんも?」
「うん、あるある」
「!!!」
またしても衝撃を受ける一夏であったが、更なる衝撃がその後に待っていたのであった。
「もう、一夏ちゃんったら。そんなに驚かないでよー」
「そうだぞー。『アレ』の経験無いのは一夏ちゃんくらいなんだし」
「え?それじゃ…もしかして…」
「未知留ちゃんだって『アレ』はした事あるよね?」
「…はい…」
「えー!!!」
わずかに頬を染めて一言だけ答える未知留に、本日最大の衝撃を受ける一夏。皐月や蛍子だけでなく、
まさか未知留までもが『アレ』の経験があるとは…。自分一人が取り残されたような気分になってくる。
「そ、それじゃ…本当に私だけが…経験してないんですね…」
「…その…一夏ちゃんの場合は…そういうことを経験するきっかけが無かったからじゃないかと…」
落ち込む一夏を慰める未知留。未知留の言うように、そのような行為は誰かから教えてもらって始める
ようなものではなく、何らかのきっかけが必要なものであろう。生真面目な一夏にとっては、そのような
きっかけらしい事が今まで無かったとしても、それほど不思議と言うわけではない。
「…そうですね。未知留ちゃんの言うようにきっかけなんて無かったですし…」
「それじゃあ、一夏ちゃんのために何かきっかけを作ってあげたら良いんじゃないかな?」
「え?でも、きっかけと言っても…」
折角の蛍子の提案ではあったが、一夏が何かを思いつくはずもない。自然、それを考えるのは提案者で
ある蛍子になる。
「例えば…オマタに刺激受けるような経験とか…」
「そ、そんな経験無いです!」
「じゃあ、ここで経験してみよっか」
「きゃあああ!!!」
いつの間にか箒を持って後ろに廻りこんでいた皐月が、一夏の両脚の間にその箒を差し入れ持ち上げた
のだ。箒が女の子の大事なところに当たり、本日二度目の絶叫を挙げる一夏なのであった。
「皐月ちゃんってばナイス!」
「それじゃ行ってみようか!」
「りょうかーい!」
「ふ、二人とも止めてください!」
一夏の脚の間に通された箒を、蛍子がすかさず握ると、皐月と一緒にそれを上へと持ち上げる。自然、
一夏は爪先立ちの状態になり、箒が彼女の大事な部分に食い込んでいくのであった。
「い、痛い!痛い!!」
もちろん、一夏とてただされるがままと言うわけではない。両手で箒を押さえ、内股になる事で箒の
進入を防ごうとするのだが…爪先立ち状態では十分な力が発揮できるわけもなく、更に二人がかりで箒を
持ち上げられているのである。無駄な抵抗という他は無く、女の子の大事な部分を蹂躙されてしまうのであった。
「い、いやあああ!!!」
「それそれ!」
「どう、一夏ちゃん?気持ち良くなって来てない?」
「な、なるはずありません!」
皐月の問い掛けにもそう答えるのがやっとの一夏。ショーツとストッキング越しとはいえ、秘裂に食い
込まされる箒は彼女に快感ではなく、苦悶を与えるばかりである。
「むー、それじゃこれはどうかな?」
「それ!」
「はう!!!」
箒を食い込ませることでは効果が薄いと考えたか、皐月と蛍子は箒を前後に動かし始める。竹で出来た
箒の柄が前後に動かされると、その結果として竹の節の部分が一夏の最も敏感な核を刺激することになる。初めて受ける陰核への刺激にそれまでとは違った叫びを挙げる一夏。女の子である以上、その部分への
刺激に耐えられるはずがない。それは初心でネンネな一夏にとっても当てはまるのだった。
「うんうん、やっぱりこれは効くみたいだよね」
「それじゃこのまま続けようか」
「あああああ!も、もう、や、止めてください!!」
一夏の反応を見て気を良くした皐月と蛍子は更に激しく箒を動かし始める。箒の動きによってもたらされる甘い感覚にますます力が入らなくなっていく一夏であったが、その甘美さに完全に身を委ねてしまった
わけではない。股間から全身を襲う、初めての甘く切ない感覚を単純に忌避するのと共に、箒を食い
込まされることによる痛みが未だ彼女の体を蝕んでいるからだ。
「い、いやあ!ゆ、許してください!!」
痛みと甘さによるダブルパンチを受け、絶叫を迸らせる一夏。だからと言って、皐月と蛍子が許して
くれるはずもなく…そのまま嬲られ続けるのであった。
「うう…皐月ちゃんも蛍子ちゃんも…酷いです…」
「あはあは…ちょ、ちょっとやりすぎちゃったかな」
「あはあは…ご、ごめんねー、一夏ちゃん」
「うう…」
たっぷりと五分以上は嬲られ続けた一夏であったが、ようやくその責めから解放されるとスカートの上から股間を押さえて蹲ってしまった。うっすらと涙目になって非難の視線を向ける一夏に、皐月も蛍子も
さすがにやり過ぎだったと恐縮するしかないのであった。
「で、でもさ、気持ち良かったでしょ?」
「そ、それは…少しは…そうでしたけど…」
「でしょ?」
「で、でも!それより何より痛かったです!!」
思わず大きな声で反論してしまう一夏。確かに女の子のところから広がる甘美な感覚は自覚したが、
箒を秘裂に食い込まされる痛みがそれ以上に強かったのも事実である。
「…箒では…一夏ちゃんには・・・まだ刺激が強すぎたのかもですね…」
床に蹲る一夏を介抱していた未知留が口を開く。確かに未知留が言うように、その手の経験が皆無な
一夏にとって、先程の責めは刺激が強すぎた。快感よりも痛みのほうが前面に出てしまったのだろう。
「…もっと優しい刺激が…良かったのかもですね…」
「うーん、未知留ちゃんの言う通りだとは思うけどさ…」
「優しい刺激、ですか…」
「でも、そんな優しい刺激なんて思いつかないよね」
未知留の指摘が的を射たものであるとは皐月も蛍子も理解は出来るのだが、その優しい刺激が思い浮かば
ない。一夏に至っては話の展開に付いて行くのがやっとである。
「…ありますよ…簡単に出来る優しい刺激…」
「「「え???」」」
予想外の未知留の言葉に声を揃える三人。困惑する友人達を他所に未知留は更に言葉を続ける。
「…折角ですので…今から試してみましょうか。一夏ちゃん…構いませんか?」
「え?い、今から試すんですか?」
「…はい…」
未知留の言葉に一夏は戸惑う。元々、一夏の『アレ』のためのきっかけを…という事で始まった話で
あったが、彼女の予想を遥かに上回る速度で状況は進行しているのであった。
「ま、まあ…さっきみたいに痛くなかったら良いですけど…」
「…大丈夫ですよ…痛くはありませんから…」
そう言って未だ床に座り込んだままの一夏の前に移動すると、自分も床に腰を下ろす未知留。
「…床の上で申し訳ありませんが…そのまま両脚を…伸ばしてもらえませんか?」
「は、はあ…」
未知留のしようとしている事はまるで分からないものの、素直に彼女の言葉に従い両脚を伸ばす一夏。
それを見た未知留は上履きの靴を脱ぐのであった。黒のストッキングに包まれた未知留の爪先が顕わに
される。そして、伸ばされた一夏の両足首を両手で掴む未知留。
「…それでは…少し脚を開いてもらえますか?」
「あ、あの…未知留ちゃん?一体何を…」
未知留の言葉に従い、今度は座ったまま両脚をわずかに開く一夏であったが、さすがに疑問の念が浮かび
上がってくる。しかし、そんな一夏の逡巡をよそに、未知留はその右脚を一夏のスカートの中に差し
入れるのであった。
「ひゃあ!み、未知留ちゃん!!」
「…大丈夫ですから…力を入れないでください…」
反射的に内股になって未知留の右脚の侵入を防ごうとした一夏であったが、ナイロン生地のストッキングに包まれた未知留の爪先は、同じくストッキングに包まれた一夏の太腿を滑らかに割り開き、彼女の大切な
部分にまで到達するのであった。