ハウルの動く城でエロSSを書くスレです。
■ SS投下前に ■
・原作版・映画版のどちらの設定か入れる。
・SSの傾向を入れる。
(本文立上げ前の予告orSSの1レス目orSSの各レスのメ欄)
・SSを識別しやすいよう名前欄にタイトルorトリップ推奨。
・SSの混乱を避けるため、各レスごとに>>○○の続きと入れる。
・傾向に好き嫌いのある人は専用ブラウザ導入&NGワード指定。
・画像はSSの挿絵以外は
>>2のジブリ画像スレへ。
・個人サイトのURL晒し禁止。ローカルルール嫁。
前スレ【DWJ】ハウルの動く城専用スレ2【ジブリ】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1103738606/
乙カルシファー!!
スレ立てありがとうございます。
神様達の作品の続きが気になってなりません。
本スレでも楽しみにしてます。
擬人化カルシファーに萌え萌えしてます。
なんかちょっと切なくなるんですよね。
>>1 乙カルシファー
>>3 (・∀・)人(・∀・)ナカーマ
擬人化カルは、漏れの中では既にかなりのお気に入りでつ。ハウルと張れる美貌を持った、黒シャツの似合う赤毛赤眼の美青年…で、一人称はオイラ(*´Д`)カルタン
熱い!熱いわカルシファー!
うーん、背徳的。
>>1乙
>>1 乙でした。
このスレでも萌えるぞぉぉヽ(`Д´)ノ
1レスって何行までだっけ?
エロはないんですが、習作用に同じテーマで書いた短い話2編が
ウチのパソの中に眠ってます。
即死回避用に投下してもいい?
8さん、ぜひ!(・∀・)
1レス…20行くらい?
1レス32行、2046byte(千文字くらい)までおっけーですよー。
つか、ごめんなさい。少年ハウル×ソフィーまだもう少しかかりそうです_| ̄|○
>>8さん是非!!
ハウソフィ 映画版 エロなし 3レス
タイトル「夢の名残」
↓
疲れきって城に帰ったハウルがまず目にしたものは、暖炉の前に置いた椅子に座った
おさげ髪の少女だった。暖炉の火は炭化した薪の奥に隠れてほの暗い部屋を暖かく揺らし、
少女はその火に向ったまま背を丸めて顔を俯けていた。
彼は足音を立てないように注意しながら、ゆっくりと少女に近づいた。顔を覗き込み、
深い寝息を確認すると、ふっと息をついた。
さっきまで鳥の姿に変身して飛び回っていた夜空は、ハウルの気分を酷く落ち込ませた。
空は煙に汚されて月星の清浄な輝きをかき消し、もしも消されなかったとしても、
焔に呑みこまれた大地にはその輝きを見上げる人はいない。めらめら燃える焔とそれに煽られた大気は、
不気味な生き物のようにゆらめき、その場を恐怖と苦痛と憎悪と悲哀で満たしていた。
(ここは、静かだ)
ハウルは、自分に確認するように、強く思った。火焔が空気を巻き込んで燃えるときの、
ごうごうと鳴る音がまだ耳の奥に残っている。けれどここには、戦場に満ちあふれていたような狂気はない。
(ソフィー)
声には出さずに彼女の名を呼んだ。
(ソフィー。…ソフィー)
目覚めている間は老婆の姿をしている少女は、今は眠りの中で、本来の姿を取り戻している。
彼女がいてくれれば、落ち込んだ自分をどこに引き上げればいいのか、迷わなくて済む。
ハウルは彼女の肩に軽く右手を置き、その前髪にそっと唇を寄せた。吐息が額を掠めると、
ソフィーの眉がわずかに動いた。ハウルが見守るその前で、彼女の目が薄く開かれた。
『……ハウ、ル』
唇が小さく動いて彼を呼んだ。その言葉は声にならずに、吐息に溶けた。ソフィーはまだ
夢うつつを彷徨っているらしい。はっきりと覚醒に至らない彼女の姿は、少女のまま。
ハウルは、そんな彼女にだけ聞こえるように、小さく囁いた。
「やあ、ソフィー。夢できみに逢えるなんて」
ハウルは空いている左手でソフィーの前髪を優しく掻きあげ、彼女に微笑みかけた。
「ゆ…、め…?」
かすれた声で小さく聞きかえしたソフィーの額に唇を落とす。
きみに魔力を使わない魔法をかけよう。今だけ、僕がきみの夢の中にもぐりこめるように。
「そうだよ――」
老婆の姿は、ソフィーが自分を守るためにその身に固めた鎧。そうして世界から自分を隔離して、
ようやくソフィーは安心してソフィーでいられる。
「――これは、夢だ」
囁きながら、眉間に、目蓋に、キスを繰り返した。夢うつつの中、ハウルの言葉を信じたらしいソフィーは、
目蓋を時々うっとりと閉じては、薄く開く。
肩に置いた右手をそっと滑らせ、ハウルは彼女の肘をつかまえた。
(だから、安心して)
左手の指先に髪を絡ませながら彼女の頭を撫でた。唇は、こめかみから、耳へ、
そして、頬に、触れるだけ。ソフィーの吐息に微かに湿った熱が混じり込んだのを目聡く見つける。
肘を掴まえていた手をさらに滑らせて、今度はソフィーの手のひらを優しくくすぐる。
(せめて夢の中だけでも――)
世界から自分を隔離してしまうなんて。まるで、世界に自分が存在することを
許せないとでも言うようだ。そこにはハウルもいるのに。
(――僕を、拒まないで)
遅くなりました。
スレの1で出た少年ハウルソフィーに萌えて書いた捏造ものです。
映画版 少年ハウルソフィー エロなし ほのぼの
ハウルは、頬をたどった左手でソフィーの顔を軽くすくい上げた。右手の親指と人差し指で、
ソフィーの小指をきゅっと握る。そして唇をソフィーの口元に寄せた。――が。
ハウルは、近づけた唇を離した。
口づけで、ソフィーの身を鎧う魔法が解ければいいけれど。先に解けるのは、ハウルがかけた夢の魔法だろう。
何かをふり切るように静かにため息を一つつくと、ハウルはソフィーの口元に肩を寄せ、
包み込むようにやんわりと彼女を抱いた。
そして、夢の狭間からソフィーが本当の眠りに落ちるまで、そうしていた。
ソフィーが寝台がわりに使っているソファの上に、ハウルは彼女をそっと横たえて毛布をかけた。
中指の背で彼女の唇に軽く触れ、耳元で小さく「おやすみ」と呟く。屈めていた身を起こし、
その場を離れかけて、ふと思いついて上着を脱いだ。
(まあ、このくらいの悪戯ならいいかな…)
目を覚ました彼女は、ハウルの上着を見つけて何を思うだろう。『夢』でのキスを思い出すだろうか。
ハウルは、音を立てないように、そっとその場を離れた。
彼が置いていった夢の名残は、毛布の上からソフィーにかけられている。彼の代わりに彼女を抱きしめるように。
とりあえずひとつ終わりです。
もう一つは、またレスの形に改行した後に。
お目汚しでした。
「ハウルなんて、もう知らない!」
がたん、とテーブルを鳴らして立ち上がったソフィーは、普段の礼儀正しさをかなぐり捨て
て身を翻した。そのままばたばたと部屋を横切り自室へと飛び込んでいく。
「ハウルさん」
「ハーウールぅ。さっきのはオマエが悪いと思うぜェ」
寄せられる家族の非難の眼差しに、黒髪の魔法使いは憮然としてスプーンでシチューの
中に浮かぶ芋をつついた。
「ぼくは悪くなんてないね。ちょっと昔の事を話しただけで頭にきちゃうソフィーの心が狭いん
だろう?」
「そうは言ってもさあ、女心ってのは簡単に割り切れるものじゃないんだって」
「これは驚いた。火の悪魔がいつの間に女心なんてものに通暁するようになったんだい?」
揶揄するような声音にこれ以上言っては逆効果だと、カルシファーは暖炉の中で炎を小さ
くする。
楽しいはずの夕食の場はイヤな空気のまま静まり返った。
なんだかんだといってもハウルとソフィーは家族の中心なのだ。
「カルシファー」
ハウルは半分ほど残っている皿を暖炉の上でひっくり返す。
流れ落ちてくるシチューをあわあわと食べながら、「あ、やっぱりソフィーのシチュー美味い
や」と悪魔は呟いた。
「そりゃよかった。マルクル! 昨日出した課題はもう出来たかい?」
「え? あの、後ちょっとです!」
いきなりの名指しにマルクルは目を丸くしながら律儀に答える。
「それじゃ、やっておいで。明日ぼくが起きたら成果を見せてもらうからね」
「は、はい!」
穏やかだけれど逆らう事を許さない声音にこくこくと頷き、残ったシチューを掻き込んでマ
ルクルも席を立つ。
「さて、マダム」
「あたしはここでもう少しゆっくりさせてもらうよ。まだワインを注いだばっかりだしねぇ」
よかったら付き合うかい? とウィンクする元魔女に、魔法使いは苦笑して空中から杯を
取り出した。
「なにを飲まれているんですか?」
「赤葡萄酒を香料と湯で割ったもんさ」
「ぼくは白ワインのほうがいいな」
指を一振り。
あらわれた緑のボトルは、辛口の味で知られる産地のものだ。
コップに淡い黄色の液体をとぷとぷと注いで、ハウルは夜空の臨める窓際に腰を下ろした。
そのまましばらく、ぱちぱちと火のはぜる音だけが響く。
「じゃ、あたしはもうちょっと聞かせて欲しいんだけどね。あんたがはじめてキスした相手っ
てのはそんなにイイ女だったのかい? ハウル」
「おや、気になりますか?」
「そりゃあね。昔のことがあるじゃないか」
ひひひ、と笑う老女の姿に、確かに一瞬魔力と自信に溢れていた時代の魔女の姿がかぶる。
くすりと笑って魔法使いは素敵な人でしたよ、と窓の外を仰いだ。
「とっても綺麗で可愛くて。あれは、そう、こんな風にとても満月が綺麗な夜のことでした……」
ぱちぱちという音が小さくなった。
油が切れたのかと、ぼくは火の悪魔を納めていたランプに視線をやる。赤い炎は、相変わ
らずランプの中で揺らめいていた。
「寝たの? カルシファー」
そっと呼びかけてみても返る答がないということは、眠ってしまったんだろう。ぼくは悪魔も
眠るんだという事を、カルシファーと契約してはじめて知った。
弄り回していた課題がどうにも終わりそうになくて、ノートを机の上に投げ捨ててベッドに寝
転がる。見上げた天井はいつまでたっても見慣れなくて、そっとため息をついた。
寮なんて嫌いだ。
ちゃんとした魔法使いになるためにはちゃんとした魔法学校に入ってちゃんとした魔法を学
ばなきゃいけないから我慢しているけれど、本当は今すぐにでもこの窮屈な場所を飛び出し
たかった。
カルシファーと一緒に、つまらないことばかりに縛りつけるこんなところとは違う場所に行き
たかった。
そう、できるなら、あの湿原へもう一度行きたい。
そして、あの人に、もう一度、会いたい。
「『未来で待ってて』…か」
そう言ったよね? 星がどんどん流れて死んでいったあの夜に、ぼくがカルシファーとはじ
めて出逢ったあの夜に、一生懸命ぼくに手を差し伸べていてくれてた、流れ星の色の髪の
女の人は、確かにそう言っていたよね?
未来というのはいつなんだろう。
今日かな。明日かな。それとも、まだまだ先? ずっと先?
「すぐだといいな……」
呟いてみる。
言葉には魔法の力が宿るから。すぐだといい。今すぐ、会いたいと少しかび臭い匂いのす
るシーツの上で何度も繰り返した。
「―――――そううまくはいかないか」
繰り返してみたところで、ここはいつまでたってもせまい寮の自室でぼくは小さなベッドの
上だった。ばかげた自分の行動が恥ずかしくて、カルシファーが眠っていることに感謝する。
こんなところを見られたら後でなにを言われるか知れやしない。
横になっているとうとうとしてきた。
せめて、夢の中だけでもあの人に会えるといいなと思って目を閉じる。
「……か。ハウルのばか」
目を開けた。
慌てて周囲を見渡す。今、確かに人の声がしたよね!?
窓から差し込む月の光で怖いくらい陰影がはっきりした部屋の片隅で、しくしくと泣いている
人がいた。
星を溶かしたみたいな銀色の髪。ちょっと古風な形の青灰色のドレス。
息が止まりそうになる。
「―――――――ソフィー?」
ぼくは、そっとその人の名前を呼んだ。
大きな声を出したら、一気に消えてしまいそうで怖かったから、そっとそっと、その人の名前
を呼んだ。
「え……あ、なた……ハウ…ル? ハウルなの!?」
「うん、ぼくはハウルだよ」
顔を上げたその人がぼくの名前を呼んでくれたから、そっと近寄っていく。大丈夫かな。
まだ、この夢は覚めないかな。
恐る恐る近寄って、床に座り込んだその人の前に立った。びっくりしたみたいに目を丸くし
ていたその人は、ぼくの姿に「ウソでしょう…」と呟いた。
「ウソって、なにが?」
「な、なにって……わ、わたしの前ではじめてキスした人の事を褒めてわたしが怒ったから、
その時代の姿にでもなったの!? わたしのこと、そんなにばかにしたいの!?」
すごく悲しそうな顔をして泣いていたソフィーは、言ううちにだんだん腹が立ってきたのか
眉を吊り上げてぼくを睨みつけてきた。
けど、ぼくにはそんな心当たりは全然ない。第一、
「女の人にキスなんてしたことないよ、ぼく」
ソフィーは怒った顔をしていたけれどそれでもやっぱりとても悲しそうで、その顔も綺麗だっ
たけれどぼくはソフィーにそんな表情をして欲しくなかったから必死に言った。
「ウソ」
「嘘じゃないよ。おじさんに誓ってもいい」
「……」
真剣に言うぼくに、ソフィーはまだ疑わしげな視線を向けている。
「―――――――おじさんって、魔法使いのおじさん?」
ポツリと言ったソフィーにぼくはうん、と大きく頷いた。
本当はサリマン先生とか、国王陛下とか、そういう偉い人の名前を出して誓えばいいんだ
ろうけれど、ぼくはソフィーに誓う時は自分の大切な人の名前で誓いたかったんだ。
ぼくの言葉を信じてくれたのか、じゃあ、と今度は一転して困りきった顔になったソフィーが、
どうしてハウルが小さいの? と呟いた。
どうして小さいのか、ってことは、今のソフィーの側には小さくないぼくがいるってことなん
だろうか。どきどきとして手を握る。
「たぶん、ぼくの夢だからだろうと思う。ソフィーに逢いたいなって思って目を閉じたから」
「わ、わたしに会いたくて?」
「会いたかったよ。うん。ぼく、ずっとソフィーに会いたかった」
本気でそう言うと、ソフィーはなぜだかぽおっと頬を赤くした。
泣いている顔より、怒っている顔より、ずっとよかった。
「ソフィーはなんで泣いてたの?」
「わたし、は……わたしは、はじめてキスしたの、ハウルなのに、ハウルはそうじゃなくて、仕
方ないのは判っているんだけれど、でも、わたしの目の前でとても綺麗な人だったよ、とかっ
て言われると――――――」
悔しくて、悲しくて。
俯くソフィーにぼくは名案を思いつく。
他の人とだったのが悔しいなら、こうしちゃえばいいじゃないか。
ちゅ、とぼくはソフィーのつやつやした唇に自分の唇を重ねた。
「ハ…!?」
ぼくの行動に跳ねるみたいに顔を上げたソフィーは見る見る首筋まで赤くなる。
「これでぼくのはじめてキスした女の人はソフィーだね」
零れそうに目を見開いたソフィーは本当に綺麗で可愛くて。
ぼくはもう一度、唇を重ねた。
「っていう感じだったんですよ」
「おやおや、そりゃ確かに綺麗で可愛くて素敵な女の子だ」
堂々とのろけてみせる魔法使いに、老女は喉の肉をたぷたぷといわせながら笑った。
「それでソフィーはどういう反応をしたんだい?」
「驚いたのか、いきなり立ち上がって、そのとき体が引っかかったんでしょうね、机の上に置
いていた箱が落ちて大きな音がしたんです」
ガダンッ。
ほら、こんな感じで。
ソフィーの部屋から響いた音に、魔法使いは飄々と肩をすくめた。
「そしたらぼくは素敵な夢から覚めてしまって」
「そりゃもったいないことだねぇ」
「ええ、だから、ちょっとリベンジしてこようかと」
飲み干したワインの杯を机の上に置いて、ハウルは元魔女の横をすり抜けた。
「ソフィーを壊しちまわない程度にしとくんだよ?」
背後からかかる声に少女の部屋のドアを開けながら、努力します、とだけ魔法使いは答えた。
以上です。
◆pUytl8EIAU氏、割り込み大変失礼いたしました_| ̄|○
切ない二人に大変萌えました。
このスレでも神々の光臨、再降臨を切にお待ちしております。
>>22 焼き餅ソフィーさんが可愛いです。
ハウルはわざと妬かせて楽しんでそうですね。
24 :
#:05/01/26 02:55:07 ID:K3CvvmVM
以前温かい言葉をかけて下さった皆さん、ありがとうございました。
カブ×ソフィー鬼畜SSの続きはもう少しかかりそうです。
で、以前書いたカブ+ソフィーほのぼのギャグのSSが出てきたので投稿します。
鬼畜SSとは別物と考えて頂ければ幸いです。
>>1さん乙です!
>>11 GJ!!
ハウルが甘く切なくて素敵ですね。
>>14 子ハウル、大胆ですね!
続きがあったらソフィーは大変な事になりそう・・。
「ソフィー!!」
「カ・・いえ、王子様!?」
いきなりの予期せぬ来客にソフィーはビックリした。
「王子だなんて水臭い、カブと呼んでください、出会った頃と変わらずに」
(そ、そんな事言ったって・・・)
それを許さぬ事情ゆえに、カブの申し出に苦笑いするソフィー。
気分を変え、質問する。
「今日はどうしてこちらに?」
「また伺います、と申したでしょう」
そう言いながらハットを取り会釈する。
「今日ここに参りましたのは、折り入って
あなたに相談に乗って頂きたい事があるのです」
「私に?お役に立てるかしら・・・」
少し困った顔でカブを見つめる。
「勿論です!!」
笑顔で詰め寄り手を取るカブ。
思わず体を反らし、笑顔でさり気なく手を引く抜くソフィー。
「実を言うと・・・もうずっと、好きな女性がいるのですが報われない恋なのです。
彼女の事を考えただけで夜は眠れず、昼は空を仰ぎ、朝は食事が喉を通らない始末です・・・」
そう言いながら、遠くを見つめる。
「随分惚れ込んでるのね」
「ええ、とっっっても素敵な方です・・・」
カブの力説にふふ、と微笑みながら言う。
「どんな方?」
ソフィーのその質問に、待ってましたと言わんがばかりに嬉々として答え始めるカブ。
「そうですね・・彼女は庶民の方で、髪はプラチナ、ショートボブで眉は意思が強そうで太く、
瞳は凛々しく大きく、身体はほっそりと華奢で小鹿の様な手足、結構小柄ですね。
黙っているときつそうな顔に見えますが、笑うととにかく愛らしいんです。器量良しです。
その方の連れは生意気な魔法使い(私情入りまくり)とその弟子、不細工な犬とご老人、
それと元悪魔の流れ星ですね。以前は帽子屋を営んでいました。
今は花屋で生計を立てています。」
(よし!!全て言い切った!)
聞かれもしないのに具体的な身体特徴までペラペラと答えてみせるカブ。
どうやらこの日の為に、家臣も付き合わせて何十回と練習した模様。
しかしそれは、まさしくソフィーそのものだった。
「まあ・・・それは、何と返していいのかしら・・」
全てを聞き終わった後、瞳を伏せ、視線を反らしながらソフィーは言う。
想いが伝わったと思い、ソフィーの反応を待つ。
「貴方の思い人って・・・その、まさかとは思うんだけど・・」
少し間を置いて続ける。
「結構ご高齢な方でらっしゃるの?」
「!?」
思ってもみないすっきょんとうな回答にカブは拍子抜けしてしまう。
カブの反応にソフィーは、
「え?違うの?プラチナの髪って言ってたし、報われない恋って言ってたからてっきり・・」
答えている途中で、遠くからソフィーを呼ぶ声が。
「あら、皆が帰って来たみたい。ごめんなさい、もう夕食の時間なので
これで失礼させて頂くわ。お役には立てないけど、陰ながら応援してるわ!」
会釈をしてカブの元からアッサリと走り去って行くソフィー。
カブの猛烈なアプローチに全くと言っていい程気付かぬソフィーであった。
(て、手強い・・・。遠回しな表現がいけなかったのか。次こそは・・!!)
密かな敗北感を味わいつつ、新たな決意に燃えるカブだった。
当分ソフィーを諦めるつもりなど毛頭無い様子である。
END
以上です。
またコテに失敗・・・。今度はちゃんと出てるかな。
すみません、今気付いたんですが、◆eiBDMLHxIw=◆prGJdss8WMです。
トリップ変えるとコテハン変わってしまうんですね・・・。
残りの1つ。出勤前に置いていきます。
ハウソフィ 映画版 微エロ? 2レス
タイトル「その手が与えるもの」
↓
クっと声を漏らして緊張した後、ハウルはぐったりと力を抜いた。フーっと満足げに
ついたため息が、彼の重みを受け止めたソフィーの耳をくすぐる。まるで大きな獣に
懐かれているよう。ただし、その獣は獰猛な肉食獣なのだけど。お腹一杯で上機嫌な肉食獣。
『全部、見せて。きみを教えて』
ハウルの腕の中にいる間、ソフィーは一切の隠し事を許してもらえない。肌を晒され
身体を開かされ、それだけでは済まされず、快感も欲望も隠さず露わにするように要求される。
じっと耐えることで抵抗を試みても、彼の指先には逆らえない。そもそも腕の中に閉じ込められて
熱っぽく囁かれただけで、もう気持ちはとろけてしまうのだ。
泣きながら懇願するまで追い詰めたくせに、全身をツキンと走る甘さに屈服したソフィーが
彼を求めると、ハウルはうっとりと嬉しそうに微笑んだ。その笑顔にまるっきり邪気がないことが、
かえって邪悪である。
『ソフィー、だいすき』
繰り返し囁かれた言葉がまだ耳の奥に残っている。熱に浮かされたまま、その言葉に何か
応えたような気もするが、彼の体温に翻弄されていたソフィーには、どんな言葉を返したのか思い出せなかった。
もしかすると、何か言ったのは自分の方で、ハウルの言葉はそれに応えたものだったのかもしれない。
ただ覚えているのは、すがりつくものを求めて腕を伸ばしたソフィーを、しっかりと抱きとめてくれたこと。
今と、ちょうど逆で。
ソフィーはハウルの背と頭を腕で抱え込んで、呼吸が整うのを待った。
ハウルはソフィーの肩口に顔を埋め、時々体温を確かめるようにソフィーの肌に額を擦り付ける。
甘える仕種まで、獣の仔のよう。そんなことを思いながら、指先でハウルの髪に触れた。ふと、ハウルが顔をあげる。
「…重い?」
「ううん」
ソフィーはハウルに微笑みかけながら、小さく首を振った。
「あったかいわ」
ハウルは、嬉しそうに笑うと、ソフィーの首筋に再び額をくっつけた。唇が肩に触れる。髪の毛がさらりと揺れる。
その髪の中に指を刺し込むようにして、ソフィーはハウルの頭をゆっくりとやさしく撫でた。
ハウルは細く息を吐き、目を閉じた。
「――気持ち、いい……」
そうして二人は、しばらくの間、お互いの呼吸に耳を傾けた。
世界中が眠りの中にいるような、静かな夜。聞こえるのは、愛しい人の安らかな寝息。
ソフィーは、眠ってしまった彼の形のよい耳たぶに向って「おやすみなさい、ハウル」
と囁くと、その胸に幸せを満たして目を閉じた。
以上です。
テーマは眠っている相手に「おやすみ」で
ハウルver.とソフィーver.でした。
(
>>31 トリップキー間違えてますが、8=11です。失礼しました。)
>>28 王子さま…。むくわれないあなたが好きです。
いいねー
ほんわかエロマンセー
もうホントに神様達GJです!!
昨日になって間もないうちににスレが立って
素晴らしいお話がもう4つも。
幸せだ〜。
「満月」ホントに物語の中であったお話みたいでイイ!(゚∀゚)
少年ハウルがとても可愛くて萌えました。
37 :
神修練生:05/01/27 20:57:44 ID:1gcadNSu
またまた乱入させていただきます。前スレからの続きです。ほのぼの気分をぶち壊してしまったらごめんなさい(´Д`)
38 :
神修練生:05/01/27 21:03:09 ID:1gcadNSu
前スレ
>>815より続き
「人間」のカルシファーの寝室は、暖炉の中を思い出させるような、グレーの調度品で統一された部屋でした。
「ここが…おいらの部屋…。」
思わず、おそるおそる足を踏み入れ、何となく辺りを見渡しながら、ベッドにそっと座り込みます。
「へえ…」
座り心地はなかなか悪くはありません。
腰掛けたベットから見えるのは…洒落たデザインのナイトテーブル、小さなタンス、シルク地のカーテン付きの出窓。
こんな素敵な部屋で生活出来るのなら、人間の姿も悪くないなあ…・・。
1人カルシファーがニヤついてると、
「カルシファー、入ってもいいかしら?」
ドアの向こうからは、よく聞き慣れた女の子の声がしました。
39 :
炎恋:05/01/27 21:04:17 ID:1gcadNSu
「どうぞ?」
「ごめんね〜。忙しくて〜」
カルシファーがドアを開けると、腕に大きな布と毛布を抱え、よたよたとソフィーが入ってきました。
「あなたの毛布とベッドカバー、今朝取り替えなきゃと思ってたのに、すっかり忘れてたの。今になって思い出して…・本当にごめんね。」
どさっと腕の中の荷物をベッドの上に放り投げると、早速枕カバーからとり外していきます。
「そんな…おいらが自分で…」
言いかけ、カルシファーは自分がベッドメイキングのやり方など知らないのに気が付き、
「…いや、ありがとう。ソフィー」
仕方なく、窓際にぼんやり立って、ソフィーの仕事をぼんやり眺めていました。
(それにしても…・)
ソフィーの手際の良さは、まるで1種の魔法でした。
さっとシーツを矧ぎ、毛布と布団をどかすと、瞬く間に真新しいシーツをセットし、枕カバーを取り替えます。
(さすがだよなあ…)
感心しながらソフィーを見ている内に、カルシファーはつい最近の昔を思い出していました。
40 :
炎恋:05/01/27 21:09:07 ID:1gcadNSu
初めて彼女に会った時の事はよく覚えています。
人を恐怖に陥れる、誰もが恐れる火の悪魔…・そう、自分が支配する「動く城」に突如侵入した老婆。
腰は曲がっていて、肌は皺だらけで…でも、目だけは異様に綺麗で勝気そうな光を放っていて…・
まるで若い娘の瞳みたいだと思ったのをよく覚えています。
そして、その突然の彼女の訪問が、今までの城の生活を一変させました。
何しろ、彼女は、老婆の癖に城の住人一番の凄まじい働き者で、しかも周りをやたらと騒動に巻き込む癖があったのです。
悪魔の自分を無理矢理働かせようとするわ、暖炉の中から出そうとするわ…挙句の果てには水もかけられました。
姿だって…・呪いをかけられていたのには気が付いていましたが、まさか本当にあんなに若い女の子とは思ってもいなかったのです。
41 :
炎恋:05/01/27 21:11:09 ID:1gcadNSu
(でも、元気の良さと無謀っぷりは元に戻っても変わらないよなあ…)
「ちょっとカルシファー、何笑ってるのよ?」
気が付くと、仕事を終えたソフィーがこちらを軽く睨んでいました。
「え・・?オイラ、笑っていた?」
「ええ。思いっきりいやらしく笑っていたわ。まるで誰かさんみたいに。」
言って、彼女はベッドに腰かけてそっぽを向きます。
(そっか…・。)
彼女のいう「誰かさん」の正体は、言わずともわかります。
「寂しいんだね。ソフィー。」
「え…」
「ハウルがいなくてさ」
「別に…」
「だからそんな事言うんだろ?君は。」
カルシファーも寄り添うようにベッドに腰かけました。
「家事に夢中になって強がるのもいいんだけどね。でもさ…」
そう。自分はーーーーーーー
「ソフィー」
「…何?」
恐怖の火の悪魔、誰もが恐れるカルシファー。
(でも今のオイラは…)
廊下の鏡で見た、自分の姿が浮かびます。
「…ソフィー」
もう1度、彼女…愛しい彼女の名前を呼ぶと、カルシファーはゆっくりとソフィーを押し倒しました。
42 :
炎恋:05/01/27 21:12:22 ID:1gcadNSu
プラチナブロンドの髪がふわりと広がり、白い肌がさっと紅色に染まり…大きな瞳が一層大きく見開かれ…・・
目の前の、彼女のあまりも美しい姿に、カルシファーは思わず息を飲みます。
「ね…やめて?」
僅かに震えを帯びた…それでもはっきりした声で、ソフィーはカルシファーに呼びかけました。
「冗談でしょ・・?いつものようにふざけてるんでしょ?ね?」
(そっか…)
口では否定を言葉を呟くも、彼女の体が全く抵抗しようとしないのは…
「本気だよ」
そっと体を屈め、耳元で囁きます。
「ソフィーはオイラがふざけてると思ってるんだね?でもね…オイ…いや、オレは本気だからね。」
本気だから…本気で君を抱きたいと思うから。
「ねえ、ソフィー。」
抵抗して。本気でオレを見つめて。オレと真剣に向き合ってーーーーーーー
「カルシファー…」
「君はオレの事を好きでいてくれていて…・」
言いながら、カルシファーは彼女のおでこにキスを落とします。
「でも…君が『男』として好きなのは、あいつだけなんだ。」
「わかってるなら何故…」
「だからだよ。」
彼女の言葉を遮り、今度はほっぺたに。
「オレは悪魔だからね。人を…君を不幸にしなくてはいけないんだ。」
心にもない言葉。しかし、悪魔の我が身にはきっとふさわしい・・・・
言い放つのと、彼女の唇を奪うのはほぼ同時でした。
43 :
炎恋:05/01/27 21:13:39 ID:1gcadNSu
プラチナブロンドの髪がふわりと広がり、白い肌がさっと紅色に染まり…大きな瞳が一層大きく見開かれ…・・
目の前の、彼女のあまりも美しい姿に、カルシファーは思わず息を飲みます。
「ね…やめて?」
僅かに震えを帯びた…それでもはっきりした声で、ソフィーはカルシファーに呼びかけました。
「冗談でしょ・・?いつものようにふざけてるんでしょ?ね?」
(そっか…)
口では否定を言葉を呟くも、彼女の体が全く抵抗しようとしないのは…
「本気だよ」
そっと体を屈め、耳元で囁きます。
「ソフィーはオイラがふざけてると思ってるんだね?でもね…オイ…いや、オレは本気だからね。」
本気だから…本気で君を抱きたいと思うから。
「ねえ、ソフィー。」
抵抗して。本気でオレを見つめて。オレと真剣に向き合ってーーーーーーー
「カルシファー…」
「君はオレの事を好きでいてくれていて…・」
言いながら、カルシファーは彼女のおでこにキスを落とします。
「でも…君が『男』として好きなのは、あいつだけなんだ。」
「わかってるなら何故…」
「だからだよ。」
彼女の言葉を遮り、今度はほっぺたに。
「オレは悪魔だからね。人を…君を不幸にしなくてはいけないんだ。」
心にもない言葉。しかし、悪魔の我が身にはきっとふさわしい・・・・
言い放つのと、彼女の唇を奪うのはほぼ同時でした。
44 :
神修練生:05/01/27 21:20:36 ID:1gcadNSu
次回からエロ突入の予定・・・。とりあえず、このSSでは、人間版カルシファーは年齢は22〜24歳位・・のつもりです。でも、実際にカルシファーが人間になったら、爺さんか(長生きだから)やんちゃな男の子(イメージ的に)なんだろうなあ・・・。
カルシファー、オリジナルとは大分イメージ違ってきています。お気を悪くされた方、ごめんなさい_| ̄|〇
45 :
神修練生:05/01/27 21:39:27 ID:krffNaxt
追伸。二重投下してました…再度ごめんなさい_| ̄|〇
GJ!! いつもと違うwシリアスな感じがイイ!(´∀`)
6スレだけなら前を埋めてくれ
カルシファー乙!
展開気になる!
楽しみにしちょります。
前スレの“埋め”SSも美味しく頂きました!
埋めと言うのがもったいないうまし糧(*´∀`*)
みなさまGJです!
まさか七面鳥さんがOMANGE MANGEヲタだったとは・・・
(*´Д`)ハァハァ 前スレ乙です
神修練生さん待ってましたー!
今までのコミカルなお話と違ってシリアスな作風がいいです。
男前カルすごいドチドチします。
前スレ埋めの550さん、七面鳥さんも素晴らしかったです!
あれを「埋め」と言っていいのか…(* ´Д`)
禿しく幸せになれました。神様達ありがとう!
ただ気になるのが七面鳥さんの作品が
映画板本スレに貼られてる事。
誰ですか、ああいう事するのは…_| ̄|○
見てきた。氏ねの一言だな。
本スレはあのままスルーしとけば良いだろう。
折角書いてくれた神様に顔向けできん…
前スレ埋め立てに投稿しようとしたら、
512k超えてるので無理と言われました。
こちらに投下させていただきます。ご了承下さい。
『我が家族』
映画・ハウル×ソフィー・シリアス目
55 :
我が家族:05/01/28 18:09:06 ID:XIeaIcf6
「あんた、今夜は色男の相手をしてやるのかい?」
老婆を寝かしつけ、明かりを消そうとしていた少女がきょとんとする。
「おや、野暮だったかねえ」
意味ありげに、にやりと笑う元魔女に対し、ソフィーはますます星色の頭を傾げる。
が、言外に含まれたものをようやく悟って、思わず噴出してしまった。
「やだ、そんなことあるわけないじゃない」
ぱたぱたと手を振り、否を示す。
「この城の掃除夫ってだけなんだから。わたし」
目を見張る老婆に、ソフィーは弱弱しく笑ってみせた。
臥所に横たわった老婆は小さな目をしょぼしょぼとさせ、次いで長い息を吐いた。
「単なる掃除夫とは扱ってないと思うけどねえ」
ソフィーはかすかに首を振る。
「それに、あの人に好きと言われた覚えすら無いもの」
自分は彼に言った。大好きと。
近い言葉は言われたような気がしないでもないが、
そういう気がするのは自分の自惚れだとソフィーは結論づけている。
何言ってるんだい、老婆はあきれたように笑う。
「ハウルがあんたを見る目は、いつでも優しいんだよ」
56 :
我が家族:05/01/28 18:19:34 ID:XIeaIcf6
優しい目、とは何を意味するのだろう。
『我が家族』の一員として?
家族という定義は、ひどく難しかった。
形の無いもの。強そうに見えて実は弱い繋がり。
今、家族と呼んでいる状態が脆弱でないと信じたいが、信じ切れない自分もいる。
帽子屋の跡取りとして働いていた当時の家族とは、実際離散してしまっているのだ。
父母とは死別、継母は再婚し、妹たちはそれぞれ奉公や弟子入り済み。
そして自分は、魔法使いの城で家事に明け暮れる日々。
それぞれ別々の屋根の下で暮らし、
会おうと思わなければ一生顔を合わせぬことも可能だ。
妹たちの世話をし、親の元で過ごしていたあの頃、家族の絆を強く感じていた。
なのに、いつの間にかばらばらになってしまっている。
あんなに強いと思っていたものは、こんなにも脆く、
たやすく壊れてしまうのだと、思い知らされた。
経験がなまじある分、ソフィーは家族という言葉に、少しばかり敏感になっていた。
食卓を囲む面子を見る度、強く感じられる家族としての繋がり。
他愛のない会話ですら、ただ言葉を交わすという行為なのにひどく楽しい。
けれど自室に戻り、背中で扉を閉めたとき思うのだ。
実は強く感じているのは自分だけ、全ては自分の気のせいなのかもしれない、と。
いつかは別れる時が来る。
それはずっと先のことかもしれないし、もしかしたら明日なのかもしれない。
壊れるのを前提としての付き合いなのだと、自分は知ってしまっている。
所詮家族なんて儚いものなのに、自分は何故こんなにも求めてしまうのだろう。
こういったことは、一度考え出すと止まらなくなる。
だが物思いに耽って家事を疎かにしてしまうほど、ソフィーは愚かではなかった。
もはや無意識に洗濯をし、効率良く掃除をし、機動的に食器を片していた。
ただ意識の方は思考に費やされているのでめっきり会話が減り、
誰かに話しかけられても相槌程度の返事しか出来ていない。
そしてそんな彼女を心配そうに見る家族の目にも、気がついていなかった。
別にオレンジレンジオタではないんですがね。
たまたまあの曲がいいなーと思って使っただけっす(;゚∀゚)
(;´д`)??
>>57 いつも素晴らしい作品を投下して頂いてありがとうございます。
戯れ事はキニ(・∀・)シナイ!!のが一番。華麗にスルーでつよ。
60 :
我が家族:05/01/28 18:40:36 ID:XIeaIcf6
「ソフィー」
彼女が布巾を干し終える瞬間を見計らったかのように、暖炉から声が掛けられた。
「なに、カルシファー。薪なら用意しておいたと思うけど」
前掛けで手を拭いながら、薪を確認する。一晩過ごすには、十分すぎる量だ。
「そうじゃねえんだ。たださ、その、ハウルの奴がつらそうでさ」
「ハウルが?病気かしら」
ソフィーは小首を傾け、ハウルの様子を思い出す。
彼女の目からは、特に変わったことは無いように思えたのだが。
「約束を、忘れたのかい?」
突然、背後の暗がりから聞こえてきた言葉に、ソフィーは振り返る。
夜の居間で、杯を重ねていた元魔女はしっとりと続ける。
「ハウルの心臓を大切にする約束、どうやら忘れちまったようだねえ」
意外な言葉に、ソフィーは眉根を寄せつつも答える。
「いいえ、忘れていないわ」
「忘れていないだって?じゃあここんとこのあんたの態度は何なんだい?」
ソフィーは思わず息を呑む。
決して怒鳴られているのでも、甲高い声で喚かれているのでもない。
氷のように冷酷で凄みのある声音に、彼女は気押されたのだ。
「何を話しかけても上の空、あの手この手を使ってハウルはあんたの気を引こうとした。
で、全然効き目がないもんだから、なんとあの色男が半泣き状態。
いつ死霊を出してもおかしくなかった」
「それでハウル、今夜は外で過ごすって」
言いにくそうにカルシファーは言う。
血の気の引いた顔で、それでも疑問の声を呟いた。
「何故」
「ソフィーが掃除するの、大変だから、ってさ」
元魔女ははき捨てるように言うと椅子に伸び、長々と息を吐いた。
「全く・・・何考えてるんだい、あんた」
61 :
我が家族:05/01/28 18:53:21 ID:XIeaIcf6
硬く握り締められた拳は震えている。
それでも少女は項垂れずに面を上げていた。
「家族のことを考えていたの」
「帽子屋の家族かい?」
ううん、と銀の髪が揺れた。
「何気ない会話とかでも、すごく相手の気持ちが伝わってきて、
ああ、これが家族なんだな、すごく繋がってるなって思うの。
でも、そういう強さを感じているの、わたしだけなのかなって」
「んなことで悩んでたのかい。呆れた娘だねえ」
とは言うものの、老婆は苦笑している。
「相手に尋ねてみたら一発で解決することじゃないかい、ええ?」
「・・・そうね。本当に、そうね」
ソフィーは感情を耐えるように目を閉じた。
そして毅然とした表情で、謝りに行ってくると言い、身を翻した。
短い階段を駆け下り、扉の前に立ったその華奢な背中に、
老婆は先程とは別人のように、温かみのある声を掛けた。
「迎えにいっておやり。お前さんにしか出来ないことだ」
足元を冷ややかな空気が抜けてゆく。
伴って聞こえるのは、草を渡る夜風の音。
日中色彩を広げて咲き誇る花々も、今は下を向いて眠りについていた。
時折雲が流れて、月明かりが湖面を照らした。
無論、傍らにひっそりと佇むあの小屋も、ソフィーの星色の髪も。
ここに、ハウルがいると思った。
何故そう思ったかは、わからない。
とにかく、でろでろに溶けているであろう彼を見つけ出さなければならない。
彼女は歩き出した。
すごい良作がキテる…ドキドキ
前スレのはちょっと…。
ドリームに近いものがある。
このスレ厨が多いから疎いのかもしれないけど、
匿名掲示板でも二次創作でも
歌詞の転載はよくないよ。
晒し厨も当たり前だけどルール違反。
どうせ普段は神のSS読んでハァハァしてるくせに…。
神修練生さん、もう修練生じゃなくて立派な神ではw
「我が家族」続きが凄く楽しみです。
>>64 >神のSS読んでハァハァしてるくせに
にわろたw
良作多すぎて息つく暇もないよ(*'A`)ゼーハー
前スレの歌詞転載SSは埋め立てと思って書いてしまったのですが、
著作権の問題など、不快な想いをした方がいらっしゃいましたらお詫びいたします。
今後はこのような作品は控えますので…。
以前猫ネタを書くと言っていた職人さんがいらっしゃいましたが、待ちきれず自分で製作中です。
>66
七さんの作風は凄く好きなので
次回作製作中の朗報に安心しますた。
とうとうネコが来る・・・!(;´Д`)ノ\ァノ\ァ
短編投下させていただきます。
映画板 ハウソフィ 微エロ ほのぼのシリアス
「歌声」
69 :
「歌声」1:05/01/28 21:40:05 ID:pJvIWhKq
招集からやっと開放されて戻ってきた部屋の雰囲気は、どこかいつもと違っていた。
まだ月が出始めたばかりだというのに、妙に静かだ。真っ先に口を開くはずのカルシファーは
暖炉の奥に縮こまって微かにパチパチと音を立てているだけだし、マルクルはソファーの上ですやすや眠っている。
魔女ももう部屋へ退散したようだ。
それに…ソフィーがいない。
首をかしげながら階段を上ると、微かに、優しい旋律が耳に流れ込んだ。
異国のもののようだが、どこか懐かしい。
『 ―― sch――fe, h―lder, s――er Kn――be, le―e w――t dic 』
声は表から聞こえるようだった。辿っていくと、白い月に照らされた湖畔の前で、
小さな影がひとつ、ぽつんと草原にたたずんでいた。
銀の髪の端はさらさらと夜風にあおられてなびき、水面の一部に溶け込んだかのようだ。
よく徹る美しい声が、ふいにやんだ。
「…ハウル?どうしたのこんなところに」
「ソフィーこそ…」
言葉を紡ごうとして、思わず息を飲んだ。振り返ったソフィーは、確かにいつも通りだ。
無邪気な瞳に愛らしい唇。なのに逆光の中の彼女は、一瞬そうとは思えないほどに艶かしかった。
「ハウル?」
「…こんな寒いのにそんな薄着じゃ風邪引くよ…外国の歌?」
気を取り直して近寄ると、ソフィーの頬がやんわり赤く染まっていた。
「思いっきり聴かれちゃったわね」
「…歌上手いんだね」
「お世辞?」
「本当のことだよ。子守唄か何か?」
「そう。昔から知ってるのよ。死んだ母さんがよく歌ってくれてたんだって父さんが言ってた。
おかげでレティーの子守りに大活躍だったわ。なかなか眠ってくれないのに歌を歌いはじめると
すぐ寝ちゃってなかなか起きてくれないのよ」
ソフィーは懐かしそうに遠目で湖畔を見つめた。ようやく合点がいった。
彼女の言霊がマルクル達を眠らせたのだ。ソフィーはもともと口数が少ないので
ほとんど気付かないまま今にいたっているが、その言葉には力がある。
カルシファーに新しい命を吹き込んだように。
70 :
「歌声」2:05/01/28 21:41:43 ID:pJvIWhKq
「…ほら、こんなに冷えちゃって。あっためてあげる」
抱きしめた体は夜の外気に冷やされてつめたかった。
「だ、だいじょうぶだからはなしてってば」
「駄目。風邪引いたらどうするの」
胸のあたりに抵抗を感じたが、気にせずぎゅっと抱きしめた。しばらくするとソフィーも諦めたようで、
細い体を完全に腕にあずけていた。
「ねぇ、もう一度歌ってくれない?」
「え?」
「子守唄だよ。さっきいきなり途切れてちょっと残念だったんだ。ちゃんと聴かせて?」
おしには弱いソフィーは、いったんは嫌がったがすぐに折れた。
「…一回だけよ?」
「お願いします」
ソフィーは深く冷たい空気を吸い込み、可愛らしい歌声を空に響かせた。
『―――Schlafe, schlafe, holder, suser Knabe,
leise wiegt dich, deiner Mutter Hand;
sanfte Ruhe, milde Labe
bringt dir schwebend dieses Wiegenband ―――』
「…これでいい?」
「…ありがとう。夢みたいだったよ。すごく綺麗で」
「おおげさよ。さ、早くしないとみんな中で待ってるわ」
立ち上がろうとしたソフィーの腕を、ハウルはしっかりと繋ぎとめた。
「ハウル?」
「みんなもう寝てるよ。それに…もっと聴きたいんだ」
「え…きゃあっ」
その言葉の真意がつかめないまま、ソフィーはハウルの手にひかれるままに膝の上に跨るように座った。
71 :
「歌声」3:05/01/28 21:44:18 ID:pJvIWhKq
「っ…もう…あっ…ああ!」
淫らに響く、甘い声。
「…ソフィー、もっと声聴かせて」
繋がる部分がずれるたびに、ソフィーの唇からは甘美な旋律とも取れる喘ぎがもれ、耳を掠める。
粘着質な水音も加わって、淫猥な音楽がソフィーの身体から奏でられているようだ。
「ふ…っ…あんっ……ハウル…気持ち…い…いっ」
「僕も…ソフィーの中、すごく気持ちいい…」
ソフィーの唇が降ってきて、ためらいがちに舌を伸ばしてきた。
彼女なりの精一杯の愛撫に、ハウルも応える。
「あ…あ…うぁ…ハ…ウル…ハウル!」
「ソフィー…」
背中にしがみつく掌に一層力がこもり、膣の内壁がハウルを強く締め上げる。
とろけるような快楽に、ハウルも一瞬本当に体が溶け合ったのかと錯覚した。
このままずっと繋がっていたい。2度と離れたくないない。
「ハウル…す…きっ…大好き」
ソフィーが、ハウルと同じ想いを抱いたかのように手足をよりきつく絡めた。
「…愛してるよソフィー…」
夢のような時間へ誘うソフィーの歌声が、静寂の中に何処までも響いていく。
今はただ歌い明かそう。
この滾る情念の炎に身を任せて。
『 ―――眠れ眠れ 可愛し緑子
母君に 抱かれつ
ここちよき 歌声に
むすばずや 美し夢――― 』
あ…なんだか歌詞の転載について議論したあとだったんですね…
とりあえず著作権は大丈夫でしょうが次から気をつけます
ドイツ語のほうは間違ってても気にしないでください
自信が全くないですので
数多のネ申よ!
(*・∀・)GJ!!
著作権って、一個人でヒッソリ楽しむ分には良いけど、そのものの利益に絡んできたらヤバいんじゃなかったっけ?不特定多数が目にするのがダメなんだっけ?詳しい事は分からんす。
でも、歌詞で云々言ってたらこのスレそのものもマズいよなあ。
綺麗な話だ…
乙です!
そうだよ、いちいち著作権いうならエロパロ来るなっていうw
ジブリパロだってまずいのにここは潰れないの何でだろ???w
おいそこの低脳64、お前こそ厨房だ。
2chで何ねぼけたこと言ってやがるw
歌詞でも何でも使ってすばらしい作品が出来ればいいじゃん。
粗さがしで必死な妬み屋さんw
話もかけないなら黙れ( ´,_ゝ`)
75さんも著作権厨は放っておいて楽しもうよ。
77 :
名無しさん@ピンキー:05/01/28 22:56:06 ID:AjOI6r9l
著作権はうんぬんはともかく、「花」は個人的に好きだ。もうこの世にはいない愛する人を思う歌詞が切なくてイイ!神々、良作を期待してまつ
いい加減オレンジヲタのオナニーはスレ違いなので
悪いけど自粛してもらえまいか
エロパロにまで持ち込む神経が解らん
専用スレあるだろ
>76
ID変わってないぞ
普段はバカなことやったりノリノリの歌歌ってるのに
花みたいな歌も作れてしっとり歌えるオレンジレンジってすごい!!!
確かにオレンジレンジはすごいわー感動もんだね。花なんてすごく売れてるもんね。ロコローションなんてノリすごくいいよね。あんな曲を作れるのはオレンジレンジしか作れんよね。
だから、、、
なんだかんだで、売れてるんだから勝ち!
カラオケでもノレるし、良い歌詞だし。レンジ大好き!
>>79-81 乙
いい子だから、柑橘系レンジの話は専用スレいけ。な?
>>68氏
GJ!! 綺麗でしみじみするお話ありがとうございました。
マジレスするとジャスラックの管轄下にある作品の無断引用などをすると、
カスラックが著作権料の取立てに来るという可能性があるのでやばいです。
あそこは個人のHPとかに無断転載などがあっても通報があれば著作権料を
取立てにきたりする組織なので。
邦楽版かどこかにあの組織のやばさに言及するスレがあったような…
そんなこといってたら2chのスレはヤバイのがおおすぎますが、無駄な突っ込みの
元は断ったほうが吉かと。
>>84 実際売れてるし人気もあるじゃん。
花は名曲だし。
朝から必死なアンチさんご苦労様w
今は朝だったのか…
次行ってみよう
エロ面白いSS読みたい
純愛物が読みたい
明るいアホエロが読みたい
75 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:05/01/28(金) 22:39:40 ID:McFFTaQ6
そうだよ、いちいち著作権いうならエロパロ来るなっていうw
ジブリパロだってまずいのにここは潰れないの何でだろ???w
おいそこの低脳64、お前こそ厨房だ。
2chで何ねぼけたこと言ってやがるw
歌詞でも何でも使ってすばらしい作品が出来ればいいじゃん。
粗さがしで必死な妬み屋さんw
話もかけないなら黙れ( ´,_ゝ`)
76 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:05/01/28(金) 22:45:55 ID:McFFTaQ6
75さんも著作権厨は放っておいて楽しもうよ。
↑しつこい
エロきぼん
猫ネタ…(*´Д`)
荒れ地の茂みの中で、ヒソーリ待ってます。
75 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:05/01/28(金) 22:39:40 ID:McFFTaQ6
そうだよ、いちいち著作権いうならエロパロ来るなっていうw
ジブリパロだってまずいのにここは潰れないの何でだろ???w
おいそこの低脳64、お前こそ厨房だ。
2chで何ねぼけたこと言ってやがるw
歌詞でも何でも使ってすばらしい作品が出来ればいいじゃん。
粗さがしで必死な妬み屋さんw
話もかけないなら黙れ( ´,_ゝ`)
76 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:05/01/28(金) 22:45:55 ID:McFFTaQ6
75さんも著作権厨は放っておいて楽しもうよ。
79 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:05/01/28(金) 23:33:47 ID:+5i+d6bD
普段はバカなことやったりノリノリの歌歌ってるのに
花みたいな歌も作れてしっとり歌えるオレンジレンジってすごい!!!
80 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:05/01/28(金) 23:37:20 ID:+5i+d6bD
確かにオレンジレンジはすごいわー感動もんだね。花なんてすごく売れてるもんね。ロコローションなんてノリすごくいいよね。あんな曲を作れるのはオレンジレンジしか作れんよね。
81 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:05/01/28(金) 23:43:18 ID:+5i+d6bD
だから、、、
なんだかんだで、売れてるんだから勝ち!
カラオケでもノレるし、良い歌詞だし。レンジ大好き!
m9(^Д^)プギャーーーッm9(^Д^)プギャーーーッm9(^Д^)プギャーーーッ
75 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:05/01/28(金) 22:39:40 ID:McFFTaQ6
そうだよ、いちいち著作権いうならエロパロ来るなっていうw
ジブリパロだってまずいのにここは潰れないの何でだろ???w
おいそこの低脳64、お前こそ厨房だ。
2chで何ねぼけたこと言ってやがるw
歌詞でも何でも使ってすばらしい作品が出来ればいいじゃん。
粗さがしで必死な妬み屋さんw
話もかけないなら黙れ( ´,_ゝ`)
76 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:05/01/28(金) 22:45:55 ID:McFFTaQ6
75さんも著作権厨は放っておいて楽しもうよ。
79 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:05/01/28(金) 23:33:47 ID:+5i+d6bD
普段はバカなことやったりノリノリの歌歌ってるのに
花みたいな歌も作れてしっとり歌えるオレンジレンジってすごい!!!
80 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:05/01/28(金) 23:37:20 ID:+5i+d6bD
確かにオレンジレンジはすごいわー感動もんだね。花なんてすごく売れてるもんね。ロコローションなんてノリすごくいいよね。あんな曲を作れるのはオレンジレンジしか作れんよね。
81 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:05/01/28(金) 23:43:18 ID:+5i+d6bD
だから、、、
なんだかんだで、売れてるんだから勝ち!
カラオケでもノレるし、良い歌詞だし。レンジ大好き!
m9(^Д^)プギャーーーッm9(^Д^)プギャーーーッm9(^Д^)プギャーーーッ
ここってエロパロなのにエロが少ないよね、最近…
この度はスレに混乱を招いてしまい、住民の皆様には深くお詫びいたします○| ̄|_
謝罪と弁償…の代わりに少しでもなればいいのですが、
以前話に上がっていた猫耳ソフィーを待ちきれずに自分で書きました。
設定は『映画版・猫耳ソフィー・エロ・甘々』となっております。
なお、手前の書くソフィーはオリジナルと違っていたり、
「純」さが失われつつあるので、あらかじめご了承ください。
ですが、すいません今回はまだエロありません。
ぽかぽかとして心まで踊りだしそうなある春の日、空飛ぶ城の中では今日も掃除が始まっていました。
きれい好きのソフィーは居間からバスルームに至るまで容赦なく掃除をしていきます。
……恋人のまじないだけは動かさないように気をつけつつ……
最後に残ったのは、最も難関である魔法使いの部屋です。魔女除けのガラクタが無くなって
少しはマシになっていましたが、それでも掃除をして1日でもたつと酷い散らかり具合になります。
この部屋はバスルーム以上にまじない関係の品がおおいので、一番掃除に気をつかう難所でした。
「本当に汚いわね…」
毎日同じ呟きを口にしつつ、手際よく部屋を片付け、掃除をしていきます。
その後しばらく経って、掃除もだいたい終わった頃、
バサバサッ!ドサッ!!
部屋の主が無理矢理積み上げていた本の束が、突然崩れ落ちて来ました。
「きゃあっ!!……もう、いつかは崩れてくると思ったわ!整頓するように言わなくちゃ」
足元にバラバラと散らばった、魔法書とおぼしき数々に目を落とすと、その中の一冊には
何やら動物が書かれていました。
「あら?これは動物の本なのかしら?」
興味をそそられたソフィーはその一冊を手に取って見てみると、ちょうど開いたページには
猫が描かれていました。
ソフィーがその可愛らしい猫の絵に手を触れた瞬間、それは強烈な光を放ち、
部屋はその光に満たされました。
それから少したって、
「ただいまー!」
この城の主である魔法使いハウルが帰って来ました。
「ハウルさんお帰りなさい!」
「お帰りー」
テーブルの上で本を読んでいたマルクルと、暖炉の中で相棒の悪魔が声をかけます。
「あれ?ソフィーはどうしたんだい」
いつもなら家の仕事を終えたソフィーが迎えてくれるのですが。
「ああ、ソフィーならまだ掃除から帰って来ないぞ。2階に上がったままだ」
「僕の部屋で何か見つけたのかなぁ…?」
何か自分の部屋に隠しているのか、マルクルはしきりに気にしています。
「マルクルの部屋はとっくに掃除終わってるだろ〜。どうせハウルの部屋さ」
(僕も何か変なもの置いてあったっけ…?)
心当たりが無くもないハウルは、様子を見に行く事にしました。
「じゃあ、ちょっと見に行ってくるよ」
ハウルは階段を登って行って右の突き当たり、自室のドアを静かに開けます。
ガチャッ……
「ソフィー?」
部屋の中は綺麗に掃除されていました。本が崩れ落ち、ソフィーがうずくまっている場所を除いて。
「どうしたのソフィー!?」
ハウルはただならぬ様子に、すぐさまソフィーに駆け寄ります。
「ハウル……」
(ん?)
涙目になっているソフィーの頭には……
「ね、猫耳!?」
そのうえ、彼女のお尻の辺りには……
「シッポ!?」
うずくまるソフィーの前には、猫や動物が描かれた魔法書が落ちていました。
驚愕するハウルをよそに、わざとでは無いとはいえ、またまじないをいじってしまって、
怒られるのではないかとソフィーは泣きながら謝ります。
「ハウル…ごめんなさい!お掃除していたら本の束が勝手に落ちてきて…
動物が描いてあった本を見ていたら、すごい光に包まれて…こんな事に…」
そんなソフィーを彼は優しく抱き締めて、
「僕が魔法書をちゃんと片付けておかなかったからね、ソフィーは悪くないよ。
他の達の悪いまじないにかかったりしなくてよかった…」
あやす様にポンポンと背中を叩きました。
と言うかハウルはソフィーを怒る気にはなれません。
星色の髪の中からぴょこんと生えている猫の耳と、スカートから覗いている
毛並みのいいシッポが、いつもと違う独特の可愛らしさを醸し出しているからです。
(ちょっとこれは美味し過ぎる…可愛いよソフィー…)
その時、心配したマルクルが部屋にやってきました。
「ソフィー!大丈夫!?」
「マルクル…私は大丈夫よ」
ソフィーの頭から生えている物を見つけてマルクルも驚きます。
「ああっ!猫の耳!ハウルさん?ソフィーどうしちゃったんですか!?」
「うっかり魔法書の動物まじないをくらっちゃったみたいだ。大丈夫、2・3日もすれば
まじないの効果は消えるよ」
「そうですか…。良かったぁ。あっ!ソフィー、シッポも生えてる!」
そう言ったマルクルがシッポを掴むと、
「ひゃんっ!!………ま、マルクル…シッポ掴むと痛いわ」
「あっ、ごめんなさい!」
ソフィーの言葉を素直に信じて謝るマルクルですが、ハウルはさっき彼女が発した一声に
痛みとは違うものを感じ取ったのです。
(もしかしてシッポが弱いとか?)
「ごめんなさい…なんか色々あって疲れたから部屋で休むわ…。
マルクル、夕飯の下ごしらえはしてあるから後は頼んでもいい?」
「うん、ハウルさんいるから火も使えるしやっておくよ」
「ありがとう…ごめんなさいハウル。後はよろしくね」
「あ…ソフィー?」
そう言うが早いか、ソフィーは走って行き自室に閉じこもってしまいました。
追いかけようか…と考えた矢先、
「ハウルさん、カルシファーに火を使わせてくれるように言ってください」
ソフィーの命を受けたマルクルに阻まれました。こうなっては仕方ありません。
(まぁ危険なまじないじゃなかったし…大丈夫だろう。夜もあるしね)
「分かった、カルシファーにどんどん働いてもらおう」
艶めいた声を出したソフィーを気にしつつ、ハウルは夕食の準備に向かいました。
続きはまた後ほど(;´Д`)ノシ
原作の第2巻は読んでいないので、今回の設定にしました。
今日中にエロ突入を目指します。それでは!
>>99 弁償って…。謝罪と賠償だよ自分…○| ̄|_
乙、激しく乙!
(*´Д`)ハァハァハァハァ
107 :
我が家族:05/01/29 15:30:14 ID:z/YcLUbK
>>61の続き
歩みは速まり、やがて服の裾を両手で掴みあげて走り出す。
「ハウルー!」
溶けているのなら、名を呼んだところで返事は無い。
けれど叫ばずにはいられなかった。
我を忘れて名を連呼する度、彼女の胸は痛みを増した。
わたしが傷つけたんだ。
元荒野の魔女に、大事にすると誓って、譲り受けたその心を。
わたしが。
わたしが・・・!
後悔だけが胸を満たし、全力で走ったところで無駄だという気さえ起きる。
けれども彼女は必死に駆けた。
自分がつけた傷は自分にしか癒せないのだからと、弱気になる心を叱咤しながら。
「!」
体が宙を舞ったと感じた瞬間、彼女は草の上に手を付いていた。
足がもつれて転んだと思ったのだが、何かに躓いた感触が、つま先には確かに残っている。
と、下からうめき声がして、思わずがばりと身を起こす。
「ハウル」
「・・・重いんだよ」
慌ててどくと、彼はさも気だるげに身を起こした。
幸いなことに緑の粘液に覆われてはいなかった。内心ソフィーは胸を撫で下ろす。
しかし素晴らしいまでの仏頂面だ。相当怒っていて、かつ不機嫌極まりないときている。
「何なの君は。人の名前大声で喚いて、はしたないくらいに裾捲り上げて走って、
挙句の果てに人を踏んづけて盛大にすっころんだ」
まさにその通りなので、ごめんなさいと彼女は素直に頭を下げた。
ソフィーがつっかかってこない上、率直に謝られてしまい、青年はばつが悪そうに横を向いた。
そしてそんな彼に頓着せず前掛けを払って立ち上がるなり、ソフィーはひたとハウルを見た。
「ハウル。わたし、謝りに来たの」
108 :
我が家族:05/01/29 15:32:13 ID:z/YcLUbK
「考え事していたら深みに嵌ってしまって。あなたのこと、蔑ろにした
つもりはなかったんだけど・・・ハウル、いろいろしてくれていたんですってね」
「くれいたんですってね、てことは、その、全然覚えてないってこと?」
「ごめんなさい。悪いんだけど全く」
傷口に塩をすり込む行為に等しい彼女の告白ではあったものの、
嘘をつかれるよりはましであると判断した彼は、何とか立ち直る。
顔色が少し悪かったり、手が細かく震えているが、
彼女の関心を惹いていないのは不幸中の幸いであった。
一方ソフィーは色々言葉を並べてみたものの、
それが結局言い訳にしかなっていないことに気づいて口を噤んでいた。
そして言うべき言葉は、一つだけなのだと彼女は思い至る。
「許して、もらえるかしら?」
夜空に瞬く星々と同色の髪を、ひと筋の夜風が揺らす。銀糸が虚空に魔法の如く浮き、夜だというのに眩く光った。
澄んだ双眸がこちらを見つめてくる。夜の僅かな明かりの元では、あの茶色を判別することは不可能だ。
だが、いつも瞳に宿す輝きがそこにはある。彼女の芯の強さを具現する輝きが。
こんな表情をされて否と言える男がいたら、そいつは人間ではないとハウルは思った。
少女に軽視されたあまりの悲しさ故に、城を飛び出してきた頃が、今はひどく遠い。
時間的にはそんなに経っていないはずだ。けれどあんなにささくれていた心が、彼女に名を呼ばれた直後から、穏やかになっていくのを彼
は確かに感じていた。
機嫌の悪さを取り繕うともせず感情をぶつけてしまう程、彼女を求めていた自分。
彼女の挙動の逐一に、こうして振り回されることは、不思議と嫌ではなかった。
ハウルは目の前の少女を慈しむように見、ひとつ首肯する。
途端、見るからにほっとした様子で、少女は胸をなでおろす。
「ああよかった。許さないって言われたらどうしようかと思っていたの」
安堵して笑う彼女だったが、ふと真顔になって彼を見上げた。
「あの、ハウル」
それだけを言って、少女は口を閉ざしてしまう。
言いかけて黙るとは、いつもの彼女らしからぬことだった。彼は内心首を捻りつつ、視線だけで彼女を促す。
それでようやっと、しかしとても言いにくそうに、ソフィーは言った。
「あと、その、質問に答えて欲しいんだけど」
109 :
我が家族:05/01/29 15:33:57 ID:z/YcLUbK
ハウルは鸚鵡返しに訊ねる。
「質問?」
「そう」
こくこくと彼女は頷く。
「家族の繋がりを、ハウルは信じている?」
「そうだな・・・」
しばし考え込むように顎に手を当てていた青年は、ふと顔を引きつらせながら、心底嫌そうに質問した。
「ねえ、もしかしてそれが原因、とか言わないよね?」
「え?そうだけど?」
ハウルは脱力してへなへなと崩れ落ちた。その場で頭を抱えて思わず唸った。
「君はねえ、一人で思い込み過ぎるんだよ!何でもかんでも!」
「そう、かしら?」
「そうなの!ああもう、自分のせいじゃないかって死ぬ程気を揉んだ僕の立場はどうなるのさ」
「・・・何よ。心当たりがあるわけ?」
自らの失言に反応し白眼視を始めてしまったソフィーに、彼は慌てて手を振る。ふと振る手を止め、呟きを漏らした。
「家族、か」
普段通りの軽薄な語調の中に、何故か哀しさが垣間見えて彼女はハウルを見る。
雲間からの月光に照らされた彼の横顔は、どこか遠くを見ていた。
「みんな、一人ぼっちだったんだよ。カルシファーもマルクルも、荒野の魔女も、ヒンも。
そしてソフィーも僕も。だから余計に家族としての繋がりは強い。とても互いを大切に思っているよ。ソフィーは分からなかった?」
「いいえ、感じていたわ。すごく強く。だけどそれは私の気のせいだと」
「思い込んじゃった?」
ようやく自分が勝手にそう解釈してしまっていただけなのだと悟り、恥じ入って少女は俯いた。
覚えてる?、と懐かしむような彼の声が耳に届く。
「僕は君達が安心して暮らせるようにしたいんだよって言ったこと」
それは初めてこの花園に連れてきて貰った時の出来事だ。忘れるわけが無い。
未だ彼を直視することができず、視線は下に向けたまま返事をした。
「ええ」
「あのね。そりゃあもちろん、マルクル達だって大事だ。けど」
草がこすれる音。一段と濃くなる彼の匂い。
顔を上げれば、自分を見つめてくる視線とぶつかった。
「命を懸けて守りたいと思うのは、ソフィー、君だけだ」
110 :
我が家族:05/01/29 15:34:53 ID:z/YcLUbK
少女は唇を噛んだ。自分は何て浅はかな人間なのだろう。
この人は、こんなにもはっきりと好意を示してくれていたのに、物語や小説のように歯の浮く台詞を欲して、駄々を捏ねていたなんて。
感極まって彼女はハウルに抱きついた。精一杯の感謝の気持ちを込めて。
突如抱きしめられた方も、小さな背中にゆっくりと腕を回した。
しばらく相手の体温を味わっていた彼は、ふいに視線を下に落とす。
自分の胸板に頬を寄せている星色の髪を、思いつめたように見つめていた彼は、やがて彼女の耳に唇を寄せ、囁く。
ソフィーの肩がぴくりと蠢き、瞳は大きく見開かれた。
華奢な体を抱きしめたまま、彼は耳元で続ける。
「怖い?」
腕の中の彼女は僅かに黙考する。
「・・・少し」
怖くない、と言えば嘘になる。けれどもそれは。
「ハウルが怖いのではないの。知らないものが少し怖いだけ」
敢えて微笑むことはしなかった。
ただ見栄で言っているのではないことを、信じて欲しい。それだけだった。
少女と青年は見つめ合い、先に口を開いたのはハウルの方だった。
「愛してる」
静かな声音で紡がれた言葉が全身を満たしてゆく感覚の中、ソフィーは全ての感情を込めて言った。「愛してる」
二人の呼吸が混じる。
互いの唇を啄ばむこと数回、やがてそれは貪るようなものへと変わってゆく。
静かな夜の草原に、二人の倒れ込む音が渡った。
次エロです。前置き長くて申し訳ありません。
キター
両方とも続きを楽しみにしてます
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
続き楽しみにしてます!
猫耳ソフィー可愛い…
草原の二人もこれからどきどきです。
猫耳ソフィー編の続きを途中まで投下します。
しかし、ソフィーの『純』さが失われていますのでご注意を!発情編です。
オリジナルと違い過ぎるわ!という方はスルー願います。
設定は『映画版・猫耳ソフィー・エロ・甘々』となっております。
まだ本番手前です。
>>103の続き
とりあえずソフィーの言いつけ通り夕食の準備をして、マルクルやおばあちゃんに食べさせ、
自分から洗い物をすると言う健気な弟子に感心しつつも、後は彼に任せて
ハウルは閉じこもってしまったソフィーの元へ向かいました。案の定ドアには鍵がかかっています。
コンコン…
「ソフィー?調子はどう?」
部屋の中で何かが微かに動く気配がしました。
「ハウル…私なら大丈夫よ…」
小さく聞こえてくるソフィーの声は、どこか熱っぽいような艶かしいようなそんな感じがします。
(あのまじないにこんな作用があったのかな?)
ですが、なかなか美味しいチャンスには変わりが無いので、
「ソフィー何だか様子が変だよ、大丈夫かい?」
あえて気付かないふりをしてみました。
「本当に大丈夫だから…」
「そうは思えないけど。ここを開けてよ」
その気になればドアの鍵など魔法でいくらでも開ける事が出来るのですが、
それをするとソフィーがものすごく怒るので、なるべくその手は使いたくありません。
「ね?ソフィー、いい子だかr―――」
「ハウルさーん!お風呂が沸いたそうですよー!」
いいタイミングで下の階からマルクルの声が響きました。さらに、
「ハウル!さっさと風呂入れよ!オイラは早く寝たいんだ!」
湯沸し係のカルシファーにも急かされる始末です。
「……分かったよ!ちょっと待っ―――」
「ほらハウル、早くお風呂に入って来て。カルシファーがかわいそうよ」
そして助かったとばかりにソフィーも促します。
(みんなして…僕に恨みでもあるのか!)
「分かったって!風呂に入ればいいんだろう!」
ハウルは内心癇癪を起こしそうになりつつ、大人しくバスルームに向かいました。
その頃、ハウルをお風呂に向かわせる事に成功したソフィーは、
自室内のドア前に佇んでいました。
この耳とシッポが生えてからというもの、自分はおかしいのです。
心臓がどきどきして胸がきゅうっと切なくなって、体も何だかうずうずします。
思い浮かぶのは大好きなハウルの事ばかりで、彼の事を考えるとさらに症状が激しくなりました。
さっきハウルが来てくれた時も、ドアを開けて彼に思い切り抱きつきたい衝動に駆られましたが、
自分でも良く分からないようなおかしな状態を見せたくなくて、頑として鍵を開けませんでした。
すると、ちょうどいいタイミングでマルクルとカルシファーの声がかかり、
ハウルをバスルームに向かわせる事が出来たのです。
それにほっとした反面、心にも体にも寂しさがこみ上げてきました。
(半分猫になっただけじゃなくて、私は一体どうしたんだろう…)
ソフィーは、熱くなりはじめた自分の体を抱き締めて、座り込みました。
今は春。動物達の恋の季節です。
そしていつも通りの長風呂を終えたハウルは、一旦自室に戻りました。
(絶対ソフィーの様子はいつもと違う!やけに声が色っぽかった)
彼は可愛い猫耳の彼女の元へ行こうと、ウキウキしながら髪の毛を拭いて乾かします。
その時、彼は廊下からこちらに近づいて来る気配と、静かな足音を感じ取りました。
(これは…ソフィー?)
あんなにドアを開けるのを嫌がっていたのに、とハウルは思い、
少し意地悪をしてやろうと考えて、布団にもぐって狸寝入りを始めました。
コンコン…
控えめなノックの後にドアが開きます。
「ハウル…?」
思った通り、やってきたのはソフィーでした。彼女はベッドに近づき、
寝たふりをしているハウルの顔を覗き込みました。
「寝ちゃったの…?」
狸寝入りを決め込んでいるハウルは何も答えません。
するとソフィーはもぞもぞと彼の布団にもぐりこみ、体をくっつけました。
密着してきたソフィーの体が思いのほか熱かったので、ハウルもさすがに心配になり、
そろそろ寝たふりは止めようかと思い始めた頃、
もぞ…
くっついていたソフィーが動く気配と、布が擦れる音が聞こえました。
その直後、ハウルの首に素肌の感触が巻きつき、顔には熱い頬がふれました。
ハウルもそれにはさすがに驚き、寝たふりなど忘れて目を開けます。
「!!!!」
そして視界に入ったのは、裸で自分に抱きつく猫耳とシッポが生えた恋人の姿でした。
普段ならば絶対にありえない光景に、ハウルは一気に血が集まりました。
ソフィーの猫耳シッポというちょっと背徳的な姿と、上気した顔の潤んだ瞳。
しかも彼女は自分から服を脱ぎ捨てたのです。
「ソ、ソフィー!?どうしたの!?」
「わからないの……でもどきどきして体が熱くて…切ないの…」
(猫耳とシッポ…ああ、今は春だっけ)
ハウルもようやく理解しました。今の季節は春、動物達の恋する時期をむかえています。
中途半端にかかったあの動物化のまじないには、ご丁寧に発情期までついていたのでした。
それが分かればもう心配はありません。後は楽しませてもらうだけです。
「ソフィー、それは君が発情期だからだよ」
「は、発情期!?」
当のソフィーもさすがに驚きます。
「今の君は半分猫だからね。しかも季節は春だし。体…疼く?」
ハウルは楽しそうにソフィーの耳元で囁きました。
普段なら恥ずかしくて縮こまってしまうであろうソフィーも、
揺さぶり起こされた本能にはかなわず、素直に頷きました。
「そっか…それじゃあ楽にしてあげよう」
彼はソフィーに深い口付けをしてシーツの海に押し倒しました。
続きはまた後ほど(;´Д`)ノシ
本番までなかなか辿り着かなくてすいません…。
次は本番いきます、今夜中には。
乙ですーー!
エロ未突入なのに、かなりハァハァです。楽しみ!
七面鳥タン乙!
でもあんまり無理はしないでな。
ちょっと荒れちゃったことに責任感じてるのかも知れんけどここは所詮2chだ。
煽りや荒らしが入り込むリスクはどうしたって0にはならんよ。
続きはもちろん楽しみにしてるけど、自分の生活やリズムの方を大事にして
もう少し肩から力抜いてもいいと思うぞ。
七面鳥ネ申
乙カルシファー!
漏れの脳内では、原作版のラブ夫婦で半猫化ハアハアしてますが、いつもは大人しくて恥ずかしがりのソフィーが半分猫になって大胆にハウルに迫ってしまう映画版もイイですな(*´Д`)
ただ、
>>120氏にはツルッ禿同なので、どうか無茶だけはせんで下さい。
こちらとしては、じっくりジラされるのも乙なもんですから。
前スレ
>>652続き
完結しました
傾向 ハウソフィ映画版 エロでほのぼの?
「ハハハウルっ…だめよケガしてるのに…」
ソフィーは慌てて布団を引っ張った。
「平気だよ。それよりソフィーにそんなこといわれたら僕も抑え利かなくなっちゃうじゃないか」
「それは…あれはその…」
ソフィーは言うに困って人差し指をいじりはじめた。
思いっきり無意識だった。
抱かれるのは少し怖いことには変わりないし、それ以上に、恥かしくて気を失いそうになる。
それでも彼が好きだから、触れてほしかった。
「ねえ…キスしてソフィー」
ハウルが溶けるような甘い声で囁いた。心臓がどきどき高鳴っていく。
(…私もきっと欲張りになっちゃったのね)
ソフィーは漆黒の髪をさらりと撫で、もう一度唇を落とした。
ハウルは舌でソフィー口腔内をまさぐった。ソフィーの舌が触れるたび背筋がぞくぞくする。
あたたかくて、甘くて、とろけてしまいそうだ。
足にかかったままの夜着を剥ぎ取り、剥き出しになっていた白い乳房を掌でやんわりと揉みしだいた。
柔らかくて滑らかな感触が、指を通して情欲を掻きたてる。
いたずらに一番敏感な部分に触れないでいると、ソフィーが切なげな声を漏らした。
「…ね…さわって…」
「どこを?」
「その―――…」
自分でいったのだが羞恥で消え入りそうな表情を見せるソフィーに答えさせるのもなんだかかわいそうになったので、
答え返される前にくりっと頂ををつまみあげた。
「…ひゃうっ!?」
ソフィーは大きく背中をそらせて、身体を震わせる。
「…敏感だよね。胸だけでこんなに感じるんだ?」
「…やあっ…あ、んんっ」
親指の腹でこねるたびに、ソフィーの身体は小さく反応してびくりと身体を強張らせる。
熱っぽい声が耳に響き、自分も股間がうずいて脈打ち始めるのを感じた。
指を下腹部に這わせて柔らかな叢の中の突起に軽く触れさせた。
「…あ!…」
即座にソフィーの体が反応して痺れるような衝撃が走った。それと同時に局部から蜜をあふれさせる。
「もうこんなに濡れてるよ」
ソフィーの蜜壺は淫らに口を開いてひくついている。入り口のあたりを撫でると、流れ出る愛液が指を濡れ光らせた。
「…ああっ…ハウ…ル…」
「こんなになっちゃって…ほんとソフィーは…」
ハウルは中に人差し指と中指を挿入させて、浅い部分の内壁を擦りはじめた。
くちゅくちゅと淫らな音を立てて、新たな蜜が絶え間なく流れ出る。
「い…やあ、ハウ、ル…っ…だ、め…」
「まだそんなこと言ってるの?」
ハウルは指を奥深くにつきたてた。ソフィーが、甲高くよがり声をあげる。
腕に、生あたたかい線水が一筋流れた。
「あ…ふっ、ああっ、」
ソフィーが苦しそうに眉をしかめたが、それは恍惚からくるものだ。
「…ほら、気持ちいいでしょ?」
内部のソフィーが感じる場所を探りあて、溶けるように撫でると、ソフィーの内壁がやわやわとうごめき、
指を強く締め上げる。
ソフィーは答えるどころではなかった。力が抜けてへたり込みそうになる腰をシーツを握り締めて必死に
支えるのが精一杯だ。怪我だらけの身体の上に倒れこめば、ハウルは痛がる。それは避けたいようだ。
「あ…うあっ…ウル、指…とめてぇっ…」
ほとんど哀願するような口調だった。ほとばしる雫がぱたぱたとハウルの腹の上に滴り、包帯を汚していた。
腕も震え、これ以上腰を浮かせるのも限界だった。
「じゃあ…ソフィーが上になって」
「え…できないわ…そんなこと…」
涙目のソフィーが不安げに見上げた。
「大丈夫。さ…教えてあげるよ」
ハウルは自分の固くなったものに手を触れさせた。緊張が触れた先からつたわる。
126 :
名無しさん@ピンキー:05/01/30 05:36:06 ID:7XjDLsPA
「…これに自分のを宛がって、中に収めるて」
「…こんな大きいの…入らない…わ」
「そのためにソフィーの中が濡れてるんだ…痛くないよ」
ソフィーは恐々滾ったそれを指で挟み、そっと局部に宛がった。先端が触れ、どくどくと脈打つ高ぶりがソフィー
につたわった。
そっと、少しずつ腰が沈められていく。
半分が入ったあたりで、ソフィーに潤んだ瞳で見つめられた。
「ハウル…あ、熱いの…」
「ん…緊張しなくていいよ。そのまま…少し力を抜いて」
ソフィーの腰に手を回して力をこめると、抵抗無くするりと最奥の壁まで達した。
いつもよりも強い締め付けが微かな痛みをもたらしたが、それでも彼女の中はやわらかくとろけそうだ。
「そのまま…動かせる?」
「…ん…」
ソフィーが、そっと腰を動かし始めた。内壁を擦りながらずるずると抜けていく竿をどうしていいかわからずに
腰を上げすぎてしまい、外れてしまったりもしたがどうやら徐々にコツをつかんできたようだ。
「んっ…あ、ああん…ふうっ…」
律動的に動くソフィーとともに、ベットがきしんで傷口が微かな悲鳴をあげる。しかしそんなことはどうでもいい。
ひたすらソフィーが与えてくれる快楽にの波に身を任せて溺れていく。
「…もっと腰動かして…」
「 ハ、ウル…気持ち…い…?」
「ああ。あったかいね、ソフィーのなか…」
ソフィーが嬉しげに笑った。
「ハウル…だいす…んっ…」
「僕も好きだ…ソフィー…」
この時間がずっと続いていくのであれば、こんな幸せなことは無いのに。
快楽とともに、心を何の隔たりも無くかよわし共有することができる夢のような時間。
たとえそれが錯覚でも、今このときだけは全てが満ち足りる。
「・・・んぁっ!!はぁっ…ーハウル…ハウルっ!」
ソフィーの足が細かく痙攣し、肉壁が急激に収縮して竿を締め上げる。
それにあわせて、ハウルはソフィーの中に白濁した熱い精液を流し込んだ。
夢の時間は終わりをつげた。
一息ついて顔を傾けると、彼女の熱を保ったままの目線が絡んだ。
なんだか気恥ずかしくなって笑うと、彼女もふふっとはにかんだ笑いを見せた。
「淋しかったのよ?ハウルにずっと会えなくて」
「僕もだよ。あっちではずっとソフィーのことばかり考えてた」
黒い空のもと炎と敵とでひしめく戦場で、彼女を想うことだけが、唯一すさむ心を癒して、支えてくれた。
会いたくて会いたくて、気が狂いそうだった。
ソフィーは一瞬笑顔を曇らせ、ためらいがちに口を開いた。
「ねぇハウル…やっぱりだめなの?ハウルは危ないことしなくちゃいけないの?」
「それは僕もできればしたくはないよ…でもまだ鎮圧の方向へ向かっているとはいえ戦争は続いてるし、国の命令には背けない。
それに人がいる限り戦争はいつの時代もなくならないしね」
「ハウルはなにも悪くないのに…また…」
落ち込むソフィーに、ハウルは耳打ちした。
「でもね…絶対帰ってくるよ。この城に。ソフィーのところに…」
「…絶対よ?」
訝しげな表情をみせるソフィーを抱きしめて、ハウルはこつんと甘えるような仕草で額を合わせた。
「絶対。やっとつかんだ幸せをむざむざ捨てるわけないだろ?
子どもの頃からずっと一人だったから、大好きな人たちに囲まれて、ずっと笑って暮らすのが夢だったんだ」
あの孤独な冷たい部屋の中で、夜空を淡く照らしては消えてゆく星の子たちを眺めながらずっと思い描いていた幸せ。
それが今、ここにある。
まってまって待ち焦がれた人が、ここにいる。
初めて味わう恋の痛みにも歓びにもとまどいはあるが、それを含めて全てがいとおしい。
「あとは残るのは…僕たちだけの子どもだね」
「そ…それは…」
「覚悟はいいね?」
ソフィーの顔が真っ赤にそまった。つくづくからかいがいのある娘だ。
結婚したあかつきには思う存分新婚生活を楽しもう。
「…〜〜っ!もう!ハウルの馬鹿っ!」
くたびれたぬいぐるみを顔面に直撃しながら、ハウルは笑った。
ソフィーは諦めてため息をつき、一緒に笑った。
いつのまにか夜は開け、黒の帳を白い光が払い、小鳥が嬉しげにさえずって朝の喜びを伝えてまわっている。
窓からは柔らかな陽光が差し込み、ふたりの姿を照らしだした。
「外はいい天気だよ。怪我が治ったらまた2人で野原を散歩しようか」
その後。
あまり遠くへ行っちゃ駄目よ、と母親が叫ぶ。
声の向こうでは青い空気の下、少年と老犬が花の海を駆け回っていた。
おぼつかない足取りで元気に駆け回るその姿を見ながら、彼の祖母と兄と両親と火の悪魔はは優しく光を照らされた野原の上で
いつまでも楽しそうに笑いあっていた。
END
ageてしまった…orz
やっと終わりました。
次書くとしたら短編にしよう。
いつも神々作品、楽しみにしています。
素晴らしきうまし糧の数々ををありがとうございます!
蝶GJ!次回作も楽しみにしてます!
(*´Д`)
続きをめちゃくちゃ楽しみに待ってたので読めてウレシイ・・・GJ(・∀・)
133 :
sage:05/01/30 17:56:47 ID:em66QBzk
やはりハウルのちんこはでかいんですね。GJですた(そこかよ)
すいませんうっかり上げてしまいましたしかもすっげーくだらねえ書き込みで
半年ロムってからで直してきます。失礼しました
発情猫ネタってそういえば2回目だね
うん。
前の神のSSは、二人が喧嘩して、ハウルがソフィーを猫にしちゃった後で人間に戻したけど、猫化の後遺症でソフィー発情。
そこで、ドクターハウルが颯爽と現れてソフィーを元に戻す、と。
ただ、今回の猫化発情は、耳 と し っ ぽ がある。
うむ。みみしっぽは重要だな。
ついでに言うと、発情しない獣化などエロパロではありえん。
そしておまん毛も重要だな。
基本的に猫耳?ハァ?な人間だったけどソフィーの猫耳は萌えた
↑正体はパンチラパンパン
ほほう
カモンマンゲー
おまいら妙なノリだぞw
鳥になったハウルは全体的にふわもこだが、
果たしてアレ毛はどこからどこまでか。
それが問題だ。
そりゃもうギャランドゥな感じで<毛 鳥だけど。
ハウルはアレがちっこかったから女の子にふられたんだと思ってたが少数派意見ですか
重要なのは大きさじゃないですよ。起たなきゃ意味がありません
チンコサイズが平均より小さいんじゃないかと日々悩んでて
毎晩まじない、いざという時は魔法かける、というイメージがある
ハウルはふつうに小さいチンコだと思う。
身体の線も細いし。
鳥の時って服が羽っぽくなってるが、
鳥の時は言わばアレだよな。全裸で。
女の前でプラプラさせられるんだから(鳥とか風呂上りとか)
やっぱ自信があるのでは?巨根にイピョー
鳥ってセクースの時、挿入しないんだよね…
振り掛けるだけ
153 :
職人見習い:05/02/01 00:04:01 ID:3bnkAuNp
楽しげな流れブチ切ってすんませんが、前スレSSの残り、投下させて下さい。
前スレ851からの続きで、エピローグです。
【映画、エロ未満イチャイチャ、3レス】
傑作SS揃いの中、地味で情けないっす…
一度エロ書いたら、エロ梨が物足りなくなってる自分がいるorz
入れるモノがないと面白くないな…
155 :
153:05/02/01 00:05:37 ID:3bnkAuNp
【隠れ家の午後】(エピローグ1)
目を覚ますと、息がかかるほど近くにハウルの顔があった。彼の腕に頭を預けて抱かれている状況にドギマギし、…コトを思い出してさらにドギマギしてしまった。
「あ、起きたね…」伏していた長い睫毛は眠ってたわけではないらしい。――ちゅ。額に唇を受けた。
慣れてるはずもないのに、よく知った感触と温度。
どうやらほんの一時の間に、相当な経験を積んだようで…じわじわこみ上げそうになる艶めかしい記憶を、無理矢理封じ込めた。恥ずかしくて、いたたまれない。
もじもじと身じろぎするも魔法使いは逃してくれなくて、かえって強く抱き締められる。
「…ソフィー。ありがとう。すっごい、可愛かったよ…」
それだけ言われるのすら恥ずかしく、必死に首をイヤイヤと振るのだが、そのたびに感触が蘇ってきて。――何しろ、今この瞬間も一糸まとわず脚を絡ませ合っている。
「何? どしたの? ――やっぱり、イヤだった?」途端に、恋人は心細げな声を出す。
ソフィーがこれにイチコロというのをわかってやっているのだろうか?
観念して、視線に向き合う。同時に、生々しくよみがえる身体の記憶とも。
「―そんなことないわ、あの――なんか、とても、嬉しかったわ」
自ら意識を手放してしまい、すごく卑しく淫らになっていたような気がする…否、気のせいどころかしっかり覚えている。
恥ずかしくてたまらないが、同時に胸いっぱい、身体の端々まで甘く満たされたのを思い出して、じわじわと幸福感が満ちてきた。
ソフィーの返事を聞いて、ハウルがひときわ大きな安堵のため息をついた。
「よかった。もしかして、嫌われちゃったかなぁって心配だった…。」
そんなこと無いわよと軽く流してもよかったのだが、殊更安心したような口振りだったのでなんとなく“どうして?”と返してみた。
156 :
153:05/02/01 00:10:48 ID:VpyCSvE1
【隠れ家の午後】(エピローグ2)
予想に反して、ハウルが一瞬押し黙る。そして、ボソボソと恥ずかしそうに打ち明けた。
「情けないけど、途中からもうわけがわかんなくなってきてさ――たぶん効いてなかったんだと思う……大丈夫だったかな?僕。」
――効いてなかった? なにが?
怪訝な顔をハウルに向ける。
「あ、いや、その…。ソフィーを恐がらせないようにさ、乱暴になっちゃわないように…、あの、ちょっと、まじないをね。」
――まじない。ああいうコトに及ぶにあたって、 ま じ な い ですって?!
ぼすっ!!
「いてッ!」思いきり振り下ろしたせいで、最初の一撃で枕から詰め物の羽根が飛び散った。
――ぼすっ!ぼすっ!!
「いやらしい! そんなにまでしてしたかったの?! 馬鹿じゃないのッ!」
少女が真っ赤な顔で繰り出す制裁もものともせず、魔法使いはあはははと屈託なく笑う。
「ソフィーのためにって思ったんだけどね。ソフィーのことなら、どんなに馬鹿でもいいや。」あははと笑い続けながら、難なくソフィーを抱きこむ。しっとりと汗ばんだ名残のある肌と彼の匂いに包まれて、振り上げる腕から全身から、力が抜けてしまう。
「もう…!、ばか…」
「うん、ばかだね。ソフィー馬鹿だ」にんまりと、子供のように邪気のない笑顔。そんな顔を見せられるとなんだか落ち着かなくなり、きゅっと目を瞑ってしまった。まだ頬が火照っている。
――ああ、また、あたしの負け…。
空中に舞い残っていた最後の羽根が、フワリと重力を感じさせずにソフィーのむきだしの肩に乗った。
それを細長い指でつまみ上げると、ハウルは流れるように美しい仕草でその場所に口唇を寄せ、ばら色の印をつけた。
「ん…っ」
――お詫びに、キスをひとつ落とすだけのつもりだったのだけれど。つい味わってしまった肌の甘さと、歓びを含んだ彼女の声が艶っぽくて。
むくむくと沸き上がってきたものがもう抑さえられない。黙って彼女を仰向かせ、唇をふさいだ。たっぷり潤ませて応えてくる反応に確信を持つ――ほら、ソフィー、君だって…。
157 :
153:05/02/01 00:14:06 ID:VpyCSvE1
【隠れ家の午後】(エピローグ3)
――魔法使いのキスには、絶対に魔力があるんだわ。
ソフィーはいまいちど恨めしく思った。ついさっき平静を取り戻したはずの自分が、もう溶けはじめている――意識も、身体も。
これから、どれだけの愛を重ねて行くんだろう。甘く痺れる身体をもてあまして、腕が、脚が勝手に彼を絡め取り始める。
覚えたばかりの快楽に溺れてしまいそうなことだけが不安だった。でもそんな不安もやがてすぐ意識の彼方に去ってしまうこともわかっている。彼と一緒なら、どんな自分でもかまわないと思った。
「ね…」
「うん…?」
熱くついばむ唇の狭間で恋人を呼ぶ。
「時間を止める、魔法はないの…?」
そんなことを言う少女が無性に可愛くて、ドクンと血流がひとところに集まり始める。貪りたくなる衝動をなんとか抑えた。
「止めるよりも…、時間を戻す魔法を使おうよ」ふたりで。こうやって――、
濡れて光る紅い唇をそっと指で辿る。なぞるだけの指先で犯されて、唇はハァ、と熱い息をはかなく漏らす。その小さな吐息さえ逃がさず唇と舌でからめ取る。。
指を絡めあった掌がシーツをすべる音と二人分の熱い息づかい、やがて潤った水音が、ゆっくり白み始めた空気と融け合って部屋を満たしていく。
隠れ家の外では、夜の名残の露を乗せた花びらが、微風にそよいでいた。しっとり濡れる緑の葉も、草も、こうべをもたげた花々も、新しい陽射しを待ちわびている。
新しい朝。
新しい日々。
また、今日から紡がれる、新しい幸せ。
あとからあとから溢れる至福感が、ふたりをとらえていつまでも離さなかった。
END
158 :
153:05/02/01 00:16:34 ID:VpyCSvE1
以上です。
お付き合い頂いて有難うございました。
…では皆様、続きをドゾw
GJ!既にちょっとエッチ慣れし始めたソフィーに萌え
GJ!微エロに萌えました
こうやって前の作品のエピローグが見れると嬉しいw
>「時間を止める、魔法はないの…?」
カワイイ、猛烈にカワイイ。
「ソフィーのことなら、どんなに馬鹿でもいいや。あはは」ってハウルも激カワイイぞ(* ´Д`)
>149 チンコにまじない、当たってた!
はだかんぼうで枕はたぶん両手で持って、
思い切りふりあげぼすっ!ぼすっ!
枕に視界を遮られ見え隠れする無防備な恋人の姿態。
わはははなんだか眼福だw
外の花さえなにやら瑞々しく芳しく感じられました。
御馳走様〜!
この日のまじないは失敗…
まじないはハウルが自分にかけた?
それともソフィにかけたの?
2日神様が降臨しないだけでこんなにも寂すぃ…。
もしかして3日後のオンリーに皆さん備えてらっしゃるのか?
ああ〜、あれもこれもお待ちしてます神様達!
169 :
流羽:05/02/04 13:22:34 ID:6qMF1E+d
はじめまして。
携帯からで申し訳ないのですがSS投下してもよろしいでしょうか?
このところ、SSが投下されていないようで寂しくて自分で作ってしまったのですが。
イイヨ イイヨー お待ちしてます!
カモーン!!
172 :
流羽:05/02/04 15:48:17 ID:6qMF1E+d
ありがとうございます。
では、投下します。
映画版 ハウソフィ エロあり(今回はなしですが)
タイトル「月と星」→
173 :
月と星:05/02/04 15:53:23 ID:6qMF1E+d
「ねぇ、ソフィー。今夜の月は綺麗だね。」
そう言ったのは動く城の主・ハウル。お茶を飲みながら、すぐ隣で夕食の洗い物をしているソフィーに相手をしてもらおうと先程から話し掛けているのだ。
ソフィーはにっこり笑いながら、
「ええ、そうね。でも、今夜は星は綺麗ではないみたいよ。」
それを聞くと、ハウルは急にうなだれて、嘆き始めた。
「どうせ、ソフィーは僕のことなんかどうでもよくなっちゃったんだ。」
ソフィーは洗い物の手を止めて、
「そんなことないわ、ハウル。でも、今日は…」
「いいさ、分かってるよ。でも、いつもの約束は守ってくれるよね」
「っええ?! それはおやすみ前の約束でしょ!それにまだ皆、そこのテーブルにいるのよ?」
その言葉を聞いて、テーブルについてミルクを飲んでいたマルクルはきょとんとソフィーの方を見た。
「どうしたの?ソフィー。」
ソフィーは慌てて言った。
「な、何でもないのよ、マルクル。」
マルクルは不思議そうな顔をしたが、そう、と突っ込んでは聞かなかった。
174 :
流羽:05/02/04 15:57:08 ID:6qMF1E+d
ハウルはその様子を面白そうに見ながら、先程の話を切り出す。
「ソフィー、約束は?」
じっと見つめてくるハウルと目を合わせられないでいると、
「いいじゃない。僕はこれからちょっと出掛けるから、帰る頃には皆寝ちゃってるし…ソフィーが相手をしてくれるなら、出掛けないんだけどね。」
と告げられた。
驚いて目を合わすと、ハウルが茶目っ気たっぷりにウインクをし、ソフィーはぼんっと顔を真っ赤にさせた。
「分かったわ。えっと、じゃあ…」
「うん」
ソフィーは目をさまよわせながら
「あ…愛してるわ、ハウル。」
と、ハウルの頬に口付けた。
当然テーブルについていた元・荒地の魔女はにやにや笑うと「お熱いねぇ。若いっていいわね〜」と冷やかした。
ハウルも一瞬にやりと笑ったが、すぐに真摯な表情を浮かべる。「マダムもまだまだお若いですよ。では、ちょっと行ってきます。」
そしていってらっしゃいも聞かずにそのまま、玄関のドアから出ていってしまった。
「ちぇっ。いちゃいちゃするのはベッドの中でだけにしろよな〜。」
今まで静かに見ていたカルシファーがハウルの後ろ姿に悪態を吐いた。
175 :
月と星:05/02/04 16:02:22 ID:6qMF1E+d
カルシファーの突拍子もない発言にソフィーの顔がまた赤色に染まる。
マルクルは素知らぬ振りでミルクを飲み終わらせ、ソフィーにカップを洗ってもらおうと席を立った。
「ソフィー、これも洗ってもらってもいい?」
ソフィーは頷きながら、そのカップを受け取る。それを見ながら、マルクルは自分の疑問をぶつけてみることにした。
「ところで、今日は月も星も綺麗に出ているのに、さっきはなんで『今夜の星は綺麗じゃない』て言ったの?」
ソフィーは驚いて、貰ったカップを取り落としそうになった。
「あら、本当だわ。星も綺麗に出ているみたいね。私、ぼーっとしてたのかしら。」
慌てて取り繕うと、案の定マルクルは怪訝な顔をした。元・魔女はまたにやにやしながら、
「マルクル、ソフィーは疲れているんだよ。お茶でも入れておやり。」
と助け船を出す。
マルクルは一応、納得したようですぐにお茶を入れ、テーブルに置いた。
「ソフィー、後は僕が洗うから、休んでて」
マルクルは、腕まくりをしながらソフィーを椅子に座らせると台の上に乗って洗い物をし始めた。
176 :
月と星:05/02/04 16:11:04 ID:6qMF1E+d
「悪いわね、マルクル。」そう言いながら、ソフィーはほっと安心したようなため息をついた。
(言えるわけないのよ。皆に分からないようにするためにああ言うようにしたんだもの)
そう、冒頭の二人のやり取りはある特別な意味合いを含んでいたのだ。
すなわち、ハウルの『今夜の月は綺麗だね。』は【今夜、一緒に寝ない?】を意味しており、ソフィーがOKなら『月も綺麗だけど、星も綺麗よ』と言い、駄目なら先程のように、『今夜は星は綺麗ではないみたいよ。』と言うようになっていたのだ。
前回(一週間ほど前だろうか)、一緒に眠った明け方にそうソフィーが決めたのだ。
ハウルに積極的に迫られるとどうしても厭と言えないソフィーがどうにかして断わる術を持とうと考えた結果だった。
どうやら、今の所その目論みは当たっているらしい。
「ああ、お茶が美味しいわ。」
ハウルには悪いけど、今夜もぐっすり眠れそうだわとうっすら微笑んだ。
そうしていると、元・魔女がどこから出したのか、桃色の飴玉のようなものを渡そうとしてきた。
「おばあちゃん、どうしたの、これ?」
「今日、街にちょっと行ったときに、よく働くソフィーにと思って買ってきたのよ。疲れやストレスを晴らす作用があるらしいから、おあがり。」
元・魔女からの思いがけないプレゼントに頬を緩ませながら、ありがとうと礼を言った。
177 :
月と星:05/02/04 16:13:35 ID:6qMF1E+d
だが早速、ソフィーが食べようとすると、元・魔女は慌てたようにそれを止めた。
「その飴は、夜寝る前に舐める方がいいんだよ。」
「そうなの?でも寝る前に甘いものは…。」
ソフィーが困った顔をすると、元・魔女は丸まった背を伸ばすように胸を張り、大丈夫と言い放った。
「それは飴というより、薬みたいなものだからね。言う通りにした方がいいよ。」
ソフィーが苦笑しながら分かったわと頷くと元・魔女は満足そうに笑った。
洗い物が終わったマルクルに黄色い飴を渡している元・魔女を見ながら、ソフィーは改めて、今の生活の幸せさを噛み締めた。
──これから、起こる恐ろしいことに全く気が付きもしないで……
そう、伏兵とは思わぬ所にいるものなのだ……
178 :
流羽:05/02/04 16:19:33 ID:6qMF1E+d
とりあえずここまでです。続きは近いうちに…。
稚拙な文章ですみません( -_-)
後、2個目の文章の名前欄がタイトルではなく、名前になってます、間違えたようです。
はずかしぃ……
読んでくださった方、ありがとうございます。
イイヨイイヨ〜(* ´Д`)GJでした!
ハウルに悩まされて符丁を決めるソフィータン大変ですね。
でも「皆に分からないようにするために」とは言うものの
おばあちゃんには筒抜けな気がするw
続きお待ちしてます。
180 :
我が家族:05/02/04 17:16:57 ID:L35hRctK
>>110の続き
首筋や手の甲の下、葉片がさわりと揺れる。
押し倒された形になっていたソフィーは、夢中で彼の唇を吸い続けていた。
今彼女が溺れているのは、小鳥が嘴をつつき合うような幼い口付けではない。顔を交差させ、相手の唇を争奪する、とても深い愛し方だ。
二人は頭を右に左に振って、より一層互いを求め合う。
ふと薄目を開けたハウルは、自分の荒い鼻息が伏せられた少女の睫毛を揺らずのを見た。
彼女の腕に触れているだけだった手が、その華奢な手首を押さえ込む。空いている片手は彼女の耳に添わせる。
親指の腹で柔らかな耳朶を弄ぶと、甘い吐息と共に可憐な唇が半開きになった。
その瞬間を狙っていたかのような俊敏さで、彼は舌を口内に差し入れた。
「んんっ」
ソフィーは驚愕に目を見開くが、彼はさも当然の如く舌技を展開し始める。
真珠のような歯をなぞり、歯茎を伝い、口腔の奥で縮こまる舌をつついた。
彼女がおずおずと絡ませてゆけば、ねっとりと暖かい感触が味蕾を刺激する。
たまらなくなって白い喉が仰け反る。だがそれに追随するように覆い被さってきた彼からは逃れられない。
口を深く蹂躙されて、時折切なげに喉が鳴る。
溜まってゆく、混じり合った唾液。普段嚥下するものとは少し違っていて、躊躇しながらもこくこくと体内に流し込んだ。
飲み込みきれずに溢れた液体が、少女の唇の端からこぼれ出る。
それを一滴たりとも無駄に出来ない美酒であるかのように、ハウルは頬を、顎を舐めとってゆく。
伝い落ちる舌の先で、乙女の柔肌を健気に守っていた布地を次々と剥がし、その度に新たに現れる無垢な肌に舌を伸ばす。
豊か過ぎる湿気に覆われた、生暖かい感触が彼女を否応なしに高ぶらせてゆく。
今までに与えられたことの無い快感に身体がよがる。羞恥に染まる心とは裏腹に。
徐々に熱を帯びる表皮の上を、まるで、人間でない何か別の生き物のように這い回る舌。
深過ぎる接吻からようやく解放された口からは、空気を求めるものとは違う喘ぎが漏れた。
「はあ、はあ、は・・・っああ」
自分の艶声に真っ赤になった少女は、思わず手元の草を掴んでそれ以上の発声を耐えた。
>これから起こる恐ろしいこと
ドキドキ(*´Д`*)ナニガオキルノ?
GJ!でしたよー。続きも待ってます
182 :
我が家族:05/02/04 17:21:09 ID:L35hRctK
縦に続く止め具は外され、彼の愛撫は胸元まで下る。ひどく柔らかな膨らみが、両頬に感じられた。
胸の谷間に顔を埋めたまま、両手を服と肌の間に差し入れる。
わずかに肌が覗くばかりだった隙間が、一気に肩口まで押し広げられた。
素肌が夜気に晒され、ソフィーはその冷たさにはっとする。
露わになった胸元を慌てて覆おうとするが、倍の速さで動いた彼の手に阻止された。
動きを完全に封じられ、自分を見てくる熱烈な視線に耐えかねて彼女は睫毛を伏せる。
月光にぬらりと光る肌。すっきりとした鎖骨に溜まる程の唾液量。羞恥にかられ背けられたままの顔。
そして青白く照らされた美乳。
半裸で横たわるその姿は、ひどく幻想的で蠱惑的だった。
匂い立つような瑞々しい肌に誘われ、彼は双丘をじっくりと眺めた。
陶器のような滑らかさで形作られた、女性特有のふくらみ。
大きさこそ小振りだが、若さ故の張りと艶を兼ね備え、こうして見る者の視覚を攫う。
その頂に鎮座する、淡茶色の乳輪。薄い色素は、誰にも触れられていないことを如実に物語っている。
しかしそんな純潔さとは裏腹に、乳頭は既にそそり立ち、時折ひくついて愛撫を乞うのだった。
彼は乳房にそっと両手を添え、ゆっくりと撫で回し始めた。
「は、あ・・・」
あえかな吐息を聞き取り、その反応に気を良くした彼は胸への愛撫を一層強化する。
円を描くように揉み乳房を寄せ上げ、また両方を挟み込まれて谷間はより深くなる。
きつく握り締めれば、指の間から肉がぷっくりと盛り上がる。
白磁さながらだった肌は桃色に染まり、捏ねるたびに濃さを増す。
「っく・・・くう、う・・・んっ」
喉の奥から搾り出されるうめき声は、徐々に大きくなっていた。
183 :
我が家族:05/02/04 17:34:25 ID:L35hRctK
彼はふいに、揉みしごく手のひらに違和感を感じた。
はっきりと突起物が当たっているのだとわかり、堪えきれずには胸元へ顔をさらに寄せ始める。
愛撫され続けた胸に、熱い息を感じてソフィーは頭をもたげた。
潤む視野に移った光景に、彼がしようとしていることを悟り、慌てて制止する。
「ちょ、やめ・・・っあああん」
熟れきった果実のような乳頭に、彼の薄い唇が触れた瞬間、少女の背が反り返った。
背骨の辺りを痺れが走る。電気を通されたかのように、そこに感覚はない。
強い快感に襲われながらも、彼女は必死に頭を引き剥がそうとした。だがハウルは離そうとするどころか、ますます唇を密着させる。
数度感触を味わうように啄ばんだ後、口に含む。唾液がたっぷりと含まれた舌先を絡め、音を立てて突起をなぶる。
口で攻めていない方も指の腹でこすり合わせ、休む隙を与えない。
一旦口を離し、今度は乳房と共にべろりと舐め上げて、親指と人差し指で摘む。
水の滴り、はねる音。荒い呼吸。むせび泣く声。
絶えることのない快感に、いつしかソフィーは抵抗をやめ、彼の髪をゆっくりと漉き回していた。
そんな彼女の変化を、心底嬉しく思いながら、つややかに潤った蕾を吸い、軽く甘噛みをした。
「やああああああああっ」
大きく甲高い嬌声と共に、少女の身体は弓のように見事な曲線を描いた。
ふつりと硬直が解け、草の上に音を立てて崩れ落ちる。
突然の彼女の変化に、ハウルは驚いて声をかけた。
だが返事はなく、せわしない息遣いが聞こえてくるのみ。
ぐったりと全身を弛緩させて横たわる彼女は、肌という肌を上気させ、瞳を潤ませ、愛欲という名の酒に酩酊している状態だった。
他人から愛撫されるという初めての体験だけで、既に軽く達してしまったらしい。
うぶな少女そのもののソフィーを、ハウルはひどく愛おしく思った。
だらだら長いだけで申し訳ない。
次、本番です。
(*´Д`)エクセレント!
胸だけで逝かせるハウル先生に萌え(*´Д`)
待っててヨカター!!ハァハァ(* ´Д`)
そしてソフィーはヒンヌーなのですね
188 :
名無しさん@ピンキー:05/02/05 12:37:13 ID:7ZVOd+2w
>>187 ソフィータソのひんぬーはハウルに揉まれて
これから一気に急成長するのですよ(;´Д`)ハァハァ
どうも、前スレ507です。出来た所まであげさせていただきます。
このスレに活気が戻ってきますように……!
傾向 映画版レティソフィー(ソフィレティー?) 百合 だらだら
マッテマスヨ-(*´Д`)ドチドチ
ヒンヌー気にしてる宣言してしまったばっかりに他の奴らの目を盗んでは
ハウルにせっせと胸もまれるソフィーを想像してしまいますた
ソフィーは年追うごとに巨乳になっていくもんね。
マルクルに抱きつかれたときなんかかなりのボリューム。
そうかあれはハウルの努力が実った結果だたのか・・・。
でも揉むより乳首に刺激を与えなきゃ駄目じゃなかったっけか?
ホルモンの分泌がどうとか・・・まあ気持ちよければ成長するのかな。
ハウルは胸を揉むだけじゃ済ませないよ、きっと。
>>190 ‥‥507さん生きてますか?(;´Д`)ドキドキ
>>195さん
パソコンの調子が悪くて……すみません、なんとか生きてます。
今から投下させていただきますね(;´Д`)
傾向 映画版 レティソフィー(ソフィレティー?) 百合 だらだら
意中の相手が人妻だろうと実の姉だろうと、今のレティーにはそんな事は関係
ありませんでした。ただ、ソフィーを助けたい、その一心でした。
今までの関係が壊れるんじゃないかしら、と一瞬考えましたが、
そんなわけがないと考え直しました。不幸な結婚生活を送らせるくらいなら、
二人で過ごすほうがいいとレティーは強く信じているのですから。
迎えた休日、レティーは朝から浮かれきっていました。白く小さな顔は喜びに輝き、
生き生きとしていて目も眩むほどです。
シャワーを浴びて、濡れた髪のまま鏡の前に立ち、変わり行く自分の姿を
想像してみました。自慢の金髪や透きとおるような青い目がそのまま残るといいな、
と呟いてみます。今より美しい、ソフィーが一目で恋に落ちるような、そんな男の人に
変われたらいいな、とレティーはうっとりと考えました。
「何しようかな……」
姉さんの店に行って、全くの別人―――しかも異性として振舞って。
上手く行けばデートに誘えるかもしれない。そうして、思いを伝えて。
ソフィーに拒絶されればそれまででしたが、それでもこのまま立ち止まって
いるよりはましなはずです。少なくともレティーはそう考えていました。
「ま、ここまでやって駄目なら諦めも付くでしょ」
気楽な調子でそう言うと、レティーは小瓶の蓋をあけ、液体をあおりました。
喉を滑り降りる酷い苦味と酸味に顔をしかめていると、身体がかぁっと
熱をもち始めます。体の芯が焦がされる感覚に、レティーはへたり込んでしまいました。
頬が燃える様に熱く、心臓がばくばくと鳴っています。
「や……え、ぁ、何、これ………っっ?」
呼吸が乱れ、目をあけておくことさえ困難なほどです。頭を揺さぶられたように
視界が歪み、内腿が震え出します。下腹のあたりがきゅんとなり、なんだか
切ないような、不思議な感覚です。その感覚がいつの間にかレティーを蝕み、
溺れさせてゆきます。レティーは息も絶え絶えに声を上げました。
「あ…っ……うあっ!!やっ、やぁっ……あぁ!!」
びくり、と全身が痙攣してレティーの全身から力が抜けました。
「……ちょっと、これ、どうしたん…だろ……」
だるい身体を何とか起こし、レティーは小さく呟きました。身体に起きた異変のせいかと
思い立ち上がって鏡を見てみましたが、姿は全くといっていいほど変わっていません。
大きな目も、ふっくらとした頬も、赤い唇も。レティーは合いも変わらず少女のままです。
「んもう!全然だめだったじゃないの!」
頭をかきむしりながらレティーが喚きました。悔しさに身をよじった拍子に、身体を
覆っていたタオルが外れて裸が鏡に映し出されます。
「………っ!!」
鏡に映った自らの姿に、レティーは目を瞠り、固まってしまいました。
そのままぐらりと体が揺らぎ、レティーは哀れにも気を失ってしまいました。
「………姉さん」
今日も花屋の店番をしていソフィーの元に、黒いワンピースを着た少女がやってきました。
今にも泣き出しそうな顔をした少女は、間違いなくソフィーの妹、レティーです。
「まぁレティー!あなた、どうしたの?」
思わず、ソフィーは上擦った声を上げてしまいました。それもそのはず、レティーの
溌剌としていた表情は翳り、唇は真っ青になりかすかに震えています。
いつもはまとめられている長い髪はだらしなく流され、素顔のままで頼りなさげに立っています。
「姉さん……あたし、どうしよう………!!」
レティーのか細い呟きに、ソフィーはその身体をぎゅっと抱き締めました。
それから、力強い調子で言います。
「大丈夫よ、レティー。私がついているわ。さ、入って。訳をきかせてちょうだい」
ソフィーの優しい言葉に、レティーがわぁっと泣き出してしまいました。
通行人たちがレティーをじろじろと眺めていきます。ソフィーは居心地の悪さを
感じつつ、妹を庇うように家に招き入れました。
ソフィーの部屋についても尚、レティーはぐずぐずと泣きじゃくっていました。
とりあえずベッドに腰掛けさせ、様子を覗います。
気丈で、昔からソフィーよりもずっと気位の高いレティーがこんなにも頼りなく
泣くだなんて、とソフィーは一人途方にくれてしまいました。
「ねぇレティー……何があったのか教えてくれない?何も言ってくれないんじゃ私、解らないわ」
ソフィーがつとめて優しく言いました。しかし、レティーは一瞬目を上げただけで
泣き止みません。
「レティー」
ソフィーがレティーを引き寄せ、抱きすくめました。ソフィーの肩に顔を当てさせ、
その背中を叩いてやります。
「レティー、いい子だから泣かないで。あなたが泣くと、私も悲しくなっちゃう」
優しいばかりの調子に、ようやくレティーが顔をあげました。涙で濡れた目で、
ソフィーをじっと見つめています。その表情がひどく大人びて色っぽかったので、
ソフィーは思わず頬を赤く染めました。
「………見て」
レティーはか細い声で呟くと、ショールとソフィーに渡しました。
そのままするするとワンピースを脱ぎだします。
「ちょっと、レティー?!」
レティーの突然の行動に、ソフィーが慌てて彼女を止めにかかります。しかし、
レティーはそんなことお構いなしでキャミソールやドロワーズを脱いでいきます。
「見て」
現れたレティーの豊かな身体に、ソフィーは目を背けました。
しかし、レティーの切羽詰ったような声がそれを許しません。
「見てくれないとだめなの、助けて………!」
ソフィーが覚悟を決めたように、レティーを見つめました。
彼女のたたまれた膝に乗っている異物に、ひぃっと怯えたように息を呑みます。
「レティー………あなた……」
それだけ呟くと、ソフィーはぐらりと天を仰いで気を失いました。
レティーは涙を流しながら姉の頬をたたきます。
「起きて、姉さん……あたしを一人にしないで!」
レティーが悲鳴をあげ、泣き喚きました。
そう、レティーの身体には、男性の生殖器がついていたのです。
あどけない泣き顔の少女には似つかわしくない程に、見事な男性の象徴が。
今日はここまでで。次あたりからエロ突入……のはず。
どうでもいい事ですが、私もソフィーは貧乳で痩せ型のイメージで書いてました。
やっぱりそう思わずにいられませんよねwwなんでだろう、映画で見てても
千尋みたいにガリガリだったわけじゃないのに。
反対にレティーは巨乳でちょっとぽっちゃりしていて男受けのいいイメージ。
お菓子屋さんの子だし、痩せてはないはずww
あ!上の私です……。名前入れ忘れちゃってゴメンナサイ
>>203 生きてた!ヨカッタ!w
GJでしたよ!
この後の展開がドキドキだわ。
ハウルのコピーが出来上がるのかと思いきや、そう来ましたかw
いい意味で期待を裏切られました。GJ!
206 :
流羽:05/02/07 09:05:55 ID:P/rJzDAE
感想を下さった方、ありがとうございました(^^)
今回の投下で最後まで終わらせるつもりだったのですが、筆が進まなくて終わりませんでした。
できたところまで投下いたします。
>>177の続き
映画版 ハウソフィ エロあり
その日の夜中。
皆を寝かしつけた後、ソフィーはやっと自分の部屋で落ち着くことができた。ふわぁ、とあくびを洩らす。
「さあ、寝ようかしら…。」
そうして、ベッドに横になりかけた所、頭に貰った飴のことが横切った。
いけない、おばあちゃんに怒られちゃうわと飴を口に放り込む。
甘酸っぱい味が口の中に広がった。飴は大きい割には溶けるのが早く、すぐに眠りにつけそうだと、今度こそベッドに横になった。
が、眠気はどこかに消えてしまったらしく、寝付けない。
寝る前に甘いものを食べたのがいけなかったのだろうと無理矢理に目を閉じていたら、胸が急にドキドキしだし、身体が熱くなり始めた。
新手の病気かしら、と考えているとこれは前にも味わった感覚だということに気が付いた。
(これは、ハウルと身体を重ねた時の──)
その時の映像が広がり、途端に恥ずかしくなる。
今度は息まで荒くなってきて…
(私、こんなにHな…)
自分の身体の変化に動揺していると、玄関のドアが開かれる音が聞こえた。
出掛けていって帰ってきていないのは一人しかいない。
208 :
月と星:05/02/07 09:12:48 ID:P/rJzDAE
「ハウルが帰って…きたん…だわ……」
このままではとても寝られないと思ったソフィーは、ふらふらした足取りで、ハウルの部屋の前まで行った。ドアの前でしゃがみこむようにして待つ。
もちろん、自分の部屋に向かってくるハウルがソフィーに気が付かないわけがなかった。
足音もたてずに部屋の前までやってきて、
「ソフィー?」
うつむき加減のソフィーの顔を覗き込む。
ソフィーの息は荒く乱れ、顔は月の光だけでもいつもより赤いように見えた。
ハウルは目を見開く。
(魔法が掛けられている。それも強力な…)
「ソフィー、大丈夫?」
そうして、微動だにしない肩にそっと触れる。
ビクッ。
軽く触れただけなのに反応は異常に大きかった。
(やっぱりね。)
困ったように嘆息をつく。
「ハウ…ル…、く…るしいの……」
震えながらそう言って、潤んだ瞳でハウルを見つめるソフィー。
そんな瞳にハウルが耐えられるはずもなく…、両手を使い無言でソフィーを抱きかかえる。
魔法で音をたてぬようドアを開き、自分のベッドにソフィーを横たえ、覆い被さった。
もちろん、ドアの鍵も抜かりがない。
209 :
月と星:05/02/07 09:14:15 ID:P/rJzDAE
「ソフィー…」
愛しそうに言って、ソフィーのあごを掴み、口付けをする、何度も何度も、浅く、深く。
「んっんんん…んんっ」
ソフィーは顔を真っ赤にしながら、それを受け入れていた。ただ、思考が上手く回らなかったのだけかもしれないが。
ハウルの舌がソフィーの歯をなぞり、舌を絡めとって吸う。
いつもなら、苦しいと言って細やかな抵抗を見せるのだが、今日はされるがままだった。
その間も、目はずっと潤んだままハウルを見つめている。
名残惜しげにハウルが唇を離すと透明な糸が二人を繋いだ。
「ソフィー。今日の君の唇はいつもと違って、甘酸っぱく感じるんだけど、何か食べたかい?」
ソフィーの口元に落ちた二人の糸を親指で拭いながら聞く。
「…え?……さっき…飴…食べた…けど」
どうしてそんなことを聞くの、と目で問うソフィーにそれだ、とハウルは軽く舌打ちをした。
途端、ハウルの身体の奥も熱を訴え始めた。
「…どうやら、僕にも毒が回ってきたらしい……」
くくっと笑うとソフィーがそれを聞き咎めた。
「……ど・く?……毒ですって……それって…どういうっ……ひぁっ」
ハウルに首筋を舐められて、皆まで言えずに小さな悲鳴をあげる。
「知りたい?…教えてあげる。………手加減はできないけど。」
小さく呟かれた終わりの方の言葉はソフィーには聞こえなかった。
210 :
流羽:05/02/07 09:19:36 ID:P/rJzDAE
以上です。
遅筆で申し訳ありません。次回こそ、きちんと終われるよう頑張ります。
周りの神様達と比べるとまだまだ至らない文章ですが、楽しんでいただけたら幸いです。
キタ―(・∀・)―!
続きがたのしみ…(*´Д`) '`ァ..,'`ァ..,
職人様(・∀・)キター!
レティがどんな男になるかアレコレ想像してましたが、宣言通り 百 合 ですな。ドッチドチして続き待ってまつ。
月と星、待ってました。手加減できないハウルが楽しみ(*´Д`)ハアハア
そして、マルクルの飴は何だったのか密かに気になる…。
手加減できないハウル(*´Д`)/ヽァ/ヽァ
禿げしく期待してます
舌打ちハウル、モエ(*´Д`)
そして「毒が回る」ハウルモエ…ただの助平サンではないのだ、毒のせいなのだw
楽しみにしてます!
映画板の萌えスレが削除されちゃったYOヽ(`Д´)ノウワァァァァン
もうここでしか萌え話ができません。ショボン
自分もせっせと書きはするけどどうもエロがぬるい・・・
神の続投に期待。がんがって〜
神様・・・(´・ω・`)
神様達も忙しいのさ…。まだ平日だしね。
マターリ待ちましょうや。
…と言いつつ、猫とカルはいつかなぁと待ち遠しい私。
219 :
名無しさん@ピンキー:05/02/12 00:16:14 ID:+QNEUHW9
神様たちは3連休も忙しいのかな。
期待しております。
ネタは溜まれど書く時間がないorz
筆が進まない・・・○| ̄|_
>221
漏れもネタばかりが塵のように降り積もりますよ・・・・
バレンタインだから一発甘ったるいやつを書きたいとこなんだけどねえ
>>120 >>122 サンクス!!
予定よりかなり遅れましたが、猫耳ソフィー編の続き最終投下します。
しかし、純な作品が続いている中、手前のものは
か な り ソフィーの純さが失われていますのでご注意を!本番編です。
オリジナルと違い過ぎるわ!という方はスルー願います。
設定は『映画版・猫耳ソフィー・エロ・甘々』となっております。
>>117の続き
火照った肌にひんやりとしたシーツの感触。
ちゅ…ちゅくっ…
息をも分け合うような深い口付けの間に、ハウルの舌と自分のそれが絡んで、
彼の唇が首筋をたどり、ちゅっと吸い上げられるたびに体は過敏に反応して声があがります。
この姿になってからずっと求めていた感覚に体中が震えました。
ハウルは、どこにふれても体を捩らせるソフィーの姿に、興奮を抑えることが出来ません。
うっすらとピンク色に上気した肌、とろんとした瞳、快感を訴える息遣い。
何より、何も纏っていない体に可愛らしい猫耳とシッポ。
そしていつもは奥手なソフィーが、大胆に自分を求めているという事。
そのあまりにも魅惑的な状況の中で、理性を保っているのは困難でした。
ハウルが何気なくソフィーの猫耳にふれた時、
「あんっ」
ソフィーは大きな反応を返しました。どうやらシッポだけではなくこの猫耳も敏感なようです。
気を良くしたハウルは、猫耳にフッと息を吹きかけてぱくりと咥えると、
「ふあっ…!あっ!」
ソフィーの体はびくびくっと何度も跳ねました。
「すごいね…この猫耳。そんなに感じちゃう?」
ふと彼が視線を落とすと、そこにはゆらゆらと揺れるシッポ。
このシッポが敏感らしいという事は昼間目撃しています。
ハウルがそっと彼女のシッポを掴むと、
「んあっ…!ハウルっ…」
猫耳以上にソフィーは体をびくつかせました。
「これそんなに気持ちイイんだ…」
掴んだシッポをやわやわと擦ったり、きゅっと握ってみたりすると、
「あっあっ!ひゃぁんっ…!」
まるで敏感な核でも刺激しているような反応が返ってきます。
ハウルはいまだソフィーの胸にも秘部にもふれていませんが、既に彼女の秘唇は熱く綻び、
太腿まで蜜を滴らせていました。
「まだ猫耳とシッポしかさわってないのに…もうこんなになってる。ソフィーはえっちだね」
「やっ…。だってぇ…んっ!」
繁みの中にある淫核もかわいそうなほど赤くなって膨れています。
ハウルは掴んでいたシッポで充血したそれを撫でました。
「あああっ!!あっあっ…!」
その毛並みを利用して核を撫で、そのままひくつく秘唇にも擦りつけます。
「ひゃぁっ!だめ…感じ過ぎちゃ…あんっ!あっああっー!」
柔らかい毛の絶妙な感覚に、ソフィーはすぐに昇り詰めてしまいました。
「はっ…はっ…はぁっ…」
ソフィーは頂上から緩やかに降りてきて肩で息をしていましたが、
「んっ…ハウル…中が熱いの…」
腕を伸ばしハウルにぎゅっとしがみ付いて、濡れそぼったそこを彼の下半身にすり寄せました。
そんなソフィーの仕草に、ハウルはめちゃくちゃに抱いてしまいたい衝動にかられましたが、
それをぐっと堪え、彼女の秘唇に指を2本挿入してさらに焦らします。
彼の指は滑り過ぎなくらいにあっさりと中に入り、そこはきゅっと絡み付いてきました。
「本当だ…ソフィーのここ熱いね。濡れ過ぎで指が滑って抜けちゃうよ…」
そう言ってちゅるんと指を抜いてしまうと、ソフィーはたまらなくなって身をよじり、
「やっ…やめちゃ…やだぁ…」
涙を溜めてハウルに懇願します。
「濡れすぎだね、綺麗にしてあげる」
すると彼はソフィーの秘部に顔を埋め、その溢れた蜜を丁寧に舐めとっていきました。
後から後から溢れてくる潤みと一緒に赤い核も舐めあげられ、ソフィーは快感に飲み込まれます。
しかし、表面側の愛撫が続く中、体の内部は疼きが増すばかりでした。
「ね…あんっ…ハウル…」
「…ん?なに?」
「奥が…熱くて…っ」
「どうして欲しいの?」
意地悪を続けるハウルに対し、ソフィーは思わぬ行動に出ました。
力の入らない体を起こし四つん這いになって、ハウルにそのシッポが生えた可愛いお尻を向けたのです。
「んっ…はやく…きて…」
全身を紅潮させて見上げてくるねだるような瞳とシッポ、蜜が滴り落ちる秘部とがいっぺんに
彼の視界に入ります。ここまでされては、もう理性も限界でした。
「ソフィーはいやらしいね…。それじゃあ欲しいモノをあげるよ」
ハウルはソフィーの腰を掴み、後ろから彼女のとろけた部分に一気に自身を突きこみました。
「あああっ!」
焦らされて待ちに待った感覚に、ソフィーは軽く昇りつめてしまいました。
ハウルは休む間を与えず、激しく突いて中をかきまわし、後ろからの挿入のせいか彼のモノはいつもより奥まで入り込みます。
ずっ…ずちゅっ…ぐちゅっ…
「あっ…あっ…はっ…ああんっ!」
「はっ…はっ…ソフィー…」
部屋に響き渡るのは二人の荒い息遣いと快感の声、そして結合部から漏れる水音でした。
いつも以上に濡れそぼったソフィーの中は、その滑り具合とは裏腹に
きつく彼自身に絡み付いてきます。まるで離したくないとでもいうように、奥へ奥へと誘うようです。
貪欲に雄を求めるその様は、まさしく発情期ならではですが、今の二人にそんな事を考える余裕はありませんでした。
ハウルが彼女の体が求めるままに激しく奥を突き上げかき回していると、
それは動物の交尾のようで、ソフィーの姿と相まって更に興奮が高まりました。
「んっんっ!あっ…あっ!はぅっ…」
彼の激しい攻めに、いよいよソフィーも高みへ昇りつつあるのでしょうか、
注挿に合わせて腰を動かしています。
奥を突かれ中を抉られて、やがて彼女は絶頂に辿り着きました。
「はっあっ!あっ!あっ!あっ…ふぁああっ!!」
それに合わせてソフィーの中は、ハウル自身を奥まで引き込むかのように更にきゅうっと締まり、
「うっ…くっ!ソフィーっ!!」
そのまま彼はソフィーの深いところに熱い精を注ぎ込みました。
ハウルが結合を解いた後、二人はしばらくぐったりとしていましたが、
その内にソフィーがむくりと起き上がってハウルに抱きつきました。
「どうしたのソフィー?」
「……まだ熱いの」
そう言うと、ソフィーは寝転がる彼の上に馬乗りになります。
ハウルが感じとったのは、自分の腰に触れる熱く濡れた感触。
そして彼女には今だ猫耳と尻尾が生えたままです。
ソフィーの唇がゆっくりと近づいて来て自分のそれと重なり、さらに舌も絡んできました。
(まだ足りないのかな?)
積極的なソフィーに求められるままに彼はキスに答え、彼女の敏感な部分に指を滑らせました。
結局、猫耳とシッポがある間の一晩中、ソフィーは満足する事無くハウルを求めたようで、
回数を数えるのも忘れ、朝になりやっとまじないの効力が切れた時には
ハウルの方が力尽きていたとか。
げっそりとして動けないハウルと、腰痛を抱えながらも元気に働くソフィー。
その日の城では少しおかしな様子が見てとれたという。
「ひっひっひ、やっぱり女の方が強いのかねぇ〜」
「おばあちゃん何の事?」
END
スマソ。発情しているとはいえ今回のソフィーはヤラシ杉です。
拙作を読んでくれた方々に感謝!それでは。
ついでに次のネタ提供おながいします。
ひさびさ神さまキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
馬乗りソフィはエロイですよ!(*´д`*)ハァハァハァアハァ
>七タソ
いつものごとくGJ!!
猫ソフィーに搾り取られてるハウル先生に萌え
いくらいやらしくてもそこに愛があるからええのです。愛です愛
神〜〜〜!
最後のセリフはマルクルでしょうか??
そこにも萌えました
ッハァー(*´Д`)
空腹後のうまし糧は、正しく美味ですな。
ハウルってば、一回目は我慢して頑張ったのに、結局は搾り取られちゃったのねw
やっぱ、ソフィーは日頃から肉体労働してるから…。
美味しいハウソフィ見れた事だし、昼から映画見てきます。
ノシ
たしかにハウルは魔法ばっか使って体力とかなさそうだ。
三十路ちかいならジムにでも行かないと垂れるぞハウルw
ジブハウは20代前半だから無問題w
気が済むまで二人して搾り合っていただきたい(´∀`*)!
>>235 いや、分からんぞ…どこにもソースがないのだから
個人的には27がいいw
ソース失念したが、ジブハウ24だとどこか読んだことあるよ。
七面鳥神、GJでした!
エロつうか激しく可愛いっす、ソフィー。
>236
台穴女史も『ハウルの年齢を下げたのは正解でしたね』と
コメントしておるよ
まあ何か個人的には27の男ってあんまガツガツしてないイメージあるけどね
こればっかはそれぞれの性格にも寄るか・・・
24だとまだガツガツしてそうだよね。映画の方の年齢が知りたい
(21って書き込みを見た記憶もあり)
21はもう馬鹿なんじゃないだろうかこのひと・・・!!ってくらい
できるよね(;´Д`)!穴が痛くなるっちゅうねん(下品)
原作ハウルの年齢にほど近い漏れとしては勘弁こうむりたいが
同じくらいの年齢なら無問題でお相手できるだろうからやっぱ心配いらねえな
女子の場合は若くても淡白なヤシもいるけどね。
ソフィはあんま数こなせない気がする…
>>242 腹だったらやだなあw
まだ物慣れなくてあんまり応じてくれないソフィーにガツガツハウルが
ハァハァ迫りまくりーの無理くりやりまくりーのなシチュは萌えるな…(* ´Д`)
でガツガツは24歳キボン。ちょっと年齢差ある方が自分は好きだ。
酔っ払ったソフィーがハウルを責めるっていうのもいいなぁ。
「あなたこんなになっちゃってるじゃない」って・・・
245 :
職人見習い:05/02/15 09:24:16 ID:ayRbsuxh
バレンタインにと思ってぬる甘なヤツ用意しましたが、間に合わんかった…orz
単発ですが、神降臨までのしばしのお暇つぶしになれば。
【映画、未エロ、単発】
ちょっぴりいただいた夕食の時のワインのせい?
部屋まで運んでくれたハウルを思い切って引き止めた。
自分からベッドへ招き入れたのなんて初めてだから、彼の方も鼓動がいつもより大きい…
今更ながら少し緊張した顔をお互い向け合って、熱い息を交わす。
ふぅーっと、長く息を吐きながら首筋に顔をうずめてきた。
視線をまわすと、艶やかな黒髪がさらりと流れて碧い宝石が覗く。
魅惑的な光に吸い込まれるように、唇を寄せた。
ちゅっ…、ちゅっ…
彼がしてくれるように、耳元へ口づけを繰り返す。
「…っ、…はァ…」
感じてくれるのが嬉しくて、首筋にもうなじにも舌を滑らせる。
耳たぶを弄んでいると彼の指が延びてきて、片手で器用に耳飾りを外した。
その指先ごと宝石を口に含み、光る石を軽く前歯で噛んだ。
くわえた宝石を見せ付けるように、彼の鼻先へ顔を寄せる。
彼の両手が頭を包み、のばされた舌で石がくすぐられる。
やがて石は舌でからめとられ、唇は唇でふさがれた。
互いの口を行き来する内に石はぬくもりを持ちはじめ、そんなはずはないのに、くちゅりくちゅりと転がされる宝石にほの甘ささえ感じるようになった。
――まるで飴玉みたい…
気持ち微笑んでそう考えた瞬間、小さな塊はしゅっ、と溶け去った。
口づけたままでびっくりして目を見開くと、やはり唇を交わらせたまま双眼がにやりと微笑った。
細長い指で、顔に掛かる髪を耳に掛けられ、耳たぶがひっぱられる重みを感じた。
揺れる感触。
魔法使いは悪戯っぽく片目を一度しばたたかせ、長い睫毛を伏せて再び深く口腔をまさぐり始めた。
あるはずのない飴が残していった甘さを求めて、彼の舌をいつまでも味わった。
ワインの酔いが、さらに回り始めた。
こっちょええ
職人見習いさんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
甘くてGJ!お酒のせいで積極的なソフィータンイイヨイイヨー。
未エロながら雰囲気十分エロいです。ご馳走様でした。
大人っぽくて(・∀・)イイ!!
ほんとかっこいいね。
職人見習さん蝶GJ!!
この完成度はもう見習いじゃないですよ。本職人ですな(・∀・)イイ !
エロというかほんとにエロティック。ソフィー視点だから
ハウル先生の喘ぎ声にドチドチしてしまいますた・・・(*´Д`)アアン
ふと思いついたので投下させていただきます。
『映画 微エロ? ソフィー・ハウル・カブ』
大雪の晩、美貌の魔法使い城の中は荒れていた
豊かな金髪を持つ一国の王子は、与えられた客室のベッドの上で長い足を大儀そうに
組んでいた。つい最近までは細くて乾いた木だった自分の下肢は、
今はしっかりとした人間の足に戻っている。ちらり、と窓を見ると暗い窓に自分の顔が映っていた。
端正な顔は、大きなカブにおざなりに書かれていた記号の様なそれとは似ても似つかない。
物腰の柔らかさも、素直な微笑みも、やっと取り戻した彼の大切な財産だった。
これらは全て、愛する少女から与えられたものだった。
彼はゆっくり息をはくと、美しい星色の髪の乙女のことを思った。
この雪の夜更けに、彼女は何をしているのだろう。夕食の時には不機嫌な城の主人に
気を使いながらも、自分に対して親しげな態度を崩さなかった彼女。
雪のせいで身動きが取れなくなった自分を心配し、部屋を用意してくれた親切な彼女。
優しく、美しくて魅力的な彼女は、今何をしているのだろう。
不意に、あの男に抱かれているのだろうな、と訳もない確信が胸に浮き上がってきた。
一瞬息が詰まり、喉がひりひりと痛んだ。
でも、それも仕方がない気もした。彼女はあの美貌の魔法使いの妻で、
二人は深く愛し合っている。自分が付け入る隙など、ほんの少しもない。
それでも、そんな理由で諦められるような軽い気持ちじゃないのだ、と
彼は静かに目を閉じて彼女に思いを馳せた。
「……きっと、私があなたのことを思わない日など、一日もないのでしょう」
彼の呟きは、一片の雪よりも儚かった。
雪の舞う影の映る部屋で、黒髪の魔法使いは腕の中の少女をひたと見つめていた。
少女は苦しげに表情を歪めながらも、甘い声で鳴き続けている。
突然の来客は彼女の友人で、彼にとっては恋敵だった。彼女は友人の来訪を喜び、
簡単に家に上げ、ご馳走を振舞った。
普段は口数の多い方ではない彼女の、今夜の饒舌さといえば!若干芝居がかった物言いで、
彼は一人ごちた。しかし、事実今日の彼女は嬉しそうだったし楽しそうだった。
積極的に友人に話し掛け、彼の話を楽しげに聞き、また沢山の話題を共有していた。
そうしてる間に自分が彼女を見つめていたのに、彼女は気付いたのだろうか。
彼女の放つ笑顔に自分が傷ついていたのを、彼女は知っていただろうか。
自分と彼女は愛し合っていて、結婚もしている。
なのに、どうしてこんなにも不安で心が波立つのだろう。
どうして、彼女は自分の心をこうも弄ぶのだろう。
なめらかな肌に指を滑らすと、あっと彼女が声を上げた。潤んだ瞳が自分を射抜き、
その視線にため息が漏れた。
白桃の様な頬に唇を寄せると、はあ、と甘やかなため息が漏れた。
その表情はいっそ溶けてしまいそうで、今の彼女には自分以外何者も見えて
いないのが簡単にわかった。
あぁ、と魔法使いは小さく狼狽した。こうして快楽に溺れさせ、
脆い身体だけの関係を深めていても、ひしひしと幸せだと感じてしまう。
お伽話では、魔法使いは捕えていた姫君を助けに来た王子に連れて行かれる。
キャストは揃った。物語が始動するのも時間の問題だろうか。
そうして、彼女はいつか自分の元を去っていくのだろうか。
それでも。
「約束して……時々は僕のことを思う、と」
身を抉るような快感に気を取られていた少女は、魔法使いの呟きを聞いてはいなかった。
そして、そう呟いた魔法使いの声が震えていたことにも、気付いていなかった。
雪が止み、野原は穏やかな月明かりを浴びて真昼のように明るかった。
浅い眠りから目覚めた少女は、窓から差し込む光に目を細めた。
背中に感じる恋人の鼓動に胸がぎゅっと痛んだ。
頭の奥底を揺さぶるような快楽に半ば失念するように眠りに付いたためか、
意識は薄くだが、確かに覚醒してしまっている。
泣きはらした瞼が熱く、目を開くのが難儀だ。
愛しい魔法使いは今晩は妙に荒れていた。自分を抱く腕も荒々しく、
腕を押さえつける彼の力は圧倒的で、身体を重ねていても彼が恐ろしかった。
でも、与えられる快楽は溺れずに入られないほどに凄まじかった。
今夜は彼ばかりに非があるわけじゃない、と少女は涙の後を擦りながらこっそり思った。
突然の来訪にいい顔をしない彼を無視して王子を家にあげ、部屋まで用意したのは自分だから。
それでも、やはりかつて案山子だった王子様は少女の大切な友人だ。
家族といっても過言ではない。例え彼の不興を買おうと、ないがしろには出来ない。
彼がヤキモチ焼きな事も、自分にどれだけ執着しているかもよく知っていた。
自分が彼以外の男と親しくしたり、口説かれたりする度に彼がどれだけ傷つくかも。
悪いことしてしまったわと少女は一人ごちた。
くるりと身体を反転させ、彼と向き合う。
彼の美貌は眠っていても衰えを知らない。むしろ、こういう無防備な瞬間に
彼の美の本質が発揮されている気さえする。
彼女は静かに彼の頬に指を添えた。すべらかな感触にため息が出る。
目を伏せ、初めて彼に抱かれた夜を思い出す。彼は何度も何度も愛してるよと言い、
初めての痛みに涙する自分を、一生大切にすると誓った。
思い出した言葉の甘さと幸福さで残っていた恐怖を押し流し、
少女は自分の額を彼のそれに付き合わせ、掠れた声で囁いた。
「今日はごめんなさい……でも、きっと私があなたを思わない日なんて一日もないの…
……だから、あなたも約束して、いつかと同じ気持ちで誓い続けると」
夢の中でも。
言外にその一言を匂わすと少女は魔法使いに口付けを落とし、
彼の胸に身体を預けて目を閉じた。
以上です。
今公開してる少女と異形が恋に落ちる映画がちょっとハウソフィ+カブにも
重なったので書いてみました。
タイトルは実際にある曲名で、それを聞いて思いつきました。
しんくぉーぶみー♪と綺麗なソプラノで歌い上げる曲です。
英詩を自分で訳してモチーフにしただけなので著作権には引っかからないと
おもいますが……。
御目汚し失礼しました。
職人見習いです。
皆様お言葉ありがとうございました。
そのお言葉こそうまし糧です(´Д`*)精進シマス…
>>254神
わああああ、素敵だ!!
すごい素敵な世界感。なんか、泣けそうでした。
自分も、例の映画でハウルモエしたクチですw
ハウルと2本立てを2回やりました…
切ねぇ…(*´Д`)
激しくイイ!!
良作キテル━━━━━━!!
3人それぞれの思いがすごく切ないです。
不安になってるハウル萌え。泣ける…。
>>251-253 切な杉!!(*´Д`)
何度も読み返しちゃいました。
このSSの中の皆には、ぜひ幸せになってホスィもんです…特にハウル。
不安が消え去って安心できるようになった後日譚とか読めたらいいな…(催促ではありません!スマソ)
例の映画も見ましたよ。アレもなんともいえないな。
アレです。人は孤独と別れることは出来ない。
孤独は幸せ友人。常に付きまとってくるって奴です。
孤独とイキロ!
三者三様が面白かったです。
カブもいい嫁見つけて欲しいもんだ。
まあ普通に考えれば戦争が終わってもかつての敵国の
一般市民と結ばれるなんてありえないような。19世紀くらいだったか舞台設定
普通に許婚とかいるんだろうなぁカブ・・・
城で暮らしたちょっとの想い出を胸に生きて行っていただきたい
神達GJ!!!!!!!!
ただ、一言言わせて貰えるなら、
神@が連載している間他の神は投稿しないほうが良いんじゃなかろうか。
ごく偶に被さっているのがちと読みづらい。
後日談にもならない後日談を投下させていただきます。
『映画 エロなし ハウル・ソフィー・カブ』
ちょっと質問なんですが。
このスレ、女性が多いようなので、淫語はどの程度書いていいのかな?
そのものずばりは引かれるのでしょうか?
一部伏字と、婉曲表現(蜜やら、花やら、蕾やら)だと、どっちがいいのかな?
早朝のひそやかな空気の中を、一国の王子―――ここでの呼び名はもっぱら案山子のカブだが―――
が歩いていく。きちんと片付けられた、でも暖かみのあるキッチンの中では、
星色の髪が忙しく揺れている。
「おはようございます」
「あらおはよう、よく眠れた?」
声をかけると、朝食の用意をしていたソフィーが振り返った。微笑んだ目元が、わずかに赤い。
「おかげさまで……雪、止みましたね」
「そうね。もう降らないとは思うんだけど……」
そういうと、ソフィーは窓から空を覗いた。
立ちこめた雲は動く気配もないが、泣き出しそうな様子もない。
「でも寒いわね。カルシファーに頼んで、部屋をもっと温めてもらいましょうか」
小さく身震いすると、ソフィーが襟元を直した。
ちらりと覗いた白い喉元に、カブが思わず目を逸らす。
「……襟の低い服を着たのは、得策ではありませんね」
「え?」
「赤くなってますよ」
カブが苦笑いを浮かべながら、喉元を手で示した。ソフィーがばっと赤くなり、慌てて首を押さえる。
「……冗談ですよ」
かすかに見えた素肌があんまりにも色っぽかったのでからかっただけだったのだが、
彼女はおろおろと首に手をまわしている。カブがいたたまれなくなってそう言うと、
ソフィーがなんとも言えない表情を浮かべて、手を離した。
「そんなに慌てるなんて、何か思い当たるふしでもあるんですか?」
その一言に、またソフィーが赤くなった。つんと唇をとがらせて、視線を逸らす。
「……今日のカブはなんだか意地悪ね」
小さな声で、ソフィーが呟くように言った。彼女の態度に、カブは心がささくれ立つのを
感じて眉間に皺を寄せる。
「そうでしょうか?」
「そうよ。そんな冗談、私聞きたくないわ」
頑ななソフィーの態度に、ますます心が乱れた。
残酷な気持ちを隠すことなく、カブはソフィーを追い詰めていく。
「それなら、そう言った行為を自粛したらいかがですか?あんな声を聞かせられて、
僕がなんとも思わないとでも?」
「嘘!だって、ハウルがちゃんと魔法を……」
「やっぱり」
カブが冷え切った声で言った。ソフィーがはっとする。
「あなた、騙したのね!」
「勝手にひっかかったのはそっちでしょう?」
「どうしてそんな事言うの?」
今にも泣き出しそうな顔のソフィーに、カブが薄笑いを浮かべて訊ねる。
「………彼のこと、好きなんですか?」
カブの問いに、ソフィーが途惑ったように視線を揺らした。
それでも、カブの目を真っ直ぐ見据えて応える。
「ええ、愛してるわ」
「私の事は?」
間髪入れずに返された言葉に、ソフィーが狼狽した。
重苦しい沈黙の後、ソフィーが言を選びながらも紡ぎだす。
「好きよ。あなたも大切な私の家族だもの」
ソフィーの言葉の惨忍さに、カブが息を詰めた。それから彼女の腕を掴み、自分の元へ引き寄せる。
「カブ!」
なにするの、という言葉を奪うようにその口をふさいだ。
目を見開き、身をよじる彼女の頭を押さえ込み、舌で唇をこじ開ける。
「いやっ!」
ぱしん、という乾いた音と共にソフィーがカブをひっぱたいた。
赤くなったカブの頬に、ソフィーが気まずそうな表情になる。
「あの、カブ……?」
「……愛しています」
カブにぎゅっと抱き締められ、ソフィーは全身をこわばらせた。耳元で囁かれた言葉に、
怯えたように首を振り、身体を放す。
「…………どういう意味でいったの?それとも、私の聞き間違い?」
あぁ、とカブが大仰にうめいた。ソフィーは無理やりに笑顔を貼り付け、首を傾げる。
「カブ、教えてくれない……?」
かさかさに乾いた声で、ソフィーがもう一度問うた。カブが浅く息を吐くと、穏やかに語りだす。
「愛してる、と言いました。ソフィー、あなたが好きです。あなたの傍にいたい、
あなたを支えたい、あなたと幸せになりたい」
「いやぁっ!!」
ソフィーが金切り声を上げてへたり込んだ。耳を塞ぎ、狂ったように頭を振る。
「ソフィー」
「いや!聞きたくない!!」
ソフィーの悲鳴に、暖炉にいた炎の悪魔がゆらゆらと悲しげに揺れた。
長いすにもたれていた年老いた魔女は眠ったふりを続け、カブは何をするでもなくソフィーを見つめている。
「……なら、私もあなたに好きなんて言って欲しくなかった……」
カブが震えた声で放った言葉は、うずくまり、肩を震わせて泣いている
ソフィーの耳には届いていなかった。
「今朝は随分とにぎやかだね」
重苦しい沈黙を破ったのは、よく響く涼やかな声だった。
「ハウル………」
ソフィーが、か細い声で声の主の名前を呼んだ。ハウルは小さく微笑むと、
彼女を立たせて自分にもたせかけてやる。
「ソフィー、涙を拭きなさい。人の告白をそういう風に突っぱねるだなんて、
君もなかなか残酷な事をするんだね」
ハウルはその長い指でソフィーの涙を拭うと、髪を撫でてやった。その仕草に安心したのか、
ソフィーがハウルの胸に顔を埋めてまた泣き出す。
「そして高貴なる案山子くん。朝から随分情熱的な告白を見せてくれたね。
でも、僕の愛しい奥さんを泣かせるだなんて、感心できないな」
静かな、だからこそ畏れを感じずに入られない調子でハウルが言った。
カブがぐっとハウルを睨みつける。
「宣戦布告ならば、受けて立つよ。人のものに手を出そうとしたんだ、
それくらいの覚悟は出来てるだろうね」
「………もちろんですよ」
二人の間に流れた不穏な空気に、ソフィーがはじかれた様に顔をあげた。
震える声で、カブに向けて訊ねる。
「どう、して………今までのままじゃ、駄目なの……?
私もあなた、が、好きだわ……それじゃあ…だめ、なの……?」
かわいそうな位に青ざめたソフィーに向け、カブは柔らかな微笑を浮かべた。
ここで、彼女を肯定すればよかったのだ。
そうだと頷いて、何事もなかったかのように振舞えばよかったのだ。
そうすれば温かな家族に囲まれることも、彼女の愛情を甘受する事も出来た。
それでも。
「だめです……過去にはもう戻れないし、もう引き返すことは出来ない。戻りたいとも思わない」
「そんな……」
「言っておきますが後悔など、ひとつもしていませんよ……さて、そろそろ御暇致します。
さようなら、ソフィー。私がいなくなる事で、あなたの涙が乾きますように。
私の愛で、もうあなたが傷つきませんように」
晴れやかな笑顔で口上を述べると、カブは扉を開いて出て行った。
金糸の様な髪が太陽に反射してきらめいた
ぱたぱたぱたと軽やかな足音で、マルクルが階段を下ってきた。
呆然としているソフィーを見、場違いなほどの明るい声で訊ねる。
「あれ、ソフィー!どうしたの?ハウルさん、ソフィーと喧嘩したんですか?!」
火の悪魔がごぉっと音を立てて爆ぜた。マルクルが思わず身をすくめるが、
ソフィーは気にせずに目元をぐいと拭った。
「おはようマルクル。気にしないで、なんでもないのよ」
そう言ったソフィーの表情は複雑で、傍で見つめていたハウルにもその真意は汲み取れなかった。
しかし、この告白を境に二人の関係が変わってしまった事は痛いくらいに感じていた。
「ソフィー」
カルシファーにまきをくべ始めたソフィーに向けて、ハウルが声をかけた。
振り返らないソフィーの背中にも届くように、はっきりとした声で言う。
「愛してるよ」
ハウルの言葉にもソフィーは振り返らず、わずかに頷いただけだった。
ハウルはため息をつくと、部屋へと引き返していった。
過ぎた日々には帰れない
過去にはもう戻れない。
この受難劇の幕が、遂に上げられてしまった。
すいません……途中までタイトル入れ忘れてたorz
タイトルは『the Point of no Retern』です……。
今回も件の映画を見た人がニヤッとできるつくりになってますww
象徴的なシーンからの引用なので、ちょっと切なめで。
短絡的ですが、3人いるので3部作というわけで次でおしまいです。
鬱陶しいと思った方はスルーして下さい。
250タソGJ!今回も切ないですな。恋って・・・
旦那様ハウルのかっこよさが鳥肌モンです
美貌の魔法使いの静かな怒りについ(*´Д`)ハァハァ
次もがんがってください。しかしハウソフィ夫婦ものネトで見るたび思うのだが
結婚って始まりであって終わりじゃないんですなー
みんな不安になったり試練盛りだくさんで。当方独身だからアレだけども
>>264 作品に合っていればよいのではないですかね?
個人的には、好みのSSやスレは婉曲が多い…。
つーか、伏せ字ってあまり遭遇しないw
モエられるならなんでも歓迎ww
>250タソ、GJ!(・∀・)
続きが気になるぢゃありませんかー!
「ハウルが魔法を」にモエちった自分。
カブは、いい嫁さんみつかるんじゃないのかな?
幼馴染みか、周囲が決めたいいなづけあたりで。
いずれも公家か同盟国の姫君みたいな。
>250神
GJGJ!例の映画みてないけどニヤニヤしちゃったよ
>>264 女ですが思いっきり主観で言うとそのものズバリ≧婉曲>>>>>伏字
でも基本的に、何でも歓迎です
作品によってはあからさまな表現が萌えの場合もあるけど
ハウルに関しては伏せ字でもそれをやられると正直萎える。
ので椀曲にイピョ‐。あくまでも漏れの意見でつ
作品自体は御伽噺だもんね。漏れも彎曲にイピョウ
神それぞれが使いたい表現で書いていいと思いますヨ!
たまにはどエロ文を読んでみたい気もする・・・
250さんGJGJ!!続きすごい楽しみにしてますー。
272さんに同じく、ハウルとソフィーの物語は
「結婚は始まりであって終わりじゃない」とつくづく思いましたよ。
だからこそこのスレも素敵なお話が生み出され続けてるんだなあと。
264さんは直接表現を使いたい派かな?
私はどちらも好きですが、それぞれのSSに合ったものではあるべきかなと思います。
例えば前スレの◆5MelOn5/PM さんみたいな笑えるお話だったら
ズバリでも引かないと思うヨー。ぜひ書いて下さい!!( ・∀・)ノ
281 :
流羽:05/02/21 00:08:08 ID:zh+V43Uc
長い間お待たせしてすいません。
皆様の感想、ありがたく読まさせていただきました。励みになります。
なぜだか時間が無くなってしまい、SSが書けなくて、今回の投下でもまだ終わっておりません。次回では必ず終わらせますので。
今回も次回もエロいはずなので気を付けてくださいね。
>>209の続きで『月と星』です。
映画版 ハウソフィ エロあり⇒
282 :
流羽:05/02/21 00:10:29 ID:zh+V43Uc
「っはっあぁ…」
ハウルの右手がソフィーの胸を捕らえると声を洩らした。
いつもなら最初は声を出すのを我慢して、恥ずかしそうに頬を染めているだけなのに、今回は違った。
ただ、ハウルにもいつもと違う面があった。いつもなら、ソフィーの反応を見ながら優しく先へと誘っていくのに今回は一刻も早く先へと急いているようだった。
「ひあぁっっ。だ…めぇ…」
(…まさか僕がこんな魔法にやられるなんて……でも)
いきなりソフィーの右胸を口に含み、ちゅっと吸い上げる。右手は休む事無く左胸を愛撫し、左手はわき腹をすーっと撫ですさっていた。
もう既に自身を主張している乳首の先をちろちろと舐めると、一瞬ソフィーの身体が反り返る。
「んっやぁっ…」
涙ぐみながら喘ぐソフィーを見ながらも、ハウルは何も言わずに舌と手を動かす。
これも、いつもならソフィーの言葉尻を掴んで「何が嫌なの?嫌ならやめようか?」などと意地悪く焦らすのだが…。
283 :
月と星:05/02/21 00:12:45 ID:zh+V43Uc
(…もう、待てない)
ソフィーはハウルがいつもと違うことに気付いたが、次々に襲ってくる快感に思考を溶かされてしまった。
ビクンッ。
ふいに、ハウルに乳首を噛まれて、大きく身体を震わせるソフィー。
ソフィーの意識が胸に集中しているあいだに、ハウルは左手をわき腹から下腹部へと滑らせる。
そのまま星色の茂みに進み、しとどに濡れている秘部の中に躊躇もせずに指を一本突き入れた。
「っああぁっっ!!」
いきなり中に入れられたのも手伝って、ソフィーは軽く絶頂まで押し上げられてしまった。
けいれんするようにひくつく秘部を指で感じ、肩で息をするソフィーを伺いながら、ハウルは中に入れた指を二本に増やす。
ぬちゅっといういやらしい音を立てながら、軽々と指は飲み込まれていった。
そして、そこはもう離さないとばかりに指をきゅっと締め付ける。
(ソフィー…、なんていやらしい…。僕も…だけど)
284 :
月と星:05/02/21 00:15:05 ID:zh+V43Uc
「ん………っ」
下の唇に指を抜き差ししながら、ハウルの唇が胸から離れ、またソフィーの唇を犯す。
ソフィーがあげる悲鳴も喘ぎも何もかもをハウルの唇が飲み込んでしまった。その代わりか、肌がどんどん桃色に染まっていく。
「もう……限界だ…」
唇が離れ、ハウルが苦しそうに目を細め呟くが、酸素も舌も思考も吸い取られたソフィーにはそれが意味することを考えようとする余裕もない。
だから、秘部に入れられていた指が抜かれ、ハウルのモノが宛てがわれても、ただ、目がとろんとしているだけだった。
そして―――
285 :
月と星:05/02/21 00:16:36 ID:zh+V43Uc
ズッ、ズリュッ。
ハウルがもう耐えられないと、一気に腰を進めると、その衝撃で再び目に光が宿った。
「あっっ!ふ…うっ、ハウ…ル」
ハウルがソフィーの脚を両手で持ち上げ、自分の肩に引っ掛ける。すると、密着度が増した分、ハウルのモノが奥まで入ることになる。
ハウルは腰を掴み一度奥まで埋め込んでから、ソフィーに一息つかせる暇すら与えずに動き始めた。
ぐっちゅ、ぐちゅ
ハウルが入り口まで引き抜いてから、再び埋め込むたびに淫猥な音が部屋中に響いた。
「っああっっ!!はぁっ、はぁぁっ、はげ…し……い」
『目の裏がチカチカして何も考えられないわ』、とソフィーが言うと、ハウルは『僕も同じだよ、たまにはそれでもいいじゃない。』と返す。
286 :
月と星:05/02/21 00:18:19 ID:zh+V43Uc
ソフィーは自分の感覚がいつもより鋭敏なのにも気が付いていた。いつもならハウルのなすがままにしているのに、今夜はこんなにも深く繋がりを求めている。
さらに、もっともっと刺激が欲しくて、自然と腰を動かした。
高まる快感にソフィーは思わず、自分の腰にあるハウルの腕を掴んで爪をたてた。
ハウルはその痛みに一瞬顔をしかめるが、ソフィーのそれが痛みからしたものではなく快楽の末の衝動だということに気付き、腰の動きを早める。
ソフィーはさらに強く爪をたて息を詰まらせながら、
「ハウルっ、ハウ…ルッ、熱い……の、私、もう、だ…めぇ…」
と真剣に訴えた。
ハウルのどうしようもなく熱い固まりに貫かれて、またある一点へ昇りつめようとしていたのだ。
「ソフィー…、僕も、もう…保たない、みたいだ…」
ハウルが本当に苦しげに言ってからすぐ後にその瞬間は訪れた。
「あああぁぁっっ!!」
ハウルが最後の一突きとばかりに奥の奥まで埋め込むと、ソフィーが耐えきれずに担がれている足の爪先をぴんと伸ばして達した。
と同時に強く締め付けられたハウルのモノもドクッと脈を打ち、白濁とした液が大量に注ぎ込まれた。
そのまま、十数秒が過ぎ―――。
「は…あぁ…」
脱力したソフィーとは対照的にに疲れを見せないハウルは繋がったまま担ぎ上げた脚を下ろし、耳元で囁いた。
「夜はまだ終わっていないよ。」と。
287 :
流羽:05/02/21 00:26:25 ID:zh+V43Uc
以上です。
遅い上、短くてすみません。ああ、文章うまくなりたい…。
後、私も彎曲な表現のほうがさらっと読めて好きです。
まぁ、エロ〜い文も読みたいのは読みたいですけどね。
流羽さん超GJ!!
GーJーー(*´Д`)ーー!
飴玉舐めた量も時間もハウルの方は短いのに、おばあちゃんの魔法効きまくりですか。そうですか。
てゆーか、マルクルの飴玉は何(ry
自分としては、お上品な表現が好き。
しかしながら、モロが合う作風であれば欲します。が、伏せ字はやや萎え。
目を細める限界ハウル、イイ!
マルクルの飴はソフィ達がどんなに騒いでも起きないほど強力な睡眠薬?
荒地、グッジョブ!
婆ちゃんは実にイイ魔女だ
去り万先生に魔力を抜かれて昔の『良き魔女』に戻ったんだよw
原作、ハウルも猫化してるよ。更には、犬にまで…orz
それは原作の2巻とか?
犬になって発情ハウルか…どうです?
295 :
293:05/02/24 08:51:25 ID:plersteP
ハウル犬化猫化は原作1巻でつ。自分でネタ出しといて何ですが、発情ハウルいいですね(*´Д`)元から発情期な気もするけど…
ちなみに、同じ巻でマルクルもといマイケル(15歳)はお馬さんに。
2巻ではソフィーも猫化するし、ハウル一家は皆一度は獣化してるのね。
猫ソフィーはエロイ
ホッシュ
299 :
名無しさん@ピンキー:05/02/28 00:21:37 ID:mQzjWijU
うああああ!
いつのまにやら、めっきり下がってるじゃないですか!寂しい・・。
SS書き始めてまだまだ序盤(というより、思ったより長かった・・)なのですが、
スレの活性化の祈りをこめて投下してもいいでしょうか?
全くの初心者なのですが・・。
誰だって最初は初心者さ!
断る必要ないよ、うまし糧もりもりカモーン!
自分もそろそろ投下したいんだけどなかなか出来ないんだよね。
ソフィータソが甘えるシチュを、どなたか上手く料理してもらえないだろか…w
うわ〜ぃ、お二人のお言葉に甘えて、投下します。
問題は書ききれるか、なんだよな・・。どうしてどんどん話が広がるかな_| ̄|○
ハウソフィ、恋人シチュ、微エロ(の予定)です。
「小さな恋人」
いつもと変わらぬ、暖かな日差しが偉大な魔法使いの城を照らす午後。
魔法使いの弟子マルクルは、お師匠様の出した宿題に四苦八苦しておりました。
窓の外には花々が日差しを受けて生き生きと、マルクルを遊びに誘うようです。
「あーもう、ソフィ、僕分からなくなっちゃったよ。勉強すべきか、遊びにいくべきか」
ため息混じりに、マルクルが食器棚を整理している少女に声をかけると、彼女はくるっと振り返りざま、腰に手を置き、笑い出しながらマルクルを軽く睨むのでした。
「なあに、マルクル!今の言い方ったら、まるでハウルよ!そんなところはお師匠様を見習わなくていいわ。」
「だって、ソフィ!これでいいかちっとも分からないんだもの!」
「早く一人前の魔法使いになりたいんでしょう?お勉強をすべきよ。がんばって。」
くすくすと笑いながら、ソフィがたしなめます
ふう、とため息をついてマルクルが手元のノートに目を戻すと・・
ヒンッ
「ああ!涎でベタベタだよー!ヒン!・・・・・て、そうだ!ヒンだ!」
ノートの上に顎を乗せ、見上げている老犬を見て、マルクルは目を輝かせました。
「何?マルクル?」
「今日はね、若返りの魔法の宿題だったんだ!ヒンだったら試してもいいよね?!」
驚いたソフィは、取り落としそうになったカップを慌てて受け止めて、息をつきました。
「マルクル。ヒンは・・ヒンの人生があるのよ?・・ん?人生じゃなくて犬生かしら・・まあいいわ、【これでいいか分からないような魔法】をヒンにかけるなんて、とんでもないわ」
食器棚に向かい、くるっと背中を向けてしまうソフィに、マルクルは食い下がります。
「大丈夫だよ!分からないのは、効力の時間なんだもの!一日以内なのは確かなんだけど、それが1時間で切れちゃうか半日か・・すぐに戻るのは確かなんだもん」
それでも、顔だけこちらに向けて首を振るソフィに、マルクルは肩を落としました。
「やっぱり駄目かあ・・今日中に仕上げろってお師匠様にきつく言われてたんだけどな・・」
そこで、ソファからしわがれた声がしました。
「24時間できっちり終わる魔法ならいいじゃないか?ヒンだって元気になれて喜ぶよ。大体ハウルがそんなきつく宿題を出したのは、昨夜あんたが」
「おっおばあちゃん!!何言うの!」
「何なら、あたしが魔法をかけられてもいいんだよ?」
「え・・いえ、それは・・」
昨夜の、些細な喧嘩でハウルを寝室から追い出してしまったことを知られていた・・恥ずかしさでソフィの頬が染まります。
「しょ、しょうがないわね、マルクル。ほんとに危険はないわね?」
マルクルはよく分からないながらも目を輝かせて叫びます。
「うん!大丈夫!」
「じゃあ魔法をかけるよ・・1.2.3..」
・・「きゃっ!」
・・ヒンが椅子を降りてソフィのエプロンにしがみ付くのは、マルクルが魔法をかける、ほんの一瞬前でした。
その夜。魔法使いのお城に夕闇が訪れ、ランプの明かりが薄く影を作る頃、城の主が花束を手に魔法のドアを開けるのでした。
「ただいま・・あれ?」
そこにいるのはカルシファー、元荒地の魔女、ヒンの三人。
いつもなら、「おかえりなさい!」と声を掛けるはずのマルクル、そして、ハウルの愛しの恋人、ソフィの姿が見えません。
「お、おかえりハウル。風呂ならすぐ沸かすぜっ」
何故か目は会わせないカルシファーに、ハウルは不審を覚えます。
(まさか、またあの案山子がきたのか?)
「マダム、ただいま帰りました。ソフィとマルクルは?どうしたんですか?」
・・・・・・・・・・・。
沈黙が暖かな居間を覆い、カルシファーのパチパチという火が小さく燃える音だけが響きます。
「カルシファー、僕の可愛い恋人と弟子がどうしたっていうんだい?」
不審が心配に変わり、ハウルはカルシファーに厳しい視線を向けます。
「どうってどうって・・ええい、俺はもう知らないよ!部屋に行けばわかるさ!」
「部屋?ソフィは部屋にいるのかい?わかった、何も言わずに出て行ったから怒ってるんだな!よし、お姫様のご機嫌をとってこよう!」
ともあれ、隣国の王子は関係ないのだと安心し、ハウルはソフィの部屋に向かいました。
その背中に、忍び笑いをもらしながら、元荒地の魔女が声をかけます。
「ハウル、子供たちをあんまりいじめるんじゃないよ」
ソフィの部屋に一目散に向かうハウル。
僕の可愛い可愛い恋人、今日は何を拗ねているんだろう?
305 :
302:05/02/28 00:48:52 ID:mQzjWijU
す、すいません、とりあえずここまでなんです;
続きもなんとか頑張って書きたいです!
それにしても、書くのは(読むのも)早いのに、貼るとあっというまだなw
ちなみに、批判、駄目だし、お褒めの言葉などwなんでもカモーンです。
次に生かせたら、と思うので。
この続きを書いてくれる神様もひそかに募集します。。。
GJ!!
ハウルに口調似ちゃうマルクルカワエエ(*´Д`)ハァハァ
続きは302タンが書いたのが是非読みたいYO!!
>>305タソに同意。
う ま い じ ゃ な い か !! www
なので、微エロとやらな後半戦をガッツリキボン。
スマソ、305ではなく306タソだったね…
ハウルの口調がとっても好み(荒地さんをちゃんとマダムと呼んで
丁寧語で喋るとことか)おまけに二人がまだ恋人同士ってとこに萌えゆる・・・ハァハァ
自分もいつかHP作るために小説書きためてるけどここ読んでると
エロ神が降りてエロ書きたくなるよ・・・いつもは切ない系の雰囲気エロをとか
言ってるけど今はハウルが一回もイってない内にソフィーが何回イけるかとか
前戯もなにもかも全て後ろからとかそういうテーマを自分でかかげて
ちまちま書いてる。しかしエロはムズかしいね・・・
神の降臨イイコで待ってます。未来で。
310 :
302です:05/02/28 02:51:05 ID:mQzjWijU
>302>3030>304の続きです
「小さな恋人」後半
コンコンコン・・。
ハウルがソフィのドアをノックすると、誰、と小さな声で返事が返ってきました。
「君の魔法使いだよ!ソフィ、どうしたんだい?具合でも悪いの?よし僕が治してあげよう!」
・・・・・。
返事はなく沈黙が返ってきました。
「ソフィ?入るよ?!」
不意に心配になったハウルがドアを大慌てで開けると・・
「だっ・・駄目!」
ベッドの上にちょこんと座っていたのは、星色の髪の少女・・でした。
・・おそらく5歳前後の。
ハウルを見つめ、顔を真っ赤にした、可愛らしい少女。
間違いない、ソフィだ・・・。
ハウルはめまいを覚えながら、ベッドにあがり、小さいソフィのぷくんとした薔薇色の頬に手を添えました。
「僕が出かけている間に、また一段と可愛らしくなったね、ソフィ。」
「ハウル、わかるの?私がソフィだって」
「当たり前だろう、僕は君の魔法使いなんだから」
驚きこそしたものの、この偉大な魔法使いには、事の顛末が目に浮かぶようでした。
(昨日のマルクルへの宿題、あれが原因なんだな。僕のソフィに魔法をかけるなんて!僕の可愛いソフィにこんな不安な顔をさせるなんて、マルクルでも許せないぞ?)
311 :
302です:05/02/28 02:52:13 ID:mQzjWijU
こんなハウルの気持ちが顔に表れたのでしょう、ベッドで小さくなっていた小さなソフィは、いきなりハウルの両腕を握り締めて立ち上がって、宣言しました。
「駄目よ、ハウル!わざとじゃないの。そもそもマルクルに難しい宿題を出したのは、あなたでしょう?
・・・と、言うはずでした。
魔法がかかり、ソフィが困ったのは、ハウルにマルクルが叱られるんじゃないかということ。
でも、許可したのは自分です。怒られては可哀想、でも、あの気分屋のハウルにどう言えばいいのか、ベッドに座りこんで考えていたのでした。
けれども、ソフィの思い、もとい、小さなソフィの腕の長さや身長は彼女の思惑を裏切り・・
ハウルの腕をつかもうとして、すっぽり、ハウルのうでの中に転がりこんでしまいました。
「ソ、ソフィー・・?」
「ち、ちがうの、ハウル、聞いて?」
「分かったよ、ソフィ、僕が居なくてこんな姿になってしまって、不安だったんだね?」
「ち、ちがうわハウル。そうじゃなくて」
「ごめんよソフィ、僕の帰りが遅くて不安だったんだね」
そこでハウルは、小さなソフィの柔らかな頬にキスを落としました。
「ハっハウル、そうじゃないの、あの・・」
幼いせいか、まん丸の潤んだ瞳のソフィがあんまり可愛らしくて、ハウルはソフィを抱きしめました。
「・・ソフィ。君がどんな姿でも、僕は君のことが大好きなんだ。信じられないの?お婆さんの君だって、僕には小さなムクドリみたいに可愛く見えたんだ。今の君は、いつもにまして可愛いよ。可愛らしくて食べちゃいたいくらいだ」
そのままハウルは、いたずらに小さなソフィの細い首を軽く噛みました。
「いやぁっ・・んっ」
口をついて思わず出た、いつもよりも少し高い甘い叫びに、ソフィ自身よりも、ハウルのほうがびっくりしました。
目の前の幼い少女は、赤くなった顔を精一杯そらしています。
そう、まるでいたいけな首筋を誇示するかのように・・。
312 :
302です:05/02/28 02:53:25 ID:mQzjWijU
細い首筋を小さく舐め上げると、「やんっ」という小さな幼い声が聞こえます。
ハウルは、ソフィの頬を両の手のひらで押さえ、ささやきました。
「ソフィは、僕をとりこにする魔法使いだよ・・こんなに小さな姿でさえ、僕をこんなにドキドキさせるんだから・・。」
そう、ため息まじりにつぶやいて小さなソフィの小さな唇に口付けます。
「ん・・んふっ」
小さなソフィが口付けの最中、声にならない声をあげたのは、ハウルが小さなソフィの洋服の下、しっとりと汗をかいた柔らかな素肌に触れていたからでした。
「い・・いや、だめよ、ハウル・・」
「だめだよ、ソフィ、こんなに可愛い君がいけないんだ」
小さなソフィの柔らかな胸元にキスを繰り返しながら、かすれた声でハウルはつぶやきます。時々、甘噛みを繰り返し、小さなソフィは細い声をあげ、その白い胸元はハウルの唇に沿うように染まっていきます。
そしてハウルが小さなソフィの襟元をさらに広げようとした、その時。
「子供 た ち をいじめるんじゃないよ、と言ったが・・」
元荒地の魔女の声!なんてこと、僕としたことが、驚きのあまり、この部屋の音を閉じる魔法もかけていない!
廊下から元魔女の声は続きます。
「相手は、5歳、まさか傷つけるような真似はあの色男のハウルならすまいが、ハウルときたらソフィには暴走列車だからねぇ・・どうだい?ヒン」
「・・・ヒンっ」
・・やられた・・。
すっかり、顔を赤くして頬を抑える小さなソフィと、舌打ちしてすっかり不貞腐れたハウル。
ハウルは、ベッドにもぐってしまった小さなソフィの横にすべりこみ、柔らかな髪をなでながら、ささやきました。
「どんなソフィでも愛しているよ。でも、早く明日になって、キスをしてよ。僕、ソフィが欲しいんだ・・いつだってね」
布団に真っ赤な顔を隠しながら、まさか全てはハウルのいたずらなんじゃ?と首をひねるソフィでした。
313 :
302です:05/02/28 03:00:09 ID:mQzjWijU
初めての書き物でして、皆様のお目汚し失礼しました;
神様がたの降臨を待ちつつ・・ノシ
GJ!!GJ!!
(*´Д`)ホンワカ 久々の神!乙、激しく乙。 いつもロムってたかいがありました!
ネ申様が(・∀・)キターー−!
5歳のソフィーもさることながら、事を急ぐあまりウッカリさんなハウルに萌え(*´Д`)
そして、しっかり釘を刺しに来る人生経験豊富な荒地の婆ちゃんとヒンにも萌え(*´Д`)
マルクルは軽ーく苛められたのかなw
317 :
神修練生:05/02/28 20:01:11 ID:fHWEhHvK
一ヶ月ぶりに投下させていただきます。盛り上がっている所にお目汚し申し訳ありません。
318 :
炎恋:05/02/28 20:03:29 ID:fHWEhHvK
>>43続き
重ね合わせた唇の奥に強い力を感じ、カルシファーは一旦口付けをやめました。
「ちょっ・・・」
「『彼』ともキスする時は、こんなに歯を食いしばるの?」
嘲笑するようにそう言って、彼女の開きかけた唇を再度ふさぎ、素早く彼女の口内へと侵入を試みます。
「ん・・・・・・」
絡め取った舌と吐息の熱を堪能しながら、彼はソフィーの体にへと手を伸ばしました。
細い産毛の生えた首筋、弾力を持つ胸、細いウエスト、意外と重量感があるヒップ、すらりとした足・・・と、文字通り足の爪先まで軽く撫で上げると、今度は来た道をたどるかのように、下から上へと撫で上げていきます。
「ん・・・ふう・・・」
彼女の体温が僅かに上昇してきているのを、カルシファーが見逃す訳はありませんでした。
「いけない子だね・・・君は・・・」
しっとりと艶のある声で囁き、今度はゆっくりと首筋から耳へと舌を這わせ…・
「ふぁ…や…やあんっ…。」
(やっぱりここが弱いんだね)
カルシファーは時折盗み見ていたハウルとソフィーの睦み合いを思い出していました。
319 :
炎恋:05/02/28 20:04:46 ID:fHWEhHvK
ハウルは決まってソフィーと深い口付けを交わした後、彼女の首筋や耳を唇でなぞっていました。そうすると、戸惑い気味だったソフィーもたちまちぐったりとして、ハウルに身を預けてしまうのです。
「駄目え…・そんな事ぉ…。」
「そんな甘い声で言われてもね〜」
面白がるかのようにそう言いながら、カルシファーはひょいひょいと、ソフィーの体を大の字のポーズにしました。
「…?…!?」
一瞬怪訝な顔をしたソフィーですが、次の瞬間、びっくりしたように大きく目を見開きました。
「や・・ちょっ…何これ!?」
何かに押さえつけられている訳でも、縛られている訳でもないのに…・何故か体は大の字になったまま動きません。
「悪魔の魔法だよ。簡単には解けないから、ちょっと我慢していてね。」
言いながら、早くもワンピースに手をかけるカルシファー。
まるで紙で出来てるかのように、ワンピースはあっさり縦2つに引き裂かれ、スリップも勢い良く捲り上げられました。
320 :
炎恋:05/02/28 20:05:42 ID:fHWEhHvK
「いやあ!馬鹿!見ないでよおお!」
露わになった乳房を隠す事も出来ない代わりに、ソフィーは思いっきり声を張り上げて威嚇します。
「ごめんね。恥ずかしい?」
言葉とは裏腹に、ちっとも気の毒がっている様子を見せる事もなくーーーーカルシファーはソフィーの乳房の先に口付けました。
「やだ…・やめて…・や…んっ…」
魔法使いの恋人に開発された故かーーーーー乳首を強く吸われると、つい反射的に甘い嬌声を上げてしまいます。
「あ…・駄目え…」
少し荒々しく乳房を揉まれる感触にも、ついつい刺激されてしまい……
「だから駄目だって…・やっ…本当に…・・」
恥ずかしいポーズをとらされたまま、身動きとれずに淫靡な行為をただ向かい入れる…・そんな状況に興奮している自分に気が付き、ソフィーは不意に涙が滲んできました。
相手は恋人以外の男…しかも自分の家族の一員なのです。ハウルの留守中に、家族間同士で…こんな…・
「ん……っ。」
勢い良くドロワーズを降ろされる感触に、ソフィーはびくっと身を震わせました。そして、次に行われるであろう行為に覚悟を決め、ゆっくりと目を閉じ……
321 :
炎恋:05/02/28 20:06:45 ID:fHWEhHvK
「…・・?」
何となく一変した空気を感じ、ソフィーはうっすらと目を開けました。目の前の至近距離には相変わらずカルシファーの姿。彼の目は、露わにされたばかりのソフィーの秘所を見つめているのかと思いきやーーーーー
「カルシ…ファー…?」
何と彼は目を閉じていました。そして頬には……。
「どうしたの…?カルシファー…・?」
「ソフィー…オレ…・」
「カルシファー…」
いつの間にか自由になっていた体を起こし、ソフィーは自分の状況も忘れ、カルシファーの頬の涙を指でそっと拭いました。
322 :
神修練生:05/02/28 20:09:58 ID:fHWEhHvK
とりあえず今回はここまでです。終始一貫してカル視点にするつもりが、いつの間にかソフィー視点に・・・。次はややラブラブにする・・つもりです。
カルタン(*´Д`)キタ━━━━━━━━!
擬人化カルちゃん待ってたヨー!続きも楽しみにしてる。
>>309 >ハウルが一回もイってない内にソフィーが何回イけるかとか
>前戯もなにもかも全て後ろからとかそういうテーマを自分でかかげて
それ、烈しく(*´д`*)ハァハァです。
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!
カルタンキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
神修練生さん待ってましたー。仕事行く前に覗いて良かったよ。
続きいい子で待ってます(* ´Д`)
思い残すことなく会社説明会にいけそうです。
(*´∀`)
もののけ姫動員数越え祝い保守
三部作の最後を投下させていただきます。
我が家の近くの映画館ではハウルはまだやってますが件の映画はそろそろ
おしまい……。悲しい限りです。
『映画 エロ ハウソフィorカブソフィ』
曇っていた空が、またぐずぐずと泣き出した。
水っぽいみぞれ雪が降り注ぎ、気温を急激に下げていく。
「あら、また降りはじめた」
荒地の魔女の呟きに、マルクルが窓辺に駆け寄る。彼は透明なガラスに顔をくっつけて
外を見やると、その愛らしい顔を嫌そうに歪めた。
「どうしたんだい?」
「ううん。寒いとソフィーの風邪も治らないなぁって思って」
マルクルは心配そうに呟くと、母親のように慕っている少女のいる二階を見上げた。
「ハウルさんがいなくて、ソフィーが身体を壊してるとここは静かだね」
「いっそ気味悪いくらいだ。あーあ、雪じゃなかったら出て行ってるところだ!」
カルシファーが喚いた。彼は重い空気を事の他苦手としている。
「………ハウルさん、早く帰ってこないかなぁ…」
欠伸と共に呟くと、マルクルはカーテンを閉めて就寝の支度を始めた。
くすん、くすんとすすり泣く声が寝室に響く。広いベッドの中央に突っ伏して、
ソフィーはいつまでも泣いていた。
カブが出て行った後、ソフィーは黙々と家事を続けた。
しかし、ぼうっとしていて皿を割ってしまったを機に、家事を止めて部屋にこもった。
ハウルは表情の晴れないソフィーを気遣い、話し掛けたり髪を撫でようとしてくれたが
ソフィーが全てを拒んだ。本当はそんな事をしたくはなかったのだが、
そのまま彼に甘える事はどうしても出来なかった。彼は呆れてしまったのだろうか、
悲しそうな顔をしたまま、何も言わずに出て行ってしまった。
孤独感が募り、ソフィーがまた激しく泣きじゃくった。
何が悲しいとか、そんな事はもうどうでも良く、ただただ涙を流したかった。
まるで、自分自身を追い詰めるかのように。
このまま消えてしまえたならどんなに楽だろう。
涙の跡と共に、今日の記憶も消えればいいのに。
ソフィーはそう思いながら、鼻を鳴らした。それが駄目なら、ハウルが
早く帰ってきてくれればいい。自分を激しくなじって、寒空の下に捨ててくれればいい。
そうしたなら、自分はこの世を儚んで死ぬことも出来るのに。
でも、それはできないんだわとソフィーが目を伏せた。
あの誰よりも優しく、臆病な魔法使いは人を傷つける事や殺める事をひどく嫌っている。
だから、そんなの想像の中でしかありえないことだ。
とんとんとんと規則正しく階段を上る足音が聞こえた。
マルクルは先程お休みの挨拶をしにきたし、荒地の魔女はもう寝ているはずだ。
となれば、この足音の主は。
「……ハウル………?」
きぃ、とドアが軋んで光が差し込んだ。体重を感じさせない歩みで何者かが
ベッドサイドへ近寄り、ソフィーの肩に触れた。
「……ただいま、奥さん。ずっと泣いていたの?」
ソフィーは顔だけでハウルを振り向くと、眩しそうに目を細めた。
彼は苦笑いを浮かべると、ベッドに登り彼女のもつれた髪を指で梳いて行く。
ぐったりとしているソフィーを膝にもたせてやりながら、ハウルは静かに髪を撫で続けた。
彼女が瞼を震わせ、また涙を流し始める。
「あの男を思って泣いてるの……?」
迷子になった子供よりも頼りない声で、ハウルが訊ねた。ソフィーがかすかに顎を引く。
「………ここを、出て行くの?」
ふるふるとソフィーが頭を降る。魔法使いの張り詰めていた表情が、わずかに緩む。
「ねえソフィー、正直に言って欲しい。君はどう思ったの?」
星色の髪を弄んでいた指は動きを止め、それに気付いたソフィーが彼に向き直った。
その様子を見つめていたハウルが、静かに問う。
彼女はだるい体を何とか起こして彼と向かい合うと、ゆっくりと口を開いた。
「……私が愛しているのは、あなた。私はあなたの妻である事を誇ってる。
だから、あんな風に好意を示されても、困る………なのに…なのに、悲しいの」
半ば悲鳴をあげるように言葉を切ると、ソフィーはハウルに飛びついた。
腕をきつく廻し、彼に胸に顔を埋める。
「どうしてか解らない……でも、カブに会えなくなるのは嫌なの……淋しいの…」
泣きながら紡がれるソフィーの本音に、ハウルの胸に鋭い痛みが走った。
しかし、そんな事に頓着する様子もなく彼女を抱き締め返す。
「淋しいの?僕もマルクルもカルシファーも荒地のマダムもがいるのに?」
「淋しいわ………彼があなたになれないように、みんなカブの代わりにはなれないもの」
彼女にとって、あの案山子だった王子はそんなにも大事な存在だったのだろうか。
ハウルは言いようのない嫉妬にかられながらも、努めて穏やかな声を出す。
「なら、君はどうしたい?僕はどうすればいい?」
ハウルの優しさに、ソフィーがいたたまれなくなってまた泣き出した。
母は再婚し、妹は奉公に出ていて滅多にあえない。
鋼の鎖の様に屈強だと思っていた家族の絆は、長い月日をかけて確実に
朽ちていき、今は切れてしまった。
呪いを掛けられて辛かった時に、カブは優しくしてくれた。
呪われたことを嘆いていた自分に比べ、彼は常に思いやりと人間らしさを忘れなかった。
ソフィーにとって、惜しみない優しさを注いでくれたカブは大切な家族だった。
家族を失う悲しさを知っているソフィーには、彼との別離は辛すぎた。
「カブに戻ってきて欲しい………彼に今でも家族だと思ってるって、いいたいの」
「ねえソフィー。それは彼のためにならないのに気付いてる?」
ハウルが苦しそうな声で、ソフィーに囁きかけた。今彼女の頭の中全てを占めているのが
あの王子だという事実に、今すぐにでも喚いて闇の精霊でも呼び出したいほど
傷ついていたが、自分以上にうちのめされている彼女の前ではそんな真似は出来なかった。
「解るわ……でも、戻ってきて欲しいの……」
「ソフィー」
「わ、か、ってる…の……私、がずる……い事も、カブがどんなに、き、傷ついたかも………」
彼が自分を好きなのは知っていた。けれども、それに応える気は毛頭なかったし、
応えれば今の関係が壊れる事もわかってた。だから気付かないふりを続けた。
彼はそれを知っていた。知ってて、騙されたふりをしてくれた。
だから余計に悲しかった。自分の浅ましさを見せ付けられた気がして。
誰ともずっと一緒にいられないことを、思い知らされた気がして。
「みん、な……離れて、くわ……お…お父さんも、お母さんも……カ…ブも……
…きっとこれからも、離れるの………おばあちゃんも、マ…ル…クルも…………ハウル…も」
しゃくりあげながら言われた言葉に、ハウルがきゅっと目を瞑り、
ソフィーを抱く腕に力をこめた。ソフィーは彼に力いっぱいしがみ付いて、
痛みに耐えるかのように浅い呼吸を繰り返す。
「ソフィー、そんな事言わないで。僕はいつでも君の傍にいる」
「嘘よ!みんなそう言ったわ、でももういないじゃない!」
「ソフィー!」
ソフィーの悲痛な叫びに、ハウルが声を荒らげた。ソフィーが怯えたように顔を歪め、
また激しく泣きじゃくる。
「あぁソフィー……ごめん、驚かせたね」
ハウルが優しく囁きかけた。しかし、ソフィーは泣き止まず、ただ頑なに首を振っている。
ハウルは悲しげにそのさまを見つめると、彼女の顎を持ち上げて唇を奪った。
千以上の言葉よりも、その一つのキスは雄弁だった。
ソフィーは口付けの間中ずっと、ハウルの唇も涙の味がするとぼんやり思っていた。
それは自分の涙が伝ったからだろうかと思うが早いか、ソフィーはハウルの唇を割り開き、
自分の舌を差し込む。ハウルは途惑ったように顔を背けた。
「………ねぇ…お願い…」
唇を離すや否や、ソフィーはハウルの胸に顔を埋めて悲しげに囁いた。
ハウルが表情を複雑そうに歪め、ソフィーの肩を掴んでその身体を起こしてやる。
「ソフィー、君はとても疲れてるんだよ。今日はもう寝よう」
「お願い……淋しくて、死にそうなの………」
ソフィーはハウルの肩に腕を廻し、身体を擦り付寄せた。
ハウルが困ったように天井を仰ぎ見る。
「………お願い、ハウル…怖いの……」
あまりに弱々しいソフィーの囁きに、ハウルは途方にくれていた。
要求をのんで身体を重ねるのは簡単だ。しかし、それはあの案山子の王子から
逃げている事になる。そんな事をしては自分のためにも彼女のためにも、なにより
彼のためにもならない。
「ソフィー、一緒に寝てあげるから。もう寝よう?」
「いやぁ……」
ソフィーが泣きながらいやいやした。不安と寂しさと喪失感で胸が押しつぶされそうで、
ハウルが抱いてくれないのなら自分は死んでしまうだろう、と訳のない確信が
彼女の胸に浮かんだ。カブのことから逃げているわけではない。深く考えすぎて、
逆に本質的な事がわからなくなってしまっただけ。
一体、誰が傍にいてくれるの?あなたは離れてゆくの?私はどうなるの?
これからどうすればいいの?
ハウルの唇がソフィーの額、瞼、鼻、頬を辿っていく。
震える声で彼女が名前を呼ぶと、彼は口元をかすかに歪めた。
「………後悔しても、知らないよ」
その言葉を肯定するように、ソフィーがハウルの背中にまわしていた腕に力をこめた。
彼は彼女の唇を奪うと、ベッドにゆっくりとした動作でその身体を沈めていった。
眩しそうに目を細めていたソフィーの視界に、不意に金糸の様な髪を持つ男の
清清しい笑顔が浮かんだ。けれども、ソフィーにはそれがいつかのハウルの残像なのか、
それともカブの面影なのかが解らなかった。
そんなことはどうでもいいわ、とソフィーは胸の中で呟くと、
意識を目の前にいるハウルだけに集中させた。
啄ばむようだった口付けは、いつの間にか深く激しいものへと変わっていた。
どちらかが息苦しさを覚え、口をあけるたびにくちゅ、くちゅと水音が漏れる。
「んんっ……ふぁ…っ」
唇を離すと、ハウルがソフィーの首筋に顔を埋めた。ボタンを外す長い指の感触に
ソフィーは頬を染めて身体をのけぞらせる。
ちゅ、ちゅ、とソフィーのはだけられた素肌にハウルの唇が重ねられ、音を立てて
印を刻んでいく。この肌は自分以外の何者にも暴かれた事がないのだということを
不意に思い知り、彼はふっと笑顔を浮かべた。彼女もその表情を見て、
快楽に強張っていた表情を緩める。
「ハウル………」
「ん?」
「……愛してるって、言って」
甘えるような、でも少しだけ切実な響きを持ったソフィーの声に、
ハウルは耳朶を愛撫しながら呼吸するように言葉を注ぎ込む。
「……愛してる。愛してるよ、ソフィー。誰よりも、何よりも」
かり、と桃色に染まったそこを甘噛みすれば、ソフィーの身体が跳ねる。
快楽に思考を奪われながらも、彼女の願いは止まない。
「お願い……もっと、言って……約束して……」
「愛してる。ずっと離れない……傍にいる」
「足りないの……もっとたくさん欲しい……」
ハウルの右手がソフィーのスカートの裾をまくり、やわやわと足を撫でながら
登っていく。彼女の体がまた震え出す。
「……君を守り抜く。不安になんてさせない。ずっと愛し続ける」
下着が足から抜かれ、密やかな茂みが愛撫されていく。
ソフィーがはぁ、と甘い吐息を漏らした。
空いた左手で赤く染まった胸の突起を愛撫しながらもハウルはソフィーに囁き続ける。
ソフィーがうわごとのようにもっと、もっとと呟く。
「あ……やっ…っ…んん!」
不意に下腹部に触っていた指がソフィーの中に入り込んだ。
彼女の身体がきゅっと強張り、ハウルの指を締め付ける。
「うぁ……やっ!んっ!ふぁああ!!」
そのまま指の出し入れを続けるたびに、ソフィーのそこはぐちゅ、ぐちゅと
卑猥な音を立てながら甘い蜜を溢れさせ、零れたそれがハウルの指を伝っていく。
徐々に指の本数を増やしていくと、ソフィーが激しく身をよじりあられもない声を上げた。
その仕草や表情がハウルを煽り、理性を押し流していく。
「可愛い……」
ハウルが思わず漏らした呟きに、ソフィーがさっと顔をそむけた。照れているのだろうか。
何度身体を重ねようとも、彼女に快楽を深く教え込んでも、その初々しさだけは少しも
失われない。それがどれほど自分を焚きつけ、翻弄しているのかを彼女は知らないのだろうか。
「ん…ふっ!っぁ……はっ、ぁっ!」
ソフィーの涙を止めた瞳が先程よりも熱っぽく潤み始めたのを見て、
ハウルは嬉しそうな笑顔を浮かべた。びくびくと跳ねる腰を抑え、赤く染まった
敏感な核を親指で撫でながら、中に入れた指の動きを一層激しくしていく。
「あぁっ!やっ、ちょ、ハウルっ……もう……っ!」
切羽詰まった様な声をあげ、ソフィーが思い切り腰を引いた。
しかし、ハウルがその跳ねた下肢を掴み、撫でているだけだった淫核を軽く引っかく。
「ひぁぁぁ……っっ!」
ソフィーの身体が弓なりにのけぞり、ぐったりとベッドに沈んだ。
とろりと溶けた瞳はもう何も映してはいなくて、ハウルが服を脱いでいる事にも
何の反応も示さなかった。
かすかな衣擦れの音を立てた後、ハウルはソフィーの力なく投げ出された足を
さらに押し開き、露になった秘部をまじまじと見つめた。
たった今達したばかりだというのに、真っ赤に充血したそこはひくひくと息づいていて、
ハウルを誘っているように見える。
ソフィーはもう自由にならない思考をどうにかまとめて、ろくに回らない舌で囁く。
「……あいしてるって……わたしが…必要だって……言って…」
「解ってるくせに」
「っ!……ぁ、お……ねがい……聞きたい、の…」
ひんやりとした空気に晒されていたそこに、ふいに熱を感じてソフィーが身体を
緊張させた。あてがわれたハウル自身の熱さに、思わず意識を手放してしまいそうになる。
「なら気が済むまで言ってあげる……愛してるよ、ソフィー。君が誰よりも大事で、
一番傍にいて欲しいと思ってる」
ハウルの優しいばかりの囁きに、ソフィーがようやっと微笑を零した。
そのままゆっくりと体を開かれていく感覚に、切なげな声を漏らす。
「ふ、ぅん……んっ……はぁ……」
じりじり感じる圧迫感に、二人が一瞬苦しげな表情を浮かべた。しかしハウルが
ソフィーの唇を奪い、彼女がその感触に気を取られている隙を突き、一気に腰を押し付ける。
「んんっ!」
一気に近くなったハウルの身体の存在感に、ソフィーが悲鳴をあげた。
しかし、彼がなかなか唇を離してくれないので、くぐもったうめき声だけが漏れていく。
「むぅ……ん…ぅう……」
息苦しさにソフィーがハウルの胸を叩く。ハウルは名残惜しそうに彼女の唇を舐めると
ようやく彼女を解放した。どっと入り込んできた空気に、ソフィーが咳き込む。
「落ち着いて、奥さん。息の仕方は教えただろう?」
「そんなっ……あぁっ!やっ!!」
ぐっと奥まで押し付けられたそれに、ソフィーが白い喉をのけぞらせた。
ハウルの舌がまるで蛇の様な動きでその喉元を這いまわる。止まらない腰の動きと
その舌の感触に、ソフィーはぞわぞわと背筋を駆け上ってくる何かに気付いた。
怯えたように彼の頭を掻き抱き、襲いくる快楽から逃れようと首を振る。
「あっ、ぁっ、ああっ!!やっ、もう、あっ、は、ぁあああああっ!」
浅く突かれたり、深く抉られたり。ハウルにいいように弄ばれ、ソフィーは意識が
少しずつ白んで行くのを感じ、快楽に耐える事を放棄した。
ソフィーの全身からは力が抜け、意識は半ば消えかけそうだがその両方を叱咤し、
ハウルに腕を廻す。彼は彼で彼女の足を抱え上げると、自分の腰の辺りにひっかけた。
「ひぅっ!……ふぁ、あ、あ、あっ!!」
「気持ちいい?おかしくなりそう?」
普段だったら真っ赤になって否定するだろうが、今のソフィーにはそんな気力は
残っておらず、ただ首を縦に振るばかりだった。ハウルはにっこりと笑うと、
腰の動きを早めていく。
「言って、どんな感じ?」
「あぁっ!あぅっ、あっあ、あ、いいの…っ、あ、気持ちいい………っ!」
「あぁ、ソフィー……!僕もだ!」
ソフィーの乱れきった姿にハウルはさらに興奮し、彼女の中をより一層かき乱す。絶頂の前兆を知り、ソフィーの全身ががくがくと震え出す。
「あ、あ、あ、あ……!!」
「あぁソフィー、愛してる!だから一緒に、一緒に……!」
「あぅっ……ひぃっん……あっ、ハウル……あぁ、あ、あ、あ、ゃああああああ!!」
ぐっとハウルのものがソフィーの一番奥に押し付けられ、その瞬間にソフィーが果てた。
それに連動するように、ハウルもソフィーのなかに欲望をぶちまけ、ゆっくりと力を抜いた。
お互いにぐったりとしたまま動けずにいたが、ハウルがどうにか気力を振り絞り、
ソフィーの横に動いて彼女を抱き寄せる。ソフィーは相変らず焦点が定まらないまま
ぼんやりしていたが、急に涙を浮かべたかと思うと、次の瞬間泣き出した。
「ソフィー?どうしたんだい?」
「不安、消えないわ……ずっと繋がったままだったらよかったのに」
ハウルの胸に顔を埋めて、ソフィーが呟いた。かすかに震えている肩を抱き締め、
ハウルが頬に口付けを落とす。
「不安が消えないんだったら一生こうしててもいい。ソフィーが安心するまでずっと離れないよ」
「……ほんとう?信じて、いいの?」
ぐずぐずと鼻を鳴らしながら、ソフィーがハウルにか細い声で訊ねた。
不安げな様子に、ハウルが苦笑を浮かべてさらにきつく抱きすくめる。
「……信じて。君は一人じゃない」
まるでお祈りの一節を読むかのように、ハウルが囁いた。
不意に心が軽くなり、ソフィーが安堵感にまた泣き出す。
「ソフィー。僕の傍にいてくれてありがとう」
魔法使いが、泣き止めずにいた少女に魔法をかけた。まじないによって
少女の心の闇が消え、二人の心の間にあった氷が溶ける。
あるのはただ、温かさに満ちた愛情と陽だまりの様な幸せ。
「お礼を言うのは私の方だわ………ありがとう、私を愛していてくれて」
「どういたしまして」
ハウルが答え、ソフィーの額にキスを一つ。くすくすと鈴の様な笑い声を漏らして
少女は彼に甘えるように縋りつく。
「今日はソフィーのほうが甘えたがりだね」
ハウルがわずかに呆れたような、でも幸せそうな様子で囁いた。
ソフィーが上目遣いに彼を見やり、その頬に手を添える。
「……言って。私が必要だって。どんな時でも傍にいてほしいって」
「僕には君が必要。君がいないと淋しくて死んでしまうよ……」
「言って。いつでも傍にいるって、どんな時でも抱き締めていてくれるって」
ソフィーが祈りの様な敬虔さで、ハウルの言葉を求める。彼はまるで太陽の光のように
眩い笑顔を浮かべるとかすかに頷いた。
「ならばソフィー、君も誓って。この人生を僕と分かち合うと」
「……誓うわ。あなたと共に生きていくと」
そう言ったソフィーの唇に、ハウルは己のそれを寄せた。少女は結婚式みたい、と
無邪気に笑い、魔法使いはなら今のが誓いのキスだね、とそれを茶化した。
眠気を訴えたソフィーがハウルの胸に頭を乗せて目を閉じた。
ハウルも欠伸を一つ落とすと、彼女の暖かい身体を抱き締めて眠った。
肩に肌寒さを感じ、魔法使いは毛布を手繰り寄せた。髪から額にかけて暖かく優しい
温度を感じ、無意識にそれに向けて手を伸ばす。
「……ソフィー……?」
薄く目をあけて、その存在を確かめようとするが、白い何かが視界を塞ぐ。
「まだ寝てていいのよ」
歌うように優しい声で、ソフィーが囁いた。目元を塞いでいた小さな手を払って
彼女を見据えると、息が詰まった。
明け方の薄あたりの中に佇む彼女は、それこそ天使か何かのようだった。
まだ残る月明かりを浴びてソフィーの銀髪が淡く光り、闇に溶けている黒いドレスから
ぼうっと浮かび上がっていて柔らかに笑んだままの彼女はいっそ神々しい程に美しかった。
「どこへ……?」
「行かなきゃいけないところがあるの」
「すぐに戻る……?」
「ええ、必ず」
そういうと、ソフィーは微笑んでハウルの頬に唇を寄せた。
彼の伸ばした腕をかわし、少女は軽やかな足取りで部屋を出て行く。
柔らかなまどろみにひきずりこまれ、魔法使いはまた眠りについた。
目覚めた時に、愛した少女がもう傍にいない事を知りながら。
「ソフィー………」
執務机に山積みだった書類をなぎ倒し、カブはまるでばね人形のように椅子から
立ち上がった。ばさばさばさ、と紙が飛び散り、襟の高いドレスのソフィーが目を瞠る。
「大変!拾わなくちゃ……」
慌てて書類の元に駆け寄ったソフィーを腕で制し、カブは彼女と向かい合った。
「ここに、何を……?」
「会いにきたのよ」
ソフィーがカブを真っ直ぐに見据えながら言った。カブは驚きを隠せない、といった
様子で二、三度視線を彷徨わせたが、すぐにいつもの笑顔を浮かべた。
「わざわざありがとうございます……ここでは何なので、どうぞ、奥へ」
そういうとカブは慣れた仕草でソフィーの肩を抱き、部屋の奥へと促した。
ソフィーはありがとう、と柔らかにお礼を言うと彼に身を任せた。
金の縁取りのついた品のいいカップを唇に押し当てたまま、カブはソフィーの様子を
覗っていた。テーブルを挟んだ向かいに座っている少女は落ち着いた仕草でカップを傾けている。
「ここは随分暖かいのね。あっちはまた雪が降って大変だったの。
まぁ、すぐに雨が降ったから、積もっていた分はほとんど溶けてしまったけれど」
そういうと、ソフィーがにこりと微笑んだ。おもわずカブが口を開く。
「あの…今日はどうして………?」
カブが遠慮がちに訊ねた。ソフィーは一瞬だけ逡巡するように目を伏せたが、
すぐに目を大きく見開いて彼を見据えた。
「謝りに来たの。ごめんなさい……あんな態度を取って。私、あの時あなたのことを
何も考えていなかった……ごめんなさい。あなたを傷つけてしまって」
そう言いながらソフィーが俯いた。せわしない仕草で髪を撫で付け、
しどろもどろになりながらも言葉を続ける。
「あの時、私、あなたがいなくなったのが悲しくて……裏切られたような、
そんな風にさえ思ってしまった……本当は私が悪いのに」
そう言ったソフィーの肩が急にか細く、頼りなく見えて、カブは彼女に手を伸ばした。
しかし、ソフィーは首を振りその手を振り払う。
「気にしないで下さい……私も、自分のためだけにあんなことを言ってしまって」
「あなたは悪くないわ!ただ、私が……」
カブが困ったような表情を浮かべ、ソフィーも悲しげに顔を歪めた。
泣き出す寸前のように口を固くつぐみ、頭を垂れる。
「………ここにきたという事は、私に心を傾けてくれたのですか?」
言いにくそうに、まるで呪いの言葉を口にするようにカブはおそるおそる言葉を紡ぐ。
ソフィーは顔色をさっと白くし、驚いた顔のまま口を一度開き、それから引き結んだ。
「……違うんですね……」
「……ええ。何度も言うようだけれど、私はハウルを愛してるから」
固い表情のままソフィーが言った。穏やかな表情を浮かべていたカブが、
不意に怒りや悲しみをむきだしにしたような、負の方向に複雑な表情を浮かべた。
「なら、なぜ?何でここに一人で?どうして私を苦しめるような真似を?!」
「………分からないわ」
声を荒らげたカブに対し、ソフィーは固い表情を崩さないままで答えた。
カブが怒りを押さえつけるように唇をかみ締める。
「ソフィー!」
「私にだって分からないのよ!誰にも言わずに出てきたから、みんな心配してるわ!
ハウルは怒ってるだろうし、おばあちゃんは困ってる。何もしてこなかったから
マルクルは大変な思いをしないといけないし、カルシファーは余計に働く羽目になった
でしょうね!それでも………気が付いたら旅用のコートを引っ張り出して、
もう家を飛び出していたわ」
ソフィーが半ば悲鳴をあげるようにまくしたてた。カブの強張っていた顔が少しだけ緩む。
「………あなたが出て行ったとき、絶望したわ。涙で滲んで、後ろ姿を見ていられなかった。
悲しくて、淋しくて、まるで心に穴があいたようだった」
何か言おうとしたカブの唇をそっと押さえ、ソフィーが穏やかに語り始めた。
静かで柔らかな声は夢の中で聞いた歌のようだ、とカブがぼんやりと考えた。
「泣いていたら、ハウルが慰めてくれたわ。たくさん愛してるって言ってくれて、
一人じゃないって教えてくれた。私、本当に幸せだったわ。暖かくて、優しくて、
一生ここにいようって思ったの」
少女の言葉の甘さと残酷さに、カブがぐっと眉根を寄せた。でも、そういった
ソフィーの表情があまりにも透明だったので、彼は黙って彼女を見据えていた。
「でもね、目が覚めたら……寂しさが一さじ分だって減っていなかったの。
どんなにハウルの心臓の音を聞いても、髪を撫でててもね。寂しくて、寂しくて
寂しくて、どうしてって思ったらね、カブ。あなたのことしか考えられなかった」
清らかな、ただひたすらに透明な視線でカブを見つめながら、ソフィーが言った。
鮮烈なその視線に射抜かれたように、巻毛の王子はただただ押し黙っていた。
「………私が呪われていた時、あなたは優しくしてくれた。泣いていた私を
慰めてくれた。そんなあなたが一人で悲しんでいることに、私は耐えられなかった」
ソフィーの白い手がすっと宙に浮き、カブの頬に当てられた。
ひんやりとした感覚に彼は目を伏せ、頬に流れる涙の温度を知った。
「だから、ここまで来たの。大切な私の家族が、もう悲しまなくていいように」
ソフィーの目尻にぷっくりと雫が盛り上がり、張力を失って頬を伝っていった。
彼女は空いた左手でそれをぐいと拭うと、気丈にも微笑んで見せた。
「………許してとも、愛し続けてとも言わない。ただ、幸せであって欲しい。
笑っていて欲しい。それだけ。それだけが、私があなたに望むことの全て」
低いうめき声が漏れた。カブの細身の割には頑丈な、広い肩が小刻みに揺れ、
ひくひくと嗚咽が漏れた。ソフィーは立ち上がり、彼の隣に回りこむとその頭を掻き抱いた。
「愛してるわ、カブ。あなたが幸せになることを、私は望んでる」
ソフィーの服を握り締めながら、カブが言葉にならない声を上げた。ソフィーは
聖母の様に温かな仕草で彼の額にかかった髪をかき上げ、露になったそこに唇を寄せた。
この瞬間、世界が終わればいい。
何か強い魔法で、世界が滅びてしまえばいい。
カブが本気でそう思ずにはいられないほどに、その瞬間の二人の心は溶け合っていた。
魂の奥底から、繋がりあっていた。
「ありがとう……」
か細い声で、カブが呟いた。ソフィーが彼の背中をぽんぽんと叩き、そのまま彼を離さなかった。
カブが泣き止むまで、ソフィーは彼に廻した腕を解かなかった。
赤くなってしまった目元を冷やしながら、カブが窓の外を見ていた。
朱で縁取られた黒い馬車が丘を下り、隣国へ向けて駆けていく。
あの後、少女を迎えに隣国の王宮つき魔法使いがやってきた。宵闇色をした髪の
魔法使いは泣き腫らした顔の自分達を見て、呆れたように肩をすくめた。
それから実におかしそうに笑うと、カブの肩をバンバン叩いた。
そして、よく響く滑らかな声で言った。
――――もしも、君がまだソフィーを愛してるならば、素晴らしい恋敵として認めてあげよう。
少なくとも、僕と君の女性の好みは共通してるんだ。僕らは気が合うと思わないかい?
なんとも強引な理由だったが、カブも快活に笑って答えた。また家族が増えたな、と
美貌の魔法使いは少年のように無邪気な笑顔を浮かべると、手を差し伸べた。
彼女への恋は胸のうちでひとりでに燃え盛り、そして彼女の涙で消されてしまった。
しかし、暖炉の種火の様なささやかな暖かさがまだ胸に残っている。
彼女は自分が幸せである事を望むと言ってくれた。
だったら、自分も彼女の幸せを祈り続けよう。
もっと幸せになるために、新しい恋をしてみるのもいいかもしれない。
雪解けの春はもうすぐそこまで来ている。
そう思って微笑むと、カブはカーテンを閉めた。温かな風に吹かれて柔らかなシフォンが
貴婦人のドレスの裾のように揺れて、カブの指先をくすぐった。
どんな日も分かち合って。どんな夜も、どんな朝も。
愛して欲しい。
それこそが、私の望む全て。
以上です。長かった―……。
カブもハウルもかっこいいので異形の役をどっちに振るかで悩みました。
でもまぁ、二人に均等にwwどっちも美味しく出来たかなぁ、って感じです。
ソフィーさんは泣いてばかりですが、まぁ、どんまい。
どの神様の作品も楽しみながら読んでます。
これからもどんどん作品を発表していってください。
250タソ禿げしく乙ヽ(゚д゚三゚д゚)ノ 感想一番乗り。いつも張り付いてます
美しく完結しますたな。切ない系大好物の漏れは大満足です
切なくも美しいその中にも濃厚なエロ。最高です
カブにハウルと過ごしたことをすっきりさっぱり伝える男前なソフィーに萌え
そしてやはり綺麗で優しいハウルに萌え。カブの肩をバンバン叩くハウル・・・イイ
とにかく素敵なうまし糧をいただきました。これでまた明日から生きていけます
All I ask of you!
オペラ座の怪人ですね。
ラウルがハウル、ファントムがカブでしょうか?
こっちの映画も激しい三角関係。
GJ!
待ってたよ!GJ、GJ、GJ!!!!
読みながら、カブやソフィーに負けないぐらい泣いてもた。
念願の甘えたちゃんソフィーが見れて幸せだし。ああ、こんなに素敵なSSをほんとうにありがとう!!
GJ!本当に素晴らしい!!
でも…切なすぎて苦しい〜
すごいなぁ。エロ要素のみでなく
物語として上手いなぁ。
GJ!!
すごくうまい
文章もそうだけど物語もイイ!!
本当にいい物見させていただきました!
最後にもう一度、 G J !
250タソ、ほんとアンタネ申ですよ。
いろいろ細かな描写も上手いし、流れもまたニクイし。
三者三様で哀しくて切なくて、心持ってかれちゃったよ。
ソフィーが抱かれなかったら死んでしまうって考えたりとか、読んでて痛いぐらい切ない。
ハッピーエンドにしてくれてありがとうね。
機会があったらまたSS読ませてほしいな。
250タンの奥行きのあるストーリー、ありがとう。
とてもしっくりきててイイ!心理描写とか丁寧だし。
エロせつないSSマンセー!
今更ネタですが12タンのエロ無しせつなさもいまさらですが好み…。
(映画でのソフィーの寝顔を見つめるハウルの表情を見ると12タンのSS思い出す。
監督がこんなシーン作ってくれたらなぁ、と思う。
(宮崎監督のエロ描写の限界はこの辺までだろう)
外は雪。
ゆっくりと美しいSSを読む幸せ・・・
三人とも幸せになってほしいヨ
なんか急に思いついたんで投下します。
『映画 ハウソフィ エロなし アンハッピーエンド?』
不幸せオーラビシバシ出てる話なんで、苦手な人はスルーして下さい。
どうしたらいいの?
またやってしまった、とソフィーは盛大なため息をついた。太陽は真上まで
昇りきり、ぎらぎらと照りつけている。身体をひねると、真横には人一人分が
居なくなった痕跡をしっかりつけた毛布が不思議な形で固まっている。
出かけるなら起こしてくれてもいいのに、とソフィーはここ数週間ほど決まって
口にしている台詞をぽつんと吐いた。
だるい身体をなんとか起こすと、ソフィーは身支度を始めた。赤くなった首元が
恥ずかしかったので襟の高い服を探したのだが、生憎洗濯籠に入れていたままらしく
見つからない。仕方がないので胸元の開いた服を着たのだが、鏡に写ったその姿は
悲しくなるくらいに下品だった。
ソフィーは苛々しげに息を吐くと、床にねじれたまま放置されていたドロワーズや
二人分の下着を丸めて、ひっぺがしたシーツにくるむようにして胸に抱え込んだ。
あぁ、いい加減に洗濯をしなければ。日が暮れる前に干さなくては。
ばたばたとソフィーが階段を駆け下りていくと、パンをくわえているマルクルが手を上げた。
「ソフィー、おはよう」
「あぁ、マルクル!ごめんなさい、すぐご飯の用意を……」
洗濯場へ直行しようとしていた足をとめ、ソフィーがマルクルに言った。
しかし、彼は首を振って齧られたパンを示した。
「いいよ、もう食べちゃった。それにソフィー忙しいんでしょ?」
何の屈託もなく言われた言葉に、ソフィーが天を仰いだ。なんてこと!
「……夕飯は、きちんとしたもの作るわ……」
「うん、楽しみにしてる!」
なんとも情けない気持ちのまま、ソフィーは洗濯場へ駆けていった。タライに水を
張り、洗濯籠に溢れかえっているそれらを手際よく洗っていく。
もちろん、先程持ってきたシーツとその中身も。
いくらソフィーの手際がいいといっても、全ての洗濯物を洗い終えるまでに小一時間
かかってしまった。干し終わるのに三十分、乾くまでに掃除して買い物に行って、等と
考えているうちに眩暈がしてくる。あぁ、一日が二十四時間以上あればいいのに。
洗剤で白くなった水面に映った自分の顔が、不意に眼に飛び込んできた。肌も髪も
艶やかで、目も爛々と光っている。唇がいやに赤く、頬も赤い。あんなにひどかった
手あれも引いてきたし、貧弱だった体付きも、いかにも男好きする様なものへと
変化しつつある。
美しくなっていくソフィーとは対照的に、城の中はどんどん荒れていった。細部に
埃がたまり、洗濯物も滞納されることが増えた。食事もまともなものは大抵夕食の
一度きり。全員が食卓に揃う事が週に一度あればいいほう。
不思議な家族の関係が確実に崩壊しつつあった。ソフィーはきつく目を閉じると
どうにかしなくてはと念仏のように何度も繰り返した。
原因は、ささいなようで大きな事件。ハウルが遂にマダム・サリマンに折れて
王宮付き魔法使いの職についたことだった。
ハウルは風邪をこじらせたらしいサリマンの代わりに二、三度王宮へと足を運んだの
だが、それがそもそもの罠だった。彼女は明らかに長引く仕事ばかりをハウルに
押し付け、彼を王宮に縛り付けた。
危険を察したハウルは何度も仕事を投げ出そうと試みたが、無知とは恐ろしいもので
ソフィーはそれを咎めてしまった。結局、彼は大変面倒な仕事を遂行し、気が付けば
国王との契約書にサインさせられていた。
王宮での仕事は性に合わないらしく、ハウルはみるみる憔悴していった。
ストレスもたまるようで、醸す雰囲気はささくれ立ち笑う事もなくなった。
そんなに辛いならやめれば、と言ってあげれば良かったのだが、ソフィー自身
根が生真面目なので無責任な行動を勧める事はできなかったし、国王直々にハウルを
支えてやってくれと言われてしまえば、なおさらだった。
結局、ソフィーに出来たのはハウルに抱かれる事くらいだった。
それで彼の気持ちが休まるのなら、とどんなに乱暴に扱われようとも甘んじて受け入れた。
その甲斐もあってか、ハウルの苛々は随分と収まったようで彼は至極穏やかになった。
しかし、思わぬしっぺ返しをソフィーがくらった。まず、行為をするのには随分と
体力を使うので早起きが出来なくなった。その上、ほぼ毎日コトに及ぶので体の
だるさが取れず、今までのように働けなくなってしまった。
城で一番の働き者だったソフィーが機能していないという事は、城全体が機能
しない事に等しい。事実、ここ最近の城の中の荒れ様は凄まじい。
ソフィーの異変にマルクルは始めは途惑っていたのだが、素晴らしい適応能力の
おかげかその生活ペースに今ではすっかり馴染んでしまっている。
カルシファーは割とソフィーに同情的なので文句も言わず、荒地の魔女は特に
気にする様子もない。ヒンは変化に気付いたかどうかも怪しい。
肝心のハウルは夜更けにならないと帰ってこないので荒廃ぶりが気にならないと
思われる。というより、ソフィーが来るまで荒れ果てた部屋で生きていた人間だ。
気にも留めていない、というのが正しいのだろう。
わたわたと掃除を終わらせ、大慌てで夕食の支度に取り掛かる。
窓からあたりを覗うと、既に日は落ちかけていた。
買い物にもろくに行っていないのでメニューは必然的に簡素になっていった。
どうにかしないと、と思うたびにソフィーの頭の中は混乱していく。
みんな、自分勝手だ、とソフィーは一人ごちた。誰も彼女のジレンマを知ろうとしないで飄々としていて。
自分の居場所をもてなかったソフィーにとって、この城は初めて見つけた自分の
大切な居場所だった。城の主婦であるという事はソフィーにとっての誇りだった。
なのに、今のこの自分の姿といえば。まるでハウル付きの娼婦のじゃないかと
何度も自身を嘲った。
自分の役割がいつの間にか変わっていたことに、ソフィーは思っていた以上に
動揺していたらしい。まるで積み上げてきたものを全てなぎ払われ、ソフィー
そのものを否定されたような。そんな気分だった。
会話の少ない夕食を終え、ソフィーが食器を洗っているとマルクルがお休みを言いに来た。
彼女が忙しくて周りを構えないのに気付いて以来、彼は部屋に一人でこもる事が多く
なった。一人きりの部屋がどんなに寂しいかを知っているソフィーは、また情けない
気分になった。マルクルにも、自分と同じ思いをさせなきゃいけないなんて。
そう思った瞬間に、涙が溢れてきた。
ぼたぼたとこぼれ落ちるそれを拭う事も出来ず、ソフィーはか細い泣き声を上げた。
カルシファーがあーあ、とでもいうように目をそらす。
「……か、カルシ、ファー…っく…わた、し…っど……したら……っ?」
「ソフィーがハウルとちゃんと話さないからだ!オイラ、難しい事はよく
わかんないけど、最近のハウルもソフィーもなんか変だ!」
ぐずぐずと泣き出したソフィーに、カルシファーはなんともいえない表情のまま言った。
ソフィーがまた泣き声をあげ悲しげに肩を震わせたのを見て、火の悪魔ははぁっと
息を吐く。それから、幾分優しい調子で言った。
「……言いたかないけどオイラ、いつものソフィーのほうが好きだ。元気で働き者の
ソフィーのほうがずっといい」
それを聞くとソフィーはまた瞳を潤ませたが、溢れ出たそれを拭ってしっかりと頷いた。
心の優しい悪魔は満足げに炎を揺らした。
「ハウル、入るわよ」
ソフィーはそう言うが早いか扉を開いた。窓際に鎮座しているベッドの上では
魔法使いが濡れた髪を拭いている。
「………ソフィー、おいで」
タオルを投げ捨てて、魔法使いはいつもより低くて艶っぽい声でソフィーを呼んだ。
ソフィーはきゅっと縮み上がった心臓を叱咤し、足を踏み出す。
彼は今日も疲れた顔をしている。顔色云々よりも、目が死んでいるから。
助けてあげなきゃと思うし、そんな彼をかわいそうだとも愛しいとも思う。
でも、それだけじゃ駄目。
「行かないわ」
部屋の中ほどでソフィーが足をとめ、首を振った。ハウルが目を眇める。
「いけないの。もう、このままじゃいけないの」
ハウルの表情は変わらない。まるで人形のようだと思った。
「話し合いましょう。このままじゃ、私達だめになってしまうわ」
ソフィーの言葉に、ハウルが初めて驚いたような顔をした。それから首を傾げる。
「駄目になる?何故?」
「気付いてないだろうけど、あなたも私も変わってしまったの。だからよ」
魔法使いはむっとしたように眉根を寄せた。それから軽く首を振る。
「疲れてるんだ。そんな気分にはとてもじゃないけどなれないな」
「駄目よ。とにかく、今は会話が必要なの」
「必要ない。僕に必要なのはソフィー、君だけだ」
「いいえ」
ハウルが何を言おうと、ソフィーは頑として動こうとしなかった。魔法使いが
腹立たしげにベッドを降りて彼女に歩み寄る。
「ソフィー」
ぎゅっと抱きすくめられても、ソフィーは胸がときめいてないのに気付いた。
すれ違った心のままで身体を重ねても、何も得られないのだとその瞬間に悟った。
「とてもとても疲れてしまったのは、私も同じ。お願い、私を愛してるなら話を聞いて」
魔法使いがちっと舌打ちをした。その瞬間、少女の表情が凍りつく。魔法使いも
自然にしてしまった行動にさぁっと青ざめ、上目遣いに彼女の顔色を覗いながら尋ねた。
「……何について話し合えばいいの?」
こんな事、私は望んじゃいなかった。
どうしたらいいかを知るべきだった。
「………別れる以外に二人が幸せになれる方法があるかどうか。そしてどうしたら
やり直せるか。まずはそれからよ」
少女の目からは大粒の涙がこぼれ落ちていた。
以上です。後味悪くてすみません。でも、どうやら私は救いがないようである話が
好きなようです。でも、この後二人は仲直りするはず。
今回も何かとのミックス(ちなみにミックスしたのはソフィちゃんという
二十歳の女の子が出てくる話)です。わかる人はにやっと出来る……はず。
スレ汚しお目汚し失礼しました。
250タソ、GJー!
どうやら自分は250タソのSSが好きなようでww
今回も、丁寧で引き込まれる描写よかったよ。
アンハッピー系の神もどんどんカモンー!
371 :
名無しさん@ピンキー:05/03/06 17:52:15 ID:1h2jZlM7
凄いー!!凄いよー!!官能小説で初めて胸キュンだよー!!奇跡だよー!!(>∀<)
神マンセー!神万歳ー!アンハッピー最高だよー!(´∀`)σ)Д`)頑張ってー!!応援してるよー!!
250たんGJ!
続きも見たいような・・・
なんにせよ乙です
ところで371がなんとなく気になるのは私だけ?
250さん乙(゚д゚)ウマー
変化に気付いたかどうかも怪しいヒンが素敵です。
舌打ちしたハウルに萌えた私は何処か螺旋が外れているのでしょう。
否、彼も人間だったんだなぁと(何だと思ってたんだ)身近に感じますた。
過去に同じような目に遭ったことがあるからソフィーの気持ちも分かるけど
歳食ったせいか今はハウルに同情しちゃうなぁ・・・。
>まるでハウル付きの娼婦のじゃないかと
>何度も自身を嘲った。
自虐ソフィが切なくも萌えです。GJ!
つ、続きが気になる…
うん、続きが禿しく欲しい!
(250タソ、迷惑だったらスルーして)
ハウルじゃない映画なのにサントラ聴いてニヤニヤしてしまいにはまた見に行ってきたよww
そう言えば、未だ物語半ばで眠る数多の良作の神たちは生きておられるだろうか…
保管庫で読み返しては続きを楽しみにしてるですよー。
気長に待ってるので、マイペースで、いつかヨロ。ノシ
371 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:05/03/06(日) 17:52:15 ID:1h2jZlM7
凄いー!!凄いよー!!官能小説で初めて胸キュンだよー!!奇跡だよー!!(>∀<)
神マンセー!神万歳ー!アンハッピー最高だよー!(´∀`)σ)Д`)頑張ってー!!応援してるよー!!
上げんなカス
すいません。ハウル受けが読みたいんですけど、801にもどこにもないですよね。
ハウルで801って無理がある気がするけど・・・
そこまでして801が見たい意味がわからない
城検逝けば3件くらいひっかかるよ。そんな苦労しなくても見つかるから
逝ってみるがよい。あとケータイサイトにもいくつかある。
黒金とかのハウハウだけど。
381 :
名無しさん@ピンキー:05/03/07 20:05:38 ID:ploerHlP
>歳食ったせいか今はハウルに同情しちゃうなぁ・・・。
私も。20代前半くらいまでは、きっとソフィーの気持ちのほうに
同情してたとおもう。
しかし今や、時々修羅場で会社に寝泊りする日々。
家庭を顧みる時間がないおっさんの気持ちがわかりかけた微妙な年頃。
休日は好きなことだけしたい、という私には、ハウルの気持ちが
なんとなくわかる。年取ったなぁ、私。
でも初めての恋人で、
ソフィーの年齢だったら割り切れんだろうな。
チラシの裏スマソ。
>382
私も一緒。
最近疲れて面倒臭くなったり弱音や愚痴吐きまくったりしてる。
ハウルの気持ちも十代なら分からなかったと思う。
雑談にしてもあんまりだ
ハウルの話は見たいが、住人達の生々しい話は正直読みたくもないし関心も無い。
前々から実体験をサラリと書き込む香具師等もいたが、
ここはハウルで夢見るスレだ。
正直萎えて仕方がないんだよ。
書き込む前に考えてくれないだろうか。
まあまあ、投下待ちなんですからそうピリピリせずとも。
自分で書くとわかるけどほんとエロってたいへん。
ここの神々はすごいデスヨ。ゆっくりでいいんで新作イイコで待ってますよ。
なんか荒れてるんで投下していきますね。
急ごしらえなんで微妙なんですが。習作だとおもってください。
『どっちかって言えば原作 ハウソフィ(のはず) エロなし?』
ただ何となく目が覚めた、それだけだった。力の抜けた身体を起こして、密やかな
闇の中を息を詰めて歩く。それから身長に階段を下った。口の中が渇いていて、舌が
張り付いていていて気持ち悪い。唾を呑み込んでも、ひりひりとした喉の痛みが取れない。
台所にいって水を飲む頃には、痛みもだいぶ引いた。ほっとして小さく息を吐くと
ぎしりと木の軋む音が聞こえてきた。
訝しく思って上の階を睨みつけると、ぎし、ぎしと言う音が大きくなったようだ。
背筋を悪寒が走り、冷や汗が一筋伝った。
慌てて階段を駆け上り部屋に引き返そうとしたが、好奇心にかられて足を音のした
部屋へと向ける。着いたのは城で一番大きな部屋の前だった。ぎし、ぎし、という
音の隙間から、くぐもったうめきが漏れてくる。扉に耳を押し当て細い呼吸を
繰り返していると、中から突然甲高い動物の鳴き声があがった。
驚いて扉から跳び退る。どきどきする心臓を押さえながら、今度は扉を細く開いた。
がちゃ、というわずかな音がたったが、中にいるはずの部屋の主からのお咎めの声は
聞こえてこない。そのまま廊下と同じだけ暗い部屋の中を凝視し続けた。
真っ暗な部屋の中に、薄ぼんやりとした明りが見える。ベッドサイドについている
ランプが光ってるのだろうか。ぎし、ぎしという音は絶える事がない。
薄明かりの中に、白い「なにか」が見えた。「なにか」は上下左右に揺れ動きまわり
その度にぎしぎしという音が付いてくる。どうやら軋んでいるのはベッドのようで
「なにか」はベッドの上にいるらしい。
そして、その「なにか」の動きに連動するように鳴き声が聞こえた。甲高い、犬か
猫の様な鳴き声は時に悲鳴のように突き抜ける。
そのとき初めて気付いた。否、気が付いてしまった。鳴き声だと思ってたのは、人間の
声だと言うことと、女の声だと言うことに。
ここに暮らす人間の女、しかもこの部屋に出入りを許されているのはただ一人だ。
そう思うと全身を戦慄が走った。目を背けたかったのに、身体が動かない。
ただの白いものと漠然と捉えていただけのそれは、闇に慣れてきた目には人間の背中
として映った。月の色にも似た真白いそれは踊るように軽やかな調子で動き続けている。
その度に音と声が溢れる。
背中の上で揺れる金糸は月明かりを梳いた様で、砂金じみた輝きを誇らしげに示している。
その背中を牛乳か淡雪ほどに白い腕が捕え、絡みつく。
響いてくる高い声は耳に痛いが不思議と嫌ではなく、時々聞こえるくぐもった声は
胸をざわめかす。何が行われているかは予測できないが、おそらくそれがとんでも
ない事なのは肌で感じらた。
ふわり、と急に金糸が舞いあがった。白い身体が立ち上がり、一緒にミルク色の
身体が引き上げられた。わずかに色味の違う二つの身体が絡み合い、手前に腰掛けて
いる小柄な方の身体がよじれる。その身体についている琥珀色の瞳が時々まぶしそうに
細められ、あの不思議な、強いて表現するならば甘味を含んだ声が漏れた。
その後ろから長くて意外としっかりしている腕が伸びて、身体を蹂躙していく。
のけぞった華奢な首だけが闇夜と分離してしまったように白いままだった。
その時にガラス球の様な目は視線を動かしてこちらを見つめていたようだが、そんな
ことにさえも気付けていなかった。ただ凍りついたようにその場に固まり、身体に
感じる炎の様な灼熱に意識が飛ばないようにするので精一杯だった。
猫の目のように光っているガラス球がすうっと細められた。まるで、微笑を浮かべる
ようにして。それと時を同じくして、ミルク色の身体が弓なりにしなった。
その時、薄明かりに輝いているのが住人全員が褒め称えるあの長い髪なのだという事を
初めて理解した。
闇夜を劈くような声が上がり、のけぞっていた身体が前のめりに倒れた。
廻されていた腕があわててそれを引き寄せる。ガラス球がまた嬉しそうに細められ
それからこちらに視線を移した。それにつられるようにして、伏せられていた琥珀も
同じ動きを見せた。闇夜に光る四つ目は人間離れした光を湛えていて、何故だかは
わからないが悪寒が走った。
がくがくとなっていた脚から遂に力が抜け、その場にへたり込んでしまった。
下半身に冷たさを感じ、驚いて視線をやるとそこがシミになっていた。
慌てて洗面所に駆け込み、脱いだ下着と夜着を洗った。手に滴る水の冷たさが
身体の火照りを冷やし、猛烈な羞恥と眠気が全身に走る。
そそくさとそれを持ち帰り部屋に干すと、新しい下着と夜着に着替えてベッドに
もぐりこんだ。興奮する胸を押さえ、瞼をしっかりととじて眠りに向かう。
今夜見た光景は夢だったんじゃないか、などと考えながら。
「あの……ハウルさん。聞いてもいいですか?」
おずおずと言った言葉に、魔法使いは答えられる範囲でならね、とだけ言った。
まじない作りに集中しているようで、振り向きもしない。
「あの、じゃあ、その……昨日の夜は……あの、何を?」
呼びかけると、きつい瞳でまじないを睨んでいた魔法使いがふっと顔を上げた。
言いたい事は山ほどあるのに、上手く口がまわらない。
「昨日?部屋で寝てたよ。どうして?」
そういうと、彼は首を傾げた。色素の極めて薄い瞳が細められる。
「いいんです………ただ、変な夢を見たみたいで」
「夢?どんなの?」
仕事に飽きてしまったのだろうか、魔法使いは屈託のない笑顔を浮かべてこちらに
向き直った。言いようのない気まずさを感じて思わず視線が下がってしまう。
「……よく覚えてないです。でも、なんていうか……とにかく変な夢でした」
「ふぅん?」
「ごめんなさい、もういいです」
へへ、と苦笑いを浮かべて首を振ると、彼は上目遣いになって猫の様な微妙な
顔をして見せた。その笑顔のままぐいと腕を引かれて、耳元に口を寄せられる。
「………!!」
頬に炎が灯ったのかと思った。いきなり熱を持った全身に驚いて口をパクパクさせて
いると、魔法使いはあの怪しい笑顔を浮かべて手をヒラヒラさせた。
そしてそれから、彼の愛する伴侶に会いに、もといからかいに部屋を出て行った。
『――――いくら君でも、許せないな。あれは僕らだけの秘密なのに。
でも、ちょっと興奮した。僕も、もちろん奥さんもね。どうせ君もなんだろう?』
あぁ。
その時、ようやく悟った。
下手な好奇心には従わない方がいい、と。だって危険すぎるから。
とほほ、と口の中でだけ呟くと片付けに取り掛かることにした。散らばった本を棚に
戻していると台所から色気の欠片もない、それこそ子供のけんかの様な喚き声が
聞こえてくる。やっぱり、昨日見た光景は夢だったんだとなんだか泣きそうになりながら思った。
以上です。成長したマルクル、あるいは原作のマイケルの語りだと思って
いただければ。タイトルもなし。好きにつけてやってください。
本当は小姓プレイという謎のジャンルwwに行きたかったんですけど、失敗。
もうこの際萌えるシュチュエーションとかテーマとか出してください。
気にいったらそれを元に書きたいんで。ネタ切れ辛い……。
GJ!GJです!!!
> 『――――いくら君でも、許せないな。あれは僕らだけの秘密なのに。
> でも、ちょっと興奮した。僕も、もちろん奥さんもね。どうせ君もなんだろう?』
エロイよ!カルシファー!
大人のエロティシズムと子供のいたずら心の同居するハウル萌えです。
GJ!!!!!!!!
何か大人なお話ですね。大人板だからとかじゃなくて。
ところで
> 『――――いくら君でも、許せないな。あれは僕らだけの秘密なのに。
> でも、ちょっと興奮した。僕も、もちろん奥さんもね。どうせ君もなんだろう?』
これってマルクル(マイケル)への囁きじゃないのかな?
小姓とハウルの数字ものなら見てみたいです。幼い自分に犯されるハウノレ。
こういうのだめだったらスマソ
イヤ、ふつーにダメだから。
最近ここが何たるかを知らないヤシらが多すぎる…。
250タソ、乙!
すごいハイペースでハイクオリティ投下だったんだから、そんなに気負わなくてよいよ。
またネタ浮かんだら書いてちょうだい。
ゆったりマイペースで。
他の神も待ってまーす。
396は素直に数字のハウルスレに行きな。
同士がいるだろうから。
250さん投下乙!
萌えるシチュ提供したいよ…
>>250 GJ!
なんつーか、今までにないエロを感じますた(*´Д`)とても急ごしらえとは思えんですよ。
他の神職人様方も、まったり未来で待ってまつ。
>>396 マジレスすると、
>>395の「エロイよ!カルシファー!」は、ソフィーの「凄いよ!カルシファー!」という映画のセリフをモジっただけじゃ?
気分はマルクル。
ハァハァハァハァ
凄いよカルシファー、ハァハァ・・・
402 :
見習い:05/03/13 15:40:27 ID:yBqLwW4i
ちょっと思いついたので投下してみます。携帯からの初投下なので読みにくかったらごめんなさい(。_。)
ちなみにセリフしかありません。ので誰が誰だかわからなくなったら更にごめんなさい…。しかも非エロだし。とりあえずドゾー
『ハウソフィ+マルクル 非エロ』↓↓
403 :
見習い:05/03/13 15:42:38 ID:yBqLwW4i
「んっ…あぁ…や」
「ソフィ…すごいよ…もうこんなになって…」
「はぁっ…あっ…ハウル…すごいっ…」
「…きもちいいの?」
「ぅん…きもち…ぃぃ…よぅ」
「こっちはこんなに固いのに…ここはすごくほぐれてるよソフィ…。」
「あんっ…ハ…ハウルがそんなに…するから…よ」
「もうやめちゃおうか…?」
「っいやぁ…ん…もぅ少しだけ…して…」
「ふぅん…?」
「…っお願い…」
「じゃぁ…もう少ししたら交代だからね」
「うん…あぁっや…」
404 :
見習い:05/03/13 15:44:45 ID:yBqLwW4i
数時間後―――
「ハウルさん…あの…すごい言いにくいんですけど…」
「ん?なんだい。マルクル?」
「さっき…えと…声漏れてましたよ。ドア…開きかけてたみたいで…」
「あぁっそうなんだ。ごめんよ。うるさかったかい?」
「いやっ…うるさいってゆうか…あのっ…?」
「??顔が赤いぞ?マルクル大丈夫か?」
「えぇっ!?だって…え?」
「あら?どうしたの?マルクルったら顔が真っ赤よ」
「そっソフィ…っ!いやっ…あの」
405 :
見習い:05/03/13 15:46:35 ID:yBqLwW4i
「やぁソフィ。あれから調子はどうだい?」
「あぁ、とてもいいみたい。体がスッキリしてるの」
「…っえ…あの…!」
「まぁっマルクルったらますます顔が赤くなってるわよ?大丈夫?」
「疲れでもたまってる?僕がマッサージしてあげようか。こう見えて上手いんだぞ?」
「そうね♪私もさっきしてもらったの。ハウルったらすごく上手よ。とっても気持ちいいの♪」
「…は…マッサー…ジ?さっき…してたの?」
406 :
見習い:05/03/13 15:48:26 ID:yBqLwW4i
「?そうよ?」
「…な…なぁんだぁっ。そ、そうだよね!マッサージだよね!あはっあはははは」
「マルクル?」
「あっううん!なんでもないんだっ!ほんと!」
「…でも顔が赤いわ。大丈夫?」
「だっ大丈夫!あ!ぼ、僕夕食まで宿題やるからっ!じゃっ!夕食のとき呼んで」
「あっ…うん。がんばってね」
「マルクル」
「はっはいっハウルさん!」
「………………コソ」
「っっっっ!!ご!ごめんなさい!」
407 :
見習い:05/03/13 15:50:29 ID:yBqLwW4i
「マルクル?!あぁ…部屋にはいちゃった。ねぇハウル、今マルクルになにを耳打ちしたの」
「んー?別に。悪い子だねって言ってみただけさ」
「あら、マルクルったら何かしたの?」
「いや?違うけどね。釘をうっとこうと思って♪」
「ふーん?」
―――END――
408 :
見習い:05/03/13 15:53:18 ID:yBqLwW4i
以上です。はわわわお目汚し失礼しましたー!!_|\○_
いつか他のネ申のようなステキssがかきたいです…。
ベタな展開だけどそこがまたイイ
マルクル・・・
まずはsageろや…
始めに『非エロ』って書いてあるからオチがわかっちゃったけど。
つまり、マルクルは部屋から漏れ聞こえた二人の声に思春期の繊細な思考を刺激され、ドアの前で聞き耳立ててたって事でつか?
いけない子だ(*´Д`)´`ァ´`ア
しかし、セリフだけで展開するとは新鮮だなあ。
何だか台本読んでるみたいな気分…本当の台本は、もっと状況なんかが書いてあるんだろうけど。
見習いタンが職人さんへと変身する日を、未来で待ってます(*´ー`)ノシ
べたはべたで素晴らしい
_|__|__|____
|(・∀・川 <小姓ネタお願いします
捕手
こんなに長期間投下ないの初めてなんじゃ?寂しい…(´・ω・`)
自分が描けりゃなぁ〜。
続き物良い子で待ってます神様達。
ハウソフィ書いてるサイト巡るとハウルとソフィーの寝室は別、って
設定が異常に多いんだけどこれはアレですか、原作はそういう設定なの?
(原作未読だから分からん・・・読む気もない)2巻では子も居るらしいのに。
映画は夫婦はおろか恋人ですらなかったんだから別なのは当たり前だけどさ。
>映画は夫婦はおろか恋人ですらなかったんだから別なのは当たり前だけどさ。
原作も最後までそうですよ。ラストでいきなりラブラブになるw
アブダラではハウルとソフィーは思いがけない形で登場するし
城での生活描写も殆どないので、原作で寝室が別かどうかも分からないはず(だよね?)。
>寝室は別、って設定が異常に多い
ってのも、そのSSで2人がまだ恋人同士か夫婦なのかの別もあるだろうしねえ。
夫婦でも別ってのは、イギリスではそうだからそれに沿うてるとか?
いや、自分はイギリスで夫婦の寝室がどうなのかの知識はないんですが。
550ネ申のSS置き場がNot Foundになってる…・゜・(ノД`)・゜・
それじゃあ…青カンネタでも…。
しばし待たれよ。
+ +
∧_∧ +
(0゜・∀・)
(0゜∪ ∪ +
と__)__) +
テッカテカでお待ちしてます。
+ +
∧_∧ +
(0゜´∀`) テカテカツヤツヤ
(0゜∪ ∪ +
と__)__) +
「ジブリのエロSSないですか?」落ちちゃったよ・・・
エッ!?マジ!!?Σ(゚Д゚)
…ホントだった_| ̄|○
ここのところ絵神も来てて、ナムリス×クシャナの続きも久しぶりに投下されたりして
いい感じだと思ってたんだが、やっぱ保守は大事ね。
まあ、続き物の名作がいくつもあるからまたすぐ立てられると思うけど。
ってわけで、ここもホッシュホッシュ。
今は停滞気味だけど、やっぱりなくなって欲しくない場所なんだよ。
続き物も待ってますしね。
ノシ ←書こう書こうと思っていながら時間がないヤシがここに一人
>>423-424 あああ・・・。
仕事で忙しくてチェック出来なかったら、いつの間にか落ちてしまったのですね・・・。
ハウルも好きだけど、ジブリものも好きな自分としてはショック・・・。
>>425 + +
∧_∧ +
(0゜・∀・)
(0゜∪ ∪ +
と__)__) +
緑のネバネバ出してお待ちしてます。
ジブリスレ落ちて怖いからホッシュ
429 :
名無しさん@ピンキー:皇紀2665/04/01(金) 00:40:22 ID:VYSBAizO
一旦上げときます。自分も投下したいけどハウソフィがうまくまとまらない・・・
少年ハウルと遊びで寝た女の昔話とかなら簡単に書きあがったのに。愛の差か!
愛に溢れた少年ハウルを激しく投下希望
430さんに同じく激しくキボン(・∀・)
ありがとうーー!!新スレ乙(゚∀゚)!
432さんGJ!!乙です!!
>「ミミちゃんとお父さん夜の生活」だの「ハドソン婦人危機一発」だの
>「ロッテンマイヤーとおじいさん」、「夜の水車小屋交響曲」、「恋人尋ねて三千里」
>なども書けるようにしてみましたw
禿ワロスww 「ロッテンマイヤーとおじいさん」気になるな!w
>>432 クララのおばあさんとおじいさんだったら、妄想した事が…いや、需要ないから
やらないけどもwww
だって二人の出会いって、おばあさんの暴走した馬をおじいさんが止めるっつー
いかにも王道の出会いなんだもん…あれはちょと萌えますた…orz
あちらのスレは立って2日で2作投下されていい感じですね。
こちらもネ申待ち。よろしくお願いいたしますー。
でももう分割する必要はないかもね。
ハウルもジブリスレと合体した方がスレの落ち防止になるかも。
あっちもここのスレも消化しきってからだから、まだ先になるだろうけど。
なんとなーく買った小説が、ロマンス小説(?)って分野だったみたいで、ここのSS並な描写でドキドキしたーw
似ても似つかぬ登場人物なのに、自然にハウルとソフィーに脳内変換して読んじゃってますますドキドキww
いつかSSに生かせれば…
439 :
名無しさん@ピンキー:2005/04/07(木) 00:35:50 ID:bWwXPriu
保守あげ
保守がてら、エロ小ネタ投下。オチありません。すんません。
「ねぇ…、なんか、変だわ…これ、…んっ、んん…」
「んん?変な気分になっちゃった?」
「や…ちが…、くすぐるって言っt…こんな…ぁぁっ!…んんん!」
“じゃあ今度のペナルティは…そうだなぁ、負けた方がくすぐられるってどう?”
二人はまた今夜も、他愛ないふざけ合いをしていたのですが、そんな賭けに乗ったのがソフィーの間違いでした。
大小問わず賭けと名のつくものにおいて、そもそも彼女がハウルに勝つはずもなく。今夜のハウルはまたずる賢いことに、まず最初に負けてみせたのでした。
そうして自分が一度やられておいて、安心させてから第二戦をまんまと自分のものにしたのです。
“いいわ、私けっこう強いのよ、くすぐったいの”
「…って、言ってたよね、ソフィー?」笑みを抑えきれてない声が熱い息を耳元に吹き付けます。
「…ゃあ、だ、だって、こんな…っ!ぁあっ!」
「手強いソフィーが相手なんだもん、これぐらいやらなきゃペナルティにならないじゃない?」
しゃあしゃあとそう言って、ハウルの指は彼曰く『女の人がいちばんくすぐったいところ』を執拗に攻めたてます。
後ろから脚を掬うように抱き抱えられ、服は着たまま下着の隙間から彼の手指に侵入されているのです。
与えられる刺激にも増して、この上ない羞恥がソフィーを翻弄します。
441 :
440:2005/04/07(木) 02:01:40 ID:HYYfd8nA
魔法使いは片方の手で彼女の秘唇を押し拡げ、利き手の方の指で、やわらかく優しく繰り返し撫で上げます。
触れるか触れないかの力ゆえにかえって刺激は強く、なんとかその波から逃げようと腰を引こうとするのですが脚の付け根を抱き込まれているのでかないません。
むずがゆい刺激にソフィーの四肢の感覚は逃げ場なく追い詰められていき、おかしくなってしまいそうです。
やがて、可愛らしいお尻がこわばり、内腿からつまさきまでをビィ…ンと痙攣したような痺れが走り、可愛そうな唇からは こぽっ と液体が溢れました。
「あぁ…いいよ、ソフィー、上手だ。」
「……っはぁ…、…。」
しばしの硬直の後、大きく肩で息をついたソフィーの瞳は何も映すことができません。小さく開いた口の端から、唾液がこぼれました。
上気した頬をうれしそうに綻ばせ、魔法使いは二本の指で蜜をぬぐいます。
ふと秘部から感触が離れ、耳元で聞こえた濡れた音の方へ、ソフィーはぼんやりと首だけそちらに向けました。
その水音はハウルが指をしゃぶっている音でした。
彼が満足気に舐めているのが自分の蜜だと気付き、ソフィーは涙声になりました。
「…やだぁ…やめてぇ…そんなの…」
「んん?美味しいよ、ソフィーの味がする。もっと出してごらん…」
そして再び指が下へ行き、今度は少し深く泉をかき回しはじめました。
「さっきはすごく上手だったよ。もう一回イってみようか、ね…?」
悪戯なハウルタソキタ━━(・∀・)━━!!
意地悪なハウル先生も素敵です(・∀・)イイ !
保守。職人さんカモーン
エロイー
お久しぶりです。新作が出来たので投下させていただきます。
ですが、普通に幸せな話ではないので苦手な方はスルーして下さい。
性格の悪いソフィーと性格の悪いハウルで話が展開していきます。
また、強姦っぽい描写もございますのでご注意ください。
傾向 映画 ハウソフィ バッドエンド風味
奥さんには不倫の恋の噂
旦那が知ったら卒倒して死んでしまうね!
寝取られた男は世間の笑いもの
このことがばれたら大変だ!
不実な奥さんはとんだ罪作り!
ばたん、と大きな音がしてドアが閉められた。作業台の上にソフィーが押し付けられるのと、
乱暴に掛けられたCLOSEDの看板が揺らいでドアにぶつかるのは殆ど同時だった。
耳障りな音が静かな室内にこだまし、二人の間の沈黙を埋めていく。
「閉店の時間には、少し早いわ」
弱々しい声でソフィーが呟いた。彼女に覆い被さっていたハウルがにこりともせずに口を開く。
「いや、遅すぎた位だ。奥さんにもうこれ以上馬鹿な真似をさせない為にはね」
氷のように冷たい声音に、ソフィーが目を伏せた。ぞくぞくと全身を走るそれが
怖気ではなく、快感である事に彼女はまだ気付いていなかった。
きっちりと閉じられた胸のボタンが一つ一つ外され、胸元がくつろげられる。
素肌が少しだけ冷たい空気に晒され、ソフィーの肌が粟だった。小さくみじろぐ
彼女を気にも止めていない様子で、ハウルがその服を剥いでいく。
夕方、人通りの多い通り、濃い色の、でも確実に外から中の様子が覗けるガラス、
そして明るい店内で裸にされている自分。
その全てに追い立てられるようにソフィーが悲鳴をあげた。ハウルがちらりと彼女を一瞥し、
それから剥ぎ取った下着を放り投げる。その仕草にソフィーが啜り泣きを始めた。
露になった白い胸元に鬱血したあざを見つけ、ハウルが眉根を寄せた。
それを指で押さえながらソフィーに問う。
「誰がつけた物?」
「……あなたが……」
ソフィーが震える唇をだましだまし答えた。ハウルがすっと双眸を細め、薄笑いを浮かべる。
「嘘」
「嘘じゃない、あなた以外誰がいるの?」
「案山子の王子、アパートに住む若い画家、赤毛の紳士」
ハウルが何の躊躇いもなく答えた。全員が花屋の常連客でソフィーの知り合いや
友人だ。彼女の瞳が驚愕に見開かれ、顔中が羞恥と義憤に赤くなる。
「違う!みんなただの友達よ!そんなのじゃないわ!」
「だとしたら随分淫らな友人関係だね。身体を共有しあう友情だなんて」
「信じて…あなただけよ……私が全てを捧げるのは……」
ほろほろと涙を流しながらソフィーが哀れっぽく囁いた。ハウルはその涙に思い切り
しかめ面を作るときつく胸を掴んだ。彼女が痛みに思い切り身をよじる。
「たっ……、やめ…て…」
苦しそうに喘ぐソフィーの口を唇で塞ぎ、ハウルが彼女の口内を犯す。
くちゅ、くちゅ、と水音が漏れ、彼女が羞恥に眉根を寄せる。どちらの物ともつかない
唾液がその白い頬を伝って落ち、溢れてきたソフィーの涙と混じった。
息苦しさに彼女が気をとられているうちに、ハウルは荒っぽい愛撫を施す。
華奢な足が宙に踊った。
引きちぎるように胸を揉まれ、ソフィーが痛みに全身を硬直させた。
彼を引き離そうと手を伸ばすが、その腕も魔法で動かなくされてしまう。
力の抜けた手がだらりと作業台の腕に散り、それがソフィーの恐怖を掻き立てた。
「も…う……や、めて……」
怯えきったソフィーが懇願する。ハウルはうるさそうに彼女をにらみつけると、
シャツからネクタイを抜いて猿轡のように小さな口にはめた。綺麗な藍色のネクタイは
いつかソフィーがプレゼントした物だ。まさかこのようなことに使われるなんて、と
彼女は絶望的な気持ちで涙を流した。
荒々しかった愛撫が、急に優しく繊細な物へと変わった。やわやわと乳房全体が撫でられ、
先端の突起が赤く充血してそそり立つ。ハウルはそれを目ざとく見つけると、そこを
指先で挟み、小刻みに刺激を与える。全身を支配していた痛みが甘い快楽へと変わり、
ソフィーが不明瞭な叫び声を上げた。
「感じた?おかしいな、犯されてるはずなのに」
くすくすと笑いながらハウルが言った。ソフィーが大きく首を振り、彼の言葉を
否定する。しかし、彼は豊かな黒髪を翻すと彼女の胸に顔を近づけ、今まで指で
弄んでいた部分を口に含んだ。
「んんっ!んっ……ふぅ…っ……うぅ!!んっ…ぅ……!」
体中を駆け巡る快感に、ソフィーが足をばたつかせる。ハウルはその脚を押さえつけると、
ぐいと大胆に開いた。彼女が驚きに目を瞠る。
「凄い……どうしたの?ここ、すごい濡れてるけど」
愛液を吐き出す秘部に指を添え、じりじりと輪郭をなぞる。ソフィーが涙を流しながら
喉を鳴らす。声にならない音が部屋中に響いた。
「んぅ……んっ………ぅぅん、ふ……ん」
晒された敏感な核が赤く染まり、存在を主張し始める。ハウルはいやらしく笑うと
その部分を摘み上げた。ソフィーの腰が跳ね回り、激しく揺らぐ。
彼は淫核を指で転がしながら彼女の反応を見るように向き合った。ソフィーの表情は
快楽にどろりと溶け、口の端からだらしなく涎が垂れる。言葉にならない声が漏れ、
それが一層彼の嗜虐心を煽る。
「あぁ……なんて厭らしい……こんなになって、ねぇ、どうしたの?」
真っ赤に腫れ上がった淫核を指先で弾くと、ソフィーの身体も大きく跳ねた。
陰唇が早くも綻び、男を誘うようにひくついている。ハウルはごくりと唾を飲み込むと、
愛液でべとべとになったそこに指をそっと差し込んだ。
「んふ……」
一本だけ差し込まれた指が、くるくると円を書くように動かされる。鼻にかかった
色っぽい喘ぎがソフィーの口から漏れ、ハウルが少しだけ愛しそうな、慈しむような
表情を浮かべた。しかし、すぐに顔つきを引き締めると指を抜き、今度は三本いっぺんに
突き立てる。身体を割り開かれるような感覚に彼女の顔が歪み、唇がわなないた。
彼は埋め込んだ指をくいと曲げたりばらばらに動かしたりしながら、確実に彼女を
快楽に溺れさせていく。曲げられた人差し指がある一点に辿り着き、そこを擦り上げた。
ソフィーの身体がびくりと飛び跳ね、首がのけぞる。彼はそこを執拗に攻めながら
長いまつげを伏せた。
「随分、淫らになってしまったね……誰かのせいで」
ぽつりと呟かれた一言は酷く寂しげで、ソフィーが言葉を否定しようと必死で
首を振る。ハウルは僅かに口元を緩めると、彼女の髪をかき上げた。
「全部全部、僕のものだったらよかったのに……」
額に落とされた口付けは暖かく、愛情に満ちていてソフィーは切なさに嗚咽を漏らした。
あぁ、どうして。
彼は私を信じてくれなかったんだろう。
私は、全てあなたのものなのに。
その思いを伝えようと、ソフィーはありったけの愛しさを込めて彼の目を覗き込んだ。
潤んだ瞳に射抜かれ、ハウルが怯んだように唇を噛む。
「ごめんね……でも、許そうとは思えないし、許さない。だけど、放さない。
愚かな奥さん、君の行動は少し幼稚すぎた」
その言葉を裏付けるように、ハウルが人差し指をぐっと内壁に押し付け、それと同時に
親指で淫核を押しつぶした。力の入らなかった足がぴんと突っ張り、ソフィーは
悲鳴じみた嬌声を上げながら果てた。ぐったり重い身体がベッドに沈みこむ。
ハウルは薄い笑いを浮かべてその様子を眺めていた。未だに彼の指をくわえ込んでいる
ソフィーの中心部がかすかに蠢いたのを確認すると、一気にそれを引き抜く。
「んっ……」
名残惜しそうにソフィーがうめいたのを確認すると、ハウルが彼女の口に廻していた
ネクタイを解く。絶頂の余韻に浸りきっている彼女に深く口付けると、彼は腰を
突き出して愛液でべとべとになった秘部に熱を持った自分自身を押し当てた。
「……っ!!」
喉の奥で悲鳴をあげ、ソフィーは侵入してきた異物を拒むように腰を揺らした。
が、ハウルはその動きを逆手にとって彼女の奥深くまで己を差し入れる。
弛緩していた細い脚がまた強張り、シーツを踏みしめた。
「あぁっ!いやっ!あっ……んっ、ふ、あ、あぁ!!」
「嫌じゃないだろう?いいんだろう?」
嫉妬と欲望に瞳をぎらつかせながら、ハウルがはやい動きで腰を打ちつける。
中を掻き乱し、全てを壊さんと暴れまわる彼に、ソフィーが絶叫した。
全身を蹂躙され、もはや抵抗すら出来ずソフィーは泣きながら快楽を受け入れた。
まるで自分の身体が自分のものではなく、ハウルのものになったかの様な感覚に陥り、
唇が震える。彼に属し、ただ彼のものである自分。意思も、体も、快楽も彼に握られた自分。
それはこの上なく哀しく、情けなく、それでいて甘美だった。
彼が強者で自分が弱者、彼は自分を支配し、自分は彼に守られる。
そのシンプルな関係は熱に浮かされた頭の中ではとてつもなくいい事に思え、
ソフィーはうっとりと微笑を零した。
いきなり幸せそうに微笑んだソフィーに、ハウルは目を瞠った。当たり前だ。
犯しているはずの少女に笑まれたなら、どんな男だって途惑うに決まっている。
彼は彼女の本心を探るように、大きな瞳を覗き込んだ。快楽にとろけた目は
ただ幸せそうで、ハウルは妙な罪悪感を覚え、腰の動きを止めた。
「……ソフィー?」
「ハ……ウル……あいしてるわ……」
まるで毎夜の睦み合いの時となんら変わらない、幸せそうな口調でソフィーが囁いた。
ハウルが罰の悪さに笑顔を作ろうとし、失敗した。
「ソフィー……」
「私は、あなたの物よ。ねぇ、わかるでしょう?」
怯えた様に引かれたハウルの腰を脚で絡めとり、ソフィーが甘えるように首筋に頬を
寄せた。こらえられないのかふふ、と笑い声を漏らし、彼女はキスをねだった。
先ほどとは逆におずおずと唇を合わせ、ハウルは自分のしでかした罪の大きさに
泣きそうになっていた。ソフィーの内部が知らず知らずのうちに蠢き、彼を離すまいと
ばかりに絡みついた。
自分の最深部に熱が注ぎ込まれたのを感じ、ソフィーがかすかにうめいた。
全身から力を抜いたハウルは彼女に身体を預けて目を閉じる。
彼女はようやく自由になった手を使い、幸せそうに彼の髪を梳いた。
憔悴しきった彼に比べ、ソフィーは疲れを見せてはいるが生き生きとしていた。
ハウルは無言で彼女に背を向けると寝息を立て始めた。彼女はその背に手を廻し、
彼の背中に頬擦りした。
彼の子供っぽい嫉妬も、狡猾さも、信じられないくらいの独占欲も、みんなみんな
ソフィーに向けられた物だ。そう思うと、笑みがこぼれてくるのをとめられない。
こんなに素晴らしい人間の宝物でいられる自分の幸福さを感じ、それだけで
達してしまいそうになる。
猜疑心、独占欲、嫉妬、束縛。ハウルがソフィーに向けてくる剥き出しの感情は
信じられないくらいに甘美で、気持ちいい。けれども、実を言うならばそれらを
振りかざして彼を縛り付けているのはソフィーのほうだったのかもしれない。
案山子の王子が教えてくれる異国の生活や幸福なお伽話、若い画家の見せてくれた
天使の絵とそれにまつわるエピソード、赤毛の紳士の聞かせてくれた極東の島国に住む
少女の悲恋を描いた歌劇の道筋。それら全てをソフィーは素敵だな、と思っていたが
ハウルに乱暴に抱かれる事に比べたらなんとも幼稚で貧弱に思えた。
「……愚か者、笑わせるわ」
紳士にいつか聞かせてもらった歌の一節を口ずさみながら、ソフィーも目を閉じた。
明日から、彼の関心が全て自分に向いてるであろうという確信にうっとりとしながら。
愚か者、あなたは私を笑わせるわ
そろそろ気付いたらどうなの?
愚か者、あなたは何にも知らない
もし本当のことを知ったら、
あなたは二度と私の元を離れていけないでしょうね。
以上です。嫉妬するハウルがみたいな、と思っていたらいつしかこんなことに…。
ソフィーに若干のMっ気を感じていたのですが、蓋を開けたらむしろS?
エロを含んで嫉妬と喜びを混ぜ合わせるのは難しいばかりです。
おーろかもの、わーらわせるわー♪という歌は実際にあります。
最後の詩は創作ですけど。なかなかキュートな歌なんですけどね、
今回のソフィーが歌うと黒い黒いww次は反動で優しくて可愛いソフィーを
書くと思います(適当)。
気を悪くされた方はごめんなさいね。
250神待ってました!
GJです!ゴチでした。
次回作もあるんですね。
楽しみができたw
250さんゴチです!
ハウルのちょっと鬼畜風味なHもいいですが
黒いソフィーがなんとも言えずGJ!!
250さんGJ!
激うまし糧でした!(*´д`*)ヘタれカワイイハウルにモエ
いらっしゃいませ〜お待ちしておりましたよヽ(゚∀゚ )ノ !!
今回も大変乙です(*゚∀゚)=З
ソフィーがかっこいい・・・確かにこれはむしろSかも。
そしてまたハウルのへなちょこ具合がいい感じです。愛しくなりました。
人様の素敵文を読むと自分も書きたくなりますな〜
最近閉鎖するHP増えてるから余計に。
あっ!
250神、もしかして‘イル・ムート’?(うろ覚え)
例の歌劇の一曲ですなw
大当りですwwミュージカル好きなものでしょっちゅう組み込んでます。今回は"イル・ムート"に引っ掛けてみました。タイトルは引用だから解る人にはすぐわかりますね。色んなものを組み込んでいるのでそれも探してみてください(´∀`)
GJ!
250タソのソフィはいつもほんのりエッチくてとても好きです。(・∀・)
250神キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
相変わらずの筆の冴え堪能させていただきました。
ソフィーがチョト黒いヨ!いいなあー。
ハウルは結局ソフィーの掌で弄ばれてるのか(´∀`)
お好きなミュージカルに絡めたタイトルや筋立ても毎回楽しみにしてます。
ぜひまた!
一応ここにも。
昨夜、ソフィーの中の人がNHK番組で主題歌を歌ってて、途中から見たよ。ハウル映像も出たらしい。
中の人情報ですが、ハウルっぽい声の歌なら、SMAPアルバム「009」の『電話しようかな』が
モロそのままの優しい色っぽい声なので、ぜひどうぞ!
(弱虫ヘタレバージョンの、風邪を引いて寝込んだ男の子の歌です)
「電話しようかな 声が聞きたいな いつでも生命力をくれるから
こんな時だから ぜいたく言わない 電話と君の声があればそれで 素晴らしい」
ここらをソフィーへの言葉と思いつつ聞くと超萌えです。
あとアルバム「La Festa」の『HA』も激萌え。切な気なハウルボイスです。
「HA そんなはずじゃないのに どうして 上手く言えないの?
HA あんなに感じて くれたのにハートが どこにあるか分からない」
(実はライブでジャズっぽく女性と踊られて腰砕けでした)
ハウル声萌えだけの方でも絶対!!に萌えられます。レンタルしてみて下さい。
ホシュのためならどんな雑談でもいいのだろうか
このスレも変わってしまったなー。
せめて手短にまとめなおしてくれ、ここにふさわしい空気でさ(某所にも書いてたろ)
アンアンの好きな男が12年連続中の人です
インタビューでハウルを語ってないかなぁと読みに行ったけど
新しいドラマの話ばっかでしたわー。でも今年の票数の何割かは
確実にハウルに萌えた姉さん方のも入ってると思うなぁ
これだけだと何なので250さんいつもうまし糧をどうもです
黒いソフィーたんが素敵。でもこのソフィーたんは壊れちゃったわけじゃ
ないんですよね?正気だよね?チョピーリ心配になって聞いてしまいますた
>>469さん
今読み直してみたら、その可能性も否定できませんww
というか、キーワードが「愚か者」だったので、壊れちゃうのもまた愚かで
いいんじゃないかなぁ、と。かるーく考えて書きました。
気を悪くされたでしょうか??だとしたら申し訳ありません。
でも、私の話は一つ完結したらほとんど続かないんで、次のハウソフィはまた
別物です。次はふつーの話。今週末か来週くらいにはうpできるかも。
471 :
469:2005/04/13(水) 23:18:35 ID:rE2SEr8h
そうデツカ・・・(;・∀・)でもまあ二人が愛し合ってるなら
無問題なのでそれでいいのだと思います。ハイ
次回作も期待してますよ〜(・∀・)ノシ
472 :
250 ◆lh2mbenylQ :2005/04/16(土) 22:09:48 ID:bsa3Rd7P
一本書き終わったんでうpでーす。
前作が黒いソフィーだったんで、今回は白いソフィーで。
ちなみに、うちのハウルさんは全編に共通して王宮つき魔法使いになっている
設定です。ソフィーは花屋さん。
傾向 映画 ハウソフィ 得ろほぼ無し 平和
473 :
踊り明かそう:2005/04/16(土) 22:17:08 ID:bsa3Rd7P
貴婦人の色とりどりのドレスのシルク、紳士たちの燕尾服の艶やかなベルベット。
華やかな宮殿の中、国王陛下主催の宴舞会は大盛況だった。戦後初めての大掛かりな
舞踏会は、ようやく平和を感じられるようになってきた貴族達や要人、そして手を
結んだばかりの隣国の客達を楽しませている。その奥まった一角では、星よりも
煌びやかな銀髪の少女が所在無さげに立っていた。胸元の大きく開いた白いドレスが
彼女のほっそりとした体を浮き上がらせ、結い上げられた銀髪に散らされた
ガラス球がきらきらと瞬く度、何とも言えない愛らしさが漂ってくる。
少女が気だるげに視線を落としたり、もの言いた気に唇を開いたりする度に、彼女を
遠巻きに見つめている男達からため息が漏れた。
474 :
踊り明かそう:2005/04/16(土) 22:18:18 ID:bsa3Rd7P
張り詰めた低い声での会話は進む。彼女は誰だろう、どこかの令嬢かな、だの
ダンスに誘って大丈夫だろうか、だの恋人はいるのかな、だの。
男達の話題の中心にいるとは知らないのか、少女が何気ない仕草で脚を軽く曲げた。
その瞬間に覗いた足首の華奢さに、男達は一様に喉を鳴らした。
475 :
踊り明かそう:2005/04/16(土) 22:20:04 ID:bsa3Rd7P
「お嬢さん、お一人ですか?」
不意に声を掛けられて、ソフィーははじかれた様に顔を上げた。
目の前には、見知らぬ紳士が微笑んで立っている。
「……いえ」
「では、誰かを待っているのですか?」
紳士は人懐こそうな笑顔で尋ねてきた。上等な服を着た、品のいい顔立ちの男だ。
優雅な栗色の髪が軽く巻いていて、なかなか魅力的だとソフィーは考え、そう考えて
しまった自分にうろたえた。
「……ええ、そうです」
「御連れの方は今どこに?」
紳士の質問は止まない。ソフィーは居心地が悪くなって視線を外した。件の夫、
ハウルは国王とマダム・サリマンに挨拶しに行ったきり帰って来ない。新たに
王宮つき魔法使いの職についたばかりだから、いろいろ面倒があるらしい。
「………国王陛下とマダム・サリマンの所に、挨拶に」
「素晴らしい!なら今はお暇と言う事ですね!」
紳士はソフィーの手をぎゅっと握って叫んだ。不幸な事に、ソフィーの左手の薬指に
はめられた指輪は、レースがふんだんに使われた手袋の下で存在を隠されてしまっていた。
彼女はただ呆然としたまま紳士の顔を見つめている。紳士がにやっと口元をゆがめる、
気障な笑顔を作った。
「私と踊ってくださいませんか?美しいお嬢さん」
476 :
踊り明かそう:2005/04/16(土) 22:22:11 ID:bsa3Rd7P
足が痛い。脚がしんどい。上手く動けない。
履き慣れていないハイヒールはソフィーの足をぎゅうぎゅうと締め付け、細くて
尖った踵のヒールは足首に負担をかける。ともすれば転びそうになるのを耐えるの
だけでも精一杯なのに、その上踊るだなんて。
「あなたのように素敵な人に巡り合えるだなんて、私は何て幸せなんでしょう」
向かいの紳士は幸せそうな微笑を湛えてソフィーをくるくると振り回している。
ソフィーも愛想笑いを口の端に浮かべながら、涙目になりそうなのを必死にこらえていた。
ハウルの特訓(連日深夜にまでに及ぶ物で、ソフィーの脚はここ数日筋肉痛を訴えて
いる)のおかげか、ソフィーのダンスは殆ど完璧だったが、ハイヒールだけは
想定外だった。が、紳士が上手くリードしてくれているので、傍目から見れば、ソフィーは
軽々と踊っているようにしか思えないだろう。
「いえ、そんな……」
「御連れの方は、どなたかと尋ねても?」
オーケストラは優雅なワルツを奏で、周りでは美しい貴族の令嬢と気品ある紳士たちが
踊りまわっている。それだけでも気後れしそうなのに、紳士は何を考えたのかソフィーを
輪の中心に引っ張り出した。周囲の視線が一瞬険しくなる。しかし、中心に踊り出たのが
見目麗しい紳士と小鳥のように軽やかに踊る美しい少女だとわかると、その目元を
和らげた。少女は優雅な動きでステップを踏み、紳士は彼女を優しく支える。
477 :
踊り明かそう:2005/04/16(土) 22:23:57 ID:bsa3Rd7P
「……夫ですわ」
腰に廻された手が熱っぽくなってきたのに気付き、ソフィーは僅かに身をひねった。
先制攻撃を加えるように、夫、の発音に力をこめる。
「結婚なさっていたんですか……」
紳士の声は明らかな落胆を含んでいた。ソフィーはこの一言で彼が自分を離して
くれますように、と祈るように言葉を続ける。
「ええ。ご存知かしら?新しい王宮つき魔法使いのジェンキンスを」
「あの、魔法使いのジェンキンス?」
紳士の声は驚きに満ち、顔にはソフィーを哀れむような表情が浮かんだ。そんな顔を
される意味が解らず、ソフィーは怪訝そうな表情をする。
「ご存知なの?」
「ええ、有名ですから」
紳士が薄ら笑いを浮かべた。それから、ソフィーの腰をぐっと引き寄せ囁く。
「お可愛そうなお嬢さん!あなたはあの悪名高い魔法使いに騙されてしまったのですね!」
紳士の歌うような調子に、ソフィーの眉間に皺が寄った。思わず彼を睨むと、紳士は
心外だと言うように目を瞠る。
「みんな言っている事ですよ、お嬢さん。新しい王宮つき魔法使いはマダム・サリマンの
愛人で、奴はマダム・サリマンを垂らし込んで位をもらったと」
478 :
踊り明かそう:2005/04/16(土) 22:25:11 ID:bsa3Rd7P
くすくすとおかしそうに笑う紳士に、ソフィーの肌が粟立つ。
その時、びぃぃぃん、と耳障りな音を立てて朗々とソロパートを演奏していた
第一ヴァイオリンの弦が切れた。ソリストの少女が慌てるのと同時にワルツが止まる。
ソフィーと紳士もステップを踏むのをやめた。紳士はなおも笑いながら続ける。
「すぐに別れるのがあなたのためです。あなたのように美しくたおやかな方が
傷つくのには私が耐えられない!あぁ、お嬢さん。どうぞそんな顔をなさらないで」
紳士が芝居がかった仕草で傷ついたように目を見開いているソフィーの肩を抱いた。びくりと銀色の頭が揺れ、細い肩が強張る。しかし、紳士はそんな様子を気にせず彼女を輪の外に連れ出そうとする。
「……離してください」
静かな、でも確実に怒りの滲んだ声でソフィーが言った。紳士が驚いたように歩みを止める。
「お嬢さん?」
「離して!もう結構よ、どうぞ放っておいて!」
ソフィーが押し殺した声で叫んだ。双眸は怒りにぎらつき、頬が真っ赤に染まっている。
赤い炎を纏ったように、彼女の姿は激しくて眩しかった。そして困った事に、
そういった様子のソフィーは紳士の目にはひどく魅力的に映った。
479 :
踊り明かそう:2005/04/16(土) 22:30:28 ID:bsa3Rd7P
「お嬢さん、落ち着きましょう。大丈夫、あなたは私がお守りしますから。
さあ、もうあんな薄汚い男娼のことなど忘れて一緒に―――」
「黙りなさい!」
ソフィーが紳士の手を振り払った。甲高い叫び声に、周囲の注目が集まる。
しかし、怒りで頭に血が上ったソフィーにはそんなことどうでもよかった。
彼女はきつくきつく紳士を睨みつけると、泣き出す寸前のように唇をわななかせながら言った。
「彼は薄汚くなんかないわ!彼は……彼は素晴らしい人よ。優しくて、思いやりに
満ちた人、あなたのように悪戯に人を傷つけない人よ……私を侮辱するのは構わないわ、
でも、彼を辱めるのはやめて……!」
ぽろり、と。ソフィーの頬に涙が一滴伝った。泣くのをこらえ、何度も唇をかみ締めるが
効果はなく、涙はあとからあとから溢れてくる。途方にくれているソフィーの肩に、
何か暖かい物が触れた。
480 :
踊り明かそう:2005/04/16(土) 22:35:46 ID:bsa3Rd7P
「妻が大変無礼を。伯爵殿」
黒髪を優雅に撫でつけ、漆黒の燕尾服を身に纏ったハウルがソフィーを引き寄せた。
目の前にいる紳士は一瞬呆けたように彼を見つめ、それからばつが悪そうに視線を
反らした。
「申し訳ございません。家内はこのような場に慣れていないのです。すぐに引き上げ
ますので、どうぞご慈悲を。ソフィー、もういい。帰ろう?」
ソフィーはどうしてハウルが謝るの、と口を開きかけたが、すぐにつぐんでしまった。
自分を見つめているハウルの瞳があまりに頼りなく、悲しそうだったので口答え
すら出来なかった。ソフィーは悔しそうに唇をとがらすと、かすかに顎を引いた。
「……はい」
「いい子だ……みなさん、大変お騒がせいたしました。どうぞ、パーティーの続きを
お楽しみください」
ハウルはふわりと礼をすると、胸に差していた白い薔薇を抜き取り、空へ投げた。
その途端、天井付近から雪のように花びらが降ってくる。甘い匂いが場内を満たし、
それが客人達の心を落ち着かせ、和ませた。
「それでは伯爵殿も。大変失礼を致しました。ごきげんよう」
ハウルはそれだけ言って礼をするとソフィーの腕を引っ張って会場を出て行った。
残された紳士はぽかんとしたまま美しい銀髪の残像に見惚れていた。
481 :
踊り明かそう:2005/04/16(土) 22:38:09 ID:bsa3Rd7P
「どうして、あんなことをしたの?」
ハウルは悲しげにそう言うと、ソフィーに向けて首を傾げた。荒地の花園に連れて
こられたソフィーは後悔と自責に駆られ、啜り泣きを始めていた。
「ごめん……な……さ、い」
「謝らないで、ただ、理由を」
ハウルが優しくそう言い、ソフィーの頬に伝う涙を拭った。
「あの人……あな、たを………侮辱するから」
しゃくりあげながらソフィーが答えた。ハウルが悲しそうな、嬉しそうな、腹立たし
そうな微妙な表情を浮かべた。
「そうか……でもねソフィー。世の中には人を辱めるのを厭わない人もいる。
皆が皆、君のように清らかではないんだよ」
ソフィーの肩を優しく抱き、ハウルが諭すように囁いた。彼の胸に顔を埋め、ソフィーが
ただただ悲しげに泣きじゃくる。
「僕は裕福でもないし、高貴な血筋でもない。そういう人間が王宮と関わるのを
よく思わない人も多い。きっと、ひどい事もたくさん言われてるだろうね」
他人事のような軽い口調で、ハウルが呟いた。ソフィーが顔をあげ、ひどく傷ついたような
顔をする。ハウルは柔らかく苦笑すると、彼女の頬に手を当てた。
「仕方がない事なんだ。でも、僕はたとえ100人の人間が僕を悪く言っても、たった
1人でも僕を愛してくれる人がいるのなら、何も怖くない」
そう言って勝気そうに微笑んだハウルの顔があまりに綺麗で、完璧で。
ソフィーは泣くのをぴたりと止めた。彼はくしゃっと破顔すると、彼女の手を握った。
「ソフィー、君がその1人になってくれないかい?」
「……そう、よね。誰がなんと言おうと、私はあなたを愛してるし、信じてるわ。
そうね、そうよね……それでよかったんだわ」
ソフィーは白い顔にゆっくりと微笑を湛えた。シンプルすぎるほどにシンプルな解釈は、
ソフィーの心を軽くさせ、気分を落ち着かせた。
482 :
踊り明かそう:2005/04/16(土) 22:39:50 ID:bsa3Rd7P
「さて、帰ろうか。夜風の中じゃ冷えてしまうよ」
そんなドレスだしね、とハウルが口元をゆがめるように笑った。ソフィーが
目を見開き、胸元まで真っ赤に染める。
「そ、そうね………でも」
ソフィーは悪戯を思いついた子供のように目を輝かせると、すらりと立ち上がって
ハイヒールを脱ぎ捨てた。裸足の足で草の上に立つと、ドレスの裾を持ち上げて
微笑む。
「踊ってくださらない?私、まだハウルと踊ってないわ」
闇夜からぽっかり浮き上がったようにソフィーの白い脚が覗く。ハウルもぱっと顔を
輝かせると、立ち上がって腰を折った。
「そうだね、せっかくだし、一曲踊ろうか」
ソフィーは嬉しそうに笑うと腰紐をとき、コルセットを外した。そのままドレスを
脱いでいく彼女に、ハウルは驚いて目を瞠る。
「どうして?」
「だって、着飾った所で、そんなの私じゃないもの。ね、ハウルは着飾った私じゃないと
肯定してくれないの?」
快活に笑うソフィーに、ハウルも楽しそうに笑った。それから彼女をぎゅっと抱き締めると、
腰に腕を廻して彼女の手をとった。
「どんなソフィーだって大歓迎さ!みんなみんな、僕の愛しい奥さんだよ」
483 :
踊り明かそう:2005/04/16(土) 22:41:11 ID:bsa3Rd7P
くるくると二組の足が花園を踊りまわる。少女の細い足首が背の高い草に絡めとられ、
動きを止めた。男がとっさに庇うように少女を掻き抱き、二つの身体が草むらに
倒れ込む。ぼすん、と軽い音が立って人影が消えた。
真っ赤に上気した頬で、少女は幸せそうに微笑んだ。
「あなたとだったら、一晩中だって踊っていられそうよ」
その上に覆い被さっていた男が、極上の笑みを湛えると彼女の唇に口付ける。
「じゃあ、今宵は踊り明かそうか」
男が悪戯っぽく片目を閉じ、少女は楽しそうに笑い声を上げた。彼女の裸の腕が
彼の優雅に長い首をとらえ、二つの身体が絡み合って一つに溶け合っていく。
少女の足が、まるで踊り回るように宙をかいた。
以上でーす。往年の名女優の主演映画の劇中歌からタイトルを頂きました。
ちなみにソフィーのドレスも同じデザインです。ま、ドレスに関する説明が足りない
ので解りにくいでしょうが。
件の映画は大好きな作品なので、楽しんで書く事が出来ました。
今、TSUTAYA半額とかなんで、映画も是非見てみてください(笑)
自分的に、ハウルはへたれてるより紳士めいている方が好きみたいです。
ソフィーはしっかりものより、けっこう歳相応の可愛らしさが出てる方がすき。
なんかサイトとか回ってるとへたれ萌えの方が多いので、ちょっとツボが
違うみたいです。不思議な気持ち。
ふぉぉぉ相変わらず乙です250タソ。うまし糧ー+.(*´Д`)。+.゚*。
「黙りなさい!」 のソフィーが蝶かっこええ・・・
そしてそれ以上に沈着冷静なハウル先生に萌えゆりますた。至福です。ハイ
漏れも紳士然としたハウルに(前半の金髪ノーブルな彼。あと鳥。
カヤック軍服ハウルもそうか)萌えなので世間一般とは萌えツボの
入り具合が違うようデスヨ。お仲間デスネ ヘ(´Д`)ノ エヘ
映画見たそのままのイメージで書くとそんな感じに自分じゃなっちゃうんだけどな〜
でもいっしょけんめサイト巡りして自分好みのハウルに出会えた時の喜びは
かなりのもんなのでまあそれはそれでいいかと思ってまスが
また穏やかで格好いいハウルを待ってます〜
250さんGJ!!
前回の黒ソフィーもよかったけど今回の白ソフィーは凛としていて
いいですなー。
250タソいつもうまし糧をありがとう。
白ソフィ素敵でした。かわいいね。
元ネタ作品、今からツタヤに行ってレンタルしてくるっす。
TSUTAYA、中の人の他の作品はほとんどあったのにこれだけ
置いてなかった(´・ω・`)ガッカリ・・・
代わりに英国人ピアニストと使用人の恋物語をレンタルしてきた。
250たんGJ!!
本当に良かった。大好き
なんか米米の『sure danse』を思い出しますた。
いやあんな刹那的じゃなくてもっと楽し気な夜だけど(・∀・)
歌世界じゃ男女の営みってダンスに例えられることが多いけど
言いえて妙だよなぁとしみじみいたします。何はともあれGJでした!
やー、250タソすげぇなー。ハウルの喋りとか、ほんとまんまだ。
とってもきちんとキャラを掴んでらっしゃるのが感嘆至極。
492 :
名無しさん@ピンキー:2005/04/23(土) 03:34:25 ID:ObiClpaJ
突然ですが‥カブ→ソフィーの鬼畜レイプ系を投下するのは平気ですか?ダメ?だよねやっぱ
ホシュ!
いろんな神々の、あんな続きやこんな続き、読みたい…(*´Д`)
ごめんなさい
あげちゃった(>Д<)
>>492 わあ、神いらした!?(*゚д゚)
自分はどんなやつでも読みたいです…。
苦手な人はスルーしてくれるのでは?
投下はかまわんが誘いうけはあまりやらんでね
そして一応苦手な人の為に注意書きヨロです
>>492 自分も昔やったけどみなさん生暖かく迎えてくれたよ!
ばっちこい、待ってる。
500 :
雑魚介:2005/04/24(日) 21:33:18 ID:EJ5Za/Zl
>>492です
皆さんありがとうございます。
本当は、このスレの神々の小説を読み返して…自分のあまりのレベルの低さに、投下を取り止めようと思っていたのですが…お言葉に甘えて投下させて頂こうと思います。
それでは…
カブ→ソフィー鬼畜レイプ…苦手なお方はスルーして下さい
501 :
カブ→ソフィー鬼畜レイプ:2005/04/24(日) 21:37:53 ID:EJ5Za/Zl
心変わりは世の常と言うでしょう?
ですがー…
どんなに私が貴女を
愛しても
貴女がー…
私を愛する日はー…
きっと永遠に来ない
それならば…いっそ
貴女を壊してしまおう
貴女が壊れるまでー…
貴女に私を刻み込んでしまおう
502 :
カブ→ソフィー鬼畜レイプ:2005/04/24(日) 21:42:03 ID:EJ5Za/Zl
「…ー‥子?……王子ー…?」
ふと、鈴の鳴るような柔らかい声色が耳に響いた
「ー‥?…」
顔を上げると優しい彼女の…ソフィーの……少し困ったような可愛らしい笑顔
「どうしたの?…王子?ボーっとして」
ソフィーはカブの眼前で手をヒラヒラさせると心配気に眉をひそめ
「…あの…ごめんなさいね?…色々と忙しかったんでしょう?…それなのに突然押し掛けて来てしまって…」
と申し訳なさそうに頭を下げた
「いや!そんな事はないソフィー…どうか頭を上げて下さい…」
慌ててソフィーを起き上がらせるカブ
「大丈夫…久しぶりに貴女に逢えたので‥嬉しさのあまり呆けてしまっただけですよ」
安心させるように、あながち嘘とも思えない冗談を飛ばす
「…まぁ……カブは相変わらずね」
クスッと笑うソフィー
嗚呼…その笑顔の何と麗しい事かー‥
503 :
カブ→ソフィー鬼畜レイプ:2005/04/24(日) 21:46:45 ID:EJ5Za/Zl
「……コホン」
しかしこれ以上話を脱線する訳にはいかない
「では、ソフィーこちらへ」
カブは軽く咳払いをすると、ゆったりとした口調でソフィーを応接間へと迎え入れた
「…‥それで‥ソフィー?今日は一体どういうご用件で?」
あまりソフィーを直視しないように気を付けながら問いかける
「‥えぇ…実はね…私達‥正式に籍を入れて…結婚する事になったの」
「…‥え?」
思いもよらない話の内容に固まるカブ…まるでギリシャ神話に出てくるメドゥーサにでも出くわしてしまったかのようだ
「それでね?貴方には一番に伝えておきたかったの…だって私達‥ずっと一緒に暮らしていた家族…でしょう?」
「…‥そうですね…」
カブは静かに立ち上がると…ソフィーの眼差しから逃れるように窓の枠へと腰をかけた
落ち着かなければー‥
だが、
ソフィーの言葉に…胸が失望感で粟立つ
504 :
カブ→ソフィー鬼畜レイプ:2005/04/24(日) 21:52:06 ID:EJ5Za/Zl
『家族』今の彼女の一言で砂の粒程も無い淡い恋の期待は一瞬で無くなってしまったのだから
「それでね…?」
当のソフィーは、カブの異変にも気付かず、顔を薄紅色に染めながらうっとりと言葉を続ける
「本当は…ハウルはわざわざ伝えに行かなくても、手紙で伝えれば良いって言ってたんだけど…でも、こういう大切な事って手紙なんかじゃなくて言葉で伝えたいじゃない…?」
「…‥…‥…」
「…カブ?…急にまた黙って…どうしたの?」
ソフィー…‥
「…いいえ…なんでもありません」
「…カブ?」
貴女は…本当に貴女は…
「…‥ソフィー…」
「…?…なに?」
あの魔法使いのモノに
「ハウルを本当に愛しているのですね」
「えっ……えぇ‥」
なってしまうのですか?
505 :
カブ→ソフィー鬼畜レイプ:2005/04/24(日) 21:59:16 ID:EJ5Za/Zl
「…大好き…誰よりも」
「ー‥愛してるわ」
はにかんだ笑顔…愛され、そして愛する幸福に満ち溢れていた
ー‥愛してるわ
残酷なソフィーの言葉が耳奥で否応無しに木霊する
愛してるわ
あいしてるわ
アイシテルワ
カブの中で何かが弾け飛ぶー‥何とも醜悪で鈍い音に‥カブには聞こえた
「もう、カブったら突然そんな事聞くなんてどうしっ…きゃ!」
バサッー‥
突如ソフィーの声が遮られた、何者かに押し倒され勢い良く床へと倒れ込む
「痛っ…」
怪訝そうに瞼を開くソフィーの瞳に映り出した人物とは?
「……………カブ?…っんっ!?」
返事の代わりに無言で唇を奪う
手に入らないのなら
壊してしまおう
506 :
カブ→ソフィー鬼畜レイプ:2005/04/24(日) 23:07:39 ID:EJ5Za/Zl
「ふ…んぁっ…むぐぅ」
広く豪勢な執務室に深くくぐもった吐息が響き渡る
「んっ!…はっ…ゃ!」
大理石の床には絡み合う男女の姿、否、か弱い少女を貪り食う…悲しい獣の姿がそこにはあった
「!?…ふっ‥っ…んぐぅっっ…‥むっ‥んんっ…んっー…!!」
愛する人とは違う男の口付けにソフィーは体を震わせた
カブは荒々しく唇の間に割って入り、口内中を舐め上げ‥舐め回し‥強く舌に吸い付き‥息が出来ない程に‥深く…深く…唇を蹂躙する
「…んっ…ふぅん‥っつうぅ…‥はぁ!!」
懸命に顔をそらし、やっとのことでカブの口付けからソフィーは逃れる事が出来た…
「んっ…はっ‥ぁ‥…あっ!!‥っ!」
…と思ったのもつかの間でー‥
「……あっ!?」
ブチッ…ビリビリ!
カブの何処にそんな力があったのだろうか?
今度はソフィーの胸ぐらを掴むと一気に服を引き裂いた
「やっ…嫌ぁ!カブ!」
ソフィーの白く美しい裸体が露わになる
「…ソフィー…」
カブはあらゆる所に唇を押し付けてゆく
507 :
カブ→ソフィー鬼畜レイプ:2005/04/24(日) 23:11:43 ID:EJ5Za/Zl
ソフィーが逃げられないように強く抱きしめながら紅い痣をいくつも残していった
「あっ…ぁ嫌…はっ…いやぁ!!」
カブの唇と片手がソフィーの可愛らしい乳房を捕らえる、なぶるように歯を立て甘噛みし、指でこねくり回しピンと弾いた
「ふっ…あぁっ…!ぅんっ…んっ!!」
ソフィーは今まで感じた事の無い感覚に羞恥心と恐怖を覚える
「っカブ…!もぅ‥止めて…っ…お願いっ…っ」
しかしカブが動きを止める筈もなく、むしろ荒々しさは強まっていった
「‥あっ…!」
カブがソフィーの足を持ち上げ顔の方に引き上げ股を開かせた(マ○ぐ○がえしのポーズ)
カブの面前にソフィーの『女』の部分が露わになる
それは清楚で愛らしく、正に神から与えられたかのような美しさだった
「ー‥っ…!」
ソフィーはあまりの事に体を硬直させる
これから一体何をする気なのか…ソフィーにはカブの真意がわからなかった
カブはそんなソフィーにかまわず
秘部へと唇を落とした 舌でぺちょぺちょ舐め上げ、しゃぶり回す
「あっ!やっ…そんな…っ‥こんな事って‥」
あまりに淫靡で淫らなその光景にソフィーは目を背けた
508 :
カブ→ソフィー鬼畜レイプ:2005/04/24(日) 23:15:50 ID:EJ5Za/Zl
「いや!…いやぁ!」
必死で股を閉じようとするが…
カブはそんな暇を与えず腰をつかんで抱え起こすと更にソフィーの顔と秘部を近ずかせた
また唇を落とすと先ほどより丹念に秘部を舐め回す
突起を舌で執拗に擦りたてるとソフィーはビクリと体を震わせ
「ぁあ…や…んっ!!」と一声鳴くと軽く達した
「ソフィーは、ここが好きなんですね」
カブはまたペロリと舐める
「あっ‥ぅ‥やだぁっ‥っ‥知らな‥あっ‥知らないっあぁっ‥!」
じゅぷっ‥ちゅぷっ‥ぴちゃ…っちゅ
自分の切羽詰まった喘ぎ声とカブの唇から作られる湿りを帯びた隠音がソフィーの頭の中で響き渡る
「あっ‥!あぁ…あぁああっ!?」
執拗なカブの舌先に二度目の絶頂をソフィーは迎える
「っ…いや…こんなの…っ…もう…いゃ…ハウル!…!!…助けてっ…ハウル…ふっ!?」
叫ぶソフィーの唇をカブは手のひらで塞ぐ
「静かにソフィー、途中で止めるつもりは無いし誰も来やしない…この部屋には声が外に漏れないように防音してあるんですよ…誰も来やしない…どんなに叫んでも‥ね」
冷酷な瞳でカブは言い放ち、秘部に指を押し込んだ
「!?!!‥っ…!」
509 :
カブ→ソフィー鬼畜レイプ:2005/04/24(日) 23:19:10 ID:EJ5Za/Zl
ソフィーの体がビクリと震える
その愛撫に優しさや温かさは微塵も感じない‥
肌を通して伝わるのは荒々しさと悪寒だけだった
「ハウ!…ハウル!!っ…いや…!助けて!いやぁ!!」
「……………」
カブの指が無遠慮にソフィーの秘部を弄る
「いやっ!止めてぇ!…やだ…‥やだぁ!!」
ソフィーがカブの行為を止めさせようと足をギュッと閉じるがカブの行為は止まらない
「っ…無駄です…ハウルにはどうやって可愛いがられたんだですかソフィー?…こう?」
カブの指がソフィーの秘部の突起を親指の腹で押しつぶすように撫でる
「やっ…あっ…!」
「それとも……こうゆう風に?」
「っ…!?そんな……私まだハウルとは!!!」
「まぁ…良いでしょう」
ペロリ
カブは秘部を一舐めするとまだ軽くしか慣らしていないソフィーの入口に熱く膨張し、いきり立った自分自身をあてがった
「えっ…?…あ?…っ?何…何を…」
訳が分からずソフィーが怯えたようにカブを見つめる…するとカブは自分をソフィーに突き刺そうと腰を繰り出した
510 :
カブ→ソフィー鬼畜レイプ:2005/04/24(日) 23:21:25 ID:EJ5Za/Zl
「あっ…!?」
ソフィーはカブがしようとしている事を悟ると足をジタバタと動かし全身全霊で抗った…最後の力を振り絞ってー…
「いや!!いやぁ…!止めて!…こんな‥カブ…こんなのいやぁっ!……ハウル!ハウル!ハウル!!」
必死でハウルに助けを求める‥しかし最後の抵抗も虚しく、カブはソフィーの言葉を遮った
「…ソフィー…私を見て下さいー‥貴女を抱いているのは‥私だ…覚えておいて下さい」
「ハウっ…っあ!!」
少女の腰をガッシリと掴み
今度こそ身動き出来ないようにすると勢い良く…自分自身を突き刺した
「いっ!!…っ…っあああぁぁあぁあぁあああぁああ!?!」
ソフィーに息もつけない程の凍り付くような激しい痛みが全身を覆う
「うっ!!ぁ…あぁっ‥痛ぃ…いやっ痛いぃ…いやぁ!」
カブのモノがソフィーの秘部をギチギチと押し広げてゆく
「‥っい…ふぅあっ…やだ…!やだぁっ…!痛いいっ…や……っ痛い!!ハウっ…っうー…!!」
ソフィーは今まで感じた事の無い激しい痛みと共に体の奥底で何かが弾け切れるような音が聞こえた気がした
511 :
カブ→ソフィー鬼畜レイプ:2005/04/24(日) 23:23:45 ID:EJ5Za/Zl
「嫌あぁ!?痛いっ…!!止めて‥!っ…止めてぇ!!‥あぁっ!うぁっ…!止めて!!」
勢い良く体を揺さぶられ激しく中を行き来されて死んでしまいそうなほどの痛みにソフィーは許しを乞う事しか出来なかった
「ふっ…うぅ‥痛いっあぁっ…痛いっ…痛いっ!!お願いっ…!ぁっ…止めー…!」
普段のソフィーからは想像出来ないほどにソフィーは痛みに喘ぐ
「あぁっ何故!?…どうしてっ‥んー…!こんな酷い…!!」
瞳からは幾度と無く涙が溢れ出していた
「酷い?…本当ですね‥‥」
不意に、今までソフィーの叫びに耳を貸さなかったカブが動きを緩めた
「でも…もう止められないんだ‥愛しているから‥貴女を…あの男に渡したくない…例え…貴女が私を憎んでも…私があの男に殺される事になっても……忘れられなくしてやる」
「っ‥カ…ぁっブ…?」
「貴女が私を忘れられないように…この先…貴女がハウルに何度抱かれても…必ず私を思い出すように…」
カブは悲しけ気に言い放つとソフィーの奥底に自分自身今までで一番深く叩き入れた
512 :
カブ→ソフィー鬼畜レイプ:2005/04/24(日) 23:24:52 ID:EJ5Za/Zl
「っっつつ?!ぁぁああぁぁああっ!!」
ソフィーの恐怖が爆発する…叫ぶような泣き叫ぶような声を発すると
カブは欲望の熱い白濁液をソフィーの中へ流し入れた
「カ…ブ…」
体内に放たれたカブの熱く切ない痛みの余韻にソフィーの瞳から幾筋もの生暖かい雫が頬を滑り落ちていった
「‥っ…っっ‥ハウル‥ごめんなさいっ…」
涙が止まらない
カブがソフィーの中から自分自身を引き抜く
ゴポリ
秘部から血液と白濁液の入り混じった初めての交わりの証が溢れ出した
それを見たカブがソフィーを抱きしめ…涙に濡れた頬を、下から上へゆっくりと舐め上げた
「貴女は…絶対に私を忘れられはしない」
END
513 :
雑魚介:2005/04/24(日) 23:27:27 ID:EJ5Za/Zl
あとがき
本当にレベル低くてすみませんでした。
後、話に救いがなくてすみません。
GJ!
私ラブラブも好きだけどこういうのも好きなんだ
こーゆーのもアリでしょう。王子って立場だと割と屈折してても
おかしくないし。ともかくGJ!!
何か逆に結婚するまでお預けくらってるハウルに同情しちゃいますた
(あっちこっちで見かけるけどねそういうハウルさん)
とにかくGJです
492さんGJ!
この後に逆上するハウルさんもぜひっ!
途中の伏せ字はちょっと引いた…w(つか萎えた)
でも、美味しく頂きましたよん!
何はともあれGJでした。
519 :
雑魚介:2005/04/27(水) 11:13:21 ID:wirmqh6d
皆様感想ありがとうございますm(_ _)m
何かもっと‥こう…罵詈雑言、言われると思っていたので内心マジでホッとしました(^_^;)
519さん是非「その後」なんかあったらうぷして欲しい。
ハウルがどう出るか気になるところ〜
私もハウルがどう出るか気になるよ・・・
時間とその気があれば是非!
どうもこんばんわ。なんだかにぎわってきて嬉しい限りです。
一個作ったんでうpします。
傾向 映画 ハウソフィ 微エロ
注意:始めの4〜6レス程度は流血や自傷等の死にネタ関連です。
お気に召さない方はすっとばして読むか完全スルーして下さい。
夜半、胸騒ぎがして目が覚めた。飛び起き、階段を下っていくと濃い血の匂いがした。
むわりとした春の夜風に乗り、鉄臭いとでもいいのだろうか不快な空気が広がっていく。
暖炉の中に、カルシファーはいなかった。彼は昼間出かけたまま帰って来ていない。
遊び呆けているのだろうか、とため息をつくとつま先に何かが触れた。
「とり……?」
柔らかい何かを摘み上げると、それはふわりとした羽毛だった。悪寒が走り、慌てて
カンテラに火をともす。ぼんやりと浮かび上がった床には、血だるまの男が。
「ハウル……!」
ソフィーが彼に駆け寄り、抱き寄せた。首筋がぱっくりと割れていて、血があとから
あとから溢れてくる。
「どうしたの!ねえ、何があったの!」
ハウルの顔は血の気が無く真っ青で、薄く開いた瞳の青は闇よりも暗かった。
彼の白くなってしまった唇がかすかに動き、散漫な動きで腕がソフィーに差し伸べられる。
「そ……ふぃー」
「ハウル!」
ソフィーが軋るような悲鳴をあげてハウルにしがみ付いた。彼は僅かに微笑むと、
血で濡れた手を彼女の頬に当てた。
「ソフィー……ごめん……ね」
「ハウル!口を利いてはだめ!」
「大丈夫だから……大丈夫だから……泣かないで」
ハウルの指がソフィーの涙を拭った。彼女は彼を掻き抱くと、ぐっと喉をならした。
「愛してるよ……一生……永遠に……だから、忘れないで」
「そんな事言わないで!すぐにどうにかするから!」
「ソフィー……ありがとう」
彼の青い瞳が細められ、瞼が下ろされた。すぅ、と呼吸を一つ残して、彼の唇は
固く閉ざされる。そのまま、その身体は冷たく固くなっていくだけだった。
ソフィーが闇夜を劈くような絶叫をあげた。
気付くと寝汗で夜着がぐっしょり濡れていた。気持ち悪さにわずかに身じろぎすると
右手に鈍い痛みが走り、慌てて手を引き寄せた。見ると、痩せた手首には血の滲んだ
包帯が巻かれている。
「ハウル……」
ぼんやりとした頭で愛する夫の名を呼んだ。なに?というあの魅力的なテノールは
聞こえず、ただ沈黙のみが。訝しがってもう一度口を開こうとした時に、はたと気付く。
「………もう、いないんだわ……」
そう言ったときにじわりと涙が滲んだ。彼は死んだのだ。戦争に巻き込まれて、
血だるまになって、無残に死に絶えたのだ。それを目の当たりにしたソフィーは
意識を失い、三日巻眠り続けた。その間に彼の遺体は処理され、国が立派な墓を
作ったそうだ。そうだ、というのはソフィーは直接それを見に行ったわけではないので
その墓がどんな物なのか知らない。恐ろしくて、そんなもの見にいけない。
眠りから目覚めたソフィーは半狂乱になり、すぐに手首を掻き切った。鮮血に包まれた
彼女をマルクルが見つけ、彼女はカルシファーと荒地の魔女によって眠らされてしまった。
ソフィーはもう正気に戻らないかもしれない、と残された家族達は悲しみにくれた。
今、こうして目覚めていても空虚さが全身を包んでいる。彼のいない世界には、
もう何も残っていない事を知った。唯一つ願う事は、一刻も早く彼の元に行く事だけ。
ソフィーは静かに目を閉じると、耳をすませた。頭の奥底に聞こえる、彼の囁き。
おいで、と自分を呼ぶ優しい声。ソフィーはふらふらと立ち上がると、ベッドサイドに
あるチェストの底から小さなナイフを取り出した。何があるか解らないから、と
過保護な彼がよこした宝石のついた小刀。縁に散らされたルビーやサファイアが
ちらちら瞬く。
「ハウル……今いくわ……だから、早く、迎えに……」
ソフィーは幸せそうな微笑みを浮かべると、その小刀を手首に押し当てた。
冷たいはずのそれは、驚くべき事に温かかった。心を和ます温度に、彼女はため息をつく。
彼の声が聞こえる、自分を呼んでいる。そふぃー、そふぃー、そふぃー……。
「ソフィー」
手首を掴んでいたのは、ハウルの手だった。慌てて飛び起きたソフィーを、彼は
不思議そうに見つめている。
「どうしたの?」
「どうして……」
ここにいるの、と言いかけてソフィーは口をつぐんだ。考えてみれば簡単な事。
今までの出来事は全て夢だったのだ。そう思うと、全身に安堵と疲労感が走った。
「うなされていたよ。何かあった?体調が悪いとか……」
「……何でもないわ。悪い夢をみてたの」
そう口にした自分の声があまりにか細く頼りなくて。ソフィーは身体が震えるのを
止められなかった。ハウルが彼女の華奢な体を抱き寄せ、その首を胸にもたせてやる。
「悪い夢?どんな?」
ハウルが冗談めかすような、でもどこか真剣味を帯びた声音で訊ねた。ソフィーが
慌てて首を振る。
「何でもないの。本当に、しょうもない夢よ」
そう言ってからソフィーは笑おうとし、失敗してしまった。細まった目から、涙が
ぼろぼろ溢れてくる。
「ソフィー」
ぎゅ、とソフィーを抱き締め、ハウルが囁いた。彼女が弱々しい泣き声を上げて
彼に縋りつく。
「怖かった?でも大丈夫、全部夢だ。もう終わったよ」
ハウルの広い背中に腕を廻し、ソフィーは何度も嗚咽を漏らした。浅い呼吸を
繰り返しながら、無我夢中で彼の唇に自分のそれを押し当てる。彼女の小さな頭を
抱え込むようにしながら、ハウルはその柔らかい唇にキスを落とした。
「ソフィー、大丈夫。ここにいる、ここにいるから」
キスの合間に、ハウルがソフィーを安心させるように囁く。彼女は涙で真っ赤に
なった目で彼を見つめながら、その存在を確かめるように何度も何度も唇で顔や首筋を辿る。
「ここにいるよ、ソフィー。傍にいる」
ソフィーが泣くのをやめ、ハウルを真っ直ぐ見据えた。ぴたりと二人の動きが止まり、
それから磁石が吸い寄せられるように唇を重ねる。口付けは次第に深くなり、彼が軽く
体重をかけると彼女の身体がベッドに沈んだ。彼女が驚く間もなく自分よりも大きな
身体が覆い被さってくる。
熱に浮かされたように、互いの夜着を剥ぎ取る。現れた素肌に唇を這わす。手も足も、
二度とはなさないとでも言うように絡ませあう。ただ衝動に突き動かされながら、
彼女は彼を、彼は彼女を求めた。
口を塞ぐ、舌を絡める、唾液を混ぜあう。首筋をなぞる、肌に吸い付く、痣をつける。
指で、掌で、舌先で互いの身体を愛撫しあう度にあがる嬌声がたまらなく心地いい。
どこにも行かないでね、と行為の狭間から子供のように頼りない声が聞こえた。
頬を真っ赤に上気させながらも、寂しそうな瞳のソフィーがハウルに縋りつく。
そうして抱き締めるだけで、頬を摺り寄せるだけで、囁きを交し合うだけで達して
しまいそうになる。
約束するよ、と囁いた彼の声があまりに優しくて、それが自分の心を掻き乱す。
きゅうっと切なく痛む胸を彼の胸板に押し当てて、彼の首筋に無我夢中で噛み付く。
赤いキスマークが残って、今この瞬間の彼を所有しているのは自分だと思えて、
それだけに慰められる。ソフィーは指先で涙を拭いながら、もう一度彼の首に腕を廻した。
灼熱を自分の身体の芯に感じ、ソフィーが甲高い鳴き声を上げた。否、泣いていたの
かもしれない。ハウルも快楽や悲しみや苦しみをこらえるように眉根を寄せ、
彼女の中を突き続ける。声を呼吸ごと唇で絡めとっても、二人の間にある暗いものは消えない。
どんなに身体を重ねても、一つになる事は無い。その事実から目を背けるかのように、
二人はただ互いの身体を貪りあった。白々と開け始めた闇夜に、悲しげな声だけが残った。
「……どんな夢だったの?」
「………言いたくないわ。口に出すと、本当になりそうで」
「言ってよ」
情事の後にくるりと背を向けたソフィーの首筋に顔を埋めながら、ハウルが囁いた。
彼女がわずかにみじろぐ。
「……あなたが、いなくなる夢よ。私のついていけない、遠い所へ行ってしまったの」
そういう夢、と呟いてソフィーが肩をすくめた。素っ気無く言った割には、肩が
小刻みに震えている。ハウルが彼女を包みこむ様に腕を廻した。
「……悪夢は終わったよ、僕はここにいる」
ここにいるよ、とハウルが何度も何度も繰り返した。ソフィーが声を押し殺して
泣き出す。彼がその腕を引き、自分の方を向かせる。
「一晩中こうしてるから。大丈夫、すぐによくなるよ」
ソフィーをきつくきつく抱き締め、ハウルが何度も囁きかける。彼女もそれに
応えながら、何度も彼の名前を呼んだ。
「………約束して、逝ってしまう時には私を連れて行くって」
「そっ……」
思いつめたような、ソフィーのあまりに真剣な声音に、ハウルが目をむく。
彼女は彼の胸に顔を押し付けると、何度も何度も辛抱強く繰り返した。
「置いていかないで……お願い、私も連れて行って。置き去りはいや……」
ソフィーの目から大粒の涙がこぼれ落ちた。まるきり子供が泣いているような
泣き声が闇夜に響く。ハウルは静かに微笑むと、彼女の髪をかき上げ、熱くなった
額に口付けを落とした。
「解った。約束する。もしも僕が逝ってしまう時には、君も連れて行く」
「……ぜったい?」
しゃくりあげながら、ソフィーが訊ねた。ひくっひくっと唇と肩が小刻みに痙攣して
いて、それが彼女を余計に幼く、いたいけに見せた。
「……もしも、それが出来ないなら。君が寂しくないように、何か証を残してから行くよ」
「あかし……?」
「………例えば、僕達の子供とか」
ぽかんとしているソフィーに対し、ハウルは妙に照れたような口調で唇をとがらせた。
子供、の一言で彼女の頬に朱がさす。
「本当?約束してくれる?」
あまりに嬉しそうに顔を輝かすソフィーに、ハウルが苦笑した。それから、彼女の唇を
そっと塞いで、もう一度にっこり笑う。
「あのね。それは僕の努力よりも夫婦の協力が必要だと思うけど?」
ソフィーが泣くのをぴたりと止め、全身を真っ赤に染めた。何か反論しようとした
様だが言葉が上手く紡げないのか、口をしきりにぱくぱくさせている。
ハウルはあはは、と笑い声を上げると、もう一度彼女を抱き締めた。
「さぁ、そろそろ寝よう。怖い夢は終わった。もう眠れるよ、大丈夫」
まるで子供をあやすように、ハウルがソフィーの背中をぽんぽんと叩いた。子ども
扱いされて、彼女は一瞬憮然としたが、すぐに彼の首筋に顔を埋める。
「おやすみ、僕のソフィー」
「おやすみなさい、私のハウル」
くすくすくす、と軽やかな笑い声を残してソフィーは穏やかな眠りについた。
ハウルはその清らかな寝顔に口付けを一つ落とすと、満ち足りた気持ちで瞼を下ろした。
「死が二人を分かつ時まで。僕は、君のものだよ」
優しい囁きに応えるように、眠りの中を彷徨っているソフィーが、ハウルの指を握った。
それでも、まだ
今でも信じている
生きていく間は、信じていられる
生きてゆく限り、愛は死なないと
この愛が、君を包むと
以上です。痛い描写多くてスイマセン。いつも。
明るいかと思ったらすぐ暗くなります。どこか落ちたトーンのが掻き易いみたいです。
あ、あと気付いたんですけど、2〜3回に1回くらいしかエッチ描写してませんね、私ww
もうちょっと頻繁に書けるといいなぁ。でも最中は照れちゃって書きにくい……。
今回は伝説と呼ばれる舞台より引用しました。見たかったんですけど、私は見逃しました。
室内でヘリコプターが飛んだそうです。素晴らしい!
250タソキター!!!
リアルタイムでごっつぁんです!
漏れもリアルタイムでうまし糧!
早起きしてよかった・・・(さして早くない)
250タソのソフィーはいつでも一途で泣き虫で可愛ええですのう。眼福眼福。
そしてやっぱり穏やかで格好いいハウルにモエ。
ふぉぉぉぉっ!
>>250タンキテタ―――!!
いつもうまし糧をありがとう。ハウルが素敵だ――(゚∀゚)――!!
ラストやっぱりハウルは死んでてソフィーのお腹には赤ちゃんが……
というオチかと思ってビビッて読んじゃったよ。ハッピーエンドでよかった!
>>538 ノシ
つか、最初から最後まで涙が止まらなくて萌えどころじゃなかったよー(つд`)・゚。
>>538 自分のそんな感じでイメージしてた
それはそれでよかったけど、ハッピーエンドもイイ!
うんやっぱハッピーエンドがいいねぇ。
ハッピーエンドでもアンハッピー物でも自分は美味しくいただきますゼ(´∀`*)
職人様方の降臨お待ちしてます〜
オンリーやスパコミ行かれた皆さん収穫ありましたか?
田舎もんなんでイベに全然行けんよ_| ̄|○
>>543 ハウルがうざいくらいにソフィーラヴvvな本ばかり
収穫したよ。543も一度行ってみたら?
・・・って無責任な発言スマソ。でも同人誌はいつも
買えるものじゃないし、時間とお金があるなら頑張れ!
しかしまあ、この手のネタは字鰤同人スレですべきだね。
ほっしゅ
久しぶりに書いたので、投下してみます。
映画版・ハウソフィ。エロ部分は薄いです。9レスくらい。
格好いいハウルをお好みの方には、向かないかもしれません。すみません。
1:深夜・カルシファー
その夜、月光が静かに照らす美しい湖のほとりで、空飛ぶ城は魔力の羽を休めていた。
昼間は住人たちの笑い声で賑わうリビングも今は静まり、竃を兼ねた暖炉の中で黒く炭化した薪のみが微かに
音を立てている。城の住人たちが「おやすみなさい」の挨拶とともに、それぞれの寝室へひき払ってからしばら
くの時間が経っていた。
ふいに、暖炉の中の黒い薪の塊が、ぼうっと音を立てた。まるで勢いよく空気を送られたかのように、赫々と
燃えあがる。その暖炉をお気に入りの場所としているものの存在を知らなければ、不可思議な光景であったろう。
炭の中から身を起こした火の悪魔・カルシファーは、妙に人間くさい表情で、眠そうにゆらゆら揺らめいた。
(何か、来る……)
ぼんやりとした表情のまま、悪魔はこちらにせまる魔力の気配を探った。
魔力の塊。強くはない。媒介もなしに放たれた純粋な呪の塊。余程の魔法使いが関与してるはずなのに、こん
なに弱くなっているのは、多分、最初に狙った魔法使いに弾き返されたんだな。こちらに向かってきたのは、
『魔法使い』に引かれてきたから。当たったところで、もはや死ぬようなものではない。
(ま、ハウルなら大丈夫だろう……おいらが手を出すまでもない)
昼間、遠くまで散歩に出掛けたために疲れていた火の悪魔は、そう結論づけて眠りなおすことに決めた。炎の
腕を長く伸ばして、新しい薪を引き寄せると、それに抱きついて、目を閉じる。そのまま、迫り来る魔力の塊が
消えるのを待った。
――しかし。
魔力の塊は消えずに、壁をすりぬけた。
『ハウル?!』
そして、一瞬だけ煌くように強い力を発すると、すうっと消えた。
(どうしよう……)
カルシファーは薪に抱きついたり離れたりしながら、おろおろと階段の上を覗った。今に何か騒ぎが起きるの
ではと思うと、到底、寝直す気にはなれなかった。はらはらしながらしばらく待ってみる。しかし、誰かが起き
だしてくる様子はなかった。
(大丈夫…だったのかなあ?)
そこには、何事もなかったかのような静かな夜があるばかり。
2:明け方・マルクル
何か聞こえたような気がして、目が覚めた。首を廻らして見ると、カーテンの隙間が蒼かった。夜は終わりつ
つあったが、目覚めるべき時間までは充分に余裕があるようだった。
だから、マルクルは自分が何か夢を見たのだと思った。夢ではないと気付いたのは、廊下の方から、大きな音
が聞こえたから。
バタン!と乱暴にドアを開ける音と、女の人の泣き叫ぶような声。それから人の足音が、一人分。続いて、も
う一人分。
マルクルは、慌てて身を起こした。この家に若い女は一人だけ。ドアに駆け寄りノブを掴もうと腕を伸ばした。
「ソフィー!」
ドタン!
声を上げた途端、ドア板が大きな音を立てた。押し開けようとしたドアはびくともしない。誰かが廊下側から
押さえつけているようだった。
「マルクルかい?」
廊下の向こうから声が掛かった。その声は師匠のもの。少々上擦った声だった。彼がこんな声を出す時は必ず、
とある一人の少女の存在が関わっている。
「ハウルさん!どう……」
ガタガタッとドアの向こうで何かが暴れるような音がした。声は聞こえ続けている。言葉にならないその声は、
泣いているようにも怒っているようにも聞こえる。次いで、ハウルが声の主に落ちつくように言っているのが聞
こえた。
「ハウルさん!ソフィー?!一体……」
「いいかい、マルクル!ぼくがいいと言うまで、そこにいるんだ。決してそこから出てきてはいけないよ!」
もし出てきたら、今日からきみはカエルだ。
師の言葉に、マルクルはパッとドアから飛び退いた。ドアの向こうから、ハウルの声が聞こえる。何を言って
いるのかは聞き取れなかったが、師の声の低く柔らかい語調だけは聞きとることができた。冷たくなった心臓と、
ドキドキするその鼓動を意識しながらマルクルはそっとドアに近寄った。耳をドアに押し当てる。火の悪魔にお
湯を頼み、ソフィーに湯を使うように促すハウルの声が聞こえたが、ソフィーがどうしてあんなに混乱したよう
な声を出したのかは、わからなかった。
キィ、パタンとどこかの部屋のドアを開閉する音が数回した。廊下を往復する人の気配。
やがて、ドアの外は静かになり、代わりにシャワーを使う水音が聞こえてきた。
何があったかはわからないが、とりあえず師は彼女を落ちつかせることに成功したらしい。そう思って、マル
クルはほっ…とため息をついて、身体の緊張を解いた。
3:夜更け・サリマン
マダム・サリマンはふと、その眼を開けた。
肘掛椅子に座り、書類を広げたまま目を瞑って考え事をしていた彼女は、今は自室に居た。
趣味のよい調度がゆったりと配置されたその部屋の豪奢さと、執務室とは別に寝室つきのその部屋が王宮内に
設えられているという事実が、国王の彼女への信の厚さを示している。その室内には、サリマンの政治的な価値
を示すかのように、たくさんの蝋燭が明るく灯されていた。それは、長いわりには実りのない会議を終えて部屋
に戻ってきた彼女のために、小姓たちが灯したものだ。彼らはもう退出していたが、そのうちの一人が淹れたお
茶はまだ温かかった。
椅子に座るサリマンの片方の手は、肘をついて顔を支えるために使われていたが、もう片方の手ではしっかり
と杖を掴んでいる。サリマンは、その杖を確かめるように掴み直した。
何かが彼女に向かってぐんぐんせまって来る。
強い魔力。それは魔法使いの命を絶つために、産み出された呪。おそらく、それなりの力を持つ魔法使いが手
間と時間を掛けて仕込んだものだろう。
が、老獪な魔女は少しも慌てた素振は見せなかった。その地位について以来、こういったことは何度もあった。
いちいち大騒ぎするのも馬鹿馬鹿しいほどに。
彼女は顔色一つ変えぬままに、ゆっくりと杖を振り上げ――そして無造作に振り下ろす。無造作でありながら
も、優雅な仕草であった。
魔力は、王宮に到達する直前に弾けた。力の大部分はそのまま霧消した。
「――嫌だわ」
サリマンは不機嫌そうに眉を顰めた。自分を狙った魔力の大部分は消えたが、小さな欠片が消えずに、何処か
に飛び去ったのだ。力に溢れた若い時分なら欠片も残さずに消せたのに。
サリマンは、ふっと小さく息を吐くと、眼を閉じて欠片たちの行方を辿った。
幾つかに分かれた欠片は、最初の目標どおり『魔法使い』を目指して飛んで行く。しかし、その先には彼女と
は関係のない別の魔法使いたちがいるだけである。
死をもたらすはずの呪は、小さくなったことで弱くなっていた。もう、どこかの誰かのもとに届いても、運の
悪い受け取り人を殺傷することはないだろう。他者の魔力で強引に弾かれたからには、別の形で何らかの作用を
及ぼすことはあるけれども。
サリマンは、欠片たちをの行方を意識で追いながら、これから『事故』に遭う魔法使いたちに、欠片がどんな
作用を及ぼすかを予想した。
(石化…。変身…)
彼女なら解呪は簡単にできる。そのことは、自分で解呪できない魔法使いや、その周囲の者を相手に取引の材
料にできる。
(失声……。失明……。昏睡……)
普通の家系に魔力を持って生まれた突然変異の子どもが見つかるかもしれない。ならば、慈悲深い態度で無条
件に解いてやろう。それで本人や、家族ぐるみ土地ぐるみの尊敬を買うのもいいだろう。
(……記憶、喪失……)
老魔女は、口元にうっすらと笑みを刷いた。
4:真夜中・ソフィー
何かが、おきた。喘ぐ呼吸を整えつつ、ぼんやりとした頭で、しかしソフィーはそれに気付いた。
はしたなくも大きくあげてしまった声の感触が、喉の奥に残っている。さっきまでの緊張の反動であるかのよ
うに極端に脱力した身体は、余韻をまだ充分に残していた。裸の肌に触れる他人の肌の感触が途方もなく心地よ
い。身体の内には、彼女を甘く乱れ狂わせたものがまだ収められたままであった。
このまま愛しい肌に寄り添ってまどろみ、夜が明けるまで二人、溶け合ったまま過ごしたい。そうしてはいけ
ない理由はないはずだった。彼は、彼女の愛しい人なのだから。――しかし。
夢見心地に酔いながら、愛しい彼の名を呼ぼうとして、それに気付いた。
(わからない……)
彼が、誰なのかがわからなくなってしまったのだ。
彼が何者であるのかは、わかっていた。自分の恋した人。何よりも愛しい人。代え難く大切な人。その腕に抱
き込まれただけで、幸せに蕩けてしまうであろう自分をソフィーは知っていた。
(どうしよう、わたし……)
自分が何処の誰かはわかる。帽子屋の娘。ソフィー・ハッター。しかし、その自分が、彼といつどこでどんな
出会いを果たし、どうやって今の二人を築いたのかが、まったくわからなくなっていた。これから一生、大事に
胸に抱えて生きていくはずだった愛しい記憶が。
(わたし、この人の名前もわからない…)
絶句したソフィーの身体の上で、彼女にのしかかっていた彼がゆっくりと身を起こした。彼のあまりに整った
顔立ちにソフィーは驚きを覚えながらも、混乱する気持ちをどうにか押さえこんだ。呼吸が触れ合うような距離
で、二人はしばらく見詰め合った。
彼の艶やかな黒髪が、さらりと顔に落ちかかる。見開いた青い瞳は驚きを示していて、ソフィーは、彼も自分
と同じ状態なのだと思った。
「あの……」
とりあえず何か言わなくてはと彼女が声を出した時、ふいに、彼の手が動いた。ソフィーの頬に掌を当てる。
彼女は思わず身じろいだ。
「星の色だ……」
うっとりと呟き、彼の指がソフィーの髪の中に差込まれる。
「きみは、……ソフィー?」
心地のいい声で、彼は尋ねた。甘く、低い、囁き声。戸惑いながらも彼女が肯いて見せると、彼はパッと微笑
んだ。
「出会えたんだ!きみに!――ああ……胸がドキドキする……」
子どもみたいな表情で笑う彼に、ソフィーは何だか微笑ましい気持ちになった。ほっと身体の力が抜けた。力
が抜けたことで、いつのまにか緊張していたことに気付いた。
彼があまりにきれいな顔をしていたから、警戒してしまっていたのだろう。もう少しだけこのままでいて、落
ち着いたら、今の自分の状態について話さなければ。
彼は微笑んでソフィーの髪を撫でた。その指先はあくまでも優しく、ソフィーを安心させた。不意に、その優
美な指が彼女の髪を掬い上る。彼は優雅な仕種でその掬い上げた髪に口づけた。――そして。
「……え?」
自分の髪の色に違和感を覚えたソフィーが、自分で自分の髪を確かめようとしたとき。身体に再び彼の重みを
感じた。のしかかられている。
「え?」
耳朶に柔らかい何かを感じる。それから、彼の吐息を。
「えっ……あっ、ちょっ……待っ……!」
肌が粟立つ。暖かくて、ちょっと冷たい手が、肌の上を滑る。
「あっ……。――やぁっ……んんっ」
熱い吐息が唇の上に重なる。そのまま熱を注ぎ込むように、貪られた。ソフィーの中に収められたままのもの
が、いつのまにか硬く存在を主張している。
――さっきまで、あんなに無邪気な顔で笑ってた人が、今は。
そして彼女はろくに抵抗もできないまま、すべて彼の思うがままに。
5:朝・元荒地の魔女
暖炉前のソファーにゆったりと腰を降ろし、老婆は紅茶の入ったカップを取り上げた。カップに満ちた液体は
深く澄んだ美しい色をしている。首を小さく振りながら香りを楽しんでから、ゆっくりと紅茶を口に含んだ。
(お茶の味はいつもどおりなんだけどねぇ)
それを『家族』のために用意したのはソフィーである。
彼女はここ数か月分の出来事を思い出せなくなってしまったそうだ(時間の経過の感覚はあるらしい)。しかし、
『家族』と顔を合わせて数時間後、なんとか気を取り直し、くるくると立ち働いて家事をこなす姿は、すっかり
『いつものソフィー』であった。時折不安げな様子は見せるものの、元々芯のしっかりした娘である。元魔女は、
夜中と明け方の騒ぎをベッドの中で伺いながら、今日は暖かい朝食は諦めなければならないかもしれないねぇ、と
思っていたというのに。ソフィーの順応性の高さは、短所でもあり長所でもある。
「カルシファー、お砂糖はどこに置いてあるのかしら?」
「そこの棚の真ん中あたりだよ」
朗らかな声で尋ねたソフィーに合わせて、カルシファーが陽気に答える。ソフィーが振り返るよりも先に、棚
に手を伸ばしたのはハウルだった。
「はい、ソフィー」
小さな瓶を取り上げると、笑顔でソフィーに渡す。
「――あ、ありがとう……ハウル」
いつもならにっこりと笑みを返すはずの彼女は、ハウルの顔から目を逸らしながらぎこちなく瓶を受け取った。
そのままくるりと身を翻して、ダイニングテーブルの方へ歩き去る。
ハウルはそんな彼女を笑顔のまま見つめていた。
「おい、ハウル。いいのかよ」
「何がだい?カルシファー」
ソフィーを憚るように声を潜めて問い掛けたカルシファーに対し、ハウルはぞんざいに聞き返した。老婆は目
を細めてにこにこと微笑みながら、魔法使いと火の悪魔の会話に抜け目なく耳を欹てた。この魔法使いもソフィー
と同じく、数ヶ月分の記憶を無くしてしまったそうだが、元荒地の魔女と知ってなお、老婆が自分の城に住んで
いることをすんなり受け入れるあたり、懐の広さと順応性に関してはソフィーといい勝負である。
「ソフィーだよ。お前もだけどさ。記憶、戻さなくていいのか?」
ハウルはソフィーを見つめたまま、どこか暢気な様子でうーん、と唸った。
「明け方に目が覚めたとき解こうとしたんだけどね、解けないんだ。呪を受けた時と条件を同じにする必要があ
るんだと思う」
二人で一緒に受けた呪だから、解く時も一緒になってないと。
「……なんか、楽しそうだよな、お前。真剣みがないっていうかさ……」
カルシファーの言葉にハウルは、髪をふわりと舞わせながら振り返った。無駄に派手な動作だった。目を見開
いて、とんでもない!とでも言いたげな表情をする。
「そんなことはないさ!記憶は取り戻したいよ。だって勿体無いじゃないか!」
どんな風にぼくたちが出逢えたのかとか、どんな風に愛を深めたのかとか全然覚えていないなんて。その間だ
ってソフィーはずーっと素敵だったはずなのに。ぼくの中のソフィーの記憶が一片でも減るなんて許せないよ!
「そうさぼくは今、初めての夜のことも思い出せないんだ!」
ハウルが大声でそう言った途端、その場がシーンと静まり返った。突然凍りついた空気にマルクルがきょろ、
と周りを見回す。
老婆はちらりと横目でソフィーを伺った。よりによってそんなことを大声で言ってしまったハウルに内心では
笑っていたが、実際に笑い出さなかったのはソフィーを気遣ってのことである。
ソフィーは紅茶のカップをソーサーに乗せて持ったまま、真っ赤になって硬直していた。十数秒後、思い出し
たように大きく息を吸い込み、慎重な手つきでカップとソーサーをテーブルの上に置いた。それから、
「ハウルのバカ!だいっ嫌い!!」
思いきり大きな声で叫ぶと、足音も荒く、階段駆け上って行った。
「ソフィー!!」
魔法使いは彼女の名を呼んで後を追いかけて行った。パタンとドアの閉まる音が聞こえると、階下にはもう物
音は聞こえなくなった。彼らを追いかけるように、階段に駆け寄った犬のヒンが、階段を上れず、困ったように
大きな耳をぱたつかせた。そしてくるりと身を返すと、今度は元魔女の足元に駆け寄る。膝下に短い前足を掛け、
膝の上に何かを置くと、掠れ声で一声鳴いた。
遊んでおいでと、マルクルとヒンを中庭に追い出すと、元魔女は膝の上から手鏡を取り上げた。さっきヒンが
置いていったものである。カルシファーは、昨日の今日だし城の周りを見回ってくる、と言い置いて煙突から外
へ出て行った。その場に残っているのは、元魔女一人であった。
「デバガメかい?野暮な真似はお止しよ」
元魔女は手鏡に向って、からかうように語りかけた。鏡には元魔女ではなく、身なりのいい上品な老婆が映っている。
「あれくらいの呪が防げないなんて、なんて情けない」
憮然としていてもどこか悠然とした態度は崩さずに、マダム・サリマンは呟いた。
「仕方ないさ。ハウルは若いし、ソフィーは可愛いからね」
鏡の向こうの魔女に向って、鏡を覗き込んだ元魔女はヒッヒッと笑い声を上げながら続けた。
「それに最初にアレを消し損ねたのはあんたじゃないのかい?」
笑いながらも切り込んできた元魔女に、現役の魔女は穏やかな笑みを浮かべて見せた。
「まあいいでしょう。かかってしまったものは仕方ありません。どうせそのうちハウルが自分で解くんでしょう
し。ただ、その前に」
魔法使いだけにかかる筈の呪が、彼女にもかかってしまった理由が知りたいわ。
胸中に抱えた何かを抜け目なく隠すような口調で、マダム・サリマンは言った。笑顔は崩さないが、瞳は笑っ
ていなかった。――が。
「ああもう本当に、あんたときたら、魔女のくせに野暮だねえ!」
そんなことも分からないのかい!と元魔女は大げさな口調でわざとらしく呆れて見せた。
「あなたには分かっていると?」
「当たり前さ。アレは確かに魔法使いに引かれてきた。ハウルにね。ただしあの時あの二人はね――」
元魔女はそこで一旦言葉を切って、にやりと笑った。
「――溶け合ってたのさ」
身も、心もね。
うらやましいねえ、と婀娜っぽく笑う元魔女の言葉に、鏡の向こうで魔女は絶句した。そんなマダム・サリマ
ンの珍しい様子を目にした元魔女は、上機嫌で笑い続けた。
(だからね、サリマン。あんたの構うこっちゃないよ。放って置いておやり)
そして元魔女は、笑い続けたまま手鏡をテーブルの上に伏せた。
ハウルが、すっかりつむじを曲げてしまったソフィーをなんとか説得し、口説き落として泣き落として、呪を
解くことに『協力する』承諾を得るのは、それから数週間後の話。
以上です。ベタネタでした。
文字数を数え間違えて、レス数が予定より増えてしまいました。
それでは、お目汚しすみませんでした。
>>547 ベタネタどころかすごく面白く読ませていただきました!
こんなお話、自分にはとうてい浮かばねぇです。尊敬です。
美味し糧!
禿げしく乙です。オモロカッター(・∀・)!
ソフィーの反応が、二人の出会いの場面を彷彿とさせますた
呪いを解いた後のソフィーの反応も想像するとなんか笑えます。とにかくGJ!!
ものっそい面白かったですよ!一時的でも記憶を無くしたのに、ハウルはそれでもソフィーを美味しくいただくのとか。マダムの一言とか、GJ!!
ベタネタ――になりがちなはずなのに、うまいこと料理しちまうね。
さすが250タソ!
563 :
250 ◆lh2mbenylQ :2005/05/09(月) 14:54:00 ID:j6/YwYNO
どうもこんにちわ。いやあ、546さま御疲れ様です!
素敵な作品が読めて嬉しかったです。また書いて欲しいな。
小ネタかつベタネタ投下します。
傾向 ギャグ(むしろほのぼの) レティーとソフィー 映画
ハニー、ハニー。
あなたにはドキドキさせられっぱなしよ!
ほとんど殺されちゃいそうなくらい!
あぁ、くらくらしちゃう!
事の発端はハウルが王宮付き魔法使いに就任した頃。ソフィーがハウルに贈り物を
したいのだが何か欲しい物があるか、と聞いたときだった。
――――ねぇ、僕を喜ばせるものを自分で選んでみてよ
――――あなたの一番嬉しい物を自分で考えるってこと?
――――そうだよ。僕の事を解ってるいるならわけもないだろう?
ハウルの提案により、ソフィーはハウルためのプレゼントを内緒で選ぶ事になった。
望む事は唯一つ、彼がもっとも驚いて、彼が一番喜ぶプレゼントを!
「……という訳なんだけど、私、どうしたらいいのか解らなくて」
チェザーリの店の裏に設置された簡易テーブルに肘をついて、ソフィーは大きな
ため息をついた。レティーが冷ややかな一瞥を姉に注ぐ。
「久しぶりに来たと思ったら、旦那様の話ばっかりね。ご馳走様」
「そんな事言わないでレティー。私、真剣なのよ」
ソフィーが拗ねたように唇を突き出して言った。そう言った顔があんまりにも
可愛らしくて、レティーと二人を遠巻きに見ていた男性客と男性店員達の頬が緩む。
「んもう、しょうがないなぁ。いいわ、大事なお姉ちゃんのためだもの、協力しましょ」
高らかに宣言し、レティーが胸をはった。ソフィーが妹に飛びつき、そうされた
レティーに羨望の眼差しが突き刺さる。レティーは周囲をひと睨みすると観衆を蹴散らした。
「ところでお姉ちゃん、義兄さんの欲しがりそうな物ってどんな感じ?」
「欲しがりそうな物?」
抱きついてきた姉を引き剥がしてから、レティーが改めて聞いた。
レティーの知っている義兄に関するデータは王宮付きの魔法使いで、物凄い美貌で、
少し子供っぽいけど明るい性格で、何よりも姉にベタ惚れ。それこそ、見てるこっちが
恥ずかしいほどに。そんな所だった。そんな義兄の欲しい物など、レティーには想像もつかない。
「んー……解らないわ。あの人、何でも持ってるもの」
……のろけてるの?
レティーは頭の中に浮かんだ言葉を瞬時に追い払った。姉は少し鈍感で天然なだけだ。
別に悪気があって言っているわけではないのだろう。それに、姉の台詞もあながち
間違っていない。義兄は恵まれた容姿をしているのは元より、上等な魔法使いである以上
聡明である事は確かだし、才能もずば抜けている。お金に困っている様子もないし、
多少変わってはいるが素晴らしい家族と、こんなにも可愛い奥さんがいるのだ。
これ以上何を望むというのだろう。
「そうね……あたしにも想像がつかないわ。」
なんだか考えるだけ悲しくなって、レティーが紅茶をすすった。ソフィーは首を傾げながら
うーんうーんと唸っている。
「じゃあ、質問を変えましょう。義兄さんの趣味って何?」
「……読書かしら?でなきゃ入浴?」
「一日で何をしてる時間が一番長いの?」
「仕事かしら………あ、私をからかってる時間の方が長いかも」
………おいおいおいおい、のろけるなって―の。
口の端に浮かびそうになった言葉を何とか飲み込み、レティーが姉を凝視した。
ソフィーは真面目くさった顔で妹をみつめている。レティーはとほほ、と呟いてから息を吐いた。
「じゃ、本とかでいいんじゃないの?」
「んもう!真剣に考えてってば!」
面倒臭そうに頬杖を突いたレティーに、ソフィーが喚いた。内心惚気はもう結構だが、
姉が急に心細そうに視線を下げたのが気になって慌てて微笑を浮かべる。
「えーと、じゃあ義兄さんが最近何か欲しいとか、どこかに行きたいとか言ったりしなかった?」
「欲しがってるのは………無いわね。あぁ、私が欲しいってよく言ってる。変な冗談よね」
「……他には?」
「特には。行きたい場所もないみたい。寝室にはしょっちゅう行きたがってるけど」
おいおい、ぶっちゃけすぎてないかね。
レティーのふっくらした頬が引きつった。ソフィーは大真面目な顔で顎に指を添えて
考え込んでいる。レティーは大きなため息を一つ吐くと、軽やかな足取りで倉庫に入り、
そしてまた戻ってきた。
「はい。これはあたしから義兄さんとお姉ちゃんにプレゼント」
どさどさどさっ。
レティーがテーブルの上に落としたのは、品のいい青いリボンだった。大層な長さの
シロモノで、重なり合ってテーブルの上でのたくっている。
「………?」
「解ったわ。義兄さんの一番ほしいもの」
「本当?なに?」
ソフィーがぱっと顔を輝かせる。レティーは実におもしろくなさそうに眉をひそめると、
姉の華奢な腕を取ってそこにリボンを巻きつけた。
「はいできた。これ」
「……は?」
素っ気無く言ったレティーに、ソフィーは思い切り怪訝そうな顔をする。レティーは
ため息とともに姉に人差し指を突きつけた。
「体中にリボン巻きつけてあげるから、そのまま帰ったら?それをほどく権利が、
今回の贈り物。どう?名案でしょ?」
「真剣に考えてってば……」
「真面目も真面目、大真面目よ。これ以上のものは考えられないわね。なんなら
試してみるがいいわ、あたしからのプレゼントってことで」
「………私の体中にリボン巻いて、ハウルがそれをほどくの?」
レティーが厳かに頷いた。ソフィーは相変らずきょとんとしたまま、リボンを見つめている。
「……解った、とりあえず試してみるわ。でも、本当に喜ぶ?」
「大丈夫、絶対大喜びよ。あたしが保証する」
ぱちんとウィンクを一つ残して、レティーが茶器を片付け始めた。どうやら、休憩時間は
終りらしい。ソフィーも慌ててリボンを回収しながら、それでも釈然としない気持ちで首を傾げた。
「…………本当に、そんな物欲しがっているのかしら?」
それから二日後、店番をしていたレティーの元をひどく浮かれた様子の義兄が訪ねて来た。
肌艶がいやに良く、見るからに生き生きしている。
「こんにちは、お義兄さん。ご機嫌ね」
「あぁ、レティー!信じられるかい?僕は昨日、人生の中で一番素晴らしい
プレゼントを貰ったんだ!」
何時にも増して輝かしい美貌をひけらかしながら、ハウルがうっとりと目を閉じた。
レティーは明後日の方向を向いてから、小さく笑う。
「お気に召した?リボンのロゴでわかったのかしら?」
「もちろん。なかなか素敵なリボンだね」
その言葉を聞き、レティーがチョコレートの小箱をショーケースから出して
ハウルに押し付けた。ハウルは不思議そうな顔でそれを見つめている。
「レティー?」
「疲労回復には甘いものが一番よ。どうせ、お姉ちゃんは寝込んでるんでしょ?」
レティーが照れも遠慮もなく言い放った。ハウルはかすかに苦笑するとレティーに
代金を握らせる。
「ご名答。奥さんにはもう少し体力をつけてもらわないと。あれ位でへばってたら、
この先いろいろ困るからね」
チョコレート代にしては多すぎる現金にレティーが戸惑って義兄を見上げた。
背の高い魔法使いは悪戯っぽく片目を閉じると、彼女の差し出した手をひっこめさせる。
「鈍感な奥さんに、いいアドバイスをありがとう。君がいなかったら、きっと僕は
一番ほしいものを贈ってもらえなかったんだろうね」
チョコレートは美味しく頂くよ、とだけ言い残し、ハウルが店を出て行った。
鮮やかな残像が瞼に残り、レティーはため息をつく。
お姉ちゃんも、いろいろ大変だわ。
でも、まさか本当にやるだなんてね。
チョコレートの代金をレジに突っ込み、余ったチップを数えながらレティーは苦笑した。
きっと、あと二日三日したらまた姉が会いに来るだろう。そうしたらこのお小遣いで
お茶でもしよう。その時に自分は責められるかも知れないけど、でもそれすらも楽しみで。
レティーは込上げてくる笑いをこらえられず、ちいさく声を上げた。
以上です。レティーが書きたかったんです、それだけなんですww
ソフィーは天然でレティーはシスコンなんだけどクールなはずです。
はにはに♪どっきどきす〜るぅ♪あは♪はにはに♪という
スウェーデンの偉大なるシンガーグループの歌からタイトルを頂きました。
そういえばハニーってソフィーとレティーのママの名前ですね。
次回は多分権利を手に入れたハウルがソフィーにセクハラ三昧する話だと思われます。
GJ!!!
エロ無しでもそれはそれは美味しく頂きました!!!
ソフィーに惚気られてうんざりしながらも
「大事な姉」をほっとけない健気なレティー萌え(*´д`*)
リボンソフィーは想像しすぎると萌え死にそうなので
敢えてスルーしとくw
いつもながらにGJ
レティーが可愛いなぁ(σ・∀・)σ グゥ
それにしてもハウル先生の体力が有り余り過ぎているのか
ソフィーが18歳の割りにずっと座り仕事だったから体力が無さ過ぎるのか
ばあちゃんだった時はあんなに元気だったのに。ハウルさん体力回復魔法
使ってあげてください・・・ベーコンエッグだなヽ(゚∀゚ )ノ イヤホーイ
次回予告つきでドッチドチです。イイコで待ってます
250さん相変わらずGJ!!
天然ソフィーが可愛いよー。
それ以上に浮かれてるハウルが可愛いわけですがw
セクハラ三昧話テッカテカでお待ちしてます。
裏アンソロ買いますたー。七さんまだこのスレ覗いてますでしょうか
七さんの話今まで同様大変GJ!
健気なソフィーと優しいハウルが良かった・・・二人とも可愛かった・・・
ラブラブで幸せな気分になりました。やはりハウソフィは(・∀・)イイ !
本全体はこことあんまり変わんなかったなぁ。甘々でうまし糧でした
塚同人誌話でスマソ。七さんに想いを伝えたくてつい。また何かお話
浮かぶことがあったらお願いします〜待ってますよ
神様待ちほっしゅ。
この頃絵神様は現れてくれないねえ(´・ω・`)
ほしゅー。マターリ待ちまする(´-ω-`)zzz
モンモンしながらほっしゅ
`ァ'`ァ(*´Д`*)しながらホシュシュ
一本あがったんで乗っけます。お待ちそうさまでした。
傾向 映画 ハウソフィ エロ
自制的には拙作『Honey,Honey』の直後ですので、そちらを先に読まれることを
お薦めします。(別にこれだけでも読めますが)
正しい時もあれば、もちろん間違いを犯す時もある
それでも、君は子犬みたいについてくる
わがままを聞いてくれる心の優しさは超一級
それが僕の可愛いお馬鹿さん
「王宮付き魔法使いへの就任、おめでとう」
ハウルの部屋にあるベッドの上で、ソフィーがにっこりと微笑んだ。ハウルも柔和な
笑顔を浮かべて、彼女を抱き寄せる。
「ありがとう、ソフィー」
「プレゼントをね、用意したの」
そう言うと、ソフィーが悪戯っぽく目くばせした。その晩はハウルが王宮付きの
魔法使いに就任したことをお祝いする為に、家族がささやかなパーティを開いた。
家族はそれぞれプレゼントを選び、彼に渡していったが彼女はあとでね、と言っただけだった。
その後が、今だというのだろうか。いささか子供じみた仕草だったが、愛らしさが
にじみ出ていてハウルの口元が緩んだ。
「へぇ。どんなの?」
くすくすくす、と小さな笑い声を立ててハウルがクッションにもたれた。
サイドボードから取り上げたグラスを傾けて、彼は余裕のある大人のような顔で尋ねる。
「ぜひ欲しいな」
頂戴?と上目遣いに囁いたハウルに胸をときめかせながらも、ソフィーはそそくさと
退出した。
ハウルがプレゼントに思いを馳せていた数分の後、彼女が扉の外からひょこっと顔を覗かせる。
「プレゼントは何?」
ソフィーが少しだけ恥ずかしそうに目を伏せた。それから覚悟を決めたように
部屋の中に飛び込む。
「プレゼントはね、これなの」
ドアを背に立っているソフィーの薄い夜着の上に、青いリボンが巻かれていた。
彼女の全身を包むように青い線が走り回り、胸の前でふわりと結われている。
「………あぁ!ソフィー!」
ハウルが感極まったような叫び声を上げてソフィーに飛びついた。ちゅ、ちゅ、ちゅと
頬やら首筋やらを唇で辿り、掌がせわしなく全身を愛撫していく。
「ちょっと待って!何してるの!」
「何って、プレゼントを貰っているのさ!」
訳がわからない、というような顔をしているソフィーに、ハウルは思い切り意外そうな
顔をしてみせる。それから、にやりと笑うと彼女をひょいと抱き上げた。
そのままベッドまで連れて行きシーツに沈め込む。
「綺麗なリボンだね。よく似合うよ」
リボンの端に口付けながら、ハウルが吐息と共に囁いた。そのまま唇が首筋に押し当てられ、
赤い印が付けられる。彼の手が夜着の裾から侵入し始めて、ソフィーの下肢をめちゃくちゃに
撫で回す。彼女は目をまん丸に見開いてハウルを凝視し、やがて飛び起きた。
「待ってよ……それはプレゼントじゃないわ!」
「え?ソフィーがプレゼントじゃないの?」
「違うわよ!プレゼントはリボンを解いていいわよ、ってそれだけよ」
「だったら」
ハウルがまたにやりと笑った。悪戯を思いついた子供みたいな笑い方に、ソフィーの
背筋に悪寒が走る。彼女はぎこちない笑いを浮かべると、そろそろと後退した。
「私……私、今日はちょっと、自分の部屋で……」
「何言ってるの?ソフィーの部屋はここじゃないか」
がば、とハウルがソフィーを再び押し倒した。ソフィーが真っ青になりながら
上目遣いに彼を見やる。
「あ、あのぅ……」
「もう何しても無駄。大人しく頂かれなさい」
ハウルの猫めいた微笑に、ソフィーが天を仰いだ。
あぁ、レティー!そういう意味だったのね!
すべすべした光沢のあるリボンは、海のように深い青色で品がいい。ソフィーの白い肌に
良く映えて綺麗だし、なかなかいい選択だ、とハウルは一人で感心していた。
等間隔に付いている白いロゴもアクセントになっていて、小洒落たデザインだとも思う。
「ちぇ、ざー」
ハウルがリボンにかかれたロゴを読もうとした時、ソフィーがいきなり彼を引き寄せて
口付けた。びっくりしている彼に、彼女は唇を離さずに笑ってみせる。
ハウルはそのまま彼女の頭を抱え込み、口付けを深めていった。
「ちょっ……んぅ、ふ……ん」
歯列をなぞられ、歯の付け根に吸い付かれる頃には、ソフィーの腰は砕け、全身から
力が抜けていた。ハウルはリボンをもったいつけるようにゆるゆると解き、
それから彼女の細い首に廻す。きゅ、と結ばれたそれは猫か犬かにつけるもののようで、
ソフィーが少し恥ずかしがった。
「やだ、そんなの……外して」
「どうして?可愛いよ。子猫ちゃんみたいで」
にっこりと笑って言われた言葉に、ソフィーが真っ赤になって視線を落とした。
ハウルは綺麗な笑顔を崩さないまま、軽く首を傾げる。
「可愛い可愛い子猫ちゃん、もっと素敵なサービスをお願いできないかい?」
どんなサービスよ、と茹蛸のようになったソフィーは怒鳴りかけたが、とっさに言葉を
隠した。残念ながら、今晩の自分は彼のものだ。言う事を聞かないことには
このプレゼントは成り立たない。
「……何がお望み?」
弱々しく発された言葉に、ハウルがそれこそとろけるそうな笑顔を浮かべたのは
言うまでもない。彼女は口の中で今日だけだからね、と呟くと彼の耳打ちを受けるべく
その頬を寄せた。
「あ……いい。そう、上手だよ、ソフィー……」
恍惚とした表情で、枕とクッションで出来た小山にもたれているハウルが囁いた。
長い指はせわしなくソフィーの銀髪を梳き、時々彼女の首筋や耳朶を愛撫したり
リボンをもてあそんだりする。足の間に跪き、むぐむぐと口を動かしている彼女の身体が、
その愛撫にぴくりと跳ねる。小さな口いっぱいに彼のモノを咥え、懸命にしゃぶったり
舐め回したりしているソフィーの姿は、妙に色っぽくて欲望を抑える事が出来ない。
ふっくらとした唇が竿をしごき、柔らかい舌が筋を通って袋に届く頃には
もうハウルには彼女を気遣ったり指示を出したりする余裕がなくなっていた。
「……っ、ソフィー……もう…我慢できない……」
眉間に皺を寄せ、本当に苦しそうにハウルが言った。しかし、喉の奥にまで届きそうな
それを口にどうしたら上手く呼吸が出来るだろうかを考えていたソフィーは、
その言葉の意味を図るのにほんの僅かの遅れをとってしまった。その間に彼は彼女の
頭を抱え込み、ぐいと腰を押し付ける。急に奥まで入ってきたそれに、猛烈な吐き気と
息苦しさを覚えソフィーが目を白黒させた。歯を立てないことだけを必死に考えながら、
唇をすぼめて痙攣し始めたそれを締め付ける。ハウルの顔が、くしゃりと歪んだ。
「……くっ……うっ!!!」
「!!」
びゅっびゅっと溢れてきた液体の苦味と酸味に、ソフィーの目に涙が浮かんだ。
肩を大きく上下させながらも、少しばかり余裕を取り戻したハウルが、その涙を
そっと拭ってやる。彼女は必死になって喉を鳴らし、それをどうにか嚥下しようとしている。
「無理しないでいいよ………気持ちよかった。ありがとう、ソフィー」
ちゅ、と音を立ててソフィーがハウルのそれから口を離した。飲み干せなかった
白濁が口から零れ、シーツに零れていく。
「本当に、上手になったね。教えた甲斐があった」
嬉しそうに笑って言うハウルに、ソフィーが何ともいえない表情を浮かべた。
褒めてもらえるのは嬉しいが、内容が内容なので気恥ずかしい。ただ押し黙っている
彼女に、彼は楽しそうに肩をすくめてみせた。
「……褒めてるんだよ?」
「ごめんなさい、上手く喜べないわ」
固い表情のままでソフィーが言った。もっと喜べばいいのに、とハウルがまったく
邪気を感じさせない言い方でいい、ソフィーを抱き起こした。
「じゃ、今度はソフィーが気持ちよくなる番かな」
ソフィーの首筋に顔を埋め、ハウルが唇を滑らす。きゃ、という可愛らしい悲鳴が
上がるのと同時に、ソフィーの身体から夜着が剥ぎ取られた。素肌をさらされた事に
驚き、彼女が身体をひねる。
「あ、や、ねえ待っ……ひゃ、ぁ、あん!」
乱雑に下着がむしりとられ、現れた双丘にハウルがむしゃぶりついた。思わず上がった
艶かしい声に、出したソフィー自身が赤面してしまう。
「いや……恥ずかし……い、ぅ、んんっ…」
じたばたと抵抗したにも関わらず、ハウルの舌先はかすかに色付いた突起に難なく
触れた。その途端に手足がだらりと伸び、熱い液体がつぅと腿に伝う。
しばらくの間、ハウルはソフィーの柔らかい胸の感触と彼女の反応を楽しんでいたが、
ふと思いついたようにサイドテーブルからグラスを引っ掴むと、中の液体を口に含んだ。
そしてそれをソフィーに口移しに飲ませる。華奢な喉がこく、こく、と動き、彼女の
目がとろりと潤んだ。
「っぁ……はぁっ…」
興奮に浅かった息が、アルコールのせいで余計にあがる。ソフィーが首をめぐらせ、
もぞもぞと膝をすり合わせた。ハウルがそれを目ざとく見つけ、にっと笑ってみせる。
「もう感じた?随分早いね………それとも」
ずるりと下履きが下ろされ、ほんのり赤くなった下肢が露になる。薄い茂みの奥の
大切な部分は、もうすでに濡れそぼり男を待つようにひくついている。ハウルはそこに
指をあてがい、その形をなぞった。
「舐めてる時から感じてた………?」
大きな秘密を口にするような神妙さで、ハウルが訊ねた。ソフィーは内腿を
震わせながらも歯を食いしばり、首を振る。
「嘘」
「ちがっ……そんなんじゃ、な……あぁぁ…ん、ふ……」
秘所に触れるか触れないかぎりぎりの所を、ハウルの指が掠めていく。その度に
与えられるささやかな刺激に、ソフィーが押し殺したような喘ぎ声を上げた。
酔いが廻って来たのか、だんだんと彼女の目つきが危うくなってくる。
「感じてるじゃないか、ほら、もうこんなにも……」
ハウルがソフィーの耳を甘噛みしながら言った。ソフィーが羞恥に顔を歪め、
浅い呼吸を繰り返す。焦らされ続けた部分はそろそろ限界に達しかけているらしく、
しきりにひくついている。彼は妙に押しつき払った仕草で、彼女の中に指を突き入れた。
「あああぁっ!!」
いきなり身体を押し広げられた事に、ソフィーの喉がのけぞった。身体の奥に感じる
違和感に、彼女の瞳から生理的な涙が流れる。ハウルはそれを舌で舐め取ると、
収縮を繰り返す彼女の内部を指でまさぐった。
「はぁっ!!いやっ、あっ、んぅ!ふ、ぇ……ひゃあ!」
ハウルの指が、ソフィーの一番感じる部分を捉えた。そこを強く押され、彼女の身体が
飛び跳ねる。浮つく腰をどうにか抑え、彼はそこばかりを重点的に攻め立てた。
もどかしい快感に身を焦がしていたソフィーが果てるまでには、そう時間はかからなかった。
「あ、も、だめ………っ……ひぁぁぁぁぁ!!」
訪れた限界に、ソフィーの身体がベッドに沈んだ。ぐったりと目を閉じ、声一つ上げない
彼女の顔をハウルが心配そうに覗き込む。しかし彼がその小さい唇を掠め取ると、
彼女はかすかにうめいた。それを確認すると、彼は舌でソフィーの唇を割り開き、彼女の
それを絡め取った。くちゅ、くちゅ、と水音が漏れ、彼女がぼんやりと目をあける。
「ん……ふ…」
ハウルに口内を犯されながら、ソフィーが散漫な仕草で首を振った。二人の舌が絡み合い、
唾液が混ざり合って喉を滑り降りていく。それを嚥下しながら、彼女は彼の首に腕を廻した。
「ソフィー?」
「もう…待てないの………」
何度も快楽を教え込まれた身体は正直で、先ほど達したにも拘らず、もう彼を求めている。
ソフィーは泣きそうになりながらも、どうにかそれだけを告げた。ハウルはかすかに
微笑むと、蜜に塗れた彼女の蕾に手を伸ばした。
「ひっ……!!」
「まだだよ。今日のソフィーは僕の物なんだから、もう少し我慢してね」
真っ赤に充血したそこは、軽く触れられるだけで限界を迎えてしまいそうなほどに
感じている。ハウルは指先でそれを転がしながら、ソフィーの耳に舌を差し入れた。
ぴちゃ、ぴちゃと直に聞こえる水音に、彼女の声が一層高くなる。
「どんな感じ?気持ちよくて死んじゃいそう?」
悪戯っぽく囁かれた言葉に、ソフィーが唇をかみ締める。しかし、きゅうっときつく
摘まれてしまうとかすかに震えながら全身を強張らせた。
「あ……そんな……ダメ、また、イっちゃっ……」
「イッちゃいそう?」
「も……うぁ、やだっ……あ、あ……しんじゃう…………っ!!」
「死なないよ、多分ね」
ソフィーの焦点はもう定まらず、瞳がぐるぐると動き回っていた。ハウルが蕾を
こねる度に、彼女の全身が飛び跳ねる。彼女がどれだけ苦しそうに喘ぎ、赦しを乞う様に
すがり付いても、彼はなかなか決定打を出そうとはしない。ただ悪戯に時間が過ぎ、
溢れ出る愛液は内腿を伝って遂に膝の裏にまで到達した。
「おねが……も、ゆるしてぇ……」
「そろそろ、かな」
息も絶え絶えに懇願するソフィーとは対照的に、ハウルは涼しい顔で彼女のそこを
弄んでいる指の動きを早めた。彼女が目を見開き、近づいてくる絶頂の気配に
打ち震える。
「あぁ……あ、は、はぁ、ああぅ……あっ……!!!」
全身をぎゅっと強張らせ、ソフィーが叫んだ。極度の緊張状態から一気に力が抜け、
呼吸さえままならない。苦しそうに悶える彼女の様子を覗っていたハウルは、素早く
服を脱いで彼女の脚の間に身体をすべり込ませた。ソフィーの顔色が青ざめ、
口元が手で覆われる。
「……ソフィー、僕が欲しい?」
甘く囁きながら、ハウルがソフィーに口付けた。それから、ぐいと脚を開かせると
そそり立った自分のそれを蜜でべとべとになった花弁に擦りつける。
「ぁっ!!や、あっつ……い…」
「言ってよ、欲しい?」
身体の奥深くに篭った熱が、発散されないままソフィーを追い詰めていく。彼女は
無我夢中で頷きながら、腰を振った。
「ほしいのっ!ハウルが…ほしい……おねがい、はやく!!」
ぐい、とハウルの腰が押し付けられ、ソフィーの奥深くまでが抉られた。
どうしようもなく疼いていた部分を貫かれ、ソフィーが泣きながら体を反らす。
「くっ……すごい、締まる……!」
「あぁぁぁっ!はっ、ぁ、ふっ!ひゃああ、んっぁあ!!」
狂ったように喘ぎながら、ソフィーがハウルに縋りついた。二人の身体はぴたりと
密着し、腰の動きが早められていく。
「あぁあ!!あ、は、ああ……んんっ!!」
ソフィーの立ててあった脚がずるずるとシーツに沈む。しかし、ハウルは崩れた脚を
抱え上げると、さらに彼女の中を突き続ける。深く、浅くとそれに蹂躙されるうちに、
彼をくわえこんでいる部分がびくりと痙攣した。
「ねぇ……顔見せて、そらさないで……」
顔を背け、ただ一心に喘いでいるソフィーの顎をつかみ、ハウルが自分に引き合わせた。
先ほど指で探っておいた敏感な部分を突くと、彼女の腰が面白いくらいに跳ねる。
「あぁぁっ!もう、ほんと……に、ダメッ……!!」
思考を全て奪うほどに熱い身体を持て余しながら、ソフィーが限界を口にした。
二人の繋がっている部分からは、ぐち、ぐちと絶えず淫靡な音が聞こえる。
「……そう、じゃあ……いいよ、イッて!」
ぐっと奥まで突かれた時に、ソフィーの身体が大きく痙攣して、ハウルが抱えていた
脚もぴんと伸ばされた。肩で息をしながら、彼女はひたすらに遠くを見つめている。
しかし、彼女に比べて限界を感じさせない彼はもう一度彼女の脚を抱え直すと、
速い動きで彼女の中を突いた。
絶頂の最中にも攻められ続けて、ソフィーの意識が何度も白みかけた。
彼女はそれをどうにかなだめながら、ハウルの昂ぶりを必死で受けとめる。
「あぁ!!ハウル……激しっ……なんで、も、だって、わたし……!!」
意味をなさない言葉を口走りながら、ソフィーが身をよじった。ハウルもハウルで
切羽詰ったように眉根を寄せ、荒い息を吐きながら彼女を突き続ける。
「もう……む、り……ア……やだ、イッちゃ……ぁあ!」
「僕も……もう…」
もう、保たない。
二人が同じことを考え、同じように声を上げ、そして口付けを交し合った。
舌が絡み、混ざり合った唾液が一筋、ソフィーの頬を伝う。その刺激が引き金となり、
彼女の内部がざわざわと蠢いた。ハウルが思い切り腰を引いてから、限界まで突き入れる。
「ひっ!んんっ、あっ、や、あああああああああああっ!!!」
「……うっ………あ…」
どくん、とハウルのそれが大きく脈打ち、熱い熱い液体がソフィーの身体に注ぎ込まれた。
身体を侵食するその熱に、ソフィーは意識を手放した。
瞼の裏に明るさを感じ、ソフィーがそっと目をあけた。窓から差し込む日の光に
もう昼が近い事を知り飛び起きる。
「あぁ、丁度良かった。今、起こそうと思ってたんだ」
カーテンを開けながら、ハウルが振り返った。既に身支度を終えている彼は、清潔な
笑顔を湛えながらベッドサイドに歩いてくる。
「おはよう。気分は?」
「……悪くは、ないけど」
心配そうなハウルの顔を見、なぜそんな事を聞くのかしら、とソフィーが思いをめぐらせた。
肩に感じる空気の柔らかさに、自分が何も着ていない事に気付く。
「あっ!」
真っ赤になって布団を引き寄せたソフィーに、ハウルは笑いながらガウンを渡した。
慌ててそれを着、彼女が彼の服を引っ掴んでゆさぶる。
「ちょっと!なんで起こしてくれなかったの?もうお昼じゃない!」
「ソフィーが疲れてたみたいだったから。知ってる?君、昨日の晩に気を失ったんだよ」
いきなり怒鳴りつけられ、ハウルが途惑ったように眉を上げた。急にありありと
蘇った記憶に、ソフィーの顔がさらに赤く染まる。
「どうでもいいわそんなこと!とにかく、早くいかないと…」
ベッドを降りようとした時に、ふと気付く。脚に力が入らない。なんだか恨めしいような
気分になって、ソフィーがハウルを睨みつけた。
「……何?」
「ばかハウル!立てなくなっちゃったでしょう!」
ハウルが合点したというように苦笑すると、ソフィーを軽々と抱き上げた。そのまま
彼女を椅子に降ろし、用意してあったティーカップを差し出す。
「今日は家事はお休み。食事なら僕が用意したし、掃除はマルクルがやってくれたよ。
どうせ立てないんだし、無理しないでゆっくりしようよ」
そんな事言われても、となおも反論しようとするソフィーの唇を塞ぎ、ハウルは
軽やかに笑った。春風みたいな笑顔に釣られ、彼女も仕方ないわね、というように笑みを零す。
「……じゃあ、そうしようかしら。お言葉に甘えて、今日は二人でのんびりすごしましょ」
そう言ってソフィーが受け取ったお茶をすすった。ハウルも満足そうに笑うと
彼女の向かいに腰を下ろす。
「そうだ、チョコレートがあるんだ。食べない?」
「チョコレート?」
ハウルが小さな小箱を取り出し、テーブルの上で開いた。解かれた青いリボンを見、
ソフィーがはっとする。
「は、ハウル、これって……」
かさかさに乾いた声でソフィーが訊ねた。それを聞き、ハウルが悪戯っぽく片目を閉じる。
「なんだい?僕の可愛い奥さん」
「あなた、これをなんで……」
愕然としているソフィーをよそに、ハウルは小箱からチョコレートを一つを摘むと、
それを無造作に口に放り投げた。それからにっこり笑う。
「レティーのお薦めだよ。店員だけあって、目利きは確かみたい」
真っ赤になってしきりに口をパクパクさせているソフィーに、ハウルが食べないの?
と聞いた。彼女は大きく息を吸い込み、声の限りに叫ぶ。
「ばかーーーーーーーー!!!」
城を揺るがすほどの怒声に、悪戯好きの魔法使いは目を白黒させ、暖炉で燃えていた
火の悪魔はぽっと煙を吐き、幼い魔法使いの弟子は飛び上がり、老婆は居眠りを続け、
老犬がしゃがれた声でヒン、と鳴いた。
正しい事もすれば、間違いを犯す時もあるわ
それでも、あなたは私に夢中
尻尾を振って付いてくるわ
それが、私の可愛いお馬鹿さん
以上です。可愛いお馬鹿さんどころかうっとうしいバカップルですね。
内容は、セクハラ三昧にしようとしたんですが上手くいかないので、
ねちねちいってもらいました。
どうでもいいですが、うちのハウルとレティーは仲良しです。ソフィーが天然だから
心配してるもの同志うまがあってそうな感じ。
それを知っているので時々ソフィーがヤキモチやきます(妄想)。
今回のタイトルは続き物なのでひっかけようかなぁと思って探してきました。
今我が家で流れてるDVDの中で、レネ・ゼルウィガーがこれを歌ってます。
>>574さん
原作ハウルは体力なさそうですが、映画は鳥にもなれるので無駄に体力ありそう
かな、というのが私の見解です。ソフィーも元気ですが、寝込んじゃうのは
ひとえにハウルのえっちがしつこくてねちっこいからですww
>>596 素敵な作品ごちそうさまです!キャー
ラブラブぶりに萌え、そしてもだえました。朝のようすもハウソフィらしいですね。
わー!250さんGJです!待ってたかいがありました。
馬鹿ップルばんざい〜、250さんのハウルはソフィーがかわいくて
かわいくてしょうがないって感じですよね。
次回もテッカテカになりながらお待ちしてます。
599 :
574:2005/05/22(日) 23:43:22 ID:3m5RVwlA
250タソ相変わらずのうまし糧に乙!! おねだりソフィーが可愛い
お返事もありがとうでござる(爺マルクル口調で)
(;・∀・).oO(そっかしつこくてねちっこいからなんだ・・・)
でもそんなハウル先生に萌え。淡白で薄味な男よりずっといい
そして仲良し義兄妹にも萌えゆる。あの二人は派手好きっぽいところで
趣味的なあたりから始まり気が合いそうだと私も思っておりますた
やきもち焼きのハウルはあっちこっちで大量に見かけるので
可愛らしくやきもちを焼くソフィーの方が個人的には見たいですな
バカップル万歳。世界は愛で満ち溢れているんだなぁ
600 :
名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 17:18:02 ID:nWoC2bYD
600ゲト
250タン、うまし糧でした!
ねちっこいハウル先生についていくのもソフィー大変だー。
>>596を読んでハウルとレティーが仲良くしているのを嬉しいようなでも焼きもちやいちゃう、そんなソフィーを想像して萌えました(笑)
ウマー(´∀`)ムシャムシャ
うまし糧ばかりでシヤワセです。
しかし、一時に比べれば過疎化しつつあるのも事実…
さらなる職人様を招ぶためにも、萌えシチュとか提案していこうではないですか!
…っていう自分にいい案浮かばないんだけどさ(´・ω・`)
250ネ申タソ、うまし糧です!濃厚なエチに(*´д`*)マジコウフン
自分の萌えシチュは1年後くらいに魔が差したソフィがハウルを裏切って王子と…論外ですかね。
萌 シチュかー、ソフィーがカブと偶然王宮の仮面舞踏会かなんかで会って
ハウルと思って思わずHしたらたら実はカブだった。つー事を夢オチで
カブが見たとか。妄想しか出来ないカブに萌で。
萌…?
>604
そのシチュ、どっかで読んだ。エロはなかったけど。
>>604のシチュ、エロ無でも面白そう!
>>605はべたネタっぽいけど読んでみたい。
そいや、今まであからさまに不倫ネタが出てないような気がする。
×→あからさまに
○→あからさまな
スマソ
萌えシチュかー。
自分のエロ萌え原体験は、昔読んだペルセウスとアンドロメダの物語なので、
鎖に繋がれた生贄の乙女をソフィーに見立てて考えてみたが、
その場合、どうしてもハウルが英雄ではなく怪物になってしまう…。
(そしてソフィーは頂かれてしまう…)
あのぅ、ちょっと聞きたいんですけど、えっちしーんなしで読むとしたら
・ハウソフィ(ほのぼのor切ない系)
・ハウソフィ←カブ←レティー(ほのぼの)
・ソフィー←カルシファー(切なめ)
・カブソフィー⇔ハウル(黒い感じの不倫ネタ)
のどれがいいでしょうか?
ど れ で も。
なんちて。
でもネタあるのでしたら何でも美味しく頂いちゃうですー(´∀`*)
>>610 その中なら
ハウソフィ←カブ←レティー(ほのぼの)が好きかな…
でもきっとどれも需要があると思いますよ。
カブレティーは需要あるみたいですなー
ネットでちょくちょくみかけるよ
セクースまでしてるのはさすがにまだお目にかかっていないが
>>610 私はその中からなら、上二つがいいかな。
どれも読みたいので選べないー
616 :
名無しさん@ピンキー:2005/05/25(水) 23:05:34 ID:ac2Xtm21
>610
黒い不倫ネタに1票!
つかどれも全部読みたいなー
漏れはハウルの不倫が見たいなぁ。だってネト巡回してたら
ソフィーの不倫ネタってけっこう見かけるんだもん。
>>619 そかー?原作寄りの所とかだとハウルの浮気ネタっての良く見るけど。ソフィー浮気ってほとんど自分見た事無い。
ので、黒い不倫ネタ一票ww
でも250タンの話なら、みんなと同じようにどれも読んでみたい。
250神のならどれでもオケ!な私ですが。
だが中でも「ソフィー←カルシファー(切なめ)」に惹かれる…。
ドロドロにドス黒いのからゲロゲロに甘いのまで美味しくいただけますが、ハウソフィ←カブ←レティー(ほのぼの)とソフィー←カル(切なめ)に惹かれまつ。
むしろ、ハウソフィ←カブ←レティー←マルクル(ほのぼの)なんてのは有り得ませんか。てか、複雑過ぎだよなorz
ソフィー←カルといえば、過去スレの『炎恋』は好きだ。続き、楽しみにしてるんだけどな(つд`)
Hシーンなしなら「ハウソフィ←カブ←レティー(ほのぼの)」読みたいので一票。
可愛い感じだとなお嬉しいかも。
エロ有りなら迷わず黒い感じを選んだだろうな(´Д`)
可愛い話に飢えてるので二番目に投票。
何故自分が書く話はこうも黒くて暗くなるのか…orz
あんまりにも報われなさすぎて、自分が非道に思える。
私もレティー好きなんでレティ出番アリの話にイピョウ
仲良し義兄妹にもカブがらみにも萌える
>624
私も自分の理想のハウル先生を追い求めてたら全然ヘタレもせず
子供っぽくもなく別方向に黒い人が出来上がりました・・・
自分で書くと難しいっすよねえ。ヘ(´Д`)ノ エヘ
>624,625
ナカーマハケーン
ハウル先生、うまくヘタレてくれません。
やっぱ神はすごいなと、ここ見ていつも思うよ。
自分の目下の問題はカブ・・・もう黒すぎて収拾がつかないよママン
こんばんわ。ハウソフィ←カブ←レティーのリクエストが一番多かったので、
やってみたいと思います。
カブレティー……というか自分の中ではレティー大プッシュ中です。
これから先レティーがやたら出てきたら、作者がレティー萌なせいですww
628 :
二人でお茶を:2005/05/27(金) 23:45:03 ID:LAVPlpIg
ぽん、と肩に手を置かれて、帳簿をつけていたハウルが顔をあげた。振り返ると
彼の肩を叩いたソフィーが微笑んでいる。
「今日はもうおしまいにしましょ。お花、もう全部終わったの」
「そう、じゃあこれでおしまい」
そういうと、ハウルがペンをしまって笑った。ソフィーが帳簿を受け取り、大仰に肩をすくめて見せる。
「誰かさんのおかげで、今日はお花が駄目になっちゃうかと思った」
今日はハウルの仕事が休みだったので花屋を手伝ってもらったのだが、それがまずかった。
花屋の客の大半は女性なので、今日やって来たお客さんの殆どがハウルに見惚れたり
くすくす笑いをしていた。中には大胆にも身体を摺り寄せたり、自分を覚えてもらおうと
世間話を引き伸ばし続けた娘が数人いて、それが原因で言い争いが始まり、そしてそれが
口喧嘩に発展し、物騒な事に、遂には殴り合いになった。ハウルが止めて自体は収集が
付いたのだが、それがソフィーを呆れさせた。それだけでなく、たまにやって来る
男性客に対して彼が冷淡な態度を取ったのにも閉口した。彼らは純粋に花を買いに
きただけであり、別にやましいことなどないのに、ハウルは頑としてソフィーと客を
近づけなかった。可愛そうに、お客さん達はみんな困った顔をしていた。
「ソフィーはもうちょっと警戒心を持ったほうがいい。まったくもって盲点だった。
考えてみれば、花屋にだって男は来るのに!」
子供みたいに頬を膨らませて、ハウルが憮然と言った。ソフィーがもう一度肩をすくめて
彼の頭を小突く。
「んもう、あなたって本当にやきもち焼きなのね!そんな事言ってるようじゃ、私
家に閉じこもって生活しないといけないじゃない!」
629 :
二人でお茶を:2005/05/27(金) 23:48:17 ID:LAVPlpIg
「本当はそうしたい位だけど、そんなことしたらソフィーは悲しむだろう?」
当たり前でしょ、とソフィーがため息をついた。全く、どうしてこの人はこんなにも
嫉妬深いのだろう。自分は他が見えないくらいに夢中なのに、気付いてないのだろうか。
「だから、いいよ。信じてるから」
そういったハウルの顔が思いのほか強張っていたのを知り、ソフィーは思わず彼を
抱き締めた。いきなり抱き締められて、彼が上擦った声を出す。
「ソ、ソフィー?」
「馬鹿ねぇ……私はあなたしか見てないのに」
ソフィーが悪戯っぽく笑って、ハウルに軽くキスをおとした。彼は驚きに目を見開き
それから幸せそうな微笑を零す。そして、彼女を抱き締め、一度目を合わせてから
ゆっくりと唇を重ねた。
からん、と軽やかな音がしてドアが開いた。キスに夢中になっていたソフィーはそれを
耳の奥で聞き、何の音かしらとぼんやり思った。ドアに背を向けていたハウルはせっかくの
時間を邪魔された事に死ぬほど腹をたて、無視を決め込んで彼女の体をまさぐった。
「……ところで、いつまでくっついてる気?あたし、ここにいるんだけれど」
不意に響いた高い声に、ソフィーが飛び上がらんばかりに驚いてハウルを突き飛ばした。
突き飛ばされたハウルは声の主を振り返る。
「まぁ、おっかない顔」
ピンクのエプロンドレス姿のレティーがハウルの表情を簡潔に表現した。真っ赤になった
ソフィーが慌ててレティーに駆け寄る。
「あ、あ、あらレティー!いらっしゃい」
「こんにちは、お姉ちゃん。お茶を一緒にしようと思って、お菓子持ってきたの」
ほら、というようにレティーは手に持っていた箱を示した。おそらく、彼女の勤め先から
持ってきた品であろう。ソフィーはそれを受け取ると、彼女を部屋に促した。
「入って!すぐに用意するから!」
630 :
二人でお茶を:2005/05/27(金) 23:50:10 ID:LAVPlpIg
耳まで真っ赤にしたソフィーがあわてて階段を駆け上り、住居に飛び込んだ。
ハウルがレティーを横目に見て、大きなため息をつく。
「やぁ、レティー。歓迎するよ」
明らかに嫌そうなハウルを見て、レティーが目尻を吊り上げた。それから、母親じみた
口調でハウルをたしなめる。
「義兄さん。いちゃつくのは結構だけど、時と場所は考えた方がいいわ。あんな事
お店でしてたのがばれたら、客足遠のくわよ」
「べーつーにー。看板下ろした後だし、別に僕の稼ぎだけでもやってけるし……
ったく、ソフィーは僕が何の為にあんなに窮屈な王宮に勤めてると思ってるんだろう!」
不機嫌そのもの、といった顔つきでハウルが答えた。レティーが軽く肩をすくめる。
「お姉ちゃんも大変ね。あたしだったら二日でめげちゃう」
あまりにストレートな物言いに、ハウルが苦笑した。ソフィーが二人を呼ぶ声が
聞こえたので、レティーを家に促す。
「幸いにして僕は君の義兄で、君は僕の義妹だ。それを神に感謝しておこう」
そう言うと、ハウルがにやりと口元をゆがめた。そうね、とレティーも頷き、階段を
上っていった。
631 :
二人でお茶を:2005/05/27(金) 23:52:42 ID:LAVPlpIg
頬に灯った熱がなかなかひかず、ソフィーは猛烈に焦っていた。いくらハウルが可愛く
見えたからってお店でキスするだなんて持っての外だし、それ以上に進もうとした時も
まぁいいや、と拒まなかった事にも愕然としている。何よりそういったシーンを妹に
見られたのは恥ずかしいし、気まずい。おろおろしながらお湯をカルシファーに沸かして
もらい、ケーキを切り分ける。
賑々しい声を上げながら、ハウルとレティーが店からやって来た。それをみて
ソフィーは目元を和らげた。あの二人は何故だか知らないが仲がいい。それこそ、本物の
兄妹のように。
よっぽどうまが合うのね、とソフィーはコゼーをポットにかけながらひとりでごちた。
ふと視線を流すと、レティーが戯れにハウルの腕を叩いている。その瞬間、言い様の
ないほどの嫉妬と怒りを感じ、手に持っていた茶葉をひっくりかえしそうになってしまった。
「レティー……」
触らないで。
彼は私のよ。
頭の中にぽっと浮かんだ言葉に、ソフィーは言葉を失った。彼をやきもち焼きと評したのは
自分なのに、自分のほうがひどいじゃないか。
でも、そうしていると二人は仲のいい恋人にしか見えなかった。レティーは美人だし
頭もいいし陽気で物怖じしない。ハウルにもよく釣り合うし、並んでいても様になる。
もしも、レティーがハウルに恋をしたら、自分はきっと立ち向かえないだろう。
「だめね、私………」
ざわつく心をなんとか押し込め、ソフィーはトレイを手に持った。二人は義理では
あるが兄妹なのだ。下手に仲が悪いよりもずっといい。そう自分に言い聞かせ
笑顔を顔に貼り付けると足早に居間に向かった。
632 :
二人でお茶を:2005/05/27(金) 23:54:56 ID:LAVPlpIg
「お待たせしたわね。どうぞ」
ソフィーがレティーとハウルにカップを差し出す。二人は各々にお礼をいい、ふわりと
微笑んだ。きゅ、と弓形に上がったレティーの唇がいやに赤く見えて、ソフィーは思わず
視線を落とした。そのささいな変化に気付き、ハウルがソフィーの手に自分の手を添えた。
ソフィーがはっと顔をあげ、それからレティーに柔らかく笑いかける。
「どうなの?お店の調子は」
「上々よ。戦前とそう変わらない位。町も活気が戻って、みんな幸せそう」
レティーが嬉しそうに答えた。働き者の彼女は、店の売上があがるのが嬉しくて
仕方ないようだ。
「そう、それはよかった」
ソフィーも微笑み、ハウルがその横で細く息を吐いた。国の復興を手がけている為に、
そういった反応に気を張っているらしい。
その時、とんとん、とドアを叩く音が聞こた。カルシファーが客だぞー、と叫ぶ。
「あら、誰かしら?」
ソフィーが慌てて立ち上がり、ぱたぱたと駆け出した。ハウルは紅茶を飲み、
レティーはそれを目で追った。ソフィーがドアを開け、あらわれた人物に声を上げる。
「まぁ、カブ!」
げほっ。
ソフィーの呼んだ名前に、ハウルが盛大にむせた。その綺麗な顔を嫌そうにゆがめ、
ゆらりと立ち上がる。
「……カブだと?」
633 :
二人でお茶を:2005/05/28(土) 00:01:04 ID:6Mb+VXhX
「カブ、いらっしゃい。どうしたの?」
「外交の関係で、一昨日からこの国に居るんです。お久しぶりです、ソフィー」
届いてきた男の声に、ハウルが飛び出した。玄関先に立っている金髪の男と
ソフィーの間に立ちはだかり、ソフィーを抱き寄せる。
「やぁいらっしゃい。本当に久しぶりだね、カブ頭くん。公式な訪問ならひと月ぶり、
お忍びもカウントするなら四日ぶりくらい?」
「……お久しぶりです、ハウル殿。こんな真昼間から家に居るだなんて、なんです。
遂に失業なさったのですか?」
カブと呼ばれた男は、人当たりの良さそうな笑顔を浮かべてハウルを見た。綺麗で
温和そうな声に潜む棘に惹かれ、レティーは彼の様子を覗う。
「ご心配なく、貴重な休暇中だ。国税を使って遊びまわれるだなんて、君の国は
随分と王族に有利な政治をしてるようだね」
ハウルも優美な笑顔を浮かべた。しかし、そこはかとなくどす黒いオーラが漂っている。
うわぁ、なんて面白い。
いつも飄々としている兄が敵意を剥き出しにしてる。それがおかしくてレティーは
にやにや笑った。もしかして、あれが噂に聞いた―――……。
「いやぁ、しかし残念だなぁ。今日はもう客が来てるんだ」
「あぁ……そうね」
口ぶりだけは残念そうに、その実めちゃくちゃ嬉しそうにハウルが言った。ソフィーも
レティーを振り返り、残念そうに首を傾げる。
「ごめんなさい、今日は妹が来てるの」
「あたしは別に構わないわよ」
634 :
二人でお茶を:2005/05/28(土) 00:02:33 ID:6Mb+VXhX
足取りも軽やかに、レティーが玄関に現れた。カブの前に立ち、にっこり微笑む。
「はじめまして。もしかして、あなたがカカシの国の王子様?」
「はじめまして。確かに僕は王子ですが、カカシの国のではありませんよ。
その話は、どこかの性悪魔法使いに聞いたのですか?」
カブに問われ、そうよ、とレティーが鮮やかに笑った。ソフィーはこっそりハウルの
手を叩き、叩かれたハウルは顔をしかめる。
「お姉ちゃんに話を聞いて、ずっとお会いしたいと思っていたんです。お姉ちゃん、
お茶にお誘いしてよ」
レティーが楽しそうにソフィーの服の裾を揺すった。ハウルが裏切り者、と小声で呟き
カブもソフィーを見た。
「レティーがいいなら構わないわ。カブ、さぁ、中に入って」
どうぞ、とソフィーがカブを招き入れた。あーあ、とハウルが悔しそうに唇を
とがらせ、それがレティーを笑わせた。
635 :
二人でお茶を:2005/05/28(土) 00:05:38 ID:6Mb+VXhX
お茶会の雰囲気は最悪だった。いや、表面上は仲睦ましげだったし、見目麗しい若者が
四人も揃っていれば絵面的にもよかった。しかし、ハウルは縄張りに敵が入らないように
警戒している母ライオンのように抜け目なくカブを意識しているし、カブは隙あらば
ソフィーの感心を引こうと躍起になっている。レティーはその面白い光景を興味深そうに
覗い、何も解ってないソフィーだけがしきりににこにこしていた。
「紹介してなかったわね。カブ、この子はレティー。私の妹で、チェザーリの
看板娘なの。どう、美人でしょ?」
はじめまして、とレティーが会釈をした。カブも同じように返す。
「レティー、こちらは隣国の王子様なの。お名前は」
「ソフィー、カブで結構です。妹さんも」
「えーと、じゃあ……私達はカブって呼んでるわ。色々あった時に知り合って、
今も仲良くさせてもらってるの」
そう紹介したソフィーの言い方には、女としての甘さがさっぱりなくて、レティーは
内心唸った。可愛そうに、この王子様は完全に片思いらしい。ま、姉は本当に義兄に
夢中だから仕方ないと言えば仕方ないのだが。
その声音に反応して、ハウルが目の色を和らげ、カブがふっと笑いを浮かべた。
影と諦めの滲む笑い方だった。
あ、この人……。
以前義兄に聞いた話だと、カブとは懲りずに姉にちょっかいをかける、鈍感で嫌な奴だった。
姉に聞いた話だと、カブは優しくて紳士的な王子様だった。二人の意見があまりに
違い、レティーの中の「カブ」は実に曖昧な像だった。
でも、今の笑顔でわかった。彼は模範的な王子様でも、人の恋路を邪魔する嫌な奴でもない、
もっと生身の人間だった。穏やかで優しい愛情を湛え続けられるだけの大人なのに、
不毛の恋を諦められない子供だ。人のことをきちんと考えられるほどの紳士でもなければ、
思いが通じない事に気付かないほどに鈍感でもない。
カブがソフィーに向けて綺麗に微笑んだ。さっきみたいな顔を見せたほうがいいのに、と
レティーは残念に思う。そんな仮面みたいな顔で笑わなきゃいいのに。
636 :
二人でお茶を:2005/05/28(土) 00:07:48 ID:LAVPlpIg
ソフィーとカブが仲良く話し込んでいるのに内心鼻白みながら、ハウルがカップを
傾けた。冷え切ったお茶にも気付かないほどにソフィーはカブ頭に夢中らしい、と
皮肉っぽく考えたが、それが悲しい事に思えたのでやめた。レティーを盗み見ると
彼女はぼんやりとカブを見つめていた。その瞳の艶やかさにぴんとくる。
自分に注がれる視線を感じ、レティーがハウルを見た。彼女の義兄は面白そうな表情で
こっちを見つめている。
――――あの男が気にいったのかい?
ガラス球のような瞳がそう尋ねてきた。レティーの頬に朱が走る。
―――――そうよ。
海色の瞳を輝かせながら、レティーが得意げに唇を吊り上げた。頭で考えて考えて
考えてやっと心を決めるソフィーに比べ、レティーは直感や自分の気持ちによく従う
娘だった。あの魔法使いのハウルと結婚するといった姉を止めなかったのも、この
しょうもない義兄を気にいっているのも、直感で彼を善人だと信じたからだ。
それくらい、レティーは自分の心に正直だった。
二人になりたくない?とレティーの耳の奥にハウルの声が届く。魔法ね、とレティーは
彼のやきもちとお節介に呆れた。でも、利害関係は一致しているので軽く背いておく。
自分の心に正直な点では、ハウルもレティーに負けていなかった。
637 :
二人でお茶を:2005/05/28(土) 00:11:58 ID:6Mb+VXhX
「……ソフィー、悪いんだけど淹れ直してくれない?冷めてしまったよ」
優しい、でも有無を言わせないような口調でハウルが言った。ソフィーがはたと
ハウルを見上げ、解ったわと答える。それからポットと全員分のカップをトレイに
置き、席を立った。
「カブ、レティー。気が利かなくてごめんなさいね」
ソフィーの向かいに座っていたカブがむっとしたようにハウルを見た。しかし、お茶が
冷え切っていたのは嘘ではないので大人しく彼女を見送る。
しかし、ここに居る二人はソフィーを介しての知り合いな訳で。居心地の悪さを覚えて、
カブはもぞもぞと座りなおした。悔しい事に、目の前の少女と性悪魔法使いは義兄妹であり
彼女は何のためらいもなく兄さん、と呼ぶ。それが本当に羨ましくて、そして憎らしかった。
認めるなと思った。こんなしょうもない男を、姉の夫だと認めるなよ。
「あっ!」
びしゃ、と嫌な音がして、カブの腿の辺りにピッチャーの中のミルクがこぼれた。
レティーが真っ青になって彼に飛びつく。
「あぁ、ごめんなさい!やだ、あたしったら何てことを!染みになったらどうしましょう!」
レティーは慌てて鞄からハンカチを取り出すと、カブに零れたミルクを拭っていく。
必要上の密着に、カブは妙にどぎまぎしてしまった。
638 :
二人でお茶を:2005/05/28(土) 00:12:27 ID:6Mb+VXhX
「大丈夫かい?二人とも」
「いえ、大丈夫です。そんな事しなくても大丈夫ですよ」
カブが首を振り、レティーを遠ざけようとした。しかし、彼女は首を振り、彼に被さる。
それから、視線だけをハウルに向けて言った。
「あたしも平気よ。でも、どうしましょう……ここはあたしが何とかするから
義兄さん、ごめんなさい。お姉ちゃんに言って何か拭く物と着替えを」
「解った………本当に、すまなかったね」
そういったハウルの顔は本当にすまなさそうで、カブが目を瞠った。
確かにミルクは染みになりやすいが、量はそれほどではないし、ほとんど拭いきれている。
やはり、家族の失態を家長としては申し訳なく思うのかもしれない。彼のこういう
まともな反応は初めてで、カブはちょっとだけ楽しく思った。彼を近しく思った。
「いえ、本当に気にしていませんよ」
「でも、お願い、そうさせて。あたしの気がすまないから」
そう言ったレティーの顔がソフィーの面影と重なり、カブは息を呑んだ。息を詰めて
見つめてくる彼女に、軽く顎を引いてみせる。
じゃあ、お願いしますね」
カブの答えにハウルが頷き、席を立った。座っていたカブには見えなかったが、
テーブルの下ではレティーの小さい手がピースサインを作っていた
639 :
二人でお茶を:2005/05/28(土) 00:15:44 ID:6Mb+VXhX
「まぁハウル!一体どうしたの?」
お湯が沸くのを待っていたソフィーが、いきなり台所に入ってきたハウルを見て
声を上げる。ハウルは何でもないよと笑い、つかつかと彼女に近寄った。
「ハウル、カブとレティーはどうしたの?」
「レティーがね、カブにミルクをこぼしてしまったんだ」
ハウルの言葉に、ソフィーが慌てて腰を浮かした。レティーの失態に、動揺が隠せない。
「どうしましょう!何か拭くものは?着替えとか……」
「大丈夫。たいしたものじゃないし、レティーが今対応してる」
ハウルが明るく答え、ソフィーはほっと息を吐いた。それから居間の様子をうかがい
首を傾げる。
「行かなくて、本当に大丈夫かしら」
真顔でソフィーが尋ねた。ハウルはがばりと彼女を抱き締め、頬にキスを落とす。
「んもう!何してるのよ!」
「奥さん、そんな野暮な事言わないの」
野暮ぉ?とソフィーが大仰に語尾を跳ね上げる。答えずハウルは彼女をぎゅうっと
抱きすくめ、その細い首に顔を埋めた。
「あ、ゃ…も…やだ、ちょっと!」
「……今帰ったら、レティーに怒られちゃうよ」
640 :
二人でお茶を:2005/05/28(土) 00:16:20 ID:6Mb+VXhX
悪戯っぽい口調で、ハウルがソフィーをたしなめた。意味が解らないというように
彼女が彼を見上げる。
「怒られる?」
「そ。今いいところなの。もう少し待ってあげよう」
その間に、とハウルはソフィーに口付けた。訳も解らぬまま、彼女はなすがままに
され続ける。
「ところで奥さん、さっきどうしてあんなに恐い顔してたの?」
長い口付けから解放され、ぐったりとしているソフィーにハウルが囁きかけた。
彼女がかぁっと赤くなり、もごもごと口ごもる。
「だって……」
「だって?」
「…………ハウルとレティーが仲良さそうだったから」
真っ赤になって恥ずかしそうに言ったソフィーに、ハウルが覆い被さった。頬やら
唇やら瞼やらにキスの雨を降らし、感極まったように言う。
「何て可愛いこと言うんだろうね!そんなやきもちだったら、大歓迎だよ!」
失言だわ、とソフィーが眉根を寄せてこめかみをもんだ。しかし、ハウルはさらりと
それを流すと、彼女にもう一度キスした。ソフィーも始めは嫌がってにみじろいで
いたのだが、段々とその甘さに思考をとろかして彼の首に腕を廻した。
641 :
二人でお茶を:2005/05/28(土) 00:18:55 ID:6Mb+VXhX
「もう、それ位で大丈夫ですよ」
親の敵みたいにスーツを擦っているレティーに苦笑しながら、カブが囁く。彼女が
ふっと顔を上げ、それから表情を曇らせた。
「本当にごめんなさいね。弁償させていただきたいくらいだわ……」
いきなりピッチャーのミルクをこぼすだなんて強引かとも思ったが、この男は疑う事を
知らないようで、真顔で結構ですよとだけ言った。
彼のクリーム色のスーツは一介の菓子売りの娘に買える値段ではないだろうと見ただけで
解った。それこそ、花でも売らない限り買う事は難しい。
作戦を決行しようとした時にはさすがに逡巡したが、ま、いざとなったらあの義兄が
どうにかしてくれるでしょ、とレティーは実に軽い気持ちでミルクをこぼした。
二人きりで過ごす時間を作る為には、少しぐらいの強引さは目を瞑ってもらわないといけない。
「……駄目ね。お姉ちゃんだったら、きっともっと上手くやるのに」
「そうですか?」
自嘲するように言われた言葉に、カブが意外だというように眉を上げた。目の前に
いる少女は、ソフィーの妹にも拘らず、非常に勝気で高飛車な印象を受けた。しかし
そうして翳りのある面を見せると、やはり遺伝の趣を感じないでもない。
「昔からそう。あたし、不器用なのよね」
レティーが肩をすくめた。あっけらかんとした言い方だったが、どこか寂しげだった。
その仕草はソフィーのそれにも似ていて、彼女には非常に不釣合いだった。
どこか、演技をしているように見えなくもなくて、カブはぴんとくる。
「……似合いませんよ、そういうの」
642 :
二人でお茶を:2005/05/28(土) 00:21:28 ID:6Mb+VXhX
ぴしゃりとカブに言い放たれ、レティーがばっと顔を上げた。普段は強気で通しているだけに
大体の人間は弱音を吐けば落ちてきた。この男もそうだろう、と踏んでいたのだが
そうでもないらしい。
「似合わ、ない?」
カブが厳かに頷いた。レティーが顔を突き出して唇を引きつらせる。
「そう。あなたは人と自分を比べるような人じゃない。自分でも解ってるはずです
そんなの無駄だって。そうでしょ?」
「………さっきのが、嘘だと言いたいの?」
レティーの顔はひきつっていた。美人店員で通っているレティーには合ってはならない
表情だった。カブがあっさりと頷く。
「さすがに嘘とは言いませんがね。でも、言うほどには気にしてないはず」
にやり、とカブが笑った。失態に天を仰ぎたくなる。そういえば、この男はさっき
あの食わせ物の義兄とやりあっていたじゃないか!レティーが真っ赤になりながら
彼を睨む。
「じゃあ言わせて貰いますけどね、王子様。あなただってあんな風に笑ってるの、
まったくもって不似合いだわ!あんな風に分別臭い顔したって変よ!お姉ちゃんの
こと、まだあきらめてないくせに!」
子供っぽい喚き声に、カブが目を見開き、ややあって笑い出した。感情を剥き出しに
した素の彼女は、毛を逆立てた猫みたいだと思った。ぞくぞくする。
643 :
二人でお茶を:2005/05/28(土) 00:23:26 ID:6Mb+VXhX
「手厳しいですね、いやぁ本当に。妹さん、あなたの審美眼はなかなかの物だ!」
「まぁね。目に見えるものを信じて、そうして生きてきたから」
いくらか落ち着きを取り戻したレティーが、ふふんと肩をそびやかした。
今まで自分の周りにいなかったタイプの人間だと思った。いや、一人だけいた。
彼女は、どこかあの性悪魔法使いに似ている。
「ところで王子様、あたしの名前はレティー・ハッター。チェザーリというお菓子屋に
勤めているの。担当の売り場はチョコレートと焼き菓子」
レティーがカブを強い視線で見据えながら手を差し出した。彼が不思議そうに首を
傾げて、審議を探るように彼女の目を覗き込む。
「何です?」
「自己紹介よ。あなた、あたしのことを『ソフィーの妹』としてしか見てないんだもの」
勝気そうな笑顔に、合点してカブが唇を持ち上げた。自分にここまで挑戦的な態度を
とった娘は初めてだった。あぁ、なんて刺激的なお嬢さんだろう!
「私は隣国の王子で、名前を言うならジャスティン。でもその名前はそんなに好きじゃ
ありません。気にいっている呼び名はカブ、嫌いな呼び方はカブ頭」
差し出された手をしっかり握って、カブは晴れやかに微笑んだ。
「はじめまして、レティー。僕と友人になってくれませんか?」
「えぇ、構わないわ」
レティーが貴婦人とも小悪魔とも無垢な少女とも取れる微笑を浮かべた。手ごわそうな
笑顔に、カブが声を上げて笑った。レティーもころころと鈴の鳴るような笑い声を上げ、
二人はいつまでも笑い合っていた。
644 :
二人でお茶を:2005/05/28(土) 00:26:06 ID:6Mb+VXhX
しばらくして、晴れやかな表情のハウルと林檎のように真っ赤な頬のソフィーが帰ってきた。
何故だかは知らないが、ソフィーの目は虚ろで銀のトレイもハウルが持っている。
「待たせて悪かったね。服は大丈夫かい?」
ハウルがお茶を新しいカップに注ぎながら訊ねた。カブが頷き、カップを受け取る。
「ええ。もともと大してこぼれてなかったですし、レティーがきちんとしてくれたので」
そう言うと、カブがレティーを覗った。彼女も彼を見上げている。急に親しさが増した
二人に、ハウルが目を瞠る。
「……なんです?」
妙に嬉しそうなハウルに、カブが怪訝そうな表情を浮かべた。しかし、彼は答えずに
自分の王子と義妹に向けて優雅に微笑んだ。
「いや、仲良くなったんだなぁって思ってね。よかったね」
その言葉にレティーが赤くなり、カブがはっとする。なんだ、そういうことだったのか。
卑怯だと言いたかったけれども、やめておいた。愛しい彼女との時間をこの男に
与えたのは腹立たしいのだが、新たに得たこの友人もなかなか気にいっているので、
今回ばかりは黙っておく。ハウルはこらえきれないのかくすくす笑い、レティーも
照れ笑いをしていた。ソフィーだけがどういうこと?と彼女の夫と妹を交互に見ている。
「おかげさまで。いい友人です」
そう言った声がカブの声が物凄く綺麗で、かっこよくて。レティーは極上の笑顔を
浮かべた。それこそ、店にやって来る信望者たちが見たら卒倒してしまう位に。
それをまともに食らったカブも頬を染めた。
「まだ、ここにいたいのですが……私はそろそろお暇します。ソフィー、ご馳走様でした」
「あら、もう帰ってしまうの?」
「ええ、そろそろ帰らないと心配かけてしまうので」
カブが立ち上がり、帽子とステッキを手にとった。レティーも立ち上がる。
「レティーもなの?」
「ええ。そろそろ戻らないと。午後休んだ代わりに、掃除を引き受けたのよ」
レティーがカブをじぃっと見上げる。もの言いたげな瞳に、カブは微笑むと優雅に
手を差し出した。
「それではお送りいたしますよ、お嬢さん」
「ありがとう」
ふわりと微笑んで、レティーが手をとった。そうしていると二人は仲のいい恋人同士にも、
気の置けない親友同士にも、ともに生きてきた兄妹にも見えた。
645 :
二人でお茶を:2005/05/28(土) 00:28:35 ID:6Mb+VXhX
寄り添って出て行く二人を見ながら、ソフィーは小さくため息をつく。
「どうしたの?」
見送りを終えて扉を閉めながらハウルが訊ねた。ソフィーが背の高い彼を見上げる
ように視線を動かす。
「んー……なんだかヤキモチ焼いちゃったみたい」
な、とハウルの顔が一気に青ざめた。思わずソフィーの肩を掴み、がっくんがっくん
揺さぶる。
「な、な、な、ななななんで!ソフィー!なんでレティーにヤキモチ焼くの!」
「うわ!きゃ、も、ちょっと!やめてよ!」
ソフィーが慌ててハウルの手を振り払い、体勢を整えた。彼の顔は死人のように
青ざめ、瞳からは今にも涙がこぼれ落ちそうになっている。その様相を見て、彼女は
けらけらと笑い声を上げた。
「違うわよ!私は、レティーがとられちゃったみたいでカブにヤキモチ焼いちゃったの」
目尻に滲んだ涙を拭いながら、ソフィーが答えた。ハウルが唖然とした表情になる。
「………」
「そりゃあ、カブも好きよ。だって大切なお友達だもの。でも、カブに恋人が出来たって
私にはヤキモチ焼く権利がないじゃない?何より、その恋人がレティーだとしたら
私も嬉しいし」
あっさりと言い切られ、ハウルは嬉しいと思う以前に悲しい気持ちになった。
カブにものすごーーーく同情してしまった。可愛い奥さんに浮気心がないのは結構だが、
ここまで相手にされていないと哀れになってしまう。
「レティーは男の子に人気だったけど、そうそう靡いたりしなかったし。ああ見えて
あの子、凄いまじめなの。まだ一対一できちんとお付き合いもした事ないし。
だからね、なんかレティーとカブが仲良くしてるの見たら、なんだか悔しくって」
「………二人が、上手くいくといいね」
「そうね!でも、そうなったらカブは私の弟になるの?」
変なの、といってソフィーがころころ笑う。ハウルはなんだか泣き出しそうに
なりながら、乾いた笑いを浮かべた。
以上です。実がない感じですいません。ただ、レティーとハウルのやりとりが
書けただけで自分は満足です。レティーとハウル、ハウルとカブ、カブとレティーは
同じテンポで話が続きそうなイメージです。みんなウィットとユーモアに秀でて
そうだし、適度に性格悪だしwwソフィーは天然なので、聞いてきょとんとしてるだけ。
きっと、このあとカブとレティーはお茶の約束をして、ハウルとソフィーは一緒に
洗い物したり夕食を作ったりしてるかも。ハウソフィが普通の夫婦みたいな事を
しているのが、何故だか萌えのポイントだったりします。
また今度、何か書くかもです。シュチュエーション書いといてもらえると
本当に助かります。
テラワロスwwww
いや、何がって、
「カブは私の弟になるの?」
ってとこ、つまり
ハウルとカブが(義)兄 弟
結婚式(話が早い)とその後の日常を想像しただけで
ハラが痛くなるwww
まともな感想ですが、「!」の多用が児童文学っぽくて
いいなと思いますた。
あとレティー可愛い(*´д`*) ソフィー、エロカワイイ(*´д`*)ハァハァ
なにはともあれGJ!!!
ソフィーの嫉妬が素敵です
思わず嫉妬しちゃって、でもそれを隠そうとする乙女な感じが!!
っていうかいちゃついてたのをたしなめたレティーも、ソフィーが自分からキスしたとは
思ってないんだろな〜。
そんでさり気に一枚上手なカブ。心情描写お見事です。ウマーでした!
どこまでも(ソフィーに対して)報われないカブ。(・∀・)ステキー
まあこれから春がやってくるってことで。ヨカッタネ
そして相変わらず色事には余裕綽々のハウルせんせに萌えゆりました
ソフィーの焼きもちがホントに可愛い(*´д`*)ぽわわ
ハウルとレティーの「ソフィー大好き同士」な仲良しさが凄くツボりますねー、そして微妙にかわいそうなカブもたまりません!250さん流石、GJ!
きっとこの後日レティーは無理矢理にでもカブとデートをしそう、送ってらった時にでも約束を取り付けて〜 (´∀`*) ナンチテネ-
ソフィーの鈍さは最強ですなww カブがんがれ!もっとがんがれ!
ソフィー抜きの会話なんて恐そう、でも聞いてみたい恐いものみたさで。
今回もうまし糧でした、250タンGJでした。
楽しかったっす!250タソGJ!!
ところで、自分の妄想の中には、天然ちゃんバージョンのカブもいる。
王子様だからイイコイイコで育っておっとり&素直な感じ。
そしてそのカブ@天然バージョンでは、ハウルもカブに優しかったりする。
(映画で引っ越し前に「きみがカブだね。〜」って言ってた時のイメージ)
しかしそんなver.ではドキムネなエロSSは育たないわけで(´・ω・`)
653 :
624:2005/05/28(土) 16:23:11 ID:1iAT2AN4
250神、乙です!
ソフィーの不倫ネタで一本やってみようかと。
諸事情で週一投下になりますが、ご寛恕ください。
654 :
夜来香 1:2005/05/28(土) 16:48:12 ID:1iAT2AN4
映画版 カブソフィ エロ有り
荷揚げされた商品が雑多と並ぶ市場の片隅で、ソフィーはふと足を止めた。
即座に店主らしき男から話しかけられる。
「お客さん、お目が高い。こいつは遥か東の国から仕入れたやつさ。滅多にここいらには入ってこないぜ」
適当に相槌を返しながら、彼女はしげしげとその花束を見る。
花屋を営む彼女でさえ、見たことのない花だ。乳白色で穂状花の蕾。綻ぶ花弁はしっとりと厚い。
何より特徴的なのは、その香りだった。
「夜になると、さらに強くなるんでね。そっからついた名前が夜来香」
夜来香。きれいな名前だ。夜に香るなんて、なんて神秘的なんだろう。
珍しさに引かれて、彼女は財布を開いた。
店で売り物にしている生花は、基本的に花園から切り出す。
従って問屋から仕入れることはないのだが、たまには舶来物が店頭に並ぶのもいいかもしれない。
「今度入るのは、いつ?」
そうさね、と顎鬚を撫でて店主は少し考え込む。
「あんたが買い付けてくれるんなら、週一で持ってくるよ。ちなみに初夏限定」
手渡された大きな紙包みを、慈しむように抱きかかえる彼女を見て、思わず男は口笛を鳴らす。
「随分その花と相性がいいな。お世辞じゃないが、すっごく似合ってるよ、あんた」
今後この花を見る度、即座に彼女が思い浮かぶことだろう。それくらい、妙に調和していたのだ。
またくるわねと、しとやかに笑って彼女は人ごみの中に戻った。
華奢な腕に大きな花束を抱えて歩く女性は、確かに人目を引いたが、それはほんの少しの時間だった。
ここは市場。皆が様々な品を大量に仕入れに来る場所である。
たとえその荷物が大きかろうと、彼女より頭一つ高かろうと、別におかしなことではないのだ。
だがその大きさのせいで、必然的に視野が狭まり、歩きづらいことこの上ない。
我ながら、なんとも思い切った買い物をしてしまったとソフィーは思う。
普段は衝動買いをすることはまずない。家に浪費家がいるものだから、いつだって家計はぎりぎりだ。
加えてこんな大荷物を抱えてしまった以上、他の店を回ることはできそうにない。
本当は食材を買い溜めに来たはずなのだが、これでは買えたとしても持ち帰れるかどうか。
けれど、後悔はしていない。だってこんなに素敵な花と出会えたのだから。
655 :
夜来香 2:2005/05/28(土) 16:50:07 ID:1iAT2AN4
それにしても、本当に不思議な香りだった。今でもかなり特徴的な匂いを放っているというのに、夜にはさらに強烈になるという。
一体どんな風に香るのだろうと、ソフィーは期待に胸を膨らませて歩みを進める。
そんな、ひどく浮ついた気持ちでいたものだから、横合いから出てきた人と、ものの見事に衝突した。
慌てて謝ろうとして、彼女は驚きの声を上げる。
「まあ、カブじゃないの」
一体どうしてここに、と彼女は目をまん丸にする。その仕草がおかしかったのか、彼は朗らかに答えた。
「停戦がらみの会議でこちらに滞在しているんです。ご主人から聞いておられませんか?」
ああ、そういえばそんなことも言っていたなと、ソフィーは記憶を探り出す。もっとも、彼女が耳に挟んだのは夫のぼやきだったのだが。
彼は家庭に仕事を持ち込まない主義なので、動く城の中でそういった話が出ることはまずない。
国家の動向などに疎いのは、彼女自身、余り興味がないことも拍車をかけているといっていい。
「ここのところ会議室に缶詰でして。気晴らしに街を探索してみようかと」
確か夫もかつての師匠、執政サリマンの片腕として連日城に詰めている。
散らかす人間がいないお陰で、掃除が非常にやり易く、助かっているというのはここだけの話だ。
「それにしても、変わった花ですね」
持ちましょうと包みに手をかけた瞬間、彼の指先はきめ細やかな肌に触れる。ただそれだけのことなのに、はっとして王子は彼女を見る。
あの別れから、何度この女性の名を呟いたことか。何度夢に見たことか。
心に描き続けたその顔と、今目の前にある顔は、寸分の狂いもない。星色に輝く銀の髪。優しさに満ち溢れた瞳。白磁のように滑らかな肌。
その彼女が、ふいに紙包みを傾ける。丁度二人の横顔に被るように。
行動の意味するところがわからず訝しむ王子に、彼女は顔を急に寄せた。
戸惑う暇すら与えられず、しっとりと柔らかな感触が、彼の口元を襲う。そしてひどくゆっくりと唇から離れてゆく。
まさか彼女の方からしてくるとは思ってもみなかったのだろう。呆然とする王子に、彼女は囁く。
「情事は、お嫌い?」
彼以外には聞こえていない、甘い声。抗い難いその声に吸い寄せられ、彼は顔を近づけてゆく。
一方は家の壁、もう一方は大きな花束。その陰で、一組の男女は再び口付けを交わした。
656 :
624:2005/05/28(土) 16:54:54 ID:1iAT2AN4
文末に書き忘れ。続きはまた来週に。
うお!週末に来てみたら新たな神が!黒いソフィーにドキドキ。
624さん、いいところで「また来週〜」ですか。良い子で待ちますよ〜
週刊連載キタ━━(゚∀゚)━━ヨ
悪い子ちゃんソフィ萌え。
続き楽しみにしてます!
キタキタキタキタキタ━━(゚∀゚*)━━!
あんな黒ソフィー、報われない王子で無くとも堪えきれませんよ。
しかも、イイ感じにお預け食わされたお陰で、今後の展開に今から悶えてしまうじゃまいか(*´Д`)'`ァ'`ァ
新ネ申、イエライシャン キタ―――(゚∀゚)―――!!
ソフィー黒いよソフィー。
そして、どんなソフィーであれ翻弄されてしまうカブにワロス。
「情事はお嫌い?」、同じ台詞をハウルに囁いたら、
どんな反応を示すのだろうかと想像したらもう、たまりません。
週一でもいい、いい子で待ってます。
>>660 あぁっ、それイイ!!ww
すんません、どこまでもハウルせんせヲタで…w
でも続き楽しみです!待ってます!
>660
ふおお漏れも萌えました。661タソ、ナカーマ ノシ
そして骨の髄まで自分はハウソフィなのだと思いますた
いつかなんか投稿できるようがんばりまつ
ネ申キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・* !!!!!
'`ァ'`ァ(*´Д`*)週末楽しみにしております。
なんだか停滞しちゃってるので、小ネタをひとつ。
傾向 映画版 ソフィーとハウルとカルシファー 若干切ない?
彼女は、小さな灯火だった。不幸ではなかったが、決して明るくも無かった自分達の
元にさした、一筋の光だった。その笑顔の柔らかさとか清らかさとか、眼差しの
透明さだとか優しさにはいつでも心奪われ、そしてその度に心の奥に温かなものを感じた。
この思いは何なんだろう。この気持ちは何なんだろう。
かすかな疑問に答えは与えられるはずもなく、今日もこの小さな身体の中で燻り続けている。
「ハウル、遅いわね」
繕い物の合間に、ソフィーがぽつんと呟いた。暖炉の中で揺れているカルシファーが
視線だけを上げて彼女を見る。
「忙しいんだろうな。なんたって王宮付き魔法使いだから」
そう、とだけソフィーは答えると、忙しげに手を動かした。マルクルの服のかぎ裂きは
細かく繕われ、破れていた場所が解らないほどになっている。ソフィーはその服と
引き換えに終わってしまった衣服の山から自分のエプロンを取り出すと、白い布地に
白い糸で刺繍を始めた。
「まだ寝ないのか?」
「これが終わったら寝るわ」
そっけなくソフィーが答えた。白い布に、白い糸でする刺繍は何とも虚しい行為で。
ソフィーの強がりが透けて見えているようでカルシファーはこっそりため息をついた。
ソフィーの白い顔はここ数日の寝不足がたたって冴えないし、瞼も眠たげに伏せられて
いる。それでも、彼女の引き結んだ唇はもう行くわ、とは決して言わない。
「ソフィー。もう寝ろよ。あいつ、まだ帰らないぞ」
「待ってるわけじゃないのよ、カルシファー。仕上がったら寝るもの」
そう言って笑うソフィーの顔にカルシファーは全身が波立つのを感じた。この娘は
自分が何を言おうと決して動かない。自分の言葉には決して従わない。彼女の心の
深淵を覗いたようで、どうしていいのか解らない。
「……無理、するなよ」
「ありがとう。カルシファーはもう寝るの?」
もう深夜といってはばからない時間帯だ。いつものカルシファーだったら眠りこけて
いるからだろうか、ソフィーは柔らかい微笑を浮かべて首を傾げる。カルシファーは
数秒間考え込んで、わずかに火力を緩めた。
「もう少し起きてる」
「あら」
珍しい、というようにソフィーが目を見開く。カルシファーは照れたように炎を
燻らせながら手を振った。
「別にソフィーの為とかじゃないからな!寝れないだけだからな!」
「はいはい……ありがとうね」
そう言ってひっそり笑ったソフィーの顔があまりにも綺麗で。
カルシファーは言葉を失った。
「ただいま」
うるさい音を立ててドアが開き、ハウルが部屋に入ってきた。顔色は老人のように
くすみ、目が落ち窪んでいる。憔悴しきった彼はふらふらとソファーに座り込んだ。
「お帰りなさい、御疲れ様」
ソフィーが心配したような、でも若干嬉しそうな顔でハウルに駆け寄った。疲労を
色濃く映す瞳が彼女をちらりと捕え、少しだけ輝きを取り戻す。
「ご飯食べる?それとも、お茶でも入れましょうか?」
ハウルは口を薄く開いて二秒ほどソフィーを凝視すると、手招きして呼び寄せた。
彼女が不思議そうに彼に近づく。その一瞬の隙を突いてハウルが彼女の細い腕を
引き寄せた。バランスを崩したソフィーが彼の元に倒れ込む。
「ちょっ……ハウル!なにするの!」
「うん、ごめんね」
さして悪びれる様子もなくハウルが言い、ソフィーをぎゅうっと抱き締めた。自由を
奪われた彼女が真っ赤になりながら身をよじる。
「離して!ちょっと、やだってば!」
「お願い。何もしなくていいから、しばらくこうさせていて……」
そう囁いたハウルの声があまりにくたびれていたので、ソフィーは口をつぐんだ。
それからおずおずと彼の足の間に座り込み、首に手を廻す。
「……こう?」
「うん……ありがとう、ソフィー」
ソフィーの肩口に顔を埋めながら、ハウルが息を吐く。彼の綺麗な藍色の髪を
弄びながら、彼女は所在なさげに視線を彷徨わせた。
「………こうしてると、ほっとする。優しい気持ちになれるし、冷静にもなる」
ハウルがそう言ったとき、ソフィーの目とカルシファーの目がぱちりと合った。
火の悪魔は気をきかせて眠った振りをしてみせる。ソフィーは少しだけ安心したような
顔をすると、彼の髪を優しく撫でた。
「どうして、って聞いていいかしら?」
ソフィーが母親の様な口ぶりで尋ねた。ハウルは彼女の体をきつくきつく抱きすくめ、
細く呼吸を繰り返す。それから、少しだけかすれた声で答えた。
「……こうして抱き締めてるとね、君が生きてるのが解る。だからほっとする。
君が僕を待っていてくれてる様に感じられる。だから優しい気持ちになれる。
そんな君を守ろうとまた思い直す。だから、冷静になる」
そういうこと、とハウルが笑った。そのひっそりした笑顔が、先ほどのソフィーの
笑顔とぴったり重なって、カルシファーは体中にちりちりとした痛みと胸苦しさを感じた。
頬を薔薇色に染めたソフィーが、ハウルをゆっくりと見上げた。彼がごくごく自然な
仕草で彼女の唇に己のそれを近づける。カルシファーの揺らいだ赤い炎が、二つの影が
重なり合うのを映し出した。無力な火の悪魔は、ただ静かに二人の人間の呼吸を
聞いていた。
ハウルが不安げに目を眇めながらもソフィーの唇を貪る。彼女はささやかな抵抗を
試みながらも、彼のなすがままにされ続けた。銀の髪がゆらりと揺れ、その残像が
カルシファーの目に焼きついた。
あぁ、どうか目覚めておくれ。
君ほど賢い娘なら、どうすればいいかは解るだろう?
君がそんな風にされる謂れなんてないんだ
ソフィーの全身をハウルの掌と指先が蹂躙し、彼女の唇から甘ったるい嬌声が漏れる。
それでもソフィーはどうにか彼から身体を離し、懇願するように囁いた。
「ここではだめ……お願い、部屋に行きましょう」
彼女のその声音に拒むような色が含まれていないことに、カルシファーは少なからず
落胆していた。ハウルはかすかに頷くと彼女を抱き上げて歩き始める。遠ざかる背中に
小さな炎が燃え盛った。気の遠くなるほどの嫉妬に、ごうごうと焔がうめく。
あの魔法使いは自分にとって大事な友人で、命を救ってくれた恩人で、大切な家族だ。
自分を生かす為に心さえも与えてくれた。その経験から、彼のことをまるで自分の
一部の様に感じている事もあった。なのに、今さら思い知る。自分と彼は全くの
別物だという事を。彼は人間で、自分はただの炎である事を。
もしもの話をすればきりが無いのだが、そう思わずにいられなかった。もし、自分が
人間だったら。もし、彼が彼女と出会ってなければ。もし、彼女が彼を愛して
いなかったら。あるいは、もしも二人の寝室が別だったなら!
ばたん、という無情な音が響き、寝室が二人の為に閉ざされた。悲しい事に
カルシファーの願う「もし」は実現されそうにも無いようだ。
この思いにつける名前を、生憎だが火の悪魔は持ち合わせてなかった。カルシファーは
炎を燻らせながら、静かに静かに目を閉じる。ぴんと感性を澄ませば、高くてか細い
声が聞こえた。その音に、酷く心が騒ぐのを感じながら、彼は一人眠った。
以上です。言い忘れてましたが時間的には『under attack』のちょっと前です。
カルちゃんは自分でも気付かないうちにソフィーに恋していてくれたら嬉しい、という
勝手な妄想の産物です。しかし、カブの話といい何といい、私はハウソフィに
不毛な片思いが絡むと途端にテンションが上がるみたいです。自分的に萌えシチュ。
今回のcoo-cooはクレイジーという意味だそうです。クークープリンセスって
響きが滑稽で気にいったので使いました。次はエロが入る……かも。
ロリネタか媚薬ネタかな。どっちも好物なんで楽しみながら書いてます。
リアルタイム遭遇!250さん今回も美味しくいただきました。
カルシファー、切ない…報われそうに無い恋ってでも萌です。
次回もテカテカしながらお待ちしてます!
>250さん
おお〜なんか描写がしっとりしててじわっとくるお話ですね。
声を気にしながら一人眠るカルシファーに萌えゆる…
カルちゃん切ない!もしもを幾つも数えてる様子が更に切なさ盛り上げます。250さん、GJ!
676 :
夜来香 3:2005/06/04(土) 16:03:15 ID:UVsaLlVC
>>655の続き
花束を抱えたまま、彼女は寝台に腰掛ける。
まだ日も高い。宿の室内は、幾重にも重ねられた更紗からの光で薄明るかった。
包みに顔を埋め、その香りを楽しんでいるソフィーに、王子はどう対応すべきなのか判断に苦しんでいた。
宿について部屋の扉を閉めるそのうちに、彼は徐々に普段の冷静さを取り戻していた。
完璧な片思いをしている女性から関係を求められれば、それはひどく嬉しい。
嬉しいには違いないが、頭の片隅で警鐘が鳴っているのも、また違いないことであった。
自分の知るソフィーなら、まず考えられない積極性である。
さらに言うなら、彼女は既に人妻となっており、件の魔法使いと幸せな家庭を築いているはずだ。
なのに、なぜ彼女はこんな行動に出たのか。彼に思い当たる節など、あるわけがない。
王子はついに、思い切ってその理由を訊ねることにした。
「どうして、こんなことを?」
すると心底不思議そうに、彼女は逆に尋ねてきた。
「男女の営みに、理由が欲しいの?」
彼は答えに詰まった。
「つまり特別な感情がなければ、異性と体を重ねられない?」
女が言うならともかく、男がそんな理屈をこねるとは可笑しなことだ。
だったらなぜ快楽街というものが存在する?娼婦は何のために街角に立つ?
「愛の言葉を囁かれないと、あなたは女を抱けないの?」
そんなことは、と抗弁する彼に、彼女はくすくすと笑った。そして再び腕の中の花に目を落とす。
心奪われるとは、こういうことなのかもしれない。
この魅惑的な香りの増加を、自分は欲している。もう夜の訪れを待つことはできない。
彼女は意識を集中する。発する言葉に魔法を宿すためだ。
包みを愛おしそうに抱えて、その可憐な花に語りかける。
「夜来香。月下にのみ、清楚たるをさらす花よ」
花束を括られていた麻紐が解かれる。その枝葉に頬を寄せて、彼女は切なく願った。
「今は昼だけれど、あなたの真の姿が見たい。その芳しき香り、強く放つ姿を」
淡く白い花弁と共に、むせ返る程の、濃厚な匂いが一気に散った。
677 :
夜来香 4:2005/06/04(土) 16:05:06 ID:UVsaLlVC
ちょっと驚いてるの、と彼女は言葉を漏らす。
「一国の王子が、女に不自由しているなんて」
その言葉に、彼はボタンを外す手を止めた。あからさまに不機嫌そうな顔で彼女を見上げる。
「貴女以外、抱きたいと思いませんから」
言い捨てて、再び彼女の襟元に集中する。そして素肌が露わになる度、細やかな口付けを落としてゆく。
変に頑ななのね、呆れたように彼女は言い、けど、と続けた。
「あなたのそういうところ、嫌いじゃないわ」
自分の胸に顔を埋める彼の髪を、そっとくしけずった。
次々と現れる彼女の肌は、外気に触れて芳しい匂いを放つ。
充満する花香と交じり合い、余計感覚に訴えてくるのだ。
彼の舌が、すっきりとした鎖骨をなぞる。喉もとの小さな窪みに、唾液が溜まる。
彼女が繰り返す、浅い呼吸に合わせて水面にさざなみが走った。
濡れて光る肌は、だんだんとその面積を下方に広げてゆく。
服の上から散々揉みしだかれた乳房が、止め具が全て外された胸元からこぼれ出た。
既に乳頭は硬い。手のひらで押しつぶすように乳房全体を鷲掴みにしても、その存在を主張し続ける。
しこりを口に含んだとき、初めて彼女は嬌声をあげた。
今までかすれた吐息しか聞かせてくれなかったので、彼はここぞとばかりに乳頭を攻めた。
舌先でつつき、ねっとりとしゃぶり、時に歯を立てる。その逐一に彼女は見事な反応を返してきた。
寝具に腰を下ろしている彼の膝の上で、銀髪を乱して喘ぐ女性。
より強い快感を求めてか、彼女は自らの胸を押し付けるようにして彼にしがみついている。
そして王子はその胸元に顔を埋めながらも片手で彼女の背中を支え、空いた手で乳房をもてあそぶ。
ふと彼は、自分の膝付近が妙に温かいことに気付いた。
乳房から離し、手をそっと差し入れる。湿り気を帯びた布地に触れた瞬間、彼女が悲鳴を上げて飛び上がった。
どうやら自分の手は女性の敏感な部分に当たったらしい。
だが彼はそのまま彼女の股間に手をあてがい、全体をやわやわと揉み始めた。
下着を通じて滴り落ちる愛液は、膝頭どころか太股までをも濡らしている。
膨れ上がった分厚い外陰は、茹で上げたように熱い。
指先で少し擦っているだけなのに、愛液は大量に溢れ出している。
678 :
624:2005/06/04(土) 16:12:51 ID:UVsaLlVC
感想くれた方、どうもありがとう。
期待に答えられるような文章にならなくて、本当心苦しい限り。
中途半端&遅筆ですまん。エロって難しい…自分の語彙力を試される。
申し訳ないが来週まで待ってくれ…
>>644 続き待ってましたよ〜、黒いというか小悪魔だソフィー。
ホントに続きが気になるところで「来週!」ってところがww
次の週末楽しみにしてますから、ともかくGJ!
Σ(゚д゚≡゚д゚)ウオッ!
神が二人も降臨しとるじゃまいか。
好きな人が他の奴とアンアンしてる声が聞こえてしまうだなんて…何て報われないんだ!カルたん(つД`)・゚・。
なんて悪魔の切なさに浸ってたら、黒い人妻にノックダウンされますた。あの誘惑っぷりときたら、悪魔にもひけを取りませんよ。
カブと共に翻弄されながら来週を待ってます〜。
250たんいつもながらうまし糧。若干どころかめちゃ切ない!
そして次回はロリネタかもに反応してしまった自分(*´д`*)エヘヘ
なぜか、マイフェアレディーな感じで妄想してます。
644さんもゴチ!黒いソフィーに翻弄されてるカブがいつ逆にソフィーを
翻弄するんだろうと!来週が楽しみだ!
媚薬ネタもうまし糧ですな。250タソのハウル先生は元から上手なのに
そんなん使ったらどんな恐ろしいことに・・・(((((;゚д゚)))))ガクガクブルブル
ソフィーたんが壊れちゃう。でも見たいので両方よろすくw
週間『夜来香』キテタ───(゚∀゚*)───!!
ソフィーの艶っぽさが滲み出ていて萌え氏にしそうでつ。
うまし糧に感謝しつつ、週末を楽しみにしております
過去話作品を読みながらほっしゅ。
名作揃いで何度読んでも萌えまする。
さあ、いつでも来たまえ!(*´д`)ハアハア
686 :
夜来香 5:2005/06/11(土) 15:19:38 ID:Rw0jEEHL
>>677の続き
彼女の全てを、自分のものにしたいという思いが強いのだろう。
加えて、やっと思いの丈をぶつける事が出来るとあって、行為はますます加熱する。
尽きるところを知らないかのような、そのとめどない湧き具合は、まさしく泉であった。
これだけ濡れていれば、おそらくは平気だろう。
当初の予定では、じっくりと彼女の痴態を観賞するつもりであった。
だが、自分の猛りをこれ以上押さえ込むことは、もはや難しい。
軽い絶頂を何度も与えられて、既に弛緩しきっている彼女の肩を押す。
倒れ込む動きに併せ、汗でへばりついていない髪が、ほつれながらも鈍く輝いた。
桃色に染まった肉体が、ベットのスプリングで弾む。
四肢を投げ出し、虚ろに空いた唇から唾液が伝い落ちる。
全てが快感に溺れている状態にもかかわらず、瞳だけは確固たる理性を宿していた。
乱れた銀の髪の隙間から、茶の双眸がこちらを向く。
取り出された彼の一物を見とめても、彼女は何ら感情を示さなかった。
目を見張ることも、顔を強張らせることもしなかった。ただ黙って、ベットの中から彼を見上げてくる。
相手がとても無感動なことに、王子はいささか拍子抜けしていた。
「騒がれないんですね」
ここでようやく彼女は口元を緩めた。今更、と笑う。
「わたしが大声を上げたところで、カブ、あなた止めてくれるつもりなんて、更々ないでしょう?」
「成る程」
彼は彼女の唇に軽く口付けを落とした。顔を離し、一瞬絡んだ視線だけで、二人は笑みを交わす。
位置を確認し、先端を陰門にあてがうと、濡れそぼったもの同士が擦れ合う、卑猥な水音が生じた。
彼女を気遣う片鱗すら見せることなく、彼は一気に貫いた。
687 :
夜来香 6:2005/06/11(土) 15:20:01 ID:Rw0jEEHL
慣れた大きさとは違えど、彼女の膣は見事に陰茎をくわえ込む。
夫と度々体を重ねてきたことで、大分行為自体に彼女の体が慣れているらしい。
王子は、目下で悶える裸体に、目を見張っていた。
歯を食いしばってシーツをきつく握るその姿は、まるで処女そのものだ。
そんなわけがないのに、立ち上る無垢さのため、一瞬錯覚を起こしかける。
だが、彼女の反応は過敏であり、その締め付けは最初から凄まじかった。
一気に果てそうになるのを何とか耐え凌ぎ、彼は早くも腰を動かし始めた。
彼女は、立て続けに押し寄せる快感の波に翻弄されていた。
ひたすら愛で満たされるより、遥かに強い快感。
それが背徳により得られる代物なのだと悟った時、彼女は微笑んだ。
男というものは、何て操りやすい生き物なのだろう。
主導権を握らせてやっているようにみせかけて、実際の手綱はこちらが握る。
見つめる視線には、常に星の瞬きを。
機嫌を損ねたときは、優しく頬に触れて口づけを。時に笑みを。時に涙を。
なんて容易い。どんな道具を扱うよりも、その仕組みは単純で明快だ。
そしてどれだけ人道に悖ろうとも、無垢さが立ち去らないことを、彼女は自覚していた。
今後情事を重ねることを予定しているソフィーにとって、これは大きな強みだった。
意識して振舞わなくても、常に乙女の匂いを立ちぼらせることができる。
有り難いことだ。こんな体を作り上げてくれた父と母に、感謝しなくては。
ソフィーの笑みはますます深くなる。
「私は知らなかった」
突然、耳元に響いてきた低い声に、ソフィーはうっすらと目を開く。
「貴女が、こんなにも容易く」
熱い吐息が、彼の腰の動きに合わせて耳朶にかかる。
「伴侶以外の人に抱かれてしまうなんて」
反対側の耳には、卑猥で盛大な水音が届く。そして皮膚同士がぶつかり合う音も。
「悪いひとだ」
その言葉を聞いて、ソフィーは何故か満たされた気分になった。
688 :
夜来香 7:2005/06/11(土) 15:20:29 ID:Rw0jEEHL
この腕で眠る人に与えてあげる。起きていても見られる、甘美な夢を。
だから果てしなく続く妄想を、わたしだけにそっと教えて。
それを糧に与えてあげる。かりそめの愛を。
あなたが全てを悟ったとき、醒めることの無い恐怖を覚えられるように。癒えることの無い苦痛を味わえるように。
愛してる。愛してるわ、ハウル。だから憎んであげる。わたしの全存在を掛けて。
「ハウルより、随分乱暴ね」
胸を流れる汗を掬い取りながら、彼女は率直な感想を告げる。
夫と比べられたことに不快感を覚えたのか、王子は力任せにソフィーを押し倒した。
寝台の中で嬌声が上がり、そして忍びやかな笑いが部屋に満ちる。
組み込んだ腕の下、彼女は何の気負いも無く彼を見上げていた。相変わらずの笑みを湛えて。
「でも、悪くないわ」
褒められているのか貶されているのか、微妙なところだ。彼は苦笑した。
寝具の上に広がる銀髪を弄びながら、軽口を叩く。
「ご主人に関係を知られたら、殺されかねませんね」
そうね、と彼女は同意する。
「間違いなく命を奪い去るでしょうよ。ありったけの責苦を味わせてからね」
彼女は淡々と、且つ的確に夫の性格を指摘した。
確かにあの魔法使いならやりかねない。自分が冗談のつもりでいった言葉が急に現実味を帯びてきて、彼はいささか青ざめた。
そんな彼の表情が可笑しくて、彼女は思わず噴き出した。なんて顔をしているの、彼女は屈託無く笑声を上げる。
あらゆる不安を吹き払うような、その明るい笑いに、彼は安堵を覚えた。
「貴女とは一蓮托生ということですね。共に死ねるなら、それは本望というもの」
その言葉に、ソフィーは花咲くように笑った。
殺されるのはあなただけよ、カブ。
彼はわたしを殺せないわ。何故なら彼の心は、未だにわたしが持っているのだから。
ソフィーはくすりと笑み零す。一度笑い出したら、なかなか止まらなかった。
怪訝に思った王子が顔を覗き込んでくるが、ソフィーは尚もくすくすと笑い続けた。
床や寝具の上にばら撒かれた枝葉を拾いながら、おもむろに隣国の王子が訊く。
「次は、いつに?」
少し考え込んで、銀髪の人妻はこう返答した。
「夜来香を運ぶ船が、港に着いたら」
689 :
夜来香 8:2005/06/11(土) 15:21:28 ID:Rw0jEEHL
午後の明るい日差しが溢れる町で、チェザーリの看板娘はその背中に声をかける。
振り返った姉の髪からは、安っぽい石鹸の香りがした。
「あら、レティー。お店は?」
淡い疑問は、彼女のにこやかな笑みでかき消されてしまう。
今休憩中であることを説明しながらも、その大きな包みに、どうしても目がいく。
一抱えもある、大きな花束だ。ひどく大事そうに抱えられている包みを、レティーは覗き込む。
「珍しい花ね」
興味を引かれた様子でしげしげと眺める彼女に、姉は少しばかり包装紙を広げてくれた。
「東の国の品よ。いい香りがするでしょう?」
鼻を近づけてみれば、確かにほんのりと香ってくる。茉莉花に似た、だがそれよりも遥かに強い匂い。
「なんだか不思議な香り。それに蕾ばっかりじゃない」
「夜になると咲くのよ。白くて小さな花がね」
うっとりと枝葉を弄ぶ姉を見て、レティーは言い知れぬ不気味さを覚えた。
姉は美しい。以前に増して、とても美しい。
だがその美しさは、本来の姉が持つ無垢さや清楚さと、全く反対方向の代物だ。
「わたし、この花が今いちばん気に入っているの」
その声音を聞いたレティーの背に、冷たいものが走った。
「ね、姉さん・・・」
思わず腕を押さえて自分を凝視している妹を気にも留めず、彼女はにっこりと微笑んだ。
「とても、好きなのよ」
終
690 :
624:2005/06/11(土) 15:24:54 ID:Rw0jEEHL
ソフィー、あんまり黒くならなかったです。
では名無しに戻ります。
>殺されるのはあなただけよ、カブ。
ヒィィィィィ(((((;゚д゚)))))ガクガクブルブルガクガクブルブル
ここんとこが一番黒かったです。思わず『怖っ!』とかつぶやきますた
おつかれさんでございます
624さん、あんまり黒く無いなんて事ないですよ。黒い、黒いよソフィー。
カブがどうなってしまうのか…ガクガクブルブル
GJでした!
624さん、GJです!イェライシャンですね!私は結構好きな花です。
あと、李香蘭ですかね。
ソフィー黒いなぁ……カブとの事がハウルにばれても、飄々としてそうな
ソフィーですね(((((;゚д゚)))))サドなのか?かなりぞくぞくしました。
気が向いたら、是非また作品を書いてください。楽しみにしています。
ロリ、媚薬、不倫ネタ、白ソフィーが今のところとまっています。
どれから書こう……参ったなぁ…。
黒ソフィにゾクゾクしました、人妻の凄みですかね。
GJ!黒ハウルも見てみたい…
250さんのお話、ロリが気になってます。大人ハウルと少女ソフィかなー(´∀`)
'`ァ'`ァ(*´Д`*)え、えろい
GJ!すごくいいです!
>>624タソ
GJ!魔性のソフィにゾクゾク。女怖えー!
どうかカブには半殺しくらいで勘弁してやってw
>>250タソ
まだロリネタ出てないと思うんで是非読んでみたいです!
しかし不倫ネタもまだまだ気になるカモ。
(;・∀・).oO(次はハウル先生の不倫ネタが読みたいかなぁ)
などと控えめに主張しておくがなんかバレたらエライことになりそうな悪寒
原作のソフィーなら取りあえず旦那をぶっ飛ばすけど許してくれそうで
映画のソフィーは何も言わないしない代わりに死ぬまで許さなそうです(イメージ)
あ、でも不倫とかよりロリネタ見たいなぁ・・・うん・・・
GJ!!
最高〜!!
自分的にはハウルにばれた時どうなるかが気になる!
続きなんてないっすよね?
彼は案外ナイーブだから立たなくなるかも知れんな(゚Д゚)
勃たなくなったヘタレ魔法使いを優しく慰めるソフィ・・・なんてのを妄想してしまいました。脱線も甚だしい。
自分はマルクルとマッジの初エチを妄想…横道逸れすぎ?( ´Д`)
>702
漏れもそのカップリングを推したい・・・(゚Д゚)!
マッジはメイみたいな感じなのでそのまま成長したら
サツキのようになりそうだ・・・ふわふわの髪も可愛いし(*´∀`)
マルクルはちっこい時からラヴィなカッポーの二人が側に居て
見慣れちゃってるから(そもそも外国だしな・・・)それが当然、みたく成長しそう
ハウル師匠よろしく、さりげないキスとか何気に相手の腰を抱く手を取る
見つめて甘い言葉を吐くなんて一連の動作が上手くなりそうだ。むしろそんな弟子希望
駄目か・・・!?
>>547-557の記憶喪失話のつづきです。
2話続けて投下します。1話目はエロなし、2話目はエロありです。
まず1話目。ハウソフィ、エロなし。7レスくらい。
タイトル『扉を開けて、溢れる光』
ソフィーはベッドの上で一人、暖かくまどろんだまま寝返りを打った。二人で使っても
ゆったりと眠れるベッドは、一人で使うには大きすぎる――心細くなるほどに。だから彼
女は、あたたかい上掛けにしがみついた。手探りに端を見つけて、内側に巻き来むように
引き寄せた。軽くてふかふかの布団は、肌触りも抱きつき心地もよかった。顔を押し付け
ると、甘くて爽やかな香りをほのかに感じる。うっとりするような香り。これは、あの人
の好きな香り。こうしているとまるで彼に抱きしめてもらっ……。
「――!」
ぱちっ、と音がするような勢いで、彼女は目を見開いた。自分は今、何を考えていたの
か。カーっと頬が熱くなるのがわかった。胸がドキドキする。
ソフィーは、布団から逃れるようにベッドを脱け出した。窓に近寄り、カーテンを開け
た。星の数を減らした濃紺の空の東の底に、夜明けの気配がうっすらと澱んでいる。かな
り早く目が覚めてしまったと分かったが、熱った頬をそのままに、寝なおす気にはなれな
かった。
ハウルとソフィーが数か月分の記憶をなくして(なくしたのではなく思い出せないだけ
だとハウルは言っていたが)、そろそろ半月が経とうとしていた。
ソフィーが空飛ぶ城での生活に馴染むのに時間はそうかからなかった。帽子屋に代わっ
て花屋をやるのも、楽しかった。店にも居間にも竃の前にもソフィーの居場所はきちんと
あって、彼女自身その場で過ごす時間に違和感はない。今の生活で唯一彼女が居心地を悪
く感じるのは、寝室であった。
城には、ソフィーのベッドはなかった。かわりにあったのは『二人の』ベッド。自分と
彼が『そういう関係』であるということは知っていたが、ソフィーは彼と一緒に眠ること
をためらった。例えそれが自分の日常で当たり前のことだったのだとしても。そして、記
憶の想起に鍵をかけてしまった魔法を解くために、何が必要なのかを知らされていても。
だから彼女はハウルをそのベッドのある寝室に寝かせ、自分は居間のソファーで眠るつ
もりであった。しかし、ソフィーが寝室から毛布を持ち出したとき、それをハウルに奪わ
れてしまった。彼は「きみはこっち」とソフィーに寝室を示すと、自分は毛布を持って居
間の方へ行ってしまった。
以来、ソフィーは寝室で、ハウルは居間で、それぞれ眠ることになってしまった。ソフ
ィーが寝場所を替わることを申し出ても、頑として聞かない。「女性に寝台を譲るくらい
の格好はつけさせてよ」などと言うのだ。そして、冗談めかして「一緒に寝てくれるのな
ら喜んでベッドを使うけどね」と続ける。ソフィーがその『冗談』に怒ってみせると、彼
は声を上げて笑うのだった。
おかげで、他愛のないふざけ合いばかりに慣れてしまった。ハウルが冗談に包みこんで
いるものには、触れないままに。
そして、一人きりの寝室は、どこか虚ろなまま。
(――だけど……)
ソフィーは寝室を出て、音を立てないように気をつけて階下に向かった。花畑に出て、
花の香りのする冷たい空気を吸いたかった。
玄関へと続く居間に入り、後ろ側からソファーに近づく。背もたれの向こうに毛布の塊
があった。その端には黒髪がのぞいている。ソファーの前側に廻ると、リネンのシャツに
被われた背中が毛布から大きくはみ出してしまっているのが見えた。やはり彼にはソファ
ーは窮屈なのだ。だから、ソフィーは寝場所を『交換』しようと言っているのに。
ソフィーはソファーの前で立ち止まった。彼の背中がひどく寒そうで、気になった。彼
の毛布を掛け直そうと思って――気付いた。
喉の奥に空気が引っかかるように、ゼイ…、と吐き出される息。苦しげな浅い呼吸。近
づいて彼の顔を覗き込む。顰められた眉と、汗ばんだ肌。掌で額に触れると熱かった。
ハウルがゆっくりと目を開けたので、ソフィーは彼の額に当てていた手を慌てて引っ込
めた。目を開けるだけの動作なのに、彼が本当につらそうなのがわかった。
「……ソフィー」
ハウルはソフィーを呼んだ。声は掠れてひどく聞き取りにくかった。
「……手、を……。さっき……」
唇の形がゆっくり『おねがい』と動く。『そばにいて』と。
ソフィーはおずおずと、先ほど熱を診たときと同じように掌を彼の額に当てた。
ハウルはほうっと息を吐いて目を閉じた。顰められた眉が、緩んだ。
(ああ……)
……胸が痛い。
寝室は静かで、まるで世界から切り取られたようだった。
記憶があるときもないときも、思うことは同じ。
行かないで、側にいて。お願い、嫌いにならないで。逃げないで、傍にいさせて。
「ハウル、食べなかったのか?」
カルシファーは、トレイをテーブルの上に置いたソフィーに声を掛けた。ハウルの食事
を持って寝室に行った彼女だが、持ちかえったトレイの上の器には、食事が盛られたまま
だった。
すでに陽は高く、家族の朝食は疾うに済んでいた。ソフィーは花屋を臨時休業にした。
マルクルは年齢の割にはしっかりしているが、それでも一日中店番をさせるのは躊躇われ
た。ハウルを寝室へ運ぶ手伝いをするために早朝に起こされた彼は、今はヒンと一緒に中
庭で昼寝をしている。元荒地の魔女も中庭にいて、日影で読書をしているが、多分マルク
ルを見ているつもりなのだろう。
ソフィーはゆっくり息を吸うと、
「眠ってたの。よく眠ってるみたいだから、起こさなかったのよ。……水だけ置いてきたわ」
手付かずの食事を片付けながら答えた。
「熱は下がったみたい。カルシファーのおかげね」
カルシファーは高い峰に雪の残っている山を見つけて、城ごとそこに昇らせたのだった。
その雪を掻き集めて、ソフィーはハウルの看病に使った。今は低地に城を降ろしているが、
頼めばまた昇らせてくれるだろう。
「あいつ、あんまり寝てないみたいだったからな。……おいらがソフィーを呼びに行くっ
て言ってもさ、駄目だって言うんだ」
カルシファーはゆらゆら揺れながら言った。ソフィーは手を動かし続けている。カルシ
ファーは、ソフィーをじっと見ながら続けた。
「あいつ馬鹿なんだ。格好つけたいんだ。本当は弱虫で臆病者のくせに」
そう言って、ソフィーの視線を誘うように、大げさに揺れてみせた。しかし、ソフィー
はカルシファーに背を向けたまま、片付けを続けている。
(……何かあったのかな?)
いつもソフィーは、どうしようもなく忙しい時でない限り、何かの作業中ではあっても、
話している相手の方を、相槌を打ちながらちらりと振り向く。そうやって、面と向かって
はいなくても、ちゃんと聞いているということを伝える。
(でも、ハウルは寝てたっていうし)
なのに、この部屋に戻って来てから、ソフィーはカルシファーと目を合わせていない。
話は聞いているようなのに。
「――悪口じゃないよ、本当のことだから。ソフィーはそれでも嫌ったり見捨てたりしな
かったって、おいら教えてやったのに、あいつはまだ格好つけたがってる。――ソフィー
は今でも、ハウルが情けないやつでも嫌いになったりしないだろう?」
大きな薪を抱える火の悪魔は、人間よりも人の心に敏い。
ソフィーは手を止めた。前を見つめる。視線の先には壁しかないが、彼女が今、見てい
るものは。
眠る彼の整った顔が、作り物のように見えた。瞳は閉じられたままで、何も映さない。
彼の感情も覗けない。
ソフィーは彼が人形じみた顔のまま眠り続けているのが嫌だと思った。そのくせ、目を
覚ました彼が自分を見るのも怖かった。
魔法が解けなくても、彼のソフィーに寄せる想いは、動じず、迷いなく。ソフィーが何
気なく額に手を当てただけで、あんな風に安らぐ人。自分は無力でちっぽけでみすぼらし
い小娘なのに。
寝室は静かで、まるで世界から切り取られたようだった。薄く開いた彼の唇は、熱のせ
いで乾いていた。
(目を覚まして。微笑んでわたしを見て)
ソフィーはコップを手に取った。
(目を覚まさないで。わたしに気付かないで)
水を少量、口に含んだ。
カルシファーの抱えた薪が、ぱちりと音を立てて爆ぜた。
「――そうね。嫌ったりしないわ」
そう答えて、ソフィーは振り返った。やわらかな微笑をカルシファーに向けた。そして
すぐに睫毛を伏せた。
「ハウルは、気遣ってくれていたのね」
一人で過ごす夜。一人きりで迎える朝。
(わたしが不安にさせていたの?)
そこにいないからこそ、はっきりと意識されるもの。
「ただの格好つけさ」
ゆらゆら揺れながらカルシファーは答えた。言葉の上では否定していたが、冗談めかし
たその口調は、ソフィーの質問を肯定していた。
(わたし、伝えなきゃ)
彼はずっと伝え続けていてくれた。言葉で。笑顔で。まなざしで。表情で。やわらかな
空気で。冗談に包みこんで上手に隠して。
ソフィーはそれを受け取っていたくせに、そのことを彼に示すことすらしなかった。
居心地の悪い寝室。その原因は、彼の不在。彼は、誰よりも優しい人なのに――。
(わたしが、言わなきゃ)
怖いのは、彼が好きだから。
目を覚ますと、何かが額の上に置いてあることに気づいた。ハウルが手を伸ばして確か
めてみると、それは濡れタオルで、半分ずれて顔から落ちかかっていた。身体が、暖かく
柔らかい寝具に受け止められている。見まわしてみると、そこは自分の――というか本来
は自分『たち』の――寝室で、そこに一人で寝かされていた。
ハウルはベッド脇のチェストの上にタオルを置いた。水差しとコップが置いてあったが、
それを用意したであろう人物は部屋の中には居なかった。
(格好悪いなあ……)
眠りに落ちる前に感じていた頭痛と寒気は治まっていた。今は喉に少しの違和感がある
だけだった。つまり、自分は風邪を引いてしまったのだ。そして、彼女にここに連れて来
られ、寝かしつけられたのだ。彼女に譲ったベッドなのに。
ハウルはもそりと身体を横向きにして、水が少量入ったコップを見つめた。そのコップ
は、飾り気はないが暖かみのある吹きガラスのコップで、以前はなかったものだ。多分、
ソフィーが一緒に暮らすようになってから揃えたのだろう。
ハウルは、コップに手を伸ばしかけて、止めた。ため息をついて、自分をふんわりと包
んでいる上掛けの端を引き寄せた。彼は知らなかったが、それはその日の明け方、ソフィー
がしたのと同じ仕草だった。
(ああもう……)
いい匂いがする。甘い香りが。ハウルのコロンと似た香りだが、少しだけ違う。香水の
香りは、人間の体臭と混ざって変化するからだ。つまり、この香りはソフィーの……。
ハウルは上掛けに顔を押し付けて、目を閉じると、溜息を一つ吐いた。すっきりと片付
いた寝室。花瓶に形良く生けられた花。行儀良く並べられたぬいぐるみたち。そこら中に
彼女の存在を感じる。自分はそれに鈍感にはなれない。
瞼の裏の暗闇を、星の色が通り過ぎた。
ドアの向こうでは、ソフィーが扉を開こうとしていた。
彼がそれを知るまで、もうあと、ほんの少し。
「扉〜」は以上です。記憶喪失のベタネタに風邪のベタネタを重ねてしまいました。
枕を交わすに至るまでにワンクッションないと、どうしても書けなかったので。
次、2話目。ハウソフィ。エロありです。9レスくらい。
タイトル『そして、二人の夜』
ソフィーはちゃんと、待っているだろうか。
風呂を済ませたハウルは、緊張のあまり殆ど感覚のない手でノブを掴むと、寝室のドア
をそっと開けた。
いつもはベッドの脇に置いてあるランプが、ドアの近くに移動している。明るさの向こ
う、薄暗いベッドの中に、銀色の髪と白い肩を見つけると、心臓の鼓動は一層早くなった。
風邪が治ってから数日後、
「呪いを解いて欲しいの」
ソフィーにそう言われて、ハウルは思いきりうろたえた。
「あ…の、――ソフィー?」
「……難しい?」
ハウルにとってはまったく難しい呪ではない。解呪の呪文の組み立ては、呪を受けて数
時間後には出来あがっていた。
しかし、それから数週間もの間、その呪を解かずにいるのには、それなりの理由があっ
た。すなわち、図らずも同じ呪を分け合ってしまった人物の『協力』が得られないからで
あり、その協力者たるソフィーが、それを拒み続ける原因をハウル自身が作ってしまった
手前、あからさまに彼女にそれを要求することができなかったからである。もちろん、あ
からさまにならないようになら、求めていることはいる。彼女を追い詰めて嫌われないよ
うに、表現はぼかして冗談を織り交ぜながら。
それでも、ようやく軟化してきた彼女の態度を、もう一度硬化させるようなことはでき
ない。たとえ、彼女に好きだと言ってもらえるようになったとしても。細心の注意を払っ
て、もっともっと気持ちの距離を縮めるのだ。間違っても即、押し倒すような真似をして
はならない。――そんな決意をしていたのに。
「解くこと自体は、そう難しくないよ」
気を取り直してハウルは言った。
「呪文をきちんと唱えればいい。――ただ……」
頬を赤くして、ハウルは言いよどんだ。目の前の彼女は風呂上がりで、髪をラフにまと
めていた。後れ毛がひとすじふたすじ貼りついた首筋が妙に目に付いて、ハウルは視線を
泳がせる。喉の乾きに似た何かを感じていた。
ソフィーは恥ずかしそうに肩を縮めて、手にしたタオルをぎゅっと握り、うつむきなが
ら言った。
「――わたし、協力、するから……」
それは、ほとんど囁き声のような、小さな声だった。
彼女の白い肢体は、ほの暗い中に浮かび上がって見えた。ベッドサイドにあったランプ
を、わざわざベッドから遠く、ドア近くに移動させたのは、裸で待つのが恥ずかしかった
からだろう。 ハウルはベッドに腰掛け、シーツの上に片手を突いて自分の体重を支えな
がら、上半身をソフィーの方へ捻る。空いてる方の手を彼女の方へ伸ばし、背を向けて横
たわっている彼女の肩にそっと触れた。途端にその身体がびくりと震えた。
「ソフィー、こっちを向いて」
声を掛けると、ソフィーはシーツにしがみついて縮こまってしまった。ハウルは彼女の
身体を覆っている上掛けを少しだけずらした。彼女の緊張を解くように、その腕に沿って
掌をゆっくり撫で下ろし、また撫で上げる。しばらくそれを繰り返した後、撫で下ろした
手で彼女の掌を捉まえて、
「……怖い?」
訊くと、彼女は向こうを向いたまま、首を振って否定した。耳朶が赤い。ハウルは微笑
んだ。
「ぼくはちょっと、怖いかな。ドキドキしすぎて」
――壊れそう。
彼女の耳元に顔を寄せてそう囁いた。
それから、その耳朶にキスをした。
ハウルは自分も服を脱いで、ベッドの中、ソフィーの隣に滑り込むと、彼女の背に自分
の胸をぴったりと摺り寄せた。触れ合った肌が暖かい。
心臓の鼓動が、彼女に伝わればいい。そう思いながら、後ろから回した手で、彼女の腹
部を撫で回した。しばらくそうしてから、撫で上げた掌で、彼女の胸の膨らみを包み込む
と、やわやわと揉んだ。
「……柔らかい」
「っ、なに言っ」
顔を赤くして振り向いた迂闊な彼女の肩を捉まえる。身体の下に抱き込んで覆い被さり、
その唇を貪った。舌を差し入れ彼女の舌を探り出す。唇と舌で彼女の柔らかなそれらを、
思うままに味わった。
「……ん」
小さく開いたままの唇から覗いた彼女の舌をぺろりと舐めてから、ハウルは唇を離した。
ソフィーは大きく息をついた。吐息が熱く湿っている。ハウルは彼女にに再びのしかかる
と、ずっと彼を誘っていた滑らかな首筋に顔を埋めた。
白い肌に唇を触れさせる。場所を少しずつ移動させながら、何度も肌の上にキスを繰り
返すと、いちいち唇を離すのがもどかしくなった。喉元に、鎖骨に、唇でその肌を辿る。
ちゅっちゅっ、と音を出して吸い付き、舌でちろりと舐める。もう、夢中だった。
「……っ」
びくっと震えて肌が粟立つ。乳房の先端がきゅっと尖ったのを見つけて、ハウルはそれ
を口に含んだ。溶かすように舌で丹念に舐めると、彼女の喉の奥から声が漏れた。
「ん、んっ――あ……っ!」
わき腹を掌で撫で回すと、さらにぞくりと肌が震えた。
ハアッ、ハアッ、と熱い息がこぼれる。ん、んっ、と苦しげな呻き声が漏れる。もっと
もっと彼女を苦しめたくなって、ハウルは執拗に愛撫を施した。髪の毛先から足の指先ま
で、唇で彼女の全てに触れた。秘められた場所の奥の奥まで。そうして、彼女の声をどん
どん追い詰める。
「あっあ……ん、んんっ、ンッ!」
一際高い声を上げて、ソフィーは身体を強張らせた。その時ハウルが触れていた場所が、
ヒクヒクと震える。ハウルは舌をやわらかく押し付けて、その動きを感じ取った。
少しの間を置いて、彼女の体がゆっくりと弛緩していく。ハウルは、自分の口の周りに
付いたものを舌で舐め取りながら身を起こした。それから、目を閉じて大きく息を吐く彼
女を抱き起こした。
身体中が痺れて、溶け出しそうだった。身を捩っても止まない愛撫は、彼女を喘がせ苦
しめたが、彼女はそれを止めて欲しいとは思わなかった。その身体に絶えず熱を与えてい
るのは確かにハウルなのに、彼を探して視界に入るのは、見慣れた部屋の壁と、彼の手に
捕えられた自分の片方の膝頭。その膝頭も、与えられ続ける熱に思わず身を仰け反らせる
と見えなくなっってしまった。
ソフィーはぎゅっと目を瞑った。見えない彼を探すよりも、その方がもっと近くに彼を
感じられた。ぴちゃ、と水音が聞こえる。そしてそのまま、あまりに容易く絶頂に導かれ
た。全身がぞくりと痺れ、肌が粟立つのがわかった。
(さ、むい……)
熱く熱く息を吐きながらも、何故かそう思った。それは、汗ばんだ肌が空気に触れてい
るからかもしれないし、与えられていた愛撫が止んでしまったからかもしれない。あるい
は、他に何か理由があったのかもしれない。
と、シーツと背中の間にハウルの腕が入りこんだ。そのままふわりと上手に抱き起こされた。
キスは、涙に似た味がした。彼の舌は暖かかった。
唇はすぐに離れたが、かわりに彼の額がソフィーの額にくっつけられた。
「……ソフィー、目を開けて」
記憶を閉ざされたソフィーが想像していたよりも、もっとずっと濃密な夜を自分たちは
過ごしてきたらしかった。頬に手を添えられ、熱っぽい眼差しに見つめられたただけで、
こういう時に自分がどうしていたかがわかってしまった。するりと頭の後ろに回った手が、
彼の胸にソフィーを引き込む。ソフィーはそのまま身を屈めた。自然な動作だった。
ごく浅く、唇で挟んだだけのまま、軽く吸うと、ちゅっと音が鳴った。ハウルが自分に
『何か』していた時も、こういう音がしていたわ、とぼんやりソフィーは思った。口の中
に含んで強く吸いついてみると、ソフィーの頭の上でハウルが息を詰めたのがわかった。
ソフィーの頭に添えられたハウルの手が、一瞬、彼女の髪を掴む。しかし、その手はす
ぐに気付いて離された。ソフィーはむっとした。彼女を気遣う余裕がある彼が癪に障った。
(だってさっき、わたしは翻弄されたんだもの)
ソフィーは一層丁寧に、ハウルを愛撫した。添えた手で撫で擦り、舌でねっとりと舐め
上げ、先端に滲み出た液を唇で吸い取った。
「……ッ、くっ……ゥ」
ハウルが声を漏らす。それを聞いて、ソフィーの身体がヒクリと疼いた。足の付け根に
ぬめりを感じる。夢中で彼を舐りながらも、自分の身体の反応がつまりどういうことなの
か理解して、ソフィーは頭がクラクラするのを感じた。恥ずかしさに身体中が熱くなった
が、彼への愛撫を止めようとは思わなかった。口一杯に頬張り、頭ごと大きく振って動か
すと、ハウルが「ああ…」と熱い息を漏らす。
「ソフィー……、も……離……」
喘ぎ混じりの上擦った声を上げ、ハウルはソフィーを引き剥がそうとした。ソフィーが
両手で包んでいる彼の根元の周囲がピンと緊張していた。離されまいと深く呑みこんで、
強く吸う。
「ゥ……ア、ダメ……、――っく……!」
生暖かいものが、ソフィーの口内にピュピュっと迸った。ソフィーはそれを漏らさずに
受け止めた。と、唇から彼が抜き離される。ソフィーは受け止めたものを吐き溢すまいと、
思わず手で口元を抑えた。ハウルの手がソフィーの肩を掴み、屈んだ上半身をぐいっと引
き起こした。
ハウルは慌てた様子で「ごめん」と言うと、シーツを引っ張り、ここに出して、とソフ
ィーの口元に寄せた。しかし、ソフィーは口元を抑えたまま首を振り、飲みにくいそれを
ゆっくりと少しずつ喉の奥に落としていった。
コクン…、コクン…、と小さく動く彼女の喉を、ハウルはじっと見た。いたたまれない
ような気分になって、ソフィーは目を瞑る。喉元に何かが触れるのを感じた。ハウルの唇。
ソフィーが口に含んだものを全て飲み込むころには、押し当てるだけだった唇は、はっき
りとした愛撫に変化していた。
「あ……っ、あっ、あっ」
ぐちゅぐちゅと濡れた音が、とぎれとぎれに意識の遠くから聞こえてくる。絶えず聞こ
えるのは、呪文を唱えているらしいハウルの低い囁き声。
二人はベッドの上に身を起こしたまま、向かい合って繋がっていた。ソフィーの背中と
腰を抱いたハウルの腕が、彼女をしっかり支えて、シーツの上に崩れることを許さない。
腹部の圧迫感に耐え切れず、縋り付くものを求めたソフィーは、ハウルの頭を胸元に抱
きかかえた。ぞくりとした震えが沸き立っては消え、また沸き立つ。仰け反って露わにな
った首元を、呪文を唱え続ける口に柔らかく食まれた。こめかみを涙が濡らすのがわかっ
たが、止められない。そもそも自分が何故泣いているのかもわからなかった。
「んッ、んッ、んッ、――ん、んン!あ、あああッ!」
大きくのけぞったソフィーの背を、ハウルの腕がシーツに着地させた。一人、昇りつめ
らされたソフィーは、呼吸を止めて全身を緊張させている。一拍遅れて彼女の身体が、ビ
クリと痙攣した。しかしその時、締め付けようとしたハウルのソレが、抜き出されてしま
った。
「……あ、あ、ああ……、あ、や、いやぁ……ハウ……、こん、な、ひど、い……」
しっかりと抱きこんだはずのものを奪われて、彼女の最奥が、虚しくヒクつく。何度も、何度も。
「んっ……んっ……んっ……う、んっ……ぁ……あぁ……」
収縮を繰り返した後、彼女の身体からぐったりと力が抜けた。それを待っていたように、
ハウルは細い腰に手を掛けた。ソフィーの身体の内側をなぞりながら、それはまたゆっく
りと遡って行く。僅かな時間だけ中断していた呪文が再開された。身体に熱を与える行為
も再開されたが、今のそれは緩やかなものだった。
「ハウ、ル……っ」
ソフィーは涙を拭おうともせず、掠れた声で彼を呼ぶと、震える両手を彼の方へ向けて
差し出した。また、つきはなされてしまうのは、嫌だった。
ハウルは彼女の腕の中に、簡単に落ちてきた。呪文を紡ぐ唇を、軽くソフィーの眦と頬
に触れさせた。それから、首筋と乳房と、その先端に。そのじれったい愛撫に「呪文を唱
え終わるまで終わりにできない」と言われたことに思い至る。さっきソフィーを一人で到
達させながらつきはなした理由も。
彼は、優しい人。いつでも。今も。ソフィーはその優しさを、
(壊してしまいたい……)
そう、思った。もどかしくてたまらなかった。
絶頂を迎えたばかりの身体など、気遣わなくていいのだ。強く強く揺さぶって、鈍った
感覚を突き破り、何度でも彼女の身体を目覚めさせてしまえばいい。自分本位に滅茶苦茶
に抱いてくれたっていい。快楽を教えられた若い身体は、与えられれば与えられるだけ貪
ってしまうのだから。
「お願い、もっと……」
忘れた呼吸が、戻っていく。吐息には甘ったるい呻きが混じる。けれど粟立つ肌が快感
によるものなのか、彼の優しさがもどかしくてせつなくて仕方ないからなのか、分からな
かった。溢れつづける涙も。
呪も記憶も、もうどうでもよかった。早口に呪文を唱えるハウルの端正な顔は、今は激
情と忍耐の間で酷く歪んでいた。ソフィーはその歪んだ顔が、たまらなく愛しかった。
「ひとりで…くのは、嫌……」
ハウルはソフィーの両の掌に、自分の掌を合わせた。指と指を絡ませ、手を繋ぐ。その
ままぐいっと腕を持ち上げ、彼女の手をシーツに押し付けた。それから、呪文の最後の一
節をその口から搾り出した。
その時二人は一瞬目を見開き。ハウルは泣きそうな顔で、ソフィーは泣きながら、微笑んだ。
その後はもう、ただ欲しいままに。
ランプの灯りは何時の間にか消えていた。窓の向こうに、遅くに昇った折れそうに細い
月が見えた。
(呪文が間に合ってよかった)
耐えるのも限界だったから。ハウルは、腕の中に閉じ込めたソフィーを見ながら思った。
眠るソフィーは、ただ清らかなばかりに見えた。さっきまで、その瞳で、顔で、全身で、
ハウルが欲しいと泣いていたのに。
眠りに落ちる直前、ソフィーが「ごめんね」と呟いたことを思い出す。それが何に対し
てのことなのか、ハウルにはよくわからなかった。一人でイかされて「ひどい」と言った
ことなのか、あの朝「大嫌い」と言ったことなのか、このぎくしゃくした数週間のことな
のか。あるいは、彼を思い出せなくなってしまったこと自体なのか。もっとほかのことな
のか。
起きたらちゃんと聞いてみよう、とハウルは思った。次に、怒られるかもしれない、と
思って、クスリと微笑んだ。ソフィーは閨でのやりとりを翌朝に持ち出すことを嫌がるか
ら。照れて怒って恥らって、真っ赤になった顔を思い出す。これも、愛しい大事な記憶。
(叱られるかな……)
トロリとした眠りに目蓋を支配される。恋人同士になってからよく「もう起きなさい」
とか「散らかさないで片付けなさい」とか、他愛もない叱り事を言われた。叱られるのが
嬉しくてわざとそうしたことは、彼女には内緒の話。
ハウルは細く息を吐くと、眠りの支配に身を委ねた。
叱り声の彼女に、起してもらえることをを確信しつつ。
<了>
以上でおしまいです。
ベタネタばかりのお目汚し失礼いたしました。
読んで下さった方、前にレス下さった方、
どうもありがとうございました。
ふおおーたいへんに乙ですヽ(゚∀゚ )ノ!!
蝶オモロカッター。まさか続きが読めると思わなかったんですごい嬉しいっす。眼福眼福
呪文を唱えながらのえっちというのになんか自分でもおかしくなるくらい萌えた
鳥肌立ちますた。なんかすげーエロチックだと思った(自分的に)
重ね重ね乙ですた。また何か思いついたらお願いしますヽ(゚д゚三゚д゚)ノ
力作GJ!
自分もまさ続編投下があるとは思わなかったんで嬉しさ倍!
「それぞれの夜〜」を読んだ後一人悶々呪文解くとこは間抜けかもと妄想してましたが
とても素敵に書いてあってめたくさ萌えました。
締めのハウルもかわいくて大好きだ〜
くぁー!素敵だ!このお話好きだったので嬉しかったです!
どもども、超絶美味し糧、ありがとでした(´∀`*)
描写が細かくて巧くてじっくりたっぷり楽しませていただきましたですよ。
◆pUytl8EIAU さんうまし糧でした、GJ!!
私もまさか続きが読めるなんて思っていなかったので、読めてよかったー。
なんてカワイイ二人なんだ(´∀`) 読んでる自分がなぜか照れました。
おおー!GJ!
いいもん読んだ、と満足感でいっぱいですよ。続きが読めてしゃーわせ〜
また素敵なお話できましたらお願いします!
こんなに伸びててどーしたんだろ?って思ってたら
続きキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・* !!!!!
いいいいいいいいいいイイヨーイイヨー
最高だよぉぉぉ
ご馳走様でしたヽ(´ー`*)ノ
ネ申様キタ━━(・∀・)━━!
実に美味し糧でございました。
地元の映画が終わってから枕を濡らす涙も枯れかけてたのに、おかげで個人的ハウルブーム絶頂期が復活(*´д`)ハアハア
枕をビショビショに濡らしまくる夜を再び過ごせそうでつ。
神もだけど、読み手サン達も再び集まってきてるかんじでウレスィー(・∀・*)
(でも前に比べるとやっぱり人数減ってるのかすぃら…)
ROM専もおりますよ(`・ω・)ノ
いつも感動しつつ萌えつつ読ませていただいております。
◆pUytl8EIAU さま、美味し糧でした!ありがとうございました!
かなり萌えましたむしろ悶えました(*´д`)ハアハア
ソフィーの感情の移り変わりが見事で、読みながらぐいぐい引き込まれました。
ハウルもかっこよくて可愛くてかなり萌ました。
さて、ロリ物投下します。ちょっと長いのでご注意を
傾向 映画 ハウソフィ エロ有り ロリもの
今日もソフィーは掃除に忙しい。もう掃除婦ではなく城主の妻であるのだから、
そんなに忙しく働きまわる必要もない気もするのだが、性分からか大人しく座っていられず
やはり忙しく立ち回ってしまう。
ソフィーは非常に几帳面な性格で、掃除をする動作も軽やかだった。しかし、ほんの
少しだけ、それこそ城主が時々指摘する程度にぼんやりしている所もあった。その
ごく僅かな欠点が顔を出し、彼女の操る箒の柄が棚に並んだ瓶をなぎ倒した。
がしゃん、という音にソフィーが振り返る間もなく、がたがたがた、と城が揺れた。
そして、城にいる家族達はその場に倒れこんだ。
なんだ、これは。
王宮での仕事から解放されて我が家に戻ってみれば、そこには強い魔法の跡が残っていた。
慌ててリビングに飛び込むと、ワインの様に紅い髪をした妙齢の女が立ち尽くしていた。
「………マダム?」
女がハウルを振り返り、その顔に柔らかな苦笑を浮かべた。
「解るのかい?あたしの事が」
「ええ……あなたは荒地のマダム。そうですね?マダム、一体何があったのですか?」
荒地の魔女はソファーに腰を下ろし、そこに眠っていた幼子を抱きあげた。その子供をハウルに示す。
「マルクルだよ。さっきまで泣いててねぇ……やっと寝付いた」
やれやれ、というように荒地の魔女が幼いマルクルの顔を覗き込んだ。ハウルもそれに
倣い、息を呑む。眠るマルクルはどうみても2つか3つの、完全なる幼子だった。
それこそ、この城に転がり込む以前の歳であるかのように。
「カルシファー!何が起きたんだ?」
暖炉で神妙な顔をしているカルシファーだけが変化を起こしていなかった。何事も
なかったかのようにちろちろと炎を揺らしている。
「それは解らない。ただ、昼過ぎに強い魔法が動いて時世が狂った。おそらく五年間、
この城の中は時間を遡った」
「狂うって、なぜ……」
「そんなのオイラが聞きたいやい!ただ、強い魔法が発動したんだ!城の内側から
だから攻撃されたわけではないと思うけど……」
「ソフィーは?」
はっとしたようにハウルが問い掛けた。愛する少女の姿が見当たらない。
「ソフィーは?マダム、カルシファー、ソフィーは?」
「二階で寝てるよ。ソフィーもすごく混乱してた。ハウル、あんまり驚かすなよ」
カルシファーが答え終わる前に、ハウルは階段を駆け上がり、二階の夫婦の寝室に
飛び込んだ。ベッドの中にささやかなふくらみを見止め、そこに駆け寄る。
「ソフィー!」
ば、とハウルがベッドカバーを剥ぐと、そこには一人の少女がいた。驚きに上体を
起こして腕で身体を庇い、こぼれ落ちそうに大きな目をさらに見開き、ハウルを
凝視している。
「ソ、フィー……?」
「……だれ……?」
ハウルが愕然としたのかその場に膝をついた。少女がベッドの上を一歩後ずさり
駆け出そうと身を翻す。
「待って!」
少女の華奢な腕を掴み、ハウルは彼女を引き寄せた。ひ、と少女が息を呑む。
「ソフィー!どうしたんだ一体!」
「離してください!あなた、何なの?」
怯えたように顔をゆがめながら、少女が喚いた。ハウルも呆然と彼女を見つめている。
そこにいたのは、今朝までのソフィーではなかった。背中を覆うほどに伸びた暗い赤茶の
髪の、白い肌の、痩せた体の、どう見ても12、3歳の少女だった。ただ、彼女の顔は
全くもってソフィーに似ていた。というよりも、ソフィーを幼くさせた以外は何も
変わっていなかった。
「君は…ソフィーだね。ソフィー・ハッター。違うかい?」
少女が―――否、ソフィーが軽くそむいた。ガチガチに強張った表情は変わらない。
「ソフィー。君、歳はいくつ?」
「……13です。あの、離してくれませんか……?」
おずおずとソフィーが言い、つかまれた腕を振った。ハウルが慌てて手を離す。
「あぁ、ごめんね」
いいえ、とソフィーが髪を揺する。青ざめていた顔が、明らかに落ち着いたように見えた。
緊張がほぐれたのか、ソフィーがハウルを真っ直ぐ見つめる。
「あなたは、一体誰?」
「僕は……ハウル。魔法使いのハウル」
「魔法使いなの?」
「そう」
ソフィーが物珍しげにハウルを見つめた。しかしすぐに視線を外して首を振る。
不躾すぎると思ったのかもしれない。
「すごい……でも、どうして私が魔法使いの家に?」
心底不思議そうに、ソフィーが訊ねた。ハウルが喉の奥で低く唸る。
あぁ、一体何があったんだ!
「……信じられないだろうけど、君はね、僕の――――――妻なんだ」
ソフィーがばっと顔を赤らめて飛びのいた。軽く口を開き、唖然としたようにハウルを
見つめている。
「う、そ……」
「……覚えてないんだね。君は本当は18歳で、僕と結婚している」
「嘘!」
ソフィーが大きく頭を振った。ハウルが困ったように眉を下げ、ベッドに腰掛けた。
彼女に向けて手招きし、近くに座らせる。
「この城は魔法にかかった。ここと外の世界は時間が五年間ずれているそうだ。
そして、城の中にいた君も、五年間分時間を遡った」
真顔で言われた言葉に、ソフィーがぽかんとした表情を浮かべた。それから、むっと
したようにハウルを睨みつける。
「話が見えません。あなた、私のことからかってるの?」
「全て真実だよ」
「だって、こんなのおかしい……私、昨日まで学校に通ってたのに。それが今日に
なったら知らない部屋にいるし、何より結婚だなんて……!」
ソフィーが絶望したように天を仰いだ。崩れ落ちそうになる彼女を、ハウルが慌てて支える。
「……信じられないかもしれないけれど、僕は一つも嘘をついていないし、からかっても
いない。ソフィー、必ずどうにかするから、あまり思いつめないで」
ぎゅ、とハウルがソフィーを抱きすくめながら囁いた。間近に感じる吐息と体温に
彼女の顔がばっと赤らむ。
「あ、あのっ、離していただけませんか?」
「……ねぇ、ソフィーは僕と結婚してる事、嫌?」
きつく廻された腕からどうにか逃れようと、ソフィーが体をよじる。しかし、ハウルは
そんなことお構いなしに彼女の首筋に顔を埋めながら囁いた。
「え、あの、嫌だというか……だって、私あなたに出会ったばかりだし、結婚って
言われても……困るって言うか、信じられない……」
「じゃあ、僕の事は嫌い?」
ふ、と細い首に吐息が当たり、ソフィーが息を呑んだ。それから、震える唇を騙し騙しに言葉を紡ぐ。
「嫌い……ではないです。だって、あなたが言うように結婚が本当なら、未来の私は
あなたを愛してるわけだし……でも」
「でも?」
「ごめんなさい、やっぱりからかってるとしか……」
ソフィーが消え入りそうな声でそう告げた。ハウルの顔が悲しそうに歪められる。
「どうして?」
「………あなたが、すごく綺麗だから。姿もだけど、心も優しいし綺麗だわ……
でも、私は綺麗じゃないし何も出来ないし。それで結婚だなんておかしいもの」
ソフィーが自嘲するように笑った。自分自身を卑下する性質は昔から変わっていないらしい。
ハウルはむきになって彼女の肩を揺さぶった。
「違う、ソフィーは綺麗だよ。未来の君にもいつも言ってるけど、君は僕なんかよりも
ずっとずっと綺麗だ」
ガラス球のような緑の瞳に射抜かれ、ソフィーが瞳を潤ませた。その表情があまりに
脆くて色っぽくて、ハウルが思わず彼女のそれに唇を寄せた。
「あ……」
重ねられたあたたかい感触に、ソフィーが顔を背けた。赤く染まった頬に手を添えながら
大粒の涙を零す。
「……出て行って……」
「…あの、ごめん……」
「出て行って!」
「ごめん……あとで下に降りておいで。食事を用意しておくから」
小さくなって震えているソフィーに、ハウルは優しく囁いた。彼女は無言で彼を
見つめると、ベッドにもぐりこんだ。
それから三日間、ソフィーはハウルの前では普通に振舞えなかった。何をしていても
あのキスが蘇り、泣き出しそうになる。
確かに、彼は素敵な人だ。綺麗だし優しいし、思いやりにも溢れているし、何より
自分をとても愛してくれる。自分の夫だというには上等すぎる程の人物だ。別に
心に決めたファーストキスの相手がいたわけでもないからそんなに傷つく必要もないのだが
それでも心がざわめいた。
自分はまだたったの13だ。恋愛小説にだって夢中になるし、いつか落ちるであろう
恋に憧れないわけでもない。彼が悪いわけではないが、何となくがっかりしてしまった。
物語のラストを、不意に知ってしまったような気分だった。つまらないというよりも
拍子抜けしてしまう。
「……愛してる、ってどんな感じかしら?」
胸がきゅうきゅうと締め付けられる感じが、もうずっと取れない。
その痛みは重いのに、なぜか甘やかだと思った。
ソフィーが13歳の姿になってからそろそろ一週間が経とうとしていた。彼女も
ここでの暮らし慣れて来た様で、よく笑うようになったし、ハウルにも随分と心を
開くようになった。が、それが問題だとハウルは考える。
たとえ幼くなろうと、ソフィーの魅力は少しも変わらない。元の姿ももちろん可愛かった
けれど、今はもっと儚げで、でもどこか蠱惑的で目が離せない。その愛くるしさに
時々欲望が押さえられなくなる。抱き締めたいと思うし、むちゃくちゃに抱いて
しまえればとすら思ってしまう。
「……なんで呪いが解けないんだろ……このままじゃ、狂いかねない」
失敗した呪いを処分しながら、ハウルが呟いた。あの魅力を前に手出しできないのは
殆ど拷問に近い。しかし、がっついて無垢そのものの彼女を怯えさせるのも可愛そうだし
そんな風ことは望んでいない。だから、結局はこうして悶々としている他ないのだ。
「ハウル、起きてる?」
こんこん、とドアを叩く音が聞こえ、名前を呼ぶ声が届いた。細くて可愛らしい声は
間違いなくソフィーのものである。こんな真夜中に、とハウルは窓の外を一瞥した後に
ドアを開けた。
「ソフィー、どうしたの?こんな時間に」
廊下には、枕を抱きかかえたソフィーが立っていた。夜着一枚で頼りなさそうに
ハウルを見上げている。
「あの、恐い夢見ちゃって。だから、えっと……一緒に寝てもいい?」
ソフィーが恐る恐るといった様子で訊ねた。その顔には別に故意も他意もないようで
余計にたちが悪い。
「……いいよ、入って」
やばいな、と思うよりも先に口が動いていた。ソフィーは顔をぱっと輝かせ、嬉しそうに
笑う。その笑顔にハウルはばつの悪さを覚え、目をそらした。
「何かしていたの?」
散らかった机を見て、ソフィーが明るく訊ねた。ハウルが何でもないと首を振り、彼女を
ベッドに案内する。彼女の年齢や反応からマルクルの部屋を使わせていたので、二人で
眠るのは随分久しぶりだ。
「ふふ、あったかい」
布団にくるまったソフィーがにっこりした。ハウルもそうだね、と答えたが、内心
それ所ではない。こんな至近距離で無防備な姿を晒されたら、理性を保つのも容易ではないのだ。
「……もう少し、寄ってもいい?」
一定の距離を保っているハウルを訝しんだのか、ソフィーがそう囁いた。彼がぐっと
眉根を寄せる。しかし、彼女は答えも聞かずにつつつ、と身体を彼のほうへ寄せた。
「ソフィー」
「嫌?」
ハウルにたしなめるように名前を呼ばれ、ソフィーは首を傾げた。彼の眉間に寄った
皺がどんどん深くなる。
「嫌じゃないけど、ちょっと」
「嫌じゃないなら、こうさせて?私、ハウルの傍に行きたい……」
少女の甘い囁きに、ハウルの理性の糸がぷつりと切れた。瞬時にソフィーを抱き込み、押し倒す。
「え……」
口を乱暴にふさがれた事と急にひっくり返った視界に、ソフィーが目を瞠った。
ハウルがそっと唇を離し、申し訳なさそうに目を細める。
「ごめんね」
ハウルが熱っぽく囁きかける。こんな時にでも、ソフィーは相変わらず天使の様に
無垢で、無性に腹が立った。汚したいと思った。
ぐ、と体重が掛けられ、自分が組み敷かれている事を知った。こんな体勢を取られたのも
取ったのも初めてで、ソフィーは驚いたまま瞬きを繰り返す。肩越しに見えた天井の
高さと木目に、何故だか懐かしさを覚えた。彼の形のいい唇が、頬や首筋を辿っていく。
何をしてるのだろう、と少しだけ不思議に思う。猫の毛づくろいに似てるとも思った。
ただ、むず痒いようなくすぐったいようなこそばゆいような、微妙な感覚が全身を
呑み込んでいく頃には、そんな事を考える余裕もなくなっていたのだけれども。
「あ、あの……ちょっとっ!」
「黙っていて、いい子だから」
「もう、やだってば!」
抵抗を試みたが、彼の指に柔らかく口をふさがれた。彼は開いている方の手でするすると
夜着を剥いでいく。素肌が剥き出しになり、頬がかぁっと熱くなる。
「やだっ!」
ソフィーがハウルを突き飛ばした。しかし、華奢な少女の力で大人の男から身を守れる
わけがない。彼はことさら優しい口付けを落とし、どうにか彼女を懐柔しようとしているが
そうされる事にすら言いようのない恐怖を感じ、胃がぎゅうっと縮む。
「いやぁっ、離して!お父さんっ、お母さん!」
ソフィーの大きな瞳に涙が浮かんだ。はたはたとそれがこぼれ落ち、身体が小刻みに
震えている。ハウルはその変化に気付き、ゆっくりと身を起こした。
「…………ごめん、また君を傷つけてしまった……」
そう言ったハウルには表情がなく、目も穴のように落ち窪んでいた。ソフィーも慌てて
起き上がり、彼を困ったように見つめた。彼は自分を傷つけたと言ったけれど
傷ついているのは彼のほうじゃないか。
「あの……ごめんなさい、私、違う、そうじゃないの」
おろおろと言葉を捜すソフィーに、ハウルは優しく微笑みかけた。彼は寝台から立ち
上がり、つかつかと扉に歩み寄って手をかけた。湛えた儚い笑いには、絶望と悲しみが滲んでいる。
「頭を冷やしてくるよ。今日は他の部屋で寝るから、ここは好きに使って。もう、君を
怯えさせるような真似はしないよ」
「待って、そうじゃなくて私!」
「……例え18歳の君が僕の妻でも、今の君は違う人間なんだ。だから、君が申し訳なく
思う必要はない」
そう言われた事がたまらなく悲しくて、ソフィーはまた涙を流した。ハウルに追い
すがり、その肩にしがみつく。
「違う!私が誰であろうとあなたが好きなことに変わりはないの、傍にいて欲しいの!」
ソフィーが搾り出すような声で叫んだ。ハウルが立ちすくみ、視線だけで彼女を振り返る。
少女は涙に濡れた頬を男の背に押し付け、そのまま固まっていた。
「……本当に?」
「あなたが好き……だからお願い、そんな事言わないで……」
ハウルが身体の向きを変え、ソフィーを抱き締めた。背の高い彼の首には、少女の腕は
届かない。きっと、未来の自分は難なく抱きつけたのだろうと悔しく感じながら
彼女は男の背に手をまわした。
「……僕は駄目な人間だから、君を必ず傷つけることになるよ?」
「いいの」
ソフィーがハウルを見上げた。彼女小さい顔には固い決意と強い意志が映っていた。
その清らかさ、鮮烈さに目を奪われていると、彼女はにこりと微笑んだ。
「例え傷ついても、あなたが好きな気持ちは少しも変わらないから」
月明かりの下に晒されたソフィーの体は痩せていて、ひどく幼かった。胸は成長を
始めたばかりで固く、膨らみはぎりぎり見て取れる程度。腰も子供のそれとなんら
変わらぬほどに細い。けれども張り詰めた肌はきめが細かく、積もったばかりの淡雪の
ように白くて、それが異様なほどにハウルを煽り立てた。
「あまり見ないで、恥ずかしい」
「恥ずかしがらないで。君はとても綺麗だ」
早口に言って顔を背けたソフィーに対し、ハウルはゆったりとした笑いを浮かべて
彼女の首に顔を埋めた。軽く唇を滑らすと、少女の身体が強張った。
「大丈夫、力抜いて」
ハウルに優しく囁かれ、ソフィーがおずおずと力を抜いた。それでも緊張は痛いほどに
伝わってくる。どうしたものか、とハウルは内心腕組みをしながら、ゆるゆると愛撫を
続けた。ただくすぐったがっていただけの少女の瞳が、次第に潤み始める。
小さい耳朶を食めば、彼女が目をぎゅっと瞑った。そのまま舌を動かしたり耳の穴に
差し入れたりすれば、少女の唇から悩ましいため息が漏れる。
ハウルの骨ばった手がソフィーの首筋をなで、胸元を覆った。緩やかな動きで彼の指が
胸のラインをなぞり、掌が膨らみを包み込んだ。繊細な動きで揉みしだかれ、少女は
身をよじった。死にたいくらいに恥ずかしいのに、信じられない程に甘美だ。頭の中に
紗がかかって、もう彼のことしか考えられない。
「ハウル……私、なんだかおかしいの…身体が熱い……」
消え入りそうに小さな声で、ソフィーがハウルに異変を告げた。彼は暖かい眼差しを
少女に投げかけ、彼女に口付けを落とす。彼の唇は少女の顎、首、胸元へと下っていき
遂には淡い桃色の蕾に辿り着いた。そっと口を開き、それを含む。
「あっ……」
暖かい舌の感触に、ソフィーが喉を反らせた。すべり出た艶っぽい声は自分のものじゃない
ようで恥ずかしい。お腹の中がじんじんして、何かが溢れ出す。なんだか切ないような
不思議な気持ちになって、彼女は投げ出していた脚を閉じた。
「んんっ……ふぁ……」
押し殺したような少女の声を聞き、ハウルが口を離した。ソフィーの赤茶の髪を梳き
ながら甘く囁く。
「声、出していいからね」
「だって、恥ずかしい……」
「聞かせて?ソフィーの声、聞きたい……」
ハウルの熱っぽい囁きに、ソフィーはどぎまぎしながら頷いた。彼は満足げに笑うと
彼女のウエストから腰に手を滑らせ、ぴたりと閉じられた脚に触れる。少女の身体が
ぴくっと反応した。
「脚、開いてごらん?」
囁きに操られるように、ソフィーがおずおずと脚を開いた。ささやかな茂みの奥も
すべすべした下腹もただ白く、これを汚すのかと思うとわずかな罪悪感といいようの
ない喜悦が感じられて、ハウルは唇を吊り上げた。
ハウルの長い指が少女の未完成な秘部に触れた。ぴく、と幼い身体が跳ね、眉がぎゅっと
引き絞られる。
「いやっ!そんなとこ、汚い!」
排泄にしか使わない部分に触れられた事により、ソフィーが血相を変えて叫んだ。
ハウルはこの歳だとそういう反応も仕方ないか、と苦笑を浮かべながら、茂みをゆっくり
掻き分け、地肌に触れる。
「あっ」
何ともいえない感覚が背中を駆け抜け、ソフィーが頼りない声を上げた。次第にぴちりと
閉じられていた秘唇が押し広げられ、内部が晒される。彼女は羞恥に顔をしかめ、脚を
とじようとするが、ハウルがそれを許さない。
「やだ……」
僅かだったが蜜を吐き出しているそこに、ハウルは目を奪われていた。小さなそれでは
自分の昂ぶりを受け入れる事はできないかな、と心配になる。けれども、熱に侵食された
身体が彼女を解放するとは思えない。
「痛いと思ったら、ちゃんと教えるんだよ」
ハウルはなるだけ冷静を装ってソフィーに告げた。彼女はぼんやりとした表情のまま
頷いた。言葉の意味が解っていないらしい。
ハウルは微苦笑を口の端に乗せ、指先でソフィーの秘所を撫でた。輪郭をなぞったり
18歳の時も敏感だった核を嬲ったりするうちに、蜜の量が増えていく。彼はひどく
神妙な面持ちで、次第に開かれた少女の中に人差し指を沈めた。
「んっ!」
痛みを感じたのか、ソフィーがうめいた。ハウルが心配そうに彼女の顔を覗き込む。
「大丈夫?」
「ん………なんか、変な感じがする……」
ハウルは彼女がなるだけ痛みを感じないように指を動かし、胸の突起を指先で弄ったり
耳朶を食んだりと絶えず快楽を送り込み続けた。強張っていたソフィーの顔が緩み
次第に息があがり始める。
沈められた指の数が増え、ソフィーがまた声を上げた。しかし、その声に痛み以外の
何かも滲んでいたのに気付き、ハウルはほっと息をつく。
「痛くない?」
「ぁ、ん…うん……」
下肢に感じる違和感に気を取られて訳がわからなくなっているのだろうか、ソフィーは
慌てて首を縦に振った。ハウルは彼女にゆっくりと口付けを落とすと、指の出し入れの
スピードを上げる。それに比例するように、少女の甘い鳴き声があがった。彼は少しだけ
哀れむような顔をしてから指を抜き、服を脱いだ。彼女がさっと顔を背ける。
「これからする事はね、どうしてもソフィーが辛い思いをしなきゃいけない。だからね、
嫌だったら我慢しないで言って」
「痛い、の?」
ソフィーが不思議そうに訊ねた。何ひとつ解っていないこの子に苦痛を強いるのは
心苦しい。しかし、今さら引くことも出来なかったのでハウルは厳かに頷く。
「どうしても初めは痛いよ。でも、ソフィーが嫌なことを僕はしようとは思っていない
から、きちんと伝えて欲しい」
「……それは、ハウルが私を好きだからするんでしょ?」
「そうだよ」
上目遣いに訪ねて来たソフィーに、ハウルはきっぱりと言い切った。少女が晴れやかな
微笑を浮かべて頷く。
「じゃあ大丈夫。心配しないで」
少女のいたいけな微笑みに、ハウルは目を伏せた。ごめんね、と最後に一言だけ呟いて
彼はソフィーを抱きしめ、先ほどからの行為で湿っている秘所に自分の昂ぶりを押し付けた。
感じる熱に彼女の細い肩がびくりと揺れる。
入り口に自身をあてがい、ハウルはゆっくりと腰を勧めていった。ソフィーが怯えたように
目を見開き、小さく叫んだ。存分に濡れているわけではないが苦痛を感じるほどはないだろうという
読みは見事に外れてしまったらしい。少女の狭いそこは他者の侵入を拒み、彼を締め
出そうとしているかのように縮こまり続ける。
痛い、と少女は歳相応の情けなさで泣き叫んだ。大丈夫などと微笑む殊勝さはどこかへ吹き飛び、ただ本能のままに泣き喚く。その様は目を背けたくなるくらいに哀れで、それでいて官能的だった。
「あぁあ!っ、くぁ!!んっふぅ……!!」
痛いと口にした事でハウルの顔が曇った事を聡く感じ取り、ソフィーは慌てて唇を
かんだ。くぐもったうめき声があがり、それが彼の罪悪感を攻め立てた。
「……ごめんね……」
すすり泣く少女の身体を無理やり開くのは申し訳がなかったのだが、それでも久々に
触れた女の肌、しかも愛する者の身体はハウルを魅了して止まなかった。
「いいの……ハウルが気持ちいいなら、私、それでいいから……」
すすり泣きの間から、ソフィーが途切れ途切れに囁いた。ハウルは辛そうに目を伏せながら
腰を勧める。こつ、と先端が彼女の最奥に当たった。半分程度しか収まらなかった事に
気付き、男はさらにばつの悪い思いをする。いくら健気だといえ、彼女の未熟なそこは
彼を受け入れるには貧弱すぎた。
「大丈夫、泣かないで。全部入ったから」
肩で息をしている少女を落ち着かせようと、ハウルは囁きかけた。ソフィーは涙に濡れた
眦に微笑を浮かべ、彼に抱きついた。
「繋がってるの……?」
「そうだよ」
「……嬉しい……」
ソフィーが泣き笑いの様な微妙な表情を浮かべた。微笑みの形につりあがった唇に
ハウルはキスを落とし、彼女の手首をシーツに縫いとめるようにおさえた。
「…動いても、大丈夫?」
少女が微かに顎を引き、強張らせていた全身から力を抜いて身体を男に委ねた。
彼は彼女を抱きとめると、ゆっくりと律動を開始した。
「愛してるわ……解るの、これがそうだって………」
少女がかすれた声でうわごとを呟くのと、男がうめき声をあげて彼女の中に飛沫を
ぶちまけるのは、殆ど同時だった。
「……ハウル、どうしたの…?」
事が終り、泣き腫らした目のソフィーは黙りこくっているハウルに訊ねた。彼は静かに
少女の中に埋めていたものを抜き取ると、彼女を抱き締めた。
「ハウル…?」
「本当にごめん、いくらなんでも性急すぎた」
「そんなっ!」
ソフィーが声を上げ、それから顔をしかめた。半分程度しか入らなかったにも拘らず
彼女の秘所からは鮮血が流れ出していて、細い腿を不気味に汚している。それが彼女の
身体の幼さを物語っていて、ハウルを苦しめた。
「こんなに酷く傷つけるとは、思っていなかった。愚かだったね」
感情のない、強いて言えば自責に心を失ったような言い方でハウルが言った。
ソフィーがその事に恐ろしさを感じ、彼の目を真っ直ぐに見つめた。
「そんなことない、あなたは私を愛してくれた。ねぇ、私いま幸せよ」
「ソフィー」
瞳一杯に涙をため、大きく頭を振りながらすがり付いてくる少女を抱きながら、男は
口付けを彼女の額に落とした。彼女は顔をあげ、大して彼は痛々しい微笑を浮かべた。
「ありがとう、僕もとても幸せだ」
けれども、そういったハウルの顔はひどく悲しげで。幸せではあるが、それが心から
出た言葉ではない事が容易に読みとれ、ソフィーがまたすすり泣いた。彼にそういう
顔をさせてしまう自分が悔しい。満足に妻としての務めを果たせない自分が憎い。
「………早く大人になりたい。早く、あなたの愛した私になりたい……」
みっともなくしゃくりあげながら、ソフィーがハウルの背に腕を回した。彼は彼女を
抱く腕に力をこめると、最大限の誠実さをこめて囁いた。
「どんな姿であろうと、僕は君を心から愛しているよ」
幼い少女は、何時までも何時までも泣いていた。彼女の恋人である男は、彼女の髪を
撫で続けた。
その晩、不思議な事が起こった。それは言葉に魔法を込められるソフィーの
「早く大人になりたい」という強い願いのこもった呟きがそうさせたのかもしれないし、
見た目には解らないが五年分年若くなって浮かれていたヒンが中身をぶちまけてしまった
薬品の効果かもしれないし、高くひっかかっているような満月を睨みながら呪いを
唱えていた魔女の努力の成果かも知れない。
どれがそうさせたにせよ、夜半に不思議な事が起き、ハウルは目を覚まして本能的に
その魔術を払いのけた。ソフィーは穏やかに眠り、マルクルも大人しく寝ていた。
起きていたヒンと魔女はその場に倒れ、カルシファーだけが動き始めた魔に息を吐いた。
肌寒さを感じて毛布を引き寄せると、小さなうめき声が付いてきた。うっすらと目を
あけると、息のかかる距離にソフィーが眠っていた。それに気付いてハウルは微笑み、
彼女を抱き寄せた。暖かい体のぬくもりに息を吐き、もう一度眠ろうとした。
が、胸の辺りに感じる圧迫感に目をあける。
「え?」
傍らで安らかに眠っているのは、間違いなく愛しいソフィーだった。長い睫毛の、白い肌の、
なだらかな肩に細いが女性らしい身体つきをした、星色の髪の少女。
「ソフィー!」
ハウルが思わず叫び、ソフィーが慌てて飛び起きた。まじまじと彼の顔を見つめ
彼女は怪訝そうな顔をする。
「な、なに?」
「あぁ、君……元に戻ってる!」
幸せそうに叫んだハウルに、はい?とソフィーが素っとん狂な声を上げた。不意に
何も着ていない事に気付いて、慌ててシーツを引き寄せる。
「わ、私なんで裸なの?掃除していたはずなのに?」
おろおろと首を振るソフィーをハウルは抱きすくめ、長いため息をついた。彼女は
目を白黒させたまま彼のなすがままにされ、そのまま大人しく抱かれていた。
「ソフィー……」
「なに?」
ハウルは何も言わずにソフィーに口付けた。それから泣きそうな顔で微笑み、
もう一度唇を寄せた。
「お帰り。とてもとても、君に会いたかったんだ」
以上です。長すぎましたねorz
すいません、こっちのミスです。
もしも全て読んでくださった方がいましたら、本当に御疲れ様でした。
そして心からありがとうございました。
今回はガーシュウィンです。好きです。これ。
少女ソフィーの口調がつかめなくて困りました。あと、ナボコフのロリータを
踏んでしまうと少女ソフィーが相当に黒くなるので、せめて白で。
長文乱文失礼致しました。
リアルタイムで息詰めて読みましたよー!!
なんといううまし糧!(* ´Д`)250神様禿しくGJです!!
すごく…すごく萌え…た…⊂(。Д。⊂⌒`つ
ちょいと時間差あるけど、リアルタイムで美味し糧できました。
いつもご馳走様です。〉250ネ申
相変わらず順応性高くていつにも増して健気なソフィーも可愛かったけど、駄目男度MAXなハウルに萌え(*´д`)ァァン
そして、月に呪い吐いてた荒地の魔女にも(*・∀・)モエ
ソフィーが身も心も時空を超えてたのに対して、しっかり記憶を保っていたあたり流石は年…じゃなくて、荒地の魔女様。
250ネ甲、乙です!いつもハアハアさせていただいてますv
今回も著しく萌え…!!! 読み応えがあるのは大歓迎でつよ〜
13歳ソフィーの口調、ちゃんとおばあちゃんに変えられてしまうまえの
彼女を彷彿とさせてくれてたと思います!映画の冒頭、ハウルと出会う前後の
ソフィーたんが脳内にだぶって二重にモエ…13歳くらいの彼女はほんとに
こんなかんじなのかもですね。
2回もソフィーたんのお初をいただけるハウルたんは幸せ者だなあ…
次作もテカテカ待ってまつv(個人的には媚薬ネタに一票)
若返ってたときのことを覚えてるソフィーにこのロリコン野郎ってハウルが
罵倒される展開を予想してたんだけど
まあきょうび厨でもガッコウでこそこそセクースする時代だから
ロリコンもなにもないかも知れんな。まあいいじゃないかそこに愛があるならばw
ここのところ神だらけで嬉しいなー。
250さん相変わらず、うまし糧。GJ!!
黒ソフィーロリ版だったらどうなっていたんだ…白ソフィーだと
健気さがなんともいえずイイですな。ハウルもそりゃムラっと来るさ。
次回もテカテカしながらお待ちしてます。
もえもえで保守。
魔力で人間の男に変身したカルシファー×ソフィー読みたい・・・・・
18歳のソフィーと12〜3歳くらいの仔ハウルのエロが読みたいなぁ
仔ハウルの初めてがソフィーなんてドチドチするじゃないですか(漏れだけか)
765 :
名無しさん@ピンキー:2005/06/23(木) 12:45:17 ID:EFKmivzy
>>763 未完で良ければ、保管庫にあるぞ。<擬人化カル×ソフィー
他にも未完SSって結構あるんだよな。ちょと切ない(´・ω・`)
ごめん…間違えて上げてしまったorz
>>764 それ(・∀・)イイ!!
またハウルの過去に迷いこんでしまって…みたいな。
それときめくなー<18歳ソフィー×仔ハウル
764さんだけじゃないどー ドチドチするの!
レティ×ソフィも未完なんだよね…
保管庫で読み返して続きを妄想してるよ。
ホシュー!
ほしゅ
神待ちホッシュ
お久しぶりです。媚薬ネタは上がんなかったんで、白ソフィーやります。
傾向 ハウソフィ 映画版 微エロ? 少し長いんでご注意を。
「愛しいソフィー、僕と結婚していただけませんか?」
夕陽に赤く染まる花園の中で、美しいの青年は傍らに座っている星色の髪の少女に向けて、
真面目な顔でそう訊ねた。彼の全身は夕陽に染まり、そういった頬が一層赤い。
少女は全身を薔薇色に染め、瞳を潤ませた。唇はゆっくりと微笑みの形を作ったが
すぐに真一文字に引き結ばれた。強い風が吹いて、花びらが散り、彼女の髪も流れた。
浮き上がった髪を押さえながら、彼女は静かに首を振る。縦にではなく、横に。
「………え?」
「お気持ちだけ、有難く頂いておきます」
少女はまっすぐに青年の目を見据えて答えた。鈴の様な声の余韻が響き渡る。
「どうして!」
青年が声を荒らげた。少女は彼の頬に手を添え、それから微笑む。
「誤解しないで、あなたの事は本当に愛してるわ。でも、その気持ちだけで充分」
「でも、ソフィー。僕は君を妻に迎えたい」
少女の華奢な肩を掴み、青年が詰め寄る。彼女は柔和な笑顔のまま首を振り、彼に
ゆっくりともたれかかった。
「あなたの傍にいられるなら、もう何も望まない。そう決めたの。だから、いいの」
言い切ると、少女は深呼吸を二回した。いい匂い、と小さな声で呟き、だらりと
降りていた彼の手を握る。
「私を甘やかしたりしないでね。期待してしまうから」
少女の言葉の真意が分からず、青年は泣き出しそうに顔をゆがめた。彼女はもう一度
幸せそうに目尻を下げると、そっと彼の唇に自分のそれを寄せた。そのままゆっくりと
腕を廻し、二人は背の高い草花の間に倒れこむ。柔らかい風が吹き、星の様な白金色と
闇夜の如く深い藍色が宙に舞った。
ソフィーが失踪したのは、あの花園でプロポーズをした次の日だったから、もう一週間も
前のことになる。必ず戻ります、という書置きを一つ残し、彼女はひっそりと家を出て
いった。理由もわからず、家族達はただ呆然とした。ことに彼女の恋人である魔法使いの
青年は、ただただ絶望に打ちひしがれていた。
「だからと言って、こうして愚かに振舞う事が許されるとでも思っていて?」
深紅のローブに身を包んだ初老の魔女が、呆れたようにため息をついた。所在なさ気に
立ちすくんでいる青年に対し、彼女は落ち着き払って椅子に身を沈めている。魔女は
静かに向かいの椅子を指さし、座りなさい、と促した。
「そうなった理由はわかります。あの若いお母さま……いえ、言い換えます……
ハッター嬢のせいでしょう?」
冷ややかな微笑を作り、王宮付き魔法使いであるマダム・サリマンは愛弟子である
ハウルを見た。彼は憤然とした表情を浮かべると、無造作に椅子に腰を下ろした。
「人が一人失踪しているのですよ?そんなに冷たいことを言っていてよろしいのですか?」
弟子の挑戦的な物言いに、サリマンは紅い唇をさらに吊り上げた。そのまま若い少女の
ような口ぶりで尋ねる。
「だとしたら?」
「人間性を疑います」
ハウルにぴしゃりと答えられ、サリマンはころころと笑い声を上げた。それから、
持っていた扇子で彼を指す。
「不甲斐ない事。彼女が出て行ったのも、よく解るわ」
サリマンの言葉に、ハウルの眉間に刻まれていた皺がさらに深くなった。彼女はもう
一度座り直すと、扇子で口元を覆った。
「私が何も知らないとでも?調べさせていただいたわ、あなたとハッター嬢のことを。
随分と入れ込んでいるようじゃない」
ハウルが苛々とサリマンを睨んだ。彼女は表情を崩さずに目を眇める。
「同じ家に住み始めて随分経つみたいね。彼女の為に花屋を作ったのも聞いたわ。
それに、私も彼女をここで何度か見かけているの。よく連れまわしているようで」
言葉の真意が分からずに、ハウルは小さくみじろぎする。サリマンは相変らずの
冷笑を浮かべたまま、首を傾げた。
「あの娘を、抱いたのですか?」
ハウルが固まった。薄く開いた口からは何の言葉も発されず、押し黙っている。
しかし、彼は長く息を吐くと微かに視線を落とした。
「何度も?」
それを肯定だと取ったのか、サリマンが畳み掛けるように訊ねて来た。ハウルが
気まずそうに唇をとがらせる。
「………噂を知らないのですね」
「……どんな噂ですか?」
「彼女が、あなたの情婦だと」
サリマンがため息とともに呟き、対峙したハウルは凍りついた。彼女は彼の顔を見ると、
静かに目を伏せた。非常に美麗な、そして冷淡な動作だった。
「年若い娘が、男、それもある程度の地位をもった者とともに暮らせば、嫌でも
そのような噂は立ちます。その上あなたは、私の弟子である上に王様の覚えもいい。
そして私が後継者にと願っている人物です。不本意でも目立つのは、仕方がありません」
「でも、彼女には何も関係ない!」
「……あなたは、あの娘を手元に置いておきながらも結婚もせず、婚約もしなかった。
そういう扱いをする以上、誰だって彼女を情婦だと認識するはずです」
「そんなつもりは……」
「ハッター嬢は聡明な方ね。きちんと自分の立場を理解していたから、姿をくらましたの
かもしれません。あなたの将来を心配してくれているのよ」
サリマンがそう言い、傍らの水晶玉を軽く撫でた。ハウルが腰を浮かせ、
大股に部屋を横切る。
「どこに?」
「ソフィーを探しに。失礼します」
「……もう少しして、あなたが落ち着くようになったら、今日呼びつけた理由を伝える事にします」
「しばらく会うことはないでしょう。少なくとも、ソフィーが戻るまでは」
冷ややかな視線を恩師に投げかけながら、ハウルが口元をゆがめた。サリマンは
柔らかな苦笑を浮かべると、愛弟子を見上げた。
「彼女はきっと戻るわ。待っていておやりなさい」
「………どうして?」
「……あなたが考えるよりもずっと、私はあなたの事を思っているのよ」
情愛や、執着以外の心でもね。
言外に匂わされた言葉に、ハウルは少しだけ瞳を潤ませた。彼は頭を下げると、
足早に魔女の執務室を出て行った。
しかし、サリマンの言葉とは裏腹に、ソフィーは一向に姿を見せなかった。それから
さらに一週間が経ち、失踪してから半月が過ぎた。魔法で何度も見つけ出そうと
試みたのだが、彼女が見つけられまいと強く念じているのか、ちっとも見つからない。
途方にくれたハウルは、日がな一日を花園の中の小屋で過ごすようになった。
おびただしい量の魔法書を読んで、新しい公式や道具や呪いを考えたりもした。
酒で唇を湿らして、眠りこける事もあった。でも、そうしていられるうちはまだ幸せだった。
昼間にふと空を見上げれば、彼女の暖かい視線が思い出され、夜はさらに分が悪く、
星色の髪の感触や輝き、月のように優しく清らかな面影が蘇った。
自分を呼ぶ甘い声が、あの、何者にも変えがたい唇の柔らかさが、温もりを持った
細い身体が、抱き締めた質感が、滑らかな肌も涙に滲む睫毛も全て。彼女の姿が、
自分を侵食していく。もはや発狂するのを待つしかなかった。それ位、切羽詰っていた。
「ソフィー……」
結婚を申し込もうと考えたのは、彼女と暮らし始めてすぐだった。家にいてもらう
以上、微妙な関係ではいられないのはわかっていた。でも、もしも彼女の愛が自分の
思い込みだとしたら。そう考えると恐ろしくて、口にする事が出来なくなってしまった。
彼女の愛をもっときちんと確認してから。そう自分に都合のいい解釈をして、何時までも
先延ばしにしていた。
ただ、そう考える以上は超えてはならない一線があった。苦しいほどの独占欲や
猜疑心、そして子供じみた愛情を持て余しても尚、清い心で接しなければならなかった。
それが道理だった。しかし、自分はその道をいとも簡単に外した。彼女の寝台を移させ、
なんの躊躇いもなく抱いた。彼女は、行為の間はいつも泣いていた。
あの涙は痛みや恥ずかしさや悦びからだろうと、彼女の泣く訳をなんとなく解った
ふりをしていたのだが、おそらく、不道徳を行った事への不甲斐なさや悔しさも感じて
いたのだろう。真面目で、身持ちの固い彼女が婚前交渉に応じるという事は、それ相応の
覚悟を決めたという事で。自分は彼女を想っていたのに、平然と彼女の心を踏みにじった。
「どうか……どうか戻ってきておくれ……君に、謝りたい事があるんだ」
寝台に身体を投げ出し、かさかさに乾いた声でハウルが呟いた。あんなに艶やかだった
漆黒の髪は、今は力なくくすんだ灰色となって広がっている。
満月の光は神々しいほどに白く、それが憎くて仕方がない。
「……馬鹿ね、こんなに痩せて……」
明け方の靄が満ちた小屋の中に、一人の少女が立っていた。彼女は寝台に腰掛けると、
横たわっている男の髪をかき上げた。
「あまり、食べてなかったの?それとも、眠っていなかった?」
男の光のない瞳が、少女を捕えた。濁った深緑色の目が、みるみる透きとおっていく。
「そ、ふぃー……?」
「ただいま、ハウル」
ソフィーが柔らかく微笑んだ。何事もなかったかのように、ごくごく自然に。
ハウルはよろよろと上体を起こし、ゆっくりと彼女を抱き締めた。
「ソフィー」
「心配かけてごめんなさい」
「ソフィー」
「こんなに遅くなるつもりじゃなかったのだけれど」
「ソフィー」
それしか言葉を知らないと言うように、ハウルはただただ恋人の名前を繰り返した。
ソフィーは彼の背に腕を廻し、彼の髪を優しく梳いていく。
「でも、戻ったわ」
「……夢を、見てるようだ……」
瞳を熱く潤ませながら、ハウルがソフィーの目を覗き込んだ。彼女の目にも涙が
浮かんでいる。二人はどちらともなく唇を寄せ合い、ベッドに倒れこんだ。
浅い口付けの後に、一瞬の間があく。
「だめだ……また、同じことになる……」
「いいえ」
暗い表情のまま起き上がろうとしたハウルを引き寄せ、ソフィーはきっぱりと言い切った。
そのまま、伸び上がってキスをする。
「ならないわ。私は、そうなる事を望んでいるもの」
不敵に微笑んだソフィーに、ハウルは言葉をなくした。なおも躊躇っている彼に、
彼女はことさら優しく囁きかける。
「私はあなたが恐くないわ。だって、見た目よりもずうっと優しい心を持っているから」
「あんなに君を傷つけたのに?君の気持ちがわからない、愚か者なのに?」
ハウルが自嘲するように吐き捨てた。ソフィーは首を振り、晴れやかに微笑んで頷く。
「構わないの。あなたの愛に応えるために、私はここに戻ったんだもの」
そういったソフィーの顔はきらきらと輝いていて、何の迷いも躊躇もなかった。
ハウルはもう一度彼女の瞳を見据えると、そっと唇を寄せた。
低いうめき声が漏れ、それと時を同じくして甲高い悲鳴が響いた。淫らに表情を
崩した少女は苦しそうに肩で息を切り、呼吸を乱れをどうにか直した青年は彼女の顔を
見て目を細めた。
「大丈夫?」
「ん……久しぶりだったから……」
ソフィーが照れたようにそう言い、髪の乱れを直した。ハウルは彼女を抱き締め、
口付けの雨を降らせる。
「あ、重かったね」
ハウルが慌ててソフィーの上から身体をずらした。彼女は少しだけ残念そうに彼に
手を伸ばし、次の瞬間には男性の割には細い、でも力強い腕に抱きこまれていた。
「ソフィー……」
「なあに?」
「寂しかった」
ハウルがソフィーの髪に顔を埋めながら呟いた。彼女はふ、と笑いを漏らすと、
彼の掌を自分の頬に添えた。
「……今まで、お母さんのところに置いてもらっていたの。あなたには言ってなかった
けれど、私、あなたの家に住み込みで働いてるってお母さんに嘘付いてたの。
暮らしているけど、何でもないって」
「なんで?」
血相を変えたハウルに、やっぱり怒ると思った、とソフィーはあっさり言った。
言葉をなくす彼に、彼女は儚い笑顔を浮かべて見せた。
「事実、そう思っていたんだもの。抱かれるのも、置いてもらってる以上は仕方のない事だって。私はあなたを愛しているから、そうなる事に抵抗はなかった。むしろ求めてもらえるのは嬉しかったわ。でも、すごく悲しかったのも本当」
淡々とまるで他人の事を話すようにソフィーが言った。ハウルが悲しげに目を閉じる。
「きっと、あなたは私と結婚する気なんてないんだろうなって思ったの。だからどんなに
願ってもいつかは捨てられるんだから、そうなるまでの日々を幸せに暮らそうって決めたの。
もしその時が来ても、幸せな記憶だけで生きていけるようにって」
ソフィーの微笑みは脆く、そして彼女の言葉には嘘がなかった。ハウルは胸苦しさを
覚えて唇を噛む。
「だけど、あなたはそうじゃなかった。私と結婚してくれるって言った」
泣き出しそうに声を震わせながら、ソフィーが言った。ハウルが慌てて彼女の顔を見る。
彼女はただすぅっと目を細め、唇を持上げた。
「そう言ってもらえて、すごく幸せだった」
ソフィーの目に涙が滲み、ハウルの顔もくしゃりと歪んだ。
「なら、どうして断った?」
「失いたくなかったの……手に入れたものはいつかは失うけれど、手に入れていない
ものなら、失くなりはしないから……」
ソフィーもハウルも、幸せと縁遠い人間だった。ソフィーは物心つく前に実の母を
亡くしているし、まだ幼い頃に実の父にも先立たれた。義母も義妹も優しく、彼女を
愛してくれたが、それでも今は離れている。ハウルに関しても似たようなもので、
唯一信じ、愛し、尊敬していた叔父は魔法学校に入った翌年には死んでいる。一種の
因果か何かのように二人は出会い、惹かれあい、愛し合った。だが、愛し方を知らない
ハウルはソフィーを傷つける事でしか彼女の愛を確認できなかったし、愛され方を
知らないソフィーはハウルがどんなに心を痛めているかに気付かないまま、全てに
期待するのをやめた。だから、こんなにも二人の心は傷だらけで、よじれていて、
無様なのだ。
「ごめんね」
そう耳元で囁かれた声は、泣き声のように掠れていた。ソフィーは彼の背に腕を廻し、
か細い声で訊ねる。
「……どうしてハウルが謝るの……?」
「君を沢山苦しめ、傷つけたから」
「ハウル……」
ソフィーが弱々しい泣き声を上げ、ばつが悪そうに視線を下げているハウルにしがみついた。
彼は彼女を見ようともせず、早口に言葉を続けた。
「君を幸せにしたかったのに、僕は何ひとつしてやれなかった。傷つけてばかりで、
何も与えられなかった。当たり前だよね、出て行きたくもなる。僕は、君の気持ちを
少しも解っていなかった」
「………ハウル」
「君がそんなに苦しんでいるだなんて、知らなかったんだ」
こんなに傍にいるのに、二人の心が遠いのに気付いてソフィーはぽろぽろと涙を零した。
ハウルは悲しみに打ちひしがれて、震えている。
「……昔々、あるところに愛を知らない王子様が住んでいました」
小さな、それこそ闇夜の静けさに負けてしまいそうなほどに微かな声でソフィーが
囁いた。ハウルが不思議そうな顔で彼女を見る。
「王子様はある晩、醜い老婆を無碍にしたが故に呪いを受け、野獣の姿になりました。
それからしばらくして、野獣に無礼を働いた男の代わりに、男の娘がやってきました。
彼女に惹かれた野獣は結婚を申し入れましたが、娘ははいとは言ってくれませんでした」
ハウルが顔をゆがめた。ソフィーは彼の唇を人差し指でなぞると、彼の首筋や胸に
口付けを落としながら言葉を続けた。
「娘はある晩、病気になった父親が心配だから家に帰りたいのだと野獣に告げました。
野獣は彼女を愛しているので傍を離れて欲しくはなかったのですが、彼女を愛して
いるからこそ彼女を自由にしてやりました」
「………どうして?娘が離れていかない保証はないのに?」
ハウルが不満げに唇をとがらせた。ソフィーが微かに微笑みながら彼の髪を撫でた。
「愛しているからよ。野獣は娘を愛しているから、彼女を信じたの。愛とは求める物
ではなく、与える物だと気付いたのよ」
ソフィーがぐっとハウルを引き寄せた。彼女の花色の唇が、彼の品よく薄い唇を捕えた。
二人はしばらくの間唇を重ねあい、そして、きつく抱き合った。
「続きは?野獣はどうなったの?」
ソフィーの首筋に唇を這わせながら、そっとハウルが囁いた。彼女は目を細めて彼の
愛撫を受け入れた。甘い吐息の狭間から、物語が紡がれる。
「野獣は中々戻らない娘を待ちわびて、遂には患ってしまいました。でも、彼は娘を
信じて待ち続けました。そして娘は戻ってきて、瀕死の野獣を見つけました。彼の
純粋な愛を目にし、彼女はようやく、自分がどれだけ野獣を愛しているかを知りました。
そして、娘は彼の求婚を受け入れました。その時、二人の愛の深さに呪いは解け、
野獣は元の王子様の姿に戻りました。そして、二人は永遠に幸せに暮らしました」
そういう話、とソフィーは微笑んだ。ハウルが泣きそうになりながら微笑み、彼女の
唇にもう一度自分のそれを重ねた。
「……娘は、野獣を信じてた?戻る気でいた?」
「もちろんよ。彼女が立ち去ったのには訳があったし、彼女は野獣を想い続けた。
娘は彼を愛していたから、約束どおり野獣のもと戻ったの」
そう言いきると、ソフィーはまっすぐにハウルを見つめた。大きな瞳が涙で滲んでいる。
強張った顔のまま、彼女は息を詰めていた。
「……もう一度、答えて欲しい」
「………はい」
「ソフィー、僕と結婚してくれますか?」
「はい」
弱々しい上目遣いで覗っているハウルに、ソフィーは今開いた花の様な、あるいは
朝露の輝きの様な、もしくは星の瞬きの様な笑顔を浮かべ、しっかりとした声で答えた。
「私の愛しい人、もちろんです。私はあなたと結婚します」
とさり、と軽やかな音が立って、ソフィーがハウルに組み敷かれた。彼は目を閉じ、
泣き笑いの表情を浮かべて彼女を抱き締めた。
再び甘い声が上がりはじめ、二つの身体が絡み合う。男のくすんだ灰の髪が、艶やかさを
取り戻してだんだんと宵闇色に戻っていく。少女は指先に感じるすべらかさに微笑み、
彼の頭を掻き抱いた。
遠い国の物語のように、夜は優しく暖かく恋人たちを包み込んだ。
以上です。久々に書いたから微妙……。
無駄に長いし…。もちっと精進してきます。
今回はラヴェルです。英読みだとTHE MOTHER GOOS だそうです。
美女と野獣は好きですが、ディズニー版よりかはボーモン夫人の原作かな。
コクトーも好きですけど。エロティックで。
>>774-786 背徳的(と感じてる)のが嫌なソフィに萌えもえ。
じわっとくる萌え、好きだなぁ。うるおいますた!
蝶久々に萌えキタ━━━━━(*゚∀゚*)━━━━━!!
漏れも、美女と野獣は原作のが好き。
*・゜゚・゜ネ甲!!.。.:*・ 今回も超うまし糧!!!
互いに必要としながらすれ違ってしまう想いに萌え、
わがままで臆病なハウルに萌え〜ですた。
シヤワセな結末でヨカッタ…次作も期待しておりまつ。
花園の小屋で一人へこたれてるハウルに萌えますた
どうやら弱弱しいハウルも好きかもしれない自分。そしてやはり250タソの
ソフィーはいつも乙女で愛らしい・・・。男前なソフィーも好きですが
まだ18歳なんだもんなーと思い直して愛しくなりました。今回もGJです(・∀・)イイ !
250さん、GJでした!コクトー版「美女と野獣」で想像して読んでましたが、原作版でしたか。原作も好きなんでww
鼠−版は端から考えて無かった…
今回はグッと恋人同士の心のすれ違いに萌です。待ってたかいがありました〜
神が来てた(´∀`)
いつもながらのうまし糧!!
250さん、相変わらず素敵なお話!GJ!
しっとり系でハァハァ、揺れる不安がたまらん感じでした〜
若かりし頃の国王とサリマンって、色々あってもよさそうだけど…そんなこと無いか。
映画版のサリマン先生は若い頃美人だったような顔立ちだよね。
なんかあった相手を妄想するなら同僚の魔法使いで有能なライバル的存在の人とかかな〜
そんなことより知ってるか?
映画は微妙だったからかスレ速度は落ち着いてきたが
原作のおかげでコアがスレに残りつつある事実を!
コアな話を読めるのも醍醐味だよね
まぁなにが言いたいのかと言えば
此処の作品群は面白いよ
への字口を想像しないしな
職人さんと絵師さん
お疲れ様です
映画版設定でもここの職人さんの書くのは結構好きだけどなぁ。
オリジナルの方で好きなんは原作だけど。
今、ネタをあたためてる人ってどのくらいいるんだろ?
次スレはジブリスレと合流かなぁ。
ノシ
とりあえず、一本は今週末くらいには落とせそうです。それとは別にあと二本ほど
暖めています。寂しいですけど合流ですかねぇ……。
リクあれば書きますよ。数字版の方のネタでない限りは。
その内DVDも出てまた盛り上がる時もくるだろうし
新スレ4を立てて落ちないようにしててもいいと思うけどなぁ
|ω・`)…ネタあたためてるつもりが、なかなかモエ話に発展しない…
最後に投下したのは何ヵ月前だろうww
こんな自分なので、やっぱりハウルスレがあった方がありがたい〜。
(そのためにもばんばん書きたいんだけど。
ジブリスレの職人さんとハウルスレの職人さんの投稿ペースを考えると、
今、合流すると暫くハウルの占有状態になりそう…?
>>799 (゚д゚)ノシ
原作版でエロなしの小ネタを…。間に合うかなあ。
あと、映画版で微妙なエロネタを今考えてます。
自分で読み返すと手直ししたくなって進みません。
出来上がったので落とします。
若干荒いつくり、かも……?強姦に近い描写もございますので、苦手な方は
ご注意ください。
傾向 映画版 ハウソフィ エロあり
荒い息遣いが響き、獣の様なうめき声と淫らに甘い、でもどこか切羽詰った喘ぎ声が
部屋に満ちた。まだあどけない顔をした少女は苦しそうに呼吸をしながら、覆い
被さっている男の背に爪を立てている。広い背中には爪の跡が赤く残り、いくつかからは
血が滲み出している。少女は甲高い叫び声を上げ、何度目かの絶頂を迎えた。
意識が途切れたのか少女の首がぐらりと天を仰ぎ、男はそれを見とめて律動を止めた。
彼女を犯していたものを抜き取れば、少女の愛液と混じったおびただしい量の白濁が
中からどろりと重そうに垂れてくる。空気に晒されたことで、赤く腫れたそこが彼を
求めるようにひくりと蠢いた。男は意識のない少女の身体を反転させると、細い腰を
掴んで膝を立たせ、もう一度己を突き入れた。その刺激に少女が目を覚まし、シーツを
掴んで悲鳴をあげる。悲鳴に滲む喜悦に男は薄く笑い、少女は快楽からなのか恐怖からなのかも
解らない涙を零しながら全身を震わせた。何度も高みに押し上げられた体は、彼女の
疲れ果てた心とは真逆で手ひどくされてもなお快楽を貪っている。時間を追うごとに
少女が限界を迎えるペースがだんだんと速まっていき、男はうっとりとした表情で彼女を
翻弄し続けた。もう、夜が白々と明け始めている。
少女は絶望と怒りを感じていた最後の理性さえも手放し、遂に男の与える快楽の前に
屈服した。
その晩、ハウルが帰ってきたのは日付が変わってからだった。リビングでうたたねを
していたソフィーは、がたんという大きな音で目を覚ました。
「ハウル?」
影のような足取りで、ゆらゆらとハウルが部屋に入ってきた。ソフィーが慌てて
駆け寄り、彼の前に立ちはだかる。
「どうしたの?心配していたのよ。こんなに遅くなるなら、何か一言くらい
言って欲しかったわ!」
ソフィーが怒ったような口ぶりでハウルを見上げた。彼は目を見開き、心底驚いたような
深く裏切られたような顔で彼女を見つめている。
「何?まるで幽霊でも見たみたいな顔して」
ソフィーが冗談めかして笑った。しかし、ハウルの顔には全く表情がなく、冷めた
瞳で遠くを見ている。彼女は戦慄を覚え、みじろいだ。
「ど、どうしたの……?」
「もう寝る。今夜は部屋に入らないで」
「どうして?」
「近寄って欲しくないんだ」
一転してか細い声で訊ねたソフィーをはねつけ、ハウルが淡々と言った。彼女は
面食らったように彼の腕を掴む。その瞬間に、彼の身体が硬直した。
ハウルはゆっくりとソフィーに向き直り、無言で彼女を抱き寄せた。唇をぐいと
押し当てる。驚きに彼女の動きが止まった一瞬を利用し、彼の舌が彼女の口内に
滑り込んだ。
「んっ!」
いきなり自分の舌を絡め取られた事に驚き、ソフィーが声を上げた。ハウルは目を
閉じ、巧みに彼女を翻弄していく。彼の舌は別の生き物のように動き回り、歯列を
なぞり、歯茎を刺激し、彼女の舌を引き抜かんばかりに吸いつく。
まだ男女の営みに慣れていないソフィーは、どうにかハウルから離れようと腕を
振り回す。しかし、彼はびくともしない。次第にがぐがぐと華奢な膝が震え出し、
彼女の顔が真っ赤に染まる。ぐったりともたれかかってきた細い身体を難なく
持ち上げると、彼は寝室に向かうべくゆっくりと歩き出した。
「……一体、何を………?」
怯えたような声音で、ソフィーが小さく呟いた。ハウルは答えず、少しだけ笑った。
どさ、という音がしてソフィーの身体が寝台に投げ出された。ハウルは手早く服を
脱ぐと彼女に覆い被さる。ひ、と小さく息を呑む声が漏れた。
「ごめんね……ソフィーが悪いんじゃないけど、それでもやっぱりソフィーじゃなきゃ
駄目だから……諦めて」
ハウルが久方ぶりに言葉を発した。言葉の意味が解らないのか、ソフィーが不思議
そうに彼を見上げた。彼は目元を和らげると彼女の首筋に顔を埋める。赤いあざが
いくつも残り、ソフィーの体は吸いつかれる度にびくりと跳ねた。彼の長い指が器用に
踊り、するすると少女が纏っていた物が剥ぎ取られていった。無残に破かれ、
投げ出された少女の夜着は純白。貞淑の色だ。目の端に移る白色の恐怖に震えながら
少女は叫んだ。
「やぁっ!待って、あ、嫌…!」
耳朶は食まれ、晒された胸が彼の手に覆われる。まだ固さを残したそこをぎゅ、と
きつく握られて、ソフィーが腰を浮かした。そのまま揉みしだかれ、彼女の眉が
ぎゅうっと引き結ばれた。ハウルの呼吸は異常なほどに速い。頬も赤く、酷く興奮した
ように目を潤ませながら彼女に愛撫を施している。そのおかしな様子に一抹の不安を
覚え、ソフィーは喉を鳴らした。
「ちょ、やだ!待って、なんでっ……あぁぁっ!!」
不意に突起をきつく摘まれ、ソフィーが声を上げた。ハウルの荒々しい行動に怯え、
彼女はなんどもなんども彼を引き剥がそうともがく。しかし、彼は全くの無頓着さで
唇を胸元に寄せ、右側の固くしこった蕾を口に含んだ。
「んんっ!や、もう…っいやぁぁぁ!!」
ねっとりと舌が絡められ、ソフィーの身体が弓なりにしなった。弱点を付かれ、彼女の
身体から力が抜けていく。だんだんと抵抗する力も弱まり、それに気付いたハウルが
にやりと口の端をゆがめた。
「気持ちいいの?あぁ、ソフィーはいやらしいな……こんなに固くして。見て?
下も濡れ始めてるよ……」
「っし、しゃべらないでっ!」
胸元に当たる息を感じとり、ソフィーが慌てて叫んだ。ハウルは口に含んだままの
突起を甘噛みし、手を伸ばして潤み始めている彼女の泉に触れた。
「ひゃっ!」
可愛らしい声が上がり、ソフィーが眉根を寄せた。ハウルはわざと音を立てて彼女の
胸を舐め、悪戯に羞恥を煽る。熟れた林檎よりも赤い顔で、少女はいやいやと首を
振った。銀の髪が揺れ、幾筋かが頬に張り付く。
「あぁ……本当に君って人は……誘ってるの?」
ハウルが興奮したように叫び、ソフィーの内部に指を押し進めた。彼女の脚がぴんと
つっぱる。彼は自分の人差し指を差込み、何度か出し入れを繰り返して濡れ始めたのを
確認すると、二本、三本と指の本数を増やしていった。
「あぁぁっ!!」
「何本いける?三本?四本?」
仰け反ったソフィーの身体をベッドに沈めながら、ハウルが嬉しそうに言った。
彼の目は爛々と光り、そこにはいつも浮かべられている理性も知性も映ってはいなかった。
少女は恐怖にただ身をよじり、叫び声を上げた。が、男の大きな掌に彼女の花色の
唇は柔らかく塞がれる。
「む、ぅっうン!」
「もうドロドロ。すごいね、さすがだよ」
意地悪くもハウルがソフィーにそう囁きかけた。彼女が血相を変えて身体をばたつかせる。
彼は優雅な所作で少女を押さえつけると、身体を密着させて猛りきった熱い己を
彼女の大切な部分に押し付けた。彼女は死に物狂いで彼の頬を張り、身を起こして構えた。
「ソフィー?」
「無理やりなんて嫌!抱かれるのは構わない、でも訳を話して!そうしてくれないなら
舌を噛み切って死んでやるんだから……!」
恐怖に震える心をを意地と自尊心で押し殺しながら、ソフィーが低い声で警告した。
ハウルの目に穏やかさと理知がすっと戻る。彼は動転したように二、三度瞬いてから
かすれた声で懇願した。
「ごめん…でも、今晩だけは大人しく抱かれて……」
「どうして?」
「薬が廻ってるんだ。もう多分……保たない…」
薬?とソフィーが目を瞠った。ハウルは皮肉っぽい笑いを浮かべると、紅を塗った
ように赤い唇で彼女のふっくりとしたそれを塞いだ。
「姦淫剤、だよ」
その台詞が、その晩のハウルの発した最後の『まともな』言葉だった。それを機に
男は獣に戻り、少女は恐怖に引きつった顔のまま組み敷かれた。
ずるり、という嫌な音と共に、少女の身体が割り開かれた。鉄の杭を打ち込まれた
ような感触に、彼女が泣き声を上げる。最後の砦であった身体も奪われ、思考も
何時まで持つかはわからない。舌を噛んでやる、なんていう殊勝な誓いもどこへやら
ソフィーはただ一心に喘いでいた。ハウルははぁはぁと荒い呼吸を繰り返しながら
彼女を攻め立てる。
「あ、あああっ!ふ、んふっ!んぅ、あ!」
言葉にならない音だけが喉から押し出され、ソフィーの羞恥を煽る。ハウルはすっかり
理性を失い、彼女を気遣う事もせずに律動を繰り返す。凄まじい快楽に耐えられなく
なったのか、少女が男に縋りついた。男はそれに気付き、勝ち誇ったような笑いを
浮かべる。
「気持ちよければ、なんでもありだろう?」
「んっ!んん、んン!ふぇっ……」
耳元で囁かれた言葉に、ソフィーは泣きながらいやいやした。しかし、全身を支配する
熱には抗えず、小さく震え出す。ハウルが彼女の唇を奪い、腰をぐいと押し進めた。最奥に彼の先端があたり、彼女の内部がくっと窄まる。彼は獣じみた表情で腰を動かした。
「あぁ!ハっ…う…も、あっ、あ、や、あ………いやああっっ!」
それが何度か繰り返されるうちに、少女の喘ぎ声は短くなり、そしてついには悲鳴と
なって切れた。それに連動するように、男が彼女の中で果てる。熱い液体を注ぎ
込まれる間、彼女の細い足がびくびくと跳ねていた。
「ひどい……何てことするの……?こんなのってないわ……」
心底悲しそうな声をあげて、ソフィーが泣きじゃくった。涙が頬を焼き、行く筋もが
赤くなってしまっている。しかし、ハウルは興味なさそうに彼女の足を持ち上げると
自分の肩にひっかけた。
「な、何を……」
ハウルが底意地の悪い笑いを浮かべると、再び硬さを取り戻した己をソフィーの中に
突き入れた。
「嫌……やめて……」
怯えきった声でどれだけ懇願しようと、男は侵入をやめようとはしない。
再び甘く痺れ出した体を恨めしく思いながら、少女は彼から顔をそむけた。
結局、ソフィーはハウルに一晩中犯され続け、仕舞いには全ての抵抗をやめて快感を
貪るようになった。ハウルは快楽の前に屈させた少女を、自分が力尽きるまで延々と
翻弄し続けた。二人は夜明けにようやっと眠りに落ち、そのまま泥のように眠った。
白々とした夜明け、カーテンの細い隙間から差し込んできた光に、ソフィーがそっと
目を開いた。すぐ目の前では、青白い顔のハウルが寝息を立てている。
「ハウル……」
つぶやいた声が老婆のようにしゃがれていたことを知り、ソフィーは慌てて喉を
押さえた。二、三度咳払いをして元の声を取り戻す。彼はまだ深い眠りの中を
さまよっている。
きつく抱きしめられたままの状態を知り、ソフィーはため息をついた。自分を苦しめ
狂わせたものがまだ体内にある。ということは、彼も自分に溺れて気を失ったのだろう。
彼の腕を振り解き、腰を引いてそれを取り出すと、全身が鈍く痛み、そして内腿に嫌な、
強いて言えば重みを含んだ液体が伝うのを感じた。手を伸ばしてそこに触れると、
男を受け入れていた部分は腫れ上がっていて、液体を掬い取るとわずかに血が
混じっていた。まさかそんなになるまでも、と理性を手放した自分と獣のようだった
彼にいまさらながら戦慄と驚愕を感じた。
手についた精液をシーツになすりつけ、ソフィーはハウルに背を向けてもう一度目を
閉じた。それだけの動作をするのが辛く、全身がだるい。どうしようもない疲労に
苛まれながらも、彼女は静かに眠りへと足を進めていった。
浅い眠りの中で、夢を見た。
ソフィーはマダム・サリマンの前で目を見開いて固まっていた。ふわふわと柔らかい物、
まるで雲のような敷物の上に二人は立っていて、サリマンは相変わらず豪奢なイスの
上で真紅のドレスを着て、涼しい顔をしている。
「こんばんは、ソフィーさん」
「こ、こんばんは」
涼やかに微笑んでサリマンが言った。それから、おかけなさい、と空いた場所を
示した。その途端、一人がけのソファが浮かび上がってくる。ソフィーは頷き、
それにおずおずと腰掛けた。
「大丈夫なの?」
サリマンが上目遣いに尋ねた。ソフィーが慌てて自分を見ると、ハウルに引き裂かれた
はずの夜着一枚という出で立ちだった。ひらひらと薄くて体の線が微かに透けている
それでは、どうにも寒々しい。
「はぁ、でも……大丈夫です」
ソフィーが気丈に微笑んで見せた。サリマンがため息をつく。
「そうじゃないわ。首よ」
そういうとサリマンは自分の胸元をすっと一撫でした。ソフィーが同じ動作をして
胸元を見やると、そこには無数の赤い斑点がついていた。彼女の顔が真っ赤に染まる。
「開いている服は賢明ではないわね。あの子の趣味なの?」
サリマンが妙に砕けた口調で言った。たしかに、その美しい夜着はハウルに贈られた
ものだが、そんなことまで判ってしまうだなんて、師は侮れない。
浅い眠りの中で、夢を見た。
ソフィーはマダム・サリマンの前で目を見開いて固まっていた。ふわふわと柔らかい物、
まるで雲のような敷物の上に二人は立っていて、サリマンは相変わらず豪奢なイスの
上で真紅のドレスを着て、涼しい顔をしている。
「こんばんは、ソフィーさん」
「こ、こんばんは」
涼やかに微笑んでサリマンが言った。それから、おかけなさい、と空いた場所を
示した。その途端、一人がけのソファが浮かび上がってくる。ソフィーは頷き、
それにおずおずと腰掛けた。
「大丈夫なの?」
サリマンが上目遣いに尋ねた。ソフィーが慌てて自分を見ると、ハウルに引き裂かれた
はずの夜着一枚という出で立ちだった。ひらひらと薄くて体の線が微かに透けている
それでは、どうにも寒々しい。
「はぁ、でも……大丈夫です」
ソフィーが気丈に微笑んで見せた。サリマンがため息をつく。
「そうじゃないわ。首よ」
そういうとサリマンは自分の胸元をすっと一撫でした。ソフィーが同じ動作をして
胸元を見やると、そこには無数の赤い斑点がついていた。彼女の顔が真っ赤に染まる。
「開いている服は賢明ではないわね。あの子の趣味なの?」
サリマンが妙に砕けた口調で言った。たしかに、その美しい夜着はハウルに贈られた
ものだが、そんなことまで判ってしまうだなんて、師は侮れない。
「はぁ……あの、聞きたいことがあるのですが……」
「何?」
サリマンが親しい友人のような微笑を浮かべて答えた。ソフィーが二、三度ためらう
ように視線を泳がせ、それから覚悟を決めたように顔を上げた。
「ハウルに薬を飲ませたのは、あなたですよね?」
「……そうよ」
さらりと、まるで何のやましさも感じさせないような言い方でサリマンは肯定した。
ソフィーが唖然として表情を崩す。
「何でまた……」
あんなことなさったんです、とソフィーが泣きそうになりながら尋ねた。サリマンは
涼しい顔で扇子を仰いでいる。
「そうねぇ、私があの子に薬を飲ませた理由は……早く孫の顔が見たかったからかしらね」
妙にアンニュイな様相でサリマンが笑った。ソフィーが困ったように唇を持ち上げ
かけ、でもそのまま固まった。
「それだけ、ですか?」
「子供でも出来ればあの子も落ち着くかと思ってね。上手くいったらあの子が私の
手伝いをしてくれるかもしれないと思ったのもまぁ……本当かしらね」
「だとしても、さすがに酷いんじゃありませんか?私、すごく困りました」
泣き出しそうに震えた声でソフィーが吐き捨てた。サリマンがすぅっと血の様に
紅い唇を持ち上げた。
「本当にはね、お菓子の家を壊してやりたかったのよ」
お菓子の家、とソフィーが鸚鵡返しした。サリマンは皮肉っぽく笑うと、扇子の
先を目の前の少女に突きつけた。
「あの子と向き合うというのはね、そんなに易い事じゃないのよ。あなたが下手な幻想を抱いているようじゃ、あの子が傷つくのは目に見えてる。あの子があなたのせいで苦しむのは、絶対に許せないの」
「でも」
言葉の圧力に圧倒されながらも、ソフィーはサリマンをにらみ返した。
「でも、私は彼に理想なんて押し付けていません。私は、ありのままのあの人が好きなんです。どんな彼でも、受け入れる覚悟は出来ています」
よく響くつよい声で、ソフィーは高らかに言い放った。サリマンは目を見開き、
ややあってから立ち上がった。
「早くお行きなさい。目覚めたときにあなたが夢の中にいたら、あの子は寂しがるから」
サリマンは早口にそういうと、ソフィーの肩を押した。それから、あの余裕のある
笑顔を浮かべた。
「この事は忘れなさい。でも、目覚めてからあの子を責めるような真似はしないで。
あの子は何も悪くないのよ」
「……今回の事は、貸しにしておきます。でも、あなたを許しはしません」
ソフィーが冷ややかな視線をサリマンに浴びせかけ、会釈をした。彼女よりも
ずっと年上の魔女は、絶望したような顔をしていた。
がたり、と体に衝撃を覚えてソフィーが目を見開いた。ベッドのスプリングが鈍く鳴る。
その物音にか、ハウルも薄く目を開いた。カーテンの隙間から、陽光が差し込んでいる。
「……ソフィー?」
「今、何時かしら……?」
明るい日差しに驚き、ソフィーが慌てて立ち上がろうとした。しかし、体が鉛のように
重たく、うまく動かない。困り果てている間に、ハウルがだるそうに起き上がって
カーテンを開けた。それから長いすにたたんであったガウンを着、対になっている
一枚をソフィーに渡す。上半身だけを起こした彼女はそれを着て、上目遣いに彼を
覗った。
「ねぇ、昨日は……」
「ソフィー」
ハウルがベッドに腰掛け、ひどく真剣な面持ちでソフィーの手をとった。それから、
彼女の目をまっすぐに覗き込んで問う。
「僕は……昨日の夜、君に何かした?」
この人は自分をからかっているのだろうか、とソフィーは怒りに顔をほてらせた。
しかし、ハウルの顔には冗談もからかいも浮かんでいない。
「……何も、覚えてないの?」
ハウルがうなずいた。ソフィーがぐらりと天を仰ぐ。
「あんな酷い事したのに……覚えてないの?」
「酷い事?」
「だって無理やり……」
ソフィーは沸いて来た怒りに任せてまくし立てようとしたが、ハウルの顔色がみるみる
青ざめてきたのに気付き、口をつぐんだ。
「無理やり、抱いたの?」
「違う、そうじゃないわ…」
「嫌がる君を、無理やり?」
ハウルはまさに茫然自失の表情で、虚ろな笑いを浮かべていた。ソフィーが夢の中の
会話を思い出し、慌ててハウルの頬を手のひらで包む。
「………薬、飲んだの?」
「あ、あぁ。多分」
ハウルがばつが悪そうに視線をはずし、ソフィーが彼の首に腕を回してしがみつく。
「落ち着いて。私、怒ってないわ」
「どうして?そんな酷いことをしたのに?」
心底信じられないというようにハウルが吐き捨て、ソフィーは大きくかぶりを振って
から彼と自らの額を付き合わせた。
「今回ばかりはあなたが悪かったんじゃないわ。それにね、あなたあんな状態でも私がいいって言ってくれたから……だから、いいの。許してあげる」
細い腕でハウルの頭を掻き抱いて、ソフィーはやさしく、暖かく囁いた。彼は彼女に
体を持たせて、少しだけ泣いていた。彼女も泣いていたが、だが、それが何になると
いうのだろう。
「……守られるだけなんて真っ平。私が、あなたを守ってあげる」
鼻先をハウルの髪の中にうずめ、ソフィーが低い声でつぶやいた。
その目には力強い決意がみなぎっていた。
以上です。この話はもしかしたら次につながるかもですし、あるいは
もうお仕舞いかも。マダム・サリマンのハウルに向ける気持ちは性愛9:愛着1と
言うところでしょうか。アウトローなキャラなので、割に好きです。
822 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/15(金) 23:59:18 ID:bnNlw5M5
神が来てる〜!!
250さんいつもながら、うまし糧!
「真直ぐ前を見てる」ソフィな感じが今回して、映画のソフィがマダム・サリマンに対峙するシーン思い出しました。
媚薬ネタってまさかハウルが盛られてとは思って無かったんで結構新鮮でした〜
このお話、続いて欲しいです。
うまし糧!今回も大萌えさせてもらいました。
最後のソフィも凛々しくて素敵。
続くかもしれないってのは3角関係ものですかね?性愛9ってスゴイ。w
サリマンコエー
ソフィータソかっこいいす (*´Д`)ハァハァ
>>821 ソフィーさんって強い人のイメージがあるから、すごく好きだなこの話…
落ち込むハウルをなぐさめるソフィーに萌えました。
サリマン先生はハウルに対する執着の仕方がなにげに怖いですよね。
もし次のエピソードがあったら嬉しいなぁ。
でもどんな話でも嬉しい。おつです!
次スレどうする?
立てべきではないかと思いまふ。ジブスレと統合じゃこのスレで
投下伺ってる神々もやりにくいだろうしなー。まあDVD期待ageというわけで
まったり待ちましょうよ。まあ個人的な意見デスガ
250タソ相変わらずの美味し糧。サリマンせんせーテラコワス
でもせんせー大好き。そして絶望ハウルにモエモエしました。すんません