”以心伝心”ってこういうのを言うのか?
俺の気持ちがそことなくジャスミンに伝わっているらしい。そして、俺もジャスミンの
不安を”耳鳴り”という形で受け止める。
”あの事件”以来、俺たちは”以心伝心”をきっかけに”仲間以上の関係”に
なったはずだったのに、いきなりそれは途切れてしまった。
”稲光”――ボスから聞かされた事件のキーワードに。
「俺とジャスミンで捜査させて下さい!」
相棒がボスに申し出た時から、俺の気持ちはジャスミンには届かなくなっていた。
いつもの俺よりも暴走する2人。俺が止めても
「黙れ、お前に何がわかる!」
「私たちで始末する。行きましょ、ホージー」
そう言って、勝手に捜査しやがって。「やめろ」ってジャスミンに向かって”呼んで”も、聞きゃしねえ。
センちゃんからそのアリエナイザーと地球署の”初代デカレッド”が関係していると聞いて
気になって2人の後をつけてみた。
とある倉庫。倉庫の中をそっと覗くと2人が何か話しをしている。
……ジャスミンが一言ぽつりと。
「厳しくても本気で気にかけてくれてたギョクさんにもう一度会いたい」
それを聞いた瞬間。――キィ…ン――
耳鳴りと共に、俺の目に映ったのは、俺とウメコとテツがいない”過去の地球署”の映像。
――捜査を共にする相棒とジャスミン。こいつら……やっぱりコンビだったのか。
2人が捜査から帰って、デカルームに戻る。デカルームに居たのは、ボスと、スワンさん。
そして、センちゃんと一緒にいたのが……この人が”ギョクさん”か。
戻ってきたなり、ギョクさんとやらに、相棒とジャスミンが怒られている。珍しいな。
「ハートは熱く持て、しかし頭は常に冷静沈着に保つんだ!……いつも言ってるだろ!」
「まあまあ、ギョクさん……2人もきちんとわかってますよ……な、ホージー、ジャスミン」
(……センちゃんはもう既にこの時から仲裁役かよ……)