それというのもこの頃ヤムチャとブルマはうまくいっていなかった。
隠していてもヤムチャが女の子をとっかえひっかえ遊んでいることを
ブルマは知っていた。知らないフリをしてヤムチャと一緒にいることが苦痛でならなかった。
ふと窓から中庭を見下ろす。ブルマにはあまりの速さに目で追いきれなかったが、時折汗を流しながら訓練するべジータが見えた。
力でしか自分を表現できないあの男が、野蛮だと思い続けていた男が、ヤムチャなんかと比べるととても清いところにいるような気がした。
サイヤ人とは気持ちが純粋なのだろうか?べジータと話しているとき、あのギスギスした気持ちがなくなり、
一緒にいると、自分の気持ちまできれいになるような気がしていた。
この日はブルマの誕生日だった。ヤムチャと過ごすのだとべジータにうるさく自慢しながら出て行ったが、
夕食前にはなぜか帰ってきていた。
ブルマはおいしそうに料理を食べ、ケーキのロウソクを楽しそうに消していた。べジータにはそう見えた。
楽しそうな親子3人。まさしく絵に描いたような家族。
ふいにべジータはこの場にこれ以上いたくない衝動にかられ、部屋を静かに出る。
今まで感じたことのない不安。
この感情が何なのかをべジータは知らなかった。孤独というものを実感し、
寂しいという気持ちを味わうのは今日が生まれて初めてだった。
薄暗い自分の部屋で電気も付けずにソファに座っている。
考えに詰まると宙を見るのがべジータの癖のようだ。
腕を組み、足を組んだ状態でピクリとも動かない。
どれくらいの時間がたっただろうか?
「わ!!」
掛け声と共に突然ソファーの後ろから抱き着いてきたのはブルマだった。
「!!!」
「どこにいるのかと思ったらこんなとこにいたのね〜!!」
笑ってるブルマをよそにベジータは背後にいたのを気づかなかったことに軽いショックを受けていた。
この家の中で安心しきっていた自分自身に飽きれてしまう。
『はなせ!!!大体きさまには常識がないのか!ここは俺の部屋だぞ!?』
そう言って部屋から追い出せばいい。考えは固まっているのに初めて抱かれる心地よさに
身動きが取れない。安心しきった子供のように静かに抱かれている。
「…」
「…」
いつもと違うベジータのおとなしい態度に、ブルマはさっき部屋を出て行ったときの
ベジータの顔を思い出した。変わらないしかめっ面だったが、どこか寂しそうな…
「ベジータ…」
その声にハッと我に返るベジータ。ブルマの声がいつものからかう調子とは全く違い、
静かで落ち着いていることにベジータは気付いていた。
「あんた…寂しいのね…」
消え入りそうな声でつぶやいたブルマの手はさらにきつくベジータへとからまる。
その瞬間、弾かれたようにベジータがブルマの腕をつかみ、力任せに引っ張る。
突然のことにブルマは一瞬何がなんだかわからない様子だ。
「ちょっ!?あいたたたた!!」
身体に感じる衝撃がなくなり、固く閉じていた目を開けるブルマ。
気づくとベジータの後ろにいたはずなのにいつの間にかベジータのひざに寝転んでいた。
「な…」
「お前…ヤムチャを愛しているのか」
唐突な質問。しかもヤムチャの名前が出て、一瞬ブルマの身体がビクッと震える。
見る見るうちにその顔がクシャクシャになり、大きな瞳から涙が溢れ出した。
ベジータはこんなときの対処方法を知らないのでただただ驚いた顔で眺めるばかりだ。
「あ、あたし…あたしベジータといるのが、た、楽しくって、だからこのままじゃあんたのこと
好きになっちゃうっておも…思ったから…だ、だからいっそ誕生日に勢いでエッチしちゃえば
ヤムチャのこと完璧に好きになるって…そう…そう思ったのに…」
「…!!!」
いきなりのブルマの告白に、今の今まで普段と変わらなかったべジータの顔が真っ赤になっていく。
頭がすでに混乱していた。
「なのにヤムチャったら…わ、私が行ったら他の女とベットにいたのよー!!??」
ここまで一気に言うと、わー!!っと子供のように泣き出してしまった。
両手にこぶしを作りそのまま目を押さえたポーズでなき続けるブルマを、あっけにとられて見ていたが、
心を満たす優しい気持ちにベジータはふっと顔をほころばせた。
「…?」
髪に触れる優しい感触にブルマは思わず泣き止み顔を上げた。
見たこともない優しい顔で見下ろしているベジータ。ゆっくりと落ち着かせるように
ブルマの髪をなでてていた。
「ベ、ベジ…」
そっとベジータの顔がブルマの顔に近づいてくる。
静かに目を閉じたブルマにベジータは触れるだけの優しいキスをした。
本当にエロに到達するまで時間がかかってすみません!
明日終わらせます。
ブルマが無印の頃っぽくてこれまたイイ!
無邪気で自信たっぷりで案外子供っぽいんだよね。
いいよいいよー
ベジータはどこで「愛」という言葉を知ったんだろうね?
続き楽しみです。自分のペースで焦らずにどうぞ。
神キタ―(・∀・)―!
純愛ベジブル大好物なので嬉しいです!GJ!!
明日も正座して待っていますハァハァ
わー!あんな長い文を読んでいただいてすごくうれしいです!
本当にありがとうございます!
>>346 そうなんです!あの初登場で主人公を殺そうとする頃のブルマが大好きです!!
>>347 どうなんでしょう?あれは違和感あるかなと思いながらも書いちゃいました(^∀^;)
>>348 すみません…あの本当にエロがうまくかけなくて…。ほ、本物の純愛だとどうか思い込んで読んでください!!
では一応終わりましたのでカキコします!
またまた長いです。
静かに互いに見つめ合う。
急にブルマは自分の置かれている状況を理解した。
どんどん顔が赤くなり、身体が震えている。
とりあえずこの密着した体制をどうにかしないと…。
「ちょ…ちょっと待って」
そう言うとブルマは片手をベジータの胸にあて、動きを制しながら上半身を起こす。
「こ、こんなのおかしいわよね!?だってだってさ!わ、私たちそんな関係じゃ…」
何だか少し怖かった。その気持ちも打ち消すためにわざと明るく振舞う。
なにより真剣な空気はブルマがもっとも苦手とするものだ。
ベジータは胸に当てられているブルマの手をぎゅっと握り、驚いて顔を上げた隙にまた軽くキスをした。
ブルマは真っ赤なまま言葉にならない言葉を口の中でモゴモゴ言っている。
「お前は…黙っておれんのか」
無表情にそう言い放つと、すばやく逃げられないようブルマを抱き寄せ
硬く閉じる唇を押し広げて舌を侵入させていった。
「ん…ん!?んんー!!!」
初めての感覚に驚いたブルマが暴れている。
ベジータはなおもきつく力を入れ抱き寄せた。
舌を絡めとり、ゆっくりとその味を堪能していく。
直接的な快感がブルマの力を奪う。気が付いたときには身体を全てベジータにあずけていた。
段々と、何も考えられなくなっていく。
「…はっ…んっ…はぁ…」
なまめかしく漏れる声と水音が暗い部屋に広がっていく。
ブルマは自分の下半身が燃えるように熱くなっていくのを感じていた。
ふとももの下にあるベジータのものもすでに熱く猛り、ブルマの思考を壊していく。
1分ほどしてベジータはブルマの身体から手を放した。
そのままベジータの膝に倒れるブルマ。
すでに興奮しきっていた2人の息は荒く、無言で見つめあう。
ブルマの顔は赤く、唇は唾液にまみれて光り、その目は虚ろにベジータを捉えていた。
今まで見たことのない、気弱で色っぽいブルマ。その顔がベジータの理性をなくさせる。
ビリビリ!!
「きゃっ!!??」
突然ベジータは邪魔だとばかり、ブルマの服を引き裂いた。
破れた服の間から青いブラジャーが覗いている。
一気にブラジャーをつかみ上げると、形のよい胸がぷるんと出てきた。
息を荒げ、ピンクの乳首にむしゃぶりつく。
「えぇ!?や…やだちょっと…あ!?やぁ!!」
暴れる身体を押さえながら片手でもう一方の乳首をいじり始めた。
「ぅんん!!や…あぁ!…ふうぅ」
ベジータの手が胸から下の方へ移動し、短いスカートの中に入る。
下着の上から人差し指でその割れ目なぞった。
「あっ!!……………??」
初めての性器からくる快感に大きな声で喘いだブルマだったが、
一瞬にしてベジータからの刺激が一切なくなった。
不思議に思い、目を開けてみるとベジータが自分の身体にまたがったまま、濡れた指を凝視している。
「な、なに?」
呼吸を整えながらのブルマの声にハッとし、そのまま無言でキスをする。
実は女性の反応をよく知らなかったベジータは、下着までもぐちゅぐちゅに濡れていたことに
少し驚いてしまったのだった。
それを悟られたくなかったので、キスでごまかし、手をスカートの中に戻すと激しく割れ目を上下する。
「ぃあ!?やぁ!やめっ!…ベジ…!!んん!!はっ!!ひやぁぁあん!!」
頭を振り、ベジータの腕に強く爪を立てるブルマ。一際大きくなった喘ぎ声も加わりベジータはさらに興奮した。
すでにはちきれんばかりに勃っていたものはズボンの下で痛いくらいだ。
下着の中に指を入れる。ぬるりと指が入っていった。
「ハぁ!!だめぇ!!…んん!!はぁぁ!」
ブルマは次々と襲う快感に気が狂ったように喘いでいる。
ベジータは反応を見ながら指にヌルヌルの液を絡ませ、
一番反応の強かったクリトリスを優しくだが執拗に刺激し始めた。
「ふぅ…あぁ……あ!!??はぁん!!あぁああ!!!!」
突然ブルマをすさまじい快感が襲い声が大きくなる。
気付いたベジータはブルマの顔を見つめ、さらに早く指を動かした。
「んぁあ!はぁぁああ!んん!!…あ!!…あぁぁあ!!!!!」
ブルマの身体が弓なりに反って何度か痙攣した後、ぐったりとソファに横たわった。
何度かそのまま痙攣しているブルマを見つめながらベジータは上下の衣服を脱いでいった。
肩で息をしながらブルマはその様子をボーッと見るともなく見ている。
裸になったベジータがブルマにゆっくりと近づいていった。
抜け殻のようなブルマの下着を剥ぎ取り、足を大きく広げさせた。
…途端
今までぐったりしていたブルマが急にガバッと起き上がり、ベジータのものにクギヅケになった。
「え!?な、なにそれ!!」
「な、なにがだ。」
「う、噂には聞いてたけど…本当…カメみたい」
考えなしに思ったことを口にするのはブルマの短所である。
驚いたベジータの顔。そんな言葉を口にする女がこの世にいるとは
信じられないとでもいった様子だ。
「な、きさま正気か!?さ、サイテーな女だな…」
「そ、そんなの入んない!!ヤダヤダヤダ!!」
いつものようにブルマは泣いてこの場を逃れようとする。
「本当にうるさい女だな!!」
こんな会話が恥ずかしい、地球人よりも常識人のベジータ。
この際ブルマは無視して続けることにする。
「…あ!んあ…」
ピクリとブルマの身体が震えた。
ベジータが下半身に触れると十分すぎるほど濡れていて、いつでも入れることが出来そうだ。
………さて。
ここで自分が暴れてもきっと入れられてしまうだろう事を察したブルマは決心を固めて目を閉じた。
かなり痛いと評判のものを想像するだけで涙が出そうだ。が、
「…」
「…」
いつまでたっても事は起きそうにない。ふと目を開けるとベジータがいつものしかめっ面で何か考えている様子だ。
なんせこれが初体験。これからどこに入れたらいいのかわからなかった。
頭で考えてもわかるはずはないのに、なにやら考え込んでいる。
ブルマは頭だけはいいのでベジータがどうして固まっているのかを察したようだった。
「え…?えぇ!!??」
「…」
「ちょっと!!ベジータ初めてなの!!!???」
「なっ!!」
「王子様ってハーレムなんか持ってたりするもんじゃないの!?」
そんな問い対してのベジータの言葉にブルマは今までの人生で一番といっていいほどドキリとした。
「いいか。サイヤ人は、妻とする者以外には性行為など一切行わない高潔な種族なのだ」
と、呆れた声でサラリというベジータ。
「え…?じゃあ私、奥さんなの…?」
「当たり前だ。」
「…そうなんだ」
頬が赤くなり、あふれそうなほどうれしい気持ちを抑えてうつむくブルマ。
自分がそんな大したことを言ったとは思ってないベジータはブルマの気がそれている内に、
場所を見つけることに成功し、なんのことわりも無く侵入を開始した。
驚いたのはブルマだった。
「ちょ…!!うそでしょ?まっ…んん!!あぁ!!!」
「…っ!」
ブルマの中はとてもきつかった。一定のリズムできつく収縮し、ベジータのものを痛いほど締め付けてくる。
「力を抜け。お前が泣いても…止める気は無い」
ブルマは目をきつく閉じ、痛みに耐えながら、コクンとうなずいた。
ブルマもまた、止めないで欲しかった。
先ほどまで入れるのが怖く嫌だったはずなのに、今はこの人と、当然のように妻にすると言ってくれた人と、一つになりたかった。
初めての挿入はブルマにとっては異物感と痛みしか感じさせなかった。
だが、ベジータとブルマの心は何よりも満たされていた。
ベジータはやっと孤独ではなくなった。
行為が終わった後にベッドへと移動し、寝ることにした。
しばらく無言だったが、やはり沈黙を破ったのはブルマ。
「ね。ね。ベジータってさー!私のこと前から好きだったんでしょ?ね?」
「ど、どうやったらそう思えるんだ!きさまよほどめでたく出来てるんだな」
「どこがよかったの?教えてよー!顔?それともこのピチピチの身体!?」
「…」
もはや反論するほうが面倒だと悟ったベジータは寝返りを打ち、ブルマに背を向けた。
「あー!ケチー!」
ブルマはしばらく不機嫌そうにブツブツ言っていたが、飽きたのかぴったりとベジータの背に寄り添ってきた。
その日のベジータは、心地よい温かさを背に感じながら、『一生飽きはしないだろうな』などと
ブルマよりもおめでたいことを考えながら静かに眠りに付いた。
お、終わりです…。すみません。
読見終わった方の
「えぇえ!?」
という声が聞こえそうです(;_;)
こんな長いだけの文に、最後までお付き合いくださいまして本当に感謝しています。
ありがとうございました!!
久々に神降臨!
無印のブルマはよいですな
王子の「妻」とブルマの「奥さん」発言に萌えた
また投下してくださいね
GJ!!
ドラゴンボールは総合にしない方がいいかもな…
無理だろうが
自分も総合じゃなかったときの方がよかったけど、
板ルールには違反してるし、
粘着で「統合すれ」と荒らすのが出て来るので、
このままいった方がいいと思う。
そうなったら、SS読むどころじゃなくなると思うよ。
363 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/24(木) 16:57:20 ID:hZjaXKnD
364 :
273:2005/11/24(木) 21:06:58 ID:lauNMNOj
悟チチ話
「悟空さ、悟空さ!しっかりしてけろ!」
泣き喚く若妻に、老いた医師は閉口していた。夫が大変だからすぐに来て欲しいと、彼女に山奥まで
ひきずられてきてから、かれこれ数時間になる。じき、日が暮れようとしていた。
夫は確かに大分熱があるが、何のことはない、ただの風邪である。聞けばこの真冬に、屋外で
ドラム缶に沸かした風呂に入り、何も着ずに寝たのだそうだ。事情からも、症状からも、医師は
この診立てに確信を持っていた。しかし、何度風邪だと言っても、若妻は信じようとしない。
「嘘だ!悟空さついこの間言ってただぞ、『風邪って何だ?』って!この人が風邪なんか
ひくわけねえだ…なあ、先生、ちゃんと言ってけろ。何か大変な病気なんだべ?」
ときに凄み、ときに泣いて、若妻はありもしない病気を医師から聞き出そうと躍起になっていた。
医者はついに、匙を投げた。
「ああ、ああ、そうじゃ。大変な病気じゃよ。じゃがな、ちゃんと滋養を摂って寝ていれば、
すぐに治る病気じゃよ」
若妻は、ぴたりと泣き止んだ。
「本当だべか?」
「ああ。栄養のあるものを食べさせてやったらよい。そうじゃな、この辺でとれるものだと、
熊の肝とか。猟師に頼んでもらってきなされ。それと、薬はちょうど良いのを持っているから」
若妻がやっと大人しくなったことに、医師は胸を撫で下ろし、鞄のなかから風邪薬を探し出して目を上げると、
彼女は既に、夕暮れの山へと猛然と駆け出した後だった。彼女の勢いを示すように、開けっ放しのままくわんくわんと
揺れる扉をながめながら、医師は笑顔のまま固まっていた。
「うーん……チチぃ、腹減った…」
何も知らない夫は、のん気な寝言を呟いた。
「だあぁぁぁーー!!」
凄まじい掛け声とともに、チチの拳は熊の鳩尾にめりこんだ。ずずんと、熊が地面に崩れ落ち、チチは
会心の笑みを浮かべる。
「はー、よかっただ、ちょうどいい大きさのが見つかって」
両手を合わせて無邪気に喜んでいる様は、八百屋で安売りの大根をゲットした奥様さながらである。
「ごめんしてけろ。おらの大事な大事な、旦那様のためなんだ」
持ち歩いている牛刀を、熊の胸に押し当てたとき、チチはあどけない面差しにふさわしい、少女の
表情を取り戻していた。背後に近づいている、巨大な影にも気づかずに。
「?!!」
飛びのくのが遅すぎた。しかし、あと一歩遅ければ、チチは脳天から2つに切り裂かれていただろう。
代わりに、気に入って着ている紺のアオザイが、胸元から真っ二つに引き裂かれた。溢れ出た白い
乳房を押さえながら、チチは後ずさる。先ほど倒したものの3倍はあろうかという巨大な熊が、
ほんの数歩先で獰猛な唸り声をあげていた。
倒れた熊の親か、伴侶か。その眼は怒りに血走っている。
「………」
絶対に叶わないとは、チチは思っていない。女ながら、亀仙流の達人である。うまく急所を
つけば、このぐらいの体格差はどうということはない。しかし、相手は興奮した獣である。
そのうえチチは、結婚してからというもの狩りは悟空に任せていて、獣に対する勘が鈍っている。
下手をうてば、死ぬ。チチは、小さな熊を倒すときに大声をあげてしまったことを、激しく後悔した。
「グオオオォォ!!」
「!」
振り下ろされる爪を逃れ、チチは高く跳躍した。そのまま樹の上を逃げることもできたが、
熊の肝に執着を残すチチにはできなかった。熊の間近に飛び降り、頭蓋骨目掛けて回し蹴り
を繰り出す。
「……っ!!」
瞬間、熊がにやりと笑ったように見えた。まるでチチの攻撃を見越していたかのように、振り返り
ざま、チチの足首をつかんだのだ。
「ガアァァ!!」
「うあ…っ!」
そのまま地面に頭を叩きつけられ、チチの意識は遠のいた。熊には、獲物をじわじわと嬲ってから
殺す習癖があるという。霞んだ視界のなか、熊の相貌が残忍に歪んだ。再び熊の手で宙に
舞い上げられ、チチは微かに、夫の名を呼んだ。
『チチ…チチ…』
遠くから、夫の声がする。ああおら、天国に来たんだべなと、チチはうっすらと
目を開けた。夫の顔が、間近にあった。
「悟空さ…おめえもやっぱり、死んじまっただな」
「へっ?」
「ごめんしてけろ…おらが、熊の肝獲ってこれなかったばっかりに」
「おい、チチ」
「でもこれからはずっと一緒だぁ…」
「チチ!」
大声に驚いて、チチは身を起こした。視線を悟空に戻すと、彼の背後に、大熊と小熊が仲良くのびていた。
「ご、悟空さ大丈夫だべか?」
「大丈夫じゃねえのは、おめえだろ」
悟空は、今までチチが一度も聞いたことのない、押し殺すような低い声で言った。睨むような
眼差しから、夫が抑えているのは怒りだと、チチは悟った。
「おめえ一人で、熊狩りなんて、どんだけ危ねぇかちょっと考えりゃ分かんだろ」
「だって、悟空さが…」
「熊の肝なんかなくたっておら、こんな病気ぐれえどうってことねえ。医者のおっちゃんだって
そう言ってたんだろ」
「でも、おら、悟空さのために…」
「そんなの全然嬉しくねえ!」
怒鳴られて、チチはびくりと身をすくめた。結婚してから、いや出会ってからこのかた、
声を荒げたことすらなかった夫の怒鳴り声に、チチは涙を浮かべた。
「おらがどんだけ心配したか分かるか?おめえの気がどんどん減ってくの感じて、おら
熱で悪ぃ夢でも見てんのかと思った。医者のじっちゃんにおめえがどうしたか聞いて、家飛び出して
……おめえを探してる間、おらがどんな気持ちだったか分かるか?」
「ごめん……悟空さ……」
涙が溢れる。チチはしゃくりあげ、子どものように泣き出した。分かるのだ、悟空がどんな思いだったか。
愛する人が死ぬかもしれない、それは、チチがつい今しがたまで感じていた、身を抉られるような恐怖だった。
泣き続けるチチに、悟空が手を伸ばした。小さな頭を、山吹色の道着に包まれた胸にそっと抱き締める。
「悪ぃ……」
「うっ……ひく……」
「悪い、チチ。おら自分のことばっかで…」
長い黒髪を、悟空の無骨な手がなでる。大きさも厚みも、全く違うのに、チチは何故かその手に、
父親の牛魔王を感じていた。
「おめえも、おらのこと心配してくれたんだよな?」
「………」
「ごめんな、チチ」
チチは、声をあげて泣いた。恐怖も安堵も喜びも、涙も、全て悟空の山吹色に沁みて消えていった。
「悟空さ…まだ、熱がある」
「ああ。仙豆、効かねえなぁ」
仙豆と聞いてようやく、チチは自分の傷が治っていることに思い至った。
「カリン様がさぁ、ウイ何とかってのが原因の病気には効かねぇって言ってたから、それかもなあ」
ウイルス、だろうか。それなら、確かに風邪には効かないはずだ。しかし、ウイルス性の病気は
風邪ばかりではない。チチの胸で、また心配の虫が騒いだ。
「悟空さ、辛ぇべ?早く帰んねえと」
「ああ。でもおら、どっちかっていうとこっちのほうが、辛ぇなあ」
悟空の手が、唐突にチチの手を捉えた。その行き先に、チチは、熱のある悟空よりも真っ赤な顔で
驚いた。チチの小さな白い手は、悟空の勃然とした股間に触れていた。
「こ、こんなときに何言ってるだ!」
「だってよぉ、おめえがそんな格好してるから」
悟空はからかうように、チチの裸の胸をつかんだ。揉みしだき、弄ぶと、チチの愛らしい蕾は
徐々に凝り始める。
「やめてけろ!こんな…外で…っ!」
「誰も来ねえさ。来たって、見せてやりゃあいい」
無邪気な言葉は信じられないほど淫らで、チチは目が眩んだ。木々の狭間の夜空で、三日月が
覗き見をして笑っていた。
翌朝、悟空の熱はすっかり下がっていた。
「すげぇなぁ、あれやると治るんだな、風邪って」
「く、熊の肝が効いたんだべ」
医者への礼にと、小熊のほうの肝の煮込みを風呂敷に詰めるチチの後姿に、赤く染まった
耳たぶを見つけて、悟空はたまらずに、チチを体ごと抱き締めた。
いつもよりちょっとだけ熱々の、パオズ山の朝だった。
了
ごめ……っ、エロスレなのにエロほとんど書けんかったorz
最初の名前の「273」は間違い、ごめん。
>>364 すばらしい!GJ!読んでて絵がうかびましたよ〜悟空とチチらしい雰囲気がでていて、エロさが足りないところはむしろこの夫婦っぽくてよいです。
368 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 10:07:34 ID:kNAogRMn
小説ありがとう
でもすごく欲張りなお願い→誰か野外エッチのところをより詳しく書いてくれ〜
>>364 小説GJ!!
チチがいじらしくていいよ。また是非、お願いします。
>>336様 良かったです!!ありがとうございました
371 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 19:40:08 ID:yfeyIyuG
GJ!!悟空チチ・・・ラブラブっすね
372 :
名無しさん@ピンキー:2005/11/26(土) 20:13:55 ID:MUWQBJ81
ドラゴンボールのエロサイトでドラゴンボールレイプってサイトあるけど、
これって、携帯でしか見られないんだよなぁ
PCで見られるサイトってないのん?801は多いけど、ノーマルが少なすぎ
↑よろしければ携帯サイトの見方をのせて頂けたら嬉しいです!!
きょいきょいの人も角煮見てたかorz
勝手に絵描いて文章転載してごめんだお
あまりにお前の文章がGJだったからマイスレの人にも読んでもらいたくてさ。
初期の頃のふざけた感じが出ていて良いと思いました。
↑ok
>358
マジ遅レスでスマソ!
GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!!!!
ネ申マンセー!(T∀T)
すっごくよかったです、純愛でちゃんとエロかったです!!ムハー!
ベジブルぽさもよかったです、
乙でしたーーー!!
ネタはあるのに文章表現力がない
380 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/16(金) 00:15:57 ID:LmZmEbBi
ネタの概要を書いておけば、誰かが代わりに書いてくれるかもしれないよ
書いてみたらネタにつまりました。だから誰かネタ書いてほしいです、
・ターレス(悟空そっくりの極悪サイヤ人@劇場版)×チチ
・レイープ
・悟空(または悟飯)の見てる前
ってのをずいぶん前から考えてるんだが書けない。
384 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 20:30:14 ID:Xvx9x9QE
子どもの将来が非常に心配です。
在日韓国人二世 女 50歳代 富山県
先日、孫と一緒にアニメのビデオを見ていると、とんでもない言葉を耳にしました。
「オッス オラ 極右」
自らを「極右」と公言する主人公が異星人との紛争を暴力によって解決しようとするもので、
とても安心して子供に見せられる内容のものではありませんでした。
また主人公が危機になると、金髪で青い目の姿に変身するシーンがありました。
(元々の主人公は黒髪に黒目という姿です)
時代遅れの脱亜入欧的表現に思わず笑ってしまいましたが、
こういう所から同じアジアの同胞への差別が始まるのかと思うと寒気を感じました。
そして敵を倒す最後の技は、多くの人々から元気を少しづつ分けてもらい
巨大なエネルギーにするというものなのですが、その表現が実に恐ろしいもので、
全ての人々が両手を天に向けて上げる、そう万歳なのです。
万歳をした人々から力を奪い取り、敵を撃つという図式は戦中の構図そのもので、
そのあまりの衝撃的な映像に衝撃を受け、その場にへたり込んでしまいました。
このような番組を見て育つ子供達の将来が非常に心配です。
この国はいったい何処に進んで行くのでしょうか。
|\_
∠ ̄ ̄ \__
∠ /∨∨\ >_
∠__ \ / レ > / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|(・ (・ ∂> < オッス オラ 極右
\ー ノ \_____
 ̄
>383
ほとんどの人がターレス知らないからな。でも、レイプされる
チチはいいですね。いつの日か投下願います
386 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/03(火) 13:43:12 ID:uLfs4ZH/
チチもえv
基本的に悟空じゃなきゃ嫌だけど、悟空に見られてるってのがちょっとイイかも
387 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/04(水) 11:22:51 ID:TBzcEXTY
あけ
388 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 16:15:26 ID:D0EFxE4/
あげ
389 :
名無しさん@ピンキー: