朝倉純一 一応ギャグものです
かったりぃ・・・・というより、眠い。
少し前にサッカーボール型の目覚ましが暴れ回っていたが、布団の中に引きずり込んで沈黙させた。
夢うつつの中で音夢の声が聞こえていたような気もするが
気のせいだと決めつけて、気持ちの良いまどろみの中に横たわる。
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
昨夜は遅くまで音夢とイチャついていた。
腰がだるいし、身体が言うことを聞いてくれない。
底なし・・・・という程ではなかったが、昨日は何度かイかせても
なかなか満足してくれなかった。
共に絶頂を迎え、余韻に浸りながら愚息を引き抜く。
するとすぐさま音夢は口でキレイにしてくれる。
してくれるのはいいんだが、そのまま息子が元気になるまでくわえ続け
物欲しそうに上目遣いでねだってくる。
誘惑に負け、熱くほぐれた肉色の蜜壺にまた突き立てる。
音夢から日常では聞くことのないような嬌声が上がり、
普段はおくびにも出さない甘く媚びた声をもっと聞きたくて、夢中で腰を振りたてた。
限界が訪れ、膣に思いっきりぶちまける。
引き抜く。
音夢がくわえる。
結局、精根尽き果てるまでこれの繰り返し。
どうりで身体が鉛のように重いわけだ。
というわけで、本日は自主休校。
おやすみ〜・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・ゴソゴソ
・・・・・・・モソモソモソ・・・・
・・スルスル・・・スルスルスル・・・
・・・・・・・・・ペチョ
生暖かく、ぬめりを持つ柔らかなものが
つい数時間前までギンギンに張りつめていた部分を刺激した。
それはなおも動き続け、色々な場所を這い回る。
・・・・・・・・気持ちいい。
昨夜の義妹の口淫を思い出す。
・・・・・というか、そのもののような気がする。
重い目蓋をこじ開けて下半身を見るが、顔にかかった掛け布団が邪魔をして何も見えない。
なおも下半身から痺れが駆け登ってきて、身体はだるくて動けないのに
頭の中がまどろみと性的な気持ち良さでいっぱいになる。
局部は熱いのに、下半身全体は少し肌寒かった。
おそらくパジャマのズボンやパンツはすでに剥ぎ取られているのだろう。
ふと、息子を襲う刺激が途絶える。
寝ぼけた頭で布団の向こう側を伺うと、音夢が離れる気配。
ここまで元気にさせておいて、そりゃないぜマイシスターなどと思っていると
再び肉棒を襲う、温かくて気持ちの良い刺激。
だが今度は口奉仕ではなかった。
朝立ち以上に憤り勃ったペニスが余すことなく熱い壁に包まれる。
こ、これは・・・・・
「はぁ、はぁ・・・・・兄さん」
切ない吐息。
熱く濡れた感触が俺の分身をくわえ込む。
中は少しザラついていて、それが絡み付くように快楽を与えてくる。
・・・・これは・・・・音夢の・・・?。
まだ頭の中は半分ほど寝ぼけていたが、なぜだかそれだけはわかるような気がした。
俺の下半身の上で腰を振る音夢を想像する。
耳に付く粘質の水音。
「兄さん・・・・・ああっ・・・・兄さんっ!」
濡れた媚声で自分の名を呼ばれると、それだけで体の奥から熱いものが込み上げてきて
何もかもを憤りにまかせてブチ撒けたい衝動に駆られる。
それを知ってか、音夢の動きが激しさを増す。
「気持ちイイ? 兄さん、気持ちイイのっ?」
興奮した声が布団の向こう側から聞こえる。
トロトロの蜜が、陰茎の根元どころか袋の方にまで滴り、そのまま垂れ落ちて尻まで伝わった。
ものすごい濡れ具合だった。
キツく締め付けてくるのに、これだけ愛液が出ているため滑りも良い。
もう、ダメだ・・・!
「・・・・・ね、音夢っ」
伝えたい気持ちを込めて、義妹の名を呼ぶ。
「きてっ・・・・・・兄さん、出してっ!!」
俺の気持ちが伝わり、それに答えるべく音夢の膣がギュウゥゥッと締まる。
その絞り上げに腰が浮いてしまう。
「音夢っ!!」
愛しい義妹の名を叫び、胎内深くへと朝一番の白濁液を解き放った。
ドクッ!! ドクッドクッ、ビュクッ!! ビュクッ、ビュクン・・・ッ!!
ゴポゴポと膣奥に精液が注がれて行く。
最後の一滴まで出し尽くし、俺は身体をベッドへと沈めた。
荒い息を布団の中で篭らせ余韻に浸る俺に、音夢が優しく声を掛けた。
「・・・兄さん、起きた?」
わかってるくせに、わざと聞いてくる。
そんな義妹が無償に可愛く思えて、愛くるしい笑顔を見たくて、俺は身体をゆっくりと起こす。
窓から差し込む柔らかな朝の光。
開いた窓から入り込む優しい風。
揺れるカーテン。
そして、最愛の義妹の笑顔。
「おはよう、兄さん」
腰掛けていた身体をベッドから下ろして、音夢は柔らかく微笑んだ。
「兄さん・・・・・・・・・その・・・・・今の、どうだった・・・?」
その笑顔の頬に朱が差し、義妹は情事の感想を聞いてくる。
手にしたコンニャクを見せながら。
・・・・・・・・・・・・・・・・コンニャク?
灰色の直方体。
中に浮かぶ黒い粒。
たしかにそれは、見まごうことなくコンニャクだった。
しかも大きい。
そのブロック状のコンニャクの中程には縦に小さな切れ目が入れてあり、
そこからは白くてとろみが付いていて、よく見なれた液体が垂れてきていた。
なんとはなしに嫌な予感がして、恐る恐る聞いてみる。
「なあ音夢、手に持っているソレは・・・?」
音夢は見ての通りだと答え、さらには笑顔のままこうのたまった。
「コンニャクは気持ち良かった?」
何と答えればいいのか。
寝ぼけていたとはいえ、あろうことかコンニャクを音夢の膣内と思い込み
夢中になって射精しまくってしまうとは・・・・・
ちょっとした自己嫌悪に襲われる。
しかもそれ、聞くところによると昨晩のおでんの残り物らしい。
三角に切られずにそのまま放り込まれ、一昼夜おでん汁の中に浸っていた巨大なコンニャク。
食えばさぞやジューシーな味わいだったかもしれない。
いや、にこやかな笑顔で「美味しかった?」と聞かれても困る。
なおも複雑な顔をしていた俺に、こう付け加えた。
「ごめんね。 しばらくは、その・・・・・・できそうにないから・・・」
合わせた指をモジモジと動かしながら、恥ずかしげに逸らされる視線。
・・・・・・・・・・・・・・・・
なるほど、どうやら生理が始まったらしい。
「なんだ、そんなことか・・・・気にしなくてもいいのに」
そういうわけにはいかないでしょっ! と、顔を朱くして言い返してくる。
なんだか照れる音夢が無性に可愛くて、もっと恥ずかしがらせたくなってくる。
「女の子は生理前には凄くエッチになるって聞いたけど
そうか・・・だから昨夜はあんなに激しかったのか・・・」
恥ずかしさの余り、髪に結ばれたリボンまでもがモジモジと動き出す。
真っ赤な顔をさらに紅くする音夢に、なおも言ってやる。
「俺は生理中でもいっこうにかまわないぞ?
どんなふうに澱物が垂れてきてるのか見てみたいし、
血がヌメヌメと絡みついてきて案外と具合良・・モガッ!!」
しかし最後まで言うことはできなかった。
何かが俺の口を塞いだのだ。
・・・・・・・コン・・・ニャク・・・・?
煉瓦ほどもある大きさのコンニャクが、口の中に勢い良く押し込まれた。
「もうっ、兄さんのバカ!」
グリグリとねじ込まれる。
だし汁の染み込んだコンニャクは美味かったが、中から別の何かが染み出してきた。
これは・・・おでんの汁じゃない!?
それはドロリとしていて苦くて、ちょっぴり粉っぽくて。
なま暖かい粘液が舌の上にドロリと垂れ落ち、口内に溜ってくる。
舌の下側の粘膜部に入り込み、舌を動かす度にねちょねちょと絡みついてくるこの感触は・・・・!
「もう、信じられないっ! フケツっ! バカっ!」
なおもグイグイと口の中に押し込んでくる。
ゴプリ・・・
するとコンニャク内部に溜まっていた大量の濁液が、さらに口の中へと流れ込んできて
口内に溢れかえったそれは喉の奥へと・・・
ゴク・・・
粘り着く最悪の喉ごし。
こ、これは・・・・・・俺の・・・?
俺は自分のを・・・!!!
そのことを理解した瞬間、頭から血の気がサーっと引いてゆき、意識が霞んで行く。
「・・・・・・・・? ちょっと兄さん? 二度寝しないで下さい!」
カクカクと揺さぶられ、これは二度寝ではなく気絶なのだと心の中でツッコミを入れながら
俺の意識は暗闇の中へと沈んでいった。
END
・・・・・・・・・・・・ダメですね。
やっぱりギャグものは向いてないみたいです。
ちなみに音夢がコンニャクで扱くときにはローションをつかってました。
そういえば、DCの2が出るんですか?
シルエットでキャラグッズが3人出てましたが。
朝からお疲れ
「であるから、古来から陰陽道では四神という存在を祭り上げ―――」
昼休みの後の5限目の授業。
教壇の上では現代社会専攻の和久井先生が熱弁を振るっていた。
なぜ現代社会で陰陽道なのかは分からないけど、和久井先生はよく授業を脱線してこの話をしてくる。
「なぁ・・・眞子。」
不意に隣の席から声をかけられ、あたしはその隣人の方へ顔を向けた。
「なによ?」
「和久井講師は何かの妖怪の類にとり憑かれてるのか?」
「知らないわよ。阿部清明にでも感化されたんじゃないの?」
「俺は彼の授業の受けていると、ものすごく眠くなってくるんだが・・・」
「前に言ったでしょ?和久井先生の授業は忍耐が大切なのよ。」
とは言え、お昼ご飯を食べたばかりでこんな話をされると流石のあたしも眠くなってくる。
「そうか。まぁ、ともかく俺がお前に言いたかったのは・・・」
「?」
「アディオス、眞子。」
そう言って隣人――― もとい朝倉は、教科書を枕代わりにして睡眠体勢に入っていった。
「ハァ・・・あんた何しに学校にきてるのよ。」
「陰陽道を学ぶためではないな。」と、最後に小さく反論した後、朝倉は幸せそうな表情をこちらに向けて眠りについた。
キーン、コーン、カーン、コーン―――
ようやく終業のチャイムが鳴り、拷問のような時間から解放される。
「おや?もう鳴ってしまいましたか。それでは今日はここまで。」
『起立〜。』
日直が号令をかけたとき、和久井先生は思い出したかのようにあたしの方を見てこう言ってきた。
「あ、そうだ。水越さん、放課後少しお話したい事があるので社会科準備室に寄ってくれますか?」
「え・・・?あ、はい。分かりました。」
「では、号令を。」
『礼〜。』
話したい事ってなんだろう?
あたしは朝倉みたいに授業中寝てないし、杉並みたいにヌーとかいう怪しい本を読んだりもしてないし・・・
「眞子よ。お前何かやらかしたのか?」
そんな事を考えていると、杉並が面白い物を見つけた!みたいな笑みをして近づいてきた。
「年中何かをやらかしてるアンタと一緒にされたくないわね。」
「普段そういう事をしないお前だからこそ、な。」
「だから別に何もしてないわよ。何かの手伝いとかじゃないの?」
「なんだ、つまらんな。」
あたしに特に後ろめたい事が無いと知ると杉並は興味を失ったのか、きびすを返してその場を立ち去っていった。
そして放課後―――
「失礼します。」
軽くノックをして社会科準備室と書かれた部屋のドアを開ける。
中では和久井先生が何かの資料を整理しているところだった。
「ああ、いらっしゃい水越さん。少しそこで待っていて貰ってもいいかな?」
「はい。」
そう言って和久井先生はデスクから立ち上がると、準備室の更に奥にある扉へと手をかけた。
「あんな部屋あったんだ・・・?」
そもそも社会科準備室という部屋すら初めて入ったので、知らないのも無理はない。
しばらく部屋の中を物珍しげに見渡していると、奥の部屋から声が聞こえてきた。
「水越さん、準備が出来たのでこちらの部屋に来てくれますか?」
「あ、はい。」
あたしは和久井先生の入っていった鉄製の扉に手をかける。
まさかその先に――― 肉欲に餓えた獣がいるとは知らずに―――
鉄製の扉を開けた先には異様な空間が広がっていた。
窓の無い薄暗い室内、部屋を包み込んでいる紫色の煙、何かの薬品の匂い、そして床に描かれたヘキサグラムの紋章。
「な、なにこれ・・・」
ガチャンッ!!
入ってきた扉の方から鈍い金属音が聞こえてきた。
見ると和久井先生が鉄の扉に鍵をかけていた。
「よく来てくれましたね、水越さん。」
「あ、あの和久井先生。その・・・話というのは?」
この部屋の事はとりあえず置いておき、あたしは早速本題の方に話を切り込んだ。
なるべく早く用件を済ませて、この薄気味悪い部屋から出ようと思った。
「あ、そうでしたね。でもお話する前に、手を後ろに組んで背中をこちらに向けてくれませんか?」
「えっ・・・?」
「いいから、さぁ。」
「は、はい・・・」
優しい口調で話す和久井先生に、訝しげに感じながらも言われたとおりにする。
でもこの時、もっと疑ってかかるべきだったのかもしれない。
カチャリッ―――
「え・・・?」
手首に冷やりとした感覚。
それが手錠だと気付いたときには、和久井先生の手はあたしの胸元に迫っていた。
「えっ?!ちょっ・・・和久井先生!?」
「ふふ、綺麗ですよ。水越さん。」
「え・・・?えっ?」
状況がよく把握できなかった。
なぜ和久井先生が後ろから抱き付いてきて、なぜ手錠をされたのか―――?
先生の手がYシャツの襟の部分にかけられ、上から順にボタンを外していく。
あたしはしばらくその作業を呆然と見つめていた。
「っ!!?」
3つ目のボタンを外されたところで、眞子はようやく事態を飲み込むことが出来た。
「ちょっ!先生っ!?やめてください!!」
「おや?急に活きが良くなりましたね。てっきりその気があるのかと思いましたよ。」
ふふ、っと微笑しながら手をYシャツの中へ侵入させてくる。
「なっ!?」
条件反射で進入してきた手を払い除けようとする。
が、腰の後ろでガシンッ!という鎖の音が鳴るだけで、それは叶わなかった。
「ちょっとあんた!?教師が生徒にこんなことして、どうなるか分かってるの!?」
「ええ、バレたら大変な事になりますねぇ。そう・・・バレれば、ね?」
「・・・・・!!!」
そう言った和久井の視線の先には、複数のビデオカメラが置かれている棚があった。
「さて、それじゃ続きをしましょうか?」
「え?いやっ・・・やだっ!ちょっと、やめてよ!!」
和久井はYシャツの途中で止めていた手を再び動かしだし、ブラの中に侵入しようしてきた。
「やだっ!!助けて・・・誰かっ!?・・・お姉ちゃん!!」
それを必死で阻止しようと体をよじる。
「はは、無駄ですよ。この部屋は防音加工してありますからね。」
「くっ・・・最低よ、あんた!!変態!痴漢!人間のクズっ!!!」
「自覚はありますよ?でも、貴方はこれからそんなクズに犯されるんですけど・・・ねっ!!!」
「―――ッ!!?いやっ!やだ!痛いっ!!痛いってばぁ!!!」
これまでのゆったりとしたペースとは打って変わって、和久井は手をブラの中に一気に突っ込むと
その中に隠されていた乳房を乱暴に揉みしだいた。
「アハハハハッ!!いいですよ、水越さん!!」
「ひぅ!!や、やだ・・・お願いっ!やめてよぉ!!」
「やめる?フフフフッ、冗談じゃない!!」
ブチッ、ブチブチブチッ――― !!
和久井は手を一旦胸から剥がし、Yシャツに両手をかけると力強く左右に引っ張った。
ちぎれる様な音と共にボタンが宙を舞い、そこから透き通るような白い肌が露にされる。
「あ、あぁ・・・・いや・・・お願い・・・お願いだから・・・」
「おやおや?震えてるんですか?」
怖かった。手錠で手を封じられて、誰も助けに来てくれない状況にいて―――
足は・・・足だけは自由なはずなのに、恐怖で体が言うことを聞いてくれない。
「まぁ、やりやすくていいですけどね。」
和久井は再び胸に狙いを定めると、今度はその先端部分に舌先を這わせた。
「ふぁっ!?」
初めて感じる感覚に思わず声をあげてしまう。
先程まで受けていた強引な愛撫とは違う感覚。そう、これは―――
「気持ちよさそうですねぇ?水越さん。」
「っ!!ち、違う!気持ちよくなんか・・・!!!」
ピチュ・・・クチュ・・クチュリッ・・
「んあぁぁぁ!!」
「ふふ、気持ちよくなんか・・・?その先に続く言葉はなんでしょうね?」
「うぅ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
嫌なのに・・・嫌なはずなのに―――
和久井の舌が乳首の先端に触れるたびに、あからさまに体は反応を示していた。
「んんぅ・・・や、だ・・・」
「そう言う割には、随分とここを硬くさせていますね?」
と、今まで舌で舐め回していた部分を、今度は指先で弾きはじめた。
「あんぅ!」
「ほらほら、コリコリしてますよ。」
「ん・・・ぁ・・・いやっ!つ、摘まないで・・」
「ふぅ。あれも嫌だ、これも嫌だ。困った生徒だ。」
「えっ・・・?」
不意に乳首から手が離される。
和久井は軽くため息をついた後、眞子の正面に回りこんで、そのまま覆い被さるようにして床に押し倒した。
「痛っ!?な・・・なに?」
「聞き分けの無い生徒にはお仕置きが必要ですよねぇ?」
「お、お仕置きって・・・まさか!?」
ニヤッ―――
和久井は無言で顔に笑みを作り出すと、眞子のスカートに目掛けて勢いよく手を伸ばした。
「いやあぁぁぁ!!?やだっ!!絶対やだぁ!!!」
「ぐっ!!大人しくしろ!!」
眞子は今思い出したかのように、和久井に対して強烈な抵抗を見せた。
馬乗り状態になってるとは言え、人間一人を押さえ込むのはやはり容易ではない。
「くそっ、このガキ!!いい加減に・・・・・しろっ!!!」
「うぐぅ!!?」
和久井は渾身の力を込めて、眞子の鳩尾に拳を入れた。
「かはっ!!・・・うっ、く・・・」
「最初から暴れなければ痛い目見ずに済んだものを・・・」
そう言って、手近にあった長ホウキを眞子の足と背中に通し、強制的にM字開脚を作るような状態を作り上げる。
「ふ、ふふ・・・ふははははは!!いい格好ですね、水越さん!!」
「う・・・げほっ、げほっ!!」
「おや、まだ鳩尾痛みますか?でも貴方が悪いんですよ、あんなに暴れ出すから。」
「ぐ・・・ぁ・・・おね、がい・・・そこだけは・・・やめて・・・」
「ふふ、焦らなくてもすぐに挿れてあげますよ。とりあえず邪魔なものは取っちゃいましょうね?」
和久井はスカートを無視して下着に手をかけると、それをゆっくりとずり下げていった。
「やだぁ・・・やだぁ!!」
必死に抵抗しようと試みるが、もはや眞子は手も足も出ないダルマ状態だった。
やがて―――
「おぉ・・・これが水越さんの・・・!!!」
眞子の女の部分が露になった。そこはわずかに湿気を帯びており、独特の香りを醸し出していた。
和久井はそれをまじまじと見つめると、満足そうな表情をして筋の部分を指でなぞった。
「ぁあっ・・・!!」
「ふむ、本当はもう少し濡らした方がいいんでしょうけど。まぁいいでしょう。」
そしてズボンの中から黒々と脈打つモノを取り出す。
「っ!!!・・いや・・・!!お願い・・来ないでっ!!」
な、なにこれ・・・? こんな大きなもの、あたしの中に入る分け無い・・・!!
眞子は初めて見る男のモノに恐怖感を覚えた。
和久井のソレは取り分け大きいという訳ではなかったが
それでも処女の少女にとっては十分に恐怖の対象となるものだった。
「あっ・・・あっ・・・」
和久井の手が眞子の腰に当てられる。
眞子は最後の抵抗に腰をわずかに左右に振るが、それは男を誘っているような光景を思わせた。
チュクリッ―――
「んぅ・・・!!」
和久井は片手で逸物を秘書の部分へ誘導し、筋に沿って何度か往復させ愛液を塗りつけた。
「いや・・・いやぁっ!!?」
「ふふふっ。」
そして脅える眞子に対して邪な微笑みを向けた後、
渾身の力を振り絞って、一気に眞子の膣を猛り勃ったモノで貫いた。
「――――っ!!!ひぎぃぃいぃぃぃぅぅぅっ!!!!」
「いだっ!!ぐっ・・・あぅ・・ぬ、抜いっ・・・!!!」
「ふはははははっ!!これで貴方は私の物ですよ!水越眞子ぉ!!」
眞子の悲鳴に近い懇願もお構い無しに、和久井は容赦なく腰を打ち付ける。
「ぎはぁ!・・・うくっ!・・・痛いッ!!ほんとに痛いからぁっ!?!」
「あははははっ!そうだ!!その顔だ!!もっと苦痛に歪め、水越!!」
和久井そう言って、一度腰をギリギリまで引き抜いた後、一気に眞子の中へを押し込めた。
「いっ?!、ぐぅぅぅぅぅ―――ッ!?!?」
「はははっ!!!いい声だっ!!そらっ、もう一度行くぞっ!!!」
「・・かっ・・・っは・・・や、やめ・・・――――っ!!!!!!!!!」
2回目は声にならない声をあげた。もはや激痛で呼吸をすることすら困難だった。
内股からは少量の血と愛液の混じった液体が、卑猥な音を立てながらリズムよく溢れ出している。
「あ・・・ぐっ・・・・あ・・・・」
絶え間なく送り込まれてくる激痛と、処女喪失の精神的な衝撃とで眞子の頭は真っ白になっていた。
だらしなく涎を垂らし、目尻に涙を浮かべながら、ただ和久井の行為を受け入れていく。
「くっ・・・すごい締め付けだな。もう出そうだ・・・」
「んくっ・・あ・・・い、いや・・・おね、がい・・・中・・・だけは・・・」
「ふふふ?どうしましょうかねぇ?」
和久井の顔が厭らしく笑みを作り出す。
「お願い・・・な・・・なんでも・・するから・・・」
「何でも、ですか?ふふふ、そうですねぇ。では、キスをしてもらいましょうか?」
「キ、キス・・・?」
「そうです。『貴方』が『私』にね。そうしたら中だけはやめてあげますよ。」
和久井は尚もピストン運動を続けながら眞子に交渉をもち掛ける。
「ほらほら、さっさとしないと、私も限界が近づいているんですがね?」
そう言ってわざとピストンの速度を早めた。
「ひぃぁ!!・・んぅ!・・・や、やるから!!やるから中だけはやめてっ!!」
いやだ・・・こんな奴に・・・!!
屈辱だった。自分からこの男にキスをするということが、今まで受けた強姦とは違った意味で屈辱だった。
しかし、絶え間なく動く腰の動きに迫られるようにして、眞子は目を瞑って和久井の唇に自らの唇を重ねた。
「っ!!!」
突如、唇が何かにこじ開けられる。
それは和久井の舌だった。
突然の行動に思わず歯を食い縛って目を開けてしまうが、
その時飛び込んできた和久井の目が「抵抗するとどうなるか分かってるのか?」と無言で訴えかけていた。
眞子は若干躊躇した後、観念したように顎に込めた力を緩めていった。
「ん・・ふぁむ・・れる・・・・ピチュ・・」
和久井の舌が眞子の口内を蹂躙する。
舌を絡め、歯肉の部分を舐めずり、まるで愛し合っているかのように、深い、深いキスを交わせていた。
「ん・・・?んん〜〜〜〜〜!!?」
和久井は舌を一度自分の口内へ引き戻していく。
そして一瞬の間を置いた後、舌と共に大量の唾液を眞子の口内に送り込ませた。
和久井の奇怪な行動に再び彼の方に視線を向けると、「飲め!」と目が言っていた。
や、やだ・・・臭い・・・こんなの飲め・・・・ない・・・!!
「―――っふぅ、何をしているんですか?飲まないと中にぶちまけますよ?」
「ん!?んぐ・・・んーん!!?」
眞子は和久井の言葉に必死になって首を横に振った。
「ふふ、そうですか。そんなに美味しいですか、私の唾液は。」
和久井ほくそ笑みながら眞子を見て、またもわざとピストンの速度を早めた。
「んっ!?んーんっ!!んーんーっ!!!」
眞子は更に大きく首を振った。そして・・・
ゴクッ――
「んはぁっ・・・・うっく・・・んぁむぐ!!?」
唾液を飲み干した眞子に、和久井は息を着かせる間もなく再び舌を絡ませる。
そして、再び先程と同じ位の量の唾液を眞子の口内へ送り込んだ。
ま、また・・・ またなの・・?
そうは思ったが、成す術も無く送り込まれてくる生暖かい液体を迎え入れる。
「ふふふ、余程私の味が気に入られたようなので、サービスですよ?」
「ん、んむ・・・」
眞子は何か言いたげだったが、和久井がわずかにピストンを速めると慌てたように唾液を飲み干した。
「本当に美味しそうに飲みますね?ふふふ。」
「う・・・うぐ・・・・や、約束は守ったんだから、抜いてよっ!!もういいでしょ!?」
「そうですね。約束は守りませんとね。」
そう言って和久井は腰をゆっくりと引き抜いていった――― が、
「んぅぅぅ!!!!??」
再びソレを強烈な勢いで眞子の膣へ押し戻した。
ブヂュッ!っと聞こえるほど大きな水音が眞子の嬌声と共に部屋に響き渡る。
「ぐ・・・なっ・・・は、話が違っ・・・!!」
「あははははっ!!そんな約束、本気で信じてたんですかっ!!?」
「あぅっ・・・!!くぅ・・ぁ・・・・やだ!抜いてっ・・・!!抜いてってばぁ!!」
和久井はこれ以上ない速度で腰を振っていた。
そこに居るのはもはや人ではなく、一匹の獰猛な獣だった。
「んっ・・・!やだっ・・・な、なに!?中で・・・中で大きくなってる!?!」
「くぅぅぅぅああぁぁ!!出るっ!出るぞ!!水越ぃ!!」
「や、だ・・・やだっ!!お願いだからぁ!!」
「くあっ!!!」
「いやあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
和久井が腰を仰け反らせた瞬間、眞子の中で和久井のモノが大きく膨れ上がった。
直後、膣の中に注ぎ込まれる大量の熱い液体。
それは栓の抜けた水道管のように、とめどなく膣の奥底に放出されていった。
「う、嘘・・・・嘘よ・・・・出てる・・・・中で出てるぅ!?!」
「はぁっ・・はぁっ・・・ふふ、まだ止まりませんよ。」
膣の中に放出した精液が、結合部からゴポッという音を出して逆流している。
和久井は己の欲望を最後の一滴まで絞り出した後、ようやく眞子の中から逸物を抜き取った。
「あ、あはは・・・嘘よ・・・こんなの・・・絶対・・・嘘・・・・」
「ふふふ、やはり貴方は美しいですよ。水越さん・・・」
和久井は満足げに眞子の表情を見下ろした後、棚にあったビデオカメラを手に取り、
秘所から内股を伝って垂れ流れる白濁液を撮り収めた―――。
……………
………
…
その後の事はよく覚えていない。
気がついたら、あたしはお父さんの病院の屋上にいて―――
下を見ると、何か色んな人達があたしに向かって何かを言っている。
あれ? そういえば何であたしはこんな所にいるんだっけ?
まぁいいや・・・そんなこと・・
ん・・・?
あの下で叫んでるのって、朝倉かな?
・・・? 何言ってるのか聞こえないよ・・・?
ちょっと待ってね・・・ 今、そっちに行くから――――
END
レイプキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
GJ
グッジョブ!!
和久井ーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!
G J ! ! ! !
903 :
小休止:2005/07/23(土) 21:53:21 ID:zk5Uk47W
神、次々降臨!
>>848-852 鬼畜純一、がんばれ!
巫女、鎖、レイプの境地をDCで拝めるとは思わなかったっす!
>>876-879 後日談Thanks!
しかし許せん!こんないいもの書かれたらこっちが書けなくなるな(^^;;;
エロ編楽しみにしています。
>>887-892 音夢がエロい!音夢の和姦って久々のような気が・・・(^^;;;
ス○○マ付きこんにゃくが何気にグロい。
>>894-899 眞子レイプ&崩壊、GJ!
この方向から来るとは予想外でした!
<序章>
「花見とは花を愛でるだけでなく、花を見て喜ぶ人々のエネルギーを
桜が取り込む効果があると言われている」
「ほう、それは初耳だな・・・杉並」
「ならば、その説について詳しく説明しよう!」
「いや、それはいい・・・俺が聞きたいのはなぜ、俺が学校に拉致監禁されて
いるのかということだ・・・・・・」
「それについては、私が説明しましょう、朝倉くん」
「理事長!」
「理事長・・・理事長がなぜ、こんなことを・・・」
「さきほど杉並くんが言ったこと、この初音島の枯れない桜については
そのとおりです」
「・・・よく分からないのですが」
「まぁ、そういうことにしておいてください。この枯れない桜は毎年、花見の
季節にエネルギーを補充しているのですが、今年は予想外のことが
発生しました。そう芳乃さくらさんの帰還です」
「さくらの来日に何の問題が?」
「大魔法使い”芳乃”の帰還は桜のエネルギーの備蓄量に不確定な要因と
なります。なので更なるエネルギーの補充が必要となります」
「・・・で、それが俺の拉致監禁と何の因果が?」
「今の桜の木に必要なのは人々のエネルギー、すなわち”MATSURI”です」
「だが、学園祭も体育祭も二学期。さしあたって夏休みの前に補充をして
おく必要があるが、いまはその手の行事がない・・・」
「だから・・・それが俺の拉致監禁と何の関係があるのかと・・・・・・」
「そのエネルギーの補充に朝倉くんも協力してほしいのです」
「協力って、何を?」
「”MATSURI”の景品、すなわち”朝倉純一と夏休みを過ごす権利争奪”
武闘大会の景品として。協力してくれるな、わが友よ!」
「断る!!」
「なお、断った場合には朝倉くんには期末テストの補習として夏休み中、学校に
出てきてもらうことになります」
「・・・喜んで協力させていただきます」
「ところでだ・・・なんで俺の夏休み争奪が”MATSURI”になるんだ?」
「争奪戦に参加すると思われるメンバーが朝倉妹、芳乃さくらを始めとして
豪華なんだな、これが!白河ことり、水越姉妹、胡ノ宮環などなど。
これだけ華のあるメンバーが戦う姿はまさに美の極致!」
「朝倉くんには夏休みの予定を立てないように取り合えず隔離しておこうと」
「それはそうと・・・そのメンバーは納得するんか?」
同日同時刻 朝倉家
「そ、そんなの・・・勝手です!」
「ですが、よくお考えください」
「何を!」
「貴女と朝倉さんは建前として兄妹ですが、実際にはそうではないことは周知の
事実。ならば、この権利を獲得して自他共に認めるものと・・・」
「す、少し考えさせて・・・」
同日同時刻 水越家
「そんな話をわたしのところに持ってくるの!?」
「そうですか・・・それは失礼いたしました。それでは・・・」
「いや、ちょっと待って!わたしが朝倉を助けてあげるから。
誤解しないでね!わたしは友人として・・・」
「素直じゃないですね、眞子ちゃんは・・・」
同日同時刻 胡ノ宮家
「貴女が一部の人から”出遅れ環”と呼ばれているのをご存知ですか」
「・・・!!!」
「ならば、この機会に一気に・・・」
「みなまでいうことはありません!是非とも参加させてください」
同日同時刻 芳乃家
「というわけなんですが・・・」
「ボク、そういうの嫌いじゃないよ・・・」
同日深夜 工藤家
「確認を取りましたところ、いずれの方も参加を熱望されております」
「ありがとう。では杉並くん、予定通りに進めてください」
「はい!明日、一般公募も行って幾人か集めるようにいたします。
これで”MATSURI”が行えるでしょう」
「想定外のことが起きればすぐに連絡をちょうだい」
「はい、理事長!それでは、これで失礼いたします」
「期待しているわよ、杉並くん!」
杉並は計画書とポスターを持って理事長室から出た。これから彼には
学校中の掲示板に告知のポスターを貼るという作業が残されていた。
「聞いたとおりよ、叶さん」
理事長室内に存在する気配が震えた。
「とっくにわかっていたわよ。咎めるつもりはありません・・・
ただ・・・我が工藤家の家訓を一つ、伝えておきます。
”愛は惜しみなく奪え!”と」
その気配は嬉しそうな素振りを見せ、部屋から出て行った。
906 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 23:25:37 ID:25YGlfPX
894-899 ことりタンもやっちゃってくれませんか?
>>906 ことりなら例の力で犯人分かってそうだしな
問い詰めたら返り討ちレイープ……いいねぇ
つか、ぶっちゃけた話、レイパーが和久井ならレイープされる役は風見学園の生徒なら誰でもいい希ガス
それこそ眞子以外にも音夢とかさくらとかことりとか萌先輩とか美春とか環とかななことか
>>904 GJと言うにはまだ早い気もするが……GJ!!
さあ、誰が純一ゲトするかw
909 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/24(日) 01:15:45 ID:LRWEpOLE
》907さん、返り討ちレイプいいですね〜、894さんどうかお願いします !!
>>904-905 おお!純粋におもしろそうです。
ここのところレイプばっかだったから、こういう軽いノリの作品が欲しかっんでうれしいです。
頑張って下さい!
出遅れ環ワロスw
>>894 眞子レイプ、きたーーーっ!!
激しくGJでした。
屋上から愛しい人の元へダイビング。
可哀相な眞子〜♪
>>904 続き期待してますw
出遅れ環―――笑いました。
翌日朝 学校掲示板前
掲示板の前に黒山の人だかりができていた。理由は前日の晩に杉並が
貼ったポスターである。
「朝倉純一争奪武闘大会・・・優勝者には朝倉純一と夏休みを過ごす権利が
与えられます・・・?なんだこりゃ!?」
「今週の金曜日に何か大会をやるみたいだぜ。賞品は朝倉らしいが・・・」
「妹ならともかく、誰が出るんだよ!」
「出るらしいぜ・・・何でも、白河ことりが朝一で参加申請したらしい」
「マ、マジかよ!あの学園のアイドルが!?」
「ああ!他にも水越とか芳乃とかも。あっ、朝倉の妹も当然参戦だ」
「おいおい、何であんなヤツのために・・・」
「でも、あいつ学園の”彼氏にしたい男子ベスト10にランク入り”してるぞ」
「あれ、本当にしてたのか?」
「してたしてた。ミスのあれとは違って公にされてなかったけど女子の間でな。
確か、真ん中くらいだった」
「それでか・・・」
「何がだ?」
「申込場所に女子がいっぱいいたこと」
「し、信じられん・・・」
「でもな、あのベスト10、いや20位までの男連中のほとんどが彼女持ちだし、
というか、あの中で彼女いないのって工藤と朝倉くらいだぞ」
「・・・ふうん」
「でも、これはチャンスかもしれんぞ!」
「なんで?」
「いや、これでな、白河か朝倉のどちらか、あるいは両方がフリーになるんだぜ。
俺らにもチャンスの目が出てくるってもんよ!」
「しかし、あの二人以外を朝倉が選ぶかな?」
「ココ見ろよ」
「どれどれ・・・『なお、朝倉純一に拒否権はありません』?」
「つまり、白河か朝倉以外が勝てば・・・」
「なるほど!」
「お〜い、それの観戦チケットの前売りが始まってるぞ〜」
「な、何!?」
「急げよ〜みんな並び始めてるぞ!」
「こ、こうしちゃおれん!!」
なんかマブラヴみたいなノリですな…
同日同時刻 申込場所前
「はい、参加の登録をいたしました。注意事項をよく読んでおいてください。
当日はクリーンファイトでいきましょう!ご健闘を!!」
「登録終わった?」
「うん、終わった」
「朝倉くんって何かかっこいいよね」
「うんうん」
「ところで・・・この勝負ってどういう意味なの」
「お答えしよう!」
「す、杉並くん!」
「実行委員長として疑問に答えるのは義務の一つである。
この勝負は一種の念の戦いともいえる。すなわち朝倉純一への想いを力と
して、それを武器に戦うのである。どのような形を取るかは想いの力と各自の
ポテンシャルによって異なる」
「う〜ん、なんか魔法みたいなもの?」
「どっちかというと”幽波紋”かな?」
「まあ、そんなものかな。その使用説明書を読んで印を結べば早速現れてくる。
その効果は今週一杯まで。大会までに練習しておけば、大きな力になろう!」
「ミスコンテストじゃないから、朝倉さんや白河さんにも勝てるかもしれないわね」
「そ、そうよね・・・早速教室に行って読みましょう」
「うむ、それがよかろう」
二人の少女は説明書を抱えて教室に帰っていった。列の中では大会について
かすまびしい。
「朝倉くんって・・・ラブレター出したんだけど返してくれなかったんだよね」
「ああ、それ無理」
「なんで」
「朝倉さんがね、兄さんの下駄箱覗いて手紙を取って破ってるそうよ」
「えー、うそー!?」
「ほんと」
「そうよ、私みたんだから。コンマ2秒の早業よ」
「だからなの・・・」
「”鉄壁ネム”とか”朝倉純一のイゼルローン要塞”とかね」
「でも、ラブレターくらいならまだね」
「?」
「ほら、転校生で許婚者の・・・」
「あぁ、”出遅れ環”」
「あの子なんか、朝倉くんに近づくことすらできなくて・・・」
「噂をすれば・・・」
参加申請を終えた環に新聞部員が近づいた。
「胡ノ宮さん、新聞部です。何か一言お願いします」
「ただ一つ、誰が朝倉純一の妻に相応しいか、それを見せます」
「おおっー、強気の発言だぁ!!」
「猛ってる、猛っているぞ、胡ノ宮環!!」
環の強気な発言と漂うオーラに新聞部員は気おされた。
「あっ、ありがとうございました」
新聞部員は次に参加申請を終えた生徒の元にインタビューに向かった。
「本命:朝倉音夢、対抗:白河ことり、ダークホース:胡ノ宮環との下馬評ですが
自信の方はおありでしょうか」
美少女だけど印象に残らない、その実ピンクのクマの着ぐるみを着た生徒は
悠然と応えた。
「あいっ!朝倉純一さんに誰が一番相応しいか、それを見せたいと思います」
自分の言葉を援用された環が和泉子を睨む、一方の和泉子も負けていない。
双方の間の空気が歪みはじめ、挟まれた新聞部員がたまらずに逃げだした。
「自信がお有りのようですね。でもポッと出の方が勝てるかしら」
「あいっ!周回遅れは自覚してます。だけどこれで一気においつきますから」
にこやかに微笑む環、だが周囲の空気はあきらかに冷えていった。
「いい・・・言いますわね・・・え〜と・・・紫さんかしら?」
「あいっ!負けませんから、朝倉さんにも、白河さんにも、芳乃さんにも。
今までの年月が決定的な差でないことを教えてあげます、胡ノ宮さんには」
ビキッ!環にそんな擬音が相応しいうような血管が浮き出していた。環は
制服の襟を掴んで引っ張る。そこには巫女服を纏った環の姿が。
「少々悪い気が漂っています、祓ってあげましょう」
「できます?胡ノ宮さん」
和泉子は両手を拡げた。指の間からは爪がウルヴァリアン並に延びた。
対峙しあう環と和泉子を周囲は止めることができなかった。
ジリジリと円に動き始める二人、かすかに、ほんの少しずつではあるが
その距離は縮まりつつあった。
杉並はその様を楽しげに見ていたが、実行委員から止めるようにつつかれた。
このまま推移していくのを見る方が面白そうだったが、実行委員長という立場
ゆえに止める必要があった。しぶしぶと二人の間に割って入ろうとした、が。
カッカッカッ!!
どこからともなく飛んできた数本のナイフのようなものが二人の間に突き刺さった。
「二人ともルールの規約を読んでないのですか?競技場以外での私闘は失格と。
失格したいというなら私は止めませんが」
メガネをかけた少女は自信ありげに止めた。気勢を削がれた二人は周囲に謝辞を
述べ、和泉子は教室に、環は着替えるために女子更衣室に向かった。
「礼を言おう、彩珠くん。だが・・・」
「なぜ、止めたか?ですか。こんなところで騒ぎを起こして大会が中止になっては
たまりませんから。それに・・・」
「それに?」
「私が勝ちますから。それと私のカードはまだ見せていません。Gペン投げが
私の能力ではありませんから・・・では」
一礼して、なな子は立ち去った。
「今年の夏は一緒にビックサイトで」
とつぶやきながら。
普段はおとなしい彩珠なな子の自信にあふれた姿を見た杉並はつぶやいた。
「面白くなりそうだな」
3月14日―――
純一は目覚し時計の鳴る音と共に覚醒した。
サッカーボール型の時計には AM 7:30 と表示されている。
(朝飯食う時間を割けば、後15分はイケる…)
わずかに機能する思考回路で、純一は堕落の道を選択した。
ガムテープで固定されたサッカーボールにチョップをかまし、
布団を耳の辺りまでかぶって、再び夢の世界へトリップしようとしていた。
ガチャッ…
しかし彼は知っている。
自分が15分も惰眠をむさぼる事が不可能なことを。
その理由となるものは、今まさに彼に向かって近づいてくる足音の主――― そう…
「緊急回避っ!!」
ドサッ!
「あれ?起きてたんですか、兄さん?」
愛しのマイシスターだった。
「・・・おかげ様で。」
ベッドの上に置かれた『広辞苑』という文字を見ながら頭を掻く。
たまに思うが、いつか俺は義妹に殺されるんじゃないだろうか?
「音夢、今度その広辞苑でドメスティックバイオレンスという言葉を調べてみろ。」
「え?何でですか?」
「・・・・・・・」
俺の生命に関わるからだ。と言おうとしたが、
朝からかったるい事になりそうなのでやめておいた。
「そ、それより兄さん?」
「ん?」
なにやら音夢がもじもじと体をくねらせている。
微妙に上目遣いでこちらを見て、何かを言いたそうに口をモゴモゴしていた。
「なんだ?何かやったのか?怒らないから言ってみろ。」
「そ、そうじゃないんだけど〜・・・」
「?」
「あ・・・あのね・・・朝の日課・・・」
「ああ、そんなことか。」
妙に言い辛そうにしてるから後ろめたい事があるのかと思ったが、別段大した事はない。
しかし、音夢が自分から朝の日課を口に出すなんて珍しいな?
普段は恥ずかしがって嫌々おでこを差し出すのに。
「分かった、それじゃ顔出せよ。」
「うん・・・」
いつものように音夢の後頭部に手をかける。
もう片方の手で前髪を掻き揚げてやると、音夢はジッと俺の顔を見つめだした。
な、なんだろう…?何か音夢さんの瞳から若干「期待」という文字が滲み出ているんだが…
(気のせい…だよな?)
ゴツンッ!
「痛っ!」
そう思うことにした俺は、いつもの要領でおでこに頭突きをかましてやった。
「うん、別に熱は無いみたいだな。」
「・・・・・・」
「ほい、そんじゃ俺は着替えるから、先に飯食べててくれ。」
「むぅ・・・兄さんのバカ・・・」
音夢は小声で何かを呟いた後、しぶしぶといった感じで俺の部屋を出て行った。
「なんだ?変な奴。」
俺は手早く制服に着替えると、音夢の待っているリビングへ向かった。
しかしそこで待っていたのは、テーブルの上にポツンと置かれた菓子パン2個とメモ用紙が1枚。
――――――――――――――
兄さんへ
先に学園へ行って来ます。
音夢さんより
――――――――――――――
一言だった。
「Why?」
よく分からんが、どうやら音夢さんはご立腹のようだ。
「女心は分からんとよく言うが、マジで分からん・・・」
俺の朝はメロンパンをかじりつつ、女という生き物ついて考えながら過ぎていった。
桜の咲き誇る通学路をダラダラと歩く。
最近は少しずつ暖かくなってきたが、3月中旬で桜が満開に咲いてるのは初音島くらいなものだろう。
しばらく学生の群れに混じって歩を進めていると、前方に見知った顔がいるのを発見した。
「よう、美春。」
「あっ!朝倉先輩、おはようございます!」
「うむ、相変わらず朝からうるさ・・・元気でよろしい。」
「むふふふ〜、元気だけが美春の取り柄ですから〜。」
バナナを食べ歩きながら、元気だけが取り柄と平然と言う女の子。
( 元気+バナナ=馬鹿 )
という謎の概念が頭に刻まれている純一にとって、やはり女という生き物は理解しがたい存在だった。
「バナナ・・・美味しいか?」
「それはもう〜!!これほど美味しい物はないですよ〜。あ、よかったら朝倉先輩も食べますか?」
「いや、俺はいいや。」
「そうですか〜?こんなに美味しいのに〜・・・・あっ!ところで朝倉先輩!!」
美春はバナナを見て、急に思い出したかのように手を叩いた。
「なんだ?」
「ふふふ〜、美春、期待してますからね〜♪」
「は?」
「ついにわんこにまで手を出したか、朝倉。」
何を?と聞こうとしたとき、突然奴が背後から声をかけてきた。
「朝から何を訳の分からんこと言ってやがる。」
「あ、杉並先輩〜、おはようございます〜。」
「わんこ、お前も大変だな。」
「大変?ですか?」
杉並は美春の頭に手をポンッと乗せると、犬を撫でるように手を動かした。
「しかし、ああいう話はもっと声を下げてした方がいいと思うぞ。」
「だから何の事だっつ−の。」
「いや、さっき『朝倉先輩のバナナ美味しい』という声が聞こえ―――ぐふっ!!」
無言で鳩尾に1撃をいれた。
なんでそんな偏った聞き方してるんだコイツは…
「行くぞ、美春。」
「え?杉並先輩はこのままでいいんですか〜?」
「大丈夫だ。杉並だからな。」
「そっか。杉並先輩ですもんね〜。」
よく分からない理屈だが美春は納得した。
そのまま二人で校門をくぐり、昇降口の前で別れる事になった。
「あの〜朝倉先輩。『朝倉先輩のバナナ』って何ですか?」
「・・・・・・・」
別れ際にこんな言葉を残して・・・。
920 :
894:2005/07/24(日) 20:08:36 ID:w9H/jEfw
>>904氏 割り込みすみません。しばらくSS投下出来そうにないので
つかみの部分だけ先に投下させてみました。
ここからどういう方向へ行くか
首を長くして待っとります
GJ!
面白いSSが次々と・・!!
>>904さん
出遅れ環VSクマ
なんか「コゴゴゴゴ・・」とか聞こえてきそうな感じですね。
いよいよヒロインどうしのスタンドバトルが・・・!
>>894さん
眞子レイプの方でしたか。
わんこはナニを期待しているのでしょうか。
バナナネタ
しまった、先をこされてしまった・・(笑)
壊れたロボ美春が純一のバナナを喰らった後に
音夢にバナナ(バイブ)を食わせるというのをちまちまと書いてました
同日すこし後 申込場所
自信満々に立ち去るななこを嬉しそうに見ていた杉並はすぐに呼ばれた。
「あ、あの〜委員長・・・すぐに来て頂けないでしょうか・・・・・・」
実行委員長という立場にあるとはいえ、同学年である杉並を敬語で呼ぶ
実行委員のさまは何か大事が起こっていることを示唆していた。
取り急ぎ申込場所に戻った杉並が見たのは水越眞子の猛烈な抗議と
それにうろたえる実行委員の姿だった。
「ちょっと杉並!これは酷過ぎるんじゃないの!!」
どうやら眞子は純一の扱いに対して抗議していたらしい。
「まぁ待て。ここで騒ぐのもなんだ・・・ちょっと話し合おう」
杉並は眞子を実行委員の準備室に連れて行った。
「で・・・何が問題なんだ」
「何が・・・て、これじゃ朝倉の意思なんて無視してるじゃない!」
「うむ・・・だが、これは朝倉自身が納得していることなんだが」
「うそ・・・」
「嘘ではない。なんなら朝倉純一の承諾書を見せてもいいが」
「じゃあ、音夢はどうなのよ」
「朝倉妹も納得しているようだぞ」
「えっ?」
完全に閉じられていない扉の向こうには登録を申請する朝倉音夢の姿が
あった。
「音夢・・・」
「本人も家族も認めているんだ。第三者がとやかく言うことではあるまい」
「第三者って・・・あたしはねぇ!朝倉の!!」
「朝倉の?」
「・・・朝倉の・・・・・・友達だから!」
「友達だから?」
「出るわよ!出ればいいんでしょ!!」
そう言って眞子は参加申請書を杉並に叩き付けた。
「了解。水越眞子、参加を登録したぞ。規約をしっかり読んでおくように」
「わかってるわよ!」
眞子は荒々しく、ドアを開けてドカドカと出て行ってしまった。
GJ!
眞子、ついに参戦!
同日更にすこし後 申込場所
このような事態に至ったことについて朝倉音夢は軽い頭痛を感じていた。
朝倉純一とひとつ屋根の下という絶好の状態であるはずなのに決定的な
事象にはいたっていないことが根本原因であった。朝倉音夢は朝倉純一の
お手つきということであったならば、ここまでの盛況を見せることもなかった
だろうし、そもそもこんなイベントが成立することもなかっただろう。
朝倉音夢は朝倉純一の妹である、周囲にはそういうことにしているが実際は
血のつながりがなく、音夢は純一の妹のように育てられていた。そしてそれを
少なくない人間が知っていた。そもそも朝倉家は昨日今日に初音島に来た
のではなかった。朝倉家の当時の事情は初音島内でのことであり、そのことを
知っている初音島の住人もそれなりにいるのである。
朝倉家の現在は”血のつながりのない若い男女がひとつ屋根の下”状態で
ある。それでいて、純一と音夢の間が何も取り沙汰されないのは純一と音夢は
本当に”兄妹”としてお互いを思っているのか、それとも隠蔽工作がよっぽど
上手いのかのいずれかである。そして、これが前者ならば朝倉音夢は完全に
純一争奪からは脱落していることになる。
純一はともかく、音夢のほうは兄を”男”として見ていた。Yシャツにパンツと
いう寝巻きやいつでも夜這いOKというシグナルを送っていたが上手く伝達され
てはいないようである。一度、意を決して兄の寝室に行ったが夜泣きした子供の
ように扱われた挙句、横で高いびきされたこともあった。一度、精力のつく料理を
作ったことがあったが、結局何を作ったのかわからない黒い物体になり果てて
いた。
自分は純一にとって単なる妹に過ぎないのか、音夢はそう思い悩んでいた。
ただ単に朝倉純一が音夢を含んだ二股以上を目論んでチャンスをうかがって
いただけに過ぎないことが判明するのは後日のことである。
ただ音夢が焦り気味なのは純一の従姉である芳乃さくらが帰国してきた
ことにある。さくらのあからさまな行動はストライクゾーンが広すぎる純一に
いつ点火するか判らなかったし、何よりも周囲のバランスを崩しつつあることが
問題であった。朝倉純一を巡る環境の激変および活発化、その最大のものが
白河ことりの暗躍である。
最近、白河ことりが純一の頻繁に出没しはじめていた。学園のアイドルである
白河ことりの参戦は風見学園の双璧と言われた音夢にとっての最大の脅威で
あった。こうして音夢は家ではさくら、学校ではことりと強大なライバルの出現に
苦戦することになるのである。
音夢はこのことについて親友の眞子を当てにはしていなかった。むしろ三者
共倒れの後で取っていきそうな感じがした。
現在の音夢にとっては既成事実を作ることが最大の目標であり、そのためには
優勝しなければならなかった。だが、さくらもことりもそのことは判っているはずだし、
当然優勝を狙ってくるだろう。気を引き締めなければ・・・・・・音夢以外の誰かが
優勝してしまえば・・・朝倉音夢の名はボンクラの代名詞になるだろう。
「音夢先輩も参加ですか〜美春もです〜
美春が優勝したら三人で旅行に行きましょう〜〜〜」
わかっていないのがいた・・・音夢はこめかみのあたりに激しい頭痛を感じた。
同日同時刻 申込場所前
「これは・・・?」
「朝倉純一さんの争奪戦の申込よ。なんでも朝倉さんの夏休みを自由にできる
とかいうやつで」
「見て!副賞が夏休みの宿題免除に旅行代金の一部負担!!」
「すごいじゃない!出ようか?」
「無理よ、無理。こんだけ人数がいるし。それに真奈美は彼氏いるじゃない」
「そうね、この代金一部負担は朝倉さんとの旅行が条件みたいだし」
「?」
「そうか、美咲は復学してきたばかりだから」
「そうよね、朝倉さんってどんな人かよく知らないわね」
クラスメートの二人は親切にも朝倉純一の人となり、そして周囲について
説明しはじめた。
「(私は・・・朝倉さんのことを・・・知っている)」
彼女は彼女に説明するクラスメートたちよりも朝倉純一のことをよく知って
いた。
「(あとで申込に行こう)」
鷺澤美咲はクラスメートとともにその場を立ち去った。
同日昼休み 特別教室棟
「でも、これって理事長先生の肝いりでしょ」
特別教室棟の一室にて向かい合う白河姉妹、姉の暦は武闘大会に参加
する妹のことりに釘を刺しておこうと呼び出したものの機先を制されたために
次の言葉をなかなか口にすることができなかった。
ある意味では朝倉音夢と同じともいえる白河ことりの大きな共通点は
兄弟姉妹関係にある。音夢には同じ歳の男の子が兄としているのに対し、
ことりにはほぼ10歳違いの姉がいる。ただこの点だけならば大きな違いで
あろうが、双方とも言えることはその兄や姉が競争相手として存在して
いない、むしろ保護するものとして存在していることにある。構図としては
病弱な妹の音夢を護る兄の純一と、幼い妹のことりを護る姉の暦である。
双方とも関係は良好であり、兄弟姉妹間にありがちな対立の矛先が互いに
向かなかったことにある。性別が異なる朝倉兄妹と異なり、性別が一緒な
白河姉妹の場合、年齢が近ければ競争・対立関係になりかねなかった
だけに姉の暦は妹のことりとの間に存在する年齢差に感謝していた。
暦が良好な関係を望んだこともあったが、同時に妹のことりの他人の心を
読んでいるかのように見える反応に敵に回した時の怖さというものも理解
できていた。
以前にこういうことがあった。
ことりが中学に入ってすぐの頃、同級生の悪ガキがことりのスカートを
めくり、あろうことかパンツまで降ろそうとしたのである。この時、ことりは
泣きそうな顔を見せ、その悪ガキはこっぴどく叱られたのであるが、その
報復は後日に現れた。その悪ガキの家に幼女ものの海外エロビデオと
大人の玩具が大量に送られてきたのである。結果、その悪ガキは親に
散々ボコられたうえに教師から厳重注意をされ、その後に家出をして
現在にいたるまで帰っていない。
この一件以降、暦はことりだけは絶対に敵に回すまいと決心した。
「だけど・・・ことり・・・・・・」
「大丈夫!私は勝つから心配しないで、お姉ちゃん」
そういうとことりは授業があるからと部屋を出て行ってしまった。
自分の言うことをまた制された暦はそれ以上何も言えなかった。まるで
自分の考えを読まれたかのような感覚に囚われた暦であったが、ことりは
正確には暦の考えを読んではいなかった。
暦は溜め息をついて椅子にもたれ、つぶやいた。
「違うんだ、ことり・・・あたしが心配しているのは対戦相手の方なんだ・・・」
同日夕方 申込場所
「盛況だな!」
「うん、これなら100の大台に乗るかもな」
「前売りの方もほぼ完売だ」
「そうであろうそうであろう!」
実行委員たちは予想以上の盛況に喜びの色を隠さなかった。そして、申込も
ほぼ終わり、店仕舞に入りかけた頃に遅まきながら一人の人物が入ってきた。
「ちわー」
「工藤ではないか。どうしたんだ」
「ちょっとな・・・で、調子はどう?」
「うむ、大盛況満員御礼!という感じだ!!」
「そう・・・・・・」
「前売り券ならばほぼ完売だか・・・どうだ、一週間分の学食込みで
実行委員割り当て分を売ってもいいぞ!いい席だぞ!!」
「いや・・・そうじゃなくて・・・・・・」
「もう前売り買っていたのか?それは残念残念」
「いや・・・違うんだけど・・・・・・」
「もしかして手伝う気になったのか。それはいい!」
「それはありがたい!人手不足なんだよ」
「杉並・・・じゃなくて実行委員長!バイト代の説明を・・・・・・」
「違う違う違う!ここに来たのは、これのためで・・・」
工藤は一枚の紙を取り出した。その紙は実行委員たちを驚愕させるに十分で
あった。
「これって・・・もしかして・・・・・・」
「さ、さ、さ、参加申請〜〜〜!!!」
「えっ!?えっ!?えっ!?」
実行委員たちは参加申請の紙と工藤の顔を交互に見やった。
「勘違いするなよ・・・わ・・・俺はこんな意に染まない条件を飲ませられる
朝倉が可哀想で・・・・・・友達としてだなぁ!」
だが、そんな工藤の叫びは誰も聞いてはいなかった。
「前々から女っぽいヤツだとは思っていたけど・・・」
「好感度一番なのに彼女がいないのはおかしいと思ったんだよな・・・」
「こうなると朝倉も可哀想だな・・・・・・」
「だからぁ!友人としてだな〜〜!!」
強弁しようとする工藤を杉並は制した。
「小生はどんな愛にでも寛容だ。それよりもこれがルールの規約と印の作り方、
使用説明だ。参加登録した、勝ちたくばすぐに帰って勉強した方がいい・・・」
無理矢理押し付けられた工藤はすげなく部屋から追い出された。部屋の中では
工藤参戦に対する憶測がかすまびしく述べられている。工藤は訂正したかったが
ムダであることを自覚し、また朝倉純一はホモという噂が立てば悪い虫もつかなく
なると思い直し、帰宅した。
ただ工藤叶参戦というニュースは翌日以降に異なる層を勇気付けて参戦させる
ことになった。
同日夜 月城邸
この日の月城邸は大騒ぎであった。資料を漁るもの、練習室を準備するもの、
全ては月城アリスの支援のためである。
「練習室の方の準備は整いました。ですが、魔法に関しましては奥が深くて・・・
三日では対戦しうる方々の手の内を推測するのは困難かと・・・・・・」
アリスは無言でうなづいた。
「では自らの能力を高める方向で」
アリスは練習室に向かった。
同日夜 芳乃家
「う〜ん、参ったなぁ・・・」
印自体は特性を見極めるための初歩的な検査である。しかし、それが武器に
なりうるということはかなり強力な魔法サポートの結界が張られていることを
意味していた。その中ではまだまだ未熟な魔女であるさくらの能力など大した
武器になりそうもなかった。
だが、さくらはそのことを深刻な問題とは思っていなかった。なぜならば
彼女には”知識”という最大の武器があった。おそらくは大部分の参加者は
自分の特化した能力のみで戦いにくるであろう。一方でさくらはそれに対して
多くの引き出しを持っており、対抗することは十分に可能だと判断していた。
「となると・・・やばそうなのは」
さくらが脅威と思っているのは印の効果の源となる念の力の大きそうな、
そして何らかの能力を元々有している人物・・・
「白河ことり・・・胡ノ宮環・・・そして・・・・・・」
さくらは幼少の頃からの宿敵、朝倉音夢を思った。能力はともかく念の大きさ
ならば化け物クラスである。
「この三人には本選、いや決勝戦まで会いたくないな・・・できれば共倒れして
くれないかな」
そうは上手くいかないと思い直したさくらは、同時にウェイト不足というハンデを
抱える自分の身体で足元を掬われないように戦術を練り直した。
同日深夜 水越家
「はぁっ!!!」
水越眞子は練習に余念がなかった。
「眞子ちゃ〜ん、そろそろ休憩しませんか〜」
眠りに誘うような声で萌が手に食事を持って現れた。
「眞子ちゃんがテキにカツようにと・・・」
「ステーキにトンカツ?夜中にそんな・・・」
「・・・を鍋にしてみました」
思わず、砕ける眞子。
「お姉ちゃん・・・なんでもかんでも鍋にすればいいってもんじゃ・・・」
「そうですか〜勿体無いですねぇ〜」
「もうちょっと練習するから・・・うるさかったらゴメンね」
そう言って眞子は練習に戻ろうとした。
「ところで、眞子ちゃん。勝ったらどこに行くのですか〜」
「あうっっっ・・・な、何を・・・・・・」
「どこに行くのですか〜グアムとかサイパンもいいですけどね〜」
「だからぁ!朝倉を解放するのが目的であって、別に海とかは!!」
「じゃあ、あの水着はいつ着るのですか〜
あの真っ赤で肩紐がなくてお尻が半分出てるビキニは〜」
「いや、あれは・・・」
「殿方に見せるのでなければ、あんな水着は買いませんわね〜」
いつもと異なり的確な攻撃をする萌に眞子は戸惑った。
「そ、そういうお姉ちゃんだって、黒のブラジル水着を・・・」
「わたしは目的がありますから〜」
「えっ!?」
「じゃぁ、眞子ちゃん。ほどほどにね〜」
そういって萌は鍋を持って戻っていった。なにか含みのある姉の態度が
気になった眞子ではあるが、すぐに練習に戻っていった。
翌日朝 体育館裏
参加を希望する女子生徒の大部分は発表当日に申請していたために
この日に申し込むものは一日考えていたものか昨日休んでいたもの
くらいであった。かわってOBや学外の人物、そして工藤叶参戦に勇気
付けられた特殊な趣味の層が目に付いた。
そんななか学外の生徒が勝って知ったるなんとやらで体育館裏に
向かい早速印を結んだ。地面に浮かんだペンダグラムから渦巻きが
沸き起こり、虚空に一人の少女が宙に浮いて立っていた。
「お姉ちゃん、助けてくれるの?」
虚空の少女はコクリと頷いた。その頷きに数万の援軍を得たかの
ように少女は自分に喝を入れた。
「霧羽明日美、吶喊します!」
本選前日夕方 理事長室
「予想を上回る数の参加者が集まりました。また座席の前売りも完売です。
当日は立ち見の席のみです。これで”MATSURI”の目的は達成できたも
同然です」
「まだ開催していないものを成功と評するわけにはいかないわよ、杉並くん」
「はい、すみません。理事長」
「で、参加者の方はどうなってるの?」
「はい、本日午後5時をもって参加を締め切りました。正確な人数はまで
計算中ですが、100名越え・・・おそらくは150名に近づくでしょう」
「そんなに・・・」
「はい、うちの女子生徒以外にも学外からの一般参加、および本土の学校
からも。男子生徒も若干名混ざっているようですが・・・」
「それだけ朝倉くんの好感度が高いってことかしら。この初音島内部で少しでも
彼に好意を抱いていると参加したくなるように結界を設定しましたから」
「そうですか」
「ですが、最後に勝つのは念が高く、知恵のあるもの・・・ポッと出で勝てる
ような甘い戦いではありません」
「はい」
「で、今後の予定は?」
「はいっ、明日金曜日の午前中を使って一次予選を行います。ここで16名に
しぼりこみます。そして午後からは1対1の対戦形式の二次予選を行い、
ここで本選進出8名をセレクトします」
「うん」
「明後日土曜日の午前中で準々決勝、午後に準決勝、そして決勝を行います」
「運営は大丈夫かしら」
「はい、一次予選の参加者が予想以上でしたが対応可能な範疇です。
念のために救急班を含めて若干の人員の増員を行いました」
「よろしい、では明日を楽しみにしているわ」
「恐悦至極!それでは朝倉に会いに参ります」
「ご苦労様。彼によろしく伝えておいてね」
「御意!」
杉並を軟禁状態の朝倉純一に会いに部屋を出た。理事長は杉並の持ってきた
参加者名簿に目を通し始めた。
「白河さん、芳乃さん、朝倉さん・・・やっぱり参加したわね」
理事長は名簿にある名前に読み上げて言った。
「ぶざまな敗北は退学よ、叶さん・・・」
同日ほんの少し後 軟禁場所
「腕立て伏せか・・・いつからスポーツマンになったんだ、朝倉は?」
「いや、ヒマでな・・・することがないからな」
「一ヶ月いたら筋肉隆々になれるぞ」
「それはいやだ、ところでどうなんだ」
「大盛況だ。お前は誰が勝つ・・・いや、勝って欲しい」
「誰でも」
「すげない返事だな」
「結婚とかだったらともかく夏休みの権利だけだろ」
「向こうはそう思ってないが・・・」
「こっちはそう思ってるが・・・」
「やり逃げか・・・」
「そうともいうかな」
「だが、男子生徒が若干いるが・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「音夢でもさくらでもワンコでもいいから勝て!!」
そして・・・決戦の日を迎えた。
いよいよ戦いの幕が…(゚Д゚)
わくわくするよー!
(´▽`)ワ^)ー゚)ω`)
なんだこの豪華さはぁぁぁ
<一次予選>
決戦の朝を迎えた風見学園の校庭には大会の開催を今や遅しと
女子生徒たちが待ちかねていた。
「音夢先輩、がんばりましょ!」
「お願いだから、少し静かにしてて。美春」
音夢もさくらも眞子も環も手渡された一次予選のルールの確認に
余念がなかった。なかには先ほどの美春のように呑気なものや
ことりのように周囲ににこやかに微笑みかけるものもいたが、
彼女たちの大部分は緊張し、ピリピリした雰囲気に覆われていた。
そして時計が9時を指したとき、大会実行委員長の杉並が壇上に
現れた。
「諸君!朝倉純一が好きか!!
諸君!朝倉純一が好きか!!
諸君!朝倉純一が好きか!!
朝倉と過ごす夏休みをを望むか?
それとも宿題に追われ、ただ消費される夏休みを望むか?
好きな男と行く旅行のために闘うことを望むか!?」
「Yes!Yes!Yes!」
「よろしい!ならば闘争だ!!
だが、ひと夏の思い出を得るのに単なる闘争では生温い!
一気呵成の!一心不乱の!一意専心の戦いが望ましい!
諸君らは一騎当千のつわものである!
ならば!それに相応しい戦いを望もうではないか!」
「Yes!Yes!Yes!」
「朝倉純一争奪武闘大会!状況を開始せよ!!
さぁ、諸君!戦闘の開始だ!!」
何やら微妙な熱気に覆われた風見学園の校庭で開会式がなおも続いた。
「それでは一次予選を開始する前にルールの確認を行います。
ルール説明はわたくし”音楽室の白い稲妻”ともちゃんと」
「お兄ちゃんラブ!のみっくんでお送りいたします」
「皆様、校門でお渡しいたしましたルール説明の用紙をご覧ください。
風見学園の敷地内に100個の箱を設置しております。
場所は用紙内の風見学園マップに記してあります。
その箱の一部には玉が入っています。
その玉を指定の場所まで持ってきた人が一次予選を突破します」
「玉を持ってくる場所は体育館壇上にある箱で、入れる際には自分の名前を
名乗ってください」
「玉には1番から16番までの番号が振られており、その番号が二次予選での
組み合わせの抽選になっております」
「玉の受付は10時半から12時までの間で、それ以外の時間は受け付けません」
「玉は一旦箱から出されるとGPSによって場所が特定されます。
場所に関しましては各教室のテレビにリアルタイムで中継いたします」
「何か、ご質問はありませんか?」
「二つ以上の玉を取った場合はどうなるんですか?」
二人は杉並にマイクを渡した。
「その場合、全ての玉は有効である。つまり、一番と三番の玉を取れば、
その両方の試合に出ることができる。但し、どちらかの試合で棄権を
すれば試合放棄として、全試合失格となる。先ほどのたとえならば、
三番の試合で棄権した場合、一番の試合で勝っていても失格とする。
なお、例外として一番と二番、三番と四番というような二次予選の試合の
組み合わせで取れば不戦勝として本選への進出が認められる」
「じゃあ、複数とってもあんまり意味ないわね」
「でも、不戦勝の組み合わせがあるでしょ」
「ああいう組み合わせじゃなきゃ意味がないでしょ!」
「要は玉を取ってきて箱に入れる、それだけだ!
試合開始は9時半から、玉の受付は10時半からだ。
諸君らの健闘を祈る!」
杉並の言葉が終わると生徒たちはどのように行動するか思考しはじめた。
やがて時計の針が9時半を指した。
「レディーゴー!」
スタートの合図とともに女子生徒たちは目算した場所めがけて走り出した。