【DWJ】ハウルの動く城専用スレ2【ジブリ】

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879星と花 ◆iPpgo8CXec

戦争も収束に向かったある春の日、二人は秘密の花畑に来ていた。
ソフィーの手を引いて歩いていたハウルは、湖の辺で立ち止まり彼女と向き合う。
そんな彼の脳裏には、あの少年時代の記憶が浮かんでいた。

星の子達が降り注ぎ花びらの様に散っていく中で、その声を聞いた。
空から舞い落ちる星達と同じ色をした髪の少女の声を。

「ハウル?」
黙り込んだ彼を心配したソフィーが顔を覗きこんできた。星色の髪がさらりと揺れる。
ハウルはそんな彼女をしっかりと見据え、けれど優しい微笑を浮かべて言った。
「ソフィー…ずっと一緒にいよう。僕ら愛し合って喧嘩もして、
 これから色んな事があるだろうけど、二人で乗り越えて行こう」

ソフィーは彼の優しくも真剣な眼差しに、その美貌に一瞬見惚れ、
告白の意味を理解した後、顔を真っ赤に染め上げた。
「ハウル……」
「ね?ソフィーという花を、僕の傍でいつまでも咲かせていて」
赤く染まっていた彼女の顔は嬉しそうに綻び、その瞳からは幸せの涙が溢れた。
「ありがとう…。私ずっとハウルの傍にいる。」
ハウルは涙を零すソフィーをしっかりと抱き締め、
「僕は何回生まれ変わっても君に逢いたいよ」
両手で彼女の頬を包み込み、そっと唇を合わせた。

―――生まれ変わっても君に逢いたい

―――生まれ変わっても貴方の傍で花になろう

風に舞う色とりどりの花びら。その中にそよぐのは星色の花。


END