WJ掲載D.Gray-manより神田ユウ女体化で室長×神田。
女体化は本スレだと荒れる元だという事なのでこちらに失礼。
とりあえず導入部のみでエロはまだなしですが、NGワードは「六幻」で。
775 :
六幻(1):2005/08/26(金) 00:52:15 ID:tRR5dXza
夕飯時の喧騒も既に収まりを見せ、人影もまばらな夜の食堂。
「やあ神田くん、久し振りだね。」
他にいくつも席が空いているというのにわざわざ自分の隣に陣取った男の顔を見て、神田は微かに笑みを浮かべる。
「……珍しいじゃねェか、てめェが食堂でメシ食うなんて。珍しくヒマなのか、それとも遂に室長を解任されたのか?……コムイ。」
「キミが帰ってきてると聞いたからさ、何をさておいても顔ぐらいは見ておかなきゃあと思ってね。それで忙しい合間を縫って食事にかこつけて抜け出して来た訳だよ。リーバー達には内緒だけどね。」
既にざる蕎麦をあらかた平らげていた神田は、蕎麦湯を椀に注ぎながら皮肉混じりに言う。だがコムイの方はといえば肩を竦めてしれっと言い放った。
「……要は俺にかこつけてサボりたいだけじゃねェか。」
「まぁまぁ。誰だって休息は必要さ。」
ぱちん、と箸を割って目の前で美味しそうな湯気を立てているラーメンを啜り始める。暫くは黙々と食欲を満たしていたコムイであったが、ふと思い出したように箸を止めた。
「ああ、そういえばこの前、アレンくんが面白い事言ってたな。」
先日の任務で不本意ながら手を組んだ、白髪の少年の顔が頭を過ぎった神田はあからさまに眉を顰める。
「……モヤシが?何を言ってたんだ?」
普通の者であれば震え上がりそうな程の不機嫌さを露にした声音にしかしコムイは臆する事なく、にやりと笑って言った。
「好みのタイプの事とか彼女がいるのかとか色々聞かれててね……その時『神田は六幻が恋人なんじゃないか』なんて答えてたんだよ?」
「っ……げほっ!!げほっ……!!」
飲んでいた蕎麦湯がヘンな所に入ってしまい、思いっきりむせてしまった神田の様を可笑しそうに眺めながらコムイが続ける。
「な、何とんでもない事言いやがるんだあのモヤシ!!!」
「鋭いよね〜アレンくん、ある意味正解だよね?だって……。」
耳まで真っ赤に染まってしまった神田の耳元に顔を寄せ、コムイは思い出す度に自己嫌悪に陥る過去を囁いた。
「キミの初めては……六幻、だったもんね?」
* * * *
776 :
六幻(2):2005/08/26(金) 00:53:45 ID:tRR5dXza
神田がエクソシストとして黒の教団に入団して、まだ日が浅い時の話である。
その日も神田は、室長であるコムイにイノセンスについての教義を受けていた。
「エクソシストにとって、己の対アクマ武器とのシンクロ率というのが、己の生命を左右するほど重要だという事はキミも既に身に沁みて分かっているだろう。そこで……いかにしてシンクロ率を上げるかが問題となってくる。」
コムイの説明を神妙な面持ちで聞いていた神田であったが、次に発せられた言葉に唖然とする。
「一番手っ取り早いのは……一体化することだろうな。幸いな事にキミのイノセンスは刀タイプだ。さほど苦労はないだろう。」
「……はぁ?」
一体化する、などと言われても果たして何をどうすれば良いのか、皆目見当がつかない神田の様子にコムイが眼鏡を上げながら意味ありげな笑みを浮かべた。
「まあつまり、六幻と一つになる、って事。ね?」
「???」
ますますもって分からない。疑問符だらけの神田の肩をぽん、とコムイが叩いた。
「だから、さ……男女がひとつになるように、キミと六幻が一つになればいいって事。……分かる?」
「……全然分からん。分かるように説明しろ。」
「だ〜か〜ら〜……まったく、キミもソッチの方は鈍いんだなあ。」
やれやれといった形で首を振ると、コムイがその耳元に囁く。
「つまり……六幻を使ってひとりえっちする、って事。」
――神田がその意味を理解するのに数十秒。
「……なっ!?!!?!」
「良かったねえキミが女の子で。男だったらちょっとイヤンな構図だよ?」
「じょっ……冗談じゃねェよ!!!誰がんな事……!!」
とんでもない事を平然と言い放つコムイの襟元を掴んで詰め寄る神田であった……が。
「でも……シンクロ率を上げる為だよ?」
「……。」
その言葉に神田はコムイから手を放し、唇を噛み締めて俯く。握り締めた拳がやり場のない怒りと恥辱に震えていた。
「……勿論、キミがイヤなら無理強いは出来ない。良く考えるんだ。」