1 :
1:
書き手が気紛れにSSを書くスレです。
書き手は3〜5レスぐらいのSSを書いた後、適当な3語を指定します。
次の方は、その3語をキーワードにしてSSを書き、更に次の方のために3語のキーワードを指定します。
例
「ローター」「野外」「ソックス」
上のキーワード指定があった場合、書き手は上の3語を用いて短めの、必ず完結しているSSを書き上げて、最後に新たな3語を指定します。
次の書き手は、その新たな3語を用いて前SSとは全く関係のない、独自のSSを書き上げて、最後に更に新たな3語を指定します。
この繰り返しでスレは回転していきます。
ここはあくまで書き手が気紛れや気休めで書くスレです。
感想レスが欲しい方は、メール欄にその旨を書いておいてください。
感想レスを書きたい方は、文章に気を遣って書き上げてください。
ここは新人さんの練習スレとしても活用できます。
特定のスレへの投下に気の迷いがある方、文章に不安のある方、気兼ねなくこのスレをご利用ください。
短い話を完結させていけば、次第に文章力も上がると思われます。
荒らしは完全にスルーです。
最初のキーワード3語は、上の例を用いたいと思います。
「ローター」「野外」「ソックス」
マテや
支援が追いつかんと(汗
とりあえず乙
三題噺は好きなんで、週末にでも挑戦するつもりです。
エロでなくてもいいんかね?
書こうかな〜…と、思ってみたら……
必ず完結させなきゃいけないの?
この三語スレって他板にもあるけど、一レスで済むよう
書くのは一場面だけでいいんじゃないの?
また誤爆だ……
私が彼と向き合った時、感じることは恐怖と、そして痺れだった。
どうして彼に惹かれるのか、どうして彼でなければならないのか、私には全く分からない。でも、私は彼でなければ恐怖を感じず、痺れを感じられない。
だから私は、きっと彼から離れられないのだ。
「ごめん、遅くなって」
放課後の掃除が長引いてしまって、約束の時間に遅れてしまった。私はそのことに引け目を感じながら、彼との待ち合わせ場所、校門を出たすぐ先にある並木道に駆けつけた。
「・・・・・・どうしたんだ?」
彼は変化の少ない表情で私を見据え、聞いてくる。
「あ、掃除、もう一人の子が帰っちゃって・・・ごめん」
「・・・そうか」
短い言葉に不安を掻き立てられたけど、彼が怒っているのか、それは表情では判別できない。
それでも心臓を高鳴らせながら彼の横に立つと、彼はおもむろに私の肩を掴み、木の陰に私を隠した。
「え、え、どうしたの?」
急なことに驚き、胸が爆発しそうだった。でも、彼は平易の顔で私を見下ろしている。
太い木の向こう側から、校門を抜け出ていく生徒の声が聞こえた。
「・・・・・・これ」
そう言って、彼は手提げの鞄に手を入れ、何かを取り出す。彼の広げられている手を興味深く見れば、そこには桃色の、楕円形の何かがあった。
「・・・・・・それ・・・」
見覚えがある。
友達にやらしービデオを見せられた時、彼の手の中のそれと同じようなものを見たことがある。確かそれは、細かに震え、女性の体を刺激していた。
「え、え、何?」
俄かに不安の募る心を前に、彼は何の感慨もなさそうな顔で、それを握る手を下ろす。そしておもむろに私の太腿に触れたかと思うと、昼下がりの木陰の中、躊躇も見せずに、その手を私のスカートの中に押し入れた。
「えっ、ちょ、ちょっと・・・」
慌てて後ずさるけど、彼はたじろがない。
それどころか、私の肩を押さえ込み、逃げられないようにして、下着の脇から桃色の塊を押し込んだ。プラスチックのひやりとした感触が割れ目に触れ、ひゃっと背中を反らすけど、彼は行為を止めない。
桃色の塊を下着の中に押し入れ、出てこないようにして、長方形のスイッチがついているものを太腿に押し当てた。
「・・・ちょっと押さえてろ」
彼に見下ろされ、私の心が竦み上がる。
「早くしろ」
「・・・・・・はい」
私は呆気なく頷いて、自分の手で、太腿に触れる長方形のものを押さえた。それで解放された彼の手は、鞄の中に隠れ、現れたときにはガムテープが握られている。
彼は周囲に満ちている声など無視してガムテープを引き千切り、それで長方形のものを太腿で固定した。
同時に、スイッチが入れられて、割れ目に触れる楕円形のものが震動を始める。
「あっ」
唐突なことに思わず声が漏れた。
でも、彼に無理やりに木陰から引っ張り出されて、その声も抑えられる。
並木道には私と同じ制服を着た子が何人も歩いていて、いきなり姿を見せた私と彼に、反射的に視線を向ける子もいた。
「・・・・・・・・・!」
いくつもの視線が向けられる中、私の割れ目を叩くように震えるものがあって、腰の下辺りがむず痒い感覚に捕らわれる。
「・・・それ、ローターっていうんだ」
手を引っ張られて下校する生徒の流れの中に紛れた私の耳に、彼の声が飛び込んでくる。その声が周囲に聞こえていないかと思わず目を走らせるけど、周りの子達はお喋りに夢中で、私になんて気を配っていない。
それの震動は激しくて、割れ目を叩かれる度に、奥の方が疼くのを感じる。
まるで、野外でこのようにされていることを喜んでいるような気さえした。
「・・・・・・どう? 気持ちいい?」
同じ学校の生徒に囲まれる中、迷いも見せず私の手を握っている彼の声が、耳に滑り込んでくる。その声は心臓にまで届いて、心を跳ねさせた。
周囲には人がいる、誰かが私を見ているかもしれない、私達の声は聞こえてしまうかもしれない。
「・・・うん、気持ち、いい・・・・・・」
それなのに私は、喉を震わせて、そんな言葉を口にしていた。
そして言葉の真実を表すように、私の割れ目からは液がこぼれている。
「・・・・・・今日、俺の家に寄りなよ。それ、取ってあげるから」
彼が前を見たまま言って、私は頬を赤らめて、頷く。
「・・・うん。取って、これ・・・」
そう言って歩いていると、ローターのせいで膨らみ、隙間ができている下着から液がこぼれて、その液が太腿を伝ってソックスまで垂れていくのを感じた。
私は、彼の家に寄ってから行われることを考えて、更に濡らした。
「絶頂」「精力」「あくび」
焦り過ぎた、すみません。保守として自分で書きました。
GJ!!
GJ!
引きの文の余韻のエロさが本文とあいまっていいですね。
保守
最初に投下した人間がいると、他の書きかけ作品が日の目を見ないてのはもったいないからな……
「3語の指定は最初の人間だけだけど、投下は何人でもできる」方が良くないか?
とりあえず
すまん、「とりあえず期待」のつもりがミスった
>14-15
IDが何となくカコイイので賛成。
>>1の補足
指定された3語のSSを投下する際、最初の人は次の3語を指定します。
次の3語を用いたSSが投下されるまでは、前の3語を用いたSSを投下しても構いません。
次の3語を用いたSSが投下された時は、次の3語を用いたSSへと移行します。
感想レスが続いて前のSSと間が空いた時などは、名前欄に指定された3語を書くと分かりやすいです。
>>14 前の3語を見限る切っ掛けを作らないと、一つの3語にいつまでも固執する可能性があるので、上のようにしました。
それとも、指定された3語はいつまでも使える方がいいでしょうか?
「ふあーあ」
あくびを噛み殺す。
「先輩・・・」
あくびなんて酷いですよといった感じで訴えてくる奴の足を蹴飛ばしてやる。
昨日の夜から数えてもう6発目だった。あくびも出ようってものだ。
「お前がこんなに精力絶倫だったとはね・・・」
誤算だった。ちょっと遊んでやろうと思ったくらいだったのに。
男ってのは一晩で何度でも絶頂に達っせるものらしい。
ワイシャツを羽織ってコーヒーを入れに行く。
「あれ、先輩。どこいくんですか?」
「コーヒーだよコーヒー。あと煙草。」
「煙草、体に悪いですよ?」
「あんまりやりすぎると腎虚になるらしいな。」
言い返してやる。奴は暫く考えてぼりぼりと頭を掻き始めた。
「でもほら。想い適ったその日くらいは。」
ベッドを出てて良かった。
外人じゃないんだ。いきなり顔が赤くなるような事を言われても困ってしまうってものだ。
「それにほら、先輩ベッドの中でこんなにかわいいとは思わなかったし。」
どうせえへへとでも幸せそうに笑いながら言ってるんだろう。
どうしてこんな事を恥ずかしげも無く口に出せるのか非常に不思議でならない。
振り返ってティーカップを投げてやろうかとして思いとどまる。ここは私の部屋だった。
「コーヒー、飲むんだろ?砂糖とミルクは?」
「お砂糖とミルク入れて下さい。」
「お子ちゃまめ。」
小声で言ってやる。先輩に向ってかわいいですねなどと言いおって。
コポコポとコーヒーを入れると肩に重みを感じた。
「うひゃっ」
急に後ろから抱え込まれてしまって変な声を出してしまう。
なんでこいつはこんなに背がでかいのか。・・・まあ私が小さいというのもあるんだろうが。
「でも皆先輩って耳年増だって言ってたけど噂は本当だったんですね。俺、はじめてで光栄で・・」
みなまで言わせてはならない。残念だが片付けはこいつにやらせれば良い。
私はにっこりと笑って得意げに言いかける奴に向っておもいっきり振りかぶった。
-----------------------------------
ちょと無理やりでした。。。
次のお題
「ご主人様」「そんな、困る・・・」「ピアノ」
おお、GJ!
ちっちゃくて口の悪い耳年増な先輩萌え。
保守
ピアノの練習は、僕の日課だ。
音楽は、紳士の必須科目。
文武両道は無論、礼楽も当然にあるべき嗜み。
いささか時代錯誤な家訓ゆえに、我が家には音楽室がある。
祖父の代から使い込まれている古めかしいグランドピアノ。
僕は、その前に座って楽譜を開いた。
ショパンのポロネーズ「英雄」。
ひたすら祖国ポーランドの独立を願ったショパンが執筆した、希望溢れる曲。
華奢な手の僕には、少し弾きにくい。
だからこそ、ここ数ヶ月ひたすら打ち込んでいる……
……はずだった。
「ご主人様、いかがなさいましたか?」
からかうような響き。背後の声の主は、間違いなく意地の悪いえくぼを頬に刻んでいるはずだ。
彼女は、黒い結髪を古臭いヘアネットに収め、黒真珠のピアスを身につけ、黒いスーツを着こなしている。
細いチタンフレームの眼鏡、高そうなストッキング、どう見ても厳格な女家庭教師だ。むしろ、鞭を持っていないことが不思議なくらいだ。
けっ。ガーランド先生め。「金髪のジェニー」に出てくる怖い女教師の名前を仇名につけ陰で毒づいているが、そんなもので溜飲がさがるはずもない。
日本でも有数の名家、清涼院家の次期当主である僕がまったくかなわない相手、それが彼女だった。
それは、彼女が父から依頼を受け、授業中、僕に対して無条件絶対の命令権を持っているからではない。
たまたま僕が悪友たちと飲酒・喫煙しているところを目撃されてしまったからだ。
僕だってバカじゃない。家族にはばれないように、隣町の河川敷でバーベキューパーティーを開いたときに、ちょっと試してみただけだ。
だが、まさか……あんな辺鄙な町に彼女の家があろうとは。
ああ、なんかジャージ姿のダサい女が犬の散歩をしているな……と思い、眺めているうちに目が合って、しまったと思った。
そんな僕の心を見透かすかのように、彼女はニヤッと笑ってくれたものだ。
家族にそれがばれたりしたら、確実に小遣い全額カットだ。
前述の通り、僕の家は古臭いしきたりでがんじがらめなのだ。
ましてや、次期当主ともなれば、手加減なしに父が怒り狂うのは火を見るより明らかだ。
修身と称して、武道室でこってり投げやら間接技やらを決められる可能性だってある。
翌日、音楽室で見た彼女はチシャ猫のような意地の悪い笑みを漏らしていた。
「昨日は……奇遇よね。あんなところで――」
「オヤジには黙っててよ、先生!」
縋りつくように泣きついたのが間違いだったのか。
ぶつぶつぶつ。
どう引っかけたものやら、彼女の網タイツに、大穴を作ってしまう始末。
「そうね。……これ、お気に入りだったのに」
綺麗な形の眉を緩めて、彼女は言った。……彼女が怒っているときは、えらく穏やかな表情を作るものだ。
昔からその笑顔にだまされてきただけに、やっちゃったよ、という自爆感しかなかった。
「お舐めなさい」
彼女は椅子に、左内股のタイツの破れ目を示すように脚をかけた。
「跪いて、丁寧に舐め上げるのよ。……もしかしたら、機嫌がよくなるかもしれないから」
「そんなこと……せ、先生そういう趣味が」
「何つべこべ言ってるの? お父様にお話してもよろしくてよ? ご主人様?」
「そ、それは……困る……」
「じゃ、お舐めくださいな、ご主人様。罰というよりご褒美よ。光栄でしょ?」
こんないい女なら……とあるいは思う男はごまんといるだろう。だが、二重に弱みを作ってしまった身で、それを楽しんでいる余裕はなかった。
僕は腿に唇をつけた。
「そう、柔らかく優しく舐めるの。……ちょっと、同じところばかり舐めてちゃ面白くないじゃない。気もきかない男ね。そんなだからダメなのよ」
勝手なことを言う。僕は仕方なく、舌を腿全体に這わせる。次に膝、膝の裏、ふくらはぎ、脛……。
「舐めるの上手じゃない。靴も舐めさせてあげるわ。好きなんでしょ? ご奉仕が」
黙っていれば、要求はエスカレートする。
だが……
だんだん、僕の気持ちに変化がおきてきた。
とてつもなく惨めなのに。
ふらふらと、僕の舌は彼女の靴に吸い寄せられて……。
ちろ。
舌に感じる、皮の味。
ミンクオイルの何ともいえない油臭さと、思ったより柔らかい靴の感触。
かっと耳が赤らむのに、何か腹の底から爽快感に似たものが駆け抜ける。
うずくまるように、土下座するような格好で彼女の爪先に顔を埋めたまま、
――僕のそれがたまらなく勃起するのを感じていた。
「どうしたの。丁寧に舐めなさいったら」
僕は催促に応じ、再び靴を舐めはじめた。くるぶし、足の甲など靴に覆われていない部分も、靴のわき腹や爪先も区別なく、僕は舌をつける。
たまらなく震えが走った。
がくがくと腹筋が痙攣し、がちがちと歯の根が鳴る。ズボンに引っかかってへし折られそうな感じで勃起したそれが痛いのに、僕は気持ちいいと感じている。
鼻息が荒くなるのを抑えながら、靴の踵を舐めようとしたとき――
「いやらしいわね!」
げしっ。
彼女の左足が、僕の腹を直撃した。
「靴舐めながら、私のパンティを覗いていたわね。なんてはしたない」
あおりで文字通り僕はひっくり返り、仰向けの状態でげほげほ咳き込んだ。痛みと言うより衝撃で呼吸ができない。無防備な僕に、彼女は更に追い討ちをかけた。
げしっ。
手加減されていたのだろう。だが、彼女の足の甲は僕の睾丸に見事にクリーンヒットした。
先程の比ではない。
しゃべれない。
息ができない。
目の前に火花が飛び、それが痛みであるとさえ実感できない。
だが、じわじわと睾丸から肛門にかけたあたりに、えも言われぬあの痛みが染み込んでくる。
「なに勃起なさっているのですか。こんなに硬く……ホント変態ですね、ご主人様。足に厭な感触が残ってしまいますわ」
彼女はスーツのスカートの裾を捲り上げた。そして、黒いシルクのパンティを脱ぎ捨てた。
痛みで前が見えていない僕の顔に、突然毛むくじゃらの何かが押し付けられた。
鼻の頭をくすぐる毛の感触と、独特の香り、湿気、味……
彼女の女性自身だと気付くのに、たっぷり10秒は必要だった。
「むう、むう……」
気付いたとしても、彼女の股全体で顔を塞がれ、せいぜいうめく程度しかできなかったが。
「いやらしいご主人様に、私もご奉仕してさしあげますわ。ご存分にお舐めくださいな、舐め舐め大好きのご主人様」
ふに、ふにと押し付けられるリズムとフェロモンに、僕は酔った。
魅惑の芽が黒い翳りを割って萌えているのを鼻先に突きつけられ……
僕は、恐る恐る舌を出した。
潤いを多分に含んだ蜜壷に舌を差し入れる。少し生臭い香りに酔いしれながら、僕は舌を使う。唇で丹念にその周辺を優しくつまみ、撫で、押し拡げる。
気が付けば、僕自身もズボンをずり下ろされ、露出させられている。彼女は指で輪を作り、触れるかf触れないかの力でゆっくり僕をしごいている。
あまりの気持ちよさに、舌を外した瞬間。
「うぐぅ……」
彼女は、平手で僕の睾丸をぶったのだ。
再び目の前に星が散り、何もできなくなる。
「誰がやめていいと申し上げましたか?」
「やる、やります、だからもうぶたないで……」
僕は暗闇を探るように、彼女の股間をあさる。
舌先が彼女の充血した豆を捉える。
とにかく、僕は舌で必死にそこをこすった。
「あ、あ、いい……」
どうやらお気に召したようだ。彼女も少し腰を浮かし、リズムに合わせて振る。
ぼたっ、ぼたっ……
彼女から溢れたものが僕の顎や舌に垂れる。
雫は顎を濡らし、耳のほうに垂れて行く。
舌を使っているので口に入ったそれは溢れそうになる。僕は何とか飲み込む。
「ああっ、ああっ、ああっ、ああっ……」
腰を振る速度が上がる。僕のリズムに合わせるというよりも、だんだん余裕なく打ち付けるような動きになる。
その刹那。
彼女の動きが止まった。
彼女は黙って、眉根に皺を寄せていた。
そして、硬直したまま何度か痙攣を繰り返す。
僕の鼻を塞ぐように、ぎゅうぎゅうとそこを押し付ける。
僕は、女の人は絶頂に達すると何か叫ぶと思っていたので、意外だった。
次の瞬間、僕も意識が真っ白になった。
射精はしなかったが、僕もそのときイッたのだろう。
僕はそのとき、目覚めたのだ。
目覚めてしまったのだ。
年上のお姉さんに、仕える悦びに……。
だらしなく床に横たわる僕の顔に依然として彼女自身をおしつけたまま、彼女はうっとりと僕を見下ろしていた。
「お姉様……いえ、ご主人様と呼ばせてください。この部屋で、これからも僕にずっとご奉仕させてください……」
彼女はこくりとうなずいたようだ。
それが、僕と彼女、すなわち奴隷とご主人様の神聖な契約だった。
それから、僕はこの部屋でピアノを弾かなくなった。
毎回僕は反抗的な生徒の仮面を被り、彼女はそれを打ち砕く。
僕が奏でるのは、妙なる楽器。
ご主人様より奴隷めに授けられた、こよなく愛しい楽器だけだ。
「どうしたの。ピアノを弾かないの? 悪い生徒には――」
おしおきが待っているわよ。
堕落の囁きが、僕の耳をくすぐる。
罰を、お与えください。ご主人様。
ということで、投稿完了。
多分男の名前は清涼留水、女の名前は宮部みゆさとでも言うんじゃないでしょうか(適当)。
次のお題は……
「雪だるま」「三つ編み」「おしゃぶり」でいかがですか。
メイド系で来るかと思えばこっちかw
GJ!
投下予告とか出すと、途中まで書いたのに先を越されたという嘆きが起きないんではないか
と思うんですが、どうでしょ?
何日までに投下するよ〜。と
予告日までに投下できなかったら、先を越されてもしょうがないとか
>>17の修正。
気晴らしや気休めで書くスレなので、即興で投下しても構いません。
ただし、次の3語が示されているのに、以前に出た3語を用いたSSを投下する場合は、用いた3語のキーワードを名前欄に、メール欄には【sageNG】と書きましょう。
指定された3語を用いたSS投下、新たな3語指定→指定された3語を用いたSS投下、新たな3語指定→・・・という流れが大好きな方は、【NG】をNG登録してください。
それやると悪戯予告して周囲待たせて何も出さない奴が出てくる予感。
三題が出て一週間ぐらいは被りOKにしてみたら?
その結果使われない三題が出ても、それもまたアリってことで。
ごめん、リロしてなかった。32は>30へのレス。
「お待たせしました、先輩っ!」
待ち合わせ場所の遊園地の入り口前で、久しぶりに聞く声に何気なく振り向いて――
途端に、僕は胸が高鳴った。
彼女が、そこにいた。久しぶりに会う、僕の彼女。
白いコートを着て白いベレー帽を被った彼女は、なんだか雪だるまのように見えた。
もちろん、太っているという事じゃない。彼女の朗らかで親しみやすい笑顔が、
雪国特産の癖にどこか暖かな雰囲気をかもし出す、あの白くて丸い物体を思い出させたのだ。
普段きっちり三つ編みにしている髪は、解かれて腰までふんわりとしたウェーブを描いている。
急いで走ってきたのか、頬は赤く上気して、林檎みたいだ。
ここまでだらだらと考えてきたけど、一言で言えば――。
「……可愛い」
「え? せ、先輩、いきなり、何言うんですか〜」
たちまち彼女は目元まで真っ赤になる。そうだよな。
いつも僕が彼女を褒めると、こうやってすぐ赤くなるんだ。こんな彼女をみるのはずいぶん久しぶりだ。
同じサークルの先輩後輩だった僕らは、一緒にいる時間が長かった。
でも、僕が卒業して、就職してしまうと、やっぱり忙しくて。
もちろん、メールや電話でまめに連絡は取り合っていたけれど。
彼女も卒論や何かといろいろ忙しく、二人のスケジュールを調整するのもなかなか大変だった。
確か、会うのは三ヶ月ぶりだ。
「……でもよかった。会うの久しぶりだから、何着て行こうかいろいろ迷ったんです。
気に入ってもらえて、すごく嬉しい」
そう言って、心から嬉しそうに、彼女は笑う。
それがなんだかとても愛しくて、思わず僕は彼女を抱きしめた。
「! せ、先輩っ……! ひ、人が、見てっ……!」
「……ん」
そのままずっと、彼女の甘い香りを吸い込んでいたかったけれど、
可哀想なくらい彼女が慌てるから、ゆっくり身体を離した。
「ごめん、なんか、久しぶり、だから、つい」
「……いえ、その」
僕達二人は気まずく向かい合う。
どうしよう。せっかくのデートなのに、早く二人きりになりたくて仕方が無い。
最後にちゃんと、ホテルは予約してあるけど――。
その時、ふと僕の目にとまったのは――観覧車、だった。
この遊園地の目玉である大観覧車は、一周回るのに三十分かかるらしい。
つまり、その間、ゴンドラの中は二人きり。まるで空の密室だ。
僕は戸惑う彼女の手を引っ張って、遊園地に入るなり、この観覧車に乗り込んだ。
ゴンドラが地面を離れて、僕らの姿が見えなくなったんじゃないかと思える辺りで、
僕は彼女の隣に座りなおして――また、彼女を抱きしめた。今度は彼女も異を唱えない。
「……すごく、いい匂いだ……」
「……先輩……」
彼女がきゅっと僕の肩にしがみつく。
そのしぐさでわかる。彼女も僕に会いたかったのだという事が。
そのままとても自然に、僕らはキスをした。
柔らかな彼女の唇に舌を割りいれて、そのままゆっくりと歯列をなぞると、
彼女は軽く身体をのけぞらせる。コートの上から胸に触れると、誘うように僕の手を服の中に導いた。
「んっ……先輩……」
そのまま唇を首筋に移して、舌先でつぅとなぞってみせると彼女は甘い声をあげる。
その声に、僕のモノは、固さを増していく。
彼女の手をそこに導くと、彼女は熱いものに触れた時みたいに、びくりと身を引く。
「先輩の、すごい……」
彼女はなんだか熱に浮かされたみたいに、うっとりと呟くと、かがみ込んで僕のモノを
ぎこちなく取り出し――その、小さな唇で、キスをした。
「先輩……わたしも、すごく、会いたかったんですよ……?」
そう言うと、彼女は僕のモノをぱくん、と口に含んだ。
「いつも、頼んでもしてくれないのに……なんで今日はおしゃぶりしてくれるの?」
「……ぁむ……だって……んむ……こんなに、わたしで……かたく、なって……んむ」
初めてだから、もちろん上手いわけじゃない。
時々歯が当たる事もあったけど、彼女はとても熱心に僕のを舐めてくれた。
ピンク色の舌がちろちろと先をくすぐったり、全体を舐め上げたりするのは、とても気持ちがよくて。
何より、いつもしてくれなかった事をこんなに一生懸命にしてくれているという事実が、僕の感覚を鋭くしている。
我慢しきれなくなって、僕はすぐに出してしまった。
当然受け止めきれるわけも無く、彼女はけほけほと咳き込んでしまっている。
「ご、ごめんっ! つい……大丈夫?」
「は、はいっ……びっくり、して……」
慌てて僕は彼女の口をハンカチで拭った。
彼女は涙目になりながらも、そんな僕を見てにこり、と笑ってみせる。本当に、健気で、本当に――可愛い。
「あ、もうすぐ着いちゃいますね」
「ほんとだ」
素早く僕らは身仕舞いをして、何事も無かったように普通の恋人同士を演じる。
「次、何乗る? ジェットコースター?」
そう訊いた僕に、彼女は悪戯っぽく微笑んで、こう言った。
「もう一回、観覧車、乗りませんか?」
以上です。
次のお題。
「こたつ」 「セーター」 「姫初め」
39 :
とけても:04/12/18 02:28:00 ID:F0OdW8UM
「つっ、冷たいよ」「我慢してよ」綾子の右手の甲が弘の背に触れている。グレーの
トレーナーの裾を捲ってタオルを中に入れている。上からは後の衿首を伸ばして左手が
受け取った。「はやく通せよ」「もうおわりました」「わおっ」あまりに癪に障るので弘の
背に掌をべちょっと付けた。身悶えて体を捩っている。「よっ、よせって」「なにしてるの」
赤いハーフコートを着た、胸に三つ編みが愛らしく垂れている奈々がにこにこして
二人の様子を見ていた。「タオル、背中に入れてるの」「見たらわかるう」「汗掻いちゃうと困るの。
風邪引いちゃうでしょ」「わたしにもして」「奈々は必要ないのよ」
通したタオルを背中にちゃんと当たるように伸ばしに掛かった。「して、して」
「汗掻かないでしょ」「掻くもん」「背中がごわごして気持ち悪いぞう」「やだぁ」「ようし、パパといっしょに
汗掻こうな」「わたしがやります」「なんで」「なんで、なんで」
「あなたが言うと厭らしいわ。奈々もパパって言わないの」「綾子さん、意識過剰」
「はやくう、はやくう」「もう、怒るわよ」
「もう、できちゃったんだ」白いコートを着た綾子がスコップを持って叩いている弘を
見に来た。スコップが雪の地面へと突き刺さった。「まだだよ。水を撒いて
凍らせてからじゃないとな」二人して雪の塊りを眺めている。街灯に照らされて、
雪が斜めに降っているのが見えていた。「半球形じゃないのね」桶をひっくり返した
台のようなかたちをしていた。「へんか」「独特というか」「昨日のこと、怒っているのか」
「ああ、あれね。怒っているとかじゃないの。ちょっとショックだったの」
『わたしのママじゃないっ!ママじゃない!』
40 :
とけても:04/12/18 02:30:45 ID:F0OdW8UM
「ショックって」「奈々がそんなつもりじゃないってのはわかっているの。でも、あのときの
弘や奈々が見てくれてた自分はもういないんだなって思ったら、つい」「つい?」
「焦っちゃったの。ばかみたい」「よこせよ」「あっ……」綾子の手に下げている
ポリバケツを受け取ろうとすると。「ねっ、わたしにも手伝わせてよ」「いいけど、一回で
全部撒くなよ」「えっ、そうじゃないの」「おいおい」鼻梁に皺がよって、唇から舌先が
チロッと出る。綾子が奈々だった。「そんなこと、わかってますようだ」「綾子の手、
また冷たくなっちゃうな」「なんか言った」「なんにも」「ふううん」最後に奈々の作った
小さな雪だるまにも水を掛けた。冷たい手は夜に熱く蕩けた。
翌日の夜に仕上げに入った。入り口の当たりを付けてスコップを刺していった。一時間半程
掛けて雪の塊りの中に四畳ほどの空間をこさえた。裸電球を通さず、懐中電灯を
綾子がかざしている。闇を照らしている白い灯り。空間は青色に思えた。「こんどこそ、完成?」
「まだまだ。ここからさ」「ここから?」「まあ、仕上げをごらんあれってね」
「変なもんばっか作ってるから自信があるのね」「変なもんていうな」「作ったらおしまいでしょ」
入り口から入って間迎いの壁にスコップを軽く当てる。「あっ」
「へんな声だすなよ」「穴を開けるの」「なわけないだろ。やったら、トンネルだよ」
「じゃあ、なにするの」「祭壇を作る」「祭壇?」「おしずの神さまを祭るのさ」
無の場所から器用に祭壇を作り出したのをめずらしそうに見ていた。「俺を敬っても意味無いよ。
おしずさまだって」「そんなことない」「はいったんせぇ」「なに、なに」
「雪ん子たちが中から通りかかった人たちを呼んで拝んでいってって言うんだ。なかで
甘酒でもてなしたりな」
41 :
とけても:04/12/18 02:34:28 ID:F0OdW8UM
かまくらは本格的なものとなった。火鉢はなかったからしかたなくコタツで代用する。
近所の人達も集まって賑やかなものとなった。奈々のともだちと綾子との顔見知りは
九時までいた。男たちは十時半までグラスを煽っていた。「ううっ、気持ち悪い。3D酔い
したみたいだ」「ばか、なに言ってんの」膝を付いて持って来たおしぼりを頭に乗せてやる。
「雑巾じゃないよな」「さあ、どうかしら」「雑巾でもいい」「なわけないでしょ」
「たしかに、つくっちまえば終わりだよなぁ」弘の頬に軽く口吻た。「奈々、弘に抱かれて
楽しそうにしていたわ」「明日、帰ってきたら速攻で壊すよ」「つくって四日しか経ってないのに、もう?」
「それで十分。それに奈々が遊んでいて、壊れでもしたらたまんないよ」「そうね」
「なあ、もういっかい戻らないか」「罰当たりな人ね」「おっ、以心伝心。さすが夫婦」
「もう、ぜんぶ片付けたわ」「はやっ」「だって、わたし、なにも手伝ってないし……」
「料理作ってくれたろ」「そういうことじゃないの」「じゃあさ、償いにおしずさまの前で」「ダメ」
「――髪をさ、バッサリ切ってびっくりしたんだよ」「とつぜん……なに」「ボーイッシュになっちゃって、
それでいてストレートで七三に分けているだろ。なんかドキドキしちゃってさ、きれいだって
言いそびれた。奈々もびっくりしたんだよ」「もういいから、羞ずかしい」「聞けって」
唇を薄くして笑みが浮かび、笑い皺が眦に。少し湿っていた。
「綾子どんどんときれいになって、俺の方が焦ったよ」「ばか、んなことないわよ」
「ほんとだって。顔の肉付きなんかスッとして」「じゃあ、弘はがんばって体脂肪減らしてね」
42 :
とけても:04/12/18 02:36:21 ID:F0OdW8UM
「太ったか」「体重計に載ったでしょ」「ああ」「ねえ、気持ちよくしてあげようか」
「気持ちよくって」「おしゃぶりしてあげる」3Pソファに横になった弘のズボンに
手を掛けて引き摺り下ろした。持って来たグラスから氷を取り出して見せつけながら
口に含むと弘のトレーナーをぐっと捲って唇を腹に付けた。冷たさに声をあげる。
綾子の冷たい手が軟体動物と化しているペニスをやさしく包むとすぐに血流は収斂されて
むくむくと脈動をはじめた。大きな黒い瞳が細くなって微笑む。ボーイッシュとコケットが
渾然となりペニスに火をつけた。綾子にすれば、誘っておきながらまだ勃起していなかったのが
可笑しく愛しくもあった。少年みたいだと言われたが、弘の方が少年だった。
手のなかで角度と硬度を確認して、氷を含んだ唇を被せて行った。たまらずに、綾子の
セーターを苦しそうに握りしめた。弘の指頭は肩の肉も掻き集め、綾子はびくんと肩を
震わせた。弘の下腹は痙攣して硬くしこってゆく。口の中も。ストロークを加速しながら
息継ぎを巧みにしていた。それでも昂ぶりからなのか鼻孔から洩れる声が切迫していった。
冷たい氷と熱い舌。弘は綾子の口腔で掻き回されていっぱいに膨れ上がりそうになった。
慌てて背を起こして、上気した綾子の頬を挟み、口を離すと熱に融け小さくなった氷が
陰嚢をすべり落ちて。綾子は自分からショーツを下ろした。
43 :
とけても:04/12/18 02:39:10 ID:F0OdW8UM
「烈しいな」「だって……」「秘めはじめ」綾子が伏し目がちになっているのも気にせずに
肩を抱いてソファに引き揚げる。綾子は肘掛に両腕を折り畳み、顔を隠して弘を待った。
荒い息を吐いていたから。ペニスのかたちもはっきりと口腔に残っていて、秘所は十分
すぎるくらい潤いを見せている。「入れるよ」「う、うん」「おっきな声だすなよ」
「わかんない」「おい」「はやくうっ」「わかった」べつのもうひとつの人格を持って
しまったような爛れた性器に尖端をあてがう。「んんっ、んあっ」肘掛に歔き貌を埋め
尻を突き出して律動に合わせて滑らかに振る。ゆっくりだったが、何度か火花が散った。
フィニッシュに近づいて声を掛けられた時、解放というよりも蕩けそうな快美に縛られ
ながら、残骸の跡に立って淋しそうにしている奈々の表情が浮かんだ。
それでも、春になっても奈々のなかで、コタツで弘に抱かれて楽しそうにしていた
思い出はずっとこれからも生き続けるのだと思うと倖せだった。だのに息苦しさが続いて、
やがて大きな歓喜が綾子を掠めて閃光につつまれていった。
おわり
次は 「シャワー」 「我慢」 「旅行」 で。
>>34-37 GJ!
初々しくってよいです。オチに至るまでの話の流れが非常に自然でうまいですね。
>>39-43 「」の後は改行してくれたほうが読みやすいかと思います。
英語の文章だと""と""、""と地の文が連続するのが普通みたいなので、
翻訳モノも同じ表記方法を採っているようですが、
日本語の文章としてはいささかせわしなく感じるのですが……。
特に短い会話が連続する場合は、改行を加えたほうがゆったり読めるかと。
軽い嫉妬が混じった女の子の態度ってかわゆいですよね。GJ
お題:「雪だるま」「三つ編み」「おしゃぶり」
カンカンと照りつける真夏の日差しの中、体育館準備室の中は日があたらなくてひんやりとしている。
とはいっても先ほどまでは炎天下にいた訳だし、
ひんやりしているとは言っても室内温度はそこそこあってじっとしていても汗ばんでくる位だ。
そんな準備室の中で、俺は準備室の中ほどで椅子代わりに3段にしている跳び箱に腰掛けて両足を投げ出す。
ふんぞりかえった格好の俺の足もとで後輩の涼子が床に跪いて熱心に口唇奉仕を行っている所だった。
耳の横の部分だけを三つ編みにした黒くて艶のある繊細なロングヘアを揺らしながら、
暑くて汗まみれだった俺のものに丹念に舌を回して唾液をまぶしてくる。
夏休みのお盆真っ只中という事で体育館を使っている人間はいないとは言え、
外ではお盆でも練習中の悲惨なサッカー部と野球部がいたりするから、危険度の高いプレイではある。
「あっつ・・」
じくじくとくる暑さに思わず口に出すと涼子が顔を上げる。
「んう・・私のほうが暑いですよ。もう。」
それだけ言って又ゆっくりと亀頭に舌を垂らすとチラチラと舐めてくる。
そうかと思うとぐっと顔を沈み込ませて棹と玉の境目から亀頭まで舐め上げる事も忘れない。
思わず笑いがこみ上げてくる程に献身的だ。
「涼子はおしゃぶりがうまくなったな。」
そういうと涼子は首筋を真っ赤に染め、唾液でテラテラと光っているものにちらりと視線を送ると
一気に喉の奥まで咥え込んだ。
ゆっくりと顔を沈めては顔をグイッといれて喉の奥まで飲み込むようにする。
吐き出すときには裏筋に舌を添えるようにする事も忘れない。
20分ほど十分におしゃぶりをしてもらった後、涼子を立ち上がらせ、跳び箱に手を付かせて尻を突き出させる。
「やんっ!」
と小さな声をあげる涼子のスカートを捲り上げ、既に濡れている下着を引き下ろすと一気に押し入れる。
「ああっ」
「ほら、声だしちゃだめだって。」
「んー!無理です!虐めちゃや・・・あんっ!」
汗まみれになりながら何度も腰を繰り出し、
上半身を跳び箱に預け爪先立ちで一生懸命声を抑えようとしている涼子の中に放った。
けだるい雰囲気の中、ズボンをチャックを閉めながら話し掛ける。
「帰るにも早いし・・ちょっと時間が余ったね・・どうしよっか、これから。」
「んっと。どっかいきたいです。久しぶりに会えたんだし。。」
「ファミレスでもいってお茶する?」
「・・んー。かき氷とかはだめですか・・。汗かいたし・・・。」
制服を調えてぱんぱんとスカートをはたきながら期待を持った少し上目遣いの目でこちらを見てくる。
「あーー今なら雪だるまにシロップかけても全部喰えるな。よし、行くか。」
そういうと涼子はくすくすと笑った。
その仕草があんまりにも可愛かったので今日の予定を再度変更する。
「。。。で、雪だるま食ったら俺んち来る?親、お盆でいないし。」
可愛くて可愛くてしかたない後輩と初めての夏休み。
そりゃあまだまだ1日も終らないってなもんだ。
以上
最新のお題は
>43様提示の「シャワー」 「我慢」 「旅行」
たまたま休みが重なったんで彼氏と旅行ってことになった。
それはいいとして、さすがに気ままな旅だと宿泊施設なんてものは予約で一杯で、仕方なくラブホテルに泊まることになった。
別に初めてじゃなし、そこまでは別に良かったんだけど、部屋に持ち込んだ食べ物が悪かった。夜遅くにコンビニで買ったことが悪かった。
食べた時は別に何ともなかったけど、汗でも流すかってことでシャワーを浴びてると、いきなりお腹が痛くなってきた。
(・・・う、やばい・・・)
まるでお腹の中で妙な生き物が蠢いているかのように感じる。それほどお腹の調子がおかしい。就職活動中、個人面接ってことで控え室で待たされた時、緊張のせいで有り得ないぐらいお腹が痛く
なったことがあるけど、あの時並に苦しい。かなり切迫した状況に、背筋が震える。
ならば急いでトイレに駆け込めばいいんだけど、それをしない理由は一つ。
「どうかしたの?」
背後に彼氏がいるのだ。
程好く熱いシャワーを浴びて汗を流して、私はちょっと脇に避けて、お腹の痛さを隠している。彼氏は背後でシャワーを浴びて、汗を流している。
さて、どうしよう、この状況。
「・・・え、別に・・・」
とか微笑むが、微妙に顔は引き攣っている。それも当然、今にもお腹がぎゅるるるとか鳴りそうなのだ。不安で仕方がない。
「そう? なんか、顔色が悪い気がするけど」
彼氏は濡れた髪を後ろに流してから、私を見つめる。私はさり気なく片手をお腹に当てて、体内で暴れる獰猛なる何かを宥めようとしている。
「・・・いや、うん、大丈夫大丈夫・・・」
って、そうじゃなく、そうじゃなくて、ちょっと気分が悪くて、とか言って抜け出せばいい・・・・・・とか思うも、そうはいかない。
何しろ安ラブホテル、トイレと風呂は一緒くたになっている。つまり私が立つ側にこそ求めるトイレがあるのだ。彼氏は私の欲求など知らず、トイレなんて必要ないとばかりにシャワーを浴びて、便座の
とこにまで水を飛び散らせている。
(・・・・・・我慢我慢、もう少しもう少し・・・・・・)
さっきから外には聞こえないものの、お腹の中ではぐるるると嫌な音が鳴っている。でも我慢、彼氏が風呂場を出て、私はちょっとトイレ使うから、と言えば完璧だ。そうすれば彼氏は、うい、とか適当
な返事を寄越して、さっさと体を拭いてベッドに直行するに違いない。久しぶりに二人で過ごせるってことでエッチは当然あるだろうけど、その前に不安点を打破しておかないといけない。
さすがに今のままでは無理だ、ほんとに。
切迫して体温が低下するのを感じながら、必死に我慢を繰り返す。もう歯を食い縛ってないと危うい領域にまで達してきたけど、まだ限界じゃない。かつて就職活動中の時はトイレに立つタイミングを
完全に外してしまい、そのままの状況で面接までやり通した。
あの時の忍耐力があれば、どうってことない・・・はずだ。
「なあ」
「な・・・なに?」
ふっと背後に気配を感じて嫌な予感に身を震わせれば、次の瞬間にはお尻に何やら、というか彼氏のものの先端が触れている。
「・・・え、と・・・」
よもや、と振り向こうとしたら唇を塞がれた。
歯を食い縛っているというのに、彼氏の舌が前歯を突付いて、仕方なく口を開く。そこから入り込んできた舌は、竦んでいる私の舌を探り出すと強引に絡まり合ってきた。
(うー、こういうのも久しぶりだけど・・・今はやばいっ)
舌をほぐされて、つい気が緩みそうになるが、それは洒落にならない。ぐっと堪えて口を離し、慌てて歯を食い縛る。
「? どしたの」
いつもは積極的な私の引き気味な態度に、彼氏が訝しげな顔をする。何か変だな、と勘付きつつある時の顔だ。
「え、別に・・・・・・」
などと言わず、素直にお腹が凄まじく痛いことを告げればいいのだけど、またしてもタイミングを外してしまった。もう今更って感じになってしまった。
「・・・あ、ベッドでしたいかな、と思って・・・」
お腹に当てた手の平に危うい震えを感じながら、恐る恐る声を発する。彼氏はその声に苦笑じみたものを見せて、すっかり硬くなっているものを見せるように腰を出す。
「久しぶりだから、一回出しとかないと持たないよ」
「・・・・・・う」
その言い分は正論を突いている。
確か少し前のこと、ちょっと早すぎ、とか言ったら本気で凹んだことを考えるに、ここで全然平気だってとは言えない。
やばい、日頃の行いが全て今のこの状況に圧し掛かってきている。
(だぁ、もうやるしかないっ)
覚悟を決めてお腹に気を遣いながら両膝を着き、彼氏の反り返っているものを正面に見る。
「え、どしたの?」
今まで、口でしたことはない。それは、こんな気色悪いっぽいものを舐めるなんて正気の沙汰とは思えん、という理由からだったけど、もうそんなことも言ってられん。
口を開けて一息で頬張れば、彼氏のものは唐突な感触に震えて、先端が喉の奥の方に触れた。うげ、と苦しさが滲むけど、ここで力んだりしたら全てが終わる。ぐっと堪えて、銜えたものに吸い付く。
「うわっ、ちょ・・・」
短い悲鳴を無視して、強く吸う。そうしながら舌先で先端を乱暴に舐め上げる。彼氏のものは見る見る膨れて、銜えてるのが苦しくなってくるけど、気合で乗り切る。どんどん溢れてくる唾液を舌で操り、
彼氏のものに満遍なく擦り付けて、舌先で皮との境界線の凹んでるとこをなぞる。
「・・・・・・ぅあ、ちょっ・・・!」
よし、そろそろイく。
それを確信して、頬の内側に彼氏のものをあてがい、舌で横のところを先っちょから根元まで舐めてやる。私が頭を左右に動かす度に彼氏のものの先端が私の頬を膨らませ、それ自身も膨れ上がっていく。
(早く、早く、早く)
もうお腹が限界寸前で、そろそろ本気でやばい、と涙が出そうになった瞬間、頬の内側に激しくぶつかってくる感触があった。どうやらイッたらしい。あっという間に口の中が満たされて、彼氏のものを
抜けばぼたぼたと精液が溢れ出た。
生温いそれを全て吐き出して立ち上がり、口を拭う。
「ああ、すげー気持ち──」
「続きはベッドでっ」
「え? あ、ああ、うん、じゃあ──」
「早く出て用意しててっ」
「え、あ、分かった」
きょとんとしている彼氏をバスルームから追い出して、もう素っ裸のまま便座に向かおうとするが、かろうじて思い留まって閉められたばかりの扉を開ける。そこには彼氏が怪訝な顔で立っている。
「耳、塞いでて」
「? え、え、何で?」
「いいから!」
「は、はい」
力強く言うと彼氏は頷き、私と同じ素っ裸のまま、耳を塞いだ。それを確認して扉を閉めて、漸く、ああ長かった、苦しい冒険だった、その果てに便座に腰掛ける。
そんで、まあ色々あって、その後は彼氏と長く長く長くエッチして夜明けまで過ごした。
「猫」「暗闇」「バック」
GJ!!
けっこうこーゆー事態ってありそうですよね。リアルで面白かったです。
「猫」「暗闇」「バック」
「…はん…んんっ…あ…っ!…」
真っ暗闇のコンサートホールの舞台上で、水音と女の喘ぎ声のハーモニーが聞こえる。
「いやらしい女だ…こんな場所で、はしたない声を出して…」
「だって…だって貴方が…うあっ!…いきなりこんな所で…こんな事…するから…」
女はイブニングドレスの裾を捲り上げられ、バックから指で嬲られていた。
大きく開いた胸元から、赤く熟した乳首が尖りきって震えている。
後ろから男が、指先でその実を潰すようにひねった。
「ひあぁぁぁぁっ!」
女のかん高い悲鳴が、コンサートホールに響く。
「ふふっ…今晩の演奏より、こっちの音の方が良く鳴るな…」
「や…やめてぇ…」
「おや?…止めて欲しいなら、そうしようか。…これで満足なら…ね」
男の一言に、女の背に冷たい戦慄が走った。
(この人は、本当に途中で放り出す…)
前にも、そのような仕打ちを受けた事がある。
その後どのくらい辛かったかは、自分自身が良く判っていた。
「……や…やめないで…」
「おやおや…それが人に物を頼む時の態度なのかい?」
「……止めないで下さい…。お願い…します…」
「なら…それなりの礼儀を尽くして欲しい物だね」
女は男に向き直り、モーニングのファスナーを降ろした。
震える指で、そそり立つ剛直を取り出す。
(ああ…固くて大きい……)
女は、まず先端にキスをして舌で肉茎を舐め始めた。青臭い雄の匂いがする。
青筋や亀頭の裏側を、丹念に舌で舐めた。
ピチャピチャと、猫がミルクを飲むような音が辺りに響く。
顔を横にして、唇と舌で肉茎をなぞる。
男の息が上がり始めた。女はパクリと剛直を銜え、上顎と舌で上下に擦る。
飲み込むように喉奥まで銜え、舌の先端まで引き戻す。
ジュプジュプと音をたて、女の口元から唾液が滴り落ちて来た。
(はやく…早く欲しい…)
「あーあー…涎まで垂らして…そんなに飢えてたの?…早く欲しい?」
女はコクコクと頷いた。男の眼鏡の奥で、伶俐な眼が光る。
「じゃあ、いっぱいヤって貰いなさい…。僕は、もう飽きたから」
舞台の袖から、他の男達が苦笑しながら現れた。女の目が見開かれる。
後ろから、ファスナーを戻した男が女を軽く押した。
女がその場に崩れ落ちそうになり、慌てて別の男が抱きとめる。
立ち去る男の背後から、女の悲鳴がフォルテシモで鳴り響いた。
<END>
次のお題は、「クリスマス」「ばんそうこう」「毛布」でお願いします。
クリスマスに一人ってなもんだぜ!
とか叫んでも無意味なので、むしろ虚しいので、相も変わらず猫背気味に歩く。バイト先の店長が無駄に気を遣ってくれて早上がりさせてくれたわけだが、無論のこと予定などない。
歩く人々の速度は遅く、周囲のきらめきは夢のようで、ともすれば切なさすら生まれそうだったが、溜息の連弾で気を紛らわせて帰途を目指す。
そんな俺の視界に入ったのが、その子だった。
小学生ぐらいか、おかっぱみたくした黒髪は周囲のきらめきに鮮やかな反射を見せ、端正な面持ちながらも無表情なその顔を彩っている。もうしばらく開いてるとこを見たことない店の軒先、そこにそ
の子は立ち尽くしていた。
何気なく見回してみるが、親らしき人影はない。腕組んで歩く男女の連続を見るのも嫌になって、その子に視線を戻す。と、その子もちょうど俺を見上げた瞬間で、ばっちり目が合った。
「・・・あー。迷子か?」
沈黙が気まずくて言ってみると、その子は小さく頷いた。なるほど、迷子か。疑問は一言で氷解して、俺に混乱をもたらす。こういう時、どうすればいいんだろう。
「・・・・・・えーっと」
ふと、その子のスカートから覗く細い脚に目が留まる。それは別に俺が変態だからという理由ではなく、その子の膝が赤くなっていたからだ。どうやら転んだらしいということが分かり、しゃがみ込んで
間近に傷を見る。なかったか? そう思ってポケットを探れば、あった、味も素っ気もないばんそうこうを取り出し、それをぺたっと這ってやる。
「・・・・・・ありがとう」
小さな声が目の前に聞こえ、その声は白い息となって中空に溶けていく。寒さのため赤くなっているその子の頬を見ながら、何となく途方に暮れる。
さて、どうしよう。
しかし俺とその子の違いは、捜す人がいるってことだ。すぐさま俺の前にその子の母親らしき人が現れて、俺に頭を下げてその子を連れ去っていった。その子は俺を振り返り、手を振っていた。
めでたしめでたし。
そう思って帰宅した俺の前に、安アパートの一室に、何が起こったのか天変地異なのか、俺と同い年ぐらいの真っ赤な服を着た誰かがいた。
「あ、どうも。さっき助けられた女の子です。あの後、どう恩返しすればいいか悩んだ結果、サンタにでもなってやろうと思い立って、そうサンタにお願いしました。でも修行しないといけなくて、十年も使っ
てしまいましたよ。そして今、サンタの力を悪用して時空を超えてきました。どうも」
「・・・・・・・・・そう」
振り返って景色を確認してみるが、何も間違えていない。確かに俺の部屋だ。現在時刻は七時過ぎ、耳を澄まさずとも騒がしさが聞き取れる。よし。認識して振り返れば、やはり俺の部屋の真ん中には、
靴を履いたまま仁王立ちの彼女がいる。
おかっぱみたいな黒髪を部屋の暗さに溶けさせ、成長過程に何があったのか、気だるそうな目元で俺を眺めている。細い体は真っ赤な服に包まれ、妙に鮮やかだった。
「えー、じゃ、準備します」
無表情で緊張感のない声を発す彼女は、おもむろに幅広のズボンを下ろし、真っ白の下着を露にする。驚く俺を置いて、下着さえも膝まで下ろし、露になったそこに細やかな指を這わせる。
「・・・・・・ええっ!?」
一呼吸後に漸く理解の追いつく驚きに襲われ、声を上げて扉を閉める。ばん、と大きな音が響くが、その音にも構わず彼女は伏し目がちに自身の手を見つめ、指を動かし続ける。
「・・・・・・・・・ん」
熱っぽい吐息が耳をくすぐり、俺のものが訳も分からず最高潮まで硬くなったと同時、彼女は長く息を吐いて指を止めた。そうして壁に向き合い、腰を曲げた体勢で振り返る。
「んー、もう濡れたから入れていいですよ」
「・・・は、はあ・・・」
暗闇の中にぼんやりと浮かぶ彼女に近寄り、ズボンを下ろし、ものを取り出す。丸い尻に手を置くと、柔らかい感触とともに温かみが触れた。
「あ、ちょっと待ってください。バックは好きじゃないんで」
そう言って彼女は片脚を上げる。その片脚を持ってやると、彼女は体を捻って脚を俺の肩に乗せ、股を大きく開いた。
「さ、どうぞ」
「・・・・・・はあ」
麻痺した頭で腰を前に出すと、彼女の手が膨れ上がっているものに触れ、そこに導いた。先端が濡れている柔らかなものに触れる。そこは俺のものを根元まで飲み込み、ひくついて刺激してきた。
「・・・ぁー・・・あは、久しぶりで・・・もうちょっと締めますか・・・?」
「いや・・・十分、です」
既にきつい感じなのに、これ以上はまずい。そう思いながら腰を振れば、物静かな部屋に肌の打ち合わさる音が鳴り出す。小気味いいその音の連続の中、彼女の押し殺した声が響く。
「・・・ん、はぁ・・・ぁ、ぁ、あ・・・」
抱えた彼女の脚が段々と汗ばんでいく。無表情の横顔も微かに顰められ、たまに開いた口からは吐息が漏れる。その顔を見ていると、すぐに昂りが訪れ、俺は呆気なくも腰を引いて精液を吐き出し
てしまった。予想外に飛んだ精液は、彼女の横顔にかかる。
「・・・・・・ふぅ・・・早いですねー。もうちょっと頑張ってくださいよー」
「あー、ごめん」
疲労感に苛まれながら謝り、崩れるようにして眠ってしまった俺が目覚めた時、彼女の姿はなくて、俺は毛布に包まれていて・・・・・・と思ったら目覚めても彼女はいて、朝の日差しを浴びながら軽快に
フライパンを操作していた。
「やっぱり初恋の人と一緒になりたいので、こっちで暮らします。色々と問題はあるんですけど、サンタの力で全て解決ですよ。あは」
「・・・あー、そう」
俺は彼女の背中を見つめながら、こういうこともあるのかー、とクリスマスの不可思議に思いを馳せていた。
「3語」「夜」「小さな胸」
65 :
名無しさん@ピンキー:04/12/28 01:08:23 ID:85oz4dEH
age
夜の匂いをさせて、彼女がやってくる。
甘い香水の匂いでもなく、その爪を真紅に染めるマニキュアの匂いでもなく。
ふんわりとした、夜の匂いだ。
匂いが濃くなり、ガラっと襖を開ける音がすると、小さな胸は締め付けられたようにぎゅっと縮こまる。
まだ、この絶望的な音に、慣れない。
部屋の電気を消して、彼女をまっているのは、自分なのに。
彼女は暗闇のなか、こちらを見て、にっこりと笑う。
「こんばんは」
浴衣は大胆にはだけていて、ちらりとのぞかせた豊かな胸は誘っている。
だめだ。だめだ。だめだ。
今晩こそは帰ってもらおう。
もう、父さんにきづかれてしまう。
しかし、何か言おうと顔をあげると、目の前には彼女の美しい形の唇が、暗闇に浮かんでいる。
そして、キス。
ああ、これでまた、だめだ。
体が熱くなり、彼女を求める。
乱暴に畳に押し倒すと、その上にかぶさる。
そして、強引に手をつかんだ。
真紅のマニキュアの細くきれいな指先。
彼女はこの、芸術的に美しい形をもつ指で、実にいろいろな作業をしてみせる。
朝食の準備。父さんのスーツのボタンつけ。
そして、この体のいたるところを、上手に操縦すること。
きつく握った彼女の指を、口に含む。
舌先でさわっているうちに、指をこのまま噛みちぎってやりたくなる。
この指が、自分を狂わせ、遠くへと連れていくのだ。
口のなかに、かすかなエナメルの味が広がった気がする。
彼女の指を、口からだしてやる。
すると、彼女は満足そうに笑う。
気持ちいいわ。
「可愛い子」
唾液で濡れた彼女の指先が、体に触れる。
腕、足首、首筋。
指先は、ゆっくりとなぞる。
ぴんとはりつめたような緊張と快感が襲う。
思わず声をあげそうになった。
彼女が、すっと手で口をふさいだ。
「秘密」
そうだ、この毎夜の遊戯は、私と母さんだけの、秘密の遊び。
大丈夫、大丈夫、大丈夫。
暗闇でしなやかに動く魔法の指の快感に、私はいつまでも身をまかす。
69 :
名無しさん@ピンキー:04/12/28 04:09:03 ID:MwOcLZDa
3語などではとうてい表すことのできない、快楽の遊戯。
次は「鎖」「針」「赤」
天蓋のあるベッドに仰向けになって少女が居た。
傍のテーブルにはホーローのポットと洗面器。リネンのクロスの上には残滓を拭った
タオルが無造作に置かれ。
散った髪に浮かぶ赧らんだ時間はとうに過ぎてしまって、あえかな雪白の貌を無防備に晒している。
引き締った鼻翼の小鼻。少女にしては洗練された細く尖った頤は喚いたことすらなかったことにして
眠りについていた。
蕾のように愛らしい唇には、場違いなほどに派手なルージュが刷かれている。
窓からの昼下がりの風が裸身を舐めるように這っていった。
少女の素直な気質を飾るような僅かな繊毛もまばゆく。胸元ではときおり鎖骨の中央に、
小さな天使が大きなつばさで羽ばたく。
やがて瞼を開いて蒼い瞳に光りを灯した。細い腕をしなわせて、顔に、唇に手が触れる。
小気味良い伸びをしてから、右肘を付いて腰に捻りを加え上体を起こし。ぱっくりと女性器を拡げ、
左膝頭を上げて横臥する。
上唇の真ん中。たるみを下唇のあわせから、心なし離して、ぼうっとしていた。
人形の球体関節の肩先を、背中には肩胛骨を迫り出して、ほんとうの翼を描いて、
流れる黒髪が天使の羽のやさしさで隠していった。
太腿を閉じ合わせ、脆弱なお臀をずらしながら腰骨が薄い肌から尖って
浮き彫りになった。ベッドの縁から両脚を綺麗にそろえて厚手の絨毯に素足を付けて。
――神子、天下りぬ。
外の熱い気だるさと部屋に籠った交媾に澱む空気が蕩け合っていても、
立ち上がった少女に無駄な肉のたるみはなく。両脚の皿の肉でさえも無いに等しい。
――無垢でありつづける。
オークの肘掛け椅子に座って居眠りをしている、全裸の男にゆっくりと水面を
歩くように近づいて。肘掛を握り締めて器械体操のようなポージングで、
チクチクするひげ面に頬擦りをし、小鼻を擦りながらキスを贈る。
「おはよう」
「おはようございます」
男は両太腿を更に拡げ招き入れ、ペニスを波打ちはじめた少女の下腹に圧した。
少女は藤の背もたれに躰を預けている父親の頸に両腕を絡める。
「そろそろ、はじめましょう」
「ほんとうに、構わないのかい?」
「はい、おとうさま」
断つことの出来ない近親の絆。もっと深めてみようと、遊びでしたヘナのタトゥー。
使用人から腕の刺青を見せてもらってから、いつしか針で彫られる刻印の快楽を夢見て。
確かなる証、鎖を欲して。針がテーブルで鈍く光った。
白い太腿から噴き出して玉となる血の悦楽。
男は完全に勃起して、細腰を抱きかかえると秘孔を尖端で圧し拡げていった。
もういちど、無垢な肌を味わっておこうと抗えなくなり。
ペニスを頬張ったヴァギナは壊れそうなくらいに、いっぱいに拡がりを見せて躰を
仰け反らせる。掴まれていた腰から両の掌が昇って、腋窩に差し込まれ揺さぶられる。
頸に巻きつくことのできなくなった娘は、爪先立ちになりながら父の逞しく毛深い腕に必死でしがみいた。
どんな華が咲くのかを想像しながら痙攣を感じ合ったふたり。父は娘に射精した。
頬骨が浮いて赤い唇がいっぱいになって喜悦に狂い咲く。針に刺され叫ぶようにして。
次は「オナニー・白いシャツ・優しい嘘」でお願いします。
下の居間に降りようとして、足が止まった。
俺の隣の部屋。妹の部屋から、小さく声が聞こえた。ほんの少しだけドアが開いている。
まさかと思って、気付かれないように部屋の中をのぞくと、沙穂がオナニーにふけっていた。
息をのむ。
しているんだろうな、とは前から思っていた。静かな夜、時々声が聞こえる時があったか
らだ。でもさすがに見たことはなかった。
「…ぁ…んん…っ」
鼻にかかる甘い声。はっきりと聞こえる。
ベッドの上によつんばいになって、片手で胸の先端を弄っている。
まだ制服から着替えていなかったのか、白いシャツだけを羽織った状態で股の間にもう
一方の手を差し込んでいる。
いけないとわかっていても、見入ってしまう。
髪の毛を乱して、ひたすら快楽を貪る妹を。
小さな頃はよく一緒に遊んだものだ。そのおかげかはわからないが、兄妹仲はまあまあ
だ。「彼氏が出来ました!」なんて報告もしてくるぐらいには。異性なのに女を感じない
妹。その妹が目の前で性的な事をしている。それがなんだかひどくアンバランスで、俺
は見入ってしまったんだ。
部屋の電気はつけたままだから、よく中が見える。ちゃんとドアを閉めたかどうか確認せ
ずに、沙穂は一人でしているのだろうか。
声を抑えているつもりで全然抑えられていなかったりと、詰めが甘い。
ああ…本当に馬鹿だなと愛しく思う。
艶のある吐息の合い間、途切れ途切れに何かを言う声も聞こえる。
「ぁ…好き…、もっと、」
純粋な興味から、妹が何を思ってしているのか知りたくなり、俺は耳をそばだてた。
「けぃ…すけ、さ…ぁん…」
その瞬間、足元から崩れてゆくような感覚が走る。駄目だ、考えるな。考えない方がい
い。
指の動きが激しくなっていく。おそらく限界が近い。頬が上気していて、切なそうな表情
だった。妹というのがわかっていても、その顔は可愛く思えて、そして扇情的だった。
「…んっ…んっ…ん──!」
しばらく待ってから、ノックはせずに声をかける。
「沙穂ー、」
「え、何、お兄ちゃん!」
あわてた声で答える。俺が沙穂の痴態を見ていたことなど、露にも思っていないのだろう。
「下に婆ちゃんが送ってくれたみかんがあるってさ」
「食べるー」
「…部屋入るぞ」
「だめ!着替えてるの!」
他愛無い会話がこんなに幸せだと思ったことはなかった。
なぁ、お前の彼氏の名前は「ケンジ」じゃなかったのか。
それはひとつの優しい嘘だ。
お前のために、『いいお兄ちゃん』であり続けよう。
お前の気持ちを知ってどうこうするつもりもない代わりに、俺は嘘を吐き続ける。
次は、「身長差」「初めて」「机」でお願いしますー
75 :
名無しさん@ピンキー:05/01/03 20:24:06 ID:Y9lNnkO+
age
76 :
名無しさん@ピンキー:05/01/10 15:57:56 ID:TzlGMIVc
「身長差」「初めて」「机」
学校という憂鬱の場も、彼女の存在によって彩を変える。
「・・・おはよう」
私よりも背が高くて、感情を表情に出すことが乏しい彼女は、私と目が合うとはにかむように笑った。
「おはよう」
朝の空気が満ちる教室の静かな空気の中、私は笑みを浮かべて彼女と向かい合う。
愛想笑いもおべんちゃらも、互いの心を探るような緊張感も必要ない。彼女と笑みを交わしている時だけ、私は素直な気持ちになれる。
沈黙も、彼女を前にした時だけ意味合いを変える。
「・・・・・・・・・・・・」
私は彼女の前の人の席を勝手に占領して、彼女の困った笑顔を見つめる。彼女は見つめられることが恥ずかしいみたいで、頬を朱に染めている。
そうしているだけで楽しくて、時間が過ぎていく。
放課後、私と彼女が話す切っ掛けになった、クラス委員としての仕事が訪れる。
私は机を整然と並べて、その間、彼女は黒板を黒板消しで綺麗にする。その後、二人で床を掃いて仕事を終えた。
「終わり・・・だね。帰る?」
彼女は教室の鍵を手に取って私に問い掛けた。
「・・・・・・んー」
夕日の差し込む教室の、朱に染まっていく机や床をぐるりと眺めてから、彼女に歩み寄る。窓の向こうから、運動場で部活動に励んでいる掛け声が聞こえてきている。
「あの・・・」
彼女は、唇の両端を僅かに上げて笑う私にたじろぎ、一歩だけ後ろに下がった。でも、それ以上は黒板があるせいで下がれない。
「・・・あの・・・・・・」
77 :
名無しさん@ピンキー:05/01/10 15:58:53 ID:TzlGMIVc
身長差のせいで、私の目の前には彼女の首がある。彼女の首は白くて、間近で見れば肌の滑らかさが見て取れた。
「・・・下、向いて」
「・・・・・・・・・うん」
視線をあちこちに泳がせた後、彼女はゆっくりと首を曲げて俯く。見上げる私の目の前に、半開きの唇が現れる。
私は踵を上げて、彼女の唇に自分の唇を寄せる。触れるか触れないか、寸前のところで顔を止めると、唇に彼女の熱っぽい吐息がかかった。
「・・・・・・ん」
唇が触れ合うと、彼女の喉が小さく動く。触れ合わせている唇を薄く開けると、彼女もつられて唇を開いた。
口の中に彼女の息が入り込んでくる。その息を舐めるように舌を動かし、彼女の唇を舐める。それから唇の中に舌を入れると、彼女は少しだけ鼻息を荒くして、体を震わせた。
私の舌先が彼女の舌に触れる。唾液を感じさせる、ぬめった感触があって、舌を絡めると唾液の鳴る音が口の中で響いた。
何度も何度も唾液の音が鳴って、その音が段々と彼女を高めていく。肌が熱っぽくなる頃には彼女も舌を出していて、口の中ではない、空気の中で舌を絡め合わせた。
俯いているせいか、彼女の唇の端を唾液が垂れそうになって、私が唇を寄せる。彼女の唾液を吸い取って、舌を唇で挟んで、再び舌を絡め合わせる。
長い長いキスは、チャイムの音を切っ掛けにして終わる。
「・・・・・・ぁ」
唇を離す時、彼女は小さな声を漏らした。
白く濁った唾液の糸が伸びて、私はその糸を区切るために、もう一度だけ軽くキスをする。
そして体を引いて、彼女と距離を置いて見詰め合う。
私も彼女も肌を朱に染めている。彼女は長い黒髪のせいか、首筋を汗で濡らしていた。
「・・・帰ろっか」
私が微笑むと、彼女は言葉もなく頷く。
初めてキスをした時は、触れ合う程度だった。二ヶ月くらいで、今みたいなキスをするようになった。
これ以上に発展するのに、どれくらいの時間が掛かるだろう?
私は最近、そればかり考えている。
「女の子」「汗」「痴漢」
78 :
名無しさん@ピンキー:05/01/13 17:27:16 ID:YCK/AtJ6
女の子たちの笑い声がうるさい。
昼休みの教室は、退屈すぎる。
みんなどうでもいい会話を、大声で笑いながらはなしている。
「今日、電車で痴漢にあっちゃった」
朝食のメニューはハムエッグとサラダだった、と言うのと同じような調子でそんなことを言う。
次に、笑い声。
うんざりだ。
私は席を立ち、教室を出た。
ドアをあけても、だれも私に気付かない。みんなおしゃべりに夢中だ。
完全な傍観者という、透明な立場は、とても私を安心させる。
陽の差す長い廊下を、ゆっくりと歩く。
頭が痛い。熱がある。
どうしてこの高校は、私を退屈にするのだろう。
勇ましく痴漢を笑う女の子には、とうていなれそうにない。
私は一階の保健室にやってきた。
「先生」
保健室の扉をあけ呼び掛けると、彼女はこちらを振り向き「あら」と言った。その顔に笑顔がうかんでいる。
彼女は水のような人だ。
彼女と接していれば、わかる。
線の細いはかなげな体形、ふんわりと空気をつつみこんだ柔らかなパーマのかかった髪、笑顔はとらえどころなくうつろう。
唇には花のように可愛らしい薄紅色のグロスがひかれている。
79 :
名無しさん@ピンキー:05/01/13 17:41:06 ID:0TY4OHjM
80 :
名無しさん@ピンキー:05/01/13 17:50:04 ID:YCK/AtJ6
「熱がある」
私が言うと、彼女はさっと白衣のポケットから体温計をとりだした。
36.6度。
「熱、ないじゃない」
彼女に飽きれたように言われる。
「だるい」と私は呟いて、体温計を返す。
彼女はじっと私を見た。それから、まるで判決をくだす裁判官のような大げさな声で言ってみせる。
精神的なものね。
次のおだい「保健室」「水」「海」
気紛れでごめんなさい。今度はちゃんとエロ書きます。
保健室と海を一緒にするのは大変でないかい
「いい。お前は館につくまで、腰は振らなくともいいからね」
少女は男に無邪気に声を掛ける。
「はい。お嬢様」
空は灰色の雲が重く垂れ込め、馬の吐く息も白く不安を掻き立てている。
男に馬車のドアを開けさせると、少女は真先に乗り込む。街角のこの光景を誰もが
父親と娘と思って見ていたが、実際はまったく違って主従の関係だった。
男は少女の情人だった。
少女を馬車に乗せた男は黒いマントを纏って、まさに魔王。この男だけが特別奇異な
顔立ちをしているわけでもないのに、そう見せてしまう品を持ち合わせていた。
馬車に乗り込むと直ぐに少女はしなだれ掛かって来て男の股間に手を乗せた。
繊麗な、一見何物にも穢れていない手が男根を弄っていた。男は屹立はしていなかったが、
膨らみと長さはセックスに必要なかたちをすでに成していた。
御者が二頭の馬に鞭を振り下ろし、四つの車輪は機械の歯車が回るようにゆっくりと
動き出し、森の館を目指して走っていった。
馬車はゆられて、少女の体が男に寄り添う。二頭の黒馬はビロードのように艶やかで
美しかったが、見た者は魔王の使いのようにも感じていた。
少女は召使の股間に手を乗せ、紐をほどくとカルソンを脱がしに掛かり、
男は少女に応えて腰を座から浮かし、下着は引き摺り降ろされペニスを晒した。
肉の茎は逞しくなっていたが、ゴムのようにしなやかに跳ねて痙攣をした。
ペニスは青筋を立て、剛毛から突き出て醜悪さに満ちていた。
「おまえのは、とってもかわいいわ」
「ありがとうございます、お嬢様」
少女の手が召使の節くれた肉棒を捉まえて握り締めると、上下に乱暴に扱いた。
男は下唇を噛み締め呻き声を殺した。
「我慢しなくてもいいの。なんなら啼いてみせて」
少女の掌が裏筋を受けて下腹にでも埋め込むようにぐいぐいと押しつけ、
今度は左右に肉の筒を転がしていた。
愛らしい少女の唇をいっぱいに拡げて、陰嚢に吸い付ついて頬肉を内側に窄め、
皺々の皮を引っ張り上げる。それから二つの玉をしゃぶってから男のプリックに
唇をかぶせていった。
馬車の揺れが男の腰を跳ねさせて少女の喉奥を深く突いた。
「ぐふっ、んっ、んんっ」
眦に涙を浮かべながら、それでも肉棒をしゃぶり続けた。
この恥態を見れば、少女が男に隷属しているかのような印象を受けるに違いない。
「紗枝、大丈夫か」
水島紗枝は瞼を開くと暫らくぼうっとしていた。あれからいつものことで眩暈の前兆を
感じれば、我慢を重ね倒れてしまってからでは遅く、自主的に保健室にやって来ていた。
「せんせい……。加藤先生は」
少女のツンとした唇が薄く開いて前歯の二本が覗いていた。
「用事があるからって昼から出払っているが」
「じゃあ、先生とふたりきり」
唇が真横に伸びて白い前歯が鮮やかに拡がる。
「キスして」
「眠り姫はわがままですか」
「せんせいのいじわる」
腰の傍にあった右手を男が握り締める。紗枝は安心したのか、また深い眠りに
堕ちていった。
引きとめようと男は紗枝の唇に口吻をしたが引き戻せなかった。
街はどんどんと遠ざかって森に差しかかっていた。木々の間を縫うように弱い陽が
矢になって射してくる。馬車は一本道をひたすら走り続ける。
少女はあどけない顔を硝子窓に押し当てて、空を眺め温かい太陽をさがした。
熱い吐息で硝子を曇らせ、灰色の陰に隠れる陽は更に見にくくなって、体をゆさぶられる。
尖端の衝きあげに瞼をぎゅっと閉じ合わせ、硝子を猫のように爪でカリカリと掻いていた。
男の膝の上にお臀だけを載せた少女は少しだけおんなの声を上げた。その後は少女と男の
息遣いだけが馬車の中を支配していた。
少女は男にスカートを捲らせ、自分の小さな秘孔を男の醜悪な赤黒い肉棒で
突かせていた。律動を禁じて、馬車のゆれにじっと身をゆだね少女は快美感を貪ろうとした。
交媾している下には黒い布で目隠しをされた少年がふたり、全裸で縛られて転がされ
男と少女の息遣いを感じペニスを硬くして身悶えていた。
部屋に貼られた眼の醒めるようなロイヤルブルーの壁紙。金の燭台に13本の蝋燭が
灯って、首革を嵌められ連れて来られた肌の少年が二人立たされている。
彼らは兄弟だった。今日、市場で買われてきた奴隷。
以前から館の主が奴隷商人に大枚をはたいていて、その欲望に叶う、しかも兄弟であるという
極めて厳しい条件付きで物色を命じていた。
森の館に住まうのは、姉妹の女主人であり、この土地の領主でもあった。名目上の
当主は父親ではあったが、家を空け放蕩の限りを尽くしていた。
当初ここを仕切っていたのは夫人だった。
業務の代行はしていたものの、夫のいない淋しさについに耐えられず、若き男に
手を出して肉情に溺れてしまった。
夜毎の荒淫が職務に支障をきたすまでになって、修道院に預けていた姉妹を呼び戻した。
もとより、利発だった姉妹なだけに教育の呑み込みは早く、吸い取り紙に水を滲み込ませるように
吸収していった。
権限の委譲というかたちで、母親は姉妹に根気強く丁寧に教えた。それは情人がいっしょに
住まっていたからであって、夫がいなくとも夫人は夜も淋しくはなかった。
それでも物理的に娘ふたりに掛かりっきりになることは避けがたく、夫人は早くあなたと外界に
飛び立ちたいからなの、と甘く囁いても交媾に割く時間はおのずと減っていった。
暇を持て余した情人は夫人の目を盗んで姉妹とも姦通してしまい、知った母親は
男を退けるのではなく、悩んだ果てに娘ふたりを交える獣人の道を選択した。
しかし、夫人は数ヵ月後、森の奥の湖で水死体として発見された。
「せんせい……。海に連れて行って」
「汗を掻いているぞ」
「あの夢を見ていたの」
水で湿らした布巾で紗枝の額を拭う。
「せんせい、ありがとう。冷たくてとても気持ちいい」
「そうか」
「せんせいといる方がずっときもちいいけど」
ペニスがむくむくと鎌首をもたげ、スラックスが張っていた。
「後悔してないか」
「ううん」
部屋に拡がるディープ・ブルー・シーの彩りが、ゲームに没頭するものたちの
精神を意識的にセーブさせる効果を醸していた。熱くならず、それでいて肉情を
貪婪に求め極められる。
ところどころで男と女の喘ぎが聞こえる。
みなセックスに興じて愉しんでいた。
兄弟は献身と赦されない愛情を隠しながら姉妹に使える。姉妹は美少女であり、
神々しい偶像。そして肉欲の糧。
男が竹細工のランタンを持ってきて天井から垂れるフックに吊るした。
ディープブルーの壁には、いくつもの交媾の影絵が妖しく浮き出されゆっくりと
動いて廻りだし加速していった。
「せんせい、したい」
紗枝の手が下りて勃起を擦った。
「加藤先生がじきに帰って来る」
男の手が紗枝の甲を覆って下腹に押し付ける。
「いい。みせつけるもん」
「紗枝はいじわるできない」
「誘導してるでしょ。でも、お姉ちゃんといっしょに――」
「紗枝を先に逝かせてからな」
旅行 真夜中 仮病 でおねがいします。
エロ無し保守。失礼します
期待はいつもするだけ無駄だと、分かっているのに期待する。
惨めな立場だ。女子A。有象無象。その他大勢。
「あぁ……惨め」
心で思った事をわざわざ口に出して呟くと、私は床で筋力トレーニングに励んでいる半裸の男
を見下ろして、これ見よがしに嘆息した。
その言葉も聞こえていないように、その大男はせっせと腕力を鍛えている。腕立て伏せの何が
そんなに楽しいのか、同じ部屋のベッドの上で愛らしい女が嘆いているというのに声をかけるそ
ぶりも無い。
声をかける? あぁ、無理だ。忘れてた。この男は口が利けないんだった。
はん、とつまらなそうに息を吐いて、私はベッドに寝転がると毛布を体に巻きつけた。
どうしてそんなに無口なのかと、はじめてあった時に聞いた事がある。そしたらあの男ときた
ら、その口で『口が利けない』と抜かしやがった。
喋ってるじゃない、という突っ込み以後、彼の声を聞いた事は一度も無い。
ちなみに艶事も、一度も無い。
現在、この男とは恋人同士……という設定。二人で甘い海外旅行……という設定。
実際は、仕事で組まされたパートナーでものの見事に殺人旅行。私はアシスト、彼はアサシン。
恋人同士の設定だと言っているのに、この男ときたら自分から肩も抱きやしない。脳みそ足り
てるのかと怒鳴ってやるが、奴は困ったように首をかしげるばかりである。
場所は都会のホテルの一室。時は真夜中、恋人たちの甘い時間。
「ねぇ……」
考えていたらだんだん腹が立ってきて、私は奴をちょっとからかってやろうと考えた。
声を掛けられればさすがの奴も反応は返す。今やっと私の存在に気付いたような顔をして、彼
は汗の浮いた額をぬぐって床の上に座り込んだ。
「具合が悪いわ」
「……」
かまって貰えない惨めな女の常套手段。具合が悪いの、お願いかまって。
かわいらしくお目目を潤ませて……なんて事はさすがに性格上出来ないが、私はわざと元気な
さげに呟いた。
奴は沈黙。具合が悪いの意味を知らないロボットみたいに、ただ黙って座っている。
遠まわしすぎたのか? 作戦はコンマ数秒で見事に失敗。こんなのが殺人のプランを立ててい
て本当に大丈夫か? と自分でも思うが、この男と組むのはなんと1年で6回目。驚くべき遭
遇率という事は、私たちの仕事の相性はいいのだろう。依頼主が率先して私たちをコンビにして
いるということだ。
「吐き気がするし、頭が痛いって事! 寒気もするし……もう寝る」
あぁ、惨めだ。つまらない。場所が場所なら唾でも吐いてやりたい位だが、私は体に巻きつけ
ていた毛布を更に引き上げ、すっぽりと毛布に収まった。
外の世界で奴が動く気配がする。汗でも流しに行くのだろうか、どこまで私に無関心なんだ。
嘘でもちょっとは気に掛けろ。
思った所で、毛布越しに手が触れた。嘘だ……と思ったが、あえて不機嫌そうに、平静を装っ
て身をよじる。
「……何よ、具合わるいの。仕事の話は明日にするからほっといて」
言い放ってもなお、奴は私を呼ぶように何度か毛布越しに体を叩いた。これは気に掛けるとい
うよりも、何か用がある感じだ。
「あぁ、もう! 一体何よ!」
思わず怒鳴って毛布を押しのけ、私は奴を睨みつけた。
差し出されたのは、カプセル二つ。プラス、水。
勘弁してくれ。風邪薬だと? どこまで冗談でどこまで本気なんだ。あぁ、いやいや分かって
る。全部本気だ、この男。
「……いらない」
ぷい、とそっぽを向いてやる。
すると奴は驚いたように一瞬かたまり、少しだけおたおたすると考えるように空を仰いだ。
考えられるおつむがあるなら、こっちの気持ちを考えろ。
「自分でのみなさいよ、そんなの」
私に拒絶された薬を捨てようかどうしようか悩んでいたのだろう、私が言い放った言葉どおり
に、奴はカプセルを自分の口に放り込んだ。どこまでバカなん……
――ごくん
私の喉がなる音だ。ちなみに、薬を飲み下した音だ。
「……な」
口の中に水の味。唇には別の感覚が残ってる。
「な……何すんのよ!?」
キスされた、といえば艶があるが、薬を口移しで飲まされたと言うとどことなくバカップルだ。
この男がキスを知っているのかも疑問なので、奴の中では私が風邪を引いた=薬を飲ませなけれ
ばならない程度の方程式。
私の激怒が意外だとでも言うように、奴は片手にガラスのコップを持ったまま固まった。
「なによそれ!? あたしはいらないって言ったでしょ!? それになに? あんた薬を飲み
たくないって言う奴には男だろうと口移しで飲ませるわけ!? このホモ! 変態!」
不満爆発。かまってくれたのはいいが、かまい方が大問題だ。どうせキスしてくれるなら、寒
いなら俺が暖めてやるだとか、そういうワイルドな台詞の後がいい。
なのにこの男ときたら……!
なに? なんだ、なにやってるんだ。
わたわたと紙とペンを取り出して何かを書き始めた男の姿に、私はしばし怒鳴るのをやめにし
た。
紙がペラリと差し出され、読む。
私は眩暈がしてきて、くらりとベッドに倒れこんだ。
――具合が悪いのに、怒鳴るな。寝てろ
もうダメだ。泣きそうだ。
「……寒いから、添い寝して暖めてよ」
くそ、どうせすでに惨めなんだ。どこまでも落ちてやる。
私は無視される事を期待してそう言い放ち、一人寝の寂しさにしくしくと毛布を噛んだ。恋人
同士という設定なのに……
ギシ、とベットが鳴いた。またもや、嘘だ……と思う。
「ちょっと……!」
しぃ、と指で唇を抑えられ、私は口をあんぐりとあけたまま奴の腕の中に収まった。
シャワーくらい浴びろ、汗臭い。いやいや、そういう話ではなくて。
「ほ……本気にしないでよ! 冗談にきまってんでしょ!?」
ふるふると首を振りやがる。こいつ、一体何もんだ。そのままきっちり毛布まで掛けやがって、
私をしっかりと抱きこんだまま瞬間的に寝やがった。
腕がわざとらしく腰に回っているのだが……
なんとなく、やっとこの男の扱い方を少し理解した気がした。
今度、お目目を潤ませて「抱いて」とでも、言ってみよう。
私は仕方なく、絶対に解けない腕の中に収まりながら目を閉じた。
「雨」「体温」「猫」でお願いします
92 :
名無しさん@ピンキー:05/02/24 01:30:05 ID:YrIZrzAd
あげ
ここ、感想OKにしちゃいけないんでしょうか・・・
いいんでない?
技術を磨いたり気晴らしに感想いったり感想もらったりでは?
>>88のその後が読みたい。
けど、ここじゃすれ違いになっちゃうよね(´・ω・`)
>>95 同意。
できれば御本人様に、続きをお願いしたい。
勝手に第三者が続き書くのは変だろうし。
っつ〜事で、あらためて
>>88氏GJ!
>>93 >>1くらい嫁。
>ここはあくまで書き手が気紛れや気休めで書くスレです。
>感想レスが欲しい方は、メール欄にその旨を書いておいてください。
>感想レスを書きたい方は、文章に気を遣って書き上げてください。
まぁまぁ、1〜2行くらいの感想やGJくらいそれほど問題にならんでしょ
99 :
88:05/02/26 00:57:55 ID:aDgfZ9xJ
>>95-96 感想ありがとうございます。
しかし、ここで続きを書くのはあまりにもスレ違いになってしまうため、
もし続きが書けたら別スレに投下して、リンクをこちらに張る……という形で、だ、大丈夫でしょうか?
101 :
ジョジョ風:05/02/28 13:52:10 ID:DvxIFZO+
「雨」「体温」「猫」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
私が激しく降る雨を受けながら歩いていると、それは唐突に訪れた。
「・・・猫か」
足元に擦り寄ってきた白く小さな猫の姿を見て立ち止まり、屈み込む。びしょ濡れになっている毛は冷たく、よく見ると猫は震えていた。
「・・・・・・可哀相だな・・・しかし・・・」
しかし私にはどうすることもできない。ペット厳禁のアパート住まいの私には、飼ってやることなどできないのだ。
「・・・・・・・・・その猫」
「なっ?」
背後から不意に響いた声に振り向けば、そこにはいつの間にか男が立っていた。
ポケットに親指だけを入れ、私を見下すように立つ男は、傘も持たずに雨の粒を受け止めている。
(・・・いつから・・・?)
全く気配を感じなかった。
不思議に思いつつも立ち上がり、ちらと猫を見やる。
「・・・おたくの猫ですか?」
だが、男はこれに首を振って答える。
「・・・・・・いや、違うよ」
「・・・そうですか」
男はか弱く猫に目をやり、私もつられて猫に目を向けた時、その瞬間、私は背後から羽交い絞めにされていた。
「なっ? 貴様・・・!」
咄嗟に振り向こうとするが、それよりも早く、男の手が私の胸を掴んでいた。
102 :
ジョジョ風:05/02/28 13:53:21 ID:DvxIFZO+
「くっ・・・!」
強引に胸を揉まれて抵抗するうちに傘が落ち、猫の屋根となった。しかし今は、それどころではない。
(・・・夜の公園・・・油断だった・・・!)
自戒しながらも体を揺するが、背後の男の力は女の私など優に上回っており、逃れることはできない。その間も男の手は私の胸を無遠慮に撫で回しており、その不快な感触に顔が赤らむのを感じた。
「・・・くっ、こんなことをして・・・ただで済むと・・・!」
「・・・・・・ふん、人も来ない公園で、何をすると? 声を上げれば、瞬間、逃げればいい・・・」
「くそっ・・・・・・!」
背後の男の言うとおりだ。尚且つ逃げる際に私を殺せば、男はあっさりと逃げ去ることができるだろう。
(・・・だが、しかし・・・)
このまま為すがままになるわけにはいかない。私は雨の線で寸断される視界を注意深く見据え、反撃の機会を探る。
「・・・ぅ、ぁっ・・・・・・!」
男は無理矢理に服の中に手を突っ込み、ブラを剥ぎ取ると、強い力で私の薄い胸を揉み始めた。もとの脂肪が少ないために掴まれるだけで痛みが走ったが、男は容赦する気配もない。
大きな手を力強く開閉させ、胸の先を指先で擦り、刺激してくる。
「・・・くっ・・・!」
否応にも反応してしまう体を厭わしく思い歯噛みすると、背後の男が囁いた。
「・・・知っているか? 意思の力で痛みを消すことはできない。それはつまり、精神と肉体は密接な関係にあれど、完全に一致しているわけではない、ということだ・・・」
(・・・・・・心が拒否しようと体は反応する、ということか・・・)
確かに、私の心は不快感で覆われているというのに、体は敏感に反応してしまっている。胸の先も痺れを発し、雨に濡れているが、それとは違うものでショーツの濡れている感触があった。
「・・・・・・小さい割りに、感度はいいな・・・」
「・・・くっ!」
耳元で囁かれた言葉で、頬が一気に上気するのを感じる。しかし痛いほど強く降る雨の冷たさのお陰で、真っ赤に染まっている顔を見られるのは回避できた。
103 :
ジョジョ風:05/02/28 13:54:23 ID:DvxIFZO+
(・・・そろそろ・・・そろそろだ・・・)
私は熱くなってきた肌を感じて、歯を食い縛る。
「・・・・・・そういえば・・・」
不意に男が、スーツのスカートの中に手を突っ込み、びしょ濡れのショーツを擦りながら言った。
「・・・その猫は、俺の猫だよ」
「なっ・・・騙したのか・・・!」
思わず猫に目を向けると、猫は傘の屋根の下で呑気に毛繕いをしながら、にゃあ、と小さく鳴いた。
「・・・ふん、騙される方が馬鹿なんだ」
そう言い、男は尚も強くショーツを擦った。
「くっ・・・!」
激しい刺激にショーツの中の突起が硬く尖るが、それと同時、漸く時が訪れた。
「・・・・・・私は、寒いのが苦手でな・・・」
「・・・? 何だ、急に・・・・・・」
訝しげな声を背後に聞きながら、両手を開閉させる。関節は淀みなく動き、万全を思わせる。私は息を整えながら呟く。
「・・・冷たい水の中に入ったら、体が動かなくなる・・・そういうこと、あるだろう? あれはな、体温が低くなったせいで体の感覚が鈍くなっているんだ・・・」
「・・・・・・何を・・・」
「・・・お前のお陰で、温まったぞ」
「・・・何を・・・なっ!?」
私は素早く身を揺すり、男の体が僅かに離れた瞬間、肘を背後に放つ。柔らかいものを突き刺す感触の後、男の悲鳴にも似た声が漏れた。
「ぐぁっ!」
漸く拘束を解かれた私は振り返り、男の苦しそうに歪んでいる顔に拳を放つ。拳は男の額を打ち、その一発により、男は意識を失った。
倒れ込んだ男を見下ろし、深く息を吐く。
「・・・・・・お前の負けだ」
呟き、傘は猫へと捧げたまま、その場を後にした。
背中から猫の声が聞こえてきたが、私が振り返ることはなかった。
「おふざけ」「お仕置き」「すっきり」
「おふざけ」「お仕置き」「すっきり」
「おはよう、聡美。」
いきなりほっぺにキスの感触を感じて、私はまどろみから呼び戻された。
「えっ・・・?」
私のすぐそばで微笑む兄の顔。そう、私達は実の兄妹。
「お・・・お兄ちゃん?今の・・・」
兄が私にキスをしたのだろうか?私がそう言いかけた瞬間、今度は私の唇が兄に塞がれる。
「ん・・・お・・・お兄・・・ちゃん・・・んん・・・」
唇を塞がれて、まともに話す事もかなわない。私は何とか唇を引き離すと、ようやく言葉を放つ事ができた。
「お兄ちゃん!何やってるのよ!ふざけないで!」
「ふざけてなんていないさ。愛してるよ、聡美のこと。」
そう言うや否や、兄は私の上にまたがってきた。
「いやっ!やめて!」
精一杯の力で兄をはねのけようとする。しかし・・・
「あ、あれ?」
私の両腕は、背中できつく縛られていた。兄を押す事はおろか、身動きすら取ることはできない。
「な、何するのよお兄ちゃん!早く外してよ!」
私が怒りに任せて叫ぶと、兄はにやりと笑って、ベッドから降りた。
「そうはいかないな。聡美、これを見てごらん。」
そう言うと兄は丸い大きなお皿を取り出した。中央部分から、真っ二つに割れている。
「そ、それは・・・」
「そう。俺の大事にしていた、古伊万里の皿さ。時価数千万円のね。」
しかしそれで、何で私がこんな目に・・・?
「誰が割ったと思う?」
「わ、私じゃないわよ!」
「わかってるさ。もちろんお前じゃない。割ったのは・・・お前の娘だ!」
「・・・えっ・・・?」
私は兄の方を見た。すぐ横に、娘の真奈美がいる。彼女は椅子の背もたれに縛りつけられて、M字に開脚させられていた。
パンツをはいていない・・・彼女の陰部は、剥き出しにされていた・・・
「なっ・・・!や、やめてよお兄ちゃん!私はどうなってもいいから、真奈美にだけは、真奈美にだけは!」
「その言葉に、偽りはないな?」
「えっ・・・きゃあっ!!!」
兄はいきなり私の腰に取り付いた。そして、兄の剥き出しになった男根が、私の陰部に突き刺さる・・・
「いやああああああああああっ!!!」
私の意思とは裏腹に、兄の陰茎が、私の膣をこする・・・いつしか、快楽が押し寄せてくる・・・
「んあああああああ!!!」
「聡美・・・そろそろか・・・では、俺の精を受け、果てろ・・・!!!」
「い、いや!やめてよお兄ちゃん!それだけは!」
ビクン、ビクン、ビクン!
兄の精が、私の中へと入り込んでゆく・・・
「あ・・・お兄ちゃんのが・・・入ってる・・・どうしよう・・・子供ができちゃうよ・・・」
「ふう〜、すっきりした。」
兄が笑う横で、私は泣いていた。
「・・・いや・・・いやあ・・・」
そして、娘も・・・
「おい聡美、こっちを見てみろ。」
私は辛うじて、目だけ兄のほうへ向けた。
「いや・・・やめてよ・・・おじさん・・・」
信じられなかった。兄の股間が、今度は娘を襲っている・・・
「何をするの!真奈美には手を出さないでって言ったでしょ!?」
「そうはいかねえな。聡美、これを見てみろ。」
兄が指差したのは、高価な春慶塗のお皿。そこには、マジックでたくさんいたずら書きがしてある。
「誰がやったと思う?真奈美の・・・娘だ。」
「恭子ちゃん!?」
すぐそばで、真奈美の娘・恭子が椅子の背もたれに縛られている。もちろん、M字開脚で、パンツは脱がされていた。
「ぐす・・・お母さん・・・」
「真奈美・・・お前も俺の精を受けて・・・果てろ!」
「いや!中に出さないで!!!いやあああああああああ!!!」
直後、兄は真奈美の股間から腰を離した。
真奈美の膣から、白い液体があふれ出ている・・・
「うう・・・おじさん・・・・いや・・・」
「ふう、すっきりしたわい。」
おしまい
次のお題
「病院」「オセロ」「ラーメン」でおながいしますw
>>105だけ、送信に失敗して消えちゃったので、慌てて書きなおした。
つーわけでそこだけ短くてスマソ。
hoshu
おばあちゃんかよw
110 :
名無しさん@ピンキー:05/03/12 04:05:58 ID:VX8tTAD6
ここって、人いないのね・・・
ラーメンがネックで……
「あー! 耕太、何やってんのよ!」
病院を抜け出してラーメンを食っていたら、うるさいのに見つかってしまった。
オレは胡椒をたっぷりと振りかけた醤油ラーメンの汁をずずっとすすりつつ、声の主を見た。
この『白龍ラーメン』の看板娘であり、オレの幼馴染である里香がぶんむくれてオレを睨みつけている。
「見りゃわかんだろ。食ってんだよ、ラーメン。常連様が来てやってんだ、ちったぁ愛想良くしろ」
「胃潰瘍で入院した奴が何言ってんのよっ!」
「粥ばっかで力がつくかよ……いででででっ!」
胃が痛くなったわけじゃない。里香がオレの耳を思い切り引っ張ったのだ。
昼食時を少し過ぎた店内には他に客はいないとはいえ、なんてことをしやがる。
「父さんも父さんよっ! なんで耕太にそんな甘くするのっ!」
「や〜、うちの味が恋しいとか言われちゃあねぇ」
「おっちゃん、こいつ何とかしてよ」
三人が三人ともてんでに喋って、何が何やらだ。
しばしの混乱の後、オレは半ば引っ立てられるように店から追い出されてしまった。
「出前も済んだ事だし、寄り道しないように病院まで送ってくからね!」
しかも監視つきかよ。でも、ま、いいか……久しぶりだし。
病院へと続く道を、里香と並んで歩く。
今時珍しく真っ黒なショートヘアを、オレは何とはなしに見下ろしていた。
「ったく、なんでそんなに人を心配させるの、耕太はっ!」
「お前なぁ、怒ってばっかだとしわ出来るぞ、眉間に」
「誰が怒らせてるのよっ!」
「食いたくなったんだからしょうがねえだろ。だいたい半分しか食ってねぇし」
「あんたねぇ――」
「それに、お前の顔も見たかったしな」
「――!」
途端に里香は顔を真っ赤にして黙り込んでしまった。ちょろいちょろい。
オレは少々強引に、脇の路地裏に里香を引っ張りこんで、少し長めのキスをした。
「や……何、するのぉ……」
「だってお前、全然見舞いに来てくれないし」
「それは、耕太が病室でやらしいこと、するからっ……」
「ちょっと胸触っただけだろ。仕切りはしてたし」
「でもやだっ……んんっ……!」
薄手のセーターの裾から手を入れてブラジャー越しに乳房を揉むと、
里香は色っぽい声を漏らす。オレしか知らない声。
大きいとはいえない胸をこねくり回すと、里香は恨みがましい目でオレを睨んだ。
「ずるいよ、耕太は……エッチなことばっかりして」
「お前だって止めないだろ」
「だって、あたしは、耕太が、す……」
里香はそう言いかけて、途端に真っ赤になって黙り込んでしまう。
そこを意地悪く指摘してやる。
「す?」
「……ずるいよ、耕太は、一回も言ってくれない癖に……!」
「そんな男に惚れたお前が負けってことで」
「勝ち負けの問題じゃ……っぁ、んんっ……!」
ブラの中に指を差し入れて、こりこりと乳首を揉みこんでやると里香は女らしい声をあげる。
日頃の騒々しさはなりをひそめて、ただただ襲いかかる快楽をやりすごそうとしているその姿は、
どうしようもなく色っぽくて。
「な、オレの、触ってくんない? お前がやらしいから、勃っちまった」
「……言ってくんなきゃ、やだ」
「え」
「好きって、そう言ってくんなきゃ、ぜったい、さわらない、から……!」
そう言われると、意地でも言いたくなくなるのがオレという人間だ。
こういう仲になってからも、里香に好きと言ったことはない。
幼馴染で、ずっと近くにいて。
互いの身体に興味を持って、最初に触りあったのは小学生の時だったか?
あの頃は純粋な興味だったが、それが男女の仲だと理解してからは、かえってよくわからなくなった。
世間的に見りゃ、オレ達は恋人同士なんだろう。でも、オレはいまだに、そんな風に割り切れない。
互いに両端で『好き』と言い合えば、
オセロがひっくりかえるみたいに、幼馴染という白が、恋人という黒にひっくり返るんだろうか?
……なんでオレ、こんなに考え込んでんだろ。
今はとりあえず、目の前の乳だ。うん。触ってもらえないなら、こっちから触ってやる。
セーターを捲り上げて、白い乳にむしゃぶりつくと、
聞き慣れた、でも聞き飽きない声が、言葉にならない喘ぎ声を紡ぎだす。
触ってもらえないのは残念だけど、ま、ラーメンだって半分しか食ってないし。
こっちも半分って事で。あとは元気になってからの、お楽しみ。
……ま、そん時は、一回くらい言ってみるのも、いいかもしれないな。
次は「メモ」「上司」「春の宵」で。
「メモ」「上司」「春の宵」
「はー……ぁあ」
俺はもう何度目になるか分からないため息をついた。
頭の上には咲き誇った満開一歩手前の桜とそこそこ見える星空。
尻の下には青いビニールシート。
周りには……誰も居ない。
十メートルおきくらいに、俺と同じような状況のやつらがポツリポツリと居るだけだ。
せっかく天気のいい春の宵だっていうのに、
まさか、花見の場所取りなんてホントにやらされるとは思ってなかった。
漫画で見ることはあったけど、ネタだとばかり思っていたら……。
またため息をついて、中身が残り少なくなったペットボトルに口をつける。
こんな事ならビールでも買って来ればよかった。
場所を確保したら、その場を離れるな?
無茶言わないでくれとは思うけど、上司から電話で、
しかもあんな色っぽい声で『お願いね』なーんて言われたら、俺じゃなくたって逆らえないんじゃないか?
電話の声を思い出しただけで、課長のスーツ姿が目に浮かんだ。
膝まであるタイトなスカートにきゅっと突き出した形のいい尻。
いつでもきちんとボタンを留めてあるスーツに押し詰められて窮屈そうな大きな胸。
髪を一つにまとめてアップしてくれているおかげで見える白いうなじ。
そして、いつでもきれいにマニキュアが塗られている形のいい爪。細い指。
『備品、揃えといて』なんて言われて、中指と人差し指に挟まれたメモを渡された時の興奮は今でも忘れられない。
こんな俺は指フェチなんだろうか。
なんてことを考えていたら、突然頬に冷たいものが触れて、俺は思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。
顔を上げるとそこに居たのは、まさに今、妄想の対象にしそうになっていた課長。
「か、かかか、かちょうっ!」
「山波君、ちゃんと毛布を持って行くように言ったのに、忘れたでしょう」
心底動揺する俺に課長は笑いながらそう言って、缶ビールを渡し、紙袋から毛布を出してくれた。
「あっ……す、すんません」
「いいわよ。どっちにしても、様子は見に来るつもりだったからね」
課長は周囲を見回すと、満足したように頷いて、
「いい場所、見つけたわね」
と言ってくれた。
俺が恐縮していると、課長は毛布を広げて俺の隣に腰を下ろし、二人の膝に毛布をかけた。
同じ毛布の中に課長と二人で入ってる。
淡い香水の匂いにも刺激されて、俺は異常に興奮した。
動悸が早くなっている俺に気づいているのかいないのか、
課長は紙袋から自分の分の缶ビールを出すと蓋を開けて一口飲んだ。
缶にローズパールの口紅のあとが残る。
「山波君も飲んだら?」
「えっ!……あっ!はいっ!いただきますっ!」
課長に言われて、慌てて自分の分を開け、俺は一気にビールを煽った。
「おお、いい飲みっぷりね。明日が楽しみ」
俺の動揺など知る由もないんだろう。
課長は楽しそうに言いながら、小さく拍手をしている。
こんなに動揺する必要はないんだろうけど、それなりに憧れている上司と、
二人っきりで周囲に人が居ないところで、同じ毛布にッッッ!
酒を入れたら落ち着いてくれるかと思っていたけど、
それは逆で俺の脈拍は一層速くなったようだった。
もっと本格的に人が居なかったら押し倒せるのに……。
実際には絶対出来ない事を少し酒が回った頭で思い浮かべたら、
俺の下半身はあっさり反応してしまった。
また動揺する。
缶に口をつけたけど、ビールはもう残っていなくて、俺は花が綺麗ですね、とでも言おうとした。
その瞬間、ズボンの上から何かが触ってきた。
何かじゃない、確実に課長の手。
「えっ、あ、あのっ……」
「普通にしてなさい。貴方、さっきから、顔に色々と出っぱなしよ。
普通にしてれば、一番近い人からでも見えないから、普通にしてなさい」
課長はいつも仕事をしている時と全く表情を変えていないで、桜を眺めているような顔をしている。
ファスナーを下ろし、俺のズボンの中、トランクスの中にあの指が侵入してきた。
少し冷たいけれど、課長の指は想像以上にしなやかだった。
「若いのね。まだ二十三だっけ?」
「……四、ですっ」
服から顔を出した俺のイチモツが毛布の下で、課長に扱かれてる。
あの指が俺のあれに触っているところを見たいと思ったけど、
それは出来ないから、俺は平静を装おうとしながらも、必死でその光景を思い浮かべた。
最近してなかったことも手伝ってか、先っぽからはもう我慢汁が出掛かっているのが自分でも分かる。
そこを課長の指の腹がにちゅと、こすった。
「う……う、んっ」
「もう出す?」
「お、お願いしますっ……」
こめかみが痛くなるくらい、必死で堪えてそう言うと、課長はポケットから出したハンカチを
素早く毛布に滑り込ませて、俺のを包んだ。
柔らかい布が俺を覆って、その上からまた課長の指が俺を握り込み、
今までより強く動いて、俺はそれ以上堪えられずに射精してしまった。
身体が崩れそうになったけれど、課長にわき腹をつつかれたから、
俺は朦朧とした状態で、どうにか座っている体勢を維持した。
そんな俺にそれ以上構うことなく、課長はハンカチを紙袋に放り込むと、立ち上がって、
「それじゃ、私はまた社に戻るわね。明日まで頑張って」
と何事も無かったかのように言い残し、去って行ってしまった。
次は「グラス」「ポップコーン」「座布団」お願いします。
保守。
人が来たりこなかったりだな。
グラスとポップコーンと座布団が難しくてw
「グラス」「ポップコーン」「座布団」
付き合い始めて早3年と3ヶ月と三日。
ぞろ目のカップルはやばい、と、なんかの雑誌で読んだ気がするけど、まさにその通り。
付き合い始めのドキドキなんて、もうカケラも残ってやしない。
あたしだって努力はしたんだよ? デートの場所とか、いろいろ考えたりしてさ。
でも肝心の祐二に、その気がないんだからしょうがないじゃない。
『なんで友紀は出かけたがるかな。俺のんびりしたいよ』なーんて。
だもんで、今日のデートも祐二の部屋でごろ寝でレンタルビデオを見るなんてので。
また部屋が汚いんだこれが。
昔は、一応は片付けておいてはくれてたのに、最近じゃ部屋の隅の洗濯物すらそのままだ。
部屋を眺めると嫌なものばかり目に付くので、仕方なくテレビに意識を向ける。
公開時は凄く話題になった、超豪華キャストの恋愛物。
一応、私の好みに合わせて借りてきてくれたのは、まぁよしとしよう。
できれば映画館で見てみたかったなあ、とは思うけどさ。っていうか、そう言ったら。
『ビールもポップコーンも映画館で買ったら倍はすんだぜ。
だったら家でごろごろしながら見たほうがいいじゃんか』
何もそんな、主婦みたいな事言わなくったっていいじゃないのよ。
あのね、デートには雰囲気も必要なの雰囲気もっ!
おりしも画面では、身分違いの二人が初めての夜を過ごすシーン。
濃厚なキスシーンが繰り広げられているけど、
それを見ているあたしたちのいるのは、狭い六畳のフローリングの部屋。
まったく、雰囲気も何もあったもんじゃない。
と、座布団を折り曲げたのを枕がわりに寝転がっていた祐二が、いきなりこちらを振り返った。
「にしたって長いよな〜」
「何が」
いきなり何の話よ何の。
「キスだよキス。さっきから長すぎねえ? 息できないって絶対」
「……鼻ですればいいじゃないの」
「花粉症とか風邪で鼻詰まってたらどうすんだよ」
なんでこのロマンチックなキスシーンで鼻詰まりの話をしなきゃなんないのよ。
「……知らない」
あたしはむくれてグラスに入ったビールを一気に煽る。
不機嫌なあたしにやっと気付いたのか、祐二はのそり、と起き上がった。
そのままあたしの隣にくると、ぐい、と顔を自分のほうに向けて、いきなり。
「! ん、んんっ……!」
唇を塞がれた。祐二の舌が口の中をぐるぐるかき回してる。
なんだか塩味がする――さっきまで祐二が食べてたポップコーンの味。
多分、あたしの口の中は、ビールの味がするんだろう。
ああほんと、リアルすぎて全っ然ロマンチックじゃない。
テレビから流れてくる音楽だけは、やたらとムード満点なんだけど。
そんな事を考えていたら、また唐突に唇が離れた。
祐二は大きく息をついている。
「無理だって。俺鼻で息出来ないわ。これが限界」
……はぁ? それを試すだけだったっての?
思わず肩から力が抜けて――次に、なんだか可笑しくなってくすくす笑った。
「笑うなよ」
「だって馬鹿みたいなんだもの」
こんなにも日常がはみだしているのに、ディープキスなんてしちゃうんだなって。
しかも鼻で息が出来るか、なんて理由で。
ホント、なんなんだろ、この人――でも、ま、いっか。
あたしだって馬鹿みたいだ。こんなキスでも、機嫌直っちゃってるし。
我ながら安い女だなぁ、なんて思いながら、でもそんな事は言わない。
「んだよ、馬鹿って」
こんどは祐二がむくれてる。
あたしはぐい、と祐二の顔を無理矢理振り向かせる。
「馬鹿だよ――だって、練習もしてないのに、いきなり出来る訳ないじゃない?」
「……それは、練習しろって事か?」
答える代わりに、あたしは目を瞑って唇を突き出してみせた。
少し間を置いて、もう一度祐二の唇が私のそれに重なる。
今度は闇雲にかき回すんじゃなくて、ゆっくりじっくりと口の中を味わう感じで。
……これなら、合格かな?
祐二の肩に左手を回しながら、右手でリモコンを探ってビデオを止めた。
ロマンチックな非現実に酔うのは後。
とりあえず、今はこの日常に浸ってしまおう。
次は「痕」「薄暮」「嘘」で。
126 :
名無しさん@ピンキー:2005/04/11(月) 22:31:10 ID:4jNFZgX5
GJ!うまいなあ
はぁ〜(ため息)
次のお題は、きず、はくぼ、うそですか…
むた氏に書いていただきたいような気もするけどルール違反だね、きっと。
「痕」「薄暮」「嘘」
「真人・・・」
僕の部屋に、今、由佳が来ている。彼女は僕の幼馴染みで、もう18年もの付き合いである。
お互いに気心の知れた関係。彼女の瞳の動きだけで、彼女が何がしたいのかもすぐにわかる。
今、彼女は僕を見つめている・・・僕には、彼女の気持ちが手に取るようにわかる。
僕は由佳の顔をそっと抱き寄せ、唇を重ねた・・・
「ん・・・」
甘酸っぱい、女の子の香り・・・ここ数年で、すっかり女になった由佳・・・
「ねえ真人、あたしのこと好き?」
「当たり前じゃないか。僕は、由佳を好きだよ・・・」
「うれしい!」
むぎゅっと僕に抱きつく由佳・・・しかし、その彼女のロングタイツからちらりと覗く大きな傷痕に、僕は急に青ざめる・・・
「真人、どうしたの?真人・・・・・・!」
青くなった僕を見て、由佳は不思議そうに首をひねった。しかし、すぐに彼女は僕から離れ、めくれかかっている靴下を
素早く上に上げた。
「ご、ごめんなさい・・・。」
あの傷痕を見るたびに、僕の心にやるせない思いが甦る・・・
「真人、まだ、あのときのことを・・・」
あれは、忘れもしない小学校2年の夏・・・
「あー楽しかった。ねえ真人、次は何しようか?」
「そうだね・・・あれ?由佳、もうこんな時間。」
公園で僕は、由佳と時間のたつのも忘れて遊んでいた。時計を見上げると午後6時。
もうあたりは薄暮になっている。
「早く帰らないとママに怒られちゃうよ。」
「うん、あっ、そうだ!今日は7時から見たいテレビもあるんだった!じゃああたし帰るね。ばいばい、真人。」
「ばいばい、由佳。」
由佳は公園の出口から出ると、道路を隔てた向こうにある由佳の家へと走っていく・・・
「あ、由佳!ちゃんと横断歩道を渡らないと、危ないよ!」
「平気平気。だって、いつもの道だもん♪」
そう言って由佳は道路を横断する・・・
だが、その直後、由佳の上を、一台の緑のライトバンが通過した・・・。
「由佳!!!」
僕は大急ぎで由佳に駆け寄った。ライトバンはその場に停止している。急ブレーキも、間に合わなかった。
ライトバンの向こうに、血まみれの由佳はいた。
「痛い!痛いよう!わああああん!!!」
おびただしい出血。彼女のかぶっていた帽子の中にも、血がたまっている。
「由佳!由佳!」
「うわあああああああん!!!」
大声で泣き叫ぶ由佳に、僕は名前を呼ぶことしかできなかった・・・。
あのときほど、自分の無力さを恨んだことはない。
不幸中の幸いか、由佳は一命を取りとめた。轢かれたのが足だったので、致命傷にはならなかったのだ。
しかし、あの事故で、由佳は、足に一生直らない傷を負った。
あの傷痕を見るたびに、あのときの辛く悲しい思い出が甦る・・・
「真人・・・真人は、何にも悪くないよ・・・だってあれは・・・あたしが悪いんだもん。」
そっと僕の顔を撫でて由佳は言う。
「でも、僕は・・・あのとき、何もできなかったんだ。」
「そんなことないよ!だって、あのとき、真人があたしの名前を呼び続けてくれたから、痛みも和らいできたし、
あのあとも、ずっとあたしのリハビリに付き合ってくれた。」
いつの間にか、由佳は真摯な瞳で僕をじっと見つめている・・・
「あのときから、あたしの気持ちは変わってないよ。ううん、あのときよりもずっと、ずっとずっと・・・」
途端に、由佳の顔が赤くなる・・・
「真人のことが、好き!大好き!」
僕もいつしか、由佳の体をぎゅっと抱きしめていた。
「ねえ・・・、しよ。」
僕の耳元で、由佳が囁く。その想いに答えるように、僕は由佳の唇を塞いだ。
そして、僕は由佳を抱き上げると、彼女の身体をベッドに横たえた。
「由佳・・・」
僕が彼女のブラウスのボタンを外そうとすると、彼女は手を僕の手の上に置いた。
「ねえ、服着たままでいいよ・・・。」
過去にも、僕は何度か由佳とエッチしていた。しかし、それらはいずれも、服を着たままでのプレイだった。
彼女はスカートを穿いていたが、両足は太ももの上のほうまでタイツを穿いていた。
彼女は傷を僕に見せないように、僕を気遣っていたのだ。
しかし、彼女の手を振りほどいて、僕は彼女のブラウスを脱がせる。そして、ブラジャーを外した。
「きれいだよ。」
彼女の身体はすっかり大人の女になっていた。
「嘘。だって、あたしの身体は傷だらけだもん。」
確かに、あのときの古傷が、身体のあちこちにある。あれだけの出血だったのだから、無理もない。
でも、それ以上に、匂いたつ由佳の身体が、僕には美しく感じたのも事実。
「嘘なんかじゃないよ。由佳、すごく綺麗。」
「で、でも・・・」
僕の聞きなれない言葉に、由佳は戸惑う。
そして僕は、由佳の上半身を完全に裸にすると、次はスカートに手をかける。
「あっ・・・、い、いや!恥ずかしいよお・・・」
スカートを脱がせ、ショーツを剥ぎ取ると、ますます由佳の女は匂いを放つ・・・。
僕はじっと由佳の裸を見つめた。気にならないといえば嘘になるが、あちこちに古傷が付いていた。
ごくり。僕は息を呑む。いよいよ・・・僕は彼女の太ももを覆うロングタイツに手をかける。
「ま、真人!そこはダメ!」
慌てて彼女が僕の腕をぎゅっとつかむ。
「そこはあのときの一番大きな傷痕があるから!」
わかっている。今までは僕もそうだった。
でも、大きな傷痕も、彼女の一部なのである。それらを含めて、彼女を愛せる人間でないと、
彼女を愛する資格などない。
「きゃあっ!」
僕が両足のタイツを下に引きずりおろすと、彼女は悲鳴を上げた。
う・・・僕も、あまりの傷痕の大きさに、思わずうなりそうになる・・・
でも、彼女のすべてを愛せなければ、彼女を愛する資格など、あるものか!
「真人・・・あたしのこと、嫌いになっちゃった?」
不安そうに由佳は僕を見つめる・・・でも、僕は、その古傷に、そっとキスをした。
「僕は・・・由佳の全てを愛してるよ。」
途端に彼女の瞳から、涙が溢れる・・・
「真人・・・真人・・・・・・」
彼女のその涙を見て、僕は、一生、彼女を大切にすると誓った・・・。
次「マーラー」「興信所」「サイドワインダー」でよろしく。
「マーラー」「興信所」「サイドワインダー」
もともと気が合う人だとは思っていなかった。
けれど、特に嫌いでもなかった。
だから、私は、十才年上の彼と結婚したのだ。
それから三年。
よもや、興信所を使う羽目になろうとは、思ってもいなかった。
私達は親同士の決めた婚約者だった。
別に幼い頃からの、という訳ではなく、父親の経営する会社の関係で唐突に決まったのだ。
確か、短大に入学した頃だっただろうか。
たとえ嫌がったとしてもそれを覆す事は出来なかった。
もっとも、私は特に反対したりはしなかった。
安定した生活を捨ててまで、愛に走ろうという情熱は、私には無かったし、
それに第一、そんな相手はいなかった。
幼稚舎から短大までエスカレーター式のお嬢様学校にいたのでは、他の異性と知り合いようもない。
恋愛小説やドラマにあるような、熱い情熱など、もとより私達の間には無かった。
あるのはただ、儀礼的な婚約者としての付き合いだけ。
デートもしたし、誕生日にはバラの花束を贈ってきたりもした。
ただそれは『婚約者同士ならこういった事をするだろう』という、データに基づいたものに過ぎなかった。
彼が私の行きたい場所を聞いてくることもあまり無かったし、
私としても彼と何処へ行けば楽しめるかなど想像もつかなかった。
なので勢い、彼の趣味であるらしいクラシックコンサート――マーラーが多かった――に
連れて行かれる事が多く、しかし、それは私にとって退屈な時間だった。
結婚をして、二人で人生を歩むと言う事は
この退屈が一生続くという事だと、考えなかった訳ではない。
けれど、情熱に流されるままに結婚して、冷めてから後悔する話だって、世間には溢れている。
だから、別に構わないかと思ったのだ。
愛情が後からついてくるなら、それでいいと、そう思っていた。
そう思っていた私は、本当に世間知らずのお嬢様だったのだ。今ならそう思う。
両人の親にあてがわれた瀟洒な一戸建ての家で、
何不自由なく結婚生活を送る私達は、傍から見れば理想の夫婦なのだろう。
彼は――夫は、父親の仕事を手伝い、私は彼の帰りを待つ。
だけど、そこに、夫婦としての生活は無かった――ただの、同居人に過ぎない。
初夜にも何も無かった。そして、今までも。
いわゆる『セックスレス夫婦』だ。
平日は遅くまで仕事。休日は一人趣味の部屋で、
クラシックを聴きながら模型を組み立てている――ぶつぶつと、独り言を言いながら。
一度、珈琲を持っていった折に、その独り言にうっかり返事をしてしまい、
えんえんと『サイドワインダー』とかいうものの説明をされる羽目になってしまってからは、
極力、その部屋には近づかないようにしていた。
だから、その部屋にある、もう一つの秘密に気がついたのは、つい先日の事だった。
今目の前に、封筒に収まった、興信所からの調査結果が置いてある。
これと、部屋にあった秘密を揃えて出せば、十分に離婚の理由になるだろう。
『性生活の不一致』でも離婚理由になるのだから。
まるで子供部屋のように、模型の並べてある飾り棚。
そこに無造作に一冊だけ置いてあったアルバム。
多分、仕舞い忘れていたのだろう。
ふと何気なく目に留まったそれを開くと、そこには――女性の写真。
何人もの、女達の写真。それは全て、縛られた、裸のものだった。
最初は目を疑った。
けれど、人は驚きにも羞恥にも慣れるものだと、私はその時知った。
知らず、その写真を一枚一枚じっくりと見てしまっている自分がいた。
幾重にも複雑に縄を巻きつけられた裸身。
乳房はいびつに搾り出され、開脚された脚の間も曝け出された、数十枚もの写真。
縄でなく、色とりどりの着物の帯で縛られているものもあったし、
天井から、海老のような姿勢で吊るされている物も、
紅い蝋が、肌にこびりついている物すらあった。
いろいろなバリエーションがありながら、
でも、恍惚とした表情は、どの写真も奇妙に同じだった。
こんな顔を、私はきっと、した事が無い。
興信所の調査結果によれば、
夫は週一回程度の割合で『趣味の会』に出ているようだ。
写真もその会で撮ったものらしい。
あくまでも緊縛されたい女性と、それを撮影したい男性の集まりで、
実際に抱いたりする訳ではないらしい。
夫が趣味の集まりで出かけるのは、私も知っていた。
てっきり、模型かクラシックの集まりだと、思っていたのだけれど――それは、いい。
私を抱きもせず、こういった事をするのはどうしてなのだろう。
正直、理解に苦しむが、
自分なりに情報を集めてみたりして、一応答えを想像してみた。
多分、夫にとって、『縛られた裸身』というものは、その時点で完成されたものなのだ。
まるで模型飛行機を組み立てるように、女性に縄を掛けていく。
出来上がった至高のそれを、写真の中に封じ込めて、コレクションに加える。
夫にとって、女性とはただそれだけの存在で、交わるものではないのだ――多分。
出来上がった模型は飾り棚にしまいこんで、写真はアルバムに収めて。
私は、夫にとってなんなのだろう? 世間体を繕うための、飾りか、それとも。
最近、考える。
アルバムが出してあったのは、果たして本当に仕舞い忘れただけなのか、と。
あれは、もしかして、私の反応を見るためではなかったのだろうか。
その態度によっては、
私をあんな風に縛り上げて、コレクションに加えるつもりではなかったのだろうか。
わからない。
夫の趣味に、付き合う気はない。それは確かだけれど。
かといって、今更この安逸な生活を手放したくも無く。
――縛られるのを待つよりも、いっそ縛ってみようか、夫を――
そんな馬鹿な考えがふとよぎり、私は苦笑しながら、報告書を手に考え続ける。
次は「オルゴール」「ハネムーン」「薔薇」
「マーラー」「興信所」「サイドワインダー」
かつて香港にあったという九龍城。
建て増しに建て増しを重ね、迷路のように入り組んだ構造に成り果てた巨大な建築物には5万人もの人が住んでいたという。
香港が中国に返還されたとき、九龍城は解体され跡形も無くなった。
だけどこれは何だろう。今、私の目の前で雨に煙っているこの巨大で醜悪な建物は。
となりに立っている興信所の男は、まだ若いのに中年のオヤジみたいな死んだ目をしている。
フードを目深に被り、カーキ色のコートのポケットに両手を突っ込んだまま「ここです」と低い声で言う。
「確かなの」
「ええ、確かです。それじゃ僕はこれで」
「待ってよ。この怪しい場所に私独りで入れって言うの」
「僕の仕事は住所を突き止めるまでです」
私は一万円札を人差し指と中指に挟んで、男の目の前につき付けた。
「パパの所まで案内を頼むわ」
彼は私の指から紙幣を抜き取ると、黙って背中を向け無数にある薄暗い入り口から中に入っていく。
傘をたたむと私も遅れないように後に続いた。
ところどころ水が壁を濡らしている。狭い通路の天井には何本も配管やコードが走っている。
何度も折れ曲がり、十字路も通過し、階段を上り、下り、狭いエレベーターも使い、私にはそこが何階のどの辺りだか見当もつかない。
窓のない閉塞感が時間の感覚を奪う。
興信所の男はそのなかを躊躇いもせずに歩いていく。
「すごいね、迷いそう。あなたは何度もきた事あるの」
「一度だけです。一度通れば忘れませんから」
「私はダメ…もう帰れないわね」
「用事が済むまで待っていましょう。着きましたよ」
心臓がとくんと脈打った。彼が示した方をゆっくりと顔をめぐらせて見た。
他と同じように汚れたスチールのドア。ドア枠に数字が書いてある。70872。
私は数字から男に視線を移動させ後ろにさがった。
男はドアを叩いた。返事を待ってもう一度叩く。ガンガンガンガンガン
しばらく待っても中から反応はなかったが、ノブを回すとドアは開いた。男が先に入っていく。
玄関などない、いきなりワンルームの部屋の中だ。静かに音楽が流れている。
床は通路と同じコンクリートの打ちっぱなしで、酒瓶やゴミが散乱しひどく汚れていた。
染み付いた煙草の匂い。ヤニで曇った窓ガラスの前には壊れたブラインドが斜めに傾げ
そこから差し込むぼんやりとした光が、ソファーの上に横たわる男を浮かび上がらせる。
興信所の男が「向山哲夫さんですね」と確認するのと
ソファーの上の男が体を起こし、私を見てつぶやくのが一緒だった。
「杏樹……」
パパの変わり様に私は動揺を隠せない。
伸び放題の髪には白いものが混じり、無精ひげが顔の下半分を覆っている。
頬は削げ落ち、理知的な光を放っていた目は赤く濁っていた。
「パパ…パパ…探したのよ…、もう一年になるわ。この人がやっと見つけてくれた……
帰ろう! こんなとこパパのいるべき場所じゃない」
私からパパはぼんやりと目を逸らした。
「済まない杏樹…、もう、ほっといてくれ。お前とは血も繋がっていない。施設から引き取ったが籍も入れてない。
他人なんだよ。私がどうなろうと心を痛める必要はないんだ」
声さえも別人のようにひしゃげていた。
いつも自信にあふれ低く響いていたバリトンの声が……
悲しみが私の全身を震えさせる。
興信所の男が密かに部屋から出て行こうとするのが目の端に見えた。
「どこに行くのよ!待ってるって言ったでしょ」
「ドアの外にいますよ。お取り込みのようですから」
力まかせに男のコートの袖口を掴んで引っ張った。
「いいからここにいてよ!!」
ヒステリックに喚いて、まるで八つ当たりだ。私は自分の感情の持って行きようがなかった。
ぽろぽろと涙が零れ落ちる。
パパの前に、この部屋には不釣合いな大きさのディスプレイがあって鮮明な映像が映し出されている。
もう私を見ないパパは、全ての現実から逃げ出して映像の世界に埋没していく。
私にも見覚えのある映像だった。真っ青な空の中、米空軍の戦闘機が敵の戦闘機を追っている。
搭載されている空対空ミサイルが発射され、排気口から放出される赤外線を探知し、マッハのスピードで目標を追尾して行く。
『F−16ファイティングファルコン……、AIM−9Mサイドワインダー、性能のいい空対空短距離ミサイルだ……』
8歳の私がパパの膝でその声を聞いている。
書斎にいるのは私たちだけじゃない。パパ以上に夢中になって大きなスクリーンの映像を見つめているのは、4つ年下の私の弟、隆。
ミサイルがミグに命中し白い爆発が起こると、隆はホウっと満足そうなため息を吐いた。
それから男二人は私には解からない記号や名前を羅列して話に夢中になる。
取り残された私はパパの逞しい大腿を枕に目を閉じる。
メディアで活躍する軍事評論家のパパは、いつも優しい紳士で私の自慢だった。
そのパパが見る影も無く薄汚れ、廃人の虚ろな顔つきでディスプレイに向き合っている。
自動的に映像が切り替わる。これも見たことがある。何度もパパの膝で。
黒い軍用ヘリが夜明け前にゆらりと空に飛び立っていく。
人々が椰子の木陰で営む慎ましい日常を大量の爆弾で破壊し尽くすために。
《地獄の黙示禄》ベトナム戦争の狂気を描いた映画。
明け方の海の上を編隊飛行するヘリのバックにワグナーの「ワルキューレの騎行」が使われていたはずだ。
だけど最初から流れているのは同じ曲。
悲しげで透明な美しい旋律。まるで宗教曲のような……
また映像が変わる。
見ているうちに私は驚きで目を見開いた。
ナチス親衛隊の将校達が一人の少女を取り囲んで座っている。
少女は上半身を晒されて、裸の肩にサスペンダーでズボンを吊り上げている。
黒の長い皮手袋を嵌め、頭には将校の帽子。そして彼女は男たちの前で踊っている。
映画のワンシーンらしいが見たことはなかった。
けれど記憶にあるこの光景……
中学1年の夏、パパが私を書斎に呼び、頼みがあるって囁いた。
秘密めかしたその言い方に胸がときめく。
大好きなパパと私だけの誰にもいえない秘密。私は何でもするよ、パパ。
そして私はこの少女と同じ格好をし、差し出された帽子を被り、言われるままに両手を頭の後ろで組んだのだ。
『ありがとう杏樹、綺麗だ…とても綺麗だよ……』
パパは私の背中を抱きしめ首筋に長いキスを落とした。
『あ……』
体中が燃えるように熱くなり、下腹部が疼いて足が震えた。
あの時キス以上の事をされても、私はきっと受け入れていたに違いない。
ディスプレイの中では将校の一人が少女を犯していた。
画面が変わった。
海辺。明るい陽光のなかに美貌の少年が立っている。
彼を見つめる中年の男は、口髭があるがさっきの将校だ。
同じ俳優が別の映画に出ているだけなのだろうが……なんだかパパに重なる。
この映画には覚えがあった。
《べニスに死す》
そしてずっと流れていた曲の正体もわかった。
この映画で使われていたのだ。マーラーの交響曲第5番第4楽章アダージェット。
映画好きのパパの膝で私はたくさんの映画を見たけれど、この映画はパパのお気に入りだったと思う。
美しい少年の姿が私にも強い印象を残していた。
でもその当時思っていた。そして今もそう思う。この少年より隆のほうがきれい。
隆の美しさはもっと硬質な、色も匂いもない、存在だけの純粋さだった。
画面はいつのまにか私と隆の幼いころの映像に変わっていた。
よく似た姉妹だと言われた。弟は必ず女の子に間違われ、4・5歳の頃からそれを嫌がっていた。
中学生になると身長も170cmを越え、制服を着ていても人が振り返るほどだった。
そして14歳のあの春の日、隆は自分の時間を止めた。
マーラーの音の世界が孤独と悲しみを静かに増幅させる。
不眠症のパパが神経科から処方される睡眠薬が、飲まれないまま寝室の机の引出しに溜まっていた。
隆はそれを全部飲み下し、パパのベッドで眠ったのだ。長い長いお昼寝のために。
隆が死んでから、私は一年と7日間分の刻をきざんだ。
けれどパパは隆と一緒に刻を止め、あの日から過去の幻影の中に生きている。
「隆は私を置いてった……。パパも私を捨てるの? 私を独りにするの?」
私が泣いてもパパは戻ってこない。
「わかったよ……、もう私なんかどうでもいいんだね……どうなっても平気なんだね…」
こちらを見ないパパ。暗く沈んでいく部屋の中に翳のように溶けていく。
「いいよもう!……私がこんなことする女になっても、パパにはもう、関係ないっ」
まるで壁の一部にでもなったかのように存在を消して立っていた興信所の男に、私は体をぶつけた。
ふいうちに驚いてすこしよろめく男の胸に額を押し付けながら、私は彼の履いているカーゴパンツの前に手を伸ばした。
男は息を吸って声を発しかけたが、途中で言葉を飲み込んだ。
性急にジッパーを引き降ろし、グレーのボクサーショーツから彼のペニスを掴みだす。
やわらかな感触。跪くと躊躇いもせずに口に含む。はじめて知った男の味だった。
意外なことに男からは清潔な石鹸の匂いがした。舌の上で微かに甘く感じるペニス。
あっという間に熱を持って大きく膨らんでいく。男は抵抗せずに私の好きなようにさせてくれる。
なめらかで固く張り詰めたそれが、獰猛なエネルギーをはらみ、わたしの咥内を満たす。
喉の奥に先端が当たり苦しかったが、聞いた知識をフル動員させ、目を閉じて頭を振った。
慣れた女のように淫らな声を上げながら舌を鳴らした。
男の指が私の目尻を掠め、涙を拭っていく。両手で優しく私の頭を挟み支えてくれる。
後ろからゆっくりパパの近づいてくる足音がした。
「許してくれ……、許してくれ…杏樹」
そうして大きなパパの手が私の後頭部に当てられた。
昔、いつもそうしてくれたように。
私の体から力が抜けた。小さくしゃくりあげながら床に手をついて座り込む。
「君は…?」
「興信所のものです」
「彼女を頼む……家まで送ってくれ……」
二人は協力して私を立ち上がらせた。
部屋の出口まではパパも私を支えていてくれた。男と私が外に出てドアを閉める時、
パパはもう一度「杏樹を頼む」と男に言った。
私は頭を上げてパパの顔を見る。
悲しそうに本当に悲しそうにパパは微笑んで、そしてドアは閉められた。
九龍城を出るとあたりは薄暗くなり、雨はあがっていた。
振り向くとあちこちの窓に灯が灯りはじめ、入る前と印象が変わって見える。
「あんたのパパはたぶん心配ないよ。薬もやってないようだし、あそこは意外と人情のある所なんだ」
私は怪訝な顔で彼を見た。
「さっき一つだけ嘘をついた。一度歩いたところは忘れないってのは本当だけど、ここが二度目って言うのは違う。
俺はここで生まれた。5歳まで母親と暮らした。俺にとっちゃおふくろの子宮みたいなところさ」
来る時に車を止めたところまで辿り着く。彼の車はおんぼろのジープ。乗り込んで私に助手席のドアを開けてくれる。
「あんたのパパも子宮にもぐりこんで気が済めばそのうち出てくる」
「男ってマザコンばっかりなのね……」
「重症ファザコンのあんたに言われたくないな」
シートベルトを締めながらすこし笑ってしまった。
「ねえ、さっきと随分口調が違うように思うんだけど」
「ああ、気取った女は嫌いだから営業用を使ってた。でも結構あんたがおもしろい奴だってわかったから友人用に切り替えたよ」
「いつ友人になったかしら」
「俺のしゃぶってくれたじゃないか、めちゃめちゃヘタだったけど」
「あ、あれは…!」
いきなり顔に血が上って口篭もった。頬が火のようだ。
「まだ萎えないんだけど、責任とってくれる?」
「だ、ダメよ! あなたの名前も知らないのに…!」
「 ? 名刺渡したろ」
「無くしちゃった」
「酷いな……、はいコレよく読んで、サイドワインダー探偵事務所、悠木一真。皆は俺をがらがらへび(サイドワインダー)って呼ぶ」
なるほど眠そうな蛇みたいな眼をしたこの男にピッタリのあだ名だ。
「おぼえておくわ……色々ありがとう」
がらがらへびはジープを発進させた。光に彩られた九龍城が後ろに消えていく。
さよならパパ……元気でね……
「なあ、このままあんたを家まで送ってってもいいけど、まだ宵の口だ。
飲みにいかねえか? 事務所の連中を紹介するよ。あんたの弟のために飲み明かそう」
「そうね、いいわね、それ……」
でも私、まだ未成年なんだけど。知ってて言ってるのかな?
車の振動に身を任せながら、私はゆったりと目を閉じた。
次のお題は
>>135 むた氏よりの
「オルゴール」「ハネムーン」「薔薇」 です。
143 :
名無しさん@ピンキー:2005/04/18(月) 02:31:55 ID:THbst8b6
俺の可愛いオルゴール
お前に顔射したい気分だ
「オルゴール」「ハネムーン」「薔薇」
蜜月(ハネムーン)の旅行は、
夫方のふるさとである英国の片田舎だった。
広い花園にところせましと薔薇の咲き誇る風情は、
日本にいてはとうてい見ることのできない、美しく清らかなもの。
また花を愛でる春風は、春特有の艶めかしい暖かなコートを纏い、
ふわりと私の脇を吹き抜ける。
それはなんとも、美しい景色の処だけれど。
はしゃぎ、喜ぶ私に夫は云った。
ここはかつてバラ戦争の時代、
ランカスターの下で毒薬を作っていた処だと。
そして多くの人々が死に、大量の血を大地に噴きながら、
地面に埋もれていったゆえにこの薔薇の深紅は、
他の土地の薔薇よりも濃く、死霊が蔓延るようにするため、
棘がないのだと。(というのも、棘は神が人に与えしものだから)
そう思って見ると、ぞっとするような冷たさと、それに
心奪われるような魅力を、その薔薇から感じたのだった。
一輪に触れてみればかすかに花びらが、吐息をもらしているのを感じる。
まるで年頃の娘の唇のように、あざやかな色彩の花びらは、
太陽の光に息吹いている。
不意に花びらが揺れた。風に揺れた。
花が開き、私の掌を撫で、ふたたび閉じた。それは一瞬のこと。
はっと私は、この花びらにキスされた羞恥心を感じた。
手を離した。離そうとした。けれど手は動かなかった。なぜ?
私の心を、この一輪の薔薇は縛りつけていた。一輪の薔薇……棘もない。
けれど毒がまだあるのだろうか。呪わしい、毒が……。
私は寒気に全身をむしばまれていた。一歩も動けなかった。
薔薇と、ふたりきりの世界にいるようにさえ、錯覚した。そして私は、
この薔薇にこのまま囚われるという恐れを抱いた。
しかしそのとき、夫に呼ばれ、我に返る。手は動く。全身も動く。
先ほどまでの鎖はどこかへ云ってしまった。風が吹きそよぎ、薔薇はまた、
さわさわと皆して揺れ、先ほどの薔薇の一輪がどれなのかすら、私には、
知ることが出来なかった。
太陽の日差しが暖かい。今日は良い日だ。夫の元へ行くと、彼は太陽の光に
似合う、白いテーブルの上に二つのカップと一つのポットを置いていた。
彼は椅子を引き、優しく私に、座るようにと促した。私は座った。
慣れた手つきで、ポットから紅茶を注ぐ彼は、「シュガーは?」と聞く。
「ええ、なるべくたくさん」と私は答える。彼は微笑む。それから彼は、
ポットの中から紅茶を注ぐと、砂糖をいつもよりスプーン一杯多く入れた。
そして薔薇の花びらを、紅茶の中へと入れる。
目の前に注がれた紅茶に、薔薇の心安らぐ薫が漂っている。
いつもより少しだけ甘い紅茶は、私の心をよろこびに満たした。
薔薇色の夕日が沈み、夜深く。
夫は故郷の寝床の安堵感か、すぐに眠ってしまった。
私は、なにぶん見知らぬ土地の寝床、なにより夫との初夜であったから――
幾分熱の籠もった肉体をもてあまし、ただ眠るというのもつまらないので、
そっと夫を起こさぬよう、寝床を抜けだし、外へ出ることにする。
外へ出ると真っ先に、まばゆい月の光に照らされ、この寝床を抜け出した妻は、
咎められたような気がして、驚き、手を上に上げ光から顔を隠した。
月の光は眩しかったけれど、辺りは静かだった。風の音は聞こえない。
私は誰にも咎められていないし、誰も私を見ていなかった。
私は安堵のため息をつく。
それから、昼間に見た、美しい花園の薔薇たちを見に行った。
どこかでオルゴールのような音色が聞こえる
おそらく風の吹かないゆえに聞こえるそらみみ
あるいは花園の薔薇から
あるいは哀しい女のうたごえ
それは静かで、かすかなおと、私は不安と興味に、音のする方向へ脚を向けた。
確かにそれは、昼間の園から聞こえ、誰ともしれないが、女の歌声に聞こえる。
その歌声はどうやら英語のようで、私には意味を聞き取る事が出来ない。
またその歌声は、何の不思議か、いくら歌声の方向へ歩いても、
けして大きな音にはならないのだった。
けれど、小さくなる音でもない。まるで胸に落ちてくるような、その歌声は、
心のなかで響く美しい音色。私の魂は感動に揺さぶられ、動揺し、足下も
ふらふらとおぼつかぬまま、ただ溢れんばかりの熱情、衝動、そういったものに
支配され、歌声をなおも聞きたいと願いつつ、その方向へ歩き続けるのだった。
一面の薔薇、私は花園の薔薇のところへと来ていた。
オルゴールの歌声は、同じ旋律をふたたび巡り、けれどその音は私の心に響き、
先ほどよりも大きな感動を与えている。
私は月明かりに導かれ、声の方角へ目をこらした。じっと見つめた。
そこに、青白い表情、けれどけして恐ろしくも怖くもない、
艶めかしく甘ったるい両目と、龍涎の薫、鮮やかな金の髪の毛を身に纏う、
美しい女性がいた。その唇は薔薇の色彩、そしてその唇から聞こえるのは
オルゴールのように音の変わらない、同じ旋律――。
その女性は私を向いた。細い喉の首がくるっと踊り、金の髪が舞った。
私は、その仕草に見とれる間もなく、その女性が浮かべたあどけない笑顔に
心を奪われた。私の心には喜び……純粋な喜びがぱっと芽吹いた。
そして確信。この人は、私を待ちわび、美しい声で歌っていたのだと。
白い手がひらひらと私を誘う。私はその人のところへ走る。脚は小走り。
足下の花に転ばぬよう、少しだけ気をつけて。けれど心は焦り、いざ目の前に
たどり着いたとき、爪先を薔薇の茎に引っかけ、前のめりにたおれてしまう。
その私を抱き留めたのは、金髪豊かな女性の白く細い手だった。
私の身はその手の中で、頼りなく、じっとしている。女性の頬はほころんだ。
その見知らぬ女性は、清らかな歌を鳴らし、私の口元へ薔薇色の唇を近づけた。
女性の瞳が私を見つめる。驚くほど綺麗な瞳。私は瞳を閉じた。魔力に
魅せられたように、抵抗する術を思いつかなかった。
女性の唇が私の口元に触れた。歓喜が衝撃となって全身を満たし、快楽の湖に
溺れるような深い情熱、唇からしみこみ、頭から髪の先まで、また、胸や腰を
通して、足の小指の爪先まで満たしていく、その女性の唇の、
蕩けるような甘い薫と、激しい熱を感じた。あるいは感じさせられた。
それは生涯感じたことのない快楽――夫との接吻ですら――それゆえ、
私の心はまるで何も考えることができず、ただその接吻の深い快楽に、
全身の力が抜けていくのを、何の歯止めも知らぬまま、感じるばかり。
金の髪の女性は私の手の肌に触れた。歌はまた同じ旋律を巡るけれど、
歌声は、かすかなエコーがかかっているように感じる。それともこれは、
単に私の思考が空気のようになっているためだろうか。
女性は私を抱擁した。そこに愛情を見いだして、私は彼女に抱かれるままに
なっていた。彼女は無邪気だった、おそらく。確信できる程度に、無邪気で、
純粋だった。そして彼女は、私の服に手をかけると、その衣を脱がした。
もとより夫に抱かれるはずだった今夜は脱ぎやすい服を着ている。
私の全裸が月光に晒され、この胸の薄赤い乳首を、白い月明かりが濡らし、
また胸と腹の隙間には影が広がり、ふくらみがそこにあるということを、
より強く顕した。
歌いながら彼女は私の乳房に触れた。自らが乳房を触れるのは嫌ではない。
けれど、他人に触れられるのはこれが初めてだった。綺麗で純真な彼女に
触れられることに、嫌悪感はなかったけれど、ただこらえようのない
羞恥心が全身を責め、この心臓の鼓動を速くさせる。
彼女の指先は、私の乳房を優しく責める。少し突起した乳首のまわりを
指のひらで撫でながら、時折てのひら全体で胸を包むようにして。それは
速く、けれど激しくない、慎重な速さで以て、私の魂に安堵の心を注ぎながら、
心地よい快楽を与えた。
オルゴールの歌声が少しだけ大きくなる。私の情炎に合わせるように。
私の胸は疼き、その肉は柔らかな感触となり、歌唄う女性の白い手のなかで、
パン生地のように揉まれていく。ただ揉むだけではない。乳首を中心に、
押し込み、あるいは引き、親指の爪で素早く擦るなど、さまざまな快感を
与える技巧を駆使している。そしてその度に全身が震える……下半身が熱く
煮え、濡れる感触を覚えながら。
彼女は私を押し倒した。私の身体は一度薔薇の群れを圧し、その花びらの
柔らかさから、一度バウンドする。空気が私の力を抜き、ふたたび落ちると、
今度の薔薇の群れは見事私をキャッチした。なんだか野球監督の胴上げを
思わせて、少し面白いと思う。
私を押し倒した彼女はそんな私の具合にほほえみ、私の濡れて、
敏感な秘部を、愛らしい指先で愛撫していく。濡れた水の触れる音。
それは多少、大きな音だけれど、それでも彼女の口元、薔薇色の唇から
聞こえる清らかな音楽ほどではない。ただそれでも私の肉体が、
彼女の(おそらくは)思うがままにされている、というのは理解できた。
私の秘部は濡れる。じわりと水が溢れ、薔薇のベッドへ落ちる。また、
彼女の指に取られた純潔の証……。むせ返るような官能の薫が辺りを
満たし、私の魂を、発情した猫と同じように、興奮させた。
多分に恥ずかしい格好なのだと分かっていても、私は自ら背中を薔薇の
群れにつけ、両足を大きく上げて、彼女の肩で足首を組む。彼女に
すべてを委ねるように。
彼女は透き通る瞳を一度閉じた。恥ずかしかったのだろうか?
不埒な女のものを見て。それとも? けれども、彼女は私を拒絶した
のではない。うっすらと、睫毛の向こうから潤んだ瞳をかすかに開き、
彼女は私の濡れて差し出された秘裂に舌を伸ばす。
触れた。私の芯にボゥッと火がついた。
彼女の舌は小さかったけれど、その舌で丹念に愛撫されるのは、とても。
とても、気持ちよかったのだし……うれしい。よろこびの心が全身を
揺さぶり、私の魂を彼女に満たしていく。
私は限界を知った。他人に与えられる快楽……自分だけでは得られない、
未知なる充足の快楽がすぐ来ていることを。彼女がこのまま、
私を愛撫し続ければそれがすぐに来ることを。
全身がこわばり、不安と期待に震える。けれど私の心はやはり、
経験と知識不足から、怯えの方がより強い。感情が不安に怯え、喜びを
受け止める器が、狭まろうとしている。
そのときでも まだ
オルゴールのうたこえが きこえている
私は知った。この音は、魂の響きなのだと。
そしてこの女性と私が触れ合い、近づくたび、この音はより美しく、
大きく響いていくのだと。そして、そして、――あるいは
このひとは人間ではないのかもしれないのだけれど――この女性は、
このひとは――。
私は絶頂を迎えた。魂の響きが、そのとき一段と大きく鳴った。
魂が弾けるような激情、身体がうち震え、舞い踊る身体の下の
薔薇の花びら。春風に舞い散る、ゆらゆらと。
芳しい薔薇の薫と共に、私の体内からあふれる、性の薫が
ふわっと辺りに満ちあふれ、私の意識をそのまま溺れさせる。
薄れる意識の中、たくさんの踊る薔薇の花がまるで、
雨の日を包む霞のようだと思った。綺麗だと思った。
その霞に、女性の姿はとけ込んで……。
それから何もわからなくなった。
目を覚ます。それでようやく、自分が眠っていたのだと知った。
自分はどこにいるのだろう? かけていたのは白いシーツ。
寝そべっていたのは白いベッド。これはまるで、薔薇ではない。
では、先ほどまでのは夢? まぼろしだったのだろうか?
まだすこし早い朝日の光は薔薇色。それであのような夢を
見たのかもしれない。傍らにいる夫は、夢の最期で見たように、
のんきに寝ている。おかげで夜、欲求不満だったのだから、
そんな状態で寝てしまえば、あのような夢を見ることはおかしくない。
夢の中の女性に、少なからず好意と愛情、羨望を持ってしまったのは
――まあ夢なのだから、かまいはすまい。そのような浮気心も、
そもそもの原因である、夫の自業自得というものではないか。
私はそう考えて身を起こす。少し身体が熱っぽい。
異国の土地で風邪を引いてしまったのか、夢の余韻か。
やがて夫も起きる。私たちはキッチンへ向かい、朝食を取る。
ミルクは山羊。変わった味だけれど、美味しい。パンも、
なかなか舌になじんだ。サラダにはチーズを。
それと自宅から持ってきたソーセージ。これは自家製だ。
今日の朝食はこうして、満足のまま終わった。
昨日、昼間に来た花園へ、何気なく二人で足を運ぶ。
すると、これはどうしたことだろう。花園の一角が、そこだけ、
花びらが散り、人の形になっている。
この土地に詳しい夫はヒュウッと口笛を鳴らした。
「ミステリーサークルだね?」
「この辺りには、よくできますの」
「ああ、昔から言い伝えがあるのさ――」
薔薇の娘、毒にて消えん、その生い立ちは、毒に囲まれ。
娘の思い人、おのが毒にて、殺せし時。されど娘、
毒にて永らえん、薔薇の身をばその身に変えて……。
思い人の、魂のみは、この世にうつろい消えゆくけれど。
夫の話によると、その昔、この地に異教徒の女の人がいたそうです。
その人の名はロゼーリア。歌声の美しい人だったといいます。
けれども異教徒ゆえ、キリスト教の弾圧にあい、宗教裁判の結果死刑が
言い渡され、大量に集めた薔薇の刺の中へ放り込まれて、
出血死しました。(このことから薔薇の刺がなくなったと)
その女の人は後の世、呪いの歌声を唄う怨霊となって、花園の辺りで
人を呪い殺し続けましたが、ある時異国からやってきた女の人が、
この薔薇を研究するうち、霊と親しくなり、やがて霊も女の人も、
互いに思い合うようになりました。
しかし霊と人は相容れないもの。女の人はやがて死のエネルギーにより
生気を奪われ、霊に愛の言葉をささやきつつ、そのまま死んでしまいます。
霊は悲しみ、自ら消滅しようと望みますが、薔薇たちはこの霊がこのまま
消えるのを憐れみ(自分たちが殺した人でもあるので)、
彼女を自らの一輪に変えることで、霊の魂を助けました。
けれども薔薇ですから、すぐに散り、死んで、生き返ります。
その短い生涯と死の苦しみの中、この一輪の薔薇は、かつての恋人の魂を
探し求めているのです。
「そしてそのような言い伝えがあるから、ここにその魂の女の人が来ると、
薔薇たちはその一輪の薔薇に仮初めの人の姿、かつての人の肉体を薔薇から
作って、その魂の人と結ばれるようにするというのさ」
「今までそのようなことが?」
「二百年前って云われてる。だから昔話だよ。誰も信じちゃいない。
だけど悪戯に使う人はまだいるんだね、こんな風に」
夫はそういって私に笑いかけ、肩をすくめて見せた。
私は夫から視線を逸らし、薔薇の群れを見つめる。昨晩のことを
思い出しながら。
春風が吹く。皆は揺れる。均一に、深い紅の花びらが。
ただ一つ、不思議と印象深く揺れる、一輪の薔薇を見つけた。
次は「燃料片道」「琉球」「母親」でよろしくお願いします。
GJ!です。
「片道燃料」「琉球」「母親」
そのひとを好きになるっていうことは……きっと、一本の細い竹槍を振りかざして、
アメリカに喧嘩を売るようなもんなんだ。その人に告白するっていうのは、きっと、
片道燃料で琉球に特攻する、神風特攻隊みたいなもんなんだ。
私の好きになった人は、絶対に好きになっては、いけないはずの人。好きになる
ことが、けして許されない人。好きになってもらうこともできない人――。
……お母さん。
午後0時。
昼下がり、私が帰宅するとお母さんは楽しげに頬を緩ませ、テレビを見ていた。
テレビでは安っぽい昼ドラがやっている。その番組には、鏡に映ったように、
お母さんの顔をした人妻役が大声で泣きわめいていた。
お母さんは玄関にいる私に気付くと、テレビから顔を上げて私をくりっとした
猫っぽい瞳で、ちらっと見る。
「おかえりなさい」
「ただいま」
私は玄関へ上がった。くんくんと鼻をならし、辺りに漂う匂いをかぐ。
バターと、おそらくはイカ。昼ご飯はイカのバター炒めのようだ。ふたたび
テレビを向くお母さんの方へと、私は靴下で床を踏みながら歩いていく。
「お母さんの役?」
「ええ。南瓜ナーラ監督の陳腐なシナリオだけれど、見たいかしら」
「どんなお話なの」
「結婚した男が別の女に浮気して、その女の元へ通い詰めるの。
男を愛している貞淑な妻は悲しみ、アマゾンの洞窟奥深くにいるサキュバスに
お願いして、魔法の惚れ薬を貰う。
でもそのお薬は使う度、妻の夫に対する恋心を奪っていくから、夫の気持が妻の
元へ戻ってくるにつれ、妻は夫にたいする愛情が冷め、うっとうしく感じ始めるの。
やがて妻は、男に何の恋愛感情も抱かなくなり、しつこい男から逃げる。
男は狂気に取り憑かれ、殺せば自分のものになると、ナイフをもって追い回す。
逃げる妻。追いかける男。そして妻はアマゾンの洞窟奥深くに追い込まれ――」
「ああ、殺されるの? それで『愛は恐ろしいね』END」
「さあ、それはどうでしょう」
そこまで話したらネタバレよ、と桃色の口元にひとさし指を押し当て、
ウインクするお母さん。その向こうのテレビ画面では、アマゾンの洞窟とおぼしき
暗い岩の部屋が現れ、そこの椅子に作り物っぽいサキュバスが腰掛けていた。
近寄る人妻。渡す魔法の惚れ薬。……なんかどろどろしている。
「……こんなのどうやって使うの?」
「見てればわかるわよ」
それを自分の額につける人妻。浮かび上がる「惚」の文字。
「えーー!」
「それから顔のマスクを外すと……」
「マスク?!」
しばらく場面がすすみ、人妻の自室。
帰ってきた夫へ向かって、貞淑な人妻が自分の顔のマスクをずらすとピカッ!
煌めく光のフェイスフラッシュゥッッ!!
「うわー、最低のシチュエーションだ。しかも「惚」の字は関係あるのか」
「いつもは食べない、用意された夕食を食べる夫。喜ぶ人妻」
「いい雰囲気や」
「というわけで、咲ちゃん。ご飯を食べましょう」
私は用意されたイカのバター炒めに目を留める。他のおかずは?
と思ったが、どうも今日はイカスミ・スパゲッティだったみたい。
大きな器に黒いアルデンテ・スパが盛られている。具は、イカやタコ、エビ、
マグロ、貝、ワカメなどのシーフード類。私が口にいれると、アルデンテ特有の
くにゃん♪とした舌ざわりと共に、シーフードの瑞々しい薫が、輝かんばかりの
美味しさとなって私を楽しませてくれる。
時折、麺に混ざっている蕎麦なども不思議な感覚。瑞々しさのなかで突然、
蕎麦のもつ黄金の輝き持つ大地の薫がわき起こり、頭の中で天地が創造されていく。
独特のハーモニーが生み出す味は絶品だ。
この料理の名は「ムッソリーニの愛したスパゲッティ」。お母さんの
オリジナル。……あれ、お母さんはムッソリーニの時代から生きていたのか?(汗
まあともかく。
お母さんの料理はいつも美味しい。このスパゲッティも美味しいし、
焼きたてのパンも美味しい。なかでも、一番素晴らしいと思うのは、
赤い色彩が綺麗な男爵シチュー。
これは紅茶のアールグレイをベースに男爵芋を始めとしたさまざまな野菜を
組み合わせ、ラム・ビーフと一緒に柔らかくなるまで煮込んだ料理。むかし、
お母さんがアステカの遺跡に行った折、そこの古文書に記されていた幻の
料理だというけれど激しく眉唾なのはなぜだろう。
「気にしちゃ駄目よ♪」
「もし気にすると???」
「ウジュルウジュル ゴルシュバーハァァァァ」
「え?! 何いまの怖い声ッ……!」
「空耳じゃないかしら」
「きゃー」
午後一時。
料理を食べ終わると、玄関からチャイムの音が鳴り響いた。
「おや。何だろう……」
時計を見れば、1:00。特に来客の予定はないのだけれど。
とりあえず私は出てみることにした。お母さんものっそりと起きあがり、
ついてくる。
「ってお母さんが出ればいいじゃない」
「んー。何か悪い予感がするのよね……」
ということは、新聞配達の人だろうか?
そっとのぞき穴から覗いてみる……。
「え?!」
そこから見えたのは。
マシンガンを構えた、怪しい風情の男。
そして男の指が、引き金に力を入れていく……。
「危ない!」
お母さんが私の腕を掴む。思い切り引かれ、私はドアから飛び退いた。
その私の髪の毛の先を、何か硬い物が引き裂く。壁にうち当たる金属音。
それがマシンガンの弾なのだと、私は瞬時に悟り戦慄した。
――もしもあのまま、玄関に立っていたら!
けれど思い直す。立っていた人が一人……お母さんっ!
「…………来たわね」
お母さんは、無事だった。
けれど――マシンガンの連続して放たれる音。ドアに無数の
穴が空いていく。マシンガンの弾の数発分は、確実にお母さんを狙うッ!
「お母さん!」
「下がっていなさい」
お母さんの手が消える。否。瞬時に動いたのだ。お母さんの目の前まで
迫っていた弾道の線……それは瞬く間に弾かれ、天井へと突き刺さっていく。
マシンガンの弾を、見切る? お母さんは一体……。
ドアがみしみしと音をたて、内側にはじき飛ばされた。お母さんの前へと
迫る……わずかに首を逸らして交わすと、お母さんは扉の向こうの相手を、
じっとにらむ。
「久しぶりだな零号……」
扉の向こうの相手――マシンガンを放り捨て、怪しげな風体の男は
そう言った。お母さんに向かって。
「なるほど。三号ね。来てくれるなら、電話をくれればよかったのに。
私なんて、てっきり死んだものと思っていたのよ」
「ふっ……殺した相手が何をいう」
「そう、あの日本帝国軍の琉球特攻殲滅部隊……肉体に機械や獣の因子を
組み込まれた、三人の人間兵器は、琉球の人間もろともアメリカ軍を
滅ぼすため、琉球へ向かった……」
「しかしそれは果たせなかった。大和の付近の海上にいた一人の女、
――唯一機械と獣の因子の二つを持つ最初の試作兵器、零号に阻まれて」
「そしてあなた方と零号は戦い破れ、大和と共にあなた方は沈んだ」
「だが! オレは生きていた。他の仲間たちと違い、半分ずつの因子を
受け継ぐオレは咄嗟に変温的機械因子を発動させることにより、永久的な
冬眠を実現したのだ! そして温暖化と共に海底が暖まり、ついさっき
目覚めた……」
「もう戦争は終わったのよ」
「ふっ、戦争が終わっただと? 終わるものか! 形を変え、巧妙に
人間の罪悪感を感じさせないようにしながら、戦争は今もある!!
金に権力、正義……そんな下らんものの争いがなッ!!」
お母さんと男の話を聞き、私の頭の中は大パニックだった。
琉球特攻殲滅部隊? お母さんが零号? 人間兵器? なんなのか
よく分からない。でも、ただ一つ分かること。
お母さんは、お母さんは――。
「(以下略) 死ね!」
「フェッギ・プリィス(無駄)よ」
バリバリのドイツ人だ。
「な、なにぃぃぃぃっっ!! この技は、この技は零号の技ではないッ!」
「言い忘れたけれど。零号は私の友達の遠縁で、人違い」
「な、なんだとおおおおおお!!!」
あ、やっぱり人違いなんだ。ちょっと安心。
驚愕に表情を歪ませる男に、お母さん必殺のワイマール拳法が放たれる。
慌てて体当たりをしかける男。そして、次の瞬間――。
男はお母さんの一撃で灰燼と化し、風に飛ばされていった。
「ふっ、またつまらぬものをブルッフ(破壊)してしまったわ」
「お母さんッ! 大丈夫?!」
「ええ。ちょっとかすり傷を負ってしまっただけ……けれど」
そういってお母さんは私の髪をついっと撫でた。
「ここは、可哀想ね……」
「だ、大丈夫だよ! 髪なんてすぐに生えてくるし」
「でも、一度他人に切られた髪は、二度と戻らないのよ」
そう言うとお母さんは、私の切られた髪の付け根に、自身の顎を置く。
私の目元にさす影。お母さんが私の髪を掴み、自らの口元へと引き
寄せていく――。
「お、お母さん?!」
「静かに……」
お母さんの吐息が、私の髪に当たる。吐息は甘く、暖かい。それは
味でも触覚でもなく……私の心に触れているから、そう感じられるのだ。
それはキスにも似ている。キスに薫はないはずなのに、何か不思議な、
心を包む相手の薫がするように。
お母さんの息は、甘い。
私はうるやかな吐息のしもべとなり、身動きの一つもとれぬまま、
恋の小石を受けた心の湖は波紋をつくり――自らの鼓動が高まっていく
のに、心許なさを感じていた。
「守れなくて……ごめんなさい……」
「――」
お母さんが、私の、血脈のどこかに指を触れれば悟られる、その思い。
お母さんと、おそらくは違う血液であるがために、余計にそれは不安を呼ぶ。
恐れと怯えと。そして喜びとを、吐息に感じながら……私は時の運ばれ
ゆくのを、静かに待った。
その後、お母さんは、私から離れる。
「……びっくりしたでしょう? 少しお休みなさい」
「うん」
「あ、夕食までには起きるのよ」
「今日の夕飯はなにー?」
「昼の残りよ、イカスミ・スパゲッティー」
「あいあいさー。ってもうレシピ考えるの面倒だから?」
「どうかしら。ふふふ」
そんなやりとりのあと、私は自室へ向かう。
自室の電気を消えていた。でも、寝床の位置は分かる。入ってすぐ、
右手のところだ。私はまっすぐベッドへ歩いていった。
白いベッド、シーツは整えられている。私はふかふかな感触のベッドに
寝ころぶと、何種かの色彩もつ、薔薇の模様、お母さんに刺繍された
綺麗な掛け布団を被り、そのまま寝てしまった。
午後5時。突然目を覚ます。
大気は夜と夕の色彩を帯び、窓からは夕日の赤と、月が、きぃぃんと
音を鳴らすような薄い黄金の色彩を帯びて、差し込んでいる。
私は掛け布団をのけ、身を起こした。
部屋は静。私以外、誰もいない。
私は立ち上がると、夕と夜が混ざってさす窓へと足を向けた。
窓はガラス。夜の向こうに、私の姿は映っていた。髪が変に切られている
ので、一瞬不審な誰か、ひょっとして紫鏡の幽霊(ドッペルゲンガー)かと
思ったけれど、すぐに昼間の出来事を思い出した。
そう、お母さんの吐息が……私の頭に触れて……髪を愛撫したことを。
私は部屋の扉をそっと開いて、キッチンの様子を探る。お母さんはそこで、
夕食の準備をしているようだった。まだ夕食の時間には少しある。
扉を閉め、私は再び、自分のベッドに寝そべった。
眠るためではない。起きるためでも、ない。
夢を見るのだ。覚めながら、夢を……。
お母さんの白い手が、優しく私の胸を揉んでいく。
柔らかなところから、硬い芯まで。お母さんの細く長い、ひとさし指、中指、親指の
三本が胸を掴み、引っ張るように、私の乳房をふにゅ、ふにゅっと揉む。それでいて
乳首には触れない。私の乳房から甘温い官能がわき起こり、胸の肌から、汗が流れ、
滴り、お母さんの指を汚していく。
ほんとのお母さんじゃないのに、どうしてこんなに一体感があるんだろう。
お母さんは本当のお母さんじゃないのに……。
「ん……ふぁっ……」
私の喉からはそのとき、熱情が漏れた。
――気持ちいい?
お母さんは首を傾げ、私に尋ねる。
「うん……もっと……」
私は喉を鳴らして、お母さんの手へと、自分の胸を押し付ける。
お母さんが優しく笑う気配。お母さんの指は、ゆっくりと私の乳首を掴む。
捕まれた瞬間にピンと身体を貫く熱。それから、お母さんのひとさし指が私の乳首を
擦り、また、ちょっとだけ捻るたび、私は自分の下半身にその快楽が直通するのを感じた。
お母さんの指は熱い。
まるで出来たてのシチューのように。
私は自分のエッグが、湿っていくのを自覚する。
お母さんはそれに気付いたのか。私の秘裂につい、と視線を送った。私のなかを
満たす、燃え爛れそうな羞恥心。
「みちゃっ……や……!」
――いいじゃない。私だけに見せて……。
私は足を閉じようとするけれど、それはお母さんの言葉に阻まれ、ピタリと止まる。
それからお母さんは私のなかへ触れていく。左の手で私の左胸を弄りながら、
右の手で私のなかを……。
お母さんの指が入り口付近でくるくると回っている。まるで、じらすかのように。
息をのみ、私はお母さんの指を待ちわびる。
お母さんは私のなかへ、指を入れた。ちゅっと蜜の溢れる音。お母さんはしばらく
進める。あっと私が息を吐くと、お母さんはそこで止め。
そこは、私の弱いところ。
――ここを弄って欲しいのね……。
お母さんの指がその辺りを、重点的に責め立てる。
「んっ……お母さん……!」
私はぎゅっと目を閉じた。温かな指が、私の熱い壁を掻き、ちゅく、ちゅく、と
音を鳴らす。頭は快楽に満ちていくのに、不思議と侵入してきた指の感覚は
はっきり分かる。
お母さんの指は長い。そして自由に動く。私の弱い処を責め立てて。お母さんの
指は綺麗、それに良い香。それを私の淫らな匂いを放つ膣壁が、ぎゅうっと
締めつけ、溢れるスープで汚している……。
「おかあ……さん……そんなにしたら……!」
私は、はっ、はっと息をつきながら、自分の限界が近いと知り、懇願するように
つぶやく。けれどもお母さんが止めるけはいはない。私はお母さんの指に、
お母さんの姿に意識を集中する。
ぎゅっと一瞬、深くまで入れられる指。高まる喜び、それに合わせて強く
捻られる胸の愛撫。私の腰はその瞬間、弾け、大量の熱が集中した。
「はっ……ん!」
パン、パンと何度か、頭の奥で官能の泉が吹き上がる。
まるでトロトロに蕩けた砂糖蜜が、何度も続けておしよせるような感覚に、私は
しばし身を委ねていた。
それから全身が冷えていく感覚……。
夢は覚めた。お母さんはどこにもいない。
私は一人、ベッドに寝そべっている。オナニーのあとの、特有の静寂。
このまま絶頂の熱に身を委ねていたい、と思うけれど、何も羽織らないままでは
風邪をひいてしまうかもしれない。向こうに落ちてある毛布を拾い、それを被った。
なんとも。寂しいものではないだろうか、オナニーなんて。
でもきっと。必要なことなんだ。お母さんの姿を思い浮かべ、お母さんにエッチ
してもらうことを想像しながらするたびに、お母さんへの恋情が、高まっていくから。
そして――デートしたい、料理つくってあげたいなって思って……それが
お母さんとの距離を、ちょっとずつ、近づけていく気がするんだ。
そして叶わなくても、いつか告白したいなって思う――。
お母さんを好きになるっていうことは……きっと、一本の細い竹槍を振りかざして、
アメリカに喧嘩を売るようなもんなんだ。お母さんに告白するっていうのは、きっと、
片道燃料で琉球に特攻する、神風特攻隊みたいなもんなんだ。
だけど……片道燃料っていうのは、人間みんな、そうなんだって思う。
人生は一度しかなく、後戻りできないもの。そのなかで人はたくさんの恋をして、
たくさんの熱を燃やしていく。その片道燃料だけは自由だから。
だから私もいつか、お母さんに告白して。
もし砕けても――それでもやるべきことだったんだって思って。
受け入れられたら――色んな意味で燃えたぎってやろうって思う。
午後6時。
ふたたび扉を出て、キッチンの様子を窺う。
お母さんはまだ、料理の準備をしていた。私は近づく。
「手伝うね」
「あら、いいの?」
気にしなくてもいいのよと、お母さんは私を見て、にっこりと笑った。
私もにっこり笑い。
「へぇ、もう、月がこうこう(孝行)と輝いておりますので」
END
次は「紫鏡」・「忘れな草」・「思い出」でお願いします。
最近10レス以上使うやつらがいる件について
>>156 GJです。
>>169 いいんじゃないの? 二十三十なら問題だとも思うけど、十レスちょいなら
約二倍程度、十分に誤差の範囲でしょ。もし仮に全員が十レスでも100作品。
これは現在のペースで考えると十分な量だし。
新人さんの練習ページであり、いろんな作家さんの息抜きであるところで、
無理に細かく規定するほうが問題だと思っちょりまする。
「紫鏡」「忘れな草」「思い出」
私は今、病院のベッドの上で、静かに死を待っている・・・
原因不明の不治の病。私を診たお医者さんたちは、誰もが首を左右に振った。
「わからない。」
それが私を診たすべてのお医者さんの答えだった。このような症状、世界のどこにも前例がない。
そして、どこにも、私と同じ病気の患者はいない。
「さあ、清拭しましょうか。」
看護婦さんにそう言われて、私はこくりと頷いた。そして、私は寝巻きを脱ぐ・・・
「私、スタイルには結構自身あったのにな・・・」
あられもない姿になった身体を見て、私は力なく微笑んだ。一見すると、普通の18歳の女の子の身体に見える。
しかし、おぞましいほどグロテスクな患部は、私の股間にあった。
看護婦さんが念入りに拭いてくれる中、私は股を広げて、覗いてみた。
「う・・・・・・。」
思わず吐きそうになるほどに気持ち悪い、濃い紫色に変色している私の陰部・・・
もちろん、元からこの色だったわけではない。
前はもっとこう・・・若干黒ずんだ、赤っぽい・・・
自分で言ってて恥ずかしくなってきたので、色の話題はおしまい!
夜になると、この紫色が痛く疼き、私の生命力を徐々に奪ってゆく・・・
「うがっ!・・・ぐ・・・ぐぐぐ・・・」
こんな感じで苦痛の声をあげるほど、私のこの紫は痛むのだ。
この毎晩の苦痛に、前は58kgあった体重も、今では43kgまで落ち込んだ。
えっ?デブだって?
そうじゃない。だって、私の身長は170cmあるのだから。
周りから見れば、大女だけど、決してデブじゃない!・・・・・・うん、多分・・・・・・
でも、今は・・・・・・
身体の隅々まで拭き終わって、私は再び寝巻きを着た。
「ありがとうございます。」
私がお礼を言うと、看護婦さんはにっこり微笑んだ。
「佳子さん、今の私では、うまい励ましの言葉なんて気休めにしかならないだろうけど、きっと大丈夫よ。
だから、元気を出して、ねっ?」
私の両肩を撫でながら、看護婦さんは励ましてくれる・・・
私も、看護婦さんになろうかな・・・・・・なれるかな?
再び、私の孤独の時間・・・最近は、クラスメートのみんなも、めっきり来なくなった。
仕方ない。今は受験やら、就職やらを決める、大事なシーズン。忙しくて、来れない筈だ。
「まさか・・・私のこと忘れてるんじゃないわよね・・・?」
ぽつりとつぶやくと、私は急に不安になった。
(嫌!忘れたりしないで!)
孤独に苛まれながら、私は忘れな草のような台詞を吐いた・・・。
「佳子ちゃん、来たよ!」
「あっ、憲治くん・・・」
今日は同じクラスの憲治くんがやってきた。実は・・・私、密かに憲治くんのことが、好きなんだけど・・・それはまだ内緒♪
「ねえ佳子ちゃん、今日はうちのお婆ちゃんを連れてきたんだ。」
「えっ?どうして?」
「あのね、お医者さんのわからない病気でも、昔の人なら何か知恵があるんじゃないかなあって思って。
それに、うちのお婆ちゃん、占いも得意なんだ。」
すると、憲治くんの後ろから、年老いた女の人が姿を現した。
「初めまして。ほう、この子が憲治の彼女かね?」
「えっ?い、いや、あの・・・まだそこまでは・・・」
憲治くんは顔を真っ赤にしている・・・かわいいな。そういえば憲治くんって、身長が150台で、私よりも背が低いのよね。
何だか、守ってあげたくなっちゃう感じ。
「さあ、それではさっそく、見せてくれるかね?」
お婆さんは私に向かって言った。
「えっ?何をですか?」
「決まってるじゃないか。患部だよ、か・ん・ぶ!」
私は戸惑った。私の患部は、アソコなのだ。そして、今、ここには憲治くん(♂)もいるのだ。
「ね、ねえ憲治くん・・・」
「何?」
「向こう・・・向いててくれる?」
「・・・・・・うん。」
憲治くんが向こうを向いたのを確認して私は寝巻きのすそを広げて、ショーツを脱いで股を広げた。
そこに広がる、おぞましい紫色の股間を、お婆さんはしげしげと眺める。
「ふむ・・・これは病気ではない!呪いじゃ!恐ろしい呪いじゃ!」
「・・・・・・えっ・・・・・・?」
「お前さん、何か・・・紫色にまつわる、悪いことをした覚えはないかね?」
「・・・・・・えーっと・・・・・・」
急には思い出せないので、私はしばらく思い出に耽っていた・・・
「うーん・・・あっ、そうだ!小さいときに、お母さんの手鏡を、絵の具で紫に塗っちゃって、こっぴどく叱られたことがあったっけ。」
「それじゃ。」
「えっ?」
「その鏡の呪いじゃ。鏡というのはな、昔から祭祀の道具としても使われているように、非常に霊の宿る確立が高い場所なんじゃよ。」
呪いという言葉に、私は正直、呆然としていた。今どき、呪いなんて・・・本当にあるの?
でも、もしそれが本当で、現代の医学では太刀打ちできないものだとしたら・・・、今はお婆さんにすがるしかない。
「で、その呪いは・・・どうやったら解けるのですか?」
「うむ、しばし待っておれ。」
お婆さんはそう言うと、手荷物から分厚い辞書を取り出した。
「ふむ・・・紫鏡の呪いと・・・おお、あったあった、これじゃ!えーと・・・『紫鏡の呪いは、愛しき異性の患部への口づけによってのみ、解くことができる。』」
私は驚いた。私の患部は・・・・・・赤ちゃんを作る場所なのだ。そんなところを、男の人に・・・見せられないよ・・・
「そ、そんな・・・私・・・」
「なら、そのままにしておくかね?私の見立てでは、おまえさん、もってあと一月の命じゃがな。もちろん、呪いが解ければ、寿命はずっと延びるがね。」
やっぱり命には代えられない・・・私はごくりと息を飲んだ。そして・・・
「憲治くん・・・こっちを向いて。」
私は自然と、憲治くんの名を呼んだ。そして、憲治くんは、こっちを向く・・・
「のわわっ!!!」
憲治くんは思わず尻餅をついた。目の前で、私が、素っ裸の股間を広げているのだ。しかもそこは、紫に変色している・・・
「憲治、彼女のご指名じゃ。さあ、彼女の願いを叶えてやれ。」
「え、ええと・・・」
憲治くんも戸惑っている。目の前にあるのが、紫色のおぞましい秘裂・・・
「ええい!僕も男だ!」
憲治くん・・・あっ!
憲治くんの唇が今、私のアソコに・・・
あっ・・・憲治くん・・・そこ・・・あん・・・
「わっ、すごい!佳子ちゃん・・・たくさん出てきてる・・・」
「ああっ!ふああっ!!!」
見る見るうちに、私のアソコから、痛い疼きがなくなってゆく・・・そこに残ったのは、憲治くんの舌による、気持ちいい疼きだけ・・・
「ねえ見て、佳子ちゃん。紫色が・・・なくなってるよ!」
「えっ・・・?あ、本当だ!」
「ふぉっふぉっふぉ・・・これで、もうお前さんは大丈夫じゃ。もうあの紫の呪いに悩まされることもなくなるじゃろう。よかったのう。」
「はい!ありがとうございますお婆さん!・・・って、憲治くん!いつまでやってるのよ!!!」
「佳子ちゃん・・・まだだよ。」
「えっ?」
「まだ・・・僕が治まってないんだ・・・」
憲治くんは立ち上がってズボンのジッパーを開けた。すると、中から大きな毒キノコが立ち上がる・・・
「ダ・・・ダメ!憲治くん!い・・・いや・・・・・・」
憲治くんはその毒キノコを私の股間に押し付けると、一気に私の処女を貫いた・・・
「いやあっ!!!」
あれから10ヶ月近くたった頃・・・
私は同じ病院のベッドに寝ていた。
「ほう、今度は、お腹が大きくなる病気かね。」
あの時私を診たお医者さんが、私を見て冷やかした。
「こ、これは、病気じゃないです!!!・・・うー・・・憲治の奴・・・」
おしまい
次のお題
「耳かき」「ディスク」「錬金術」
耳掻き職人は女だてら、半纏紅色、サルビア色に腰紐を、くいと結わえて丘に住む。
「時代遅れと言わば言え」
とそう叫んで怒る。
手先の器用さにかけては右に出るものはいない。
流れる袖口から伝統職人芸を見せ付けて笑う。
唇に人差し指を当てて秘密の彫り細工を入れてくれる。
コンピューター技師は耳掻き職人の丘に通いつめ、
古い脳のディスクを片っ端から彼女の映像で上書きした。
半纏からこぼれる肌の汗雫、細工を弄る横顔のきつく結ばれた唇の端。
耳掻き職人がいつしか許したからだをまたもディスクの容量に上書きする。
こぼれる吐息の熱を音量データに変換する。
半纏の脱ぎ散らかされたもの、彼女が肉棒に忍ばせる舌の赤さ、
出入りする粘膜同士の睦み合いを画像データに変換する。
肉の弾力を変換する。
変換する。
それはある時点で不可能になる。
コンピューター技師がデータを採録するだけの脳の働きを失い
ある一定以上の感覚数値を超えたところでディスクが限界温度に触れるためである。
「おまえは伝統の技術というものを馬鹿にしているのだろう」
せんべい布団に淫水を滴らせて囁く耳掻き職人の、しとりとした髪を愛撫してコンピューター技師は唇を塞ぐ。
ああ真理の探究を忘れ欲に溺れた三流の錬金術師にそのような権利はないものなのだと知るべきだ。
金を作るためだけに生きる錬金術師のように、本来の目的はなんだったのか、忘れながら、
美しいものだけを貪ることを楽しむただ一介のコンピューター技師は舌を吸い上げる。
耳掻き職人は女だてら、肌に吸い付く紅色の跡に、腰紐をくいとほどいて技師のものを
器用な爪の下で僅かに愛撫し膣の中へと導きてあどけなく微笑う。
「電信ばしら」「梅雨入り」「ジャングルジム」
雨が降っている。天の底が抜けたような雨が。
走れば間に合うなんて言ったのは誰だ。九州は既に一昨日梅雨入りしているのだから、降って当たり前なのに、その真っ当な感覚をきっぱり無視しやがった。
頭の天辺から爪先まで、それはもう見事に濡れ鼠。腹に下着が貼り付いて、気持ち悪いことこの上ない
走っても、走っても、雨雲の支配下から逃れられそうもなかった。
「謝れ」
「え、何を?」
立ち止まり、呟く。つられて足を止めた彼女を、睨み付けてもう一度。
「謝れ」
「何で?」
「誰の所為で、こんなびしょ濡れ」
「いいじゃん、」
からから笑う。
「お互いさまだもん」
何がいいものか。
「いっそ気持ち良いよ、ここまで濡れれば」
三歩先の公園へ駆け込み、ジャングルジムに手を掛けてくるくる回る。制服のスカートは水を含んで重たく、風を孕んで広がってはくれないのに。
「あはは、しんぎんいんざれーん」
……馬鹿め。歌って何の得がある。
「いーよもう。遊ぼー。ここまで濡れれば気持ち良いってばー」
「ちっとも、良くない」
と、彼女は回るのを止めた。じっと、真っ直ぐにこちらを見てくる。
「気持ち良くない?」
「良くないね」
「気持ち悪い?」
「悪いね。最悪だ。冷たくて、べたべたして、ものすごく不快だ」
「そう?」
彼女は目を瞬いて、それから何やら嬉しげに言った。
「じゃあ、脱ごう!」
……うわあ、馬鹿だ。呆れて空を見上げた顔に、雨は無遠慮に降り注いだ。
「ねー」
雨の中、ざっくざっく、歩く。走ろうという気力は、もう完全に無くしてしまった。太腿に纏わりつく濡れた感触が不快だ。
「怒んないでよ」
隣から顔を覗き込んで来る。頬に貼り付いた髪を、気にする気配もない。
「もう脱ごうなんて言わないからさー」
「当たり前だ」
「あ、やっと口利いた」
全く、馬鹿馬鹿しいにも程がある。
「場を弁えろよ。脱ぐなら脱ぐで、」
立ち止まり、向き直る。重たい髪を掻き揚げる。
「相応しい場所は、他に幾らもあるだろう」
「他って、」
彼女の目が輝いた。
「それって、例えば、ホテルとか?」
……馬鹿め。訊くなよ、そんなことは。
答えずに踵を返して、歩き出す。
「あはは、すてきすてき!」
視界の隅で、彼女は電信ばしらに手を掛けていた。きっとまた回ったり歌ったりする気だろうが、まあ、今度は気にするまい。
雨は当分、止みそうもない。
次のお題
「チョコレート」「洗濯」「連休」
181 :
名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 12:57:06 ID:NYDjbJWx
age
人いないのかな・・・?
いるにはいたりする
184 :
名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 03:05:52 ID:D60wc9Sa
「チョコレート」「洗濯」「連休」
連休最後の日は、抜けるような青空に、ぴかぴかの太陽。
いかにもピクニック日和という感じ。
なのに、なんでこの人は洗濯なんてしてるんだろう?
私は庭に面した縁側に腰掛けてチョコレートを齧りながら、そう訊いてみた。
「だってさ〜、この連休、ずっと雨で洗濯出来なかったからさ〜」
もう洗濯物溜まっちゃって、と目の前の彼は、鼻歌交じりに洗濯物を干していく。
ぱんぱんっ、と小気味よい音をたてて、皺をきちんと伸ばしながら。
そんな彼の姿があんまり楽しそうだから、もう半分くらいはどうでもよくなっていたけど、
それでも少しは駄々を捏ねてみたくて、私はわざとらしく拗ねたような台詞を言ってみる。
「どこか行きたいな〜。せーっかくいいお天気なんだから」
「そうだねぇ。昼からになるから、あまり遠くには行けないけど、いい?」
「え、ホントに?」
「ん。この連休、あまりサービス出来なかったからね――ま、オレなりに頑張ってみたけどさ」
台詞の後半を、やけに艶っぽい低い声で言うもんだから、自然と顔が赤くなる
――この連休、ずっと雨で行く所がなかったもんだから、ずーっと、してたんだっけ。
別にそれが嫌だったって訳じゃなくて、ううん、むしろその。
ぐるぐるそんな事を考えていたら、知らないうちに洗濯物を干し終わった彼が、目の前にいた。
「顔、赤いよ?」
「だ、だって、あんな事、言うから――」
「あんな事ってどんな事? ――こんな、事かな?」
不意に唇を塞がれて、息が出来なくなる。
そのまま目を閉じる事も忘れて、彼の向こうに見える青空をただ眺めて。
彼の舌はゆっくりと丹念に、歯の一つ一つまでなぞるように動く。
なんだかたまらなくなって、きゅっと彼の背中に手を回した。
「ん、甘い」
始まった時と同じように突然にそのキスは終わった。
ぽーっと彼を見上げる私は、多分すごく間の抜けた顔をしてる。
そんな私を見て、彼は軽く微笑んで――そして耳元に唇を寄せて。
「んじゃ、出かけよっか――それとも、続き、する?」
ずるい。そんな風に甘く囁かれてしまったら、首を横に振るなんて出来ないよ。
ついつい、こくん、と頷いてしまって、しまったな、なんて思いつつ。
それでも彼が本当に嬉しそうに笑うのをみると、こんな休日も、ま、いいかな、なんて思う。
――かくして連休最後の日は、お姫様抱っこで寝室に連れて行かれるところから始まったのでした――
次は『竹箒』『玉砂利』『制服』
187 :
名無しさん@ピンキー:2005/06/18(土) 22:03:53 ID:cjo3t5ie
支援あげ
『竹箒』『玉砂利』『制服』
私は竹箒で玉砂利だらけの境内を払いながらため息をつく。
朝、登校前の境内を掃除するのが、私の日課になっていた。
「はぁ」
ため息を吐きながら、私は竹箒の先端を見つめる。
制服のロングスカートに掛からないように落ち葉だけを集めるのは、ちょっと神経を使う。
自分が掃除することを考えなければ、紅葉の綺麗さも素直に感じられるだろう。
でも、落ち葉が落ちる度、それを私が集めなければいけないのかと思うと、ちょっと憂鬱。
神社の一人娘だからって、何で私が毎日毎日掃除せにゅいけないの?
おまけに神社の境内は玉砂利が敷かれてて、落ち葉が混ざりやすい。
それに、おんぼろの竹箒は、よく落ち葉が引っ掛かる。
また、落ち葉が竹箒に絡みつく。
私は屈んで落ち葉を取ろうとした。
と、指をツンと竹箒の先端が突付く。
あれ? ちょっと気持ちいい、かも。
むしゃくしゃしてると、ちょっとした事で気持ちいいことってあるじゃない?
今がそんな感じ。指に触れる竹箒の、ささくれ立った先端が心地いい。
私はざらざらと、節くれだった竹の先端に指を当ててみる。
あっ。
やっぱり、なんか、気持ちいい。
ちょっと、フェチ、かな。
先端快感症、とでも言おうか。
私はちょっと思いついて、神社の本殿の裏に隠れる。
神様ごめんなさい! ちょっとだけ。
制服の紺のスカートを摘み上げ、竹箒の先端を、ちょっとだけ太股に押し当てる。
あっ。うん。やっぱり、ちょっと、気持ち良いかも。
このちょっとだけ、というのがミソだ。
強過ぎず、弱過ぎず、微妙な刺激。
太股に痕が残らないように、竹のブツブツを押し当てる。
ちょっと、癖になりそうかも。
神様が見てるのに、いけないかな。いけないよね、うん。
でも、太股のもっと奥はどうなんだろう?
水玉パンティの中。そこに竹箒を押し当てたら。
あ、ちなみに私は水玉パンティ派。可愛くないという人もいるけど、小さい頃からの習性なので変えられない。
その水玉パンティに、恐る恐る、竹の先端を伸ばして−
「やーめた」
私は急に馬鹿らしくなって、やめた。神様に罰当たりだ。
さ、掃除して学校行こっと。
ちょっと溜まってるのかな私。うん、きっとそうだ。
次は『約束』『占い』『水玉』
『約束』『占い』『水玉』
今週の星占い、蟹座の運勢はおおむね良好。
健康運、胃が弱っているので食べ過ぎに注意。
金運、思わぬ臨時収入にほくほく。でも無駄遣いしないように。
恋愛運。両想いの人は彼氏を優しくフォロー。
片想いの人は告白のチャンスあり。
募集中の人は、幼馴染との約束を思い出して。
ラッキーポイントは『7』『水玉』『ハンカチ』
美容院で順番待ちをしている時に読んだ雑誌の、他愛も無い占いページ。
あたしは特に占いを信じるほうじゃないけど、でも、なんだか妙に頭の隅に残ったのは
多分、小さい頃の事を思い出したから。
『じゃあ約束だよ? ぜーったい、大きくなったらつづきするって』
『うん、ぜったい』
そういって、指切りをしてしばらくしてから、幼馴染のあの子は引っ越して行ったんだっけ。
たしか、小学校の頃? んー、何年の頃だったかな。それはあやふや。
何の約束だったかって、それは。
『ほんとうに、これでいいのかな?』
困ったようにいったあの子の顔は、女の子のあたしより可愛かったのを憶えている。
『いいの。だっておとなはみんな、こうしてるんだよ?』
強気にそんな事を言いながら、でもあたしは内心びくびくしてた。
だって、本当にあってるのか、その時は知らなかったから
――結婚した二人が、どんな事をするのかって事。
きっかけは何だったんだっけ? ままごとか何かだったような。
……違う。確かバレンタインデーだ。
一人前にチョコレートをあげて、そしたらあの子も『好きだよ』って言ってくれて。
それで、好き同士だったら結婚しようってなって
(なんかホント、子供って訳わかんないな。なんでそうなるのよ)
実際、指輪交換とかしたなー。もちろんおもちゃの指輪なんだけどさ。
で、結婚した二人はどうするんだろって話になって。
……うわー、あたしの方からだったよ。あんな事言ったの。
『おとなはね、けっこんしたら、はだかでいっしょにねるんだよ?』
……もー、あたしのバカバカバカバカっ!
なんであんな事言っちゃったんだろ。
ドラマのベッドシーンとかさ、あの辺の、子供が見ちゃいけないって
言われてた、ああいうのをこっそり見るような子供だったからなー。
あーもー、我ながらなんてマセガキだー。
幸か不幸か、お互い両親は共働きで、止める人間がいなかったのよね。
とくに羞恥心なく服を脱いで、ベッドの中に潜り込んで。
つるつるした肌の感触がなんだかくすぐったくて、二人笑いあった。
『つるつるだー』『くすぐったいねー』なーんて言ってさ。
『おとこのひとが上になるの』って言ったら
あの子はおそるおそるって感じで『重くない?』なんて。
『だいじょうぶだよ。んでね、ちゅーってするの』
『……これでいいの?』
『……もっとするの』
だいたいそれ以上の事なんて知らないから、もうひたすら、キスしてた気がする。
ちょっとすごくない? これファーストキスじゃない、よく考えたら。
なんかこれ以上思い出すのが恥かしくなってきた……。ああああ、でももう思い出しちゃったよー。
『おしっこするところがへんだよぉ……』
あの子がなんだか半泣きでそんな事を言ったから、うやむやになったんだよね、確か。
思えばアレって、勃ってたんだよね? でもあの頃はそんなの知らないから。
『やっぱり、大きくなってからじゃないとだめだよぉ』
『じゃあ約束だよ? ぜーったい、大きくなったらつづきするって』
『うん、ぜったい』
それが、あたしたちの約束だった訳で。
うわ、もー、なんで思い出しちゃったんだろ。恥かしいな、もー。
だいたい、もし大きくなってもう一回会ったとして
どんな顔して会えばいいっていうのよー。
「次、お待ちの森様」
あまりの恥かしさに悶えていたら、いきなり名前を呼ばれて、あたしは跳ね上がった。
そうだ、美容院にいたんだっけ。
「あ、はーい」
じゃぶじゃぶと洗髪されて、椅子に座って。
ふと鏡の中を見ると、心なしか顔が赤かった。
「――あれ?」
頭上からびっくりしたような声。鏡の中では、美容師さんが驚いたような顔をして
――って、うそ、まさか。そんな都合のいい話がある訳――。
「名前、聞いたことある気がしてたけど、もしかして――ゆきちゃん?」
勢いで頷いちゃったから、今更否定も出来やしない。
あたしはただひたすら赤くなるばっかり。だって他にどう反応しようがある?
彼は相変わらず綺麗な顔をしてる。
記憶の中のあの子の顔と同じように、少しだけ困ったような顔をして。
この様子だと、彼もどうやら、あの『約束』を憶えているみたいだ。
……蟹座の星占い、こういうのも恋愛運は絶好調っていうのかな。
とりあえず、どんな髪型にしてもらおうか、その考えに、あたしは集中することにした。
次は『指先』『浴衣』『熱帯夜』
森ゆきって・・・・・・
宇宙船艦ヤ○トか?w
>194
あらら、しまった。適当に決めたつもりが……orz
『指先』『浴衣』『熱帯夜』
10時を回ったというのに気温は下がらない。
先ほどまで聞こえていた遠い花火の音も止み、今はただ、風もなく蒸し暑い夜が広がるばかり。
急に玄関先でにぎやかな声がした。はしゃいだ声がとんとんと階段を上ってくる。
「ちょっとー。花火、一緒に見に行こうって言ってたのにどうしてこなかったのよー」
ノックもなしにドアが開き、真っ赤な顔のあいつが入って来た。
「受験生に花火大会なんか関係ないね」
「たまには息抜きだって必要だよー」
言いながら、どすんと俺のベッドに腰を下ろす。
「勉強の邪魔。いったいどれだけ呑んできたんだ、この酔っぱらいが」
「良いじゃない、缶ビールの1本くらい。先月20才になったんだから。あぁ、あっつーい」
浴衣の裾が乱れるのもかまわずにごろりと横になる。襟元が緩み、クビから胸元までが赤くなっているのが見て取れた。
姉弟同様に育ってきた幼なじみとはいえ、こいつには警戒心というものがないのだろうか。
「弱いくせに呑んでくるな、このバカが」
「あーあ、久しぶりに一緒に遊びたかったのにー。あんたったらここんとこ、受験受験で顔も見せてくれないじゃない。
おねーさんさみしーなー」
ふてくされたようにごろりと寝返りを打つ。はずみで大きく伸ばした腕の先が壁にぶつかった。
「いったぁ〜い。指ぶつけちゃったぁ」
自分でぶつけておいて、一人で大騒ぎをしている。
「っんとに、お前はバカか」
「あぁ〜! 見てみて、血が出てきたぁ」
「そんなモン、舐めときゃ治る」
そう言い捨てて着崩れた浴衣に背を向けた。
と、背後からぬうっと手が差し出された。
「じゃ、舐めて」
うっすらと血の滲んだ細い指先。その先、袖の中へと消える白い腕。
さらにその先にある顔に浮かぶ笑みに混じるのは、圧倒的な甘えと優越と、ひとつまみの挑発。
そして瞳の奥で揺れる幽かなそれ以外の何か。
俺はその瞳を覗き込んだまま、手を添え、ゆっくりとその指先を口に含む。
視界の端で、あいつの目がすっと細められたのをとらえる。
幽かな血の味を感じながら、丹念に指先に舌をはわせる。
指から掌へ、掌から手首へ、そのまま肘まで。俺の肩に置かれた手に力がこもる。
細い肩を抱き寄せ、唇を重ねる。薄く開いた口へ舌を差し込むと、柔らかくてほんのりアルコールの味のする舌に出迎えられた。
互いを探るように確かめるように、ゆったりと二つの舌が絡み合う。
不意にあいつが身を引いた。
「私、姉じゃあないわ」
一つ大木区域をつくと、真っ直ぐに俺の顔を見つめて、低く呟いた。
「知ってる。俺が弟じゃないって事も」
俺も真っ直ぐにあいつを見つめて答える。
柔らかな体を今度はしっかりと抱き締めて、もう一度唇を重ねる。
熱帯夜が始まる。
もっとエロくしたかったのに挫折したヘタレorz
修行しなおして来るんで、今回はみのがしてやってくれ
GJ!
また書いてくだされ。
それから、お題を頼む。難しいのがいいな。
あ、すいません、うっかりしてました
お題を出すんだった
次は 『Yシャツ』 『ノートPC』 『猫』
自分にはエロは難しすぎると思いつつ、しばらくここで修行させてもらおう……
『Yシャツ』 『ノートPC』 『猫』
「た〜だ〜い〜ま〜」
学校から自宅の神社に帰宅した私は、とりあえず芋焼酎を一杯煽ってイイ気分になってみる。
「ふー」
そしててくてくと自室へ。
制服の紺のセーラーを脱ぎ捨て、私服の巫女服に着替える。
私服が巫女服って変かな? でもしょうがないよ。
私は神社の娘で、れっきとした巫女だもん。
白いYシャツの上から白い千早。
お気に入りの水玉パンティの上から紅い袴。
ちなみに私はブラジャーというものは付けない。
それほど大きくないしね。ちっちゃいけど、でも形は気に入ってるんだ。
男って馬鹿だよね。胸は大きけりゃいいと思ってるんだから。
なんて負け惜しみは言わない。本当に小さいのが好きだから。
だってお兄ちゃんが小さい方が好きって言ったもん。それだけで私は十分。
着替えて私は、畳に直に座って、机の上のノートPCへと向かう。
さて。ホームページに感想やメールは来てるかなーと。
ノートPCの電源を入れて、立ち上げてると−
「ふみゃー」
猫がディスプレイに突撃してきた。
「こらレテ。駄目でしょう」
この子は黒猫のレテ。私が飼ってる猫ちゃんです。
PCを付けると、いつも飛び掛る。ディスプレイが光るのが好きなのかな?
この前なんか、ネットゲームやってる最中に電源落としちゃったんだよ。
もう泣きそうになったよ。泣いたけどさ。
でもあれも今では良い思い出かな。
だってお兄ちゃんが慰めてくれたもん。
あのねあのね。聞いて聞いて。
子猫だったこの子がみゃーみゃー鳴いてたら、カラスに襲われてたの。
それを私が助けてやったんだよ。そして家で飼ってるの。
偉い! 偉いよ私。うん。
でも今は悪い猫ちゃんにお仕置き。
「もう。レテったらいけない子。巫女パ〜ンチ」
必殺の巫女パ〜ンチ。
でもレテはするっと拳をかわす。
あらら? やっぱり回避率は高いのかしら、この子。
「ふにゃ〜」
そしてレテはキーボードの上をちゃかちゃか歩く。
「だ〜め〜。巫女ヘッドバット〜」
今度は頭突きだ。
でも、またレテはするっと避ける。
「いった〜い」
私は強かに額をキーボードに打ちつけ、畳に寝っ転がった。
いたた。ちょっと本気で痛いよこりゃ。
「ふみゃ〜」
横になった私の胸の上に、レテが乗っかる。
「もう。レテったら」
私は両手でしっかりとレテを捕まえて、顔の上に持ち上げた。
「いけない子なんだから」
分かっているのか、いないのか。レテはゴロゴロと喉を鳴らし、首に付けた鈴も鳴らす。
お兄ちゃんがレテのプレゼントした鈴つきの首輪。
いいな〜。レテったら。お兄ちゃんに首輪してもらって。
私もお兄ちゃんに首輪してほし〜よ〜。
「ねえレテ。お兄ちゃんのこと好き?」
「ふみゃ〜」
ふふ。そうだよね。好きに決まってるよね。
私はぎゅっとレテを胸に抱きしめて、その温もりを分かち合う。
私もレテもお兄ちゃんが好き。
でも。
私は妹で、レテは猫。
結ばれるのはちょっと無理。
「・・・・・・・お兄ちゃん」
お兄ちゃんのことを想ったら、ちょっと切なくなっちゃった。
私はYシャツの中にレテを潜り込ませる。
「舐めて」
言葉が分かるのかどうか。レテはぺろっと、私のぺたんこの胸を舐めてくれる。
猫特有のザラザラした舌。とてもイイ感じ
「ん・・・・・うん・・・・・」
私はレテを胸に抱きしめ、畳の上で身をよじらせる。
だってとってもイイ気持ちイイ感じ。レテったら舌上手♪
「お兄ちゃん・・・・」
大好きなお兄ちゃんを想いながら・・・・。
レテのザラついた舌が、胸の先端をちろっと舐める。
「ん・・・・・・んう・・・・・ん・・・・・」
切なさで、ぎゅっとレテを抱きしめる手にも力が籠もる。
「ふみゃ〜」
その力がちょっと強すぎたのだろうか。
レテはYシャツから飛び出し、逃げてゆく。その先には・・・
「あっレテ」
私はレテの駆け出した方向を見て、そして絶句した。
何故か。
「お、お兄ちゃん・・・・」
部屋の入り口に、お兄ちゃんがいた。大好きなお兄ちゃんが。
お兄ちゃんは駆け寄ったレテを抱えて、微妙な笑みを浮かべている。
微妙〜。
「い、いつからいたの?」
「あ〜・・・お前が、パソコンに頭突きした辺りから」
つまり最初っからてことか・・・・。
私はニッコリと、極上の笑みを浮かべ−
「ねえ。お兄ちゃん。ちょっとこっち来て」
お兄ちゃんは何も言わず、レテを降ろして、こっちに来る。
「超必殺! 巫女波動滅殺!」
私は一撃でお兄ちゃんを吹き飛ばした。そして胸を張る。
「えっへん!」
次は『図書室』『支援』『外道照身霊波光線』
ダイヤモンドアイなんか誰も知らねぇよ〜
失敬。とりあえず「正体見たり!」とかそういうのは気にしないでください。
『外道照身霊波光線っ!!汝の正体……』
図書室から夕暮れ時に戻ってくると、帰省中の兄さんが弟や幼馴染と並んで
古い特撮物のDVD鑑賞会を催していたので思わず廊下でくたりと脱力した。
盛り上がっている最中らしく兄弟の二人には九割方無視されてなんとも言えない気分になる。
幼馴染だけが私にきちんと手を上げてくれた。
それでようやく和んだので別の意味で力を抜く。
「お帰り、雪なのに頑張るね」
「ただいま」
雪を払ったコートをかけてマフラーを取り、服を調え部屋へと逃げる。
後ろからはいつのものかというような音声で刑事の台詞が聞こえて薄くなった。
電気をつける。
もう冬だ。
―センター試験まで、あと何週間残っていたろうか。
息と一緒に瞬いて、椅子に腰掛け問題集を開く。
古マンションが北風に軋むと暖房が恋しくなった。
「入っていい?」
ノックが軽く聞こえたので目を上げると一人だけが顔を見せた。
もう推薦で進路が決まった人なので、彼は本当にいつでも余裕だ。
幼馴染に頷いて促し、開いたばかりの問題集を閉じた。
彼がベッドの端に腰掛けたので私も一旦立ち上がり隣にぽすんと座る。
居間の音が気になるけれど隣に座るくらいならいいかと思った。
高い背の幼馴染を見上げて、年上だったことを今更ながらに思い出す。
「帰ってくるの、早かったね。図書室、人多かったろう」
「うん。センター前だもの」
「落ち着かない?」
ピンポイントで私を見抜くのは相変わらずだ。
高い位置の顔をちらりと見上げて、少しだけ肩の力を抜いた。
そして膝を眺めて溜息をついた。
「…うん。自信がないの」
「大丈夫だよ」
「他人事だからそう言えるのよ。もうイトくんは受格っちゃったじゃない」
「ん。そうだね」
八つ当たりにも笑って流され、もやもやとした。
傍にいてくれて安心して息抜きができるのも、感謝しているのに。
大好きな幼馴染に頼ってばかりだ。
でもそれも見透かされたみたいだった。
こちらを見たまま彼はひどく優しい顔で意地悪そうに言った。
「なんで僕が推薦で受けたか教えてあげようか。
おまえが大変なときに自分のこととか気にせずに、心置きなく頼ってもらえるようにだよ」
顔をうつむかせたけれど多分耳まで赤いだろう。
参った。
そう来るとは思わなかったので、もう外から聞こえるDVDの爆音なんかも気にならなくなってしまう。
「…いとくん」
「ん」
ぎゅうと抱きつくと抱き返され、首から肩にいつの間にか唇を落とされはじめてじりじりと息が荒くなった。
普段はあまり触られない場所も撫ぜられたので背骨が震えた。
掠れた声で低く呼ばれるのでたまらなく、朦朧と顔を上げて唇を近づける。
無意識みたいに舐めて吸うと、しばらく粘膜同士が触れて、暖房が要らないくらいになった。
髪と息とをかき乱されて口づける気持ちよさに喉が切なげに鳴く。
理性が戻ってくるまでにはかなりの時間があった。
抱き寄せられていたのを離されて、止められて、やっと何をしかけていたのかに気付いた。
湿る息を深くこぼして溢れた唾液を熱い手の甲でごしごしと拭う。
今更ながらに壁一枚向こうで聞こえるテレビの音が心臓に悪い。
「…全然、落ち着かないじゃないばか」
「いや、うん。…ごめん」
「受験の邪魔なの」
「分かってるって」
続きができないので腹が立って、私は幼馴染に枕をぶつけて八つ当たりした。
こんな具合じゃ勉強にも手がつかないし困ったくらいに中途半端だし、
外道照身なんとかが数十分おきに壁の向こうから妙にうるさい。
「ひーこ、悪い。怒らないで」
「……怒ってるわけじゃないよ」
図書室であと二時間くらい粘ればよかった。
だって、こんなのは、身体が苦しくて困る。
緩く頭を預けて溜息をつくと、どこかで雪が、どさりと庇から階下まで落ちた。
もうしません。
次は『謝罪』『座布団』『梅昆布茶』
『支援』は?
応援の意味合いで内容に使ったので直接単語は入れなかったです。
ちょっとルール違反だったかもしれませんすみません。
ルール違反されたから『図書室』『支援』『外道照身霊波光線』でもう一度だな。
「幽霊の・・・正体見たり枯れ尾花沢西瓜!外道照身霊波光線!」
「やかましい!!」
図書室でマンガなんぞを音読していたマヌケ野郎の頭を、私は渾身の力を込めてぶん殴った。
大声を上げたのは私も同じだが、今は問題ない。私は図書委員だし、蔵書整理中という事で
閉室しているから周囲には誰もいないのだ。
マヌケ野郎の五郎はおー痛ぇとぼやきながら身を起こし、後頭部にできたタンコブを優しく擦った。
「今のパンチ、相良左之介入ってなかったか?見事な二重の極みだったぜ・・・」
オレの頭に一撃食らわせられるのはオマエだけだもんな――五郎はそう言って無邪気に笑った。
空しいやら情けないやらで肩ががっくりと落ちる。五郎の言ったことが事実だからだ。
子供の頃から頭が硬かった五郎は、長じてケンカではこの学校で一二を争う存在になっていた。
得意技は高身長と石頭を生かしたヘッドパッドで、頭突きの威力なら空手部の主将でさえ勝てない。
去年金属バットで五郎を強襲した不良連中がいたと聞いているけど、その時の五郎について
信じられないような逸話が残っている。
なんと彼はバットで頭を殴られたにも関わらず平気で、しかも逆に頭突きで返り討ちに遭わせたのだ。
以来五郎は学校でハンマーヘッドとか藤原喜明の再来とか呼ばれている。有難くないことに、学校の
皆はそんな彼の頭に唯一ダメージを与えられる私に対しても、大げさなアダ名で呼ぶのを忘れなかった。
『鉄拳のお蘭』。
それが私に付けられた有り難くない称号だ。こいつの所為で――
こいつの所為で私は暴力女として恐れられ、未だに浮いた話一つ身に降り掛からない――
「何が悲しくてアンタみたいな石頭殴らなきゃならないのよ?」
「なら殴らなきゃいいじゃないか蘭子」
平然と言い返す五郎が腹立たしい。そもそもアンタは私の手伝いに来ているんじゃないの?
放課後私が蔵書整理で帰るのが遅れるって言った時に、これも人的支援だからって強引に
図書室まで付いて来たのは五郎じゃないの。
五郎の態度を咎めようと、私は彼を睨んで怒鳴りつけた。
「うるさいわねこのマンガオタク!図書室で究極超人あ〜るなんか声を出して読む奴が非常識なのよ!
大体枯れ尾花沢西瓜って何よ?そのセリフ正しくは前世魔人でしょうが」
オマエも相当読み込んでるな――へらへらした笑いが五郎の顔から消え、真剣な眼差しに切り替わる。
心臓の高鳴りを自覚して、けれどもそれを五郎に悟られないよう、私は動じない態度を作って答えた。
「当たり前でしょ。アンタの家にゆうきまさみ全部置いてあったんだもの。あ〜るもパトレイバーも
グルーミンもクニエもバーディーも今までに全部読んでるわよ」
「じゃあとなりの異邦人もマリアナ伝説もか?」
「当たり前じゃない」
そう言って胸を張ったものの、年頃の娘が自慢するような事じゃないと気付いてかなりヘコむ。
これじゃ私の方がオタクみたいじゃない。なぜBSマンガ夜話みたいな話をする羽目になったんだろう。
五郎がマンガなんか読んでたからだ、と私はここまでの経緯を頭の中で確かめた。随分脱線してるな。
もう一回溜息を吐いて、五郎を諭すように言った。
「なにも何回も読んだマンガを図書室で読む事ないじゃないの。それにどうしてマンガが図書室にあるの?
五郎、あんた家から持って来たんじゃないでしょうね?先生に見つかったら没収モノよ」
「没収は――多分ないと思うぞ」
だってほら――五郎の指差したカウンターの上に、新入荷の本が山積みにされている。私はカウンター
に近づいて山を崩し、目に付いた本のタイトルを読み上げた。
あ〜るを始めとして古いマンガがどっさりと。
「うる星にエリア88・・・750《ナナハン》ライダーにサーキットの狼まであるじゃない?」
「だろ?そんなモン入荷しといて生徒のマンガは没収って、説得力のカケラもねーよ」
図書室やめてマンガ喫茶でも始めるつもりなんだろうな、と五郎はケタケタ笑う。私は新入荷の
ラインナップに軽い眩暈を覚え、思わず天を仰いで額に手の甲を宛てた。
入荷本が全部マンガだなんて、この学校は一体どうなっているんだろう――
「蘭子、大丈夫か蘭子?」
気付いた時には、心配そうな五郎の顔が私の視界一杯に迫っていた。彼の腕が私を抱き留めている。
どうやら先刻のショックで立ち眩みを起こしてしまったらしい。実にしょーもない理由で倒れたものだ。
頭の芯が溶けたみたいにぼうっとする。心臓が早鐘を打ち、彼の腕に体重を預けたままで
大丈夫だよと返事した。
ああ良かった――五郎の顔が綻んだ。
「まさか倒れるとは思ってなかったけど、付いて来て良かったよ。人的支援も役に立つだろ――」
私は敢えて返事をしなかった。身体を密着させていると、イヤでも五郎の体温を気にしてしまう。
それに逞しくて固い胸板に腕の筋肉――
私よりもチビだったクセに、いつの間にこんな大きく成長してしまったんだろう。身長だけでなく、
精神的にも私より大きくなってしまったようだ。いつまでもこうしていたかったけど、それだと
彼に甘えているみたいで少し悔しかった。
顔に掛かった自分の長い髪が鬱陶しい。掻き上げて、耳の後ろへと撫で付ける。
「五郎――」
私の口から言葉が漏れる。精一杯の自制を意識しなければ、妙なことを口走ってしまいそうで怖かった。
「ありがと」
目を背けながらそう告げる。けど五郎はそんな私の気持ちを踏み躙るかのように頬に手を当てた。
「礼言うんならちゃんとオレを見て言ってくれよな」
上ずった声でそう語りかけられ、顔を五郎の正面に向けられる。彼は真っ赤な頬を強張らせていた。
顔が近付いて来るに連れ、お互いにを引き付ける力が増大して抗えない。
なぜか物理の授業を思い出す。天体でも磁石でも荷電粒子でも、お互いを引き合う力が距離の二乗に
反比例する、というアレだ。接近するほど凄い勢いで増大し、やがて互いに逃れられなくなってしまう。
このままキスをして――キスだけじゃイヤ、と我儘を言ってしまうんだろうな。
それから――
それからどうなるんだろう。
初めてはやっぱり痛いんだろうか。お風呂とか入ってないから汗臭いけど、五郎はそれでいいのか。
それに避妊とかしなくていいんだろうか。大体一生に一度の初めてが図書室の固い床の上だなんて――
「ヤだっ!!五郎イヤっ!!」
私は無我夢中で五郎の額に拳を叩き込んだ。
胸の上に五郎が滑るようにして顔を埋め、彼の体重で私は身動きが取れなくなった。
ここで状況を整理しよう。
五郎は身長が百八十を越えていて肩幅もある。髪もボサボサしているから、眼鏡を外した
上田次郎みたいな風貌、と表現すれば判って貰えるだろうか。
一方の私は体も細く、身長も百五十を少し越えた位だ。この前なんか通りすがりの変態オヤジから
全身舐め回すように見つめられた挙句、
「すごくカワイイですよ、小学生みたいで!!」と言われ、ショックで三日間寝込んだ。
鉄拳とアダ名される私だが、本気で力比べをしたら五郎に敵うはずもない。どう頑張った
ところで彼を撥ね退けられないし、どうせ彼の為すが侭に制服を脱がされ下着を引き裂かれて――
私はぎゅっと目を瞑った。不本意な形ではあるけど、遅かれ早かれ身体を求められる事は解っていた。
だったら私さえ我慢していれば五郎と結ばれる訳で、そうするのが自然な流れだろう。
けどその前に「好きだよ」って彼の方から告白して欲しかった。
クリスマスのプレゼントだって欲しかった。
今年の東映まんが祭りで一緒にマジレンとかヒビキさん観たかった。プリキュアはどーでもいーけど。
来るなら来い――目尻に涙を溜めつつも私は覚悟を決めた。ぎゅっと拳を握る。
けれども五郎はいつまで経ってもそれ以上の行動には出なかった。
「五郎?・・・ごろう?」
おかしい、と思って呼びかけたけど返事がない。手は使えたので、何とか首だけを私の顔に向けさせる。
彼は――
脳震盪を起こしたのか、私の上で白目を剥いて失神していた。
「何やってるのよ五郎、まだ本の整理だって残ってるじゃない!こら五郎起きろ、五郎!
アンタが乗っ掛かっていると私動けないよ!」
揺さ振ったりほっぺたを叩いたりしても、五郎は一向に目を醒ます気配がない。おまけに
自分でもどう動いたのか、手と手や脚と脚が複雑に絡み合って彼の下から脱出もできない。
彼が目を醒ますまで待つか、誰かに助けて貰うか――いずれにせよ先生に見つかったら、
まるで愛し合うように彼と抱き合っている今の姿をどう説明すればいいのか。
こんな事になるのならキスぐらい許してあげても良かったかも、と私は激しく後悔した。
図書室の窓の外から、カラスが馬鹿にするような鳴き声を私たちに浴びせた。
おしまい。次は『海開き』『ちゃんこ料理屋』『トマホーク』でw
『海開き』『ちゃんこ料理屋』『トマホーク』
暑い。めちゃくちゃ暑い。
扇風機がさっきから風を送ってるけど、
熱い部屋の空気を掻き回してるだけで、はっきり言って全然意味がない。
クーラーなんて文明の利器なんて、貧乏下宿生の部屋にある訳がない。
仕方ないから窓を開けてるけど、風はそよとも吹き込んでこない。
それにしても暑い。
どのくらい暑いって、
サウナの中にちゃんこ料理屋を開いたんじゃないかってくらい暑い
――そんな事考えてたら、もっと暑くなってきた。
暑さの余り、思考停止した頭に、ただテレビの音だけが通り過ぎてく。
『トマホークは北アメリカのネイティブアメリカンが使った武器で――』
ああもう死ぬほどどうでもいい、こんな情報。っていうか、何よこの番組。
そりゃ昼のローカル放送なんてろくな番組やってないけど。
まあ何でもよかったんだけど――声が紛れれば。
っていうか、まだするのかな。もういい加減疲れてきたんだけど。
「ねぇ。そろそろ終わんないの? だいぶ汗掻いてきちゃったし」
私は自分の上にのしかかっているヤツに声をかけた。
出来るだけ醒めた声を浴びせる。でもヤツはくじけない。
「まぁまぁ、そーんな醒めた声出しなさんなって。まだまだ本番本番」
後ろからのしかかられているのでその表情は見えないけど、大体想像はつく
――緊張感のない顔で、にかーっと笑ってるんだろう、きっと。
「まだまだって……あのさぁ、昼ごはん食べてからずっとなんだけど、まだ足んないって?」
「あれ。なんか余裕? さっきまで散々喘いでた癖に〜」
「それはっ……あんたが際限なくするから……ぁっ……っく!」
唐突に揺すぶられて、言葉が途切れてしまう。
慌てて敷き布団に口を押し当てて声を抑えようとするけど、遅かった。
「際限ないのは自分も、だろ? 律儀に感じちゃってまぁ」
「も、また……っ、や、んんっ……!」
私のナカで回復したモノが、また私を掻き回す。
さっきからずっとこの繰り返しで―― 一体何回すれば気が済むんだろう、この男。
二人とも汗でべたべたで、敷き布団も汗と涎を吸い込んで、じっとりと湿っている。
それが気持ち悪いのに、早く終わらないかと思ってるのに、なんで声なんて上げてしまうんだろう
――そんな事が頭をよぎって、でも後ろから突かれて、どうでもよくなって。
「ん、あ、だめだって、やぁん……っ!」
『例年より平均気温が上がっている為、各地の海水浴場の海開き日程が早まっている模様です――』
漏れ出る声を誤魔化すためだけにつけているテレビが、またどうでもいいニュースを垂れ流す。
それをぼんやり聞きながら、私はただひたすら、暑さと快感に耐え続けた。
次は『蝉時雨』 『ゲーム』 『打ち水』
『蝉時雨』 『ゲーム』 『打ち水』
ぞうさん如雨露を喜々として購入するあの女は、少々頭が悪くてとろい。
今もつり銭を受け取りそこなって、小銭を床にばら撒いたところだ。
しゃがんで拾うのはいいが色気のないパンツ見えてるぞおい。店員見てるって。
あいつはそんな状況だが、俺は現在身動きが取れない。
よってただここで待っているしかないのだ。だから見えてるっつの。
「ごめんねぇ、たっくん。おまたせ〜」
その間延びした口調はいつになったら改善されるのか、
たとえ苦言を呈したところでこの女は聞く耳をもったためしがないのだ。
俺の考えていることなど思いも寄らないのだろう。
気の抜けた笑顔でそこらのガキでも相手にするように、俺の頭を撫でやがる。
身長差から撫でやすいことはわかるが、気安くそういうことをするな、といいたい。
「じゃあお買い物終わったしかえろっか。あ、ちゃんと公園寄ってこうね」
当然だ、お前の買い物の為にわざわざ外に出たわけじゃない。
どうもこいつは主導権が誰にあるのかきちんと理解していないらしくて困る。
「でも、ほんとあっついねぇ〜」
あ、てめー何一人でアイスとか食ってんだよ。それよこせ。
思わず軽く体当たりだ、もちろんかなり手加減済みの。
「あ、だぇ〜め!あげられないよ、これお姉ちゃんのだもん。たっくんは公園でお水」
………てめーはアイスで俺は水かよ、しかもタダの。なにこの差別。
いいから大人しくよこせ!それよこせ!よこさなかったらここからうごかねーぞ!
我ながら、多少大人げなかったかもしれない。
「も〜うるさいなぁ〜!ダメって言ったらダメなの!」
言うなり、力技に出やがった。
つーか首絞めって反則だろ!やめっ、死ぬったら死ぬ!
言い忘れていたがこの女、見かけによらずかなりの馬鹿力だ、トロイくせに。
力技に出られると結局はこいつの言いなりになるしかない、格下のくせにむかつく。
公園についた…あーマジ蝉うるせぇ。
俺は結構耳がいいから意外とツライ。
「うーん、蝉時雨だねぇ〜あ、蝉とか食べちゃダメだよ」
食うかボケ!テメーの脳みそは蝉なみか!中身空っぽ?!
どうでもいいけど蝉時雨ってキショイな、蝉が雨みたいに降ってくんのかよ、キモい。
「あ、お水飲もうか〜?」
俺が高尚な空想に耽っているうちにあいつはさっさと水のみ場に行っていた、
くそ、俺から離れるなよ、アホが。
「わっ、ほら、みて!ふんす〜い!」
あいつはどうにもいつまでたってもお子様気分が抜けなくて困る。
水飲み口からは、高く水を噴出させて、自分が濡れるのの何がそんなに楽しいのか
キャッキャと笑い声を立てている。
強い日差しにキラキラと水しぶきが輝いて、白いTシャツは濡れて張り付いて…
おい!透けてるっつーの!ブラジャー水色か?ホント色気ねぇな。
だいたいお前は水不足の地域の皆様に悪いとかそういう感情はないのか?
というようなことを俺が幾ら言っても、こいつは一向に聞いちゃいねえし!
「たっくんもあそぼ〜」
俺は思わず座り込んで明後日の方を向く、もはや他人のふりしかない。
「たっくんノリわるいよ〜」
俺はぶつぶつと文句をいうあいつを尻目に黙々と家路を急いでいた。
何を言われても振り返らないことに決めている。
「あ〜昔は可愛かったのになぁ〜私にあんなに甘えてたのに〜」
無視だ無視、徹底的に無視。
「一緒に寝たりしたのにね〜お姉ちゃんは淋しいよ」
…それは不本意ながら若気の至りという奴だ。
ここは母と通るいつもの帰り道だ、昔は確かにこいつともよく一緒に通った。
だがこいつはもう家を出ていってしまった、今は一緒に住んでいない。
正直、俺はその時何も状況が理解できずただ捨てられた、と思ったのだ。
…別に、今はもうそんなことはどうでもいいが。
「いまのところたっくんと一緒に住めたらいいのにな…」
殊勝なことを言ってるが、俺はお前のおもりなんかゴメンだ。
まあ、どうしてもって頼むんなら意向を汲んでやらんこともないが。
美味しいバターは冷蔵庫に常備しとけ。
夕暮れ時の影が長くなってきた、アイツの影と俺の小さな影が並んでいる。
俺も成長したはずなのに、いつまでたっても追いつかない。
感傷のようなものにふと俺が足を止めるとアイツも立ち止まった。
「あ、たっくんオシッコ?…ウンチじゃないよね〜?」
出るものも引っ込みそうな勢いだ、コイツのデリカシーのなさを誰か何とかしてくれ。
「ただいま〜」
ようやく家に帰り着いた、こいつといると物凄く疲れる。
「おかえりなさい、ちゃんと買ってきた?」
「んふふ、見て。かわいいでしょ、これで真夏の打ち水大作戦の準備万端〜」
ぞうさん如雨露を得意げに差し出したアイツの足元で俺は首をかしげた。
なんだ、その古きよきゲームのタイトルみたいなあやしい作戦は。
見ると玄関になにやら見慣れぬポスターが貼られていた。
『地球の温度を2度下げよう!』
はやりのエコという奴か。
だがお前は公園で明らかに水の無駄使いをしていたぞ、何か矛盾してないか?
「たっくん、お姉ちゃんと一緒に打ち水してあそぼーね」
…やっぱりこいつにエコロジーなどという高尚な意識はなかったか。
だが俺の憂いは母の脳天気な声に唐突に打ち切られた。
「あら、タクったら嬉しそうに尻尾振っちゃって」
「でしょ、たっくん、お散歩中ずっと尻尾振りっぱなしでお姉ちゃんまだまだ愛されてるって思っちゃった」
くそ!見られてか!
ぼーっとしてくせに余計なとこばっか見やがって…。
しゃがみこんだあいつの手が俺の額を撫でる、俺の意思に反していや反していないのか?
とにかく不覚にも俺の尻尾は常時振られっぱなしなのだ。
これはお前が家にいないからだ、たまにしか会えないのが悪い!
「ね〜たっくん、そんな尻尾ふりっぱなしで疲れない?」
くそくそ、別にお前のことなんか愛してないから調子に乗るなよ!
翌日正午。
彼女の家では夕べの風呂の残り湯を使って打ち水大作戦が実施された。
真夏の日差しに焼かれながらも、ぞうさん如雨露からちょろちょろと降る水は少しだけ涼しげで、
彼女の足元を愛犬が楽しそうに駆け回る。
「たっくん、水かかっちゃうよ〜?」
ついでにひまわりにも水をやり、彼女は縁側で一息ついた。
今度は家の前の道路で打ち水大作戦を実行しなければならない。
たっくんがまとわりつくのは危険なので、しばし家の中にご退散願おう。
「それにしてもたっくん相変わらず足短いね〜」
黒い毛並みのミニチュアダックスフントを掴まえて、彼女はころころと笑う。
それが犬種的特徴だ、などということは犬と会話してしまうくらい大らかな彼女には
きっと些細なことなのだろう。
ミニチュアダックスフントのタクくん(オス4歳)は、
尻尾を引きちぎれんばかりに振り回しながらも不服そうに小さな唸りをあげた。
「ワウッ…ゥゥ〜…(訳:お前マジそのうち犯すよ?)」
お次は 『クチナシ』 『切手』 『痛み止め』
ファンになってもよかとですか?
227 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/16(土) 13:10:12 ID:lCeVNkdG
☆ チン マチクタビレタ〜
マチクタビレタ〜
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・) < ネ申のSSまだ〜?
\_/⊂ ⊂_ ) \_____________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 愛媛みかん |/
228 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/16(土) 13:58:10 ID:lCeVNkdG
マダー?
229 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/16(土) 14:16:51 ID:lCeVNkdG
☆ チン マチクタビレタ〜
マチクタビレタ〜
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・) < ネ申のSSまだ〜?
\_/⊂ ⊂_ ) \_____________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 愛媛みかん |/
230 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 08:48:21 ID:Dlpzcal0
保守
231 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 16:59:01 ID:J2RKq4nV
☆ チン マチクタビレタ〜
マチクタビレタ〜
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・) < ネ申のSSまだ〜?
\_/⊂ ⊂_ ) \_____________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 愛媛みかん |/
232 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 23:25:55 ID:vTgThAXC
☆ チン マチクタビレタ〜
マチクタビレタ〜
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・) < ネ申のSSまだ〜?
\_/⊂ ⊂_ ) \_____________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 愛媛みかん |/
>>220 エロ無しだけど面白かった。
バターらへんがややエロを示唆してるのか?
234 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/24(日) 00:22:13 ID:bXFwrSVQ
☆ チン マチクタビレタ〜
マチクタビレタ〜
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・) < ネ申のSSまだ〜?
\_/⊂ ⊂_ ) \_____________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 愛媛みかん |/
『クチナシ』 『切手』 『痛み止め』
初夏。
外のクチナシが、良い香りを放っていた。
そんな中、あたしはと言うと暑さに身悶える。
「温暖化だかなんだか知らないけどあっついよー。」
夏が来るたびに、こんなに夏は暑かっただろうかと思う。
そして、まだ夏本番じゃないのにこの暑さということにもくらくらする。
毎日暑くて、敵わない。頭さえ痛くなる。
熱中症って奴か?熱中症って何を飲んだら収まるんだろう。
痛み止めか?
頭痛とかに効く、あれだよ。
半分は優しさで出来てるって奴。
しょーもないことばっかりかんがえているのも何だしな。
暑いから図書館に涼みに行こうかと、自転車に乗る。
自分の家でクーラー使うとお金がかかるからね。
あたしってば、なんて経済的なんでしょう。
自転車のサドルが日光に照らされてひどく暑い。
それに跨いで、サンダルの足が自転車を漕ぐ。
途中、近所の雑貨屋さんで切手を買う。
暑中お見舞いを出そうと思っているのだ。あいつに。
「はいはい。いつも元気だねぇ。」
「まぁねぇ。」
去年はもっと元気だった。プールに忍び込んだり、夜中にうろついたり、
奴の部屋で過ごしたりしてた。
そもそも、今年こんなに暑いのは、奴の部屋に遊びにいけないからだと思う。
奴の部屋だったら、クーラーも使い放題だったのになぁ。
そう思いながら、漕いでいると駅前に出る。
図書館は駅の向こうだ。
ん?見知った姿を見つけて自転車を止める。
「…ヤス」
「お?迎えにきたん?てかお前すごいな。
テレパシーとちゃう?」
にやにや笑いながらいう。
ちょっと待て!
なんでお前がここにいるんだ。
そう言いたいのに口がぱくぱくと金魚みたいに開くばかり。
「愛って奴か?」
「何で?」
「何でって帰省じゃん。夏休み。」
にやにや笑う。
昨夜自分のしたことを思い出してかぁっと頬が熱くなりそうになる。
昨夜、あたしは初めてさみしさに耐えかねてひとりで体をまさぐることを憶えたばっかりなのに。
名前をいつもよりも呼んで―いっつも最中に名前なんて呼ばないのに―
出し入れする指が熱く蕩けそうになるほどだったのに。
うわっおかしいんじゃないかな。
股がむずむずしはじめた。
とりあえずは。そうとりあえず。
「おかえり。」
熱いのは全て夏のせいにして。
騒がしい幼馴染の帰省に挨拶をした。
クーラーの効いたあの部屋で、じっくりと根性決めて抱かれるのを想像して、熱くなった。
以上 あんまエロくなくてすまん。
『電車』『電子辞書』『口笛』
241 :
。。。:2005/07/24(日) 11:39:21 ID:qAI2fFiM
『電車』『電子辞書』『口笛』
暑い…
死ぬ程暑い…
なんであたしがこんな所にいるのよ…
電車を待つあたしの口から大きく溜息が出る。
朝の上機嫌はどこに行ったのやら…
暑くても自転車で坂道を下るのは気持ち良くて口笛なんか鳴らしたりしてたのに…。はぁ…。
なんて俯くのとほぼ同時に、電車が到着するらしいアナウンスが聞こえてくる。
『白線の内側までぇーお下がり下さい』
そんな声を聞きながら
(はぁ?白線の内側ってどっち側よ?
ホーム側?電車側?
そんな説明じゃ分かんないじゃない!)
242 :
。。。:2005/07/24(日) 11:40:31 ID:qAI2fFiM
なんて頭の中でいちゃもんつけてみる。
勿論本当に分からない訳じゃ無い…ただ暑さに苛々してるだけ。
しかし、待ちに待った…(って言っても10分未満だけど)電車が到着した…が、悪夢はここからだったらしい。
有り得ない満員電車。
次の電車を待つ自信も無い。
塾で使う電子辞書ごときを買いに行く為に秋葉原なんか来なきゃ良かった…。
でも『今月ピンチだし…なるべく安いのを買いたい!』とか妙に頑張って探しちゃったのよ。
そんな訳で歩き回って痛い足を半ば強引に進めて無理矢理、満員電車の中に押し入った。
243 :
。。。:2005/07/24(日) 11:41:40 ID:qAI2fFiM
揺れる電車の中の空気の悪さに更に沈み込むあたしに更なる追い打ち。
すぅ…っとお尻の線をなぞられてる…
ゾワッと鳥肌が立つ、声が出ない。
(ちょ…勘弁して)
スカートの上からじゃなく今度は下着の上から撫でてる、そう思うと何も纏っていない太腿…そのまま下着の上からクリトリスを捏られる。
(ぁ…やだ。)
意思とは反してアソコは熱を帯びていく。
指が膣に埋まる、布越しだから浅くだけど…
そのままグリグリと押し付けるように動かされる。
(う…ぁ…)
刺激が足りない、頭の芯が痺れる。
無意識に腰が動いてしまう
244 :
。。。:2005/07/24(日) 11:44:20 ID:qAI2fFiM
それに気付いたのか濡れた下着の隙間から手が入ってきて…
―ツプ…ッ
直に指が埋まった。
「ン…っ」
周りに人が居るのについ声が洩れる。
―ガタンッ
その時大きく揺れて電車が止まった。
何かあったのかな…なんて回らない頭で考えてると、いつの間にかさっきまで膣内の異物がなくなってる…
なんだかホッとしたような惜しかったような…
疼く身体を抑える。
…帰ったら彼の所にでも行こうかな。
245 :
。。。:2005/07/24(日) 11:48:02 ID:qAI2fFiM
初投下。
スイマセン;
また書かせて下さいorz
次は
『蝶』『タコ焼き』『湖』でお願いします。
246 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 20:37:57 ID:cGoplshJ
☆ チン マチクタビレタ〜
マチクタビレタ〜
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・) < ネ申のSSまだ〜?
\_/⊂ ⊂_ ) \_____________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 愛媛みかん |/
『蝶』『タコ焼き』『湖』
男ばっかりで、花火見にきて、何が楽しいんだか。
苦笑して俺は、たこ焼きを買う。
俺の近所には、大きな湖がある。
そりゃぁもう大きな湖。
そんでもって、毎年そこでは花火大会が開かれてそこに彼女と行くのが一種のステータスになってる。
彼女の居ない俺としては、羨ましいとは思いながらも、なんでわざわざ人ごみに行くんだか、と思ったりもしている。
そして、今年も俺は仲間内(しかも、全員男)と来た。
来年こそはと思いながら、毎年同じ出店のたこ焼きを買う。
そこは、少し会場から離れているけれど、穴場でなかなか上手い。
じゃんけんで負けた俺が買いにぱしらされた。
「っぁ。」
小さな悲鳴が聞こえた気がして、あたりを見回す。
気のせいか…そう思って戻ろうとしたときにまた
「っあっ」
さっきよりも大きな悲鳴が聞こえて、俺は耳を澄ましながら音のほうへと歩み寄った。
蝶。
最初にそう思ったのは、彼女の刺青のせい。
胸に蝶が舞っている。その胸を惜しげもなく広げ、男に晒している。
「っ。あんっ。」
折角の浴衣なのに、ほとんどもう着ていない状態に近い。
彼女は、俺に気がついている。
「んぁ。んっもっと触って。」
そして、俺に気がついてさらに声を強める。
目を細めて俺を見る。
そして、すぐにその瞳を瞑って、胸から下へと移動していく頭に手をまさぐる。
俺は、すぐに引き返そうと思いながらも足が動かない。
見るべきではない。そう思うが、育ってしまった息子と、その蝶から目を離せずに居た。
夜空に舞うのは大輪の花。
そしてそこに集うは美しき蝶。
俺の前の蝶は美しく淫らに舞い踊る。
次は、こちらで。
『風』『ジーンズ』『とりあえず』
251 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/27(水) 20:15:36 ID:SOAetwXa
☆ チン マチクタビレタ〜
マチクタビレタ〜
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・) < ネ申のSSまだ〜?
\_/⊂ ⊂_ ) \_____________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 愛媛みかん |/
『風』『ジーンズ』『とりあえず』
白いノースリーブのワンピースの上に淡いオレンジ色の半袖のカーディガンを羽織った、真っ黒に日焼けした少女が、
鏡の中でにっこり笑っている。
女の子の格好なんて全然分からないから、とりあえず友達が選んでくれた服を着てみたけれど、うん、なかなか可愛いん
じゃないかな。
部活動のせいで思いっきり土方焼けしてるから、こういう女の子らしい格好は無理なんじゃないかと思ってたけど、
カーディガンのおかげで二の腕の日焼けの跡は見えないもんね。
梅雨入り前に買った服だけど、もしかして、女の子って普通そういうことまで考えて服をかうのかな。物心付いてからの
10年間、アタシの目標はただひたすら、勉強でもスポーツでもなんでもいいからとにかく一つだけでもアイツに勝つこと
だけで、それ以外の事には目もくれなかったたから、そういうことって、さっぱり分らないんだけど。
髪の毛が男の子みたいに短いのは今さらどうにもならないから、つばの広い帽子で隠す。
アタシは、姿見に向かってもう一度にっこりと笑ってみると、鏡の中の少女はとても素敵に笑った。
アイツは、こんな格好をしたボクを見て、どんな顔をするんだろう。
可愛いって言ってくれるかな。
誉めてくれるかな。
っていうか、生まれてから15年間制服以外のスカートなんか履いたことのないアタシに『折角の初デートなんだから、
フワフワしてヒラヒラした服着て来いよ。』なんていう恥ずかしいリクエストをした張本人なんだから、誉めてくれなかったら、
思いっきり怒ってやろう。
思いっきり困らせて、思いっきり振り回して、思いっきり甘えてやろう………。
あれ?誉めてくれなくてもいいのかな?
…………、あ〜、ダメダメ。そんなこと考えちゃ。
鏡の中の少女は、自分に気合いを入れ直すようにほっぺたをペシペシと叩く。
アイツはつけあがらせちゃいけないんだ。ちょっと甘い顔を見せたら、胸を触らせろとかキスした時に舌を入れ
させろとか言い出すに決まってる。
なにしろアイツは、アイツが他の女の子と楽しそうに笑ってるのを見たアタシが泣いてしまったのを見て、何を
勘違いしたんだか、いきなりアタシを抱きしめて『俺が好きなのはお前だけなんだから、泣くな。』なんて、いつの
時代の少女マンガだよ!っていう台詞を吐いた挙げ句、アタシが泣き止むまでキスをし続けた、ドスケベなんだから。
鏡の中の少女は、気合いの入れ直しに失敗したらしい。顔がどんどんニヤニヤとにやけて崩れていく。
しっかし、アイツがアタシの事を好きだったなんて、全然気が付かなかったなぁ。同じ産婦人科の病院で同じ日に
生まれて以来、15年の付き合いだっていうのに。
もっともアタシは、友達が言うにはアタシがアイツに『好き好きレーザービーム』を全身から発射していたことに
すら気が付いていなかった超鈍感らしいから、まぁ、仕方ないのかもしれないけれど。
『ポ○モン、ゲットだぜ!』
アイツからメールが着た。ちなみにこの着ボイスはアイツが設定した。アイツらしいっていえば、これ以上は無いって
くらいアイツらしくはある。
『今、家をでるから。ちゃんとスカート履けよ。超期待してるからな!』だって。
…………バカ。女心が分かってるんだか、分かってないんだか。
だいたい、今日の『デート』だって、中学3年にもなって『ポ○モン』の映画っていうのはどうかと思う。
別にアイツにラブロマンス映画に誘うようなデリカシーを期待してる訳じゃ無いけど、二人でポ○モンじゃ、今までと
一緒じゃない。
ピンポーン。
玄関のベルが鳴る。アイツが迎えに来たみたいだ。
うしっ!リクエストにお答えして、とびっきりのアタシを見せてあげようじゃない。
蛹から羽化したアゲハチョウみたいに美しく、可愛く変身したアタシを見てびっくりするがいいわ。
アタシは窓から顔を出して、アイツに手を振った。
アイツはアタシに気が付くと、一瞬目が点になって硬直した。でも、すぐに復活して、お前は大好物の骨ガムを貰った
ジョン(うちの犬。シベリアンハスキー12歳。)かってくらいの満面笑みを浮かべて、アタシに手を振った。
あ〜あ、アタシもあんな顔してるうだろうな。
アタシは窓を閉めて部屋を出る。
ベランダの物干竿で、これからは少し出番が減るはずのジーンズが、夏の風に吹かれて寂しそうに揺れていた。
お次は、『露草』『世界征服』『天花粉』で。
256 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/28(木) 06:33:02 ID:f/DATD3g
>>252-254 イマイチ
☆ チン マチクタビレタ〜
マチクタビレタ〜
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・) < ネ申のSSまだ〜?
\_/⊂ ⊂_ ) \_____________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 愛媛みかん |/
なんか変な時計が沸いてるな。
>ここはあくまで書き手が気紛れや気休めで書くスレ
なんだから感想は書かんで良いぞ。
258 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/28(木) 12:37:25 ID:e/LQFjSu
天花粉って何?よめn
『露草』 『世界征服』 『天花粉』
今日もいい天気。朝なのにもう暑い…。
UVカットの長袖シャツと日傘で身を堅め、朝食用の食パンが入ったコンビニ袋をぶらさげて、
私は先を急いだ。だってウチには彼が待ってるし、よそ見をすれば草むらに咲くあの花が目にはいるから。
『俺、この花好きだな。露草っていうんだけど』
あいつの言葉、忘れたいのに。
露草は目が覚めるように青くて、二枚の花弁が耳みたいな小さな草花。地味だからそう言ったら、
あいつ、苦笑いしてたな。
そういえばあいつ自身もあの花みたいに涼しげで、すらっと背が高かった。今の彼とは正反対――
やめよう。いちいち姿まで思い出してたら、忘れたいものも忘れられない。それより早くウチに
入らないと、私のお肌がかわいそう。
「ただいまあ。買ってきたよ」
「おーう。サンキュ」
玄関を入って声をかけたら、洗面所から彼が顔を出した。
「何してんの? さっき、顔洗ってたでしょ」
「おう。ってかさ、これ何て読むんだ?」
彼の手には、私が愛用してる天花粉の容器が乗っていた。私はそれを奪い取る。
「てんかふん。ベビーパウダーのことよ。それより、人んち探検するのやめなよ」
彼は照れくさそうにこわい髪の毛を掻いて、笑った。子供みたいな仕草で、子供みたいな顔で。
いくつだアンタは。
「いやー、おまえっていつも、ふんわりいい匂いするからさ。なに付けてるんだろって」
「小さい頃、お風呂上がりにベビーパウダーはたいてもらったこと、無いの?
汗疹とかできなかった?」
この独特の香りを知らない人がいるのに驚いて、詰問してるみたいに訊いてしまった。
彼は得意げに日焼けした腕をまげて、力こぶを作ってみせる。
「俺さ、自慢じゃないけど肌は強いんだよね」
「私にとっては充分、自慢なんだけど」
殴る振りをしたら、彼は笑いながらバタバタとリビングまで逃げていった。
そうなのだ。私はやたらに肌が弱いせいで、いい大人になった今もベビーパウダーが手放せない。
彼とデートするときは、シャワーを浴びてパウダーをはたいていくから、いつもこの匂いがしていたらしい。
狭いキッチンにパンを置いてから、私もリビングに向かう。
あれ、どこ行ったのよ? 大して広くもない部屋なのに、彼の姿が見えない。
「ここだよー」
「ぎゃああ!」
後ろから抱きつかれて、お化けでも見たような悲鳴をあげてしまった。しかもこいつ、胸を揉んでるし。
ちょっと待て。朝っぱらから。
「そうなんだよなあ、おまえってグラビアアイドルになれば、世界征服も夢じゃないかも知れないのにな」
たしかにスタイルには自信あるけど、水着で紫外線に肌をさらすなんて……自殺行為だわ。
「惜しいなあ。まあ、俺専門アイドルって感じ?」
というか、なぜ、いそいそと私の服を脱がすんだ?
「ちょっとお。アンタがおなか空いたって言うから……」
「いいのいいの。もう少しくらい。それよりさ、したくなったから」
「このォ」
なんて口では言いながら、簡単にその気になる自分が怖い。
服脱いで、キスして、リビングのソファに横になって。
「おまえのおっぱい、大きくて気持ちいいな」
こっちが恥ずかしくなるようなことを平気で言って、嬉しそうに揉んだり、しゃぶったりしてる。
ほんとに子供か。でもやっぱり、私も気持ちよくなってきたりして……。
次は 『プール』 『観葉植物』 『カレンダー』
30分違いで同じ御題
『露草』『世界征服』『天花粉』
春に生まれたばかりの娘が、またむず痒がった。
私はぐずる娘を抱いて縁側に向かい、風通しのよい日陰に彼女を下ろすと手早くおしめを脱がす。
思った通り赤い湿疹が脚の付け根から腹にかけて広がっていた。
すぐに更のおしめを尻に宛がい、天花粉を湿った肌に塗してやる。娘は嬉しがって、真新しい
布地に向けて勢い良く放尿した。
「ああもう、折角おしめ替えてやったのにお前は――」
私の方が不機嫌になりそうだったが、今はぐっと我慢する。
ただでさえ普段から娘は、父親の私よりも母親に懐いているのだ。この前など頬擦りしてやったら
「止めろや、痛いのよヒゲが」と言わんばかりに嫌がって泣き喚いた。
すぐに妻に無精髭を指摘され、今は外出しない日でも毎朝の洗顔で髭を当たっている。
それにも関わらず、娘は今でも私の事をあまり好きではないようだ。
機嫌のいいのは、外出した妻の代わりに乳を貰う時とおしめを替える時だけ。生後三ヶ月にして、
私は早くも父親としては面目なし《メンモクレス》になってしまっている。
過ぎた夏の日々を思うように、私は雲一つない台風一過の青空を見上げた。
うだつの上がらぬ私ではあるが、これでも去年の今頃までに物語のような恋愛を経験した。
今の妻は結婚するまで本当に身持ちが固かった。誰もいない夜道で人目を忍ぶように抱き合う
事はあっても、私が豊かに実った乳房を触ろうとしただけで怯えた目をした程だ。
勿体無い――当時の私はそう思ったものだった。
女性にしては背が高くすらりとして、道行く人々の注目を浴びるような美人だったのに。
私がそう言うと彼女は躊躇いがちに、結婚まで貞操を守りたいのだと告げた。私には肯くより
他はなく、軽いキスを交わして彼女を家に送り届けた。
道中の彼女は夜風の涼しさにも関わらず、帰宅までずっと頬を上気させ続けた。
そんな彼女が妻となって後、幾度も夜を経て変貌を遂げる様子は見ていて本当に嬉しかった。
辛そうに瞑目したまま私と結ばれた妻が、徐々に彼女から求めて来るようになり、やがては
あられもなく脚を広げて絶頂に至るようになり――
自分の反応に戸惑う彼女を、私は繋がったまま抱き締めて無意識に力を込める。
目を合わせた彼女は嬉しそうでもあり恥ずかしげでもあり、それでもごく自然に呟いた。
――ありがとう
そう言って私の頭を髪ごと掻き抱いた妻の事を、私は交際を続けていた頃よりも
初めて結ばれた夜よりも愛おしく思った。
それが去年の夏、私たち夫婦の過ごした熱い夏の日々である。結果――
父親にあまり懐かぬ、この娘を授かったのであった。
目も眩む太陽から顔を逸らし、私は薄暗い庇の光度に傍に積んであった古雑誌の文字を追った。
――天才少女カリンカのピアノソロ
――世界征服の罪で逮捕 元学友かく語りき
不精してチリ紙交換に出さなかった為か、どれもつい先週の話題だった。
あれほど物議を醸したロボット選手権も、主催者が逮捕されては御仕舞いだろう。
世に悪の栄えた試しなし。
儚げな露草であれ醜悪なラフレシアであれ、やはり花の命は短いというのか――
移り行く花の命と言えば――妻の変身だろう。
妻はすっかり変わってしまった。
元々意志の強い所はあったが、ここ一年の変化に対して柔軟に対応して見せ、今では
積極的に外出を楽しみ、一家で揃って出かける時は母親然とした強さをも備えている。
要するに、順応性の低い私とは違うのだ。『柔らかい意志』の持ち主とでも言おうか。
人当たりも良くなったと、妻は近所で噂されているらしい。彼女が食卓で嬉しそうに語る所に
拠ると、皆は彼女の変化を私のお蔭だと言い、私の事を善良な夫だと見なしているようだ。
妻には悪いとは思いながら、私にはそれが耐えられなかった。彼女は自ら変化を遂げたのであり、
その間私は妻に甘えて、相も変らぬ日陰者であり続けたのだから。
どうして私ごとき風采の上がらぬ男の下に嫁いだのか、一度訊ねてみたい気もする。今まで
その機会は十分にあったのだが、同時にその返事が怖くもあって実行に踏み切れない。
いずれ妻が私に見切りを着け、彼女から離縁を切り出される日が来るのではないか。
その時は娘が先日放送されたテレビドラマの題名のように、私たちの縁を繋ぎ止める鎹となって
くれたら良いのだが――
娘はそんな父の小心さを嘲るように、きゃっきゃとはしゃぐばかりである。
どこから迷い込んで来たのか、赤茶色の毛をした一匹の犬が縁側の私たちを見ている。
不意に私は娘の格好を、ひどく恥ずかしい物に思った。
娘はおしめも未だに脱がせたままの、あられもない格好だ。例え相手が畜生と雖も、娘の秘所を
見せるのは父親として忍びない。妻だって結婚するまで、両親以外に見せた事のない場所なのだ。
娘が伴侶を見つけるまで貞操を守ってやるのが、私に出来る唯一父親らしい振る舞いだろう――
娘のおしめをきちんと着けてやると、私は庭に下りて棒切れを持り、犬を執拗に追い回した。
囲いの内側を一周し、表通りに飛び出た所で。
夏休みを満喫する子供たちの群れが一斉に、サザエさんの主題歌よろしく――
好奇と侮蔑に満ちた目を、私へと容赦なく浴びせた。
次は 『プール』 『観葉植物』 『カレンダー』
266 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/28(木) 21:15:24 ID:62cp5wsB
>>259-264 もっとコンパクトに汁
☆ チン マチクタビレタ〜
マチクタビレタ〜
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・) < ネ申のSSまだ〜?
\_/⊂ ⊂_ ) \_____________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 愛媛みかん |/
267 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/29(金) 06:42:17 ID:/pZL4Coa
☆ チン マチクタビレタ〜
マチクタビレタ〜
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・) < ネ申のSSまだ〜?
\_/⊂ ⊂_ ) \_____________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 愛媛みかん |/
書いたやつは神!
プールで寛容植物(擬人化または触手)にカレンダーを挿される(??)、とか
『プール』 『観葉植物』 『カレンダー』
カレンダーは7月。今日から夏休み。
「ねねお兄ちゃん」
「なんだい真由」
小学5年生の妹にせがまれ、中学二年生の兄が顔を上げる。
「今日から夏休みだね」
「そうだな」
「何か予定ある?」
「マジレンとヒビキ。ホテルに泊まりこみでTRPG夏祭り。あとコミケ」
「プリキュアはどうでもいいの?」
「どうでもいい」
「うん。お兄ちゃん、ゾイド見てるもんね」
「バトスト以外は認めないけどね」
「そうなんだ」
そんな兄に、妹は甘えた表情で詰め寄り、
「真由は泳ぎに行きたいな」
外は快晴。絶好の水泳日和。
「駄目だよ。父さんも母さんもいないのに」
「もう。だからお兄ちゃんに頼んでるんじゃない」
「そうだなぁ・・・・・・・」
真はちょっと考えて、
「じゃあ、真由が水着でサービスしてくれたら、プールに行こうか」
「えっ。本当!?」
「ああ。ただし水着はスクール水着」
「うん。分かった」
てて、と小走りで駆け出す真由。
その間に、真は自分も海パンに着替え、鉢植えの観葉植物に水をかける。
「ふふふ。今日は、どんなプレイをしようか」
妹とのアレコレを考えながら。
「お兄ちゃん。お待たせ」
声に振り向くと、黒いスクール水着の真由がいた。
「よし!」
その姿に、何故かグッと拳を握る兄。
「あっ。お兄ちゃんも海パンなんだ」
「そうだよ」
言うと兄は、ソファーに座り、妹を手招き。自分の膝を指して、
「ほら。ここに座って」
「うん」
背中を向けて、真由は兄の膝の上に、ちょこんと座る。
妹の小さなお尻。その柔らかい感触に、真はニッと歯を光らせる。
「真由のここ。大きくなったかな」
と、背中から手を回して、黒い布地の上から、妹の胸を両手で包む。
「うあーん」
「お。少しは膨らんできたじゃないか」
妹の淡く膨らんだ、乳房と呼ぶにはまだ早すぎる胸。
その幼い胸を、手の平全体でこね回す。
「や、ああぁん・・・・」
甘い声を出す妹に、真は妹でそっと囁く。
「もう感じてるんだ。真由はえっちな小学生だな」
「もう。お兄ちゃんだって」
真由は、そっと兄の股間に手を伸ばし、
「ここ、もう大きくしちゃって」
真の股間は、もうはっきりと膨らんでいた。
「えい。お返し」
そしてお返しとばかり、真由も小さな手で、兄の勃起を締めつける。
「ん・・・・・ううん・・・」
「真由・・・・ううぅ」
ソファーで重なるように座りながら、兄が妹の華奢の胸を撫で回し、妹は兄の男を手で締めつける。
「お兄ちゃんのここ・・・すごいビクビクしてる・・・・」
真由の手が触れる度、ちんこがぷるぷると脈動し、手の中で震えていた。
「すごく・・・・熱い」
うっとりとした表情で、真由は呟く。兄のそこは固く熱く。
真由も頬が赤く染まり、早くも汗をびっしょりと掻いていた。
もちろんそれは真も同じである。妹の温もりを膝の上に感じながら、一心に水着の上から胸を撫で回す。
夏の暑さが乗り移ったかのように、二人は熱く熱く肌を重ねていった。
真の手が、ツンと真由の乳首を摘む。
「ひやぁん」
ピク、と震える真由。その乳首は、もうプックラと固くしこっていた。
「真由」
背中から呼びかけると、妹は無言で頷く。
兄は妹を抱えると、そっとソファーに横たえ、その上に覆い被さる。
「お、お兄ちゃん・・・・」
「何?」
「優しく、ね。前みたいに、乱暴なのはイヤだよ」
「分かってる」
言うと兄は、そっと妹に唇を重ねる。
「・・・・ん」
妹は目を閉じてキスを受け入れ、兄の背中に手を回した。
真も真由の背中に手を回し、より深く妹を味わう。
さらさらですべすべの妹の唇。肌。猫っ毛の髪の毛を撫でると、とっても柔らかい。
「ぷはぁ」
長い長いキスが終わり、口を離した兄妹はふふっと笑いあう。目に涙を溜めながら。
「ほら。マユのここ。もうこんなに」
そっとスクール水着の股間の端を指でどけ、妹のあそこを覗き込む。
まだ毛も生えていない、妹の幼い割れ目。綺麗なたてすじのそこは、ピンクに輝いている。
そしてテカテカと濡れていた。無色透明の液体で。
「やーん。お兄ちゃん。そんなとこジロジロ見ないでよ」
「綺麗だよ」
そっと指で触れると、「あっ」と小さな声を上げて、真由は仰け反った。
「挿れるよ」
海パンからちんこを取り出して、兄が囁く。
「うん。きて」
ぎゅっ、と兄にしがみつき、妹が頷く。
その緊張した様子に、「可愛いな」と微笑し、ぐっと腰を突き出した。
「ひゃん!?」
まだ先端が入っただけだが、真由は全身を固くして背中を仰け反らせる。
「真由。我慢して」
「やだぁあー。いたあぁーい!」
涙を浮かべる妹に構わず、真はぐっと下半身に力を込め、幼肉を引き裂いて、奥まで突き進む。
「ひいぃん」
「よくがんばったな。真由」
妹と繋がったまま、真はよしよしと頭を撫でてやる。
「ひん・・・・お兄ちゃん、痛いよぉ」
「大丈夫。その内、気持ちよくなるよ」
狭い妹の膣を感じながら、兄は快感に酔いしれていた。
「はぁん・・・・はああぁんん・・・・」
腕の中で、小さく身悶える妹。
慣れてくると、兄の言うように、痛みが快感へと変わってきた。
「お兄ちゃん・・・・お兄ちゃん・・・・・」
「ん?」
「好き」
妹のその言葉を聞いた瞬間−
どぴゅ
兄は、妹の中に果てた。
我慢に我慢していたモノが、妹の「好き」で爆発したらしい。
「あ・・・・ああ・・・・アー!」
兄の熱い性の衝動を受け、真由は脚を天に向け、ピンと全身を硬直させる。
そして脱力して、脚を兄の腰に絡ませた。
「ねえ。お兄ちゃん」
「なに?」
「やっぱプールはいいや」
「どうして」
「ずっーと、お兄ちゃんとこうしてたい!」
自分から抱きつく妹に、兄も満面の笑みで応える。
「ああ。ずっと、こうしてような」
そしてまた、結合したままの腰が激しく動き出す。
この夏休み中、兄と妹は毎日のように愛し合い−
小学生の妹は妊娠しました。
次は『木工ボンド』『ルネッサンス』『文武両道』の3語ででお願いします。
273 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/29(金) 23:06:35 ID:+p4I2bgj
>>270-272 やっつけ仕事感が強すぎる
☆ チン マチクタビレタ〜
マチクタビレタ〜
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・) < ネ申のSSまだ〜?
\_/⊂ ⊂_ ) \_____________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 愛媛みかん |/
『木工ボンド』『ルネッサンス』『文武両道』
その日も雨は降り続いた。
何日も降り続いた雨のせいで部屋がじめっとしている。
僕は振り続ける雨を眺めていた。
部屋には修復途中のルネッサンス時代の絵がおいてあった。
湿気は絵にとって天敵なのだが今そんなことを気にするのも馬鹿馬鹿しかった。
陰鬱。
まさにこの言葉が今の僕にぴったりあてはまるだろう。
そう考えた自分を打ち消すかのようにため息が口をついてでる。
いま彼女がこんな僕を見たらどういうだろうか。
『なにしょぼくれてんのよ、遊びいこうよ』
頭の中で彼女の声、微笑みがフラッシュバックする。
もう涙は枯れ果て、一切出てこない。
声も同じだ。
そんなとき電話がなる。
脳に直接響いてくるような嫌な音だ。
りんりん。
りんりん。
今でも僕の家の電話は黒電だ。
普段なら彼女相手に自慢するのだが、その彼女はもう何処にもいない。
五月蝿い。
りんりん。
五月蝿い。
りんりん。
僕は面倒ながらもベッドから起き上がり、部屋の扉を開けた。
眼の前には暗闇が広がっている。
廊下の電気は消してあったためだった。
くらい廊下を歩いていくと、ちょうど黒電が置いてあるところまできた。
そして受話器をとろうとすると、電話が切れてしまう。
肩透かしをくらった気持ちで暫くいるとまた鳴った。
りんりん。
受話器を握りしめ、耳元まで持ってくる。
「もしもし」
「…………………………」
相手は何も答えない。
気味が悪かった。
まるで背筋に氷を押し当てられたように、全身の体温が下がっていくように感じられた。
「ふざけるな」
僕は苛立ちで受話器を黒電に叩きつけてしまった。
虚しかった。
するとまた黒電がなった。
りんりん。
直ぐに受話器をとった。
「もしもし」
「…………………………」
また同じだった。
クソッたれ。
また受話器を叩きつけるようにして切った。
するともう一度かかってきた。
もう僕の手は震えていた。
この前読んだホラー小説に似たような話があったのだ。
得体も知れぬ恐怖に屈するわけにもいかず、僕は受話器をとって叫んだ。
「いいかげんにしろ。もう電話をかけてこないでくれ」
と、今度は反応があった。
「神楽くん…何かあったの」
肩透かしをまたもやくらった。
親友の由梨だった。
「由梨ちゃんか…ごめんな怒鳴って」
「うんん、大丈夫。だって…」
「それ以上は言わないでくれ…」
僕は沈んだ声で言った。
またもフラッシュバック。
いつだったか、僕が彼女と由梨を作業場に招待したとき、
由梨が修復し終わる一歩手前の作品をみて、ここボンドでつけたらおわりじゃんと言って
棚においてあった木工ボンドでつけてしまい作品を台無しにしたことがあった。
彼女は唖然としている僕を必死に元気づけようとしてくれていた。
懐かしい。
でももう二度とこない楽しかったひと時。
「くん、…神楽くんどうしたの、神楽くん」
電話の向こうから彼女の啜りなく声がしていた。
思い出の世界から戻ってきたようだ。
「ごめん…」
「神楽くん私の家に来て…大切なはなしがあるの大切な…」
そういって僕が返事を返す前に由梨は電話を切っていた。
迷っていた。
由梨の家に行って話しを聞くか、ここで思い出に浸るか。
由梨のいう大切な話とはなにか。
もしかしたら彼女のことかもしれない。
行くことにした。
僕は机の上のルネッサンス時代の絵をみる。
絵には微笑む天使が描かれていたはずなのだが、なぜか悲しそうな表情をしていた。
しばらくの間その絵に釘付けにされてしまう。
そして由梨の家に行くという目的を思い出し、机の上に置きっぱなしのキイを持って部屋を後にした。
家の玄関には僕の靴以外何もなかった。
一度彼女にこの玄関、花でも飾ろうよと言われたが、なにもないほうが綺麗だ。
などと言って断ったことがあった。
今思えば何もないところに一輪の花でもあれば素朴な感じでいいかもしれない。
彼女ならなんの花を選ぶだろうか。
そうえいば彼岸花が好きだと言っていた。
彼岸花はね、一人ぼっちなんだよ。
とも。
今思えば何故彼岸花がすきなのか聴いた筈なのだが、思い出せなかった。
しかし物思いに耽っていては由梨のマンションにいけるわけもなく、僕は家を出た。
車を走らせていく。
雨が五月蝿い。
一定間隔でワイパーが動く。
五月蝿い。
ラジオから生き生きとした声で話をするこえがする。
五月蝿い。
五月蝿いラジオを切ってしまうと本当に寂しくなってしまった。
そんなこんなしているうちに彼女のマンションに到着していた。
地下駐車場に車を止めると、僕は鍵を閉めてエレベーター乗り場へと向かった。
ボタンを押しても中々降りてこない。
ふとエレベーターの回数表示を見ると最上階で停止していた。
そういえば由梨のマンションは10時を過ぎるとエレベーターが停止するといっていたのを思い出した。
面倒くさい。
そう頭の中で呟いて、階段を探し始めた。
由梨の部屋に着いたのはそれから4分程度たってからである。
由梨の部屋のピンポンをならすと直ぐに出てきた。
そして僕の顔をみて上がって、といった。
由梨はテーブルの反対側に座っている僕に紅茶を煎れてくれた。
これは彼女が好きだった紅茶のはずだ。
温かい紅茶が僕の心に染み渡った。
「話ってなんだい」
短い沈黙を破るために僕は訊いた。
「あのね、私彩から手紙を預かってるの」
なぜか由梨の顔に暗い影が落ちるのを見た気がした。
そして棚から取り出した手紙を僕に渡した。
その手紙の封を破って開けると、中には彼女の見慣れた字があった。
“ 神楽くんへ
神楽くんがこれを見るときは私はもうこの世にいないはずです。
いま書いておかないと、後で絶対に後悔するから書いておきます。
ずっと迷惑かけちゃったね。
私が襲われそうになったときも、病気で命が危なかったときも。
まるで私が神楽くんと恋人になったとき、ピアスくれたよね。
あのピアス実は一度もつけてないんだよ?
だって神楽くんがくれた最初のプレゼントだったからね(笑)
でも怒ったよね神楽くん。
なんでつけてないんだよ、って。
あの後すごく悩んだけど、やっぱりつけなかったの覚えてる?
結局、ずっと一緒にいられるからいいやって諦めてくれよね。
そんな神楽くんが好き。
いつだったかな?
文武両道だって意気込んでたときがあったよね。
でも結局スポーツなんかなにもせずに1日坊主でやめちゃったよね。
私がそれを言うと耳まで真っ赤にして、僕はスポーツが出来ないんだよ。
って怒ってたよね。
それ逆ギレだよ(笑)
それで、可愛いっていうとまた怒ったよね。
長くなったけどいままでありがとう神楽くん。
彩”
いつの間にか涙が溢れていた。
僕は俯いたまま嗚咽した。
そんな僕に由梨がそっと後ろから抱きついてくる。
「思いっきり鳴いてもいいんだよ。全部私が掬い取ってあげるから」
僕は静かに呟いた。
ありがとう、と。
それは彼女に、彩に向けたものだったのか、由梨に向けたものだったのかは覚えていない。
ただ、僕の心はまだ曇ったままだった。
そして由梨の部屋で一夜を明かすことになる。
まだ雨は降っている。
次は『雪崩』『反射』『雪男』の3語で。
280 :
名無しさん@ピンキー:2005/07/30(土) 07:02:00 ID:1hNWQZyk
>>270-272 エロくない ニーズを読み間違えるな
☆ チン マチクタビレタ〜
マチクタビレタ〜
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・) < ネ申のSSまだ〜?
\_/⊂ ⊂_ ) \_____________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 愛媛みかん |/
281 :
失敬:2005/07/30(土) 07:02:36 ID:1hNWQZyk
>>274-279 エロくない ニーズを読み間違えるな
☆ チン マチクタビレタ〜
マチクタビレタ〜
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・) < ネ申のSSまだ〜?
\_/⊂ ⊂_ ) \_____________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 愛媛みかん |/
漏れもだ。
>281
>エロくない ニーズを読み間違えるな
>ネ申のSSまだ〜?
たっくんの読んでくれるご本なんてつまんない!!
だって、二人が幸せにならないんだもん!悲しいよ!
・・・ねえねえ、今日は本、読んでくれないの?
んーーツンデレ?
最近みんな難しい題出すよな
いつ誰が続き書き込むか分からんから書けん…
かいちまえ。かぶったら1付近に書いてあるとおりにすりゃよかと
雪男に襲われた僕らは山荘に逃げ込み夜を明かそうとするが雪崩に巻き込ま
れてそこも脱出。背後を振り返ると雪男がすぐそこに。あわや、というところ
で朝日が雪原に反射。目がくらんだ雪男崖から滑落。付け足しのようにえち。
おしまい
次は『宇宙』『図書館』『タイタニック』
宇宙に行きたかったがムリだったので、図書館行って、タイタニック観て寝た。
次は『野口さん』『亀井静香』『出来杉くん』
野口さんは亀井静香と出来杉くんの愛の結晶。
次は『台風』『猫』『停電』
台風が来そうなので猫と遊んでたら停電した。
次は『できちゃった婚』『携帯電話』『小泉改革』
携帯電話で出会った彼氏とできちゃった婚した。
小泉改革って何だろうと考えながら中田氏。
次は『北の将軍様』『長渕剛』『ゾマホン』
結局、どのお題で書けば……?
すきなのを選んでしまっていいのだろうか?
>>296 好きなのでいいんジャマイカ?
『台風』『猫』『停電』か『宇宙』『図書館』『タイタニック』くらいしか
まともに書けそうもないがw
>>295 北の将軍様がゾマホンだと気づいた長渕剛は(ry
次は『ブログ』『郵政民営化』『すすきの』
ルール違反まで遡って『雪崩』『反射』『雪男』が妥当な線でしょ。
難しいお題だけど…
>>298 ブログで郵政民営化を話題にしようかと思いつつすすきのの夜
次は『夏』『逝ってよし』『アソパソマソ』
夏だからアソパソマソは逝ってよし!
次は『刺客』『ムーミン』『ラドクリフ』
ムーミンはラドクリフの刺客
次は『ポット』『ガスコンロ』『たこ焼き焼き器』
たこ焼き焼き器とポットをウルトラミキサーにかけると、ガスコンロの完成だ。
次は『幼馴染』『箱』『去年』
箱の中に幼馴染が詰まっていた去年のクリスマス
次は『ユースケサンタマリア』『ハードゲイ』『地震』
「地震だね。と僕が言ったらハードゲイの君は隣で笑った。」
こんばんは。ユースケサンタマリアです。
次は
「ネピア」「素敵」「夜」
面白いと思って書いてるんだろうか?
ルール違反な上にすげーつまらないんだが。
>306
感想レスが欲しいなんて誰もメール欄で書いてない。
ちゃんと1読んで下さい。
皆様スルーで。
>>305 ネピアを使って素敵な夜にしよう。
「おでん」「シャーペン「しおり」
シャーペンとしおりをおでんに入れる
「ミステリー」「田中真紀子」「ホリエモン」
>>307 でも放っとくと延々書き続けられるぞ。
つーわけで、ここらでまともな職人さんキボンヌ。
ホリエモン、田中真紀子のビックリミステリーツアー
次「メデューサ」「VIP」「剣」
剣を持ったメデューサはVIP待遇
「JFK」「豆腐」「ムネオハウス」
『雪崩』『反射』『雪男』
彼女は絵本を読んでいた。
全てのページに愛らしい絵が描かれた、とても古い懐かしい絵本を。
「そうして、一人ぼっちの雪男は、真っ白な雪に星がキラキラと反射するのを眺めながら、
今日もまた一人で眠ります」
母親のような笑みを乗せ、耳に心地いい甘やかな声を歌うように優しく紡ぐ。
窓の外では絵本の中と同じように、一面の銀世界にキラキラと星が輝いていた。
「ある朝、一人ぼっちの雪男は、一匹の狐と出会いました。ふわふわの毛が愛らしい、
真っ白な雪狐です。雪崩に巻き込まれたのでしょうか? ぐったりとして動かない雪狐を
その広い大きな胸に抱き、雪男は雪狐を自分の住処まで連れて帰ることにしました」
くすりと笑い、絵本から視線を上げる。
雪のように白い肌に、銀色の髪。瞳は淡い青色を湛えていて、まだあどけない顔立ちは、
美しいと形容するよりは、愛らしい。
少女はベッドの上で半身を起こし、生気の無い瞳を虚空に泳がせている男を眺めてもう
一度、微笑んだ。
「雪男に介抱されて元気になった雪狐は、すぐに雪男と仲良しになりました。もう、雪男
は一人ぼっちではありません。しかし、ある月の綺麗な比較的温かい晩。再び雪崩が起こ
りました。雪狐は雪男に庇われ、へいちゃらでしたが、雪男はどんなに雪狐が声をかけて
も、決して目を覚ましてはくれませんでした」
絵本は、残り3ページ。しかし少女はそこで一つ息を吐くと、絵本を閉じて天井を仰い
だ。
「――雪狐は、1年間がんばったんですって」
ベッドの上の男は答えない。
天井を仰いでいた視線を男に戻し、少女は悲しげに微笑んで立ち上がった。
「私はもう、5年もがんばってるのよ?」
何も写していない男の瞳をベッドサイドから覗き込み、ひび割れた唇にキスをする。
面長の、とがった顎と口回りに生えた無精ひげがちくちくとしてむずがゆい。
「ねぇ、おじさん。私、背、伸びたのよ? おじさんと歩いてたって、腕だって組めるく
らい。知ってた? 私ね、マッシュルーム、食べられるようになったの」
ついばむように口付けて、無反応の唇に今度は深く口づける。ベッドの上に膝をついて
身を乗り出し、少女は男の服に手をかけた。
「好き……」
パジャマの前をはだけさせて、すっかり肉の落ちたその胸に頬を寄せる。
男の膝をまたいで座り、少女は大きく筋張った手を自らの唇に導いた。
舌を出して、ちろちろと舐める。一本一本丁寧に舌を這わせてから口に含み、少女は呼
吸を乱しながらもどかしげに腰をくねらせた。
「ん……ふぁ……」
唇から指を引き抜き、潤んだ瞳で男を見る。いつもいつもやる気が無くて、ふざけて人
をからかってばかりいた。
タバコをやめろといっても、口だけで分かったというばかり。そんな、人を馬鹿にした
態度が好きだったのに。むきになって怒って泣くと、決まって慌てて慰めてくれる優しさ
が好きだったのに。
「時々、実は本当は、とっくの昔に治ってるんじゃないかしらって、思うの」
体をずらして男にかけてあった毛布を剥ぎ、男の股間に顔を埋める。既に、僅かにだが
反応を示しているそこにねっとりと舌を這わせ、少女は自らの服も少しずつ乱し始めた。
「は……だって、こんなに……ん……は、おっきく……ん……ふ」
口に含んで舐めしゃぶり、だんだんと硬さを増してくるそれに体の芯が濡れて来る。
唾液でベトベトになったそれをうっとりと眺め、少女は口元を拭ってスカートをたくし上げた。
「いれる……ね? 怒ら、ないで……あ、あぁ……」
熱く滾ったものに指を絡めて入り口にあてがい、ゆっくりと腰を落としていく。柔らか
い肉壁をやわやわと擦られる感覚に、少女は喘いで男の首にしがみ付いた。
「あぁ、おっき……は、お……じさん……あぁ、ひぁ……んぁ!」
ゆっくりと、次第に早く腰を動かし、更に奥へと求めて喘ぐ。少女の顔は快楽に溶け、
空ろな表情のまま反応を示さない男の唇に夢中になって口付けた。
「だ、め……も、おじさ……! わ、わた……し、も……!」
涙が溢れて止まらない。全身が意思に反して強張って、膝がガクガクと震えて今にも崩
れてしまいそうだった。
爪を立てるように男の体にしがみ付き、弾けた絶頂にしなやかな背が弓なりにそる。
腹の奥に熱い物が吐き出されるのを意識して、少女は絶頂の余韻に浸りながら男の肩に
顔をうずめて乱れた呼吸を整えた。
「……ごめんなさい」
呟いて、少女は未だ男とつながったまま、ぽろぽろと涙をこぼした。
汚い。自分が、どうしようもない程に。
「でも、おじさん……が、好き……」
初めて、彼を男として意識したのはいつだったろう。名前を呼んでも答えない、からか
ってみても怒らない、触ってみても反応しない。
いつだったか、彼が本当に生きているのか不安でどうしようもなくなって、暖かいだけ
じゃ足りなくて――。
唇を重ねた。舌を絡めて、体に触れた。初めて服を脱ぎ、欲望に呑まれた時の胸の高鳴
りを覚えている。
意志を失った物に、一方的な情欲を押し付ける背徳感。それでもやめられない自分が嫌
で、汚くて――。
雪狐は毎日、毎晩寂しくて泣きました。雪男はいつまでたっても目を覚ましません。
ですが雪狐は決して雪男の側を離れませんでした。なぜなら雪狐は雪男の事が大好きで
したし、何よりも雪狐は、雪男は必ず目を覚ますという事を知っていました。
そして、雪狐は今日もその青い目を真っ赤にして泣きながら、暖かい雪男に寄り添って
眠ります。
明日、雪男が目を覚ましたら、何をして遊ぼうか考えながら。雪男の夢を見るために――
『髪』『雨』『タオル』
雨が降ったので髪をタオルでふいた
「杉田かおる」「ラーメン」「うまい棒」
杉田かおるの好物はラーメンとうまい棒
「チャーハン」「ロケット」「タイ」
とりあえず、おまいらもいいかげんにしとけ
>>315の三語からまともなの作れよ
チャーハンをを食べながらロケットでタイに行こう
「研究」「夜」「実験」
せめてエロを入れる気はないか
『髪』『雨』『タオル』
下校時、小雨がぱらぱらと降り始め、小暮奈津は傘を忘れたことを軽く後悔した。
たいした降りではないからそう酷く濡れもしないだろうが、制服は乾かすのが面倒だ。
点滅する青信号。小走りに横断歩道を渡ると、商店の軒づたいに、なるべく雨を避けながら、家路を急ぐ。うしろで簡単に結わえた長い髪が跳ね、首筋に汗が浮いた。
「すいませんけど」
商店街の、レンガで淡い色に舗装されたとおりを抜けようというところで、突然呼びかけられて、奈津は驚いて立ち止まった。
道路の端で、自転車に乗りデイバックを肩にかけた背の高い青年が、奈津にニヤニヤ笑いを向けていた。
愛想よくしているつもりなのかもしれないが、どことなく不快な笑みだった。
「あ、すいません。**って、この通りでいいんですか?」
無遠慮に近づいてくると、青年はよれた地図を広げてみせた。
指で**を指しながら、
「ここに行きたいんですけど、どうも迷ってしまったらしくて。えーと、今いるところがここですよね?で、さっきはこっちの道をまっすぐ行ったんですよ、そしたらまた戻ってきちゃって・・・」
奈津はしぶしぶ地図を覗き込み、目的地を確認すると、要領よく道順を教えた。
他所から訪れた人であれば、なるほどわかり辛かったかもしれない。
「あ、なある。うん。どうもアリガトウね」
青年は笑顔のまま狎れた調子で礼を言うと、さっさと自転車をこいで道の向こうに消えた。
なんとなくホッとして、奈津はまた歩き始めた。青年の視線が、奈津の濡れて色の変わった
制服のうえをなぞるように往復した気がして、少し怖かったからだ。
陽が曇り空の向こうで徐々に落ちていく。さっきまで薄明るかったのに、今はもう夜の色が濃くなっている。
これから短いが人気のない道を通る身としては、街灯がまだ点かないこの半端な時間はとても心細い。
区画整理で生じた使い道のない広大な空き地の脇を、二百メートルほど突っ切らなければならないのだ。
道の先は薄闇に隠れ、奈津の目でもぼんやりとしか見通せない。
通る者が誰もいないらしいことは蝉の声以外しないことからもわかる。
肩に当たる雨が勢いを増してきた。覚悟を決めた奈津は、スカートを見苦しくない程度に翻しながら、
鉄条網の渡された木柵の脇を駆け抜けようとした。
その時、背後から、自転車のタイヤが濡れたアスファルトを擦る音が聞こえた。
ざわ、と背中に氷片を放り込まれたような怖気がして、奈津は振り返った。
あのニヤニヤ笑いが、それほど離れていない場所まで近づいていた。奈津が顔を向けるのを見ると、
ちりんちりん、と間抜けにベルを鳴らしながら速度を上げた。
通りまで残り、五十メートルの地点で、青年は奈津と並走すると、いきなり自転車を蹴って奈津に飛びかかった。
少女が悲鳴をあげる隙を与えずに、大きな手のひらで口を覆うと、耳もとで、
「うるせえだまれうるせえだまれころすぞだまれころすぞ」
と押し殺した声で恫喝した。
青年は奈津の背後にぴったり身を寄せると、うしろから押さえつけるように腹に腕を回し、
暴れる彼女を脅しつけながら、あらかじめ用意しておいた鉄条網の“入り口”をバッグで押し
開けると、闇の中に獲物を引きずり込んだ。
丈高い雑草を掻き分け、少し開けた場所にでると、青年は少女の細い足に手を這わせた。
少女が青年の手を噛み、口から離れたと同時に大声で助けを呼んだ。
雨音がその声をすべて飲み込んだ。
慌てずに頬を二発平手で殴ると、少女は泣きながら手で顔を庇いもうたたかないでさわが
ないからたたかないでしずかにするから、と呻いた。
青年は彼女の制服を下着ごとたくしあげ、薄い胸部をあらわにした。
両手で包み込むように乳房を揉みしだきながら、少女の涙の味がする唇を乱暴に吸った。
青年の片手が再び少女のスカートにかかり、 土砂降りの雨のなかで嗚咽の
まだ幼さを残す草叢に分け入る指のあらあらしい動きが、 すきだよだいす
きだよこわくないよ と柔らかい身体を限界まで 腰と折れそうな腰
少女はぐったりしてと蹂躙されるに任せ きもちいいよね 痛みが
腿のあいだを温かな つぎはくちでおねがい
雨がやんだ。
暗闇の中で木偶のように無反応な奈津に泥まみれの制服を着せると、
青年はバッグから取り出したタオルで彼女の髪をぬぐい、身体に残る陵辱の痕跡を
菜の花色の布地に吸い取らせた。
青年は依然としてひと気のない路地に少女の手を引いて連れてくると、道端に横倒し
になった愛車にまたがり、口笛でも吹き出しそうな笑顔で立ち去った。
雨の日にはよくある出来事。
つぎは『輝くもの』『世界』『窓』
輝くものは窓から見た世界
『大阪』『公明党』『キャベツ』
大阪の公明党本部でキャベツを食べた
『甲子園』『大仁田厚』『爪切り』
甲子園で大仁田厚が爪切りを持ってた
「バイト」「足」「顔」
> 書き手は3〜5レスぐらいのSSを書いた後、適当な3語を指定します。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
荒らしに何を言っても無駄。
ほっとけ。そのうち飽きるだろw
バイトの顔を足でけった
「秋葉原」「いちご」「辞典」
秋葉原でいちごと辞典を買った
「夏」「秋」「冬」
私の名前は夏秋 冬。
「三角木馬」「ボールギャグ」「名古屋ドーム」
三角木馬もボールギャグも名古屋ドームにはかなわない
「たらばがに」「アメリカ」「地球」
アメリカがミサイル撃ちまくったらば地球の未来がにー
「着信アリ」「ニーソックス」「ウコンのチカラ」
あっ着信アリだ
あっニーソックスだ
あっウコンのチカラだ
「ジーコ」「月」「生活保護」
「生活保護」ってなに?
わたしは友達のジーコくんに聞きました。
ジーコくんはわたしのコトバが聞こえているのかいないのかヘラヘラ笑ってわたしのあそこを弄りまくっていました。
アタマの弱いらしいジーコくんもえっちなことにかんしてはすごいんです。
ジーコくんのゆびがうごくたびにおしりのあたりがくるんくるんして、
とりはだとかたってきて、きもちわるいのかいいのかわかんないへんなかんじになって、
おまたがぴくぴくしてきたとき、ジーコくんがおもいっきりおまめさんをかんだから、わたしはいいました。
「あああん、月までイッちゃうよおーーーー!!」
その三日後、ジーコくんはじこにあってお星様になったってせんせいはいってました。
つぎは「ど根性」「ヌーブラ」「活火山」
っていうかさ、書く人は書こうと思った時点で次書きま〜すみたいなカキコすることにせん?
そのほうがオイラとしては書きやすいですよん。
その話題も最初の方に出ましたが、そうすると偽の投下予告が出てくる可能性があるため、
やめた方が良いだろうということになりました。
別に他の人と被ってはいけないというわけではありませんし、新たなお題が出ていても、
メル欄なり冒頭なりに「前回のお題を途中までかいてしまったので」的な事を書いておけば、
問題にはならないでしょう。
他の人と被るといけないとか以前にやっぱしお互いを比べちゃったりとか
曲がり角での衝突事故並の気まずさが残っちゃうかも…
なんて心配をするチキンはそうかおれ一人か!!
よしなんか勢いで何か書いてみますよ。
この次のお題で。
カブったらカブったでそれもいいかと。
一粒で二度おいしいって思うのは俺だけ?
オマエだけだよキチガイ
SSが読めれば何でもいい
『輝くもの』『世界』『窓』
窓から差し込む光が眩しくて目が覚めた。
きらきらと輝くものが降り注ぐ。そんな夢を見た気がするのは、多分これのせい。
白いレースのカーテン越しに朝の光がきらきらと踊る。
(ん……眩し……)
寝ぼけ眼をぐしぐしと擦って、ふと隣の彼の存在に気付く
――なんだか訳もなく嬉しくて、思わずにんまりと頬が緩んでしまうのを止められない。
今の私はきっと、すごく締まりのない顔、してるんだろうな。
(それにしても……結構、睫毛、長いな)
彼が起きる気配がまったくないので、暇つぶしに彼の顔をじっと眺めてみる。
鼻は高くて、鼻筋も通ってて――おでこは広い、かな。唇は薄いほう?
規則正しく上下する胸は結構逞しい――うん、昨夜ははっきりわからなかったけど、
でも、背中に腕を回した時に、筋肉ついてるなーって思った気がする。
うん、男の人だなって、そんな風に。
(……男の人、なんだよね。だって昨夜は、あんなに――)
ぼぼぼ、と顔が赤くなっていくのが自分でもわかる。
思い出してしまうと、どうにも照れてしまう。やだな、もう。
(あんなに、激しくて――)
年上の彼。普段はとても優しくて、大人で。私の我が儘も軽くいなしてしまうような、
いつも余裕綽々に振舞う彼が、昨夜はまるで別人みたいで。
部屋に入った途端、ぎゅっと抱き締められて、激しくキスをされた――息が出来なくなるかと思った。
そんなキスに酔わされているうちに、ベッドに押し倒されて、服を脱がされて。
『ごめん、俺もう、我慢できない……っ』
擦れた声で彼が言って、そこからは、あまり憶えてない
――ううん、憶えてる。彼の手が、唇が身体中を――やだもう、恥かしいって!
思い出しちゃだめだってば。
ぺしぺしと自分で自分の頬をぶっていると、くつくつと笑う声。
「何、やってるの、さっきから?」
隣で眠っていたはずの彼が、肘をついてこちらを見てる。
「――! 嘘、起きてたの? いつから?」
「君よりちょっと前、かな……寝言とか言ってて、可愛かったよ?」
「や、もう、ひーどーい! 早く起こしてよ〜」
「だって、あんまり可愛い寝言だったからさ?」
「……私、何て言ってた?」
途端、あっと思う間に、彼の胸の中に抱きいれられる。
「……だいすき、だって」
耳元で囁かれる彼の声は、嬉しそうに弾んでる。年上だなんて思えないくらい。
って、あれ? なんだか私、無茶苦茶にキス、されてる?
「え、ちょっと、どうしたの?」
少しだけ焦って、両手で彼の胸を押し返すと、また彼はぎゅっと私を抱き締める。
「んーとさ、急に感動しちゃって。起きたら君が隣にいて、俺の夢を見てくれてて。
これからずっとそうなんだって思ったら、嬉しくてさ。
その、なんか、新しい世界が拓けた感じっていうのかな」
いきなりの彼の告白に、また私の顔は赤くなって――でも、嬉しくて、何度も頷いてた。
そっと見上げると、優しく私を見つめる瞳がそこにあって。
なんだか恥かしくて瞼を閉じると、また彼のキスが顔中に降り注ぐ。今度はそっと。
(あなたが好き)(君が好き)
そう、言葉にならない気持ちをお互い交しながら、くすくすと笑いあって。
ずっとこの人と歩いていくんだなって、そんな事を思った。
なんだか全てがきらきらと輝いているような、そんな蜜月の朝。
きっと、ずっと、この朝を忘れない。
次は『いばら』『狼』『椅子』
椅子の上にいばらで縛られた狼がいたYO
次は『辞典』『テレビ』『蚊』
テレビを見てたらあるある大辞典じゃなくて大事典だって気づいた
あと蚊に刺された。
次は『選挙』『風俗』『サバ』
選挙期間中に風俗行ったら、出てきた女がサバみたいだった。
次は『宿題』『日記』『クマ』
宿題で絵日記が出たのでクマを描いた
次は『刃物』『男子生徒』『市民』
刃物は男子生徒の市民生活には欠かせない
次は『1』『2』『3』
123回目のオナニーだった
次は『かばん』『財布』『家族』
『いばら』『狼』『椅子』
十四歳のその少女にとっては、椅子が世界の全てだった。
木製の大きく頑丈で、しかしひどく古ぼけた椅子が、きぃ、きぃと音を立てている。
椅子に腰掛けた少女は、今日も薄く目を閉じ、舟を漕いでいた。
その横には、少女に自分の知っている話を楽しそうに話す少年がいた。
今日の話は「赤ずきん」らしい。
少年が語り終えたとき、少女はしばらく目を閉じたまま黙り込んでいた。
少年は、この間に少女が自分の話した物語を頭に刻み込んでいるんだろうと察した。
「……狼というのは、弱い生き物なのね」
不意に少女が話し掛けてきた事に少年は驚き、その内容にまた耳を疑った。
「え?そ、そうかな。狼って、平気で赤ずきんを喰ったり、満月の夜に人を襲ったりするんだよ?」
「そうね、狼って弱さを見せないのね。でもだからこそ、弱いと思うの」
まるで謎掛けのようで少年は戸惑ったが、少女を見て少し納得したような顔をした。
少年と少女が初めて出会ったのは、今から三ヶ月ほど前のことだ。
その日、少年は紙飛行機を飛ばして遊んでいた。少年の育った村はあまり裕福な家の無い所なので、
子供の遊びもある程度決まったものだった。
風の強い日で、紙飛行機は良くとんだ。普段行かない村外れへ飛んでいく紙を追ううち、
少年はある家を見つけた。
窓から何気なく覗き込むと、そこには椅子に座ったままうなだれた少女がいた。
その日、少女の命の火は消えようとしていた。極度の飢えに瀕していたのだ。
少女は生まれつき四肢が満足に動かせない体だった。少女の両親は村でも有名な変わり者で、
そんな少女を疎ましく思い、食事や排泄など最低限の世話以外は一切面倒を見ようとしなかった。
同情した妹がよく相手をした(そのために言葉は覚えた)が、基本的に彼女の居場所は、
部屋の隅に置かれた椅子の上だけだった。
その両親と妹も、ある日外出したまま帰ってはこなかった。
事故にあってすでに亡き者となっている事など、椅子に座る少女は知る由も無い。
初め少年は、妙な使命感でもって少女の世話をした。食べ物を買ってきて与えたのも、
服を着替えさせたり、シャワーを浴びせたりするのさえ下心で行った訳ではなかった。
それでも少年は、次第に少女を意識し始めた。少年も年頃だ。偶然のスキンシップもあったし、
少女は村の他の少女と比べても異なった容姿ではあった。
ただ少年の心に深く残ったのは、彼女の雰囲気、おそらく同年代であるにもかかわらず、
年上に見えてしまうその落ち着きだった。
少女は初め何も話そうとしなかったが、恩義を感じてか、少しずつ少年の質問に答えるようになった。
なった。
少年は色々な事を知った。彼女の境遇、心境。
彼女が『セーディア』という名であること。
少年とセーディアのどちらが早かったろう。二人は顔を近づけ、唇を重ね合わせた。
誰に聞いたわけでもなかった。気持ちの表現方法として、自然と二人はキスを知った。
聞いた訳ではないから、それは大人の恋愛における接吻とは程遠かった。
まるで母親が赤子にするような柔な接触。
しかしそれを懸命に繰り返す二人は、本当に幸せそうだ。
やがて少年は、少女のシャツを捲り上げ、控えめな膨らみを掴み、こねる様に力を加えた。
一度びっくりする声が上がるが、すぐにセーディアが気持ち良くなるらしい事はわかっている。
「またいきなりね。さっきの話の狼みたい」
くすくす笑いながら、少女も少年のズボンのチャックを下ろし、すっかり固くなっているものを
手で包み込んだ。
「それじゃ、俺が弱いって事になるのかよ!」
少年も、少女の敏感な箇所に指を当てる。
まだ二人は、本当の『愛し合い方』は知らない。
それでも二人は、初めて会った頃には考えられないほど相手のことを想って、
しかしどこか遊ぶように、夢中になって快感を探し続ける。
それから三日後。
少年の村では、朝から何か騒がしかった。どうやら、村外れの家について話しているようだった。
話の内容は理解できなかったが、少年は嫌な予感がしていた。
椅子の上には、誰もいなかった。 家の中にも、セーディアの姿は無い。
少女が国によって保護されたという事実は、今の彼には分からない。しかし少年は気付いた。
初恋が終わったんだと。心臓がいばらに絡め取られたように痛み打った。
少年は椅子に腰掛けた。体が包み込まれる暖かさ。体を動かす気がなくなるほどの心地良さ。
床に滴が散っていく。椅子は、きぃ、きぃと音を立て始めた。
六十年の後、一人の椅子職人が、後の世に広く伝わる至高の椅子を作り上げた。
新品でありながらどこか歴史を感じさせ、優しげな落ち着いた雰囲気を醸し出すその椅子に、
世界中の批評家やコレクターが座りたがったが、男は生涯それに人が座るのを許さなかった。
常に眉間に皺を寄せ、男はすっかり職人の顔になっていた。
だが、その椅子の名を口にする時に限っては、まるで少年のように屈託の無い笑みを浮かべたそうだ。
次は『水晶』『夕陽』『樹海』
夕陽が水晶みたいに樹海に浮かんでる
次は『イタコ』『残業』『トロッコ』
『絵を描いたわ。あんたに見せたいの。来はるわよね』
「うん。行くよ、阿美ちゃんは今どこにいるの?」
『決まってるでしょ?』
いつもの部屋。
切れた受話器の向こうの音に、沙代は細い髪筋を流して吐息を漏らす。
窓から遠き空の茜に夕陽がぎらついている。
田舎富士、と巷で言われる山のふもとの樹海の傍に二人の秘密の小屋がある。
そのアトリエに訪れるとき阿美はいつでも油絵の具をキャンパス上で擦っていた。
絵を描くときに彼女の乱れ髪からこぼれる恍惚とした横顔を、沙代はいつも寂しい気持ちで眺める。
いつ来ても不思議な小屋だった。
「ああ、来たのね」
「ん。…絵は?」
「勝手に見なさい。私はお風呂に入るから」
沙代は阿美に目をむけ僅かに頬を染めた。
両手指を爪だけ触れ合わせて俯く。
後ろでおさげににしてきた黒髪はそれと一緒にさらりとなった。
残暑というのに蝉は鳴いている。
沙代は、阿美の筆先をひとつひとつ身体で感じながら身体を振るわせ絵に魅入った。
力強い濃緑。
黒の欅。
カササギ。
熊の後足。
「あぁ」
溜息をつき膝を折る。
阿美の絵が沙代を最も欲情させる。
「あっぁ、」
熱い息を漏らして床に脚を擦りつけているとぎしりと板が軋み水滴が彼女に落ちた。
後ろから阿美が覗き込むように見下ろしている。
無表情で。
沙代は振り仰いで切なげに口を開いた。
「あみちゃん。これ、いいよお」
「そう?」
「ん、いいの…」
「おおきに。それはよかったわ」
時折混じる彼女の西の言葉はどこまでも柔らかだ。
沙代は震えて力の入らない足首を、ずるずると動かして栗色に濡れた
女絵師の髪へと手を伸ばし引き寄せながら膝を立てた。
逆らわずに阿美がくちづけに身を任せた。
「ん、ふ」
「は…あみちゃん、こえ、かわい、…んっあ、あ」
スカートの裾を捲り上げて大事な部分を露わにし、自身のものより熟した腿に必死で襞を擦り付ける。
阿美は合せるように膝を動かしながらも、摘まれる乳房の先端を尖らせて震えた。
いつ来ても油のにおいが小屋に染み付いている。
沙代は分からない。
阿美を好きだということと絵にしか最奥が震え出さないということの関連性など、
汗にまみれて肉芽を擦り付ける甘い痺れの中では何もかもが分からない。
ただ確かなことは、
初めて阿美が水晶を身につけた沙代の鎖骨を戯れに描いて見せたその後に起こったことは。
―その時間から、彼女が沙代を呼んで絵を見せるときにはただ抱かれることを望んでいる。
だから阿美は絵を求めに樹海の小さな小屋へ行く。
何もかもが油の混じれたキャンパスの中では湿りを求めて粘膜同士触れ合うことを強要する。
「あぁ熱い、沙代」
沙代の細い首筋で阿美が呟き、背を逸らして果てた。
『バイブ』『温泉』『初秋』
>>354 残業が終わったからイタコといっしょにトロッコに乗った。
『豆』『ギネスブック』『鳥』
『バイブ』『温泉』『初秋』
突然耳元で機械音がうねり、俺はびくんと跳ね起きてパンフレットから顔を離した。
どうやらカウチに座って旅行案内を眺めている内に、日中の疲れが出たのか紙面に突っ伏して
眠ってしまったようだ。
録画しておいたスマックダウンも殆ど見過ごしてしまった。ベノワが勝ったのは知っているが、
試合のポイントはもう一度再生して確認しなければ。
クロスフェースを見逃した悔しさと携帯のバイブで起こされた不快感に舌打ちする。
この手の機械音は歯医者でのトラウマを呼び覚ましてしまうから嫌いだ。アダムスファミリー、
あるいは世にも奇妙なとか六つ墓村のテ−マで目覚めた方がよっぽど清々しいではないか。
まどろみ消去しながら画面を開けば、着信アリ。
溜息と共にバイブ機能を解除し、見覚えのある番号へと掛け直す。
『あ、イクさん?ヒウラです。さっきから電話してたんですよぉ――』
待ち焦がれた様子で人懐っこく語る声に苛々も鎮まる。人間とは現金なものだ。
「悪い悪い、ついさっき目が覚めたばっかりで」
『ダメだよイクさんうたた寝しちゃ。あなたいっつも遅くまで仕事してるんだから』
妙な違和感を覚え、俺は逡巡した。電話の声がくぐもっているではないか。
『どしたのイクさん?』
よく耳をすませば、ちゃぷちゃぷという水音が彼女の声の背後で反響しているように聞こえる。
まさか、という思いを込めつつ、俺は声を落として訊ねてみた。
「ヒウラ――」
『なに?』
「お前、風呂の中から電話してないか?」
『えへへ、当ったりー!』
水面を叩く音が嬉しそうな彼女の声に続く。キャップを被ったまま浴槽ではしゃぐ、彼女の
得意げな笑顔が瞼の裏に浮かぶようだ。
「当ったりー、じゃねーだろが!ケータイ持ったまま風呂に入るなって何度言ったら解るんだ!」
『イクさんいっつもそう言うから、機種変更で防水のしっかりした奴に替えたの。
ちょっとだけならお湯に漬けても平気だから、今から写真撮って――』
「――って待てよオイ!」
俺の叫びも空しく、そのまま通話は切れてしまった。唖然として見つめる手の中の携帯が、
少し間を置いて『戦士への覚醒』を喧しく奏でる。
クリスタルコア六体を絶対零度砲で屠り去る光景が頭の中で展開された。通話ボタンを押す。
繋がったのとほぼ同時に、俺は未だ浴室にいるであろう彼女を怒鳴り付けた。
「水中で電波が届くワケないだろうが!お前学校で一体何勉強して来たんだ!」
『あっホントだ。確かにお湯の中に入れた時「圏外」って出てた。うーん残念』
こんな物理の常識も理解していない女がハイテク機器を使いこなすんだから、良い時代なのか
悪い時代なのか判った物じゃない。
『んでも証拠の水中写真は撮れたよ。おっぱいってお湯に浮くんだね』
「そうですか。それは後で拝見させて頂きたいので、是非メールに添付の上ご送信下さいませ」
目の前にいない相手に頭を下げながら言うと、くすくすと彼女の笑い声が耳元に漏れた。
『エローい。でもイクさん、添付メールの呼び出し方って知ってたっけ?』
答えに詰まり、俺は気まずく黙り込む。確かに彼女の手助けがないと無理な相談だ。
『アハハハハ――せっかく撮ったのに、見られなくて残念だね』
「まあ待てよ。ヒウラの胸なら写真より実物で見たいな」
ちゃぷん、とケータイの向こうで水音がした。
『え、じゃあ今から家来るの?もう電車もないし、両親家で寝てるし――』
「そうじゃなくてだな――」
目を落とせばカウチの上に、眠る直前まで読んでいた旅行案内のパンフレットが広げてある。
そこに書いてある文字を読み上げて彼女に聞かせた。
「初秋の吾妻路を行く、グレート草津温泉一泊二日――こんなのどうだい?」
じゃぼ、とケータイの向こうで纏まった水音がした。
『えっ温泉?!うん絶対行く、来週行く!』
電話の声は明るく弾んでいた。彼女が無類の温泉好きである事は説明を要すまい。
「それじゃあ来週の週末だな」
『どうせ行くなら大勢で旅行した方が楽しいわよね。できるだけ声掛けてみるけど誰誘う?
セイ・スモモ兄妹とエナジでしょ。ギル誘うなら留学生のベイダーも呼ばないとダメよね。
いつか日本の温泉を見たいって言ってたし――』
オレは苦笑しながら、彼女が名前を挙げる毎に一々相槌を打つ。友人知人の名前が途切れ、
彼女がうーんと唸る頃合を見計らって口を挟んだ。
「おいおい、サークルの合宿じゃないんだから。それに温泉でヒウラのお湯に浮いた胸を
じっくり見られなくなるじゃないか」
『そうだったね――って、じっくり見るんだ。イヤらしい』
「オレはイヤらしいの。知ってるだろ?」
『知ってるよ』
アハハと二人同時に笑った。電話越しであっても、彼女との会話はこの瞬間が一番嬉しい。
小さな幸せを噛み締めつつ時計を見れば、もう日付が変わって一時間にもなろうとしている。
「それじゃまた電話するわ。夜遅くまで話し込んで悪かったな」
『私こそゴメンナサイ。イクさん明日も仕事なんだよね、お休みなさい』
電話の声が急にトーンを落とし、それまでのはしゃいだ調子が鳴りを潜める。
打って変わって大人しく淑やかに話す彼女の声が、息もないのに俺の耳元を優しく撫でた。
――お詫びにすぐ写真送るからね。愛してるわ――
唇を吸う音を聞きながら、俺は徐に通話を切った。
鏡を見ずとも頬の弛みをはっきりと自覚する。人前でこんなアホ面を晒す訳には行くまい――
ベッドに潜り込んで毛布を被ると、枕元に置いた携帯がロックマンのボス決定を短く鳴らす。
届いたメールには、彼女の携帯が水中でも作動するという動かぬ証拠が添付されているはずだ。
しかし俺はそのファイルを展開する方法を知らなかった。いや教えては貰っているのだが、
一向に覚えられないのだ。
写真を開く代わりに、俺は――
彼女との情事を思い出しながら一発抜いて眠りに就いた。
<<終劇>>
次は『足首』『太股』『男の世界』
それと過去の三語で投下するのはアリなんでしょうか?
一個前とかでやむなく被ったときはアリじゃなかったっけ・・
過去って言ってもどのくらいか知らないけど
というかアンタなんて三語を指定してるんだw
俺の中で嫌な妄想が膨らんでいったぞ?
早く誰か書いて♪
363 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/02(金) 20:55:58 ID:lXhCKkoU
「a」「g」「e」
この3語で書け
「aーー」
見つけた、この女のgスポット。体がピクピクしてるぜ。
異人はこれだからいやらしいよな。
「eー、a,come!ooh,ah,iyaasu,ah-aーーー!!」
拙者には異人の言葉はわかんねーなあー。
だが日本の女子の様な恥じらいがまるで感じられぬ。気も萎えるわ。
キリシタンに情けは要らぬ。さあ、この後は一体どんな声を上げるか楽しみだ。
なんちて
あげるしかない!
「な、なによ、だから何が言いたいわけよ」
「別に? ただ、晴れて彼女になったからって油断してちゃだめって事」
「どういう……」
「わたし、彼女がいようと別に気にしないし。今のポジションに甘んじるつもりはないし」
「えええっ な、ちょ、」
「ト、トモ―――――っっ!!!!」
*****
で、この状況は何なんだ。
授業が休講になって、のんびりと自宅で過ごしていたはずなのに。突然、理香がやってきた。それだけならいい。
今にも泣きそうな顔で、正座したまま黙っている。正直言って、今までそんな顔を見
た事はなく、そりゃあもう新鮮で可愛くてたまらん訳だが。
だが、何のために来たのかわからない。第一、この時間は彼女が取っている授業が
あったはずだ。勉強に関しては真面目な理香が授業をサボるなんて事は、よっぽど
の事があったのではないか。そう思い、口に出そうとすると―――
「トモは、竹下の方がいいの」
唐突な質問で、またわからなくなる。何で竹下? 竹下は俺の高校からの友人だ。縁あって、大学でも学部は違うが同じ学校だ。
「どうかした?」
とりのあえずは距離を縮めようと、聞きながら頭を撫でると、
「竹下、トモの事落とす気なんだ」
……。
「ひ、ひどくない、『男には男の世界があるんだ』とか
『あんたより、わたしのほうがトモと長く付き合ってる』とか、」
頭がくらくらする。何が何だって。
竹下は、俺の友人だ。だが、いわゆるおかまである。ちょっと線が細いが普通の男だ
けに、それを初めて知った時の理香の驚きようったらなかった。
その竹下が……あいつ、理香からかって楽しいのか?
……楽しいんだろうな。
理香よりは、あいつと長く付き合ってるだけに、これは明らかな嘘だとわかる。
だって、今あいつには、二つ年上の「彼氏さん」がいる。
「あのな、理香、それな」
「どうせ、私トモ以外の男の人知らないし!告白だって私からだし!」
きれたように、叫ぶ。日ごろ感じているらしいコンプレックスを叫ぶ。
本当、竹下よ……何言ったんだ……
「おまけに『も少し足首なんとかしたら』って何あの、人が気にしてるのに!
何であいつ男のくせに嘘みたいに足細くて長いのっ」
とは言え理香の太股の感触は誇るべきだと考えたところで、だんだん話がずれてくるのに気付く。まぁ聞いていてもいいんだが、せっかく二人でいる訳だからと、彼女を
抱きしめてキスをする。
「不安?」
「……不安だよ」
「俺の方が先に、お前の事好きになったと思うんだがな」
そう言うと、理香はうつむいて抱きしめ返した。耳まで真っ赤で、ああ可愛い。可愛い
せいで、ちょっと色々困った事になってきたけども。気付いたのか、あ、と理香が短く
声をあげる。
「し、したいの?」
「そりゃ最近、してなかったし」
なんて言い訳みたく言うけど、したいに決まってる。もーめちゃめちゃやりたい訳です
よ。俺の太股に手を添えたかと思うと、理香は言った。
「あのさ、その、えっと ……してあげよっか」
えっ マジっすか!と声に出しかけて、やめる。実を言うと、理香にしてもらった事は
ない。彼女がえっち自体慣れてなかったというのもある。それよりも、俺自身の事よ
りも理香が感じている様を見たいからだ。普段からは想像出来ない、そのエロさが
見たい訳だ。
そんな事をうだうだ考えているうちに、ジーパンのファスナーが下ろされていた。
「え、ちょっと、理香ちゃん? わ、待って!」
「初めてだから、へただけど、ごめんね?」
「―――――!」
理香が、理香の柔らかい唇が、俺の、理香がちょっと目を潤ませて、俺の、
すみません、ぎりぎりです。
ああ、でも竹下にはちょっと感謝しておこう。
次は「カラフル」「夜」「睫毛」で。
…変な改行でスマソ
おおう久し振りに人がいて嬉しいぞ
370 :
名無しさん@ピンキー:2005/10/10(月) 10:11:31 ID:87JVzAdm
age
「カラフル」「夜」「睫毛」
────きっとあたしは淫乱な女だ。
その証拠に今もこうして妹の彼氏を相手にフェラチオしている。
妹が最近付き合い出したこの彼氏は佐々木君という。付き合って2ヶ月も経つというの
にキス以上のことはしていないという。今時の中学生の交際ってこんなに健全なものな
の?あたしの時が異常だっただけなのかもしれないが。
高校2年生になったあたしは先週1年以上も付き合っていた恋人と別れた。
正確には一方的に振られたのだ。その理由が「これ以上お前のわがままに付き合ってら
れない」だから非道いものだ。そう思わない?あたしからすれば出来る限り尽くしてき
たつもりだったがその努力もどうやら空振りに終わったらしい。こう見えてあたしは学
校でも人気がありモテる方だ。あんな男よりも良い男なんて世の中にたくさんいる。す
ぐに素敵な彼氏を作って甘い時間を存分に楽しむのだ。そしてこれはそれまでの場繋ぎ
にすぎない。
夜、街中で偶然見かけた妹の彼氏────佐々木君を色仕掛けで誘ったらすぐに釣れた。
男なんて所詮性欲の塊。あたしの魅力を前にして落ちない男なんていないんだから。佐
々木君はあたしがあの娘の姉だということは知らない。
そしてあたし達はこのカラフルにライトアップされたラブホテルの一室にいる。少し距
離を置いてベッドに腰かける。
佐々木君はラブホテルに入るのですら初めてでガチガチに緊張していた。まぁ童貞だか
らラブホテルは初めてというのは分かるけどそこまで緊張することもないと思う。そん
な所が可愛くてちょっといじめてみたくなったりする。
佐々木君との距離をつめて互いの体が触れ合うくらいに近づき、ズボンの上から股間に
手をやる。あまりに緊張してたので勃起しないと思っていたがどうやら杞憂だったらし
い。ズボンの上からでも分かる硬さと大きさを孕んだそれはこの先の行為を想像して反
応したのだろう。男にしておくにはもったいないほど白く綺麗な顔立ち、整った鼻に長
い睫毛をした少年の股間には立派な起伏がある。
その先端を軽く指でなぞるとビクビクと反応する。きっと異性に性器を触られるのもこ
れが初めてなのだろう。
少し興奮してきたあたしは佐々木君のズボンとトランクスを同時に剥いだ。露出した陰
茎の先にはすでに先走り液で濡れていた。綺麗な肌色をした完全に剥けていない陰茎は
まるで汚されていない新雪を連想させた。これからあたしがその新雪を汚い土足で踏む
荒らすのかと思うと何とも言えない興奮が体の奥からせりあがってきた。我知らず渇い
た唇を舌なめずりしていた。
そして直に陰茎を握り軽く上下する。過剰なまでに反応する佐々木君の顔がたまらない
。まだ亀頭の半分くらいまで被った包皮を舌と唇で丁寧に剥いてやる。まだシャワー浴
びてないです、とか、そんな汚い所、なんて声が聞こえてきたがそんなことは気にしな
い。むしろ今のあたしにとってはそんな言葉は逆効果だ。ますます興奮してしまう。
完全に露出した亀頭を包むこむようにいやらしく口で咥える。それだけで佐々木君はあ
たしの口内に熱く濃い白濁液を数回に分けて大量に射出していた。それをすべて口で受
け止め、佐々木君の見てる前でのどを鳴らしながら全て飲み干してみせる。口に出して
ごめんなさい、と謝罪してきたがあたしはそれに返答を返さずに射精したばかりで敏感
になっている陰茎を再び口に咥えて刺激を与える。すると出したばかりなのにすぐ硬く
なった。唇をすぼめてカリに刺激を与えるように頭を上下に動かすとまたすぐに咽の奥
に射出した。出したばかりなのに量も濃さも先ほどと変わらない。若いってこういう事
なのだろう。あ、あたしちょっとおじさん臭いかも。
さんざん口に精液を出されていい加減あたしも濡れてきた。このまま騎上位で挿入して
しまおうと考える。妹の彼氏の童貞を奪う。妹の彼氏だから、という罪悪感も背徳感も
何も感じない。あたしは常人とはどこかが麻痺しているのだろうか?しかし、もう止ま
らない。スカートは履いたままパンツだけを下ろす。そこにあるのは快楽を得るために
用意された────
と、およそ場の雰囲気には似合わない間の抜けたメロディが流れる。
聞き覚えがある。これは妹が佐々木君からのメールを受信した時に流れる着メロだ。き
っと佐々木君の方も妹からのメール受信はこの着メロにしているのであろう。佐々木君
は慌てて身を起こし、剥ぎ取られたズボンに入っていた携帯をまさぐる。必死に画面を
見つめる佐々木君の後頭部をあたしはただ呆然と見ていた。その表情は分からないがど
こか嬉しそうな雰囲気が後ろ姿からでも伝わってくる。
そして振り返った佐々木君は、ごめんなさい僕帰ります、と言って急いで服に袖を通す
と一目散に部屋から出ていってしまった。
ただ一人ベッドの上に残されたあたしはしばらく呆然としていた。パンツを途中まで下
ろして口を開けていたあたしは他の人が見れば相当間抜けに見えただろう。やがて白く
なっていた頭に正常な意識が戻ってくる。あたしより妹を選んだってこと、か。
ふぅ、とため息をつきベッドに勢いよく体をあずける。ベッドからは微かに甘い匂いが
漂ってくる。一体何組ものカップルがここで愛を育んだのだろう。
もうここに長居する必要もない。下ろしかけたパンツをちゃんと上げるとあたしは部屋
を出ようとした。と、その時────
聞き覚えのある着メロ。
携帯を見ると先週あたしを振った見る目の無い男からのメール。
”ごめん、もう一度オレとやり直さないか?”
あたしは口元を歪めると無言で携帯を閉じる。
そして夜の街を徘徊する。今夜の相手とこれからの相手を探すために。
次は「スクーター」「メイド」「猫」で。
「スクーター」「メイド」「猫」
なあなあなあ
なあなあなあ
裏道で猫が鳴いている。
無表情の小さな女の子が壁越しに呼びかけているようでどうも落ち着かない。
頭のねじが微妙に緩んでいくような、あいた隙間から粘液質の何かが流れて頭の中をぎゅうぎゅうに満た
していくような、ついでにぐつらぐつらと煮こぼれそうなほど温度が上昇していくような、眠いような苛立たしい
ような笑い出したくなるような……妙な気分。
だから部屋の大掃除でもしよう、と思いついたのだろう。ここ数年、考えた事もなかったのに。
俺がお気に入りの服を箪笥にしまっていると、従姉のサツキが骨董品的なポニーテールを揺らしながら、
ノックもなしに部屋に入り込んでくる。
「おひさ」
目をあげもせず、俺は黙々と片付け続ける。
サツキはサツキでカラーボックスから漫画を持ち主の許可もなく数冊取り出すと、ベッドに寝転がって読み
始める。もっと長いスカートはけや。さそっとんのか、こら。
しばらくすると、またもや訪問者。
俺は箪笥の整理を諦め、本棚に取り掛かっている。
掃除を手伝うために、メイドの山田さんが、しずしずと入ってくる。いつもお淑やかで、口数少なく、柔和
な笑みを絶やさない大人の女性だ。
目鼻立ちが整っている。スタイルもいい。声は飴のようになめらかで綺麗だ。はっきり言って俺好み。
山田さんは前足をぺろぺろ舐めてから、気持ちよさそうに顔を撫で、それから彼女の横顔をじっと見つめ
ている俺の無遠慮な視線に気がついて、三毛の体毛まで朱に染めてうつむいた。可愛い。
顔を恥ずかしげに伏せたまま、いそいそと箒で部屋の隅を掃きはじめる。
テーブルと椅子の位置が気にかかる。
俺は様々な角度に置きなおしながら、うんうんと頭を捻る。
ここにすると君が嫌なんだよね?
テーブル「うん。御免だね」
でも、あっちにすると、今度はあなたが堪らないと。
椅子「そうですとも。もうちょっとは日当たりが良くなくてはね」
しかし窓際には別の棚があり、それをどかすとなれば、硝子ケースの内側に並んだプラモやビクスドールや
小学生の頃にもらった第百四十七回陸上大会優勝トロフィーや彩色済みの食玩一揃いやいつか使う筈
の輪ゴムの束や菓子の包み紙や長い間にうっすらと積もってもうそこに居住権を主張しても誰も文句を言
えなさそうな灰色の埃の層が、口を揃えて文句を喚き出すだろう。
あちらを立てれば、こちらが立たず。
俺は悩み、悩み、悩み……ようやく脳内で豆電球が点る。どちらも捨てよう。
サツキが歓声をあげる。
どうにか家具同士の感情的諍いを回避して、ほっと一息ついている俺の耳に、やけに楽しげな声が届く。
「マットレスの下かぁ。相変わらず芸がないね」
慌てて振り返ると、奴は俺の秘密書庫から、手ずれした貴重な文献を持ち出してぺらぺらめくっている。
どのページを開いたのかは知らないが、いかにも呆れたように首を振りながら、
「あんたって、もしかして猫フェチ?うっわ、よくもまあ、いたいけな子猫にこんな事を……」
取り返そうとする俺をかわしながら、ケラケラと笑いつつ文章を読み上げる。
『「君の事が好きなんだ……そのつぶらな瞳、温かい肉球、絹のような柔毛、機嫌よく振られる尻尾……」
洋司には自分の想いが決してかなえられない性質の物である事が痛いほどはっきりとわかっていた。
それでも、この溢れ出す熱い想いをとめる事はできない。
僕は罪人だ……だが罰せられるのは僕一人でいい。彼女は僕の卑しい欲望をただ押し付けられた被害
者なんだ……神よ!僕を背徳の贖罪のため地獄の業火で焼き尽くすがいい!でも彼女だけは……その
優しい腕で抱きしめてやって欲しい……
洋司は指先でいらうように彼女のヒゲに触れると、堪えきれず性急に唇を求めた』
ようやく本が俺の手に戻る。サツキの馬鹿力のせいで端が少ししわになってしまった。
いや、それよりも、今の朗読内容を山田さんに聴かれなかったろうか。確実に聴かれたよな。どうしよう。
およそ反省とは無縁の態度で、サツキがしつこく笑う。
「猫って唇なんてあるの?」
「黙れ。出てけよ」
「神よ!」
俺はシーツを引き抜き、従姉をベッドから放り出す。
ごろごろと愉快な音をたてて、椅子の脚の間を抜け、サツキは絨毯の上を転がりながら遥か地平線の彼
方へと消えていく。
心配そうな顔をした山田さんが俺の傍らにやってくる。
「よろしいのですか?これではこのSSのエロ要員がいなくなってしまいますが」
俺は彼女の瞳を真摯な表情で見つめ返す。立ち上がり、顎に指を添えて俺の方を向かせる。
「構わないよ。……だって、俺の目の前には、こんなに素敵なレディがいるじゃないですか」
「……だ、駄目ですっ!……わたしは貴方様のメイドでっ……」
「目を閉じて」
「でも」
戸惑う彼女の吐息を感じながら唇をふさぐ。ほら、猫にだって唇はあるじゃないか。
ふたりは重なりながらベッドに倒れこむ。
なあなあなあ
なあなあなあ
猫の声が遠ざかり、俺は従姉を組み敷いた姿勢で目を醒ます。
サツキはうんざりしたような顔で俺を睨みつけている。
「ここまでして、今更迷う訳?はっきりしてよ。やるの、やらないの?」
あれ……山田さんは、どこに……。
「あの家政婦さん?もう帰ったじゃない……ご・ま・か・す・なっ!」
でも、掃除が、まだ。
「押し倒しといて、やらない、と……」
「いや、その」
「はっきりしろってのよ!」
そこから乱暴な言葉が吐き出されたばかりの柔らかな唇が、俺のそれと重なる。
よく状況が飲み込めないまま、俺はあっさりと流される。別に本当にこいつが嫌いなわけじゃないしね。
サツキにはこれからエロ要員としての役目を十二分に果たしてもらうとして、俺は山田さんの緑色の瞳を
思い出しながら、少しだけ惜しかったなと感じる。
裏道にスクーターが止まり、小型犬らしき可愛らしい鳴き声が聴こえてくる。
わんわんわん
わんわんわん
でも俺は気にしない。俺の身体の下で息を乱しはじめた田中さんの湿った鼻面に、軽くキスをする。
彼女は思わず声を漏らす。
「わん」
次は、「五月」「司書」「静寂」
「五月」「司書」「静寂」
「さつき。五月!」
かくれんぼをしているのは僕と五月だ。
年甲斐にもなく崩れた街で霧雨をさけつつ、互いを追いあう。
彼女は黴臭い図書館へと逃げ込んだようでぎいと軋む暗がりは埃が舞っていた。
足跡と、久しい静寂を波立たせた気配がくっきりだ。
カウンタァであったと思しきテエブルには女が座っている。
五月ではなかった。
僕は女に近付き、息を詰め、やがて肩を震わせた。
―人形だ。
司書の人形。
見渡せばあちこちに人影が見えそれらはすべて黴の生えた布人形だった。
「五月」
呼ぶ。
「…はい。高基さん、なんでしょうか」
司書が喋った。
正確には、司書の下から声がした。
回り込めばカウンタテエブルの影に五月が座り込み纏め髪をほつれさせていた。
僕は笑う。
先程までの微妙な緊張など溶けてしまう。
「なんだ、見つけたぞ」
「はい。見つかってしまいましたね」
「さあ来い、また結婚しよう」
「ここでは駄目ですか?」
「いや構わないよ」
溜息が交わる。
諦めたような薄い瞳の、肉感のある唇に舌を這わす。
息を乱し始めた女は薄い一枚きりのワンピイス越しに乳首をたてていた。
「あ、いや。いや、ん。ああ」
相変わらず声がいい。
辛抱堪らず張り詰めたものを取り出し濡れた先に擦り付けた。
入れるつもりもないはずが勢いですんなりと飲み込まれ締め付けられた。
埃の冷たい床に押し倒し腰を熱心に動かす。
思わず具合のよさに僕も喉が鳴った。
「ぁ、あ…く、いい」
「はぁっ、ん、ううんっ」
突き上げられるたび五月は泣いた。
とろとろにそこを蕩かしながら僕を見上げる。
肉のぶつかり合う音だけがぱちゆぱちゆと響いて湿っていた。
僕は込み上げる感覚を抑えずに長い放出を中にした。
「すごい」
泣きそうな顔で五月が叫ぶ。
本棚が崩れると天井の隙間から酸性雨が降り続いていた。
静寂はおそらくこのまま雨に煙消えるだろう。
この街もじきに終わりだ。
行為が終わっても五月は柔らかな肩を抱いて泣いていた。
司書の人形は僕らがカウンタを揺らし続けたせいで丸椅子から崩れ落ちていた。
事後の気だるさを抱え僕はカウンタに肘をつく。
生温かさ、人形にはないものを持つ僕らはいくら心が隔たっていようと人間だ。
人形達よりは遥かに距離が遠くない。
五月はその晩また裸足で逃亡した。
僕は次の崩れた街か、細々生きている村か、残っている飛行場の都市か、
いずれかに向かいまた五月と結婚するつもりだ。
僕と五月は相変わらず万年夜の星でかくれんぼを続けている。
『鈍行列車』『ビデオ』『十一月』で。
「また、そんな絵を描いているの。しょうのない人ね」
「鈍行列車ですから」
「基本はもう十分できているじゃないの」
うしろから肩を両手で一旦はかるく挟まれ、ポンと叩かれる。
「――ばか」
「なによ、いきなり。怒るわよ」
乳房の肉圧が迫って白い蔦が妖しく少年の首に絡みついた。風に舞った薄絹は
薫りをいっしょに連れて天上から降りてきた。キャンバスからようやく少年は眼を上げた。
「いつから居たんですか」
校舎硝子窓からの街並みは、墨を刷かれていて、白閃光が空を裂き明滅した。
「きゃッ!」
女は恐怖の映像と大音響を打ち消そうとして、少年に頬擦りしてディシラの微香を移植した。
女教師のしっとり感に少年は酔った。
かつてはそんなことはなかった。梅雨時、満員電車に乗れば、嗅ぐ匂いは
拷問に近くなって吐き気をもよおした。石鹸でも単体でもどうかと少年は思うが、
商品が複数になるとたまったものではない。
「わたしは先生なの。かみなりのこわい先生」
最初はあからさまに嫌な顔をしていたというのに徐々に馴らされていって、
少年は塗ったファンデのなめらかさにも安堵するまでになった。肺におんなの
芳香を吸い込むと、いまでは興奮さえ覚えてしまう動物。それをあからさまに
認めるだけの度量はまだ少年には無かった。
「そういうことじゃないでしょう」
アレルギー反応のようにプライドを女教師に少年はぶつけていた。
「忍び足でキミの背中取ってってこと?わたしがそうしていたっていうの」
「ちがうんですか」
「動悸が聞こえて来そうね。どくん、どくん、どくんって」
少年のカッターシャツの胸板を撫で廻す。
「よごれますよ」
「忍び足なんかじゃなかったわ」
硝子戸を叩く音。大粒の雨が降り出していた。十一月の雨は寒い。
「からかわないで」
「すごい集中力だったもの。びっくりさせたかしら?」
子供っぽい、端々にためのある発話なのに、ふたりのいる密では艶が咲く。
「もちろんです」
「ごめんね。ごめんなさい。でも、褒めているのよ。キミの集・中・力」
「――先生だって」
「わたしがなにかしら?」
セックスに続く媚態を感じていた。二人の関係に性への好奇心は尽きなくて、
下品にやりまくっていたということ。それでかまわないと思うし、少年は女教師を
生臭くは感じてはいない。
セックスを口にしていても、あたりまえであるといった割り切りに痛快さを感じた。
だれもがすることで、肉体のもっとも身近なところで男女が繋がって、奪い与え合って、
快楽を婪る遊びには底がなく、でもリアルに生きていた。
嫌いだったコスメでさえ、慣らされるように、美術教師とおま×こすることを
愉しめた少年。もうべたべたと頬擦りされることも毛嫌いするものではない。
少年の頭には昨日のビデオ映像がスロー・リプレイされた。
「なに、見ているの」
「先生が、俺のフローバックを拭いているところ」
ティッシュを取ってベッドの縁で、両太腿の淡いに頭を落としている女教師。
「馬鹿ね」
「見られているの、イヤですか」
「さあ、どうかしら」
「どうって、麗美子さんはいつも」
「あっ、名前を呼んでくれた。じゃあ、嗅いでみる。私と混じり合ったキミのもの」
ちり紙をひらいて差し出してきた。
そういえば、テレピンの匂いには、いつ慣れたのかが少年には思い出せない。
嫌いじゃない、独特な匂い。おとなの匂いを感じて……。
もしかしたら最初から刷り込まれていたものなのかもしれないと思った。
『せつない・手紙・お札』でよろしく。
――前りゃく
元気ですか。
こういうかき出しだとアントニオいの木みたいだ。
せつない気もちがおまえの気もちにつたわらない。
それはいい。いいというのはどうでもいいということだ。
なにをかこうとしていたんだっけ。
そうだ、ラブレターだ。
ラブレターをかくのは始めてだからきんちょうしてしまった。
好きです。このかん字はいっしょうけんめいれん習した。
ラブレターに好きですとかくためだ。いままた好きってかいたな。
おふろに入っているときも、ねるときも見ている。
いつでも見守っているよ。この守るというかん字もれん習した。
なぜならばおれがお前を守るからだ。
ええと、君の気もちはどうですか。
君はだまされている。同きゅう生の男がいるだろう。
かれんちゃんはやさしいからあの男にもやさしくして手をつないだりしてる。
学こうの外でもあの男とえい画であってるよね。いえにもあってるよね。
でもあの男はかれんちゃんのはだかをそうぞうしてしこしこやってる。
そうにちがいない。ぜっ対そうだ。
なぜならばあいつは、おれとかれんちゃんを引きさく悪まだからだ。
かれんちゃんのおっぱいは悪まにわたさない。
なぜならばおれのものになるからだ。ちゃんとおふろで見た。
悪まにやられないようにお守りを入れておく。
悪まがかれんちゃんに近づかないようにして悪まにやられないようにして
くらすようにしなさい。
かれんちゃんはいい子だからいいつけが守れるよね。
いいつけが守れなかったら、かれんちゃんがしぬよ。
いいつけが守れたら、かれんちゃんが大じょうぶだよ。
とにかく一生けん命かいた。返じまってます。
――かしこ
「――なるほど。これが証拠という訳ね」
紙から目を離し、警官は眼鏡を外して目頭を軽く揉んだ。
仕事だから仕方ないとはいえ、知性も品性も感じられない手紙に目を通すのは
はっきり言って勘弁願いたい。彼女でなくともそう叫びたくなる内容だった。
とはいえ、彼女の対面で泣きじゃくる少女の気持ちを思えば口にも出せない。
――可愛らしい娘さんよね
セーラー服に三つ編みという古典的な身形。顔にはまだ幼さが残っていて、
けれども化粧が上手くなれば結構な美人に育つだろう。既に彼氏だっているらしい。
確か初恋もその頃だったか。
実りはしなかったが、自分にとっては良い思い出になったと婦警は回顧する。
自分と少女を重ねることで、相手に対する親しみが沸く。そこから徐々に信用を
築き、事件の解決に繋がる話を少しずつ訊き出してゆく。
半時間ほどかけて、三つ編みの少女は涙ながらに語ってくれた。
昨日の朝、彼女の身に覚えのない手紙が自宅のポストに投函されていたらしい。
同封されていたのは入手経路もわからない陀羅尼のお札。お守りのつもりだろうか。
何よりそれらを入れた封筒には、差出人も切手も消印もなかった。
まだ高校に進学したばかりだという少女には、あまりにも重過ぎる事件だろう。
自分が思春期の頃にこんな事件に遭遇していれば、果たして自分は正気を保てただろうか。
無理だと結論して婦警は職業的な計算を素早く展開する。どういう対処を取るべきか。
差出人は付き纏いを行っており、現時点での余罪として盗視または盗撮の疑いが極めて強い。
加えて少女の彼氏クンについても言及しており、彼に累が及ぶ可能性も高い。
手紙からは彼への脅迫または傷害に出る危険も十分滲み出ている。
いっそ本物の傷害事件に発展すれば、という考えを婦警は頭から振り払った。
市民の安全を守るという基本原則を逸しすぎている。今までそんな自覚はなかったが、
職業的な警察機構の考え方に悪い意味で慣れてしまったのかも知れぬ。
軽く伸びをして思考のギアをバックに入れ、気持ちも新たに眼鏡を掛けなおす。
ミミズがのたうち回ったような文字に目を落とし、ふむ、と婦警は軽く鼻を鳴らした。
殺人を仄めかす内容とも取れる。これなら単なるストーカーよりも脅迫として扱えば、
上司や同僚の理解も得られそうだ。その方が検挙の点数としても高い。
事件の迅速かつ完全な解決のために、手柄など他人に呉れてやって構わないだろう。
そう心に決め、婦警は少女に優しく語りかけた。
「大丈夫よ可憐ちゃん。ほら涙を拭いて、私に任せなさい」
「おばさんありがとう」
大人しそうな外見に反し、娘は案外生意気だった。十代から見れば二十代はおばさんか。
断じて違う、と婦警は自らに言い聞かせるようにきっぱり否定した。
例え自分の妹が去年出来ちゃった結婚を果たし、来年の春に二人目の出産を控えていたとしても――
「私まだおばさんじゃない、お姉さんよ」
「――ありがとう、お姉さん」
訂正を聞き届け、婦警は三つ編みの少女に力強い微笑みを向けた。
『長襦袢』『おばあちゃん』『地獄』で
『長襦袢』『おばあちゃん』『地獄』
昔のこと。
「地獄いきてえ?物、残す子は地獄だ」
「いやだよう」
「じゃ、食え」
「いやあ」
「食わねば地獄だ」
「いやあ」
「食え」
「や」
「食え」
「やややややあ……」
箸の先にはほぐした煮魚のかけらがはさまれている。
ちいさな私はどうにかその生臭いものから逃げようと顔をそらす。
「食えちゅうに」
おばあちゃんはその都度、箸を動かしてわたしを追いかけ、
唇のわずかな隙間から手製のおかずを押し込もうとする。
「まずいもん、いや」
「まずいことあるか!食え」
「いや」
「食えったら」
「いやあ」
地獄に行くのは怖いので、わたしは渋々、口をあける。
風呂をあがり、熱が失せないうちに布団に入る。
わたしの隣におばあちゃんがそっと横たわる。
わたしは目をつむる。
寝息を真似てくうくう呼吸している。
長襦袢がさやさやと衣擦れの音をたてる。
わたしが寝たと思って、おばあちゃんは毎夜の儀式をはじめる。
でも、実はわたしは起きていて、口の中に残る魚のあぶらに胸をむかつかせながら、耳を澄ましている。
おばあちゃんはそのことに気付かない。
隣から湿った吐息が聞こえ、夜気が微かに震える。
おばあちゃんはおばあちゃんなのに若い。
手には皺なんてなくてすべらかだ。
つららのような細い指が、着衣をかきわける音がする。
わたしは息を詰め、おばあちゃんが女の声を漏らすのを、じっと聞いている。
胸が熱くなってくる。
もしもいきなり振り向いて「ばあ」とか言ったらどうなるだろう。
そうしたら、おばあちゃんではなくて別の誰かがそこにいるのかもしれない。
おばあちゃんの皮を脱ぎ捨てた、とてもとても甘い声をしている、綺麗な女のひとが。
いつもは我慢するのだけれど、今夜はどうもこらえきれない。
わたしは音をたてないようにしながらゆっくりと振り返る。
次は『塔』『庭』『回廊』
390 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 00:38:32 ID:22khgg7Q
age
391 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 21:12:58 ID:SJ+Ba/wu
保守
回廊から螺旋を登りきる迄膝の震えを何とか堪えられたのは修行の賜物というしかない。
ただ唾液は口の端からこぼれて顎に伝いぬぐう余裕などなかった。
壁についたては汗ばみ塔の頂点に、扉を見つめる瞳が潤んでいる。
力の入らない指先を拳型に何とか握るふうにして、樫の扉をノックする。
巻き毛が頬に張り付き喉から幼い少女とは思えないあられもない声がこぼれた。
扉の奥で姫は家臣を散々焦らした。
「あなたも魔女なのだから、薬のひとつ効能を押えるくらいなんてことないはずだと思ったのよ」
くすくすと招き入れたままローブをつついて優しく笑う。
魔女はまだ幼い膝をついに崩れ落として石床に倒れこんだ。
朝方、遊びに来たとき何を飲まされたのかはもう明白だ。
なんで、と問いかけようとしても指先が震えるばかりで声にならない。
「…ぁ、っ、ふ…」
「可愛い娘」
ひとつ年上の姫は、見えない眼のままで器用に近付いて屈んだ。
「朝のお茶の続き、楽しみにしていたのよ。
さあ貴女の大好きな庭のお話をして?」
「……っん!」
巻き毛に姫の長い直毛が触れて頬を撫ぜた。
ローブの皺を深くして少女が小さな手をぴくぴくと跳ねさせる。
「庭は明るくて、お花が綺麗で、薬草だっていっぱい咲いていたのだったわね」
怖いと小さな魔女は思った。
怖くて怖くて、ただ怒らせたくないから友達のお姫様に必死で頷く。
盲であっても分かるのか。
姫はころころと少し外れたいつもの響きで笑った。
「だったら一生かけてわたしの眼を見えるようにして」
器用に尖った爪の先で悶える魔女の喉を掻く。
「んー、ぅああ、あー」
魔女はよがって泣き出した。
影の塔の最上階、冷たい石床に幼い身体を捩じらせて絶望のなかで嬉しそうに。
気持ちいいよう、と思わず漏らされた言葉に姫は蔑むように微笑んで弄くる手を柔らかにさげた。
『餅』『甘い』『豆』で。
394 :
名無しさん@ピンキー:2006/02/05(日) 00:32:18 ID:8bkCsbzY
age
『餅』『甘い』『豆』
身体を窓に向けてベッドに横たわり、窓の外をぼんやりとした気持ちで眺めていた。
背中で冬馬がうんうんと唸っている。何か私に言えない悩み事でも抱えているのだろうか。
振り向いて出来るだけ優しく語り掛けると、冬馬は迷いながらも胸の内の苦悩を打ち明けてくれた。
「ずんだ餅の『ずんだ』って何だ?」
どう反応したものかと私は対応に困った。昔読んだライトノベルの中に、恋人同士で山号寺号を
考える話があったのを覚えているけれど、訳の分からなさではあの話といい勝負をしていると思う。
と云うより、現実で同じシチュエーションに出喰わすなんて想像すらしなかった。取り敢えず
何でそう云ったのかを彼に訊いてみたところ、こんな返事が戻って来る。
「千葉メガが言ってたんだよTVで。それを考えていたら眠れなくなって――」
がくりと肩の力が抜け落ちたような気がした。出典はアニメかよこの男わ。
ちなみに千葉メガとは彼の造語で、あるCGアニメに出て来る悪の首領を指す。冬馬の云う処に寄ると
悪の首領にも千葉メガとか加藤メガとかが存在するらしいが、両者の違いに全く興味はない。
大体ガンダムより知名度の低いアニメなんて、人間として生きて行くのに何の役にも立たないものだ。
とはいえ――
ずんだ餅の由来を説明するだけなら不可能な仕事ではなかった。
私は身を起こし、古い記憶を辿りながらゆっくりとした口調で冬馬に聞かせる。
「あのね。ずんだ餅って緑色の餡に包まれた餅なんだけど、その餡は枝豆から出来ているの」
枝豆、と語尾を上げた疑問形で、冬馬は私の言葉を繰り返した。どうでもいいが人と話をする時は
相手の目を見るものだ。おっぱいを見るものじゃない、というかさっき散々弄くっただろうに。
「甘いのか?」
指で胸の膨らみをぷに、と押しながら訊いてくる。という事は、食べた経験が彼にはないのだろう。
悪戯な手の甲をぺち、と叩き払いながら私は答えた。
「甘いわよ」
ふーんと彼はようやく私の目を見て頷く。ずんだ餅って美味しいのに、随分勿体無い話だこと。
「枝豆といやビールのつまみが思い浮かぶから、頭の中で甘い餡と結び付かなかったんだ」
「そりゃ原料は枝豆だけど、餡だけに――」
「餡ゴルモアエネルギーの塊、ってか。そういやアンゴル=モアと云えば――」
一人で納得して能登かわいいよ能登と呟く冬馬の額を、ぺちん、と指先で弾いた。しょうもない
駄洒落を言わせるつもりはないし、真夜中に声優の萌え語りを聞かされるなんて真っ平御免だった。
大体恋人に迫りながら声優の話するなんて、どういう神経をしてるんだか私には理解不可能だ。
そうかと思って呆れていると、冬馬が突然押し倒してくる。
「ずんだ餅が何なのかは解ったよ。それでその、枝豆の餡と『ずんだ』がどう結びつくんだ?」
ほお擦りしながら話題をずんだ餅に戻した彼の髪を指で梳く。綿菓子のようにふわっとしていた。
「いろいろ言い伝えがあるみたいだけど、私が聞いた中で一番本当らしい物としてこんな話があるの。
『豆を打ったもの』と書いて『豆打《ずだ》』、それが仙台風に訛って『ずんだ』なんだってさ」
「随分餅に詳しいな、お前って」
私に乗っ掛かってそう云う彼に唇を奪われた。行為と会話との食い違いに苦笑しながら私は答える。
「おばあちゃんが餅屋だったからね。お餅の話だったら子供の頃に実家で聞かされてるから」
「文字通り餅は餅屋って奴か?」
とか言ってる彼に、胸を揉まれた。はっきり云ってお餅の手触りを確かめるみたいな手付きエロいよ。
お前ってやっぱり良い女だよな、と彼が呟く。
それってどういう意味、と訊き返すと彼は笑った。
お互いの体温を確かめるように抱き合うと、彼がぬるりと私の中に入り込んで来る。
とくんとくんと私の中で小さく脈打っている。
これが彼の愛、これが彼の心臓の音――私にはわかっているはず。
見下ろす冬馬の瞳は優しげで、それだけで私は幸せな気分に浸ってしまう。
アホでもオタクでも電波でもいい。もしこの上女癖まで悪かったりしたら最悪な奴だけど。
中を泳ぐ冬馬に合わせて動く。呼吸と昂ぶりとがシンクロしてゆく。
「それでな、悠里――」
頭は朦朧としていたけれど、私はしっかりと彼に答えた。ちゃんと名前で呼ばれた方がいい。
なんで女って行為の最中は声が高くなってしまうんだろう。冬馬を見てると不公平な気がする。
見上げると真剣そうな冬馬の眼差し。私の肩を掴み、ぐいと奥まで入り込んで彼は私に訊いた。
「――ひょんな事の『ひょん』って一体何だ?」
『僕の』『保健室へ』『ようこそ』
GJ
何気に文学の匂いのするスレだなあ
>昔読んだライトノベルの中に、恋人同士で山号寺号を考える話
火浦だっけ?
「おとーさん、○○痔」は思い出したけど、どの話だったか
思い出せない(w
>>399 正解。『戦う天気予報』収録の同名短篇から。
ついでに言うと天気予報は全然関係ないしw
『場所は薄暗い使われていないスタジオ、男は少女を突き飛ばすと
フリルとスパンコールに飾られたステージ衣装を引きちぎった。
「いやぁっ!!やめてください!!」
少女が自分自身の肩を抱き涙目で訴える』
「・・・ねぇ」
『男は少女の訴えを無視し、脚を掴みヒールを脱がす』
「ねぇ、ちょっと!」
『男はヒールを脱がせれたばかりの足に顔を寄せ、深く息を吸い込む。
少女の足の臭いを肺に満たすと、今度は指の一本一本を丹念に舐めはじめた』
「ねぇってばっ!!」
「・・・・なんですか先生?今、いいとこに差し掛かったんですけど」
ボクが顔を上げると、先生はなんだかもの凄く不機嫌そうな顔でボクを睨んでる。
「村雨くん、ここは保健室なの」
「知ってます」
「そしてキミの目の前には、巨乳で白衣でミニスカでメガネな保険医、
つまり私!!」
「・・・・はぁ」
「だってのに、なんでキミは『ようこそ○子』のエロ同人で抜こうとしてるの?!」
「この本が一番ボクの趣味にあってるからです。アイドル陵辱で脚フェチ、完璧です」
「うがぁぁぁぁっっっ!!!」
あ、先生が壊れた。
「違うでしょ!保健室へきたら、年上でエロイ保険医にハァハァするものでしょっ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・はっ」
「鼻で笑ったわね?!OK、ちょっと表出ろ。犯ってやるぜっ!!」
こうして今日もボクらの放課後は始まる。本当は先生の脚が大好き、
ってのはボクだけの秘密。絶対言ってなんかやらないんだ。
『コンバースのハイカット』『旨チョコミルク』『猫』
エロ(?)SSは初書きです。お見苦しい所もあると思いますが、
そこはどうか生暖かい目で見て下さい。
破局の日、あれはなんだろーな、と柳城が指をさした先にあるのは夕焼け小焼けに赤く染まるどぶ川のぬめるような流れ。
しらない、みたくない、とその隣りで瀬尾は硬い声で呟く。
靴だ、すげー、もったいねー、コンバースのハイカット?まじで?うわ、もったいねー、手すりから身を乗り出し、橋の下を流れ去っていくあれやこれやを覗き込むのに忙しい柳城は、
ついに意を決した瀬尾が鞄の中から何か長細い物を取り出し、その何かを鞘から抜き、当然不慣れながらそれでも漫画や昼メロで観た姿勢を思い起こしつつ腰でためるように構え、
切っ先を慎重に憎い男の横っ腹に向けると、必殺の覚悟で今にも地を蹴り襲い掛からんとしているなどとはもちろん思いもしなかった。
破局の訪れる幾らか前のある日、瀬尾はおれのことを愛してるんだよ、奴隷のように、と柳城は言い、椅子の前脚を浮かせてふんぞりかえり、旨チョコミルクを貪りつつなおもつづけて、
愛されてるとさー大変なわけよ、いろいろとなー、なんつーかあー、とりあえずいつも腰痛ぇしー、でも瀬尾ってまじえろいしー、まじいい身体してんしー、ほんとまじでえろ巧いしー、
離してくんねえんだよなー。
放課後、暇な男子生徒らの猥談が、いつものように柳城の独演会に変わっている。
何故ならば、彼だけが唯一、性的な経験と呼べるものをもっているからだ。もっていると語っているからだ。
聴衆は固唾を呑んで未知の世界からの帰還者による貴重な証言に耳を傾ける。
熱心な聞き手から質問がとぶ。それってぇー、せーどれーってかんじですかあ、瀬尾さんはーまじで巧いんですかー?
まじで巧いよ!腰抜けちゃうよ!平手で机を叩いて柳城は叫ぶ。
口とかでもーしてくれたりするんですかー?
瀬尾の舌は、もー最高だよ?溶けるんじゃないかってくらい。
まじでー?でも、瀬尾さんてそーゆーことしてくんなそうだけどなー。おしとやかな感じでさー。お前うそついてんじゃねえの?
お前らは女ってもんがわかってないの!瀬尾はたしかに清純だよ?でもなー!惚れた男にはとにかく尽くすのよ。もーあられもない姿で。
まじでー?
まじに決まってんだろ!
鼻息荒い柳城の機嫌をとるように聴衆からやんやの喝采が送られ、彼ら六名以外誰もいない教室ににぎやかな笑いがこだまする。
破局の訪れる幾らか前のある日、柳城は図書室で瀬尾の姿を見かけると背後から忍び寄り、なー瀬尾ーおれのこと好きー?首から腕をまわし覆いかぶさると甘ったれた声で耳もとへささやきかける。
なー好きー?あーいーしーてーるー?
愛してるよ、瀬尾は小声で答え、でもこんな場所で大声出すのは止そうよ、と気弱げに付け加える。
愛してるんだったらいいじゃあん、言えよーおっきな声でさー、なー、愛してんだろー、それとも言えない?ほんとはおれのこと愛してないとか?そうかー瀬尾の愛はそんなもんかーかなしーなーうわきしちゃうぞー
皆見ているんじゃあないだろうか、なんで柳城君はこんなことをするんだろ?怖い、嫌だ、お願いやめて。瀬尾が冷や汗を流しながらふるふると震え、怯えながら黙っていると、焦れた柳城が首をしめつけるように腕に力をこめてからもう一度、
今度ははっきりと恫喝し、結局、喉の血管が圧迫され、頭のなかが血で膨れ上がったみたいにぎちぎち鳴り始めた辺りで彼女は屈した。柳城をよろこばせることに決めた。
誰も笑わなかったが、瀬尾はその日以来図書室に行けない。
破局の訪れる幾らか前のある日、踊る猫の絵が何枚も何枚も飾られている薄暗い美術室で、興奮するだろー、なー、いつ誰がくるかわかんないってのは燃えるよなー、と男はせわしなく腰を動かしながらのべつ喋り散らし、
相方の沈黙で空いた隙間を埋め、饒舌が途切れ彼女の無表情を直視しなければならなくなる瞬間を先延ばしにしようとせっせと言葉をつむぎつづける。
破局の訪れる幾らか前のある日、瀬尾は物置で彫刻刀を見つける。
破局の訪れる幾らか前のある日、便座に腰掛けた柳城は突如良心に目覚め、後悔し、改心する。これまでのおれはどうかしていた、
これからは瀬尾に優しくしなければ、そうだ、今すぐにでも彼女に電話をかけて謝ろう。
しかしトイレから一歩外へ出た途端芳香剤の香りとともに内省的な気分は消滅し、面倒だから明日でいいや、という気になる。
翌日には当然、全て忘れたふりをしてバスの中で瀬尾の足に手を伸ばしている。
破局の訪れたその日、柳城はゆっくりと、手すりをつかんだまま鉄棒の前廻りのような格好で上半身を傾け、
頭の下にどうどうどうという川の咆える声が聴こえるのを妙に強く意識しながら、転地逆さまの視界の端に、彼女の姿を認める。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、と瀬尾の唇は動き、しかし声は出ていない。
謝ることはないさ、と柳城。なんで、とか、どうしてこんなことを、とか、勘弁してくれよなーじょーだんきついっすよー、とか、
色々言いたいことはある気もするが、というか本来彼が口にするのに相応しい台詞はそういった埒も無い代物かでなければ恨み言である筈なのに、
何故か不思議なことに、もう少しは気の利いた、役に立つ言葉を吐いた。
瀬尾の蒼白な顔が消える。橋と川の間の距離を測るように、主観的には相変わらずひどくゆっくりと、柳城は落ちていく。
破局の訪れる幾らか前のある日、雑踏の中で気分が悪くなった瀬尾を庇いながら外へ連れ出してくれたのが、柳城だった。とても温かな手をした人だなとその時瀬尾は思い、
この手を頬にあてたら気持ち良いだろうなともぼんやり考えてから、彼が心配そうにこちらを見つめているのに気付いて顔を赤くした。
そーんなこと考えてたんだーえろだなーお前、やっぱえろだー、と後日柳城は馬鹿にしたように笑ったけれど、二人のあいだで握った彼の手はまだ温かくて、
瀬尾の指と絡めた箇所から優しい熱が伝わってきて、それだけで彼女は何もかも許せたのだ。
とはいえ、それも昔のことではあるのだけれど。
「口笛」「夜の水族館」「眠り」
面白いスレ 発見(*゚Д゚)
ほし
ほしゅ
須田雅史は、朝十時の渋滞に掴まって、いらつきながら右手の人差し指で、
ハンドルのラバーを叩いていた。淋しさを紛らわす為につけたカーラジオ。
AMのパーソナリティのしゃべりから、音楽のFMに切り換えた。
反対車線の対抗していったトラックが、雅史の席を覗き見て、ぎょっとして
速度を落とし、後続車からクラクションを鳴らされて慌てて急発進をする。
股間には湊茉織(みなとまおり)がしなだれかかって、怒張を咥え込んでいた。
延々と続く、進まない車列を抜けるのには一時間ほどかかった。
空に眼をやると、三千メートル級の山を思わせる、ボリュームのある
雲が浮いている。雅史は口笛を吹いた。
昨晩の嵐が効いているのか、五月だというのに空気は澄んでいて遠くの峰々も
くっきりと見えた。
渋滞に差し掛かる前は、喘ぎながら、ペニスを舐め廻し唾液を塗していた茉織。
小指で垂れてくる髪を、耳後ろに掻きあげていたが、口腔に含んでしまってからは、
お構い無しに没頭する。
時々、雅史が頭を撫でてやると、うれしそうに小鼻から濡れた声を洩らして。
フロントグラス越しに、見た雲は、麓よりも下から眺めているような高揚感を与える。
雲の輪郭は緻密な陰影に彩られていて、さらなるスケールを実感させてはいたが、
徐々に風で流れ、千切れ、拡散されていく。
川沿いの倉庫を改修した大きな店舗。派手な真っ赤な色がトレードマークで
雅史はよく利用する。
茉織とはレンタルビデオ店で出逢った。ホットパンツにキャミ。生脚にバックストラップ
サンダルの健康的な色気を醸していた女。
コーディネイトカラーは雅史の記憶にないが、薄絹のようなシースルーのジャケットを
ルーズに着こなし、風をわずかに孕ませる。歩く様は絵になっていて、コーナーに消える
蝶を追う様に雅史はついていった。
湊茉織は初老の永野晃の連れだった。永野はラックに視線をやっていたが、
茉織が雅史に気づいて怪訝そうな顔を向けていた。
雅史は上背の高さから、女だと思っていたのは、実は稚い少女だとわかった。
頤には成人女性特有の尖りがなかったからだ。すこしの稚なさをしめす、
脂がのっていて、まろみをおびていたのがわかったから。
子供の頃は、こんな風景をずっと眺めていた。白い画紙に永久に筆を走らせ、
時間を過せたらどんなにいいかと、たわいもない夢を描いていた頃がなつかしく、
雲の流れといっしょに、ゆっくり雅史は思い出していた。
茉織の立てる口戯の唾液の音を聞きながら。
ようやくスピードを取り戻し、国道から西の方角に逸れて、喧騒はようやく途切れた。
ペニスは萎んで、雅史が穢した茉織の赫い唇は遠退くことに。
車は更に一時間ほど進み、山が雅史の視界に迫って、二車線から車一台が通れるくらいの、
心寂しい道へと入っていった。
辺りは木々が鬱蒼と生茂り、木漏れ日を投げかけてはいるが薄暗い。ポイントごとに
車同士の対抗できる、増設地がもうけてあった。湧き水なの所為か、木々の葉の散らかる
山道は、すこし濡れてもいた。
好みの場所だが、さすがに心細くなって、車を止めてダッシュボードを開けた。
茉織の膝に雅史の体重が圧し掛かって、小さく呻く。構わずに地図を取り出して、
雅史は広げてみる。
いま入ってきた入り口を地図上で確認し、ダッシュボードに戻そうとするのを、
股間に触れていない茉織の細い左手が掴んでいた。スピーカーからは、
バート・バカラックのボサノバ調の「愛のおもかげ」が流れていた。
好きな楽曲のはずなのに、雅史を不安にさせる。喧騒のなかで聞くにはいいが、
バカラックのアンニュイなボイスは周りの風景に妖しくマッチする。
まるで夜の水族館か、深海に躰を沈めるような雰囲気だ。茉織のなかのペニスは
ふたたび熱く、狂おしく跳ねているというのに。
雅史は振り切るようにして、踏み込んだサイドギアを戻し、車を発進させた。
しばらくして、最初のマークが見えて、これ以上進まないで橋を渡っていった。
突然視界は開けて、目的地の館がやっと見えてくる。
古い洋館で、ひなびた感じはしない。年代を越えてある、つくりは現代に
馴染むものだった。
雪を踏むような感じにタイヤは玉砂利を踏んで、雅史は止めた。音は雅史に、
昨夜の茉織の華奢な躰が、激しい交媾にしなう姿をリフレインさせていた。
「着いたよ」
茉織の膝に広げた地図で、もういちど館の場所を確認した。ぐったりとした
茉織の口元から、雅史の放った残滓がこぼれ落ちて地図を穢した。
「ごめんなさい」
眠りからめざめたような少女に、雅史は跨れと命令した。茉織は華奢な四肢を
奇妙に動かして、雅史と繋がっていった。妖しい蜘蛛になって。
「はっ、あ……」
雅史の両手が細い腰を掴む。茉織は蘇ったペニスに歓びながら、ヘッドレストを
しっかりと掴んで頭をぐらぐらと揺らした。
長い髪が雅史をくすぐる。茉織の淡いに眼を落とすと、少女の小舟は健気にも
しっかりと含んで相を変容させていた。茉織の口戯を雅史に想起させて、
ヴァギナの雅史はエレクトする。
「あっ、あっ」
車の傍には五百円硬貨ぐらいの大きさで、橙紅色の花が咲いていた。躰の黄緑色の
茎は長細く、吹いた風に花を揺らしながらも健気にも倒れずにいる。交媾に揺れる
少女が此処にもいた。
雅史は永野と知り合いになり、信頼されて、この館に誘われ、やってきた。
ただ、これより先にも館はあるが、まだそこには来てはならない、
と戒められて。
裏切り 葡萄 退屈
でよろしく
雰囲気のある作品ですね。
GJ
みんな巧いなー
すげええ
綺麗な作品だ。
しっかりエロいのが良い
419 :
名無しさん@ピンキー:2006/05/26(金) 19:57:37 ID:ePIhJdDF
落ちかかってますよ?
期待ほしゅ∩゚∀゚∩age
『裏切り』『葡萄』『退屈』
裏切りはこの世でもっとも醜い行為だと思う。
「んっ。ぁ、ゃっ・・・んっっ」
俺の目の前で彼女が俺の知らない男に抱かれている。
久しぶりにバイトも大学も休みで、遊びに来たらこれだ。
俺はソイツの顔を見ないようにして部屋を出る。
早足で部屋を後にし、商店街に入る。
なんだか、周りの人全てが何かを裏切っている。そんな気がする。
「一つどうですか?」
スーパーの前でお姉さんが皿を俺に差し出す。
その上には黒く大きな葡萄。
甘そうだ。
「んっ・・・すっぱい」
また裏切られた。
期待すれば期待するほど裏切られた時の絶望感が強い。
「え?嘘・・・あ、これ・・・すみません。今代わりのものをお持ちします」
「いや。いいよ」
俺はそう言ってスーパーを後にする。
ふらふらと歩き、ゲームセンターに行ったり漫画喫茶で時間を潰したり。
そろそろ帰ろうかと商店街を歩いていたときだった。
「あ。あの」
後ろから誰かに声をかけられる。
「ん?たしかさっきの」
「はい。スーパーでバイトしてるものです。先ほどはすみませんでした」
お姉さんが深々と頭を下げる。
「いや。別にいいけど・・・まさかそれを言うために?」
「あ・・・すごく、機嫌悪くされてそうだったので」
「それは別に葡萄に怒ってたわけじゃなくて」
「そう。なんですか?よかったぁ」
お姉さんは胸をなでおろして、ほっとため息を吐く。
その顔がすごくあどけなくて、俺の顔にも笑みが生まれた。
「あの。それじゃあ、一緒に晩御飯でもいかがですか?・・・えっと、その・・・」
「いきなりだな。なんか順序はしょってる」
「え!?あ、そ、そうですよね。じゃ、えっと」
「いいよ。どうせ俺もパーッと騒ぎたい気分だし。退屈しのぎには丁度いいや」
「あ。はい!・・・でも、バイト代が。うぅ」
「気にしないで。俺が出すよ。さ、いこ」
「ぁ、んっっ。ふぅ・・・大きい」
名も知らぬお姉さんは、今、俺の下で喘いでいる。
20代後半かと思ったけど、言動や肌の感じだと俺より2・3上くらいかもしれない。
「彼氏とか、いない・・・の」
「は、んっ、いま、せん・・・貴方・・こそ」
彼女よりも胸が大きくて、彼女よりも締まりがいい。
俺は何も言わずに、腰をふる。
「ゃ、ゃ、ゃぁ、はげ、はげしい・・・だめ、もう・・・くぅぅ」
痛いくらいの締め付けで、俺も果てる。
中から抜いてゴムをはずすと、かなりの量だ。
本当なら彼女にこれを。
「はふぅ・・・はぁ・・・あ、それ・・・下さい」
お姉さんが俺からゴムを奪う。
そして、その中身を口の中にあけ、飲み干す。
「んっ。コク・・・コク・・・美味しい」
そういや、アイツも美味しいって言ってたな。そんなはず無いのに。
「どうしたんですか?」
「え?」
「なんか、微笑んでましたけど」
アイツを思い出して微笑んだのか。
「まだ。します?」
お姉さんは俺のを手で動かす。
「して欲しい?」
「はい」
俺はベッドの棚からゴムをもう一つ取り出した。
「・・・待ってた」
俺とお姉さんがホテルから出ると、そこに見知った顔があった。
塀にもたれかかって、俺の方を見てる。
昼間、男に抱かれていた女。
「ごめんね信じる事・・・出来なくて・・・寂しくて・・・あの後すぐに探したけど」
彼女はそれだけ言うと、俺に背を向ける。
「本当に・・・ごめんね・・・でも、好きな人は貴方だけだから」
泣いていた。
そのまま駆け出していくアイツを、俺は追うことが出来なかった。
「追いかけてあげたら」
「え?」
「貴方は信じてるんでしょ・・・まだ」
俺は。
「名前・・・エッチの時に何度も言ってたよ。彼女さんの」
俺は。
俺は。
「信じることは人間の美徳なり」
お姉さんが俺の額を人差し指で小突く。
「・・・ごめんなさい」
俺はそれだけを言うとアイツを追いかけた。
人は裏切ることが出来る。けど、同時に信じることも出来る。
俺の裏切りを許してもらえるまで謝ろう。そして、アイツの裏切りも。
それが、『好き』という行為を信じることだから。
次のお題
『紫陽花』『かっぱ』『子供』
大人だ!
あんた、大人だね!
……すいません、興奮して。
短いけど、内容が濃くて、ドラマもあっていいね。
GJ!!!!
おもすれースレだな。
ちょっと書いてみるべ。
梅雨入り、か。
ふと、窓の外をぼうっと見ているときに、昨日の天気予報がそう伝えていたことを思い出した。
外は雨が降り、なんだか気分まで重くなってきそうな空模様だ。
折角講義も、バイトもない日なのに、こうやって外を見つめ続けて時間を潰している。
有限な人生の浪費。
こういうことこそが真の贅沢なのかもしれない。
バイトをすれば金が入るだろう、遊びに行けば人生が豊かになるだろう。
だけど、こうしてぐーたれていたら何も手に入らない。
何かを手に入れることができるのに、手に入れないことこそが真の贅沢。
でも、ぶっちゃけこんな贅沢していても嬉しくないな。
ふと外の紫陽花に目がついた。
鮮やかな紫色、紅色、たくさんの花が咲いている。
頬杖をつきながら、とりとめもなく、徒然なるままに見つめていたら、子どもの頃を思いだした。
「きたーよー」
そう、その日も雨だった。
そしてこんな風にぼうっとしていた。
ていうか、俺もかわってねぇな。
十年以上前なのに、雨が降ると何もせずぼうっとしっぱなしっつーのも。
「何しに来たんだよ」
俺は素っ気なく言ってたっけ。
来客してきたのは近所の女の子だった。
新しく買って貰った真っ赤なカッパを、俺に見せびらかしに来たんだ。
雨が降ると二階の窓から、ぼうっと外を覗いている癖を知っていて、声をかけてきたんだ。
「買ってもらったんだよー、いいでしょー」
「……別に」
「へへー、またまたー、本当はうらやましいくせにー」
「どうでもいいけど、歩くときはちゃんと前を見て……」
そのまま水たまりに足突っ込んで、
ちょうどカッパは着てたけど、普通の靴履いてて、
靴がびしょぬれになったことに驚いて、よろめいて一人で転んでたっけ。
まるでコントみたいに、間抜けな動きだった。
カッパを着ていようが着ていまいが、関係ないくらいびしょびしょになって、
びえーんて泣き出して……。
面倒くさかったけど、うちにはそのとき親がいなかったから俺が風呂を沸かしてやったんだよな。
「うっ……うっ……」
「泣くなよ、バカ」
「だあってぇ」
ぐずるバカの服を無理矢理脱がして風呂に入れ、
洗濯機を使って服を洗ってやっている最中にも、あいつはずっと泣きっぱなしだった。
「お前が悪ぃんだろ、なんで俺に当たるんだよ」
「だあってぇ……」
俺のシャツを着せてやり、服が乾くのを待っている最中、
あいつは何故か俺の上に跨り、殴りまくってきた。
確か、「あのときうらやましがらなかったから転んだの」とかそういう無茶苦茶なこと言って。
今思えば、男物のTシャツ一枚しか来てない同年代の女の子が男の上に乗って、
泣きじゃくりながら、殴っているっていう光景は、やばいもんだったなぁ。
ただ、二人とも子どもだったし、そのあと特に何もないまま、泣きながら俺の事を罵倒して
あいつは帰ってった。
同じ年齢の子どもだったけど、マセてた俺は、世の中の理不尽をかみしめた日だった。
……まあ、帰り際に「意気地無し」とか「据え膳食わぬ男の恥」とか、そういうこと言ってたあいつの方が
もっとマセてたとゆーことに気が付いたのは思春期を迎えてからだったなあ……。
「きーたよー」
デジャヴを感じる光景が今目の前に広がっている。
ただ、声をかけてきたあいつの着ている真っ赤なカッパは、あのときよりも大きなサイズになっていた。
「何しに来たんだよ」
「えっちしに来たの!」
大人になってから口さがない奴になったな。
あのときは実家とは違ってアパート住まいなんだから、少しは遠慮してもらいたい。
隣にいる彼女無し男が、悶々とした目つきで見ていることに、あいつは気がついていないんだろうか。
もうちょっと自分の身について考えて欲しい。
……昔も今も、やたら世話をやかす奴だ。
俺の視界から一旦あいつは姿を消し、しばらくすると外の金属製の階段を登ってくる音がする。
「来たよ、来たよ!」
ドアを無遠慮にドンドン叩き、部屋に押し入ろうとする馬鹿者。
このままでは近所迷惑なので、ドアのカギを開けてやると、
あいつはドアを勢いよく開けて、俊敏に入ってくるとすぐに閉めた。
さっきは遠くて見えなかったが、微かに顔が上気している。
走ってきたんだろうか? 息も切れ切れだ。
「えへへー、十年ぶりのリベンジだよ」
「何をわけのわからんことを……」
馬鹿者は靴を脱ぐと、そのままカッパも脱がずに俺の部屋にずかずか入ってきた。
真っ赤なカッパからは水滴が落ちて、床に染みをつくる。
「おい、カッパ脱げよ」
「うん、今、脱ぐよ」
馬鹿者はくるりと振り向いて、カッパのフードを外した。
ちょっと褒めてやったら調子乗ってのばしまくった黒髪がばらりと現れる。
滅茶苦茶手入れしているくせに、雨水に濡れるような真似しやがって……バカじゃねぇのか。
必要以上にニコニコしてる馬鹿者が、おずおずとした手つきでカッパの前の裾を掴む。
ゆっくり引き上げていくと、足が見える見える……。
……こいつ、バカか?
「この下には男物のシャツしか着てないんだよ」
「バカ! お前って究極のバカ! 何一人でやってんだよ、こんのバカ!」
「ひどっ! 彼氏のために、恥ずかしい思いをして来たっていうのに!」
「なんで俺のためになるっつーんだよ、それが! 俺の心配度数が、二次関数ばりに跳ね上がったぞ、コラ!」
「ほら、前戯いらず。ヤりたい盛りの男には、お手軽ラクラク、とっても便利っしょ?」
カッパの袖を軽くまくり、指を秘部に当てる。
なるほどさっきの顔の上気は興奮していたからなのか
くちりと音を立てて、雨水とも汗とも違うねばっこい液体が指に付いている。
俺に見せびらかせるように人差し指と親指で橋をつくっている。
馬鹿者は、俺の顔を見て、ニコッと笑った。
「バカ野郎ーーーッ!
俺にどれだけ心配させりゃ気が済むんだ、この阿呆がッ!
え? 風が吹いてめくれたらどうすんだ? え?
しかもソレを偶然写真に収められたらどうすんだッ?
その写真を脅しに使われて、監禁されて、レイプされて、
薬漬けにされて、海外に売られて、
埋められて殺されて犯されたらどうするつもりなんだ、え?」
「うわーお。とっても猟奇的な順番だね、特に最後の。市街征服の人?」
「だまれ小僧!」
「あたしゃ、小僧じゃないよ!」
ヘッドバッドで黙らせる。
あぅぅ、と言って頭を抑え、その場でうずくまる馬鹿者。
いい年して、恥ずかしくないのか。
「いいから服を着ろ、このバカが」
「うぅ〜、ばかばか言い過ぎだよぅ」
「俺だって言いたくないわい! っていうか言わせるな!
お前が馬鹿なことしなければ、俺だってバカって言わなくて済むんだよ!」
「バカだって思わなきゃ、バカじゃないよ!」
「開き直るな!」
「意地っ張り!」
「いい加減にしないと蹴飛ばすぞ!」
「どめすてぃっく ばいおれんさー」
「えぇい、黙れ! 黙れ!」
次の瞬間、パンチを食らった。
ぶっ倒れる俺。
バカのくせに腕力が強い。
気が付いたら、マウントポジションを取られていた。
「えへへ、十年前と一緒だね」
笑顔で俺の頭を殴りまくるバカ。
手加減してくれているが、頭が割れそうだ。
「十年前も、こんな感じで仲良かったよねー」
えっと、俺の顔が段々変形してきているんですけど?
理不尽すぎるのもほどがあると思うんですけど?
「十年前はこんな可愛い子に手を出さない腰抜けちゃんだったけど、今は違うよねー」
俺の腹あたりが、なんだか生ぬるく感じる。
下着を着けていない状態で乗っかってきたのだ、そりゃあ付着するよ。
馬鹿者は腫れてしまった俺の顔をべろりと舐め、腰を浮かした。
「ふ、ふふ、なんだかんだ言って、ここは元気じゃぁーん?」
「う、うるへー……」
「かわいいんだから」
俺の顔に手を添えると、そのまま力をいれて押さえ込み、
バカはもう片方の手でズボンを撫でる。
しばらく手のひらと手の甲でなぶったあと、ジジジと音を立たせてチャックを引き下ろした。
ああ、かわらないな。
例の子どものときの出来事から、一週間も経たずにこいつに襲われた。
意気地無しの短小、早漏野郎にゃこれが一番だ、って。
飛びかかられて、裸に剥かれて、二人同時に童貞・処女卒業。
それでも何故か、俺とバカはまあ、離ればなれにならなくて、成長していつの間にか彼氏・彼女の関係になって、
生来性に淡泊な体質っぽい俺が、我慢ならなくなったらしいバカ襲われて……。
けど、やっぱり別れたりしなくて。そして襲われて。それの繰り返し。
「ふふん、やっぱり興奮してるじゃないの。
上のお口では嫌だ嫌だって言ってるけど、こっちの口は正直よのう」
「死ね!」
「ははは、こやつめ。恥ずかしがらずによいよい、まことお主は愛い奴じゃの」
「本当に死ね!」
ああ、今日もかわらん。
こうやって襲われて、マウントを取られて。
「えぇい、チクショウ! やったらー」
「きゃー」
ひっくり返し、レインコートを無理矢理引っぺがす。
レインコートを着ていて蒸したのか、男物のシャツがじっとりとしめり、肌にすいついている。
当然、体のラインがぴったりと出ていて……。
「にゃうん」
途端、猫になるバカ。
黒い髪がばらりとわかれ、目が潤んで俺を見ている。
そっと、唇を合わせて……。
「やさしく、してね」
湿った声で耳元に囁かれ、トラになる俺。
なんでこんなに俺もバカも凸凹しているのに、別れるようなことがないのは、
実は案外コッチの相性がいいのかもしれないかと、なんだかぼんやり思った。
バカが言ったとおり、前戯いらずだった。
来る途中、自分でいじっていたらしい。
本当にバカだ。
いくら体がすっぽり隠れるカッパで、しかも透けないやつだったとしても、
バレたらどうするつもりだったんだよ。
それがもう心配で心配でしょうがないっつーのに。
「はぅぅ……そ、そんな急に……」
「うるさい、ばか、心配させた罰だ」
すっげー気持ちいい。
バカなだけに体力も筋力も、男の俺よりある。
締め付けも、何年も前から俺と週一でセックスしているとは信じられないほどキツイ。
「ん……」
バカは目を細め、俺を見る。
「好きっすよ、先輩」
「おめーと俺は同い年だろ。何が先輩だ」
「三日誕生日が違う」
「おめーの方が早いだろうが!」
全く……一体どういう脳の構造をしているのか、是非見てみたい。
ぴったりと張り付いたシャツに指を滑り込ませる。
透けたシャツの一部が固くしこっている。
その部分に触れると、バカも震えた。
「きゃー、えっちー」
バカがバカしたので、優しくするのを止めた。
人差し指と親指で思いっきり捻り上げる。
「ひぐっ!」
バカはこうしてやらなきゃ扱えない。
死んでも治らないから、何も考えられないようにせな。
濡れたシャツをまくり上げ、桜色の頭頂を口に含む。
何度か、犬歯で軽く噛む。
「ひゃ……そ、それ、えっちぃよぉ」
まだ言うか、この。
腰を思いっきり押し込む。
「ひぅぅ」
肉棒の先端がちょうど壁に当たる。
俺のサイズにあつらえたように膣はぴったりしている。
腐れ縁故か、膣の長さとペニスの長さが一緒……。
このバカだったら、ひょっとして運命? フェイト? デスティニー? とか言い出すだろう。
全く、ぞっとする。
手で体重を支え、そのままバカに被さるようになる。
バカの背中が丸まり、挿入しているところが赤裸々に晒された。
「ひゃ、ひゃあ……は、はずかし……」
秘部からはとめどなく愛液が漏れ、俺が動くたびに飛沫を上げる。
膣のヒダがねっとりとからみつき、ぞくぞくするような快感が背筋を走り抜けていく。
今にも心が挫けて、間抜けな声が出てしまいそうだが、なんとか自制する。
すぐにバカは調子は乗る。
油断したら、つけあがるだけだ。
「ねっ、気持ち……いいっ?」
「全然」
ちくしょー、気持ちいいにきまってるだろーがよー。
「ちぇー、ちっこかったときから鈍いんだから。
信じられないほど遅漏だしー。あ、やっぱりホモの気でもあんの?」
「何馬鹿なこと言ってんだよ。ほれ、後ろ向け」
「わー、言っているそばから後ろの穴に入れるのー? やっぱりホ……」
「……首を絞めると、膣も締まるらしいな。やったろかい、息止まるほど」
「や、ややや、う、嘘だよ。ウェットのきいたジョークというやつさ」
「……お前のバカレベルはもはや宇宙規格だな」
バカを後ろから突く。やっぱりこの方がヤっているような気がする。
バカは安普請のアパートに構わず喘ぎ声を上げ、身もだえている。
白い背中にまばらに広がる黒髪がきれいで、思わずツバを飲んだ。
「んっ……・あっ……いい、いいよぉ……もっとぉ……」
バカは俺よりも断然貪欲で、膣はキュウキュウと締め付けてくる。
淫乱であることを包み隠しもせず、聞いてもいないのにバカの口は開いて、
俺に隠していた、つまらない秘密をべらべらと喋りまくる。
曰く、小学一年のときに上履きを隠したのは自分だ、とか、
中学のときに俺のカバンにエロ本を入れて、学校でそれを言いふらし俺に恥をかかせた、とか、
高校のときに俺を薬品で眠らせて、そのときにヤった、とか。
感極まったときに、何かしら隠していることを喋らずにいられない暴露癖があるのだ。
今回の暴露で聞いた内容は、今までにもう十回以上聞いたものだ。
ただ最後の一つだけ、俺が素っ気ないから浮気をしようとした、とか言ったときにはカッチーンときた。
「おまえ、子どもの頃からずーっとそうだったよな?
俺が毎日お前のことでどれだけ心配してんのかこれっぽっちもわかってねぇだろ!」
俺は、俺自身の甲斐性が無いことから視線をそらすために、
とりあえずそう言った。がむしゃらに腰を動かし、バカを責め立てる。
「うっ、あっ、ご、ごめんなさぃぃ! ば、バカでごめんなさぃ! う、浮気しようとして、ごめんなさぃ」
「ごめんですんだら、警察はいらねーんだよ!」
もう自分でもわけがわからなかった。
ただ俺の心の奥底からわき上がってくる嫉妬の炎に突き動かされ、
欲望がままにバカの体をむさぼっていた。
「い、いぁ……いい、いいよぅ! あっ、あっ、あっ、あん、も、もう、らめぇ!」
「イけよ! このバカ浮気女! ふがいない彼氏のモノでイっちまえ!」
「あぁ、ごめん、なさい、ああっーー!」
膣全体が痙攣し強く締め付け、次に心地よい射精感が俺を襲う。
最後に寄せるのは、激しい後悔。コンドームをつけなかったことに対する後悔じゃない。
つーか、バカがいつのまにか俺のモノにコンドームつけてた、素早い奴だ。
なんだかんだ言って、俺はこのバカのことが好きだった、認めたくはないが。
他の女とこういうことをイタすことなんて、思ってみたら考えた記憶がない。
あまりに素っ気ない態度を取って、こいつに浮気をさせるような気持ちを抱かせたのは失策だった。
つーか、俺、アホやってん……。
「んー、気持ちよかったぁ〜」
……こいつにも大概、殺意を覚えそうだ。いかんいかん、俺に悪かったとこがあった。
雨が降ると常時ぼーっとしてしまうような、腑抜け人間だから……。
「あ、何? さっきのこと気にしてんの? 馬ッ鹿だねぇ〜、嘘に決まってんじゃん、う・そ。
もう十年来も付き合ってるあたしがあんた以外の男になびくわけないじゃん。
ま、正直、最近の素っ気なさすぎにはちこっとイライラしてたけど、
今日のアレ見りゃ、心も体も満足よぉ〜、満足!」
……。
「んー、もう一回やろ、ね? 今ののりでさ。すっごく気持ち良かったからさ。
……どしたの? 黙っちゃって?」
「ぶ、ぶっ殺してやらぁあああああああ!!!」
「やっ、きゃあ、あああああああんぅ」
子どものころから、ずっとかわらんなぁ……。
近所迷惑も顧みず、遠慮無く喘ぎ声が響くアパートの窓から、
赤いかっぱがひらひらと落ち、紫色の紫陽花の上にゆっくりと覆い被さったのだった。
次の三語
『猫』『変身』『摩訶不思議』
流浪の投下にきたです。『猫』『変身』『摩訶不思議』でっ
8分割。では参ります。
----------------------------------------
〜♪
びっくりした。
甘えるような媚びた声が飴のように幾らでも伸びる。
腰を中心に身体中が切ない。むずむずして誰かに触れてもらいたい。自分
の手が届かないような身体の奥まで奪われたくて仕方ない。その欲望は逆ら
いがたいほどで、私は落ち着きなく身体をくねらせる。
息を吸って、ほんの少しだけ声を上げてみる。
〜♪
いやらしいおねだりの声。
羞恥で脳が灼ける。
『わたしのえっちな身体を好きなように弄んでください』。それは誰が聞
いたって100%そう聞こえてしまうような懇願の声。
腰の奥が熱く煮えたような感覚。下半身が全部がはしたない粘液になって、
私の意志とは無関係に流れ出していく。
こすりたい。こすりたいよぉ。私はいらだつような甘えるような気分で声
を出す。
淫らなおねだり声。
何で一人なんだろう。
誰でもいいからかき回して欲しいのに。
そう思ってからそれがどんなに恥ずかしい考えかに思い至って、私は弾け
るような羞恥に襲われる。でも、その羞恥が腰からわきあがる欲望に溶かさ
れて合流する。
気持ちいい、恥ずかしいのに気持ちいい。
ううん、恥ずかしいのが気持ちいいんだ。
力なんか入らない粘液状になってしまった腰が、私の視界の片隅でかくか
くと動いている。雄を迎え入れるためのいやらしい本能的な動き。
まるで空中に見えない相手がいるような淫らなダンス。
切ない空ろを満たして欲しいとお祈りするように、私のぬれきった下半身
が踊っている。我慢できない。私の頭の中はおねだりの淫らな声でいっぱい
になる。
〜♪
〜♪
声が止まらない。
震える喉さえ、その振動がむず痒くて気持ちいい。
私のいた部屋のドアが無機質な音を立てて開く。
入ってきたのは見覚えのあるひと。年下の男。
付き合いの長い仲間。
彼は私を見ると小さく笑う。
私はもう居てもたってもいられなくなって、彼にまとわりつく。
私の喉からは甘い声が幾らでも出てくる。女の私でさえ、聞いてるだけで
頬を赤らめてしまうような誘惑の音色。完全に蕩けきっている身体を彼に寄
せる。
お尻を彼の脚にこすり付けてゆく。
〜っ。
ぬるぬると潤んだシチューのような尻尾の付け根を彼にこすり付ける。そ
れだけで私の背骨がぐにゃりと蕩けて、脳裏にはピンクの霧がかかる。余り
に暴力的な快楽だった。こんなものを味わっていたら私、気が狂っちゃう。
狂っちゃう。
なのに私の身体は勝手に、主人である私を裏切って、何回も何回もねだる
様にあられもない媚態を見せてゆく。
とけそう。
どろどろと流れ出すような快楽が私の理性を蒸発させていく。
もっと、もっと。
ください。
欲しいです、お願い。
もっと、もっと。
「先輩、もう完全に出来上がっちゃってますね」
白衣の男はしゃがみこむと、私を抱え上げる。毛並みが彼の手にさすられ
るだけで、私の身体はびくんびくんと震える。彼は私の毛並みを楽しむよう
に撫でながら、部屋の片隅のソファーにつれてゆく。
私は彼の膝の上で、痙攣するようにひくつきながら全てをさらけ出す。
恥ずかしい。
恥ずかしいけれど、身体が勝手に開いていってしまう。
「ああ、こんなに乱れて。腰をかくかくさせちゃって」
彼は苦笑するように私に言い聞かせる。
私、呆れられてる。こんなに淫らになっちゃって馬鹿にされてるよぅ。
それなのに私のあそこはモノ欲しそうにゆらゆら動くのをとめられない。
「仕方ないですよね。発情ですから。先輩、発情してるんですよ」
――発情?
そうか。
そうだよね。
猫だもん。発情するよね。
「そうですよ。仕方ないんですよ」
仕方ないんだよね。
「サカリがついてるんですよ」
そっか。
サカっちゃってるんだ。
「欲しいですよね?」
彼はやさしく尋ねながら私の喉をこする。
「ぎゅーってされて、めちゃくちゃに突かれたいですよね?
うんっ。
されたいっ。
そんなこと、絶対されたいっ。
すっかり蒸発しきったはずの理性がどこかで警告を立ててるけれど、そん
なこと今のサカリがついて発情した私には関係なかった。
欲しい、欲しいよ。私はそれを伝えたくて、必死に声を立てる。
おねだりの声。懇願の声。それは甘く、甘い。
屈服の声。
「じゃーん」
私を優しい微笑で見下ろす彼は、バッグからごそごそと何かを取り出す。
それはクリーム色のプラスチックかゴムでできたような何か。柔らかそう
な突起が無数に生えている。
私はそれが何かまったく判らなかった。それなのに、狂った私の身体はそ
れを欲しがってずきずきと甘くうずき始める。
「猫ブラシですよ。……ここ、柔らかいですんです」
彼は試すように指先でふにふにとたわめる。
「ね? 柔らかくて、こまかいでしょう? これが、先輩の……」
ちょんちょんと触れられる。
疼きが波紋みたいに私の身体に広がって、彼の手元から視線をはずせなく
なってしまう。
「身体中を、こするんですよ?」
ぞくり。
身体中?
喉も、手足も、背中も、おなかも?
「やわらかーいブラシが隅々までもぐりこんで、先輩の気持ちいところをぜ
ーんぶ掘り起こすんですよー?」
彼は思わせぶりに語尾を延ばして、確かめるように指先でブラシの柔らか
さをもてあそぶ。私は彼の手管に乗せられて、その感触を想像してしまって
いる。
想像の中のブラシは私に纏わりついて、甘痒い感触をかきたてる。
だめだ。
それは、かなりまずいような気がする。
越えてはいけない一線を越えてしまうような気がする。
だめなのに……。
私はそれをおねだりしてしまう。
「では、リクエストにお答えして」
彼はブラシを構えると、私の身体をブラシでこすり始める。
すごいよぅ。
これ、すごすぎる。
私のわきの下や脇腹、太ももの裏側、喉、耳のうしろ。自分では手が届か
ない性感帯。今まではうずうずと疼いていた発情した部分全てに、柔らかい
ブラシの毛先がもぐりこんで、甘く、優しく擦っていく。
擦られた瞬間、すぅっと快楽が癒されるのに、その次の瞬間には前に倍す
るような欲情が生まれる。むずむずするかさぶたをずっとはがし続けるよう
な根源的な誘惑。
それはまさに麻薬。
耐え切れないような疼きの連続。
視界は桃色の光で何回もフラッシュオーバーする。
柔らかくて甘い刺激は、それでも決定的な部分へと追い込んでくれること
がないのだ。
〜ッ♪
たまらない。
お願い、もっと。ううん、もう終わらせてっ。
「先輩、すごいですね」
彼はそんな私をいいように弄んでゆく。
彼の膝の上でもだえ狂う私。
彼はその私を楽器のように奏でる。
猫ブラシが私の弱点ばかりを優しく責めたてる。
もっともっと、という欲望と、これ以上されたら私は戻ってこれなくなっ
ちゃうという危機感が私の中でない交ぜになって弾け狂う。
〜っ!?
彼が小さく笑いながら、私の尻尾をつまむ。
ぞくりと私の背骨が危機感に痺れる。
私の脳はその危機感さえも背徳的な快楽として認識してしまうほど狂って
いて、甘い声ではしたないおねだりを繰り返してしまう。
するするする。
優しいブラシが尻尾を辿る。
〜〜っ!!
まるで電流を流されるような快楽。
脳が焼ききれちゃうよぅ。お漏らしをしたようなはしたないあそこ、尻尾
の付け根の寸前をブラシは何度も何度も往復する。
お願いしてるのに。
こんなに涙が枯れるほどお願いしているのに。
優しいブラシはお願いをかなえてくれることなく、私を追い詰めていく。
何でもするから、もっと気持ちよくしてよぅ。
お願いだよぅっ。
「――そろそろ時間ですね」
彼はくすりと笑う。
「ん。そんなに物干しそうな声出さないで。ご褒美、上げますから」
ブラシがくるくると尻尾の付け根に迫る。私はその様子をやっと癒される
歓喜で出迎える。狂ってしまったように痙攣する私のお尻。
失禁したように濡れているのが恥ずかしいのに、その恥ずかしい部分を彼
に見せ付けるのが嬉しくてたまらない。
お願い。
お願いだから、そのブラシで撫で撫でしてっ。
私の疼いて甘くて切なくて欲しくなっちゃってるあそこをぐじゅぐじゅか
き回してっ。
でも。
そんな私のお願いを無視して。
私の意識はそこで断ち切られた。
――。
――――。
――――――。
「くぉの、ボケナスっ〜〜〜っ!」
私は白衣を突っかけただけで後輩の頭を殴打する。かなりの衝撃が私の小
さな拳に伝わり、後輩も頭を抱える。
「そんな事云ったって、先輩が言い出したんじゃないですか、動物化実験っ」
後輩は涙目で口答えをする。
「だからってワルノリしすぎだっ。動物化時の性衝動についてレポートを取
る目的だったんだ、冷静に記録をしてればよかろうにっ!!」
私は羞恥で焼けそうになるのを無理やりこらえて怒鳴りつける。
「……甘えてきたくせに」
「きーみーはーっ」
私はぶるぶると震えながら手近にあったものを持ち上げる。
「タンマっ。先輩、待って。椅子はやめましょう、それで殴られたら死んじ
ゃいますっ」
「ふんっ」
「そんなに怒らないでください。それに、べつに……。ブラッシングしただ
けじゃないですか」
「……え?」
その言葉の意味を一瞬つかみあぐねて、私はぽかんとしてしまう。
「ワルノリたって、別にエッチなことをしたわけじゃなく。ブラッシングだ
けじゃないですか」
後輩は無邪気な笑顔でにこりと笑う。
「……ぅ。……あ」
この笑顔にだまされてはいけない。これはこいつの常套手段なんだ。
そう思うのに頬が見る見る赤く染まっていくのが自分でも自覚できる。
「うちから持ってきたんです。猫ブラシ」
先輩はニコニコと言う。彼が指先でくるくる弄ぶ。それを見ているだけで、
尾てい骨に恥ずかしい甘い痒みがぶり返す。脳裏に訪れるフラッシュバック。
私のおねだりの鳴き声。
くねる身体。
はしたない擦りつけ。
〜っ!
お漏らしのような感覚がタイトスカートの内側で生じる。私はパニックの
ような心境で必死に自分を押さえつけるように抱きしめる。
嘘だっ。
今の私は猫じゃないんだぞっ。
私はれっきとした人間で、しかも研究者だっ。
嘘だ、嘘だぁ。
それなのに、甘い疼きは自己主張をするように繰り返し囁く。
気持ちいい。気持ちいいです。
もっと欲しい、触って、撫でて、かき回して。
「先輩?」
いつの間にか後輩は私の目の前で、腰をかがめて私を見上げている。
微笑んでるけれど、少しだけまじめな顔。
猫の私を優しく可愛がってくれた器用そうな指先。
猫の私が恥ずかしい痴態を見せ付けたいと願った後輩。
「僕、先輩に惚れてるんです。めろめろです。だから、彼氏が欲しくなった
らぜひご用命くださいね?」
無邪気な微笑みは、私の決定的な部分に踏み込んで、甘く掻き鳴らす。
「ばっ、馬鹿ぁぁあっ!! こ、この悪魔ぁっ!!」
私は今度こそ手当たり次第に後輩に投げつけ始めた。
----------------------------------------
以上、終了。 今回は手ごろな長さか……?
エロもなるべく増量を心がけてみた一皿。
次の三語 『暗闇』『記憶』『お漏らし』
ともあれ完了です。お目汚しでした!
>書き手は3〜5レスぐらいのSSを
『暗闇』『記憶』『お漏らし』
「記憶喪失?」
「と、言うより幼児退行と言ったほうがただしいでしょう」
白衣の男は俺にそう告げる。
俺は側のベッドで眠る妻の顔を見る。
つい数時間前に俺が会社に行き、昼休み直前に妻が事故にあった事を知らされた。
幸いにも命に別状ある怪我はしていないようだが、記憶が少しおかしくなったようだ。
いや、幼児退行ならかなりおかしいか。
「詳しい検査結果待ちですが、一時的なものでしょう。数日もすれば元に戻ると思われます」
「そうですか」
「記憶障害に一番効くのは普段の生活をさせることです。特に外傷も無いので退院をしていただいて結構ですよ」
そういうわけで俺は妻を連れて帰ってきた。
まだ寝ているな。
しばらくは溜まった有給を使って様子を見るか。
「んっぅ・・・ふあ」
「目が覚めたか?」
ベッドで目を覚ました妻の顔を覗きこむ。
「むぅ・・・おじさん・・・誰?」
なんとなくわかっていたことだが、さすがにショックだ。
まだ21だぞ!・・・いや、それ以前にやはり記憶が無いのか。
「お兄さんのことは置いといて。名前と年齢言えるかな?」
「・・・誘拐?」
「誰がだ」
頭が痛くなってきた。
「野々村由香。9歳」
野々村は妻の旧姓。つまりは本当に記憶が退行しているんだな。
「俺は牧村徹」
「うそだ〜。徹君は私と同じ小学校に通ってるんだよ」
俺と妻は世間一般に言う幼馴染だ。
やっぱり、そこらへんの記憶はちゃんとあるんだな。
「君と俺は結婚したんだ。君は俺と同じ21歳。そして君は今は牧村由香だ」
「ん?」
「自分の体を見てごらん」
俺が言うと妻・・・いや、由香は自分の体を見る。
「うわ!大人だ大人になってる・・・おじちゃんがやったの?」
俺は頭が痛くなってきた。
「99・・・100。あがっていい?」
「どうぞ」
写真を見せたり色々教えたりもしたが、一向に記憶が戻る気配は無かった。
一応、俺が幼馴染の徹で二人は大人になり結婚したということには、納得したみたいだが。
あれは遊び半分だな。
「あなた〜。晩御飯の準備しておきますね〜」
ダメだ。由香は俺の事は徹と呼ぶ。あなた、なんて呼ばれた事は一度も無い。
もちろん飯を作れるはずもなく、俺が適当に作って食べさせた。
「明日には元に戻っていてくれるといいな」
俺は由香と並んでベッドに横になった。
・・・・・・
「・・・おじさん・・・起きてる?・・・寝てる?・・・よいっしょ」
ん?由香?
上半身だけ起こしてどうしたんだ?時間は・・・まだ3時前か。
「あちゃ〜。どうしよう」
「どうした?」
「ふわぁぁ!?」
俺が声を声をかけると由香がビクンと飛び跳ねる。
「あ・・・だめ・・・まだ・・・出ちゃう」
まさか。
俺が掛け布団をはぐと、由香のパジャマの股間のあたりに黒い染みが出来ており、今もまだ広がり続けている。
「うぅ・・・ごめんなさい」
「いや。俺も驚かせて悪かったな。さ、じゃあ布団を帰るから起きてパジャマを脱ぎな」
「うん」
由香はノロノロとベッドから降りてパジャマを脱ぐ。
俺は布団やシーツをベランダに運ぶ。明日、クリーニングに出すか。
「由香。着替えたか?」
「ねぇ。どれを着ればいい?」
由香が全裸でこっちを見る。
見慣れた体のはずが、何故だかすごく魅力的に見えて。俺は。
「おじ・・・ちゃん?何するの?」
抱きしめていた。
「おしっこ出たところ拭いた?」
「あ。まだだった。おトイレ行ってくるね」
俺は由香の体をマットだけになったベッドに押し倒す。
「おじちゃん?あ、なに・・・きたないよ。おしっこ・・・あん」
由香の秘部を舐める。
まだおしっこで濡れているそこを丹念に舐め取る。
「ふぁ・・・ん・・・変・・・な・・・気分」
いくら記憶が戻ってても性感帯は代わらないだろ。
俺はクリトリスを舐めつつ、膣内に指を入れていく。
「はっは・・・だ・・・め・・・んっっ」
少し入れたところで指を曲げ、そこをコリコリとこする。
「それ。あ、くる。なにか、くる、あ、あ、あ、あぁ。ふぁぁぁん」
甘い声と共に由香の膣と尿口から液体があふれ出る。
って、また漏らしたな。
「ふぁ・・・はぁ・・・はぁ」
由香がくたりとなって肩で息をしている。
俺はその由香の腰を掴んで自分の方に引き寄せる。
「あ・・・あぁ」
一気にいれる。
実際には処女じゃないんだし、激しくしても問題は無いはずだ。
「んっ・・・んぅ・・・は。激しい・・・頭の中・・・ぐちゃぐちゃに・・・な・・・んっ」
由香をうつぶせに寝せて、膝だけを立たせる。
バックスタイルで何度も何度も突き続ける。
「あん。あ、あ、あ、んっ・・・・だ、だめ・・・また・・・くる・・・白いの・・・くるぅ」
由香の膣が俺のを締め付ける。
同時に膣内に吐き出される俺の精液。
「はぁ・・・はぁ・・・気持ちよかったよ・・・由香」
「おじちゃん」
「ん?」
「また気持ちいいことしてね?」
「あぁ」
なんか。罪悪感。
いくら妻とは言え、年端もいかない少女にあんなことを。
由香が布団から顔半分だけだして俺を見てる。
「どうした?」
「んふふ。なんでもない」
笑いながら布団を顔の上までかぶる。
「なぁ・・・さっき、なんでおねしょしたんだ?」
顔を布団から出す。
可愛い仕草だな。
「え?あのね・・・真っ暗な場所でお化けに襲われる夢を見たの」
「ふぅん」
「でも、それはね。徹ちゃんが悪いんだよ。私がお化け嫌いなの知ってるのに、お化け屋敷に連れて行って」
そういやそんな事もあったな。
由香は昔から暗闇とかお化けが嫌いだったから、ついついそれで遊んじゃうんだよな。
「あのときもお漏らししちゃって・・・今日も恥ずかしいよぉ」
「悪かったな・・・・・・・ん?」
お化け屋敷でお漏らし?
「あれ。由香。年齢は?」
「え?9歳だよ」
「おかしいな・・・お前がお化け屋敷でお漏らししたのって小6だから12だったはずだけど?」
「あ・・・」
「ゆ〜か〜」
由香が布団をがっちりとかぶる。
しばらくして、先ほどのように顔半分だけ出して俺を見る。
「ごめんね?」
「いつから記憶戻ってた?」
「・・・おねしょして目が覚めてから」
じゃあ、あの後は全部演技かよ。
「だって、この年でおねしょなんて恥ずかしいし・・・全部記憶残ってたから・・・演技して、朝になったら記憶戻ったふりしようかなって」
「あのなぁ」
「・・・ロリコン」
「なぬ」
「最近セックス全然してないのに、ちょっと子供のふりしたら欲情しちゃって・・・変態」
「う」
「・・・離婚しようかなぁ」
「ちょ、待ってくれ」
「ウソ・・・でも、約束は守ってよ」
「約束?」
「また。気持ちいいことしてね?・・・1週間に21回は」
「さっきは最後のないし。しかも何気に回数すごいし」
「いいじゃん」
「はぁ・・・わぁった。仕事にひびかない程度にな」
「うん。ありがとう。お・じ・ちゃん」
ちょっと趣向を変えてみた。意表つけたら嬉しいかな
次の三語『動物園』『青空』『キュウリ』
ヒトというイキモノが、知恵を備えた猿ならば。さしずめそこは、動物園の檻の如し。
学生というものはいつだって残酷だ。 『子ども』と言い換えてもいいかもしれない。
曰く、異質なものを認めない。何にでも順列をつけたがる。
「……だから猿山だっていうんだ」
君臨するボス猿と、それに群がるメス猿。
まるで、その縮図のように、彼らは自分を含む集団を順列で仕分けしている。
いや、お猿たちならば、まだわかりやすい。
『強さ』というはっきりした基準でもってボスが定められているのだから。
より強いものこそが、自然界という過酷な環境で生き残っていくのだとしたら、そういう遺伝子が求められるのは当然。
けれど、見てみるがいい。あの、メス人間どもの浅ましさを。
奴らの追い求める価値判断は『レンアイ』という意味のわからぬ言語で埋め尽くされているではないか。
彼女らが惹かれるのは、オスの強さではなく顔かたち。あるいは、ファッションセンスと名を借りた、『マスコミの情報に踊らされる』能力。
それが、生物として何ほどの価値を備えているのか。連中の遺伝子が、どれだけ強い種を作る役に立つというのだ。
などと。
いつものごとく茫洋と、まあくだらない考えを巡らせていた私に、
「言ってることはわかるけど、そういうのって、君みたいな美人の考えることではないよね」
と缶ジュース片手に声をかけるオス猿一人。
「その手のアレは、僕みたいなダメ人間の専売特許だと思うんだよ」
その言葉に、私は大きな溜息でもって応えた。
「……自分のことを『ダメ人間』って呼ぶの、やめなさいってば」
「と言われても。僕には自分がダメ人間としか思えないので」
何度も何度も、星の数ほど(は大袈裟すぎるか)繰り返されたやり取り。
「いいのよ。君は私が惚れた男の子なんだから。その時点でダメ人間じゃないんだって」
「けどさ、矛盾してるじゃないか。強い遺伝子を追い求めるのが生物としての本能だ云々、って話をするなら、僕なんか真っ先にその対象から外れるわけだろ?」
「それもいいの」
結局の所、私がぐだぐだ考えてることは、彼ことを認められない私以外の女の子を、ちょっと思考の中だけでもいじめてみたくてやってる、ただの遊びなのだから。
矛盾も無礼も承知の上なのである。
あ、蛇足ではあるが補足する。
別に彼は私の心を読んだわけではなく、常日頃から二人はこういう会話をしている。ツーカーで話が通じているのはそういう理由です。
と、まあ、それはさておき。
彼――高槻守は私の『カレシ』である。本日は、動物園にてデート中。皮肉にも、目の前には本物のお猿のお山。
上記のようなこと、すなわち、彼のことを理解できない女はばかである、などなど、そういうことを思わず考えてしまうくらい、どうやら私は彼にいかれてしまっているらしいのである。
……けれど正直。本音のホンネを言えば。
自分でもなぜこの彼のことを好きになってしまったか、よくわからない、のである。
自虐が趣味のようになっている彼を表向き諌めはするものの、実際、客観的に見れば、こいつはまるで惚れる要素の何もない男であるからだ。
んむ。我ながら酷いことを言ってるな。だけど、それは多分事実である。
有り体に外見を評するならば、良く言って『生り損なったキュウリ』。
性格は――『優しいだけが取り柄です』といった所だろうか。それも悪い意味で。度胸がないから優しくならざるをえない、みたいな?
要するに、確かに彼自身の言うとおり、守は典型的な『ダメ人間』――学校という動物園の中で、ヒエラルキーの最下層に位置する類のテンプレートにこれでもかというくらいはまっている男の子なのだ。
にも、かかわらず。
好きになってしまったのだなあ、私は。彼のことを。
恋に理由なんてない、とはよく言ったものだが、私はそれをまさに今、実感している最中なのであった。
「……庇護欲……かなあ?」
「何が?」
「私は守ってもらうより、守ってあげるほうが好きなのかもしれない」
「ああ。それはそれは」
男女逆転。ダメ少年とスーパー戦闘少女。いかにもなさそうで、それゆえありがちな、今流行(いや、ちょっともう廃れ気味?)のシチュエーション。
もっとも、私だってそんなスーパーな女の子ではないのだけれど。
なぜって、とてつもなく下らないかもしれないことで、心底悩んでいるのだから。
その目下の悩みは。
――付き合って半年にもなろうというのに、このヘタレ男が、私に手を出そうとしないこと……である。
(襲っちゃおうかな)
ふと、そんな衝動に捉われた。
抜けるような青空の清々しさが、私の気を大きくさせていたのかもしれない。
半年待った。
しかし、このキュウリめは、一向に何をするでもない。
キスすらも。
それははっきり言って、ものすごく、ものすごーくもどかしい日々だった。
こちとら高校生。男だろうが女だろうが、そういうのには興味津々極まりないお年頃なのである。
大きな声では言えませんけど、彼のことを考えて、もにょもにょ……したことだって指じゃ数え切れないくらいあるんですよ、はい。
でも、やっぱり妄想が現実の壁を越えることはないんである。
まして、触れれば届く、そんな距離に愛するカレがいるのであれば、尚のこと。
守に触りたい。
守に触られたい。
深く――もっと深く、繋がりたい。
私でさえこうなのだ。
ヤりたい盛りであると伝え聞く男子高校生ともあろうものが、逆の立場で同じことをしていないはずはない。
……そう考えるのは、決して私の自意識過剰ではないと思うのだけれど。
うきゃ。
猿山の猿が鳴いた。
その声が、いかなる按配か私に火を点けた。
野性でも、呼び覚まされたのだろうか。
「守」
「ん、何?」
私は、ついさっき自問自答したQ&Aをそのまんま言葉にして彼にぶつける。
「最近、オナニーしてる?」
…………沈黙。
「な、なななななな……」
七回、『な』が繰り返される。
「何を言ってるんだよ、こんな所で!」
「はぐらかさないで」
「はしたないよ! ダメだって、女の子がそんなっ!」
「はぐらかさないで!」
避けてきた結論。
「……女の子が、も何もないでしょ」
それを避けていたのは、果たして彼のほうだけでしょうか。
「私は――してるよ。守のことを考えながら」
カミングアウト。
それは、もう後に引けなくなった、という合図の狼煙でもあり。
「守がそういう態度に出続けるんなら……」
別に何にはばかることもなかったのだ。待ちの一手なんて、本来私の柄じゃないはずなのに。
「こっちにだって、考えがありますですよぉ」
がばり、と。
私は守に覆いかぶさるように抱きつき、その勢いのままおもむろに唇を奪った。
「ねぇ、守ぅ? もう一度聞くわよ。……最近、オナニーしてる?」
私の手は、自分でも気づかないうちに、彼の股間に伸びていた。
ズボンの上から、それに触れ、舐る。
言葉での答えはなかったが、その私の指の動きに反応し、徐々に硬さを増していくそれが、何より如実に回答を示しているように私には思えた。
守も健全なオトコノコであるということ。
すなわち、問いの答えはイエス。
いやさ、ノーなのかも? だって、こんなに簡単に、私に勃起させられてしまったのだから。あるいは『溜まってる』可能性も捨てきれない。
ま、どっちでも。
「ダメよ。男はもっと積極的にならないと」
言いながら、私は人差し指で浮き出た突起をつぅ、となぞる。
びく、と反応する守の表情がいとおしくてたまらない。
「やめ――見られ……ちゃ……」
「誰によ」
私は辺りを見回す。
幸いなのか不幸なのか。鄙びた動物園ゆえ、少なくとも半径数十メートル以内に人の気配はなく、守の言い訳も、私の歯止めもそこには存在しなかった。
歯止めがない、と、それを認識した私は、行為をエスカレートさせ始める。
ファスナーを引き下ろし、留め具を外し、私はその掌を直に彼の股間に忍び込ませた。
熱い。
脈動する彼のペニスに触れた最初の感想はそれだった。
「ふふふ……。かーわいい。こんなにおちんちん、おっきくしちゃってさ」
耳元で囁くと、彼は俯き、顔を耳まで紅潮させる。
「したかったでしょ? ずっと。私とこういうこと。なのに君ったら、いつまで経ってもうじうじうじうじ。もう我慢なりませんよーだ」
直接触れているとはいえ、下着に覆われているせいでそれほど自由は利かず、私の手の動きは自然、扱くというより撫でさする感じになる。
彼にとってはもどかしいだろう。
にもかかわらず、それは早くも先端から先走りの液をこぼしはじめているようだった。手首に伝わるひやりとした冷たさで、私はそれを知る。
「ふ――あぁっ……」
「守ったら、そんな声出しちゃって。女の子みたい。今度から『守ちゃん』って呼ぼうかしら」
事実、私がキュウリと評した彼の線の細さは、裏を返せば男の子より、女の子に近いのかも知れなかった。
(女装させたら、映えるかも――)
私は、そんな益体もないことを考える。
だが、考えながらも手の動きを休めることはしない。
不自由さにも次第に慣れ、指先の動きに変化をつけることもできるようになってきた。
激しい動きこそできないものの、刺激を加える方法ならばいくらでもある。
玉袋。
カリ首。
裏筋。
尿道口。
時に指の腹で撫で、時に爪の先で引っかき、あるいは掌全体でもむもむと揉みしだき。
ゆっくり、ゆっくりと彼を高みへと追い込んでいく。
(たまら――ない――)
それは、私にとっても、ひとつの快楽であった。
私の手で、守がキモチヨクなっている。私の手で、守を昂ぶらせている。
優越感と愛しさとが入り混じったその感情は、いつしか身体の動きとなって、私自身をも突き動かしていた。
勝手に腰がくねり、性器をまたがっていた守の太股に擦り付ける。
「…ん。……あっ」
ず、ず。
「んんッ…! んんんッッ……!!」
ゆったりしたグラインドも、私を感じさせてなお余りあった。
このまま続けても、双方絶頂することは可能かもしれない。
でも。
やっぱり、物足りない。
守と――繋がりたい。
だから私は、彼にこう言うのだった。
「もう、ここまで来たら、後には引けないよね。……このまま、ヤっちゃおっか」
「決まってるでしょ。私のおまんこに挿れちゃうのよ。君のおちんちんを」
「でも……何の準備も……」
「準備なら出来てるじゃない。二人とも」
「いや、そうじゃなくて……。ゴムとか……」
「そっちも問題なし」
そう言って、私はポケットから『その物体』を取り出す。
「じゃじゃーん。こんどぉーむぅー」
私を甘く見てもらっては困ります。
いつこういうことになってもいいように、万端準備は整えてあったのだ。
それもこれも、煮え切らない君がいけないのだよ。なんて。
「……ふふ。着けたげる」
私は守の肩をぐいっと押し、ベンチの上に寝かせつける。
そして下着を半分ずらし、彼のそれをピーカンの青空の元、あらわにする。
コンドームをはめる、というただそれだけの行為にも、守のものは若干の反応を示した。
「敏感ねえ。ま・も・る・ちゃ・ん」
「し、仕方ないだろ! 君の…その…テクが、良すぎて。もう……」
「ありがと」
軽くお礼を言いつつ、私は天高くそびえ立っている彼のペニスを上からまたいだ。
「……じゃ、行くわよ」
宣言し、ショーツを指で横にずらしてから、ゆっくり腰を沈める。一瞬つぷり、と触れる感触の後、一気に私は守を呑み込んだ。
「――あ……。これが……守の感じなんだ……」
異物感はそんなになかった。少なくとも、今まで私が行ってきた自慰行為の時、代替品として差し込んだ物よりは、ずっと。
挿入されているのが守のものだ、という事実も、その感覚に一役買っているような気がした。
「動くわよ。……少しは我慢しなさいよね」
どうやらさっきの言葉から察するに限界が近いらしい守を牽制し、私は腰を振り始めた。
「…んッ! …はッ! はぁッ!」
イイ所を上手く探し当てるように、私は大きく体を上下前後左右あらゆる方向に揺する。
その度に、守のペニスはびくんびくんと蠢き、それが生きているものなのだという実感を私に与えてくれる。
「繋がってる……! 私と守、繋がってるよぉッ!!」
私は下を見る。
確かに結ばれている、守の陰茎と、私の膣。
夢――というには大袈裟だが、私がずっと望んでいたこと。
守と、一つになる。
それが、今まさに叶えられている。それだけで、幸福に胸が張り裂けそうな気がした。
「あッ! あンッ!! あはぁぁッッ!!」
私の口から漏れる嬌声は、その証。
(守! 守! 私、守と今、繋がってるよぉ!!)
下半身が蕩けてなくなってしまいそうだと思った。
自慰行為とは明らかに違う一体感。
次第に私は、その行為そのものに酔い、腰を振り続けるだけの動物に還っていく。
守もよく我慢している。
唇を噛み、拳を握り締めて、射精感を堪えている。
その切なげな顔つきがまた愛しく、さらに私の胸を高鳴らせる。
(なんて健気な――おバカな子!!)
そこで私はやっと気付く。
ああ、私は、彼のそういうところにこそ惹かれていたのだ、と。
きっと、いつまでも私に手を出さなかったことだって、私のことを慮っての不器用な彼の気遣いだったのだ。
そう、
だから。
「いいよっ! イきなさい、守っ! 私の中で、射精してっ! 私も――私も一緒に――イくからっ!!」
彼が、頷く。
私はラストスパートとばかりに、激しく、淫らに腰を叩きつける。
結合部からは、あふれた愛液が飛び散り、じゅぷじゅぷと激しい音を立てる。
「く……ぅうっ!!」
「ひ……ぁぁああああぁッッ!!」
二人の嬌声が同時に響き、絶頂を迎える。
私は、そんなはずないと知りながらも、守の想いが私の奥深く――身体の中に届いているような、そんな気がしていた。
――気だるい帰路。
「あのさ。一つ聞きたいんだけど」
手を繋いで歩きながら、守が口を開く。
「君、僕が付き合うの初めてだ、って前に言ってたよね」
「うん」
「……それ、ホント?」
ぎく。
私は身をすくめる。
「なんか、初めてにしてはすごくえっちだとか、テクがすごかったとか、そういうのは、君のことだからありそうな話だとは思うんだ」
はい。
この日の為に、色々、自習させていただいておりました。
エロいのも天然です。たぶん。
「でも」
ん。
核心。
(やっぱり気付くよなぁ……)
「――君、処女じゃなく――なかった?」
「…………」
「僕もよく知らないから、アレなんだけど、処女って、もっと、いろいろ大変なんじゃないの?」
「……………………」
「いや、別に怒ってるわけじゃないよ。ただ、やっぱり正直な所が聞きたいなあ、とは、思う……んだけど」
「や」
「や?」
「ぜっっったい、嫌! それだけは口が裂けても言えんっ!」
「何でだよ! 別に怒らないって言ってるだろっ!」
「そーいうことじゃないの! この秘密は――」
流石に恥ずかしすぎて……。
「墓の中まで持っていくっ!!」
「ちょっ、何で!? 何、その秘密って!?」
「やーよ! 教えないもーん!」
「気になるっ!」
「だーめ」
言えるわけがないのです。
その、おなにー趣味が高じすぎて……。
お野菜のキュウリに、処女あげちゃいました……なんて。
「全部、もたもたしてる君が悪いんだっ!」
そんなわけないのにね。
……私の、ばーか。
なんぼ何でも趣味に走りすぎだよ、俺。と。
次は『クッション』『赤い糸』『主従』
451 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/01(土) 01:43:30 ID:F1w6ZH7O
age
長椅子の上に敷き詰められた、金色のシルクサテンのクッションの上に彼女はいた。
彼女―――そう、社長のよう子だ。
彼女は、豊満な乳房まで透けて見えるキャミソールドレスを身に纏い、長椅子に横になったまま、俺を見下ろしている。
「久し振りね……仕事どう?上手くいってる?」
「社長……その……やめてもらえませんか?俺をからかってるんですか?」
「からかうですって?フフフ……誰がそんな優しい事をするものですか?おまえ、自分の立場が解っていて?」
「解ってますよ、言われなくてもね。俺は、あなたの部下以外の何者でも無い」
「部下ですって?まあ、可笑しい……大笑いだわ。おまえが部下ですって?おまえは部下にも成り得ない能無しよ。
おまえは『イヌ』……私の忠実なる『イヌ』よ。まともな主従関係なんて期待しない事ね」
拳を震わせ下を向く―――だが、彼女と目を合わせる事はできない。
よう子の冷たい刺す様な視線が、俺の動きを封じ込める。
いつもの事だ……彼女に逆らう事はできない……
「何を突っ立てるの?おまえは一人前の社員じゃ無い。イヌだと言ったでしょう?イヌならイヌらしく、床に這い蹲りなさいな」
「社長……」―――怒りの感情を押し殺して、俺は床の上に膝を折った。
「フフフ……いい子ね、ワンちゃん。こちらへいらっしゃい……私の言ってる事、解るわよね?」
俺は膝を折った姿勢のまま、よう子の方へにじり寄った。
「成績も上げられないワンちゃん。ご褒美にイイコトしてあげるわ」
よう子は、二つの乳房の間から、何か赤い物を取り出した―――それは、赤い糸を組んで作った真田紐だった。
その紐の色は、まるで血の様に赤い……赤すぎる……俺は、その赤を見ているだけで気分が悪くなった。
「ワンちゃんには、ヒモが必要でしょ?大人しく言う事を聞かせる為にもね。そう思わない?」
「首を出しなさい」「えっ?」「聞こえなかったの?首を出しなさいと言ってるのよ」
俺は大人しく、よう子の前に首を差し出した。
「相変わらず鈍いわね……もっと機敏な動きは出来ないの?そんな風だから、イヌに成り下がるのよ」
よう子は、俺の首に真田紐をぐるりと巻き付け、次の瞬間、グイッと引いた―――「ぐっ、、、社長、、、、」
「フフフ……お似合いよ、島田。うちの社員の中じゃ、これが一番似合いそうなのは、おまえだもの……ククク」
「しゃ、、、しゃちょ、、、く、、苦し〜〜」「あーら、力が強かったかしら?死んじゃったら大変!」
よう子は、少しだけ力を緩めて、俺の呼吸を自由にしてくれた。
「く、、ハァ、、社長、やめて下さい。あんまりだ……ノルマが達成出来なかった責任は自分にあります。
だが、それとこれとは別だ……ここまでされる理由は無い……」
「理由ですって?今更、理由なんていらないわ。私は、こうしたいからこうするだけ……それじゃ、ダメかしら?」
「俺にどうしろと?……」「そうね……どうしようかな?私、とっても疲れてるの。おまえの様な能無し社員を抱えて……」
「償いをしろとでも言うんですか?社長……」
「物分りがいいじゃない?島田。おまえ……こんな時は気が利くのね……フフフ」
よう子は、右手に赤い真田紐も端を握ったまま、俺の顔を自分の顔の方へ向かせようと、再びグッと引き上げた。
「癒されたいの……とっても疲れてるって言ったでしょう?おまえの様なイヌでもいいわ……我慢してあげる」
よう子はドレスの前を開き、太腿を露わにした。
そして、膝を立て、両方の足を大きく開いた。
「しゃ、、社長……何を……」「にぶいわね、早くしなさいよ」「何をしろと……」
よう子の美しい顔が、一瞬、不快な表情に変わる―――
「私にこんな格好をさせといて、まだ解らないの?早く、舐めなさい。私のここを」
俺は押し黙ったまま、よう子の仕打ちに、怒り、震えていた―――それでも、ひと言もよう子に言い返す事さえ出来ないのだが……
「何度も言わせないで。さあ、早く!」
よう子は、まるで飼い犬を扱う様に紐の端をクイッと引き、そのまま自分の内股に俺の頭を引き寄せた。
大きく開かれた足は、すでにショーツを着けていない状態だ。
結局、初めからこうするつもりで俺をここへ呼んだのだ……脱力感……そして、妙な気持ちの昂りを感じていた。
押し殺した怒り……脱力感……そして、高揚感……色んな感情が一時に俺に押し寄せる。
俺は観念して、よう子のソコへ顔を近づけた。
「島田、上手くやるのよ。ヘタだったら、ただじゃ済まないわよ。解ってるんでしょうね?」
よう子のひと言で、俺は完全な『イヌ以下の存在』に成り下がろうとしていた。
俺は、よう子の下の唇に自分の唇を近づけると、ソレに最初から思いっきり吸い付いた。
ぐちゅっ――「はうっ!ハァ、ハ、、ハァ……あぁ……ああぁあぁあ」
よう子の淫らな喘ぎが、部屋中に響き渡る――その声に興奮した俺は、尚も強くよう子の秘所を吸い上げる。
「あ、ああ、ん、、、あう!!あぁう!!お、、あぁ!!!あ!アーアーあぁーーん」
俺は、下の唇を思い切り指で押し開くと、ソコに奥深く舌を差し入れ、くちゅくちゅとイヤらしい音を立てる秘所を掻き回す。
「あーーあぁーーあーー!!!」―――よう子の上体は乱れ、体を頭を左右に大きく振り回す。
よう子の絹糸の様な美しく長い髪は乱れ、その様子に益々興奮した俺は、急いでズボンのチャックに手を掛けると、
それを下まで一気に引きおろした。
俺は、よう子の体に覆いかぶさると、自分のいきり立ったモノをよう子の体に思い切りブチこんだ。
「イヤぁーーあーーあんーーあぁぁ!!!」
俺の行き成りの行動に不快でも感じたのか、よう子は俺の体を突き飛ばそうとした。
俺は先程のお返しをするつもりで、よう子の頭を抑え、髪を鷲づかみにし、よう子の唇に自分の唇を重ねて塞いだ。
「ぐぅ、、ぐぅ、、うう、、うう、、」
力では男の俺の方が上だ―――そんな思いが脳裏を過った、その瞬間・・・・・
バシッ!!!―――「おまえーーーっ!!誰に向って、こんな事をする?解ってるの?」
怒りを含んだよう子は、爪を立てた平手打ちを俺にお見舞いし、哀れな俺の頬に血が滲む程の傷跡を刻印した。
よう子は俺の腹を蹴り上げ、俺のイチモツを抜いた状態で体勢を立て直してきた。
そして、俺を自分の体の下に組み敷いた。
「忘れたの?島田。おまえは私の何?」―――「部、、部下、、、」
「部下ですって?まともに仕事も出来ないおまえがぁ?アハハハ、、、おまえは、私のペット。いえ、それ以下ね」
「しゃ、、、社長、、、俺が思い上がってました、、、だから、、、」「だから?何?」「やめないで、、ください、、、」
「そんな事当たり前じゃない?フン……ちゃんと、最後までイカせてもらうわよ」
よう子は俺の上に跨ると、自分の秘所に俺のモノを咥えこむ様に腰を沈めた。
よう子は俺のモノを咥え込むと、腰を激しく振り出した。
「はうっ!はうっ!あ、、あ、、ハッ、、ハッ!!」「しゃ、、しゃちょ、、そ、、そんなに、、」
「あっ!ぁぁっ!!あ、あ、あ、あーーあーー!!!」
よう子の肉襞の一つ一つが俺自身に絡まり、俺は、既に歓喜の絶頂に達しようとしていた―――
「しゃ、、社長〜〜もう、もう、ダメですっーーー!!!」
俺がそう叫んだ瞬間に、よう子は無情にも、俺自身のモノをスッポリと抜いてしまった。
「あーーーあーーーっ!!!しゃちょぉぉーーー!!!むごいぃぃーーー!!!」
引き離された俺自身は、白い液体を金色のクッションの上とよう子のキャミソールの上に撒き散らした……
「あ〜〜あ〜〜あぁ」「汚いわね!!島田!!何するのよ!!!」
よう子はキャミソールドレスを脱ぎ捨てると、俺の顔めがけて、丸めたドレスを投げつけた。
「シルクのドレスも、クッションも台無しじゃないの!!何やってるのよ!!この役立たず!!」
「あんまりです……社長……急に……」
「何言ってるのよ?中に出そうなんて、十年早いわよ!立場を弁えなさい!」
よう子は俺に罵りの言葉を浴びせると、全裸のまま隣りのシャワールームへ行ってしまった。
その後姿を見送る俺・・・・(たまらん、、、いい形の尻だ、、、)
酷い目に遭わされながらも、俺の妄想が止む事は無かった―――
流れる湯音が止み、新しいドレスを身に纏ったよう子が中から出て来た。
俺は相変わらす、ズボンをずらしたまま、首に紐をぶら下げた格好で長椅子に横になっていた――当然、萎れたモノはそのままだった。
「見苦しいわね。さっさとそんなモノは仕舞いなさいよ……」
俺がズボンを引上げると同時に、よう子の携帯端末が着信を告げた。
「あら〜私よ。仕事?ええ、終わったわ……」――携帯を耳にした彼女の声のトーンが甘くなり、俺はその相手が誰であるかを悟った。
その相手は、最近、公私共に彼女のパートナーに納まったと噂のある、取引先の役員だった。
その男は、年齢も俺と同じ位……そして、名も俺と一字違いの『島専務』であろう―――
「今?今ねえ……イヌと遊んでたところよ……違うわよ!可笑しいわね、あなたがそんな事言うなんて……お得意の嫉妬かしら?
ええ、フフフ……もちろんよ。それじゃ、いつもの所で……」
「全く……一字違いの名前でも大違いだわ。それじゃ、私は行くわ」
よう子は、テーブルの上に在ったエルメスのケリーを手に取ると、俺の方を振り向いた。
「島田。今日はこれ位で許してあげるわ。来月はちゃんとやるのよ、もちろん、仕事の方だけど……フフフ」
「解りましたよ……社長……」
「まぁ、、、なあに?その不満気な顔は?私に優しくしてもらいたいのなら、ちゃんと結果を出しなさい。
来月……結果が出せなかったら……」
「出せなかったら?何ですか……社長……」―――俺は、その言葉に少し違う期待を込めていたかもしれない。
「出せなかったら、クビよ。もう、お仕置きもしてあげない」
俺に最後通牒を突きつけて、よう子は部屋から出て行った。
俺は身支度を整えると、よろよろと長椅子の上から立ち上がり、首に絡まった紐を解いた。
「困る……」―――俺が仕事で振るわないのは、当然、彼女の『お仕置き』を期待しての事なのだ。意識してもしなくても……
クビは、やはりまずい……俺は来月に期待を込めて、今暫く仕事に専念しなければならない。
当然と言えば、あまりにも当然なのだが………それさえ忘れてしまっている、忠実なるイヌ―――それが、俺と言う存在だ。
俺は、自分で汚したドレスとクッションをゴミ袋に纏めると、灯りを消して部屋を後にした。
よう子は、今頃、専務とよろしくやっているのだろうと思いながら……。
次のお題は、夏向きに「花火」「浴衣」「小筆」でお願いします。
ほしゅ
俺はとある旅館に居る。
シーズンオフということもあり、泊り客は俺と女性の3人組のみ。
俺は趣味の風景画を描くために、こうやってよく旅に出るのだ。
「ダメだ。イメージがわかない」
旅館の女将に教えてもらった川に行ってみた。
綺麗でのんびりしたその川は、悪くはないのだけれど、どうもインパクトにかける。
「別な旅館でも探すか」
俺は画材道具をカバンに詰めなおして、旅館へと戻った。
「あの〜!!」
道路下から声がする。
確かこの下には小さな広場があったはずだな。
俺がガードレール越しに下を覗くと、そこには浴衣姿の3人の女性の姿があった。
あぁ。旅館に泊まってる人たちか。
「これから花火をするんですけど・・・一緒にどうですか〜?」
夏前・・・しかも、まだ明るいうちの花火か。
普段と違うことをすれば何かヒントを得ることが出来るかもしれないな。
俺は階段を降りて女性たちの方へと向かった。
「こんにちは〜」
俺に声をかけてきた女性が俺にお辞儀する。
背が高くてメガネをかけている。スタイルは細い。胸もほとんど無い。
「今挨拶したのが次女のシノ。んで、私が長女のマツリ。こっちの暗いのが三女のイコ」
紹介してくれた女性は大学生くらいだろうか。シノちゃんとは違って、スタイルがかなりいい。
「暗いって。失礼な。口数が少ないとかおとなしいとか言い方があるだろう」
イコちゃんが男の子っぽい口調で言う。背が低く、ひょっとしたら中学生くらいだろうか。
「3人姉妹?」
「そ。私が21でシノは18。イコはちょっと小さくて13なんだよね」
「へぇ。よろしく」
僕は改めて3人を見る。
どこからどう見ても女子大生と言う言葉が似合うスタイルのいいマツリちゃん。
元気そうでショートカット。水泳とかが上手そうなシノちゃん。
大人しそうだけど、毒舌家じゃないかと予想されるロリな姿のイコちゃん。
「さ。花火しましょう」
「いいけど。こんな明るい内から?」
「明るくないと見えないでしょ」
見えない?
「じゃあ、私が火をつけるね〜。お姉ちゃんとイコは準備して」
2人は頷くとおもむろに浴衣を脱ぎだす。
常人なら驚いて止めたりもするところなのだろうけど、俺はとりあえずそのまま見ていた。
「・・・あのさ」
「ん?」
イコちゃんが俺を見上げている。
小さな胸に小さな突起。下もまだスリット状で経験はなさそうだ。
「普通止めない?」
「俺は普通じゃないんで。ま、お構いなく」
イコちゃんは怪訝な顔つきで俺を見る。
「さ。いくよ」
シノちゃんがそう言うと、マツリちゃんの股間に向かってライターの火を近づける。
マツリちゃんのお尻の穴には手持ち用の花火が2本ささっており、そこに火がつけられた。
お尻を僕の方に突きつけて大きく脚を開く。
「あぁ。みられてる・・・私の・・・大事なところも全部・・・お尻の穴に花火を入れて遊んでる変態な私を見られてる」
そんなことを言いながらも、マンコからは汁を滴らせ、足元を濡らしていた。
「ん。終わる・・・じゃあ・・・出すね。イコ・・・あとお願い」
マツリちゃんが少しいきむと、火の消えた花火はずるりとお尻から抜け落ちる。
イコちゃんはその上にしゃがみこんでその場でおしっこをし始めた。
「消火完了」
「はいどうも。じゃあ、次は・・・あ。これにしよう」
マツリちゃんが取り出したのは太い花火だ。
今度はそれをマンコに深々と突き刺す。
俺はそれがとても淫靡で美しく見えた。
カバンから画材道具を取り出しベンチに座ってスケッチする。
花火を出し入れしながらオナニーするマツリちゃんを白い紙の上に描いてゆく。
「いいよ」
シノちゃんがまた花火に火をつける。
「お兄さん。お兄さんも気持ちよくなっていいよ」
シノちゃんは火をつけた後に、浴衣を脱ぐ。こちらも下に何も身につけておらず全裸だ。
そのまま俺の足元に跪き、俺のズボンとパンツを下ろし、大きくなっていたモノを口に含む。
「んっ・・・お兄さんの大きい・・・あ。出したくなったら口に出してくださいね。全部飲みますから」
シノちゃんはそんなことを言いながら、プロ顔負けのテクでむしゃぶる。
「シノ。今日は」
「わはってる。らいしょうふらよ・・・おひいはん・・・わはいはら」
「それならいいけ・・・あぁぁ」
急にマツリちゃんが身悶える。
花火は思った以上に燃焼範囲が長く、短くなった花火はマツリちゃんのマンコを焦がし始めていた。
「や・・・あ・・・もえ・・・もえる・・・熱い・・・」
「マツリちゃん」
「だい・・・だいじょう・・・ぶ・・・あぁ・・・きもち・・・いい」
恍惚とした表情を浮かべるマツリちゃん。そして、自らのおしっこで花火の火は消えた。
「ん!?」
シノちゃんの指がお尻の穴に入ってくる。
「へへへ。きもひいいれしょ。ひいよ。らしても」
「じゃあ・・・お言葉に甘えて」
俺はシノちゃんの口の中に精液を吐き出した。
久しぶりの女の体ということもあり、かなりの量が出て・・・それが全てシノちゃんのお腹の中へと消えていった。
地面に大きく脚を開いて倒れているマツリちゃんと、俺のを離すときに顔についた精液を舐め取るシノちゃん。
2人の姿をさらにスケッチする。
「ふはぁ。ごちそうさま。さ、お兄さん。メインディッシュだよ」
「メインディッシュ?」
シノちゃんが立ち上がってよこに移動すると、そこにはイコちゃんが立っていた。
脚をモジモジと動かしている。
その滴っている愛液の量から、すでに準備は万端といったところか。
「イコの初めてもらってあげて」
「初めてって。いや、それは」
「・・・いいよ。処女・・・あげる・・・」
俺の体はマツリちゃんとシノちゃんに捕まれる。
イコちゃんは俺の上にまたがりゆっくりと腰を下ろしてきた。
「あ・・・あぁ・・・は・・・入ってくる」
「く。きつい」
イコちゃんの中はきつかった。
処女特有の締め付けだが、未成熟なソコはそれに更に輪をかけていた。。
「や・・・やぶれ・・・ちゃった」
「大丈夫か?」
「うん・・・女としては大丈夫」
女としては?
「ほらほら。お兄さん。動いて動いて」
「イコのことはオナホールだと思って、無茶苦茶にしていいから・・・ね」
2人は本当にイコちゃんの姉かと疑わしくなるようなことを言ってくる。
「・・・いいよ。好きにして・・・滅茶苦茶に・・・壊して」
俺は言われるままに動いてやろうとも思ったけど、ここで一つ別なことが思い浮かんだ。
カバンから小さい小筆と絵の具を取り出す。
「ひゃぁっ」
小筆で乳首の先をなぞると、その度にイコちゃんの体が跳ねる。
「んっぁ・・・それ・・・こそばくて・・・なんか・・・あぁはぁ」
「イコちゃん・・・エッチ好きなのかい?」
「・・・嫌い・・・大っ嫌い」
イコちゃんの顔は、言葉とは裏腹に、気持ちよさを物語っていた。
「3人そろってエッチなんだなぁ・・・ほら。それを書いておいてあげるよ」
「や・・・あぁ。冷たい」
絵の具で色をつけた筆で、イコちゃんの体に文字や絵を描く。
「いいなぁ。お兄さん。私にもあとで書いてね」
「いいよ・・・さぁ、出来た。イコちゃん。読んでごらん」
イコちゃんは頭を下げて自分のおなかに書かれた文字を読む。
「・・・わ・・・私のおまんこは・・・淫乱です・・・どうぞご自由にお使いください」
「じゃあ、遠慮なく使わせてもらうよ」
「あ・・・あ・・・あはぁ・・・ふ・・・うぅ・・・や。あぁ」
マツリちゃんに言われたように、俺はイコちゃんを玩具でも扱うかのように乱暴に扱った。
子宮の入り口を突くたびに、イコちゃんは叫び声を上げ、段々と体に力が入らなくなってきていた。
「ん。出すぞ」
俺は子宮目掛けて深く突き刺し、そこで2度目の射精を行った。
「あぁ・・・出てる・・・もう・・・綺麗な音・・・出ないよ」
そんなことを言いながら気絶したイコちゃん。
彼女をベンチに静かに寝かせて、俺はマツリちゃんとシノちゃんと3人で遊んだ。
日が暮れ始めた頃には、マツリちゃんは花火で火傷だらけになり、シノちゃんは体中に卑猥な言葉で埋め尽くされていた。
「・・・大丈夫マツリちゃん?」
「平気。それほど酷くないから・・・はぁ・・・でも、今日は楽しかった・・・10回まではいったの数えてたんだけど」
少なくとも2人あわせて20回以上、途中で目を覚ましたイコちゃんを合わせれば25回以上は絶頂を迎えたであろう。
俺ですら10回近く射精して、最後はほとんど出なかったんだから。
「じゃあ。私たち帰るね。また会えるように・・・祈ってるから」
「バイバイ。お兄さん」
「・・・今日はありがとうございました」
3人は浴衣を着なおして階段を上がって行った。
俺は網膜に焼きついた3人のイメージを、ただひたすらに紙に写していた。
「どうもありがとうございました」
旅館を後にする。
あの3人組にはあの後、一度も会えなかった。
旅館の女将の話でも、そんな人たちは泊まってないとか。あれはなんだったんだろうか。
道を歩いていると、近くの神社で祭りが行われていた。
「いや〜。これどうするよ」
「捨てるしかないだろ」
法被を着た男数人が何かを話している。
「どうしたんですか?」
「あぁ。これ見てくれよ。誰がやったんだか。まったく。悪戯にもほどがあるぞ」
男たちの真ん中には、祭りで使うであろう楽器と小さな仏像があった。
「横笛と小太鼓と、あと、この神社のご神体だ」
笛は何か白いものが付着しており、文字が色々書かれている。
太鼓は片方の面が完全に破れ、ここにも何か文字が書かれていた。
女性をかたどった仏像は、いたるところが焼け焦げている。
「まさか」
『シノ』ぶえ。た『イコ』。『マツリ』のご神体。
「これ。捨てるならもらえませんか?」
「はぁ?」
「俺、全国いろんな場所を旅してるんですけど、そこで物を集めるのが趣味でして」
「そりゃあ、捨てるもんだし。欲しいってならやるけど」
俺の手に笛と太鼓と仏像が載せられる。
「え?これってご神体なんじゃ」
「ここの神社は生まれ変わりの神様を奉っててな。ご神体は神主が20年に一度作ってるんだよ。そいつは去年までのだ」
だからって。まぁ、くれるならいいか。俺にとっても思い出の品だしな。
今回の旅行から帰ってきてからと言うもの、俺のスケッチブックは毎日数枚ずつ埋まっていった。
「今日はお風呂でしましょ」
「お兄さん。背中流してあげるね」
「・・・狭すぎ」
そこには、綺麗で淫らな3人の女性の姿が描かれている。
次のお題『義妹』『壊れたクーラー』『アイス』
gj
464 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 01:50:22 ID:JTzvyocZ
下がりすぎあげ
「なにしてんだ」
由美がダイニングでソーダーアイスを舐めていた。
「アイスたべてる」
「じゃなくて、こんなに暑いのに、なんでむしむしする場所で食ってんだ、っていってんの」
呪文のように速く捲くし立てたものだから、由美は一瞬きょとんとして、突然笑い出した。
「そろそろ壊れたクーラー、なんとかしてもらえ」
家にクーラーは三台あって、リビングと由美の部屋に設置されている。
暖房の温かさがぬるま湯みたいで気持ちが悪いと嫌って、冬にはストーブが稼動する。
たまたまメンテのつもりで、一回電源を入れてみたら、起動しないことがわかった。
結局、放置されて六月の下旬にまでなっていた。
「クーラーなんかじゃないもん」
「じゃあ、なんだよ」
「エ・ア・コ・ンだよ。エア・コンディショナー」
「もういい」
「どこいくの」
「おれの部屋」
「たべないの。だすよ」
「たべたきゃ、じぶんでとる」
「ぶうっ」
「おまえも、じぶんの部屋でたべたら」
「いやっ」
由美は母の麻美の躾をおかしいくらい律儀に守っていた。屁をひることでさえも、
わざわざトイレに行くくらいだった。
「ねえ」
「なんだ」
「由美も行っていい」
「ばあか」
「……」
なんの間だったのだろうと考える。カオス。
「そう言うときはな、わたしもってつけとけよ」
「よっ、よ、よ、おにいちゃん、へんたい」
「はいはい」
「まって」
ダイニングを出かけたときだった。また由美が呼び止めていた。その声に
いつもと違った切実なニュアンスを感じた。
「なに」
「キスしてみない」
「冗談か、頭へんになった」
「ねえ、キスして……。わたしとじゃ、イヤ……かな……」
「イヤとか、そういうのじゃないだろ。キスならあずきバーとでもする」
「……だめ。したい……な」
「由美」
由美がスカイブルーのアイスを顔のそばに持って、たのしそうにしていた姿は
一瞬にして遠ざかっていて、あの微笑みはじぶんにむけられていたものだとわかって、
なまぐさい肉の臭いと吐瀉感がすこしだけ込み上げていた。
頭のなかで、なにかへんな虫がのたくるような感じに、黒く塗られていった。
「キスだけ。キスならいいでしょう」
「おまえ、本気なのか」
――二ヶ月前のことだった。
九月になって、夜はいくらか凌ぎやすくなっていた。それでも日中は
まだまだ暑かった。ふたりの関係も変わっていた。お互いのおもちゃを知った
子供のように、それでいて濃密なものになった。たった二ヶ月で……ちがう。
二ヶ月という時間は充分すぎるほどのものだった。
見たくない、という由美に、亀裂の中心にストロークされる濡れた肉茎を
無理やり見せてしたこともあった。
蒸し暑い部屋のベッドで窓とベッドを締め切ってしていた。シーツの上には
押し入れから引き出してきた、バスタオルを何枚も重ねて躰を横たえ。
裸身をかさねて、交歓をする。避妊具を付けてはいても、射精は極力ひかえた。
『これ、小学生のときのだね。なつかしい』
『ああ』
『どうしたの。はやく、いっしょになりたい』
『うん』
『えっち』
太腿の淡いに正座から胸をシーツに押し付け、肘を突いてもぞもぞしている。
「あっ、う、うごいちゃだめ」
体をねじろうとしたのを由美が咎めた。足がシーツに爪先立ちになっていた。
甲をべたっとしてやっているものとおもっていた。
避妊具を装着した勃起したペニスは由美の掌のなかであばれていた。
由美はグラビア・タレントのような、扇情的な肉体は持ち合わせてはいなかったが、
四肢が長くて肉厚が薄いぶん、よりモデルぽい感じがした。手などもかなり
ほっそりとしていて、ぱっと見、骨を思わせることもしばしばあった。
それが原因してなのか、ペッティングにもなかなか没頭できず、感じることを
阻害されていたようなふしがあって、耳元でいくらきれいだと囁いても
由美の凍った心はほぐせなかった。
うっかり口をすべらせ、モデルみたいだと褒めたことで怒らせてしまって。
「なんで、なんだ」
「モデルなんていうからっ」
「褒めていたんだぞ。おれが好きなんだから、いいじゃないか」
「ばかっ」
起き上がった由美。骨盤の外側の突起がゆれている。
「なにがバカだ。だったら、もっと食えよ」
「たべたって、太らないっ」
そんな態度にイラついてしまって、濡れがまだ少ないのに挿入を早って、
犯ってしまっていた。暴れるのを羽交いじめに、ペニスを紅い陰唇の亀裂に捻じ込む。
怒りにかまけて腰を振っていたことに、自己嫌悪に陥って、律動を途中で
やめてしまっていた。萎えてしまえとおもった。
「痛かったろう。いま抜くから」
乱鬢の由美はシーツに顔を横にして、艶っぽい姿に膣内にインサートされている
ペニスはビクンビクンと痙攣を繰り返していた。
「ごめん」
「もういいから」
「ごめん……」
「もう、いわないで」
気持ちを与え奪い合いたくとも、体がついていっていなかった。腰を曳きはじめ、
ペニスを抜去しようとしたら、由美が肩に掌を置いてきて引き止めた。
「いかないでいて」
「やめたほうがいい」
「抜かないでったらぁ」
今の硬さなら確かに由美と性交渉可能でも、すぐに萎えてしまうという予感があった。
由美が痛がってしまえば、更にどうなってしまうかもわからない。
逆に犯しているという昂ぶりが高じてしまって、もっとひどいことになることも。
「ゆっくり、やさしくして」
「いいのか」
「じれったいぐらいでいいから。ながくして」
「それなら、おれが仰向けになるから、由美が跨ってみろよ」
「えっ……」
「いやか」
主導権は由美に持たせたほうがいいとおもった。当の由美が、この申し出を
どうおもったのかはわからない。
「いやじゃないけど」
「羞ずかしがることないさ。好きに選べばいい」
「わかった。する」
由美がペニスを掴んで、じぶんのヴァギナに導いて、跨ってひかえめに
快美感を求めだす。まだアクティビティにはなれない。けれど、両肩を窄め、
しかめた顔を落として喘ぐ由美は可愛かった。
下から伸ばした手で、胸板に突いていた由美の手と繋ぎ合って、瞼をきつく
閉じて感じている義妹と、ゆっくり蕩けていった。由美の鼓動とじぶんのを逢わせて。
「好き……」
ふたりの両腕は水平に、逆Vの字に拡げられた両脚の内側に、寄り添うように
由美の脚が拡げられてあった。
肉をお互いが求めても、恥骨をぶつけあう激しい肉交はしない。みせかけの
いたわりだと思う。由美をどれだけ好きで愛しているのか。下から突き上げた。
「ああっ、あ、あ」
もう、なにを考えているのかがわからなくなっていた。
次は『うなじ』『ホテルのロビー』『非常階段』
470 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/15(火) 06:29:50 ID:Rj8lrDZP
蛇足かもしれんが、感想解禁しないか?
荒れない程度にオブラートに包んで。
反応がないと投下する気が削がれると感じるのは俺だけではないはずだ。
>>470 感想がほしいなら修業場なり別のスレなりに書け
以上
まぁまぁ、過去の作品にはそれとなく感想付いてるのもあるし、
別に作者が反応しなけりゃいいんじゃないか?
馴れ合いとかじゃなくてさ。感想禁止にしてるわけでもないし。
473 :
471:2006/08/15(火) 20:21:30 ID:y3otrH9y
>>1見たら
>感想レスが欲しい方は、メール欄にその旨を書いておいてください。
>感想レスを書きたい方は、文章に気を遣って書き上げてください。
ってあった。
結論から言うと、「好きなようにやれ」ってことだな。
良スレハケーン!(`・ω・´)シ
保守
476 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 00:37:26 ID:PyYW5NG7
hosyuだ
保守
478 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 19:21:13 ID:dpVDJt43
あげ
どうしようどうしたらねえどうしようごめんなさい
そんな思いは彼に届くはずもない。
うなじから耳にかけて、舌で舐めあげられる。熱い。それだけで体の中心から、また
零れ出してしまう。私のなかをかき乱している指を、また締め付けてしまう。
体育館に通じている非常階段の踊り場。遠くでバスケ部の練習の声が聞こえる。
耳元で、クッと喉がなる音がした。軽蔑されたのかもしれない。こんなところで、しっかり
濡れている私は。ひどい格好だ。シャツはボタンが外されて胸だけが露出するように
なっているし、ブラもホックが外されている状態。ショーツは足首のところで絡まっている。
もしかしたら、もしかしたら誰かがここを通るかもしれない。言い訳のしようがない格好。
「なんで、逃げたの」
熱っぽい吐息と共に、彼が言葉を吐き出す。体がびくびくと震える。
だめ、この人の声だけで私は。私は。
「ねえ……」
「…ぁ……んん…っ」
何も考えられない。あまり触ってもらえなかった敏感なそこを、こねくりまわされる。
長く美しい、私の好きな彼の指で。
きっと私はこの上なく、うっとりとした顔をしていたと思う。だから、指を引き抜かれて
彼と向き合うように体を回された時、ひどく残念だった。腹立たしくもあった。
「答えてよ」
私のなかから引き抜いた指を舐めながら、彼が問う。ああ、その目が好きだ。
太腿にとろりと、零れる感覚がした。
「あ……ごめんなさ…その、私、」
「ホテルのロビーから、君が見えた。声、かけようと思って外に出たのになんで」
昨日の話だ。ガラス張りの戸の向こうに彼がいた。私はたまたま通りがかっただけ。
まさか会うとは思わなかった。そして彼は女の子といたのだ。少し離れた高校の制服。
なのに、まさか、彼が私のもとにわざわざ来ようとするなんて。
「なんで、逃げるの」
舐めていた指を、そのまま私の口のなかに突っ込む。犯されている。彼に犯されている。
私は彼の手を取ると、指を舐めあげた。そして彼のものを奉仕するかのようにしゃぶった。
好き、彼の指が好き。
とても久しぶりだった。こんな事をするのも、彼に触れるのも、彼に触れてもらうのも。
彼に触れてもらえなくなって、1ヶ月。その間、彼は全く単なるクラスメイトとして振舞ってきた。
何故彼が触れてこないのか、怖くて、全くわからなくて、私はただ心が空ろになったいったの
を覚えている。でもどこか頭は冷えていて、仕方がないと思ったのだ。突然始まった関係は、
突然終わるものだろう。そう納得したのに、昨日はきっとどうかしていた。
「だって、もう耐えられない……」
あなたこそ、なんで近づいてくるの。
彼が、私以外の女の子と一緒にいる。それも仕方がないと思っていたはずだ、少し前なら。
なのに悲しくて、耐えられなくて、そして体が疼いてしょうがなかった。
私はその場から逃げる時、濡らしていた。
「あの時話していたら私、きっと馬鹿な事言ってた。軽蔑されてもおかしくない、いやらしい事」
指から唇を離して、少しずつ話す。目は合わせられない。怖い。
すると顎を持ち上げられたかと思うと、キスをされた。舌が入ってくる。いつもより乱暴なキスだ。
そういえば、今日初めてキスをしたなと思った。
私は本当に馬鹿な女だった。彼の行う全てに欲情し、すぐ濡らす。キスが久しぶりで、
それでも私は確実に幸せを感じていて、涙が零れた。
唾液を交換しながら、舌を絡めながら、階段に座らされる。
唇が離れて、彼が目尻の涙を舐め取った。そしてそのまま額にもキスされる。
「言ってよ」
「……え?」
「今。そのいやらしい事」
少し微笑んだように思えるのは気のせいだろうか。その表情があまりにもきれいで、見とれて
しまっていると、ほら、と彼が催促する。それでも口にするのはためらいがあった。
「……いっぱい……して…。いかせて…」
やっとの思いで、口に出す。羞恥で声が震える。きっと真っ赤な顔をしている。
こんな風にねだった事などなかった。
おそるおそる彼を見ると、今までに見た事のない目の色をしていた。
軽蔑された?嫌われた?わからない。けれども不思議と怖くない。そんな事、今までなかった。
彼は、私の足を開かせた。どろどろしたそこが丸見えだ。
「ぁ、やぁっ…何…」
一瞬ひるんでしまって情けない声を出してしまう。彼は私の中心に唇を寄せた。そして、嬲られる。
「ん、や、やぁ、あ、」
舌で、その啜る音で、指で、追い詰められる。何より、彼が彼が私に触れている。
「ぁ、は、いい……っ あ、んん、好きぃ…」
もう何が何なのかわからない。私はうわごとのように、好きと繰り返した。
「好き、ぁん…っ もっと、好きぃ、あ、あ、あ、」
ああ、私は彼が…。
483 :
479:2006/10/19(木) 01:41:11 ID:0o3P0t71
以上です。
次は「教室」「処女」「さよなら」で。
484 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/05(日) 00:33:04 ID:uc4H8o4L
age
保守しとく ノシ
はい、たて逃げスレということで削除依頼出しておくわ
え、こういう趣旨なんじゃないの?このスレ
400KB超えて今更何をw
ほ
490 :
【大吉】 :2007/01/01(月) 16:49:55 ID:8r5IYeT4
け
ん
し
つ
で
495 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 18:12:58 ID:jsD31f7+
す
か
497 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 18:30:03 ID:vX6LWKso
ら
べ
り
く
そして 500
わーい
おおっおふぅっああっAGEるー
昼休みの教室で、浩は同じクラスの京子から手紙を受け取った、
「放課後、保健室で。
キョン子」
浩と京子は幼なじみで小さいときからキョン子と呼んでいた…
そして放課後、浩は保健室で京子と会った、
京子はヘアバンドをした短めの髪を掻き揚げながら、とんでもないことを言った…
「浩くん、あなたに私の処女を捧げます…」
「えっ…!キョン子今なんて…」
浩はドキンとした!「私とセックスしよう!」そういうや否やいきなり浩の唇にキスをすると、咥内に舌を入れてきた…浩は
股間のモノが熱くなっていくのを感じていた…そして京子の咥内を舌で弄りながら制服のスカートの中に手を伸ばして…ショーツの上から京子の股座を弄んだ…「あっ…ぁんぁんぁんぁぁぁ…んぁぁぁ!」京子は頬を赤らめながら、艶っぽい声を上げるのであった…
保守!
507 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 21:30:53 ID:Q0xP5cWi
テーマは面白そうなんだから、もっと盛り上がっても良いと思う
このスレがまだ残ってた事に感動しつつAGE
新しいのが指示されてない以上そうですNE