【FFXI】ミスラとまんこしたい5夜目【エロ総合】
幼い頃、頭を撫でてくれた
あれは誰の手だったのだろう
もう夢にすら見なくなった懐かしい温もり
木漏れ日が差し込む窓辺のベッドでルナは爽やかに目覚めた。
んーっと伸びをし、モーグリが起きている気配がないことを感じると
脅して無理やり泊り込んだお詫びでもしようと椅子をひきずってキッチンへ向かう。
食料庫を覗きこんでメニューを考えながら材料を選び、
一般的なものから珍しいものまでずらりと並らんでいる調味料ストッカーから必要なものを取り出す。
「やっぱりちゃんと揃えてあるじゃない。」
腕前はそれなりにあるのに、最近は外で済ませることが多くなったとリーは言っていたが、
いざと言う時に備えておくことは忘れていないらしい。
手軽で簡単、誰が作っても美味しい合成調理は素晴らしいと思うけれど、
何だか味気ない気がして休日のルナはもっぱら手料理派だった。
食材をスライスするためにナイフを掴もうとして、バチンッと弾かれてしまう。
「いったぁ〜、もう厄介なんだから!」右手をさすりながら呟くと、一呼吸おいてナイフを取る。
ウィンダスで育ち、サンドリア教会に属さないルナはアルタナへの信仰心が薄い。
契約を結んで白魔導士になったものの、厳しい戒律を守って生きる修道女ではないから
日常生活に支障を来たす制約を苦々しく思うのだった。
いい匂いがレンタルハウスを満たし、それを嗅ぎつけて目を覚ましたモーグリが
部屋の一角に設けられた専用スペースからキッチンへ飛びこんでくる。
「ご主人様、帰ってきたクポ?」しかしそこに居るのがルナだと分かってがっかりする。
「勝手にキッチン借りたわよ。」出来上がった料理を皿に盛りつけながらルナは答える。
「モグこそごめんなさいクポ。寝坊したクポ〜」
「いいのよ、これは泊めてもらったお礼なんだから。運ぶのを手伝って。一緒に食べましょう。」
手伝ってと言ったのもの、運ぶのはモーグリに任せた。
リーの部屋の家具はヒュームサイズでルナには高すぎたのだ。
「いただきま〜す。」
テーブルの上には白パンに軽く炙ったコカトリスの肉、ゆで卵、ミスラントマト、ラテーヌキャベツをスライスして
挟んだサンドイッチにポトトイモとコーンのスープ、オレンジジュースが並んでいた。
「これ、食べてもいいクポ?」
「当たり前じゃない。味は・・・たぶん悪くないと思うわ。」
モーグリはおずおずとサンドイッチを手に取り、噛り付いた。
「おいしーーーークポ!ルナさん料理上手クポね!」
「ふふっ、よかった。」ルナは夢中で料理を頬張るモーグリを嬉しそうに眺めながら、自分も食べ始めた。
食事が終わりモーグリと並んで後片付けをした後、
使った食材は宅配で送ると約束してリーのレンタルハウスを出た。
アリューシャが何も言ってこないということはまだ眠っているのだろうから部屋に帰る訳にはいかない。
水の区の調理ギルドでリーに返す食材を買って、国立高級魔法店に寄ってみる。
白魔道士の間で噂になっている神聖魔法がないか尋ねると
「神聖魔法の研究はサンドリア教会の方が進んでますし、そちら方面を当たってください。」ぴしゃりと言われる。
最近、高位魔法は獣人からしか手に入らなくなっている。
既存の魔法なら分かるが、新しいものを彼らが持っている理由が分からない。
人類が未だに知らない遺跡でもあってそこから持ち出されたものなのだろうか?
出所はともかく、新しい魔法が欲しいと思うのは魔道士としては仕方が無いところだ。
「ありがとう、そうしてみるわ。」
一応礼を述べて店を出ながら、あそこの連中は苦手なんだよね〜と愚痴がこぼれる。
ジュノの競売にも出ているが、できるなら安く買いたいと売っていそうなところを考える。
「セルビナとラバオも当たってみるか・・・」
ぶつぶつ言いながら歩くルナの個人用パールから低い落ち着いた声が話しかけてきた。
「ルナ、私だ。今大丈夫かね?」
「あら、フラガラック。お久しぶりね。大丈夫だけど、何かあったの?」
フラガラックはルナの古い友人で、セルビナで猟師をしている齢100歳を超えるガルカだ。
「昨夜、『暁の疾風』号が入港した。」
船の名前を聞いた途端、ルナは驚きで息が止まりそうになった。
今はまだダメだ。必死でいい訳を探す。
「そ、そう。今、ウィンだから残念だけど次の・・・」
「次は無い。」
「え?!」フラガラックはもともと口数が少ないが、それにしても唐突すぎるし意味が分からない。
「テオドールにはもう時間が無い。」
「どういうこと?」
「彼の命の炎はもうまもなく消えてしまうだろう。」
「そんな抽象的な説明では分からないわ!」
彼が伝えようとしている事実に気がついていた。だが、そうは思いたくはなかった。
「説明ならいくらでもする。だからセルビナに来てくれないか。」
「・・・『暁の疾風』号はいつまで停泊予定なの?」
「明後日には出港する。」
「セ・・・セルビナに用があるから、ついでに寄るわ。あくまでもついでよ!」
「分かった。」
そう返事を残してパールは沈黙した。
ウィンダスにいつもと変らず穏やかな日差しが降り注ぐ中、ルナだけが凍り付いていた。
午後、昨夜と同じ顔ぶれが水の区のレストランで遅い昼食を取っていた。
そのうちの3つは満ちたりた顔で、1つは訳知り顔で、もう1つは精魂尽き果てた顔をしていた。
「こういうことになりました。」ぐいっとリッツの腕をとって、艶やかな顔を見せるリー。
タップは「おめでとー!」と無邪気に喜んでいるが、ぐったりしたリッツを見てアリューシャは気の毒にと呟いた。
「それはどういう意味ですか。」にっこり微笑むリーだが目が笑っていない。
「いや、ミスラはみな情熱的だと聞くから、な。リッツもさぞ・・・」
言いかけるアリューシャにこれは不味いと思ったルナが矛先を換える。
「リッツもさぞ満足でしょ、ねぇ。」
「ふぁぁい。とてもとても素敵で、夢のようです。」げっそりした顔で答えるリッツ。
それは悪夢じゃないのかとアリューシャは思ったがさすがに口には出さなかった。
「それで、みんなはこれからどうするの?」
レストラン名物のサラダを突付きながらルナが問う。
「私たちは3日後に調査隊が出発するのでその準備を。」顔を見合わせて頷くアリューシャとタップ。
2人はあの後何度もアットワ方面の調査隊に同行しており、今では護衛のエキスパートとして必ず声がかかるのだ。
「私はもうしばらくウィンでのんびりしますわ。」「俺も。」
リーの季節が終わるまでリッツは当てにならないな、とルナは見切りをつけた。
「ルナはどうするのだ?予定がないなら一緒に行かないか?」
アットワ方面に出没するモンスターは厄介な状態異常を引き起こすものが多く、白魔道士は多い方がいい。
ルナがウィンダスに来ると聞いてから2人は同行を頼もうと考えていた。
「私はセルビナで新しい魔法が出てないか当たるつもりよ。」
実はルナにも護衛の依頼が来ており、昨日まではリッツとリーも誘って久しぶりに皆で行こうと思っていたのだが
事情が変ってしまった。
「それでは仕方がないな。」心底残念そうな顔をするアリューシャに心の中で詫びる。
「バニッシュIIIだろ?ルナは古代魔法も使えるのにいるの?」
デザートのサルタオレンジを摘みながらタップは不満そうに聞く。
今すぐ必要でなければルナを連れて行こうと考えているのがその態度から見て取れた。
「うん。白でいる方が多いから。それに魔道士としては魔法は1つでも多く覚えておきたいものよ。」
そうなの?とタップは目でリーに問いかける。
「あなた方が武器を複数持って行くのと同じことですよ。」手数が多くなれば、それだけ有利になるということだ。
リーの説明に納得したものの、タップはブツブツ呟きつつ残ったオレンジを口に放り込んだ。
別れを告げてハウスに戻ったルナは、ジュノのレンタルハウスからモーグリを呼び戻した。
ウィンダスにいる時はひとりの時間を楽しむために留守番させているのだが、
今回は急に旅立つことになったため準備や部屋の片付けなどが全然できていない。
「2〜3日戻らないから、後はよろしくね。あ、それから金庫開けて。」
一番奥に仕舞ってあった宝石箱から青い小さな石のついた指輪を取り出し、左手の中指にはめる。
「それラピスラズリリングじゃないクポね?」
「これは・・・平穏の指輪っていうのよ。」
左手をそっと隠すルナを見て、モーグリは聞いてはいけないことだったのかと不安そうに首を傾げる。
「大丈夫、行ってくるわ。」
朱色のクロークを羽織り緑のベルトを締めフードを被って顔を隠すと、そのままルナはドアから出て行った。
忘れた振りをし続けてきた問題にケリをつけにいくのだ。
きっと酷い顔をしているだろう。
だから今は誰にも見られたくないし、会いたくも無かった。
レンタルハウスを出ると直ぐに移動魔法の詠唱を始める。
目指すはホラ岩のテレポイント。
そこからレンタルチョコボに乗って走れば夜にはセルビナに辿り着けるはずだ。
クリスタルラインへのゲートが開きジャンプする直前、
「よう、ルナ。もう行くのか?」目の前にリッツが居た。
ちらっと見上げただけで直ぐに目を閉じ、ルナは異空間の向こうへと姿を消してしまった。
リッツはリーのところに向かう途中、偶然通りがかっただけなのだが、
長い髪が自慢で特別に作らせた髪飾りを愛用しているルナが非常時以外でフードを被ってる姿など見たことが無い。
様子がおかしいと声を掛けてみたのだが・・・
「あいつ、なんであんな暗い目してんだ?」リーに聞いてみようとしたが、
部屋に着くなり押し倒されて、彼女の季節が終わるまできれいさっぱり忘れてしまうのだった。
チョコボを飛ばしてルナがセルビナのゲートを潜った時、煌々と輝く青い満月が東の空から昇り始めていた。
いつもは冒険者で賑わう『羊飼いの溜まり場』亭は、船員たちが久しぶりに大地を踏みしめ
女の柔肌を味わい、しばしの休息を楽しむ簡易の娼館としての顔も持っていた。
ルナは先にフラガラックの家に行って話を聞くべきか、それともテオドールの元に行くべきか迷っていたが、
港に静かに佇む『暁の疾風』号が目に入ると桟橋に向って歩き出した。
『暁の疾風』号は天晶堂所属の大型蒸気船で、東国と貿易を行っており、
東の海が荒れる季節になると稀に水や食料を補給するためセルビナに寄港する。
ヒュームの男テオドールは海賊あがりの船員達をまとめあげ、
どんな嵐からも生還する凄腕の船長としてノーグはもちろん船乗りの間では名が通っていた。
また、その見かけとは裏腹にとても紳士的なことで港町の女たちに人気が高く、
言い寄る者が後を絶たないとの噂だったが伴侶はもちろん決まった愛人も持っていなかった。
船には見張りの船員が数人残っていた。
中にはルナを見知っている者もいるだろうが説明するのも面倒なので、
インビジとスニークを掛けて船長室へ歩を進める。
もしテオドールが居なければ、もしくは女が居れば、回れ右してフラガラックの家に行こう、
そう思いながら薄くドアを開けて中を覗くとデスクで書き物をする男の広い背中が見えた。
身体を中に滑り込ませ後手にドアを閉める。パタンという小さな音を聞きとがめて男が椅子ごと振り返った。
「今日はそんな気分じゃないんだ、悪いが帰ってくれないか・・・?」
音がしたのに姿が見えないことに男は訝しげな顔をしている。
夜這いの女と間違われたらしいと気付いたルナだが、大した違いはないと自嘲気味にくすりっと笑った。
「ルナかい?」
「当たり。」そう答えてインビジを解く。
立ち上がってこちらに歩んでくるテオドールに、ルナは時の流れの残酷さを感じた。
真っ黒に日焼けした肌に逞しい身体は昔と変らないように思えるが、刻まれた年輪は隠せない。
「久しぶりだな。」にっこり笑う口元にも深い皺が浮き出す。
大きな手をルナの頭に載せるとガシガシ撫でる。
「やめてよ、もう子供じゃないのよ。」
テオドールの手を振り払うようにフードを外した指に青い石が鈍く煌く。
「まだ持っていたのか。」感慨深げにテオドールが言う。
「まだ約束を果たせてない・・・けど。」指輪を外そうとするルナの手をテオドールが止める。
「フラガラックのやつめ。」軽く舌打ちして、伝声管に向って「私はもう休むから後は頼む。」と伝える。
「了解。」きびきびした船員の声が返ってくると、ルナを促して奥のプライベートルームのドアを開けた。
ティーポットから最高級のウィンダス茶葉を使ったお茶が注がれるまでにルナは
彼の身体がもう取り返しの尽かないところまで来ていることを聞かされた。
「船を下りて治療に専念しよう。私が・・・私が看るから・・・!」
爪が掌に食い込んで血が滲むほど強く握り締め、涙を堪えるルナを優しく抱き締める。
「ありがとうルナ、でも私は船乗りだから最後まで船と共にありたいんだ。」
いい募ろうと顔を上げたルナの口をキスで塞ぐ。
「最後の思い出にお前を抱かせてくれないか。」
見開いたルナの瞳にテオドールの哀しい覚悟が映る
「最後だなんて言わないで!側にいるわ、ずっといるから、だから・・・」
「鳥は大空を舞ってこそ美しい。ルナを閉じ込めることなんて誰にも出来ない。」
両手でルナの頬を挟んだまま、言い聞かせるようにゆっくり彼は言葉を紡ぐ。
「10年前にもそう言ったわね。」ルナの心は過去へと引き戻される。
ルナ達が育った島は大型帆船でなければ渡れない速い海流に囲まれ、
峻険な山が海から突き出した地形のために港に適した砂浜や湾もなく、
沖に停泊した本船からバージ(艀)で物資を運ぶ不便さもあって
かつてはタブナジア公国の流刑地であった。
耕作に適した土地は少なかったが水だけは豊富にあり、
東の国との交易が盛んになると水の補給基地として船乗りには知られるようになっていた。
島民の殆どがタブナジアの流れを汲むエルヴァーンだったが他種族も少しはおり、
養い親だったヒュームの老婆は、医者の居ない島で唯一の癒し手である薬師だった。
8歳のときに老婆が亡くなると、多くの島民が引き取りたいと申し出たが断って独りで暮らし始めた。
持って生まれた魔力の高さで簡単な治癒魔法も使える上に、老婆の知識も受け継いで
新たな癒し手となったルナを独占しようとする大人たちの思惑が感じられ、嫌気が差したのだ。
そんな訳でルナが漂着したアリューシャとリーを引き取って養うことはそれほど困難ではなかった。
やがて戦争が終わり海上貿易が再開されも島は貧しいままだった。
水以外に大した特産物を持たない入港困難な島にわざわざ寄るメリットがないからだった。
しかし例外が1つあった。
老婆がかつて独自の調合で作ったいくつかの興奮剤は幻の媚薬として珍重されており、
それを求めてルナを訪れる商人がいたのだ。
幼いルナが媚薬の製法は知っていてもその用途まで知らないことに目をつけた長老は
このことを利用して島全体が潤う商売を考え出した。
港町には規模の違いはあれど船員相手の娼館がある。貧しい島には娼館こそ無かったが、
外から人が訪れると宿泊所になる長老宅で女を貢ぐことは日常的であった。
娼婦役は適齢の女がいる家から例外なく順番で出すことになっており、
数少ない現金収入のチャンスでもあったから誰も表立って不満を口にはしなかった。
貴重な癒し手であり、タルタルでもあるルナにはこの約定は適用されていなかったのだが、
ある日長老に呼ばれたルナは、媚薬に酔いしれた顔見知りの女たちが
船員たちと狂態を繰り広げる様を見せ付けられ酷いショックを受けた。
お前が作っている薬は女を狂わせるものだ、
これからは私が代わりに扱うことにする、
代金は今まで通りだから安心するように、
長老の言葉と女たちの嬌声がぐるぐる廻って、
その場から逃げ出すために契約書にサインした。
媚薬の独占販売権を得た長老は、島に泊まって女を抱くことを購入条件とし、
価格も釣り上げたのだが、目論見は当たって商船や貿易船の寄港は増えていった。
ある日、ヒュームの女衒が島にやって来た。
扱う商品は一流だと娼館では重宝されたが、少女に対する異常な性癖で商売仲間には嫌われていた。
「膣や肛門はめちゃくちゃに裂け子宮が破裂した少女が何人も闇に葬られた」というのが
噂ではなく真実であることは、低年齢層を扱う同業者たちの間では知れ渡っていたからだ。
嫌がり痛みと恐怖に泣き叫ぶ少女を犯すのも楽しいが、そこに快楽でよがり狂う様が加わったら
さぞかし魅力的だろうと嗜虐心をそそる誘惑から男は媚薬を欲しがった。
だが、普通の女なぞ抱く気は更々ない。
金は10倍払うから女は要らないと言っても長老は首を縦には振らなかった。
例外を作れば面倒なことが起こることをこの老人は経験から知っていたからだ。
そこにルナが注文の媚薬を持って現れた。
男の目付きが途端に変わる。
「この娘がいい。」
ぎょっとする長老ときょとんとするルナ。
男は代金の10倍以上ギルが入った袋を長老の前に投げると、ルナを抱え上げて部屋を出て行こうとする。
静止しよう歩み寄る長老の額に振り向きざまに抜いた銃を突きつける。
「代金は払った、女は抱く、これで交渉は成立だ!」
男はあてがわれていた部屋に入ると暴れるルナの首に手刀を打ち込み気絶させ、
鍵を掛け、ソファーやテーブルでバリケードを作りカーテンを閉め、外に向って怒鳴った。
「俺の楽しみを邪魔するヤツは誰であろうと撃ち殺す!」
それからルナの衣服を剥ぎ取ると、両手足をロープでベッドに縛り付け、
黒い鼻を摘んで口の中に媚薬の中身を注ぎ込む。
息苦しさと痛みで目を覚ましたルナは口腔に溢れかえる甘ったるい液体に嘔吐く。
「高い薬なんだから吐くなよ。」そう言いながら男はルナの顎をぐいっと持ち上げもう片方の手で口を塞いだ。
飲み込んだ液体が自分の調合した媚薬だと気付き、ルナは身震いした。
あの時の女たちの狂態が脳裏に浮かぶ。
嫌だ、嫌だ、嫌だ!
恐怖に怯える心と裏腹に、小さな身体には媚薬の効果が現れ始めていた。
上等の磁器のように滑らかで白い肌は熱を帯びて淡く染まり、
まだ膨らんでもいない胸に浮かぶ桜色の突起は芯を持って立ち上がり、
つるりとした恥丘の割れ目は赤い花弁を大きく開いて蜜を滴らせる。
むず痒いようなじくじくと痛むような感覚が下腹部から湧き上がり
もじもじと拘束された身体をくねらせる。
股を伝う暖かい感触に、失禁してしまったのだと思い真っ赤になっている。
それは男が夢見たままの光景だった。
「いいねぇお嬢ちゃん、最高の眺めだよ。」
男は恍惚の眼差しでルナを見つめ、舌なめずりした。
男を乗せて来たのは『暁の疾風』号だった。
テオドールも水の補給に何度も島を訪れており、老婆が健在な頃から素材を届けたり、
船で使う薬品を調合してもらったりと小さな癒し手のことは見知っていたから、
上陸していた船員から女衒がルナを連れて部屋に立て篭もったと聞かされ、
急いでバージを仕立てて長老宅に駆け込むと老人を怒鳴りつけた。
「あんたはあんな少女まで売ったのか!」
「島が生きていくにはこれしかないんだ、仕方が無いんだ・・・」
己の非道と無力を正当化するように呟く老人を見下ろし、テオドールはボソッと聞いた。
「いくらだ?」
「はい?」意味が分からず間抜けな返答をする老人に、
テオドールは「ルナをいくらで売ったんだ?」と聞きなおした。
「いつもの10倍・・・です。」
嫌悪感を隠そうともしない目で長老を睨むと、懐から皮袋を取り出しテーブルの上に置いた。
「その3倍は入ってるはずだ、後は口を出すな。」
そういい捨てると、腕の立つ部下を数人連れて男の部屋の前に立つ。
中から聞こえるルナの叫びはあまりの痛ましさに聞くに堪えず、部下たちは顔を見合わせる。
「この島には警備がいない。中の男は本船の乗客である、よって船長としての権利を発動する。」
テオドールは宣言し、ドアを押し破った。
この島は滅亡したタブナジア領であり、現在属する国はないのだが、
船長に与えられた権限を拡大解釈して、一連の行動に法的な意味を敢えて持たせる。
こうすることで、男の家族から訴えられたとしても私刑として処分されることはなくなるのだ。
男はルナをいたぶることに夢中になっていたが、バリケードが突破される前に銃を取り反撃に出た。
だが、テオドールたちは予め空蝉の術を張っており、男に一気に切りかるとそのまま討ち捨てる。
「後の処理はこちらでやる。」
ドアの前でガタガタ震えながら覗き込んでいる長老に一瞥をくれると、
ルナの拘束を解いてやりシーツに包む。
「やめて、触らないでぇ!!!!」泣き叫ぶルナの耳元でスリプルを唱える。
部下たちに死体の処理を指示し、糸の切れた人形のように動かなくなった少女を抱きかかえ、
テオドールはルナの家まで運んで行った。
家に着くとルナを心配して待っていたアリューシャとリーが駆け寄ってくる。
ルナの哀れな姿を見せる訳にもいかずベッドに降ろすと、
今日は泊まって行くよと言って2人を寝室から連れ出し、眠るまで側についてやった。
2人が安らかな寝息を立て始めた時、ルナの絶叫が聞こえてきた。
子供たちが目を覚ましていないことを確認すると、踵を返してルナの寝室に飛び込む。
「いやぁぁあああああ!!!」
スリプルが解けたものの、状況が分からないルナは半狂乱だった。
「ルナ!ルナ!私だ!」
めちゃくちゃに手足を振り回し、何かから逃れようとするルナの身体を抱きすくめ必死で呼びかける。
「あ・・・?」涙と欲情に濡れた瞳に正気が戻ってくる。
「大丈夫だよ。もうあの男はいない。ここは君の家だ。」
「テオドール・・・?!ひっぁぁああっ!」
びくんっとルナの身体が仰け反り、シーツを跳ね除けた。
先ほどは急いでいたからルナの身体をまともに見ていなかったテオドールは、声を失った。
白い肌にはミミズ腫れが幾筋も浮かび上がり、血が滲んでいる。
股間では緑色の触手がうねうねとのたくり、
打ち込まれた結合部から止め処なく血が混じった愛液が流れ落ちている。
「くっ!」目を背けながらその醜い塊を掴み引き抜く。
じゅぽっと卑猥な水音を立てて、ルナの幼い器官を責め続けたものが外れる。
「ふぅぁあぁっ」ルナが大きく息を吐く。
それは安堵なのか、それとも喘ぎなのか、テオドールには区別がつかなかった。
媚薬によって強引に欲情させられ、嬲られ続けられたルナの身体は火が点いた様に熱く、
ペドフィリアの気が全くないテオドールでも過ちを犯しそうだった。
ケアルで傷を癒し、もう一度スリプルで寝かそうとするテオドールの胸にルナが抱きついてくる。
「私の・・・身体、何かヘン・・・お・・・おしっこ、止まらないよぉ。」
そう言ってわんわん泣き出す。
太股を伝ってぬるぬるとした液体がシーツに染みを作っていく。
「それはおしっこじゃないよ。」優しく髪を撫でながら、娘のように思ってきた少女に欲情していることに驚く。
「どうしたら止まるのぉ?」
まだ初潮も迎えていない少女に、セックスや女性の身体の仕組みを
男の自分がどうやって伝えたらいいのか分からず言葉に詰まる。
同時にとても嫌な予感が脳裏を過ぎる。
ルナが処女を失った今、あの老人は望まれれば躊躇なく男たちに差し出すだろう。
癒し手であるルナは金の為に抱かれることを拒否できる身分だが、
彼女にはそんな駆け引きはできないだろうし、2人の妹たちを盾に脅されればなす術はない。
ならばいっそ、この手で・・・
「教えてあげるよ、何もかも全部。ルナが分かるまで。」
テオドールはルナをそっとベッドに押し倒した。
その後、テオドールは航海の度に島により、多額の金を長老に与えてルナを愛した。
ルナが15歳になった春、島と決別した少女たちを乗せてセルビナに向うと旧友であるフラガラックに託した。
身寄りがない事が分かっているルナは、テオドールと一緒に行きたいと泣いたが、
「世界を見なさい。鳥かごに自由はない。これはお守りだ、ルナの心に平穏が訪れるように。」
そう言って小指から青い宝石のついた指輪を外してルナに託すと海へと旅立ったのだ。
時折訪れ、優しく抱き上げてくれたテオドールを父親のように想っていたルナだったが
初めて抱かれたあの日からは男として愛していた。
島で金で買われた男や冒険者となってから付き合った男の中には本気で求婚してくれた者もいたが
ルナはテオドールが忘れられなかった。
「っんあぁ!」胡坐をかいて座るテオドールに、愛液を滴らせ物欲しそうにひくつく秘所を貫かれ
ルナの身体に快楽の波が押し寄せる。
悩ましげに眉を寄せ、可愛らしく鳴くルナを何度も何度もテオドールは己の上に落とす。
ルナは熱く蕩けそうなくせに、快楽を搾り出そうと貪欲に締め付け蠢き、テオドールを飲み込む。
恍惚の表情で喘ぐルナをベッドに押し付けると、欲望のままにルナの中を蹂躙し、擦りつけ、突き上げる。
「はあぁぁあっ!」ルナが喘ぎ、腰を振る。
「イクよ?」それは愛し合うものの睦言。
「い・・・いよ、イイっ!あああっ!」
ルナの尻たぶを手で割り開き、身体を大きく折り曲げた上に覆いかぶさって
己を追い立てるとテオドールはルナの中で果てた。
髪を梳き、キスをしてルナの瞳を覗き込む。
欲情の色を浮かべた表情とは裏腹にその奥には理性の欠片が輝いていた。
「やっぱりお前まだ・・・」
ぎくっとしてルナはシーツを顔まで引き上げ「ご・・・ごめんなさぃ・・・」消えそうな声で謝る。
幼い日に見せられ女たちの痴態と女衒から受けた仕打ちでルナはトラウマを負っていた。
テオドールの優しい手で施された愛撫によって、セックスに対する嫌悪は拭われたが
心に刻まれた深い傷が癒えることはなかった。
セックスの最中に正気を失うことが何よりも怖い。
訳もわからず何をされるのか自覚のないまま流されることを恐れた。
テオドールが思った通り、長老は他の女たちと同じようにルナを扱った。
まだ未発達な小さな身体では一方的な行為は苦痛を生むだけで少しも気持ちよくは無かった。
それを詰られても、ルナにはどうしようもなかった。
時には年上の少女たちと一緒に相手をさせられることもあった。
「本当に愛する男とだけ本気になればいいのよ。」
「でも、彼より上手な人もいるでしょ?」
「その時は楽しんじゃうけど。」
「どうせならその方が得よね。」
感じているふりを、イッたふりをすればいい、さっさと追い詰めてしまえば男は満足する、
彼女たちの他愛もない会話がルナの迷いに答えをくれた。
最初は性感帯が未発達なためだと思っていた。
トラウマを負ってしまったことも知っている。
だからテオドールはルナが絶頂を迎えていないことに気付きながらも
時がくれば自然にイケルようになるだろうと、そのことを言わなかった。
島による度にルナの身体は女性らしい膨らみを帯び、
男の欲望を満たす技巧は上手くなっていくが、ルナ自身が喜びに果てることはなかった。
「今度テオドールに抱かれる時はちゃんとイこうって、イケルようになってようって・・・でもダメだった。」
最初はテオドール以外は痛いだけだった。
男の欲望が尽きるまで、ただ時が過ぎるのを待つだけだった。
やがて痺れるような快感の蛇が鎌首をもたげるようになると、意志の力で押さえ込もうとした。
だが、身体が反応する毎に男が喜び行為が短くなることが分かると少しずつ欲望の波に乗ることを覚え、
追い詰められると快楽を貪るふりをして腰を動かし、ポイントを微妙にずらしてイカナイようにする術を身に付けた。
そうやって年月を重ねて行くうちに、呪いにも似た潜在意識まで到達するほどの暗示によって
無意識に気をやらないセックスが出来るようになった。
いや、それしか出来なくなったと言う方が正しい。
ずっと愛し続けてきた男が最後にと望んだ行為でさえ、ルナは己を解き放つことが出来なかった。
「謝らなくてもいい。」テオドールは人生で唯一本気で愛した女性にもう一度キスをした。
ルナの横に潜り込み、彼女の頭の下に腕を差し込み抱き寄せる。
「いつかお前の心ごと抱きしめてくれる男が現れるさ。」
その時を待つ時間が無いことを恨めしく思う。
幸せになって欲しいと手放した小鳥は、未だに道に迷い傷ついている。
「そんなこと・・・きっと無いわ。貴方以外に私を分かる人なんていないもの。」
青い月明かりの中で儚げに微笑むルナが無性に痛ましかった。
「おやすみ、ルナ。子供の頃のように眠るまで見ていてあげるよ。」
「うん、おやすみ。」
もぞもぞとテオドールの腕の中で子供のように身体を丸めるとルナは目を閉じる。
ルナが寝入るまでテオドールは頭を撫で続けた。
「おい!このクソガルカ!」
勢いよくドアを開け部屋に入ると、質素な椅子に腰掛けて本を読んでいる家の主の方へやってくる。
「真夜中を過ぎている。」
近所迷惑になると言いたげな顔でフラガラックはパタンと本を閉じると、旧友に椅子を勧めた。
「来たか。」
「ああ、俺の部屋で眠ってる。」
テーブルには、グラスが2つ用意されている。
ちらっとそれに目をやり、「恐れ入るよ。」と呟くとグラスを取る。
「お前の倍は生きているものでな。」テオドールと自分のグラスに酒を注ぎながら答える。
「我が友に心からの感謝を。」カチンとグラスを合わせると、テオドールは一気にあおった。
「伝えたのか?」
「馬鹿な。そんな事できるか。」
ルナが側にいると言ってくれた時、どれだけ嬉しかったか。
今すぐルナをさらってどこか静かな場所で最後の時を迎えられたら、そんな夢を見てしまうではないか。
「先のない男が何をしてやれると言うんだ。」
「だが、残される身には一時の思い出が必要なこともある。」
目の前の男を見つめる。100年以上生きてきたこの男はいくつの命を看取ってきたのだろう。
「その言葉は、今の俺には重過ぎる。」
「そうか。」フラガラックは言葉と一緒に酒を飲み込む。
「後は頼む。」
「お前はそうやっていつもルナを俺の元に置いていくのだな。」
「すまん。」
「お前と飲むのもこれが最後か。」
「ああ。」
東の空が白み始めるまで、男たちは静かにグラスを傾けた。
その日1日、ルナはテオドールの側で過ごした。
彼が仕事をしている間は船長室から一歩も出ず、誰とも顔を合わさないようにした。
彼が部屋に戻ってくるとキスをし、抱き締め、お茶を入れる。
たった1日だけのおままごとのような、だけど掛け替えのない恋人としての時間。
夜にはまたお互いの身体を愛し合った。
激しく優しく甘い行為にルナは酔った。心を開放しようと必死になって足掻いた。
テオドールもまた、執拗にルナを愛撫した。
無意識に逃げようとする腰を抑え、ルナが感じるポイントを確実に責めた。
飛びそうになる意識を手放そうとする気持ちと、させまいとする理性がルナを追い詰め苦しめる。
「だめ!やめてぇ!」理性が勝利の凱歌を上げた。
ルナは嬌声ではなく、本気でテオドールの手から逃れようと身体を捩り叫んだ。
「ごめんよ。ルナ。」
寂しげに囁くテオドールにルナは己を呪った。
こんな身体いらない。愛する人の願いを適えることの出来ない身体など、何の価値もない。
「だめだよ、自分を蔑んじゃ。」見透かしたように、ルナの頭を撫でながらテオドールは呟く。
「見届けたかったけど、俺じゃやっぱりダメだったな。」
ははっと笑う男の姿が涙で歪んだ。
眠ったテオドールの唇にキスを落とし「愛しているわ。」と囁くと、船長室を後にした。
パタンとドアが閉まる時、「俺も、愛しているよ。さようならルナ。」彼の声が聞こえたが、
振り返らずにそのまま魔法を詠唱した。
涙で濡れた顔を彼の最後の記憶にしたくはなかったから。
泊めてほしいと訪ねると、フラガラックは無言で頷き、泣きつかれて眠るまでルナを抱き締めてくれた。
翌朝、出港する『暁の疾風』号をフラガラックと見送った。
甲板に愛しい男の勇姿が見える。
もう二度とあの優しい手に抱かれることはない。
<キャラフェイス>
フラガラック ガルカF2白髪
テオドール ヒュム♂F6茶髪 JOB:赤/忍
【優しい手:了】