ナイや冥獣達が一通り満足し、静かになった室内。マジマザーは全身精液まみれで意識を失っていた。
「ん…うぅ……」
程なく意識を取り戻すマジマザー。
「目覚めたようだな」
声に顔を上げると、ウルザードが静かにマジマザーを見つめていた。
「ウル、ザード…様…」
立ち上がりながらそう呟き、ウルザードに近づこうとするマジマザー。だが―
「大した役者ぶりだが、俺は誤魔化せん」
ウルザードの静かな一言に凍りついた。
「あえて、淫乱な女を演じる事で機会を待つ。その決心にまずは賛辞を送っておこう」
淡々と呟きながら、マジマザーに一歩、また一歩と近づくウルザード。
マジマザーも後ずさるように距離を取ろうとするが、すぐに壁際に追い詰められてしまう。
「犯したければ、犯しなさい…でも、体はどんなに犯されようと、心だけは屈しない…絶対に」
「心だけは、か…その強がり、何時までもつか試させてもらおう!」
精一杯の強がりを込めたマジマザーの言葉。それを嘲笑うかのようにウルザードは手を掲げ―
パチン!
指を鳴らした。
すると周囲の空間が揺らぎ、2人は別の部屋へと転移した。
「空間転移…」
思わず呟くマジマザー。だが、彼女にはそれ以上の事を考える事は出来なかった。
「きゃぁぁぁっ!」
突然、悲鳴を上げるマジマザー。見れば、マジマザーの体、正確にはマジマザーのスーツから白煙が上がっている。
「な、なんなの…」
自分の周囲を見回すマジマザー。そして、異変の正体を察した時、彼女は言葉を失った。
背中の部分のスーツが、広い範囲にわたって溶けていた。そして、スーツに代わるように薄緑色の粘液が広がっていた。
「ハハハ、私が練成した粘液。感想はどうかな? マジマザーのスーツを溶かし、なおかつ生身の肉体に影響を与えない物を生み出すのは、少々骨が折れたぞ」
次の瞬間、ウルザードの背後に巨大な影が姿を現す。
「あ、ああ…」
思わず、後ずさるマジマザー。
影の正体は、巨大なスライムだった。全身から無数の触手を生やし、マジマザーを狙っている。
「そして、このスライムはその粘液を体内に充満させている…まずは、お前の誇りを奪い取ってやる。やれ!」
ウルザードの指示に従い、スライムは触手をマジマザーに放った。幾つもの触手が宙を舞い、襲いかかる。
「ぐふっ!」
触手は、逃げようとするマジマザーの鳩尾に一撃を叩き込み、首に、腕に、足に巻きついてゆく。
「放して! 放しなさい!」
拘束された身体をなんとか動かして暴れるマジマザー。
しかし、抵抗も空しく、四肢を触手によって×の字に広げられながら、吊り上げられて行く。
「まずはマスク」
次の瞬間、大量の粘液が浴びせられた。
白煙を上げ溶けていくマジマザーのマスク。徐々に小津深雪の素顔が露にされる。
「いやぁ! やめてぇ!!」
首を必死に動かし抵抗する深雪に、再度粘液が浴びせられる。
咄嗟に、目と口を塞ぐ深雪だが、その美貌は粘液まみれとなり、極少量だが、粘液を飲み込んでしまった。
「そうそう、言い忘れていたが、その粘液には媚薬の成分も含まれている。即効性だから、飲み込まないように気をつける事だ」
楽しそうなウルザードの言葉どおり、深雪の体はたちまち熱くなる。
まるで悪酔いした時のように、体中から力が抜けていく。
スライムは粘液を浴びせ続ける。白煙があがり、スーツが溶けていく。
「どんどん浴びせろ。もう何も考えられないようにな」
ウルザードに言われるまでもなく、深雪の肉体を粘液まみれにするスライム。
精液まみれとはいえ、美しい純白だったスーツが、あっという間に粘液の色に汚され、溶けていく。
「いやぁぁぁっ!」
粘液を浴びせられれば、浴びせられるほど、まるで糞尿を浴びせられるような汚辱感と共に、媚薬の熱が深雪の身体を燃やしていく。
「がぼっ! ケホッ!」
顔にも連続して粘液を浴びせられ、窒息してしまいそうだ。臭いもとても生臭い。
5分以上もそれを続けられ、息をするのがやっとの状態になってしまう。
やがて、深雪は完全に抵抗しなくなった。全裸のまま空中で×の字に張り付けられる。
「よし、スライムよ。マジマザーを私のもとへ」
スライムは深雪の足を大きく広げさせ、ウルザードのもとに運んだ。
目の前に来た深雪の股間に、ウルザードは目を寄せた。匂いすら感じるほどの至近距離だ。
「冥獣達に使い込まれていた割りには、綺麗な色をしているな」
「いやぁ! 言わないで! そんなこと……」
涙を流しながら、もじもじと尻を揺する深雪。それが精一杯の抵抗だった。
「フフフ、メインディッシュはこれからだ…」
そう言うとウルザードは自らの生殖器を曝け出し、深雪に無理やり銜えさせた。
「うぐぅ…」
「歯を立てるなよ」
深雪は髪をつかまれ、無理やり前後にしごかされた。
「むぐぅっ、ぐうっ」
「なかなか上手いぞ。そうやって、何匹の冥獣を銜え込んだ?」
「んぐっ、あぁぁぁ、んっ!」
深雪の口の中が一気に精液で満たされた。
深雪はすぐに吐き出そうとするが、ウルザードの手によって後頭部から押さえられ、吐き出せない。
「さあ、飲め。一滴残らず飲むんだ」
「うぅぅぅ…、うぐっ」
もはや深雪にはどうしようもなかった。喉をあげ、ウルザードの精液を飲み込む。
「い、いっその事、殺して…もういやぁ…」
口に残ったものだけでも吐きだそうともがきながら、深雪は涙ながらに訴えた。
もはや、深雪の心は限界寸前だった。
「言っただろう、メインディッシュはこれからだ…と」
だが、ウルザードは冷酷にそう言うと、深雪の秘裂に肉棒をねじ込んだ。
「ひぐぅ! はぁぁっ…………」
もはや、声を上げる事しかできない深雪。
「フフフ、マジマザーよ。お前はこれからマジレンジャーへの刺客を産むのだ」
激しく深雪を突き上げながら、呟くウルザード。
「し、刺客を…産む?」
「そうだ、我が精液の受精率は100%、しかも、母体の力を吸収する事で、従来では考えられないほどの短時間で成長し、産まれてくるのだ」
痛みと快感の中、朦朧としつつある意識を懸命に繋ぎ止めながら、深雪はウルザードの声を聞く。
「魔法封じの首輪で魔法を封じているとはいえ、お前の魔力は絶大なものだ。その力を吸収すれば…わかるか? 私とお前の力を受け継ぐ最強の刺客が生まれるのだ」
「お前の産み出した刺客が、お前の子ども達…マジレンジャーを地獄へと送るのだ!」
激しく突き上げながら叫ぶウルザード。だが、深雪はその言葉を聞いてはいなかった。
(私が、子ども達への刺客を…)
「いや……いや…いやぁぁぁっ!!」
泣き叫ぶ深雪。完全にパニック状態に陥っている。
「いかに泣き叫ぼうと、無駄な事だ。今のお前にこの戒めを解く力は…ない」
ウルザードの言葉どおり、無数の触手によって拘束された深雪の体は、僅かに動きこそすれ、その戒めから抜けだす事など不可能だった。
そして―
ドクッ! ドクドクドクッ!!
ウルザードは深雪の体内へ、大量の精液を送り込んだ…。
それから数時間がたった。
「さあ、そろそろ頃合いだろう……」
出産の時が、迫っていた。
「うぅぅ…」
深雪の頬を涙が伝う。この数時間、深雪はひたすら泣き続けていた。
その腹は風船のように膨らみ、中では深雪の魔力を吸収しながら胎児が成長を続けている。
「ぐっ……ああ、うううー!」
突如、苦しみの声が深雪の唇から漏れる。出産が始まったのだ。
「はぁっ! はあっ! うぅぅぅっ!」
深雪が力む度にウルザードと深雪の子が、股間から姿を少しずつ見せ始める。
(蒔人、芳香、麗、翼、魁…お母さんを、お母さんを許してぇ!)
その瞬間、深雪の中で何かが弾けた。同時にズルリと赤子が深雪の股間から這い出してくる。
ついに、この世に生まれ落ちて来たのだ。ウルザードと深雪との子どもが。
「フ、最強の刺客…ついに誕生だ」
赤子と深雪を見つめながら、ウルザードが呟く。
「………」
だが、深雪は出産を終えたというのに、ぴくりとも動かない。ただ赤子を呆然と見つめるだけだ。
ウルザードがゆっくりと近づいても何の反応も示さない。
「どうやら、ショックに精神が耐えられなかったようだな…好都合だ」
そう言いながらウルザードは、目線を深雪と合わせ、暗示をかけるように話し始める。
「さあ、私に続けて言ってみろ。私はマジマ…いやダークマザーです」
「わ、たしは…ダークマザー…です」
深雪はたどたどしくウルザードの言葉を続けていく。
「インフェルシアに仕える事が、最上の喜びです」
「インフェルシアに仕える事が…最上の…喜びです」
そして、ウルザードの言葉に何の疑いを持つことなくただ続けていく。
暫く同じ事を繰り返すと、深雪は滑らかに言葉が出るようになっていた。
「さあ、お前は誰だ?」
ウルザードが楽しげな口調で質問すると、深雪は迷うことなく答える。
「私はインフェルシアのダークマザー。インフェルシアに全てを捧げた者。インフェルシに尽くす事が私の喜びです」
「よく言えたな。では、私がお前を身も心も完全に闇に染めてやろう」
そう言うと、深雪の体に肉棒をねじ込むウルザード。深雪は何の抵抗もなくそれを受け入れた。
小高い丘の上にウルザードとマジマザーの姿があった。
しかし、マジマザーの雰囲気は大きく変わっていた。
美しかった純白のスーツは、灰色と黒の物に変わり、その全身からは禍々しいオーラを発している。
闇の聖母、ダークマザーと呼ばれるに相応しい姿だった。
「さあ、まずは手始めに、この辺り一帯を死の世界に変えるのだ。何の躊躇いもなく出来るな?」
「はい、ウルザード様…」
ダークマザーは抑揚のない声で答えると、漆黒のスティックを構え、その力を解放する。
次の瞬間、眼下にあった街は猛吹雪に包まれ、たちまち凍りついた。
「フハハッ、闇の魔法の使い方、何の問題もないようだな」
「はい、ウルザード様」
「僕の方も終わったよ。パパ、ママ」
そこへ1人の少年が姿を現す。年は10歳ほど、端正な顔立ちと銀色の髪の毛が目を引く。
「首尾はどうだ?」
「小さな町だからね…全部焼き尽くしてやったけど……うーん、5000人って所かな」
「上出来だ」
「偉いわ…ぼうや」
抑揚はないものの、僅かに優しさの混じった声で少年の頭を撫でるダークマザー。
正義の為、戦い続けた気高き女戦士マジマザー。
だが、それもいまや昔の事。
今の彼女は、闇の聖母ダークマザーとして、地上の人々を恐怖に陥れていた。
「行くぞ、ルシファード、ダークマザー。人間どもに恐怖と絶望と教えに…そして、マジレンジャーを地獄へ送りに」
「はい…」
「うん!」
マジレンジャーとダークマザー。血を分けた親子の対決は間近に迫っていた。