お姉さん大好き PART2

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1名無しさん@ピンキー
すべてのお姉さん萌えの人々に幸あらんことを。。

前スレ
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1080659392/
まとめサイト
http://sslibrary.gozaru.jp/
2名無しさん@ピンキー:04/11/19 20:36:21 ID:yGgeo6a0
関連スレ
いもうと大好きスレッド!
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1077717174/

【友達≦】幼馴染み萌えスレ3章【<恋人】
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1097237524/
3前スレ785:04/11/19 20:39:56 ID:qgAvAikZ
危ねえ、俺も今立てるとこだったよ。
一応リロードしてみて良かったw

>>1
4名無しさん@ピンキー:04/11/19 20:51:45 ID:MwLGLwcO
都みたいな姉が欲しかった
はるかみたいな妹も欲しかった
環みたいな(r

まあ、ともかく>>1乙です。
5名無しさん@ピンキー:04/11/19 21:46:05 ID:rjjdxLeo
>>1

このスレを初めて見たときはこんな良スレになると思わなかったな
今やすっかり◆5mSXuZ5GjE氏専用スレ状態だけど、他の神もいつでも歓迎する所存であります
6名無しさん@ピンキー:04/11/19 21:58:24 ID:PTMhWdE7
二次創作モノもキボンであります
7 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:28:15 ID:dn/CbfLv
新スレ乙です、自分も他の方の読みたいス。

途中で切るのも変だし、ひとまとめにしました。
ちょっと暴走気味なので、あーと思ったらスルーしてやってください。
(趣味に合わなかったらごめんなさい)
というか、くどいかも。
8 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:28:38 ID:dn/CbfLv
 29
 
(巧くんに会いたいな)
 窓辺に腰掛けて、ため息をつきながら思う。
 自分と由美のしていることがどんな意味を持つのか、考えるのが怖かった。だから考
えるのは由美に任せている。
 飲み慣れないアルコールであっという間につぶれてしまった由美は、「環ちゃんごめ
んね」とひたすら謝って、環がトイレに行っている間も座椅子の背もたれに謝っていた。
 それを見てまたため息をつき、泣き笑いの顔になる。
 知り合ったばかりの頃、都と先に親しくなったのは環だった。
 一目惚れだったなんて全く知らなかった環は、由美にまるで遠慮することなく都とじゃ
れあって由美を泣かせた。でも、泣かせたことで由美の気持ちを知り、今までの三人の
関係をつくってこれたのだと思う。
(いや、最初接近するダシに使われたんだっけ)
 自分の『変なところ』自慢のようなくだらない話がブームになったときに、都が持っ
てきた変なCDの数々に仲間達が皆頭を抱え、由美だけが面白そうにそれを聞いていた。
その中に、とある映画のサウンドトラックを見つけた由美が今度は皆を、変な映画に連
れまわしてさらに頭を抱えさせた。
 さすがの環もそのときばかりは気が変になりそうで、都に由美を取られたと、ちょっ
とばかり悔しい思いをしたのだった。
9 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:28:53 ID:dn/CbfLv
 そんな当時から四年以上経ってこんなことになるなんて、わかるわけがない。
 ずっと由美は都の本音に遠慮していて、環が巧とふたりになろうとするその時を利用
してやっと都に近付こうとして、そして絶望した。
 
 四つも下の、はるかのクラスメイトと言われても違和感がなさそうなあどけない寝顔
に、改めてそっと触れると、そのせいで起こしてしまった。
「ん……」
 バツが悪そうに起き上がる由美の側に寄った。
「環ちゃん」
「もっと飲む?」
「いじわる……。私、ちょっとしか飲んでないのに、駄目だなぁ」
 かわいいくしゃみをして上着を探す由美に、探し物を放ってやる。
 環が風呂には別々に入りたがったせいで、由美はいろいろと遠慮がちだった。
 身体の関係がどうとかいうことではなく、心を持っていかれるのが怖いのだ。
 由美だけではなく、環もそれは同じだ。
 絶対に持っていかれてはならない。
(私は巧くんのいいなりになろう)
 気持ちが変わってしまったらそんなことはできっこない。
 今はまだ信頼に足る言葉を吐く力がないから、そんな自分に忠実に一言だけ、「明日
帰る」と巧に伝えた。そして、
10 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:29:08 ID:dn/CbfLv
「私、帰らなきゃ」
「そだね。都ちゃんによろしくね」
「巧くんに、でしょ、この場合」
「ちぇっ」
 由美は膨れる。まだ腹は立っているのだ。
「由美はどうするの?」
「もうちょっとひとりでヘコんでから帰る」
 膨れたままで言うので、環はしょうがないな、と最後に抱きしめてやってから、手を
振った。
 今日のうちに絶対巧に会うのだ。
 
 *
 
 鍵をジーンズの縁に挟む。落とさないように強く挟む。
 スピード、巧が立てた音に気付いて逃げようとしても絶対反撃に移れないくらい速く、
巧は都の身体を押さえた。スキンのケースを取ってくるのを忘れた。でもいい。
 左手を横にして、姉の両肩を固定した。右膝を腰骨の中心に乗せた。
 少し身じろぎをした姉にドキッとして、力の配分を加減した。そのままゆっくりと体
重をかけていく。だんだんと姉の匂いが近付いてくる。
 女の匂い。くらくらする。そろそろ姉が目を覚ましてもおかしくない。
11 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:29:22 ID:dn/CbfLv
「──」
 胸をつぶされている感じのかすかな声を聞いて巧は上体にかけた体重を抜いた。
 都はいまや目を覚ましていた。
「巧……?」
「じゃなかったらどうする?」
「ありえないから、どうもしない」
 抵抗もなにもなかった。姉はただ、変化を待っている。
「俺だったら」
「嬉しい」
(なんだそりゃ……そうだろうけど、それにしたって)
 馬鹿げている。
 気持ちなんて知りたくないのだ。知りたいのは、自分のやっていることの障害になる
のかならないのか、ということだけだ。
「俺がなにをしてるか、知りたい?」
 都は沈黙した。おそらくまだ姉は信じ切れていない。巧が自分から求めてくることは
思いもよらない。だから、今度はどう束縛されるのかと思っているだろう。
 ならば、今ならまだ後戻りができる。
「服、脱がせるから、力抜いて。全身」
 巧の言葉通りに、都は全身から力を抜いた。
「力、入れないでね」
12 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:29:38 ID:dn/CbfLv
 念を押して、巧がジーンズの横から身体の前面に手を入れると、都は手足の先をビクッ
と強張らせて慌ててまた力を抜いた。
 眠る前に緩める意味で外してあったのだろう、一番厄介なはずの堅い前ボタンは外さ
れていて、巧は姉の腰を持ち上げるようにしながらジッパーを一気に引き降ろし、さら
にジーンズを引っぱり降ろしにかかる。当然簡単にはいかない。姉が下半身をくねらせ
て自然と協力するのを見て見ぬふりをした。下半身だけの身体の動きがあまりに艶かし
く、それだけで巧は股間のものを限界まで硬直させた。
 『恋愛的』な手続きはハナからすっ飛ばしているが、『人間的』な手続きさえもすっ
飛ばしてしまいそうになる。もう、そうなっているかもしれない。
 倒錯に近い、背徳の匂い。
 Tシャツを少しはだけさせると、レモンイエローのボディロックの全体が視界に広がっ
た。鍵穴はこのお尻の上の方に、縦についている。
 姉に気付かれないよう、息を必死に押し殺す。そうしながら目の前のエロチックな眺
めを絶対に忘れまいと、シャッターを切るようなまばたきを繰り返した。
 だが、まだ戻れるのだ。姉が巧の欲望に気付いていないうちは。
 苦労の末にジーンズを完全に抜き取り、床に落とすと、左手のひらを姉のお尻のラバー
の上に乗せて、
「鍵、外して欲しい?」
「巧、あの……、うん」
 一秒と滞ることなく巧は鍵を差し入れ、斜めに倒した。そういう特殊な鍵だ。
13 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:29:54 ID:dn/CbfLv
 チキ、と軽い音がして、同時に何ケ所かのひっかかりが外れて、そして、一気にその
封印は解き放たれた。
「は……」
 おそらくたちまちのうちに都の下半身を襲った、予期せぬ解放感が都に声を上げさせ
る。身体から抜き取ってそれも床に落とした。姉の顔は見えない。
 巧の方を見ることなく、枕の中で震わせている。羞恥にわずかにお尻をよじらせて、
それでも最初の姿勢を崩さずに巧の言葉をぎりぎり守っていた。
 巧は覚悟を決めた。姉に完全に気付かせてやろうと思う。
 姉の両足をぐっと広げた。つま先がベッドの縁にかかったところで足の間に入り、
「姉ちゃん、セックスしたことある?」
 生々しく、狂おしい光景を視界に収めながら、声が震えるのを抑えきれずに言った。
 間違いなく都はその言葉に反応した。
 姉はその機具に、感覚的にはもう身体の一部に近いものを感じていたはずだ。それが
なくなってしまった頼りなさに下半身を持て余していた。それは多分に日常感覚的なも
のであって、性感とは程遠いもので、事実姉のそこはまるで潤っておらず、多少蒸れた
りしてはいても、触ってもそのものの感覚しかないだろうと思われた。
 その都が、巧の言葉を聞いたその瞬間、急激に股間を濡らしていた。
 そういう気持ちになったときはいつもそうだったに違いない。あの風呂上がりにずぶ
濡れで襲われた時も、そこは溢れていたに違いないのだ。
 今巧の目の前でうつぶせの下半身だけを剥き出しにして、足を大きく拡げられて、姉
は完全に欲情していた。
14 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:30:08 ID:dn/CbfLv
「巧……、巧……」
 泣いているようなせっぱ詰まった声で呼ばれた。
 伸ばしていた両手を堪らず枕に引き付けて顔を枕ごと包み隠していた。足は開いたま
まで、奥からとめどなく液を溢れさせてシーツの染みを広げていく。
 くぐもってはいても明らかに喘ぎとわかる声で、頭の中から切ない感情を追い出そう
としている。そんなことはしなくてもいいのだ。
「姉ちゃん、一分だけ待つから、その間にいなくなってくれ。そうしないと、どうなっ
ても知らないから」
 巧の声はどうしようもなくうわずっている。
 それでも姉の一分のためにベッドを一旦降り、スキンケースを取りにいった。巧は都
が逃げることはないという前提で行動していた。もう、巧の方からは止められない。絶
対に止めない。巧自身の欲望がそれを許さない。言葉は都側に残されているチャンスを
第三者的に指摘しているだけなのだ。
 本棚に手をかけ、ステンレスの板に指を引っ掛ける。ケースを、軽くなりすぎている
それを持ち上げて、開く前に中の状態を知った。
(まさか姉ちゃんが、隠したのか?)
 どこまでもとんでもない。
 予期していたというよりは、あわよくば、という思いが常に姉に性急な行動をさせて
いる。なにひとつ隔てることなく結びつきたいと考えた姉。
15 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:30:22 ID:dn/CbfLv
 巧は『生』という下世話な単語で、そのめくるめく行為を想像した。
 ありえない。環とだってやったことがない。
 それとも子供が欲しいとでもいうのか。姉なのに。馬鹿なのだろうか。この期に及ん
で余計なことをしている姉に、悪意のようなものさえ感じる。頭に来て、そんな感情が
すべて欲望に上乗せされていく。巧の股間のものは引き攣れるまでになり、痛みを訴え
てきていた。姉は、当然と言わんばかりに巧を待っていた。
(そういうつもりなら、もう知らねえ)
 これが最後の温情だ。
「隠したもの、出せって言っても無駄だろうな。姉ちゃん──」
 姉はテコでも動かない。
「妊娠したらなにもかもおしまい。そんなことはとっくにわかってるんだよね」
 姉の首筋に口を近付けて言った。本当に、環がそうなった場合とはわけがちがう。
「救急箱に一個入ってるアレ、知ってる? ピンクの丸っこいやつ」
 最後に姉の耳もとで直接囁きかけた。
「アレで準備してきてよ。ソッチなら妊娠しないから」
 脇に退いた巧の下から、都はふらふらと廊下に出ていって、ゆっくりと階段を下りる
足音を立てていた。下半身が剥き出しのままだ。たぶんそこらじゅうにぽたぽたと雫を
たらしながら、歩いているのだ。
 最後のチャンスだ。洗濯機の中の汚れものでもなんでもいいから身につけて、そのま
ま外へ逃げ出してくれればいい。鍵を外した今、姉は自由だ。
16 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:30:36 ID:dn/CbfLv
 巧は扉を閉じて、姉のものでびしょ濡れになったシーツの上で悶えた。巧自身は爆発
しそうになっていた。でも、本当に逃げて欲しかった。
 自分でも最低なことを思い付いたと思う。だが、巧の言葉の意味をしっかり理解する
姉も姉だ。どうかしている。放課後にそういう話をしたことがあるか思い出そうとして
みるが、思い出せなかった。
 とにかく巧は、環と同じことは姉にしたくなかった。これは『性欲処理』なのだ。
 
 長かった。
 時間の感覚が麻痺し、巧の全身を目眩のようなものが包んだ。たぶんほんの10分ほ
どの時間だったのだろう、最初の目的のついでにシャワーを浴び、髪を濡らしているけ
ど格好はさっきのそのまま、上半身のブラとシャツだけを身につけた都が扉を開き、そっ
と巧の方を見つめた。
「逃げなかったんだ?」
「だって、巧が言ったのよ……言う通りにしてきた、から」
「最後のチャンスだったのにな」
「こんなこと……二度とないかもしれない」
 都は、少し寂しげな微笑みを見せた。今まで見たことのない顔。とてつもなかった。
それは巧の心臓をえぐってきた。それを見ることができただけで、もういいんじゃない
か。だけど、巧はベッドの上に立ち上がって手招きした。
「この右手の埋め合わせ、してもらうから」
17 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:30:49 ID:dn/CbfLv
 都がまっすぐベッドに近付き、巧が場所をあけるのにあわせてまたうつぶせになった。
姉のいないうちに、とシーツを急いで適当に取り換えたので、乱れたようになっている。
そこにまたたくまに染みが広がった。染みは、シャワーで綺麗にしてきたはずの姉の、
股間だけに広がっていく。
 見ているだけではもうとても耐えられなかった。
 巧は意識的に乱暴に都にのしかかった。身体を密着させた。厚いジーンズ越しだとい
うのに姉の丸い尻はやたらと柔らかく、巧の股間にさらに痛みを走らせた。ちょっとだ
け止まって感触に溺れ、すぐ身体を起こして乱雑に脱ぎ捨てた。下着もひとまとめにし
て床に投げ落とした。『突っ込みたい』としか言い表せない激情で、姉の後ろの穴を突
いた。
 だが、蕾は固く閉じたまままるで開こうとせず、巧が力を込めると、肉棒の先端から
泌み出した透明なものがその表面を潤すものの、なんど突いてもらちがあかなかった。
 そうするうちに、先端からきつく送り込まれてきた姉の感触に巧は弾けた。
 あっと言う間のことになすすべなく背中を駆け上る絶頂感を、身体を強張らせて耐え、
受け止めた。そこで、(濡らしてほぐさないといけないんだっけ)となにかで読んでき
たような知識に思い当たった。
 アヌスを中心として、その穴のまわりはどろどろになってしまった。どうしたものか、
困るゆとりもなかったので、巧はそれを使って穴を開きほぐそうとしはじめた。穴の周
りの筋肉や、穴の表面の肉に塗り込めるようにじっくりと揉んでいく。シーツを濡らす
だけだった姉のものもすくってきて、手伝わせる。
18 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:31:04 ID:dn/CbfLv
 それでも普通には開きそうもなかった。まず、指を差し入れた。
 都がその刺激に身体を硬直させる。吐息がだんだんと大きくなって荒い息に変わり、
巧の心臓を激しく揺さぶった。
 一切、他の愛撫を捨てていた。そもそも、アヌスに対するそれも愛撫ではない。少な
くとも挿入できるように、姉を痛い目に合わせないように、処置をしているだけだ。た
だ、それに対して姉が勝手に声を立てて身体をよじらせているだけだ。
 最初はゆっくりと小指で浅く、出し入れが可能かどうかを試すようにしていたが、だ
んだんと太い指に変え、強く大きい動きに変え、深く突き上げるように手のひらで押し
上げていった。
「巧……巧、た……」
 姉の声は常に呼ぶ声で、飽きることなく自分自身の心を溶かそうとしているようだっ
た。姉はそこで感じてなどいない。その調子を壊すには性感を与えてやらなければなら
ないだろう。迷わず口を持っていった。
「や……えっ……? や、巧、そんな……」
 舌にピリッと刺激を感じながら、神経は都の身体のうねりと声に集中させていった。
 温度の低い指とは全く違う、熱く柔らかく複雑な形状を成すものに舐め上げられ、姉
は背中を反り返らせて、得体のしれないその感覚を必死に逃がした。
 そうしてまた、指で強くえぐる。すぐに舌で舐める。唐突に取り換えられる異質な二
つの刺激が都の身体の中を蛇のようにのたくった。
「や、あっ! あっ、た……巧ッ」
19 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:31:20 ID:dn/CbfLv
 すでに、入り口は開きかけていた。一度放出していることで巧の欲望は一旦おさまり
かけていて、そこでやめてしまったほうがよいのかもしれないという思いがかすめた。
だけどもう、ここまでやってしまった意地で、行為を完遂するまでやりとおすためにリッ
ミッターを外す。そうして奮い立たせていた。そうしないと気はすまない。
(姉ちゃんが俺みたいなエロガキ、好きにならなきゃ)
 あれこれいじりまわしているうちに、姉と自分の粘液が塗り広げられ、姉の尻はてか
てかにいやらしく光っていた。
 それで完全に巧は、再び痛いまでの硬直を取り戻した。
 姉の愛液はとめどなく、シーツをぐしょぐしょにしている。そうやって姉の発する雌
の匂いは、巧をくらくらさせて最終的な行為に誘っていた。
 うつぶせだった姉の腰を起こさせ、四つん這いにする。素直に、とても自然に、高く
掲げられてくる姉の白い尻が、恐るべき眺めを見せ始めていた。
 恋人の環の尻ではないというだけで刺激的だった。しかも、これは血を分けた姉のも
のだ。理性のひとかけらも、もう巧には残されていなかった。
 高さは合っていた。
 閉じていこうとするアヌスを指で何度もほぐしなおし、巧は肉棒をぴったりとそこに
あてがった。暴発する心配はない。再び透明な液体でぬめった肉棒は、推進力を与えら
れて今度こそ姉の後ろの穴に潜り込みはじめた。
(姉ちゃんが悪いんだ)
20 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:31:34 ID:dn/CbfLv
 巧は頭の中でそう繰り返している。理性の邪魔をされずに、思うがままに巧は身体を
動かしていた。じりじりと傘の部分が隠れてしまうまで突き入れると、若干竿の所で締
め付けが緩まった。より太い傘の侵入で最大限押し広げられていた入り口がその圧迫か
ら抜け出したので、一瞬だけ解放されるようにそこで都が息を強く吐き、踏ん張ろうと
する身体に力を入れた。それで竿にかかる締め付けもあっという間に激しくきついもの
になった。
(姉ちゃんが、……俺を)
 姉の身体に取り込まれていくような陶酔感に、没頭した。奥へ差し入れようとするが、
締め付けがきつすぎるのと、片手が自由にならないのとで進むこともろくにかなわなかっ
たのだが、引こうとしても傘が激しく動きに逆らい、瞬間、痺れるような感触に巧はそ
こで立ち往生した。
(姉ちゃん、姉ちゃんの、中なんだ、中にいるんだ)
 入りたい。もっと入りたい。
 都は息を詰まらせて激しい息で耐えていた。たぶん気持ちよさなどどこにもないだろ
う。ひたすら耐えている。そんなことにかまっていられない。姉に気を遣うことは、今
はプライドが許さない。
 姉の呼吸に合わせて、微妙に中の感触が動いている。
 それを感じながら、とにかく一番奥を目指した。自分の腰が姉の尻に押し付けられる
まで、どんなことをしてもそこまで行く。
 左手で腰を押さえるのを諦め、上体を半ば重ねて、姉の首の前に手を回した。そのま
ま垂直に引きつけると同時に、腰を進めていく。
21 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:31:49 ID:dn/CbfLv
 ようやく、少しずつ肉棒本体が姉に潜り込みはじめた。あまりのじれったさに、右手
のストラップを弾き飛ばし、ギプスのままで姉の腹の角度を固定させた。これなら大丈
夫だろう。
 
 *
 
 背中に滴り落ちる汗と触れそうで触れない巧の胸の感触で都は激しく震えていた。
 弟と繋がっているという圧倒的な思いがあって、腹の中を突き上げられる苦しさ、つ
らさをまるで感じないかのように全身が陶酔していた。
(巧が、中にいる、私の中に)
 どこで繋がっているかなど、とてもささいな問題だ。
 じりじりと巧は押し入ってくる。繋がっている部分がどんどん広くなる。広くなるほ
どに心も満たされる。
 目尻に涙を流した。後で思いっきり泣こう。今は巧にできるだけ喜んで欲しい。
(はやく、完全に繋がらせて)
 巧の腰を受け止めるのが待ち遠しい。いったいどこまで入ってくるのだろう。いや、
どこまででも入ってきて欲しい、ひとつに混ざってしまえるくらい。
 巧がふと動きを止めたと思うと、肩を捕えていた手にさらに強く力を込めた。
 心が激しく震えた。今、完全に繋がる。
 力を込めた動きが都の尻を捉え、入り口を太い部分でさらに押し広げられるのをかろ
うじて受け止めた。
22 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:32:03 ID:dn/CbfLv
 そこで感じているはずはない。だが、押し付けられ、こすり付けられた腰が自分のお
尻にとてつもない疼きを与え、都は身体を支える両手で、堪えがたくシーツの表面を掻
きむしった。
 
 *
 
 肉棒が完全に姉の中に埋まり、巧はそこで身体を震わせながら息を整えた。
 根元の締め付けと密着した姉の尻のなめらかな感触はとても魅力的な女の子のそれで、
加えて身体の奥の、締め付けるかわりにとめどなくやわやわと触ってくる粘膜の動きが
脳をとろけさせてくるようだった。
 息が整うとさっそく動こうとして、その困難さに気付いた。
 腰を一往復させるのにどれだけのエネルギーがいるだろう。でも動かなければこれ以
上の快楽は得られない。中の感触からして、このままでも時間をかければ果てることは
できるだろう。それでは心が満足できない。
「左手」
 と姉を促し、後ろに回してきた姉の白く細い左手を捻るように取った。
 都は合わせてバランスを取るように右手を重心の中央にずらしてやっと身体を支えた。
 姉もわかっている。巧は姉の左手をその背中に押し付けて、取っ手代わりに腰の動き
の支えにし、出し入れをやってみた。
23 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:32:16 ID:dn/CbfLv
 きつく滑りながらやっと動けるようにはなる。だが自分の欲望のためにやっているの
だ。これでは満足には程遠い。
「つぶすよ、右手抜いて」
 巧の言葉をすぐに理解して、都は力を抜く。右手が外れるのに合わせて腰を突き、繋
がったままで押しつぶした。空気をかたまりで吐いて、都が身悶えた。
 やっぱりこの姿勢が合った。本来の穴でするよりも、アヌスで繋がっているとそれ以
上に交わり以外を楽しむ余裕が持てる。
 目の前には姉の背中。
 本当に綺麗な曲線を描いていて、感触もとてもなめらかで、ふたり分の汗を滑らせて
手と唇で触っていくと都は激しく反応した。繋がったまま背中を貪り続けていると、そ
の動きでアヌスの締め付けも色々に変化していく。たまらなく気持ちがいい。
 ぴったりと身体を重ね合わせ、足からお尻と背中、首筋に至る隅々まで自分の肌で味
わった。たまらなかった。このまま離れるのが惜しくなる。
 ふとさっきの姉の反応に興味が出てきて、上体を離した。
 姉が寂しげにこちらを伺うが、巧が舌で背中を舐め上げていくとたちまち枕に突っ伏
してけたたましく嬌声を上げた。
「んああっ、あ、巧ぃ、い、とめ、とめて、これ……、気持ち……イ……」
 意地悪くその嘆願に逆らってさらに背中を責めた。都は手足をばたばたと暴れさせ、
同時に体内の巧のものを激しく締め付けた。本来きつく閉じるようにできている穴がど
んなに締めても広がったまま閉じないというのはどんな感覚だろうか。
24 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:32:31 ID:dn/CbfLv
 姉の背中の異常な弱さに気付いた巧は、思う存分それを貪り尽くした。どれだけそう
していたかわからない。残酷なまでに責め、ひたすらそれに終始した。だんだんと特別
よく反応する場所を特定していって、そればかり責めていると、やがて大きく長く震え、
果てたようだった。そこで思い出す。
「姉ちゃん、処女なの?」
 姉がビクと身体を強張らせて、無理矢理叩き起こされたような激しい動悸と共にしば
らく固まっていて、
「…………うん」
 と小さくうなずいた。
「そっか」
 巧はなんとも言えない気持ちになり、
「じゃあ、こんな風にイッたのも初めてだよね」
「…………うん」
 吐息を震わせながら言って、枕に顔を埋めた。その表情を見たくてしょうがなかった
が、今の自分にふさわしくないと思ってそれ以上追いかけなかった。
 その代わりにまた背中を責めはじめた。
「んっ、…………巧……巧、…………巧」
 縋り付くように呼び掛けてくる姉に、巧は答えずひたすら弱い部分を狙い打ちにして
撫で擦り、ついばみ、吸い、舐め上げた。
 この姿勢で都が巧に縋ることはできない。
25 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:32:45 ID:dn/CbfLv
 手を時々後ろに持ってきて、巧の実体を手さぐりで求めた。巧は、応えない。ただ姉
が自分の責めによってなすすべなく悶え、狂態をさらしているのが気持ちよかった。一
方で、姉を喜ばせてやろうとしているわけではないので、腹も立った。それこそ『人の
気も知らないで』と言いたくなる。
 二度目に都が背中だけでイッたのを見て、巧は無理矢理動き始めた。
 それなりに環に鍛えられた巧の肉棒は、アヌスの強烈な締め付けになんとか耐え続け
ていた。うつぶせのままで、大分なじんできた入り口にスムーズな出し入れも可能になっ
てくる。それとともに刺激的な摩擦が増して、巧に強い快感を送りはじめていた。
(マジ気持ちいい……)
 それだけを追求しようと、ひたすら姉をえぐった。果てしなく好きなように動いた。
 都がのたうつように両手を左右させた。
 苦痛に苛まれている。それでも止められない。
「がまんして、姉ちゃん」
 荒い息に乗せるように告げると、都は振り乱すようになんどもうなずいた。喘ぎ声と
息づかいばかりで、言葉を出せない。
 巧は、さすがに長時間締め付けられて痺れてきていた。
 腰に疼きがどろどろと溜まってきて、やがて堪えがたいまでになった。その状態でな
おも腰を送り続けて、姉の身体から得られる快感を最大限に受け取り、抱き潰す勢いで
激しく何度か突き上げると、そこで身体の中身を全部ぶちまけるように射精した。
26 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:33:03 ID:dn/CbfLv
 
 *
 
 巧が、どくどくと脈打つものが収まるまで、きつく姉の身体を抱きしめ、都もまた弟
のそんな愛しい行為に大きく息をついた。同時に、のしかかってくる巧の身体を背中と
お尻全部で味わい、酔った。
 巧が力を抜いて、ゆるゆると腰を回すように余韻を求めると、都は嬉しくなって自分
からお尻を持ち上げて応えていた。
 確かに初めのうちはきついと思ったが、背中を執拗に責められて意識を飛ばされそう
になっていたので、むしろ弟の押し込んでくる圧迫感が都を支える芯となった。
 その芯のまわりを快感がぐるぐると回るような、心から酔える悦楽となっていたのだ。
 話に聞くように、アヌスによって快楽を得るようになったらいったいどういうことに
なるのか、そのことの方が怖かった。
 もちろん都はまだその前の段階が済んでいない。
 それでも全然よかった。
 抜かないで欲しいと願ったが、巧のものは小さくなりかけて、今にも都から離れてい
きそうに思えた。捕まえたいと、締め付けた。
「んくっ……」
 と巧がそれに反応してわずかばかり硬さを取り戻したのを都は感じ、夢中でその動き
を繰り返した。巧をその気にさせる力を自分が持っていると思えることが嬉しい。咎め
るように巧が首筋を噛んできたが、それは痺れるような甘い痛みになり、お尻を引き締
めてさらに巧を甦らせる動きになった。
27 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:33:17 ID:dn/CbfLv
 都は泣き出しそうだった。
 後ろ向きでいることに救われる。嬉しさに溺れ切って眠りたいが、いまはまだめくる
めく時間の途中にいる。
 しばらく首筋の責めに耐え、また背中への責めに狂いそうになったとき、弟が言った。
「もう一回いくよ」
 弟はいいか、とは問わない。都が拒まないからではない、宣言しただけだからだ。
 都の意思がそこに入っていなくてもかまわない。巧の言う通りこれは『右手の埋め合
わせ』だから。
 完全に同じ大きさと硬さを取り戻したものが、大きく都の中を動き始めた。
 せいいっぱいその動きに応えて、弟のために腰を絞る。
「巧、そ……それ」
 さりげなく、よかった気がする動きに言葉で応える。巧がそれをどう思うのか少し不
安だ。が、驚くくらい早く、巧はその動きを都に再び与えてきた。
「あ、う……ん、あ……」
 背中の時のようないい気持ちだとは言えない。が、その動きが都の、巧が中で動いて
いるという実感をとても味わえる動きなのだと、なんとか弟に伝えたかった。もし今日
が終わってしまって二度と巧に抱いてもらえないのなら、今しか伝えられない。
 都は声と身体を使って饒舌に快感を表した。
 恥ずかしがるゆとりはなかった。
28 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:33:36 ID:dn/CbfLv
 悠然と突き上げてくる弟のものが考えることを徐々に奪っていく。
 
 *
 
 姉が受け止め方を覚え、応えてくるようになったことが巧は少し気に入らなかった。
 でも巧も繋がり方にコツを覚えはじめて、快感をだんだんうまく引き出せるようになっ
てきた気がして、それを快く思いはじめた。
 ふたりの息が合っていく。身体が合いはじめている。
 もちろん普通に繋がるより難しい行為を続けているせいで、消耗も感じはじめていた。
 きつくならないように早めに呼吸を落ち着け、動ける時は激しく姉の尻を貪っていく。
 その間隔の取り方も姉は覚えようと懸命に腰を振っている。
 巧が他の全ての愛撫をやめていたにも関わらず、姉はアヌスでの快感を得ているんじゃ
ないかと思えるほどに、反応を見せていた。
 アナルセックスの快楽は膣の性感帯を裏から刺激しているに過ぎないと巧は想像して
いたのだが、そうでもないのかもしれない。
 このまま姉のアヌスを開発してしまえるなら、こんな男としてくすぐられることはあ
まりない。そう思ってしまって、思い直す。
 自分は欲求さえ満たせればそれでいいのだ。美人を自分の肉棒で狂わせる、ただ男と
して素直にそれを嬉しく思うだけだろう。
 日が暮れようとしていた。
29 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:33:51 ID:dn/CbfLv
 真っ暗闇になるまで繋がり続けていた。
 姉はあまり嬌声はあげなくなり、お互いの息づかいだけが部屋に充満していた。都の
尻に打ち付ける巧の腰がぴち、と音を立て、また、繋がっていないところから延々と吐
き出されている蜜液が、ふたりの身体が擦れあうとき、にちゃりと鳴る。
 終わったら果して立ち上がれるのだろうか、と巧は思った。
「そろそろ出すよ」
 巧が言葉と同時に激しく動き始めると、都は多少の苦悶を見せ、快感からは離されな
がら、巧のものを身体の中に受け止める瞬間を待ち望んだ。
「ちょうだい……巧の……」
 そんな言葉を悩ましく言われて、巧は何も考えられなくなって、それでも姉を傷つけ
ないようにまっすぐな出し入れを続けて、突き込んだままイッた。
 イく瞬間にはやはり力まかせに姉を抱き潰し、一番奥に注ぎ込もうと懸命に腰を突き
出した。ビクッビクッと送り出すたびに姉の身体の中と意識し、心が震える。
「はあ、はあ、はあ……くそ、まだ……」
 呼吸が整いにくくなってきたが、まだ空っぽになっていない。
 性欲が空になるまで、姉の中にいるつもりだった。空にして、環が帰ってくるのをい
つまでも根気よく待つ。
 さすがに一度身体を休ませようと、腰を引いてぬるりと抜き出した。二度出したその
中に浸かっていたものだ。どろどろになっているのをティッシュを取り出して拭い、姉
の横にどさっと身体を落とした。息が整えばすぐにでもまた味わいたい身体と隣でひっ
つきあっている。
30 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:34:10 ID:dn/CbfLv
「巧、やだ、やめないで」
 都は終わりにされるのを怖れてか、巧に向いて首にすがった。
 初めて前を向いた都の裸は、疲れを吹き飛ばして余りあった。片方の胸を押し付けら
れ、巧は頭に血が昇る。
「すげーよ、本当に前も後ろも女の身体なんだな、姉ちゃんなのに」
 うわずった声で認め、考える前に左手で胸を揉んでいた。さほど大きくはないが、綺
麗にまとまった形をしていて、中央にイチゴのように突き出した小さな蕾も巧の琴線に
触れ、感触を確かめようと何度も指を使って揉みしだいた。
 いつまででも揉んでいたいという欲望になんとか歯止めをかけ、かわりに唇で追いか
けた。うまく口に含めずにぷるんと横に逃げたそれを狂おしく追い詰めた。舌で押さえ
てから吸い付いていく。
 
 *
 
 都はいまだ欲情している弟をピリピリと感じ取っていた。
 惚れた相手に女と認識されている喜び、根源的な幸福に胸を詰まらせる。
(本当に、どうなってもかまわない)
 もう身体のあちこちが痛くなっていたけれど、それもかまわない。巧のくれる快楽は
変わらない。揉まれている胸のあまりの気持ちよさに吐息がこぼれ、知らず身体を巧に
押し付けていってしまう。自分の手となにがそんなに違うのかわからない。巧の手は都
のどこに触れてもそこを性感帯にしてしまうみたいだった。
31 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:34:24 ID:dn/CbfLv
 罪深さに押しつぶされそうだった病院でのくちづけ以来、初めてその罪に見合うだけ
の快楽を手に入れられた気がする。
 巧の手は胸だけに止まらず、都の身体中を這っていた。その後を唇と舌が追ってきて、
都に狂わんばかりの快感をもたらした。
 巧が自分のことを気遣わず、ひたすら巧自身の欲望を満たすために都の身体を貪って
いるのが、奇妙に嬉しかった。
(巧は、満ち足りたらいなくなる? それともいてくれるの?)
 もうそんなことはどうでもいいのかもしれない。
 今弟に抱かれているのは自分であり、それは現実だ。
「もう一回」という巧の宣言を受け入れ、身体を開いた。何度も身体の向きを変えさせ
られ、巧の望むままに欲しいものを与えていく。そして自分も与えられる。
 初めて仰向けで巧の体重を受けた。
 胸を熱く吸われながら巧の背中に拙く両手を這わせる。
 暗闇の中で見えないはずの巧のものが見えたような気がして、ぞくっと身体を震わせ
た。でも、前からなんて入れられるものだろうか。
 巧の身体が都の上から退き、かすかに不安になったとき、両足が抱え上げられ、巧の
両肩にそれぞれ乗せられたのに気付いた。そのまままた進んできた弟の身体が、自分の
太腿の裏側にぴったりとくっつくのを、痺れて受け止めた。
32 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:34:40 ID:dn/CbfLv
 見えないのにとても恥ずかしい思いをしている。そういえばここまで一度も恥ずかし
いと思わなかった、とおかしくなる。
 巧が指で入り口を探るのを感じ、期待にまた痺れた。
 たった一度だけ、濡れそぼったもうひとつの入り口を触られた。その感触を、切ない
思いをしながら封じ込めた。それを求めてはいけない。やがて、巧のものがアヌスにぬ
るっと押し付けられた。弟のそれは激しく濡れている。
 足を上に押し上げられて股間を弟の方に向けているという、絶対に見られたくない姿
勢のままで、再び侵入してくる弟に歯を食いしばって耐えた。
(〜〜〜っ!!)
 さっきまであれだけ中で動かされて、都自身も受け入れていたのに、また圧迫感が甦っ
ている。最初の傘の部分を過ぎると多少楽になるが、一度抜かれたせいでまた元に戻っ
てしまったようだった。広がっていくそこを、少し怖くなりながらも待ち焦がれた出来
事として、愛おしむ。
 挿入が深まっていくのにあわせて、お尻は大きく持ち上げられ、背中がしなって悲鳴
を上げる。広げた両手で踏ん張るようにシーツをきつくつかんだ。
 下半身の不安定さが感覚に揺らぎを生み、だんだんとさっきのようなやるせない感じ
に変わってきた。いや、さっきよりも早く奇妙な感覚に巻き込まれていく。
 弟のものはもうさっきより確実に都の奥の奥までを満たし、灼けるような性感を生み
出しはじめていた。
33 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:34:56 ID:dn/CbfLv
 
 *
 
 姉を何度も裏返し、こころゆくまで感触に溺れる。
 とにかく気持ちよくなりたいのだという気持ち。
 気持ちよくなりたいから、できるだけそれ向きの女の身体を自然と求める。
 エロチックでさえあればこのさい姉でもかまわない。そういうレベルまで認識力が落
ち込んでいての蛮行であれば、後で一人前に落ち込んで土下座して謝って、そんな決ま
りごとのようなルートが用意されている。それを望むかどうかは別として。
 自分はどうなのだ。
 姉を犯せるのならもうなんでもいいのだという気持ち。
 最初に心のどこかにあった仕返ししたい気持ちはきれいさっぱり消え失せた。
 過剰な暴力をふるってきた姉を組み伏せ、抗えない快楽に悶えさせて思い通りに扱う、
そんな快感は、いざ実現してみるとまったく違った感慨を巧の中に生み、惑わせている。
 あと一回出したら終わりだと思って、限界まで姉を折り曲げた。
 そうして手さぐりで穴の位置をつきとめて、間違わないようにゆっくりと腰を進めて
いき、挿入した。
 姉が声にならない声で苦痛を訴えるが、気付かないふりで動きに専念した。
 激しく突き上げる。
 ほぐしたときの余韻を残していたアヌスが徐々にまた巧の肉棒を力強く締め付けはじ
め、出し入れの動きに加わる快感を高めた。
34 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:35:12 ID:dn/CbfLv
 姉の太腿を左手に抱き込むと、やわらかさにうちのめされた。その胸も、背中も、足
も、しなやかでやわらかなすべて自分が汚している。
 姉が下から懸命に両手を伸ばしてきて、巧が腰を押し込むのに合わせて引き付けよう
とし始めた。自ら自由にならない股間を巧に合うように傾ける。本当に懸命に。
 そうだ、そうやって俺の望むままに動け、と動きを加速させた。
 上体をさらに突っ込ませて、姉の太腿を胸元にまで押し付けて突き続けた。深く潜り
込ませるたび、気の遠くなりそうなくらいに気持ちがよかった。
 でもまだ余裕がある。
 その余力を全て使って姉の後ろの性感を呼び起こしたい。無理でもその欲求のために
動きたくて、姉の反応に注意を向けた。
(姉ちゃんは俺にしか許さない。そして、俺だけが姉ちゃんをイカせるんだ)
 男は女をイカせてなんぼ、というのはあくまで男にとってのステータス基準だ。愛し
あって与えあうというのとは違う一方的な欲望。だから今の自分にはふさわしい。
 腰の動きに合わせて胸を揉みしだいた。
 さらに、目の前にある姉のすねを唇と舌で舐め上げる。
 こだわってこなかった姉の二の腕や頬、頭にも手をのばして指の腹を滑らせる。そう
やって全体を高めてやればかなりの手助けになるんじゃないかと考える。
 そのせいかどうかはともかく姉は、巧が一番奥に突き上げると妖しい声を上げるよう
になり、絶え間なく全身を責め続けていくと、首を振り乱してなにかに耐えるような仕
草を見せ始めたようだった。
35 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:35:25 ID:dn/CbfLv
(ひょっとしたらひょっとするのか)
 たぶん一番求めていたものを手に入れられる予感が、巧に起こった。
 どんなイレギュラーな形であれ、姉を絶頂に追い上げて快楽に泣かせることができる
なら、巧の今日の行動は、行為全部が意味をなすのだ。
 そこから、巧が愛撫をやめて接合に集中しても姉の激しい反応は衰えなかった。髪が
シーツの上に乱れ、泣きじゃくるような切迫した表情をおそらく見せているだろう。見
えなくても闇の中に感じることが出来る。
 巧はこの時今日最もきつく肉棒を硬直させていた。これ以上血が流れ込んだら破裂し
てしまいそうなくらい膨れ上がり、欲望の面積を増やしていたのだ。
 最も姉の反応の乱れる角度と深さをここだ、と確信して狙いをつけた。
(イけ……イけ!! 姉ちゃん)
 イかない姉を責めるように攻めた。
 狂おしいものがいつものように背中を駆け上がってきた。その波の大きさだけがけた
外れだった。
 それ以上の努力はいらなかった。姉が叫び声をあげるように激しく巧を抱き寄せよう
として、抱き寄せられなくて、暴れていた。間に自分の足があるのだ、無理だ。
(イかせた……のか)
 巧は、限界まで姉の中に突き上げ、強烈な締め付けを根元に味わいながら、最後の一
撃を姉の中に叩き込んだ。
 姉の身体の奥底に、何度も何度も、最後の一滴まで吹き上げた。
36 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/19 22:35:41 ID:dn/CbfLv
 
 都が服を身につけたのを確認をとって、巧は部屋の電気をつけた。自分ももう普段着
の格好に戻っている。
 振り返って姉の目を見ることなどできなかった。
 なのに強引に前に回り込まれ、都に優しく覗き込まれてしまった。
 どちらもなにも言わない。
 物心がついてからこっち、姉のこんなにも幸せそうな顔は見たことがない、と思った。
 なにか取り返しのつかないことをした、それだけはわかって、巧はその場に座り込ん
でしまった。駄目だ、泣いてしまう。
(これじゃ……環さんに顔向けできないよ)
 抗う間もなく涙がボタボタと床に散った。
 絶対見てはいけない顔だった。たったそれだけで巧は絶望した。
 一生忘れられない。
 胸がつぶれてしまいそうになり、呻いて転がった。姉のこともなにもかも意識から放
り出してしまって、心が圧壊する。
 
 *
 
 巧は、夜だというのにどこかに出かけてしまっていた。
 残された都は微睡みの中で不思議な夢を見る。
37名無しさん@ピンキー:04/11/19 22:58:38 ID:PRJkFo5N
神がいるスレはここですか?
38携帯です:04/11/19 23:00:12 ID:pWnppOvR
あと1レスというところでバーボンハウスくらいました。
巧より自分が泣きそうです。
39名無しさん@ピンキー:04/11/19 23:11:59 ID:7/V2FQNJ
FOX ★め…
40名無しさん@ピンキー:04/11/19 23:22:42 ID:HcGHUnhx
>>38

大変でしょうが頑張ってください
いくらでも待ちます
41名無しさん@ピンキー:04/11/19 23:42:16 ID:PTMhWdE7
バーボンハウスってなんざんしょ?
42名無しさん@ピンキー:04/11/19 23:45:31 ID:7tukycho
ついにキタ━━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━━!!!
GJGJGJ!!!!!!

都タン>(*´Д`)ハァハァ
43名無しさん@ピンキー:04/11/19 23:46:29 ID:7/V2FQNJ
>>41
一定以上のペースの書き込み、スレ立てなどで2時間一切の読み、書きができなくなります。通称トカゲのしっぽ。その際送られるのがバーボンハウスなのです。
詳しくは運営板まで
44名無しさん@ピンキー:04/11/20 00:31:17 ID:ygAQa2b7
おぉ・・・凄い・・・!!読みやすいしかなりハァハァ。GJです!
45名無しさん@ピンキー:04/11/20 00:39:40 ID:oIxwm3By
GJ
46名無しさん@ピンキー:04/11/20 00:48:57 ID:MD7kOD14
GJ!
47陽炎 ◆76mfWoL0i. :04/11/20 00:58:11 ID:pimz5YEA

キターーーーーーッ!!!!
新スレできて早々、さっそく投下されてる!
しかもついに都姉ぇとのエッチじゃー!
さっそく(*´Д`)ハァハァしねーとっ!w

◆5mSXuZ5GjEさん相変わらずゴッドジョブですッ!感謝感謝!
ついでに御返事どーもっす!
そーいやさっき妹スレ覗いてみたら、すでにはるかタンとのエチ
書いてらっしゃったんですね・・・・びっくらこいた。

いやぁ、ほんっと楽しませてもらってます。
48名無しさん@ピンキー:04/11/20 01:25:54 ID:fOZTE0c+
妹スレのSSは今から1年後の話らしいけど(前スレで◆5mSXuZ5GjEさんがそう言ってたよね?)
こっちのSSと併せて読むと、何となく深読みが出来て更に面白くなりますね。
はるかが巧に、お兄ちゃんが付き合ってるを人知ってるとか言うところとか。
それを聞いて巧が驚いてるから、環じゃないのか?とか。
まあ、付き合ってるのが都とは限りませんけど。
49名無しさん@ピンキー:04/11/20 12:31:10 ID:nA4aY2Ho
乙!
ついにやっちまったですね。
しかし、まだこれから色々ありそうで期待しとります。
50 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/20 12:39:15 ID:j5sB6RTQ
書き込めますように。
書いて以来、初めて妹の奴を読み返したんですが、微妙に設定が違ってました。
ガチガチに固めて書きはじめたはずなんですが、なんでだろう。
進行形なので、こっちを公式扱いにします。
問題のセリフ部分は影響なさそうです。
最後の1レス↓
51 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/20 12:39:54 ID:j5sB6RTQ
 小さな子供を抱いている自分、誰もいない寂しいところで暮らしている、風のない静
かな静かな場所、そのうち耳が聞こえていないことに気付き、外に出てまぶしさに目を
閉じると目も見えなくなる、音も光もない、でもまったく不安も渇望もない真なる静寂。
 玄関のベルが鳴った気がして、都は気だるく身体を起こした。立ち上がろうとして、
身体の中心に走る激痛に全身を強張らせて崩れ落ちた。
 ベルがもう一度、鳴った。
 なんとか部屋の入り口まで歩いて、階段もひょこひょこ奇妙な歩き方になりながら、
なんとか降りていった。痛みがおさまらなかった。
 誰が来たのかはわかる。
 誰かが応対するまで待っているだろう。少し身体を落ち着けてからでも大丈夫だと思っ
たが、都は力をつくして玄関に降り、ドアを開ける。
「こんばん、わ……」
 うつ向き加減の環が照れくさそうに都を見た。
52名無しさん@ピンキー:04/11/20 13:41:13 ID:7PM90WXf
新スレ早々神キタ━━━━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━━━!!!!!!
乙であります。
都姉ちゃんとやっちゃったら終わりそう、とか思ってたらまだまだ先がありそうですね。
楽しませていただきます(;´Д`)ハァハァ
53名無しさん@ピンキー:04/11/20 14:02:16 ID:d5Fq2dFA
はるかSSに気づかんかった。安心してハァハァできるよママン
54名無しさん@ピンキー:04/11/20 14:11:54 ID:ZDqgEQN4
何も申しません。はあぁぁ……
55名無しさん@ピンキー:04/11/20 21:39:51 ID:d5Fq2dFA
前スレにひっそりネタが…
56名無しさん@ピンキー:04/11/20 23:38:20 ID:8LeV9mw9
さりげない前スレのSSにGJです。
こっちにもカキコしとこう。
57名無しさん@ピンキー:04/11/22 01:18:57 ID:/D8NFBJg
もう…スゥパァグッジョブ。。
58 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/22 04:24:40 ID:PPBzLy7E
>保管庫管理人さん
タイトルつけありがとうございました。
59 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/22 04:25:06 ID:PPBzLy7E
 30
 
 逃げ出してしまった。
 巧は、とにかく姉のその笑顔から逃れようと外に出て、事実上迷子になった。行くと
ころがない。
 アパート暮しの大橋守がすぐ頭に浮かんだが、訳ありの一人暮しかもしれない。
 とにかく電話を入れる。
 応答がないので、一旦移動する。目立たない小さな公園を見つけて、そのベンチに座
り込んだ。
(姉ちゃんを壊した)
 キスもしなければ「好きだ」とも言わなかったのに、姉はとても喜んでいて、そして
もはや感極まって、泣き出しそうに幸福な笑みを浮かべる姿に、巧は限り無い衝撃を受
けた。
 姉にはそういう表情をつくる能力がないと思っていた。そういう姉ならば、壊れでも
しなければこういう顔はできないんじゃないのか。
 自分は姉を犯したのだ。愛したのではない。
 そのことが重すぎるのだ。
 家を出る時にも姉は、「どこに行くの?」と縛るようなことも言わず、「早く帰って
きて」みたいにすがるようなことも言わず、ただ「いってらっしゃい」という笑顔で見
送ってくれた。
60 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/22 04:25:21 ID:PPBzLy7E
(犯されて喜んでんじゃねえよ……)
 もう一度泣いて、それから環のことを思う。
 今目の前に現れたとしたら、速攻で逃げてしまいそうだ。つかまっても絶対目を見て
話したりできないだろう。
 戻ってくるのだとしたら、明日のいつ戻ってくるのか知らないが、それまでに居場所
をつくって隠れてしまいたい。
 逃げても解決にはならないが、環の言いそうなこと全てが怖かったのだ。
 三度目にコールした時に、守が電話に出た。
 幸い時間は空いているというのでとりあえず風呂を借りたいと言うと、快く承諾して
もらえた。巧はともかくほっとして守の、駅南のアパートへ向かう。
 直前でコンビニの袋を下げた守に後ろから声をかけられた。
「まあこれ飲め」
「サンキュ」
 冷えたウーロンのミニボトル同士でコツンとタッチをして、
「大丈夫なのか?」
 と聞いた。できるだけ迷惑は最小限にしたい。
「一晩なら。明日は人が来る」
「いーなー、女付きで一人暮し。人生いうことなしだな」
「んなわけあるか。炊事や洗濯、全部自分でやるんだぞ」
「似合わねー……なんで一人暮しなのよ」
61 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/22 04:25:51 ID:PPBzLy7E
「親の転勤についていかなかっただけだよ、せっかく受かった第一志望校だしな」
 淡々と、守は部屋の鍵を開けて明かりをつけ、巧を中へ通した。
「ゴミ溜めになってねえ時点でおまえはエライ」
「いや、その、掃除はあんまり」
「女がやってるとしてもだな、この年でそういうコを見つけたってのはキミの実力なの
ですよ」
「ふーん……」
 守が買い込んだものを片づけながら、面白そうに巧を振り返った。
「そんなこという奴は初めてだな」
「そう? ていうか、思わねえ?」
「そんなことより、なにがあったのよ、ひでー面して」
(あ、照れてる)と思いながら、どこまで話していいのか迷う。軽々しく口にはできな
いし、まだ気持ちの整理もできていない。なんだか現実感がない。環の時のように後か
ら実感が湧いてきたりするとしたら、たぶん相当酷いことになる。
 汗を流しながら考えようと思い、
「とにかく気持ち悪くてしょうがないからシャワー貸してくれよ」
「OK」
「お礼にメシつくってやろう」
「いいアイデアあったらくれ。もうネタがなくて困り果ててるんだ」
「彼女は?」
62 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/22 04:26:15 ID:PPBzLy7E
 ユニットバスの体裁をとりつくろった守が、
「毎日来るわけねえだろ……それに、そこまでやらせんのはな。おまえ、女臭いから早
く入れよ」
 巧にいいぞ、とタオルを渡して、台所に向かった。
 巧はそれを見やりながらバスタブに身体を入れ、シャワーのノズルを調節し、蛇口を
ひねり、やっぱり思う。
(似合わねー)
 だが大橋守は、雰囲気の読める男だった。今日もこうやってとても自然に、さも当た
り前のように巧に応えている。
 シャワーのお湯に、汗や汚れといっしょに姉の匂いを流していく。
 ちょっと短かめに切り上げると、さっさと片付けて出る。あとで100円屋で下着類
を買いにいこうと思う。でもそんなことをして、自分はいったいこの先、どうしようと
しているのか。よくわからなかった。
 巧が、守がシャワーを浴びる間になにかつくってやろうと言ったら、どうせなら二人
でなんかすげえものをつくろう、待ってろと言われ、巧は守の小型のテレビをつけて、
ぼんやりそれを見ていた。
 気を遣っているのだろうか、と思う。そういえば、巧は守が自分の事をどう評価して
いるかよく知らない。一度だけ巧のサッカーを評して、『おまえはサイドアタッカーと
いうよりはサイドランナーだ』とこき下ろした。
 
63 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/22 04:26:32 ID:PPBzLy7E
 巧のごり押しで、『デコレーションチキン』なるものをつくることになった。デコレー
ションケーキそっくりにするのだ。
 味付けした鳥と根菜を中心にし、スポンジのかわりに食パンを敷く。鳥の皮で周りを
囲む。プチトマトを苺のごとく飾ることにし、
「生クリームの代わりはマヨネーズのハーフ。マヨネーズはバーナーで炙る」
 と巧が締めると、
「食いたくねー……」
 と守は即座に言った。
「余ったら彼女と仲よくごちそうになってください。ちなみにうちでやったときはひっ
くり返されそうになったけど」
「マヨネーズさえどうにかすればいいんだよ、この味覚音痴」
「おまえな、いつも思ってるけど、本当の事ならなんでも言っていいわけじゃねえぞ。
サッカーのときだって、なにがサイドランナーだ、俺だってセンタリングぐらいできる
んだよ」
「あたりまえだ。つーか、気にしてたのか……」
 意外に元気な巧にほっとした顔を見せながらも、守は目の前の強い匂いを出す物体に
脱力する。
「マヨネーズくせー……、持って帰れ、こんなもの。十秒で」
「悪いが俺は宿無し。まずは食うんだよ、文句言わずに」
「家出とは違うのか? いったいなにやったんだよ、ひょっとしてお姉さん襲ったとか
そういうレベルなのか?」
64 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/22 04:26:54 ID:PPBzLy7E
「ひ・み・つ」
 そう言いながら、巧はやっぱりこの男を巻き込めないと思った。
 部屋の隅っこに毛布を借りて一夜を過ごすと、守が起きるのを待って、
「今度来たらカレーをつくってやろう」
「あれか、あれならまた食いたいな」
 守は屈託なく笑っていた。
 
 そんな友人のおかげで少しは気が楽になっていた。だが、一人寂しく公園の鳩に因縁
をつけているうちに虚しくなって、ちょっとウチに電話してみようと思った瞬間のこと
だった。
 最初に姉の顔が浮かんだ。
 まずい、と思った時には遅く、頭痛と吐き気で立っていられなくなり、すぐそばにあっ
たトイレに駆け込んで、しのいだ。
(なんだこれ……)
 姉のことを考えようとすると駄目なのか。
(環さんなら……)
 だが、少しずつ、環の方にも実感が押し寄せてきた。
 そして頭が割れそうになる。心と身体のすべてが現実から逃げ出そうとしているみた
いな感じだ。うずくまって嵐が去るのを待つ。
65 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/22 04:27:17 ID:PPBzLy7E
 こんな所にいては駄目だ。
 人のいるところ、人の多いところ、他人と関わって気を紛らわせる場所。
 繁華街なら、最後はナンパという手もある。思い付いてから、なにを性懲りもなく痴
れたことを、と自嘲しながらもアーケードへ向かって歩く。
 なにかおかしい。
 感覚が普通じゃないのに気付く。
 交差点まで差し掛かり、さらに奇妙な目眩を感じた。平衡感覚がおかしいというより
も視覚情報が不正確でそれに惑わされている感じだ。
 それはだんだんと弱くなってやがてすっきりとした清浄な世界を感じた。
 信号を渡ろうとしたその時、強い力で引き止められ、叱責と共に引き倒された。
「待鳥くん! どこを見てるの?!」
「どこって……おや、高野さん」
 ナース服の上からサマーカーディガンを羽織った看護師の高野が真上から覗き込んで
いるのが見えた。
「倒れるとは思わなかったわ。ごめんね」
「いや、ちょっと無防備でした」
「ていうか君今、信号見てなかったの?」
「赤で渡ったりしてないけど。──高野さん、制服ピンクじゃなかったっけ」
 高野が巧をじっと見た。
「どうしたんですか?」
66 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/22 04:27:38 ID:PPBzLy7E
 しばらく考え込んでいた高野は、
「ちょっとついてきて」
 と巧を引っ張り、病院の方へ歩き始めた。
 高野が勤め、巧が二泊三日の間世話になった木塚総合病院は駅のすぐ南にある。巧は
まっすぐに外来入り口から連れ込まれ、
「ちょっとロビーで待ってて。私夜勤明けだから、着がえてくる」
「? いいけど」
 少しだけ懐かしい総合受付の前を横切って、待ち合い席の外来患者達に混じって座る。
右手を吊っている外見的にはまったく調和が取れていて、なんとなく苦笑した。
 そうじゃなくても今は病人のようなものだ。高野に連れてこられた理由もなんとなく
わかっている。理屈はともかく、自分も壊れかけているらしい。
 ほどなく高野が戻ってきた。私服だった。
「あれ? 俺を医者に見せるんじゃないの?」
「夜勤明けって言ったでしょ。モーニングつきあってもらって、それから──」
 どういうことかまるでわからないが、どのみち巧には行くところはない。私服に着が
えて別人のようになったこの看護師に、さらわれるのもいいかもしれない。
「おごってくれるんですか?」
「ま、しょうがないわね」
 聞いたこともない名前の怪しいファミレスで、オーソドックスな朝食を摂った。
 味覚は完全におかしかった。
67 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/22 04:32:37 ID:PPBzLy7E
 そういうところも、高野には観察されているような気がする。
「このあとはどうなるんですか?」
 巧がそう聞くと、高野はそれには答えず、
「変な味がするでしょ?」
「……ちょっと。なんで?」
「食べているものの色が君に見えていないからよ」
 確かにその通りだ。期待通りの味がしなくて感覚が混乱している。
「見覚えのある怪我人が歩いてるから、すぐ君だってわかったわ。全然迷わないで突っ
込んでいくからさ、自殺かと思っちゃったわよ」
「いや、赤じゃないと思ったから」
「そういう死に方した人知ってるからね、ちょっとびっくりしちゃった。驚かせてごめ
んね」
「俺、もう大抵の事じゃ驚かないと思うな。空も真っ白だし、今高野さんが着てるその
色っぽいデザインの服も真っ黒ですね。それ以外はどうでもいい気分」
「ありがと」
 そう言いつつ、高野は真顔で巧を見据えていた。
 ちょっと居心地が悪い。高野は、身長は姉よりちょっと低いぐらい、ショートカット
で明るい感じだが、環あたりと比べても大人の雰囲気充分だった。イヤリングと指輪が、
彼女が表情を変えるたびキラキラ光っている。
 ノースリーブの腕に絡まれて、
68 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/22 04:33:01 ID:PPBzLy7E
「このあとどうなるか知りたい?」
「俺は寝る場所を提供してくれる人なら、どこでもついて行っちゃいます」
「んー、つまんない反応ねえ。まあいいわ、ウチにおいで。好きなだけいていいから」
 ファミレスの階段から歩道に下りると、高野は言った。
「私は高野頼子、私んちでは高野とは呼ばないでね、頼子さんでよろしく」
「頼子さん」
「うふふ、そっちは『巧くん』よね」
 腕を環のように取られ、そのことで少し胸がきしんだが、頭痛は来なかった。
 コンビニで買い物につきあい、また腕を取られて歩いた。とりあえず気は紛れている
けれど、これでいいのだろうか。判断に自信が持てない。
 本当に巧をマンションに招き入れた頼子は、適当に服を脱ぎ散らかしながら、シャワー
も浴びずにさっさと寝巻きに着がえた。
「私は今から爆睡するから、君も寝ること。ただし、悪戯しないように。後が酷いよ」
 とカーペットの上に敷きっぱなしの布団を指差した。
「ベッドとかないの? ていうか、俺の分は?」
「あたしといっしょじゃ不満なの?」
「いえ、とんでも」
(なにもかもむちゃくちゃだ……これで看護師なのか……)
 いっしょの布団を強制して悪戯禁止もなにもないだろう。なにもしやしないのだが。
(どうなることやら)
 とは思ったが、とても大人に見えない頼子の振る舞いも、はしたない格好も、大した
ことではなかった。
 とりたてて苦痛はなく、過ごしてはいけそうだった。
 頼子の姿見で自分の有り様を確認してみる。
 なにもかも変わってしまったのに、なにも感じてないみたいな自分の顔が悲しかった。
 いつから自分はこんなに弱くなってしまったのか。
69名無しさん@ピンキー:04/11/22 06:07:27 ID:1sSJZZOk
何かもう、姉萌えとか関係無く面白いな。
いや、もちろん都姉ちゃんは萌えるのだが
この作品は自分の中ではもう、萌えとか属性とか、そういうのを超越してしまった。

とにかく乙です。
70名無しさん@ピンキー:04/11/22 08:40:32 ID:Jo+9KQRZ
とりあえず今のうちにぬるぽしとく
さあ僕をぶって!(もっと!)
71名無しさん@ピンキー:04/11/22 15:35:47 ID:YBTfae17
GJ!
72名無しさん@ピンキー:04/11/22 16:57:25 ID:Dna7MJHC
まあなんだ

あれだ

ゴッドジョブ
73名無しさん@ピンキー:04/11/22 20:37:05 ID:qGb+EgEJ
キタ━(゚∀゚)━( ゚∀)━(   ゚)━(   )━(゚   )━(∀゚ )━(゚∀゚)━!

GJでございます。
74名無しさん@ピンキー:04/11/23 00:42:30 ID:pLcQGAqv
GJ!
なんか29を読んで








…*が校門に見えtうわっなにを(ホントにゴメソ
75名無しさん@ピンキー:04/11/23 05:02:25 ID:q3nLfvfq
看護士さんともヤっちゃいますか?
最終的には登場する女キャラ全員でハーレ(r
ハァハァ・・・
76111:04/11/23 12:43:23 ID:HaWu8WZi
中尾裕子さん・・・。最近TVでは見ませんが、ドラマの端役でもいいから、
アイドルミセスとして早く復活して欲しいです。
   ttp://pix1.ten.thebbs.jp/1099618832/3-
77 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/23 18:12:39 ID:OxkGn8DF
>>74
気付かなかったです。ちと笑いました。
でも気付いてたらそのままアップしなかったか。
78 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/23 18:12:55 ID:OxkGn8DF
 31
 
 朝、大橋守のところで起きてきたばかりだった巧は、それでも深く眠れたわけではな
かったので、素直に頼子の隣で横になった。
 巧の見たところでは頼子は二十代前半、大人のはずなのだが、少しでも社会規範に則っ
た様子がまったくない。加えて、食事をしてすぐに寝ている。
 頼子に背中を向けるとカーペットが目に入る。これが汚かった。
(虫が飛んでるぞ……)
 目を背けて、頼子の方を向いた。
 頼子は環と同じように首筋の生え際を見せ、本当に熟睡してピクリとも動かなかった。
(これじゃ悪戯されたってわかるまい)
 ため息をついて、巧は天井を向いた。
 部屋の中は快適だった。見渡してみると隅で冷風扇と除湿器が静かに働いている。帰っ
てきた時につけた様子もなかったので、これは一日中動かしているのだろう。こういう
ものでエアコンを使わずに効率良く部屋を冷やすことができるらしいことはきいていた。
実際気持ちよかった。
 身体から力を抜き、目を閉じた。開けていてもどうせモノクロの世界だ。
 見たいものがあるわけでもない。でもちらっと隣の異星人の様子を窺う。
 とりあえず男と認識されていないのはありがたいが、安全パイとなめられているのも
癪なので、さっそく悪戯を試みた。
79 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/23 18:13:10 ID:OxkGn8DF
 ブラの胸の間に、そのへんに転がっていた牛のぬいぐるみを挟んでおいたら、夕方に
なって起き出した頼子に飛び蹴りを食らった。
 別な日に今度はパジャマのズボンを脱がせて、タンスから見つけてきたパンツをもう
一枚はかせて二重にすると、ズボンを元に戻して、寝た。
 これは根に持たれた。が、なぜか逆に気に入られたような気がする。
 
 とてつもなく落ち込んでいるはずなのに、毎日妙に静かな気持ちだった。
 ちょっと買い物につきあったりする以外はほとんど外出はしない。ギプスが目立ちす
ぎて知っている人間には速攻で見つかってしまうだろうし、なにより外は猛烈に暑い。
 目がどうにかなった以外はまったくありきたりな日常だった。どうしてこんなに普通
でいられるのか不思議だった。
 頼子は頼子で無頓着に、普通に暮らしている。
 部屋の中を飛び回る虫が増えたくらいに考えているのかもしれない。頼子の同僚か誰
かからかかってきた電話に、
「ミニ柴とか飼ってるみたいで面白いよ」
 とか言っていたのはひょっとしたら自分のことかと思う。
 巧は、そろそろ右腕の検査が一回あるのを思い出し、
「都合のいい日でいいんだよね? 頼子さんの昼勤の日にいっしょに行くよ」
「懐きすぎよ、巧くん。私はいいけどね」
 すっかり『巧くん』だ。
80 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/23 18:13:29 ID:OxkGn8DF
 その夜はパジャマの中に毛布を入れてパンパンにふくらませてやった。
 巧は環の夢を見た。
 色のついた夢だ。現実に色がないので、そんなものかと思う。頼子に蹴り起こされた
せいで細部はまるで思い出せないが、夢の中の環は怒っていて、かと思うと泣いていた。
たぶん勝手な思い込みだ。へたをすると、環ではなく姉だったかもしれない。でも、
ちゃっかりセックスしていた気もする。なんとなくありもしない感触が残っている。
 頼子に蹴られた脇腹を押さえながらのろのろ起きだし、適当に二人分の朝食を準備し
ている間も頼子の機嫌が悪かった。このところ食事はしょうがなく巧がつくっている。
 最初に病院で見た営業スマイルがまったく想像できないダメ女っぷりだ。
 そこから出勤までの変身の様は、見ていて詐欺に近い。一緒に出た巧は検査を受けて、
次の検査まで様子を見てそれでギプスを外してもらえることになった。結果を聞いた頼
子は嘘みたいに嬉しそうににっこり笑った。
 
 多少、どうしても我慢できないところを自分で片付けたおかげで、巧はなんとなく、
部屋の汚さが気にならなくなってきていた。
(いかん、これではダメ人間になってしまう……)
 とあるとき急に思い、頼子がいないうちに徹底的に片付けてしまった。
 その日に頼子が帰ってきた直後に電話があった。巧はそれとなく頼子の話し声を聞い
ている。話の内容も大体わかりそうな電話だった。
「郁美? そっちはどう、変わったことない」
81 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/23 18:13:47 ID:OxkGn8DF
「彼氏なんかいないわよ、…………あんたの同級生じゃ犯罪になっちゃうでしょ」
「全然平気よ、家事担当やとったし」
「あんたも知ってるでしょ、男なんていらないって、母さんにも言っといて、絶対行か
ないって」
「へえ……なんか大変じゃん」
「そういえば最近はるかちゃんには会ってないなあ」
 巧は一瞬(あれ?)と思うが珍しい名前ではない。ただ、少し会いたくなった。
「あと一年で受験でしょ、高校……後で泣けっ」
 がちゃっと乱暴に切ると、頼子は部屋の中を見渡して、
「泥棒でも入ったの?」
 と言った。
「どういう言い種だ……」
 巧は暴れ出したくなるのをこらえ、
「看護師のくせに不衛生すぎ。ていうか女の部屋じゃねえ」
「細かいわねえ。ま、いいわ、今夜は君にもつきあってもらうわよ」
「酒? メシも食わないで?」
「合体させればいいのよ」
 いつものことだ。頼子は自分でかってにがぶがぶ飲んでできあがるので、巧が気を遣っ
てつきあうこともない。と思っていたら、絡まれた。
「だいたい君、誰が本命だったの? 三人くらい取り巻きがいたわよね」
82 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/23 18:14:03 ID:OxkGn8DF
「いません。本命っていうかそれは」
「『環』ちゃん? それとも『都』ちゃん? 寝言で言ってたからどっちかよね」
「う、嘘だ、そんな寝言言ってないねっ」
「あっはっは! いい反応ね、君。二股だったからなの? それとも……なんかいけな
い関係だったとか? その年で不倫とか」
「二股で両方人妻とか? 逆に小学生とか」
「なに自分で穴掘ってんのよ、このすけこましは」
「すけこまし……」
「巧くんってテクニシャンよね」
 頼子は畳み掛けるようににじりよってきた。目がすわるほどには酔っていないようだ
が、目から邪悪なオーラを出している。
「寝ぼけててもあんなことができるんだもの」
「なんの話ですか……」
 頼子に対し、じりじり後退する。
「いつもあんなことやってるの?」
「知らないっつーに」
「あー、そう」
 そこでビールがなくなったので、頼子はせっかく巧が片付けた台所を引っ掻き回して
焼酎を持ち出し、
「そろそろ話してもらおうカナ。でないと君が寝ぼけて私にしたこと、全部彼女たちに
話しちゃうわよ」
83 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/23 18:14:19 ID:OxkGn8DF
 巧の前にもグラスを突き付けた。
「飲まねーっての」
 グラスを突き返し、機嫌が悪くなった頼子に張り付かれると、
「だいたい頼子さん、どうして俺を病院に連れていかないんですか?」
「検査は行ったでしょ」
「…………真面目な話、俺はどうなっちゃってるの?」
「現実が受け入れられなくて、心が萎縮してるだけよ。ウチには精神科はないもの」
「なにそれ。今もこうして頼子さんの嫌がらせに耐えながら現実をたくましく生きてる
じゃん、俺」
「このままもし彼女達に会ったら、どうなるかしらねえ〜」
「……」
(会えるわけないじゃん)
 心のどこかでは逃げられないことを知っていても、今会ったのではもっと酷いことに
なるに決まっているから会えないのだ。でもそれがわかって、頼子は巧をお持ち帰りし
てきたのかもしれない。
「だから俺がなにしたっての」
 頼子が脅しになるような材料を持っているならとっくに言っているはずだ。巧は、あ
くまで突っぱねる。
「連絡先はもう押さえてあるんだけど?」
84 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/23 18:14:38 ID:OxkGn8DF
「ちょ……職権濫用じゃないの、それ……」
「病院は関係ないわよ? 個人的なコネで調べ出しましたっ」
「えらそうに……」
 頼子は、それでもプロの看護師であり、本質的に患者というものを見極めているよう
なところがあった。
「君が現実を受け入れないといけない。でないと、君が弱いせいで周りの人を不幸にす
るわよ?」
(弱い……)
 他人に言われたらとても辛い言葉。自分が一番よく知っている事実。
 話そうという気には、とっくになっていたのだ。
「全然わからないんです。どうしてこんなに自分が脆弱なのか、いつそんなふうになっ
てしまったのか。ガキだっていうのはわかります。でも、こんなふうに、今までやって
きたことが全部否定されてしまうなんて、納得がいかない。理由が知りたい。もし俺が
自然淘汰されるはずの子供だっていうなら、頼子さんにこうして守ってもらう価値だっ
てないんだ……」
 頼子がひどく優しい目をして見ていた。
「友達の話ってことにしといてください──」
 それからの長い時間を巧は頼子の腕の中に囲まれて過ごした。他になにをするでもな
く、話をしていた。
 
85 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/23 18:14:52 ID:OxkGn8DF
 相変わらずだらしのない頼子に辟易しながらの毎日が過ぎて、お盆があけると、巧の
ギプスはようやく外され、サポータだけで過ごせるようになった。
 ロードワークだけでなく、手を使わないプレイなら全く支障がないくらいまで、回復
していた。
 巧はそれでも、頼子のところにいた。
 頼子が出掛けに必ず用事を言い付けるので、ついついそれをこなしてしまう。
 頼子が買ってきた子供用のサッカーボールで少し足を慰めた。感覚はそれほど鈍って
いない。下の階に響かない程度にリフティングをした。ここに本当にミニ柴がいたら、
御主人様がいない間の遊び相手に、大いに喜ばれたことだろう。
 それでも巧は、まだ白黒テレビの中の人だった。
 頼子には全部話してしまった。気は楽になったが、事態は変わらない。
 今の巧には敵味方のユニフォームの判別すらできない。
 このサッカーボールだって、おもちゃ屋で売っている蛍光ピンクやイエローのボール
かもしれないのだ。
(受け入れなきゃならないことって何?)
 そこから始めないといけないらしい。
 時間は容赦なく過ぎていった。
 もうすぐ夏休みが終わるという日に、夜勤明けで帰ってきた頼子に叩き起こされ、
「君を引き取ってもらうことにしたから」
 突然そんなことを言われた。
86 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/23 18:15:07 ID:OxkGn8DF
 子犬じゃないのだ。押し倒してやろうかと思ったら、頼子の方から押し倒され、
「一回やっとく?」
 と顔を思いきり近付けられた。
(やっぱりハッタリだったんじゃないかよ)
 と思いながら、のしかかってくるやわらかい身体に初めて興奮する自分を感じた。
 記憶の中から頼子の髪や肌の色、嗅いだことのある匂いを思い出してみる。
 モテないようには見えないし、巧から見てもとても色っぽい。
 そう言ったら素直に喜び、キスしようとしてくるのを手のひらで止めた。
 にこっと笑ってやると、意味ありげに笑い返してきた。まだまだ底が深そうな、とて
も魅力的な女性だった。このまま離れるのが惜しいと思わせるくらいに。
「頼子さんって、酷い目にあったこと、ある?」
「あるわよ。君のしてくれた話なんて、お笑いぐさにしちゃえるくらいキツイのにね」
 そう曖昧に笑って、巧の上から降りて、お湯を沸かしはじめた。
「最後だしさー、私がとっておきをごちそうしてあげよう」
「食べられますように」
「そういうこと、言うなー!」
 しゃもじが飛んできた。
 こういうところは自分の姉のようであり、別の面では環のようでもある。足して二で
割って、年令の分プラスアルファしたような。
「君の料理、悪くなかったわよ?」
87 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/23 18:15:20 ID:OxkGn8DF
「嬉しいな、あれ褒めてくれる人いないんだよね」
 頼子がじっと目を止めて、
「本当に嬉しそうにするんだね。君がモテてるのはそれなんだろうなー」
「単にモテ期だと言われましたが」
「あははっ、そうかもね」
 頼子がつくったのはとっておきもなにも、普通のシチューだったが、視覚的影響を和
らげる配慮がしてあって、巧にもとても美味しく食べられた。
 それでもやっぱり後片づけは巧の仕事になっていた。
(まったく……)
 そう思いながらも、一抹の寂しさを感じる。この調子なら元に戻ることも難しいこと
ではないのかもしれない。
「そんなわけで、この件に関する最重要人物を呼んでありまーす」
「ええっ! 今?」
「今」
「それ誰よ?!」
 心の準備をする暇もない。ほどなく、玄関のチャイムが鳴った。
 バタバタと玄関に走る頼子を見て、巧はベランダかバスルームに逃げ出したくなった
が、それよりも早く室内に、桐高の女子の制服を着た小柄な影がすべり込んできた。
 由美だ。
88名無しさん@ピンキー:04/11/23 18:32:24 ID:R41NiS6v
覗いたらキテタ━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!

ゴッジョブ!!
89名無しさん@ピンキー:04/11/23 18:45:01 ID:4XQIzVdt
修羅場乙
90名無しさん@ピンキー:04/11/23 19:06:15 ID:pLcQGAqv
パヒョー!!!!!!!!!!!!!!!( ^ー゚)b
91名無しさん@ピンキー:04/11/23 20:48:44 ID:Hb6WAvE4
ブラボー‥ おお‥ ブラボー!!!
ワ━ヾ(   )ノ゛ヾ( ゜д)ノ゛ヾ(゜д゜)ノ゛ヾ(д゜ )ノ゛ヾ(  )ノ゛━イ!!
92名無しさん@ピンキー:04/11/23 20:50:03 ID:Hb6WAvE4
ワ━ヾ(   )ノ゛ヾ( ゜д)ノ゛ヾ(゜д゜)ノ゛ヾ(д゜ )ノ゛ヾ(  )ノ゛━イ!!
93名無しさん@ピンキー:04/11/24 02:33:50 ID:eeDsYSZi
ハァハァ・・・
94名無しさん@ピンキー:04/11/24 05:47:28 ID:YEORKsxp
(*´Д`)ハァハァ
95名無しさん@ピンキー:04/11/24 07:22:20 ID:2+LOYLt8
ゴッドが・・・神が降臨されたッ

ナムナムハァハァ
96名無しさん@ピンキー:04/11/24 11:59:37 ID:3tWGo0Ld
前から思ってるのですが……"色覚障害"ぐぐっちゃうの禁止でしょうか? ネタバレ?
97名無しさん@ピンキー:04/11/24 17:25:55 ID:2hn9GzZO
>>96
何故そう思う?
98 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/24 18:05:35 ID:H1FX5QLX
>>96
心因性の視覚障害というものについて、
まあ、プロには突っ込まれるのかもしれませんが。
多少のファンタジーには目を瞑ってでも
普通に受け入れられるような話にしたいとは思っています。

あ、今日はなしです。
99名無しさん@ピンキー:04/11/24 19:11:01 ID:2+LOYLt8
お疲れ様です、ゴッド。

ゴッドの構想を崩すつもりは毛頭ございませんが、
ここに都姉ちゃんへの生本番中田氏を望む
矮小な存在があったことだけでも、心の片隅に
とどめておいて下さいませ。
100名無しさん@ピンキー:04/11/24 21:08:20 ID:Eu5Lbind
というか全然展開が予想出来ない・・・
もちろん良い意味でですよ。
10196:04/11/24 23:45:00 ID:gt2vAXKX
>>98
ああ、心因性ですか。よかったよかった。


脳腫瘍発覚→泣き話になりそうでガクブルしてたらしい
102名無しさん@ピンキー:04/11/25 17:39:35 ID:NeM+gufM
ちょっと早いけど正座して待ちます

だって由美!意外な人物が来たな…ワクワク
103名無しさん@ピンキー:04/11/25 17:39:51 ID:NeM+gufM
ちょっと早いけど正座して待ちます

だって由美!意外な人物が来たな…ワクワク
104名無しさん@ピンキー:04/11/25 23:43:20 ID:c7hQmPH9
ええ加減足しびれんかw
105名無しさん@ピンキー:04/11/26 00:16:45 ID:l5+0GT0C
ぶっちゃけ…w
しかし徹夜しても待ちます!(変なプレッシャーになったらごめんなさい…
106 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/26 03:12:50 ID:6r5PwUAT
それでは申し訳ないので、状況を。

31のあとに気分転換にちょっと毛色の違うものを書いたんですが、
なんだか脳が染まってしまってリハビリ中。
今書くとキャラがかなりダークなことを言いそうです。

最悪日曜の夜には持ってこれると思います。
(早くなる分には別にいいですよね?)
107名無しさん@ピンキー:04/11/26 06:12:56 ID:l5+0GT0C
ダークですか…やっぱハッピーになってほしい…
ゆっくりと練り上げてくださいまし!!
108名無しさん@ピンキー:04/11/26 06:18:21 ID:UyIWT5aP
というか今の時点で凄い早いペースだと思う。
それを含めてまさにゴッドジョブだと思うんだわ。
109 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/27 05:16:57 ID:aiOfQxw8
 32
 
 由美はまっすぐ巧の方を見ていて、巧が目を合わせると、
「巧くん、こんなところで一体なにしてるの?」
 開口一番、これだった。
 なんで夏休みに制服を着ているのかとか、そんなことよりも気にしなければいけない
のは、なぜ来たのが由美なのかだった。
 巧は頼子の言った『最重要人物』という言葉が気になっていた。
 だからとてつもない疑惑が湧いた。
(ひょっとしたら……)
 ちょっと寒気がして、目を逸らす。睨まれたと思ったのは違ったかもしれない。
 たぶんもっとたちが悪い。どうつっかければ由美の真意がわかるのか。
「俺を睨みに来ただけなら帰ってくださいよ」
「おお、いきなり……」
 頼子が茶々を入れるので、
「あのー、そんな真横で聞いてるつもりですか?」
「ああ、気にしないでつるけて。ろっちかが暴走したら、止めなきゃなんないからね」
 頼子は二人の横で、わざわざどこからかスルメを出してきて食べている。当然、酒が
ついている。
(む、むかつく……)
110 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/27 05:17:15 ID:aiOfQxw8
 それより由美である。玄関先なので、
「とにかく、ま、上がってください。汚いとこだけど」
「ちょっとぉ……、私の部屋よ?」
 巧の言葉に頼子が膨れていると、
「お邪魔します」
 由美は仏頂面で巧と頼子の間を抜けると、さっさと部屋に入って、座卓を前にしてちょ
こんと座った。
 頼子に突かれて、巧はしょうがなくその対面に座る。
 目の前にした由美の顔は、少しやつれているような気がする。
 由美はすぐに口を開いて、
「もう一度聞くけど。──こんなところで一体なにしてるの?」
 言い逃れのしようがないので、
「現実逃避してるんです」
 と巧はやけくそ気味で、
「その感じだと、頼子さんからもう聞いてるんですね? 俺、まだ帰るわけにはいかな
いんですよ」
 思っていたことをそっくりそのまま伝える。本当にそれしかなくて、
「逃げられないのはわかってます。でも今二人に会ったらもっとどうにかなっちゃいま
すよ、俺。こんなこと言うのすげー情けないけど、でも──」
 こう言うしかない。
111 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/27 05:17:34 ID:aiOfQxw8
「マジ、カンベンしてください」
 由美が視線を外した。外したまま、
「自分がこんなに弱いなんて知らなかった──とかって思ってるでしょ」
「思ってます」
「巧くんはまだ環ちゃんのこと好き?」
「まだもなにも、ずっと好きです」
「じゃあ──ねえ、もし環ちゃんと都ちゃんが逆だったらどうだったかな」
「逆?」
「環ちゃんが巧くんのお姉さんで、都ちゃんがその友達だったら」
 由美が投げかけたそれはある意味で、究極の問いかけだったかもしれない。巧にとっ
て、果して答えられる問いだろうか、また、答えていい問いだろうかと思う。
「酷いこと、聞きますね……」
「ぶっちゃけそういう話でしょ?」
「由美さんってやっぱ、鬼」
 それに応えたのかどうか、由美は薄く笑って挑戦的に巧を見た。
 かろうじて巧が見返すと、そのまま睨み合いになる。
(ちくしょう、目を回してしまえ)
 と人さし指を目の前でぐるぐる回してやったら由美に噛み付かれた。
「噛まれちゃった……」
 と頼子に訴えると、頼子は腹を抱えて笑い転げた。それを見咎めて、
112 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/27 05:17:56 ID:aiOfQxw8
「答えられないの?」
 と由美が膨れているので、頼子が身を乗り出してきて、
「いっそくっつけ、くっついて話せっ」
 と座卓を蹴って脇へどかし、巧と由美両方の首根っこをひっ掴んで顔を突き合わせよ
うとする。
 キスでもしてしまいそうな勢いだったので、巧は慌てて両手で由美の肩を押さえた。
 頼子に振り回されながら、巧も由美も相手を見ていた。
「ギプス、取れたんだね」
 由美が巧の目を見たままで言う。
 そういえば、あれから初めて右手を使った。
「これでやっと環さんを両手で抱きしめられます」
「都ちゃんは、抱きしめないんだ……」
「いいから抱きしめあえっつーの」
 頼子が二人の後頭部を掴んでサンドイッチにした。もはや存在自体が酔っ払いである。
 たぶん最初で最後になる巧と由美の『接触事故』。ただ強く押し付けられただけの相
手の唇に心を奪われることはなく、お互いに背を向けた。
 そのまま背中合わせにもたれあって、話をすることになってしまった。
 巧はなんとなくそうするのがいいと思ったのだが、由美はどうだったのだろうか。
 話のきっかけを探していた。
 あの時の事を謝ってしまえば、巧にはあえて話すことがない。
113 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/27 05:18:14 ID:aiOfQxw8
 由美と頼子の間で話されたこと、由美が持ってきているはずの『事情』が、解決の糸
口になるのなら、聞きたいと思う。
 じゃあ、謝ろう、と思った時、
「一人じゃ解決できないことを一人で解決しようとしたら、そうなるんだよ」
 由美がぽつりとそう言った。
「巧くんの心は、受け止めきれなかったのね。全部私のせいだね……」
 ゆっくりと、由美が話し始めた。
 いつのまにか頼子がつけたらしいラジカセからドロドロ妙な音楽が聞こえてくるのを
聞くともなく聞きながら、結局自分からは話し出せなくて、そのことを気にしていた。
 
 *
 
 あれはほんのきっかけに過ぎなかった。
 一番大切にしていたものでからかわれた、そのことで火がついてしまったのは、タイ
ミングの良すぎる偶然だったのだから。
 あのときに限って言えば、由美は、都の真似事をする巧から逃げ出しただけだった。
 都に告白しに行ったのに、逆に都から巧への想いを告白されてしまったあの夜、由美
は環に全てを吐き出し、同時に環から巧の言葉をひとつ聞かされた。それが、頭の中に
あった。
 場合によっては環と二人で都を養おうと、巧がそう言ったというのだ。
114 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/27 05:18:41 ID:aiOfQxw8
 由美も最初のうちは、にわかには信じられない奇妙な発言だと思った。
 都を追い詰めたのが本当に環と巧だったとして、都が本当に辛かったのだとしても、
その苦しみは本人だけが背負うものだ。他人にはどうすることもできない。自分でなん
とかするしかない。
 だからその言葉には巧の純粋さが現れているものの、都の事を本当に思いやれている
わけではないことにも、由美は気付いた。
 由美はずっと考えていた。
 都は本当の母親を亡くした後ずっと、巧の前で母親をやっていたわけだ。仕事の忙し
い父の透にはどうやってもできないことを、すべて背負っていたはずだ。
 だが、巧が母親を卒業した時に、都は母親をやめた。はるかはともかく、少なくとも
巧の母親はやめた。肩の荷を下ろして、自分を見つめ直すいい機会になったことだろう。
 そして、かわいい弟にとって自分はどういう存在になってやるべきなのか、考える。
 都の努力によって巧はちゃんと育ったのかもしれない。
 でも都は姉として育ってこなかった。母親をやめた時、自分が巧の姉だとわかる前に、
圧倒的に目の前に存在する巧の魅力に捕らわれてしまった。
 そういうことなんじゃないだろうか。
 
 自分で気付く前に、たぶん都は巧の虜になっていた。
 そして由美は、そこに割り込んでいくことは絶対に不可能だと気付かされる。
 思いつめる都の姿を見続けることで、この先も自分の想いがつのっていくのを予感す
る。決着をつけるためには、都を幸福にするしかない。
115 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/27 05:18:59 ID:aiOfQxw8
 黒くて細い糸を辿って、由美は巧と都をつなごうとした。
 それは厳しい方法だ。
 巧は明らかに、自己の中に確かにある都への欲望を、環に対する想いだけで強力に抑
圧し、あの手この手で迫る都の度重なる攻撃を躱し続けていた。
 その巧の誠実さと行動力に由美は頭の下がる思いだったが、それを逆利用するしかな
かった。そうして環を、おあずけになっていた巧から奪ってみせた。
 巧は、プライドなんてチープな外来語では表せない、まさに誇りを持って戦い抜き、
力尽きたのだ。
 自分達は四人で一つの関係を形作っている。
 由美は、常に都の背中を見つめていた。その都は、巧の背中を。またその巧は環の背
中を。コンピュータの周辺機器のように繋がっていた。
 
 *
 
 由美が苦労して冷静に話を続けるのを、巧は他人事のように聞いていた。
 頼子がいそいそとラジカセのCDを取り換え、新しい缶ビールを開けた。
(話に合わせてBGMを変えてやがる……)
 放っておけばいいのだが、頼子の選曲は見事なもので、それで食べていけるのではな
いかとくだらないことを巧は思った。
116 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/27 05:19:24 ID:aiOfQxw8
「デイジーチェーン接続っていうの、知ってる?」
「機械はあんまり」
「パソコンになにかプリンターとか外付けするときに数珠つなぎにする方法。それがす
ごく私たちの関係に似てるなって思って、ずっと考えてた。もちろん、それはパソコン
本体と繋がってないとなんの意味もないんだけど、環ちゃんから巧くんに、巧くんから
都ちゃんに、都ちゃんから私に、それでその長さには上限というのがあってね、繋ぎ過
ぎると、うまく動かなくなるの。やっぱり無理があるのね。──滅茶苦茶だけどね、そ
う考えたときに、こうも思った。絶壁で足場を失って、私達はやっぱり数珠つなぎで、
ザイルの一番先端に私がぶらさがってる。三人もぶらさがってたら、そりゃ墜落するよ
ね。そういうときには良くある話だけど、一番下の人が自分でザイルを切って他の人を
助けるのよ」
 そんなことを聞かされても、巧には言葉がない。背中に直接響いている由美の声から、
ただ気持ちを逸らさないようにしている。
 言いたいことはわかる気がする。だが。
「普通に考えたら、四人のうち二人が結ばれたらあとの二人は不幸になるのよ? 二人
がどのみち不幸になるなら、都ちゃんをそこに入れたくなかった。私のわがままで、先
頭の環ちゃんと尻尾の私をつないでショートさせてやればなにか変わるんじゃないかと
思った」
 由美が不意に身体を起こして、バランスを崩して後ろに倒れる巧にのしかかった。
「ちょ、由美さんどうしたの──」
117 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/27 05:19:44 ID:aiOfQxw8
 由美は逆さまの巧の頭を抱きかかえると、泣き出していた。
「全部、私が環ちゃんに教えたの。明日帰るって約束したのに帰って来なかったでしょ?
しかもその後でまた明日帰るって言われたでしょ? それ以前に、環ちゃんを無理矢理
連れ出した。無理矢理、いっしょに、……それで巧くん、行き場がなくなって、都ちゃ
んのこと、拒みきれなかったでしょ?」
「由美さん、やめた方が……」
 正確には巧は、自分の方から動いたのだから、そこのところは違う。
 巧は半ば無意識に由美の言葉を止めようとしたが、どうしようもなくて、続けて聞い
ていた。頼子は目を閉じている。
「巧くん、二人とも引き受けなさい」
(唐突に何を言うか、チャッカマンめ)
「巧くん、環ちゃんに言ったでしょ? そうすればいいんだって思ったの。だから──
巧くんが変わってくれればよかったのに」
「俺になにを期待してんのよ……」
「全部放り出すつもりなの?」
 身体を引き起こして、由美は見下ろしている。
 巧は、まんざら冗談でもないつもりで言った。
「卒業したら……姉ちゃんと二人で、どっか地の果てで寂しく暮らすかね」
「真面目に言ってるの、それ」
 由美は、戸惑った。
118 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/27 05:29:58 ID:aiOfQxw8
 巧は環の事を好きだと言ったのに。また自分は巧に無理をさせるのか。それに、巧が
もし責任感だけでそうするというのなら、許すことは出来ない。
「どのみちこれじゃまともに生きていけない」
「そんなことをして欲しいんじゃない、巧くんに、現実を受け入れて欲しいの!」
「俺は今、弱ってる。信号さえ見えなくなって頼子さんの世話になってる」
「そのことじゃないって」
 久しぶりに頼子が口を挟んだ。
「彼女はね、君に心を開けって言ってるだけよ」
「わかるもんか」
 巧が頼子につっかかると、
「君のショックはよくわかってるわよ、確かに衝撃が強すぎて、目の前の出来事から全
力で逃げ出そうとして、そのせいでおかしくなったのよ。君が逃げ出したのは、君自身
の気持ちを認めたくなかったからでしょう?」
 と頼子はベッドの上でリラックスしたまま、平然としていた。
「自分のしたことなら認めてるじゃん」
「あくまで気がつかないふりをするなら言ってやるわよ」
 今度は由美が巧を引っ張り戻して、言った。
「巧くんは、都ちゃんが好きだったのよ、たぶん都ちゃんよりもずっと前からね」
 
「そんなことは、……ない」
119 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/27 05:30:15 ID:aiOfQxw8
 そんなことはない。由美の言葉を聞いた瞬間には間違いなく言い切れた。
 だが、言うのをためらってしまった。もう一度聞かれたら、自分はどう答えるだろう。
 一時間後に聞かれたら。
 急に得体のしれない恐怖のようなものがこみ上げてきた。
 絶対に認めない。認めたら終わりなのだ。そんな感情はない。
 ないことになっている。実際、ない。
「俺は、できることなら今でも環さんといっしょに生きていきたいんです」
 これは嘘偽りなく本当のことだ。
 好きに未来設計をしてみなさいと、課題でも出されたらあっという間に作成できてし
まうだろう。姉に対してそんなことはできない。
 その不可能さが、血縁的な制約のみに依っているとでもいうのか。
 だが、姉のあの顔を見たときの衝撃を、たぶんそれ抜きでは説明しきれない。
(由美さんは確信してるのか)
 すでに知らないところで由美と会っていた頼子が言っていることなのかもしれない。
「じゃあどうして都ちゃんと寂しく暮らすなんてこと言うの?」
「環さんの顔見てなにか言うなんてもう、できないです」
「弱気ねえ」
 とこれは頼子だ。巧はじろっと睨み、
「顔向け出来ないって、言ってるのっ! それに、マジで姉ちゃんのことは責任取らな
きゃならないでしょ?」
120 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/27 05:30:30 ID:aiOfQxw8
「それをどうして環ちゃんにできないのかなっ」
 奇妙に、いつもの由美のような弾んだ声に巧は引かれた。
「それを由美さんが言うんですか?」
「言うよ? 折角不幸になる人を二人から一人に減らす魔法を使ったのに、ドブに捨て
ようとする人がいるんだもん」
「そんな。使った人だけ幸せになれない悲しい魔法は、駄目です……それじゃ魔法とは
いえない」
「じゃあ、私も引き取ってくれる?」
「くれません。子猫じゃないんだから」
「似たようなもんじゃない」
 と、これは頼子だ。巧はむきになって睨み、
「……もう頼子さん口挟むの禁止。つーか、スワローズのメガホンなんかで言うな」
「なんでよ」
「真面目な話をおもしろおかしくする必要なんて、ありません」
「真面目に話すからいけないのよ」
「うるせぇー!」
「ねえ」
 と由美が頬杖をつき、例の挑戦的な目になって言った。
「もし都ちゃんがドアの外で、今の会話全部聞いてるって言ったらどうする?」
「…………」
121 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/27 05:30:50 ID:aiOfQxw8
 たっぷり30秒ほど固まって、
「……まじで?」
 巧はたっぷり動揺していた。
「ねえ、どんな気分?」
 由美が畳み掛けてくる。
「巧くん、さっき都ちゃんとどうするって言ったっけ?」
 答えずに、巧は立ち上がった。手が震えている。ゆっくりと、熊でもいるみたいに慎
重にドアに近付く。
 開いた。
 微かに街道を走る車の音が聞こえてくる。外の熱気が入ってくるだけで、そこにはな
にも見えなかった。つまり姉はいない。
「…………」
「ごめんねえ〜。都ちゃんと環ちゃんは来るときしっかり巻いてきたから」
「巻いたって……もしかして、失敗してたら二人ともここに……」
「それでもよかったんだけど」
(冗談じゃ……)
 ふらふらと部屋に戻り、
「まあ、飲め」
 と頼子に勧められるのに、逆らう気力もなくし、ばったり仰向けに倒れた。
 由美が覗き込んできた。
122 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/27 05:31:06 ID:aiOfQxw8
「その今の気持ちが、巧くんの本当の気持ち」
「由美さん、こんなときに仕返ししないでください」
「これでチャラにしてあげる」
「そりゃどうも」
 姉と環の代わりを頼子がやっている以外、今だけ少し昔に戻ったような、不思議な日
常感があった。この感慨はなんだろう。
「どっちかが嘘なんて考えちゃダメ」
 言いながら由美は立ち上がって、頼子に、お邪魔しました、と頭を下げた。
「感じたことは全部信じるのよ? 私ね、二人でいるときの巧くんと都ちゃんを見て、
すぐわかったの。この二人の間には家族だけしか作れない絆と、もう一つそれ以上に強
いつながりがあるって。たぶんそれは都ちゃんの思い入れがそれだけ強かったからなん
だろうけど、でもその間に入って行けた環ちゃんって本当にすごいコだったんだなあっ
て思ったのよ。だから──」
 そして玄関に降り、靴をゆっくり履きながら、たぶんとても心配そうに、
「環ちゃんにも会いに行ってあげてね? 巧くんのこと聞いて、一番傷付いてるの環ちゃ
んだから。それと──」
 最後に振り返って、巧を見た。わだかまりは感じられない。
「都ちゃんが好きだって、認めなさい。そしたら巧くんの現実は戻ってくると思うから。
ちなみに、指のサイズは都ちゃんが9号で環ちゃんが10号だからね」
 そう言い残して、由美は出ていった。
123 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/27 05:31:24 ID:aiOfQxw8
 静かになった部屋で、巧は、
「あのー、頼子さん、あの人最後になんかろくでもないこと言いませんでしたか」
「まあ、飲め」
「頼子さんは飲み過ぎです」
「な、私がいてよかったろ?」
「なし崩しに緊張感を壊されて、なんだかいつのまにかわかりあったような気になって
いるだけじゃないですか」
 頼子も他人事ながら、いつも以上に晴れやかな顔をしている。
 決してなにかが解決したわけではない。でも、日常に立ち戻るきっかけのようなもの
はつかめたのかもしれない。巧は、頼子の突き出すビールを受け取って口にしながら、
(合意があればいいってもんじゃない)
 そんな往生際の悪いことを考えていたが、気分はそんなに悪くなかった。
 そのせいで、勧められるままに深酒をし、なにもわからなくなりそうなくらいに酔い
しれた。
 いつこの部屋を出るのか、それにはあまりこだわらないことにしようと巧は思った。
 そのまま、泥のように眠る。
 
 *
 
 そうだからといって、こんなことにそう簡単に順応できるわけではなかった。
124 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/27 05:31:40 ID:aiOfQxw8
 誰の悪戯なのか、それはどうでもいいことだ。
 巧はどこかの綺麗な部屋で目を覚ました。
 ガラス張りのバスルームが視界に入り、布団を重く押さえるもののせいで身体もろく
に動かせなかった。
 姉と環の二人が服のままで両側に寝ている。巧だけが布団の中で、二人はまるで上に
『寝かされている』かのようだ。
 とにかく、ラブホテルの巨大なベッドの上で、三人で横になっていた。
(こ、こんなご対面はいやだ……)
 二人を起こさないようにどうやってベッドから出るか、そのことを必死に考えるが、
無理な話だった。
125名無しさん@ピンキー:04/11/27 06:08:44 ID:q7YFG5pn
GJ!
126名無しさん@ピンキー:04/11/27 13:16:46 ID:q4IVKENa
キタキタキタ━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!

何となくエンディングに向かい始めましたね?
普通にハマってしまった。
GJです。
127名無しさん@ピンキー:04/11/27 14:23:49 ID:mC1hPcMY
何かキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!より
。・゚・(ノД`)・゚・。 って気分だ。面白い。。。
128名無しさん@ピンキー:04/11/27 17:04:43 ID:hMmChyJV
ミミ彡  ゚̄ ̄' 〈 ゚̄ ̄ .|ミミ彡  <感動したっ!!
129名無しさん@ピンキー:04/11/27 20:15:08 ID:/RElnazK
果てしなくGJだわさ。
それはともかく都とやりたい。
130名無しさん@ピンキー:04/11/27 22:52:36 ID:mAMvGwUi
GJ!
131名無しさん@ピンキー:04/11/27 23:22:31 ID:Psu59iQL
触発されて最近書こうかなとか思ってるんだけど、バッドエンドか
グッドエンド、どっちが好まれるんだろ?
132名無しさん@ピンキー:04/11/27 23:38:24 ID:HeGtf8Po
>>131
どちらでもいいかと。
個人的な好みを言わせてもらえば、なんか甘酸っぱい雰囲気っていうんだろうか。
思いあってて、エッチもしちゃうけど、結局理性が先行して元の関係に戻ろうとする、とか…が好きかも。
133名無しさん@ピンキー:04/11/28 00:19:07 ID:JhsOEX3M
>>129
都みたいな姉ちゃんがいたら人生変わるだろうな。色んな意味で。
134名無しさん@ピンキー:04/11/28 01:11:57 ID:3rA6ptg7
>>131
グッドエンドでお願いします
135名無しさん@ピンキー:04/11/28 02:55:33 ID:97XIKdl0
俺もグッドエンドのほうがいいなぁ。
バッドはバッドで良いんだけど
やっぱしグッドのほうが後読感が良い。
136 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/29 10:43:32 ID:d/qwNQAB
*の代わりを募集中です。(なんとなく)
137 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/29 10:43:54 ID:d/qwNQAB
 33
 
 巧が最後に環の顔を見た終業式からもう一ヶ月以上が経とうとしていた。
 ベッドの真ん中に沈み込んだまま、身体にかかる圧力の意味を噛み締める。
 この重みが自分の現実の中核を成している。
 頭を動かして、左右の二人の寝顔を見つめた。
 右手の方にいる都。遠足の前の夜の子供みたいな、無邪気な寝顔に見えた。こういう
顔も巧は今初めて見ていた。柔らかい寝息に乗って、姉の匂いがしている。数えきれな
いくらい何度も嗅いできたそのいい匂いを、これも今初めて、悩ましく愛しく捉えてい
る。
 左手の方にいる環。ずっと自分の外側に仮定されてきた理想の恋人。やっとそれを腕
に抱くことが出来るようになったのに、今目の前にいる環は、涙の跡をそのままに、泣
き疲れて眠った子供のように頼りなく小さかった。
 そしてやっぱり環が好きだと実感した。
 でも、姉の事を今までのように見る事もできない。まだ好きだとはいえないけれど、
いつかそれを口にする日は来るのかもしれない。
 やっぱりまだそこで立ち止まってしまうのだった。
 いいことだとはとても思えなかった。
 二人を見ていると、なんとかしなくちゃいけないという思いに突き動かされそうにな
る。だがこれがよくないということだけはもう学んでいた。焦ったときに自然体になる
のはとても難しい。そういうときには欲望を基準に持ってくれば安定するような気がし
ていた。
138 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/29 10:44:14 ID:d/qwNQAB
 そこから、視界に入るものをゆっくり咀嚼していく。
 案外早く、失ったものを取り戻せるかもしれない。その期待感にもまた心を癒されて
いくはずだから。
 できるだけそっと左手を抜いて、環の身体に触れた。肩の体温を指で確かめながら、
引き寄せてくちづける。
 身じろぎをして、目を覚まそうとする環から言葉を奪おうと、くちづけを深くした。
 息を乱した環が急速に意識を目覚めさせて、巧に応えていいのか戸惑っている間にも
巧は、舌と唇をいっぱいに使って環を刺激していた。
 今はこの愛しい女の子に考えさせてはいけない。彼女の戸惑いをねじ伏せて、自分を
求めてくれるようにひたすら繋がった部分に気持ちを込めていく。
 環は何度も目を見開き、抗い、それでも痺れたように目を緩ませ、やがて涙をこぼし
て、その後は迷わずに巧の動きに応えて舌を絡めてきた。
 自由にしたら環は、自分の言葉に押しつぶされるかもしれない。そんなことは絶対に
許すわけにはいかなかった。感覚だけの世界で相手を許し、いたわる。二人だけで。こ
の世界には姉はいてはいけなかった。環がそれを受け入れてくれたのを巧は感じた。
「環さん、少し離れてもらってていい?」
 巧はなんの心配もなく環にそう『お願い』した。
 その心の動きに感応し、環は動いてくれる。巧は現実の片方が再び自分の目の前に帰っ
てくるのを感じていた。
 
139 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/29 10:44:32 ID:d/qwNQAB
 環が壁沿いに寄せられたソファに身体を沈めると、巧はまだあまり無理の出来ない右
手を、姉を抱き起こすのに使った。
 あの日抱いたときにはできなかったキスで起こしてやるのだ。
 まだ朦朧として、理解する前に舌で応え始めていた都は、巧のぎこちなく動かしてい
る右手のことに気付いて、目を開いた。
 どんなチャンスも逃さないといわんばかりの獰猛さで、都は巧を捕らえ、そのまま覆
い被さろうとする。そんな姉に、もうとても巧は馴染んでいて、改めて動揺することも
なければ、不快感もなかった。
「姉ちゃん、話があるんだ」
 姉の動きを食い止めるのではなく、言葉だけで伝えた。
「だから家に戻って待っててくれる? 俺、今日絶対に家に戻るから。待ってて欲しい
んだ。だから──」
 もう一度自分から軽く唇をつけ、
「心配しないでね」
 姉の手を引いてベッドから降りると、都はそれに逆らわずに続き、そのまま巧の背中
に取り付いた。一度だけ強く両手で抱きしめてくる。それもまた快さを巧の中に残して
いった。
 離れた姉に、
「必ず今日帰すからね?」
 とソファの環が立ち上がりながら語りかける。
140 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/29 10:44:51 ID:d/qwNQAB
 今日の巧の滞りない言葉は今まで以上に環にシンクロし、巧の望みのままに事を運ん
でいる。
 都は環のところに近寄って、立ち上がった環をたぶん初めて抱きしめて、言った。
「大丈夫、ちゃんと待ってるから」
 不思議なやりとりがすべて終わると、都のいなくなった室内で、巧と環は力の限り抱
きしめあった。
 巧の覚えている環より僅かに薄くなったような気のする身体が、腕の中でしなって震
えていた。最後に交わったあのときと同じように環が、自分を求めてくれているのを巧
は知った。
 なら、言葉は絶対に後回しにしたほうがいい。
 協力しようとする環を制して、巧は自分の手で環の服を一枚残らず脱がせていった。
 一枚ごとに環が震え、巧も胸を高鳴らせる。環の身体の綺麗な部分がひとつひとつ明
かされるたびに感触を確かめ、環の表情の変化を窺う。
 そのことごとくに喜びが甦ってくる。
 ちゃんと仲直りするのだ。
 
 *
 
 ひとり旅先に残った由美と別れて、待鳥家のチャイムを鳴らしたとき、環はそこに巧
がいないなんて思いもしなかった。
141 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/29 10:45:09 ID:d/qwNQAB
 帰ると言った明日よりも早く会いに行けば、多少由美の思惑と違う部分があってもな
んとか絆を保っていられそうな気がしていた。
 だから、玄関で応対してきた都の異常な姿に、血の気が引いた。
 全部わかる。巧と都のやったこと、都の身体の状態、そして、巧の心に起こったこと。
 反射的に行き先を聞き、わからないと知ると、逃げるように市街へ出て行った。
 いや、逃げたのだと思う。
 八月に入ってしまってから、頼子からはるかに連絡が入った。
 看護師の高野の事は環も覚えていた。
 その高野頼子からはるかを通して情報が伝わったのは、はるかの仲のよいクラスメイ
トに頼子の妹、高野郁美という少女がいたからだった。
「お兄ちゃんかわいそう……」
 最初にそう言って、泣きそうなはるかの口から巧のことを聞かされた。
 胸が張り裂けそうになった。
 
「巧くんに振られるんだと思って、とっても辛かったの」
 押し寄せてくる感情に流されて泣きじゃくりながら、こんなときに環は巧の背が少し
伸びたことに気付いた。
 環は少しだけ顔をあげて、訴え続けた。
142 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/29 10:45:25 ID:d/qwNQAB
「でもそれ以上に自分のしたことで巧くんを傷つけちゃって、もうどうしようもないと
思って、それでも会わなきゃいけないと思って、最後に電話した夜、その日のうちに私、
巧くんのところに行ったのよ? でも巧くんはいなくて、都に会って──そのために一
芝居打ったのに、都を見て、すごく胸が痛かったの。悲しかったの。自分はなにしてる
んだろう、なにしたんだろう、って巧くんを探しまわりながらずっとぐるぐる考えてた。
どんなに探しても見つからないし、もう二度と会えないんじゃないかって本当に怖かっ
た。怖かったの──巧くんを、取り返しのつかないことにしちゃった」
 環は、今までに巧からもらった言葉ひとつひとつをなぞり、そしてそのひとつずつに
心の中で謝ってきた。
 巧ぐらいの年の男の子の純粋さは言い換えれば単純さということでもある。
 それはもう、泣けるほど簡単に振り回すことの出来る、愚鈍で、単純すぎる存在だっ
た。でも、いかに巧が未熟だったからといって、自分達の目的を遂げるために巧の気持
ちを弄んだという罪は消えず、巧も元には戻らない。
 だから巧を失うことを覚悟していた。
 それなのに、目が覚めたとき、巧は環をただ求めてきただけなのだった。
 環の目を覚まさせるために巧が選んだ方法はくちづけだったのだ。
 だから嬉しい。
 本当に嬉しい、許してくれてその上キスしてくれて、もう、他に生きる理由がなくなっ
てしまいそうなくらいに。
143 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/29 10:45:46 ID:d/qwNQAB
「だからね、私は巧くんの言う通りにする。それでも気が済まないかもしれないけど、
全部私に押し付けて欲しいの。巧くんが別れて欲しいなら別れる。顔も見たくないなら
いなくなってあげるから、だから、……でも、……いやだよ、巧くん、いなくならない
で! 巧くんがいないともうだめなの! お願いだから……」
「環さんは約束通り戻ってきてくれたんでしょ?」
 巧が静かにそう言った。
 その言葉だけでなかったことにしてくれようとしている。
「環さん、約束してくれる? 無理に自分達の将来の事、約束しようとしないこと。由
美さんも含めて、隠し事をしないこと。この二つだけでいいから、約束して」
「うん……、うんっ」
 環は巧のシャツの胸のところをくしゃくしゃにしながら、闇雲に頷いた。
 その一方で、巧の身に起こっている異常が未だに頭から離れず、環の心の芯には恐怖
が残っている。
「その上で俺、環さんを今すぐ抱きたいです。時間が少ししかないから、今はちょっと
だけでいいから。姉ちゃんが待ってるから、今日は帰らないといけないし、だから、あ
さって、夏休み最後の日、一日全部俺にください」
「わかった……」
「白黒の環さんも悪くないな。完全に白黒になっちゃうことって滅多にないらしいけど、
でもなんかきっかけみたいなものはつかんだから、もう大丈夫ですよ」
 その一言に、ついに環の感情は抑えきれず溢れだした。
 情熱の全てを使って巧に応じたいのに、巧の意向で自分で脱ぐことができなくて、狂
いそうにもどかしい。
144 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/29 10:46:05 ID:d/qwNQAB
 一枚ずつ、丁寧に脱がされていった。
 一枚剥がされるたび、あらわになった部分に愛撫を受けた。巧も緊張しているのだと
思う。同時に今でも大切にされているという実感に涙が出た。一生かかっても償いきれ
ない債務超過の肉体を、惜しみなく与える。
 最後の一枚が身体を離れるとき、一本の糸がそこに引かれ、巧がその根元に指を這わ
せるのを、上半身をよじって耐えた。
 もう、にちゃりと音が出た。
「巧くん……!」
 早くも訴えて、ベッドの縁に手をかけて巧にお尻を向けた。恥もなにもなかった。巧
の虜になっている自分を見せることで、喜ばせてやりたいとさえ思っている。
 そんな自分を環は知らなかった。
 こんなときにもちゃんとゴムを使って、巧は激しく環の中に押し入ってきた。
 今日は確か大丈夫なはずだったが、そんな失礼なことは巧に言えない。雑念にエネル
ギーを使いたくなかった。
 恋しくて恋しくてしかたがなかったものに中をいっぱいにされ、環は狂乱した。
 罪悪感の混じった灼熱の快楽に身体を躍らせて、巧の動かすのに合わせて懸命に腰を
振った。
(この愛しさがすべて、巧くんに届きますように)
 巧を悦ばせられたことを願いながら、絶頂を迎えた。
 真っ白になりながら、巧をおいてきぼりにしないよう、狂おしく締め上げていく。
145 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/29 10:46:22 ID:d/qwNQAB
 やがて巧の激しい動きが頂点に達し、その力の抜けた全身を受け止めたときに、もう
一度嬉しさに泣いた。
「家政夫代の代わりにここの料金、おごりだって」
「あんだけこき使っておいてラブホ一泊でチャラにする気か……」
 最後に交わした会話がそんな他愛ないものだったので、環はさらにもう一度泣きそう
になった。
 
 *
 
 巧がお昼にならないうちに戻ってきたとき、都はすでに『準備』を終えて待っていた。
 何を求められても平気なように、万事怠りがなかった。
 巧がなにかにつけこういうことに顔をしかめるのが都には心外だったが、自分が冷静
だとも信じていなかったので、比較的気楽に行なって、巧の帰りを待ちわびていた。
 午前中のうちに、はるかは今年最後の海だと言って大勢で出掛けていた。
 つまり今日もまたちゃんと二人きりになれる。
 ただ、巧に引かれるのは悲しいので、さりげないそぶりに徹していた。
 決まり悪そうに自宅の玄関に止まる巧を、背中を押してとりあえずリビングまで押し
込んだ。
 早く部屋まで追い込みたいが、今日は久しぶりの日常のふれあいもちゃんと実感して
みたい。都は、ほとんど恋人のような気分でいたけれど、巧がはっきりと自分の気持ち
を認めているわけではないことも知っていた。
146 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/29 10:46:46 ID:d/qwNQAB
 
 クーラーを聞かせたリビングで、いつも通りの紅茶をいれて、静かに過ごしていた。
 初めてのこそばゆい時間を体験していた。
 つまりお互いに相手の挙動を意識して、牽制しているような期待しているような、ま
るで異性を意識しはじめた中学生のようなぎこちない時間を送っていたのだ。
 間を持たせようと都がいれる紅茶が三杯目になったとき、
「姉ちゃんもたまにはゲームやんない?」
 と巧が助け舟にならないことを言って、
「興味ないから」
 と却下する段になって、ついに都はしびれを切らした。
 ティーカップを投げつけようとして思いとどまり、手元にあったクッションを投げつ
けると、顔面に浴びてそれを取り除こうとする巧の死角から、いきなり接近してソファ
の上に弟を押し倒した。
「いつになったら押し倒してくれるの?」
 なりふり構わない言葉を叩きつける。
「あのな……、これでも心の準備ってもんが必要なの」
「早く済ませて」
 都としては、巧に最初に告白したときから恥なんてないも同然なのであり、巧の往生
際の悪さは見苦しいばかりだ。
「大体、家で待ってろって言っただけじゃん」
147 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/29 10:47:07 ID:d/qwNQAB
 などと巧が言うので、頭に来てTシャツを引っ張ると、派手な音を立ててそれは見事
に裂けてしまった。
 予想外のことだったが、はだけた巧の上体を見て、都は理性を飛ばしてしまっていた。
はっきり自覚できるくらいに欲情してしまった心と身体が、巧に見えていないはずがな
い。あえて手を出さず、身体を押しつけていく。そんなことを都はすでに覚えていた。
 巧を誑かすためならどんなことでもできる。
「なにされても大丈夫にしてあるから」
 と、くるりと背中を向けて、そのまま身体の背面で巧の身体を押しつけた。
 すでに硬くなりきっている巧のものをお尻の下に感じ、情欲に身体をしびれさせなが
ら息を乱していく。ここからは欲望が勝手に身体を動かしてくれる。
「姉ちゃん……」
 巧が息を荒くしながらも、押し止めてきて、
「まだ気持ちがはっきりしているわけじゃないんだ。姉ちゃんのこと好きかどうかまだ
はっきりわからないんだから、待ってよ」
 その困っている様がまた、都の欲望を刺激しているのを巧は知らないだろう。
「でも、姉ちゃんを抱きたいっていう欲望はまちがいなく自分の中にあるんだ……、だっ
て、実際姉ちゃんはエロイんだもん。そりゃヤリたいって思うよ、健康な男だもん。身
内の女が心底エロくていい身体してたら、誰でもちょっとぐらいは思うでしょ、身内じゃ
なかったらなあって」
148 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/29 10:47:29 ID:d/qwNQAB
 巧の方もあからさまな言い方をわざとしているのに都は気付いて、更に身を焦がして
いた。まるで、巧を求めて、肌が自ら巧にすりよっていくようだ。だが、巧を犯したい
のではない。早く、巧に犯されたいのだ。
 巧のやっている『心の準備』と都の身体の動きが二人を交互に追い込んで、
「本当に好きかどうか、わからないんだ。でもヤリたいんだ。それだけでもいいなら、
姉ちゃんに受け入れて欲しい。姉ちゃんと一つになりたいんだ。先の事はわからないけ
ど、自分の気持ちとか、変わってしまうかもしれないけど、今は姉ちゃんが欲しい。そ
れでいい?」
「うん、……いい」
 もう脱がないと汚れてしまうと思い、都はジーンズを下ろした。それをきっかけに巧
が都の上になり、クーラーの冷気にひんやりとさらされた下半身を押し拡げられていっ
た。拡げられるときのその高揚感が都を快楽の熱の中に取り込んでいった。
 吐息が抑えられなくなり、下着が股間に張り付いて限界を訴える。巧がそれに気付い
て、下着の上から擦ってきた。
 強い快感がビリビリと身体を駆け上がる。背中を捻って堪えた。そのうねらせた身体
に合わせて下着を引き抜かれた。
 下ろされていく下着と弟の手が、太腿から脛にも快感を走らせる。
 都が身体を動かすたびに身につけたものが剥ぎ取られ、股間からは抑えようもなく愛
液が溢れていく。ソファが汚れてしまいそうで気にしていると、巧が破れてだめになっ
たTシャツを都の腰の下にあてがうのが見えて、遠慮なく快感に身をゆだねた。
149 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/29 10:47:54 ID:d/qwNQAB
 巧の行為にも遠慮がなくなった。後ろから絶え間なく胸を揉みしだかれ、入れられな
いまでも肉棒をお尻の谷間にこすり付けられている。
 男性的欲求が自分をどのように求めているのかはわからなくても、欲望の対象にされ
ているのがたまらなく嬉しい。自分と弟は今まちがいなく裸の女と男なのだ。
 気付いたときには巧も完全に裸だった。
 ここはリビングだ。見られれば完全に言い訳はきかない。
 巧が背中を吸い始めてきた。これだけはどうしようもない。たちまちどろどろに狂わ
され、めちゃくちゃに掴んだソファの背もたれを剥がしそうになる。
 そして、それに合わせるように巧の指がアヌスを刺激し始めた。
 初めてのときにやったっきりだから、やはり怖い。セックスそのものがまだ慣れない
のと、あの後、とてつもない苦痛を味わったことが身体を怖がらせている。
 それでも、一度やっていることだし、ナンセンスではあるけど巧が彼女の純潔に愛情
表現を重ね合わせているのを感じているから、そこでの交わりにすすんで応じていく。
 穴が十分に拡げられるころには早く入れて欲しくてしかたがなくなっていた。
 巧もゆっくりしていられる状態ではなかったのだろう。すぐに突き入れられてきて、
熱い塊が都の中をいっぱいにしてきた。
 午前中に環と交わって、環を喜ばせてきたに違いないその肉棒の動きは意地悪だった。
 都はだんだんと前と同じ快感と動きを思い出してきて、巧が同じように思い出してく
れるのを感じ、嬉しくて自分からお尻を押しつけるのだが、不安定なソファの上で、まっ
たく快感が得られなかったり、かと思えば強烈に弾けさせられたりと、まるで千鳥足の
酔っ払いのように少しずつ快楽の階段を昇っていった。
150 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/29 10:48:17 ID:d/qwNQAB
 どうせ行為の後には激しい痛みが待っているのだ。もっともっと狂わせて欲しい。
 ついに、はしたなく口に出した。
「もっと、もっと突いて! かきまぜて、イカせてっ、めちゃくちゃにしていいから…
…ッ!!」
 それが巧にどのような刺激となるのかもわからなくなっていた都は、すでに荒れ狂う
絶頂を味わってのたうちまわっていた。
 巧のくれる最高の贈り物を、身体の奥底にこそ欲しいと懇願し、それを果されてまた
意識を弾けさせた。体内でまき散らされた弟の精液は、この後、穴からこぼれ落ちて、
もう一度都を震わせることになる。それまで、弟と身体を密着させて、最後の最後まで
一体感に酔った。
 巧が身体の汗や体液を拭ってくれて、二人で裸のままソファにもたれているとき、都
は、巧に聞いてみたかった質問をした。
「巧、環とするのってどんなふうに気持ちいいの? 私は?」
 そのときの巧の顔がとてもおかしくて、都は夜までそれを引きずった。
 
「普通にはしてくれないのね」
「姉ちゃんが好きだって確信が持てたら、したいと思う……やらせてくれるならだけど」
 セックスについてそんなことを言った。
 もうひとつ、額の二つ目の傷の話をした。
 都は初めて巧につけたあのブーメランの傷をとても気にしていて、それ以来巧をうま
く叱れなくて悩んでいたことがあった。
151 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/29 10:50:14 ID:d/qwNQAB
 これを自分は覚えていたのに巧が覚えていなかったので、頭には来たけれど、これが
会心の一撃になったのだった。
「巧はファーストキスはいつだったか覚えてるの?」
「いきなり、なんだよ、いいけどさ、中二の夏休み前だったっけ。休み時間で英語の先
生に、隙だらけだったから思わず悪戯したくなって、ちゅーって」
「じゃあ、完全に忘れちゃってるのね」
「えっ……」
 巧はほとんど悪夢を見ているような顔で都の話を聞いた。
 つまり。
 子供の頃、先にキスしたのは巧だった。
 巧のファーストキスの相手は都なのであり、このときの諍いで、ファーストキスを巧
に奪われたことでキレた都が巧を本気でぶん殴った、それで巧がソファの肘置きで頭を
強打した結果が二つ目の傷だったのだ。このときも額が割れて大変な騒ぎになった。
 このことで吹っ切れた都はことあるごとに平気で巧を殴るようになった。
 ただ、最初の二つの傷以外で巧が顔に傷をつくることはなくなった。
「ちょっと…………ひとりにしてもらっていい?」
 巧がよろよろと自室に引き上げるのを見送ってから、都は急いでリビングの証拠隠滅
を計り、それから傷の秘密を今の今まで隠しておいた自分に拍手を送った。
 この夜、都は一晩中泣いた。
152 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/29 10:50:44 ID:d/qwNQAB
 嬉しくて、嬉しくて、都は報われて、この日のことを思い出すだけで生きていくこと
ができると思って泣き続けた。
 巧を困らせてやりたくて、嫌がらせに巧のベッドに潜り込んでいた日々の最後に、そ
れなのに求められて、あのときは本当に嬉しかった。
 初めて抱かれて、これで巧がいなくなっても大丈夫だと思ったけれど、今、さらに巧
が歩み寄ってきてくれて、本当の意味で巧のものになれたのが嬉しかった。
 ようやく人生に意味を得たのだと思う。
 
 *
 
 巧はほとんど諦めつつあった。
(簡単に認めちゃったら、今までの俺はどうなるんだ)
 そう思って必死に守ってきた心の拠り所はことごとく粉砕されていた。
 白黒の世界から脱出して生まれ変わるために、すべてが必要なことだったとしたら、
今の自分が本質なんだと思う。
 二人を順に抱きながら、その感触を通して現実感を噛み締めようと、懸命に二人の身
体に溺れた。正確に確実に慈しんで、言葉と身体を使い、心に本当の事を思い出させて
いくのだ。近いうちに自分は元の世界に戻れるだろう。
 自分は姉の本当の魅力を知ってしまった。
 人生には決定的な分岐点といえるものが必ずあって、それがその人の人生のいつどん
なときにあるのか、それは人によってまちまちであると同時に、その結果は人生に大き
な影響を及ぼすのだという。
153 ◆5mSXuZ5GjE :04/11/29 10:51:06 ID:d/qwNQAB
 そういう意味で姉が一生に一度の恋をしているのは疑いがなかった。
 至福のみを追い求めるその姿は実際美しかった。
 その至福を得る最大の機会に都は弟を相手に選び、由美は女の子を選んでしまった。
とても難しい選択の中で、自分が至福を得るためには相手の至福を奪わなければならな
いことに由美は絶望した。
 そのあとの事は本当に一本の道なき道だった。
 でも、全部終わった。終わってしまった。
 確かに、由美のやったことによってしか、自分達三人がみな幸せになる方法はなかっ
たのかもしれない。その極めて分かりにくい道を案内し終わった今、由美は静かに離れ
ていこうとしている。
(由美さんはどうするの?)
 それだけが、染みのように心に残っている。
 今は、巧にはどうしようもなかった。おそらく姉にも、環にも。
 だから、忘れないように心にしまっておく。
 自宅にようやく帰った夜。
 ファーストキスを巡る衝撃の新事実にくらくらしながらも、巧の頭から離れないのは、
セックスする場所と機会の安定供給という微笑ましい問題だった。
 とりあえずあさっての環とのデートをどうするのか、思いをはせた。
 ふと気がついたときは、世界は、いつもの世界になっていた。
154名無しさん@ピンキー:04/11/29 13:12:00 ID:y3qzje6I
お疲れ様です、ゴッド。

物語も収束に向かいつつあるようですね。
今回も大変愉しませていただきました。
次回更新を楽しみにさせていただきますね。







んで。

姉ちゃんの生本番マダー
155名無しさん@ピンキー:04/11/29 14:58:37 ID:tTiwZX7P
GJ!!!!!!
ゴッジョブ!!!!!!

姉との本番も早く見たいけど
この焦らされる感じも悪かぁない。

しかし、当初は予想すら出来んかったくらいの長期連載になったなぁ。
小説サイトならともかく、2chでこんな文章量の連載はそうそう無いだろう。
質、量、速さと3拍子揃った見事な仕事に乙であります。
156名無しさん@ピンキー:04/11/29 17:38:22 ID:zK4DaM0J
GJ!!!!!!!
157名無しさん@ピンキー:04/11/29 20:21:01 ID:zQe73xTJ
これ、エロシーンカットして電撃文庫あたりのコンクールにでも出せば賞取れるんちゃう?
158名無しさん@ピンキー:04/11/29 20:35:32 ID:6GJlnJa8
角川の方が狙い目
159名無しさん@ピンキー:04/11/30 01:26:15 ID:UIop+V4V
まったく、実の姉の都さんも可愛いし年上のお姉さんの環さんも可愛いし
つくづくお姉さん大好き小説の最高峰だなぁ、と。

毎晩このスレリロードするのが日課ですよ!!
160名無しさん@ピンキー:04/11/30 06:13:26 ID:T0kXnEt0
妹萌えも付いてるしお買い得だよなぁ。
161陽炎 ◆76mfWoL0i. :04/11/30 18:25:42 ID:ECFGFhI7

ぐはーーーッ!

たった2・3日目来なかっただけで2回も投下されてる!
さっそく、半裸で一揆読み!
(・・・ドキドキ・・・・ハァハァ・・・・・うッ・・・・・・!)

リアルでROMれてウハウハなのだ〜!



しっかし、萌え・物語・エチ。この水準の高さはただ事じゃねーっす!
しかも速い速い!

この燃え広がる妄想の世界!
こーなったら誰か絵の上手いヤシ、呼んでくんべか?w
162名無しさん@ピンキー:04/11/30 21:55:27 ID:StLSSLV+
>161
つてがあるんなら連れて来い連れて来い!!
163名無しさん@ピンキー:04/11/30 23:34:54 ID:EbfXiGmd
ならば漏れはここであえて
由美×都マダーとかいってみる
164名無しさん@ピンキー:04/12/01 02:34:09 ID:hh6z8Pbm
ゴッド!乙であります。
まったく巧が羨ましい…

>>161
しかしこの話に絵を付けるとしたら、並の絵じゃ許されない感じじゃ…
見たいけどな凄く。
165名無しさん@ピンキー:04/12/01 07:40:39 ID:F1uS3ddG
GJ!!
166 :04/12/01 10:59:00 ID:dU3ZZlab
激しくハーレムエンドの予感
167名無しさん@ピンキー:04/12/01 11:15:11 ID:V+cB+fuH
環都+はるか
がほぼけてーいだからハーレムエンドだね。不満はない。
168名無しさん@ピンキー:04/12/01 19:33:20 ID:N4E5ScVG
都がいればあとは良いです、ってのはむしろ少数派なのか…
169名無しさん@ピンキー :04/12/01 21:47:04 ID:dU3ZZlab
スレ的にはそれが王道かと・・・
俺も一番優先順位が高いのは都ねーちゃんだな。
沢山ある(?)に越したことは無いけど。
170名無しさん@ピンキー:04/12/01 23:30:32 ID:QDztx5KT
ハッピーエンドかつハーレムエンドが見えてきて、なんかもう最高だ。満たされまくり。
いや、ハーレムとは言え、もちろんその中では都ねえ×巧がイチオシなのだが。
171名無しさん@ピンキー:04/12/02 03:43:00 ID:zrIdpDsr
ネタをくれぬか・・・?奇跡的に化学反応したら書ける気もしないでもないかも
172名無しさん@ピンキー:04/12/02 04:18:15 ID:YSR7Ms5N
弟姉母キュウリで4P。
173名無しさん@ピンキー:04/12/02 08:00:46 ID:NN4DkObr
ゴッドが別スレに降臨されました。
相変わらずハァハァですた・・・
174名無しさん@ピンキー:04/12/02 08:22:29 ID:CXw90A+G
妹スレの奴も読みました。
相変わらず素晴らしいッス。
何つーかこの物語の世界観みたいなのが凄い良い。
上手く言えんけど、姉萌え、妹萌えとかじゃなくて(それももちろんあるけど)
この物語の世界を構成するもの、日常感みたいなのが凄く好きですね。

◆5mSXuZ5GjEさんはここと妹スレ以外でも何か書いてますか?
もし書いてたらそれも凄い読みたいな。
将来的には、この世界観からいろんな人の話に派生していくと
凄い面白いですね。
これからも期待してます。頑張ってくだせぇ。超乙ッス。
175名無しさん@ピンキー:04/12/02 08:39:05 ID:80ALtrmm
>>173
URLのうpキボン
176名無しさん@ピンキー:04/12/02 09:17:11 ID:b07fRdIG
1くらい見てからモノ言えやヴォケが。
177名無しさん@ピンキー:04/12/02 09:25:43 ID:NN4DkObr
・・・と腹の中では思いつつも基本的に人のいい俺様は>>175に教えてあげるのでした。

http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1077717174/
178175:04/12/02 11:56:40 ID:80ALtrmm
>>176
これから気をつける

>>177
THX
179 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/03 05:07:36 ID:IK103oBP
>>174
ありがとうございます。
残りはもうあまりありませんが、最後まで読んでもらえたらとても嬉しいです。
(+満足してもらえたら)

別トリップでいくつか書いてますが、こういうのを期待されるなら読まない方が。
でも四月からしばらくエルフスレで書いてたやつは近いかもしれません。
あれを書いてる途中マシンクラッシュ(完全に死亡)して、そのはずみでこっちに来たので、
ノリはそのまんまです。『同級生』ものですが。
180名無しさん@ピンキー:04/12/03 08:15:01 ID:KNLgUfcP
そういえば確かに、雰囲気が同級生っぽいかもしれないですな。
特に巧とかが。
181名無しさん@ピンキー:04/12/03 09:14:01 ID:maK9eTyp
ゴッドの中の人は中山文十郎とか言う珍説を提唱
182名無しさん@ピンキー:04/12/03 09:50:15 ID:Av6lYn+Y
まどみちおが正解
183名無しさん@ピンキー:04/12/03 23:57:43 ID:1Viw0RVv
>>136
「至上の鎖」ということなので
 §
とかどうですか。鎖に見え…ない。すいません。
184名無しさん@ピンキー:04/12/04 00:06:56 ID:yJzCg9zd
最近ハーレムエンド予感の声が多いけど、もしそうなら由美だけ仲間外れってのは
なんかかわいそじゃね?と。

俺は都スキーだから都に幸せになってほしい!
185名無しさん@ピンキー:04/12/04 02:16:06 ID:ssSiZxFI
>>184
続編で俺×由美が始まるから問題ない
186名無しさん@ピンキー:04/12/04 02:51:55 ID:d5mfXxqu
ドリームは(ry
187174:04/12/04 12:47:46 ID:ZP/Or6Uc
◆5mSXuZ5GjEさん、レスありがとうございます。
さっそくエルフスレのも読ませて頂きましたが
すぐに分かりましたw

やっぱりこういう作風が非常に上手いですね。
全然違和感が無くて驚きました。
◆5mSXuZ5GjEさんの作品を非常に楽しみにしているので
これからも頑張って下さい。
188名無しさん@ピンキー:04/12/04 14:04:11 ID:ssSiZxFI
同じく読んできました。どの作品も一緒ってんじゃなく文にしっかり特徴が出てますね
189 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/04 14:43:49 ID:dygqE3Ys
いつもありがとうございます。

テキストファイルの起動がどんどん重くなって、実感します。なんか長いなあ、と。
それがいいことなのかどうかはわかりませんが。

>>183
セクション記号、いいですね。ちょっと使ってみます。THXです。
190 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/04 14:44:09 ID:dygqE3Ys
 34
 
 毎学期、始業式の日には席替えが行なわれる。
 やっと一学期の困った配置から逃れて、今度はどこか隅っこの方になってくれないか
と思っていたのだが、
「またおまえかよ……」
 右に残間清美がいた。
「神様があきらめるなって言ってるのかもね」
 馬鹿みたいに屈託のない笑顔が少し挑戦的だ。
 よく見ると、さらに右に大橋守がいて、巧の方を見て肩をすくめた。
「……」
 真夏と変わらぬ酷い残暑の中で、なにも言う気になれない。
 クラスの誰もが夏休みの巧のことを知らない。知られても困るが、もうちょっといた
わって欲しいと思う。清美は、頭に来るくらい健康的に日焼けをしていて、少しまぶし
かった。
 始業式の前後の担任吉見の話を聞き飛ばし、巧は久しぶりに参加するサッカー部のミー
ティングのことを考えていた。
 朝一で部長の遠山から、システムが変わるということを聞いていたからだ。
 ポジションごとに専門職を置くため、このシステムの変更がレギュラーのポジション
争いに影響を与えることが多々ある。
191 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/04 14:44:25 ID:dygqE3Ys
(わざわざ俺のとこにまで来るなんて、まめだね)
 進学組ではない遠山は、他の一部の三年生とともに冬の選手権予選にも出場する。イ
ンターハイ予選の好成績に味をしめたのか、今年の三年はあきらめが悪い。
 普通新チームへの移行は早い方がいいのだが、巧としては補欠に甘んじ、出番は後に
してもらった方がありがたい。何故なら、このまま順調にいけば春からは姉も環も都心
に出て、気楽に会えなくなるからだ。今はむしろそっちに時間を割きたいと思っている。
 それなのに巧はレギュラー組のリベロを言い渡された。
「しかもシステムを4−5−1にしておいてリベロってなんの冗談ですか」
 だいたい自分はサイドアタッカーなのに。そもそもリベロというのは、ディフェンダー
なのにボールを持ったらディフェンスを放棄するのが仕事という難易度の高い(イカレ
た)ポジションであり、素人がやるとたちまち愉快なことになる。それに、普通ゴツイ
人がやるものだ。
「トップリベロでもいいぞ。おまえに任せる」
 それにしたって、フォワードなのに守備になったらセンターバック並みに守備をしな
きゃならない。イカレ具合はどっちもどっちだ。
「俺、ホケツがいいナー」
「夏合宿ぶっちぎったお前に選択の余地はねえ」
「個人依存のシステムはよしたほうが……」
「大丈夫、代わりはいないから」
 意味不明だ。
192 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/04 14:44:51 ID:dygqE3Ys
 ミーティングは、なぜかいつのまにか三年と巧だけになっていて、マニアじみたシス
テム談義に巻き込まれ、
(環さんの水着姿一度も見れなかったなー)
 などとぼんやりするたびに突っ込まれ、ミーティングは次第に巧をいじめる集会のよ
うになってきた。よってたかってレギュラー陣に叩かれる。
「足だけは異常に速いんだけどな」
「待鳥のオーヴァーラップって変だよなあ」
「変って、フェイントとか全部だよっ、練習でもさ、守っててすげー守り辛いの」
 つまり先輩達が言うには、誰もついていけないところに走るし、パスを出すし、得体
のしれない謎の動きをするので味方が誰も反応できなくて、結局孤立して攻撃の形を崩
してしまうのだが、
「あれにがんばって合わせようとみんなやってたじゃん、あれがよかったんだよな」
「なにがなにやら」
「待鳥のとこに大川入れただろ? そしたら、待鳥で酷いボールに慣れてるからちょっ
と失敗気味のパスとかでも綺麗に繋がるようになってさ、面白いように勝てるようになっ
たのよ。そんでだんだん大川のペースに慣れてきたらヘタレちゃって、そこで敗退」
「…………俺って噛ませ犬?」
「評価してるんだって」
 遠山がそう言ったように、巧の感覚をベースに組み立てていくつもりなのか、
193 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/04 14:45:24 ID:dygqE3Ys
「おまえの動きは特別にサイドアタック向きの動きってわけじゃなくてさ、相手に予測
させない起点の部分でこそ活きると思ってるんだけど?」
(そりゃまあ、はるかや姉ちゃんの意表をつくためなら、どんな技でもマスターしてき
ましたよ、ええ)
 そんなものを当てにされるのも微妙だ。サッカーってなんだろう、と考え込んでしま
いそうだ。
 そんな間にも(水着見たいなあ……)と思っている。
「だからってボランチとかトップ下できるほどテクないしな、こいつは」
(気にしてるのに……)
 というか、テクニックのない選手を起点にするのはどうかと思う。だから、
「そんなやり方で、ちゃんとしたとこに勝てるとは思えないけどなー」
 とあくまで正論をかざしてみる。
「そういう真っ当な意見を言うやつがああいうプレイをするのが理解できねえ……」
「ていうかさ、強くなるより、俺ら面白きゃいいんよ」
「おまえだけ倍練習して上手くなれば、面白いついでに勝てる!」
「点なんてなにかのはずみで入るんだからな」
 そうだ、もともとそういうところのあるサッカー部だ。つい気が弛んでしまって、
「水着……」
「あ?!」
(やべ、口に出ちった……)
 と思ったときには全員に睨まれ、
194 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/04 14:45:49 ID:dygqE3Ys
「そういや、こいつ外岡とつきあってるんだっけ?」
「いや、今はそうじゃなくって……」
「いい思いしたらそのぶん、働くべきだよなぁ」
「俺達の中に何人未体験がいるか知ってて言ってるんだろうな……」
 未体験という言い方がもうすでにテンパッている。
 巧はなすすべなく突っ伏した。
 全員が知っているのは、やっぱりどうかと思う。
 
 §
 
「というわけで、僕はサッカーに青春を捧げることになりました」
「誰が僕よ」
「姉ちゃんのかわいい弟」
 声もなく都が俯いた。藪蛇だ。どんな顔をしていることか。
「今日はもうお勤め終了だから、帰ろ?」
「うん」
 姉のはっきり楽しそうな顔をまぶしく眺め、前と少し違った気持ちで、連れ立って帰っ
て行く。歩くときの距離が近くなった。
 巧はまだ、本当に自分は折れてもよかったのか、考えている部分がある。
 二学期は何事もなかったように静かに始まり、その初日は巧と都は二人だけで帰った。
195 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/04 14:46:24 ID:dygqE3Ys
 しばらく、環とも姉ともなにもなく、学校中が文化祭の準備に入った頃、久しぶりに
環と二人きりになる機会を得た。
「で、そんなに水着が見たいの?」
「そういうふうに言われるとマニアみたいでやだ……」
「巧くんがマニアになったら私もいやだけど」
 と環は笑い、
「私も、巧くんと海行きたかったな……」
 巧は、もたれかかってくる環を狂おしく抱きしめた。その日、環の水着姿を披露して
もらったのだが、
「家の中で見てなにが嬉しいんだよ、嬉しいけど」
 と言いながら、(海で見たら絶対、勃つよな……)と思って、複雑な気分になった。
その立ち姿があまりに綺麗で艶かしくて、それを他人に見せたくないと思う。
(姉ちゃんにも同じことを感じるんだろうか)
 今ならそうなのかもしれない。
 その後その格好のまま風呂に入って、やたらと盛り上がってしまったせいで、環の中
では巧は水着フェチということになった。
「そういえば、巧くん、最近都がやたらもててるの、知ってる?」
 繋がったままで、姉の話をしている。とても不思議な時間。
「前からもててはいたような」
「誰かさんのおかげで都、明るくなったでしょ」
196 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/04 14:46:51 ID:dygqE3Ys
「なんか、もともとああいう人だったような気がするなあ。表に出せるようになってき
たっていうかね、いいことなんだろうけど」
「そうなんだ。クールが売りだったのに、すっかりイメージチェンジしたせいで新しい
ファンがついてんのよね。それと由美がね」
「由美さんが?」
「また普通に遊んでくれるようになった」
 環は心底嬉しそうに笑った。
 だから巧は、あえてそれを腰を突いて崩してみた。
「や、あ……巧くん、ん……まだ由美のこと根に持ってるのね」
「全然。ていうか、むしろ環さんが」
「私、本当はなにもしてないのにな」
「それは、実は気付いてた」
 巧は、頼子の部屋で由美の涙を見たときに、そう思った。でなければ、今も根に持っ
ていたかもしれないが、由美自身の事については問題ではなかった。
「キスくらいはあったと思ってるけどね」
「否定しないけどっ」
 環はそれ以上は行動で、とばかりに両足を巧の腰に巻き付けていく。
 そこからの時間は、また以前のように他人の介在できない二人だけの世界となる。
 巧にはそれが一番嬉しい。
197 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/04 14:47:15 ID:dygqE3Ys
 
 §
 
 文化祭直前のある日、巧と都達は首を揃えてある下駄箱の前にいた。
 二年と三年の下駄箱の間にある誰も使っていない何列かの『空き地』に、『ごめんな
さいボックス』と呼ばれるところがある。
 男子用と女子用の二つ。無地のブルーとピンクの紙が入れてあってよくわかる。教師
の間でも黙認されているらしく、それはずっとそこにあった。
 都は毎日のようにそこに通う。もらって開封したラブレターをそこに返すのだ。使用
中の場合はその下に、悪意ある悪戯をするものは少なく、淡々と利用されているらしい。
無関係の人間が見るのはマナー違反だ。
 都はもう専用に近い箱の一つを開き、ばさっと今回分を載せる。
「中学の時と同じなんだよね、これって」
 由美が普通に話し掛ける。中学では人を介して行なわれていたこの風習が、奇妙にシ
ステマチックなのがおかしい。
「こういう定着する習慣って面白いよね〜」
 巧は下駄箱の蓋をじっと眺める。もし自分が姉に対する気持ちを認めるなら、やはり
自分から告白するべきだろうと思っていた。まだ認めてはいない。
(どうせ毎日顔突き合わせてるんだから、あえてこういうラブレターみたいなのも、い
いのかもね)
 ふと、姉の視線を感じて思考を振り払う。
198 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/04 14:47:47 ID:dygqE3Ys
 考えたことがばれてやしないか、ドキッとした。
 
 それでも、普段巧達のうち誰かしら都のそばにいるせいで、直接都を呼び出す勇気の
ある者は少なかった。いたとしても、屋上に呼ばれて、
「私、好きな人がいますから」
 と都に頭を下げられたら、涙をのんで引き下がるのみだ。
 巧は環と連れ立ってこっそりそれを立ち聞きしたりしたが、そういう時の姉の目には
まるで曇りがなく、誇りのようなものさえ感じられた。
 たまに、食い下がる者がいる。
「その好きな人って誰? 教えてくれないとあきらめきれないよ」
 本当に真剣な、そういう訴えかけにも、都は毅然と受け答えをした。
「私自身の気持ちの問題だから。あの人には一切迷惑をかけられません」
 それでも引き下がらない者の中に、実力に訴えようとする者があった。
 都がそのとき手のひらではなく拳を用いたのには、覗き三人組も驚いて顔を見合わせ
てしまった。巧は姉の存在を感じないわけにはいかなくなってきていた。
 それでも。
 やはり不自然なのだ。
 一対二の関係もそうだし、姉弟ということもそうだ。
 目の前の姉の鉄壁ぶりを見るにつけ、その心を大きく動かす誰かの出現を願わずにい
られない。だが姉の目はすべての男をはねつけてはばからない。
199 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/04 14:48:12 ID:dygqE3Ys
 文化祭の当日になり、巧はサッカー部の催しにかり出され、なぜか園芸部を手伝わさ
れ、ろくに遊べないままにもう夕方になろうという頃、何人かの男につきまとわれてい
る都と由美に出会う。
 その時にさえ、巧が割って入る間もなく都は他校生らしきその男達を鮮やかに撃退し
た。
(あ、すげえ……、俺も食らったことないぞ、あーいうのは)
 一人を殴り、もう一人がその腕を掴むと、即座に頭突き。さらに反対の男に蹴り。
 いわゆるお約束の「このアマ!」が出ないうちに巧は連れていたサッカー部員といっ
しょに間に入ったが、なにもさせてもらえないのもなんだか寂しいと思った。
 サッカー部で三年生のいじめに耐えながら日々を過ごしていると、相対的に環より姉
と過ごす時間の方が多くなり、そういう機会も増えることになった。
 休日にはできるだけ環と過ごし、普段は、練習に疲れて寝ていると潜り込んでくる姉
を、腕の中に入れて眠る。朝ははるかに見つからないよう、早いうちに起き出す姉が起
こしてくれる。
 姉は露骨に求めてくることはなかった。
(気を遣うことをおぼえてくれてなによりだ)
 実際には、姉は今はそういう安らぎを求めているだけなのかもしれない。
(でも俺は辛いんですけど……)
 姉の身体に対する思い入れが強くなる。
 腕の中の姉は性急さの消えた自然な柔らかさを巧に伝えてくる。
200 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/04 14:48:38 ID:dygqE3Ys
 幸せになって欲しいという気持ちが第三者的なものかどうかはまだわからない。
 
 §
 
 中間試験の直後に、体育祭が行なわれる。
 もともと足だけが取り柄だった巧は期待されていて、当然のように短距離走とリレー
にノミネートされてしまった。出場組は巧と環で、都と由美は応援組だ。
 一年の間ではクラス単位の大掛かりな賭けが組まれていて、優勝したクラスは他のク
ラス全体からファミレスをおごってもらえることになっていた。
 運動部員を多く抱える一組が言い出したのだが、ギャンブル好きが多かった五組と六
組、こちらもメンバーに自信の三組、これらのクラスが乗ると、即決した。
 巧達は六組だ。
「だから、な」
「な、じゃねえ……」
 巧は七種目に出場する羽目になっていた。環たちにウケた。
「私たちがマネージャーしてあげる」
 受験モードでやる気のない自分達のクラスそっちのけで、都と由美、出場種目のない
ときは環も。
「なんか間違ってると思わねえ?」
 羨ましげに不平を言うクラスメイトに、
201 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/04 14:49:02 ID:dygqE3Ys
「七つも出しといて勝手言ってんじゃねえ!」
 と、このときばかりは巧は姉達をそばに置いておくことに躊躇しなかった。
(誰かバイト代払え……)
 その憤懣をそのままぶつけて最初の百メートルを軽くこなしてくると、次は男子リ
レー。障害物と二百を終わらせて戻ると、もうふらふらになった。さすがにこのところ
の部活でのしごきでスタミナがついているのだが、きついものはきつい。
 昼はみんなで持ち寄った弁当を死ぬほど食べさせられ、そしてクラスメイトに特等席
を用意させてそこに環と陣取った。
「百とリレー取ったからもういいだろ、午後は誰か代わってくれ」
「馬鹿か、おまえは。トップの可能性がでてきたんだ、全部走り通せ」
 クラスの女子までが『ファミレス』に目を血走らせて、
「待鳥くん、パンチラでもなんでもしたげるから、がんばるのよっ!」
 完全に尋常じゃない。
 全七組の全員で持ち寄った一人千円の資金を考えると、クラス全員が好きなものを好
きなだけ食えることは疑いなく、みな必死だ。
(パンチラ、別に見たくないし)
「がんばんなきゃよかった……環さん、なんかご褒美くれる?」
「都と二人でサンドイッチしてあげようか」
「…………いらない」
「ちょっと間があったけど?」
202 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/04 14:49:40 ID:dygqE3Ys
 環はにっこりと笑う。
「い・ら・な・い」
「待鳥くん、赤くなってるよ」
 横から突かれると、
「残間、うるさい」
 午後一の混合リレーで彼女からバトンを受ける。そのすらっとした体操服姿を見てい
ても、やっぱり陸上部かなにかが似合うと思うのだが、文化祭で熱く(なぜか)盆栽を
語っていた表情は本物のようで、巧同様あくまでイベントとしてこの体育祭を楽しんで
いる。
 巧が三位で受けたバトンを二位で完走し、六組はじりじりと順位をあげた。
 そして、最後の騎馬戦を除けば最大の難関といえる四百メートルに挑む。
 
 巧が走り出したとき、都はそれまでの競技と同様、まばたきを忘れて巧の姿に見入っ
ていた。
 巧は昔から足だけは速く、それだけで子供の頃というのはもてるものだから、当然運
動会などでは人気者だったのだが、いかんせん天の邪鬼だった。
 巧のこういう姿をちゃんと見るのは初めてといってよかった。
 都は本当に、普段のたちの悪い悪戯ばかりする巧とはまるで違った真摯な顔を見せる
巧の姿に溺れていた。躍動する姿は美しくさえある。
 本職の陸上部には届かず、これも二位に終わるが、そんなことはどうでもよかった。
203 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/04 14:50:06 ID:dygqE3Ys
 都は泣いていた。
「巧が……好き……大好きなの……」
 本当に巧がかっこいいと思う。かっこよくて、優しくて、どうしようもなく愛おしい。
 横でいっしょに応援していた環に気付かれ、抱き寄せられる。
 溢れるものがまるで止められなくて、都は吐き出し続けた。
「こんなに好きで堪らなくて、もうどうしようもないと思ってたのに、あの子が受け入
れてくれて、嬉しいの、本当に嬉しいの……受け入れてくれるなんて、欲しがってくれ
るなんて……もう、どうにかなってしまいそうなの」
 よしよし、と撫でてくる環のことにも気持ちは広がっていく。
「環、ごめんね、環、私、どうしてももう、やめられないの、あの子がいないともう生
きていけない……」
「わかってるって」
 環は、涙のまったく止まらない都と、反対側に来ていた由美の頭を押さえ、戻ってく
る巧にかける言葉を自分自身失っていた。
 言葉で伝えられるような気持ちではないのだと思う。使える言葉などもうとっくに使っ
てしまっているのだ。
 
「さて、コンスタントに点数を稼いだわが六組は、騎馬戦で一組より上にくれば優勝!」
「んなことはどうでもいいから、酸素くれ、酸素」
204 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/04 14:50:30 ID:dygqE3Ys
 盛り上がっている横で、女子が持ってきたボンベに飛びついてようやく一息つきなが
ら、巧はその騎馬戦にも出ることを思い出した。
「待鳥は上でいいぞ」
「戦闘中は上の方が疲れるんだっての」
 もううんざりという顔をする巧に、
「しばらく後ろに隠れて回復してていいんじゃない?」
 由美がうちわをぱたぱた振りながら、巧を労う。
 実は、由美が作戦に口を挟み、その作戦の出来のよさでクラスの主力陣を唸らせてい
て、さかんに打ち合わせをしていた。食い放題がかかっている。
 トラックを含む広いエリアが空けられ、ほぼ男子の全員が出場する騎馬戦が始まった。
 とにかくこれで解放されるのだと、巧はそれだけしか考えていなかった。
 どこから持って来たのか、怪しげな戦意高揚音楽が大音量で流れ、アナウンスに合わ
せて全部隊が全学年奇数組と同偶数組にさっと分かれ、紅白の鉢巻を巻く。
(いいからはよ終われ、まじで)
 ふと目に入った環にいいかげんに手を振って、巧の乗った馬は、最後尾についていた。
205名無しさん@ピンキー:04/12/04 16:47:57 ID:Y0TIZKu2
グハァッッ!!
都ねーちゃん萌えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
萌え死ぬ・・・俺を萌えさせ殺すつもりか・・・
(*´Д`)ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァはぁjkしゃlh

乙ですGJですゴッジョブです、あんたマジ神だよ唯一神だよ・・・
206名無しさん@ピンキー:04/12/04 18:42:29 ID:ssSiZxFI
TEXTをEZアプリにして携帯に放り込んでます。うひょうGJ!
207名無しさん@ピンキー:04/12/04 18:49:28 ID:Ey9yPMW3
(・∀・)イイ!!
208名無しさん@ピンキー:04/12/04 19:16:47 ID:nWSFB4bF
神スレage
209名無しさん@ピンキー:04/12/04 22:33:11 ID:bGUVwaY/
いつもいつもGJ!!!
210名無しさん@ピンキー:04/12/04 23:27:51 ID:hnnRw5ao
都お姉ちゃんかわゆすぎだよ!! 拳で戦う可愛いお姉ちゃん大好き!!
211名無しさん@ピンキー:04/12/05 07:59:38 ID:4qzsC8B+
あぁ…たまらんばい。たまらん。
212名無しさん@ピンキー:04/12/05 11:16:22 ID:VzA5HxRc
強いな都姉ぇ。巧いじめで鍛えられた技が唸るぜ!
暴力とは無縁そうなルックスと高い戦闘能力のギャップが素敵。
213名無しさん@ピンキー:04/12/06 01:03:53 ID:RGgzFlhh
ああ、残り少ないんでつか・・・
姉ちゃんと本番やって終わりですかね。
何か終わっちゃうのを考えると寂しいですね。
214 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/07 04:40:30 ID:+o+P/bsG
 35
 
 巧は都の視線に気付いていた。
 むしろその意識が結果につながっていたと言えるかもしれない。
 最も苦しい四百を、都のために走ったと言ってもよかった。
 だから、走った後は姉の顔が見られなかった。勝てなかった悔しさと、姉を意識して
しまった恥ずかしさと環に対する後ろめたさ。騎馬戦の準備にそのまま取り組んだ。
 酸素補給はクラスの女子に頼み、由美の話を聞いていた。
 毎年行なわれるため上級生ほど有利ではあるが、所詮素人の寄せ集まりである。そこ
までするかと思うくらいに綿密に準備を行なうことでかなり力の差が出てくる。
 馬の意志統一、編隊行動、全体行動それぞれの連係がモノを言うのである。
 そこで、馬の移動は携帯のナンバープレートの5を中心に見立ててやれば、相対方向
を迅速に確実に上の人間が指示できるので、やること。下の三人は全方位に気を配りな
がら、敵の接近を上に伝える。その馬を必ず三騎一組で動かして、敵を数的優位から各
個撃破する。その三騎編隊をさらに一つの部隊に見立て、相互に連係する。この連絡役
をする馬を一騎用意する。都合十騎を一組にして、できるだけ、優勢な敵には近付かな
い。近くの味方と連係してから対応する。
 学年を超えて奇数クラスと偶数クラスに分かれるので、上の学年にも伝える。
 ──というような内容を、由美に甘ったるい喋り方で説明されて、みんなくらくらし
ていた。
215 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/07 04:40:52 ID:+o+P/bsG
(由美さん、やりすぎ。でも楽しそう)
 敵も無策で来るとは思えないし、今回は、やりすぎるだけの理由もあるし。
 戦闘が始まると、食べ物の名前を口走りながら突出する馬が続出し、たいていは乱戦
になって損耗していった。だが、冷静な部隊も結構あって、的確に近くの敵を潰してい
くのを見て、巧はその後ろにつけようと、指示を出した。主に後ろに回り込む敵に対応
していく。
 最初の馬鹿みたいなつぶしあいが過ぎると、だんだん敵味方共に連係の取れた、動き
のいい部隊だけが生き残り、巧もその後ろにちゃっかり随伴する。
(面白れえな、これ。ミリタリーマニアの気持ちがちょっとわかる)
 最後まで無心で戦って、というより逃げ回って、気付くと、総力戦終了の合図のピス
トルが鳴り、巧達は一騎討ち勝負に生き残っていた。
 味方が十五騎ほど、敵は十騎ほどしか残っていない。ここから一対一の勝ち抜き戦で
勝敗を決める。一年生の部隊は三騎。巧はほぼ体力を回復していた。
 どのみち一年の馬から順に出ることになるので、最後までは残れまい。
(少なくとも一騎は倒したいなあ……)
 環たちのいる方向を見た。傾き始めた夕日がまぶしく、いまいち誰が誰やら見分けが
つかない。十五騎のうち、二番目となり、そして一騎討ちがはじまった。
 この一騎討ちには、相打ちがある。最初の一騎がその第一号となり、たちまち出番に
なった。一騎目。
「じゃんけ──」
216 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/07 04:41:17 ID:+o+P/bsG
 巧が合図を取り、相手が一瞬『?』と警戒して、守ろうと切り替える瞬間に、鉢巻を
かすめ取った。
 
「ねえ、巧くん今、じゃんけんしてなかった?」
「超奇襲技だねっ、一回こっきりの」
 緊張している相手に隙をつくるのは単純な方法ほどいいので、あれは逆にセオリーと
も言える。二騎目はそういうわけにもいかないと思ったら、正攻法でいきなり奪い去っ
た。また一歩勝利に近付いた偶数組が沸く。
「すっごーい」
 由美の屈託のない声に顔をほころばせながら、環は都を見下ろした。
 都はただじっと見ている。
 巧が三騎目も四騎目も倒していくのを、見ていた。
 
 §
 
「ところで巧くん、ご褒美はいいの?」
 五騎目の二年生に負けた巧は、力つきて体操マットの上で寝てしまって、起きたとき
には後片づけもあらかた終わって、戦勝パーティの予約取りにクラス委員が走っている
ところだった。
 すぐそばに環が一人で腰を下ろしていた。
217 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/07 04:42:06 ID:+o+P/bsG
 姉はいない。校内では環が公認彼女なので、こうなるのは妥当なのだろう。
「うーん、例えば、まだ早すぎて言えないコトとか」
「婚約指輪、とか」
「それは飛び過ぎ」
「あは、そっかあ、そうだよね。巧くんにはまだ二年あるんだもんね」
「いや、あの、俺はその気ありますよ」
 その巧の言葉に、しばらく見つめあった。
「ただその前にね……」
 巧の話の続きを促すように、環は巧と並ぶ体勢になった。巧はそれを待って、
「俺、姉ちゃんが好きかもしれない」
「そっか……」
「俺は姉ちゃんを甘く見てたよ、もうしぶといのなんの」
「振られたら、そこでもう人生終わりだもんね……死に物狂いになるわよね」
「それなんだけどね」
 巧はマットにまた身体を倒し、環が横に続くのをまた待って、
「姉ちゃんが女の子に見えないわけじゃない、でも、『姉ちゃん』って部分がまだまだ
大きすぎると思ってた。でも今日の姉ちゃんは……純粋に綺麗だなって思ったし」
「たぶんそれは巧くんのせいだよ」
「どうして?」
 巧は、競技で離れている間の都のことを環から聞いた。
218 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/07 04:43:20 ID:+o+P/bsG
 半年前なら笑い飛ばしていたかもしれないが、今の巧には冗談ごとではなかった。
 今どき映画でもそんなベタな話はない。だけど、胸が熱くなる。
「俺なんてただのスケベなガキじゃん。なんで?」
「それは、私にも言ってるのよね?」
 咎めるような、環の抑揚のない言い方にドキッとして巧は顔を向けた。
 環はにんまり笑っていた。
「……」
 どうにも、環のこの手口には慣れない。そもそもこの人には顔向けができないはずな
のだから。
 環はそんな巧を見放すことがない。
「巧くんはさ、もし巧くんが都のこと好きになっちゃったら私が離れていくんじゃない
かって思ってない?」
「ちょっと、思ってる」
「やっぱりなー……ちょっと寂しい」
「ごめん。でも、本音だし」
「そうだね。──ね、巧くん」
 環が巧の手を取った。約束をしたがっている手だ。巧は、決して拒むまいと思う。
「私を奥さんにしてくれたら、一生二人を守ってあげる」
「うん」
「二人を白い目で見るような人とか、社会とか、なにもかも、全部から守ってあげる…
…」
219 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/07 04:43:50 ID:+o+P/bsG
「そんなわけにもいかないよ、環さん──」
「やるんだから、私だって今はそれしか考えられないんだからっ」
「うん」
 巧は、静かな気持ちで、環の言葉を受け止めていた。
「ま、だいぶ先の話になるけどね」
 それは、魂に刻みつけるような、そんな約束だった。
「巧くん、都と、するんだね」
「うん」
 あれから、機を見て環には話してあった。ゴムを隠されて頭に来て後ろでやったと言
うと、案の定大笑いをされたのだが、これで本当の意味で環と都は対等になる。
 環は、着がえてくる、と部活棟の更衣室の方へ消えていった。
 
 §
 
 それからすぐにというわけにはいかなかった。
 初めての場合、ゴムは女の子の苦痛を大きくするらしいという話を聞いて、またスケ
ベ心が湧いてきて、ゴムなしを決意し、
「姉ちゃん、安全日見つけといてね」
 と、身も蓋もないことを言った。
 そのときの都の表情は巧にとっては永久保存ものだったのだが、残念ながら手元にカ
メラはなかった。
220 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/07 04:44:16 ID:+o+P/bsG
 受験シーズンに突入し、大半の三年生が慌ただしい生活を送る中、巧の周りはいたっ
てのんびりしたものだった。
 由美は東大早慶どれでも合格確実のお墨付きだし、都も推薦が決まっていた。環は専
門学校へ進んで、美容師になるという。巧がヤンキーのなる職業だと言うと、こればか
りは環に殴られた。
 そして、巧の方はサッカーの予選を戦っている。
 例のフォーメーションで緒戦をなぜか大勝した桐高サッカー部は、その勢いのまま三
回戦まで勝ち抜いていて、そこで正念場を迎えた。
(これでいいのか、高校サッカー)
 などという心配も、優勝候補を前にして、もう必要ないと思われた試合。
 主将の遠山がいきなり、
「待鳥、右ウィングやれ」
 などと言い出し、春の最初の頃の布陣で望んだことにより、敵が混乱した。プレイメ
イカーをつぶすのは守備の基本だが、相手がそれをそれまでの試合の巧に見立てていた
とすれば、さぞかし守りにくかったのだろう、焦点を絞り込まれないうちにかけた速攻
で、巧のセンタリングから先制し、前半を終えてしまった。
「びっくりですな」
 巧に代わり、そのポジションに入って敵をおちょくっていた二年の大川がとぼけてみ
せると、
「このまま後半、持たないよなー?」
 よりによって遠山が呑気なことを言う。
221 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/07 04:44:44 ID:+o+P/bsG
 巧はこっそりトイレに逃げ出し、外で時間いっぱい環といっしょにいた。都はスタン
ドにそのままいるらしい。これは無理もないことなのだが。
 巧としてはサッカーは楽しいけど、十分楽しんだし、もう勝ち上がりたくない。
「そんなこと言わずに頑張ってみれば?」
 同じ体育系の環はそれを少し惜しいと思っている。
 巧の言い分としては、クリスマスはいっしょに過ごしたいので、それまでに姉との約
束を果しておきたいのだ。時間の余裕があまりない。
 そしてその日はすでに確定していた。
 明日だ。
 明日の月曜、昼間をずる休みして空ける予定なので、勝ち進んでその日も練習なんて
ことにはなって欲しくない。
(10日ほどの安全期のうち、誤差とか考慮して本当に絶対どうしても安全なのは三日
ほどで、それが土曜〜月曜、ベスト・オブ・安全日と思われるのは日曜、つまり今日……
ああ、貴重な一日が流れていく……)
 無理矢理聞き出した話では姉は滅多に狂わないということだが、それでも心理的には
ぎりぎりで、だからといって周りの人間に説明するわけにもいかないし、どうしても明
日以外にない。
 ──とかいうことは、そもそも巧のスケベ心から出た事態なので、環にはとても言い
にくい。『私は結構狂うから駄目だなー』なんて普通に返されるのもある意味困るし。
 その気持ちの高ぶりを環とのキスでごまかした。
222 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/07 04:45:16 ID:+o+P/bsG
 罰当たりだがしかたがない。それを罰当たりと感じる心を変えていかないといけない
のかも知れないし。
 
 後半のキックオフの直前までそんなことを考え、スタンドのどこかにいる姉を思う。
(勃ちませんように)
 そのお祈りが効いたのか、落ち着いて、巧は後半も切れのいい動きを続け、敵陣の左
サイドを脅かし続けていた。マークがさらにきつくなって、やがて、悪質なバックチャー
ジを誘った。
(最低だな……)
 そう相手の選手に対して思っていたはずが、自分に対する評価にすり替わっていた。
 欲望を優先する汚さが、なぜ女の方から求められているのか、そしてそれにつけこむ
ように自分はそれを良しとしている。
 かなり深い位置からのフリーキックとなり、闇雲な波状攻撃を繰り返した末に、思っ
てもみない二点目が入った。
 そこでチームの気持ちが少し変わった。
 もしこれに勝てれば、ずっと上にいけるかもしれないという緊張感。つまりプレッ
シャーだ。
 『全国』を意識して、それを乗り越えられるほど、チーム力はなかった。
 
「あれ、姉ちゃんは?」
 巧は、試合後のミーティングをほっぽって環達のところへ飛んでいったのだが、
「試合が終わったら、あっという間に逃げちゃった」
223 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/07 04:45:54 ID:+o+P/bsG
 環がひとり楽しそうに笑っていた。環には明日やるとだけ言ってある。
「今からさっそく準備でもするんじゃない?」
「……」
 想像できてしまうのが困る。
 巧は、姉の思い入れの強さに接するたびに、いまだ不安になる。姉を抱いてしまって
からも本当に環はずっと自分の隣にいてくれるのか。そんな風に笑っているのは、どう
してなのか。
 環が巧の表情を見て、ちょっと来て、と物陰に誘った。
 巧は、正直なところ明日を心待ちにしている。これは事実だ。だがそれは下半身の事
情であって、巧という人間を構成する魂の大部分は環のものなのだ。
 それをわかって欲しいとずっと思っている。
『彼女公認の浮気』なんていう、それこそ浮ついた言葉を思ってしまった。
 まったくこういう気分には慣れない。
 その『彼女』に引き寄せられて、巧は労われるように、環の唇を受け止めた。
「巧くんはまだ私のこと信じてくれてない」
 咎められて、巧は言い返せなかった。
「普通じゃないかもしれないけど、これだって現実なのよ?」
「信じてますよ。でも明日のその先は信じてないのかも」
「都に、そんなにまで愛されてるって思う?」
「あの人はもうずっと溢れかえってますよ。それに流されてみたくもあるんです。だか
ら、それにまでつきあってもらえる自信はない、ってことかなあ……俺自身が」
224 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/07 04:46:36 ID:+o+P/bsG
「私……たぶん、巧くんにはわからないかもしれないけど、表現が違うだけで、あの子
より私の方が巧くんを好きよ。自信があるわ。絶対放さない。だから──」
 環は顔を伏せ、
「離れていかないで……」
 しがみついてくる環を、胸を詰まらせながら強く抱きしめる。
 そこまで言わせてしまって、そうしてやっと、巧は安心して姉のことを受け入れるこ
とができる。
 
 §
 
 都は玄関で、少しふらついた。
 用事があって応援にいけないと残念がっていたはるかは、まだ帰っていない。
 逃げるように帰ってきてしまった都は、自宅に誰もいないので少しほっとしていた。
 お膳立てがすでに整えられていることを意識して、巧の顔をとても見ていることがで
きなかったので、逃げてきた。今からこんなことでは心臓が止まってしまうかもしれな
いと思う。
 自分のベッドにうつぶせて、顔が弛んでしまうのを止められなかった。
 たまらなくなって、丸めた布団を抱え込んで抱きしめてみる。
 イメージに追いつかない。思いあまって巧のベッドに押しかけ、シーツに残った弟の
匂いを吸い込んだ。
 初めて巧に抱きしめられてからもうすぐ半年になる。
 あのときから、裸のままでそうしてもらいたくて、本当に諦めずにがんばってきた自
分を愛おしむ。胸が潰れて、死んでしまってもいいと何度思ったか。
225 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/07 04:47:09 ID:+o+P/bsG
 下着が汚れてしまって、シャワーでごまかし、また新しい下着を汚してしまった。
 あと何時間ぐらいだろう。
 下着を取り換えるのをあきらめ、欲情に任せて目を瞑っている。
 そこに唐突に弟が現れた。
「……どうして?」
 部屋に入ってきたジャージ姿の弟は、自分のために他の用事をすべて飛ばしてきたの
だと思い、身体を起こして迎えようとする。
 それを逆にベッドに戻されて、抱きしめられた。
 どうして、と思いながら切なさに押し流されていく。腕に限り無く力を込めて、弟の
重みに応えた。
 もう今から始めて、明日のそのときまでお互いを感じ続けるのだ。
「はるかの目を盗めるだけ盗んで、明日まで一秒でも多く二人で過ごそう」
 と巧が言うのを、言葉よりも唇で直接返していく。
「明日になったら、姉ちゃんを俺のものにするんだからな。あんなにまでして強引に俺
のことを手に入れたんだから、全部俺に独占させてもらうから。……なにもかも、姉ちゃ
んの初めては俺がもらうから……」
 巧の汗の匂いを吸いながら、言葉の意味を受け流していった。
(そんなこと、あたりまえじゃない)
 都には本当にあたりまえのことだった。
 今までも、すべてそのとおりになってきたのだから。
226名無しさん@ピンキー:04/12/07 08:32:47 ID:ADq20CqD
神GJです
227名無しさん@ピンキー:04/12/07 08:43:54 ID:ujSWGTWC
GJでございますぞ!!!

ラストに向けて物語が進んでますね…
登場人物みんなに幸せになってほしいですなぁ、本当に
228名無しさん@ピンキー:04/12/07 11:09:03 ID:7+Dm7FHJ
いやあもお、ゴッドジョブとしか言いようのない力作でございました。
じ、次回が待ち遠しすぎる。
229名無しさん@ピンキー:04/12/07 11:53:37 ID:nu22kQzL
ぬるぽ
るる
ぽ ぽ
230名無しさん@ピンキー:04/12/07 12:10:33 ID:uoCFE4rQ
>>229
ガッ!
ガッ!
ガッ!
231名無しさん@ピンキー:04/12/07 12:26:11 ID:rP9e3ElY
萌えるし面白いし最高でつ。
2chのSSでこんなにハマったのは初めてかも。
あと少しかもしれませんが頑張ってください。
その後も期待してたりしますけどw
232名無しさん@ピンキー:04/12/07 13:16:09 ID:qSrfLDEr
つか次回はついに都お姉ちゃんと本番やっちゃうんですね
待ち侘びたよオイ
ワクワク・・・
233名無しさん@ピンキー:04/12/07 15:13:48 ID:San7pHY2
つなぎの部分を書くのが本当に上手ですね。。
つなぎをつなぎと感じさせない筆力には感服します
234名無しさん@ピンキー:04/12/07 16:43:20 ID:8Wq6wVW/
いよいよか・・・ゴクリ。
なんていうか終わりは気になるけどそこで終わりだと思うと寂しいし複雑です。
235名無しさん@ピンキー:04/12/08 00:21:29 ID:5TFQ+zC3
次が待ちきれない・・・
236名無しさん@ピンキー:04/12/08 02:35:51 ID:eN5+s4iH
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
ついにセックルがクル━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
GJ!!!
237陽炎 ◆76mfWoL0i. :04/12/08 04:59:01 ID:luYZAhJ3

GJ!!
・・・・毎度のことながら感想はもはやこの言葉以外に思いつかんよw
ああ、物語りもついにクライマックスか・・・。

とりあえずもう続きの高校3年編 or 大学編を凄まじくキボンヌ。
この話がひと段落して、一休みしたあと、気が向いたらでいいんでおながいします。



っつか正直、◆5mSXuZ5GjE さんが書く話なら何でもオケーイってなくらい
ファンになっちまったよw
238名無しさん@ピンキー:04/12/08 22:46:55 ID:pRNPA4fQ
   _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 セック(ry
  (  ⊂彡
239名無しさん@ピンキー:04/12/09 01:27:35 ID:5eeVrBnY
>>238
それ見て、某フラッシュ思い出したw
240名無しさん@ピンキー:04/12/09 01:38:51 ID:lPYyWTL3
  ∧_∧
 ( ・∀・) ドキドキ
 ( ∪ ∪
 と__)__)
241名無しさん@ピンキー:04/12/09 03:26:04 ID:QNb/7VYB
都ねーちゃんハァハァ・・・
俺リアル姉いるけど、もう一人可愛い姉ちゃんがいるような気がしてきたw
242 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/09 03:35:15 ID:Y08UwFsl
新着レスを見て、わー、と思いました。(ごめんなさい)
243 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/09 03:38:35 ID:Y08UwFsl
 36
 
(どうせやるならとことん楽しまなけりゃ嘘だよな)
 という今更な結論から、巧は今回の企てをした。
 はるかがいつ帰って来てもおかしくないことを考え、一旦自室に戻ることを姉に伝え
た。普段着に着がえておこうと、クローゼットから一番融通の効きそうなルーズパンツ
を選び、足を通していて、振り返ると姉が自分のベッドに座っているのに気付き、一瞬
ギョッとした。
 骨を折られたときのことを思い出す。
 あれが始まりだったのだ。
 巧の巧らしさも、姉の姉らしさも、あそこには凝縮されていた。
 巧の反応に満足したのか、都は、
「下でお茶にする?」
 と微笑んで、ひとりで階段を降りていった。
 巧が、今から長い時間を始めると決めたのは、そこに至るまでの日常の手順というも
のをこの短時間で復元してみたいと思ったからだ。
 手を繋ぐタイミングをはかったり、どうやってキスを迫ろうかと悩んだり、キスの時
に胸に触ってもいいものかどうか顔色を伺ったり、そういうものがとことん欠落してい
るのだ。
244 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/09 03:38:57 ID:Y08UwFsl
 環の時にはそれでも別によかった。それは、巧が環に求めているものと今姉に求めて
いるものが、まったく違っているからだと思う。
 着がえるとすぐに後を追うようにリビングに降りていって、ちょっかいを出した。
 巧のクラスの都ファンは、口を揃えて『あの足にほお擦りしてみたい』と言う。それ
には今や巧も同感だ。
 袖をまくって、台所でティーポットを扱う姉の後ろ姿を見つめる。バスケットで鍛え
て引き締まった感じの環とはまったく違った、華奢で繊細な手足の動きがたまらなく巧
の下心を刺激する。
(ごめんね、環さん)
 今だけは環のことを頭から消して、姉のすべてを知りつくしたいと願う。
 後ろから姉に抱きつき、肩の上から両手を回して、服の上から姉の両胸をそっと押さ
えた。
「……んっ……」
 とっさにティーポットをがちゃっと下ろし、無事を確認しながら、後ろ手に巧の腰に
触れてくる。それを制した。
「姉ちゃんからは手を出したらだめ」
 これが最初の『命令』だった。
 そういう約束があるわけではないが、姉はそのすべてに従うだろうと、巧は確信して
いた。姉は、巧のものになる準備をこうやって始めるのだ。
 かすかに震えながら手を前に戻し、都はティーポットを気にしている。
245 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/09 03:39:24 ID:Y08UwFsl
 紅茶の葉とお湯が入ったあとを巧が狙ったので、都はそれに縛られたまま巧のするこ
とに任せていた。
 不満と期待が入り交じったような変な顔をして、都はカップとソーサーを食器棚から
取り出し、巧はそれについていって、姉の身体を服の上から触っていく。
 リビングの入り口は、多少寒いが開けっ放しにしておいた。はるかが玄関の鍵を開け
ればすぐにわかる。代わりにオイルヒーターをつけ、その正面のソファに姉と並んで座っ
た。もう当たり前のように姉は上体を巧にもたせかけてくるが、巧は手を出さず、くっ
ついた肩の温もりだけを受け止めた。
 姉がじれているのがわかったが、今からそれでは困る、と、
「姉ちゃん、あと何時間あるか知ってる?」
 巧がもじもじしている姉の手をぽんと叩くと、都は、怨めしそうに巧を見ながら、そ
れでも嬉しそうに、すぐに顔を赤らめる。その姿は巧と触れあうどんな出来事でもあま
すことなく受け止めようと努めているように見える。
 どうか、我慢して欲しい。そう思う。
 明日になれば絶対にそのぶん返してやれるのだから。そう言い聞かせ、巧もまた高ぶっ
た心臓の音をなんとか抑えた。環の時と違い、他人に知られることの重みがはてしない
この関係に、失敗は許されない。巧は命懸けで、ぎりぎり戻れる場所に自分を置き続け
ている。巧自身が明日得る快楽のためにも、今を緊張感の中で費やしていきたい。
「がんばってね」
 ちょっと変だが、そんな言葉をかけて、巧は求め過ぎないように姉を求め、受け入れ
過ぎないように姉を受け入れた。姉もまたぎりぎりのところで察して、巧を求め続けて
いた。
246 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/09 03:39:57 ID:Y08UwFsl
 都がトイレに立ったのを境に、巧は冷蔵庫を物色しはじめた。今夜の夕食は巧の担当
だ。食事中を含め、はるかがいる間はしばしの『別れ』となる。急いで戻ってきた姉は、
ソファに巧の姿がないのを見るや、まっすぐにそこに来て、冷蔵庫の前にしゃがみ込ん
だ巧に、背中をくっつけてしゃがんできた。
 近付いて、離れて、だんだんと壁を取り払っていく恋人同士を演じる。近付き過ぎて
はいけない微妙な時間だからこそ、そういうときにできるやり方を選んでいくのだ。
 
 巧が無難なメニューを選択し、都が手伝ううちに、はるかが帰ってきた。
 ペタペタとスリッパを鳴らしながら、
「あー、いい匂いだ〜。お兄ちゃんにしては甘そうな料理?」
「おお、今日はメロンパンの佃煮だ」
「ええっ!?」
 バタバタやってきて鍋を覗き込み、それから真っ赤になって暴れるはるかは、ダッフ
ルコートにウールのスカートのいでたちで、ホコリがたってたまらないので、追い払う。
「お兄ちゃんの大嘘つき!」
「おまえは、たまには他のこと言ってみろ」
 はるかが買い物袋を抱えてバタバタ階段を上がっていくのを聞きながら、巧は姉の頬
に唇をつけた。あと数分だけ、安全だ。ぎりぎり待って、もう一度だけ唇を寄せると、
都が正面を向いてもっと熱いキスを求めてくるので、
247 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/09 03:40:25 ID:Y08UwFsl
「それは今は無理だって」
 巧はくるっと姉を後ろに向かせ、緩く流れる髪の中にくちづけた。
「巧い……」
 切なそうに姉が言うのを肩を叩いて押し止めた。
 立場がとことん逆だ。ヤることしか頭にない男におあずけを食らわすはずの女が、自
分からしなだれかかったのではラブコメは成り立たないのだ。
 巧は、とりあえず行動を少しセーブしようと思い直す。
 
 §
 
 茹で鳥とキュウリのピーナッツクリームソース和えをご機嫌で食べるはるかを横目に、
巧は都を観察し続けた。
 感情を押し殺したぶん静かすぎる姉に、はるかが、
「お姉ちゃんどっか調子悪い?」
 と心配そうに覗き込んだときにも、
「ううん」
 と首を振るだけで伏し目がちなのを見て、巧は少し罪悪感を覚えた。
 だが、姉にとってはその気遣いはむしろ心外だろうと思い、普段通りを心掛けてみる。
248 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/09 03:40:55 ID:Y08UwFsl
 そして、
「デザートはこれだ」
 と、前もって本当につくっておいたメロンパンの佃煮をテーブルに出した。はるかが
凄い顔をして、
「誰が食べるの?」
「はるか」
「絶・対・に……いやっ!!」
「じゃあしょうがないから明日の弁当のおかずにしろ」
「なんで私が食べることに決まってるのよ?」
「一弥に『早起きしてつくったの』って出したら喜んで食ってくれるぞ」
「あ……あいつの話しないで。二度としないでよねっ!」
「なんだ、喧嘩でもしてるのか?」
 巧がなにげなく聞いた言葉に、変な顔をして赤くなり、それからむっとした顔になっ
て、
「お兄ちゃんになんか、一生関係ありませんっ!!!」
 がちゃがちゃと乱暴に食器を片づけると、はるかはリビングのソファにたたんであっ
た巧の洗濯物をぐしゃぐしゃにした。そのままいつになく苛立った顔で部屋に戻ってし
まったのを見て、ちょっと様子が変かも、と思いつつもこれはしばらく出てこないと考
え、ちょいちょい、と姉を誘った。
 食べ終わっていないにも関わらず、姉はふらふらとやってくる。
249 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/09 03:41:25 ID:Y08UwFsl
 髪を撫でていると姉はすぐにうっとりした表情になり、吐息で空気を甘く変える。
「姉ちゃん、風呂いっしょに入ろ。ほら、食べちゃって」
 と促すと、
「そんな……その、大丈夫?」
 様々な感情の入り交じった目をして、都は目の前の巧に吸い寄せられてくる。
 本当にもう、都は巧の思うがままだった。
 
 巧がお湯を張っている間姉に、はるかに風呂をどうするか尋ねさせてみたら、ふて寝
をしてそのまま気持ちよさそうに寝ていると聞き、小細工の必要もないから今すぐに入
ろうと姉を引っ張った。
 まだギプスをつけていたときに、巧は身体をさらしているが、いわゆる『毛が生えて』
以降なかった、そして全然意味の変わってしまった、いっしょの入浴だ。新鮮な感動を
得ながら、お互い服を脱ぐのは恥ずかしくて相手に見せられず、順番に入ってからいっ
しょにバスタブに身体を沈めていた。
 ひとつだけ決めておく。
 どちらかが風呂場を出るまで、都は口をきかないこと。
 とっさにアドリブが利くのはやっぱり巧だ。
 夏以来、本当に久しぶりにじかに身体をくっつけあって、お湯の中という違った環境
もあって、それだけで震えそうになる。
 もちろん、股間のものはその存在を姉にしっかりと教えているだろう。姉の息が荒い
のも、巧の心臓が割れそうに鳴り響いているのも、お湯にのぼせているからではない。
250 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/09 03:41:53 ID:Y08UwFsl
 とても明日までもたない。
 しゃべってはいけない姉がバスタブから出て巧を誘うのを、一部始終を見つめていた
巧は、姉の身体のラインのあまりに扇情的な動きにギブアップ寸前になる。そして、目
の前でひざまずいた姉のしていることに、巧は頭がついていかなかった。
 いや、何も考えるな、と巧の半身をなす欲望に押し流された。
 姉の柔らかく熱く潤んだ唇と舌によって、巧の限界まで膨張した肉棒は絡め取られて
いた。見下ろせば、いつもは毅然と結ばれて切れるような装いを見せている姉の唇が、
巧の醜い欲望の形に拡げられてきつく吸い込もうとしている。
 姉は、限界に瀕した巧に気付き、二人のせっかくの約束をダメにしない、とっておき
の行動に出たのだ。
 およそありえないことが起こり、それに歓喜するように巧の下半身は悲鳴をあげ、献
身的にえらをなぞりあげた姉の舌の動きによって、巧はたちまち耐えがたいまでに腰を
引きつらせることになった。
「は、離……!!」
 巧が一瞬の判断で姉を引き剥がそうとした結果、激しく吹き上げたものが姉の顔から
肩にかけてまき散らされ、巧は『汚す』という言葉に捕らわれそうになった。
 違う、これは自分の欲望にとっては充足であり、ならばそれは姉を喜ばせることがで
きる。肯定して嬉しさを姉に伝えなければいけない。
「姉ちゃん……エロくて、気持ちよくて……最高。もっと、見せて」
 剥き出し過ぎる言葉だが、それでいいはずだ。
251 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/09 03:42:22 ID:Y08UwFsl
 すでに上気してしまった姉の顔に浮かぶ表情は判別しにくい。だけど間違いなく、姉
は喜んでくれている。
 ためらうことなく射精したばかりの巧のものに口を再び被せ、都は先端に残る白いも
のを吸っていた。
 とてつもない。
 姉の目には今なにが映っているのだろう。
 快感に酔う自分のだらしない顔なのか、それとももうすぐ自分の中に入ることになる
もの、だろうか。姉は力一杯に巧の腰を抱きかかえ、奥の奥まで飲み込もうとするかの
ように、顔を巧の股間に押しつけていた。
 筆舌に尽くししがたい喜びと罪悪感が巧の心の中に溢れた。
 自分はどんな権利があって、大切な人にこんなことをさせているのか?
 それこそが人生の目的とでも言いそうなぐらい献身的なくちづけ。
 巧はそのまま両手で姉の頭を抱え、泣きそうになっていた。
 姉の動かす舌の動きが、姉の心の動きそのものに思えて、それに懸命に心を傾けた。
 それはいわば、かつてなく鮮明で赤裸々な、姉の告白だった。
 
 §
 
 後から入り、バスタブの中の弟の身体の上に身を沈め、背中全体で弟の存在を感じな
がら、都はアレをしよう、と心を躍らせていた。
252 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/09 03:42:50 ID:Y08UwFsl
 風呂に誘われたときに、真っ先に男性の生理に思いをめぐらせ、そうすることを決め
ていた。
 それはとても不思議な感覚だった。
 違う場所に入っているものと、違うものを中に入れている口。
 より心に近い場所で男の欲望を肯定することだと、都はその行為に直感していた。
 だから、巧が戸惑うことは承知の上で、我がままを通した。
(ごめんね、巧)
 その行為をはじめてするという喜びに勝てなかった。
 そして夢中で巧をイカせた。文句無しに震えが来る。
 巧のものをすぐに口でとらえなおし、
(もちろん巧自身が好きだけど、これも好き)
 と気持ちをこめてみたもののどうしていいのかよくわからず、とにかく歯を立てない
ようにだけ気をつけて、懸命に舌を使って撫でるようにしていた。
 なにかできている手ごたえはなくても、わかってほしかった。
 巧のためならどんなことでもできるのだということを。
 口の中のそれは、目にしたときともお尻で受け止めたときとも印象が違っていて、で
もだんだん同じなんだと思えるようになってきた。これをお尻に入れたのだと思うと激
しく羞恥心が湧くものの、すぐにすべてを受け入れることができた。
 ありとあらゆる方法でその形を覚えたいと思う。
 巧に「もういいから」と促されて口を離しても、その感触に口の中はしびれていた。
253 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/09 03:43:21 ID:Y08UwFsl
 さっき顔や身体に跳ねた巧の精液をお湯と指で優しく拭われて、そのまま陶然となっ
て巧に体重をあずけた。
 巧が尻餅をつくように受け止めてくれるので、冷たいタイルに触れることなく都は全
身を緩ませて弟の身体に酔いしれる。
 身体を交えただけだった今までと違い、愛情が先行している実感がある。
 言葉を禁じられたことでかえって饒舌だった。
 今奪って欲しくなる。
 だけど時間は限られていて、声を出さずにいられる自信もない。
 巧があえて都の弱い部分に触れようとしないのも、そのせいなのだろう。我慢してい
る弟と同じ気持ちでいられるように、願う。
 あと半日近い時間。待ち遠しく焦がれる、これも祭りなんだと思う。
 
 §
 
 姉の手は巧の身体の表面を探るようにさまよい、時間切れを教えるように離れていっ
た。巧も少し気になり始めていた。
 はるかが起き出しているなら、それに見つかるわけにはいかない。
 入ったときと同じく、巧が先に出た。考えて見れば、脱衣所の衣服が非常によくない。
取り繕ってから、姉に合図して洗面所を出た。
 ギョッとする。
254 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/09 03:43:53 ID:Y08UwFsl
 台所ではるかがミルクをコップに注いでいるところだった。
 振り向いた目はさっき夕食の時に見た同じ色をしている。やっぱり学校でなにかあっ
たのか、または休日のお出かけでなにかあったのか。心なしか苛立ちの色が強くなって
いる気がする。
 そう、さっきもいやな予感はしていたのだ。
 巧を待っていたのは、さらなる無理難題の大本命だった。
「お兄ちゃん……」
 はるかは赤い目で、切羽詰まったセリフを巧に押しつけた。
「私は、お兄ちゃんが好きみたい。お兄ちゃんの巧さんが、大好きなの」
 はるかに告白された。はるかはいとも簡単に壁を越えてきた。
(ちょっと待て!!!!)
 よりによってこんなときに、もちろん、聞いてしまった言葉は待ってくれない。
 すでに廊下の先で姉が出てくる気配がある。
 危険。デンジャー。
「はるか……あのな」
 声を出して、はるかがいることを姉に知らせる。ドアの向こうで都が見守っている中、
巧はこれを乗り切らなければいけない。同時に、ここまでこんなにいろんなことがあっ
たんだから、最後もやっぱりこうでなくっちゃ、とも思う。
 ちょっとは成長した自分を、自分に見せてやりたい。
255名無しさん@ピンキー:04/12/09 03:56:41 ID:bZAPPBGb
投下の最初にカキコするのは何回目だろ。。。
まだまだ楽しめそうでうれしくて涙が出そうです。・゚・(ノД`)・゚・。
256名無しさん@ピンキー:04/12/09 04:11:24 ID:QNb/7VYB
. .: : : : : : : : :: :::: :: :: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    . . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   . . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
        Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
       /:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/;;:   ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄
         ↓
         ↓
    ∩
    ( ⌒)     ∩_ _
   /,. ノ      i .,,E)
  ./ /"      / /"
  ./ / _、_   / ノ'
 / / ,_ノ` )/ /
(       /  god job!
 ヽ     |
  \    \

本番も待ち遠しいけど、焦らされるのも良い。
つーかその分長く続いてくれるからむしろ嬉しいかも。
つーかはるかも萌えるなぁ・・・
起きてて良かった・・・
257名無しさん@ピンキー:04/12/09 08:20:03 ID:9lfsMst7
あ、朝っぱらからなんてものを見せるんですかゴッド!!

くそう、今日一日思い出し勃起しそうだ。
258名無しさん@ピンキー:04/12/09 11:15:38 ID:WMJDAlgm
いもうとスレの外伝話でのはるかの告白して困らせてやろうと言う試みがここで発動か・・・(・∀・)bナイスイモウト
259名無しさん@ピンキー:04/12/09 14:10:21 ID:ov6+0aOe
GJ!!!
マジで面白いなぁ。
こんなにはまったのは商業品でもそうそう無いですぜ。
260名無しさん@ピンキー:04/12/09 15:12:28 ID:s/DOsjE7
こりゃ今年の大賞(?)だな。
神、乙です。
261名無しさん@ピンキー:04/12/09 16:50:25 ID:hZ07PJOw
    ∧_∧
    ( ・∀・)ワクワク
  oノ∧つ⊂)
  ( ( ・∀・)ドキドキ
  ∪( ∪ ∪
    と__)__)
262 :04/12/09 19:08:53 ID:vZ3YteYo
素晴らしいでつホントに
263神が来るまで書く:04/12/09 20:04:06 ID:cscx283g
僕らの家族は少し変わっている、いや、複雑な家族構成である
母は僕が産まれた数ヶ月に偶然、事故で無くなり、男一人で僕を育ててくれました・・・
そして、僕が小学四年生の時に父は再婚・・・そして、新しい家族と住む・・・はずでした
「お姉ちゃん!やめてよ!」
「あはは!」
そう僕の家族は・・・姉が三人出来たのです・・・しかもいじめ系の・・・
「高明〜!お風呂入ろ!」
この人は優しい系の姉の美香さんです
「だーめー高明は今私の物だもん!」
そして、僕の上に乗ってキャメルクラッチをかけているのはいじめ系の由美姉です
「・・・」
そして、不思議な姉由利姉です・・・
三人とも僕より一個上で結構可愛いお姉ちゃんです・・・そして、何故か僕達は
「高明・・・気持い?」
「んっ・・・うん・・・」
肉体な関係なのです
264名無しさん@ピンキー:04/12/09 20:15:57 ID:cscx283g
へたれかもしれませんが
暖かい目でみてください
265 :04/12/09 20:50:17 ID:ZnLl6YAW
大歓迎です。
期待してますので頑張って下さい。
266名無しさん@ピンキー:04/12/09 20:58:22 ID:vQkAK5aJ
新人さんキター!ワクワク
267名無しさん@ピンキー:04/12/09 21:40:41 ID:SRJdPM9V
神GJでつ。
この焦らし上手めw

>>263
楽しみにしてます。
268名無しさん@ピンキー:04/12/10 00:50:36 ID:iTeDl+iX
このスレ、今2ch内で一番先が楽しみなスレだ。

>>263
期待しとります。
269名無しさん@ピンキー:04/12/10 08:34:50 ID:y5tCaUXd
>>268
このスレにも神が居るよ
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1097237524/

最近神だらけで嬉しい悲鳴だよ。
270名無しさん@ピンキー:04/12/10 11:15:54 ID:QS4jDs83
>>263
書き手さんが増えるのは大歓迎です。
期待してますので頑張って下さい。

つか、俺も何か書こうかな。
何か触発されてきたw
しかし、今書いたら◆5mSXuZ5GjEさんに影響受けまくりの予感w
271名無しさん@ピンキー:04/12/10 11:23:29 ID:BcwZW9ib
>>270
ハーレムでハッピーエンドか?いずれにせよ頑張ってみてください。ただし12人の姉だけは勘弁w
272名無しさん@ピンキー:04/12/10 11:46:45 ID:y5tCaUXd
いや、12人の姉は姉でいいかもしれん・・・
ここの神ならやってのけるにちまいない。
273名無しさん@ピンキー:04/12/10 15:41:33 ID:DJA6T/bi
>>263
続きがとても楽しみなのだが、2つだけ忠告

:一行目だけ、常体なので不自然。統一したほうがいい

:>そう僕の家族は・・・姉が三人出来たのです・・・しかもいじめ系の・・・

この書き方ではいじめ系の姉が3人という意味になる。変えたほうがいい
274名無しさん@ピンキー:04/12/10 16:04:33 ID:paHDYiaB
ここはゴッドが降臨してるスレだから、中途半端な作品は批判食らう可能性が高いから新人さんは注意して投下したほうがいいな
275名無しさん@ピンキー:04/12/10 16:47:56 ID:dtRyIigs
>>274
そういうレス自体が良くないんじゃないかな?
それに◆5mSXuZ5GjE氏も投下し辛くなると思うからやめるべさ。
基本的にどんな作品でもウェルカムでございます、という姿勢であるべきだと思う。

雰囲気悪くなるようなレスは止めようぜ。
それで雰囲気悪くなって、職人さんが投下し辛くなって
未完で終わっちゃたりしたら俺泣いちゃうよ。
2chとかネット小説ではメチャありがちな展開だけに、それが一番嫌だ。

職人さんを褒めるのは良いけど(俺もマンセーしまくってるしw)
それが乗じて排他的にならないように気をつけるべき。俺もだけど。
それは職人さんの責任じゃないんだから。

気ぃ悪くしたらゴメンね。
276名無しさん@ピンキー:04/12/10 18:09:14 ID:BcwZW9ib
基本的に俺は13面待ちなので何が来てもロンできます
277名無しさん@ピンキー:04/12/10 18:12:44 ID:Iij/okMY
なんかこの新人神
どっかで見たことある
278神が来るまで書く ◆USIWdhRmqk :04/12/10 19:26:46 ID:GK3wULwe
そんなこんなで三ヶ月の時間が流れました・・・

由 「た〜か〜あ〜き!!何して遊ぶ?」
高 「えっ?・・・僕はいいよ・・・」
美 「じゃ、私と遊ぼう!!高ちゃん!」
高 「いや・・・いいよ」
由利 「高君・・・遊ぼ・・・(ボソ)」
高 「だから・・・僕は・・・」
美 「なら皆で遊ぼか!」
由 「え?」
そう・・・最近姉達が流行っている事があります
それは僕を女装させる事です・・・
高 「・・・」
由利 「高君・・・かわいいよ・・・」
由 「あはは!かっわい〜!」
美 「さてと・・・ドレドレ・・・」
高 「!?」
美香姉は僕の手を抑えて、由美姉は僕のパンツをずらして・・・
高 「やっ・・・駄目だよ・・・お姉ちゃん・・・」
由 「・・・高明、そんな事言ってオチ○チ○大きくなってるじゃん」
美 「うふふ・・・高君はエッチな事考えてたのかな〜?」
高 「ちが・・・う」
由 「へぇ〜嫌なんだ・・・」
そう言って由美姉は僕のオチ○チ○を握ってたのをやめました
高 「っ!!・・・」
由 「た〜か〜・・・嫌なんだよね?なんで物欲しそうな顔するのかな〜?」
美 「正直に言わないと・・・してあげないよ?」
高 「えっ?・・・やだぁよぉ・・・」
由 「じゃお遊びはおしまいだよ?」
279神が来るまで書く ◆USIWdhRmqk :04/12/10 20:00:24 ID:GK3wULwe
高 「・・・お願いします・・・Hな事・・・してください」
由 「うーんそれだったら足コキでやってあげる」
高 「?」
そう言って由美姉は足を僕のオチ○チ○を挟みました・・・
由 「高・・・気持いい?」
高 「・・・う、ん気持いい・・・よ」
初めての感覚でもう逝ってしまいそう・・・その時です
ビュル・・・
僕のオチ○チ○から白いオシッコがでました・・・
高 「・・・?」
由 「高・・・」
由利 「・・・」
美 「高くん・・・」
姉達は僕に向かい怪しい笑顔を送りました・・・
由 「高・・・今日はもう終り」
美 「それじゃお休み・・・」
由利 「ぐっとないみん・・・」
そう言って・・・部屋から出て行きました・・・
高 「まだ・・・大きくなってんのに・・・どうしょう」


続く 
280神が来るまで書く ◆USIWdhRmqk :04/12/10 20:04:12 ID:GK3wULwe
激しくごめんなさい・・・(´д`’)コンナハズジャ・・・
今回はぜんぜん駄目だと思います・・・
本と新人の癖に生意気な感じで済みませんでした・・・
281名無しさん@ピンキー:04/12/10 20:46:14 ID:NULkLV2Z
>>280
お疲れ様です。これからも頑張って下さい。

ついでに自分のも投下させて頂きます。

設定、文章等で至らない所、突っ込みどころがあると思いますが
大目に見て下さい。
特に設定面では、全然調べないで勢いだけで書きはじめたので
「ちょいおかしいぞコレ」ってところが出てくるかもしれませんが
その時は指摘してやって下さい。

つーか、全然萌えないなぁ。自分で言うのもアレだけどw
話が進めば、自分なりに頑張ってそういうのも入れる予定なので
よろしくお願いします。

このスレで触発されて勢いで書いてるんで
文体とかでちょっとスレ神とカブったらスンマセン。
ヘタレだと思いますけど見てやって下さい。
282名無しさん@ピンキー:04/12/10 20:49:51 ID:NULkLV2Z
 自分でも気の弱い子供だったと思う。
 今にして思えば良くある話ではあるが(その時点では、だが)
 複雑な家庭事情もあり、内気な性格だった。
 ともすれば鼻につくような陰鬱さもあったかもしれない。
 更には同年代の子供達の中でも明らかに、小さく細いひ弱な子供だったので
 それはそれは子供の残酷さが目を付けるには格好の獲物だったろう。

 そもそも、そういう家庭事情を抱えた子供というのは
 それが他の子に知られてしまえばそれだけで虐めの対象になる。
 まるで助長するかのように、虐められやすい条件を見事に揃えていた。

 その中で自衛の手段を覚えていかなければならないが
 小さな子供にとってそれは簡単な事では無いし
 その為には、やはりそれなりに長い時間が必要だったりする。

 しかしそれでも救いがあったのは、そんな自分を常に近くで
 守ってくれる人間がいた事だ。
 一つ年上の新しくできた姉は、出来る限り自分の側にいて
 近所の虐めっ子達から守ってくれた。
 自分は姉が大好きだったし、姉も自分を可愛がってくれた。
 自分にとっては何の不安や不満も無く家族だと実感できる
 唯一の存在だったし、自分の生活の中で安らぎを求めるという部分の
 その殆どを姉に依存していた。
283名無しさん@ピンキー:04/12/10 20:51:08 ID:NULkLV2Z
 そんな自分の飢餓的な愛情要求もイヤな顔一つせずに
 幼いながらも母性愛にも近い(少なくとも当時の自分にはそう感じられた)
 愛情で受け入れてくれた。
 もちろんそれほど鮮明に事細かに覚えている訳ではないし
 自分がそれまで十二分に愛情を受けて育ったとは言えず
 愛される事をあまり知らなかったという分、記憶が美化されている
 という事も少なからずあるだろう

 それでも自分と1歳しか違わず、小学校に入ったばかりという当時の彼女の年齢を考えれば
 驚異的とも言えるような愛情を注いでくれていたのではないかと今では思う。
 それは彼女と離れる事になるまでの5年以上もの間、変わる事は無かった。

 自分は彼女とずっと一緒にいる事を望んでいた。強く強く。
 しかし、少しづつ成長し、理解出来る事が増える度に
 それが叶えられないのではないかという予感は
 着実に自分の中で芽生え、根を張っていった。
284名無しさん@ピンキー:04/12/10 20:52:44 ID:NULkLV2Z



「おいおい悠樹、こんな坂も上れないのか、情けねぇぞ」
 急な坂を上がる途中、二人乗りの自転車がほぼ歩くのと同じ速度で走る。
「・・・つか、お・・・まえ、のチャリがパンクして・・・2ケツしてん・・・のに
 俺が、こいでるの・・・って、おかしくない・・・か?」
 息を途切れさせながら、吐き出すように悠樹が言う。
「お前がジャンケンで負けたからだろ?」
「何も言わないで、・・・訳分からない・・・ままで・・・いきなりだっただろーが・・・」
 坂もだんだんと緩やかになってきたので、少しづつ楽に喋れるようになってくる。
 と、同時に自転車も少しづつスピードを取り戻していく。


 入学した高校が自宅からそれなりに近いこともあり
 悠樹と宗一郎は自転車通学しているのだが
 時間的に最後に家を出る悠樹達がドアに鍵を掛け、自転車の鍵を外しサドルに跨ると
 宗一郎は自分の自転車の前輪がパンクしてるのに気付き
「あっ、そーいや昨日の帰りにウチのすぐ近くでパンクしたの忘れてた」
 と、サラっと言ったのが悠樹の困難の始まりだった。
「ならバスで行けば?」
「金無いんだ、400円しか。昼メシ買えなくなっちまう。歩いたら絶対遅刻するし」
「パンクした事を忘れるから悪いんだろ。直してる時間だってないぞ」
 悠樹が自業自得だと言うと、俯いて、腕を組みながら何かを考えていた宗一郎が
 ふいに顔を上げて言い出した。
「よしっ、分かった。じゃあ行くぞ悠樹!せーの、ジャンケン、ポイ!!!」
「???」
 そのいきなりのジャンケンに、悠樹は訳の分からないままパーを出していた。
285名無しさん@ピンキー:04/12/10 20:53:53 ID:NULkLV2Z
「重いんだよオイ、大体体重差どんだけあんだよっ!」
「それはお前が小っさいのが悪いんだろ、人のせいにすんなよな」
 細身だが筋肉質で180cmの宗一郎と
 細身というよりは華奢で筋肉が少なく、更には164cmと背が低い悠樹との体重差は
 この状況では致命的に過酷な条件となる。
 ゆっくりながらも何とか一度も足を地面につくことなく坂を上り終え
 学校への道には、あとはもう緩やかな平地のみしかないとなったところで
「しょうがない、こっからは俺がこいでやるよ」
 としゃあしゃあと言う宗一郎に対し、悠樹は理不尽に思ったが
 疲弊しきっていたのと、少しでもいいから楽がしたい思いとで
 何も言わずに自転車を降り、宗一郎と入れ替わり後輪の中心部の突起に足を掛けた。


 悠樹の体重などまるで感じないかのように宗一郎は飄々と自転車をこぐ。
 宗一郎の肩に手を乗せながら、その風の心地よさに悠樹はふと、ある既視感に襲われる。
 誰かと自転車に二人乗りした事などいくらでもあるから少しも不思議な事ではない。
 しかし何故かその懐かしい感覚が妙に気になり、心にしこりが出来る。
 そもそも既視感とはそういうものだと言えばそれまでだが
 自分にとって大事な事のような気がして考え込んでしまう。
「ォィ・・・ォィ・・・、・・・オイ悠樹!寝てんのか!?」
「・・・あっ、ああ、何?」
 没頭していたらしく、宗一郎に話しかけられている事に気付く。
「ハッハハハ、お前大丈夫か?2ケツしながら寝たら落ちて死ぬぞ」
 何が面白いのか、宗一郎は笑いながら悠樹をたしなめる。
「寝てないって、ちょっと考え事してたんだよ」
「ホントかよ、ちょっと今のは尋常じゃなかったぞ。10回ぐらい呼んでたのに」
「ホント考え事してたんだって。で、何よ?」
「いや、いいよもう。別に大した事じゃねーし」
 そう言って前を向くと、宗一郎は自転車のスピードを上げる。
(オイオイ、そんなにスピード上げるとちょっとおっかないぞ)
 宗一郎が張り切って自転車をこぐのを後ろで感じながら
 悠樹はもう、さきほどの既視感の事など忘れていた。
286名無しさん@ピンキー:04/12/10 20:54:58 ID:NULkLV2Z



 宗一郎とは兄弟、という事になっている。
 しかし同じ学年で、体格がまるで違う上に、童顔で女の子のような
 丸みを残した悠樹と、精悍で男らしく整った顔の宗一郎との間に
 何らかの外見的な共通性を見い出す事は非常に困難な為
(まさか双子という事もあるまいし、血が繋がってないのでは)
 というのは新入生の間では入学当初からの話題だった。

 悠樹も宗一郎も、別にその事を隠し立てするつもりは無いし
 ちょくちょくと新しい友人ができはじめ、見るからに兄弟とは思えない
 というような話題になると、何の躊躇いもなく血は繋がってないという事を
 明かしていたので、すぐにその話は広がり、学年中に流布された。

 すると今度は、その複雑そうな家庭事情に興味を持つ者も出てきたが
 流石にそこまで突っ込んだ事を聞いてくる人間は少なかった。
 あるいは小学校、または中学校時代からの付き合いで、同じ高校に入った
 深い事情の知っている何人かの友人達が気を使って、あまりその話には触れないように
 さりげなく釘を刺してくれたのかもしれない。
 それでもある程度親しくなった新しい友人がそれとなく聞きたがった時には
 「俺、養子なんだわ」と大幅に要約した回答をして
 それ以上深く追求された事は無かった。
 彼等は皆、口は堅いようで、それが学年内に広がる事も無かった。
287名無しさん@ピンキー:04/12/10 20:59:34 ID:NULkLV2Z
姉出てきてねぇー・・・
これからバンバン(?)出てくる予定なので
ヘタレですが生暖かい目で見てやって下さい。

何か先が読めるかなぁ?
勢いで書き込んで、書き込みボタン押してから何かやっちゃった感が・・・
もっと推敲するべきだったなぁ・・・?
288名無しさん@ピンキー:04/12/10 23:33:39 ID:7wA4o7Ra
反省点があるなら思う存分どうぞ。
ただ投下してから後悔はせんでくれ
289名無しさん@ピンキー:04/12/10 23:58:33 ID:gprKMSqw
演出的な部分以外にも主語の省略が多い傾向にあり、
ちょっと読みにくい部分があるです。

でも、なにやらシチュエーションに大変期待が持てる感じなので
次をとても楽しみにしてるですよ。
290名無しさん@ピンキー:04/12/11 03:53:26 ID:HKaWuR1j
SSが増えるのは良いんじゃないでしょうか?
皆さん頑張って下さい。
291名無しさん@ピンキー:04/12/11 10:19:25 ID:QQPD2Hil
皆さんGJ!!
292 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/11 17:57:41 ID:+Ze0/tqZ
新しい書き手の方たち、嬉しいです、歓迎です。
とりあえずつづきがないと感想も書きづらい部分があると思うので、
がんばってくださいね。

12人の姉と聞いて『エルダーシスタープリンセス』なる設定が
頭にむくむく浮かんだのはここだけの話ですが、37節です。
293 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/11 17:58:04 ID:+Ze0/tqZ
 37
 
 とはいえ巧には秘策があるわけでもなく、はるかを傷つけずに済ませられるような都
合のいい話もどこにもない。
「お兄ちゃんはそんな話聞きたくありません」
 とふざけて言ってみても反応はなかった。
 間がもたなくて、黙り込んでいるはるかの頬を指でぷすっとやってみると、そこで脛
を思い切り蹴られた。
 素足での蹴りだったから、むしろはるかの足の指が痛かったはずだ。
 歯を食いしばって、痛がっているのか怒りをこらえているのかわからない表情で、今
にも泣きそうになっているのを見てしまった。だから、ちょっと酷い奴になってみよう
としていた巧は、たちまちそんな偽悪的なそぶりをかなぐり捨ててしまった。
 言葉にしたくなかったので、ただ、そっと抱きしめてやる。
「俺なんかに、一生関係ないんじゃなかったのか」
「お兄ちゃんが好きだったんだもん……」
『おまえはまだ子供なんだから、大人になったらな』と言うのも問題だし、『お兄ちゃ
んもはるかのこと、とっても大好きだよ?』なんてベタなごまかし方も避けたい。『俺
達は兄妹なんだから』みたいな陳腐なことも言いたくない。だいたい姉のことがあるか
ら余計にそういう概念に触れたくない。
「ごめ……ごめんなさいっ、言いたかっただけだから、なにもなくていいから。お兄ちゃ
んに知って欲しかったの、心細くて、怖くて、聞いて欲しかっただけなの」
294 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/11 17:58:27 ID:+Ze0/tqZ
 はるかは巧の腕の中でくしゃくしゃになり、剥き出しになったせいでとても姉に似て
綺麗なことがわかる──自分とは違う心根をさらしていた。
 自分はこんなに綺麗だろうか?
 巧ははるかの顔を起こし、丁寧に拭ってやる。
「なんかあったのか? ……一弥と」
 名前を出してみると、
「ないもん……あんなやつに、襲われたりしないもん。触られる前に蹴ってやったんだ
から」
(しっかりなんかあったみたいだな)
 はるかはあまり穏やかではないことを言っていて、心にはひびが入りかけているので
はないか、と巧は胸を衝かれる。
「はるか、大丈夫なのか?」
 と優しく聞いてやったら、
「うん」
 とはるかはちょっと嬉しそうに巧に答えた。
「あいつは?」
「顔とかお腹とか蹴ってたら動かなくなったから、そのまま逃げてきた」
(それは、急所攻撃ではないのだろうか……かわいそうに)
 その巧の感想は顔に出ていたみたいで、はるかがそれを目ざとく咎めた。
「私はかわいそうじゃないの?」
「そんなこと、言ってないだろ」
295 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/11 17:58:49 ID:+Ze0/tqZ
 巧にとってはるかは格好のいじめ相手ではあったが、それはあくまで信頼と安心の上
でのことだ。これでははるかは姉と同じになる。
「はるか、環さんと仲よかったっけ?」
「うん。お姉ちゃんと同じくらい好きだよ」
「なあ、はるか。どうしてもして欲しいことってあるか?」
「たくさん……ある」
「もし環さんの前でも言えるんなら、してやる」
「環さんの前で言えたら、そしたら、なんでもしてくれるの?」
「なに言うつもりだ……」
 巧は頭を抱えたくなった。やっぱりあの姉の妹だ。
 そこへ──
「ううん、ひとつだけでいい」
 とても小さな言い方で、はるかが言った。
 はるかは、おそらくあまりにも困った顔をしている巧を見て、そう言ったのだと思う。
「ファーストキス、されちゃったんだから、だから、お兄ちゃんが口直ししてくれな
きゃ、このままずっと、まとわりついてやるんだから。だから、お兄ちゃん……」
「あいつが嫌いなのか?」
「もう嫌い……あいつは、私の好きな人にちょっと似ているだけだもん」
 巧はもう一度頭を抱えたくなった。
 はるかのようなまっすぐな妹が、いったいどういう経緯でこんないい加減な兄を好き
になったりできるのか、巧にはわからない。
296 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/11 17:59:16 ID:+Ze0/tqZ
 巧は姉の息づかいを感じていた。
 すべてを聞いているはずの姉の、心の動きを自分は支えきれるだろうか、とふと思う。
今は少しだけ妹に近付いてやりたいと思っているのだ。
「お兄ちゃんが好きだったんだもん……キス、してくれなかったら、お兄ちゃんに胸触
られたこととか、全部お姉ちゃんたちにしゃべっちゃうんだから」
(ていうか、そのお姉ちゃんは今これを聞いてるんですけど)
 あれはただの冗談だ、と言ってしまうことは許されない。
 だから、
「しゃべっても、いいぞ」
「ううん、しゃべらない。だから……してくれたら、もう無理なお願いしないから……」
「──は」
 はるか、ともう一度言い聞かせようとしたとき、引き寄せられて、唇を重ねられた。
 はるかの唇はとても熱かった。固さの残るとても雑な唇の合わせ方だったが、それが
今のはるかの心のあり方を、巧に教えていた。姉と同じ、目を逸らせないなにかを持っ
ていることを、押しつけたキスだけで伝えてくるのだ。
 ちゃんと受け入れた証拠に、巧はそっと押しつけ返してやって、それからはるかを身
体から離した。
「あの……」
 はるかがなにかを言いかける。
 そしてすごく無理をして、やめたように見えた。それから無理矢理に笑って、力尽き
るように俯いてしまった。
297 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/11 17:59:47 ID:+Ze0/tqZ
 巧にできることはない。
(ありがと、ごめんな、はるか)
 覚悟を決めて取りかかってなお、はるかの方に無理をさせることでやっとこの場を逃
れられる、自分はまだまだその程度の男なのだと、思っていた。同時に、本当はそうい
うことじゃなかったんじゃないかと、気付き始めている。
『一人じゃ解決できないことを一人で解決しようとしたら、そうなるんだよ』
 あのとき由美が言った言葉、実は世の中のほとんどのことが、そうなんじゃないのか。
 
 §
 
 ずっと壁の裏で話を聞いていた都は、はるかがなにかを言いかけて、言い淀んだとき、
それがどういう言葉だったのか、はっきりと悟っていた。
『お姉ちゃんはよくて、私はだめなの?』
 はるかは巧にそう訴えるはずだった。
 巧は知らないが、都はその理由を知っている。
 都は、頼子からはるかに電話があったときその場にいなかったから、はるかにすべて
が伝わっているということを情報として知っているだけだ。だけど随分と皮肉な伝わり
方をしたものだと思った。
 巧はおそらく、はるかは何も知らないと思っている。だからこそ、はるかも結局口に
することが出来なかったのだ。
298 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/11 18:00:11 ID:+Ze0/tqZ
 都は、巧が巧自身の気持ちと二人の間のことを受け入れるのにいったいどれだけの覚
悟が要ったのか、それを感じ切れていない。都自身は真っ先に責任を放棄してしまった
のだ。だから、はるかに対して自分は何も言う権利がない。
 少し寒い。
 身体が冷え始めているし、ここにいない方がいい。都は脱衣所へ引き返して、もう一
度考えて二階の自分の部屋に戻ろうと洗濯物の始末をした。
 そのとき玄関でチャイムが鳴った。
 都はそのままそこにしゃがみ込んで待った。
 
 §
 
 チャイムの音に救われて、その場を逃げ出すようにして巧は玄関の扉を開けたのだが、
そこに立っている高松一弥の顔を見た瞬間に、これは放っておけないと思った。
 ただし、自分がやってはいけない。これははるかの仕事だ。
 一弥を待たせて、嫌がるはるかを無理矢理一弥のところへ連れて行った。
 一弥はいまにも首でも吊りそうな顔をしている。巧が『この世の終わり』という言葉
を思い浮かべたその顔を見て、さすがのはるかも話だけは聞いてやる気になったようで、
巧はリビングを二人に空け渡し、姉も自分も二階にいるから必要なら呼べ、と言って、
それから姉を探した。
 巧は疲れていた。
 脱衣所から出てきた姉を自室に帰し、自分も自室に戻った。
299 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/11 18:00:39 ID:+Ze0/tqZ
(俺達の素敵な計画はいったいどこへやら)
 一時はどうなることかと思ったが、神経が高ぶっていただけなのか、気持ちを吐き出
せてすっきりしたのか、最初からキスできたらそれで満足だったのか。あっけなく引き
下がったはるかに、いなくなってから頭を下げた。
 助かった。
 あの姉を見て育った妹とは思えない潔さだ。
 それとも姉にとって自分がイレギュラーだっただけのことなのか。
 とにかく、暴走しかけていた自分達を結果的に止めてくれたはるかに心の中で感謝し、
その一方でどうしたらいいのか、なにかやりきれない焦りのようなものが巧の中に生ま
れた。
 姉があれに何も思わないはずがない。
 そう考えたことで、巧は、自分の中に姉に対する執着が生まれていることに、思い至っ
ていた。はるかのことを姉がどれだけ気にかけているかを思えば、今こそが、姉の心を
解放してやれる最大のチャンスなんじゃないか。
 それを望んでいたんじゃないのか。
 そして。
 姉が惜しくなったから、今度はそれに気付かないふりをしようとしているんじゃない
のか。
300 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/11 18:01:09 ID:+Ze0/tqZ
 
 §
 
 都はすぐに気付いていた。
 自分とはるかは同じだ。
 もし自分が弟に邪な気持ちを抱くことなく過ごし、そのうえで今のこの場面に出会っ
ていたらどうだっただろう。
 さっき巧ははるかとキスをしたに違いない。だから最後の死闘がはるかの中に起こっ
た。はるかが巧に今までのことをぶちまけてしまわなかったので、本当にほっとしてい
た。都は少しだけそのことに胸を焦がし、では環はどうなのだと自分に問いかける。
 環と話がしたい。
 そのためにも弟に抱かれて対等になりたいのに、はるかが立ちはだかっていた。
 ベッドの中に沈み込むと、もう巧の感触に餓え始めていた。
 もう一度考える。自分とはるかは同じだ。もし巧がそこにけじめを見い出してしまっ
たら、自分は巧のものではいられなくなる。
 それは恐ろしい想像だった。
 壁の向こうにいる弟にすがりつくように、壁紙に指を這わせた。もし想像ではなくそ
うなのだとしたら、自分はためらわず、すぐに隣の部屋の弟の胸に飛び込むだろう。そ
こに父やはるかや、他の誰かがいたとしても。
 ざわざわした胸の奥に、光も温かさも一つしかない。取りあげられたら、ウサギや子
象のように寂しさで胸が潰れて死んでしまうだろう。
301 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/11 18:01:44 ID:+Ze0/tqZ
 
 §
 
 たぶんこのとき、お互いに知らず心の中で複雑なものを抱えてしまって、疲れてしまっ
ていたのだ。
 巧も都も、だから階下にいるはるかを感じながらも部屋を飛び出して、廊下で鉢合わ
せになった。
 都は冷たい廊下に裸足で立っていて、こんなときに限ってスリッパをちゃんと履いて
いた巧はそれを見て、小さな声で、
「姉ちゃん、俺に乗って」
 そう促してから姉の背後をとって、両足を自分の足の甲に踏ませてやった。バランス
が悪くて、ふらっと傾く姉を、巧は拒まれないようにゆっくり抱きしめていった。
 巧が廊下の壁に肩をつけ、それに合わせて都も体重を巧にあずけて力を抜いてきたの
で、違和感なく身体を寄せ合えたことに、巧はほっとした。
 そのまま、随分時間が過ぎたように感じたが、下の様子はわからなかった。
 時々都がぶるっと寒そうに震えるのを見て、そのたび巧は、姉を温めようと大きく抱
えなおす。その場所から二人とも離れようとしない。物に頼らずに自分達の身体で温め
あって、そうすることでこの先の自分達の危うさに正面から対峙しているのだ。
 しばらく、囁くように昔話をした。
 二階の廊下は、この家のいろんな場所に刻まれた思い出のうち、ふたつを記憶してい
た。一つは例の階段落としだった。
 もう一つ、巧は『ピンポンダッシュ』をこの廊下でやっていたことがあった。
302 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/11 18:02:14 ID:+Ze0/tqZ
 姉の部屋をノックして逃げるというこの実にくだらない悪戯を妙に気に入って、子供
だから、ばれていないと思っていた。
 部屋に戻ったら、ベランダから周り込んだ姉に待ち伏せされていて、ぶん殴られた。
 そう言えば、あの時期姉は手しか出さなかった、と腕の中の姉に聞いてみると、
「蹴ったのも巧の悪戯が元じゃない」
 京人形、というまるでパスワードみたいなきっかけで記憶を呼び戻され、巧は低レベ
ルな悪戯をもう一つ思い出した。
 ガラスケースに入った人形はデリケートな扱いを必要とし、間違ってもそれを運んで
いるときに手を出すものではない。そんなときにわざと姉のスカートをめくろうとして、
姉のバランスを取りながらの見事な回し蹴りを脇腹に食らって、巧はひっくり返って泣
きわめいた。
 泣かされたのはあれが最後だったと思う。というかあれは酷い蹴りだった、と訴える
と、姉は膨れて黙り込んだ。
 確かにあの年頃の女の子にとってスカートめくりというのは、最もメジャーかつ最も
深刻な問題なのだった。そのせいでスカートをやめる子がいるのを知り、巧はすぐに、
一切そういうことはしなくなった。
 都はむしろそのことを覚えていて、蒸し返された巧は恥ずかしくなって腕の中の姉の
胸に仕返しをした。
「……や……」
 慌てた都はなんとか逃れようとするが、音を立てずに、しかもぴりぴりと身体を走る
快感に抗って逃れるのは到底不可能だった。すぐに、逆に背中を巧に押しつけてその先
を求めた。その方が巧も困るだろう。
303 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/11 18:02:46 ID:+Ze0/tqZ
 実際巧は、両手のやり場に困ってしまって、「ごめん」と都の肩に頭を乗せた。
 それに都は唇を寄せた。
 恋人同士のような時間。
 突然くるっと顔を向けた巧に唇を奪われ、舌で口の中を混ぜられていくうち、たちま
ち都は腰砕けになる。それを支え、
「決めた」
 巧は、いい加減しびれてきた足から姉を下ろし、
「今夜、やろう」
 と都の肩をつかんで強く言った。
「わかる? 今夜、姉ちゃんのヴァージン、いただきます」
 有無を言わせず、具体的なことはなにもなく、そのまま巧が自室に入ってしまうのを
都はあっけにとられて見送った。
 単純に計画が前倒しになったわけではない気がする。
 都は少し不安だったが、巧の今の力強い目を見たことで、葛藤から解き放たれていた。
 ちょっとだけ泣きそうになって、自分も部屋に戻ろうとしたとき、階下のリビングの
ドアが音を立て、それから一弥を見送ったらしいはるかが、疲れた様子で階段を昇って
きた。
 廊下に立っている姉に一瞬ビクッとして、それから曖昧に笑って抱きついてくる妹に、
都はかける言葉がない。
 動き続けている自分達の時間に、すぐに戻っていきたいのだった。
304 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/11 18:03:22 ID:+Ze0/tqZ
これでもう、邪魔は入らないはず……です。
305 :04/12/11 18:12:45 ID:wXA7upKc
キターーーー!!
レス一番手ゲット!!!!
はるかも可愛いなぁちくしょー
妹スレの話とも微妙にリンクしてて嬉しいですね。
GJです。

新規さん達も期待しているので頑張ってくだせぇ。
306名無しさん@ピンキー:04/12/11 18:42:47 ID:t62A0P5i
ニヤニヤせずには読めない・・・
乙!
307名無しさん@ピンキー:04/12/11 19:38:51 ID:cSr+3xeM
elder sister princessは既にあるな。
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1099227217/l50
308名無しさん@ピンキー:04/12/11 21:25:32 ID:4xKJFZPg
ここで妹スレのSSの
はるかに好きって言われて意味分からないふりして、好きだって返したってのが
来るんだと思ったんだが違ったなあ
309名無しさん@ピンキー:04/12/11 21:56:21 ID:tBpbAsU0
キタ━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━!!!
いつもいつもgodjobっす

> これでもう、邪魔は入らないはず……です。
都姉ちゃんとの生本番クル━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━!?
激しく期待(*´Д`)ハァハァ
310父親:04/12/11 21:59:05 ID:Px1NKeOu
ただいま。
311名無しさん@ピンキー:04/12/11 22:06:54 ID:0bNa6Dxu
>>310
透氏キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
またお預けキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!

312名無しさん@ピンキー:04/12/12 01:20:03 ID:G28HIzCJ
キテター!!
(゚∀゚)イイ!!
313名無しさん@ピンキー:04/12/12 04:22:00 ID:RBJKDMrU
あえて言おう。
4Pキボンヌと。
314名無しさん@ピンキー:04/12/12 10:30:26 ID:PsZR/bas
はるか都巧父

になりますがよろしかったですか?
315 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/12 11:27:08 ID:iQitzNed
>>308
これなんですが、もう>>50で押し通すことにしました。ごめんなさい。
というかあれは今見ると気に入らないところが多いので、正直書き直したかったり。
316名無しさん@ピンキー:04/12/12 16:21:00 ID:oJdGrIfk
>>315
是非書き直したりしたって下さい。

>>314
当然、巧も受けですよね?
317名無しさん@ピンキー:04/12/12 16:27:45 ID:PsZR/bas
父総攻め
全員受けの放置系

のどちらかお選びいただけます
318 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/13 11:46:33 ID:GxSkKU+3
elder sister princess、売り物じゃなかったんですね。
319 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/13 11:47:19 ID:GxSkKU+3
 38
 
 はるかをやり過ごした後、はるかの部屋の明かりが消えてたっぷり一時間経ってから、
巧ははるかの部屋の前に立って軽くノックした。一応はるかが起きていたときのために
用事も考えてある。
 次に、玄関のドアの足元に釣り糸を張って、その先に大きな音の出そうなものを手当
りしだいにぶら下げた。父だろうがいのししだろうが、これでわかる。これは半分冗談
だ。父の帰宅は大抵騒々しいので、念のため。
 最後に家中の電気を消して回り、もう一度はるかの部屋をノックする。そして姉の部
屋に鍵がかかっているのを確認して、自分の部屋に戻った。
 巧の勉強机の椅子に、姉は座っている。
「あの子にいい加減なことしないでね……」
 都は唯一の心残りを消そうと、巧に念を押してきた。
「大丈夫、あれで十分だろ? 全部聞いてたんなら」
 巧は、窓の鍵を確認してカーテンをしっかり閉じ、入り口のドアにも障害物を設置す
ると、
「これでもう、邪魔は入らないよ」
 と姉を覗き込みながら言った。
320 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/13 11:47:44 ID:GxSkKU+3
 椅子の上で肩を竦ませ、膝の上に両手を固く握って、姉は震えていた。そんな様子を
見ていると、巧も緊張してくる。姉に自分で立ち上がる力はないとみて、巧は都のそば
に膝をつき、背中と膝裏に両手を入れて、ゆっくりと抱き上げた。
 小さく声を上げる姉に目で大丈夫と言って、強張った姉の身体を抱く力を強くする。
 決して身体の大きい方ではない巧には、結構な重労働だったから、すぐにベッドに姉
を下ろし、力の入った姉の両手、両足、身体のそこかしこをほぐすように感触を確かめ
ていく。厚手のシャツの上にさらに機械編みのベストを身につけた姉はそれでもとても
柔らかく、かえってその触り心地のよさを強く印象づけていた。
 徐々に強張りが抜けていく姉の身体を自分の横に放し、巧は用意してあった最後の理
性を使う。
「これは賭けみたいなもんだから。見つからなかったら、これからもうまくいく。もし
親父に見つかったら、それでお終い。だから、絶対見つからないように気をつけたい。
俺はやっぱり、見つかりたくない、ずっと姉ちゃんともこうしていたい」
 理性とは言えないかもしれない。
 例えばはるかに見つかったら、はるかを巻き込むのだ。
 都が両手を巧の首に回した。
「私も見つかりたくない」
 気持ちのままに強く引き付けられ、目の前で告白された。
「ずっと、巧と……これ、したかったの」
321 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/13 11:48:03 ID:GxSkKU+3
 これ、の中身をはっきりと言わせてやりたいところだったが、今は今だけの二人の関
係を満喫していた巧は、姉の言葉に素直に同意し、髪をまさぐって「俺も」と頬に唇を
滑らせる。それに都がうっとり応えながら、
「あんな、違うとこじゃない、普通のやつがしたかったの」
 それは巧も同感だったが、姉の口からそういうことを次々に聞かされて、巧は興奮しっ
ぱなしだった。
 姉は本当のことを話した。
 巧の初体験話を聞かされたときのくやしさ、(私のもののはずだったのに)と思って
しまった罪深さ、それを受け入れてすべてを捨ててでも弟を手にい入れようとしていた
浅はかさ、さらに環にそのあとを取られたショック。
 その後のことは、巧も知っている。二人で、ずっと向かい合っていたのだから。
 巧は、久しぶりに初めての時の少女のことを思い出した。
 あの子はいまなにをしているだろう、と未だ鮮明に覚えている、手慣れた感じの年下
の女の子の今を思い描く。
 姉達とのことがなくて、あの後もう一度でも出会っていたら、今頃はあの子とこうし
ていたかも知れない。そういう予感があの春の日にはあった。
 まだそれから半年しか経っていないのに、巧はもう何年も戦って生き抜いてきたかの
ような錯覚に陥り、そして現時点を悟った。
 自分の居場所はここでいいのだ。そうして今に立ち戻り、姉が確かに自分の腕の中に
いることを喜びを持って噛み締める。
322 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/13 11:48:24 ID:GxSkKU+3
 明かりを落とし、神経が暗順応するまでの間、しばらく手さぐりで姉の身につけたも
のをはずしていった。姉の白い身体が露出していくのに合わせるように目が慣れていっ
て、巧は目の前にある肌の起伏のあまりの悩ましさに見ていられなくなった。
 こらえきれず、姉の裸の胸元にすがりついた。
 熱く柔らかく、そして求めていた匂いがする。姉の肌だ。呼吸を整えながら、最後の
一枚まで取り除こうと再び姉の身体に手をかける。
 完全に慣れてしまうと、外は月明かりで意外に明るかった。
 首や袖を抜くたびに曲線は様々に形を変え、それが一瞬で移り変わっていく光景に目
を奪われた。
 そして、その暗がりの中で今、真っ白な太腿が大きく広げられていく。
 姉の股間の草むらの奥はとても自然に濡れて震えていた。
 
 巧は自分も手早く裸になって姉の足の間に入ったが、身体を重ね合わせるとすぐに唇
を貪った。下半身が擦れあって性感に神経が悲鳴を上げるけれど、とにかく気の済むま
で舌を絡めあい、きつく抱きしめあって、感情的な確認をする。
 姉に対する想いがまがい物ではないことを感じた。ただの性欲ではないし、この先姉
に後ろめたいことはなにもない。
 姉は濡れていた。
 だから巧はすぐにでも始めたかったが、これから痛みしか感じられない姉のために少
しだけ意地悪をする。
323 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/13 11:48:55 ID:GxSkKU+3
「絶対声出さないで」
 姉の広げた足の間にいた巧は、身体を起こして姉を裏返しにした。
「初めては後ろからの方が痛くないんだって」
 本当かどうかは問題ではない。姉の手足をちょうどいい角度に細かく変えていく。姉
は逆らわずに、受け入れる姿勢をとっていく。これが、自分の運命を無理矢理変えてし
まった女の身体なのだと、いろんな思いをかき混ぜるように、姉の股間ににちゃりと音
を立てている粘液を巧がすくうと、姉の息が激しく乱れ、肩を落として震えた。
 巧はそれをそのままにして、姉の背中に覆い被さって、背筋の弱いところを責めた。
 姉が懸命に声を押し殺して上体を激しく捻る。
 その口元を枕に押し付けさせた。その動きで、一息に狙いをつけ、押し入った。
 
 くぐもった悲鳴と身体の激しい強張りが、巧の胸を詰まらせた。
 迷ってはいけない。根元までぐいぐいと押し進め、突き当たると、力を緩めてそのま
まの姿勢で姉の背中に頬と唇を這わせた。
 姉の身体が激しい痛みから逃れようとしているのか、狂おしさに乱れているのか、巧
にはわからない。巧の身体の下で、姉が上体をどのようにくねらせても、腕でなにを掴
んでも、そのたび巧の肉棒を食い締めて放さない都の熱く狭くうごめく膣肉は、巧の欲
望を遥かに越えたとてつもない快感を、巧の下半身に生み出していた。
 みちみちと乱れた息に呼応して収縮する肉の感触は、もう、たまらなかった。浴室で
唇に吸い上げられたときのことも吹き飛んでしまって、巧は姉の状態を忘れた。
324 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/13 11:49:40 ID:GxSkKU+3
 肉欲に満たされて、巧は前後に腰を動かしはじめる。
 姉のくぐもった声がかすかに、とめどなく漏れ聞こえ、巧はそれにも刺激されて激し
く姉を突き上げた。理性もなにもない動きだった。
 環の力強く押し包んでくる感触と違い、ひたすら狭い姉の肉の穴を彫るようにえぐっ
ていった。
 姉の背中は、巧の動きに引っ張られてぐにゃぐにゃとのたうっていた。
 その艶かしい肌を犯したい。そこに浴びせてやりたいと思った時には、すでに身体を
沸騰させるようなものが肉棒の先を走り抜けていた。
 声にならない声でうめいて巧が腰を強く押し付けると、その力のままに二人の膝は滑っ
て、そのまま押しつぶすように巧は腰を叩き付けた。
 生まれて初めて、巧は、なんの障壁もなく姉の身体の奥底に欲望をまきちらした。強
烈な快感が止まらなかった。二度、三度と腰を打ち付け、そのたびドクドクと絞り出す
ように吐き出していくのを自ら感じ取り、魂を震わせる。
 どうやっても同じセックスなのに、なのにこれは命の喜びとか、そういう別次元の体
験なんじゃないかと思った。酔った。
(こんなの、言葉じゃ絶対伝わんねーよ)
 巧は胸を詰まらせて、押しつぶし、刺し貫いたままの姉をかき抱き、首筋に頬を擦り
付けた。それに反応するように都が首をめぐらせてくる。
 すぐに唇で応えた。
 目的を遂げて萎んだものが姉から抜け出る感触を味わいながら、舌で激しく姉を貪っ
た。
325 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/13 11:50:05 ID:GxSkKU+3
 
 §
 
 あわよくば二回戦を、と目論んでいた巧は、後始末をしようと明かりをつけた瞬間
ギョッとして、
「ね、姉ちゃん大丈夫?!」
 とベッドでうつぶせのままの姉に駆け寄った。
「?」
 姉が熱い息のままで薄く微笑んで上体を起こし、巧はそのしなやかに反った背中にも
う一度頬ずりでもしたいところだったが、
「シ、シーツ……」
 と姉をそこから起こし、大出血で真っ赤に染まった姉の股間とシーツを、死ぬほど引
き抜いたティッシュで押さえ、
「ごめん、俺、なんも考えてなくて……」
「その、痛かったけど、こういうものじゃないの?」
 姉のかわいいセリフを味わう余裕もない。
 悪くてもせいぜいちょっと染みになるぐらいだと思っていた巧は、まったく備えをし
ていなかった。これは洗ってもとうてい落ちないだろう。干したりなんかしたら、なん
の染みかまるわかりだ。近所中に知れ渡るに違いない。
(す、捨てるしか……)
326 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/13 11:50:37 ID:GxSkKU+3
 シーツを剥がした下のマットにも染みができていた。
 恥ずかしそうな姉を晒しておけなくて、手早く後始末をつけると、念のためナプキン
をそこにあてる姉から慌てて目を逸らし、明かりを消して二人、服を身につけた。
 丸めたシーツを厳重にくるむと、ゴミ袋に押し込んだ。マットはウェットティッシュ
でひたすらつまんだらなんとか綺麗になった。
 巧はくらくらしていた。
 予想外のことに、かえって欲望を刺激されて、今一度、姉を押し倒したくてしかたが
ない。これ一度っきりにしたほうがいいのではないかという気持ちがまだどこかにあっ
て、ならば思う存分貪ってしまいたいという思いが、神経を高ぶらせている。
 そんなことはできるはずがない。だから、せめてその身体をいたわりつつ、まさぐっ
て自分の肌を慰めた。
 都はそんな巧を知ってか知らずか優しい目で見つめ、静かに手を巧の背中に添わせて
いる。
 
 お詫びと称して巧が服の上から触れてくるのを、都は陶然となって受け止めた。
 巧はそれを見ながら、この姉から離れたくない自分を、もう完全に受け入れていた。
嬉しかったのは、やり終わったあとの高揚感がまるで環のときと同じだったことかもし
れない。自分で見極めた自分の気持ちは、間違いではなかった。
 環には「生でやりました」とか「思いっきり中出ししました」とか報告しないといけ
ないだろう。姉に確かめる。
327 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/13 11:51:16 ID:GxSkKU+3
「姉ちゃん、本当に二番でいいと思ってる?」
「そんな、だって……」
 都は、なにをいまさら、と言いたげに膨れた。
 それは確かに自ら日陰者になることを選択したのだから、巧をもそうしてしまわない
ように、ということなのだろうが、巧に都合が良すぎる。
「姉ちゃん、どのぐらい痛かった?」
 巧が下腹を押さえるように聞くので、都は身体をよじってその手をはずし、
「その、痛いのはそれほどじゃなかったの……、すごく汚しちゃったけど、あの、ごめ
んね」
「姉ちゃんがあやまることじゃないでしょ」
 むしろ原因は自分だろうと巧は申し訳なく思い、
(やっぱり、早く気持ちよくさせてあげたいなあ)
 と自分と姉のどっちが嬉しいのかわからないことを考える。
 当面触りたいから触る。姉は喜んでくれる。それでいいじゃないかと思う。
 膝の上に姉を抱え、後ろから胸を揉んでいると、もういつまでも飽きない。そうする
うちにまたできあがってしまった顔の都に、
「ずるい……」
 と言われ、巧はズボンを下ろされてしまった。
「いや、汚れてるから」
328 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/13 11:51:44 ID:GxSkKU+3
 と姉を制し、やっぱりもう一度シャワーを浴びてくると言うと、さらにいっしょに入
りたいと乞われた。渋っていると、
「意地悪」
 その表情がかわいすぎる。
 こういうところは環には絶対真似できない。これだけでも姉を捕まえておく価値があ
るのかもしれない。
 逆に、たったこれだけのことで姉が幸せになるのなら、それを頑として拒んできた自
分のプライドなど紙屑のようなものだと思う。
 
 最後の冒険をしようと、都の部屋はそのままに二人でこっそり降り、急いでシャワー
を浴びた。
「ほんとはもう一回したかったんだけど」
 と口を滑らせ、姉が口を使ってくれようとするのを見て、慌ててそれを止めた。さす
がに下はまだ痛いのだろう、巧はそのかわり、と付け加え、
「予定通り、明日もしようよ」
 と姉を誘った。
「だから今日はもう、そんなことしないで」
「うん……」
 とても恥ずかしそうな、でも嬉しそうな姉を見て、切なくなって巧はそのままシャワー
のお湯の下で姉を抱きしめた。あててあったものを外した姉の股間からは、血とそれに
混じった白いものが腿をつたって流れていく。
329 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/13 11:52:07 ID:GxSkKU+3
 見なかったことにしてそのまま唇を吸い、そこで別れることにした。
 姉は先に出て、部屋に戻る。
 巧は、しばらくお湯を張り直したバスタブに浸かり、姉の身体を反芻し、それからは
るかのことを思った。
 巧が何を考えていようと、周りはそんなことにおかまいなしだった。なるようにしか
ならなかった。
(いーや、なるようになる、だな)
 だから明日も楽しくやりたいことをやって、見逃してもらえればいいなあ、と思って
いる。ゆっくりしてから部屋に戻ると、姉からのプレゼントのようなものが机にたたん
で置いてあった。
(穿いてた下着……)
 とりあえず置き忘れだと思うことにする。
(寐てる間に頭に被せてやろうか──なんてな)
 後日、悪戯として実行した後でただの置き忘れだったことがわかり、久しぶりに殴ら
れることになるのだが、その前に巧には明日も素晴らしいお楽しみがあるのだった。
330名無しさん@ピンキー:04/12/13 12:02:33 ID:EQ7KjgqZ
さてと。会社で読んだ俺はどうすればいいのかなあ。
とりあえずトイレで・・・いやいや、それはやばい・・・
うーん・・・。

つまりですよ。

ゴ ッ ド ジ ョ ブ ! ! ! !
331 :04/12/13 16:25:51 ID:KxNGfrv3
ゴッジョブ!!!!!!!!!!!!!!
うひょうぃ、萌える、萌えまくるデスヨ!!!
ここ数年で一番萌えてる自分がいる。
あ〜マジ最高ですたい、マジ神ですたい!!
332名無しさん@ピンキー:04/12/13 16:54:09 ID:BIi+KJOW

    彡ミミミミ))彡彡)))彡)
   彡彡゙゙゙゙゙"゙゙""""""ヾ彡彡)
   ミ彡゙ .._    _   ミミミ彡
  ((ミ彡 '´ ̄ヽ '´/ ̄ ` ,|ミミ))
  ミ彡  ' ̄ ̄'  〈 ̄ ̄ .|ミミ彡
  ミ彡|  ) ) | | `( ( |ミ彡
  ((ミ彡|  ( ( -し`) ) )|ミミミ   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ゞ|  ) )  、,! 」( ( |ソ   < 感動した!
     ヽ( ( ̄ ̄ ̄' ) )/      \_______________
     ,.|\、)    ' ( /|、
   ̄ ̄| `\.`──'´/ | ̄ ̄`
      \ ~\,,/~  /
333名無しさん@ピンキー:04/12/13 18:16:37 ID:kcF6QMWW
興奮してきたので今のうちにいつものいっときますね
 
ぬるぽぬるぽ
るる
ぽ ぽ
ぬ  ぬ
る   る
ぽ    ぽ
334名無しさん@ピンキー:04/12/13 18:46:13 ID:tYXJVj9h
>>333
ガッ!ガッ!
ッッ
! !
ガ  ガ
ッ   ッ
!    !
335名無しさん@ピンキー:04/12/13 18:47:46 ID:tYXJVj9h
あと、はるかが仲間外れだったら可哀想なので
巧のハーレムに入れてあげて下さい。
336名無しさん@ピンキー:04/12/13 19:36:53 ID:kcF6QMWW
>>335
「いも」でスレ検索してみな
337名無しさん@ピンキー:04/12/13 20:44:28 ID:2Azv45zF
GJですゴッド。
ついにやっちまいましたね。
しかしまだ少し先がありそうで楽しみでやんす。
338名無しさん@ピンキー:04/12/14 00:11:53 ID:vVFa0/4g
つ・い・に・キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
アッヒャーー!!
ついにセックルキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
(゚∀゚)イイ!(゚∀゚)イイ!(゚∀゚)イイ!






あ〜めちゃくちゃ興奮してしまた
339名無しさん@ピンキー:04/12/14 00:24:47 ID:9Wpcr/Xk
素晴らしいお楽しみがあるのは巧だけじゃない、俺達にもだ!
激しく狂おしくGJ!!!
340陽炎 ◆76mfWoL0i. :04/12/14 09:21:10 ID:zoyAlSx4

うむ・・・大先生ゴッドジョブでごぜーますだ。
いつもながらさすがの一言に尽きる。

ただ、都姉との初エチが、環姉に比べたらかなり淡白だった感が否めない。
いや、別に文句はないんだけどね。
巧にもうちょい頑張って欲すぃーw

オイラも姉と妹がいる三人兄弟だが、姉は容姿、妹は性格に問題があって、
到底手を出す気になれんよ。
せめて姉に環姉の美しさの5分の1もあれば・・・・。
せめて妹の性格がはるかタソの可愛さの5分の1もあれば・・・・。

あったらあったでまずいのかもしらんが、とにかく綺麗なお姉さんは永遠の夢だ!
341名無しさん@ピンキー:04/12/14 15:23:48 ID:VlD7ZeVO
>>340
後半戦への布石だと思ふ
342名無しさん@ピンキー:04/12/14 21:59:02 ID:XMCg8LRr
萌えすぎて抜けない・・・
343神が来るまで書く ◆USIWdhRmqk :04/12/14 22:13:00 ID:3WMCGlYs
あの事件から2週間すぎました・・・姉達はいつも通りに振る舞ってました・・・一部を除いては・・・
「・・・はぁ」
そう、姉達はHをしなくなりました・・・
「いや、それが普通なんだけど・・・なんか・・・」
そう、僕は初めてHしたい気持になったのです・・・
「・・・誰もいないし・・・やっちゃお・・・」
そして、自己欲求をしています・・・
「んっはぁ・・・お姉ちゃ」
「ただいまー!高明?帰ってたの?」ガラガラ・・・
終わりました・・・僕の人生が・・・
「へぇ〜高明がオナるなんて・・・由利達に言ったら・・・」
「・・・」
「あはは!ごめんごめん・・・でも・・・高明もオナニーしてるんだから・・・エッチしたいの・・・?」
「・・・うん」
「じゃ、二人だけでエッチしよう」
344名無しさん@ピンキー:04/12/14 22:37:48 ID:RaXRBW1g
>>343
もう神は来てるから書かなくていいよ。むしろ書くな。
神のすばらしい作品を読んだ後にそんな自己満足だけの
下手な文章を投稿されるとこのスレの品が落ちる。

このスレに書き込みたければもう少しまともな文が
書けるようになってからにしろ。
345名無しさん@ピンキー:04/12/14 23:12:33 ID:XMCg8LRr
           / │/
          ./ ./  .|i'
        ./.! i   |!                      \ | | | | | | | | | /
         / !.l   |               i⌒ヽ、   .─               ─
     i . i   l l             _  _,. ヽ. !'ヽ.ヽ   ─ ここだ…         ─
     ,!| .!   ヽ        _,∠´/__ ̄`ヽ、 ヽ !ヽ.ヽ  ─ ここでスルーだ!! ─
.    l .| !        、._ _,,. ‐''´//´      ヽ、ヽ. ゝヽ .─               ─
.     | l i     ト、._  _,.二フ l l (○ヽ    ヽ ゙! ( ゙i / | | | | | | | | | \
      l. `ヽ   l、.ヽ、_ ̄/   i│  ヽ゚ノ     ヽ!   }
  !、   ヽ、   │ ` ‐-゙=‐   /     _/       ー'    _
   ゙ー=-ラ    i|    /     ノ              ヾ、, ‐''´
.ヽ.、._,ノ     |!!  ./              i'⌒`ヽ、     /‐''" ̄
   ̄/ /l    |.!! ./ _,,   __      l  /  ヽ   /     \、
    .l / l     l l!.i i´ /(0ヽ  `    /  ./  ,. ゝ/        ヽ\.∧∧∧∧∧∧∧
   l/.│.|     i、| l. l ヽ゚_)   =- ノ  / / ./|         <              >
      | |l   !  ゝ、._   _,.    、    / / ./:::::|   ,,. -─'''" < みんなスルーしろ!   >
      .!| l、 !l、ト、、ニ(ヽ、      \ー´ l ./::::::::::|  /        < ふらの荒らしスルー  >
      ゙! !、│ヽト‐  ̄ヽ、 ヽ、     ` ‐-:イ::::::::::::ゝ/ ,,. -==─ < 作戦だ!!      >
        ヽ!        `'‐ヽ      / ヽ::::::::::://       <             >
                      ` ー---‐/  ゝ:::::/:ヽ        ∨∨∨∨∨∨∨∨∨
                         l     y´::::::::\
346名無しさん@ピンキー:04/12/14 23:45:48 ID:leR4G+gV
近所のお姉さんとかもいーよね。
347名無しさん@ピンキー:04/12/15 00:04:37 ID:2C9wJyDe
>>346
それで一発書いとくれ
348名無しさん@ピンキー:04/12/15 00:20:37 ID:oDNUVI17
年上だけど守ってあげたくなるようなお隣のお姉ちゃんをキボンヌ
349名無しさん@ピンキー:04/12/15 01:21:34 ID:02qsOIf4
感想書くだけならコテじゃなくてもいいと思うんだけど
350名無しさん@ピンキー:04/12/15 02:13:32 ID:7SLjrYbK
>>343
乙です。
続きヨロ。
351 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/15 03:21:20 ID:S9N85rjy
萌えとエロの両立は難しいですね……

>>343
スピード感というか。自分はこういうの嫌いじゃないです。

後半戦というか、野暮用でいっぺんに書けなかった残り半分、の39節です。
352 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/15 03:21:57 ID:S9N85rjy
 39
 
 朝九時にはもう二人とも裸になって、都のベッドの中でどろどろになっていた。
 昨夜のことで巧のベッドが使用不能になり、こっそり干してあるので、今度はみっと
もなくも対策をたてて臨んでいる。
 その見返りを考えれば、こんなことはなんでもない。
 マットの上にビニールと鬼ほど新聞を敷いて、廃棄処分決定の血なまぐさいシーツを
折って被せ、そのうえに姉の白い下半身を乗せた。
 足の間に入って太腿に舌を這わせ、膝裏から回した腕で姉の腿を抱え込んだ。
 目の前の下肢は幾許かの性感に震え、姉の股間にうつ伏せで顔を寄せた巧にはもうそ
れを喜ばせることしか頭になかった。
 昨夜血の海をつくったばかりの姉の中へ、そのままでは入っていく勇気はない。よく
はわからないが、環のように、とろとろに濡れて溶けそうになるまで愛で尽くし、いつ
でも自分のものを受け入れられるようになるまで道を拓いていきたいと思うのだ。
 両腕で姉を引き付け、もう濡れ始めているそこをなんども優しく吸った。
「巧、汚……」
 戸惑うような姉の抗議には耳を貸さず、芽のように盛り上がった肉のつぶに舌を持っ
ていって思考そのものを封じてしまう。
353 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/15 03:22:44 ID:S9N85rjy
 ビクンと背中を反りかえらせ、巧の髪を掻きむしりながらもその手は押しつけていて、
両足は巧の頭を柔らかく締め付け、確かな快感があることと、身体がそれを求めている
ことを巧に伝えていた。
 巧が両腕をさらに引き付けると、姉の腿は巧の頬をもう溶かしそうなくらいに柔らか
く張り付いてきて、頭の中に普段の凛とした姉を思い浮かべるたびくらくらして、巧は
このまま溺れていては男がすたるとばかりにしばらくそこへ執拗に舌を送り込み続けた。
 与えて同時に貪ることが容易なのは、はっきりそこに気持ちがあるからだ。
「だめ、だめ、……巧、だめだから、嫌っ」
 都は言葉を切れ切れにこぼすたび巧を取り込もうとするように、きつく股間を引き締
めてくる。呼吸路をなんとか確保しながら、巧は肉の亀裂を強くなぞり、そのたび姉が
身体を跳ねさせてなにごとか口走るのに向け、
「ぜんぜんだめじゃない」
「ぜんぜん嫌じゃない」
 と、姉に快楽を認めるよう追い立てていった。
 早く気持ちよくなって元を取ってくれと思う。昨夜の巧の身体の中でのたくっていた
ような快楽は、後ろでした時しかまだ姉にはもたらされていない。
 巧はしつこく姉の肉の内外を舐めて吸い、固めた舌先でえぐった。中からあふれ続け
る液体で顔がふやけてしまいそうだが、本当に姉が柔らかくなるまで、続ける。
 冷たかった部屋の空気は甘く濁り、姉の白い肌は紅潮してまさに『食べごろ』と言っ
てよかった。だが、姉はまだ昇りつめていない。
354 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/15 03:23:33 ID:S9N85rjy
 ここだけはちっぽけなプライドにこだわってみる。今が姉の身体を支配するほんの第
一歩だ。すでに手にした心より、今は身体を手に入れた証が欲しい。
 自分の行為のいかがわしさと卑しさを(これでいいのだ)と決めてしまうのは、とて
も気持ちがよかった。たまらなくいやらしい女の身体を、狂ったように貪らない男なん
て、世界には必要ないのだ。
 今や姉からは硬さがまったく感じられない。
「や、巧、来て……、近くに来て、ぁ……近く、お願……」
 姉の懇願に似た声に胸を熱くしながら、舌を姉のよく反応するところに執拗に送る。
今、痙攣するように姉が手足を突っ張っていくのがわかった。巧はそれを焦らすことな
く、与えられるだけ惜しみなく感覚を与えていくだけだ。
 都は、おかしくなりそうな快感の渦に身体をくねらせながら、すがりつく対象を求め
ていた。だから巧は、ほんの少しだけ待って欲しいと、姉が昇りつめて脱力したところ
へ自分のものをあてがってゆっくりと、滞りなく腰を押し込んでいった。
「はッ…………」
 息を詰まらせるようにして姉がその圧迫感に耐えている姿に、謝りたくなるのをこら
え、昨夜に増して狭く熱く感じる肉の穴の中へ自らのすべてをゆだねるように埋め込ん
だ。
 巧は奥底に突き当たったのを確認して、高揚と快感にしびれる身体を姉の上に下ろし
た。その精神的な充足感は本当にはたまらないったらない。そうして、待たせてしまっ
た姉に思う存分抱きしめさせてやる。自らも、姉にこの気持ちを伝えるために気持ちを
込めて抱き込んでいく。
355 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/15 03:24:17 ID:S9N85rjy
 巧の腕の中で、健気にも足をいっぱいに広げて巧の分厚い侵入に応え、巧の下半身を
喜ばせている年上の女性は、小さな嗚咽をもらしていた。
「姉ちゃん……泣かないで、頼むから」
 姉の感極まった様を見せられるたび、巧は切なくなる。その切なさが苦しいまでの股
間の快楽とないまぜになって、限り無い陶酔感を生んでいるのは疑いがなかった。
 だからよけいに、この身体が二度と離れないのではないかという怖れにも似た甘さに
巧はハマりきれないのだ。
 巧にとっては、姉が『いつか出ていく人』であることに変わりはない。そのうえで今
は自分の愛しむ心のままにかわいがってやることに欲望を感じて、それを肯定した。そ
れ以外に巧が巧である方法がないことは由美が教えてくれた。
 巧が姉の身体をかわいがれなければ、姉の今の幸福は成り立たない。
 姉の心は、巧には少し重かった。
 快感に酔ってくれるまで、巧は姉を離せない。今だけは姉の気の済むようにと思い、
うごめく姉の膣内の感触をじっと堪能しながら時を待った。
 
 §
 
 姉の激情がおさまるまでその髪を優しく撫でていた巧は、自らの欲望に立ち返って身
体を起こし、
「もうしばらく痛いの、我慢してよね」
356 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/15 03:24:54 ID:S9N85rjy
 と姉の意識を、繋がったままの自分達に呼び戻した。
 間違いなく痛みが続くだろう姉の苦しみを、できれば今日一日で終わらせてやりたい
と思う。快感を得ることなく巧の欲望を受け止めるだけのひたむきな姿も、それはそれ
で巧の心のどこかを震わせるのだが、本当に欲しいものはその先にある。
 舌で姉の口の中をとろかしてから、巧は腰の動きを始めた。
 力を入れたり抜いたりしながら、自分からも痛みを軽減しようと動く都の姿がとても
愛おしかった。それは巧の欲望をさらに刺激することになり、肉棒の強張りを高めて姉
を痛がらせることは間違いないのだが、しかたがない。
(絶対、気持ちよくなるよ……)
 自分に言い聞かせるように、巧は姉が痛がるところを積極的にえぐった。
 なにか、麻痺しているのかこなれてきているのか、痛がるところと痛がらないところ
がある。
「んっ……」
 と姉が息を吐くたびに身体を傾け、巧は姉の身体をいろんな形に折り曲げていった。
 処女の名残のようなものを探して、横向きにした姉の片方の太腿を抱え、垂直に姉の
内側をえぐっていたら、たまらなくなってきた。
「姉ちゃん、いくよ……」
 遠慮しないでイくときにはイこうと心掛け、欲望のままに腰を振り、送り込んでその
まま激しく注いでいった。荒い息をついて頬に唇を寄せると、都はなんとも言えない嬉
しそうな恥ずかしげな表情で、そんな巧を見上げる。
357 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/15 03:25:26 ID:S9N85rjy
 姉は幸せそうな女の顔をしていた。
「ん……」
 自分の中で小さくなる巧を、手に入れた勲章のように思っているかもしれない。もち
ろんそんなことはお互い様であり、巧は役得以外のなにものでもない極楽の中にいる。
 巧がまた姉の身体をくるっと回すと、
「最初からそんなに、痛くないの。でもまだちょっと……」
 都はそう赤くなりながら自分の身体のことを説明し、少しだけ辛そうにする。
 巧に気を遣っているだけじゃなく、これが、いずれ通らなければならない道だとわかっ
ている顔なのだ。堪えられない瞬間だ。
 巧は乱れた髪を一度整えてやって、また姉の身体にいやらしく目を向ける。硬さを取
り戻すまでの間、うつぶせた汗ばむ背中に夢中で吸い付いた。
 姉の背中が特別弱いのは疑う余地がない。前に回した両手のひらで胸を揉み上げなが
ら背筋を唇でなぞっただけで、もうシーツを掴んで肩を突っ張らせた。
「姉ちゃん、背中本当に弱いよな」
 そう言いながら舌で背骨をぬるぬると舐め上げていくと、首筋から耳まで真っ赤にな
りながら「意地悪っ」と二度巧をなじり、シーツを掴んだ手をどんどん脇に引き付けて
きて、頭を左右に振って堪えている。
 片手を胸から抜いて、そんな姉をまたえぐり抜くべく下半身を誘導した。
 先端をぴったりあてがった瞬間に、姉が背中のあまりの性感の強さに暴れるので、ぬ
るっと勢いよく突き込んでしまった。
358 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/15 03:26:08 ID:S9N85rjy
 今度は巧が快感に打ち震える。
 身体をのけ反らせていた姉は、一瞬に穴の中を埋め尽くした巧をぎちぎちと締め付け
て絞った。
「ま、待った、くぁ……」
 意識が飛びそうな刺激を受け、巧は姉をぐちゅっと突き上げた。
「んっ」
 と都が受け止めながら足を心持ち拡げる。うつ伏せの股間からにじみ出るものは、こ
とごとくもう血ではなく、感じている女の喜びの証だった。
 そんな姉を横に勢いをつけて引き倒し、裏返しに自分の身体の上に乗せた。仰向けの
ままで、姉は巧に後ろから入れられている形だ。
 
「こうやってきっちりとくっつくとさ、本当に繋がってるって気がする」
 巧は姉の手と足を自分に合わせて乗せ、両手の指は握りあわせた。
「ついでに姉ちゃんのお尻の形がよくわかって最高」
「や……」
 都がそれを聞いて逃れようとするのは許さない。固く握ったまま姉に続けて囁きかけ
る。
「たまんないんだよ、これ。俺を幸せにしてくれる形。それと──」
 自分の上で恥ずかしさに震える姉をこのまま虜にしようと、
「俺を気持ちよくしてくれる、ここ」
 と、腰を軽く上下させて姉の中を擦ってみた。
359 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/15 03:26:45 ID:S9N85rjy
「姉ちゃんの身体は女としての魅力を全部持ってるんだよ?」
 その瞬間に姉の中が収縮して、巧は悲鳴を上げそうになる。仕返しに、少し意地悪な
話をした。
「言っちゃうとさ。……環さんも、そうなんだよ」
 都は沈黙で応えた。
 巧の続きの言葉を待っている。
 巧は姉の首筋にちゅっと軽くくちづけると、
「環さんも、姉ちゃんも、全然タイプが違うからとても比べられないけど、最高にいい
女だと思う」
 巧は、環の前ではとても言えないと思いながら、言葉を続けた。
「いまさら、なんで俺なんかに、なんてしらじらしいことは言わないけど。本当に二人
ともたまんないよ、俺。一日中抱いてたいもん、一日中」
 腰をずらして姉から抜き、降ろしてから改めて姉の上になって見下ろし、
「入れるよ」
 と、返事を待つでもなくまたぬるぬると姉の中に入っていった。
 都は目を閉じて息を吐きながら、それを受け入れていく。
 痛みは収まっているようだった。巧の方も今は落ち着いていて、余裕を持って姉の中
を往復し始めた。それを、身体の下でただ感じ取っているというのはどんな感じがする
ものなのだろう。
360 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/15 03:27:43 ID:S9N85rjy
「大丈夫?」
 一度動きを止めて、念のため聞いてみると、
「たぶんしびれてる……痛くないから、巧がいいようにして?」
「もう好きにやってるし、姉ちゃんはなにも感じない?」
「巧とこうしてるだけで、気持ちいいから」
 姉の顔からはおよそ不満のようなものは感じられなかった。
「なんか、すごく不思議な感じ。あんな大きいのがおなかの中で動いてるのに、形がわ
かっちゃうくらいなのに、どうしてだろうね、好き放題やられてるはずなのに、ううん、
巧だから、私になにをしてもいいからなんだと思う」
 都は濁りのない微笑みを浮かべ、
「巧は私の全部だから」
 と言った。
 心の底ではやっぱりこれが聞きたかったのだと、巧は思い知った。
 本当にこの女が姉だなんて、もったいない話だった。今はどう思っているかと聞かれ
たら、そんなことはどうでもいいと、答えられる。
 腰を動かしながら、舌を絡ませあったり、胸の先端を指で転がしたり、思い付くまま
に姉の身体中を楽しむ。律動に合わせて胸がゆるゆると波打ち、なんともいえず心地よ
さげに見上げて腕をのばしてくる姉に、今度は唇をきつく吸って応え、愛しさを染み込
ませるように奥の奥に突き上げておいてから、じっと沸き上がるものが昇ってくるのを
待った。だが待つまでもない。すぐに、うねうねと締め付けている膣内の動きだけで巧
は脳を掻きむしられるような悦楽に狂わされ、やがて最高に高いところまで弾け飛ばさ
れるように、姉の中に吹き上げた。都は、おそらく半ば本能的に、両足を巧の腰の巻き
付け、巧の射精の瞬間を感じ取ったようだった。二人きつく抱きしめあって、巧はその
瞬間にゼロ距離での歓喜のすべてを味わった。
361 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/15 03:28:58 ID:S9N85rjy
 
 §
 
 二度出された巧のもので、都はさすがに中の感触の変化を感じ取っていた。
 都合三度巧のものを身体の奥で受け止めた事実と感動は、何ものにも替えがたい。ふ
と最後の瞬間のぴりっとした違和感に思いを馳せた。
 中で気持ちよくなるってどういうのだろうとずっと問い続け、もしかしたら、とそれ
に期待を寄せる。
 環がうらやましかったが、今はどうだろう。
 少しバツが悪そうに、でもとても気持ちよさそうに自分の上で身体を弛緩させている
弟を、都は、思わず腰に回していた足をこそこそと降ろしながら、優しく抱きしめた。
 最高に恥ずかしかったが、自分の身体に最高の賛辞を送ってくれたエッチな弟のため
に、説明をしてみた。
 もう何度かしてみたら、その行為で気持ちよくなれるかもしれない。
 今は少し痛みがぶりかえしているが、もう通過儀礼のごとき苦痛からは逃れることが
できたと都は確信している。
 都の言葉に、巧がどんな顔をしたか。
362 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/15 03:29:17 ID:S9N85rjy
 これこそが自分が手に入れた最高の宝物なのかもしれないと思わせるほどの、弟の本
気で嬉しそうな照れ笑いを、永遠に記憶に残しておくのだと目を見開く。それから薄く
閉じ、弟の息づかいを間近に感じながら、もう一度大きくなってくれないかなと、はし
たなく弟の下半身をあやしてみた。
 まんざらでもない手ごたえがあって、さっきの都の告白の成果もあったのか、巧はし
ばらくへたっていたが、おもむろに上体を起こし、都の身体への執着を再び証明してみ
せた。
 
 もう一度巧のものを身体の奥に受けてそれから、学校に持っていくはずだった弁当を
ダイニングで広げて二人で食べた。
 若さと一言で言ってすむのか疑問に思えるほど、巧は都にとって悦ばしい存在となり、
結局さらに午後にも巧は都の中に一回注ぎ込んで、ついにそこでギブアップした。
363名無しさん@ピンキー:04/12/15 10:11:52 ID:D+vnVBnT
んにょ〜〜〜〜!!!!!!!
かっかかかか
       ネ申〜〜〜〜〜〜〜!!!!!

もっもうだめ!
萌え死ぬ!!!!!!!!!!!
364名無しさん@ピンキー:04/12/15 10:25:47 ID:SWyAXLr0
あー、たまんない。

としか言いようがないです、ゴッド。
ハァハァハァ・・・
365名無しさん@ピンキー:04/12/15 12:13:56 ID:/vXAQO5c
ゴッドジョブですゴッド!!!!!!
マジ最高です!!!!!!

あれ?どうしてだろう?涙が止まらないよ・・・・・・
366名無しさん@ピンキー:04/12/15 12:16:13 ID:3yaHwhBu
オッス、オラ都!いっちょヤッてみっか?
367名無しさん@ピンキー:04/12/15 14:40:11 ID:YdSiwIMT
萌え神(エロ)が降臨しているスレはここですか?
368名無しさん@ピンキー:04/12/15 18:02:39 ID:ygEU9GYg
都タンハァハァ・・・
ハルカタンハァハァ・・・
環タンハァハァ・・・
369名無しさん@ピンキー:04/12/15 19:53:44 ID:drlusV2P
ディ・モールト・マーヴェラス
ゴッドジョブ!!最高!!
370名無しさん@ピンキー:04/12/15 19:54:48 ID:xM4HSVqV
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
GJ!!
乙ですゴッド。

あ〜、ついに本番やっちまいましたねぇ。
感慨と共に、何か一つの区切りを終えたようで寂しさが・・・
出来るだけ長く続いてほしいなぁ。

他にも魅力的なキャラばかりですし(都お姉ちゃんが一番ですが)
とにかく◆5mSXuZ5GjEさんのファンになってしまったので
番外編みたいのも是非機会があったら書いてほしいですね。

何か凄いクレクレくんみたいになってしまった。気に障ったらスイマセン。
とにかくまだ終わった訳では無いので、次回投下を楽しみにしています。
371名無しさん@ピンキー:04/12/15 21:49:08 ID:/hOeNB28
今最初から読み直してみた。
何度呼んでも萌える・・・
372名無しさん@ピンキー:04/12/15 23:38:00 ID:WoiSVml5
GJ!!!!!
感動したよ・・・
373名無しさん@ピンキー:04/12/16 21:04:13 ID:07D1DXGo
激しくGJ!!
つーか金払ってでも読む価値ありますよ、これ

レベルがむちゃくちゃたけえ…
374名無しさん@ピンキー:04/12/18 21:41:55 ID:fdf5BZ1n
439 名前:名無しさん@5周年[] 投稿日:04/11/13 03:36:49 ID:T1lxgPql
姉ちゃんに、
「ひとりエッチするから部屋から出てってくれ(笑)」
って言ってしまいました。

冗談のつもりだったんだけど、姉ちゃんは一瞬困った
ような表情をしてから、部屋を出ていってしまいました。
なんかイヤーな気持ちになってしまったんですが、
いったん部屋を出たあとに、すぐもう一度ドアを
開いて顔だけちょこっと出した姉ちゃんは、
「お姉ちゃんのこと想像してもいいんだぞっ。終わったら呼んでねー。」
って言ったんです。
もう止まりませんでした。
375 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/19 00:16:48 ID:ELnJ0cko
下の親知らず抜いたことある人いますか?
自分の場合かなりしんどい部類だったらしくて、二時間もかかった上に、
顔の形が大変なことになって、熱出して今寝込んでます。
今死んだら絶対成仏できないだろうなあとか思いつつ、
ちょっとお休み。

あと、腫れ上がった顎に「あんころもち」とか書いてくれる困ったお姉さんを募集中。
376名無しさん@ピンキー:04/12/19 00:31:15 ID:4n4fLkhV
>>375
ご自分で書けば……と思うけど、例のキャラの印象が書く方にも読む方にも強すぎるか?
ご養生をば。
377名無しさん@ピンキー:04/12/19 00:34:34 ID:nGXHlQzp
寒くなる時期ですので重なったのかもしれませんね。
どうぞお大事にして下さい。
自分はここ数年熱出した事が無いので
逆に久しぶりに風邪ひいてみたいなぁ、なんて考えたりもしますw
「熱出す辛さってどんなんだったかなぁ?」なんて思ってw
SSのほうはご自分のペースでゆっくりと書いて下さい。
良い感じに焦らされながら待ってますw
378名無しさん@ピンキー:04/12/19 03:17:30 ID:YKZmVCPR
ノックもせず突然部屋に入ってきた姉。

『よくも私のカワイイ後輩をふってくれたわね!』
「あの娘、俺の好みじゃないから。」
『だからって「ゴメン、無理。」だけはヒドイでしょ!もう少し彼女の事も考えなさいよ。』
「…(ウルサイなぁ。)」
『何か言いなさいよ。』

「…だから」

『ん?聞こえないわよ。』

「俺が好きなのは姉ちゃんだから。」


………

『な、な、何を言っているのよ!ご、ごまかそうとしても、そ、そうはいかないからね!……あ、回覧板まわすの忘れてた、この話は今度ちゃんと理由を聞かしてもらうからね!』

逃げるように部屋から飛び出ていく姉。




「…あんなに照れちゃって、姉ちゃん可愛いすぎ。」

俺は姉ちゃんが好きだ。
379名無しさん@ピンキー:04/12/19 07:41:37 ID:THZalff+
>>378
良いじゃないですか・・・
連載希望
神もお大事に
熱引いたらまたよろしくお願いします
380名無しさん@ピンキー:04/12/19 11:19:04 ID:PRpPjWct
>>375
歯茎切開して蚤で砕きましたよー。たまらんかったです。でも2日くらいである程度物食えるように
381 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/20 01:52:57 ID:X80KiUzY
>>375は、普通に落書きされてみたいと思っただけなので、
誰かにそういう話を書いて欲しいと思ったわけではないです。
あと熱はたぶん顎の骨を削ったからです。
風邪以外で熱出したのって記憶になくて、ちょっと焦りました。

いつもいつもほんとにたくさんのレスありがとうございます。
熱があっさり引いたんで、一気に書きました。(腫れは三日たっても一向に……)
で、本編は、いきなりだけどこれで予定通りです。ごめんなさい。
(ちょっと終わり方として、行儀がよすぎる気もしますけど)
382 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/20 01:53:35 ID:X80KiUzY
 40(最終節)
 
 その後、三人になる機会を得た。
 期末試験の終わった後に屋上の給水塔の裏で、姉の胸を制服の上から触っているのを
環に見られてから、巧は二度と学校ではなにもするまいと決めた。環が、
「あんたら、それだけは絶対やばいから」
 と両方の頭にゴツンと拳を振り降ろしたので、真剣に反省する。都の方は、ぱっと見
赤くなっているだけのような気がしたので、巧は人さし指を姉の唇に近付けてみた。
 ちょっと怖い顔をされたので、逆にほっとする。
 自分以外は冷静だということだ。
「ところで姉ちゃん達、なんかめちゃくちゃ寒いんですけど」
「そりゃ冬だしねえ」
「中に戻りてえ……」
 巧はぶるっと身体を震わせる。陽が陰ってきて、お世辞にも暖かいとは言えない。
 巧は都を腕の中に抱えた環ともたれあっていたのだが、それを見た環がいそいそと巧
の反対側に移ってサンドイッチしてきた。
 都も直接巧にもたれかかってきて、そうすると結構暖かい。
 そうやってしばらくじゃれあうように時間を過ごし、陽が傾かないうちに、と屋上か
ら降りていく途中、クラスの馴染み連中と出くわした。
383 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/20 01:53:54 ID:X80KiUzY
「おまえら、なに残ってんの……」
 と巧が軽くやり過ごそうとすると、その中にいた清美がじっと巧達の方を見てから、
「一瞬、どっちとつきあってるのかわかんなかった」
 とドキッとすることを言う。
 男子の間では巧は、やっかまれる反面一目置かれるような、多少気持ち悪い扱いを受
けていた。因縁をつけようとしたり、逆に変にあやかろうと近付いてくる者もいないわ
けではなかったが、大橋守やこの残間清美のような一部の変わり者がいたおかげで、巧
の周りは概ね平穏だった。
 巧が冬休みのこととか、友達同士での企み事を調整している間、都と環は昇降口まで
降りて行って内緒話をしていた。
 
「イヴイヴにさ、由美と三人で出掛けない? 巧くん抜きで」
「いいけど……」
 都は環のこの手の誘いには慎重に受け答えすることが多かった。
 今の由美にはなにやら熱心に取り組んでいることがあるらしいのでそのままに見守っ
ているものの、後ろめたさは依然として残っている。
 都としても友人としてできるだけのことはしてやりたいので、だからこそ今はそっと
してある。
 それはともかく、12月の23日、いわゆるイヴイヴのその日に、
「カラオケボックスでお勉強ってどうなのよ」
384 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/20 01:54:20 ID:X80KiUzY
「お勉強じゃないもんねっ、お披露目なんだぁ。あ、ここは全部あたしが払うからね」
「なんで?」
 環が首を傾げると、由美は革鞄の中からなぜか預金通帳と変な書類を持ち出した。
「なにこれ」
 と覗き込んだ環は卒倒しそうになり、
「これもしかして自分のなの?」
 と由美に聞きながら都を押し倒して、都にも中を見せた。
「小遣い稼ぎのつもりだったんだけどぉ、もうね、勝ち決定?」
 たぶん由美一人では、普通に暮らしてたら一生かかっても使い切れない×5ぐらいの
金額が記帳されたそれを、環は生まれたての特別天然記念物(カブトガニとか)でも扱
うような危うさで由美の手に返した。
「あんたって、やっぱり天才?」
「で、財テクお姉さんに呼び出された俺はなにをすればいいのでしょう」
 いないはずの巧の声に都と環はドキッとして振り仰いだ。
「あれ、由美巧くん呼んだの?」
 入り口でダウンジャケットをばさばさ脱ぎ出した巧は、そのまま由美の横に収まり、
環がそれを見て、
「ああっ、なんか怪しいぞ、そこっ!」
 と茶化すのを都は見渡していた。
「そりゃ、あたしたちは一度キスした仲だもんねぇ〜?」
 由美が言い出したことに巧は慌てた。
385 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/20 01:54:42 ID:X80KiUzY
「ちょっ、あれはその」
「ふーん」
 環が行儀悪くテーブルの上に乗り、対面の巧の方ににじり寄る。
(あっ、またなんかいらんこと考えてる)
 と巧が逃げようとすると、
「こーんな風に──」
 と由美が環と巧の後頭部を捕まえてサンドイッチにした。予定外のこんな場でのキス
に、二人で目をぱちくりさせる。
「──あの頼子さんにやられただけよっ! ふーんだ、そこっ、やって欲しそうにしな
いっ!」
 と今度は、由美は都をつかまえて巧にぶつけた。
 唇の事故、それは都の胸に来た。とても新鮮な感覚。
 こんな風にするキスなんて、自分と相手だけではできないわけで、なにかそれだけで、
都は自分を巧にとっての普通の女の子のように扱ってくれるこのいわくつきの親友を忘
れられないと思う。
 彼女が幸せになるだろうことにも疑いはなかった。
 自分はどうなるのだろう。
 巧が死に物狂いでやろうとしていたことを自分は無慈悲にも完全に破壊し、だけどこ
うやってまるで恋人にでもなったみたいに側にいる。
 自分の性格が嫌にもなり、でも自分をやめることもできない。
386 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/20 01:55:07 ID:X80KiUzY
 これから巧と離れ、東京の大学に行く。
 都は、それだけはちゃんとしようとしている。

 夏も冬も雨も 遠慮がないからきらいだ
 君も僕も彼も 遠慮がないからきらいだ
 でも大好きだ
 君が大好きだ
 
 巧が嫌がらせのような歌を唄っているのを見つめる。
 不思議とすんなり受け入れていたが、
 
 血が止まらな〜い
 血が止まらな〜い
 
 巧が自分の方を向いてそんなのを唄い始めた時にはさすがに切れて、都は真っ赤になっ
て巧を殴りつけた。
387 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/20 01:55:37 ID:X80KiUzY
 
 §
 
 とある女の子イベントの翌日、巧は駅前を巡り歩きながら、環に久しぶりにお茶をお
ごっていた。
「環さんはさ、最初俺のことどんなやつだと思った? 最初から好きだった?」
 恥ずかしくて聞きにくいことを、時々こうやって聞くようになっていた。
「ずっと遠くにある宝石を見つけようと思って双眼鏡で見ていたのに、ふと足下を見た
ら大粒のダイヤが落ちてた──って感じ。一も二もなかったけど?」
 環は恥ずかしげもなくあっさりと答える。
「はあ、さようでございますか」
「しかもそのコが恋人になってくれて、私も女だから、惚れた男がさ、言い寄ってくる
女を片っ端からちぎっては投げちぎっては投げってはねつけるのを見るのは、そりゃ嬉
しかったな」
 そこで環は寂しそうに笑い、
「でもその中に都も入ってるのがすごく悲しかったの」
「環さんの動機はそれだったわけね……」
 いいけど、と巧も気楽に昔を振り返った。
 自分達の周りの時間の過ぎていく速さに、巧はついていけていなかった。
 先日も休みを利用してマンションを探す二人につきあって上京し、まぶしい喧噪の中
で都会人の毒気にあてられながら、巧はやがて現実に来るその日を感じていた。
388 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/20 01:56:03 ID:X80KiUzY
 安く上げるためとかいろんな理由で、姉と環は二年間二人で生活するらしい。
 あれだけ大騒ぎをしておいて、春になればこの学校には巧一人だけになるというのに、
痛くも痒くもないとでもいうような、二人が表面上はそんなふうに冷静なのが気に入ら
なかった。
 巧は思いあまって、いままでためらっていた姉とのコトの顛末を環に話した。
「そういう話をするってことは、私にもしてくれるってこと? 生で」
「……あんまり環さんらしい返し方なんで、なんにも言えない……」
「お返事は?」
 環の邪悪な笑い方は完成度が上がっていた。
「それっきりやってないんで、できればかんべんしてください、心臓に悪いから」
 と降参する。
「貸しにしとくからね〜」
「環さんが行くガッコって新宿だっけ」
 巧が無理矢理話題を変えようとするのを環はおかしそうに見ていた。
 絶好調の厳しい冬ではなく、今年は暖冬だ。
「ちょっと駅から離れてるけどねー」
 それなりの寒さを楽しむように、やたらと外へ出ていた。自由登校で力が有り余って
いる三年生と、そうでもない一年生。
 今日は駅前で二人で過ごし、後から都が合流することになっている。
 なぜかというと、それは巧が夜のうちにがんばりすぎたからだ。
389 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/20 02:00:43 ID:X80KiUzY
「あの人、運動不足だから。しばらく大人しくなってくれるといいんだけど、そうはい
かないよなあー」
「じゃあ、都もアレに開発されちゃったのね、このエロエロ少年のせいで」
「いや、まだ」
 巧はいいかげんあからさますぎる会話に赤くなったままで、
「そんな気持ちよくはないみたい、まだ。しかもなんか、気にしてるらしい気配を感じ
るんですけど」
「へー、そっかー。なーんかドキドキするなあ、友達のそういうのって」
 環は、例の表情で好奇心満々に巧を覗き込む。
「環さんひょっとして、見たいの?」
「うん」
「元気よく言うなっ……」
 巧が頭を抱えていると、
「あっ、おーい、都こっち!」
 話題の人物が巧のハーフコートを着て歩いてくるのを見て、
「また俺の着てるし」
 巧が不平を言うと、逆に文句を言ってきた。
「これ、暑すぎる」
「しかもなんか怒ってるし」
 と横を向くと環がけらけら笑いながら、のぼせて顔の赤くなった都を扇いでみせた。
390 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/20 02:01:17 ID:X80KiUzY
 三人で出掛け、遊ぶのが当たり前になっている。
 お互いのポジションに関して触れるようで触れない会話をし、じゃれあっていても誰
も遠慮をしない。
 そしていつものように巧を真ん中に三人でベンチに座っていると、
「春に都の前で襲ってみせたでしょ」
 と環は古めの話を持ち出した。
「あのときの巧くんともう全然違うんだね」
 環が目を細めて感慨深げに巧に見つめている間、都は目の前のなにもない空間をぼん
やり見ていて、なにを考えているか巧にはわからなかった。
 普段都に触れる時の巧から慎重さが消えることはない。今も触れずに姉を見つめてい
るだけだ。
「カッコいいよ、巧くん」
 帰り際に環が唐突に巧に耳打ちして腕を絡めてくる。
「サッカーやってる時とか走ってるときとかもいいけど、やっぱりそうやって都を見守っ
てる巧くんはカッコいい」
「どういう意味?」
 環はそれには答えず、ふと思い出したように都を向いて、
「東京に行っちゃう前にちゃんと気持ち良くさせてもらいなさいよ」
 と捨て台詞を残して、一人で笑いながら夜道に消えていった。
391 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/20 02:01:42 ID:X80KiUzY
 こういうのが、家に帰ってもいっしょにいられる二人に対するおなじみの仕返しになっ
ている。おそるおそる姉の方を振り返り、
「バラすか、普通。別にいいけど」
 と笑ってごまかそうとするが、無駄だった。例の低い声で、
「そんなことまでしゃべるのね? それなら今夜中にでもそうしてもらうから」
 と威嚇される。が、迫力がないのはやはり赤い顔のせいだろう。
「いい加減無茶言うのやめてくれ、頼むから」
「無茶だと思ったら巧がしなきゃいいだけのことでしょ?」
 巧はその姉の発言に顕れた変化に新鮮な驚きを感じていた。
 それは心境の変化というよりはシンプルな欲求に近く、巧との接し方をより現実的な
形で欲しがっているように見えた。
 今の巧に、そういう変化を拒む理由はない。
「そう言えば俺、姉ちゃんが出てくる夢って見たことないな。覚えてないだけかもしん
ないけど」
「私はいっぱいある」
 道すがら人目のないところではややつっこんだ、場所を選ぶ話をすることもある。
 例えば今なら、
「俺はなにか、姉ちゃんに精神的にストップをかけてるものがあると思うな」
 一歩踏み込んで、そういう話をしながら帰ることにする。
「明日さぼるからさ、また昼間堂々とやろうか」
 と、自由登校で暇な姉を誘う。
392 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/20 02:02:19 ID:X80KiUzY
「俺たちはリスクを払っているんだから、その分気持ちよくならないと割りに合わない
だろ?」
 それで都はさらに変化したように巧には見えた。
 この姉のわかりやすさはいつも脅威だったけど、受け入れてしまえばこんなにも心地
がいいのは、懐の深いあの環に包み込まれているからだろうと思う。
 環は会っている時にしかそばにいない。そばにいなくても、残された時間は消費され
ていく。時間というのはこの世で最も冷静な存在だ。春になるまでこの速さは変わらな
かった。
 
 §
 
 巧は、姉達の卒業式の日、由美とひとつ約束をしていた。
「あたしとはここでお別れだねっ」
 由美が屈託のない笑顔で言うのを姉や環と離れた場所で聞いていた。
「都ちゃんをよろしくね」
「それなりにね」
「ひどーい。でも巧くんはいい加減なことしない人だもんね、信じてるから。極端な話、
環ちゃんはなんの心配もいらないけど、都ちゃんは──」
 これまで由美に話されたことはすべて事実だったと思う。
 巧は姉の弱さを知った時に自分の弱さにも気付くべきだったし、自分の気持ちから逃
れられないことを早々に察知して行動に移した姉は、むしろ理性的だったのだと思う。
393 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/20 02:02:49 ID:X80KiUzY
その行動が行き過ぎるところが感情的ではあったが、巧はもっと不誠実にでもいいから
それを受け止めるべきだったのだから。
 都が遠くから二人をなんとも言えない顔で見ている。
 巧が今、また環の制服と付け毛で女装して由美を見送っているからだ。
 そして今度は、
「由美、愛してる」
 と言ってから、そのまま目を閉じて顔を傾けた由美にくちづける。
 そのお別れのキスが、巧と由美の最初で最後の約束なのだった。
 環が、隠し持っていた使い捨てカメラをおもむろに取り出し、
「激写!」
 とか言ってるのを都が取りあげようともみ合い、じゃれあっているのを巧と由美は振
り返って笑い、そこで手を振って別れた。巧は姉や環ともそこで別れ、由美にしばらく
居場所を譲る。この日一日は三人と離れ、巧は家に帰ってのんびりしていた。このとこ
ろ自身もサッカーをする以外の時間を持て余していたので、アルバイトをしたりして、
今もそれとなくお金の使い道を考えたりしている。
 そしてこの日、思い立って散財しに繁華街へ出掛けた。
 
 目当てのものを手に入れて、それを姉の目から当面隠す方法を考えながら帰った。
 春一番なる風もとっくに吹いて、二人と離れる日はもうすぐだ。
394 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/20 02:03:20 ID:X80KiUzY
 姉と環の間にどのようなことが話されているのか、巧は知らない。だから、巧は二人
が自分に向ける好意だけを信じることにしている。もちろん完全に会えなくなるわけで
はなく、距離的にもせいぜい電車で三時間。高校生には少々厳しい隔たりであることに
は違いはないだろうが、ただ巧は二人のそれに関する素っ気無さが、なにに起因してい
るのか知らないだけだ。
 姉と、環と、身体を触れあわせるたびに残りの時間は減っていき、巧はただただ二人
が腕の中にいる理由を考え、自分があと二年をこの町で一人で過ごす理由を考えた。
 思い込み以外に得られる答えはない。
 それでいいのだと思う。
 わざわざ新幹線の駅まで見送りに出て、先に送りつけた荷物を追う二人についてホー
ムまで上がった。環の差し金で、他の家族は来ないことになっている。
 無駄にした時間はなかったはずだ。だから、巧は今不思議と落ち着いている。
 都がトイレに寄っている間、環と言葉を交わした。
「二年は都といっしょにいると思う」
 環は二年で卒業だから。その後はまだ決めていないという。
「私たちはいっしょにいるから、もし二年経って卒業した時にまだ好きでいてくれたら、
その時には飛んできてね」
「約束します」
「浮気するならこの二年の間にしといてね。ていうか、しなさい。そのくらいしてくれ
ないと私の気が済まないし。でも、そのかわり私たちのとこに来たら最後、させてやら
ないからね」
 そんな言葉に環の自責がかすかに顕れる。
395 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/20 02:03:47 ID:X80KiUzY
 夏休みに巧の身に起こったことで、環がどれだけ自分を責めて落ち込んだのか、巧に
は想像することはできない。もし二年後彼女の前にちゃんと立つことができたら、その
ときにそれもわかるのだろうか。
 なんにせよ、最初にはるかの顔が浮かんでしまう自分に苦笑する。
 環の前でそこまで罰当たりな想像のできる自分を、受け入れていいのかどうか。
 だから建て前であっても、こんなことを言ってしまう。
「環さん、あんまりその相手のこと考えて言ってないでしょ、それ」
「そうだね、ごめん」
 環が舌を出して、ちょっと黙り込んだ。
 そうするうちに都が戻ってきて、代わりに環が離れたのを確認してから、
「はるかに手を出したら殺すからね」
 と言った。
 心でも読んだのかと思うが、はるかの気持ちを知っている姉の、もっともな心配だ。
 巧は肩をすくめ、
「姉ちゃんこそどうなのよ」
 と言い返す。
 もちろん聞くまでもなかった。見る間に赤くなっている。
(この人、二年間ずっとボディロックつけたりとか考えてないだろうな……)
 やりかねない姉なので、突っ込んでやろうかと思ったが、やめた。巧の中の姉に対す
る執着は強くなっている。
396 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/20 02:05:00 ID:X80KiUzY
「とりあえず盆暮れには会えると思うけど、あとは巧くんに全部任せとくね」
 二人は、ゆっくりとホームにすべり込んでくる列車を背にしている。巧はどんな顔を
していいのかわからず、ただもてあました。
 その最後に巧は、小箱が二つ入った紙袋を環に渡した。
「これ二人に、魔よけのお守り。……ていうか男よけ?」
「……後で電車に乗ってから開けるね?」
 環が意味ありげに微笑んでそういうので、(バレバレじゃん)と恥ずかしくなり、
「あー、うん。じゃあ」
 巧が最後に言ったのは、それだけだった。
 列車に乗る二人の背中に手を伸ばしかけ、由美と最後に話したことを思い出して、笑っ
て見送っていく。
『巧くんが二人の面倒をみるんじゃないの、巧くんが二人のものになるんだよ?』
 そんなことをあの魔法使いは言っていたのだ。
 つまり、むしろ都と環の『共有物』になった巧が、不良グループに監禁された女子高
生のように(そんな話があるのかどうかはともかく)、自分の心と現実の折り合いをつ
けてこの先、生きなければならないということなのであって、巧が罪悪感を感じる必要
はないと言っているのだ。
397 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/20 02:05:27 ID:X80KiUzY
 そういう変なことばかりを言われて、常識的な物の見方がなんだかわからなくなって
くる。それでいいのかもしれないし、よくないかもしれない。巧には、二年間で強くな
ることが課せられていて、結果として二人を受け入れられればそれでもいい。そうはいっ
ても、人の気持ちはどうなるものかわからない。二人が巧をちゃんと待っている保証だっ
て本当はない。だけど、こういうことは年上の方が不安になるものだ。
 保証はないけれど、このままいけば自分達は三人で生きていくことになるのだろうと
思っている。
 でももしうまくいかなくなることがあっても、壊れずに自分らしく対処していける基
盤のようなものはできた気がするし、たぶんそのおかげで不幸な離れ方はしないですむ
だろうし、巧はそういう生きていく基本的な方向性を獲得できたと実感しているのだ。
 さしあたって考えなければいけないのは、父やはるかのこと、環の家族のこと。
 他になにもいらない、なんて無我無欲な人間はいない。だから、姉が最後まで自分を
選び続けるとは巧は思っていない。
 二年という時間がはたして長いのか短いのか、今の巧には想像がつかなかった。
 今考えていることはとりあえず、はるかと一日置きになってしまう食事当番のローテー
ションと、激辛料理の行く末だ。
 バイト代の残りで香辛料を買い漁ろうと、巧は改札からまっすぐ繁華街を目指す。





398 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/20 02:06:00 ID:X80KiUzY
半年も長々と続けた話に最後までおつきあいくださって、本当にありがとうございました。
最終的に391.6KB、8300行になりました。びっくりです。
細かいことはまた後ほど。
399名無しさん@ピンキー:04/12/20 02:09:18 ID:blYl20pA
半年間、ずっとずっと楽しませていただきました。
心からお疲れさまでした。
400名無しさん@ピンキー:04/12/20 03:04:38 ID:WVva4mDk
長い間本当に乙。
できれば、これからもこのスレ居続けて欲しい。そして共にここに叫ぼう。
「姉さん最高!」と。
401名無しさん@ピンキー:04/12/20 03:19:12 ID:rkI+yJnL
ああああ、終わってもうた・・・。・゚・(ノД`)・゚・。

神、長い間本当にお疲れ様でした。
この凄い寂しい感覚は、やっぱりこの話にそれだけハマってたんだろうなぁ。
また創作意欲が沸いてきたら番外編や続編など投下してみてやって下さい。
また萌えさして下さい。
402名無しさん@ピンキー:04/12/20 03:22:12 ID:FPTP2y+q
ほんっとぉーーーーーーーーに、長い間お疲れさまっしたぁー!!
毎日ここを覗くのが日課でした。
日々の楽しみをありがとうございました。
ゆっくり休んで、何か思いつくことがあったらまた投下していただけると嬉しいっす。
そうでなくても、これからもこのスレで一緒に姉萌えして欲しいっす。
ああなんか上の人と言ってること被ってら。
403名無しさん@ピンキー:04/12/20 03:43:23 ID:ULxe08gL
キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!













。。。。。。。。。。。_| ̄|○オワタ・・・

ゴッドGJでした。乙でした。
マジあんた神だったよ・・・
404名無しさん@ピンキー:04/12/20 04:03:59 ID:khLsiNcK
乙でした。
何度GJ!と書いたことか…
次は魔がさしてはるかに手をだしてしまう番外編を、いもうとスレでお願いします(笑
405名無しさん@ピンキー:04/12/20 04:12:27 ID:HMh6m3Gb
ところでこういう近親物って
どういう風に終わらせるのかって本当に難しいよね。
やっぱりタブーつーか、現実にはちょっと重過ぎる部分があるわけで
読者に「結婚して子供出来て、はい、めでたしめでたし」
っていう未来像を想像させられないから(出来たとしても非常に特殊な形)
どんな未来を想像させて終わるかってのが本当に難しいと思う。
所謂、普通の幸せってのが想像しにくい。(陳腐な表現だけど)

近親物小説の終わり方は、その多くが

1 将来像の表現をひたすら排除する。
2 悲恋的な結末になる
3 お気楽主義、ご都合主義路線(実は血繋がってませんでしたっていうアレも含む)

のどれかに集約されると思う。
そのどれもが一長一短だと思うんだけど
現実的な生活感っつーか、日常感みたいなものが強ければ強い程
将来について書き難いものがあるんじゃないかな?

そういう意味では、いい感じで未来を匂わせながら
上記の三つをバランス良く織り交ぜた終わり方なのではないでしょうか?
そういう部分も非常に秀逸だったと思います。

あ、偉そうな事いってごめんなさい。
本当に面白かったです。お疲れさまでした。
406405:04/12/20 04:26:34 ID:HMh6m3Gb
あと自分もどんな形でも良いので新作を待ってます。

続編やはるか編はもちろん
守×清美とか
一弥×はるかとか
巧×吉田さんとかw
この世界観でいろいろな番外編が作れそうなのが
そして、そのどれもが面白そうなのが非常に素晴らしいですね。
それだけキャラクター達が魅力的で
◆5mSXuZ5GjE氏のキャラクター作りが上手いという事でしょう。
もちろん新キャラでも大歓迎ですw

あまり言うとクレクレ君になるので、密かに期待して気長に待ってますw
407名無しさん@ピンキー:04/12/20 08:36:28 ID:uTSBHxRS
GOD長い間乙でした。

>>406
関連スレで明らかなように一弥×はるかはまずない
408名無しさん@ピンキー:04/12/20 09:02:00 ID:C8gxmG2N
ゴッド、乙でした。

一弥結構好きなんだけどな〜
409名無しさん@ピンキー:04/12/20 10:48:29 ID:D6Atr02K
「はるかに手を出したら殺すからね」 ・・・無理です都さん、1年後の停電の日に手を出してます(・∀・)
410名無しさん@ピンキー:04/12/20 10:57:17 ID:Roy/SRCV
前スレ中盤くらいから、楽しみに読させて頂いて
途中何回もレス付けたかったけど、最終回まで我慢しておりました。

ほんと半年の長い期間お疲れ様でした。
ありきあたりながら、充電されて新たな物語を期待しますね。
411名無しさん@ピンキー:04/12/20 11:08:39 ID:68g/3Qvb
夢落ちでいいです。
3P、見たいです。

ともあれひとまずお疲れー。
412名無しさん@ピンキー:04/12/20 11:19:33 ID:ew1gTcDU
長い間ほんとお疲れ。最後まで飽きなかった。いや、最後だとは思わないでおこう。
413名無しさん@ピンキー:04/12/20 11:58:22 ID:uTSBHxRS
ここで巧の息子×12人の姉がはじまるんですね。はるか、環、都のノルマ3、他1ならいけますよ
414名無しさん@ピンキー:04/12/20 14:52:53 ID:0lIE4EA1
◆5mSXuZ5GjEさんはHPとか持ってないんですか?
◆5mSXuZ5GjEさんのファンになったので
他の作品とかも読めたら嬉しいですだ。
415名無しさん@ピンキー:04/12/20 21:41:04 ID:PKeeVHSR
てゆーか出版社に持ち込んでしまえ。本になったらたぶん買う。
416名無しさん@ピンキー:04/12/20 21:52:44 ID:YDWwjoNo
たぶんでなく確実に買う
417名無しさん@ピンキー:04/12/20 22:01:25 ID:xvA69FNu
寂しい・・・
418名無しさん@ピンキー:04/12/21 01:16:19 ID:HCkO5ycG
神お疲れでした。
あなたは漏れの

    human of the year

でした。次もあることをねがいます。
419名無しさん@ピンキー:04/12/21 08:03:11 ID:lg5jgOJ6
俺の中ではcar of the yearだった
420名無しさん@ピンキー:04/12/21 08:42:06 ID:0sDJ1AOX
漏れの中ではPerson of the 2004だった
421名無しさん@ピンキー:04/12/21 12:13:46 ID:zIEPDLBL
まったく年が終わる前にいいもん見れたぜ。
お疲れ様でしたGOD。
422名無しさん@ピンキー:04/12/21 13:14:31 ID:0lkFo8el
俺の中ではgod of the yearだった
423名無しさん@ピンキー:04/12/21 23:57:07 ID:wWudDuH3
こういう時、二昔前なら、しぃが何か記念品をくれるAAでもって称えたもんだったが・・・
何にしろ偉業でありましたですはい。
424 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/22 00:12:53 ID:CxB3JeSF
(長文レスお許しください)

まず、今までずっとレスしてくれた方々に感謝します。
再開して以来、絶対年内に終わらせてやろうと意地になってはいましたが、それでも
応援してくれる人がいなかったら春になっても終わっていなかったでしょう。
1節上げるたびにすぐ次に向かうんだけど、大抵まったく書けないんです。
それで一日何もできずにいてから、もらったレスを見てなんとかやる気を取り戻して
書くことが出来たというのが実際でした。
それと、夏バテしていたせいもあるんですが、下級生2ショックとかいろいろありまして、
しばらく休んでいた時に何度かラブコールしてくれた人(あれはお一人ですか?)、
特に感謝してます。もしあれがなかったらそのまま逃走してたかもしれません。
また、オリジナルの恋愛ものは事実上初めてだったので、
書いてて非常に勉強にもなりました。

>ラスト
事前のメモではせいぜい10節位の他愛ない話でした。それがこんなになってしまったのは、
最初姉の友人A(つまり名無し)に過ぎなかった環に入れ込んでしまったせいです。
スレ的に一番綺麗に終わるなら最初に意図していた都と巧、環と由美でくっつけるのが
よかったのかもしれません。
(逆に趣味だけで書いてたらたぶん環エンドになった)
425 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/22 00:13:16 ID:CxB3JeSF
>続編&番外編
そもそもの始まりは、シチュ系スレにひとつずつ落とせるような
家族のそれぞれを主人公にした話を書いてみようという安直な発想で、
最初に幼馴染み話ではるかと一弥のプロットを書きました。
その時にはるかの立場というか境遇の一部として、大ザッパにだけど
ほとんどの話はつくったのですが、人前に出せるかどうかとなると別問題だったり。
とりあえず決めているのは、はるかの続きと二年後の巧の話だけです。

>HPその他
永久規制状態のヤフBと絶縁して以来自宅に接続環境がないので、
ちゃんと管理できないんで今のところHPを立ち上げる予定はありません。
HTMLを書くこと自体は好きだし、はるかの改訂版をどうするかという問題もあるので、
でも、うーん。
それと、ネット公開したものを持ち込んだりできるんでしょうか。
文章(それもこういう)で食べていけるならそんな最高なことはないですけど、
甘くはないですよね。
とりあえず年内はゆっくりして、また新しい物を書いてみようと思ってます。

なんか二分割するほどめちゃくちゃ長くなってしまいました。ごめんなさい。
426名無しさん@ピンキー:04/12/22 00:28:20 ID:qK4FBCnG
◆5mSXuZ5GjE氏
毎回楽しみにしながら読ませて頂いて本当に乙でした
良い休養をお祈りしとりまつ

追伸
他の大手プロバイダを考えて見てはいかがっすか?永久規制みたいなのも無いようなところもあると思いますが
427名無しさん@ピンキー:04/12/22 01:03:42 ID:AABSiV1D
最初HPで公開した小説が
エロゲーになったり、本になったりっていう話は
何ケースかあるみたいですが
流石に2ch発は電車男ぐらいしか聞きませんね。

本当に長い間楽しませて頂いてありがとうございます。
どうぞゆっくりと英気を養って下さい。
気長に待ってます。
428名無しさん@ピンキー:04/12/22 03:17:13 ID:nXHiRMjO
ホムペ開設激しくキボンヌ
429名無しさん@ピンキー:04/12/22 07:29:37 ID:a9Izw3Qx
前スレで424氏と共に◆5mSXuZ5GjE氏を待ってるって書いたのも
出身地の話で自爆したのも
このスレ(PART2)を立てたのも
いもうとスレの番外編で一番乗りしたのも
自分です。。。

自分も一回だけここの板違いっぽいスレに投下したことあるんですが、
レス付くだけでうれしいものでした。
◆5mSXuZ5GjE氏の続きを待ってた人はたくさんいたと思いますが、
こんなに反響が大きい作品ははじめて見ました。

でも初代1がこのスレ立てなかったらこの作品も見れなかったわけで、
皆さんがレスしたおかげで◆5mSXuZ5GjE氏もやる気出してくださったわけで、

とにかくみんな GJ!!
430名無しさん@ピンキー:04/12/22 22:10:16 ID:xeKjBo1+
また最初から読み直してる。

面白いなぁ
431名無しさん@ピンキー:04/12/22 23:39:07 ID:I5QrDwbw
都と巧ならイヴはどうすごんだろうな・・・
俺にはおもいつかねぇな
432名無しさん@ピンキー:04/12/23 19:05:19 ID:yuZT/cHt
終わってしまったら寂しいな・・・
433名無しさん@ピンキー:04/12/26 00:00:34 ID:Q6ocMDKj
まだおわっちゃいねえぜ
434名無しさん@ピンキー:04/12/26 00:32:04 ID:FHPH845Z
pc逝ったせいで少し乗り遅れ…
◆5mSXuZ5GjE氏、本当に乙!
漏れも見てるだけじゃダメだよなぁ、と逝ってる間のモヤモヤ解消に少し書いたりしたけども、
この最終節を読んで、もうまさに次元が違うなぁ!と惚れ直しました。

まず出てくるキャラが魅力的で惹きつけられて、
ところどころに挿入されるネタもおもしろくて飽きさせない(最後の血が止まらな〜いは少しひどいw
それに本題のHシーンがとにかく上手くて、圧倒的な表現力がまさにネ申と呼ばれるにふさわしいと思った。
他にも文章の読みやすさとか更新の早さとか、凄いとこは色々あるけど、とにかく我らが神にGJ!

それと、今なら言える…アスタリスクが校門に見えるとかほざいてすいません…。
まさか気にされるとは思わず…責任取るつもりで§を提案させて頂きました…


スレの大半と同じくすっかり神のファンになってしまったので、◆5mSXuZ5GjE氏の次回作も待ってます。
いやクレクレ君ではいかん自分も頑張れ。他の人のも期待してます。
435名無しさん@ピンキー:04/12/26 18:36:08 ID:6Q3bjPJc

俺の頭の中では巧がヤングアニマルの「ゆびさきミルクティー」って作品の
主人公・由紀に脳内変換されてます(イメージ的に)。

今週号・・・ってか2005年1号で姉とDeepKissかましましたよ。
好きな男が他にいるブラコンの姉。そして、幼馴染・クラスメートなど、
フラフラ本命が揺れ動くシスコン主人公・・・。
姉とくっつくこたぁないと思うけど、今週号はヨカッタ・・・いや、ヤバカッタw

俺、立ち読みしながらコンビニで頭が燃えまくって爆発寸前ですよ、もう。
速攻、購入して自宅で思いっきりハァハァしますたw

できるのなら、宮野ともちか、っていうこの作者に巧・都・環の絵を依頼したい。

436 ◆5mSXuZ5GjE :04/12/27 00:57:02 ID:RdqrsgzJ
その後のレスの方もありがとうございます。
「巧くんの二年間」をちまちま構築中。
文章もうまくなりたいんで、いろいろ変なものを書いて研究してます。

>>435
ちょっとドキッとしました。少々ネタが被ってるんですよね、あれ。
ちなみに巧と都だけモデルがいたりします。ビジュアルイメージだけですが。
宮野絵もかなり好きな部類ですけど。
437名無しさん@ピンキー:04/12/28 14:37:10 ID:q9fWFxES
>>436
期待して待っとります
438名無しさん@ピンキー:04/12/29 10:41:11 ID:bCaAoL5X
読んでいる時、iPodのシャッフルでMyLittleLoverのDaysが
よくでて、ちょっとはまったり。

で、姉萌えでもエロでもないけど、父親が全てを知った時、
どう思いどう行動するか、ドラマがありそうで気になる。
439名無しさん@ピンキー:04/12/29 11:21:41 ID:tQ3XPale
と言うか漫画化してくれ
440名無しさん@ピンキー:04/12/30 14:39:05 ID:PTMmgF+a
いや、長すぎるだろw >漫画化
単行本何冊分になるんだよ……?w
エロゲの方が向いてると思うが。
最近は近親シチュも解禁されたので都姉とのHも不可能ではないし。
エロゲならではの「はるかエンド」や「由美エンド」「清美エンド」あたりも
見られるかもしれん。
441名無しさん@ピンキー:04/12/30 23:24:47 ID:Wvl7NADt
都エンド
環エンド
はるかエンド
由美エンド
清美エンド
吉田さんエンド
頼子エンド

・・・良いじゃないですかハァハァ・・・
442名無しさん@ピンキー:04/12/31 01:48:35 ID:s/SKkz+p
>>441
途中分岐でお願いしますw
443名無しさん@ピンキー:04/12/31 10:31:38 ID:SbKtLhOi
待て、姉妹丼エンドと守エンドを追加汁!
444名無しさん@ピンキー:04/12/31 10:33:16 ID:dJKX40wF
それぞれクリアで
ハーレムエンド出現追加キボン
445名無しさん@ピンキー:04/12/31 10:38:46 ID:p0osinq+
>>守エンド

オイオイww
446名無しさん@ピンキー:04/12/31 11:57:48 ID:sFGvM9O3
うう、この企画をエロゲ会社に持ち込みてぇ
447名無しさん@ピンキー:04/12/31 12:57:19 ID:0Eqi0MTw
つーか誰か本当に持ち込んじゃえよ
448名無しさん@ピンキー:04/12/31 13:13:27 ID:0Eqi0MTw
あ、もちろん ◆5mSXuZ5GjE 氏の許可は取ってな
449名無しさん@ピンキー:04/12/31 20:10:33 ID:p0HR/TI6
吉里吉里とかのツールを使えば、取り敢えず形には出来るね。
450名無しさん@ピンキー:04/12/31 21:25:52 ID:p0osinq+
絵師は誰がいいでしょう?
451名無しさん@ピンキー:05/01/01 00:42:31 ID:bCvwr4Bc
姉しよ好きの俺としては、最神先生に。
原画なら
瀬奈陽でも良。
452名無しさん@ピンキー:05/01/01 00:56:48 ID:qcG7aoPe
そこは敢えて奈留ぱん
453名無しさん@ピンキー:05/01/01 01:08:00 ID:8y2BPYtN
ベンジャミンさんに汁!
454名無しさん@ピンキー:05/01/01 02:35:27 ID:JKGJKhQD
奈留ぱんに禿同
455名無しさん@ピンキー:05/01/01 12:27:40 ID:PmtarQCi
ここは一つTony氏で。
このシナリオなら氏の伝説も…
456名無しさん@ピンキー:05/01/03 01:01:31 ID:OgZxPNa7
藻前ら由美×都を忘れてもらっては困ります
457名無しさん@ピンキー:05/01/04 02:52:29 ID:3zgouBy2
女装した巧が間違って由美に襲われるのを期待(ぉ
458名無しさん@ピンキー:05/01/04 03:16:02 ID:owDmaDUW
一人の神に頼るとスレが死ぬぞ
459名無しさん@ピンキー:05/01/05 12:34:37 ID:c7nMhm4M
とりあえず保守しますね。

>455
Tony氏って夢幻館とかの?
絵は凄く綺麗でエロイけど、ゲームはことごとくクソになるというかの伝説か。
このシナリオなら一気に吹き飛ばせるだろね。システムがよほどクソでなければ。
460名無しさん@ピンキー:05/01/07 17:27:36 ID:3YwQE0VC
保守
461 ◆5mSXuZ5GjE :05/01/08 23:46:37 ID:Vg6jJUmM
あけましておめでとうございます。
ちょっと迷ったんですが、とりあえず、後日談的な話を上げてみます。
ついでに1レスの平均行数を20→30にしてみました。
長くはないけど一気投下は無理なので少しずつ。更新は控えめにします。
462 ◆5mSXuZ5GjE :05/01/08 23:47:34 ID:Vg6jJUmM
『GW編』(仮)
 
 
 0
 
「俺をダシに使わないだけましですどね」
 巧が呆れているようで実はほっとした顔でそんな暴言を吐いたので、大川や狭山といっ
た三年の『首謀者』たちはここぞと突っ込んだ。
「おまえは彼女に会いに行けるからうれしいだけだろ、あ?」
「どうしてもというならおまえもナンパに同行させてやる、毎日」
「遠慮します」
 巧は、こればかりは問答無用で断る。
 そんなことがあったので、その日のチーム練習では個人攻撃を受けてろくにシュート
も打てずに、巧は凹み気味で練習を終えた。
 ゴールデンウィークの直前、他の部が気合いを入れている中でサッカー部の連休中完
全オフが決定し、新三年生部員たちは連れ立ってナンパに出かけるための打ち合わせに
余念がなかった。
 聞いていると、どうも県外(ヘタすると東京)まで行くつもりらしい。
 女子マネージャー陣に見事にスルーされているあたり、もうそういうムードが当たり
前なのだ。巧もいそいそと東京の愛しい環のところへ転がり込む予定なので、だんまり
を決め込んでいる。
 練習後の片づけをする一年にこっそり混ざって三年生をやり過ごし、適当に逃げよう
としていると、マネージャーの一人に竹ボウキで叩かれた。
「ちゃんと手伝いなさいよっ」
「コラ、亜崎」
「なによ、エロ魔人」
「誰がエロ魔人か」
「やり手なんでしょ、あんた」
 ジャージ姿で何のつもりか竹ボウキを振り回して威嚇してくる亜崎智恵は、今年巧と
同じクラスになった吉田麻理の親友だという噂だった。だから彼女的には巧は、親友の
憧れの先輩を誘惑した悪い男なのかもしれなかった。
463 ◆5mSXuZ5GjE :05/01/08 23:48:22 ID:Vg6jJUmM
「見てきたようなことを……だいたいエロくない男なんているもんかよ」
 スパイクで砂を蹴って智恵を追い払おうとしていると、同じくジャージ姿でスポーツ
バッグを袈裟がけにした吉田麻理が背後に急にやってきて、
「でもエロいこと以外ももっと考えたほうがいいんじゃない?」
 巧は一瞬ビクッとする。
「吉田……、だから忍び寄るのはやめれ……」
「ふん」
 と、麻理はそっぽを向きながら巧を羽交い締めにし、ホウキを構えた智恵がそれに呼
応し、コンビネーションプレイでつっついてきた。
 麻理はいつもそう足蹴にするような態度を見せながら、酷い悪戯をする。
 この日は羽交い締めにしたままの姿勢から、巧の首筋にかなり強く、濃いキスマーク
をつけた。
「わー! こら、おまえ──」
 巧は暴れてなんとか外そうとしたが、かえって麻理の力を入れさせてしまい、舌先さ
え感じてその瞬間ぞくっと身体を硬直させられていた。間違いなく跡が残ったのがかす
かな痛みでわかった。本当にタチの悪い女だ。
 連休中に巧が環と会うのはほぼ間違いないことであって、麻理は当然それが気に入ら
ないのだ。だが巧は、これを先に見ることになるのが姉の都であることを知っている。
 もう明日の事なので、それまでにこのキスマークが消えるわけはない。
(さーて、どういう言い訳をするか……)
 
 顔を擦り剥きそうな勢いで竹ボウキにつつかれながら、背後の麻理の胸が少し大きく
なったんじゃないかと巧は思った。二年になってからは、敵をやる気にさせる発言は一
切謹むようにしていて、そんなことはもう口に出さない。クラス替えの結果、麻理が女
子の間では人望が厚いことも巧はすでに知っている。
 それから巧はもう一人の困った女を睨んだ。
(亜崎って……エロいよな)
 とりあえずホウキを振り回すだけで胸が揺れているのがわかるように、ジャージの上
からもはっきりとわかる女らしい体型の亜崎智恵は、サッカー部内ではかなり目立つ存
在だった。三年の部員の中にも明らかに狙っている者が何人かいる。
464 ◆5mSXuZ5GjE :05/01/08 23:50:13 ID:Vg6jJUmM
(早いとこ誰かとくっついて大人しくなれ、馬鹿女)
 無論、巧は他人事である。無責任に評価するならいい女だろうし、少なくともジャー
ジや制服姿は男子には目の毒だ。どちらかというと私服では実力を発揮できないタイプ
かもしれない。
 この生意気な亜崎智恵をどうやって凹ませてやろうかと思っても、巧はそれこそセク
ハラまがいの仕返ししか思い付けずにいる。だから巧は絶対智恵には、自分からは近付
かない。問題は勝手に近付いてくる麻理の方だ。
「人の事が言えるか……こら離せ、セクハラ女」
「智恵は何時に終わるの?」
「んー、もう終わってるようなもんよ、ちょっと待ってて」
 巧が言い返したらしたで巧をあっさり解放し、知らん顔で智恵と並んでクラブハウス
へ歩き出す麻理を、巧はがっくり脱力しながら見送った。
(ジャージで通学すんなっての、体育馬鹿女)
 後ろ姿に突っ込みを入れながら、二人に環と姉の都を重ね合わせる。
 身長的には同じような対比だ。離れてからまだ一ヶ月だというのに、目まぐるしい新
学年の学園生活と、家での妹のはるかとの一対一を強いられる日々に巧は早くも疲れ、
もう二人と長い間会っていないような気がしている。姉からはるかに電話は来ているよ
うだったが、巧はあえて出ないようにしていた。
 飛びつくのは女々しい気がして、変に意地を張っているという部分もあったが、なに
より明日新鮮な気持ちで会うことを楽しみにし、こだわっていた。こういう事はメリハ
リと爆発力が大事だ。
 見渡せば学校内にだっていい女は沢山いて、それに心をまるで動かされない自分に、
巧は相変わらずヒロイックに依存している。誰に何を言われようが環や姉との事を最優先
できる自分が結構好きなのだ。
 だから、例によってフェイントをかけようと、今夜のうちに東京までたどり着くつも
りだった。
 
465 ◆5mSXuZ5GjE :05/01/08 23:51:33 ID:Vg6jJUmM
 1
 
 その同じ時間に、都はいつものように二人分の夕食をつくっていた。
 午後最後のコマに一つも講議を入れていないので、時間はたっぷりあって、料理の研
究にもこのところ熱が入っている。
 そして環の分を残して先に一人で済ませようと準備しながら、実家へ電話を入れよう
かどうしようか迷っていた。
 ほんの一時間ほど前に留守電のテープで能天気な弟の声を聞かされたばかりだ。そし
てたぶん今かけても、出るとしても九割方妹のはるかで、巧はまだ帰って来ていない可
能性が高い。でもかけてみないとわからない。
 そわそわしながら、それでも手を動かしていると準備はまたたく間に出来てしまい、
都はしかたなく先に食事自体も済ませることになった。
 気を紛らわすために、食事中にもテレビをつけている。勉強をしている時以外はしつ
こく巧の顔がちらつき、たびたび心を乱されるので、そういう習慣になっていた。心の
中でこっそりやっていたカウントダウンが明日やっとゼロになる。
 準備は怠りない。
 ただし、2K相当の賃貸アパートの部屋の片方、つまり都の部屋は綺麗に片付いてい
るのだが、環の方は悲惨な状態だ。忙しい環に代わって片付けようかと聞くと、よくわ
からない変な返事をするのでゴミ以外はそのままにしている。
 食器を流しに沈めてから、都は改めて部屋の片付き具合とか自分の髪の毛の整い具合
とか顔色とか、何度目だろうかと自分でも思うぐらい確かめていた。
 『時間貯金箱』なんてものが本当に欲しくなる。
 無意味に室内をうろうろしながら目についたところをもう一度綺麗にして、それも終
わってしまうと、共有スペースに置いた電話を怨めしそうに見つめて過ごした。
 九時を過ぎる頃に、いつもより少しだけ早く環が帰って来て、
「ただいまー。およ、何してんの?」
 環はよたよたと靴を脱ぎ捨て、ブルゾンの袖を引っ張りながらのたのたと入ってきて
そのまま都の背中に被さって唸った。
「づがれだー」
「おかえり。もっと楽な仕事にすればいいのに」
466 ◆5mSXuZ5GjE :05/01/08 23:52:22 ID:Vg6jJUmM
「都センセーと違って私は頭脳労働には向かないのっ」
 環はふっと息をつくとすぐに、身体を起こして着替えや食事に取りかかった。
 都は環のこの行動の早さに救われた。
 急なスキンシップのせいで、都はついさっきまで考えていた巧の感触をフィードバッ
クして身悶えてしまっていた。そういうものを紛らわせる余裕を、いつも環は与えてく
れる。あれは意識しているのだろうか。二人で暮らすようになってから、意地の悪い事
をしなくなった。
 環がどうして一緒に暮らそうと思ったのか──一度だけ都は、巧の事を兼ねて環に聞
いた事がある。その時の環はバイト帰りでアルコールが入っていて、
「私、旦那と奥さん両方欲しかったんだよね」
 などといい加減なことを言ってそのまま寝てしまった。それ以来都の方が気が抜けて
しまって、表向き二人はただのルームメイトである。
 と言ってもまだ一ヶ月の事。
 三人で連休を過ごす事だって少し怖い。実家でそれぞれに暮らしていた時と違い、当
事者しかいないこの居場所では心が剥き出しになる。
 だが少なくとも都は、環の事を友人としてとても好いていた。そのうち環に『義姉さ
ん』なんて人前で呼ばれる日が来るのかもしれないし、それは取り敢えず悪いものでは
ない。
 
 しばらくして環が珍しく部屋へ顔を出した。
「都センセー、一緒にお風呂しなーい?」
「……もうちょっと後がいいんだけど」
「じゃあ、もうちょっと後に」
 意味ありげな環の誘いをとっさにかわし損ない、都はため息をついて環を追い出した。
 環も明日来る恋人の事を意識していて当然だ。
 鏡の前に座り、気持ちを確かめ直してみる。この環と二人の部屋で、遠慮しなければ
ならない事はほとんどない。だがスタンスとして、したくない事は沢山あった。したく
ないからうまく暮らせていた。
 隣の環の部屋からテレビの音がしているのをなんとなく聞いている。
 そこに巧がいて自分が隣で一人でいるという想像をしたことがあった。
467 ◆5mSXuZ5GjE :05/01/08 23:53:01 ID:Vg6jJUmM
 それ自体はどうという事でもない。
 だが未だそれを辛いと感じることがないのは、環同様都もかつて巧を傷つけた加害者
だった事を忘れていないからだ。そして環に嫉妬する部分がほとんどないのは環が長い
間、見ていて心配になるくらい落ち込んでいたからだ。巧がちっともわがままになって
くれないせいで、環も自分も抜け出せないでいるのだと思う。二人は今も緊張の中にい
て、巧という名の、鎖をほどく鍵を待っている。
 気がつくと日付けが変わろうとしている。
 そんな時間ではあったが、環が部屋着に着がえて自室から出てきたのに合わせ、都は
先日見つけて連休用に買っておいたハーブティーの葉を部屋から持ち出した。
「あれ? へー……いいね、これ」
 と環が飲んでから言うので、香りで気付かないのかと都が思っていると、環はそれを
見咎めて、
「今馬鹿にしなかった? センセー」
「してません。──そのセンセーっていうのやめて」
「いやー、なんか呼び捨て照れるんだよね、最近。じゃあなんて呼ぼうかな。やっぱ……
お義姉様?」
 環にニヤッと覗き込まれ、都はどぎまぎさせられる。
 反応に困る。その手のドメスティックな単語を他人から聞かされると、どうしても生
々しく感じてしまう。
 都は膨れながら顔を赤くして、環を叩く真似をした。相手が巧ではないので、本当に
叩いたりはしない。そこへ、環が頬ずりをしてダメを押す。
「巧くんがあんなに虐げられといてやめなかったの、すっごくわかるわ。んもー、赤く
なったお義姉様ってかわいい……」
 都は臨界を超えてついに環を叩き始めた。
 環が笑いながら防戦していて、それがまた火に油を注ぐ。
「あははっ、いたっ、痛い、いいじゃない、あんなに頑張ってた巧くんが落ちたのは結
局そんなお義姉様が可愛かったからでしょ?」
 そう言われると、都も何も言えない。
 親友の前で声もなく真っ赤になり、上げていた手を引っ込める。
 見ている環はたまらない。
468 ◆5mSXuZ5GjE :05/01/08 23:53:42 ID:Vg6jJUmM
 環が都を抱きしめてしまおうかと思った時、敵は環に直球を投げ返した。
「なら私に譲って」
 ど真ん中だ。もちろん都はさほど真面目に言っているわけではない。選択権を持った
巧がもう環を選んでいるのだから。
 都は今一度、言ってみたいと思っていたのだった。巧に会う前に得られた機会に、思
わず口に出してしまった。
 そして慌てて口を押さえるが、遅い。
 環がおもむろに都の頭を胸に抱えて床に倒れ込み、都はなすすべなく引きずられてい
く。親友の、自分より豊かな胸に包まれ、ふと巧の気持ちがわかるような気にもなる。
母親の愛情と包まれる安心感を、自分も巧も途中までしか知らない。
 本当にはわかりっこないのだが、そういう気になった事でまた都は、一段深く環を受
け入れられたようで嬉しくなったのだ。
「巧くんより柔らかいね」
 環はある意味当たり前な事を言って、固い床の上で都を何度もぎゅっと抱きしめた。
 ぼんやりしかけて、都は少し慌てる。これは巧ではなくて環だ。スキンシップで済ま
なくなる。
「環、疲れてるんでしょ、だから……」
「お義姉様の方から誘っていただけるなんて、感激」
「一人で入りなさいよ」
「イヤ、一緒に入る約束だもんね」
 都は、子供かと思いつつ、どぎまぎしている自分を隠そうと逃走を開始した。
「あがったら教えてね」
 でもやっぱりうまくは行かなかった。
「だーめっ!」
 環ががしっと都の両肩をつかまえ、バスルームへと引っ張っていく。
「着がえ──」
「いいのいいの、私たちしかいないんだからぁ」
 環が一日の労働の疲労からハイになったまま、脱衣スペースに都を押し込む。
「脱がなきゃそのまんまで水浴びする事になるよん」
 そう言って都を脱がし始めた。
469 ◆5mSXuZ5GjE :05/01/08 23:54:48 ID:Vg6jJUmM
 もちろん都は慌てて、環を引き剥がして逃げる。
 一悶着に疲れながらも都は暖かいお湯の中に身を浸し、しかたなく環が入ってくるの
に任せた。わずかな湯気をまとって美しい身体のラインを晒す環に、都はいつになく妬
けるものを感じていた。自分にない魅力だけで出来ているような女の身体。でも都とて
環から見れば羨ましく感じる部分があるのであって、お互いにないものねだりの憧れごっ
このその行き着く所は、巧を独占できない理由そのものなのではないかと、都は考え始
めていた。
 両方の、いやあらゆる魅力を兼ね備えた女なんて存在できないのだ。
 だから、都は環を認めている。環もおそらく都を認めている。
 軽くお湯で流してから環は都に近付いた。都は改めて念押しをする。
「変な事したら追い出すから」
「あーい」
 別にがっかりした風でもなく、環はいそいそとお湯に身体を入れていく。環が都の身
体をふわりと浮かせて下に入り、家庭用より遥かに窮屈なバスタブにスペースを確保す
ると、都の身体を抱えるようにしてゆっくりと受け止めた。
 都は、ゆっくりと環の柔らかい身体の上に乗り、奇妙な感慨を持つ。
 後ろから両手を回した環が都の両肩を緩く抱き、囁くように語りかけた。
「ねえ、都」
「なに?」
「……大丈夫?」
 環の言わんとする事が肌から直接伝わってくるような気がする。
『無理をしてるんじゃない?』と。それはむしろ都が環に問いたい事だ。そして巧もそ
れを気にしていたように都は思う。
「私は巧とは違うから」
 都は首を反らし、環の肩にあずけた。
「んーよしよし」
 環が頬ずりをすると、さすがにたまらなくなったのか、都はお湯から出ようとする。
当然、肩を抱きしめられているから起き上がる事もできない。環は楽しそうにそれを抑
えている。そうやってバチャバチャと暴れている時、玄関のベルが鳴った。
 一瞬二人で顔を見合わせる。
470 ◆5mSXuZ5GjE :05/01/08 23:55:43 ID:Vg6jJUmM
「何、新聞?」
「夜中だけど」
「じゃあ宗教。とか、下着のセールスマンとか」
「ろくでもないこと言わないで」
 そうするうちにガチャンと鍵を開ける音がした。環は少し緊張した顔になって都をバ
スタブの縁に持ち上げ、身体を起こしていたのだが、すぐに音の正体に気付いて都を睨
む。
「都ぉ〜?」
 環がその丸いお尻をつつくと、都はすぐさまその悪戯な指を叩き落とした。
「いたっ」
「鍵なら巧に渡してあるから」
 そう言いながら、都自身もこれは期待していなかった。頬が際限なくゆるんでしまっ
てどうにもならなかった。環から顔を隠せるのが幸いだが、環は環で見なくてもわかる
と思っているかもしれない。
 そんなことはかまわない。巧と一日多く一緒に居られるのだ。そうして都は、いとも
容易く胸を熱くしていた。
 それを環の言葉が現実に引き戻す。
「うっそ、嬉しー! っていうか着がえ出してないじゃん!」
 カゴには着替えはない。しかも、
「環、バスタオル出した?」
「出してない。センセー、間違いありませーん!」
「ということは何?」
 二人揃って裸でお出迎えだ。……なんて馬鹿なことだけは避けたいのだが、いかんと
もしがたい。都はギロリと環を睨み付ける。
「どうしてくれるのよ。環のせいだからね」
「て言われても」
 環は顔を逸らして、普通にごまかそうとしている。それでも都が拳を握るのを見て、
「……わかりました。私が犠牲になりましょう」
 どちらかというと嬉しそうに環が言ったので、躊躇なく出ていこうとする環の手首を、
都は思わず捕まえていた。
 
471名無しさん@ピンキー:05/01/09 00:22:18 ID:wytPbbYi
うおおおおおおおおおおおおお


……てか、支援いりますか?
472名無しさん@ピンキー:05/01/09 03:53:21 ID:aqhJr62h
超期待sage!!!!!
473名無しさん@ピンキー:05/01/09 09:22:47 ID:wT0JKPAe
ギャー!!
再降臨キテタ━━━━━━━!!!

一気にテンションが高くなってまいりました!!
474名無しさん@ピンキー:05/01/09 10:32:03 ID:9I2/2NJo
GJ!
475名無しさん@ピンキー :05/01/09 18:27:17 ID:ryd4a41u
復活記念下記子
3Pクル〜?

>>471是非っ!
476名無しさん@ピンキー :05/01/10 05:18:09 ID:E1v4eN5U
ゴッド・・・
何て仕事が速い・・・
477名無しさん@ピンキー:05/01/10 18:07:30 ID:110EWnvA
>>475
同一人物が続けて何度も書き込むと連投規制がかかって書き込みができなくなることがある
そこでスレに一度他の人が書き込む必要が出るが、その行為を「支援」と呼んだりする

471が言ってるのはおそらくそっちの意味
478名無しさん@ピンキー:05/01/11 00:06:20 ID:RbynwHwb
2005年のこんな早々からゴッドの御業にでくわせるとわ
479 :05/01/11 12:50:42 ID:GjfWj6F0
GJ!
再開嬉しいであります。
毎晩このスレをチェックしてたあの日々がまた来るのか・・・
480名無しさん@ピンキー:05/01/12 20:10:28 ID:4eSV9xEw
新章突入記念age
ゴッド楽しみにしてるでつ
481名無しさん@ピンキー:05/01/12 22:06:42 ID:Z3inQEdY
キターキターキター!

ぬるぽ
るる
ぽ ぽ
482名無しさん@ピンキー:05/01/13 00:15:40 ID:5gTL2HaV
キターキターキター!

>>481
ガッ!
ッッ
! !
483名無しさん@ピンキー:05/01/14 07:16:36 ID:YxZ9pNjG
期待sage!!
484名無しさん@ピンキー:05/01/15 01:27:27 ID:o56JwB2m
まちぼうけage
485名無しさん@ピンキー:05/01/16 01:37:51 ID:E9hnaJnS
期待age
486転載:05/01/16 03:06:29 ID:UmAiaux8
名前:名無しさんの次レスにご期待下さい[sage] 投稿日:05/01/16(日) 01:25:41 ID:K+oGfCuR
母はアル中だった。いつも家は汚かった。父は仕事から帰ると家事をしない母を殴っていた。
怒鳴り声が聞こえないように子供部屋に閉じこもった。
それでも聞こえるから押入れの布団を引き出して毛布に頭からくるまっていた。
ずっと耳をふさいでいた。母の泣く声が耳にこびりついていやだった。
 押入れのドアがゆれた。小さい隙間からのぞくと姉がいた。
姉は何も言わずにこげた卵焼きののったお皿を差し出した。
まだ小学二年生だった姉が自分の為に卵焼きを焼いてくれた。
 外はこげて中はまだ生で、油くさいし、すごくおいしくなかった。
けど両親は自分達の不幸さに自己陶酔しているだけだったし、
食事のことは頭になかったらしくて涙を流しながらそれを食べた。

 あれから20年。母は15年前に死んだ。父は再婚して居場所がなくて一人暮らしを始めた。
とっくに遠方に嫁いだ姉の所に結婚式以来数年ぶりに会いに行った。
 突然夜遅くにやってきた自分を姉は快く迎えてくれた。
何もないけどといって簡単な手料理を作ってくれた。
そのなかには卵焼きもあった。すごくおいしかった。
自分が幼稚園のときのあのまずい卵焼きを思い出した。
 今考えればまだ小学二年生の姉が自分のために一生懸命卵焼きを作ってくれたのだ。
自分だって悲しいはずなのにいつも自分に優しかった。
涙が止まらなかった。姉はびっくりしてたけど何も言わなかった。
 母親が死んでも悲しくなかった。これで家が酒くさくなくなると思った。
父親が死んでも悲しまないと思う。きっと自分は親不孝だと思う。
 でも姉にはずっと生きていて欲しい。旦那にも幸せにしてほしい。
 親孝行はする気になれないけど姉にはたくさんお礼がいいたい。
結局朝一番の飛行機で帰ってきた。
 姉は帰るときまで何も聞かなかった。姉に言うのはてれくさいので何も言ってない。
でも誰かにいいたいからここに書いた。
いつか照れずに本人にも言いたい。
姉は自分にとって世界一の姉ちゃんだ。
487名無しさん@ピンキー:05/01/16 03:48:44 ID:VUzSQfo/
感動した
488名無しさん@ピンキー:05/01/17 00:20:35 ID:pznDjO88
朝青龍が勝ったのよりは「感動した」
489名無しさん@ピンキー:05/01/17 18:59:39 ID:0asQS6Dp
それはほとんど感動してないな
490名無しさん@ピンキー:05/01/20 01:06:24 ID:eke9ScGt
ほしゅ
491名無しさん@ピンキー:05/01/20 23:16:56 ID:t/0psEQI
捕手

こんなかで実姉いるひと手〜あげてっ
492名無しさん@ピンキー:05/01/21 01:10:42 ID:Q+rKtkWS
ノシ

リアルでキチガイです。元々陰気で低能だったのが中学の時にプッツンして以来、デブ、食欲を押さえられない、知能3〜4才、自尊心人一倍という生き物に

こんなだからこそ逆に素敵な姉への幻想人一倍。現実逃避とも言う
493名無しさん@ピンキー:05/01/21 06:33:36 ID:lh3sW0p8
ノシ
自称腐女子。
関係はないが、
見たことはないが妹もいるらしい。

そんな俺は姉スキー。
実には寸も萌えんけどな。
494 :05/01/21 07:05:07 ID:IKIG9PEE
ノシ

実姉には萌えないけど、姉萌え属性持ってますw
まあ容姿とか性格とか諸々、普通の姉だと思う。
でもまあ自分にとっては良い姉ちゃんかな?
萌えはしないけどw
495名無しさん@ピンキー:05/01/21 08:21:17 ID:rWc6f8MD
ノシ

さすがに長じた今では俺のほうが強いけど、昔は
ボコボコ殴られたり足蹴にされたりと良い思い出がない姉です。
今でも性格的には苛烈なんで、婿が来るのか心配・・・
ちなみに身長が150もないので、ミクロ専の人なら気に入るかな。(母も150ない)
496名無しさん@ピンキー:05/01/22 13:56:47 ID:SyVOJnEn
ぼくが小学校の3〜4年生だった時の話です。
近所の公園でひとりで遊んでいた時、20代程度のモデル風の女の人が手品を教えてあげると声をかけてきました。
ぼくが教えて、と答えたら、まだ秘密の手品だから他の人には見られたくないと言う事で、ぼくの手を引いて公園の奥の茂みの中に入っていきました。
その女の人は牛乳を飲んで、すぐにオチンチンから出す手品を教えてあげると言いました。
ぼくはどんな手品だろうって楽しみにしているとこれは手品のタネじゃないわよ、と言ってまずブラウスとブラジャーを脱ぎました。
ぼくのすぐ目の前にオッパイが現われました。お風呂で見ているお母さんのものと違って、巨大でピンクの乳首が上を向いていたのに驚いてどきどきした覚えがあります。
おねえさんのオッパイみてエッチな気持ちになったでしょ、と言いながらぼくの顔をオッパイではさんでじっくりと触らせてくれました。
それから女の人はカバンから牛乳パックを取り出して、ボクにゴクゴク飲ませました。
ぼくが飲み終わるとじゃーミルクを絞り出すわよ、と言いながら、ぼくのオチンチンをシゴキ始めました。
程なく、こうやると君のミルクを早く出すことができるのと言って、もう片方の手でぼくのお尻のあなに指をいれてグリグリと動かしました。
細くて白い指はとても器用に動いて、これが手品師なんだなとハッキリとわかりました。
ぼくが、気持ちよくなって声をだしはじめたら、ミルクが出そうになったら、がまんしないでいっぱい出しちゃいなさい、と言ってオチンチンとお尻のあなを弄くる指をさらに激しくうごかしました。
おねえさんが、一生懸命指でシゴイているぼくのオチンチンは、硬く大きくなってビクビクと動いてまるで別の生き物のようでした。
ぼくが息を荒げながらもう出ちゃう、と言って直ぐにおねえさんの手に握られたオチンチンから牛乳がいっぱい飛び出しました。
さっき飲んだ牛乳より真っ白で、どろどろしていましたが、ぼくはタネも仕掛けも無い(さっき自分が飲んだのですから)のにオチンチンをシゴクだけで牛乳が飛び出したのに驚き、この女の人はすごい手品を教えてくれたんだなと思いました。
それから2〜3年後になって、あれにはタネを出す仕掛けがあったことを知りました。
497名無しさん@ピンキー:05/01/22 14:29:13 ID:C80r4gDe
コピペうざい
498名無しさん@ピンキー:05/01/22 15:16:24 ID:JBELO0rp
ノシ
姉が嫁に行った時には旦那をどうにかしてしまおうかと思ったもんだよ


499 :05/01/24 16:32:17 ID:2aXkIvK7
保守
500名無しさん@ピンキー:05/01/25 00:46:55 ID:cRuhkHDs
期待ホシュ
501名無しさん@ピンキー:05/01/26 23:24:12 ID:aIm1CPLO
◆5mSXuZ5GjE 氏、2章以降はマダディスカ?
502名無しさん@ピンキー:05/01/28 01:06:09 ID:JOo6vif7
>501よ
焦るでないぞ
503名無しさん@ピンキー:05/01/30 04:06:22 ID:eswOR37b
ノシ
悪い姉ではないが、間違っても萌えられない。
年一度に家に来る婆ちゃんに、しきりに綺麗になったねぇと言われる妹と無視される姉。
萌えられないが不憫だ。

やっぱ、姉萌えの人ってMy姉に萌えられない人多そだね。ほぼ妄想の世界w
>>498の姉は相当な美人か、カワイイ性格してんだろ?

電車とかで、スラッとした優しい顔立ちの美人を見ると、
恋人じゃなくても、こーいう姉に甘えられたらなー、とかいつも妄想する。
こんな俺、イッテヨシですか?
504名無しさん@ピンキー:05/01/30 15:46:41 ID:ijDJpMTI
>503
 イ`

 ただ漏れはそういう美人が姉で、
 座っている漏れの膝を股いで
 迫ってきて甘えてきたらなー、と妄想するがな。
505名無しさん@ピンキー:05/01/31 18:20:32 ID:nL09Rsxl
282-286氏の続きはどうなったのだろうか
506名無しさん@ピンキー:05/02/02 17:05:24 ID:3PpwPLnS
なんか面白そうなスレ見っけたら面白そうなSS発見
◆5mSXuZ5GjE氏の作品最初から読みたいでつ・・・・・・
507名無しさん@ピンキー:05/02/02 19:15:41 ID:sKgMidyR
なんでだろう、
◆5mSXuZ5GjE氏の作品を読むとくるりの
「男の子と女の子」って歌が鳴り響くんだよね。
歌詞がピッタリと言うか・・・
俺の中では「男の子と女の子」がこの作品の
主題歌です(`・ω・´)
いいもの読まさせていただきますた
508名無しさん@ピンキー:05/02/03 02:44:19 ID:CTbx9ID9
>>506
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.arings2.com/
509506:05/02/03 11:40:44 ID:YwearlD3
サンクス
510名無しさん@ピンキー:05/02/05 19:06:32 ID:4WUhXOvg
保守
511名無しさん@ピンキー:05/02/10 00:49:41 ID:0aSgrdUO
神待ち捕手
512名無しさん@ピンキー:05/02/14 21:49:52 ID:tMy0ilK3
保守
513名無しさん@ピンキー:05/02/15 00:25:52 ID:3eywWfvm
チョコレートが余ったのでチョコレートの話を書きますが、
とある日あたしが気づいた革命的な事実とは、あたしは好きな人にチョコを贈ってるのではなく
チョコを贈りたいから恋をしているという点です。
それ以来、麦チョコ買ってきては全校生徒に、
いやそれはさすがに嘘ですけどチロルチョコ箱買いして喪男に夢を与えておりました。
しかし!ようやく昨日気づいたのです!

もしかしてバレンタインは男じゃなくてもいいのでは!?

ということで、女友達にマジチョコ。
結果から言えば元彼となんら変わりませんでしたYO!
万歳!やっぱあたしティンコとマムコの違いわかってない!!

と、盛り上がったところで本題に行きます。
もしかしてチョコさえ贈れれば、エロに持ってく必要すらないんじゃ…?

ってことで、次に女友達ではなく弟にマジチョコ。ちょっと狙いすぎですが。
で、贈る!うわーおもいっきり拒絶された!!
やっぱりそうだ、確信した!あたしの好きな食べ物は、ステーキソースだ!!
514名無しさん@ピンキー:05/02/15 00:32:14 ID:EUXht4Gv
最後で台無しだ
515名無しさん@ピンキー:05/02/18 17:16:09 ID:Md3mEf7S
保守る
516おきゃんぴー:05/02/20 15:41:20 ID:7qidgtp2
「うおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
そんな怒声と共に、風間隼人のアパートのドアは粉砕されてしまった。ちょうど、彼が
夕食のカップラーメンに、お湯を注いだばかりの時である。
「ね、姉ちゃん!」
「よっ!隼人」
粉みじんになったドアの破片の下には、実家に居るはずの姉、亜季の姿があった。し
かも、手には大きなカバンを持ち、背には風呂敷を担いでいる。その家出人っぽいスタ
イルに、隼人は嫌な予感がした。

「何の用だよ、姉ちゃん。それと、ドアは手で開けてくれよ」
「スマン、ちょっと蹴躓いてナ。ああ、それと、しばらくやっかいになるから、よろしく」
亜季はのっそりと立ち上がり、体に付着したほこりを払うと、部屋の中へ入り込んだ。
そして、食べごろのカップラーメンの前に座り、
「いただきます」
呆気に取られる弟をよそに、箸をすすめたのである。

「やっかいになるって、どういうこと?」
壊されたドアをセロテープでくっつけながら、隼人は問う。亜季は、隣の県にある実家近
くで、OLをやっている。この町の大学へ通うために、一人暮らしをしている自分とは違い、
姉が実家から出てくる理由はない。その上、世話になるとはどういう事なのか。
「いやさあ・・・お見合いしろっていうんだよな、母ちゃんが」
ミニスカートにも関わらず、ガツンとあぐらをかいて座っている亜季が、少しだけ困った顔
をしながら呟いた。ちなみに、ラーメンはすでに半分以上が食されている。
517おきゃんぴー:05/02/20 16:06:05 ID:7qidgtp2
「お見合い?お見合いくらい、すればいいじゃないの・・・」
ドアを応急処置した隼人は部屋に戻ると、あぐらをかいている姉の足をぺちぺちと
叩き、閉じるように嗜める。亜季は昔から無作法で、彼の前で下着を見せる事など
へっちゃらなので、ほっとくといつまでも足を投げ出しっ放しにするのだ。

「だって、あたしまだ二十四だよ。結婚なんてごめんだよ」
カップラーメンのスープまで飲み干した亜季は、容器も割り箸も一緒くたにごみ箱へ
放り込んだ。すると、すかさず隼人はそれを取り、容器はリサイクルごみ袋、割り箸
は燃えるごみ袋へと分けた。反面教師とでも言うべきか、無頼漢じみた姉とは違って、
弟は生真面目な性格である。
「会社はどうするんだよ。ここからじゃ、バスで一時間くらいかかるんじゃないの?」
「ああ、それはいい。会社でこの近くに住んでるやつがいるから、そいつに車で送って
もらう。近道すりゃ、三十分でいけるんだ」
心配する隼人をおいて、亜季は鼻毛をニ、三本むしっていた。彼女はいったんこうと決
めると、いくら諭しても絶対に意思を変えない人物である。弟はそれを知っているので、
帰れとは言わなかった。その内、実家が恋しくなるさ、などと隼人は思っている。

「お風呂用意するから、今日は早く休んだら」
「おう、サンキュー」
ふうとため息をひとつついて、隼人は給湯器のスイッチを入れた。すると、背後でばさ
ばさと衣擦れの音が聞こえてくるではないか。まさか、と彼が振り向くと・・・
「ね、姉ちゃん、ここで脱いじゃだめだ!」
「いや、あたしシャワーだけでいいから、湯はためなくていいよ」
なんと、亜季は衣服をすっぽりと脱ぎ、パンティ一枚の艶姿となっていた。しかも部屋の
カーテンも閉めていないので、外からも彼女の裸身は丸見えである。
518おきゃんぴー:05/02/20 16:21:30 ID:7qidgtp2
「タオルくれ。あと、ひげそりあったら貸して。腋毛剃るから」
「その前にカーテンを閉めろって!」
この部屋は二階にあるが、対面にはどこかの企業の独身寮が建っている。その中で、
何人かがパンツ一丁の女の姿に気づいたらしく、ベランダからこちらを覗き込んでいる
ではないか。隼人は焦った。
「姉ちゃん、向こうから人が見てる!」
「減るもんじゃなし、かまわんよ。それより、タオル・・・」
「後で俺が持っていくから、早く風呂入れって!」
ズカズカと床を踏み鳴らしながら、亜季が浴室へと入っていくと、隼人は泣きそうな顔
で、必死にカーテンを閉めるのであった。

「旅、行けば〜・・・」
シャワーの飛まつの音と共に、浴室からそんな歌が聞こえてくる。オヤジ臭いな、と
脱衣場にいる隼人は思った。
「タオルここに置くから」
「おう、サンキュー」
タオルを置いた脱衣かごの中に、姉の下着がある。隼人は一瞬、それに目を奪われた。
「そこにあるパンツ、洗っといてくれな」
「あ、うん」
ドキン──隼人の心音が高鳴った。今、注視していた下着を、姉が洗って欲しいと言った
からだ。
(姉ちゃん、ずいぶん色っぽいパンツ穿いてるんだな)
薄紫のサテン地のパンティを手に取り、そっと鼻っ面に近づけてみると、なんとも表現
し難い恥臭が漂ってくる。隼人はそれを、思いっきり吸い込んでみた。
519おきゃんぴー:05/02/20 16:40:27 ID:7qidgtp2
(くうッ!なんか、動物っぽい匂いがする!)
汚れのひどいクロッチ部分が、特に香ばしい。しかし、隼人はその匂いを案外、気に入
ってしまった。亜季は粗忽な感じはするが、男好きのする美女でもある。隼人はそんな
姉を、嫌いではない。彼が高校生の頃などは、実家へ遊びに来る同級生たちが、垂涎
の眼差しで、亜季に見惚れたものである。隼人自身、それが自慢でもあった。
(姉ちゃん・・・)
むっくりと股間に飼っている蛇が鎌首をもたげ始めている。そしてもう一度、下着の恥臭
を目一杯吸い込んだ時、
「隼人、ビールある?」
「な、無い。俺、飲まないんだ。買ってこようか」
「頼むね」
浴室からの姉の声で、隼人は正気を取り戻した。あぶない──反省しながら、手にした
パンティを脱衣籠に返す。

「行ってくるよ」
もしあのまま、姉が声をかけてこなかったら、自分は何をしていただろう──ギリギリと
ジーンズの前を強張らせながら、隼人は思った。もしかしたら自分は欲望に負けて、浴
室の扉を開けていたかもしれない──そう思うだけで、身震いしてしまった。
(姉ちゃんがお見合いか・・・俺も嫌だな)
外へ出て寒風にさらされると、隼人の理性も戻ってくる。その中で、弟として姉のお見合い
話を否定し、自分を頼って出てきた事を嬉しく思うのであった。

「うめー!」
弟に買わせて来たビールを飲み、亜季は顔を綻ばせた。至福のひと時が、彼女を包んで
いる。
「酒のあては、こんなもんしかないけど」
「ん、上等、上等」
机の上にはポテトチップスなどの乾き物がいくつかある。亜季はそれらをついばみながら、
ぐいぐいと酒肴のペースを上げていった。
520おきゃんぴー:05/02/20 16:56:59 ID:7qidgtp2
「ビール考えたやつは天才!ホントに!かー、うめえ!」
ビールをあおる亜季の濡れ髪が艶っぽい。隼人は見る風でもなく、なるべく自然な感じ
で艶姉を視界の中へ捉え続けた。
「姉ちゃん、寝巻き持ってこなかったのか?」
「ああ。会社へ着ていく服くらいしか、持ってこれなかった。なにせ、家出同然だしな」
亜季は、大き目の隼人のブラウスシャツをはすっぱに着ているだけだった。そして、
「ああ、パンツはあれ一枚しかないから、明日までに乾くようにしといてくれよな」
などと言うのである。思わず隼人は目を見張った。

「じゃあ今、ノーパンなの?」
「そうさ。おかげで尻が冷えること、冷えること・・・」
亜季はやにわに腰を浮かし、シャツの裾をめくって見せた。すると、艶かしい足が付け根
までバッチリと・・・
「わあ、見せなくていいって!」
「お、ずいぶん純な反応だな。その様子じゃお前、まだ知らないんだな?」
亜季は指で輪を作り、そこへ何かを出し入れする仕草をして見せた。かあっと隼人の
頬が朱に染まる。

「あたしがお前の年には、やりまくりだったんだけどな。ずいぶんと奥手なんだな」
「下品な話はよせよ」
「まあ、社会勉強の一環として、聞いておきな。あたしの初体験は小学・・・」
「いいから!」
「アハハハ!飲んでも無いのに、顔が真っ赤だぞ、お前」
ゲラゲラと腹を抱えて亜季は笑った。その時、彼女が足を大げさに開いたために、付け根
にある女の園が丸見えとなる。
521おきゃんぴー:05/02/20 17:15:00 ID:7qidgtp2
「姉ちゃん、見えてるって!」
ズバーンと開け広げられた両足の奥に、漆黒の若草と薄紅色の陰唇を認めて、おのの
く隼人。実は彼、いまだ無垢で、異性のそれを見るのは初めてだった。本心ではもっと見
たいと思うのだが、相手が実の姉ではそうもいかない。隼人はそこから目をそらす。

「隠しなよ、姉ちゃん」
「ふふ、知っておかないと、いずれ苦労するぞ。なんなら、姉ちゃんで練習するか?」
「え・・・?」
隼人が亜季の方に向き直った。姉は頬を上気させながら、足を開いている。そして、濡れ
た瞳で誘うかのように、まっすぐ弟を見つめていた。
「やらせてやろうかって、言ってんの」
ぐび、とひとくちビールをあおって、亜季は缶を放り投げる。足は膝だけを閉じ、ちょっとも
ったいつけた格好で、陰唇をさらす事を恥じている風でも、楽しんでいる風でもあった。

「ね、姉ちゃん・・」
「うふふ・・・その顔、やりたいって顔してるなあ」
ずずっと腰をずらして、亜季は移動し始めた。その先には、狭い部屋の三分の一を占める
ベッドがある。
「電気消して、おいで」
流し目を隼人にくれた後、亜季はシャツの前をはだけさせ、ベッドへと倒れこむ。隼人は姉
の誘いにいったんは躊躇の仕草を見せたが、すぐに灯りのスイッチに手を伸ばし、
「・・・うん」
甘えるような声で、己もベッドへとなだれ込んだのであった。
522おきゃんぴー:05/02/20 17:34:34 ID:7qidgtp2
「弟に犯されるって、ドキドキするわ・・・ああ・・・」
隼人に圧し掛かられて、亜季は体をシーツの波の上でくねらせながら、禁忌の愉悦
が味わえる事を喜んだ。今、弟は貪るように自分の全身に触れている。そう思うと、こ
れまでに重ねた異性との経験が、遊びのようにすら思えてくる。

「・・・姉ちゃん、おっぱい吸っていい?」
「いちいち聞くな!うふふ、いいわよ」
乳房に触れ、乳首を必死に吸う弟の頭を撫でてやる亜季。こういう甘えん坊の年下男
も悪くないな、なんて思う。
「ああ・・・ん」
甘く乳首を噛まれると、何ともいえない甘美な疼きが体全体に広がっていった。稚拙
だが優しげな愛撫である。亜季は、隼人の自分を想う気持ちが嬉しく、またそれに応え
たくなった。

「しゃぶってあげるから、立ちなよ」
「え?まさか、チンポを?」
「そこ以外に、どこをしゃぶるっていうのよ。スゴク気持ち良いから、覚悟しなさいよ」
ベッドの上に弟を立たせると、亜季は勃起した男根をすぐさま唇で包む。そして舌を
丁寧に絡め、吸っては舐め、舐めては吸いを飽きる事無く繰り返した。
「ううッ!」
姉に男根を吸われると、隼人は早々と腰砕けになる。小用を足すのとはまた違った
趣の快感が、男根全体を包んでいたからだ。
(おやおや、いかめしい顔しちゃって)
亜季には男根を咥え込みながら、弟の表情を見て取る余裕があった。隼人がいか
にも無垢な男の反応を示している所が、彼女にとっては愉快でならない。経験豊富
な女性ゆえの、当然な気持ちといえよう。
523おきゃんぴー:05/02/20 17:57:55 ID:7qidgtp2
(もうちょっとしゃぶってあげたいけど)
そう思いつつも、亜季は咥え込んでいた男根を唇から離し、
「ゴメン、姉ちゃん我慢できなくなっちゃった・・・これ、入れて」
ぶるんと猛り返る弟の男根で、姉はとどめを刺して欲しいと願ったのである。

「こ、ここ?」
「ううん、もうちょっと下。焦らなくてもいいから、オチンチンに手を添えて、しっかり入れ
るのよ。頭が入れば、後は腰を前に突き出すだけだから」
異性との経験が豊富な亜季とは言え、弟と交わるのは初めての事。故に、なんとなく照
れがあった。しかし、それすらも快楽を増加させる前戯の如きと化す。今や、弟に犯され
るという背徳感は、彼女にとって最高の媚薬となっていた。
「は、入っていく」
「いやん、バカね・・・」
隼人の男根が女穴を侵してくると、亜季は目を閉じてその感触を確かめた。血を分けた
弟の物ゆえか、肉で出来た棒の形全てが膣内で分かってしまう。広く開いた肉傘、野太
い茎・・・その上、脈打つ血筋の一本一本までもが、はっきりと感じ取れるのだ。それはま
るで、本来別の物である二つの体が、一つになったような感覚とでもいうべき状態だった。

「アア・・・ア・・・」
犯されてるというよりは、次第にひとつになっていく──亜季はこの交わりを、そう感じて
いた。悪ふざけのつもりで誘ったが、すっかり深みにはまっている──艶めく呻き声を上
げながら、姉は少しだけ後悔した。
「姉ちゃん、大丈夫?」
「だ、大丈夫だから、もっと奥まで入れて・・・」
亜季は恥ずかしかった。今まで、どんな男にだって、こんなおねだりをした事がない。
それを、無垢だった弟に言わされてしまうとは、彼女自身思ってもみなかった。
524おきゃんぴー:05/02/20 18:14:32 ID:7qidgtp2
「ああ!」
隼人が急激なピストン運動を開始すると、亜季はいよいよたまらなくなった。腰が砕けて
しまうのではないかと思うほどの快感が、恥丘を中心に全身へ広がって行ったからだ。
「い、いいわよ、隼人ッ!くうッ・・・す、すごくいいの・・・」
安物のセミダブルのベッドが、ぎしぎしと悲鳴を上げていた。夜とは言え、今はまだ宵が
浅い。あまり、派手な喘ぎ声を上げれば、隣の部屋の住人が気がつくかもしれない──
そうは思うが、亜季は恥ずかしげも無く叫ばずにはいられない。

「ああ、隼人ッ!姉ちゃんをメチャメチャにしてッ!」
それは本心だった。このまま犯し壊されてもいい──亜季は胎内で暴れる弟の男根を、
手放したくないとさえ思っている。
「姉ちゃん、俺、出そう・・・」
隼人が早々におもらしを願い出た。すると亜季はシーツの上でのたうちながら、
「中で出して!全部よッ!」
隼人の背へ手を回し、弟の子種を受け入れるべく、強く抱きしめたのである。

「出るッ!」
「イクッ!」
姉弟の絶頂は同時だった。すぐさま隼人の子種は亜季の膣内を浸し、白濁した粘液で
満たしてしまう。それと同時に、膣口は男根を絞り上げるように締めつけ始めた。
「姉ちゃん、俺、俺・・・」
「何も言わなくていいわ・・・しばらくこのままで居て」
出来ればいつまでもこうしていたい──姉弟は互いにそれを願い、唇を重ね合った。

おちまい
525 :05/02/20 18:17:27 ID:gY+Mfy4P
乙であります
526名無しさん@ピンキー:05/02/21 01:02:05 ID:RJN9BoPG
過疎化したスレにはタマラナイ恵みですなw乙です
527名無しさん@ピンキー:05/02/21 11:47:29 ID:ibhTZ2zJ
ハアハア
528名無しさん@ピンキー:05/02/21 20:43:51 ID:3jAW9kCj
このスレの住人的には『ツバメしんどろ〜む』はどう?
誰も読んでないか。
529名無しさん@ピンキー:05/02/22 00:26:54 ID:BKDF43Wl
>>528
詳しく
530名無しさん@ピンキー:05/02/22 00:30:50 ID:sIHG62S0
書こうかと一時期考えたのは秘密
まとまらないままリアル多忙化で計画消滅
531名無しさん@ピンキー:05/02/24 22:45:58 ID:h4MWSIsl
保守
それにしてもこの板は判定されてるのか疑問な今日この頃
532名無しさん@ピンキー:05/02/27 23:53:07 ID:UVx3MNwP
保守age
投下しようかと考えています。二次創作で
533名無しさん@ピンキー:05/02/28 00:07:28 ID:iDxyRIW4
>>529
月刊ドラゴンエイジに連載。単行本は角川コミックスドラゴンJr。
2年前の事故で両親と自分の記憶を失い、姉であるツバメと二人暮しをしているが、
ドジだけど美人でスタイルのいい隙だらけの姉にいつも主人公はドキドキしている。

このスレ的にはココまで。
あとは、
ある日、ふとしたことからドキドキが止まらなくなり、未知の怪物を呼び寄せてしまう。
怪物に襲われる彼を助けたのは見慣れぬ戦闘服に身を包んだツバメだった。
主人公はそいういう体質で、怪物はドキドキしたとき、察知して出現するのだ。
そしてツバメは彼を守りに来た銀河連邦調査局の宇宙人だという設定。
534名無しさん@ピンキー:05/02/28 08:11:13 ID:sV0UC8hP
>>533


前半は非常によろしいのに
後半が全く必要ないのがしょんぼり(´・ω・`)
535名無しさん@ピンキー:05/02/28 21:22:21 ID:ebEL6jNx
>533
……なんとゆーか、主人公を「ドキドキ」させる元をそこまで捻るのはなぜだと小一時間……
536名無しさん@ピンキー:05/03/01 00:38:06 ID:6blFAveb
>>534-535
とにかく後半の設定は無視して一度は読んで欲しい。
あと、主人公と姉は血は繋がってないけど。

>>532
何の二次創作ですかね?
何はともあれ投下は大歓迎ですな。
537名無しさん@ピンキー:05/03/01 02:53:14 ID:FePlpwid
あと二ヶ月でゴールデンウイークなわけだが。。。
538名無しさん@ピンキー:05/03/01 19:29:15 ID:MjsqJ2yG
今やっている特撮「魔法戦隊マジレンジャー」
ゴーゴーファイブ以来の兄弟戦隊だそうです
戦隊スレもあるのですが、あそこは戦隊シリーズの前作のファンが多いことと
近親相姦という特殊ジャンルの故、ここに書くほうがいいかなと…

資料としてHP
tp://www.toei.co.jp/tv/magiran/cast/red.shtml

539名無しさん@ピンキー:05/03/02 00:23:32 ID:1hepLjEU
>>538
別にこのスレでも歓迎するけど、
率先してSSを投下するなりしていかないと空気は変わらないですよ。
540名無しさん@ピンキー:05/03/03 15:15:44 ID:2tnpi2W2
保守
541540:05/03/03 15:17:44 ID:2tnpi2W2
あげてしまった
スマソ
542名無しさん@ピンキー:05/03/05 12:21:44 ID:otqrpAwq
hosyu
543名無しさん@ピンキー:05/03/08 01:32:57 ID:NKd1GUGT
◆5mSXuZ5GjE氏の最後の投稿から早2ヶ月になります。
これは書き溜めてると考えてもよろしいのですか?
544名無しさん@ピンキー:05/03/08 02:40:03 ID:S+h8fsci
ひょっとしてまた逃げたくなってしまわれたとか。。。


逃   が   さ   な   い   よ   !
545 :05/03/08 10:35:10 ID:46LBlom6
まあ、前も3ヶ月くらい投下無しで戻ってきた事あるから
待ってみましょう
546名無しさん@ピンキー:05/03/08 23:19:26 ID:eHQU0dJZ
皆さん、お茶がなんか大量に入りましたよ…

旦旦旦旦□旦□□□旦旦旦旦旦旦□旦旦旦旦
旦旦旦□旦旦□旦□旦旦□□□□□□□□□
旦旦□旦旦旦□□□旦旦□旦旦旦旦旦旦旦□
旦□□旦旦旦旦□旦旦旦旦旦旦旦旦旦□旦旦
□旦□旦旦□□□□□旦旦□□□□□□□旦
旦旦□旦旦旦□□□旦旦旦旦旦旦旦旦□旦旦
旦旦□旦旦旦□□□旦旦旦旦旦旦旦旦□旦旦
旦旦□旦旦□旦□旦□旦旦旦旦□□旦□旦旦
旦旦□旦旦□旦□旦□旦旦旦旦旦旦旦□旦旦
旦旦□旦旦□旦□旦□旦旦旦旦旦旦□□旦旦
547名無しさん@ピンキー:05/03/09 23:38:33 ID:Vamw+Gcu
とりあえず一日一レス
548名無しさん@ピンキー:05/03/10 00:54:43 ID:qGtbkT7P
神の再臨までこのスレを護り続ける覚悟だ
549名無しさん@ピンキー:05/03/10 22:56:18 ID:ILzVsnoo
姉姉姉姉姉。
姉姉姉姉姉姉姉。
姉姉姉姉姉。
550名無しさん@ピンキー:05/03/14 00:19:23 ID:UkXIVYL2
保守
551名無しさん@ピンキー:05/03/15 21:05:04 ID:e76wLORe
保守
552名無しさん@ピンキー:05/03/17 00:03:38 ID:LNbv4My/
保守
553名無しさん@ピンキー:05/03/19 19:09:35 ID:eMvLWOCo
hosyu
554名無しさん@ピンキー:05/03/20 22:17:43 ID:JrMN9UI2
HOSYU
555名無しさん@ピンキー:2005/03/23(水) 01:15:30 ID:uLY4NxZz
投手
556名無しさん@ピンキー:2005/03/24(木) 02:53:15 ID:u4+dhiSi
捕手
557名無しさん@ピンキー:2005/03/26(土) 09:45:26 ID:5anZPvky
>>549
――字余り。
558名無しさん@ピンキー:2005/03/28(月) 00:46:14 ID:cYQn4ina
保守
559名無しさん@ピンキー:2005/03/30(水) 00:55:14 ID:Dkp/iFsr
保守
560名無しさん@ピンキー:2005/03/31(木) 12:10:01 ID:cMvHETnz
今ならランタランタできるな
561名無しさん@ピンキー:2005/03/31(木) 19:40:26 ID:cMvHETnz
今ならランタランタできるな
562名無しさん@ピンキー:皇紀2665/04/01(金) 12:29:49 ID:NCCc7J4M
今から1時間書き込みがなければ俺が都を寝取る
563名無しさん@ピンキー:皇紀2665/04/01(金) 14:49:02 ID:aU0ZT/LK
私は環タンだ!
564名無しさん@ピンキー:皇紀2665/04/01(金) 14:50:44 ID:aPatDod8
それは阻止したい
565名無しさん@ピンキー:2005/04/02(土) 12:41:48 ID:Ndt7hG6L
では俺は由美タンだ!
566名無しさん@ピンキー:2005/04/02(土) 20:14:44 ID:QB3CFySR
姉スレではあるがここではるかをもらっていく
567名無しさん@ピンキー:2005/04/03(日) 00:51:29 ID:KCKP1qr3
>>562はどう対処したんだろうか、貞操帯の鍵



いやそうじゃなくて!
そろそろ新作が来ないものかねえ……
568名無しさん@ピンキー:2005/04/03(日) 23:58:33 ID:cuZyvJe9
>567
初心者ですが
構想はできているんだが書き出しが決まらないのでかけません(泣
569名無しさん@ピンキー:2005/04/06(水) 18:29:04 ID:+j8Y3aTn
保守
570名無しさん@ピンキー:2005/04/06(水) 23:36:03 ID:9MkhfF96
神再来の機体を込めて浮上させます
571名無しさん@ピンキー:2005/04/07(木) 04:50:43 ID:nRVYG3i1
艦長!!
ネ申からの投下確認できません!


572名無しさん@ピンキー:2005/04/07(木) 14:35:38 ID:5Yp0V5pD
ちょいと変な質問ですが、こちら、姉Sideモノは場違いでしょうか?
弟Sideのみ?
573名無しさん@ピンキー:2005/04/07(木) 15:13:01 ID:UGZMf1iQ
>>572
多分問題ない。
574名無しさん@ピンキー:2005/04/08(金) 00:28:28 ID:2C3YPIau
無問題のはずだ
575名無しさん@ピンキー:2005/04/08(金) 07:18:22 ID:t0Dm3mBS
支援。
576名無しさん@ピンキー:2005/04/08(金) 22:25:05 ID:0HVM1uvv
577名無しさん@ピンキー:2005/04/08(金) 22:55:46 ID:H84je5sD
>>572
というか是非読みてえ
578名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 06:05:42 ID:qEsXHr3E
毎夜、家人が寝静まった頃を見計らって弟の部屋に忍び込み
ただその寝顔を見ながらほんの少し微睡む様な姉の話しなら
地味〜に書き始めてるけど…。
今んとこエロに結び付く様なネタになってないし微妙…。
1度こことか妹スレとか近親ネタのトコに投下してみたいんだけどな…。
579名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 10:57:36 ID:SQiIt6C7
清良タン萌え
580572:2005/04/09(土) 16:14:16 ID:2AT9MFnY
>>573 >>574 >>577 レスサンクスです。ためし煮まとまったら透過します。
581名無しさん@ピンキー:2005/04/09(土) 20:58:42 ID:dl23shrh
582名無しさん@ピンキー:2005/04/16(土) 21:15:42 ID:jIbbV3dO
神待ち保守
583名無しさん@ピンキー:2005/04/16(土) 22:27:52 ID:6RAjpBnc
今神の作品読み返したけどほんと次が読みたい…
584名無しさん@ピンキー:2005/04/21(木) 08:00:21 ID:5E0LCWU3
保守
585572:2005/04/21(木) 15:40:49 ID:Hd09lOA1
テスト投下です。
視点が女性。に加えて、 弟→美形+強引 & 姉→イマイチ+気弱という構図で、女性向けの話だと思います。
でも女性向のスレに打診してみたら普通のシチュがいいって断られました。
(でもなんかその後も愛があれば近親相姦モノもいいんじゃないかとか議論が続いていて、どっちに投下すべきか実は悩んでいたり)
どんな感じかというと、・・・こんな感じです。
男性陣には受けないかモナー・・・
586こんな感じのはなし:2005/04/21(木) 15:42:59 ID:Hd09lOA1
 《多岐川紗綾26歳会社員の悩み》

 このことを話すと信じられないって返事がくるかもしれないけど、私と彼は、小さい頃はとても仲が良かった。
 “さあや、さあや”って、後からちょこちょことついてきて、私に懐いて、私を頼ってきてくれた弟、龍也。
 でも時が経つにつれ離れがちになった。
 そろそろ姉離れかな、寂しいけど仕方ないかな、と思っていたら、口も聞かない疎遠状態にまでなってしまった。
 それが、永く続いた。
 話しかけても短い答えであしらわれたり無視だったり。ご飯を作っても食べてくれない。
 何故なんだろう、どこが嫌われているんだろう、どの行動がいけなかったのだろうと悩んで悩みまくった。
 でも答えが怖くて聞くに聞けなくて、結局まともな会話1つできないままだった。
 そんなある日、急に流れが変わった。
 ぶっきらぼうで冷たくて、寡黙だった弟が、
「今迄、嫌っててゴメンな」
 なんて言ってきてくれた。
「また、紗綾といっぱい話とか、できるようになりたい」
 とても嬉しかった。私も龍也と話ができるようになりたかった。
 母は早くに死んでしまい、父も家にいない。この世界に姉弟2人きり。
「俺間違えてた。本当は紗綾のこと大好きだったのに、嫌いだって思い込んでた。辛い思いさせて本当に、ごめん」
 そうだったんだ。うん、いいのよもうそんなこと。昨日までの辛さなんか忘れて明日の幸せを考えて生きましょうね。
「・・・世界を敵に回しても、俺、紗綾のこと必ず守るから」
 そうよね、どんな世間の荒波だって2人で力を併せれば! ・・・・・・って、ん? ・・・・・・ねぇ、龍也?
 セケンノアラナミ乗り越えるのに、別にわざわざ世界を敵に回さなくったっていいのよ?
「俺、紗綾のこと、・・・大好きだから・・・」 
 ・・・うん、私も龍也のこと、大好きよ。
「大切にするから」
 ・・・・・・な、何だか雲行きが怪しくなってるのは気のせいかしら・・・・・・?
「誰よりも愛してるから」
 ・・・・・・って、・・・・・・え? ・・・あれ・・・?
「・・・紗綾・・・」
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・何で、こんなことに、・・・・・・なっちゃったんだろ?
587こんな感じのはなし:2005/04/21(木) 15:45:01 ID:Hd09lOA1
こんなノリで作っているんですが・・・・・・ やっぱ場違い?
588名無しさん@ピンキー:2005/04/21(木) 16:08:16 ID:FowfdNk+
俺は悪く無いと思った。
589名無しさん@ピンキー:2005/04/21(木) 17:52:41 ID:8sgqx81V
何か問題でも?全然おkだと思うけど
590名無しさん@ピンキー:2005/04/21(木) 19:20:55 ID:W8UYHSA+
いいじゃん。どんどんやってくれ、ってかお願いします。
591名無しさん@ピンキー:2005/04/22(金) 10:57:37 ID:iTPetugs
今はどんどんGO!
将来的に気になる部分があったらその時点で指摘させていただくです
592名無しさん@ピンキー:2005/04/23(土) 13:07:31 ID:skCNtvZ4
保守
593名無しさん@ピンキー:2005/04/25(月) 08:44:47 ID:X/MpiyhT
下がりすぎ
age
594名無しさん@ピンキー:2005/04/25(月) 20:58:54 ID:Ge9SLuMm
このスレは生きてますか?
595名無しさん@ピンキー:2005/04/25(月) 22:44:38 ID:rq0wM4sX
絶賛機能中だぜ!
596名無しさん@ピンキー:2005/04/27(水) 00:49:33 ID:o6SL1NRK
あの子が私のものになるまで死ねないの・・・。
597名無しさん@ピンキー:2005/04/27(水) 09:09:27 ID:MmDBWROZ
過疎って久しいこのスレ。需要はあっても書き手がいない。
572さんは創作中ですかね? 救世主として期待。
598572:2005/04/27(水) 21:25:59 ID:ZnEJUTwQ
問題無いようですので続きをちょこっと。
テスト>>586のは1ってことで。
599多岐川紗綾26歳会社員の悩み 2:2005/04/27(水) 21:27:24 ID:ZnEJUTwQ
 日曜日。天気も良いので早々に洗濯をすませ、掃除機を動かしていると電話が鳴った。
「はい、もしもし?」
『あ、すいません、あ、あの・・・・・・多岐川さ…っていうか、その、さ・・・・・・紗綾さん、ですか?』
「・・・はい、そうですが・・・」
『俺、その・・・、山崎といいまして、龍也・・・君と、』
「山崎さん? あー、確か・・・弟と同じ大学の?」
『は、はいそうです! 山崎です! お、覚えていてくれたなんて、俺!』
『・・・やく用件いえタコ・・・』
 違う声が聞こえた。一体何だろう? まあ、弟に用なんだろうけど。
『タコゆーな! ・・・・・・あの、龍也・・・くん、は・・・そちらに?』
「・・・はい・・・少々お待ちください」
 2階の部屋に向かって声を掛けてみた。普通このくらいの声なら聞こえるはずだけど、何度呼んでも返事がない。
 朝、出かけた様子はなかったし、玄関には靴もある。まだこの家に居るはず。
 でもなんで家の電話にかけてきたんだろう? 携帯の方が確実でしょうに。・・・・・・それに・・・・・・ 
 正直、弟とはあまり関わりたくない。・・・きっと、まだ怒ってるだろうし・・・
 だからといって電話の主を邪険にするわけにはいかない。ここはやっぱり部屋まで行くしかないだろう。
 電話の子機に切り替えた。話しかけて、すばやく逃げれば何とかなるだろう。うん。
 階段を上がりかけると、1階の父の部屋から気配がした。でも今父は居ない。・・・もしかして、龍也、こっちにいるの?
 恐る恐るドアを開ける。・・・当たりだ。ベッドから腕がだらん、と生えてる。
「龍也・・・・・・ね、電話だよ。山崎さんから」
 呼んでもベッドから出てこない。腕がぴくりとも動かないところをみると熟睡しているらしい。
 でも油断は出来ない。寝たふりかもしれない。ここは慎重に行かないと。
「ここに置くよ? 龍」
 枕元に子機を置いて、ささっと離れようとした次の瞬間! 手首を掴まれ、あっという間にベッドの中に引きずり込まれた!
 全身すっぽりと布団の中。まるで食虫植物に丸呑みされたみたいだ。
「ん・・・何だよ山崎。・・・日曜日に」 
 がっちりと私の身体を組み敷しきながら、子機に向かってのんきな声を出す弟。
 圧し掛かってくる体の感触は・・・・・・・・・・・・も、もしかして・・・ハ、ハダ・・・!!??
 な、何してんのよ龍也!?
600多岐川紗綾26歳会社員の悩み 3:2005/04/27(水) 21:28:47 ID:ZnEJUTwQ
『って何してんだよ龍也!?』
 電話の主のケンカ腰な質問に、私を見据えながらさらっと答えた。
「何って、・・・いただいてるトコ」
 いっ? イタダイテルてあなた何そんな・・・・・・
『はあ? 何のんきに朝飯食ってんだよ!』
 うまい具合に勘違いしてくれた。のはいいんだけど・・・・・・
 朝から変なことしてないで、ちゃんと電話の人と話してよ、ねえ! ちょっと!!
 ベッドから退場しようとあれこれ試みるものの、弟の身体はビクともしない。
 迫りくる肩や胸を押し返して、改めて全裸だということが判明してしまった。・・・“戦闘準備完了”って、顔に書いてあるよ、龍也。
 受話器を肩口で押さえ、私の服を脱がしに掛かる。当然の流れみたいに。
「俺は食うものは食わないとダメなタイプなんだよ」
 それでだからって、なんで私をっ、私を!?
 電話相手にばれないように抵抗を続ける。だけど・・・・・・
 ・・・何をしているのかばれたら大変だっていうのに、何で過激な行動しながら冷静に電話が出来るのよこの人は!!!
 離しなさい! どきなさい! 人を朝食にするのは止めなさい!!
『朝飯くらい抜いて来いよ』
「昨夜食い損ねた。今食わないと気が済まない」
 昨夜・・・ですかそうですか。・・・・・・それでだから私を食べる、と・・・・・・
『途中のコンビニで買えばいいじゃねえか』
「却下」
 体格に差がありすぎて、どう抵抗してもあえなく失敗してしまう。まるで小包の包装を解くかのように無慈悲に服が奪われていく。
「・・・で、何の用だよ?」
『ざっけんな!! 学祭の準備! 8時に全員集合だったろうが!』
「んー? そうだったか?」
 露になった首筋に短いキスが降ってきた。会話の合間に良くそんなことが・・・って、だ、痕ついちゃうよ。やめてよ。
 息遣いがすぐ耳元で聞こえる。短い髭がこすれてくすぐったいったら。
 異常な光景と裏腹に電話の会話はつらつらと進んでいる。
『携帯はどうした? 何度も掛けたんだぞ』
 また違う声がした。さっきタコって言った人とも、山崎君とも違う。どうやら数人で集まっているらしい。
「携帯? ・・・あー、2階。今俺1階」
『・・・・・・ってるんですよーぅ。龍也クンのことぉー』
 女の子の声も聞こえる。一体何人いるんだろう。
601多岐川紗綾26歳会社員の悩み 4:2005/04/27(水) 21:32:25 ID:ZnEJUTwQ
『つー訳でさ、今何時だと思ってんだよっっっ!!! そろそろ焦って支度とかしろよ!!』
「んー」
 電話主の怒声を聞き流しながらディープキス。うぐぐぐ・・・
 フツーの会話しながら人襲わないでよ!! しかも全裸で!!!! ちょっともう、止めてよ!!!!
 声を挙げて抗議した・・・ら、完全に電話の主に聞こえてしまう。荒げることなんてもっての他。不可。
 まして、このまま事態が進行して喘ぎ声なんか上げてしまったら・・・?
 ああ、あのとき子機をベッドに放り投げて逃げていればこんなヒレツな罠に・・・・・・、と、後悔しても後の祭り。
 ブラウスは完全に除けられてしまった。ブラも、いとも簡単に外される。外し方、どこで習ったのよこの人は。
 指が胸に懐いてくる。見た目は結構ごつごつしてる癖に的確に気持ちいいトコロを責めてくる。このギャップにいつも翻弄される。
 反対の胸にも刺激を加えられる。熱い、熱い、・・・舌で。
「・・・・・・っ!!」 
 声が漏れそうになるのを必死で堪える。涙が滲んでくる。
 龍也と目が合うとヤツは満足そうに笑っている。ぺろ、と目元を舐めてきたと思ったら、子機を持ち直した。
「上手いよ。紗綾」
『何ぃーっ!? てめ紗綾さんのお手製食ってんのか!! そりゃコンビニは却下だよなちくしょー! よこせ! 弁当に詰めて持って来い!』
『何だとぅ!? 俺も喰いてぇ!! 紗綾さ』
「一口たりともやらん!」
『だーっ! 龍也!!』
 あーん! 龍也ぁ!! 
602名無しさん@ピンキー:2005/04/27(水) 21:36:14 ID:ZnEJUTwQ
続きもう少し待ってください。
603名無しさん@ピンキー:2005/04/27(水) 23:55:59 ID:uszsxNs6
うぉぉぉ…キタ━━━━━━ヽ(≧∇≦)ノ━━━━━━!!!!!

やっぱり朝食抜きはいけないと思いますよw
続きが禿げしく気になりますんで待ってます。
604名無しさん@ピンキー:2005/04/28(木) 11:26:58 ID:MqR2/WhI
日曜なのか……会社でどうこうって流れにはならないのかな
605名無しさん@ピンキー:2005/04/29(金) 01:53:19 ID:xayfATIx
>>470
今日からゴールデンウィークに突入。
ということは今頃、巧は都と環を押し倒して楽しんでいる最中…。
どうなったか続きを知りてー。
606名無しさん@ピンキー:2005/04/29(金) 09:49:55 ID:Fk+ggR+a
>>605
そうだった。あの話はゴールデンウィークの話だ。
こんな長い焦らしだったのだな
607名無しさん@ピンキー:2005/04/29(金) 10:11:26 ID:SArHbsJl
うお、そういえばGWになってたな
続きは各自の妄想の持ち寄りでどうにか(ry
608 ◆5mSXuZ5GjE :2005/04/30(土) 18:07:55 ID:78n2jlFu
人がいないうちに……

いやもう、弁解のしようがないくらい開いてしまいましたが、続きです。
609 ◆5mSXuZ5GjE :2005/04/30(土) 18:08:30 ID:78n2jlFu
 2
 
「お兄ちゃん、遅い!」
 自宅に帰るなり挨拶代わりに、はるかがリビングから文句を言うので、お湯で戻した
適当なものを食べさせる。またそれで怒り出す困った妹をのらりくらり躱しながら、巧
は脱出のタイミングを計っていた。
「明日の朝からグリーンピースのフルコースにしてやるんだから」
 はるかが食器洗いのスポンジを振り回して気を吐いている。それを横目に、
(言ってなさい。それはがんばって一人で食べるように)
 素知らぬ顔で自室に戻った巧は、ただ出発するのではつまらないので、旅行革鞄に詰
めた荷物を窓から投げ落として逃走ルートの再確認をした。
 とりあえず、はるかがすぐには気付かないタイミング──腰を落ち着けてテレビでも
見始めてくれると最高だったのだが、とにかく下に居るところを見計らい、
『探さないでください 巧』
 と書き残した便箋を机の上にわかりやすく置いて、そっとベランダから出た。
 脱出は実に簡単だった。
 雨樋を伝って庭から逃走すると、追っ手はかからなかった。巧は調べてあった通りに
電車を乗り継ぎ、順調に都心までの行程をこなした。そうして、JRから私鉄への乗り
換えにも手間取る事なく、きっかり三時間後には環と都の暮らすアパートの前に辿り着
いていたのだった。
 そして今目の前にアパートのドアがあり、表札の『外岡・待鳥』の文字が痛いくらい
に巧の心を刺激している。
(うーん)
 あまりにあっさり着いてしまったので、そこで固まってしまった。全く道に迷わない
のも考えものだ。部活の疲れをとる間もなく電車に乗って、思い切り座席で寝てしまっ
たこともあり、心の準備をするきっかけもつかめないままだ。
 こういう事でためらうのはナンセンスなので考える前にやるのが巧なのだが、あれか
ら一カ月。あっと言う間のようでも、その時間は見事に巧から「慣れ」を奪ってしまっ
ていた。
 目の前の部屋に心も身体も許しあった『恋人』が二人住んでいる。二人。
610 ◆5mSXuZ5GjE :2005/04/30(土) 18:09:04 ID:78n2jlFu
「…………」
(コンビニでなにか買ってこよう、うん)
 途中で見つけたコンビニまで戻り、知らない名前のスポーツドリンクを買って飲み、
そうしてまたドアの前まで行って、もう一度固まる。
 いかんともしがたく気恥ずかしい。だがこういう状態になってしまったら、行ってし
まうに限る。
 部屋の明かりがついているのを見てからベルを鳴らす。
 反応はない。
(姉ちゃんが風呂で環さんが帰ってきてない説)
 もう一度鳴らす。
(もしくは一緒に風呂に入っている説)
 巧は、都から厚紙パックで送られてきた合鍵を取り出すと、さっさと玄関に入って二
人の靴を確認した。
「たのもー」と一応声をかけ、上がりこんでいく。
 出迎えがないのはタイミングが悪いからだが、事前に連絡しなかったからでもある。
 バスルームから水音が聞こえるので、『一緒に風呂』説が濃厚だった。
 巧はそのバスルームのドアの前でスペースを測り、持ってきたシュラフを出して広げ、
いそいそともぐり込んだ。電車の中で中途半端に眠り、ドアの前でどきどきして、神経
が変になっている。こういうときは逆に意外と簡単に眠ることができる。
 巧は目を閉じて、電車に乗った瞬間とは逆の事をぼんやりと考えていた。その時はも
う『早くやりてー』という馬鹿みたいな単純思考だったのに、実際ここまで来てそれで
はいけないと思い始めていた。
 この連休が終われば今度は夏休みまで三ヶ月近く会えなくなる。長期休暇の度三ヶ月。
そういうことが丸二年続く。ならばこのくらいのインターバルで突っ走っていては、と
てもやっていけないだろうと思う。
 一カ月のおあずけは、それまで満たされていただけに厳しかった。
 そして環の浮気黙認発言の意味を思い返している自分に気付いた。
 最初に都を押し倒した時から判っていた事だが、巧はそれからいいかげんな人間であ
ることを自覚してちゃんと戒めている。
 そんなふうに半ば照れ隠しに、冗談でシュラフに入った巧だが、身体の疲れに押され
て実は本格的に眠りにつこうとしていた。
611 ◆5mSXuZ5GjE :2005/04/30(土) 18:09:39 ID:78n2jlFu
 §
 
 子供じみた都の抵抗に遭い、しばしじゃれあってから環は、「先に顔出したいならそ
う言えばいいのに〜」と都をバスルームから追い出しにかかった。
「えっ、ちょっと――」
 慌てて押し戻そうとする都を持ち上げて、環は脱衣所からさらにキッチンへ、このま
ま御対面させてしまおうと調子に乗る。
 すると、キッチンへ出るドアが障害物で開かない。
「おりょ?」
 環が扉を押しながら都の手を取り、二人でごり押ししてなんとかキッチンへ出ると、
「何すんだよー」
 巧がシュラフの中から眠そうな目を瞬かせて二人を見上げ、「あの、なんかすごい景
色なんだけど」と言ったのとほとんど同時に都の足の裏が巧の顔面に入った。
「ぐあ、足濡れてる濡れてる、つーかのけてくれ」
「目をつぶって」
「あい――」
 都が巧を踏んでいるその間に、環が自分の部屋からとってかえし、都の足の上にバス
タオルを投げた。巧の顔の上にそれが広がると、都はすぐに足を抜いて、別の一枚を環
から受け取り、そのまま小走りに脱衣所に逃げる。それを笑いながら見送り、環自身は
そのままダイブして、タオルの上から巧に抱きついた。
「んんー、いらっしゃい、悪戯好きの巧くん」
 布地の上から顔の輪郭を辿り、口元を確かめて巧にくちづける。
 環はその実感に少し身体を震わせ、もどかしさに負けてすぐさまバスタオルをはねの
けると、巧の頭を抱え込むようにしてゆっくりと唇を押しつけていった。
 一カ月ぶりの唇の感触、そして息遣いと巧の匂いに環は少し酔う。
 顔を離して息をつきながら、「お久しぶり」と巧に笑いかけた。
「てて……環さん、ナイスお出迎え」
「あはは、お出迎えじゃないっての」
「環さんのその顔も、ついでに姉ちゃんの足の裏も久しぶり」
「あはははっ――」
612 ◆5mSXuZ5GjE :2005/04/30(土) 18:10:11 ID:78n2jlFu
 笑ってから環はだんだん実感とともに湧いてきた恥ずかしさに負け、巧のシュラフ越
しの胸に頭を落とした。
「んー。今日来てくれて、うれしいな。でも残念ながら、私もお疲れなんだぁ」
「うん。バイトしてるんだよね」
「あと三日はこの調子。そのぶん後半は完全オフにしてもらったから」
「そっか」
「元気にしてる?」
「うん。環さんも――」
 そんなふうに話をしていると、シャワーの音が聞こえ始めた。バスルームに戻った都
だ。そういえば、と環は、
「お風呂途中だった」
「ちゃんと入ってから出てくりゃよかったのに。って、いや、そしたら俺絶対熟睡して
たな」
「ほんとに寝る気だったの?」と頭を起こして巧を咎めようとして、環は途中ではたと
動きを止めた。
 指を巧の首筋に沿わせ、
「ひょっとして巧くん、ほんとに浮気してたりするのかなぁ?」
 怪しく笑いながら、くっきりと残ったキスマークの縁をぐるぐるなぞる。巧にはもち
ろん環が何をしているか、すぐにわかった。
 環が自身の発言をしっかり覚えていた事が少し気になったが、キスマークの理由につ
いても読まれているらしい事に気付き、ほっとする。先に環に見つかったことにも。
「吉田の嫌がらせだよ」
 巧は口を尖らせてそれだけ言った。
 それだけで環には十分だった。
「やりそー、あいつ」と環が笑っているので、巧はため息をつく。
「なんとかしてください、あいつ。環さん」
「なに、押し倒して言うこと聞かせたらいいの?」
「それは駄目。絶対駄目。………………駄目ですよ、環さん」
「しょうがないのはそっちもだね、巧くん」
 そう苦笑まじりに返しながらも、環は巧の言葉に少し震わされていた。
613 ◆5mSXuZ5GjE :2005/04/30(土) 18:11:08 ID:78n2jlFu
「俺、本音で生きることにしたもんね」
 続けて巧の次の声を聞く。
 巧がそう肯定したことで、環自身も一歩進めるのだ。
 そのことを知り、すぐに伝えるために、巧を誘う。
「ねえ、巧くん」
「環さん? あの、そろそろなんか着てくれないと俺、困っちゃうんだけど」
 裸のまま、どころか髪までびしょ濡れのまま熱い身体を押しつけられている状態に、
巧は音を上げつつあった。限界になる前にそれを伝え、いきなり押し倒したりしない環
の知っている巧、環が「見つけた」時のまま律儀さを失わない巧だ。
「それなら大丈夫。都が気利かせてくれたから」
「えっと。姉ちゃんとその辺、ツー・カーなの?」
「ツー・カーなの」
 そう言った時には環はバスルームの熱とは違う熱に濡れていた。
「今10分だけ、相手してくれる? ほんとにもうへろへろなんだ、私」
「それで十分」
 環の申し訳なさそうな台詞にとっさに巧はそう返した。そして言ってみて改めて十分
だと思う。
 横に転がって環を下ろしながらシュラフのチャックを外し、這い出る暇も惜しんで環
を捕まえ、巧は裸の環をベッドへ運ぶ。頭の中ではタイマーが回っている。
「その前に」
 環がキッチンから出ないうちに巧を止め、首筋に吸い付いた。
 キスマークの上書き。その心地好い痺れに巧は欲望の加速するのを感じ、またそれを
止める必要がないことに感謝する。
 
 §
 
「巧くんにいいものあげる」
「?」
 環がサイドボードから持ち出したものを見て、思わず巧は笑っていた。それから、
「俺も環さんにいいものあげる」
 環が出したものと全く同じユニオンジャック柄の箱を目の前に出した。
614 ◆5mSXuZ5GjE :2005/04/30(土) 18:11:39 ID:78n2jlFu
「あはははははっ! しかも箱が同じ柄」
 2ダースになってしまったそれを振って、環はおかしそうに笑う。
「連休中のノルマって言うつもりだったんだけど、こりゃ大変」
「……まじですか?」
 冗談めかして言ってはいるが、環の目は本気のように巧には見えた。
「巧くんなら全然大丈夫」
(どう全然大丈夫なんだ……一週間しかないのに)
 ぼんやり考えながら、巧の目はゆるく揺れる環の胸から離れない。
「都が買ってなきゃいいけどねぇ〜」
「それはない。環さんの性格知ってるから――って、なに笑ってんの? もしかして…
…」
「あははははははっ! いや、それより」
「うん、ごめん、ホントはもういっぱいいっぱい」
 環に促されるまでもなく、巧には裸の環を前にしてこれ以上格好をつける余裕はなかっ
た。
「環さん……」
「巧くん……」
 そうお互いの湿った声で名前を呼びあうだけで、心は締めつけられていく。
 春までは週に一度は必ず求め合って、いろんなものを積み重ねてきた。そういう本質
以外の部分すべてをとばして衝動的に交わることを求めようとしている。
 巧はどうやってスキンを着けたのかもよく覚えていない位、環も巧がいつ服を脱いだ
のかわからない位、それでも二人はいつのまにかきつく抱き合い、深く深く結合してい
た。環の脚を広げながら同時に巧の腰は進められる。
「う……あ……あん、……ああああああっ!」
 入口を合わせてすぐさま、狭い肉壁を擦って奥を突き上げるまでの間に環が連続的に
上げた声で、巧はそのままいかされてしまいそうになる。
 動きを止めて久しぶりの感触をこらえる。
(すご……、よくこらえた、でかした、オレ)
 そうやって紛らわしながら、そのとても言葉にできない気持ちよさを伝える方法がな
いのをもどかしく思っていた。
615 ◆5mSXuZ5GjE :2005/04/30(土) 18:12:42 ID:78n2jlFu
 環が大きく息をつきながら、ゆっくりと両手両足を絡めてくるのを巧は純粋に感動し
ながら受け止め、味わう。締めつけられながらくつろげられ、腰ごと引き込まれていく
ような陶酔感。
 本当にこの短い時間だけで十分だった。留まっている時の感触は惜しいが、すぐに腰
を引いて動き始める。なめらかに潤った環の中は巧が覚えている感じそのままで、巧も
また以前と同じ自分を環に返していく。巧が驚いたのは、ものの数分も持たないと思っ
た自分より早く環が、切迫した喘ぎを漏らし始めたことだった。
 環の高揚感がダイレクトに伝わってきて、巧に興奮を与えた。長引かせて感覚を盛り
上げる必要すらなく、会えなかった時間がまるごと快感になったような強烈な疼きを巧
が感じ始めたときには、腕の中の環は「もういっちゃう」と表情を激しく歪めていた。
そしてそれ以上に激しく、環の膣壁の動きは巧に最後の暴走を求めてきていた。
「んっ、んー――」
 巧が唇をふさぐと、環はすぐに舌を絡めてくる。一番熱い動きだけを集め、えぐるよ
うに舌を擦りあった。声を押さえた方が都合がいいこともあり、巧はそのまま交歓を継
続していく。環をえぐる。
 本当に、止まる理由はない。巧は重く熱く揺れる環の胸を両手で捕らえながら、腰の
動きを加速する。沸き起こる快感が加速し、さらに快感に押されて動きが弾けていく。
 環の首が左右に激しく振られ、手足や中の動きが硬直と弛緩を繰り返す。それを妨げ
る理由もない。環も加速し、動きを合わせて限りなく濃密な短い時間を、二人の間の強
烈な快感が満たしていった。
「んん、んんんんっ! んんーーーーー!」
 口を塞ぎ合ったままの、くぐもった環の絶頂の声を巧は痺れる身体の奥で聞き、同調
したて一番奥に突き上げたまま爆発させた。
 
 お互いの腕の跡が残りそうな強い抱擁を絶頂の後しばらく続け、そして環の身体から
力が抜け始めると巧は環を放し、身体を引きながら環の唇を唇で擦った。
「あんっ」と環がかろうじて応えると、巧はそのままあおむけになりながら環の身体を
引き寄せていく。環も離れ難くなっている肌を擦りつけるように寄り添っていく。
「は、……じゅ、十分きつかったかも……」
616 ◆5mSXuZ5GjE :2005/04/30(土) 18:17:59 ID:78n2jlFu
 巧が荒い息を押さえながら、「でもすごくよかった」と環の背中を撫でていくと、
「ん……ありがと……、心置きなく眠れそ……」
 すでにうつろになりかけた環の声が巧の耳には小さく聞こえた。その声は環がまれに
見せるあどけない可愛らしさの最たるものだ。飢えが乾いていく。そしてすぐ隣にいる
相手の大切さに胸を衝かれる。
 環の弛緩した表情が本当に気持ちよさそうなのも巧には嬉しかった。その顔を眺めな
がら環の額の髪を撫で付けていると、
「巧くんって……都にはどう、やるの?」
「はい?」
 環に唐突に問われ、巧は慌てる。とっさに出任せで口に出た言葉は、
「……姉ちゃんに聞いたら面白いかも」
 巧は(なんでこんな事しか言えないんだ)と思いながら、うやむやにするべく脈絡な
く環の唇を捕らえる。
「ん……」
 環も巧の返事に笑って応えているようだった。唇を預け、しばらく余韻の中で巧が間
違いなくいるのを実感している。
 それがだんだんとまどろみの中にうずもれていく。
「……寝ちゃうまで始めないでね? ……大丈夫、……すぐ熟睡するから……ちなみに
ツー・カーというのは嘘でーす……」
 そんな余計なことを言いながら環は本当にそのまま巧の横で小さく寝息を立て始めた。
「……」
 巧はできればずっと張りついていたい環の柔らかい身体から少しずつ離れ、寝息が乱
れないのを確認してからそっとベッドから降りた。
 たぶん本当に10分ほどしか経っていないはずだ。
 一応最低限のものを身につけながらキッチンに出ると、姉の都の所在を確かめる。
 シャワーの音は今はなく、しばらく気持ちを落ちつけつつ、たたずんでいると微かに
水音がした。
 そこで思い直し、シャツから何からすべて元どおりに着直して改めて気持ちを姉の面
影に向けていく。
 気恥ずかしさ以外の雑念が消えているのを確かめた。
 自分達の確かさの根元を支えるためにここにいる。
 始まったばかりの夜の、二つ目のピークを求め、バスルームに踏み込んで行く。
617 :2005/04/30(土) 19:00:46 ID:xKq4LLKe
涙で画面が見えない・・・
618名無しさん@ピンキー:2005/04/30(土) 19:35:15 ID:zo54BxPm
神復活キター!!
619名無しさん@ピンキー:2005/04/30(土) 19:40:31 ID:o6QXRxNZ
何も問うまい…。ただ一言、


GJ。
620名無しさん@ピンキー:2005/04/30(土) 22:35:50 ID:vI+moU3H
神再降臨キター

待った甲斐があった…
621名無しさん@ピンキー:2005/05/01(日) 01:08:31 ID:KMD+3L3z
前スレの作品の中に自分と姉に名前はおろか年齢差や性格まで酷似してるのがあった・・・
なんか恥ずかしくてまともに読めねー
622名無しさん@ピンキー:2005/05/01(日) 06:27:13 ID:tkftYxJK
神復活!!
うれし過ぎる。
 あ り が と う
623名無しさん@ピンキー:2005/05/01(日) 11:57:47 ID:yV6NDBNQ
涙が止まりません!!
神降臨マンセー
624名無しさん@ピンキー:2005/05/02(月) 00:40:07 ID:wplrKFVV
記念ぬるぽ
625名無しさん@ピンキー:2005/05/02(月) 01:20:24 ID:VMdnGPGn
記念ガッ
626名無しさん@ピンキー:2005/05/02(月) 02:11:39 ID:WAkOGqOb
忘れかけてたこの感覚・・・
マンセーマンセー!!!!
627名無しさん@ピンキー:2005/05/02(月) 10:23:22 ID:eZO3SUpx
この話、ドラマ化してくれ・・・
主演は・・・うーん・・・誰か頼むorz
628名無しさん@ピンキー:2005/05/02(月) 10:30:45 ID:wplrKFVV
鈴木えみ
629名無しさん@ピンキー:2005/05/02(月) 16:29:24 ID:3LmbHLwf
あいくるしい、の二人で環さんは真鍋
630名無しさん@ピンキー:2005/05/03(火) 00:28:47 ID:Lpk/tEC/
人によってイメージが変わってくるからドラマ化だけはして欲しくないと言ってみる
631名無しさん@ピンキー:2005/05/03(火) 01:28:02 ID:ggs4t3Yy
神が!
終わりというまで!
僕は!
乙を言うのを!
止めない!
神乙!!!!
632名無しさん@ピンキー:2005/05/03(火) 04:45:07 ID:VbGskvG+
あ、涙が…
外出てないのに花粉症かな?(⊃д⊂)ゴシゴシ
633 ◆5mSXuZ5GjE :2005/05/03(火) 16:14:20 ID:/1EMDgMM
 3
 
 脱衣所のガラス越し、裸の白い背中と長い黒髪が見えた瞬間巧の胸は熱くなった。
 いつのまにか巧の心をかき乱すようになった都。
 自分がいることに、すでに姉は気付いているだろう。この10分ほどの時間に何を考
え、感じていたのだろうか。その懐に入れてもらうために、問わなければならない。
「姉ちゃん、入っていい?」
 返事がないので、とりあえずYESだ。巧は着直したばかりの服を無造作に脱いでい
く。その時に巧は奇妙な、新鮮な緊張感を感じていた。
 それは一瞬だけ過去の自分達に戻ったような懐かしさだった。
 そして、入っていけば姉は暴れて、自分は叩き出されるんじゃないかというナンセン
スな期待。全く現実味がなかった。姉は拒まない。巧が本当に望んでいることを要求す
る限り、都は巧を無条件に受け入れるのだから。
 興味本意で、傍目にも美しく成長していく姉の裸を見てみたいと思っていたのはつい
この間のことだ。姉が、どんな胸やお尻をしているのか。そこにあったのは単純で罪の
ないスケベ心だけだった。
 それを思うときに感じる限りない切なさは、喪失感ではなかったか。
 姉が姉であったもうひとつの未来は永遠に失われ、その頃の、元の姉には二度と会え
ない。巧の思い込みが作った幻影だったとはいえ、それを失った事が姉に対する恋心の
きっかけでもあったのだと思う。
 どこからが越えてはいけない境界だったのか、今も巧はわからないでいる。
(姉ちゃんが望んでいるからだ)
 それは決して免罪符にはならない。けれど、現実に巧の背中を押してしまったのは、
そのたったひとつの事実だ。
 今思っても決して悪い気分ではなかった。
 環と都双方に対して感じるうしろめたさはまだ消えないけれど、それも幻想に過ぎな
いことを巧はすでに知っていた。いつかは消える幻に振り回されることはない。
 そして初めて同じ日に二人を抱く。これに興奮しない巧ではない。
 その高揚感が巧の中の葛藤に最後のケリをつけつつあり、それに気付いたとき巧は思
い至る。最後に人を救うのは欲望なんじゃないのだろうか。
634 ◆5mSXuZ5GjE :2005/05/03(火) 16:15:48 ID:/1EMDgMM
 たぶんそうなのだ。
 感情の行き着く所が姉の身体であってもなんの問題もない。
 だから胸の高鳴りが止まらない。
 アコーディオンドアをゆっくりと開く巧に背を向けたまま、都の上気した肌は誘って
いる。逆らう理由はない。お湯を浴びるより先に後ろから姉の首に両手を回し、髪の下、
うなじに唇をもぐり込ませる。
「あっ……」
 都が身体をすくませて悩ましく声で応えると、それだけで巧は痺れていた。
 飾って気を遣った言葉を聞くよりも、その声が嬉しい。これは自分だけのものだ。
 巧がバスタブに足をかけると、都はすぐに身体を起こして胸を合わせて抱き締めてく
る。二人でバランスを崩してもつれ合っているだけで絶え間ない肌の感触が快感になっ
てかけ巡った。きつく抱き合って唇が唇に触れた時には、巧も深い湯の中に身体を沈め
ていた。
 
 §
 
 一方の都は、巧が散々悩んでいるのが馬鹿に見えるくらいに穏やかな10分間を楽し
んでいた。状況的に、待っていれば必ず巧は来てくれると信じて疑わない。
 髪や身体を洗うのに今ほど目的意識を持ってやることなんて前は考えもしなかったし、
今そうしていることが夢のようだった。
 巧が入ってくると、いきなり身体のスイッチを強にしたような熱情が胸を焼いた。
 巧が直接的に求めてきたことで、都もすぐに堆積していた想いを燃やし始める。
 唇よりも舌が欲しい。唾液や汗で文字通り混ざり合う。
(環の匂いがする)
 鼻をくすぐられ、一瞬だけ意識してすぐにしまい込んだ。
 そして都はついさっきまで環を抱いていた巧の身体を、迷うことなく受け入れていく。
狂おしく引き寄せて自分の身体と擦りあわせるだけでいいのだ。内側から噴き上がった
熱は瞬く間に全身を震わせる。抑えきれない震えをもてあまし、もどかしさが都に大胆
な身体の動きをさせていた。
635 ◆5mSXuZ5GjE :2005/05/03(火) 16:16:37 ID:/1EMDgMM
 逃げ出したくなるような恥ずかしさを感じながらも、都は股間を巧のおなかの上に擦
りつけていく。恥ずかしさは無心で巧の唇を貪っていると忘れることができた。より強
く擦りつけたくて、両足を回して巧の胴をくい締める。激しい刺激が下半身を巡り、水
音をたてて何度も身体をくねらせる。
 そうする一方で巧の両手が背中を這い回り、お尻を強く揉みあげられながらその動き
に酔う。愛する者の欲望を知る幸福と、受け入れる幸福。
 巧の首に巻きつけた手を肩・背中と滑らせ、感触の固さに気付いた。
 三月に最後に抱かれた時よりも、巧の身体に筋肉がついている気がして、都はダイレ
クトな連想に身悶えた。すでにたまらない感覚に満たされた身体を、さらに埋め尽くさ
れたいと願う。
 貪る唇の動きを緩めて目を開けると、変化に気付いた巧も薄く目を開き、邪魔なとこ
ろに張りついた髪を除きながら(どうしたの?)とついばんでくる。
 都は泣きそうになって、胸と股間を巧に押しつける。
 かつてない高ぶりを感じていた。時間を置いたことでこうまで刺激に敏感になってい
る今なら、巧の気にしている最後の欲求を満たしてあげられるかもしれないと思う。
 
 都は、ほとんどイッたことがない。
 元々あまり抱かれていない。家族で暮らしていたのだから、そう簡単には二人きりに
なれなかった。貴重な機会はことごとく無駄なく活用してきたが、そんなことはあまり
多くはなかった。
 触れ合っているだけでも100%幸福な都にはどうでもいいことだったが、巧が気に
しているようなので逆に気になって、表情に出してしまうようなミスも犯していた。
 初めの頃の熱病のようなあれはなんだったのか。
 安定したその後と何が違っていたのだろうか。
 都にはひとつ気付いたことがあった。
 自分達の関係は巧の優しさの上に成り立っている。巧がそれを逆に捉えているのでは
ないかという事。極端に言ってしまえば二人も抱ける男の義務として、行為の最中自分
より相手の事を考えすぎているのではないだろうか。
 都はそれが少し寂しい。自分も巧の事を考えているから、巧には好き勝手に振舞って
欲しいのだ。『交歓』と言うぐらいだから、相手をないがしろにしていいわけではない。
636 ◆5mSXuZ5GjE :2005/05/03(火) 16:17:16 ID:/1EMDgMM
だが都は巧の、弟の剥き出しの欲望を浴びたかったのだ。
 そして今、それを伝える決心をした。
 言葉の選び方の拙さにはいつも情けない思いをしてきたが、言ってしまおうと――
「何が怖いの? どうしてもっと好き放題に犯してくれないの?」
 言った瞬間に頭が真っ白になる。
 のぼせかけの顔がさらに熱くなった気がして、朦朧としてくる。
「私、魅力足りないの?」
 言葉を繋いでおそるおそる巧の顔を覗き込む。巧の目が、試合のときのように熱を帯
びる。手ごたえは大きかった。
「ほんとにしたい事ばっかり、いっぱいして欲しいの。巧に……勝手に気持ちよくなっ
て欲しいの。そういう巧が見たいの。私――」
 繋げば繋ぐほど、崩れていく。思い出したように切なさが突き上げてきて、邪魔をす
る。だけど最後に、都は言いたかったことを見つけたのだった。
「私、完全に巧のものになりたいの……」
 
 巧が動いた。
 急に強く抱き寄せられ、都は巧の肩の上で息をついた。巧の入れた力は弱まらず、完
全に抱きすくめられる。姿勢が変化したことで、お尻の間を擦って張りついた熱い物が
あった。
(あ……)
 記憶の中の巧の物は生々しい感触へと取って変わり、突き上げるような力強い圧迫感
に、身体の内側がひどく濡れていくのを感じる。
(環の中に入ってた……)
 ぼんやりとそんなことを思いながら都はそこに手を伸ばしていた。限りなく熱く硬い
ものがお尻の谷間にちょうどすっぽりはさまっていて、微かに脈打っているのが感触で
わかった。
「姉……ちゃん」
 喘ぐような巧の声に我を忘れそうになる。背中を反らせてもっと下から触れようとす
ると、腰が前にぬるりと滑って都は後ろに倒れそうになった。それを巧が引き戻す。そ
んな時だった。割れ目に沿って導かれるように、巧のそれが角度よく都の膣口を捉え、
都の体重を力にして時ならぬ挿入をしてしまったのだ。
637 ◆5mSXuZ5GjE :2005/05/03(火) 16:18:23 ID:/1EMDgMM
 突然の強い快感に息がつまり声が出ないまま都は、押し開かれていく甘美な感覚と懸
命に戦い、耐えて、かろうじて結合から逃れた。その時の思いと行動は巧も同じだった
に違いない。
 一瞬の事だったが、『あってはならない事』から少しでも遠ざからなければならなか
った。都には用意がある。
「外のカゴにあるから、巧、お願い……」
 その時理性が残っていたことに後でどれほどほっとすることだろう。
 それでも熱に浮かされたままの二人は、欲望の海の中にいた。外のカゴと聞いて巧が
微妙な表情をするのに都は少しだけ首をかしげ、がさがさと音を立てた巧がすぐに戻っ
てくるまで、頭を空にして待つ。
 前振りもなにも要らなかった。
 ゴムの皮膜に覆われていても巧のものはなんら魅力を失わない。
「後ろ」
 巧の言葉に敏感に反応し、向きを変える途中からもう巧に腰を抱えられていた。
 暴力的ではない、安定させる力強さで固定されていく。
 胸元を支えられてから背中を押され、都はバスタブに上半身を委せる。とその瞬間に
は腰を引き寄せられ、同時に確実な動きで巧のものが押し入ってくるのを全身で感じた。
 それは、まさに広げるという感じで押し広げてきた。
 苦痛を感じる一歩手前の見事なまでの充実感。自分の内側に隙間がなくなってしまう。
 そして深かった。
 そんな刺激も、まだ都に快楽と呼べるほどの快楽をもたらしていない。
 それでも都はその入っている感触を味わうのがとても好きなのだ。巧が入ってきて、
動いて気持ちよくなってくれるのがとても不思議で、愛しい。それが変わってしまうの
なら少し惜しいという気もしたが、手に入れたい物の大きさと比べられるものではなか
った。それに、なにかおかしい感じが身体の奥にあった。
 やっぱりなにか、違う気がする。
 胸騒ぎのような奇妙な動悸を覚え、さらに微かではあるけれど奥のほうで重く響くも
のがある。少し怖いものの、もう巧に任せてしまった。
「姉ちゃん……気持ちよすぎるから、いくよ」
「うん……」
638 ◆5mSXuZ5GjE :2005/05/03(火) 16:19:13 ID:/1EMDgMM
 覆い被さってくる巧を背中で熱く受け止めた。脇から入れた手で丁寧に胸を揉まれて、
期待通りの感覚にすぐにたまらなくなる。うなじをゆるく吸われ、そのまま上体を持ち
上げられた。
 つながったまま立ち上がり巧に任せていると、壁に押しつけられ、巧の身体とで挟ま
れて息をついた。さすがに奥までつながった形で立って動くのは息苦しいかもしれない。
 都の奥の奥までぴったり収まったそれがゆっくりと動き始めていた。
「え……ん……んっ……あ……?」
 いつもの気持ちよさと明らかに違う熱い感覚が染み出してきていた。
 巧のものは滞りなく一番奥から入り口まで確実に往復を続けている。貫かれている場
所が、むず痒いようなもどかしさに襲われ、やがていつもの感覚となって、別の感覚だ
ったものと混ざり始める。
 都は戸惑った。背中を責められてイッた時や、肉芽を舌で責められた時とまるで違う
のに大きな波のようなものが近づいていた。
 恐れと期待が相半ばして、巧の出入りに対する反応を不安定なものにしていた。
 どうしようもなく呼吸が乱れる。
「巧……、いいの、すごくいいの」
 思いもかけないことを口走ってしまう。
「続けて、もっと、このまま――」
 それから後は言葉にならなかった。ハアハアと吐く息だけが壁に吸い込まれ、巧に突
き上げられる度、じんじんと衝撃がそこに響くようになっていく。
 こんなことがあるのかと思ったその時、意識がふわりと揺らいだ。足が滑って身体が
傾く。巧が異変に気付き、慌ててマットの上に横にしてくれるのをかろうじて知覚して
いた。
「姉ちゃん! 大丈夫、姉ちゃん……?」
 事情の解らない巧にはどうすることもできないはずだった。両手に抱え込むようにし
ながら身体のそこかしこに気を遣ってくれているのがわかり、本当にその得難さに心の
奥が痛む。
 でも本当はもう少しだったんだよと優しく弟を見上げる。
639 ◆5mSXuZ5GjE :2005/05/03(火) 16:19:53 ID:/1EMDgMM
 あまりに急な感覚だったために、軽い貧血のような状態になったのかもしれない。と
にかく大丈夫だと巧に伝えて、
「すごくね、…………近くまでいったの」
「近く? 何の話?」
 疑問を口にしてから巧は気付いたようだった。
「そっか」
 優しく微笑む巧の唇が近づいてきた所で、自分から首を上げてそれを吸った。両手で
愛しい弟の身体を引き寄せながら、促していく。巧のものがそびえ立ったままなのに気
付く。
「今すぐ続けて?」
「平気なの?」
「……お願い、口を塞いで……」
 勃ったままの巧のものを少しだけ咎めたい都だったが、『大事件』を前にして、それ
は本当に些細な問題だと思った。
 巧がまた雄々しくも突き入ってくるのを感じながら、都は確信した。今度は正面から
都を抱く巧が奥底に到達して突き上げきったとき、都の両脚は大きく跳ね上げられて身
体はきつく折り曲げられていた。それでも、都の身体を覆っているのはめくるめくよう
な深い快楽の渦の、その始まりだった。
 
 §
 
 巧は、姉の身体の意外な柔らかさに初めて気付いていた。
 深く膣内を抉りながらその両脚を肩に担いで、そのまま唇を吸って舌と唾液を貪る。
その姿勢は結合した巧のものにも強い刺激を与えていた。きつく締め上げてくる肉壁の
絶妙なうねりが出し入れのたびに変化し、何ともいえない快感を与えてくる。
「んっ……ふっ、んっ、ふっ……」
 姿勢のきつさから、巧の突き上げのたびに都の口から息が抜ける。それでも巧は腰の
運動と舌を休めない。
 巧も気付いていた。
640 ◆5mSXuZ5GjE :2005/05/03(火) 16:21:04 ID:/1EMDgMM
 姉の感じ方は本当に違っていた。ならばもっとその時にふさわしい格好にしてやりた
いと、巧は肩から脚を下ろし、自分の腰に絡めてやった。待っていたかのように、楽に
なった都の両手は巻きついてくる。
 都が口を合わせていられなくなって首を振り乱し、激しい息を吐き始めると、巧はも
う本物だと悟った。
 一突きごとにあごを上げ、熱い吐息を吐いている。
 上体をかみ合わせると、形のよいままに柔らかくたわむ乳房の感触。
 鳴くような喘ぎ声がバスルームに反響する。
 そしてやがて都のものは激しく収縮し、巧を追い上げていく。
 やってきた瞬間は、都の方が先だった。
「あ、あ、あ、あ、ああ、あ、ああああ、あ……」
 小刻みに震えるように声を上げているうちに、「だ、だめ、だめっ! 巧っ、だめ、
あ! んあ、あっ、だめっ! ……だめ、ああああああっ!!」
 これ以上なくぎゅっと巧を締め上げると、両手両脚をそのままの姿勢で硬直させ、強
く、強く巧の身体を抑え込んだ。都は身体中をかけ巡る本物の絶頂に跳ね上げられ、そ
のまま声も出せずに快楽の渦の中心に沈んでいく。
 その締め上げが巧にも最後をもたらした。姉のかつてない痴態に刺激され、その身体
からも素晴らしい感触を与えられ、巧は突き上げ抜いた。そのまま激しく吹き上げてい
った。
 
 姉の身体から受ける刺激で少しずつ波を引かせながら余韻を楽しんでいく。
 都もまたゆっくりと身体をくねらせている。どんな感覚を味わっているのかは伺い知
れない。
「巧……」
 かろうじて語りかけてくる都から抜き取った後で、隣で横になってから応える。
「姉ちゃん、今なに考えてる」
「巧のひとでなし」
 姉は泣いていた。子供の頃のように、声を洩らしながら。美しい肉体の内側で姉が何
を思って泣くのか、巧には聞くことができない。
(ひとでなし、か)
641 ◆5mSXuZ5GjE :2005/05/03(火) 16:21:59 ID:/1EMDgMM
 腕の中で小さく肩を丸め、震えている都。衝動的にその姿を掻き抱き、巧はさまざま
な感慨で胸をいっぱいにした。
「なんでよ?」とかろうじて応える。
 何も答えず、都は巧の胸に擦りつけるように顔を隠した。
「……ずっとこんなふうになっちゃうの?」
「そんなに違った?」
 巧が悪戯っぽく聞くその手のことには、当然ながら都は「知らない」とへそを曲げる。
それに対し、「いや、そんなはずは」と巧は懲りない。
「巧」
「ごめん、無理には聞かないから」
 咎められたように聞こえて巧が謝ってみると、都は意外な要求を出した。
「巧……私、やっぱり布団でしたい」
 それは今すぐという事なのかと問うと、ちょっと考えてから「うん」と笑う。
(余計なこと言っちゃった)
 巧はため息をつきながら姉の身体を起こしてやる。そうしてそれが少しも余計なこと
ではないのを自身の反応で示してしまうのだ。
 
642 ◆5mSXuZ5GjE :2005/05/03(火) 16:24:13 ID:/1EMDgMM
レス、本当にありがとうございます。
連休中に終わらせられない予感。
643名無しさん@ピンキー:2005/05/03(火) 16:39:19 ID:x4mDNQNK
続きキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
644名無しさん@ピンキー:2005/05/03(火) 18:22:17 ID:vPRkUs53
GWとはGOD WEEKの略なんだね。
GJ!!!!!!!!
645名無しさん@ピンキー:2005/05/03(火) 19:12:34 ID:ur0laG89
>>664
うまいな、おいw
646名無しさん@ピンキー:2005/05/03(火) 19:14:28 ID:ur0laG89
まちがえたor2

>>664じゃなく>>644でつ・・・
647名無しさん@ピンキー:2005/05/03(火) 22:25:28 ID:ze9NxLYM
648名無しさん@ピンキー:2005/05/04(水) 16:10:20 ID:YQNzvTZK
>>644
違う!GODWEEKだ!
良いなんかで表せるか!
649名無しさん@ピンキー:2005/05/04(水) 23:32:08 ID:LTwlN989
・・・だからぁ、GODだよね?
650名無しさん@ピンキー:2005/05/05(木) 00:21:21 ID:VbQRyBrF
ちんこおっきしたお
651名無しさん@ピンキー:2005/05/05(木) 15:32:42 ID:ia2N/Gh4
Gaze Wechseln
652 ◆5mSXuZ5GjE :2005/05/05(木) 17:21:42 ID:ZRvsIS+A
 4
 
 都が買っていたスキンまでがユニオンジャックだったので、さすがに巧は突っ伏して
しまった。だが、そこから巧はヤったのだった。
 全国大会で優勝したってこんなに嬉しいことはない。人生の半分は勝った。どこに出
しても恥ずかしくない程舞い上がった巧はさらに、都のベッドで思う存分続きを楽しん
で、なんとか自分がダウンする前に都をダウンさせることにも成功した。
 消費数が少ない場合クレーム必至なのでがんばってスキン使用に努めた巧だったが、
半泣きでのたうちまわっていた姉に突然反撃される。一回口で吸い取られてしまい、痛
恨の一敗を喫した。ただし、その時都が不満顔で「量が少ない」と言ったせいで巧はも
う一回復活。これによって残り個数が、環11・予備12(未開封)・都8となる。
 『極楽』とおでこにマジックで書きたくなるような安らかな顔で眠る姉の顔をしばら
く眺め、巧はしばし考える。
(自分で買ったやつは隠してしまおう。うん)と内側に挟んでシュラフを丸めると、厳
重に括って部屋の隅においやる。
(後で捨てよう)
 都の部屋をそっと抜け出すと、『起きたらすぐ起こして』とメモを書いて巧は環のベ
ッドにもぐり込んだ。
(姉ちゃんの体力では朝起きてはこれまい。悪いけど、環さんと話したい)
 その願い事はかろうじて神様の聞くところとなって、巧は朝の時間を環と結構ゆっく
り過ごすことができた。
「んー、いいい寝起きでした。ありがと」
 こそばゆい笑顔で起こしてくれた環は、言葉通りすっきりした顔をしている。
 毎朝そんな挨拶をされても困るが、とりあえず誇らしい。
 対する巧は少し身体が重い。
 珍しくというより初めて朝食をつくってくれるという環の目を盗んでシュラフを広げ
ると、未開封のアレがどこにも見あたらない。
 まさかと思いながら環と都の分を見に行くと、どちらも異常に箱が膨らんでいる。つ
まみ食いをした子供がほっぺたを膨らませたまま「知らないよ?」と言っているような
光景だ。
(いくらなんでも不自然だろ、これは)
653 ◆5mSXuZ5GjE :2005/05/05(木) 17:22:38 ID:ZRvsIS+A
 だが元に戻せば角が立つ気がする。
(ひでー。……はるか、お兄ちゃんは東京で殉職します)
 巧は腹いせ気味に調理中の環を襲った。
「あははっ。あっ、……あん! ん……ん」
 悪戯を見つかって笑ってから悩ましく声をひそめ、環はすぐに巧に応えた。
 可愛らしいエプロンをわざわざつけてくれている環を、せっかくだから脱がさずにベ
ッドに連れ込む。下半身だけを太陽の光の下に晒した環は、見ているだけで鼻血の出そ
うな位エロチックで、元バスケ部の長くしなやかな脚を惜しみなく巧の下半身に絡ませ
てくる。たっぷり休息を取った元気な環は、積極的に腰を使った。
 巧は、耐え難いものが背中を這い上がってくるまで環の情熱にまかせっきりだったが、
我慢できずに立場をひっくり返した。(昨日いったい何時までヤッてたんだっけ?)と
一瞬心配になるほど巧も回復している。『セックスダイエット』などという馬鹿なコピ
ーを思い出した。それ以前にやせる必要なんてあっただろうか。後が少しだけ怖い。
 
 残数が環15・都14になったところで二人で朝食にした。
 巧は真剣に食べる。
(ちゃんと食べないと死んでしまう……)
 巧がサッカー部のしごきに一番感謝しているのは今かもしれなかった。足腰の強さに
はそれほど不安を感じない。
(今のところは……)
 ホウレンソウとベーコンのいため物、卵とじ。それとライ麦パンを二枚。ちょっと考
えて、もう一枚。環も結構食べるのですっかり二人で食べ尽くした。
 それからオレンジピコーをゆっくりと一杯。
「都の食べる分がないなあ」
 環が苦笑いすると、
「大丈夫、昼まで起きられないようにしたから」
「そうなのかぁ……えっへっへ、目が覚めたら覗こうと思ってたのに」
 環はいやらしい笑い方をして、巧ににじり寄る。
「いや……それはやめてください」
654 ◆5mSXuZ5GjE :2005/05/05(木) 17:23:17 ID:ZRvsIS+A
 都は本当に起きてこなかった。
 昼食の買い物を二人でして戻るとテーブルに一人、待っていた。
「おなかすいた」
 巧を見るなり、それだけ言って頬を膨らませている。とてつもなくかわいい。じっと
見ているとだんだん顔を赤くしていくあたりとか。しつこく眺めていると、そのうちコ
ルクボードのソーサーを投げつけられた。陶器を投げなくなっただけ随分巧は助かって
いる。
 環が買ってきたものをテーブルに並べてシンクを向くと、その隙に巧は都の唇を奪っ
た。
「おはよ」とにっこり笑いかけると、都は夢みたいな顔をしたかと思えば『おはよう』
も『おかえり』も言わずに食べ物を要求した自分に気付き、また巧に八つ当たり攻撃。

「ホコリが立つよ、お子様たち」
 環が茶化すと、やっと静かになる。
 思えば実家のときははるかがいて、どちらかといえば都陣営だった。この三人だと形
勢は圧倒的に不利だ。都にしてみれば、馬鹿者が二人に増えたようなものだろう。
 巧は、姉のために用意した秘密アイテムをカバンから取り出し、「プレゼント」と言
って都に渡し、居候の挨拶に代えた。もちろん贈答用のラッピングを店でやってもらっ
たものだ。
「叩きたいときは大人の対応でそれ使ってください」
 包みを開けて無言でしばらく見ている。
 それから都は巧のろくでもない説明が終わらないうちに、手に入れたばかりのピコピ
コハンマーで巧を連打した。ちょっとタイミングが悪かったかと思った瞬間にハンマー
の柄が巧の顎にヒットする。都の目が狂犬のようだ。
「ぐあ……、そういう使い方しちゃいけないって、お店のおじさんが……」
 バランスを崩して椅子ごと後ろにひっくり返った巧に都が追い打ちをかける。
 台所にピコピコという間の抜けた音がひっきりなしに響く。つまりその後はちゃんと
正しい使い方をしている。
「あっはっはっはっ…………!」
 環は巧を助けようともせずに腹を抱えていた。この場合それが正しいバランスだ。
655 ◆5mSXuZ5GjE :2005/05/05(木) 17:24:00 ID:ZRvsIS+A
 そして、巧が都を鎮めるために何を始めるかも環は察しているだろう。
 にやにや笑いながら部屋へ追い払う仕草をしている。
 しかし覗かれてはたまらない。巧はそういうのがかなり苦手だった。トイレでお尻を
拭いているのを見られるのと、どっちが恥ずかしいだろうか。
 
 §
 
 三人での生活。
 実の所巧の連休中の最大の目的は、その可能性を知ることだった。遠くない未来のシ
ミュレーション。
「そうだ、巧くん。こっちにいる間に一回髪切らせてね?」
 環がそう言い残してアルバイトに出掛けていく。
 『ガルテンサンク』というファミリーレストランが駅の反対側にあった。かき入れ時
ということもあって、環はメインスタッフ扱いでシフトを組まれているらしい。なんと
か連休後半の休みをもぎ取った代わりに、前半はほとんどフルタイム。
 美容学校の方も普段は高校のときと変わらないくらい忙しいという話だから、休日に
もカッティングの練習をしようという環の姿勢に、怠け者の巧は言葉がない。
(散髪代が浮いた……ちゃんと切ってくれるかちょっぴり心配だけど)
「姉ちゃん、どっか連れてってよ」
 巧は最低限有意義な時間を過ごしたくて、姉をお出かけに誘う。
 連休中レポートを一つ片づけるだけでいい都は、最適な案内役だった。まず巧が絶対
行くと言い張ったのは、定番の目黒の寄生虫館と大手町の将門の首塚。
「絶対嫌」
「姉ちゃんに任すと普通のショッピングになるじゃん」
「目黒はともかくあそこは絶対やばいんだから」
 すでに大学で要らない知識を吸収しているらしい都は最後まで首を縦に振らず、妥協
案として無難な名物街へ繰り出すことになった。
 巧のお目当てはレストランなどで店頭に置いてある、蝋でできたあれだ。
「くだらないことにお金使わないで」
 都の視線が冷たい。
656 ◆5mSXuZ5GjE :2005/05/05(木) 17:24:46 ID:ZRvsIS+A
「それはそうと、姉ちゃんなんかサークル入ってる?」
「うん」
「どんなの?」
「秘密」
「テニスサークルとか広告研究会とか、そういうんじゃないよね?」
 巧も十分に要らない大学知識を持っている。
 もちろんそれだけ、手の届かない場所にいる姉を心配しているのだ。
「後で教えてあげる」
 そう言って笑った都の涼しそうな顔は、とても印象に残るものだった。今まで見たこ
とのない大人びた優しい笑顔。それをもたらしたのは?
 巧はしばし、この一カ月のぽっかり穴の開いたような生活に引き戻される。しかしそ
れも、珍しい地下鉄での移動や異常なまでの人間の海に驚かされているうちに意識の底
に沈んでいく。
 
「晩ご飯、ここで食べていかない?」
 帰り道都が巧を誘った先は、大学のキャンパス内にある地下のラウンジだった。
「おお……安い」
 キャンパスの目抜き通りを半ばまで歩いて二人は、休日にも関わらず目に付く学生達
に混じっていく。少し目立っているだろうか。
「お、待鳥さん。ヤッホー」
 いかにも都会的な初夏のファッションに身を包んだショートカットの女の子が都に声
をかける。ラクロスかなにかの道具を肩にかけていた。
「それって彼氏? 年下でしょ」
 それってなんだと思いつつ、巧は肯定の意味も込めて「こんにちわー」と明るく挨拶
した。都が少しだけ驚いた顔をしたが、それはすぐに微笑みに変わる。「またね」と離
れてから、
「あれは学科の友達」
「今のはサークルの人」
「……誰だっけ」
 何人も声をかけられて、巧に対する説明はさまざまでも都は楽しそうだった。
657 ◆5mSXuZ5GjE :2005/05/05(木) 17:25:47 ID:ZRvsIS+A
「意外とうまいし、量も多いし」
 巧が合格点をつけていると、都はバッグから携帯を出してカメラを巧に向けた。都お
気に入りのメタリックブラックの携帯は意外にも姉に似合っている。
「?」
「うちのサークルって部室がないからこの辺でいつも集まってるの。そこに座ってる巧
を撮っとこうと思って」
「ふーん……」
 校門を出ると、駅はすぐ目の前にある。
「便利なもんだな」
 環の夜食をつくるのにスーパーに寄って部屋に戻ると、早くもすることがなくなった。

 
 §
 
 都がレポートに取り組んでいる間、巧は疲れて帰ってくる環のために考えてきた料理
をつくっていた。
 だが出来上がったものは、中華ドレッシングで炒めたエノキとか焼き肉のタレでつけ
焼きした油揚げとか――ほとんど安物の酒のつまみのようだ。
(しょうがないので無難にキムチチャーハン)
 静かに夜が更けていく。夫の帰りを待つ妻のように台所で持て余していると、いつの
まにか都が背後にいてつまみ食いをした。
「あっ」
「塩分の濃いものは没収」
「ああっ……」
 結局チャーハン以外全部取り上げられ、巧はまた退屈した。シュラフを広げて床に転
がる。今は変な気分になりたくないのだ。
「姉ちゃんはバイトしてないんだっけ?」
「データ入力やってるけど……連休はお休みなの」
「へー」
 巧はごろごろと転がりながら視界の中で都をくるくる回す。
658 ◆5mSXuZ5GjE :2005/05/05(木) 17:27:33 ID:ZRvsIS+A
 妹のはるかも父も帰って来ないこの『家』の解放感が少し怖い。だから無難なやり取
りに終始している。
「はるかから電話来ないなー……」
「ちゃんと昨日の夜来たわよ」とちょっと咎めるような口調の都。
「――なんて?」
「『お兄ちゃんの馬鹿』」
「なんて貧困なボキャブラリーだ」
 台詞だけでなくおそらく口調もどんな顔をして喚いているかもカラーコピーのように
同じに違いなかった。
 都が神妙な顔で、「はるか、変わらない?」と微妙な聞き方をしたので、巧はむっく
り起き上がって都の対面の椅子に座った。
「寝袋から出て座ればいいでしょ……」
「ちょっと寂しそうだけど、大丈夫。姉ちゃんがいないぶんも相手してやってるから」
 都が考えるように手元を見る。
「今日だってたぶん遊園地だし、もててるみたいだしな」
「そういえばお父さんが、夏休みのアタマに旅行するって言ってるよね」
「んー」
 父がすると言ったらそうなることは決定している。特に文句もない。
 と、気楽な話題に変わった時、ようやく環が帰ってきた。
「たらいま……」
 昨日よりさらに元気のない声だ。
「余分な体力ナッシング……」
 都の出したミネラルウォーターを一口飲み、お出迎えをした巧の肩をぽんぽんと叩く
と、そのままの姿でベッドまでたどり着いて倒れた。
 そのまま、寝てしまった。
 
「うーん……キムチチャーハン」
「相当忙しいのね」
659 ◆5mSXuZ5GjE :2005/05/05(木) 17:28:43 ID:ZRvsIS+A
 不思議と二人とも淡々として、顔を見合わせる。今日は遊んでいた都にも、多少申し
訳ない気分があるのだろう。なんとなく昼間の空気を引っ張ったまま時間を過ごしてい
た。
 環を楽な格好にさせて布団をかける。
 三人分しっかりつくったチャーハンを分けてうち一つにラップを掛け、珍しくその手
の夜食に「私も食べる」とつきあう都と、巧はいっしょに食べた。
 といっても都は一口食べた瞬間に「要らない」と言って水だけ飲んで、それからわざ
わざハンマーを取りに行って巧を叩いたのだが。
(そんなに辛いかなあ?)
 巧はもちろん完食した。
 その夜、『念のため』持ってきてジョークだけに使うはずだったシュラフが本来の役
割を果たすことになる。意外とそういうのも好きな巧だった。
 昼以降の健全な展開に感謝しつつ、そのまま眠りについていた。
660名無しさん@ピンキー:2005/05/05(木) 20:56:46 ID:rh85R0Me
素晴らしい物語を紡ぐ神に、ただただ感謝するのみです…。
661名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 01:41:06 ID:vDhsTpPt
この尽きしいませぬ感謝と祈り、御前にお捧げいたします
アーメン
662名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 10:40:28 ID:7bkJmdCX
地下のラウンジ。
駅が校門を出て目の前。

見切った!都姉ちゃんはJ智大だな?
・・・明J大かもしんないけど。
663名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 11:14:00 ID:iLv2VNIr
なにい!俺のすくーるめいつだと!
664名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 11:20:20 ID:7bkJmdCX
表現見てるとことごとく、俺の脳内にあるJ智大と合致するのだが。
(ラクロスがさかん。目抜き通りの半ばに地下ラウンジ、
 部室がないサークルがラウンジにたむろっている)
俺があそこを出てからもう5年か・・・早いものだ。

>>663
よう後輩。
665名無しさん@ピンキー:2005/05/07(土) 14:34:39 ID:xxpnousr
GODJOB!
666名無しさん@ピンキー:2005/05/07(土) 16:22:39 ID:gjtvMx9u
↑↑↑
IDカコイイ
667名無しさん@ピンキー:2005/05/10(火) 16:49:37 ID:oKDeATdC
保守
668名無しさん@ピンキー:2005/05/11(水) 01:03:55 ID:om3STKTY
ぬるぽ?
669名無しさん@ピンキー:2005/05/11(水) 06:58:52 ID:Qry8qrLR
ガッ
670名無しさん@ピンキー:2005/05/12(木) 15:51:18 ID:kJwgYUwg
モデルになってる(?)大学出身者が速攻で現れるあたり、
このスレ、実はたくさん住人がいそうだなw

J大ってどこにある大学だ?
九州を出たことのない田舎モンからしたら東大とか京大、
その他国立大以外は特別な感慨は抱きようがないからなぁ・・・・・・。
671名無したん(;´Д`)ハァハァ :2005/05/12(木) 22:09:44 ID:SqOFpt5Q
gg♥
672名無しさん@ピンキー:2005/05/13(金) 03:55:08 ID:bC5OyokC
都ねーちゃんいい…環さんもすきだ!巧このシチュエーションマジでうらやましい!!
そして5mSXuZ5GjE氏乙ですm(__)m

673名無しさん@ピンキー:2005/05/15(日) 15:43:49 ID:P0lENhf2
ほーしゅー
674名無しさん@ピンキー:2005/05/15(日) 20:48:52 ID:ZG2ghmOD
補修
675名無しさん@ピンキー:2005/05/15(日) 23:29:47 ID:ddbdO7kX
保守がてら
>>601
の続きをチョコッと
676多岐川紗綾26歳会社員の悩み 5:2005/05/15(日) 23:31:59 ID:ddbdO7kX
 着る時にも手のかかるスリムのジーンズ。ええい、これだけは奪われてなるものか!
 ベルトを緩められても、負けじ! と両手でジーパンを押さえていると、敵は何を考えたのか、再び胸に襲い掛かってきた。
 ふくらみをねっとりと舐め上げ、先端を甘噛みされる。濡れたところを吸い立てる。・・・わざと音を立てて。
 強い刺激が体中を走りぬける。だ、だめ、こんなのだめ! それに何よりこの音! 聞こえちゃったらどうするの!!
 攻撃を止めさせようと龍也の頭に両手で掴みかかった。・・・のがいけなかった。
 私の手が離れた瞬間に、ボタンもファスナーも突破され、ぐっと手が入ってきた!!
 ショーツを抉った勢いは、そのまま中奥まで突入してきた!! 
「あっ! や・・・」
 その場所を捕らえた龍也の、深く息を漏らす声が聞こえた。肩も少し揺れてる。きっと笑っているんだ。絶対そう。
 どーしてこんなに濡れているのかな? と言わんばかりに指がからかってくる。・・・・・・だ、誰のせいだと思ってるのよ!!!
 とうとう、一番敏感な処の愛撫が始まった。
「ああっ! ・・・あんんっ!」
 痛いほどの刺激に声が出てしまった。・・・・・・しまった。
「ん? どうした紗綾?」
 突き入れた指を無尽に動かし、蜜を捏ね弄びながら白々しく聞いてくる。顔を見れば口の端が綺麗に吊り上がっている。なんて憎らしい。
『紗綾さん? どうかしたんですか?』
 わわ、山崎君? あ、わ、私のことなんて気にしないで。
「・・・あぁ、ちょっと待て。・・・ほら」
 何を企んだのか、ほいと子機をよこされた。咄嗟に両手で受け取り、その結果・・・・・・ジーンズの守りがガラ空きに!!!
 し、しまった!!!
「あっ・・・やっ」
『紗綾さん? どうしたんです、大丈夫ですか?』
 大丈夫じゃないです。今弟に襲われていて大ピンチなんです。・・・なんて言える訳がない。
「・・・だ、い、じょうぶ・・・です。何でもないです、ぅ」
 子機を落としかけたのを持ち直し、片手で攻防戦に出たけどもう遅かった。
 あわれ、スリムジーンズは膝下まで下げられてしまった。ショーツごと。
「龍也!! っと、と、・・・友達が待ってるのよ、早く支」
 支度しなさい、と言いたかったのに・・・。
677多岐川紗綾26歳会社員の悩み 6:2005/05/15(日) 23:41:11 ID:ddbdO7kX
 太腿を掴み上げられ無防備に晒された所に、弟が顔を押し付けている。
「あんっ! ・・・ふ、ぁぁ」
 堪えても声が漏れてしまう。暖かい舌が、生き物のように・・・・・・
『さ、紗綾さん? 本当に大丈夫ですか?』
「・・・・・・」
 うまく返事が出来ない。
 腰が浮かされてしまっていて起き上がることが出来ない。不安定な体勢にさせられて受ける刺激が、いやさらに私を追い詰める。
 肩を捩じらせ押し寄せる快感に耐えて、呼吸を整える。は、早く返事しないと。返事しないと・・・。
「あん・・・・・・だ、だ、い、じょう、ぶで・・・・・・ちょっと、・・・・・・その、コップ落っことしちゃっ・・・・・・・て」
『コップですか? 大丈夫ですか? 怪我とかしたんじゃ・・・』
 舐め上げられ、吸い立てられ弄ばれる。指が内壁への挿入を繰り返す。
「大した、こと・・・、ぁ、ないですから・・・・・・」
 もう駄目だ。これ以上は・・・・・!! 
「お・・・弟と・・・・・・、替わりますね・・・・・・」
『あ、紗綾さん、ちょっと!』
 子機を龍也に押し付けようとしたけれど、受け取るどころか熱心に舌と指を動かしている。
「・・・・・・りゅ・・・っ! くっ! ・・・ふ・・・」
 とうとうこみ上げてくる感覚が来た。来てしまった。
 それに拍車を掛ける様に指の動きが激しくなる。・・・・・・絶対、感づかれた。
 ・・・や、やだ、イキたくないよ。こんな・・・!!
 触れて欲しくない場所をよりによって舌で弄ばれ吸い立てられて、止めが刺さってしまった。
 感覚が振り回されて思うようにならなくなる。何も見えなくなって、心が何かに引っ張られて、・・・・・・奈落の奥底にまで突き落とされる
「・・・・・・っ!!! ・・・ふ、ぁ、・・・はっ・・・ああ・・・・・・」 
 ああ。・・・・・・イッちゃった・・・・・・
 熱く火照る身体からじわりと吹き出る汗。何もかもが麻痺してどうにも動けなくなる。自由がどこにも無い。
 それをいいことに腕に残っていた服やブラも完全に脱がされて、ジーンズも布団と一緒にベッドから落とされた。
『・・・そ、その、・・・紗綾さんだけに聞いて欲しいことが、あ、あるんですけど』
 ぼんやりとした感覚を裂く音がした。
 龍也が小さな袋からスキンを取り出しているところだった。・・・どこに隠してたのよこの人は・・・。
678多岐川紗綾26歳会社員の悩み 7:2005/05/15(日) 23:46:55 ID:ddbdO7kX
「・・・・・・」
 正気が戻りかけたところに、子機が再び話し始めた。
『・・・・・・あ、あの紗綾さん、あの』
「あ、は、・・・・・・はい・・・」
 妙に緊張した感じだ。龍也もそれに気付いた。
『龍也から聞いてると思うんですが、来週の土日、学園祭なんですけど、・・・もし良かったらその、紗綾さんも来てもらえませんか?』
「・・・うん、・・・行こうと、思ってます・・・」
 行かなかったら龍也に何企てられるやら。
『で、も・・・もし、よ、良かった、っら、その後・・・なんですけど・・・・・・』
「・・・・・・」
『・・・・・・ふ、二人で、・・・・・・・・・・・・い、一緒に映画でも見に行きませんか?』
「何で俺がお前と映画見に行かなくちゃならないんだ」
『り、龍也!? いいいいつの間にてめぇ!?』
『アンタも何女口説いてんだよ!』
『うがっ!?』
『俺にも言わせろ! 紗綾さぁん、好きだあー!!』
『うるせぇ! 人の恋路の邪魔をするなあ!!!』
『タコ!!』
 電話の向こう側で突っ込みの嵐が吹きまくっている。女の子の笑う声もする。
「恋路の邪魔ぁ? それは俺のセリフだっての。タコが!」
 龍也まで子機に向かって悪態を吐いた。ん? 今、恋路のって・・・
 ・・・ち、ちょっと! そのセリフは聞かれたらマズいんじゃ・・・!?
 うろたえていると、明確な答えが来た。
「電話、もう切っちまったから。心配ない」
679名無しさん@ピンキー:2005/05/15(日) 23:50:17 ID:ddbdO7kX
続きもうちょっと待ってください
◆5mSXuZ5GjE 様のご降臨、お待ちしてます
680名無しさん@ピンキー:2005/05/16(月) 15:35:12 ID:J1NhgS+T
あ、ソックス・・・は、はきっぱなしってことで
681名無しさん@ピンキー:2005/05/16(月) 16:40:34 ID:YX1KbVAr
>>680
( ・∀・)< エロいな
682名無しさん@ピンキー:2005/05/16(月) 22:45:02 ID:SKDk34nT
SSもめちゃエロいが、>>680もエロいな
683名無しさん@ピンキー:2005/05/20(金) 09:56:17 ID:sE108ojl
保守
684名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 13:06:53 ID:mpPHE1Af
カァー。。。
685名無しさん@ピンキー:2005/05/25(水) 16:07:09 ID:TATQfJbV
保守
686名無しさん@ピンキー:2005/05/26(木) 12:23:39 ID:2zBgFLSa
こんな時の定番だが、神々に捧げるべき妄想を出し合ってみますか


都&環と新しい水着を買う
ちょっと大胆じゃないか、これ?
M字開脚で2人並べて、はみ出さない程度にまで剃毛
勢いで結局ツルツルにしてしまう
687名無しさん@ピンキー:2005/05/26(木) 21:38:27 ID:THzPAE5G
俺には姉がいるが、現実ではとてもそんなことはありえない。てか、あってはいけない。

と、ゆー訳で妹スレ。
http://sakura03.bbspink.com/test/r.i/eroparo/1077717174/
688名無しさん@ピンキー:2005/05/26(木) 22:26:14 ID:sH9whYv9
>>687
何が「と、ゆー訳」なのか全くわからないのだが…
しかも、なぜに携帯版
689名無しさん@ピンキー:2005/05/27(金) 00:01:54 ID:C40/v0P7
>>686
ソレダ!!
690名無しさん@ピンキー:2005/05/30(月) 01:08:00 ID:y4Wj/QAS
姉が欲しかった
691:2005/05/30(月) 03:58:37 ID:DC9B6XBB
まあ、『性格が悪い上に貧乳』の逆だったら、俺もどうなってたか知らん。
692名無しさん@ピンキー:2005/05/31(火) 00:04:16 ID:gXsLg6no
>>691
その場合俺だとむしろどうなるかわからん。
693名無しさん@ピンキー:2005/06/02(木) 00:59:13 ID:13fzygM0
保守
6941話:2005/06/04(土) 22:00:51 ID:h8mCZ9Pm
リアルタイムでスマソですが、投下してみようと思います。



…私が気がついた時には、病室のベットの上にいた。
…どうしてなのかはわからない。
何故なら、私自身の名前すら覚えてないのだから。



10日ほど経つ。

しかし、未だに私の記憶は戻らない。
…ただ、今、私の目の前でリンゴの皮を剥いている男性から聞いた話し…。

私の名前は『晴海(はるみ)』。
目の前にいる私より1つ年下の男性は、『晃一(こういち)』で、私の恋人だと言う。

晃一が病室に駆け付けた時には、私は既に記憶喪失になっていたらしい。
695名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 22:06:46 ID:E5BK/9gw
キタ━━━(ノ゚∀゚)ノ ┫:。・:*:・゚'★,。・:*:♪・゚'☆━━━!!!!

しかし、流石にリアルタイムはキツイような……
6962話:2005/06/04(土) 22:22:48 ID:h8mCZ9Pm
『…晴海、食べなよ』
晃一は、私の目の前に爪楊枝付きのリンゴを差し出す。
私は一瞬、キョトンとしてしまった。

(本当にこの男性が…?)
…でも、彼からはどことなく懐かしい香りがする。

『…どうしたの?』
晃一は、心配そうに私の顔を覗く。

『…え?…あっ、ゴメンナサイっ』
私は、晃一からリンゴを受け取った。

『……おいしい?』

『…うん』

私が答えると、晃一はニッコリと笑顔を見せてくれた。

…本当に恋人だったのか別として、私は晃一の優しさに惹かれるものが芽生えた。
6973話:2005/06/04(土) 22:48:48 ID:h8mCZ9Pm
それから数ヵ月後、私は病院を退院し、晃一と同居生活を始める。

私は、晃一に紹介して貰った、晃一とは違うオフィスで働くことになった。
仕事上、晃一より私のほうが帰宅が早い為、私は夕食のしたくをして晃一の帰りを待つのが日課になっている。


『…ただいま』

『おかえり…晃一』
と、私は不意打ちにキスをしてしまった。

『んっ!?……や、やめろよ』
『…えっ、…なんで?…恋人同士なんだから、当たり前のことじゃない…?』
と、私は疑問に思った。
『…そうなんだけど……そ、その…急にされたらビックリするだろ?』
6984話:2005/06/04(土) 23:11:26 ID:h8mCZ9Pm
『…そ、そう?』

『…晴海、ゴメン…。気に障ったか?』
と晃一が私を抱きしめる。
『…うんん、私のほうこそ……ゴメンネ』

でも、晃一の目はどことなく寂しそうな表情をしていた…。


夜が更けて、私と晃一は寝室の同じベットで横になる。
恋人同士だから、その後の展開は必然的になるハズなのだが……なかなか晃一のほうから切り出してくれない。

私が記憶喪失になる以前から、こんなに冷え切った夜だったのだろうか…。

『…晃一も疲れてるんだよね。……おやすみ』
と、私は晃一に背をむけた。
…すると、
6995話:2005/06/04(土) 23:33:14 ID:h8mCZ9Pm
『……晴海』
晃一が、私の肩を引き戻す。
『晃一?……うんっ!?』
私は、晃一に唇を奪われた。
舌と舌が、ゆっくりと絡み合う。

『…うっ、うんっ、あふっ…………はぁっ』
ようやく、晃一は私の唇から離れた。

私は、すっかりトロンっとした表情になっていた。

一瞬でも冷めきった関係だと思ったことを、少しだけ申し訳なく思えてきた。
晃一は、こんな風に私のことを愛してくれているのだから…。

晃一の手は、私の胸元に伸ばしてきた。

『…あんっ、こういち…』
私は、胸を揉まれて思わず声をあげてしまう。
7006話:2005/06/04(土) 23:58:00 ID:h8mCZ9Pm
晃一は、私の上着のボタンだけを外し、私の両方の胸を取り出す。
晃一は、私の胸の先端まで顔をもっていくと、それをを軽く噛んだ。

『…やだっ、こういち…』
それでも晃一は手を止めない。
しばらく変な感覚にひたっていると、今度は晃一の手が私の股のほうに移動した。

『あっ、…そこは!』

晃一の手は、私の下着の中まで入り込んでくる。

『…あっ、あんっ、だ、ダメ〜』
晃一の指が、私の弱い場所を攻める。
私は、されるがままに自分の恥ずかしい蜜を流した。
7016話:2005/06/05(日) 00:32:21 ID:29dH3j6v
『濡れてきたね…晴海』

晃一はそう言うと、私の寝間着用ズボンと下着を脱がす。

私は、晃一の前で自分のいやらしい場所を晒した。

『…恥ずかしいよ…晃一』
私は、顔を赤らめる。

『綺麗だよ…晴海』
晃一は、私の秘所を両手で広げると、舌で私の中をなぞる。

『あっ、あんっ、あっ、あっ』
私は、快感のあまり声が止まらなかった。

『…晴海、そろそろいいかな?』
晃一は、私の耳元で囁く。
私は、コクンッと首を縦に振った。

晃一の股間のモノが、私の秘所を軽くタッチする。
7027話:2005/06/05(日) 02:08:55 ID:29dH3j6v
『いくよ、晴海…』


ヌププッ


『…んあはぁぁぁっ!』

晃一のが、私の秘所にゆっくりと入る。

『…晴海の中、暖かい…』
『…コウイチのも、凄い熱いよ…』

私と晃一は、暫く見つめ合うと再びキスを交わした。

晃一は、そのまま私の中を動かす。

『あんっ、あっ、んあはっあはっ!』
私は、晃一と繋がってる快感に身を委ねる。

『……はる、み…ねぇ……』
晃一が、何かを言いかけていたが、激しい交わりの最中に聞き取る余裕がなかった。

『…あっ、あんっ、あはぁっ……コウイチ…私、もう…』
7038話:2005/06/05(日) 02:26:15 ID:29dH3j6v
私にも限界が来ていた。

『晴海……俺も…』

『…コウイチ…あっ、あはぁぁぁ!!!』


ドクッ、ドクン、ドクッ……


晃一の精が、私の腹部から胸元にかけて飛び散る。
私は、晃一の股間をなぞって、最後で精を浴びる。

激しい交わりの為か、私と晃一はグッタリとなった。


…私は、彼の胸元に寄り掛かっていた。
彼も私の髪を優しく撫でてくれた。

……でも、

彼の表情は、なぜか寂しそうだった……。



私の過去に一体何があったのか…
知らなくてはならない…と思った。
7049話:2005/06/05(日) 02:42:43 ID:29dH3j6v
今日は日曜日…。

晃一は、自分の仕事が片付かないらしく、今日も出勤。
私は、今、部屋の掃除をしている。

自分の部屋の掃除を終えたので、今度は晃一の部屋を掃除する。

『……あれ?なんだろ?これ……』
晃一の机のしたに一枚の写真が落ちていた。


…その写真には、夕暮れの海をバックに4人で写ってた。

1番左にいる、少し背が高いのが晃一。
晃一の隣にいる、髪が長めなのが私。

さらに私の右隣の、髪がショートの女性。

そして、1番右に写っている少し日焼けした男性……。
70510話:2005/06/05(日) 02:55:02 ID:29dH3j6v
この写真は、ダブルデートかなんかだろうか…?

少なくても、写真に写っているショートの女性と日焼けした男性は、私と関わりがあるはず…。

特に、1番右の日焼けした男性を見ると……


『……!?うっ!!!』
強烈な頭痛が私を襲った。…まるで、頭が引き裂かれそうだ…。


深呼吸をして少し自分を落ち着かせると、頭痛は少しおさまってくれた。

…しかし一体、今の頭痛はなんだったんだろう…。

無理矢理、記憶が蘇ろうとしていたのだろうか…?


私は、さらにこの写真に写っている2人が気になってしまった。
70611話:2005/06/05(日) 03:11:00 ID:29dH3j6v
こんな時に、私は夕食の食材を買いに行くことを思い出した。

(この写真のことは、後で晃一に聞いてみよう…)
と、私は買い物に出かけることにした。



私がスーパーに向かう直前、どこかで見覚えのある女性を見かけた。

そう…あの写真に写っていたショートの女性。
私は迷わず、彼女に近づいた。

『……あのぅ…』

『はい…?…………!?っえ!?まさか…あなた、晴海さん!?』

…やっぱり彼女は、私の事を知っていた。


…私は彼女に、自分が記憶喪失だということ、晃一と同棲していること、写真のこと、全て話した。
70712話:2005/06/05(日) 03:25:46 ID:29dH3j6v
すると彼女は、

『…ごめんなさい。…それだけはどうしても話せないの…』
と答えた。

私は、彼女が晃一に口止めされている予感がした。
…そう思ったら、今すぐにでも自分の過去を知りたいと思った。

『晃一から口止めされているんでしょ?お願い…私、どうしても自分の過去が知りたいの!』
と、私は無我夢中で彼女の肩を掴む。

『…真実を話したら、あなた…取り返しのつかないことになるのよ!』

『それでも構わないわ!』
例え、どんな過酷な現実が待ち構えていようが、私には覚悟が出来ていた。
708名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 12:26:26 ID:XHbNkHgp
GJ!
期待保守!
70913話:2005/06/05(日) 12:34:02 ID:29dH3j6v
『…分かったわ…正直私もあの一件以来、あなたのことを憎んでいる……。私はこんなに苦しいのに、あなたは何も知らないからね…。あなたに真実を知って貰うことで私の気がはれるから…』
私は、写真で一緒に仲良く写っていた彼女に憎まれる様な行いをしてしまっている自分に寒気を覚えた。……過去に、一体何が……。

『…ついて来て』

私は、真相を知る為に彼女の後を追った。



彼女は弥生(やよい)と名乗った。
途中、花屋でユリの花を3束ほど購入する。


『…ここよ』
71014話:2005/06/05(日) 13:04:19 ID:29dH3j6v
私と弥生さんが着いた場所は、小さめの霊園だった。
『ここは…?』

『…あなたの両親と、私の兄が眠る場所よ…』

『…!?』

『…あの写真、晃一とは別に、男の人が写ってたでしょ?』

あの、1番右に写ってた日焼けした男性のことだろうか…?

『…彼の名前は、哲也(てつや)って言ってね……私の兄であり、あなたが記憶喪失なる以前、あなたの恋人だった人よ……』

…私は愕然とした。

しかし、この状況で弥生さんが冗談を言うはずも無く…

『…全部、説明して』

と私は彼女に訴えると、弥生さんは静かに頷いた。
71115話:2005/06/05(日) 13:21:43 ID:29dH3j6v
『…今から3年程前、あなたは晃一と付き合っていた私から、私の兄・哲也を紹介されるの。…気の合ったあなた達は、すぐに交際を始めるわ…』

『……』

『あなたが、私の兄と交際してから1年……あなたは私の兄にプロポーズされたの。……もちろん、あなたは兄のプロポーズを受け入れて、あなたたちは結婚することになったわ』

『……』
私は、あの日焼けした男性の写真を見て、頭が割れそうなくらいの頭痛が走ったことを思い出した。
すると再び、あの頭痛が走った。

『…うっ!』
私は、頭を押さえた。
71216話:2005/06/05(日) 13:41:20 ID:29dH3j6v
『ちょっ、ちょっと晴海さん!?…大丈夫!?』
倒れそうになる私を、弥生さんは抱えてくれた。

私は、深呼吸をして自分を落ち着かせてから、

『……大丈夫よ。…続けて』
と言った。


『私の恋人だった晃一は、大学でアメリカへ留学していたの。あなたが、私の兄と結婚式を挙げるから、晃一は急遽、こっちに戻ってきたわ』

『……』

『あなたは車で、あなたの両親と私の兄を乗せ、空港で待っている晃一を迎えに行った。…私は、大学の試験があったから、晃一を迎えに行けなかったけど』

弥生さんは、少し悲しい表情を見せる。
71317話:2005/06/05(日) 13:57:10 ID:29dH3j6v
『……あなたは、まさに幸せの絶頂だった。……そしたら、あの悪夢のような出来事が起こったの…』

…私は、少しだけその悪夢のような出来事が予想できた。

『あなたは……晃一を迎えに行く途中、車のハンドルを誤ってきってしまい、対向車線の大型トラックと正面衝突したのよ!』

予想していた通りだった……。

『後部座席にいたあなたの両親は、ほぼ即死状態……。あなたと、助手席にいた私の兄は意識不明の重体……。まだ助かる見込みのあるあなたと兄は、優先的に病院に運ばれた……』
71418話:2005/06/05(日) 14:16:42 ID:29dH3j6v
私は、零れでそうな涙を堪えて、弥生さんの話を聞くのを続けた。

『……兄は、病院に運ばれて間もなく死んだわ……。その変わり、あなたが助かったの。意識不明の状態でね。…あなたは、このまま眠ったまま病院のベットにいたのよ。……でも、奇跡が起こった』

『……』

『最近の医療は、だいぶ発達してるみたいで、脳の手術が成功したあなたは、記憶が失った状態で目を覚ました…』

『……そんな』

『……あなたは、あなたの両親…そして私の兄の命を奪ったのよ!……それだけじゃない…。さらにあなたは、私から晃一をも奪ったの!』
71519話:2005/06/05(日) 14:31:45 ID:29dH3j6v
『……どういう…こと?』
私の恋人は晃一では無く、亡くなった哲也という男性…。
…すると、晃一は一体……?

『……晴海さん…約束して』

『……?』

『…私が、これからどんな真実を告げようとも、絶対に晃一を責めないって約束して!』

『……弥生さん?』

『晃一は、あなたの事を大事に思ってるから、仕方なかったことなのよ…』

…私は、静かに頷いた。


『…晃一は……あなたの実の弟なの…』


……私は、暫く時間が止まったような感覚に襲われると、溜まりに溜まった涙が溢れ出てしまった。
71620話:2005/06/05(日) 14:57:24 ID:29dH3j6v
『あなたが手術を受ける前に、私は晃一に別れ話を告げられた……。……もし、あなたが助かったら、幸せになるはずだったお姉さんの恋人を演じるんだって……。許されことではないのにね。……でも、私は反対はしなかったわ…』

『……弥生さん』

『勘違いしないでね…。別に、晃一とはよりを戻す気はないし、…もう私には、新しい恋人も出来たから…』

『……』

『……あなたには、姉さん思いの晃一の心を素直に受け取める事が、唯一の罪滅ぼしになるんじゃない?』
そう言うと、弥生さんは持っていたユリの花を私に差し出した。
71721話:2005/06/05(日) 15:15:04 ID:29dH3j6v
『…これを、きちんと添えないと駄目よ』

そう言うと弥生さんは、私の両親と弥生さんの兄の墓前に私を残して、先に霊園を後にした。

私は3人の墓前にユリの花を添えると、ただただ泣いていただけだった…。



どれくらいの時間が流れたのだろうか…。
夜が更けた頃、気が付くと私はあまり人目のつかない小さな公園のベンチを一人で座っていた。

出来れば、晃一には会いたくない心境だった。

複雑な関係と忌ま忌ましい過去に、私の精神の疲れは限界に達していた。

弥生さんに真実を聞かなければ、幸せになれたのかも知れない…。
718名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 15:15:19 ID:ujtEzUcX
援護
71922話:2005/06/05(日) 15:34:56 ID:29dH3j6v
しかし、私だけ真相を知らなければ幸せだと思ってしまう自分を、心から憎んだ。
すると、自然に涙が止まらなかった。



『……晴海?』

私の前に、恋人を演じる弟の姿があった…。

『マンションに帰ってもいないから、心配したんだよ』

晃一は、私の肩に手をやるが、それでも私は晃一に目を合わせる事が出来なかった。

『…晴海……泣いているの?』

『…晃一……』

私は、未だ自分の弟に恋人を演じられながら優しい声を投げ掛けられることに、吐き気すら覚えた。
72023話:2005/06/05(日) 15:57:31 ID:29dH3j6v
私は溜めていた涙を拭うと、キリッとした表情で晃一の目の前に立った。

『……晴海?』

そして……


ビシッ!!!


私は、晃一の頬を平手打ちした。

晃一は、未だ何が起こったのかという表情をしている。それが、さらに私の涙を誘った。

『……どうして……黙っていたの?』

『……ま、まさか!?』
ようやく晃一が、少しだけ悟った表情を見せた。

『……そう、あなたは……何も知らない実の姉を抱いたのよ!』

私はそう言うと、無我夢中で晃一の襟元を掴んだ。そして、胸にひたいを付け泣きながら素手で叩いていた。
72124話:2005/06/05(日) 16:40:36 ID:29dH3j6v
『……弥生が、全て話したのか?』

『…そうよ。あなたに口止めされてたみたいだけど、私がムリヤリ……』
私は、写真のことと、霊園で弥生さんから聞いたこと……これまでのいきさつを全て、晃一に告げた。

すると、晃一はとても悲しい表情をしていた。

『……ゴメン……晴海ねえ…』

『……ゴメンじゃないわよ……』

私は、晃一の襟元で自分の涙を拭った。

『…晴海ねえ……今まで黙ってて…本当にゴメンよ』
今度は、晃一ほうが涙を浮かべていた。
72225話:2005/06/05(日) 17:13:46 ID:29dH3j6v
…でも、
私、本当は怒ってないのよ、晃一。
ここまでの姉想いの弟に、少し戸惑いを隠せなっただけ…。

だから……

私は、晃一の襟元をつかんでいた両手を、そのまま晃一の首の後ろに回した。

『……ちゃんと責任とってよね…』

『!?……は、晴海ねえ!?』

私はそのまま、ゆっくりと晃一の唇を奪った。

晃一は唖然としていたが、じきに私の背中に手を回した。


晃一の唇を離れて私は、

『……私にちゃんとした恋人が出来るまで、あなたの恋人になっててあげる…』
と言った。
72326話:2005/06/05(日) 17:38:19 ID:29dH3j6v
『……は、晴海ねぇ…それって…』

『…もう〜何回も言わせないの。…帰ろ』
私は、自分の腕を晃一の腕に絡ませた。



私は今、シャワーを浴びている。
今日は、なんか色々あって泣き疲れたけど、晃一の気持ちが分かって少しだけ気分がいい。

そう思ってた矢先、晃一が
『…晴海ねぇ、俺も入っていい?』
と、私のいる浴室の向こうから声をかけてきた。

…私も、晃一が来るのを期待していたのかも知れない。

『……いいよ』

私は、顔を赤らめながら答えた。


ガラガラッ…


晃一が、全裸で私のいる浴室に入ってくる。
72427話:2005/06/05(日) 17:58:14 ID:29dH3j6v
私は、さらにドキドキした。
…実の弟と一緒にお風呂だなんて…。

恥ずかしくて、晃一の顔をまともに見ることが出来ない。

『…晴海ねえ?』

心配したのか、晃一が私の肩を障ってくる。

私は一瞬、体がゾクっとなった。

今度は晃一が、私の背中に自分の体を押し付ける。

『……晴海ねえ…』

私の尻部に晃一の下腹部のモノが……。
それは、だんだんと膨張していく…。

『…ちょ、ちょっと!?…晃一!?』

『……ご、ゴメン!…俺、もう我慢出来ないよ!』
72528話:2005/06/05(日) 18:20:16 ID:29dH3j6v
彼は、私を後ろから抱き締めると、私の唇に無理矢理キスをしてきた。

彼の舌が、私の舌を犯す。
『…うっ、んっ、…うっん、うっ……』
私は、たまらず甘い吐息を吐いた。

彼と私の唇が離れるると、透明の線のようなものが糸を引いた。


彼は、後ろから右手で私の胸元をまさぐり、左手は私の下半身の秘所にもっていった。

完全に無防備な状態で、私は彼の両手の好きなようにされる。

『あんっ…あっ、あっ、…ダメっ』

私は我慢出来ず、いやらしい声をあげる。
彼に弄られたせいで、乳首は突起し、秘所は少し濡らしてしまった。
72629話:2005/06/05(日) 18:38:54 ID:29dH3j6v
それにしても、彼のアソコが私の尻部に密着して、はちきれんばかりに固くなっている。
しかも、あまりに興奮してるせいか、晃一は私の尻部で熱いモノを上下に擦らせていた。

…私は少し、晃一が可愛く思えてきた。

『…晃一のも、凄く大きくになってるね…』

私が、彼の熱いモノを手でなぞってみると、

『…あっ、は、晴海ねぇ…』
と、彼はうめき声をあげた。

『…じゃあ、ここに腰かけてみて』
私は、浴槽部分に指をさす。
彼は、言われた通りに座った。

間近でみる彼のモノは、ビクンビクンと小刻みに動いている。
72730話:2005/06/05(日) 18:59:23 ID:29dH3j6v
私は、横にあるボディソープを見つけた。

私は、ポンプから2、3回手にとると、すかさずそれを自分の胸元に塗った。
さらに、彼のモノにも塗ってあげる。

『…は、晴海ねぇ?一体なにを?』

『…私の胸でしてあげる。……いや?』

『…ぜ、是非』

私は、下からニッコリと微笑むと、
『…じゃあ……するね』
と、私は彼のモノを左右の胸で挟んだ。

『…は、晴海ねえ!…き、気持ち良すぎるっ』

晃一は、ビクンっと体を反らす。

『…まだ、挟んだだけじゃない?…そんなに気持ちいい?……じゃあ』
72831話:2005/06/05(日) 19:12:40 ID:29dH3j6v
私は、彼のモノを左右の胸で挟んだまま、胸を上下に動かし彼のモノをしごきはじめた。

ヌュチュッ、ヌュチュッ…とボディソープの音が風呂場内でいやらしい音をたてる。

『…晃一、気持ちいい…?』

『…は、晴海ねえ…!』
彼は、少し弱々しい声をあげる。

『…もっともっと気持ちよくなっていいのよ、晃一…』

私は、さらに上下に加速させる。

すると晃一は、わたしの後頭部を両手で押さえてきた。

彼なモノも、だいぶ脈を打ち始めたのが、私にも胸を通して伝わってきた。

『は、晴海ねえ……そんなにされると……もう…』
72932話:2005/06/05(日) 19:37:40 ID:29dH3j6v
『…もう出そうなの?…いいよ…そのまま出して…』
『晴海ねえ!…で、出る!』


トグンっ、ドクっ、ドクン……


晃一の精液が、凄まじい勢いで私の顔に打ち付ける。私は、弟の大量の精液を浴びると、ひたいから滴り落ちる精を舌で舐め取った。
『…晃一の……凄い濃い〜』
『ハァハァ……晴海ねえ……』

『……綺麗にしなくちゃね?』
私は、左手でシャワーを取り精液を洗い流しながら、右手で彼のモノを再びしごき始める。

すると、一度萎んだ彼のモノが、再びムクムクっと大きくなった。

『…や、やだぁ〜』
73033話:2005/06/05(日) 20:53:30 ID:29dH3j6v
『…晴海ねえが、こんなにもエロいからだよ』
と、晃一は私の首筋に軽いキスをした。

『…そんなこと、ない…』
『もう…お姉ちゃんはHなんだから……。今度は、俺が気持ち良くさせてあげるからね』
晃一が続けようとするが、
『…ま、待って、晃一!お願い、ベットでして…』

私は、風呂場で最後までするより、ちゃんとベットでしてもらいたかった。

『……わかった』

私は、彼の腕に抱かれながら寝室へむかった。
寝室に向かうまで、胸や秘所を触られながら…。
73134話:2005/06/05(日) 21:07:30 ID:29dH3j6v
『…ひゃんっ』

寝室に入るなり、私はベットにイキナリ押し倒された。
『晴海ねえ…』

弟は、私の両足を広げる。
私はたまらず赤面し、弟の視線だけでアソコをゾクゾクっとさせてしまった。

『…だめだよ〜。まだ、何もしてないのにこんなに濡らしちゃって…』

『…晃一のいじわる…』

彼は、私の秘所を開くと、私の弱い部分をすかさず舌で暴れさせた。

『あっ!…あっ、…あん、こういちっ…だ、だめっ』
彼の舌が、容赦なく私を責め続ける。

『晴海ねぇ……好きだよ』
さらに、動きが激しくなってきた。
73235話:2005/06/05(日) 21:26:54 ID:29dH3j6v
『…あっ、あっ、んっ……だめっ!これ以上されるとっ!』

『…俺の前でイッちゃうの?…いいよ!晴海ねぇ…』
『だ、ダメぇぇぇ〜こういちぃぃぃ!』


ビクン、ビクっ、ビクン……


『…はぁ…はぁ…』

私は、彼の目の前で自分の蜜を大量に流してしまった。

『気持ち良かったの?晴海ねぇ……俺も、晴海ねぇの見てもうこんなになっちゃてるよ…』
彼は今にも泣きそうな表情で、私の目の前に熱いモノを突き出した。

『…あはっ…凄くおっきいね…』

私はそれをなぞると、彼のモノから脈が私の手に伝わってくる。
73336話:2005/06/05(日) 21:55:11 ID:29dH3j6v
『…晴海ねぇ……』
弟が、私に甘えるような声で訴える。

『…晃一、一緒になろうっ』

私は、晃一をゆっくり押し倒すと、彼の胸に両手をついて馬乗りのような体制をとる。

私はそのまま、彼の突き出たモノに私の秘所を合わせ、腰をおとす。

『あはぁぁぁ〜』

『…は、晴海ねえ』

『…私、今、弟と繋がってるんだね』

『晴海ねぇの中……凄く暖かい…』

『…動くよ、晃一…』

私は、体を上下に動かした。

『あっ、あん、あはっ、あうっ…』

晃一の熱いモノが、私の中を動き回る。
73437話:2005/06/05(日) 22:08:51 ID:29dH3j6v
私は、弟に少しでも気持ち良くなって貰うと思い、秘所の部分に少し力を入れた。

『…は、晴海ねえ!…そんなに、締めつけられたら……』

『…あっ、あんっ……なぁ〜に?こういちぃ〜…あはっ』
私は、少しだけ彼が焦るのを楽しんでいた。
…すると、

『は、はるみねえ!!!』
弟は、私の腰に手を回してガッシリと掴み、動きを加速させた。

『…ちょっ、だ、め……、早いっ…あっ、あっ、はんっ、ああっ!』

それでも私は、弟を締め付けようとする。

晃一の顔も悩ましい表情になり、私にもそろそろ限界がきていた。
73538話:2005/06/05(日) 22:24:39 ID:29dH3j6v
『晴海ねぇ……俺、もう……俺、晴海ねえの中で…イキたい…』
弟が、私にそう訴える。

『……大丈夫だから……いいよ…晃一……私の中で…きてぇ…!……あっ!あんっ!ああっ!……一緒に…一緒にイこう、…こういちぃっ』

『…は、晴海ねえ!!!』
『…あははあぁぁ!!!』


ドクっ…ドクンっ…ドクっ…………


晃一の熱い精液が、私の中をいっぱいにする。
私は、晃一の最後の一滴まで、私の中で受け止めた。

『…こういち……好き』

私は、彼に倒れ込むように熱いキスを交わした…。
736最終話:2005/06/05(日) 22:41:04 ID:29dH3j6v
私と晃一は、そのまま抱き合っていた。

『晴海ねぇ……』

『……ん?』

『晴海ねぇの公式の恋人って、俺じゃダメなのか?』

『……そうねぇ、…私だってちゃんとした恋人がほしいもの…』

『やっぱり俺、晴海ねえの仮の恋人のままか…』

『なに?……不満なの?』
『…えっ、いや、そんなことないよっ…』

『……じゃあ…もう一回、しよ?晃一…』

『……うん』


私は心の中で、晃一がずっと仮の恋人でも悪くないかなぁ……と思えてきた。



『私の弟』・完
737名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 13:52:40 ID:n5MXgwHj
GJGJGJG〜J〜
738名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 14:44:53 ID:clb8ujDZ
えーと、親が即死したことを思いっきり割り切りすぎのような。

しかしGJ
739名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 15:50:59 ID:GR9z1Ait
(^▽^*)/ワ〜イですネェ〜
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740名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 15:58:34 ID:PYo+2I2F
業者氏ね
741 :2005/06/08(水) 01:23:07 ID:xQuZBZJk
イイ!
新たな神に乾杯!
742初心者:2005/06/08(水) 02:22:18 ID:aRqSdevs
コンバンワ。
『私の弟』という駄文を書いた者です。感想の方、どうもありがとうございました(^O^)/

僕の実姉が、めでたく今年中に結婚することになり、あえて実姉という設定で記念投稿してみました(汗)
文を『姉視点』で書いた理由は、書いてる途中の罪悪感を少しでもやわらげる為です。『俺視点』で書くと、間違いなく首吊ってしまうことになるので…。

しかしながら、投稿を終えてみて、何か大事な物を失った希ガス…○| ̄|_
743名無しさん@ピンキー:2005/06/08(水) 14:19:08 ID:u9cMcoqe
>>742
お疲れ様でした。
…まさか実話?
744名無しさん@ピンキー:2005/06/08(水) 16:59:04 ID:EUF4fVG2
「脳味噌だけ他人の身体に移植」かとオモタヨ
745名無しさん@ピンキー:2005/06/10(金) 21:23:16 ID:CW4fESXw
>>744
天使の牙を思い出した
746名無しさん@ピンキー:2005/06/11(土) 00:44:54 ID:wUBlFjCn
742様、GJです!
反して変なノリで恐縮な《多岐川・・・》の続きです。一気に終わりまで。
747多岐川紗綾26歳会社員の悩み 8:2005/06/11(土) 00:48:29 ID:wUBlFjCn
 通話ランプが確かに消えている。・・・緊張が解けてほっと息をついた。
「・・・そう。良かった・・・」
 ・・・陽射の下、弟の身体が露になっている。・・・私もだけど。
 引き締まった体躯。整った輪郭。どこに出しても恥ずかしくない外見。
 時間も、状況も忘れてホレボレと見蕩れてしまう。浮かべる微笑はまるで天使のよう。そして・・・
「ああ、本当、良かったな」
「え!!?? ちょっ、な、ななな」
「何って、紗綾の朝ごはん。やっとありつけるぜ。ああ良かった良かった」
 ・・・再び圧し掛かられてやっと事態の深刻さを思い出した。
「や、あ、やだぁっ! やっぱり全然良くなっ!!」
 一難去ってまた一難。今更な抵抗もむなしく悪魔の檻の中に囚われてしまった。ぐっと脚を開かれて・・・
「いただきますっと」
 龍也が、私の中に入ってきた。

「わ、ちょっ・・・、りゅ、・・・あああっ! あん! あぁ・・・りゅ、うやぁ」
 裂かれる感覚に強烈な圧迫感。実際裂かれはしないものの・・・・・・!!
 息もできないくらいに押しつぶされて、抱き締められて、乱されて・・・。全てが龍也に奪われていく。
「・・・ふー、いいよ、紗綾」
「・・・・・・」
 ・・・あんなに痛かったのに、今はそれ程でも無くなっている。もう血も出ない。それどころか・・・
 こんなに辛くて苦しいのに、その中に何だか、別の感覚が疼いてくる。凄く・・・・・・その、“甘い”って、いうか、・・・・・・
 ・・・って、駄目! 溺れてしまったら駄目なのよ私!! 
「う・・・ううぅ・・・」 
「何うろたえてんだよ、今更」
「ああっ」
 逃げようとするのを腰を掴まれて引き戻され、より深く繋がってしまった。
「・・・それとも」
「・・・?・・・」
 見れば悪戯っぽく笑っている。何か思いついたような・・・、何だか、・・・・・・嫌な予感が・・・・・・
「今自分から腰振ろうとした?」
748多岐川紗綾26歳会社員の悩み 9:2005/06/11(土) 00:51:58 ID:wUBlFjCn
「!? ち、ちが!」
「嬉しいな。・・・じゃ、早速」
「きゃ!?」
 嫌な予感は大当り。あれよというまに体勢を変えられてしまった。
「これもすげ、気持ち良いんだぜ?」
 上体を起こして抱き締めあう格好になった。・・・やだ、恥ずかしいよ。こんなの。
 しかも、さっきよりも、・・・・・・お、奥に・・・・・・
「あぁ・・・ん」
「じゃ、・・・いくぞ」
 慣れない体勢に戸惑う間もなく身体を突き上げられた!
「!!」
 今迄と全く違う刺激が全身を襲う。粉々に砕かれてしまいそう。
「ほらっ、良いだろ?」
「や、あっあっ! いやっ!! 駄目ぇ!! 動、かないでっ」
「・・・ああ」
 龍也にきつくしがみ付き、行為を止めさせた。・・・とても耐えられない衝撃だった。
 涙ぐんで肩で息していると、ごつごつした手がお尻を撫でてくる。そして、余裕の無い私に対してとんでもない事を要求してきた!
「じゃ、やってみ」
「!? なっ」
「動いて。今の感じで。ゆっくりでいいから」
 な、な、ななな何を言い出すのよ!!! この人はぁ!!!!
「で・・・きるわけ、ないじゃな、そんなこと!」
「そんなことないって。気持ち良かったろ?」
「・・・・・・ぜ絶対、無理・・・・・・」
 今顔面蒼白になっているのか紅潮しているのか、自分でも分からないくらいに動揺しているところに、強烈な追い撃ち。
「でも紗綾が動いてくれないと、・・・終わんないぜ?」
「!?」
 背中に絡み付いてくる腕は、まるで蛇のよう。
「それとも・・・夜までこのままでいる?」
749多岐川紗綾26歳会社員の悩み 10:2005/06/11(土) 00:56:50 ID:wUBlFjCn
 龍也の凄く意地悪な顔。・・・・・・やだ、こんなこと。言いなりになんかなりたくない! ・・・・・・でも・・・・・・
「・・・・・・」
 体の奥で、異物が熱を放っている。囚われて、身体が震えて、疼いて疼いてたまらない。とても無視できない、熱。
「ほら。・・・紗綾」
 あやす様な声で誘い、そして鋭く追い詰める。・・・これは何? 一体何の催眠術? ・・・・・・どうしてだろう、もう、逆らえ、ない・・・・・・
「・・・ん・・・」
 息を吐いて、瞳を閉ざして、・・・龍也の肩をぎゅっと掴んだ。・・・その時!

 いきなり子機が鳴り出した!!!

「!!」
「!?」
 龍也が顔をしかめた。
「っ・・・キツい。締めんな、紗綾」
「・・・!」
 ごめん、と言うこともままならない。パニックになってしまってどうすることも出来ない。
「紗綾っ!」
 龍也の苦しそうな声。でもどうしたらいいのか分からない。
「・・・うう・・・」
 唯一の良策、と、身体を離そうとすると、それは龍也自ら阻止してきた。
「・・・ったく、しつけーな!!」
 龍也が子機をとった。繋がったままで。
『お前な、話途中で切ってんじゃねえよ! 兎に角直ぐ来い! 今来い!』
「山崎・・・殺すぞてめぇ」
『・・・何逆ギレしてんだよキレてえのはこっちだよ』
 お互いの、少しの身動ぎがそのまま刺激になってしまう。その度・・・声が、声が!!!
「まだ何か用事かよ!」
『ああ! オメーにゃあ日頃から・・・・・・』
 何を話しているのか分からない、聞こえない。
 声を堪えることしか考えられない。押さえなくちゃ、何とかして、押さえなくちゃ!
750多岐川紗綾26歳会社員の悩み 11:2005/06/11(土) 00:59:39 ID:wUBlFjCn
 ・・・どのくらい時間が経ったのだろう・・・
『・・・・・・だー、もう、早くメシ食って来いよ!』
「二度とかけてくるな!!」
 憎憎しげに子機を放り投げるのを見て、漸く話が終わったのが分かった。
「・・・・・・」
「んのタコが・・・余裕なくなっちまったじゃねえかよ!!」
 言うが早いかベッドに強く押し付けられた。・・・余裕が無いのは私も同じ。
「・・・何枕なんか抱いてんだ?」
 偶然手に当たった枕を咄嗟に抱きしめて、さっきからずっと口に押し付けていたのだ。ぎゅうっっと。
「・・・・・・」
「もう、声出していいぜ? ほら」 
「・・・っ・・・・・・!! くぅ」
 やっぱり駄目。声を出す訳にいかない。だって・・・
 さっき掃除してたとき、窓はどうしていただろう? たぶんどこかを開けたままだ。もし、その窓から外に聞こえてしまったら? ・・・・・・他人に気付かれしまったら?
 とても声なんか、出せない。
「声、聞かせろよ、紗綾・・・」
 龍也の髪が揺れるたび、私も揺れる。強い刺激に苛まれる。
 凄く硬い、大きいモノが、何度も私を突き上げる。十分奥に当たっているのに尚も深く入ろうとしてくる。
「そんなモン、・・・抱きつく相手が違うだろ!」
 枕を奪い取られても、尚も縋る対象を求め、・・・龍也にしがみ付いた。他に方法が無かった。
 掻き乱してくる律動に身も心も壊れそうだ。
「・・・っ! !! っくぅ! ・・・っひう、ぅ!」
 決して声を漏らすまいと、必死で、口を押し付けた。その場所がどこなのか考えていられなかった。
「たく、強情だな。・・・痕つけんなよ。ばれたら恥ずかしいだろ」
「・・・・・・」
 もう、何も聞こえない。何も見えない。感じられるのは激しい突き上げだけ。
 そして・・・・・・、強い痺れに襲われて、最後のしがみ付く力さえも尽きてしまった。
「・・・ふっ! くぅ!! ・・・あぁ、・・・さあ・・・や・・・」
 弟が絶頂に達したときには、私の意識はとうに途絶えていた・・・。
751多岐川紗綾26歳会社員の悩み 12:2005/06/11(土) 01:02:25 ID:wUBlFjCn
 気が付くと父の部屋でベッドに寝かされていた。全裸で。
 あれ私、確か掃除してたはずなのに? ・・・・・・と、ここまで寝ぼけてやっと我に戻った。全ては事が済んだ後。
 布団は龍也が掛けてくれたんだろうか。
「りゅ・・・、・・・や?」 
 かすかな音が廊下から聞こえる。たぶん、洗面台で髭でも剃ってるんだ。
 1階と2階を幾度か往復して・・・
「紗綾、玄関掃除機出しっぱなし。人来たらどうすんだよ」
 弟が悠々と部屋に入ってきた。反対にベッドから動けない私。疲労感倦怠感が酷くて指先も動かせません。
「・・・・・・」
「何だよ、まだ寝てんのかよ」
「・・・・・・だ・・・・・・」
 ・・・誰、の、せい、だ・と・・・お思いですかー!! って、・・・ちょっと、笑ってるでしょ、今!!
「あー、あー、まだ寝てていいさ。はは。・・・んじゃちょっと行って来るわ。タコのやろ、秒単位でメール送ってきやがる」 
「・・・・・・」
「夜には帰る。晩飯、アジフライな」
 ベッドに屈み込まれても私は横を向いたまま。視線を合わすのも億劫。そんな私の心情を、知ってか知らずかお構いなしか。
「・・・さあや・・・」
 まるで恋人にするみたいに頬にかかる髪をかきあげて、下顎を捉えて自分に向かせると唇を重ねてきた。優しく、深く。
 離れ間際、耳元に囁く言葉は・・・。
「昨夜みたいに部屋に鍵かけてんじゃねえぞ?」
752多岐川紗綾26歳会社員の悩み 13:2005/06/11(土) 01:05:07 ID:wUBlFjCn
 颯爽と家を出て行く龍也。・・・中学、高校とそうだったけど、弟は大学でも物凄い人気らしい。
 まあ、一般的に言うところの“イケメン”だし、ね。小さい頃なんか、本当、お人形さんみたいだったし。
 今だって読モなんかをちょくちょくやってるらしいし。店が開けるねってくらいチョコもらった事だってあったし。
 正直に白状すればそりゃ、私だって密かに好意持ってましたよ? 疎遠状態がもどかしいほどに。ああ、カッコいいなあって。
 でもね? 
 その“イケメン”にどんなに一途に想いを寄せられていても(それは凄く光栄で嬉しいけど)、どんなに激しく求められても(それは物凄く嬉し・・・っていうか何ていうかその・・・)・・・・・・

 私達“姉弟”なんですけど!!  私、“お姉ちゃん”なんですけど!!!

 この関係はどうにも宜しくない。絶対宜しくない!!
 冒頭16行目までは順調だったのよ! 誤解と苦難を乗り越えた麗しい姉弟愛で締めくくれたのよっ!! それなのに!!
 昔から我を通すタイプではあったけど、どうしてこんな方向に突き抜けてきちゃったのよ!?
 ・・・・・・一体全体、何が何だか本当に分からない・・・・・・
 ああ天国のお母さん、私は育て方を一体どこで間違えたのでしょうか???

 《紗綾・・・・・・あなたの育“て”方は間違ってなんかないわ。ただ龍也が育“ち”方を間違えただけなのよ。オホホホホ・・・・・・》

 聖母のように微笑む母の幻が微妙な責任転嫁をして掻き消えていく。・・・あぁお母さん。それじゃ何の解決にもなってないですぅ・・・・・・
 神も仏も助けちゃくれない。この事態で助けなんか求めたら、2人仲良く火あぶりになっちゃうし。
 滂沱の涙が頬を伝う。・・・いっそ涙の川で溺れてしまえたら。
 私はただ、口も聞かない疎遠状態さえ解消できれば、それだけで良かったのに・・・・・・それなのに・・・・・・
 ああ、こんなこと・・・・・・、こんなこと・・・・・・
「・・・・・・みのもんたにも相談できないよ・・・・・・」

 多岐川紗綾26歳会社員の悩みは、・・・・・・・・・当面暫く解決しそうにない。
753多岐川・・・の人:2005/06/11(土) 01:08:31 ID:wUBlFjCn
いや、ちょっとためしに電話してみたら? てなところで、以上でした。スレ汚し御容赦。
 603様、ご声援有難うございました。楽しんでいただけましたでしょうか?
 682様、エロくてどうもすみません。
・・・やっぱり場違いでした?
754名無しさん@ピンキー:2005/06/11(土) 01:12:36 ID:tCd4KmCc
いや、非常にGJだけどそれ以上一言でも謙遜の言葉は言っちゃダメよ

ところで13にある読モってなに?
755名無しさん@ピンキー:2005/06/11(土) 03:45:13 ID:9gCuEic0
>>754
読者モデル?
756名無しさん@ピンキー:2005/06/12(日) 12:22:25 ID:cARsoCRE
>非常にGJだけどそれ以上一言でも謙遜の言葉は言っちゃダメよ

至言
757753:2005/06/12(日) 22:17:01 ID:pR6s14AE
>>754様、 >>756様、有難うございます。+気をつけます。不快にさせてしまいましたこと、大変失礼致しました。
「読モ」は>>755様の推察通り「読者モデル」です。
758名無しさん@ピンキー:2005/06/13(月) 07:34:59 ID:HkY+MEoz
「忘れんなよ?“朧童幽霊”(オレら)ぁ “狂乱麗舞”よ・・!?邪魔なモンは全部ナギ倒すからよ・・!!」
?!
759名無しさん@ピンキー:2005/06/13(月) 22:38:17 ID:NqKQNUiD
GJ!GH!
良いシチュでした〜。
760名無しさん@ピンキー:2005/06/15(水) 00:45:06 ID:jGN5pcem
保守
761名無しさん@ピンキー:2005/06/15(水) 00:55:32 ID:3iqEh30C
この最高過ぎるスレにSSを投下して頂けるのを切に願いますm(__)m
762名無しさん@ピンキー:2005/06/18(土) 17:28:36 ID:G68GCMd4
>>多岐川…の人
続きお願いします
つーか、弟→姉の最初のエピソードが読みたいです
763名無しさん@ピンキー:2005/06/18(土) 21:36:12 ID:fpVQdfcD
もしかして、姉の処女は弟が…
764名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 00:14:25 ID:SEqXc0Vf
>763
オイシイ…

是非続きお願いします。
753氏の文体が、昔読んでた少女小説を彷彿とさせて懐かしいw
765753:2005/06/19(日) 02:11:57 ID:c1glvgYg
続きリクを頂けるとは嬉しい限りです。「最初のエピ」ですね。(どどどどど、ドウシヨ((( ;゚Д゚))))オロオロ
当方シロウトでかなりの遅筆です。ニーズにお応えできるか自信がありませんが、無い知恵絞って頑張ります。
どうかひとつ、気長にお待ちください。

>昔読んでた少女小説
 ええそんな恐れ多いっっっ 一体どちら様でしょう。
766名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 05:31:14 ID:Wl8sx94f
>>765
楽しみに待ってます。
767名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 15:20:58 ID:w5CPebUn
俺も一緒に座って待っててもいいですか?
768名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 22:52:03 ID:YVFbYcVs
みんなでマターリ待ちましょうw

その間も他の神の降臨期待してます!
769名無しさん@ピンキー:2005/06/23(木) 08:19:46 ID:jE5ldoTg
保守
770名無しさん@ピンキー:2005/06/25(土) 16:09:52 ID:ZWHRBpTR
保守あげ
771初心者:2005/06/27(月) 19:37:51 ID:c8079UXd
ファンタジーものとかどうですか?
772名無しさん@ピンキー:2005/06/27(月) 20:00:48 ID:RsUM/8ow
舞台設定は好きにすれば良いかと。大切なのはそこにいる姉と弟。
期待sage
773名無しさん@ピンキー:2005/06/27(月) 21:06:20 ID:qofSa9dy
姉の存在…それ以外はフリーですね

そろそろ投下が来ることに期待してます
774名無しさん@ピンキー:2005/06/28(火) 01:16:14 ID:AV5wQ2f9
ファンタジーならそもそも近親相姦など禁忌にならんっつー世界だって自由に作れるんだよなぁ……
7751話:2005/06/28(火) 02:13:41 ID:8bNIMNxj
俺はロキ。ガキの頃、戦争で両親を無くし、気付いたらこの孤児院にいた。

そして、目の前で長剣を構えている銀髪の女性はレイナ。俺の師匠であり、同じ孤児だけど、姉さんとして俺は慕っている。…何故なら、

『…う、うわ!?』

俺は、剣を弾かれる。弾かれた剣は、数メートルの所まで離れた。

『踏み込みが甘いわよ、ロキ』
レイナ姉さんは、自分の剣を俺の前に突き出す。

『少しは手加減してくれよ…レイナ姉さん』


…レイナ姉さんは剣術がとんでもなく強い。
俺は何回も手合わせして貰ってるが、一度も勝った試し無し。
7762話:2005/06/28(火) 02:34:47 ID:8bNIMNxj
『ロキもまだまだ子供ね』レイナ姉さんは、微笑みながら剣を鞘にしまった。

『…ちぇっ』
俺は少し不機嫌そうな顔をする。

『…次は、もう少し私を楽しませてよね』
レイナ姉さんが、立ち去ろうと後ろ向いた!

『隙あり!』

むにゅ…むにゅ…

俺は、レイナ姉さんの豊満な胸を後ろから両手でまさぐった。

『…やっ!……ロキぃ〜〜〜!!!』

怒ったレイナ姉さんは、顔を真っ赤にしながら再び鞘から剣を取り出す。

だが、俺は既に逃げ去っていた。

『…ったく、逃げ足だけは早いんだから……』
777名無しさん@ピンキー:2005/06/28(火) 12:16:34 ID:GW0XhUUe
びばファンタジー。期待してますよー。
以下チラシの裏



「どんな女も思いのまま」と言われて思わず媚薬を買ってしまうロキ
 ↓
キャンプ中。眠っているレイナに(悩みつつ)媚薬を塗り込むロキ
 ↓
そこにモンスター出現、目覚めたレイナ立ち向かうが媚薬のせいで満足に剣を振るえず危機に
 ↓
ロキ、「俺の責任だ」と火事場の馬鹿力
778初心者:2005/06/28(火) 14:59:48 ID:8bNIMNxj
>>777
そのシチュエーションもなかなかのエロエロですね。
火事場の馬鹿力発動後、一件落着した後にもちろん……うわなにをするやめろはな(ry



…でわ、続きを投下します。
7793話:2005/06/28(火) 15:01:33 ID:8bNIMNxj
俺は…強くなりたい。

強くなってレイナ姉さんを好きにするのが俺の夢だ。

でも、レイナ姉さんは俺と1歳しか歳が変わらないのに、どうしてあんなにも強いんだろう?元々、強い部族の出身だったのだろうか?

俺は、普段疑問に思っていることを考えながらも、いつもと同じようにひそかにレイナ姉を越えるべく修行を始めたのだった。



『…ただいま』

クタクタになったまま、俺は孤児院に帰宅した。
気付いたら、もう辺りは暗くなっていた。

『兄ちゃん、お帰りなさい〜』
孤児院のチビっ子達が、いつもの様に俺を迎え入れる。
7804話:2005/06/28(火) 15:03:21 ID:8bNIMNxj
『ちゃんといい子にしてたか〜?』

『うん!』

俺は、チビっ子達の頭を撫でてやる。

『…あれ?レイナ姉さんは?』
俺は、見当たらない姉さんを疑問に思い、チビっ子達に聞いてみた。

『台所でお料理してるよ〜』

そうか。もうそんな時間か…。



孤児院と言っても、元々は廃墟だった場所を俺と姉さんが勝手に住みやすくして、その代わりにレイナ姉さんの提案で身寄りのない子供を引き取って育てている。
…レイナ姉さんは、剣術が強いだけでなく、何より優しい。…そして、美人でスタイルも最高!…だから絶対に未来の俺の嫁。
7815話:2005/06/28(火) 15:05:13 ID:8bNIMNxj
『何よ、ニヤニヤして…』

良からぬ妄想をしていた矢先、レイナ姉さんが料理を持って俺の前に出てきた。俺は、思わず慌ててしまった。

『レ、レイナ姉さん、ただいま!』

『お帰りなさい…夕食出来てるからね』

『…うん』

俺は、チビっ子達とテーブルに着いて合掌をし夕食を頂く。



夕食を済ませ、俺は自分の部屋に戻って、今日は疲れたのでベットに横になった。

そういえば、以前レイナ姉さんに夜ばいをかけたことがあったっけ。
7826話:2005/06/28(火) 15:27:17 ID:8bNIMNxj
俺は、過去の回想を始めた。


露出度の高い寝間着のレイナ姉さんが寝息をたてていた。
…俺は、たまらず生唾を飲んだ。

『姉さん…』
俺は我慢出来なくなり、レイナ姉さんの肩を掴もうとした瞬間、

ムギギギッ!!!

『イテテテ!!!』
俺は、レイナ姉さんに間接技をくらわされていた。

『…夜ばいなんて、いい度胸じゃない』

『いや…その、つい出来心で……昔みたいに一緒に寝ようかと……うがガガァ!!!』

さらに、姉さんは強めに締めてきた。

『ゴメンっ!!!反省するから!!!』
俺は、必死に謝った。
7837話:2005/06/28(火) 15:48:34 ID:8bNIMNxj
『…分かれば宜しい』
と、レイナ姉さんはようやく間接技を解除してくれた。
『イテテテ…ひどいよ……姉さん』

『ロキが悪いでしょ?寝ている女の子の部屋に勝手に入ってくるなんて最低よ!それに……』

『それに?』

『…仮にも、あなたは私の弟なのよ!』

『別に、俺が憧れる人が誰だろうといいだろっ』

すると、レイナ姉さんは少し顔を赤らめた。

『…そうねぇ。じゃあ、私の好みの男性って、自分より強い人なの。…ロキが私より強くなったら、恋人でも奥さんでも何でもなってあげる』
7848話:2005/06/28(火) 16:05:55 ID:8bNIMNxj
『ま…まじか?』

『早く私より強くなってね♪』

『…うん。レイナ姉さん、俺、頑張るよ!……その前に、前払いということで今日だけ一緒に……』

と、俺は姉さんのベットに入ろうとする。

すると、姉さんは剣の鞘を取り出したので、

『お、オヤスミ!レイナ姉さん!』
と、俺は一目散に自分の部屋に逃げ出したんだ。



…今となっては、いい思い出だったのかも知れない。


しかし、
″早く私より強くなってね″

……この言葉にレイナ姉さんの深い意味が隠されていたなんて、俺はまだ知るよしもなかった…。
7859話:2005/06/28(火) 21:00:10 ID:8bNIMNxj
次の日、俺とレイナ姉さんは、食料調達の為、孤児院から少し離れた森林に訪れていた。

食料となる獲物、草や木の実など植物を調達し終えて、俺と姉さんは孤児院に帰ろうとしたんだ。

…すると、

『ロキ……孤児院の様子が何か変じゃない?』

『…言われてみれば…』

遠くだから少しわかりにくいが、たしかに煙らしきものが見える。

すると、姉さんは顔を真っ青にして、
『…凄く嫌な予感がする……ロキ、行くわよ!』
と、俺の腕を掴む。
『お、おい、レイナ姉さん!』
姉さんと俺は、荷物を地面に置いたまま孤児院に向かった。
786名無しさん@ピンキー:2005/06/28(火) 23:32:22 ID:rcYa+8fU
かなーりワクワクしながら続きを期待してます(・∀・)
78710話:2005/06/29(水) 02:37:37 ID:Y9PJRqYX
『…そんな……』

俺とレイナ姉さんは、目の前に光景に目を疑った。

孤児院は、倒壊し荒れ果てた姿。

代わりに狼の様な化け物がいた。しかも、通常の狼よりも数倍も巨大な体だ。

『…あれは、……魔狼・フェンリル』

『…な、なんだって!?』
俺も、聞いたことがある。…魔界に生息し、神をも飲み込むとも呼ばれる伝説の魔物。
…一体、どうしてこんな化け者が…。

さらにフェンリルの後ろには、黒い鎧を身にまとった赤毛の男が。

…この魔狼を従えるとしたら、一人しかいない。

魔界の王……魔神・スルト。
78811話:2005/06/29(水) 02:59:52 ID:Y9PJRqYX
どうしようもない恐怖心が俺を支配した。

…だが、レイナ姉は剣を抜いていた。

『レイナよ…貴様を迎えにきた』

『父上……ここにいた子供達はどうしたのですか!?』


…父上!?


レイナ姉さんは、あの魔神の娘だったのか!?


『…ああ、貴様が我の言葉を大人しく聞かないそうなのでな……フェンリルの餌にしてやったよ』


……悪夢だ。きっとこれは俺の夢の中なんだ……と、自分に言い聞かせるしかなかった。

『……許せない!』

レイナ姉さんは、構えていた剣でフェンリルに立ち向かった。
78912話:2005/06/29(水) 14:19:16 ID:Y9PJRqYX
『…いいだろう。我、娘の成長ぶりをとくと拝見するとしよう……フェンリルよ、行け!』

スルトの合図とともに、フェンリルはレイナ姉さんに襲いかかった。

フェンリルの猛烈な突進!
…だが、レイナ姉さんは軽々とそれをかわした。…そして、

『グルオォォォォォ!!!』

…フェンリルの断末魔が。
レイナ姉さんの剣が、フェンリルを一刀両断していた。
フェンリルは、静かに地面に倒れる。

…俺は、未だ目の前の光景を信じられずにいた。
790名無しさん@ピンキー:2005/06/29(水) 20:41:53 ID:brpyvEXw
⊃支援
79113話:2005/06/29(水) 20:47:59 ID:Y9PJRqYX
『…さすが、我が娘だ。魔族としての力は衰えてないようだな』

『……!』

次の瞬間、さらにレイナ姉さんはスルトに向かって斬撃を繰り出した!

…しかし

ギィィィィィン!!!

スルトは、おぞましいほどの赤く染まった剣で、レイナ姉さんの剣を受け止める。

『…魔剣・レヴァンティン。……我が娘に振るうことなろうとはな』

『父上……どうしてこんなことを……』

『レイナよ……忘れたではあるまいな!……魔族にとって、人間を滅ぼすことが使命。……貴様も、魔族と同じ血が流れているのだ!』
79214話:2005/06/29(水) 21:05:32 ID:Y9PJRqYX
『私は、そんなこと望んではいない……どうして、人間と共存してはならないの、父上!』

『…まだ、そんな馬鹿げたことを言っているのか、レイナよ……魔族の恥を知れぃ!』

スルトの目付きが変わり、レヴァンティンが姉さんの剣を押し出すと同時に……姉さんの腹部を切り裂いた!


レイナ姉さんの血が、地面に滴り落ち、崩れる様に倒れた。

…一瞬の出来事だった。



『…レ、レイナ姉さん!!!』
俺は、倒れた姉さんに叫んだ。
『…安心しろ、人間よ。我が可愛い娘を本気で殺す真似はせん』
79315話:2005/06/29(水) 21:25:50 ID:Y9PJRqYX
『……ロ…キ…………父上……お願い…です……ロキ…だけは……殺さないで………うっ』
レイナ姉さんは、最後にスルトに訴えたと同時に、気を失った。

スルトは、倒れたレイナ姉さんを抱きかかえた。

『…例を言うぞ、ロキとやら。我が娘を今まで大事に見守っていたのだな。……褒美に、魔族として貴様を迎え入れようぞ!我と共に人間族を滅ぼすのだ!』



…俺は心底、コイツを憎んだ。
孤児院のチビ達を虫けらの様に殺した上に、俺のレイナ姉さんまでも……。
79416話:2005/06/29(水) 21:43:26 ID:Y9PJRqYX
『……ふ、ふざけるな!!!……うおぉぉぉぉぉ!!!』
俺は、自分の剣を抜き、スルトに向かっていった。

『…それが答えということか……やはり人間は、愚かな生き物だな!』

スルトは、片手を広げた。
スルトの手から発せられた巨大な衝撃波のようなものが、俺を襲った。

…俺は吹き飛ばされ、まるで人形の様に地面に叩きつけられる。



…俺がかなう相手じゃなかった。



『……死に行くと共に、自分の愚かさを存分に後悔するがいい』



…ち、ちくしょう……



段々、俺の意識が薄れていった……。
79517話:2005/06/29(水) 22:10:46 ID:Y9PJRqYX



…気がついたら、俺は見知らぬ部屋のベットで寝ていた。

『…うぐっ!』
すぐに体を起こそうとすると、全身に激痛が走った。

『やっと目が覚めたみたいだな……もう丸3日も寝てたんだぞ』

部屋の奥から、きこりの様な風格の青年が姿を見せた。


…そうだ。俺は……


『…あんたが俺を介抱してくれたのか。すまない…礼を言うよ』

俺は、体を無理矢理起こした。

『…礼には及ばんが、一体、そんな体で何処へ行くんだ?…もう少し休んだほうが…』

その青年は、俺を止めようとする。
79618話:2005/06/29(水) 22:25:33 ID:Y9PJRqYX
『あんたのお陰で、なんとか歩ける。……俺は一刻も早く、しなければならない事があるから……世話になった』

『…お前さんがそこまで言うなら仕方ないが……気をつけるんだぞ』

俺は青年に手を振り、青年の家を後にした。



…たしかに、もう一度スルトと戦っても結果は同じ。せっかく拾った命だから、ムダには出来ない。

スルトは、レイナ姉さんを連れ戻しにきたのだから、暫くはレイナ姉さんは無事だと思うが……スルトが人間族を滅ぼそうとすることはたしかだろう。
79719話:2005/06/29(水) 22:51:10 ID:Y9PJRqYX
俺は昔、レイナ姉さんに己の強さを磨くのに最適な職業が存在するというのを聞いた事があった……。



……竜狩士(ドラゴンバスター)。



竜族の中には、神々と同等な力を持つと呼ばれる竜が存在という。
その竜が守っている先に、秘剣・バルムンクが眠っているらしい。

…俺は、その秘剣を目指そうと思う。

その秘剣があれば、魔族と互角に戦えるはずなんだ。

…そして、レイナ姉さんを必ず取り戻す。


…思いを胸にしまい、まだ15歳の俺の長い旅が始まったのだった。
798名無しさん@ピンキー:2005/06/29(水) 23:00:33 ID:MYbI9Jro
ロキがんがれー!
79920話:2005/06/30(木) 02:42:22 ID:fDw6ivqH
…そして5年の月日が流れる。



俺の横に、黒き竜の亡きがらがあった。

ブラックドラゴン…竜族の中で、最も最高クラスに値する。



そして、その竜の巣の先には、威圧すら感じられる剣の姿があった。

俺は、その剣を手にする。
秘剣・バルムンク……これを手に入れる為に、何人ものドラゴンバスター達の命が落とされたのだろうか…。
俺は今まで使っていたボロボロの剣を捨て、かわりに秘剣・バルムンクを自分の鞘にしまった。

『…あとは、魔族の拠点となる魔城を目指すのみか……』

俺は、最後の竜の巣を後にした。
80021話:2005/06/30(木) 02:44:15 ID:fDw6ivqH
俺は、決して人間が入り込んではならない山脈を俺はひたすら登り、頂上の火口に向かった。

その火口には溶岩がなく、かわりに暗黒のような空間が永遠と続いているようだった。



…そして、その火口をひたすら下ると、要塞のような魔城が姿を現した。

…その魔城の形は、魔族を象徴するかの如く異形で、なによりおぞましい気分になった。

『…ここに、レイナ姉さんが……待っていてくれ!』
俺は、秘剣・バルムンクを鞘から抜き出し、魔城へ向かう。
80122話:2005/06/30(木) 02:45:59 ID:fDw6ivqH
ただ、一つの疑問が俺の脳裏に浮かんだ。

…スルトは、たしかに人間族を滅ぼす……と言っていた。

だが、あれから、未だに魔族が人間を襲うような出来事の話を聞いたことがない。

人間族を確実に滅ぼす為に、魔族の勢力を十分に蓄えているのだろうか?

とにかく、そんなことは絶対にさせない!



やはり、魔城の門に番人がいた。
5年前、孤児院を襲ったあのフェンリルが3体。

『グルルルル……』
3体とも、俺を睨んで唾を垂らしている。

…俺は、コイツらを見てると、どうも虫ずが走るようだ。
80223話:2005/06/30(木) 02:48:19 ID:fDw6ivqH
『悪いが、お前達化け物に付き合ってる暇はないんでな。手短に終わらせるぞ』
俺がそう言うと、3体の化け物は一斉に俺を目掛けて口から灼熱の炎を放った。
俺は、バルムンクでその炎を振り払う。

そして、1体…2体…3体…と次々と斬り捨てた。



俺は、魔城の扉を破壊し、城内へ潜入する。



魔族の化け物が次々と襲ってくるが、俺は容赦なくそれを倒していく。



『レイナ姉さん……一体どこに……』

俺は、城内の奥へ奥へと進んでいく。


…そして、巨大な扉の前まで辿り着いた。
80324話:2005/06/30(木) 02:50:11 ID:fDw6ivqH
『…ここに、スルトが…そして、レイナ姉さんがいるのか…?』

俺は、その重々しい扉を開いた。……すると、



『……ここは?』

部屋というよりは、辺りは光りがさして明るく、まるで草原のような光景だ。…どことなく鳥のさえずりも聞こえてくる。

さらに奥へ進むと、巨大な墓石のようなものが。

『…これは…一体?』



『……それは、亡き父と母が眠る墓石よ…』



後ろから聞こえてきた忘れもしない声……まさか!?


『…レイナ……姉さん…』
80425話:2005/06/30(木) 02:53:15 ID:fDw6ivqH
俺の目の前にいる長い銀髪の女性……紛れも無いレイナ姉さんだった。


……だがその姿は、まるでスルトを思わせるような鎧の姿だ。


『……生きていたのね…ロキ』

『姉さん……』

『…まだ、私の事を姉さんと呼んでくれるのね』

『……一緒に帰ろう』
俺が、レイナ姉さんに手を差し延べると、

『ごめんなさい……それは出来ないの…』
レイナ姉さんは拒んだ。

『どうしてだよ……それに、この墓石にレイナ姉さんの父・スルトが眠っているってことなのか?……一体、どういうことなのか説明してくれ』
80526話:2005/06/30(木) 10:42:54 ID:fDw6ivqH
『…父上は、どうしても人間族を滅ぼそうとしていたの。だから……父上は、この私が殺したのよ。……この魔剣・レヴァンティンを父上から盗んで』

『……』

『……元々は、父上は人間族を憎んではいなかった。……なぜなら……私の母上が人間だったから。……父上は人間の女性を愛していたのよ』

『……』

『…だけど、私が子供だった頃、母上は魔女だという理由で人間達に処刑されたの。……それから、父上は人間族に対して激しい憎悪を抱くようになった…』

『!?』
806名無しさん@ピンキー:2005/06/30(木) 13:58:09 ID:iL03LuU4
 
80727話:2005/06/30(木) 15:09:18 ID:fDw6ivqH
『…私は、優しかった母上を見てきて、人間族の誰もが魔族を忌み嫌い迫害すると思ってなかった。……それを確かめる為に、私は昔、父上の元を離れ、人間族の住む大地に足を踏み入れたの』

『……』

『…人間族の争いもずさんだった。お互いの覇権を巡って戦争を繰り広げられていたわ……そんな中、戦争で両親を亡くし路頭に迷っていたロキという男の子に出会ったの……幼かったロキは、私を本物の家族のように慕ってくれた』

『レイナ姉さん……』
80828話:2005/06/30(木) 15:10:48 ID:fDw6ivqH
『……でも、目の前にいるロキは、無関係な竜族を迫害して秘剣・バルムンクを手にし、そして魔城の住民をも次々と迫害していった戦鬼…』

『…それは、レイナ姉さんを連れ戻す為に……』

『理由はどうであれ、あなたは己の私欲の為に竜族を迫害し、この魔城を攻めてきたことには変わりがないわ。……剣を抜きなさい…ロキ』

レイナ姉さんは、所持していた魔剣・レヴァンティンを構えた。

『……姉さん』

『…魔族には、魔族なりの誇りがあるの。私が、父上を手にかけてしまった以上、尚更後戻りは出来ない…』
80929話:2005/06/30(木) 15:13:01 ID:fDw6ivqH
『……俺は』

『…魔族の皇女として、あなたを倒します!』

『嫌だ……俺はレイナ姉さんと戦いたくない』



すると、レイナ姉さんはレヴァンティンを俺に目掛けて振りかざせた!

剣の波動が俺の胸部の服を切り裂き、肉体の皮膚から血が滲み出ている。

『……レイナ姉さん…本気で俺を…』

『…死にたくなければ、必死に抗うことね。……さあ、バルムンクを抜きなさい、ロキ!』

レイナ姉さんは、再び俺に斬撃を浴びせようとした。
『……この……分からず屋!』
俺は、バルムンクを抜き、レイナ姉さんの斬撃を受け止める。
81030話:2005/06/30(木) 15:15:04 ID:fDw6ivqH
ギイィィィィン!

お互いの剣から、きしむような音が鳴る。

『レイナ姉さん……なぜこんなことをするんだ!』

『…言ったでしょ、ロキ。魔族にも誇りがあるんだっていうことを。……そして、魔族の掟は真の強者が弱者を従わせること……あるいは、強者が弱者を打つことも魔族の摂理!』

『…ぐっ!』

レイナ姉さんの剣圧は、凄まじかった。魔神スルトの力を遥かに上回るほどだった。
俺は、レヴァンティンに押され始めた。

『…どうしたの、ロキ?あなたのバルムンクが悲鳴を上げてるわよ?』
81131話:2005/06/30(木) 15:17:13 ID:fDw6ivqH
俺は、必死にレイナ姉さんの剣を振り払い間合いを遠ざけた。

レイナ姉さんは、すかさずレヴァンティンを持つ手の逆の手で衝撃波を連続で繰り出し、俺に追い撃ちをかける。
俺は、バランスを崩しかけながらもそれを避けようとした。

…だが、必死の抵抗も空しく、俺は完全にバランスを崩してしまった。

『ぐはぁっ!』
レイナ姉さんが放った最後の衝撃波が直撃し、俺は壁に叩きつけられる。

『……ごめんなさい……ロキ!』
レイナ姉さんが、レヴァンティンで俺にトドメを刺そうとばかりに、猛烈な突進を始めた。
81232話:2005/06/30(木) 15:20:01 ID:fDw6ivqH
…俺の意識が遠のいていく……。



……俺は、今まで何の為に戦ってきたのだろうか?



目を閉じると、孤児院にいた頃の優しい表情のレイナ姉さんがいた。


……そうだ。…俺は、あの頃のレイナ姉さんを取り戻す為にここまできたんだ。
…俺は、レイナ姉さんが好きなんだ。


……負ける訳にはいかない!


俺は、目を開くと目の前のレイナ姉さんが、レヴァンティンを俺目掛けて振りかざそうとしている。


『…!?』


俺は、レイナ姉さんのトドメの一撃を紙一重でかわした!
81333話:2005/06/30(木) 20:28:56 ID:fDw6ivqH
『…レイナ姉さん!!!』

俺は、ありったけの力を振り絞り、バルムンクから衝撃波を産み出し、レイナ姉さんにそれをぶつけた!

『…きあぁぁぁぁ!!!』

レイナ姉さんは悲鳴を上げたあと、姉さんをまとっていた黒い鎧はバラバラに砕けた。


そして、レイナ姉さんはゆっくりと崩れ落ちる。



暫くの静寂……



『……姉さん』
俺は、レイナ姉さんに近づいた。

『……ロキ…今のうちに… 私に…トドメをさしなさい……魔族の皇女である…私が倒れれば…魔族の血筋は途絶え…再び人間族を脅かすことは無くなるのよ……』
81434話:2005/06/30(木) 20:32:10 ID:fDw6ivqH
″私より強くなって…″

昔、俺がレイナ姉さんにそう言われたことを、今、完全に理解出来た。

魔族として完全に覚醒したレイナ姉さんをこの俺が止めるということだった。

あの時、レイナ姉さんは既に、今の出来事を案じていたのかも知れない……。



『…あなたが私を殺さないというなら……私があなたを……』
レイナ姉さんは、体をふらつかせながら、再びレヴァンティンを構える。

『姉さん……ゴメン!』
俺は、姉さんの腹部に自分の拳を振るった。

『…ロ……キ………』
レイナ姉さんはゆっくりと倒れる。
81535話:2005/06/30(木) 20:35:24 ID:fDw6ivqH
俺は、秘剣・バルムンクと魔剣・レヴァンティンを置き去りにし、気を失ったレイナ姉さんを抱きかかえて今いる場所を離れた。



『……うっ……ここは……私の…部屋……?』

『……よぅっ…レイナ姉さん』

『……ロ、ロキ!?』

俺とレイナ姉さんは、魔城の寝室のベットで横たわっていた。

……お互い全裸の姿で。

『……ロキ…一体何を…?』

『…レイナ姉さんは、これから俺に抱かれるんだよ』
俺は、レイナ姉さんの両肩をそっとつかむ。

『…ちょっと、ロキ!?……私は、あなたを殺そうとしたのよ!』
81636話:2005/06/30(木) 23:49:40 ID:fDw6ivqH
『…だって、レイナ姉さんが魔族の掟では強者が弱者を服従出来るような事を言ってたんだぜ。……俺は、レイナ姉さんに勝った。……だから、レイナ姉さんが俺の女になっても異論は無いよね?』

『それは…』

『それにレイナ姉さんが、俺が姉さんより強くなったら俺の恋人でも奥さんでも何でもなってあげるって言っていたんじゃないか』

『……ロキ』

『……俺は、今でもレイナ姉さんの事が大好きだ。……たとえ、レイナ姉さんが魔族の皇女だとしても……。レイナ姉さんがいない世界なんて、考えただけでも俺には耐えられないよ……』
81737話:2005/07/01(金) 00:14:30 ID:4Nr+eUIJ
俺は、レイナ姉さんの柔らかい唇にキスをした。

『…うっ、うんっ、うっ、うふっ』

舌と舌が絡み合い、レイナ姉さんの甘い吐息が部屋に漏れる。


俺たちは、ようやく唇が離れ、お互いの唾液の糸で繋がった。

俺がレイナ姉さんの銀色の髪をゆっくりと撫でた。

『……凄く綺麗だよ…レイナ姉さん……』

『……ロキ……』
レイナ姉さんは顔を赤く染め、潤んだ表情で俺を見つめている。

俺は、自分の顔をレイナ姉さんの豊満な胸にうずめた。

片手で片方の胸を揉みほぐしながら、ピンク色の尖端を口で軽く噛む。
81838話:2005/07/01(金) 02:52:49 ID:4Nr+eUIJ
『…やっ…ロキ…くすぐったい…』

俺は、レイナ姉さんのピンク色の尖端を転がすと、それは突起し始める。
俺は、すかさずそれを吸った。

『あっ……吸っちゃ…いやぁ……』

『…レイナ姉さん、感じるんだね……ここも』
俺は、レイナ姉さんの秘所に手を持っていった。

『…ロキ、そこは……だ、だめっ!』

『何言ってるんだよ、もうこんなに濡らして……でも…嬉しいよ』
俺は自分の顔をレイナ姉さんの下半身に移動する。
両手でレイナ姉さんの花ビラを開くと、姉さんの大事なモノがあらわになった。
81939話:2005/07/01(金) 03:15:07 ID:4Nr+eUIJ
『…ロキ……恥ずかしいよぉ……』
レイナ姉さんが、今にも泣きそうな表情で俺に訴えかける。

『レイナ姉さんのここ…凄い濡れてるね。……もっともっと気持ち良くなっていいんだよ…』
俺は、姉さんの大事なモノを舌で転がし始めた。

『…あはぁぁぁあっ!…あっ、あうっ!……ロキ、こんなの…』

レイナ姉さんの両手が、俺の頭に添えてきた。

俺は、さらに舌でレイナ姉さんを攻める。

『あっ、あんっ、…あはぁっ、うくはぁっ…!』

レイナ姉さんの中が、徐々に熱くなってくるのがわかる。
82040話:2005/07/01(金) 04:53:57 ID:4Nr+eUIJ
『ロキ……そんなにされたら…私っ!』

『…イッちゃうの?……いいよ、姉さん!』


『っんあはぁぁぁぁ!!!』
レイナ姉さんは絶頂に達した。


『……ぁ……ぁ……』

レイナ姉さんから流れ出る大量の雫を、俺はゆっくりと舐め回した。

『……だめよ…ロキ……そんなの…汚い……あんっ!』

『そんなことないよ……レイナ姉さんのだったら…いつまでもこうしていたいよ…』

『……ロキ…今度は私が…』
すると、今度はレイナ姉さんが俺のモノに手を添える。
『あっ!…ね、姉さん!?』
俺は、思わず声を上げてしまう。
82141話:2005/07/01(金) 09:55:00 ID:4Nr+eUIJ
『…私ばっかり優しくして貰ったら…ロキがつまらないでしょ?』

しかし、俺のはちきれんばかりのモノを摩っているレイナ姉さんは、少し戸惑っているかのようだった。

『……どうすれば…いいの?』

『……口でしてほしい…』
俺は、甘えるようにレイナ姉さんに言った。

『……うん』
レイナ姉さんは、静かに頷いて俺のモノを愛しそうにくわえた。

『…あっ!』
俺は、強烈な快感にたまらず声をあげてしまった。

『…うんっ…うむんっ…うんっ…うっ…』

俺のモノが、姉さんの暖かい口の中で出たり入ったりする。
82242話:2005/07/01(金) 15:20:51 ID:4Nr+eUIJ
『……ロキ…気持ちいい?』

『…凄い気持ちいいよ……姉さん…もっとして』

『……うん』
レイナ姉さんは、再び俺のモノをくわえ込む。

『うっ…うんっ…うっ…うっ…うむん……』
ぴちゃぴちゃと音を立てながら、姉さんの舌が俺のモノを犯す。

『…レイナ姉さん…そんなにされたら……も…』

『んっ…うんっ…んんっ…』
それでも、姉さんは離してくれない。

『…姉さん!…ああぁ!!!』


ドプッ…ドププ…ドクン……


『……うむん!!!』

俺の大量の愛液が、レイナ姉さんの口の中を容赦なく打ちつける。
82343話:2005/07/01(金) 15:46:39 ID:4Nr+eUIJ
レイナ姉さんは、少し悩ましそうな表情をしながら、俺の白濁の液を飲んでくれる。

『……いっぱい出てたよ?ロキの…』
レイナ姉さんは、微笑みながら言った。

俺はそれに興奮したのか、姉さんを仰向けに倒し、その上に自分の体を添えた。そして、姉さんの股の間に自分のモノを擦りつける。
『やっ!…ちょっと、ロキ!?』

姉さんの花びらの下で擦りつけた俺のモノは、すぐに固く大きく膨張を始めた。
『…やだ……ロキの…また……』

レイナ姉さんは、恥ずかしそうに言った。
82444話:2005/07/01(金) 19:56:15 ID:4Nr+eUIJ
『……レイナ姉さん……一緒になりたい…』

『……いいよ、ロキ……きて…』
レイナ姉さんは、俺の背中に手を回してきた。

…俺はそのまま、姉さんの中を貫いた。

『……ひゃんっ!』
レイナ姉さんが、悲鳴をあげた。

『…ごめんっ…姉さん』

『……大丈夫だよ…ロキ……して…』

俺は、ゆっくりと体を上下に動かした。

『…あっ…あんっ…あっ…あっ…』

『…レイナ姉さんの中、凄く暖かい…』

『…あぁ…ロキ……』

俺は、姉さんの奥へ奥へと自分のモノを打ちつける。
82545話:2005/07/01(金) 20:31:15 ID:4Nr+eUIJ
『…ああっ…あんっ……あん、ああっ!』

『……姉さん…』
俺は動きを止め、レイナ姉さんの首筋を軽く噛んだ。

『…はうんっ……ロキ…もう大丈夫だから、いっぱい動いていいよ…』

『…レイナ姉さん!』

俺は、自分の思うがままにレイナ姉さんの中を動かした。

『…ロキぃっ!…ああっ!!…あんっ……あはぅ!』
レイナ姉さんの甘い声が、大きく部屋中に響く。

『……姉さん、大好きだよ…』

『…私もよ…ロキ……あうっ!』

レイナ姉さんが、俺のモノをきつく締め付ける。
82646話:2005/07/01(金) 22:16:01 ID:4Nr+eUIJ
『…姉さんっ…そんなに締め付けたら!』

『…あはぁっ!……いいよ、ロキ……一緒に…イこう?』

『レ、レイナ姉さん!』

『…ロキぃぃぃぃぃ!!!』



俺から放たれた熱いものは、レイナ姉さんの中に注がれた。

『……ぁ……ぁ……』
レイナ姉さんは、全身の力が抜けたようだった。

『…うんっ…うむんっ…うふっ…』
俺は、姉さんと繋がったまま抱き合って二度目のキスをかわした。
827最終話:2005/07/01(金) 22:18:11 ID:4Nr+eUIJ
それから数年後……。

俺とレイナ姉……いや、妻のレイナは、静かな生活を送っている。

人間の俺が、魔族であるレイナにプロポーズし結婚……。
決して大きな式ではなかったけど、俺達は幸せに溢れていた…。
…あの時、レイナとあの約束をしていなければ……レイナは俺のプロポーズを受け入れてくれたのだろうか……?



828名無しさん@ピンキー:2005/07/01(金) 23:04:25 ID:mFaQhFmv
何はともあれ乙
これ全部携帯で打ったのか?
勇者だなぁ・・・
829名無しさん@ピンキー:2005/07/02(土) 02:22:33 ID:SG1eQtX+
GJ!
姉弟要素は前面に出てきてはいないけど、設定として存在するだけでも甘甘Hの説得力が出るな。
やはり姉弟とは素晴らしい。

気になった点を強いて挙げるなら、弟君が姉君と再会するまでの過程(バルムンク入手やら魔城住人との戦闘やら)が冗長かな。ばっさり切るか、或いは作品の主題(大げさか?)を強調するためにもっと力入れても良かったかも。
基本的な所はすごくよく出来てると思うから、あとは主題が良く見えるように構成する技術かな。
830名無しさん@ピンキー:2005/07/02(土) 11:26:51 ID:L13d7Uw1
とりあえず乙
しかしこういったダラダラ投下が許されるのも過疎スレならではだな
831名無しさん@ピンキー:2005/07/02(土) 13:22:05 ID:ZD8PKvJT
いい感じです!
しかしできればまとめて投下して欲しかったかな…

とにかくGJ
832 :2005/07/02(土) 21:06:40 ID:+40QJOFX
乙でした
833名無しさん@ピンキー:2005/07/02(土) 23:22:12 ID:KKqCLF16
パケ代が心配になる
834名無しさん@ピンキー:2005/07/04(月) 23:56:55 ID:2yS+uG6k
>833
ケータイか?
835名無しさん@ピンキー:2005/07/05(火) 14:47:30 ID:7bh/BPVI
>>834
エロパロを携帯で見るなんて馬鹿な真似はしない
書いた奴が心配
836名無しさん@ピンキー:2005/07/05(火) 22:49:17 ID:G2PPCRgM
>>835
ケータイで見てる漏れは一体・・・orz
837初心者:2005/07/05(火) 23:15:10 ID:8xQ5p5Kl
遅くながら、感想どうもっスm(__)m
今回、怪我で救急車で運ばれた為、仕事が1週間休んでいたので、安静にしながら投下してたのですが……
…妄想がなかなか進まず、完結するのに4日間もかかってしまいました(T_T)

自分は、PC無い(ほすぃ)のですが……一応、パケホなので、0円です。
…しかし、携帯だとMAX半角512文字しか書けない不便さ……○| ̄|_
838名無しさん@ピンキー:2005/07/08(金) 08:22:41 ID:r6EbW/jO
保ー守
839名無しさん@ピンキー:2005/07/08(金) 14:20:27 ID:hdEXjnNm
>>837
不覚にもすごく感動してしまった・・。
投下、THX!
840名無しさん@ピンキー:2005/07/11(月) 09:43:38 ID:yDdRtUsZ
保守
841名無しさん@ピンキー:2005/07/12(火) 01:51:09 ID:tmPeVy0F
「おねーちゃーん」
「うん?」
「だっこ」
「また?・・・もう、仕方ないなぁ(ぎゅっ)」
「わーい、幸せ♪」
(あーもう可愛い……お姉ちゃんだって幸せだよぅ……)

後日、二人は自分たちに血の繋がりがないことを知ることになる。
その事実に彼らが狂喜したであろうことは想像に難くない。


断じて続かない
842名無しさん@ピンキー:2005/07/12(火) 01:58:09 ID:8R1G9wkk
いや、続くよ
頼む
843名無しさん@ピンキー:2005/07/14(木) 08:23:00 ID:d7dJcrgg
それよりも保守だよ
頼むよ
844名無しさん@ピンキー:2005/07/15(金) 00:54:04 ID:BkKm6n/d
>>841
禿藁
845名無しさん@ピンキー:2005/07/16(土) 23:43:35 ID:yUYtC04c
保守してくれない弟なんて要らないんだから!
846名無しさん@ピンキー:2005/07/17(日) 03:33:59 ID:H0zaq4Sx
じゃあ、保守してくれない姉は?
847名無しさん@ピンキー:2005/07/17(日) 14:59:56 ID:lIq0QHF2
>>846
保守してくれなくても姉は姉じゃないのか?
お前は姉を否定するのか?

とか言ってみる
気を悪くしたらスマソ
848名無しさん@ピンキー:2005/07/18(月) 01:24:15 ID:UnYwt9S0
ディスカバリーチャンネルの「生殖本能の科学」って番組見てたら、
『人間は、同じ遺伝子型を持つ異性の体臭に、本能的に嫌悪感を感じる』って
言ってた。
これは、自然が仕組んだ近親相姦防止機能らしい。
けど、思春期の頃は、姉貴の匂いにちょっとドキっとしたりしてたけどなあ。
849名無しさん@ピンキー:2005/07/18(月) 07:05:35 ID:TlNcdP6H
姉弟って双子でもないかぎり
そこまで遺伝子近くないのでは…

母親とか父親とか自分の子供とかがダメなんじゃねーの。
古くは兄妹婚とかフツーだった文化もあるのだからして。
850名無しさん@ピンキー:2005/07/18(月) 08:32:01 ID:5S5f3HM5
そういえば、なんで近親相姦て禁忌なの?
子供の遺伝子とかに影響があるとかなのか?
851名無しさん@ピンキー:2005/07/18(月) 11:46:52 ID:+0Fb+dZ6
古代エジプトなんかだとそれで奇形児が生まれたりしたらしいけどね
尤も、近親婚を何世代も繰り返してるから確率的にそういうのが出やすいんだろうけど
近親婚でも1世代なら子供が遺伝子的に異常を抱えて生まれる確率は数千分の1程度ってのを聞いた事ある
852名無しさん@ピンキー:2005/07/18(月) 19:55:57 ID:a88n79mu
近親相姦は何故いけないのか?
http://science3.2ch.net/test/read.cgi/life/1017597505/
853名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 18:40:07 ID:22UZTugU
7つ下の実弟に何年も募った恋心を持ちつつ、生きてます。誰にも言ってません。
一生言えないだろうけど、お姉ちゃんは…あんたがずっと好きなんだよ。
こんな気持ち、気付かなくていい。いつまでも仲良し姉弟でいよう。
ずっとあんたの一番でいたい。でも苦しいけど、いい彼女さんに巡り合うんだよ。
…好き。ずっとね。
854名無しさん@ピンキー:2005/07/19(火) 22:51:12 ID:e3sDqaCR
・゜・(ノД`)・゜・
855名無しさん@ピンキー:2005/07/20(水) 04:48:27 ID:18PM3YP0
>>853
俺と結婚してください。
つ指輪
856初心者:2005/07/20(水) 22:23:40 ID:PvTlO7FC
>>848
言われて見れば…確かに俺も、姉貴の匂いで思春期になんかトキメキに近い感じになった感じですが、今、思うとスゲー罪悪感です。…てか、吐き気を覚えてしまいます○| ̄|_
これが、弟の拒否反応機能なんですよね…?
857名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 02:53:57 ID:Vamm4OGF
>>856
うわ…俺と全く同じw




余談だがまだ性知識がほとんどなかた中2の頃一番上の姉に何回か手コキとかしてもらったりしたけどその分罪悪感も激倍増中…orz
当時は罪悪感なんて微塵もなく快感に身を任せてたけど、今は姉に顔合わせずらすぎなわけで
858名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 07:08:21 ID:+pA7Hf5R
突然うそ臭くなったなあ
859名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 11:58:51 ID:BnFQzUqA
>>858
そろそろ厨が湧く時期だから
860名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 01:01:35 ID:GFyTBziC
保守
861名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 01:09:56 ID:xgBqb3tO
もう夏なんだな
長期休暇なんていつ頃からなくなったのか忘れちまったよ
夏の厨ってゴキブリと大差ないな
862861:2005/07/25(月) 08:28:30 ID:siukFN3l
いや、それはちょっと言いすぎだと思うけどな。うん。
863名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 20:26:31 ID:C7x6M2fc
>862
同感。
ゴキブリは潰せばいいけど、厨を潰したら大騒ぎになるからな。
864名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 20:58:11 ID:1dn/P2lt
最近このスレも殺伐としてきたな
865名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 22:33:45 ID:OdNTfZXB
>864
夏厨が湧いてるからな>>859-863あたりに
866名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 00:27:19 ID:32kjJGCd
俺はある法則性に気づいた
SSがしばらく投下されないと板が荒れるね


だから投下をおながいします
867名無しさん@ピンキー:2005/07/26(火) 00:29:00 ID:C6EBKgYI
『姉ちゃん…そこ、あんまり舐めないでくれよ…』

『…いいじゃないの…あんたの乳首、女の子みたいに尖ってるよ?……ここも』
『あっ、…そこは、だめだって!』
868名無しさん@ピンキー:2005/07/27(水) 23:39:08 ID:SNQ2Oo19
よし、続きは任せろ!!

そういうと、姉ちゃんの手が、俺の股間にのびていく。
「フフ、こんなに大きくしちゃって。」
優しく、でも、妖しく、快楽を引き出すかのように、
俺のをさすりはじめる。
「駄目だよ、姉ちゃん、僕等は姉弟じゃないか。
 それに、俺もうあいつがいるし」
「そんなの、もう関係無い!!
 私は、あんたが、あんたの事が好き。
 あんな女になんか渡さない!!」


即興だからこれが限界だ、次の香具師頼む!!
869名無しさん@ピンキー:2005/07/28(木) 00:11:41 ID:B/bkJfrH
>>868
ぉK!姉萌えリレー大会だぁ!

『……姉ちゃん』

俺は、顔を赤面させた。

『…好き』
すると、姉ちゃんが両手で俺の頭を包み込むと、唇を交わした。

『…ん……うんっ……』

姉ちゃんの舌が、俺の口の中を犯す。

…どこか懐かしい。

俺は、あまりの心地よさに我を忘れるところだった。

姉ちゃんは唇を離れると、

『…あんたのココ……さっきより固くなってるよ?』
と、ズボンの中から俺のモノを取り出した。

『…ね、姉ちゃん!?』

『…今、しずめてあげるからね…』



次の人、続きは任せた!
870名無しさん@ピンキー:2005/07/28(木) 08:01:00 ID:CA3zwsu1
よっしゃまかせろ!


「…今、しずめてあげるからね…」
そういうと姉ちゃんは俺の固くそそり立ったモノを舐め始めた。
「ちょっ!姉ちゃんやめろ!汚いよ…ぅあっ!」
「ふふ…。そういう割には気持ち良さそうだけど?それにあんたのなら汚くないよ…」
そして、いつのまにか舐めていたのを、くわえるようにして俺のを愛撫し続ける。
やがて姉の愛撫によって射精感が高まってくる。このままじゃ………。
「姉ちゃん!でるから離れて!…ぅうっ!」


文才なくてスマソ。次の人よろしく!
つ=●
871名無しさん@ピンキー:2005/07/29(金) 03:59:07 ID:cjVshl/f
『きゃっ!?』

俺の精液が、姉ちゃんの顔に容赦なく打ち付ける。…激しい噴出だった。

『…ぃやーん』

『…ご、ごめん』

『…いっぱい出たね……そんなに気持ち良かった?』

姉ちゃんは、白い液を手で拭った。口の回りは、舌で舐めとっている。
…俺は、その姿を見てゾクゾクっとした。

『まってね。…今、綺麗にしてあげるから…』

姉ちゃんは、再び俺のモノをくわえ込む。

『…うっ、うんっ……』

姉ちゃんの舌の前で、俺のモノは再び膨脹を始めた。

…俺は理性を失った。



次の人、キャモン!!!
872名無しさん@ピンキー:2005/07/29(金) 20:32:13 ID:/P2ymCsA
おk、次逝きま〜す!


姉ちゃんの口の中で再び固く、鋭く膨れ上がる俺のモノ。

‥‥もうダメだ。こんなのだけじゃ、もう我慢できない。
ベッドに押し倒された体を強引に起こして、今度は姉ちゃんを逆に押し倒す。
「きゃっ!‥‥ちょっと待っ‥‥!」
フェラを中断させられて、何か言おうとした口を強引に唇で塞いだ。

姉ちゃんを力ずくで押さえつけ、口の中を興奮に任せて舌でかきまわすと
舌を刺す苦い味がする。イヤな味だ。多分、これは俺の精子の味だろう。
こんなものを躊躇うことなく、姉ちゃんは飲み干していたなんて‥‥
(こんなものは姉ちゃんから消してやる!俺がキレイにしてやる!)

どうしてこんな思考が突然浮かんだのかわからないけど、気がついたら俺は
キスをしたまま、姉ちゃんの口の中にどんどん唾液を流し込んでいた。
突然の出来事に大きく目を見開いていた姉ちゃんだけど、次の瞬間には喉を鳴らして
たまった唾液を飲み干していった。



さぁ、次の勇者よ。かかってきなさい!w

873名無しさん@ピンキー:2005/07/30(土) 00:33:52 ID:EPRMvqRB
姉ちゃんは、一心不乱に俺の唾液を飲み干すと、前にも増して激しい舌使いで
俺の口を舐り回した。
・・・その間も、ずっと俺の目を真剣な眼差しで見据えたままで・・・

激しいキスはたっぷり数分は続いただろうか。
ようやくお互いの顔を離すと、俺と姉ちゃんの唇の間に、細い銀色の吊橋が架かる。
・・・それは実の弟の精液と、姉の唾液が混じった禁断のキスの証だ。

「・・・もうやめようよ、こんなこと・・・」
我に返った俺は、呟いた。
「あたしは、イヤ・・・。まだ、もっと、あんたが欲しいよ・・・」
姉ちゃんは熱く潤んだ瞳で囁いた。
「姉ちゃん、もっとあんたのコト、感じたいよ・・・」

俺の股間に、姉ちゃんの右手が伸びる。そして、姉ちゃんがゆっくりとそのきれいな両脚を開いていく。
「お願い、来て・・・」
姉ちゃんがかすれ声で甘く囁く。こんなぞくぞくする声、生まれて初めて聞いた。
874名無しさん@ピンキー:2005/07/30(土) 00:47:36 ID:EPRMvqRB
「いくらなんでも、駄目だよ・・・」
俺の理性がぎりぎりの抵抗を試みる。
「でも、あんたのココ、こんなに熱くて、硬くなってるよ?」
「・・・ダメだよ、俺にはあいつがいるし、姉ちゃんだって・・・」

「じゃあ、こうしない?
あんたがあたしを先にイカせたら、姉ちゃん、今夜のことは、きれいに忘れる。
でも、あんたが先にイッたら・・・」

姉ちゃんは濡れて光る唇を、ぺろっと舐めると、宣言した。

「・・・あんたは、この先、ずうーッと、あたしのモノ。」

俺のペニスのすぐ先には・・・
決して触れてはならない年上の女性の・・・
薄い叢に隠された秘部が、淫水の滴りをキラキラと煌かせながら・・・
待ち構えていた。



長文、二回に分けちまった!
オレの屍を超えて、進んでくれ!
875名無しさん@ピンキー:2005/07/31(日) 14:21:36 ID:ggg/Prlv
訳あって携帯からのカキコだが、
私とてザビ家の(ry


姉ちゃんは俺のを片手で持ち、もう片方の手は自らの愛液で濡れそぼった秘部を俺に見せつけるかのように左右に開いていく、
姉ちゃんの内部は俺を求めるかの様によだれをたらしてひくひくと淫美に蠢いていた。
「姉ちゃん……ちょっ……」
俺の最後の抵抗もむなしく姉ちゃんは俺のものをあてがうとそのまま一気に腰を落とした。既に濡れていただけに俺のものは秘部に拍子抜けするぐらい呆気なく飲み込まれていった。
「んっ…うぅぅ…はぁはぁ……入っ…たよ……。」
姉ちゃんの満足そうな女の笑顔を見て俺の理性は限界を迎えた。
「姉ちゃん!!」

やっとだ、携帯でここま……で辛かった………これが俺の限界か……
俺の後も続いてくれるといいな……………………へへっなんだよ待ってたのかよ、俺さ、頑張ったよな………なぁ……姉ちゃん(ガクリ)
876名無しさん@ピンキー:2005/07/31(日) 14:21:42 ID:/jJfAF/F
>>874の犠牲は無駄にしない!!


オレの物はすでに限界まで起っていて、姉の膣に入れたいと叫んでいる。
しかし、まだ俺の理性は抵抗していた。
「ん〜?ほらほら、ガマンは体に悪いわよ。第一、私をイカせちゃえばいいのよ?」
ゆっくりと、俺の物をさすりながら、俺に言ってくる。
「姉…ちゃん…もう…やめ…よ…」
「むっ、まだそんなこと、言うんだ。だったら姉ちゃんから責めるからね」



くそっ…俺もここまでみたいだ…後は…たのん…
877名無しさん@ピンキー:2005/07/31(日) 14:26:06 ID:ggg/Prlv
まさかわずか10秒差とはな、やっぱザビ家の男は無駄死にって決まってんだなOTL
878名無しさん@ピンキー:2005/07/31(日) 14:36:14 ID:/jJfAF/F
ぐわ〜シマッタ!!
以下、チラシの裏。
>>876(以下、俺)「謀った>>875!!」
>>875(以下、ガ)「ははっ、君は良い友人だったんだが、君が私の書き込みの一分前に見たのがいけないんだよ。」
俺「くそっ、私とて姉萌えに属した者だ!!タダでは死なん!!このスレをageろ!!」 ちゅど〜ん。


「…>>876は、死んだ!!何故だ!!…」
ガ「チェリーだからさ…」
879名無しさん@ピンキー:2005/07/31(日) 15:26:42 ID:S8osgAmJ
ワロタ
880名無しさん@ピンキー:2005/07/31(日) 15:32:04 ID:7Vzx2Uli
悲しいけど、これがリレーSSってヤツなのよね
以下>>875 挿入から


「・・・くうウッ!き、効くウッ・・・!!」
姉ちゃんは、眉間にしわを寄せ、半開きにした口から舌を覗かせて呻いた。

・・・物凄く淫やらしい表情だ。
汗で姉ちゃんの頬に張り付いた栗色の前髪が、ますます切なさとむせ返るほど
の色っぽさを強調する。

あの姉ちゃんが、
小さな頃、俺と一緒にお使いにいった姉ちゃんが、

俺のちんちんを、すぐに『ちょんぎるぞ!』
ってハサミを持って脅した姉ちゃんが、

俺に無理やりセーラー服を着せて記念撮影をした姉ちゃんが、

・・・さっきだって、俺の恋愛相談を笑いながら聞いていた姉ちゃんが・・・

オレのペニスを胎内に受け入れて、荒い息をついているなんて、
・・・・・・全く現実味が無い。

でも、この背骨を駆け上る快感は、ホンモノだ。
俺は必死に下腹に力を込めて、早く射精させろと雄叫びを上げている
ペニスを押さえ込んだ。

「ほら、どうしたの?
こ、腰が抜けるくらい、思いっきり突いてみなよ?
孕ませるくらいの気合でかかってこないと、あんたじゃ、姉ちゃんは
イカせられないよ??」

実の弟に組み敷かれているというのに、姉ちゃんは俺を挑発する。



さあさ、どんどん逝ってくれぇ〜〜〜

こんな反応、あいつとエッチした時だって
881名無しさん@ピンキー:2005/07/31(日) 15:34:33 ID:7Vzx2Uli
すまん、最後一行は捨てて

途中に入れるの忘れてただけだから
882名無しさん@ピンキー:2005/07/31(日) 17:02:19 ID:4lliIgE2
何、要はイカせられれば良いのですよ、父上。


「・・・お望みどおり、満足させてやるよ。
よがり狂って、近所に声が聞こえたって、姉ちゃんの責任だかんなッ!」

俺は自棄になって凄んでみせた。

「ついこの間までチェリーだったあんたに、できるわけないじゃん?
ほら、姉ちゃんにお願いしてみなよ?
『ぼ、ぼく、お漏らし、しそうですウッ!
お姉ちゃんの胎内[なか]で、お漏らしさせてくださいッ!!』
って、おねだりしてみせなよ?」

ぞっとするほどの淫欲の表情を浮かべて、姉ちゃんはさらに追い討ちをかける。

畜生・・・

いつだって姉ちゃんはこうだ・・・

俺を困らせて、苛めて、面白がるんだ・・・

こんなことをしてみせるのだって、俺をからかっているだけなんだ・・・

けれど・・・畜生!
なんて、なんて綺麗なんだッ!!

からみつくように滑らかな肌に、
いつも下着で隠れている胸と股間は、まぶしい程にひときわ、白い。

胸だって・・・俺が知っているどんな女よりも豊かで、張りがある。

長身で、スタイルだって完璧だ。
細く引き締ったウェスト、
長くて絶妙のカーブを魅せる脚・・・

紅くてぽってりとした唇から覗く白い歯、
切れ長の二重の瞳に、物憂げな長い睫毛!!

美人だ・・・
俺が知っているどんな女だって、かないっこない程の美人だ・・・

十分わかっていたんだ・・・姉ちゃんがすごい美人だってことくらい・・・

だから、距離を置くように努力していたのに。
彼女を作って、忘れようとしていたのに!!

・・・姉ちゃんが結婚するって聞いたときだって、俺はホッとしたんだ!!
なのに、なのに・・・
883名無しさん@ピンキー:2005/07/31(日) 19:19:02 ID:qhFC8uYu
ここの人たちは心が通じ合ってますね
884名無しさん@ピンキー:2005/07/31(日) 20:45:11 ID:J2F1vtvF
んじゃ、また続き逝きます!


なのに何で今更、こんな事をして俺を惑わすんだよ‥‥!

荒い息をつきながら、俺はさらに腰を振り、姉ちゃんの中を思いっきりかきまわす。
「ほら、もっと私を感じさせて‥‥あっ!もっと‥‥もっと来て!」

本当ならもう果てそうだったけど、腰の動きのリズムを変えたり抜き差しのパターンを
浅くしたり、いきなり奥深くに突き込んだりして、なんとか俺がイカされないように
耐えていたら、ようやく姉ちゃんが感じだしてきた。

「あ‥‥いやぁ‥‥ぁ‥‥あぁ‥‥あ‥‥」
頬を染め、小さな甘いうめき声をあげたかと思うと、気持ち良いを我慢するかのような
苦しそうな表情を、俺の下で交互に繰り返している。
「‥‥アンタなんかに、イカされる‥‥もんか!」
そう叫びながらも小刻みに震える細い体。間違いなく、姉ちゃんは感じてきている‥‥

もう少し‥‥もう少しで姉ちゃんはイク。
勝利を確信した俺は一気にペースを上げて、姉ちゃんをさらに責め立てた。
だけどそれは誤算だった‥‥

俺を咥え込んだ姉ちゃんの中が、いきなりギュッと俺を締め付ける。
突き入れるタイミングと、締め付けるタイミングがかみ合って、
いきなり俺に爆発の予兆が訪れた。

(ヤバい、ヤバいよ‥‥姉ちゃんの中でイっちゃう)
そう思って動きを抑えようとしたけれど、姉ちゃんの中はうねるように俺を捕らえて離さない。
885名無しさん@ピンキー:2005/07/31(日) 22:29:44 ID:0HLU5J4A
目標照準、ゲル・ドルバ!w


俺の突き込みのリズムが崩れたことに気付いた姉ちゃんは、
すかさず両脚を俺の腰に絡めて、自分のペースに引き込もうとする。
やばい・・・
姉ちゃんに腰を使われたら、俺は間違いなく、このまま爆射してしまう・・・

実の姉の胎奥で、これまで隠し通してきた俺の劣情の塊をぶちまけてしまう・・・
それだけは、絶対に避けなくては、ならない。
そんなことをしてしまったら、この先、この姉に頭があがらなくなってしまう!
・・・いや、それ以前に、もう二度と、普通の姉弟には戻れない。

俺は結合部に意識を集中して、抜け落ちないように体勢を変えると、
姉ちゃんの足首を掴んだ。

不敵な笑みを浮かべていた姉ちゃんの表情が、変わる。

俺は、姉ちゃんの長い両脚を肩に回した。
ちょうど、俺の両肩に、姉ちゃんの膝がかかる体勢だ。
そして、俺は、両腕で姉ちゃんの引き締った太腿をかき抱いて、
覆いかぶさった。
・・・これで、姉ちゃんは、自由に腰が使えない。

「・・・・・え?な、何?」
姉ちゃんが、一瞬、不安そうな顔をする。
・・・傍目に見れば、夏の暑さで狂った弟が、性欲に任せて姉を犯している、
そんな風に見えるだろう。

俺は、慎重に腰を引いて、カリ首までを姉ちゃんに埋め込んだ。
そして、膣の入り口近くで、小刻みな突きこみを繰り返した。
・・・姉ちゃんの脚のバネと、ベッドのスプリングのおかげで、突きこみは
絶妙のリズムを奏でる。

「んンうッ!あ、あアッ!あ、アッ、ち、ちょっと!!そ、そんなあッ!!」
姉ちゃんは鼻にかかった、上擦った嬌声をあげ、さも切なそうに俺を見上げる。
・・・より深い突き込みを求めて、姉ちゃんは腰をよじろうとする。
886名無しさん@ピンキー:2005/07/31(日) 23:05:10 ID:0HLU5J4A
ギッシ、ギッシ、ギッシ・・・

姉ちゃんの部屋のベッドのスプリングが軋む。

このベッドは、俺が小学生の頃からあったベッドだ。
懐かしい思い出だって沢山ある。

姉ちゃんと一緒に座って、夏休みの自由課題の相談をしたり・・・

真新しい高校の制服に着替えた姉ちゃんを眩しく見上げたり・・・

バレンタインは、帰ってくるなり、俺のかばんを取り上げて、
このベッドの上で貰っていたチョコを開陳させられたり・・・
おまけに、どのチョコをどの子からもらったか、貰う時何て言われたか、
事細かに自白させられたっけ・・・
『おおっ?こりゃ結構気合入ってンねえ!!』
『ねえ、で結局あんたは、どの子が本命?』
そんな会話も、交わしたっけ・・・

「はぁ・・・あ、あアッ・・・ン、んン、ン、ン、ン、ンッ・・・・!
お、お願い、もっと、もっと深くウんぅッ!!」

今の姉ちゃんは、手の甲を口元に当て、必死に喘ぎ声を漏らすまいとしている。
目の端には涙が浮かび、深い胸の谷間には、汗が玉を作って浮かんでいる。

あの強気な、俺を苛めてばかりいた姉ちゃんが、俺にねだっている!
もう少し、もう少しだ・・・
俺はリズムを崩さないように、意識を集中する。
このテクで、俺は彼女を失神させたんだ。
経験豊富な姉ちゃんだって、焦らすようなこの責めに、そういつまでも
耐えられるはずは、無い。
タイミングを見計らって、思い切り深い突きこみをぶちこんでやれば、
きっと、イクはずだ。

「あ、あくッ、く、くうウッ!い、イイの、イイの、イイからあッ!!」

姉ちゃんの喘ぎ声が、切羽詰ってくる。
俺は右手を、抱えていた太腿から外すと、結合部へと伸ばした。
シーツもびしょびしょになるくらいに、淫水まみれの茂みの中で、
クリトリスを探り当てる。
そして、剥き身で飛び出したその部分を、
親指の腹で、ふにふにと弄んでやる。

「あ、あ”アアッ!ち、ちくしょう・・・こ、こんなの、誰があんたに
教えやがったんだ!!」

姉ちゃんは、イヤイヤするように首を左右に振って、
喉の奥から搾り出すような呻き声をあげる。
そして、なぜか、その瞳からは涙がぽろぽろと、零れていた・・・


逝け、ガトーよ!
コロニーはすでにそこにあるのだ!w
887名無しさん@ピンキー:2005/07/31(日) 23:38:38 ID:AZzortr6
やらせはせん、やらせはせんぞぉー
って思いっきりやらせとるやんけw


高まってくる射精感を押さえ込む為に、俺は目を閉じて、恋人の姿を思い出そうとする。

思い出せなかった。思い出せる筈もなかった。

ベッドが軋む音、濡れて腰に纏わりつくシーツの感触、
何より、生まれて初めて目の当たりにする、実姉の嬌態。
肌が焼け付くような熱い吐息。
脳の奥まで侵す、圧倒的な、セックスの匂い。

『う、っつッ!』
俺は、浅い突き込みのリズムに合わせて、姉ちゃんのアソコが
絶妙のタイミングで絞り込まれることに気付いた。
このままじゃ、俺も長くは持たない。
早く、一刻も早く、決着をつけなくては!

「ハァ、はああッ、はぁ、あ、ああッッッッ・・・!
お、お願い、もっと、もっと深くキて!!」

姉ちゃんは、両手を伸ばして俺の顔を捉えようとする。
・・・こんなの、セックスじゃない。
これは、小さな頃の、姉弟喧嘩の続きなんだ。
姉ちゃんは、俺に嫌がらせをしたいだけなんだ。

・・・一体、何が望みなんだよッ!
どんな男でも選り取り見取りで、彼氏には不自由しなかったくせに!
もうすぐ結婚するからって、実家に帰ってきて、
婚約者の自慢をして、
俺をからかってッ!
・・・俺の内心も知らないで、わざわざ俺の部屋に来て着替えやがって!!
一体、どうしたいっていうんだよおッ!!

どういうわけか、俺も泣いていた。
わけもわからないまま、涙が止まらなくなった。

姉ちゃん、絶対にこのままイカせてやるよ・・・
そして、今夜のことは、なかったことにしよう・・・

でも、俺は、忘れられるのか?
この、絡みつくしっとりとした肌を、
熱い吐息を、
潤む眼差しを、
うねる下腹部を、
波打つ豊かな胸を、
飛び散る汗を・・・!
血縁者ゆえの絶妙の相性で反応する、この見事な体を!!

忘れなきゃ、いけないんだ・・・

「お、お願い、き、キスして!キスしてくれなきゃ、イケないのォッ!!」

姉ちゃんは、必死に俺に手を伸ばして懇願する。
・・・そろそろか。
俺は姉ちゃんの脚を外すと、両脇に手を着いて、
キスしやすいように顔を近づけた。
888名無しさん@ピンキー:2005/08/01(月) 00:36:00 ID:TFxq5pVC
うむ、姉萌えHRスキー、出るw
 
 
  姉ちゃんは、俺の首に伸ばした両手を絡めると、俺の頭を、グイ、と
  引き寄せた。
  そのまま噛み付くような勢いで、俺の唇に夢中で吸い付いた。
  姉ちゃんの舌が、俺の口を蹂躙する。
  俺の舌に舌を絡めると、、熱い唾液が二人の唇の間からだらだらと零れる。
 
  苦しくて息ができない。
  俺はたまらず、がくがくと体勢を崩して姉ちゃんの体に密着してしまった。
  『しまった!』
  獲物を捕らえる食虫植物のように、姉ちゃんの脚が俺の腰に回される。
  ・・・俺は、全身を使って姉ちゃんに抱きしめられていた。
 
  「ウ、ウン、ううン・・・・・・」
  なんとか頭だけでも引き離そうとする俺を、姉ちゃんは必死に押さえ込む。
 
  やばいッ・・・!
 
  姉ちゃんのアソコが、ぎゅうッと絞り込まれるウッ!
 
  なのに、俺は苦しくで力が抜けてしまいそうで・・・
 
  姉ちゃんの右手が、俺の背骨の窪みを下っていく。
  『な、何をする気だ!』
  ・・・・・・そのまま、俺の尻の間へと・・・
889名無しさん@ピンキー:2005/08/01(月) 00:45:38 ID:TFxq5pVC
 
 『は、離せッ!』
  危険を感じた俺は、とにかく姉ちゃんの抱擁を振りほどこうとする。
  だが、姉ちゃんも必死に、その力強い両脚で俺をホールドする。
 
  さわさわ・・・
  違和感を感じたと思うまもなく、汗で滑る俺のアナルは、姉ちゃんの指の進入
  を許してしまった!
  そのままずぶずぶと、指は俺の腹の中へと沈み込んでゆく。
  姉ちゃんは貪欲に俺の口中を嬲り続ける一方で、
 最も敏感な場所を探り当てようと、アナルに埋め込んだ指をくりくりと回した。
 
  そして・・・
  破裂寸前に膨らんだ俺のペニスを、厚みがある姉ちゃんの肉貝が、
  きゅうううッと、食い締め・・・
 
  奥の奥まで突き込んだ俺のペニスの先端が、
  何か小さな肉の輪のような突起に密着し・・・
 
  俺の玉袋は迫り来る孕ませ汁の放出にそなえて、きゅっと持ち上がり・・・
 
  そうして・・・
  肉親ならではの直感で、ついに探り当てたその一点を、
  姉ちゃんは、
  無慈悲に、なんの躊躇いも無く、押した・・・・・・
 
  ぎゅっと閉じた俺の目の奥で、火花が散った。
 
  「あおおおおおオオーーーーーッ!で、出るううううッ!!」
 
  その獣のような雄叫びが、自分の声かどうかもわからない。
 
  ブシューッ!
  ドクドクドクうッ!
  ドぴゅドピュドピュブドピュドピュドピュドピュドピュドピュピュッ!!
 
  がくがくと、痙攣するようにうごめく俺の腰。
  ・・・姉ちゃんの胎内深くで、俺が溜め込んできた積年の劣情が、
  思う存分、爆ぜ狂った。
 
  「・・・・・・届いた。」
  姉ちゃんが、小さく呻くのが、聞こえた。
 
 
さぁさぁ!!まだまだ1回戦が終わったばかり、
二回戦もがんがん逝ってみよう!w
890名無しさん@ピンキー:2005/08/01(月) 20:02:12 ID:i2i1j+9c
あれ?止まっちゃったの??
891名無しさん@ピンキー:2005/08/01(月) 21:54:10 ID:IvqgsS7t
カタパルト推力正常。進路クリアー。 発進どうぞ!
『姉萌えリレーSSの続き、出るぞ!』


‥‥不本意だけど、こんなに気持ちのいい射精は初めてだった。
他の誰よりも俺が憧れた女。それが姉ちゃんだった。
本当は我がものにしたかった‥‥でも姉弟だから諦めていたのに‥‥
それなにの姉ちゃんとこんな事になって、よりによって中に出してしまったなんて‥‥
でもその背徳の意識が、俺の劣情を加速させたのは事実。
彼女とのセックスじゃ味わえなかった満足感が、今この瞬間には間違いなくあった。

(もうこうなったら、全てを姉ちゃんの中にぶちまけたい‥‥)
本能と欲望の思うがままに、俺は残り全てを注ぎ込むように射精の快感に
体を震わせたまま、自分がカラになるまで腰を振る。そして姉ちゃんは、俺の腰に
長い脚をしっかりと絡めたまま、満足そうな笑みを浮かべて俺を見つめていた。

ドクッ‥‥ドクッ‥‥ドクッ。
ようやく最後の一滴まで姉ちゃんの奥深くへ注ぎ込み、そして姉ちゃんの上に
折り重なる俺。すぐ横には姉ちゃんの顔がある。
「‥‥私の勝ちだね。でも気持ちよかったでしょ?」
耳元に甘い囁き。悔しいけど言い返せない。
「あぁ、俺の負けだよ‥‥気持ちよかったよ‥‥何でも言う事聞くよ‥‥」
そう言ってしまった瞬間、俺は何故だか泣き出してしまった。
「ちょっ‥‥何! 何泣いてんのよアンタ!」

「俺‥‥何で姉ちゃんの弟なんだよ‥‥俺、姉ちゃんを忘れたかったのに‥‥」
本気で悲しかった。本気で辛かった。
そしてなにより、本気で姉ちゃんを愛していることに、今ようやく気付いた。
それなのに、婚約前の姉ちゃんを俺は抱き、おまけに中出しまでしてしまった。
もしもの事があれば、姉ちゃんの幸せは壊れてしまう‥‥
それが悲しくて、辛かった。それが涙の理由だった。


‥‥なんでこんな展開になったんだ俺? 次の誰か、うまくつないでくれ!w
892名無しさん@ピンキー:2005/08/02(火) 00:23:20 ID:9VilZn0p
妹スレもかなり盛り上がってるよ。
ぜひ見に来てね。
893名無しさん@ピンキー:2005/08/02(火) 00:44:16 ID:rZI87n8F
てか、



みんな…



GJ!!!
894名無しさん@ピンキー:2005/08/02(火) 21:12:17 ID:buwTqkOd
>>891続けてみるさ…
萌え上がれ〜萌え上がれ〜萌え上がれ姉萌え!!


「なんで泣くわけ?」
「だって、姉ちゃんは婚約前だろ…それなのに、俺は、姉ちゃんを抱いて中出しまでして…」
姉ちゃんは、何か堪えるような顔で黙って聞いている
「もし…姉ちゃんの幸せが壊れたら…俺は…」
「ああ、そういうことねぇ」
姉ちゃんは笑いながら俺に向かって言った。
「婚約、白紙に戻してるわよ。」




スンマソ。エロなしで、誰か次を頼む。
895名無しさん@ピンキー:2005/08/03(水) 00:08:13 ID:jJHsmvCl
『ねぇねぇ、見てこれ。』
姉ちゃんが手にした写真には、きれいに日焼けした、いかにもさわやかそうなイケメンが写っていた。
『・・・ん?誰こいつ?』
『へっへ〜〜。会社の先輩で、今の彼氏だよーん!』
『あれ?この前言ってた、付き合ってるっていう男は?』
『ああ、あいつ?なんかさぁ、キモいんだよね。
『積極的な女は嫌いだ、僕はしとやかな女性が好きなんだ』
とか言っちゃってさ。とっくに別れちゃった。』
『もう高校の頃から一体何人目なんだよ・・・どうせそいつのこともすぐに飽きちゃうんだろ?』

『彼、かなりイイよ。
ワイルドだし、
付き合ってても全然飽きが来ないっていうか、
これまでで一番あたしを満足させてくれる男っていうか・・・』

ワイルド・・・満足・・・
一瞬、俺の脳裏に裸で絡み合う姉ちゃんと男の姿が浮かび、
鉛を飲み込んだような圧迫感を下腹に感じた。

気が強くて、奔放な姉ちゃんのことだ。
とっくにそんな関係になってるってことくらい、
俺だって判ってる・・・けど・・・

『で?わざわざ実家に帰って、受験勉強中の弟に彼氏自慢なわけ?』
『・・・ふふふ。大ニュースがあるのだ弟よ。』
『何?』
『じゃじゃ〜〜〜ん!この指輪をしかと見よ!
姉はこの度、結婚しまーす!!』

その瞬間、俺は硬直してしまった・・・
・・・後頭部を殴られたような衝撃だった。
・・・・・・姉ちゃんが、結婚・・・
・・・・・・姉ちゃんが、よその男のモノになってしまう・・・

・・・頭が真っ白になり、返す言葉が何も浮かばない。
896名無しさん@ピンキー:2005/08/03(水) 00:09:50 ID:jJHsmvCl
『あれが、お前の姉ちゃん?うっわーッ、すっげぇ美人!』
と紹介する度に友達に言われるのが嬉しくて。

街を一緒に歩くと、通り過ぎる男の羨望の眼差しが密かに自慢で、
嫌々な振りをしてもついショッピングに付き合ってしまって。

・・・これまでに付き合った女の子達も、どうしても姉ちゃんと比べてしまって、関係が進まないまま、別れてしまうこともあった・・・

『あっれぇ?なーんかリアクション薄いぞ?つまんないなあ・・・』

俺の顔を覗き込む姉ちゃんの表情は、屈託の無い笑顔だ。
何も知らない姉ちゃん・・・

『・・・ん?あ、ああ、えーと、おめでと。』
俺はなんとか答えることが出来た。

『えー、それだけぇ?
なんかさぁ、他にもっと気の利いたこと、言えないの??』

『ン?んー、急に言われてもねえ・・・
っていうか今勉強中だからさ、また後でね・・・』

『ちぇッ、もっとドラマチックな展開、期待してたのにな・・・』

捨て台詞を吐いて、姉ちゃんは俺の部屋を出て行ってしまった。

・・・でも、俺はちょっとほっとした。
弟に対してあまりにも無防備な姉ちゃんを前に、何度我を失いそうになったことか。
・・・もう、そんなドキドキも無くなる。
・・・結婚すればこれまでみたいに一つ屋根の下に住む家族ってわけじゃなくなるんだ・・・
相手も良い男みたいだし、姉ちゃんが身を固めて幸せになってくれれば
それで万事OKじゃないか・・・

父さんと母さんは、容態が悪い祖父の見舞いに行ってしまったので、
家には俺と姉ちゃんだけだった。
夕方になって、姉ちゃんはどこかに出かけたみたいで、
すっかり暗くなって帰って来た時にはちょっと酔っていた。

風呂から出た姉ちゃんは、俺を部屋に呼びつけ、
どういうわけか今の俺の彼女について、根掘り葉掘りしつこく聞き始め・・・
・・・悪ふざけ程度だった姉ちゃんの挑発は、だんだんエスカレートしてゆき・・・
・・・こんなことになってしまった。


やべ、繋がり悪いかも
897名無しさん@ピンキー:2005/08/03(水) 00:22:24 ID:Hb/QI6dO
回想に2レス使うのはちょっと冗長な気がする。
とりあえずは繋げるのが一番大事か。
898名無しさん@ピンキー:2005/08/03(水) 01:35:48 ID:Y0kp7QNB
だったら強引につなげてみる粘着な俺w


その結果が、姉弟での許されざるセックス。そして中出し。
こんな風に姉ちゃんは、いつだって俺を翻弄し続ける。
まるで俺を嘲笑うかのように、俺の反応を楽しむかのように。
これだけじゃまだ飽き足らないのか、今度は婚約破棄なんて言い出すし‥‥

(姉ちゃん、そんなに俺をからかうのが楽しいのかよ!)
冗談にも程がある。なんだかマジでムカついてきた。

「‥‥姉ちゃん、いい加減にしろよ」
俺の下で余裕の笑みを浮かべる姉ちゃんを睨みつけ、細い肩をベッドに上から押し付けた。
「何よ?いいじゃない?あたしが結婚しようがしまいが、アンタには関係ないでしょ?」
そんな姉ちゃんの捨て台詞に俺はキレた。

「ふざけんな!そこまでして俺をからかうのが楽しいかよ!その挙げ句に弟と
 セックスまでするなんて何考えてんだよ!おかしいと思わねぇのかよ!」

怒りに任せて早口でまくしたてる俺。怒りで体が震える。
ここまで俺の好きな人が‥‥姉ちゃんがこんな最低な人間だとは思っていなかった。
「俺、姉ちゃんが本気で好きだったのに‥‥何でこんな事するんだよ‥‥」
急激に気持ちが萎えていく。俺はこんな女に何を血迷っていたんだろう。

もうこんな女、どうなったって知るもんか!俺はそう思い、腰に絡んだ脚を乱暴に外して
離れようとした。だけど、姉ちゃんは激しく抵抗して離れない。
「離せよ」
「イヤだ‥‥ヤダ!離さない!」
湿った声。今まで聞いた事のない姉ちゃんの声‥‥まさか、泣いてる‥‥のか?

「‥‥いてる‥‥気付いてるよ、そんなの‥‥ずっと前から気付いてるよ、アンタの気持ちくらい‥‥」
あの気の強い姉ちゃんの顔が歪む。目から涙がこぼれている。
俺の目の前で、泣く姿など見せたことのない姉ちゃんが泣いている‥‥

「あたしだって、冗談でアンタに‥‥抱かれたんじゃない!気付けよ、それ位!」



‥‥もう書くの限界です。これ以上は仕事に差し支えるんで寝ます。
899名無しさん@ピンキー:2005/08/03(水) 15:53:41 ID:/haZpZkf
姉ちゃんがDQNすぎて萎えてきた('A`)
900名無しさん@ピンキー:2005/08/03(水) 15:58:15 ID:FdjNqGzd
900ゲット!
901名無しさん@ピンキー:2005/08/03(水) 16:00:48 ID:FdjNqGzd
ミスッた。

900ゲット
>>899
まぁそんなこといわんどいて、このスレが賑わってるからいいじゃまいか。
902名無しさん@ピンキー:2005/08/03(水) 23:04:25 ID:O4jC4wvH
>>901
妹スレと同じレス数おめ。
903名無しさん@ピンキー:2005/08/03(水) 23:36:43 ID:soBp7ava
ほいじゃあ、わしが続けてみるかの。


「・・・冗談で、弟とセックスするわけなんて、ないじゃない・・・」

いつもなら、小悪魔な猫を連想されるツリ目気味の瞳。
そこに涙を一杯に浮べながらも、気丈に俺を睨みつけているのは、やはり年上としての矜持なのか、それとも・・・
姉ちゃんが嗚咽しながら紡ぐ言葉の重みを、俺は黙って受け止めるしかなかった。

俺は・・・時々、姉ちゃんが分からなくなることがある。
周囲にはスポーツも勉強もそつなくこなす優等生と認めらる反面、
決まり事が大嫌いで、俺に規則の抜け道や悪い遊びを教えてくれるのはいつも姉ちゃんだった。
一度決意したら、人の意見には絶対に耳を貸さない。
何かを実行に移す時はいつも唐突で、都合もおかまいなしに俺は付き合わされるばかりだった。

確かに姉ちゃんは昔から恋多き少女だった。
でも、ここぞという時に一番気にかけてくれるのは・・・俺のことだ。
小学生の俺がはしかで倒れたとき、デートをすっぽかして病院に付き添ってくれたのは姉ちゃんだった。
共働きの両親に代わって、俺の面倒を見てくれたのは姉ちゃんなんだ・・・

「お願い、別れて。彼女と。」
ぼそり、と姉ちゃんが呟いた。

「え?」
「なんでも言う事を聞くって約束したじゃない!
だから・・・もう二度と、他の女を抱かないって、約束・・・しろ」
俺を見据える姉ちゃんの目は、本気だった。

「そんな、自分勝手すぎるよ!姉ちゃんだって・・・」
「そうよ、あたし自分勝手だもん。悪い?」
「・・・姉ちゃん、ホントに婚約、取り消すのか?」
「・・・それは、あんた次第よ。」

姉ちゃんは俺の顔を両手で挟み込み、痛い程真剣に、俺を見上げた。

「あんたは、あたしがどうなって欲しい?
・・・あたしに、どうして欲しい?」


1、「・・・俺が、姉ちゃんを幸せにしたい。」
2、「・・・・・・」(無言)
3、「・・・俺は、姉ちゃんには幸せになって欲しい。
  だから、もうこんなことは止めにしよう。」


腎虚まっしぐらなハード激ラブENDも、ビタースイートなノーマルENDも、
へたれに徹してBAD END目指すも、
今、未来は君の手に
904名無しさん@ピンキー:2005/08/03(水) 23:44:08 ID:soBp7ava
しまったsage忘れた・・・
許してくだされ

妹スレの方みたいに、姉弟の名前を決めとくちゅうのもええかもしれんの
あと年齢
あとビジュアルとか、声のイメージとかの、エロい方が決めてくだされば
わしのようなエロゲヲタも妄想エンジンに火がつきやすいと云うものですわい
905名無しさん@ピンキー:2005/08/04(木) 00:22:23 ID:s9Gfhu7k
>>904
しかし妹スレの暴走ぶりを見ると真似る気が失せる……
906名無しさん@ピンキー:2005/08/04(木) 22:47:28 ID:6YLvCwzP
さすがに止まってしまったか
職人様もお気軽に御降臨を賜りたく
907名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 00:40:32 ID:9VvGpAmX
>>905
どっちにも粘着してた俺としては、あのふいんき(ry では
あっちにはちょっと書きづらい鴨‥‥


‥‥本音を言えば、姉ちゃんが‥‥心の底から欲しい。俺だけのものにしたい。でも、そんな関係は
誰も認めちゃくれない。許してくれない。そんな日陰な人生を、姉ちゃんに歩ませたくない。
たとえ自分の思いを殺したって、姉ちゃんを欲しくはない。
だったら‥‥答えは決まっている。

「俺は、姉ちゃんには幸せになって欲しい。 だから、もうこんなことは止めにしよう‥‥」
俺の偽りの言葉を聞いて、黙ったまま下から見上げる、さっきの言葉とは裏腹な真剣な瞳。
「‥‥アンタ、本当にそう思ってるの?アンタの気持ちってその程度だったの?」
「だって、俺たち姉弟なんだぞ!結婚だってできないし、子供だって作れない。そんなんでいいのか!」

売り言葉に買い言葉。何気なく言った反論に、姉ちゃんはいきなり表情を硬くする。
「‥‥あたしはそれでもかまわない‥‥どうせ、子供なんか‥‥できないん‥‥だから‥‥」
また悲しげに歪む顔。それよりも、今の言葉に俺は衝撃を受けた。
「何、それ‥‥どういう事?」
「欲しくたって、あたし‥‥あたしには‥‥」

‥‥泣きじゃくる姉ちゃんの話をまとめると、こういう事らしい。
『自分は重度の不妊症だ』


なんか一気にハードな展開に話を進めてしまった‥‥orz
こんなんでも続きを書いてくれる勇者を急募します。時給応談w
908HG名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 00:52:48 ID:tgKWg9gn
>>907
バッドエンドの香りに引き寄せられて、寝取られ好きの漏れが来ましたよ
909名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 01:57:20 ID:tgKWg9gn
スクールデイズをこよなく愛するエロゲヲタの俺が続けちゃいましたよ   

「不妊症って、どういう?」
「・・・なんかね、子宮の形が先天奇形で、赤ちゃんが出来ても
流れちゃいやすいって病院で言われた。
ホルモンの病気と違って、薬物治療も出来ないんだって・・・」

姉ちゃんは俯いたまま、ぽつり、ぽつりと語った。

姉ちゃんは・・・愛する男の、子供を生むことが出来ない。
だったら、尚更、姉ちゃんに必要なのは、包み込んでくれる、頼りがいのある
男ではないのか。
仮に一緒に暮らしたとしても、俺は姉ちゃんに甘えてしまうだろう。
俺では、姉ちゃんを支えるここは出来ない。
男であるまえに、家族として、弟として、姉を愛しているからこそ・・・

「姉ちゃん。やっぱり俺じゃ姉ちゃんを守ってやることは出来ないよ。」

姉ちゃんは、傷つけられたような表情で俺を見上げる。
・・・頼むから、そんな目で俺を見ないでくれ・・・

「でも、あたしはあんたのこと・・・」
「ごめん。俺にできることなら、なんでもするよ。・・・弟としてなら。」

姉ちゃんの細い肩が、わなわな震えている。そして、聞き取れない程の小さな声で、呟いた。
「・・・ったよ・・・」

わかったよ、と言ったのだろうか。見損なったよ、とも聞こえた。
俺は申し訳なく思い、姉ちゃんを抱きしめようとした。
が、突然姉ちゃんは俺の腕を振りほどくと、怒鳴り付けた。

「触らないでよ、気持ち悪い!
いつまで乗っかってりゃ気が済むのよ、このヘンタイ!!」

姉ちゃんの中で、何かが切れてしまった・・・


バッドエンド直行で、欝勃起する展開、どなたかお頼み申す。

他の選択肢で続けるっちゅうのもまだ有じゃよね?
910867の人:2005/08/05(金) 02:05:19 ID:rhyTkkYl
こんちわ。>>867です。

まさか、俺がさりげなくレスした事から、ここまで発展したとは思わなんだ。

これが、見えないオマイラとの『絆』という…
911名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 02:14:34 ID:FPj+ChVF
>>909
ほんとにバッドエンド一直線モードになってる……

『お姉さん大好き』な漏れにはここからつなげるのは
つらいのでだれか他の人頼む。
912名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 02:56:38 ID:cgf5/7A9
自分が想像した通りに、書いてみる。

「ちょっ…ちょっと落ち着けって…。今どけるから…。」

「早くどっかいって!こんな事して…、もうあんたの顔なんてみたくもないんだから!!」

「姉ちゃん……。」

俺の事を罵倒し続ける姉の目には、一筋の涙が光っていた。
俺はゆっくりと振り返り、その場を離れようとした。姉ちゃんはなおも俺の事を罵倒し続ける。

「もぅ…実の姉に欲情して、ヒック、実の姉の事が好きで、ヒック、ホント馬鹿じゃないのぉ!?」

「この馬鹿!!阿呆!!変態!!シスコン!!性癖異常者!!」

姉の暴言を背に、部屋を出ようとドアノブに触れ、姉ちゃんに一言言おうとしたとき、姉ちゃんはいった。

「でも…でも…私は本当にあんたの事が好きなの!!どんな事があったって諦められないよぉっ!!あんたがどんなに私を拒んだって絶対に諦めないんだから!!」

その言葉を聞いて、姉の、今度こそ本当の嘘偽りない本心を聞いて、

俺は再び衝撃にうたれた。


微妙に軌道修正。さぁハッピーエンドに突っ走れ!!
913名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 12:36:06 ID:IcOfwwgK
昼休みに食事しないでなに書いてんだ自分('A`)
ではいよいよラストです〜




俺も偽らざる本心を姉ちゃんに告げる。

「恋人にはなれないけど…それでもいいなら、俺一生姉ちゃんを守るよ」

姉ちゃんの元へ行き、その華奢な身体を抱きしめる。

「うれしい…」

涙を流しながら、すがりつく様に俺を抱き返す姉ちゃん。
その身体はやけに小さく儚げに感じられた。
914名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 12:36:49 ID:IcOfwwgK
 〜エピローグ〜

「ほら、早くしないと遅刻しちゃうよ」
そう言いながら姉ちゃんは俺のネクタイを手早く結んだ。

あれから俺は某企業に就職し、1人暮らしを始めた。
それと同時になぜか姉ちゃんは会社を辞め
俺のアパートへ転がり込んできた。

それからというもの、家事は全て姉ちゃんがやっている。
まるでおしかけ女房だ。

あれから分かった事だが、姉ちゃんの婚約の話や
不妊症の話は全て嘘だったらしい。
まんまと姉ちゃんの計略にハマッタ訳だ。

「なに考え込んでるの、それより行ってきますのキスは?」
ぼーっとしてた俺の顔の前に、ずいっと顔を近づける姉ちゃん。

「っていうか、なんだよその格好は」
姉ちゃんは素っ裸の上にエプロンだけ着けていた。
俗に言う裸エプロンってやつだ。

「こういうの好きでしょ」
俺に見せ付けるようにくねくねとセクシーポーズをとる姉ちゃん。
「やってられねー」
といいつつ、姉ちゃんを抱きしめて行ってきますのキスをする。

「あん」
真っ赤になりつつもうれしそうな姉ちゃん。
恋人にはなれないって言ったはずなのにな〜って思いながら
まぁ、こういうのもいいかなと思う俺であった。

 〜終わり〜
915名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 13:13:38 ID:cgf5/7A9
>>870 >>912を書いた者ですが、中々いい!
この姉と弟のラブラブな後日談も見てみたい気がします。それは次スレでいくのかなぁ…。
916894:2005/08/05(金) 17:58:59 ID:8VtT7B5H
なんか…こう…達成感があるな。皆さんGJです。
一人一人のネ申に幸あれ!!












後日談よみて〜な。
917名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 20:41:56 ID:GuVnDF+T
みなさん乙でした。

どれだけSS職人いるんだよと、驚きつつも
あらためて姉萌えパワーのすさまじさを再認識しました。

自分も後日談キボンヌ。
918870&912:2005/08/05(金) 20:50:27 ID:cgf5/7A9
とりあえず書いてみる。気にくわなかったら無視してくれ、

〜後日談〜

姉とのあの事件があって、そして姉と(ほぼ強引だが)暮らし始めて数ヵ月たつ。
姉は相変わらず自分勝手だし、いつも俺を振り回す。しかし、それは別に苦じゃない。
むしろ楽しく思う。やはり俺はこの姉の事が大切なのだ。

「ねぇ、翔ちゃん。」
「ん?何?姉ちゃん。」
「へへへぇ〜。子供の名前どうしようか〜。」
「ん〜、どうしようかなぁ。まだ早いんじゃないか?」
今、姉「琴美」は妊娠中で、もうすぐ六ヵ月になる。
結局俺は彼女とは別れた。俺は姉を、そして生まれてくる俺達の子供を守っていくと決めたからだ。

「…ねぇ、翔ちゃん。」
「ん?」
「これからもよろしくね♪」
「うん、よろしく。姉ちゃん!」

世間からは絶対に認められない関係だが、それでも俺と姉ちゃんはこの道を一緒に歩んでいく事を決めたんだ。
これからいろんな障害があるだろう。だけど、それでも一緒にどこまでも、
姉と一緒に……。

〜FIN〜
919名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 20:53:41 ID:cgf5/7A9
はい、後日談書いた訳で、勝手に名前決めちゃってスンマセン。
なんか終わりの方がクサイけど気にしない方向でお願いします。
とりあえず二人には幸せになって欲しいなぁ……と思います。
920名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 21:30:29 ID:90KP0c+I
妊娠キタコレ!(゚∀゚)
甘ーい!!甘いよ小沢さん!

しかしここまで続くとは思わなんだ。
これを機に新たなSS職人が生まれるといいな。
921名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 22:14:20 ID:9VvGpAmX
いつの間にか終わってるよ、リレーSSがw

>>872とか>>907とかを書いた者ですが、他のSS走者の皆さん乙ですた。
こういうのも何か楽しいっすね。それでは俺は巣に帰ります。ノシ
922名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 23:38:40 ID:rhyTkkYl
なんか、



スタッフロールみたいだw
923名無しさん@ピンキー
じゃあわしも後日談を。


結局俺は受験を諦めて、翌年の春から流通関係の会社に勤めることとなった。
そう決意したのにはいろいろ理由があるけれど、やっぱり一番大きいのは・・・
姉ちゃんの為だ。

あの後、俺はおそるおそる姉ちゃんに尋ねてみた。
「・・・姉ちゃん、あのさ・・・その、婚約の話と、あのぅ・・・お腹のコトって・・・」
「ああ、あれ?ウソウソ、あんなのウソだってば。忘れちゃって、ね?」
姉ちゃんは有無を言わせない口調で、その話題を切り捨てた。昔っから、知らなくていいことは、俺に教えてくれない。
まあ、いいや。姉ちゃんがウソだって言うんだから、そういうことにしておこう・・・
・・・あの晩以来、姉ちゃんの婚約指輪も忽然と消えてしまったことだし・・・

俺は、恋人にはなれない。
けれど、姉ちゃんを支える男として、はやく認められたい。その一念で俺は就職した。
・・・だが、その日は予想よりも遥かに早くやって来たのだ。

俺が借りたのは、築20年のオンボロ木造アパート。完全に一人暮らし向けの部屋で、トイレにも浴室にも鍵が無い。
まあ、どうせ住むのは俺一人だし・・・と気にしていなかったが、後にこれが原因で俺はとんでもない苦労を強いられることになる。

ある晩、疲れ切った俺がドアを開け、部屋に入ると・・・何かがえらい勢いで俺に飛び掛ってきた。
突然のことに慌てた俺は、玄関で足をもつれさせて仰向けに転んでしまった。

俺の胸に押しあてられる、暖かく弾力のある二つの物体。
懐かしく、切なくなるような香り。
俺の首に回される、2本の腕。
・・・俺の唇を塞ぐ、熱く湿った、柔らかい、唇。

おそるおそる目を開けると、そこには満面に笑みを浮かべた、姉ちゃんの顔があった。
「・・・えっ?あ、う、あ、え、おわッ?」
言葉にならない。

「なァーにテンパってんのよ?
帰ってきたら、『ただいま、お姉ちゃん』って言わなきゃダメでしょ?」



この後は、
翔君(推定年齢19歳)が琴美お姉ちゃん(推定年齢25歳)の為にがんばって、918に至るまでって感じで、
お話を続けたいな
糖尿病になるくらいのエロエロ甘甘で続けてくだされ。お頼み申す。