少なくともこの姫様には、「恥ずかしいから前を隠す」とかの発想が存在しなさそう。
とするとエルフの間で育ったエステル姫も当然、前を隠す発想は存在しませんな!
ロリょぅι゛ょ(;´Д`)ハァハァ
xx月xxにち
今日王様のところへいった。
ペロペロキャンディ(デフォルト)をいただいた。
たくさんなでられた。
一回あらわれた。
おとなの話しを聞かされた。
ほっぺが赤くなった。
頭脳が上がった
遊び?それとも本気?
----------
フロド
ポストペットフロドw
旅の仲間のキャラだとオモロ!
770 :
名無しさん@ピンキー:2005/12/10(土) 00:32:07 ID:kW+JOm4k
いずれ降臨されるに違いないメイド王メルコオル様の艶姿のために保守
ユール合わせのネタ来ないかな〜とかワクテカしてみる。
ご馳走の大盤振る舞いとなれば酒も入るだろうし。
でもご馳走なのはホビットだけかな。
他種族はどうなんだろう。
レゴ姫なんてあんま考えたことなかったけど
今かなり読みたい…!
773 :
【大吉】 :2006/01/01(日) 18:45:42 ID:4WURvCfT
今年一年のスレの運勢
>773
GJ。
あけおめで軽く妄想。エロ薄。
ただし、どっちも一人称「ぼく」で男装です。
-------------------------------------
大豊作の翌年、ユールはこれまでにないほど素晴らしいご馳走ぶるまいになりました。
ホビットたちは一年で最も長い夜を明るく楽しく過ごし、それぞれ眠りにつきました。
メリーとピピンは、仲間達とのパーティーでシナモン入りの温めたワインですっかり酔ってしまい、
二人で一緒に暮らしていた堀窪の家へとやっとのことで帰ってきましたが、玄関の丸いドアを
開けるまでが二人の精一杯でした。
「ああ、もうぼくはベッドまでたどりつけそうにないよ、メリー」
ピピンはそういって足の毛も乱れたまま玄関マットの上に倒れこみました。
「ぼくもだよ……。でも、こんなところで寝たら風邪を引いちゃう。ピピン、なんとか起き上がろう」
「そんなこといったって、」とピピンは寝転がったまま隣のメリーを見ました。
彼女もまた玄関マットの上にぐったりと横になっていました。
「……これじゃあ二人して起き上がれそうにないよ」
「そうかな」
「そうだよ」
二人は赤い顔を見合わせ、それから陽気にけたけた笑い出しました。
「ぼくたちはここから動けそうにない」
「だけど、このままじゃ寒くて風邪を引いちゃう」
笑いながら二人は声を揃えて言いました。
「このままここにいても、二人とも寒くなければいいんだよ!」
なんたる名案!とピピンは付け足し、マントを脱ぐとメリーの体をしっかり抱き締めました。
二人の柔らかい胸が服越しにぎゅっと押し付けられました。
「メリー……きみ、またおっぱいが大きくなったんじゃない?」
「ピピンこそ、エント水の飲みすぎだね。ほら……ここの捲毛がこんなに指に当たるもの」
くすくす笑いながら二人はキスをして互いの体を触ります。
二人の間では服の奥の大切な部分でさえ、知らない場所などありません。
「あん……きもちいいよ……」
お互いの指と唇がすっかり濡れてしまった頃には、ワインではない別の熱がメリーとピピンの体を
熱く火照らせていました。
-------------------------------------
とっぺんぱらりのぷう。
保守
すごいやエント水!
>776-777
レスありがとうございます。
個人的にはメイドサムの続きとか姫将軍とかメイド王様とかレゴ姫の話も読みたいんですが
こちらのss職人さん達は今お忙しいのでしょうか…
毎回スレスト済みません……
780 :
名無しさん@ピンキー:2006/01/18(水) 14:11:40 ID:zsmpOscB
ほしゅ
圧縮回避して胸を撫で下ろしてる人と、
いっそ落ちちまえば良かったのにって人と、どっちが多いんだろ。
そんなん多数決するほど人いねえだろ
以下2レス消費
「おめえはまったくの抜け作よ、サム・ギャムジー、何かっちゅうととっつぁんはおらにそう
いってたっけなあ。とっつぁんの口癖よ。」サムはハムファスト親方が父親として蓄積した厖大
な単語集を紐解き、引用を始めました。「『だからいったこっちゃねえ、サム』とっつぁんがい
つもいってたが、その通りだ。どうしよう! どうしよう!」かの女は丸い大きなお腹を抱え、
呆然と突っ立っていました。足もとには粉々に砕け散った皿や鉢の破片が、あたかも青や茶の色
とりどりのモザイク模様のように辺り一面に飛び散っています。
「お前のとっつぁんのことはもういいよ。」フロドは以前は質素な造りの丈夫な皿や鉢だった
ものをひとつずつ拾い集めながらいいました。まだかの女のお腹が緑山丘陵の隆起よりも緩やか
な勾配だった頃と同じように、かの女は食卓の汚れ物をまとめて片づけようとしたのですが、誤っ
てすべてを床の上に落としてしまったのです。「それより、少しは休んだらどうだい?」
「おらは、まだまだ充分すぎるくらい働けますだよ。」サムは幾分強気に答えました。「ちょっ
とばかしおらの腹がでっかくなったからといって、フロドの旦那様に不自由はさせられません。」
柊の葉の鋭い峰々の尖端にいくつも見られた可愛いつららが、一場の夢のように溶け去ってし
まうと、袋小路屋敷の庭ではマロン樹が金色の花を一度にぱっと咲かせましたが、過ぐる季節は
その神秘の輝きの頭上をいとも簡単にとうとうと流れ、ホビット庄には遅い前触れとともに秋が
訪れました。
サムは毎日のようにお腹の子供が生まれるまで後いく月と、指折り数えていましたが、もうす
でに両手の指は使い切っていました。お腹の丸みもこれ以上育ちようがないというくらい大きく、
いつ元気な赤ん坊が飛び出してきてもおかしくないほどでした。
「それにやらなきゃなんねえことは、多くないとはいえません。」と、サムはいいました。
「例えば、おむつはもっとたくさん縫わなきゃなんないと思います。靴下ももっとたくさん編ん
でおこうと思いますだ。」
「お前の姉さんたちから貰ったお古が山のようにあるじゃないか、サム?」
「おらは、ただ、新しいのが欲しいだけですだよ。よだれの染みでまだら模様ができてるので
なく。」かの女は囁くようにいいました。「おらが昔着てたお古だってそこかしこに穴が開いて
ます。」
「そうかね。わたしはてっきり赤ん坊の着る物でこの屋敷穴を埋めようとお前が必死になって
いるのかと思ってしまったよ。」と、フロドはいいました。「そうなればわたしは御包みとよだ
れかけの間で眠らなきゃいけないどころか、あげく押しつぶされるところだった!」
「そんなつもりでは、もちろんねえです。」と、サムは真顔でいいました。「ただあれこれ思
い浮かべながらいろんな物を作るのは、そりゃ楽しいのは確かですだ。」
「わたしはお前に少しでも休んでもらいたいんだよ、サム。分かるかい?」と、フロドは優し
くいいました。「さあ、サム。しばらくの間くらいじっと横になっていなさい。」かれはかの女
の背中を半ば強引に押しました。かの女は渋々と引き下がりました。
「おら、何も自分と赤ん坊にばかり気を取られてるわけではねえですだよ。」サムはすごすご
と退きながらもいいました。「フロドの旦那様のことだってしっかり頭に入れてますだ。誕生日
にはそりゃあ盛大に祝おうって――」サムは慌てて口をつぐみましたが、時すでに遅し、でした。
「またやっちまっただ! 『お前がでっかい口をば開く時はいつだって後の祭りだ』と、とっつぁ
んはいってたっけ。まったく、おめえの口と頭ほど頼りにならねえものはねえだ!」
フロドはちょっとの間、目を丸くして驚いていました。サムはばつが悪そうに切り出しました。
「ほんとは旦那様の誕生日まで秘密にしとかなきゃなんなかったのです。ちょうど来週の木曜日
ですだね。おら、きっとものすごく怒られますだよ。」
かれは一体誰に怒られてしまうのかとかの女に問うようなことはしませんでした。聞かずとも
分かりました。
「心配しなくとも、お前がしゃべってしまったことはここだけの秘密にすればいいじゃないか、
サム? それなら誰にも分かりっこない。」かれは肩をすぼめてしょんぼりと立ちすくむかの女
にいいました。
「そうですだね、フロドの旦那様。」サムは気を取り直すといいました。「おら今度こそ口に
しっかりかんぬき掛けますだ。」
かの女は丸々として見るからに重そうなお腹を抱えると、少し慎重すぎるのではないかともい
える足取りで隣の部屋に行きました。フロドはふたたび破片を拾い始めました。
(以下続く)
サムたんキタ━━(━(━(-( ( (゚∀゚) ) )-)━)━) ━━ !!!!!
灰色港って…うわあああぁぁぁああぁぁあぁあぁあ!!!!111!1!!
サムたん、なんとなく(´・ω・`) な感じ
以下2レス消費
あくる日、フロドは朝から書斎にこもっていましたが、午後も遅く過ぎてサムを呼びました。
「お前はわたしの誕生日を祝ってくれるつもりらしいが、今度の木曜日はビルボの誕生日でも
あるんだよ、サム。」と、かれはいいました。「そしたらビルボはトゥック翁を追い越すことに
なるんだ。百三十一歳になるんだからね!」
「そういうわけですねえ!」と、サムがいいました。「驚くべきお方ですだ。」
「それでだね、サム、」と、フロドはいいました。「できればお前もわたしと一緒に出かけて
ほしいんだよ。今はとても大事な時期だもの、安静にしてなきゃいけないのは分かっている。途
中まで送ってもらうだけでいいんだ。」幾分もの思いに沈んだ口調でかれはいいました。
「そうですねえ、この体で遠出するっちゅうわけには。」
「もちろんそうはいかない。だが心配しなくていいよ、一日か二日でいい。」
「フロドの旦那様。できれば裂け谷までずっと旦那様のお供をして、ビルボの大旦那様にもお
目にかかりたいと思いますだ。」と、サムはいいました。「けどもおら本当に前のように長旅に
出るなんてことできねえのです。フロドの旦那様がビルボ大旦那様にお会いしたいと思いなさる
気持ちは、ようっくわかとるつもりですが。」
「気にしないでおくれ、サム。いいんだよ。」と、フロドはいいました。かれはちょっとの間
目を伏せていましたが、やがて顔をあげるといいました。「フロド坊やのためにはそれが一番だ
ものね。」
「旦那様! なんちゅうこってしょう!」サムは叫びました。「旦那様ときたらひとっ言もお
っしゃってくれねえんですもん。おら、てっきり子のこの名は生まれてからでないと考えちゃい
けねえのかと思っとりましただ!」かの女は喜びを隠し切れないようでした。「それこそおらの
願ってた通りの名前ですだよ。おらも旦那様の名前をいただくのがいっとういいと思いますだ。」
「でも、男の子でないかもしれないよ。」と、フロドがいいました。
「いいえ、きっと元気な男の赤ん坊ですだ。」サムはいやにきっぱりといい切りました。「きっ
とフロドの旦那様によく似た、えらく賢い立派な子ですだ。」
その日の残り一杯、フロドは自分の書類や書いたものにサムと一緒に目を通し、鍵の束をサム
に渡しました。飾りのない赤い革表紙の大きな本が一冊ありました。分厚いたくさんのページは
もうほとんど埋められていました。
週が明けて土曜日になると、フロドは段々と落ち着きがなくなるように見えました。夜の散歩
は相変わらずですが、一度出かけるとなかなか戻ってはこないのです。サムが気をもんでとうと
う重い腰をあげる頃になると(文字通りそれは本当に重かったのですが)、ようやく帰ってくる
という有様でした。
それから三日ほどたった九月二十日のこと。いらない物や取っておく物をより分けているフロ
ドのところへサムがやって来ました。
「あの、フロドの旦那様。おらも一緒にお供させてくだせえまし。」
「サム、この話はもう決着がついたじゃないか。」フロドは手を止めていいました。
「旦那様を一人で行かせるのはちいっとばかし不安ですだよ。なぜだかわかりませんが。それ
にしたっておらは旦那様の側を離れちゃいけねえのに、それをとんと忘れちまってましただ。」
「ばかだなあ、今度ばかりはお前はどうしてもじっとしていなくちゃいけないよ、サム。」
「ついこの間まであんなに来てほしいとおっしゃられてたじゃねえですか。それなのに今日は
もう来なくてもいいとおっしゃる。」サムは憤慨したようにいいました。「おらは行くと決めま
しただ。ならおらはどうしたって旦那様についてきますだよ。フロド坊やのことならおらが請合
います。きっとまだ生まれてはきません。丈夫な子ですだ、今月中は平気かもしんねえです。」
フロドは何かいおうとして口を開きかけましたが、やめました。かの女は何のかのといって今
までだってかれについてきたではありませんか。結局は今度もそういうことなのです。
サムの体を気遣い、フロドは早めに出立することにしました。サムはフロドがその日のうちに
出るといったにもかかわらず、ものの数分で支度を終え、あまつさえ子馬に鞍を載せてかれを待
っていました。
二人は一緒に出発しました。朝をだいぶ過ぎ、天蓋の頂に太陽が近づくのどかな時刻でした。
穏やかな風の吹く心地よい秋の気候に、サムは思わず大口を開けてあくびをするのを堪えました。
かの女は行く先をたずねませんでした。そのうち見当がつくだろうと思ったのです。子馬の歩み
はのろのろと遅く、子供のホビットが歩くのと変わりませんでした。
(以下続く)
GJ乙です!
続きが気になるけどせつなくて読めないかも…。・゚・(ノД`)
以下3レス消費
フロドとサムはお山をくだると、そのまま境石を通り過ぎ、街道を東に進みました。かれらは
途中で二度休憩を入れ、空に垂れた夜の裾が白々と星に輝く頃、蛙村の外れの小さな旅籠屋の前
で、賑わいをさけるように馬を降りました。
粗末なほったて小屋を思わせる旅籠屋の戸口に現れたのは、一人の年老いたホビットでした。
フロドとサムはその老ホビットに案内され宿の敷居を跨ぎましたが、この旅籠のめぼしい部屋と
いえば、奥に衝立で間仕切りされた老人の寝間以外に、右手に戸がひとつあるばかりでした。煤
だらけの煖炉と梁にかかった蜘蛛の巣が、かれがもう長いこと一人で暮らしてきたことを物語っ
ています。
一つきりの客室の戸を潜ると、そこはむき出しのベッドと足の朽ちかけた洗面台、乾いた洗面
器の他には何もなく、雨風をしのぐには充分にしろ快適とはいえないものでした。フロドとサム
が途方に暮れていると、さっそく老人は寝具一式を運び入れて寝床を整えにかかりました。最後
に中身の満たされた水差しを洗面台の脚部の棚にしまうと、かれは何をいうでもなく出て行きま
した。言葉はかれにとって、しようがなく口に上せるもののようでした。
二人は揃ってベッドに横になりました。「どうも疲れやすくていけねえです。」半ば目を閉じ
てサムが呟きました。フロドはできる限り脇によけて、かの女が体をくつろげやすいようにして
やりました。しばらくすると戸を叩く音と共に、無口な老人の貴重な言葉で、食事の用意のでき
たことが告げられました。
かれらは素朴な夕餉を終えると、することもなくベッドに腰かけました。暇つぶしに歩き回る
ことのできる余裕も、座るための椅子もこの部屋にはありませんでした。
「あ。」目をつむって眠たそうにしていたサムが、突然小さく叫びました。「動きましただ。
今、動きましただよ、フロドの旦那様。」かの女は自分のお腹の上に、フロドの手をそっと置き
ました。やわらかな弾力のある温もりがかれの手に確かめられました。
「こんなに元気な赤ん坊は、きっと他にいねえです。」と、サムが嬉しそうにいいました。
「わたしはこうなってよかったと心底思うよ。」フロドは不可思議な運命の結実を手の平に感
じながらいいました。「わたしはとても幸せだよ、サム。」フロドはかの女にキスすると、急い
ででもいるように舌をまさぐり入れました。サムの口の中でそれは絡み合い、ぴちゃぴちゃとい
やらしい音を立てました。フロドは忙しく舌を動かしながらかの女の乳房を探りました。
しかし、サムが嫌がって体をそらすようにかれの手から離れてしまったので、かれはそれ以上
行為を進めようとはしませんでした。ここ最近、かれらの行いはいつもここで終わっていました。
かの女は張った乳房がいじられるのを好ましく思わないようでしたし、大きいお腹を抱えて、到
底そんな気分にはなれないようでした。
朝靄の立ち込めるひんやりとした朝を迎えて、二人は再びのんびりと、街道を明るい日差しの
方へと向かいました。かれらは小畦村の手前で右に折れ、風がさやさやと滑っていく広い平地に
分け入っていきました。行く手にはしばみの林が現れるとフロドは馬を止め、手綱をその根元に
括りつけ、サムの馬も同様にしました。かの女が腰を下ろすのを待ってから、かれはいいました。
「ここから先はわたし一人で行かなきゃならない。ここでお別れだね、サム。」
「おら、もうちっとお供できますだよ。」サムは不満そうにいいました。
「お前はこれ以上一緒に来ることはできないんだよ。とても無理をさせてしまったもの。」と、
フロドがいいました。「一人で帰れるね、サム?」
「どうしてもとおっしゃりますだか?」
「フロド坊やに何かあったらどうするんだね? それにわたしはお前の体のことも心配だ。」
「おら平気です。」すぐさまサムは答えました。「でも、赤ん坊のこともフロドの旦那様とお
んなしくらい大切ですだよ。おら、どうしたらいいでしょう?」
「このまま元来た道を辿ってお帰り。」
「いつお戻りになられます、フロドの旦那様? なるたけ早い方がいいですだね。やっとこさ
赤ん坊が出てきても、父親に会えねえんじゃかわいそうです。」
「わたしは戻らないよ、サム。」
「それは一体なぜです?」サムはひどく驚いていいました。事態が飲み込めないようでした。
「なぜ戻られないのです?」
「わたしの行くところは港の先ずっとはるか遠く、灰色の雨の帳がすっかり銀色のガラスに変
わるところだから。ビルボも一緒に向かうんだよ。」
「おらは行かれませんだね。」サムは悲しげにいいました。「おら、行かれません。」
「今はまだその時ではないよ。お前にはフロド坊やがいる。この子はきっとお前を助けてくれ
るだろう。」
「でもおら、二度とフロドの旦那様と離れないって心に決めてましただよ。」かの女は泣くま
いと堪えているようでした。
「わたしもだよ、サム。」フロドはかの女の手を取ると、優しくキスしました。「わたしもだ。」
「それじゃ、ほんとにここでお別れってこってすだね?」すでにかの女の目には涙があふれて、
流れ落ちていました。「おら、フロドの旦那様とお別れしなきゃなんねえってこってすだね?」
「今はね、サム。」フロドはかの女の濡れた顔を袖で拭ってやり、抱きしめてから額にキスし
ました。しかし、かの女の涙にはきりがありませんでした。
どのくらいそうしていたでしょうか。サムが段々と落ち着きを取り戻していくと、フロドは立
ち上がってもう一度かの女にキスをしてやり、それから馬にまたがって、後ろを振り返らずにゆ
っくりと去っていきました。かれの姿が消えてしまうまで、サムはじっと座り込んで動きません
でした。かれの姿が木立の陰に溶け込んですっかり見えなくなってしまってからも、かの女は枯
れた草がところどころ生い茂る平原のかなたを眺め続けていました。陽の光が寂しく陰り、肌寒
い風が吹く頃になると、サムはようやく腰を上げて子馬の手綱をほどき、一人帰路につきました。
(完)
乙です!!乙だけど、乙だけど…
ウワァァァァァァヽ(`Д´)ノァァァァァァン!
長編完了、乙華麗様でした!
GJ!
とてもGJ!!!
以下、9レス消費
三十歳というのは、成人となるには少し早いものの、かといってもう気楽な二十歳代というわけ
でもなく、どことなくどっちつかずの、まるで険阻な岩の隘路に立たされているようなものだと、
フロドは感じていました。右手を離せば左手が、左手を離せば右手が、そのつど両側にそびえ立つ
岩壁に触れているのです。
牧場の丘を少し上ったところにある、ぶなの木立を一時の避難場所と決めて、フロドは昼食後か
ら今に至るまで熱心に読書に耽っていました。陽の光を織り成して作られた、丹念に編み込まれた
厚みのある日差しを避けてのことでした。小高い丘からは、木で粗く葺いただけの納屋が見え、そ
の周りには夏草を一心にむさぼる豚の群れが点々と散らばり、小屋で休む牛たちは動こうともしま
せんでした。
繁茂したぶなの葉は垂れ下がり、時おり涼やかな風が、それらをさやさや騒がせます。フロドは
その度に顔をあげて、遠くに見える険しい山の稜線に、しばらくじっと眺め入るのでした。
もうずいぶんと前から、フロドはとても理解のしがたい不均衡に、身をゆだねていました。
フロドは、座礁した船のようにかれ自身が今しも崩れ去ったとしても、なんら不思議はないと思っ
ていましたが、反対に体はいつでも航海に出られるといわんばかりに備えも万全で、それがたえず
かれを困惑させていました。
かれの足もとからは牛のいななきに交じり、アザミをむしる豚のぶつくさいう声が聞こえていま
した。時の流れは、目に見えるほど緩慢でした。
フロドは、一見この平安な流れの中で、取り残されているのは自分だけではないかと錯覚せずに
はいられませんでした。恐ろしいことに、時はフロドの知らないところで進んでいるにもかかわら
ず、それに目を向けた途端、一切の活動を止めるのでした。
フロドは本を閉じて足を投げ出すと、裾野に広がる青々と輝くうねりを見つめました。すると何
か一点の黒いものが、こちらへやって来るのが、はっきりとみとめられました。それは泳ぐように
青草をかきわけ、幼さの残るかん高い声で呼ばわっていました。
その幼い誰かは、少しの間あたりを見回して、途方に暮れているようでしたが、フロドのいる木
立を見つけると、目当てのものを捜し出したのか、まっすぐ駆け寄ってきました。
不意の来客を迎えるために立ち上がったフロドの目の前に現れたのは、まだかれの年の半分くら
いかと思われる子どもでした。息を切らしたその子どもは、汚れたエプロンの下に、泥の染みがつ
いたスカートをはき、短い髪をぼさぼさに絡ませていました。とてもそうとはいえないものの、女
の子のようでした。
「わたしに用があるのかい?」と、フロドはたずねました。かれは半ば自問するようにいいました。
「ビルボが言づてでも頼んだんだろうか。」
息を整えていたその子どもは、フロドの問いかけに答えようとしましたが、どうしても最初の一
言が出てこないようでしたので、ただしきりにうんうんと頷いていました。
「ビルボだね? かれから頼まれて、ここまでわたしを捜しに来たんだね?」と、フロドは念を
押しました。かの女は一生懸命、首を縦に振っていました。
「納屋に行けば井戸がある。そこで喉を潤したらいい。」汗で額を濡らして苦しそうに喘いでい
るその子を見て気の毒に思ったのか、フロドはかの女の手を引くと、井戸まで導いてやりました。
豚が一、二匹、納屋の陰で先客として寝そべっていましたが、フロドは無作法にもかれらには目も
くれず、つるべを落とすと、それを引き上げました。かの女は冷たい井戸水を手渡されると、何も
言わずに一息に飲み干しました。
「どうだい、楽になったかい?」かの女が落ち着いた頃をみはからって、フロドは聞きました。
「そんなに慌てるほどの用事がビルボにあったんだろうか? わたしにはさっぱり見当がつかない
んだが。」
「あの、おら、」女の子はやっと口を開きました。「ビルボ様からいいつかってきましただ。フ
ロド様を袋小路屋敷に呼んでくるようにと。とても大事な用だそうです。ビルボ様はずっと待って
おられましただ。」
「本当かい? どうやらわたしは大切な約束をすっぽかしてしまったみたいだ。しかしいったい、
何の約束だったんだろう。」フロドは実際、見当がつかずに困っているようでした。
「それはもうえらく大事だと、ビルボ様は仰られてましただ。」女の子はフロドに追い討ちをか
けるように――かの女自身は気づいていませんが――いいました。「ビルボ様は最初が肝心と、仰
いましただ。袋小路屋敷に新しい庭師が加わるから、と。それはつまり、このおらですだね。」
「じゃあ、君がサムかい?」フロドは心底驚いていいました。「君がサム・ギャムジーなのか?
女の子のように見えるけど。」
「おら、女です。」かの女はいくぶん気分を害したようでした。
「わたしはてっきり、ハムファスト親方の後ろに引っ付いているのは、元気な盛りの坊やだと思っ
ていたよ。いつも泥だらけのズボンをはいて、マリゴールドを追っかけていたもの。」
「おら、そんなこと、たまにしかしねえですだよ。」サムは小さな声で異議を唱えました。
「ハムとっつぁんの仕事を継ぐのは、男の子だとばかり信じて疑わなかったが、それがまあ、
なんと女の子じゃないか。これ以上驚くことが、いったい全体あるだろうか?」
「いっつもいわれますだよ、スカートはいたって到底女の子には見えねえと。」かの女はこれ
以上ないというほど、気を悪くしているようでした。「今日はビルボ様にご挨拶する大切な日で
すだ。だからちゃんとした恰好してますだ。それなのに、フロド様はおらを男だといいなさる。」
「ちゃんとした恰好にはほど遠いような気もするがね。」フロドは皮肉ないいかたをしました。
「なんだって、そんなになるまで遊ぶんだい? 君はもういくつになるんだ?」
「おら、遊んでたわけじゃねえですだ。誓ってもいいです。」と、サムはいいました。「フロド
様を待ってる間、おらさっそく庭仕事に取りかかってましただ。それに、もう十五になります。」
「なんだ、メリアドクより一つ下ってだけじゃないか。」
かれはどことなく、かの女の年の少ないのをばかにしている風情でしたが、かれだってまだ成人
してはいないのでした。はるかに年を取ったものから見れば、十五歳だろうが三十歳だろうが同じ
子どもには違いありませんが、当人たちにとってみればそれは沽券に関わる重大事でした。
「ブランディーバック家のメリアドク様にはお会いしたことはねえですが、それにしたって、お
らは子供じゃねえですだよ。」サムは、まだ未発達の細い肩を精一杯いからせていいました。
「わかったよ、わたしが悪かった。」フロドは良心にもとるとわかっていながらも、いいつくろ
いました。「メリーのやつだってそりゃ、とても大人なんだ。でも、君ほどじゃないけどね。」
「おら、そんなことねえです。まだ、子どもだと、よくとっつぁんにいわれますだ。」サムは照
れながら、かれの気遣いをすんなりと否定しました。
「そうかい。わたしの知りあいの中ではメリーが一番大人だと、かれに今すぐ知らせなくちゃ。」
「そんなことなさらなくても結構ですだよ、フロド様。その時は、おらがちょっくら出かけてき
ます。それよりおら、お山からずっと走ってきてえらく疲れてるってこと、忘れてましただ。」
かの女は井戸の横の湿った土の上に、すとんと座り込んでしまいました。
「ここは休むのには向いていないよ。わたしがいいところへ連れて行ってあげよう。」フロドは
かの女の手を引っ張って立たせてやると、納屋の中へと案内しました。二人は物置として使われて
いる一階部分を通り抜けると、二階の干し草置き場へ、はしごを使って上がりました。そこは、刈
り取られたわらが山積みになって、むっとした匂いが熱気となって立ちこめていました。フロドは
かの女を山の一つに腰かけさせてやりました。
「ここはわたしの大好きな場所の一つなんだよ。なぜって、誰にも邪魔されずに考え事ができる
んから!」フロドは嬉しそうにいいました。そしてかれは、やおら立ち上がるといいました。
「わたしは先に帰ってビルボに謝らなければね。それからハムとっつぁんにもだ。きっとビルボ
はわたしのそそっかしさを怒ることだろう。」
「フロド様は休まれていかねえのですか?」サムは寂しそうにたずねました。「ちっとばかしこ
こにいても、きっと誰にもわかりっこねえです。」
「気遣いは嬉しいが、わたしは疲れてないんだ。」フロドはそっけなく答えました。お守りをし
なければならないのはごめんだと思ったからです。「まだ日は高いもの。君一人で大丈夫だと思う
がね。」かれはそういうと、薄暗い干し草置き場から、明るい日の射す一階へと姿を消してしまい
ました。サムは憤懣やるかたなく、わらの上にひっくり返りました。
フロドはふたたび丘の上へ戻ってくると、先程と寸分違わない場所に転がっている茶色の革表紙
の本を拾い、坂道を下っていきました。かれはふと帰る道すがら、サムの様子をうかがった方がい
いのではないかと思い至りました。ああはいっても、女の子を一人おいておくことは気が咎めます。
フロドは開け放たれたままの扉をくぐり、白い線を描きならところどころに射しこんでいる丸い
日差しを突き抜けて、そっと二階に上がりました。しかし、サムの姿はありませんでした。
フロドは心配になり、ついさっきサムを置いてきたばかりの小山まで近づいてみました。すると
かの女はその陰で背中を丸め、わらの斜面に寄りかかりながら、ぐっすりと眠り込んでいました。
フロドは胸をなでおろすと、かの女の傍らに腰かけました。ついでにかれは、かの女の顔についた
汚れを自分のハンカチで拭ってやりました。どうにも見過ごせないほどに、何かの汁やら干からび
た泥やらがこびりついているのでした。
かの女の頬には、秋の小麦畑のような金色の産ぶ毛が生えていました。短く刈り取られたために、
余計にくるくると渦を巻いている茶色の髪の毛は、長く日に当たりすぎたのか、赤く変色していま
した。
フロドはなかなか落ちない汚れをむきになってこすりましたが、その度にサムはあいまいな声を
漏らして寝返りを打ちました。フロドはびっくりして手を止めはしたものの、そのうち、かの女は
ちょっとやそっとのことでは起きないらしいことが、かれにも飲み込めてきました。
徐々に薄く膜がかかっていたような印象だった汚れは消え、その下から愛らしい年相応の少女の
顔が現れました。長く豊なまつ毛などは、すでにそこだけ少女の面影を捨て去ろうとしていました
し、何ともいえない柔らかな毛の集まるうなじには、かの女が生まれた頃からそのままであろう、
白い肌がのぞいていました。
フロドはハンカチだけではなく、指も使って懸命に汚れを落としていましたが、フロドの指先の
下にはほっそりとした肉付きの、かの女のなめらかな肌がありました。成長を終えようとするかれ
とは裏腹に、かの女はこれから始まろうとしていました。この歴然とした差にフロドは、まじまじ
とサムの穏やかな寝顔を見つめました。それは、際限のない幸福に放埓さが加わって、複雑ではな
い単純な構成で満ちていました。
フロドはかの女のその小さな唇に自分の唇を押し付けました。サムは呻き声のようなものを漏ら
しましたが、深い眠りの底に横たわっていることは変わりありませんでした。自分のにおいをなす
りつけるように、フロドは幾度となくかの女の唇をくわえたり噛んだりしました。まるでかの女自
身を辱めたいというように、キスするのみならず舌を押し込んで、身勝手にかの女をなぶるのでし
た。
頬に添えられたフロドの手が、かの女のふくらみかけた胸に下ろされると、そこには、つまめる
ほどに固くなった乳首だけがありました。張り詰めたかの女の乳房は痛々しいくらいに小さく、手
の平に当たるものは骨なのか、あるいは薄い肉付きなのか判断がつきかねました。そこから下腹部
に至るまではとても平坦で、かれの手はすんなりと、かの女の一番女らしい秘めやかな部分に伸ば
されていきました。骨ばった腿と腿の間は広く開けられ、かれの手を待ち望んでいるかのようでした。
フロドはかの女の腰を片手で抱えるように持ち上げました。しかしその拍子に、サムの首が斜面
から滑り落ち、後ろに大きくのけぞってしまいました。その衝撃でサムは目を覚まし、寝ぼけまな
こであくびを一つしました。フロドは慌てて手を離すと、かの女のスカートの裾を元に戻し、充分
距離を保って、元いた場所に戻りました。
サムは目をこすりながらのっそりと起き上がりました。「おら、すっかり眠り込んじまったよう
です。」かの女は、まだぼんやりとした声でいいました。「そこにおられるなんて気づきませんで
しただ、フロド様。」
「いいんだよ、サム。」フロドは平静を装っていましたが、かれの心臓は、口から飛び出さんば
かりに激しく脈打っていました。かれは必死に、動揺を覚られないよう努めました。
「てっきり先に帰られたもんと思っとりましただ。でも、そうじゃなかったっちゅうわけですね。」
「わたしは、ただ様子を見に来ただけなんだ。これから帰るつもりだったんだよ。きっとみんな、
お前のことを心配している。早く帰ってとっつぁんを安心させてあげたらいい。」
「そうですだね、おら長いこと寝ちまったみたいです。」
「お前はとてもよく寝ていたよ、サム。」と、フロドはいいました。
「これ、フロド様のじゃねえですか?」ふいにサムがいいました。かの女は自分の側に落ちていた、
一冊の茶色い革表紙の本をかれに見せました。
「そうだ、わたしのだよ。」フロドは、サムからなるたけ静かな動作で本を受け取りました。か
れにはこの時、心臓の鼓動が、すべてを白日の下にさらすのではないかと思われました。
「なんでおらのすぐ横にあったんでしょう? フロド様は離れたところにおいででしただ。」
「ついうっかり落としてしまったんだろう。」と、フロドはいいました。かれはこの苦境に耐え
られるかどうか、自信がありませんでした。「ありがとう、サム。わたしは本を忘れたまま帰って
しまうところだった。」
「なに、どうってことねえです。」サムは嬉しそうな素振りを隠そうともせずにいいました。
「今日の夜はビルボがご馳走を振る舞ってくれるんじゃないかな。」フロドは、かの女から先に
行くよう促し、自分は何度かはしご段を踏み外しながら、ゆっくりと下りていきました。
「ならおらも、腕によりかけてお手伝いしなきゃなんねえですだね。」サムは戸口でフロドが来
るのを待っていました。フロドがかの女に追いつくと、サムはかれの横を飛び跳ねながら、次々と
思い浮かぶことを話し出しました。「おら、袋枝路の家からパンだね持ってきて、じゃが入りのパ
ン作りますだよ。おら大抵のもんは作れます。ゆでたじゃがとか、焼いたじゃがとか、潰したじゃが
とか、じゃがのスープやサラダもいいですだね。とっつぁんから直々に教わりましただ。折り紙つ
きですだよ。」
二人は黄色みを帯びた午後の空の下を、並んで歩きながら袋小路へと続く道を遠ざかっていきました。
(完)
何事もなかったかのように9レスも投下しちゃいました
月末は王の帰還テレビ放映ヽ(゚∀゚)ノ ヤターイ!
少女サムたんムッハー!(*゚∀゚)=3
GJです!こんなかんじで幸せな2人の続編もお願いしたい!
スレの没落間近にGJ!
今月末とエイプリルフールでしたっけね>地上波
平穏なお茶の間の一こまに、幽霊軍団が登場!と。
GJ!!!サムたん可愛い…どきどきするフロドもステキです。
813 :
名無しさん@ピンキー:2006/03/12(日) 03:26:42 ID:rrgg5Y6I
どうでもいいんだがこの前
西麻布のカフェで眼鏡をかけて、春物の格好いいジャケット着て、チャンドラーのハードカバー読んでた坊主の人がいたんだよ。
驚いて良く見てみたら、ボクシング亀田兄弟の兄だった。
サイン貰おうと思って声かけたら、気さくに応じてくれた。
「TVと印象違いますね」って言ったら、
「演出なんですよ・・・。僕は嫌なんですけど、スポンサーの関係で断れなくて・・・。世間の人にイヤな思いさせて、本当に申し訳なく思ってます」だって。
その後お礼言って、しばらくお茶飲んでたんだけど、帰ろうとしたら店の人に「お代は頂いてますから」って言われた。
オレの分だけじゃなくて店にいた人全員分払ってくれたみたい。
それからテレビで見るたびに応援している。
TVであの姿を見ている人には、信じられないと思うけど、全部作り話
>813はツンデレ
815 :
名無しさん@ピンキー:
ほしゅあげ