>>396 野明は北海道じゃなかったか。酒はよく飲むけど。
>>397 >目覚めた朽木が田中×大野を偶然目撃してしまい、盗撮する
翌朝、それを皆に見せようとしたところを咲にボコられるのですな
>>402クチキよりこんなのどうよ
咲「さてもう帰るか。あーいい旅行だったあ。」
初代「楽しんでもらえて何よりだよ」
咲「!?(初代)会長!なんでここに」
初代「うん。ここにはちょっとしたつてがあるんだ。」
咲「じゃあ…昨日も…」
初代「泊まってたよ。また、福 引 で あ た っ た ら 来 て ね」
咲「…………(まさか最初から?)」
荻上「…あの人誰なんです?顔色悪いですけど大丈夫ですか?」
咲「いや…今回お前は健全旅行して正解だったよ…はあ」
荻上「え、えっ!?いや…なんのことぉ(↑)!?」
咲「…え?」
SS書きながら一巻読んでるとプロフィール欄に
「笹原完士、誕生日1月13日」の文字が。
10日後くらいといいましたが、ササヤンの誕生日プレゼント代わりにうpさせていただきます
「え、ええ・・・?」
不意の質問に思考が固まる、なんて返せばいいんだろう。こういうのって告白の前フリなのかな・・・?
甘い期待感が広がる自分を何様のつもりだと恥ずかしく思った。
何か言わないと・・・だけど言葉が出てこない。
今も自分の背中の上にいる荻上さんの小さな重みを感じながら言葉を捜す。
・
・
・
・
・
それでもかけるべき言葉が見つからない。荻上さんも黙ったまま何も話そうとしない。
さっきから、いや、今日長い時間一緒に居たせいかそれを意識する前から胸の中を漂い始めた感覚・・・
あれが「好き」っていうものだったのか分からない。
オタクとしての覚悟を決めたとき、恋愛ともあまり縁の無い生活を送ることになるんじゃないか、ということも含めて覚悟したような気がする。
そのためか、自分のこの思いをはっきりとさせる事が出来ない。
もやもやとしたまま黙っていると荻上さんが口を開いた。
「…変な事聞いてすいま…せん…今のは忘れてくだ…わす…」
グスッ
「!!?」
夏コミの原稿できてねぇよ会議の時に久我山さんに啖呵きろうとしたときに聞こえた音が聞こえた。
慌てて首を曲げて荻上さんを覗き見ると背中の上の荻上さんが俺の浴衣をきゅっと握って小さく震えていた。
「ごめんなさい…ぐすっ…すん…すまねス…すいませんス…ぐすっ」
「あ、あの…荻上さん?」
「ひっく…ひっ…ぐすっ…ひっ…ひん…」
声を掛けてもしゃくりあげるばかりで答えてくれない。
こんな時、どうしてあげれば良いのかすら分からない自分が情けなってくる。
とりあえず、自分の背中から下ろそうと身を起こすと小さな体が自分の横にころりと転がった。
布団の上で未だに小さく震えながら「ごめんなさい」と謝り続ける荻上さんを見て―…
また、自分の心の中に「萌え」と似てるけどどこか違っている感情が湧きあがる。
その感情が、今、自分が何をすべきかを教えてくれたような気がした。
高坂君の真似かもしれないけど、それでも荻上さんの震えを止めてあげたかった。
ぎゅ…っ
「ひひゃっ?」
腕の中の荻上さんが一瞬強張る、驚かせてしまったのか素っ頓狂な声を上げてしまったらしい。
それも可愛らしいと思いながら抱きしめて背中に回した手で母親が赤ん坊をあやすように、背中をポンポンと叩いてあげる。
荻上さんの洗った髪から洗い立ての香りが鼻腔をくすぐる。
「あ…あの…笹原さん?」
少し落ち着いたような、混乱したような表情で見上げる荻上さんを見ると鼓動が高鳴る。
手の平がじんわりと汗ばんで体温が上がる感覚を受ける。
「さっきの質問…答えるね。俺、好きな人いるよ…ううん、好きになった人がいる」
「………誰、ですか…?」
顔を上げずに、俺の浴衣の前をきゅっと掴んで問い掛ける荻上さんに胸の中の名前を忘れてた感情の行く先を伝える。
「俺、荻上さんが…好きだ」
びくっ、と体がまた腕の中の小さな体が強張る。
「嘘だァ…だっで先輩、いづもみんなと話しってる時色っぽいお姉さんタイプばっが好ぎっでぇ…」
「そういうことじゃない。そういうことじゃないよ…俺は、荻上さんが好きだ……好きなんだ」
ふるふると頭を横に振りつづける荻上さんに対してこの心の中の中を分かってもらうために、
荻上さんに抱いてるもの、それをまっすぐ伝えるために少し体を屈めて顔を同じ位置にして荻上さんの瞳を見て伝える。
目の前の荻上さんの顔が驚いたような顔になって、泣きそうになって、照れたように目を逸らして…
そして最後に俺のほうを見て笑顔が咲いた。
「わ、私…笹原先輩のことさ…好…好きス」
真っ赤にしてまた俺のほうから目を逸らしながら、訛りながらの告白、だけど嬉しかった。
好きな人が自分を好きだといってくれた、「こんな嬉しい事は無い…」ってやつを本当に感じていた。
荻上さんに回した腕を少し力を入れて荻上さんを抱き寄せた。
「わっ…」
小さく声を上げた荻上さんが自分の胸に顔をうずめる。
「わァ…笹原先輩、すごいドキドキいってるスよ…」
「はは…こういう事言ったのってすごい久しぶりだから…中学生の時以来かな?フラれちゃったけどね」
自分の鼓動を聞いていた荻上さんがふと上を向いた。
目の前に荻上さんの泣きはらした少し赤い目、主に染まってる頬、そして、小さな唇があった。
「あ…」
俺の考えてたことが読まれたのか、荻上さんがその吸い込まれそうな大きな瞳を閉じた。
(こ、ここはやっぱり…するべきなんだよな…?)
目を閉じて顔を俺のほうに向けて小さく震えている荻上さん、ひどく恥ずかしそうにしている彼女をずっとこのままにして置く訳にはいかない
少しずつ顔を近づけていき…そして、ちゅっと唇を合わせるだけのキスを、はじめてのチュウをした。
唇が合わさった瞬間、腕の中でビクッと一瞬強張った体がしばらくしてふっと緩んでいくのが伝わり、
自分を受け入れてくれたのだと感じて嬉しくなる。
「ぷはっ…!!はぁっ…はぁ…っ」
「ふっ…は…っ、はぁ、はぁ、はぁ…」
唇を放した瞬間、二人とも大きく息をつき始める。
「くっ…くはっ…ははっはははははっ」
「ぷっ…あははははは」
みっともないとかそんな感じじゃないけど、二人とも不器用なキスしかできなかったことに笑いがこみ上げてくる。
くすくす笑ってるその笑顔に愛しさがつのる、絡ませた両腕に力を入れて荻上さんを抱き寄せた。
「ひへっ!?せ、せんぱい…?」
「これから…よろしくね、荻上さん」
「あ…はい…こちらこそよろしくお願いします…」
笑いあって、抱きしめあって、そのまま二人で眠りについていった…
今キターー
GJ!かわいい恋愛だ
何、この天才
オギ、方言全開だよ!
読んでる俺まで息が詰るドキドキの展開だったぜ!
はふーん
何かこう・・・グっときた。
あんたスゲーよ。ありがとー。
すっげーーーーーーイイ!GJ!
今後も連載きぼん
長い一文には「、」読点だっけ?を入れるとテンポがよくなるぞ
心の底からGJ!!
心理描写が上手くてすげぇ萌えますた(*´∀`)
またよろしくお願いします!!
416 :
379:05/01/14 01:27:12 ID:tdCilfNM
>>414 アドバイスありがとう御座います、確かに一文が長くて読みにくい所がありますね。
今後気をつけたいと思います。
エロはなかったが正直そんな事はどうでもいい程良かったな。
実際の作中キャラとの違和感が殆どない。
418 :
383:05/01/14 09:02:36 ID:PrrYjRAH
ブラボーだ379氏、マジでグッとキタ&萌えた。夜勤帰りで疲れた心に沁みたぜ。
これで心置きなくパンツが履けるってもんだ・・・・・・続きも期待してるよ、パンツ一丁で。
素晴らしいす!!
最高す!!
きゅんときたっす!!
萌えとはまた別の感情、今ならわかるす。
ありがとう、ありがとう
私もパンツ一丁で待ってるす。
ほんとに良いすね、こういうの・・・
誤字なんて気にならないすw
>>416 マジで萌えました!
自然と顔がにやける。
笹原かっこいいよ笹原
荻上かわいいよ荻上
421 :
379:05/01/14 22:13:51 ID:tdCilfNM
本当だ…誤字脱字だらけですね。
次からはちゃんと推敲してから投下しようと思います。
ハァハァ
副会長×会長 or いづみ×副会長 きぼんぬ
>>379氏、乙です
いい物を読ましてもらいました
425 :
名無しさん@ピンキー:05/01/16 12:04:34 ID:9vmbLwNq
じゃあ俺は千尋×会長か麦男×副会長キボン
斑目と咲と高坂の話を書いてみたんで、投下します。
この三人の関係がすごく好きなので。
「池袋で?」
「そうだ、まあそんなに大きいイベントでもないんだけどな」
くじアンのオンリーイベントに高坂と斑目が二人で行くことになったのは、全くの偶然だった。
現視研はサークル内の仲もよく、基本的にはみんなでイベントに行くことが多いのだが、今回は他のメンバーの予定がたまたま合わなかったのだ。
大野さんと荻上さん、それに田中は同日にある少年漫画のイベントに行くらしいし、久我山は就職活動で朽木は補講。
頼みの綱だった笹原も、急に38℃の熱が出たとかで、前日の夜に半泣き状態の電話がかかってきた。
「…で、何で君がいるのかね」
高坂との待ち合わせ場所に着いた斑目の第一声は、その場にいた一人の女性に向けられたものだった。
春日部咲。現視研で唯一オタクでない会員で、高坂の彼女でもある。そしてさらに言えば、斑目が密かに恋している相手でもあった。
まあ、もっともこのことは誰にも言っていないし、一生言う気もないのだが。
「あ、いや池袋行くって言うから。ちょうど見たい服あったし」
「俺たち買い物なんてしてる暇ないと思うぞ?」
「別にあんたと一緒に行くなんていってないでしょうが。駅まで一緒に行くだけだよ」
「あ、そう」
少しのショック。しかし顔には出さず、隣にいた高坂に向き直る。
高坂は少しすまなさそうに斑目の顔を見ると、いつもどおりの笑顔で言った。
「すみません、咲ちゃん連れてきちゃって」
「いや、構わんよ別に」
その声を掻き消すかのように、ごぅっとホーム内を大きな音が轟いた。
目の前に停車した列車を見て、しかし斑目は小さく「げぇっ」と呻き声を上げる。
列車は傍から見ても分かるほど混雑していて、これから40分もこの中に詰め込まれている事を思って気が重くなったのだ。
だが嫌だとは言っていられない。意を決して中に乗り込み、扉が閉まるのを待った。
動き出して数分もたたないうちだった。斜め横に立っていた春日部さんの動きがおかしい事に斑目は気づいた。
何だか息が荒い気がするし、顔も少し赤くなっている。
最初は笹原の風邪を移されたのだろうと思ったのだが、それにしては何か妙だ。何だか目の焦点が定まっていないような―。
そこまで考えて、ふと一つの可能性に思い当たった。痴漢。
斑目自身は幸い被害者にも加害者にもなった事はないが、女性の場合そういう被害に合うことだって皆無ではない筈だ。
まあ、あの春日部さんが痴漢にあって大人しくしているとも思えないが―。
もしそうだったら大変だ、と人の山を徐々に掻き分けて彼女の近くに寄る。
ほぼ真横に到達し、春日部さんにちらりと目を向けると、俺の普段全く頼りにならない勘は、こんなときに限ってしっかり当たっていた。
ジャケットの下に着た薄手のキャミソールの裾から、ごつい男の腕が胸元へと入り込んでいる。
腕は服の中をもぞもぞと動き回り、その度に呼応するように春日部さんの首が震えていた。
ふと腕の持ち主を見ると、フリーター風のいかにもイマドキ然とした若者で、明るい金髪がどこか高坂に似ている気がした。
男は春日部さんの反応を確かめるように、胸元を柔らかく揉みしだいている。
春日部さんの形のいい胸は男のなすがままに揺れ動き、服の上からでもぽよんとした量感を示していた。
はあはあと熱っぽい息を吐きながら、瞳をぼんやりとさせる彼女の姿に気を良くしたのか、男は器用にブラジャーをずらしあげた。
そのまま二本の指でくりっと胸の突起を摘み上げる。
「…ぁっ」
その瞬間、確かに春日部さんの声が唇から漏れた。小さな、けれどしっかりした喘ぎ声。
その反応に、男はますますそこを攻め立てる。摘んだまま擦り上げ、爪で押しつぶすようにされると、なぜか彼女はぎゅっと目をつぶった。
男は微かに眉をひそめると、春日部さんの耳元に息を吹きかけながら囁きかける。
周りの人間は気づかなかったようだが、注視していた斑目だけは、何とか言っている事を聞き取れた。
「気持ちいいの?」
春日部さんはふるふると首を横に振るが、その囁かれた感覚さえ快感に変換されてしまうのか、首を振る動作も頼り気なかった。
「じゃあ、もっとしてあげないとだめかな?」
「…あ、ばっ…やめっ」
春日部さんのあげかけた声が不意にぴたりと止まる。斑目が見ると、男は短いスカートの中に手を伸ばしていた。
「…ひ、あっ…ぃ、やぁっ」
毛深い腕がスカート内を掻い潜り、まっすぐに下着に指を掛ける。その瞬間、春日部さんがひっと息を呑むのが分かった。
「…なんだ、もうびちょびちょじゃない。嘘はいけないよ?」
「嘘なんっ…ついて、な…」
途切れがちな小声で言い返す春日部さんに、男は嬉しそうに応える。
「良かったんでしょ? 正直に言わないとこうだよ」
言いながら、男はきゅっと指に力を込めた。とたん、彼女の全身が電気ショックでも受けたようにびくんと跳ね動く。
くりくりと弄られる指の動きにあわせ、春日部さんはより大きく震え上がる。いまや斑目はごくりと喉を動かして彼女の痴態に見入っていた。
「そっ…そ、こは…やめ、ろっ」
「そこってどこ?」
男の問いに、春日部さんは顔を羞恥でさらに赤くした。そんな言葉言える訳がない。
けれど男は、その卑猥な言葉を春日部さんに言わせようと、更なる攻撃を試みる。
「強情だなあ。言うまでずっと弄ってようか」
再び手を動かし行為を再開した男に、春日部さんは焦ったように口を開いた。
「ぁっ…はんっ、ク…リスは」
「何? もっとしっかり発音してよ」
「い、あっ…クリ…トっリ、スはや、めろ…んんっ」
その言葉に満足したのか、男はにやりと笑った。
「よく言えたねぇ。まあ、彼氏の前で痴漢にヤられてイかされるトコ見せたくないもんね」
その声で、斑目は初めて春日部さんがなぜ男にいい様にされたままでいるのかに気づいた。春日部さんは高坂に自分の状況を気づかれたくなかったのだ。
そこまで考えて、斑目は高坂の存在を思い出した。恥ずかしい話だが、今の今まで高坂のことをすっかり忘れていたのだ。
車内をぐるぐると見渡すがどこにも見当たらない。一体どこに行ったのだろう。
「斑目さん」
ふいに声を掛けられた。驚いて後ろを振り返ると、いつの間にやらすぐ後ろに高坂が立っていた。
「あ、あれ? お前いつからいた?」
「え? ずっとここにいましたけど」
ずっと? もしそれが本当なら高坂からも春日部さんの姿は見えていたはずだ。たまたま人の影で見えなかったのか、姿は見えたが気づいていなかったのだろうか。
「あ、いやその…」
あたふたとする斑目に、高坂はいつもの笑顔で告げた。
「咲ちゃんなら大丈夫ですよ」
それがどんな意味なのかを聞く前に、高坂はウオークマンのイヤホンを耳に当て、目を閉じてしまった。
再び春日部さん達に視線を戻す。すると、ちょうど男が春日部さんのスカートから手を抜き取っているところだった。
その指がぬめりを帯びた液でぬらぬらと光っているのに、斑目の両目が吸い寄せられる。
男は濡れた手を拭きもせずに、そのまま春日部さんの細い手首を握りとった。いやいやと首を振る春日部さんを無視し、その手を自身の股間に近寄せる。
男のジーンズは不自然に膨らんでいて、明らかに勃起している事がうかがい知れた。
その膨らみに春日部さんの右手を導くと、男は自分の右手を上から多いかぶせ、春日部さんの手から自由を封じた。そのままごしごしと猛った己の物を上下に擦り始める。
当然、春日部さんの神経にも、男のものの硬く熱い感触が送られている事だろう。いまや深くうつむいてしまった顔から表情を読み取る事はできないが、また羞恥に頬を赤くしているのだろうか?
重なり合った二人の手の動きはゆっくりから徐々に強さを増していく。男は残った左手を器用に手の隙間にもぐらせ、ファスナーを一気におろした。
下着はつけていないのか、勃ち上がり膨張したそれが直接べろんと露出した。太いそれを今度はじかに春日部さんの手に握らせる。
わざとくびれの部分に指がかかるようにさせると、再び男は己の手を重ね、緩急をつけて上下に激しく擦り上げた。
春日部さんの手が上下するたびに、男のものはまるで生き物のように大きさを増し、てらてらとした透明な蜜を吐出する。
春日部さんはますます顔を下げ、肩に掛けたバッグの紐を左手で固く握りしめている。よくよく見れば、その頬には一筋の涙の痕が残されていた。
「そろそろ降りないと…もっと遊びたかったけどオシマイだね」
そういうと男は、手の動きをいっそう早めた。先端の敏感な部分をぐりぐりと親指で刺激させたり、手を滑らせるようにして幹全体をさすり上げたりと大胆な行動が多くなる。
次の瞬間、男のものはびくびくっとしたかと思うと、白く濃い粘液を多量に放出した。吐き出された粘液は、春日部さんの繊細できれいな右手をひどく汚らしく、べたべたと汚していた。
次の駅で、男は降りた。そしてさらに十数分後、そこから二つ先の駅で、斑目たち三人もこの悪夢のような電車から開放された。
「…っトイレ行ってくる」
春日部さんは、ホームに降り立つとすぐにそう言った。その声は普段のものより掠れ、どこか強張っていた。怯えた様に左右の目をせわしなく動かしながら、けれど有無を言わせぬ口調に、二人は何も言う事ができなかった。
事実、彼らが何か言う間もなく、彼女は一人走って改札を抜け、トイレの方向へと駆けて行ってしまった。
その後姿を見ながら、斑目と高坂はゆっくりと改札を通り抜ける。春日部さんがまだ当分トイレから出てこないであろう事を見越すと、斑目は高坂を人気のない通路に呼び寄せた。
「高坂」
「なんですか?」
斑目の声が強張っているのに気づかないのか、それとも気づいて知らぬ振りをしているのか。
高坂の声はいつもと同じほわほわした調子で、微塵も緊張を感じさせない。
「お前、気づいてただろう? 春日部さんが…」
「ああ、咲ちゃんが痴漢にあってた事ですか」
こともなげにそういった高坂に、斑目の顔付きが変わる。驚いたように目を見開く斑目のその姿に、けれど高坂は全く動じず言葉を続ける。
「あれくらい大丈夫ですって。咲ちゃんって結構淫乱なんですから。
それにココ最近忙しくてしてあげられなかったから、ちょうどよかったんじゃないかな? ふふ、あんなに喘いじゃって…」
先ほどの咲の痴態を思い浮かべ、くすくすと唇に笑みを浮かべる。
非道な言動とは裏腹に、彼の表情は、お気に入りの玩具で遊ぶ幼い子供のように邪気が無く、ひどく穏やかだった。
「お前…」
その少しも気にかけていない高坂の様子に、思わず語気が荒くなる。自分でも意識せぬ間に、硬く握っていた斑目の拳が、瞬間、肩の上へと振りあげられた。
伸びた爪が硬く手のひらに食い込んでいたが、目の前の男に対して沸いた強すぎる怒りのせいで、既に痛みを感じる余裕は存在し得なかった。
斑目にとって、咲は手に届かぬ高嶺の花そのものであった。決して媚びず、揺るがず、逆境にあってもりんと咲く一輪の花。
その名の通り美しい花弁を咲き誇る彼女の姿に、初めて部室で会ったときからずっと惹かれ続けていたのだ。
自分とは明らかに違う人種。自分などが好きになってはいけない女性。だからこそ、その彼女が唯一認めた高坂真琴という男がこんな人間だという事に、ひどい嫌悪感がした。
力を込め、何も考えずただ殴りかかる。
――だが、次の瞬間、鈍い痛みを覚えたのは斑目のほうだった。斑目の振りかぶった拳は、どこにも掠ることなく簡単に避けられたうえ、高坂から強く体重をかけた蹴りを下腹部に当てられたのだ。
腹ばいになってうめく斑目に、高坂は天使のようににこりと笑いながら言った。
「聖人ぶるのはやめましょうよ」
「なっ…」
「斑目さんだって興奮してたでしょう?」
途端に、目の前が暗くなった。それが痛みのせいではなく、自分の心にある濃い闇を見透かされているからだと、斑目には分かった。
そうだ、どうして俺はあのときすぐにとめなかった。春日部さんを連れて降りる事はできた。大きな声で助けを叫ぶ事もできた。なのになぜ自分はそれをしなかったのか。
「それは…」
「どうせだから見てるだけじゃなくて一緒に触ってあげればよかったのに」
「俺は、俺には…そんな、こと…」
声が震え、しどろもどろになる。ぶちゅぶちゅと吐き出される己の中のどす黒い膿は、深い底なしの沼を生み、自分はその膿の中に溺れ沈んでいる。
「分かりますよ。先輩は自分が咲ちゃんに手を出せない事を知っている。だけど欲望だけは際限なく膨らんでいく。だから…」
だから、その代償にしたといいうのか? 奴の手を自分の手だと想像して。奴に向ける甘い声を自分へのものだと夢想して。彼女の恐怖も恥辱も忘れ、ただ自分の性欲を満たすためだけに。
「…っ」
その場にへたり込み動かなくなった斑目に、高坂が再び声をかけることは無かった。
彼が去っていく足音を背中で聞きながら、しかし斑目は立ち上がる事もできずにいた。 (終)
萌えぽぬるぽ!
グッジョォォブ!いいよ、切ないよ斑目
最初読んでて電車男になるのかと思ったら、何この鬱展開すげーいい
痴漢描写も萌えたし、あんた俺のネ申
すごいドキドキした。なんか最近ここのSSレベルたっかいなあ。スレたっていの一番にあげたヤツとか恥ずかしくて消したいよ
そういや高坂鬼畜の凌辱→咲&斑目orz話がやおいスレであったけど、あれもかなりすごかった。苦手な人でも一見の価値あり。
なんつーか
高坂はSだけれど鬼畜ではないと思うので違和感を覚えた。
>>438 個人的にはむしろ自分で咲ちゃんに電車内いたずらして痴漢プレイ
「ほら、声だしたら聞こえちゃうよ…?」
てなかんじのが高坂だと思っていた
440 :
426:05/01/18 00:52:24 ID:HUyrLvSa
感想下さった方々、ありがとうございます。
このスレはラブラブ話が多いんで、こういうダークなのはどうかと思ったんですが、
何とか受け入れてもらえたようなので、ほっとしました。
また機会があったら、他のカプも書かせて頂きたいです。では。
今オギー?モノ書いてるんだけど難しいね
東北弁っつかオギー弁
あとこのスレの先人達の設定色々パクってるんで
もし嫌なら言ってね
>>441 荻上好きなんで楽しみにしてまつ。
頑張ってください。
>>441具体的にどの作品のを借りたかをいわないと、作者さんも了承もできないとおもわれ
つうかはなっから「木尾士目のぱくり」なのに今さらな気もする
今、咲×笹原書いてるんだけど需要あるかな?
ないなら名前を変えて他のスレで公開するので。
委員長が、北川の水虫を知らなかったら…というのを考え中。
あ〜でも大きく脱線できそうにねぇし。そもそも需要があるのかどうか…
なんだよなんだよこの挑戦ラッシュは!?
笹原荻上も笹原咲も委員会も楽しみだ!
特に後者ふたつはどんなんなるか想像もつかん
448 :
441:05/01/20 02:09:10 ID:rG5pVLE1
>>443 そいやそだな
設定パクリっつうか
くっつくまでの話はもうこのスレに何個かあがってるから
そっからの話書けばいいやって思ってな
まあそうなると筆さんのが一番多いから
筆さんに許可もらえばいいのかな?
別に許可もいらん気がする。ここは2chなんだし
ところで誰かいいんちょ×北川さん書いてくれまてんか
なんかあの二人のだと生々しくなりそうだなー
すいません。げんしけんと同じ作者が書いてた「五年生」のパロって、ここに投下したらまずいですか?
他にふさわしそうなスレが見つからないのですが…
うわ、すいません。素で見落としてました。
誘導ありがとうございます〜。
454 :
446:05/01/21 21:04:45 ID:AKR0RFVd
>>449 需要はあるみたいなので、まぁしばらく待っててくれ。
>>441 どうぞ使ってください。同じ設定からどんな話が派生するのか、すごく楽しみです。
456 :
名無しさん@ピンキー:05/01/23 22:24:29 ID:OezblS4w
期待age
初めてだから、全然自信なさ杉だけど、コッソリ降下。
変な所があれば脳内補正ヨロ。
***************
深夜。椎応大学サークル棟
いつもは朝方まであちらこちらに点いている明かりも、今日は珍しく一カ所だけだった。
閉めたカーテンから明かりが漏れるのは、現代視覚文化研究会の部室である。
中には会長の斑目晴信が1人。レポートの作成が一段落し、帰る前に一息ついている所だった。
もともとは自宅でやっていたのだが、誘惑が多い部屋では全く作業が進まなかった。
そこで数日前から、皆が帰ってから部室で行うようにしていた。
斑目は、すっかり冷めてしまったペットボトルのお茶を飲み干すと、背もたれに体をあずけた。
そのうち、連日の深夜作業の疲れから、うとうととしかけた時。
「はぁ〜い!げんしけんのしょくーん・・・って斑目だけか」
春日部咲が、勢いよくドアを開けて入ってきた。
かなり酔っぱらっているらしい。乱暴にドアを閉めると
あちこちぶつかりながらパイプ椅子に体を投げ出すように座った。
「アンタ、こんな時間まで何やってんの?」
「レポート作成。これ出さないと単位ヤバくてね。春日部さんこそ、こんな時間にどうしたの?」
「いやさ〜。よく聞いてくれました。
実はさ、学科の友達と飲んだ帰りなんだけど、帰る途中にサークル棟の前通ったら
電気点いてるじゃん。
もうこりゃ、オタクのヒミツ儀式かよって。それじゃあ、見るしかないじゃん!!!
でも、入ったらアンタしかいなくてツマンネー訳。わかった?」
ここまで一気に喋ると、咲はゲラゲラと笑いながら机を激しく叩いた。
(うわ。大分酔ってるな、こりゃ)
「あー悪かったねつまんなくて。でももう帰るところだし」
そういうと斑目は机の上に広げていた資料を纏めて、帰り支度を始めた。
「ちょっと!ちょっと!ちょっとてば!!せっかく来てやったんだから、少しは相手しなさいよ!」
咲は立ち上がると、斑目が纏めかけた資料を右手で押さえつけ、アルコールで赤く火照った顔に
不満げな表情を浮かべた。
「・・・。はいはい。分かりましたよ。相手します、しますよ、しますってば」
帰るのは無理と悟ったのか、斑目は両手を上に挙げ、諦め顔でやや投げやりに答える。
その答えに気をよくした咲は、満面の笑みを浮かべて着席して、喜々として話を始めるのだった。
かれこれ30分は話しているんじゃないだろうか。
咲はあれからずっと話続けている。途中うとうとしながらも
斑目は咲の話をなんとか聞き続けていた。
「・・・な訳よ。アタシが居るのに、なんであんなゲームする訳。未だに分かんねーし。
そう思んない?」
突然話を振られ慌てた斑目は、内容も分からないまま肯定の意の相づちを打つ。
「でしょー。エロい事したかったら、目の前にいるつうの。なのにさー」
どうやら高坂の話だったようだ。エロゲをやる暇があったら自分の相手をしろ、という事か。
「まあ・・・そうねえ」
斑目が曖昧な返事をすると、咲は突然テンションを上げ、詰め寄るようにえらい剣幕で捲し立てた。
「なに、そのどうでも良さ気な返事!やっぱりアンタらオタクは現実の女より絵か?」
「んな、突然言われても・・・」
「なんなのよ、どうなのよ!それとも、やっぱり絵か?絵なのかー!!」
しどろもどろな斑目。
「いや・・・だから・・・・オレは・・・」
(絵よりも春日部さんがいいです、なんて言えるかっつうの・・・)
斑目は咲の事を好きだった。
オタクの自分が、一般人でしかも後輩の彼女である咲を好きだなんて言えるはずがない。
そういう訳で斑目は何も言えずにもごもごとするしかなかった。
「なんで〜どうして〜!!!!」
斑目の考えている事などお構いなしに咲のテンションは更に上がっていく。
「納得いかねー!いいか、例えばだ。オマエらが大好きな絵は触れるのか?
見てるだけで満足なのかっ!」
そう叫ぶと咲は、斑目の手を取って自分の胸に押しつけた。
「どうよ。絵にこんな感触があるか?んん?」
斑目の手を、感触を味わせるように、自分の胸の上で動かしながら
咲は斑目に顔を近づけて挑発的ににやりと笑う。顔にかかる息が酒臭かった。
(オレ・・・春日部さんの・・・胸・・・触ってる・・・?)
頭の中はスパークしたように真っ白だ。手のひらには
今まで感じたことのない柔らかな感触が広がっていた。
目の前には、春日部さんの顔があって。
その春日部さんが、オレの手を掴んで自分の胸を触らせていて。
顔が熱くなっていくのが分かる。これは一体何なんだ、何が、オレに起こっているのか。
「どう。これでも絵の方がイイって思うの?」
尚も手を緩やかに動かしながら、咲が斑目に問いかける。斑目は答えない。
「顔、赤くなってんじゃん。イイでしょ、現実の女」
斑目は咲を見つめたまま、何も答えない。正確には、答えるだけ頭が回っていないのだが。
何も答えない斑目に咲は少し苛ついた表情をすると、もう片一方の手も自分の胸に持っていく。
「好きに触っていいよ。アンタだって本当は絵なんかより、現実の女の方がイイって思ってるんでしょ。」
最初、咲の手の下の斑目の手は、何の反応も無かったが、そのうち自分の意志で動かし出した。
咲が自分の手を離しても、斑目の手は、規則的にゆっくりと咲の胸の上で円を描き続けた。
(勝った!!!)咲はそう思った。
現実の女、つまりは咲自身であるが、に性的欲求を示した斑目の行動は
2次元に対して勝ったと思わせるのに十分であった。
咲はニヤリと笑いながら、斑目の耳元に口を寄せてこう囁いた。
「ほら、いいんじゃん。現実の女が、アタシがイイんじゃん」
パチ。と頭の中で何かが切れた音がした様な気がした。
斑目は突然立ち上がると咲の胸を触っていた手を離し、そのまま咲を抱きしめた。
「ちょ、ちょっと!痛いんだけど」
自分を抱く手を振り払おうと体を捩るがビクともしない。酔っていて全然力が入っていないのだ。
「何調子こいてんだよ!離せ!」
凄んでみても全く効き目がない。いつもならこのぐらい叫べばビビるはずなのに・・・。
ここで自分を抱きしめている斑目は、いつもの斑目と全然違うのだ。
(これ、ちょっとやばい・・・)
そんな咲をよそに、斑目は咲を抱きしめたまま、咲の唇に自分の唇を重ねる。
(げ、キスされてる・・・)
尚も振り払おうと抵抗するが、全く意味をなさない。
それどころか、更に強い力で咲を抱きしめてくる。
抵抗する咲など気にせず、斑目はキスし続ける。
最初はただ重ねるだけのぎこちないものだったが、数を重ねるうちに、咲の唇を味わうようなものに変わっていった。
時には軽く吸うように、また唇を味わうそうに、そんなキスを休みナシに続けていく。
斑目の舌は咲口の中に入ろうと試みるが、咲はそれを拒否し続けた。
しかし、長いキスは咲の肺から徐々に酸素を奪っていく。
鼻で息をすればよいのだろうが、突然の事態にそんな事も忘れてしまう。
そのうち我慢しきれずなった咲の口が、酸素を求めてふっと開く。
その隙を逃すことなく斑目の舌が先の口の中に入り蹂躙する。
いつもと違う感触が、口の中に、舌に、上あごに、絡みつく。
アルコールで敏感になった咲の体は、ぎこちない斑目のキスにさえ、反応を始めてしまう。
いつしか咲は自分から舌を絡めていた。頭の奥が痺れていく様な感じがする。
(斑目との・・キスで・・こんな・・・感じて・・私・・・なんで・・)
キスをしながら、斑目は咲を抱きしめていた手を離し、咲のニットの中に手を潜りこませていた。
咲は自分の体が自由になった事にも気づかず、浮かされた様に斑目と唇を重ね続けている。
熱を帯びた咲の体を上へと滑らせると、柔らかな膨らみを覆う下着の上に手を重ねる。
弾力を楽しむように軽く持ち上げるながら揉んでいくと、固くなった突起が下着越しでもハッキリと分かった。
斑目は固くなった突起を下着越しに爪で弾くように刺激してみる。
「はっ・・・い・・あん・・・」
ぴくん、と体を震わせると、重ね合う唇の合間から、堪えきれないように甘い声が漏れた。
(ダメ・・そんな・・・カンジたく・・ないのに・・)
その声を聞いて、斑目の手の動きが激しくなっていく。
弾みで咲のフロントホックが、ぱちん、と小さな音を立てて外れてた。
下着が外れたことに気づいた斑目は邪魔なソレを払いのけると
そのまま固くなった突起をぎゅっと痛いぐらいにつまむ。
「あああっ!・・・い・・・ダ・・ダメ・・・」
不意に襲った快楽を伴う痛みに、思わず言葉が出てしまう。
斑目は唇と離し、咲の体をテーブルの上へ寝かせると、セーターを首までたくし上げた。
生で見る咲の胸は、想像以上に綺麗だった。
大きさこそ大野には負けるが、一般的に見て咲の胸は大きかったし、
何より下着から解放されて尚、ツンと上を向くその形は見事だった。
その胸が今、大学の構内で、外気にさらされ、そして、先輩である斑目の前に晒されているのだ。
咲本人といえば、元々の酒酔いに重ね、斑目からのキスと乳房への愛撫で与えられた快楽によって
思考がまとまっていない。
今もこうして、おとなしくテーブルに寝かされたままで居るのが、よい証拠である。
(部室で、アタシ、何んで、こんなこと、シテル、のかな・・・)
ふと、目をやると、胸をはだけた自分を、無表情で斑目が見つめていた。
ココまで聞こえる程、斑目の息は荒い。
(斑目・・・何、やってんの。何で、アタシ、視てる・・の・・・)
不本意とはいえ、体の中に仄かな火を灯され火照る体が、視られるという行為に疼きはじめる。
その疼きに耐えられなくなった時、咲が体をぶるりと振るわせると
合図とばかりに斑目は咲の胸へ顔を近づけた。
ちろり。舌を伸ばし、固くなった咲の突起を舌先で刺激してみる。
ぬるっとしたその感触に、咲はまた体を震わせてしまう。
今度は、突起全体を口に含み、軽く吸ってみる。
その感じに、体を震わせながら、咲は甘い声を漏らしはじめた。
「ああ・・・・ん・・・」
頭が痺れてどうしようもない。咲は体を襲う快楽に素直に従いはじめていた。
斑目は、空いている方の胸を手で刺激しながら、口で、舌で、咲の突起を舐る。
こういう事は初めてなのだろう。斑目の愛撫はやや乱暴でぎこちないものであった。
しかし、高坂の的確な愛撫に慣れている咲にとっては、ソレが逆に新鮮で快楽の高まりを加速させる事となった。
「いい・・・キモチ・・・イイ・・・」
熱に浮かされた様に口走る。斑目は、咲の胸から顔を離し、再び咲に唇を重ねる。
舌を絡め吸い、お互い貪るように激しくキスを繰り返す。
むちゅ・・・ちゅ・・・
一頻りお互いの唇を味わうと、どちら共なく重ねた唇を離した。1本の糸が天井の照明によって怪しく光る。
はぁ・・・咲の唇から思わず艶めかしいため息が漏れる。
斑目は、目をトロンさせる咲にもう一度軽くキスすると、その唇を首筋へと動かしていく。
舌でその細い首を耳元までなぞり、小振りな耳に舌を入れる。
ぐちゅり、と耳元で音がして、咲は大きく体を跳ねらせた。耳は弱いのだ。
耳たぶを軽く噛み、奥まで舌を入れ、咲を刺激続ける。自分の舌の動きに合わせるように、咲が身を捩らせる。
暫く耳を刺激した後、首筋を、今度は唇で軽く啄むようにしながら下がり、最初より紅く固く尖った突起を口で転がす。
絶え間なく続く快楽に、咲はココが大学構内であることも忘れ、喘ぎ続けるしかなかった。
「あぁ・・イイ・・イイ・・の・・」
焦点の定まらない目の咲は、斑目の背中に手をやり、大きく胸で息をしながら、わき上がる快楽に身を委ねていた。
その内、斑目の手がそろそろと下がり、咲のミニスカートをたくし上げてた。
(あッ・・・)
反射的に咲は足をこわばらせてしまった。
先ほどから斑目から与え続けられている快楽で、咲は既に自分でも分かるぐらい濡れていた。
それでも、普段、バカにしている斑目の手で、自分がどんなに感じているか、ソレを知られるのが恥ずかしかった。
だが、斑目は太股に手を這わせ足の付け根まで動かすが、それ以上奥に行くこともなく、付け根付近を撫でるだけだった。
その行為は奥に進む決心が付かないが故の事だったが、今までの愛撫で全身の快楽に火が点いた咲にとって、ソレは焦らされる行為と同じであり
、それにより高まる快楽が、恥ずかしいと感じる咲の僅かに残った理性を消し去るには、そう時間がかからなかった。
こわばっていた脚から、徐々に力が抜け、咲の口からは再び甘い声が漏れ始めると、斑目の手が意を決したように、奥へ滑り込んだ。
そこは、今まで触った何処よりも熱く、布越しでも分かるぐらいビショビショになっていた。
奥から溢れ出る蜜で、咲のショーツはピッタリと張り付いて、その形がハッキリと感じられた。
その形に沿ってすっと手を引いてみる。引き際に突起に当たった様な感じがした。
「ぁああああっ」
今までにない声を出しながら、大きく背中を撓らせる咲。その姿が更に斑目を欲情させていく。
上に引いた手をそのままショーツの中に入れると、熱く湿った茂みの中をまさぐり始める。
ぐちゅぐちゅと溢れ出すその場所を見つけると、直接その秘裂を何度もなぞる。
ぐち・・・ちゅ・・・じゅぶ・・・
自分がなぞればなぞるほど、蜜は更に溢れ出す。
斑目は咲の胸から顔と手を離すと、咲の秘所を隠す邪魔な布を、ぎこちなく取り去って行く。
ショーツと秘所の間には快楽の証が糸が引いている。
「あぁ・・・」
恥ずかしさの余り、思わず声が出る。
(アタシ・・・斑目・・なんかに、大事な所・・・視られ・・・てる・・・)
その事実が、咲の羞恥心を高ぶらせ、ソレが快楽をさらに高めていく。
ショーツを取り去り、咲の膝を掴み脚を大きく開かせると、咲の秘所に目をやった。
初めて見るそれは、自分によって与えられた快楽により、開いた花弁がヒクヒク蠢き
その中からは絶え間なく蜜が溢れ出していた。
鼻をくすぐる甘酸っぱいような独特の香りに誘われて、斑目はそっと口を付け、その蜜を味わった。
もっともっと欲しくて、夢中になって音がするほどに激しく啜る。
「ああっ!や・・だめぇ・・・!」
全てを舐めとるように舌を中まで伸ばされると、咲はその温かさ、感触を自分のうちに感じてしまう。
責められる度に、更に蜜がとろりと流れだし、それは止まることを知らなかった。
(どうして・・・こんなに、キモチイイの・・)
斑目は一旦、口を離すと、人差し指を蜜が溢れる秘裂に沈めた。
指が1本入っただけなのに、膣壁がきゅうきゅうと吸い付き、斑目に悦びを教えていた。
指先を軽く曲げてゆっくりと出し入れすると、ぐちゅぐちゅと淫らな音を奏で始める。
「んぁっ!ふ・・・は・・・。イ・イイ・・・の・・・」
脚を突っ張らせ、快楽に体を撓らせる咲の体からは、大量の汗が噴き出して、キラキラと光っている。
手の動きを徐々に早めながら、既に捲れた包皮から覗く肉芽を舌で突いてみる。
「んぁあああっ!」
体を震わせて、咲が大きな声を上げる。軽くイッてしまったらしい。そこで、今度は強めに吸ってみる。
「ダメッ、ダメなのぉ!そんな吸われたら、アタシ・・・ダメェ・・・!」
軽くとはいえ、一度達した体に容赦なく加えられる刺激。
咲はもう何も考えることができず、自分を襲う快楽の波に身を委ねていた。
斑目は膣内から指を抜くと、咲の口元に差し出す。美味しそうに自分の指を舐め出す咲。
その淫らな様子は、斑目をますます欲情させるのだった。
いつの間にか下半身の着衣を脱いでいた斑目が、咲の脚を自分の方に引き寄せる。
膣口に自分のモノをあてがうと、一気に沈めていく。
「はぁぁぁん!はいって・・・奥まで・・!」
一気に広げられた感触に思わず声を上げる。その顔には明らかに悦びの色が伺えた。
容赦なく吸い付く咲の膣壁に、入れただけで達してしまいそうになるが、なんとか思いとどまる。
そのまま暫く動かず、咲を見つめた。
快楽に体を紅く染めている咲。自分とつながる場所は咲から溢れる蜜で濡れぼそり、机には大きな水たまりを作っていた。
何度想像したか分からない。頭の中でどれだけ春日部さんをを犯したことだろう。
それが今こうして偽り無く本当にオレは春日部さんを犯しているのだ。
・・・・・
程なくして、ゆっくりと斑目は動き始める。
はじめはおずおずと動かすだけだったが、やがて激しく打ち付けるように腰を動かす。
それに合わせ咲は言葉にならない言葉をうわごとのように繰り返す。
「はぁ・・・あん・・・!イイ・・・ま・・だ・・らめ・・キモチ・・イイ・・よぉ!」
不意に呼ばれた自分の名前に、一瞬動きを止めたが、すぐに咲の膣内をかき回すように再び動き出した。
「スゴィ・・・イイッ・・!もっと・・もっとぉ!」
もっと快楽を欲しいと咲も自分から腰を動かしていく。
「ああ・・ダメぇ!このままじゃ・・・イクっ・・・イクのぉ・・・!」
絶頂が近づく咲の膣内は更に狭まり、それが斑目の絶頂も近づけていった。
斑目は咲に被さり、激しいキスを繰り返しながら、ただガムシャラに突き上げていく。
唇を離し、咲の耳元に口を寄せ、息も絶え絶えに囁く。
「春日部さん・・好きだ・・・」
その声も、自分が与える快楽に飲み込まれた咲には届いているのか分からない。
すきだ・・・と何度も繰り返しながら、絶頂に向かってさらに突き上げる。
「あぁぁ!いっちゃう・・・いっちゃうよぉ!あぁぁぁああああッッッ!」
そういうと咲は、今までになく大きく体を撓らせながら達すると、そのまま気を失った。
それに合わせるかのように、斑目も大きく一回打ち付けると、急いで引き抜くと、咲の胸に白濁液をぶちまけた。
部室には斑目の荒い息だけが響いていた。
斑目晴信は悩んでいた。
昨日、勢いと流れとはいえ、春日部さんと最後までヤッてしまった。
そりゃあ。終わった後、自分がはき出したものと、春日部さんの脚の間を綺麗にふき取った。
脱がした下着も履かせたし、外れたブラのホックも、30分ぐらい格闘した結果、何とか元に戻した。
服も戻したし、気を失ったままの春日部さんを、椅子に座らせておいた。
机も床も拭いたし、拭いたティッシュは袋に入れてコンビニに捨てた。
匂いが残ってたら困るから、ファブリーズだって念入りにした。
兎に角。証拠隠滅は出来るモノは全部した。
が、いかんせん。他人の記憶はどうにもならない。
あれだけ酔っていたし、覚えていないといいのだが、万が一覚えていたらと思うと−。
部室に行くこともできず、サークル棟の自販機までうろうろするばかりだった。
「ま〜だ〜ら〜め〜さ〜ん〜」
不意に後ろから声をかけられて、ビクッとしながら振り返ると、ソコにいたのは笹原完士だった。
「お、おぅ。どうしたね」
動揺を悟られまいと、努めて平静に答えている”つもり”の斑目。
笹原はその不審な動きに首を捻りながらも、用事を告げる。
「そうそう。部室来て下さいよ。春日部さんが聞きたいことがあるって探してるんです。」
背中にいや〜な汗が垂れるのが分かった。やっぱりあんな事して、覚えてない訳ないのだ。
逃亡も考えたが、ココは男らしく覚悟を決めると、笹原と共に部室にむかうのだった。
ガチャ。ドアを開けると、自分以外の全員が揃っていた。
昨日あんな事があったとは思えない和やかな部室。一瞬、アレは夢なのではと思ってしまう。
笹原に勧められて、咲の正面に座らされると、おずおずと咲の顔をみる。
「斑目さ、昨日アタシが部室に来た時、居たよね?」
予想外の問いかけ。どういう事かイマイチ飲み込めず、聞き返してしまう。
「居なかった・・・?春日部さん、覚えてないの?」
「いや、部室に来た事は覚えてるんだけど、その後が全然思い出せないんだよね。
確か、アンタがいた様な気がするから、何したのか教えて欲しくてさ」
バツが悪そうに頭に手を遣りながら話す咲。どうやら本当に覚えていないらしい。
春日部さんの事だ。覚えていたら、朝イチでオレをボコボコにするはずだ。
体中から力が抜けるのが分かる。。
「え、なにその態度。昨日なんかあったの?」
「・・・。いや〜覚えていないとは。」
安心している事を悟られないように、わざと演技がかった言い方をする。
「酔っぱらって入ってきたと思ったら、30分も話につき合わされて。挙げ句寝ちまうし。」
「げっ。んな事してたのか。全然覚えてない。・・・つか、起こせよ。朝起きたら部室でビビったっつの」
「オレは起こしましたよ。起こしたら腹殴られたんすけど。コレも覚えてイラッシャラナイ?」
今朝、布団の中で一生懸命考えた嘘を話す。
「いや、マジでごめん!」
顔の前で手を合わせると、本当に済まなさそうに謝る咲。
(謝るのはオレの方だよ・・・)
「咲ちゃんダメだよ〜。記憶が無くなるくらい飲んじゃ」
咲の彼氏である高坂が、いつものようにニコニコとしながら咲を諭す。
「そうだね。部室で寝る程とは女としてヤバいしね。体も頭も痛いし、いい事ないよ。」
「春日部さんが酔うなんて、意外だな〜」
「咲さん、私と飲むときはそんなに飲んでくれませんよね。どうしてですか〜」
「お前がザルだからだよ。一緒に飲んでたら体がもたん」
「そ、そういえば、この間みんなで飲んだ店の隣に、た、食べ放題の店ができてたぞ」
「おお、オレも見たよ。結構よさげだよな。今度そこに行ってみっか?」
「いいっすねー」
話題は既に移っていた。部室はいつもの雰囲気に包まれていた。
「・・てますか。斑目さん?」
笹原に呼ばれて慌てて聞き返す。
「んぁ、何だ。全然聞いて無かったわい」
「なぁに、考えてたんですか〜」
「いや〜、今週のくじアンがのぅ・・・」
昨日のことは忘れよう。そう心に思う斑目だった。
「斑目くん」
不意に後ろから声をかけられて振り向くと、そこには初代会長がいた。
「うぉ!・・・って会長じゃないっすか。ビックリさせないで下さいよ。」
「あのね」
「はい・・・?」
「勢いとはいえ、部室ではダメだよ」
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ななななななななななんfqswでftgふじこ
斑目の頭はパニックになった。なんで初代会長が!!!
「会長!なんで・・・・っていないのかよっ!」
斑目は初代会長の恐ろしさを実感しながら、廊下にへたり込むのであった。
長くてゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ・・・
初めてリアルタイムでネ申降臨に立ち会ったよ!
神GJ!GOOD JOBじゃなくてGOD JOB!!!!
俺も初めてリアルタイムで読めました…すごいよかったよー。
これからまた読み直すよ。GJ!ホントにありがとう!
>>474 乙!
そしてGJ!
激しくハァハァさせてもらいました!
オギチン・・・少しずつふくよかになってきてないか?
おいらのストライクゾーンは140/95でも余裕なんで別にいいが
諸兄らの中には死活問題な方もいらっしゃるのでわ?
今月号読んで、新作のプロット没決定orz
練り直さないと…。
480 :
名無しさん@ピンキー:05/01/25 20:10:59 ID:iT51tFre
何があったの?
>>474 _ト ̄|○
絞り尽されました。
表現がエロ過ぎ。キャラ性格OK。読後感さわやか。
まさに完全無欠
482 :
名無しさん@ピンキー:05/01/25 23:08:12 ID:OS2o/4O4
今回の原作は上手く生かせる気もするし、
なにやら軌道修正しなきゃいけない気もするな
(いやマジに違う…)とか言われちゃったらなぁ…マジに、って
だがそれがいい。
最初はマジに違うのだが、周りに言われるうちに
自分でも気付かないうちに好きになっていく。
萌えるじゃないか。
485 :
名無しさん@ピンキー:05/01/25 23:34:57 ID:HCgZyfgO
斑目のスーツ姿、非常にイイッ
咲さん、あれに萌えてくれ。頼む・・・
ま、無理だろうけども
486 :
名無しさん@ピンキー:05/01/26 01:26:04 ID:x+HIX0er
>>474 凄いクオリティ高いな〜、純粋に楽しめた。オカズとしても。
本当に乙。また読ませてくださいなw
期待しとります。
生粋の斑×咲だが、気まぐれに荻話を書こうと思いたって挫折中。
荻属性がまたーくないので、キャラがつかめないのですよ(泣)
気晴らしに書いた超短い話だけど、見てやってくだせいヽ(´ー`)ノ
******************************
あ・・・ん・・・
あるアパートの一室から艶めかしい声が聞こえる。
この部屋の家主は斑目晴信。
先の声はもちろん家主である斑目のモノ・・・な訳はない。
声の主は春日部咲。斑目のサークルの後輩である。
今、2人は斑目の部屋で、裸でベットの上にいた。
横たわる斑目の上に咲が跨っている。
「いやぁ・・・斑目・・・キモチイイ・・・よぉ!」
更なる快楽を求めて、咲は髪を振り乱し、一心不乱に腰を振る。
繋がった部分が、じゅぶじゅぶと音を立てる。
下になる斑目も、咲の腰に手を伸ばし、自分でも腰を動かし、更に深く突いていく。
「んぁ・・・もっと・・・スゴイ・・イイ・・・」
快楽に身を委ね、感じるままに言葉を紡ぐ。
「中に・・中に・・チョウダイ。・・おね・・がい・・」
息も絶え絶えになりながら、お願いする咲。
「一緒に・・・一緒に・・・いこう・・・」
そういうと、お互いに激しく打ち付け合う。
「あッあッ・・・・いく・・・・いっちゃうーッ!!!!」
咲は、大きく体を弓なりにそらせて達すると、そのまま斑目の体に倒れ込んだ。
二人が繋がるところからは、溢れ出た蜜と白い液が流れ出していた。
サァァァァァ・・・・・
細かい水音が響く。斑目はシャワーを浴びていた。
足下には、白くドロリとした液体が、排水溝に流されかけている。
(オレ、何やってるんだ・・・)
激しい嫌悪感に苛まれ、思わず壁を叩く。
その音は、誰もいない部屋に空しく響くのだった。
******************************
力入れて書いちゃうと、前みたいにアフォ長になっちゃうから、
この位で〜。
GJ!こういう鬱なの大好き。
ここもにぎやかになってきましたね。よろこばしいことです。
と、そんな中で荻笹投下。
>>354-363のつづきになります。
「どうだった?」
「父が迎えに来るそうです。車で…10分ぐらいかかりますね」
一月三日。私は笹原さんのご両親に別れを告げた。今度は、
私の大切な人…笹原さんを、私の家族に紹介するために。
この人の…笹原さんの目に、私の故郷はどう写っているのだろうか。
雪の降る無人駅で、私達はただ父の迎えを待った―――。
「まんづ笹原さんはいい男だなやぁ。千佳もよぉ捕まえてきたのぉ。」
「はは…や、いい男だなんてそんな…」
笹原さんと父との対面は、何事もなく終わった。
父もどうやら笹原さんを気に入ってくれたらしい。
最近買った父自慢の『よんだぶるでー』で、家に向かう。
「髪の毛さ染めてるようなだらすのねぇ男とか、薄っ気味悪い オ タ グ だったら
ぶん殴ってやろうと思ってたけんど…笹原さんはしっかりすてるしの…」
「は…はは!そんなわけないじゃないですか!!!あはは!!…は…。」
≪さ…笹原さん…≫
≪…何も言わなくていい…嘘は隠し通せば嘘じゃない。嘘じゃないんだ…≫
「お?ないしょばなすがぁ?仲良きことは美しき哉、だははは!」
もしこれがげんしけんの他の男性陣だったら…
さ…笹原さんが一見普通に見えるタイプで本当に良かった…
「で、どごまでやった?チッスぐれぇすたのが?」
「いや…その…」
「お?もっどがぁ?おめ、はぁ千佳ぬぷっ刺すてんのが?ん?」
「とっちゃ!!恥ずかすいべや!!」
「だはは、笹原さんは見かけぬよらず手が早えのぉ?」
「んだら籍さすぐ入れた方がいいべや。式は千佳が大学さ出てからんすべぇ。
今は女も大学さでたほうがいいがらな。金ならすんぱいすな。いぐらでも出す。
まあ細けえごどは笹原さんのご両親ぬ相談すて…」
(…籍?…そうだ、笹原さんと結婚さしたら…わだす…『笹原千佳』になんだ…)
(ささはらちか…やんだぁ!!なしてこんなにぴったすなんだべ?)
(さ…笹原さんのこと…『完士』って呼ばねえと…か…かんじ…きゃー!きゃー!)
「…おーい、ついたどー。」
「ひゃっ!!!」
「…なぬすてんだおめは。ほれ、降りた降りた。」
…いつのまにか家についてました。…ま…真っ赤になって妄想してるとこ…
見られちゃったかな…父っちゃには見られたと思うけんど…笹原さんは…
いつもの優しげな目で…こころもち嬉しそうに…やっぱり…見られた…
私は真っ赤になったまま車を降り、足早に家の中へ向かった。
「あ…どうも。笹原です…」
じいちゃん、ばあちゃん、父、母、それに弟。
家族がそろった居間で、笹原さんへの歓待が行われた。お客様といったらごちそう
といわんばかりに、祖母と母がはりきって作った料理が並べられている。
「あいやぁ、ほれ千佳が東京のいい男さ連れで来たよお」
「東京の大学ゆかせでほんどえがったなあ」
(い…いい男?俺、こんなにいい男って言われたのうまれてはじめてだよ…)
(若いなら誰でもいい男ですよ…なにせ青年団が老年団になるくらい若者少ないですから)
(そ、そうなんだ…)
「ねえちゃんが男連れてくっとはなあ。弟のかおるです。」
「あ…笹原です。」
「笹原さんてやっぱすホモなんだべが?」
「え?」
「ねえちゃんはふづうの男よりホモの方が好きだでな…ん?
でも何で姉ちゃんとくっついたんだべ…バイセクサルつう奴だべが?」
な…なにを言い出すんだかこのバカ弟は!!
「だぬこの!!!笹原さんはホモでねえぞ!」
「んでもねえちゃんの部屋さホモの本でいっぺえだがら…笹原さん、
胸がねくて男みでえなねえちゃんで我慢しでんのがど思って…」
私は近くにあった『酒田園芸通信』を丸めて、弟の頭に振り下ろした。
いい音がした。きっと頭がからっぽだからだろう。
「まんづねえちゃんは乱暴者だ…こういうんが子供を虐待すて捕まるんだべ。
おっそろし…笹原さんもさっさどわがれたほうがいいど。」
「じづねえどっこの!!そんただことかんげえるのはこの頭かーーー!!」
今度は二発。こうすれば弟の悪い頭も少しはよくなるにちがいない。
「これ!いや、笹原さんぬはぉ見苦しいとごをお見せすて…」
「はは…まあ、きょうだいなんてこんなもんですよ…」
歓待は深夜にまで及び、『今回は挨拶だけ』ということを理由に終わった。
「みんないい人だね。」
「そうでもないです…その…弟はほんとバカで…ホモとか言ってすいません。」
「いいよ別に。…本当にその…いっぱいあるんだね…本とか。」
「はい…どうしても捨てられなくて…溜まって行く一方で…」
「どうしたもんかねぇ…ま、これも何と言うか…
永遠の悩みだからね、こっち側の人間としては!」
「そうですね。」
「斑目さんなんかはパソコンを使って何やら整理してるらしいけど…」
「パソコンで?」
「うん。今度聞きにいこうか。」
「そうですね」
「ふう、今日は疲れた…おやすみ」
「おやすみなさい」
私達は部屋へ――私の部屋へ引き上げ、早々に眠ることにする。
外の雪は、いつのまにか風を伴い、吹雪となっていた―――。
一度は眠ったものの、私は雷の音で目を覚ました。まだ、暗い。
そして寒い。眠い。私は目を閉じ、寝返りを打ってふとんに潜り込む。
浅い眠りの中、私はふとんの中に何かいいものがあることに気づいた。
何かいい香りがする。暖かくて…気持ちいい。
もっと、そばに…うん、何だか満たされた気分。
遠き日の優しい思い出が、心の中を満たしてゆく。
父と祭に行って、遊び疲れ、背負われて帰る時、まどろみの中で感じたもの。
父の優しさ、父の背中、父の強さ、そして…男の人の、におい。
ずっと忘れていたもの。でも…私は最近それを思い出した。
それが――とても気持ち良くて、安心で…大好きだった気持ち。
そう、わたしは、それが、大好きだった。大好きな人―――
初めは頼りなかったけど、どんどんかっこよくなって、頼れる人になって…
いつのまにか、私を夢中にしてしまったあの人。私の、大切な…人―――
「さ、ささはらさん…?」
「…目、覚めた?」
「は、はい…」
「いい夢みてた?」
「は、はい…」
私は…私は…笹原さんに自分から擦り寄って…
笹原さんの胸に…ほ…ほおずり…とか…しちゃってて…
「好きなようにしていいよ。さあ…」
「…このまま…なでてください…」
笹原さんはその通りに、私を優しく抱き、頭をなでてくれた。
一なでごとに、心に霞がかかるのがわかる。何も考えられない。
顔が勝手に赤くなる。だんだん、体が…熱を帯びてくる…。
「したくなった?」
「…はい…したい…です…」
笹原さんに抱かれたい。いつものように、激しく愛されたい。
胸が高鳴る。もう――彼しか見えない。こんなに、彼のことが…好き。
「じゃあ…」
彼は…笹原さんは、ねまきの上から私の体をなではじめた。
背中を、おなかを、腰を。なんでもない場所を、軽く。
優しくなでられているだけなのに、とっても…キモチイイ。
「…荻上さん。」
彼の手が首筋を伝って、顔へ…そして、彼が私を慈しむように見つめる。
二人だけの、キスのサインだ。
(こんな…こんな状態でキスされたら…私…。)
私が目を閉じると、笹原さんが…唇が触れるだけのキスをくれた。
すでに限界の私は、それだけで軽くイってしまった。
「んはん…ささはらさん…おら…一人でねくて…二人で…」
「二人で…何をするの?わかんないや。教えてよ。」
「やんだぁ、もう…」
「冗談。俺ももう我慢できない。…しよ?」
彼は私の返事を待たずに自らの服を脱ぎ、私の服を脱がせる。
私の上に乗り、そのまま――行為をはじめる。
それを待ちわびていた私の体が心より先に反応し、
私はいやらしい――彼好みの――声をあげてしまう。
「あっあっあっ…んやぁっ…ひうっ…さ、ささはらさぁん…」
恥ずかしい…恥ずかしいけど…笹原さんが喜んでくれるなら…
私、彼好みの女になれたのかな?
「千佳の声…とってもかわいいよ。だからもっと…もっと聞かせて?」
もう私、この人なしでは生きて行けない…生きて、いたくない。
「笹原さん…おら…全部…全部見せっがらぁ…絶対に…離さねえで…」
「離すもんか…俺のはじめての…唯一の…最高のヒト…」
二人のこころが、一つになる。二人は激しく愛し合い、のぼりつめて、
その時をむかえる。心と体、二人の世界がとけあう、その時。
私は、彼のすべてに包まれながら絶頂をむかえる。
彼は、そんな私に彼のすべてをそそぎこむ。
私達は、そのままずっと抱きあっていた。
その時が永遠に続けばいいと、そう、思いながら―――。
「俺の…俺だけの千佳…ずっと…一緒にいようね。…約束だよ?」
「はい…一生…一緒に…いたい…デス…」
私の目から、涙があふれる。止まらない。でも、止めなくていい。
激しい冬の嵐にみまわれたこの夜、私達は永遠の愛を誓った。
翌朝。雲は晴れ、快晴となった。冬だと言うのに、暑いくらいだ。
「じゃあのお。」「あ、どうも…」
「千佳ぁ、早えうつぬまた来いよぉ」
大量のおみやげを持たされ、私達は帰路につく。
「ねえちゃん」「なに?」
「笹原さんはホモでねがったなあ。あんなぬ激すくて××だどは…」
「これ!××とがいうもんでねど。」
「だはは、笹原さんはみがげぬよらづ××だの。」
聞…聞かれてた!?あんな…あんな恥ずかしい告白とかも!?
「さ、さっさと行ぐべ!父っちゃ!送ってくれんだべ?」
「ではのー、笹原さん」「ではのー」
私は逃げるように、父の『よんだぶるでー』に乗り込んだ。
「もう父っちゃ…恥ずかしいべや…」
「はは…千佳ぁ、おめはほんどぬ笹原さんさあ好ぎなんだのお」
「え?う…うん…」
「だははは!笹原さん!千佳はあんだぬはあ夢中だがらな、幸せぬすてやってくれ」
「はい。必ず幸せにします。――必ず。」
「ん…本当ぬよがったよがった…」
「父っちゃ…」
冬の太陽を受けてかがやく、一面の銀世界と、空の青。
その光は、限りなく透明で、純粋で、優しくて―――
世界の全てが、私達を祝福しているように思えた。
これからどうなるのか――正直わからない。でも、笹原さんとならきっと――
幸せになれる。何があっても乗り越えて行ける。そう――信じている。
おしまい。