「はぁ……はっ……お…おにいちゃん…。」
絶頂を迎えた影響で脱力したミルラは弱々しくエフラムの名を呼ぶ。
ミルラの声に、エフラムはそれに応えるかのように強く抱いてやる。
暫しの抱擁の後に……ミルラを仰向けにして寝転がす。
「……あ…。」
ふわっとした毛布の上に寝かされ、ぼんやりとした顔でエフラムを見つめるミルラ。
その目はとろんとしており、まるで人形のように体もじっとしたままだった。
「体の方は大丈夫か?…初めてだったのにここまでしてしまったが…。」
「…もう…何度も言いましたが…私は…おにいちゃんの為なら…大丈夫です。」
その時のミルラの目は真っ直ぐにエフラムだけを映していた。それ以外のものは何も映らない…といった感じだ。
「なら…これで最後だ…。」
エフラムはそう言うと、ズボンと下着をさっと脱ぎ下ろした。
「………。」
ミルラの眼前に現れたのは天を指し反り立ったモノだった。
それはピクピクと脈打ち、はちきれんばかりに勃起している。
ミルラはただ黙って、それを見ていた。何かも分からずに…。
そして、エフラムはモノをぐいっと掴むと前屈みになってミルラに近づいていく。
「今からする事は…お前にとって苦痛になるかもしれない…。」
エフラムはミルラに向かって静かに喋り始める。
「お前を悲しませてしまう、という事にもなりかねない。」
ミルラへの想いを貫き通す為、エフラムは心に偽りを作らず真に思った事を言おうとする。
「それでも、俺は…お前と……。」
「…大丈夫です……。…おにいちゃんの…その想い……私に、くれませんか…?」
「……ミル…ラ…。」
エフラムはミルラがここまで想っていてくれた事に驚きと感動を隠せずにいた。
ミルラはエフラムと視線が合うと、にこりと微笑んだ。
それはミルラが今まであまり見せる事がなかった優しい笑顔だった。