昼間のガーゴイルの襲撃から数時間後…。
すっかり日は暮れて外は闇に包まれ影を落としていた。
空には、ぽっかりと月が出ていて城をその光で照らしている。
そして……エフラムは手厚い治療と看護を受け自室のベッドで寝かされていた。
「…………。」
そのベッドの傍らの丸椅子にちょこんと腰掛けていたミルラがエフラムの顔を覗き込む。
一緒にいたエイリークは執務の残りがあるらしく、数十分前に部屋を出たっきりだった。
エフラムは微かな寝息を立てながら眠っている。頭には白い包帯が巻かれていたが幸い深い傷ではなかったようだ。
「今は…もう、大丈夫です…。」
静かに呟くミルラは心の底からエフラムが無事である事に安心する。
今回、どうして魔物がルネスにまで現れたのか…それは簡単な理由だった。
昼間に現れたガーゴイル達は北方の彼らが巣食うヴェルニの塔から来ていた。
こうした魔物達は魔の根源たる魔王フォデスが滅びた今でも残っていて、たまに村や街に襲撃をかけてくる事があった。
しかし…今まで城などの重要拠点に現れる事はなかった。そう、今回の襲撃が初めての事となる。
そして、ミルラはまだ魔王の力の影響が残っているのに気付いていた。
でなければ、こうまで魔物が蔓延る事はないからだ。
強大なる魔王の力は本体が滅びようともマギ・ヴァルの大地に深く根付いていたのだろう。
「闇の力を…断ち切らないと…。」
「…………1人で背負い込む事はないんだぞ。」
「えっ?」
不意に聞こえた声にミルラは驚き、声のあった方に向く。
そこには、いつの間にか起きていたエフラムがミルラを優しげな目で見ていた。
「おにいちゃん…。体の調子は…どうですか?」
ミルラはエフラムが目を覚ましてくれて思わず嬉しさが込み上げてきた。
その顔はいつもと変わらないようであったが、内なる心では確かに嬉しさを感じている。
「あぁ、寝たら大分は良くなった。……すまん、俺が不甲斐ないばかりにお前を戦わせてしまったようだな。」
エフラムはにこりと笑いかけた後、苦虫を潰したような顔をしてミルラを見る。
あのガーゴイル達に好き勝手やられ、エフラムは悔しさと憤りに拳を固く握り締める。
「あの…気にしないで下さい。」
「……ミルラ…。」
「…おにいちゃんも……私もこうして無事だったのです。…それだけでいいのです。」
ミルラは純真さを醸し出したその紅い瞳でエフラムを見つめ言葉を紡ぐ。
「もし、あそこで…おにいちゃんが死んだら…私は凄く、悲しいです…。」
「……………。」
「だから……だから、私もおにいちゃんを守りました。これからも…一緒にいれるように…。」
エフラムはその言葉を聞き、それまで自分を責めていた事が何故か愚かしい事だったと痛感した。
ミルラはエフラムの思惑に関係なく、ただ純粋にエフラムの事を思ってしてくれていたのだった。
その事が分かったエフラムは、胸が熱くなるような不可思議な気持ちに襲われる。
…そして……気が付いた時にはミルラを力強く抱き締めていた。
「……おにい…ちゃん?」
突然、身を乗り出したエフラムに抱きつかれミルラは驚きを隠せずにいた。
エフラムがどうして自分を抱き締めたのかミルラには理解出来なかった。
そんなミルラに構わずエフラムはその体を抱き寄せベッドに乗せる。
「…あ、あの……んっ。」
不意にミルラの小さな口がエフラムによって塞がれ2人の唇が重なる。
ちゅっ…と僅かに音を立てた。それは少しの時だけで、すぐに離された。
「ん…はぁ…。」
「…いきなりキスなんかして…悪かった。」
「キス…ですか?」
ミルラは何の事か分からずエフラムに尋ねる。
子供だから知る由もない…と言えばそうなるかもしれないがミルラは竜人族だ。
そんなミルラが人間の恋沙汰やその行いなど分かる筈もない。
しかし…。
「俺は……お前が好きなんだ。飾った言葉なんて要らない、槍のようにただ真っ直ぐにこの想いをお前に。」
今まで募りに募っていたミルラへの想いをここでようやく言う事が出来た。
エフラムの口から出るそれには並々ならぬものが感じられるようだった。
「…おにいちゃん…。」
何か送信ミスで手間取ってしまいました、すみません。
では続き頑張りますね。
あ、それとミルラの変身時は部屋に収まるくらいの大きさって事で(汗
天井の高い広い部屋だったんだろw
ともあれGJ。寝ないで待tt(ry
ミルラは、今エフラムが自分に今まで無かった強い好意を向けているのがひしひしと伝わってきているのを感じた。
「どうして…なんでしょうか…?凄く、胸が苦しいです。」
「気にする事はない…何もおかしい事はないさ。」
エフラムは胸に手をやり不思議そうな顔をしているミルラの頭を撫でる。
「おにいちゃんは……私の事が好き、なのですか?」
「そうだ、お前の事が好きだ。…何度でも言ってやる。」
「……私も…おにいちゃんの事が………好き、です…。」
ミルラは何処か恥ずかしげに、くぐもった声で言う。
その仕草は子供が何かを言いたげにもじもじする、というものに似ていた。
エフラムは奥ゆかしくも可愛いミルラの姿を見て一層その心が揺れ動く。
「ミルラ……ちょっといいか?…よっ…と。」
「あっ…。」
ミルラの体はエフラムに脇下から持たれ軽々と持ち上がる。
そして、そのままエフラムの開いた足の間にすとっ、と収まった。
その時、翼が軽く羽ばたき鼻がむず痒くなったが気にしてはいない。
「おにいちゃん………え?」
エフラムは続けてミルラの服に手をかけると脱がそうとした。
「大丈夫、怖い事はない。俺がついているからな。」
「……これから…何をするのですか?」
ミルラのふとした問いに、エフラムは一瞬だけその動きを止める。
だが、エフラムは特に慌てた様子もなく落ち着いていた。
あまりにも直球的なミルラの問いに、少しだけ言葉が詰まったのだった。
「……そう…俺が本当にお前が好きだという証明を、な。」
「証明…分かりました、おにいちゃんを……信じています。」
「ありがとう…ミルラ。」
エフラムがそう言った時、ミルラが服に手をかけ前止めを外すと自ら…脱いだ。
パサリ…と服が脱げ落ち、その下から白い素肌がさらされ下着1枚だけという姿になる。
幾多もの永き年を生きているミルラだったが、その体はやはり幼き少女のものだった。
勿論、双丘などは未発達で控えめ…という所だった。それでもその白い肌は美しくまるで絹のようでもある。
エフラムは露になったミルラの裸体を見て思わず息を飲む。
「……これで…いいのですか?」
ほんの僅かに顔を赤らめたミルラはエフラムに聞く。
「すまない、お前からさせてしまって…。」
言い終わるとエフラムはミルラの胸に両手で触れた。
2つの双丘はエフラムの手に深めに収まり、そのまま優しく揉まれ始める。
「あっ…ん……んぅ…。」
ミルラは初めて受ける愛撫に小さく喘ぎを漏らした。
「大丈夫か?」
エフラムはその手を一旦止めミルラの顔を見やる。
「…はい…大丈夫です。」
ミルラが大丈夫だと言うのを確認すると愛撫を再開した。
双丘の下から上に向かって回すように、その手でゆっくり揉みしだく。
その感触は、ふわりと柔らかいマシュマロ宛らのものだった。
「んっ…あ、あっ……ぅ…ん…。」
エフラムの手の中でミルラの双丘が形を変え、その度にミルラが喘ぐ。
指に伝わる感触はエフラムに心地よい気分を与えていた。
そして、それはミルラに普通では考えられないような快感を与えている。