ファイアーエムブレム&ティアサガ第12章

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803UCC ◆UCC0ebT.po
こんにちは。…結局の所…エフラム×ミルラで行ってみます。
で、とりあえず書き出しだけ置いてみます。
……久しぶりなもんだから上手くいけてるかどうか心配だが。

ここはルネス…マギ・ヴァル大陸のほぼ中心に位置する所である。
つい最近まで大陸全土を巻き込む大戦があり、ルネスの軍の戦士達がそれを収めた。
伝説の魔王と呼ばれる者…事の発端となったその者を打ち砕き、見事に平和を取り戻したのであった。

そして、よく晴れたある日の事…。
眩しく暖かい陽光の下、若い男と少女が大きく聳える城の一角のテラスで並んで立っていた。
「…エフラム?」
ふと、少女が男の方を向き口を開く。
その少女は何処にでもいそうな風貌をしていたが背中には翼があった。
人でもなく、魔でもなく、マムクートと呼ばれる竜人族の娘である。
「どうした、ミルラ?」
エフラムと呼ばれた緑髪の男はテラスに凭れかかっていた体を上げるとそちらを見やる。
「今日も…いい天気ですね。」
「あぁ、そうだな。…かつての戦乱が嘘のようだ。」
「でも……そのお陰でこの地は守られました。」
そう、この2人もその大戦にて度重なる戦いをくぐり抜け今という時を得ている。
そしてミルラは大戦の後、自分が居た場所…闇の樹海へと帰るつもりであったがこうしてここに留まっていた。
「おにいちゃん、とは言わないんだな。」
「え…?」
不意にかけられるエフラムの言葉にミルラは少々驚く。
「今は別に誰もいないし……まぁ、そう呼んでも構わないさ。」
エフラムは少しばかり照れているようだった。
ミルラはそんなエフラムの様子を見て何処か嬉しく感じる。
背中の翼もそれに呼応するかのようにやんわりと羽ばたきをみせていた。
「おにいちゃん……おにいちゃんはいつも通り…優しいです。」
「…真顔で言われると流石に俺も……いや、いい。気にしないでくれ。」
自分で言っておきながら何たる事か、などど思いつつエフラムはミルラに返す。
804UCC ◆UCC0ebT.po :04/11/21 14:00:33 ID:BRHzND9F
実は大戦での行軍中も宛ら、エフラムはミルラと共にしている内に淡い恋心を抱いていた。
しかし、それは果たされる事は無かった。
行軍中での風紀に関わる事でもあったし、何よりも皆を束ねる者としての立場があったのだ。
エフラムはその微妙な心境の中、これまでミルラと接してきていたのだが…。
「………………。」
「…どうしたのですか?」
何かを思案し空を見ていたエフラムを怪訝そうに見ていたミルラが声をかける。
「ん、いや…ちょっと考え事をしていた。」
当の本人のミルラがいる所で、想いに耽っていたエフラムは微々たる動揺を即座に抑えた。
「そうですか…。私も考えていました。」
「そうなのか?」
「はい、私のこれからの事です…。」
そう言うと、ミルラは神妙な顔付きで話しだした。
エフラムはそれを静かに聞こうと顔を向けテラスにあった椅子に腰掛けた。
「あの戦いでおとうさんがいなくなって……私は1人になりました。」
その時ミルラの顔が一瞬だけ酷く悲しそうな感じになった。
そして、それをエフラムは見逃してはいなかった…。
口では平気と言っても、やはり自分の父親代わりの者を失った事はミルラの心に響いていたのだろう。
「私はまた樹海に帰り…1人で永い時間を過ごすのだと思いました。」
「……………。」
エフラムはただただミルラの話を黙って聞いている。
話すミルラから僅かながらの悲しみの波が放たれているのをエフラムは鋭く察知していた。
「でも…そんな私をおにいちゃんは…一緒に来ないか、と言ってくれました。」
俯きがちだった顔をふと上げてエフラムをじっと見つめている。
これは行軍中に2人で交わした話で言っていた事だった。
エフラムはそう言われ、ミルラを安心させるかのように力強く頷く。