児童日本海外文学総合

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1名無しさん@ピンキー
文学作品総合スレ
純文学から児童物やら教科書に載ってそうなお堅いのにエロの手を!
ハアハアしたり萌えたりしてみようと思ったり思わなかったり

昔話でも秘宝館でも何でも(・∀・)イイ
2名無しさん@ピンキー:04/09/19 13:28:46 ID:r++CU1rx
取り合えず森鴎外
山椒太夫を貼ろうと思ってます

SS書いてくれる人へ元ネタは書いてくれると助かります
特にマイナーなものは元の粗筋とかも欲しいかもとかヘタレた事言ってみる
3名無しさん@ピンキー:04/09/19 13:29:01 ID:7FROv326
ナンバー1風俗嬢の私が>>2ゲットさせていただきますっ♪

     __、-'''^~~~^`''ー、
    _、'~-i/~^~^~^''ヽ:::ヽ、       >1 童貞なの? 私にすべて任せてネ♪(アーマンドクセー!)
   /''~"::i~~^^`''`:::、:;;;;ヽ、;ヽ.      >3 お仕事は? そう、フリーターなの。(定職につけよ!)
   i;;/;i''~'i、ヽ:ヽ;:::ヽ;ヽ:ヽ;ヽ;;ヽ     >4 ア、ゴメンねー。マンコに指入れないでねー(これだから童貞は…)
   i:i:i::i:  ヽ::ヽー、--、、;ヽ:ヽ;;;ヽ    >5 この時間だけは私はあなたの恋人よ♪(今だけな。ププッ)
   i;、;、i_、-‐ヽ`'^ '、_;`ヽ;;ヽ、;;;ー-‐'ノ >6 わぁースゴク大きいのね!(ケッ、短小がぁ)
    i;;;;ヽ i'`、; ,  ´   i;;:;`i''''ー''"´ >7 えっ? もう出ちゃったの?(しかも早漏かよ)
     i::;;;::ヽ." `__    i::;::/::|::|::|、  >8 あ、大丈夫よ、まだまだイケるわよね?(皮ブ厚いな、コイツ…)
    i:: ::: iヽヽ、_   ,/';/:;:;::i::;i::;、i、 >9 ほら、もう勃っちゃたよ!(節操ネーナ。ププッ)
    ,,i::;;::;;;:i i''ヽ;i~"´ ,/"/i;;:::;;:;iヽi、 >10 趣味は何?えっ?萌えアニメ? フーン…
 /´~ i ヽ、|'i、 iヽ、 __、-~ヽ'、_//i: ヽ
  i    ;i ノ;; ;iヽ;ヽ i''ノ  、'~/; ~^'ー_  >11-1000 けっ、キモヲタは萌え絵でオナってろよ!カス!
 |   /;i i、 ;;;i、ヽ,,、-''~´ i ; /  `'ー、
 |  _/;;;-‐‐i:::i‐''~''`´  ::/" i´      ヽ
4名無しさん@ピンキー:04/09/19 13:36:41 ID:r++CU1rx
取り合えず私のSSの事ですが
安寿と厨子王が烙印を押される夢を見はずのところから始まります

安寿=垣衣(しのぶぐさ)14歳
厨子王12歳
山椒太夫60歳
長男の太郎が16歳の時居なくなった19年前の事
末息子が太郎で30歳
設定はこの通りです
5名無しさん@ピンキー:04/09/19 13:39:27 ID:r++CU1rx
夜半過ぎ、安寿が物音にふと目を覚ますと枕元に太夫の次男、二郎が立っていた。
横では厨子王がすやすやと寝息を立てている。
昼間の過酷な労働の所為で安寿も目を開けはするが身体は動かぬままであった。
眩しい明りに顰め面を晒し、ぐったりと粗末な薦に横たわったまま片手で目を覆った。

「相当疲れていると見える。よし、そのまま眠って居ろ。」

そう言うと安寿の身体を軽々と抱えて小屋を出た。
二郎の腕の中でともすれば再び眠りに落ちそうになりながら
何故連れ出されたのかも判らず怯えていた。
空には蒼褪めた月が掛かり、離れ離れになってしまったお母さまも
あの月を見ていらっしゃるだろうかと思うと思わず目を潤ませた。

「垣衣、お前泣いているのか?」

二郎の言葉に安寿は首を横に振り唇を噛み締めた。
私が弱気では厨子王を不安にさせてしまう。
安寿は心細さと淋しさを弟に感じさせまいとずっと気丈に振る舞っていた。
二郎はそれきり黙ったまま安寿を抱いて太夫の待つ広間へと足を進めた。

広間に這入る前に二郎は安寿を降ろし、髪を撫で付けた。
不安そうに顔を曇らせる安寿を慰めるように潤んだ目を拭いた。
6名無しさん@ピンキー:04/09/19 13:40:34 ID:r++CU1rx
部屋へ這入ると相変わらず山椒太夫は褥三枚重ねた上に座り濁った目でこちらをじろりと見た。
燈火に照らされて更に赤味を増した大きな顔を見ると恐ろしさが今更ながらにこみ上げてきた。

「もっと此方へこないか」

太夫が声をかけると、三郎が入り口で固まったように立ち竦む安寿を灯りの側へ引き摺ってきた。

「先程、脱走の計画を話していたのは本当か?」

太夫は穏やかな、それだからより一層深い不気味さを増したような声で安寿に問い掛けた。
三郎が安寿の真っ青になった顔を見てフンと笑った。
此処で否定をすれば嘘になる。
しかし肯定してしまったら、どんなに恐ろしい事になるか。
灯火の中真っ赤に焼けた鉄がその恐怖を物語っていた。
震える唇を開き安寿は小さな声でハイとだけ応えた。
三郎がそれ見たことかと言わんばかりの眼で安寿を見、又太夫を見た。
脱走するようなものには烙印を押すのが決まりになっている。
その焼き鏝を手に取った時二郎が太夫を制した。

「お父っさん、垣衣の計画は夢のようなものであります。頑是無い子どもの夢想であります。
 大体がこんな弱々しい身体でどこへ逃げられると言うのでしょう?」
7名無しさん@ピンキー:04/09/19 13:41:09 ID:r++CU1rx
その言葉を聞き、太夫の手は止まった。
前にも一度、烙印を押した時、長男が出て行った。
垣衣程度の働きの為に二郎まで出て行ったら太夫の方が損失が大きい。
焼き鏝を下ろすとしかし懲罰は如何したら良いものかと思案するように銀色の髭を擦った。

「ふむ、焼き鏝以外にも奴婢どもが逃れられぬような方法があればのう」

「それならば垣衣を辱めては如何でしょう」

三郎はそう言うと安寿の髪を引っ張り上げ灯りでよく見えるようにその顔を上げさせた。
太夫は改めてその顔を良く見ると、なるほど整った顔つきをしている。
身体はまだまだ子どもだが将来は中々美人になるだろう。

「好し、ではあちらへ連れて参れ」

安寿は何の話をしているのかも判らず、取り合えず烙印は免れた事に胸を撫で下ろした。
三郎に乱暴な手で引っ張られていく時、此方を見ている二郎と目が合い思わずこっそりと微笑んだ。
二郎は泣きそうな目をしていた。
8名無しさん@ピンキー:04/09/19 13:42:05 ID:r++CU1rx
ここで一旦休み
人来ると良いなぁ
9名無しさん@ピンキー:04/09/19 14:21:02 ID:+Ds6f6X/
来たよ。
10名無しさん@ピンキー:04/09/19 14:22:17 ID:+Ds6f6X/
そう言えば保守にはいくつ必要なんだっけ?20?
11名無しさん@ピンキー:04/09/19 14:23:05 ID:+Ds6f6X/
とりあえず、ぺちぺちいれとけばいいのかな?
12名無しさん@ピンキー:04/09/19 14:24:18 ID:+Ds6f6X/
松谷みよこや佐藤さとるが読みたいなあ。
13名無しさん@ピンキー:04/09/19 14:40:20 ID:njN3Awaj
30だったかな。期待上げ
14名無しさん@ピンキー:04/09/19 14:41:36 ID:njN3Awaj
本当はエロイグリム童話、とかみたいな系列になるんだろうか。
15名無しさん@ピンキー:04/09/19 14:43:16 ID:njN3Awaj
あんまり連投するのもあれなんで、ここで感想。

山椒大夫はエロイと常々思ってたので大歓迎でした。言い回しとか微妙に時代がかったというか
文学調なあたりも期待大、がんばってくだされ。
16名無しさん@ピンキー:04/09/19 15:52:42 ID:Do460cpJ
俺も保守させてもらう。

児童文学全般だとマイナーなのすげえ多いから投下しても理解されるかどうか不安だ。
17名無しさん@ピンキー:04/09/19 15:58:07 ID:wSqxGUIU
三郎に曳きたてられて太夫の寝屋へと連れてこられた安寿はそこの暗さと寒さに又不安になった。
不安から怖い人と思っていた三郎でさえ居てくれる事が心強かった。
しかし三郎は安寿をそこへ置くと厭な笑いを残して去っていった。
部屋の隅に置かれた蝋燭は火も付いておらず安寿は暗闇の中膝を抱えて座った。
のしのしと足音が聞こえガラリと扉が開くと太夫の大きな身体が現れた。

「何だ真暗な中で、灯りも点けんのか」

安寿が黙っていると太夫が蝋燭に火を燈した。
明るくなった部屋は暖かそうな蒲団がひかれ安寿は今更ながら眠気を思い出した。
太夫は蒲団に這入ると安寿も入るように命じた。
温かな蒲団が懐かしい程久しぶりだと思い出した。
安寿は寒い小屋の中で薦を被って独りで眠っている弟を思い出すと胸が塞がれる様だった。
クスンと鼻を鳴らして悴んだ手を胸の前で握り締めた。
太夫は安寿の身体を撫で回した。

「あっ、何をなさいます」

着物に手を差し込み素肌に触れられると安寿は吃驚して飛び起きた。
太夫はそんな安寿を引き倒し粗末な着物を剥ぎ取った。
今は安寿には欲望に燃え立つ太夫がただただ恐ろしかった。
18名無しさん@ピンキー:04/09/19 15:58:29 ID:wSqxGUIU
太夫は色の薄い皮膚にほんのりとした陰をつくる窪みをよく見えるように燭台を引き寄せた。
一糸纏わぬ姿になった安寿は身を隠す事も叶わず蝋燭の明かりの中あられも無い姿を晒した。

「お止め下さい、どうか。恥ずかしゅう御座います」

安寿の腿を擦り上げるように撫ぜながら持ち上げて未だ人目に晒した事の無い所をまさぐる。
太夫の節くれだった指は薄い陰毛を掻き分けて中まで這入って行った。
奇妙な感触が安寿の臓腑に感ぜられ思わず溜息が漏れた。
太夫は指先が湿ってくるのを確認すると指を引き抜き安寿に突きつけた。

「恥ずかしいと言うても、ほれ、悪からん心地だろう」

「あっ」

本当のところ、安寿は温かい蒲団に這入り喜び、身体を撫ぜられて快感を感じていたのだ。
そして、それは生まれ持った誇りと自尊心が認めなかった。
それに今までは芽生える前の性の意識が安寿を深い無意識へと押しやっていた。
しかし無理矢理にも蕾を抉じ開けられ開花しようとする身体は自身にも止められなかった。

太夫は体液にぬらぬらと光る指を安寿の口へと差し込んでその嫌がる顔を眺めた。
指の腹で頬の裏を擦られ上顎を擽られると安寿の顔が淫靡に歪むのを見た。

「随分といやらしい顔をするのう、垣衣」

太夫はからかう様に言うと指を引き抜いた。
そして徐に蒲団に座ると安寿の頭を自分の股間へと持っていった。
19名無しさん@ピンキー:04/09/19 15:59:40 ID:wSqxGUIU
頭を抑えられ目の前にある男性器をまじまじと見詰めるとそれはむくむくと怒張してきた。
初めて見るそれは歪で醜いものだった。
顔を背けようとしても太夫は許さず安寿の口の中へと己を挿入した。

「歯を立てるな、そうだ、そうだ」

拝むような形で太夫を咥えると安寿は口の中に収めたそれは見た目ほど恐ろしくも無く
むしろ滑々で愛らしいとさえ感じた。
舌で丁寧に嘗め回すと太夫は殊更喜び安寿の脇腹を撫でたり丸い尻を抓ったりした。
安寿は自身の身体に加えられる愛撫をもって太夫の感じている快楽を知るのだった。

太夫は安寿の口から引き抜くとふやけた様な顔で笑った。

「初めてではないな、垣衣。それなら遠慮は要らんな」

安寿を抱きかかえる様にして押し倒すといきなりその乳首に吸い付いてきた。
微かに膨らみはじめた乳房を加減もせずに握るように揉むと安寿は悲鳴を上げた。
しかし舌に嬲られる乳首の感じる快感は悲鳴を喘ぎ声に代えていった。

太夫の頭は徐々に下へと降り、安寿の下半身へと移った。
先程より充分湿った場所に指を突きたてて今度は手加減無く掻き回した。

「あぁ、止めて下さい。おかしくなってしまいます」

「止めては懲罰の意味が無かろう?垣衣、わしが満足するまで終らんぞ」

太夫はもがく安寿の身体を玩具にするように乱暴に扱った。
20名無しさん@ピンキー:04/09/19 16:00:41 ID:wSqxGUIU
愛液の溢れる所へ先程の口淫により硬くなった性器を当て躊躇無く押し入った。
裂かれる様な痛みを感じて安寿の身体は反返った。
歯を食いしばりその痛みに耐えていると太夫は安寿の最奥へと進んだ。
小さな身体に大きな太夫のものは収まりきれず突き上げられる度に涙が出そうだった。

「ご免なさい、ご免なさい」

堪えきれずに泣き声で言うと安寿は顔を手で覆った。
太夫はその様子を見て垣衣が生娘だった事を知ったが今更止められるものでもなく
泣きじゃくる安寿を嬲り続けた。
狭い安寿の中は太夫の精を搾り取るように収縮して老齢にも拘らず太夫は夢中になった。
顔を隠す安寿の手を開き太夫はその朱を塗ったような顔を近づけた。
安寿の顔は恐怖と痛みに引き攣り恐ろしい太夫の顔を見つめた。
見開いた目は欲望に歪んだ太夫の姿を映し出していた。
動きが緩むと安寿の下半身の中にとろりとした液が溢れた。
太夫は放出しきるとどうと横になりそのままぐうぐう眠ってしまった。

安寿は痛みを堪えて散らかった着物を集めて部屋を出た。
21名無しさん@ピンキー:04/09/19 16:01:00 ID:wSqxGUIU
歩くたびに鈍い痛みが下腹に響く。
未だそこに何かが挟まっているような厭な感じがした。

「悪からん心地だろう」

あの太夫の言葉、それは嘘ではない。
だからこそ余計に口惜しかった。身体だけ、身体が精神を裏切ったのだ。
外へ出ると遠く聞こえる波の音に船で離れ離れになった母を思った。
お母さま、私はもうお顔を逢わせる事まかりなりませぬ。
自分の身体に焼き付けられた恥辱を思った。

「垣衣」

いきなり声を掛けられると安寿はびくりと立ち止まった。
恐る恐る顔を上げると二郎がそこに居た。

「今日は眠れないだろう、散歩でもしないか」

二郎が誘うが安寿は怯えたように首を振るだけだった。
慰めたかっただけなのに拒否されて二郎は苛々とした。
二人は押し黙ったまま月明かりの中佇んだ。
と、二郎はいきなり安寿の手を引き海辺へと連れて行った。
安寿はもう如何にでもなれと焼けばちになり黙って付いていった。

岩場に座ると二郎は安寿の艶やかな長い黒髪を撫で肩を抱いた。
何も言わないけど安寿も二郎の優しさに気付き身を預けた。
不思議に温かい気持ちが安寿の中に広がっていくのに気付いた。
二郎の腕の中でならもう一度眠たくなれるような気がした。

月に雲が掛かり一瞬暗くなったとき、二郎は安寿に口づけをした。
風が吹いてまた明るくなると安寿は二郎を突き放し小屋へと走り去った。
独り残された二郎は安寿の涙にぬれた頬を拭った。
22名無しさん@ピンキー:04/09/19 16:04:13 ID:wSqxGUIU
これで取り合えずお終い
推敲もイマイチですが保守用に書いたSSなんで許せ

>>16そう言うときにこそ粗筋教えてください

勿論児童文学ばかりでなく大人の文学(?)バリバリで構わんと思うのですが
23名無しさん@ピンキー:04/09/19 16:11:20 ID:wSqxGUIU
即死に未だ足りないようだから自分語り

最初はホフマン砂男とバタイユ眼球譚のミックスと言う訳の分からないものを書きかけたが頓挫した
夏目漱石の夢十夜で書いたらワケワカメになった
雨月物語はパロが難しかった
24あぼーん:あぼーん
あぼーん
25名無しさん@ピンキー:04/09/19 16:15:24 ID:wSqxGUIU
鉢被り姫、乃至は驢馬の皮
もエロいな。
おとぎ話もありかモナー
26名無しさん@ピンキー:04/09/19 16:16:23 ID:wSqxGUIU
広告か
取り合えず即死回避まではageてやる
27名無しさん@ピンキー:04/09/19 16:25:22 ID:L3zs5caY
好みのスレになりそうだ。支援

『カラマーゾフの兄弟』(ドストエフスキイ)のアリョーシャとリーズ。
激しく読みたい。
28名無しさん@ピンキー:04/09/19 17:17:10 ID:xBpwua6O
うらやましいな…ヒマそうで…………
29名無しさん@ピンキー:04/09/19 18:28:48 ID:GTlfbUn3
>28
いやあ、あなたほどじゃないですよ。
30名無しさん@ピンキー:04/09/19 18:30:39 ID:GTlfbUn3
しかし好みの集約が難しそうだよな。レスがあまりつかないことをしっかり覚悟しておかないと・・・・
31名無しさん@ピンキー:04/09/19 18:31:31 ID:GTlfbUn3
と言うことでめでたく30を突破いたしました!あげちゃえ!
32名無しさん@ピンキー:04/09/19 22:47:58 ID:7KpR0mCb
やった即死回避できたsageちゃえ!
>>30
でもさ、自分のかいたSSで好きな作品をアピールできるという利点もある
いいSSを書けたらそれに触発されて元を読んでくれる人も居るだろうし
まぁ書く側の意見だけどなー

>>27
読みたい
33名無しさん@ピンキー:04/09/19 23:04:26 ID:njN3Awaj
文学部上がりのむっつりインテリ青年が集まってくるかな
まともな文学はあらすじ辞典みたいなのでしかしらないから解説があるとありがたい、
でもオチのばれになるなら最後につけるほうがいいのかも。
34名無しさん@ピンキー:04/09/20 10:16:27 ID:gEVQ+3tx
むっつり・・・
35名無しさん@ピンキー:04/09/20 22:26:12 ID:04gGiCuL
山椒「太夫」じゃなくて「大夫」な
読み返すとなかなかぬるぽな出来だな
三郎にも犯られればよかったとか

赤い蝋燭と人魚で書こうと思ったがふと大切な事に気付いた
人魚には ま ん こ が 無 い!無いんだよ!この魚類め!!ヽ(`Д´)ノウワァァン

ところで支援してくれた人たちテンキュー
SS書いてくれたら尚更嬉しい
36名無しさん@ピンキー:04/09/21 08:02:31 ID:I/a6yQ+u
良いじゃないか、人魚の手コキの後、卵をうんで顔射の代わりに卵射でも・・・・・・

卵生むかどうかわからんが、増えてるとこ見るとなにか生んでるんだろう。
37名無しさん@ピンキー:04/09/21 21:32:37 ID:YtuiVQwC
取り合えずココに何かを書くためにブクオフで文庫何冊か買ってきた

>>36
おまいさんは卵射で抜けるか?鮭の産卵で萌えるか?あ?
38名無しさん@ピンキー:04/09/21 22:36:52 ID:oLPqU8R9
>>35
やっぱ二本足モードに変態してからでは?
39名無しさん@ピンキー:04/09/21 23:06:14 ID:/YbzYsJ/
>>37
それをするのが人間さ。なんて罪深いことよ。
40名無しさん@ピンキー:04/09/22 06:34:27 ID:M2fyweWq

・・・・・・・
彼女に合うために様々な苦難を乗り越え、ふるさとに帰ってきたら、巨大な怪物が
めちゃめちゃにしていました。必死になって倒そうとしたんですが、
力及ばず捕虜になってしまいました。
するとその化け物が僕に様々な愛撫をするのです。僕は耐えたのですが、
あまりに巧みであったために射精しそうになりました。すると怪物は
僕をオレンジ色の物体の上に連れて行ったのです。
”あっ、これは紅子さんが産んだ・・・。けがすわけにいかない・・・”
必死に僕は耐えようとしました。しかし化け物の愛撫はいっそう激しくなり
僕は耐えきれずに・・・・・・。僕の目からは涙がこぼれました。
無理矢理とは言え、初恋の人を汚してしまった。僕は自らの無力さにうちひしがれました・・・

                      ・・・・・ある鮭の手記より・・・・・・・ミンメイ書房
41名無しさん@ピンキー:04/09/22 06:47:23 ID:ZzzhGeGT
>>38
変態するのはアンデルセンでは?小川未明は人魚のまんまだ

>>40
そして次に放たれた子鮭たちは化け物への父母の復讐を胸に大海原へと・・・
4240:04/09/22 08:49:28 ID:9LeunJqb
>37
どうだ、これをふくらませれば鮭の産卵だって十分萌える・・・・・事はやっぱり無いな。
43名無しさん@ピンキー:04/09/22 23:51:35 ID:GIX/unzC
まちこ船っていう最近までモーニングで短期連載されてた漫画が
最後は卵にぶっかけて子供がたくさん出来てハッピーエンドだった
44名無しさん@ピンキー:04/09/23 02:20:46 ID:vm608rNH
>>43
軽くぐぐってみたけどギャグマンガ?面白いの、それ?

現代ものの文学もありですかねぇ?
45名無しさん@ピンキー:04/09/23 13:02:36 ID:hGAfGBe1
宮本輝の「蛍川」なんかいいんじゃないか、と思ったが
方言という壁が……標準語じゃ雰囲気でないしなぁ。
46名無しさん@ピンキー:04/09/23 23:23:37 ID:ahF7VIGd
最近国語の授業で扱ったばかりでタイムリーだ。でも通して読んでないからよくわからん
通しだと結構萌える話なのか?
47名無しさん@ピンキー:04/09/24 19:04:18 ID:oO8XiU0x
>>46
国語の先生?大人の作文の手本を見せて下さい
48名無しさん@ピンキー:04/09/26 02:27:56 ID:fUDLcsmM
>>45
確かに方言をパロにするのは難しいね
言語は染み付いてしまっているものだから中々小手先で変えても馴染み辛い
パロとしての限界を感じてしまうよ
で、しかも多数の人が微かにでも知ってるのにしようと思うとパロる物も決められない
問答無用で萌えた!とか
これならもっとエロイシチュ創れるぞ!
みたいな本を読んでみれば別だけどね
49名無しさん@ピンキー:04/09/26 12:24:54 ID:dKG5GFVt
児童文学でしょう??

だったらズッコケ三人組とかどうですかね
50名無しさん@ピンキー:04/09/26 13:00:36 ID:YgPKvoVL
当然ありですね。
51名無しさん@ピンキー:04/09/26 17:36:25 ID:t18Rr4oQ
中高時代のハチベエ×安藤の純愛物だったら
やってみたい気がしなくもない。
52名無しさん@ピンキー:04/09/26 18:55:28 ID:AklS5+PO
で、次は誰かな?
53名無しさん@ピンキー:04/09/27 20:30:43 ID:OztwBDcv
だれか居ないかな?

児童文学というか文学全般・・・・・にしたかったようです
54名無しさん@ピンキー:04/09/27 21:07:25 ID:/ezJ1NsM
気長に待て。
需要はあるのだ。
55名無しさん@ピンキー:04/09/27 22:15:24 ID:MFtENq1N
鮭の産卵はどうするのだ?
56名無しさん@ピンキー:04/09/27 22:17:50 ID:0t9lxFr4
>>55
それこそ需要あるか?(w
57名無しさん@ピンキー:04/09/27 23:18:17 ID:MFtENq1N
探せば半漁人フェチの一人や二人・・・・・・
58名無しさん@ピンキー:04/09/27 23:40:51 ID:OQ+w4ZJg
さかなクンならマジハアハアしてそうだ
59名無しさん@ピンキー:04/09/28 00:26:43 ID:ArCFOR5J
>>57
人外スレに行けばいくらでもw
60名無しさん@ピンキー:04/09/30 23:17:56 ID:MbE9lWzv
読書の秋か・・・
61名無しさん@ピンキー:04/10/02 07:23:06 ID:UWCwgrG8
やっぱり鮭の産卵か?
62名無しさん@ピンキー:04/10/02 16:54:01 ID:vx7cMq0d
結局、まだ山椒大夫とイクラの話しかないじゃないか!
631:04/10/02 18:21:13 ID:YydHnoz4
正直スマンかった
雑談スレで振ったときには書く人もちっといるかと思ったんだけど
64名無しさん@ピンキー:04/10/02 22:04:18 ID:YZeb3vzo
中々書けないだけさ
きっと
65名無しさん@ピンキー:04/10/03 12:24:44 ID:SQ8V8SSh
そもそも、元々の読者数がアニメの視聴者やコミックスの読者数と比べて
絶対的に少ないことを思えばつぶれてないだけでも奇跡じゃん。

この先どうなるかは、おいといて。
66名無しさん@ピンキー:04/10/04 23:52:35 ID:JUNoi+9W
もう、みんなはずかしがりやさんなんだから、もう。
67名無しさん@ピンキー:04/10/05 00:16:28 ID:l64+OiaY
27のリクに応えられる人は居ないのかな?
自分読んだ事もありません・・・
ロシア系は名前で躓きました(鶴の『初恋』だけ昔に読んだ事ある)
68名無しさん@ピンキー:04/10/06 21:34:40 ID:Tj+iAADT
暇つぶしに文学作品キャラのセリフで会話でもする?
69名無しさん@ピンキー:04/10/06 23:27:55 ID:6X6v9+bA
「そんな事をする積りかい」と、私は吃驚しながら、おづゝ>>68を見守った。

初戀
森田草平より

こんな感じ?
70名無しさん@ピンキー:04/10/07 22:22:51 ID:JmVweZDg
このままSS投下も無いようなら暇つぶしに山椒大夫の続きをうpしても良いかい?
71名無しさん@ピンキー:04/10/07 22:32:24 ID:6dDS8wmo
もちのろん
72名無しさん@ピンキー:04/10/07 22:52:55 ID:JmVweZDg
んじゃチマチマ書いてくわ
ていうか最近読む本とかこのスレのことを考えたりしちゃってエロスイッチは常にオン
しかし中々ピントに合うものって少ないのな
軽くムラっっと来るのも合ったが
73名無しさん@ピンキー:04/10/08 00:49:03 ID:aZbx8HJ0
ぜんぜん受けてないのに頑張るものだな
74名無しさん@ピンキー:04/10/08 06:01:48 ID:CR4oLhAM
>>69
悪く思わないでくれたまえ(ヘッセ/少年の日の思い出)
75名無しさん@ピンキー:04/10/08 22:35:09 ID:XkPoc9z1
>>73
「あんなに仰ってくださるもの。さぁ、どんな事をするのか知らんが、
まづうても大事ない、大事ない、それ支度は入らぬかい。」

泉鏡花/歌行燈

書く人すら居なくなったらこんなスレ全く意味を成さぬ物となってしまう
つーか何人ぐらい居るんだろうか?
76名無しさん@ピンキー:04/10/08 23:15:54 ID:qZ7FK67j
個人的に高校の教科書あたりによく載る、
『塩狩峠』なんて萌えるかも。
今まで会えなかった妹の待子に会うんですよ?
わざわざ、生意気そうだが可愛いと明記までしてあるし。
ありきたりっぽいが、おいしいシュチュエーションだ!
77名無しさん@ピンキー:04/10/09 00:21:08 ID:6fB6cpuB
美によって美しいものは美しい。

プラトン/パイドン
78名無しさん@ピンキー:04/10/09 13:55:04 ID:8N7baiT5
>>21の続き
思わず駆け出した安寿はずっと堪えていた涙が止められなかった。
未だ静まらぬ心を落ち着かせようと傍らの岩へと凭れた。
波の音が優しく辺りに充ちて二郎の眼差しを思い浮かべるとキリキリと胸が締め付けられそうだった。
そっと唇に指を当てると何故か笑みが漏れた。
あんな目にあったのに笑っている自分が空恐ろしかった。
下半身は未だ痛みを残し傷跡から血と注がれた精液を垂らしながら。

――おぉ、なんて恐ろしいのでしょう。

安寿は人買いなぞよりおぞましい人の心の闇を垣間見た気がし身震いをした。
小屋に眠る弟の穢れない姿を思い出すと尚の事、己の醜さが思われた。
軽く溜息を洩らすと高く上った月に淋しげな微笑を送った。

――おとう様、おかあ様。どうか、どうか厨子王だけはお守り下さい。

小屋の扉に手を掛けたとき、背後に人影が近付き安寿を後ろから抱きすくめる手があった。
安寿は必死に身を捩り乱暴な腕の持ち主の顔を確かめた。
月影に浮かぶその顔は山椒大夫の三男、三郎だった。
この横暴で残忍な男は、奴婢達の間でも恐れられていて
特に、年端も行かぬ安寿と厨子王の姉弟は鬼のような存在として見ていた。
その顔を見ると腰を抜かしたように木戸に背をつけてしまった。

「……あ」

言葉も出せぬままに安寿が三郎の顔を穴が開くほど見つめていると
先程、三郎の提言によってその父に犯された身体を思い出した。
思わず俯くと三郎は声を顰めて言う。
79名無しさん@ピンキー:04/10/09 14:01:00 ID:8N7baiT5
「お父っさんでは満足できずに二郎兄にも手を出してるのか?
 おぬしは随分な好き者だな。へへへ……」

言いながら安寿の身体を嘗め回すように見た。
その言葉と視線に安寿の顔は耳まで真っ赤に染まった。
その恥らう顔の初々しさに三郎はからかうように舌なめずりをした。
酒臭い息がかかると吐き気がするほどの嫌悪感が湧きあがってきた。
顔を背けて、しかし恐ろしさに身体は細かく震えた。
逃げ出す事も出来ずに居ると三郎は安寿の腕を掴み小屋へと引き摺り込んだ。
安寿が抵抗すると加減無い平手打ちで両頬をたたかれ、
土が剥き出しの狭い土間に叩きつけられた。
その拍子に口を少し切ってしまった。
噛み締めた砂は苦い血の味がした。
安寿が起き上がるより前に三郎は圧し掛かると着物を剥ぎ取りにかかった。
三郎の顔は酒に上気して本物の赤鬼のように見えた。

「いや!いや!」

安寿は掠れたような声を上げて身を庇い三郎の腕を払う。
しかし恐怖をおしての必死の抵抗も三郎の情欲を徒に刺激するだけだった。

「勿体つけるな!阿婆擦れめ」

三郎の低い声の恫喝に安寿は震え上がった。
大人しくなった安寿の着物を引き千切るようにして脱がすと両手でその裸体を撫でた。
安寿は剥ぎ取られた布切れを掴むと処女を失ったばかりの痛々しい身体を隠した。
布の合間から見え隠れする身体を父が抱いたのだと思うと、
三郎は言いようの無い羨望のような欲望を覚えた。
80名無しさん@ピンキー:04/10/09 14:01:58 ID:8N7baiT5
「お父っさんが……」

父の痕を探すように三郎の指は安寿の小さな身体を撫で回した。
二度目の刺激で敏感になっている身体をまさぐられて
思わず出そうになる声を呑みこみ、眠る弟の夢を覚まさぬよう歯を食いしばった。
安寿の身体を捕らえ愛撫を繰り返すうち三郎にも生々しい欲望が湧き上がってきた。
降りかかる熱く生臭い息に安寿は顔を顰める。
しっとりと掌に張り付くような皮膚の良さは今まで蹂躙してきた年増の比にならなかった。
快楽に耐え、喘ぎ声を我慢するというのも今までの下品な女たちに無い風情だった。

顔を背けた首筋を三郎の舌がちろちろと舐め上げると、ぞわぞわっと安寿の全身を気色悪い感覚が走った。
最後の力を振り絞り三郎を振り払うと上がり框へと身を投げた。
視線の先には月の光に照らされながら寒々しい寝床に臥している厨子王の姿があった。
その清らかな寝顔を目にすると安寿は鋭い矢に胸を刺されたように
がっくりと項垂れてそのまま膝をついた。

後ろから三郎が近づいても安寿はもう抵抗もしなかった。
安寿の腰を支え、上半身を框の上に押し付けると割れ目を両手で開いた。
赤く充血したそこは先の情交の跡を残しぬらぬらと湿っていた。
三郎が指をそこへ差し込むと滑りの良くなった為かすっぽり抵抗も無くはまった。
指の腹が安寿の膣壁を突付き、押し、擦る。
81名無しさん@ピンキー:04/10/09 14:02:14 ID:8N7baiT5
再び溢れる愛液でそこが充分に三郎を受け入れられるのを確認すると
掴んだ腰を持ち上げて狙いを定めて押し入った。
突かれる度、軽い身体は弾かれるように前へと押し出され
痛々しい程広がった膣口は大夫より尚猛々しい三郎を包む。
大夫の老練な手管と異なり三郎はただ安寿を痛めつけるだけだった。
後ろから獣のように襲われると安寿は女の身体を恨んだ。
どんなに拒んでも力ずくで組敷かれてしまう。
しかし今は恐ろしい顔が見えないだけ救いだった。
きつい膣に収まると三郎の陽根は更に膨らみ滅茶苦茶に突いた。
痛みと恐ろしさで安寿の腕は宙を掴み身体が反った。
三郎は挿入しながら安寿の手を取りその細い指を結合部に触れさせた。

「おぬしの身体はわしらのものだ」
そういうと抜き挿しし、安寿の指先は粘液に濡れた。
それを絡ませて突起を安寿の指で刺激させた。

「あああだめっ」

強い刺激に思わず声がでた。
安寿が手を振り解き床につくと三郎は自分の手で同じ刺激を与えた。
小さく硬いそこに触れられ、抓まれる度、安寿の身体は電流のようなものが流れた。
必死に声を抑えても身体全体がビクビクとしてきて三郎にも刺激が走る。
抜き挿しするたびに漏れる愛液は土間の土に糸を引いて垂れた。
先程まで生娘だった安寿の身体は充分に男と交わる事が出来るようになっていた。
床で擦り剥かぬよう白魚の指の上に載せた頬には未だ枯れぬ涙が零れた。
時折、呻き声のような悲鳴を上げながら何とか責め苦から逃れようと
身をくねらせても、三郎の腕からは逃れようも無かった。
売られてきた身をどんなに嘆いても此処から抜け出す事が出来ないように。
82名無しさん@ピンキー:04/10/09 14:02:36 ID:8N7baiT5

「ほれ、ほれ声を立ぬか。萱草の眠りを覚ますくらいに」

三郎はそう言って安寿の頭を厨子王の眠るほうへと捩じった。

――こんな……こんな苦しみは私だけで充分。
安寿はそれを見ると歯を食いしばり悲鳴を呑みこんだ。
一向に声を立てなくなった安寿に反して、肉同士のぶつかり合う音と
湿ったような淫猥な音が交じり合い三郎の荒い息が重なる。
口からは音を洩らさぬが陰部から漏れる粘ついた音は抑えようも無かった。
ぐちゅぐちゅという音が三郎が動くたびに小屋に響く。

安寿の身体は度重なる交合に限界を越えていた。
手肢が痺れ痙攣したように全身を震わせるが口は貝のようにしっかり閉じていた。
三郎は安寿の身体がとうに限界を超えているのを知りながら己の欲望を注ぎ続けた。
脂の汗を流し全身を瘧のように震わせながら安寿の眼は虚ろに空を見詰める。

突きながら回した手で幼い乳房を蹂躙されても安寿はもはや何も感じる事が無かった。
先程、初めて恋慕の接吻を受けた可愛らしい唇へも三郎の指が伸び、口内を弄られた。
三郎も次第に限界に近付いていた。
一際強く安寿を突き押し、両手で小さい丸い尻が真っ赤になるまで叩いた。
叩くたびに安寿の中が狭まり三郎を一層刺激した。

「うぅっ」
反返った男根が安寿の中で一瞬震えるとそのまま最奥を一突きして放出した。
締まる膣壁に搾り取られるようにして最後の一滴まで出し切るとずるりと安寿の体内から引き出した。
三郎のそれは湯気を立ち昇らせ満足そうにだらりと垂れ下がっている。
83名無しさん@ピンキー:04/10/09 14:02:54 ID:8N7baiT5
手を離すと安寿の身体は崩れ落ちるようにして土間へと手折れた。
その股間からは注がれたばかりの精液がとろりと流れ出る。
呼吸をするだけで精一杯の安寿はもう身体を隠す事も出来なかった。
あまりの痛々しさに思わず三郎の胸にも突付かれるような痛みが走り、
思わず差し伸べそうになった手を見て自分でギョッとした。
苦々しげに舌を打つと殊更に乱暴に転がる安寿の身体を足蹴にした。
それでも無反応な安寿のそばにしゃがむと髪を引っ張り上げて顔を掴んだ。

「よいか、垣衣。お前はもう子どもではないのだから、これからは別の仕事もしてもらうことになるぞ」
そしてちらりと厨子王の方に目を走らせ
「おぬしの働きが悪かったら萱草は……判るな?」

安寿は唇に二度目の接吻を受けた。
しかしそれは先程のものとは違い烙印のような接吻だった。
安寿は見開いた目で間近の三郎の顔をまじまじと眺めた。
その眉間には深い溝が刻み込まれている。
口を離し安寿を投げ捨てると三郎は小屋を出て行った。
月の光も差し込まぬ土間の片隅で安寿の両目から大粒の涙が零れた。

――逃れられない、決して。
そう思うと地面に開いた底知れぬ穴に吸い込まれるように落ち込んでいった。
目を瞑り、顔を覆い、この身体が無くなってしまえば良いと思った。
思いながらもその絶望はえも云われぬ甘美な味がした。
それに気付くとむしろ無くなってしまえばよいのは心だと安寿は悟った。
放り出された守り本尊の地蔵を拾うとそっと眠る弟の横へと滑り込ませた。

「はやくおとう様のいらっしゃる所へゆきたいわ」

呟くと倒れるように眠りに落ちた。
84名無しさん@ピンキー:04/10/09 14:08:19 ID:8N7baiT5
「おお、ぼくの――SS!」と>>1はさけんだ。
「どうしてお前から離れられようか、いつまでもお前を愛さないでいられようか」

ホフマン/黄金の壺

>>73いぇーむしろ楽しんでます
嘘です、淋しいです
85名無しさん@ピンキー:04/10/09 19:40:43 ID:pspZIsJo
翌日から安寿の様子がひどく変わってきた。
顔には引き締まったような表情があって、まゆの根にはしわが寄り
目ははるか遠い所を見詰めている。そしてものを言わない。
日の暮れに浜から帰ると、これまでは弟の山から帰るのを待ち受けて、長い話をしたのに
今はこんな時にも言葉少なにしている。
厨子王が心配して
「ねえさんどうしたのです」
というと、
「どうもしないの、大丈夫よ」
といって、わざとらしく笑う。
安寿の前と変わったのはただこれだけで、言う事が間違ってもおらず。
する事も平生のとおりである。
しかし厨子王は互いに慰めもし、慰められもした一人の姉が変わった様子をするのを見て
際限なくつらく思う心を、たれに打ち明けて話す事も出来ない。
二人の子どもの境涯は、前より一層寂しくなったのである。

潮汲みをしていても三郎が見回りに来ると安寿は身を固くして顔を上げず
黙々と仕事を続けようとするのを、難癖をつけてきまって人目につかぬ陸へと引きずり込むのだった。
行為を重ねるうち安寿には諦念しか浮かばなかった。

とある暖かな日、何時ものように伊勢の小萩と仕事をしているとき
小萩の汗ばんで捲くった袖から見えた肌が、あまりに滑らかに
水面を照らす光をうけるので安寿は思わずどきりとした。
仕事が終り手を繋いで帰路につくときにも安寿の心は安らがなかった。
小萩の手は安寿の柔らかな手に比べ仕事の所為で皮が厚く、温かかった。
安寿は疲れた身体を姉妹の誓いをした小萩に凭れるようにして甘えるように歩いた。
小屋に戻り弟と二人になっても一つの事を考え続けていた。
86名無しさん@ピンキー:04/10/09 19:44:42 ID:pspZIsJo
雪が降ったりやんだりして年が暮れかかった。
奴も婢も外に出る仕事をやめて、家の中で働く事になった。
安寿は糸を紡ぐ。糸を紡ぐのはむつかしい。
それを夜になると伊勢の小萩が来て、手伝ったり教えたりする。
安寿は弟に対する様子が変わったばかりでなく、小萩に対しても
ことば少なになって、ややもすると無愛想をする。
しかし小萩はきげんを損ねずに、いたわるようにして付き合っている。

山椒大夫が屋敷の木戸にも松が立てられた。
しかしここの年の始めはなんの晴れがましい事もなく、にぎわしい事も無い。
ただ上も下も酒を飲んで、奴の小屋には諍いが起こるだけである。
常は諍いをすると、厳しく罰せられるのに、こういうときは奴頭が大目に見る。
血を流しても知らぬ顔をしていることがある。どうかすると、殺されたものがあっても構わぬのである。

折々訪れる小萩に安寿は心を弾ませながらも中々素直に出せなかった。
ある宵、奴達に厨子王が酒を少し分けてもらい小屋へ持ってきた。

「ねえさん、屠蘇をいただいてまいりました。
 ね、たまには華やかな気持ちになりましょう、昔みたいに」

厨子王がそう言うとふさぎがちな姉に酌をして勧めた。
安寿も折角だからと少し口をつけて後は厨子王に注いだ。
幼い厨子王はすっかり酔いが回り楽しそうにしていたかと思うと次にはぐうぐう寝てしまった。
安寿は眠ってしまった弟をにこにこと見詰めながら
久しぶりに楽しい気持ちになっていた。昔のように。
87名無しさん@ピンキー:04/10/09 19:45:05 ID:pspZIsJo
婢の小屋のにぎやかさを持って小萩が来た。
安寿はそっと口に指を当てて小萩ににっこり笑った。
小萩はそっと小屋の扉を閉めると安寿の横へ座った。

「萱草、寝ちゃったのね」
「まだ子供ですもの」
「あら、垣衣も子供じゃない」

安寿は小萩のことばに少し間をおいて微笑んだ。
少しだけ安寿も酔いが回ったようで今日は小萩に対しても素直な自分が出せる。

「そうよ、わたし、ねえさんの子供だわ」

そういうと小萩の胸に顔を埋めた。
何時もと様子の違う安寿に戸惑ったように美しい髪を撫でていると安寿の腕が小萩に絡みついてきた。
見上げる安寿の潤んだ瞳に小萩もどぎまぎした。
安寿の顔が近付き小萩と唇を重ねた。
柔らかい唇は甘く蕩けた。

「ん……」

目を瞑り、突然の快楽に酔っている小萩の唇をぺろりと舐め、
安寿は自分が受ける暴力とは違う、優しい愛撫を小萩に与えた。

「垣衣……だめよ」

小萩の声は決して拒否の響きを伴っていなかった。
88名無しさん@ピンキー:04/10/09 21:00:59 ID:nAEpzX19
「なぜ?」

安寿は甘え声で言った。
小萩も何故かは判らなかった。

「ねえさん、きもちいい……でしょう?」

言いながら、安寿の指は小萩の豊かな乳房をまさぐり、乳輪をなぞった。
小萩の乳は母のそれを想わせるほど柔かかった。
安寿が乳首に吸い付くとその長い髪が小萩の裸体に流れかかった。

「垣衣……」

小萩の掌が安寿を求めるように着物の上から抱きしめた。
安寿は裸の小萩をその素肌を抱きしめた。
胸の谷間に顔を埋めると懐かしい心地がした。
そのまま下の方へ降り、柔らかな脂肪の程よくついた腰、豊かな茂みの陰部に口付けをしていった。
小萩の女陰に舌を伸ばし湛えた蜜を舐め取るとヒクヒクと蠢いた。

「は…あぁ……」

小萩が甘い吐息を漏らし安寿の頭を掴むと安寿も夢中で溢れる蜜を吸い取った。
ちゅばちゅばという甘い水音に二人の気持ちも高まった。
安寿が小さな肉豆を舌で挟むと小萩の喘ぎは一際たかまった。

「ねえさん、ねえさん……」

安寿は顔を上げるとその喘ぐ口を何度も吸った。
小萩の暖かい手も安寿の身体をまさぐり二人の脚は絡まった。
安寿も蜜をもう溢さずにはいられなかった。
89名無しさん@ピンキー:04/10/09 21:01:18 ID:nAEpzX19
するりと小萩の指が滑り込むと安寿の腰は待ちわびたように動いた。
くちゃっと肌の硬い指を呑みこむそこはいつも乱暴に扱われているにも拘らず
仄かな桃色を帯びて生娘のように清らかだった。

「垣衣は綺麗ね」

小萩の言葉に安寿は吃驚した。
自分のことなんて考えた事も無かった、綺麗なのは小萩ではないか。
安寿の指も小萩に、互いに入り組んだ形になった。
細く長い安寿の指は小萩を悶えさせるようにくねった。
小萩の中は温かく指に吸い付くようだった。
安寿が指を動かすと小萩も負けじと動かす。
中をゆるりと撫ぜられるとこんなに気持ち良いのかと安寿は初めて知った。
男は所詮男、女の体のことなんてわかってない。
互いの気持ち良いところを知り尽くしているかのように快楽を貪った。
弾む息で二人は同時に果てた。
べとべとになった手で互いにきつく抱合いながら満ち足りていた。

「ねえさん、ずっと側に居て、ね」

安寿の言葉に小萩は優しく微笑みその頬をなでた。
甘い眠りにおちてゆきそうだった。
こんなに安らかに眠るのは久しぶりだった。
男たちに蹂躙されるより深い睦み合いを安寿は感じた。
このまま、優しい時間がずっと続けばよいと思った。
90名無しさん@ピンキー:04/10/09 21:03:20 ID:nAEpzX19
以上、百合編!
91名無しさん@ピンキー:04/10/09 21:53:32 ID:E7kQq2+x
軌道に乗るまでもう少しがんばろう!
92名無しさん@ピンキー:04/10/10 10:11:44 ID:rEqbay8R
>>91
おう、がんがる!
93名無しさん@ピンキー:04/10/12 00:05:47 ID:syz9myKs
良スレハケーン!
マッチ売りの少女でエロ考えているんですが、いかがでしょう。
94名無しさん@ピンキー:04/10/12 01:13:20 ID:+8aD2ViN
>93
ぜひぜひお願いします。
童話系も結構できそうだなあ。
ほら、なんか漫画雑誌でもあるし。
「本当は残酷なグリム童話」とかいうやつが。
95名無しさん@ピンキー:04/10/12 23:30:55 ID:TGIlZfIu
マッチ売りの少女はアンデルセンが母をモデルにして書いたってほんとかね?
「マッチを売る≒売春してる」を示唆してるっていうけど最期に昇天しちゃうし
いや、じっくり読んだら哀しすぎて号泣してしまった事あるんですけどね
てことで>>93期待待ち
96名無しさん@ピンキー:04/10/15 23:17:57 ID:BpgsqeZQ
ttp://www.aozora.gr.jp/
青空文庫

とりあえずここ貼っときます必要あらば
97名無しさん@ピンキー:04/10/16 16:31:27 ID:Dd/0VdaO
『どうだろう』と言う割に出てこないねえ。
みんないいんじゃないって言ってるのに。不思議だ・・・・
98名無しさん@ピンキー:04/10/19 23:54:14 ID:RECTAxP3
書き手の自慰スレでしかないんだろうから
書ける香具師が書けば良い
と思う

以下日記
ブクオフにて妄想膨らますために購入の文庫リスト
卍(百合
小公女(w
高野聖(乱交ハアハア
男と女の子(未だ読み途中
水妖記(妖精萌
99名無しさん@ピンキー:04/10/20 03:47:42 ID:TNM4k6BZ
ここは、良スレになる可能性を秘めていますね。

砂の女とかはどう?閉鎖的な状況で、男を引き留めるために本で覚えた数々の秘技をつかう女……こう、なんか萌えないかね。
どうだいミスター・ジョーンズ。
100名無しさん@ピンキー:04/10/20 05:38:07 ID:zsVOrpJW
萌えるかどうか、と言うよりだれか書くかと言う問題じゃないだろうか。
10193:04/10/22 01:09:03 ID:Tq3tuq1q
「マッチ売りの少女」でがんがっているヤシです。これは本当に児童書のような物にしか目を通した事が無いので、内容が粗い上に多少物語の構成を創作しています。
こんなんですから、少女の名前すら解らないのでそのまま「少女」と「男」等になりますが、
近々投下させて頂きます。
近親相姦ネタも織り交ぜてありますので、苦手な方はスルーを。
102名無しさん@ピンキー:04/10/22 21:45:59 ID:fOF6I+Lp
わたくし近親相姦モノ大好きです(w
期待してます

名前判んないと書くの辛いですよね心中お察しします
103名無しさん@ピンキー:04/10/22 23:02:55 ID:/lZdqoQX
http://media.excite.co.jp/book/news/topics/102/index.html
萌える文学 ロリロリ篇
ワラタけど割と参考になるかも?
104名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:08:28 ID:WLC7c/Lc
>>89の続きを書くよ
105名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:08:49 ID:WLC7c/Lc
夜が白々と、山の端が光に照らされる前、安寿と小萩の絡まり眠る姿は穢れの無い姉妹であった。
早朝、見回りの奴頭が三の木戸の小屋の扉が少し開いているのを見つけた。
何気なく中を覗くと眠る厨子王の傍ら、絡まりあう女体の塊が見えた。
近寄り顔を覗くと垣衣と小萩の無邪気な寝顔が見えた。
しかし乱れた蒲団に凍える寒さの素肌で二人の行為を見て取った。

「これは如何した事か?」

二人を取り引きずり出すと安寿と小萩は外気に当てられ直ぐに目が覚めた。
慌てて着物の乱れを直す二人の腕を奴頭は捕らえてそのまま奴小屋へと引き摺っていった。
凍った雪がが裸足に刺さり血が滲んだ、痛みも冷たさで感じなかった
ただ小萩には不安、安寿に恐怖がこみ上げて声も立てられず二人、目を見交わした。
未だ暗い空は冬の空気が澄んで吐く息が白く上がった。
奴頭も黙ったまま、安寿と小萩も一言も発せず抗う事もせず付いていった。
奴の小屋の中は遊興に耽るもので夜通し火が熾きていて暖かかった。
安寿と小萩の凍え切った身体に有り難かった。
燈を灯した囲炉裏端で歌留多をしていた者たちが此方を見る。
奴頭は皆の前まで項垂れたままの二人を引っ張って行く。
106名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:10:01 ID:WLC7c/Lc
「千鳥の囀りが夜も明けぬうちより響いておった」

2.3人の起きていた物どもはそれを聞くとゲラゲラ嘲った。
一人の男が小萩の顔を引上げると泣き出しそうな顔をしていた。
もう一人は安寿の顔を掴むと真直ぐな力強い瞳に見返され手を離した。
安寿と小萩は柱に縛り付けられ、奴たちの侮蔑の眼に耐えなくてはならなかった。

「鳴いてみい!」

謗る声に続く哄笑。
安寿の顔は怒りに青褪め唇は震えた。
柱を挟んで背の小萩がしくしくと泣きだした。
その掌を縛られたままの不自由な手で少し触れると硬い皮膚は冷たくなっていた。
安寿は元気付けるように力を込めて握りしめた。
と、その時、扉が開き山椒大夫の息子三郎が手に弓矢を手にしたまま小屋の中へ入ってきた。

「三郎様、これに捕らえましたのが千鳥にて御座います」

奴頭はそう言うと俯いた小萩と背けた安寿の顔をぐいと三郎へ向けた。
安寿の乱れた髪の隙間から強い目が爛々と光る。
三郎は手にした弓矢を置くと顎に手を当てにやりとした。

「奴頭、これは千鳥なぞではあらぬ。よく見ろこの眼を猛禽の眼だ」

そういうと安寿の髪をかきあげた。
もう片方の手で小萩の顎をあげると涙に濡れた頬を叩いた。
107名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:10:25 ID:WLC7c/Lc
「震えておる。恐ろしいか?」
「はい、済みません。どうか……」
「ねえさん、詫びる事なぞありはしません。何が、悪い事などあるものですか!」

安寿の鋭い声がぴしりと響いた。
三郎は安寿を一睨みすると二人を解くように命じた。
小萩の腕を取り寄り添うように立つ安寿。
その腕は優しく柔かく安寿を勇気付けた。
二人を取り囲むように三郎と起きていた奴が円陣を組む。
つと後ろから安寿の身体が奴頭に拘束され小萩は三郎に腕を捩じり上げられた。


「目出度い正月じゃ、罰は与えぬ、余興せい」

三郎は小萩にいうと着物の帯をはらりと落とした。
奴たちは裸踊りだ、やれ、踊れ、と囃し立てた。
小萩は涙を浮かべて、しかし三郎の思うがまま長襦袢まで脱がされた。

「ねえさん!」
108名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:10:44 ID:WLC7c/Lc
安寿は手脚をばたつかせもがいても奴頭の腕から抜け出す事は出来なかった。
男たちの野次と好奇心の眼の中、小萩の成熟した肉体が曝け出された。
肉付きの良い肩と緩やかな曲線で繋がるたわわな乳房。
それが小突かれ踊るように動くたび揺れ動くさまは男の情欲を刺激した。
時折安寿へ向けられる目線は切なげに潤んでいた。
下も脱がせてしまえ、どこからか聞こえる声に応えるように三郎は腰巻に手を掛けると
小萩は必死にそれだけは、と抵抗をした。
引っ張られる朱鷺色の布は篭められる力に容易に破けた。
びりびりと襤褸切れのように引き千切られた腰巻の隙間から見える
艶めかしい太腿と影が、奴と三郎の興奮を高めた。
一糸纏わぬ姿で肉体を衆目に晒し啜り泣く小萩は見るに耐えなかった。
目を伏せじっと終るのを待っていると、突然

「ああっ」

悲鳴が聞こえ小萩が男から乱暴を働かれているのが察せられて安寿は顔を上げる。
小萩が一人の奴に抱えられて仰向けに圧し掛かられているのを目にした。
豊かな乳房に吸い付く汚らわしい顔を見ると安寿は自分の身にその悪寒を感じた。
昨夜、安寿が母の温もりをそこに感じた清らかな温もりは今、男の口と手で玩ばれる。
悔しさに初めて涙が溢れて来るのを安寿は堪えた。
男の愛撫で小萩の身体は次第に色気を増し、悲鳴は淫靡に変わっていった。
二人の男に脚を広げられ小萩の身体の中心をむき出し安寿の眼の前に突きつける。
顔を背けると奴頭が頭を押さえつけそこに安寿の顔を押し付けた。

「可愛い千鳥、囀らせて楽しませてやるがいい」
109名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:11:07 ID:WLC7c/Lc
拒否する事も出来ず小萩の蜜壺に舌を這わせるとねっとりと糸を引き熱っぽい喘ぎ声が上がった。

「あっ……ふぁ」

ヒクヒクと求めるように蠢くそこは溢れ出る愛液に熱く濡れそぼっていた。
泣き出してしまいたかったが、安寿は口を外す事も許されず舐め続けた。
安寿が舌を動かし続けているときも小萩は全身を責められ続けた。
小萩の流す愛液が安寿の唾液と交じり合い床に零れ染みをつくる。
様子を見ながら、奴頭は何度も安寿の髪を引っ張り小萩から離すので、
絶頂に達する事が出来ぬ苦しみに全身汗ばんだように悶える。

「いや……もう…て……」

息も絶え絶えに小萩がいうと男たちは安寿を引き離し再び柱に縛り付けた。
安寿は身動きも取れぬままに次々に男に蹂躙されてゆく小萩の肉体を瞬きもせず見詰めた。
幾度も気を遣り、それでも男を求める貪欲な女の肉体を。
安寿は眼前の光景に次第に上気してしまう己の身体を呪った。
それを察してか奴頭が安寿の膝に紐を掛け大きく開くように縛めた。
そのまま後ろから抱え小萩の突かれる動きにあわせ安寿の小さな突起をこする。

「ひあっあ……」

曝け出され隠す事の出来なくされた身体を恥ずかしく愚弄される。
他の人たち皆に安寿が奴頭の指にどう弄られているのかがわかる。
指先が肉に埋まり少し曲げて捏ね繰るよう動かされる。
咽喉からは呻きのような悲鳴が漏れた。
膝を閉じる事も出来ず、身体は唯、物質の様に扱われる。
それなのに、どうして安寿の肉体は刺激を快楽と受け取ってしまうのか。
受けた快楽に応えるように尻までも愛液にが垂れ、安寿の下半身はしとど濡れそぼる。
110名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:11:35 ID:WLC7c/Lc
衆目に晒されながら安寿の脚は硬直したように突っ張り、
全身を震わせ己を縛る紐に爪を食い込ませた。

「ああぁっ」

堪えきれない喘ぎ声は小萩に負けず艶っぽさを帯び、手の空いていた男に聞こえた。
豊満な色気とは対照的に途上の危うい色気を安寿に感じ生唾を呑みこんだ。

「いい女にしてやろうか?垣衣」

男は奴頭に代わり安寿に近付いた。
安寿が拒否するように見詰めているのに気付いて薄笑いを浮かべていた。
喋る事もままならぬほどの感覚に見を委ね安寿の肢体は弛緩し始めた。
痛いほど腫れあがった三つの豆粒を順々に男が摘む。
貧弱な身体がその度に跳ね上がりそうだった。
両乳首が他の男の手や舌に委ねられ最初の男は広げられた股へと顔を動かした。
ぱっくりと口を開いたそこは疎らに生えた産毛に縁取られてだらだら涎を垂らしている。
男がその汁を啜る音はこの上も無く下品に響いた。
丹念に舐め上げられ、舌で転がされると止めて下さいと哀願する声も言葉にならない。

「…や……ぁ……うぁ…いやあぁ」

複数の男の与える愛撫に悶え苦しみながら、これも苦行を堪え忍ぶ小萩に眼をやると、
白濁した液にまみれる身体は匂い立つほどの色気を纏い、
次々に肉棒を咥え込む女陰は不思議に清く感じた。
男は小萩を抱きかかえ小萩はそれを包みこむように背に廻した爪を立てている。
そして、小萩は上擦ったような歓声を上げ続けた。
男の気持ちが判るような自分の心が安寿には憎らしかった。
111名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:12:02 ID:WLC7c/Lc
それまで殆んど見ていた三郎は安寿に近付くと群がっていた奴は離れた。
縛られたままの安寿の口に己を押し込んだ。
何度もあれから三郎には犯されていはいたが安寿は未だ三郎の暴力的な愛撫には慣れなかった。
咽喉の一番奥に手加減なく突っ込まれると吐き戻しそうになる。
頭を掴まれ咽喉の奥で迎えた三郎がそのまま怒張して行くのを感じた。
有無を言わさずに口の中を犯され丁寧に舐めるよう指示される。
早く終って欲しくて安寿は必死に吸い付き三郎の満足を得ようとした。
小萩の中に出入りしていた男も此方を指差すと小萩も振り返って見た。
口一杯に三郎を頬張りながら安寿は情けなく恥ずかしく祈るような気持ちで吸った。
早く、終って。
唇が陰茎の上を滑り、舌が亀頭を包み、貪るように吸う。
とうとう熱い精液が安寿の口に溢れると三郎は大きく息をついて腰を引いた。
そのまま安寿の顔を持ち上げると口の中に溜まった液体を呑み下すよう命令した。
何時もは影でこっそりと吐き出せるのに今回は身動きも取れず泣きそうになりながら無理に呑みこんだ。
咽喉に引っかかりながら何とか飲み干すと鼻からも臭いがする。
思わず咽こんでしまいそうになるのを我慢すると三郎はようやく満足したように笑った。

「随分上手になってきたな、日々の勤めの成果皆にも見せて遣れ」

それを合図にするように男たちは安寿の両手の縛めを解く。
未熟な果実を隠しもせずすっくと立つ姿は神々しくもあった。
一瞬怯んだ男たちもその華奢な体躯と滑らかな肌に張り付く光沢のある黒髪に
劣情沸き立ち、安寿の身体に視線は絡みつかせた。
一人が手を出すとワラワラと群がり安寿の身体も又、小萩のように暴力から逃れる術も無かった。
112名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:12:27 ID:WLC7c/Lc
殆んど為すがままに抱きかかえられ、大きく開いた小萩の股に安寿の股間をあてがった。
男たちが安寿と小萩の脚を卍に絡ませて二人の女体を動かすと
ねちねちと湿った音をたて二つの女陰が擦れる。
敏感な小萩の肉体は少しの刺激にでも悲鳴を上げた。

「あぁ……垣衣!」

しっとりと湿った瞳で熱っぽく見詰める小萩を安寿は直視できなかった。
小萩の膣は数人分の精液と溢れ出る愛液で渇く間もなかった。
その液体に濡れた安寿も次第に上気する肉体を持て余すように息を上げた。
動かされなくても自分で擦りつけるように下半身を動かす。

「女同士で乳繰り合ってよがり声をあげるか、淫婦め」

嘲笑と侮蔑の中、安寿は小萩にだけは済まないと、心から思った。
自分は、いい。もう此処に連れて来られた時からそう思っていた。
しかし本当に大切に思う人が苦しむ姿は胸が張り裂けそうなほど痛かった。
安寿の脚を持っていた男が我慢しきれず二人を引き離し拒む間も与えず糸を引く裂け目に突入した。
押し入る男の一物を安寿は諦観と共に受けいれた。
見た目の弱々しい身体つきから想像つかぬほどの熱で纏わり絡みつく肉襞は男を悦ばせた。
挿し込むときの軽い抵抗も、初々しさを残して、引き抜く時の吸い付かれような収縮
その度に男根はもう一度肉の中に入りたく腰を振った。
何度も抜き挿しされ次第に意思に反し安寿の身体は戦慄き快楽が突き抜ける。
その快楽はただ肉体のみで精神は惨めに血の涙を流していた。
何処にも助けを求められる人は居ないとわかると叫びだしたいほどの淋しさに襲われた。

「おかあ様、おかあ様ぁ」

篭ったような声でうわ言のように繰り返しても責めの手は緩まる事が無かった。
入れ替わりで何人もに嬲られて身体はとうに限界を超えていた。
膣の中は爛れ、擦り切れた。
ひりひりと痛むそこを容赦なく切りつけられた。
113名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:12:48 ID:WLC7c/Lc
うつ伏せに押さえつけられて腰を高く上げられ膣の中にある男根をより深く沈没させた。
顔を伏せた床に汗と涙と涎の水溜りができた。
ついっと別の手が安寿の尻に伸びて小さく窄まった菊門に触れた。
びくんと身体を強張らせた安寿にその指はゆっくりと蕾をほぐした。
前に比べ慣らされておらず広がる大きさの小ささから爪の先が入るだけで身を捩るほど苦しかった。
指がゆっくりと入ってくると逆流するような悪寒が走る。

「厭ぁ!」

じたばたと手脚をもがいても、しっかり掴まれた腰と押さえつけられる背中を動かす事叶わなかった。
なんとか固い蕾を開き指がすっぽり入ると腸の中を掻き混ぜるように動かされる。
腹の中で大きな虫が暴れ回るような不快感。
そのまま膣を突かれ続けている為、安寿が力を入れると中の男を締め付ける。
指が抜かれそうになると便意に似た様な感触がして寒気がした。
しかしその指は抜かれる事無く執拗に安寿の腹の中を捏ね続けた。
膣と腸とその間の薄い壁ごしに指と男性器が擦れ合う。

「出して、お願い。出して下さい」

指を引かれるたび安寿の叫びは悲痛に響いた。
膣を突いていた男が精を放つと指もずるりと引き抜かれた。
便通のような気持ち悪い触覚とそれを何人もの人々に観察されている自分に歯軋りをした。
膝が震えて床に崩れると水溜りに髪が濡れた。
114名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:13:22 ID:WLC7c/Lc
空虚な穴に未だ何か挟まっているように肢を投げ出して横たわる。
荒い息の唇に先程の指が近付いた。
肛門を穿り返した指は微かに血と臭うものがこびり付いていた。

「舐めろ」

声の主を見ると三郎だった。
安寿は顔を顰めたが三郎の命令に逆らう事なぞ出来なかった。
恐る恐る口を開くと舌先でそれに触れる。
三郎はじっと冷たい目で安寿を見下ろしていた。

その時不意に暖かい手が安寿を励ますように触れた。
靄のかかったような視界の中小萩の顔が浮かぶ。
こっそり指を絡めると安寿はすこしだけ楽になったような気がした。
三郎の指を綺麗に舐め取るとぐったり肩を落とした。
しかし興奮した男は劣悪な欲望を奮わせた。
終る事なぞ無いような饗宴の中、時折安寿と小萩は無言で慰めあった。

それは未だ年端の行かぬ安寿には想像を絶するほどの行為だった。
小萩にとっても心の通わぬ行為は苦しみと辛さばかりだった。
そして男たちも色の味を覚え始めた安寿の身体を蹂躙する加虐の悦びを感じていた。
軽い身体を挟むようにして文字通り嬲り廻した。
唾液と血と精液に塗れた二人の女の身体は休むことなく苛まれ続けた。
閉じる事の許されない脚の間を凄惨に痛めつけられて身体は壊れてしまいそうだった。
何度も絶頂を迎えさせられ敏感になりすぎた身体は触れられただけでも悲鳴が上がる。
このまま死んでしまう?不安と同時に期待のような淡い希望も見えてきた。
115名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:14:02 ID:WLC7c/Lc
「どうだ、え?お前らの犯した過、詫びる気持ちになったか?」

三郎が息も絶え絶えな二人にそう言うと小萩は手をつき謝ったが、
それでも、自分が悪い事をしたなぞ欠片さえも思えない安寿は、
虚ろな瞳で弱々しく首を横に振る。
小萩はそんな安寿の分も許しを乞う様に額を床に擦りつけて三郎の懐柔を図っている。
そして安寿はそんな小萩を見るのが辛かった。
目を瞑って、しかし決して首を立てに振ろうとはしなかった。

「ふん、相変わらず……しぶとい子どもじゃ!」

三郎が出てゆくと小萩は安寿を担ぎ汚れた身を清めに行った。
陽は高く小春日和だった。
すこし融けだした雪の合間に土が泥濘となって覗く。
汚濁を隠す白い雪が美しかった。
私と垣衣だわ。
小萩はそんな事を思った。

身体を清め少し人心地ついたところで二人は別れた。
今日の事は無かったこと、なにもありはしなかった。
小萩は安寿にそう言って寂しく笑っていた。
116名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:15:09 ID:WLC7c/Lc
↑以上輪姦編!
↓そして以下・・・なんかよくわからん編!
117名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:15:37 ID:WLC7c/Lc
三日経つと、また家の中の仕事が始まった。
安寿は糸を紡ぐ。厨子王は藁を打つ。
もう夜になって小萩が来ても、手伝うに及ばぬほど、安寿は紡錘を廻す事に慣れた。
あの時ほどでは無いが三郎からは度々呼び出される、それにも慣れた。
静かに姉弟の小屋は春を待っていた。

紡いだ糸をもって山椒大夫の屋敷に入るとあの時の奴とも顔をあわす事が合った。
しかし互いにそ知らぬ顔でやり過ごす。
それなのに二郎はなにかを知っているような目でじっと安寿を見る事があった。

厨に粥を受け取りに行った。
その日安寿はどうにも食欲が出なくて一人食事時に外を歩いていた。
この頃では随分陽射が柔かく春の近さを感じた。
安寿は戯れに雪玉を作り海の中へとぽとんぽとんと落としていった。
海の向こう、佐渡はきっと母が居る。
きっと大きくなったら行かれる。
そう思うと辛さも寂しさも一時だけ忘れる事が出来た。
指先が赤く染まり悴んだ。
冷たくなった掌に息を吐いて海を背にした。
小屋に戻ると厨子王は居らずひっそり閑としていた。
悴んだ指で糸も紡げずぼんやり座っていると二郎が小屋を見回りにきた。

「如何した?手を動かせ、寒くて動かんか?」

安寿の手を取り二郎はその余りの冷たさに驚いた。
そのまま屋敷に連れてゆき火に当てると安寿の髪を優しく撫でた。
ふっと気が緩み安寿は疑問を呈した。

「あの、二郎さま。何か御存知でいらっしゃいます?」

ぴくっと二郎の手が止まり難しい顔をして安寿を見た。
118名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:16:03 ID:WLC7c/Lc
「お前がなんの事を言うているのか、わしには判りかねるが……」
そういうと行き成り安寿を抱きしめた。
「弟が働く狼藉、お前と小萩の事。ちゃんと知っておる。
 わしが判らぬのは己の気持ちだけよ」

二郎は安寿の冷たい身体を掻き抱き光沢ある長い髪に顔を埋めた。
安寿は驚きはしなかった。
為すがまま二郎に抱かれても何も思わなかった。
裸になった安寿を押し倒し覆い被さると唇を重ねた。
上を向き震える乳房をそっと掌に包み先端を摘む。
ぴくんと反応を返す安寿を安心させるように頬から胸まで唇がなぞる。
右手で安寿の股間をまさぐりそこが十分湿っているのを確かめ
自分のものをかるくしごいた。
安寿の両足を折り曲げて身体を畳むようにして狙いを定めると突いた。

「はぁ……」

柔らかい肉に包まれてこみ上げる愉悦、安寿の口から漏れる溜息も二郎の耳には快い。
安寿も暖かい部屋で受ける優しい愛撫は心地良いと言っても良かった。
今は何もかも忘れて二郎との交合に没頭してしまうべきと己に言い聞かせた。
二人の身体が楔のように繋がると安寿は二郎の腰に脚を絡めた。
二郎が驚いて安寿を見ると初心な娘のようにはにかんだ。
安寿の手を取り畳に磔にするように押し付けると腰を突っ張り睥睨した。
長い髪が広がり子どものような身体つきながらしっかりと二郎を受け入れている。
安寿は見上げてにっこり微笑んだ。
手はそのままで二郎が再び口を吸うと安寿の指にぐっと力が入るのを感じた。
ゆっくり中で動きながら安寿の口も貪る。
漏れる甘い溜息さえも吸い込むように二郎は安寿の口を吸い続けた。
手を振り解き二郎の胸に掌を滑らせると胸板は早い鼓動で動いていた。
119名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:16:38 ID:WLC7c/Lc
「二郎さま。あぁ……あつい……です」

躍動する動きにあわせるように安寿も腰を浮かせる。
少し浮いた背に手を廻し全身を抱きかかえるようにする。
安寿の身体は二郎の手に軽く儚いものに感ぜられた。
綿毛を抱いているような錯覚に囚われ確かめるように安寿を突いた。

「んぁ…はあぁ……」

安寿も男女の交合とはこんなに優しく出来るものかとしみじみ感じた。
嬉しさと哀しさでぐちゃぐちゃになりながら二郎の身体にしがみ付いて泣いた。
何故、三郎はいつも乱暴にするのだろう?
いつか優しくされたいと何処か心の隅で想っていた。
二郎に優しくされるほど安寿の心は傷付いていった。
しかし今はすべてを二郎に委ね、髪を振り乱して愛し合う真似をしていた。
安寿は自分が淫乱と言われても気にならないほど二郎を求めた。
本当は身体なぞ交える気の無かった二郎だが安寿の肉体の魅力に虜になった。
その肉体の内に潜む、危ういほど儚いようで居て鋼のように堅い心を見た。
安寿の髪を弄り喰らい尽くすように小さな顔に所構わず吸い付く。

「綺麗な髪の毛だ」

耳元で囁く言葉も安寿には聞こえていなかったかも知れない。

腰の骨がぶつかり合い身体の奥で感じあう。
心は決して交わる事が無いが快楽の淵に二人で登りつめる事が出来る。
安寿は圧し掛かる二郎の重みさえ感じなかった。
腰を振り快感の大波に二人身を任せた。
120名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:16:54 ID:WLC7c/Lc
「あぁ…んぁぁっ」

一際大きな波に呑まれた時安寿の膣は二郎を痛いほど締め付けた。
搾り取られるようにして安寿の中に放出した二郎は肩で息をしながら
ぐったりとなった安寿を壊れ物を扱うようにそっと畳に横たえた。

さらさらと黒髪が安寿の汗ばんだ身体に降りかかりはっとするほど美しかった。
横たわった安寿が手を伸ばし二郎の首に廻すと引き寄せて口付けをした。
口を合わせると互いの荒い鼻息がこそばゆかった。
二郎が目をそっとあけると安寿の絡まる睫毛には珠が光っていた。
白魚の指が二郎の頬を撫ぜ、ゆっくり目を開くと細い腕は力無く髪の海へと落ちた。

終った後も二郎は丁寧に安寿の身体を清めた。
濡れた手拭いで拭うと、ふっくらした股間から安寿のものでない体液が漏れてくるのを見た。
二郎は罪悪感からそれを丁寧に拭き取った。
まるでそれを綺麗に拭き取れば二人の行為が無かった事になるかのように。
しかし後から後から滲んでくるそれは拭いきれなかった。

「食事をしなさい」

二郎はそういうと温かくなった着物を安寿に差し出した。
素直に着物を着て厨へと向かうと小萩が安寿の分の粥を取っておいてくれていた。

温めた粥を受け取り、匙で口に運ぶとこみ上げる悪寒に席を立った。
慌てた小萩の足音が聞こえても、堪えきれず流しに吐き戻していた。
胃の中は空っぽで黄色い酸っぱい臭い液体しか出なかった。
もどしても不快感は消えず何度も咳き込んだ。
真っ赤な顔で涙を滲ませていると小萩が驚いて背を擦った。
小萩の掌は相変わらず優しく温かだった。
121名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:17:15 ID:WLC7c/Lc
水が温み、草が萌える頃になった。
明日からは外の仕事が始まるという日に、二郎が屋敷を見回るついでに、三の木戸の小屋に来た。
藁を打っていた厨子王が返事をしようとして、未だ言葉を出さぬ間に
この頃の様子にも似ず、安寿が糸を紡ぐ手を止めてつと二郎の前に進み出た。

「わたくしは弟と同じところで仕事がいたしとうございます。
 他に無い、唯一つのお願いで御座います、どうか山へお遣りなすって」

二郎は物を言わず安寿の様子をじっと見ている。
暫くして二郎は口を開いた。

「父が自ら決める。しかし垣衣、お前の願いはよくよく思い込んでのことと見える。
 わしが受けあって取り成してきっと山に行かれるようにしてやる。安心しているが良い」

こういって小屋を出た。
二郎の目蓋には紅潮した顔の中、思いつめたように輝く瞳が焼付いて離れなかった。
一度は抱いた女のああまで思いつめた様子が気がかりでならなかった。
あの日垣衣は何故抱かれたのだろうか?
まさか自分の事が好ましいと思われた訳でも無さそうだが…
弟の付けた傷に塩を塗りこむような事を自分はしたのだ。
三郎はせめてもの償いに安寿の願いを叶えようと想った。
122名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:17:44 ID:WLC7c/Lc
厨子王は杵を置いて姉の側に寄った。

「ねえさん。どうしたのです?それは、貴女が一緒に山へ来てくださるのは嬉しいが
 何故だしぬけに頼んだのです?何故私に相談しません」

姉の顔は喜びに輝いている。

「本当にそうお思いのはもっともだが、私だってあの人の顔を見るまで
 頼もうとは思っていなかったの。ふいと思い付いたのだもの」

「そうですか。変ですなあ」

厨子王は珍しい物を見るように姉の顔を眺めている。

奴頭が籠と鎌とを持って入ってきた。

「垣衣さん。お前に潮汲みをよさせて、柴を刈りに遣るのだそうで
 わしは道具を持ってきた。代わりに桶と杓を貰ってゆこう」

「これはどうもお手数で御座いました」

安寿は身軽に立って桶と杓とを出して返した。
手渡した時に触れた手で正月の事を思い出して安寿に悪寒が走った。
枯れた枝のような手。ぞっとして慌てて手を引っ込めた。
奴頭はそれを受け取ったが、未だ帰りそうにはしない。
顔には一緒の苦笑いのような表情が現れている。
この男は山椒大夫一家のもののいいつけを、神の託宣を聞くように聞く。
123名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:18:00 ID:WLC7c/Lc
「さて今ひとつ用事があるて。
 実はお前さんを芝刈りに遣る事は二郎さまが大夫さまに申し上げてこしらえなさったのじゃ。
 するとその座に三郎さまが居られて、そんなら垣衣を大童にして山に遣れと仰った。
 大夫さまは良い思いつきじゃとお笑い為された。
 そこでわしはお前さんの髪をもろうて行かねばならぬ」

そばで聞いている厨子王は、この言葉を胸を指されるような思いをして聞いた。
そして涙を浮かべて姉を見た。
意外にも安寿の顔からは喜びの色が消えなかった。

「ほんにそうじゃ。芝刈りに行くからには、私も男じゃ。
 どうぞこの鎌で切って下さいまし」

安寿は奴頭の前に項を伸ばした。
光沢のある、長い安寿の髪が、鋭い鎌の一掻きにさっくり切れた。
短い髪の毛がはらりと顔に掛かり、頭がすっと軽くなった。
奴頭の掌の中、長く美しい髪の毛がぐんにゃりと垂れ下がってた。
頭を上げると安寿は奴頭に微笑んだ。
気味の悪い物を見るように自分の手の中の髪と安寿とを見交わした。
「しぶとい子ども」幾度か耳にした言葉が今奴頭に痛いほど判った。

奴頭が出てゆくと厨子王は姉の頭を見て泣いた。
姉は優しく弟の泣くに任せてた。
小萩がきて安寿の頭をみて驚いた。
もう一緒に浜へ行かれぬのを聞いて泣いた。
安寿は小萩をきつく抱きしめた。
124名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:18:24 ID:WLC7c/Lc
あくる日姉と弟手を引き合い木戸を出た。
山椒大夫のところに着てから、二人一緒に歩くのはこれがはじめてである。
厨子王は姉の心をはなりかねて、寂しいような、悲しいような思いに
胸が一杯になっている。
昨日も奴頭の帰ったあとで、色々に言葉を設けて尋ねたが、
姉は一人で何事かを考えているらしくそれをあからさまに打ち明けずにしまった。
岩の面に朝日がいちめんに射している。
安寿は重なり合った岩の、風化した間に根を降ろして小さい菫の咲いているのを見つけた。

「ごらん。もう春になるのね」

厨子王は黙って頷いた。
姉は胸に秘密を蓄え、弟は憂えばかりを抱いているので
兎に角受け答えが出来ずに、話は水が砂に沁み込むように途切れてしまう。
安寿は先に立ちずんずん登ってゆく。
厨子王は訝りながらついてゆく。
外山の頂ともいうべき所にまで来た。

「厨子王や。私が久しい前から考え事をしていて、
 お前とも何時ものように話をしないのを変だと思っていたでしょうね。
 もう今日は柴なぞ刈らなくとも良いから、よくお聞き。
 あの中山を越してゆけば、都が近い。
 筑紫へ行くのも佐渡へ渡るのも容易い事ではないけれど、
 都へはきっと行かれます。
 お前はこれから思い切って、この土地を逃げ延びて、
 どうぞ都へ登っておくれ。
 神仏のお導きで、善い人にさえ出会ったら、筑紫へお下りになった
 おとう様のお身の上も知れよう」
125名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:18:42 ID:WLC7c/Lc
厨子王は黙って聞いていたが、涙が頬を伝わって流れてきた。

「そして、ねえさん、あなたはどうしようというのです」
「私のことは構わないで、お前一人でする事を、私と一緒にするつもりでしておくれ。
 おとう様にもお目にかかり、お母様をも島からお連れ申した上で私をたすけに来ておくれ」
「でも私が居なくなったら、あなたをひどい目にあわせましょう」
「それは虐めるかもしれないがね、私は我慢して見せます。
 金で買った婢をあの人たちは殺しはしません。
 さあ、あそこまで降りていって、お前を麓へ送ってあげよう」

姉は今年十五になり弟は十三になっているが、女は早く大人びて、
そのうえ物に憑かれたように、聡く賢しくなっているので
厨子王は姉の言葉にそむく事ができぬのである。
木立の所まで降りて、二人は籠と鎌とを落ち葉の上に置いた。
姉は守本尊を取り出してそれを弟の手に渡した。

「これは大事なお守りだが、今度合うまでお前に預けます。
 この地蔵様を私だと思って、護刀と一緒にして大事に持っていておくれ」
「でもねえさんにお守りが無くては」
「いいえ。私よりは危ない目に合うお前にお守りを預けます。
 晩にお前が帰らぬときっと討手が掛かります。
 あの塔の見えていたお寺に隠しておもらい」
「でも寺の坊さんが隠しておいてくれるでしょうか」
「さあ、それが運試しだよ。開ける運ならば坊さんがお前を隠してくれましょう。
 麓まで一緒に行くから、早くおいで」
126名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:18:57 ID:WLC7c/Lc
二人は急いで山を降りた。
足の運びも前とは違って、姉の熱した心持が暗示のように弟に移って言ったかと思われる。
泉の湧く所へ来た。姉は木の椀を出して、清水を汲んだ。

「これがお前の門出を祝うお酒だよ」

こう言って一口飲んで弟に差し出した。
弟は椀を飲み干した。

「そんならねえさん、ご機嫌よう。きっと人に見つからず中山まで参ります」

厨子王は十歩ばかり残っていた坂道を一走りに駆け下りて、沼に沿うて街道に出た。
安寿は泉の畔に立って、並木の松に隠れては又現れる後ろ影を小さくなるまで見送った。
そして日はようやく昼に近付くのに、山に登ろうともしない。
幸いに今日はこの方角の山で木を樵る人が居ないと見えて、
坂道に立って時を過ごす安寿を見咎めるものも無かった。
127名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:19:34 ID:WLC7c/Lc
坂の下の沼の端に降り、弟を見送った安寿は自分の半身は弟に託され去っていった事を悟った。
沼に足を踏み入れると水の冷たさは氷のようだった。
意に介さずざぶざぶと膝まで浸ると冷たさに感覚が無くなった。
自分の身体が汚れているとも思えなかったが、沼の静けさに沈んだら
背に連ねた穢れも払われるような気がした。
厨子王はきっと逃げ切れる。なぜか確信して安寿はその身を投げようとしていた。
腰まで水に浸かったとき安寿の心に抗うように胎児の動きを感じた。

「あっ」

下腹を押さえ安寿は水の中を走り走り、走りぬいた。
息が上がり冷たいはずの水が温く感じた。
陸に上がると藁沓を脱いだ所から大分離れていた。
安寿は砂浜に横たわり笑った。涙が出るまで。
下腹に手をやると不思議に懐かしい気持ちになった。
母の温もりが今時分のものになった事を知った。
見上げた青空は、沼よりも深く、青く吸い込まれそうだった。
何時の日か、筑紫まで往かれるかどうか、さぁそれこそ運試しだ。
でもきっと生きてゆかれる。
裸足のまま、雪が融け柔らかな土の出てきている道を、晴れ晴れした足取りで歩いていった。
128名無しさん@ピンキー:04/10/23 19:20:38 ID:WLC7c/Lc
以上。
これでもう山椒大夫で私が書くことは多分無い!書ききった!
さらばじゃ!
129名無しさん@ピンキー:04/10/23 20:25:55 ID:msZEdzOC
よくがんばった!

山椒大夫でなくってもいいぞ、舞姫でも、何ならマッチ売りの少女でも、

人魚姫でも鮭の産卵でも・・・・・・・・
130名無しさん@ピンキー:04/10/23 22:14:26 ID:5yQB8o/d
すごいなあ・・・
美しいなあ・・・

GJ。感動した。
131名無しさん@ピンキー:04/10/24 22:38:58 ID:5famRhNj
すごいなあ
原作のイメージを損ねずここまで出来るとは。
132名無しさん@ピンキー:04/10/25 21:14:43 ID:be6+ysGq
>129-131
ありがとう
安寿版の山椒大夫
胎の児は誰の子?
お楽しみいただけたら幸いです

マッチ売りの少女待ちの間
次に何書くか思案
洋物書きたいかな
133名無しさん@ピンキー:04/10/26 02:27:31 ID:ciKUAGsT
谷崎ものを激しくキボン
春琴と佐助とかナオミと譲治とか
134名無しさん@ピンキー:04/10/26 21:36:51 ID:L6pL9oHT
マッチ売りの香具師です。度々現れては投下せずにいて申し訳ありません。
書いているうちに纏まらなくなってきたので、省略と誤字脱字等の処理をしますので、もう少し後になりそうです。

それから和物GJです!その内容知らないのですが、文章の素晴らしさから自然とハァハァできました。洋物期待してます。
135名無しさん@ピンキー:04/10/31 10:56:20 ID:XbcW/d/b
マッチ売りの少女、その名はマチコ!
ニックネームはマッチ

「マッチ、マッチはいりませんか?」



なていう下らない妄想が一瞬よぎった
136名無しさん@ピンキー:04/10/31 11:17:08 ID:qXj21A4h
サロメの自慰SSキボン
最初はヨハネを想像しながら、後半はヨハネの生首を使ってみたいな。
137名無しさん@ピンキー:04/10/31 12:38:41 ID:elWKIJ+a
イイねーサロメ
舞で義父を骨抜きにしてヨハネで自慰して逝っちゃう王女か
138名無しさん@ピンキー:04/10/31 18:23:58 ID:B0C6+c0/
>>133
時代小説の135=140?
春琴抄読んだこと無かったんで読んでみます
139名無しさん@ピンキー:04/11/01 03:25:11 ID:xFn4YsSp
>>138
はい、そうです。
「春琴抄」はイイヨー。
気の強い娘萌え属性がちょっとでもあればハァハァできると思います。


2chのスレに挙がったロリ文学やエロ文学を纏めたサイトがあったので、
参考までに貼っておきます。
ttp://www.geocities.jp/lolinovel/index.html
140名無しさん@ピンキー:04/11/01 04:02:43 ID:23Gthc6M
自分も春琴抄、好きだな。
倒錯気味だし主従だし、けっこう萌える。
141名無しさん@ピンキー:04/11/01 22:05:52 ID:7lEC/cOZ
今日の月すっごく赤かったから
サロメなんてのもいいねぇ
なんて思ったが持ってるのが耿之介訳だけ
あんなのパロ出来ないよぅ・・・(つд`)
岩波の福田訳ブックオフとかで探そうかな
142名無しさん@ピンキー:04/11/11 01:57:46 ID:hynWrSTV
       ∩  _, ,_
     ⊂⌒(  ゚∀゚) <マッチ売りマダー
       `ヽ_つ ⊂ノ


 _,,..i'"':,
|\`、: i'、
.\\`_',..-i
  .\|_,..-┘
143名無しさん@ピンキー:04/11/11 21:04:37 ID:zF30rZYo
シャケは?
144名無しさん@ピンキー:04/11/12 07:13:40 ID:kiMgDYOH
今更だが>>23の眼球譚と夢十夜が読みたいよ。
シモーヌタン(;´Д`)ハァハァ第一夜の女タン(;´Д`)ハァハァ
145名無しさん@ピンキー:04/11/14 23:23:13 ID:ToRvOcFb
>>144
シモーヌタン……眼球譚
ポルノのエロパロ?
146名無しさん@ピンキー:04/11/23 17:15:07 ID:sYVlE2AR
ほしゅ
147名無しさん@ピンキー:04/11/30 22:02:02 ID:YO35Q4rS
「百年待っていてください」
148名無しさん@ピンキー:04/12/04 12:09:25 ID:Jpd3ZbQu
それにしても
149名無しさん@ピンキー:04/12/07 23:12:53 ID:O0cSuFqb
今週末にでも初めの辺りをうpする予定のものです
子どもの頃に読んだ事ある人は思い出してくれたら嬉しい
因みに10年位前のアメリカの映画も凄くいい

秘密の花園/バーネット夫人

あらすじ:インドで育ちの我儘な少女メアリーがヨークシャーの自然に触れ合って心身ともに成長するお話。

登場人物
メアリー・レノックス:10歳インドで両親をコレラで亡くして伯父の元に引き取られる。元我儘お嬢。
ディコン:12歳ヨークシャーの自然児。マーサの弟。
コリン:10歳メアリーの従兄弟。病弱、我儘、坊ちゃん。せむしにならないかと不安でいっぱいだった。
マーサ:屋敷の女中。なんか良い奴。
アーチボルド・クレイヴン:メアリーの伯父。10年前妻を事故で亡くす。せむし(本当は背が高くて肩が曲がってるだけ)
150名無しさん@ピンキー:04/12/08 00:02:26 ID:kMTZe1U3
懐かしすぎる。
すごい楽しみ めちゃくちゃ嬉しい 待ってる
151名無しさん@ピンキー:04/12/08 19:00:02 ID:AuntttND
最近読み返したとこだ〜!
映画も観た。で、感想が
「この三人、大きくなったらきっと修羅場だよな」
だった駄目な大人がここに。
楽しみです。待ってますね。
152名無しさん@ピンキー:04/12/12 18:10:02 ID:KGaKGnxs
あの、父息子の出会いの後、メアリーは塞ぎがちになった。
独りで外へ行く事が多くなり、ともすると花園もディコンに任せたきりにする日も多かった。
陰鬱な部屋に独りでいると、高い窓から見える荒地が風の吹くたび波のようにうねるのが見える。

花園は秘密でなくなり、全ての秘密は白日のもとに曝け出された。
胸の躍るような内緒事はもう何もない?
昔ならばこんな時、メアリーは苛々と当り散らしただろうが、今は切なげに内に篭ってしまうだけだった。
ソファに深々と身を沈めると、軽く溜息をついた。
外をぼんやり眺めているとマーサがお茶を持ってきた。

「最近あんまり外に行かないみたいだね?」

お茶の支度を調えると、マーサは話したそうに出てゆかず編物を手に取った。

メアリーは何か曖昧に口の中でもごもごと応えると紅茶を啜った。
紅茶は熱すぎて冷たいミルクを入れると丁度いい具合になった。
マーサは毛糸を指先で弄りながら続けていった。

「弟が最近あんたの事を見かけないんで心配していたよ。
 もう花園にはこないんじゃないかって……」

メアリーはそこがどんなになっているだろうかと想像できた。
蔦の葉は真っ赤に燃えて壁の苔の緑とのコントラストが鮮やかだろう。
駒鳥は赤い木の実を咥えて羽ばたくだろうし空は抜けるように澄んでいることだろう。
あぁ、それはきっと綺麗なんだろう!

「そう、ねぇ」

気の無いように言ってみても、メアリーの頬は自然と上気し眼が輝くのを見るとマーサはにっこりと笑った。
マーサって人の心を読む魔女かしら?とメアリーは一瞬考えてしまった。
153名無しさん@ピンキー:04/12/12 18:15:57 ID:KGaKGnxs
その晩、月の光が荒野を照らし草がさらさらと音をたてる中、メアリーは美しい夢を見た。

花園の中、あずまやの中でメアリーは独り佇んでいた。
夏の宵だった、ライラックが甘い馨を漂わせ、睡蓮の合間に月影が揺らぐ。
耳を澄ますと誰かの呼び声がする。

メアリーは声のするほうへと振り返ると、伯父が随分若い様子で
息せき切って、薔薇のアーチを抜けて此方へと駆けて来るのが見えた。

リリアス!リリアス!
メアリーは自分がリリアスである事を知っていた。
駆け寄った若い男の首に手を廻しその黒い髪を撫でた。
伯父の息が頬に掛かりメアリーの胸は高鳴った。

「貴方、逢いたかったんです。……ずっと。あのブランコから落ちて、あちらへ昇ってもずっと。
 あれから貴方がずっと塞ぎこむのを見るにつけ、私の心は痛みました。
 もう悲しい顔をなさらないと誓って下さいな」

自分の口から漏れた切ない台詞に少し驚きながら、
メアリーはじっと若い伯父の顔を見詰めた。
その顔に憂いは無く、黒い瞳は愛に輝いていた。

「誓うよ、約束する。だからもう何処へも行かないで。おまえも約束してくれるね?
 もう一度一緒に……」
154名無しさん@ピンキー:04/12/12 18:16:43 ID:KGaKGnxs
メアリーの両手を取り、自分の胸に押し当てて、力強く抱き寄せた。
伯父さん、こんなにお綺麗だったの。
メアリーは感心したが、池に映る自分の姿も美しい女性になっている事に気付いた。
あの壁の絵と同じ姿になっていた、コリンのお母さまだ。

頼もしい腕に抱かれながら、その顔が近付くのを感じると自然に目が閉じた。
辺りに鬱蒼と茂る薔薇の花が咽るほどの香気を放ち、睡蓮の花が一つポンと音を立てて開いた。
その瞬間、身体がぱっと宙に投げ出されたように感じた。

「リリアス!リリアス!」

伯父の伸ばした手はメアリーに触れる事も出来ず、虚しく空を彷徨う。
悲鳴のような伯父の声が聞こえるとメアリーも声を張り上げて叫んだ。
アーチイ!アーチイ!
アーチィ……
アー……

目が覚めると頬が涙で濡れていた。
布団がはだけて剥き出しの腕が冷たい。
涙をこすると窓の外に目を向けた。外は未だ暗い。
今の夢は花園が見せた幻なのだろうか?
伯父の美しい顔立ちが目蓋に焼きついていた。
美しい夫婦だと思った。

そろりとベッドを降りると裸足に床が冷たい。
足の指を縮こまらせてガウンを引っ掛けるが、スリッパが見当たらない。
ランプに火を入れるとほっとした感じが部屋に広がった。

自分の姿を鏡に映すと、痩せっぽっちで不安顔の小娘がそこにいた。
鏡に向かって不機嫌な顔をしてみて、少し哀しくなった。
優しいえくぼなぞ、望むべくも無かった。
155名無しさん@ピンキー:04/12/12 18:18:49 ID:KGaKGnxs
メアリーは帽子を被りブーツを履いた。
使う事の無くなった鍵を外套のポケットに入れるとこっそり屋敷を抜け出した。
花園へと向かう中、白い月の光だけが行く先を照らしていた。
はあはあと息吐くたびに白い湯気が蒼い空へと昇って行く。
悴んだ指先をポケットに突っ込み早足で歩いた。
鼻先を赤くしてメアリーは久しぶりで花園の中へと入った。

ぎいっと静寂を破る音を立てて扉が開くと、ひっそりとして、厳かで、天国のようだった。
未だディコンも来る前の、皆夢の中にいるときにこそ此処はメアリーだけの秘密の花園になる。
ポケットの中で握り締めた鍵が暖まる。
それは、そのとき世界で唯一の暖かいものだった。
枯れ草をカサカサと踏みながら、夢で見たあずまやへと進み、
白い手摺に凭れかかるようにして、冷たい石段に腰を下ろした。
眼の前にはディコンと一緒に手入れをしたジャスミンの茂みやら、
前に草むしりをした、水仙の球根の跡が過ぎ去った季節を物語っていた。
ほんの少し物悲しさの漂う花園は、次の春までゆっくりと眠りに落ちてゆくように見えた。

膝を抱えて、ぼんやりと辺りを眺めると、夢の光景がまざまざと蘇り、メアリーは思わず唇に手を触れた。
冷たい唇が、爪の先で微かに震えている。

「……アーチ‥ィ……?」
恐る恐る、そっと声に出してみるとその響きは優しく、懐かしく辺りに沁み込んでいった。
それは伯父、アーチボルド・クレイヴン氏を、亡くなったその妻が呼ぶ名だ、ということは疑いもなかった。
「でも、なぜ?」

メアリーは何故自分がそんな呼び方を知ったのか、あの夢は一体何だったのか、と
唇が微かに触れた夢の記憶を留めていた。
つらつらと考えていると、その内、再び眠りに落ちてしまった。
156名無しさん@ピンキー:04/12/12 18:20:08 ID:KGaKGnxs
朝の陽射が花園の中を温め、露に樹木の幹が湿ると小鳥たちが目を覚ました。
金色の陽光がメアリーに降り注ぎ、髪の毛は滑り落ちる黄金の滝のようだった。
駒鳥がメアリーの側に来て、おはよう、おはよう、と囀っても、メアリーの眠りは覚めなかった。
その内、駒鳥も飛び立ってメアリーは夢も見ないほど深い眠りに取り残された。


「……メアリーさん?メアリーさん」

花園に来たディコンが声を掛けるとメアリーは眠りの底から徐々に浮上しはじめた。
膝で組んだ手をディコンの狐が舐めた時、メアリーの眼はようやく開いた。

「メアリーさん、こんな所で寝たら身体に良くない」

ディコンは横に座り、そう言うとメアリーに上着を着せ掛けた。
メアリーは上着に頬をうずめるとディコンの匂いをかいだ。
大きな上着は野原の匂いがしてお日様みたいに温かだった。
自分の身体が大変冷え切っている事に気付くと、そのままディコンの胸に擦り寄った。

「どうしたってんだ、一体……」

ディコンは驚いてメアリーの肩を離そうとするがメアリーは益々きつくディコンにしがみ付いた。
メアリーの髪の毛がディコンの鼻にふんわりと触れる。
柔らかい身体は野ウサギの様だった。

「わたし、何も、何にも持ってないの。ちっぽけな秘密も何にも……
 全部無くなってしまったわ」
157名無しさん@ピンキー:04/12/12 18:22:13 ID:KGaKGnxs
ディコンはメアリーが泣いているのかと思い再び吃驚した。
しかしメアリーは泣いてなぞいなかった。

「あんたは沢山素敵なものを持っているわね」

メアリーは呟いてディコンの首に手をまわすと、
大きな瞳で、ディコンの青い瞳の奥まで見透かすように、じっと射すくめた。
ディコンはこのヨークシャーの自然を全てもっている、温かな家族も、何もかも。
両親を無くし、家を無くし、秘密すらも無くした自分と大きな差がある。
メアリーの顔は夢の時と同じようにディコンの顔に近付き、唇が触れ合った。
そのまま、階段に押し倒し、メアリーはディコンに覆い被さるようにして唇を合わせ続けた。
圧し掛かるメアリーの身体をディコンが持ち上げると金色の髪の毛が解れて朝日を透かし輝いた。
伏目がちな睫毛がほんのり桜色の頬に蔭を落として艶やかな唇は少し震えていた。

「メアリーさん、綺麗だ……」

思わずディコンが漏らすと伏せた目を上げて二人目を見交わした。
ディコンは照れたように、にっと歯を見せ、メアリーも思惑を湛えた微笑みを向けた。

「前、言っじゃないか?お前さんの事、素晴らしく好きだって。
 何も持ってないわけじゃない。おらはメアリーさんのもんだ」
「本当に、わたしだけのモノ?あんたの事、全部?」
158名無しさん@ピンキー:04/12/12 18:23:22 ID:KGaKGnxs
メアリーはディコンに跨り、シャツの中に手を滑り込ませた。
「此処も、此処も?」
冷たい指で素肌を触られると、ディコンは今まで感じた事の無い感覚にゾクゾクとした。
抵抗しないのを見て取るとメアリーはシャツの前を開けて、首筋からつっと指で撫で下ろした。
「ふぁっ」
声が跳ね上がるように漏れると、メアリーはその口に指を当てて言った。
「声を出さないの、秘密が漏れちゃうわ」
ディコンが真剣な顔をして頷くと、メアリーは嬉しそうに頬にキスをしながら耳元で囁いた。
「好きよ、あんたの事。好きよ」
囁きながら顔はディコンの肩に降り、柔らかな筋肉の張った胸に鼻を摺り寄せながら舌で乳首を突付いた。
「っ…」
ディコンは必死に声を堪えながらメアリーの顔を引き寄せた。
少し不安げな潤んだ瞳がじっとディコンを見下ろす。
「いけない?」
そんな瞳に見下ろされ拒否するなぞ出来ない相談だった。
メアリーは不敵に微笑むと、ディコンの口に舌を滑り込ませ、
左手で髪を、右手でディコンのズボンを擦った。
ディコンの股間は硬くなってメアリーの掌の中で熱くなった。
むくむくと頭を擡げる股間を慈しむように優しく撫でるとメアリーはズボンの中に手を差し込んだ。
直に素肌を触ると、ディコンははちきれんばかりに膨らんでいた。

「あんたは、どこでこんな事を覚えたんだ?こんな……」
「――インドは、ヨークシャーとは違うわ」
159名無しさん@ピンキー:04/12/12 18:23:52 ID:KGaKGnxs
メアリーはくくっと声を押し殺して笑うと、そう言って掌の中の塊をそっと撫でた。
腹にくっつくほど反り返ったモノは熱い血潮の流れがどくんどくんと脈打っていた。
指の間で硬くなるのをメアリーは愛しいと感じた。
少し粘つく先端から指で根元まで引っ張るようにして締め付ける。
ディコンは腰に力が入らないでメアリーの為すがままにされていた。
すこし獅子鼻のディコンの鼻と筋の細いメアリー鼻が擦れ合うとメアリーの瞳は悪戯っぽく煌いた。
ぐっと両手をつかいディコンのズボンを引き下ろし、充血した所を大気に晒した。
剥き出しになった下半身を、ディコンは慌てて隠そうとしたが、
メアリーはそこに顔を寄せて、ふっと息を吹きかけると思い切って唇をつけた。
小さい動物にするように、優しいキスを繰り返す内、粘液が少しずつ漏れてきた。
それを舌ですくう様に舐め上げると、柔らかい皮膚の内側がカチコチに張っているのが判った。
ちらりとディコンの顔を見ると、辛そうに眉間に皺を寄せて拳を握り締めていた。

「気持ち良い?でも、もっと気持ちよくなって頂戴ね」

メアリーはディコンの幹を小さい口に頬張ると唾液を絡ませて唇を上下させた。
舐めている時はじゃれている仔猫の様だった。
今はディコンを喰らう野獣のようだ、とメアリーは感じた。
ディコンなら良い、大好きな人ならば寧ろ食べてしまいたい。
メアリーは自分をインドで見た虎のように感じ、猛々しくディコンに挑んだ。
鼻息も荒く、メアリーの口は若々しい少年を容赦なくしゃぶった。
どうしたらディコンはもっと気持ちよくなるのかしら?
考えながら舌を隅々まで伸ばし絡ませた。
球根から芽吹いたばかりのクロッカスのような塊は、小さな舌に嬲られて一気に開花しそうな勢いだった。
ディコンの顔が紅潮し、吐く息も荒く熱っぽくなると、メアリーも嬉しくてつい熱心になるのだった。
もっともっと、ディコンの事知りたい。この不思議な少年の全てを自分のものにしたい。
メアリーの中に新しい感情が生まれて胸が高鳴った。
160名無しさん@ピンキー:04/12/12 18:25:14 ID:KGaKGnxs
「あんた、まだおらの事好きか?酷いことした?」

ぎこちなくヨークシャー訛りを使うメアリーはとても可愛らしく見えた。
紅潮した顔はまるで林檎の花弁のようで、太陽を背にして天使と見紛うばかりに思えた。
ディコンは起き上がると、両手でメアリーの顔を包み優しくキスをした。
一瞬、自分の性器を咥えた唇を思ったが、それすらも貴いものに思えた。

「勿論、大好きだ。ずっとずっと大好きだ」

太陽の熱に地面が温まり、メアリーも温まった。
ディコンに抱きしめられて、やっと自分の巣を見つけた気がした。
メアリーはディコンの胸に額を押し付けた。

「メアリーさんは寂しい顔なんかしちゃ駄目だ。
 今度は、メアリーさんにも気持ちよくなってもらいたいな」

ディコンは少しはにかんで言うと胸の上のメアリーと目が合った。
真面目な顔でメアリーは考え深げに言った。

「今は駄目。でも、きっと……いつか、ね。
 あんた、私の巣になってくれるわね?」

ディコンは、あの誰もが彼を好きになってしまう澄んだ笑顔をメアリーに向けた。
屋敷では朝の賑々しさが始まろうとしていた。
マーサの来る前に部屋へ戻らなくては。
そして、この秘密の巣を誰にも、決して話すものか、と、メアリーは自分に言い聞かせた
161名無しさん@ピンキー:04/12/12 18:26:30 ID:KGaKGnxs
今日は此処まで。
本格エロが無いし、コリンも未だ登場していません。
期待してくれた人スマンね。この次くらいにかも。
イギリスの自然ってどんなんだか良くわからんなぁ。
映画の方、伯父さん雰囲気がちょい田村正和入ってると思いませんか。
そして映画のメドロックさんとマーサって百合っぽくないですか?
162名無しさん@ピンキー:04/12/12 19:51:30 ID:RrGQj1z7
キタ━━(゚∀゚)━━!
ヨークシャー訛りが自然に入ってますね。上手いなあ。
やっぱこれ、コリンが知ったら修羅場だろうか……。
163名無しさん@ピンキー:04/12/12 20:08:50 ID:c0G6udDA
激しく読みたい、そんな修羅場
164名無しさん@ピンキー:04/12/12 20:43:28 ID:ISRCv6It
待ちに待ったこの日が・・・・・
165名無しさん@ピンキー:04/12/12 20:51:56 ID:C0k+rgaz
超 GJ 文章も上手いしえろいじゃまいか
最高ですよ
166名無しさん@ピンキー:04/12/12 22:58:36 ID:+0waqS7K
>>162-165
素早い感想テンキュー励みになります
初の洋物なんで、試行錯誤していて中々筆が進みませんが
なるべくエロく、且つなんとか修羅場も書いていこうかと思います
167名無しさん@ピンキー:04/12/13 14:01:13 ID:Awp0mLw0
>「――インドは、ヨークシャーとは違うわ」
まさかカーマスート(ry
168名無しさん@ピンキー:04/12/13 17:50:28 ID:Qtflh6tQ
age
169名無しさん@ピンキー:04/12/14 16:46:37 ID:24IT7955
今日初めてここに来たが
山椒大夫ヨカタよ〜卒論が山椒大夫だったんで懐かしい。
170名無しさん@ピンキー:04/12/19 04:20:56 ID:x/XfhjgG
着眼点がいいな〜このスレ
非常に好い

『秘密の花園』は名作だ
喜びのage
171名無しさん@ピンキー:04/12/21 00:00:47 ID:dE0K3Zci










            〜♪
             〜♪
172名無しさん@ピンキー:04/12/25 14:51:17 ID:B7zlZ8fG
「わたし、これからはちょくちょく、また花園に行こうかと思うわ。
 そうすれば……ディコンにも会えるし」

朝食を前にしてメアリーの言葉にマーサは何故か不思議な顔をした。

「そうかね?そりゃ無論、弟も喜ぶと思うよ」

メアリーはマーサがディコンの話をしてくれるといいと思ったのに、その日マーサは忙しい様子で、
慌しく暖炉を掻き出し、部屋の掃除をすると朝食のテーブルを調えて階下へ降りていってしまった。
メアリーは詰まらなそうに手早く食事を済ますと、今朝の出来事の事ばかり考えた。
ソファに移動して、膝に置いた本の美しい挿絵を眺めていても、ディコンの面白い顔が眼の前をちらつく。
何でも判ってるディコン。でも…わたしの事は?わたしはただ彼を見ていたいだけ。
以前「奥様」と呼ばれていた母の事を眺めるようにディコンの事も見ていたいと思った。
暖炉の前で丸くなっているとぽつりぽつりと雨が窓を打ち始めた。
首を伸ばして空を見上げると大きな窓いっぱいに曇り空。
重たげな雲間から時折水滴がこぼれる。
此処がインドではなく「奥様」も、もう何処にも居ない事に気付くとメアリーは無性に人恋しくなった。
人恋しいという気持ちなぞ感じた事など無かったのに。
メアリーは立ち上がり、あの象のあった部屋に独りで行ってみようと思った。
何故か、今朝はコリンに会いたいとは思えなかった。
足音を忍ばせ、部屋を抜け出し、たった独り迷路のような屋敷の中を歩く。
メアリーにはこの大きな館も又、大きな一つの自分の巣でもあると分かった。
自分の巣は一つだけではない。
確かな予感に思わず笑みが漏れた。
173名無しさん@ピンキー:04/12/25 14:51:57 ID:B7zlZ8fG
しんとした屋敷の中は優しい静寂が支配している。
回廊のような廊下を通り、重たげな緞帳の下がっている部屋を抜け、目的の部屋へ着いた。
部屋の奥へと進みガラスの戸棚を開けて象牙細工の象を手に取った。
象牙は優しい甘い白さで手にしっとりと馴染んだ。
埃の被ったソファに寝転がってそれを玩具にして遊んでいるときディコンの言葉を思い出した。
「今度はメアリーさんにも気持ちよくなってもらいたいな」
ディコンは、一体何をするつもりなのかしら?あの子に何が出来るのかしら?
頬杖をついて思い巡らせると、ふとインドで見ていた光景を思い出した。

時々「奥様」はパーティーの後、見知らぬ男と余り使われていない部屋へ引っ込む。
その部屋はメアリーの部屋のバルコニーから良く見え、又、誰もその事に気付くものはいなかった。
薄い紗のカーテン越しにレースだらけの服を脱いだ「奥様」のシルエットが若い男のシルエットに重なる。
ランプの炎は絞られ、薄暗い部屋の中で二人の影が蠢く。
目がじいんとしてシルエットが殆んど見えなくなるまで、いつも見詰めていた。
男は時々に変わるが、展開はいつも同じような事。
一度だけカーテンが開いていた事があった。
メアリーは何時ものように「奥様」から目を離さず息を顰めていた。
「奥様」は薄いドレスをひらひらとさせ、高く結った髪の毛でよりすらりと背が高く見える。
二人の話し声も耳を澄ませば微かに聞こえてくる。

「……夫人、何時か、御主人に……こんな事…」
「構いはしません、あの人は病気がち……いつも…一人きり……」

メアリーは「奥様」の露な背中をじっと見詰めていた。
レノックス夫人は若い男に近付き、そのぴっちりとした軍服に手を掛けた。
と、その時、メアリーの心臓はどきんと跳ね上がった。
力任せにレノックス夫人を抱きしめた男がその薄いレースだらけのドレスを引き破ったのだ。
どうなる事か、とメアリーは思ったが、「奥様」は悲鳴も上げず寧ろ嬉しそうにその男に飛びついていった。
ベッドに二人倒れ込むと、「奥様」の綺麗に結い上げた髪は解れた。
174名無しさん@ピンキー:04/12/25 14:52:49 ID:B7zlZ8fG
「奥様」は髪が乱れても、服を纏わなくとも、矢張りとても美しい。否、むしろ今の姿が一等素敵に見える。
すらりとした脚を広げ、男を絡め取るようにして「奥様」は歯を見せて笑った。
男が覆い被さり、ほっそりとした腰に手を回し、柔らかい肌に所構わず噛み付いた。
「奥様」の頭は仰け反り、紅の滲んだ唇からは悲鳴のような声が漏れる。
しかしメアリーにはそれを苦痛だと感じているようにはとても見えなかった。
男の手が撓めた乳房の柔かさ、温かさをメアリーは知らなかった。

メアリーは、はっとして手から滑り落ちた象の象牙細工を拾った。
インドでの事なぞ、此方へ来てから殆んど思い出しはしなかった。
しかし、追憶の光景にメアリーの身体の熱は上昇したように感じた。
目を上げて鏡台に映る自分を見て、「奥様」のようにしてみようと髪を掻き揚げた。
鏡に映る姿は、幾分太ったとは言えまだ貧弱な不安そうな顔の小娘だった。
段々母親に似てくる、という人の言葉には疑問があった。

レースだらけの服とは違い、破る訳にはいかないし、第一そんな力も無いのでそれは仕方が無いが、
あの時、「奥様」に男がしたようにメアリーは自分の身体に触れてみた。
小さい膨らみ始めの胸に、象を乗せて行進させた。
象は胸のリボンに脚を絡ませたが、乳首周りは丁寧に何週も往復した。
象が動くたびにメアリーはこそばゆさと、微かな快楽を感じた。
そのまま腰を移動して腹に至り、太腿から膝まで行くと象の行進は回れ右をした。
内腿を滑るように上ってくると厚手のスカートの生地が象の行く手を遮った。
メアリーはスカートを捲くり、フリルのついた木綿のペチコートを剥き出しにした。

「駄目、そんな少しの障害で挫けては」

メアリーが象に励ましの言葉を掛けると、象はもぞもぞとペチコートの中を潜って行った。
下着の上を象が歩くとメアリーも「奥様」の様に声が出そうになった。
象は脚の間の谷間を何度も行ったり来たり。
滑り落ちるように、縦にするっと動くとメアリーの身体がビクンと跳ねた。
175名無しさん@ピンキー:04/12/25 14:53:43 ID:B7zlZ8fG
「あっ」

息を吸ったときに漏れた音にメアリーの心臓はドキンと早打った。
しかし耳を澄ませても聞こえてくるのは外で吹いている風の音だけ。
小さな声は大きな屋敷の奥深くで、誰に聞こえる訳でもなかった。
まるで世界中でこの部屋だけがメアリーと共に取り残されているかのようだった。
軽い溜息を一つついて、ソファに深く身を埋めると、今度は左手に象を握りしめ右手でそこに触れてみた。
厚ぼったい下着が鬱陶しいく、その奥に柔かい感触がした。
目を瞑り、ゆっくりゆっくり擦りながら、自分の気持ちの良いところを探し当てた。
ディコンはこんな事する気かしら?メアリーはぼんやり考えた。
ついっと指を動かすとくにゅっと指先が食い込んで、微かに硬い感触と先程より強い快感がメアリーを襲った。
指先でそこを探り当て弄るともう声は抑えられなかった。

「あっ……はぁ……んっ」

指の動きは激しさを増して、布の擦れる音とメアリーの口から漏れる声が部屋の中の音の全てだった。
人差し指と中指で全体をかき回すように動かし、そこに在ったクッションを脚に挟む。
「奥様」が若い男を脚で締め付けていたときと同じ。
もどかしい快感に身悶えするように狭いソファの上で身体をくねらせた。

「…はぁ……はぁ……ふぅ……」

靴の踵が木製の肘掛にぶつかると、徐に起き上がってそこに跨った。
体重をかけ股の間に肘掛を食い込ませ、身体をゆっくり揺さぶるとより強い刺激を感じた。
夢中で擦りつけると細かい痙攣がメアリーを襲う。

「んっ……ん…あぁん……」

目を閉じると感覚が研ぎ澄まされるような気がした。
腰の動きは男の動きと重なり、メアリーを襲う快感は「奥様」が受ける快楽と入れ替わる。
176名無しさん@ピンキー:04/12/25 14:54:44 ID:B7zlZ8fG
「…ああぁ、そんなに焦らさないで……」

レノックス夫人が哀願するように言うと男は夫人をうつ伏せに押し付け、腰を高々と持ち上げた。
丸々とした張りのある球体は男の侵入を待ちわびるように震えた。
顔を大きなクッションに埋め、広がった髪は黄金に波打ちその上からシーツを掴む指に力が篭った。
まるで、幼い子どもがお仕置きを受ける時のように差し出された尻を、
男が掌で滑々と撫でると履いていたスリッパで打った。

「ううっ……はっ…あぁっっ」

叩かれるたび夫人の声は潤いを帯びて聞いているメアリーは固唾を飲んで見守った。
見る間に腫れて桜色に染まった肉を男が両手で押し開き、濡れた肉の裂け目を露にした。

「お願……いぁっ」

夫人の言葉を待たず、男はそそり立つ凶器を挿し込んだ。
肉と肉のぶつかり合う音と男と女の荒い息使いに混ざり、粘り気のある音もメアリーの耳にはっきりと聞こえた。
メアリーはもう見ることも無いと判断し、自分の部屋に引っ込んだ。
しかしベッドに寝転んで考えても、あの華奢な「奥様」の何処にあの男の身体の部分が入っていったのかが不思議だった。
指で自分の身体を目星をつけまさぐるとぐっしょりと粘り気のある液体に濡れていた。

メアリーは肘掛から降りると横になり、「奥様」がしていたように腰を動かし、男の代わりにクッションを押し付けた。
汗ばんだ額に乱れた髪が貼り付く。
うわ言のように「奥様、奥様……」と呟いた。あの行為中、男が言っていたように。
メアリーはたった独りで、快楽に支配される側とする側の喜びを求めた。
177名無しさん@ピンキー:04/12/25 14:55:13 ID:B7zlZ8fG
「はっ…っ…あっ…」

身体の感覚は高ぶっても、もどかしさが付きまとう。
誰も居ない淋しさ。
誰もメアリーを望まなかった。愛情を受けずに育ったメアリーは淋しさなんて知らないと思っていた。
わたしを見て、わたしに触って、愛して。
叶わない望みなら願わない方がましだと思っていた。
中々訪れない絶頂感に泣きたい様な苛立たしさを感じた。

下半身を力一杯締め付け、クッションを押し付け仰け反る。
とうとう、はけ口を見つけたような感覚の波がメアリーを呑みこんだ。

「ふあぁっ…」
その波に呑みこまれながらメアリーは必死にもがいた。
母のように綺麗になりたい、母のような綺麗な人に愛されたい。
右手で身体の中心を擦りながら、太腿に挟んでいたクッションを胸に力一杯抱きしめた。
古くて硬くなったクッションは埃っぽい臭いがした。

「ああぁ…………」

身体が痙攣したように反り返り、左手の象を強く握り締めるとそのままぐったりと力尽きた。

暫くそのままで息を調え、そっと目を開けると、自分の姿が鏡台に映った。
雨は止み、窓から射し込む斜めの光に照らされた室内はほんのり明るい。
立ち上った埃が日差しをくっきりと見せた。

薄く曇った鏡の中から微笑が見える。
その顔は遠くから眺める「奥様」そっくりだった。
たまらない淋しさを感じた。
178名無しさん@ピンキー:04/12/25 14:55:46 ID:B7zlZ8fG
靴音が薄暗い廊下に響き、ひょろりとした黒影がメアリーのいる部屋に近付いた。
ドアノブが静かに回されると怯えたような顔の館の当主が入ってきた。
彼は長い事、自分の妻の使っていた部屋に近寄れなかった。
その部屋を覗いた時、妻が居ないのを確認するのが怖かった。
屋敷からも逃げ出すほど過去の亡霊に悩まされていた。
愛していなければこんなにも辛くは無かったのに。
対象を失った感情は、彼を長い時間苦しめ続けた。
しかし心の片一方で怯えながらも、妻の居た証、面影を求めていた。
息子のコリンにはその面影が見て取れる。
顔立ちもそっくりだった。
勿論、コリンが逞しく成長し、良い方向へと向かう事を望んだ。
しかし自分だけ、たった独り過去に囚われ置いて行かれる寂しさを感ぜずには居られなかった。

部屋に入ると生前、妻が使っていた家具がじっと佇んでいる。
息苦しい思いを追いやり、よく二人で並んで座った寄木の美しいテーブルに近寄った。
刺繍をしてあるビロードの覆いの上から椅子に腰掛けると肘をついた。
目を瞑れば、妻が目の前に座ってるような気がした。
独りきりの自分を確かめるのが怖くて、彼は長い事頬杖をついて目を閉じていた。
目を開けるか、開けまいか思いは乱れ眉根を寄せた。
コトリ、突然部屋の中で思いもかけない音がした。
彼は跳ね上がる心臓を抑えその音聞こえる方へと恐る恐る振り返った。
見ると戸棚の扉は開き、どっしりとしたソファの覆いが半分落ちている。

「リリアス?」

小声で囁いてみても反応が無い。
それ以上物を言おうにも舌が縺れる。
そっと近寄るとソファの端に小さな脚がだらりと垂れ下がっているのが見える。
その下には小さい靴が転がっていた。
大きなソファの後ろから覗き込むと、そこにメアリーの無邪気な寝顔があった。
179名無しさん@ピンキー:04/12/25 14:56:36 ID:B7zlZ8fG
「君、だったのか……」

眠る少女を見たときクレイヴン氏の心は乱れた。
正面に回り、乱れた髪を撫で付けると震える指で胸の解けたリボンを弄った。
しかし、子どもの扱いに慣れていない彼には結いなおす事が出来ない。
途方にくれて小さな顔を両手で包み、ふっくらし始めた頬を撫でた。
指先があどけない唇に触れる。
しっとりとした薄い皮膚に瑞々しさを湛えた唇からは穏やかな寝息が漏れている。
その安らかな眠りを邪魔しないようにそっと唇を合わせた。
一瞬、そのキスが大人と子どものではなく、男と女のものに変わりそうで彼は慌てて唇を離した。
顔を離すと寝顔の上に薄っすら微笑みが見えた。
もう一度、メアリーの唇に指を伸ばす。その柔かさを確かめるように。

小さな手がずっと握り締められているのに気付いた彼がそっと指を開くと、中から汗ばんだ象牙の象が出てきた。


メアリーは眠りから覚めると自分のベッドに居た。
ぼんやりと胸元のリボンにふれると不恰好に結ばれていた。
ベッドを降りようとすると何故か左足の靴が見当たらない。
裸足のまま窓際に寄ると、雨上がりの西日で荒野が輝いている。
太陽は部屋の窓からも射しこみ、サイドテーブルに立つ象もオレンジに染めた。
美しい景色を眺めているとマーサが夕食を持って部屋に入ってくる気配がした。
メアリーは象を引き出しにしまった。
180名無しさん@ピンキー:04/12/25 14:58:28 ID:B7zlZ8fG
めりくり〜

>>160の続き
自慰編です
181名無しさん@ピンキー:04/12/25 16:20:17 ID:94PJAzeM
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
続きも楽しみだ。
182名無しさん@ピンキー:04/12/26 03:12:30 ID:GRkElK+F
めりいくりすます〜
183名無しさん@ピンキー:04/12/26 19:33:17 ID:+u5dV1NT
すごいな〜 すごい。
184名無しさん@ピンキー:05/01/02 21:44:48 ID:Wv0u/0ls
保守age
185名無しさん@ピンキー:05/01/04 04:33:18 ID:D6MOaWIF
ナルニアのエドマンド×ルーシィが激しく読みたいです
186名無しさん@ピンキー:05/01/10 16:24:46 ID:CX1XAkzw
クレヨン王国SSキボンヌと言ってみる。
187名無しさん@ピンキー:05/01/15 07:32:55 ID:M+/nhze2
保守
188名無しさん@ピンキー:05/01/16 23:50:06 ID:ZkI0jhao
穴を掘り、その中に抜いた雑草やら落ち葉などを入れる。
枯葉に火を点けるとパチパチと音を立てて炎が小枝に燃え移る。
堆肥作りで汚れた手を炎にかざすと、木枯らしに冷えた体にチクチクとした温もりが広がる。
煙の暖かい香りが辺りの空気を染めた。
ディコンの周りの動物達も暖を求めて焚き火の近くでまどろんでいた。
薄っすらと日が翳り始める夕方の幸せなひとときだった。
ポケットの中から小さい林檎を取り出し一齧りしようとした時、向こうから縄跳びをしながら向かってくるメアリーを見つけた。
軽い足どりでぴょんぴょん跳ねるメアリーは何か上機嫌な様子で鼻歌なんか歌っている。
Here am I, little jumping Mary.
ウトウトしかけた子羊も首だけ上げてメアリーを見た。
I'm always alone!
最後の一句を唄い終わると、とん、と靴音を鳴らして座るとニコニコとした曇りの無い笑顔の少年を見た。
焚き火に照らされて紅くなった頬のディコンは動物達をみるのと同じ目でメアリーに笑いかけた。
メアリーが炎に手をかざすと小さな手は炎を透かす様にほんのり桃色を帯びた。
「これ、なあに?」
「落ち葉やなんかを燃して、その灰を薔薇の根っ子に撒いてやんだ。
 したら、きっと次の季節には、また花が綺麗に咲くから。手が掛かるんだ、薔薇は」
「ふぅん」
メアリーは不思議そうな目つきをディコンに向け、そのまま燃える炎を見詰めた。
「花の女王様だもんなぁ」
誰に向けるでもない言葉をディコンが呟くと、メアリーは薔薇の根が柔らかい土の中に潜り込み、
貪欲に栄養を求めるのに、地上では取り澄まして繊細で優雅な顔をあげている様を思った。
「わたし、薔薇って好きだわ」
指をディコンの手の上に絡ませて、頑丈な身体に寄りかかって満足そうにメアリーは言った。

屋敷の窓にぽつりぽつりと灯が見えはじめ、茜色の細長い雲の浮かぶ空に端から藍色が押し寄せてきた。
「わたし、もう行かなくちゃ」
メアリーはディコンの肩に頬を埋めて呟いた。
ディコンは横に置いたきりの果実を思い出してメアリーに差し出した。
炎の照り返しで夕陽のように赤い。
189名無しさん@ピンキー:05/01/16 23:50:43 ID:ZkI0jhao
シャリと、その赤い肌に小さい真珠のような歯を立てて溢れる果汁を啜った。
じっと空色の瞳を見詰めると澄んだ青空の向こうに赤く燃え上がる太陽が覗くのがメアリーには判った。
蜜に濡れたままの唇の端を少し上げて、半ば開いたままでディコンの耳元に寄せた。
「今夜、わたしのお部屋にこっそりきて?」
そういうと、返事も待たずにさっと縄跳びを抱えて屋敷の方へと走り去った。
ディコンの目蓋にはメアリーの赤い唇の質感が残った。

メアリーが見えなくなるとディコンはまだ燻っている焚き火にじっと目を落とした。
一口だけ齧ってある林檎の肌は先刻、間近で見た唇と同じ色。
少しだけ躊躇いながら、口づけをするようにその林檎を齧ると甘い果汁が口一杯に広がった。
西日がすっかり沈み、焚き火が消えかけてもディコンはじっと佇んでいた。
彼の心には様々な思いが渦巻いていたが、火傷しそうなほどの情欲がその渦の向こうに見え隠れしていた。
そんな自分の心をまだ気付かないで居た。

ベンウェザースタッフが仕事を終え、疲れた様子で通りかかると薄暗い中ディコンが焚き火の後始末をしていた。
枝で残り火を叩くと暗い空に火の粉が花火のように舞い上がる。
「肥料か?」
ベンウェザースタッフが声をかけるとディコンは初めて彼の居る事に気付いた。
「あぁ薔薇の下に撒くやつだ」
夕闇迫る中、互いの表情が判然としないがベンはディコンの声が少し大人になったなと感じた。
少年らしい素直な目も態度も、何時もと何ら相違は見つからなかった。
違う、と言えば違う。この年齢の子どもはすこし目を離した隙にもぐんぐん育つ、雨季の蔓みたいなものだろう。
「薔薇か」
ちらりと視線を花園へ向けたベンウェザースタッフの顔は何時になく寂しげだった。
「ベン、おめぇ……」
ディコンは不思議に思って近付こうとするが、振り返ったその顔は何時ものリュウマチ持ちのベンでしかなかった。
降ろしていた農具を担ぎ、又ぶらぶらと家路へと足を運ぶ後姿をディコンは訝しげに見た。
数歩行くとベンは又、突然振替えりじっとディコンに視線を向けた。
「火傷に気をつけろ」
そういうとノロノロと夕闇に消えていった。ディコンはその後姿を見送りながらその意味を考えた。
焚き火はすっかり消えていた。
190名無しさん@ピンキー:05/01/16 23:53:31 ID:ZkI0jhao
>>179の続き
つなぎの部分だけですけど何も無いよりかましかと思いましてうpしました
つーか冬場の週末は遊びごとが多くて……
191名無しさん@ピンキー:05/01/17 23:42:32 ID:A6rxuJ0d
キテル―(゚∀゚)――!!

火傷か・・・意味深。
ドキドキ。寝室編楽しみにしてます!
192名無しさん@ピンキー:05/01/21 06:29:37 ID:aZKudO4j
相変わらず上手くて面白くてえろくてGJ。
続きも楽しみです。
193名無しさん@ピンキー:05/01/22 12:23:16 ID:8WIn0p+5
GJ!!
面白いです。続き待ってます。
194名無しさん@ピンキー:05/01/30 22:43:55 ID:OkH1jwRK
晩御飯をコリンの部屋で一緒に食べたあと、メアリーは部屋の隅に置いてあった本を手に取った。
大きなその本を何気なくめくると、不思議な挿絵が沢山入っていてメアリーは絵ばかりを眺めた。
後ろからコリンが覗き込むと絵を指差して説明をしてくれた。
「これはね、魔法の本だよ。お父さんに買ってもらったんだ。
 僕、もう大抵は覚えてしまったよ。――あぁ、これ魔女だよ」

魔女、といわれた女性の絵は、髪を振り乱し、箒に跨り闇夜を切り裂くように飛んでいた。
歪んだ口元に仰け反るような体勢で、下肢を細い柄に絡ませる姿で恍惚とした表情すら浮かべている。
思わず知らずメアリーの表情が強張るのに気が付かぬコリンは、背中からメアリーの肩に顎を乗せて続けた。
「そうだ、図書室へ行こうよ。あすこになら沢山の本があるから、きっと君が読みたい本も見つかるよ」

そういうと弾けるように立ち上がりメアリーの腕を取った。


図書室は少し埃っぽい匂いがして火の気のない暖炉が寒々しい。
二人の持ち込んだランプの明かりのみに照らされた室内は厚い絨毯が敷いてあり窓にはカーテンが下りていた。

沢山の本を眼の前にすると、メアリーは自分が殆んど本を読んだ事がないので戸惑った。
こんなに沢山どうしたらいいのだろう?
大体、読みたい本なんてあるかしら?
途方に呉れて、適当に色の綺麗な背表紙を引っ張り出すとそれは絵も何も無い面白味のない物だった。
何冊かそのようにして引っ張り出してはしまっていたが、飽きてくるとコリンが何を探しているのかと気になった。

机の上にランプが置いてあり、その横に数冊コリンの選んだ本が置いてあった。
その中の一冊を手にとり、ランプを持って暖炉に寄りかかるように座るとページを開いた。
それはとても美しい本だった。
195名無しさん@ピンキー:05/01/30 22:45:30 ID:OkH1jwRK
暗い図書室に、コリンが梯子を滑らせる音とメアリーがページをめくる音だけがし、時間が止まってしまったように感じた。
コリンの選んだ本は綺麗な彩色の挿絵が付いていて、花の妖精が人間の姿で生活していた。
その妖精たちはまるで本当に動き出すかのように見えた。
うっとり眺めていると、ふいにランプの光が揺らめき、薔薇の精がこちらに向かって微笑んだように感じた。
はっとして頭を上げると、眼の前に音もなく近づいていたコリンがしゃがんでいた。
暫くは心臓が跳ねたように感じたが、じっとコリンの顔を見詰めるとメアリーは徐々に現実に戻ってきた。
「その本、気に入ったの?」

コリンは大きな目を見開いてじっとメアリーを見ながら尋ねた。
視線から逃れたい気持ちと、この本を気に入ったのかどうか分からず質問に答えられないので、
メアリーは、背中を暖炉の柱にぐっと押し付けて俯いた。
横に座ったコリンはメアリーの手にある本を見て、それは外国の言葉で書かれていて彼には読めないなと気付いた。

「これは、君が持っていくといいよ。
 綺麗な絵だねぇ?」
「でも、少し怖い」

メアリーは臆病な子どもでは無かったし、絵が動くなんて本気で信じるほど子どもでもなかった。
しかし人気の無い暗い図書室の隅で見るには少し不向きだと思った。

「怖くなんて無いさ」

メアリーの顔を覗き込むように見るコリンに、少し怖がった事が悔しくてメアリーはぷいっと横を向いた。
ぺらりぺらりとページのめくれる音が続き、その間メアリーは本を見ようともしなかった。
暫くしてページのめくれる音のしなくなったので、横を見ると、コリンがじっとこちらを見ていた。
メアリーはいきなり目が合うと少し驚き、尋ねるような視線を向けたが、
コリンが黙ったままなのでどうしたら良いのか判らなかった。
196名無しさん@ピンキー:05/01/30 22:46:43 ID:OkH1jwRK
コリンの手に移った本に視線を落とすと最後のページが開いていた。
再び目を上げるとコリンの顔が近付いてメアリーの顔と重なった。
暖炉の柱に押し付けるように唇を押し付けてきてメアリーの息は止まりそうだった。

「イヤ」
吃驚したメアリーは立ち上がろうとしたが、ガウンの裾を踏みつけて転んでしまった。
と、その上にコリンが覆い被さりメアリーは立ち上がる事が出来なくなった。

メアリーは驚愕で声を出せなかったが、怖いとは思わなかった。
抵抗しないメアリーの部屋着の上からコリンの手が滑り徐々に素肌に触れる所へと伸びていった。
ボタンの隙間から指先で素肌を撫でると滑々としてまるで花弁のような触感だった。
ボタンを外して掌をすっぽり入れると思う様、メアリーの身体を撫で回した。
小さな膨らみを感じる胸は、中央部分がぷっくりと柔かく、そこをコリンは神聖なものの様に触った。
クルクルと指を回すように撫でるとぽっちりとした突起が硬くなり、メアリーの頬に赤味が差した。
メアリーの呼吸は速くなり、逃れようとする動きも強くなった。

「イヤぁ」
ズルズルと床を背中で滑るように逃れようとするメアリーを引き戻し、コリンがメアリーの髪に顔を埋める。
メアリーの髪は柔かくふんわりとしてコリンは女の子の柔かさを知った。
ここは、ここは?とメアリーの身体中を撫で回す。
スカートを捲り上げて下腹部に行き着いた時、そこは最も柔らかいと気が付いた。
下着の上から股を擦ると自分のと違い何も抵抗が無かった。
知識はあっても、実際見たことの無い生身の身体に触れてコリンは歯止めが利かなくなっていた。
執拗に捏ね回され、下半身が疼くのをメアリーは感じた。

「駄目、駄目!」
197名無しさん@ピンキー:05/01/30 22:49:15 ID:OkH1jwRK
しかしコリンはメアリーの声が聞こえないかのように敏感な所を探った。
指先が少し埋もれるように押すと、ビクンとメアリーの脚が跳ねた。
そのまま、指をどこまで差し込めるか確かめるように動かすと、
メアリーの腰が怯えたように引けた。
くにゅっとした感触に指を遊ばせていると、ドロワーズに粘つく染みが出来た。
余り強く押さなければ良いと思い、コリンは指を回すように動かすと、
メアリーの身体がその動きにあわせるように震えた。
染みの粘りは増してコリンの指の動きもその潤いで滑らかになった。
コリンはそこがどうなっているのか見て確かめたかった。
手を下着の中に突っ込んで直に触ろうとするとメアリーが噛み付くように言った。

「止めてよ、わたしの方があんたなんかより力が少し強いんだから。振り払えるんですからね!」
「でも振り払わないじゃないか」
「出来るわよ」
「やってみなよ」
「やるわ」

そういうとメアリーはコリンの顔をぐっと引き寄せて口付けた。
メアリーの舌の巧みな愛撫にコリンは力が抜けたようになった。

「メアリー?」

口が離れると、うっとりとした声で囁くようにコリンが呼んだ。
瞑っていた目を開くとコリンはメアリーに組み敷かれている事に気付いた。

「止めて、って言ったじゃない」
メアリーの顔は真剣だった。
怒ってる?コリンはメアリーの顔を見て思った。
198名無しさん@ピンキー:05/01/30 22:50:32 ID:OkH1jwRK
「……ご免」
「許さない」

ランプの光で、膨らんだ頬に睫毛の影がはっきりと映るメアリーの顔は挿絵よりずっと綺麗だとコリンは思った。
メアリーはコリンのシャツの前を開き、冷たい手で胸を撫で上げた。
「冷たいよ、メアリー」
コリンが悲鳴のような声を上げてもメアリーはせせら笑ったような顔で続けた。
「あんただって同じ事したのよ?」
「だから、謝ったじゃないか」

謝罪を受け入れないメアリーはそのままコリンの乳首に舌を這わせ、ズボンの上から股座を探った。
図書室の中で唯一、熱いそこを剥き出しにするとメアリーは軽蔑したように鼻で笑った。
コリンは自分の身体が思い通りにならず泣きそうな声を上げた。
「メアリー、メアリー」

メアリーは立ち上がり、床の上に仰向けで自分の名前を呼び続けるコリンをじっと見ていた。
華奢な体躯で、同じ年だけれどもメアリーより力の弱かったコリンでは在ったけれど、
健康になって、男の子だからきっとその内メアリーよりずっと力も強くなってしまう。
メアリーは悔しさと、少しの寂しさを感じた。
反り返ったコリンの股をそっと足先で突付き、皮を少し引っ張るように足を動かすと、
硬くなっていたそこは更に膨らんだように思った。
小さい足の指で、痛々しく反り返った筋を触るとコリンの口から呻く様な声が漏れた。
意地の悪い気持ちになって、メアリーの足は、ぐにぐにとコリンの下腹を突付き続けた。

「メアリー止めてよ、もう止めて」
「止めない」

コリンはメアリーの非情な声を聞いて、しかし、ゾクゾクするような快感を感じた。
下半身を鈍痛を感じるほど弄ばれ、コリンはメアリーの足を震える手で掴んだ。
その瞬間メアリーは、はっとしたように足を引いた。
199名無しさん@ピンキー:05/01/30 22:51:12 ID:OkH1jwRK
「止めないで」
「止める」
「イヤだ」
「イヤ」

掴んだメアリーの足をコリンは自分の下半身に擦り付けた。
コリンの指先の力は思ったより強く、片足で立っているとバランスを崩しそのまま座り込んだ。
足をまるで身体ではないように扱われてメアリーは憤慨した。
そしてコリンの満足の為だけに扱われている事も心外だった。

「我儘!自分勝手!」
メアリーが喚いてもおかしな体勢で足を掴まれて抜け出す事は出来なかった。
じたばたと手を振り回すと先ほどの本が手に当たった。投げつけてしまおうか?
一瞬、そんな考えが閃いたが先ほどの妖精の顔を思い出すととても出来やしなかった。
コリンの息遣いが荒くなり、足が汚れた。
全て出し切るとコリンの指の力が抜けた。
足を引き抜いても残るコリンの指の力にメアリーは愕然とした。
コリンはメアリーの柔らかい髪の毛にキスをして精一杯優しい声で謝った。
メアリーはそんなコリンの手を振り払い、突っぱねた。
「キライキライキライ!」
「謝っているじゃないか」
コリンの顔が曇り、気難しい表情が浮かんだ。
「許さない」
「我儘!」
「知らない!」
メアリーはぷいっと立ち上がってコリンを残して自室へ駆け戻った。

扉を音を立てて閉めるとそのまま座り込んだ。
お風呂に入ろう。
今夜、ディコンが来る。
200名無しさん@ピンキー:05/01/30 22:54:29 ID:OkH1jwRK
>>189の続き
足コキ編(?)
やっとコリン登場

>>191-193蟻が父さん蛙が母さん。期待に添えれば本望です
201名無しさん@ピンキー:05/01/30 23:25:32 ID:cdNydoQ9
エロ――――(゚∀゚)――――イ!!

最高です。
202名無しさん@ピンキー:05/02/02 21:54:07 ID:LE/g/mn6
続きキテタ━━(゚∀゚)━━!!
背徳感がいい!
203名無しさん@ピンキー:05/02/08 13:21:46 ID:D5j2lRie
はやみねかおるとかキボン
204白雪姫:05/02/17 20:20:19 ID:LrhzW2sa
ageついでに投下。

−−−−−−−−−−−−−−−
 まま母にお城を追われた白雪姫が、森の中で迷っていました。
 色白の美しい顔には汗がにじみ、ほそい手足は泥だらけ。お腹がすいて、いまにも倒れそうです。
(もうだめ……)
 地面にへたりこみそうになった瞬間、遠くにうっすらと家が見えました。
 白雪姫は聞いたことがあります。この森には7人の小人さんたちが木を切って暮らしていると。
 可愛らしい小人さんたちなら、きっと自分をあたたかく迎えてくれるかもしれない。
 そう考えた白雪姫は、力をふりしぼって家に向かいました。

 近寄ってみると、家は思ったよりずっと大きなものでした。
 大木でできたりっぱなつくりで、小人さんが住むには頑丈すぎるように見えます。
 白雪姫は扉をあけ、中に入りました。
 テーブルの上にパンや果物が置いてあるのを見つけ、さっそく食べました。パンも果物も硬く、噛むのが容易ではありません。
 パン1こと果物1つを食べるとお腹いっぱいになり、お腹がいっぱいになると急に眠くなりました。
 白雪姫は部屋の奥に入って、ベッドを探します。
 つきあたりに、7つのベッドがありました。ベッドは小人さんが寝るにはあまりにも大きなサイズです。どれも汗くさく、シーツも不潔そうです。
 白雪姫は少し不安に思いましたが、眠気に勝てず、そのうちの1つに横たわって目をとじました。
 白雪姫はすぐに眠りにおちてしまいました……。
205白雪姫2:05/02/17 20:24:11 ID:LrhzW2sa
「おい、そっち持ってろ」
「いい女じゃねえか」
 しわがれ声がいくつも聞こえます。その声に白雪姫が目をさますと、7人の大男たちがまわりを囲んでいました。
 どの大男たちも薄汚れた顔で、とても野蛮そうです。
「俺のベッドで何してんだよ」
 大男のひとりがいいました。むくんだ体つきで、歯並びの悪い口をしていました。
「いいじゃねえか、どうせ寝やしねぇんだからよ」
 髭だらけの大男が言い返します。
 ほかの5人の大男たちもニヤニヤとうすきみわるく笑うばかりです。
「こ……ここは小人さんの家でしょう……?」
 白雪姫はふるえながらたずねました。
「いいや。木こりやってんならガタイがデカイに決まってるじゃねえか」
 肌の黒い大男が、舌なめずりするようにこたえました。
 白雪姫は動こうとしましたが、両手も両足も自由になりません。大男四人に、しっかりと押さえられていたのです。
「テーブルの上に置いてあったの、食ったろう」
 一番太った大男が、怒り声でいいました。
「ごめんなさい……ごめんなさい……お腹がすいていたんです」
 白雪姫はいまにも泣き出しそうです。
「いいってことよ、その代わりたっぷり恩返ししてもらうからよ」
 年長者らしい、ワシ鼻の大男が猫なで声を出しました。
「おい、脱がせ」
206白雪姫3:05/02/17 20:25:06 ID:LrhzW2sa
 大男たちが白雪姫に群がりました。ドレスをまくりあげ、頭から脱がせようとします。
「いやっ! やめてっ!!」
 白雪姫はせいいっぱい抵抗しましたが、かなうはずがありません。あっというまに着ているものすべてを剥がされてしまいました。
 裸にされ、両手足を押さえつけられた格好のまま、白雪姫はベッドに横たわっています。寒さと恐怖とで、全身には鳥肌がたっています。
 ゆるしてください、はなしてください、と白雪姫は必死に頼みましたが、大男たちは聞き入れません。
「誰が最初にやる?」
「俺だ。そこは俺のベッドだからな」
 歯並びの悪い大男が、白雪姫におおいかぶさってきました。白雪姫は手足をうごかそうとしましたが、どんなに力を込めても大男たちに押さえられてびくともしません。
 歯並びの悪い大男は、白雪姫の股間に顔をうずめ、中心部を舐めはじめました。
 くちゅっ。くちゅっ。
 唾液のたっぷりしたたる舌が、ヒダをかきわけ可憐な突起を、そして蜜壷を激しく攻めたてます。
「ああっ! はぁっ……いやあ……」
 白雪姫は身をくねらせて抵抗します。
 大男の舌が、突起の包皮をむき、ぴちゃぴちゃとあらわになった尖りをなめまわしています。
 そして、蜜壷がそれに反応して濡れているか確かめるように、舌を移動させ、蜜壷の内部までずぶぶっとしずませます。
207白雪姫4:05/02/17 20:26:06 ID:LrhzW2sa
 ぴちゃぴちゃ……ずぷっずぶぶっ
「はあぁああん……! だめぇぇ……」
 身体を弓なりにそらして、白雪姫はあえぎつづけます。
 頭の禿げた大男と毛むくじゃらの大男が、白雪姫の乳房をもてあそびはじめました。
「あんっ! 痛いッ、かまないでぇ!」
 それぞれの乳房を口にふくんだ二人が、同時に乳首をコリコリと噛んでいます。生臭い唾液が両方の乳房からシーツへたらたらと流れていきます。
 2つの舌がれろれろと乳頭をなめまわし、節くれだった手が乳房をもみしだきます。
「いや……っ、いやぁあああ」
 四人に両手両足を押さえられ、二人に乳房をなぶられ、中心部を一人になめたてられて、白雪姫はそのまま気を失いそうでした。
「おい、さっさとやっちまえよ」
 片足を押さえつけている一人がどなりました。
「へへっ、わかってるって」
 白雪姫の中心部を舐めていた大男が、体を離します。
「いまからよ、コレをおまえの中に入れてやる」
 大男は自分の股間を白雪姫の前にさらけ出しました。赤黒いフシのいっぱいついた、棍棒のように太い肉棒が目にとびこんできます。
 白雪姫の意識が、恐怖で消え入りそうになりました。
 大男が腰を落とし、ごつごつとふくらんだ肉棒を蜜壺にあてがいます。
「どんな味がたっぷり楽しめよ」
 ほかの大男たちがはやしたてます。
208白雪姫5:05/02/17 20:27:06 ID:LrhzW2sa
 歯並びの悪い大男は、よだれをたらしながら腰をしずめました。怒張した肉棒が白雪姫の蜜壺にはまっていきます。
「いたいっ……!」
 白雪姫の中心部に激痛がはしりました。
「いや……っ、ぬいて……おねがい……」
 白雪姫は身をかたくして、肉棒の進入をこばもうとします。
「きついぜ……処女の味だ」
 歯並びの悪い大男がうめきます。「ふうっ!」
 ズブッッッ!!
 肉棒が奥深くへ突き入れられました。
「いたああああああい!!」
 生まれてはじめて味わう痛みに、びくんっ! びくんっ! と白雪姫の身体がはねあがります。
 白雪姫は白目をむいて叫びつづけました。手足をバタバタと暴れさせようとしても、ほかの大男たちがガッチリと押さえ込んでいます。
「ご開通か。めでたいな」
 大男たちがゲラゲラと騒ぎ立てました。
「いやっ! やめて! やめてくださいっ!」
 白雪姫は激痛の中、半狂乱になってわめきました。
 野蛮な大男たちに処女を奪われる。白雪姫は美しい顔をひきつらせ、涙声で抵抗しつづけましたが、どうすることもできません。
 ぐぐっ、ぐぐっ、と肉棒がなおも埋め込まれるたび、白雪姫のふとももがぴくぴくっと痙攣します。
「へへ……子宮口まで達してるかもしれねえな」
 歯並びの悪い大男は、下卑た笑いをにじませるとゆっくり腰を前後にうごかしはじめました。
209白雪姫6:05/02/17 20:28:39 ID:LrhzW2sa
 ずんっ。ずんっ。ずんっ。
 肉棒が蜜壺の中をこすりあげています。奥深くまで圧迫する感触に耐えきれず、白雪姫は悲鳴をあげつづけます。
「いやああああ!! やめてえええ!!」
 肉棒は誰も受け入れたことのない蜜壷を、たっぷりと蹂躙していきます。ごつごつしたカリが、内臓にとどきそうな勢いで突き込んでいきます。
 ずちっ! ずちっ!ずちっ!
「あぁああああああ……!」
 白雪姫は痛みのあまり、可憐な唇からよだれを流して泣き叫びます。
「おい、もっと乳をもんでくれ。こいつ乳をもまれると感じるらしい。グイグイ締めつけてくるぜ」
 歯並びの悪い大男が、ぎしぎしと腰を振りながら乳房にむらがる二人にいいました。
「へへ、わかった」
 二人はいわれた通り、激しく乳房をなぶります。形がぐにゃぐにゃと変わるくらいきつく掴み、口臭のきつい唇が乳首をつまみあげます。
「ひいぃいいいい……!」
 白雪姫の悲鳴が甲高いものに変わりました。歯並びの悪い大男の動きが早くなります。
「いい具合だ……このままイこうぜ」
210白雪姫7:05/02/17 20:29:28 ID:LrhzW2sa
 蜜壷の中で、ビキビキッ! と肉棒が膨れ上がるのを白雪姫は感じました。
「いやっ! いやっ! 抜いてっ! 中に出さないでっ!」
 ドクッ!!
 白雪姫は絶叫しました。肉棒が体内でビクビクと爆ぜているのがわかります。
 生暖かい精が、身体の奥底にあふれだすのを、白雪姫は絶望と共に感じました。
「いや……いやぁ……」
 もう悲鳴はかすれた声にしかなりませんでした。
「おい、次に代われ」
 射精の余韻にひたる大男を押し退けて、片方の乳房をもてあそんでいた一人が白雪姫に乗りかかりました。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−
とりあえずここまで。
211名無しさん@ピンキー:05/02/17 23:16:56 ID:fQRkx0ur
新作キター*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!
えろい!えろいよ!

花園の人も白雪の人も続き楽しみです。超GJ。
212名無しさん@ピンキー:05/02/18 21:25:13 ID:yDcWRL8M
えろぉいぃぃ―――

そうさ困って助けを求めた相手が良い人とは限らないのさ
なんてステキな!!
213名無しさん@ピンキー:05/02/20 16:23:16 ID:DwPZQVJL
新しい職人さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
白雪姫GJ!続き待ってます!
ですます調でエロやられると(・∀・)イイ!!
白雪姫っていえば父と近親相姦してて
後からきた継母に嫉妬され、下男に殺されかけたが色仕掛けで難を逃れ
逃げ延びた先では7人のフリークスの夜伽をていた
というエロ話を聞いた事あるような無いような
エロ過ぎです姫様
214>>204 白雪姫8:05/02/23 18:00:54 ID:6IAnU2vL
>>211-213
ありがとうございます。続き書きました。まだ終わりません。
>>213
(*゚∀゚)=3 ムッハー鼻血ブーですな
そういえば、ダークな映画もあったりしました。

==========================
 白雪姫の秘裂からぬるりと出た肉棒は、精液と血にまみれています。薄桃色の秘裂から、精と血の混じりあった液がこぼれおちました。
「おい、綺麗にしろ」
 歯並びの悪い大男が、肉棒を白雪姫の可憐な唇に押しつけます。
「俺のものを舐めて綺麗にするんだよ、破瓜の血も一緒にな。ほらっ」
 むりやり口を開かせて肉棒を押し込みました。生臭さと血の味が、口の中いっぱいにひろがります。
「んんッ!」
「噛みつくなよ。舌でていねいに舐めるんだぜ」
 肉棒をノドまで押し込まれ、白雪姫は息もできず身をよじらせます。
 ですが、白雪姫に乗りかかっている毛むくじゃらの大男の重みで、体がいうことをききません。
「んッ、んん……ッ」
 白雪姫はくぐもった声で叫びながらも、言われたとおり舌で奉仕するしかないのでした。
「今度は俺のを下の口で味わいな」
 毛むくじゃらの大男の肉棒が、ずぶっ! と白雪姫の秘裂に入ってきました。
「ぅんんんーッ!!」
 白雪姫のみぞおちが跳ね上がります。
 最初の行為で液まみれになっていた秘裂は、毛むくじゃらの大男のものをおとなしく受け入れていきます。
「おお……いい具合だぜ……」
 毛むくじゃらの男が、とろけるような声で言いました。
215白雪姫9:05/02/23 18:02:24 ID:6IAnU2vL
「こっちもだ。この女の舌と唇、たまらねえ」
 歯並びの悪い大男の顔もとろけそうです。
「おいお前、いい目ばかりみてんじゃねえよ」
 肌の黒い大男が引き離します。ずぷっ、と白雪姫の口から涎まみれの肉棒が飛び出します。
 肌の黒い大男が、ゴツゴツした自分の肉棒を白雪姫の口の中に突き入れました。
「俺にも同じようにするんだ。唇でしっかり締めつけろよ」
「んんッ!! んんッ!!」
 白雪姫は首を振って抵抗しようとしましたが、おおきな両手に頭をはさまれ動けません。
 ずんっ!! ずんっ!!
 毛むくじゃらの大男が、激しく腰を突きはじめました。
「んッ!! んーーッ!!」
 白雪姫の腰が、律動につられて淫らにゆれだします。
「お前も感じはじめてるんじゃないか。たっぷり楽しもうぜ」
「んんーーッ!! んッ!! んッ!!」
 ちがう、はなして、という必死の訴えは、大男たちにとどきません。
 口に真っ黒な肉棒をねじこまれ、白雪姫の顔は涙と汗と涎にまみれています。黒い肌の大男もまた、両手で白雪姫の頭をしっかり掴み、肉棒をはげしく出し入れしています。
 じゅぶっ! じゅぶっ! じゅぶっ!
 ノドの奥まで入ってくる肉棒の太さと味に、白雪姫は何度も何度も吐きそうになります。
216白雪姫10:05/02/23 18:04:55 ID:6IAnU2vL
 毛むくじゃらの大男の律動が、白雪姫の腰もくだけよと激しく迫ります。
 ずちっ! ずちっ! ずちっ! ずちっ!
「んッ! んッ! んッ! んッ!」
 いっそこのまま意識を失えたら。しかし、あまりの行為に白雪姫は失神することもできず、ただむなしくもがくばかりなのでした。
 ほかの大男たちが、自らの猛った肉棒を握りしめます。白雪姫に握らせようとする者もいます。
「そのきれいな手でオレのをしごいてくれよ」
 太った大男が、醜い腹を押しつけながら白雪姫の細い指に肉棒をもたせようとします。
 白雪姫は肉棒を握りました。もう片方の手にも、髭だらけの大男のものが押しつけられました。
 ぎこちない動きながらも、白雪姫は同時に二つの肉棒をしごきだします。じゅっ、じゅっ、と淫靡な音が手から響きます。
「ああ……夢心地だ」
 髭だらけの大男がうっとりと言いました。太った大男も、口から涎をながして快楽にひたっています。
 頭の禿げた大男は、いつまでも乳房をなぶっています。もう片方の乳房を、ワシ鼻の大男の手が揉みしだきます。皺だらけの手でクニュクニュとこねまわし、山羊のような長い舌でとがった乳首をねっとり舐めあげます。
「んぅんーーー!! んんーーー!!」」
 大男たちの攻めたてに、白雪姫の身体はずたずたに引き裂かれていきました。

========================
とりあえずここまで。
217名無しさん@ピンキー:05/02/24 15:13:56 ID:aEvl1X0L
えろっ

さあ姫!行くとこまでイってもらいましょーか!!
218>>204 白雪姫11:05/02/27 12:41:44 ID:Pq4R90DI
>>217さんありがとうございます。
今回で最後になります。

=======================
「おお……っ イくぞ……イくっ!」
 毛むくじゃらの大男の腰が、ビクビクッ! と痙攣しました。
 蜜壷の奥底まで入っていた肉棒が膨れ上がったかと思うと、ドクンッ! ドクンッ! と大きく爆ぜます。
「ぅんんんんんーーーーッ!!」
 白雪姫は絶叫しました。精液が胎内の奥深く叩き込まれるのがわかります。
 びくん! びくん! と、白雪姫の腰もはげしい痙攣を起こします。
 それと同時に、口の奥に入っていた肉棒もビキビキッ! と膨らみだします。
「俺もイくぜぇっ!!」
 肌の黒い大男がうめきました。亀頭を白雪姫のノド元まで一気に突き入れます。
「ンンンンッッ!!」
 口いっぱいに広がった肉棒に、そしてなによりノドの奥深くまで突き込まれた亀頭に、白雪姫は涙を流しながら白目をむいて身悶えます。
「おおおおおおお!!」
 ビュッ!! ビュルルッ!!
 肌の黒い大男の肉棒もまた、精を白雪姫の奥へはげしく噴出しました。
 たっぷりと濃い味の精液が、白雪姫のノドの奥の奥までいっぱい流れていきます。
「そぉら……全部飲めよぉ」
 荒い息を吐きながら、肌の黒い大男は白雪姫の頭をつかんで精を放ちつづけます。
 のぞまぬ精の呑み干しを強要され、白雪姫のノドがぐびぐびと哀れな音を出しています。
219白雪姫12:05/02/27 12:43:42 ID:Pq4R90DI
 その音を聞きながら、両手にあるふたつの肉棒もまたドックン! ドックン! と爆ぜていくのでした。
「いい具合になったな。よし、起こせ」
 乳首から唇をちゅぼっと離し、ワシ鼻の大男が言いました。
 白雪姫の身体は、大男たちの涎と精液まみれになっていました。
 肌の黒い大男が口から、毛むくじゃらの大男が秘裂から肉棒を引き抜きます。口や秘裂から、トロトロと液が垂れ落ちていきます。
 身体中ドロドロで、もはや目がうつろの白雪姫を、大男たちはベッドからひき起こします。
 ワシ鼻の大男がベッドにあおむけに寝ころがりました。すでに肉棒は天にそそり立っています。
「さあ、くるんだ」
 大男たちに抱きかかえられ、白雪姫はワシ鼻の上に乗らされます。
 両脚をいっぱいに開かれ、秘裂にワシ鼻の赤黒い肉棒をあてがわされます。
 白雪姫にはもう、身じろぎする力すら残っていませんでした。
 肌の黒い大男の、大きな肉棒がずっと入っていた口は、閉じてもまだ堅い感触と生臭い味が残りつづけています。
 そして、女の中心部は、律動の余韻が痛みと共にくすぶりつづけているのでした。
 ズブブッッッ……!
「はぁああああっ!!」
 くすぶった秘裂に、三たび肉棒が入ってきました。白雪姫は、騎乗位の形でワシ鼻の大男のものを受け入れています。
「あっ……はぁあん……っ」
 白雪姫の上体が、びくんっ、とのけぞります。
220白雪姫13:05/02/27 12:45:06 ID:Pq4R90DI
 それはまるで、豊かな乳房を差し出すようなしぐさでした。
 ワシ鼻の大男が、それにこたえるように両手で双乳をもみたてます。
「あぁん……はぁっ……」
 白雪姫が、鼻にかかったような甘いあえぎをもらしました。
「淫乱め。もう俺たちに降参か」
 ワシ鼻の大男が、涎をたらしながら愉悦を浮かべます。
 太った大男が、白雪姫の背にどっしりと乗りかかりました。身体についた液を指になすりつけ、それを白雪姫のアヌスへもっていきます。
「ひぃいいいっ!!」
 白雪姫が絶叫しました。太った大男のむくんだ指が、かわいらしい秘穴へモゾモゾもぐっていきます。
「あぁあああああ……っ!!」
 白雪姫は身をよじりますが、ふたりの大男にはさまれどうにもできません。
 秘穴深くに入った指は、ぬめぬめとあたりの壁をかきまわします。
 すぼまったアナルを、指先でくちゅり、くちゅりとゆっくり広げていきます。
「壁づたいにあのモノが入っているのがわかるぜ。これからが楽しみだ」
 太った大男は下卑た表情で笑うと、指をずぽっ! と抜きました。
「きゃうっ!」
 白雪姫が声を上げます。
「まだまだいい声を出すのは早いぜ。本番はこれからだ」
 太った大男は、白雪姫の背に巨体を密着させ、自分の肉棒をアヌスにあてがいました。
221白雪姫14:05/02/27 12:46:49 ID:Pq4R90DI
「ちゃんとほぐしといたからな。奥までたっぷり楽しませてもらうぜ」
 そう言うと、節くれだったモノをずむっ! とアナルの中へ押し込みました。
「ひぎぃいいいいいいいっ!!」
 白雪姫が絶叫しました。身体を弓なりにそらし、首をはげしく振りたてます。
「熱いっ!! 熱いのぉっ!! いやぁあああああっ!!」
「よしよし……へへ、ふたりでかわいがってやるからな」
 ワシ鼻の大男が白雪姫の腰をしっかりつかみ、はげしく突き上げます。
 ずちっ!! ずちっ!! ずちっ!! ずちっ!!
 太った大男もまた、白雪姫のまるい尻をつかみ、いきおいよく突きはじめます。
 ずんっ!! ずんっ!! ずんっ!! ずんっ!!
「あっ!! あっ!! あっ!! あっ!!」
 上下を大男ふたりにはさまれ、身体の中ではげしく暴れられて、白雪姫はもう、ただのメスとなってしまいました。
 口から涎をながし、理性のかけらもない声で喘ぎつづけます。
「おおきぃ……っ、おっきいのぉっ……、あっ、あっ、ふたりのがぁぁっ……!!」
「イイんだろう……? 感じるんだろう……?」
「どうだ……? はじめての尻の感触は……?」
「ああ……イイです……すごい……とっても……あぁああぁん……っ」
 白雪姫はみずから腰をくねくねとゆらし、二人の肉棒をきつくきつく締めつけます。
 蜜壷と秘穴とが、キュッ、キュッと音をたてて収縮しているようです。
「すげえ……すげえ身体だ……」
「まったくだ……はぁっ……いくら味わってもまだたりねえ……」
 ふたりの大男と白雪姫の律動で、ベッドがはげしくゆれています。
222白雪姫15:05/02/27 12:48:01 ID:Pq4R90DI
 他の大男たちも、ふたたび怒張した肉棒を握りしめ、3人に向けてはげしくしごいています。
 ワシ鼻の大男が、快楽に酔いながら言いました。
「白雪姫。あんた、お城のお姫様だろ。これからは俺たちのところにずっといるんだな」
 律動がだんだんと早くなっていきます。
「俺たちの……肉奴隷となって、毎日奉仕してくれりゃいい。これから楽しく暮らそうぜ……白雪姫」
 太った大男が、もう出そうだ、とうめきました。
「よし……一緒に出すぞ」
 ワシ鼻の大男が、がくがくと大きく腰をよじりあげます。太った大男も、ぱんっ、ぱんっ、と肉を打つ音をたてながら腰をしずませます。
「おおおおおおっ!!」
「うあああああっ!!」
 大男ふたりが声をふりしぼりました。
「ヒイイイイィィィイイッ!!」
 白雪姫が身をのけぞらせ、かんだかい悲鳴を上げます。
 ふたつの肉棒が、ふたつの穴の中で膨れ上がり、白雪姫の身体をつきやぶらんと大暴れしています。
 ドビュッ!! ビュルルルッ!! ビシュッッッ!!
 ふたつの肉棒が同時に精を放ちました。
 白雪姫の、下のふたつの穴に、汚らわしい精液がどくんっ!! どくんっ!! と送られていくのです。
「あああああああああーーー!!」
 その絶叫を最後に、白雪姫は失神してしまいました。
「気絶するのはまだ早いぜ。今度は交替で2つ穴をヤらせてもらうからな」
 歯並びの悪い大男と、髭だらけの大男が舌なめずりしています。
 白雪姫は、一晩中7人の大男たちに犯されつづけるのでしょう。
 そして、明日の晩も、あさっての晩もずっと……。

 おしまい
223名無しさん@ピンキー:05/03/02 01:32:22 ID:QBYAwr+f
乙でした
姫の心情と容姿をもう少しねっちり書いて欲しかったです
途中から自分から求めてイクのがエロかった
気が向いたら続きでも他のでも又書いて下さい
224名無しさん@ピンキー:05/03/05 11:37:08 ID:V4C/nfBl
225名無しさん@ピンキー:05/03/05 18:47:20 ID:r+ItWwZq
遅ればせながら白雪職人さまGJ!!
姫えろいよ姫(;´Д`)
226名無しさん@ピンキー:05/03/15 23:54:05 ID:/dmqF7Fd
白雪姫ってディズニーのキャラはえろい顔してると思うな
あの奇天烈な服がなければ
悪い妃って毒林檎を齧らせる前に
毒のついた櫛で髪を解かしたりベルトで締めたりぬるい殺し方を企むのな
それはそうと悪いお妃ってのも中々良いと思いませんが?
嫉妬に狂い常軌を逸した女って
何はともあれ愛憎欲の渦巻く世界だね
227名無しさん@ピンキー:05/03/16 22:20:24 ID:BM+nAet5
児童日本海外文学総合
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1095567894/

童話のキャラとか描いてみないか?
ttp://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erocg/1107959922/

勝手に相互リンクどちらも閑散としている
228名無しさん@ピンキー:05/03/19 18:58:36 ID:h0tX3Zdh
暖炉のとろ火が室内をぼんやり照らし、外を吹く風が窓を揺らす。
しかし強い風は平和な室内では遠くに聞こえる唸り声のようだった。

「寒かったでしょう?」

パチン、と気持ちのいい薪の弾ける音がしてメアリーが振り返ると
寒さでの頬の赤くなった丸顔が、一層丸みを帯びてにっと膨らんだ。
先ほどの林檎の様な頬をメアリーはたまらなく好きだと思った。

ランプの燈を大きくして部屋の真ん中に置くと、暖炉の前の床に座っているディコンに近付いた。
清潔な白い寝間着、温かなガウン、素足にスリッパ、というメアリーの様子は
もう就寝の仕度が整っているようで、まるきり友達に会う様子では無かった。
受け取ったカップの温度がディコンの凍える指をじんわり温めた。
カップから立ち上る湯気は甘い香りを立ち上らせた。
鼻をヒクヒクさせて湯気を嗅ぐと嬉しそうに口をつけた。
蜂蜜を入れたミルクは、冷えていたディコンの身体を腹から温めた。

「おらの家じゃ滅多に蜂蜜なんて入れられねぇ、美味しいなあ。」
「そりゃそうだ、おらがお前さまの為に温めただもんな」

メアリーは肘掛け椅子に斜に腰掛け、美味しそうにミルクを飲み干す咽喉をじっと見ていた
その言葉はディコンの心まで満たした。
あっという間にカップを空けると、周りに白い輪を残しながら、
ディコンは表情の豊かな口の端を上げた。
メアリーは白い輪を拭うとぺろりと指先を舐めた。
甘い。
229名無しさん@ピンキー:05/03/19 18:59:32 ID:h0tX3Zdh
脚を伸ばし、頭を軽く凭れるようにして椅子に乗せると、
くしゃくしゃの髪をメアリーの指が漉きはじめた。
慣れない夜更かしに眠ってしまいそうになるのを堪え、
ディコンはうっとり目を瞑ったまま言った。
「なぁ、メアリーさん。なんで今日、夜になぞおらを呼んだんだ?」
メアリーの指は相変わらずディコンの髪を、まるで草木を弄るときの様に丁寧に撫でていた。
ディコンは返事を待ったが相手は一向に口を開く気配が無い。
訝しく思い、うっすらと目を開くとメアリーの俯いた目と合った。
その顔が慌てて微笑みを作ると、ディコンは身を起こしメアリーの両脇に手をついた。
じいっと、心の向こう側まで見てしまうような蒼い目で見つめられるとメアリーはどぎまぎした。

「……メアリーさん、さびしいのか?」

限りない慈しみが篭ったような声にドキンと胸が鳴り、思わず目を逸らし部屋を見渡した。
厳しい部屋は越してきた当初に比べ、幾分かは優しい表情を帯びていたが、
がらんとしたその広さは、ランプの明かりさえ隅に届かないほどだった。
目を戻すとディコンの眼は明るく澄んでいた。
メアリーは軽く睫毛を伏せると頼もしい肩に顎を乗せた。

「うん、きっと、わたしさびしい」
さびしかったよ、と繰り返す声が少し震えているのに気が付かないふりをして、
ディコンはメアリーの背中に手を回し、ゆったりと撫でた。
大きく包まれるようにディコンに甘えるとメアリーは安心したように軽い溜息を一つついた。

「うん、そうか」

あやすように出す優しい声は小さな動物に対するのと同じ優しさだった。
今だけ、この優しさに浸っていよう。朝がきたらまた元に戻れるから。
メアリーは甘え慣れていない自分をもてあまし気味に頬を摺り寄せた。
230名無しさん@ピンキー:05/03/19 19:00:30 ID:h0tX3Zdh
するっとディコンの手がメアリーの髪を撫でた。
メアリーは慣れない甘えに戸惑いながら照れたように身を離すと、
ディコンがはっと思う間も無く、するりと腕を逃れ、悪戯っぽく笑う。

「動物遣いに馴らされた……わたしはニンゲンそれともケモノ?」

笑いながら逃げるメアリーをわざと不器用に追い駆ける。
ディコンは唸りながら迫り、追手から素早く身を翻し、敏捷な獣はギリギリで逃れる。
手から漏れる白砂のようにひらひら舞うメアリーは捕らえ難い蝶のようだった。
2人とも笑い疲れはじめる頃、やっと捕らえようとしていた捕手が徐々に追い詰めた。
息の上がったメアリーは窓辺に追い詰められ、観念したようにカーテンに身を包みディコンを待った。
獲物を隠すそのドレープが波打ち、スリッパも脱げた裸足に垂れかかる様はまるでインドの女神のよう。

「さぁ、捕まえた。悪い小鳥め、どうしてくれようか?」
「捕まったのあなたじゃない?
 お悧巧なツグミは気持ちのいい巣を見つけました、てね?」
フンと鼻を鳴らしてメアリーが強振ると、ディコンは彼女をカーテンごと抱きすくめた。
「きゃっ」
「そんなら……」

目を細めた2人の顔が近付き、唇が軽く触れた。
ほんのり甘い味はミルクに入れた蜂蜜の名残り。
メアリーが顎を上向けて、再びディコンの顔が被さるのを待つと、突然、強い力で抱き上げられた。
ふわりと抱き上げたメアリーは呆気ないくらいに軽かった。
そのまま、ディコンの首に腕を回し、為すがままに身を任せるメアリーの耳元で低い声が囁いた。

「そんなら、次はどうして欲しい?
 お悧巧なメアリーさん、おらに何して欲しいだ?」
「……わたしが呼んで、あんたは来たの。何故来たの?」
231名無しさん@ピンキー:05/03/19 19:12:04 ID:h0tX3Zdh
メアリーが鼻をディコンの髪に押し付けると少年の体臭を強く感じた。
ベッドのある隣の部屋にはランプの明かりは少ししか届かない。
ほんの少し気温の下がる部屋はしかし2人の熱を冷ましはしなかった。
ふんわりとメアリーの身体を毛布に降ろし、柔かく顔にかかった髪を指先で除いた。

「えっと……」

ディコンはメアリーが何か言いかけるのを聞きながら寝間着の中に手を滑り込ませた。
さらさらとした素肌と、全然ふくらみの無い胸がメアリーの少女に満たない肉体の全てだった。
曲線の硬いメアリーの身体は成長し始めたばかりで実際、年齢よりも幼くも感じた。
ディコンが指の間で縮こまっていたメアリーの乳首に触れる。
優しく摘むとそれはちんまりとした膨らみを帯びてきた。
徐々に指先に突起を感じ始め、それを押し込むように突付くと
幼いなりにメアリーは切なそうな表情になった。

「えっと、ね、あの…」
「ん?」
「ぁん……何でもない」
メアリーはそう答えると自分の乳首を触っているディコンの掌を握った。
ディコンの掌、温かくて力強くて、どんな小動物でも安心できるくらい優しい。

「やっぱり、やめようか?」

仕方ない、2人ともまだ子どもなんだから、そう思いながら
ディコンは精一杯の思いやりで恐る恐る尋ねたが、
首を横に振って否定するメアリーの顔が闇の中、はっきりと見えなかった。

「ちがう、暗いのはイヤ。ディコンがちゃんと見えない」
232名無しさん@ピンキー:05/03/19 19:26:22 ID:h0tX3Zdh
消え入りそうなメアリーの声で、ディコンの心はパッと明るくなって起き上がると
ベッドサイドにある小さい常夜灯の覆いを取った。
ほんわりとした明りが広がり温かそうに部屋を照らした。

振り返り見ると、ぽっと闇に浮かんだように、不安そうなメアリーの顔が少し明るく照らされた。
寝間着の前が開かれて隙間からちらとピンクの肌が見える。
頬も薄っすらと紅潮していて寝間着とシーツの間に咲く花のようだった。
そのまま眺めていたいという気持ちがディコンの胸に湧いてくると同時に、
花を摘み自分のものにしてしまいたい欲望もふつふつと込み上げてきた。

「ねぇ、来て」

恥ずかしげに微笑みながら手を差し伸べるメアリーに、ディコンが近寄ると
そのまま凭れかかるようにして身体を寄せてきた。
風呂上りの清潔な匂いと甘酸っぱいような少女の匂いに噎せ返りそう。
春の花の中、野原に寝そべって思い切り息を吸い込んだような気持ちになった。
絡まるように身を寄せるメアリーを受け止めるように支え、そっと枕元に落ち着けた。
ボタンを一つ一つ外すと、寝間着の襟元がはらりと落ち、薄い肩が剥き出しになった。
下着は着けていなかった。
良く見れば少女らしい丸みの帯び始めた身体つきだがメアリーには隠してしまいたいような肉体だった。
ディコンから隠すように毛布を引っ張ると、顔だけ出して不満げに唇を尖らせた。

「わたしだけ脱がされるの、ずるい」

ディコンは軽く笑ってセーターを脱ぎ、シャツをベッドの下へ投げ捨てた。
ズボンを脚から抜いた時メアリーが後ろから毛布ごと覆い被さってきた。

「ねぇ、ディコン。気持ちよくして?」
233名無しさん@ピンキー:05/03/19 19:28:40 ID:h0tX3Zdh
>>199の続き
寝室編、前編です
覚えくれてますでしょうか?
234名無しさん@ピンキー:05/03/19 20:10:32 ID:h4PUov3u
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
待ってました!!
えろいし素晴らしいし最高ですゴッド。
235名無しさん@ピンキー:05/03/19 22:37:32 ID:aUcWuEul
うわ……すごいです。
なんか、原作者が書いたみたいだなぁ。
追いかけっこのシーンとかもう最高。
この後にも期待してます。
236名無しさん@ピンキー:05/03/20 21:05:11 ID:JM2S4okD
毛布の中、2人の皮膚が直に触れ合い互いの鼓動すらも感じる。
背中にメアリーの皮膚がぴったり密着すると、そのまま張り付いてしまいそうだった。
ディコンは、ずっとこのままで居たいと思わないでは無かったが、振り返り自分の裸の胸にメアリーを抱きしめた。
すっぽり胸元に包まれたメアリーは、毛布より温かで兎のように柔らかだった。
抱きかかえるような形で膝の上に乗っかったメアリーは、おとなしく為すがままにされていた。
ディコンの掌がメアリーの背中を撫で下ろし、小さい尻をそのまま掌に包んだ。
その2つの滑々とした丸い塊を開かれると、メアリーの脚も自然に開いた。
ディコンを跨ぐような格好で抱きしめられて脚を開けば当然、股がディコンに押し付けられる。
ぐっと力の篭ったディコンの腕はメアリーを押し付けているように思えた。
抗うように動くとメアリーは自分の身体が熱くなるのを感じた。
腕の力が緩み、自由を取り戻したメアリーが少し身体を離すと開いた脚の間が晒された。
「やだぁ」
じっと下を見るディコンに赤面して後ろに下がろうとした時、
メアリーの未だ産毛すら見当たらない裂け目が今度は丁度立てた膝に当たった。
ぴっとり張り付くそこに全神経が集中してしまいそうで、ディコンはメアリーを乗せたまま脚を揺さぶった。
「ぁ……ん」
ずるっと滑るとディコンの足にはぬめりが残った。
脚から滑り落ちたメアリーはそのまま仰向けに組み敷かれた。
ディコンが膝を持ち、メアリーの脚を開こうとすると細い腿が強張っているのに気が付いた。

「メアリーさん、こわい?」
「少しね、でも大丈夫。あんたを怖がる小さい生き物なんていないもの」

メアリーは仰向けのまま膝を立てて脚の間から真ん丸い眼が笑うのを見た。
その体勢のまま、ディコンは眼の前のふっくらとした股間に指を差し入れた。
産毛もまだ生え揃わない無垢な様子で、しかし貪欲に指を咥え込んだ。
肉を掻き分けるとじんわりと沁みる体液が指の滑りを良くした。
細かく縦にこするように指を往復させるとメアリーの腿がわなわなと震え始めた。
「メアリーさん、これ好きだか?」
問いかけながらも、手を休めないディコンにメアリーは身体で応えた。
237名無しさん@ピンキー:05/03/20 21:06:18 ID:JM2S4okD
次第に蜜が滴るように溢れ始めるとディコンは手にもった脚を大きく左右に広げた。
掻き混ぜられ、蜜の泡立つ所を大気に晒され、じっくりと眺められる。
「――そんな、あんまりじいっとは見ないでよ」
メアリーはディコンの指だけでなく、視線にも愛撫されていた。
肉の詰まった箇所は、まるで開花前の蕾のようにピンク色を帯びて、蜜に濡れていた。
そっと花弁に触れるように摘んで、晒された裂け目に指を這わせてメアリーを責める。
濡れた葉の上を這うなめくじの様にぬめりを帯び、艶やかにランプの焔に照らされるそこは
牝の動物の本能のままに求め、刺激を受ければヒクヒクと蠢いた。

周辺を弄るようなディコンの愛撫はメアリーの身体を溶かてしまいそうだった。
「メアリーさん、可愛いな、いい子だ」
時折、耳元で囁くと軽く耳朶を齧る、その息遣いがメアリーの心も蕩かしてしまいそうだった。
片手でしっかり脚を開かせたままディコンは顔を近づけると、舌で裂け目に沿い零れた蜜を啜った。
「だめ……ディコン、汚い」
「何言うだ、汚いものか」
そう言って抗うメアリーを、押さえつけ舌で丹念に舐め始めるが
指先で摘んだ芽を動かすたびに、後から後から蜜は止めどなく溢れた。
舌を使って襞を伸ばすようにしながら、指先に力を入れるたび、メアリーの腰は跳ね、又へなへなと力無く沈んだ。

「きゃ……んんっ…あぁっ」

ふるふると首を振って、素直に快楽に溺れて行くメアリーの様子を愛しく思った。
中指を膣の入り口に挿し込むと、中は非常に熱く小波だって居るようだった。
指の腹で擦る膣壁の感触と、親指の刺激と2つの性感にメアリーは打ちのめされそうだった。
「ん…やあぁ、ぁん、あぁ」
締められる様な感触を指先に感じると、ディコンはメアリーが自分で腰を動かしている事に気付いた。
小さな手できつく握りしめたシーツの端が汗で湿っている。
ぐりぐりと膣内を掻きまわし、強めに芽を摘むとメアリーの全身が硬直するのが判った。
そのままメアリーの広げた脇に舌を這わせる。
びくんと跳ねた身体を押さえつけるように圧し掛かりながらも、ディコンの片手はメアリーの中にあった。
238名無しさん@ピンキー:05/03/20 21:07:14 ID:JM2S4okD
指を抜くと、はあはあと荒い息遣いでメアリーが涙目で訴えるようにじっと見た。
ぐったりとしたメアリーの肉体は快楽の余韻にうつらうつらと漂っているよう。
ディコンはメアリーの頬に手を添え、うっとり目蓋を下ろし半開きの唇に光る唾液を見た。
それを掠めるように唇を滑らせるとメアリーの濡れた瞳とぶつかった。
「これから本番いくだ」
ディコンの言葉にメアリーは慄いたように頷いた。
再び脚を持ち上げて、今度は都合の良いような姿に、胸に押し付けるようにして折り曲げた。
剥き出しになったメアリーの性器は愛撫で充血して瑞々しく膨れている。
愛液を湛えた割れ目を開くと赤い肉が覗いた。
痛いほど張り切ったディコンの性器をそこに擦り合わせると、泡立つ肉に呑み込まれる様にして先端が埋もれた。

「く…うぅ」
「メアリーさん、大丈夫だか?」
微かに苦しげな声を上げるメアリーを気遣う声をかけるとメアリーは弱々しげに言った。
「うん、でも優しくして?」

ゆっくり、メアリーの中に埋もれて行くディコンは、先ほど指で感じたものが、直に敏感な所に纏わり付いてくる快楽に
ついつい激しく動きそうになるのを、これ以上ないほどの努力でメアリーの望みを叶えようとした。

「んうっ…は、ぅ……」

きついそこはそれでも丁寧にほぐされ、強い力でゆっくりと押されて徐々にディコンを受け入れていった。
ベッドに押し付けていたメアリーの脚に頬を寄せるとしっとりとしたきめ細かい皮膚が吸い付くようだった。
少しづつ進みながら、ディコンはメアリーの内腿を愛撫する。
指の腹で波を描くように触るとメアリーは身をくねられた。

「やぁん、くすぐったいよ」

そう言うとディコンの腰に脚を回しぐっと締め付けた。
その力で一番奥までディコンが入るとそのままメアリーがしがみ付いてきた。
239名無しさん@ピンキー:05/03/20 21:08:00 ID:JM2S4okD
ふぅ、ふぅと荒いメアリーの息遣いを耳元で感じながら、どくどくと打つ互いの心臓の音を、重ねた素肌で感じとる。
しがみ付くメアリーの爪が背中に刺さる、その痛みですら互いを結びつける心地良さが感じられた。
汗ばんだ髪の毛からディコンの臭いは強くメアリーの鼻を刺した。
おひさまの匂い、明るい、夏の、お庭……花園……。
うっとり目を閉じると、メアリーの目蓋には輝いている日々が浮かんで見えた。
ディコンはメアリーの瞑った目蓋の横に口づけをするとそのまま所構わず唇をつけた。

「ああぁ…」

首筋にディコンが吸い付いたとき仰け反った顎から漏れた声をディコンは一番好きだと思った。
汗ばんだ咽喉は少し塩の味がした。

「良いよ、動いても」
とうとうメアリーが目を開き、ディコンは口を離した。
唾液に濡れたディコンの唇は照り返しに紅く輝いた。
厚みのあるその唇はとても色っぽいとメアリーは思った。
ディコンは薄明かりの中、互いの身体が結びついているところを見た。
メアリーの肉体は余りに幼く全て受け入れられた事が信じられなかった。
捻じ込まれるように自らの中に男を受け入れる女性には、神聖が宿っていると言う事を信じそうになった。
「あぁ、だがねメアリーさん、痛かったら直ぐ言うだよ?」
しかし少し動いただけで走る快楽の刺激はディコンの理性の制御を取り払った。
衝き動かされるようにして、こすれる壁と、粘膜のもたらす快楽を貪った。
「ああぁっ、あ、んぅ…あぁっ」
メアリーの苦痛の入り混じる甘い声と、粘ついた音が、部屋に湿り気を与えるようだった。
奥に奥に、ディコンが突き刺さる度メアリーの身体はベッドの上にずれた。
必死にディコンにつかまっても身体を流れる汗で手がどうしても滑ってしまう。
ディコンはそれにも気付かないでメアリーの脚を肩に乗せ、腰を持ち上げて突き続けている。
240名無しさん@ピンキー:05/03/20 21:12:23 ID:JM2S4okD
脚も腰も浮かせたまま、メアリーは中で動くディコンをじっと感じていた。
細かく振動するように動くとメアリーにも震えるような快楽が訪れる。
捏ねるように回すと心まで捏ね繰りまわされているよう。
強い力で叩きつけられるとディコンの快楽は自分が与えている事が嬉しかった。
「もっと、もっと……つよく…もっと……」
ディコンは乞われるがままに強く抱きしめ、また彼自身が望むままにメアリーの肉体を貪った。
「メアリーさん、痛くねぇかい?大丈夫?」
打ちつけるような動きは強く、メアリーの身体を激しく揺さぶった。
問われ、髪を振り乱しながら首を横に振る仕草は否定なのか肯定なのか。
「もっとつよく……わたしを…求めて……もっと…あぁぁ」
搾り出すような言葉は、今まで誰からも望まれない子どもの寂しい叫びだった。
巣から落ちた雛の叫びはあまりに悲痛でディコンは必ずその手を差し伸べずにはいられなかった。
気が狂ったように乱れるメアリーをきつく抱きしめると儚い体が火傷しそうなほど熱かった。
火傷なぞ怖くは無い。
熱く小さな身体がディコンの首筋に吸血するように噛み付いた。
「んんんんん……」
ディコンに喰らい付きながら小さな獣は細かい痙攣に震えていた。
膣壁はディコンを押し潰すように収縮して小さな野性が、動物遣いに馴らされる最後の抵抗を見せるようだった。
「大丈夫、メアリーさんは大丈夫、もうずっとおらが付いているから……」
四肢を強張らせ、肩で息をするメアリーの薄い胸にディコンの声が沁み込んだ。
求めているのは何時もの事、そして今までは与えられた事が無かった。
飢え、餓えた年月を押し流すようにディコンはメアリーの中を満たした。
温かさに包まれ、震えていた小さな身体は弛緩しはじめる。
気が付くとディコンがまるで母が子をを撫でるときのようにメアリーの髪を撫で付けていた。
ぐったり疲れた身体は、もう目を瞑れば深い眠りに落ちてしまいそうだった。
「朝まで側にいて……それまででいい…どこへも行かないで、ねぇ、おねがい」
まるで幼子のように自然に甘えた声でメアリーは言うとディコンの腕を抱えた。
ディコンは頷き、メアリーに寄り添い自分も横たわると静かに目を閉じた。
春近い風の音が窓を揺らすが、それすらも心地良い子守唄に聞こえた。
241名無しさん@ピンキー:05/03/20 21:17:16 ID:JM2S4okD
>>232の続き
寝室編・後編です

>234-35ありがとう
そして小出しになっちまって悪いと思っている
242名無しさん@ピンキー:05/03/20 23:06:25 ID:UK6TSLpn
連続で神キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
ああもう最高です。
なんていうのか、切なくていいです。
映画の配役で妄想してしまってます。
243名無しさん@ピンキー:2005/03/21(月) 18:49:53 ID:r92x82wK
ぜひともコリン相手で続編を!
244名無しさん@ピンキー:2005/03/21(月) 23:44:44 ID:z8VKsw9J
もうなんていうか。

最 高 。
245名無しさん@ピンキー:2005/03/22(火) 23:53:56 ID:t/vG2vx0
秘密の花園の映画の話だけど、
目隠し鬼してたじゃん?あれってなんかエロくないかなぁ。
エロ要素特に無いと思うんだけど、何故かすげーエロいと思った。
コリンに到っては夜這いしやがったし。
246名無しさん@ピンキー:2005/03/23(水) 22:08:57 ID:9VAPPaHh
コリン朝帰りしてたよね、
メアリのベッドで一緒に寝てさ。
花園でプロポーズもしてたし。
しかも何気に嫉妬深い・・・。
247246:2005/03/23(水) 22:19:27 ID:9VAPPaHh
あ、映画版「秘密の花園」の話です。
248名無しさん@ピンキー:2005/03/23(水) 23:47:44 ID:CiIIbu10
映画のコリンの方が原作のより人間らしい描き方になってるよね。
原作の方だと小公子とかそんな感じな詰まんない子どもになっちまいそうで
>>246の言うベッドで一緒に寝てるシーンは凄い良い絵になってるとおもう
原作は淡々としてるんだよね全体に。でも、皆でお祈りをするシーンは好きだな
あと食事の場面、あれは旨そう。
クリームの浮いた牛乳……こくまろミルク?(w
249名無しさん@ピンキー:2005/03/27(日) 21:56:27 ID:6wQ7qAqt
「ふぅ……」

リウマチの痛む足を引きずるようにして狭い小屋へと帰るとベンウェザースタッフはどさりと荷物を置いた。
年嵩の身体に冬の寒さが堪える。
ストーヴに火を熾しスープを温めると質素な夕食の準備を始めた。
屋敷から貰ってきたパンを袋から出すと美味しくも無さそうに黙って食べる。
塩辛いだけのスープで流し込むようにしてパンを呑み下す。
中々部屋が暖まらないのでストーブの近くにぴったりと寄った。
壁に掛かった鏡を見ると自分の顔がギョッとするほど老けて見えた。
疎らな髭を撫でると皮膚が弛んで指に引っ張られた。
不機嫌な顔のまま棚から出してジンをコップに注ぐと苦そうに呑んだ。
強いアルコールが胃に染みると欠伸が出た。
夜具を調えに行くとベッドサイドの窓から厚い雲が勢い良く動いてゆくのが見えた。
「こりゃ降るな」
呟くとまるで声だけが部屋の中に居るようでぞっとした。
素早く寝る仕度を整えると耳まで布団を引っかぶり目を閉じた。
窓の硝子が立てる音が徐々に遠ざかった。

「雨が降ってきましたわ」
「へぇ」
「一雨毎に暖かくなりますね、もうじき春が来るわ」
「本当に」

あの頃、雨は優しく降っていた。
春先に降る雨のたび、庭仕事の手を休めては花園の持ち主と交わした言葉。
種が芽吹くように、年毎に女性のたおやかな美しさを身に付けてきたクレイヴン夫人は
まだどこかで若菜のような初々しさを残し、人好きのしない庭師にさえ憧れを植え付けた。
250名無しさん@ピンキー:2005/03/27(日) 21:58:12 ID:6wQ7qAqt
春先の湿った午後のある日。
蔦の合間から漏れる日光が池に映り柳の新芽が柔らかな緑に透ける。
咲き誇る沈丁花の馥郁とした香りは花園に充ち溢れていた。
10年、彼は若かった。
作業の手を休めると空を仰いだ。

「ベン、こちら手伝って下さいな」

声に振り返ると絡まる蔓薔薇の合間からクレイヴン夫人が見えた。
笑みがその身体に満ち溢れているようだった。
少女めいた女性、ウェザースタッフは彼女の前では無愛想ではなかった。
ベンが近付くと高いところで蔓薔薇が伸びてしまっているのをそろえて欲しいと言う事だった。
彼はだまって剪定鋏で伸びすぎた蔓を整え、脇に咲く沈丁花の枝を一つ折り取った。
足許では夫人がしゃがんで水仙の雑草を抜いていた。
まるで少女のように膨らんだスカートは菫のように淡い紫色だった。
腕まくりをして手袋を嵌め、楽しそうに作業をする傾いた帽子にその花を飾った。
彼を見上げる瑪瑙のような大きな瞳はキラキラと輝いていた。
吸い込まれそうになりながらベンはぎこちなく笑った。

何か言おうとする前口元が笑ったように上がる少女めいた腕がふっくらとしている。
少し解れた後れ毛が陽に透けて輝き、ベンは眩しさに目を細めた。
そのとき、あずまやの向こう、大きく曲がった木のある方からクレイヴン氏の呼び声が聞こえた。
251名無しさん@ピンキー:2005/03/27(日) 22:00:42 ID:6wQ7qAqt
「あら、わたし行かなくては」

ぱっと表情が変わり一段と明るくなった笑顔を残し彼女は走り出す。
彼女を何故止めなかったのか?
自分にはこの人にこの笑顔を与えれない。
しかし今は背を向けて走り出す彼女を止めなくてはいけない。

「待ってくだせぇ、待って!」

追い縋るベンの身体は一足毎に年老い、油の切れた機械のようにぎこちない動きになった。
足が縺れる、声が涸れる。
行かないで、行かないで下さい。
しかし何故止められよう?
振り返りもせず真直ぐに駆けて行く先では彼女の愛する夫が待っている。
夢の中では何度も叫び、手を伸ばしても決して届かない。
彼女に触れることの出来ない腕が虚しく中を泳ぐ。
にっこり笑い夫の腕に飛び込む彼女。
まるで大輪の花が咲いたようだった。
ベンの事なぞ頭の片鱗にも残っていないようにただ幸せそうに笑っている。

帽子から落ちた花がベンの足許で枯れた。
252名無しさん@ピンキー:2005/03/27(日) 22:02:42 ID:6wQ7qAqt
木からあの人が落ちた時、その時、初めて身体に触れた。
それから忘れられない。

真夜中過ぎに目を覚ますと先ほどまでの夢が幾度と無く見る夢だと気が付いた。
もう一度眠れば忘れてしまう、そう言うたぐいの夢だった。
呑みかけのジンのコップを呷ると引き出しを開けた。
中にある少し土の着いた手袋をみると彼の咽喉の奥から軽い呻き声のような声が漏れた。
窓にはいつのまにか幾筋もの水滴が流れていた。
恋しても恋してもけして叶えられない恋。
そして越えられぬ身分の違い。
彼女は世界を全て愛していた、そして屋敷の主人を心から。
朝になったら手袋は燃やしてしまおう。
夢を見ると何時もベンはそう思った。

手に入らない花ならば、燃やしてしまえ。

嫉妬、ベンの想いが彼女を殺した。
少なくとも彼の中では。
事故の瞬間、後悔より先に彼には安心感を感じた。
もう人の手の中咲く花は見ない。
強い酒に咽喉を焼かれたように感じて溜飲を下げた。
荒地には冷たい雨が降り続いた。
253名無しさん@ピンキー:2005/03/27(日) 22:03:52 ID:6wQ7qAqt
「リリアス!ベン、助けて!早く来てくれ」

クレイヴン氏の叫び声で駆けつけたベンは、額から血を流している夫人を見た。
ぐったりした体を抱えると、ぐにゃりと垂れ下がった腕から手袋が落ちた。
屋敷に駆け戻る途中クレイヴン氏は何度も妻の名前を呼んだがベンの腕の中、反応を返す事は無かった。
むっとする様な血の匂いと混じるように甘い花の匂いが鼻を刺す。
柔かく肉感的な身体は母親になったばかりの女性の生命の感触だった。
髪は解け、走るたびにベンの鼻をくすぐる。
いろいろな物が混ぜこぜになった匂いをを吸い込みクレイヴン氏より速く走る。
ベンは夫人を夫から奪うような錯覚を覚えた。
このまま、何処か、何処か、でも一体何処へ?
屋敷ではクレイヴン医師が来て怪我人の手当てをする。
血が止まると夫人はただ眠っているように見えた。
真っ青になって妻のベッドから離れられないクレイヴン氏の方が今にも死にそうに見えた。
ベンは他の人と共に隣の部屋でまんじりともせず様子を窺っていた。
もし、もしも……。
あの女性を奪う事が出来るなら、あの女性が自分にだけ微笑んでくれるなら、
世界中を敵に回しても主人がどれだけ悲しむ事だって厭わない。
手に残る夫人の肉体の記憶がベンを狂わせていた。
……もしも、自分の腕にもう一度抱かれる事がなければ……死んでしまえばいい。
真夜中過ぎ、皆眠くなる事すら忘れて夫人の安否を気遣っていた。
病室の隣室のベンは静まり返る屋敷の中、赤ん坊の泣き声を聞いた。
屋敷の奥深くのその声は不安と寂しさに凍りつくような響きをたてた。
はっとして室内の者が目を合わせると病室から幽かな話し声が聞こえた。
「――あな…た――あいしています・・・から―さようなら……」
ふっとベンの中で何か火が消えたように感じて思わず腰が抜けたようにどさりとソファに腰掛けた。
看護婦やメドロック夫人が慌てて病室に駆け込むと、夫人は最愛の夫に抱かれたまま息絶えていた。
彼女は夫を愛してたのに!
254名無しさん@ピンキー:2005/03/27(日) 22:05:30 ID:6wQ7qAqt
朝になると雨は上がり薄っすらと荒地に靄がかかった。
畑には行かずまっすぐ花園へと足を運ぶ。
再生した花園はあの時と変わぬ春の訪れと輝きを取り戻していた。
しかし昔の醜い嫉妬心と苦い後悔とに潰された時間は決して戻らない。
ふと、人の気配を感じて沈丁花の茂みに近付くとディコンと屋敷のメアリーが居た。

「誰が殺した駒鳥を」
「わたしがやった、と雀が言った
 わたしが弓矢で殺したの」
「誰が見ていた駒鳥を」
「私が見てたとハエが言った
 わたしが死ぬのを見届けた」
「誰がその血を受けたのか」
「わしが……受けた」
「おや、ベンおはよう」
「駒鳥、死んでしまったの。哀しいわ」
「死んじまった……哀れな、駒鳥の為、鐘が鳴ります
 空の小鳥は溜息ついて一羽残らずすすり泣く」

2人の子ども達はしょんぼりと小さな駒鳥の為に小さな小さな墓を作った。
ベンは帽子を取って跪くと頭を垂れた。
「わたしがやった、わしが弓と矢で……」
「はい、これ」
メアリーは沈丁花の枝を切り取ると供えるようにベンに渡した。
「わしが……」
崩れるようにベンが言うと2人の子どもは吃驚した。
あのベンウェザースタッフが人前で泣くなんて。
「ベン……?」

空の小鳥は一羽残らずすすり泣く。
255名無しさん@ピンキー:2005/03/27(日) 22:06:52 ID:6wQ7qAqt
>>240の続き、繋ぎ部分です(エロなし死にネタありって後から書いて意味あるか?)
感想くれた方ありがとう、あんま褒めると調子に乗りますよ?
マザーグースは寺山修司の訳です
256名無しさん@ピンキー:2005/03/28(月) 01:42:01 ID:/QiYUiQ2
その名調子が曇らぬのであれば
いくらでも褒め称え調子に乗せますとも!

せつなくも美しい。沁みました。
257名無しさん@ピンキー:2005/03/28(月) 18:09:58 ID:Do0QwAwh
このまま公式でいいよこの話。
すごいな。ここまで突っ込んだ話書けるって。
いくらでも調子乗っちゃってください!
258名無しさん@ピンキー:2005/03/30(水) 16:24:59 ID:DrgWdESB
以前ベンがディコンに
「火傷に気をつけろよ」と言ってたことを思い出しました。
花園を復活させたメアリにクレイブン夫人の面影を、
ディコンに昔の自分自身を見ていたんですね。
259名無しさん@ピンキー:皇紀2665/04/01(金) 13:39:20 ID:kdlYoIGX
あげ
260名無しさん@ピンキー:2005/04/03(日) 18:21:03 ID:V6R0XNkZ
>>254から以下8レス続きです
宗教臭あり、苦手な方、敵意を感じている方はスルーして下さい

>>256-258ありがとう
261名無しさん@ピンキー:2005/04/03(日) 18:21:35 ID:V6R0XNkZ
「皆でタマゴを探すんだ、そらお庭に沢山隠してあるだからな」

イースターの日、マーサが綺麗に絵を書いた卵を探しに子ども達は一斉に外に出た。
窓からそれを眺めるクレイヴン氏。
時折は心が晴れるが大概、重い雲が垂れ込めたように静かに1人で物思いに耽る。
ディコンのウサギが跳ねる。
メアリーはまっさらな新しいワンピースに大きな籠を下げている。
コリンは誰よりも元気に駆け回り、緑の、赤いの、色とりどりの卵を見つけた。
朝の清々しい空気の中、サンザシの花が香る。
籠は卵で重くなりメアリーも籠をあずまやに置いて卵を探しに行った。
3人の子どもはそれぞれに花園の中を探し回った。

コリンは人が探せないような穴の中に手を差し込み黄色く彩色された卵を2つ見つけた。
籠に入れようとあずまやに走ってゆくとそこにはメアリーは居らず籠だけが在った。
訝しがりながら振り返ると藪の向こうで人影が見え隠れした。
そっと行って驚かしてやれと悪戯心でそっと近寄ると話し声が耳に入った。
262名無しさん@ピンキー:2005/04/03(日) 18:23:55 ID:V6R0XNkZ
「私たちの子どもは元気になったよ。
 でも君は幸せでは無かったか?私を置いて何処へ行っちまったんだ
 私には君だけが必要なんだ……」

コリンはそれが父親の声だと知り全身の血が冷たくなった。
気が付くと自然に涙がこぼれてきた。
そっとその場を離れ無闇に走った。
涙で前が見えないまま、木の根に足を取られ、前のめりに倒れとそのまま声を殺して泣いた。
声を殺して泣く方法なんて今まで知らなかった。
でもこの涙は誰にも見られたくなかった。
特にメアリーやディコンに自分がいまだに泣き虫で我儘だと見られる事は我慢できなかった。
我儘でも自分勝手でも良いから、誰か涙を止めて欲しい。
僕は此処に居るのにどうしてその眼が遠くを見ているの?
父さんは僕が元気になるだけでは駄目なのだ。
僕だけを見て欲しい。今まで省みられなかった分。
その為に健康にもなったし、丈夫な心も手に入れたのに。
歯を食いしばり木に寄りかかり涙を拭くと眼の前にマーサが立っているのが見えた。
慌てて顔を背けると震える声で言った。

「お前、そこで何をしているんだ?あっちへ行けよ」
しかしマーサは退く気配もなくコリンに近寄るとその顔をエプロンで拭った。
「坊ちゃん、さぁ、お顔を拭いて。転んで泣いたんじゃねえな?
 訳は訊きませんよ、でもそんな顔じゃ皆んとこへは行かれねぇだろ?」
マーサは自分のスカートにコリンの頭を乗せると熱っぽい顔を優しく撫でた。
その自然な優しい仕草にコリンは素直に従った。
263名無しさん@ピンキー:2005/04/03(日) 18:26:34 ID:V6R0XNkZ
鼻をかむと腫れぼったい顔を冷ます様にそよ吹く風にさらした。

「マーサ、僕が泣いてた事、誰にも話しちゃいけないよ?」
まだ微かに震える声色を落ち着かせてコリンが言うとマーサは得たりと頷いた。
熱っぽい目蓋をマーサの指がなぞるとひんやりとして心地良い。
「お前は優しいね、とってもいい子だね」
鼻を啜って大人びた口調で言う様子にマーサはニコニコと微笑んだ。
「坊ちゃんはまだ子どもなのに大人みたいなところがありますだねぇ。」
そう言うと屈み込んで唇を、真っ赤に充血しているコリンの唇に重ねた。
マーサが顔を上げるとコリンの大きな眼が見上げていた。
小首を傾げて少し恥ずかしそうに笑うとコリンが訊ねた。

「何故?」
「だって坊ちゃんが可愛らしいから、おら……」
「恥ずかしがる事はないよ、誰だってキスをする権利はあるはずだもの」

ふんわりとしたマーサの胸にコリンが顔を埋めると、おずおずとその頭を抱え豊かな髪を弄った。
優しい懐かしい匂いがその胸から匂い、コリンは抱きしめるように腕をまわした。
バランスを崩してマーサが後ろへ倒れると、そのままコリンが覆い被さった。
今度はコリンがマーサの唇を奪うと舌が拙く動いた。
コリンの顔を両手ではさみそっと唇を離す。
「いけねぇ、坊ちゃん。お前さまは偉え方だ。こんな小娘相手にいけねぇだよ」
「お前は僕を慰めてくれたね?だから良いんだよ。僕、お前のことが好きなのだもの」
そう言うとコリンは幼いキスをマーサの顔中に降らせた。
小さな掌が胸元を探るとマーサがボタンを外し導きいれた。
触れる皮膚は柔かく肉は温かい。
コリンは幼子が母の乳房をまさぐる様にその温もりを握った。
「あっ、坊ちゃん駄目、女の身体ってもんはもっと優しく触るんだ」
マーサが声を上げるとコリンは服の下の手を撫でる様にそっと動かした。
「こう?」
264名無しさん@ピンキー:2005/04/03(日) 18:27:09 ID:V6R0XNkZ
コリンが上目遣いで言うとマーサは微笑んでもう片方の手をスカートの中へ差し入れた。
下着の中に滑り込ませた指は豊かな茂みに絡みついた。
ふっくらと盛り上がった丘に生え揃った産毛の柔かさと、マーサの口から漏れる
吐息の甘さにコリンは年上の女性の甘さを知った。
コリンの指はマーサの恥丘をさらさらと撫で下ろした。

「坊ちゃん……ぁ」
滑り降りた指が溝に沿って動くとマーサの顔はほんのりと桜色を帯びた。
ボタンの隙間から覗く乳首と同じ色。
コリンはその小さなさくらんぼを摘んで舌の先で舐めた。
唇に挟むと少し硬い。
唾液を絡ませるようにもう一度舐めると下の方がじんわりと湿ってくるのが判った。
細い指を挿しこみ、産毛を泡立てるようにして掻き回すとマーサの腰がくねった。
スカートを捲り上げて下着を引き摺り下ろすと、そこにはねっとりとした蜜が絡みついている。

「脚広げて?」

コリンが言うと膝を立ててスカートがまるでテントみたいに盛り上がった。
中に頭を突っ込んで両手でそこを広げるとヒクヒクとした襞がとろりと液を垂らす。
汲み上げえるように指でそれを掬うと擦りつけるように周囲をなぞった。
暖かい日差しをコリンの背中に感じ心地良い風がスカートをはためかせる。

「あぁ坊ちゃま、あぁ……」

囁くようなマーサの声と遠くで笑い合うメアリーとディコンの声が厚い膜を通してコリンの耳に入った。
マーサの下半身に顔を近づけると湿った土の匂いと新芽の生える時のような強い匂いが鼻を刺した。
丁寧に襞を伸ばすようにして薄い舌で舐めると充血した突起が頭を覗かせた。
そこを口に含むと舌で転がし、羊の赤ん坊がお乳を飲むように吸った。
265名無しさん@ピンキー:2005/04/03(日) 18:27:44 ID:V6R0XNkZ
「んん…っ」

びくんと全身を震わせて、無邪気な手と舌とに弄られながら、
マーサは自分の身体が年下の少年に操られている事を嬉しく思った。
春の柔らかな空気が2人を包みブンブンと羽音を立てる蜂が蜜を求めて頭上のサンザシに行き交う。
マーサは自分の身体がその花のように赤く染まり丸く咲いていると感じた。
蜂を求めて甘い香りで誘う花は巧みに少年の下半身に手を伸ばした。
小さい土筆が硬く勃起してズボンを張らせている。
少年の痛々しさを表したようなそれに触れると表に引っ張り出した。
コリンは慌ててそれを隠すように手で覆ったがマーサの指はその手を開いた。

「おらも坊ちゃんの欲しい、隠したりしちゃあずるいぞ」
そう言うと手を添えてコリンを導いた。
獲物を絡め取る食虫植物のように、コリンを呑みこみ始めたそこは、温かく粘っこい粘液で蕩けるようだった。
すっぽり入ってしまうとコリンはマーサの胸の間に顔を埋めた。

「マーサ、僕、なんかもぞもぞするよ」
「ちっとばかし我慢してくだせぇ、もう少しこのままでいさせて」

マーサはそう言うと柔らかな腕でコリンの頭を背中を優しく包みこんだ。
咽るような甘いサンザシの香りが2人を包みこみ荒い呼吸が穏やかになった。
絡まりあう下半身を生え始めた下草がチクチクと刺す。
互いの身体に入り組んだまま穏やかに時間が流れた。
新緑の中抱き合うその姿はまるで聖母子像のように穢れがなかった。
「このままずっといられたら素敵だなぁ」
コリンが漏らすとマーサは少し寂しそうに笑った。
「そうはいかねえだよ、おらたち皆生きてるんだもの」
266名無しさん@ピンキー:2005/04/03(日) 18:28:33 ID:V6R0XNkZ
コリンはゆっくり中で動き始めたが直ぐにそれが激しい快楽に変わった。
ゆっくり動こうと思っても腰が激しくマーサを打ち付ける。

「痛くない?痛くない?」
「あっっ、はぁっ、大…丈夫です」

コリンがどんなに強く打ち付けてもマーサを痛めることは無かった。
それどころか鋭い少年の欲望が立派に男になったように感じマーサには快かった。
「あっ、あっ、ああっ」
マーサは自分を刺し貫く少年が先ほどまでの涙を忘れている事が嬉しかった。
大きく足を広げ少年の全てを受け入れようとした。
コリンが腰を引くたびに腕に引き寄せられ膣は締め付けるのだった。
柔かく包みこみ、締め付けるそのたびにコリンは背中に電気が走るように感じた。
「んんっ、っん、あっ、はぁぁ」
ビクビクッとマーサの膣が震えると脚がコリンの腰に絡みつきぐっと力の入る腕はコリンの頭を抱え込んだ。
「ああぁ……」
緩い溜息を漏らすとコリンはマーサの中に溢してしまったことに気が付いた。
ひくつく壁がいまだにコリンを離さないように感じてそのままでいた。
ぐったりとマーサに寄りかかって息を調えているとマーサの汗ばんだ胸元からたわわに震える乳房が覗いた。
その柔かさを確かめるように指先で押すとぷくんと揺れた。
「マーサ……」
コリンは大きな眼で見上げ、少し身を起こすとマーサの口を覆った。
乾いた唇がマーサの唾液で潤った。
267名無しさん@ピンキー:2005/04/03(日) 18:31:04 ID:V6R0XNkZ
「ねぇ、マーサ。お前はお前の母さんが好きだよね?でも、もしもだよ
 母さんがお前の事を、お前が母さんを思うほど好きじゃなかったら、どうする?」
ふとマーサの荒い息が止まるとコリンの大きな眼をじっと見た。
「何だ、坊ちゃんそんな事。それでもおらはおっ母さんの事大好きだよ。
 だって難しい事はわかんねえがな、おらが好きならそれで良いじゃないか」
コリンが頭を起こすとその考え深そうな瞳が驚いたように見開いた。
「お前はそれで良いの?それで?」
マーサは人の良さそうな丸顔をより丸くして笑うとコリンの髪を撫で付けた。
「だっておらが好きなんだもの、それでええではないですか?」
コリンは立ち上がって恥ずかしそうに笑って言った。
「マーサありがとう。僕、君の事とっても好きだな。
 君がどう思うと、僕が、君の事好きなんだ」

君の事が好きなんだ、そう言い残して走るコリンにはもう一つ言いたい事があった。
お父さん、僕はあなたが好きです。だからそんなに悲しまないで。
僕があなたを好きなんだから。

早く伝えようと先ほどの藪まで走って行くとそこにはもう誰も居なかった。
走り去って行くコリンの姿は転んで泣いていた姿を感じさせない逞しいものになっていた。
日に日に成長する、子どもの時間は短い。
マーサは自分の兄弟たちの成長を見るのとは違った思いでコリンを想った。
乱れた服装を整え、立ち上がると枝の上に小さな青い卵が載っているのが見えた。
それは手に取るとひんやりするほど青だった。
大きくご立派に成長してくだせぇ、今のおめぇさまの事、嫌いな人はいねえだよ。
マーサはその青を温めるように掌で包んだ。
268名無しさん@ピンキー:2005/04/03(日) 18:32:00 ID:V6R0XNkZ
コリンはメアリーとディコンの所へ行くと自分の取った卵を籠に入れた。
「ねぇ、あんた1人きり何処へ行ってたの?探したのよ?」
メアリーが尋ねてもコリンは笑ってはぐらかした。
「ちょっとね」
卵で一杯になった籠をコリンとディコンとで持つとメアリーがあっと声を上げた。
あれ、と言って指差す先、高い梢に胸の赤い小鳥が数羽囀っていた。
「あいつの子ども達だな」
ディコンはそういってメアリーの手をそっと握った。
3人の子ども達は声を張り上げて謳った。

 花のかおりは 四方に満ちて
 ことりの歌は そらにひびく
 楽しきこの日 清きこの日
 歌ごえあわせ 神をたたえん

子ども達の謳う賛美歌は塀の外畑仕事をしていたベンウェザースタッフの耳のも聞こえた。
今日は復活祭。
ふん、とベンは思い鍬で畑の土を掘り起こしていた。
イースターが自分に関係あるとは思わないので特に目出度いとも思えなかった。
一畝行ったら一息入れよう、と手を止めて畑の端の方に眼をやると一人やや遅れてマーサが出てきた。

「ベン、おはよう。これおめぇにやるよ。弁当にでもしなせぇ」
「そんなにイースターが目出度いかね?」
「目出度いと思う人にゃ目出度いんだよ、いいから受け取っときな」

マーサは卵を手渡すと軽やかに子ども達の後を追った。
ベンは花園の上を飛び廻る小鳥に気が付いた。
その声は青い空に高く響き渡った。
驚いた目をしばつかせると暫く空を見上げていたが何か感じた様子で帽子を取った。
青い卵はベンのポケットに大切に納まった。
269名無しさん@ピンキー:2005/04/03(日) 21:22:26 ID:q1Iz1tzu
GJ。GJ!!!

ほんとにきれいだ。
いつも良いものをありがとう。
270名無しさん@ピンキー:2005/04/17(日) 16:41:09 ID:lF64Gooq
甘い蜜の部屋/森茉莉
で誰か書かない?
271名無しさん@ピンキー:2005/04/19(火) 03:15:18 ID:PRE2Hjzg
元がエロいから書く必要ないんじゃ…
つーかあの文体を再現するのは大変そうだ
272名無しさん@ピンキー:2005/05/06(金) 23:50:20 ID:+A9UsfGQ
保守、とか書くのも詰まらん
273名無しさん@ピンキー:2005/05/16(月) 22:16:28 ID:awuIlOsw
このまま埋もれさすには惜しい
あげ
面白いよ。
274名無しさん@ピンキー:2005/05/18(水) 09:02:07 ID:Z6ngNJwq
良スレage
275名無しさん@ピンキー:2005/05/19(木) 00:14:12 ID:znLhWLuT
お伽噺とか女体化とかあり?
276名無しさん@ピンキー:2005/05/19(木) 11:06:01 ID:mawi4DJQ
ありでしょ
277桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/19(木) 20:57:23 ID:znLhWLuT
じゃあお言葉に甘えて投下させて貰います。
ベタに桃太郎です。
278桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/19(木) 20:58:33 ID:znLhWLuT

昔々、ある所に桃太郎という名の少年がおった。
人里離れた山奥で爺と婆との三人暮らし。
仲むつまじく暮らしておったが、ある日桃太郎が都に出たいと言い出したました。
それも無理からぬ事かもしれません。
桃太郎は剣術の修行が一番好きでしたがここでは相手が誰もいないのです。
桃太郎少年はまだ十五、枯れるには若すぎました。
しかし、桃太郎の言葉に爺と婆は顔をしかめます。
「何故です、何故いけないのですか」
桃太郎の問いに返って来た答えは俄かには信じがたいものでした。
曰く、彼らは逃亡者であり目立つ訳には参らぬ、
目立てばたちまち追跡者に見つかり殺されてしまうであろうとの事。
これを聞いた桃太郎は仰天しました。
善良を絵に描いたかごときこの夫婦が
まさか追われる身であるとは考えた事も無かったのです。
「誰に追われるのですか」
「鬼じゃ」
「では鬼に追わないでくれと頼めばどうでしょう?」
「頼む前に殺される」
「では私が頼んできましょう」
そう言うと桃太郎はすっと立ち上がりました。
「待てい、行ってはならぬ。
 鬼どもは大層危険な奴等じゃ。
 行ってはならんが行くのならこの刀を持っていけ。
 逃げ帰ってきたら斬り殺すぞ」
「そうですよ,桃太郎。
 危ないからおやめ。
 行くのなら鬼を退治するまでうちの敷居はまたがせませんからね。
 でも、もしいくならこのキビ団子を持っていくといいわ」
こうして桃太郎はいるかどうかもわからない、
どこにいるかもわからない鬼に話をつけに旅に出ることになりました。
279桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/19(木) 20:59:11 ID:znLhWLuT

鬼がどこにいるのかもわからない状況ながら桃太郎は旅をおおいに楽しんでました。
なにしろ家を出る事ができただけでも儲けもの。
通りすがりの人間にでも斬りかかってやろうかしらなどと物騒な事を考えながら
道を歩いていると一匹の茶色い犬が倒れていました。
骨に皮のはりついたような貧相な犬で見知らぬ人間が寄って来ても
逃げる気力さえ無いようです。
「おい、ワンワン。生きておるか?」
声をかけられた犬はただ悲しげな黒い目を桃太郎に向けるだけです。
「むう、怪我はしておらんようだの。
 では腹が減っておるのか?団子食うか?」
桃太郎は倒れている犬を不憫に思い婆に貰った団子を一つ鼻先に差し出しました。
犬が団子を食うのか怪しく思っていましたが他に何も食べ物が無いので仕方ありません。
しかし、犬はよほど空腹だったらしく
桃太郎の手ごと食わんばかりに噛み付きぺろりとたいらげました。
するとどうでしょう。
先ほどまで空腹であえいでいた犬がまぶしく光り始めました。
そして光がおさまるとそこには一人の人間がいました。
「うわぁー!!何これ!!ボクどうなっちゃったの!?」
突如現れたやせっぽちの人間は自分の姿を見て短い髪を振り乱し声をあげています。
「坊主、どこから現れたのか知らんがここにいた犬を知らぬか?
 可哀想に苦しんでおったのだが、やはり犬に団子は不味かったのかもしれぬ。
 いつのまにやら逃げてしもうたらしい」
「ボクだよ、ボク。
 ボクがその犬だよ。
 なんで人間になっちゃたのかわかんないけどボクがその犬だよ」
妙に生ッ白くやせっぽちの人間はそう言いました。
そう言われてみると肩まで伸びた栗色の髪と栗色の瞳が先ほどの犬を連想させます。
「ほう、犬に団子を食わせると人間になるのか。
 これは良い事を聞いた」
桃太郎は自分が世間知らずな方である事を自覚していましたので
これが世にも不思議な事だとは思いませんでした。
280桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/19(木) 21:00:11 ID:znLhWLuT

「ではお主は犬太郎か」
「ボク女の子だよ」
そう言われて見てみると元犬だったという年の頃十二・三といった子は
なにやら胸もふくらんでおり男の宝剣も見当たりません。
「では犬姫か」
桃太郎の知識では男は太郎で女は姫なのです。
「うん、そう。
 あなたはなんてお名前?」
犬姫はやはりどこか犬っぽいにこにこと愛嬌のある笑顔を振り撒きます。
「桃太郎」
「桃太郎さん、ボク桃太郎さんと一緒にいてもいい?」
「うむ」
桃太郎はあまり動じる性格ではなかったので元が犬でも気になりません。
それに爺と婆以外で話したのは初めてだったので
旅に話し相手がいるというのは願ったりでした。
「しかし、お主身体が小さいのう。
 それに妙に柔らこうて、見れば何やら不思議な気持ちにさせられる。
 これは女子だからか元が犬だからか」
「うー・・・・わかんない!」
犬姫は少し考えるとにっこりと笑いました。
「そうか、では仕方無い。
 だが裸では寒かろう、これを着なさい」
そう言って桃太郎は荷物の袋から替えの着物を出しました。
それは犬姫に対する気遣いというより目のやり場困った自分の為でしたが
犬姫はおおいに喜び桃太郎に抱きつきました。
「これ、やめなさい。
 お前にくっつかれると変な気持ちになる」
そういうて逃れる桃太郎の鼻を犬姫は容赦なく舐めまわし閉口させるのでした。
281桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/19(木) 21:01:09 ID:znLhWLuT

こうしてお供が出来た桃太郎は道を歩いていきます。
「どうした?」
ふと気付くと犬姫は道のすみで四つん這いになり片足を上げ小水をしています。
「しるしつけてるの。
 ここはボクのなわばりだから」
「でも私と一緒に来るのならもうここはお前の縄張りじゃなくなるだろう?」
「あ、そうだった、えへへ」
小水を止めると犬姫は桃太郎に近づき腕を抱きました。
「いつものくせでやっちゃった、えへへ」
その犬姫の笑顔が眩しくて桃太郎は少し困ってしまいました。
桃太郎も十五、おなごには人一倍興味のある年頃です。
そして犬姫は元が犬の分際で稀に見るほど美しい娘でした。
心惹かれぬはずはありません。
しかし、あまりにも純真で邪な気持ちを揮う気にもなりません。
「これ、そうくっつくな」
こう言うのが桃太郎の精一杯の抵抗でした。
「えー、いいでしょー!
 だって、二本だけで歩くの難しいんだもん」
なるほど、確かに四足から二足になればそのようなものかもしれません。
四足で暮らした事の無い桃太郎は犬姫にそう言われると納得せざるをえません。
「そうか、では慣れるまでじゃぞ」
「うん!」
犬姫はもうにこにこと笑いじゃれ付いてきます。
「しかし、おなごの小水の仕方は変わっておるな」
桃太郎は照れ隠しに妙な事を口走りました。
「そうなの?
 桃太郎さんはどんな感じでするの?」
「む、そのうち出る事があれば見せよう。
 待っておれ」
「うん、待ってる!」
二人はこの調子で当ても無く道なりに歩いていくのでした。
282桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/19(木) 21:02:10 ID:znLhWLuT

二人は歩きつづけ大きな川にぶつかりました。
歩こうと思えば川沿いでも歩けるでしょうが既に空が赤くなり始めています。
「ここらで留まるか」
「うん!」
元より犬姫に意見などありません。
何しろ犬ですから主人に従うのが一番嬉しいのです。
「ここなら狼に囲まれても川に入ればいいしな」
桃太郎も別に野営に長けているわけではありません。
なんとなく山の中や道ばたよりは安全そうな気がしただけなのですが
犬姫はすっかり感心して、やっぱり桃太郎さんは凄いなあと思うのでした。
「魚でも釣れるといいんだがな」
「釣れるよ、桃太郎さんなら大丈夫」
そうは言っても道具も何もありません。
桃太郎達がしばらく悩んでいると二人の前に三人組の男が現れました。
汚い身なりをした男達は犬姫をじろじろと見てにやついています。
「よお、兄ちゃん、何やってんだいこんなとこで?」
「こんな別嬪さん連れてちゃ危ないぜ、へへ」
「そうおう、俺らみたいなのもいるしよ、けけけ」
怖がった犬姫が桃太郎の後ろに隠れると男達は下品な言葉を投げかけてきました。
「その女子をちょっとおいら達にも貸してくん―――」
その言葉の先を男が発する前に男の首が飛びました。
桃太郎の白刃が続けざまに煌きその場に三つの生首が転がりました。
それを満足そうに見下ろし桃太郎は刀をしまいました。
桃太郎は短気で正義苛烈な性質だった上、力を振るいたくて仕方無かったのです。
「何か食べ物でも持ってないだろうか?」
そう言うと桃太郎は三つの死体を蹴り転がし検めました。
特に何も無いと判断し二人は死体から離れる為、川べりをさらに歩いていきます。
283桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/19(木) 21:03:05 ID:znLhWLuT

「そろそろ寝るか」
「うん!」
日も落ちて辺りが暗くなると桃太郎は焚き火の傍で横になりました。
犬姫は待ってましたとばかりに駆け寄り桃太郎の上に乗っかります。
「これ、そうくっつくなというに。
 今から寝るのだから足の数は関係あるまい」
「こうしてると暖かいじゃない。
 ねえ桃太郎さん、お願い。
 一緒に寝ていいでしょ?」
犬というのは恩義を忘れない生き物です。
死にかけるほどの空腹から救ってくれた桃太郎を犬姫が好くのは当然の事です。
それにさっきは焼き魚という未知の美味しい食べ物までくれ、
あろう事か大きい魚をいっぱい譲ってくれたのです。
それは犬姫が小さくてやせっぽちなので桃太郎が心配して大きいのをくれたのですが
犬姫にとってはこれ以上なくありがたい事でした。
二度もご飯を貰い、そんな優しさまで貰えばそれはもう最愛の人でしかありえないのです。
「う、うむ、仕方無いな」
「やったー、桃太郎さん大好き!」
そう言って犬姫が顔を舐めてくると桃太郎は困ったような嬉しいような気持ちになりました。
犬姫の身体は妙に柔らかくいい匂いがして愛らしいのに
抱きしめては壊れそうなほど小さくどうしていいのかわからないのです。
仕方なく桃太郎は気持ちをぐっと抑えて目を閉じました。
目を閉じれば乗っているぬくもりに余計気をとられますがそれでも眠るしかありません。
「・・・ももたろさん、ももたろさん」
なんとかうとうととし始めた時、桃太郎は犬姫の声で起こされました。
「・・・どうした?」
「ももたろさん・・・何か身体がおかしいよォ」
困り果てた声で犬姫が訴えます。
それで仕方なく桃太郎は犬姫を横に降ろし体を起こしました。
284桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/19(木) 21:03:48 ID:znLhWLuT

「何がおかしいのだ?」
桃太郎が尋ねると犬姫は膝をついて中腰で立つと自らの股に手を差し入れました。
「ここがぬるぬるするの・・・。
 身体が熱くて・・・ももたろさん、ボク何か病気かなぁ?」
そう言ってあられもなく着物をはだけふんどしを取ると股を見せてきます。
「む・・そ、それはだな。
 ・・・見てもよいか?」
「うん、見て」
犬姫がどんな状態なのか分かっていた桃太郎でしたがわざと言いませんでした。
正直、見たくて仕方の無かった所を見せてくれる絶好の機会でしたから
内心、しめしめと思っていたのです。
「むぅ・・・」
犬姫のそこを調べ桃太郎は感嘆の声をあげました。
つるつると綺麗にそこには刃物で痕をつけたように一本のすじが入っているだけです。
しかし、触れるとそこはぬるぬるぷにぷにと熱く湿っていてこの上なく触り心地が良いのです。
「ぁんっ・・・あぅ・・・」
桃太郎がいじくる度に犬姫は身体をくねらせ息を荒げます。
しばらく弄り回し桃太郎は顔を上げました。
「はぁ・・・はぁ・・・何かわかった?」
「犬姫よ、お主何故こうなった?」
「なぜって、桃太郎さんの事考えてたら体が熱くなってきてそれで・・・」
その答えを聞くと桃太郎はやにが下がりました。
「これはな、お主の身体が交尾をしたがってると言う事なのだ。
 交尾はわかるか?」
「ううん、わかんない。
 なあに?」
「つまり、そうだな・・・そう、男と女が交わる・・つがう・・・」
どう説明していいかわからず桃太郎は言葉に詰まりました。
285桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/19(木) 21:04:56 ID:znLhWLuT

「ももたろさん、何かよくわかんないけど、それをすれば治るの?」
犬姫の言葉に桃太郎はごくりと唾を飲み込みました。
しようとすれば簡単に出来る事を実感したからです。
しかし、これはする訳にはいかないと思いました。
別に犬姫が元は犬だからではありません。
桃太郎はあまりそういった事に頓着する性質では無いのです。
したい事は勿論、悶え狂うほどにしたいのですが
犬姫は行為の意味をよく分かってないようなのです。
それは何か卑怯なのではないかと桃太郎は思うのです。
「よいか、確かにすれば治るかもしれんが事はそう簡単ではない。
 これをするとややこが出来る。
 よってこれは愛した者とだけするべき事。
 特に、お主のようなおなごは誰とでもしてよい訳ではない。
 一生を添い遂げる覚悟を持ってすべき事なのだ」
「じゃあ桃太郎さんして!
 桃太郎さんと一生一緒にいる!
 いいでしょ?」
ここまで言われては桃太郎の理性が持ちません。
「初めは痛いぞ」
「うん!」
桃太郎は遂に犬姫の身体を抱き口を吸いました。
華奢な身体から帯を外し着物を剥すとゆっくりと押し倒しました。
初めこそ桃太郎が吸いましたが
気付けば犬姫の方が桃太郎に噛り付いています。
両腕を回し桃太郎にぶら下がったままぺろぺろと舌をなめています。
その隙に桃太郎は自分の帯を外し袴を脱ぎました。
そうして現れた性器を犬姫の股間へ運びます。
肉付きの薄い尻を持ち上げぬるぬると当てこすります。
慣れない手つきで入り口を探しますがなかなか上手くいきません。
「やぁっ・・あ・・」
夢中で口をかじる犬姫の漏らす声を手がかりに探し出すと桃太郎は力一杯腰を入れました。
286桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/19(木) 21:05:38 ID:znLhWLuT

「いぁっ!」
犬姫の身体が捩れました。
腕の力は更に強く、声を殺して震えています。
あまりの痛がりぶりに桃太郎は場所を間違えたのかと思いました。
「っ・・・」
合わせた頬が犬姫の涙でついっと濡れていきます。
涙の暖かさを感じながら桃太郎は犬姫の身体をなでました。
少しすると犬姫の荒い呼吸音が聞こえてきました。
それを合図に桃太郎は腰を前後させ始めました。
柔らかな媚肉を肉棒でえぐり犬姫の女をほじります。
がくがくと身体を揺らし犬姫の様子を窺います。
犬姫は口を大きく開き途切れがちに桃太郎の名前を呼んでいます。
桃太郎は初めて喰らう女の味にあっというまに射精してしまいました。
頭の中が白く染まり世界に自分と犬姫だけが存在しているような錯覚に酔いしれました。
しばらく陶酔していた桃太郎が我に帰り腰をひくと
犬姫の身体から精液が溢れ出ました。
さきほどまでピッタリと合わさっていた秘貝は見るも無残に引き離され
赤い筋の混じった白濁液を吐き出しています。
桃太郎はその光景に興奮しもう一度したくなりましたが
犬姫がぐったりとして動かないのでしぶしぶ諦めました。
その代わり、犬姫の身体を出来る限り優しく抱きしめました。
このまま二人は朝方まで抱き合いとり憑かれたように口をすいあうのでした。
こうして犬姫は桃太郎の一人目のお供になりました。
287桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/19(木) 21:08:07 ID:znLhWLuT
犬編投下終了。
288名無しさん@ピンキー:2005/05/20(金) 16:25:26 ID:ic87Hrz7
新作キター! うっひょう!
サルと雉も楽しみだ〜
289名無しさん@ピンキー:2005/05/21(土) 01:01:43 ID:L7dRLogf
>別に犬姫が元は犬だからではありません。
>桃太郎はあまりそういった事に頓着する性質では無いのです
禿藁。節操ないなぁ、しかもいきなり一般人をヌッコロしてます……桃太郎さん

雉編がどうなるのか楽しみ
290桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/21(土) 12:00:52 ID:PUOhHoJr
猿編投下します。
女体化ネタが出るので嫌いな人注意してください。
291桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/21(土) 12:01:41 ID:PUOhHoJr

ある山の中に身寄りの無い少年が住んでいました。
名は特に無く呼ぶ者も特にいません。
強いていうならば、その山を自分の縄張りだと主張する山賊が「猿」と呼ぶくらいです。
この少年は山賊の仲間ではありませんでしたが
実際の所は似たようなものでした。
喧嘩にはそれほど自信が無いのでもっぱらかっぱらいをやっていましたが
手に入れたものの内、何割かは親分に渡さないといけませんでしたし
渡さないとどんな酷い目に合わされるか分かったものではありません。
だから、少年は山賊どもの目の届かない遠くにいきたいなぁと思いながらも
今のままでも何とか暮らしていけるので迷いながら暮らしていました。
そんなある日の事、間抜けな旅人がいないか木に登って街道を見張っていると
奇妙な二人連れを発見しました。
一人は逞しい体つきの涼やかな男で
その身のこなしは武芸の心得のない少年から見ても只者ではありません。
この男だけでも目立つものですが、男に抱えられている少女が少年の目を奪いました。
年の頃は十二か十三と言った所でしょうか、
栗色の髪は日の光を浴びて金色に輝き
その姿形の麗しさと言ったら言葉も無いほどです。
その二人連れが通っていくのを見ている間は少年は息をするのも忘れていました。
そして今見た者が夢まぼろしでは無い事を確認すると少年の動悸は激しく高鳴りました。
どうにかしてあの少女を手に入れたい。
今まで、何となく生きていくためにかっぱらいをしてきた少年は
初めて何が何でも手に入れたいと思うものを見つけました。
しかし、連れの男は手強そうです。
一対一ならまず勝ち目は無さそうでした。
悩んだ少年はとりあえず彼らの後を見つからないように追いかけ始めました。
292桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/21(土) 12:02:18 ID:PUOhHoJr

桃太郎と犬姫が道連れになって十日ほどが経ちました。
「集落が見えるな」
街道の先に家々が立ち並ぶ様を見つけ桃太郎が呟きます。
「美味しそうな匂いがするー」
桃太郎の腕の中で犬姫も呟きます。
初めてまぐわった次の日、股が痛いという犬姫を桃太郎は抱き上げて歩きました。
それ以来、犬姫はことあるごとに桃太郎に抱き上げろと言うのです。
あれからもう何度もまぐわいましたし
犬姫もそろそろ痛みはひいたのではないかと思われるのですが
桃太郎は犬姫可愛さにあまり強くは断れず時々はこうして抱いたまま歩くのでした。
「人に見られるといけない。
 降ろすぞ」
「えー、なんでぇ?」
「人前で絡む男女は痴れ者とされるからじゃ。
 少しばかり我慢いたせ」
「桃太郎さんがそう言うなら我慢するー!」
十分痴れ者な二人は集落へと近づきました。
二人が集落へ入ると村人たちは目を丸くして顔を向けてきます。
「お侍さんだ」
「お侍さんだ」
「何しにきたんじゃろか」
「かっこいー!」
「それにあのおなご、なんという別嬪さんじゃ」
「なんというありがたいことじゃ」
しまいには拝みだす村人まで現れます。
「みんなこっち見てるね」
「旅人が珍しいのだろう」
そんな事を二人が話していると一人の青年が寄って来ました。
「お侍様、是非とも長の所へ立ち寄っていただきたい」
293桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/21(土) 12:02:59 ID:PUOhHoJr

その青年に促されるまま二人は集落の中では大きな家に入っていきました。
「おお、よく来られました。
 ささ、どうぞどうぞ」
中にいた老人は二人を部屋に招き入れました。
おそらくこの老人がこの村の長なのでしょう。
「して、この村へはどのようなご用件で参られたのでしょうか?」
「私たちは鬼を退治する為に旅をしています。
 その途中、この集落が目に入ったので寄らせて頂いたのです」
桃太郎がそう言うと老人は怪訝な顔をしました。
「おに、とは・・・?」
「人に仇なす邪なる者と聞いております。
 心当たりありませぬか?」
今度の桃太郎の言葉には老人は目を輝かせました。
「人に仇なす者を退治する・・世のため人のために旅をされておられるのですか!
 なんとご立派な・・・」
老人の目にはうっすらと光るものが浮かんでいます。
「きゃつ等が探しておられる鬼かどうかはわかりませんが
 この村の裏手にある山の中に賊が住み着いております。
 わしらも迷惑しおるのですが
 何しろ奴等のアジトがわかりませんし仲間もそれなりに多く・・・」
「ふむ、どうせ当てがあるわけでもない。
 そやつらを倒しにいくとしよう」
老人に、というより犬姫に次の行き先を提示するように桃太郎が言葉を発しました。
その言葉を聞いた老人はそれはもう大層感激して
ひかえていた青年に村中の女たちを呼び飯の用意をして風呂をたけを命じました。
そして、桃太郎達はその夜、大層なおもてなしをうけるのでした。
294桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/21(土) 12:03:58 ID:PUOhHoJr

次の日、桃太郎達は盛大に見送られて村を出ました。
昨日の宣言通り山賊を退治に山へと向かいます。
「何か臭うか?」
「うん!こっち!」
犬姫はさすがに元犬だからか鼻が利きます。
かすかに漂う人間の匂いを追って二人は歩きました。
元々、桃太郎は山奥で育ち山を駆けずり回ってましたので山歩きは得意です。
時折、犬姫を抱えたりしながら歩きつづけます。
村が遠くに見えるようになった頃、二人の前に子汚い格好の浅黒い少年が現れました。
「よう、お二人さんどこいくんだい?」
年の頃はちょうど犬姫と同じぐらいでしょうか。
「お主山賊か?」
あまり駆け引きなどは得意でない桃太郎は単刀直入に尋ねました。
「まさか!俺はただこの山に住んでるだけさ」
「そうか、それならいい」
桃太郎が刀から手を離したのを見て少年は額をぬぐいました。
いきなり斬る体勢に入った桃太郎に(どっちが山賊だよ)と心の中で毒づきます。
「私達は山賊を退治しに来たのだ。
 お主山賊を知っておるか?」
「いるのは知ってるよ。
 せっかく獲った猪を奪われた事もあるからよ。
 でもどこにいるかは知んねえぜ、下手に探ったら何されるかもわかんねえし」
「そうか」
そう言い捨て桃太郎はさっさと歩き出しました。
「ちょ、ちょっと待ってくれよ。
 山賊のとこにいくのか?
 だったら俺もついてくよ。
 一応この山に住んでるから役に立てるかも知んねえし」
そう言うと少年は慌てて二人の後を追いかけました。
295桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/21(土) 12:04:59 ID:PUOhHoJr

「お主、名は?」
少年がついてくるのに気付き、桃太郎が声をかけます。
「特に無い。ガキとか猿とかそんな風にしか呼ばれたこたねえ」
「あはは、本当にお猿さんみたいだもんね」
犬姫が無邪気に笑います。
猿と呼ばれた少年は少し傷つきましたが何も言いませんでした。
間近で見れば少女は益々美しくまるでお伽噺の天女のようです。
あまりにも綺麗なのでもう何を言われても許せそうな気すらしてきます。
「猿よ、鬼とは何だと思う?」
突然、桃太郎が不可思議な事を訊いてきたので
ぼけーっと犬姫に見惚れていた猿は慌てふためきました。
「あっ、ああーっと、鬼?
 鬼・・・鬼かぁ・・・やっぱ悪い奴なんじゃねえの?」
「山賊というのは鬼だと思うか?」
立て続けに桃太郎が尋ねてきます。
「うーん、まあ、鬼ってほどでも・・・
 悪い奴らだとは思うけど、鬼ってもっと化け物みたいな奴のことだろ?」
猿はなんとはなしに山賊を弁護してしまいます。
人を殺してこそいないものの猿も物取りや強盗はよくやります。
その中に生活に窮してる人がいたら間接的に人殺しをしたともいえるでしょう。
だから、山賊を鬼といえば自分を鬼と言う事に他なりません。
「そうか・・・」
桃太郎は猿の言葉を聞いて少し残念そうに呟きます。
「なんなんだこいつ・・・」
桃太郎の言ってる事がさっぱりわからず猿は呟きました。
296桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/21(土) 12:05:57 ID:PUOhHoJr

村を出る時は顔を覗かせていただけの太陽がもうすぐ真上に来るという頃
三人は大き目のボロ家を見つけました。
「ここだよ、ここから人間の匂いがする。
 それもたぁっくさん!」
ここまで人間の匂いを辿って案内してきた犬姫が言いました。
「あれが山賊のアジトだろうか」
「俺、ちょっと見てくるから待ってなよ」
そう言って猿はボロ家の方へ駈けていきました。
猿としては桃太郎と山賊が戦い共倒れになるのが一番いいのです。
多少なりとも桃太郎に有利にしてあげないと数の差でまず山賊が圧勝すると思ったので
猿は真剣に偵察をする事にしました。
桃太郎が奇跡的に勝利したとしても恐らく満身創痍になっている事でしょうから
自分でも倒せると思うのです。
なによりも犬姫を自分のものにする為には元気な山賊には見つかりたくありません。
これだけの女を見てあいつらが欲しがらないはずがないからです。
それに桃太郎が山賊に被害を与えてくれれば
遠くまで逃げれるかもしれないと猿は考えたのでした。
「調べてきたぜ」
桃太郎達がしばらく待っていると偵察を終えた猿が戻ってきました。
「中にいるのは十五・六人じゃねえかな。
 全員は見えなかったが隙間から見た感じと声ではそんぐらい。
 攫われてきた女とかはいないみたいだ」
猿は桃太郎に怖気づかれても困るのでも数を少なめに偽ろうかと思いましたが
それは杞憂だったようです。
その報告を聞くと桃太郎は何も表情を変えず頷き立ち上がりました。
「では行ってくる。
 帰ってきたら飯にするつもりだが腹が減ったら団子でも食うておれ」
そう言って桃太郎はぶら下げていた腰袋を犬姫に渡しボロ家へと向かっていきました。
「うん、待ってる!」
元気一杯に答える犬姫を見て猿はしめしめと笑うのでした。
297桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/21(土) 12:06:57 ID:PUOhHoJr

「なあ、なんで犬なんて呼ばれてんの?」
桃太郎の姿が見えなくなると猿は犬姫に話し掛けました。
今までずっと話したくて仕方無かったのですが
犬姫があまりに桃太郎にべったりとしているので気後れしていたのです。
「ボク元々犬だったの!
 桃太郎さんに人間にしてもらったんだ!」
明るく嬉しそうにそう語る犬姫を猿は気の毒に思いました。
まさか、本当に犬が人間になったなんて思えません。
猿は、彼女は悪い奴らに元々犬なんて呼ばれて繋がれて
性奴隷にでもされてたんだろうなと思いました。
これだけの容姿です、悪い奴らがそれぐらいの事をしても不思議じゃありません。
そんな悲惨な生活をしている所を
賊退治を生業にしているあの桃太郎という侍が助けたのでは無いかと思いました。
だから、恩人である桃太郎にあんなにべったりしているのだろうと。
「そうか・・・大変だったな・・・」
なんとなく事情を察すると猿は同情したような台詞を吐いて犬姫に近づきました。
可哀想だとも思いましたがそれ以上にこの娘にそんな事をしていた奴らが羨ましくなりました。
「なあ・・・」
目の前まで来るときょとんと見上げる犬姫にえいっと覆い被さりました。
「きゃっ!」
「お、俺にもっ!」
袋を抱えた犬姫を地面に押し倒し猿は鼻息荒く顔を犬姫の顔に近づけます。
「いやぁっ!やめてよぉっ!」
犬姫は悲鳴を上げて顔をそむけ逃れようとします。
「無駄だって、ここから声も届かねえよ!
 それにどうせあいつは山賊に殺されらぁ!
 大人しく俺の女になれよ!」
犬姫は地面に押し付けられたまま顔をぶんぶんと振りました。
「ももたろさんは強いもん!
 山賊なんかに殺される訳ないもん!」
298桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/21(土) 12:07:57 ID:PUOhHoJr

犬姫の言葉は猿を激高させました。
「あいつの話はもう止めろ!
 俺を見ろよ!今お前の上に乗ってるの誰だ!」
そう叫ぶと猿は犬姫が抱きしめている袋を掴みました。
「貸せっ!こんなもんっ!」
力づくで袋をもぎ取ろうとする猿に犬姫は必死で抵抗します。
「だめぇっ!!」
桃太郎から託された袋を失う訳にはいきません。
必死で抵抗しますが体勢も寝転ばされた犬姫と起きている猿では分が悪く
その上、元々の力が違いすぎました。
「ああっ、返して!返してよ!」
犬姫が慌てて身体を起こすと彼女のお腹の上に乗った猿がその横っ面をバシンと叩きました。
痛みと衝撃で犬姫が地面に倒れると猿は大勢は決したと思いいやらしい笑いを浮かべました。
「ううっ・・返して・・返してよぉ・・・」
「うるせーっ!」
泣きながらまだすがりついてくる犬姫の頭をバチンと殴ります。
「なんだぁ?こんなずた袋大事にしやがって・・」
あまりに大事にする犬姫の態度にふと興味を覚え猿は袋の中を覗きこみました。
しかし、中にはふんどし何枚かと葉に包まれた団子だけしかなく
銅貨の一枚さえありません。
「へっ、なんだってこんなもんを大事にしてやがるんだ?」
そう言って袋を投げ捨てようとした時、それは聞こえてきました。
「ギャアアアアア!」
つんざくような壮絶な悲鳴が響き渡ります。
バチバチという木の爆ぜる音も耳に届き熱い空気が臭ってきます。
「なっ、なんだぁ!?」
慌てて辺りを見渡した猿が見たものは燃え盛る山賊のアジトでした。
猿は桃太郎という人間を完全に見誤っていたのです。
桃太郎は悪党はどんなに無残な死に方をしても構わないという思想の持ち主でしたし
割と常識に欠けていたので、山に燃え移ったらどうしようなどと考えない人だったのです。
299桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/21(土) 12:08:47 ID:PUOhHoJr

「こいっ!」
猿は慌てて立ち上がると顔を押さえて泣いている犬姫を無理矢理引っ張り上げました。
しかし、犬姫は泣きながらも猿に抵抗し起きません。
「くそっ・・・!気違いめ・・・!」
ぐずぐずしていると桃太郎が戻ってくる、
猿は焦って犬姫を立ち上がらせようとします。
「いやぁー!!やぁだぁー!!」
しかし、犬姫はいやいやと顔を振り近くの木にしがみつきました。
「・・・!」
そうしている内にこちらに向かってくる桃太郎が見えました。
「ちっ!」
猿は諦めて犬姫の手を離し来た道を駈け戻りました。
ここで粘ればほぼ確実に気違いに斬り殺されますが
命さえあればまた機会は巡ってくるかもしれないのです。
幸い、この山は猿の生まれ育った場所です。
例え彼らが体力自慢で山慣れしていても
この山では自分の方が有利に動けるという自信があります。
燃え盛る山賊の家が全く視界に入らなくなるまで駆け下りると
猿は立ち止まり山道のそばにあった木に登りました。
とりあえずここまでくれば安心です。
あとはこうやって木に登って桃太郎達が来るのを察知すれば逃げるだけです。
そうして逃げつづけ、用足しででも彼らが離れればその隙に犬姫を攫おうと思いました。
「へっ、持って来ちまったな」
猿は太い枝の上に座るとそのまま持ってきてしまった袋を見ました。
「そういや団子入ってたな」
安心した事で空腹を思い出し猿は団子を一つ取り出しかぶりつきました。
お餅のように柔らかい団子は猿の口に入ると更に柔らかくなり
まるで液体のように喉に吸い込まれていきました。
その途端、猿の身体は異常なまでに熱くなりました。
「うわぁぁーーっ!?」
身体の異変に驚き猿は木から落ちてしまいました。
300桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/21(土) 12:09:43 ID:PUOhHoJr

「どうしたっ、何があったんだ!?」
アジトに火をかけ慌てて出てきた者を残らず斬り捨てて桃太郎が戻ってきました。
するとどうした事でしょう、猿の姿は見当たらず犬姫は泥だらけで泣きじゃくっています。
「ひっく・・・ひっく・・・ももたろさぁん・・!ももたろさん・・」
桃太郎の姿に気付くと犬姫は抱きついて更に泣きじゃくりました。
桃太郎は狼狽えながらも犬姫を抱きしめ髪を撫でました。
「落ち着きなさい。
 怪我をしてるじゃないか」
桃太郎は犬姫のほほが腫れてる事に気付き抱きかかえたまま
まだ燃えている山賊のアジトの方へと向かいました。
燃えている体に必死で井戸水をかけている山賊がいたのを思い出したからです。
「あったあった」
思ったとおり井戸を発見すると死体を蹴っ飛ばして水を汲みました。
そっと水を手の平にすくい、まだしゃくりあげている犬姫の顔に塗ります。
「ひゃっ・・」
小さな悲鳴をあげた顔にぱしゃぱしゃと水をかけて洗うと桃太郎は犬姫の口を吸いました。
軽く吸っただけで離すと今度は涙の跡に舌を這わせ瞼に接吻をしてまた口を吸います。
「ん・・・・」
しばらく接吻したまま髪を撫でていると犬姫の顔がほっこりと崩れました。
腫れたほほがまだ痛々しいですが笑ってくれた事に安心し桃太郎は尋ねました。
「何があったんだ?
 猿はどこにいった?」
「あいつが殴ったの・・・。
 桃太郎さんが行った後、突然のしかかってきて殴られて・・・
 やめてって言ったの、やめてって言ったのに・・・お、押し倒されて・・・」
その時の恐怖を思い出し青ざめた顔に止まったはずの涙がまたつたいます。
「なんだと・・!
 許さん!猿め斬って捨ててくれるわ!」
桃太郎は顔を紅潮させ怒りに身体を震わせます。
炎に照らされたその顔はまるで鬼のような形相をしていました。
301桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/21(土) 12:10:24 ID:PUOhHoJr

「猿の匂いがする・・!」
山道を降りていく途中、突然犬姫が言いました。
殴られた時のことを思い出したのか
桃太郎の襟をぎゅっと掴み強く抱きついてきます。
「どっちだ?」
「このまま降りていった方・・・。
 ももたろさん、もう一人にしないでね」
怯えた顔で訴える犬姫に頷くと桃太郎は道を下りていきました。
絶対に斬り捨ててやる。
今でも怯える犬姫が可哀想で桃太郎はそう誓いなおしました。
その時です。
犬姫が鼻をひくひくさせると声を上げました。
「あ、あれっ!」
犬姫が指差す方向へと目を向けると一人の人間が寝転んでいます。
「あいつだよ!
 猿だ!猿の匂い!」
その言葉を聞くと桃太郎は駆け出しました。
絶対に殺そう。
そう思って駈けた桃太郎でしたが
猿の傍に来るとさすがにおかしい事に気付きました。
猿は気絶しているらしくピクリとも動きません。
それに姿が知っている猿とは微妙に違います。
身体全体が少し丸みを帯びていて胸も僅かながら腫れています。
「こやつ女だったのか?男だとばかり思っていたが・・・」
「うん、男だった・・・はずなんだけど」
目を丸くしている犬姫と顔を付き合わせると桃太郎は首を傾げました。
「とりあえず起こすか」
「えっ・・」
犬姫が少し嫌そうな顔をしたので桃太郎は少し考えました。
そして、猿の帯びを解いて猿の両手を後ろに縛り上げるのでした。
302桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/21(土) 12:10:56 ID:PUOhHoJr

「ううっ・・・」
「ようやく起きたか」
猿が意識を取り戻し声を発すると桃太郎は猿の胸座を離しました。
ぶら下げられていた猿は当然、尻を地面にぶつけ声を上げます。
「いってぇ・・な、なんだ!?」
痛みで少し遅れましたが猿は自分が両腕を後ろに縛られているのに気付き慌てました。
「ちょっ・・なんだよこれ!?」
「なんだではない!
 お前は犬姫に乱暴を働いたらしいからな。
 それより聞きたい事が・・・」
「離せっ!離しやがれ!くっそ、離せぇ!」
猿は尻餅をついたまま体を振って喚きます。
桃太郎は言葉を出そうとして思い直し、刀を抜きました。
「黙れ。今お主は死ぬか生きるかの際におる。
 黙るか死ぬか選べ」
刀を猿の首筋に当て桃太郎が凄みます。
それで猿は桃太郎の狂人ぶりを思い出し口をつぐみました。
目の前にいる男は躊躇い無く斬るでしょうし
下手をしたらもっと酷い目に合わされる事も考えられます。
「お主はいつ女になった?」
「は?」
桃太郎の言っている意味がわからず猿は間抜けな声を出しました。
「初めに会った時は男だったではないか?
 いつ女になったのか聞いている」
「お、俺がいつ女になったってんだ!」
猿は白刃に帯びながらも大きな声を出しました。
しかし、桃太郎は言い返しもせず猿の身体を見下ろしています。
それに釣られて猿は自分の身体を見下ろしました。
するとそこには前をはだけた女の身体があったのです。
303桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/21(土) 12:12:28 ID:PUOhHoJr

浅黒い肌にほんのりとふくらんだ胸は頼りないけれど確かにおっぱいと呼べるものです。
それにその下へ視線を這わせると最近生え始めた陰毛と割れ目があるだけで
ちんぽこも金玉もありません。
全く見当たらないのです。
しばらく呆然と見ていた猿がすうっと息を吸い込みました。
「なっ、なんだこりゃ!?」
仰天した猿は顔を上げました。
「なんで!?なんだよこれ!?
 俺に何したんだ!!
 俺なんで女なんだよ!!」
挙措を失った猿の姿に桃太郎は眉をひそめました。
「何とぼけてんだよ!
 ももたろさん、もうこいつ殺そうよ!」
桃太郎の背中から顔だけを出した犬姫が煽ります。
「そうだな、このままとぼけるようならそれも止むを得ん」
「ま、待ってくれよ!俺もわかんねえんだって!
 あんたらがやったんじゃねえのかよ!」
桃太郎は落ち着かせる為、また猿の首に刀をあてがいました。
猿の顔が恐怖にひきつるとゆっくりと口を開きます。
「自分でも女になった原因はわからんと申すか。
 まあそれはいい。
 どうやら間違いなくお主が猿である事はわかったからのう」
桃太郎の目が怪しく光ります。
「さて、どう懲らしめるかのう」
「殺そうよ、こんな奴!」
桃太郎の腹の脇から顔を出し犬姫が言います。
「ま、待ってくれよ!
 悪かったよさっきは、殺さないでくれ!
 頼む!頼みます!殺さないで!」
必死で懇願する猿を見て桃太郎は悩みました。
さすがの桃太郎でも女子供を殺す事をほんの少しぐらいは躊躇うのです。
304桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/21(土) 12:15:18 ID:PUOhHoJr

「よし、ではお主が犬姫にした事と同じ事をしてやる」
そう言うと桃太郎は刀を納め、胸座をつかむと拳を振り上げました。
「ま、待っ・・」
バチィンッという派手な音をたてて桃太郎の拳が猿のほほを打ち付けました。
「ぐっ・・」
そして、その一撃でぐったりとしている猿の身体を木に押し付けました。
「ももたろさん・・・」
「少し待っておれ、こやつを懲らしめてやるからな」
そう言うと桃太郎は猿の片足を持上げ、袴を脱ぎ猛った肉棒を猿の股間にあてがいます。
「い゛っっ!」
気を失いかけていた猿は新たなる激痛に声を漏らしました。
「きついな・・」
それはそのはずです。
互いに乾ききった状況でそう簡単にはいるはずがありません。
「はぁ・・はぁ・・やめてっ・・・やめてくれ・・」
力一杯押しのけようとしても桃太郎はびくともせず猿は恐怖しました。
力で敵わぬ事を思い知り、恥も捨てて猿は桃太郎に懇願しました。
痛みだけではありません。
身体が女になっていてもまだ実感がありませんから男に犯されるという事は
何より気持ち悪く想像だにしなかった事です。
どうやっても受け入れる事は出来ません。
「お願い・・止めて・・・」
桃太郎は一旦挿入を諦めて、猿の陰唇に唾を塗り始めました。
その指の感触は気持ち悪く、改めて自分が女になっている事を知らされます。
それにこの唾を塗り終わったら桃太郎は再度挿入するつもりなのでしょう。
それがますます猿の恐怖心を煽ってくるのです。
「頼む、止め――」
「黙れ。お主が犬姫にした事ではないか」
ぎらりと睨んでくる桃太郎は恐ろしくて仕方ありませんが
それでも猿は何とか気力を奮い立たせました。
305桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/21(土) 12:16:03 ID:PUOhHoJr

「お、俺はそこまではし――」
「未遂でも同じ事!」
桃太郎は猿の言い分を一蹴すると再度腰を突きこみました。
「い゛っっ!」
今度はたっぷりと唾をつけたからか
めりめりと肉を掻き分けて桃太郎は侵入していきました。
「ぐぅぅぅぅ・・・」
猿の口から悲痛な声と供に空気が漏れていきます。
桃太郎は腰をずんずんと前後させ容赦なく猿を女にしていきます。
「はぅっ・・・はぅぅっ・・・」
痛みと恐怖で猿の目から涙がこぼれてきました。
背中は木に叩きつけられ、しばられた腕も痺れ、貫かれる痛みに言葉すら出せません。
憎いとか怖いとか悔しいといった感情が痛みによって強制的に忘れさせられ
早く終わってくれ、と言う事だけが頭の中を占めていきます。
「〜〜〜〜っ!」
歯を食いしばり耐える猿の口から音の無い叫びが聞こえてきます。
処女の媚肉は力づくで押し開かれ奥まで桃太郎を受け入れています。
身体の中に入れられる不快感が猿の身体を突き上げます。
自己防衛の為に出てくる粘液がより桃太郎の動きを滑らかにしていき
より激しく突き上げられるのです。
「痛いか?お前は犬姫に同じ事をしたのだぞ」
正確には違いますが、殴られた痛みと貫かれる痛みで
頭の中がぐちゃぐちゃになった猿はそれは酷い事をしたなぁと思いました。
猿は無理矢理犯されることが
こんなに怖くて辛くて悲しい事だとは今まで思ってみませんでした。
猿の目からぽろぽろと落ちる涙を確認し
桃太郎は彼女の中にたっぷりと射精するのでした。
306桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/21(土) 12:17:24 ID:PUOhHoJr
猿編はちょっと長いのでわけます。
続きは明日投下します。
感想くれた人ありがとう。
307名無しさん@ピンキー:2005/05/21(土) 23:48:17 ID:wn0BXTdo
天然で鬼畜な桃太郎GJ!
308桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/22(日) 11:55:21 ID:xl9O+tWU

「どうじゃ、反省したか?」
立っている力さえ無く木に背を預けてしゃがみ込んだ猿を桃太郎が見下ろしています。
猿は虚ろな目で見上げるとかくっと顎を下げました。
「悪かった・・です・・・」
やっとの事でそれだけを言うと肩で息をする猿を見て桃太郎は満足そうに頷きました。
「どうだ犬姫、これで許してやらんか」
「うー・・・ももたろうさんがいいならいいけど・・・」
その言葉に猿はほっとしました。
これ以上何かされてはたまったものではありません。
「でも、ももたろさんと交わるのは罰でもなんでも無いと思うなボク」
「それはお前が私を好いてくれてるからだろう。
 嫌いな奴としたいと思うか?」
その問いに犬姫はぶんぶんと首を振りました。
「こやつは私に好意を持っておらんからちゃんと罰になってるんだよ」
「ふーん・・・わかった」
犬姫が納得すると桃太郎はしゃがみ込み猿の手を縛っていた帯を解きました。
「おい、猿!
 ももたろさんの袋どこにやった。
 返せ!」
ようやく解放された猿に犬姫が威勢良く問い詰めます。
もっとも、威勢がいいのは口だけで身体はまだ桃太郎の後ろに隠れさせたままです。
「ふくろ・・・?」
まだぐったりとしている猿はそう呟きました。
徐々に何かを思い出したのか目に光が戻ってきます。
309桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/22(日) 11:55:55 ID:xl9O+tWU

しばらく木に寄りかかったまま猿は息を整え、ゆっくりと立ち上がりました。
「・・そうだ・・・俺、あの袋の中の団子食べてそれで・・・
 身体が熱くなって・・・気付いたらあんた達がいて・・・」
猿はよろよろと起き上がると木の上の方へ顔を向けました。
枝の上に乗った袋を見て猿が指を差しました。
「なあ、あの団子なんなんだ?
 俺が女になったのは多分あれのせいだ。
 いや、多分じゃねえ、絶対だ!
 それしか思い当たる事がねえ!」
猿は桃太郎にしがみつき体を揺すります。
「なあ、なんなんだよあれ!
 俺を元に戻してくれよ!」
猿にそう言われ桃太郎は困惑しました。
「あれは別に普通の団子だ。
 母上の手作りの団子で男を女にするような事など無い。
 私は子供の頃から食べていたのに女になった事など無いからな」
そう言って桃太郎は跳躍すると枝の上から袋を取りました。
「ほれ、これで変わったというならもう1個食べてみるか?」
差し出された団子に猿は飛びつき口の中に入れました。
お餅のように柔らかい団子は美味しく口の中でとろけていきます。
「見てろ・・・」
言われた通りに桃太郎と犬姫も猿の身体を見つめます。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
しかし、猿の身体は一向に変化せず、勿論桃太郎も犬姫の身体も変化しません。
「ほれ、ただの団子だろう?」
「そ、そんな・・・」
猿はがっくりと膝をつき落ち込みました。
他に思い当たる事が無いのです。
310桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/22(日) 11:56:41 ID:xl9O+tWU

「まあ、そう落ち込むな。
 女になって良かったと思える日もきっと来る。
 どうだもう1個食うか?」
「いらない・・・」
顔も上げず猿は力なく断りました。
「犬姫はどうだ?食うか?」
「ボクもいらない。
 もし、犬に戻ったら嫌だもん」
そう犬姫が断るとうなだれていた猿の顔がばっと上がりました。
「今・・・なんて言った・・・?
 犬に戻る・・・?」
ふらふらと猿が立ち上がると犬姫は桃太郎の背中に隠れます。
そうそう恐怖心は拭える物ではないのです。
「犬姫は元が犬だからな」
犬姫の代わりに桃太郎が答えます。
「元が犬って・・・犬がどうやって人間になるんだよ!」
「お主知らなかったのか?
 団子を食べた犬は人間になるのだ」
からかっている風でもなく真面目な顔で桃太郎は答えます。
「んなわけねーだろ!
 聞いた事ねーよ!
 この団子食って人間になったんだろ!なあ!」
「む・・まあ、そうだが、別にこの団子が不思議な訳ではないぞ」
あくまで団子を疑わない桃太郎に猿が掴みかかりました。
「不思議だよ!
 犬が人間になった時点で気づけよ!
 ありえねーんだよ!」
「しかし、私は幼い頃から母の作ったこの団子を食べてきたが
 何もおかしな事にはなってないぞ」
「十分おかしいよ!」
猿は桃太郎との会話に疲れ深呼吸をすると桃太郎から離れました。
311桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/22(日) 11:57:22 ID:xl9O+tWU

「あんたの母ちゃん何者だ?」
「いたって普通のお人だ。
 断じて性別を変えるようなあやしい団子を作る人ではない」
「作ってるんだって!現実見ようぜ!
 犬が人間になった所見てなんでそんな事言えるんだよ!?
 ・・・まあいいけどさ、あんたの母ちゃんの所に案内してくれよ。
 団子食って戻らないならあんたの母ちゃんに戻してもらうしかないしさ」
猿がそう言うと桃太郎は困った顔をしました。
「しかし、私は鬼を退治するまで家に帰るわけにはいかん。
 帰れば父上に殺されるであろう」
「な、なんでだよ」
桃太郎は感慨にふけるように面を空に向けました。
「父上は約束にうるさい人じゃ。
 破れば私を侍の恥として斬られるだろう」
猿は絶句しました。
しかし、桃太郎の所業を見ているだけに極めて説得力のある話です。
むしろ桃太郎の親がまともな方がありえない気がします。
「・・・鬼ってどこにいんだよ」
「わからぬ。それを探して旅に出ているのだ」
猿はもう目の前が真っ暗になりました。
「そう落ち込むな。
 いつか女になって良かったと思える日も来るだろう」
桃太郎は適当な慰めの言葉を発すると犬姫をうながし山を降り始めました。
猿に関わるのがもう面倒くさくなったのです。
「これからどうするの?」
「そうだな・・・一旦、村に戻ろう。
 山賊を倒した事も言っておくべきだろうし
 お主の着物をどうにかしないとな」
桃太郎は犬姫を抱え上げるとすたすたと山を降りていきます。
猿は自分の悲運さに嘆き、立ち上がる事すら出来ずただ二人を見送るだけなのでした。
312桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/22(日) 11:58:15 ID:xl9O+tWU

その夜、桃太郎と犬姫は村に戻り熱烈な歓迎をうけました。
何にしろ山賊を退治してきたのですから
安心して街道を歩くこともできなかった村人にとっては当然の事です。
その甲斐あって夕餉は鄙びた村としては随分と豪勢なものでした。
漬物に米に田螺汁に焼いた川魚に
芋と大根を濃く煮たものと川海老の刺身まで運ばれてきます。
犬姫は勿論、桃太郎にとってもこれほどの豪華な食事は初めての事です。
「すっごーい!」
「こんな豪勢な・・申し訳ない」
桃太郎が余りに豪勢な膳に恐縮すると老人は手を顔のまえで振りました。
「いやいやこの程度でお恥ずかしい。
 世のため人のために尽くされておるお二人に振舞うというのは
 世の中のために振舞うという事でございますから。
 ささ、どうぞお召し上がりください」
「世の中のため・・・」
桃太郎は村長の言葉に衝撃をうけました。
世の中のために何かをするという考え方があるのかと。
「いっただきまーす!」
二人は遠慮なく馳走を口にかきこみます。
「おいっしーい!」
「うむ、これはまことに・・・」
犬姫に隠れてはいるが桃太郎も割と礼儀知らずな方でした。
しかし、村長たちはそんな二人を笑う事も咎める事もしません。
「しかし、桃太郎殿はご立派ですなあ。
 弱きを助け強きをくじく正義の使者とは正に桃太郎どのの事じゃ」
村長はすっかり桃太郎に感心してきっていてそれどころの話では無いのです。
「弱きを助け強きをくじく・・・」
ふと桃太郎は村長の言葉を口の中で繰り返しました。
それは桃太郎にとって新鮮な考え方だったのです。
313桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/22(日) 11:59:12 ID:xl9O+tWU

一方、女になってしまった猿は随分長い事山の中で佇んでいました。
これが現実にあった事だと信じられずただぼんやりと空を眺めていました。
雲の数を数え空が赤らむのを見ながらただただぼんやりとしていました。
そうしている内に猿は尿意を催しようやく空から目を離しました。
いつも通りに立ち上がり小便をしようとするといつもの物がありません。
「そうか・・・」
それで空を見ていた理由を思い出し猿は悲しくなってきました。
しかし、気持ちとは関係なくもよおすものはもよおすので仕方なくしゃがみます。
ちょろちょろと山道にささやかな小川を作り出すと
このような姿勢で用を足す自分が惨めに思えてきました。
(なんでこんな事になったんだろ・・・)
確かに今まで碌な生き方はしてきませんでした。
それは猿も自覚しています。
しかし、これはあんまりではないかと思うのです。
桃太郎に犯された痛みはまだひかず
破瓜の血と精液で汚れた自分の股間を見て猿は段々悔しくなってきました。
「あいつ・・・そうだ・・・あいつだ。
 俺がこんな事になったのもあいつが変な団子持ってるから・・!」
はらわたに憎悪の炎が宿ると悲しみに冒されていた体が動き出しました。
それに考えてみれば男に戻りたければ
どうあっても桃太郎の持っている団子の秘密を解明しなければいけないと猿は思うのです。
「あいつ・・・確か村に戻ってみるとか言ってやがったな・・・」
目標が定まると猿は立ち上がりました。
目指すはふもとの村です。
痛む体のせいでぴょこぴょこと変な走りになりながら猿は山を降りていきました。
314桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/22(日) 12:00:02 ID:xl9O+tWU

猿が村まで降りてきた時、既に日は沈み辺りは暗くなっていました。
村の中に人の姿は全く見当たりません。
桃太郎がまだ村にいるのか、いるとしたらどこなのか、
もう出ていったとしたら行き先はどこなのか、
どうしても情報が欲しいのですが
こんな時間に家々を訪ねて訊くのは怪しまれるだけで効果は薄いでしょう。
そう考えていると、はたと気付きました。
もし桃太郎を見つけてもどうすればいいのでしょうか。
昼間の調子では桃太郎が家に帰ると言ってくれる可能性は低そうです。
力づくでというのは鼻から勝ち目も無いでしょう。
こうなったら犬姫を人質にして脅すかとも考えましたが
もし失敗した時、桃太郎にどのような制裁をされるかと思うと
恐ろしくてやる気にはなれません。
ましてや今の自分は女になっている事もあり身体も痛みます。
成功する確率は低そうです。
しかし、だからといって桃太郎の他に元に戻る手がかりはなく
猿は星明りの下、随分と悩みました。
そして悩み倒したあげくに辿りついた答えは
とりあえず桃太郎をみつけようという事でした。
とりえず見つけてから考えようと思ったのです。
そう決まると猿は起きている人、または誰かが起きている家を探しました。
村の中は本当に静かです。
ほとんどの家の者は寝てしまっているのでしょう。
「猿」
突然でした。
静寂な闇の中から声が聞こえてきたのです。
315桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/22(日) 12:00:40 ID:xl9O+tWU

「あ、あんた・・・」
声をかけてきた人物、月明かりに照らされたその姿は桃太郎でした。
寝息を立てる犬姫をおんぶしている姿は昼間の威厳にはかけていましたが
間違いなく桃太郎です。
「来たな」
「な、なんだよ・・・」
唐突に声をかけられて驚き
その上、声をかけてきたのが桃太郎だった為、猿は思わず声がうわずってしまいました。
「来るかもしれないと待っておった。
 こっちに来なさい」
そう言われても素直にいけるはずもありません。
元々抱いていた桃太郎への恐怖心もあるし
何を考えて待っていたのかもわかりません。
もしかしたら一度だけでは罰が足りなかったなんて言い出して
また犯してくるのではないかと猿は反射的に股間を押さえ後ずさりました。
「何も怯える事はない。
 お主に危害を加えるような事はせん」
「し、信じられるかよ・・・。
 大体なんで俺を待ってたってんだ?」
桃太郎の吐く息が静かな村に音を与えました。
「お主を放って山を降りたのは間違いだったと思ってな。
 村長どのに言われた。
 弱きを助け強きをくじくのが正義である、と。
 それで思ったのだ。
 女になってしまい困っているお主を見捨てて来たのは正義ではないな、と」
桃太郎の静かな声は確かに自らを省みているように聞こえます。
それでも猿は桃太郎を疑わしい目でしか見れませんでした。
「信用出来ぬのも無理はない。
 だが、どちらにしてもその格好ではこの先大変であろう。
 お主がこれから野垂れ死にたくなければ入ってこい」
そう言って桃太郎はぐっすり眠る犬姫をおんぶしたまま家の中へと入っていくのでした。
316桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/22(日) 12:01:26 ID:xl9O+tWU

猿は悩みました。
生まれてこの方こんなに悩んだ事は無いほどに悩みました。
確かに桃太郎の言う通り、このままでは生きていくのも大変でしょう。
身寄りの無い女など食い物にしかされないのをよく知っていたからです。
そんな女は身体で稼ぐか金持ちか強い奴かに囲って貰う他に生きようがありません。
しかし、そのような女の生き方など
今日まで男として生きてきた猿は想像もしたくありませんでした。
そうすると桃太郎の言葉が真実である事を祈って家の中へ入るしかなかったのです。
「お、おじゃまします・・・」
小声で呟いて戸を開けると暗闇の中に桃太郎が待っていました。
「やっと来たな」
うっすらと微笑を浮べ桃太郎は歓迎しました。
「これが申してあった連れです」
桃太郎がそう言うと暗闇から返事が聞こえ猿を驚かせました。
猿は桃太郎のほうを見ていたので気付かなかったのですが
村長の下使いのものが待ってくれていたのです。
「ついて参れ」
桃太郎がそう言って家の奥へと入っていくと猿は戸惑いながらもついていきます。
静かな家の中をギシギシと重なった三人の足音がついた先は
お風呂場の前、四畳ほどの脱衣所でした。
「な・・なんで・・」
「今の自分の姿を見なさい。
 何でも何もないだろう。
 着替えも用意してもらっているから遠慮せずに入るといい」
桃太郎が優しくそう言うと下使いが薪をくべてくると言って去っていきました。
「私はここで待っているからゆっくりと入りなさい」
再度うながされ猿は言葉に詰まりました。
風呂に入るという事は脱がねばならないからです。
「・・・あ、あっち向いててくれよ」
裸になった途端、桃太郎が襲い掛かってくるのではないかと思いましたが
猿は意を決して帯びに手をかけました。
317桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/22(日) 12:02:58 ID:xl9O+tWU
ガラガラと戸を開け、中に進むと白い湯気がほんのりと漂い身体を包みます。
中に入ってしまうと猿はすぐに戸を閉め風呂場を見渡しました。
鄙びた村の長のものですからそれほど立派なものではありませんでしたが
ほとんど風呂の経験の無い猿にとっては凄いものに感じられました。
置かれていた桶で湯船から湯をすくい身体にかけると
痛みと疲労の代わりにぬくもりが身体に染み渡ります。
「ふぅ・・・・」
どうやら桃太郎も襲ってくる気は無さそうです。
そう思うと湯のぬくもりもあって思わず、安堵のため息が出てきます。
もう一度湯をかぶりぬくもると身体をこすり始めました。
ふにゅっとしたやわらかなふくらみに触れ猿は改めて自らの体を見下ろしました。
身体全体が丸みを帯びて柔らかく胸はふくらみ股には何もぶらさがっていません。
薄暗い浴室の中わずかな月明かりに照らされた身体は、悲しいほどに女の身体でした。
浮かび上がってくる思いを振り払うように猿は頭を振ると湯船にザブンと飛び込みました。
「なぁ・・・」
熱いお湯が脂を溶かし身体がほくほくとあったまると猿はおもむろに声をかけました。
「・・なんだ?」
「・・・どうして・・・」
問いかけになっていない問いをして猿は言葉を止めました。
自分でも何を聞こうとしたのか分からなくなったのです。
まだ少し腫れているほほを撫で猿は目を閉じました。
いまだ桃太郎への恐怖は拭えていません。
しかし、風呂のぬくもりがそのまま桃太郎の優しさにも思えるのです。
猿は物心ついた頃から一人で生きてきました。
もしかしたらもっと小さい頃は誰かに育てられていたのかもしれませんが
猿の知っている限りでは今までこんなに優しくされた事は一度としてありませんでした。
優しくされた事に対する感謝と有難さと、犯された恐怖が混ざり合い
猿は桃太郎の事をどう思っていいのかわからなくなりました。
心の奥からこみ上げてくるものが涙となって猿のほほを伝います。
犬姫のくーくーという寝息がうるさく響いていました。
「・・・俺も・・・あんたについていっていいか?」
こうして猿は桃太郎の二人目のお供になりました。
318桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/22(日) 12:04:19 ID:xl9O+tWU
猿編投下終了。
319名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 12:55:58 ID:vQ/Q/iGG
GJ!
面白かった。やっと桃太郎に良心が少し芽生えたね。
そして意外と猿が可愛い。
これからの話に期待してます。
320名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 18:24:08 ID:GQ1ts1e/
GJGJGJ!
雉編にメチャメチャ期待
321名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 23:00:50 ID:iT0JomvM
五臓六腑にしみいる良スレ
322名無しさん@ピンキー:2005/05/23(月) 14:05:51 ID:Jp4w7Cze
葛藤のかけらもない桃太郎に惚れますた
323桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/24(火) 18:14:23 ID:NdEZkuPv
雉編投下します。
324桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/24(火) 18:15:05 ID:NdEZkuPv

猿が桃太郎達と道連れになってから七日ほどが過ぎた頃
山の中で事件は起きました。
発端は猿が捕らえてきた雉です。
雉肉というのは非常に美味であり
また高価で取引できるので狩の獲物としては上等なものでした。
その雉に犬姫が団子を与えて人間にしてしまったのです。
その雉を仕掛けた罠で生きたまま捕らえ鼻高々だった猿は当然怒りました。
「なんてことすんだよ!
 せっかく捕まえた雉を・・!」
「だ、だって可哀想だったし・・・」
犬姫は猿の剣幕に怯え桃太郎の後ろに隠れてしまいました。
それがさらに猿の神経を逆撫でします。
「可哀想ってなんだよ!
 雉を捕まえんのがどんだけ凄いことかわかんねえのか!」
桃太郎は猿が怒るのも無理は無いと思いました。
桃太郎も山で育ち幼い頃から狩をしてきたので
碌な装備もない旅の空で雉を捕まえることの難しさを知っていたのです。
「隠れるなよ!
 出てこい!」
猿は感情に任せて桃太郎の後ろに隠れた犬姫に詰め寄ろうとします。
「ももたろさん・・・」
犬姫は桃太郎の背中に隠れて甘えた声ですがってきます。
桃太郎はどうしていいかわからず悩みました。
犬姫に悪気が無かったのは分かりますし、猿が怒るのも分かります。
「まあ待て、暴力はいけない」
桃太郎は努めて理性的な声で猿を止めました。
猿を一行に加えるきっかけとなった村の長の言葉は桃太郎に深く刻まれていたのです。
しかし、心のままに言葉が伝わるとは限りません。
桃太郎の行動をどう受け取ったのか、猿の目に涙が滲んできます。
「くそっ!どうせ・・・」
そう言い捨てると猿は弾けるように山の奥へと駆け出していくのでした。
325桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/24(火) 18:15:54 ID:NdEZkuPv

「あの・・・わたくしはどうしたら・・・」
人間にされたと思ったら突然喧嘩が始まり呆然としていたキジが声をかけてきました。
年の頃は桃太郎より少し上でしょうか。
腰まで伸びた長い黒髪と豊かな胸が印象的な艶麗な女性の姿をしています。
「あ、ああ、逃げるなり付いて来るなり好きにするといい。
 ご覧の通り、今取り込んでいてな」
「はぁ・・・」
キジが困った顔をすると桃太郎も同じような顔をしました
「・・・すまない。
 あなたの事を放っておくわけではないが少し待っていてくれないか。
 今は連れを連れ戻さないと・・・」
そう言うと背中にしがみついていた犬姫が不満気な声を出します。
「えー、あんな奴連れ戻さなくてもいいよ・・・」
桃太郎が連れて行くというから一緒にいるだけで犬姫は猿のことをいまだ許していませんでした。
理不尽に殴られ桃太郎を侮辱された恨みは晴れていないのです。
「そういうな。猿もあれでいいところもある。
 匂いを辿ってくれないか」
「うー・・・」
桃太郎に頭を撫でられると犬姫は唸りながらも渋々猿の匂いを辿ることにしました。
いう事に逆らって嫌われるよりはましだからです。
「あの、ごめんなさい。
 待つ事に不満は無いのですがわたくしにも何か着る物を下さいませんかしら?」
キジに請われて桃太郎は荷袋を開けました。
「これでいいか?
 村の人から犬姫と猿のために貰ったものだからお主には小さいだろうが・・・」
「うふっ、ありがとうございます」
キジは怪しい色気を振りまきながら着物を受け取り羽織ました。
桃太郎の思ったとおり、キジにはこの着物は小さいようです。
襟元からは豊満な胸がはだけ丈は膝も隠されておらず桃太郎は目のやり場に困りました。
「それじゃあいきます?」
こうしてキジは桃太郎の三人目のお供となりました。
326桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/24(火) 18:16:32 ID:NdEZkuPv

一方、思わず駆け出してしまった猿は木に登って風を嗅いでいました。
こうしていると一人で気ままに暮らしていた頃が思い出せます。
桃太郎についてきてから鬱憤が溜まっていた猿は
あの頃を思い出すと涙が出てきました。
あれから桃太郎は助べえな事をしてきたり襲ってはきませんが
いちいちとあれはしていけないこれはするなうるさく言ってきます。
そしてそれ以上に腹が立つのが犬姫です。
いつもいつも桃太郎とべったりとくっついて離れず
自分には露骨に嫌いだという態度をあらわします。
その犬らしい格付けで自分が最下位にされているのも気に食わないのです。
それだけではありません。
二人は夜になると必ずといっていいほど交わります。
全く遠慮もなく抱き合うので猿は犬姫の喘ぎ声を子守唄に寝なければならないのです。
それは女となった今でも犬姫への劣情を忘れられない猿にとってはつらい事でした。
生まれて初めて好きになった娘が毎晩隣で抱かれているのです。
猿でなくても嫌になるでしょう。
そういった鬱憤が溜まっていた所へ今日の事件です。
どう考えたって犬姫の方が悪いと思うのに桃太郎は犬姫をかばった、
そう思った猿はその事がとても悲しくなりました。
「はぁぁ・・・どうしよう・・・」
猿はひとりごちて大きなため息を吐きました。
結局、元に戻る為にも卑賤な職をせずに生きていくにも
ついてくると決めた時のように桃太郎と一緒にいるしかないのです。
しかし、一緒にいる事もつらく居辛く悲しいのです。
一人で暮らしていた頃よりも孤独な旅に猿は疲れていたのです。
そうして猿は涙の味のする風を嗅ぎながらぼんやりと空を見上げていました。
327桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/24(火) 18:17:32 ID:NdEZkuPv

「猿、降りて来い」
桃太郎の優しい声が聞こえてきて猿は魂消ました。
物思いにふけっていたせいですが、まったく気配に気付かなかったからです。
「桃太郎・・・」
木の上から見下ろせば桃太郎と犬姫と胸のでかい女がこちらを見ています。
猿はそれを見て複雑な気持ちになりました。
迎えにきてくれた、探してくれた事は嬉しいけれど
のこのこと下に降りるのも恥ずかしいのです。
「わたくしに任せてくださる?」
猿がどうしようか迷っていると胸のでかい女が一言二言桃太郎と交わし
ぽんぽんと跳ねるように木を登ってきました。
「ねえ、隣にすわってもいいかな?」
そう言うと女は猿の座っている隣へ腰を降ろしました。
猿が座っていた枝は太いものでしたがさすがに二人も座ると恐ろしく
下から見上げる桃太郎も犬姫も乗っている猿もはらはらしました。
しかし、キジは全く動じた様子はなく戸惑う猿の顔を自らの胸の谷へ押し付けました。
「あなたが猿ちゃんね?
 わたし、あなたに捕らえられたキジよ。よろしくね」
キジは艶やかな笑顔を見せ柔らかな胸にのっけた猿の頭を撫で撫でしました。
「ねえ、あなたも言いたい事あるでしょう?
 わたしに聞かせてくれないかな?」
「い、いーよ・・・キジに言っても仕方ねーし・・・」
顔を赤らめた猿がそう言う間もキジは猿の頭をなでています。
「あら、キジだからよ。
 人間はね、他人に言えないことをどうしても喋りたい時、山で喋るの。
 山の中で私たちや虫やもぐら相手に話して紛らわすのよ。
 わたしはこの山でいっぱいそんな話を聞いてきた。
 悩みを話すにはうってつけだと思わない?」
キジはそう言うとにっこりと微笑みました。
その艶やかな笑顔と柔らかな女の肌にほだされて猿はぽつりぽつりと喋り始めました。
328桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/24(火) 18:18:11 ID:NdEZkuPv

木の上での話はささやき声で行われていて下には全く聞こえてきません。
猿をなだめてくれるだろうかと思いつつ桃太郎は待つしかありませんでした。
「ねえ、ももたろさん」
「ん、どうした?」
いつになく神妙な顔で犬姫が語りかけます。
「あの・・・・ごめんなさい」
桃太郎は目を細めるとそっと犬姫の肩を抱きよせました。
「猿にも言ってあげなさい」
「うん・・・」
そうこうしていると、キジが飛び降り、続いて猿も降りてきました。
果たしてどのような話をしたのか
キジはにこにこと微笑み、猿は神妙な顔をしています。
少しの間、山の音だけが辺りを包むとキジの手が猿の肩に置かれました。
すると猿はその場に膝をついてしまいました。
さらに手まで地面につけて頭を下げます。
「あの時は本当に悪かった。
 襲った事も殴った事も謝る」
突然の土下座に驚き戸惑う犬姫の背に桃太郎の手が添えられます。
「猿もこうして謝ってる。
 好きになれとは言わんがそう嫌ってやるな。
 許してやれ」
桃太郎が言葉を添えると犬姫は猿と桃太郎を見比べ頷きました。
「うん・・・わかった。
 まだちょっと怖いけど・・・・。
 ボクもごめんなさい」
その言葉を聞くと猿は晴れやかな顔をして立ち上がりました。
「いいよ。
 このキジさんもいい人だし人間になってくれて良かったって思うしさ」
猿がそう言うと犬姫の顔にも笑顔が咲きました。
「うふふ、まだお話することはいっぱいあるでしょうけど向こうの方へ行きません?
 向こうの方に誰も使ってない小屋があるんです」
329桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/24(火) 18:18:50 ID:NdEZkuPv

キジの先導で一向は山の中を歩いていきます。
「いいわねぇ、犬姫ちゃんも猿ちゃんも可愛くって。
 人間の女の子は本当いいわぁ・・・キラキラして可愛くて・・・」
歩きながらキジがうっとりとした口調で言います。
「キジだってもう人間じゃん」
「やぁん、お姉さまって呼んで」
キジはくねくねと身体を揺らし甘えた声を出します。
ほよほよと揺れる豊満な胸に猿はまた真っ赤になりました。
「お姉・・・って・・・。
 ・・・姉・・・雉姐も今は人間だろ。
 何でそんな事言うんだ?」
猿の妥協した呼び方が気に入ったのか雉姐はにっこりと笑いました。
「知ってる?キジはオスの方が綺麗なのよ。
 青緑色の羽でキラキラ着飾って綺麗でさぁ・・・
 でもメスは灰色の羽しか纏えない。
 わたしそれがずっと嫌だったの。
 だから、ずうっと人間に憧れてた。
 人間の女の子は男の子より可愛くて綺麗な格好できるからね」
そう言うと雉姐は嬉しそうにくるくると回り始めました。
「ああ!でも今はわたしも人間の女の子なんだわ!
 可愛くって綺麗な着物を着たりできるのね・・・!」
浮かれきった様子で雉姐は踊るように歩いています。
330桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/24(火) 18:19:33 ID:NdEZkuPv

「ねえ桃太郎さん、わたくしに出来ることがあれば何でも言ってくださいね。
 わたくし本当に感謝しているんですの」
子供のようにはしゃいでいた雉姐は桃太郎に抱きついて肩に顔をこすりつけました。
「へっ、そんな風にしてたら犯されるぞ。
 そう見えてその人かなり助平だから」
猿が軽口を叩くと雉姐は悩ましげな声を桃太郎に吹きかけました。
「あらぁ、こんな素敵な男の人に抱かれるなんて女の幸せじゃない。
 猿ちゃんは抱かれたくないの?」
「おっ、俺は男だぞ!」
雉姐は桃太郎に抱きついたまま、微笑を浮べました。
「元、でしょう?
 今は女の子じゃない」
雉姐はからかっている口調でもなくそう言います。
「そ、そりゃ身体は女になっちまったけど気持ちは男なんだよ!」
「男の気持ちは男に戻ってからにすればいいじゃない。
 女の時は女として楽しんで男に戻れたら男として楽しむ。
 それで良くない?」
「よくねーよ!」
猿は威勢良く言い切りましたが心の中は少し動揺していました。
女を楽しむなんて考えがあるなんて思いもよらなかったからです。
「どうして?
 そっちの方が楽しくやってけるわよ、きっと。
 戻れるかどうかもわかんないんだから――あっ、あれあれ!
 あの小屋よ。
 多分今夜は雨が降るからあそこに泊まりましょう」
そう言って雉姐は駆け出しました。
そのせいで反論を封じられた猿は雉姐の言葉を反芻するしか無かったのです。
331桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/24(火) 18:20:18 ID:NdEZkuPv

「ほう、なかなか立派なものだ」
山小屋の中に入ると桃太郎はそう呟きました。
勿論、本当の家とは比べるくもありませんが
確かに人のいない小屋にしてはそれなりに広く屋根も破れていません。
「ではキジの言う通りここで泊まることにしようか」
「ボクお腹減ったー。
 ご飯にしよーよ」
そう言って犬姫はここに来る途中集めた山菜と茸を出しました。
犬姫は鼻が利くので山菜集めは得意なのです。
「そうだな、用意してくれ。
 私は焚き木になりそうなものを探してくる。
 猿、一緒に来い」
そう言って桃太郎はふくれる犬姫と雉姐を置いて小屋を出ました。
猿は自分だけ連れて行こうとする桃太郎を訝しく思いながらも仕方なく後を追います。
「落ちてる小枝を拾おう。
 キジの言う事が正しければ雨が降るそうだからなるべく多くな」
少し小屋から離れ木の多く集まっている所に来ると桃太郎はそう言いました。
「あ、ああ」
なんだ本当に焚き木を拾いに来ただけかと思って猿が安心しかけていると
すっと桃太郎が近づいてきました。
「・・・・偉かったな」
桃太郎はそれだけを言い猿の頭をそっと撫で始めました。
桃太郎が近づいてきた事に慌て何の事かわからなかった猿も
桃太郎のぬくもりが伝わると供に気が付きました。
「さっき謝った事・・・?」
「ああ。
 お主が怒るのも仕方無いと思っていたのにお主は仲直りする為に過去の事に謝った。
 中々出来るもんじゃない」
そう言われると猿は自らを誇らしく思えてきました。
撫でられた頭が温かくて認められた事が嬉しくて猿は少し泣きました。
332桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/24(火) 18:21:13 ID:NdEZkuPv

お腹一杯になった桃太郎達は小屋の中でごろごろしています。
きのこ汁を作った土鍋の中はすっかり空っぽです。
ちなみに鍋もきのこ汁に使った味噌も箸にいたるまで全部他人から奪ったものです。
女二人連れで旅をしていると絡んでくる者が多いのですが
桃太郎はそれを残らず返り討ちにしているので自然と色々な物が手に入るのです。
「ねえ、ももたろさん・・・」
日課である刀の手入れをしていた桃太郎に犬姫が擦り寄ってきました。
大体、犬姫は桃太郎にひっついていますが
こうした甘え声を出すのはあの合図です。
猿が見ていようが雉姐が傍にいようがお構い無しなのです。
「ちょっと待っておれ」
そう言って桃太郎が刀を納め床に置くと犬姫がすかさず飛びついて口を付けます。
「あっ、いいな〜。
 わたしも混ぜてもらいたいわぁ」
桃太郎と犬姫が口を食みあってるのを目ざとく発見して雉姐が近づいてきました。
「ねえ、わたくしも・・・」
そういって桃太郎の首に腕をまわすと横から唇を奪います。
「あぁ、もう・・・」
横から桃太郎を攫われてふくれる犬姫をよそに雉姐は桃太郎の口を激しく舐め上げます。
唾液の音をうるさいぐらいにたてて口を吸い桃太郎を驚かせると
雉姐は部屋の隅にいる猿に手招きをしました。
「ねえ、猿ちゃんもこっちに混ざりましょうよ?」
「いっ!?お、俺はいいよ!
 おれ男だし・・・」
真っ赤になって断る猿に雉姐は色っぽい視線を投げかけます。
「じゃあ、わたしとしましょう。
 わたしと接吻するのいや?」
雉姐のむせ返るような女臭は離れた猿まで届きました。
「き、雉姐とだったら・・・」
二人が盛り上がっている中、隅にいるのにも飽いていた猿は
雉姐の言葉に誘われ立ち上がりました。
333桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/24(火) 18:22:00 ID:NdEZkuPv

雉姐は近づいてきた猿にすかさず接吻しべろんべろんに口を舐めまわします。
猿が苦しそうにもがくまで口を吸うと犬姫の肩をつかみました。
「ね、今度は二人でしてみて。
 仲直りのあかし」
そう言って猿と犬姫を向かい合わせます。
「あ・・・」
猿は戸惑い、狼狽えました。
犬姫が嫌がるだろうから自分から退こうとしたのです。
ところが、なんと犬姫は特に嫌がるようなそぶりも見せず目を閉じました。
「ほら」
雉姐が震える背中をそっと押します。
猿は唾を飲み込むと犬姫の桜色の唇に自分の唇を押し当てました。
ぷにっと柔らかい唇が唇に触れ猿は歓喜しました。
ただの接吻ではありません。
許してもらえたという確かな証でもあったからです。
「えへ・・・」
唇を離すと犬姫がはにかんだ笑顔を見せくれました。
それがまた可愛らしく猿は心が浮き立つのを感じていました。
「あん・・」
しかしすぐに犬姫は雉姐に攫われ接吻され始めました。
それを目で追った猿と桃太郎の視線が交わされます。
「ん・・・・」
桃太郎が迫ってくると猿は全くの自然にそのまま接吻を受け入れました。
桃太郎の接吻は雉姐よりも優しく猿は思わず舌で答えてしまいます。
不思議なほど嫌悪も恐怖もなく桃太郎の舌を受け入れていました。
口の中に逞しい舌が入ってきた時には快感すら覚えていたのです。
「ながーい」
ふと気付くと接吻を終えた雉姐と犬姫が二人の接吻を見ていました。
それで恥ずかしくなって口を離すと雉姐がすかさず桃太郎の唇を奪います。
猿は余り者同士もう一度犬姫と接吻をしました。
そうして彼らは小屋の片隅でひしめき合い何度も何度も唾液を交換しあったのでした。
334桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/24(火) 18:23:01 ID:NdEZkuPv

「そろそろ服を脱ぎましょう」
キジ姐がそう言うと一言の異論もなく全員が帯びに手をかけました。
桃太郎も猿も雉姐が色狂いの類だと薄々気付いていましたが
その狂いぶりは不快ではなく
従っていれば何やら気持ちよい事になりそうだと思える雰囲気があるのです。
「うふふ、犬姫ちゃん、もうぬるぬるじゃない」
「ぁふっ・・」
雉姐は嬉しそうに犬姫の秘部を撫でて押し倒します。
「本当に可愛いわぁ・・」
床に押し付けた犬姫にちゅっちゅっと接吻し雉姐は息を荒げています。
「もしかして雉姐って・・・女好き・・・?」
ふと湧いてきた疑問を猿が口にすると
雉姐は犬姫に体を擦り合わせたまま微笑みました。
「そうよ。わたしは可愛い女の子が好きなの。
 キジだった頃からずっと好きだった。
 捕まっちゃったのもあなたが可愛い女の子だったからなのよ」
犬姫のささやかなおっぱいに豊乳を押し付け雉姐は艶麗な笑みを浮べました。
「で、でもキジだった時は知らないけど人間になった今、
 女で女好きでも困るんじゃ・・・」
「うふふ、何にも知らないのね」
そう言うと雉姐は犬姫の上からどき、猿に微笑みかけます。
「猿ちゃんだって犬姫ちゃんが好きなんでしょう?
 彼女と交わりたいと思わないの?」
「え、だ、だって俺・・・」
戸惑う猿に雉姐はゆっくりと近づいて寝そべるようにうながしました。
お腹を撫で首筋を甘噛みして猿の行動を操ると今度は犬姫を手招きします。
「犬姫ちゃん、猿ちゃんの上に乗って。
 後はいつも通りでいいから・・・。
 桃太郎さんは犬姫ちゃんと交わるだけでいいわ。
 あとは任せて」
犬姫が戸惑いながらも猿の上に四つん這いになると雉姐はにっこりと笑いました。
335桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/24(火) 18:24:16 ID:NdEZkuPv

浅黒くしなやかな肌の上に透き通るように白い肌が重なりました。
対照的な色のふくらみが互いに形を歪め合い一つになっていきます。
浅黒い肌の中で唯一、仕切ったように白い恥丘の上に
丸く幼い尻が突き出されています。
その扇情的な光景に桃太郎は息を呑みました。
桃色に濡れて誘う犬姫の割れ目から垂れる涎が猿の下腹部へ滴り落ちているのです。
桃太郎は犬姫の腰を掴むとゆっくりと腰を押し当てました。
「あっはぁっ・・!」
重ねていた唇をずらし犬姫が悩ましい声を上げます。
抱きしめた体の急激な変化に猿は戸惑うことしか出来ませんでした。
犬姫の美しい顔が悦びに歪んでいます。
桃太郎が突き入れるたびに犬姫の柔らかな体が押し付けられ
その動きが自分にも伝わってきました。
猿はまるで自分が抱かれているかのような錯覚に陥っていました。
視界には桃太郎の顔しか映っていないおらず
体は桃太郎の動きの合わせて揺らされ耳元では犬姫のあえぎがうるさく聞こえてきます。
なんて気持ちよさそうなんだろう、猿は犬姫が少し羨ましく思えました。
それで猿は嫉妬している自分に気がつきました。
毎晩のように覚えていたものとは違うもっと心の奥から湧いてくるような嫉妬です。
犬姫と交われる桃太郎が羨ましくて嫉妬していたのに
今、猿が抱いたものは犬姫への嫉妬でした。
「んっ・・んっ・・んっ・・」
犬姫の尻がぺしぺしと打ち据えられる音に混じって
二つのあえぎ声が小屋の中に響いています。
一つは犬姫の、もう一つは雉姐のです。
雉姐はつがう二人の姿、特に攻め立てられている犬姫の姿を見ながら
自らの秘所を指で掻き回しています。
「もう駄目!いっちゃうっ!あぁん、わたしもうだめぇ・・・!」
雉姐が一際高く鳴きました。
三人の女の匂いが混ざり合う小屋の中で桃太郎は犬姫の中に子種を注ぎ込むのでした。
336桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/24(火) 18:25:02 ID:NdEZkuPv

「はぁっ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・」
膣の中に精液を注がれた犬姫はぐったりと猿の上に倒れこみました。
それを受け止めた猿は複雑な表情で桃太郎を見ていました。
今確かに猿は犬姫を抱いていて、同時に桃太郎に抱かれていました。
だけど、本当には抱かれていないのです。
「ねえ、次はわたくしですわよね?」
粘液で汚れた逸物を掴み雉姐が桃太郎にしなだれかかります。
「わたくしもう我慢できなくて・・・」
言葉を最後まで言い切ることなく雉姐は桃太郎の口を吸います。
その大きな胸に桃太郎の手が伸び揉みしだく様を見て
猿は犬姫をそっと横にずらし床に寝せました。
「ああんっ・・そこぉ・・」
嬌声をあげる雉姐の胸を弄ぶ腕を猿の両手が掴みました。
「・・・俺も・・・俺にも・・・・・・・・・・・・・・・・して・・・」
恥ずかしくて顔も上げられないまま、かすれた声が猿の口から出ます。
「猿・・・」
動きを止めた桃太郎が呟きます。
「・・いいのか?」
桃太郎がこちらに向いた気配を感じ猿はこくんと頷きました。
「あらあら、しょうがないわねぇ・・・」
言葉とは裏腹に何故か嬉しそうな雉姐が猿の肩を抱きました。
「いいわ、譲ったげる。
 でも、身体を慣らす準備はしないとね」
「ひゃっ・・!」
雉姐は猿を後ろから抱きしめると床にお尻をつけました。
そして抱え込んだ猿の胸に手を伸ばします。
「あっ・・・」
「桃太郎さんも猿ちゃんの胸を触ってあげて」
言われるまでもなく桃太郎は猿のささやかなふくらみに手を伸ばしました。
くにくにとしたおっぱいは犬姫のよりも少しだけ固く芯があります。
337桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/24(火) 18:25:51 ID:NdEZkuPv

「いっ・・」
「あ、すまん」
思わず強く掴んでしまい猿の顔が歪みます。
桃太郎はもう片方のおっぱいをいじる雉姐の手つきを真似して
優しく優しく猿の胸をなで始めました。
「ぁ・・・」
薄紅色の乳頭を桃太郎のが軽く掻くと猿の身体が小さく揺れました。
それを猿が嫌がっていない事に気付き桃太郎は繰り返し乳頭を苛めます。
「桃太郎さん、あそこの方も触ってあげて」
桃太郎は頷くと猿の合わされた膝を持ちました。
「怖がらなくていい」
桃太郎が優しい声を出すと猿の頑なだった膝がゆっくりと開かれていきます。
「そっとよ、そっと。指を濡らしてね」
雉姐の助言を聞き、桃太郎は指を舐めてからそっと猿の秘貝に触れました。
「あっ・・・!」
びくんと跳ねる猿の身体を雉姐が押さえます。
桃太郎の指は猿の陰核を割れ目の中から見つけ出し撫で始めました。
「うふふ、可愛いわねぇ・・」
猿が歯を食いしばり陰核を撫でられる感覚に耐えていると
雉姐までもが秘所に手を伸ばしてきました。
陰核を桃太郎に撫でられ膣口を雉姐につっつかれ猿の腰が浮いていきます。
にちゃにちゃと自らの出す汁をかき回す音を掻き消すように
猿の口からうめき声が漏れて始めました。
「キジ・・離してくれ。
 もういいだろ」
痴態をみるだけでは我慢できなくなった桃太郎は雉姐をどかし猿の腰を掴みました。
出したばかりにも関わらずもう既に張り裂けそうなほど膨張したものを
猿の入り口へとあてがいます。
「いくぞ」
「うん・・・」
猿の弱々しい返事を聞くと桃太郎はゆっくりと侵入させていきました。
338桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/24(火) 18:26:59 ID:NdEZkuPv

「うぅ〜・・・」
桃太郎が入ってくると猿がうめくような声を出します。
「痛いか?」
桃太郎が訊くと猿は顔をふるふると横に動かします。
「だいじょ・・ぶ・・」
その言葉を信じ桃太郎は一気に最奥へと突き入れます。
身体をがくがくと突かれ揺らされ猿は桃太郎にしがみつきました。
「あぁん・・すてき・・・」
雉姐はそんな猿の姿を見てまた自分で慰めています。
「くぅっ・・・」
猿は襲い来る感覚の渦から耐えようと桃太郎の首に腕をまわしました。
下半身から突かれる圧迫感、
押し広げられる痛み、
甘い痺れと優しい温もり。
それらが混ざり合って猿の心に押し寄せてきます。
ふと気が付くと犬姫が起きてきていました。
初めて心を焦がした女が男と交わっている自分を見下ろしています。
その瞳を見た時、猿は自分が何かを失った事を知りました。
惚れた女の前で犯されているのに恥ずかしいとすら思わなかったのです。
しかし、後悔はありませんでした。
堕ちていく感覚が快感として心に染みていきます。
「あっ・・・そこっ・・・」
桃太郎が動く度に猿の頭の中から思考が消えていきます。
桃太郎から放たれるオスの匂いが鼻の奥にねっとりと纏わりついてきます。
身体の中から痺れるような感覚が拡散していき頭の中にまで広がっていきます。
「そこだめっ!・・・ぁ・・・・めぇ・・」
猿がせつない声を上げて痙攣しました。
猿に遅れて桃太郎も絶頂に達し精液を注ぎ込みます。
桃太郎にしがみついた猿がほんの少し微笑みました。
339桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/24(火) 18:27:59 ID:NdEZkuPv

桃源郷から帰ってきた時、桃太郎はまだ抱きしめてくれていました。
猿は戻ってきた五感でその事に気付くと心が暖かくなっていきました。
お腹の中が熱く感じられ、交わった事を再確認すると猿は喜びに包まれました。
猿の心の中にはもうどこにも孤独はありません。
優しく抱いてくれている桃太郎と、羨ましそうに見ている犬姫や雉姐とも
もう他人ではない、もうひとりぼっちじゃないんだなと思うと
嬉しくて誇らしくて頼もしくて猿は知らずの内に顔をほころばせました。
「何わらってんのー?
 もう交代してよー」
「ちょっと、次はわたしよ。
 ですよね?桃太郎さん」
犬姫と雉姐が詰め寄って来ます。
猿は二人を見て笑いました。
そしてその後にふと自分も二人と同じくらいおかしいと気付きました。
(狂人達の仲間はやっぱり狂人だ。
 好きな人が二人いてそれは女と男だなんて・・・)
猿は自嘲するような笑みを浮べると桃太郎の顔を掴んで接吻しました。
「あっ、ずるーい!」
「ちょっとそろそろ離れなさいよ」
しかし、猿はなかなか桃太郎を離さず強い力で抱きしめて離しません。
「まったく・・仕方無い奴だな。
 ・・・もう一回か?」
桃太郎が訊ねると猿は恥ずかしそうに微笑んで小さく頷きました。
桃太郎が再度腰を動かし始め猿の身体がぬちゃぬちゃと下品な音を立て始めます。
「あー、順番守ってよー!」
「もー!わたし我慢できませんわ!
 貝合わせして待ってるから次は絶対にわたしですわよ!
 犬姫ちゃん来なさい!」
雉姐はふくれていた犬姫を押し倒し股に股を擦りつけています。
息苦しいほどに卑猥な匂いに包まれてこの日、四人は仲間になったのでした。
340桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/05/24(火) 18:29:56 ID:NdEZkuPv
雉編投下終了。
あと鬼が島編で完結する予定です。
感想くれた方ありがとうございます。
341名無しさん@ピンキー:2005/05/24(火) 19:21:48 ID:MY/8RUvZ
すげー!ブラボー
342名無しさん@ピンキー:2005/05/24(火) 20:39:11 ID:uE+90RvD
面白いしエロいしGJ!
343名無しさん@ピンキー:2005/05/25(水) 00:34:05 ID:WDc20WQq
GJすぎる驚愕
344名無しさん@ピンキー:2005/05/31(火) 15:15:48 ID:jIQqsigv
GJ!! GJ!! GJ!!!
3P禿萌え〜〜!!!
345名無しさん@ピンキー:2005/05/31(火) 22:17:18 ID:+B+MUIhs
あ、4Pか。ネ申よすみません・・・orz
346名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 00:50:07 ID:/1+ZsCmR
神GJ!
続きも楽しみにしてます

このスレに投下する予定だった海底二万里のSSが妹に見つかった上に消された
鬱だ
347名無しさん@ピンキー:2005/06/03(金) 01:50:58 ID:ikCebXCn
>>346  …イ`


そして再び書くが良い。
348名無しさん@ピンキー:2005/06/10(金) 21:07:33 ID:gb8EKuU+
>>204モエス
349名無しさん@ピンキー:2005/06/10(金) 21:23:07 ID:4L/5XWyb
風神秘抄はまだですかー
350名無しさん@ピンキー:2005/06/11(土) 01:21:24 ID:UzDrs6//
ウォーターシップダウンのうさぎたちのエロSS投下
したいな
351名無しさん@ピンキー:2005/06/11(土) 02:06:39 ID:NC2hC7Y7
読む。それ超読む。
352名無しさん@ピンキー:2005/06/11(土) 10:48:03 ID:klzfL5SG
ぐりとぐらのエロSSを検討中。
353名無しさん@ピンキー:2005/06/11(土) 13:31:49 ID:gJK4IpG6
>352
ほめ子か?ほめ子なのか(*゚∀゚)?
354名無しさん@ピンキー:2005/06/11(土) 21:04:00 ID:F5sLbffJ
・・・ほめ子って?

いや、「ぐりとぐらとすみれちゃん」をパロディにしてって考えていたんだけど、
原作を完全にパロってみようとすると、ひどく下品になることに気が付いた。
自分のセンスが悪いだけなんだが。

失敗ついでに一文だけ晒しておく。

ぼくらの なまえは くりとぐら
このよで いちばん すきなのは
おまんこすること ハメること

ぐりぐらぐりぐら







                                どっとはらい
355名無しさん@ピンキー:2005/06/11(土) 21:04:49 ID:F5sLbffJ
しかも一カ所だけ、くりになっていた・・・ウチュ
356名無しさん@ピンキー:2005/06/12(日) 03:50:04 ID:pGBNYB/9
>352
ウホッ
357名無しさん@ピンキー:2005/07/06(水) 08:24:18 ID:aABWSfj+
保守
358名無しさん@ピンキー:2005/07/17(日) 15:20:54 ID:QfoajXSp
上げる
359名無しさん@ピンキー:2005/07/20(水) 02:43:08 ID:5q89Rz8h
桃太郎の続きマダー?
360名無しさん@ピンキー:2005/07/21(木) 00:08:23 ID:+Z4Qv6hm
同じく桃太郎キボン
361名無しさん@ピンキー:2005/07/23(土) 03:26:36 ID:xtDQpmg2
こころの主人公が女生徒だったらまじ萌える
362名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 13:43:28 ID:EuwCSeJr
誰かゲド戦記で書いてくれ
363名無しさん@ピンキー:2005/07/25(月) 14:48:30 ID:fJtnVNkq
ゲドは読みたいけど、原作でああもゲドはおじさんになってから童貞喪失と
書かれちゃ・・・








原作ねじ曲げてでも、おじさんおばさんでもいいから、ゲドとテナーきぼんぬ
他のカプでも勿論いい。禿しくゲド読みたいアヒャ
364名無しさん@ピンキー:2005/07/29(金) 01:30:32 ID:1hGz/GJ0
ゲドネタはアレだ、ほら、なんつったっけ、あの最終巻に出てきた、ツンデレ風味のお姫様
365桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/30(土) 14:33:51 ID:NO/Vj3IG
間をすごく空けてしまいましたが桃太郎の続き、鬼ヶ島編を投下します。
366桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/30(土) 14:34:24 ID:NO/Vj3IG

雉姐を一行に加えてから十日後。
桃太郎達は都へと足を踏み入れました。
雉姐がどうしても都でお洒落な着物を買いたいと言うし
桃太郎も猿も田舎者で都には興味がありましたから
異論を唱えるものもなくこうしてやってきたのでした。
ところがどうも想像したのと様子が違います。
都、と言う割にどうにも冴えない街でした。
「なんかしけてない?」
猿の言葉には誰も返しませんでしたがそれは反論も無いという事に他なりません。
「あれは家か?」
桃太郎が指差したのは隙間もないほど密集した建物です。
桃太郎が知っている家というともう少し大きく一軒一軒が離れて建っているものだったので
姿形が家のようでも本当に家なのか疑わしく思えたのです。
「まあ、家なんじゃないの?」
「ふうむ、都の家は変わっているのう。
 火がつけばよく燃えそうだ」
桃太郎がそう言うと猿の顔ににやついた笑みが浮かびました。
「何を笑っている」
「いや、都を見て最初に思うのが、よく燃えそうだなんて
 桃太郎さんは火付け盗賊の見本みたいな人だなとおもって」
どこか甘えた響きを残して猿は軽口を叩きます。
「誰が火付け盗賊だ!」
「あたっ!」
ペシっと軽く叩かれて猿がお尻を押さえました。
「ねえねえ、そんなことよりも着物ってどこで売ってるんですの?」
雉姐が少し不安げな声を出しました。
「まさかここには無いなんて事は・・」
「そりゃさすがに無いんじゃないの?
 みんな暗いけど人はいっぱいいるみたいだしさ」
猿が適当な慰めの言葉を出しているとガラの悪い男達が近寄ってきました。
367桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/30(土) 14:35:32 ID:NO/Vj3IG

「おう兄ちゃん!
 いい女連れてるじゃねえか」
「へへ、おいら達にもちっと分けてくれねえか」
雰囲気が暗いこの都にはお似合いといった風情の輩が桃太郎にすごんできました。
「はぁ・・・」
やれやれまたか、と猿は嘆息を漏らしました。
彼女達にはいつもの事です。
女三人に男一人という組み合わせは相当やっかみをかうようで
この旅で出会った男達は大抵このような行動に出てくるのです。
それも仕方無いといえば仕方無いのかもしれません。
犬姫の見目麗しさと言ったら夢物語のようで
雉姐は豊満な胸を半ば露出して見事な肢体を見せびらかしていますし
猿は少年の格好をしていながら紛れも無く可愛らしい少女で倒錯的な色気を放っています。
その上、唯一の男の桃太郎は見た目だけでは少々大きめなだけの優男です。
まさか、犬姫の手を掴もうとしただけの理由で殴りつけるような男には見えません。
「て、てめえ、俺の連れに何しやがる!」
猿は地面に突っ伏した男を見て
(ああ、桃太郎さんは俺を殴った時一応は手加減してたんだな)
と思いました。
何故なら倒れた男は血と一緒に歯を吹きだしていたからです。
「私の連れにちょっかいをかけておいて何をするだと・・・・?
 それは私が言うべき事ではないか!」
続けざまに桃太郎は男の仲間を殴り失神させました。
多分、失神です。
鼻が曲がり血が溢れ白目を向いてぴくりとも動かなくなりました。
「ひっ・・ひィ〜!」
倒れた二人の連れは何か恐ろしい者でも見たかのように逃げていきました。
「おっ、こいつらちんぴらのくせに金持ってるよ」
地面に倒れている男二人の懐から小さな袋を獲って猿が立ち上がりました。
この方式で桃太郎達は旅の間荒稼ぎして大分貯め込んでいたのでした。
368桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/30(土) 14:36:28 ID:NO/Vj3IG

「全く都というのも物騒なものだな」
「ほんとほんと」
「ボク怖かったぁ、ももたろさん抱っこして」
桃太郎は薄く微笑んで犬姫の肩に手を置きました。
「猿ちゃんどうしたの?
 なんか楽しそうね」
「い、いや、なんでもないよ」
「そう?」
雉姐が不思議そうな顔しつつもまた着物屋を探してキョロキョロしだすと
猿は桃太郎の後姿を見てまたにやにやし始めました。
猿が笑っているのは桃太郎が刀を抜かなかったからでした。
猿は桃太郎に相手が無法者でも無闇に殺さないようにと言った事があるのです。
痛めつけるだけなら旅のものをわざわざ追いかける者も少ないですが
殺してしまうと仇討ちとして地の果てまでも追いかけてくる者もいます。
それを心配して言ったのを聞き入れてくれた事に喜んでいたのでした。
「そろそろ行こうぜ。
 こいつらの仲間が来たら面倒だし、歩きながらの方がお店も見つけやすいよ」
「そうだな」
桃太郎がそう言って歩き出すと遠巻きに見ていた町人達が一斉に顔を反らしました。
しかし、桃太郎達が通り過ぎるとその後ろ姿を食い入るように見ています。
「あ、あれ、着物売ってる店じゃない?
 いきましょうよ!」
雉姐が元雉らしい視力で目ざとく店を見つけると犬姫がお腹を押さえました。
「えー!? ご飯食べてからにしない? ボクお腹空いたよー」
振り向いて見てみると桃太郎が見るからに困っていたので猿は口を開きました。
「いや、先に着る物買いに行こうよ。
 雉姐に普通の格好して貰わないとまた絡まれるしさ」
「そうよねえ、猿ちゃんだって女の子だもん。
 お洒落な着物着たいよねえ」
「お、俺は別にっ・・」
猿の反論は声にもならず押し付けられた雉姐の胸の谷間に消えていきました。
369桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/30(土) 14:37:47 ID:NO/Vj3IG

結局、桃太郎達は猿の言葉に従って先に反物屋に入る事にしました。
犬姫は面白く無さそうですがこの中では猿が一番世慣れているので意見も重用されるのです。
犬姫はいつも桃太郎の事か飯の事しか言いませんし
雉姐は人間の事をよく見てきて詳しいなんて言う割りに詳しいのは色事ばかりです。
桃太郎は仲間には優しいのですが他人の事をほとんど考えてません。
鄙びた山で育ったはぐれ山賊である猿でも、この中では常識人なのです。
「わぁ〜!」
色鮮やかな反物を見て顔を輝かせている雉姐に続いて桃太郎達も店に入りました。
雉姐が反物を見るような目で店の中にいた娘達も店主らしき旦那も桃太郎達を見ています。
「店主、この娘達に着物を見繕ってくれ」
「はっ、はい只今!」
ぽかーんと口を開けて見ていた店主の親父と店員の娘が慌てて走ってきました。
「大体一つ作るのにいくらぐらい?」
唯一、金の価値を知っている猿が店主に尋ねます。
その間にもう雉姐は早速店の奥まで行って着物や反物を見てはしゃいでいます。
「それはもうピンからキリまでですが
 お嬢様がたのような美人さんに釣り合う良い物ですとこれぐらいは・・・」
そういって店主がそろばんをはじきます。
「うーん・・・、桃太郎さんどれくらいこの都にいる?
 ここじゃ野宿ってわけにもいかないだろうし・・・」
「足りんのか?」
手持ちがいくらかも把握していない桃太郎が猿の頭越しに巾着袋を覗き込みました。
「どのくらいここにいるかだけど・・宿賃がそんなに余裕無い感じ」
「それなら心配しなくても良い。
 どうにかしよう」
(どうにかって、どうせまた物騒な事考えてるんだろうな・・・)
これまで金を稼いできたのも色香に惑わされた男達から暴力で巻き上げてきたのです。
370桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/30(土) 14:39:09 ID:NO/Vj3IG

「まあいいや、雉姐二つまでにしといてよ。
 ・・・ほら、犬姫も行って来いよ」
「んー・・ボクよくわかんないから・・」
猿が桃太郎にぶら下がっている犬姫に声をかけると雉姐も声をかけてきました。
「あら、いいの?
 綺麗な服着てた方が可愛がってもらえるのに」
「そうなの? 」
犬姫は店主や娘達の目も気にせず桃太郎を見上げます。
「・・そうだな」
「じゃあ、ボクも欲しい!」
「ほら、あんたも来なさいよ」
元気に走っていく犬姫を見ていた所を雉姐に誘われ猿は困惑しました。
「い、いや、俺はいいよ。
 よくわかんねーし、この格好のが気楽でいい」
「いいから来なさいって」
「いいよ、いらないって。
 俺は二人みたいに似あわねえし着飾る趣味もねえの」
あくまで断る猿の肩に桃太郎の手がぽんと置かれました。
「いいじゃないか。
 私はちゃんと可愛い着物を纏ったお前も見てみたい」
思いっきり顔を赤く染めて桃太郎が囁きました。
それで桃太郎がどれだけ恥ずかしさを堪えていったのか気付き、猿は仕方なく頷きました。
「まーたもう。
 桃太郎さんが言ったら聞くんだから」
「ち、違うって!
 そういうんじゃないよ!」
「いーのよ照れなくったって、助平猿」
「そうだそうだ、助平猿」
猿が顔を真っ赤にして反論しつつもちゃんと反物を選びに行くと
桃太郎はふぅと息を吐きました。
必要にせまられてではありますが、最近では桃太郎も気を使う事があるのです。
371桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/30(土) 14:40:18 ID:NO/Vj3IG

桃太郎達が旅籠に入った頃もう日も暮れかけていました。
それは着物を買うのにたっぷりと時間をかけたせいでもありましたが
それ以上に旅籠が見つからなかったからです。
それなりに大きな都であるにも関わらず何故だか旅籠が他に見当たらなかったのです。
まあ、それでもなんとか旅籠を見つけると、桃太郎達は手厚い歓迎を受けました。
どうやら他に客がいないらしく四人では広すぎるほどの二階部屋に通され、
泳げるほど大きな風呂は貸切で、運ばれてきた夕餉は大変なご馳走でした。
「自分で作らないで済むのって楽でいいな」
膳が並べられた時、猿はそう言いました。
犬姫はお腹が減りすぎて半泣きだったものですから早々にかきこんでいます。
雉姐は憧れだった着物を買えたことがよほど嬉しかったらしく
まだうっとりとしていて箸がすすんでいません。
そして桃太郎はというと窓際に座り外を見下ろしています。
「もし、ちょっと訊きたい事があるのだが」
「はっ、はい!」
桃太郎が声をかけると夕餉を運んできた若い女中が顔を輝かせて駆け寄ってきます。
「あれは一体なんだ? あの大きな水溜り・・・海では無さそうだが」
「あれは・・・」
桃太郎が指差した先を見ると女中は顔を曇らせました。
「・・・どうしたのだ」
女中は部屋をきょろきょろと見渡しお盆を抱くと畳に座って桃太郎ににじり寄りました。
「これ、うちから聞いたって言わんとって下さいね」
桃太郎がうなずくと女中は耳にかじりつかんばかりに顔を近づけて囁き始めます。
「あれ、鬼ヶ島言うてこの街の長が住んでる所なんです。
 お堀が広すぎて真中にあるお館が湖に浮かぶ島に見えるから鬼ヶ島って・・」
「鬼ヶ島・・・」
桃太郎は女中の発した言葉を繰ると体を女中の方へと向きなおしました。
「その話、もう少し詳しく話して貰おうか」
372桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/30(土) 14:41:31 ID:NO/Vj3IG

「何を見てらっしゃるのです?」
雉姐は窓に肘をついて飽くことなく外を眺めている桃太郎の傍へ歩み寄りました。
「うむ・・見てみろ」
そう言うと桃太郎は雉姐の腕を引っ張り、小さな悲鳴を上げた主を胡座の上に抱え込みました。
風呂上がりの上気した肌はつやつやと、桃太郎の鼻腔をくすぐる匂いを漂わせています。
「あそこに大きな水溜りがあるだろう?」
桃太郎に言われて雉も窓の外を見ました。
「海・・・ですか?」
「海では無い。
 海というのは潮というのがある」
そう言いながら桃太郎は雉姐の懐に手を差し入れました。
「あっ・・・」
雉姐の体から力が抜け桃太郎へしなだれかかります。
「あれは鬼ヶ島というものだそうだ。
 この都の長が住んでいるらしい・・・」
「お、おに・・がしま・・?」
桃太郎がいつになく激しく乳房を揉みさするので雉姐の息が荒くはずんでいます。
「そう・・鬼が住んでいる島。
 そう言う意味だそうだ」
「ぁふぅっ・・」
桃太郎と雉姐の会話が聞こえると布団に包まりゴロゴロ転がって遊んでいた犬姫と猿が顔を向けました。
「おにって・・・・・鬼!?
 桃太郎さんが探してた!?」
「・・・私が探していた鬼かはわからないがな」
思わず立ち上がった猿は桃太郎の態度に首を傾げました。
今まで手がかりすら無かった鬼の情報を手に入れたのに全く嬉しそうではないのです。
「どうか・・したの?」
「・・いや、なんでもない。
 酒を頼んでくれ、祝杯をあげよう」
そう言った桃太郎がいつもの能天気な笑顔を見せたので猿は少し不思議に思いながらも頷きました。
373桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/30(土) 14:42:32 ID:NO/Vj3IG

「ぁうっ・・ん・・・」
油明りだけの薄暗い部屋に雉姐のせつなげな声が響きわたります。
桃太郎は酒を飲み始めてからも雉姐を解放せず、ずっと乳房を弄りまわしていました。
「ぁっ・・」
桃太郎は酒をあおると酒の肴に雉姐の乳房に吸い付きます。
既に雉姐の体には浴衣は帯びの周りにくしゃくしゃと纏められていてほとんど裸を曝け出していました。
「あぁぁぁ・・・」
柔らかな丘をべろべろと舐めまわし酒気を乳首にすり込むとまた酒を飲む。
それの繰り返しです。
そのせいで一滴も口にしていないにも関わらず雉姐の体は白い肌をほんのりと朱に染めています。
「ももたろさぁん・・・ボクも・・・」
指を咥えて見ていた犬姫が遂に我慢できなくなって甘えた声を出しました。
「ほれ」
すると桃太郎はそう言って肴として出てきた炙り烏賊を犬姫の前に突き出しました。
犬姫は目の前に差し出された烏賊をぱくりと頬張り、すぐに「しまった」と思いました。
口の中に烏賊を入れられては上手く文句も言えません。
それに気付いて犬姫が憮然とした顔で烏賊を噛み始めると桃太郎は愉快そうに笑いました。
「むー・・・」
犬姫がふくれてるいると雉姐が体を預けながら桃太郎の口に唇をつけました。
「抱いて・・もっと強く・・・もっと・・・」
雉姐は苦しそうに声を出すととろんとした目つきで桃太郎の唇に吸い付きました。
柔らかな体を押し付けながら雉姐は桃太郎の口の中を舐めまわしました。
「む・・ん・・・どうした?
 今日はまた随分と激しい・・・」
桃太郎がまだ言葉を言い切らないうちに雉姐は堪えきれないと言った様子で唇を押し付けました。
むちゅむちゅと唾液と空気を絡ませる音を部屋に響かせると雉姐は桃太郎を抱きしめました。
「桃太郎さん・・今度はわたくしの番ですわよね・・・」
乱れた息を桃太郎の首にかけると雉姐はしなやかな指をふんどしの盛り上がった部分へ絡めました。
桃太郎がぴくんと反応したのにうっすらと笑みを浮べ、筋肉ではちきれそうな胸板へ唇を押し当てます。
革をなめしたような桃太郎の腹を口で撫でまわすと雉姐はふんどしを解いてしまいました。
374桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/30(土) 14:43:30 ID:NO/Vj3IG

そして、緩んだふんどしから顔を覗かせる半勃ちの竿を指でからめとると摩り始めました。
「う・・むう・・・」
そして桃太郎の顔をちらりと一瞥するとゆっくりと顔を沈め
猛った逸物を口の中へと頬張ってしまいました。
「・・・・!?」
「きっ、雉姐ェ!?」
「うそ・・・・」
桃太郎だけでなく大人しく順番を待っていた犬姫と猿も雉姐のとった行動に驚き絶句しました。
「これ・・お嫌い・・?」
先端に唇をつけたまま雉姐が囁きました。
「い、いや、驚いてな・・」
「んふふ・・・前に何度かこうしてた男女を見た事あるんです・・
 その時は汚いなんて思ったけど・・・でも・・桃太郎さまのものなら・・・」
そう言うと雉姐はまた桃太郎のものを口に収めてしまいました。
そして今度はそれだけに止まらずじゅるじゅると音をたてて舐め始めます。
猛ったものを喉の奥でしごき、溢れ出る透明な汁を吸い、
舌は絡みつくように桃太郎をねぶりあげます。
「ももたろさん・・・き、気持ち良いの?」
目を丸くしていた犬姫と猿もいつのまにか近くに寄ってきています。
「あっ、ああ・・・」
桃太郎の顔を見てなんとなく察すると二人は雉姐の口を凝視しています。
「くぅっ・・」
思いもよらなかった責めに桃太郎はすぐに出してしまいました。
しかし雉姐は口を離しません。
精液を飲み干してしまうと蕎麦をすするように吸い付きます。
頬の内側の粘膜を先端にこすりつけ精液を搾り出しゆっくりと口を離しました。
375桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/30(土) 14:44:39 ID:NO/Vj3IG

「お汁は・・・?」
不思議そうに見つめる犬姫と猿に雉姐はにこっと微笑みました。
「まさか・・の、飲んだの?」
雉姐がうなずくと犬姫は目を見開き猿は唾をごくんと飲み込みました。
「せっかくのお座敷を汚すわけにはいかないでしょ?」
雉姐は桃太郎の方へと向き直ると力なく横たわる逸物を手にとりました。
そして、また屈んで顔を沈めようとすると
「あーっ! ずるい! 次はボクだよ!」
と言って犬姫が割り込んできて桃太郎の逸物に手を伸ばしました。
しかし、先に掴んでいた雉姐も離そうとはしません。
「今日はわたしに頂戴!
 いつも譲ってあげてるんだから!」
雉姐が大きな声をあげると犬姫は目を大きく開きました。
「ど、どうしたの?」
犬姫の代わりに猿が問い掛けると雉姐は呆けた顔をして中空を見上げました。
「・・あんな綺麗な着物に囲まれてどれを着るか選んでいいなんて・・
 ・・思い出すだけで胸がきゅんとなる・・・わたし今日ほど生まれてきて良かったと思ったことない。
 それもこれも全部桃太郎さんのおかげなのよ・・・
 そう思うともう・・桃太郎さんが欲しくてたまらなくなって・・」
「う・・く・・そ、そう思うなら・・は、離してくれ」
顔を歪めた桃太郎が悲痛な声を上げると雉姐は慌てて握り締めていた逸物を離しました。
「あ、あら・・ごめんなさい・・」
そう言うとそ〜っと桃太郎の顔を見上げました。
「あ、あの・・」
「・・ふふ・・いいよ、来い。
 その代わり自分で挿れるんだ」
「はいっ!」
雉姐は顔を輝かせると桃太郎に抱きつき腰を浮かせました。
376桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/30(土) 14:45:51 ID:NO/Vj3IG

豊かな乳房を桃太郎の顔に押し付けるようにゆさゆさと揺らし場所を探ります。
「やんっ・・あっ・・」
桃太郎が逸物を手で動かすと挿れそこなった雉姐から艶やかな声があがります。
「もうっ・・いじわるしないでく・・ぁんっ!」
ようやく探り当てた途端、突き上げられた雉姐が小刻みに震えます。
「くふぅ・・・」
深々とつき立てられた異物が雉姐から息を吐かせます。
ふうふうと荒い息が整ってくると汗ばんだ肌が薄暗い部屋で揺らめき始めました。
「んくっ・・くぅっ・・・・」
ぐいぐいと腰を押し付け回す雉姐の動きにある法則を見つけると桃太郎は微笑みました。
「ひゃんっ!」
目の前で踊る乳房を鷲掴みにすると浮き出た鎖骨に唇をつけ雉姐の動きを止めてしまいました。
そして、そのまま背中に手をまわして雉姐を押し倒しました
「ひゃっ・・!」
驚く雉姐を見下ろし桃太郎は囁きました。
「ここか?」
その言葉が吐かれると同時に肉棒が雉姐の胎を抉り始めました。
「くあっ・・!」
弱い部分を悟られてしまった雉姐はもはや声を上げる事もままなりません。
ただ、背を反らし悶えて桃太郎の動きを受け入れるしかありませんでした。
その様子に満足した桃太郎はさらに激しさを増して雉姐の胎を責め立てました。
「あ・・・あ・・・あ・・・」
雉姐の口から千切れた悲鳴が上がり、同時に動きが止まってしまいました。
その瞳からは光が消え口は涎と小さな音を垂れ流すばかりです。
「うっ・・」
遅れて桃太郎も果てましたが雉姐はそれすらも気付かない様子です。
377桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/30(土) 14:47:16 ID:NO/Vj3IG

「ん・・終わった?」
猿と接吻したり乳房を弄りあったりして待っていた犬姫が顔を向けました。
「はぁ・・・はぁ・・・まだ・・だめ・・・」
顔を向けずに雉姐が呟きました。
「桃太郎さん・・まだ抜かないでください・・・」
かすれ声でそう言うと雉姐は犬姫達の方へ顔を向けました。
「ねえ、桃太郎さんがわたしから抜いたら・・・舐めとってくれる?」
「舐めとるって・・・何を?」
本当にわからなくて猿は聞き返しました。
「わたしのあそこ・・つまり・・あそこと・・桃太郎さんのあれよ・・
 この部屋汚すわけにいかないでしょ?」
「え・・・!?」
ようやく何を言っているのか悟り猿の顔が驚きで染まりました。
「じゃあ・・」
返事も待たずに桃太郎は雉姐から引き抜いてしまいました。
すると犬姫は躊躇なく桃太郎の逸物を口に咥えてしまいました。
「うわっ・・・!」
「猿ちゃん驚いてないでわたしのを・・」
そう言われて猿は雉姐の足元へおずおずと近づいていきました。
「うっ・・」
惜しげもなく開かれた秘部は赤く光る肉まで晒し白い汁が溢れ出ています。
小便を出す場所に、交わる場所に、あれが出入りする場所に口をつける。
その事に抵抗と、妙な背徳感を覚えつつ猿は顔を近づけました。
むわっとした匂いのある熱気が猿の顔を包みます。
(仕方なく・・仕方なくなんだ・・・これは・・)
そう自分に言い聞かせると猿はゆっくりと雉姐のそこへと口をつけました。
「ぁ・・」
そこはびっしょりと濡れていて妙に熱く、まろやかに酸い匂いがしました。
その上、溢れ出てくる液体は生臭くねばねばと猿の舌を困らせます。
(ここに桃太郎さんのが出入りしてたんだ・・・)
そう思いながらずるずると精をすすると猿の胸に吐き気と妙な熱が溢れてくるのでした。
「うぇ〜っ・・くっせー・・・」
吸い出したものを出す場所もなく、仕方なく飲み込んだ猿が顔をしかめました。
「お前平気なのかよ?」
猿と同じように精を飲んだはずの犬姫は平然としています。
「うん、桃太郎さんのだもんっ」
(・・・直接飲むと違うのかな・・・)
不思議に思いながらも猿は部屋を見渡しました。
「桃太郎さん、貰っていい?」
「あ、ああ。
 だが、お前飲んだこと・・・」
喉にひっかかる精を流し込む為、猿は徳利を煽りました。
飲んだ事も無い酒が入っている事も忘れて。
「@%#$&・・・・!」
猿の手から離れた徳利が畳みの上に落ち、ころころと転がっていきます。
「さ、猿!?」
「猿ちゃん!?」
三人の声を遠くに聞きながら猿は意識を手放しました。
378桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/30(土) 14:48:12 ID:NO/Vj3IG
長いので分けます。
続きは明日投下します。
379名無しさん@ピンキー:2005/07/30(土) 16:01:41 ID:n5/DkkDS
GJ!!!!
皆可愛い〜(*´∀`*)!

続き楽しみにお待ちしてます!!
380名無しさん@ピンキー:2005/07/30(土) 20:52:23 ID:fuF4OvIL
猿ちゃんに萌えです
良作age
381桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/31(日) 13:20:10 ID:20qYnvjQ

……桃太郎さん……………………………
……………桃太郎さん…………起きて……
「ん〜・・・?」
体を揺すられる感覚に桃太郎は眠りから覚めました。
寝ている時でも隙は見せたくないと思っているらしく
普段の桃太郎は相当に目覚めがいいのですが今日はそうでもないようです。
「ふあぁ・・・」
大きなあくびをして枕の柔らかさを味わっている桃太郎に囁き声が聞こえてきました。
「・・・桃太郎さんってば・・!
 ・・起きてよぉ・・・!」
その声に切羽詰ったような響きがあり桃太郎はゆっくりと目を開きました。
「おっ・・!」
目を開けると鼻がくっつき合うほど間近に猿の顔があり桃太郎は少し驚きました。
「桃太郎さん・・・」
「どうした?
 何故そんな泣きそうな顔をしている」
桃太郎がそう言うと猿はますます泣きそうな顔になりました。
「あ・・その・・あの・・・・」
もじもじと言いよどむ猿の頭に桃太郎は布団から出した腕を乗せました。
そして、ぐっと力を入れて引き寄せます。
「んっ・・・」
猿の震える唇に桃太郎の口が合わさります。
猿のささやかな抵抗を無視してひとしきり口を舐めまわすと桃太郎は微笑みました。
「これで口もほぐれただろう?
 どうしたんだ?」
「う、うん」
桃太郎の優しい口調に安心し猿の表情が幾分和らぎました。
382桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/31(日) 13:21:02 ID:20qYnvjQ

「あの・・俺・・おしっこして・・・」
「厠に行きたいのか?」
「ち、ちがう!・・・その・・・もう・・・」
鼻が擦りあわされるほど近い顔がはにかむのを見て桃太郎はぴんと来ました。
「おねしょ、か」
「う・・うん・・・・あの、それでどうしたらいいのかわかんなくて・・」
桃太郎は布団を剥いで体を起こすとすぐに立ち上がりました。
呆然と見上げる猿の肩に手を置いて窓の方へ顔を向けました。
「朝・・・というにはまだ早いか」
窓からみえる空はようやく白くなり始めたという感じです。
桃太郎は外から薄暗い室内へと視線を移しました。
犬姫の布団はこんもりと盛り上がっているだけで誰の姿も見えません。
布団の使い方を分かってないので真中で布団に包まって寝ているのです。
雉姉はというと更に酷く、畳の上で解けた浴衣から乳を放り出しています。
桃太郎は顔をほころばせるともう一つの布団へと目を向けました。
猿が寝ていたはずのそこには確かに黒く濡れた染みが広がっています。
「ほう、あれか」
「う、うん・・・どうしよう・・布団代とか・・・」
不安げな表情で見上げる猿の頭に桃太郎の大きな手が乗せられました。
「ふふっ、そんなものはどうでもいいさ。
 さ、お前は風呂に行って体を洗って来い。
 布団は私が何とかしておく」
「えっ・・・・」
「さあ。そのままにしておくと痒くなるぞ」
そううながされ猿は風呂へ身体を洗いにいきました。
383桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/31(日) 13:21:56 ID:20qYnvjQ

「ふぅ・・・」
短いため息が思ったよりうるさくて猿は少しだけ驚きました。
差し込む朝日を浴びてきらきら輝く水面だけが猿の目に映っていました。
昨晩は犬姫が泳ぎまわっていたほど広い湯船は
たった一人でつかっていると優越感よりもむしろ寂しさを感じてしまいます。
もう上がろうかと思い猿が立ち上がろうとした時、ガラガラと音を立て木戸が開きました。
「桃太郎さん!」
「おお、おったな」
開かれた戸から現れたのは全裸の桃太郎でした。
「そんな風に立ち上がっては丸見えだ。
 私じゃなかったらどうする」
少し咎めるような口調の桃太郎の声に猿は慌てて湯船につかり直しました。
「湯もあったとは良かったな」
「う、うん、昨日の残りみたいだからぬるいけど・・・」
そう言ってから猿は桃太郎が何か持っている事に気が付きました。
手ぬぐいかと思っていたのですがどうやらそうではありません。
「あーっ! それ俺のふんどし・・」
「うむ、脱衣所にあったでな。
 これも洗わないといけないだろう?」
「い、いいってば!」
猿は慌てて駆け寄ると桃太郎の持っているふんどしを掴みました。
しかし、桃太郎は離してくれません。
「ちょっ・・はなしてっ・・・・」
「何故だ、洗ってやるから湯船に戻りなさい」
ほんの少しの間、二人でふんどしを掴み合っていましたが
突然悲鳴を上げて猿は背を反らせて手を離しました。
こっそりと回り込んだ桃太郎の指に尻穴をつつかれた為です。
「ふふ、兵法の基本だ。
 二つ同時には守れない」
そう言うと桃太郎はふんどしを取り上げ恥ずかしがる猿を余所に洗い始めるのでした。
384桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/31(日) 13:23:50 ID:20qYnvjQ

「ぬるいな。
 朝にはちょうど良いかもしれんが」
「そうだね」
広々とした風呂場にたった二人だけという贅が嬉しそうなため息を吐かせます。
「・・・ねえ、桃太郎さん。布団どうしたの?」
「ん? 台所に女中がおったから頼んできた。
 こっそりと、犬や雉にばれないように替えてくれるそうだ」
「えっ!?そんな・・そうしたら新しい布団代とかかかるんじゃ・・・」
心配そうな声を出す猿を桃太郎はぐいっと引き寄せ抱きしめました。
「お主にはよく助けられているのだ。
 そのような事気にしなくても良い」
「桃太郎さ・・・んっ!」
優しい言葉をかけると桃太郎は猿の胸へと手を伸ばしました。
「あっ・・こんなとこで・・・ん・・」
さらに接吻で口を封じました。
むちゅむちゅと唇を食む音が風呂場に響き耳を愛撫します。
「うっ・・・・・」
慰めるつもりだった桃太郎も柔らかな肉を弄っているうちに血が上ってきて
まさぐる手の動きも激しさを増していきます。
あばらの浮いた体がぴーんと張って襲いくる快楽から耐えようとします。
「大分おっぱいが膨らんできたな」
ふにふにと軽く、そして執拗に揉みながら桃太郎は問い掛けました。
「そう・・?」
「ああ、今では犬より大きくなってないか?」
「ん・・・そういえばそうかも・・・」
言われて猿も自分の胸を見下ろします。
「なんか不思議・・・」
「不思議?」
「うん・・」
桃太郎に形を歪められているふくらみを見て猿は呟きました。
385桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/31(日) 13:25:20 ID:20qYnvjQ

「昔は俺がしたかった事を今はされる方ってのがさ・・
 いや桃太郎さんほど助平なこと思いつきもしなかったけどさ。
 もし機会があればしてやろうと思ってた事を自分の身体でされてるってのが・・なんか・・」
そう口に出した時、猿はふと心に引っかかるものを感じました。
ほんの少しの、しかし確実にある違和感。
その正体を突き止めようとした時、猿は思考を中断させられました。
逞しい指が猿の女の門を撫で始めたからです。
「んぁっ・・!」
不覚にも猿は胡座をかいていた為、守る方法もなく腰を浮かせました。
しかし、桃太郎は指を止めません。
入り口の周りをぐるぐると撫で、蜜口をつつきます。
「めっ・・お湯がっ・・・」
猿は桃太郎の指から逃れるように身を捩って抱きつきました。
柔らかい体の感触に満足し、ようやく桃太郎は指を止めました。
「ここで・・するの?」
「する」
「人が来るかもしれないしさ、部屋に戻ってからにしない?」
桃太郎は返事の代わりに猿の中で指を忙しく働かせて始めました。
「んぁっ・・わかった!わかったからもうっ!」
一際高い声が猿の口から放たれるとようやく桃太郎は指を引き抜きました。
「はぁ・・はぁ・・・」
荒い息を整えながら猿は桃太郎の身体を支えに立ち上がりました。
「ん・・・」
そして、おもむろに身体を反転させ浴槽の縁へ手を置きました。
「おぉ・・・」
目の前に突き出された締まった尻に桃太郎から感嘆の声が上がります。
「あ・・・」
桃太郎はその尻たぶを遠慮なしに両手で掴みました。
「も、桃太郎さん・・・?」
広げられた事で侵入を覚悟していた猿でしたが、いつもの感覚が中々入ってこようとしません。
386桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/31(日) 13:26:26 ID:20qYnvjQ

「・・何してんの?」
「見ておる」
「えっ!?」
驚いて首だけ振り返ると桃太郎はお尻をじいと凝視しています。
「こんな明るい所で見るのは初めてだからな」
「ちょっ・・止めてよ!」
猿も身を捩って抵抗しますが桃太郎の力に敵うはずもありません。
それで、猿は慌てて腕を尻と桃太郎の間に伸ばして隠してしまいました。
「・・見せてくれ」
「やだよ、恥ずかしい!」
「いつもあんな袖も裾も無い格好をしておるくせに。
 見せてくれてもいいではないか」
「犬姫か雉姐に見せて貰ってよ!
 あの二人なら喜んで見せてくれるって!」
「二人のも見るがお主のも見る!
 猿も分かるだろうこの気持ちが!」
ムキになって尻に怒鳴る桃太郎の言葉に猿はハッとなりました。
男なら女のそこは見たくて当然ですしずっとそうだったはずです、
それにも関わらず昨夜の自分を思い起こすとそうでは無かったのです。
雉姐の股を舐めさせられた時の感情はどうだったでしょう。
(俺、心まで女になってきてる・・・?)
「見せてくれるまで尻を離さんぞ!」
桃太郎が駄々ッ子のように宣言すると猿はため息を吐きました。
「わかったよ、もう・・・でも部屋に戻ってからね、このままじゃ風邪引くし」
「うむ・・だがもう我慢できん、するぞ」
桃太郎は立ち上がって猿の両肩を掴みました。
「んぁっ・・」
そして、いきなり猿を貫きます。
猿はただ桃太郎の暴力的な動きに耐えるだけで声を上げるしか出来ません。
ザブザブとお湯を乱して桃太郎は猿の媚肉をえぐります。
蠢き絡みつく蜜壷をたっぷりと堪能し桃太郎は浅黒い小さな身体を散々に突き上げるのでした。
387桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/31(日) 13:27:22 ID:20qYnvjQ

差し込んでくる光できらきらと輝く残り湯に二人の身体が漂います。
「今さらだが・・良い湯だな」
精を放ち一応満足したらしく桃太郎がぼそっと呟きます。
ぐったりと桃太郎に身体を預けていた猿がくすくすと笑いました。
ちゃぽちゃぽという呑気な音が二人を暖かく包みこみます。
「今日は一日中たっぷりするからな」
桃太郎の破廉恥な宣言を聞いて猿は驚きの声を上げました。
「え? 一日中って・・鬼は?
 せっかく情報掴んだのに」
「拠点がわかったのだ、焦る事はない。
 それに猿もふんどしも無しであんな裾の無いの着れないだろ」
そう言われると猿も何もいえません。
動きやすいように裾や袖を短くしたのは猿自身です。
あの着物でふんどしも無ければ秘所が丸見えになるのは猿にだって分かっていました。
しかし、それでも猿は桃太郎の態度が不思議に思えました。
「わかったよ・・・でも桃太郎さん、奥の方まだ痛いからさ・・・」
桃太郎の鎖骨を枕にして猿がじとっと見上げました。
「む・・すまん。
 次からは気をつける」
「いつもそう言うけど結局奥まで挿れるんだから・・・」
猿が少し怒ったように言うと桃太郎の顔が情けなく歪みます。
「本当に次からは気をつける。
 だから、ほら、機嫌を直してくれ。
 せっかくこんな広い風呂が貸切なんだし・・」
機嫌を直してもらおうと桃太郎が言葉を重ねます。
その姿を映した瞳が穏やかに笑いました。
「いいよ・・せっかくの貸切だしね」
そう言うと桜色の唇が桃太郎の口へと重ねられるのでした。
388桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/31(日) 13:29:07 ID:20qYnvjQ

「うーっ!うーっ!」
枕を噛んだ猿の口からうめき声が漏れます。
部屋に戻ったら、という約束は確かにしました。
しかし、突き出したお尻を弄る手は桃太郎だけでは無かったのです。
秘裂の奥には桃太郎の指が出入りし
その上で震えているすぼまりには雉姐の指が撫でており
ほんのりと顔を出した陰核は犬姫が突っついています。
「あぅっ!そこだめっ!そこォ・・」
桃太郎が膣の中に入れた指を曲げると猿の尻が跳ねました。
その反応に弄る指たちはますます激しくなっていきます。
「そこと言ってもどれの事だか・・」
「ふふ、ほんとに可愛いわねぇ・・」
そんな事を言って指を曲げたまま前後に擦ります。
「ぅあァァァァ・・」
猿の口からは涎と一緒に魂の抜けるような声が垂れ流されます。
まるでその真似をするように下の口もぬっちゃぬっちゃと粘度の高い音を立て
涎をあふれされています。
「あっ・・・あっ・・・あっ・・・」
猿が喘ぎ声を千切りながら発すると桃太郎は満足げに指を抜きました。
猿は抜かれた事にもまだ気付かぬ様子で高く上げた尻を痙攣させています。
「いっちゃった?」
犬姫が無邪気な顔で猿を覗き込みます。
しかし、猿はそれでも反応しません。
桃太郎はその様子を見て、ふんどしを解くと逸物を取り出しました。
そしてだらしなく緩んだ壷口にあてがいます。
「あ・・だめ・・」
その感触で何をされるのか気付いたのか猿がか細い声をあげました。
しかし、桃太郎に腰を掴まれ動く事は出来ません。
「駄目なのか?」
「もう・・やめて・・六日目だよ・・・」
猿が囁くような声でいやいやと首を振りました。
そう、あのお風呂での約束を盾に桃太郎は六日も猿の身体をいたぶっているのです。
「だめだよ・・もう・・やばい・・・俺・・おかしく・・んはァっ!!」
桃太郎は猿の言葉の途中で構わず入れてしまいました。
その衝撃でまた猿は身体震わせています。
「あ・・・あ・・・」
猿の背筋がピンと張ると桃太郎は激しく腰を叩きいれました。
「おれ・・おかしくなっちゃうよぉ・・!」
猿の悲鳴のような声が部屋に響きます。
こうして桃太郎は猿に精を注ぐと退廃的な一日を始めるのでした。
389桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/31(日) 13:30:31 ID:20qYnvjQ

そんな風に過ごしていたある日のこと。
今日は珍しく、桃太郎達四人は日も高い内から都の中をぶらぶらと歩いていました。
外に出たこの日も桃太郎は鬼ヶ島に近づく事はありません。
大通りを歩いて飾り物屋を覗いたり寿司を買い食いしたりと遊んでいるばかりです。
しかし、どんなに嫌がっていても避けることの出来ないものはあるようです。
彼等に運命を突きつけるように遠くから下品で大きな声が聞こえてきました。
その物騒な響きに桃太郎達は慌てて駆け寄り声の方を見ました。
往来のど真ん中で腰に二本差した厳つい男が若い女性を捕まえて凄んでいます。
「へへっ、いいじゃねえかよ。
 ちょんの間で済ましてやるからよお」
男はいやらしい顔をして嫌がる娘を抱きしめています。
「待て! その娘は嫌がっておるではないか!」
桃太郎が啖呵を切ると男は睨みつけてきました。
「あーん? 俺が誰だか分かっていってんのか?」
「おのれのような屑を知り合いに持った覚えは無い」
桃太郎が涼しげに言ってのけると男は娘を離し
自らの着物の襟を引っ張ってそこに描かれた鬼の一字を見せ付けました。
「俺は鬼兵隊だぞ!
 逆らうとどうなるか分かってんのか!」
「きへーたい?」
男の怒号の後、犬姫が呑気に繰り返しました。
「この都を守る役人さまだ!
 俺らに逆らうって事は法に逆らうって事だ!」
「それがどうかしたのか?」
桃太郎は挑発する気でもなく言い返しました。
元より桃太郎は他人の決めた法に従うような男ではありません。
「てんめえ!!」
遂に切れた男が刀を抜くと一拍遅れて桃太郎の刀も閃きました。
「うがぁぁ!!」
地面に落ちた腕を見て男が汚らしい悲鳴をあげました。
「殺す!てめえは殺してやる!」
片腕の肘から先を失った男の体が見る見るうちにふくらんでいきます。
そのまま桃太郎達の眼前で男は七尺を越え赤く分厚い筋肉に覆われた姿へと変貌しました。
390桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/31(日) 13:31:25 ID:20qYnvjQ

民のざわめきを切り裂くように、鬼となった男が拳を振り降ろしました。
ドゴォッっという聞きなれぬ音をたてて桃太郎のいた場所へ拳をめり込ませています。
「ぐへへ逃げるのは上手いじゃ―」
そこまで喋ると桃太郎の白刃が走り、首がごろりと転がりました。
「ねえ・・か」
地面に落ちた首がきょとんとした顔で動かなくなりました。
「・・・意外に弱かったね」
猿は何から言っていいのか分からずそんな事を言いました。
姿の変わった事に驚くべきかどうか迷ったという事もあります。
「結局・・これまでか・・・」
桃太郎は血も噴出さず動かなくなった鬼の死体を蹴り飛ばしました。
言葉の意味が分からず振り返った猿の目に桃太郎は寂しそうに映りました。
どういう事だろうと問おうとすると騒動を見守っていた一人のおばさんが叫びました。
「あ、あんた達、悪い事は言わないから早くお逃げよ!
 鬼兵隊の奴等に見つかったら殺されちまうよ!」
その声は真剣そのもので、さすがの桃太郎も振り向きました。
「鬼兵隊とは何者ですか?」
桃太郎の問いの答えは言葉ではなく悲鳴でした。
その悲鳴を視線で追うと
今しがた息絶えた男と同じ着物を来た集団がこちらに向かってくるのが見えます。
「ほら!早く逃げなよ!」
そう言っている町人達は巻き込まれては敵わぬと鬼兵隊の前をぞろぞろと空けていきます。
「本当に殺されてるぜ・・・」
「へへへ、おりゃこういう歯ごたえのある野郎を殺してみたかったんだよな」
仲間の死体を見た鬼兵隊の集団は仲間が殺された事に悲しんでいる風でもありません。
しかし、それでも桃太郎を標的にしたのは間違いないようでした。
391桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/31(日) 13:32:24 ID:20qYnvjQ

「やるぜ、おらぁ!」
掛け声と供に鬼兵隊の集団の体がふくれ始めると、にわかに一陣の殺戮の風が吹きました。
桃太郎です。
鬼兵隊が変身し始める前に飛び込むとたちまちの内に首を転がしていきます。
鬼兵隊の彼等も相当自分達の強さに自信があったようですが相手が悪すぎました。
桃太郎は敵と定めたら一言の弁解も許さない男です。
その上、正義を遂行する際にはどんな手を使っても成すべきという信念まで持っていました。
つまり桃太郎の前でやっと変身しているようでは呑気すぎたという事です。
二十名以上いた鬼兵隊でしたが
桃太郎と対峙する前に鬼になれた者はわずか五・六人でした。
その中で構える事が出来たのは二人ほど。
拳を振るえたのは一人もいませんでした。
「ふん・・・鬼どもめ!」
距離を置いて見守っていた人々に鬼の定義を考えさせるような事を言い
桃太郎は死体を蹴り飛ばしました。
「こいつらが探していた鬼?」
「うむ。わざわざ親切に鬼だと着物に書いてあるのだ。
 おそらくそうだろう」
「ももたろさん!
 また来たよ! あっち!」
犬姫の指差す方に振り向くとまたぞろぞろと鬼兵隊が向かってくるのが見えた。
「キリがありませんわ。
 帰りましょうよ」
「ふむ、確かにな。
 こいつら何やら仲間を呼ぶ不思議な力でも持っておるようだ。
 一旦引き上げるか」
雉姐の提案にのり桃太郎達は大通りから狭い路地へ向かおうとしました。
その刹那、大きな悲鳴が桃太郎の背中を呼び止めます。
392桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/31(日) 13:33:14 ID:20qYnvjQ

「おい、てめえ! 逃げんじゃねえ!
 てめえが逃げたらこいつらを殺すぞ!」
その声に振り返ると鬼兵隊の者達は野次馬していた人々を捕まえ刀を突きつけています。
「逃げはせん! 逃げはせんから待っておれ!」
桃太郎は怒りで爆発しそうになるのを抑えてそう叫びました。
「お前等は逃げろ」
犬姫達にそう囁くと桃太郎は鬼兵隊の元へと歩き出しました。
桃太郎の考えはいたって単純なものです。
正義たる者、弱きを見捨ててはいけない。
ただそれだけの事なのです。
「桃太郎さま!」
「桃太郎さん・・・」
「ももたろさん!!!」
桃太郎の所へ駆け寄ろうとした犬姫を猿が後ろから羽交い絞めにしました。
「やぁだぁっ! 離してよぉ! ボクももたろさんと一緒にいるぅ!」
猿から逃れようと体を振る犬姫の目には涙が滲んでいます。
「馬鹿! 俺達がいたら桃太郎さんが本気を出せないだろ!」
猿がそう言って犬姫を引き摺っていきます。
「猿! 任せたぞ!」
「おう、任せろ!
 ・・・帰ってこないと怒るかんね!」
桃太郎はその声に片手を上げて答えました。
「ご武運を・・・」
そう言うと雉姐と猿は泣き始めた犬姫を引き摺りながら路地へと入っていきました。
393桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/31(日) 13:34:54 ID:20qYnvjQ

「さあ来たぞ、その人達を離せ」
桃太郎が目の前に来ると鬼兵隊の者達は人質を持ったまま変身し始めました。
「おめえは卑怯な事をしやがるからな。
 先に変わらせて貰うぜ」
その言葉を聞いて桃太郎の中にある疑問が浮かびました。
(こいつら、さっきから見ていたのか?
 それなら加勢に来ても良かったはずだ。
 まるで誰かからさっきの戦いを教えられたような・・・)
「ごふっ!」
鬼兵隊達の不可解な行動を読もうと考え込んでいた桃太郎に鬼の拳が浴びせられました。
頑丈さには自信のあった桃太郎でしたが
地をも抉る鬼の拳をもろに浴びてはたまったものではありません。
腹を押さえ崩れ落ちた桃太郎に鬼たちは容赦なく攻撃を加えていきます。
(・・・これは危険だ。
 こうなればもう人質に構わず斬り捨てるか・・・いや、しかし・・・)
「お館様・・!」
意識の朦朧としてきた桃太郎がそのような事を考えていた時、鬼の一人がそう叫びました。
すると、他の鬼たちまでも動きをピタリと止めたのです。
「はい・・・はい・・・」
(何だ・・?
 誰と話している・・)
なんとか力を振り絞って見上げても誰かが来た様子はありません。
しかし鬼たちは中空に誰かがいるような態度で言葉を交わしています。
「へっ、運がいいな、てめえは・・・
 おい、お館様がこいつを中に連れて来いと仰ってる」
先頭にたって殴っていた鬼がそう言うと
他の鬼たちが人質を離し桃太郎を担ぎ上げました。
「おい、お前等はこいつの仲間を探せ。
 まだ近くにいるはずだ」
その言葉を合図に鬼たちは散らばっていきます。
桃太郎は朦朧とした意識の中でただ三人の無事を祈る事しか出来ませんでした。
394桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/07/31(日) 13:36:27 ID:20qYnvjQ
二回目の投下終了です。
続きは明日投下します。
あと二回投下で終わると思います。
395名無しさん@ピンキー:2005/07/31(日) 19:47:37 ID:SARc0p2+
ぐっじょぶ!:)
396桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/01(月) 19:33:16 ID:IX7gmA9k

一方、逃げた振りをして様子を物陰から窺っていた三人は
桃太郎が倒されたのを見て今度こそ本当に逃げ出しました。
正確には飛び出そうとした犬姫を担いで猿と雉姐が逃げ出しました。
「んぐぅー!んー!」
口を抑えられている犬姫の唸り声を聞きながら二人は走りました。
どこに向かっているかも分からず不安が心に浮かばないように只がむしゃらに走ります。
走りに走り、喧騒の音が聞こえなくなった所で猿達はようやく足を止めました。
「もういい加減泣き止んでくれよ」
まだ泣きじゃくっている犬姫に猿が声をかけました。
「ひっく・・ひっく・・」
しかし犬姫は嗚咽を漏らすばかりで何も返事をしません。
「なぁ・・」
「ももっ・・たろ・・さん・・っがぁ・・・」
自分で歩かせようと降ろしても犬姫は泣きじゃくっているばかりです。
仕方なく猿がもう一度慰めようと口を開いた瞬間、犬姫のほほがパシンと打たれました。
「桃太郎さんを信じなさい!」
雉姐は犬姫を叩いた手を降ろしもせず、続けて犬姫に啖呵を切りました。
犬姫は突然の衝撃にただ呆然としています。
「き、雉姐ェ・・」
突然の事に驚き猿は戸惑うばかりです。
「あのぐらいで死ぬ人じゃないでしょ!
 後で助けるにしても桃太郎さんが帰ってくるにしても
 今、私たちが捕まるわけにはいかないのよ!」
おろおろする猿の心配を余所に犬姫は袖でごしごしと顔を拭き涙をぬぐいました。
「・・・うん、ごめんさい」
その瞳に光が戻った事を認め雉姐は犬姫を抱きしめました。
「ああ! 可愛いわぁ〜ほんとにもう食べちゃいたい」
「雉姐、今それどころじゃないから後にして」
猿もそう言いつつほっと安堵のため息を吐きました。
397桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/01(月) 19:34:21 ID:IX7gmA9k

走り続けていた猿達が鬼たちがいないか辺りを窺っていると
路地に面した裏戸を開けてだらしない格好をした男が現れました。
「へへ、お嬢ちゃん達かくまってやろうか」
言葉はまるで親切で言っているみたいですが
そのにやけた顔をみれば何を考えているかは一目瞭然です。
「おれは親切者だからさ、ここ俺んちだし入りなよ」
「邪魔だ!どけよ!」
「女の子がそんな事いっちゃいけないよお?」
男は下卑た笑みを浮べたまま手を伸ばしてきます。
「このぉっ!」
犬姫に触ろうとした男に猿が殴りかかり―
男は崩れ落ちました。
「?」
拳に何の衝撃も無かったのに男は倒れて声も出ない様子で悶絶しています。
猿は戸惑い、視線を下にやって気が付きました。
ほっそりとした美しい足の先が男の股間にめり込んでいたのです。
「雉姐・・!」
「こんな奴にかまってられませんもの」
雉姐は汗ばんだ顔で優美な笑みを浮かべました。
「さあ走りますわよ!」
その言葉が雉姐の口から放れた時、三人はもうすでに走り始めていました。
398桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/01(月) 19:35:30 ID:IX7gmA9k

三人はどれほど走ったのでしょうか。
鬼を避け男を避け都の中を走り倒しました。
旅籠の方にはもう手が回っていて荷物は取れませんでしたが
幸いにも鬼は足は速くないようで今のところは上手く逃げおおせてます。
そして一刻ほど逃げまわったあげく三人は元いた大通りに戻ってきました。
桃太郎が気になった事と逆にここの方が安全ではないかと思ったからです。
「やっぱりもう誰もいないな・・・桃太郎さんも・・」
「やっぱりあいつらに連れて行かれたのかしら?」
「あいつらの話じゃ殺す気はなさそうだったから大丈夫だと思うけど・・・」
路地から顔だけを出して辺りを窺います。
すると一人の娘が佇んでいるのが目に入りました。
「あの娘は・・・」
「あれ、ももたろさんが助けた子だよ」
「・・・俺話し掛けてくる」
そう言って猿はなるべく人目につかないようにこっそりと娘に近づきました。
「なあ、あんたちょっといいか?」
「ひっ!」
娘は足音を消して近づいた猿に驚き小さな悲鳴をあげましたが
声の主を見ると安堵のため息を吐きました。
「なあ、桃太郎さん・・・あんたを助けた侍は桃太郎さんって言うんだけど
 あの人がどうなったか分かるか?」
猿がひそひそと囁くと娘はきょろきょろと辺りを見渡し頷きました。
「あの、あの方のお連れさん・・ですよね?
 鬼兵隊に見つかったらいけないからあたしのうちまで来てください」
そう言って娘は小走りで犬姫達のいるのとは違う路地へと入っていきます。
猿は少し考えた後、犬姫達を手招きして娘を追いました。
399桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/01(月) 19:38:51 ID:IX7gmA9k

「それで桃太郎さんは?」
小さな家に遠慮なしに上がりこむと、三人は待ちきれずに問い質しました。
「あの人は鬼ヶ島に連れていかれました・・・」
「鬼ヶ島!」
雉姐が驚きの声を出します。
「あれか・・でも、場所さえわかればこっちのもんだ。
 助けにいけるかも・・」
「無理です! 助けに行くなんてできっこありません!
 お堀には橋もかけてないから船でしか行き来できないし
 あの中には鬼兵隊が沢山いるんですよ!?」
即座に出された娘の言葉に猿も声を詰まらせます。
「・・・あらら、困ったわね」
呑気な言葉ではありますが雉姐の声にはいつもの余裕がありません。
「でもどっかないの?
 秘密の抜け穴みたいな・・」
「そんなのあったとしても知らないです・・・」
「・・・そりゃそうか」
ほんの少しの静寂を挟んで猿が言葉を投げかけました。
「・・・なあ、今まで連れて行かれた奴っているのか?」
「いいえ。
 普通、逆らったりしたらその場で殺されます。
 連れて行かれるなんて初めて見ました。
 鬼を倒した人も初めてですけど・・・」
「どうするつもりなんだろな・・・」
猿が黙ってしまうと犬姫が不安げな顔で覗き込みました。
「で、でも、ももたろさんは平気だよ!
 強いし格好良いし優しいし・・・素敵だし・・・良い匂いするし・・・」
言葉に涙が滲み出すと雉姐が犬姫を抱きしめました。
「そうね・・きっと大丈夫、大丈夫よ」
静かな室内に雉姐の安い慰めの言葉だけが木霊していました。
400桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/01(月) 19:39:42 ID:IX7gmA9k
一方、鬼ヶ島の中に連れて行かれた桃太郎はというと―

「おい、起きろ」
「う・・・」
冷たい水が桃太郎にざぶりとかけられます。
目を覚ました桃太郎の前にぼんやりと視界が広がっていきます。
といっても目の前に鬼どもが立っていたので大した事はわかりません。
どこかの狭い部屋に鬼が三匹もいるという事と自分が縛られていて動けない事ぐらいです。
「お館様、起きたみたいです!」
目の前の鬼が壁に張り付き声を張り上げました。
「うむ」
短い返事が聞こえお館様と呼ばれた男が戸すらない部屋に入ってきました。
黄色に黒の縞々という気違いじみた着物を着ていますが
その身体的にはとりたてて特徴の無い地味な中年男です。
強いて特徴を挙げれば背が高めなぐらいでしょうか。
「ワシの部下を二十も殺してくれたそうだな。
 全く大した者だ」
口調は偉そうですが声は妙に甲高く威厳が余りありません。
それが服装と相まって桃太郎はにやけてしまいます。
「何がおかしい!?」
「格好が」
桃太郎の素直すぎる答えにお館様の顔に血が上ります。
「ハッ!」
男の表情が変わると短い返事をした鬼達が駆け寄ってきて桃太郎を殴り始めました。
手足を縛られていては桃太郎といえど何も抵抗できません。
しかし、そんな中でも桃太郎はじっと観察していました。
(こいつ、言葉無しで命令している・・・?)
桃太郎の疑問に答えるかのように、鬼達は突然返事をして殴るのを止めました。
「しかし、異常に丈夫な奴だのう。
 どうだ、ワシに仕えぬか。
 そすすれば部下を殺した事を忘れてやっても良いぞ」
「・・・私は誰にも仕える気などない。
 特にお前のような貧相な奴にはな・・・」
桃太郎は体中が痛む中、声を振り絞りました。
その言葉に顔を歪めたお館様でしたがすぐに口を大きく開けました。
「そのような格好でワシをくさしよるか!
 ワハハハハハ!!」
鬼たちもお館様の笑いに追従笑いしています。
「ふっ・・明日になればお前の方から泣きついてこよう。
 ここから逃げ出す事など出来んのだからな!
 ワハハハハハハハ」
少々無理のある大きな笑い声を残しお館様は部屋から出て行ってしまいました。
その後ろ姿を見ながら桃太郎は鬼達とお館様の関係について思考をめぐらせるのでした。
401桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/01(月) 19:40:46 ID:IX7gmA9k

犬姫・猿・雉姐の三人は娘の家にいまだ留まっていました。
「一辺が二百間近くあって、お堀の淵から真中の館まで八十間ほど。
 橋はなくて、船でしか出入り出来ない上に小船しか無いから荷にまぎれるのも無理。
 お堀から二十間は家も木も無く、お堀の四つ角には見張りが立ってる」
娘から聞いた鬼ヶ島の情報を繰り返しつぶやく猿は唸りました。
ここに乗り込んで桃太郎を救出する。
どう考えても無理そうです。
「うーん・・・ふね、ふね、ふね・・・
 この船じゃないと出入りできないってのが厄介なんだよなぁ。
 ばれずに渡るなんてできっこないし・・・」
「じゃあじゃあどうすんの?」
「それを考えてるんだって」
大抵の案は出尽くしただろうと思うほど考えたのですが
有効そうな策は一つとしてありません。
三人がかりでも一匹の鬼も倒せないだろう戦力で鬼ヶ島へ乗り込んで桃太郎を助ける。
どう考えても出来そうにないのです。
「じゃあじゃあ、泳いでいったらどうかな?
 ボク泳ぎ得意だよ」
「泳いでいくなんて悠長な事してたら見張りに見つかるだろ」
「魚の真似なんかしたくありませんわ」
こんな風に鬼ヶ島に渡る方法すら見つからないのです。
「見張りなんか立てて用心深いわねぇ・・・
 この都の支配者とか言ってるくせに小心者だわ」
「本当だよなあ・・・」
三人が顔をつき合わせて文句を垂れているとガラガラと戸が開きました。
この家の娘です。
「結局何もお触れは無かったわ」
娘の言葉に三人から安堵のため息が漏れました。
解放したなんていうお触れがあり得ない以上、何も言ってこない方が遥かに希望が持てるのです。
「でも、無理ですよ・・・鬼兵隊の奴等はまだあなた達を探してうろついてるんですよ。
 こんな状況で助けに行くなんて・・・」
「そうだな・・・確かにどうやって助けに行けばいいのか・・・」
猿が弱きな事を呟くと犬姫がキッと睨みつけました。
「助けにいこう!」
そう叫びましたが返事はありません。
「助けにいこうよ!」
もう一度犬姫が叫びます。
「そりゃ助けにいくさ・・いくけど・・」
「ねえ、お願い!いこう!助けにいこうよ!」
「だからどうやって助けんだよ!」
猿が思わず怒鳴ってしまうと犬姫の大きな瞳からぽろぽろと涙がこぼれ始めました。
「犬姫・・・」
犬姫は涙が溢れてくる顔を下げると、手を、頭を、畳にこすりつけました。
「おねがい・・っ・・たすけ・・て・・たすけてよぉ・・・」
土下座したまま泣き始めた犬姫を雉姐が抱きしめます。
「助けに行くわよ。
 今、ちょっと方法を探してるだけだから、ね?」
慰めながら雉姐はどさくさに紛れて犬姫のお尻を撫でています。
その光景を見ていた猿は桃太郎の事を思い出しました。
(いつもこんぐらいの時間になると圧し掛かって来るんだよな・・・)
身体をまさぐる手の動きまでも思い出してしまい、不覚にも少し体が熱くなってしまいます。
不意に猿の身体が凍りました。
「・・・待てよ・・・あの時みたいにすれば・・・」
目の輝きが顔に広がると犬姫と雉姐も猿の様子に気がつき顔を上げました。
「助けられる・・!」
猿の脳裏に閃いたのは、お漏らしした日の桃太郎の言葉でした。
402桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/01(月) 19:42:27 ID:IX7gmA9k

再び桃太郎が目が覚めた時、既に空は暗く星が輝いていました。
桃太郎の閉じ込められている部屋は二辺が廊下で二辺が格子、
その上屋根がまでも格子になっている変な造りです。
四角に区切られた外の様子を窺うと黒い水面がキラキラと光っているのが見えます。
(この部屋は館の端にあるのか)
恐らく、ただ閉じ込めるだけの部屋ではなく
外気に晒す事で中にいる者を衰弱させる為の部屋なのだと思われます。
夜は夜風の冷たさに晒し昼は日の光に焼くつもりでしょう。
何となく状況を把握すると桃太郎は立ち上がりました。
腕は後ろ手に縛られたままですが足は自由が利くようです。
「ふん!」
桃太郎は力任せに格子を蹴りました。
少しグラグラと揺れましたがさすがに壊れてはくれません。
「おい!大人しくしてろ!」
一人格子の前に立っていた見張りの男が怒鳴ります。
それで桃太郎は仕方なしに座りました。
(あの三人は無事だろうか)
手持ち無沙汰になるとすぐに彼女達の顔が浮かんできました。
ただ顔を空に並べるだけで胸がざわつきます。
苦しさやせつなさを混ぜたようなもの。
己の馬鹿さに呆れ怒りたくなるようなもの。
様々な感情が去来し桃太郎は歯を食いしばりました。
腹から煮えたぎるような思いが噛み潰して堪えます。
彼女達を危険に巻き込んでおきながら己を殴りつける事すら出来ないのです。
(ここで・・ここで死ぬわけにはいかん。
 詫びもせずに死ねるか!)
そう思うと不思議と身体から力が漲ってきました。
少し眠ったからでしょうか、痛みもほとんどありません。
格子の前にいる見張りが一人だけだという事を視認すると
桃太郎は脱出する方法について思案し始めました
403桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/01(月) 19:43:38 ID:IX7gmA9k

「まず最初は小船に乗る」
猿は真剣な顔で二人を見ると畳に空絵を書き始めました。
「見張りで歩いてる奴等の間隔は結構空いてるから走れば問題無く乗れると思う。
 すぐに見つかって追いかけてくるか鬼ヶ島の中に知らせるかするだろうけどね。
 だから、追いかけてこられないように乗らない小船も縄を切って湖に流す」
「うんうん」
「中から出てこられても湖の上ならそんな怖くない。
 どうせ捕まったら終わりなんだから捕まりにくい船同士の方が楽だ」
船同士なら捕まりにくいという猿の言葉はもちろん出鱈目です。
何しろ猿は船なんて乗った事ありません。
そう言った方が二人が安心して行動できると思ったのです。
「そんで鬼ヶ島まで近づいたら一つしかないという出入り口に放火する。
 その混乱に乗じて館に入り込み桃太郎さんを探す。
 以上」
猿が言葉を終えると二人より先に娘の方が口を開きました。
「帰りは・・?」
「桃太郎さんに立ちはだかる鬼を倒してもらう」
「そんな!見つけられなかったらどうするんです!?」
娘が叫ぶように言葉を出すと三人は顔を見合わせ少し微笑みました。
「ふふ、初めて会った日からわたくしは桃太郎さんのものですの。
 命をかけるぐらいどうって事ありませんわ」
「困った人だけどいないとつまんねえしさ。
 責任はとって貰わないと」
「責任・・・?」
娘が怪訝な顔をすると猿はしまったという顔で口篭もりました。
「ま、まあ、あれだよ、その・・・色々と恩人だったりするからさ
 助けっぱなしで死なれたく無いって事」
「・・・・・・」
「ももたろさんに会えなくなったら死んじゃうのと一緒だもん」
娘が言葉を失うと三人は立ち上がりました。
「ねえ、名前なんて言うの?」
「さき・・です」
「さきちゃん、色々用意してもらってありがとね」
そう言うと三人は娘の家を後にするのでした。
404桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/01(月) 19:44:22 ID:IX7gmA9k
三回目投下終了です。
明日で完結します。
405名無しさん@ピンキー:2005/08/01(月) 20:00:01 ID:sdb2nek3
うおおお、無茶苦茶先が楽しみ!
406名無しさん@ピンキー:2005/08/01(月) 21:52:09 ID:7MkVkg7H
やべーエロイ上に話まで面白い
最高にGJだぜ先生
407名無しさん@ピンキー:2005/08/02(火) 14:09:42 ID:AzJA36Bb
すげぇイイ!
408桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/02(火) 17:27:58 ID:FzNMeHw/

「ほう、随分と元気そうだな。
 貴様、本当に人間か?」
お館様の顔に怪訝そうな表情が浮かびます。
桃太郎はいよいよもってお館様と鬼兵隊の関係に対する疑念を確信に変えていました。
見張りが呼んだわけでもないのにお館様が現れたのです。
(こやつらは目を共有しておる・・)
お館様が来る前に見張りが空と会話していたのを見たのです。
(ということはこの男さえ殺せば・・)
桃太郎がそのような事を考えていると知ってか知らずか
お館様は不機嫌な様子で格子ごしに桃太郎を睨みつけます。
「そろそろワシの部下になる気になったか?
 貴様とて死ぬたくはあるまい」
「お主の下につくぐらいなら腹を裂く」
桃太郎の言葉にお館様は少し顔を引きつらせました。
「私には誇りがあるからな。
 餓鬼に落ちてまで生きたいとは思わん」
更に桃太郎が挑発するとお館様の顔がサッと朱に染まりました。
なおも桃太郎は罵声を重ねます。
「私は鬼退治をする身だが鬼が哀れに思えてきた。
 このような屑に使われておるとはのう」
ぶるぶると身体を震わせ聞いていたお館様が拳を握り締めました。
「開けろ!!この糞をひねり殺してやる!!
 さっさとせんかぁーっ!!!」
お館様が見張りに怒鳴りつける様子を見て桃太郎は得たりとほくそ笑みました。
分の悪い勝負ですが、ここから出るにはお館様を蹴り殺すしかないと思っていたからです。
(さあ来い!)
湧き上がる闘志を隠そうともせず桃太郎はお館様が扉を開けて入ってくるのを待っていました。
ところが突如としてお館様が動きを止めてしまいました。
「どうした!かかって来ぬか臆病者!」
挑発の言葉にも耳を貸さずあれほど怒っていたのが平静に戻っています。
「ククク、いい事を教えてやろう。
 お前の仲間がのこのこと現れたそうだ。
 お前を助ける為か?けなげよのう。
 そのけなげさに免じてお前の前で嬲り殺しにしてやろう・・ウーハッハッハッハ」
「・・あいつら・・・」
桃太郎が表情を変えたのを見てお館様から愉快そうな笑い声が上がるのでした。
409桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/02(火) 17:28:41 ID:FzNMeHw/

「来たよ・・・!」
「へへ、来やがったな。
 あいつらは俺がなんとかするから気にせず鬼ヶ島に近づいて!」
小船に乗って順調に鬼ヶ島に向かっていた三人の前に遂に門から鬼兵隊の乗った船が出てきました。
「お嬢ちゃん、痛くしないからこっちおいで〜」
出てきたのがたった一艘、しかも二人乗りしている事に猿は安心しました。
小さな船に二人もいれば変身は出来ませんし、してしまえば重さで沈んでしまうでしょう。
しかも、うまい事に鬼は一人が松明を持っています。
「へっ、おっさんなんかに捕まるかよ!」
弓などの飛び道具を持ってない事を確認すると挑発的な事を言いました。
「なんだとこの糞ガキ!捕まえてヒイヒイ言わすぞコラ!」
怒った鬼兵隊の船はグングン三人の乗る船に近づいてきます。
船に乗ったことも無かった三人に比べれば当たり前ですが随分と速いようです。
あっという間に三人の船に触れそうなほど近くにやってきました。
「うへへ、近くで見ると可愛い顔じゃねえか!さあ大人しく・・」
「今だ!」
船がぶつかるほど近くに来た時、猿は掛け声と供に小さな壷の中身を松明を持った鬼に振り掛けました。
「ウギャァーーーーーー!!!」
途端、つんざくような悲鳴と一本の火柱が闇夜を煌々と照らしました。
「そら、もう1個おまけだ!」
そう言って鬼兵隊の船の船底に油壷を投げつけると小船全体が大きな松明に変わります。
鬼達がたまらず湖に飛び込むと猿は松明と化した船を櫂で鬼ヶ島の方へと押しやりました。
どう威張っていても、湖の上にあっても、所詮は木造の館。
火をつけられて困らないはずがありません。
「よし、飛ばそう!
 さっさと乗り込むぞ!」
410桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/02(火) 17:29:48 ID:FzNMeHw/

まるでお館様と桃太郎の顔色は表裏一体になっているかのようです。
三人が現れたという話をした時、お館様の顔は輝き桃太郎の顔は土気色になっていました。
今は逆にお館様の顔が怒りに赤く染まり、桃太郎の顔色は平常どおりに戻っています。
(どうやらあの様子だと三人はまだ捕まってないらしいな。
 それどころかこの男を怒らせるような事までやっているらしい)
単純で感情的な男が目の前にいるおかげで
桃太郎には状況が手にとるように分かっていました。
無論、楽観視できる状況では無いのですが桃太郎は愉快でしかたありませんでした。
「貴様は家臣にどんな教育をしておるのだ!?
 人道というものを知れ!」
興奮した様子で怒鳴るお館様を見て桃太郎はうっすらと笑いました。
「なっ、何を笑っている!?」
桃太郎の笑みを見てお館様の顔が青ざめました。
「私のやり方をよく分かってくれていると思ってな」
「なっ・・なんだと!?」
驚くお館様とは対照的に桃太郎は涼しげに笑みを浮かべています。
「この・・狂人め!」
そう言い捨てるとお館様は背を向けました。
「ど、どこに行かれるのです!?」
「門が燃やされたらしい!
 万が一の為、ワシは船がまだ残っている内に向こうに渡る。
 お前等は火を消せ!」

「ここらへんにしよう」
猿がそう言うと雉姐はそっと小船を塀に寄せました。
先ほどの松明船が上手い具合に鬼ヶ島の門におびき寄せられ燃え移ったようです。
「よし、屋根の上には誰もいないぜ!」
猿が自慢の身軽さで雉姐の肩の上から館の上に飛び乗りました。
「犬姫!」
「うん!」
続いて犬姫も雉姐の肩から飛び猿に引っ張られて屋根へと乗りました。
「雉姐!」
「きゃっ!」
猿の言葉に合わせて雉姐が飛び上がろうとした時、船体がグラっと揺れました。
見れば、船体の端に先ほど燃やされて船から落ちた鬼兵隊がしがみついています。
「この・・!」
「雉姐!いいから登って!」
櫂で殴ろうとした雉姐を猿が呼び止めました。
「でも・・・」
「大丈夫だから!」
「わかったわよ!」
迷っているほど時間はありません。
雉姐は猿の大丈夫という言葉を信じ人間離れした跳躍力で屋根に飛び乗りました。
「どうするの?居場所がバレたら奇襲なんて出来ませんわよ!」
「任せてって!」
猿はそう言うと腰にぶら下げていた小さな油壷をその場にひっくり返しました。
「まさか・・」
「燃やしに来たんだから場所なんかどうでもいいんだって!」
雉姐に片目をつぶって見せると猿は油の垂れた壁に火をつけてしまいました。
「犬姫!」
「こっち!」
船にしがみついた鬼兵隊が呆気に取られる中、
瓦を蹴る乾いた音が騒がしい闇夜に響き渡るのでした。
411桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/02(火) 17:30:53 ID:FzNMeHw/

ただ閉じ込められているだけの桃太郎でも鬼達が混乱しているのはわかりました。
首領らしき男はいなくなるし、見張りは何をしてのか分からない様子でうろうろしています。
桃太郎達が幸運だったのは鬼達が馬鹿だった事と
お館様の指示までも愚かだったことです。
「火を消せ」と言ったり「桃太郎を見張れ」と言ったり「侵入者を捕らえろ」だったりと
お館様の指示が二転三転するため、元々馬鹿な鬼は何をしていいのか分からないのです。
「おい、お前は火を消しにいかなくていいのか。
 火の勢いはどんどん増しているのではないか」
桃太郎が言葉を投げかけると見張りに立っている鬼は苛ついた様子で睨み返しました。
「うるせえ! お前を助けに来たのかもしれんだろうが!」
鬼の焦った声を聞き桃太郎は笑みを浮べました。
(助けに来たのかも知れない・・・そう思わせるとは、あいつ等相当派手にやっているようだな)
普通に考えれば侵入者は桃太郎を助けに来たに決まっています。
しかし、そう確信していないと言う事は無茶苦茶に火をつけているのでしょう。
桃太郎ごとこの館と鬼達を焼き殺す気だと思わせているのです。
「おい、お前、鍵は持っているのか?」
「ああ、そんなもんねえよ!
 へっ、残念だったな、今さらお館様に従う気になっても遅せえんだよ!」
鬼が威勢良く啖呵を切った時、桃太郎の視界の端にいた影が鬼の頭の上に降って来ました。

一人目は雉姐。
全く注意を払ってなかった頭に短刀をめり込ませました。
二人目は猿。
めり込んだ短刀の柄に全体重を乗せて飛び降りました。
三人目は犬姫。
まだも消えぬ命の火に渾身の力を込めた瓦をお見舞いしました。
「みんな!無事だったか!」
「ももたろさん・・・!」
「ちょっと待ってて」
涙ぐむ犬姫と慰める桃太郎を余所に猿は懐から取り出した釘で鍵を弄くり始めました。
「急いで!」
雉姐にせかされ猿の額に汗が滲みます。
「・・・・・っしゃあ! 開いたぜ!桃太郎さん!」
さすがに元山賊、鍵空けはお手の物です。
「お前達・・・!」
「へへ・・・」
「桃太郎様・・!」
桃太郎が格子の中から出ると三人が身体を押し合うようにして抱きつきました。
こうして四人はようやく再会したのでした。
412桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/02(火) 17:32:32 ID:FzNMeHw/

「よし、ここから出るぞ!」
縄も解いてもらい、三人を抱きしめて体力を回復した桃太郎はおもむろにそう叫びました。
「えっ、でも・・・」
「鬼どもは一人の首領らしき男に操られているのだ。
 さっさと逃げてしまったがそいつさえ倒せば全て終わるはずなのだ」
「う、うん、わかった!
 船とか燃やしちゃったから泳ぐしかないけど・・」
猿の言葉に雉姐が青ざめました。
「わ、わたくし、泳げませんわ」
「ならば私が抱えて泳ごう。
 犬姫と猿は泳げるんだな?」
二人が頷くと桃太郎達は格子を梯子のようにして登り始めました。
猿達が手当たり次第に放火しまくったせいで
既に桃太郎達のいるところまでバチバチという火の爆ぜる音が聞こえ始めています。
「よし、じゃあ行くぞ!」
「ももたろさん・・・」
桃太郎が泳ぐ為に着物を脱ぎ捨てふんどし一丁になると犬姫がぎゅっと抱きついてきました。
走り回り疲れきった体で長い距離を泳ぐ。
その辛さを想像してしまったのでしょう。
犬姫の身体は震えていました。
「ん・・・」
小さな舌が桃太郎の口を舐めまわし柔らかな唇がちゅうちゅうと吸い付きます。
「あん、わたくしも・・・」
犬姫が離れるとすかさず雉姐も唇を奪い取ります。
接吻中の桃太郎の腕に猿の手が触れました。
「あの・・俺も・・」
桃太郎が猿の口を吸い始めると雉姐が犬姫の口を舐め始めました。
そうして四人はそれぞれに接吻し、赤く照らされた夜の湖へと身体を投げ入れたのでした。
413桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/02(火) 17:33:30 ID:FzNMeHw/

夜の水は冷たく不気味な物でしたが、彼等の敵ではありませんでした。
何故なら、再会した喜びが身体中に漲り温めてくれたからです。
鬼ヶ島へ乗り込む時に比べれば、格子の中で一人祈るしか無かった時に比べれば
楽しいとすら言えたかもしれません。
そうして、岸にまで泳ぎ着いた彼等でしたが問題はここからでした。
桃太郎達が泳いで来るのが見えたのでしょう。
お館様と数人の鬼の姿が見えたのです。
「どうした?
 待っててやるから上がって来い」
お館様が余裕を見せているのには理由がありました。
その手にはわんわん泣き叫ぶ五・六歳ほどの小さな子供がぶら下げられていたのです。
「くっ、なんと卑怯な・・!」
水面から上がった桃太郎が叫ぶとお館様の赤い顔が益々赤さを増しました。
「きっ、貴様が言うなァーー!!
 火をっ、火をつけておいてっ!!
 見ろォ!
 もうあんなだぞ!
 あんな・・・燃え盛って・・・・・・」
お館様の言う通り、既に鬼ヶ島は巨大な炎と化して天を焦がしています。
お堀越しでありながら桃太郎達の元へゴウゴウという音が聞こえてくるほどです。
「さあ、来い!
 このガキを殺されたくなかったら大人しくこっちに来るんだ!」
遠い目をしていたお館様が我に帰ると桃太郎は躊躇いました。
確かに子供を殺されるのは駄目です。
しかし、ここで自分が死んでは意味が無いのではないかと思うのです。
桃太郎は頭の中が真っ暗になるほど悩みました。
子供の泣き声が桃太郎の耳を叩きます。
「わかった・・・」
「ようし、いい子だ、ゆっくりこっちに歩いてきな」
桃太郎は決断しました。
大人しく従う振りをして近づき殴り殺す、と。
そうして桃太郎が一歩づつ近づいていると突然、お館様が声を上げました。
「ウガァッ!」
ぼとりと子供が地面に落ちました。
お館様の腕の付け根あたりに包丁が生えていました。
「さきちゃん!」
雉姐が叫ぶのと同時に桃太郎が走り出しました。
桃太郎に助けられ猿達三人を助けてくれた娘、さきがお館様の腕に包丁を刺したのです。
その行動に自分でも驚いてるかのように、さきは固まって震えています。
「きさまァァァァッ!!!」
倒れ、怒り狂ったお館様の命で鬼がさきを殴ろうとした瞬間
桃太郎の足が鬼の脇腹に突き刺さりました。
鬼が姿勢を崩し倒れると雉姐がさきを、犬姫が子供を攫ってそのまま駆け抜けました。
「桃太郎さん!」
猿の声に振り向くと刀が投げられました。
桃太郎はそれを受け取ると、稲光のように閃いて残りの鬼達の首を斬り落としました。
414桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/02(火) 17:36:02 ID:FzNMeHw/

「・・・・・・・・・・」
お館様はただその光景を呆然と見ていました。
館が燃やされました。
部下であり己の分身である鬼達が殺されました。
自分の身体を傷つけられました。
そういえば、格子の中の桃太郎に侮辱された気もします。
「・・・・・・・・・・」
怒りのあまり眩暈がしてきました。
視界が狭くなり思考が薄れていきます。
「貴様等は絶対に許さんからな・・!
 生きたまま焼いてやる!
 貴様等じゃ考えられないほど残酷な目にあわせてやるからなァーー!」
そう言ったつもりでしたが周りの人々には声に聞こえていませんでした。
ただ怒り狂っている事だけは良く分かりました。
そのことを表すようにお館様の身体が赤黒く変身し始めていきます。
「ふん!」
「うそっ!」
桃太郎が刀を振り下ろすとなんとその刀が折れてしまいました。
桃太郎はすぐさま刀を捨て、ふくらみ始めたお館様の身体を両腕で抱え上げました。
既にお館様の身体は桃太郎の二倍ほどになっています。
「ウォォォォォォォッ!!」
雄叫びを上げ桃太郎は走り始めます。
頭の上の物体は己の三倍になろうかとしていました。
五倍ともなればさすがの桃太郎でも苦悶の表情を浮べます。
しかし、止まりません。
元お館様だった体は最終的に十倍にまで膨れ上がりました。
最終的とは桃太郎の手を離れた段階の事です。
「ウォォォッラァッ!!」
気合の雄叫びが響くと巨大化した赤鬼の身体が空を飛びました。
そしてゆっくりと宙を舞って
燃え盛る鬼ヶ島跡に頭から落ちると
お堀にまで滑って沈没しました。
大きくなりきった体の全体重をうけた首は折れ
お堀にはまった頭を抜く事は出来ず
都を揺らしまくったお館様は人々の見守る中、溺死してしまいました。
415桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/02(火) 17:37:06 ID:FzNMeHw/

「いやぁったぁぁぁぁぁぁっ!」
最初に誰が叫んだのかわかりません。
お館様が動かなくなった後しばらく続いた沈黙はこの声で破られました。
その後、我先にと人々が叫びだし歓喜の雄叫びが都の空に響き渡りました。
いまだに寝ていた呑気者も歓喜の叫びの大合唱に叩き起こされ
事情を知るや合唱に加わりました。
大人も子供も関係なく飛び上がり舞踊り、泣き出す人々まで現れました。
まるで祭りが始まったかのような騒ぎです。
いや、この後、この日は毎年お祭りの日になった事を考えると
この日は第一回のお祭りだったといえそうです。

気が付けば桃太郎達の周りには人々の輪が出来ていました。
疲れきって座り込んでいる桃太郎達の元へ代わる代わる人々が礼を言い
時には、大急ぎでこしらえた料理や酒まで持ってくるのです。
交わってから寝ようなどと考えていた桃太郎には少々迷惑でもありましたが
何よりも人々が喜んでいるのを見て彼等もまた喜びました。
どうせ、もう今夜は興奮して眠れそうも無い。
そう確信すると桃太郎達もまた酒を飲み飯を食べて喜びを分かち合うのでした。
416桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/02(火) 17:38:19 ID:FzNMeHw/

「さきちゃん・・ありがとうね」
雉姐に礼を言われ、さきは照らされた顔をほんのりと朱に染めました。
「いえ、そんな・・・」
「さきちゃんが頑張ってなかったら私達は死んでたかもしれないわ」
そっと肩を掴まれますます、さきは照れてしまいます。
「あ、あたし、じっとしていられなくて・・・
 あたしだって桃太郎さんに助けてもらったのに何もしないのはずるいと思ったんです・・・」
「そんな事気にしなくて良かったのに。
 ・・・でも、ありがとう」
そう言うと雉姐はさきをぎゅっと抱きしめました。
「こんなに可愛いのに勇気があるのね・・・」
「あっ・・そんな・・・可愛いなんて・・」
雉姐はくすりと笑うとさきの頬を撫で始めました。
「だって可愛いわ・・すごく・・」
ちゅっという軽やかな音をたて雉姐の唇がさきの唇を弾きました。
「あ・・・」
「こういうの嫌い?」
「え・・その・・・」
戸惑うさきの表情に好感触を得て雉姐は抱きしめた腕をそっとお尻に伸ばしました。
「ふふ・・お姉さまって呼んでいいのよ」
「んっ・・!」
417桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/02(火) 17:39:31 ID:FzNMeHw/

空が白み、人々もぼちぼちと眠りにつこうとし始めた頃
桃太郎達は好意に甘え、元いた旅籠に戻っていました。
「どうすんだよ雉姐、持って帰ってきちゃって」
「いいでしょ別に」
雉姐の布団には既にさきがすやすやと寝息を立てています。
「いいじゃない。
 雉姐はその子とするって事で桃太郎さんはボク」
「ちょっと、駄目よ。
 わたしだって桃太郎さんとしますからね」
「なんでよ、いいじゃない」
「はぁ・・・」
二人のやりとりを見て猿がため息をつくと桃太郎が膝の上に乗っていた犬姫を降ろしました。
そして、おもむろに頭を下げたのです。
「ちょっ・・桃太郎さん?」
「すまなかった。
 私の女々しさで皆には迷惑をかけてしまった」
三人は顔を見合わせました。
桃太郎が何を言っているのかさっぱり要領を得ません。
「な、何のこと?」
「・・私は鬼退治をする役目を受け、そのために旅を始めたにも関わらず
 いざ鬼がいると知ると退治するのが嫌になった。
 怖くなったのだ。
 さっさと退治していればこのような大変な思いはせずに済んだのだ」
「も、桃太郎さんが”怖い”だって?」
猿が素っ頓狂な声を上げると桃太郎は神妙に頷きました。
「ああ、もし退治してしまえばお主達がいなくなるのではないかと思ったのだ。
 目的を達すれば母上にも会える。
 そうすれば団子の効果を消す事が出来るかもしれない。
 そう思うと、退治したくなくなってしまってな・・」
桃太郎が言葉を止めるとすかさず犬姫が抱きついてきました。
「えっへへー、あのね、いっぱいいっぱいしてくれたら許してあげる」
「いっぱい、ってどのくらいだ?」
「あのね、いっぱいだよ。
 ずうっといっぱい」
にこにこしながら犬姫は桃太郎の口に舌を擦りつけています。
「それならおっしゃってくれれば良かったのに・・
 わたくしが桃太郎さんから離れるなんて事あるわけありませんわ」
雉姐もまた嬉しそうな顔で犬姫ごと桃太郎に抱きついています。
418桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/02(火) 17:40:34 ID:FzNMeHw/

犬姫に押し倒された桃太郎はされるがままにベロベロと顔を舐められています。
猿はその光景を見ながら桃太郎の言葉を反芻していました。
(離れられるのが怖かったって・・・元に戻られるのが怖かったって・・
 桃太郎さんが・・あの傍若無人な人が・・・)
猿はふとある事に思い当たりました。
(もしかして・・・あんな執拗に俺を弄ってたのって・・・)
「んぁぁっ・・・!」
犬姫の甘い鳴き声が猿の思考を中断させました。
気付けば形勢は逆転し犬姫は差し込まれた桃太郎の指に踊らされています。
「くぅぅっ・・・・ん」
四つん這いになった犬姫が顔を上げて鳴いています。
その裸身を見て猿は自分の身体についているふくらみに手をやりました。
むにゅっという柔らかな感覚は手の平を覆います。
(確かに・・・犬姫のよりおっきくなってる・・)
「ふぁっ・・んんん・・お姉さまぁ・・・」
聞きなれない喘ぎ声に視線を映すとそこには雉姐に身体をまさぐられているさきの姿がありました。
その横では犬姫の小さな身体に桃太郎のものが侵入しようとしています。
いつ見ても、幼さすら感じる小さな白いお尻に桃太郎の凶悪なものが入っていくのは
少し残酷にすら見えて猿は身体の芯が少し熱くなってしまいました。
当の犬姫といえばあんな太いものを受け入れて体を揺さぶられて悦んでいます。
(はたから見れば俺もあんな風に見えるのかな)
桃太郎に抱えられ宙に浮いた状態で貫かれる犬姫を見てふとそんなことを思いました。
「くっ!」
桃太郎が短い声を出すと動きが止まりました。
痙攣する犬姫の口からかすれた声が漏れていきます。
それを見て猿は二人の元へ近づきました。
「猿・・・」
「・・・タダで泊まらせて貰ってるのに汚しちゃいけないだろ」
その言葉に桃太郎が引き抜くと猿は四つん這いでお尻を高く上げたまま
ぐったりとしている犬姫の秘所に顔を埋めました。
いまだに毛の生えていないつやつやとした丘は柔らかく熱く湿り
その中心からは白い涎を溢れさせています。
「あふぅ・・」
じゅるじゅるとすすると犬姫の口から音がこぼれます。
桃太郎の精を吸い取り舌を差し込んで舐め取ると猿はゆっくりと顔を離しました。
「ん・・・」
そのまま何も言わず猿は桃太郎のしなびた肉を口に含みました。
すぐにまた膨らみ始めたそれは猿の口にはとても大きく
目一杯開かなければ受け入れることすら出来ません。
口の中を支配しているものを丁寧に舌で洗い
鈴口からあふれてくる雫を喉で受け、纏わりついているねばねばの液体も吸い取ります。
その逞しい桃太郎の剣を口の中で感じながら
猿は桃太郎の言ったあの言葉を心に染み渡らせるのでした。
419桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/02(火) 17:41:32 ID:FzNMeHw/
――――翌日――

「ふぁ〜・・」
日がもう下がり始め、ようやくに桃太郎は目を覚ましました。
「ん・・犬姫・・?
 ・・・猿?
 雉・・・?
 どうした?
 どこだ?」
三人の姿が無く桃太郎は慌てて部屋中を見渡しました。
しかし、三人の姿はどこにもありません。
「みんなどこだ!?」
「ここですわ」
大声をあげるとすぐに雉姐の声が聞こえ桃太郎は胸を撫で下ろしました。
「桃太郎さん目をつぶってください」
意味はわからずとも桃太郎は言う通りに目をつぶりました。
なにやら、衣擦れの音と襖の開く音がします。
「はい、いいですよ」
目を開けた先に映ったのは、深緑色に輝く振袖を着た雉姐の姿でした。
いつも剥き出しだった足も隠れ、髪もまとめ上げたその姿は気品すら漂っていました。
「頼んでいた着物が出来上がったんですの。
 どうですか・・・?」
「・・・綺麗だ。
 私は着物の事はよくわからんが美しい事だけはわかる」
「キャー、やったー!!」
桃太郎が素直に褒めると雉姐は飛び上がって喜びました。
「あの馬鹿オスどもめ!ざまーみろ!
 やったー!何が僕達の方が美しいだ、こん畜生め!
 わたしの方が百倍綺麗ですわよ!!」
雉だった頃によほど羽の綺麗なオスに恨みがあったのか
雉姐はしばらくの間、呆気にとられる桃太郎の前でおおはしゃぎで喜びつづけるのでした。
420桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/02(火) 17:42:43 ID:FzNMeHw/

「犬姫ちゃんおいで」
ようやく落ち着いた雉姐に呼ばれると犬姫が姿をあらわしました。
明るい黄色の無地に蝶々がうすくあしらってあります。
ますます幼くなったように見えますがとても愛らしい姿でこれも桃太郎は気に入りました。
「ふふ、可愛いな」
「ほんと?可愛い?」
「ああっ、崩れますわよ」
犬姫が走って桃太郎に飛びついた為、雉姐が小さな悲鳴を上げました。
「猿は・・?」
「ふふ、もちろんいますわよ」
そう言うと雉姐は桃太郎からは見えない廊下の向こうに手招きをしました。
「ちょっと目をつぶってくださる?」
「あ、ああ」
言われた通りに桃太郎は目をつぶりました。
雉姐と猿の声がかすかに聞こえてきます。
「いいから来なさいって・・」
「もういいってばぁ・・」
しばらくするとその声も止み静かな音が聞こえ始めました。
「はい、どうぞ」
そう言われて目を開けた桃太郎の前には一人の少女がいました。
薄紅色の振袖に梅をあしらった、まさしく女の子の着物。
それを恥ずかしそうな顔で纏っている猿が立っていたのです。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・でかした!!」
桃太郎は思わず叫ぶと駆け寄って猿を抱きしめました。
「く、苦しいよ・・」
「あ、すまん・・・しかし・・可愛いぞ。
 こんな・・とても可愛い」
言葉が見つからない様子で桃太郎は猿をぐりぐりと抱きしめています。
「桃太郎さん・・・」
「なんだ?」
「・・・・お、俺をおかしくした・・・俺を女にした責任・・・とってもらうからね」
猿が顔を赤らめてそうつぶやくと桃太郎はぎゅうっとその小さな身体を抱きしめました。
「ああ、とるとも!」
猿が男に戻りたがっているのでは無いかと思っていた桃太郎はそれは大変な喜びようでした。
「可愛がってくんないと、戻るぞ」
「ああ、一生、死ぬまで可愛がる!
 みんな、三人とも、ずっと可愛がりつづける!」
そう叫んだ桃太郎の目にはうっすらと涙が浮かんでいるのでした。
421桃太郎 ◆JBtnEvJis6 :2005/08/02(火) 17:44:46 ID:FzNMeHw/
これで桃太郎、全部完結しました。
間を空けて申し訳ない。
待っててくれた人、レスくれた人、読んでくれた人、
どうもありがとうございました。
422名無しさん@ピンキー:2005/08/02(火) 17:47:30 ID:soc8pXcE
GJ!!━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!

423名無しさん@ピンキー:2005/08/02(火) 18:37:41 ID:A/hTP59b
やっべ猿やっべ 萌え杉

大作素晴らしかったです。
GOD JOB!!!!
424名無しさん@ピンキー:2005/08/03(水) 00:03:11 ID:OG1wjo4+
お疲れ様でした〜!
すごく面白かった!
425名無しさん@ピンキー:2005/08/03(水) 16:11:48 ID:qrJMVvbF
おもえろかったー―――――!!!!
次回作品も期待してます
426名無しさん@ピンキー:2005/08/06(土) 20:07:16 ID:RE7L23gH
『不思議の国のアリス』でもよいですか?
427名無しさん@ピンキー:2005/08/07(日) 01:07:11 ID:VDpJXgoY
Щ(゜Д゜)Щカモォーン
428名無しさん@ピンキー:2005/08/07(日) 01:48:34 ID:bmiC9B0n
もちろんです(`・ω・´)
429名無しさん@ピンキー:2005/08/08(月) 19:23:20 ID:iNyxhTUs
秘密の花園のかたも続き正座して待ってます。

と密かにラブコール。
430名無しさん@ピンキー:2005/08/20(土) 01:11:53 ID:gEF2lNj6
age
431名無しさん@ピンキー:2005/08/20(土) 18:11:44 ID:LppQ6S5a
もう読んでらっしゃらないかもしれないけど
山椒大夫のSS、すごいよかったです。
子供のころ読んでなんとなくふに落ちなかった部分が
すとんと埋まった。
この時代の文学だから露骨に表現しないだけで
行間を読めばこういうことだよ根。
これはパロって言うか現代版山椒大夫だ!

惜しむらくは、ほんとに惜しむらくは
二郎の性格付けがやや甘かったこと。
安寿と家族の間でいろいろ思うこともあったんではないかと。
超遅レスだがここでGJと叫ぶ。
432名無しさん@ピンキー:2005/08/25(木) 17:36:05 ID:hJ2xrkLv
投下待ちアゲ
433名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 00:23:57 ID:Dp77PQZk
自分も山椒大夫には感動した。
もう1年近くも前に投下されてたんだね、昨日初めて読ませていただきました。
本気で、大人版山椒大夫だと思う!
434名無しさん@ピンキー:2005/09/24(土) 18:43:58 ID:DsbL3RWd
クレヨン王国(原作版)のエロパロが読みたいといってみるテスト。
435名無しさん@ピンキー:2005/09/25(日) 03:06:57 ID:S70eVWOS
426を密かに待つ
436名無しさん@ピンキー:2005/09/27(火) 13:54:57 ID:Cg+46jcJ
良スレハケーン
秘密の花園の続編きぼんぬ(*´д`*)ハァハァ
437名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 01:06:12 ID:r9Ng31DU
>>431

 お陰で読む気になった。面白かった。
 山椒大夫GJ!
438名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 16:14:38 ID:SWpNVh+u
GJ!な話があるのでアゲときますか
439名無しさん@ピンキー:2005/10/10(月) 21:27:29 ID:zYFKliTM
ここの作品は本当にレベル高い
文学が元ネタなので文体を原作に忠実にしないといけないので
文章力が高くないと書けない

という訳で自分も秘密の花園の続編待ち
440名無しさん@ピンキー:2005/10/31(月) 00:30:07 ID:hzgaUAQX
>>439文章力が高くないと書けない
そんな事も無いでそ
書き手の立てたスレだから書きたい人が気軽に書けばいいと思われ

保守ついでの亀レスでした
441名無しさん@ピンキー:2005/11/01(火) 23:18:48 ID:W+a4+W29
桃太郎は神だ!!後は残念ながら三流エロの駄作
442名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 00:11:31 ID:wH3fTEYW
中島敦 李陵を、陵辱のものでおながいします。
443名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 02:47:18 ID:Ard9ZG6z
西遊記とかなら書きやすそうなんだが。
444名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 03:41:41 ID:mqzxuufz
>>443
今まで散々二次創作、三次創作とされまくってるから逆に辛いかも。
445名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 08:27:16 ID:vgroFCor
>>444
この板にのる前からそんなレスしてどうするw
やったもん勝ちだと思うよ。三蔵法師がやっぱ女?
前に絵板で猿が女のやつ見たことあるけどかなり萌えた。
446名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 21:53:26 ID:qn3oZL0r
な夏目雅子(;´Д`)ハァハァ
447名無しさん@ピンキー:2005/11/05(土) 01:10:51 ID:y/69Xs5Q
投下が無いならせめてネタを考えて待ってみる。
『そばかすの少年』…そばかすが片手でもどかしげにオナってるのを通りがかりの鳥のおばさんが優しく手伝ってあげる。

…他に浮かばないorz
448名無しさん@ピンキー:2005/11/24(木) 22:37:30 ID:F0wpZSgO
投下こないかなぁ…age
449名無しさん@ピンキー:2005/12/11(日) 01:14:50 ID:YRsq//4q
保守☆彡
450名無しさん@ピンキー:2005/12/22(木) 00:09:27 ID:QGaq648I
>>434
今ケーブルでアニメ再放送やってるしな、まじキボン
451名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 23:16:00 ID:46pn/Imw
ちょっと下がりすぎなんで上げときます
452名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 23:20:02 ID:46pn/Imw
あがってねーし
お詫びといっちゃなんですが一つ妄想置いときますね

ヘンゼルとグレーテル
お菓子の家で生クリーム責め
兄の眼の前で老婆に弄ばれ幼い身体は女へと変貌する
453名無しさん@ピンキー:2006/01/06(金) 23:20:55 ID:46pn/Imw
no!何で執拗に下げちまうんだ!
454名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 16:36:16 ID:kBIAt07q
>>452
兄の目の前で妹に責められ、
若返る老女…と誤読してしまった(ノ∀`)
455名無しさん@ピンキー:2006/01/11(水) 21:57:38 ID:VM8Yha+S
老婆萌え?
456名無しさん@ピンキー:2006/01/13(金) 21:13:37 ID:US6qgsiv
グリムや昔話、童話のエロが見たいここの住人は
「残グリ」も読んでるのかな?かなり気になるのでage
457名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 00:55:25 ID:PEJRV8ge
昔話、民話系はアレンジ次第でエロくしやすいかも
458名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 23:20:46 ID:e1W/nKPN
映画化記念ってことで、「高慢と偏見」の
ダーシー×エリザベスを書いてくれる神はいないでしょうか。
原作も映画も好きだけど、この二人大好きだからエロも読んでみたい。
459名無しさん@ピンキー:2006/01/25(水) 01:27:40 ID:/F/ShQ4P
干す
460名無しさん@ピンキー:2006/02/01(水) 17:08:50 ID:MAvo5j5L
保守age
ここって人居るの?
461名無しさん@ピンキー:2006/02/02(木) 14:19:42 ID:dYhG0R4e
居ますよ〜〜〜〜〜
『そばかすの少年』いいですね〜
エンゼルとそばかす、きぼんぬ。

『山椒太夫』感動しました。安寿って最後自殺するんでしたっけ?

『秘密の花園』
今ちょうど読み返してた所(映画写真が表紙の文庫)
コリンとメアリーはどうなるのか
続きでは絡みあるのかな??
462名無しさん@ピンキー:2006/02/08(水) 21:04:10 ID:QdK4YOpQ
hosyu
463名無しさん@ピンキー:2006/02/15(水) 18:41:39 ID:+7ucFIWm
『トムは真夜中の庭で』
トムは1950年代の10歳くらいの男の子
ハッティ・メルバン(メルボルン)は、1900年代の5歳くらい、
物語の終盤では18-20歳くらいの女の子

 需要あります?
464名無しさん@ピンキー:2006/02/15(水) 18:48:03 ID:+Sw0Vwmh
>>463
書いて!書いて!
465名無しさん@ピンキー:2006/02/16(木) 00:57:18 ID:zus4V1gW
ワクテカして待つ
466名無しさん@ピンキー:2006/02/16(木) 01:45:05 ID:xvvzq94s
おーなつかしい名前だ・・・出だしとラストシーン以外忘却の霧の中だが・・・
待っとります
467名無しさん@ピンキー:2006/02/25(土) 19:31:02 ID:I0V/a/IH
待ってるよー>>463
468名無しさん@ピンキー:2006/03/05(日) 14:04:29 ID:ZXm2UNwZ
辛抱強く松
469名無しさん@ピンキー:2006/03/07(火) 23:35:01 ID:1iJ+JuW8
純文のSS期待アゲ
470名無しさん@ピンキー:2006/03/17(金) 00:49:58 ID:coAfO4G6
ここはやっぱり、マッチ売りの少女だろう!
純文から陵辱まで幅ヒロス。
471名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 00:30:28 ID:i5alq/ZZ
「怪」のアニメ見て思ったが、化け猫もイケるな…
獣姦(;´Д`)ハァハァ
472名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 02:26:30 ID:DcWNk1QA
だれかサークル・オブ・マジックのリースで書かないか
473名無しさん@ピンキー:2006/03/26(日) 22:49:58 ID:Ej7A7Fpi
ぐりとぐらって、あいつらできてるよね!
474名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 23:24:12 ID:gf77PCIs
ぐりぐらぐりぐら…(←ヤッてる時の音)

こうですか?わかりません!
475名無しさん@ピンキー:2006/03/28(火) 22:17:14 ID:9a5Sal/d
ほめ自
476名無しさん@ピンキー
ほしゅ