ファイアーエムブレム&ティアサガ第11章

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1名無しさん@ピンキー
前スレ潰されたんで仕方なくスレ立て

前スレ
ファイアーエムブレム&ティアサガ第10章
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1085577911
作品倉庫
http://fire_emblem2ch.at.infoseek.co.jp/fe18.htm
2名無しさん@ピンキー:04/08/05 23:43 ID:PYdAoyJG
初代スレ
「ファイアーエムブレムのエロネタでハァハァ… 」
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1004/10044/1004451716.html
ファイアーエムブレム&ティアサガ第二章
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1020/10200/1020016530.html
ファイアーエムブレム&ティアサガ第3章
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1033/10338/1033828837.html
ファイアーエムブレム&ティアサガ第4章
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1042/10422/1042292300.html
ファイアーエムブレム&ティアサガ第5章
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1048/10487/1048789718.html
ファイアーエムブレム&ティアサガ第6章
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1053/10532/1053271621.html
ファイアーエムブレム&ティアサガ第7章
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1057/10572/1057238909
ファイアーエムブレム&ティアサガ第8章
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1065/10653/1065356946
ファイアーエムブレム&ティアサガ第9章
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1073706816
3名無しさん@ピンキー:04/08/05 23:55 ID:PYdAoyJG
前スレへの誘導も出来なかったorz
後は即死だけ回避頼む。作品投下はまだ適わない
4sage:04/08/06 00:05 ID:ff9Tq/5x
乙です。

保守。
5名無しさん@ピンキー:04/08/06 00:37 ID:XPeDyPX+
ほしゅ。
続きが書けるかわからないものなら投下できますが… orz
6 ◆rEtdWXJvJ6 :04/08/06 01:00 ID:179S2jVX
ヒース×プリシラ今書いてます。
明日か明後日には投下できると思います。
7名無しさん@ピンキー:04/08/06 01:12 ID:LTnQcNIz
期待sage
8ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/06 04:08 ID:lpjEGjXf
>>1乙〜♪
前スレ変な厨に潰されちゃったね・・・
9名無しさん@ピンキー:04/08/06 12:02 ID:4mb3LRWw
ふと思ったんだが、プリシラと恋人になる男(支援AでEDが変わる香具師)って、
全員ルイーズとも支援があるんだよなあ・・・

これ使って何か作れないかな?
10名無しさん@ピンキー:04/08/06 13:07 ID:sx3ivcbk
EDないけど、セインもね。
セーラといい、プリシラ支援相手被り杉。
11988%マシン ◆ka5BrNUzcE :04/08/06 20:47 ID:LoB4K1up
トラナナ物、見切り投下開始。主役はアマルダで。
一回目はエロシーン無しですが、即死回避にでもなればいいかなと。

◆rEtdWXJvJ6 氏の投下時期とカブりそうだが大丈夫か?
12罪の意識:04/08/06 20:48 ID:LoB4K1up
――アマルダ様、剣を引いて下さい

後退するレンスターの反乱軍を追撃していた女騎士アマルダは、戦場には相応しからぬ
澄み切った声に自分の名を呼ばれ、愕いて声の聞こえた方角である前線に目を遣った。

両脇を森林に挟まれた街道のあちこちに毀れた斧や折れた槍、それから鮮血に塗れた
鎧兜の断片が散らばって、
剣を握ったまま引き裂かれた腕
馬上で切り落とされたと思しき足
腸を傷口からはみ出して死んだ馬
斬られた馬の脇に転がる敵兵の死体
また死体
名うての戦士ですら――恐らくはそれが聖戦士であったとしても――逃げ出したくなる
ような殺戮現場の遥か後方に、反乱軍の歩兵達が子供のように泣き叫ぶ様が見て取れる。
彼らの指揮官は既にアマルダ達の両脇で物言わぬ死体と化しており、生き残った騎馬部隊は
早々に戦場を立ち去っている。退却の際にも、騎馬が歩兵を置き去りにせねばならぬ程
反乱軍は追い詰められていたのだろう。
孤立した反乱軍の歩兵は、戦おうにもまともな戦闘が行なえる状態では全くない。
恐らくは質量共に優位な帝国軍の前に、むざむざ殺されるのが落ちである。
さりとて退却したは良い、歩兵の足では騎馬による追撃部隊から逃れる事も出来ぬ。
命令する者も援護する者もおらず、進んでも死、退いても死という絶望が、重苦しい
空気を孤立した歩兵たちの間に醸し出していた。
日用の糧を奪われた挙句に蜂起した農民が、追い詰められ殺されて行く時に
立ち昇って来る、絶望にまみれた厭な空気である。
反乱軍の殿からほんの一筋、力強く心地よい風の流れが漂って来る。
哀れに泣き叫ぶ屈強な男たちを己の身で庇わんとするががごとく、
一人が両手を広げ、真っ直ぐに追撃部隊を見据えて堂々と立っている。
近付くとそれは、アマルダの良く見知った――
13罪の意識:04/08/06 20:50 ID:LoB4K1up
スルーフ様――!!
アマルダは刮目して、無意識に彼の名を叫んだ。自ら騎乗する馬を配下の騎馬部隊の先頭に
走らせ、兜を脱ぎ去って命知らずのブラギ僧に大声で呼び掛ける。
「スルーフ司祭、なぜ貴方がこの戦場にいらっしゃるのですか?!貴方は……」
私が救い出した子供たちを預かって下さっていた筈でしょう、と言い掛けたアマルダの
声を遮る勢いで、スルーフ司祭のよく通る叫びが帰って来た。
「そうです。その後クロード様のお導きに従い、リーフ王子と出会いました。
貴女の事を王子に話した所、是非とも我が軍に来て頂きたいとの仰せでしたよ」
「スルーフ様、私は――」
蹄の音をして掻き消えないどよめきと共に、アマルダの後方から彼女の後頭部に向けて
一斉に視線が注目した。
14罪の意識:04/08/06 20:51 ID:LoB4K1up
戦場のど真ん中で将を勧誘するブラギ僧など、彼らにはその存在を知る由も無い。
とは言え若き金髪のブラギ僧は、明らかに軍目的に反する行動を取っている。従って
彼は帝国に徒為す者として処断されねばならぬ。
「おのれ痴れ者、誇り高きフリージの武人に寝返りを唆すか! 例えブラギ僧の戯言と云えども
看過ごせる物ではないわ! 反乱兵もろとも切り刻んで呉れる!」
騎士の一人が息巻いて、手綱を左手に纏めてキルソードを抜いた。
アマルダの脇を通り抜け、隊列の先頭に飛び出る積もりであるらしい。
待ちなさい、とアマルダが叫ぶ。それを無視して、兵がキルソードを振り上げる。
屈強な兵をも一撃で斃せるよう鋸目の入った刀身が、日光を乱反射させながら降りて来る。
スルーフは目の前にまで迫った刃にも一向に怯む事なく、腕を広げた姿勢を崩す事はなかった。
「アマルダ様、是非リーフ様の元へお出で下さい!」
叫び終わるや否や、金属のぶつかる硬い音と火花が、スルーフの眼前で炸裂する。
騎兵のキルソードは刀身を折られて回転しながら宙を舞い、騎兵の頭上を飛び越えて
剥き出しの土の上へと勢い良く突き刺さった。後方から駆け付けた騎兵達がざわめき、
剣を折られた兵は目を白黒させて握った柄を、次に前方を見る。
彼の上官は目と鼻の先で、頭上まで振るい上げたマスターソードを腰の鞘に納めた。
「アマルダ将軍、何を考えておられるのですか? この者は……」
「スルーフ様」
部下の言葉を無視するように、アマルダは驚いた目で自分を見つめるブラギ僧に言った。
15罪の意識:04/08/06 20:52 ID:LoB4K1up
「貴方がどうやってこの前線に辿り着いたのかは存じません。貴方の仰る事にも
承服しかねる点はございます。けど」
アマルダは落ち着いた口調で眼下のスルーフに語り、首を軽く後ろに向ける。
居並ぶ部下の遥か先、街道の地平近くでぼやけている土煙を一瞥して、彼女は語った。
「私達だけでなく、アルスターのコノモール将軍も追撃に参加しております。このままでは
貴方達は、まず間違いなく殺されてしまうでしょう。戦意喪失した、ここにいるレンスターの兵も」
敵将であるアマルダの視線を受けて、武器を失った男達がスルーフの影に逃げ込むように身を竦めた。
土煙の先頭に、蟻のように小さな騎馬の姿が見える。亡国アルスターがトラキア半島に誇る猛将、
コノモール伯爵だ。アマルダは続ける。
「貴方がたを帝国に連れて帰った所で、国王が助命する保証は全くありません。ですから――」
何を言ってるんだ、とアマルダの騎兵達が騒ぎ出し、スルーフは唇を引き締めて凝乎と黙り、言葉を待つ。
飽くまで穏やかな上官とブラギ僧の姿に、やがて騎兵達のざわめきも鎮まって行った。
蟻のごとく小さかったコノモールは、今や豆粒ほどの大きさにまで育っていて
蹄の音も聞こえて来る。追い付かれるのは時間の問題だろう。
四方から注視を集める中、アマルダはすぅと息を吸い込み口を開く。
「人道的な見地から、彼らをレンスターへ送還する。それが只今からの任務だ。
この任務は私アマルダの命を以って発せられる。以上!」
麾下の軍勢がはっきり聞き取れるよう大声で言い終わると、アマルダはスルーフの手を取って馬上へと引き上げ
「はっ!」
自分の後ろに乗せて手綱を引き、全速力で街道のど真ん中を駆け出して行く。
騎兵達は逡巡の後、それぞれが上官に遅れまいと敵兵を一人づつ救い上げ、アマルダに付き従って
走り出した。
16罪の意識:04/08/06 20:53 ID:LoB4K1up
アマルダは今、街道を走り一目散にレンスター城を目指している。
敵兵を捕虜にもせず送り届ける事は重大な軍規違反であるどころか、その場で反乱兵の一味と見なされて
友軍からの攻撃を受けても仕方のない措置である。当然アルスター城に、彼らの帰る場所はもうない。
せめて一度、スルーフ達を捕虜にすべきだったのかも知れない。
――本当にこれで良かったのだろうか
一人裏切り者の汚名を被る事に、アマルダは何ら抵抗を感じない。彼女の決断を遅らせていたのは、部下達に
辛い選択をさせてしまう事態への躊躇いであった。

「アマルダ様」
風切り音に混じって聞こえたスルーフの声に、アマルダは振り返る事なく返した。
「しっかり掴まっていて下さい。落馬したら死んでしまいますよ」
スルーフが胸に回した手に力が篭った。胸鎧の上から彼女の豊かな胸に馬の振動が伝わる。
どこを触っているのか、と非難されても仕方のない状況であるが、アマルダは敢えてそれをしない。
背中に感じた重みからアマルダが想像する限り、スルーフは自分の腕のみならず首まで使って
彼女に抱き付いていると思われた。それが証拠に彼の触れる胸鎧から、緊張した筋肉の様子まで伝わって来る。
乗馬に慣れぬ司祭に対して無理に掴む場所の変更を強要すれば、十中八九落馬するだろう。
知らない間に固さを増していた胸の先端が下着で擦れて、アマルダはその痛みに顔を顰めつつも
平静を装ってスルーフに尋ねた。
「怖いですか、スルーフ様」
戦場とは違う理由から来る緊張を隠してアマルダは問う。返事は無かった。
――斬り殺されそうになっても動じなかったのに、馬は怖いのかしら
再会した時に見せた胆力の持ち主と、今背中で震えている青年司祭とが、同一人物であるとは俄かに信じ難い。
司祭の見せる落差に思わず吹き出しそうになったアマルダだったが、彼が必死で呼び掛けたので笑う事は無かった。
「済みません。結局は貴女に、国を裏切らせる事になってしまいました」
17罪の意識:04/08/06 20:54 ID:LoB4K1up
「裏切った訳ではありませんよ、スルーフ様。私は今でもフリージを愛しておりますから」
アマルダは司祭の呼び掛けを遮り、悠然と言った。
「貴方たちを送り届けたら、もう一度軍に戻ってみます。多分私は処刑されるでしょうが」
上官の責務として、せめて彼らの潔白を国王に訴えなければ。軍規に違反したのはアマルダ一人であって、
騎兵達は直属の上官である彼女に追き従ったに過ぎない。
そんな彼らが罰せられる謂れはない。彼らには何の罪もないのだから。
「アマルダ様」
スルーフは首を横に振った。司祭の金髪がアマルダの耳を擽り頬を撫でて、アマルダは思わず頬を赤らめる。
司祭は彼女の様子に構う事なく、無謀な考えを諌めた。
「それは無謀過ぎます。アマルダ様がこうして私を送ると決めた以上、部下の皆さんも覚悟は決めておられると
思います。それに恐らく城に戻るのは――」
無理だと思いますよ――
スルーフが彼女の耳元でそう言った瞬間、二人の乗った馬の右脇で道草が風向きに逆らって踊った。

厭な予感を覚えて、アマルダは馬の右脇を見下ろす。埃を含んだ風が、道路の地面近くで渦巻いている。
――これは……風魔法?!
彼女は馬に鞭を入れ、やや左寄りに全力で走らせた。
次の瞬間背後から聞こえた轟音とともに、猛烈な逆風が左側から吹き寄せる。後ろで人馬の悲鳴が上がる。
風が止むと、巻き上げられた騎馬や兵士が上空から降って来た。
街道の地面に叩きつけられ、不自然な姿勢で倒れ込む。
内臓を破裂させた馬
首が折れ、口から血を零した人間
まだ息がある者が骨折の痛みに悶えている姿が痛ましく、アマルダは自分の部下でありながら
彼らの呻き声から逃れたい気分に駆られ、再び馬に鞭を入れた。
18罪の意識:04/08/06 20:55 ID:LoB4K1up
「今のは竜巻魔法……どうやら追い付かれたようですね」
背中の言葉に、アマルダは頷いた。出撃前の打ち合わせで、コノモールの配下に魔法騎士がいる事は
分かっていた。今の竜巻魔法は、おそらくその魔法騎士が放ったものであろう。
レンスター城に掛かる橋は、もう目と鼻の先に見えていると言うのに。
迎撃しようにも、今の攻撃で人数的にも不利になった。しかも彼女の部下はほとんど全員が二人乗りであり、
動きの鈍った状態で精鋭揃いのアルスター軍と戦っても勝ち目は無い。
むざむざ殺されるのを待つ他は無さそうだと、アマルダは覚悟した。
「ここまでかも知れない。スルーフ様、ごめんなさい」
言ってしまうと、涙が自然と溢れて来た。アマルダはそのまますすり泣く。
自分が殺されるだけあれば、無様でもよかろう。だが友軍から攻撃を受ける身となってしまった以上、
最早ブルームに部下達の助命を嘆願する道も閉ざされてしまった。ならば部下共々レンスターへ
行くより他に彼らを救う道はないが、それも叶わないだろう。
レンスター到着以前に、目の前で何人か殺されてしまった。
自分の判断が甘かったのだ。どうせ助けるのだったら何も言わず、スルーフを救い上げればそれで良かった。
今背中にいるスルーフは無力で無責任な自分と違い、ここで死ぬべき人間ではない。
素早く助けておけば、コノモールの軍勢に追い付かれる事も無かった。
そして恐らく、スルーフ司祭も自分の無力ゆえに死なせてしまうのだろう。
愚かで
罪深い
自分への呪いとスルーフへの謝罪を込めて、アマルダはしゃくり上げながら絞り出した。
19罪の意識:04/08/06 20:56 ID:LoB4K1up
「ごめんなさい……」
「何を言うんですアマルダ様!」
スルーフの口調が耳元で激しくなり、アマルダは驚いた。スルーフは馬の背で震え上がっていた臆病者とは
思えぬほどに、激しくアマルダに捲し立てる。
「レンスターはもうそこじゃないですか! 劣勢とはいえ、彼らも橋の付近で迎撃すれば、大軍相手でもそれほど
不利ではありません!だからレンスター軍もすぐ近くまで来ているはずです、諦めないで!」
「でも、でも……」
「いいから走ってアマルダ!何も考えずに走るんです!」
まるで出来の悪い子供に向けて、困難な課題をやるように促す親のような口調である。
彼女はスルーフの叱責だけを力に、レンスターの橋に向かって走った。
背後に騎馬の気配がする。殺気を含んでおり、確かめるまでも無く敵だと判る。
疲労と積載重量で、馬の足が落ちている。
――多分、斬られる
風が舞い、アマルダの肌を冷やりと撫でると、彼女は背後に迫った殺気が
綺麗に消え失せている事に気付いた。事態を理解し切れず、自分にしがみ付くスルーフに
前を向いたままアマルダは問うた。
「風雪魔法…誤爆ですか?!」
「いや違う、この魔力は多分アスベル君のものです!もう少しで助かります!」
極北の冷気に包まれたならば、例え最大の魔法防御を誇る魔道士でも一瞬にして
魔の眠りに誘われてしまう。一撃で相手の戦闘能力を奪うには最適な戦法であった。
スルーフが言った通り、橋の向こう側に魔道士の装束を纏った少年がこちら向きに立っている。
左手に魔道書を携え、右手の指を突き出して、指から風精の残り香を立ち昇らせて。
あれが多分風雪魔法の魔道書だろう、とアマルダにも想像は付いた。
少年の背後からレンスターの騎馬が飛び出して、二列縦隊で橋を渡る。
「私です、スルーフです! この女性は敵ではありません! アルスター軍に追われています!」
スルーフが叫ぶと、レンスターの騎馬団は橋の中央を空けた。敵意はない。
アマルダと、それから生き残った彼女の部下がレンスター軍とすれ違った途端、彼らは橋の中央を塞いだ。
そして追撃軍であるアルスター軍の進撃を食い止めつつ、ゼーベイア将軍の機甲部隊と交代すべく、
元来た橋をゆっくりと後退して行った。
20罪の意識:04/08/06 20:57 ID:LoB4K1up
レンスター城の執務室から、法衣を纏った金髪の男と、軽装の軍服を身に付けた銀髪の女が出て来る。
彼らは室内に向けて一礼し、遅めの昼食を摂りに食堂へ向かうべく、並んで通路を歩き出した。
「私、ここに居ても大丈夫でしょうか。軍師殿は随分と帝国の人間を嫌っておられるみたいでしたが」
彼らはリーフ王子に挨拶すべく立ち寄ったのであるが、生憎リーフは体調不良という事で、禿頭の軍師
アウグストが彼に代わって対面したのである。
リーフが使う机の隣りに立った彼は傲然とアマルダを眺めると、椅子も勧めず入り口近くに彼女を立たせたまま、
豊富な語彙をふんだんに使った罵詈雑言を投げかけたのである。
帝国は弱者を踏み躙る、騎士は民を省みる事もない、こんな劣勢の軍隊へ身を寄せようなどと考える者は正気ではない、
細作に違いない、信用出来ぬなどと延々一時間近くも嫌味を言われ続け、アマルダはすっかり気落ちした様子であった。
「あの方はああいう言い方しか出来ない方なのです。でも心配はないと思いますよ。オルエン閣下も軍師殿の
厳しい言葉を受けて、それでも尚我々に協力して下さってますし」
「オルエンが?」
意外そうな顔付きであった。そう言えばオルエン将軍もアマルダと同じく、フリージ公国の出身であったか。
「確か彼女は行方不明って聞いてましたよ」
「ご存知ありませんでしたか。もっとも、私も従軍して初めて知った事ですし。あの方は兄上の事があるから、
フリージの内部でも事情は伏せられているのでしょう。当て推量に過ぎませんが」
「ええ、今のお話は当たっていると思います。実は私も、オルエン将軍の事は噂話でしか聞いた事がないのです」
「アマルダ、もしかしてアマルダ将軍じゃないの?」
通路を右手に曲がった所で聞こえた懐かしい声に、アマルダは足を止めて振り返った。
21罪の意識:04/08/06 20:59 ID:LoB4K1up
黒髪の少女が、長身の青年を連れてアマルダの後ろを歩いていた。
噂をすれば影とは、よく言ったものである。少女はフリージ公国切っての若き才媛、オルエン将軍であった。
余談だが彼女は、イシュタル王女の腹心ラインハルト将軍の妹でもある。
やっぱりアマルダだわ、とオルエンはさも嬉しそうに駆け寄り、戸惑っているアマルダの両手を正面から取って握り締めた。
「真逆アマルダが来てるなんて思ってもいなかったわ。廊下を歩いてたら、私の名前が聞こえて来たのよ」
「ええ……」
「それだけなら『ああ、誰か噂してるな』って話で終わるわよね。でも私がフリージでどう言われてるのかって話だから
私も気になるじゃない。ほらフリージの情報は敵情として入って来ても、その中に私の話なんか一言も入ってないから
不安になってたの。分かるでしょう」
「そう……よね」
「それで近付いてみると綺麗な銀髪じゃない。髪型に覚えがあったから、貴女だって判ったのよ。
ねえねえアマルダ、お兄様――じゃない、ラインハルト将軍は元気にしてらした?」
オルエンはとにかく早口で、他人が口を挟む余地などまるで無い。スルーフ自身この軍に従軍して日は浅いが、
その間に受けたオルエンの印象と言えば、いつも張り詰めた表情だった筈だ。
少なくとも、只の知り合いでは無さそうである。
アマルダの手を上下に振りながら捲し立てていたオルエンだったが、長身の青年が咳を一つ払うと、
はっと気が付いたように平常を取り戻した。
「ああフレッド、ごめんなさい。アマルダもね。ところでアマルダ、もうお昼食べた?」
まだです、と言いかけたスルーフより先に、アマルダが口を開いた。オルエンのペースに
引き摺りこまれた事が幸いしたか、何時の間にやら曇った表情が晴れている。
「リーフ王子に挨拶に伺った所だったんだけど、王子じゃなくて軍師殿に色々言われてたの。
それで遅くなったから、今から食べようと思ってた所よ。オルエン、貴女は?」
あーアウグスト殿のお小言はキツいからね、とオルエンは苦笑しながら漏らした。
22罪の意識:04/08/06 20:59 ID:LoB4K1up
彼女も以前アウグストの毒舌により、自分の存在自体が罪ではないかと一時本気で疑いかけた
経験がある。お小言と言っているが、実際は言葉で人を殺す程の威力を秘めた非難である。
禿頭から受けた厭な思い出を溜息と共に吐き出すと、彼女はまた明るい表情に戻っていた。
本当に表情の豊かな娘である。
「私も錬兵と魔道の研究が忙しかったから、まだ食べてないの。良かったら一緒にどう?」
「いいわね、貴女と一緒の食事って本当に久し振り。何があるの? あ、スルーフ様も是非ご一緒下さいな」
スルーフは急に話題を振られてうろたえた。二人は自分たちの世界に没頭していたのではなかったのか。
「フレッドもね。錬兵の間ずっと私に付いてたから食べそびれちゃったでしょう。腹が減っては戦は出来ぬ」
オルエンに言われ、フレッドは慌てながらも無言で答える。スルーフと彼の目が交差する。
――話に付いて行けん。
スルーフの目には、彼の瞳が無言でそう語り掛けているように思われ、お察ししますと無言で頷いた。
23罪の意識:04/08/06 21:00 ID:LoB4K1up
城内外が戦闘態勢に入り、しかも昼食の時間帯を疾うに過ぎたレンスター城では、ほとんど全ての食堂が
看板を下ろしてしまっており、厨房の余り物位しか食べる物は残っていない。
もう夕食の仕込みに掛かっていた城の賄い婦は、彼ら四人が食事を所望した事にぶつくさと文句を垂れながら、
それでも彼らの為に席を用意してくれた。
料理はお世辞にも豪勢とは言えない。だが食事は一人で行うより、大勢で摂った方が美味く感じるものである。
食事中、向かい合って着席したアマルダとオルエンは、久々に食事を共にするという貴重な時を
賑やかに談笑しながら過ごしていた。訊けば彼女らは只の同僚ではなく、士官学校の同期だと言う。
「では二人は、その時からの知り合いなのですか」
「いえ、もっと古い付き合いです。まだ五つか六つの時だったっけ、オルエン――」
オルエンは首を縦に振って、そうですと答えた。アマルダが言う。
「オルエンとは一緒に人形遊びをしたり、絵を描いたり外で遊んだりしたものです。遊びの最中に玩具の取り合いに
なって、泣かされた事も何度かあります。全部私のだって無理言って」
「ちょっとアマルダ、貴女だって結構なお転婆だったわよ。私が雷を怖がってたの分かっていて、大雨の日に
無理矢理外に連れ出したじゃない」
その場に同席していたフレッドでさえ、アマルダの発言には吃驚した表情を見せた。然にあらん、
雷魔法を自在に操る事から『青の魔道士』の名高いオルエンが、幼少時には雷を怖がっていたと言う。
彼女の幼少時を知らぬ者たちには、俄に想像し難い逸話ではないか。
「それは本当の話ですか、オルエン様」
フレッドの問いに、オルエンは苦笑して少し困ってみせ、アマルダも釣られて笑う。
幼馴染とは彼女等の為にある言葉なのだなと、スルーフは少し得心して一人水を口に運んだ。
24罪の意識:04/08/06 21:02 ID:LoB4K1up
「でね、ケンプフったらラインハルト兄様の話をちょっとしただけで、血相変えてシューターの配置場所から飛び
出して来たのよ。あれって絶対命令違反だったと思うわ。そうでなきゃ、あの短気な性格で予備軍なんか勤まる訳ないし」
「あー、わかるわかる。ケンプフってさ、物凄く気が小さいよね。ダンドラムでマーダーホレスを発動させたって
聞いてるけど、アイツ貴女も置いて自分一人だけで逃げ帰ったのよ。知ってるかも知れないけど。あの命令って
確か、発動した本人も玉砕しないといけないんじゃなかったっけ?」
「そうそう、発動を友軍に知らせるのは伝令兵の役目だったはずよ。あれって絶対軍法違反よ。その事だけど、
アマルダには悪い事しちゃったな。心配かけてゴメン」
「貴女の所為じゃないわよ。ダンドラムが攻められているその時に、貴女を牢に閉じ込めたんじゃない?
オルエン、もしかしたら貴女アイツに殺されてた所よ。貴女が生きていてくれただけで……」
「ありがとアマルダ。ところで、王子がレンスター奪回する時に貴女もいたって話だけど、貴女どこに居たの?」
「裏の西門よ。グスタフ将軍に子供狩りを止めろって申し入れたの。ほら、国王陛下も『やれ』っていう
命令を下された訳じゃないから、人道に反する真似は騎士としてするべきじゃないってね。そしたら
気に入らなかったのか、あそこに配置されたの……」

スルーフは女たちの会話に参加するでもなく、悠然と無言で食後の茶を啜るフレッドの様子を盗み見ながら、
その真似をして場を無難に切り抜けようと考えていた。
彼がアマルダに対して抱いていた印象は、真面目で融通が利かない、どちらかと言うと冗談も
言わない落ち着いた性格の持ち主、というものだ。
実際彼女はスルーフがターラ北部の村に滞在していた頃、何度も教会の懺悔室に足を運び、
罪の告白を涙ながらに語ったものである。
常に自分の無力を責め、世に蔓延る争いを憎み、子供狩りや焼き討ちなどの不条理に涙する。
告悔の度に聞いた、彼女の啜り泣く声までスルーフは直ちに思い出せる。
アマルダはそんな陰のある少女だった、気がする。
25罪の意識:04/08/06 21:03 ID:LoB4K1up
それが、共にフリージの将軍である旧友オルエンと会話をしている時は、積極的に捲くし立てて
尚且つ明らかに会話を楽しんでいる。口調も普段の厳しいものから歳相応の否、齢十を少し
越えた小娘と思わんばかりに砕けたものになっているではないか。
もしかしたら、これがアマルダの地の性格なのかも知れない。彼女は本来的に心優しく、故に争いや
それに付随して起こる悲劇に心を蝕まれ易いのだろう。人見知りも激しく、あまり心情を吐露する事も少ない。
これも勝手な想像に過ぎない考えであるが、しかしアマルダが明るくお喋りに興じる様子を
窺う限りでは、当たらずとも遠からずであろう、とスルーフは内心で納得した。
喋りすぎて喉が渇いたのだろう。アマルダは会話を中断し、茶を急いで一杯啜る。
「じゃあ、私はリーフ王子に感謝しないといけないわね。王子がノルデンからの進軍を決定しなければ、
多分私と貴女は戦っていたかも知れないわ。そうなったら……」
「そうよ。もっともレンスター城を正面から攻めた時は、物凄く苦労したけどね。何せヴェルトマーの天才軍師様が
ニカラフ将軍に代わって指揮してたらしくて、普通の兵隊までがやる気出しちゃって。私たちもう壊滅寸前まで
追い込まれたのよ。後ろからミュラーにも攻められたし、あの時は死ぬかと思ったわ」
「ミュラーか。じゃあオルエン、貴女も随分と苦労したのね」
「まったくよ」
また二人で笑った。フレッドは卓上に腕を組み、一言も喋らずに会話を聞いているようだ。
その様子を横目に、スルーフは一人物思いに耽り始めた。
――自分では、アマルダ様のこれほど明るい表情を引き出せたものだろうか。
それはあるまい。顔を合わせればとりとめの無い世間話で、彼女の懺悔を聞く時は顔も合わせない。
どちらにせよ自分は、彼女とは辛気臭い話しか出来まい。
自分が心を砕いている積もりであっても、結局オルエンの方がアマルダの力になっている。
――いいじゃないか。アマルダ様に明るい表情が戻るなら、別に私でなくとも
幼馴染と無邪気に談笑するアマルダの様子に安心しながら、スルーフは出所も得体も知れない
心の澱を、最後の一口と共に飲み干して腹の中に収めた。
26罪の意識:04/08/06 21:04 ID:LoB4K1up
――八月――
フリージのアマルダ将軍が祖国を離れ、リーフ王子の軍勢に加わってから三月が経とうとしていた。
アマルダは戦力としてレンスターの防衛軍に組み込まれ、前線――城下に掛かる橋――付近で活躍している。
レンスターは元々槍騎士ノヴァの興した国であり、フィンやグレイド将軍など優れた槍騎士には事欠かないが、
反面剣に優れた騎士は数える程しかいない。
フリージ軍も斯くなるレンスターの事情を熟知しており、槍に有利な斧で武装した騎士や重騎士を
派遣して来たので、斧騎士に強いアマルダは一層重宝される事となった。
騎兵でありながら回復魔法が使えた事も、彼女を前線に駆り出す一因となっていた。傷の回復能力では
シスターや上級魔道士の方が有利だが、彼らは基本的に打たれ弱く、また騎兵と比べて足も遅い。
余程の重傷であるなら兎も角、傷を治せばすぐにでも戦えるような負傷ならばそれ程の回復力は必要なく、
寧ろ前線のあちこちで頻発する軽い怪我にすぐ対応出来る点では、騎馬の方が修道女より有利なのである。
レンスター軍におけるこの役割は、アマルダが来るまではナンナ王女の専売特許であった。
彼女はアマルダが杖を使える旨を耳にして、思わず周囲に
「これで私も随分助かるわ。あちこち走り回って回復してなんて役目、一日中出来るもんじゃないもの」
と漏らして皆を唖然とさせる中、大きく安堵したと伝え聞く。
要はその役割は、辛抱強いはずのナンナ王女が失言するほどの激務なのだ。
ただアマルダによる回復は、兵達に然程人気を呼ばなかったらしい。
「無愛想」だとか「年増」だとか、果ては「萌えが少ない」といった心無い陰口が、アマルダに
聞こえぬ場所で叩かれていたともいなかったとも聞くが、真偽の程は誰にも分からぬ。
27罪の意識:04/08/06 21:06 ID:LoB4K1up
一方彼女をレンスターに紹介したスルーフ司祭は、城内でブラギ僧としての役目を任されていた。
朝夕の集会において祈祷や説教を執り行う事は無論、武運をブラギの神に祈り重傷兵の治療に当たり、
果ては窮乏を極める軍の出納にも関わる羽目となった。
亡国の弊害で文官に適した有能な人材が少ないために、グレイドが採用した苦肉の策だった。
僧や魔道士ならば、金の動きに関わる数学について詳しく学んでおり、然らば出納役に相応しかろうとの事である。
魔道と数学とは別物だとスルーフは一応抗議の姿勢を見せたが、グレイドはその場でたった一言
「却下する」
これだけ言ってスルーフの意見を退けてしまった。
随分昔に習った苦手な数学と格闘しつつ、上層部からは収入が無いのだから予算を抑えろと言われ、
兵たちからは武具を十分に買い与えない「渋ちん坊主」と陰口を叩かれる。
スルーフもまたアマルダに勝るとも劣らない多忙な日々を過ごす事となった。

「そう言えばスルーフ様、アマルダの様子がおかしいのですが」
昼食のスープを掬った匙を皿に置き、スルーフと向き合って座っていたオルエンは切り出した。
彼女の後ろで、食事を終えた兵士が盆を手に長机を後にして立ち上がる。いつもと変わらぬ昼飯時の喧騒。
だがスルーフの耳に、がやがやとした兵士の話声や食器が立てる物音は響いて来なかった。
彼は普段、彼女と食事を摂る事はない。大抵は一人か、さもなくば「あの」小煩いアウグスト元司祭と
同席している。最近は食糧事情が悪くなっているが、それを差し引いても禿頭の司祭との食事は不味い事この上ない。
アウグストと同席する位なら、一人で昼食を摂ろうと彼は思い、午前の役目を早めに切り上げて
食堂に立ち入ったのである。
それが着席すると、たまたま向かい合わせに座ったのが、城内に残っていたオルエンだったのである。
「――は?」
千切りかけたパンを手に、スルーフは素っ頓狂な声を上げる。
オルエンは自分の言葉から何一つ読み取っていない司祭の返事に、深くため息を吐いた。卓上で両手を組んで繰り返す。
「ですから、最近アマルダの様子がおかしいのです。私の前では明るくしてますけど、何か無理してるみたいなんです。
若しかしたら司祭様ならば何か知ってるんじゃないかと思って持ちかけたのですが」
「それは――」
28罪の意識:04/08/06 21:07 ID:LoB4K1up
スルーフは返答に詰まった。最近は二人とも忙しく、アマルダと話をする事も少なくなっているのだ。
彼もまた敢えて自らアマルダと会話を持とうとはしなかった。と言うよりは、以前の関係に戻るには何か気不味い物が残っている。
アマルダが初めてレンスター軍に参加したあの日、スルーフは彼女の笑顔を見て喜びもしたが、
皮肉にも同時に自分が彼女に対して果たせる役目が終わったのだと朧げながら感じていた。
アマルダから思い詰めた表情を取り除く事は出来ても、笑顔を引き出す事は終ぞなかったのだ。
彼女にとって自分の役割は常に後ろ向きであり、彼女の幼馴染は前向きな役割を果たしている。
それが心苦しい。オルエンには敵わない。
だからアマルダの相談に乗る事は、自分よりも――
「オルエン様の」
喉を鳴らす。オルエンはパンを手で千切り、一口ずつ頬張っている。
姿勢を正し、スルーフは胸に痞えていたものを言い切った。
「オルエン様こそ相応しい役目ではないのですか。貴女の方が私よりも、アマルダ様ののお力になれると思います」
幼馴染で
同僚で
戦友ですから。
声に出せない思いを心の中で呟きつつ、スルーフはそれを一口の水とともに飲み下す。
暫くは互いに顔を伏せて押し黙っていたが、やがてオルエンは気不味い空気を打ち破って言った。
「司祭様は以前あの娘の相談に乗って下さったって、私アマルダから聞いておりますけど。
あの娘よく懺悔をしてるらしいんですけど、それを聞いて下さったのも司祭様だって言っておりました。
多分今でも、何か心に支えていることがあれば礼拝堂に行っているみたいですよ」
「そう――なのですか」
「えっ?」
オルエンは彼の返答を一瞬疑った。司祭ならば、当然知っている筈の事なのに!
事実スルーフは彼女から聞かされるまで全く知らなかった。以前アマルダが相談に、あるいは懺悔に訪れていた
時間帯が来ると、彼は礼拝堂を出てしまっていたのだ。
シスターサフィが居るから大丈夫だろう、そう思って短時間の職務放棄を繰り返していた訳であるが――
とは言え、司祭たるもの知らぬ存ぜぬは通らない。考え事を行なう振りをして数秒凌ぐ。
29罪の意識:04/08/06 21:08 ID:LoB4K1up
オルエンが口を開いて、スルーフの僅かな時間稼ぎは終わった。
「もしかしてご存知ありませんでしたか」
「いえ、存じておりますとも。しかし残念ですが、懺悔に伺った方の内容を人に漏らす訳には参りません。
無論どなたが来られたのかもお話出来ません」
オルエンはスルーフの取り繕った態度に何かを感じたのか、向き合った彼の目の色を探るように凝乎と覗き込む。
「そうですか。でも私はよく夜中に、礼拝堂に入って行くアマルダを見かけますよ。あの娘最近悩んでいる分、
殆ど毎晩告悔を行なってるんじゃないでしょうか、ねえスルーフ様」
オルエンは――彼女はどこまで知っていると云うのだ。
僅かに怖れを含んだ目で見下ろして来たスルーフに、彼女は尚も視線を送り続ける。それが痛くて敵わない。
「ですから彼女の事は私が、何とか致しましょう。約束致します」
暫らく彼の顔を眺め回して、ふん、と軽く鼻を鳴らした。
「――そうですか。多分アマルダは今日戻ると思います。恐らく今夜もまた、礼拝堂で告悔すると思いますよ。
ですから必ず、懺悔室で待っていて下さいね」
話している内に食事を終えたのだろう、殆ど手付かずのままであったスルーフの盆と対照的に、
すっかり空になった自分の盆を手に取って、オルエンは席を立ち上がった。

夜の闇よりなお暗い礼拝堂の扉が音を立てて開き、ほんのりと明るい光を背にした女の影が
赤い絨毯の上を静かに歩く。人影はまっすぐ通路を壇に向かって歩くと、その左脇に位置する
小さな木戸に向けて首を振った。歩みより、手を取っ手に掛けて引く。
30罪の意識:04/08/06 21:09 ID:LoB4K1up
ぎぃと短く軋んだ音を立てて木戸が開くと、部屋と云うよりは大きな棺と喩えられるべき
狭い空間に、人ひとりがやっと腰掛けられるような小さな椅子が一却。外に繋がる窓は無い。
腰掛けると、木戸は重みで独りで閉じた。棺の如き懺悔室の中では、そよ風程も空気は動かない。
腰掛けて幾分か待つと、光も差さぬ空間に居ても目は慣れる。座った彼女の目線と同じ高さに、
人の顔ほどの広さを持つ格子窓がぼんやりと現れた。
暗闇の中でも白く浮かび上がる銀髪を耳の後ろに掻き上げてから、人影は格子窓を真っ直ぐに
見据えながら、大きく息を吐いて口を開いた。
「私はこれから、神の前に自分の罪を告白しようと思います」
格子窓から返事が無い事に、銀髪の蔭は頷いて続けた。
「今日は貴方の愛し子を六人殺しました。それも皆、祖国の同胞です」
返事はない。アマルダは続ける。
「無論、今に始まった事ではありません。これまでに殺してしまった同胞の数は、もう五十人を
越えるでしょうか。真逆自分がこれほど罪を重ねようとは、思ってもおりませんでした」
矢張り返事はない。夏の残暑を残す空気が、アマルダの肌を蒸す。
沈黙か、それとも自分自身が犯した罪のいずれが責め立てるのか、次にアマルダが格子に呼び掛けた
時、明らかに彼女の声は苛立ちを含んでいた。
「何が間違っていたのでしょう。私は――また貴方の下さる試練に耐えなければならないのでしょうか?!」
彼女が捲し立てる時以外に、この部屋で空気が動く事はない。武芸書か兵学の本を数頁読み切るに
充分な時間、彼女は凝乎と腰掛けてその場を動かなかった。
やがて彼女は溜息を一つ吐くと、何かを決心したかのように落ち着いた口調で語り始めた。
「総てお見通しでしょうが――私が受け続ける罰の話を聞いて下さいますか。
何度も同じ話を致しますが、何度も同じ罰を受け続けますので――」
アマルダはそう前置きして、ゆっくりと先を続けた。

<続く>
31988%マシン ◆ka5BrNUzcE :04/08/06 21:14 ID:LoB4K1up
続きも一応出来てますが、まだ少し手直しが必要です(約一週間)。
せっかく神が何人もやって来たのにスレ即死はイヤなので。

皆さん応援しておりますのでがんがってくだされ。
じゃあギィプリ待ちつつさようなら〜
32988%マシン ◆ka5BrNUzcE :04/08/06 22:07 ID:LoB4K1up
…やべぇ、ギィプリじゃなくてヒープリじゃん!
◆rEtdWXJvJ6氏、ホントに申し訳ない!

吊って来ます…
33名無しさん@ピンキー:04/08/07 00:15 ID:ykeM9fyN
前スレでアマルダキボンヌしてた者だが、まさか個人的に
大神と信仰汁マシン氏に、その夢を叶えてもらうとは!
相変わらず重厚な文章かっこえ〜、エロ楽しみっす!
34むた ◆rEtdWXJvJ6 :04/08/07 01:15 ID:jNUQWYy9
 ヒープリ書けたんで投下します〜
しかし、988%マシン氏の重厚な文章の後なんで
お恥かしいですが……
35嘘と約束:04/08/07 01:20 ID:jNUQWYy9
              
時が止まってしまえばいいのに」と君が呟く。
「本当に」と俺も頷いたけれど。
でも、うつむく君の肩が、あまりにも華奢で。
涙で潤んだ翠の瞳が、あまりにも綺麗で。
ああ、君は俺なんかといてはいけない人なんだ、と、
そう思って、胸が締め付けられたあの日。
 
               ※
              
 フェレ公爵・エルバートの失踪に端を発した、大陸を巻き込む陰謀劇も、
ネルガルの死と竜の門の封印を以って終了した。
彼らはついに、ネルガルを倒し、この大陸を魔の手から守りきったのだ。
大きな戦いを済ませ、戦士達はおのおのの生活へと帰っていく。
あるものは故郷への道を辿り、またあるものは新しい生活へと一歩踏み出す。
そして、戦いの中で愛を育んだ者たちもまた、それぞれの道を歩みだしていた。
36嘘と約束:04/08/07 01:24 ID:jNUQWYy9
 竜騎士ヒースは、自分の行くべき道をまだ決めかねていた。
騎士にも、傭兵にもなりきれなかった自分。
守るべき祖国には戻れず、徒に高い理想だけを抱えて、
この先自分はどうしようというのだろう?
 ヒースは初め、祖国へ戻り王子を守るという、ヴァイダについていこうかと
考えていた。だが、ついて行くといった彼の申し出を、ヴァイダはあっさり一蹴した。
「ふぬけた奴ぁ邪魔なんだよ」
「でも、隊長お一人では――」
「おや、ひよっこが一人前に人の心配かい?」
 ヴァイダはヒースの額を軽く小突くと、ふと真剣な面持ちになる。 
「あたしは王子のために死んでも本望さ。でもお前は違うだろ?」
「隊長……」
「お前は命が惜しくなってる。誰のためにそうなったか、わかってんだろ?」
すっかり見抜かれている。隊長には敵わないなとヒースは思った。
「お前が守りたい奴は他にいる。ま、そいつの側にいてやりな」
 ヴァイダは彼にひらひらと手を振って、祖国ベルンへ帰っていった。
自分の信じるものを守るために。その勇姿を見送りながら、ヒースは声に出して呟いてみた。
「俺が、守りたいのは――」
 心に浮かぶのは、可憐に微笑む赤い髪の姫君。
37嘘と約束:04/08/07 01:30 ID:jNUQWYy9
 あの日、プリシラの素性を知って一線を引こうとしたヒースに、
彼女は泣きながら想いを打ち明けてきた。
その時「この戦いが終わるまでは側にいる」と彼は彼女に誓い、
実際その通りにしてきた。態度を変えないで欲しい、という彼女の願いもあって、
表面上はそれまでどおりに振舞ってきたつもりだった。
少なくとも戦いに身を置いている最中は、
彼女の事を守りたい、という思いに突き動かされていたので、
ややこしい事は考えずに済んでいた。
 
 しかし、その戦いも終わり、あとはめいめいの故郷に戻るだけ、
という今、二人の関係も終わりを迎えようとしていた。
 プリシラの態度に変わりはなかった。ただ、前よりもいっそう、
ヒースと一緒にいるようになっていた。
 まるで、残された日々を一刻も無駄にしたくはないという風に。
 淋しげに自分に微笑みかけてくるプリシラを、
いっそさらってしまいたいと、何度考えた事だろう。
空を飛んで、誰の手にも届かないところへ逃げていけたら。
 逃げる。ここでいつもヒースの夢想は断ち切られる。
自分が逃亡者である限り、彼女といられる筈がないのだ。
 この想いを断ち切って、新しい日々に向かわなければ、
互いのためにならない。
そんな事は、ヒースも重々承知していた。だが。
38嘘と約束:04/08/07 01:35 ID:jNUQWYy9
(俺は、何故ここにいる?)
 プリシラの隣で、ヒースは自問する。
(ベルンに戻るふりをして、彼女の元を去る事だって出来たのに)
 理由はわかっている。ベルンへは帰らないと言った彼に、彼女が言った台詞。
「ではまだ、もう少しだけ、一緒にいられますね」
そう言って微笑んでみせるプリシラの側に、もう少しだけいたいと、
そう思ってしまったのだ。
(ずっと一緒にはいられないのに)
 そう考えるたびに、鈍い痛みが胸の奥で疼く。
(でも、せめて、あと少しだけ――) 
 迷ううちに日々は過ぎ、エトルリアへの国境近くまでさしかかった、ある日。

(俺は馬鹿だ)
 宿の一室で、ぼんやりと外をながめつつ、ヒースは思った。
(こんなところまで着いてきてしまって……)
 自分の優柔不断さに怒りすら覚える。彼はいらいらと髪の毛をかきむしった。 
 自分が辛いのは自分のせいだ。だが、彼女が辛いのは?
 いたずらに、共にいる日々を引き伸ばしてしまった、自分のせいではないのか?
(このままじゃ、駄目だ)
 いつか来る別れの日。きっとプリシラは、静かに涙を流すのだろう。
その様が想像できるだけに、出来れば避けて通りたかった。見たくはなかった。
(――じゃあ、見なければいい)
 ヒースは何かを思いついたようにはっと顔を上げた。
 ――見たくなければ、彼女と会わずに去ればいい。そうすれば――
 窓からは、昇りはじめた月が見える。満月だ。これなら竜の騎乗にも問題はない。
彼は立ち上がった。すぐに辺りをかたづけにかかる。
気持ちが鈍らないうちに、すぐに旅立ってしまいたかった。
 ――彼女も、別れの言葉一つよこさない薄情な男など、すぐに忘れてくれる――
 ――それが、お互いのためだ――
 そう、自分を納得させた。そして、自分の想いを無理矢理に引き剥がして、
傷跡すら無かった事にして、ヒースは淡々と旅支度を整えた。
39嘘と約束:04/08/07 01:42 ID:jNUQWYy9
夜半、ふと、人の気配を感じた。嫌な予感がして、こわごわとに扉を開けると、
果たしてそこにはプリシラが立っていた。今まさに扉を叩こうとしていたらしく、
少し驚いたように彼を見ていた。
「……プリシラ、さん。 どうしてここに」
「ごめんなさい……最近、ずっと元気がないようでしたから、気になって……」
 プリシラはそこまで言って、目敏くヒースの旅装に気付いた。
そして、それが何を意味しているのかを一瞬にして悟り、息を呑む。
「そんな、どうして――!」
 もう既に、泣きそうにゆがんだ彼女の顔。
(こうなるとわかっていたのに)
こうなってしまっては、真っ向からぶつかるしか仕様がなかった。
「君にもわかっているだろう? もう時間切れだ。これ以上、辛くなる前に――」
「だからって、そんなに急に」
「こうするしかないんだ」
「いやです、そんなの――!」
 責められて、うろたえたヒースの口から、彼自身思いもしない言葉が飛び出した。
「すまない。いつか必ず、迎えに行くから、だから――」

「……嘘つき」
 意外に静かな声を冷静に返されて、ヒースはどきりとする。
さっきまでうつむいていたプリシラが自分を見上げている。
ひたむきな翠の瞳がはたとヒースを見据えて、それだけでもう、彼は捉えられて動けない。
「じゃあどうして、黙って行ってしまおうとしたのです?」
 事実を指摘されて、彼は口篭った。彼女はそれに構わず続ける。
「もう二度と、私とは会わないつもりでいたからではないのですか?」
 違う、とは言えなかった。会わずに去れば、自分の傷も浅いだろうと思っていた
心中を暴かれたような気がして、ただ俯くしかなかった。
「……そう、なんですね?」
 責めるでもなく、怒るでもなく。ただただ、言いようもない淋しさだけを
声音に秘めて、彼女は静かに涙を零した。
40嘘と約束:04/08/07 01:46 ID:jNUQWYy9
                 ※
 そうだ。俺は嘘をついた。
 俺は君の行く末には邪魔にしかならないから。
 だから、すべてを吹っ切るつもりだったのに。忘れてしまおうとしたのに。
 なのに、どうしてあんな事を言ってしまったのだろう?
 それはただの苦し紛れで、叶えられないとわかっていて。
 でも、決して嘘にしたくない約束を。
 『迎えに、行くから』
                 ※
「ごめん……また、君を泣かせてしまったな」
 二人の間に流れる沈黙に耐え切れず、ヒースが先に口を開いた。
「謝らないで、ください。私が勝手に泣いてしまったのですから」
 そう言って、プリシラは涙を拭って、健気にもヒースに微笑む事すらしてみせた。
その笑顔が、かえって無理をしているように見えて、ヒースの胸は痛んだ。
いたたまれなくなって彼女から目を逸らした彼の耳に、彼女の呟きが聴こえた。
「私も、一緒に……」
「その先は言わないでくれ。頼むから――」
 ヒースは切ない想いで、搾り出すような声でそれを遮った。
『一緒に来て欲しい』
 彼がそう言えば、きっとプリシラは来てくれるだろう。
だが、自分は逃亡兵で、いつ追っ手がかかるやも知れない身。
彼女を巻き込むわけにはいかない。
 仮に自分が逃亡兵でなくても、片や一介の兵士、
片や伯爵令嬢という身分の差は、愛だけで埋めることは出来はしない。
 それが痛いほどわかっているから、だから、口に出してしまうわけにはいかない。
言いよどんだままヒースが黙っていると、彼女がまた口を開いた。
「側にいられないなら、せめて待つことだけは許してくれますか……?」
「え――」
「さっきの約束、です。いつか、迎えに来てくださるのでしょう?」
 ヒースはあんな、万に一つも叶えられないような約束で、
プリシラを縛りたくはなかった。
けれども――。
41嘘と約束:04/08/07 01:51 ID:jNUQWYy9
 また泣き出してしまいそうに彼女の瞳が揺れて、
彼はそれを慰めようと肩に手を置いた。掌に、彼女の震えが直に伝わる。
その頼りない肩をこの一時だけでも守りたくなって、
思わず彼は彼女を胸の中に引き寄せた。びくり、と彼女が身体を固くする。
彼は慌てて、彼女の肩から手を離した。
「ごめん、俺、何やって――!」
 言いかけてヒースは、言葉を失った。
プリシラが彼の背に腕を回して、しっかりと抱きしめたのだ。
自分の胸に顔を埋める彼女を、彼女の白いうなじを、彼はただ見つめるばかりだった。
「お願い……せめて、今夜だけは、側にいてください……」
「それは――」
「後悔など、しませんから……」

 その言葉で、無理矢理引き剥がしたはずの想いが、また彼の中に蘇る。

 もう一度、胸の中の華奢な肩をゆっくりと抱きしめる。
顔を上げたプリシラの、涙に濡れた白い頬に口づける。
そして、一度口づけてしまえば、
自分の想いを止めることなど、最早彼には出来はしなかった。

 
                ※
 
槍を持つことしか知らない俺の無骨な指が、不器用に君の上を滑る。
そんな俺を、君は柔らかく遮って、はにかみながら服に手を掛ける。
その身体が少し震えているのに気付いて、たまらなく君が愛しくなって。
君を抱きしめる事しか、考えられなくなって。
 
                ※
42名無しさん@ピンキー:04/08/07 01:55 ID:yHrQanPG
sage
43嘘と約束:04/08/07 01:58 ID:jNUQWYy9
 生まれたままの姿で、互いに向き合って寝台に腰掛けている。
部屋の灯りは消えたまま、ただ窓の外の月明かりだけが
二人の姿を浮かび上がらせている。
 プリシラは耳の羽飾りをつけたままで、多分それは、
緊張のために取っておくのを忘れたのだろう。
こうして向かい合っているこの瞬間も、微かに白い肩が震えている。
ヒースがその赤い髪をそっと撫でると、それが合図であるかのようにプリシラは瞼を閉じた。
 
 額に、瞼に、頬に。優しい雨のように、ヒースは口づけを降らせた。
大きな掌を彼女の頤にそっと添え、柔らかな唇にゆっくりと己の唇を重ねる。
舌先を口内に侵入させると、プリシラは驚いたように一瞬、唇を離そうとした。
が、彼はあくまでも優しく、しかし強引に歯列をなぞり、舌を絡めとる。
そうやって口を吸ううちに、いつしかプリシラの身体からは力が抜けていく。
「んぅ……」
 熱い吐息に後押しされるようにゆっくりと彼女を押し倒す。
それから、漸く唇を離すと彼女がふと彼を見上げた。
その翠の瞳は熱に浮かされたように潤んでいる。
彼は羽根飾りの下の、柔らかな耳朶をそっと噛んだ。
「ひゃうっ……!」
 いきなりの刺激に驚いた、しかし明らかに喜色の浮いた声。
 その声に、自身も高まるのを感じながら、ヒースは彼女の耳元で低い声で囁く。
44嘘と約束:04/08/07 02:01 ID:jNUQWYy9
「気持ち、いいの?」
「……! 訊かないで、ください……」
 プリシラは真っ赤になってヒースから目を逸らした。
そんな仕草が愛しくて、彼は今度は首筋に舌を這わせる。
同時に形の良い胸の、薄桃色の頂をそっと摘んだ。
「やっ……!」
 プリシラの身体がびくん、と反り返る。その初々しい反応を、ヒースは愛しく思った。
 ヒースは、経験が豊富な訳ではない。
話の種にその手の宿に何度か行ったことがあるぐらいで、恋愛経験は無い。
おそらく拙いであろう自分の愛撫に、素直に感じてくれるプリシラを、もっと悦ばせたいと思った。
 
たとえそれが、一夜の夢に過ぎないとしても。今は、それを忘れて。


首筋から鎖骨へと、ねっとりと舌を這わせつつ、徐々に胸へと下りていく。
 ヒースがゆるゆると乳房を揉みしだき、頂を舌で転がし、
思い出したように軽く歯を立ててみせると、それだけでプリシラの身体は柔らかく溶ける。
 ヒースの唇が肌に紅い痕を残し、掌がプリシラの身体中を弄る。
穢れのない滑らかな肌も、芽生えかけた快感に喘ぐ声も、今宵一夜は全て彼の物だった。
「んんっ……や、くぅぅんっ……」
 快感にどうしようもなく翻弄される、そんな自分を恥らってか、
プリシラは声を漏らすまいと耐えているようだった。
それでも抑えきれない、くぐもった嬌声が部屋に響いた。
彼女の喘ぐ声がもっと聞きたくて、彼は指を最も敏感な箇所に滑り込ませた。
45嘘と約束:04/08/07 02:04 ID:jNUQWYy9
「! 駄目です、そこはっ……!」
 彼女の抗議など無視して、ヒースは指を秘裂に這わせ、
くちゅりと淫靡な音を立ててみせる。そこは既に今までの愛撫で潤みきっていた。
「もう、こんなになってる」
 くちゅくちゅと、繰り返し水音を立ててみせる。羞恥に耳まで赤らんだプリシラの顔が愛らしい。
「言わないで下さ……やあんっ!」
 突然、プリシラは悲鳴に近い声を上げた。
ヒースが膨らんだ肉芽に、掬い取った愛液をまぶすように塗り付けたのだ。
彼は心得たように、初めはゆっくりと優しく、徐々に速く激しく、肉芽を指で挟みこみこすりあげていく。
「やぁ……んはぁ……!わた、し、へん、に……んふっ!」
 蕩けた声で喘ぎ続ける唇を塞ぐと、プリシラのほうから舌を絡ませてきた。
溺れた者が空気を求めるように、ヒースの舌を吸う。
おそらく無自覚なその行為に、彼も指戯を速めることで応える。
「あ、あ、あ……なにか、へん……!」
 切羽詰った声が、絶頂が近い事を告げている。
翠の瞳は不安げに、しかし淫らに、やがて来るだろう快感への期待に揺れていた。
 その期待に応えるように、ヒースは尖りきった乳首を強く吸いあげた。
「あああああっ!」
 瞬間、プリシラは身体を弓なりに反らせた。
ヒースの腕の中で、絶頂に達した身体が緩やかにほどけていく。
陶磁器のように滑らかな肌はうっすらと薄紅色に染まっていた。
 おそらく初めての絶頂なのだろう、プリシラは陶然と目を閉じて、
ヒースが次に何をしようとしているのかを考える余地もないようだった。
 
46名無しさん@ピンキー:04/08/07 02:05 ID:yHrQanPG
支援
47嘘と約束:04/08/07 02:08 ID:jNUQWYy9
 ヒースは間髪をいれず、彼女の脚を開かせると、
彼女の身体の中でもっとも秘められた場所を覗き込んだ。
「や、だ、駄目ですっ……みないで、下さいっ……」
 羞恥のあまり泣きそうになりながら、
プリシラはヒースの視線から秘所を隠そうと身を捩る。
だが太腿を閉じようとしても、強い力で押さえつけられそれも叶わない。
「そ、そこは、汚いですからっ……」
「そんなことない……綺麗だよ」
 今まで誰も触れた事のない花弁は綺麗な薄紅色で、
指で弄られた肉芽は真珠色の芯を膨らませている。
そして花弁の中心からは、まるで泉のように、透明な液体が尽きることなく湧き出し、
花弁全体がきらきらと濡れ光っていた。
「は、恥かしい、です……」
 そんなプリシラの意思とはうらはらに、花弁は妖しくひくついて、
ヒースを誘っているかのようで、彼はそれにつられるようにその中心に口づけた。
「っ! だ、駄目ぇっ!」
 ヒースは非常な熱心さでもって秘所を舐め続けた。
花弁にそって舌を這わせ、肉芽を唇で軽く挟み、舌で弄る。
紅に充血した花弁を吸いたてる。
「や、やあぁ……そんな、音たてないで……!」
 甘い喘ぎが漏れ出す頃には、膣奥からますます沢山の液が染み出してくる。
先程よりも粘度を増した愛液を、ヒースはますます熱心に音を立てて啜った。
「あ、あ、また、変にっ……!」
 プリシラがまた、泣きそうな声で訴える。
二度目の絶頂に彼女を追い上げるべく、ヒースは盛んに舌を躍らせ、
仕上げとばかりに、膨らんだ肉芽に軽く歯を立てた。
「あ、あ、やああああああっ!」
 一際高い声を上げてプリシラは達した。

48嘘と約束:04/08/07 02:12 ID:jNUQWYy9
 ヒースはもう、限界だった。
とうに硬くなり、先走りの汁を滴らせている己の強張りを
彼女の潤みの中心に押し当て、一気に柔らかな身体を貫いた。
「い、痛っ!」
 破瓜の痛みに、プリシラはヒースにしがみついた。
先刻の前戯で、彼女のそこはほぐれてはいたが、
彼が少しずつ腰を前に進めるたびに、声にならないうめきを上げた。
「くぅっ……!」
 苦痛にプリシラが眉根を寄せる。
それでも、必死でシーツを掴んで耐えようとする。
ヒースは、その指をそっと握って、耳元に囁く。
「痛かったら、俺にしがみついてくれて構わないから――」
「はい……」
 頷くとプリシラはヒースの肩にしがみついてきた。
彼女の爪が彼の皮膚に食い込む。
出来るだけゆっくりと、苦痛を与えないように彼は腰を奥に進めた。
じりじりと、男根が根元まで収められていく。
随分と、長い時間がたったような気がキースにはした。
「全部、入ったな……」
 一息つくと、ふと二人の視線が絡み合った。
と、みるみるうちに翠の瞳から涙が溢れ出す。
水晶のようにきらめくそれを、思わずヒースは舐めとった。
「ごめん、痛いんだよな?」
プリシラはふるふると、首を左右に振ると、にこりと笑った。
「これは、嬉しいから……一つに、なれたから」
 ずくん、と胸の奥に鈍い痛みが走る。先程まで、忘れかけていた痛み。
「……でも、俺は」
 言いかけたヒースの唇をプリシラの唇が塞いだ。
驚いて見つめると、彼女は切なく微笑んだ。
その微笑が意味するところを知って、彼は彼女を抱きしめる事で応えた。

49嘘と約束:04/08/07 02:18 ID:jNUQWYy9
「じゃあ、動くよ? 痛いときは、止めるから」
「はい……」
 温かな柔肉に己の強張り全てが包まれている。
試しに少し腰を引くと、開いたばかりのそこは狭く、
きゅうきゅうとヒースの強張りを締め付ける。
「んっ……!」
 プリシラはぎゅっと瞳を閉じて、痛みに耐えている。
出来るだけ痛みを和らげようと、
優しく口づけを繰り返しながら、すこしずつ動きの幅を大きくしていく。
「んんっ……くふぅ……あぁっ……」
 少しずつ、プリシラの声に甘いものが混ざりはじめた。
ヒースは一度抽送を止めると、彼女の耳朶をまた軽く食み、舐る。
それにつれて、奥の方で、柔肉がひくひくと蠢いて、彼自身に快感を伝えてくる。
「こうすると、痛くない?」
「ええ……」
「じゃあ、こうは?」
 言いながら、硬くしこった乳首をくりくりと指先でこね回してやると、
敏感な彼女の身体はすぐに反り返る。
「はぁっ……!」
「気持ち、良くない?」
 なおもしつこく訊ねてみると、
プリシラは拗ねたようにそっぽを向いてみせる。
「意地悪、です……そんなこと、言えなぃ……」
 プリシラの柔肉は、こんなにも反応して彼の強張りを締め付けるのに。
快感に翻弄されつつも、プリシラ自身の理性はいまだ羞恥を捨てずにいる。
 もっと、彼女の喘ぐ姿が見たい。
不意にそんな気持ちに突き動かされ、彼は再び抽送を始めた。
先程より幾分激しく、しかし、彼女に苦痛を与えないようにしながら。
50名無しさん@ピンキー:04/08/07 02:18 ID:yHrQanPG
51嘘と約束:04/08/07 02:24 ID:jNUQWYy9
「あ、やあんっ!」 
 掻き出された破瓜の血と愛液が
くちゅくちゅと淫猥な音を立ててシーツに染みを作っていく。
「や、あ、あ、あ」
 か細い蕩けた声。組み伏せた柔らかで滑らかな身体。
そして、温かくぬかるんだ、己の強張りを包み込む柔肉。
全てがヒースに押し寄せ、射精への衝動を高めていく。
 そして、それはプリシラも同じようだった。彼にしがみつき、切羽詰った声で訴える。
「……、私、わたしっ……!」
「俺も、もうすぐ……!」
 そして、最後の最後で、膣内から強張りを抜こうとしたその瞬間。

「好きっ…好きですっ……ヒースさんっ……!」
 プリシラの唇から、紡ぎだされた言葉。
その声はいやらしく蕩けていて、
だけど、せいいっぱいの恋情が込められていて。
 その言葉を聞いた途端、彼の中で抑えていた何かが弾けそうになる。
「俺も、君をっ……」
 だが、その先は言えなかった。
言ってしまえば、プリシラをその言葉で縛り付けてしまう。
自分は、彼女から消えなくてはならないのだ。
 
 最後の気力を振り絞って、彼は強張りをかろうじて彼女から引き抜いた。
途端、それは弾けて、熱い迸りをプリシラの腹から胸にかけて飛ばした。
 強張りは何度も律動を繰り返し、精を彼女の上に吐き続ける。
 その様を見ながら、自分はやはり、彼女を汚す事しか出来ないのだと、
ヒースは苦い悔恨が胸のうちに込み上げてくるのを感じていた。
52嘘と約束:04/08/07 02:31 ID:jNUQWYy9
 朝が来たとき、もう部屋にプリシラの姿はなかった。
結局、闇に紛れてではなく、皆に正式に別れを告げて去る事になったのだが、
その時も、彼女は見送りには出てこなかった。
 だが、ヒースには彼女の気持ちは判っていた。
彼の懐中には、彼女の羽飾りと――手紙。どちらも枕元に置いてあったものだ。
手紙にはただ一言だけ。だが彼には、なによりも重く、大切な一言。

            『待っています』                 
 
                 ※

 今は君を連れてはいけないけれど、
 いつかきっと、俺は君を迎えに行く。
 君との約束を嘘に変えてしまわないために。
 言えなかった言葉を君に伝えるために。
 その為に何が出来るだろう?
 今はただ、あてもなく空を彷徨うだけ――

                 ※
 
 蒼穹に竜騎士が舞う。遥かな高みに見えるその姿は、
見るものに何故か孤独を感じさせずにはいられなかった。

53むた ◆rEtdWXJvJ6 :04/08/07 02:35 ID:jNUQWYy9
 以上です。
何か最後であげてしまいました。すいませんOTZ
 読んでくれたかたありがとうございます。
では、次のかたドゾー
54名無しさん@ピンキー:04/08/07 02:58 ID:68eNUFCu
乙でした
ウブなプリシラたんハァハァ
55ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/07 09:41 ID:OhBvk6P5
プリシラ陵辱(1)

「兄様。どこかへお出かけですか?」
レイヴァンが出かけようとしているところへ、ひょこっとプリシラが現れた。
「あ?ああ・・・うん、まあそうだな・・・。」
なぜか少し照れた様子のレイヴァン。
「ところで、今日はどうしたんだ?」
レイヴァンが何しに来たか尋ねると、プリシラは駆け寄ってレイヴァンの腕を取る。
「うふっ、今日は一日、レイモンド兄様にお付き合いいたしますわv」
「お、おいっ!・・・まいったなあ・・・」
レイヴァンは頭をポリポリ掻いた。実は今日、レイヴァンは出かける用事があったのだ。
しかし、妹とはいえ、一人の女性が付いてくるとなると、困ったことになる。
「なあプリシラ、今日は一人で出かけたいんだが・・・。」
「兄様・・・、まさか、私のことを嫌いに・・・?いや!いやです!・・・私、素直ないい子になりますから、
どうか私を嫌いにならないで・・・!」
「わ、わかったわかった!だからもう泣くな!・・・ったく・・・」
そしてレイヴァンが立ち上がると、プリシラも一緒に立ち上がる。
そして二人は表に出た。

「あら、ここは・・・?」
てっぺんの煙突から、真っ白な湯気がもうもうと立ちこめる・・・
「ここは公衆浴場ってやつだ。」
「公衆浴場・・・何をするところですの?」
「ああ、つまりな・・・背中を流して、日ごろの疲れを取るところさ。」
「まあ!兄様、何もおっしゃらないのに、やはり疲れてらしたのですか?わかりました。私が、
お背中を流して差し上げますわ。」
「ああ・・・って、おい!こっちは男湯だってーのっ!!!」
「さあ、行きますわよ。」
こうしてプリシラは何も知らぬまま、レイヴァンの手を取り、男湯へと入って行った・・・
56ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/07 10:05 ID:OhBvk6P5
プリシラ陵辱(2)

「きゃあああっっ!!!」
更衣室に入るなりプリシラは悲鳴を上げた。それもそのはず、彼女の周囲には、男の裸、裸、裸・・・
「だから言わんこっちゃない!さあ、出るぞ!」
かがんで目を閉じて耳を両手で塞いでいるプリシラの手を取り、レイヴァンはそっと立つように促す・・・
「は、はい・・・」
そのとき、レイヴァンの後ろから声がした。
「おや?レイヴァン様、どうなされたのですか?」
そこに立つのは、輝く長い金の髪をたたえた、誰もがうっとりするような美人。
「何だ、ルセアか。」
「・・・えっ・・・?」
プリシラはおそるおそる顔を上げた。そしてルセアの顔を見るなり、安堵の表情を見せた。
「・・・よかった・・・女の人もいるのですね・・・安心しました・・・」
「・・・レイヴァン様・・・これは一体?」
「ああ、実は、ここを男湯と知らなくて付いて来たんだ。それで縮こまっているわけだ。」
「そうだったのですか。わかりました。ならば、私が案内いたしましょう。
それでよろしいですか?」
「・・・は・・・、・・・はい・・・・・・。」
ルセアはそのままそっと手を取った。そして、更衣室の脱衣かごのところへとやってきた。
「プリシラ様、作法というものはご存知ですね?」
「は、はい!」
「それならば、私が浴場でのマナーを教えて差し上げます。」
「は、はい・・・ルセア様・・・」
「ではまず、衣類を全て脱いでしまいましょう。」
「は、はい!」
プリシラは急いで服を脱ぎ始めた。
「そして服をたたみ終わったら、手ぬぐい一枚のみで、浴室に向かうのです。」
「・・・・・・は、はい・・・・・・」
こうして、顔面真っ赤になりながら、プリシラは浴室へと入っていった・・・
57ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/07 10:24 ID:OhBvk6P5
プリシラ陵辱(3)

「・・・あ・・・あ・・・あ・・・」
プリシラは驚きのあまり、口をぱくぱくさせたまま凍りついてしまった。
その視線の先には、金色の髪を持つ美人の麗しき肉体。
その中央部にだらりとぶら下がるそれは、まぎれもなく男のシンボル。
「どうしたプリシラ?」
「レ、レイモンド兄さ・・・きゃあっ!」
横にいるレイヴァンの方を向いた目線の高さに、今度はレイヴァンの男のシンボル。
「あの・・・どうかなさいました?」
顔の両隣にだらりとぶら下がる2本の男根に、プリシラはすっかり縮こまってしまった・・・。
「お・・・お願いだから・・・その不気味なもの・・・引っ込めてください・・・」
ぶるぶる震えながら懇願するプリシラ。しかし、その2本は徐々にプリシラの頬に迫ってくる・・・
そして何かがプリシラの頬をつついた。
「えっ・・・何・・・きゃあっ!」
つついたのは、レイヴァンとルセアの男根。
しかし、目をつぶるプリシラの前方から、今度は野太い声がする・・・
「プリシラ様・・・?いったい、どうされたのですかな・・・?」
プリシラが目を開けると、その真正面にオズインが立っていた。
その股間の大きなシンボルをぶらつかせながら・・・
「おおっ!プリシラ姫!このような所でお会いできるとは、まさに運命のお導き!ささ、どうぞこのセインの元へ・・・」
背後にはセイン、正面にはオズイン、そして両隣にはレイヴァンとルセア。
四方から男根に囲まれたプリシラにはどうすることもできなかった・・・

つづく

今日はここまで(ry
58名無しさん@ピンキー:04/08/07 13:01 ID:dDecYmGs
スレの最初から3作共素晴らしい!
988%マシン様ちても読み応えありました。アマルダ好きなので嬉しいです。
続き楽しみにしています。
59ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/07 17:35 ID:xapHAcRt
プリシラ陵辱(4)

プリシラの前後左右に直立している4人の男達。
「きゃあっ!や、やめっ!やめてくださいっ!」
彼女の叫びとは裏腹に、4人はがっちりとスクラムを組んで腰を左右に振り始めた。
4方向でぶるんぶるん揺れる4つの男根。
ぱちーん、ぱちーん・・・
揺れるたびに、男根が太股に当たる音が4方向から響いた。
プリシラはただ身をすくませ、下を向いて縮こまっているばかりだった・・・
(いや・・・、もう私、気が変になりそう・・・)
「プリシラ、ちゃんと前を向きなさい。」
「兄様?」
プリシラが前を見ると、今度は4人が横一列になって、ぶらぶら腰を左右に揺らしていた。
ぶら〜ん、ぶら〜ん・・・
4つの男根が仲良く左右に揺れている。そして再びプリシラを囲んで円陣を組むと、そのままゆっくりと
プリシラの周りを回転しだした。
「いやあああああぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
ぐるぐる回る4つの男根。
いつのまにか、プリシラの腰かけるいすから、ポタポタと滴が垂れ落ちていた。
(・・・わ、私・・・わた・・・し・・・)
この4人の熾烈な攻撃に、プリシラの精神は崩壊寸前だった・・・
60ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/07 18:00 ID:xapHAcRt
プリシラ陵辱(5)

「ふん!なっちゃいないねえ!」
「えっ・・・?」
いきなり響いた声の方を見ると、ヴァイダが湯舟に浸かっていた。
竜牙将軍といわれて、敵味方問わず恐れられている将軍。
しかし今のプリシラにとっては、救いを求めるべきただ一人の女性だった。
「たっ、助けてくださいヴァイダさんっ!!!」
彼女の求めに立ちあがったヴァイダを見て、プリシラは一気に青ざめる・・・
「・・・あ・・・・・・あ・・・・・・ああ・・・・・・」
口をぱくぱくさせてうめき声をあげるしかなかった。
それもそのはず、ヴァイダのふくよかな胸、くびれた腰。しかしその下にあるはずの
女性器の部分に生えているのは、まぎれもなく男根だったのだ。
「あ・・・あんた・・・男・・・だったのか・・・?」
レイヴァンが思わず聞くと、ヴァイダはしてやったりとばかりににやっとした。
「ふん!だったらどうしたい!」
そのままヴァイダはつかつかとプリシラの方へ歩いてきた。
信じられないものを見てしまった。
プリシラは唖然として、ヴァイダの股間を見ていた。
「ふん!これが貴族のお姫様なのかい?何ともひ弱なものだ。」
「あ、あの・・・あの・・・」
プリシラをはじめ、その場にいた4人も驚いている。
「あ・・・な、な〜んだ、そういうことだったのか!」
思わずセインが声を上げた。
ヴァイダの尻にヒースが腰を密着させて、股の下から男根を通していただけなのだ。
ヒースが少し腰を下に落とすと、ヴァイダの女性器が少しずつ見えてくる。
「あーっはっは!あーおかしい!見事に引っかかったね!」
ヴァイダが高笑いすると、プリシラは顔を真っ赤にしてうつむいた・・・。
61ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/07 18:10 ID:xapHAcRt
プリシラ陵辱(6)

「しかし、何であんたが男湯に?」
「ふん!女湯に入ってたって、つまらないだろう?やっぱり風呂は男湯に限るよ。」
ヴァイダはにやりと笑った。
「そうだ。ついでにと言っちゃあ何だが、いいものを見せてやるよ。ヒース!」
「は、はい隊長。」
「ぼやぼやしてんじゃないよ!さっきの続きはどうしたい!」
「は、はい!今やります!」
ヒースは腰を少し下に落とした。すると、ヒースの男根が上を向き、ヴァイダの女体にぶち当たる。
「プリシラとやら。ちゃんと見ておくんだよ!ヒース、やれ。」
「は、はいっ!」
プリシラの目の前に突き出されたヴァイダの女性器。そこに、ヒースの男根がゆっくりと卑猥な音を立てて
突き刺さってゆく・・・
「きゃああああっっ!!!」
プリシラの叫びをBGMに、今、狂気のスライドが開始された・・・

つづく

今回はここまで。
62名無しさん@ピンキー:04/08/07 20:20 ID:8KpdQKUR
男じゃないと認めたくない男第一位のルセアたんが
チンポをぶらぶらさせて
裸でスクラム組むなんてありえねぇ!!









でも想像してワロタ…ルセアたんスマン_ト. ̄|○
ルセアたんが実は女で、軍師に犯られる話キボンヌ…
63千葉犬:04/08/07 21:32 ID:BJX86C0D
皆様、お久しぶりです。前回、阿呆な事をしてしまった、花泉の蕪改め、千葉犬です。
あれから約一ヶ月。弟も無事新作を投下したり、トビモノ氏やむた氏が新たに登場なさったり、
988%マシン氏が久しぶりに来て下さったりと、夏の暑さに負けない活気があるみたいですね。
だからと言う訳ではないのですが、前回の贖罪も兼ねて、投下したいと思います。
内容は、紋章です。それではいきます。
64隠せないこの想い:04/08/07 21:34 ID:BJX86C0D
アカネイアパレスでの決戦が終わり、暗黒皇帝ハーディンは倒された。
しかし、それで全てが終わった訳ではなかった。
大賢者ガトーが言う通りであれば、再び、メディウスが甦ろうとしているのだ。
しかも、一年前に倒した時よりも遥かに強い力を持って。
それを阻止するため、マルス達は、明日、マケドニア北部にある飛竜の谷に向かう事になっている。
今は、その決戦に備え、皆鋭気を養う為、それぞれの部屋で休んでいる。
マリクもまた同じく一人で休んでいた。
既に夜も更けており、薄暗い部屋の明かりに対し、夜空の月明かりが、窓からさしている。
マリクは一人、自分の想い人の事を考えていた。
ガトーの言った事が正しければ、メディウスの所には、自分の想い人――エリスがいると言う。
そして、ニーナ王妃をはじめ、マリア王女、シスターのレナも共にそこにいるのだと。
恐らくは、その四人を贄にし、メディウスは完全な復活を遂げようとしているのであろう。
それは絶対に阻止しなければならない。
しかし、一年前のメディウスとの戦いを思い出す内に、果たして勝てるのだろうかという疑念が、マ
リクの中に出て来ていた。
あの時の戦いは、今思い出すだけでも背筋に冷たいものが流れた様な悪寒を感じる。
あの時、神剣ファルシオンが無ければ、自分達は、今を生きてはいなかった。
始終、絶望としか言いようの無い状態で戦っていたのをマリクははっきりと覚えている。
再び、その様な戦いに身を投じなければならないのだ。彼女達を助ける為にも。
マリク自身、戦う事に躊躇いは無い。
しかし、前の時の様に生きて帰る事が出来るかと思うと、正直分からなかった。
他の者達と同じく、マリクも死ぬのが怖い。
だが、それ以上にエリスを救えない事がもっと怖い。
もし、助けられなかったら。
もし、助ける前に朽ち果ててしまったら。
そう思うと、恐怖という暗闇がマリクの心を包み込む。
そしてそれは、ゆっくりとマリクの心を蝕んでいく。まるで、害虫に食われ、干からびていく植物の
様に。
65隠せないこの想い:04/08/07 21:36 ID:BJX86C0D
コンコンッ
一人、恐怖に苦しんでいるマリクの部屋のドアを叩く音が聞こえる。誰かが来たようだ。
しかし、一体誰が来たのだろうか?
この様な時間に訪ねそうな人は、考えても出てこなかった。
「入るわね」
そういい、部屋の中に入って来たのは、マリクと同じ魔道士であるリンダであった。
「リンダ…?」
何故自分の所に来たのだろう?そうマリクは考えていた。
彼女とは、一年前、共に戦った仲間である。そして今回も。
しかし、彼女とはそれだけの接点しかない。とてもではないが、この様な時間に部屋に来られる様な
関係では無い。
「隣に座るわね」
そう言いリンダは、マリクが座っているベッドに腰掛けた。体を洗って来たのか、石鹸の香りがする。
「一体、こんな時間に僕に何か用があるのかい?」 
そうマリクは話し掛けた。
「あるわ…」
「どう言った事なのかな?」
そう聞き返すと、リンダはマリクを見ず、視線を窓の方に向けたまま話し始めた。
「明日、全てを賭けた戦いが始まるわね…マリクは怖くは無い?」
「…正直言えば、怖い。再び、あの様な戦いに挑まなくてはならないのだから…
 リンダは怖く無いのかい?」
「…私は怖いわ。死にたくない…
 でも、それ以上に、貴方に――マリクに死んで欲しくない」
「!?…僕に?どうして…?」
マリクがそう言うと、リンダはマリクのほうに顔を向けた。
その目には、涙が溜められていた。
「…好きだから。貴方の事が、マリクの事が好きだから…」
66隠せないこの想い:04/08/07 21:38 ID:BJX86C0D
突然の告白に、マリクは内心驚く程に動揺していた。
(リンダが、僕を!?)
そんなマリクをよそに、リンダの告白は続く。
「一年前、カダインに向かう途中、お父様の敵討の為に私がガーネフと戦った時、私を庇ってマフー
を貴方は喰らったわよね。
 もしその時、レナさんやリフさんがいなかったら、貴方は死んでいた。そう思った時、ああ、私は
何て事をしてしまったのだろうと思ったわ。
 自分のした事で、他の人が死んでしまったら、どうすれば許されるんだろう、どうすれば償えるの
だろうって。
 それからしばらくして分かったの。段々貴方の事を意識し始めている事が。
 そして、それが貴方の事を好きなんだって…気付いたの。
 でも、言おうと思ったけど、言えなかった。
 言おうと思った時には、貴方の中にはもう好きな人がいる事に気が付いたから…
 …マリクは、エリス様の事が好きなんでしょう?」
その問いに、マリクは静かに顔を縦に振った。
「…エリス様と自分を比べても、どう頑張っても勝てないって分かっていた。
 でも、それでも、貴方の傍に――マリクと一緒にいられるだけで、私、幸せだった。好きな人とい
られるだけで…
 でも、貴方が私の事を、ただの仲間だとしか見ていないんだと知る度、辛かった。苦しかった。
 どんなに貴方の事が好きでも、その気持ちを打ち明けられないのが辛かった…」
「…どうして、打ち明けてくれなかったんだい?」
「…もし、好きだと告白したら、貴方は、受けとめてくれた?」
その返答に、マリクは何も答えられなかった。
「無理に決まっているわよね。だって、貴方が好きなのはエリス様であって、私では無いのだから…
そんな貴方に、余計な事をしたくないから、迷惑をかけたく無いから、今まで黙っていた…
でも、もう出来ない。だって明日、エリス様を――とらわれている人達を救い、そして戦いが終わ
れば、マリクは、もう私の手の届かない所へ行ってしまうから…だから…私…」
67隠せないこの想い:04/08/07 21:40 ID:BJX86C0D
そう言い終わると、リンダの目から、涙が零れ落ちた。
「…ごめん。今まで気付いてあげられなくて…
 確かに、君の気持ちを、僕は受けとめてあげられない。
 でも、それは君の事が嫌いだからじゃない…それだけは分かって欲しい…」
そう言い、リンダの手をそっと握ってやった。
するとリンダは、いきなりマリクに抱き付いてきた。
「リ、リンダ、何を――」
するんだと言おうとした時、抱き付いてきたリンダの身体が小さく震えているのが分かった。
リンダは、声を殺して泣いていた。
「…リンダ……」
泣いている彼女に、自分は何も出来ない。してやれない。
マリクは、リンダが泣き止むのを待った。
何時まで待ったであろうか。リンダの口から、次の様な言葉が聞こえてきたのは。
「……抱いて」
「……えっ!?」
「マリク。お願い…私を抱いて」
「何を馬鹿な事を言っているんだ!!」
そう言いリンダの顔を見た。
彼女の顔は、悲しみのあまり、泣き歪んでいた。
68隠せないこの想い:04/08/07 21:42 ID:BJX86C0D
「…好きでなくたっていい…愛してくれなくたっていい…
 ただ、今だけは…今夜だけは、私を抱いて欲しい。一緒にいて欲しい…
 貴方の事をこれから先、一生忘れない様に…
 貴方といられたという事を、この身体に焼き付ける為に…
 だから、お願い、マリク…抱いて、欲しいの…」
そう言い終ったリンダの目から、再び涙が零れ落ちる。
「でも、僕は…」
「…お願い…私の、貴方に対しての、最初で最後の我が儘だから…」
リンダのマリクの体に回した両腕に力が入る。
どうすればいいのだろうか?受け入れるべきか、それとも断るべきか…
そう自分に対して、心の中で問いかけてみた。
そして、答えが出た。
マリクは、リンダの身体に、自身の両腕を回し、抱き締めた。
そうされたリンダは、ふとマリクの顔を見た。
今までに無い位に真剣な顔をしていた。
「…マリク?」
リンダの言葉に、マリクは答えた。
「…僕で、いいんだね?」
その返事の代わりに、リンダはマリクの顔に自分の顔を近づけると、そっと口付けをした。
マリクは、リンダの身体を引き寄せ、さらに強く口付けた。
そして、どちらとも無く、そのままベッドにその身を倒した。
69隠せないこの想い:04/08/07 21:43 ID:BJX86C0D
ベッドに倒れると、二人は互いの唇を離した。
「…マリク…」
そういうリンダの顔は、泣き顔ではあったが、今までに無い位の笑顔だった。
「…今夜だけは、君の想いを受け止めてあげる。いいね?」
「…うん…今夜だけは…今だけは…私だけを見て欲しい…感じて欲しい…」
そう言い、二人は再び唇を重ね合う。先程以上に強く、深く、熱く。
ただ、そうしているだけだというのに、リンダは、自分の身体が熱くなって行くのを感じていた。
またマリクも、リンダと同じく熱くなって行くのを感じていた。
マリクにとっては、今からする事は勿論の事、先程の口付けも、実際初めてした事だった。
そして、その口付けをした時、彼女の想いが痛い程に伝わってきた。
そのせいか、今からする事に対して、何処か後ろめたい感情がマリクの中にある。
きっと、愛する人を裏切る様な事だからであろう。
だが、もう後には引く事は出来ない。
今だけは、彼女を――リンダの想いを、受け止めてやるのだ。
彼女の、最初で最後の我が儘を・・・
70隠せないこの想い:04/08/07 21:46 ID:BJX86C0D
互いに唇を離すと、リンダをマリクが押し倒す形となり、マリクは、リンダを上から見下ろす状態に
なっている。
リンダの顔を見てみると、ほんのりと赤くなっている。
先程の行為で、興奮したのであろう。そうマリクは判断した。
「マリク…お願い…明かり、消して欲しいの…」
リンダにそう言われ、マリクは望み通り部屋の明かりを消した。
部屋には、窓からさし込む月明かりだけが静かに二人を映し出す。
その月明かりに照らされるリンダは、とても美しかった。
「綺麗だよ、リンダ…」
思わず、感じた事を口にしてしまったマリク。
それに対し、リンダは小さく微笑んでくれた。
マリク自身、エリスだけにしか抱かなかった感情が、リンダに対しても湧き上がってくるのを感じて
いた。
愛おしいと…
エリスは、マリクにとって、自分を暖かくしてくれる太陽だ。その温かさは、何者にも代えがたい。
対し、リンダの想いは、まるで儚く消えて行くかがり火の様で、今にも無くなってしまいそうなもの
であった。
そんなリンダの想いは、マリクの中に、エリスと同じ温かさを感じさせてくれた。
その時、マリクは分かった。
自分は、リンダの事を、一人の女性として見ていたのだと。
そして、エリスには及ばないにしても、彼女の事が好きなのだと。
(こんな、今になって気が付くなんて…)
自分は馬鹿だと、大馬鹿者だと思った。
だが、エリスの方が、自身にとって、何者にも代えられない大切な人には変わらない。
リンダには、とてもすまない事をしていると思った。
(今だけは、彼女を愛そう…今、この時だけは…)
そう自分に言い聞かせた。
71隠せないこの想い:04/08/07 21:47 ID:BJX86C0D
明かりを消した後、マリクはリンダの唇から順に額、耳、頬、首、首元と口で優しく愛撫する。
リンダは、その行為に素直に感じてくれた。
「ん…ふ、あん…あぁ…」
甘く、小さな声が、リンダの口から漏れる。
その声を聞き、マリクは自分の手をリンダの夜着の中に侵入させ、彼女の胸に触れた。
彼女の胸は、触れた感触からあまり大きくはないものの、形は良く、弾力があることが分かった。
その胸をゆっくりと、マリクは両手で両方とも揉んでやった。
「…んん…いいよ…マリク…そう…優しく…」
どうやら、胸を揉まれ、気持ちよい事が分かると、言われた通り、優しく揉み続ける。
「ああ…気持ちいい…感じちゃう…」
その声を聞くにつれ、マリクの中に、目の前の女性を無茶苦茶にしたいという欲望が姿を現してくる。
それを何とか押さえると、マリクはリンダの腰に巻かれている布をそっと外した。
そして、リンダの下半身を隠している部分をめくると、秘所を隠している下着を取り外す。
その際、リンダは身じろぎもせず、ただじっとその行為が終わるのを待った。
下着の下にあるリンダの秘所は、薄い陰毛で隠れてはいるものの、綺麗な形をしていた。
それにそっと触れると、リンダの身体がビクッと反応した。そのまま指で秘所を刺激してみると、既
にそこは濡れていた。
「ンンッ!い、だ、駄目、そこは――」
そのリンダの言葉を無視し、マリクはリンダの秘所を指で愛撫し続ける。
続ける内に、割れ目から愛液が溢れ出て来る。
72隠せないこの想い:04/08/07 21:49 ID:BJX86C0D
「いや、駄目、おかしくなっちゃう!!」
泣きそうな声でそう言いながらも、愛液は溢れ出るのを止めない。
「リンダ。おかしくなっていいんだ。僕のしている事で感じていいんだ」
そう言い、マリクは、リンダの秘所に顔をうずめると、そこを舌で舐め始めた。
ピチャッピチャッと音を立てながらリズム良く舐めると、先程以上にリンダの身体は反応する。
「いやあああああっ!へ、へんになっちゃうううううっ!!
 お、おねが、いマリクッ!や、やめてええええぇぇぇ・・・」
リンダの哀願も、今のマリクにはもっとして欲しいという言葉にしか聞こえなかった。
更に舌を動かし、口を付けそれを吸い上げる。
マリクはもう己の欲情を抑える事が出来なかった。ひたすらリンダの秘所に喰らい付く。
「だ、ダメッ!!ヤメテッ!!お願いイイッ!!マリクウウウゥゥゥッ!!」
先程以上に哀願するリンダ。顔を激しく振り、身体はその快感から脱しようと動く。
それを、マリクは両腕をしっかりリンダの両腕に伸ばし、掴んで逃がさない。
逃げようとしたリンダに、マリクは更に愛撫を激しくする。
そうすると、リンダの両腿が、マリクの顔を挟んだ。
どうやら、感じすぎて、それから逃れない様に無意識にしたようだ。
しかし、そんな事は今の二人には分からない。
「も、もう私…ッ!?ダ、ダメ!!イッ!アアアアアアアアアアァァァッッ!!・・・」
リンダは、甲高い声を上げ、全身を震わしたかと思うと、急にぐったりとし、動かなくなった。
それでも、息だけはしているので、大丈夫と判ったマリクは、先程の行為を続ける。
「やっ!やめてっ!!もういいから!!」
そう言い必死に抵抗するリンダ。
それを受け、愛撫を止めると、リンダの顔を見た。
「もういいの?」
「…うん、さっきので、その、つまり…イっちゃったから……」
一部、呟く様に喋った為か、よく聞こえなかったが、先程絶頂に達したと分かり、マリクは嬉しかっ
た。
73隠せないこの想い:04/08/07 21:50 ID:BJX86C0D
「ねえ、マリク…もう、いいよ…しても…」
その言葉にマリクは、リンダの覚悟を感じた。
黙って服を脱ぎ、己の裸をリンダにさらけ出す。
リンダには、そのすらりとした身体のマリクが、とても大きく見えた。
「…本当に、いいんだね?」
「……うん、いいよ」
マリクの問いにリンダはそう答えると、自分の両足を広げ、マリクのものを受け入れる体勢になった。
マリクは黙って、その開かれたリンダの下半身に、己の下半身を持って行く。
そして、自分の男根を、リンダの秘所に宛がう。
「…いくよ、リンダ」
「うん…お願い…来て…」
リンダの返事を聞くと、マリクは覚悟を決め、己の男根をリンダの膣内に侵入させた。
「ッッ!!アアッ!!」
マリクのものが、自分の中に入った瞬間、言葉では表せない程の激痛が、リンダを襲った。
「ウウッ!!」
対してマリクは、リンダの膣内に己の男根が入った瞬間、今まで味わった事の無い快感が全身を襲っ
て来た。
更にその快感を得ようと、マリクはきつい膣内の奥へと侵入していく。
そうすればする程、男根を通じて、快感がマリクの全身へと伝わってくる。
対して、マリクの男根が自分の奥へと侵入すればする程、リンダは全身に激痛が走っていた。
しかし、その痛みをリンダはジッと我慢した。
もし、痛いと声を上げてしまったら、マリクが途中で止めてしまうと思ったからである。
「ッッッッ!!ゥゥゥッ!!」
苦しいあまり、呻き声の様な声がリンダの口から少しこぼれた。
マリクは、自分を襲う快感に、その声は聞こえなかった。
なかなか奥に進み難くなってきた為、マリクは、リンダの両足を持つと、思いっきり己の
男根を突き
入れた。
74隠せないこの想い:04/08/07 21:52 ID:BJX86C0D
「アアアッ!!」
先程とは比べ物にならない強烈な痛みが、自分の中にあるものが突き破られた瞬間に襲い掛かり、悲
鳴に似た絶叫が、リンダの口から放たれた。
それを聞いたマリクは、ハッとし、リンダの様子を見た。
痛みの為か、苦しい表情をして泣いていた。
自分の快感を得る事だけを考えていた為、リンダの事はすっかり頭から無くなっていた。
誰から聞いたか忘れたが、女性は性行為で、初めて殿方と結ばれる時、激しい痛みを伴うと聞いた事
があった。
当然、リンダは処女だ。先程の行為で、どれだけの痛みに苦しんだであろう。
自分の事だけを考えて、リンダをいたわるのを怠ってしまった事に、マリクは罪悪感を覚えた。
先程から全く動かないマリクを見て、リンダが口を開いた。
「…どうしたの?」
その言葉で、先程の考えに気をとられていたマリクは現実に引き戻された。おかげで、先程まであっ
た情欲が、一気に無くなっていた。
「いや、どうもしないよ…それよりも、リンダ、痛くなかった?」
「…痛かったよ、凄く。まるで、身を引き裂かれるかと思う位だった…
 でも、いいの…だって、マリクが、私の初めてを受け取ってくれたから…
 マリク…動かないの?」
「でも、まだ痛くは無いのかい?」
「まだ、ちょっとは…でも、ゆっくり動いてくれれば、大丈夫だと思う…
 だから、お願い…続き、していいよ…」
まだ痛いであろうに、リンダは自分の事よりも、マリクの事を思っていた。
その思いに、マリクは胸を打たれた。
「分かった…でもその前に…」
そう言い、マリクはゆっくりとリンダの顔に自分の顔を近づけると、優しくキスをした。
そして、ゆっくりと唇を離すと、先程中断していた動きを再開した。
今度は、リンダの事を考えて、ゆっくりと腰を動かす。その動きだけでも、快感の波がマリクを襲う。
リンダの方は、まだ痛みがあるものの、先程と違って、ゆっくりと動いてもらっているので、その痛
みも、徐々に無くなって行く。
そして、段々リンダの上げる声にも、甘いものが混ざってきた。
「あ、ああっ、んうっんん…ううん…はあ…あああ…」
75隠せないこの想い:04/08/07 21:53 ID:BJX86C0D
一方のマリクは、リンダの膣内が段々動きやすくなってきたのを受け、動きを徐々に早くしていった。
そうすると、先程まで感じていた快感が、段々男根に集中していくのをマリクは感じ取っていた。
そしてそれは、もう我慢出来ない程に高まる。
「リ、リンダッ!で、出る!!」
「あっ、ふっ、ふぁ……えっ!?」
「だ、駄目だっ!!」
そう言うと、マリクは男根を膣の奥深くに押し込むと、一気に果てた。
初めて受ける快感に、どうする事も出来ず達してしまった。
遅くして、互いを繋げているものの間から、血と精液の混ざり合ったものが溢れ出て来た。
「はあ、はあ、はあ、はあ…ご、ごめん。先にイってしまって…」
そう言うマリクの顔は赤くなっていた。男として、先に達してしまった事が、とても恥ずかしかった。
(…情けない……)
そう思っていると、リンダはそっとマリクの手を握ってきた。
ふとマリクは、リンダの顔を見てみた。
リンダは、とても嬉しそうに笑っていた。
「ありがとう、マリク…イってしまう位、私の中、気持ち良かったんでしょ?」
その問いに、マリクは恥ずかしそうに顔を縦に振った。
「そんなに良かったんだ…嬉しい」
「でも、僕が先にイってしまって…リンダはまだイってないのに…」
「…なら、マリクのでイかせて…大丈夫。もうマリクの、私の中で大きくなっているよ?」
そう言われると、自分の男根は、リンダの膣内で、再び雄雄しく復活していた。
76隠せないこの想い:04/08/07 21:54 ID:BJX86C0D
今度こそはと、マリクは決意し、リンダの中にある男根を再び動かし始めた。
先程イってしまった為か、快楽の波にさらわれない様しっかりと己の理性を保ちながら、腰を前後に
振る。
変わらず、リンダの膣内は、マリクのものを温かく受け止めながらも、きつく締め付ける。
再び、全ての快感が、自分の男根に集中して来た。それをマリクは必死に耐える。
二度、リンダより先に達してしまうのは、男として許せなかった。
そんなマリクの考えなど、リンダは知らない。
リンダはひたすら、マリクのものを必死になって受け止めている。
「はあ、ああっん、いっ、ふぁっ、あっ、ひんっ!!」
マリクのものを受け続ける内、次第に、甘い声から、快楽に溺れる淫らな声に変わって行った。
実際に、リンダはマリクが自分を一突きする度に、声を出さずにはいられない程の快感に襲われてい
た。
次第にそれは、リンダの行動にも現れてきた。
自分の両腕を、マリクの首に回すと、今度は広げていた両足を、マリクの身体を押さえ付ける様な形
になる様に絡めてきた。
まるで、網に掛かった獲物に絡み付く蜘蛛の様である。
そうされながらも、マリクは、その思い掛けない行動に臆する事も無く、リンダに快感を与える為、
思い切って、ベッドの軋む音が聞こえる程に動作を激しくした。ギシギシ軋む音に紛れながら、パン
パンッと卑猥な淫音が室内に響き渡る。
「ひんっ!!ああっ!マッマリクッ!!いっいい!いいっよぉ!!」
激しく奥まで届かんばかりに突き上げられ、リンダはもう何も考えられなくなっていた。
それでも、目の前で自分にそうしてくれているのがマリクであるという事だけは、ハッキリと分かっ
ていた。
77隠せないこの想い:04/08/07 21:55 ID:BJX86C0D
「マリクッ!マリクウウウウウッッ!!」
自分の愛する人の名前を叫ぶリンダ。
それにマリクは、そう叫ぶ口を、己の口で塞いだ。
「んっ!んんんぅ!!」
口を塞がれてしまった為、喘ぎ声は何の取り留めの無い声になってしまった。
すると、リンダはマリクの口の中に自分の舌を侵入させた。リンダの舌が、マリクの歯を丹念に舐め
まわしている。
その舌を、マリクは自分の舌を絡める事で受け入れた。そうしながらも、腰を振るのは止めない。
「はあっんんっ、んんっ、んあ、んんっ」
口と膣内と、二つの穴で快楽を感じ、リンダはもう絶頂を迎えようとしていた。
「んんっ!みゃ、みゃりくぅ、ひ、ひふっひっちゃうううううっ!!」
舌を絡ませられているせいで、はっきりとした言葉で言えなかったが、マリクには、リンダが達しよ
うとしているのが分かった。
唇を離し、リンダの絶頂を早く迎えさせる為、なり振り構わず腰の動きを今までに無い位に激しく動
かす。
「ああああっ!イッイクッ!イッちゃうよおおおっ!!」
「イけっ!イってしまうんだ!!」
そう言うマリクも、もはや限界に来ていた。男根に溜められた快感が、もう爆発する寸前にまでなっ
ている。
「もうっ!ダメえええええええええええええっ!!」
そう言った瞬間、リンダの身体が弓なりに反ったと思うと、全身をブルッと強く震わせると、全身の
力が一気になくなり、そのままの体勢で力尽きた。
マリクは、リンダがイッた瞬間、自分も僅かに遅れて、リンダの子宮にまで深く突き入れると、そこ
に己の精液を再び解き放った。
そして、リンダと同じく、そのままの体勢で力尽きた。


それから二人は、目覚めるまで、同じベッドで一緒にいた。
そしてマリクは、リンダを抱き締める様にして眠った。
彼女の涙を、胸に刻みながら……
78隠せないこの想い:04/08/07 21:57 ID:BJX86C0D
次の日、彼等はガトーの力によって、飛竜の谷に到着していた。
この先にある竜の祭壇に、メディウスが。
ガーネフが。
そして、贄となる四人の女性がいる。
マリクは、これから始まるかつてない戦いに、全身に震えが立つのを感じていた。
「エリス様……」
そう一人呟くと、傍に誰かが近づいて来た。
それは、自分が思った通り、リンダであった。
あれから目覚めてみると、リンダは既に部屋にはいなかった。
その為、リンダと会うのは、今日は初めてである。
「マリク、いよいよね…」
「…そうだね」
そう返事をすると、リンダの手が、そっとマリクの手を包み込んだ。
「リンダ…?」
おもわずそう言ってしまった。すると、リンダはマリクの顔を見て、次の様に言った。
「マリク。どの様な事が遭っても、決して諦めないで。そして、必ず生き残って、愛する人を――大
切な人を助け出しましょう。
…大丈夫。貴方は一人じゃない。貴方の周りには、一緒に苦難を乗り越えた仲間が…そして、私
がいるわ…
だから、貴方は前だけを見て進んで…
貴方の背中は、私が守るから…」
優しく笑いながら、リンダはマリクにそう言うと、手を離した。
そのリンダの言葉に、マリクは、自分を襲っていた恐怖が無くなっていくのを感じていた。
「リンダ…ありがとう。
 僕は必ず生き残って、エリス様を――愛する人を救って見せるよ」
そう言い終わると、全軍進行の合図の角笛の音が鳴り響いた。
「行きましょう、マリク」
「行こう、リンダ」
互いに相手の顔を見てそう言い、二人は他の仲間達と共に、最後の決戦に向かった。
79隠せないこの想い:04/08/07 22:02 ID:BJX86C0D
その決戦は、言葉で表現するなど、到底不可能な程、凄まじいものであった。
マルス達は、その決戦を無事勝利し、贄にされそうになっていた四人の女性も救われ、それぞれ戦い
の後、自分たちの思う場所へと帰って行った。
それから一ヶ月が経ち、マリクは今、エリスと共にアリティアにいる。
決戦が終わった後、二人は、マルスに頼まれ、アリティアの復興に就いている。
戦いで、タリスを除く国は、どれも大きな傷を残していた。
アリティアもまた、例外ではなかった。
まだまだ時間は掛かるであろうが、マリクは、必ず昔の様な――いや、それ以上にすると、心に誓って
いた。
傍に、自分を愛してくれる人がいる。
その人の為にも。
そして、自分の為にも、そうすると――


その二人を、遠くから見つめる者がいた。
リンダであった。
リンダは、幸せそうに微笑む二人を見届けると、その場から去って行った。
(マリク…エリス様…お幸せに……)
そう思うリンダの目から、一滴の涙が、風の中へと消えて行った。
雪が降り、新たな年を迎えようとしていた、冬の月であった。

80千葉犬:04/08/07 22:03 ID:BJX86C0D
以上です。こういった悲恋ものは自分ではいいのかなあと思ったりもしましたが、皆さんはどうなんでしょうか?

988%マシン氏、ダミアン氏、続き楽しみに待っています。と言う事を書いて、今回はこの辺で終わりにいたします。
それでは皆さん。身体に気を付けてお過ごし下さい。
81名無しさん@ピンキー:04/08/08 00:18 ID:lSP5oRfH
うぉー、良作多杉で一つずつレスつけられねー!
もうね、みなさん、ネ申!!!*:.。..。.:*・゚(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*
一作一作、ありがたくしっかり読ませてもらうよ!
82名無しさん@ピンキー:04/08/08 22:02 ID:VLp7E2gu
今さらだが、前スレのケントXファリナを読ませてもらった。
感想を言うと、すごい良。セインXフィオーラが利用されてた
のもうまいと思った。
83名無しさん@ピンキー:04/08/08 22:21 ID:cxUm83ll
豊作ですね〜。
皆さん乙。
84千葉犬:04/08/08 23:00 ID:uEOXnuDr
今更ですが、トビモノ氏、むた氏と御双方、SSの内容乙でした。同じ職人として、また
ここを利用している一人として、自分達兄弟も頑張りますから、一緒に頑張りましょう。
それでは、次の作品を完成させなければ……



85名無しさん@ピンキー:04/08/09 01:13 ID:5K/JSEDf
>嘘と約束
交時でも丁寧口調なプリシラがなんともエロエロしかった
っつか羽飾りつけたままってのがいいね
86名無しさん@ピンキー:04/08/10 11:31 ID:XJ77HDAl
千葉犬さん乙(*´Д`)そして・・・
>もしその時、レナさんやリフさんがいなかったら、貴方は死んでいた。

リフゥゥゥゥ!!!
87名無しさん@ピンキー:04/08/10 21:55 ID:Al/v4gmX
988%マシンさんのアマルダ小説の続きとても楽しみ。
88花泉の亜茶:04/08/11 01:39 ID:FKhXmOkH
遅れながら、感想くれた方々、サンクスです。
あと、前スレにこのスレのPart5の未完のチャド×キャスの続きが来てましたよ。
消えないうちに皆さん行ってみては?
こっちで書いてすみませんが、通りすがりのスケベさん、乙ですた。今後もガンガッテくだされ。
89ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/12 16:42 ID:fWqJFDRE
プリシラ陵辱(7)

プリシラの目の前わずか数センチのところで、ぐちょぐちょと淫猥な音を立てて出たり入ったり
するヴァイダとヒース。
そこから発せられるひどく濃い淫臭に、プリシラは思わず顔をしかめた。
「うっ・・・」
強烈な吐き気を覚え、思わず口を手で押さえるプリシラ・・・。
「ふ〜ん、やっぱり深窓のお嬢様なんだねえ・・・。しかも処女か・・・。」
ヴァイダの言葉に、ヒースが返した。
「隊長、どうして性器を見ていないのに、処女だってわかるんです?」
激しく腰を振って一物を出し入れするヒースの質問に、ヴァイダは呆れたような顔をした。
「決まってんだろ。この匂いに耐えられないってのは、経験自体がないからさ。それよりどうしたい!
ヒース、腰の動きがおろそかになってるよ!」
「は、はい!」
「あ、あふぅ!・・・や、やるようになったな、ヒース。・・・あはぁ!」
ヴァイダの股間から、愛情あふれる愛液が飛び散る。そしてそれは、プリシラの顔を容赦なく濡らした。
「・・・く・・・臭いです・・・」
「臭いだってぇっ!?ふざけんじゃないよ!よおし、こうなったら、あたしの本気汁を味わってもらおうじゃないか!
ヒース、全力で来な!」
「は、はい・・・・・・(これでも全力なんだけどなあ・・・)」
ヒースはますます腰の動きを早める・・・そして、ヴァイダを突く力も、さらに強くした。
「あああ〜っ!これだよこれえっ!あはああっ!ひ、ヒース!お前、やればできるじゃないかっ!はああぁぁぁぁ・・・ぁぁぁああああああああっ!!!」
全身全霊をかけるかのように、全力でヒースのたくましい男根を搾りあげるヴァイダの女性器。
「お、俺・・・・・・うああああっっ!!!」
直後、おびただしいヴァイダの愛液が、プリシラの顔面に一斉に降りかかった。
そして・・・ヒースの男根が抜き取られると、その先端から、白い男の種が勢いよく吹き出る・・・
その先には、プリシラの顔があった・・・
90ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/12 16:59 ID:fWqJFDRE
プリシラ陵辱(8)

「・・・あ・・・・・・ああ・・・・・・」
何が起こったのかわからなかった。
プリシラの顔面を濡らすヴァイダの愛液とヒースの精液・・・
その二つの生臭い匂いが強烈に鼻をつく・・・それはプリシラを気絶させるのには充分だった。
ふらふらとその場に崩れ落ちるプリシラ。
「やれやれ、だらしないねえ。この程度で何へばってんだか!」
ヴァイダはプリシラをキッと睨んだ。
「ヒース!」
「はい、隊長!」
「冷水でもぶっかけてやりな!」

「ようやく気がつきましたのね・・・」
プリシラが再び目を開けた時、一人の金髪の美しい女性がその顔を覗きこんでいた。
「・・・ル・・・ルイーズ様・・・」
「どうしたの、プリシラ。しっかりしなさい!」
ルイーズはプリシラの両肩をつかんで揺すると、プリシラの意識は次第にはっきりとしてきた。
「あれ・・・ここは・・・?」
プリシラは辺りを見まわした。そこは湯気の曇る浴室・・・そう、プリシラが倒れたその場所だった。
「よかった!気がついたのね。」
「あ・・・れ・・・私・・・」
「あなたは、ここで倒れていたのよ。でももう大丈夫。私がついていますから、ね?」
その言葉に、思わずプリシラはルイーズに抱きついた。そして、その胸の中で泣き始めた。
「わああああああっっ!!!」
「ふふふ・・・もう大丈夫ですわ・・・」
そっとプリシラの頭を抱き寄せ、優しく撫でるルイーズ・・・
「ルイーズ様・・・ルイーズ様・・・」
彼女は人目もはばからず泣きつづけた・・・。
そんな彼女が、自分の開かれた股間に注ぐ無数の視線に気づくはずもなかった・・・
91ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/12 17:22 ID:fWqJFDRE
プリシラ陵辱(9)

ざわざわ・・・
彼女の下半身のほうで、小さな無数の声が聞こえる。
「何・・・ですか?」
いつの間にか、プリシラの両足は大きく開かれていた。そして、その先に、この浴場の男性客らが
集まっていた。もちろんその中には、レイヴァン、ルセア、オズイン、セイン、そしてヒースの姿も認められた。
全員がその男根をビンビンに立てている。そしてその横にはヴァイダが槍を手に立っている。
「手を出すんじゃないよ!見るだけにしときな!」
プリシラにはようやく事態が飲み込めた。
「きゃあああああっっ!!!」
思わずプリシラは股間を両手で隠した。そのため、今度は彼女の発育途上のかわいらしい胸が顕になる。
「まあ、かわいらしいおっぱいですこと。うふふっ♪」
ルイーズの言葉に、プリシラは驚いて今度は胸を両手で隠した。
「あら、今度はかわいらしいお豆さんがよく見えますわね。」
「・・・いや・・・・・・いやあっ!」
今にもはちきれんばかりに真っ赤になるプリシラの頬を、いきなりルイーズが叩いた。
「・・・ル、ルイーズ様・・・?」
頬を押さえてルイーズを見るプリシラ・・・
「プリシラ!何を恥ずかしがっているの!女の子は、見られて美しくなるものですわよっ!」
「えっ・・・?」
「私をよく御覧なさい。」
プリシラはルイーズを見た。ルイーズは何も身につけていない。そればかりか、その豊満な美しい体を
隠そうともしていなかった。欲望を剥き出しにしている男達の前で、ルイーズはその大人の魅力たっぷりの
裸体を惜しげもなくさらけ出しているのだ。
ルイーズは立ちあがって男達のほうを見た。途端に男達から歓声があがる。
「す、すげえ・・・これが・・・貴婦人の・・・」
「お、俺、鼻血が・・・」
そしてルイーズは後ろを振り返った。
「さあ、プリシラ、立ちなさい!」
92ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/12 17:47 ID:fWqJFDRE
プリシラ陵辱(10)

ルイーズはプリシラの手を取った。それによって、ようやくプリシラは立ち上がる。
「さあ、プリシラ。こっちへ・・・」
そのままプリシラの手を引いて歩くルイーズ。そして、歩くたびにぷるるんと揺れる二人の胸。 やがて二人は浴槽のへりに腰をかけた。
「プリシラ。」
「は、はい。」
「今から、淑女の作法をお教えいたしますわ。よく見ておくのですよ?」
「はい・・・えっ?」
そう言うとルイーズは両足のかかとをへりの上につけた。腰はかけたままなので、彼女の両足は Mの字のように開かれていた。
そしてその先に、男達がぞろぞろと集まってくる。
「皆様、大変長らくおまたせいたしました。これより、このルイーズの女を、皆様に存分にご覧いただきますわ。」
そして、彼女のしなやかな指先が、自身の女をこすり始めた・・・
「ん・・・・・・くふぅ・・・・・・あふぅ・・・・・・」
ルイーズの声が漏れると同時に、男達からも同時にため息が漏れる・・・
「はぁ〜、いいなあ・・・」
「国一番のトップレディーのオナニーを、こうして見れるなんて・・・」
「お、俺、もう我慢できねえっ!」
男達の何人かが、ルイーズめがけて走り出した。
しかし彼らの目の前を、大きな斧が遮る・・・。
「客人達は、手出し無用。」
見上げるような金髪の大男、ホークアイの勇姿に、男達は引かざるを得なかった。
次第に顔を赤らめ、恍惚の表情を浮かべるルイーズ。
その間も、己の手は容赦なく自身を責め続ける・・・
「あっ・・・ああっ・・・ああああっ!!!」
こんこんと泉のように湧き出てくる愛液・・・くちゅくちゅといやらしい音を奏でるその指・・・
ルイーズの瞳が、次第にうつろになってゆく・・・

つづく
今日はここまででつ(ry
93ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/13 09:15 ID:+QHBr6pT
プリシラ陵辱(11)

びくん。びくん。
「ふああああああああっっ!!!」
手を動かすたびに、まるで獣のように吠えるルイーズ・・・そのおたけびのたびに、彼女の指が、
その赤い陰核、そしてひたすらに蜜を放つ陰唇をこする・・・
「はううううぅぅぅぅ・・・・・・はうあっ!」
ぴくっ、ぴくっ・・・
ますます激しく蜜を吹き出すルイーズ・・・男達はごくりと息を飲んで、その貴婦人の痴態をじっと鑑賞していた。
「プリシラ・・・よく見てなさい・・・ひゃあああああっ!!!」
彼女が再び叫ぶと、彼女の女性器は一気に潮を吹いた・・・。

「さあプリシラ、次はあなたの番ですわよ?」
ルイーズはそっとプリシラの耳元でささやいた。
「えっ・・・?」
「何をぼやっとしているの?次は、あなたの番ですと、言っているのですわ!」
プリシラは驚いて声も出ない。
そして、彼女の喉元に、槍の穂先が向けられた。
「さっさとしないと、串刺しにするよ!」
「う・・・は、はい・・・」
ヴァイダに脅されて、プリシラはようやく股を広げた。足の裏を浴槽のへりに掛けて、M字に足を広げる。
「おおっ!」
プリシラの前に群がる男達から、歓声があがった。
94ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/13 09:35 ID:+QHBr6pT
プリシラ陵辱(12)

「さあプリシラ、『皆様、私の初めてのオナニーを、心ゆくまでじっくりとご鑑賞くださいまし。』と言いなさい。」
ルイーズがそっとプリシラの肩を抱き寄せて、耳元で囁いた。
「そ・・・そんな・・・私、言えません・・・」
プリシラが言うと、ルイーズは男達の方を振り向いた。
「皆様、そろそろお触りも解禁いたしましょうか。プリシラのこの美しく、柔らかい肉体を触るも揉むも自由ですわ。」
「や、やめてください!」
「じゃあ言う?ならば、お触りは取り消すけど。」
プリシラは顔を真っ赤にしてうつむいた。そして震える声で、その言葉をついに口にした。
「み、皆様、私の初めてのオナニーを、心ゆくまでじっくりとご鑑賞くださいまし・・・」
ルイーズは両手を叩いた。
「はい、よく言えました♪それでは皆様、プリシラの男湯デビューを、じっくりとご覧くださいな。」
大きく開かれたプリシラの股間に、ひときわ赤い花びらが咲いている・・・
彼女の細くしなやかな指が、今、その付け根にある小さな突起をこすり始めた・・・。
「あ・・・ああ・・・あん・・・・・・」
羞恥に顔を赤らめながら、プリシラは小さく喘ぎ声を漏らした・・・
95ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/13 09:54 ID:+QHBr6pT
プリシラ陵辱(13)

プリシラは目をうっすらと開いて、男達を見まわしてみた。
その一団の中に、いる。プリシラの実の兄・レイヴァン。
(兄様・・・どうして・・・助けてくれないの・・・?)
プリシラの想いは、いつしか口をついて出てくる。
「兄様・・・・・・レイモンド兄様・・・」
陰核、そして小陰唇を縦に指でなぞりながら、プリシラはつぶやいた・・・。
「うわっ、プリシラ様、まさか実の兄をオカズにしているなんて・・・」
「へ、変態だ・・・」
「近親相姦かよ・・・」
その言葉に、プリシラはますます顔を赤くする。
しかし、手と口は、もはや止められなかった。
「あ・・・ああ・・・ああん・・・レイモンド兄様・・・ああん・・・・・・」
ひたすらこすりつづけて、彼女の女性器は、すっかり赤く熟していた・・・。

「はあ・・・はあ・・・あふう・・・ああん・・・はふう・・・」
プリシラの声と、ぐちゅ、ぐちゅという音が、交互に聞こえてくる・・・
その花びらは、ドロドロと蜜を垂れ流していた。
ヴァイダがその蜜を指で掬うと、その指をプリシラの鼻先に持ってくる。
「どうだい?これが、あんたのいやらしい匂いさ。いい匂いだろう?」
そのまま、ヴァイダは自分の鼻先に指を当てて、プリシラの匂いを嗅ぐ。
「臭いねえ。」
その言葉に、プリシラは顔を真っ赤にしてうつむいた・・・
96ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/13 10:10 ID:+QHBr6pT
プリシラ陵辱(14)

次第に体をくねらせて悶えるプリシラ・・・
彼女がだんだんと変わってゆくのが、はたから見てもわかる。
「あはあっ!・・・あひいっ!あひゃあっ!」
プリシラの声はすでに絶叫と化していた。その間中ずっと、彼女の指が、小陰唇をかき分けて
膣の奥へと入りこんで膣壁をこすっていた。
「あいいいいいっ!もっと!もっとおおおおお!」
いつしか彼女は立ちあがり、男達にお尻を向けて、浴槽のへりに片手をついて、お尻を突き出していた。
そしてもう片手は、そのみずみずしい女性器に指を突っ込んで、掻きまわしている・・・
男達はおろか、ルイーズでさえも思わずごくりと息を飲んだ。
「は、初めてでここまで・・・やりますわね。」
「ああっ!あはああっ!いいいい!いっ、いっくううううううううううっっ!!!」
突如、プリシラの指を突っ込んでいる膣から、大量の飛沫が周囲に飛び散った。
そのままプリシラはその場に崩れ落ちた・・・。
「ふん!なかなかやるじゃないか!こりゃ、あたしも負けてられないね!」
失神しているプリシラを介抱しているルイーズの横で、今度はヴァイダのショーが始まった・・・。

おしまい
97名無しさん@ピンキー:04/08/13 11:14 ID:Ozz9ccWs
ヴァイダのショーマダー?
98988%マシン ◆ka5BrNUzcE :04/08/13 15:46 ID:nUeUXHAm
マシンっす。
前半読んで下さった皆さん、作品を落としてくれる神様、ありがとうございます。
未完作品の
では「罪の意識」後半落とします。

注意
・辛気臭くてキャラが結構痛いです
・残虐描写出てきます。苦手な方はスルーよろ
99罪の意識:04/08/13 15:46 ID:nUeUXHAm
夢を――
夢を見るのです。
昼間起きている間も、夜眠っている時も。
白昼夢、とでも申しましょうか。その時現実の時間で体験している出来事ではありませんが、
私に取っては決して忘れる事の出来ない光景が続くのです。
青天の下、太陽の反対側に映る海を紅く変えるほど勢い良く燃え盛る建物。
私は一人、焼き払われた村落を貫く東西に伸びた街道に呆然と立ち尽くしています。
軒を形取っていた材木がぱちぱちと爆ぜ、炎が風精を追い立てる音が響きます。
ロプトの僧と思われる、黒衣が数人地に臥しています。
その間から聞こえる、無数の呻き声。老人、婦人そして――
子供の声がします。
痛い、苦しい、熱いと口々に訴える、それらの声が私一人の耳に聞こえるのです。
目を瞑っても、耳を塞いでも、何の効果もありません。
声は耳ではなく頭の中へと、直に響いて来るのですから。
ようやく声が収まって、私は目を開きます。
目の前に男の子が倒れています。
血塗れで、駆け寄って脈をみれば既に事切れています。
抱き起こそうとその子の身体に触れた時、じゅく、と生温く濡れた感覚を手におぼえました。
驚いて両手を見ると
べったりと
真っ赤なものが纏わり付いていました。
100罪の意識:04/08/13 15:47 ID:nUeUXHAm
――おまえがやった
顔を上げて見ると、何時の間にか私は黒衣の集団に囲まれていました。
――誰が殺した、お前が殺した
――お前さえ来なんだら、その子は必ず生きていた
口元に厭らしい笑みを浮かべ、黒衣達は私を嘲笑います。
目は頭衣に包まれて窺い知る事は出来ません。彼らは矢継ぎ早に言葉を浴びせて来ます。
――その子は神の大事な愛し子
――その子は我等ロプトと共に、花の都へ行くべき子供
違う、私は叫びました。
この子が死んだのは、お前達ロプトの輩がこの村に押し入ったからではないか。
お前達に子供を引き渡す事を、親たちは拒んだのだ。当然ではないかと。
どこの世界に、我が子を進んで贄にしようなどと考える親がいるでしょうか。
子を思う親の気持ちは世の習い、それを無視するロプトに咎ありと、貴方も思う事でしょう。
けれど彼らは軽く嘲うと、ゆっくりとした渦を巻くように辺りの風景を暗闇に飲み込んで、
ぐるぐると私の周囲を回り始めたのです。
童歌を歌いながら戯れる子供のように、彼らは口々に言いました。
――彼らはこの世に要らぬ存在、その子は栄えあるロプトの一員
――ロプトに在らずは人にも非ず、子供が他に生きる道無し
――然らば殺すは我等が慈悲なり、汝は其れを受け入れぬか
101罪の意識:04/08/13 15:48 ID:nUeUXHAm
高く低く、近く遠く聞こえる声の主の口元は、例え彼らが背中に居ても
目に映るような心持ちです。
目を瞑れば瞼の裏に、皺の寄った老いた唇や、若者の瑞々しい唇が
はっきりと
呪文のような旋律と拍子で語り掛けるのです。
まともな平衡感覚を失い、粘り付く冷や汗を背中に汗を掻きながら、
私は光と闇の狭間でひたすら彼らの投げ掛ける言葉を聞き続けました。
――我等が同志、子を殺す意図無かりけり
――汝は我等と同じ、幸福な死を与え給うた
その言葉を聞いた時、私は事そこに至るまでの間に
曖昧にぼやけた残りの記憶を
思い出したのです。

黒衣の男が突き出した腕の中には
驚きの形相で私を見詰める男の子
その子のお腹に刺さっているのは
――私が握っている剣

ロプトの僧兵が私の剣を躱す積もりで、斬られる寸前に手に抱えたその子を突き出し、
私は勢い余って刃を止める事も叶わず
ぐさりと――

私は泣きました。
泣いて、喚いて、剣を振り乱し、手近に居たロプトの黒衣たちを次々に屠りました。
あの子を突き刺した生々しい感触を、憎きロプトの僧兵を斬った手応えに
換えてしまいたい、そんな気持ちがあったのだと思います。
何よりも、彼らさえ来なければ。
102罪の意識:04/08/13 15:48 ID:nUeUXHAm
彼らが村に来なければ悲劇も起こらず、子供も死ぬ事はありませんでした。
私自身もあの子を手に掛けると云う、許し難い罪を犯さずに済んだのです。
彼らは破壊者、憎むべき破壊者でした。
殺すのに躊躇いの気持ちなど、どうして湧き上がる事があるでしょうか。
斬って、突いて、引き裂きました。
彼らに取って唯一抵抗する手段である、暗黒魔法を詠唱するための僅かな暇も与えませんでした。
剣を振るっている間中、涙が溢れて止まりません。
斬られた黒衣たちは、絶叫とも歓喜とも聞こえる悲鳴を上げて事切れて行きます。
最後の一人は袈裟懸けに撫で斬りにされながら、高らかに哄笑します。
――殺すが良い
――もっともっと殺すが良い
――殺し続ける事が貴様の喜び、貴様の生きる理由となれ
心の臓を貫かれても、首を刎ねられても、彼は何時までも笑い続けました。

私が見る夢は、いつもこのような筋を辿ります。
図らずも私が殺してしまったあの子に対して申し訳ない気持ちが私を苛み、
せめて彼に対しての償いをしたい、あの子のような子供を少しでも減らしたいと思い、
私はそれ以後暗黒教団の僧兵を手当たり次第に殺し、彼らの下に集められていた
子供達を救出して回ったのです。
彼らが親元に返され、親子揃って感謝を述べる姿は、見ていて心が温かくなる思いが致しました。

けれども、それは一時的な出来事に過ぎませんでした。
と申しますのは、私が救える子供の数は然程多くはなかったからです。
私はフリージの軍人でしたから、任務も疎かには出来る立場にございません。
救出は任務の間に出来た僅かな暇を縫って行ない、しかも行動範囲も極く近くに
限られてしまいます。
助け出せた子供の数は、これまでに精々三十数人と言った所でしょうか。
私はこれを、少ないと思っております。いえ断言します、少ないです。
103罪の意識:04/08/13 15:49 ID:nUeUXHAm
何よりも――辛かったのは、子供を救い出す度に私の手は血に塗れ、そして肉を断つ
厭な手応えや骨を砕く音、それから悲鳴を聞き続ける事になりました。
何度も何度も、斬って殺して。
子供たちを救い出した晩は、決まってあの悪夢に魘されます。
私に向かって恨めしげな目で睨んで来る、血みどろになったヒトの数も、だんだんと増えて行って。
この軍に参加してからは、子供たちを救う事も出来ず、手に掛けた人数は増えるばかりです。

私は――どこで何を間違えたというのでしょうか!
お願いです、教えて下さい!
私は、私は――
悪夢の続きを見続けなければならないのですか!

つまらない話を聞いて下さって、有難うございました。
それでは私はこれで失礼しますね。

「待って下さい!」
既に椅子から立ち上がり、礼拝堂へと続く扉に手を掛けていたアマルダは、
格子窓の中から聞こえた声に振り向いて、泣き腫らした目を壇の脇に遣った。
異例の出来事である。
自分以外の者が告悔を行なう場合の話をアマルダは知らないが、彼女の経験では告悔の最中に
格子の向こう側に居る筈の聞き手に呼び掛けても、中からは全く返事が戻って来なかったのである。
相手は何時でもただ黙って、何度も繰り返されて来た彼女の話を聞くだけであった。
それが今頃になって、格子の向こう側が彼女を呼んだのである。
聞き覚えのある、あの声が。
「もし宜しければ、私の話も聞いて頂けますか。本来は神の代理者として、貴女の言葉を
ただ聞くだけの立場にあります。でも」
でも――
何を話すと言うのだろう。アマルダは椅子に戻ると姿勢を正して座り、
格子の向こうに朧げながら映った人影を真っ直ぐに見つめた。
104罪の意識:04/08/13 15:50 ID:nUeUXHAm
「でも私は神などでは無く、唯の人間に相違ありません。ですから貴女が誰かに話を聞いて
欲しく思うのと同様、私も誰かに話を聞いて頂きたいと思って居るのです」
真剣に格子窓の向こうを見つめていると、影が何かを話す度に揺れ動いているのが分かる。
或いは影を見ているアマルダの方が揺れているのかも知れぬ。
多分どちらも揺れているのだろう。アマルダは自分のよく知った声が、格子窓の向こうから
彼女に向けて初めて声を掛けた事実に、緩やかな胸の高鳴りを覚えながらそう思った。
「今宵貴女が訪れて下さったのは、天の導きと云えるかも知れません」
感謝しておりますと前置きして、格子窓の影はゆっくりとその先を語って行った――

もう一年近く前の事になりますか。
私は少しずつ闇に侵食され行くこの世界に、言い様のない絶望を覚えておりました。
人々から街の活気が消え、往来を遊ぶ子供が消え、そして誰の顔からも笑いが消え、
私はそれに対して何の力も持っておりませんでした。
一方で何の救いの手も差し伸べない神に対し、疑いの言葉を何度投げ掛けた事でしょうか。
自分の無力さに、そして世界を覆う不安に、私の心は荒んでいたのでしょう。
自らの師である司祭に対してまで、口汚く罵った事もあります。結果私は修道院を
追い出されてしまいました。
ですが私はこれを幸いに、ブラギの塔に旅立つ事を決意しました。
修道院に閉じ篭って書を読み漁っても、師や学友に詳しく訊ねても私の探す救いが
得られないのならば、いっそ聖人のお言葉でも伺った方が良いのではないかと
思ったのです。

無論、実に虫の良い話であるとは自覚しております。
私はエッダの直系でも何でもなく、どこにでも居た駆け出しの司祭でしかありません。
私のような浅学の徒が聖人のお言葉を聞こうなどと企んでいると、先輩諸氏が
耳にすれば、彼らは憤怒の表情で私を詰るであろうと思われます。
登っても何も無かった、という先輩諸氏も、数え切れないほど居ります。
けれども自分自身の無力感が、一層私を強く塔へと誘ったのです。
105罪の意識:04/08/13 15:50 ID:nUeUXHAm
苦難の連続でした。
盗賊除けの仕掛けや、登る者の知恵を試す謎解きの数々。
幾つかは修道院で読んだ書の中に解法が載っておりましたが、先に行くに連れて
それらは私が見聞した事のない物へと変わって行きました。
途中で引き返そうかという誘惑に、何度も負けそうになりました。
その途中、半ば崩れかけた石室の中で、私は一枚の古ぼけた紙切れを発見しました。
神に連なる書物、ブラギの書です。
実物を目の当たりにするのは初めてでしたが、書かれている内容を苦労して解読した結果、
本物に間違い無いと判断しました。
そこには、本来ブラギ直系の者しか入れない筈の頂上への行き方が書かれていたのです。
生涯で二度と味わう事の無さそうな興奮を覚え、私はさらに上へと続く石の階段を
踏み締めました。
そして塔の頂上に至った時――
ブラギの裔たる聖人は私に向けて語り掛けて下さいました。

――汝ブラギの書を持つ者、此れより絶望の淵より生まれたる二つの光を引き合わせよ

私には最初、この言葉の意味が
二つの光を引き合わせたら一体どうなるのか、私にも想像は出来ません。
けれどもそれが私に与えられた使命であるならば、私はそれを全うするのみです。
かの聖人が仰る言葉は神の言葉にも等しく、私の意志を遥かに超えた存在なのですから。
塔で神託を得た私は、早速アインとツヴァイを探す為に旅立ちました。
「光」という神託の意味を考えると、恐らくは人々の希望を背負って立つ
指導者の事ではないかと思われます。実際その判断で間違いないでしょう。
もう一方の「絶望の淵」、これは人物の出自を意味しているのだと私は気付きました。
その人物は、非常に大きな苦難の中で育ったに違い有りません。
ですから私は、先ずは帝国への大規模な反乱が起こっていたターラを目指しました。
該当すると思われる人物、リーフ王子がそこに居ると、風の噂に聞いたからです。
106罪の意識:04/08/13 15:51 ID:nUeUXHAm
その途中ターラの北にある村に滞在していた頃、私はある心優しい女性に出会ったのです。
人の痛みを背負って嘆き苦しむその方を、私は密かにお慕い申し上げる事となりました。
銀髪の下にある美しい容貌にも惹かれたのは否定致しません。
ですがそれ以上に、彼女は今まで出会ったどんな女性よりも心の綺麗な方でした。
私は彼女に。強い尊敬の念を禁じ得なかったのです。

しかし聖人より託された使命を全うする為に、私はその村を離れなければなりませんでした。
結果から申し上げれば、そのまま村に留まっていた方が早くに目的を達する事が出来たのですが、
自分の失敗も含めての神の思し召しですから、受け入れるより仕方ありません。
ただし、早くアインかツヴァイを見つけ出さねばという課題以上に、私の心を捉えて離さなかった
事柄がありました。
あの美しい銀髪を持った、心優しい騎士様の事です。
人の苦しみを担う彼女の姿は、美しく貴いものでした。
苦しみを聞き届ける事を生業とする私でも、彼女ほどひたむきな、そして献身的な姿勢で
物事に当たっていたかと問われれば、正直な所疑問に思われます。
でも彼女は、何か無理をして全てを背負い込もうとしているように私には見受けられました。
帝国の将で在りつつ、その立場を保ったままで子供狩りを食い止めようとすれば、
何時か自らの行動と立場との間に矛盾を来し、やがてその方は壊れてしまう事でしょう。
斯様な想像は、私の心に不安を掻き立てました。
いつ何時でも心安らかにあるべきエッダ司祭である私が、あの方の憂いた横顔を
思い浮かべただけで、胸に堪らない不安と苦しみを覚えたのです。
神は何故、あの方を救って下さらぬのかと言う、司祭にあるまじき考えも頭を過ぎりました。

やがて私はツヴァイの光を持つ少年、リーフ王子を遂に見出し、彼らと行動を共にしました。
難攻不落のノルデン砦や、天才軍師と唄われたサイアス宮廷司祭が指揮した包囲迎撃作戦など、
歴戦の強兵が閉口したほどの困難を極めた道程でした。
ですが矢張り時の勢いという物があるのでしょう。
レンスターは結局リーフ王子の手に戻り、国民の歓迎を受ける中で凱旋式が執り行われました。
107罪の意識:04/08/13 15:54 ID:nUeUXHAm
レンスター軍は王都奪回の勢いを借りて、直ちにアルスターへの進軍を開始しました。
当然帝国がこの事態を黙過するはずもなく、レンスターに向けて追討軍を編成し北上したのです。
戦力差は明白で、当然私の参加していたアルスター遠征軍は壊滅的な打撃を受けました。
敗北を喫し、大混乱に陥った追討軍を率いている将の名を聞いて、私は天啓を覚えました。
もう一度あの方に逢いたい。もう一度あの方を支えてあげたい。
その方が苦しまずに済む様な場所へ、連れて行きたいと強く願ったのです。
神が御自ら助けないと言われるのであれば、それも私に与えられた試練なのかも知れぬ――
その方に話し掛けた時は殺されても不思議ではない状況でしたが、本来神が行うべき
救いの手を、自ら代わって差し出す以上、神が私を守り給う事は明らかでした。
ですから私はその時、恐怖を感じる事もなかったのです。

その方は我らが軍に御出で下さり、無邪気なまでに心安らかな表情を取り戻されました。
彼女の明るい笑顔を目にする事が出来ただけで私は満足いたしました。
否、満足した積もりになったと言うべきかも知れません。
その方を思うが余り、心の中に邪な気持ちが生じていたのでしょう。
その方には友がいる。私はいかに藻掻いても、ご友人ほどにはその方の力になる事は出来ない。
ご友人と朗らかに話すその方の姿を見て、私は焦りにも似た胸の苦しみを覚えたのです。
司祭にあるまじき私はそれを認める訳には参りませんでした。
108罪の意識:04/08/13 15:55 ID:nUeUXHAm
私は未だ神の裔から賜った任務の途上にあります。
彼女に惑わされてはならない、彼女には既に私以外の居場所があるのだからと己に向かって
必死に呼び掛け、彼女への気持ちを断ち切るべく接触を避けようと動き続けました。
ええ告白致しますとも。その方が夜毎行う懺悔ですら、私は聞かなかった。
と言うよりも、以前その方が告悔に訪れていた時間を見計らって、私は礼拝堂から逃げるように
立ち去っていたのです。
気の毒な彼女は、心の内に抱える悩みを誰にも聞いて貰えなかったのでした。
しかし貴女の話を聞く限り、如何やら私は間違っていたようです。
その方が抱えていた悩みは恐ろしいまでに根深く、未だ心身を苛んでいると言うではありませんか。
私は自分の中にある疚しい心から逃げ続ける事で、彼女をより深く傷付けてしまいました。
その方に会ったら私は――お慕いしていると打ち明ける勇気が欲しい
109罪の意識:04/08/13 15:55 ID:nUeUXHAm
「――酷い」
格子窓の向こうで語っていた人影に対し、アマルダはぽつりと漏らした。
「何でもっと早くご自分のお気持ちを仰って下さらなかったのですか?
何でもっと早く私の言う事を聞いて下さらなかったのですか?――スルーフ様の卑怯者」
言いたくない言葉が、アマルダの口を突いて出る。相手は本来ここで口を利いてはならない
人物である事に気付いて、アマルダは一瞬内心の動きそのものに戸惑いを感じた。
信頼する人間に禁句を浴びせたという自己嫌悪と苛立ちが、アマルダの心を支配する。
格子窓からの返事はない。アマルダは暫く待っていたが、人影が一向に返さない様子に
痺れを切らせたのか、次の口火を切る。
「何でご自分の気持ちに正直にならないのですか? 私は正直に自分の心を申し上げて来たのですよ。
私は自分の気持ちを誤魔化すような卑怯者相手に、悩みを打ち明けて来たっていう事ですか?」
「ですが、こんな気持ちを抱えたままで」
「人間はそんなにキレイな物じゃない!」
激昂した。彼女は素早く椅子を蹴飛ばし、窓に駆け寄り膝立ちの姿勢になって格子にしがみ付く。
告悔を行なっていた時のアマルダと同じような姿勢で、スルーフ司祭が椅子に座っていた。
項垂れて目を伏し、手は膝の上で組まれている。格子窓に寄り掛かったアマルダを見ようともしていない。
「だったら私はどうなるの? 貴方と違って私は、人を殺してるのよ! 戦場でなら兎も角、
今までに罪の無い人達も手に掛けてるのよ、知ってるでしょう?
貴方はそんなにキレイなのに、どうしてご自分を邪な者であるように語られるのですか?」
「けど、私は」
「スルーフ様のお気持ちは、私を慕って下さるから生じるのでしょう!
そのお気持ちが疚しい、邪だと仰られるんだったら、私は何の為に懺悔に伺ったと
思われるんですか?! お許しを得るどころか、『お前は一層罪深い』って言われたのと
同じ事ですよ! そんなの耐えられません!」
何度も司祭の言葉を遮って放たれたアマルダの叫びは、そこで一旦途切れた。
スルーフも口を利かない。或いは気軽に利けないのかも知れないのか、凝乎と沈黙したままである。
汗の滲むような暑く篭った空気は、次に二人の何れかが口を開くまでは
微動する気配も覗えなかった。
110罪の意識:04/08/13 15:56 ID:nUeUXHAm
「アマルダ様、それって」
スルーフは何かを確かめるような口調で、ゆっくりと格子窓の向こうに話し掛ける。
その答えは涙声で返って来た。
「お分かりになりませんか?! 私だって――スルーフ様と同じように、貴方の苦しみを
救いたいっていう気持ちを抱えて」
啜り上げる音が暗闇に鈍く響き、アマルダの涙声が先を続ける。
「私だって、スルーフ様の事をずっとお慕いして来たんです! お慕いして来た貴方だから、
誰にも言えない私の気持ちを聞いて頂きたかったのに!」
窓の中に居た人物は、彼女の悲痛な声で押し黙った。
もし彼女が話を聞いて欲しい対象が神であったのなら、礼拝堂を訪れる度に同じ内容の話を
繰り返し語る事はないだろう。口に出して語るにしても、その日起こった出来事を述べるだけで
神には通じる。
だから恐らく、彼女がここ懺悔室に通っていた理由は、神の救いを求めたいと云う気持ちよりも――
アマルダはずっと、人間に話を聞いて欲しかったのだと、窓の中に居た人物にも漸く察しが付いたらしい。
「この胸が切なくなる気持ちまで、汚らわしい物であるかのように言われたら、私――」
「――済みません」
「もういいわ! 姿の見えない窓越しに何を言われたって嬉しくない!
謝る位ならその窓から出て来て、早く私の前に姿を見せて、そして――」
私を抱き締めて。
搾り出すようにそう呟いたかと思うと、アマルダはその場に崩れ落ち、頭を抱えて啜り泣いた。

泣き崩れたアマルダの背後で、扉の開く音がする。
格子窓の近くで小さく縮こまった女の背に長い影が被さり、ぎぃと重い音を立てて扉が閉まった。
男物の白い法衣の小袖から伸びた手が、手を床に突いたアマルダの肩に回り込む。後ろから
圧し掛かられるように、アマルダは法衣から伸びた小袖の手に上腕を抱え込まれた。
光も届かぬ闇の中、暖かく優しい体温が衣服越しに彼女へと伝わって来る。
アマルダの咽ぶ声が掻き消えるまで、小袖の手は肩を、そして銀の髪をかなり長い時間に亘って
優しく滑らかに撫で続けた。
111罪の意識:04/08/13 15:57 ID:nUeUXHAm
じっくりと撫でられている内に、アマルダの嗚咽が止み肩の震えが止まり、呼吸も徐々に
落ち着いて行く。さらに少しばかりの時間を経て、アマルダが零す。
「やっと」
えっと言う高めの声が彼女の耳元に返り、銀色の髪を撫でていた指の動きが止まった。
「やっと近くに来て下さったのね、スルーフ様」
呟きながらアマルダは腕を交差させて、細くしなやかな指を自分の肩に這わせた。
法衣の小袖から伸びた手の甲に触れ、それは男の太い指に触れる。
愛惜しむように、彼女の細い指は太い指の甲をゆっくりと撫でる。
「私は――」
彼の声は吐息混じりに銀髪を掻き分け、耳元へと囁きかけた。
「なに?」
「貴女にとって本当に掛け替えのない人間なのでしょうか。オルエン様が貴女の大切な人である事は
疑う余地が無さそうですが、私は――彼女程には貴女のお力になれないのではと、不安で堪りません」
それまで泣きじゃくっていたのが嘘のように、アマルダがくすっと笑い声を漏らした。
小刻みに震える肩に顎を乗せたままでいた法衣のスルーフは訝しげに思って尋ねると、
彼女はこう返答した。
「真逆オルエンに嫉妬してたから、私の事を避けておられたのですか、スルーフ様」
言い終わった途端、彼女の上腕を抱き止める腕に力が入った。
図星だったのだろう。だがスルーフは逡巡の後、己の心も受け入れようとするかのように言った。
「ええ。こうして貴女を腕に抱いている今も、いつ拒絶されるかと思うと――」
スルーフが言って、二人入りの懺悔室に反響していた笑い声が止まる。
アマルダは耳元で心細げに囁かれた言葉に、突如として胸が苦しみ出したのだった。
とは云え、それは普段から彼女を支配していた重苦しく粘った罪悪感ではない。
胸を裁縫針で刺されたような鋭い痛みで、それが何度も心の蔵を往復している。
112罪の意識:04/08/13 15:57 ID:nUeUXHAm
――こんな気持ちは
かつて恋慕を抱いていた積もりだった相手に、別れを告げられて以来かも知れない。
アマルダは司祭の知らない、痛々しい自らの過去を回想しながらそう思った。
だが過去に覚えた痛みは、一途な気持ちの裏返し。強ければ強い程に、自分の気持ちが
真剣なものであると今では判る。そう考えられるだけでも、以前よりは救われたのだろうか。
――この人に
背中から伝わる体温の持ち主、私はこの人に当時の相手と同じ、いやそれ以上の――
愛おしい気持ちを持って、いるのだろうか。本当にそうならば、自分が救われる時もあるだろうか。
113罪の意識:04/08/13 15:58 ID:nUeUXHAm
アマルダの心境に生じた微妙な変化に気付いたのか否か、スルーフは穏やかな声で腕に抱いた彼女に伝えた。
「仰る通り、なのでしょうね。私は貴女にとって掛け替えのない人間になりたかった。
オルエン様よりもです。それが叶わぬのであれば、貴女には関わるまいと思い込んでいましたよ。
自惚れた、傲慢極まりない考えです。でも」
スルーフに抱き纏められた腕と、押し潰された胸が苦しい。
まるで彼の悲痛な心が伝わるようだった。この人は真剣なのだ。余計な冗談は言わないし通じない。
ただ黙って、彼の話を最後まで聞けばいいのだ。
「こうして貴女を抱き留めていると、本心を飾り立てていた余計な言葉や考えが
溶けて消えて行くような気がします。もう多くは言いません」
耳元で息を吸い込む音がする。彼の声が聞こえて来る。
好きです――
愛しくて堪りません――
そのままの姿勢で、アマルダの手足から力が抜ける。スルーフは急に脱力した彼女が
腕から滑り落ちそうになって、慌てて抱き直そうとする。
だが女の身体は彼の想像とは違って、肉も関節も意外なほど柔らかい。それに加えて
弛緩した人間の身体は重心の位置が低くなるために、通常の状態よりも支え辛く
また大きな力を要する。非力な司祭であるスルーフに持てる重さではない。
軟体動物のようなアマルダの身体を抱えたまま、スルーフはそれでも前のめりになって
自分の体重でアマルダを押し潰さないよう、咄嗟に尻餅を突いた。
彼女の細い身体が胸板の上に降って来る。その衝撃で床に軽く頭をぶつける。椅子を蹴飛ばす。
がたごとと暗闇の中で短く物音が響き、続いて淀んだ空気の中に静寂が訪れる。
頭の痛みが引いたスルーフが次に感じたのは、仰向けになった自分に寄りかかる人間の重み、
それから右の掌に収まった暖かく柔らかい感触だった。

「スルーフ様」
彼は呼び掛けられてはたと気付いた。声は彼のすぐ近く、胸の上から聞こえて来るではないか。
身体に圧し掛かった重みはスルーフの胸板から腹、下腹部にかけて
触っている物から離れようと掌を動かしてみる。少し力を入れると指が綾織の布に埋まり、
鼻に掛かった声が漏れた。心臓が高鳴る。
114罪の意識:04/08/13 15:58 ID:nUeUXHAm
明らかにアマルダの声ではあったが、しかし声域も高く何処か甘い匂いまで漂って来るような、
そんな女の声。初めて聞く女将軍のそんな声に、スルーフは戸惑いを含んだ声で尋ねた。
「アマルダ様済みません、すぐに除けますので」
「変に動かさないで、それだったらそのままでいて」
彼女の即答でスルーフは一切の動きを止め、彼女の体重と体温を全身で感じ取り始めた。
殆ど全体重を預けられた体勢だが、然程の息苦しさは感じない。寧ろ豊満なアマルダの重みが
自分の身体に乗っている事が彼にとって嬉しかった。

微かな息遣いが聞こえるばかりだった懺悔室の沈黙を破り、アマルダは笑みを含んだ声で
話し掛ける。近くにいる筈の顔は、光も差さぬここでは朧げに輪郭を窺う事しか出来ぬ。
「最初貴方を馬の後ろに乗せた時、ずっと私の胸を触っていらしたわね、スルーフ様」
「いや、あれは不可抗力でしたし」
「でも私、馬に乗っている間中ずっと触られていた事になるのよ。ね、どうでした?」
アマルダは一層顔を司祭の方に近付けて言った。微笑みが小悪魔のようにスルーフを魅惑する。
自分から話題を振って置きながら、スルーフに答える暇も与えずに軽く口付ける。笑いを溢す。
「アマルダ様、なぜこんな事を」
「司祭を誘惑するはしたない女だと思われてもいい。けど私は、貴方と」
「貴方と――何ですか?」
アマルダは黙って軽く目を瞑った。口を結ぶ。
司祭が何も出来ないでいると、彼女は何かを受け入れようとしていた表情を解き、
困った口調で訴えかけた。
「もう、キスくらいちゃんとして下さいよ。折角私から求めているのに、雰囲気が壊れるじゃない」
スルーフが言われるままに首を上げる。唇を吸う音を聞いて彼は、押さえていたアマルダの胸が
滑り落ちる肉感を掌で感じていた。
彼女の身体に肩まで押さえ込まれる。彼女の銀髪が法衣の上で擦れ、漸くアマルダは続きを述べた。
「貴方とこうなりたいって、ずっと思っていたんです。好きなのだと気付いてから、ずっと」
115罪の意識:04/08/13 15:59 ID:nUeUXHAm
アマルダ様、と呼び掛けるスルーフの声を遮るように、アマルダは伏し目がちな声で続ける。
「なのに貴方に思いを伝える事も出来ず、その度に私は虚しい気持ちを押さえて」
「好きな人と結ばれたい、そう願う事も罪なのですか? 心に想う殿方と結ばれる事で、
彼を迷いから解き放つ事が出来ると信じていても?」
「迷いなら、もう解き放った積もりですが」
「うそ」
アマルダの呼び掛けは、音節を短く区切ったものだった。甘ったるい気配も含まれている。
「貴方も私と結ばれたいと思ってらっしゃるんでしょう」
蠱惑的な声と共にアマルダの指は、自分の腹に当たっていたスルーフの下腹部をすっと撫でた。
それは既に熱く腫れ上がっており、法衣越しにでも彼女に伝わっていたらしい。
軽い呻き声を上げたスルーフに、アマルダは不安を与えないような優しい声で囁く。
「ブラギ僧としてではなく、殿方として貴方に心焦がれる――」
一人の女を救って下さい。
そう言って彼女はスルーフを撫で続けたままもう一度彼の唇に口を落とし、スルーフは
口付けを交わす女の背に手を回して引き寄せた。

アマルダの上半身を狭い部屋の壁に立て掛け、スルーフは壁を背にして尻餅を付いた彼女に
互いの吐息が掛かる程に近付き、軍服の襟に手を掛ける。スカーフが襟から外される。
アマルダは銀の前髪を垂らし俯いている。彼女の視線の先には、彼が取り外すのに難儀している
軍服の釦があるのだろう。
小さく唸るスルーフの、ぎこちなく自分の襟を責める手に、アマルダはそっと手を添えて言った。
「落ち着いて、ゆっくり脱がせてくれたら大丈夫ですよ」
スルーフの指を導き、二人で釦を一つ外す。軍服の上着では最も外しにくい第一釦を外せば、
後は楽なものである。アマルダの手助けで、外し方の要領も覚えた。
一つ、また一つ。すっかり釦を外し終わると、スルーフは彼女の上着に手を入れる。
アマルダの肩に手が届くと、肩が蠢く。彼女が上着から腕を抜き、スルーフはもう片方の
袖を引いて上着を取り払った。
アマルダを左手で抱き寄せて口を吸い、歯と歯をぶつけながら彼は右手をアマルダの
シャツに伸ばす。喉の奥で声を上げつつ、アマルダは彼の右手に手を添えた。
116罪の意識:04/08/13 15:59 ID:nUeUXHAm
外し終わると二人は唇を離し、頬が上気している様子が互いに分かる距離で見詰め合う。
アマルダが恥ずかしそうに目を逸らした。
「もっと色んな場所に口付けて下さいな」
スルーフはこくりと頷いて、アマルダの頬に口付ける。暖かい。
欲望の赴くまま彼はアマルダの開いたシャツに手を入れ、そのまま短いシャツのような
下着を被った彼女の豊かな胸を掌に包んだ。同時に口も彼女の顎の下へと滑らせる。
「……あ」
短く声を上げたアマルダは、くすぐったさを堪えているようにもスルーフには窺えた。
服の上からでも柔らかい感触を覚える彼女の胸だったが、厚手の軍服を取り払った上で
触ってみれば、正直な所彼女の乳房はスルーフの手に余る。
それに手触りも違う。例えるなら先程までは弾力のある枕を触っていたのが、ぬるま湯の入った
水袋を弄んでいる心持ちに近い。
ぽよぽよと手の中で形を変えると、その動きに合わせてアマルダが息を乱す。それがまた楽しい。
――どうせなら
吸いたい。
女人に触れる事そのものを恐れていた人物とは思えない潔さでもって、彼はアマルダの
下着を乳房の下から上に引き上げて露出させる。
芯の強い彼女に相応しい、突き出た形の胸がスルーフの手に当たり、音を立てて勢いよく揺れた。
「スルーフ様?!」
驚いた声でアマルダが問う。
彼女自身スルーフの態度がここまで変わるとは予想外の出来事だったに違いない。
スルーフは彼女の乳房から立ち上る温気と匂いに導かれて、視覚に頼る事なく
既に硬くなっていた右の乳首に食らい付き、母乳を求める乳児のようにきつく吸い上げる。
「やっ……ああっ……!」
無心で吸う。母乳こそ当然ながら出ないが、アマルダの匂いと、それから吸い上げられた
柔らかな彼女の肉、こりこりした乳首が口の中に与える感覚は、十分にスルーフの口を
満足させるものだった。
吸いながら、乳首を舌で突付く。その度に乳首は舌を押し返して来る。
117罪の意識:04/08/13 16:00 ID:nUeUXHAm
左手を彼女の背中と壁の間に通して抱き、右手でアマルダの左乳房に手を伸ばす。ぐいと絞り上げる
ように柔らかな肉を掴み上げ、つんと勃った先端を指先で摘み上げる。
「あんっ……!」
生温い刺激に身体が慣れた所でいきなり強烈な刺激に襲われ、アマルダは叫び声を上げた。
身を震わせ、肩で息を始めている。かと言って彼女も、此処まで相手に為されるが侭に身を預けていた
訳ではない。右腕は拘束されて使えなかったが、残された左腕をスルーフの腕の下から通し、法衣の
肩に手を掛け、もぞもぞと動かす。
スルーフは彼女の手の動きに気付くと、彼女の乳首から口を離して呼び掛けた。
「アマルダ様、何を……」
法衣の肩を止める釦を外しながら、アマルダは拗ねたように答えた。
「スルーフ様ばっかり私の服を脱がせてズルいわ。恥ずかしいじゃない」
釦を外されながら、スルーフは彼女の返答に戸惑った。
アマルダはここまで、スルーフのやる事為す事に全く拒絶の姿勢を見せていない。
だから彼女はこういう行為が平気なのだろうと漠然と考えていたのだが、案に反して彼女は
はっきりと羞恥心を見せた。どういう事だろうか。
そう問われてアマルダは呆れつつ、半ば自棄気味に返答した。
「恥ずかしいものは恥ずかしいんです、もう!」
言い終わるとアマルダは彼から顔を背け、抱き付くような姿勢で顔を彼の肩に埋める。
アマルダの態度を、スルーフは初めて可愛らしいと思った。

――それに
最初にアマルダの後ろから抱き付いた時から、スルーフは下腹部に昂ぶりを覚えている。
真逆服を着たまま行為に及ぶ訳にも行くまい。
法衣の仕立ては、着衣のままで行為に及んだ場合を全く考えない作りである。
またアマルダとの行為で衣服が汚れるのは目に見えているし、万一勘の良い人間とすれ違ったり
して愛液の染みを目撃されたら、その人物はスルーフ達の行為を見咎めるだろう。
それだけは絶対に避けたい。
スルーフ一人が助平坊主と呼ばれるのは構わないが、その相手がアマルダである事まで、いずれは
明るみに出るだろう。彼女が司祭を誘惑する淫婦だというレッテルを貼られるのは本意ではない。
スルーフの中で起こった小さな葛藤は、アマルダの呼び掛けで水の泡と消えてしまい、本人は
自分の思考すらも記憶には留め置けなかった。
118罪の意識:04/08/13 16:00 ID:nUeUXHAm
スルーフ様、と呼び掛けられて彼は思考を中断させた。アマルダが目の前に立っている。
法衣の釦を外し終わったらしい。スルーフは襟から首を抜いて、長い法衣を傍らに脱ぎ捨てた。
下着姿になった彼は、立ち上がっているアマルダの腰が目の前にある事に気付いて手を伸ばす。
ほぼ予想通りの場所にベルトの金具があった。手を掛ける。
「ちゃんと全部脱がしてくれるまで、ヘンな所触らないで下さいね」
優しげだが彼の思惑を見透かしたように、アマルダが頭上から釘を刺した。
その間にも衣擦れの音がスルーフの頭上で起こり、衣服が彼の傍らに落ちる。彼女は今シャツと
下着を脱ぎ去っているのだと、鈍感なスルーフにも察しは付いた。
白いズボンを下ろし、それから彼女の腰を覆っていた下着をずらす。
髪の色と同じ銀の陰毛が太股の付け根に現れ、スルーフはその温気に改めて興奮を覚えた。
――この中に私が入るのか
「まだ触っちゃダメよ」
如何しようもない衝動を抑えつつ、スルーフは頭上の言葉に従う。脹脛の辺りまで
下着を擦り下ろすと、彼女は素直にズボンごと足首を抜いた。
彼女はすっかり全裸となっているに違いあるまい、スルーフも自分の身に付けていた
下着を肌から取り払う。何時の間に汗を掻いていたのか、脱ぐ時にぺっとりと肌に纏わりついた。

ごとりと木製の床に何かが当たる音がして、アマルダの震える声が闇で誘う。
「スルーフ様、もういいわよ」
スルーフは声を頼りに身体の向きを変え、膝を落とす。手探りで彼女の肉体を闇に探し当てると、
彼女は待ち焦がれたような甘い声を上げた。
「やだ……くすぐったい」
掌でなぞりながら、スルーフはそれが彼女の何処に当たるのかを確かめる。
柔らかい肉が長く続き、途中で折れ曲がった先まで手を這わせると、縦に長く骨ばった肌の裏に
また柔らかい肉、これも長く続く。
太股の次に、脛と脹脛を撫っていたのだと判った。ならば最初に触れた所の先には――
僅かに水気を含んだ茂みに指先が触れる。スルーフは喉を鳴らした。
119罪の意識:04/08/13 16:01 ID:nUeUXHAm
粘りを追って肌にへばり付いた茂みを掻き分けると、弾力のある肉の盛り上がりが。
さらに進めると、周辺の肌とは明らかに違う、薄くびらびらとした物に触れた。
「ん……」
くぐもったアマルダの声がする。幾ら目が闇に慣れたからと言って、初めて触れるものの
形状を確かめるにはこの場は暗すぎる。二枚合わさったその襞に指を這わせて、スルーフは
女の濡れた秘所の形を覚えようと努める。
その都度アマルダは鳴き声を上げ、すぐ近くに浮かぶ太股の肉が揺れる。
やがて襞の終点に辿り着き、何か乳首を更に小さくしたような膨らみに指が触れると、
アマルダが短い叫び声を上げ、身体を小刻みに震わせた。
「止めておきますか?」
「いえ……」
アマルダは途切れ途切れに答える。彼女の声には苦痛が混じっているようにスルーフには思えた。
それが彼の背中を押したのだろう。あまり焦らすのもアマルダに気の毒だ。
しかも屹立した彼の分身が生み出す衝動は、それまで挿入したいという我慢を重ねてきた分、
最早抑え難い域にまで達して脈打っている。
スルーフはアマルダの上半身を目指して己の身体を移した。床に肘を突いて、体重の半分ほどを
預けるように彼女の上に乗る。
胸板に、しっとりとした冷たい肌触りの豊かな胸が重なる。その先端にある突起は、スルーフの
胸に押し潰されても健気に押し返す。
仰向けになったアマルダの顔は期待を込めた微笑を湛え、これから自分の中に入ろうと
緊張した面持ちのスルーフを、ただ優しく見つめていた。
スルーフは固く反り上がった自分に手を宛がい、湿った茂みの奥にある襞へと導いて行く。
ふと彼の手の甲に、冷たい指先が触れた。指はあくまでも優しく、司祭の剛直を迎え入れ
包み込んでくれる場所へと、手の甲を無言で導いていた。
薄い襞が割れ、凶悪なまでに熱を帯びた剛直が暖かく滑った肉襞の奥に
ゆっくりと
根元まで埋め込まれて行く。
女の性器に剛直を飲み込まれる感覚に、スルーフはうっと短く声を漏らし、少し離れた所で
アマルダの歓喜を湛えた掠れ気味の吐息が上がった。
120罪の意識:04/08/13 16:02 ID:nUeUXHAm
覆い被さる、と云うよりは抱き寄せるように、スルーフは挿入を終えた右手で
アマルダの肩を掴み、ぴったりと胸を寄せて彼女の表情を窺った。
顎を仰け反らせ、目を閉じて、身体の芯に届いたスルーフの感覚を愛おしげに
味わっているようである。
目の前に自分を貫く男の顔が迫った事を悟ったのか、アマルダはゆっくりと目を開く。
熱っぽい潤んだ瞳で、息も絶え絶えに
「スルーフさま、固くて……熱いです」
それだけ言ってアマルダは、彼女の蠢く膣内に浮かされていたスルーフをぎゅっと抱き返した。
司祭は小さく彼女はやや長く、二人は互いに擦れ合って生まれる快感に呻く。
アマルダの中で、何かがぶつかる。
彼女はスルーフの頭を乳房の間に挟み、腕を回して抱え込む。
腕の中の金髪に、上から囁く。
「ね、いっしょに……」
アマルダは司祭の頭を抱え込む腕に力を入れると、ゆっくりとした動作で。
彼女の胎内に埋まり切っていたスルーフの剛直が、襞の間から僅かに姿を見せる。
その時の刺激で軽く目を瞑ったスルーフに、アマルダは浅く挿入されたまま語りかけた。
「中に……来て」
スルーフが彼女に従って再度奥まで挿入し、アマルダはスルーフの動きに喜んだ。
121名無しさん@ピンキー:04/08/13 16:02 ID:nUeUXHAm
わたしのなかで、スルーフさまが――
アマルダは自分の上で、必死に腰を使うスルーフの懸命な表情と、彼女の胸を掴んで乳首を
弄る手と、それから自分の中でスルーフが暴れる動きを、彼女は鼻に掛かった高い掠れ声で
鳴きながら喜んだ。
スルーフの腰使いは少年のように乱暴だった。アマルダが教えた快楽に憑り依かれたように、
激しく狂おしく彼女の蜜に濡れた粘膜を貪る。
陵辱者は叫び声を上げた。
「凄い……アマルダ様の中が……いやらしく動いて……」
散々司祭に淫らな行為を教えてきたのが、他ならぬ自分である事はアマルダも自覚している。
だが正面切ってあからさまに言われると、
――ものすごく恥ずかしい
そんな彼女の気持ちを知らないのか、スルーフは剛直で味わう快感を克明に語り続けた。
「ねっとりと絡み付いて……ぐちゅぐちゅ音がして……」
「やぁ……言わないで…ぇ……」
まるで結婚初夜の新婦か乙女のように、アマルダは顔を真っ赤に染め上げて反論した。
122罪の意識:04/08/13 16:02 ID:nUeUXHAm
確かにスルーフの言う通り、彼を迎え入れている肉襞は妖しく蠢きながら侵入者を包んでおり、
もう両脚の付け根、司祭と自分の陰毛、はては懺悔室の木で出来た床まで、アマルダの溢した
蜜でべったりと濡れている。
「好き……好きなの……だから」
――濡れるんです
そう言おうとしたアマルダの唇は、スルーフのそれに塞がれて言葉を紡げなくなった。

女は男に比べて、どうしても肉体関係では受身になりがちである。
どれほど女が望んでも男が勃起しなければ成立しないし、反対に男性に魅力を感じなかったと
しても、暴力で迫られたら女の側には拒む手段も少ない。
だからこそ――好きな相手と結ばれる事に男性よりも拘るのではないかと、アマルダは思うのだ。
それは彼女にとって、最高に幸せな時間をもたらす考えだった。
いや、あるいは――
幸せに満たされている彼女の頭に、一点の曇りが生じる。
自分は関係を結んでいる最中の相手を、好きだと思い込もうとしてるのかも知れない。
昔抱かれた時も、自分の中を往復する相手に向かって「好きだ」「愛してる」などの
言葉を乱発し、より激しい動きを誘ったものだ。
少なくとも発した時は本気だった。だが後になってみれば、自分でも真偽が分からない。
――ホントにスルーフ様の事好きなのかな
だが彼女の中で昂りが増すに連れて、堪らない愛おしさで胸が苦しくなる。
少なくとも互いの肉体を貪っている間だけは、本気でスルーフ司祭の事が。
――男が好きなの?
――スルーフ様が好きなの?
出口のない堂廻目眩の思考が速度を上げて行く。快楽で頭がおかしくなっているのかも知れない。
――もう、どっちでもいい
アマルダの目尻から涙が、頬に一筋の軌跡を描いて床に落ちて行った。

彼女の昂りが、最高潮に達しようとしているのかも知れない。
自分を受け入れて涙を流すアマルダの表情から、スルーフはそんな事を考えていた。
123罪の意識:04/08/13 16:03 ID:nUeUXHAm
女の快楽は男のそれと比べて圧倒的に強いのだと、彼はどこかで読んだ書物の内容を思い返す。
男の自分がそれを体験すれば死ぬ。誇張表現ではなく、それはあまりに強過ぎる刺激であるため、
男がそれを体験すれば脳髄が焼き切れてしまうのだそうだ。
――それでか
アマルダの膣内を剛直で貪りつつも、彼は自分に抱かれている女がどう感じているのかに
興味が湧き、自分の腕の下で組み敷かれている彼女に声を掛けていたのだ。
アマルダはまともに答えられず、唯々声の調子を上げて意味不明の返事をするばかりだった。
正常な思考など、とうに飛んでいるのかも知れぬ。
彼女の息遣い、鳴き声の間隔が徐々に短くなって行く。
頬を紅く染め上げて、目を瞑って、じっと堪えている姿に色っぽい。
自分ももう我慢が利かない、いっそこのまま果てて――

「……さわって!」
全く会話が成り立たなくなっていたアマルダの叫び声に、スルーフはびくりと肩を震わせた。
どこを触れと云うのだろう。彼には判らない。顎の下? 脇腹? それとも乳房?
司祭の逡巡を打ち破るように、アマルダは涙目で訴えた。
「下……つながってる……とこ……!」
彼女の短い説明で、鈍感で実体験に乏しいスルーフにも場所の見当が付いた。
スルーフは左手でアマルダを支えたまま、咄嗟に二人の結合部へと手を伸ばす。
陰毛の下、縦に割れた襞、小さな突起にスルーフの指が触れたその時、アマルダの
身体が不規則に震えだした。
「そこっ、もっとさわって!」
指の腹で突起を、細かく小刻みに刺激する。
くちくちと水っぽい音がして、アマルダの肩がスルーフの左腕で跳ね、乳房が揺れる。
彼女の中が、一層スルーフを締め付ける。蠢きが柄も亀頭も刺激し、スルーフの射精を執拗に促す。
そこでスルーフに限界が訪れた。
「ダメだ……っ!」
妖しく蠢くアマルダの最奥に向けて、
遠慮もなしにスルーフは
勢いよく白濁液を
解き放つ。
124罪の意識:04/08/13 16:03 ID:nUeUXHAm
「スルーフ……さ……ま……っ!!」
膣の最奥を叩く、どくどくとした射精の感覚と、指で突起に加えられた小刻みな刺激を受けて、
アマルダも同時に大きく仰け反る。
身体の外も中も何度か震わせて、ぐったりと仰向けになった
アマルダの胸の上に
頭が落ちて来る。
二人の大きく荒い息だけが、真っ暗な懺悔室に響いた。

埃っぽい懺悔室の暗闇には湿った熱気が充満し、呼吸の音が二人分。
どうやら、と女の掠れた声は沈黙を破って床近くで云った。
「少しだけ――少しだけですが、楽になったような気がします」
よかった、と男にしてはやや高い声が、これもまた床の近くで返事する。
「それは何よりです。貴女の話から逃げずに聞いて、私も肩の荷が下りた気分ですよ」
安堵の息が闇の中で漏れ、相槌を打つ女の声。男の声が続ける。
「正直な所、私自身が貴女にとって掛け替えのない人間なのかどうか、まだ自信が――」
そう男の声が言うと、女の笑い声がふふ、と漏れる。
出来の悪い弟か息子が、彼なりに頑張って失敗したのを目撃したかのような調子であった。
貴女を救いたいと言った時の、ひたむきな姿は何処に消えたのか。
可笑しいやら、ほんの少し物悲しいやら。
苦笑を入れたその女、アマルダは穏やかに言って、自信の足りない司祭の胸板に顔を寄せた。
「ずっと前から、貴方は私の」
頬を摺り寄せたスルーフの胸板で、特別な人だったじゃない、とアマルダは続ける。
「私の悩みを聞いて下さったのも貴方、私を迷いから救い出してくれたのも貴方、
そして――今夜私の想いを遂げてくれたのも」
貴方ですよ。
アマルダはそう言って見上げ、軽く微笑んでみた。
「本当に好きな方でなければ、私は身をお任せしようなんて考えませんよ。最初に言ったはずです」
そうだったな、と男の高い声は半ば独り言のように返事した。
「何時頃から私の事を?」
「悪い方ではないな、と最初から思ってました。でもほら、私が初めてレンスターに参戦した時」
ああ、と云うスルーフの短い相槌を確かめてから、アマルダはその先を思い出すようにゆっくりと言った。
125罪の意識:04/08/13 16:04 ID:nUeUXHAm
「ああ」
「捨て身で私を説得なさったでしょう。あの時のスルーフ様は本当に格好良かった」
口を開けばクロード様の使命が、それまでは死ねないと語っていた男が、死を覚悟で自分を救い出そうとする。
「もしかしたら、あれも大いなる意志の一環としてなされてたのでは、とも一瞬思いましたけど――」
言ってアマルダは、口を閉ざした。スルーフのプライドを傷付けてしまったか。
アマルダが気不味い思いを味わった静寂を、破ったのはスルーフだった。
「何故途中で止めてしまうのですか。最後まで話して下さいよ」
返事が無いのは図星だったからでも無さそうだ。アマルダは決まりが悪そうに軽く苦笑して付け足した。
「――軍人の悪い癖ですよね。でもね、もしスルーフ様の本心が私か使命、どちらに
あったにせよ、私の為に命を懸ける貴方が格好良く見えたのも事実です。その格好良かった
スルーフ様の御蔭で、今の私が居ることもまた事実ですよ」
だから。
貴方は有りのままでいて下さったら、それだけでもう私の特別な人なのだとアマルダは付け足した。

自分の話し相手を務めていた声に、アマルダは近付く。肩がスルーフの肌に触れる。
――私に道を示してくれた、貴方の
彼女が祖国への離反を決意させた、あの時と同じ顔。迷いのない、意志の強そうな瞳。
――この表情(かお)に惚れたんだろうな。
何か自分でも知らない心の奥にあった感情の一部が、ようやく理解できたような気分に、
アマルダは安堵を覚え、その気持ちに素直になりたいと願う。

もうどの位、二人だけで暗闇に留まっているのだろうか。月も星も、それ処か空の全く
見えない懺悔室にあっては、時を知る手段を全く失ってしまっている。
アマルダの背に覆い被さってから、二時間程過ぎた事だろうか。
椅子は一脚あるが、二人は座れない。並んで壁を背にして、服を纏うのも忘れたまま
黙って床に座り込んでいた。
呼吸が整ったとはいえ、肩に触れるアマルダの肌はまだ熱を帯び、それが自分へと伝わって来る。
光の下で彼女の姿を眺めると、やはりピンク色に肌を染め上げているのだろうか。
「私は恵まれているのかも知れませんね」
126罪の意識:04/08/13 16:04 ID:nUeUXHAm
真っ暗な虚空を無気力に見つめていたスルーフは、唐突なアマルダの言葉に
軽く驚いた調子で短く呼び掛けた。
沈黙を破られた事もあるが、あれほど自分が罪深い者であると訴えた彼女の口から、
これほど穏やかで、幸福そうな言葉を聞こうとは思いも寄らなかったのだ。
間を置いて、少しだけ乗り切れそうな気がするとアマルダは呟いた。
「今夜の事があれば、私――」
無言で目を伏せ、後は話し掛けられるまで何も言わない。スルーフは彼女の寡黙を幸いに、
心中彼女の呟きに対して反論したくなった。
無論、直接には言えない。シスターサフィ等に手伝って貰い、アウグストに言付ける他に
有力な対処法があるとも思えぬ。
それは――簡単な事ではないだろう。
アマルダの見た悪夢は、余りにも深く大きく彼女自身を傷付けていた。
確かに少なくとも今夜だけは、血に塗れた悪夢を見ずに済むのかも知れない。
だが悪夢を見なかったからと云って、それは彼女の犯した罪が消えた事を意味しない。
子供を己の手で殺めた事実は、所詮彼女が如何あがいた所で消えはせず、その残酷な真実に
気付いていたからこそ、アマルダは悪夢に魘されたのだ。
アマルダ自身が、自分の置かれた状況を一番良く知っている。
――そんな思いをする人間は、この世には私一人の他には多過ぎる。
あの小さな村で起こった悲劇を繰り返す訳には行かない、そのように思ったからこそ
アマルダは今日まで戦って来たのだ。
戦況が苦しくなろうとも、軍が敗北へと傾きかけようとも、例え明日命を落とそうとも。
それが償いだと信じたからこそ、フリージを離れた今でも彼女は命懸けで戦うことが出来るのだ。
だがアマルダに出来る償いと云うのは、人を殺す事でしか成し得ない。
確かに人を殺す者を消せば、より多くの命が死なずに済む。現在この世界各地で頻発する
大量虐殺を思えば、この危険な考えも事実の一面では有り得るし、時と場合に依っては
確かに有効な救いとなる。
人を殺す事そのものを正義に繋がる道だと信じ、止むを得ずではなく神への供物として
躊躇い無く人間を屠るロプトが相手ならば、尚更その事実は動かし難いものとなろう。
127罪の意識:04/08/13 16:05 ID:nUeUXHAm
だが多くの嘆き悲しむ人々を救おうとして、ロプトの者を倒す行為もまた人殺しである事には変わらない。
汝殺す無かれの掟を破る行為であり、そして人として大切な何かを捨てなければ出来ない行為である。
――償う為に、さらに罪を重ねる
――人を殺す快感に酔い痴れる自分に気付く
ブラギ僧よりも更に優しく純粋な心を持ったアマルダには、耐え難い苦痛であったに違いない。
彼女が長い間に亘る戦いで受け、他人の目から隠し続けた傷が、今の悪夢となっているのだ。
たかが一晩抱いただけで、アマルダが二度と悪夢を見ない等という都合の良い話が
あるものだろうか。女を抱いたのは初めてだったが、しかし人間の心に巣食うものの
片鱗を垣間見てきた限りにおいて、それは有り得ないとスルーフには断言できた。
――今夜はまだ良いが、明日の晩はどうだろう。その次の日は
脳裏に焼き付いた凄惨な光景に、また魘される日々に逆戻りする。遅かれ早かれ、それは避けられない。
かと言ってアマルダが悪夢を見なくなれば、それはそれで彼女が何かを逸脱した事を意味する。
人であり続けたい、救われたい。アマルダの悲痛なその願いは、彼女が苦しみ続ける事によってのみ
叶えられる。激しい負担を強いる形ではあるが、スルーフが思いを告げるまでも無く、アマルダは既に
救われていたのだ。

――此程残酷な形を持った救いがあるなんて。これから彼女はもっと辛い思いをして行くと云うのに
スルーフは泣きたくなる気持ちをぐっと堪えた。それでも目頭は熱くなる。
「スルーフ様、どうなさったのですか」
胸が痛む気配をアマルダに感付かれた。何で自分の事ではないのに、此れほどアマルダの姿が痛々しく思えるのか。
そろそろこの部屋を出ないといけない、とスルーフ自身も判っていたのだが、
闇の中で抱え込んだ銀色の髪に、スルーフは涙混じりの優しい声で語り掛けた。
「もう少し、貴女の傍に居させて下さいね。だから悪い夢を見ても怖がらないで」
――貴女が救われますように
ゆっくりと彼が言う。沈黙したまま時が流れる。
しばらく経ってから、銀髪の下から小さな嗚咽が漏れ出して、段段と大きくなって行く。
胸板がアマルダの涙で濡れるのを感じながら、スルーフは銀髪に指を通して優しく彼女を撫で続けた。
128罪の意識:04/08/13 16:06 ID:nUeUXHAm
――――
僅かに傾き始めた、少しばかり下弦の欠けた月が、レンスター城の西側にあるこじんまりとした
個室の窓からうっすらと差し込んで寝台の毛布を照らす。
中に横たわる人間の盛り上がり、伸びた腕や脚、それから乱れた毛布自体の皺が
照らされ、微かな灯りで消えてしまいそうな程淡い陰影を生じていた。
もぞもぞと敷布が波打つ。肩口を毛布の外に晒し、天井を仰いでいたオルエンは
ねぇ、と肘を敷布に突いてこちらを眺めている男に呼び掛けた。
「何ですかオルエン様」
自分より二回りも大きな男に様付けで呼ばれ、オルエンは少し迷惑したような表情を作る。
こんな時にまで様付けは止めてよ、と言って彼女は上半身を起こした。
寝床の薄い掛布が彼女の胸からずり落ち、慎ましやかな乳房と小さな乳首が露になる。
青の魔道士と呼び名高く、戦場では勇ましい魔法詠唱と共に幾筋もの激しい雷撃魔法を落とす
魔法騎士オルエンも、寝台の上では普通の女と何ら変わりはない。恋人と睦み合う、
どこにでも居る年頃の娘なのだ。
小麦色の肌に、情交の名残を示す無数の赤い痕が落とされているのに気付き、
オルエンはほう、と溜息を漏らした。
――この分だと首筋にまでキスマーク付いてるかもね。上手く隠すの大変なんだから。
自分と一つ同じ掛布の下でうつ伏せに横たわるフレッドに対して、心の中で悪態を付く。
その癖彼女の指先は、肌に落とされた痕を愛しげになぞっている。
――フレッドがまだ身体の中で火照っている。
絶頂の中で注ぎ込まれる感覚の余韻を反芻しながら、オルエンは今の自分と同様、
恋人と事後の会話を交わしているだろう親友の事を思い浮かべて言った。
「今頃アマルダも上手くやってる頃かな。スルーフ司祭が懺悔室にいてくれたらの話だけど」
129罪の意識:04/08/13 16:07 ID:nUeUXHAm
「え、あのアマルダ将軍がですか?」
フレッドが間の抜けた叫び声を上げる。隣に寝る女同様、裸の上半身をがばりと起こして彼女を見下ろす。
彼の驚いた表情を見上げてオルエンは、えーわかるじゃないと言いつつ苦笑した。
この鈍感男は何度自分を抱けば、心の機微に気付くのだろうか。身体の感じやすい場所は、
喋らずともすぐ察して愛撫すると云うのに。
「私には良く分かりませんでしたよ」
「判るってば」
音節の一つ一つを軽く強調するように言うと、オルエンは肩の力を抜いて滑らかに説明する。
「アマルダってね。人前では普通にしてるけど、もの凄く自分の気持ちを抑え込むから
気持ちを聞き出すのに苦労するのよ。特に深刻な悩み事とかは余計にね。
しかも私が心配してる素振りを見せると、余計に別の話題を振って来るの」
夜の礼拝堂に一人で入るアマルダの姿を、オルエンはこの三ヶ月で何度も目撃している。
それはアマルダが神に話を聞いて貰いたかったからでも、特別に罪深い存在だったからでもない。
極論かも知れないが、神との対話は望んだ時に何時でも適う。全ては心の在り方に問題があり、
場所や時間は二次的、三次的な制約でしかない。アマルダも一人の人間であるから、
他の誰かと比べて特別に罪深いという事は有り得ない。
つまり――
アマルダ自身は気付いていなかったかも知れぬが、彼女が礼拝堂を訪れていたのは、
神よりも場所そのもの、あるいはそこに居る人間――スルーフ司祭――に救って
欲しかったからではないかとオルエンには考えられるのだ。
だがその一方で。オルエンは語る。
「司祭は司祭で奥手そうな方だったもの。だからあの二人、自然の成り行きに任せてたら
百年経っても結ばれそうになかったわ」
どう云う事ですか、とフレッドは怪訝そうな表情で聞いた。当然だろう。
百年経っても結ばれないはずの二人が、今頃は上手くやっていると彼女は言ったのだ。
何か仕掛けのような物でも施したと云うのだろうか。真逆危険な事はしてないだろうか。
130罪の意識:04/08/13 16:08 ID:nUeUXHAm
フレッドが這い寄りながら心配そうに尋ねると、オルエンは微笑みながら答えた。
「ほんの少し、後押ししただけ。自分の気持ちは話さないと、相手に伝わらないわ」
貴方なら判る筈よね、と諭すようにオルエンは言う。
頷いたフレッドは、勇気を出して自分の上官である深窓の令嬢に告白した時の事を、
思い出しているように彼女には見えた。

アマルダが苦しむ姿を見たくは無かった。だが自分の気持ちを正直に打ち明けない者が、
どうして他人のそれを解決する事が出来るのだろう。
情けないけど自分は兄の事が世界で一番好きだった。抱かれたいとさえ思った事がある。
だがその思いは誰にも言っていない。誰に打ち明けた所で、その想いが叶う筈も無い事を
知っているからだ。そして誰かの耳に入りその話が広がれば、自分の傍を離れないと
誓い、勇気を出して好きだと云ってくれたフレッドを心身ともに砕いてしまうだろう。
フレッドの事も好きだ。掛け替えの無い人だから、傷付けたくはない。
自分は一生、本心をどこか抑えて生きて行かねばなるまい。だから正直者にはなれず、
例え親友の悩み事と云えどオルエンには解決出来ないのだ。
だから――
131罪の意識:04/08/13 16:08 ID:nUeUXHAm


自分の知らないアマルダの秘密を奪われる結果になろうとも、スルーフ司祭を唆したのであった。
オルエンにとってはスルーフを利用した形にはなったが。それでも親友の苦しみを和らげられるなら
それで良し、そしてスルーフにとっても――
幼馴染を司祭に奪われたような気分が、彼女を少しだけ感傷的にする。
「両想いか……ちょっと妬けちゃうな。スルーフ司祭の事」
少し寂しげな口調で、オルエンは呟いた。
彼女の言葉をどう誤解したのか、フレッドは少し驚き慌てて口走った。
「どう云う意味ですオルエン、まさかアマルダ将軍と――」
フレッドはそう言いながらオルエンに覆い被さり、毛布を下まで剥ぎ取る。手馴れた様子で
彼女の日焼けした太股の間に割り込む。
肩を捉まれ鎖骨にフレッドの唇を受けながら、オルエンは身体をくねらせて言った。
「ちょっとやだフレッド、何かヘンな事想像したんじゃないでしょうね」
内股を掌で撫でられる。黒い茂みに騎士の太い指が伸びる。
「あん、アマルダとはそんな事しないってば……ねぇ」
口を塞がれる。後は何も喋れない。
組み伏せられ身体の芯を熱くしながら、オルエンは乾き始めた自分の内股が
フレッドの指使いで再び潤いを得ていく感触をはっきりと自覚していた。

<終>
132988%マシン ◆ka5BrNUzcE :04/08/13 16:10 ID:nUeUXHAm
長文にお付き合い下さいましてありがとうございます。
取りあえず今のところ次の予定はございません。書けたら書くということで。

それでは皆さん、また会いましょう
133名無しさん@ピンキー:04/08/13 19:09 ID:IFMkxGDV
うわー、すごい読み応えあるなー。
大作お疲れさまです。
134千葉犬:04/08/13 21:59 ID:gbKffppu
988%マシン氏、お疲れ様でした。内容については文句ありません。
次が何時になるかは分かりませんが、それまで気長に待ちます。
それまでは、ここに作品を投下して、盛り上げたいと思ってはいますが。

今の所、自己謹慎中に書いていた作品、三つほど並行して書いています。
出来れば、今月中に、一つは投下したいと思っています。
他に、前回投下した作品、あれの続きが何故か頭の中で出来上がってしまったんですが、
書いても良いのでしょうか?
ちなみに内容を軽く説明すると、英雄戦争から十数年後という内容になりますが…
駄目ですよね……

こんな事してないで、作品書かなきゃ!!
最後にダミアン氏、続き楽しみにしてます。是非私達を笑わせて下さいね。
135千葉犬:04/08/14 07:13 ID:Igz533EE
ダミアン氏の作品、続きじゃなかったですね、次の作品の間違いでした。
書き間違えてすみません。お盆なのに仕事に行ってきます……
136名無しさん@ピンキー:04/08/14 08:22 ID:mEMZ3Mqz
>134
>英雄戦争から十数年後
オリジナルキャラとか出たりするの?
137名無しさん@ピンキー:04/08/14 10:41 ID:4Lufvlai
ベルン動乱から数百年後というのは考えたことはあるが・・・w
138名無しさん@ピンキー:04/08/14 17:28 ID:P8zyikBn
988%マシン様の作品すごく良かった。トラキアの世界観を感じたしエロも
濃い。ちょっとしてたオルエン、フレッドも印象的です。この二人の物語
も読んでみたいですね。ともあれ大作お疲れ様でした。
139千葉犬:04/08/16 19:36 ID:uub5rRTA
>136
オリジナルキャラは、ストーリー上最低三人ほど出ます。その内一人は、マリクの子供。
残り二人は今の内にばらすと、書いて投下して読む際つまらなくなる可能性があるので、
今は内緒という事で。
140名無しさん@ピンキー:04/08/19 06:50 ID:kc74BxEt
そのまま謹慎しててくれ
141名無しさん@ピンキー:04/08/19 07:54 ID:aOoEZdj5
>千葉犬氏
こっちなら慢性書き手不足の場所だから、オリキャラでも受け入れてくれるかも。
http://jbbs.livedoor.com/bbs/read.cgi/game/3277/1058405339/ ←エロ禁止
http://www.2ch2.net/bbs/test/read.cgi/emblem/019926468/ ←エロOK

寂れてるけど誰も見てない訳じゃないし。
オリキャラ活躍物はこっち(エロパロ)じゃかなり叩かれるから、作品の内容によって使い分けるといいと思う。

アンタお話は面白いからガンガッテネ
勿論こっちでの作品発表も期待してまつ
142千葉犬:04/08/19 18:58 ID:FxIjq90H
わかりました。素直に謹慎いたします。本音を言えば書いてみたかったですけどね。
ロジャーやベックとか、SFC版で抹消されたキャラクター出す予定でしたし…

現在、ちょっとまずい位に書くスピードが遅くなってます。今月中に間に合うかどうか…
一度に三つも同時に、ここに投下する予定の作品を書いている自分が悪いんですけどね…
でも何とか自分の遊ぶ時間を削れば……というか、こんな文章書いてる暇があれば、
書けばいいんですよね……すみません…… OTL

誰でもいいですから、外伝のSS書いてくれませんかね。他の職人さんが書いたらどんな
内容になるのか非常に興味があるので。
それじゃあ頑張って書いて投下します…それまで他の職人さんの投下を期待してます…

143むた ◆rEtdWXJvJ6 :04/08/19 23:30 ID:0CqGTo7V
外伝、GBAで出ないかなあ。
持ってるけど、ファミコンはしまってあるし、
攻略本見ても今ひとつ内容思い出せないんだよなあ。
なんかセーバーとグレイがお気に入りだったような。
でも誰と絡ませていいかわからん。

千葉犬氏、3つも同時進行なんてすごいなあ。
エロ描写とかかぶりませんか?
つうか自分、一作書いただけで尽きてきた……orz
144名無しさん@ピンキー:04/08/20 02:05 ID:WMLjnBMb
> なんかセーバーとグレイがお気に入りだったような。

ならばグレイxセーバーで逝くべし!

…いや、やっぱ無難にグレイxクレア&セーバーxジェニーでいいや。
145花泉の亜茶:04/08/20 18:42 ID:Bn6qYhj/
>143
GBAには出んと思う。ファミミニ今回で終わりのようだし。
さんざんリメイク要望されてっけど、無理だろうなぁ。
まぁーがんばってファミコンほっくりだしてやるしかないんじゃないかと。

>つうか自分、一作書いただけで尽きてきた……orz
無理して書くよりは、餅部が回復してから書くようにしたほうが、絶対にいいと思うよ。
イヤイヤやるよりも、ノリノリでやるようが、いい作品が出来るもんだよ。
ま〜餅部はあってもネタが無い、浮かんで来ないワシがこう書いても説得力ないけど。

146ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/20 19:15 ID:B+kDhbMt
悲劇的(1)

ずん、ずん、ずん・・・・・・

僕達は、山賊の襲撃を免れるべく、道を急いだ。
山賊と言っても、単なる烏合の衆ではないことは、これまでの戦いから明らかだった。
強力な統率力で他の山賊達を束ねる組織的な集団。僕の出した結論はこうだった。
「急ぎましょう!こうしている間にも、おじい様は・・・」
リンが僕達に声をかけた。そう、急いでいる理由はそれだけではなかった。
一刻も速くキアランに戻らないと、ラングレンによってリンのおじい様・ハウゼン候の命が奪われてしまう・・・
「馬に乗ってる人は、いいよなあ・・・」
ウィルがぽつりとつぶやいた。
「文句を言わないの!ほら、急ぐわよ!」
リンがすかさず葉っぱをかける。そう、リンも徒歩なのだ。
「もうすぐリキアの国境です!」
当然、国境付近に山賊が待ち構えていることは間違いない。
「皆さん、油断せず、一気に突破しましょう!」
山賊達に追撃する隙を与えず、僕達は一気に突入した・・・

「ふう、何とか無事に越えたわね・・・。」
「さすがに、山賊達もここまでは来れないみたいだ。」
ようやく立ち止まって一息ついた僕達に、ケントが言った。
「しかし油断はなりません。今度は、ラングレンの放った刺客の襲撃も考えられますから・・・」
「そうね。でも、これからどうしましょうか?」
「そうですね、この際、ここの領主様を頼ってみてはいかがでしょう?」
147ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/20 19:31 ID:B+kDhbMt
悲劇的(2)

「領主様?どんな人物なんですか?」
僕はすかさずケントに尋ねた。頼るにしても、その人物が本当に信頼できるかどうか、それを判断しなければいけないからだ。
「はい。ここのアラフェン領で、ここの領主様は、ハウゼン様とも友好的な人物。性格的にちょっと問題があるかもしれません。」
「性格?」
「はい。実は、結構人物の好き嫌いが激しいので・・・」
ということは、援助を請うには、機嫌を取る必要があるかもしれない。となると、一番手っ取り早いのは、やはり贈り物だろう。
僕達は、早速贈り物を探すべく、街に出た。

しかし、その途中・・・

「お前がリンか・・・」
いきなり数人の屈強な男達に囲まれた。悪いことに、セインやケント達とは別行動をとっていたので、今ここにいるのは僕とリンだけだ。
「何よ?」
「問答無用、覚悟!」
いきなり襲いかかってくる男達。
「リン、僕の後ろに隠れて!」
「む、無茶よ!あなた、戦えないじゃない!」
僕は剣を抜いた。もっとも、リンの言う通り、僕には実戦経験は皆無だ。でも、やるしかない。
僕はひたすらに剣を振るった。
「何だおめえ?弱っちい剣だな!」
男達の余裕の高笑い。でも、その通りかもしれない。僕には、戦う力などないのだ。
でも、リンだけは、何としても守る!
「お望み通り、やってやるよ!」
男達は、一斉に襲いかかってきた・・・
148ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/20 19:55 ID:B+kDhbMt
悲劇的(3)

ダメだ、やられる・・・ 。剣をはじき飛ばされ、僕はうずくまった・・・
しかしそのとき響いたのは、男達の断末魔の悲鳴だった。 そのままばたばたと倒れる男達・・・
僕はあわてて、奴らを見た。奴らの胸には、矢が突き刺さっている。
そして、僕達の後ろに、馬に乗った男がいた・・・
「・・・・・・。」
その男は、どう見てもリキアの人間には見えない。リンと同じ、サカ人に見えた。
「あなたが・・・助けてくれたの?」
リンが言うと、男は口を開いた。
「同じサカの民が襲われてるように見えたが、どうやら違うようだな。」
「いいえ!私はサカのロルカ族のリンよ。」
「ロルカ・・・生き残りがいたのか・・・でも、なぜここに?」
「実は・・・・・・」
リンが事情を話すと、男はゆっくりとうなずいた。
「そうか・・・、そういうことなら、助けてやろう。俺はラス。ここアラフェンで傭兵隊長をしている。」
そこに、一人の騎馬兵がやってきた。
「隊長!大変です!お城が、襲撃を受けています!至急、お戻りください!」
ラスは表情を変えず、口だけ開いた。
「わかった。すぐ行く。」
ラスはそのまま、馬を飛ばした。そして、あっという間に僕達の前から姿を消した。
「リン、僕達も急ごう!」
僕はリンに走るように促した。しかし、リンはやや頬を赤く染めたまま、ラスの走り去った方を見ていた。
「リン、リン!」
僕が肩を揺すると、リンはようやく我に返った。
「えっ?ええ、そ、そうね、すぐ行きましょう!」
僕とリンはすぐに後を追った。
しかし、リンの今の表情は・・・?

つづく
149ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/21 13:59 ID:OzJoth74
悲劇的(4)

ようやく、僕達の元に、ケント達がやってきた。僕達が刺客に襲われたことは、周りの状況を見れば、すぐにわかった。
「リンディス様!申し訳ございません!ご無事でしたか?」
「私達なら大丈夫よ。でも、アラフェンのお城が大変みたい。」
「わかりました。すぐに急行しましょう!」
僕達は先を急いだ。一刻も早く候を救出しなければならない。

30分ほどで、城の前に到着した。
「ね、ねえマーク・・・」
突然、リンが弱弱しい声で僕に囁いた。
「何だか、下半身がスースーするんだけど・・・」
あまりに突然の告白に、僕は心臓が飛び出るかと思うほど驚いた。
「こ、こんなときにいきなり何を!?」
「あ、あのね・・・走ってるときはちゃんと・・・し、下着を着けてたわ。で、でも、いつのまにか・・・
なくなってるの・・・」
「リ、リン・・・・・・今はそんなことを言ってる場合じゃないだろう!さあ、すぐに戦う準備をしないと!」
僕はリンを叱った。戦いを前に、いくらなんでも不謹慎すぎる。
「そ、そんなに怒らなくても・・・」
リンはしょんぼりしてしまった・・・少しきつかったかな?
しかし、次の瞬間、フロリーナがリンに駆け寄った。
「ねえ、リン・・・実は・・・私も・・・」
彼女はミニスカートを両手でしっかりと押さえている。
「フロリーナ、まさか・・・君も?」
僕の質問に、フロリーナは顔を真っ赤にした。
「は、はい・・・いつのまにか・・・くすん」
その隣で、セインが両手を合わせて天に祈った。
「おおっ!神様、感謝いたします!このような至福の時をありがとう・・・」
しかしすぐに、リンとフロリーナに睨まれて、セインは縮んだ。
「・・・冗談です・・・」
150ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/21 14:20 ID:OzJoth74
悲劇的(5)

「これはいったい・・・どういうことでしょうか?」
ケントが難しい顔をしている。今しがた、リンとフロリーナを襲った怪異現象に頭を抱えているらしい。
やがてセーラが口を開いた。
「・・・・・・心当たりなら、あるわ。」
その言葉に、皆は一斉にセーラの方を向いた。
「心当たり?」
「そうよ。誰にも気づかれずにこっそりと下着を抜き取る・・・そういうことをする奴は、あいつしかいない・・・」
「あいつ?」
次の瞬間、セーラはおもいっきり足を踏み鳴らした。
「ぎゃっ!」
悲鳴が聞こえる方を見ると、セーラの足が手の甲を踏んづけている・・・
「やっぱりあんたね、マシュー!」
「わ、悪かった!ほんの出来心で・・・だから足を離してくれぇ〜」
マシューというらしいその男は、セーラが足を離すと、ようやく立ち上がった。
「俺はマシュー。けちな盗賊さ。」
僕達は呆然として、その男を見ていた。
「いや〜、ばれないと思ったんだが、さすがにセーラを狙ったのは失敗だったな・・・ははは」
その言葉に、セーラは目を剥いて怒った。
「それより、早く下着を返してあげなさいよ!」
「わ、わかったよ!ほら。しかし、1枚だけ、何か濡れているんだが・・・」
マシューはその中の1枚を手にした。
「どうも糞尿じゃないみたいだ。これってまさか・・・発情してるのかな?」
「・・・・・・。」
無言で素早くその下着を奪い取ったのは、リンだった。
151ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/21 14:32 ID:OzJoth74
悲劇的(5)

僕は思わずリンを見た。
「リン・・・・・・?」
リンは赤い顔で、そそくさと下着を履き直していた。
今日、目が覚めてから、僕はまだ、リンに手をだしていない。・・・というか、今日は朝から、
どたばたしていたので、そんなことを考える余裕もなかった。
当然、リンも、めまぐるしく動いていて、そんなことを考える余裕もなかったはずだ。
いや、ひょっとしたら、考えていたかもしれないけども・・・でも、はたから見れば、
そんなことを考えているようには見えなかった。
では、なぜ、彼女は、発情しているのだろう・・・?
(まさか、あのラスとかいう男・・・彼を見て、発情したのかな・・・?)
次の瞬間、僕の中に、メラメラと息苦しい熱い炎が燃え上がる感じがした・・・

今日はここまで(ry
152名無しさん@ピンキー:04/08/22 12:57 ID:fRHRrjmf
hosyu
153名無しさん@ピンキー:04/08/22 20:02 ID:25Fr+fks
GJ&続きに期待。

紋章好きなんで「紅の女王様」とゴードン喰いのミディア続きキボンして宜しい?
154むた ◆rEtdWXJvJ6 :04/08/23 01:00 ID:UJh9aWAT
ダミアンさん乙です。

外伝、ファミコンのデータまだ消えてなかった。
……グレイ強えぇ。アルムより強い。
セリカ軍弱えぇ。でもセーバーの魔防21だ……。

っていうか、セーバー×ジェニーでいいんですかね。
なんかお互い死んでても後日談変わらないっぽいけど。
台詞載ってるサイトみてるけど、やっぱりファミコン時代は
容量のせいか台詞少ないですよね。
たしか、グレイxクレアの後日談に驚いた記憶がある。
「伏線なかったのに!」って。
考えがいあるっちゃあるけど。

>145
なんかこう、書き始めるまでが辛いです、自分。
あと止まっちゃうと、どうにも餅が下がるな。
155千葉犬:04/08/23 19:42 ID:+B2rxFlE
千葉犬です。すみません。このままではどう頑張っても今月中に作品投下出来そうにない状況に追い
込まれそうな為、急遽四時間程度で完成させたものですけれど、代わりに投下します。自分としては
思いっきり短い気がしますが、その辺は勘弁していただきたく存じます。
それでは投下します。
156バレンシア大陸誕生秘話:04/08/23 19:44 ID:+B2rxFlE
ここは、バレンシア大陸南東にあるノーヴァの修道院。
今ジェニーは、この修道院の院長であり、ソフィア王国に広く信仰されているミラ教の最高司祭であ
るノーマの個室を掃除している。
先程、ノーヴァの港町から信者の団体がいらっしゃり、ただいまノーマは、その信者に教えを説いて
いる最中なのである。
そこで、丁度近くにいたジェニーに、部屋の掃除を頼む事にした。ジェニーは、もともとそう言った
仕事は大好きなので、快く引き受けたのだ。
そしていざ掃除をしようと部屋に入ると、辺り一面、本だらけであった。
ノーマは、司祭であると同時に、一人の魔道探求者でもあり、時間を見つけては、様々な本を読み、
その中に魔道の事が記されているものを探し出すのが、信仰を広めるのと同じ位に好きなのだ。
普通の人が、この様な部屋を見たら、掃除などやる気が失せてしまう所だが、掃除洗濯が何よりも好
きなジェニーにとっては、久々にやり甲斐のある仕事だと、逆にやる気が湧き出ていた。
ノーマは、本や物などはジャンル、種類によってキッチリ分別して置いているので、ジェニーは一つ
一つ確認しながら作業を進めて行った。
掃除を始めてどれ程経ったであろうか、あらかた終わり、後は部屋に溜まった埃を払い落とすだけと
なった。
埃叩きを持ってきて、本棚などの高い所の埃を叩いていると、一つの本が棚の上にあるのをジェニー
は発見した。手にとって、本の題名を確認して見ると、題名は何も書かれておらず、ただ本の表面を
埃やしみによる汚れが付着していた。
一体何の本なのだろう?そう思いジェニーは、その本を開いてみた――
157バレンシア大陸誕生秘話:04/08/23 19:46 ID:+B2rxFlE
「あっあああ!!」
「ドウダ、キモチイイカ?」
「は、はい、とても、気持ちいいです…あんっ!」
大きく豊かな乳房を、触手で締め付けられながら、別の触手で秘豆と肉の谷間を丹念に刺激されなが
ら、地母神ミラは、邪神ドーマによってもたらされる快感に酔っていた。肉の谷間から、愛液がポタッ
ポタッと滴り落ちていく。
「あんっ、いっ、お、お願い、そろそろ…」
快感の為、とろんとした表情で、ミラはドーマに挿入を頼んだ。
「ダメダ」
「そんなあ、お願いします。もう身体が火照って限界なんです!」
ミラの哀願も、ドーマは駄目だの一言で一蹴した。
「お願い。何でもしますから」
「…ホントウニ、ナンデモスルンダナ?」
「は、はい。何でもします…ですから…」
すると、ドーマはにやりとした表情を浮かべると、更に数本の触手をミラの身体に伸ばし、ミラの全身
を亀甲縛りにした。
「いっ!な、何を!」
「ンー、コウシタホウガ、オマエノチチガヨリイッソウキョウチョウサレテ、イイカンジダ」
自分の縛りのテクニックに満足しながら、ドーマは目の前の女神を自分の手元に引いた。
158バレンシア大陸誕生秘話:04/08/23 19:52 ID:+B2rxFlE
「ソレデハ、ワタシノムスコヲクワエテモラオウカ、ミラ?」
そう言うと、ドーマの身体から大きな一物がそそり出てきた。
「クワエテキモチヨクシテクレタノナラ、オマエノノゾミドウリニシテヤルゾ?」
その言葉にミラは返事を返さず、首から上だけが自由な身体をドーマの一物に持っていき、それを
思いっきり咥えた。上下にスライドさせながらも、下で先端を舐め上げ、口全体で強く吸い上げる。
吸い上げる音が、辺りに高く響き渡る。
「ナカナカイイゾ。トクニシタヲジョウズニツカッテイルナ。
 ダガ、ワタシダケキモチイイノハワルイカラナ、オマエモキモチヨクシテヤル」
すると、ドーマの舌が蛇の様ににょろにょろと長く伸びると、ミラの秘所の方に向かっていった。そ
して、舌が膣内へと進入し、その中を縦横無尽に舐め動かした。
「んんんっ!んううううっ!!」
「フフフッ、カンジテイルナ。ダガ、マダマダコレカラダゾ?」
すると、一本の触手がミラの尻の方へと移動すると、後ろの穴の入り口をぐりぐりと手で触るかの様
にうごめいた。
「キョウハ、コチラノホウモイタダクコトニスルゾ」
そう言い終わると、触手を後ろの穴へと侵入させた。
「うっうううううっんんんんー!!」
後ろの穴に異物が奥へ奥へと侵入するにつれ、ミラの顔が苦痛に歪んでいく。
「ミラ、サイショハツライカモシレンガ、ダンダンヨクナル。ドレ、ソロソロマエノホウモイレテヤルトス
ルカ」
自分の一物をミラの口から離すと、触手でミラの身体を中に浮かばせると、下から思いっきりミラの
膣内へと差し込んだ。
159バレンシア大陸誕生秘話:04/08/23 19:57 ID:+B2rxFlE
「あああああっ!!」
差し込んでからは、ドーマはミラの膣内を早く強く、そして高く突き上げるかの様に乱暴に一物を動
かした。動かすたびに、ミラの秘所から愛液が止めどなく流れ落ちていく。
「フフフッ、オマエノナカハジツニイイ。ワタシノムスコヲテキドニシメツケル。ミゴト   ナマンコダ」
そう言われ褒められているミラは、前から来る快感と、後ろから来る苦痛に思考が働かなくなってい
た。
が、それも段々、前から来るものとは何処か違う快感が、苦痛を通り越して身体の内側から湧き出て
来た。
「ああっ、んぅ、い、いい、きも、ちいいっ」
思考が働かなくなっても、本能だけは口を通して現れていた。
「ドウヤラ、ウシロノホウモヨクナッテキタヨウダナ。ソレデハ、ソロソロサイコウニキモチヨクシ
テヤロウカ」
すると、ドーマの触手が、ミラの両乳首と秘豆を刺激し始めた。そうしながらも、ドーマの舌が、ミ
ラのうなじを舐め回している。
「ひいいいいっ!!だめえええっ!も、もう私イク、イッちゃうううッ!!」
前と後ろの穴に、自分の感じやすい四ヶ所を同時に攻められているミラは、もはや限界であった。
「イイダロウ、ソロソロワタシモイッテヤル。オモイッキリイクガイイ!!」
最後の一押しとばかりに、激しいと言う言葉では足りない程に、ドーマは身体全体を使って動くに動
いた。動くたびに、ミラの身体を縛り付けられている触手がミラの身体を強く締め付ける。
「い、イクううううううううううううッ!!」
ミラは声高らかに絶叫すると、身体全身を震わせた。
「ワタシノモノヲ、ウケトレエエエッ!!」
力強く一物をミラの中に突き上げると、己の分身をミラノ中へと解き放った。あまりにも量が多かっ
たのか、互いを繋ぎ合わせている場所から、それが次々と溢れ出て来た。
160バレンシア大陸誕生秘話:04/08/23 20:01 ID:+B2rxFlE
その二人の神同士の情事で出て来た精液が、バレンシアの大地を創り出し、愛液が人や動物、植物
の命の源である水へと変わったと言う……


その文章をジェニーは、顔を赤らめながらも、最初から最後まで目を離さずに読み果たしてしまって
いた。
「掃除は終わったかな、ジェニー?」
後ろから声を掛けられたジェニーは、ビクッと身体を反応させると、手にしていた本を、後ろを振り向き
ながらも素早く背中へと隠した。
「?どうかしたのか?」
「い、いえ、何でもありません」
「そうか…ところで、掃除の方は終わったのかな?」
「もう少し掛かりますけれども…」
「そうか、なら後は私がやるから、ジェニーは自分の事をしなさい」
「はい!」
そう言うと、傍から見ればまるで慌てているかの様にジェニーは部屋から出て行った。
「?何を慌てているのかのう?トイレでも近いのだろうか…?
 まあいい。さて、残りを片付けるとするかのう…」
そう言いノーマは、ジェニーが終わらせられなかった分を片付け始めた。


その晩、ジェニーの部屋から女性の甲高い声が聞こえたとか聞こえなかったとか。


後日、その時の本が、ノーマの愛用しているエロ本だと言う事実を知る事になるジェニーでありまし
たとさ。
                        
                          
                          おしまい
161千葉犬:04/08/23 20:07 ID:+B2rxFlE
以上です。どうでしょうか…?
ちなみに、これ弟に読まれた時、「何神様をハァハァさせてんだよぁ」w
と言われました…駄目なのかなあ……こういう作品…… 
とりあえず、需要がなくても、外伝のともし火を消さない様に頑張らねば……


本当に頼みますから、誰か外伝のSS書いて下さい。自分だけでは限界が……  OTL   
162名無しさん@ピンキー:04/08/23 23:48 ID:yoDrAErT
>161
個人的意見ですが、全然駄目じゃありません、むしろ大歓迎です。
ジェニーたん(;´Д`)ハァハァ

書けるものなら書きたいけど文章力0だからな…
せめて感想だけでも残していきます…
163名無しさん@ピンキー:04/08/26 18:13 ID:GLeIyJ12
保守
164名無しさん@ピンキー:04/08/27 09:20 ID:ecp9pHYu
人いないのか・・・?
165名無しさん@ピンキー:04/08/27 12:40 ID:d29pEJzk
アーダンものキボンヌ
166セリカたんハァハァ:04/08/27 14:23 ID:PEveKznM
外伝は書きたい人よりも読みたい人の方が比率的に圧倒的に上なのでは。
何せ紋章がブレイクする前の唯一のオリジナル作品だし
未プレイで漫画辺りから興味を持ったとしても、何故か異様に手に入りづらいから
大方の人は諦めてしまってると思うんだよね。
完全なノベライズがあったら自分も読みたい。
167名無しさん@ピンキー:04/08/27 15:34 ID:HekfPz+9
なんだよ、携帯板のスレの方がよっぽどエロネタで盛り上がってんじゃねえか
168花泉の亜茶:04/08/27 17:43 ID:c8Iwem4+
>166
完全かどうか判らんけど、双葉社かどっかで昔、外伝の小説出てたよ、上下巻で。
手元に一応あるけど、キャラクターがあっさり死んでしまったり、
エンディング後のアルムの行動に、「オイ、チョトマテヤっ!!」って思っちまったり、
色んな意味で読むのを勧めれるものかどうか迷う。
まぁ、誰もが表紙の絵を見て驚くだろうなぁ。シルクたんの髪の色がピンクになってるのを。
それよりも、何処か日本武者のような鎧を身に付けたセーバーの姿の方が、ワシは印象に残ったけど。
つか、昔の小説は、オリ設定多かったよなぁ。その方が、話のネタになるっていやぁ、なるんだが。
169名無しさん@ピンキー:04/08/27 18:21 ID:7VIEtGeC
>>167
糞コテ同士が罵り合いしていましたが、何か?
170名無しさん@ピンキー:04/08/28 19:19 ID:GHoVR2JA
夏が終わりに近づくとのんびりしてくるもんだな
171名無しさん@ピンキー:04/08/28 22:46 ID:U2kQ7Xmb
まったくじゃ。
172むた ◆rEtdWXJvJ6 :04/08/29 00:12 ID:1K0sznIw
セーバー×ジェニー書いてみました。
・べた甘
・女性一人称
が苦手な方はスルーよろしくです。
173あなたのくれた未来:04/08/29 00:18 ID:1K0sznIw
迷いの森の奥深く、この賢者の里で、私たちは一時の休息をとることになった。
もうこの先はドーマの領域だから、多分こういう機会はもうないだろうし、この際少しでも皆に英気を養ってもらおうというセリカ様の意向だ。
このところ、沼地や墓地での連戦が続いたので、緑溢れるこの地で二、三日過ごせるのはいい気分転換になると思う。

さて、と。皆は思い思いの場所に散っていった。
最近妙に仲のいいボーイとメイは村はずれまでお弁当を持って散歩としゃれ込んでいるし、
カムイさんやジェシーさんは、森の奥で宝箱を見かけた、なんていって迷いの森探索に出かけていった。ゆっくり休んだほうがいいと思うんだけどな。
ノーマ様はハルク様と何か難しそうなことを話し合っているし
他の皆も、部屋で休んでいたり、武器の手入れに余念がなかったり、この貴重な休日を有意義に過ごしている。
私はといえば、教会でなんとはなしにぼーっと考え事をしているところだ。
ミラ様を祭っている訳ではないけれど、それでも教会独特の神聖な雰囲気は変わらなくてなんとなく落ち着く。
ドーマを信奉していたって、この里のように穏やかであることが出来るのに。
一体どうしてこんな戦いになってしまったんだろう?
ふぅ。なんだか考えても仕方ない事ばかり考えてる。
174あなたのくれた未来:04/08/29 00:20 ID:1K0sznIw
本当は、たぶん、セリカ様についていた方がいいんだろうな。
セリカ様は自室にこもっているみたいで、なんとなくこちらからは声をかけづらい。
理由は――セリカ様は話してくださらないから、憶測になるけれども――アルムさん、とかいう人の事だろう。うん、間違いない。
ハルク様の『力になろう』との申し出に、セリカ様は言った。
『私はこれ以上何も望みません。ただアルムをなんとか助けてあげたい』
アルムさん。セリカ様の幼馴染で、ソフィアを解放した英雄。目指す道は同じなのに、その方法は違っていたと、いつだったかセリカ様は言っていた。
『ねぇ、ジェニー。私、彼にひどいことをいってしまったの。もう一度会えるなら謝りたい。でも――もしかしてもう会えないかもしれないから、だから、私が彼に出来ることはこのくらい』
ハルク様が彼に力を与えた日、セリカ様はあとでそう言って淋しそうに笑った。

もう会えない。それは私たちがこの先の戦いで命を落とすかもしれない、ということで。
今までだってその危険はあったし、十分わかっているつもりだったのに。
その言葉を聞いた途端、私は急に怖くなった。自分が、何と戦わなくてはならないのかを自覚して。
私たちは、邪神と戦おうとしている。地母神の加護もなしに。
本当は皆も怖いんだと思う。怖くないわけがない。私たちは非力な人間で――これまでずっと、ミラ様の慈悲にすがって生きてきたんだから。
ああもう、こんな事ばかり考えてちゃ、ぜんぜん気分転換にならない!
やっぱり一人でいるのはまずかったかなぁ。ボーイとメイにでもくっついていけばよかったかな? でもあの雰囲気じゃ、あからさまにお邪魔虫だったよね、私。
肩を落として、思わず大きく溜息をつく――とふいに、ぎぃと音をたてて教会の扉が開いて、私はびくりとして振り向く。
175あなたのくれた未来:04/08/29 00:23 ID:1K0sznIw
「なんだ、こんなとこにいたのかお嬢ちゃん」
紅い髪に右目の眼帯。セーバーさんだ。私は肩の力を抜いた。
「もう、その呼び方やめてっていってるじゃないですか」
「や、だってよ、ジェシーと紛らわしいからよ」
「嘘ばっかり。ジェシーさんが来る前からそう呼んでたじゃないですか」
「はは、そうだっけか」
言って、悪戯っぽく笑ってみせる。セーバーさんは、普段は斜に構えたような笑い方しかしないのに、時々こんな風な表情をみせることがあって、その度に少しどきりとする。
「あれ、カムイさんたちと出かけたんじゃ?」
「誘われたけどな。休みにまで野郎とつるむのもなんだしな。お嬢ちゃんこそ何してる?いつもの魔導師二人組はどうした?」
「……邪魔しちゃ悪いかなぁって思って」
「なんだ、あの二人出来てんのか」
そうあけすけに言われると、なんだか恥かしい気がして妙に顔が熱くなる。
「そ、そういう言い方は止めてくださいっ! やらしいんだから」
「悪ぃ悪ぃ。そんな睨むなって」
ぽんぽんと大きな手で頭を撫でられた。うぅ、絶対からかわれてる。
これまでだって散々『お固い』だの『免疫がない』だのとこの人には言われてきたのだ。
176あなたのくれた未来:04/08/29 00:25 ID:1K0sznIw
「それでこんな辛気臭いとこで何してんだ?」
「……ちょっといろいろ考え事してただけです」
考えたからってどうなるわけじゃないけれど。どうせ避けられない事なんだから。
暗くなりかけた途端、眉間をぐにっと人差し指で軽く押された。
「ほら、難しい事考えてっと皺取れなくなるぞ」
「もう……女の子にそれって禁句ですよ?」
こうやって軽口を交わしていると気分が軽くなる。セーバーさんが来てくれてよかった。
あれ、そういえばセーバーさんはどうして教会になんて来たんだろう。
「そういえばセーバーさんこそ『辛気臭い』場所に何の用ですか? あ、ひょっとして、ハルク様に用事ですか? だったら呼んで――」
立ち上がりかけた私を、セーバーさんは妙に大きな声で遮った。
「ああ違う違う。別に説教聞きに来た訳じゃねえよ……あー、なんだ。なんとなくだ」
「なんとなく?」
「そうだ。で、だ。お嬢ちゃん、暇だよな?」
「はい、特に用事はないですけど」
「俺も暇だ。で、だ。どっかその辺でもぶらつかねえか。ほら、暇だから」
そんなに暇なら宝箱でも探しにいけばよかったのに。私は首をかしげつつ、セーバーさんの提案に乗る事にした。一人でいたって、堂々巡りな事を考えてしまうだけだし、正直気が紛れるのはありがたかった。
それに――この人といるのは、なんだか安心するから。
177あなたのくれた未来:04/08/29 00:28 ID:1K0sznIw
前を行く大きな背中にちらちらと木漏れ日が掛かる。
陽はまだ天辺で、やっとお昼になったぐらいだ。
なんだか『いい場所がある』というセーバーさんの案内で、村からすこし外れた獣道のようなところを歩いている。
セーバーさんとも、随分長い付き合いになる。ノーヴァの港で出会ってから、今日までずっと。
あの時は、ノーヴァの墓地のゾンビにさえてこずったのに、海賊がいる海なんて渡れるんだろうか、
と皆不安になっていたところだったので、セーバーさんが入ってくれた事がとても心強かった。
でも最初、私はこの人が怖かった。初対面でセーバーさんが飲んだくれていたから、ってこともあるけど、
何より傭兵という職業が持つ血の臭い、というか雰囲気が。修道院では縁がないものだったから余計に。
それが平気になったのは、多分――あの時からだ。
178あなたのくれた未来:04/08/29 00:30 ID:1K0sznIw
「おい、大丈夫か! しっかりしろ!」
ぱしぱしと軽く頬を叩かれて、私は遠くなりかけた意識を引き戻した。途端、左肩に激痛が走って歯を食いしばる。
そうだ、敵の弓兵に打たれて――そういえば、ここは?
ノーヴァの港を出るとすぐ、海賊達が船を襲ってきた。それも何度も。
もちろん迎え撃ったけれど、まだなかなか戦いなれない私たちは、こんな風に不意を討たれて怪我をすることも多く。
危うく気を失いかけた私を、樽の陰に引っ張りこんでくれたのはセーバーさんだった。
「よし、気がついたな」
そういうセーバーさんの身体にも真新しい傷がぱっくり口を開けている。私はリカバーをかけようと杖を構えて――力が出ない事に気付いて愕然とした。
魔法には体力を使う。時々リザイアで敵の体力を吸い取っていればよかったのだけど、回復魔法を使えるのはこの時点では私だけで、
それでつい自分の回復はおざなりになってしまっていたのだ。
ただでさえ魔法を使いすぎていたところに攻撃を受けたせいで、私はすっかり弱ってしまっていた。気を失わないようにするのが精一杯だった。
「ごめんなさいっ……私、もう――」
「もう駄目とか言うな」
厳しい口調に私は小さくなる。セーバーさんはそんな私に構わず、油断無く様子を伺う。
「そこにいろ。俺が適当な敵をおびき寄せるから、隙をみてリザイアを使え。使えるよな?」
「は、はい。でもセーバーさん、血がすごく出て――」
「でもは無しだ」
すっくと立ち上がると、セーバーさんは剣を振り上げて戦場に走り出ていった。
179あなたのくれた未来:04/08/29 00:32 ID:1K0sznIw
それは結局のところ、上手くいって――上手くいかなきゃここまで来てないけど――なんとか戦闘自体も終わって。
でも私は未熟な自分が嫌で、だからその夜セーバーさんに謝りに行ったんだった。

「あ、あの……今日はすいませんでした」
「ああ? 別にたいした事じゃねえよ。気にすんな」
おどおどと船室を訪ねた私に、セーバーさんはお酒をラッパ飲みしながらあっさりとそう言ってくれた。
けれど、私の気持ちはおさまらなかった。だからくどくどと謝り続けたのだ。
本当、よくしつこいって怒られなかったなぁと思う。

「でも、私が未熟なせいで危ない目にあわせてしまって」
「ああなる前にリザイアで攻撃しておくべきだったんですよね……」
「結局、皆の影に隠れてるから足手まといになってしまって」

「……ああもう気にすんなってんのにこのお嬢ちゃんは!」

突然大きな声でそう言うなり、酒瓶をごとりと机の上に置いて、セーバーさんが立ち上がった。そして腕を伸ばして――次の瞬間、私は頭をくしゃりと撫でられた。
「お嬢ちゃんが回復してくれるから、みんな安心して戦えるんだ。そうだろ?」
それは意外なくらいに優しい声だった。
「ちぃと一生懸命すぎて、自分の状態に気付かねえってのは確かにアレだが、ま、次に気をつけてくれればいいさ。な?」
「はい……」
そう言われてなんだか安心して、そうしたら、張り詰めていた気がふっと緩んで。自然と涙が出てきてしまった。
「おーい、泣くなって」
「すいません……」
「だーかーらー」
180あなたのくれた未来:04/08/29 00:34 ID:1K0sznIw
結局、困ったような顔をしながら、ずっと私が泣き止むまで頭を撫でていてくれたんだっけ――ああやだ、なんか久々に思い出しちゃうと恥かしいな。
あの事があってから、あまり怖い人じゃないって思って、喋ったりするようになって。
あれ、でもこんな風に二人きりっていうのは、あの時以来無かった気が――。

考え事をしていた私は、セーバーさんが立ち止まったのに気付かずぶつかってしまった。
「ご、ごめんなさい」
「どうしたぼーっとして。ほら、着いたぜ」
そう言って、セーバーさんは私を先に通した。目の前に飛び込んできたのは、白い風景。
「うわぁ……!」
木々の間にぽっと現れた小さな広場。そこには一面の白い花が咲いている。
広場の真ん中には、一本の樹が木陰を作っていて、休むのにはちょうどよさそう。お弁当でも持ってくれば良かったなと少し後悔した。
「どうだ、結構いい場所だろ」
セーバーさんは得意げだ。私も素直に頷く。
「うん、すごく素敵です!」
少しかがんで花を一輪摘んでみる。見覚えのある五枚の花びら。
「あれ、この花、修道院の裏に咲いてたのと同じ花!」
「へぇ、そうなのか?」
「よく摘んで遊んだっけ。髪に差したり、冠を作ったりして――」
ふと、手にした花を見て。その一瞬、私の中にある想いがよぎる。急に黙り込んだ私を変に思ったのか、
セーバーさんが私をのぞきこむ。それに促されるように、私は想いを言葉にする。
181あなたのくれた未来:04/08/29 00:36 ID:1K0sznIw
「ねぇ、セーバーさん。私思ったんですけど
――ミラの地にもドーマの地にも、こうやって同じ花が咲くのに、どうして人は二つの国に別れてるんでしょう?」
返事はなかったけれど、話を聴いてくれている気配がする。花を潰さないよう木陰に腰掛けながら、私は続ける。
「この里は、ドーマの地なのに穏やかでしょう? ミラ様がいた頃のソフィアと同じくらい。
だったら手を取り合うことだって出来たはずなのに、どこから間違ってしまったのかなぁって」
「俺には難しい事ぁわからんが……間違ってたってんならそれは、神様がバレンシアを二つに分けちまったこと自体が間違いなんだろうさ」
私の隣に腰を下ろしながらセーバーさんが言う。
「どうにもならんことを、そんな思い詰めないほうがいいぞ?」
そう。自分でも、それはわかってる。
「……わかってるんです、ここまで来た以上、和解はない、戦うしかないって。
でも、私は戦いたくない――どうして私たちが、なんて考えてしまって――怖くて」
「……そりゃそうだ。なんたって『邪神』と戦うんだからな。正直言って、俺だって怖い。他の奴等だって多分――」
「それも、わかってます。怖いのは私だけじゃないって。
だから考えても仕方ないんです――ごめんなさい、愚痴を聞かせてしまって」
私は馬鹿だ。せっかく綺麗な場所に連れて来てくれたセーバーさんに、なんだってこんな話を――って、え?
182あなたのくれた未来:04/08/29 00:39 ID:1K0sznIw
次の瞬間、私は温かい胸の中にいた。
右肩をぐっと引き寄せられて、頭を優しく撫でられながら、とくとくという鼓動を聴いている。
私は、抱きしめられている。セーバーさんに。そう自覚した途端、不思議な感覚に襲われる。
身体が熱くなってぼぉっと浮き上がるような気分。それと、何か温かいものに守られているような安心感。
「怖がったって構わねえ」
低くて優しい声。あの日、初めて頭を撫でられた時と変わらない。
「誰だって怖いんだから、ジェニーが怖いって思うのは当たり前だ
――だから、一人で抱え込むな。俺がいるから」
そういえば、この人に名前で呼ばれたのは初めてだ。ぎゅっと強く抱きしめられながら、私はそんな事を考えていて。
「うん……ありがとう……」
そう言って顔を上げると、意外なほど近くにセーバーさんの顔があって、視線があってしまった。

ふいに、世界の全ての音が止まったような気がした。
ずっと永いあいだ、こうして樹の下で見つめあって過ごしてきたような気がした。
私は瞼を閉じる。まるでこうすることが決まっていたみたい。
そして、乾いた唇に柔らかい何かが触れて――。

長い長い口づけ。唇を触れ合わせただけなのに、それはとても熱い。
183あなたのくれた未来:04/08/29 00:42 ID:1K0sznIw

漸く唇を離したあと、どちらともなく照れたように微笑った。照れ隠しなのか、セーバーさんは私の頭をやたらにくしゃくしゃと撫で回す。
「ああ畜生、先にちゃんと言うはずだったんだがな」
「……最初からそのつもりで? じゃあ、暇っていうのは」
「嘘に決まってんだろそんなもん」
全然気がつかなかった。もしかして私、鈍いのかな。でも、こうなったことは素直に嬉しいと思う。ということは、私も――。
「なあ、憶えてるか? ほら、海賊と戦った後に、船室を訪ねてきた時の事」
「憶えて、ます」
「あの時から気になってた。ほっといたら何でも一人で背負い込んでしまいそうだったからな。そしたら、いつの間にか――」
セーバーさんはいったん言葉を切ると、改めて私を正面から見据える。私もつられて背筋を伸ばして瞳を見返す。
「ジェニー、好きだ。この戦いが終わったら、俺と来てくれないか?」
ほろり、と。私の瞳から涙が溢れる。
「――私も、セーバーさんが好き、です」
多分あの日からずっと。だからこんなにも――涙が零れるほど、嬉しい。
「また泣くし」
大きな掌が私の頬を包んで、そっと涙を拭いとる。そしてもう一度、唇を触れ合わせる。
でも、二度目の口づけはさっきのそれとは違っていて。
柔らかいものが唇の間に割って口の中に入って来る。それが舌だとは一瞬わからなかった。
舌は私の口の中でそっと暴れる。上顎の辺りを舌先でくすぐられて、唇を離そうとするけれど、
頭を優しく押さえ込まれてそれは出来ない。くすぐったいんだけれど、
それは嫌な感覚ではなくて、むしろ頭の芯が痺れてくるくらいに――気持ちがいい。

そうやって随分長い間、唇を合わせていた気がするけど、頭がぼぉっとしてよくわからない。
そんな状態なのに、セーバーさんは耳元で熱っぽく囁く。
「……抱いて、いいか?」

ずるい。頷く以外のことが、今の私に出来る訳、ないのに。
184あなたのくれた未来:04/08/29 00:46 ID:1K0sznIw
木漏れ日が二人の上にまだらな影をつくる。
まだ陽は高くて、辺りには二人の他、誰もいない。
「胸、あまり大きくないから、恥かしい……」
「や、ちょうどいいって。掌に収まるから、揉みやすいし――ほら」
「もう、セーバーさんったら……やぁんっ!」
後ろからむにむにと乳房を揉まれながら、耳朶を柔らかく噛まれて、思わず声をあげてしまう。
セーバーさんは胡坐をかいて樹にもたれていて、私はその上に後ろから抱きしめられる形で座っている。
二人とも服は着たままで――だって外だから――
でも、セーバーさんは私の服の隙間から器用に手を侵入させてきて、
だから結局すごく乱れた格好になってしまっていると思う。でも、今はそんなことどうでもよくて。
尖り始めた胸の先が下着に擦れ――直接触って欲しい、なんて考えてしまう。
そんな私の考えを読んだみたいに、指が乳首を摘んで、私はいやらしい声で喘ぎ続ける。

「ふあ……やあぁ……」
「すごく可愛くて、いやらしいな、ジェニーの声」
「そんなこと言っちゃ、や、ですぅ……あぁんっ」

この、蕩けきったいやらしい声を出しているのが私? 
自分でも信じられなくて、でも――気持ちいいのは本当のことで。
そして、それにとことんまで溺れてしまいたいと考えている自分が、確かにいる。
185あなたのくれた未来:04/08/29 00:48 ID:1K0sznIw
セーバーさんは左手で私の胸を揉みながら、右手で器用に私の下着を剥ぎ取っていく。
丸まった下穿きが足首に引っかかっているのがすごく恥かしい。
セーバーさんの指が私のそこに触れると、ちゅくり、と粘ついた水音がする。
ふと下を向くと、ゆっくりとセーバーさんが指を動かしているのが目に入って、私はあわてて視線を逸らした。
「自分で、したことはないよな?」
「ん……あんまりない、です」
「あんまり? じゃ、少しならあるのか?」
「そ、それは言葉のあやで……ひぁっ!」
乳首をほんの少しだけ強く捻られる。じん、とした甘い痺れが身体中に走る。
「あるんだな?」
さっきよりも心なしか強い調子で、また訊かれる。私は打ち明けた。
「少し、だけ触ったこと、あるけど……止めたの……禁止されてるから」
ミラの教典では、自慰は『実りのない無為な行為』として禁じられている。
だから、触ってはみたものの、なんだか後ろ暗い気がしてその時は途中で止めてしまったのだ。
「そっか、シスターだもんな……俺とするのは構わないのか?」
「……大丈夫です。セーバーさんが私のこと、好きなら」
事実、互いに愛し合う男女の交合は、禁じられていないのだ。
「じゃあ大丈夫だな――そうだ、ちょっと自分で触ってみるか?」
そういうとセーバーさんは、私の右手をそこに導いた。ぬるりとした感触。
「自分でやりかけたときも、こんなだったか?」
「ううん、全然違う……」
「今はぐちょぐちょだな? 漏らしたみたいになってんぞ?」
「やぁ、もう、そんな風に言っちゃやだって……んんっ!」
186あなたのくれた未来:04/08/29 00:50 ID:1K0sznIw
自分の指がぷっくりと膨れた部分に触れた途端、
くっきりとした快感が身体を駆け抜ける。どうしてこんなに――。
「教えてないのに、気持ちいい場所がちゃんとわかるんだな」
「……ここ、そうなの?」
「ああ。女はここが一番気持ちいいんだ。もっと触ってみな」
そう促されるままに私はその部分を弄る。自分から染み出した愛液を塗りつける。
「ん……こう、ですか……?」
「いい子だ。俺も手伝ってやるよ」
言うなり、セーバーさんは私の胸を強く揉む。
揉みながら、親指で尖りきった乳首を擦りあげる。無防備な首筋を、舌で舐る。
「んあぁっ! セーバー、さんっ……や、すごい……!」
「気持ち、いいか?」
「ふぁいっ……気、持ち、よくって……あああっ」
まるで身体中のあちこちから快感が送られてくる感じで。このまま、どうにでもなってまいそうなくらい――。
「じゃあ、これは?」
187あなたのくれた未来:04/08/29 00:51 ID:1K0sznIw
ふいに、違和感を感じる。セーバーさんの右人差し指が、潤んだそこから私の中に入ってきたのだ。
「痛くねえか? 結構きついんだが」
「はい、大丈夫……でも、変な感じ」
そういうほかにあらわしようがない。太い指が、私の中を探るように蠢いている。指圧でもするみたいにあちこちを押している。
「! セーバーさん、い、今の」
「お、ここか?」
ある一点でセーバーさんが指を曲げると、また違った変な感じ――気持ちがいいことに変わりはないんだけど――
さっきから触られている場所みたいなくっきりした快感ではなくて、じんわりと効いてくるような、そんな気持ちよさ。
「んんんっ……そこ、いいですぅ……」
「もう一本、いけそうだな」
私の中で蠢く指がもう一本増えた。中指と人差し指で、さっき見つけた場所をくにくにと刺激されると、もう何も考えられない。
「ほら、右手が動いてねぇぞ?」
言われるままに、右手をくちゅくちゅと動かしながら、私はいやらしくねだる。
「……さっきみたいに、耳、噛んで……ひあんっ!」
耳朶を甘く噛まれ、首筋を強く吸われて。乳房を、乳首を揉みこまれて。どうしようもなく追い上げられていく。
「あ、あ、セーバーさん、私、わた、し……!」
「そろそろイクのか?」
二本の指の動きが速くなる。私の右手もそれにつられて速くなって。
「あああっ、や、ああああああっ!」
頭のなかが白く爆ぜた。瞬間、私のそこが、セーバーさんの指をきゅうっと締め付けたのが自分でもわかった。
188あなたのくれた未来:04/08/29 00:53 ID:1K0sznIw
どうやら、少しだけ気を失っていたらしい。
目を開けると、私はセーバーさんの膝の上に横向きに抱きかかえられていた。
「おう、起きたか」
「あ、れ? 私、どのくらい気絶して……」
「大して経っちゃいねえよ。その証拠に、まだ濡れてんだろ?」
確かに、自分でもそこが湿っているのはわかる。太腿までなんだかじっとりとしている。
その感触に、さっきの乱れてしまった自分を思い出して、顔がかあっと火照る。
「私、あんなになっちゃって……恥かしい」
「いや、可愛かったぜ? すごく興奮した」
「言わないで下さいってば」
まともにセーバーさんの顔が見れなくて、私は俯く。
と、セーバーさんのお腹の下辺りが妙に膨らんでいるのに気付いた。
そういえば、さっきから何か硬いものが腰に当たるなあと思っていたんだけど――。
「セーバーさん、あの、これって……」
「ああ、ジェニーがあんまりいやらしくて可愛いから勃っちまった」
勃つ、って、これってその。男の人の、な訳で。知識としては頭にあるけれど――。
「窮屈だから、外に出してくれねえか?」
189あなたのくれた未来:04/08/29 00:55 ID:1K0sznIw
そう言いながらセーバーさんは私の手をその上に引っ張って。
分厚い生地越しからでもそこが他の場所より熱く、硬くなっているのがわかる。
私はセーバーさんの膝の上から降りて、もたもたと言われたとおりにその部分を外に出して――。
「これが、男の人の……」
初めて見るそれは、全体的に黒っぽくて、先の方が赤黒い。なんだか別の生き物みたいだ。
両手を添わせてみるけれど、それでは隠せない程の大きさ。やっぱり本で読んで想像してしまったのとは全然違う。
だって、想像じゃ何もわからないもの
――どれだけ硬いか、とか、こうして握ると熱く脈打ってるのがわかる、とか、そんなことは。
「こら、あまり強く握るな」
「ご、ごめんなさい」
謝りながらも、その部分から目が離せない。こんなにじっくりと見てしまう私の事、セーバーさんはどう思ってるんだろう?
 表情を伺ってみたいけれど、それよりも好奇心の方が勝ってしまっている。変だ、私――やっぱり、興奮、してるのかな。
赤黒い先端が濡れたように光っている。私もさっき――というか今――濡れたけれど、男の人もそう、なんだろうか。
顔を近づけてみる。とたんに独特の臭いが鼻につく。汗のような、でも嫌な臭いじゃない。そうだ、本じゃ確か、こんな風に――。
私は、舌先でぺろりとその部分を舐めてみる。
190あなたのくれた未来:04/08/29 00:57 ID:1K0sznIw
「ジェニー、な、何やって――」
うろたえたような声が頭の上で聞こえる。それに構わないで、私は先端をぱくり、と口の中に含む。
少ししょっぱい。汗が口に入った時と同じような味。
「……なんでこんな事、知ってんだ? シスターの癖に」
微かにうわずった声でセーバーさんが訊いてきた。
私はいったん口を離して、上目遣いにセーバーさんを見上げて答える。
「修道院の書庫を掃除していた時に、見つけた小説に書いてあったんです。その、男の人は口でされると気持ちいいって」
「ノーマの助平爺め、なんで修道院にそんな本があんだよ……前に自分でやりかけたってのは、その本を読んだからか」
「ばれちゃいましたね……嫌、ですか、セーバーさん」
「んな訳ねえだろ。驚いただけだ」
「よかった……じゃ、もうちょっと、してみますね」
もう一度さっきと同じように咥えてみる。でも、具体的にどうすればいいかまではわからない。
そこまで書いてなかったし、あの本には――あ、そうだ。
私はセーバーさんの二度目の口づけを思い出して、その舌の動きを真似てみる。
ちろちろと細かく、先端の穴の部分をくすぐってみる。
「くっ……!」
どうやら正解みたいだ。私はなおもそうやって責め続けながら、
今度は全体を握っている手を上下に動かしてみる。これも本に書いてあった事だ。
「う……これも、その小説とやらに書いてあったのか?」
返事の代わりに、私は手を速く動かす。そうするとセーバーさんのはどんどん硬くなっていく。
口の中に広がる汗のような味も、だんだん濃くなっていくのがわかる。
それがなんだか、とても嬉しい。私も、セーバーさんを気持ちよく出来るんだ――。
191あなたのくれた未来:04/08/29 00:58 ID:1K0sznIw
突然セーバーさんが私をそこから引き剥がす。
肩で息をするその姿を見上げながら、私は少し不安になる。
「どうして止めるんですか? 何か、嫌なことしちゃいましたか……?」
「いや、逆だ……良過ぎるんだ。このままだと、出ちまうから……」
そう言うなり、セーバーさんは私を抱きしめる。
「……もう我慢できねぇ。だから――」
「はい……抱いて、下さい」

白い花が風に揺れるこの場所に、私達の邪魔をするものは何もない――。

セーバーさんが地面に自分のマントを敷いてくれた上に、私は横たわっている。
汚してしまうからと断ったのだけど、強引に押し切られた。
せめてもと、持ってきていた手拭を腰の下にそっと敷く。
二人ともきている服はすごく乱れているけど、完全に脱いではいない。
いくら誰もいないっていっても、外で裸になってしまうのには抵抗があったから。
192あなたのくれた未来:04/08/29 01:00 ID:1K0sznIw
セーバーさんが私の上にそっと覆い被さってきた。
熱っぽく視線を交わして、どちらからともなく三度目の口づけを交わす。
そのまま眼を閉じていると、セーバーさんの唇が、掌が、また私の身体の隅々に快感を刻み付けていくのがわかって。
私は瞼をぎゅっと閉じたまま、逞しい身体にしがみつく。こうしているだけでも十分に満ち足りて気持ちがいい。
でも。私の身体の一番奥底が疼く。もっと、奥深くにこの人を感じたいと。
「いいか……?」
こくん、と頷くと、濡れた太腿の間に、セーバーさんは自分の物をあてがって、ぐっと体重をかけて――。
「いっ……痛ぁ……!」
指を入れられた時とは比べ物にならないくらいの痛みと違和感。
無理矢理押し広げられたそこは、セーバーさんが進むごとにただ痛みだけを伝えてくる。
「出来るだけ、力を抜くんだ……大丈夫だから」
「はぁ……あ、はいっ……」
息を吐いて、痛みをやり過ごす。じりじりと時間が過ぎて、やっと動きが止まった。
「痛いか?」
「……大丈夫、です」
でも、セーバーさんが腰を少し引いただけで、耐え難い痛みが私を襲う。
出来るだけ声に出さないようにしたけれど、やっぱりわかってしまったらしい。
「あまり痛いようだったら、止めてもいいぞ?」
そういってくれたけど、私はぶんぶんと首を振る。
「そんなの嫌、です。私、セーバーさんとちゃんと一つになりたい、から」
すごく痛いけど。でも平気。だって――。
「好きだから、だから」
「わかった……じゃあ、しばらくこのままでいるから」
193あなたのくれた未来:04/08/29 01:01 ID:1K0sznIw
繋がったまま、私たちはまた抱き合った。深く舌を差し入れて、互いの唾液さえ交わして。
息をつく暇さえも惜しくて、もどかしく唇を離しては、また激しく求め合って。
ただ、互いを深く感じたくて、ひたすらに抱きしめあう。
そうするうちに、強烈な痛みと違和感が薄れてきたのがわかった。
あるのはただ、何かがいっぱいに埋まっているという感覚だけ。
「セーバーさん……痛く、なくなってきました。だから」
「本当か? 痛かったら我慢するなよ。いつでも止めるから」
セーバーさんが私の上で動き始める。最初はゆっくりと、私が痛がらないのをみると、徐々に速く、強く。
「ふぁ……なんだか、身体の中、セーバーさんでいっぱい……」
「あまり可愛いこというな。抑えが効かなくなるだろ」
「いい、ですよ? 効かなくなっても……」
そういった途端。今まで抑えていたものが弾けたように、激しく奥を突かれる。
ああ、やっぱり私の為に我慢してくれてたんだ。そう考える余裕もすぐになくなって。
私はセーバーさんの肩にしがみつく。そうすると、かろうじて自分が流されていくのを止められる。
194あなたのくれた未来:04/08/29 01:03 ID:1K0sznIw
「ねぇ……お願い、ぎゅっとして……」
言い終わらないうちにきつく抱きしめられる。
それが嬉しくて、私はただそ名前を呼ぶ。大好きな人の名前を。
「……セーバーさん、セーバーさぁんっ……!」
「ジェニー、好きだっ……!」
「私、わたしもっ、大好き、ですっ……!」
きっと熱があるんだ――だってこんなに身体が熱いから。セーバーさんの吐く息も、なんだか熱っぽい。
「ジェニー、もう、出そうだ……出していいか、お前の中に」
訊かれなくたって、返事は一つしかない
――私はこくり、と頷く。その瞬間、最奥に熱いものが勢い良く放たれるのを感じて――。
「くうっ……!」
「あああっ……!」
セーバーさんのものが、私の奥で何度もどくどくと律動を繰り返す。
互いの肌を感じながら、快い痺れに身を任せ、私たちはもう何度目かの長い口づけを交わした。
195あなたのくれた未来:04/08/29 01:04 ID:1K0sznIw

それから、いろいろと後始末をしたりしているうちに、時間はあっというまに過ぎた。
私たちが村に着いた時には、他の出かけた人たちも帰ってきていた。
「あーっ、ジェニーってば、どこ行ってたの?」
メイが、一緒にいたボーイから離れて私に駆け寄ってくる。
セーバーさんは目配せをすると、さりげなく私から離れて他の人たちのところへ歩いていく。
「メイ、帰ってたんだ」
「とっくに帰ってきてたよぉ。ところで今日はセーバーさんと一緒にいたの?」
「え、べ、別に……いいじゃないなんでも」
「ふーん、怪しいなぁ……って、あれ?」
何か考えながら私の横顔を見ていたメイが、素っ頓狂な声をあげる。
「ねえジェニー、なんか、虫に噛まれてるよ? 首筋のとこ」
「ええっ!?」
慌てて首筋を押さえる。普通に流せばよかったのに、妙に反応して顔が赤くなる。
その様子を見ていたメイは、ははーんと納得したように頷く。
「はいはい、そっか、眼帯をした虫に噛まれたのね〜」
「ちょ、メイってば! 声が大きい!」
「ふ〜ん、二人はそんな関係だったのかぁ」
「止めてって――」
先を行くメイの後姿に、私は反撃の材料を見つけた。得意げなメイの耳元にぼそっと呟く。
「メイこそ、ボーイと散歩に行って、背中砂だらけにして帰ってきたの?」
「嘘っ!? やだ、ずっとこのまま歩いてた! もう、恥かしい〜」
「気をつけようね、お互い」
私たちは顔を見合わせて、くすくすと笑いあった。
ふと、こちらを伺っていたらしいセーバーさんと目が合った。
にっこり笑って小さく手を振ると、セーバーさんは共犯者の顔でにやり、と頷いた。
196あなたのくれた未来:04/08/29 01:05 ID:1K0sznIw
こうしていると、まったく普通の生活のようで
――でも、こんな平和な時はすぐに終わる。
私たちはまた戦いの日々に戻る。そうするしかないから。
でも、もう怖くない――ううん、本当はまだ怖いけれど、でも。

さっき、広場を出る時に、セーバーさんは言った。
「神様になんて負けてやらねえ。なんてったって、ジェニーと一緒になれるんだからな」
そう。私だって同じ気持ち。私には、この人と生きていく未来がある。
だから、私には覚悟が出来た。戦って、生き残るという覚悟が。
二人の未来のために、生き残ってみせるという覚悟が。
その為には怖がってなんていられない。
たとえ神様と戦わなくちゃいけないとしても。

白い花の中で愛し合った、この日の事を思い出せば、きっと大丈夫。

あなたが未来をくれた、この日の事を胸に、私はきっと戦える。
197むた ◆rEtdWXJvJ6 :04/08/29 01:20 ID:1K0sznIw
以上です。
イメージが壊れたという方がいたらすいません。
ではでは。
198名無しさん@ピンキー:04/08/29 16:32 ID:hygYOO8b
>179
すごく良いお話でした。エッチも。外伝以外でもぜひ書いて欲しいです。
199千葉犬:04/08/29 22:25 ID:9Al++Dxh
むた氏、外伝小説有難う御座います!!まさか貴方が書いてくれるとは
思ってもいませんでした。

内容の感想ですけれども、非常にGJでした!!お陰でこちらのモチベー
ションも高まっているので、今週中には、作品投下が出来そうな感じです。
まだ外伝のSSは発展途上の段階だと思われるので、イメージが壊れた
とかなんとかは別段大丈夫だと思います。結局の所、遊ぶ人それぞれに
キャラに対するイメージが違うでしょうから。現に自分ら兄弟は、ジェニー
は胸は大きくて、着痩せするタイプだと思っていましたから。

むた氏、色々と本当に有難う御座いました。今後も頑張って下さい。
以上、千葉犬でした。
200ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/30 14:25 ID:BiqDRlp8
悲劇的(6)

・・・いったい僕は、どうなってしまったんだろう・・・?

この、熱い炎が、僕の心を焦がす・・・
僕は思わず、顔をしかめた。
「くっ・・・!」
その声に、すぐ近くにいたケントが真っ先に反応した。
「マーク殿!どうかなされましたか?」
「い・・・いや・・・何でも・・・」
「少し顔色が悪いようですが・・・」
「だ、大丈夫!大丈夫です!」
思えば、こうなったのは、あの遊牧民の男と初めて出会ったとき・・・
そして、リンはあの男に・・・
そう思えば思うほど、僕の心を炎が焦がしてゆくのが感じられた・・・
この感情は、今まで僕が一度も経験したことのない感情・・・
これって一体・・・?

「マーク!マークったら!」
不意にリンが僕の肩を揺すった。
「何ぼーっとしてるの?敵が攻めてきてるのよ!さっさと指示を出してちょうだい!」
「・・・ごめん。」
これ以上、みんなのお荷物になるわけにはいかない。
ふう・・・。
僕はため息を一つついて、顔を上げた。
「よし、行くぞ!」
201ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/30 14:37 ID:BiqDRlp8
悲劇的(7)

戦いはすぐに決着がついた。

「ケント殿、やっぱりわしは、援助を引かせてもらう。」
「なっ、それでは話が・・・!」
「だまれ!貴様は大事なことを言わなかったではないか!まさかここまでサカの血が
濃く出ているとはな!」
「も、申し訳ございません・・・」
あまりの公爵の態度に、僕も思わず怒りに震えた。
「あのような蛮族の血を引く者に力を貸すなど、恥もいいところだ。」
「こ、公爵様・・・」
尚も何か言おうとするケントを、リンが止めた。
「いいわ。もう行きましょう。」
そしてリンは公爵を睨んだ。
「私は、自分に流れるサカの血に誇りを持っている。それを侮辱するような人の援助など、
絶対に受けたくないわ!」
この言葉に、僕も溜飲が下がる思いがした。
しかし、サカの血か・・・
もしかして、ラスとリン、二人の間にも、目に見えない心のつながりがあるのかな・・・?
そう思うと、僕の心が、また炎に焦がされてゆく・・・
一体、この感情は、何なんだろう・・・?
202ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/30 14:52 ID:BiqDRlp8
悲劇的(8)

アラフェンを去り、僕達は一刻も早くキアランに到着するために道を急いだ。
そのとき、一騎の騎馬が後ろから迫ってくる。
「追っ手か?」
僕達は振り返った。あのリンの態度が、公爵に対して無礼と受け取られたのだろうか?
追っ手はラスだった。
「ラス・・・?」
そしてラスは意外な言葉を口にした。
「リン、俺も、この旅に同行しよう。」
その言葉に、思わず喜びの表情を見せるリン。
その横で、僕はどうしていいかわからなかった。
戦力が増えることは、確かにうれしい。
でも・・・リンのうれしそうな顔を見ると、なぜか僕の心がかきむしられるような思いが
した。
「・・・どうしたの?」
リンが僕の顔を覗きこむ・・・
「い、いや、何でも・・・ないんだ・・・」
「・・・?」
リンは不思議そうに僕を見ている。
そして、その近くで、なぜかマシューがニヤニヤしている。
「やだ、マシューったら、何ニヤニヤしてるのよっ!」
セーラが問い詰めると、マシューは言った。
「軍師殿は、今、苦しんでいるようだなあ。」
「どういうこと?」
リンも思わず聞き返した。
「さあね。本人に直接聞いてみたらどうだい?二人きりになったらさ。」
マシューはにやけた表情のまま、僕達を見ていた。
203ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/30 15:06 ID:BiqDRlp8
悲劇的(9)

その夜、僕とリンは、二人きりになった・・・

「ねえ、マーク、一体どうしたの?」
僕の肩に寄りかかって、リンが僕の顔を覗きこんだ。
「・・・・・・。」
僕はじっとリンを見つめた。
「マーク?」
少しずつ、リンの顔が近づいてくる・・・僕はリンの唇に狙いを定めると、一気に自分の唇を
押しつけた。
「・・・!!」
いきなりの僕の攻撃に、かっと目を見開いて驚くリン。でも僕は、唇を離さず、じっくりと味わうかのように
彼女の唇を吸い始める・・・
肩を抱き寄せ、僕とリンは横になった・・・
絶対に、リンは離さない!
その想いを全身に込めて、僕はリンを抱きしめた。
唇が離れると、リンはうっとりしたような瞳で、僕のことを見つめた。
「マーク・・・、妬いてるんだ・・・v」
僕は彼女の言葉に答えず、一人つぶやくように言った。
「リンは、絶対、誰にも渡すもんか・・・」
その言葉に、今度はリンがぎゅっと僕に抱きつく。
「うふふ。うれしいなv」
甘いリンの唇を、僕は何度も吸った。
204ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/30 15:21 ID:BiqDRlp8
悲劇的(10)

「絶対に、リンは、僕だけのものだ!絶対!絶対にだ!」
僕はすかさず、彼女のスリットをめくって、ショーツをずりおろした。
「絶対に、誰にも渡さない!」
剥き出しになったリンの女性に、僕は己自身をあてがった。
そのまま僕は腰に力を込めると、リンの奥深くへと突き刺さる・・・
もう何度目だろう?こうして、僕が男根でリンの感触を味わうのは・・・?
「んん・・・・・・」
リンは瞳を閉じてうなった。彼女もまた、僕の感触をじっくりと味わっているのだろう。
やがて、僕の陰茎から陰嚢、そしてお尻の辺りまで、彼女の腋によって濡れてゆくのがわかる。
「リン・・・」
僕はしばらくじっとしていた。リンの中は、いつにも増して暖かく、そして柔らかい・・・
「マーク・・・、いつもより大きい・・・」
ゆっくりと時間が流れてゆく・・・僕の心を焦がしていたあの熱い炎は、今は鳴りを潜めている。
やっぱり、ここが僕の居場所なんだ・・・
僕はゆっくりとリンの感触を味わうかのように、腰を動かし始めた・・・
「あ・・・」
リンも僕をくわえこんで、その感触をじっくりと味わっているに違いない。
「マーク・・・好き・・・大好き!」
リンは思わずつぶやいた。
205ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/30 15:37 ID:BiqDRlp8
悲劇的(11)

「リン・・・」
僕は再び、リンの首筋をそっと抱きしめ、唇を重ね合わせた。
「ん・・・」
リンの唾液・・・そして、リンの愛腋・・・
二つの液が、僕の体を刺激する・・・
「んあああっ!ああああああっ!あああああっ!」
リンは甘く、そして激しい叫びを上げた。
まるで僕の男根をしゃぶりつくすかのように、ひくひくと動いて締め付けるリンの膣・・・
僕はなおも激しく、男根を突き入れる・・・
「あああっ!いいいいいっ!いいよおおおおおっ!」
リンの膣が、急激に僕の男根を圧迫しだした。
それに反応して、僕の男根が、律動を開始する。
リンの子宮に、精を発射するために・・・
びくっ、びくっ!
僕の男根が急激に精を発射した。
そしてそれは、リンの奥へと入りこんだ・・・

僕は射精によって萎んだ男根をリンの膣に残したまま、リンの上着に手をかけた。
そしてゆっくりと脱がすと、顕になる二つの大きなふくらみ。
「・・・マーク?」
リンは不思議そうに僕を見ている。一度目のアクメを迎えて少しずつ熱が引いていくリンの体・・・
僕は慈しむように、リンの胸を撫でまわした・・・
「リン・・・君の女の子すべてを、感じたい!そして、愛したいんだ・・・!」
僕が先端の赤いつぼみを吸うと、リンの体が再び熱くなった・・・
「あ・・・・・・あん・・・・・・」
急激に熱を放つリンの膣・・・
それに反応するかのように、僕の男根も再び大きくなる・・・
206ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/30 15:49 ID:BiqDRlp8
悲劇的(12)

「・・・あ・・・また・・・大きくなった・・・」
僕の顔を見上げて、リンは微笑んだ。そして、また僕の感触を味わうかのように瞳を閉じる・・・。
「あ・・・ああん・・・」
先ほどにも増して情熱的に熱いリンの膣が、僕を搾り取るかのようにひくひくと動きだす。
「マーク、突いて・・・」
「うん・・・・・・」
僕の腰が再び動き出す・・・
「あっ、あっ、あっ・・・」
僕の腰がテンポよくリズムを刻むと同時に、リンの声があがった。
今度はその声をゆっくりと鑑賞するために、あえて唇は塞がない。
僕はリンの胸の谷間に顔を埋めた。左右から柔らかい膨らみが僕の顔を包み込む・・・
「リン・・・大きいな・・・」
「マークのも、大きいよう・・・!あ・・・」
突然、リンが激しく動き出した。
「ああああああっ!いいいいいい!いっ、イクうううううううううう!!!」
ぴくっ、ぴくっ、ぴくっ!
リンの体が小刻みに震えるのが、射精の合図だった。
僕の男根から、再び射精が行われた。
リンの子宮に向かって・・・。

僕達はそのままだった。
絶頂の余韻をゆっくりと味わうかのように、僕達は抱き合う・・・
時折、唇を重ねあうと、リンは「好き」とつぶやいた。
207ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/08/30 16:04 ID:BiqDRlp8
悲劇的(13)

「僕もだよ・・・」
その言葉に、リンの膣が、ぴくっと反応する・・・
僕は抱き合ったまま、ぐるっと横に転がった。
そして今度は、リンが上になる・・・
リンは足の裏を僕の腰の脇の床につけて、腰を上下に動かし始めた・・・
「リ・・・リン・・・・・・気持ちいいよ・・・」
僕の男根が、再び大きくなる・・・
「んっ、んっ、ん・・・!」
リンは自分の腰の動きに合わせてうなり声をあげた。
リンはますます激しく動き出す・・・
僕の顔からリンの顔を見上げると、リンの大きな胸が、ぶるんぶるんと大きく揺れている・・・
あまり揺れてしまうと、彼女も大変だろう・・・僕は、両手で彼女の胸を押さえた。
「!!!」
胸からも刺激を感じて、リンの膣は一気に愛液を吹きだした。
「ああああああっ!ああああああああああっ!あああああああああああっ!!!」
僕の上で、激しく悶え狂うリン。
その姿に、僕の男根も最高潮に達する・・・
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!!!!!」
僕の3度目の射精と同時に、リンはこれまでで最大の絶叫をあげた。
そのままリンは僕の上に崩れ落ちた・・・。
ひくっ、ひくっ、ひくっ・・・
彼女の体が小刻みに痙攣し、彼女は失神した。

僕は彼女の寝顔に、そっとキスをした。
「愛してるよ。」

悲劇的 完
208名無しさん@ピンキー:04/08/31 18:23 ID:3S+uST6Y
抜かずの3発・・・・・・ハァハァ
209むた ◆rEtdWXJvJ6 :04/08/31 18:50 ID:wN6IflNo
>198
感想ありがとうございます。このスレの始めのほうに
ヒース×プリシラを投下してますので
よろしければ読んでみてください。

>199
外伝は仲間になるときと死に台詞と後日談しか台詞が
ないので、考えがいがあるといえばあったのですが
逆にプレーヤーそれぞれの持つ
イメージを崩しやしないかとひやひやしました。

個人的に一番の巨乳はソニア。次点はマチルダ。
隠れ巨乳はティータとクレア。

では新作投下待ってます。
210ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/09/02 09:41 ID:i2BisCAK
ホークアイ祭(1)

「ルトガー、ちょっとよろしいかしら?」
ルトガーが部屋にいると、こんこんとドアを叩く音がした。
「・・・・・・何の用だ?」
ルトガーがドアを開けると、そこに入ってきたのはクラリーネ。彼女は薄い紙包みを二つ持っていた。
「ルトガー、今日は何の日かご存知かしら?」
「・・・・・・知らん。」
ぶっきらぼうに答えるルトガーを見て、クラリーネはにっこりと微笑んだ。
「今日は、ホークアイ祭ですわ。」
「・・・・・・何だそれは?」
「かつて私のお父様やお母様と共に人々の平和のために戦った偉大な戦士・ホークアイ様。
彼を偲んで毎年ホークアイ様のお誕生日に彼の衣裳をまとって練り歩くのですわ。」
そしてクラリーネは包みを一つ差し出した。
「はい、これが、ルトガーの分ですわ。」
ルトガーは早速、包みを開けてみた。中には、前後に長い布のついた半ズボンと、奇妙な形の飾りがいくつか付いた首環(トルク)。
左腕だけのひじまである手甲。それに、スネ当てと一体になった靴。
「さあ、早速、着替えてくださいな。」
「・・・わかったから、部屋を出ていけ。」
「あら、どうしてですの?」
「俺が着替えるからに決まっているだろう。」
「いいではありませんの。私も手伝いますわ。」
「こ、こら!やめっ!」
クラリーネはすぐに、ルトガーの服のボタンを外し始めた。またたく間に、ルトガーの上半身が顕になる。
「まあ!なかなかいい体ではありませんの。うふふ。」
「さ、さわるんじゃない!」
ルトガーは真っ赤な顔で怒ったが、そのくらいではクラリーネはびくともしない。
「さ、次はいよいよ下半身ですわ。」
「そ、それだけはやめろ!」
211ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/09/02 10:04 ID:i2BisCAK
ホークアイ祭(2)

必死の抵抗も空しく、ベルトとズボンのボタンが外されると、ルトガーのズボンは、下の
パンツと共に、下に引きずり下ろされた。
「まあ・・・立派・・・じゃありませんわね。それでは、着替えますわよ。」
クラリーネの目の前にぶら下がるルトガーの立派な逸物。それを見て、クラリーネの頬がほんのり桜色に染まった。
それとは対象的に茹でた蛸のように真っ赤になるルトガー。
「じ、自分でやる!」
ルトガーが取り上げようとすると、クラリーネは素早く体の後ろに隠した。
「いけませんわ!こういうのは、恋人同士、お互いに着せあうのが基本なのですわよ。」
ルトガーはその言葉にびっくりする。
「・・・・・・まさか、俺もお前に?」
クラリーネの顔が次第に桜色から真っ赤に変わってゆく・・・。
「・・・・・・当然ですわ。」
「・・・・・・。」
二人、真っ赤な顔で、呆然と立ち尽くしている。
「さ、さあ、着替えますわよ。」
「・・・あ、ああ・・・」
クラリーネは半ズボンを持つと、履きやすいようにめくった。
「さあ、足をあげてくださいな。」
言われるままに、ルトガーは片足をあげた。その拍子に、ルトガーの玉袋から、お尻の穴までもがクラリーネの位置からまる見えになる。
「さあ、履きますわよ。」
いたずらしたい衝動をかろうじて抑えながら、クラリーネはルトガーの片足に半ズボンを通した。
「さあ、今度はそっちの足ですわ。」
今度は反対側の足を上げる。すると、再びルトガーの玉袋とお尻の穴がまる見えになった。
触りたい衝動をかろうじて抑えながら、半ズボンを徐々に上に上げてゆく・・・上まで上がると、ルトガーの逸物、玉袋、そしてお尻の穴はもう見えなくなった。
「・・・パンツは、履いたらダメなのか?」
「もちろんですわ。それではホークアイ様ではありませんもの。」
そしてクラリーネは立ち上がって顔を真っ赤にした。
「さ、さあ、次は私の番ですわよ!」
212ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/09/02 18:22 ID:WnYazHgF
>>211
×「まあ・・・立派・・・じゃありませんわね。それでは、着替えますわよ。」
○「まあ・・・立派・・・と、こうしている場合じゃありませんわね。それでは、着替えますわよ。」

で差し替えをおながいしまつ・・・・・・orz
213名無しさん@ピンキー:04/09/02 18:47 ID:3GQqwnOI
一体どこを練り歩くんだか…
ていうか、これまではどこを練り歩いてたんだw
214名無しさん@ピンキー:04/09/02 19:02 ID:WnYazHgF
ホークアイ祭(3)

クラリーネは瞳を閉じて、ルトガーが脱がせやすいように背筋を伸ばして、胸を前に突き出した。
ごくり。ルトガーは思わず息を飲む。今まさに、目の前でクラリーネのかわいい胸がさらけだされようとしている・・・
ルトガーはそっとクラリーネのボタンを外した。そして下へと順に外してゆくと、クラリーネの前ははだけた。
そのまま両腕を脱がせると、クラリーネの白く上品な体が顕になった。
あまり大きくないけれど、白く透き通ったような肌の、柔らかそうなかわいい膨らみ。
いよいよそれを包む最後の布が取り払われる。
はらり。ルトガーが布の結び目をほぐすと、その目の前に、美しいクラリーネの乳房が姿を見せた。
一瞬、ルトガーの心臓の鼓動が激しさを増した。
「ル、ルトガー、あまり時間がありませんの。早く続きをしてくださらない?」
「・・・・・・あ、ああ・・・・・・」
上半身だけでも動揺は隠せないのに、今度はいよいよ下半身・・・。
ルトガーは意を決したように、クラリーネのスカートの両脇を掴んで、一気に下に引きずり下ろした。
ルトガーは思わず目を逸らした。
スカートと一緒に、ショーツまでずり下ろされているため、クラリーネの秘密の場所が丸見えになっている。
やがて、その割れ目から滴がポタ、ポタと垂れ落ち始めた。
「は、早く履かせてくださいな・・・あんん・・・・・・」
クラリーネは恥ずかしそうに、片足を上げた。
215ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/09/02 19:27 ID:WnYazHgF
ホークアイ祭(4)

ルトガーは顔を近づけて、じっくりとクラリーネの割れ目を観察する・・・
「い、息を吹きかけないでくださいまし・・・ああん・・・」
思わず首を左右にぶんぶん振って身悶えるクラリーネ。
その姿に、ルトガーは思わず興奮する・・・
ぐいっ!いきなりクラリーネのお尻を掴んで自分の顔に引き寄せると、ルトガーは己の
舌をその割れ目に差し入れた。
「やっ、やめ・・・あ・・・ああ・・・」
内部を執拗にこねくり回す舌の感触に、ただでさえ裸を見られて興奮状態にあるクラリーネが耐えられるわけはなかった。
「ひあああああああ・・・・・・・・・・・・・」
突然、割れ目がひくひくと動き、濃厚な蜜が一気に吹き出た。
「ああああああ・・・・・・」
ぐったりとなって倒れかかるクラリーネの背中を、ルトガーはしっかりと抱きとめた。

「さあ、履かせるぞ。」
ようやくズボンを履き終わったクラリーネに、ルトガーは質問した。
「・・・胸は隠さないのか?」
「あら、ホークアイ様は隠しておられませんでしたわよ?」
「・・・・・・。」
「さ、そろそろ行きますわよ。」
ルトガーとクラリーネは腕を組んで、ドアに向かった・・・。
(・・・・・・柔らかいな・・・・・・)
自分の腕にぴたりと張り付いてるクラリーネの胸の感触に、ルトガーの下半身は大きく、そして固くなった・・・

今日はここまで
216ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/09/02 19:28 ID:WnYazHgF
>>214
名前忘れてた・・・OTL
217名無しさん@ピンキー:04/09/02 20:24 ID:iaBVzFqX
すいませんちょっと質問いいですか?
ちょっとお気に入りが消えてしまったので。あるサイトのアドレスが知りたいです。
ファイアーエムブレムやティアリングサーガの陵辱小説が載ってるサイトで
他にもいろんなアニメやゲームの小説が載ってました。
たしか鬼畜度と純愛度が☆の数で表されてる表みたいなもので小説が見れました。
これだけじゃわかりにくいかも知れませんが心あたりがありましたらおねがいします。
218名無しさん@ピンキー:04/09/02 21:02 ID:cWIKzz2k
ダミアン氏いつも乙!

>>217
そりゃDingDongDong(通称DDD)だわ。
フラッグマン神こっちにも降臨してくれんかなぁ…
219名無しさん@ピンキー:04/09/02 21:08 ID:cWIKzz2k
ティアサガはこっち↓
ttp://www.tomato.sakura.ne.jp/~ddd/ddd/novel/net19te.htm

ファイアーエムブレムはこっち↓
ttp://www.tomato.sakura.ne.jp/~ddd/ddd/novel/net28hu.htm
220名無しさん@ピンキー:04/09/02 22:49 ID:j3I4a7BE
DDD、どうしちゃったんだろうね。
スレ違いsage
221名無しさん@ピンキー:04/09/03 01:50 ID:MExwp/So
DDDの更新止まって、FEのエロを読めるとこが減って悲しい
222名無しさん@ピンキー:04/09/03 22:10 ID:RjRLHiGz
最近倉庫の人見ないなぁ。
223名無しさん@ピンキー:04/09/04 10:23 ID:6G0MclH2
魔戦士ネタキンボイス
224名無しさん@ピンキー:04/09/04 11:52 ID:pGLhOOQx
サーシャ様ぱんつはいてないネタキンボイス
225名無しさん@ピンキー:04/09/04 14:29 ID:z+CxLBNl
無限転職か…。
226名無しさん@ピンキー:04/09/04 23:46 ID:essXfHxw
>>219
俺イシュタル好きだからそこの小説好きだな
ここでも誰かイシュタルの小説書いてくれないかなあ
227名無しさん@ピンキー:04/09/05 00:15 ID:cVQ/kBKs
イシュタルつったらイシュマニは何故復活しないのさ!!
アリオーン×ユリウス×イシュタルのやたらに濃い話が
すっごく好きだったのに…

今からでも全然遅くないから、あの話どっかにあるならおせーて・゚・(ノД`)・゚・。
228名無しさん@ピンキー:04/09/05 00:50 ID:oAqTQrdW
昔「地球の裏側」ってサイトにあったSSって今どこにも無いのかな?
229名無しさん@ピンキー:04/09/05 02:13 ID:1pGezReU
シルヴィア見たいな。
相手はフュリーかアレクかレヴィンがいいな。
別に俺は緑髪が好きな訳ではない。
230名無しさん@ピンキー:04/09/05 03:05 ID:kc2IuST1
>>227

ttp://www.archive.org/

ttp://ishmani.com/

あるか知らんが探してみろ。


イシュたんなら…イシュ×ティニーが切なくて好きだなあ…。
恋愛感情じゃなくて、せめてもの温もりみたいな。
231名無しさん@ピンキー:04/09/05 03:59 ID:cVQ/kBKs
>>228
某18禁同盟にある
チェイニー×チキは一時期萌えに萌えた

>>230
下のアドはブクマしてたけどもう見れないんだよね…
マジで復活希望
232ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/09/05 12:23 ID:T5iQCBht
ホークアイ祭(5)

「やあ、クラリーネ。」
部屋を出て、集合場所に向かうクラリーネとルトガーに声をかけてきたのは、クレインだった。
「まあ、お兄様。ご機嫌麗しゅう。」
クラリーネはじっとクレインの姿を見た。クレインも同じく、ホークアイの衣裳をまとっている。
「お兄様、すごくかっこいいですわv」
「そうかい?ありがとう。」
「うふふ・・・あら?」
クラリーネは気づいた。クレインの後ろに、誰か隠れている。
「どなた?」
クラリーネが声をかけると、その人は恥ずかしそうに姿を現した。
「こ、こんにちは・・・」
「まあ!あなたは・・・ティトさん!」
ティトは顔を真っ赤にした。彼女もまた、ホークアイの衣裳に身を包んでいる。
「お兄様、まさか、お兄様も彼女を着せ替えなさいましたの?」
「ああ、苦労したよ。ほら。」
クレインの体をよく見ると、あちこちに小さい引っ掻き傷が付いている。
「まあ・・・ずいぶん抵抗されたのですわね・・・」
ティトの顔は、もう真っ赤になっている。
そのとき、ティトの股間から、白く濁った液体が太股を伝わって、床に落ちた。
「や、やだっ!垂れてきちゃった!」
ティトは思わず股間を押さえて、その場にへたりこんだ。
「お兄様?」

つづく
233名無しさん@ピンキー:04/09/05 16:03 ID:HwuYQCr/
ぉ、ぉぃ、ちょ、ちょっと、巻き戻せ!
重要なシーンが飛ばされてる可能性があるぞ!
ティ、ティトたん…
234千葉犬:04/09/05 19:52 ID:wxyu3pWp
どうも、千葉犬です。先週中に作品投下間に合わなく、申し訳ありません。
まだ少しばかり終わってはいないのですが、途中まで投下したいと思います。
今回は、聖戦からです。それではいきます。
235遠い日の約束:04/09/05 19:54 ID:wxyu3pWp
どうして…どうして待っていてくれないの…?
どうして来てくれないの…?
ずっと…ずっと待っていたのに……
こんな…こんなに辛い思いをするくらいなら…
こんな…こんな思い出なんかいらない!!


今見た夢の内容を理解しかけた時、ハッと目が覚めた。それはまだ自分が子供だった時の頃の思い出
であった。
「…また、あの時の夢か…」
アイラは一人、そう呟いた。


セイレーンでの生活が始まった頃から、アイラは自分がまだ子供だった頃の思い出が夢によく出て来
る様になっていた。
そして、決まって夢に出て来る思い出が、自分にとって、初めて出来た友達であり、そして自身の初
恋の少年との思い出であった。
どうして昔の事が今になって、しかも夢に出て来る様になったのか、当の本人にも分からない。
考えても答えが出てくる訳でもない。アイラは、朝食を取る為、着替えをし、部屋を出た。
236遠い日の約束:04/09/05 19:58 ID:wxyu3pWp
「よう、アイラじゃないか」
セイレーン城内にある食堂に行くと、自分にとってよく見る顔に声を掛けられた。レックスである。
「誰かと思えばレックスか…朝から私に何か用か?」
「ああ。一緒に朝飯食わないか?丁度よく互いにこうやって顔を合わせたんだ。どうだ?」
少しだけ考えてみた。別段断る理由は無い。アイラは了解の返事をレックスに返してやった。
「決まりだな。それじゃあそこの席にしようぜ。丁度今の時間、陽が当たる所だしな」
そう言い終わると、二人はその席に朝食を運び、一緒に食べ始めた。
それから十分程でお互い朝食を取り終わった。
「ふぅー美味かった美味かった。お陰で腹がいい感じに満たされてるぜ」
満足そうにレックスはそう言った。ざっとアイラの今日取った朝食の約三倍程の飯を平らげたのであ
る。
「朝からよくもまあそんなに食べられるものだ。見ているこっちの方が、腹がいっぱいになりそうだ」
さも呆れた様にアイラはそう言った。対してレックスは、それを自分への褒(ほ)め言葉として受け
止めた様である。
「そう言えば、最近お前の近くにシャナンがいないな。どうしたんだ?」
いつもならアイラの側によくいるシャナンがいないのに気付き、レックスはアイラにそう言って聞い
て見た。
「シャナンなら、最近ホリンの部屋によく寝泊りしているんだ。訳を聞いたら、『ホリンと一緒にいた
いんだ』と言って聞かない。お陰で今では一日中ホリンと一緒に過ごしている」
そう言うアイラの表情は、どこか淋(さび)しげであった。きっと、今まで自分の側にいるのが当たり
前だったシャナンが、急に他の人間の所に行ってしまった為、そう感じてしまっているのであろう。
そうレックスは感じた。
「なに、別に良いんじゃないのか?シャナンの奴がホリンに剣の稽古を頼んでいるんだ。少しでも剣
の事で教えてもらいたいから一緒にいるんだろうよ。別にお前の事が嫌いになったからじゃないって」
237遠い日の約束:04/09/05 20:01 ID:wxyu3pWp
「そんな事は分かっている。いちいち口に出すな」
不機嫌そうにそう言い、アイラは席を立った。そのままその場から去ろうとするアイラに、レックスは
声を掛けた。
「そう言えば、お前にやった剣、どうだ?気に入ったのか?」
今更何を言い出すかと思えば、そんな事かとアイラは思った。無論それは勇者の剣の事を言っている。
「ああ、気に入っている。それがどうかしたのか?」
すると、レックスの口から思い掛けない事を聞かされた。
「実はな、その勇者の剣なんだが、デューの奴から売って貰ったと、前に言ったよな。
 だが、最近になってから知ったんだが、どうもその剣、もともとホリンが持っていたもんだったらしいんだ」
それを聞かされたアイラは、目を丸くしながら、「それは本当なのか!?」とレックスに物凄い勢いで聞いた。
「ああ、本当だ。デュー本人がそう言ったんだ。
あいつは人を騙(だま)したり、嘘を吐くのが上手いが、この事に関しては信憑性がある。何と言っても、デュー
がホリンから勇者の剣を渡してもらったと言っていたのを、他の連中が聞いたらしいんで、その事をデュー本人
に聞いてみたら、あっさり白状してくれたよ」
ホリンのした行動を理解出来なかった。
勇者の剣と言えば、剣を扱う者達にとっては、誰もが手に入れたいと望む名剣である。
現在、ユグドラシル大陸全土でも、この剣が出回ってる本数は、多く見ても二十本にもみたない。
238遠い日の約束:04/09/05 20:04 ID:wxyu3pWp
更に、その中でも特に精度の高い稀少鉱石(レアメタル)で出来た刀身を持つ三振りの剣、
流星(ながれ)、
龍月(りゅうげつ)、
日光(にっこう)がある。その内、アイラが手にしているのが、この内の二振り目の龍月である。
アイラは、自分が使っている剣が龍月であるという事を知ったのは、その刀身に刻まれている文字が、
イザークでしか使われていない文字で、龍月を指す力と導きの文字が刻まれていたからである。
勇者の剣が手に入るだけでも奇跡に近いと言うのに、更にその中でも入手が困難な稀少鉱石で出来た
三振りの剣の内の一本を、ホリンは手に入れていたのだ。
だが、それをどう言うつもりなのか、デューに渡したと言う。
どう考えても、ホリンの行動には理解出来ない。これほどまでの名剣を手にしたならば、自分が使う
のが当然である。
にも関わらず、ホリンはそれをしなかった。アイラの手に渡った時には、手入れもしっかりされており、
その剣を使ったと言う形跡も見当たらなかった。
ホリン程の腕の立つ剣士ならば、勇者の剣があればまさに鬼神の如き強さになる。実際に自分が使っ
て見てそうだと感じたのだから間違いない。
「一体、どう言うつもりなのだ?何故名剣とも呼ばれる代物を手放したんだ?」
独り言の様にそう呟くアイラに、横からレックスが話し掛けた。
「さあな。俺にもてんで見当が付かん。もし気になるんだったら、直接本人に聞いてみたらどうだ?
その方が手っ取り早いと思うけどな」
「…そうだな、そうする」
そう言うや、颯爽(さっそう)とその場を去ろうとするアイラ。が、またレックスが声を掛けて来た。
「待てよ。まだ言い残した事があった」
「…お前は、つくづく人の行動を邪魔をするのが好きな様だな」
冷たい視線を向けられながらも、レックスは悪びれた様子も無い。こう言う図太い神経をしているレッ
クスであるが、持ち前の親友兼悪友的な、気軽に付き合える性格のお陰か、アイラからすれば、裏表
があまり無く、言いたい事をはっきり言える真っ直ぐな男と感じている。
239遠い日の約束:04/09/05 20:05 ID:wxyu3pWp
もっとも、よくからかってきたりもするので、その辺で差し引きゼロと言った所であるが。
「そろそろ、返事をもらえないか?」
いつもの陽気な顔とはうって変わって、真剣な表情でレックスはそう言った。
その言葉の意味を、アイラは知っている。
以前、アグスティに駐屯していた頃、レックスに、「お前の事が好きだ」と告白された事があった。
それまでは、別段レックスの事は好きでも嫌いでもなく、同じ軍にいる仲間としか見ていなかった。
その為、どう答えていいのか判らず、「後で返事を返す。それまで待ってほしい」と言ったのである。
あの頃のままであれば、レックスの事を振っていたであろう。
しかし、今では、レックスに対して好意があるとアイラは感じている。
が、アイラは返事を返す事が出来なかった。
理由は、心の何処かで、いまだ幼い頃に出会った少年の事が頭から離れなかったからである。なまじ、
自身にとって初恋の相手でもあり、それが鎖となってアイラの心をきつく縛り付けていた。
今一度、自分の気持ちに問い掛けてみた。自分は、レックスの気持ちを受け入れるのかどうか。
そして、答えは――
「…すまない。まだ返事は返せない…だが、もう少しだけ待っていてくれ。次は必ず返事を返す」
「…そうか、分かった。それじゃあ言われた通り次まで待ってやるよ。
 だが、次で必ず返事を返してくれよ。イエスでもノーでもいい。お前の気持ちを早く知りたい」
「…ありがとう。今度は必ず」
そうレックスに言うと、今度こそアイラは、その場を後にした。


240遠い日の約束:04/09/05 20:07 ID:wxyu3pWp
シレジアの初夏は、まだ蒸し暑いと言える様な暑さではないものの、この地方の気候に身体が慣れて
しまったせいか、少々暑さを感じる。
シャナンとホリンは、稽古をする時は、セイレーン城内にある訓練場は雨の時しか使わず、それ以外の
天候の時は必ず城下町の外れの丘で稽古をしている。距離にして、大人が歩いて一刻(約三十分)程であ
る。
今アイラは、その丘を目指し、ひたすら歩いている。歩いている途中、町の修道院の庭で、子供達と遊
んでいるアゼルを目撃したが、別段用は無かったので、無視して進んだ。
丘に近づくと、遠くから金属同士がぶつかる音が聞こえてくる。既(すで)に稽古は始まっている様である。
目的地に着いて見ると、思った通り二人は稽古をしている。シャナンが懸命に打ち付けるのを、ホリ
ンはそれを剣で受け流したり、僅かに身体を動かして避けてみせたりしている。
その光景にしばらく見入っていると、シャナンはアイラがいる事に気が付いた。
「あ、アイラだ。おはよう」
そう言い気を緩めた瞬間、ホリンは容赦無くシャナンの剣を打ち弾いた。ギィィンッと高い音がした
と思うと、すぐ近くの地面にドサッと落ちた。
「今は稽古の最中だ、気を緩めるな。もし戦場なら死んでいるぞ」
そう言い、シャナンの側へ行き、両手首を痛めていないか確認した。別段問題は無かった様である。
確認し終わると、ホリンはアイラの方に顔を向けた。
「何の用だ」
「…シャナンとお前の稽古を見に来た。ついでに久しぶりにお前と組み手をしたいと思って来た……
迷惑だったみたいだな」
剣の事を聞きにここへ向かう最中、久しぶりにホリンに剣の相手をしてもらおうと思ってはいたが、
やはりここへ来たのは間違いだった。そう思いその場から去ろうとしたが、去ろうとするアイラの右
手をホリンが握り、引き止めた。
241遠い日の約束:04/09/05 20:13 ID:wxyu3pWp
「迷惑とは言ってはいない。それに丁度いい。今の一撃でしばらくシャナンは手が痺れて剣を握れん。
その間、組み手をしてやろう……嫌なら構わん、何処にでも行け」
最後の部分に少し頭にきたが、組み手をしてくれると言うのなら願ってもない。アイラはホリンに手
を離して欲しいと言うと、ホリンはすぐにその手を離した。
ホリンが手を離した刹那、アイラはすかさず剣を抜き放ち、ホリンに斬り掛かった。
しかし、ホリンも只者ではない。その僅かな瞬間に自身の剣を抜き、アイラの斬撃を見事に受け止め
ていた。
「いきなり随分な挨拶だな」
いきなり斬り掛けられたにもかかわらず、ホリンはいつもと変わらない表情でそう言った。
「先程、お前が言った事に少し頭にきたのでな」
アイラはそう言うと、パッと後ろに飛び去り、着地した瞬間、前に思いっきり跳躍(ちょうやく)し、再び
斬り付けた。
その一撃をホリンは難なく受け止める。が、アイラもそれを予測しており、すかさず怒涛(どとう)の如
き斬撃を数撃放つ。並の腕前しかない者であれば、この斬撃を受け切る事は不可能であろう。
しかし、ホリンはシグルド軍でもトップクラスの戦闘能力を兼ね備える剣士である。その斬撃を受け
切ると、後ろに飛び去った。
「流石(さすが)だな。今の打ち込みを難なく受け切る。
 だが、受けるだけでは勝負にならない。ホリン、今度はお前から仕掛けて来い」
「…いいんだな?」
「ああ」
互いにそう言い終わると、ホリンは両手に持っていた剣を右手に持ち替えた。
「…行くぞ」
そう言い終わると、ホリンは目にも止まらない速さでアイラとの距離を駆け出した。
242遠い日の約束:04/09/05 20:16 ID:wxyu3pWp
(速いっ!!)
そう思うのと同時に、ホリンの残撃が襲い掛かって来た。アイラに負けるとも劣らない速さの斬撃を
放って来るも、アイラはそれをすかさず避けた。
無論、ホリンの攻撃はこれだけでは終わらない。相手に間を置く暇を与えない様、変則的な斬撃を
繰り出す。
アイラにとって、ホリンとの組み手で一番厄介だと思っているのが、この予測が難しい変則的な攻撃
であった。
武器を扱う者の大半は、自分の型に合った戦い方をする。またそれは、攻撃のバリエーションを限定
する事にもなる。
実際に、シグルド軍のほとんどは、自分の型に合った戦い方をする連中である。例外として、アゼル
だけは状況に応じて、魔道書を使い分けて戦っている。
そんな中、ホリンは他の連中とは違っていた。基本はイザークの剣技であるものの、時には力任せに
攻めたり、時には相手の攻撃を受け流しながらその隙を突いたり、時には出鱈目(でたらめ)にしか
見えない戦いをしたりする。
が、そのどれをとっても、ホリンには隙がほとんど出来なかった。何故ならば、時折(ときおり)見せる隙
のほとんどが、相手を誘うフェイントであるからだ。実際に、アイラは何度もその手に引っ掛かり、負けて
いる。それ故、この変則的な攻撃は、受けた者にしか判らないが、非常に恐ろしいのだ。
その攻撃を、アイラは何とか凌(しの)いでいた。相変わらず嫌らしい戦法だと思いながら。
そう思った瞬間、ホリンは剣の振りを変えたかと思うと、地面を掘り返すかの様に剣を力強く振り上
げた。その剣風に土埃(つちぼこり)が舞い、それに混じっていた砂が、アイラの顔を襲った。
243遠い日の約束:04/09/05 20:18 ID:wxyu3pWp
アッと思った時には、もう遅かった。ホリンはその土埃を壁にし、アイラの右側にすかさず移動する
と、アイラ目掛けて肩から体当たりをした。
その攻撃を避わす事が出来ず、思いっきりぶつかってしまった。その反動で、手に持っていた剣ごと
吹っ飛び、地面に叩き付けられた。
痛みに苦しむ前に、自分の顔の横にドスッと音を立てて、剣が突き立てられた。
「これで、お前は一度死んだ」
感情のこもらない声でホリンはそう言うと、突き立てた剣を抜いた。
「大丈夫か?思いっきりぶつかったからな、右肩を診せろ」
そう言いアイラに触れようとしたが、アイラは、「大丈夫だ」と言い立ち上がったが、その際激しい痛
みが右肩を襲った。思わずウッと呻いてしまった。
「やはり大丈夫ではないな。診せろ」
そう言われても大丈夫だと言い、診られるのをアイラは嫌がったが、ホリンは半ば強引に布地越しに
触診した。触られた瞬間、痛みのせいで少し呻いてしまった。
「…腫れてはいるが、骨には異常は無い。とりあえず、痛みの引く塗り薬を付ければ大丈夫だ」
そう言いホリンは、今まで一部始終を見ていたシャナンに、包帯と塗り薬を取って来るよう言った。
シャナンはすぐに道具袋からそれらを取り出して持って来た。
「肩を出せ」
そう言われ、渋々アイラは右肩を出した。その肩に塗り薬を塗る。
痛みが一瞬肩を襲ったが、それもすぐに治まり、塗り薬の冷たい感触が右肩を覆った。その上に包帯
を巻かれる。
悔しかった。負けた上に、手当てまでされてしまった。
アイラが、言葉に出ない屈辱感に襲われているのを、目の前のホリンには分かるはずもない。
「ねぇ、ほんとに大丈夫なの?」
心配そうにシャナンは、手当てをしているホリンにそう聞いた。大丈夫だとホリンは返事をした。
244遠い日の約束:04/09/05 20:19 ID:wxyu3pWp
この時アイラには、何故自分より先にホリンに聞くんだと心の中で思った。今怪我をしているのは自
分である。手当てしているホリンより自分の方がよく知っていると言うのに。
「よし、これでいい。町に戻り、教会で杖での治療をしてもらうまで、あまり右腕は動かさない事だ。
いいな?」
手当てを終えたホリンは、アイラにそう言い聞かせた。
「…ああ…分かった」
アイラは機嫌悪そうにそう言った。
それを聞いたホリンは、一瞬苦笑した。
「何が可笑しい?」
アイラはそうホリンに聞いたが、ホリンは何も言ってはくれなかった。
「シャナン。手の痺れはもう取れているな。早速稽古の続きをするぞ」
「うんっ!アイラ、僕とホリンの稽古見ててね」
二人ともアイラの側を離れ、再び稽古を始めた。
245遠い日の約束:04/09/05 20:22 ID:wxyu3pWp


アイラは、二人の稽古を見ていると、幼い頃の自分を思い出していた。自分もこう言う風に兄上と稽
古をしていた。
目の前のシャナンが自分で、ホリンが兄上。ただがむしゃらに立ち向っては軽く去なされても、それ
でも何度も立ち向って行く姿は、自分の幼い頃にそっくりだった。
そう思いにふけっていると、シャナンの剣が、ホリンの右手の籠手(こて)に当たった。丁度その時
右手には剣が握られていて、当てられた反動で、ホリンは剣を落としてしまった。
すかさずシャナンは、ホリンの腹に剣を突き立てた。
「…参った。降参だ」
一瞬、辺りの音がしんと静まり返ったかの様な錯覚(さっかく)がシャナンとアイラを襲った。
が、それも次の瞬間それはいとも簡単に破られた。
「………ぃぃぃいやったあああっ!!勝った勝った!!初めてホリンに勝ったあ!!」
まるで天にも昇る位にシャナンは喜びの声を上げた。自分にとって、剣の師であるホリンに勝ったの
だ。その喜び様は、以前ホリンに初めて一太刀打ち当てた時よりも更に大きかった。
アイラには、ホリンが負けた事が信じられなかった。負けた相手が自分やシグルド公子、キュアン王
子ならまだ分かる。
が、まだ子供のシャナンに負けたと言うのは、目の前で起きた事を見ていたとしても、現実として受
け止められなかった。それだけ衝撃は大きかった。
敗れたホリンはと言うと、普段と変わらない表情で、先程落とした剣を拾っていた。
246遠い日の約束:04/09/05 20:23 ID:wxyu3pWp
「ホリン」
アイラにそう呼ばれると、ホリンはアイラの方に顔を向けた。
「わざと負けたのか?」
「…そう言う風に見えたのか?」
「いや、そうではないが…信じられないんだ。お前がシャナンに負けたのが。どう考えてもお前がシャ
ナンに負ける要因が見つからない…手を抜く以外は」
するとホリンは、ふう、と一息吐くと言った。
「アイラ。先程お前と組み手をした時の様に手は抜いていない…が、どうやらシャナンに癖を見破ら
れたらしい」
(癖を、見破られた?)
たしかに、誰でも癖と言うものはある。
しかし、ホリンに至っては、癖を見破られない様に上手く戦っている。先程のアイラとの組み手で見
せた、あの変則的な戦い方がそれを物語っている。
実際に、未だアイラにはホリンの癖が見破れないでいた。
それを、目の前にいる少年が見破ったと言うのだ。
「シレジアに着いてから二月半にもなるが、シャナンの剣の腕は急激に成長している。今ならば、組
み手として剣を交えれば、シグルド公子の臣下達にも引けは取らないかも知れん」
そう言うホリンの表情は、微笑ながらも嬉しそうな顔をしていた。
アイラは、初めてホリンの笑った顔を見た。
その笑顔を、アイラはどこかで見た様な気がした。だが、それがいつだったかは分かなかった。
 

247遠い日の約束:04/09/05 20:25 ID:wxyu3pWp
その日の稽古はいつもより早く終わり、三人は今、セイレーン城への帰路についていた。
この時にも、シャナンはホリンの側にべったりと付いている。ホリンの手を握りながら。
その二人を、アイラは数歩離れた所から見ていた。
――面白くない。
そうアイラは思っていた。どうやってシャナンを手懐けたかは知らないが、こうもシャナンに懐かれ
ているホリンを見ていると、何だか悔しかった。
しかしそう思う反面、手を繋いでいる二人を見ていると、先程と同じ様に、昔を思い出していた。自分
もこう言う風に、兄上に手を繋いでもらいながら歩いていた。
その時、急に別の記憶が頭に甦って来た――
248遠い日の約束:04/09/05 20:27 ID:wxyu3pWp
 

少女は、溢れ落ちそうになる涙を懸命に堪(こら)えながら歩いていた。
どれだけ練習しても、未だに流星剣が出来ない自分が悔しかった。父上や兄上は、出来ない自分を責
めたりはしない。むしろ頑張っていると褒めてくれる。
だが、それは少女を余計苦しめる事になっていた。
少女は、大きな樹が一本ある丘に着いていた。
そこには、自分を待っている人がいる。いつも待ってくれている少年がいる。
少女は、少年が来ていないか辺りを見回した。
すると、樹の陰から一人の少年が出て来た。
その少年を見ると、少女はその少年の胸に跳び込んで行った。
「どうして、どうして私には出来ないの!?どんなに頑張っても、努力しても駄目なの!?
私が子供だから出来ないの!?私が女だから出来ないの!?」
次々と、愚痴とも弱音とも言える言葉を、少女は堪えていた涙を流しながら、目の前の少年に吐いて
いた。それを少年は何も言わず、ただ黙って聞いていた。
やがて少女は、吐き出せるだけ吐き終わると、手の甲で、まだ涙が残っている両目を擦ると、少年か
ら離れた。
「…ごめんね、いつもこんなのばっかりで…」
少女は申し訳なさそうに、少年にそう言った。
「いいんだよ。君が一生懸命なのは分かるから」
少年はそう言い、少女の手を優しく握り締めてやった。
不思議と、この少年にだけは、弱い自分をさらけ出せた。
そして、そんな自分を少年は優しく、温かく受け止めてくれた。
そんな少年を、少女は他の誰よりも大好きだった。
249遠い日の約束:04/09/05 20:28 ID:wxyu3pWp


それから二人は、陽が西の彼方に沈むまで、一緒に剣の稽古をした。
「今日は、六勝五敗で、君の勝ちだったね」
「でも、私も何度負けるかって思ったし、一回だけ多く勝っただけだし。強いよ、君だって」
今二人は、イザーク城に通じている道を並んで歩いている。もうその時には夜で、夜空には綺麗な満
月の光が、辺りを優しく照らしている。
丘の上で、剣の稽古をした後は、決まって二人はこうして並んで歩いていた。そして今みたいに、そ
の日の稽古の事をよく話しながら。
少女は、こうして少年と二人だけでいられる時間がとても好きだった。
少女は、少年に恋をしていた。
「それじゃ、今日はここまでだな」
視線の先に、イザーク城の明かりが見える場所まで来ると、決まって少年はそこで少女と別れていた。
「ま、待って!」
少女は、別れようとする少年を、慌てて引き止めた。
「…何?」
「あ、あのね…そのう……
 私、流星剣が出来る様になったら、伝えたい事があるの……
もし、その時が来たら、聞いてくれる?」
少年は、「分かった、その時が来たら」と笑顔で返事をくれた。
それを聞いた少女は、嬉しそうな顔をした。
「約束だよ」
「うん、約束だ」
二人だけの間の約束をつけると、二人はそれぞれ別の道を歩いて行った。
「さようなら。またね、セタンタ」
「うん。アイラこそ、さようなら」
互いに振り向いて、そう言うと、今度は互いに振り向かずに歩いて行った……
250遠い日の約束:04/09/05 20:30 ID:wxyu3pWp


「――ラ、アイラってば」
昔の記憶に心を奪われているのを、シャナンが現実に引き戻した。ハッとシャナンの方に目を向けた。
ホリンの側から離れ、自分の近くにまで来ていた。
「どうしたの、アイラ?いくら声を掛けても返事が無いんだもん。もしかして、肩痛むの?」
心配そうな顔でシャナンはそう言った。
「大丈夫。ちょっと考え事をしていただけだ」
「…そう、それならいいんだけど…でも無理しちゃ駄目だよ。アイラ、いつも無理する事が多いから」
「フフッ、分かった。シャナンの言う通り無理はしない」
「約束だよ」
「ああ、約束だ」
アイラの返事を聞くと安心したのか、シャナンはまたホリンの所へ戻って行った。
シャナンに心配される程に、昔の記憶に思いを馳せていた事に、アイラは少し困惑した。
こうまで昔の記憶に悩まされるのなら、いっその事そんな記憶は無くなってしまえばどんなに楽な事
か。
(そう言えば…)
先程の記憶の中の少年の笑顔が、目の前のホリンの見せた笑顔にどこか似ていた。髪の色も金髪であっ
たし、瞳の色も、イザークの全てを包み込む様な空と同じ綺麗な青色をしていた。
(まさか…!?)
目の前にいるホリンが、あの時の少年なのかも知れない。そう思った時だった。
251遠い日の約束:04/09/05 20:30 ID:wxyu3pWp
「アイラ」
ホリンが急に声を掛けてきた。思わずビクッとして顔を向けてしまった。
「…どうした?」
「な、何でもない…気にするな。
それよりも何だ。何か私に様があるのか?」
慌てているのを何とか抑えてそう言うと、ホリンは少しアイラの顔を凝視したが、すぐにいつもの感
じで話し始めた。
「…俺はこれから拠りたい所がある。アイラ、先にシャナンと一緒に城に戻っていて欲しい」
「別にお前が何処に行こうが私の知った事ではないが、まあいい。
 だが、行き先位言ってもらっても良いと思うんだが?」
「言う必要が無い」
そう言うと、ホリンはいつもと変わらない足取りで、城下町の人混みの中に消えて行った。
「どこに行って来るんだろう…ねえアイラ。アイラは心当たり無い?」
「いや、私にも分からない…だが、別に私達が気にする事でもないだろう?」
「そうだけど…でも、気になるんだ。ホリンって、何だか急にいなくなる様な感じがするから…」
何故かは分からないが、シャナンの言いたい事はアイラには分かる気がした。
ホリンは何処か陰がある。まるで後ろめたい事でもあるかの様に。そのせいか、一人で何処かにふら
りといなくなる様な、そんな感じがする。
「何でそんなにホリンの事が気になるんだ?」
さり気なくそう聞いて見ると、シャナンは顔を曇らせて答えた。
「だって、ホリンにいなくなって欲しくないから…」
その返答にアイラは、シャナンの思っている事が判った。恐らく、ホリンをディアドラに重ねている
のであろう。だから、今の様な事を言ったのだ。
「大丈夫だ。ホリンはいなくなったりしない。だから心配するな」
気休めにしかならないと分かってはいたが、そうアイラは言った。
「…うん」
シャナンの返事は、あまり元気の無い物であった。それだけホリンの事を大切な人と思っているので
あろう。アイラは、そう思われているホリンの事が、少し憎らしかった。
252遠い日の約束:04/09/05 20:33 ID:wxyu3pWp


町の教会で右肩の治療を受け終え、セイレーン城に着いた頃には正午を回っており、丁度空腹でもあっ
たので、アイラはシャナンと久しぶりに一緒に昼食を取った。食事を取っている最中も、シャナンは
ホリンの事が気になっている様だった。普段なら勢いよく食べているのに、まるで食事が喉を通らな
いとでも言うかのように、あまり口にしていない。
どうしたらいいものか…そう考えたが、それを解決する方法は一つしか思い浮かばない。
が、それはアイラ自身あまり気乗りしないものであった。
だが、シャナンはこのままだとますます元気が無くなる。仕方がないと、自分に言い聞かせた。
「シャナン。昼食を取り終わったら、一緒に出掛けるぞ」
「?出掛けるってどこに?」
「何処かは分からない。が、ホリンがいる所と言ったら…シャナン、一緒に来るか?」
それを聞いたシャナンは、おもわず席を立ち上がって、「行く!」と言った。
「そうか。なら、早く目の前の物を食べ終わるんだ。早く出掛けたかったら」
そう言われると、先程までとはうって変わって、次々と目の前の食べ物を平らげるシャナン。
(――やはり言わなかった方が良かったんだろうか…)
そう思っても後の祭り。言ってしまった事を撤回は出来そうもない。
(まあいいか。シャナンが落ち込んでいるよりは)
そう言えば、先程の稽古の時、ホリンに勇者の剣の事の真相を聞くのを忘れていた事に気付いた。
今度こそは必ず聞こうと、心の中で決意し、シャナンが食べ終わるのを待った。
程なくして、シャナンは無事食べ終わった。あまり急いで食べたせいか、口のまわりに食べかすが残
っている。アイラはそれを手拭いで拭ってやった。
「それじゃあ行くか、シャナン」
そう言うと、シャナンは「うん!」と元気な声で返事をした。そして二人は、何処にいるかも分からない
ホリンを探しに城を後にした。
253遠い日の約束:04/09/05 20:35 ID:wxyu3pWp


何処を探せば良いものか。探し回って小一時間、全くと言っていい程ホリンは見つからなかった。
酒場や武器屋。闘技場に中古屋に道具屋。果てはホリンが絶対に行きそうにない占い屋にまで足を運
んだが、全て空振りに終わった。
今二人は、セイレーンの一般市民の住宅区を歩いている。今日は快晴の為か、所々洗濯物が窓から干
されている。
「一体何処に行っちゃったんだろうね…」
シャナンの口にした事は、そのままアイラの思っている事であった。他で行っていない所となると、教会に
修道院と言った所である。
しかし、どちらもホリンがいる可能性は無いと言っていい。
これからどうしたら良いものかと、辺りを見渡した。
すると、思い掛けない所にホリンがいるのをアイラは目撃した。
ホリンがいたのは、寂れた、誰も住んでいないかの様な、空き家と思われる一軒家だった。
ひびが入り、割れた硝子(ガラス)窓から、ホリンが中にいるのが確認できる。
何故そんな所にいるのだろうかと一瞬考えたが、考えるよりも確認した方が早いと感じると、アイラ
はシャナンに小さな声で言った。
「シャナン。ホリンが見つかったぞ」
「ほんと!?むぐっ!!」
まわりに聞こえる位に大きな声で返事をしたので、慌ててシャナンの口を塞いだ。
「しぃー、声がでかい。ホリンの奴に聞こえるぞ」
口を塞がれむぐむぐと言っているシャナンにそう言った。実際ホリンのいた場所から、アイラの立っ
ている位置まで約五十メートル。まわりには人はあまりいなく、大声を出せば、ホリンがこちらの方
へ振り向く可能性があった。
そうなったらなったで、別にいい様な気もするが、この時のアイラには、何故かそうなる事が嫌だった。
254遠い日の約束:04/09/05 20:37 ID:wxyu3pWp
大きな声を出さない様にとシャナンに言い、塞いでいた手を離すと、アイラはシャナンの手を掴むと、
素早くその家の玄関のドアの前まで移動した。丁度玄関のドアの位置が、通りから見て死角になって
いるので、通りにいる人間には見られる心配がなかった。
アイラは、ドア越しに聞き耳を立てた。もしこの現場を見られたら、泥棒や強盗と思われても仕方が
ない。
すると、中からホリン以外の声が聞こえてきた。どうやらホリン以外にもう一人中に人がいる様だ。
声からすると男である事が判る。
聞き耳を立てていると、突然会話が途切れた。どうしたものかと、ドアに切れ目があったので、そこ
から家の中がどうなっているのか確認しようと覗き込んだ。
すると、覗き込んだ先には、こちらを覗き込んでいる目があった。
「うわあああッ!!」
いきなりの事で、おもわず大きな声を上げて後ろに倒れるアイラ。するとドアが開き、目の前には、
少々背の高い、無精髭(ぶしょうひげ)を生やした中年の男が立っていた。
「何だお前さん達。こんな真昼間から聞き耳なんざして。悪いが、ここには金目の物なんて一品も無
いぞ。盗むんなら城にでもしてくれ」
不機嫌そうにそう言い放ち、ドアを閉めようとした。
「違うよ!僕達はホリンを探しに来たんだよ!!」
シャナンは強くそう言い放つと、目の前の男は動きを止め、ゆっくりと顔をシャナンの方に向けた。
「ホリンを探しに来た、だって?」
「そうだよ!!ホリン、中にいるんでしょ!?」
そう言われると、男は部屋の方に視線を移した。
すると、先程とはうって変わって、にこやかな笑みを浮かべながら男は、「入りな」と言った。アイラ
とシャナンは、互いに目を合わせると、男の急な変貌ぶりにいささか不安を抱きながらも家の中に入っ
た。
255遠い日の約束:04/09/05 20:38 ID:wxyu3pWp


家の中は、外から見た印象とは裏腹に、意外にも綺麗に掃除されており、男が暮らしているとは思え
ない程清潔感が感じられた。
やはりと言うか、家の中にはホリンが窓越しの椅子に座っていた。入って来たのがアイラとシャナン
であると分かっても、別段表情を変える事も無くそのままだった。
「ホリン、お前いつの間に自分の子を作ったんだ?しかもこんな別嬪(べっぴん)さんを女房にして」
男がそうホリンに言うと、前と後ろからいきなり――
「違う」
「違う!!」
と、大小の否定の声が上がった。勿論(もちろん)大の方はアイラで、小の方はホリンである。
同時に声をハミングさせてしまった二人は、お互いに目を合わせた。それを見た男は、クククッと笑っ
た。
「お前さん達、息がピッタリじゃないか。それならこれから夫婦になっても大丈夫だな、ワハハハッ」
その言葉にアイラは、少し表情が険しくなった。キレる前兆である。
「あまり俺の仲間をからかわないでくれ」
そう言い、目の前の男に顎でアイラの方を見てみろと促した。視線を向けてみると、アイラがキレる一歩手前であった。
すると男は、目でどうにかしてくれとホリンに助けを求めた。仕方がないとホリンは溜め息を吐いた。
「アイラ、シャナン、何しに来たんだ。今日の稽古は終わった。他に教える事は無いぞ」
そう言い、キレ掛かったアイラを正気に戻した。
そうである。シャナンはともかく、アイラは聞きたい事があってホリンを探していたのだ。それを忘れ
てどうする。
一旦気持ちを落ち着けると、アイラは口を開いた。
256遠い日の約束:04/09/05 20:40 ID:wxyu3pWp
「ホリン、聞きたい事があって来たんだ。
 この剣、元はお前が持っていたと聞いたのだが」
そう言い、腰に吊るしてあった勇者の剣をホリンの前に出した。
「もしそれが本当なら、何故これを手放す様な事をしたのか理由を聞きたい」
そう言い終わると、ホリンの反応を窺(うかが)った。別段普段となんら変わりは無かった。
「…どんな事かと思ったら、そんな事か…なら答えは簡単だ…
 誰がそんな事を言ったか知らないが、その様な剣を持っていた覚えは無い」
どこか下らない事を聞くなと言うかの様なその返答に、アイラはムカッときた。
嘘を吐けと言い寄ろうかとしたその時、今まで黙っていたシャナンが口を開いた。
「ホリン、嘘吐いてるよね。僕には判るよ。ホリンって、嘘を吐く時必ず右手で腰を叩くよね」
そう言われたホリンは、目を見開いていた。シャナンが言った事を肯定する反応であった。
アイラにもそれが分かり、ますますムカッときた。何故いちいち嘘を吐いてまで違うと言うのか。
「どうやら、シャナンの言う通り、嘘だったみたいだな。
 ホリン、どうして嘘を吐いてまで言いたくないんだ?是が非にでもその訳を聞きたいな?」
すると、ホリンの表情が変わった。
いつもの感情を表さない顔であったが、眼だけは違った。その目付きは今まで見た事が無い位に感情
がこもっていない様に冷たいものだった。そして、それには見えない凄まじい怒気が感じられた。
それを見たアイラは、聞いてはいけない事を聞いてしまったと感じた。それだけホリンのその目付き
が恐ろしかったのであろう。
そのホリンはと言うと、その表情をしたまま席を立ち、無言のままその場を去って行った。
257遠い日の約束:04/09/05 20:42 ID:wxyu3pWp
「ホ、ホリンッ!!」
そう言い、シャナンは慌ててホリンの後を追った。
家の中には、アイラとここの家主の男だけが取り残されていた。
「ありゃー、こりゃ参ったな。あいつ、怒り出したらしばらくはあのままだぞ。
 別嬪さんよ。ホリンとはどう言う関係かは知らないが、しばらくあいつには近づかない方がいい。
ああなったら近づくのも恐ろしいからな」
男はそうアイラに言ってやったが、アイラの耳には入っていなかった。
(何故、あそこまで怒ったんだ?この剣には、そうまでさせる理由があるのか…?)
アイラはそう思い、腰に吊るしてある剣を見つめていた。


ホリンとシャナンの跡を追おうとすると、先程の男が、「やめておけ」と言い、さっきまでホリンが座っ
ていた椅子を持ってきて、それにアイラを座らせた。
別段、座る道理は無かったが、何故かその時は素直に従ってしまった。
「お前さん、アイラって言ってたっけか?どういうつもりかは知らんが、あの剣についてはあまり追
求するのは止めておいた方が良いみたいだぞ?」
アイラは、視線をその男に向ける。その目は、何故?と言っていた。
男はそれに答えてやった。
「…ホリンの奴にとって、勇者の剣には、色々と辛い思い出があるのさ…」
「辛い、思い出?」
予想通り、アイラはその話に興味を持ち始めた。男は言葉の先を続けた。
「知りたいのか?もし知りたいのなら、話してやっても良いが…」
「話して欲しい」
「…なら、一つだけ、約束して欲しい。この事は、他の誰にも言わないと。それが約束出来るなら、
話してやる。どうだ?」
アイラは、迷わず顔を縦に振った。
「なら、話してやろう。あいつと、勇者の剣との間にあった事を――」
258遠い日の約束:04/09/05 20:44 ID:wxyu3pWp


その話の内容を短く収めて話してはいたが、内容はと言うと、目の前にいる男は昔、とある傭兵団の
リーダーで、ホリンは、まだ少年と言える歳だった頃から数年、その傭兵団にいた事があった。
その間、一つの出来事があった。
ある一人の少女が、彼等の所に盗みに入ったのである。
その少女は、ホリンがその時持っていた勇者の剣を盗もうとしたが、当の持ち主に捕まってしまった。
それから、その少女とホリンの間には、不思議な関係が続いたのだが、それもその後に起きた事件の
時、少女が死んでしまった事で、終わってしまったのだと言う。
そこまで言うと、男は一旦話すのを止め、近くにあった葡萄酒を口に運んだ。
飲み終わると、続きを話し出した。ここからは省略せず、キッチリと話し出した。
「その娘が死んだ時だったが、ホリンの奴、今までには見せた事が無い位に、泣いていたよ…
 それまでは、あいつは泣いたり、笑ったりと言った感情を決して表に見せない奴だった。
 そのせいか、その時の泣いているホリンの顔は、今でも思い出せる…本当に辛そうな顔だった…
 その娘の墓を作ってやったんだが、その時、ホリンはこう言っていたよ…
 『約束を、守れなかった』とな……
 その時にホリンは、自分の持っていた勇者の剣を、その娘の墓の前に突き刺した。そして、あいつ
は俺にこう言ったよ。『この剣は、この少女に譲ってやりたい』と……
お前さんの持っているその剣が、もし勇者の剣だとしたら。そして、本当にそれをホリンの奴が持っ
ていた物だとしたら、色々な意味で、特別だぞ。
あいつにとって、それは二本目の勇者の剣になるからな。それをお前さんが今こうして手にしてい
るとなると、恐らくは、あんたに使ってもらいたかったのかも知れないな…」
259遠い日の約束:04/09/05 20:47 ID:wxyu3pWp
そこで、男の話は終わった。
それを聞き終わったアイラは、ホリンの過去にその様な事があった事への衝撃と共に、ますます手
にしているこの剣の事が知りたくなった。
そんな事が分かるのか、男はアイラにこう言った。
「剣の事を知りたいからと言って、今のあいつに聞き出そうとしても、何も聞き出せないだろうから、
もうしばらく経ってから聞いてみるんだな」
男の言った事に、アイラは素直に従う事にした。
不思議な事だが、目の前の男をアイラは信用していた。
「これからお前さん、どうするんだ?」
「…出来れば、ホリンの事に関する事で知っている限りの事を教えて欲しい…」
そう言われた男は、少し考え込んだ。
そして、口を開いた。
「何で知りたいんだ?」
そう言われ、すぐに言葉が出なかった。何故そうしたいのか、考えてみた。
一瞬、初恋の少年の姿が脳裏をよぎった。続けて、ホリンの姿が。
考えたくはなかったが、ホリンは、あのときの少年ではないのかという想いがあった。
が、すぐにそれを頭から切り離すと、
「仲間の事を知りたいと言うのはおかしいだろうか?」
と言った。
男は笑いながら、顔を横に振った。
「いいだろう。別に減るものでもないからな」
そう言い、男はアイラにホリンの事を話し始めた。
260遠い日の約束:04/09/05 20:49 ID:wxyu3pWp


「ホリンと初めて出会ったのは、今から大体十年位前になる。当時、俺達の傭兵団は、メルゲンに滞
在していた。その頃、マンスターとトラキアとの国境線で、何度となく小競り合いの戦闘が続いて
いてな、俺達はそれに参加する為にマンスターへと向かおうとしていた時だった。
そんな時、メルゲン周辺の警備に当たっていた仲間が、ダーナとメルゲンの中間辺りで、追手に追わ
れている一人の少年がいて、それを助けて連れて来たと言ってきた。
当時、ダーナとメルゲンとを繋ぐ道には、数日に何人かの死体が見かけられていた。しかも、それ
のほとんどが、まだ少年と言った位の男ばかりだった。
 実は、当時のダーナの領主は、酷く嫌な性癖があってな。女よりも、まだ幼い男子を自分の色子に
しては、毎夜自分の相手をさせていたそうだ。つまりは男色家だったのさ。
その道に捨てられていた死体は、その領主に捨てられたか、何らかの理由で始末された連中だった
訳だ。
連れて来た時には、ホリンは既に意識を失っていたが、命に別状はなかった。上半身には何も着け
ておらず、持っていた二振りの剣だけがあいつの所持していた物だった。
身体中、いたる所に打ち身や傷跡があった。唯一、顔だけは傷一つ無かったが。
次の日から三日間、意識が戻らなかった。四日目にしてようやく意識が戻ったと、看病に付かせて
いた娘――ライアって言って、俺の娘なんだが、そう言って来て、あいつがどんなもんなのか見に
行ったが、まるで生きた屍だった。上半身を上げたまま、生気が感じられない目で俺を見たよ。
俺は、ホリンに触れようとしたが、あいつはそれを酷く拒否した。
その時分ったよ。こいつはダーナで、えらい目に遭って来たんだなと……
261遠い日の約束:04/09/05 20:52 ID:wxyu3pWp
それからは、ホリンの奴を俺たちの仲間に加えた。行く当てが無いと行っていたし、少年と言った
年頃とはいえ、剣の腕は中々のものだった。剣士がちょうど不足していた事もあって、俺達には都
合が良かった。
それから大体四年程、俺達と一緒に生活した。その間に、あいつも徐々に俺達に馴染んでもきてい
たし、何よりもあいつは、俺達の傭兵団では切り込み役として非常に頼りになっていた。
そんな頃だった。急にあいつは、ここを去ると言って来た。何故だと聞いてみたが、一人でしなく
てはならない事があるからだと言っていた。
出来るなら、出て行って欲しくはなかったんだが、それを強要するのは傭兵の一人としてしたくは
なかった。昨日味方だった奴が、明日は敵――それが俺達傭兵の運命だ。あいつを縛る様な事は、
俺には出来なかった。
出て行く際、娘のライアと、ホリンの奴に惚れ込んでいた――本当に惚れたという意味じゃあない
ぞ。あいつの人間性に惹かれたという意味だからな――そんな連中の何人かが、一緒にあいつにつ
いて行った……
それから、こうしてセイレーンで再会するに至った訳だ。
俺があいつの事で知っているのはここまでだ…」
262遠い日の約束:04/09/05 20:53 ID:wxyu3pWp
それを聞き終えたアイラは、ホリンにそんな過去があったのかと驚いていた。
同時に、ホリンが目の前にいる男と出会った時期が、自分の初恋の少年がいなくなった時期と重なっ
ているのが、酷く気になった。
ますます自分の中で、ホリンの正体があの少年ではないのか――そう思う様になっていた。
「ところでお前さん。ホリンの奴は、お前さん達と上手くやっているかい?」
その問いに、「ああ」と返事をした。
その返事に男は、嬉しそうに顔をほころばせた。
「そうか…どうも昔とは違うと感じてはいたが、やはりそうだったか…」
「?何がどうかしたのか?」
気になって、そう聞いてみた。
「いや何、ホリンの奴にもようやく、自分の居場所を見つけられたんだなと分かってな、嬉しかった
のさ…
それよりも、まだ俺に何か聞きたい事があるのか?」
「…いや、聞きたかったのは、先程全部聞かせてもらったが…」
「ならすまないが、これからちょいと仕事に行かなけりゃならないんだ。お暇(いとま)してもらえないか?」
そう言われ、了承すると、アイラはその場から去って行った……
263遠い日の約束:04/09/05 20:54 ID:wxyu3pWp


それからは、寝るまでその日あった事を繰り返し思い出していた。特にホリンの事を。
その日の夜は、シャナンが戻ってきて、今自分の部屋で一足先に眠っている。
あれからどうなったかシャナンに聞いてみると、別段何もなかったらしい。ただ、ホリンは一言も喋
らなかったという。
幼いシャナンにも、ホリンが今は一人でいたいのだと雰囲気で判ったので、仕方が無くアイラの部屋
に久々に戻って来たというのだ。
スッと勇者の剣を鞘から少し抜いてみる。刀身の輝きといい、扱った者にしか判らない切れ味といい、
一体何処でこれを手にしたのであろう。
(勇者の剣には、色々と辛い思い出があるのさ…)
一体、この龍月とホリンとの間には、どの様な思い出があったというのだろうか。
剣を鞘に収めると、アイラは自分のベッドに横になった。眠りに就くまで、この剣と、ホリンの事を
考えていた……

264千葉犬:04/09/05 21:08 ID:wxyu3pWp
今回は、ここまでとします。これでこの作品の文章の約三分の一ですので、まだ肝心のHシーンまで
まだまだ掛かります。申し訳ありません。

>>246
×その笑顔を、アイラはどこかで見た様な気がした。だが、それがいつだったかは分かなかった。
○その笑顔を、アイラはどこかで見た様な気がした。だが、それがいつだったかは分からなかった。

文章に『ら』が抜けていました。倉庫の方、載せる際、修正お願いいたします。また、これ以外で誤字脱字
がありましたら、教えてもらえると助かります。
次は、今週の真ん中辺りで投下いたします。その間には、何とか書き終わらせる様頑張ろうと思います。
ダミアン氏のホークアイ祭の続き、楽しみに待っていますと書いて、終わりとします。それでは。
265名無しさん@ピンキー:04/09/05 22:16 ID:nGv7fhga
>>235-263
ホリン×アイラキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
千葉犬氏乙!
このカプ、凄く好きなんで楽しみにしてます。
266名無しさん@ピンキー:04/09/05 23:06 ID:0reogre3
レックス×アイラとみせかけて
ホリン×アイラキタ━━(゚∀゚)━━
267名無しさん@ピンキー:04/09/05 23:14 ID:xrjc0tiS
ホリン×アイラってメジャーと見せかけて最近マイナーだよなあ
レクアイはともかくホリブリが意外に増殖してるし

つーわけでホリアイキタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!
268名無しさん@ピンキー:04/09/06 00:06 ID:NcjDfePO
ホリアイヤタ━━━━!!!

細かな設定が全部イィ!!!
続きが激しく気になります。
がんばってください!
269名無しさん@ピンキー:04/09/06 00:22 ID:Xdvd5KIg
正直レクアイを引き合いに出して欲しくはなかった。

が、これはこれでグッジョブ!続き期待
270名無しさん@ピンキー:04/09/06 02:10 ID:sQC5QlSl
ビバホリアイ!!死語覚悟で(σ゚∀゚)σゲッツ!!
レックスがアイラに惚れているのなら出て来るのは自然だと思う
恋愛無くても気さくだし悪い奴では無いし。仲良くなってそう

セイレーン城という舞台、シャナンの気持ち、ホリンの過去…
声を大にしてコレだと叫びたい。ヤバい位に萌えてます
がんがって下さい


271名無しさん@ピンキー:04/09/06 13:13 ID:aDh1Bgiv
ホリン×アイラキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!のはかなり嬉しいが
男色家の設定('A`)イラネ
272名無しさん@ピンキー:04/09/06 23:03 ID:SEMViJUD
>>231
どこの同盟?探したが見つからない・・・
273千葉犬:04/09/07 00:14 ID:rFpLVVIK
>>261
×それからは、ホリンの奴を俺たちの仲間に加えた。行く当てが無いと行っていたし、
○それからは、ホリンの奴を俺達の仲間に加えた。行く当てが無いと言っていたし、

もう一つ誤字がありました。>>246の間違いと同じ様に修正お願いします。
なんか妙に反響があって驚いています。ホリン×アイラは既に@ピンキー氏に書かれて
いたので、二番煎じだからどうかなあ…と思っていましたが、続きを楽しみにしていると
いう方々が多くて、正直嬉しいです。
続きはとりあえず明日投下したいとは思っています。仕事で家路に着くのが遅くなければですが。
274名無しさん@ピンキー:04/09/07 03:00 ID:bc21ujpV
>>272
頭文字「ダ」



っていうか他に18禁同盟あるのか?
…ヤオなら飽きる程ありそうな悪寒するが…
275名無しさん@ピンキー:04/09/07 13:13 ID:aaIOMo4v
>>274
すまんマジで見つからない・・・・
それとわからず見逃しているのかもしれんが・・・
もう少し詳細キボン
276名無しさん@ピンキー:04/09/07 13:17 ID:+38YICye
同盟ってより輪?

チェイニー×チキがあるサイトは今は表のほうから繋がってないよなあ
前探すのに苦労したよ・・・
277千葉犬:04/09/07 22:04 ID:ZLrm49gG
どうも、千葉犬です。昨日言った通り投下します。
ではいきます。
278遠い日の約束:04/09/07 22:07 ID:ZLrm49gG


あの日からどれ程経ったであろう。
遂にアイラは、流星剣を体得する事が出来た。
ようやく、胸の中にしまっていた想いを伝える事が出来る。
ただ一言――好きだと。
セタンタが、自分の想いを受け取ってくれるかどうかは分からない。
が、きっと受け取ってくれると信じていた。
足早に彼が待っている丘に向かってアイラは進む。
早く会いたい。会って想いを伝えたい。
丘に近付くにつれ、その想いが一層強くなっていく。
そして、アイラは丘に着いた。
セタンタは何処にいるのか辺りを見渡した。
しかし、どれだけ探しても、彼はいなかった。
まだ来ていないのだろうと思い、陽が落ちるまで待った。
しかし、その日は、セタンタはこなかった。
279遠い日の約束:04/09/07 22:08 ID:ZLrm49gG


次の日から毎日、アイラは丘の樹の下で、セタンタが来るのを待った。
冷たい風が吹き続けた日があった。
激しい雷雨が降った日があった。
それでもアイラは、毎日陽が沈むまで待った。待ち続けた。
彼は約束してくれたのだ。
必ず、ここで待っていると…
けれども、決してセタンタが来る事はなかった。
そんな日が三週間過ぎた。
陽が、西の彼方に沈み掛けていた。
そんな夕日を、アイラはずっと眺めていた。
すると、アイラの眼から、涙が一筋、頬を伝い流れ落ちた。落ちた涙が地面に滲みこんでいく。
「…ぅぅう、うううあああぁぁ…」
アイラの口から悲しみの嗚咽があふれ出てきた。両膝と両腕を地面に付け、全身を悲しさの為に震わ
せた。
「どうして…どうして待っていてくれないの…?
 どうして来てくれないの…?
 ずっと…ずっと待っていたのに……
 こんな…こんなに辛い思いをするくらいなら…
 こんな…こんな思い出なんかいらない!!」
その瞬間から、アイラは少年との思い出をしばしの間、心の奥底に封印したのだった……

280遠い日の約束:04/09/07 22:09 ID:ZLrm49gG


そこまでを見て、アイラは目を覚ました。窓から外を見ると、まだ夜は明け切っていなかった。
その時、自分の頬を何か冷たいものが伝わっているのを感じ、手で頬を撫でてみた。
アイラは、自分が幼い頃の夢を見て、泣いたのを知った。
今までに無い位、鮮明な昔の夢だった。依然、同じ様な夢を見たが、その比ではなかった。
(一体…どうしてしまったんだ?私は…)
その時、何故かホリンの姿が頭を過(よ)ぎった。
それを無理矢理頭から振り払うと、アイラはまだ夜が明け切らないというのに、勇者の剣を携え、部屋を出て行った…
281遠い日の約束:04/09/07 22:11 ID:ZLrm49gG


朝の四時を回っているとはいえ、夏のせいか、外は僅かに明るく、日の出を待っている状態である。
アイラは一人、訓練場に足を向けていた。深い理由は無く、一人静かに落ち着ける場所ならと考えた
結果、そこにしただけである。
辺りはしんと静まり返っており、まさしく音一つ無い世界であった。アイラのコッコッと歩く靴音だ
けが、その世界の中で唯一存在する音であった。
訓練場に着いた時、この様な時間であるにもかかわらず、先客がいた。
誰であろう、ホリンであった。何をする訳でもなく、ただ訓練場のサークルの真ん中に立ち、じっとしていた。
アイラは、そんなホリンに声を掛けようとしたが、思い止まった。きっと、これも何らかの訓練の一つなのだ
ろう。邪魔をしてはいけないと思い、近くの木でできたベンチに腰掛け、ホリンをじっと見つめていた。
どれ程経っただろうか。ホリンが顔をこちらに向けてきたのは。
「…邪魔をしては悪いと思って、声を掛けないでいた…」
そうアイラの言葉を受け、ホリンは、「そうか」と返事を返した。
「誰かが近くに来たのは判っていたが、アイラだったとはな…」
そう言いながら、アイラの方に歩み寄り、アイラとは別のベンチに座った。
ホリンが何か言うのかと、アイラは口を閉ざしていたが、何も言ってはこなかった。
昨日の事を聞いてみたかったが、あの男の言葉を思い出し、聞くのを止めた。代わりに、別の事を
聞いてみた。
282遠い日の約束:04/09/07 22:14 ID:ZLrm49gG
「…ホリン、何でシャナンに稽古をしてやってくれているんだ?」
するとホリンは、次の様に言った。
「…強くなりたいという思いを汲(く)んでやっているだけだ…」
「だが、シャナンはまだ子供だ」
ホリンの言った事に反論するアイラ。
それにホリンは間を置かずに返答した。
「強くなりたいという願望は、子供であろうと無かろうと関係ない」
その言葉にアイラは反論する事が出来なかった。確かにホリンの言う通りである。
「…アイラ、お前の気持ちは解る。が、必要以上に過保護になると、それはかえってシャナンの為に
はならない…」
いつものアイラなら、その言葉に食って掛かっている所であったが、ホリンに言われると、そうなのだ
なと、納得していた。
不思議なものである。あかの他人にこうも言われても、不快感を感じていないのが。
もしかしたら、今はホリンの方が、自分よりもシャナンの事を解っているのかも知れない。
「お前は、シャナンの気持ちが分かるのか?」
「…俺はシャナンではないからな、全ては分からん…が、あいつが強くなりたいと願う想いが何なの
かは分かる…」
「…ディアドラの事か?」
「…ああ、そうだ」
アイラには、護るべき人を守れなかったというのがどれ程辛い事なのかは解らない。
ホリンは、その様な経験をした事があるのだろうか?ホリンが、かつて世話になった男が言っていた
少女が、もしその様な関係だったとしたら、ホリンは誰よりもシャナンの事を理解しているのではな
かろうか?
「俺は、シャナンには、これ以上その様な事にならない様に、これまで稽古をつけてやっていた。無
論、これからもシャナンが望むのであれば、稽古の相手を続けてやろうと思っている…」
その言葉には、ホリンの本心が感じられた。
「…何故、そこまでしてくれるんだ?」
「さあな…」
そう言いホリンは立ち上がると、訓練場を後にした。
アイラは、そのホリンの背中をじっと見つめていた……
283遠い日の約束:04/09/07 22:15 ID:ZLrm49gG


それから数日、アイラはホリンとシャナンの稽古に立ち会っていた。
今までは、ホリンとしか組み手をしなかったアイラだったが、今はシャナンともする様になっていた。
組み手をして見て、初めてホリンの言っていた事が解った。確かに、今のシャナンなら、シグルド公
子の臣下にも引けを取らないかも知れない。シャナンの天性の素質もあるのだろうが、それ以上に、
ホリンの教え方が上手いのであろう。
シャナンと一緒に、ホリンと過ごして行く内に、以前から感じていた思いが、日に日に強くなってい
た。
だが、それをホリンに聞いてみる訳には行かなかった。
もし、ホリンがあの時の少年では無かったら?
もし、ホリンがそれを聞いて何の反応も無かったら?
そう思うと、どうしても聞く事が出来なかった。何か、そうだと言える証拠があればいいのだが…
そうでなくても、アイラは段々シャナンと同じ様に、ホリンに惹かれていった。
それは仲間としてなのか、それとも一人の剣士としてなのか。
もしくは、一人の男性としてなのか……
レックスとはまた違う好意を、ホリンに対して持つ様になってしまった。ふと気が付けば、視線がホリ
ンの方に向けられているのは、日に一度や二度ではない。
ホリンの方はと言うと、普段と全く変わらない。シャナンに対しても、アイラに対しても今まで通り
接している。
284遠い日の約束:04/09/07 22:17 ID:ZLrm49gG
ホリンは、自分の事をどう思っているのだろうか…そう考えたある日、アイラは思い切って、占い屋
に足を運んだ。
目的は、自分の今の気持ちと、ホリンの気持ちを知る事である。
中に入ると、主に早速占ってもらった。水晶に向かって何やら唱えている様である。
唱え終わると、主の口から結果を伝えられた。
「お前さんは、どうやらホリンと言う名の男の事が好きな様じゃな…
 だが、同時にレックスという男の事も好きな様じゃ…」
そう言われ、やっぱりという思いがアイラの中にあった。 
やはり自分は、ホリンの事が好きだったのだ。そうでなければここには来ていない。
「では済まないが、相手の事を占う事は出来ないだろうか?」
そう聞いてみたが、主は無理だと言った。あくまでも、占う本人の気持ちを占うのである。その場にい
ない人間を占うのは無理なのだと言われ、アイラは仕方なくあきらめた。
占い屋を出て、アイラは自分の気持ちがどうなのか、自分に問い掛けてみた。
ホリンとレックス。どちらがより一層好きなのか――
答えが出た。
レックスよりも、ホリンの方が最初に頭の中を強くよぎった。
自分は、ホリンの方に強く惹かれているのだと解った。それがホリン本人なのか、それとも、初恋の
少年なのかも知れないという思いからなのかは判らない。
アイラ自身、それをはっきりさせたかった。
しかし、それを確かめる方法が思い付かなかった。どうすればいいのだろうか…
その答えは、意外な所で見つかった。
セイレーン城に着き、訓練場に行って見ると、ノイッシュとアレクが馬上に乗りながら組み手をして
いた。互いの剣がぶつかり合う金属音が辺りに響き渡る。
何度目だったろうか。ノイッシュの一撃を、アレクは剣で受け止めた。
「やるな、ノイッシュ。相変わらず重い一撃だぜ」
「アレクこそ、よく受け止めたな」
その二人の会話が、アイラに真実を知る方法を教えてくれた。
(そうか、その手があった!!)
そう思うと、アイラはホリンを探しにその場を後にした。
285遠い日の約束:04/09/07 22:19 ID:ZLrm49gG


城の中を探してもいなかったので、今アイラは城下町に来ている。夕方にもなっている為か、遠くか
ら蜩(ひぐらし)の鳴き声が聞こえてくる。
国を出てから知った事だが、他の国の人々は、虫の鳴き声はただただうるさいものなのだそうだ。
イザークでは、そういったものはその季節の風物詩として親しまれている。シレジアは、イザークに近
いせいか、蝉(せみ)や蛍(ほたる)等生息している。
酒場や闘技場等、ホリンがいそうな場所にはおらず、数日前に知り合った例の男の所にも行ってみた
が、やはりいなかったので、アイラは、もしやという思いから、町外れの丘へと足を運んでいる。
少しずつ、丘に近付くにつれ、幼かった頃の思い出が、否応無く溢れ出てきていた。
(――いつもこうやって、あの丘に向かっていた…そして、必ずセタンタは待っていてくれた…)
短くも、今まで生きてきた中で最も満たされ、そして、失った時、最も辛かった思い出…
そんな思い出も、シレジアに来るまでは全く思い出さなかった。
それが、今から数週間前、シャナンが流星剣を使える様になったと言うのを聞き、それを見た時から、
ほぼ毎日の様に、夢や訓練中等、目が覚めているいないに関わらず思い出す様になっていた。まるで、
大切な事を思い出させるかの様に…
丘に着いた時には、あたりは薄暗くなって来ており、陽も西の彼方に沈もうとしていた。
ホリンはいないか辺りを見渡すと、木の陰に一人誰かがいた。
見間違え様も無い。ホリンであった。こちらに背を向け、陽が沈もうとしているのをじっと眺めてい
た。
286遠い日の約束:04/09/07 22:21 ID:ZLrm49gG
アイラが近付くと、ホリンはこちらに顔を向けた。
「アイラ…こんな所に何か用があるのか?」
その問いには答えず、アイラはホリンに近付く。
距離にして十歩程の所でアイラは立ち止まった。そして、先程ホリンが見ていたのとは逆の方角に顔
を向けた。
「…ホリン。あの空の向こうに何があるか分かるか?」
「?…何が言いたい?」
そんな言葉に返事を返さず、アイラは言葉を続けた。
「…あの先には、イザークがある…私とシャナンの故郷があるんだ…
 …不思議なものだ。国を出て約三年経とうとしている…それが何の因果か、敵対しているグランべ
ルの公子の軍に身を置き、そして今では反逆者として共にこの地にいる……
…故郷まで、馬を使えば、一週間と掛からない距離なのに、酷く遠く感じる…
…私は、出来る事なら、今すぐにでも故郷に帰りたい。そして、祖国を取り戻したい…
だが、今は出来ない…シグルド公子をこのままにしておきたくない…私のしている事は、可笑しいだ
ろうか…」
アイラの言葉に、ホリンは何も言わなかった。
するとアイラは、ホリンの方に身体を向けると、腰に吊るしてあった剣を抜いた。
「…何のつもりだ?」
もっともな事を言うホリン。自分がアイラに斬られる理由が無い。
アイラは、静かに言った。
「手加減無しで行く。もし、私が勝ったら、私の質問に答えてもらう…」
そう言い終わると、ホリンに斬り掛かって行った。
287遠い日の約束:04/09/07 22:24 ID:ZLrm49gG


訳も分からず斬りつけられるのにホリンは、一瞬戸惑いを感じたが、すぐにそれを頭から切り離すと、
アイラの斬撃を剣で受け流す。
それに対しアイラは、息も付かせない程の斬撃をたて続けに放つ。
そんな攻撃を、ホリンは全て見切っている。
何発目の攻撃であっただろうか。アイラの剣が淡い緑色に輝いたのは。
流星剣が来る。咄嗟に受け身の態勢に入るホリン。
いくら並の強さではないホリンでも、アイラの放つ流星剣を全て防ぎきれるものではない。
そして、アイラの流星剣がホリンを襲った。
一撃、二撃とホリンは避けたが、三撃目、四撃目は剣で受け流した。そして、最後の一撃は受け流す
事が出来ず、剣で受け止めた。
その時、アイラはホリンに対し、静かにこう言った。
――セタンタ――
その言葉にホリンは、一瞬目を見開いた。明らかに動揺しての行為だった。
その隙は、目の前にいるアイラにとって絶好のチャンスだった。己の力の全てを込めて、ホリンの剣を打ち払った。
ギイィィィンッと高い音を立てて、ホリンの剣は空高く舞い上がり、ドスッと地面に突き刺さった。
288遠い日の約束:04/09/07 22:24 ID:ZLrm49gG
アイラの勝ちだった。
対しホリンは、何処か観念したかの様に、その場を動かない。
アイラは静かに剣を鞘に収めると、ホリンの方に顔を向けた。
「…もしかしたら…そんな気がしたが、やっぱり……
 …ホリ――違う、お前は、セタンタ。セタンタなのだろう?」
その言葉にホリンは何も言わず、黙ったままだ。
が、それは、アイラの言葉を肯定する事であると、無言で言っている様なものであった。
そんなホリンに、アイラはホリンの胸元に手を置き、言った。
「どうして、どうして今まで黙っていたんだ!?どうして…」
そう言い、ホリンの顔を見た。
何も無かった。そこにあったのは、何の感情も写していない、無表情の顔だった。
「…セタンタ…?」
アイラがそう言うと、ホリンはアイラの手を胸元から引き離すと、地面に突き刺さっている自分の剣
を鞘に納め、その場を立ち去ろうとした。
それをアイラはホリンの手を両手で掴み、阻止しようとした。
「どうして!?どうして何も答えてくれないんだ!?
 ずっと待ってた。お前が来るのを、丘の樹の下でずっと待っていた。
 どうして来てくれなかったんだ!?どうして……」
目に涙を浮かべ、そう叫ぶアイラ。
目の前の男は、静かに顔をアイラに向け、こう告げた。
「…俺は、セタンタじゃない…俺の名はホリン、ホリンだ…」
先程と同じ様に、アイラの手を引き離し、今度こそホリンはその場から立ち去って行った。
アイラは、その場に膝から倒れ込むと、その後姿を力無く見つめていた。そして、視界から見えなく
なると、声を上げて泣いた……
289遠い日の約束:04/09/07 22:26 ID:ZLrm49gG


どれ程時間が経ったであろうか。辺りが闇に染まる頃、アイラは一人町の中を彷徨(さまよ)い歩いてい
た。そのおぼつかない足取りは、まるで幽霊の様であった。
自分の思った通り、ホリンは、あの時の少年セタンタだった。
しかし、彼はアイラの言葉を振り払い、アイラを残し去って行った。それは、アイラの気持ちを完全
に拒絶するものであった。
いかに戦場で鬼神の様な強さを見せ付けるアイラも、こと恋愛に関しては、他の者達と比べ、経験が
あまり無い割に、失恋の痛みには常人以上に敏感だった。
アイラは、どうしていいのか分からなかった。
ホリンは、あの日来なかったセタンタだった。
嬉しかった。またこうして出会えたのが。
しかし、それは自分だけだった。ホリンは――セタンタはそうではなかった。
もし、自分と同じ思いであったら、あの場所に自分一人を置いては行かなかったであろう。
だが現実は、十年前と同じであった。彼は、自分一人を置き去りにした。丘の樹の下に…
ただ違うのは、その場に彼がいたかいなかったかの差だけであった。
何も考えられない状態で、夢遊病者の様に歩くアイラは、子供のシャナンよりも小さな存在に感じら
れた。
290遠い日の約束:04/09/07 22:27 ID:ZLrm49gG


そんな時、偶然にもそんなアイラを見つけた人物がいた。
レックスとアゼルであった。
二人は、つい先程まで、近くの酒場で一緒に夕食を取っていた。もっとも、レックスの方は酒ばかり
飲んでいた様で、少し顔が赤い。
が、そこはレックスで、ドズル家特有の酒に対する並外れた抵抗力で、意識と思考回路は全く鈍って
はいない。
対しアゼルは、そんなレックスに付き添う様にしっかりと横に付いていた。
そんな時、アゼルは視線の向こうにアイラがいるのを発見したのだ。
レックスにその事を言うと、レックスは、「いくぞ!!」と言い、一人アイラに向かって走っていた。
アゼルも慌ててレックスの後を追った。
レックス達が近付いても、アイラは全く気付く様子も無かった。変だなと思い、レックスが声を掛け
ると、ようやくアイラは気付いた。
その際、レックスは、アイラの顔を見た。
泣いていたのか、目は真っ赤で、いつもの強気な表情は無く、まるで何もかも失ってしまい、生きる
気力を無くしてしまったかと言っても間違いでは無い顔をしていた。
一体何があったんだ…レックスはそう思った。
アゼルはと言うと、そんなアイラに、「とりあえず、僕達と一緒に城に帰ろう?」と言った。
アイラは、こくりと頷くと、レックスに支えられながら一緒に城へと戻っていった。
291遠い日の約束:04/09/07 22:28 ID:ZLrm49gG


城の玄関先で、アゼルはレックスにアイラを任せると言い残し、そそくさと自分の部屋へと戻って行っ
てしまった。
実際は、レックスの気持ちを知っているアゼルのさり気ない心配りであった。
そのレックスはと言うと、どうしたらいいものか迷っていた。
城に着けば、何か喋るのではないかと思っていたが、アイラは一言も喋らず先程と変わらない状態で
ある。
こんな時、女性陣の誰かが目の前にいてくれれば、アイラの事を頼むのだが、夜の十時をまわってい
る為、誰一人廊下に出ている者はいない。
こうなってしまっては、レックスの採る手段は二つに一つ。
アイラを部屋まで送るか、それとも自分の部屋に連れて行くかのどちらかである。
レックスは、後者を選びたかったが、こんな状態のアイラを連れて行くのは、何だかいけない様な気
がしたので、前者を採り、アイラを部屋まで送る事にした。アイラにその事を言うと、先程と同じく
こくりと頷いた。
292遠い日の約束:04/09/07 22:30 ID:ZLrm49gG


部屋に送る途中、偶然にもエスリンと出会った。
アイラの顔を見た途端、「どうしたの!?」とアイラに近付いて行った。
アイラは何も言わず、ただただ黙ったままだ。
視線をレックスに向けると、レックスは顔を横に振った。
「俺にも何でこうなったのか分からないんだ。さっき城下町で出会った時からずっとこんな感じだ」
これから部屋まで送るのだとレックスはエスリンに話した。するとエスリンは、レックスにこう言っ
た。
「レックス公子。アイラの事は、私に任せてもらえないかしら?」
レックスは少し考えた…ここはエスリンに任せる事にした。自分よりも、同じ女同士のエスリンの方
が、何かと上手くやってくれそうだと思ったからだ。
「そうだな、それじゃあアイラの事は任せますよ。
 ついでに、俺の名前の後に公子を付けるのは止めて下さいよ。何だか変な感じがしますんでね」
そう言い、アイラをエスリンに任せると、レックスは右手を振りながらその場を去った。
エスリンは、アイラの手を握ると、話し掛けた。
「何があったかは分からないけど、元気出して、ね?」
そう言ってみたが、アイラは先程と変わらず沈んだ表情のままだ。
どうしたものかと考えるエスリン。
ここはとりあえず、自分の部屋に連れて行く事に決めた。その事をアイラに告げると、アイラは力無
く頷いた。
293遠い日の約束:04/09/07 22:32 ID:ZLrm49gG
キュアンとエスリンの部屋は、城の三階の東側にあり、毎朝一番に日の光が入る所でもある。
アイラが部屋に入った時にはキュアンはおらず、まだ赤ん坊のリーフがすやすやと眠っていた。
部屋にあるソファーに互いに座ると、エスリンは、「何かあったの?」と聞いた。
しかし、アイラは一言も喋らず、黙ったままだ。
「大丈夫。私以外誰もいないから…」
そう言いながら、アイラの手をそっと握ってやった。
すると、アイラは肩を震わせると、一言ぽつりと言った。
「……振られた……」
そう言い終わると、アイラの目から涙が溢れ出てきた。
おそらく、エスリンでなければこうして口を開きはしなかった。
アイラにとってエスリンは、シグルド軍に身を置く様になってから程なくして友人になった人物で、
王子妃の割に自分の意思をしっかりと持っており、アイラに対する接し方も、丁寧ながら一方的な事
をせず、互いに協力してやろうとする所が、アイラに好感を持たせるきっかけとなった。
そして今では、互いに包み隠さず本音を言い合える関係になっている。
振られた――誰に振られたかはエスリンには特定出来なかった。アイラと接点がある異性と言えば、
自分の旦那のキュアンに、アイラの甥のシャナン。それ以外では、先程会ったレックスしか思い浮か
ばない。
キュアンは除外として、残りの二人の一方は子供であるし、もう一方は以前からアイラを好きなのだ
と皆に知られているので、アイラを振るという事は考えられなかった。もし仮にレックスがアイラを
振ったのなら、あの時一緒にいたりはしない。
となれば、他の男性陣の誰かなのだろうが、アイラとはあまり接点が無い連中ばかりなので、誰かと
特定する事は難しい。
誰なのかと聞きたかったが、アイラの事をよく知るエスリンには、聞いても話してはもらえないと分
かっていたので、聞かない事にした。
代わりにエスリンは、アイラの事を思い、話し掛けた。
294遠い日の約束:04/09/07 22:35 ID:ZLrm49gG
「アイラ。誰に振られたかは分からないけれど、それでいいの?」
その言葉を受け、アイラは泣くのを止め、顔をエスリンの方に向ける。
「私だったら、一回位振られたからって簡単に諦めたりしないわ。二回三回やってみて、それでも駄
目だった時は、諦めるけれど……
アイラ。誰でも好きな人に振られたら、悲しくなるわ。でも、だからと言って簡単に諦めちゃ駄目よ。
ねえ、アイラを振った人って、どんな風に振ったの?言ってみて。大丈夫、誰にも言ったりしないから」
アイラは、少しの間考えた。話すべきか否か…
結果、エスリンには洗いざらい話す事にした。
振ったのがホリンであった事。
その時、どの様な状況で振られたのか。
そして、ホリンが自分の幼い頃の初恋の人であった事。
他にも、ホリンとシャナンとの出来事も混ぜながら、アイラはエスリンに伝えた。
正直、相手がホリンだったのが意外だった。何故なら、ホリンは全くと言って良い程、他人との交流
をしない人であったからだ。
が、アイラの話の中に出て来た初恋の人であったと知った時には、なるほどと思った。
アイラの告白を全て頭の中で整理したエスリンは、アイラに対し、優しくこう言った。
「大丈夫よアイラ。まだ貴方が振られたと決まった訳ではないわ。
 だって、彼は貴女に対して、嫌いだと言っていないでしょ?
 恐らく、何らかの理由で、貴方の事を避けているんだと、私は考えるわ。それが何なのかは、分か
らないのだけど…
 だから、まだ振られたと決め付けるのは早いわ。ちゃんと彼の口から本心を聞き出すまでは、諦め
ちゃ駄目。そして、自分の気持ちをしっかりと伝えなくちゃ。ね?」
そう言われ、アイラはハッとした。
確かに、ホリンはあの時自分を残して去って行ったが、それは自分を振ったと言えるのであろうか?
エスリンに言われ、ようやく自分一人勝手な思い込みをしていたのだと解った。まだ彼の本心を聞い
てはいないのだから。
悲しみに泣くのはまだ早い。そうエスリンは言っているのだ。
そうだと解ると、アイラはソファーから立ち上がり、「ありがとう」とエスリンに言うと、部屋から出
て行った。
(アイラ。頑張ってね…)
エスリンは、友人の恋が叶う様、心の中で祈った……
295遠い日の約束:04/09/07 22:38 ID:ZLrm49gG


ホリンの部屋に行く前に、一度自分の部屋に戻り、勇者の剣を腰に吊るし、シャナンが寝ているのを
確認して、アイラはホリンの部屋へと向かった。
向かう途中、アイラの心の中では、ホリンにあってからどうするかは何も決めていなかった。
が、少なくとも、目的は一つだけある。
ホリンの本心を知る事――それだけは必ず果たそうと、心の中で誓っていた。


ホリンの部屋は、他の連中とは違い、一階の東側の隅にある、物置部屋の空き部屋の方を使っている。
基本的に、ホリン以外はまずそこには行かない所に住んでいる為、仲間の連中でもホリンがそこにい
る事を知らない者もいる。
もっとも、ホリンがそうしたくてしたと、今のアイラには解る。
ただ、何故そこまで他人との交流をしないのか、そこが解らない。
先程エスリンが口にしていた言葉を思い出す。
『恐らく、何らかの理由で、貴女を避けているんだと、私は考えるわ』
それが、幼い時、彼が約束してくれた、『必ず待っている』を、彼が破った事だとしたら、アイラは納
得はしない。
きっと、別の何かだろうという不確かだが、しかし確信に近い予感があった。
296遠い日の約束:04/09/07 22:39 ID:ZLrm49gG
ホリンの部屋の前に着くと、部屋から明かりらしい明かりが全く無かった。
コンコンッとノックをする。中からは何も返事が返って来なかった。
いないのだろうか。一瞬そう思ったが、もう一度ノックをしてみる。
やはり返事が無い。アイラは、ドアを開けると、中へと入っていった。
部屋の中は、ベッドしかなく、後は全く何も無い、人が生活しているという空気がまるで感じられな
かった。
ホリンはいなかった。アイラは、すぐに部屋を出て行こうとしたが、ベッドの上に何か紙切れが置い
てあるのが目に入った。それを手に取り、開いてみた。
中には、こう記されていた。

これを読んでいる方が誰なのかは分からないですが、自分は、旅に出ようと思います。
もし、読まれた方が、シグルド軍に身を置いている、いないに関わらず、この事をシグルド公子に
伝えてもらいたく存じます。
そして、ありがとうとも伝えてもらえる様お願いします。
                                               ホリン

それを読み終わると、アイラは紙を強く握り締めると、その場に捨て、足早に部屋を出て行った。
297遠い日の約束:04/09/07 22:41 ID:ZLrm49gG


城を出て、城下町を駆けているアイラには、ホリンが何処にいるのかなど分からない。だが、それで
もこうして駆けていないと、次々と最悪の結果が頭をよぎる。
ホリンがいなくなる――それだけは絶対にさせたくなかった。もう一度、彼に去られるのは、アイラ
には耐えられなかった。
城下町を出て、シレジアに通じる公道をアイラはひたすら走り続けた。その先にホリンがいるかどう
かは分からなかったが、それでも走り続けた。
どれ程走ったであろうか。セイレーンとシレジアの中間にある山道で、前方に人影が見えた。
薄い月明かりの為、本当に近い距離にまで近付くまでははっきりとは分からなかったが、その人物は
ホリンだった。
ホリンは、後ろを振り向いて、走って来たのがアイラであると分かっても、別段驚きもしなかった。
「ホリン…何故…?」
その言葉に、ホリンは何も言わず黙っている。
「どうして、出て行くんだ…?
 …私の、せいなのか?私が、お前がセタンタだと気が付いたからなのか…?」
そう言いながら、ホリンに一歩一歩近付くアイラ。
「…お願いだ…行かないで、欲しい…あの時みたいに、私を一人ぼっちにしないで、欲しい…!!」
最後の方で、込み上げて来た感情のせいで、涙声になりながら、アイラはホリンの胸に飛び込んだ。
強くホリンに抱きつきながら、アイラは身体を震わせながら泣いていた。
298遠い日の約束:04/09/07 22:43 ID:ZLrm49gG
何時まで泣いていただろうか、ホリンが口を開いた。
「アイラ…俺には、お前の気持ちを受け止める資格が――」
「言わないでっ!!…お願いだから、その先は、言わないで…」
「…どうして、俺なんだ?」
「…他の誰でもない、お前…貴方だから…」
「……」
「置いていかないで…二度も私の傍からいなくならないで…」
「…俺に、どうして欲しいんだ?」
ホリンは、静かにそう聞いた。が、答えは分かってはいた。
「…傍にいて欲しい…ずっと…」
ホリンは、二つの思いに心が揺らいでいた。
アイラの気持ちを受け止めたいという思いと、受け止める訳には行かないという思いが。
自分は、目の前の女性と交わした約束を、守ってやれなかった。
そんな自分に、彼女を愛する資格など無い。それに、今の自分には、剣を振るう以外、何も無い。そ
んな自分と結ばれても、幸せになどならない。
「…アイラ。俺には、何も無い。あるのは、この身一つだけだ。たとえ俺と一緒になっても、幸せに
などならない…」
その言葉に、アイラはこう返した。
「私は、富や地位などいらない…ただ、貴方が傍にいてくれるだけで…私は…」
その言葉が、ホリンの心に決定打を打った。
ホリンは、自分の胸の中で泣いているアイラを、そっと抱きしめた。
一瞬、アイラの全身がビクッと震えた。
「…ホリ――セタンタ…?」
ホリンの胸の中で、アイラはそう言った。そして、ホリンが抱き締めてくれた事が――ホリンが自分
の思いを受け止めてくれたのだと知ると、再び目から涙が溢れ出てきた。
「…すまなかった、アイラ…」
「…ありがとう…私、私…」
その言葉の続きを口にしたかったが、涙と、想いが叶った事への幸福感で、言葉が出なかった……
299遠い日の約束:04/09/07 22:46 ID:ZLrm49gG


それから二人は、山中の公道にある小屋で一旦休む事にした。アイラが、先程まで走り続けた疲労が、
あの後一気に出て来た為、歩く事もままならなかったからだ。幸い、小屋の近くでホリンを見つけら
れたのは運が良かったのかもしれない。
ホリンは、小屋の中にある暖炉に火を付けた。いくら季節は夏とはいえ、夜にもなると冷える。特に
ここシレジア王国は、日中と夜との気温差が、他の国と比べてかなり違う。今の時期なら、十度程違い
が出てくる。
暖炉の傍にアイラを連れてきて、小屋の中に置いてあった毛布を掛けてやった。そして、その隣に座っ
た。
互いに何も言わず、目の前の暖炉の火を見ていた。
そうしている内に、自然とアイラの手がホリンの手の上に重ねられた。握り締める訳でもなく、ただ
そっと。
「…セタンタ。教えて欲しい……どうして、この剣を手放す様な事をしたんだ?」
アイラは正直、この事はあまり聞きたくはなかった。あの男の言葉が本当であれば、この龍月にも、
ホリンにとって辛い出来事があると感じたからである。
が、それでもやはり聞いておきたかった。この剣を使う身としては。
ホリンはしばらく、口を閉ざしたまま考えているかの様に目を瞑(つむ)り、黙っていた。
「…どうしても、聞きたいのか?」
その問いに、アイラは顔を縦に振った。
「知りたい。この剣を――龍月を振るう身として、知りたい」
その表情からは、揺るぎ無い意思が伝わってくる。
「…分かった、話そう。だが、その話が終わるまで、酷く長くなるが、いいか?」
「構わない」
「なら話そう。龍月(それ)を手放した訳を……」

300千葉犬:04/09/07 22:50 ID:ZLrm49gG
今回はここまでです。まだ肝心の所に入らず、申し訳ありません。
次回の投下で、この話は終わりになります。今度こそ週末まで終わらせ、投下するつもりです。
ではその時まで他の方の作品がくる事を願って、終わりにします。
それでは。
301名無しさん@ピンキー:04/09/07 22:57 ID:SAPqG5dh
乙〜。
次回も楽しみにしてます。
302名無しさん@ピンキー:04/09/08 01:35 ID:tuxG3AwL
占い屋に自分の気持ちを聞くアイラにワラタ
がんばれ〜!完結楽しみだ〜
303名無しさん@ピンキー:04/09/08 06:11 ID:8tPt4Bhv
ホリンの幼少時の名前がセタンタなのが個人的にツボでした
メガテン3で早く変異させたくてレベル上げてた頃を思い出しました
304ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/09/08 18:19 ID:7EGJYh+A
ホークアイ祭(6)

「さあ、急がないと式が始まるよ。急ごう!」
クレインが促すと、ティトもようやく立ちあがり、再びクレインの腕にしがみついた。
「は、はい・・・」
未だ乾かないティトの陰部から、もわもわと湯気が立ち昇っていた。
ティトは顔を真っ赤にしながら、クレインに付いて行く・・・。

「さあ、着きましたわ。」
大きい部屋には、まるでパーティー会場のようにずらりとテーブルが飾られている。
その上には豪華絢爛な山海の珍味が並べられている。
そして所々、すでに何人かが席に着いていた。
「あ〜!お姉ちゃんだ〜♪」
女の子の声が大きく響いたその方向を見ると、屈強な男三人と一緒にシャニーがいた。
「よお、クレイン坊っちゃん、クラリーネ嬢ちゃん!」
男のうちの一人がクレイン兄妹に声をかけた。その男は、全身に傷がある。
「まあ、ディークではありませんの!」
クラリーネが呼ぶと、ディークは正面からクラリーネをしげしげと眺めた。
「ほう・・・これはなかなか・・・」
「ちょ、ちょっと!そんなにじろじろ見ないでくださる?ルトガー、あなたからも何か言ってやってくださいな!」
ルトガーはそう言われて、クラリーネをかばうように前へ進み出た。
「ディーク・・・お前・・・全然変わらないな・・・」
「ルトガー・・・ぷぷっ・・・くくく・・・」
ルトガーの姿を見て、思わず吹き出すディーク。
「ひゃはははははは!!!お、お前がそんな格好・・・だ、だめだ!笑いが止まらねえ・・・ひゃはははははははっ!」
「わっ、笑うな!」
ルトガーは恥ずかしさに顔を真っ赤にして怒った。
そうこうしているうちに、続々と人が集まってくる。ルトガー達はディークの隣の席に着いた。
「なあみんな!今日は天国みたいな一日だな!はっはっは!」
305ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/09/08 18:24 ID:7EGJYh+A
ホークアイ祭(7)

「・・・・・・。」
「どうしたルトガー、黙ったまんまで?」
ディークがルトガーの顔を覗きこむと、ルトガーは目をつぶって、顔を真っ赤にしていた。
「おい!ちゃんと目をあけてねえと、もったいねえだろっ!」
「・・・・・・。」
ルトガーには、目を開けることができなかった。

つづく
306名無しさん@ピンキー:04/09/08 18:39 ID:ZsDq8896
>>303
クーフーリンは最高だな
307名無しさん@ピンキー:04/09/08 19:38 ID:c4VuymZR
>229 亀レスですまんが、
何気に俺も待ってたりする。
ただ、シルヴィア自体そんなに人気ないらしいから半諦め気味だけどナー…orz
308名無しさん@ピンキー:04/09/08 21:58 ID:AZFCvCKb
シルヴィア人気無いのか…
普通に好きだけどな。
勿論、投下も歓迎。
309名無しさん@ピンキー:04/09/09 21:03 ID:MBgYyPcZ
一ヵ月後の新作に皆が心躍らせている今
もうすっかり書く人のいなくなったミネルバ様とシーダのネタを食いに
暗黒竜を再プレイしに赴く俺は流行という名のレールから
脱線しちまった醜いはみ出し者さ

リアルプレイの頃消防だった俺はミネルバ様が仲間になった時なんか
「なんかすげー強そうな奴が仲間になった!! いきなり竜乗ってるし!」
とそりゃあはしゃいだモンだったな……あの感動を今一度味わいたい
310名無しさん@ピンキー:04/09/09 21:34 ID:b7D0r4Se
ミネルバは好きだよ。多分女キャラで一番好き。
あの、孤高の王女ぶりがたまらん。
シーダも王女で騎士なんだけど、彼女にはマルスやオグマがいるからなあ。
おいらもFEは紋章しか知らんw
なのでここのssは、ほとんどオリジナルと変わりなしw
楽しませてもらってるけどね。
311名無しさん@ピンキー :04/09/09 23:18 ID:c5BZJBHz
ついさっきまでSFCの紋章の一部を遊んでいた俺も反骨心のスキルもち。
そろそろシーダの新作SS読みてーよなー。
・・・いや、ミネルバ様でも良いけどさ。
いまだにチキたんものがないのは何故だろうな。
312伝説のチキたんもの:04/09/09 23:53 ID:h6MVpNiR
アカネイアの宮殿。暗い廊下を一人の影が歩いていた。
影はチキの部屋へと行き、扉をあけた
「マルス兄ちゃん、どうしたの…?」
影の正体はマルスであった。マルスは突然チキの腕をつかむと、そのやわらかな唇に口付けをし、有無を言わさずベッドへと押し倒した。
「マルス兄ちゃん、何するの。やめて」
「うるさい!だまってろ!」
そういうとマルスはチキの服を破り腕をベッドに結びつけた。
幼いチキにも自分がこれから何をされるのか悟ったのだろう。
「やめて、シーダお姉ちゃんが悲しむよう」
「うるさい!あいつはオグマとできてやがったんだ!」
衣服を脱ぎ、逞しい体があらわになった丸巣は
自分のエムブレムを何の躊躇もなく恥姫の紋章へと挿入した
「うおおっやっぱり魔無空徒はいいぜぇ!」
もはや丸巣に正気は残っていなかった。今頭にあるのは目の前の魔無空徒の玉座の制圧だけである。
何度目かの再攻撃の末、ついに城が陥落する時が来た。
「ウオオ ファイヤーエンブレムッ!!!」
鈍い音とともに玉座が制圧された
313名無しさん@ピンキー:04/09/10 02:30 ID:u4VrjMVa
改悪だ!!そこでチキたんが一緒に叫ぶのが良いのにっ


シルヴィア自体は可愛いと思うんだが、
いかんせんあの服の癖して全然エロくないんだわ
陵辱ネタとかだったらまだ出来そうな気はするがな…
過去にロリ親爺とかに(ryみたいな


と、力の限り他力本願してみるテスト
314名無しさん@ピンキー:04/09/10 03:20 ID:2axqCv6R
紋章だったらフィーナが見てみたい。
315名無しさん@ピンキー:04/09/10 13:39 ID:5CqUGn9F
>312
これのオリジナルってどんなの?
ずいぶん前だけど、多分同じオリジナルからの改変見たことある。
「マリクさんが悲しみます」とかなんとかいってた希ガス(;´Д`)

チキならやっぱりお相手はチェイニーがいいなぅ
>231はもうちょっと情報欲しかったっす
316名無しさん@ピンキー:04/09/10 15:30:06 ID:fqiC1gEb
>>315
チェイニーとチキは萌えるな
317名無しさん@ピンキー:04/09/10 21:18:25 ID:e9hVnzSd
むしろ、マルス×チキで……
318伝説のチキたんもの:04/09/10 23:40:11 ID:GdnwEph4
>>313
そういやマルスの後で「ファイヤーエンブレムッ!!!」」って
チキも言ってたんだなオリジナルで。すっかり忘れてたよ。

>>315
俺も>>312のコピペをいつだったかどこかで見て
とっておいただけなんで知らん。
319千葉犬:04/09/12 21:41:48 ID:kwu0fHfE
千葉犬です。すみません。週末までに投下と言いながら、結局出来ず、今日になってしまいました。
約束を守れず、本当に申し訳ありません。
つい先程書き終わったので、早速投下します。今回でホリン×アイラの話は終わりです。
それでは行きます。 
320遠い日の約束:04/09/12 21:43:20 ID:kwu0fHfE


ホリンの話は、何故かホリンが生まれる前から語られ始めた。
ホリンとアイラがまだこの世に生を受ける前、ソファラでは、ある問題が生まれていた。
当時のソファラの領主の夫人が、子供を産めない身体であった事が判り、世継ぎが生まれないと周りの
者達が騒ぎ出していた。
それならば、他の女性を第二夫人に迎え、その者に世継ぎを産んでもらおうという意見が出てくるの
は、ごく自然な事であった。
しかし、その領主は、愛する妻以外は絶対に妻を娶らないと言っていた。無論、領主は周りの言葉な
ど受け入れはしなかった。
どうしたら良いものだろうかと周りの者は考えに考えた。
そこに、一つの案が、事もあろうか、領主の夫人からもたらされた。
その案というのは、ソファラとは深い縁があるイザーク王家から、世継ぎを養子として貰(もら)い
受けると言うものであった。当時、イザーク王家では、長男マナナン以外に、男子と女子が一人づつ
いた。それを養子に迎えようと言うのだ。
そんな事が上手く行く訳が無いと、周りの者が言ったが、夫人は、絶対に上手く行かせますと言った。
321遠い日の約束:04/09/12 21:44:47 ID:kwu0fHfE
実際にどうなったかと言うと、周りの不安とは裏腹に、夫人の案は成功した。
理由としては、当時のイザーク王が、結果的にソファラも自分の子孫が今後治めて行く事になるのが
嬉しかったと言うのが一般的な考えではあるが、実際の所は誰も分かってはいない。
こうしてソファラに、イザークの王家を引く者が世継ぎとして迎え入れられる事になった。
本来であれば、養子は男子一人で十分であったが、夫人の考えで、女子も迎え入れる事になった。
何故かと言うと、万が一、どちらかが天に召される様な事になった場合、もう一人がいれば、代わり
に世継ぎに出来るからだと言った。
長男マナナンとは違い、まだ二人は幼かったが、その辺の事は判っていた様であった。
中には、イザークにソファラを売ったと言う者もいた。
それに対し、夫人はこう言った。
――ソファラの剣技と教え、そしてオードの子を絶やす訳にはいかないのです――
夫人には企み等何一つ無く、ただただそうしたかっただけであった。
当然、夫である領主にもその胸の内を告げており、夫もそれを了解していた。
そして、歳月が流れて行き、養子として迎えた二人の子らも、立派な成人となり、男子であった方は、
名実共にソファラの領主となり、養父の跡を継いでいた。この頃には、前領主は病に倒れ、この世を去っ
ていた。
女子であった方は、あまり身体は強くは無かったが、心身共に美しくなり、兄を支えていた。
一方養母である前領主夫人は、二人の後見人として、城にいた。
ソファラは、この三人で力を合わせて日々奮闘していった。
322遠い日の約束:04/09/12 21:45:55 ID:kwu0fHfE


そんなある日、ソファラ城に賊が侵入するという出来事が起きた。そして、あろう事か、ソファラ家
代々守り続けて来た三剣の内の一つ、龍月が、賊に奪われるという事態になってしまった。
そして、奪われたのは、龍月だけではなかった。
共に養子として迎え入れられた領主の妹君を、その賊は犯していたのであった。
領主は、何が何であろうと、その賊を捕らえようとあらゆる手立てを行なったが、その賊を捕らえる
事は出来なかった。
そして、三月程経ったある日、領主にとって、運命を狂わされる出来事が起きた。
賊に犯された妹が、子を宿していたのだった。
領主は妹に、その子を殺すよう命じた。まだ妊娠し、三月程であれば、魔道士の炎魔法の力で、胎内
にいる子を焼き殺す事が可能である。
しかし、領主の妹は、それを拒絶した。
例え望まない形で身籠(みごも)ったとは言え、自身の血を分けた子を殺す事など、母親として出来
なかった。
そんな妹の答えに、領主は激怒したが、養母に強く引き止められ、仕方なく諦めた。
しかし、領主は妹にこう言った。
――もし、生まれてきても、その子供はソファラの、剣聖オードの血族としては認めないぞ――
323遠い日の約束:04/09/12 21:46:49 ID:kwu0fHfE


そして、出産の時を迎えた。
その出産は、酷く難産で、このままでは母親が持たないと産婆に言われた。
領主は、すぐに妹を助ける様頼んだ。
しかし、妹は、それを拒否した。そして、その場にいる人達にこう告げた。
――私の事よりも、この子の方が大事――
それを聞いた養母は、その想いを叶えてやる為、そのまま出産を続けさせた。そして、無事に子供は
生まれた。
しかし、産婆の言う通り、母親の方は持たず、子供を産むと、その子を胸に抱いたまま、静かに永
遠の眠りに就いた……

324遠い日の約束:04/09/12 21:49:00 ID:kwu0fHfE


そこでホリンは語るのを止めた。
「もしかして…その子供は…」
「…そうだ。今、目の前にいる男が、その時に生まれた子供だ…」
(と言う事はつまり、私達は、従兄妹同士だというのか!?)
ソファラは、イザーク程ではないにせよ、オードの血をその身に宿す一族ではある。
が、それも永い刻の流れの中で徐々に薄れていき、それだと証明するのが、ソファラに伝わる秘剣、
月光剣であった。この秘剣は、流星剣と同じく、何故かオードの血を受け継ぐ者でなければ扱えなかっ
た。それはまさに、オードの血族であると証明するに十分なものであった。
もっとも、アイラはその事は誰にも聞かされてはおらず、ホリンがそうなのだと分からなかったのだ。
「幸い、月光剣を見たお前は、何の反応も見せなかった。お陰で今まで正体がばれずにすんだ」
「…どうして、嘘を吐いてまで…」
「…俺が、あの時の少年であると知られた時、こう言う事になるのを恐れていた」
「何故?」
「…俺は、理由はどうあれ、お前との約束を守れなかった。それに、先程も言ったが、俺には剣を振
る事しか出来ない。そんな俺が、お前を幸せになど出来る訳が無いと思っていたからだ」
そう言い終わると、暖炉に薪(まき)を入れた。薪はパチッと音を立てながら、その身を炎にゆだねた。
「…話がそれたな。続きを話そう…」
325遠い日の約束:04/09/12 21:51:28 ID:kwu0fHfE


それからその子にはセタンタと名付けられ、表向きは領主の子として育てられた。この時、領主には
既に男子の子供が二人出来ていた。そして、セタンタが生まれてから四年後、娘も出来た。
領主の妻は、娘を産んだ後、前領主と同じ病にかかり、程なくしてこの世を去っていった。
その領主は、セタンタには話をする所か、一切触れ合う事もしなかった。まるでセタンタを腫れ物で
あるかの様に…
それに対し、祖母と、二人の義兄、義妹は、セタンタに対し、まるで家族同然に接した。その為、セ
タンタはある日が訪れるまでは、彼らが本当の家族ではない事を知らないでいた。
それを知る事になったのは、セタンタが十四になった年であった。
その日、領主の息子二人は、イザークに出向いていた。年に一度行なわれる大会にソファラを代表し
て参加する為である。
城には、城主とその娘、祖母にセタンタだけが残っていた。城で働いている者達は、四人を残し、皆
大会を見にイザークへと行っていた。
その日の夜、珍しくセタンタを混ぜて、家族全員で夕食を取った。それまでは、セタンタは祖母と二
人で夕食を取るのが当たり前であった。時折、義妹も一緒ではあったが。
セタンタにとっては、もしかしたら、父が自分の事を認めてくれたのだと思う様になっていた。
それまでセタンタは、父が自分に対し冷たかったのは、自分がまだまだ剣の腕が足りないからだと思っ
ていた。
ソファラだけに留まらず、イザーク地方では、剣の腕でその者の実力を決める風習がある程度残ってい
た。領主は、特にそれが良く出ていた人だった。二人の息子も、一人前の剣士になるまでは、非常に
厳しく当たっていた程だった。
その日の夜、辺りが静まり返った頃、セタンタは、自分の部屋にいた。ベッドの中に入り、その日あっ
た事を思い返していた。
326遠い日の約束:04/09/12 21:52:58 ID:kwu0fHfE


その日の昼過ぎ、セタンタは未完成ながらも月光剣を放つ事が出来た。その場にいた祖母は、まるで
自分の事の様に喜んでくれた。
もしかしたら、その後に祖母が父に伝えたのかも知れない…セタンタは、そう思わずにはいられなかった。
でなければ、今晩の事が自分なりに納得がいかなかった。
そう思っている内に、何気なく時計を見ると、時計の針がもう十二時を回っていた。
さすがに遅いので、セタンタは眠りに就こうとした。
目を瞑り、眠ろうとした時、自分の部屋のドアをゆっくり開ける音が耳に入った。その日の夜は満月
で、月明かりが僅かに窓から差し込んでいたが、ドアの入り口までは届いていなかった為、入って来た
のが誰なのか分からなかった。
しかし、相手が何者であろうと、一つだけ判る事があった。
相手が、自分を殺そうとしているのが。
全身の肌で感じれる位に、殺気が相手から放たれている。
セタンタは、枕元に置いてあった剣を右手に握ると、相手が近付くのをじっと待った。
そして相手は、セタンタの目の前で止まると、ゆっくりと剣を振り上げると、ベッドで横になってい
るセタンタ向けて思いっきり振り下ろした。
それと同じタイミングで、セタンタはベッドから素早く跳ね起き、相手の攻撃を避けると、右手に持っ
ていた剣を両手に持ち替え、先程切り付けて来た相手に切り掛かった。
相手もすぐに反応し、セタンタの攻撃を剣で受け止めた。
327遠い日の約束:04/09/12 21:54:13 ID:kwu0fHfE
その時、セタンタは相手の顔を見た。
その瞬間、セタンタの頭の中が真っ白になった。
相手は、領主である父であった。その顔は、憎悪で醜(みにく)く彩(いろど)られていた。
セタンタの身体から力が抜けたのを感じた領主は、受け止めていた剣を思いっきり振り、セタンタを
吹っ飛ばした。セタンタはそのまま床に叩きつけられた。
それでも、日頃の訓練で受身の練習をしていた為、無意識の内に受身をし、衝撃を最小限に食い止め
ていた。そして身体は、セタンタの頭の中とは裏腹に、素早く起き上がっていた。
「……父さん…父さん、なんでしょ?どうして…どうして僕を殺そうとするの!?」
すると、領主はこう言った。
「…憎いからだ…私の妹を殺し、あまつさえ月光剣をも使える様になった貴様が憎いからだ!!」
「妹を殺し…?何を言ってるの父さん!?」
セタンタには、父が言っている事が理解出来なかった。
「セタンタ。貴様には解らないだろうな…私の言っている事が……
 なら教えてやる!!私が貴様を憎む理由(わけ)をな!!」
328遠い日の約束:04/09/12 21:55:48 ID:kwu0fHfE
そしてセタンタは、その時全てを知った。
自分は、目の前にいる男の子供ではない事。
自分は、その男の妹の子供である事。
そして、自分の本当の父親が、自分の母親を強姦し、ソファラが受け継ぎ守って来た三剣の内の一つ、
龍月を盗んだ事を。
「貴様は下賤(げせん)の者の血を引き、あまつさえ月光剣を使える様になるなど、私は認めん、
 認めんぞ!!貴様がソファラの、剣聖オードの血族などと!!
 貴様は、あの時何があっても殺しておくべきだった。そうしていれば、妹は死なず、この様な事に
はならなかった!!
セタンタ…お前は、死ぬべきだ。死ぬべきだったのだ!!」
そう叫び、領主はセタンタに切り掛かった。
一方のセタンタは、告げられた真実に心を打ち砕かれていた。特に、家族ではないという事が。
しかし、その様な状態でも、身体は己の身を守る為に自然と動いていた。領主の攻撃を剣で受け流して
いた。
一方の領主は、なかなかセタンタが死んでくれないのに苛立ち、秘剣を発動させた。静かな空間に、
青白い光が剣から発せられた。
「死ねえええええ!セタンタアアアアアッ!!」
怒号を発し、必殺の一撃をセタンタに放った。
セタンタは、その攻撃を避け様とはせず、剣も構えないままその場に立ち尽くしていた。
セタンタは、死ぬつもりであった。
自分がそこまで憎いのならば、死んでしまおうと――それが、今まで父と思っていた人が望んでいる
事なら……
が、皮肉な事に、日々訓練によって身体はその攻撃を避け、右手に持っていた剣は、領主の胸に深々と突き刺さっていた。
(…えっ!?)
目の前の真実に、セタンタは呆気に取られていた。
「セ、セタンタ…貴、様、ゆ、許さんぞ…何があっ、て、も、絶対、にゆ、る……さ………」
顔を憎悪に歪めながら領主は、セタンタにそう言うと、セタンタにもたれ掛かる様に倒れた。
そして、そのまま動かなくなり、領主は永遠の眠りに就いた……
329遠い日の約束:04/09/12 21:57:51 ID:kwu0fHfE


「…それから俺は、国を出た……建前上は、領主を殺した賊を追い、討ち取る為という事だった。祖
母は、俺が親族を殺してしまった事を知った時は酷く驚いていたが、全てあった事を伝えると、祖
母は俺に国を出る様言った。
次の日の朝。まだ薄暗く寒い朝だった。俺は祖母から一袋の金貨と鉄の大剣を貰い、そして義妹か
らは勇者の剣を受け取った…義妹は、俺が月光剣を使える様になったら、それを俺に渡すつもりだっ
たと言った。義妹は、事の真相を知らないままだった……
そして俺は、ソファラを立ち、国を出る為リボーへ向かった。
その途中、イザーク領内で、マリクル様に偶然出会う事になった。何処に行くのかと言われた。俺
は、国を出なければいけない理由が出来てしまったとだけ伝えた。そして、セタンタの名を捨てる
とも伝えた…その時の俺の心は、もう二度と国には戻らないと固く決意していた…そして、セタン
タという名も、これから生きるのには必要ないものでもあった……
そんな俺に、マリクル様は新しい名を授けてくれた……
『ホリン』それが、俺の新しい名前だった……
それから俺は、スカール――数日前、お前が会ったあの男の事だが、あいつの傭兵団に四年程、身
を置く事になった。その間、訳あって勇者の剣を失う事になってしまったが……
そして俺は、その傭兵団を出て行き、アグストリアへと足を向けていた…理由は、本当の父親を捜
す為だった…俺の容姿はアグストリアの人間に良く似ていると言われていた。もしかしたら――そ
んな思いがあったのかも知れない……
 何も知らない土地で、人探しをするのに金は非常に役に立った。裏社会に住んでいる連中に、ここ
二十年の間に、イザーク地方に出向いていた盗賊、又は暗殺者はいないか探してもらった。
330遠い日の約束:04/09/12 21:59:26 ID:kwu0fHfE
すると、一人だけその枠に収まる男がいた。その男は、今アンフォニーにいると言われた俺は、す
ぐに足をアンフォニーに向けた。
アンフォニーに着いてからは、そこの裏社会の連中に同じ事をし、その男の居場所を突き止めた。
住んでいた場所は、およそ人が住んでいるとは思えない程寂れついた家だった。俺はその家の中に
入った。
中には、一人の男が酒を飲んでいた。男は俺を見ると、誰だと訪ねた。俺はそれには答えず、二十
年程前、イザークの方に足を運んだ事があるかと聞いた。
男は酔っていたせいか、次々と知りたかった事をベラベラと話してくれたよ…そして分かった。こ
の男が、俺の本当の父親なのだと……
その男は言っていた。イザークの方に行ったのはたまたまで、そのついでにソファラの城に潜り込
んで、そこにあった龍月を盗んだのだと。そして、その場を偶然通り掛った女――俺の母を、遊び
半分で犯したのだと……
それを知った俺は、目の前にいる男に対する激しい怒りに剣を抜いて、その男に切り掛かっていた。
331遠い日の約束:04/09/12 22:01:49 ID:kwu0fHfE
が、相手もそれを察していたのか、俺の攻撃を避けると、近くに置いてあった剣に手を付け、俺と
対峙(たいじ)した。
その男が握っていた剣は黒く、酷く禍々(まがまが)しいオーラを発していた。その男は言ったよ。
『この剣は、イザークで見つけた物で、非常にいい剣だ。これを持てば、どんな奴が相手だろうと、
負けはしない』と。
その時、俺には判った。この剣は、あの時盗まれた龍月なのだと……
男は腕利きのシーフファイターだった。それに龍月が加わって、俺は苦戦した。
が、男が酔っていたのが幸いだった。酔いでふらついた瞬間、俺は月光剣を打ち込んだ。
相手は、断末魔の叫びを上げる事無くその場に倒れた…即死だった……
全てが終わった後、俺は龍月を拾い、その場を後にした…その時の俺は、達成感よりも、虚無感の方
が大きかった……
それから俺は、ハイラインとアンフォニーの国境沿いにある教会に足を運んだ。
理由は、龍月を浄化する為だった。龍月は、長い間盗んだ男に使われ続けられたせいで、暗黒の剣に
成り果てていた。
教会の神父に大金を払い、龍月についた邪念を払い、染み付いた血を洗い流してもらった。そして、
龍月は再び元の姿へと生まれ変わった。
それからは、一度も鞘から抜く事はせず、お前の手に渡るまでそれは使われないままだった…
俺が龍月を使わなかったのは、俺が使えば、再び暗黒の剣にしてしまうと感じたからだ…
俺は、憎悪に身を焦がし、剣を振った事がある人間だ。そんな俺が、この剣を握り、振るう資格な
ど無い――そう思えた……」
332遠い日の約束:04/09/12 22:04:12 ID:kwu0fHfE
そこで、ホリンの長い話は終わった。
それを聞き終えたアイラは、酷く辛い痛みを胸に感じていた。
目の前にいる男は、生まれながら業を背負い、そして更にその上に業を背負わなければならなかった。
その辛さは、自分が今まで感じてきたものなど、まるで軽く刃物で指を切ったようなものであった。
「…幻滅したか、俺を?」
その言葉に、アイラは強く顔を横に振った。
「出来ない…出来る訳がない……
 丘の上で待っていたあの時、私はセタンタが来ない事が辛いのだと解った時、セタンタが、自分の
事を裏切ったとばかり思っていた……
が、違っていたんだな…お前――貴方はそんな時、私以上に辛い事を一人で背負っていたんだな……
私は恥ずかしい。あの時、自分の事しか考えられなかった自分が、恥ずかしい…」
ホリンの手を強く握りながら、アイラは涙を流しながらそう言った。
「すまないセタンタ。すまない…!!」
泣きながら謝るアイラを、ホリンは自分の胸の中に抱き締めた。
「泣くな、アイラ…俺なんかの為に、泣くな……」
そう優しく言ってやった。それでもアイラは泣き続けた……
333遠い日の約束:04/09/12 22:05:16 ID:kwu0fHfE


どれ程泣き続けていただろうか。ホリンが口を開いた。
「アイラ、もう一度聞く…俺で良いんだな?」
「…ああ、セタンタ。貴方でなければ嫌だ…」
「…そうか…ならアイラ、一つだけ頼みたい事がある」
そう言われ、アイラは顔を上げ、ホリンの方に目を向けた。
「俺の事はセタンタではなく、ホリンと呼んでもらいたい。セタンタの名は、イザークを出た時に捨
てた…それに、この名はマリクル様から授かったものだ。大事にしたいんだ…」
「…解った。セタン――ホリンがそう望むのなら…」
「ありがとう、アイラ…」
ホリンは微笑みながらそう言った。
その笑顔を見たアイラは、心が満たされていくのを感じていた。
それから二人は互いに見つめ合っていたが、どちらからともなく顔を近付けると、互いの気持ちを確
かめ合う様に口付けを交わした……
334遠い日の約束:04/09/12 22:06:40 ID:kwu0fHfE


今二人は、互いに一糸纏(いっしまと)わない格好で、小屋の隅にあるベッドの上にいる。
先程まで部屋を暖めていた暖炉の炎も、今や下火となり、部屋を薄明かりにしている。
その薄明かりの中、二人は見つめ合っていた。
薄明かりの中で見るアイラの裸体は、太陽の明かりの下で見る彼女とは違い、何処か不思議な艶(な
まめ)かしさが感じられた。
一方ホリンの方は、この薄明かりでも身体中に付いた傷は、肉眼ではっきりと確認出来る程だった。
「…アイラ……俺は、こういった状態になっても、まだお前を抱いていいものかどうか迷っている…」
ホリンは、自分がアイラとは従兄妹同士であるという事を知りながら、これからする事に対し、何処
か抵抗があった。
その訳は、同じ聖戦士の血族同士での情交は、忌まわしい事として禁じられているからである。
従兄妹同士の場合は、それ程でもないが、やはり良い目で見られる事は無い。
そんな事を考えているホリンに、アイラはキッパリと言った。
「ここまで来て、止めるなんて私は嫌だ…それに、たとえ私達二人が従兄妹同士でも、私はホリン、
貴方と一緒になりたい……」
そう言い、ホリンの右手を取ると、自分の左胸に押し付けた。豊かな乳房の感触が、右手を通して伝
わってくる。そしてそこから、アイラの心臓の鼓動が伝わってくる。
「ホリン、分かるだろう。私の鼓動が早くなっているのを……今こうして、貴方に見られているだけ
で、こうなっているんだ…だから、ホリン……」
そう言い、両手をホリンの首に回すアイラ。そして、そのままホリンにもたれ掛かる様に、自身の唇を、
ホリンの唇に重ねた。先程とは違い、強く押し付ける様にして。
335遠い日の約束:04/09/12 22:07:44 ID:kwu0fHfE
アイラの思わぬ積極的な攻撃に、ホリンは驚いた。
が、それがアイラの、自分に対する気持ちであるのならば――そう感じたホリンは、もはや先程まで
あった迷いを完全に捨て去った。
ホリンも、アイラの身体に手を回し、自分の方に引き寄せると、アイラの口内に舌を侵入させた。
すると、アイラはそれをすぐに受け入れると、侵入してきたホリンの舌に、自身の舌を絡ませ始めた。
「ん、んふぅ、んんっ、んん…」
ホリンの舌を受け入れながら、アイラは自分の身体が火照ってくるのを感じていた。しかし、今はホ
リンとこのままでいたかった。こうしているだけでアイラは、言い様のない快感が身体中に走ってく
るのを感じていた。
するとアイラは、更に深くホリンに唇を強く押し付けると、先程以上に激しく舌を絡ませた。まるで
貪(むさぼ)る様に。
そんなアイラの行動も、ホリンは難なく受け止めていた。遠くから虫の鳴く声が聞こえてくるこの夜
の中、ピチャピチャと卑猥な音が小屋の中に響き渡った。
程なくして、互いにその行為を止めると、静かに顔を互いの顔を離し、相手の顔を見た。
ホリンはなんら変わりは無かったが、アイラの方は、顔を赤く染め、肩で息をしていた。瞳はとろん
としており、興奮しているのが分かる。
するとホリンは、アイラの肩に両手を置くと、そっとベッドに押し倒した。そして、一度キスをする
と、アイラの首から順に下へ向けてキスをし、舌で舐め始めた。アイラの身体は汗を掻いていた為か、
しょっぱかった。
336遠い日の約束:04/09/12 22:09:11 ID:kwu0fHfE
「ふぅん、ああ、ホリン……」
ホリンの行為に、アイラは素直に感じ、声を上げていた。普通なら、この様な事をされても感じたり
はしなかったであろうが、自分の好きな人にしてもらっている為であろう、痺(しび)れる様な快感
に、アイラは身を委ねていた。
そしてホリンは、アイラの胸にまで到達すると、両方の乳房を手で揉み始めた。アイラの胸は、弾力
があり、柔らかかった。そして揉みながら、その乳輪に口を付け、吸い付きながら、舌で乳輪の突起
した部分を舐め回した。舐めるたび、アイラの口から甘い声が発せられる。その声を聞くたびホリン
は、自分が段々興奮して行くのを感じていた。
「どうだ、アイラ」
「ふぁ、んんっんう!…気持ちいい…とても…」
顔をそむけながら恥ずかしそうにそう言うアイラは、年齢以上に幼く見えた。ホリンは、身体の中か
ら溢れ出てくる情欲よりも、目の前にいる女性に対する愛おしさが身体全体を包み込んでいた。 
「…どうして欲しい?」
先程までの行為をいったん止め、そう聞くと、アイラは少しの間考えていた。
(先程からホリンに任せている…それでいいのだろうか…)
そう思うと、アイラは聞いてみた。
「ホリンは、その…私ばかりしてもらっているけど、ホリンは気持ちよくなりたくないのか…?」
するとホリンは、微笑を浮かべると言った。
「俺は自分よりも、アイラ。お前に感じて欲しいんだ」
そう言い終わると、止めていた行為を再開した。今度は片方の乳首を指で摘むと、掴んだ指でこねる
様に乳首を刺激してやった。そしてもう片方の乳首にホリンは軽く歯を立てて噛み付きながら、舌で
刺激してやった。
337遠い日の約束:04/09/12 22:10:51 ID:kwu0fHfE
「いっ!やっ、ああ!んんっ、ひんっ、あああん!!
 ホ、ホリン!そ、んな風にさ、されたら、私…へ、変に…なっちゃ…」
先程以上に感じている為か、甲高い声で喘ぐアイラ。
するとどういうつもりなのか、ホリンはその行為をピタッと止めてしまった。
止められたアイラの方は、身体の力が一気に抜けてしまい、激しく喘ぐ様に息をしている。全身に汗が
出ているのを見ると、相当感じていた様だ。
「アイラ、大丈夫か?」
そんなアイラを見て心配になったホリンは、アイラの頬に手を添えながらそう言った。
アイラはまだ激しく息をしていたが、「大丈夫」と言った。
「ただ…ホリンがしてくれるので凄く感じてしまって…その…初めてだから…こういうのは……」
「なら、これで止めるか?」
「ううん、ちゃんと、最後までして欲しい…中途半端で終わらせるのは嫌だ」
「そうか…なら、続きをするぞ。いいな?」
「…うん」
その返事を聞くと、ホリンは顔をアイラの下半身の方へと動かすと、アイラの両足の間にある秘所に
近付けた。
見れば、先程までの行為で感じていたせいか、既に濡れているのが判った。
あいらは、自分の一番見られたくないところを見られているのが判ると、「見ないでっ!」と言いなが
ら、ホリンの顔を手で押し離そうとした。
が、先程まで感じていた為に力が入らず、逆にホリンに押し返されてしまった。
ならばと、次は両足でそこを閉じようとしたが、それもホリンの両手で遮(さえぎ)られてしまった。
アイラが、恥ずかしさのあまりそうしているのをホリンは判っていたので、強引にそれを押さえ込も
うとはしなかった。
338遠い日の約束:04/09/12 22:12:50 ID:kwu0fHfE
「見るな…恥ずかしい…」
少し、涙ぐんだ声でそう言うアイラ。するとホリンは、アイラの顔に自分の顔を近付けると、キスを
した。さっきまでの様に舌を入れたりはせず、軽く、そして優しくしてやった。
「すまなかった、アイラ…だが、そうしないと、お前を気持ちよくしてやれない。すまないが、我慢
してくれないか?」
そう言われアイラは、返事を返すのを少し躊躇(ためら)った。いいと言ったら、また恥ずかしい所を
見られるからだ。
しかし、嫌だと言ったら、きっとホリンの事だ。ここまでで止めてしまうに違いない。先程自分で言っ
た通り、中途半端で終わらせるのは嫌だった。
正直、恥ずかしいから嫌だと言いたかったが、アイラは、「…分かった」と言った。
その返事を聞いたホリンは、再び顔をアイラの秘所にまで近付けると、そこを軽く指で刺激してやっ
た。
すると、アイラの身体がビクンッと反応した。今度は舌で舐めてやると、アイラの口から甘い声が出
た。
感じているのだと解ると、ホリンは指を秘所の割れ目にゆっくり入れた。奥まで入れず、指の第二関
節位で留め、そこで指を上下に動かし、膣内を刺激した。
「いっ、んん、あっ、ふ、んんんっ!」
アイラは、恥ずかしい所を見られているのと同時に、膣内でされている事で感じてしまって、酷く興
奮していた。
更にホリンは、指の動きを止めないで、秘所の上のクリトリスを口で咥えた。そして吸ったり、舌で
転がしたりして刺激を与えてやった。
「ああああっ!やっ、んんんっ!ひぃ、いいい、あああんっ!!」
今までで一番甲高い声で喘ぐアイラ。それを聞いたホリンは更に行為を激しくした。すると、割れ目
から愛液が溢れてきた。そこでホリンは指を膣内から抜くと、今度はそこに舌を侵入させた。膣内を
舐め易くする為、手で割れ目を開いて。
339遠い日の約束:04/09/12 22:14:13 ID:kwu0fHfE
チュパチュパッと、膣内を舐める音が何とも淫らな雰囲気を作り出している。
ホリンは舐めながら、鼻のてっぺんでクリトリスをつつく様に刺激を与えてやった。
そうすると、さらに甲高い声で喘ぎ声を上げるアイラ。どうやらクリトリスが弱い様だ。先程から次
々と愛液が流れ出てきている。そうだと解ったホリンは、空いている手で、クリトリスを丹念に刺激
してやった。
「やああああっ!!駄目えええ!!ホ、ホリンッ!お願い!!こ、これ以上は…ッ!
 な、何…?何か、んんんっ、く、く、る…?だ、駄目!!お、おかしくなっちゃううううっ!!
 やっ、駄目!!ホリンッ!私、私……!?あっ、あああっ!もう、駄目ええええええええっ!!」
身体を一瞬震わせると、アイラは絶頂の声を上げた。上げ終わると、ぐったりとなり、はあはあと喘
ぎながら、焦点の合わない瞳で天井を見ていた。
ホリンは、アイラが落ち着くのを待った。そしてアイラが落ち着くと、アイラの両足をそれぞれの手
で外側へ開き分け、アイラの秘所に自分の一物を宛がった。
「アイラ…入れるぞ?」
アイラはまだ先程達した余韻(よいん)が残っていたが、ホリンの言っている意味は理解していた。
女が処女を失う時は、激しい痛みを伴うと、エスリンに聞かされた事があった。
だが、愛する人と結ばれる為には、避けては通れない事だとも聞いていた。
ならば、覚悟を決めねばなるまい――アイラはそう決心した。
「うん…お願い、来て……」
そのアイラの言葉を受け、ホリンは一物をアイラの膣内へと突き入れた。
340遠い日の約束:04/09/12 22:16:34 ID:kwu0fHfE
「んんんっ!!」
ホリンの一物が奥へと突き進むにつれ、今まで味わった事の無い痛みがアイラを襲った。その痛みは
物凄く、武器で受けた痛みの方が何倍も可愛く思える程であった。
一方のホリンは、なかなか奥に進めなく苦戦していたが、少しでもアイラの痛みを終わらせる為、力
強く一気に押し入れた。
「ああああああっ!!」
その時、アイラは自分の中で何かが弾けた感触を感じた。
ホリンの方は、アイラの中で、アイラの処女膜を突き破った感触を感じた。
ホリンは、アイラの顔を見た。
非常に苦しそうに泣いていた。が、それもホリンが自分を見ているのを知ると、涙を流しながらも微
笑んだ。
「…ホリン。これで、貴方と一つに……」
「…ああ…そうだ」
そう言い、アイラの頬に手を当てるホリン。その手にアイラは手を重ね、言った。
「ホリン…お願い…キス…して…」
ホリンは、目の前の愛しい女性の願いを受け、唇を重ねた。その感触から、アイラの想いが伝わって
くるかの様だった。
ホリンは唇を離すと、腰を動かし始めた。
341遠い日の約束:04/09/12 22:17:03 ID:kwu0fHfE
「ん、んんんんっ!!」
ホリンの一物が動くたび、痛みが全身を襲う。
しかし、アイラはそれを堪えながら、ホリンの動きを受け止めていた。
一方のホリンは、アイラの膣内に突き入れるたび、快感が全身を襲っていた。
それに溺れはせず、一定のリズムで一物を突き続けた。
すると、アイラの表情が、苦痛に歪んだ表情から、段々先程の感じていたときの表情に変化していっ
た。
実際アイラは、徐々に痛みが無くなって行く代わりに、身体の中心から、先程とは違う快感が全身に
伝わってくるのを感じていた。
「んん、ふぅん、あ、あああっ、あっ!い、んんんっ!!」
声色も、段々甘いものへと変わっていくのがホリンには分かった。ならばと思い、突き入れる早さを
少し早くした。
「ああああっ!いいいっ!やっ!ああああっ!!」
ホリンが突き入れるたびに、全身を襲う快楽にアイラは身を委ねていた。
「ホ、ホリン、私、感じ…!あああんっ!!」
(アイラ…アイラ…)
そう思った時、ホリンの頭の中に突然、一つの記憶が甦ってきた――
342遠い日の約束:04/09/12 22:18:38 ID:kwu0fHfE


そこは、酷く暗い部屋だった。僅かに壁に備え付けられている蝋燭(ろうそく)の明かりが、その部
屋の明るさの全てだった。
自分は、宿の一室で眠りに就いたはず。なのに何故、この様な所にいるのだろう?
そう思い、身体を動かそうとしたが、何故か動かなかった。まるで見えない何かに身体を押し付けら
れているかの様に。
すると、目の前に二人の男がやって来た。一人は、自分の泊まった宿屋の受付の男だった。
「どうです、城主様。なかなかの上玉で御座いましょう?」
そう言われた男は、心底嬉しそうに頷いた。
「子供とも大人とも言えない微妙な感じがまた、何とも良い」
一体何の事を言っているのだろうか。その時のホリンにはまだ分からなかった。
「さて、儂は早速楽しむ事にする。すまんが、出て行ってもらえんか?」
そう言われた受付の男は、頭を下げると、そそくさとその場を後にした。
「さて、どう楽しもうか……そうだな、あれが良い」
そう言い、クックッと笑うと、男はその部屋を後にした。

それからどれ程時間が経ったかは分からなかったが、男は数人の男女を連れて戻ってきた。
何故か全員何も付けてはおらず、生まれたままの姿であった。
「さて、諸君。今宵(こよい)は実に良いものが手に入った。そこで、儂は皆にも楽しんで貰いたい
と思い、こうして呼んだ訳だ」
そう言い、男はホリンに近付いてきた。そして、身動き出来ないホリンの服を無造作に破り捨てた。
この時、初めてホリンは今から自分に何が起こるのかが解った。顔が恐怖に歪むのが自分でも解った。
「さあ諸君。皆で楽しもうぞ!」
そう言い終わると、男は動けないホリンに襲い掛かった。
恐怖の饗宴(きょうえん)が始まった――
343遠い日の約束:04/09/12 22:21:16 ID:kwu0fHfE

初めの男を皮切りに、その場にいた男女全員が次々とホリンを弄(もてあそ)んだ。ホリンはなす術
も無く嬲(なぶ)られ、辱めを受けた。
そしてそれは、その日では終わらず、その後何日も続いた――


「……ホリン…?」
ホリンが動かなくなったのを不思議に思い、アイラはホリンの顔を見上げた。
するとホリンの両手が、アイラの喉に当てられると、アイラの喉を締め付けた。
「うぐっ!?ホ、ホリ、ン…!?」
目の前の男の名を呼びかけても、ホリンはなおその締め付ける力を強めていく。指がアイラの喉に食
い込んでいく。
「…あ…や…めて…ホ……リ………」
息も出来ず苦しい中、アイラはホリンの顔を見た。
ホリンの顔は、憎悪の色に染められていた。
――殺せ――
――お前をこうした奴らを殺せ――
憎悪の心が、ホリンにそう語り続ける。ホリンはその声の命ずるままに身体が動いていた。
――もっと、もっと力を入れろ――
――そして、目の前の女を――
――殺せ!!
もてるだけの力を込め、ホリンは目の前の女の喉を締め付けようとした。
その時のホリンには、目の前にいるアイラが、あの時自分が最初に殺した女に映っていた。
そして、ホリンの両手が、渾身の力を込めて、アイラの喉を――
344遠い日の約束:04/09/12 22:22:24 ID:kwu0fHfE
「……ホ…リン………」
アイラは、意識が遠退(とおの)いていく中、目の前の男の名を呼んだ。
その瞬間、ホリンの目に映る者が、アイラへと戻った。
(アイラ!?)
気付いた時には、喉を締め付けていた手は離れていた。
「げほっ、げほっ、げほっ……」
ようやく解放されたアイラは、息をする為に激しく喘いだ。その時には、ホリンと繋がっていた部分
は離れていた。
「――げほっ……ホリン…どうして…?」
喘ぎが収まり、アイラはホリンに向かってそう言った。
ホリンは、四つん這いになる格好で、下を向いていた。僅かに身体が震えているのが分かる。
ホリンは、静かに口を開いた。
「……暗い、部屋だった。
あの日、宿に泊まったはずなのに、目覚めると、見知らぬ場所に俺はいた……
身体を動かそうとしても、まるで見えない何かに押さえ付けられているかの様に動かなかった……
そこに、二人の男がやって来た。一人は、泊まった宿の店番をやっていた男だった。俺は、その男
に奴隷として、隣の男に売られようとしていた……
二人の交渉が終わると、俺は……俺はっ!!」
そう言うホリンの両手が、見るだけでも力強く握り締めているのが分かる。爪が食い込んでしまった
のか、両手から血が滲(にじ)み出てきていた。
345遠い日の約束:04/09/12 22:23:38 ID:kwu0fHfE
「…数人の男と女がやって来た……そして俺は、連中に弄ばれた……心も、身体も……
 何時までそんな時が続いたか……俺のいる場所に、一人の少女がやって来た…俺と大して変わらな
い年齢の子だった…少女は、俺に食事や身の世話等をしてくれた……
その日の夜、連中の中にいた一人の女がやって来た…俺は、横たわり、意識が無い様に見せ掛ける
為、動かないでいた……
女が俺の近くに来て、触れた瞬間、俺は女に飛び掛かった。そして、女の口を押さえると、留め金
として付けていた髪飾りを取って、抵抗する女の喉に、それを突き刺した……動かなくなるまで、
何度も、何度も……
 それから俺は、近くにいた番兵を襲って剣を奪い、その建物の中を駆け巡った……
 奪われたものを取り返す為、俺は剣を振るった……目に映るものは、全て敵だった……俺の頭の中
は、こんな目に遭わせた連中に対する憎悪しかなかった……
取り戻した時には、城の中で出会った連中はほとんど手にかけていた……俺を弄んだ者、そうで無い
者、全て……
 その場を去ろうとした時、あの時の少女が目の前に立っていた……目から涙を流しながら、手に短
剣を握り、俺の方を見て、こう言った……
『お父様の仇』と……
俺は、そう言いながら襲ってきた少女を……手に…かけた……剣で、一振りだった……」
そういうホリンの目から、涙が一つ、二つと零れては下のベッドのシーツに落ち、滲み込んでいった。
「…俺は……俺、は……!!」
346遠い日の約束:04/09/12 22:24:47 ID:kwu0fHfE
嗚咽(おえつ)を吐くホリンの身体を、温かいものが包み込んだ。
アイラが、抱き締めていた。 
「…アイ、ラ…?」
突然の出来事に、ホリンはそう言った。
すると、アイラの口が開いた。
「…ホリン…ずっと、一人で背負い込んでいたんだな……ずっと一人で、誰にも頼る事も出来ず、一
人で生きてきたんだな……
私は辛い時、傍に兄上がいた。そして、貴方がいた……頼りに出来る人が、好きな人がいた……
だが、ホリンは、誰もいなかったんだな……」
アイラの抱き締める力が強くなる。
「…ホリン。私は、ホリンの苦しみがどれ程のものなのか、分かってやれない……やれないけれど……
 ホリン……癒(いや)す事は、出来ないか…?私では、貴方のその苦しみを、癒してやる事は出来
ないのか…?もし、そうする事が出来るのなら、私は…私は……」
そう言うアイラは、全身を震わせていた。
彼女は、ホリンの為に泣いていた。
そんなアイラを、ホリンは自分の身体を持ち上げると、力強く抱き締めた。
アイラは一瞬驚いたが、すぐに自分もホリンを強く抱き締めた。
「アイラ…アイラ!!」
ホリンは、涙を流しながら、自分の愛する女性の名を呼び続けた。アイラは、その言葉をホリンの涙と共に受け止めていた……
347遠い日の約束:04/09/12 22:25:57 ID:kwu0fHfE


ホリンの感情が収まると、二人は向き合う様にベッドの上に座っていた。
「…すまない、アイラ……あんな事になってしまって……」
そう言い謝るホリンに、アイラは、「いいんだ」と言って、身体をホリンに預ける様に抱きついた。
「いいんだ……ホリンは、私と同じで、決して強くは無いのだと解って……
 昔、貴方にだけは、本当の自分をさらけ出す事が出来た……
 ホリン。私が初めてだったんだろ?あの様な事を話せたのは」
「…ああ」
「それが、私にとっては嬉しいんだ。ホリンにとって私は、特別なんだって……」
「……」
「…ホリン…続きをしよう…このままで終わりたくない」
「…だが、俺は――」
「私は、ホリンを信じる」
ホリンが言葉の続きを言おうとしたのを止めるかの様に、アイラはそう言った。
アイラには分かっていた。ホリンが何を言おうとしたのかが。
「ホリン。私が貴方を信じる様に、自分を信じればいいんだ。決して、さっきみたいにならないと……」
アイラは微笑みながらそう言った。
ホリンは、アイラの言葉に胸を打たれた。
――自分を信じる――
それはホリンにとって、故郷を離れてから一度も信じなかった事だった。
ホリンは不安だった。が、彼女の言う通り、信じる事にした。
他でもないアイラが信じてくれているのだ。それなのに、自分が信じられなくてどうする。
「分かった、信じよう。アイラと、俺自身を……」
そう言い終わると、二人は再び唇を重ね合わせた…… 
348遠い日の約束:04/09/12 22:28:05 ID:kwu0fHfE


「いくぞ、アイラ……」
先程と同じ体勢になり、一物を秘所に宛がいながらホリンはそう言うと、アイラは顔を縦に振った。
ホリンは、アイラの返事を受けると、再びアイラの膣内に一物を突き入れた。
「んんんっ!」
先程とは違って、比較的楽に入った。入り終わるとホリンは、ゆっくりと腰を動かした。動かすたび
に、先程と同じ快感が全身を駆け巡る。
「ん、ふぁ、ああ、ホリン…」
一方のアイラは、ホリンと同じく、快感を感じていたが、それ以上に、ホリンと一つになっていると
いう幸福感の方が強かった。
ホリンは、段々腰を動かすスピードを速めていった。それと比例して、打ち付ける強さも強くなって
いった。
「あっ!やっ、いいいっ!!ああああっ!ホリン、ホリンンンンンッ!!」
「アイラ、アイラッ!!」
小屋の中には、二人の声と、重ね合う際の淫音が響き渡る。
ホリンは、更に快感を得る為、動きを更に激しくした。その様はまるで獣の様である。
「あ!ああああっ!!いいいいいっ!!やっ!駄目えええええっ!!ホリンンンンンッ!!」
アイラはもう限界に来ていた。ホリンの腕を掴んでいる指の爪がホリンの腕に食い込んでいく。
「アイラッ、いくぞっ!!」
「あああっ!ホリンッ!!わ、私も、私も――ッ!!あっ!あああああああああああああああっ!!」
「アイラアアアアアッ!!」
ホリンが最後の一突きをアイラの奥深くに突き入れると、二人は同時に達した。そしてドクンッドク
ンッと脈打つ様にホリンの一物から精子が解き放たれた。
「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ……」
「はあ…はあ……はあ……はあ……」
互いに繋がったまま、二人は余韻に浸っていた。アイラは、自分の上に身を置いているホリンの身体
の温もりが、酷く温かかった…… 
349遠い日の約束:04/09/12 22:29:05 ID:kwu0fHfE


それから二人は、ベッドの上で寄り添う様に横になっていた。
アイラは、ホリンの腕の中で、今までに感じた事が無い程に、心が満たされた状態で眠りに就いていた…… 
350遠い日の約束:04/09/12 22:30:33 ID:kwu0fHfE


アイラは、夢を見ていた。
一人の少女が、樹の下で泣いていた。
アイラには、それが誰なのか判る。アイラは、少女の傍へと近付いていった。
――うっ、うっ、ううう――
泣いている少女に、アイラは声を掛けた。
――どうして泣いているんだ?――
すると、少女は答えた。
――彼が…セタンタが来ないの……来るって、待ってるって、約束してくれたのに……それなのに……――
するとアイラは、泣いている少女を抱き締めた。そして言った。
――大丈夫だ。今は来なくても、必ず彼は来てくれる…絶対だ……――
――本当に?――
――ああ、本当だ――
すると、遠くから足音が聞こえてきた。
遠くの方から、一人の少年が走ってくるのがアイラには見えた。
――ほら、待っていた人が来たみたいだぞ――
そう言い、少女の涙を拭いてやり、顔を足音が聞こえた方向に促してやった。
少女の顔がたちまち笑顔に変わると、駆け寄って来る少年の方に走って行った。
そして、少女は少年の胸へと飛び込んで行った。
アイラは、少女の嬉しそうな笑顔を見届けると、その場を去って行った……
351遠い日の約束:04/09/12 22:31:52 ID:kwu0fHfE


何かが自分の顔に触れているのを感じたアイラは、ゆっくりと目蓋(まぶた)を開いた。
「起きたか、アイラ」
触れていたのはホリンであった。見れば、すでにベッドから降りており、身支度を終えていた。
アイラは自分がまだ裸なのだと分かると、ホリンに、「後ろを向いてろ!!」と言い、着替え始めた。
いくら眠る前にあの様な事をしたからと言っても、裸を見られるのは恥ずかしかった。
ホリンはと言うと、アイラの望み通りに背を向け、じっとしていた。
なんだか自分が子供みたいだなと、アイラは一人思った。きっと恥ずかしいと感じているのも、自分
だけなのだろう……
着替え終わると、ホリンと一緒に外へと出て行き、セイレーンに帰る為、公道を歩き始めた。
外は陽が出始めており、朝の蜩の鳴き声が周りの木々から聞こえてくる。
山道を抜け、平野に出ると、既に太陽が出終わり、世界に朝を呼んでいた。
二人は何も語り合う事なく、互いに肩を並べながら歩いていた。
帰る途中、二人は例の丘に立ち寄っていた。太陽の方角から涼しい風が優しく吹いていた。
352遠い日の約束:04/09/12 22:33:07 ID:kwu0fHfE
「…ホリン」
横にいるアイラに呼ばれ、顔を向けるホリン。するとアイラは、一度深呼吸をすると、言った。
「ホリン…私は、ホリンの事が好きだ……」
そう言い終わると、アイラは静かに微笑んだ。
「…ようやく、あの時に伝えられなかった事が言えた……」
対しホリンは、一瞬不思議そうな顔をしたが、アイラの心境が解ると、微笑を返した。
互いにそのまま見詰め合っていたが、アイラの表情が変わっていった。何処か不機嫌そうな感じである。
ホリンは、どうしたと聞こうとしたが、先にアイラの口が開いた。
「……もらっていない」
「……?」
「返事を、もらっていない…」
何処か拗ねた様にそう言うアイラに、思わず笑いそうになったが、ホリンはアイラの肩を抱きしめると、言った。
「アイラ…俺は、アイラの事が――」
その言葉の続きを言い終わると、二人は互いに笑みを浮かべると、どちらとも無く口付けを交わした……
それを知っているのは、この丘に一人立っている大きな樹だけであった……
353遠い日の約束:04/09/12 22:35:32 ID:kwu0fHfE


それから瞬く間に数週間が過ぎた。あの日からアイラは、何処か自分の中で吹っ切れたのか、技の切
れ味が以前にも増して良くなったと、シグルドに言われた。
そして今日も、朝食を取ってから、シャナンと一緒に例の丘へ行く事になっている。
「しかし、まさかホリンだった何てなあ……人は見かけによらないもんだなあ」
そう言うのは、数日前に、アイラに振られ、現在失恋中のレックスであった。
あれからレックスとは、気の合う親友として付き合っている。振った時も、残念そうな顔をしてはいたが、
すぐにアイラの恋が実った事を喜んでくれた。この辺が、レックスの事を好きになった要因だったのだと、
今のアイラには解る。実際、ホリンがいなければ、きっとレックスと結ばれていただろうと感じている。
「男は黙って、背中で語るものだ」
冗談でレックスにそう言うアイラ。
「そうかもなあ。エーディンも、そう言った所でジャムカ王子を選んだのかもなあ……」
と、真面目にそれに言葉を返すレックス。
「所で、お前等ちゃんと式は挙げんだろ?」
一瞬何を言っているのかと考えたが、すぐにそれが何なのか解った。結婚式のことを言っているのだ。
「別段その予定は無いが……」
「おいおい。そんな事言わずにやっとけって。しないよりした方がずっと良いに決まってるぞ?」
そんなものなのだろうか?顔を傾げているアイラに、レックスは次の様に言った。
「何なら、俺達で式の準備、やってもいいぞ?」
「な、何言ってるんだ!?しなくていい!!」
しかしレックスには全くその言葉が通じていない――もとい聞いていないフリをしている。
「そう恥ずかしがるなって。いい場所知っているし、ちゃんと皆招待してやるから心配するな」
そう言うと、レックスは席を立つと、その場を後にしようとした。
「こ、こら待て!!」
レックスを捕まえようとしたが、サッと避けられ、「じゃあな」と言い逃げられてしまった。
仕方なく、残った食事を平らげると、シャナンの待っている城門前へと向かった……
354遠い日の約束:04/09/12 22:37:06 ID:kwu0fHfE


それから一ヵ月経ち、二人は今、城下町の修道院にいる。レックスが言っていた良い場所とはここの
事であった。
何故ここなのかとレックスに聞いてみると、アゼルとティルテュの紹介で知ったと言った。依然、ここ
にいるアゼルを見掛けた事があるアイラには納得がいった。
対するホリンの方は、別段何も言わず、これから始まる出来事に対し、無言のまま待っていた。
そして二人はそれぞれ別の部屋に連れて行かれ、これから始まる挙式の主役の為の衣替えが始まった。
ホリンの方は、以前こういった経験のあるエスリンが行ない、テキパキと作業をこなしていった。
一方のアイラの方は、今や一児の母となっているエーディンが行なっている。純白のウエディングド
レスを着せ、髪を整えている。
「…どうしても、この格好でしなければいけないのか……」
女性にとって、人生で一番輝く時だと言うのに、大きな溜め息を吐くアイラ。
「そんなに大きな溜め息を吐く様な事ではないでしょう?それでは新郎が可哀想(かわいそう)だわ」
アイラのすぐ横に居たシルヴィアがそう言った。
「私は別に、この様な事はしたいと言ったつもりは無いんだが……」
「本当にそう思ってたの!?あ〜本当に勿体無い事するところだったじゃないの。今回はレックスと
アゼルに感謝するのね」
そう言いながらもシルヴィアは、アイラの前に来て、薄い青紫色の口紅を取り出すと、アイラの唇に
そっと塗った。
355遠い日の約束:04/09/12 22:38:04 ID:kwu0fHfE
すると部屋のドアをコンコンッと叩く音が聞こえると、部屋の外から「入ります」と元気な子供の声
が聞こえてきた。
入ってきたのは、この修道院で暮らしている孤児達であった。孤児達は、アイラの傍に来ると、手に
持っていたブーケを差し出した。
「お姉ちゃん、おめでとう!」
「これ、わたし達のプレゼント!」
そう言うと、アイラに野花で出来た冠を渡した。
「…お前達が作ってくれたのか?」
「うんっ!」
「そうか…ありがとう。これ以上に無いプレゼントだ」
子供達の心のこもったプレゼントに、アイラは笑顔で礼の言葉を言った。
「それじゃあみんな、準備の手伝いしに行くぞ!」
子供達の中のリーダーらしき子がそう言うと、「オー!」と皆で言い、部屋を後にした。
「…はい、これで終わり。アイラ、終わったわよ」
そう言われ、シルヴィアの持ってきた手鏡を覗き込んで見た。
「……これが、私なのか……!?」
「そうよ。普段の貴方でも十分イケてるけど、ドレス着て、おめかしすれば更に良くなるんだから。
本当、何でそういうの嫌がるのかなあ」
「シルヴィア。新婦にそういう事は言わないの。
さあアイラ。新郎に会いに行きましょう」
「あ、ああ……」
「エーディン。アイラがドレスの裾、踏んずけて転ばない様にしっかり見てやってね」
シルヴィアの言葉を背に受けて、二人は新郎の待つ部屋へと向かった……
356遠い日の約束:04/09/12 22:39:30 ID:kwu0fHfE


「……はい。これで終わりよ」
衣装を着せ、何処もおかしな所が無いと判断したエスリンはそう言うと、うーんと言いながら背筋を
伸ばした。
一方のホリンは、着慣れない衣装を着ているせいか、内心落ち着かなかった。手元に剣が無いのも相
成っていた。
その時、コンコンッとドアを叩く音が聞こえてきた。
「どうやら、新婦が来たみたいね。それじゃあ私はこの辺で」
そう言い、ドアを開け、部屋の外にいる人と入れ違いに出て行った。
中に入って来たアイラを見たホリンは、一瞬目を見開いて驚いた。が、すぐにいつもの顔に戻すと、
「綺麗だ、アイラ」
と決まりきった台詞を言った。
「そうか。ありがとう」
そう言うと、二人は互いに見つめ合ったまま、しばらく動かなかった。
すると、部屋の外から、「準備出来たわよ」と、エスリンが声を掛けてきた。
「行くか、アイラ」
「…ええ」
二人はそう言い合うと、皆の待つ礼拝堂へと向かった。
357遠い日の約束:04/09/12 22:40:54 ID:kwu0fHfE


そして二人は、多くの人達に祝福されながら、晴れて夫婦となった。
それから二人は、夜遅くまで皆と一緒に祝いの宴をし、今はシャナンと一緒にアイラの部屋にいる。
「ようやく一息吐けるな……もう結婚式はこりごりだ」
「そお?僕は楽しかったよ」
「シャナンと違って私は色々と皆にしなければいけない事があったんだ」
「でも、ホリンは何とも無いよ?」
そう言われ、ホリンを見てみた。
確かにいつもと変わらず何とも無さそうに見える。
しかし、アイラには判っていた。こう見えて、いつも以上に疲れているのが。
「ああ見えて、本当は疲れているんだぞ、シャナン」
「そうなの?アイラはそう言ってるけど、本当?」
シャナンにそう訪ねられたホリンは、「ああ」と返事を返した。
実際にホリンは、慣れない空気の中に長く居続けたせいで、心身共にかなり参っていた。
「アイラではないが、結婚式は今回で十分だ。後は出来れば参加はしたくない」
そう言うと、ホリンは部屋から出て行こうとした。
「何処に行くんだ、ホリン?」
「…自分の部屋に行くが…どうかしたのか?」
「せっかくこうして夫婦になったのに――」

358遠い日の約束:04/09/12 22:42:31 ID:kwu0fHfE
「そうだよ。ホリンも一緒の部屋で寝ようよ」
「……ベッドが足りないだろう」
たしかに、この部屋にはベッドが二つしかなく、三人は寝れない。
が、シャナンはこう言った。
「大丈夫だよ。ホリンとアイラが一緒に寝ればいいよ。そうすればベッド足りるでしょ?」
それを聞いたアイラは顔を真っ赤にして、
「な、何を言ってるんだシャナン!?」
と言った。
対してホリンは、普段と何ら変わらなかった。
「だって夫婦になったら、一緒のベッドで寝るんでしょ。違うの?」
「ち、違くは無いが……て、シャナンには関係無いだろう!!」
「わっ!!ち、ちょっとアイラ、怒んないでよ!?」
まるで姉弟の様なやり取りをする二人を見ながら、ホリンは、「落ち着け」とアイラに言ってやった。
「とにかく二人共、今日はもう遅い。早く寝ろ。明日も訓練はするのだからな」
そう言われ、シャナンは、「はーい」と言うと、そそくさと自分のベッドの中へと入っていった。
「ホリン。ちゃんとアイラと一緒に寝るんだよ」
「いいからシャナンは早く寝ろ!!」
アイラにきつくそう言われると、シャナンは毛布を頭の上に被った。
「分かったよ……ねえ、アイラ…」
「……何だ?」
「…ありがとう。ホリンを選んでくれて……
 …ホリン、ありがとう。アイラを好きになってくれて……」
そう言い終わると、二人に背を向けながら、シャナンは眠りに就いた。
二人共、シャナンのその言葉に、酷く感動していた。
「…ありがとうか……」
「…今日言われた事で、一番嬉しい言葉だな、アイラ…」
「そうだな……ホリン……私達も寝よう…」
「そうだな…」
そう言いながら二人は、眠る事にした。互いの温もりを感じながら……
359遠い日の約束:04/09/12 22:44:58 ID:kwu0fHfE

  
次の日からは、それまでと変わらない日々を送っていた。互いにシャナンに剣を教えながら、腕を磨いていった。
そしてある日の夕方。二人は訓練を終え、帰路についていた。ホリンの背中には、稽古で疲れてしまっ
たシャナンが、静かな寝息をたてている。
現在二人は、シャナンにそれぞれの家に伝わる剣術を教えている。
アイラは、何故シャナンにソファラの剣術を教えるのかと聞いてみた事があった。
ホリンは、次の様に言った。
「いずれシャナンは、イザークを取り戻す為の戦いをする事になるだろう。その時、ソファラの剣術
 を覚えていて損はないはずだ。それに、いつ何があって俺は死ぬかもしれない。そうなる前に、俺の
剣技を、誰かに伝えておきたかった……それが、シャナンであったと言うだけだ」
今では、イザークの剣術をシャナンは完全にマスターしていた。技と速さが中心のこの剣術は、シャ
ナンには合っていたのだろう。
そして、ソファラの剣術は、基本的な型は覚えたものの、力と判断力が必要なこの剣術は、子供である
シャナンにはまだ無理がある様だ。
「なあ、ホリン」
「…何だ?」
「ホリンにとって、シャナンはどういった存在なんだ?」
ホリンは、少しばかり考えた後、フッと笑うと言った。
「アイラ。お前と同じく、掛け替えの無い存在だ……俺がこうして、お前と一緒になれたのも、シャナンが
いたからかも知れないな…」
その言葉を聞いたアイラは、心の底から嬉しかった。
「きっとシャナンも、ホリンの事をそう思っているはずだ」
「…そうか」
そう言いながらも、ホリンの表情は嬉しそうだった。
360遠い日の約束:04/09/12 22:48:02 ID:kwu0fHfE
「アイラ。一つ、聞いておきたい事がある」
「何だ?」
そう言い、ホリンの方に顔を向けた。ホリンはその場に立ち止まり、言った。
「龍月の事だが……どうだ?何か変わった事は無かったか?」
「…何も無いが……それがどうかしたのか?」
「…アイラ。龍月――他の勇者の剣にも言える事だが、その剣を、破邪降魔の利剣とするか、残虐無
道の毒刃とするかは、お前のこれからの心次第だ……正しき心で振るい続ければ、龍月は、新たな
力を持った剣へと生まれ変わるだろう……俺は、アイラがそうしてくれると信じている……」
「…分かった。私は、この剣を再び暗黒の剣にはしない。必ず」
アイラは決意を込めてそう言った。ホリンは、そのアイラの気持ちが解ったのか、微笑んだ。
「さあ、こんな所で立っていないで帰ろう」
「…そうだな……ホリン」
「…何だ?」
「城に着いたら、伝えたい事があるんだ……」
「今では駄目か?」
「シャナンと一緒の時に伝えたいんだ」
「そうか…解った」
そう言い終わると、二人は再び歩き始めた。


そしてホリンは、城に着き、シャナンと一緒にアイラの話を聞いた。
その話を聞いたホリンは、今までに無い位に喜びの声を上げたという……
そしてアイラは、そんなホリンに抱き締められながら、幸せを感じていた……

361千葉犬:04/09/12 22:55:30 ID:kwu0fHfE
以上です。長い話になってしまいましたが、最後まで読んでくださった方、
本当にありがとうございます。
今回の作品書き終えて、ちょっと燃え尽きてしまった感があるので、しばらく
休もうと思います。
だからと言って、もう投下しないと言う訳ではありません。しばらくは自分の
ペースで書いていきますので、今までほど作品を投下は出来ないとは思い
ますが、どうかご理解いただけるようお願いいたします。
それでは、次の作品を投下する日まで、ごきげんよう。
千葉犬でした。
362名無しさん@ピンキー:04/09/12 23:29:23 ID:EkJuBcAM
GJ!!待ってるよ!
363名無しさん@ピンキー:04/09/12 23:39:55 ID:gK/vhx1+
Very GJ!
勇者の剣とかホリンが金髪とか、裏設定満載で面白かった。
暗黒の剣→マリータの剣の可能性もちらっと見えたような気が…

オリジナル設定大杉かも知れんが、作品そのものの質がメチャ高いので無問題♥
今度外伝とかも書いて下され
364むた ◆rEtdWXJvJ6 :04/09/13 00:20:35 ID:ucmDJfPy
GJです。お疲れ様でした。
長い話を見事にまとめ上げてますね〜
また次の作品も投下待ってます。
365名無しさん@ピンキー:04/09/13 03:00:24 ID:B/3CKncN
設定を持て余してる感はあったが
二人を祝福してるシャナン、アレで全て吹っ飛んだ。
本当に幸せそうで(・∀・)イイ!!
愛が溢れてる作品は読んでてやっぱり幸せっす。GJ
366名無しさん@ピンキー:04/09/15 14:16:16 ID:DPBLi4yn
ラドネイの陵辱だれかかいてくれないかなぁ
367O沢:04/09/15 21:59:29 ID:s1vKXcrW
MF版9巻で書きますた
368名無しさん@ピンキー:04/09/16 18:08:59 ID:MDR8Gs/+
おれもみてみてぇ
369名無しさん@ピンキー:04/09/17 13:47:57 ID:EJ/GKgkj
意味もねえが、作品倉庫のSSの数を数えてみた。
小ネタ・前後分けも含めて、241作品。それ以降投下されたのも数えて、現在250作品位になってる。
なんか、二次創作サイトを漂うよりも、ここに来た方がいいのに巡りあえるんじゃないかと今更ながら思えてきたよ。
370名無しさん@ピンキー:04/09/17 17:30:18 ID:gb2MrtJl
ラドネイたん
371名無しさん@ピンキー:04/09/17 20:36:52 ID:MrVpECFD
>369
へえ、そんなにあったのか。
ついでに作品ごとの内訳もよろしく。
372名無しさん@ピンキー:04/09/17 22:11:25 ID:gb2MrtJl
リーフの浮気シリーズ最終回みたい
373名無しさん@ピンキー:04/09/18 12:39:30 ID:0C0zvTr6
内訳というよりは、寸評だけど、一応書いてみた。

初代スレより

汚されるシスター 
セリスがラナを無理矢理犯す鬼畜物。イヤイヤながらもセリスの責めに対してほのかに感じているラナを苦痛によって奈落に落とす様はなかなかのもの。
最初に投下されたSSは、現在の投下作品の傾向とは違く、鬼畜であったのは、意外と思えるかもしれない。

ラインハルト×オルエン
ラインハルトとの戦いに敗れたオルエンは、見知らぬ部屋で目を覚ます・・・といった場面から始まる兄妹和姦物。
ラインハルトとの情事を終えた後のオルエンの決意は、どこか痛ましく感じる。

悪夢という現実
エスリン陵辱物。拘束された状態から兄の家臣二人に姦される。ゲーム内ではどこか情けないアーダンも、
ここぞとばかりに男(獣性)をむき出しにして犯すさまは、他では拝めないだろう。
最後の締めも、更なる絶望が待っている趣があり、なかなかのものだと思う。

地下探索は危険な香り
イード神殿の探索の際、セリスとフィーは突如崩れた足場に巻き込まれた。そして二人は出口をもとめ、さまよう事に・・・
セリス×フィーの、結果的に和姦?物。第一作の鬼畜セリス×ラナの場合といい、イード地方には、どこか理性を狂わせる何かがあるんだろうか?
もっとも、セリス×ラナの場合は、はっきりとした原因があるけれども(いや、今作もか)

戦場そして・・・
シーダ陵辱物。ドルーア帝国最凶と唄われる『ドルーア重装騎士団』という架空の戦闘集団を使っての強姦シーンまでの件は読み応えがある。
一部流血・グロ表現があるので、読む際は注意。
エロシーンは無いが、レナも登場している。

今後も時間をみて、続きの寸評をちょくちょく書いていこうと思ってる。
俺以外にも書いてくれる人がいたら歓迎する。
正直、一人でやるには量が桁違いなので・・・。
374名無しさん@ピンキー:04/09/18 14:21:44 ID:IXupll1g
>373
トリップ付けてくれると嬉しい。
375 ◆.lt5gYzbQ. :04/09/18 16:47:31 ID:+GQXMbt5
おいらの作品はどういう書かれ方するんだろう・・・?
ちょっと楽しみw
376名無しさん@ピンキー:04/09/19 01:25:38 ID:nUm+XLtF

そろそろ新しい神が光臨してもいいような気がするが、ホリアイの後だから
チョット無理なのかなあ……

それはそうと、ホークアイ祭、続きはよ書いてくれないもんかな。
377名無しさん@ピンキー:04/09/19 01:36:40 ID:65NigZqI
>372
俺もみたい(リーフの浮気最終回)
復活プリーズ
378名無しさん@ピンキー:04/09/19 10:33:46 ID:Slj2kXlU
ミランダ萌えさんいないのかな〜
379ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/09/19 10:38:02 ID:QnNCtjuT
FEのSSを書こうと画面に向かいあった途端に頭の中が真っ白になる・・・
今すげえスランプ。スマソ。
380名無しさん@ピンキー:04/09/19 16:14:15 ID:IqBTi+KY
ここらで保守age
381名無しさん@ピンキー:04/09/19 16:31:25 ID:MMFg6snV
そうだったのか。無理せず書けるようになったら書けばいいだろうから
それまでは皆で倉庫でも開いて過去の作品を呼んでいようぜ。


 
                なっ!?
382ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/09/19 18:35:59 ID:SWnqv7lB
いまいちうまく書けるかどうかわからないけれど、現状打破のため、とりあえず何か書いてみようと思います。

注意

鬼畜や陵辱というわけではないのですが、多分に実験的要素が含まれますので、人によっては不快に感じるかもしれません。
ご了承下さい。

それから、作品倉庫の管理者様、この作品はあくまでも実験ですので、倉庫への収録はご遠慮願います。
383ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/09/19 18:58:42 ID:SWnqv7lB
明るい日差しが窓から差しこんでくる・・・

「ん、ん〜・・・」
ハーケンはまぶたの上から感じる明るさに目を覚ました。
「・・・・・・いい朝だな・・・・・・」
伸ばしてある右腕には、愛しい人のさらりとした髪が、はらりとその右腕をくすぐっていた。
すー、すー・・・
寝息が優しくハーケンの上腕からわきの下をくすぐると、ハーケンはそっと、左手で優しくイサドラの 頭を撫でた。
「かわいいな・・・」
普段の厳しく、そしてりりしい表情からは想像もできないほど、その顔はかわいかった。
ハーケンはふと微笑んだ。
(こんなイサドラを知ってるのは、私だけだろうな・・・)

突然、イサドラの頭がすいっと持ち上がり、彼女の美しい顔が、ハーケンの顔に向けられた。 彼女の瞳はすでに開いている。
「ねえ、かわいいって、誰のこと?」
彼女はいたずらっぽく、にこっと微笑んだ。
「・・・何だ、起きてたのか・・・」
ハーケンがそうつぶやくと、イサドラはますますいたずらっぽく詰め寄った。
「ねえ・・・、かわいいって、誰のことよ?」
「決まってるじゃないか。」
ハーケンはそう言うと、イサドラの首筋にそっと両腕をまわし、そっとその頭を抱きしめた。
「もう、そんなしぐさでごまかさないで!で、誰よ?」
「まいったなあ・・・、どうしても言わないとダメかい?」
「当たり前じゃない。」
イサドラの瞳が、期待に輝いている。そしてハーケンは照れながら、その人の名を口にした。
「イサドラ、君だよ。」
その言葉を口にした途端、イサドラは唇を重ね合わせてきた・・・。
「ん・・・?」
「はい、ご褒美。」
頬をほんのり赤く染めながら、イサドラはいたずらっぽく微笑んだ。
384ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/09/19 19:10:17 ID:SWnqv7lB
「イサドラ・・・・・こいつめっ!」
「きゃっv」
今度はハーケンのほうから、イサドラの唇を吸う。
「も、もう!いきなり、びっくりしたじゃない!」
「ふ・・・、君がそんなにかわいいからだ。」
そして、ハーケンはイサドラをぎゅっと抱きしめた。
何も身に着けていない、あられもない生まれたままの姿。
イサドラの心地よいぬくもりが、ハーケンの体にも伝わる・・・。

ハーケンは体をひっくり返した。すると、今度はイサドラが仰向けになる。
上から下へと、ハーケンは視線を何度も往復させる。
イサドラの美しい裸体。今、この至高の芸術品は、すべて、自分のものである。
「ハーケン・・・ちょっと恥ずかしいけど、でもいいの。だって、あなただから・・・」
イサドラの甘いつぶやきに、ハーケンはごくりと息を飲んだ。
「すごく・・・きれいだよ・・・」
イサドラは頬を真っ赤に染めた。
385ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/09/19 19:22:56 ID:SWnqv7lB
イサドラは恥ずかしそうに、ゆっくりと両足首を上に持ち上げた。
そして、その足首が頂点に来ると、今度はそれを左右に目いっぱい広げる・・・
「ハーケン・・・私の全てを・・・見て・・・」
そう言うとイサドラは瞳を閉じた。彼女の両足の付け根、その中間地点に広がる彼女の於満虎。
「・・・・・・。」
ハーケンは何も言わずに、その緒万個に顔を近づけて、そっと舌で舐める・・・
「ん・・・んふぅ・・・」
御漫粉に刺激を感じて、イサドラの尾万戸からじわっと濃厚な愛液が溢れてくる・・・
「イサドラ・・・すごくおいしい・・・」
御万個に口を付けたまま、ハーケンはその愛液を吸い始めた・・・。
ぴくっ、ぴくっ・・・
「あっ・・・あっ・・・」
股の間にハーケンの頭を抱えながら、イサドラは喘ぎ声をあげた。
「あああああ・・・」
次の瞬間、イサドラの小萬庫から、濃厚な蜜が一気に吹き出た。
386ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/09/19 19:41:03 ID:SWnqv7lB
まるで全てを放出したかのようなイサドラの尾幡呼。
しかし彼女はその濡れた尾慢古を二本の指でさらに押し広げた。
「ハーケン・・・ちょうだい・・・」
みずみずしく輝くその尾萬胡・・・
「わかった。」
ハーケンの於珍賃は、もうこれ以上ないくらいにいきり立っている。
何のためらいもなく、ハーケンは、イサドラの小万庫に、己の尾朕沈をくっつけた。
「いくよ・・・」
ぐいっと腰を寄せると、ハーケンの御陳賃は、イサドラの尾万鼓に入りこむ・・・
「あああああっ!」
ハーケンの固くて太い尾賃朕を御饅顧でいっぱいに感じて、イサドラは悲鳴をあげた。
根元までくわえこんだイサドラの御萬虎が今、ハーケンの珍鉾を搾りあげる・・・
「くっ!何の!」
ハーケンは負けじと、必死にイサドラにしがみついて腰を振る・・・
その動きに合わせて、イサドラはますます悲鳴を上げた。
「ひいいいいいいいいいいいいいっ!!!いいいいいいいいいいいいっ!!!!」
「イサドラ、行くぞ!」
ハーケンの腰の動きが急激に早くなる・・・
びくっ、びくっ!
一瞬、二人の頭の中が真っ白になった・・・。
ハーケンの御珍陳から、正確にイサドラの御饅虎に伝わる律動。
それは、彼女の膣の中に、ハーケンの愛情溢れる子種が注がれた証。
387ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/09/19 19:44:04 ID:SWnqv7lB
やわらかい日差しが降り注ぐ休日の朝。
「もうしばらく、このままでいようか。」
ハーケンはイサドラを抱き寄せ、そっとささやいた。

おしまい

あまりにくだらなくてスマソ。

あと、続きもののほうはもうしばらくお待ち下さい・・・
388名無しさん@ピンキー:04/09/19 20:01:35 ID:tL2j+l93
ああ実験って「ま○こ」「ち○ち○」表記の事かナルホド……
作品の出来もあってか、これなら寧ろ斬新な表現だとオモ
GJ!

「書けなくても書いてみる」っちゅう氏の熱意と努力とスレへの愛に畏敬を覚えます。
これからも応援してるので、くれぐれも無理はなさらないで下さい!
389名無しさん@ピンキー:04/09/19 22:23:47 ID:Slj2kXlU
だとさ
390名無しさん@ピンキー:04/09/19 22:25:22 ID:WFaPX5bg
次いってみよー!!
391名無しさん@ピンキー:04/09/19 23:59:10 ID:rUv57ZYM
万個珍個でも、ダミアン氏の作風には合ってるな。
最初の頃はこんな表現だったし。
例えば、マシン氏が書いたら腰抜かすが。
392名無しさん@ピンキー:04/09/20 00:06:02 ID:Onaeyy49
>ダミアン氏
…この人もしかして溜まってるのか、と思わせられる執念に激しく乾杯
確かにくだらないけどワロタ。それでいいじゃないか
393名無しさん@ピンキー:04/09/20 00:19:11 ID:ErKrD/U9
笑い死ぬかと思った。
394名無しさん@ピンキー:04/09/20 01:44:23 ID:eitth0gQ
コラッ!
1週間やそこら新作が投下されないからって騒ぐなんておかしいって!
レス数とスレ容量が大して変わらないなんてこんな恵まれたスレないよー!

あーもうカチンときたよー
395名無しさん@ピンキー:04/09/20 01:44:49 ID:eitth0gQ


「ふむ。刃毀れが目立ってきたな…」
手入れの最中、誰にともなく呟く。
つい先日寄った街で入手したものだというのに、
眼前の剣身はすでにいくつも欠所が見られることに彼女は不満があるようだ。
購入した当時の艶はすでになく、柄の部分には乾いた血のような
赤黒い染みがこびりついている。
ここ数日の戦いの激しさを物語るその剣が
彼女の手から放れるのはそう遠くないかも知れない。
「ぬうっ、貴様! カアラか…?」
突如背後から上がった奇声に振り返ると、
頑強そうな筋肉を身に付けた男が部屋の入り口に立っていた。
驚く彼へ目をやったのも数秒、すぐにまた剣の手入れに戻ったカアラに
男は続けて言葉を発した。
「な、なぜお前がここにいる!」
「エリウッド殿にこの部屋を通されたからだが。
 バアトルよ、お前は何故ここへいる?」
396名無しさん@ピンキー:04/09/20 01:45:30 ID:eitth0gQ
バアトルと呼ばれたその男は、
つぶらな瞳をいっぱいに開いて目の前の女をしばたき見ている。
その様子に気づいたカアラは顔を上げ、
その視線を受け止めるようにじっと見つめ返す。
沈黙の流れる中、その視線に照れるようにして先に顔を背けたのは
バアトルの方だった。
「むう、俺もエリウッド様に言われたから来たのだ。
 だがお前と同じ部屋だとは聞いていなかったぞ!」
「私も相部屋とは聞かなかったが……
 ここもさほど大きくはないようだからな。致し方なかろう」
「そ、それはいかん! 俺とお前が相部屋などとっ…」
激しく動揺するバアトルへカアラは事も無げに返した。
「別に問題なかろう。何やら手違いがあったかも知れないが、
 わざわざエリウッド殿やヘクトル殿へ伝えることでもない。
 ここで一晩過ごせばそれで済む話ではないか」
「ぬうっ……お、お前がよくても俺がいかんのだ! ま、またあのような…」
カアラは手に持った剣を置いて、いつまでも血気盛んにごねるバアトルを
落ち着かせるように、低い声色で呟いた。
「そう嫌うな。知らぬ仲でもあるまい?」
不敵ささえ感じさせるカアラのその笑みに、
バアトルは凍りついたように立ちすくんだ。
「ぐうっ……!」
397名無しさん@ピンキー:04/09/20 01:45:59 ID:eitth0gQ


部屋の灯りを消して幾ばくかの時が過ぎた。
隣りのカアラが気になるのか、バアトルの目は今だ冴えたままだ。
カアラの気配もまた普段通りに感じ取れることから彼女もまだ
眠りについてはいないとわかってはいたが、
それがわかっているからと言ってバアトルに選択肢が
増えることはなかった。
何より彼には”前科”がある。
同じような状況にあった数日前、類稀な美貌を持つ彼女を相手に
過ちを犯しているのだ。
わだかまりもようやく消えつつあるここでまたバアトルは
同じような過ちを繰り返すことだけは避けたかった。
何とか気を落ち着けて睡眠の誘いを待っていると、
バアトルはふいに横で空気が動くのを感じた。
「今日は来ないのか?」
「!!」
その呟きにガバッと飛び起きると、バアトルはカアラを見た。
黒曜石を思わせるような漆黒の瞳がじっとこちらを見つめている。
398名無しさん@ピンキー:04/09/20 01:46:26 ID:eitth0gQ
「す、すまん! カアラよ!!」
額を叩きつけるほどの勢いで頭を下げたかと思うと、
バアトルは部屋から飛び出んばかりの大声で謝罪を始めた。
「あの時はどうかしていた! 俺としたことが、お前の寝顔の
 美しさにどうにも止まらなくなってしまったのだ!」
眠っていたカアラを夜這ってしまった時のことを思い出したのか、
今にも火を噴きそうなほど顔を紅潮させてひたすらに許しを請う。
「謝ってすむことではないのはわかっている!
 剣をもたぬお前にあ、あのようなことを……!!
 男として決して許されることでない!!
 この俺の一生をかけてつぐなうつもりだ!!」
「声が大きいぞ、バアトルよ。皆が目を覚ましてしまうではないか」 
激しい剣幕のバアトルをなだめるように、カアラは上体を起こして静かに告げる。
「それが理由だというのなら、私にも非があるだろう」
そう言ったカアラにバアトルは信じられないものを見るような眼差しを向けた。
「なっ、何を言う!? なぜお前に非があるというのだ!!」
399名無しさん@ピンキー:04/09/20 01:46:53 ID:eitth0gQ
「おぬしの前で無防備な姿を見せてしまった。
 私の寝顔を見なければああいうことにはならなかったのではないか?」
表情を落ち着けないバアトルとは対照的に、カアラのそれは至って沈静だ。
「ち、違う! 違うぞ! い、いや、たしかにそうだが、どうも俺は
 最近お前の姿を見るたびに……何か、おかしな気分になるのだ!」
含みのある物言いに、カアラの瞳に好奇の色が浮かぶ。
「ほう、興味深いな。聞こうではないか」
「お前が俺にとって生涯をかけて倒さねばならん存在だということは
 変わっておらん。変わっておらんが、近頃お前を目で追うことが
 多くなっていることに気づいたのだ」
「ふむ」
続きを促すカアラに、バアトルは息を飲み込んで1つ呼吸を置いた。
「確かに俺はお前と戦える時を心待ちにしている。
 しかし、それだけではないのだ! それとは違う……
 何やらモヤモヤした気持ちが、俺の中でうずまいているのだ!!」
バアトルの独白に、カアラはただ黙って耳を傾けている。
その表情から感情の機微は読み取れない。
400名無しさん@ピンキー:04/09/20 01:47:34 ID:eitth0gQ
「あの夜、お前の寝顔を見ていたら……そのモヤモヤが
どんどん大きくなって、そして……うおおおお!!」
その時のことを思い出したのか、バアトルがいきなり顔を掻き毟り出した。
押し寄せてくる後悔の念を霧散させるように掌で強く自らの顔面を押さえつける。
「お前の事情はわかった。そういう経緯で事を起こしてしまったというのなら許そう」
「な、何だとっ!?」
カアラは咳払いを1つ残して、姿勢を改めた。
大きな身体のバアトルを前にして見るカアラの身体はあまりにも細く、
同じ戦場で剣を握る仲間とは思えないほど華奢な身体つきだ。
「確かにいきなりだったが、おぬしが嘘を吐いていないことはわかる。
 それほどまでに許しを請うのなら、仲間のよしみで水に流そう」
「ほ、本当か!?」
罪人のようだったバアトルの顔に輝きが戻った。
力んだためか鼻穴が大きく膨らんでいる。
「そもそもお主は悪いことをしたと言うが、私はそれほど恨んではおらん」
それがあまりに意外な申し出だったのか、間抜けた表情を浮かべるバアトルに
カアラは少しはにかんで見せた。
401名無しさん@ピンキー:04/09/20 01:48:01 ID:eitth0gQ
「いくら寝込みを襲われたといっても、
 隙だらけのお前を切れぬほど私の意識は朦朧とはしていなかった。
 お前がやりにくそうなのを見てちゃんと腰を浮かせてやったではないか」
「な、何っ!? お前はあの時すでに起きていたというのか!?」
「馬鹿者、あれだけ力任せに服を破いておいて何を言っている。
 それにどれだけの苦痛があったと思っている?
 身を裂かれたのだぞ、お前の一部で」
脳天気な男だな、とカアラは溜息をついて見せた。
「むうっ……」
「もっと優しく扱え。私はお主ほど頑丈には出来ていないのだからな」
自分の二の腕をさするカアラ。
それはバアトルの腕を大木とするならば、小枝と形容できるほどの細さだ。
「す、すまん」
「で、どうするのだ?」
質問の意味がわからずにきょとんとしているバアトルに、
カアラは少し言いにくそうにしながらも言葉を続けた。 
「おぬしがいつまで待っても来ぬから、私も眠れないではないか」
402名無しさん@ピンキー:04/09/20 01:48:29 ID:eitth0gQ


「脱いだぞ。私がそちらへ行けばいいのか?
 それともおぬしがこちらへ来るのか?」
服を脱ぎ終えたカアラがバアトルに問う。
「よ、よし、俺がそっちへ行くぞ」
「うむ」
分厚い胸筋を揺らしながらバアトルはぎこちない動きで
カアラのベッドへ向かった。
身体を横たわらせたカアラに覆い被さるようにバアトルは重なっていく。
寝ていても形を崩さない豊かな乳房に恐る恐る手を伸ばすバアトルを、
カアラは黙って観察している。
「……ん」
ごつい指が膨らみに到達すると同時にカアラの口からくぐもった声が漏れる。
何を感じた訳でもなかったが、場に流れる妙な雰囲気が
彼女の調子を狂わせていた。
「す、すまん。痛いか」
403名無しさん@ピンキー:04/09/20 01:48:56 ID:eitth0gQ
「別に何ともない。気にするな」
乳房に触れておいて『何ともない』と言われるのは複雑なはずだが、
バアトルは『痛みはない』ということにホッとしているようだ。
続けてゆっくりとカアラの乳房をなでまわす。
丸く膨らんだそのかたまりは、細身なこともありそれなりに大きく見える。
が、バアトルを夢中にさせているのはその柔らかさだった。
記憶にはないその絶妙な柔らかさは乳房を覆う指を離してくれない。
「先程からずっと胸に固執しているが、私の胸が気に入ったのか?」
「う、うむ。おなごの乳というのはこれほどまでに
 柔らかいのかと驚いていたところだ」
「そうか……剣を振るにはいささか大き過ぎると忌み嫌うことも多かったが、
 おぬしが気に入ったというならそれも良い……」
カアラの手がバアトルの胸に触れた。
厚い胸板に当てた掌をスライドさせて、筋肉の隆起を確かめる。
「むおぉっ……!」
404名無しさん@ピンキー:04/09/20 01:49:33 ID:eitth0gQ
「おぬしの身体はたくましいな。もっともあれほどの斧を振るには
 これぐらいの筋肉を持ってしなければならぬということか」
くすぐるような動きがバアトルを刺激する。
快感というには弱すぎる感覚だったが、
カアラの動きにはどこか官能さが感じられた。
「ぬぅっ……カ、カアラよ、少し態勢を変えるぞ」
上体を起こし、バアトルは自分の分身の現状を確認した。
肉棒はすでに通常の大きさを放棄し、早く溜まっているものを吐き出したいと
言わんばかりに苦しげに血管を浮き立たせている。
「ふ、ふ、触れても良いか?」
その分身のすぐ下に位置するカアラの股間を見やる。
一見しただけではそこの上体を知ることはできなかったため、
バアトルはカアラに了承を求めた。
「……構わん」
控えめに開かれた太腿の間へ手を差し込み、
バアトルは掌をゆっくりとカアラの秘部へ押し当てた。
405名無しさん@ピンキー:04/09/20 01:50:07 ID:eitth0gQ
汗と愛液の違いがすぐに解るほどの知識と経験もないバアトルは、
そこが濡れているということだけを理解すると即座に繋がる態勢を取った。
「カアラよ、も、もう少し脚を広げてくれ」
「挿入するのか?」
カアラの表情にやや翳りが差すのに気づいたバアトルが動きを止める。
「むう、マズイのか?」
「い、いや……しかし、慎重に頼むぞ。以前の辛さが記憶に新しいからな…」
カアラに忠告され、バアトルは秘唇を2、3度なぞって入り口を探ってから
徐々に挿入を開始した。
ズブ……。
狭い膣道の中に明らかに容量オーバーだと思える太い楔が打ち込まれていく。
「くっ……こ……これはさすがにまだ慣れることが出来んな……」
「い、痛いのか? お前が苦しいなら今日は止めることもできるぞ」
「し、しかし、中途半端に終わってはおぬしに悪い……私が我慢している
 間に何とかならないか……?」
拳をつくりながら耐えるカアラの表情は苦しさに歪んでいる。
「う、うむ! 今しばらくの辛抱だぞ、カアラよ!」
406名無しさん@ピンキー:04/09/20 01:50:39 ID:eitth0gQ
「うぐっ!?」
カアラの腰を抱え上げ、バアトルは自分の腰を下から強く打ちつけ始めた。
彼女の気持ちを有り難く思いながら、早く果てることだけを考えて快楽を求める。
バアトルの腿でカアラの尻肉が跳ね、弾みのついた彼女の身体が
激しく上下に揺れ動く。
「バ、バアトル!! 痛ぅっ……うあっ!!」
「はぁ、はぁ、はぁ、カ、カアラ! うおお、おおおお!!」
カアラの綺麗な黒髪が乱れ舞い、身体が大きく反り返る。
彼女に苦痛を与えるほどのきつい結合も、
バアトルにとってはかなりの快感だった。
それに加えて、締まる膣口と絡みつく襞が
おぞましいほどの快楽をバアトルに送り込む。
生身の女体の感触に、溜め込んでいた欲望は急速に出口へ遡ってくる。
パン!パン!パン!パン!パン!
「ああっぐ……! はっ、あ……うっ!んん、んんんっ!!」
「ぬうっ!! で、出るっ!!」
ヌプッ……ドクン!!
慌てて引き抜いたモノから精液が爆ぜる。
カアラの膣内からは間一髪抜け出せたものの、おびただしい量の白濁液は
彼女の白い肌に降りかかった。
「あぁ……」
自分の身体に粘着した液体を見て、
カアラはようやく解放されたと深く息をはいた。
407名無しさん@ピンキー:04/09/20 01:51:08 ID:eitth0gQ


「い、痛かったか?」
身住まいを整えてようやく落ち着いた頃、バアトルは
ばつが悪そうにカアラへ声をかけた。
カアラのが快楽を感じている表情は見られることはなく、
ただ自分だけが欲求を満たしてしまったことに後ろめたさを感じずにはいられない。
「繋がるまでは心地良かったが、いざ繋がってからは決して楽しいものでなかった」
「むう……そ、そうか……もしかして俺が悪いのか」
「そうとは限らん。これに関しては私もまだまだ未熟だ……
 数をこなせばまた感じ方も違ってくるのかも知れん」
そう口にしては見るも、またやりたいかと聞かれれば
今のカアラは即座に首を横に振るだろう。
心の充足度を感じることはあったが、その代わりに与えられる苦痛と
疲労はかなりのものだ。
激しい運動できしむ腰を案じながら、
カアラは湧き上がってくる不安に頭を悩ませていた。
(もしかして、やり方が間違っているのではなかろうか……?)



             終
408名無しさん@ピンキー:04/09/20 01:51:36 ID:eitth0gQ

      /二二ヽ
      ||・ω・||  <保管庫への収蔵は遠慮させてYO!
.     ノ/  / >    <保管庫への収蔵は遠慮させてYO!
      ノ ̄ゝ
409名無しさん@ピンキー:04/09/20 13:47:20 ID:uxmwVNVP
却下!収蔵します!
410名無しさん@ピンキー:04/09/20 15:32:20 ID:4VGBiWxI
>>408

神様・・・。十二分に興奮しますた・・・。保管・・・駄目ッすか・・・。
411名無しさん@ピンキー:04/09/20 21:37:19 ID:KEbbTGrC
カアラバスター
412名無しさん@ピンキー:04/09/20 21:43:26 ID:zX5rQ1ku
カチンときながらも投下してくれる貴方に乾杯
413名無しさん@ピンキー:04/09/20 21:48:57 ID:61wIh6GJ
しかし何でふかわのマネなんだw
AAまでふかわだし
414花泉の亜茶:04/09/21 12:21:58 ID:Gcoe36+S
>ダミアン氏
スランプでも書こうというその姿勢、ホントに尊敬しますよ。
>394
確かにレス数と容量に差がないって、珍しいなあ。
先月から投下SSが多かったから、またきてくれるんじゃないかって思ったんじゃないかねぇ。
カチンとしつつも投下してくれたのは、正直嬉しい。ま、eitth0gQ氏の言うことももっともだと思うし、
まったりと作品を待つ気持ちも大事って事かな?
>373
寸評載せたとき、自分の名前を入れるのを忘れてました。ごめんなさい。
続きの寸評、一応載せときます。

415花泉の亜茶:04/09/21 12:24:44 ID:Gcoe36+S
ミランダ陵辱  初代スレ 234〜240
レンスター解放後のドリアス出撃イベントを基としたミランダ陵辱物。
縄や手枷といった拘束ではなく、トロンによる(おそらく)麻痺状態というシチュは、なかなかのアイデアだと思う。
かなりミランダを嬲る内容なので、耐性の無い人はスルーか、覚悟を決めて読もう。
いや、鬼畜・陵辱物全般に言えることか。

リーフ×アルテナ  初代スレ 314〜321
レンスター姉弟の和姦物。リーフは童貞のようだが、アルテナは非処女の模様。
弟に性交を優しく手ほどきするお姉さんというシチュにグッとくる人にはたまらないかも。
どうでもいいけど、アルテナの初体験の相手は、誰だったんだろう?

サムソン×シーマ  初代スレ 324〜330
上記の二人の純愛物。甘いのだが、どこか馬鹿ップルっぽく見えるところも有り、そこのバランスが絶妙。
紋章知らん人には、シーマがアイラに見えるかも。

416花泉の亜茶:04/09/21 12:25:11 ID:Gcoe36+S
戦場にて・・・哀しみの姉妹 初代スレ 343〜355・589〜597
戦場にて・・・シーダ陵辱の後のSS。ミネルバとペガサス三姉妹が登場するが、エチぃシーンはほぼ無し。
余りにも哀しい、しかしどこか美しいとも感じられる内容なので、エロ抜きでもいいものはいいのだと思った。
どうもこのSSを書いた職人さんは続きを書くつもりでいたらしいけど、今の所ここで終わりとなっている。

プリンセス・ミネルバ 初代スレ 370〜372
マルスとミネルバの和姦物。本番までは行かないが、それまでの表現が上手く、
ミネルバが何処か可愛く見えるのには、正直凄い。
続きがあったらしいが、書いていた職人さんのデータが飛んでしまったらしく、そのまま今日に至っている。
なんだか焼失してしまった文化遺産に似た出来事だなぁ。

番外編 ―刺(とげ)無き薔薇― 初代スレ 392〜404
エロパロ初の百合物。戦場にて・・・悲しみの姉妹の中で出てきたパオラの過去のエピソードの後日談で、
ミネルバとパオラの、痛ましく切ないながらも愛のある内容になっている。
ミネルバの性癖がちょっとアレっぽいので、イメージ壊したくない人は注意。
悲しみの姉妹を読んだ後にこれを読むと、さらに内容が伝わってくるんじゃないかと思う。

初代スレ番外
現スレに載った伝説のチキたんものオリジナル 初代スレ 604
現スレ>312に載ったチキたんもののオリジナル。
確かにチキもファイアーエムブレムと叫んでいた。
読み比べてみて、楽しんでみよう。

寸評はそのスレのFEから始めて、終わった後にTSの方を書こうと思っとります。
一応SSの方もネタがようやく生えてきたんで、これから書き始めまつ。
SSの合間に寸評を書いていけばいいのかのう・・・・・・。
417名無しさん@ピンキー:04/09/21 14:25:02 ID:OmYgt1cX
>>414-426
寸評乙!!

>>394-408 バアトル×カアラ

激しくハァハァしますた・・・。是非続きを・・・!!ハァハァ。初々しさにハァハァ。
たくましいバアトルたんに抱かれる華奢なカアラたんにハァハァ。
418名無しさん@ピンキー:04/09/21 21:33:35 ID:zakdcSqS
「……畜生、眠れないな」
 後頭部をポリポリと掻きながらむくりと起き上がる。
 先程から寝返りなどうったり軽食をつまんだりと色々工夫しているのだが。
 理由は分かっている。今朝ラディに勧められたあのどす黒い液体である。
"何かコレ十七杯まで、って決まってるんで"
 思い出したらなおさら気分が悪くなった。
 それは飲むと十七杯飲みたくなる不思議なコーヒーだとか。その話は本当で、実際自分は十七杯そのコーヒーを口にした。
「……くそぅ、しくじったか……」
 それがこのザマだった。今朝飲んだコーヒーがまだ残っているのは正直驚きだが、それ以外に理由が見つからないし。
 まさかコーヒーの飲みすぎで寝られないなんて。オグマやナバールならともかく、ラディに笑われるのは我慢がならない。
 どうしても寝てやる。彼はそう心に固く誓ったのだった……。


「……畜生、眠れないな」
 あれからさらに2時間が経過した。
 相変わらず目は冴えたままである。今ならどんな攻撃でも回避できそうな錯覚まで起こっているほどだ。もしかしたらこれは
重症かも知れない。
 彼は愛用のバンダナを手馴れた手つきで額に巻き、自分のテントから出た。
 彼の名はシーザ。「ザ・マイナー」の異名を取る、一部では知られていると言えなくもない傭兵である。
 シーザはフラリとテントを出た。別に行くアテは無かったが、じっとしていても何ら状況に変化がない事は確かだったからだ。
 ふと彼は昼間耳に挟んだ噂を思い出した。
419名無しさん@ピンキー:04/09/21 21:34:00 ID:zakdcSqS
 同盟軍の野営地からそう遠くない場所に小さな湖があるとか。その噂が本当ならこっそり覗きに行こう、とドーガとカシムが
密談していた。
(湖、ね……)
 流石にこの時間なら他の者はいないだろう。時は既に「今日」、昨日で言う「明日」になっている筈だ。
 顔でも洗って来よう、とシーザは考え、噂の場所に足を進めた。
 ちなみにドーガとカシムは今日の夕方くらいから見かけていない。生存をとりあえず祈っておこう。

「ほぉ……こいつぁ」
 小さな林をくぐり、草をかきわけて進むと、そこには本当に湖があった。
 そこだけ空間が開けており、満天の星が望める。規模も大きく、解放軍が全員でここに浸かってもまだお釣りが来そうなほ
どの広さである。
 湖には空の星が移り、水の上で美しく瞬いている。時折美しい輝きが歪み、元に戻る。
 水でも飲んで来るかと彼は湖のほとりへ向かった。
 水の中にそっと指を入れてみる。冷たい。透き通っている所を見ると水質も申し分ないようだ。
 彼は両手に水をすくい、それを口に含む。冷たい感触が口に広がり、喉をほどよく刺激する。
「……美味い」
 思わずシーザはそう呟いた。都会などでは決して味わえない至高の水である。
 と。その時、あってはならない事が起こった。
 彼がふと湖面を見ると、
「……ぶっ!?」
 女性が首だけ出してこちらを見ていた。
420名無しさん@ピンキー:04/09/21 21:34:25 ID:zakdcSqS
 その女性―――いや、顔だけ見ればむしろ娘に近い―――と真っ直ぐ、目が合ったのだ。
 彼女は額に宝石のようなものがはめ込まれた額当てをしており、その下から大きな目が2つ、こちらを覘いている。
 嫌な沈黙が、二人の間に流れた。
 風が、林の中の木々を揺らす。
 シーザの手から水滴が1つ、音を立てて水に落ちた。その音でシーザははっと我に返り、
「わ、悪い!」
 慌てて林に逃れようと坂を上る。が、足がうまく回転しない。滑って顔から地面に激突するオマケつきだ。
「い、痛ってェ〜……」
 鼻からぶつかったのでかなり痛い。痛みを抑えるために彼が触ると、
「……歪んじまった」
 鼻がカコカコ動いているのが分かった。
 とにかく、ここから逃げなければ。そう思い、急いで立ち上がる。
「待って!」
 その時、鈴のような声が彼の背後に届いた。
「……大丈夫ですか?」
 ちゃぽ、と水から出る音が聞こえる。おいちょっと待ってくれ。
 今度はヒタヒタと草の上を歩く音も耳に入った。待て。落ち着け。俺もお前もだ。
「……あの?」
「ああ。分かってる。俺は絶対に振り向かない。アリティアの旗に、ワーレンの自由民に、暗黒皇帝メディウスに誓うから。
 だからお願いだ、服を着てくれ。さぁ、分かったら早く」
421名無しさん@ピンキー:04/09/21 21:34:50 ID:zakdcSqS
 早口の割にいつになく滑舌が良い言葉だった。
 しかし、返ってきた答えは予想外のものだった。
「……私、服、着てますよ?」

「はい。これで大丈夫」
 彼女は彼の鼻の頭に特大の絆創膏を張ってくれた。
 彼女の答えにシーザは勇気を振り絞って(初期ステータスでカミュに挑む時以上の)振り向いた。
 シーザは正直、がっかりした。本能はほっとしていたが、正直、がっかりだ。
 彼女は服を着ていた。もちろん水に濡れてあちこちが透けて見えてしまっていたが。どうせなら一糸纏わぬ……って、ヲイ。
 いやそれよりも驚くべき事は彼女が上も下も、下着をつけていなかった事だ。
 故に、透けて色々見えた。これはこれで大きな収穫かも知れない。
 まあこうして彼女の―――リンダのテントに潜入できた事だし。これで全てがチャラだ。
「あの……ちょっと?」
 彼女は不思議そうにシーザの顔を覗き込んだ。
「あ、ああ……悪い、ちょっと考え事してて……な」
「ふぅん?ね、それよりサ」
「ん?」
「どうせ今から戻るのも馬鹿馬鹿しいでしょ?今晩はここに泊まってかない?」
 彼の顎がかこっと外れた。
 落ち着け。このテントから俺のテントまでそう遠い位置じゃない。歩いて5分かからないぞ。俺は行く。
422名無しさん@ピンキー:04/09/21 21:35:14 ID:zakdcSqS
「……その誘いは嬉しいが、お断りするよ」
 理性がそう言わせた。そして彼はその理性に逆らわず立ち上がった。
「えっ……ちょっと……」
 細い指が彼の腕に絡む。
「待ってよ……」
 何か柔らかい2つが背中に当たった。理性が20%ほど裂けた。
「やだよ……」
 後ろからギュウと優しく締め付けられる。理性はまた40%ほど壊れた。脳から警告が聞こえる。
「ねぇ……」
 100%。彼は潔く警告を無視した。脳の中で警報が音を立てて割れた。
 彼は剣を抜いて素早く振り返る時と全く同じ動作でリンダに向き直り、間髪入れず押し倒した。
 彼はリンダが着ているローブを一瞬にして剥ぎ取り、露となった2つの丘に手を滑らせた。
 意外に大きい。そして想像以上に柔らかい。
「……ぁ……」
 小さな吐息が彼女の口から漏れる。その呟きはシーザの理性を必殺発動と共に壊し、追撃を入れて跡形も無くした。
 さらに指を突起に向けて走らせる。少し刺激しただけで突起はピンと張り、また彼の股もビンと張らせた。
 もうどうでも良くなった……。
423名無しさん@ピンキー:04/09/21 21:35:39 ID:zakdcSqS
 ズボンをするりと降ろし、天空に届かん勢いで勃起するそれを出した。
 彼は強引に彼女の脚を開かせ、さっさとそれを彼女の中へ入れた。
「……ぁあっ、……」
「くぅ……っ……!」
 抜群の締め付けだ。その締め付けを少しの間堪能すると、彼は出し入れを始めた。
「あっ、……ああっ」
 彼女の嬉しそうな悲鳴が聞こえる。彼はさらに運動を早める。
「あっ……あっあっ……」
 上下運動に呼応して彼女の2つの丘が揺れる。それに合わせて彼女の長い髪も激しく揺さぶられる。
「あっ……来る……」
 直訳すると"イクから出してくれ"……か?
 これまた本能に従い運動を早める。彼女自身も腰を振って運動の手助けを始めた。
「あっ……ぁっ。あっあっ……」
「く……ああっ……!」
 シーザは勢い良く彼女の中に入って行った。
 ふとその時、彼の目に黒い液体が留まった。
 彼にはそれが何だかすぐに分かった。
「く……黒い!俺の液が……黒いぞおォォォォ!!!!」

 コーヒーの飲み過ぎでした。
424名無しさん@ピンキー:04/09/21 21:36:07 ID:zakdcSqS
   ___∧∧     どうも。ごめんなさい。Hシーンが少なくて。
 /\  (;゚∀゚)\   小説自体下手でごめんなさい。としか言えません。ホント。
 \/| ̄∪∪ ̄|\  リンダ好きの方ごめんなさい。悪気はないんです。ホント。あっ、殺さないでェ〜!
   \|       |   家ゲーRPG板のワーレンの傭兵スレに感化されて思い浮かんだネタだったのですが……
      ̄ ̄ ̄ ̄    本当にごめんなさいね。
              しかし、ラディは一体誰なんでしょうね?「コーヒーは17杯まで」って……。あんた何処の誰ですか、と小一時間(ry
              コーヒーを飲みすぎると液もこうなるのか……って俺は知りませんよ。
              興味のある方はお試し下さい。






エロパロでは初書きでした。
425名無しさん@ピンキー:04/09/21 22:41:17 ID:I/+G1Agn
コーヒー飲み過ぎ、ってかカフェインの過剰摂取は
ちんこ勃たなくなるぞ。
本文は読んでないから見当違いなこと言ってるかもしらんが。
426M・S ◆7VourjYAV6 :04/09/22 15:57:01 ID:TGMRAQNF
初めてお邪魔します。ちょっと長いですが、マルス×チキを投下させて
下さい。
427M・S ◆7VourjYAV6 :04/09/22 15:57:29 ID:TGMRAQNF
 久々に、広い湯船に浸かって。アリティアの王子マルスは、湯気の中、一人自分に課
せられた使命に思いを巡らせていた。
 16歳の、まだ少年と言ってもいい年齢の彼にとっては、重過ぎる荷物が背中にのしか
かっている。しかし、勿論彼には、その荷物を投げ出すことは出来なかった。彼以外の
人達の為に、出来なかったのだ。
 ため息はつかないことにしていた。他の者はどうであれ、今はまだ、彼が疲れる訳に
はいかない。 ・・・だが。
 そこまで考えたところで、風呂場の扉が唐突にがらがらと開かれた。
「マルスおにーーーちゃーーん! 背中流してあげる♪」
 盛大な音を立てて、一瞬マルスの視界がお湯一色になった。
 風呂の中で足を滑らせるという離れ業であった。
 深刻な雰囲気もマルスの考え事も、全て突発的に中断してしまった張本人は、つい先
日彼らの仲間に加わったばかりの、神竜族の王女様だった。
「チ、チキ!?」
 思わず入り口の方を振り向いてから、ほぼその2倍の速度で顔の向きを戻す。
 彼の肩に届かない程度の身長しかない少女の、僅かにふくらんだ程度の胸が、はっき
り瞼の裏に焼きついてしまった。最初に向けられた視線の角度が比較的高かったこと
は、マルスにとっては不幸中の幸いであった。それでも、マルスも健全な青年であるの
だから、下半身に熱がこもるのを止められない。
428M・S ◆7VourjYAV6 :04/09/22 15:57:52 ID:TGMRAQNF
「・・・どうしたの、マルスお兄ちゃん?」
 チキはきょとんとしている。
「た、頼むからタオルくらいつけてよ、チキ・・・」
 顔を半分湯船に沈めながら、マルスは情けない声を上げた。
 チキにはそれ程他意はないつもりだった様だが、結果として、彼女の行為はますます
誘惑の意味を強めることになってしまった。
 無造作に近づいて来たチキが、唐突にマルスの背中に抱き着いてきたのである。
「おにーーちゃん♪」
「チ、チキ・・・」
 チキの余りな無邪気さに、ついマルスは顔をチキの方に向けてしまった。マルス一人
の為に用意された風呂場であるから、他の人間が来る心配は無い。まだ少女だとはい
え、異性の裸体が何の障害も無しに目の前にあるのだから、むしろ奥手なマルスといえ
ど、誘惑を感じるのは当然のことだったろう。
 顔をこちら向けたマルスに向って、チキは無垢な子供の瞳で嬉しそうに笑いかけ、も
う一度頬をマルスに擦り付けた。
 マルスの視界に、チキの裸体が姿を映した。僅かに曲線を作っている程度の白い胸に
は、小さな乳房が恥ずかしそうに桃色の点を浮かべている。まだ双丘と言う程の生育も
していなかったが、マルスがそっと手をなぞらせると、それでも女性の胸特有の柔らか
さと弾力を示してその手を弾き返してきた。思わず視線が下に向うと、小さな臍の向こ
う、小ぶりな腰の真中に、繊毛の気配すらない、未発達の溝が露出しているのが目に焼
きついた。殆ど反射的に、下半身の突起が固くなる。
「マルスお兄ちゃん・・・?」
 チキが、再度見上げた表情に不思議な色を浮かべて、自分の体をじっと見つめるマル
スの顔を覗きこんだ。
 我慢出来なくなって、マルスは些か唐突にチキの小さな体を抱き寄せると、薄いピン
ク色の唇に深いキスをした。
429M・S ◆7VourjYAV6 :04/09/22 15:58:19 ID:TGMRAQNF
「ん・・・っ・・・」
 息が漏れる様な声。チキはびっくりした様に目を見開きはしたが、抵抗しようとはし
なかった。安心しきった様に、マルスの腕に体を預けている。ただ、キスをしながらも
目を閉じないところが、当然なことだがこんな場面に慣れていない証拠だった。慣れて
いない、というより、無論初めての経験だった訳だが。
 甘い味のする唇をしばらく吸ってから、やがてマルスはそっと顔を離した。
 目の前のチキの表情が、流石に緊張しきっていることに気付いて、マルスの胸に罪悪
感が戻って来た。
「チキ・・・」
「おにいちゃん・・・あの・・・」
 チキは、その表情のまま、何を言っていいか分からない様な口調で、一言一言、少し
恥ずかしそうに言葉を押し出し始めた。
 少し瞳が潤んでいる様に見えたのは、あるいはマルスの思い込みだったかも知れない
が。
「その・・・」
 マルスに小さな裸体を抱きしめられたまま、顔をうつむける。
「チキね・・・おにいちゃんがしたいことなら・・・してもらいたい・・・」
 やがてチキの口から滑り出した一言が、マルスの理解出来る意味に達するのに、一瞬
かかった。
「え・・・?」
 声はまだ、うわずる一歩手前の位置にまだとどまっていた。
「でも・・・チキ・・・」
「・・・いいの。・・・チキ、おにいちゃんのこと、好きだもん」
 チキはそう言って、今度は自分から身を乗り出して、マルスの首に腕を回すと、唇に
自分の唇をおしつけた。顔は紅潮していたが、今度は、無意識の内に目を閉じていた様
だった。
「・・・ん・・・」
 きつく目を閉じたチキの顔を目の前に見つめて、マルスはそっとその小さな肩を抱き
しめた。単に妹の様な、可愛いな、という今までの感情から、何か別のものが産まれよ
うとしている様だった。それが何かは、正直分からなかったが。
 マルスにとっても、女性の体に触るのは全くの初めてだった。知識もろくに無かった
が、それでも体は本能的に動いた。
430M・S ◆7VourjYAV6 :04/09/22 15:58:57 ID:TGMRAQNF
 チキとキスをしたままのマルスの両手が、ゆっくりとチキの体の曲線をなぞる様に動いた。
抱き合った姿勢のまま、柔らかい部分を見つけては、そこを静かに、もみ洗いをす
る様に愛撫する。 目は堅く閉じたままのチキの唇が、マルスから離れて声を上げた。
「あっ・・・」
 少し人間の少女とは発育の構造が違うのでもあろうか、チキは、あながちくすぐった
いだけでも無く、僅かながら快感を感じ始めている様だった。マルスの手が胸にかかる
と、鼻からぬける様な声を出して、恥ずかしそうに、しかし確かに何かこみ上げてくる
ものに耐える様な表情で顔を背けた。
「・・・はんっ・・・」
 背中、腰、下腹部の順に、柔らかいところをなぞる。チキは、時折同じ様な声を漏ら
しはしたが、抵抗しようとも、何かを喋ろうともしなかった。
 小さく縮まっていた、乳房とも言えない様な乳房は、今は確かに僅かながら充血して
頭をもたげていた。
 やがて、マルスの指が腰の下の割れ目に辿り着き、ゆっくりとその中に潜り込むと、
初めてチキははっきりと喘ぎ声と思える様な声を上げた。
「はぁん、あっ!!・・・」
 意外にも、マルスが驚く程に熱くなっていた割れ目には、とろとろとした液体が溶け
た様に漏れ出していた。
 目を僅かに開いたチキは、相変わらず恥ずかしそうな表情ではあったが、快感に酔っ
た様な口調で、
「・・・今、自分でいじった時より、気持ち良かった・・・」
 と呟いた。
「・・・いじったこと、あるの?」
「うん・・・枕とかでこすってたら、何だか、気持ちいいから・・・ここ」
 チキが自室のベッドで、枕に裸の下半身を押し付けて、お尻だけを突き出して自慰に
ふけっているところを想像してしまい、マルスは殆ど本能的に、下半身の爆発しそうな
熱をチキの体で発散したい衝動に駆られてしまった。
431M・S ◆7VourjYAV6 :04/09/22 15:59:29 ID:TGMRAQNF
 それをなんとか自制して、もう一度、熱のこもったチキの割れ目に指をあてがう。
 ふっくらとした丘の下の溝を、理由もなく、可愛いな、と思った。
 左手は相変わらず胸の周囲を揉みしだくようにしながら、右手の人差し指を、ぬるぬ
ると湿った奥へと潜らせる。
「あふっ・・・」
 初めての侵入者に、一瞬チキは身体全体を跳ね上げる様に震わせた。マルスに抱きつ
いた腕に力がこもる。
 粘液の中でゆっくりと動かされたマルスの指に、小豆の様なものが触れた。
「ふぅっうん!!」
 その瞬間、チキの身体が再度跳ね上がった。
「んっ・・・は、んっ!!」
 マルスの指が2度、3度とそこに触れると、チキの身体の震えに合わせる様に、割れ
目全体がびくびくと蠢いてマルスの指を締めつけてくる。割れ目の中をなぞられ、こす
られるという、初めて味わう快感に、チキのまだ幼い筈の体はむしろ過敏に反応してい
る様だった。人間の少女とは、やはり些か性機能の発達の仕方が違うのでもあったかも
知れない。
 とろとろと溢れ出してくる粘液に逆らう様に、割れ目の中のひだを人差し指でこすり
つける。
「はぁっ!・・・ぅんっ・・・んっんっ!」
 無意識の内に押さえようとしていた喘ぎ声は、既に止まらなくなっていた様だった。
胸の周囲をくすぐる様な柔らかな快感と、下半身から湧き上がる激しい快感の挟みうち
にチキは戸惑ってもいたが、マルスに対する絶対の信頼感に比べればどうということは
無かった。それでも、自分の身体が快感に押し流されてしまいそうになる不安感が、マ
ルスの体温を感じていられる腕に力をますますこめさせた。その一方で、マルスの指が
滑りこまされた腰は、本人の意思によらずくねる様に動いてしまう。自分の中のひだが
マルスの指に引っかかってめくれる感覚が、チキの思考回路を漂白していた。
432M・S ◆7VourjYAV6 :04/09/22 16:00:26 ID:TGMRAQNF
 マルスが少しでも指を抜くと、チキの肉溝は異物を求める様に収縮した。また指を沈
めこむと、ひだは歓喜してその指を締めつけてくる。
「あうっ・・・はぁ・・・止まんない・・・気持ちいいよ・・・」
 マルスが指を抜き差しする度に、チキの身体は上下に揺れる。目をぎゅっと閉じて、
身をまかせていいものなのかどうか分からない快感に必死に耐える表情が、マルスにと
ってはたまらなく刺激的でもあった。人差し指を抜き、中指を粘液の中に潜りこませ、
小豆を2度、3度と弾く。快感が、爆発する様に沸きあがってきて、チキの神経を蹂躙し
た。
「・・・あっ・・・あああっ、気持ちいい・・・気持ちいいっ!!」
 中指が激しく締めつけられる。全身をそり返して、チキが軽く達した。まだそれ程強
烈なものではないが、それでも初めて味わう絶頂である。マルスの指が刺しこまれたま
まの割れ目から、少し色づいた液体が勢い良く湧き出してくる。
 何度か、揺り返しの様に起こる快感が、マルスの腕の中のチキの体を細かく揺らし
た。
「・・・あぅ・・・」
「チキ・・・?」
 女性が達する姿など、無論見たこともないマルスである。乏しい性教育の知識で、何
があったかの見当程度はついたが、眼前のチキの感じ方に、むしろ彼自身の欲情の方が
抑えきれなくなっていた。それでも、チキがまだほんの少女であることを思って、力が
抜けたチキの頭を優しく撫で付けてやる。
「マルスおにいちゃん・・・」
 チキの体にこもった熱は、まだ少しも引いてはいなかった。もっと気持ち良くなりた
い、という幼い性欲が、潮の様にチキの思考を満たしている。性に関する知識はマルス
以上に乏しかったが、マルスの欲情を見てとって、誘う様にもう一度抱きつき直す。と
にかく今は、マルスに愛し、可愛がってもらいたい気持ちで一杯だった。
「ねっ・・・マルスおにいちゃんも、気持ち良くなって」
「でもチキ・・・、・・・いいの?」
 口ごもる。マルスの理性は、まだ失われてはいなかった。彼にも、処女喪失に関する
知識程度はある。むしろ、チキが自分に何をされるか分かっていないのではないか、と
いうのが不安だった。
433M・S ◆7VourjYAV6 :04/09/22 16:00:53 ID:TGMRAQNF
「いいよ。チキ、おにいちゃんのこと、好きだもん」
 繰り返す台詞と共に、天使の様に笑いかけてくるチキ。それが我慢出来ない程にいと
おしくなって、マルスは、神龍族の少女を抱きしめた。
 タイル張りの床の上にチキの小さな体を横たえる。チキは、それでも本能的な羞恥心
が僅かながら沸き起こってきたのか、恥ずかしそうに顔を横に向けて視線を逸らした。
 チキの細い足をゆっくりと開く。一瞬だけ抵抗する様な力が加わったが、すぐに抜け
た。チキの股間は既に愛液に浸りきっており、小さな恥丘も熱く充血している様だっ
た。
 既に限界まで堅くなった肉棒を、マルスはそっと小さな割れ目にあてがうと、ゆっく
りと前後させ始めた。本当ならすぐにも奥まで押し込んでしまいたかったのだが、チキ
への思いやりが本能を制したのだった。
「うんっ・・・」
 やがて、チキがまた感じ始めた。すっかり充血した粘膜からの刺激に、無意識の内に
腰をせり上げ、更に強い接触を求める様な仕草を見せる。絶頂の残り火と、じんわりと
した快感が結びつき、いつしか火傷でもした様に強烈になっていた。異物を求める様に
幼い溝が収縮するのを、自分でもどうにも止められない。溝の中の小さく尖った肉芽
が、刺激を求めて蠢いている様だった。
「おにいちゃん・・・んぅ・・・」
 我慢出来ずに、やがてチキは焦れた様な声を出した。快感が体を浸すことに、自分で
も驚く程に違和感なく順応できていた。
「・・・・・・」
 マルスは上体だけを起こしたまま、ゆっくりと、チキの股間の溝の中に限界まで堅く
なった肉棒を差し入れていった。
434M・S ◆7VourjYAV6 :04/09/22 16:01:19 ID:TGMRAQNF
「んっ・・・うんっ・・・!」
 自分の中を、奥へ奥へと侵略してくる異物感に、ついさっきまで快楽にひたっていた
チキの体は抵抗出来なかった。即座に異物感が湧き上がる快感にかわり、チキの割れ目
が愛液を激しく分泌させ始める。チキの下半身が、もどかしそうにくねる様に動いた。
「は・・・ぁっ・・・」
 チキの幼い性欲が、一気に押し寄せて来ようとしない快感を求めて、彼女自身も気付
かないうちに切ない息を吐かせていた。チキの口が小さく開き、目を閉じたまま何かを
求める様に揺れた。
 マルスが、チキの切なそうな表情に刺激され、我慢出来なくなって一気に肉棒をチキ
の割れ目の中に押し込んだ。
「あ・・・ああぅっ!」
 チキの全身が、激しくこすられた部分からの快感にびくっと揺れる。
 意外なことに、見た目に反して、チキの中の抵抗はさして強くなかった。熱く濡れき
った未発達のひだに流石に窮屈に締めつけられはしたものの、予想した処女壁の抵抗す
ら、チキにはそれ程の痛みももたらさなかったらしい。その代わり、指でなぞられるの
とは全く違った、割れ目の中のヒダ全てを巻き取られた様な激しい快感がチキの幼い体
を襲った。奥の奥まで満たされきった異物の刺激に、腰を激しくくねらせるチキ。マル
スもそれに合わせて、夢中で腰を動かした。その度に、二人が合わさっている部分がち
ゅぷちゅぷと抜き差しの音を立て、液体が飛沫をあげる。チキの思考能力の全てが、結
合部分からの快感の中に失われた。
「あああ・・・ぁっ!マルスおにいちゃ・・・くぅぅん・・・」
 夢中になってマルスの名前を呼ぼうとしたが、口にした瞬間、割れ目の奥に肉棒が当
たる、強烈な快感が走った。ひだというひだがめくれて主張する快感に、本能的な喘ぎ
声が漏れる。マルスはマルスで、すぐにも打ち出されそうになる精液を必死にこらえ、
激しく腰を動かしていた。
435M・S ◆7VourjYAV6 :04/09/22 16:01:39 ID:TGMRAQNF
「んっ・・・」
「あ、あぁぁぁぅっ!!こ・・・こすれてる・・・」
 やがてマルスも、激しいチキの中の動きにとても耐えられなくなった。限界まで我慢
させられていた肉棒が、ひときわ慌しくヒダにこすりつけられた瞬間、白濁した射精感
がマルスの全身を襲った。二度、三度、チキの膣口の奥に白い液体が打ち付けられる。
幼い子宮に加えられる初めての刺激に、チキは再び飲みこまれる様な快感を味わった。
「あ・・・あんっ・・・んんんんっ!!」
 それでも、焦らされきったマルス自身には、一向に勢いを無くす気配が無かった。む
しろチキの割れ目の中で、肉壁を押し広げる程に充血して反り返る。とめどなくあふれ
るチキの愛液と、自分自身の放った白濁にまみれながら、所有者の意思を越えた抜き差
しを繰り返す。その度に、チキの幼い裸体がしゃくり上げる様に腰を動かし、溝がじゅ
ぷじゅぷと音を立てた。その可愛らしく、かつ淫らな音が、ますますチキの理性を失わ
せる。神龍族の少女は、ただひたすら、下半身の快感が強まる様に強まる様にと結合部
分を揺らし、秘唇をこすらせつづけた。何も知らない理性に対し、本能は性欲を打ち震
わせて快感を教え込む。初めてにしては激しすぎる快感に、チキは耐える術をもたなか
った。
「あ、・・・くぅぅっ・・・なにこれ・・・気持ちいい・・・」
 程なく、幼いチキの性感にも限界がやって来た。チキの、布切れ一枚つけていないぷ
っくりしたお尻が、ふるふると激しく上下左右に震えて、快感が程なく彼女の未成熟の
下半身の中で爆発することを伝える。それと同時に、マルスは、自分の肉棒が肉壁に巻
き取られる様に締めつけられるのを感じ、強烈な快感に顔をしかめた。
436M・S ◆7VourjYAV6 :04/09/22 16:02:08 ID:TGMRAQNF
「あああああ、あ、ああっっ!!」
 イく、という言葉すら知らないのだろう。跳ね上がる様な調子の声を出しながら、下
半身を波の様に満たした快感が、チキの全身で一つになった。ぎゅっと自分に覆い被さ
ったマルスの体にしがみつき、目をきつく閉じて、白い裸体をがくがくと震わせる。マ
ルスに掴まっていなければ、強烈過ぎる快感で自分がどこかに押し流されてしまいそう
な気がした。
 やがて、チキがぐったりと力を抜いた後も、膣の中の締めつけは続いていた。
 強烈な溝の収縮に合わせて、マルスももう一度、快感と共にチキの中に熱い精液を注
ぎ込んでいた。2度目とは思えない程の量の白濁した液体が、チキの生殖溝を満たす。
折り重なったまま、二人は初めての激しい快感にひたすら身を任せていた。
 ・・・やがて、少しずつ快感の波が引いていく。マルスの腕の中で、チキの体がまだ
時折びくびくと痙攣するのは、先程の様に絶頂の残り火の快感が時折揺り返してチキの
体を責め立ててくるからの様であった。
 しばしの沈黙の後、チキの身体の震えを見つめていたマルスが、覆い被らせていた体
をゆっくりと起こした。
「ん・・・」
 快感に放心した様に上体だけを起こし、マルスに甘えて背中を寄りかからせたチキ
が、白濁と透明な液体が交じり合った自分の股間に目をやって、息が漏れる様な声を出
した。
「あっ・・・」
 小さな溝から、黄色い水の筋がほとばしり出て、タイルの床を汚していた。
「やっ・・・」
 チキは股間に力を入れて、必死に放尿を止めようとしたが、逆に液体は勢いをますばかりだった。
「あっ、・・・止まんない・・・はぁっ・・・」
 恥ずかしそうに目をつぶって顔を背ける。しかし、表情は、まだ体の各所に残る快感
と放尿感に酔っている様でもあった。
437M・S ◆7VourjYAV6 :04/09/22 16:03:40 ID:TGMRAQNF
 やがて、ゆっくりと黄色い筋が角度を変え、全てが止まる。股間に様々な液体をこび
りつかせたチキは、余韻を楽しむ様に少し呆然とした顔をしていた。
 放尿の間中、チキを後ろから優しく抱きながらその股間を息を呑んで見つめていたマ
ルスが、たしなめる様に、
「ダメじゃないか、子供じゃないんだから・・・」
「うん・・・何だか気持ち良過ぎて・・・出ちゃった」
 恥ずかしそうに、しかし幸せそうに照れ笑いを浮かべたチキが、自分でも説明出来な
い思いの中でとても大切な存在に思えて。マルスはチキを抱きしめると、何度目かのキ
スを、小さな唇にそっと贈った。チキが、今度は驚きはせず、そっと目を閉じる。
 やがて、マルスは少し名残惜しそうに唇を離した。
「・・・さ、体、洗おう。汚れちゃった・・・」
「うん!チキ、おにいちゃんの背中流してあげるからね♪」
 嬉しそうに笑ったチキの顔を、マルスは、恋人を見る時にはこんな気分を味わうもの
なのかな、と思いながら眺めるのだった。
 目を閉じ、マルスの体にそっと寄り添うチキ。悠久の時を孤独に生きてきた少女にと
って、もしかするとそれはようやく出会えた幸せなぬくもりだったのかも知れない。

 幼い恋人達の初めての夜は、二人っきりの湯船の中で、静かに過ぎていった。
438M・S ◆7VourjYAV6 :04/09/22 16:08:10 ID:TGMRAQNF
以上です。急なお邪魔、失礼しました。
439名無しさん@ピンキー:04/09/22 20:43:18 ID:4VeosZhl
なんだかここのとこ投下ラッシュだな。
みんなGJ!
チキは神竜だからロリじゃないよな?
440名無しさん@ピンキー:04/09/22 22:05:35 ID:5nmNbtrx
>M・S様
触手スレの神?

おしっこ(;´Д`)ハァハァ
441名無しさん@ピンキー:04/09/22 23:23:15 ID:cXUKgTr/
もちろんグッジョブ!
442名無しさん@ピンキー:04/09/23 00:04:30 ID:DgDOQlUR
GJです!
チキもファもミルラもロリじゃないのか
よーしパパおおっぴらに萌えちゃうぞー!
443むた ◆rEtdWXJvJ6 :04/09/23 08:47:49 ID:1ayD7RYH
おお、寸評とか投下とかスレに活気が
ありますね。みなさんGJです。

聖戦からヨハン×ラクチェ書いてみました。
・シリアス
・父レックスのラクチェ前提
なので、苦手な方はスルーよろしく。
444むた ◆rEtdWXJvJ6 :04/09/23 08:49:35 ID:1ayD7RYH
夕陽は赤黒い血の色をしていた。
それは帝国の落日だった。そして、帝国の庇護の下、権勢を誇ってきたドズルの落日でもあった。
勇猛さを誇ったグラオリッターも全て全滅し、最早ドズルの勝ちは無かった。
「スワンチカがこうも容易く破れるとはな……本当にこれでよかったのか」
激しい攻撃の前に膝を突いたドズル公子ブリアンの前に、新たな影が立ちはだかる。
「くっ……ヨハン……寝返ったと聞いてはいたが」
血の如く紅い西日の中、道化者と軽蔑していた弟が馬上から傲然と彼を見下ろしていた。
その弟――ヨハンは斧をブリアンにすっと突きつける。
「終わりだ、兄上。聖斧が敗れたのはドズルに正義が無いからだ」
「この裏切り者っ……! ドズルを滅ぼすつもりか……!」
睨め上げた視線に動ずる事も無く、ヨハンは地に這う兄を見据える。
「ドズル家は私が立派に再建してみせる。もう兄上の出る幕はないのだ」
馬上からそう言い放つと、ヨハンはとどめの一撃を兄に振り下ろす。
首筋に刃が深々と刺さり――斧を上げた次の瞬間、血飛沫が噴出する。
白目を剥いた顔がこちらを見上げ、何事かを伝えるかのように口を開きかけ
――そしてすぐに、動かなくなった。無論声など聞こえたはずは無い。しかし、ヨハンは頷き、呟く。

「必ず、してみせるさ。でなければ――意味が無かろう?」
445遠い夜明け:04/09/23 08:51:05 ID:1ayD7RYH

「ヨハン? 何と言ったの?」
側にいた彼の恋人――ラクチェがそれを聞き咎め訊ねたが、ヨハンは首を振り
――軽く微笑んでラクチェを見た。それはいつもの笑顔ではあったが、それ故に何か薄寒いものをラクチェは感じた。
「君の心を煩わす程の事ではないよ。それより、セリス殿に伝令を頼みたいのだが」
「……ええ、わかったわ。報告するのね。ドズルが落ちた、と」
「頼んだよ。私は兵をまとめてから行くから」
そう言うと、ヨハンは何事も無かったかのように兵に指示を与え始めた。
実の兄の返り血を浴びたその姿には、いささかの動揺も見られない。
端正な横顔からは、いかなる感情を掬い上げるのも困難だった。
この場を離れる事に一抹の不安を感じながらも、ラクチェは報告のためにセリスのもとへと向かった。
446遠い夜明け:04/09/23 08:53:53 ID:1ayD7RYH
ドズル城を占拠して三日が過ぎた。エッダに続きドズルを落とした事で、解放軍の士気は揚がっていた。
しかし、油断は禁物だった。ユングウィのバイゲリッターとフリージのゲルプリッターが帝国の戦力として残されているし、
なによりバーハラには雷神イシュタルと魔王子ユリウスが、謎の十二魔将とともに不気味な沈黙を守っているのだ。
盟主セリスはオイフェ他重臣達と次の戦略を練っている。各部隊も、いつ出陣してもいいようにと、武器の手入れや補充に怠りは無い。
勝利の高揚と次なる戦いへの緊迫感が満ちるドズル城で、ヨハンは一人、あてがわれた部屋にいた。
相部屋の者がいないのは、戦場の常とはいえ、兄をその手にかけたヨハンを一人にしておいてやろうという、誰かの配慮なのだろう。
もっとも、彼がそのような扱いを受けるのはこれが初めてではない。

(流石に、まだ堪えるな……)

寝台に仰向けに寝転がり、陽の落ちかけた室内の暗い天井を見つめる。
この天井に見覚えがあるような、そんな気もするが定かではない。
ヨハンがこの城にいたのは幼い頃のほんの少しの時期にすぎない。ほとんどを彼はイザークで育ってきたのだ。

(久方ぶりの帰郷がこのような結末とはな。つくづく因果なものだ)
447遠い夜明け:04/09/23 08:57:23 ID:1ayD7RYH

思わず嘆息する。この戦いの決着が付けば、大した思い入れ等無いこの地を、彼は治めてゆかなくてはならない。
それがネールの血を引くものとしての彼の責務であるし、彼自身が選んだ道でもある。
そう理解していても、自分が行く道の長さを思うと、どうしようもなく焦燥を感じざるを得ない。
もっとも、解放軍の面々の大半は、グランベルに足を踏み入れた事が無い。
盟主のセリスからして「ここが故郷だとは不思議な気がする」などと発言していたくらいなのだ。
だがおそらく、他の者達は上手くいくだろうとヨハンは考えていた。彼らの親は皆、先の動乱でシグルドについていた者達である。
民衆は彼らに親の姿を見出し、そして従うだろう。自分達を平和へと導いてくれる新しい指導者に。
それに比べると自分はどうだろう。父や兄が行った圧政のために、ドズルへの民の信望は失われて久しい。
これを取り返すのは並大抵の苦労ではないだろう。
そして傍から見れば自分は、親兄弟の首級を土産に寝返った裏切り者にしか見えないだろう。
それまで帝国の言うなりだった男に、素直に民が従うとは思えない。ヨハンはまた一つ溜息をつく。

(埒もない。今更こんなことを考えて何になるというのだ)

聖戦士の血を継ぐものとしての誇りは、最早今のドズルには無い。自分だけがそれを糺す事が出来る。
そう判断を下し解放軍に付いたのはヨハン自身で、それを後悔している訳ではない。
だが、だからといって、割り切れている訳でもなかった。誰が親を裏切り、血族を斬る事を割り切れる事が出来ようか。
聖斧スワンチカは今ヨハンの手元にはない。セリスに頼み、軍の武器庫に厳重に保管してもらっている。
手元にあったところで正統後継者でない彼には扱えない代物であったし、それに
――見たくはなかった。仄かに聖光を放つそれが、肉親の血に塗れた自分を非難しているように思えて仕方がなかったからだ。
その輝きは彼にこう問いかける。『他に道は無かったのか』と。
448遠い夜明け:04/09/23 08:59:20 ID:1ayD7RYH

その通り。あるいはこの悲劇は防げたのかもしれない。
弟と共に、父に諫言を繰り返していれば。子供狩りに積極的に反対していれば。
子供狩りを嫌っていたのは弟も同じだったから、協力して事にあたっていれば、父を説得する事が出来たかもしれないし、
そうなれば、兄を通じて皇帝に子供狩りの非を訴える事が出来たかもしれない。
結局、そうした行為を行った所でまた別の悲劇が生まれただけに過ぎないかもしれないが、
しかし、今自分の置かれている運命よりは、随分とましであるように、ヨハンには思えた。

(結局私は、過去に自分が怠ってきた事のつけを払っているだけなのかもしれない)

自分達は決して仲のいい家族ではなかった、とヨハンは思い返す。
聖痕はあっても自分がその器でない事を自覚していたのか、父はいつも粗暴で、自分の鬱屈を家族に当り散らした。
早くから聖痕の出た兄は、父とは逆で、聖痕に相応しい自分を凄まじい努力と自制でもって作り上げようとしていた。
彼にとって、二人はそれぞれ別の意味で近寄りがたい存在だった。
ぎすぎすした家の中、ヨハンは自分に『仮面』をつけることを覚えた。
芝居がかった大仰な身振り。気障な台詞回し。顔にはいつでも柔和な笑みを貼り付けて。
彼のつけた仮面は『道化者』という。それがドズルの中で彼が割り振られた役柄だった。
道化た言動を繰り返すうちに、父は早々に彼に見切りを付け、無骨な弟も彼と馴染もうとはしなかった。
彼の本心を誰も知ろうとはしなかったし、もとより誰に明かすつもりもなかった。冷たい家の中、彼はいつも一人だった。
だがそれでも。血を分けた家族という事に変わりは無い。それは紛れもない事実としてヨハンに重くのしかかる。
449遠い夜明け:04/09/23 09:00:52 ID:1ayD7RYH

(私はただ、叔父上のようになりたかっただけかもしれないな)

信じた正義を貫いて、祖父ランゴバルトと刺し違える事を選んだ叔父レックスのように。
自分もまた、自分の正義を信じていたいのだろう。
そうでなければ血に塗れたこの手に何の意味がある? 弟を、父を、兄を屠ってきた自分に?
ふと、従妹であり恋人でもある少女を想う。オードとネール、二つの聖戦士の血を引く彼女は、
いつでも誇りに満ち溢れている風に見える
――自分の抱える泥のような思いとは無縁な、穢れない存在。彼女が側にいてくれることは嬉しく
――そして眩しい。どうあっても自分は彼女のようにはなれないと判っている。この血が流れる限り。
ヨハンは寝返りをうって、余計な事を考えまいとした。

(馬鹿げている……いくら考えたところで、どうしようもないのに)

今の自分は、思考の泥沼に嵌りかけている。ヨハンは懸命に思考を逸らそうと努力した。

(……疲れているだけだ。だから、こんな繰言ばかり考えてしまう……)

疲れが敷布の上に染み出していくような感覚。ヨハンはゆっくりと瞼を閉じた。
450遠い夜明け:04/09/23 09:02:24 ID:1ayD7RYH
その少し前。ざわつく城内でラクチェはヨハンを捜していた。
気に掛けてはいたものの、あの日以来、雑事に追われてヨハンと会う機会が無かったのだ。
慣れない城内の廊下で、彼女は双子の兄を見つけ、声をかけた。
「ねぇスカサハ、ヨハンを見なかった?」
「大分前に、廊下ですれ違ったが……部屋にいるんじゃないのか」
「そう。ありがと」
身を翻す妹をスカサハは呼び止める。
「ああ、ラクチェ」
「何?」
「あいつ、大丈夫なのか? その――」
言いかけてスカサハは言い淀む。きっぱりとした気性の彼にしては珍しい。
ラクチェがそのまま黙っていると、スカサハは声を落として続けた。
「――様子が変なんだ。その、何がおかしいって訳じゃないんだが、強いて言うなら」
「――普通すぎる?」
「! 知ってたのか」
「だから捜してるんじゃないの」
そういい残し、ラクチェは足早にその場を立ち去った。
451遠い夜明け:04/09/23 09:05:51 ID:1ayD7RYH
渡り廊下から今日の名残の陽光が差込んでいる。その紅い光景にラクチェはふと足を止める。
それは彼女にあの日の事を否応無く思い出させた。
兄の血に染まった斧を拭おうともせず、まったく普段通りに振舞っていたヨハンの姿。
自分に微笑んでさえみせた彼の心中は、如何ばかりのものだったのか。

(平気な訳、ないじゃない)

ラクチェは唇を噛む。やはりあの時自分は彼の側を離れるべきではなかったのだ。
ヨハンはこれで三人の血族をその手で屠った事になる。
イザークのソファラ地方を治めていた弟ヨハルヴァと、リボーに陣取りイザークの民に圧制を強いてきた父ダナン。
二人ともヨハン自身が、自ら希望してその手にかけたのだ。そして今度は兄ブリアンだ。
おそらく、ヨハンの中には、彼らが間違っていると知りつつ看過してきた自分を責める気持ちがあって、
それが彼にそうさせるのだろう。たとえ血族殺しの汚名を被る事になっても。
そこまでの覚悟で彼は解放軍に身を投じたのだ。ならラクチェにそれを止める権利は無い。


(……私にも、責任はあるのに)

ヨハンを説得して仲間に引き入れたのはラクチェ自身だった。
ダナンの息子は、二人とも父親に似ず正義感のある人物で、二人の治めていたソファラとイザーク城下は比較的税も軽く、
子供狩りも行われていなかった。出来れば説得し仲間に引き入れたいというセリスの意向もあって、
ヨハルヴァの下へはスカサハが、ヨハンの下へはラクチェがセリスの遣いとして派遣されたのだった。
二人の父はランゴバルトの次男レックス公子で、つまり、ヨハン達は従兄弟にあたる。それで彼らが遣わされたのだ。
従兄弟といっても面識などないのに、果たして上手くいくのだろうかと彼女は危ぶんでいたのだが――。
452遠い夜明け:04/09/23 09:08:57 ID:1ayD7RYH
『ああラクチェ、我が愛しの人よ。ついに運命の日は来たり……!」
いきなり感極まった調子でこうやられ、ラクチェは絶句した。よもやこんな反応が返ってくるとは思いもしていなかった。
『な、なによ。私は貴方なんて知らないわ。ふざけるのもいい加減にしてよ!』
『私もだ。だが恋に落ちるには、この一瞬で十分ではないか?』
『こ、恋、ですって?』
すっかり相手の雰囲気に飲まれてしまったラクチェは、その場に突っ立ってヨハンの反応を待ち受けるほかなかった。
『そう。恋だ。この気持ちが偽りでない証拠をみせよう』
そう言うとヨハンはラクチェの足元にひざまずき大仰な身振りでその手に口付ける。
真っ赤になったラクチェに微笑むと、彼は高らかに宣言したものだった。
『全軍に告ぐ! これより我が軍は、解放軍に協力する!
今日から我らは、愛と正義と、ラクチェのために戦うのだ!!』

臆面もなくこう言い放った彼の台詞は、随分後まで軍内の語り草になったものだった。
あまりのことに、はたして本気なのだろうかとラクチェは不安に感じていたので、
まさかヨハンが自分から弟と父を討ちたいなどと言い出すとは思っていなかった。
その時、ヨハンはその場にいた皆にこう語ったのだ。
『せめて他の誰でもない、私が彼らを看取ってやりたいのだ――この手で』

あの時の彼も、僅かに微笑んでいた。悲壮な決意を軽く拭ってしまうような、そんな微笑み。
それを眼にした時、ラクチェは心を掴まれてしまっていた。
もしかしたら、それは家族と戦わねばならない彼への同情だったのかもしれないし、
彼をそんな運命に引き入れてしまったことへの責任感だったのかもしれない。
しかし、きっかけはどうあれ、それが恋情に変わるまでそう時間は掛からなかった。
レンスターに向かう辺りで彼女から告白し、二人は
周囲も認める恋人同士となった。
453遠い夜明け:04/09/23 09:10:47 ID:1ayD7RYH

(でも私は、本当にはヨハンの事をわかっていない……)

ヨハンはいつでも側にいてくれたし、ラクチェを赤面させる程の気障な台詞も相変わらず健在だった。
しかし、彼は決して自分から彼女に触れようとはしなかったのだ。
時折、ラクチェはヨハンが自分を見つめる視線をもどかしく思う。それは何とも形容し難い視線で
――いうならば、ある種の憧憬を含むとでも言えばいいのだろうか、
何か眩しいものを見るような、そんな眼でヨハンはラクチェを見つめていた。
視線に振り返ると、彼はいつでも自分に笑いかけてくれる――だが、それだけだ。
彼はそれ以上こちらに踏み込もうとはしないし、また、他人に踏み込ませる隙も見せない。
ヨハンの道化た仕草や台詞は、他人に本当の自分を隠しておくための鎧なのだと、ラクチェは薄々気がついていた。
恋人の自分に対してもそれは変わらない。

ラクチェは最近考える。果たして、本当に自分はヨハンの恋人といえるのだろうか?

落ちゆく夕陽から眼を背けると、ラクチェは再び足を速めヨハンの部屋を探す。
大体の場所は教えてもらったのだが、こちらに到着して間もないせいもあってなかなか見当がつかない。
誰かに訊こうと辺りを見回したが、あいにく誰も見当たらなかった。
自力で探そうと、また歩き始めたとき『それ』は彼女の耳に届いた。
454遠い夜明け:04/09/23 09:12:16 ID:1ayD7RYH

血煙の舞う戦場。夥しい敵の死骸の中、ただ一人立ち尽くす。
荒く息を吐いてふと足元を見下ろす。恨みのこもった敵の顔。それは――。
「兄上……!」
千切れそうな首から血を滴らせ、血走った眼で彼を睨みつけるその顔は、自分が屠ったはずの兄のものだった。
ふと気付けば、周囲の死骸はすべて家族の顔をしていた。幾百、幾千もの父の、弟の、兄の死顔。
ぐらり、と世界が揺れたその刹那、何処からか彼らの最期の台詞が聞こえてくる。

『愚かだと笑いたきゃ笑えよ。あんな奴でも、俺には親父は裏切れねぇ』
『女に騙され正義を語るか。この痴れ者がっ……!』

「ヨハルヴァ……父上……」
呆然と呟くその手にいつのまにか聖斧が握られている。
聖斧は彼を拒むかのように重く、持ち上げられなくなって彼は、堪らず地に膝をつく。
そこに追い討ちをかける様に、兄の声が耳元で響く。聞こえなかったはずの声が。

『本当に出来ると思っているのか? 血族殺しの貴様に』

出来るはずが無い。彼は正統後継者ではないのだから。聖斧を振るえぬ者に、未来など切り開けるはずが無い。

「ならば、私のしてきた事に意味は無かったというのか!」

聖斧は答えない。紅い空を仰いで彼は叫ぶ。叫び続ける――。
455遠い夜明け:04/09/23 09:13:50 ID:1ayD7RYH

「ヨハン、ヨハン! しっかりして!」

激しく世界が揺さぶられ、天地が逆転する。瞼を開けると、仰いでいたはずの紅い空は石造りの天井に戻っていた。
どうやら自分は酷い夢を見ていたらしい。そして、傍らには心配そうに自分を覗き込む恋人。
ヨハンは一瞬、これも夢かと思いかけたが、自分の肩に触れている掌の温みが、これは現実だと告げていた。
ゆっくりと身を起こすと、ラクチェは気遣わしげにヨハンに訊ねた。
「ヨハン、貴方大丈夫?」
「……ああ、ラクチェ、君か。いつ此処に?」
漸く口に出した言葉は、随分と擦れているようにヨハンには思えた。
ラクチェは彼の問いには答えず、ヨハンが身を起こすのを緊張した面持ちで見守っていた。
「随分……うなされていたわ。悪い夢でも見たの?」
ヨハンは素早く『仮面』をつける。たいしたことではないという風に、微笑んで答える。
「流石に疲れてしまっていたようだ。だがもう大丈夫。君が来てくれたからね」
「……本当、に?」
あれはうなされていたという程生易しい代物ではなかった、とラクチェは思う。
自分の耳に届いたあれは――『絶叫』だ。
自分が駆けつけて、彼を揺り起こすまで、喉奥から絞り上げるようなその叫びは続いた。
そして、あの、苦痛と哀しみに彩られた顔。今だって笑顔で誤魔化してはいるが、額に浮かんだ汗は隠しきれない。
それだけで、彼がどんな夢を見ていたのかが推し量れるというものだ。
456遠い夜明け:04/09/23 09:15:14 ID:1ayD7RYH
「ひどい汗よ。もう少し、横になっていたほうが――」
「大丈夫だ。君こそこちらに来て間もないのだろう? 今日は休んだほうがいい」
ヨハンは優しく、だが強引に、ラクチェの言葉を遮った。
物問いたげな彼女の視線に気付かない振りをして、寝台から立ち上がり、扉に向かって歩いた。
「さ、部屋まで送っていこう――ラクチェ?」
振り返り呼びかけるが、ラクチェは寝台に腰掛けたまま動こうとしない。微妙な雰囲気が二人の間に流れ
――ラクチェは意を決したように立ち上がり、ヨハンと真っ直ぐ視線を合わせた。
「いつも笑って誤魔化すのね――そうやってどれだけ気持ちを殺したの?」
「ラクチェ、何を言って――」
「貴方はいつもそう。私には何も言ってくれない。どうして? 私はそんなに頼りにならない? 貴方の支えにはなれないの?」
「そんな事は断じてない。君がいるだけで私はどれだけ救われたか知れない」
「口先だけで言われたって、信じられると思ってるの?」
こうして向かい合っている今も、ヨハンは自分に触れようともしない。
その事実がラクチェには情けなく、辛かった。涙が抑えようも無く瞳から溢れ出し頬を流れる。
それを拭おうともせず、半ば睨みつけるかのように彼女はヨハンを見つめた。
「すまない……私は君に、いらぬ重荷を背負わせたくなかっただけなんだ」
ラクチェから視線を逸らし、ヨハンは乾いた声で答えた。
457遠い夜明け:04/09/23 09:16:46 ID:1ayD7RYH
「これだけは信じて欲しい。私は本当に君を大切に想っている」

初めて出合った時、清廉で真っ直ぐなラクチェの姿を見た時、ヨハンには判ったのだ。
――彼女こそ、彼がそうありたいと切望した、自分自身の姿そのものなのだ、と。
揺ぎ無い信念と、信じた正義を貫こうとする姿勢。彼女は彼の理想そのままだった。
いつも迷っていた。聖騎士の血を引きながら堕落してしまったドズル家。
それを糺さねばと思いながらも実行に移せなかった自分。その迷いを断ち切ってくれたのは、彼女の存在であったのだ。
ラクチェへの想いはヨハンにとって、恋愛だと言い切ってしまうには幾分神聖に過ぎた。
自分でもその想いを扱いかねて、いつものように道化た振りで気持ちを隠した。
けれど、何故かラクチェは、自分の事を好きだと告白してくれた。それで十分だった。

「君はこんな私を好きだと言ってくれた。それだけでどれだけ私が救われたか、
側で君を見つめていられる事が、どんなに幸福な事だったか、君は知らないだろう」
458遠い夜明け:04/09/23 09:17:51 ID:1ayD7RYH
恋人同士となっても、ヨハンはラクチェに触れられなかった。そんな事を考える自分を許さなかった。
一度触れてしまえば、次は抱きしめずにはいられないだろう。身体を重ねずにはいられないだろう。だが――。

聖戦士の誇りを無くしたドズルを糺す。それは血族を斬る事に他ならない。
既に父と弟をこの手で斬っている。そして遠からず、兄も斬る事になるだろう(果たしてそれは現実となった)。
おそらく自分は一生、この罪を背負う事になる。
たとえ、手柄欲しさに寝返った裏切り者と、後世に名を残す事になったとて構わない。
どれ程後ろ指を差されようともドズルを再建し、失われたネールの誇りを取り戻してみせる。

それは血塗られて、呪われた道だ。そこを行くのは自分一人でいい。

「私にはもうこれで十分だ。だから――君は君の道を行けばいい」

彼女は自分に、あるべき姿を教えてくれた。側にいてくれた。
それだけ与えてくれれば、もう十分だ。
459遠い夜明け:04/09/23 09:20:26 ID:1ayD7RYH

「どういう、ことなの。何を、言っているの」
目の前がぼやけて何も見えない。ラクチェは乱暴に涙を腕で拭うとヨハンに食い下がる。
ここで退いてしまえば、彼は自分の手の届かない所に行ってしまう。そんな気がした。
そんなラクチェの想いを知ってか知らずか、ヨハンは俯いたまま淡々と話し続ける。
「ドズルは私が背負うべき問題だ。そんなものに君を巻き込みたくは無い。
だから――この戦いが終わったら、ラクチェ、君はイザークへ帰るんだ」
「どうして、そんな事! 私にだってネールの血が流れてるのよ。私だって――」
「君に流れているのは、正義を貫こうとする血脈だ。私のような裏切り者の血ではない」
ヨハンは父のことを言っているのだとラクチェには判った。
そこに義は無いと、祖父と刺し違える事を選んだ父レックス。幼い頃の事で、両親の事は覚えてはいない。
しかし、自分にとって、正義に殉じた父母は誇りでありこそすれ、恥ずべきものではなかった。
この身にネールの血が流れている事を卑下するなど、ついぞ無かった。
だがヨハンはそうではなかったのだ。彼はずっと悩んできたのだろう。
聖戦士としての誇りを取り戻す事や、取り戻すために、自分が失ってきたものについて、
おそらくずっと考え続けてきたに違いない。

誰に打ち明けることもなく、ただ一人きり、孤独に微笑んだまま。

「……ヨハンの馬鹿……言ってくれなきゃわからないじゃない……」
ラクチェはぽつりと呟いて、俯いたままのヨハンに近づく。
ヨハンはいつも柔らかに微笑んでいた。その笑顔の裏に、どれ程の苦渋が隠されてきたのだろう。
(ううん、馬鹿なのは、私……)
わかっていた筈だったのに、何故気付けなかったのだろう。
彼がこんなにも蝕まれている事に。血の重さに押しつぶされそうになっている事に。
460遠い夜明け:04/09/23 09:21:37 ID:1ayD7RYH
ふと、ラクチェは父の事を想う。父も、彼と同じように悩んでいたのだろうか。
祖父がしでかしてしまった事への責任と、母への愛に挟まれて。
だが結局、父には母がいた。では彼には?
(私は、ヨハンを癒せるの?)
いいや、とラクチェは思い直した。
癒してやりたいなどと、そう考える事自体、傲慢な事ではないのか?
所詮、人が人に出来る事など、そう多くは無い。
ならば自分は、ヨハンに対して今出来る事をするだけだ。

ラクチェはヨハンを見上げ、手を伸ばす。
そしてヨハンの頭を抱え込んで、常は気障な台詞を紡ぐその唇を己の唇で塞いだ。
ヨハンは驚いたように身を引こうとする、が、ラクチェの両腕は若木のようにしなやかに絡みついて、彼を離そうとしない。
なかば押し付けるような口づけが終わったあと、ラクチェはヨハンの首に腕を回したまま、耳元に囁く。
「私は、貴方と生きようと決めたの。だから、貴方と同じものを私は背負う」
「ラクチェ、それは――」
「嫌よ。今更イザークへ帰れなんて言わないで。私の気持ちを無視しないで」
腕を解いてヨハンを見つめる。その顔はいつものような『笑顔』を浮かべてはいない。
焦ったような、困ったような表情。少し冷えたその頬にラクチェはそっと触れる。

「どんな血が流れていようが、そんな事関係ない。
だって――愛してしまったんだもの、貴方を」

この人と共に歩みたい。側にいたい。ただひたすらに、そう思った。
461遠い夜明け:04/09/23 09:22:25 ID:1ayD7RYH
真っ直ぐに自分を見る紫紺の瞳。頬に触れた指先の温み。
彼女の真摯な想いに、頑なな自分の心が砕かれ、解けていく。
ずっと、孤独だった。この先も、一人きりで歩いていくと思っていた。
それはヨハンの心に、澱のように溜まっていた暗い覚悟だった。
そんな物思いを、彼女は今、鮮やかに溶かしてくれたのだ。
温かな血の通う口づけで。一緒に生きようという、その言葉で。
胸の奥から突き上げる衝動のまま、ヨハンは目の前の少女を抱きしめた。

不意に荒々しく抱きすくめられる。息が止まりそうな程、背骨が折れてしまいそうな程の強さで。
そんな力とは不釣合いなくらい、弱々しく擦れた声がラクチェに届く。

「ありがとう……君がいてくれれば、私は……」
462遠い夜明け:04/09/23 09:23:30 ID:1ayD7RYH
ラクチェは自分の両腕をヨハンの背に回し、同じように抱き返す。
胸に顔を埋める格好になっているので、ヨハンの表情は窺えない。
だが押し付けられた胸の鼓動が、彼の心情を何よりも自分に伝えてくれる。
ラクチェは長く息を吐き、身体を震わせた。
「嬉しい……やっと、私に触れてくれたのね、ヨハン」
「君に、触れてはいけないと思っていた。巻き込みたくなかったから、私の闇に」
ヨハンはずっと、自分の事を考えていてくれたのだと、ラクチェは思う。
たとえそれが、自分の求めていたものではなかったにしても。
「馬鹿ね……私はずっと、貴方にこうされたかったのに」
「私もだ。こうやってみてわかった……どんなに君を求めていたか。
こうして、抱きしめたかったかが……もう、君を離せそうにない」
「じゃあ、もう離さないで。離そうとしないで」
自分の腕の中で、弾力のあるしなやかな身体が緊張するのが、ヨハンにはわかった。
「約束して……絶対に離れないって誓って……今、ここで」
平静をよそおってはいても、その声は小さく、微かに震えていた。
その様子にラクチェが何を望んでいるのかを、ヨハンは察した。そしてそれは、自分も望んでいる事だとわかっていた。
抱擁を緩め、彼女の小さな頤を上向け、ついばむように軽く口づける。
そして、驚いたように見開かれている瞳を正面から捉え、真面目に囁く。
「それは、今夜、君に溺れてしまっても構わないという事だろうか?」
「馬鹿……わざわざ、訊かないでよ……」
頬を赤らめ、拗ねてみせるラクチェを、ヨハンはこの上もなく愛しいものに思った。
463遠い夜明け:04/09/23 09:25:32 ID:1ayD7RYH
陽は既に落ち、部屋の中は濃密な夜の闇に満ちていた。
「恥かしいから」というラクチェの意見を容れた為、灯りの類は点いていない。
だが目が慣れてくると、寝台の上に、白い身体が横たわっているのが、ぼぉっと浮き上がった様に見える。
「やだ……あまり、見ないで……」
ヨハンの視線に気付いたのか、ラクチェは敷布を頭から被って裸身を隠す。
そんな彼女の隣に、自分も一糸纏わぬ身となったヨハンが、するりと滑り込んだ。
「そう潜り込まれてしまっては、君の愛らしい顔が見えないじゃないか」
「だって、恥ずかしいんだもの……」
「先程は君のほうから口づけてきたというのに?」
「……! だって、あれは夢中で」
「わかっているよ。あの口づけのおかげで、私は救われた」
だから、と、ヨハンはラクチェの顔を覆っている敷布をめくり、艶やかな黒髪を優しく撫でた。
「今度は私が君に誓う番だ。決して君を離しはしない、と」
ふいに唇を奪われ、とっさにラクチェは身体を硬くする。
それは自分がさっき行った、押し付けるだけのものとは違う。
唇を割って侵入してきた舌は口内を優しく、しかし容赦なく蹂躙し、ラクチェの舌を掬い上げ絡みつく。
貪るような、全てを吸い尽くそうとするような、そんな口づけ。
「んんっ……」
息が出来なくなる、そんな錯覚に襲われて、ラクチェは唇を離そうとした。
が、いつの間にか、ヨハンの腕が頭を優しく押さえ込んでいてそれを許さない。
仕方なく、自分の口中を掻き回し続けている舌を軽く歯で挟むと、ヨハンは漸く唇を離して彼女を見た。
464遠い夜明け:04/09/23 09:27:32 ID:1ayD7RYH
「ごめんなさい。その……息の仕方がわからなく、なって……」
「すまない、君の都合も考えず、つい夢中になってしまった」
「ううん、びっくりしただけ……だって、あんなものだと思わなくて」
あれを口づけとするなら、自分のしたものなど児戯に等しい。ただの口づけでさえこうなのだ。
自分がこれからすることを思うと、気が遠くなるような羞恥をラクチェは覚えた。
「落ち着いたかい?」
「え、ええ」
本当はまだ落ち着くどころではなく、胸の鼓動は激しくなるばかりだ。
そんな彼女に気付いているのか、ヨハンは僅かに笑うと、腕の中の黒い髪を撫でる。
そのゆったりとした調子に釣られるかのように、いつしかラクチェは瞼を閉じていた。
「そう、君は、そうやって楽にしていればいい……」
閉じた瞼の上から、柔らかなものが降る。額に、頬に、それは優しく降り注ぐ。
先程とはうって変わって穏やかな、静かに降り積もる雪のような口づけ。
それは、ヨハンが自分を怯えさせないように、気遣ってくれているのだと、ラクチェにもわかった。
だが、もう、先刻の激情を既に知ってしまっている。
ラクチェは眼を閉じたまま、腕をヨハンの首に絡ませて、自分から彼の唇を吸った。
戸惑ったような気配が一瞬漂い――そして、すぐに激しい口づけが返された。
今度はラクチェも自分の舌で、ちろちろとヨハンの歯の裏をくすぐってみる。
お返しの様に舌を掬われ、また息が出来なくなりそうになって、
知らず半開きになった口の端から唾液が一条の筋となって零れ落ちる。
「ん……むぅ……ふぁ……」
絡み合う舌のどちらが自分のものだったか判らなくなる。
すがるものが欲しくなって、柔らかなヨハンの髪に指を差し入れる。
高鳴る胸の鼓動が、自分のものなのか、自分を抱いているヨハンのものなのか、
ラクチェにはもう区別がつかなかった。
465遠い夜明け:04/09/23 09:29:15 ID:1ayD7RYH
「ラクチェ……」
唇を貪りつくしたヨハンが、熱を帯びた声で囁く。囁いて、そのまま白く細い首筋を舌でなぞる。
「や、あああっ……」
寒気にも似たぞくぞくとした感覚が身内を走りぬけ、声を出さずにはいられない。
その声に応えるように、ヨハンは耳朶を食み、鎖骨の窪みを唾液に塗れさせる。
その度にラクチェは抑えきれず嬌声を上げる。
その間に、敷布で頑なに隠されていた形のよい胸は既にさらけ出され、ふるふると揺れていた。
ヨハンはそれに気付くと、乳房を掴んでその頂の薄紅色の突起を口に含み、軽く歯を立てた。
「あんっ……! ヨハン、ヨハンっ……!」
軽く背を反らせ、ラクチェは喘ぐ。柔らかな感触と滑らかな手触りを楽しみながら、
口に含んだ部分を強く吸うと、ラクチェは切ない声で自分の名を呼ぶ。

声が聴きたい。甘く、自分を求める声を、もっと。
そんな欲望に突き動かされて、ヨハンは指を最も敏感な場所に滑り込ませた。
466遠い夜明け:04/09/23 09:31:21 ID:1ayD7RYH
「え……そこ、はっ……」
そこは既に熱く潤んで、掻き回されるのを待っているかのようだ。
つぷり、と潤みの中心に人差し指を潜り込ませる。それまで何も受け入れた事のないそこは、狭く、きつい。
ヨハンは慎重に、苦痛を与えないように、少しずつ指を震わせながら道筋をつけていく。
「痛くはない?」
「ん……大丈夫。少し、変な感じがするだけ、だから」
今まで意識していなかった場所に、何かが埋められている。
それだけでも変な気がするのに、その何かは、ゆっくりと自分を広げていこうとしている。
身体が未知の感覚に反応して硬くなると、ますます自分の中の指の動きがぎこちなくなる。
「力を抜いたほうがいい」
「でもっ……そんな事、言われても」
「そうだな……では、少し失礼するよ」
そういうとヨハンは指を挿れたまま、太腿の間に顔を割り込ませた。
「だ、駄目ぇっ!」
突然の事に、ラクチェは思わず両腿でヨハンの顔を挟み込んでしまった。
ヨハンはそんな事は意にも介さず、指でそこを割り広げ仔細に検分する。
暗いためすぐにはわからなかったが、目的のもの
――膨らんだ突起を見つけると、そっと舌を伸ばして舐め上げる。
467遠い夜明け:04/09/23 09:32:53 ID:1ayD7RYH
「ふぁっ!? や、あはぁっ!」
先刻自分の口内を掻き回していたものが、今度は自分の秘められた、恥ずかしい場所を掻き回している。
その羞恥と快感に、ラクチェは自分の中に埋められている指の存在を忘れかけた。
と、その隙をついて、指が更に奥深くまで滑り込んだ。先程までは浅い所で止まっていたに過ぎなかったのだ。
そんな事を感じる間も無く、生温かい舌先が敏感な突起を弄り、くちゅくちゅと音を立てて指が中で蠢く。
「だ、めぇ……へん、に……」
最奥から湧き上がるもの。それは胸を弄られている時とは明らかに違ったものだったが、結局は同じもの
――快感、だった。それははっきりとはしないが、じわじわと、奥のほうからラクチェを追い詰めていく。
「わ、私、変なのぉ……だめ、や、あ、ああっ……!」
「素直に、身を任せて」
低く優しい声。その低い声に安堵して、ラクチェは襲い来る快感に身を任せた。
「ああっ! ふぁっ、あああああぁっ!」
奥から染み出した液体は、敷布ばかりかヨハンの手首までもを濡らしていく。
先程よりも粘度を増したそれを、ヨハンは熱心に音を立てて啜った。
468遠い夜明け:04/09/23 09:34:27 ID:1ayD7RYH
その後も、ヨハンは何度もラクチェを攻め続けた。
指を増やし、大胆に掻き混ぜ、確実に快楽を与えながら、徐々にそこを広げていく。
もう何度目かわからない快楽に、ラクチェの意識は溶け、身体は解けていた。秘芯は溢れ出た愛液でどろどろになっている。
十分に気は熟したと見て、ヨハンはラクチェに覆い被さると、既に猛っている自身の強張りを秘芯に押し当てる。
と、ラクチェが自分の胸板に手を当て、押し返そうとしていた。
「どうした、ラクチェ?」
「ま、待って……怖いの」
「どうして」
「だって、初めての時は痛い、って皆」
耳年増な友人達――パティやフィーの語るところによれば、女性が初めて交わりを持つ時は、大変な痛みを伴うという。
ここまで来て事を止めようとは思わないが、それでも、いよいよその時となると、どうしてもその事が頭に浮かんでしまう。
「大丈夫。私を、信頼して」
そんな不安を、拭い去ってしまうかのように、ヨハンはラクチェの額に軽く口づけた。
「君を傷つけるような事など、私がすると思うのか?」
「……思わ、ない」
「なら、私に任せてくれるね?」
こくり、と頷き、ラクチェは身体の力を抜く。
眼を閉じて、自分の中にヨハンが沈み込んでいくのを、待つ。
469遠い夜明け:04/09/23 09:36:35 ID:1ayD7RYH
「……んんっ……」
先程の愛撫で十分に広げられていたそこは、思っていたより柔軟に強張りを受け入れていく。
それでも圧迫感が完全に取り去られた訳ではなく、ラクチェは苦しげに息を吐いた。
小刻みに腰を動かしながら、慎重に、だが確実に、ヨハンは強張りを奥へと打ち込んでいく。
長い時間をかけ、強張りがすべて入ってしまうと、ラクチェは大きく息をついた。
「入った、の……?」
「ああ。痛みはある?」
「ううん、大丈夫……ありがとう」
痛くは無い。ヨハンはその言葉の通り、自分を傷つけないようにしてくれたのだ。
それに感謝するように、ラクチェはヨハンの背中に手を回した。
少し汗ばんだ広い背中を抱きしめると、ヨハンもそれに応えるように彼女を抱き返してきた。

「君は、温かいな……」
愛しさを抑えきれないといった風に、ヨハンが呟く。
「……貴方だって温かいわ」
自分に回された腕の、優しい温かさ。そして――自分の中心を貫くものの、たぎるような熱さ。
外からも内からも、ヨハンの温度を感じる。その熱に浮かされるように、ラクチェは愛しい男の耳元に囁く。
「……本当に、一つになりたい、貴方と……」
その声に押され、ヨハンはゆっくりと腰を使い始める。
強張りを包み込む柔肉は、狭く、だがしっとりと濡れそぼってその動きを受け入れる。
470遠い夜明け:04/09/23 09:39:25 ID:1ayD7RYH
「ん、くぅっ、んああっ……」
一旦入り口近くまで引いた強張りが、次の瞬間最奥に打ち付けられる。
自分の中を満たすものの動きに、ラクチェは翻弄され、声を上げる。
「ああっ、やぁ、んんっ……!」
こうやって抱かれてみてわかる。こんなにも自分は彼を、彼に抱かれる事を望んでいたのだと。
彼に触れられない自分など、もう考えられない。
「……ないで……離れ、ないでっ……」
ラクチェは広い背中に思い切りしがみついて、身体中でヨハンを感じようとする。
「……ああ……決して、離すものか……」
熱く呟いたヨハンの腕が、自分を包み込むように抱きしめている。
お互いに同じ事を考えているのだと、嬉しくなった。昂っていく気持ちを、そのまま互いにぶつけ合った。
固く抱きしめあい、唇を貪り、舌を絡め合う。激しい腰の動きに、湿った水音が高く、部屋に響く。
「好きっ……ヨハン、大好きっ……!」
「ラクチェっ……!」
切羽詰った声で囁きながら、ヨハンは自分の限界が近づいているのがわかった。
ヨハンは一際強く奥に強張りを打ちつけ――そして、熱い迸りを最奥に放った。
「くっ……!」
「あ、ああああっ!」
絡み合った身体が一瞬緊張し、そして弛緩する。
甘く快い疲れの中、二人はぐったりと寝台に身を沈める。
「……熱い……」
放たれたものが、自分の奥に染みわたっていくのを感じ、ラクチェは気だるく呟く。
その指をヨハンは手に取り、口づける。
「ヨハン……?」
「ラクチェ……愛してる。君と、共に生きたい」
「ええ……ずっと、一緒に」
窓の外で、二人の誓いを聞き届けたかのように、星が輝いていた。
471遠い夜明け:04/09/23 09:41:24 ID:1ayD7RYH

まどろみから覚めると、外はまだ暗く闇の帳で閉ざされたままだった。
隣では、愛しい少女が、安らかな寝息を立てて眠っている。
彼女を目覚めさせないように気をつけながら、ヨハンはゆっくりと上体を起こした。
ラクチェの黒く、真っ直ぐな髪を指に絡ませながら、ヨハンは思う。

一人で生きる決意はあんなにも悲壮なものだったのに、
何故だろう、二人で生きようとする事はこんなにも幸福だ。
我ながら現金なものだな、とヨハンは苦笑して、そんなものかも知れないと思い直す。

結局、一人で生きていくには、人は淋しすぎるのだ。
たとえ孤独に慣れていても、
愛する喜びを知り、愛される安らぎを知ってしまえば、誰がこの先を一人で生きていけよう?
それは弱くなったということか、とヨハンは自問し、すぐにその考えを取り消した。
愛し合い、互いに支え、補い合う。そうして皆生きてきたのだ。
共に生きる事は過ちではない。それを諦める事こそが過ちなのだ。
472遠い夜明け:04/09/23 09:43:12 ID:1ayD7RYH

(それを、教えてくれたのは――)

ヨハンはラクチェの頬にそっと口づけを落とす。
と、未だ夢の中にいるはずの彼女が微笑んだ。嬉しげなその微笑に、心の奥が喜びに震える。

(君がいれば、君への愛があれば、私は――)

ふと、夕方に見た陰惨な夢を思い出す。
どれ程の時が経ったとしても、自分の罪が消える訳ではない。
おそらく自分は、これから先、何度もあの夢を見るだろう。
その度に、血に染まったこの手を、疎む事が何度もあるに違いない。
窓の外の夜の帳は未だ深く、夜明けはまだ遠い。
まるで自分の行く道のようだ、とヨハンは思い、傍らのラクチェをもう一度見やる。
心が満たされていく想いに、ヨハンは我知らず微笑みを浮かべる。

(大丈夫だ――きっと、私は生きていける――)

それがたとえ、永い夜でも。どれだけ夜明けが遠いように思えても。
明けない夜など無いのだから。
473むた ◆rEtdWXJvJ6 :04/09/23 09:56:23 ID:1ayD7RYH
以上です。

もうすぐ新作が出ますね。
楽しみだなあ〜。
ゼト×エイリークに少し期待。

ではでは。
474名無しさん@ピンキー:04/09/23 11:22:55 ID:1uEF1ZGk
ぬおおお!!こんな時間帯からGJ!!
475名無しさん@ピンキー:04/09/23 11:29:35 ID:Ij3YXzEn
神降臨
476名無しさん@ピンキー:04/09/25 01:55:02 ID:gbhRayQf
ヨハラク好きな俺としては歴史に残る神光臨!!
477名無しさん@ピンキー:04/09/25 03:23:22 ID:pTEiEQQA
激しくGJ……!!
orz ハズカシイ
じぶんのへたれSSが
478名無しさん@ピンキー:04/09/25 04:00:13 ID:3DF5N9c1
凄いや、ヨハンが馬鹿じゃないw
でも本当に骨の髄までイカレた人だったら
ラクチェの為というだけで寝返る訳無いよなぁ、と。
ヨハン(及び、一緒にいる時のラクチェ)が苦手だったので
こういうネタに触れる機会が全く無かったんだけど
思わず納得しながら読みました。
文もかなり上手いしグッジョブ。よくやった
479名無しさん@ピンキー:04/09/25 05:33:41 ID:ks3aBrzD
GJGJGJ!!!
シリアスなヨハン×ラクチェはむちゃくちゃ好きなので嬉しかった。

この分だと新作SSも期待大だなぁ。
個人的にアーチャーと盗賊の幼なじみカップル(だっけ?)に期待してる。
480花泉の亜茶:04/09/25 09:02:15 ID:S/YFB5hm
>477
気にするな、SS書いただけでも、貴方様は立派だ。
ここんとこ本当に作品ラッシュだなぁ。スレ容量もう450近いし。
これじゃ、寸評永遠にお終んねえなぁ・・・(w
いや、それよりも新作書かなきゃなんねえな・・・。
481名無しさん@ピンキー:04/09/25 10:03:17 ID:hm/FbmPU
リーフのうわきマダ〜
482ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/09/25 10:03:30 ID:m5Sp+v2C
ホークアイ祭(8)

やがて会場は軍の全員で埋め尽くされた。
「え〜皆さん静粛に。ではこれより、ホークアイ祭を開催いたします。ではまず始めに・・・」
司会進行役が呼ぶと、バアトルが立ちあがる。
「・・・・・・というわけで、わしはあの時、ホークアイ殿と友になったことを誇りに思う。以上!」
30分以上もの熱くむさくるしい演説が終わり、会場は拍手に包まれる・・・
その途端に、ある一人の女性が泣きだした。
「・・・・・・。」
「イグレーヌ、どうしたの?」
「・・・ありがとう、ファ。何でもないの。ただ、私の父がこんなにも皆さんに慕われていたのかと思うと・・・。」
そんな彼女を見て、バアトルやマーカスなどの、かつてホークアイと共に戦ったものたちは思わずうんうんとうなった。
(父のことを思いだしてしまったのだな・・・。)
するとサウルが彼女の真正面にやってきた。
「イグレーヌ殿、ご安心下さい。あなたの父だけでなく、あなたの乳もこんなに慕われております・・・」
真正面からイグレーヌの胸を覗きこむサウル。彼女の大きな胸は、まるで昆虫を集める花のように、男たちの視線を集めている・・・
「しかし、何と見事な・・・。これを触らなければ、罰が当たります・・・」
両手をイグレーヌの胸に伸ばすサウル。しかし、次の瞬間、頬に痛みを感じて、サウルは思わず両手を引っ込めた。
「いてててててて・・・!や、やめなさいドロシー!聖者に向かって暴力はいけません!」
「サウル様!いくらなんでもそのギャグはないです!失礼ですよ!」
「ド、ドロシー!やめなさい!いたたたたたた・・・」
「何が聖者ですか!『性邪』のくせに!」
ドロシーにほっぺを引っ張られて、サウルは退散した・・・。

つづく
483名無しさん@ピンキー:04/09/25 22:52:51 ID:vChGm/Tr
>>478
ヨハンは本当に骨の髄までイカレた人だったから
ラクチェの為というだけで寝返ったんですよ。
484名無しさん@ピンキー:04/09/25 23:58:13 ID:qas1EbsU
ヨハンでなんとかブリアンに止めを刺させようと頑張ったあの頃が懐かしいぜ
485名無しさん@ピンキー:04/09/26 00:33:34 ID:qbvCct2F
>>484
で、うまくいったんかい?
必殺勇者の斧か恋人隣に置くかすればトドメだけなら
そう難しくないっぽいけど。
486名無しさん@ピンキー:04/09/26 01:21:03 ID:AoPYwjbL
ダミアン終了w
487名無しさん@ピンキー:04/09/26 19:50:23 ID:0xfa6GoB
なんだか倉庫の人最近みないな……
待ってるだけなのも何なのでまとめるだけまとめてみた

Part10スレ
射手と天馬のゆくえ ケント×ファリナ (花泉の亜茶)
フェレ大賞典 ギャグエロ (ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
Part5の未完のチャド×キャスの続き (通りすがりのスケベ)

Part11スレ
罪の意識(前編) スルーフ×アマルダ (988%マシン ◆ka5BrNUzcE)
嘘と約束 ヒース×プリシラ (むた ◆rEtdWXJvJ6)
プリシラ陵辱 (ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
隠せないこの想い マリク×リンダ (花泉の蕪/千葉犬)
罪の意識(後編) スルーフ×アマルダ (988%マシン ◆ka5BrNUzcE)
悲劇的 軍師×リン (ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
バレンシア大陸誕生秘話 ドーマ×ミラ (千葉犬)
あなたのくれた未来 セーバー×ジェニー (むた ◆rEtdWXJvJ6)
ホークアイ祭 ルトガー×クラリーネ (ダミアン ◆.lt5gYzbQ) 未完
遠い日の約束 ホリン×アイラ (千葉犬)
初代スレ 寸評その1 (花泉の亜茶)
初代スレ 寸評その2 (花泉の亜茶)
シーザ×リンダ (418)
マルス×チキ (M・S ◆7VourjYAV6)
遠い夜明け ヨハン×ラクチェ (むた ◆rEtdWXJvJ6)

ざっとまとめただけなんで適当に改変よろ。
488名無しさん@ピンキー:04/09/27 07:32:46 ID:V1N7RJYx
リーフの浮気
489名無しさん@ピンキー:04/09/27 19:09:22 ID:3U8XhJib
聖魔のミルラたんはエフラムには心を開いている・・・と(*´д`*)ハァハァ
今からエフラム×ミルラのロリSSを期待してる俺はヤヴァイですか?
490名無しさん@ピンキー:04/09/27 21:42:24 ID:rau4DyWL
>489
漏れもだ
491名無しさん@ピンキー:04/09/27 23:32:08 ID:u0ECtynS
新婚のシーダがニーナとエリスに夜の生活について聞かれているのを
隣にいたミネルバが赤面しつつも気になってしまい聞き耳を立てている時に
ふと自分と同じように意識を耳に集中していたシーマと目が合って
気まずく思いながらも3人の会話に入れてもらうという話を書いていたら
もんどり打って倒れそうなほど萌えてきたんでもう寝ることにする
492ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/09/28 10:36:07 ID:TOas009p
>>487

フェレ大賞典は「烈火オールキャラ」でおながいしまつw
493名無しさん@ピンキー:04/09/29 09:43:01 ID:8gf1Fj0K
一年ぶりぐらいにエロパロの虫がうずいて、
ネタ探しにトラキア会話集をのぞいて…
エロパロ復帰は…無期限延長。

フィン難しいよ…_| ̄|○
494名無しさん@ピンキー:04/09/29 10:26:06 ID:kdtH6B0p
>>493
フィン×アルテナよろしく
495名無しさん@ピンキー:04/09/29 19:55:05 ID:Gaq25f4K
>>491
ぜひ完成させてアップして欲しいです。とても面白そう。
特に新婚のシーダというのがイイ!結構SEXに没頭して色んなことを
してそう。そういう話が聞きたい〜。
496名無しさん@ピンキー:04/09/29 23:42:46 ID:dzoVXoQC
>>491
修学旅行の夜・エロ版みたいでかなりイイシチュと思った。
ただし学園漫画とかのイメージなんで、実際の
おにゃのこがそういう事するかは知らんが
していて欲しい。なんとなく。
497名無しさん@ピンキー:04/09/29 23:51:52 ID:07aJJPxw
実際のおにゃのこはもっとえげつない会話します。
時には行為におよびます。
498名無しさん@ピンキー:04/09/29 23:55:54 ID:kdtH6B0p
すいません、フィン×アルテナって
かなりマイナーなんでしょうか・・・

ってかずっとくっつくものだと思って
隣接させてた記憶が・・・orz
499493:04/09/30 00:08:00 ID:yFYp0Phy
>>498
アルテナも後半フィンも恋愛とは縁遠いことはたしかですな。
カプそのものはマイナーかどうか寡聞にして存じ上げません。

ネタ収集に二人の会話読んでて
あの涙と言い刺しはなんだったんだろうと
考え込んじゃった自分がここにいたりして。
(ゲームしているときは何も考えてなかった)

エロパロの達者はこういうところから話をちゃんと広げて
いくんだろうなと思うと…自分の文章力のなさが_| ̄|○
500名無しさん@ピンキー:04/09/30 00:32:31 ID:hjB74doQ
俺はトラバント×アルテナ見たい。
大澤の二人が萌えた。
501名無しさん@ピンキー:04/09/30 00:47:29 ID:70hUau/r
大沢厨はだまってろ
502名無しさん@ピンキー:04/09/30 02:19:47 ID:hjB74doQ
大沢なんでそんなにだめなんだ…?
普通に好きだけどなぁ。
503名無しさん@ピンキー:04/09/30 02:24:20 ID:mf4eTJMg
大沢の親世代は気に食わないとこもあったが俺的には及第点越え。
ただ子世代がな・・・orz

スレ違いだったらスマソ〜
504名無しさん@ピンキー:04/09/30 04:37:26 ID:CRYranja
大沢の場合セティがDQNなのがなあ
505名無しさん@ピンキー:04/09/30 10:05:32 ID:0HdKLRa2
大沢は敵側のキャラクターがいいんだよなぁ〜
トラバントはもちろんのこと、レプトールもランゴバルトもアルヴィスも。
506名無しさん@ピンキー:04/09/30 11:02:42 ID:0Fo9+N4C
こんな時間からage
507名無しさん@ピンキー:04/09/30 14:54:17 ID:Rx/4KZ8/
大沢厨はラドネイかきなさい
508名無しさん@ピンキー:04/09/30 15:39:02 ID:5ybfoeb5
リーフの扱いを見て、大沢嫌いになった。
509名無しさん@ピンキー:04/09/30 15:48:12 ID:IOc18kL9
なんか当たり前のように通じてるが、












大沢って何?
510名無しさん@ピンキー:04/09/30 16:02:09 ID:rjqtyd+k
>509
知らなくても問題ないから気にすんな。
511名無しさん@ピンキー:04/09/30 16:09:13 ID:LgG+Li1j
512名無しさん@ピンキー:04/09/30 16:12:37 ID:5+QqTNVI
トラバント×エスリンは好きになった。
513名無しさん@ピンキー:04/09/30 18:48:29 ID:5ybfoeb5
大沢厨ウザイ
514名無しさん@ピンキー:04/09/30 19:49:37 ID:pnhflq7T
大沢の話になった途端皆食いつくな。

>503
同意。
子世代はなぁ……みんな微妙にイタイんだよな。
あと代替キャラとか776とか妙に混ぜなきゃよかったのに。
515名無しさん@ピンキー:04/09/30 20:55:36 ID:6hArwaTz
ロドルバンの扱いはあんまりだ・・・。
顔までへんにされてたし。
なによりカリスマ性のあるはずのセリスに全然魅力がなかった。
シグルドは上手く描けてたのになぁ。
516名無しさん@ピンキー:04/09/30 22:35:57 ID:CAmVVCGr
つまり大沢は、

親世代のキャラが好きで、子世代はあまり好きじゃない。
ロドルバンは嫌いで、セリスは普通〜やや嫌い。
シグルドは好きだが、どちらかというと敵キャラが好き。

ということで。
517?:04/09/30 23:23:41 ID:cnnx8R59
シャナマリで書いてみようと思ったのですが、キャラがヘンになりそうな悪寒
それ以前に書き切れるのか自分…
518名無しさん@ピンキー:04/09/30 23:45:29 ID:kfd7Cs5+
大沢版みんなして叩いているが、他の人のはどうなんだ?藤森版とか――
て、読んだ人いるのかなあ・・・・・・?
519名無しさん@ピンキー:04/10/01 00:08:50 ID:E3tqYmjL
フジモリ大統領のは絵が途中から…
まぁそーいうのは懐かし漫画のスレ逝こうよ。
520名無しさん@ピンキー:04/10/01 00:11:31 ID:obtEnYuT
何で懐かし漫画板で小説の話してて
こっち(まがりなりにも小説扱う板)で
漫画の話してるん?いや別にいいんだけどさ…
521名無しさん@ピンキー:04/10/01 00:12:36 ID:obtEnYuT
おお、初めてケコーンした
522名無しさん@ピンキー:04/10/01 01:22:08 ID:fNhMTDdV
どうでもいいことだが…活躍も人気も妹の方が上なスカサハ(いや、自分は好きだけど)
彼に見合いそうな女性って誰? 地味〜だから話題にもあがらなさそうだけど
523名無しさん@ピンキー:04/10/01 01:55:21 ID:z/6G+1Ri
幼馴染のラナとの地味でもほのぼのな恋愛が萌える。
524名無しさん@ピンキー:04/10/01 03:31:08 ID:ATVYxzJQ
>>522
今の主流はユリアだな・・・
まあエロパロとなるとユリアは相手が豊富なんで負けるが。
525名無しさん@ピンキー:04/10/01 06:10:38 ID:3O3rRc+O
ユリアの相手はセティが萌える。個人的に
526名無しさん@ピンキー:04/10/01 15:11:47 ID:mHOZ71gy
>522
マリータとの熱象カプに一時的にはまったことがあったな。
でも、なんだかラクチェの代わりにしてるみたいに感じたから熱醒めたけど。
釣られて漫画板にいってみたが、確かに小説の話になってたな。
もっとも、話題は聖戦のエロの部分に集中してたけど。
むしろこっちで話題にする事じゃねえのかと思ったよ。
527名無しさん@ピンキー:04/10/01 18:31:12 ID:f+06UbPb
昔、とか言うより今もだか何故かわからんがマナとのカプが好きだな。
しかし昔に書いたエロに確かディムナXユリアにスカサハXマナがあるはず…。
528名無しさん@ピンキー:04/10/01 20:55:05 ID:KjK9f6+s
>518
スレ違いぎみだが、
話の比率が多いミデ×エデ、ホリン×アイラが好きなら読んで損は無い。
ちなみにブクオフではA5の棚にあるので注意、全6巻でストーリーは5章開始時まで(ただし4章はスルー)。
529名無しさん@ピンキー:04/10/01 23:08:15 ID:l/YerMy3
>>528
ほんとならもっと描けてるはずだったんだろうけどな。
丁度裁判の頃だったし。
シャガールがやたらめったにかっこよく描かれてるのが記憶に残る。
530名無しさん@ピンキー :04/10/01 23:09:18 ID:K4GHgdYa
>>527
どちらも激しく読んで見たい。うPきぼん。
531名無しさん@ピンキー:04/10/01 23:17:57 ID:E3tqYmjL
O沢のシャガールは反エルラケイズムの首魁として
指6本の妖怪にされていました。
藤森は…「シャガール様」呼ばわりしてたっけ?
実はO沢版へのアンチテーゼじゃねーの?

それはそうともまいら(俺含)脱線しすぎです。
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/rcomic/1084029444/
532名無しさん@ピンキー:04/10/02 13:46:26 ID:H6bHaEdD
SSマダー?
533花泉の亜茶:04/10/02 17:25:29 ID:fwOTQpMk
SSと寸評書いてる最中にわいて来たネタで一本短めのSS書いたんで投下しまつ。
ちなみにエロ少なめになっちまった。ごめんなさい。
では、投下。
534フェレ家の奇妙な一夜:04/10/02 17:26:49 ID:fwOTQpMk
これは、私がフェレ家で働いていた頃に見た、ある夜の出来事です。
こんな事を言っても、誰も信じてもらえないと思います。実際、当の私も何処までは現(うつつ)で何処までは幻だったのか、解りません。
でも、このまま胸にしまっていると、如何しても話したくなってしょうがないんです。
だから、私は話します。あの世に見た出来事を。
535フェレ家の奇妙な一夜:04/10/02 17:27:55 ID:fwOTQpMk
その日は丁度、私が夜の部屋の見回りをする日で、いつもの通り、利き手に明かりをつけた燭台を持って、部屋を見回していました。
丁度エリウッド様と奥様の(この頃は、式を終えられて間もない時期だったと思います)ニニアン様の寝室の前を通り過ぎようとしたときでした。
ドアがほんの少し開いていて、中から奥様らしい女性の声が漏れてきました。
時間ももうすぐ夜の一時近くでしたし、そんな時間に聞こえてくる、旦那様との一緒の部屋からの女性の声といったら、もう一つしかありません。
熱を帯びて、どこかいやらしい(もっと適切な言葉があるかもしれませんが、学のない私には、これ以外に当てはまる言葉を知りません)
声が耳に入りました。
私も年頃の女でしたから、一体どんな風に愛し合っておられるのか、興味を覚えてきて、つい中を覗いてしまいました。
536フェレ家の奇妙な一夜:04/10/02 17:28:49 ID:fwOTQpMk
中では、エリウッド様と、そして、ニニアン様らしい、怪しげなナニかが居たんです。
エリウッド様がそのナニかを後ろからリズム良く腰を打ち付けていて、そうする度に、ニニアン様の声が、そのナニかからしてきました。
部屋は明かりがなくて、薄らと窓から入ってくる月明かりで如何にか御二人の姿らしいものが見えるだけでしたので、ハッキリとは解らなかったんです。
そうしてこっそりと覗いている内に、エリウッド様らしい声で、うっ!といった声が聞こえました。
エリウッド様の方を見てみると、エリウッド様の腰の辺りに、何かが巻きついていたんです。
それが何かは私は解らぬまま、エリウッド様は何事もなかったかのように行為をまた始められました。
・・・え、私の持っていた明かりはどうしたのかって?
そのときは、近くの柱の影に置きましたので、中の御二人には気付かれませんでした。
537フェレ家の奇妙な一夜:04/10/02 17:29:57 ID:fwOTQpMk
話を戻しますね。
そのまま御二人の行為が・・・どちらかといえば、エリウッド様の打ち込みが激しくなったといった方が、正しいと思いますが、激しくなり、
漏れて聞こえてくる声からも、もうすぐ終わりが近づいているのだと解りました。
そして、その時が来たんです。
「ニニア―――ン!!」
「エリウッドさまぁ―――!!」
御二人の声が部屋中に轟いた時です。
今まで夜雲に隠れていて薄らとしていた月明かりが、にわかに明るくなりました。
その明かりが、御二人の姿をハッキリと浮かび出しました。
そこには、エリウッド様と、ニニアン様らしい、異形の女がいました。
女は耳の辺りから、魚の水掻きのようなものが生え、腕と足には、ニニアン様の髪の色に近い、鱗のようなもの覆われていました。
そして、お尻からは明らかに蛇のようなものだとわかる、人の腕ほどの太さの尻尾が生えていて、
エリウッド様の腰の辺りにしっかりと巻きついていました。
そして、女の顔を見ますと、大きく開かれた口元から、人のものとは思えない、大きく尖った歯があらわれていました。
538フェレ家の奇妙な一夜:04/10/02 17:30:38 ID:fwOTQpMk
私はそこで覗くのをやめ、燭台を拾い上げて、気付かれないように、その場を後にしました。
怖かったんです。何だか、見てはいけないものを見てしまった気がしてきて・・・
そのまま、内心びくびくしながら、まだ見回っていない部屋を回っていきました。
調理をする部屋の辺りを通ろうとしたときです。中からカシャカシャといった、金属を擦ったような音が聞こえてきました。
ふと見ると、ガラス越しから、厨房の辺りに小さな明かりが見えたんです。
何だと思って、私はガラス越しから中を覗きました。
539フェレ家の奇妙な一夜:04/10/02 17:31:44 ID:fwOTQpMk
作り終えた食事を置く台の上に、私と同じこのフェレ家で働くレベッカさんが、裸で寝かされていました。
一体何があったのかと思ったとき、厨房の奥から誰かが来ました。
来たのは、最近正式に騎士になったロウエンという、とても背の高い、がっしりとした身体をした男性の騎士様でした。
え、男性の騎士って言う必要があるのかって?
はい、このフェレだと、女性の騎士もいるんですよ。だから、そう言ったんです。
・・・そしてそのロウエン様は、首にナプキンらしい白い布を垂らし、両手にナイフとフォークを持っていました。
そして、レベッカさんの正面に立ったんです。
ロウエン様の後姿しか見えなくなり、レベッカさんの姿が全く見えなくなってしまいました。
そして、ガラス越しから、ロウエン様の声が聞こえてきました。
言っていることの全てが聞こえてきたわけではありませんけど、その中で、ハッキリとこう言ったのを、わたしは聞いたんです。
「頂きますね」・・・て。
そういうと、前かがみになって、両手を前に向かって動かし、チュパッチュパッという音が響いてきました。
音がするたびに、前かがみになったことで、見えるようになったレベッカさんの両足がビクッと跳ね上がるんです。
「い・・やぁ・・・だ・・・・め・・・・・・んさ・・・ま・・・」
かぼそいレベッカさんの声が耳に入りました。
それは何処か苦しそうに聞こえました。
そうしていく内に、ロウエン様の上半身が起き上がって、ナイフとフォークを持ったまま、レベッカさんの両足を掴んで、手前に引き寄せました。
そして、再び前かがみになって、少し時間が経った時でした。
部屋の中から、レベッカさんの絶叫が響いてきたんです。
その声は、明らかに苦痛によって起きたものでした。
私はそこで恐ろしくなって、急いでそこから離れました。
離れ終わった後、一体レベッカさんは大丈夫なのか、ロウエン様は何をしたのか、色々と頭の中で考えました。
考えましたけど、そうするとますます怖くなってきたので、考えるのを止めて、残り少なくなった残りの部屋を見回ることにしました。
540フェレ家の奇妙な一夜:04/10/02 17:33:55 ID:fwOTQpMk
私達侍女の見回りは、決まって最後は騎士様達の宿舎を見回るんです。
何故なら、まずそこは見回る必要が無いほど戸締りやドアの鍵がしっかりとなされていましたし、最後は見回るふりをして、さっさと終わらせるのが、
口にはしませんけど、私達の間の常識だったんです。
けれど、その日は違っていました。
あれは私達の間では、憧れの人である聖騎士イサドラ様の寝室からでした。
エリウッド様ニニアン様の寝室と同様に、ドアが僅かに開いていて、中から声と音が聞こえてきたんです。
男性らしい声が聞こえてきた後に、何か空気を薙ぐような音が続いて聞こえてきました。
憧れのイサドラ様の部屋の中を見れるという幸運もありましたし、中で何が起きているのか、興味を感じましたから、先と同じように、中を覗いたんです。
中を見て、私は固まりました。
両手両足を縛られ、海老反りになっている男性―――あれはイサドラ様の恋人といわれていたハーケン様でした―――に、
身体のラインを強調した、胸と股間を露にした、黒一色の何ともいえない服を身に着け、蝶々の羽のような、真っ黒い仮面をつけ、
踵が高く上がっている黒い皮製のブーツを履いた姿のイサドラ様が、これまた真っ黒い鞭を振るっていたんです。
普段は真っ白い鎧を着ていますから、その姿の変わりように、私は物凄いショックを覚えました。
541フェレ家の奇妙な一夜:04/10/02 17:35:03 ID:fwOTQpMk
鞭を振るいながら、イサドラ様はこう言っていました。
「あなたは黒い牙に居たときも、こうやって鞭を振るってもらったんでしょ!?ベルンの女に!?」
そう言うと、ハーケン様はこう言いました。
「そ、そんな事はない。君以外にこんな事をさせたりなど、する訳がないじゃないか」
そんなハーケン様を見て、イサドラ様はフッと口元に嘲笑うかのような笑みを浮かべました。
「証拠は上がっているのよ、ハーケンちゃん?」
そして、私の所からは見えなかったんですけど、何かを見せたようで、その後、床に転がっていたハーケン様の顔が真っ青になるのが見えたんです。
・・・え、如何して見えたのかって?
そういえば言ってませんでしたけど、部屋には明かりが灯されていたんです。
真っ赤な蝋燭が、いろんな所にあって、その明かりで、ハッキリと部屋の中が照らされていたんですよ。
話を戻します。
その顔を見て、イサドラ様はホーホッホッと高らかに笑いまして、ビシッと持っていた鞭をハーケン様に向けました。
「あなたが大丈夫だと思っているとき、既にそれ(浮気)は発覚している!といった所ね。
・・・ねぇ、ハーケン?私、自分の男に裏切られるのが、一番頭にくるのよ。だから、解っているわね?」
そう言うと、イサドラ様は側に立てていた蝋燭を左手で取って、右手で鞭を振りながら、蝋燭をハーケン様に垂らし始めたんです。
「今夜は泣こうが喚こうが、気の済むまで止めないわよぉ〜。覚悟なさぁい、ハーケンッ!!」
股間から液を垂らし、床に水溜りを作りながらも、何処か嬉しそうに、イサドラ様はそう言って、ハーケン様を責めだしました。
私はそこで固まりが嘘のように解けて、床におろしていた燭台をもって、ふらふらとした足取りでその場を後にしました。
542フェレ家の奇妙な一夜:04/10/02 17:36:50 ID:fwOTQpMk
そのあと、燭台を元の場所に戻した後、こんがらがった頭のまま、私は自室に戻って、眠りにつきました。
私にとって幸いだったのは、その日でこのお屋敷のお勤めが終わりであった事です。
翌日、マリナス様からこれまで働いた分の報酬を頂いた後、私は逃げるようにその場を後にしました。
おそらく、私は二度とあのお屋敷には、働きに行かないでしょう。
だって、あんなのを見たら、だれだってそうなるんじゃありません?
わたしは、そう思っています。
543フェレ家の奇妙な一夜:04/10/02 17:40:49 ID:fwOTQpMk
「・・・といった内容の報告書を、先程フェレ担当の密偵から渡されたのですが、いかが致しましょう?」
そう聞かれている人物は、はぁ〜と溜め息を漏らすと、「燃やして捨ててしまえ」と言って、部下を下がらせた。
その人物は、ベルンのマードック将軍であった。
リキア同盟の内情を知るべく密偵を放っているのだが、報告されるのが、先のようなものばかりで、マードックはいささか鬱になりかけていた。
オスティアのほうも似たようなもので、〈酔ったヘクトルの妻が夫を半ば強姦する形で押し倒した〉とか、
エトルリア王国の方は、〈魔導将軍は、一夜に三発は放っている〉・〈魔導将軍の妻は、隠れて内弟子を性奴にしている(俺もああなりたい by 密偵)〉
といったような報告ばかりで、ちっとも成果が上がらなかった。
「・・・それだけ密偵対策が万全なのか、それとも・・・」
単に密偵が劣情に負けて、ハァハァな光景ばかり追っかけているのか?
そう思うと、ますます鬱になりそうになるマードック将軍。
心持、おでこが広くなったのでは?と、本気で心配になる日も、そう遠くないようだ。

                                                    
                            終了
544名無しさん@ピンキー:04/10/02 17:46:04 ID:04F8gVWC
おお、第三者から見た感じがGJ!
545花泉の亜茶:04/10/02 17:47:13 ID:fwOTQpMk
今回はこんなんです。これまでのようなやつばっかりだと、ちょっと読む方がだれてくるんじゃないかと思ったんで、今回はこんなSSにして見ました。
FEの新作も発売まで一週間切ったし、それまでの肴になれば幸いです。
では、次の職人さん、SSお願いします。
546名無しさん@ピンキー:04/10/02 23:11:31 ID:yi/LUbPi
レベッカとロウエンが何をしていたのかが気になる。

547名無しさん@ピンキー:04/10/03 13:46:11 ID:4KC++CkL
くろもじ屋(別館)が消えていることについて・・・
548名無しさん@ピンキー:04/10/03 23:17:27 ID:JNRH1p8W
「村人からきいた話だがオーガヒル海賊の女頭目は
 力を持たない人々を守ってくれたそうだ」
「そうか……おまえがグランベルのシグルドか……
 ならばしかたがない、殺すのなら殺せ」
「ははは、なにか思いちがいをしているようだな
 私はきみを迎えに来たのだ」
「私のような者を迎えるというのか?」

「そうだ、きみがほしい」

「シグルド公子……、変わった人だ……」



コラッ! ディアドラたんが居なくなったばかりだと言うのに!ハァハァ
549名無しさん@ピンキー:04/10/04 00:35:39 ID:eONKj5jx
>>547
は?あなた今さら何をゆーてはりますのん?
ずっと前に本館とフュージョンハッ!!して消滅しましたよ?

でもこっちに書いたのは正解。
角煮で聞こうものならくろもじって名前が出るだけで
無駄にスレが荒れるから。
550名無しさん@ピンキー:04/10/04 01:07:16 ID:GEbObncN
>>534-543
ダミアン氏のフェレ大賞典の後日の設定かと思った漏れって_| ̄|○

とにかくGJ
551名無しさん@ピンキー:04/10/04 04:43:51 ID:uPD1RtJa
>花泉の亜茶氏

ニニアーン!!!!・゚・(ノД`)・゚・。

…というか竜化ネタを遂に見る事が出来たな。本スレでは散々既出だったのにw
完全に竜でないのがイイ。微妙にホラー風味の筈が、個人的に
某RPGの人魚ハーフ娘を思い起こさせる描写で激しく萌えますた
乙アンドGJ。
552ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/10/04 13:29:44 ID:yKz7w3Z6
ホークアイ祭(9)

「それでは皆さん、ご起立願います。」
席についていた全員が一斉に立ち上がった。
「ではただいまより、乾杯の音頭を取りますので、男性の皆様、仲の良い女性の方の胸をお取りください。」
司会進行役の人がそう言うと、男たちは、それぞれ女性の胸をむぎゅっとつかんだ。
「姫様、失礼いたします。」
端正なたたずまいの礼儀正しい騎士・ランスがクラリーネの元に来て、その胸をむぎゅっとつかむ・・・。
ルトガーは思わずランスを突き飛ばした。
「何をする!」
「俺のクラリーネに触るな!」
「触るなも何も、これは儀式なのだ。君こそ、わがままを言うんじゃない!」
一触即発、険悪な雰囲気が流れる中、マーカスが叫んだ。
「ほらそこ!喧嘩をするんじゃない!胸は二つあるんだから、仲良く分け合いなさい!」
「・・・・・・。」
「申し訳ありませんマーカス様。」
マーカスの叱責に二人はようやく仲直りをした。そして、ルトガーはクラリーネの右胸、ランスは左胸をそれぞれつかんだ。
(・・・やわらかい・・・)
ルトガーのアソコが、次第に大きく、固くなってくる・・・
「ルトガー、乾杯が終わるまでの辛抱です。」
見ると、ランスのアソコもビンビンに膨れ上がっていた・・・。
553ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/10/04 13:43:28 ID:yKz7w3Z6
ホークアイ祭(10)

「貴様!わしの娘にー!」
「わわっ!バアトルさん、落ち着いて!」
会場のあちこちで起こるトラブル。そのたびに、マーカスの叱責が飛ぶ。
「やれやれ・・・まったく。」
しかし、そんなマーカスを、今度はロイが咎めた。
「マーカス、あなたは胸を持ってないじゃないか!」
「ロイ様、このマーカス、今さらそのような・・・」
「ダメだマーカス!これはちゃんとした儀式なんだから。」
「しかしロイ様、私には相手が・・・」
封印の剣時代のマーカスには、支援のある女性は、リリーナしかいない。しかし、彼女の両胸は、
ロイとゴンザレスによって塞がれていた。
「仕方ないなあ。マーカス、僕の持ってる胸をあげるよ。」
「しかしロイ様、それではロイ様の分が・・・」
「大丈夫。ここにもう一つあるから。」
そう言うとロイは、リリーナの履いているズボンを掴んで、一気に下に引きずりおろした。
そこにある生々しくうごめく割れ目の中央上部に、赤い突起がある。
「あはああああ!」
いきなりアソコが外気に触れて、リリーナはうめき声をあげた。
554ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/10/04 13:54:08 ID:yKz7w3Z6
ホークアイ祭(11)

「それでは皆様、胸を持ちましたね。それでは、乾パイ!」
「乾パイ!」
掛け声とともに、男性陣は一斉に女性の乳首に吸い付いた。それとともに、会場のあちこちで
女性のピンク色の悲鳴があがった。
特に、リリーナの声は、ひときわ大きく、獣のように響いた。

「クックック・・・陛下、今なら、奴らも油断しておりますよ。陛下、出撃のご命令を。」
偵察を終えて戻ってきたナーシェンがゼフィールにそう申し上げると、ゼフィールは顔をしかめた。」
「ならん。今日は大事な日なのだ。ナーシェン、お前もすぐ支度しろ。」
「へ、陛下・・・何を・・・?」
ゼフィールはナーシェンに紙包みを渡すと、すぐに着替えるように命じた。
「早くしろ!もう、始まるぞ!」
「はっ、ははっ!」
555ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/10/04 14:02:08 ID:yKz7w3Z6
ホークアイ祭(12)

ようやく着替え終わったナーシェンは、そのまま自分の席についた。
すぐ隣には大きい胸を露わにしているブルーニャ。さらにその隣には、マードックがいる。
「それではお前たち、女の胸を持て。」
ゼフィールの命令に、男たちは女の胸を握る・・・
途端に会場のあちこちから、ピンク色の悲鳴があがる・・・
ゼフィールのすぐ隣にいるのは、イドゥンだった。彼女もまた、上半身裸で、半ズボン姿だった。
「それでは、乾パイ!」

おしまい
556名無しさん@ピンキー:04/10/04 20:40:01 ID:VJDHHEp5
おもろい
557名無しさん@ピンキー:04/10/04 22:06:20 ID:BhZ4byiQ
もう、なにをどうしたらこんなことを
思いつくんだか……おもろいからいっか。
558ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/10/04 22:34:32 ID:v9WXJxkX
ホークアイ祭(おまけ)

リリーナ:もうっ!こんなお祭、いったい誰が考えたのよっ!?
マーカス:・・・・・・あなたのお父上ですぞ・・・・・・
リリーナ:・・・・・・。
559名無しさん@ピンキー:04/10/04 22:36:26 ID:+2DwAZXK
DingDongDongのサイトって閉鎖されたんでしょうか。いけなくなってしまいました。
560名無しさん@ピンキー:04/10/05 09:13:11 ID:hioTXaP0
>>551
>某RPGの人魚ハーフ娘
ヴァルプロの夢瑠?
561名無しさん@ピンキー:04/10/05 15:39:22 ID:ADsrQba6
幻想4?
562名無しさん@ピンキー:04/10/07 05:49:12 ID:BCFt09G8
>560正解。
昔読んだ顔無し人魚の短編を思い出し、
人魚というだけで夢瑠たんを連想して
犬歯伸びたとこ想像したら
それはそれでハァハァしまくったという話

ややこしい上に激しい誤解を生んだようだな
失礼した
563名無しさん@ピンキー:04/10/07 13:07:24 ID:JZV6FGl6
皆新作プレイ中か?
564ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/10/07 13:57:42 ID:PuVGvC2D
そう言えば今日発売だったっけ?

・・・・・・金ない・・・・・・OTL
565名無しさん@ピンキー:04/10/07 15:17:02 ID:W5EHoNEG
マリカがヨシュアに犯されるSSまだー?
566名無しさん@ピンキー:04/10/07 16:50:35 ID:fy7ckzxt
ルーテ×アスレイキボン
567名無しさん@ピンキー:04/10/07 16:59:08 ID:PqnmuF0/
コーマ×ネイミーもイイヨイイヨ
568名無しさん@ピンキー:04/10/07 18:45:55 ID:3Xa7VIHU
ちょっと飽きたからカキカキ。
のろのろやってるから未だガツンッとくるやつらがいないぜぃ。

>>566
あ、ルーテ×アスレイ(・∀・)イイ!!かもね
アスレイ×ルーテではないところが最高だ。
569名無しさん@ピンキー:04/10/07 19:06:51 ID:1SylZuOb
クーガーがオグマにならないかと期待していたのになんだこれ…
570むた ◆rEtdWXJvJ6 :04/10/07 19:52:52 ID:2/b8A0hx
エイリークは常に敬語なところがいいですな。

ゼト×エイリーク(・∀・)イイ!! 
兄貴との会話は微妙だな〜 まだCしか見てないけど。
571名無しさん@ピンキー:04/10/07 20:07:38 ID:1SylZuOb
>>570
なでなではお兄系の基本でござるよ
572名無しさん@ピンキー:04/10/07 21:06:18 ID:HPcgbHp6
EDはもちろん支援会話の1つもみてないけど、ヒーニアス×エイリークが
良い感じ。複雑な性格の彼と素直な彼女。SSが読みたい!
573名無しさん@ピンキー:04/10/07 23:01:02 ID:EPHQwC3g
ヒーニアス×エイリークは支援見る前から萌えたね。
支援見て更に萌え。書きたい……けどプレイもしたい(;´Д`)ハァハァ
574名無しさん@ピンキー:04/10/08 00:19:51 ID:ULMytOsS
エフラム×ミルカが凄い。奴は最強のロリコンだ。

エロイ エロウッド エロラム…
575名無しさん@ピンキー:04/10/08 00:50:50 ID:Inv8cSi4
そしてエロリークか。
ミルカじゃなくてミルラでっせ。
576名無しさん@ピンキー:04/10/08 01:03:53 ID:PHDTKo9f
エフラム×ミルラの会話は引いたな・・・
ロリコン王子として歴史に名を残すんだろうなw
577名無しさん@ピンキー:04/10/08 04:48:50 ID:trtJnXJB
今見てきたらどうやら違うらしい?けどな<ロリ王子
どっちが本当なのか自分で出さないかぎり確かめようもないけど。

あの会話に引いたくちなもんで違うと信じたい……
エフラムの突撃野郎っぷりが気に入ったので真性ロリはイヤポ
エフラム×ミルラはほのぼのがイイ(´・ω・`)




578名無しさん@ピンキー:04/10/08 04:51:08 ID:D71ZgCHh
アスレイ×ルーテもルーテ×アスレイも(・∀・)イイ!!
エロスを感じる。
579名無しさん@ピンキー:04/10/08 07:48:28 ID:4xfv06mh
支援Aで告白してる奴多いよね。
巷でどんな小説が読めるのか、今から楽しみでなりません。(;´Д`)

ゼト・エイリークは身分違いの想いみたいでイイ。
あれはかなり燃える気がする。
ゼト・ナターシャも良かったよ。ナターシャ育てるのが大変だけど……
一生直らない怪我なんて美味しい武器を将軍が持っているとは!

でも自分は一番ルーテ・カイルに萌えました。

580名無しさん@ピンキー:04/10/08 07:55:26 ID:tDHoBY6s
やはりというか、製麻の話題が・・・
攻略本ないとPLAYできない超ヘタレなので、未PLAY。
今作はどうですか?面白い?
ゲームスレいっても何がなんだかさっぱりわからなかった。
581花泉の亜茶:04/10/08 10:01:57 ID:8bnS9o4V
>>580
とりあえず、合格点はいってるかと思う。
なんだかんだと言っても、今作も面白いと感じたよ。
個人的には、>>567 の巧間×婦負身にグッと来たよ。
さっきスレ容量みたけど、480いったね。
そろそろ次スレなのかねぇ?
582名無しさん@ピンキー:04/10/08 16:24:14 ID:lhgVN3V6
男×マリカの支援会話ってどれもAがわざとらしすぎるw
583名無しさん@ピンキー:04/10/08 17:46:11 ID:HzCvXimJ
エフラム×ターラって人気無いのか・・・気に入ってるんだが
584テンプレ:04/10/08 17:56:14 ID:af0W+N3L
倉庫未収録作品

Part10スレ
>607->662 射手と天馬のゆくえ ケント×ファリナ (花泉の亜茶)
>678-679 >682-685 フェレ大賞典 烈火オールキャラ (ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>702->720 Part5の未完のチャド×キャスの続き (通りすがりのスケベ)

Part11スレ
>12-30 罪の意識(前編) スルーフ×アマルダ (988%マシン ◆ka5BrNUzcE)
>35-41 >43-45 >47-49 >51-52 嘘と約束 ヒース×プリシラ (むた ◆rEtdWXJvJ6)
>55-57 >59-61 >89-96 プリシラ陵辱 (ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>64-79 隠せないこの想い マリク×リンダ (花泉の蕪/千葉犬)
>99->131 罪の意識(後編) スルーフ×アマルダ (988%マシン ◆ka5BrNUzcE)
>146-151 >200-207 悲劇的 軍師×リン (ダミアン ◆.lt5gYzbQ)
>156-160 バレンシア大陸誕生秘話 ドーマ×ミラ (千葉犬)
>173-196 あなたのくれた未来 セーバー×ジェニー (むた ◆rEtdWXJvJ6)
>210-211 >214-215 >232 >304-305 >482 >552-555 >558
ホークアイ祭 ルトガー×クラリーネ (ダミアン ◆.lt5gYzbQ) 
>235-263 遠い日の約束(前編)ホリン×アイラ (千葉犬)
>278-299 遠い日の約束(中編)ホリン×アイラ (千葉犬)
>320-360 遠い日の約束(後編)ホリン×アイラ (千葉犬)
>373 初代スレ 寸評その1 (花泉の亜茶)
>415-416 初代スレ 寸評その2 (花泉の亜茶)
>418-423 シーザ×リンダ (418)
>427-437 マルス×チキ (M・S ◆7VourjYAV6)
>444-472 遠い夜明け ヨハン×ラクチェ (むた ◆rEtdWXJvJ6)
>534-543 フェレ家の奇妙な一夜 フェレ家の皆さん (花泉の亜茶)

抜けがあったら補間よろしく。
585テンプレ:04/10/08 17:57:55 ID:af0W+N3L
前スレ
ファイアーエムブレム&ティアサガ第11章
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1091716927/
作品倉庫
http://fire_emblem2ch.at.infoseek.co.jp/fe18.htm

586テンプレ:04/10/08 18:00:57 ID:af0W+N3L
初代スレ
「ファイアーエムブレムのエロネタでハァハァ… 」
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1004/10044/1004451716.html
ファイアーエムブレム&ティアサガ第二章
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1020/10200/1020016530.html
ファイアーエムブレム&ティアサガ第3章
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1033/10338/1033828837.html
ファイアーエムブレム&ティアサガ第4章
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1042/10422/1042292300.html
ファイアーエムブレム&ティアサガ第5章
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1048/10487/1048789718.html
ファイアーエムブレム&ティアサガ第6章
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1053/10532/1053271621.html
ファイアーエムブレム&ティアサガ第7章
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1057/10572/1057238909
ファイアーエムブレム&ティアサガ第8章
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1065/10653/1065356946
ファイアーエムブレム&ティアサガ第9章
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1073706816
ファイアーエムブレム&ティアサガ第10章
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1085577911
587名無しさん@ピンキー:04/10/08 18:08:49 ID:HfGle0oL
自分的にはキャラデザがしっくりこないかも。
なんかデザインされ過ぎててね。

まあなんだかんだ言っても、ルーテがアスレイを襲うSSなら読んでみたいんですがね(笑)
588名無しさん@ピンキー:04/10/08 18:56:06 ID:Sxi2Tx3M
エフラム×ミルラの告白はなんかネタ臭い気が初めからしてた…
まあ、後から何とでも言えるけど。

>>587
アスレイの観察と称して…(*´д`*)ハァハァ
589むた ◆rEtdWXJvJ6 :04/10/08 19:45:21 ID:/1tbSdyx
「ルーテさんっ、どこでこんな事覚えて……」
「『殿方を悦ばせる性技100』という本で覚えました。
私、優秀ですから」

ルーテ×アスレイってこんな感じ?
何でアスレイはルーテに敬語なんだろうか。
幼馴染なのに。

ヨシュア×ナターシャは
やってて変な笑いが出たよ。
SSは読んでみたいけれども。

590名無しさん@ピンキー:04/10/08 22:01:08 ID:EKM2pbH0
アスレイは敬語デフォな人なんじゃね?
591988%マシン ◆ka5BrNUzcE :04/10/08 22:25:54 ID:SocYWgkM
乱数調整やりながらのプレイなもんでかなり梃子摺ってます…_| ̄|○
592花泉の亜茶:04/10/08 23:27:19 ID:EthhKpC4
やっとこさエイリーク・エフラムの分岐に入った。
両方ともやるべきなんだろうけど、どっちにするべきなののう?
エフラムの方をちょこっと見たけど、早速一人陵辱ネタ的展開のパターンに入ったけど
エイリークたんと捕らわれ天馬の姫と、一体どっちを選べばいいんだろうかのう。
つーか、書きかけのやつがあんのに、もう聖魔のネタがひとつ浮かんだんだけど、
即行で書くべきなのかどうかまよっとる。
住民の方々、意見よろしゅう〜。
まぁ、投下するのは、きっと次スレになるんだろうけど・・・
593名無しさん@ピンキー:04/10/08 23:50:10 ID:HfGle0oL
>>592
萌パワーが切れる前に書くのはひとつの手だと思う。


てか、聖魔プレイに飽き気味なので何か一口食べたい気分( ・_ゝ・)
594名無しさん@ピンキー:04/10/08 23:55:50 ID:EwZtQq8T
セライナが犯られちゃうのとかはダメか…?
595名無しさん@ピンキー:04/10/09 01:14:34 ID:kKxrdJ71
ヴァネッサ×ルーテの百合に萌える。
596名無しさん@ピンキー:04/10/09 01:17:48 ID:J0WloRi/
>592
エイリークで書いて欲しいです!すらっとした肢体がたまらんです。
ターナは私も思い浮かびましたwあの男いかにもって感じw
597名無しさん@ピンキー:04/10/09 01:49:51 ID:IpuTD1ek
>>587
聖魔レベル上げに飽きたらそのカプで書きます。

で、
>>589
そのせりふを使わしてください・
ルーテ萌え〜。製作者の思惑通りだとしても、
わかりやすく電波少女だとしても……!
598名無しさん@ピンキー:04/10/09 01:59:27 ID:kKxrdJ71
Fラム×Aリーク萌えた…
なんだ、ラブラブじゃないかこの兄妹。
599名無しさん@ピンキー:04/10/09 02:56:54 ID:oWqXb1P0
マリカ×ジストの支援会話に悶えた
エイリーク×ヒーニアスも良いね
600名無しさん@ピンキー:04/10/09 03:27:52 ID:8A1NEefu
13章まで来たけど今だにエフラムとエイリークの相手を決めかねてる・・・

あとフランツとアメリアの初々しいカップル萌え
601名無しさん@ピンキー:04/10/09 10:51:53 ID:9rx8XTwL
>>600
CC後も歩数同じだしエフラムエイリークでくっつけるのあり。
冗談でなくて他の相手だと稼ぎでもしてないと
クリアまでに支援Aまでいけなくてもったいない。

俺はラストマップでエイリークxターナ、エフラムxミルラを
延々隣接させてAにしたけど。
602名無しさん@ピンキー:04/10/09 13:11:31 ID:GaUBMgjr
いや普通にフリーマップで支援つけないか?
使わないキャラでも一応支援はフルにつけるのがデフォなんじゃないのか?
603名無しさん@ピンキー:04/10/09 14:57:50 ID:/Rn2v+5L
新スレ立てられんかったので、どなたかよろ。
604名無しさん@ピンキー:04/10/09 17:03:04 ID:5KicS9p6
じゃ、立ててみる。
605名無しさん@ピンキー:04/10/09 17:07:44 ID:5KicS9p6
立てました

ファイアーエムブレム&ティアサガ第12章
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1097309108/
606名無しさん@ピンキー:04/10/09 23:30:21 ID:9rx8XTwL
>>602
戦力不足で詰まることが無かったんでフリーマップ使わなかったよ。
パラメータの上がりが異常に良かったせいもあるけど。
607名無しさん@ピンキー:04/10/09 23:58:24 ID:doENSlqh
通りすがりのスケベさん
お待ちしてます
608名無しさん@ピンキー:04/10/10 02:52:26 ID:hNDn+5Fx
>>598
エフラムの色気の無い身体つき発言とか、専用武器の名前とか……支援会話は普通の仲の良い兄妹に見えるけどキンシーン暗喩してる。
609名無しさん@ピンキー:04/10/10 03:18:02 ID:faqR7Nj0
レイプア?
610名無しさん@ピンキー:04/10/10 05:18:46 ID:ERyyhXVJ
好きなのどうなのは置いといて(つ´∀`)つ
エロSSが書きたくなるカポーはヒーニアス×エイリーク、ルーテ×アスレイ、エフラム×ラーチェル。
特にラーチェルが自分的にヒットなんですが、あんま人気ないのか・・・?


それにしても聖魔カポーは略し方がわからん(w
611名無しさん@ピンキー:04/10/10 18:17:12 ID:E6vI8x0D
エトルリア魔道軍将・パントの元にエルクが弟子入りして早数年が経った。
その過程は決して易しいものではなかったが、
魔道を深知することを本望とする彼にとっては充実したものだった。
幼少時から培った知識と経験に加え、最高の師との出会い。
恵まれた環境で修行の日々を送ることでエルクの才能は
広く周りに認められつつあった。
新しく入手した魔道書を読みふけっていたその日、
部屋をノックする音でエルクは我にかえった。
窓の外にはすでに夜が降り、読書を始めてからかなりの
時間が過ぎてしまっていたことに気づく。
時計に目をやりながらノックに声を返すと、ゆっくりとドアが開かれた。
「エルク、起きていて?」
ドアの向こうからブロンドの髪がのぞく。
こちらの様子を伺いながら控えめにそう尋ねてきた女性に
エルクは本を閉じて向き直った。
「はい。本を読んでいました」
自分の髪と同じ色をした濃紫の瞳に好奇の色を滲ませてこちらを伺うのは
師・パントの妻、ルイーズだった。
「まあ、もしかして邪魔をしてしまったかしら? ごめんなさい、エルク」
良家の令嬢と呼ぶにふさわしい美貌と雰囲気に
どこか少女のようなあどけなさも持ち合わせている女性だ。
「いえ……もう休もうと思っていましたから。気にしないでください」
自分のことを常に気にかけてくれるこの優しい女性を嫌う理由は何もなかったが、
こちらがまるで予測していなかった素振りを度々見せることがあり、
エルクはルイーズへの対応に時々戸惑うことがあった。
「それで、何か御用でしょうか」
そう言ってからエルクははっとした。
用がなかったら出て行けという風に捉えられただろうか。
我ながら不器用な対応だとは思うも、性格上なかなか直せない。
612名無しさん@ピンキー:04/10/10 18:17:51 ID:E6vI8x0D
が、ルイーズはそんなエルクの胸中を理解しているかのように笑みを
浮かべながら彼の座る机に近づいていく。
「プリシラ様から伝言が届いていたので知らせに来ましたのよ。これを…」
ルイーズが手に持っていた文書をエルクへ渡す。
プリシラというのは先の戦争でエルクが護衛を務めたカルレオン伯爵家の子女で、
護衛の任務を終えた今でも手紙のやり取りを続けているエルクにとって特別な女性だった。
手渡された文面には近況を知らせる小さな文字がぎっしりと埋まっていたが、
難解な本を読むのが常になっているエルクがそれを読み終えるのに
さほど時間はかからなかった。
「ルイーズ様、わざわざ届けていただいてありがとうございました」
目を通し終えたと伝えるようにエルクが顔を上げる。
文面を知っているのか知らないのか、ルイーズは静かに笑うだけだ。
「プリシラ様、お元気にしていらっしゃる?」
前述の戦争ではパント・ルイーズ共に戦ったこともあり、2人とも彼女との面識はある。
しかしこうしてプリシラからの伝聞をルイーズから手渡されることに
エルクはいささか抵抗も感じていた。
爵位のない自分が伯爵家の女性であるプリシラと付き合っているということは
あまり人に知られたくないことだったからだ。
しかしルイーズは、寡黙で人付き合いが上手い方ではないエルクが
彼女に釣り合う地位を手に入れるために魔道の修行に打ち込む直向な様子を見て、
何か手助けしたいと伺いを立ててくることが多かった。
ルイーズも自分を想ってくれてやっていることだと解っているので無碍にはできず、
今やエルクはプリシラとの関係を母親代わりも同然のルイーズに
吐き出さざるを得ない状況に置かれている。
「私、何かエルクにできることはないかしら?」
突然の問いかけに面を食らうエルク。
やや不安げな表情を浮かべながらルイーズは
部屋のベッドにそのふくよかな腰を沈める。
「な、何ですか? いきなりそんなこと…」
613名無しさん@ピンキー:04/10/10 18:18:29 ID:E6vI8x0D
「だって、パント様は魔道の知識をエルクに授けてあげられるのに、
 私ったら何1つエルクに教えてあげられることがないもの」
役職柄、夫のパントが家族と共に生活する宮殿を空けることも少なくない。
そんな時エルクは進んでルイーズのお茶の相手を申し出ることがあるのだが、
会話をする度にエルクは思い知ることがある。
彼女の自分に対する感情が家族に向けるそれを何ら変わりないほどに優しいのだ。
それを有り難くも感じるし、重荷に感じることもある。
ただそんな気遣いをしてくれる彼女と師匠の期待を裏切りたくないという想いは
強く抱いていた。
「そ、そんな。ルイーズ様がいつも僕のことを心配してくださっているのは解っています。
 それだけで僕は充分ありがたいと…」
「エルクの気持ちはわかるけれど、私も何か教えられるようなことができれば
 あなたともっとお話する時間が持てるもの」
「……はぁ」
勉強とかこつけてきっと彼女は自分ともっと話す機会を持ちたいと思っているのだろう。
普段は修行の邪魔にならないようにとルイーズがその欲求を
抑えてくれているというのは伝わってきていた。
「エルク、弓の使い方を教えて差し上げましょうか?」
「い、いえ。僕は身体を使うのはあまり自信がないので…」
「そう……残念だわ…」
嬉しそうに提案するルイーズに柔らかく断りを入れた。
途端、悲しそうに表情を曇らせる彼女にエルクは慌ててフォローの言葉を捜す。
「あ、あの、1つお聞きしたいことがあるんです、ルイーズ様」
そう切り出したエルクにルイーズは再び明るい表情を取り戻した。
興味津々に続きを待つ彼女にエルクは言いにくそうにしながら
手元の文書に視線を落としながら言葉を続ける。
「……僕はこの通りあまり外交的な性格ではありません。
 女性への対応も慣れてないので、どういうことをしたら失礼にあたるかが解りません」
614名無しさん@ピンキー:04/10/10 18:19:12 ID:E6vI8x0D
ルイーズは黙ってエルクの言葉に耳を傾けている。
その表情は至って穏やかで、突然の独白にも驚く素振り1つ見せずに
ただ柔和な笑みを浮かべているだけだった。
「プリシラ様が次に遑が取れればこちらへ伺いたいと……」
「まあ……それはよかったわね、エルク」
エルクの顔に赤みがさす。
こんな表情を見るのは初めてだったかも知れない……そう思ったルイーズの口許も
自然に緩んでいた。
「そ、それで……女性のエスコートの仕方をぜひお教えいただけたらと…」
自分がいつも身に付けている赤いローブほどに頬を紅潮させてエルクがうつむく。
いつもは大人っぽく見えてならない彼が見せる年相応な反応にルイーズの顔が綻ぶ。
「うふふふ。そういうことなら任せてちょうだい。
 嬉しいわ、私でもエルクの役に立てるなんて」
赤面したままうつむいているエルクの手を取ってベッドへ導く。
ふわり、とエルクの身体をルイーズは優しく抱きとめた。
「ル、ルイーズ様……?」
「覚えていて、エルク。こうして優しく抱いてあげるだけで女の子は安心するものよ…」
眼前に広がるルイーズの香りと柔らかい肢体に目を瞬かせながら、
エルクは状況の理解を急ぐ。
しかしそんな彼の心情を知ってか知らずか、ルイーズは身体を硬くしたままの
エルクをベッドへ横たわらせる。
下から見上げるルイーズの表情はどこか官能的で、
まるでこれから男女の行為を始めんとする艶めいたものに見えた。
そこで初めてエルクは理解した。
「ル、ルイーズ様っ!!」
突然声を張り上げたかと思うと、エルクはルイーズから逃げるように横転して
ベッドから這い逃れた。
615名無しさん@ピンキー:04/10/10 18:19:46 ID:E6vI8x0D
「ち、ち……違います!! ぼ、僕が言ったのはそういう”エスコート”ではなく……!
食事とか、礼儀作法とか、そういう……」
「まあ、そうだったの。私ったら、勘違いしてしまって」
自分の行動を戒めるように胸元を抑えるルイーズと今にも爆発しそうな胸元を
強く抑えるエルク。
「こ、こんなっ……」
「でもエルク、不躾な質問かも知れないけれど…あなた、女性との経験はあって?」
その問いに治まり始めた動悸がまた激しくなる。
エルクの対応で答えを悟ったルイーズは心配の色を浮かべた瞳を彼に向けた。
「な、何を…」
「突然こんなことを聞いてごめんなさいね。
 でも、エルクにも遠からずこういう機会はあると思うのよ?」
「ぼ、僕とプリシラ様はまだそんな…」
「あなたがそう思っていても、あちらが同じように思っているとは限らなくてよ?」
考えてみれば確かに、言動は静かで落ち着いているように思えるプリシラも
その行動の内容は至って積極的な節があった。
自分と同じように考えているとは限らない――ルイーズの言葉が
エルクの頭を混乱させる。
「でも、ま、まさかそんなこと……」
「まだエルクには理解しにくいことかもわからないけれど、
 好き合う男女がお互いを求める行為は決してイヤらしいことじゃないわ。
 むしろあって当然、なければならないものだということをわかって」
四散するエルクの思考を落ち着かせるように、
ルイーズはぎゅっと彼の2つの手を握りしめた。
その温もりと重さを確かめるように、エルクはルイーズの瞳を見つめる。
「その時にエルクがきちんと行動できるように知識を持っておくことは、
 プリシラ様のためにもなると思うわ」
「た、例えそうだとしても、ルイーズ様にこんなことしていただく訳にはいきません!!」
握られた手を振り解こうとするエルクを諭すようにルイーズが言葉を被せる。
616名無しさん@ピンキー:04/10/10 18:20:32 ID:E6vI8x0D
「もちろん私ではプリシラ様の代わりになることなんてできないけれど、
 これならあなたより少しだけ知識と経験はある分、教えられることはあると思うの。
 エルク、私に教えさせていただけないかしら?」
ルイーズの心根が伝わってくる。
目の前の人は、本当に自分を心配して言ってくれているのだと――さらには、
あまり人には聞きにくい知識を教えてあげたいと自ら名乗り出てくれたのだ。
少なからず憧憬していた女性のその申し出は
エルクの中にあった”男”をくすぐり当てることとなり、首を縦に揺らすことに成功する。
「エルク、興奮している?」
ルイーズがそう問うのも無理はなかった。
ベッドに寝かされたエルクの股間が明らかに盛り上がっている。
細身な身体だけに力強く脈打つその部分は余計目立って見えた。
「す、すみません」
「うふふ、何も謝ることはないのよ。
 エルクもきちんとこういう風になるのね、なんだか安心したわ」
ズボンの上から優しい指使いがエルクの分身を摩る。
意図しない動き、初めて他人に触れられる未知の感覚が
エルクの股間をエレクトさせていく。
「まあ……すごいわエルク、どんどん大きくなっていく…」
「ご、ごめんなさい……自分ではどうにもならなくて……!」
身体に力を込めようとも、股間へ流れ込む血液を抑えることはできない。
ただ悪戯に膨張し続ける自分の分身を恥ずかしく思いながら、
エルクは強く目を閉じた。
「恥ずかしく思うことはないの。むしろ触れることで男の人が
 大きくしてくれるのは嬉しいのよ?」
形を確かめるようにルイーズの指が肉竿に絡みついた。
温もりと微妙に揺れ動くその指にエルクへ流れ込む快感は加速していく。
「エルク、少し腰を浮かしてちょうだい。苦しそうにしているコレを解放してあげたいの」
ズボンの縁に手をかけて、ルイーズはエルクを促す。
617名無しさん@ピンキー
両足が腰を持ち上げるのを見て、柔らかい布地で造られたズボンを
ルイーズは手際よくずり下ろした。
清潔さを帯びた白い下着の前を大きく出っ張らせた股間は、
その薄い布地を押し上げるようにビクビクと力強い脈動を繰り返している。
「立派なのね、エルク……すごく素敵だわ」
「ル、ルイーズ様……うっ」
快感を鈍らせる役目をかっていた生地を一枚取り除いたために、
エルクへ伝わってくる感覚はより鋭いものとなっていた。
出ないように努めていた声を漏らしてしまうほど、それは大きさを増していく。
「エルク、気持ちいいのならそう伝えて?」
「は、はい……すごく気持ちいいです、ルイーズ様…」
「うふふ。もっと強くしても大丈夫かしら?」
肉竿を支配している指に、捻る動きが加わる。
それだけで飽き足らないのか、ルイーズはもう片方の掌で肉竿の根元から
控えめな袋を包み込んだ。
「あっ!?」
「可愛い……エルクの袋はすごく柔らかいですのね」
2つの玉を転がされながら、やわやわと揉み遊ばれる。
味わったことのない感覚に緊張していた身体は弛緩を始め、
露になったエルクの両足は左右に開かれ出していた。
そのスペースに潜り込むようにルイーズはベッドの上に這い上がり、
エルクの股間に正対するようにかがみこんだ。
「ルイーズ様っ……もう、それ以上は……」
「エルク、遠慮することはなくてよ? 我慢しなくてもいいの、
 いろんな気持ちよさを知ってちょうだいね」
「ああぁっ……!!」
つつつ……と竿の裏をくすぐるようにルイーズの指がなぞると、
エルクの亀頭はまっすぐ天井へ顔を向け、その白い欲望を勢いよく迸らせた。