【スクラン】スクランスレ@エロパロ板4【限定!】

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 台風一過の秋の夕暮れ、塚本家の呼び鈴が一度だけ鳴った。
「はい? 塚本ですが……」
 夕食の支度を、ちょうど終えたばかりの八雲は、エプロンで手を拭いながら玄関へと
向かう。引き戸を開けると、重厚なリムジンをバックに一人の少女が佇んでいた。
夕日を浴びて煌く金の髪と琥珀の瞳――――沢近愛理だ。
「姉さんは今……」
「ねぇ、あんた! ちょっといい?」
 家にいません――そう言いかけた八雲をさえぎり、あがりこむ沢近
「……あ、はい……」

 卓袱台を挟んで向かい合って座る。お茶を入れるとすることがなくなった八雲は
沢近の様子を窺いながらも、俯いて座布団に正座していた。やがて、険しい表情の
沢近が重苦しい沈黙を破って口を開いた。
「あんた……あのヒゲ――播磨拳児とつきあってるの?」
 沢近にとっては長すぎる沈黙のあと、八雲はようやく小さな声で答えた。
「……わかりません……」
「わかりません、って、どういうこと?」
 間髪いれず問い返す沢近に、八雲は、かつて播磨に尋ねた質問で返す。
「……男の人と女の人が付き合うって……どういうコトなんでしょうか……」
「……それは、その…………」
 頬を染め、言いあぐねる沢近に対し、淡々と畳み掛ける。
「先輩……私……経験ないから……よくわからないんです……」
 同じ質問に、この人はどう答えるのだろうか――興味もあった。
「う〜ん。例えば……一緒に食事をしたり……いつも一緒にいたり……」
 当り障りのない言葉で逃れようとする沢近を、八雲は容赦なく追求する。
「……それって、友達と、どう違うんですか?」
「……えっと……それはね……それは、あれよ……ってわかる?」
 言いたいことはわかります――どぎまぎする沢近をぼんやりと見つめながら
八雲は思った――ふつうはそうだ。誰だってそう考える――あのひと以外は……
6262/24:04/10/11 17:04:57 ID:7RYRP9yy
 男女関係についての知識はある。むしろこの歳で知らないことのほうが変だ。
まして常日頃、男達から押し寄せるあまたの妄想に曝されている八雲にとってある意味、
慣れ親しんだことがらでさえもあった。
 だが、あえて無垢を装い、沈黙で先を促す。
「……」
「にぶいわねぇ……そう、ひとつ布団で一緒に寝るのよ。これならわかるでしょう?」
「……わたし……一緒に……寝ました……」
 かすかな昂揚とともに、八雲は事実のみを告げた。誤解を承知のうえである。
「もへ?」
 硬質の美貌が見る影もなく崩壊した。慌てふためく沢近の様子を八雲は静かに観察する。
「…………」
「い、い、いつ? ど、どこで?」
 蒼ざめ、あまり意味をなさない言葉を紡ぐ沢近に対し追い討ちをかけるように、
「……嵐の夜……播磨さんの家で……」と、続けた。
 自失し逃亡するであろうと思われた沢近は、だが、次の瞬間、八雲の予想を裏切り
彼女の手を掴んで立ち上がった。
「……いくわよ! あんたも一緒にきなさい……」
「どこへ……どこへ行くんですか?」
 沢近の意外な行動に、八雲は当惑を隠せない。
「ヒゲのところに決まってるでしょう……。確かめなきゃ……」
 書置きを残す八雲をせきたてると、沢近はリムジンを走らせた。

 八雲の記憶を頼りに、播磨の住むマンション前に車を横付けさせると、沢近は執事に
ねぎらいの言葉をかけて送り返した。
 車を見送ることなく、勢い込んでエレベーターに乗り込む。部屋を見つけると
急きたてるように、2度3度と呼び鈴を押した。
「ん? お嬢…どうして、ここが…」
 訝る播磨に有無を言わせず、沢近は、開いたドアの隙間に足を挟みこむ。
「話があるの…あけてちょうだい」
 目を剥いた播磨だが、恐縮する八雲を肩越しに見つけ、その瞳が和む。
「お、おう。妹さんも一緒か。まぁ、あがれや」
6273/24:04/10/11 17:05:33 ID:7RYRP9yy
 思いのほか片付いている住まいを見回しながら、播磨の後に続く沢近は、居間と思しき
部屋にたたずむ家人を見かけ、ことさらに明るく声を掛ける。
「おじゃましま〜す、って、先生、どうしてここに?」
 素っ頓狂な声をあげ固まった沢近の肩を、播磨は押すようにして居間から引き離した。
「あぁ、イトコのことは気にしないでくれや。で、何なんだ? 話ってのは」
 硬化している二人を順に見やり、八雲は慌てて絃子に目礼した。動揺する沢近は、
肩に置かれた播磨の手にも気がつかないらしい。
「ちょっと、ここじゃ……。部屋くらい通しなさいよ」
 ようやく目的を思い出した沢近だが、その声からは、訪問当初の迫力は失われていた。
「……きな、こっちだ」
 首を振ると、播磨は先に立って廊下を進み始めた。

「で?」
 ドアを閉めると、播磨は早速切り出した。
「気が利かないわねぇ。お茶くらい出しなさいよ」
 八雲と一緒とはいえ、男性の寝室に招かれたことに沢近は緊張を隠しきれない。
閉められたドアをひとしきり気にしていたが、主導権を握ろうと早速攻撃を開始した。
「へ?」
「お茶よ、お茶」と、腰に手を当て命ずる沢近
「くっ……どうして……」
 どうして俺は、こいつに対して強く出られないんだ――絃子との同居生活で染み付いた
習性に気づくことなく、唯々諾々と従う播磨は、踵を返すと厨房へと去った。


6284/24:04/10/11 17:06:08 ID:7RYRP9yy
 体よく邪魔者を追い払った沢近は、八雲に向き直り、先程来の疑問をぶつけた。
「ねぇ、どうして刑部先生が居るのよ?」
 私が聞きたいくらいです――その台詞を飲み込んで、八雲は知っていることを答えた。
「わ、判りません。でも、一緒に暮らしてるそうです」
「はぁ? 何それ? 同棲?」
 ただでさえ甲高い沢近の声が、1オクターブ上昇する。
「……俺の絃子って言ってました……播磨さん……」
 思い出したように付け加える。
「! それなのに、あんたと寝たの?」
 沢近の眼は据わり、何やら不穏な光を湛えはじめた。
「……」
 やりすぎたかな――誤解の発端である物言いを訂正しようと、八雲が言葉を選んでいた
その時、お盆にコーヒーを載せた播磨が、ドアを足で開いて入ってきた。
「待たせたな。ん? なんだ深刻な顔して?」
 爬虫類の背後霊を従えた沢近からの視線が、サングラスを貫いて播磨を直撃する。
「ヒゲ……あんた、この娘のこと、どう思ってんの?」
 ジト眼で播磨をねめつけながら尋ねる沢近――ほとんど尋問と言って良い雰囲気だ。
「どう?って……俺の恩人で、大切な人だ」
 沢近が纏うおどろおどろしい雰囲気に怯みながらも、播磨は正直に答えた。
「でも、つきあってる娘はいないんでしょう? 確か、そう、言ったわよねぇ?」
 沢近の口調にすがるようなものを感じた八雲は、驚いて沢近の顔を振り返った。
「ああ。てか、第一おめぇが言い出したことじゃねぇかよ、妹さんとのことは……」
「あんたねぇ、女の子を馬鹿にするのもたいがいにしなさいよ!」
 いきなり逆上して立ち上がる沢近に、播磨は戸惑いを隠せない。
「はぁ? なんだそりゃ?」
 パン――播磨の頬に乾いた音と手形を残し、沢近は部屋を飛び出した。
「やってらんないわ。あたし帰る」
「先輩!」
 続いて八雲も立ち上がり、沢近の後を追った。
「おい、ちょっと……」
 とりあえず、お盆を置く場所を探す播磨だった。
6295/24:04/10/11 17:07:08 ID:7RYRP9yy
 馬鹿みたい――潤む目元を拭いながら、沢近がヒールの踵と苦闘していると呼び鈴が
鳴らされた。
はい? と、無意識に答え、沢近は、確かめもせずにドアを開けた。
すると、見慣れた二人の女性の顔がゆがむ視界に飛び込んできた。
「こんばんわ〜♪ 遊びにきました〜」
 無邪気な笑顔で告げる姉ヶ崎に思わず声をあげる沢近、
「な! なんでここに?」と、来意を問い質す。
「あ、ハリオ〜、おひさしぶり〜。元気してた?」
 廊下に顔を覗かせた播磨を目ざとく見つけると、姉ヶ崎は沢近を無視して声を掛ける。
「うぃ―す」
「今日はね〜、絃子センセーを慰めに来たのよ。い〜っぱい、お酒持ってね」
 重そうな袋を玄関先に置くと、姉ヶ崎は断りも無く靴を脱ぎはじめた。
「こんばんわ、播磨君。絃子さんは奥?」
 次いで姿をあらわした笹倉の問いに、播磨はあごをしゃくって答えた。
「……」
「それじゃ、お邪魔するわね」
 言葉を失った沢近は、姉ヶ崎たちが居間へと向かうのをただ見送るだけだった。
と、振り返った姉ヶ崎が沢近に問いかける。
「……あなたたちも、一緒に飲む?」
「姉ヶ崎先生!」
 たしなめる笹倉に、ほわほわとした態度で姉ヶ崎が答える。
「いいじゃないですか〜。もう、大人なんだろうし。どうせ明日はお休みでしょう?」
「先輩……帰るんじゃ?」
 固まっている沢近に八雲が問いかけると、機械仕掛けの人形のような奇妙な様子で
首だけで振り返り沢近は答えた。
「なに言ってるのよ。あの女とヒゲは訳ありなのよ。」
 当惑する八雲を姉ヶ崎その人であるかのように睨みつけると、沢近は吐き捨てる。
「?」
「知らないの? 保健室で、あの女がヒゲに抱きついたこと」
「……噂では……」
「これはチャンスよ……みてらっしゃい」
 言い捨てると、沢近は踵を返して居間へと向かった。
6306/24:04/10/11 17:07:57 ID:7RYRP9yy
 宴は、通夜のお清め程度には盛りあがっていた。
黙々と杯を重ねる他の面々を尻目に、一人姉ヶ崎だけがはしゃぎ、不機嫌そうに黙り込む
播磨に酒をしきりに勧めている。笹倉と絃子は大して語り合うことも無いようで、ただ、
しっとりと杯を重ねていく。沢近と八雲は、借りてきた猫そのままの様子で、ちびちびと
飲んでいたが、姉ヶ崎の次の言葉に耳をそばだてた。
「ハ〜リオ、そう言えばお目当ての娘には告白できたの?」
「んにゃ、全然」
 予期せぬ答えに目を丸くすると、念を押すように尋ねる。
「ふ〜ん。うまくいってるんじゃないんだ?」
「なわきゃねーよ」
 唇に指を当てながら、視線を沢近に投げる。
「そーなの? でも、まだ学校辞めてないじゃない?」
「いや、それは……彼女に、学校に来いと言われて……」
 沢近と播磨を交互に見やりながら問い続ける姉ヶ崎。口元にはかすかな笑みがこぼれる。
いつしか、沢近と八雲は、固唾を飲んで二人のやりとりに聞き耳を立てていた。
「ふ〜ん。でも、彼女もまんざらでもないんじゃない?」
「他に好きな野郎がいるし……。てか、何でこんなこと言わされてるんだ?」
 話を中断しようとする播磨に、絃子がぴしゃりと言い放つ。
「決まってるだろう。君は、酒の肴なんだから。皆を楽しませる義務がある」
 憮然とした播磨の台詞に、心底驚いた姉ヶ崎は、沢近に向き直ると上目遣いで尋ねた。
「あら? ねぇ、そうなの?」
「ほへ? な、なんで、あたしに聞くんですか?」
 先程から、見まいとしても、ついつい視線が播磨のほうに吸い寄せられていた沢近は、
いきなり話題を振られたために、顔の紅潮を隠し切れない。
「あら……ごめんなさい。じゃ、こっちのお嬢さんかしら……」
 それなら、と八雲のほうに向き直り、同様の問いかけを行う。
「!」
絶句し慌てて手を振る八雲、こちらも酒以外の理由で頬が赤い。
「よしてくれよ。困ってるじゃねぇか」
 腕を組んで考え込む姉ヶ崎
「あらあら……」
 そう言うと、深く考え込む表情になった。
6317/24:04/10/11 17:08:41 ID:7RYRP9yy
 ザル揃いの教師陣に対し、至極まっとうな学生達は、少なからず酔ってきた。
各種の酒が封切られ、思い思いのグラスを片手に話しに花が咲き始める。
いつになく口数が少なめだった沢近も、頬を赤らめ口を滑らし始めた。
「それにしても……いい気なもんですよね、このヒゲ」
 酒気を帯びて赤く染まった眦をあげ、彼女の想い人を睨む。
「?」
 一同の疑問に答える形で、独白を続ける沢近
「美人保険医とただならぬ仲かと思えば、美人教諭とも同棲中だなんて……」
「ぶはぁ!」
 皆まで言わせず、播磨は含んだ酒を沢近に吹きかけた。
「誰と誰が同棲だって?」と、常にはない頓狂な声で聞き返す。
 酒が顔面に直撃したため、沢近は眼を白黒させていたが、
「ったないわね。誰って……あんたと……刑部先生……」と、付け加える。
 横合いから、沢近の顔を八雲が甲斐甲斐しくハンカチで拭う。
「お、おめぇの頭ん中には、妄想しか詰まってねぇのか?」
 震える声で、問いただす播磨、怒り?のせいか顔が赤い。
「だって、俺の絃子、そう言ったんでしょう?」
 言いやりながら、八雲のほうをみる沢近
 目線で促され、八雲はコクコクと頷いた。
「それは、おめぇ……」
 誤解に気づいた播磨は、どう説明したものかと言いよどんだ。
口篭もる播磨を、沢近が嵩に掛かって攻め立てようとしたその時、
「二人は、従姉弟同士なのよ、沢近さん」と、笹倉
 笹倉の冷静かつ的確な指摘に、怒りのやり場を失った沢近は、八雲を凄い形相で睨む。
「!」
「……」
が、自分も知らなかったと首を振る八雲に、溜息をひとつつくとグラスの酒をあおった。
「誤解させたままのほうが……良かったかしら?」 
 無邪気な笑顔を絃子に向ける笹倉に対し、絃子は沈黙で答え、グラスの氷を鳴らした。
6328/24:04/10/11 17:10:31 ID:7RYRP9yy
 時が過ぎ、かなり酒が進んだ頃、またも沢近が思い出したように切り出した。
「それは……それとして、この娘と寝たことは、どう説明するのよ?」
「げぶ!」
 ロックグラスを弄んでいた絃子が、美貌に似合わぬ奇妙な声でむせかえった。
「誰と誰が寝たって?」
 あきれ返った様子で尋ねる播磨。既に沢近のことは酔っ払いと認識している。
「誰って……この娘と……あんた……」
「お、おめぇの頭は、ほんと腐ってんじゃねぇのか?」
 軽くいなす播磨。誰も本気にしないだろうと高をくくっている感じ。
「だ、だって、だって……」
 堂々とした播磨の様子に、自信を無くしおどおどする沢近
「わたしも聞きたいな、拳児君」
 そこに現れる援軍
「絃子、おめぇまで……」
 予想外の攻撃に、動揺を隠せない播磨
「ハーリオ、やるじゃない。いつの間にぃ〜、このこの〜♪」
 追い討ちをかけるように姉ヶ崎が肩に抱きつきながら頬をつつく。
「ちょ、ちょっと、待ってくれ。あの夜は、誓って何も無かったんだ」
 手を打ち、得心した顔で笹倉が言う。
「あ! 絃子先生がお風呂を借りに来た夜ね。やっと話が見えたわ」
 当初の優勢は、はや見る影もなく、播磨はたこ殴り状態だった。
「いや、その……嵐のせいで帰れなかっただけで、お、俺は何もしてねぇ」
 事実なのだが、説得力がない。絃子の情け容赦のない殺し文句が続く。
「ほう……。わたしが聞いた、男にしてくれ云々は空耳だった、と……?」
 播磨は冷や汗を流すと、手近なボトルを掴み一息に飲んだ。
「違ぇーよ。てか、そんな意味じゃねぇし」
 冷たい光を放つ瞳で播磨と八雲を見つめると、絃子は静かに問い質した。
「本当かね、塚本君」
 頬を染めて俯いていた八雲だが、絃子の問いにコクンと頷く。
「……はい……泊まりはしましたが……何も……」
 二度までも梯子を外された沢近は、八雲に食って掛かった。
「あんた、さっきと話が違うじゃない」
6339/24:04/10/11 17:11:20 ID:7RYRP9yy
 対照的に、絃子はほっとした様子で、グラスの氷をまわしている。
「そうか。ん? 笹倉先生、なんだいその眼は?」
 黙って見つめていた笹倉が、にっこりと絃子に微笑みかけた。
とたん、絃子は急に慌て始めた。
「わ、わたしは、ほ、保護者として、と、当然の質問をしているだけだぞ」
 笹倉は余裕の表情を見せ微笑んでいる。一方の姉ヶ崎は、首を傾げていたが、
ぽんと手を打つとニヤニヤしはじめた。
「はいはい、そういうことにしておきますか」と、笹倉
「なっ!」
 沈黙した絃子から向き直り、ずいと膝を寄せると笹倉は播磨に問いかける。
「それはそうと、播磨君、意中の人って、いったい誰なの?」
 矛先が変わったと思い安心していた播磨は、その追及をかわしきれない。
「な、な、なにを急に……」
 うろたえるばかりであった。
「塚本君だろ?」
「い、絃子、てめぇ……」
「君がはっきりしないから、色々と傷つく娘がいるんだ……」
言いながら、沢近のほうを見やる。
「へ? なんであたしのほうを見るんですか?」
「違うなら構わないが……」
「な、ななんであたしが、こんなやつのことを……」
 真っ赤になって否定すると、矛先を八雲に向ける。
「それより、やっぱりできてたのね? あんた」
「違います。私じゃありません。播磨さんが好きな人は……姉さんなんです」
 相当酔っていたためか、突然の追及に八雲は秘密を喋ってしまった。
「い、妹さん!」播磨のあげる悲鳴は、答えが真実であることを雄弁に語っていた。
「天満? 天満なの?!」
 半信半疑の沢近の声に、八雲の独白が続く。
「嵐の夜……一緒に寝たときに、私を抱きしめてそう言いました」
「まっ、待…」
 播磨の弁解は叩きつけられたクッションによってかき消された。よってたかって
袋叩きにされた播磨は、あえなく轟沈した。
63410/24:04/10/11 17:11:57 ID:7RYRP9yy
「八雲ちゃんも、もう少し言い方を考えてくれればねぇ〜」
 悶絶した播磨を見やりながら笹倉が言う。
播磨轟沈の後、誤解を解いた一同は、うってかわって和気藹々と酒盛りを続けていた。
「……すいません……」
「寝ぼけて抱きつくとは、まぁ、拳児君らしいといえば、らしい話だが……ふふ」
 絃子が思い出し笑いで相好を崩している。よほど良い思いでらしい。
「ところで先生〜、家ではいつもこんなヤラシイ格好をしてるんですかぁ?」
「酔っているのかね? 君は?」
 沢近は、綺麗にのびた絃子の足をいやらしくさすりながら言いつづける。
「ホットパンツにタンクトップ、しかもノーブラ――脇乳まで見えてますよぉ〜」
「まぁ、楽だから、と答えておこう」
「絃子先生はねぇ、播磨君を鍛えているのよ……」
 言いながら、笹倉は絃子の背後に回ると、タンクトップの胸を下から抱えあげた。
豊満な胸と小ぶりな尖端がくっきりと浮き上がる。
同性ながら、沢近は目を奪われた。
「へ?」
「大事な拳児君が、へんな色仕掛けに引っかからないように、ね」
 姉ヶ崎を見やりながら笹倉は微笑む。
「まぁ! それで私の魅力が通じなかったのね〜♪ 今はやりのEDかと思ったわ」
 けろりと言うと、姉ヶ崎は沢近にしなだれかかる。
「そんな訳で、お嬢さんがどんなに頑張っても、ハリオは落とせませんよ〜♪」
「そんなんじゃ、ありません」
 依怙地になって否定する沢近から身を離すと、姉ヶ崎は播磨ににじり寄った。
「あらそう。じゃ、私がこんなことしても平気なんだ?」
 播磨の頭を抱えあげて膝枕を始める。
と、音を立てて絃子の持つグラスが割れた。
「失礼……ひびが入っていたようだ……葉子、掃除機を頼む」
 掃除機の音にも、播磨は眼を覚ます様子は無い。
「彼……どうします?」
 播磨を見ながら、笹倉が問い掛ける。
「寝かしとけばいいさ。そのうち、目が醒めるだろう」
 そう言うと、絃子は新たな酒をグラスに注いだ。 
63511/24:04/10/11 17:12:31 ID:7RYRP9yy
「あらひ……なんらか、むかつひてきましら……」
 すやすやと眠る播磨を膝枕し、慈母のような眼差しを向ける姉ヶ崎に沢近が絡む。
八雲はうつらうつらし始め、ザル二人組みは顔色ひとつ変えずに飲みつづけている。
「あら? やいてるのかしら」
 顔を上げて姉ヶ崎が微笑む。
「やめたまへ。せっかくの酒が……」と、たしなめる絃子
「けっきょく、あらひのひとりずもだったんれすね……」
 ついに自分の気持ちを白状した沢近を見つめると、
「はらいせにカイボーでもしちゃおうか?」と、笹倉は唐突に提案した。
「いいれすえ〜。こんろは、したのけをそってやるれす……」
 当惑した姉ヶ崎は、絃子の様子を窺うが、特に不快な様子でもない。
「やくもちゃん? そっちおさえててくれる?」
「え?」
 白河夜船状態の八雲を促し、笹倉は播磨を脱がし始めた。
「いいぞ〜、むいちまえ〜♪」
 絃子の表情が変わらないことに安堵した姉ヶ崎は、二人をけしかけはじめた。

「おひぼりかなんかないれすか」
 すっかり呂律が回らなくなっている沢近。どうやらお絞りかお手拭を求めている。
「あん? なんに使うの?」
 妙な誤解をした姉ヶ崎が顔を赤らめながら尋ねると、
「いひゃ、そるまえへに、こへ、ふこーかとおもっへ」
 どうやら、剃毛に先立ち、播磨自身を拭き清めたいらしい。
 これだから処女は、そう言いながら股間に顔を近づけると、姉ヶ崎は播磨を口に含んだ。
「!」と、驚きを隠せない沢近を見上げながら、ひとしきり舐めまわと播磨は屹立した。
「どう? 綺麗になったでしょう?」と、呟き顔を上げる。
「おーきくらりまひら」と、沢近が感嘆の声をあげる。
 手で顔を押さえながらも一部始終を見ていた模様だ。
八雲も、傍に顔を寄せてしげしげと観察している。
「そっかー、みたことないのね、あなたたち」
 自らの技巧の成果に満足の吐息を漏らしながら、姉ヶ崎がひとり得心していた。
63612/24:04/10/11 17:13:05 ID:7RYRP9yy
「それにしても、凄いですね……播磨君」
 嬉々として、髭剃りとシェービングローションを持ち出す沢近を横目に、笹倉は淡々と
絃子に語りかけた。
「しかし……男にしてくれって聞いた時は耳を疑ったぞ、ほんとに……」
 まだ幼い色合いを残しながらも、逞しく成長した播磨を見やりながら絃子が呟く。
「凄いアプローチですよねぇ〜♪」と、笹倉
「絃子さん、自分が言われてみたかったんじゃ? ふふ……」
 そう言うと、絃子の胸をつんつんと突付く。
「ば、馬鹿なことを……」
 絃子の顔が、一気に酒が回ったかのように朱に染まる。
 可愛い――少女のように頬を染める絃子を、笹倉はもっとからかいたくなった。
「じゃ、今から男にしてあげますか?」
むせ返る絃子、
「な、何を……」と、笹倉に問い返す。
「は〜い、ハリオの筆おろしなら、妙ちゃんがする〜♪」
耳ざとく聞きつけた姉ヶ崎が、二人の話に割って入る。
「ふ、ふれおろひって、なに?」
 慣れない手つきで播磨を掴みながら、どうやって剃ったものかと思案中だった沢近が、
聞きなれない言葉について八雲に質問する。
「……先輩……それは……」
 赤面しながら耳打ちする八雲、耳年増らしい。
「な! 駄目よ」
 言葉の意味が脳に達すると同時に、激しく反応し、沢近は首を振った。
「それじゃ、くじ引きにでもする?」
 そう言った笹倉の手には、手回し良く、紙縒りにしたティッシュがあった。
63713/24:04/10/11 17:17:51 ID:udbKPDk2
「ひちばんれは、えりたんれ〜す」
 一番くじをひいた沢近が、申告する。
「あら?」と、笹倉が小首を傾げる。
「憎いよ、このこの〜」と、姉ヶ崎がひじで沢近をつつく。
「あらひ、はひめれなのに……」
 頬をおさえ、恥じらいを見せる沢近だったが、
「いいのよ〜、無理しなくたって。お姉さんが代わってあげるわ」
 そう言う姉ヶ崎に対し、一転
「ヤリまふ!」と、大きな声で宣言した。

「そう、じゃ手伝ってあげるわ」と、言うと笹倉は沢近に歩み寄る。
「え? なにを……」
 濡れたような瞳で沢近を見つめると、軽く抱擁しつつ背中のファスナーを音も無く降ろす。
優しく肩を撫ぜながら両肩を抜く。ワンピースが床にわだかまる。
瞬時の出来事に抵抗する間もなく、沢近は下着だけにされていた。戸惑う沢近に有無を
言わせず下着を剥ぎ取り、首筋に唇を這わせた。
「ふふ」と、含み笑いをしつつ笹倉は、沢近の乳首を軽くつねる。
「ひゃん」
 沢近が悲鳴をあげるとともに束ねた金髪が宙に踊る。
「こっちよ。おいでなさい……」
 笹倉は、沢近の肩を優しく抱くと、横たわる播磨のほうへと誘った。
「ふぁい……」
 沢近は播磨に近寄ると、ゆっくりと両手を彼の胸についた。
微かに震える指先に緊張が滲み出ている。
「ほんとに寝てるのかしら?」と、笹倉が手を伸ばしてサングラスを外す。
息を飲む沢近、今度は邪魔するものもなく、はじめてみる播磨の素顔をしばらく見つめる。
徐々に上体を倒して顔を近づけると、沢近は、まぶたを閉じ、わずかに顔を傾けた。
最後の距離をゆっくりと縮める。二人の唇が、柔らかに重なる。
63814/24:04/10/11 17:18:42 ID:udbKPDk2
 脇の下の辺りに、沢近を抱えるように笹倉の手が触れ、それがすっと前にすべる。
沢近の幼さを残した二つの脹らみを笹倉の手の平がそっと包んだ。
「あ、ちょっ」
 沢近がぴくっと震え、それをきっかけに、笹倉はそっと舌を出して彼女の蕾を舐める。
 沢近は、笹倉の愛撫に暫らく身をゆだねていたが、やがて意を決すると唇を開き、
舌を播磨の口におずおずと差し入れた。播磨の口中を沢近の舌が、ゆっくりと動き回る。
歯茎をなぞり、播磨の舌を探し出して軽く吸い込む。
寝ているはずなのに、播磨の舌は沢近に応え、やさしくうごめきはじめた。
 次第に激しくなる沢近の吐息。
舌を絡めあい、溢れ出る播磨の唾液をすする。
播磨の咽喉が鳴る。
唾液の音が静まり返った部屋に響き渡る。
播磨の口から唾液が溢れだし、顎を伝っていく。
それを舐めとるように、沢近は執拗に口づけを続ける。
 一方の笹倉は、最初は優しく胸をさするだけだったが、情熱的な口づけにあてられ、
また沢近がいやがる素振りを見せないので、次第に大胆な行為に及びはじめた。
乳房を両掌でしっかりと抱きかかえ、緩やかにこね、揉みまわす。
張り詰めた弾力に、笹倉はおもわず笑みをもらし、沢近のうなじに軽く口づけた。
目の前に現れた可愛らしい耳朶を甘噛みする。
「ひゃん」
「羨ましいわ……この張り……若いっていいわねぇ……」
 首筋に舌を這わせながら、蕾を指で軽く転がすと、沢近の体がその度に震える。
 左手で胸への愛撫を続けながら、右手を沢近の太腿へと滑らせていく笹倉
「力を抜いて……そう……あなた……素敵よ……綺麗ね……」
「ひん」
 滑らかな肌触りを十分に楽しみ、撫でながら、下着を剥ぎ取り、指で尖端を探り当てる。
「ひん」
 いつの間に用意したのか、男性器を模した張形を舐める葉子
「おいおい、それはまだ早いだろう?」
 咎める絃子に流し目をくれると、秘裂へとあてがう。
尖端に向けて擦りあげると、沢近が時々、体を震わせた。
63915/24:04/10/11 17:20:11 ID:udbKPDk2
「愛理ちゃん……可愛わよ……」
「!」
「準備はいいわよ」
 萎えかけた播磨自身を口唇で昂ぶらせた姉ヶ崎が告げる。
屹立した欲望は、姉ヶ崎と自身の体液でぬらぬらと照り輝いている。
「さあ、手を貸してあげるから、またがってごらんなさい……」
「……はぁ……」
「濡れやすいのね……彼のとよく混ぜて、少しづつひろげてゆくのよ……」
「あの……あたし……やっぱり……」
「怖いの?」と、笹倉が尋ねる。
「……」
「じゃ、選手交代」と、姉ヶ崎
「せんせい?」
「やっぱ、こういうのは歳の順?」と、いたずらっぽく微笑みながら絃子を見る。
盛大に吹き出すと、ムキになって手を振る絃子
「な、何を言いだすんだ、葉子……」と、慌てふためく。
「無理しちゃって〜」と、姉ヶ崎
「さっきだって愛理ちゃんのこと、凄い眼で見てたくせに……」
「そ、それは、教師として、だな……」と、苦しい言い訳を続ける。
「はい、はい。やっぱり幼馴染が一番かしら。じゃ、愛理ちゃんはおりてね〜」
促す笹倉に、首を振る沢近。束ねた金髪が顔にかかるのも構わず、激しくイヤイヤをした。
「……嫌です!」
「愛理ちゃん?」
「あたし、やめません!」
 沢近は、自分の性器を、播磨の性器にあてがった。
「愛理ちゃん、あなた……そんなに播磨君が……」
「あたしは、ただ、決めたことを……」
 充分に濡れていたせいか、先端部分はわずかな抵抗で入る。
しかしある部分を越えたとたん、沢近が顔をしかめた。
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沢近の様子を見つめていた笹倉が翻意を促す。
「続けます」
 眉根を寄せていた沢近は、ゆっくりと腰を降ろそうとして「うっ」とうめいた。
「むしろ一息に入れた方がいいかも」
 播磨の玉袋を揉みながら姉ヶ崎が囁く。
「……はい……」
 いくわよ、自分に言い聞かせるように呟く。
 ごめんなさい、お父さま――沢近は、少し息を吸い込むと、一気に腰を落とした。
「うぐ!」
 沢近の、食いしばった歯から、痛みを多量に含む声が漏れた。
目を強く閉じ、両手は播磨のシャツをきつく握りしめている。
「……はぁぅっ……」
「無理に動かさなくても良いのよ。そのまま、しばらくじっとしてなさい」
 しばらくの間、二人はもちろん、横で固唾を飲んで見守る全員がじっと動かず、奇妙な時が過ぎていった。
「じゃあ、少しずつ動かしてみます」
 沢近はほんの少しだけ、腰を上下させた。
痛みをかばっているのでゆっくりとした動きだが、播磨の肉体はすぐに反応をはじめた。
 笹倉は、沢近の頭や背中を優しくなでさする。姉ヶ崎は、播磨に手を添えて角度を調整している。
沢近は、徐々に振幅を大きくしていった。
「……はぁっ!…はあっ!…んああん!」
 漏れ出す声とともに溢れ出す淫液が播磨を伝って流れ落ち床を濡らしそうになる。
目前の光景に気をとられ、無意識に自分を慰めていた姉ヶ崎が、あわててタオルを
あてがった。
 沢近の腰がぐっと沈みこむと、遂に播磨のものを根元まで飲み込んだ。その瞬間、播磨が呻いた。
「!」
 いきなりの言葉に、目を覚ましたのかと訝った沢近は、動きを止めて播磨を見つめる。
と、本能のなせる技か、播磨は沢近の尻を掴むと、強く引きつけ、自分も腰を押しあげる。
「や、だめぇ!!」
 体の奥深くを突かれる圧迫感に沢近が呻くのと、播磨が爆発と共に咆哮するのがほぼ
同時だった。 体の内奥に熱い精液が流し込まれる感触に沢近は震えた。
動きをとめた播磨の上にぐったりと覆い被さる。 しばらく播磨の髪を撫でながら軽く口づける。
やがて身を起こすと、播磨を抜き取った。
64117/24:04/10/11 17:23:04 ID:udbKPDk2
「あまり出血はひどくないみたいね」 
 赤い筋がまとわりといた播磨の性器を見て、笹倉が言う。
「次は、八雲ちゃんだったかしら?」
 頷くと八雲は、いきなり播磨の傍らに跪き、小さくなった性器をくわえた。
八雲の舌が、播磨の性器を舐め、吸い、拭いはじめる。
慈しむような奉仕は、鈴口にも及び、播磨のあらゆる部分を丹念に掃除していく。
あるいは、沢近の痕跡を拭い去るかのように。
「八雲ちゃん……、そうしてると仔猫みたいね……」
「そうね。なんか、仔猫が一所懸命ミルクを舐めてるみたい」
「……ふぇ、変ですか? このやり方……」
「そんなことは無いわ。でも、ちろちろするだけじゃなくて、軽く含んでみたら?」
「でも、わたし……糸切り歯が……」
「そこは、唇をすぼめて、舌をうまく使うのよ」
「ほ、ほうれすか?」
「そう……あなた上手よ……もう少し、唾を溜めてごらんなさい?」
「……?」
 放出したばかりだというのに、若い播磨の性器は、八雲の口中で勃起しはじめる。
八雲はいったん口を離し、その固く屹立し、脈打つ肉の柱を惚れ惚れと見つめた。
 きれいになった――ひとりごちると、八雲は再び播磨の性器を口にくわえた。
「そう、いい感じよ。それと、ここよ。ここを軽く刺激してもよくてよ」
「……」
 笹倉の指導に従い、口中粘膜と舌で入念に亀頭を愛撫する。
と同時に、竿を右手で包み軽く上下にしごくとともに、左手を姉ヶ崎がしていたように
睾丸に這わす。
髪を振り乱しながら、奉仕を続けると、播磨の亀頭は一回り大きくなった。
八雲はさらに左手全体で、袋をつつみこみ、睾丸を軽く引っ張ってみた。
「それ以上は駄目よ……彼、イっちゃうわ」
 八雲は、名残惜しそうに唇を離すと、裏筋沿いに玉袋を舐め始める。
睾丸を口に含み、転がしてみた。
刺激のたびに、播磨が反応することが嬉しい。
播磨の性器は、硬度と大きさを十分に取り戻していた。
64218/24:04/10/11 17:24:17 ID:udbKPDk2
「……あなたのほうの準備はどうかしらねぇ?」
「!」
 気が付くと、八雲は笹倉によって一糸まとわぬ姿にされていた。
裸の尻を振りたてながら播磨にむしゃぶりついていた姿を見られたかと思うと、
八雲は赤面した。
笹倉の指が秘所に侵入した時も、その瞬間まで気づかないほど行為に没頭していたのだ。
「あらあら、はしたないくらいに濡らしちゃって。絃子さん、バスタオルお願いします」
そう言うと、既に没入させた中指に重ねるようにして人差し指をあわせ、膣口周辺を
掻きまわし始める。
「ぷぁっ、先生……少し、痛いです……」
関節一つほど入れたところにある狭隘部をまさぐりながら、徐々に道をつけようと
入口周辺をやわやわと刺激する。
恥骨へと繋がる股間の筋を優しくさすりながら、会陰にかけて揉み解す。
玉門周辺を圧迫して括約筋を緩める。
「大丈夫よ……徐々に馴らしていけば……それに、彼のは、こんなに逞しいのよ……」
播磨の心臓の鼓動に合わせて脈打つ見つめながら、半ば放心状態で呟く姉ヶ崎
「ほんと……口惜しいわ……あの時、もう一押しだったのに……」
「妙さん?」
訝る笹倉に先を促す。
「あ……昔の話……それより……」
八雲の肌は紅潮し、背筋には玉の汗が浮いていた。
「せんせい……あつい……変です、わたし……」
「あら……あなた、もしかして?」
「……」
「駄目よ……続けて……じゃ、初めてイクのね、あなた……」
「……はひ……」
「……逃げないで……そう……もっと腰をくねらせてごらん……そう……そうよ」
「ひ、あぁ」
「ふふ……いい顔……素敵よ……恥ずかしがることはないわ……さあ」
指なんかより、彼の方が良いわよね――そう呟くと、笹倉は八雲の腰に手を添えて播磨に跨らせた。
64319/24:04/10/11 17:24:52 ID:udbKPDk2
「力を抜いて……そう、息を吐きながら、ゆっくりと腰を沈めて……」
言いながらも、愛撫の手を止めることなく八雲を絶頂寸前に保つ笹倉
「いっ!」
存分に昂められた八雲の性感は、粘膜同士の接触で絶頂に達した。
背中が弓なりにそる。数度痙攣すると八雲の四肢から力が抜けた。
と、自らの重さがかかった播磨の肉槍が一気に八雲を刺し貫いた。
「!」
悲鳴を指を噛んで堪える。
固く閉じていた瞼から、涙がひとしずく零れ落ちる。
播磨を銜え込んだ鮮紅色の肉襞を見ながら、姉ヶ崎が問い掛ける。
「動いてみる? それとも、止めておく?」
文字通り身を裂かれる激痛に耐えながらも、八雲は沢近への放出を思い出した。
私も欲しい――八雲は動き始めた。
播磨の両手を握り、前後に互いの股間を擦りつけるように動く。
玉のような汗がふきだし、愛液とともに敷かれたバスタオルを濡らしていく。
粘り気のある音が部屋中に響いた。
いくらハリオが若いといっても、私まで順番が回ってくるのかしら――いつしか張形で
自分を慰めながら、いらいらした気持ちで姉ヶ崎はひとりごちた。
痛みの中、再び八雲を絶頂感が訪なう。
絞り上げるように身を震わせると、満ち足りた気持ちで播磨の首に手をまわす。
播磨に口づけたあと、八雲はそれが初めてであったことに気づき赤面した。
64420/24:04/10/11 17:25:26 ID:udbKPDk2
「そんなに激しく動いたら、彼、あっという間にイっちゃいません?」
「だいじょうぶ……さっき、根元を縛っておいたから……」と、喘ぎながら絃子
振り乱す黒髪が象牙の肌に絡みつき妖艶極まりない。
「……鬼ですね……」
「……楽しませてもらわないと……は……う……」

「あの娘たち……満足そうな顔しちゃって……」と、笹倉
「妬けるんですか?」と、姉ヶ崎
「初めてって、良い想い出だわ……」
「えへへ〜。あれ〜、ひくひくしてますよ〜たまたま」と、姉ヶ崎
「引っ張ったほうが良いかしら?」

「それにしても、起きませんねぇ……」
「ほんとは起きてるんじゃ?」と、姉ヶ崎
「い、一応……、一服盛って……おいたのだが……」と、絃子
腰を前後に動かし、播磨の恥骨に己のそれを擦りつける。
締め付けながら腰を上下させる。
浮き上がる太ももの筋が色っぽい。
「あはは、まぁ、この状態だと、気がついても寝たふりつづけるしかないかも」と、
言いながらも張形を動かし続ける姉ヶ崎
「乳首……たってきましたよ、彼……」
絃子の背中を撫でさすりながら笹倉が告げる。
「絃子さん、そろそろ代わってもらえません? わたし、もう……」と、姉ヶ崎
乳房を自分でもみしだきながら、大きく足を広げて張形を使っている。
その目は播磨と絃子の結合部を注視しつつ、播磨の指を咥えて舐めまわしている。
「……もう……すこし……」
 そう言った絃子は軽くうめくと体を震わせる。大きく息をはくとゆっくりと体を離した。
絃子の黒髪で拘束された播磨の怒張は、赤黒く膨張し脈打っている。
 姉ヶ崎はいそいそと跨ると、自らの指で女性器を広げ、ゆっくりと腰を降ろしていく。
と、播磨の眼が大きく見開かれた。
64521/24:04/10/11 17:26:55 ID:udbKPDk2
「え?」
 咆哮とともに強靭な腹筋で身を起こすと、播磨は姉ヶ崎の胸を鷲づかみにした。
首筋を噛むように唇づけながら、荒々しく乳房を揉みしだく。
節くれだった播磨の大きな手からあふれる程の量感のある白い乳房
それが、播磨の手で、あられもなく形を変えてゆく。
姉ヶ崎は播磨に首筋を噛まれ、胸を揉みしだかれて陶然とした。
「目を覚ましたの?」
 動転し、抱き合う絃子達の目の前で、姉ヶ崎がこらえきれずに声を洩らしはじめた。
播磨に股を割られ、濡れそぼった陰毛の狭間に肉茎を埋められている。
播磨の律動が激しさを増すと、荒い息に混じった姉ヶ崎の声が喘ぎ声に変わるのに時間はかからなかった。
淫靡な風合いの肉壁をめくりながら、播磨が抽送を繰り返す。
播磨が腰をうちつけるたびに、軽妙な打撃音が響き、姉ヶ崎の乳房が大きく震える。
こらえきれなくなった姉ヶ崎は、上体を床に押し付けるが、播磨は抱えた尻を離そうとはしない。
蹲踞の姿勢から突きおろす度に、姉ヶ崎はすすり泣くような声を上げていたが、やがて大きく震えると動かなくなった。
失神した姉ヶ崎を、播磨はなおも突きつづけていたが、反応しない彼女に不満のうめきを漏らし立ち上がった。
痙攣する姉ヶ崎から引き抜かれた肉槍が、飛び散る淫液とともに播磨の鍛えられた腹筋をうつ。濡れた音が響いた。

 播磨は笹倉たちに向き直った。
「ひっ!」
可愛い従弟とは思えない、獣じみた風体に、絃子と笹倉は抱き合い、身を震わせている。
 ゆっくりと時間を掛けて播磨は二人に歩み寄った。
ごつごつした指が笹倉の白い腹にのびる。
うすく脂肪ののったなめらかな腹をなぞる様に降りて行き、白い布切れに辿りつく。
中指を笹倉の下着にあてがう。
指を鍵状に曲げ、播磨は、力を篭めた指先で容赦無く一気に撫で上げる。
笹倉はずり上がり、少しでもその刺激から逃れようとした。
絃子は、播磨の形相に自失しており、頼りにならない。
床を擦る笹倉のふくらはぎが、緊張からかぴくぴくと引き攣れた。
 播磨はおもむろに女性器を包む下着を左右から手繰りよせ、細い紐のようにするとそのままグイと引き上げた。
その紐が笹倉の割れ目に食い込む。
恥かしさと秘所への容赦ない刺激に耐え切れずに、笹倉は播磨に上体を預けた。
64622/24:04/10/11 17:27:29 ID:udbKPDk2
 抗うすべをなくした笹倉は、播磨のするがままに下腹部の黒い茂みを露わにしていた。
顔を手で覆い、播磨が侵入してくるのを覚悟している。
仰向けにされた笹倉は、立てた膝を左右に広げられた。
播磨は笹倉の股間に顔を埋めるでもなく、まるで観察するように眺めている。
絃子の前で、笹倉はひたすら屈辱に耐えなければならなかった。
いっそひと思いに貫かれるほうが――そんな気持ちさえ心によぎる。
射精さえさせれば正気に戻るかもしれない――播磨に促されて口腔性交をする笹倉の表情が、絃子にそう語っていた。
根元を縛っていた絃子の髪をほどき、口でイカせようと笹倉は必死に舐めた。
だが、十分過ぎるほどに怒張した逸物は、決して暴発しようとはしなかった。
 皮肉なことに、笹倉が必死に舐めればなめるほど、彼女の雌の本能は呼び覚まされてきた。
口の中で膨張していく播磨の性器が、知らず知らずのうちに笹倉の女性器に潤いを促していく。
あたかも口腔粘膜と笹倉の女性自身とが連動しているかのようだった。
 軽い牽き攣れが下腹部を襲う。播磨は笹倉の女性器に指を入れると、ヒクヒクしてると言った。
そんな気は無かったはずなのに、笹倉の肉体は確実に播磨を受け入れる態勢を整えてきていた。
 播磨は、へたりこんだ絃子を強引に立たせると、笹倉に向け押し出した。
足元が覚束無い絃子は、よろよろと倒れこみ、笹倉を押し倒す形になる。
 次の瞬間、二人はともに貫かれた。
笹倉は、挿入の瞬間こそ、あっと短く叫んだが、播磨が腰を動かしはじめると、目を固く閉じて口を真一文字に結んで耐えていた。
絃子は、この事態を意識から遠ざけようとしてか、ガラスのような瞳で遠くを見つめていた。
播磨は、そんな二人を嬲るように、いきり立つ肉茎を交互に抜き差しはじめた。
ゆっくりとした腰の動きが、一定のリズムで二人を苛めはじめる。
笹倉は足の指を丸めて、播磨の波状攻撃に対抗していた。
しかし、触れ合う女性器同士からの刺激と、絃子の乱れた息遣いが、笹倉を徐々に昂めていき、艶やかな声を放たせる。
今、私は絃子先輩と一緒に――絃子自身に貫かれている悦びに、笹倉は喜悦の声をあげる。
二人の腰をともに抱えた播磨の腰が円を描く様に回転しはじめる頃、笹倉は獣のような艶声を放っていた。
64723/24:04/10/11 17:28:07 ID:udbKPDk2
 一度登りつめると、笹倉の体は加速度的に反応しはじめた。
播磨が体を離して、二人の体を入れ替えると、自ら尻を持ち上げた。
後ろから突き上げられる度に泣き声とも嬌声ともとれる感極まった声を発し続ける。
播磨が律動を停止すると、笹倉の方から腰を振った。

 播磨がようやく射精したとき、大量の精液は絃子の子宮を埋め尽くし、なおも放出を続けていた。
抜かれた男根から溢れ出したそれは、勢い余って笹倉の顔にまで飛んだ。
快感で震えるまつげに白濁した精液が付着して揺れるのを、絃子は虚ろな眼差しで見つめていた。

朦朧とした意識の中、ただならぬ気配に沢近は目を覚ました。
播磨との情交の余韻が、鈍痛となって彼女の中心に残る。
蒸せ返るような性臭に顔をしかめ、部屋の隅を見やると蹲っていた播磨が身を起こした。
隣でまどろむ八雲を起こす沢近
抱き合う二人の眼前でどんどん隆起し硬度を増していく播磨自身
わたし、死んじゃうかも――そう思いながらも、沢近は播磨から目が離せなかった。
64824/24:04/10/11 17:28:52 ID:udbKPDk2
「うわぁっ!」
「どうしたんだ、拳児君?」
「いやぁ……変な夢見ちゃってよ」
「ほう……、どんな夢だい?」
「いや……、何でもねぇよ」
「私はもう出る。急がないと遅刻するぞ」
 上気した頬がいつにもまして色っぽい。

「おはようございます……拳児さん…」
「おう、おはよう妹さん。ん?」
 播磨の上着の袖を引っ張ったまま、八雲は頬を染めて俯いた。
「……できれば……、八雲と……呼んでくれませんか……」
 バシ――戸惑う播磨の背中を誰かが強く叩いた。
「おはよ−、ヒゲ」
「なんだよ。お嬢か……。ん? なんかついてるか、俺の顔?」
「もう大したヒゲじゃ無いのよね−。他に呼名も無いし、これからは拳児って呼ぶわ」
「なに勝手なこと言ってんだよ? おめぇに呼ばれる筋合いはねぇよ」
「そのかわり、私のことも愛理と呼ばせてあげるわ」
「なっ」
 走り去る二人。取り残される播磨
「負けないわよ、八雲」
「はい、こちらこそ」
「でも、とりあえずはあんたの姉さんよねぇ〜」
 二人の目前に校舎が迫る。
 桜の季節は、もうそこまで来ていた。