エロくない作品はこのスレに3

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474特捜戦隊赤黄30
 刑事の前に、ジャスミンは、一人の女性なのだという事を改めて痛感させられる。

「……ロチイよりも、アブレラが絡んでいたことの方が重要だ」
「ロチイの逆恨みを利用して、地球署潰しにかかったってことですよね」
「俺たちをポイント260に行かせないように、わざとイーガロイドたちを俺たちによこしたりなんかしちゃってるし……」
「あいつ……本当に、一体何者なんだ……」

 わからないものは、わからない。結局、そこで話が止まり、皆、無言になる。
そんな沈黙を破るかのように、テツが、口を開いた。

「……俺、先輩の様子、見に行ってきて、いいですか?」
「まだ、面会謝絶のはずだ。……意識もまだ取り戻していない」
「でも、心配なんです」
「テツ。気持ちはわかるけど。もうちょっと待ったほうがいいよ」
「……わかりました」 納得いかない顔をしながらも、センの言うことを聞くことにした。
(先輩……目が覚めたら、いつものようにバックドロップとか、してくれますよね……)
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「ジャスミン!」
 そう叫んだ後、急に意識がなくなり、いつの間にか、バンの意識は、ふわふわと、どこかを彷徨い続けていた。
(俺、死んだのか?……別に、もう、死んでもいいかな)
 彼女を守れなかった、自分の無能さに気が付いて。もう彼女に会わせる顔が、ない。

(なんか……聴こえる)気が付くと。いつもの耳鳴り。彼女の声が、途切れ途切れに流れてきた。

<……ら、死ぬんだ……それでもいいかな……みんな私の事、……るし、
……なんて……いらないし……死んでも……いいや……>

(俺たち、一緒のこと、考えてるな……)
「ジャスミン……」
 目の前にいない、彼女の名を呟くと、意識がふっと遠のいた。