強制女性化小説ない? Part13

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634名無しさん@ピンキー
『教科書〜』第13話投下させてもらいます。
他のスレに移動しようかと思いましたが、ここを放っておくのもなんかもったいないな〜と、このスレで続けることにしました。よろしくお願いします。
635名無しさん@ピンキー:04/07/29 02:10 ID:M1uxCac+
 抱きつく綾野。柔らかい胸。
 眠る綾野。健やかな寝顔。
 ねだる綾野。求める唇。
 甘い吐息。潤む瞳。赤く火照る頬。足が絡ませ、刺激してくる。
 一枚、また一枚と綾野の身を包むものが脱がされていき、あられも無い姿となる。
「綾野……」
 気付けば二人はベッドの上。相原も裸だ。
「相原先生……」
 綾野と相原の視線が重なる。二人の距離が自然と近付き、互いの息が口元をくすぐる。
「んっ……」
 二人の間を埋める距離がゼロになった時、唇は強く密着した。
 交わされる唾液、絡みつく舌、どれだけ嘗めあっても充足されない。もっと、もっとと貪欲に相手を求めあう。
「先生、『私』を見て下さい」
 一人称が『俺』のはずの綾野が、『私』と言った。何か妙な違和感を感じる。
 違和感を振り払うかのように、相原は綾野の胸に触れた。
 ペタン……。
 真っ平らな感触。本来触れる予定のふくよかな乳房はそこに無い。先の違和感が膨れ上がった相原は、体を起こし
綾野を見た。
 ベッドに横たわっていたのは、男の体の綾野。その綾野が不機嫌に言う。
「何見てるんですか。先生」
「うわぁ!」
 相原はベッドから跳ね起き、そのまま下に転げ落ちた。
「つぅ〜!……夢かぁ……」
 落ちた腰を押さえて、今しがた見た綾野の淫夢を思い出す。
636名無しさん@ピンキー:04/07/29 02:10 ID:M1uxCac+
「これで3日連続かよ」
 綾野の夢を見たのは今日が初めてではない。3日前に綾野の家に食事をしに行った日の夜、2日前の夜、そして今
日と実に3日連続で綾野の夢を見ていた。
「病気だな、俺」
 3日前、綾野の家に食事を招待されたのだが、その時相原は理性の枷が外れて、2回ほど綾野を襲いそうになって
しまった。自分の家に戻った後、相原は生徒に性欲を抱き理性を保てなかったことに、激しく反省し己を罵倒し続け
た。
 で、なんとか眠りについたと思えば、今度は綾野の淫夢。夢を見て起きてへこみ、翌日も夢を見て起きてへこみ、
そして今日も夢を見てしまった。
 まさか3日も続けて夢を見るとは思ってもいなかったので、相原は本気で自分が心配になってきた。
「今日、綾野にどんな顔して会えばいいんだよ」
 相原の気持ちとは裏腹に、股間の分身は一生懸命主人に対して自己アピールをしている。
「お前は無駄に元気だな……」
 相原は股間の分身に、ウンザリ気に呟いた。
637名無しさん@ピンキー:04/07/29 02:11 ID:M1uxCac+
「なんか今日の相原先生、様子がおかしかったよな」
 光太郎は香奈の机に乗って、綾野と香奈に言う。
「おかしいと言うより、上の空って感じが」
 香奈も続けて言う。
「授業にずっと身が入ってなかったし、何かあったのかな?さっちんは何か知ってるか?」
「えっ?いや、俺は窓の外見てたから気付かなかったよ」
 嘘である。確かに窓の外を見ていたが、それは相原の一挙一動に、敏感に反応してしまうのを必死に隠したかった
からで、相原が授業中様子が変だったのにはしっかり気付いていた。またその原因が自分ではないかとも綾野は思っ
ていた。
「そっか」
 綾野の返事を聞くと、香奈に話題をふって話を続ける光太郎。
 綾野は、しばらく考え事をしてから、
「ちょっとトイレ」
と二人に言い残して、相原の後を追うため教室から飛び出した。
 走る綾野。途中黒沢に注意されながらも急いだおかげか、綾野は職員室に入る寸前の相原を捕まえることが出来た。
「相原先生〜」
 呼び止められた相原は、まるで幽霊みたいに生気が無い。只漂うように歩いている。
「はい〜?」
「相原先生」
「………おわっ!綾野か。どうした?」
 ビックリして、背中を壁にぶつける。
638名無しさん@ピンキー:04/07/29 02:11 ID:M1uxCac+
「あの……先生、この前食事に誘った時、俺酔っ払って何か大変な事しちゃったんじゃないかって。記憶も無いし、
先生に色々と迷惑かけたっぽいし、それで謝りに来ました」
「へっ?……いやいや、気にするな。何も無かった。何も無かった。うん」
 相原の挙動不振な動きに、綾野は絶対何かしでかしたと確信した。
「先生、本当のこと言って下さい。お願いします」
「うっ………」
 真っ直ぐ見つめられ、相原は言葉が出なくなる。
「いや、本当に大したことは無かったって。その……酔っ払って抱きついてきたとか、足絡めてきたとか、それだけ
だよ、それだけ」
 言ってから相原は、しまった!と思った。だが時すでに遅し。
「だだだだだ、抱きついたぁ〜!?し、しかも足を絡めたって……」
 相原に言われて、消えていた記憶が徐々に甦ってきた。
 甘くねだるような声で相原を呼ぶ自分。体を擦りよせ足を絡ませ、女を主張する自分。トロンとした目で無意識に
キスを求める自分。
「うわぁ〜」
 綾野は熱で湯気が出そうな程赤くなり、その場で顔を手で隠ししゃがみ込む。
「俺、先生になんつーことを……」
 恥ずかしくてこの世からいなくなりたくなる。しかし綾野は、自分の恥ずかしい行為を思い出すと同時に、もう一
つの記憶も蘇ってきた。
 抱きついた自分を抱き締める相原。自分の腕を掴み、唇をなぞる相原。そして、

「俺だって、いつまでも『先生』でいられないんだぞ」
639名無しさん@ピンキー:04/07/29 02:12 ID:M1uxCac+
強い眼差しで綾野を見つめる相原。
 綾野はハッとして相原の顔を見る。
「先…生……?」
 相原は失言したことでビクついている。
「その…なんだ……状況が状況だったし、気にするな?なっ」
 自分の理性がはじけた行動を、綾野が覚えているとは夢にも思わない。
 綾野は黙って立ち上がり、相原に礼をすると、その場から走って立ち去った。
「あれ?綾野?おーい」
 相原が呼ぶが、綾野は振り返らず。途中またもや黒沢に注意されるが、それを無視。走り去った後ろから黒沢の怒
鳴り声が聞こえるも、気にせずそのまま綾野は走る。
 駆け込んだ先は男子トイレの個室。綾野は個室の鍵を掛け、壁にもたれかけた。
 記憶の中の自分。記憶の中の相原。思い出すだけで手足は震え、全身が加熱する。
「先生が……俺の……」
 相原がなぞった跡を、自分も同じようになぞる。