強制女性化小説ない? Part12

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688名無しさん@ピンキー
1945年8月15日。
大日本帝国はポツダム宣言を受け入れ、連合国に対し無条件降伏した。
敗戦国の王である天皇、裕仁は連合国総司令官、ダグラス・マッカーサーの前にいた。
「私はどうなっても構わない。だから、日本国民にはなにとぞ危害を加えないで欲しい」

その夜、マッカーサーは考えた。彼は日本の天皇の歴史を学び、どういう存在か、彼の血統がどう捉えられているのか、その地位について
どういう教育がなされているのかを、日本人達よりも深く理解していたのである。
日本をアメリカという巨大資本の投下地として親米化することは、マッカーサーに課せられた一つの重要案件である。
既に圧倒的な武力を見せつけ、日本人の戦意を喪失せしめることに成功した以上、彼らが現人神としてあがめる天皇を処刑することでその
立場の違いを更に見せつけることは可能だし、それも一つのやり方ではある。
が、日本人のアメリカへの隷属意識は得られても将来にわたってはどうか。むしろ屈辱と反感は未来の彼らを反米にしむけるだろう。

今までの天皇という幻想を破壊し、かつ天皇という日本人にとってのアイドルを利用する方法。

彼は、本国軍部が極秘に開発を続けていたある研究を実行することを思いついた。
それは、マンハッタン計画の姉妹。核開発によってもたらされた放射線の人体に対する影響から生み出された鬼子。

天皇裕仁がGHQに呼び出されたのは、9月14日のことだった。
689名無しさん@ピンキー:04/07/05 12:39 ID:oSho/5fP
「ミスターヒロヒト。あなたは以前、『自分はどうなってもいいから、国民に危害を加えないで欲しい』と言ったな。その言葉に偽りはないかね」
「偽りはない」
「ならば、今までとは全く異なる人生を受け入れる覚悟はあるかね?」
「・・・・だが、天皇は祭祀を続けねばならない。私はどうなってもよいが、次の天皇がそれを続けられる事を私は望む」
「それについては心配はいらない。君の命はもちろん、君のそういった性質の行動に制約は一切かけない」
「ならば、従おう。煮るなり焼くなり好きにするがいい」

「では、そこにいる医師団の指示に従いたまえ。日本政府には私から文書で説明しておく。ただし、彼らが君を取り戻すために実力を行使した場合、
 我々はそれを実力で排除する用意がある。君の口からそれをとどめるだけの時間はやろう」
690名無しさん@ピンキー:04/07/05 12:50 ID:oSho/5fP
これから私が何をされるのか、なんの説明もないまま私は様々な検査を受け、様々な薬物を投与された。
総司令官マッカーサーは、それらの薬物は私の健康や生命に影響を及ぼすようなものではないという。
しかし、それが例え毒であっても私は抵抗はすまい。私の命でこの国が救われるなら安いものだ。
そうして何日かが経った。
「ミスターヒロヒト、着ているものをすべて脱ぎ、このケースに入りなさい」
これは私の棺桶だろうか。しかし、私にはその言葉に従う以外の選択肢は無いのだ。

ケースは狭く、全く棺桶のようだった。小さなのぞき窓が開いている他は私の身体の寸法に合わされた金属製の筒。
やがて私は眠くなり、深い眠りに落ちた。


 ・・・・・・・オースチン・マンテル液注入開始します。アルファペケペケ線照射開始。20ミリ毎時で照射を継続します・・・・・
691名無しさん@ピンキー:04/07/05 13:08 ID:oSho/5fP
朝、目を覚ましたときの記憶というのは面白いものだ。
前日の夜の事をすぐには思い出さない。布団の暖かさだけをまどろみの中で感じている時間が過ぎ去り、やがて、昨日の夜のことを思い出す。
私は総司令官の指示に従うがまま、己の棺に入ったのではなかったか。
だが、私は柔らかな布団に寝ているようだ。
そっと、手足を動かしてみる。かすかな衣擦れと感触が、五体満足であることを証明している。多少の違和感があるが、寝覚めにはありがちなことだ。
布団から顔を出し、細く明けた目に入る天井は、皇居のいつもの天井だ。
私は夢を見ていたのか? 

私は上半身を起こしベッドの上に座った。ふと、違和感を感じたそのとき、侍従がマッカーサー元帥を伴って入ってきた。

「朝から失礼とは思いましたが、そろそろ目覚めそうだという事だったのでおじゃましてましたよ。ご気分はいかがですかな? プリンセス・ヒロヒト」
692名無しさん@ピンキー:04/07/05 13:20 ID:oSho/5fP
そのあとの記憶は飛んでいる。
何かをしたような気もするし、何かを話したような気もするし、何かを食べたような気もするけども。
銀幕の中で役者が何かをしたり、何かを話したり、何かを食べたのを見て、自分もそうであると思いこんでいるような感じでもある。
いつもの居室の景色は同じ。
そっと手を胸に当てると、柔らかな盛り上がりが感じられる。
クローゼットに取り付けられた鏡に映るのは、一人の少女だ。年の頃は15〜6ほどだろうか。細身の、髪の美しい少女が、天皇の座る椅子に
座っている。そしてそれは私だ。


「プリンセス・・・いや、エンプレス・ヒロヒトと呼ぶべきかな。あまりに若く美しいので『プリンセス』と呼んでしまったが、失礼。君の遺伝子を含む
 肉体を作り直し、若返らせた上で女性にした。そんなことは説明するまでもなく君自身の身体が理解していることと思うがね。どうかね、新しい
 人生に対する期待感というのは」
「私をどうするつもりだ・・・」
「『どうするつもり』? 君は何を言ってるのかね。『どうするつもり』はない。『そうした』だけだよ。変わったのは君の外見上の年齢と、性別だけ。
 そのほかは何も変わらない。もっとも、君のその姿は、我々が大々的に宣伝するので今までとは少々周囲の目が変わるとは思うがね。そうそう、
 君の女性としての日常生活、公人としてのマナーについての教育は我々の優秀なスタッフが手取脚取りで行うので心配しなくていい」