1 :
名無しさん@ピンキー :
04/05/31 16:44 ID:x7UYJ1ec
,'⌒⌒ヽ
/ λ W λ i ヽ
く ゝ` ‐´ノ,,ゝ
( .)~==~)つ
レノ人__人!
(/(/
御機嫌いかがですか?NOIRのChloeが
>>2 ゲットです・・・・・。
>1 スレを立てるのは私だったのに!私のはずだった!!
>3 スレはあなたを必要とはしていない。それだけ言えば充分でしょう。
>4 これがあなたのレスか。・・・・・なるほど、つまらん。
>5 すべては過去スレ過去ログに記されています。
>6 答えは・・・・・答えは自分で見つけるように。スレ住人はいつもそう言っています。
>7 私が全身義体化サイボーグとして復活し「魔法先生ネギま!」に登場しているのは秘密です。
>8 あなたは、コピペを、貼る。なんの躊躇いもなく、貼る。
>9 あなたはノワールのエロ画像を失ってしまった。だからそんな顔をするんですね・・・・・。
>10 どうして・・・・・・・・・・どうしてッ!?
>11 嘘つきぃッ!!
>12 ・・・・・・・・・・ノワール・・・・・。
>13-1000 私、
>>2 ゲットできて幸せです。
3 :
ネームレス :04/05/31 17:48 ID:/1NDe4mL
前スレ>969 でしょうね。物凄くマイナーなネタですから 前スレ>970 スレ立て乙です。初心者で、立て方も知らなかったので、 助かりました。では、がんがりまつ。 慣れていないので、時間が懸りそうでつが 他の職人さん達の暇潰しにどうぞ。キャラを「らしく」動かそうとしたら、 物凄く長くなりまつた。
4 :
ネームレス :04/05/31 17:54 ID:/1NDe4mL
蒼月潮は焦っていた。何を焦っているかと言えば、「ナニ」の事に関してである。 白面との死闘から―そして、とらが居なくなってから―もう3年になる。 潮は高校3年生になっていた。 当然この年齢ともなると、周囲には既に「経験済み」の者も増えて来る。 潮と同じ高校に進学し、昔からの馴染みの仲である厚池や横尾もそんな中の1人で、 この年代の男と言うのは、「経験者は偉い」と言う女性には理解不可能で在ろう心情を抱くので、 彼等は自慢を含めてその事を潮に話す。 「なぁ、潮。御前まだ中村さんとヤってないのかよ?」 「あんな可愛い娘掴まえといて、勿体無えなぁ…」 麻子も又、潮と同じく、都立みかど高校に進学し、 2人は何時しか公認のカップルとして周囲に認められていた。 「だぁ〜!もう、俺は『そんな事』強要したりしねえの!」
5 :
ネームレス :04/05/31 17:55 ID:/1NDe4mL
とは言え、焦っているのは事実だった。とは言っても、 それにはこんな風に周囲から言われる事よりも大きな理由が在った。 「進路」である。もう、今年の夏迄には進路を決定しなければならない。 麻子は成績もそれなりに良かったし、 そうで無くても中学から続けて来た短距離の推薦で大学に進学出来るだろう。 一方潮はと言うと、高校に受験の時点で―麻子には口が裂けても言えなかったが― 麻子の受験校を聞いてから、死ぬ程の努力をして、何とか同じ高校に進学出来たのだ。 潮の意向としては、美大に進学したい…が、悲しい事に彼の絵画の腕は、 中学時代から大して進歩が無かった。 美大に落ちた場合、父・紫暮と約束していた事がある。 それは…自宅の住職を継ぐ為の光覇明宗の仏道修行。 先代の獣の槍伝承候補者であり、法力、体術共に最強の紫暮、先代のお役目であった須磨子。 その2人の息子であり、元獣の槍の伝承者であった潮には、父のみならず、 本山からの期待も大きかった。 「ヤバイ…仏道修行なんて絶対に嫌だ。でも可能性は無い訳では無い (と言うか、その可能性が大きい)。そんな事になったら、麻子とは…。」 当然出来ないだろう。そう考える度、潮は益々焦るのだった。
6 :
ネームレス :04/05/31 17:57 ID:/1NDe4mL
「ねぇ、麻子。潮君とは『まだ』なの?」 「えっ!?何が?」 「だから、『H』よ」 「ちょちょ、ちょ、ちょっと礼子ぉ〜!」 「『まだ』なんでしょ?潮君も相当我慢してると思うけどなぁ… その内、無理矢理押し倒されたりするかもよ〜?」 と自分で頷いてみせる礼子。 「私はその…しても良いかなぁって思うんだけど、ほらアイツそう言うのに鈍感じゃん?だから…」 もう麻子の顔面は火を出さんばかりの色だ… 彼女は知らない。その彼がどんなにしたがっているかを
7 :
ネームレス :04/05/31 17:59 ID:/1NDe4mL
「なぁ、お前等ってお互いの性格が性格だからさ、言い出せないんじゃ無えか? きっと中村さんもOKなんだと思うぜ」 横尾が唆し、 「そうそう、お前ひょっとしたら、性欲無いのかと思われてるかも…」 厚池が茶化す。ここで潮が慌てるのが、彼等の何時ものパターンだったが、今日の潮は違っていた。 「何だとぉ!よ〜し!こうなったらヤってやる!見てろよお前ら!」 「え?見てて良いの?」 …その後、厚池の頭に星が飛んだのは、容易に想像出来る。 その日の放課後の帰り道、「な、なぁ…麻子」 潮は高校に入って以来、彼女を「中村」と呼ぶ事は無くなっていた…が、キスすらまだだ。 「その…さ、今日、横尾達に…」 焦りのと素直になれない余り、セクハラとも取れる彼等との会話を麻子に話す。 話した直後に「しまった」と思って平手打ちを覚悟した…が、その苦い予測は外れた。 15年以上の付き合いで、こんな事が在っただろうか。 「何?したいの?潮も男だもんねぇ。可哀想な潮にこの麻子さんが一肌脱いであげますか」 こちらも素直になれない。こんな2人だから、今迄進展が無かったのも仕方無かろう。
8 :
ネームレス :04/05/31 18:00 ID:/1NDe4mL
それから二日。待ちに待った日が来た。今日は、白面の者との闘いの在った日。 あの戦い以降毎年、光覇明宗はあの戦い犠牲者の為、僧達が本山に集うのだ。 今日は、両親も照道さんも居ない。 ホテルなんて行ける訳も無い経済状態の潮には、絶好の日だったのだ。 今日は土曜日なので、昼から麻子が来て、一泊する事になっている。 前日から潮は準備に余念が無かった。部屋も片付けたし、コンドームも買った (以前のコンドームを見て、使用期限と言う物に初めて気付いた)。 心残りは、ベッドが無く、煎餅布団しか用意出来なかった事だが。 麻子も準備はして来た。礼子のお節介で一緒に選んだ勝負用下着、普段は余り熱心で無い化粧。 麻子にとっても初めてなので、良い思い出に出来ればと思っていた。 「先輩」の礼子にも色々と聞いて来たし、準備は納得する迄やった。 家の方には、何も言わなくても、母・麻沙子が 「潮ちゃんも独りで大変だろうから、あんたが行って料理でもしてやんな」 と言ってくれたので、問題は無かった。その後、父・米次が 「飯食わせる代わりに、潮ちゃん食っちまいな」 と要らぬ事を言って、娘に膝蹴りを喰らう羽目になったが。
取り敢えず此処迄でつ。残りは書き上げてから一気に載せます。 焦らしてるみたいな中断のしかたで、済みません
ファイトー。 待ってるよー。
11 :
名無しさん@ピンキー :04/05/31 21:16 ID:tXqNWj4q
超期待保守
12 :
ネームレス :04/05/31 22:11 ID:/1NDe4mL
>10応援どうも。取り敢えず出来たので、読んでみてくらはい >あんまり期待されると、困る程度の内容ですが… では、どうぞ
13 :
ネームレス :04/05/31 22:12 ID:/1NDe4mL
今、麻子は蒼月家の台所で自分と潮の夕食になる炒飯を作っている。 潮の鼻にも美味そうな匂いが届いている筈だが、普段は「花より団子」、 「色気より食い気」と言ったキャラである潮は、そんな事も気にならない程緊張していた。 麻子も又、今日は何時もと調子が違っていた。蒼月家の台所は、 須磨子が戻って以来、潮と紫暮の男二人暮しの頃よりは、 格段に使い易く手入れされている。 それなのに、何時もの様に料理の腕が揮えない。 彼女の性格に似合わず「何だか、新婚生活のシュミレートみたいね」 と乙女チックな考えすら抱いてしまう。
14 :
ネームレス :04/05/31 22:12 ID:/1NDe4mL
何時もの倍近い時間を懸けて、潮達の夕食は完成した… 併し、2人共全く米次直伝の炒飯を味わう余裕は無い。 潮に至っては、掻き込み過ぎて咽せながら食べている。 勿論2人共最低限の会話以外は、無言だ。 夕食を済ませ、2人共どちらから切り出すかモジモジしていた。 この2人は意地の塊の様な性格なので、自分から誘うなどと言う事は、 出来れば避けたいのだ。相手もしたがっている事を知っていても。 先に潮が折れた。素直な折れ方では無かったが。 「あ〜アレ何処行ったけなぁ…在った在った!…コレ」 昨日から入念に準備した物の一つ、コンドームをさも今見付けたかの様に見せる。 「無いと困るだろ?」 何てムードの無い誘い方だ、と麻子は苦笑したが、そこも又、潮だなと思う。 同じ物が麻子のバッグの中に在る事を、潮は知る事が無かった。
15 :
ネームレス :04/05/31 22:13 ID:/1NDe4mL
潮の部屋、煎餅布団の上。 「私、キスも初めてなんだからね」潮の為に取っておいた、とは言えない。 「お…おう」 潮は設楽水乃緒とのキス―と呼べるか疑わしいが―を思い出し、 その事を麻子に伝えようかとも思ったが、麻子に悪い気がして辞めた。 3年前、ミノルに嘘を吐いた事で旨くいったのだ。今回も、「言わない方が良い事」 なのだろう。潮も成長したのだ。 鼻がぶつかり合う、不器用でぎこちないキス。唇を触れ合わせるだけのキス。 それでも麻子は充分だった。キスだけで満足な様にも思えた。 「…炒飯の味がするな」 「もう!当たり前でしょ!」 潮の腕の中で麻子は少し不満げなふりをして答える。
16 :
ネームレス :04/05/31 22:13 ID:/1NDe4mL
潮は、腕の中の麻子の柔らかい事に驚いていた。成り行きで、 女を抱き締めた事は一度や二度では無い。だが、麻子は違うと思っていた。 バリバリのスポーツウーマンで、並の男など相手にならぬ程喧嘩が強い。 そんな麻子も「女」なんだと今更ながらに実感していた。 潮は無言で、麻子の服を脱がせにかかる。麻子も口には出さない物の、 同意の上なので、何も言わない…が、Tシャツを脱がせた時点で潮の手は止まった。 「あれ?どうすんだコレ?」 ブラジャーの外し方が判らずにしどろもどろする。 「礼子、やっばりこいつに勝負下着なんて無駄だったわ」 と心中苦笑いしつつも、麻子は 「馬鹿ねぇ。背中の方、見てみなさいよ」 と言って、後悔した。これでは、自分が脱がせて欲しいと明言している様な物だ。 とは言っても、潮にそんな事を考える余裕は無かったが。
17 :
ネームレス :04/05/31 22:14 ID:/1NDe4mL
何とかブラジャーを外した潮は、その侭下も脱がせにかかった。しかも、 ズボンとパンツの一気脱がせ。大体、初めての麻子に対して、部屋の照明もその侭だ。 流石に麻子も少しムッとしたが、潮は既に裸だし、こんな情緒の無いSEXも又、 潮らしいと思い、何も言わなかった。 それに麻子は、自分のスタイルには自信が有ったし、潮になら見て貰いたいと思っていたのだから。 「どう?私の裸じっくり見るなんて、もう随分久しぶりでしょ?」 実際には、石喰いの件の時に見はしているのだが、じっくり見るのは、小学生の夏、 麻子と真由子と潮の三人で、潮の家の風呂での行水遊びの時以来だった。 2人の脳裏に、その時の思い出が甦る。麻子は真由子の事を思うと、少し胸が痛んだが、 きっと真由子にそんな事を言ったら怒られるだろう、と思って、頭の片隅に追いやった。
18 :
ネームレス :04/05/31 22:15 ID:/1NDe4mL
潮は「ばれてたか」と内心思う。あの時は、別に下心なんて無く、 純粋に自分と違う性への好奇心で、麻子と真由子の裸を、彼女達に悟られぬ様、 観察していた積もりだったのだが。 そして、その時との麻子の体の変化に驚いていた。当然と言えば当然なのだが、 「女ってのは本当に化けるんだな」 と思いながら、今の麻子の体を舐める様に見る。 「ちょっと、恥ずかしいから、そんなにジロジロ見ないでよ」 と麻子が言うと、潮は麻子の胸を揉みしだきつつ、吸い付いて来た。 横尾達から教えられた事を実行した迄だが、本能的にも 何と無くそうしたかったから、そうしたのだ。 「フフッ…潮、赤ちゃんみた…!…いね…ひっ!」 少しお姉さんぶってみたかったのだが、それも今迄体験した事の無い感覚に邪魔されてしまう。 麻子に自慰の経験は無かった。したいと思わなかった訳では無いが、潮に悪い様な気がして、 今迄我慢して来たのだ。 「ん〜?どうした麻子、気持良いのか?」 と、間崎が「礼子にばれた」と回して来たビデオの真似をしてみるが、何処かぎこちない。
19 :
ネームレス :04/05/31 22:16 ID:/1NDe4mL
潮は潮で、とても冷静では居られなかった。昔は自分と変わらなかった胸。 潮が麻子の胸の膨らみを意識し始めたのは、小学6年生の時だったか。 タンクトップの隙間から見える微かな膨らみに興奮した覚えは在る。 が、此処迄膨らんで、張りを持つ様になっているとは、想像出来なかった。 胸だけでは無い。腰の括れ、尻の膨らみ…純粋に麻子の身体のラインを美しい、と思えた。 「んん…ねぇ、潮。潮も下、脱いで」 潮は裸にはなっていた物の、まだヒーロババーンの柄のトランクスを履いた侭だった。 麻子は、「何時迄経っても子どもねぇ…」と思ったが、口には出さなかった。 「あ、悪い。麻子ばっかり脱がせちまったな」 ゴソゴソと何やら恥ずかしそうにパンツを脱ぐ潮。 麻子は昔見た時とは形の違う、潮のペニスに目が釘付けになった。 「潮…それ…」
20 :
ネームレス :04/05/31 22:17 ID:/1NDe4mL
「あぁ、これか?元が皮被ってて、剥けたんだよ。俺のばっか見てないで、麻子のも見せろよ」 と、潮は麻子の股間に張り付く。 「うん。恥ずかしいんだけどなぁ…」 と、麻子は鍛えられた美しさを持つ脚を開いて見せる。 潮も又、麻子同様の驚きを覚えた。昔見た時、その部分は、 「麻子も真由子も前にも尻が付いてんだな。麻子の方が割れ目が長いな」 程度にしか思っていなかった物が、今では薄らと毛に覆われ、中から少し何かがはみ出していたし、 長かった筈のその割れ目自体も、短くなっている気がした。 「えぇと…」潮は無遠慮に、その割れ目を開く。 「麻子のチンポは、まだ皮被った侭なんだな」 「!だからこれは、チン…」潮がニヤニヤして聞いているので、言葉を止められてしまう。 「チン…何だって?」「う…兎に角、これはそんなんじゃ無いの!」
21 :
ネームレス :04/05/31 22:18 ID:/1NDe4mL
潮が幼い頃は、父が留守にする度、中村家の世話になっていた。 その時、決まって麻沙子や米次は、潮と麻子を一緒に風呂に入る様仕向けた。 或る時、風呂で潮と遊んでいた麻子が、浴槽の縁から飛び込もうと、 脚を開いて、潮の前に件の部分を晒した事が在った。 その時、潮は自分に付いている物ソックリな物を麻子の開いた割れ目の中に見付け、 「あ〜!麻子男だったんだ!」とそれを摘んだのだ。勿論麻子は転倒し、 その後潮は窒息寸前迄湯の中に沈められたのだが。 麻子を「男女」と呼んだり、「麻吉」と呼んだりしていたのは、この辺りが理由でもある。 「悪い悪い。いや、知ってるって。あの頃は若かったんだよ」 麻子も経験の在る友達―大抵は礼子だが―から、潮も横尾達の話や間崎経由の裏ビデオで、 その部分―クリトリス―がどの様な場所かは知っていた。 「こっちも気持ち良くしてやる…触るぜ」と、その部分に触れる。 既に其処は乳首同様勃起して膨らんでいたが、 それにしても活発な彼女の男性部分を象徴する様に大き目だった。 包皮の上から優しく撫でてみる。大き目のクリトリスは、 潮が自分の物を触るのと然程変わらない要領で扱う事が出来た。 だが、彼らしくもなく、どうにも遠慮して弱い刺激しか与えない。 麻子はそれが物足りず、自らその部分を彼の指に押し付けた。 潮も長い付き合いで、麻子が何をして欲しいかは理解出来た。
22 :
ネームレス :04/05/31 22:19 ID:/1NDe4mL
「此処、剥いた方が良いか?」 そんな事を聞かれても、素直に「はい」なんて言える訳も無い。 麻子はその部分に触れた事が無かったので、剥いた状態を想像する事も出来ず、 「潮の思う通りにしてみて」とだけ言った。 潮はその突起に指を掛けると、ビデオで見た通りにその包皮を引っ張り上げてみた。 「っ痛!」 「!悪い、痛かったか?」潮はどうすれば言いか判らず、オロオロする。 「生兵法は大怪我の元」…そんな言葉が思い浮かんだが、 「ううん。もう平気。でも、何だかスースーする…ねぇ、もう触ってみて」 ホッとした潮は、彼女の股間を潤す愛液を付け、その部分に塗りたくった。 「ヒアッ!あ〜!あぁぁぁ!」潮はその声に驚いて、愛撫の手を止める。 「気持良いか?」 「うん…でも、ちょっと刺激が強過ぎる感じ」 麻子も段々素直になり、潮にそうして欲しいか伝えられる様になった様だ。 「それじゃあ、舐めてみようか?」「う〜ん、それじゃ、舐めあいこしよ!」 彼等は、まだクンニ、フェラ、69の様な言葉は知っていても、それが今、 自分達のしている事だとは知らない程に純粋だった。
23 :
ネームレス :04/05/31 22:20 ID:/1NDe4mL
麻子は、潮の物を見て、素直に気持ち良くしてあげたいと思った。今迄潮は不慣れながらも頑張ってくれたのだから。 一方、潮は、麻子の小陰唇に夢中だった。「へぇ〜」とか「伸びるなぁ」とかブツブツ言いながら、それで遊んでいる。 「もう!ちゃんとしてよね…あ、でも其処も気持良いかも」 「御免、御免」と謝りつつも、麻子を気持良くしてやれる場所を新たに発見出来た事は嬉しかった。 麻子は必死で潮のペニスを舐めるが、元々クリトリスとペニスとでは感度が違う。 潮が麻子のクリトリスや小陰唇を愛撫していると、直ぐにフェラは中断せざるを得なかった。 潮は、自分の物は当然日常的に触っていた事も在って、まだ性感に慣れていない麻子を絶頂に導くのは、 麻子が潮にそうするよりも容易だった。麻子のその剥かれたクリトリスや小陰唇は、まだ洗い慣れていない所為か、 白い恥垢が付着していたが、彼女の物だと考えると、舐める事にそれ程抵抗は覚えなかった。 それから程無くして… 「あぁっ!駄目!何か来る!あぁ〜!」と叫んで、麻子は果てた。 「なぁ、もう…良いかな?」 潮も麻子の―たどたどしくは在ったが―必死の愛撫で、 然も中途半端な処でそれを止められた事も在って、かなり興奮していた。 「うん。そうっと、優しくね」 言わなくても、今迄の愛撫からして、潮は気を遣ってくれるだろう、そう思っていたが、 それが嬉しくて、言葉に出してみたかったのだ。 「お…おう」 潮はとゴムを着ける。この部分にはさっき迄のぎこちなさが無い。 「きっと昨日練習したんだ」と内心麻子は微笑ましく思った。
24 :
ネームレス :04/05/31 22:23 ID:/1NDe4mL
「じゃ、いくぜ」「うん…来て」 潮は麻子の割れ目を広げて見、場所を確認して挿れようとするも、中々入らない。 「あれっ?あれっ?」「もう!」 焦れったくなった麻子は、自分の指でその割れ目を広げて見せる。 そのポーズの卑猥さに潮は更に興奮して、理性を失いかけていた。 「麻子ォォッ!!」潮が麻子に飛び掛る。その時、偶然にも潮のペニスは麻子の膣に飲み込まれていった。 元々、体を鍛えている麻子の締め付けは強い。それが潮の性感を更に増す事となった。 「ちょ…潮待って!もっとゆっくり!」麻子に痛みは無いが、快感も無い。 「オォォォ!!」既に潮の目は、明後日の方向を向き、歯を食い縛っている。潮が理性を無くした時の表情だ。 「麻子ッ!いくぞっ!!」と、当然の事ながら、程無くして潮は果てた。 冷静になった潮が謝っている。 「いや、本当に悪かった!何か、折れ独りで良くなっちゃったみたいで」 「ううん、潮は頑張ってくれたもん。それに、こう言う事出来るのは、 今日だけじゃ無いし、今日だってまだまだ時間が在るんだから」 「じゃ、じゃあ麻子…」 「第2ラウンド開始ね」 2人は知る事は無かったが、陸上部の麻子の処女膜は既に破れていたので、 初体験に痛みを伴わなかったのだ。それが原因で、この後潮は地獄を見るのだが。
25 :
ネームレス :04/05/31 22:24 ID:/1NDe4mL
翌朝、妙に精力溢れる麻子は帰宅し、ゲッソリになった潮は彼女を家迄送って行った。 米次と麻沙子には何が在ったか察しが付いたであろう。そんな潮が自分の部屋で懲りずに悶々としていると… 「うしおーっ!やったな!」 と、イズナが潮の机の上の自画像を書く際に使う鏡から飛び出して来た。 「いっイズナ!?」 白面との戦いの後、残された妖怪達は人間との親睦を深めて行った。 イズナなどは、しょっちゅう雲外鏡を通じて遊びに来るし、その度に潮に妖の友人を紹介していたのだ。 妖達は物見高い。彼等が、親しい潮が何やら恋人と珍しい事をしている。そんな場面を見逃す筈も無かった。 人間に詳しいイズナが得意気に妖達に解説している姿が目に浮かぶ。 今回の件の模様は、恐らく全国の妖や雲外鏡に親しい人達の傍らの鏡を通じて、全国ネットで流されたのだろう。 「(貴方のPCのディスプレイに向かって)あ〜お前等見てたんだなぁ〜!」 潮はこの事も、「言わない方が良い事」だと判断した…麻子に言ったら殺される。 する前に鏡を全て蔵にでも放り込んでおけばよかった、と後悔する潮であった。 「楽しんでみてくれたかの?人間共はあぁやって生殖するのじゃな。わしも初めて見たよ。 では、又見たい物語が在ったら、この雲外鏡に会いにおいで」
以上でつ。読んで下さった人、どうもありがd。 潮×麻子では、アッサリした展開にしか出来ませんでした… と言い訳をしてみるテスト。 自分の書けそうな題材を挙げて貰えて、尚且つ乗り気なら又何か書きまつ。 このスレでは、自分は「ネームレス」で統一しますんで、宜しく。 「名前の無いのが名前…それがネームレス・名無し」 …スレ違いか。 このレスもSSも長文失礼しますた
乙でした! 原作のエピソードとか、他のキャラの話とかがちょこちょこ出てて良かったです
前スレ埋めちゃわないと。
ネームレスさんのおかげでもう大丈夫だとは思うけど、即死防止保守です。 潮×麻子、すごく丁寧に書かれてて原作の雰囲気を思い出しました。 次作も楽しみにしてます。
30 :
ネームレス :04/06/01 17:09 ID:3AhrZbBE
>27やっぱり、自己満の物でも読んで貰えると嬉しいでつ。dクス >29そんなに煽てちゃうと、木に登りまふよ?一応、次のも考えてまつ …打って変わって物凄くネチネチ・ドロドロした内容でつが。 ってな訳で、 フェイスレス&コロンビーヌ&勝×エレオノール 書いてます。かなり長くて、食前・食後は読めない位エグいですが
時に、どの位下がったらage時でしょうか?何だか、スレの管理を読み手の方達ばかりに 任せっ切りな気がするので あ、今から稽古なんで、帰ったら↑のSS載せます
>>31 別に最下層でもDAT落ちするわけでもないし、sage進行でいいかと
スレの管理も何もなぁ…公共の場なんだから好きにやればよろしーのよ
34 :
ネームレス :04/06/01 20:48 ID:3AhrZbBE
>32>33いやぁ、自分無知なもんで、SS書く以外に何か出来ないか、とか思いまして。 あ、「即死」とか言うのはもう大丈夫なんですね。さっき理解しました。 では、先述のSS書きます。長いです。どうぞ
35 :
ネームレス :04/06/01 20:50 ID:3AhrZbBE
「やぁやぁ、皆様。からくりパラレルワールドにようこそお越し下さいました。 此処では当サーカスの団員達が、皆様に普段とは違った演目をご披露しまする。 因みに未成年は御覧になれませんぞ。それでは、愛憎渦まくこの演目、鷹揚のご見物を…」 スルスルスル… 勝はシルベストリとの闘いに敗北した。 エレオノールを護れなかった、と後悔する暇も無かった。 逆上したシルベストリが、フェイスレスと勝のゲームのルールを破り、 彼を一瞬で斬殺してしまったからである。 此処は「真夜中のサーカス」テント。落ち着きを取り戻したシルベストリが、 フェイスレスに必死で弁解している。 「こいつったら、造物主様の命令よりも、自分の都合を優先させたのよ。信じられるぅ?」 コロンビーヌが茶化して周囲に言い触らす。第三者から見れば、シルベストリの行動は、 彼が「変われた」と言う事になるのだろう。だが、フェイスレスにしてみれば、 それは命令無視以外の何物でも無かった。 「お前さぁ、もう良いから。存在すんな」 普段と変わらぬふざけた物言いの中にも、怒りが含まれている。
36 :
ネームレス :04/06/01 20:53 ID:3AhrZbBE
彼がシルベストリに工具を宛がう…一瞬!シルベストリの体は、元の構成部品の集合に帰された。 彼がシルベストリに工具を宛がう…一瞬!シルベストリの体は、元の構成部品の集合に帰された。 「おい、ちょっとそこ等辺の、これ掃除しといて」 直ぐに下々の団員達が、数十秒前迄シルベストリを構成していたパーツを片付ける。 彼の先程行った『分解』は、団員達に見せしめの効果も齎した様だ。 「コロンビーヌ、取り敢えずさぁ、エレオノールを連れて来てくれない?適当にその辺の奴等連れてって良いから」 黒賀村、仲町サーカステント内。この村での興行は、それ以外の場所でのそれとは事情が違った。 人形繰りが当然の様に行われるこの村に於いて、エレオノールのマリオネットの演目は、 何時程の物珍しさを観客に与えられなかったのだ。仲町の指示で、公演二日目から、 彼女はコントーションやアクロバットに専念する事となった。 そんな公演の三日目、クライマックスのアクロバット中、事件は起きた。 突如、観客席の一角から、観客のふりをしていた大量の自動人形とOが丸盆に飛び出して来た。 観客席から悲鳴があがる。しかし、エレオノールは、そんな悲鳴も聞こえぬ程の悪寒を感じていた。 直太は彼女の横でオロオロしている。彼女は、直ぐに冷静さを取り戻す。「自動人形!?」 そして、直後に気付いた。自分の傍にマリオネットが無い。「しろがね」化しているとは言え、 女性の彼女には、丸腰で自動人形達と闘う術は無かった。 素手で彼等と闘える鳴海にしても、今は生方法安と共に四国に居る。 自動人形達が任務を遂行するのに、時間は懸らなかった。 再び「真夜中のサーカス」テント内。エレオノールは、丸盆中央の柱に張り付けにされていた。 「やぁ、久しぶりだね、エレオノォォール…逢いたかったよ」 「貴方は誰?私を放しなさい!」 「おんやぁ〜?つれない事を言うねぇ。僕は君を良ぉく知っている…それこそ勝なんかよりもね。 それに君も僕に何度か会っている筈だよ」 ハッとして彼女は気付いた。そう言えば勝は、花火大会の日から帰って来ていなかった。 ギイが何も言わずにサーカス修行に連れて行ったのだと、他の団員同様安心していた。 「私は知らないと言っているだろう…貴様、お坊ちゃまに何かしたのか」
37 :
ネームレス :04/06/01 20:54 ID:3AhrZbBE
フェイスレスは邪悪に満ちた笑みで、サングラスを外し、顔を変えていく。 その顔は、エレオノールの脳裏に鮮烈に焼き付けられたものだった。 「しょ…正二様?」 「そうさ。尤も、君の中の正二は、僕のイメージだろうけど、本物は別に居たよ。因みに勝はほら…」 と、テントの隅を指差す。其処には、真っ二つに斬り裂かれた、小学生位の大きさの腐肉の塊が在った。 「う、う…うわぁぁぁぁぁぁ〜!!!!」 エレオノールの口から、とても彼女の物とは想像出来ない様な悲鳴… いや、咆哮と呼ぶ方が相応しい様な声が溢れた。 彼女の自我が崩壊しそうになる。彼女は何故だか解らないが、判ってしまった。あれが「勝だった物」だと。 もう、呆然自失で物も言えない彼女に、更に追い討ちをかける。 「そう言う事さ。そして、君はこの顔と共に、この言葉も覚えているだろう? 『お前は微笑みさえ忘れた可哀想な人形だ…』」 フェイスレスの口から、かつての彼女の行動理由となっていた言葉が紡がれる。 「…と、言う事さ。因みに本物の正二は今頃、勝と同じ処に居るんじゃ無いかな。」 父・正二がずっと隠しておきたかった事実の一部を、この憎むべき敵はペラペラと明かしていく。 「あぁ、勝の事なら心配要らない。直ぐに代わりを作るからね。 おい、其処のお前、アレ持って来てよ」 と、Oが持って来たのは、勝と同じ形をした「容れ物」だった。 「いやね、僕の部下がお茶目しちゃって、勝をぶっ殺しちゃったんだよ。 僕としてもそれは不本意な事だ。で、作ったのさ」 もうエレオノールには何が何だか解らない。 「で、僕があの中に入るから、君には『しろがね』を辞めて貰おうかと思ってね」 フェイスレスは、何やらガチャガチャと医療器具を準備する。 「これで君の血液を全部入れ替えてね」
38 :
ネームレス :04/06/01 20:55 ID:3AhrZbBE
エレオノールから「生命の水」を含んだ体液と言う体液が何度にも分けて、残らず吸いだされ、 代わりに彼の部下が連れて来た人間の体液が注ぎ込まれる。 「便利だよねぇ、『しろがね』は。血液型が関係無いんだから」 フェイスレスは、そんな事を呟きながら、勝の形をしたOに自らをダウンロードしていく。 その後、エレオノールの体から抜き出した体液の蛋白質を分解、「生命の水」と分離する。 分離された「生命の水」に微弱な電流を加え続ける。すると、その中に保たれていた記憶は失われ、 純粋な「生命の水」となる。彼の愛した、人間・フランシーヌやエレオノールの記憶を取り除く事となるが、 エレオノールは目の前に居るし、フランシーヌの記憶も90年の間に彼女の脳に刻み込まれた筈だ。 「僕が君になっても仕方無いからねぇ」 既にエレオノールの瞳は銀色から黒へと変化していた。 「黒かぁ…僕ぁてっきり青になるかと思ってたんだが。この分だと、生え変わって来る髪の毛も黒かな」 彼は、彼女が正二の子だとは知らない。 「まぁ、待っててよ。その内、僕が『生命の水』の成分を解析して、もう一度『しろがね』にしてあげるから」 と、言いつつ勝のOに稀釈した「生命の水」を注ぎ込む。 「永遠の愛」よりも、エレオノールを従わせる方が先決と言う訳だ。 「「ほら、これで僕は2人になったのさ」」「僕の体の僕と」「勝の体の僕でね」 何も考えられなかったエレオノールも、漸く自我を取り戻しつつあった。 どうやら、「考える」と言う事に於いては「しろがね」よりも、 意識を支配されない普通の人間の方が向いているらしかった。
39 :
ネームレス :04/06/01 20:56 ID:3AhrZbBE
「じゃ、勝の体の僕よ。楽しんでくれ給え。僕はモニターで見ている事にするよ」 「クッ!放せ!放さないかっ!」 エレオノールは必死に暴れる。彼女が暴れているのには、他にも理由が在った。 「しろがね」から普通の人間に戻された彼女は、当然筋力も落ちる。 彼女が体液を全て入れ替えられた際、当然ながら喉の渇きを覚えた彼女は、フェイスレスの出す水を飲んだ。 それから数時間。今迄「しろがね」だった体に残された筋力と彼女特有の精神力とで、 彼女は尿意を堪えて来たが、完全に並の女性の筋力に戻った彼女には、これ以上は堪えられなかった。 「おのれぇ〜…」 膝を忙しなく動かす。彼女も一人の女性である。勝の事は気に掛かったが、 今はそれよりも何よりも放尿したい、失禁は避けたい。それで頭が一杯だった。 「あれぇ、お姉ちゃん、どうしたの?さっきから落ち着きが無いね。 『しろがね』はクールが売りでしょ?」 そう言われると、脚の動きを止めざるを得ない。それは、彼女の「限界」を早める事となった。 マリオネットの時の衣装と異なり、アクロバット用の衣装はエレオノールの美しい体のラインにピッタリ貼り付いている。 その膀胱の部分だけが不自然に膨らんでいるのだから、彼女が尿意を我慢しているのは、誰の目にも明らかであった。 それをフェイスレスは、敢えて知らぬふりをして彼女に訊いたのだ―恥辱を与える為に。 尿意をどうする事も出来ず、とうとうエレオノールは恥を忍んで懇願した。 「お願い、トイレに行かせて頂戴…」 「あ、我慢してたんだね。どっちの方?」 と、勝の姿をしたフェイスレスは、更なる恥辱を与える質問をする。 「…何でも良いでしょう。早く行かせて」 「う〜ん、だって逃げちゃうかも知れないでしょ?そしたら、僕が「僕」に怒られちゃうからさぁ。答えてくれなきゃ駄目だよ」 「う…小さい方よ」もう恥も何よりも、トイレに行きたいエレオノールは、仕方無くそう言った。 「あ、そうなんだ。じゃあ、行かせてあげる…但し、これから僕の事、愛して護ってね」 「ふざけるな!そんな条件が飲める訳が無いだろう」 「じゃあ、駄目だよ。我慢しててね」
40 :
ネームレス :04/06/01 20:57 ID:3AhrZbBE
もう尿意は限界だったが、こんな男に服従する位なら、失禁した方が良いと思った。 我慢している事も知られてしまったので、今更隠しても無駄だ。彼女は再び膝を摺り合わせて我慢を続けた。 …不意にその脚の動きが止まる。 「あ…あ、み、見るな!見ないで!あっちを向いてて!」 シュウウウウゥゥゥ…見る見る彼女のサーカス衣装の股間の部分が、濃い色に染まって行く。 「あ〜ぁ、お姉ちゃん大人なのに、我慢出来ずにお漏らししちゃったんだ」 だが、エレオノールは失禁した事で、尿意の苦痛から解放され、少し普段の彼女を取り戻していた。 「だから何?この状況なら、仕方が無いでしょう?」 「お洋服汚れちゃったから、着替えて体も洗わなきゃね」 勝のOは、ナイフを取り出し、彼女の衣装を縦に裂いていく。 男を魅了する部分の一つである豊満なバストが露わになる。 裸を見られたくない。エレオノールはそう思った。以前の彼女なら、裸を見られる事に抵抗は無かったが、 鳴海と逢って彼女は変わった。この体は、本物の勝と鳴海以外の男性に見られたくなかったのだ。 「僕も本当は、こんな非道い事はしたくないんだよ。でも、君が言う事聞いてくれないから…」 滅茶苦茶な事を言う。そして、エレオノールはこの勝の姿をした嫌な男に全裸を晒す事になった。 「うわぁ…やっぱり綺麗だね。僕は医者だけど、こうして女の人の裸を見るのは初めてだよ。 僕は君以外の女性に興味なんて無いんだから」 そう言いつつも、彼の反応は極めて冷静だ。 「おい、これ処分しといて」勝のOが指示を出す。 すると、下働きの自動人形が、濡れタオルを使って、エレオノールの股間を拭き清めた。 勝のOはと言うと、尿に塗れた彼女の下着を嗅ぎ、舐めている。 「お姉ちゃんの物だったら、何でも全然汚いと思わないよ」 狂ってる…エレオノールは吐き気を覚えた。 「僕、お姉ちゃんが言う事聞いてくれる良い方法思い付いちゃった」 と、自動人形達に指示し、彼女を柱から放し、大の字に縛る。 「コロンビーヌ、おいで」
41 :
ネームレス :04/06/01 20:58 ID:3AhrZbBE
「ばぁ〜!」 突如、エレオノールの視界が舌を出した逆さの女性の顔で埋め尽くされる。 「キャハハハ!びっくりした?びっくりした?」 見ると、其処にはサハラのでの戦いで壊れる以前の姿のコロンビーヌがケラケラと哂っていた。 「彼女は、最古の四人の紅一点で、虫使いのコロンビーヌ嬢だ。僕の手伝いをして貰う事になってね」 「そ。宜しくねぇ☆」 妖しく微笑んでみせるコロンビーヌ。彼女がこの姿に戻れたのには、理由が在った。それは… パチン!コロンビーヌが指を鳴らす。すると、彼女のターバンの中から、2体の小型虫型人形(ヒュジプーぺ)が飛び出し、 彼女の耳朶へと飛んで行く。良く見ると、それ等の虫型人形には、唇、歯、舌、2本の指型の脚を備えており、 その歯を唇でエレオノールの耳朶を甘噛みし始めた。 「どう?人間の女性って、こうされると、『感じる』んでしょ?」 エレオノールは、死んだ勝や自分の愛する鳴海の為にも、絶対にこの腹の立つ男の言いなりにはならない、と決心した。 「別に。兎に影を踏まれた程にも感じないわね」 「あら、そお?じゃ次」パチン! 又も2体の虫型人形が飛び出し、彼女の耳に入り込み、その中を舐め回す。 「こんな事、普通の人間じゃ出来ないからねぇ」 勝Oは関心してみせる。エレオノールは不快感しか覚えなかった。この男が何をしたいのかはサッパリ理解出来ない。 パチン! 次の2体は彼女の鼻孔に侵入した。エレオノールの不快感は増すばかりだったが、 此処で虫型人形のカメラのモニターを見ていた勝のOがとんでもない事を言い出した。
42 :
ネームレス :04/06/01 20:59 ID:3AhrZbBE
「あれ、鼻の中に鼻糞が在るよ。取っちゃっても良い?」 エレオノールは先程から、常に無表情を装っていたが、これには流石に頬を染めてしまう。 「コロンビーヌ、頼むよ」 コロンビーヌは虫型人形を操り、彼女の鼻から鼻糞と鼻毛を全て取り出させ、 それを勝Oの元に届けさせた。 「僕の愛の証明だよ。これで信じてね」 と、勝Oはその塊を口に放り込む。 「うん。美味しい」 人造人間の彼に味覚が有るのかは判らないが、どちらにしても狂っている。 エレオノールは、初めてこの男に恐怖を感じた。 虫型人形は再び彼女の鼻孔に戻り、其処を陵辱している。 「ウフフ…次から本気よぉ」パチン! 今度の2体は、うなじと背中。 パチン!次の2体は両腋。 パチン!更に太腿。 パチン!臍と首筋。 パチンパチンパチンパチン…更に20体の虫型人形が、彼女の両手、両足の指に纏わり付く。 指迄固定されている彼女に、抵抗する術は無い。 それ等は何体もの同胞を破壊してきた美しい指先をしゃぶり出す。 …次第に彼女の感覚の中に、不快感とは別の物が芽生え始める。 声を出すものか、声を出したら負けだ、と思い、必死で声を抑える。 「フーッ…フーッ」 声を出さない分、次第に息が荒くなる。
43 :
ネームレス :04/06/01 21:01 ID:3AhrZbBE
「お姉ちゃんマゾなの?又我慢してるし。でも、これは我慢出来るかなぁ」 パチン!次の2体は、エレオノールの左右の小陰唇に取り付き、その部分を寛げた。 銀毛の中に、ピンクの花びらが開花する。彼女のそこは、 美しくは在ったが、全てが完璧に作られている彼女の中で、その部分だけが崩れている様にも思えた。 「ウッ!…クウゥ…」 見られたくなかった。この部分だけは、鳴海以外に見られる訳にはいかなかったのに、 無残にもこの男の前で開かれている。 その屈辱は、今迄とは比べ物にならなかった。 その忌々しい人形は、彼女の花びらを噛んだり、舐めたり、伸ばしたり、と好き放題だ。 「ウフッ。次はもっと凄いのよぉ」 パチン!何と、今度の2体は、サイズに大小が在り其々彼女の肛門と尿道口に向かって飛んで行った。 「うぅ…あ!そ、そんな処」 流石にエレオノールも慌てるが、動けないのではどうしようも無い。 肛門の方は無理矢理抉じ開けられ、人形が半身を埋めつつその周辺を舐め回す。 尿道口の方は、虫型人形の脚を捻じ込まれ、出し入れをされている。 「ふぅ…ああっ!あっ!くぅ…」 声が漏れそうになるが、必死で歯を食い縛るエレオノール。 「良く我慢するよねぇ。ご褒美に、最後はオマケして一気に5体だよ。嬉しいでしょ?じゃ、コロンビーヌ」 と勝O。パチン! 今度の5体はサイズに大小こそ無かったが、それ迄の物より精巧に作られていた。 2体は、エレオノールの両乳首に取り付く。その場所で乳輪を撫で回しつつ、乳首を唇に含んだ。 残る3体の内、2体は、彼女のクリトリスに取り付き、1体がそれを保護する包皮を限界迄剥き上げた。 「がっ!」今迄刺激に耐えていた彼女も思わず声をあげ、目を見開いてしまう。 もう1体は、剥き上げられた先端をまるでフェラチオの様にしゃぶり始めた。 剥き上げた包皮を戻らない様に保持している方も、包皮と本体の境目を舐めている。 そして、最後の1体には、フェイスレスは入念なプログラムを組み込んでおいた。 その1体は、処女膜を破らぬ様避け、膣内に侵入すると、その指で彼女のGスポットをマッサージし始めたのだ。
44 :
ネームレス :04/06/01 21:03 ID:3AhrZbBE
「クゥウ…あっ!あ〜!ひあぁぁぁ〜!」 堪らず大声をあげてしまう。その声は、今迄の落ち着いた低音では無く、 何時もより遥かに高い「発情した女」の声に変わっていった。 普段の彼女では絶対に出せない音域の声。 その声を自分で聞いて驚いた彼女は、何とか正気を取り戻そうと躍起になる。 しかし、機械が精密かつ完全に与えて来る適切な刺激には抗えない。 「わぁ〜凄い凄い!乳首とクリちゃんってこんな風になるのね。私にはこんなの付いてないもんなぁ。」 コロンビーヌは嫉妬とも呼べる感情を彼女に覚えた。 「よ〜し、それじゃあ、サクランボの早食い競争ぉっ!」 一本指を高く掲げ、お道化たポーズで虫型人形に指示を出す。 その部分から全身に伝わる電流の様な物の量が、更に増す。 彼女はその部分に意識を集中させ、何とか勃起を抑えようと試みたが、それは、彼女の感度を高める結果しか齎さなかった。 彼女の背中にゾクゾクとした感覚が走り、全身は真っ赤に紅潮していった。 「アッ!!アアアアアァァァァァァァッ!ヒィィィ!!」 もう良い…疲れた。エレオノールは快感に身を任せる事にした。 初めての経験だが、もう其処迄絶頂が来ている事が判る。 彼女の膣やクリトリスが痙攣し始めた。彼女のクリトリスが一際大きく膨らむ。 これで楽になれる…と、全身を蠢いていた自動人形の動きが止まった。 「!…?」 何が起こったのか解らない彼女は、頭の中を整理しようとしていた。 コロンビーヌが声を掛ける。 「どうしたの?止めちゃ嫌だった?」 「いいえ。止めて貰えるのなら、是非止めて貰いたかったわ」 と虚勢を張ると、彼女は 「ああん、エレオノールちゃん、可愛いわぁ」 と、エレオノールの唇に下を差し込んだ。 普段なら不快にしか思わない筈のこの刺激が快感に思える事にエレオノールは戸惑った。 「汚らわしい!」 「強気なトコも可愛いわねぇ。も〜抱き締めちゃいたい。でも、今は駄目。後でゆっくり…ね?じゃ、もう一回」 再び虫型人形達が『作業』を始める。
45 :
ネームレス :04/06/01 21:03 ID:3AhrZbBE
ポタッ…ポタッ…何十回寸止めされただろう、何時間続けられたのだろう。エレオノールは記憶を辿れなかった。 既に足元には小さな愛液の水溜りが出来ている。 もう、どうなっても良いから、最後迄して欲しいと思った。そして、又絶頂が近付き、思わず叫ぶ。 「お願い!止めないで!」 「うん。いいよ」 不思議と勝のOはアッサリと承諾した。 「良かったわねぇ。造物主様はお優しい方なのよ」 パン!コロンビーヌが手を叩くと、エレオノールの体に潜んでいる虫型人形達が一斉に動き始める。 「アッ!何か来るッ!!イィアァァァァ!!!!」 「ハァ…ハァ…」 まだ息の荒い侭のエレオノールにコロンビーヌが声を掛ける。 「どう?良かったでしょう?貴女のお願い、聞いてあげたんだから、造物主様を愛してあげなきゃね☆」 「ハァ…だ、誰がこんな奴の良い様にするものか」 一度気をやって、落ち着きを取り戻したエレオノールは、再び強さを取り戻していた。 「あ〜ぁ、仕方無いなぁ。造物主様、良いでしょ?」 「あぁ、本当に仕方無いよね。でも、我侭な君の願いは、徹底的に叶えてあげるよ」 コロンビーヌはフルートを取り出し、『フルートと弦楽の為の「コロンビーヌ」』を奏でる。 すると、そのフルートから銀の煙が噴出し、エレオノールの鼻孔と口に吸い込まれて行った。 「何をした?」 エレオノールには何が何だか解らないが、肺の中で熱を持った何かが蠢いている様な気がした。 「ゾナハ病は知ってるよね?尤もこれは、ゾナハ病とは少し違う自動人形なんだけど」 勝Oが解説を始める。エレオノールは身構えた。 既に体内から全ての「生命の水」を抜き取られた彼女には、この未知の病から逃れる術は無い。 「ほらほらぁ、そんな顔しないの。この煙は、貴女にとぉっても良い事してくれるんだもん♪」 コロンビーヌが解説を引き継ぐ。 「この小さな虫達はね、貴女の肺から血液中に溶け込んで、貴女の乳首とクリちゃんに移動するの。 そしてね、その部分に大量に血を集めさせるのよぉ!どう、凄く気持ち良さそうでしょ〜?」
46 :
ネームレス :04/06/01 21:04 ID:3AhrZbBE
そう言われて、エレオノールは己の乳首に注目した。 先程迄、小豆程度の大きさだったそれは、今は正にサクランボ大に膨らんでいた。 恐らく、下の突起も同じ状況だろう。何だか、むず痒い様な感覚が在る。 実際、先程最大迄勃起した状態でも、15mm足らずだったその女根は、今は倍近くに膨れていた。 どちらの突起も破裂寸前の様に見える程膨らみ、陰核に至っては、ヒクヒクと蠢きさえしている。 恐らく、包皮を押さえる役はもう不要だろう。 「じゃ、内と外から同時に責めるわよ」 コロンビーヌがフルートを続けて奏でる。 「あぁっ!さ、さっきよりも…ヒッ!」 ピシャッ、パシャッ…イったばかりなのに、全身の性感帯を刺激され、 エレオノールは堪える間も無く潮を吹いた。 「あらあら…でも、まだまだよぉ」 潮を吹いても、絶頂を迎えても、刺激は止む事が無い……… ………「も、もう止めてぇ〜!苦しっ、苦しい!あぁッ!!いやぁぁ〜…」 「じゃあ、僕の言う事を聞くかい?」 その問い掛けの度、エレオノールは強い意志を取り戻す。 「そんな訳…ヒギッ!無い…だろ…ウッ」 失神しても更なる刺激で意識を引き戻され、又絶頂。 自動人形達は、血さえ在れば動くのだから、止まる事は無く、正確に血管や神経の一本一本を把握し、刺激していく。 「も…オッ!!駄目ッ!!駄目なの!止めてぇっ!!」 完全に女言葉になり、己の限界を宣告する。疾うに強がりは消えていた。 「じゃあ、僕の…」 「うぅ…だ、誰が…」 執拗に繰り返される問答。エレオノールの意志も何時迄も保つ物では無かった。
47 :
ネームレス :04/06/01 21:05 ID:3AhrZbBE
…翌朝。未だにエレオノールは快感の嵐の中に居た。既に涙や鼻水は勿論、 潮も愛液も尿も出し尽くし、虫型人形に開かれたその部分はカラカラに乾いていた。 膣やクリトリスも痙攣する事も出来ず、イけなくなり、体を真っ赤染めていた血の気も抵抗する気力も失せた。 「ウッ!アハァッ!!げぇ…げえぇぇぇ…えっ、えっ…」 とうとう、胃の方が痙攣し、胃液を搾り出す。 勝Oとフェイスレスは、それを舐め取る。そろそろ彼女が限界だと察した。この侭続ければ死んでしまうかも知れない。 「ねぇ、エレオノール?」フェイスレスが尋ねる。 「我侭な君の更なる我侭、聞いてあげようか?」勝Oが尋ねる。 「「その代わり、僕の言う事、聞いてくれるよねぇ?」」 2人の口から、同時に言葉が紡がれる。 「…解りました。これを…これを止めて下さい、フェイスレス司令」 「「『貴方』と呼んでくれ」」 「はい、貴方」 スルスルスル… 「皆様、長〜い演目のご見物、お疲れ様でした。如何がだったでしょうか? 当サーカスの演目、本日これにて全て終了で御座居まする。 又のお越しをお待ちしております。それでは、気を付けて御帰り下さいませ」
48 :
ネームレス :04/06/01 21:09 ID:3AhrZbBE
以上です。書いた後、コミックス読み返して、罪悪感を覚えました…。 食事前、直後の方、本当に済みません。 読んで下さった方、有難うございました。 同人とかその手の世界とは無縁の素人の駄文ですので、粗が在り捲ると思います
49 :
ネームレス :04/06/01 21:16 ID:3AhrZbBE
>36の一行目、削って読んで下さい…鬱だ死NO 連カキ済みません。 大人しく他の職人さんのSS待ってます
良かったけどちょっと急展開かな。 もっとじっくり進めても良かったと思うよ。 でも乙!
51 :
ネームレス :04/06/02 06:54 ID:qsCT24hy
>50 おめえ…やさしいなぁ。ミノルみたいだよ… じゃ無くって、こう言った意見参考になります。dクス。 「潮×麻子は全然エロくなかったから、今度は8割エロでいく!然もなるべく色んな要素を詰め込んで、、圧縮して」 とか思って書いたらこの様ですよ。難しいなぁ。 近代文学専攻なもんで、文も古臭いかなぁ、と密かに反省してたります。
ネームレス様、ネームレス様! 潮×ヒロインズでお願いします。 最後の決戦の後、獣になってしまった潮。 ギリョウ、ジエメイの力をしても進行を止めるのが精一杯。 人間に戻すためには人の温もりを与えてやるしかない、ということになって。 そして集められた少女達… みたいな感じで、麻子、真由子、勇、小夜、純、日輪、設楽、史帆(小説版) 礼子とか彼氏持ちは除外で、あくまで純愛で。 我ながら調子乗り過ぎかw
>>52 いえいえ、こんなリク貰えるなんて、本当嬉しいですよ。
併し、難しい題材ッスね。純愛で9P、ギリョウと決眉の魂も含めると11P。然もALL処女+童貞か…潮、相手出来るのかι?
楽しそうな題材では在りますが、先ず真由子は除外でしょうね―とらや霧雄が居ますから。
次に、水乃緒も除外かと…彼女は設楽の里の学生達仕切ってますから、
経験も在るでしょうし、このメンバーの中では、その点で明らかに浮いていますから。
最後に一つ、大きな問題が…俺や周囲のうしとらファンは、誰も小説版持って無いんですよ。
今は、独り暮らしで田舎な処に住んでるので、入手手段が限られますし。
当然、『我は冥界に斬り結ぶ』も粗筋しか知らず、八十神史帆を「似せる」事が出来ません。
そんな訳で、麻子、勇、小夜、純、日輪(こいつも難しいなぁ)で宜しければ、無い頭捻ってみます。
それに、現在、アイディアで7本。文に起こした物が2本半在るんですが、投下を控えています。
他の職人さんはまだ誰もこのスレに書き込んでいませんので、余り自分が書き込み過ぎても疎まれるだろうし、
自分がスレッドストッパーになっている気がして来たんで。
後、「様」付けはむず痒いんで止めて貰えないでしょうか(笑)。
長くなりましたが、以上です。
現在書きあがっている物は、
・前スレに書いた、獣の槍の使い手の女性の話
・平吉×亜矢『メリーゴーランドへ!』(今の処エロ無し)
書き掛けの物が、
・とらを絡めた歴史物…原作のとらの行動を裏付ける様な話
ですが、他の職人さんに悪いので、暫く静観してます。
>>53 即レスきたあ。
スレを独占と言っても前スレの終盤から停滞気味でしたし、
SSがバンバン投下されて活気が戻った方が他の書き手さんも戻ってくる様な気も。
それに前スレでも33さんや111さんが頑張って下さったお陰で活気が生まれたわけですし。
(ただ、ネット上の悪意が目立つ書き手に向けられる恐れも否定できないですが…)
まあ、あれこれ理由を付けても結局は読みたいだけなんですがw
あと、リクした件ですが、 史帆はとりあえず挙げてみただけで自分もあんまり記憶にないですw 設楽は、最後の決戦直後に麻子の所にいたので、 光覇明宗の使いが麻子を呼びに来たら、一緒に付いてきそうに思ったわけで。 5人も使ってもらえたら大歓喜です。 他のものも読んでみたいですし。
>>54 歴史物の資料探しのついでに覗いて見たら、カキコが在ったんで。54さんも即レスですね。
そう言う事でしたら、何時になるかは解らないですが、書いてみます。
アイディアの神が、先に書いたのも含めて10本程アイディアを残して去ってったので、暫く掛かりそうですが。
取り敢えず、『メリーゴーランドへ!』のSS投下するので、暇潰しにでもして下さい。
高体連、夏の空手道全国大会表彰式。 「優勝、北海道立旭川東高等学校…愛賀平吉君」 拍手が起こる。平吉が亜矢にメリーゴーランドを見せてから半年。 高校3年生となった彼の引退試合は、3連覇と言う最高の形で終る事が出来た。 こうして又、道着に帯を締める事が出来たのは、亜矢の御陰だ。平吉は亜矢の事を思い出していた。 半年前のあの日以来、亜矢には会っていなかった。刑事で在る彼女の兄が、 平吉に亜矢の入院している病院を教えたがらなかったからである。 それには理由があった…。 平吉の表彰が済み、部員達の元に戻ると、同輩や後輩に、囲まれ、 「愛賀さん、やりましたね!おめでとうッス!」 「良かったな!お前が退部した時ゃ、どうなるかと思ったが、『鉄の愛賀』は健在だな!」 と口々に祝福してくれる。皆、自分の事の様に嬉しそうだ。 「へっ…とーぜんよ、とーぜん!皆、応援ありがとな」 平吉も嬉しそうだ。 そんなざわついたムードも少し静まったその時、 「へーきちっ!」 と、彼の厚い胸板に、何処か幼さの残る容姿の美女が飛込んで来る。 「会いたかった…ここに来れば会えると思って。今日の試合、ずっと応援してたんだよ。おめでとう!」 「おい!愛賀、何処でこんな良い女見付けたんだよ?」 「愛賀さんも空手一筋かと思ったら…」 他の部員達が平吉を囃し立てる。 「ちょっ…え?ええと、その…どちらさん?」 平吉は、しどろもどろしながら、何とか記憶からその女の顔を掘り起こそうと躍起になる。 だが、どうしても思い出せない。 1年前のこの日、前の彼女と別れてからは、女に縁が無かった筈だ―1人の少女を除いては…。 「亜矢よ!病気が治ったの!」
大会会場、休憩所の自販機前。2人は、ゆっくり話す為、部員達から離れた場所に移動した。 「はいっ!へーきち!」ポカリスエットを平吉に手渡す。 「お…おう」 何が何だか解らない平吉に対し、目の前の女は嬉しそうだ。 「あんたが国見亜矢だって?半年前はこーんなだったじゃねえか」 と、手で半年前の亜矢の背丈を示す。 「うん。あのね…」 ファンフォテフォリアは、成長と老化を止める症状を持つ病気だった。亜矢は6歳の時、その病気に罹患し、以降13年間6歳の少女の姿の侭であった。 肉体の時間を止められた日々は、年頃の女性である彼女にとって、地獄の様な日々だったであっただろうし、 何時しか彼女の精神の時間も停滞気味にしていった。 だが、半年前、平吉と出会ったあの日、再び彼女の時間は動き始めた。 平吉との出会いが精神を、アメリカからの新薬が肉体を時間の鎖から解き放ったのだ。 それは、その19歳の女性にとって、13年程遅れた初恋であったかも知れない。 次第に体も歳相応に成長し、病院で平吉に恋こがれる日が続いた。 シスコンの兄は平吉に会わせようとはしてくれない。 刑事である兄なら、あの日、警察の厄介になった彼の連絡先位、直ぐに調べられるだろうに…。 1箇月前、退院した亜矢は帰宅する時、旭川駅に貼られた看板に目が行った。 [高等学校体育連盟全国大会出場選手 空手:愛賀平吉 剣道:…] それを見て、いてもたっても居られなくなった亜矢は、今日北海道から東京迄、平吉に会う為だけにやって来たのだ。 「……だから、本当は私の方がお姉さんなんだよ。 それなのに平吉ったら、あたしの事、『おじょーちゃん』だなんて。アハハ…」 身振り手振りを交えて話す亜矢の仕草は、何処か幼いが、その容姿、肢体は間違い無く20歳の物であった。
平吉は驚いていたが、自分の辛い過去すら楽しそうに話す亜矢を可愛いと思った。 きっと、病気が治り、自分に再会出来た事が嬉しくて堪らないのだろう。 平吉は、そんな彼女の「止まっていた時間」の分の幸せを、彼女に取り戻させてやりたいと考えていた。 だが、そんな事を口に出す訳にはいかない。それは同情と取られてしまい兼ねないから。 「そっか…良かったな。退院おめでとう。それに、わざわざ北海道から来てくれたんだな。ありがとさん」 ポンポン、と亜矢の頭を撫でる。 「もう!まだ子ども扱いしてる…でも、有難う。 平吉も優勝おめでとう。平吉は一生懸命頑張ったけど、あたしも一生懸命応援したよ」 体は変わっても、中身は間違い無く半年前の亜矢だ。 平吉は、半年前は「マセたガキだ」と思った彼女に、今は「可愛い」以上の感情を覚えていた。 「良し!じゃあ旭川に帰ったら、二人で遊園地にでも行こうか」 「うん!平吉、大好き!」 平吉の逞しい体に抱きつく亜矢。 2人の思う処は同じだった。 「この人と又一緒にメリーゴーランドが見たい」 平吉は、亜矢と一緒に部員達の処へ戻り、帰り支度を始めた。
以上です。タイトルは『Hurry Go Round』(そう言や、タイトル付けたの初めてだ)。第一部「東京編」完です。 今回は、導入部分でしたので、これだけですが、第二部「遊園地編」、 第三部「クリスマス編」を考えています。 エロは第三部からかなぁ。 取り敢えず、「短く簡潔に」の目標は達成出来たかと。 読んで下さった方、有難うございました。
うわ…違うブラウザ試してみたら、改行ミスってる…又もや鬱死。 作中のファンフォテファリアについてですが、実在しない病名でしたので、 自分の勝手な予測で書きました。主な理由は以下です。 ・亜矢の兄との年齢差 ・『夜の歌』P131の「ちっちゃいときから…」の回想シーンと姿が変わっていない ・P134の5コマ目の亜矢の台詞 ・亜矢の表情が妙に大人びている
幼さの残る仕草でお姉さんぶる亜矢が萌え〜! ベッドの上で勉強した知識”だけ”で平吉をリードして欲しいものだ。 まあ、シスコン兄ちゃんの邪魔が入るんだろうけどw
>>62 自分、『メリーゴーランドへ!』は藤田作品の中でも一番好きなんで、楽しんで貰えると幸いです。
俺、フェチとか無いんで、「萌え」の定義が良く解ってなかったりするんですが、
今回は、潮×麻子の潮の回想で失敗した、ロリへの再挑戦だったりします。
唯、素直にロリータ書いても芸が無いと思って、捻りましたが。
ベッドの上で〜>ウワッ!やられた!そうです。その通りなんですよ。完全に読まれちゃいましたね。
兄に買って貰った『アンネの日記』で性に興味を持った亜矢は…と行こうとしたんですが。
唯、平吉も藤田漫画の主人公にしては珍しく、「経験済み」ですから、只じゃ食われません。
知識VS経験で行こうかと…。
亜矢と二人暮し(両親は居ない筈)のシスコン兄ちゃんは、イヴ〜クリスマスには張り込み捜査に行って貰います(笑)
書き忘れた。連カキ済みません。
先程、アイディアの神が脳内に再降臨して、
>>52 さんのリクのアイディアが出来ました。
此処で提案なのですが、ヒロイン1人につき、1人の職人さんの書く、リレー形式のSSはどうでしょうか?
これなら、八十神史帆も書けますし、登場人物の人数に因るマンネリ化も防げるかと。
>>他の職人さん 如何がでしょうか?まだリレー形式の小説ってこのスレじゃやっていませんでしたので、
良いかな、と思うのですが。自分は、史帆以外なら、誰を担当してもOKです。
昨夜見た夢…、 ゲメルとコースケが武器販売しながら旅をしている夢。 ゲメルは武器を売るついでに、戦争で夫をなくした女達に 性具を売る仕事をコースケに内緒で始めていた。 しかしコースケに見つかってしまい 「ちゃんと性能を試してからじゃないとお客様に失礼だ」と 自分の身体で全製品実体験させられるハメに。 そこまではいいんだが、夢の中でゲメルが 「いやぁぁっ、お願い、コースケッ!、それだけは、 スーパーエクストラゴージャスマルチバイブ ぬ る ぽ だけは 許してえぇぇぇぇっっ!!!」と叫んでいたのが…。 少し2chから距離をおかないとマズいかも、自分。
>>65 何て淫靡な夢だ…ぬるぽは兎も角、読んでみたい。
2chから距離置く前に、是非文章にして起こしてみて下さい…って、もう見てないかな?
他に、『暁の歌』関連だと、虫目が失った手足の代わりに、
性具満載の義手、義足を開発して、ゾナハを…
「僕が君を気持ち良くしてやれたら、ゾナハは嬉しいかい?」なんてのもアリかも。
昨日、
>>1 のSS保管庫とか言うの覗いてみたら…こっ恥ずかしゃあ!!
死にたくなる程Shameful!死にたくなる程Shameful!
あぁぁぁ…こりゃ下手なSS書けないわ。他の職人さんの作品読んでも全然平気なのに、
自作を読むと…鬱。
あ、
>>64 の提案に対する意見訊きたいんで、ageといて良いですか?
一先ずはsageで書き込みますが。此処、何人位居るんだろ?
俺の書き込み多過ぎ。疎まれそう。書けば書く程墓穴を掘る罠。
マジで人少な杉。俺の所為か?取り敢えず、『Hurry Go Round』第二部、「遊園地編」完成です。 勝曰く、観客が居ないと芸人は頑張れないそうですが、自分もちょっとモチベーション落ち気味です。 別に「もっと感想寄越せ」とかじゃ無いんですが。 「お前のレベルが低いからだ」とか「文句(別に文句って訳じゃ無いです)在るなら来るな」とか言われそうですが、 これは連載物ですので、完結迄書かせて貰い、消えるのはその後にします。半端で終わる程気持悪い物は無いんで。 色々言い訳染みた事をほざきましたが、他の職人さんのSS投下迄の暇潰しにでもどうぞ。 俺の書くペースが速過ぎる所為(質的にも、時間的にも)かなぁ、とか考えてみる。
高体連の全国大会で平吉が優勝してから1週間。北海道の高校の夏休みは短い。 既に平吉は、就職予定先に出向き、近所の空手道場の子ども達の指導に当たっていた。 そんなアルバイトも、昨日で終わり、夏休み最後の日。 「おっす!おまたせーっ!」 JR東旭川駅前。バイクに寄り掛かっている平吉の耳に元気な声が聞こえる。 平吉は、声のした方を振り向いた。白い日除け帽子に、飾り気の無いブルーTシャツ、 そして、明らかにハンドメイドと判る程不器用に繕われたデニムのタイトスカート を身に付けた亜矢が立っている。化粧は一切していない。 彼女の余りの美しさに、思わず刮目するが、直ぐに平静を装い、 「おす!そのスカート、亜矢が作ったのか?」 と訊ねる。どうしてもその美しさの中で違和感を醸し出している不細工なスカートが気になって仕方無い。 「うん…あのね。これ、あの時平吉に買って貰った服だったんだけど、 着られなくなっちゃって…でも、ずっと身に付けていたかったから、 その生地で作ったの。勝手にこんな事しちゃって御免ね」 あの一件以来、亜矢は平吉に勝って貰った服を出来る限り着続けた …服がみっともない位に体が成長しようとも。 それは、平吉に会えぬ亜矢のたった一つの拠り所であったのだから。 …勿論、平吉の事ばかりで自分を見てくれない兄は、彼女のそんな行動が不服だったが。 「良いさ。えと、その、なんだ、あの、いやいや、ん…似合ってるぜ!」 「本当!?ありがとう!」 半年前と変わらぬやり取り。変わった事と言えば、互いに名前で呼び捨てる様になった事位か。 「兄貴は何も言わなかったか?」 「う〜ん。エヘヘ…内緒で来ちゃった」 ぺロッと舌を出して罰が悪そうにする亜矢。 平吉は内心、「拙い事訊いちまったな」と思い、 「ま、良いさ。行こうぜ!」 と、気拙い空気を吹き飛ばす様に言って、並んで歩き出す。 行き先は、此処からすぐの、日本最北の動物園、旭山動物園だ。 この動物園に併設された遊園地には、半年前、亜矢に見せたメリーゴーランドが在る。 あの時警察や平吉の手で散々に荒らされたこの場所も、 流石に半年もすれば何事も無かったかの様に修復されていた。
「さて、今度はちゃんと、入園料払って入るか」 「アハハ!そうだねぇ」 そんな少し不謹慎な会話をしつつ、チケットを買う為に亜矢が財布を取り出すと、 「あ、良いぜ。一応、バイトで稼いでんだからな。大人2人ね」 と、平吉が2人分のチケットをさっさと買ってしまう。 「え〜!良いよぉ。あたし、男の人に奢らせる様な嫌な女じゃ無いもん!」 普段の平吉なら、絶対にこんな事はしないであろう。だが、今の平吉は亜矢に良い処が見せたかった。 「良いから良いから。退院記念だ」 そんな事を言いつつ、「『大人2人』なんだなぁ」と考える平吉であった。 「キャー!可愛い〜!見て見て平吉、この子、こっち見てるよ」 亜矢は園内の『アザラシ館』のアザラシの子どもにすっかり夢中だ。13年間も病室で過ごした亜矢には、何もかもが珍しいのだろう。 平吉は、彼女を再び此処に連れて来て、本当に良かったと思った。 「うわぁ!おっきい!平吉みたいだねえ」次に『ホッキョクグマ館』、そして、『ペンギン館』と廻り、『こども牧場』へとやって来た。 此処では、小動物に直接触れる事が出来る。この動物園の売りの一つだ。亜矢はフェレットが気に入った様だ。 「よしよし、大人しいんだね。平吉も撫でてみて、可愛いよ…あれ?平吉?」 フェレットを撫でていた亜矢が振り向くと、平吉は亜矢の言葉が耳に入っていないのか、全く別の方向を凝視している。 その視線の先には、1年前に別れた平吉の彼女と、彼女の新しい彼氏が立っていた。
「あら、平吉。今年も空手、優勝したんですってね?おめでとう。 そこの彼女は新しい恋人かしら?だったら可哀想に…彼女の事より空手を優先する空っぽ男に捕まるなんてね」 平吉は何も言い返せない。只、じっと歯を食い縛って黙っている事しか出来なかった。 「違うもん!平吉は空っぽなんかじゃ無いよ!何にでも…あたしの事にでも、 一生懸命してくれるもん!平吉の事馬鹿にしたら、あたし許さないから!」 そんな平吉を見て、亜矢は彼女に食って掛る。 「貴女も今に解るって、この男が、如何に貴女を見ていないかがね」 「昔の平吉しか知らない癖に!」 一触即発。直ぐにでもキャットファイトの始まりそうなムードだったが、 平吉と彼女の彼氏が間に割って入り、その場は収まった。 「今に後悔するわよ」と、彼女は捨て台詞を残して去って行った。 「後悔なんてしないよ、絶対!」 亜矢はまだ興奮している。 「御免な、亜矢」 「ううん、平吉も気にしないで。平吉は悪くないよ。 何だか怒ったら、お腹空いちゃった。お昼ご飯食べよーよ」
園内のベンチ。亜矢はバッグの中をゴソゴソやっている。 「あたしね、1箇月前から料理の練習してるんだぁ」 勿論、平吉の為だ。その1箇月の成果の弁当を開けて見て、平吉は困った。 「えぇ…と、あの…美味そうな弁当だなぁ〜…」 半ば脱力した棒読み口調。「美味そうな」なんてとんでもない中身である。 火傷したかの様な表面のソーセージ、得体の知れない具が所々はみ出たオニギリ、 恐らく沸騰する前から水に浸されていたであろうスパゲティ、玉子焼きなのか、炒り卵なのか判別の付かない、黄色い物体。 例えるなら…地獄絵図だった。 「うん。頑張ったよ。早く食べよ!いただきま〜す…ウッ!!」 味見もしなかったのだろう。亜矢は自分の料理の味に驚く。 「御免、平吉…失敗しちゃったみたい。何処か食べるトコ探そ」 亜矢は申し訳無さそうだ。そんな亜矢を見て平吉は、 「そんな事無いぞ。美味いぜ」 と、脂汗を掻きながらも、笑顔で弁当を平らげていく。 「美味い、美味い。足りねえなぁ。亜矢、食べないんなら、お前の分も俺が食っちまうぞ」 そんな平吉を見て、この人は本当に自分の事を想ってくれている、と再認識するのだった。 午後からは、併設の遊園地を廻る予定だ。亜矢は案内パンフを楽しそうに眺めている。 どうやら、此処の名物の『スクリューコースター』が気になるらしい。 平吉は、「世間知らずでも、多くの女は絶叫系のアトラクションを好む物なんだな」、と半ば呆れていたが……。 「キャー!!!!」 やはり、女性の本能なのだろうか、亜矢も周りの女性同様、笑顔で叫んでいる。 そんな亜矢の顔を見て、亜矢は笑顔が美しいと思ったし、この多くの女性達の笑顔の中に在っても、亜矢が一番綺麗だと思った。
『スクリューコースター』から降り、次は何に乗ろうかと訊こうとして、亜矢の方を見ると、何やら様子がおかしい。 さっき迄の笑顔はもう無く、目に涙を浮かべて震えている。平吉は何が起こったのか全く理解出来ず、 「どうしたんだ?具合でも悪いのか?」 と訊ねると、 「………った」 「何だって?良く聞こえねーぞ」 「……ちゃった」 「もっと大きな声で。急にどうしたんだよ?」 「…おしっこちびっちゃった」 「何ィ!?」 見ると、タイトスカートから覗く太腿に、細い水流の筋が出来ている。恐らく、初めてのローラーコースターは、堪えたのだろう。 「それでね、まだ残ってる分が出ちゃいそうなの…」 20歳にもなってこんな失態を晒してしまった事が恥ずかしいのだろう。蚊の鳴く様な声だ。 「こ、此処で待ってるから、さっさとトイレ行って来い!」 平吉は、慌てて亜矢をトイレに向かわせた。 「やっぱ、まだ子どもなんだな」
**** おかしい…もう10分以上も待っているのに、亜矢は帰って来ない。ひょっとしたら、迷子になったのかも知れない。 平吉は彼女を探しに、トイレへ向かった。 **** 10分前。 ぷしゃあぁぁぁぁぁ… 「あ〜ぁ、今日のあたし、失敗ばかりだ。もう、嫌になっちゃう…平吉、あたしの事嫌わないかなぁ。ウッウッ…」 トイレの個室の中で、残りを出し切り、彼女は泣いていた。 「とにかく、待たせちゃいけないよね」 顔を洗い、汚れた下着を手に持った侭、トイレを出た。 **** 「あぁっ!何するの!?返してっ!」 平吉がトイレに近付くと、そんな声が聞こえて来た。 「ヘヘッ!おしっこ下着getしてみるテスト」 「便所に行こうとしたら、お宝を手に持った女キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!」 「女神降臨!!」 見ると、三人の男に亜矢が囲まれている。 「てめえらぁっ!」 ダダダダダッ!…ぷち 瞬殺。 「いー歳して、変態こいてんじゃねー!」 「…もうだめぽ」
「大丈夫か、亜矢?つーかおめーも、パンツ手に持って歩いてんじゃねーよ」 世間知らずにも程が在ると言う物だ。すると、亜矢は平吉にしがみ付いてワンワン泣き出した。 「御免なさいへーきちっ!あたしの事嫌わないで!!」 周囲から好奇の視線が寄せられるが、彼等はそれぞれにそれどころでは無かった。 「ちょ…おい、何言ってんだよ?何で俺がおめーの事嫌わなきゃならねーんだ?」 亜矢の思いなど知る由も無い平吉は只目を白黒させるだけだ。 「本当?ウッ…だってあたし、平吉に迷惑掛けてばかりで…エッエッ」 嗚咽を交えながら、彼女は自分の思いを伝える。 「俺にはメーワクなんざ、掛けられた覚えはねーからな」 「あぁ…良かったぁ」 亜矢は再び泣き出す。しかし、今度流したのは歓喜の涙だった。 「兎に角、下着無いんじゃ困るだろ?今日はもう帰ろうぜ」 漸く泣き止んだ亜矢に声を掛ける。 「嫌ッ!まだ廻りたいもん」 彼女の一途さは、長所で在るとともに、頑固さと言う短所にもなり得た。 「だって…」 「『メリーゴランドに行きたいの』だろ?帰る、なんて言って悪かったな。でも、下スッポンポンじゃ乗れねーぜ?」 「ううん。見るだけで良いの。平吉と一緒にメリーゴーランドが見たいの」 「解った。じゃ、行こうか」
キラキラと光を放ちながら笑顔を乗せて回るメリーゴーランド。それは、亜矢の目には、以前見た、無人のメリーゴーランドより輝いて映った。 亜矢の顔が、平吉の大好きな笑顔に変わる。自分はこれが見たくて、亜矢を連れて来たのだと思い出した。 不意に彼女が、平吉の腕に頭を押し付ける。 「あのね…あたしが病気だった時、あたしの話をちゃんと聞いてくれたのって、平吉だけだったんだ。 本当、嬉しかったよ。ホントはもう、お家に帰りたくない。平吉と離れたくないの。 ねぇ…今日、『あたし達』がお家に帰って離れ離れになっても、またこうやって遊んでくれる?」 「あったりめえだろ。俺も楽しかったし、また『俺達』でどっか遊びに行こうぜ」 「うん!」 「じゃ、帰ろうか。家迄送ってくぜ」 亜矢の家、警察の公団住宅。 「あぁ、そうなんだ。また妹が居なくなった。今度こそ誘拐かも知れん。 直ぐに俺もそっちに向かうから、捜索願いを出しといてくれ。済まんな」 勤務から帰った亜矢の兄が、泣きそうな表情で電話を掛けている。 「ただいまー!」 「あ、亜矢…今迄何処行ってたんだ?俺がどんなに心配した事か…」 と行っても、まだ6時過ぎ、門限には早過ぎる時間だが。 「平吉、またね〜」 「何ッ!?愛賀ァ〜ッ!!また貴様かぁ〜!!!!」
以上です。漫画に出て来た地名から特定して、旭山動物園だと考え益した。
旭川には、昔一度行った切りなので、旭川の事、実は良く解ってないです。
調べ調べ書きましたので、旭川に詳しい方、間違い等御指摘下さい。
在り来り過ぎる流れになった様な気もしますが、
>>62 さんの言った「萌え」に重点を置いてみました。
旨くいったかは、「萌え」が良く解っていない自分じゃ判断出来ませんが。
読んで下さった方、有難うございました。
ここ数日、アニメ・漫画系の板を収容しているcomic4鯖が不安定な状態が続いています。 これは、いつもの鯖落ちとは違い、携帯電話からのアクセスの増大が関係しています。 具体的には、パケット代定額制に伴いアクセスが急増し、携帯のアクセス先である c.2ch.netをcomic4と同居させたことが原因です。 現在、c.2ch.netとcomic4のアクセス比率は9:1であり、折角快適に使えていた鯖を ほとんど携帯に占領されてしまっている状況です。 6/3のoyster鯖の争奪に参加して、携帯との同居をやめようという意見も出ましたが、 折角獲得した高性能な鯖を手放すの惜しい、立ち退かされるようで嫌だ、 携帯用の鯖ができるまで我慢した方がいい、等の理由により参加は見送られました。 今後をどうするかについて、以下のスレで議論しています。 興味のある方は是非参加して下さい。 また、comic4鯖住人がいそうなcomic4鯖以外のスレに、この文章を転載して、 何が起きているのか少しでも多くの住人に知らせて下さい。
ここ数日、アニメ・漫画系の板を収容しているcomic4鯖が不安定な状態が続いています。
これは、いつもの鯖落ちとは違い、携帯電話からのアクセスの増大が関係しています。
具体的には、パケット代定額制に伴いアクセスが急増し、携帯のアクセス先である
c.2ch.netをcomic4と同居させたことが原因です。
現在、c.2ch.netとcomic4のアクセス比率は9:1であり、折角快適に使えていた鯖を
ほとんど携帯に占領されてしまっている状況です。
6/3のoyster鯖の争奪に参加して、携帯との同居をやめようという意見も出ましたが、
折角獲得した高性能な鯖を手放すの惜しい、立ち退かされるようで嫌だ、
携帯用の鯖ができるまで我慢した方がいい、等の理由により参加は見送られました。
今後をどうするかについて、以下のスレで議論しています。
興味のある方は是非参加して下さい。
また、comic4鯖住人がいそうなcomic4鯖以外のスレに、この文章を転載して、
何が起きているのか少しでも多くの住人に知らせて下さい。
【漫画アニメ系】comic4が重い重い重い重い重い重い×4
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/operate/1086280890/l50 すまん、肝心のスレアド忘れてたorz
>>77 何処よ!
まあコピペはさておき、
新スレ移行という節目、SSの投下にも関わらずなんの反応も無いというのは、
もう見てる人が居ないってことかねえ?
>>77 あ、やっぱりだ。それについては、向こうで話しませんか?
ネームレスさん乙。 面白ければカキコ多くても文句は出ないと思いますよ。 自分は楽しませてもらっています。 えんえんとカキコなしの日を思えば天国っすよ。
>>82 [面白ければ]なんですが、万人に受け入れられる様なのって、自分には難しいですw。
今回も、自分で良いなと思える物に、「失禁」、「ロリ」、「純愛」、「女同士の争い」、「ヒロインのピンチ」と
色々要素を加味してみたんですが、やはり、陵辱と純愛の様に、同時には存在し得ない要素なんかは、どうした物か悩んでます
―例えば、名無し2ちゃんねらー3人に亜矢がレイプされると、その後のメリーゴーランドのシーンは書けない、と言った風に。
まぁ、SSなんて初めて書く、素人の戯言ですが。
楽しんで貰えて嬉しいです。1人でも「観客」が居れば、頑張れますから。感想、有難うございました。
でも、そろそろ別の人のSSが読んでみたいな。
小説投下はともかく、自分語りが多いとその人の個人スレみたいになるよね
>>84 ですね。済みません。以後気を付けます。
『メリーゴーランドへ!』のSSを書く気分転換に、『からくりの君』のSSを書いてみました。
タイトルは「La Pioggia」です。宜しければ、お読み下さい。
「篠付く雨」とは、こう言う事を表すのか…睚弥三郎こと加当段蔵は、そんな事を思いながら、空を眺めていた。 彼が蘭菊姫とたった2人で狩又貞義の軍勢を壊滅させてから3箇月が過ぎていた。彼等が貞義を倒した事で、 かつて狩又の統治下に在った領地には、領主が不在の状態となり、蘭菊と加当はその地を去ろうとしていた。 だが、その地の民達は喜びながらも、再び貞義の様な者がやって来た時の不安も在ったのだろう。 是非とも文渡に、蘭菊姫にこの地を治めて欲しいと申し出て来たのだ。 要するに、自分達を悪政を布く大名から護ってくれ、と言う事で在る。 確かにこの辺りには、列強に名を連ねる様な領主は居ない。この侭此処を治める者が無ければ、 天下を狙う者達には格好の「空き地」となるだろう。 女が一国を治める、と言うのは珍しい事では在ったが、この侭この地の民達を放って去るのは気が退けた。 彼の様な訳で、今や文渡の家は、嘗ての自分の領地と貞義の領地を合わせた、以前の倍以上の領地を治める領主となり、 加当は蘭菊の忍頭となっていた。
「嘗て自分の抱こうとした女が…愈々身分違いだな」 そんな事をぼやき、まだ数の少ない部下達と、焼け跡から再建された城の警備に当たっている。 パシャッ! 不意に彼の隣で、水の跳ねる様な音が聞こえ、そちらを振り向く …が、其処には只の水溜りが在るのみで、雨は降り続いている。聞き違いか、 と彼はその事を思考の片隅に追いやった。 その日、文渡の城から蘭菊姫の姿が消えた。 暗闇。何も見えない。知覚出来るのは、耳に微かに届く雨の音と、鼻腔を擽る血の匂い、それから、手足を縛る縄の感触。 蘭菊は、自分が何処に居るのかを知ろうとした。確か、自分は明日の領民達への講習の準備をしていた筈だ。 講習と言うのは、領民達の暮らしを楽にする為、農耕用の操り人形の作成法と操り方を教える為の物だ。 半ば強引に任された国だが、自分にしか出来ない方法で、この国を良くして行こう、蘭菊はそう考えたのだ。 そんな彼女の事を領民は皆、心から愛していたし、彼女も素朴で素直な彼等が大好きだった。 …と、ボウ…と行燈に火が灯された。「誰か居る!」蘭菊は身構えた。 恐らく自分を此処に連れて来た者だろう。少なくとも、自分に好意的な意志は持っていない筈だ。 流石の彼女でもその位は察知出来た。2人の人影が見える。一方は男、もう一方は女か。 「こうして直接会うのは、実に1年と4箇月振りか?我が妹、蘭菊よ」 「兄上!?」
彼女の兄、善重が存命だと知ったのは、蘭菊と加当が狩又貞義の城を落とした後の事だった。 16箇月前、文渡久重の長子で、文渡の武将であった善重は軍勢を率いて、狩又と戦い、 それっ切り行方不明になっていたが、 2箇月前、血縁の城主を頼って家を興し、蘭菊の治める国に度々文を寄越して来た。 最初は、己の国と彼女の国を統合させよう、と言う内容だった。久重の長子である自分が文渡を名乗る、と言う事だ。 だが、民も城の者達も、良い顔はしなかった。善重は、父・久重とは違い、兎に角領地を広げる事しか頭に無く、 民の事など全く考えていない、との評判だったからだ。蘭菊はその申し出を何度も断った。 すると今度は、戦闘様の"死なずの忍び"や操り人形の製作法、操り方を教えてくれ、と頼んで来たのだ。 久重は、息子達には剣術を、娘達には人形繰りを教え、育てた。 文渡久重や狩又貞義亡き今、それ等は蘭菊の頭の中にのみ存在する知識だったのだ。 恐らく、善重がそれを知れば、真っ先に潰されるのは蘭菊の国だろう。 自分以外にこの知識を持つ物は、善重には邪魔になるし、蘭菊の国を潰してしまえば、 結局欲しかった領地も手に入る。蘭菊や領民から見れば、最初の申し出も今度の申し出も同じ事だ。 当然、彼女はこの申し出も断り続けた。
「私から、人形に関する知識を聞き出そう、と言う訳ですか」 恐怖に震えながらも、蘭菊は気丈に堂々と訊ねる。この3箇月で、彼女も大名としての風格を備えざるを得なかった。 「御前が如何しても渋るのでな、私も此う言う手段を取るしか無かったのじゃ。民の為にも、是の国は広げねば為らぬ。 御互い難儀な事じゃな、大名と言う物は」 蘭菊は、「兄上は民の事など、何も考えて居られぬでは在りませんか」 と言おうとして、ゾクッとした悪寒を感じて黙った。善重の隣の女が彼女に近付いて来たからだ。 その女は、蘭菊よりも一回り年上だろうか。蘭菊とは趣の違う、鍛え抜かれた美しい体に忍び衣を纏い、 何処か淫靡ささえ匂わせる、妖し気な美貌を持つ女だった。 「私を攫ったのは、貴女ですね?あの警備の中、そんな事が出来る貴女は何者です!?」 勇気を振り絞って問う。そうでもしなければ、この蘭菊と然程上背の変わらぬ女の放つ気に押し潰されてしまいそうに思えた。 「蘭菊様、御機嫌麗しゅう。私は、菊花。善重様に御仕えする、『妖術使い』に御座居ます」 「そう言う事だ、蘭菊。人形に関する事は、彼女に聞き出して貰う事にした。菊の華同士、仲良くしてやってくれ」 「宜しくね、御姫様。私と少し、戯れ遊びをしましょう」 「女を縛って手を上げるのですか…情け無い。人のする事とは思えません!!」 拷問を予期した蘭菊は、彼等に抗議する。すると菊花はクスリ、と妖しく微笑み、 「あらあら、聞き出す手段は痛みを伴う物許りでは無いのよ。 寧ろ女には逆…快楽を与えて聞き出す方が、効果的なの」 「御前には何の事だか解らぬだろうが、菊花は房中術にも長けておってな。 そんな訳で、御前の事は彼女に一任したのだ。」 どうやら此処は、拷問室らしい。蘭菊が闇に慣れて来た目を凝らすと、数々の見慣れない器具が目に入った。
「では、蘭菊様、戯れ遊びの前に長旅で溜まった物を御出ししましょうね」 スッと彼女の着物の裾を開き、裾除の紐を解くと、彼女の秘められた部分が露わになる。 肉感的で真っ白な太腿、柔らかそうな大陰唇、それを薄く覆う陰毛…。 だが、何をされるか見当も付かない蘭菊はキョトンとした様子で、菊花の行動を見ている。 昔から、城の中だけで過ごして来た彼女には、その部分を見られる事も顔を見られる事と大した違いは無かった。 菊花は直径が5oにも満たない細い管と器を手に取り、管の片側10p位を火で炙って消毒する。 そして、 「それでは、失礼して…」 と、蘭菊のピッタリと閉じられた肉の割れ目を片手で押し開いた。 「ひゃっ…」 開かれたその部分に冷たい空気が流れ込み、入れ替わりに今迄そこに籠っていた生暖かい空気が、 蘭菊の濃厚な匂いと共に流れ出す。菊花はその空気を鼻腔一杯に吸い込み、 「これが貴女の匂いね。私、女の此処の匂い、大好きなの。 あら…随分恥垢が溜まっているわ。女の子なんだから、湯浴みしたら、 此処もちゃんと洗わなくちゃ。後で綺麗にしてあげるわね」 綺麗にしてあげる、と言われて蘭菊は、 「はぁ…御教授有難う御座居ます。宜しく御願いします」 と間抜けた返答を返す。だが、そんな事を言っていられるのも今だけだった。
菊花が、例の管を持ち、蘭菊の股間に近付ける。 「キャッ…何をするのですか?」 蘭菊は、自分の体にそれが入れられる、と言う事に気が付き、恐怖を覚えて、思わず悲鳴をあげた。 「だから、さっきも言った様に、『溜まった物』を出すのよ。動くと危ないから、凝っとしててね」 菊花の持つ管が、蘭菊の尿道口に触れ、その先端が微かに埋まる。 「ひやあぁぁ…ヒッ!嫌ぁ…」 今迄、尿以外は何物も触れた事の無い、尿道の内部に、固形物が入って来る。苦痛こそ無かったが、 痒い様な、擽ったい様な、それでいて苦しい様な未知の感覚に、蘭菊はどう対処して良いか分からなかった。 尿道内をゆっくりと進んで来る管。彼女はその進行を何とか止めようと、その部分に力を入れる。 だが、女の尿道は短く、括約筋も一つしかない。その管の動きは、彼女の意志ではどうしようも無かった。 不意に、先程とはまた違った感覚に襲われる。この感覚は… 「これで良し、と」 菊花は管のもう一方の端を大きな器の中に入れた。 チョロッチョロロロロ… 彼女自身に全くその気は無いのに、その管を介して蘭菊の尿はどんどん流れ出して行く。 「おうおう…随分と溜め込んでおったのだな。我慢は良くないぞ」 この兄は、16箇月振りに会った妹に対する同情など、全く無かった。在るのは、軍事力や権力、領地に対する欲だった。 「あぁぁぁぁ〜…止めてっ!止めて下さい…めなじり様…御助け下さい」 蘭菊は、初めて経験する導尿に半ば脱力し、最後の方などは消え入りそうな声で呟いた。当然、「睚じゃ!ま・な・じ・り!」と言う何時もの声は聞こえて来ない。 家を興す際、国を治める際、彼女の心は、自身が思っているよりも遥かに加当を頼りにしていた。
「便利でしょう?これを使えば、女も立った侭、汚さずに放尿出来るのよ。 導尿管って言うの。暫く挿した侭にしときましょうね。次は、大きい方を出しましょう」 蘭菊の気持など御構い無しに、菊花は説明し、新たな器に注いであった水に、得体の知れぬ粉を溶いて行く。 「嫌ッ!これを抜いて下さい!何か…何か可笑しいのです」 そんな蘭菊の懇願を聞いても、菊花は顔色一つ変えず、木製の水鉄砲の様な物に、調合した液を注ぎ込む。 「少し、力を抜いて楽にして居てね。じゃ無いと、今度は痛いわよ」 未だ着物の裾から覗く導尿管から尿を垂れ流し、目からは涙を流している蘭菊に楽しそうにそう、言い放つ。 そして、彼女を縛り付けている柱の裏に回り込み、彼女の着物と尻を後方から割り開く。 「まぁ、こっちには殆ど毛が生えて居ないのね。羨ましいわ」 「止めて下さい。そんな処…不浄です」 蘭菊のそこは、まだ余り肉が付いておらず、且、紫掛った桃色の肛門の発毛も控え目だった。 その小さく窄まった可憐な穴に、菊花は慣れた手付きで薬液を注ぎ込んで行く。 「ヒゥッ…つ、冷たい」 普段は、便を外に排出する事しか無いその穴に、今は逆に訳の解らない物を流し込まれている。 「私の体は壊れてしまうのかも知れない…まなじろ様との約束を果たす前に」 そう思うと、彼女の目から再び止め処無い涙が溢れ出す。 「もう力を入れても良いわよ。さて、どの位保つか知ら?」 突然、彼女の下腹を衝撃が襲う。とは言っても、月経などとは微妙に違うこの鈍痛は… 「あのっ…若し!御不浄に行かせては貰えませぬか?」 急に便意を感じた彼女は、一刻も早く、腹の中で暴れるこの痛みから逃れたかった。 「駄目じゃ。尤も御前が私に人形の作り方を伝授すると言うのなら、話は別じゃがな。御前ももう大人、我慢せい」 にべも無く善重が言い放つ。 「…と、言う事らしいわ。残念だったわね」 民の為にも、そんな条件を飲む訳には行かない。彼女はこの苦痛と闘う決意を固めた。
「クッ…ふぅぅ」 息が漏れる。同時に、彼女の肛門も窄まり、その部分にかなりの力が込められている事が判る。 もう蘭菊のその穴は決壊寸前だった。彼女の全身は、脂汗に塗れ、麗しい貌はテラテラと灯篭の灯りを反射する。 体は筋肉の緊張の為に震え、彼女の股間から突き出した導尿管の先端を揺らす。 波の在るその苦痛に、彼女は慣れ初めてはいたが、同時に自分の限界も知る事となった。 次の波が来たら漏らしてしまうかも知れない。何度そう思ったか判らない。だが、今度波が来た時こそ、決壊の瞬間だと思われた。 その波が来た。 「ふぅぅぅ…」 彼女は再び、尻とその周辺の筋肉を総動員させ、何とか抵抗しようと試みる。 だが、今度の波は中々去ってはくれない。それ処か、次第に強まりすらしている。 「クフゥッ…御願いです。ここから疾く出て行って下さい」 シュッ…と彼女の肛門を液体が通り抜ける。それは、彼女の体内で温められた薬液だった。 続けて、異臭を放つペースト状の物が、彼女の着物を汚す。 「アァッ!嫌!止まって!あぁぁぁ…」 腹筋の弱い女性の御多分に漏れず、彼女も通じは悪い方だった。3日分の彼女の食料だった物が、彼女の穴から次々排出されて行く。 「フフッ…こっちの量も凄いのね。これだと、一度じゃ足りないみたい」 その後、2度3度と同じ事を繰り返され、蘭菊は疲れ切っていた。3度目などは、温まった薬液しか出て来なかった。 今更その苦痛に抵抗するのも無駄だと知り、気力も萎え掛けていた蘭菊は、 任せるが侭にそれを垂れ流す。もう、彼女の中には尿も便も一切残ってはいなかった。 「さて、姫君、少し汚れてしまいましたから、綺麗にしましょうね」 室内に立ち込める便臭にも構わず、菊花は蘭菊の着物を脱がせて行く。善重は既に、この臭気に耐え兼ねて部屋を後にしていた。 脂汗に塗れた全身、便のこびり付いた尻、導尿管を引き抜いた性器周辺を順に拭き清めて行く。 「こうして見ると、本当に綺麗ね…本当、殺してしまいたい位。この傷は、善重様が仰ってらした物か知ら? 処で、喉が渇いたでしょう?少し待っていてね」 普通なら醜いと思える背中を斜めに走る、生皮を剥がされた跡も、蘭菊の体に在っては、美しさを引き立てる要素と成り得た。 そして、菊花は汚れた着物を持って出て行った。
逃げるなら、今しか無い。彼女はそう思って、この様な事態を想定して、加当から教わっていた縄抜けの術を試してみる事にした。 意外な程あっさりと、縄は解けた。加当は幻術以外の忍術にも長けた、一流の忍者であると言えよう。 拷問室を抜け出すと、何か理由が在るのか、意外な程城内は静まり返っていた。全裸なので、目立つだろうが、これなら逃げられる。 慎重に、物陰に隠れつつ、音を立てぬ様歩いて行く。 一階の廊下に迄来た時、蘭菊は安堵感から走り出した。この地の人々は、領主善重に不満を抱いている。 里迄出られれば、後は何とかなるだろう、そう考えた矢先… 「ひっ…あっ!」 彼女は股間に凄まじい刺激を感じて転倒した。何かが挟まっている様な感覚が在る。 蘭菊はこの感覚に覚えが在った。元々、普通の女性と比べて大き目(彼女はそんな事を気にした事は無かったが) の陰核を持つ彼女は、時々包皮から陰核が剥き出て来る事が在った―それは主に加当の事を考えている時で在ったが、 勿論蘭菊はその関連性に気付いていなかった。 いそいそと股間の割れ目を開き、見てみると、やはり陰核が剥けている。この侭では歩けない。そう思った彼女は、 包皮を無理矢理陰核に被せようとする。 ****
2箇月前。加当と2人、里の山で山菜集めをしている時だった。この1箇月の間、ずっと政務に追われていた蘭菊は大はしゃぎで、 「加当様、加当様」と初めて見る山菜を加当に見せ、説明を求めていた。 「次は、もっと美味しそうな物を探しましょう!…キャッ!!」そう言って蘭菊が歩き出そうとした時、蘭菊は転倒した。 だが、良く転ぶこの姫も、今回は様子がおかしい。立ち上がろうとしては何度も転び、立ち上がってはフラフラと歩く。 「上様、如何が為さいました?若しや御体の御調子でも…」 心配になった加当が声を掛ける。蘭菊は、 「いえ、何だか此処が可笑しいんですの。少し、診て下さいますか」 と、惜し気も恥ずかし気も無く裾除を脱ぎ、着物の裾を捲り上げて、件の部分を見せた。 「うわっ!ちょ、上様、何を為さるんです?」 勿論、加当は君主のその部分を見る訳にもいかず、手で顔を覆い隠す…指の隙間から、バッチリ見てはいたが。 「ですが、動き難いので、見て頂かないと困りますの。何か挟まりでもしたのでしょうか?」 加当が仕方無く見てみると、膨らんだ陰核が包皮から飛び出している。恐らくこれが擦れるので、動き難いのだろう。 「あぁ、是の部分が剥けて居りますな、此うして、皮を被せて居られれば、大丈夫ですよ」 加当の声は震えている。今直ぐにでも、彼女を押し倒したい衝動に駆られたが、情欲を耐え忍ぶのが忍。 泣く泣く我慢するしか無かった。 「あぁ、もう大丈夫みたいです。診て頂き、有難う御座居ました」 蘭菊は立ち上がり、山菜探しを再開した。加当は 「今度は俺が動き難いんじゃ」 とブツブツ言っていたが。 **** 今回もその時と同じ様にしようとした。だが、何度被せても、その部分は剥き出て来る。 「無駄よ。私が剥いたんだもの。妖術使いだって言ったでしょう?逃げようとする悪い子には、御仕置きね」 不意に背後から声を掛けられる。菊花だ。 蘭菊はその声を聞いて、仕方無く、両手で割れ目を開き、再び走り出すも、菊花は恐ろしく走るのが速かった―それこそ、彼の加当段蔵の様に。 蘭菊は直ぐに追い付かれ、組み伏されてしまう。 「一体、私の体に何をしたのです!?戻しなさい」 「駄目よ。御仕置きだって言ったでしょう?それにしても、どうやってあの縄から抜け出したのか知ら?」
蘭菊は再び縄で縛られ、今度は別の部屋へと連れて行かれた。 布団が敷かれ、四方に支柱が立てられている。蘭菊の四肢は、その支柱に縛り付けられ、丁度十文字を描く格好になる。 「喉が渇いたでしょう?準備して来たわ。さ、飲みなさい」 と、菊花は蘭菊の口に水を注ぎ込む。実際、糞尿を残らず搾り出され、大量に発汗した事で、蘭菊の体は水分を欲しており、 彼女は何も考えずにそれを嚥下して行く。 「どう美味しい水でしょう?この水には、女人をとっても美しく狂わす作用が在るの」 蘭菊は、今迄に感じた事の無い欲を感じていた。小粒な乳首と大粒な陰核が疼き、その大きさを増し、陰核の下方からは、 夥しい量の粘液が吐き出されていた。蘭菊は、加当にその部分を触って欲しいと思った。 「ウフフッ。感じて来たみたいね。此処なんて、大きく膨らんで、ヒクヒク欲しそうに疼いているわよ。もう我慢出来ないんじゃ無い?」 菊花は、ピンッと彼女のその部分を弾く。 「ハァアッ!」 蘭菊は凄まじい快楽を覚え、喘ぎ声をあげる。菊花はその声に欲情し、裸になって蘭菊に覆い被さり、蘭菊の股間を嘗め回し始めた。 「アンッ…ふっ…ひぃぃ!」 「気持ち良くして上げるわ。貴女も、私を気持ち良くして頂戴」 と、蘭菊の顔に性器を宛がう。蘭菊が初めて見る、他人の女性器はグロテスクだと思った。その部分は、蘭菊のそれとは違い、「割れ目」 と言うよりは、「茶色い襞の突起」と言った方が相応しく、大人の女性器の様相を呈していたのだが、勿論彼女にはそんな事は解らない。 だが、彼女のその部分が開き、その中身を見ると、不思議とその部分を舐めてみたくなる。併し、彼女の思う通りになどしたくはなかった。 蘭菊は必死で衝動を堪え、彼女の陰部に口を付けると、彼女の小陰唇を思い切り噛み千切った。
「ギャアッ!!」 不意の痛みに、菊花は股間を押さえて転げまわる。見ると、左の小陰唇が半分程無くなっていた。 「わ、私は、貴女の望む事など…絶対にしません!」 ペッと噛み千切った小陰唇を吐き出し、蘭菊は言い放つ。だが、蘭菊の行動は菊花の堪忍袋の緒を切る事となった。 「…っの糞女ァッ!少し優しくしてやりゃ調子に乗りおって!!あたしゃ善重様からは、貴様の命を奪う事以外は、何でも許されてるんだ。 ボロボロに犯した後に、その手足引き千切って、顔を炙ってやるわ!!」 今迄隠れていた、彼女の本性が曝け出される。 菊花は、蘭菊の小さな乳房を掴み潰し、突き出た乳首を引っ張り上げる。 「痛いか!?どうだ、答えてみろ!ハハハハハ!!!!」 更に、下半身に移動し、殆ど有るか無いか解らない程の小陰唇を千切れそうな程引き伸ばし、 既に包皮から出て来ている大きな陰核亀頭を限界迄剥き出し、その包皮が裂けんばかりに更に剥き出しにしようとする。 「御前の腐れオメコを使い物にならなくしてやる事だって出来るんだ!謝れっ!!私に謝らないかッ!」 蘭菊の股間が蹴り上げられ、顔に何度も平手打ちが飛ぶ。 しかし、蘭菊はここで苦痛の声を上げる事こそ、この女の望みだと思い、涙目になりながらも、歯を食い縛って堪えていた。
少し落ち着きを取り戻した菊花は、傷口に痛み止めと化膿止めの薬を塗り、蘭菊の方を向く。 「…あんた、未だ殿方と交わった事、無いんでしょ?あんたは私を怒らせた。因って、抱かせて戴くわ」 そう言って、己の股間に手の平を向けると、今迄蘭菊の半分程の大きさしか無かった彼女の女根が、徐々に肥大して行く。 それは、巨大化した後に、長さを増し、節くれ立って行った。そこに彼女の生えていた物は、既に女の陰核では無く、男の陰茎であった。 「そ…それは…」 **** 蘭菊は、前に一度、それを見た事が在った。まだ城が再建されてもなかった頃、彼女と加当は、領民が提供してくれた空き家で暮していた。 そんなある日、夜中に尿意を覚えて目が覚めた蘭菊は、寝惚けていた所為か、便所と加当の部屋の扉をを間違えて開けてしまった。 その時加当が、それを扱いていたのだ。加当は、 「う、上様!?見ては為りませぬ!不浄な物です!」 と慌ててそれを隠したのだが、その形は、蘭菊の脳裏に強烈な印象と共に焼き付けられたのだった。 **** 今、菊花の股間から生えている物は、それと同じ物だった。 「妖術使いだって言ったでしょう?行くわよ」 菊花の男根が、蘭菊の膣に強引に差し込まれる。まだ未熟で、伸縮性の無いそこは悲鳴を上げ、蘭菊の顔が苦痛に歪む。 そんな苦痛の中、蘭菊は加当のしたい事を理解していた。きっと加当なら、もっと優しくしてくれる筈だ、抱かれるなら、加当に抱かれたかった、 と思った。 「加当様…」 そう呟いてみる。その時 「上様ー!!」 既に痛みで頭がおかしくなっているのか…蘭菊の耳に、今最も彼女が待ち望んでいた男の声が入って来た。
スパーン! もう、幾つ部屋を廻っただろうか。加当段蔵はその部屋の襖を勢い良く開け放った。 彼の後ろには、幾重にも重なった死体の山が出来ている。先程蘭菊が逃げ出そうとした際、 城内が静かだったのは、彼の所為だった。 「チッ…此処も外れかよ」 そう1人ごちながら、隠し部屋を探す。その時、一つ上の階からギシギシと一定のリズムで軋む音が聞こえて来た。 その音で、階上の様子を察するや否や、加当は走り出した。 上の階―城の6階に辿り付き、件の部屋に近付くと、微かに、だが、はっきりと 「加当様」 と言う蘭菊の声が彼の耳に届いた。 「上様ー!!」 彼は、叫ぶと同時に、壊れんばかりに隠し戸を開け放つ。そこには、彼の命よりも大事な君主が、縛られ、女に犯されていた。
望んだ男が今、ずぶ濡れで目の前に立っている。この城に連れて来られて、初めて自分の望みが叶った。 今迄の人生で、こんなに嬉しかった事が在っただろうか。 辛い状況に在っても今、蘭菊は幸せだった。 ズリュ…と菊花が蘭菊に差し込んでいた物を引き抜く。見る間に、それが縮み、元の陰核へと戻って行く。 「上様を返して戴きに参った…貴様が此処の主か?」 加当が、怒りを押し殺した声で問うた。 「いいえ。私は文渡善重様が妖術使い菊花よ、鳶加当こと、加当段蔵様。御名前は兼ね兼ね伺ってるわ」 妖術…面妖な。どうせハッタリだろう、と加当は思ったが、目の前の裸の女の放つ気は只者では無く、 加当に幻術を使う為の印を組ませる隙も与えない。仕方無く、忍刀を抜刀し、ジリジリと間合いを詰めながら、女の隙を捜した。 「失望ね。そんな事では、妖術使いには勝てなくてよ」 菊花が加当に手の平を向ける。一瞬。音も無く、加当の腹に半尺は在ろうかと言う大きな風穴が開いていた。 「ぐおぁッ!」 「この女、何をしやがった」…何が起こったのかまるで理解出来ない加当は、腹に激痛を感じて蹲る。 見れば、腹に開いた大穴から、大量の血が流れ出している。 菊花は蹲った加当に迫り、回し蹴りを放つ。その細い脚からは想像も出来ぬ程の力で、加当は城の外へと吹っ飛ばされる。 「体術!?女忍び…九ノ一か」 九ノ一…男よりも体の穴が一つ多いので、そう呼ばれる、女の隠密の事である。多くの場合、男忍びよりも潜入に向くが、戦闘には向かない。 その女忍びが、これ程迄の戦闘能力を持つ事に驚愕しつつ、加当は城の庭へと落下して行った。 「残念だったわね。この高さからじゃ先ず助からないでしょうし、万一池に落ちても、あの池には…。さぁ、続きをしましょう」 蘭菊の希望が、一瞬で絶望に摩り替わる。だが、奇妙な事に、加当がさっき迄居た場所の血溜りは消えている。 「いいえ、貴女なんかにめなじろ様は負けません!!」 この女の強さは偽りだ、加当に勝てる人間など絶対に居ない、そう蘭菊は信じていた。
雨は先刻よりも激しさを増し、周囲の水滴と共に加当の体が落ちて行く。 「チィッ!この侭じゃ上様は助けられねえ…!」 加当は懐から鉤付き縄を取り出し、庭の木に投げ付け、その侭奇妙な柵で囲われた池に飛び込んだ。池の底で受身を取る。 改めて見てみると、痛みは少々残ってはいる物の、彼の腹の風穴は消えていた。 加当の頭の中で、数分前から今迄の事象が整理されていく。 「妖術、見切ったり!」 菊花の妖術の正体は、加当の得意技である幻術と同じ物だった。唯、彼女の幻術は、加当のそれとは幾つか異なる性質を持っている。 それは、加当の幻術は、相手の[視覚]と[聴覚]を騙し、一度に複数出せるが、 菊花の幻術が騙すのは、[視覚]と[触覚]であり、一度に一つしか出せず、更に対象を視認しなければならない、と言った違いだった。 蘭菊の陰核包皮が急に剥けた様に思えたのも、彼女を犯した男根も、加当の腹に開けられた穴も、全ては幻で、 相手に暗示を掛けて触覚を再現していたに過ぎなかったのだ。 「目眩ましが、目眩ましにやられるとは、情け無え…ん?」 菊花の攻略法を思い付いた加当だったが、池の中に巨大な気配を幾つも感じて思考を中断する。 周囲を見ると、彼はイリエワニの大群に囲まれていた。 「げぇー!!な、何じゃこりゃ、妖(あやかし)の類の物か!?」 イリエワニ…クロコダイルの一種で海水、淡水、汽水を問わず棲息出来、大きな物は体長が9mにも達する、現存する世界最大の爬虫類である。 善重は、蘭菊から人形の知識を入手出来なかった際の次善策として、インドからこのイリエワニを大量に仕入れていたのだ。 それは、敵陣に侵入した際この凶暴な怪物を放す事で、敵陣の人間と相打ちさせようと言う目論見だった。
「こんな処でこんな化け物に喰い殺されるなんざ、御免じゃ!」 加当は素早く印を組み、周囲の水を集め始めた。 「水遁!」 水に依って、加当の姿が隠される。その水は光を放ち、周囲と同化していた。 だが、人間相手には有効なその術も、嗅覚に優れる彼等にはまるで効果が無い。 加当が移動しても、彼等は着いて来た。 「水遁が効かねーだとぉ!?うわっ!寄って来るな!!」 驚いている加当の頬に、鰐の爪に依る傷跡が出来る。 「クッ…斯くなる上は…」 加当は鰐達の猛攻を掻い潜りつつ、懐から大きな筒と箱を取り出し、臭水を水の上に撒き、火を放った。 「火遁の術じゃ!」 流石にこれは、目眩ましの効果は無くとも、鰐達も近付けない。その隙に加当は逃げる事にした。 「待ってて下さいよ、上様!」 彼は再び走り出した。 庭の方が妙に明るい。菊花が見ると、池の水面に炎が上がっていた。 「彼の男、生きて居たのね…」 その言葉を聞いて、蘭菊に再び希望が生まれる。やはり、加当は生きている。 きっと自分を助けに来てくれる。そう思うと、絶対に善重に屈しないと言う決意が固くなった。 「来なさい」 菊花は、蘭菊の手足を縛り上げ、移動した。
城、最上階、善重の間。既に善重の姿は無い。恐らく、身の危険を感じ、血縁の城主に己の保護と援軍を頼みに行ったのだろう。 今、その場所居るのは、縛られた蘭菊と、装束を纏った菊花の2人だけだった。 スルスルスル… 静かに、襖が開けられる。そこに立つのは加当段蔵…だが、1人では無い。何十人もの加当段蔵が立っている。 「君主も逃げ出し、今度こそ貴様も終わりだな。上様を返して戴く」 全ての加当の幻から、同じ声が発せられる。 「来るなっ!此の侭大人しく帰れ!で無くば、貴様の君主を斬る!!」 蘭菊は、菊花の腕の中で、縄に縛られ、その首筋には小刀が突き付けられている。 「てめーの主の命(めい)より、てめーの命(いのち)が大事かよ。忍び失格だな」 「だからと言って、貴様には何も出来まい!?」 「否!」 不意に菊花の背後から声がしたかと思うと、菊花の背中が斬り付けられる。 その瞬間、蘭菊は縄抜けの術で、菊花の縛めを解いていた。
加当段蔵は、善重の間に入る前から、数十体の幻影を作り出し、自らは菊花から見て、自分の向こう側の景色を作り出し、その幻に隠れて 恰もそこに何も無いかの様に思わせたのだ。そして、己の幻影に喋らせる事で足音を消し、菊花に近付き、彼女の背中を斬った。 「チッ!流石は幻術の加当!!」 直ぐ様飛び退いたので、真っ二つは避けられた物の、菊花の左肩から右太腿に掛けて大きな傷が出来ている。 「てめえが上様を攫った時に使った手だ!二度も敗れた相手に不覚を取るかよ!…とは言え、手強いな」 加当は二度、菊花に敗れていた。一度は文渡の城で、蘭菊を攫われた時。今思えば、あの時の水の跳ねる様な音は、 景色に紛れた菊花の立てた物だったのだろう。それを見抜けず、見す見す君主を攫われた事は、彼にして見れば敗北で在った。 そして、二度目の敗北で、彼女の妖術の全てを見破り、今こうして、三度目の勝負を挑んでいる訳だ。 だが、君主を助ける為に居場所を晒した彼は、斬り付けた置き土産に、菊花の幻術に依って、全身に深い刀傷を負っていた。 偽りの傷だと解ってはいても、痛みは本物である。しかし、今の彼には全く無意味だった。 菊花の幻術は、触覚に関しても、己の経験した物しか再現出来ないのだろう。つまり、幻術単体では、相手を殺せないと言う事である。 「上様の事を思えば、此れしきの痛み、何も感じぬ!」 加当は、菊花に飛び掛る。瞬間、彼の体から傷が消え、彼女の姿が加当の君主、蘭菊の姿に変わる。 「ウゥ…汚えぞ!貴様」
一瞬の躊躇を含んだ斬撃は、蘭菊の姿をした菊花の小刀に防がれていた。 「まだ私は死ぬ訳には行かぬ。善重様の拷問を見せて戴き、私の幻術は更に更に強力になるのだ!」 「貴様が善重に付いてる理由はそれかよ」 そう言って至近距離での攻防は続く。だが、どうしても君主の姿をした者を斬る事に躊躇いを覚える加当は守りに回る事になり、 次第に押されて行く。普通に闘えば、既に勝負は決しているであろうに…。その時、 「めなじる様!躊躇わずに御斬りなさいまし!!私は、蘭菊は此処に居ります故!」 蘭菊の声が聞こえる。たった半日なのに、名前を間違って呼ばれるのも随分久し振りな気がした。 「えぇい、睚じゃ!!…そうじゃ!」 加当は何かを思い付き、念を集中させる。そして、自分に幻術を掛けた。 蘭菊だった菊花の姿が、徐々に元の菊花に戻って行く。だが、菊花の方も、彼に幻術を掛け、自らを蘭菊の姿に見せようとする。 幻術使い同士の闘い。それに勝利したのは、加当の方だった。 斬! 菊花の体が袈裟懸けに斬り裂かれる。暗殺者である彼には君主の為なら、君主以外の姿をした者を殺す事に躊躇いは微塵も無かった。
「遅くなりまして、申し訳在りませぬ。忍頭の加当、只今参上致しました」 そう言って君主の方を振り向く。だが、蘭菊は何も言わず、只涙を流している。 「…?如何がなさいました?」 そう言うと、彼女は加当に抱き付き、大声を上げて泣き出した。 「めなじる様、私は先刻、貴方様のなさりたい事が解りました!しかし、私にはもう、むなじろ様に抱いて戴く資格は御座居ませぬ!! 私は…私の体は此の女に依って穢されてしまいました。出来れば…出来れば私も加当様に抱いて戴きたかった」 そう言って、彼女は加当から離れる。加当はと言えば、もう頭が真っ白で、何も考えられない状態で固まっている。 「もう、私には、加当様との約束を果たす事が出来ませなんだ。どうぞ、他に良き君主を見付けて、したい事を為さって…」 パシィッ! 蘭菊の嗚咽混じりの声以外、何も聞こえなかった城内に、乾いた音が響く。 まさか、自分が死ぬ迄に君主の頬を打つ事が在ろうとは思わなかった。 「済みませぬ…ですが上様、自棄に成っては行けません。自分はそんな約束なんざ、もうどうでも良いのです。 私は上様と言う人間が好きだからこそ、御護りさせて戴いて居ります故。…それに、御覧なさい、空もすっかり晴れましたよ。 御天道様も笑って居られる。上様も泣き顔は似合いませぬぞ」 そう言って、蘭菊を抱え、天守閣の上で空を見上げる。 「本当…綺麗に晴れ渡りましたね」 既に蘭菊の瞳に涙は無い。 「えぇ、降り止まぬ雨は無いのです。それは、上様も同じ。もう終わったのです。あんな女に、上様を穢す事なぞ出来ませんよ。 上様は何時も御綺麗で居らっしゃる」 「では…では加当様…」 「えぇ、上様が宜しいのなら、抱かせて戴きます。さぁ、もう帰りましょう。民も待ち兼ねてますよ。後の処理は、部下達にやらせる事になって居ります故」
[空は高く、何処迄も澄み渡っておる。この後、善重が援軍を引き連れてやっては来たが、人形繰りを覚えた民達に抵抗され、 出て行ったと言う事じゃ。からくりの君の治める領地は栄え、関西の小さな村として、後の歴史に黒賀村として名を残す。 その領地は、徳川政権の中に在っても治外法権だったそうな。加当はどうしたかって?文渡の家の者はその後代々、 息子は忍術の使い手、娘は神楽の人形繰りの名手だったと言う事だよ。雨降って地固まるとは、正にこの事。 めでたしめでたし]
以上です。某スレで賛否両論だった、「レイプ後の純愛」と「強過ぎるオリキャラ」を試してみた、実験作です。 蘭菊の馬鹿さ加減がどの程度か分からずに苦労しました。 読んで下さって有難うございました。
ああああ…
>>88 は、
○:戦闘用
×:戦闘様
です。毎回誤字多くて済みません。
それと、保管庫覗いたんですが、更新早いですね。管理人様、何時も有難うございます。お疲れ様です
>>108 別にいいんだけど、そういう注意書きは投下前の方が良いよ。
嫌ならスルーできるしね。
まあ自分は平気だったけど、やっぱ嫌がる人はいるだろうから。
>>110 配慮が足りませんでしたね…って、今更後悔しても遅いんですが。
済みません。
要素は、陵辱、純愛、バトル、グロ、浣腸、導尿、レズ、レイプ、忍者、九ノ一、時代物、です。
以上が受け付けない方は、スルーして下さい。と、今更ながらに書いてみました。こちらを先に読んだ方は、ご注意を。
先にSSを読んでしまった方、御免なさい。
おお、リアルタイムで読めた。 細かいところが凄くしっかりしてて面白かったです。 >ネームレスさん 全ての書き込みにレスするのはあまり2chでは好かれないので、やめたほうがいいかと。 匿名で言い捨てられるのも2chのいいところなのでそれに返事を返されるのが 嫌な人というのも結構多いと思われ。 で、せっかくシリアスでエロい長編のあとになんですが、 ちょうど「からくりの君」のコネタ書いたので落とします息抜きにどうぞ。 エロ無くてごめん。
「上様、折り入ってお話させていただきたいことがございまする」 山に穿たれた洞窟内で夜を明かす。 はぜる火に赤く照らされた顔で、蘭菊は目をぱちくりとした。 2人旅のお相手である彼女の忍が、この上もなく深刻な顔で幼い君主を見据えている。 姫はつられてすぐに真面目な顔になり、大きな瞳で彼を見返した。 「何でございましょう。お約束でしたらいつでも果た…むー!」 "約束"とう単語を聞いた途端、加当段蔵はばっと姫の口を塞いで言葉を遮った。 「そ、それはもう忘れろと言ったじゃろうが…」 忍びの大きな手の下から、姫が抗議しているらしい声がくぐもって聞こえるが、 それらはむーむーというよく分からない呻き声にしかならない。 しかし加当の方もそんなことには構っていられない。 早くあの怖ろしい約束を忘れてほしい。 いや…忘れられると多少淋しいのだが、とりあえず蒸し返さないでほしい。 「んー、ひゃほうははは…ぷあっ!」 酸欠になる直前でようやく加当は手を離した。 「ご無礼申し訳ありません上様。しかしお話というのはそのことではありませぬ」 「はぁ、はぁ…ぅ?」 「だ、大丈夫ですか」 ちょっとやりすぎたか。
流石に反省して恐る恐る手を伸ばしかけると、蘭菊がタイミングよく顔を上げて指先に頭突きした。 「あっ!す、すみませぬ!そ、それでお話、というのは」 「はァ…とりあえず、ご覧いただいた方がいいですかな」 相変わらずやりづれえなと半分脱力しながらも、加当はささやかな 布袋を広げ、中身を岩の上にばらばらと空けた。 蘭菊が彼を雇いに来たときの報酬のほんの一部だけがきらりと光り、 他はすべて薬や薬草、非常食等の携帯雑貨である。 たった一つ残った玉のかけらが、焚き火の赤に照らされて生白く反射する。 蘭菊は、加当とともにそれを黙って数十秒見つめた。 「………あ、の…加当様?」 「はい」 「これが何か…」 流石は箱入り姫! 加当は岩が落ちてきたように突っ伏し、それからがばりと起き上がって玉のかけらを勢いよく指差した。 「これ!これしかないんじゃ、路銀が!!」 「え、え!?」 「…路銀くらいはお分かりですな、上様?」 念のため聞く。 蘭菊は物凄い形相の加当にまったく堪えていない様子で首をこくこくと縦に振った。 加当が安堵の息をつく。 「ですから…残り少なくなった路銀をどうにかしてまた増やす必要があるわけですな。 上様にあっては、どうなされるおつもりですかね」 「はァ」
蘭菊が実に頼りのない返事をする。 黒髪が肩に落ちかかって、身じろぎのたびにさらさらと揺れた。 加当はそれから無理矢理目を逸らして口をひん曲げた。 「ま、いざとなったらおれがどこかでまた下忍でも…」 君主がいるのにそんなことをやってられるかよと思いつつも、それしかないかと嘆息する。 「上様?お許しをいただければ、それで…」 「ああ!思いつきました!!」 「は!?」 突然の明るい声に、今度は加当が目を丸くする。 蘭菊はそんな忍びの様子も構わず、いそいそと加当ににじり寄ってぱんと胸の前で手を叩いた。 「加当様の幻術!」 「……」 にこにこと嬉しそうな顔に一瞬ほだされたが、すぐに彼は正気に戻った。 「はァ!!?」 「加当様ほどの達人の作られる幻、珍しきものときっとみなも喜びます。 さすればろ…ろじん?」 「路銀」 「そう、路銀を増やすことができませぬか?」
ネームレスさん文章能力あるけど、たぶんエロパロ板初心者さんだよね。 そういう自分も来始めてまだ2ヶ月ぐらいですが。 マジメで真摯な姿勢に個人的には好感持ってます。 注意され、学んで人は成長するのです、というわけで めげずに再投下ヨロ〜。 前にも書いたけど面白いよ、充分。 自分が気になった点をあげると、今回はちょっと漢字が多いかな。 でも時代物だからこれは雰囲気を出す工夫かしら。 改行ももう少しあると読みやすい、というか見やすいかも。 画面的には余白も大切な要素なので。 句点の後は改行しちゃったほうが良くないかなー? そういうスタイルを貫きたいなら話は別ですが。 でも自分は職人さんたちと違って文才ないので あんまり気にしないでください。 ラノベ愛読者でそっちに慣れちゃっているだけかもしれないし。 なんにせよ、職人さんは貴重なのでガンガッテくださいね。
箱入り姫にしては随分と抜け目の無い提案だ。 仮にも高貴な一国の姫、恵まれることに屈辱を感じないのかと果てしなく疑問ではあるが。 しかし加当はあっさりとそれを拒絶した。 「だめじゃ」 「え…なにゆえでございますか?」 「忍びの術を人前で堂々と見せるわけにはいかんじゃろう」 「ああ!そうですね、気付きませなんだ」 がくりと頭を垂れた加当に相変わらず邪気の無い顔で向き合い、蘭菊が頷く。 「いや、もういいですよ、おれがそこらでちいっと下忍のあてでも探して」 「加当様」 「…まだ何か?」 「にんぎょう…では、いけませんか」 加当段蔵は、口をつぐんで姫を見下ろした。 彼女が執着しつつも憎み、破壊しながらも愛してやまない、桑折の中のからくり人形。 それを積極的に使わせることが加当にできるわけも無い。 「この辺りに、血縁の城主はおらんのですか」 「おりませぬ」 「どこかの城から必要な分だけいただいてくるという手もございますが」 「そ、それはなりません!」 本当に真っ直ぐで、芯の通った上様だ、と加当は思う。 もっともそんな上様でなければ今更新しく君主を持とうなどと考えもしなかっただろう。
「…でしたら仕方ありませぬ。上様」 弱くなりかけた火に無造作に薪を数本放り入れながら、加当段蔵は溜息をついた。 では、と高い声がすぐ隣で期待を持って響いた。 どうせ他の城主に使える気もなく、失うものなどこの姫くらいしかないのだ。 「人形はともかく、幻術で舞いのひとつふたつ見せれば、ある程度の金は稼げるでしょうな。 まあそれくらいなら、構わんでしょう。」 「めなじる様―」 「眦じゃ!」 眉を吊り上げて振り返ると、蘭菊の顔が異様に近くにあった。 「……!!」 「あの、まなじら様」 「は、はははい」 「そうと決まれば計画を練りましょう」 姫は結構やる気だった。 加当は少しだけ、前の城主が恋しくなった。 完 ではまた(・∀・)ノ
119 :
116 :04/06/05 13:47 ID:OX2SrkA5
>>112 さん、SS投下中にごめんなさいっ!
まさかこんなにはやく次の方が来るとは思ってなかったんで
リロードしてませんでした。
112にちょっと補足です。
でもレスしてくれるのが嬉しい人ももちろん多いと思うのでその辺りは適当でいいかと(・∀・)
話は本当にイイ!ので次作も楽しみにしてます。
>>116 や、こちらこそちょっと投下のタイミングちょっと早かったです。スマンです
というわけで今度こそさらばドロン
来週のからくりはロリコロンの陵辱編だと思います。
>>116 エロパロどころか、2chも創作文書くのも初めてだと言うのは、内緒の話w。
そうやって褒められると、やっぱ嬉しいです。
漢字に関しては仰る通り。気付いてくれましたね。他にも、原作と同程度の頻度で、
蘭菊達の台詞に古い関西弁を混ぜてたりします―原作の蘭菊の関西弁と関西圏の黒賀村、
無関係では無さそうなんで。
改行は、ミスです。済みません。ギコナビからLive2chに乗り換えたばかりで失敗ばかりです。
>>112 シカトも厳しいかなぁ、とか思ったんで、投下ついでにレスしちゃいました。
これからは、レスすべきかどうか、吟味してみます。このレスはOK?折角のアドバイスにレス無しじゃ、失礼でしょうし。
>>113 からの小ネタについての感想ですが、
続きが気になる!
終わる処巧すぎ!
蘭菊がリアル!
の三本です(磯野フネ口調で)w。本当、続きで蘭菊と加当の路銀稼ぎの話が読んでみたい。
あ、そうだ。今、PCの整理してたら、
>>4 以降に書いた、潮×麻子より更に前に書いた、
獣の槍の使い手のSSが残ってたんで、投下してみます…存在すら忘れてた。
ほんの数日前の物なのに、今読むと恥ずかしい位稚拙です。
>>116 さんもこれ読んで笑って、自信付けてSS書いてみては?
時に、ラノベって何だろ?
では、どうぞ。タイトルは、『Goodbye』。…恥ずかしいですが、物笑いの種にはなるでしょう。
「何じゃ御主、潮ととらの物語で、まだ見足りん部分が在る、と? それでこの雲外鏡にわざわざ会いに来たのかい?…では、 御主の見たい物語を映そうか」 季節は初夏。村の人々一番の話題は、 今年の農作物の出来映えについて。 そんな村に彼女は暮らしていた。 彼女の母が畑から叫ぶ。 「黎、牛小屋見て来とくれ…?黎!黎!聞いてるのかい!?」 「え?あ…は〜い!」彼女―関黎は悩んでいた。 彼女には、もう18年―物心の付く以前から― 「幼馴染み」と言う腐れ縁での付き合いを続けて来た男が居た。 男の名は、孫鵬(スン・ハオ)。彼女と同じく、農家の子だ。 黎が彼を異性として意識し始めたのは何時の頃からだったか…そんな事はどうでも良い。 何れにしても、ずっとこの侭の関係が続くと思っていた。 だが、黎ももう18歳になる。彼女は美しく成長していた。 しなやかな肢体、絹の様に艶やかな黒髪、大きな瞳… 彼女の持つ、男を惹き付ける容姿は挙げれば切りが無かった。 そんな彼女を周囲が放っておく筈も無い。 その中でも一際熱心に彼女に求愛しているのが、 馬健李(マァ・ジャンリィ)と言う男だった。 時代遅れの二文字の名を彼に与えた家は、 村の中でも一風変わった符術と言う物を生業としていた。 符術と言う物は、特に宗教も無かったこの村に於いて、 村民の幸せを願う唯一の手段であり、 この家が村の一切の祭事も取り仕切っていた。 馬の家から見れば、関家は明らかに貧しい。 だが、健李は頑固で実直な青年だったので、家族の反対も気にせず、 黎に求愛し続けた。 彼女の家から見れば、健李との交際はとても良い話で、 彼自身も村でも有名な好青年だったので、両親は1人娘に彼との交際を勧めた。
彼女はその事で悩んでいたのだ。 鵬は自分にとても良くしてくれる…が、それは自分に限らず、 老若男女誰にでも分け隔て無くで在ったし、自分の家も彼の家も貧しい。 然も、此処数年、降水量が目に見えて少ない。 祭事を取り仕切る馬の家は栄え、農家の関家、孫家は苦しい。 両親の為には、己の感情を殺し、健李と付き合った方が良い様にも思えてしまう。 世間的にはそれは間違っているのだろうが、これは死活問題なのだ。 自分を他の人間と同じ様に見、貧しい、私の好きな男。 まだ、それ程親しくはないが、自分に良くしてくれる、有望な男。 「ねぇ、どっちが良いと思う?」 飼い葉を食んでいる牛に訪ねてみる。 当然、牛はそんな事御構い無しに、ゆったりと食事を続けている。 「此処でしたか」 と、不意に背後から声を掛けられた。健李だ。 今の黎と牛との会話(?)は聞かれていなかった様だが、 何と無く恥ずかしくなって、うつ向きつつ、ぶっきらぼうに 「何か用?」 と答えてしまった。 幼い頃から、近所の男の子に混じって育った彼女は、 歯に絹着せぬ性格だったので、何時も何か言った後に後悔するのだ。 だが、健李はそんな彼女の態度も気に留めず、 「もう直ぐ、君の誕生日でしょ? これ、初めて父に認められた符なんだけど、御守りにしてくれると嬉しいな」 と、黎には理解出来ない、不思議な模様の様な物が書かれた紙を渡された。 「じゃあ。これから兄の結婚式が在るから、ついでに寄ったんだ」 と、直ぐに彼は出ていってしまった。 「御礼を言いそびれた」 と彼女は又後悔した。「結婚…ねぇ」 健李の兄は今日、隣町の権力者の娘と結婚する事になっていた。 分相応の結婚。それを考えると、健李は…。
それから数日、彼女の誕生日。彼女は決心した。 鵬に自分の想いを打ち明けよう。 そうすれば、彼も私を特別な存在としてみてくれるかも知れない。 健李のくれた符を見る度、胸が痛む思いがする。 彼には悪い事をした事になるだろうか… だが、自分は彼には相応しくないとも思える。彼にはもっと相応しい女性との出会いが在るだろう。 準備はした。普段はしない様な化粧も、 何時もより少しだけ綺麗な服装も…鵬に自分の想いを知って貰う為である。 鵬の家は、黎の家の隣に在る。昼間の農作業を終えて、彼を呼び出す。 「お、黎。誕生日おめでとう。…ん?どうした?」 「ちょっと話したい事が在るから、来て欲しいの」 「別に話なら此処ででも…」 化粧も服も、鈍な彼には無駄だった様だ。 だが、黎には彼のそんな処も可愛く思えてしまう。 彼女は、「良いから!」と彼の腕を引っ張り、 その後は二人は全く無言で村の裏山へ来た。 この山には、普段は誰も居ない。健李の家が在るが、それも反対側の斜面だ。 だからこそ、彼女はこの場所にした。 他に[人間]は誰も居ない場所に、 逢魔が刻と呼ばれるこの時刻に、彼を呼び出した。 「あのね…え〜…その…」 昨夜何度も心の中で練習したにも関わらず、旨く言葉が出ない。 「何だ?御前らしくない物言いだな。腹でも壊したか?」 的外れな返答は予測出来たので、黎はその侭続ける 「いや…そうじゃ無くって。私ね、最近健李に…その…」 「健李が何か?……っ危ないッ!」 とっさに彼が彼女の腕を掴み、自分の方へと引き寄せる。 数秒前迄彼女の居た場所には、剣が突き刺さっていた。
「ジゃマスルなァ!若イ女のチを吸ワせろぉッ!」 どうやら古い刀剣類の変化らしいが、妖とは無縁の生活を送る彼等にとって、 その存在はどう処理して良いかも判らず、只々オロオロするのみだった。 だが、此処数年の水不足で妖の食糧も不足し、 人を襲う妖が増えていると言う話は聞いていた。 「鵬、逃げて!こいつの狙いは私よ!貴方1人なら逃げ切れるわ!」 「馬鹿ッ!御前を残して何故逃げられる!」 「貴方には死なれたくないの!」 だが、鵬はその言葉を無視し、宙を舞う剣に挑み掛る。 その時、 「十五雷正法『四爆』!」 剣に符が貼り付き、凄まじい爆発が起きた。 「チィっ!符術か!一先ズ見逃シてやラァっ!」 健李だ。 「貴女に渡した符が呼んだので、来て見れば…危ない処でしたね。こんな処で何を…ん?」 健李が見ると、爆発の跡に倒れている人影が見える。 良く見ると、それは爆発に巻き込まれた鵬だった。 「鵬!鵬!」 黎は彼に駆け寄り、必死に呼び掛けるが、返事は無い。 「ひ、人殺しっ!」 それだけ行って、彼女は山を駆け下りた。 恐らく、村に人を呼びに行ったのだろう。 健李は余りのショックに言葉も出ないが、ふと気が付いた 「あっ!待って!この時間は、この辺りは危険なんだ!」 そんな健李の言葉も虚しく、彼女は見えなくなってしまった。 彼は仕方無く、野犬や妖に鵬の死体を喰い散らかされぬ様、 その場で待つ事にした。
その後、村では葬儀が行われ、健李の処分が村の関心事となったが、 結果的には何も咎められなかった。 理由は、黎と健李の証言が―かなり見方は違った物の― 一致し、尚且つ最近、人を襲う妖が増えていた事、 村の祭事を司る家の息子を裁く事の縁起の悪さ、等々であったが、 何よりあの状況では、他にどうしようも無かったであろう。 だが、黎は健李を許せなかった。鵬の家族以上に彼を憎んだ。 自分が幼い頃から抱き続けた想いを伝えようとした相手を、 その矢先で失ったのだ。 直接的に悪いのは、剣の妖で在る事は解る。 だが、頭で解っていても尚、彼が許せなかった。 18歳の娘には、余りに重たい事実だった。 暫くして、健李は失踪した。 噂では、彼はあの一件以来、塞ぎ込み、 罪滅ぼしに己の符術の力を用いて、人に仇為す妖を倒す旅に出たらしい。 その話を聞いてから、黎は―時間が彼女の心に余裕を作った事も在って― あの時、本当に悪かったのは、あの妖では無いかと思える様になり、 自分にも妖を倒す力が、あの妖に復讐する力が欲しいと願った。 ある日、黎が鵬の死んだ場所に花を供えに来た時、旁の川を奇妙な槍が流れて来た。 「ッ!今度は槍の妖!?」 とっさに身構えたが、襲って来る気配は無い。 「…我を使え…」 「え?」 槍に話し掛けられた様に感じた…が、音を聞いた様には思えない。 頭の中に直接情報を流し込まれた様な奇妙な感覚だ。 「…我を持て。さすれば、妖を滅する力を与えよう。但し、代償として汝の魂を寄越せ…」 その言葉を聞くより速く、彼女は槍を手に取った。
「その後、彼女は復讐を果たし、 二度と自分と同じ悲しみを味わう者が出ぬ様に、それはもう狂った様に闘い続けたよ …そして、姿を消した。 …それから、その近辺から妖と言う妖は、その性(さが)に関わらず消え、 その山には美しくも奇妙な獣の石像1つが残った。 その石像は、宗教の無かったその村の守護神として崇められたそうな。 さて、御話は此処迄じゃよ」
以上です。敢えて手直しせずに載せました。 『うしおととら』31巻の霧雄が話す、獣の槍の歴代の使い手の話に 出て来る女性の話を想像して書いた物です。 全然パロってもなくて、殆どオリジナルになりました。済みません。 後、関黎に振り仮名付け忘れました。「グヮン・リ」です。
>>122 ラノベ→ライトノベル。その名のごとく軽い読み物。
角川スニーカーとか朝日ソノラマとか富士見ファンタジアとか…。
>>130 どうも♪今、
検索:ライトノベル
とやったら、出るわ出るわ。知らなかった自分が恥ずかしい…
あ、今日は日刊wSS投下はお休みです。
平吉×亜矢のSSの第三部、別に彼等じゃ無くても書ける気するので、書く意味無いなぁ、と。
何かまた、別のネタ探します。また、読んでやって下さい。
日刊だったのか…。
どうも、日刊化しているエロパロSS投下ですw。 いつも、無意識の内に男性向けSSを書いていたので、 今回は女性向けのSSを書いてみました。 女性の読み手って居るのかな?需要無かったりして。 でも、居たら居たで、男性向けのSSじゃ退屈だろうし、 今回は難産だったので個人的な都合で投下。 ↑の様な理由で、「もっとエロいのキボン」、 「慣れない事はするな」、「藻前に女性心理が解るか」 と言う方はスルーを。 では、どうぞ。紫暮と須磨子で『ALL MY LOVING』です。
私が居るのは海の底 深くて暗い水の底 傍(そば)に住まうは憎き敵 遠くに住まう愛しき人 我が子に逢えぬ悲しさよ そんな詩(うた)を考えてみる。たった一人海底で役目を続け、時間の流れからも見放された我が身。 どうしても、時間を持て余してしまう。この時間を、家族と過ごせたらどんなに良いだろう。 私(わたくし)は、未完成の詩を頭の片隅に追いやり、紫暮様との思い出に思いを馳せる事にした。 **** もう15年前も前になるだろうか。お勤めを終えられた紫暮様と共に、私は光覇明宗総本山へ帰った。 先代お役目の日崎御角様に、伊万里での出来事を伝えると、 「そうですか。紫暮、須磨子の事を頼みますよ」 とだけ言って、微笑んでおられた。今にして思えば、私をあの時期伊万里へ向かわせたのは、この為だったのだろう。 そう待たない内に直々に結婚の手筈迄整えて下り、私達は祝言を挙げた。 「私(わたくし)の連れ合いは、私が海の底から戻った時、既に居ませんでした。 須磨子、私の分迄幸せにおなりなさい…残された時間はたった22箇月、悔いの残らぬ様。 紫暮はそれが出来る男です」 御角様は、そうお言葉を掛けて下さった。本当に素敵なお方だ。私もこの様な女性になれたらと思う。
それから、私達は芙玄院へ帰った。紫暮様の両親は既にお亡くなりになっており、弟は旭川の寺の住職を任されたとかで、 今迄紫暮様はこの寺で独り、暮して来たそうだ。これからは、ここは私達2人の家なのだ。そう考えると、何か胸が温かくなる様な、 むず痒くなる様な不思議な感覚が芽生えた。 「只今帰りました」 そう、初めて入る家に対し、口に出して言ってみたが、紫暮様は何も答えて下さらず、早々に自分の部屋に籠ってしまった。 何やらガチャガチャと音がするので、片付けておられるのかと思い、 「もし、お片付けでしたら、お手伝い致しましょうか?」 と声をお掛けすると、 「バッ、馬鹿!!入って来るな!」 と追い出されてしまった。仕方無く、その様子を遠巻きに見守っていると、 何やら本や「びでおてぇぷ」と呼ばれる不思議な黒い箱の類を片付けられている御様子だった。 見ると、それ等の本には、どれも女性の裸やら、性器やらが写っている。今の世の殿方は、この様な物に興味がお在りなのだろうか。 不思議と悔しくなった私は、追い出された部屋に入り込み、 「この様な物を御覧にならずとも、紫暮様が望むのなら、女性の裸など、いくらでも私がお見せします!!」 と伝え、それ等を纏めて処分する事にした。紫暮様は、 「お前っ!まだそこに居たのか!?」 と取り乱してらしたが。 一時間もして、件の部屋の片付けは終わり、もう外は夕闇に包まれる時刻となっていた。 「片付けたら、お腹が空きましたね。何をお作りしましょう?」 「え?…あぁ、己(おれ)は何でも良い」 素っ気無い答え…紫暮様を怒らせてしまったのだろうか。そんな不安が頭を過ぎる。 まだ、私の名前すら呼んでは下さらない。本当はこんな女と結婚させられて、嫌だったのではあるまいか。 次々と嫌な考えが頭に浮かぶ。そんな時、御角様の言葉が思い出された。 「幸せにおなりなさい…悔いの残らぬ様」 そうだ、時が限られているのは、私と結婚した紫暮様も同じ。だったら、私がもっと素敵な女性になって、2人で幸せな生活を送らねば。 そう思うと、料理を作る手にも、活気が生まれた。
「どうぞ、粗末な物ですが、お召し上がり下さい」 在り合わせの物で作った味噌汁に、玉子焼き、焼き魚と質素な物では在ったが、 比較的好き嫌いの分かれない物を一生懸命作ったつもりだ。その時…その時紫暮様が、 「あぁ…美味いな」 そう仰って下さった。胸がドキドキと脈打つのが判る。きっとその時の私の顔はクシャクシャで、とても見られた物では無かっただろう。 「い、今何と?」 「美味いと言った」 「ま、誠でございますか?あの…ありがとうございます!」 「己が美味い不味いに嘘を言う事は無い。美味いから美味いといっただけだ。何故、お前が礼を言うのだ?」 この人は解っておられなかったのだろうが、料理一つの事にしても、紫暮様に初めて認められたと言う事実は、 今迄の私の不安を吹き飛ばすには充分だった。 その夜、初めて殿方と同じ布団で寝る事となった私を、紫暮様は力強く抱き締めて下さった。 あぁ、人に抱き締められる事がこんなに心地良い物だとは! 私は、旅疲れも在ったのだろう、その感触に包まれた侭、その日は眠ってしまった。
翌朝、 「檀家に子どもが産まれたそうだ。行って来る」 「行ってらっしゃいませ。お気を付けて」 恐らく、世の夫婦なら、誰もが交わす会話。そんな当たり前の会話が、今の私には嬉しくてならなかった。 その日、私は照道さんに手伝って戴いて、家の大掃除をする事にしていた。 きっと紫暮様は、出掛ける事が多いので、家の事迄手が回らないのだろう。家の中は、荒れ放題になっていた。 「お早うございます」 照道さんが来る。幸せに浸りながら台所の後片付けをしていた私は、失礼だとは思ったが、勝手口から照道さんを迎え入れた。 「わざわざ済みません。今、お茶をお出しします」 「いえ、それよりも先に片付けましょう。…それにしても紫暮様、暫く見ない内に、随分散らかしておられるなぁ」 私よりも紫暮様を良く知っておられる人。大掃除が済み、お茶を用意した私は、彼に紫暮様の事をお尋ねしようと思った。 「本当にありがとうございました。私一人ではどうにも手が付けられませんでしたので。 その…誠にお恥ずかしい事なのですが、紫暮様はいまだに私の名前すら呼んでは下さいません。 それに、何やら素っ気無い態度で…。もしや私は嫌われているのではと…」 「ハハハ。そんな事を気にしておられたのですか。あの方は、どんな女性に対してもそうですよ。 幼くして両親を亡くしておられるので、甘えたい欲求が在るのかも知れませんが、『照れ』と言いますか、 自尊心がそれを許さないと言いますか… 要するに照れておられるのだと思いますよ。本当は紫暮様も、貴女に甘えたくて仕方無いのです。きっと慣れれば、 誰にも見せた事の無い姿を貴女に見せるでしょう。今は辛いでしょうが、辛抱して下さい」 それを聞いて、私の心は楽になった。その後、照道さんに「掃除機」、「洗濯機」等の便利な道具の使い方を教えて戴き、 彼が帰った後、私は夕飯の支度に取り掛かった。
それから一週間。紫暮様は私を名前で呼んで下さる様になり、私も彼を「貴方」と呼ぶ事に慣れた。 だが、彼は子どもを作ろうとはして下さらない。何故だろう。結婚前には、私のその話もきちんと聞いて下さったのに。 毎晩腕の中に抱いて下さるだけだ。私はその度、胸と股間に不思議な疼きを覚えていた。 結婚してから私は、中村米次さん(「『様』付けは失礼な事も在るんだぜ」と仰られた)のお宅に、料理を習いにお邪魔していた。 米次さんは、活気に満ち溢れた、紫暮様の昔馴染みで、私達の結婚式にもお出でになった方だ。 私達の家の近所で今は「青鳥軒」と言う拉麺屋さんをご夫婦でを営んでおられ、そのご夫婦のご好意で、 私は連日、お手伝いをさせて戴きながら、中華料理を習っているのだった。 昼過ぎ。この時間は何時も、お店の中は閑散とし、私達は暇を持て余す。 今、米次さんは居間にお煙草を飲みに行かれ、奥方の麻沙子さんは食器を洗い、 私はそれを食器棚に仕舞うお手伝いをしていた。 麻沙子さんは、女性の私から見ても、小顔の可愛らしい女性だ。 彼女のお腹には二箇月になるお子さんが居る。私は思い切って彼女に尋ねてみる事にした。 「あの、卒爾ながらお尋ねしますが、麻沙子さんはどの様にお子さんをお作りになったのでしょう?」 ガシャーン!!皿の割れる音。どうやら、洗っている食器を落としてしまわれたらしかった。 「え?え?何だって!?」 彼女の美しい顔が真っ赤に染まり、慌てふためいている。そんなに拙い事を訊いてしまったのだろうか、 と私はこの一週間の紫暮様との事を話した。 「あぁ、そう言う事ね」 漸く普段の落ち着きを取り戻した麻沙子さんは、割れた食器を片付けながら、 時には女の方から迫る事も大事だと教えて下さった。 話を聞いていた米次さんも出て来て、 「そうそう。でも、あいつは頑固だからなぁ。何か思う処が在って、 あんたを抱かねえのかも知れねえぜ。ま、あいつに直接訊いてみな」 と助言を下さった。
その夜。紫暮様と共に床に就く際、彼に尋ねてみた。 「貴方…何故私を抱いて下さらないのですか?私にはもう、時間が無いのです。早く『潮』を作らないと…。 私達は幸せにならねばならないのです」 今思えば、その時の私は狂気に駆られていたのかも知れない。 「やれやれ…お前は、幸せになる事が『義務』だと考えているのだろう?『潮』にしてもそうだ。子どもと言うのは、 作ろうと思って作るもんじゃ無い。己はそう思う。全ては自然に起こる事なのだ。 お前がその考えを捨てぬ限り、己はお前を抱くつもりは無い。第一、そんな義務で作った子どもは幸せになれるのか?」 そう仰って、紫暮様は昔使っていた布団を引っ張り出し、居間へ持って行ってしまわれた。 私は悟った。紫暮様は、義務感に駆られる私の事を心配して下さっていたのだ。そんな事にも気付かずに私は…私は…。 独り残された布団の上で、私は東の空が明るくなる迄泣き続けた。
泣き疲れた所為だろうか、何時の間にか眠ってしまった様だ。だが、私の体には布団が掛けられ、枕元には、 [言い過ぎた。済まん。妖(ばけもの)の報が在った。行って来る。もう泣くな] との書置きが在った。きっと、私の啜り泣く声が聞こえてしまったのだろう。 そんな紫暮様の精一杯の優しさに触れ、疾うに涸れたと思っていた涙が、再び溢れて来た。 ふと、時計を見ると、10時を過ぎている。 「あぁっ!もうこんな時間!!」 私は化粧もそこそこに、青鳥軒へ向かった。 「済みません、遅れました!」 扉を開けるや否や、私はそう謝った。だが、中村さん夫妻は、私の泣き腫らした目と真っ赤になった鼻を見て、 「ちょっと、どうしたの須磨子ちゃん!?まさか昨夜、旦那と大喧嘩?」 「あの野郎!須磨子ちゃんみてえな良い嫁さん泣かすなんざ、許せねえ!!」 と心配して下さった。紫暮様の処へ向かおうとする米次さまを何とか抑え、昨夜の事情を説明する。 「そうか…俺の言った通りだったろ?幸せなんてもんは、義務で掴むもんじゃ無え。幸せになりたいから、幸せになろうとするのさ」 「そうさ、あんたがそんなんじゃ、旦那も喜びゃしないよ。ビシッとしな!さ、そろそろ戦場になるよ。手伝っとくれ」 そうだ…私は既に幸せなのだ。とても良くして下さる中村さんご夫婦、不器用ながらも私の事を真摯に気遣って下さる夫。 そんな幸せを感じつつ、私はサラリーマンの方達に、昼食を振舞った。 何時だったか、紫暮様を叱り飛ばした事が在る―「幸せになる事こそが、人本来の生きる目的だ」と。 そんな事も忘れてしまう程、私は焦っていたのか。 きっとこの人達にしても、幸せになりたい一心で、今日も家族の為に働いているのだろう。 そんな事を思うと、私の考えの何と愚かだった事か、と反省された。
その日の帰り道。私は川原に佇んでいた。紫暮様をどうお迎えしよう。妖を滅すると仰っていたが、ご無事だろうか。 様々な思いが頭を巡る。既に日は傾き、そろそろ夕飯の支度に取り掛からねばならない時間になっていた。 「悩んででも仕方無いわ。ビシッとしなくちゃ」 麻沙子さんの言葉を思い出し、家に帰ろうと立ち上がったその時、 二つの影が私の前に転がり込んで来た。 「貴方!?」 そう。一方の影は、紫暮様だった。そしてもう一方の影は… 「『外道』だ…この辺りに現れるとは、珍しいな。依頼主の妻に憑いていた。何とか追い払ったんだが…」 『外道』と言う名を私は御角様から聞いた事が在った。人に憑き、 その心の妬み、恨みを喰らって増大する、妖の中でも一際強力な物だ。 四国の設楽の里と言う処では、獣の槍に制され、『お外堂さん』と言う神になったらしいが、 御角市にはまだ、生き残りが居たのだ。 見ると、紫暮様の法衣は、血で真っ赤に染まり、息も荒い。私はすぐに、彼に法力を分け、傷を癒した。 その隙に『外道』は私のすぐ傍迄迫り、私の口へと入って行った。 「しまった!!」 紫暮様の声が遠く聞こえる。 「油断したな坊主。へへ…どうやらお前の連れ合いらしいな。そんな女をお前はどうする?どうするんだよォ!?」 私の口から、意思とは無関係の言葉が紡がれる。 「こいつの法力で、お前をぶっ殺してやるぜ。どれ…こいつの心は…あ、あれ? …貴方、心配には及びませぬ。私の心には、此奴に付け入らせる隙などございませんから」 今の私の澄み切った心は、この妖にはさぞかし居心地が悪いのだろう。 私が念を集中させると、殆ど抵抗も無く、体から出て来た。 「貴方、今!!」 その侭動きを封じた『外道』に紫暮様の千宝輪が突き刺さる。 私が『外道』に奪われた視力を完全に取り戻した時、 そこに『外道』の姿は無かった。
「あー、何だ。その…」「あ…あのぅ…」 同時に口を開き、私も紫暮様も黙ってしまう。 「お前が先に…」「貴方がお先に…」 「昨夜は済まなかった」「昨夜は御免なさい」 「ハハハハ」「クスッ…」 言い終えて、どちらからとも無く吹き出す。 私は紫暮様の胸に飛び込む。そう言えば、自分から男の人に抱き付くなんて、産まれて初めてでは無いだろうか。 「貴方…お帰りなさい」 「あぁ、只今。今、戻ったぞ。一緒に帰ろうか…『己達の』家に」 既に私の悩みは吹き飛んでいた。 明日は青鳥軒は定休日。紫暮様の許にも妖在りの報は届いていない、そんな晩。 「須磨子…」 初めての接吻。単に互いの唇と舌が触れていると言うだけなのに、 何故こんなにも興奮するのだろう。触れているのは唇なのに、何故全身が熱くなるのだろう。 「前に、私は裸ならいくらでも見せると言いましたね。どうか、御覧になって下さい」 異性に裸を晒すのは恥ずかしい事だと分かっている。しかし、唯一の例外が、本当に心根から信じあえる相手。 私にとっては紫暮様が正にそうだった。この方と一緒に幸せになりたい。この方の為なら何だって出来る。 きっとこれが、「愛しい」と言う感情なのだろう。 そんな私を紫暮様は抱き締めて下さった。裸での抱擁。ああ、人の肌の何と心地の良い事! 何か、心にも心地良さを感じ、全てが安心出来た。 彼が私の乳房を弄り、乳首を吸う。体験した事の無い快楽に、私の口から熱い息が漏れた。 照道さんの仰る通り、顔には出さない物の、この人もきっと、こうして甘えたかったのだろう。 私はそんな彼の頭を優しく撫でていた。
不意に、全身を愛撫していてくれた手が、下半身に移る。紫暮様は、私の性器に口付けなさろうとしている風だった。 「駄目です。そこは汚れております故、口などお付けにならぬ方が…」 その部分は、小水や経血、下り物の出て来る場所だ。その様な場所を、紫暮様に舐めさせる訳にはいかなかった。 だが、紫暮様は、 「俺の体はお前の物でもあり、又お前の体は俺の物でもある。結婚とはそう言う物だ。 自分の体に触れる事を躊躇う者は居まい?」 と仰り、執拗にその部分を舐め、撫でた。私の口からは、無意識に声が漏れている。 私は今迄、これ程の快感が存在する事を知らなかった。しかも、その感覚は段々と大きくなって来る。 やがて、その感覚の大きさに限界が見え始める。そこに辿り着いた時、私は絶頂した。 気の遠くなる程の快楽の波。落ちて行く様な不安の中、抱き締められている安心感。 私は、彼に愛されている事を実感していた。 彼の一部が私の中に入って来ている。最初は物凄い痛みに襲われたが、 愛する男性と一つになれる事を思えば、取るに足らぬ些事だった。 白面を封じる力を授かった私の体の傷は、すぐに出血も止まり、痛みも消えた。 鋼の様に鍛え抜かれた彼の体が、私の上で動いている。私は先刻迄とは異なり、体よりも心が気持良くなり、その心が涙と共に溢れ出す。 この人もきっと、この一週間、抱く事の叶わぬ私に対する欲求を堪えておられたのだろう。 彼は何度も何度も私の中に溜め込んだ欲求を解き放った。 湧く泉にも水涸れ在り、と言うのだろうか。疲れを知らぬ紫暮様は、私を濡らす液(つゆ)が尽きる迄、私を愛してくれた。 その夜は結局眠らず、朝食を作る私に紫暮様が 「昨夜は少し張り切り過ぎたな。前日、お前は殆ど寝ていなかったと言うのに…」 と苦笑いしながら、謝る。 「いいえ、私の望んだ事ですから。貴方もお疲れでしたでしょうに、無理をさせてしまって…。 さ、朝食が出来ましたよ。これを召し上がって、元気を付けて下さいな」 その朝食には、普段よりも一層心を込めていた。彼との心の距離は、一夜にして縮まっていた。
それからは、毎晩の様に紫暮様は私を愛して下さり、休みが取れる度、 130年も海の底で暮して来た私に今の世を見せに連れて行って下さった。 そして、二箇月と少し過ぎた頃、私の体に嬉しい変調が起きていた。 乳首が以前より色付き、乳房や下腹が以前より少し膨らんだ様に思える。 何より、先月も今月も月経が来ていない。 それは、もう130年以上も前、母から聞かされた受胎の兆候だった。 ある日、紫暮様に、 「あの…まだはっきりとは判りませぬが、赤ちゃんが出来た様なのです」 とその事を伝えると、 「な、何ィ!?そ、そうか…判った」 と驚きはした物の、すぐに何時もの素っ気無い態度に戻り、出て行ってしまわれた。 私はこの二箇月で、それが彼の不器用さから来ている事を知っていたし、その事で憂いを感じる事は無かった。 しかし、今度は事情が違う。妊娠と言う、私達の人生を大きく左右する一大事なのだ。 もしも、紫暮様が子どもを望んでいないのだとしたら、この子はどんなに不憫だろう。 私はこの子を大人迄育てあげる事は出来ぬ身なのだ。 それから、一時間程して帰って来られた紫暮様の手には小さな箱が握られていた。 「『妊娠検査キット』と言う物だ。己は使い方を知らん。説明書きを読め」 と、私にそれを渡す。どうやら、女性の小水を検査し、妊娠の有無を調べられる道具らしかった。 「クスッ…ウフフ」 「な、何が可笑しい!?」 「いえ…フフッ。貴方がこれを薬局でお求めになる姿を想像すると…フフフ…どうにも笑いが…クックック」 「煩い!早く調べてみろ!」 怒らせてしまったのだろうか?私は結果が気になるので、取り敢えず調べてみる事にした。 結果は赤の二本線。まだ、確実では無いが、妊娠している可能性が高い様だった。 紫暮様に検査の結果を伝えると、 「明日は病院へ行くぞ」 とだけ行って寝てしまわれた。やっぱり怒っているのだろうか。
翌日。紫暮様と病院へ向かう途中、車から降ろして戴き、青鳥軒に立ち寄った。今日はお手伝いを休ませて戴く旨を伝えようと、 店に入ると、私が口を開く前に、中村さんご夫妻が、 「お早う!おめでただって?」 「あたし等もう、仲間だねえ。おめでとう!」 と声を掛けられた。何で知っているのだろうと、不思議に思っていると、米次さんが 「いやぁ、昨日の夕方、紫暮の奴が向かいの薬局に入ってったのよ。で、声を掛けてみたら、何時に無く興奮した調子で、 『うちの嫁が妊娠した!』って言ってなぁ。奴のあんな顔見るのぁ、初めてだったぜ」 それを聞いて、昨日の杞憂が無駄だと知る。 「須磨子ちゃん、今日給料日でしょ。はい、これ」 と既にお腹がかなり大きくなっている麻沙子さんから封筒を手渡される。その中には、先月戴いたお給金の倍以上の額が入っていた。 「いえ、先月も申しましたが、私はここにお勉強に来ているのでして、お給金を貰うなど… それに、額をお間違えになっている様なのですが」 と封筒を付き返したが、 「良いって良いって、何時も手伝って貰って、こっちは助かってんだ。妊娠祝いに取っときな」 と米次さんが、私の着物の胸元に封筒を押し込んだ。 「あんたそりゃ、セクハラだよ!須磨子ちゃん、外で旦那待たしてんだろ?早く行ってやんな」 きっとこの子は、皆に望まれ、祝福されて産まれて来るのだろう。それを思うと、涙が溢れた。 「ちょっと…どうしたの?ほら!あんたがあんな事するからさ!」 「えぇ!?いや、その…申し訳無え」 と米次さんが頭を掻き掻き謝っている。だが、私の涙にはそんな意味は微塵も含まれていなかった。
「おめでとうございます。2箇月半と言った処ですね」 お医者様の口から、検査の結果が伝えられる。続けて、妊娠生活中に注意すべき事、 性交渉について、次回の検査の事等を話しておられる様だったが、私の耳にはもう、何も入っていなかった。 私の体に新しい命が宿っている。その事を実感すると、目に映る物全てがとても愛しく思えた。 帰宅すると紫暮様は、蔵に向かい、何やらゴソゴソと引っ張り出して来られた。 それは、『れこど』と言う、音を出す不思議な黒い円盤だった。 「びぃとるず、はぁまんず・はぁみっつ、ふらんす・ぎゃる、びーじーず…これは何でしょう?」 「胎教と言ってな。今の世では、胎児に音楽を聴かせたり、話し掛けたりする事で、 感受性豊かな子が育つと言われているのだ。足りぬ分はまた買って来る」 その時の私には良く判らなかった機械を紫暮様が操作すると、とても気持の良い音が流れた。 聞きなれぬ言葉なので、歌詞を見てみると西洋の歌らしく、邦訳に目を通す。 [目を閉じて――キスしてあげる 明日になれば二人は別れ別れ …………………………… 有りっ丈の愛を君に送ろう 僕の愛は君だけの物] そうだ。明日とは言わずとも、20箇月後には、紫暮様やお腹の中の潮とも別れねばならないのだ。 だが、悲しくはない。この歌詞の様に、それ迄の間、有りっ丈の愛を送り、そして貰おう。そう決心した。 それから3箇月が過ぎた。青鳥軒の方にも、暫くお休みさせて戴く許可を戴き、家で過ごす毎日が続いた。 紫暮様はと言えば、連日の様にショパン、モォツァルト、ベェトォベン、バッハ等の『れこど』やら、育児の本、産着、 赤ちゃんのオモチャ、『べびぃべっど』なる、潮の為の寝床やらを買って来ては、嬉々として私に見せて下さった。 流石にオモチャなどは気が早過ぎる気がしたが、きっとこれが、あの方なりの喜び様なのだろうと思って、何も言わなかった。 私が妊娠してから、紫暮様は変わられた。毎晩の様に飲んではケロリとしていたお酒も、お煙草も一切止められ、自分の事を 「己」では無く、「私」と呼ぶ様になっていた。何よりも、以前は絶対に見せられなかった、 お茶楽気た一面を見せて下さる様になられた。
何時だったか、私が、 「貴方もお腹の潮に話し掛けてみてはどうですか?」 と言った際、 「いや、己は良い」 と紫暮様は断ったが、私が 「きっとこの子も、父親の声を聞きたがってますよ」 と強く説得すると、 「お前は本当に押しの強い女だなぁ。保険の勧誘でもしてみたらどうだ?…ったく、仕方無い。 …あ、あー…己だが、聞こえるか?」 と戸惑いながらも話し掛けた。その様子の滑稽な余り、私が吹き出すと、自分でも可笑しかったのだろう。 紫暮様も一緒に笑われた。その時から、紫暮様の中に愛想が生まれた様に思える。 紫暮様は、本当に潮の誕生を望んでいる様だった。今日も 「今日は潮に何を聴かせた?」 とお尋ねになられ、私のお腹に触っては話し掛けられていた。私が、 「この調子だと、潮は末は絵描きさんか作曲家かしら。お寺を継ぐ者が無くて、困ってしまいますよ」 と冗談混じりに言う程だ。 私はと言うと、連日の様に嘔吐し、以前よりも尿意の間隔が短く、堪えられずに漏らしてしまう事も在った為、 遠出が出来ない体になっていたが、そんな事もこれからの幸せを考えれば、苦にはならなかった。 だが、不満も在った。紫暮様は以前の様に私を抱いては下さらない。毎晩、私の体を愛撫し、慰めては下さるが、 それ以上の事はなさらないのだ。それは、お腹の子を気遣っての事だと言うのは私にも解る。 今は、私よりも潮が大切なのだろう。だが、そう解ってはいても、私の中に募る欲求は抑えられなかった。 紫暮様との交わりで、女性にも男の方の様な「おちんちん」が在る事を知った。そこを摩れば気持良くなれる事も。 紫暮様が外出なさる度、あの方の手付きを思い出しながら、満足出来ぬ私の指は、それを撫でる。 同時に、片手でもう、かなり膨らんだ乳房を揉みしだき、快楽に身を委ねた。早くも体内で準備されている母乳が溢れる。 この快楽を知ってしまった私には、もうどうする事も出来なかった。膣に触れずにいる事だけが、唯一残された理性だったが、 満足する迄果てた後は何時も、お腹の子と、紫暮様に対する罪悪感が募り、泣いてしまう。 だが、そうであっても、その習慣が止められぬ日々は続いた。
3箇月後のある日、出産間近の私の処に、麻沙子さんが、赤ん坊を抱いて遊びに来られた。本当に可愛い女の赤ちゃんだ。 「この子はね、あたしみたいにサバサバした子に育って欲しいから、麻子って名付けたのさ。 須磨子ちゃんはもう、赤ちゃんの名前考えてるのかい?」 「はい。何物にも負けぬ、力強き丈夫(ますらお)に育つ事を祈って、『潮』と…」 「そうかい。じゃ、潮ちゃん、産まれて来たら、麻子と仲良くしてやってね」 そう言って、麻沙子さんは帰って行った。 そう…もうすぐこの子の名前を呼ぶ事が出来る。この子の為なら多少辛くとも、湧き上がる性欲も我慢しなくては…。 紫暮様も我慢していらっしゃるだろうに、私は何と嫌な女だったのかと、自分を恥じた。 その時は、死んでしまった方が楽な様に思える程の痛みを延々味わった事を覚えている。 今迄の人生で、これの一割の痛みすら味わった事は無かった。紫暮様は、私の手を握り、 「頑張れよ、須磨子。私が付いているぞ!」 と励まして下さった。きっと今の私の姿は、苦痛に歪み、とても見せられぬ程無様だろう。 本来なら、愛する夫に見せたくは無い姿では在ったが、彼が付いていて下さる事は、とても励みになった。 その時、お医者様の助手の方が、分娩室に飛び込んで来られ、 「蒼月さん、光覇明宗の方がお見えになっています」 と伝えた。きっと、妖滅殺の依頼だろう。 「貴方、行ってあげて。私は大丈夫だから」 と言うと、あの方は、 「私は仏じゃ無い。全ての人々を救うなんて、到底無理な話だ。だから私は、私達の幸せを優先する。 本山からの依頼なら、代わりの僧が派遣出来るだろう。断って来るから、それ迄産むんじゃ無いぞ!」 と言って、出て行ってしまわれた。そんな紫暮様の態度に、苦痛の中でも笑みが漏れた。 元々法力の御陰で傷の治りの早い私は、出産の翌々日には退院出来た。お医者様も驚いておられたが、 これ以上入院していても仕方が無いと言うなので、すぐに家に帰れた。 今思い出しても、紫暮様の喜び様と言ったら… 臍の緒を切るや否や、周囲の静止も聞かずに潮を掴み上げ、 「私の子か!潮も須磨子も良く頑張ったな!」 と祝福して下さった。きっと私などよりも、紫暮様の方が、心労は大きかっただろうに
潮は本当に可愛かった。私と愛する人の分身。目に入れても痛くないとはきっとこの事なのだろう。 母親になった私は、初めて世の親の気持が理解出来た。それは、 言葉では言い表せぬ程の大きく深い愛情と、子どもに寄せる期待。 それを思い、今は亡き私の両親に心から感謝した。きっとこの子も、 何時かはこの気持を理解する時が来る。だが、私はこの子をそれ迄育てる事は出来ないのだ。 でも、きっと大丈夫。紫暮様は潮を立派に育てて下さる。それは、親として無責任な感情にも思えたが、 私とて、家族を護る為に役目に行くのだ。潮は、遠くから見守る事しか出来ぬ母を許してくれるだろうか。 程無くして、紫暮様は私を連日抱いて下さる様になった。出産後暫くは、 「裂傷が開いちゃまずいだろ」 と取り合ってくれなかったのだが、私が傷口を見せ、傷がすっかり治っている事を主張すると、 すぐに抱いて下さった。あぁ、もう何箇月も味わっていなかったこの悦楽。 だが、依然と違っていた事が一つだけ。紫暮様は、避妊具なる物を使われる様になった。 確かに、子どもを身篭った侭では、役目に付けない。だが、それでは紫暮様も気持良くないだろうに。 何時も私は、この方に我慢させてばかりだ。私も紫暮様を気持良くして差し上げられぬかと、 性に関する書物を読み、学んだ。紫暮様は、 「須磨子はそんな事知らんでも良いのだ」 と仰ったが、私の気が済まないのだ。 それを実践すると、紫暮様の欲望が、私の口に注がれた。 初めて味わうそれは、とても苦く、お世辞にも美味しいとは言えない物だったが、 紫暮様は満足して下さった様なので、私も嬉しくなった。 紫暮様はと言えば、性交の度に私の乳首から、潮の飲み残しの乳を吸われる。 先日、潮と私と紫暮様の三人で湯浴みした時など、 「乳鉄砲だ!」 などと言って、潮に飲ませる母乳が無くなる程に私の乳を搾った。 本当、この人もまだ子どもの部分が在り、今迄はそれを見せて下さらなかっただけなのだと実感した。 残り1年間。この人にも、潮にも思い切り甘えさせてあげたいと思った。
ある日の公園での事。中村さん、井上さん、横尾さん、厚池さんの奥様方と、赤ちゃんを連れて来ていた時だった。 「この子はね、真由子。繭から作られる絹の様に繊細な子に育って欲しいから、真由子って言うの。潮君、宜しくね」 と井上さんの奥様。 「それにしても潮ちゃん、眉や目鼻立ちと言い、本当に母親似ねえ。何にしても、二人の子どもなら、 優しくて強い人間になるだろうよ。麻子もそんな子になって欲しいねえ」 と麻沙子さん。彼女は、お母さん仲間の取り仕切り役になっていた。 「時に中村さんも蒼月さんも、初産だから大変だったでしょう?二人目の時は、時間は短いけど、もっと痛いのよ。あ、 和夫、そろそろ帰るよ〜!買い物済ませなきゃなんで、これで…」 井上さんのお宅には、もう1人7歳になるお子が居た。その子がこちらへやって来て、潮を覗き込んだ。 「おばさん、この赤ちゃんの名前、何て言うの?」 「潮よ。仲良くしてあげてね」 「潮かぁ。良し潮、大きくなったら遊んでやるから、楽しみにしてろよな!」 そう言って、親子で帰って行った。私の子もあんな風に育ってくれると嬉しい。 「二人目ねぇ。あたしゃ子どもは1人で充分だよ。皆はどうなんだい?」 と、麻沙子さんは笑い、皆も笑っていた。 だが、その中に在って、私は独り、笑う事が出来なかった。
それから一年近くが経過し、私は、毎日の潮の成長を記録するのが日課になっていた。 記録と言っても、日記とさして変わらぬ内容だったが、その内容は潮の事で埋め尽くされていた。 何時か、これを潮に読ませてあげよう。私達が、どんな気持で彼を育てたかを。 この時期の子どもは成長が早い。私はそれに夢中になり、自分の使命を忘れ掛けていた。 「潮、ハイハイ上手ね。ここ迄おいで」 潮は笑顔で寄って来る。何と可愛いのだろう。そんな潮を抱き上げた時だった。 キン!! 空気を裂く音が聞こえた。この音は… 「須磨子、非常に酷な事では在りますが、明日の朝にはここを発たねばなりません。 本当に可愛い赤ちゃん…私も転生した時、子どもと離れて役目を果たした身、 貴方の辛さは痛い程解るので、頼みたくは無いのですが…」 やはり、初代お役目・決眉様だった。 「いえ、解っております。私がいかねば、この子も紫暮様も、私に良くして下さった周囲の方達も 皆、諸共に死ぬ事になりましょう。私は再び海に戻ります。但し、今度は役目としてでは無く、 大切な方々を護る為に」 後悔は無い…無い筈だったのに、潮を見ていると、心が挫けそうになった。出立の準備をする手が何度も止まり、 いっその事、皆で異国へ逃げ出せばどうか、などと言う愚かな考えが頭を過る。それでも結局、いずれは何処に 逃げても同じ事になるのは解っているのに。 私は決心した。大切な方達を護る為のみならず、この国や余所の国、全ての親と子が引き裂かれぬ様、闘おうと。 これは私の闘いなのだ。
「では、言って参ります。この22箇月、本当に幸せでした。ありがとうございます。 中村さん夫妻や、井上さん夫妻に宜しくお伝え下さい。それから…潮の事をお願いします」 疾うに涙は涸れた。私は、22箇月前の御角様の言葉を思い出していた。 「幸せになりなさい。紫暮はそれが出来る男です」 本当に、紫暮様と結ばれて良かった。この人で無かったら、私はどんなに後悔しただろう。 その紫暮様を見ると、目には涙。この方が泣かれた事など、これ迄在っただろうか。 私の頭に、潮の胎教以来聴いて来た歌の歌詞が思い出される。 [目を閉じて――キスしてあげる 明日になれば二人は別れ別れ …………………………… 有りっ丈の愛を君に送ろう 僕の愛は君だけの物] だが、まだ足りない。幾等愛しても足りないのだ。紫暮様の食い縛った口が開く。 「須磨子、お前が戻る迄私は死なん。それでも戻って来ぬ時は、私が迎えに行く。 それも叶わぬと言うのなら、生まれ変わったらまた逢おう。そして、もう一度愛し合おうぞ」 そうだ。これは永劫の別れでは無い。遠い時の輪の中で、まだ逢える可能性は残されているのだ。 「はい、貴方…」 紫暮様に口付けする。自分から接吻したのは初めてだった。 「では…必ず、必ず迎えに来て下さいね!」
**** 潮に逢いたい、紫暮様の腕に抱かれたい。 だが、今私(わたくし)が此処で役目を務めるのは、愛する家族を護る為。 彼等は元気にしているだろうか。2人で喧嘩なぞしていないだろうか。 何時かきっと、家族を引き裂くこの憎い敵が滅び、 一家三人で幸せに暮せる日が来る。そう信じて、私は待つ。 私が居るのは海の底 深くて暗い水の底 傍(そば)に住まうは憎き敵 遠くに住まう愛しき人 我が子に逢えぬ悲しさよ 何時か何時かは此処を出て 役目を終えて廻り逢いたい でもそれ迄は海の底 白面外道と水の底
以上です。一人称、女性向け、と慣れない事はするもんじゃ無かったです。 須磨子は尊敬語が面倒なので、語らせるのには向いてませんね。 それに、女性向けSSと男性向けSSの違いが解らない侭書いてしまいました。 読んで下さった方、どうもありがとうございました。 それから、長くなったSSのお付き合い、お疲れ様でした。 暫く充電期間を作ります。
>>120 雑談の遅レス。先週号、立ち読みしてて、勝と菊の盆踊りのシーンで終わったと思ってたから、
意味が解らなかったが、まだ続きが在った事にさっき気付いた。
コロンもアルレ、パンタと同じ運命か?俺は、「古」ロンビーヌの方が好きだったから、
元の姿に戻ってくれると良いけど。
例の人形、エリに化ける前のアプ・チャーそっくりな気がする。
あ、後今回のSS、別に「男は読むな」とかじゃ無いんで。
毎回テーマ決めてSS書いてたから、その中の一つな訳で在って、いずれは男女両方に楽しんで貰える
SS書きたいなぁ、と。ですから、男女問わず感想貰えると嬉しいです。
>>154 乙〜
自分は男ですが楽しませて貰いましたよ。
自分のサイト作れば?>ネームレス
>>156 どうもです。本当、今回は何時もの倍以上時間懸ったんで、楽しんで貰えると嬉しいです。
>>157 解釈が複数出来る難しい文だけど、名指しで言われるとスルーは失礼なので、取り敢えず、
+で取った場合⇒自分は、飽く迄前スレの書き手さん達のSSを見て、
自分も書いてみたくなっただけですし、文章を書く練習としても書いています。
正直な話、前スレを読む迄、二次創作には全く興味が在りませんでした。
それに、現在全く無関係のジャンルのサイトを二つ抱えて、
管理が疎かになりかけている状況なので、これ以上は…。
-で取った場合⇒スレの専有化、と?今迄、他の書き手さんが投下なさらない状況ですから、
どんどん落としていましたし、参考の為に他スレを覗くと、似た様な状況の処は多々在りました。
先のレスで名無しさんに指摘された自分語りも直した積もりですが。
主にSSの前に書く文章はスルーを促す警告、後に書く文章は、保管庫管理人様にSSの終わりを明示し、
自分が注意して読んで貰えると在り難い部分を読み手に明記する為に書いていました。
感想レスに対するお礼は、読んで下さった方への、常識として当然の礼儀と考えています。
それ等すら、自分語りなのでしょうか?
何にしろ、思い付いたネタを次々書き込んだ事は謝ります。済みませんでした。
自分がスレの空気汚染なら、暫く黙ってます。比較的穏やかに解答したつもりです。
長文スマソ。
159 :
112 :04/06/08 00:43 ID:u2BxYObf
>>158 "自分のサイト"というのは、
「自分の作品について」の作者側の裏話などを各作品ごとに付したかったり
多くの作品についてよりいろいろな方から感想をほしいと思うのだったら、
反応が来ないが当然、ともいえるような投下しっぱなし系匿名掲示板よりも、
サイトの方が作品公開に向いているんじゃないだろうか。
ということじゃないでしょうか(まとめ下手でゴメン)
そんなに悪意でもなんでもないと思われ。
あと名指しだからといってわざわざレス返さなくてもいいことも多いと思いますよ。
(この書き込みにもレス不要です)
自分としては力作が毎日読めて本当に楽しいですが、
作品外での語りそのものは少し抑えたほうがいいかもしれませんです。
次作も楽しみにしていますね。
160 :
112 :04/06/08 00:44 ID:u2BxYObf
つか自治くさい書き込みでゴメン…_| ̄|○
>>158 何て言うか、にちゃんねららしくない人だね(苦笑
まあここは厳密には2chじゃないんだけどさ
>参考の為に他スレを覗くと、似た様な状況の処は多々在りました。
もっとよく見てみ
ニュー速とか1ヶ月くらいロムってみるといいかも。 自分オススメは生活全般板。マターリ住人してると2chの雰囲気すぐつかめる。 ネームレスさん、2chではテキトーに無責任ぐらいでいいんですよ。 人を傷つける悪意発言なんかはもちろんアウトだけど それ以外は、気楽な人格のほうがいいと思うよ。
>>154 GJですね。
外伝での堅い姿から、本編での柔らかい姿への変遷が見れた様な気がします。
エロシーンを除けば原作そのものな空気で良かったです。
ただ一点、タイトルなんですが、うしとらの世界観なら英語よりも日本語の方が相応しいと思います。
>ネームレス氏 163氏と同意見ではあるのですが… 地の文はすらっと読めたしエロパロスレなのでツッコミはエロの部分だけになるけども、 女性(というか私ですが)が萌えるにはちっと弱かったかなーと…。 前戯→挿入まで、この部分をじんわりねっちりかついちゃいちゃ書いてくださると嬉しい。 男の人からしたら鬱陶しい部分になっちゃうかも知れないですけど。 …麩女子でスマソ。
>>163 感想どうも♪でもやっぱ、無理矢理に捻り込んだエロシーンは見抜かれましたね。
須磨子のエロは難しいです…これがヴィルマとか古ロンビーヌなら、
スイスイ書けそうなのに。
タイトルは、紫暮との別れのシーンで須磨子が思い出した歌詞が、
THE BEATLESの"ALL MY LOVING"って曲なんで、そう付けました。
因みに先の『La Pioggia』は日本語の「雨」のイタリア語訳で、
Gigliola Cinquettiの曲から取ってます。
>>164 参考になります。女性にはアッサリHの方がうけるかなぁ、と思ったんですが、
そうでも無いみたいですね。と言うか、男の自分もネチネチ前戯が好きですよ。
同人とかやってる人ですよね?そう言った方って、
この分野詳しそうなんで、こんな風に色々教えて貰えると助かります。
気楽に行こうとは思いますが、感想レスは本当に嬉しいんで、レスさせて貰いました。
人大杉、解除されたみたいですね。
気が付けば日刊化のエロパロSS投下です。充電期間とか言っときながら、 ネタ神が脳内に降臨しました。 余り投下し過ぎても拙い様なので、途中迄を投下します。 今回は只管エロエロエロで、内容は「お姉さんが教えてア・ゲ・ル」です。 では、どうぞ。 ヴィルマ×鳴海で、『DEVIL IN HER HEART』です。
加藤鳴海が仲町サーカスに加わってから、既に二箇月が経過していた。鳴海は、 いまだエレオノールを憎悪を込めて「フランシーヌ」と呼び、団員の誰にも心を開かなかった。 流石にこれには三牛諸美も見兼ねて、何度と無く彼を呼び出し、事情を訊いたが、 鳴海は、エレオノール以外の人間にそれを話そうとはしなかった。 既に仲町紀之や浩男、三牛直太などは、彼を敵視し、サーカスから追い出そうとすらしている。 そんな事態を静観する者達もいた。仲町信夫と生方法安、そして、もう1人…。 「ねぇ、しろがね。今夜一晩、あの新入り借りってって良いかい?」 ヴィルマ・ソーン。他人の色恋沙汰に首を突っ込むのが大好きな、仲町サーカスのナイフ芸人だ。 以前は、タランダ・リーゼロッテ・橘と才賀勝をくっ付けようと躍起になっていたが、 今はその勝が居ない為、(頼まれてもいない)稼業は休業中だった。 「借りるって…何をするつもりなの?」 この女がこの手の発言をする時には、絶対何か在る。不審に思ったエレオノールは、そう訊ねた。 「何…あの子に『男の悦び』って奴を教えてやろうと思ってね」 「『男の喜び』?」 エレオノールには、何が何だか理解出来ない。 「そうさ。そうすりゃ、あの新入りもアンタに一発で惚れちまうだろうさ」 そう言って、ヴィルマは新入り――の元へ去って行った。 エレオノールは気付いていなかった。鳴海は通過点に過ぎず、 彼女の最終目的が、エレオノールと鳴海との3Pだと言う事を…。 「俺をこんな所に呼び出して、何をするっスか?俺はあの女から離れる訳にはいかねえんス。 用が在るなら、さっさと済ませて下さい」 飽く迄冷徹に問う鳴海。彼は、ヴィルマと二人、あるホテルの一室に居た。 「しろがねなら、逃げやしないさ。そんな事より、つれない事言うんだねぇ。 このヴィルマさんが、あんたの食べた事の無いフルーツを食わせてやろうってのにさ」 「何言っ…ング!」 彼の言葉は、ヴィルマの不意の口付けによって遮られた。 鳴海の口内に、ビールと煙草の匂いに塗れた舌が入り込み、歯の一本一本、 歯と歯茎の隙間迄を濃厚に舐め回す。 鳴海にとっては初めての、ヴィルマにとっては慣れ切った、舌を絡めあう大人のキス。 当然の様に、鳴海は石化していた。
石化が解けた鳴海は、腰が抜け、猛烈な勢いで、腕を使って後ずさった。 「うわ!ちょっと何するんスか!?」 彼の冷酷を装う仮面が剥がれる。 壁に突き当たった鳴海は、何とか立ち上がって逃げ出そうとした。 ドス!ドス!ドス!ドス! 「逃げちゃダ〜メ☆」 そんな彼の衣服を、ナイフが貫き、鳴海は昆虫標本宜しく、壁に張り付けられた。 普段の彼なら、こんな失態は絶対に在り得ないだろう。今の彼はそれ程動揺していた。 「アンタ、『女の味』を知らないだろう?教えたげるよ、ヴィルマ姐さんがね。 あぁ、逆らおうとしてもダメよ。ナカマチに、『新入りに強姦されたから、辞めさせてくれ』 って頼んじゃうからね。そしたらアンタ、もうしろがねの傍には居られないねぇ」 そう言って妖しく微笑む。 確かに、今迄己を鍛える事しか頭に無かった鳴海は、女性経験が0だった。 それを見抜くこの女は何者だろうと思った…傍から見れば、一目瞭然なのだが。 彼の頭にはもう、「女は怖い」と言う思いしか無かった。 「動かないでね…」 ヴィルマの手に握られたナイフの光が、暗闇に複雑な軌跡を描く。 一瞬にして鳴海は裸にされていた。 「義手、義足か…ま、アンタも普通じゃ無い生活送って来たのは判るし、深くは詮索しないさ。 あらあら…萎えちゃって。怖いのかしら?フフ…これが何処迄膨らむか、楽しみね」 彼女は、鳴海の右肩の肌と機械の境に口付けし、舐め始めた。 右肩から頭へ、ゾクゾクとした感覚が上って来る。 鳴海には理解出来なかったが、彼女は知っていた―この義手との境目は皮膚が薄く、敏感だと言う事を。 続けて、右手に唾液をねっとりと付け、その手で、同時に左肩を撫でた。
男は女と違い、快感では声を漏らさない。だが、ヴィルマは、鳴海の股間を見、彼が感じている事を知っていた。 「アタシばっかが奉仕するのもねー。新入り、こっちにおいで」 彼女はベッドの上に横になり、上体を起こして服を脱ぎ始めた。 赤紫の派手なブラジャー。鳴海の中には、その手の下着は淫乱な大人の女の着ける物だと言う固定観念が在り、 強ちそれも間違っていなかったと思った。 「俺には『加藤鳴海』って名前が在るんス。『新入り』は止めて下さい」 平静を装い、渋々ベッドへ上がる。だが、彼の股間はそれに反し、こんな状況でも興奮を示していた。 「今からアンタに、女の抱き方を教えたげるわ。フフ…触ってみたい?外して御覧よ」 そう言って、ブラジャーに包まれた胸を突き出す。鳴海は、一見嫌そうにはしていたが、彼も男だ。 内心、少しラッキーな気もしていた。
女性経験は無くとも、鳴海位の年齢ならば、学生時代に「ブラ外し」の悪戯は経験は在る。 慣れた手付きで、アッサリとブラジャーを外し、そこからまろび出た乳房に見蕩れる。 「意外と巧いじゃ無い。どう?結構胸に自信在るのよ。触ってみたいでしょう?シリコン無しの100%天然よ」 そんな事を訊かずとも、鳴海の目を見れば判る事だ。彼は、その二つの膨らみから視線を外せなかった。 彼女ご自慢の胸は、白人女性に多く見られる、釣鐘型で、白人故に乳首にも色素沈着は少なかった。 何も答えない鳴海を見て、彼女は半ば呆れつつも声を掛ける。 「もう…そこ迄感動する事無いじゃ無い。早く触ってよ。私もココ勃っちゃって大変なのよ」 と、乳首を指して見せる。その乳首を乗せた柔らかな膨らみに、震える手が伸びる。 「初めは優しくね…そう、周りから焦らす様に。女はこうやって焦らされると、堪らなくなるの…ハァ…ァ」 ヴィルマの口から、妖艶な息が漏れ、暫し指導する立場を忘れて快楽に浸った。 「そう…それで、感じて来たら、乳首を舐め…イイわ…巧いじゃ無いのさ。そうやって、舌で擦ると、本当に…Oh… 次は、ベイビーみたいに吸ってみて」 鳴海は指図されるのは好かなかったが、本能だろうか、自分でもそうしたいと思ってやっているのだ。 何故、女は性交時には、普段は出せない様なトーンの声を出すのだろう。 ピチャピチャと言う乳首を舐める音と彼女の上げる嬌声を聞くと、鳴海の怒張は更に膨らんだ。
「ハァ…本当、気持良いわ。ご褒美よ」 そう言って、鳴海の顔を離す。正直、これ以上続けられては、自分が気をやってしまいそうだった。 自分が先にイってしまっては、主導権を奪われかねない。そう考えた彼女は、先に鳴海をイかせる事にしたのだ。 「随分膨らむのね…これが入ると思うと…」 思わず彼女の口元が緩む。彼女は、膨らんだ一物を握り、扱き始めた。傍に在った備え付けのローションで、 それを包み込み、髪の毛を絡めながら、口に頬張る。 「全部入りきらないねぇ…顎が外れそうだよ」 そう感じた彼女は、作戦を変更し、舌で亀頭周辺、亀頭中心、根元から先端迄を順に舐める事にした。 鳴海は、こんな事はAVの中の出来事だと思っていたのに、それを今、自分が体験している事が信じられなかった。 やがて、彼の表情に変化が現れる。限界は近かった。
おお、攻められとる攻められとるw
ネームレスさん、いつもありがとう。 良スレの予感
リクに副えるネッチリ前戯、やっちゃいますよ。
何時も読んで貰ってるんですから、
こっちが「いつもありがとう」と言いたい位です。
…と、最近経験値を得て、[ある程度は]名無しさんの識別が出来る様になったんですが
(それが失礼な事だとは分かってます)、
読み手も書き手も交えて
>>52 さんのリク、リレーやりません?
出来ればROMの人も。今の人数なら、出来ると思うし、スレ住人で何か作り上げるのって、
盛り上がるんじゃ無いかな、と思うんですよ。
今日はマジに忙しいんで、今の処爆撃予定は無いです。
長文スマンカッタ
諸君 私はミンシア姐さんが好きだ 拳法服が好きだ戦闘服が好きだ黒ワンピースがが好きだ舞台衣装が好きだ 香港で四川省でサハラでイギリスで 説明で回想で コマの端で見開きで 作品内において彼女が見せるありとあらゆる姿が大好きだ 登場とともに繰り出された崩拳が最強の主人公を打ちのめすのが好きだ 空中高く跳ね上がったバイクで車のフロントを突き破る勇姿には心がおどる 師父譲りの華麗な拳法で自動人形を撃破するのが好きだ 悲鳴を上げた演技に騙された自動人形を はだけた胸で打ち砕いたときなど胸がすくような気持ちだった ナース姿をしたミンシア姐さんが折れた腕で闘うのが好きだ 涙ながらにしろがね達の最期を看取る表情などはもうたまらない 長い脚でエゲレスの不良どもをばたばたと薙ぎ倒した時など 絶頂すら覚えた しなやかな身体をぎゅっと押し付ける胸の柔らかさが好きだ 必死に元気にしようとした鳴海の絶望を止められず去っていく様はとてもとても悲しいものだ 一本の電話とともにに再登場する突然さも大好きだ 諸君 私はミンシアを 太陽の様なミンシアを望んでいる 諸君 私に付き従うからくり読者諸君 君達は一体 何を望んでいる? 更なるミンシア姐さんを望むか? 情け容赦のない 女王の様な姐さんを望むか? 持てる力の限りを尽くし 三千世界の鴉をも惚れさせる 光の様な姐さんを望むか? ミンシア!ミンシア! ミンシア!! よろしい ならばミンシア姐さんだ 我々は満身の力をこめて 今まさに振り下ろされんとする崩拳だ だが この暗い闇の底で約半年もの間堪え続けて来た我にただのミンシア姐さんではもはや足りない!! 萌えを!! 一心不乱の萌えSSを!! 我はわずかに一個の人間 十人に満たぬ一エロパロ住人に過ぎない だが諸君は 一騎当千の強者だと我は信仰している ならば我は諸君と我で 総兵力100万と1人のミンシア萌え集団となる ミンシアを忘却の彼方へと追いやり 眠りこけている連中を叩き起こそう 連中にミンシアの魅力を 思い出させてやる 連中に我々の ミンシア姐さんへの飽くなき萌えの心を思い出させてやる 一千ボルトのミンシア萌えで 世界を燃やし尽くしてやる !!!
>>175 力作乙。この改変コピペ、久々見た気がする。
俺もやっちゃお。
>>1 よ聞いてくれ。昨日、関西のの黒賀村行ったんです。黒賀村。
そしたらなんか孫ギャルがめちゃくちゃいっぱいで萌えられないんです。
で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて「魔猿フラグ立て中」とか書いてあるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
藤田な、魔猿如きで普段出てない黒賀村出してんじゃなーよ、ボケが。
魔猿だよ、魔猿。
なんか三姉妹とかもいるし。リア厨四人で魔猿争奪か。おめでてーな。
よーし僕れんげタソ堕としちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、魔猿やるから鳴海出せ、と。
からくりサーカスってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
自動人形とといつ命のキャッチボールが始まってもおかしくない、
刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。
で、やっと座れたかと思ったら、隣の奴が、リーゼタソハァハァ、とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、リア厨なんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、百合タソハァハァ、だ。
お前は本当にエレオノールを護りたいのか、と問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、スカーボディ見せりゃ、女はちると勘違いしてるんちゃうんかと。
藤田通の俺から言わせてもらえば今、藤田通の間での最新流行はやっぱり、
ヴィルマ・ソーン、これだね。
サディストのお姉さま。これが通の萌え方。
サディストってのはSっ気が多めに入ってる。そん代わりMっ気が少なめ。これ。
で、それにお姉さんが教えたげるモード(騎乗位)。これ最強。
しかしこれで萌えると次から普通の女性に萌えられないという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前らド素人は、牛鮭定食でも食ってなさいってこった。
慣れない事はするもんじゃ無かった。 最後の一行ミスってるよ…。 まあお前らド素人は、ナイア・スティールでも喰ってなさいってこった。 って書こうとしたのに、投稿しちまった。 因みに、本音じゃ無いし、深い意味無いんで、気にしないで。
ミンシア姐さんが復活した記念に是非SSを!! 頼みます、職人さん
>>178 それは、前スレ
>>111 こと、
>>112 さんの専売特許…と言うか、
>>175 が既に爆撃予告なんじゃ無いかと。
>>112 ですよね?期待してます。
それにしても、サハラ後から明霞の頭身が急に伸びたのが気になる。
前は、
梁明霞⇒綾瀬貴子
だったのが、
綾瀬貴子⇒梁明霞
になってる様な気が…。13巻辺りから、急激に頭が巨大化して、
頭身の下がったエレオノールと比べると、違和感。
180 :
112 :04/06/09 21:34 ID:hdMs2O77
ち、違うよ単に再登場に興奮したあまりの萌え宣言だよ ミンシア姐さんには激しい萌えのあまり劣情すら働かないのでむしろ困ってるんだよ ・・・ちなみに自分は黒賀村編もかなり好きな人なので人気なくて肩身狭い(´・ω・`)
>>180 投下に備えて、防空壕掘っとこうかと思ったのにw。
純愛物で書いてみてはどうでしょうか?
って言うか、再登場したんだ…田舎だからワカンネ。
182 :
33 :04/06/09 23:58 ID:UGJ4Su85
今頃何ですが、新スレおめ! やっと原作にも鳴海登場の兆しが出て来て、創作意欲が復活しましたんで そのうち投下しに来ますね。 原作に反比例して、脳ミソ腐りそうな大甘ラブラブ物です。 ハンドルは前スレのままでいきますので、よろしく〜(・∀・)ノ
>>182 「戻ってきた!戦士たちが黄泉の国から帰ってきた!」(by乙事主inもののけ姫)
やはり、防空壕は必要だった…萌え死なぬ様にw。
お帰りなさい。
184 :
名無しさん@ピンキー :04/06/11 02:11 ID:hjbm9y2e
誰か、鳴海とミンシア、もしくは鳴海とファティマを書いてくれんかなーとリクエストしてみる
33さん楽しみにしてます。ラブラブマンセー(;゚∀゚)=3
最近、良い処でぶった切った方が賢いと言う事を学んだ日刊SSエロパロです。
てな訳で、『DEVIL IN HER HEART』の続きをどうぞ。
>>184 鳴海×ファティマ、難しそうですね。他の書き手さんが書かれない場合、挑戦してみます。
>>182 人大杉で入れなかったんですか?と推測してみる。無料ですから、
専用ブラウザをインストールしてみてはどうでしょうか?
鳴海の男が一際膨らみ、脈動と共に溜め込んでいた性欲を吐き出す。 「ウ…ング…何て量だい。若さだねえ」 ヴィルマはそれを事も無げに飲み干し、未だ力を失わない鳴海自身を愛しそうに撫でた。 「今のうちのサーカスの状況じゃ、性欲の処理も難しいだろうし、溜め込んでるのは解るけどさ。 スペルマが髪に付いちまったよ。ナカナカ落ちないんだよねえ…ねえ、一緒に風呂に入んないかい? 背中流してよ」 「へ?…ふ、風呂?…あ…ウ…分かりました」 一度絶頂に達し、普段の理性を取り戻した鳴海は、彼女の提案に驚く。そして、もう完全に逆らえなくなったと思った。 「もたもたしなさんな!照れてんなら、心配無用だよ」 言われて鳴海は仕方無く浴室へと足を踏み入れる。 湯気に包まれて立つ女は、地獄に潜み、夜な夜な男を誑かす淫魔の様にも見えた。 先刻から鳴海を魅了して止まなかった、豊満なバスト、成熟し、今が女盛りだと主張する腰の括れとヒップの膨らみ、 燃えるかの如き、真紅の陰毛。それ等は、余りの美しさ故に、男の性を騙す為に作られた様にも思えた。 女は、それを隠そうとする様子も無く、微笑みながら鳴海に見せ付ける。 「…………」 鳴海は言葉も無く、そんな彼女の頭の先から足の先迄を何度も見るしか無かった。 「何ジロジロ見てんのさ?そんなに女の裸が珍しいのかい?後で飽きる位見せてやるから、アタシの髪洗って頂戴」 「あ…はい。シャンプーは…と」 「そうそう。女は髪も頭皮もデリケートだから、優しくね」 鳴海は、彼女の髪を洗いながら、昔誰かの背中を流そうとして、女の裸を見てしまった事を思い出した。 あれは誰だっただろうか。思い出せない。 「ほらぁ、どうしたの?手が止まってるよ」 鳴海は記憶を掘り返す作業を中断し、目の前の女性に集中した。
ヴィルマの洗髪を終え、鳴海は彼女の体を洗っていた。どうしても、彼女の裸体を目に焼き付ける事に専念してしまい、 巧く洗えない。そして、鳴海の手が、乳房に近付いた。 「あ、そこは特に皮膚が薄いから、そうっと洗わなきゃダメよ」 先程自分が愛撫し、興奮してしまった場所。洗う手に力が入ってしまう。既に、下半身は力を取り戻していた。 励起した乳首に引っ掛かる度、鳴海の手は止まってしまう。ヴィルマは、そんな彼を見て、未だ主導権が自分に在ると確信した。 「あの…洗い終わったっス」 背中、腹、胸、脚、腕と全身を洗い終わった鳴海が、そそくさと出て行こうとする。 「あらアンタ、チキンなのかい?まだ洗ってない場所が在るだろう?」 チキンと言われては退く訳にはいかない。鳴海は無言で彼女に向き合った。 「ほら、ココよ。コ〜コ!見た事無いんだったら、教えたげるから」 彼女はバスタブに腰掛け、脚を開いて股間を指差す。 「え…でも、洗い方が…」 「だからぁ、教えるって言ってるでしょ?ほら、開いてみな」 鳴海はおずおずと彼女の脚の間に座り込み、その場所に手を掛けた。その手は震えていた。 「どう?これが『女』よ。花みたいでしょう?」 周囲を紅の陰毛が多い、開かれた隙間からは、似た様な色の花びらが覗いている。その内側は、血の色が透けていた。 鳴海にはそれが、虫けらの様にしか思っていない男を貪る食虫花に見えた。 ヴィルマがその部分を説明し始める。 「アンタが今掴んでる部分が、アウターラヴィア。バストなんかよりももっと柔らかいでしょう?ここを揉まれるのも、気持が良いのよ。 で、その内側に在るのが、インナーラヴィア。今は膨らんでるけど、普段はもっと薄いわ。焦らすのには最適。この辺りは、 その侭ボディソープ使うんじゃ無くて、薄めてからよ。それと…」 次々と説明を続けていくヴィルマ。鳴海は完全に固まっており、医者でもあった白銀の記憶と必死で結び付けようとしていた。
「ちょっと!ねえ、聞いてんのかい!?」 「あ…?え、えぇ。何でしたっけ?」 「ったく、折角ヴィルマさんが教えてやってるってのに、このボーヤは…。そこのビラビラしたの開いてみなって言ったのさ」 鳴海は慌ててヴィルマの大陰唇から手を離し、小陰唇を開く。 「じゃ…続きね。ここがクリトリス。女はここが気持イイのさ。洗う時は、こうして皮を剥いて、指でね…」 と、ヴィルマは半ば顔を出し掛けている肉芽を包皮から剥き出す。 「後でゆっくり愛撫して貰うわ。楽しみにしてるよ。で、最後になったけど、下に開いているのが、ヴァギナ。 濡れてるでしょう?普段から湿ってはいるけど、女はヤりたくなると…こうなるのさ。アンタのペニスが入るのも、ここだよ」 意図的に卑猥な言葉を選び、鳴海を挑発するヴィルマ。当の鳴海はと言うと…頭に血が上り過ぎて、失神していた。 鳴海が気が付くと、再びベッドの上だった。ヴィルマを殺し屋だとは知らない鳴海にとっては、 彼女が自分をここ迄運んだ事は脅威だった。ふと違和感に気が付き、自分の体を見る。 「な、何をした!?」 彼の手足は無くなっていた。 本来義手や義足の在るべき場所に、接合の為の機器しか残されていない事は、彼にとっては行動不能も同然だった。 「あら…気が付いたのね。アンタ運ぶのに苦労したんだから、感謝して欲しいわ。探し物なら、浴室の前よ。 重たかったから、外したのさ。言う事聞いてくれるなら、後で返してあげるわ。さ、イかせておくれ」 徐々に本性を見せ始めたヴィルマは、横たわる外無い鳴海の眼前に、己の秘部を開いて見せた。 鳴海の視界が、淫靡な色で塞がれる。 「ここを慰めるのに、手足は要らないだろう?」
今回は以上です。次回に続きます。最近、このスレ、 SS投下の頻度が高過ぎる所為で(ほぼ俺の所為だけど)、 レス数でスレストする前に、容量で書き込めなくなりそうな気がするんですが、 どうなんでしょうか?詳しい人、教えて下さい。
191 :
名無しさん@ピンキー :04/06/11 20:36 ID:m/qzlAkK
>>191 うぃ、わざわざ済みません。いや、500KBで止められるのは知ってたんですが、
専用ブラウザ使ってる所為で、バイト数表示されなかったんです。
で、IEだと表示されるみたいなんで、確認して来ました処、現在177KBでした。
レス数≒KB
ですね。
質問の仕方が悪かったみたいで、御免なさい。
193 :
名無しさん@ピンキー :04/06/11 21:14 ID:m/qzlAkK
>>専ブラ まあ、ブラウザによるがな。(かちゅはKB数まで表示してる) Live2ch(だよな?)は使ってないんでどうか知らんが、表示方法あるかもしれんよ。一応調べてみ。 ってか住人は君だけじゃないんだからいっぱいになりかけたら誰かが言うっしょ。
>>193 えぇ、色々と試行錯誤した結果、ログを強制破棄して
リロードすると、一瞬表示される様でした。
言い忘れてましたが、先のHP、ブックマークして
読ませて貰ってます。知らない事一杯だったんで、
役立ちました。有難うございます。
続き出来ましたんで、投下します。これで完結です。 ピチャ…クチュ… 男の舌が仕方無しにヴィルマの女を慰める。ヴィルマはと言うと、彼の顔の前に腰掛け、自らの手で秘部を開いていた。 和式便器はこんな気分なのか?そんな事を考えながら、加藤鳴海は堪え切れぬ怒りと、屈辱と闘っていた。 先刻迄は、半ば自分の意思だったが、今の彼の心には怒りしか無かった。 幼少期、典型的な苛められっ子だった彼は、変わった筈だった。まだ見ぬ弟を護る為に。 水子となり、結局出逢えなかった弟…「鳴海兄ちゃん」と呼んで欲しかった。その為に強くなったのに、 この女はいとも簡単にそれを打ち砕き、再び元の弱かった加藤鳴海に戻そうとしているのだ。 今出来る抵抗と言えば、この女の秘部に噛み付く事位だが、そんな事をすれば、何をされるか判った物では無い。 先程からこのヴィルマ・ソーンと言う女を見ていて鳴海は、この女は単なる色狂いでは無さそうだ、と気付いていた。 恐らく、自分の知らぬ闇の世界で生きてきたのだろう。身動きの出来ない今の自分が逆らえば、 躊躇い無く殺されてしまうかも知れない。まだ、鳴海は死ぬ訳にはいかなかった。帰国した目的さえ果たせれば、 自分の命に未練は無いが、取り敢えず今は、従う振りをしておこう―飽く迄も振りで、心から従う訳では無い。そう考えた。
鳴海の舌が、ヴィルマの膣に入り込む。 「Oh…イイわよ。Ah…もっと…Hu…奥迄いれなさい」 彼は舌に圧力と、微妙な酸味、生臭さを感じたが、不思議とその部分に懐かしさを覚えた。 何か、怒りや性的興奮とは違った感情が芽生える。この悪魔の様な女にも、子どもを産む為の器官が備わっている事は、 妙な気がした。その器官は、鳴海の舌をグイグイと締め付けて来る。彼は、これが女が快楽を得た時の反応なのだろうと判った。 そして、抵抗出来ぬなら、徹底的に昇天させてやろうと思った。 鳴海の舌が、陰部の上端へ移動する。 先程朦朧とする意識の中で聞いた彼女の説明に依ると、その部分が最も敏感だと言っていたからだ。 「Ahh!そ、そこは…そんなにしたら…ヒッ!Ahhhhh!!」 舌で包皮を持ち上げた鳴海は、そんな彼女の言葉も無視し、一心不乱に舐め、押し潰し、甘噛みする。 彼女の腰が逃げて行っても、上体を起こして舐め続けた。 「Come!!Come!…Ohhh!!yeah!!Ahhhh!!!!」 執拗な鳴海の責めに耐え切れず、遂にヴィルマは絶頂に達した。
「ちょっと強引だったけど、素敵だったわ。アンタ、アタシを勘違いしてるみたいだけど、 そこ迄非道い女じゃ無いんだよ」 自分にこれだけの事をしておいて、今更何を吐かす。鳴海は何も答えなかった。 「素敵な思い出を作りましょう…あら、また萎えてるわ。怖いのかい?それとも怒ってるのかい? ま、直ぐに元通りにしてやるさ」 そう言ってヴィルマは、萎み掛けた鳴海のペニスを自分の陰裂に挟み込み、それを扱き始めた。 「チッ…勝手にしろ!俺は好きでこんな事やってんじゃ無え!!」 「口では立派な事が言えるんだねえ?でも、コックの方はヤる気満々みたいだよ」 その通りだった。柔らかく、温かで、滑りの良い陰唇に挟まれ、扱かれる快感は並大抵の物では無かったのだ。 「さ、準備は出来たし、いよいよ本番だよ。あ、避妊してるから、ゴムの心配はしなくてイイわ」 天井に向かって屹立する鳴海の男に、ヴィルマの女が近付いて来る。それがヴィルマの中に入った時、 鳴海は言い知れぬ快感を覚えた。膣の中がこんなに熱いとは思いもしなかった。 複雑な襞が絡み付いて来る、と言う事が比喩では無い事を実感した。それは、不定期に収縮し、鳴海自身を締め付けた。 鳴海のそれは、更に膨らみを増し、膣の最深部迄入り込んでいるにも関わらず、三分の一は膣の外にはみ出していた。 「動くわよ」 「あ…今は動かれると…」 そんな鳴海の言葉を無視して、ヴィルマは鳴海の上で踊る。先程の仕返しのつもりなのだろうか。 鳴海の中に、これ以上は無いと思っていた先の快楽よりも、さらに大きな刺激が流れ込んで来る。 苦痛には耐性の在る彼も、快感の前には為す術も無かった。 「ウッ…」 ヴィルマの中で、鳴海が痙攣したかの様な動きと共に、精液を吐き出す。ヴィルマの膣の収縮は、 まるでそれを更に搾り取らろうと言わんばかりに連動していた。 「情け無い…もうイっちまったのかい?女は複数回イけるし、アタシャまだ満足してないよ。 夜はまだまだ長いんだ。楽しませておくれ」 脱力した鳴海の陰茎を含んだ侭、ヴィルマは再び動き出した。 「うぅ…もう勘弁してくれ…」 鳴海の泣き言とヴィルマの矯正が止む事は無かった。
「Good mornin'!しろがね」 「お早う、ヴィルマ。昨夜は彼と何処へ行ってたの?貴女は良く抜け出すから兎も角、 『新入りが消えた』って大騒ぎだったんだから」 「言った通り、ちょっと男としての悦びを教えてたのさ。ね、ナルミ?」 鳴海は目のしたに隈を作り、ヴィルマの影に隠れる様にして立っていた。 「はい…姐さん」 「でさぁ、今夜辺り、今度はナルミと一緒にアンタに女の悦びを教えたげようかと思うんだけど、今夜暇?」 彼女の野望はまだまだ終わらない。 以上です。M男の心境が解らないんで、最後の方逃げました。 有難うございました。では…。
グッジョブ!!
え〜と、まだ途中なんですが触りだけでも投下しますね。 原作のギスギスしたクールな鳴海もツボなんですが たまには、エレにデレデレな鳴海のバカップル物も書いてみようかと。 >186 専ブラは前から入れてたんですが、深刻な鳴海不足の為、萌えの種が育たず 足が遠のいてました。 まだ完成して無くて、停滞する日もあるかもしれないので その時は構わずに自作を投下してください。 >ネームレス氏
201 :
33 :04/06/12 23:44 ID:hyC4xzvH
仲町サーカスの中には、個人の空間など無きに等しい。 金銭的に余裕のある大手なら、それぞれキャンピングカーでも与えてもらえるだろうが 仲町サーカスには数台のトラックしか無い。 興行先によっては公民館を貸してもらえたり、安宿に泊まる時もあるが 殆どの場合、団員達はテントの中や、狭いトラックの中で雑魚寝である。 当然、個人のプライバシーなど望むべくも無い。 プライバシーの確保、それは熱愛中の恋人達にとって、最大の重要課題であり 鳴海とエレオノールにとっても悩みの種だった。 サーカスの中は常に人の目が有り、2人だけになれる事は殆ど無い。 例えば昼間、他愛も無い会話をしている時、ふと良い雰囲気になったりする。 どちらからともなく手を伸ばし、体を寄せ合い、唇を触れ合わせようとすると、大抵 誰かが通り掛かる。 しかも彼らの仲を快く思わない連中が若干名いて、2人でいるところに割り込んで来て 意図的に邪魔をする。 夜は夜で、いくら公認の仲とはいえ、これから一番やってきますとばかりに 2人で堂々と人気の無い所へ行く程、神経が太くはない。 皆が寝付いた頃に、そっと寝床を抜け出し、つかの間の甘い一時を得る。 そんな風に、平和ではあるが不自由な日々を送っていた。
202 :
33 :04/06/12 23:46 ID:hyC4xzvH
春の初めのある日の事、鳴海は団長の仲町に呼び出された。 「この前、話が出てた次の興行先がな、正式に決まったんだ。あちらから連絡が来て 観光シーズンの目玉の一つって事で、来月にな」 「ああ、温泉で有名な町でしたっけね。・・・それで?」 「今回の先乗りを、お前に任せようと思ってな」 先乗りとは、事前に興行地へ赴き、地元の商工会や顔役への挨拶回り、場所代の交渉など 様々な打ち合わせを行う事だ。 「えっ・・・、俺だけでですか? そりゃあ、いつも団長か法安さんにくっついてって 段取りは分かってるっすけど・・・。俺みたいな若造だけでもいいんすか?」 「まぁ、お前さんも随分慣れてきたようだし、そろそろ1人でも大丈夫だろ。 それと、しろがねも一緒に連れてってやれ」 「はぁ?」 「家事やら何やら、ほとんどあいつに任せっきりで、ろくに休む事も出来ねぇし。 たまには周りの世話なんか忘れて、ゆっくり羽を伸ばしてこいってな」 何でも完璧にこなせるだけに、仕事から日常の雑事まで、周りの者がつい頼ってしまい 自分の時間など殆どないエレオノールの事を、団長もそれなりに気にしていたようだった。 「それに・・・俺の女房も良い女でな。狙ってた野郎が多くて、随分邪魔されたもんだぜ。 おかげで若い頃は、デートもろくに出来なかったよ」 団長の死んだ妻がエレオノールに似ていたと、以前、鳴海は聞いた事があった。 その為、自分達の若い頃の姿を、2人に重ね合わせているらしい。 「・・・あー、すいません。なんか気ぃ使わせちまって」 「いいってことよ。しかし、お前も苦労するなぁ。ははは」
203 :
33 :04/06/12 23:47 ID:hyC4xzvH
翌日、鳴海はバイクの後ろにエレオノールを乗せ、目的地へ向かった。 昼食を取る為に立ち寄った高速道路のサービスエリアで、観光雑誌を買い入れる。 「ねえ見て、ナルミ。このお祭り、興行場所のすぐ近くだわ。4月の中頃にやるの。 からくり人形が見られるんですって」 「ああ、聞いた事あるぜ。からくり人形を乗せた山車が出るんだってな。来月か。 勝達を連れて行ってみるか」 「あちこちに桜の名所があって、樹齢が1500年になる樹もあるんですって。興行の合間に 皆でお花見に行けたらいいわね。一杯、お弁当を作って・・・」 エレオノールはページを捲りながら、声を弾ませる。 やはり2人だけの旅行が嬉しいのだろう、今日の彼女は珍しく饒舌だった。 鳴海もまた、無邪気に喜ぶ彼女の姿を見ていると、心が浮き立ってくる。 以前と比べると、エレオノールはかなり社交的になった。 だが他人行儀とも言える程、他の団員達に対しての丁寧な言葉使いと礼儀正しい態度は 未だに変わってはいない。 常に一定の距離を保っていて、いつも感情を抑制しているようだった。 口喧嘩をしたり、すねて見せたり、無防備に有りの儘の感情をさらけ出す相手は 鳴海だけであり、エレオノールにとって彼は唯一、甘える事の出来る男であったのだ。 他の男には決して見せない彼女のあどけない表情に、鳴海の顔もつい緩んでしまう。 「どうかした? ナルミ。顔が少し赤いわ」 「な、何でもねーよ」 くるっとした大きな銀色の瞳に見つめ返され、鳴海は慌てて視線を逸らした。
204 :
33 :04/06/12 23:48 ID:hyC4xzvH
とりあえず、今日はここまで。
>>199 どうもです。次のネタ、資料漁りが大変なんで、遅くなりそうなんですが、
読んでやって下さい。正二×アンジェリーナで、幕末物をやろうかな、と。
>>前スレ33
ラヴラヴ爆弾投下キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!
ほぼリアルタイムで読めました。乙です。
流石、鳴海エレオノール専門を謳うだけ在りますね。
エレオノールがこんなに可愛いキャラとは気付きませんでした。
続き、楽しみにしてます。
マサルちん×れんげたん気本
続き楽しみです(´д`*) 後、前スレの111さんの保守の続きが気になるんです
208 :
名無しさん@ピンキー :04/06/13 21:08 ID:LQxEL+4X
33様、キタ━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(` )━(Д` )━(;´Д`)ハァハァ !! 続きお待ちしてます!
209 :
208 :04/06/13 21:09 ID:LQxEL+4X
はしゃぎすぎてageてしまいました・・・ みんなスマソ _| ̄|○|||
210 :
112 :04/06/13 21:54 ID:w0UrqBhK
33さんの甘甘が来てる!!続きも楽しみです。
ネームレスさんの正アンも楽しみ。
最近スレに活気がありますね。
前スレで途中だった日輪ものとかしゃ学者さんのとら真由とか削夜探偵さんのとか
阿紫花ヴィルマとか、地道に待ってるのでいつか降臨してくれるといいな。
>>207 エッΣ(゚Д゚;)
ど、どれのことでしょう…ギイ菊?
正二×アンジェリーナ、巧い話運びが浮かばないので、 気晴らしに本当にショートショートな話を書いてみました。 敢えて読む前のネタばらしはしません。では、どうぞ。
from:中村麻子 sub :お疲れ〜☆ 本文:今ヒマ?遊びに行かない?潮が買い物に付き合ってくれないのじゃ〜(;_;)。 メール待ってるよ♪ 仕事中の彼女の携帯にメールが入る。彼女―井上真由子は23歳になっていた。大好きだった『彼』 との離別から8年。大学を出た真由子は、元来読書好きな事もあって、小説作家になっていた。 大学時代から、幾つかの作品を発表し、世間からは期待の新人と目されている。今は、 次の作品の資料集めに街に繰り出していた。メールの差出人、中村麻子は、OLとして働いており、 芙玄院の住職をしながら画家を目指す潮と半同棲状態で暮している。 to :中村麻子 sub :Re:お疲れ〜☆ 本文:良いよ〜!今、私も丁度街に出 ドンッ!! 「キャッ!…あ、ご、御免なさい」 メールを書きながら歩いていた為、前方への注意が疎かだった様だ。見ると、そこには、 何処か異国の民族衣装の様な物を纏った色黒の、見上げる様な大男が立っていた。 「マ、マ…ユコ…?」
一見すると、恐ろしい風貌を持つその男に、何故か真由子は恐怖を感じなかった。それ所か、 妙な安堵さえ覚えてしまっている。そう、それはあの日以来失い、決して得る事の無かった安堵感だった。 懐かしい…この感覚は何だっただろうか。あの時以来、彼女の本能は、自我が崩壊する事を防ぐ為、 この感情を強制的に頭から追いやってしまっていた。それに、自分の名前を呼ばれた様な気もする。 だが、初対面の人間に話し掛ける度胸を真由子は持ち合わせていない。 そんな気になる男の後姿をチラチラと振り返りながら、彼女は歩き続けた。 そして、曲がり角に差し掛かったその時―― キキィューー−−!! ブレーキ音に気付き、前方に注意を向けた真由子の目前に、大型トラックが迫っていた。 己の危機を察した真由子は、お役目としての法力を数年ぶりに発動させようと、印を組み、念を集中させる。 トラックの運転手も必死でブレーキを踏む。だが、この距離では到底間に合わない。 ガシャァッ!!!! 奇妙な音を立て、トラックが停止する。運転手には、何故トラックが止まったのか理解出来ない。 だが、真由子にはその原因が見えていた。 「おめー、さっきわしにぶつかったばかりだろーが。こんな事じゃ、命が幾つ在っても足んねーぞ!」 そこには、両腕でトラックを止めている黄金の獣が立っていた。 「アンタ、気を付けてくれよ。危うく轢き殺しちまう処だったじゃ無えか」 トラックの運転手が降り、車体前部を点検している。 その声は真由子の耳には届かなかった。たった1年の付き合いだったけれども、 彼女のピンチには、何時も駆け付けて、必ず助けてくれた『彼』。 石にされてしまった時、生首に追い駆けられた時、鏡に閉じ込められた時も、 獣と化した潮に襲われた時も、蛇と蛙の化け物に喰われそうになった時にだって何時も助けてくれた彼。 そして、最後の戦いで、自分の力が及ばなかった所為で、その命を失った彼。 何と声を掛ければ良いのだろう。謝るのか、感謝するのか…様々な感情が溢れて来て、彼女は言葉が出なかった。
「何だこりゃ?気味悪いな」 トラックの前部に出来た、巨大な手形を見て呟く。白面の者との闘いで、妖(ばけもの)の存在が一般に認知されたとは言え、 基本的に妖と人間は無干渉で暮す事になっていた為、一般人が妖に出会う機会は余り無かったのだ。 「何やら、めんどくせー事になりそうだな。ずらかるぜ」 黄金の妖は、彼女を抱えて飛び去った。 「あ、あの女の子、消えちまった…」 日曜日の昼前の公園。家族連れの親子達が、楽しそうに遊んでいる。 「あ…あの、とらちゃん…だよね?」 ベンチに座った真由子は、一般人には何も見えない空間に向かって話し掛けた。 「あぁ。おめーにゃ話してなかったか。妖ってのは、何度くたばっても土から立ち返ってくるのよ。時間は懸るがな。 わしも人間の言う『あの世』とやらにゃ初めて行ったんだが、そこにわしが人間だった頃、親しくしてた姉弟が居てな。 特に姉の方は、わしに逢えた事を喜んでたぜ。で、そいつは言ったよ。 『貴方が来るのをずっとお待ちしておりました。貴方に逢えない時間、私はどんなに貴方を想って恋焦がれた事でしょう』ってな」 真由子の表情に影が出来る。とらは、3000近くも生きて来たのだ。その間に彼に惹かれる女性は自分1人な筈が無い。 そんな事を考えると、先程とは別の涙が溢れて来そうだった。 「だがな、わしゃそいつに話したのさ。おめーとの約束をな。そしたらそいつは 『その方を幸せにしてあげて下さいな。でも、時々で良いですから、私の事も思い出して下さい』って言ってたぜ」 「えっ!?とらちゃん、『約束』って?」 とらの姿が、シャガクシャだった時のそれに戻る。 「わしゃ、おめーに誓ったろ?『死が二人を分かつ迄愛する』ってよ。まだおめーはくたばってねーからな」 to :中村麻子 sub :Re:お疲れ〜☆ 本文:今、潮君ち?だったらその侭待っててよ。すっごく会わせたい人が居るの♪あ、大きな鏡も用意しててね。
以上です。続き物にするか、ここで終りにするか迷ってます。 有難うございました。
>>保管庫管理人様 あ、タイトルは、『GET BACK』です。先にタイトル書くと、ネタばれするので、 忘れてた。
217 :
33 :04/06/13 23:47 ID:FtmryF2x
着いた先は、風光明媚な山間の地方都市だった。 全国的に知名度の高い観光地なだけに、町の中心を流れる川の両岸に、数多くのホテルや旅館が立ち並んでいる。 その川に架かる橋の近くにバイクを止め、鳴海は地図を広げた。 「とりあえず宿を決めちまおう。えーと・・・、駅に案内所があるってよ。そこに行って ホテルを探そうぜ」 「見て。あんなところで皆、お風呂に入ってる」 エレオノールが指した方を見ると、川岸の岩場に温泉が湧いていて、数人の男女の 姿が見えた。 男性達は湯の中に浸かり、旅館の浴衣を着た女性達は足だけを浸して談笑している。 「へ〜、さすが温泉街だ。あんなとこにも露天風呂がある。まぁ、俺には用は無いけどな」 「あ・・・」 彼の言葉に、エレオノールの表情が曇る。 鳴海は作り物の手足を気にするつもりはないが、不躾な視線でジロジロと見られれば やはり愉快な気持ちはしない。 他人の好奇の目が煩わしく、普段は体を洗うのも洗面器に張った湯で、タオルで拭いて 済ませたり、銭湯を使う時も人気の少ない時間を選んで行ったりしていた。 エレオノールはしゅんとして、黙り込んでしまった。 露天風呂の話題などを口にした、自分の迂闊さを責めるているようだ。 「ばーか、そんな事いちいち気にしてるんじゃねーよ。それにせっかく来たんだ。 俺はいいからお前は湯巡りでもしてこいよ」 鳴海は明るく笑いながら言ったが、エレオノールは頭を振った。 「ううん、いいの。あなたと一緒じゃなければつまらないから」
218 :
33 :04/06/13 23:48 ID:FtmryF2x
宿泊先を決める為に、2人は観光案内所に向かった。 そこでエレオノールは壁一面に張られたポスターに、ふと目を留めた。 しばらく見入っていた彼女は、隣で電話帳を捲っていた鳴海に声をかける 「ねえ、ナルミ。一日だけ贅沢してはいけないかしら?」 「はぁ? 何だって?」 「今日だけね、この旅館に泊まってみたいの」 彼女が指し示したポスターの写真には、趣のある建物が写っている。 「おいおい、いくらすると思ってんだ? そういうとこは高ぇんだぞ」 「だから一日だけだったら。明日からはビジネスホテルにすればいいでしょう?」 鳴海との付き合いで身に付けた、おねだりする時のコケティッシュな上目遣いで エレオノールは可愛らしく彼を見上げる。 さしもの鳴海もこの攻撃に抗うのは難しく、渋々ポスターに目を通した。 そして、その宣伝内容を読み、彼女の意図に気付いた。 (ああ、そういう事か・・・) 財布には、ある程度の持ち合わせはある。 最近は順調に興行依頼が入るようになり、仲町サーカスは経営が成り立つようになった。 お陰で、わずかとはいえ給料と言える物も出るようになった。 遊ぶ事に興味の無い鳴海には特に使い道も無いので、それなりに貯まっている。 「そうだな。たまには贅沢してもいいよな」 経済的に問題は無いし、何より先程落ち込ませてしまった彼女の心を晴らしてやれるなら。 鳴海はそう考えた。
219 :
33 :04/06/13 23:49 ID:FtmryF2x
シーズンオフの所為か、幸い部屋は空いていて、予約無しでも泊まる事が出来た。 鳴海は差し出された宿帳に、「加藤鳴海、エレオノール」と書き込む。 「ご夫婦でいらっしゃいますか? お部屋は一つでよろしいですね?」 「はっ、はい、お願いします」 愛想の良いフロント係に、面映い気分で鳴海は答えた。 「夫婦」と言われて、エレオノールも顔を赤らめる。 仕事に取り掛かるのは明日からなので、今日は1日、町の散策に出掛ける事にした。 野外博物館の古民家を見物したり、土産物屋を覘いたり、久しぶりに誰にも邪魔されない 2人だけの時間を満喫した。 「誰の目も気にしないでいいってのは、気楽だよなぁ」 「そうね。サーカスの皆と一緒にいるのも楽しいけれど。でも、あなたとこうして いられる時間が一番好き・・・」 誰にも見られていないどころか、彼らは今、注目の的であった。 内外からの観光客が多く訪れるこの地では、外国人など特に珍しくもなんともないが エレオノールの美貌は、人々の視線を引き寄せた。 そして鳴海の方も白皙の美青年と言うには程遠いが、なかなかの男前であったし 何よりも日本人離れした身長と鍛え抜かれた肉体は周囲を圧倒した。 絶世の美女と堂々たる風貌の青年。 自分達がいかに人目を引く存在であるのか、彼らはまるで分かっていない。 旅の恥は掻き捨てといおうか、顔見知りの者が誰もいない場所での気楽さの所為か 鳴海は少し大胆な気分になり、エレオノールの手を取り、握り締める。 エレオノールは恥じらいに頬を染めながらも、彼のその手をぎゅっと握り返した。
>>前スレ33 続きキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !! …と、書き込み無いけど、終りかな?乙です。 俺のSS霞みそうだよ、ママン|‖|‖_| ̄|●‖|‖ 何処の温泉だろ?別府か城之崎かな? 志賀直哉を受けて書いたなら、城之崎か? なんて想像したりして楽しめました。 本編じゃ見られない明るい鳴海を久々に見た気がする。 続き、待ってます。
>>215 当然ながら続けて欲しい。
潮との再会も書いて欲しい。
かがりやキリオも絡めてドタバタでやって欲しい。
けれど、
上の方でも書かれていたけど、やっぱタイトルは日本語の方が似合ってると思う。
「帰還」とか「還りきて」とか(←人にとやかく言えるセンスは無いw)
ネームレスさんが書く真由子大好き。
33様の鳴エレは良いなあ。可愛いエレに萌え。 場所は「近辺の山車からくり」「樹齢1500年の桜」 などのキーワードから岐阜県の下呂温泉と推察します。
>>221 成る程!ここで終わらせる方が、話としては美しいかな、と思ってたんですが、
かがりや霧雄と絡ませると面白そうですね。それで書いてみます。
で、タイトルなんですが、今迄書いた作品のタイトル、全部曲名から取ってるんですよ。
で、洋楽フリークの俺には、「帰還」をテーマにした邦楽が思い浮かばなかった、と_| ̄|●。
何か良い曲名、無いでしょうか?在ったら変えます。
>>222 木に登っちゃいますよw。有難うございます。これ、続き書きます。
>>223 あ〜下呂か。全然知らなかった…恥。
てな訳で、続き書いてみました。講義の空き時間、全部注込んじゃったよ…。 ドロドロしてます。エロは無いです。これも続けようとすれば、出来ない事も無いです。 そしたら、とら×真由子のHも書けますし。またまた意見待ってます。では、どうぞ。
「ね、みんなに会いに行こ!今夜は、とらちゃんのパーティやろうよ!きっとみんなも喜ぶよ。 あ、私ね、作家になったんだぁ。好きな時に休みが取れるから、明日は一緒にお買い物行こうね! それから、お昼は、とらちゃんの大好きなマドロス・バーガーで…それからね…」 真由子は眩しい程の笑みで、はしゃぎながら今は人の形態を取っている大男の手を引く。 こう言う処は、8年前と何も変わっていなかった。 「あ…あぁ、そうだな」 とらの方はと言うと、以前と同様、強引な真由子に振り回されている。だが、その様子は何時もと違った。 「どうしたの?みんなに会うの嫌?あ、もしかして照れてるのぉ?」 感受性の豊かな真由子は、すぐにそれを察知し、訊ねる。 「い、いや…土から立ち返ってから、三日、何も喰ってねえんだ…。もう、人を喰う気も起きねえしよ」 「あっ!真由子〜!!」 既にメールで事情を聞いた麻子と潮は、芙玄院の前で待っていた。麻子が2人のもとに駆けて来る。 潮はと言えば、どう対応して良いのか分からないのだろう。その場から動かず、立ち尽くした侭だった。 ハンバーガーを貪っている男が言う。 「何湿気た面してんだ?チビ槍人間。少しはデカくなったみてーだな」 「何ぃ?これでも20pも伸びたんだぞ、糞妖怪!」 「わしから見りゃ、全然変わっとらんな、うすらバカちび」 「そりゃお前がデカ過ぎるんだろが!畜生…お帰り…あほんだら」 麻子も真由子も涙で見えなかったが、その時確かに潮の目には涙が光っていた。
to :間崎礼子 cc :鷹取小夜 cc :檜山勇 cc :八十神史帆 cc :関守日輪 cc :杜綱純 cc :設楽水乃緒 cc :野村信一 cc :片山歩 cc :香上裕美 cc :中島タツヤ cc :大谷詩織 cc :柏木実 sub :パーティやるよ!p(^o^) 本文:おっひさ〜。みんな元気してた?麻子だよ☆今からみんなで飲もうよ! 凄く嬉しい知らせがあるんだb(^。^)。明日は月曜日?そんなの有休!有休! 雲外鏡のおんじに頼んで、こっちに送って貰うから、準備出来たら鏡の前で 待っててね。てな訳で、小夜ちゃん達は、お化けのみんなに連絡回しといて。 それと、純さんは絶対お兄さん引っ張ってでも連れて来ること(笑)! 礼子達も旦那連れて来なよ。 じゃ、また後で、潮んちで会おうね〜♪
「メール送っといたよ。おじさん、おばさん、良いよね?」 「ええ、きっとみんな喜びますよ。困るのは、本堂で騒がれる仏様位かしら」 「なに…構わんだろ。今夜位は仏様も許して下さるさ。酒なんざ、久し振りだな」 既に住職の座を潮に譲り、今は潮に法力の指導をしている蒼月紫暮とその妻・須磨子。 二人は、近所でも有名な鴛鴦夫婦になっていた。 須磨子は当然の事ながら、紫暮も8年前から全く変わっていない。それ処か、14年振りに逢えた妻との生活で、 若返っている様にすら見えた。一方、二人に仏道修行をさせられている潮はと言えば、流石は二人の息子 と言った処か、めきめきと頭角を現し、杜綱達元伝承候補者ですら敵わぬ程の法力を身に付けていた。 それでも本人は画家になると言って聞かなかったが。 その点では麻子も同じだった。米次は彼女にしきりに店を継ぐ事を薦めたが、彼女は快諾しなかった。 そして、その侭ズルズルとOLを続けている。勿論、将来潮と暮す時の事を考えての事だが。 「うん…うん。そうなの。とらちゃんが帰って来たの!今、潮君ちだから、すぐに来て。じゃね〜」 カチャ… 「…………」 井上家リビング。引狭霧雄は受話器を置いた。とらが帰って来た。その事実は、彼にとっては素直に喜べなかった。 この8年間、自分は何時壊れてしまってもおかしくない真由子の事を必死で支えて来たつもりだ。 とらを失った彼女が、ここ迄立ち直れたのは、自分の努力に依る物だと言う自負も在る。 それが、彼が帰って来たのでは、自分の存在理由が無くなってしまうのでは無かろうか…そんな事を考えると、 胸を掻き毟りたくなる様な衝動に襲われる。霧雄は高校に通いながらも、光覇明宗の仏道修行を続けていたが、 以前は紫暮、秋葉流に次いで強大だった法力も、今は自分よりも遅れて修行を開始した蒼月潮に追い抜かれてしまっている。 もう一度、自分の存在意義を己に問い掛け、押入れの中から、埃を被ったエレザールの鎌を取り出し、リュックに詰めた。 今夜、全てに決着を着けんが為に…。
「潮〜元気にしてたか〜!!」 最後の客、イズナが鏡から飛び出す。その夜、芙玄院本堂で行われた宴は、周囲から見れば、宛ら各地の伝承に在る、 百鬼夜行の様に見えたであろう。何しろ、集まった面々の半数以上は、妖だったのだから。 鷹取小夜、八十神史帆、設楽水乃緒。これ等三人の妖に深く関わる運命を持った女性は、白面との大戦後、 重要になった人間と妖との間の橋渡し役としての仕事をしていた。それで、今日は潮ととらに親しい妖を召集する事が出来たのだ。 「へぇ、とら君か…ちゃんとお話するのは、初めてだよね」 黄金の獣の前ではしゃぐ二人の女性。香上裕美と片山歩。彼女達は、それぞれ既に旦那を持ち、赤ん坊を抱いていた。 潮ととらは、知らず知らずの内にこの二組のカップルの愛のキューピッドの役を果たしていたのだ。尤も、そんな事を彼等に言っても、 「へっ!気色悪い!わしゃそんな積もりは毛頭無かったぜ」 と言われてしまうだろうが。 人や妖の区別無く、この8年間の事を語り合い、つまらなさそうに話を聞くとらに絡み、とらの隣の席を巡って、真由子、かがり、 鳥妖、詩織の四人が揉める。その光景は、一夜限り、昔に戻ったかの様だった。皆で笑い合い、罵り合い、また語り合う。 そこに在るのは、8年前の彼等の姿だった。誰もあの闘いでの死者の事は口に出さない。 彼等にも、出来ればとら同様帰って来て欲しかったが、彼等は残らず満足して逝ったのだ。それを今更口に出すのは、 彼等に失礼な事の様に思われた。
宴も終り、誰もが酔い潰れて本堂に雑魚寝している状況だった、そんな中、動く影が一つ。 「とら…起きてるよね?話が在るから、下の公園で待ってるよ…」 影はそう伝えて出て行く。月明かりが、彼を照らし出す。男の名は、引狭霧雄。その顔には、強い決意と覚悟が秘められていた。 そして、彼が出て行き、続いてとらが出て行くのを見てから動き出す影が二つ。二人の間に言葉は無かったが、彼女達には、 互いに言わんとしている事が解った。そして、それ等を見守る二人。 「モテる男は辛いってか。私達にはそんな事は無かったよな」 「うふふ…貴方も充分『イイ男』ですよ」 「ばっ馬鹿!何処でそんな言葉覚えたんだ?」 「でも、止めなくて良かったんですか?」 「ま、心配要らんだろ。そう思ったから、お前も止めなかったんだろ?」 「そうですね…救急箱の用意位はしておいた方が良さそうですけど」 「で、おめーは何の用でわしをこんな処に呼び出したんだ、霧雄?」 既に四肢も伸び切り、すっかり大人の様相を見せる霧雄にとらが声を掛ける。 「とら…は、真由子お姉ちゃんの事、どう思ってるの?とらが居なくなってから、お姉ちゃんは毎日泣いてたんだよ! 僕は…僕はそんなお姉ちゃんをずっと元気付けて来たんだ。それなのに…いきなり帰って来て、 お姉ちゃんを僕から奪おうとするんだったら許さない!!!!」 霧雄は手にエレザールの鎌を携え、叫ぶ。 「何言ってんだお前?ま、おめーの言う事ァ正しいぜ。人の世でのこう言う時のルールは一つ。 強い方が正しい…かかって来な!」 とらが人であった頃の姿に戻り、人差し指で手招きする。 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 霧雄はエレザールの鎌を放り、素手でシャガクシャに殴り掛った。
「え!?霧雄君が私を?」 芙玄院、潮の自宅の裏庭。井上真由子は、鎌鼬のかがりに告げられた事実を飲み込めないでいた。 「そうよ。今日見ていて、ハッキリと確信したわ。あの子は貴女を慕っている。それも、尋常では無い位にね」 霧雄に慕われている事は、勿論真由子にも解っていた。唯、それは単に姉に向けられる様な感情だと思っていたのだ。 「私は妖。とら様も妖。貴女は人間。あの子も人間。私の言いたい事、解る?」 「私が…とらちゃんを好きになると、みんなが不幸になるって事?でも、私はとらちゃんも霧雄君も大好きなんだよ!? 好きになるのに、お化けとか人間とかって、関係無いじゃ無い!!そんなの…おかしいよ…」 かがりは既に涙声になっている真由子に、冷たく言い放つ。 「そうかも知れない。でもね、人を傷付けるのに、『知らなかったから仕方が無い』と言うのは、理由にならないわ。だから…」 その時、かがりと真由子は、すぐ側の公園に異変を感じた。 「話は後ね。行ってみましょう」
話は少し前の時に戻る。今、霧雄が立ち向かっているのは、嘗ては一国を護った伝説の勇者なのだ。 そんな男に半人前の法力僧である霧雄が、体術で敵う筈も無かった。何度殴り掛っても、拳をいなされ、 与える筈だったダメージの何倍もの攻撃が返って来る。既に霧雄の顔は誰だか判別出来ぬ程に腫れ上がり、 全身痣だらけで、息も上がっている。内臓も痛めているのだろう。口からは血が流れ続けている。 倒れ込んだ霧雄の腹に、シャガクシャの脚が飛ぶ。 「オラ!立てよ!!まさか、これしきでくたばんじゃねーだろな?だがな、今更言うのも何だが、 わし等がこんな事してても、最後に決めるのはあいつだぜ。だがまぁ、おめーの気が済む迄付き合ってやらぁ」 霧雄の顔を掴み、その体を持ち上げた―― カッ!!「まだだ!僕が何故ここに居るのか、それが解る迄、僕は負けない!!」 「へっ!漸く根性見せやがったな…そう来ねえとな!!」 シャガクシャの姿が、一瞬にしてとらの姿に戻り、霧雄もエレザールの鎌を握る。 霧雄の目から法力が射出され、シャガクシャの右手の指を残らず奪う。 「雄雄雄雄雄雄雄雄雄雄!!!!」 「光覇明宗単独滅殺封印!弧月!!」 とらの稲妻と霧雄の法力がぶつかり、大爆発を起こした。尤も、公園の周囲には霧雄が結界を施しているので、 周囲に音は漏れない。その爆発の後に立っていたのは…とらだった。
とらは、法力を消耗し過ぎて、立っていられなくなった霧雄の隣に座り込む。 「人間にしちゃ、なかなかだったな。ここ迄やる奴ァ、ナガレ以来かもな。…お、どうやら、わし等の『答』が来た様だぜ」 飛び散った指を手にくっ付けながら、顎で公園の入り口を指差す。 パキィィン… 霧雄の施した結界も、四代お役目の真由子の前では紙に等しい。駆け寄って来た二人は、彼等を見て驚いた。 「キャッ!とらちゃんも霧雄君も血だらけじゃない〜!!もう!喧嘩しちゃダメでしょ〜!!」 さっき迄かがりに責められていた自分の状況よりも、目の前の傷付いた二人を心配する。井上真由子はそんな女性だった。 霧雄も、彼女のそんな人柄に惹かれたのだろう…そしてとらも。 「あぁ、こりゃ殆ど奴の返り血だ。わしゃ右手吹っ飛ばされただけさ。で、この坊主がおめーに訊きてえ事在るらしいぜ」 「何?霧雄君?そんな事より、病院行こうよ!」 「いや、良いんだよ。僕が望んで、こうしたんだ。それでねお姉ちゃん…」 「僕ととら、どっちが好き?」 真由子の隣に立つかがりから、刺す様な視線が向けられる。だが、真由子はそれに臆せず答えた。 「あのね、霧雄君。私は二人共大好き。二人共とっても大事なの。二人が居なかったら今、 私はこんなに幸せじゃなかったよ。でもね、大好きなんだけど…何て言うか、好意の向け方が違うの。 お願い。解ってね。だから、どっちの方が好きとか、そんなの決められないよ」 「これで、おめーの心に吹く風は止んだかよ?そう言う事らしいぜ。さて、ビョーインとやら迄連れてってやるぜ」 「うん。御免、とら。有難う、お姉ちゃん…僕、勘違いしてたみたい」 霧雄を抱えたとらの背中に、かがりの悲痛な声が突き刺さる。 「あ、あの…とら様!とら様は私とその女のどちらをお選びになるのですか!?」 とらは振り向く事も無く、背中を向けた侭答えた。 「悪いな。わしゃ、コイツみてえに気の利いた言葉なんざ掛けられねえんだ。唯、言える事は、 わしはもう、コイツと契りを結ぶ旨を誓っちまったって事だ。わしに惚れたのが運の付きだと思ってくれ。 ま、何時でも遊びに来な。お前は、嘗ては只の1人も居なかった妖の…えーと、その、何だ、 『友人』とか言う奴の1人だからな」
翌朝。芙玄院本堂に置かれた鏡の前。 「では潮とその同胞よ、達者でな。また一緒に酒を飲もうぞ」 「あぁ、長も元気で」 「だ〜か〜ら〜、妖は何時でも元気なんだい!」 イズナがおどけて答える。彼等は知らない。昨夜、男の闘いと女の闘いが繰り広げられていた事を。 その事を知るのは、当人達と、光覇明宗三大酒豪に数えられる紫暮とその妻で、体質故に アルコールが全く効かない須磨子のみで在った。 「あれ?とら、何処行くんだ?俺に取り憑くんじゃねえのか?」 「半人前のお前も、そろそろわしに頼らねえ生活をしねえとな。で、今度はコイツに憑く事にしたのさ」 その一言で、潮は全てを察した。 「煩え!糞とら!さっさと出て行きやがれ!!…今度、遊びに行くぜ」 「おめーみてえな奴にゃ来て欲しくねーな。あばよ!」 数年後。世界の何処か…。 「ありゃ何て妖だ!?とらぁ!」 「ゴルゴン…擬視した物を石に変えちまう西洋の妖よ。石になっても助けねーからな」 「二人共!来るわよ!!気を付けて!」 「気ィ抜くなよ、とらぁー!」 「煩えっ!!おめえにだきゃ言われたかねーな、潮ォ!」
以上です。 霧雄×真由子 とら×かがり のファンの方、御免なさい。出来るだけ、霧雄とかがりも報われる様にした積もりですが。 では、どうも有難うございました。
御免。最後に余計なパラグラフ付けたから、この話続けられそうにないや。 てな訳で、新しいの書きます。この話は完結って事で。
うん、これで完結の方がきれいにまとまってていいね。 かがりには「妖怪は歳をとらない、何時までも待っています」とか言わせても面白かったかも。 あと、”シャガクシャ”よりも”とら”で統一していた方が良かったかな。
>>237 畜生…それだよ。何で気付かなかったんだ。
でも、妖は歳取らないとしたら、海座頭とか、
あの姿で産まれて来た事にw。
シャガクシャととらは、形態に合わせて書いてみたんですが、判り難かったですね。
即席で書くのは良くないなぁ。俺、リク受けるのには向いてないかも。
予想される残りの突っ込みに答えとくと、
長が復活してるのは、8年の間に人間が、白面の穴を埋め立てたって事にしてます。
勇は短距離走日本代表。麻子は会社で陸上部に所属。
香上は小説評論家で、真由子を持ち上げたのも香上。裕美は専業主婦。
片山夫妻は、バンド組んで活動してます。
と色々考えたけど、話の流れ的に入れられなかった。ちょっと悔しいから、ここで言い訳。
239 :
33 :04/06/15 00:25 ID:ynRNGDDs
旅館に戻り、夕食を済ませると、床が延べられた。 仲居さん達は、てきぱきと仕事を終えると、一礼して部屋を出て行った。 和室の中央に、きちんと並べられた二組の布団。 それは妙に生々しさを感じさせて、2人は気恥ずかしさに言葉も交わせず、押し黙ったまま 布団の横で向かい合っていた。 「・・・・・・・・・・」 既に幾度も肌を重ねた仲であるというのに、まるで初夜を迎える新婚夫婦のようだ。 「えーと、その・・・何時までもこうしてても仕方ねぇし、そろそろ風呂にでも入るか?」 「えっ、ええ、そうね」 照れ隠しに鳴海が明るい調子で切り出すと、エレオノールも救われた様な顔で同意した。 鳴海は立ち上がり、テラスの方に向かって歩いて行く。 外に出るガラス戸を開けと、そこは四畳ばかりの板張りのスペースになっていて 檜作りの浴槽が設置されていた。 目の前には夜景が広がり、下には街の灯を水面に映した川が滔滔と流れている。 「凄ぇ。いい眺めだ。やっぱ、こういう所の景色って風情が有って良いよな」 「ねっ。ここに泊まって良かったでしょう?」 エレオノールも彼の背後から覗き込む。 「あなたに誰にも気兼ねしないで、ゆっくり休んでほしかったから」 この旅館の客室は全室、露天風呂が付いている。 彼女が珍しく我が儘を言い出したのはこの為だった。
240 :
33 :04/06/15 00:26 ID:ynRNGDDs
鳴海は服を脱ぎ、先に湯に浸かった。 心遣いの細やかなエレオノールは、彼の服を畳み、着替えの仕度をしている。 今は他人の目を気にする必要も無く、鳴海は湯船の中で思いっきり体を伸ばした。 温泉の湯はやはり格別で、全身の緊張が解けていくようだった。 まだひんやりとした3月の風も、火照った体に心地良い。 ガラス戸の向こうから、エレオノールが声を掛けた。 「ナルミ、お湯加減はどう?」 「ああ、最高だ」 すっかりくつろいで、ぼんやりと景色を眺めながら鳴海は答える。 ガラリと引き戸を開け、体の前をバスタオルで軽く押さえただけの一糸纏わぬ姿で エレオノールが入って来た。 宵闇の中、街の灯とテラスの薄灯りに照らし出され、彼女の体の曲線が浮かび上がる。 全て見せられるより、わずかに隠されていた方がより扇情的で、その姿に鳴海は思わず 見蕩れてしまった。 エレオノールはバスタオルを手摺りに掛け、その裸身を彼の前に晒し出した。 張りのある豊かな胸、円やかな腰のライン、しなやかで白い手足。 十分に見慣れているはずなのに、今日は尚更艶めかしく感じる。 エレオノールは湯船に入り、ゆっくりと体を沈めていった。 「本当、良い気持ち・・・」 肩まで浸かりながら、彼女はホゥッと吐息を漏らす。
241 :
33 :04/06/15 00:29 ID:ynRNGDDs
今日は根性が無くて、ここまでしか出来ませんでした。
>>223 ビンゴ━━━━━━ヽ(゚∀゚)ノ━━━━━━ !!!!!
>>238 妖怪はその姿のままで生まれてくるのではないかな。
砂掛け婆とか子泣き爺とかも。
海赤子なんかも赤ん坊の姿で生まれ、幾百年経とうが赤ん坊のままで。
夜の海、僅かな星明かりと360度包み込まれるような暗闇、
闇の向こうに何かの気配、船底一枚の下に広がる地獄。
そんな恐怖が一滴また一滴と降り積もって海座頭が生まれるみたいな。
かがりたち鎌鼬みたいな種族として確立してる妖怪だと、親から産まれてくるかも。
赤ん坊として産まれて、ゆっくり成長して、成体になったらそこで止まってずっとそのまま。
鳥妖や雲外鏡なんかだと、長生きした鳥や何代にも渡って使いこまれた鏡が変化して妖怪になったり。
そうなのか…。自分、民間伝承とか疎いんで、 地元に関連した妖怪・土地神位しか知らないんですよ。 その辺絡めると、うしとらで面白いの書けそうですね。 時に、読み手の方々に訊きたいんですが、 萌えるカップル・シチュエーションとかって在ります? 俺、今迄自分の書きたい物を好き放題書き散らして来ただけだったんで、 流石に拙かったかなぁ、と。乱交の奴は、他の書き手さん次第で書くとして、 何か在ったら書きますよ。と言うか、リク受けても書ける様になりたい。
244 :
242 :04/06/15 02:17 ID:rcLqS63v
>>243 まあ真面目に民俗学とか勉強している人から見れば
鼻で笑われるような脳内妄想なのですがw
読みたいカプというなら潮×小夜か潮×勇とかかなあ。
潮×真由子&麻子の3Pなんてのも好きだなあ。
245 :
112 :04/06/15 02:58 ID:Mtp/KEn+
>>243 ミンシア姐さんに関するすべて(*´∀`)
てか33さんの鳴エレはもしや露天風呂プレイですか?露天風呂プレイですか?
というわけでお風呂プレイにも萌え。
風呂エチ(´Д`)ハァハァ ネームレスさんのエロも読みたぃ(´Д`)我にエロを…
解りました。じゃ、
>>244 さんの
潮×小夜
で、さり気無く
>>246 さんの意見取り入れて
書いてみます。俺、今迄エロよりパロメイン
だったし。で、次は明霞で。
内容が33さんと微妙に被ったら済みません。
小夜書くのに、青姦・温泉は必須っぽいので。
カムイコタンに行くついでに、あちこちの女の子を食ってまわるど外道潮でw
>>244 リク有難うございました。冒頭出来たんで、落としてみますね。
こんな感じの設定で話を進めてみてはどうでしょう?
潮×小夜で『恋はみずいろ』です。
>>248 そ、それはちょっと無理かも…w。
日輪なんか喰ったら即死確定ですよ。
1997年6月。日本、いや世界の命運を賭けた戦いは、人間・妖側の白面への勝利と言う形で終結した。 だが、人間や妖達も全く無傷では済まなかった。多くの犠牲者の上に成り立った勝利で在ったし、 戦いの犠牲になったのは、死者だけでは無かった。寧ろ、満足して散っていった者達よりも、 大きなダメージを負う者も多かった。 蒼月潮の目が覚めたのは、あの戦いから三日後。80時間近くが経過してからだった。 「潮!良かった…この侭目が覚めないかと…」 「ったく、三日も寝こけおって…寝坊助にも程が在るだろうに!」 「貴方、潮は頑張ったんだから、褒めてあげましょうよ。お早う、潮」 「潮〜!!良かったな!良かったな!」 「此度の戦い、誠に大儀でございました。御無事で何よりです」 まだハッキリとは意識が覚醒していない潮に声を掛ける麻子、紫暮、須磨子、イズナ、雷信。 (あれ…?) いつもの声が聞こえない。 「まーったく、何時迄寝こけてやがる。あんまり隙だらけだから、喰っちまおうかと思ったぜ」 何時もなら、ここで『奴』がこう言う筈なのに…。 (あいつは?あいつは何処行ったんだ?) 「ここに居る方々も、居ない方々も、心配して下さってたんだぞ。特に麻子ちゃんと母さんは、 ずっと付きっ切りでお前の事を…」 そんな事はどうでも良かった。絶対にここに居なければならない奴が居ないのだ。 皆が潮の事を忘れた時も、あいつは何時もと変わらぬ調子で悪態を吐いた。 そいつがここに居ない。 そして、潮は訊ねるのが恐ろしかった問いを、遂に口に出した。 「な、なぁみんな!とらは!?とらは何処行ってんだよ!?」
翌日。潮の体の傷は、獣の槍の力で既に治っていたので、すぐに退院する事が出来た。 そして、今日は光覇明宗を挙げての大葬儀だ。これは、戦いで散って行った者達を祀り、 鎮魂する為の儀式で、とらの葬儀は特別に分けて行われた。その帰り道―― 「オヤジ…とらは、もう居ないんだよな?」 「あぁ、それはお前が一番近くで見た筈だ。だが、とら殿は未練を残して逝ったか? 前にお前に『色即是空』と言う教えを説いた事が在ったな。変わらぬ物は無いのだ。 お前ととら殿の関係も変わった。それをお前が未練を抱いていては…」 「そんな事どうだって良いんだよ!オヤジ、北海道に行こう!!あそこにゃ冥界の門が開いてるんだ! そして…そして俺、そこに行って、あいつを引っ張り出して来てやる…うぅぅ…」 隣に立つ須磨子や麻子は、己が何もしてやれない悔しさに身を震わせている。 紫暮にしても、今の潮には何も言ってやれなかった。 「お早うございます。潮殿は居られますか?」 居間の鏡から飛び出して来た雷信が、髪を梳いていた須磨子に問う。 「えぇ、お早うございます。潮なら部屋に居りますが…今は、そっとしておいてはくれませぬか?」 「その事に関してなのですが。潮殿は此度の戦いで、肉体よりも精神の損傷が大きかった様です。 そこでですが、暫く潮殿を私達が預かっても宜しいでしょうか?潮殿は静養が必要に思えます。 失礼ですが、この様な都会よりも遠野の様な自然豊かな場所の方が心も落ち着くでしょうし、 あの場所には、潮殿と同じ傷を持つ者が居ります故。一緒に過ごさせてみては、と思うのですが…」 「そうですか。では、主人と相だ…」 「愚息を宜しく頼みます」 何時の間にかその場に立っていた紫暮が深々と頭を下げていた。人間も妖も皆、潮を好いてくれて、 こんなにも大事にされている。その事が紫暮にはこの上無く嬉しかった。
「じゃ、オヤジ、母ちゃん、行って来るよ」 「迷惑掛けるんじゃ無いぞ」 「ゆっくりしてらっしゃい。気を付けて」 あの戦いでも潮の活躍は、本人と家族の希望で取り下げられ、光覇明宗の情報操作のお陰で、 潮は普通の中学生としての生活が送れる様になっていた。勿論、潮の周囲の人間迄はそうもいかないので、 今登校しては、潮は更に追い詰められる事になるだろう。そんな学校側の配慮も在って、 潮は一箇月の静養期間を得、遠野へと旅立つ事となったのだ。 潮の母・須磨子としては、14年ぶりに得た、家族が一つになれる時間を先延ばしされるのは辛かったが、 潮がこの状態では、家族皆の幸せなど絶対に望めないと考え、何とか納得したのだった。 「じゃ、良いな。鏡を繋ぐぞい。…ったく、わしゃ便利屋じゃ無いんじゃがのぉ」 鏡の向こうの雲外鏡が愚痴る。 キラッ 潮は雷信に手を引かれ、輝き出した鏡に飛び込んで行った。 飛び出した先は雲外鏡が隠遁生活を送る洞穴。そこから更に雷信の背に乗って、森の中を駆け抜けた。 (ここは…確か東の長の住んでた…) 見覚えの在る景色が潮の目に飛び込んで来る。潮は画家を目指すだけはあり、一度でも見た風景は絶対に忘れないのだ。 「あ…もしかして俺が過ごす場所って…」 「はい。この家も主を失って寂しがっております」 着いた先は、朝も早いこの時間帯ですら、殆ど光の射さない深い森の中。東の長・山ン本の帰りを待ち続ける 『迷ひ家』だった。 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ… 潮が門の前に立つと、迷ひ家は体を揺すって応えた。 「迷ひ家も喜んでおる様ですね」 「そっか…只今!これから暫くの間だけど、宜しくな」 「それから、言い忘れておりましたが、潮殿はこれよりこの家で、ある人間と同棲して戴きます。 その方が、お互いの為にもなりましょうから」 「えっ?俺以外にも誰か…」 「潮君!いらっしゃい。これから一箇月間宜しくね」 潮と雷信の気配を察して迎えに出て来たのは、あの戦いで、潮と同じく『相棒』を失い、傷付いた小夜だった。
取り敢えず、これだけです。 これから、同じく傷付いたかがりを遊びに来させたりで、 潮と小夜の同棲生活を描こうかと。 で、タイトルも日本語にしました…って、タイトルで結末バレてますが。 有難うございました。
雪女の垂とヤスのカプで書いて欲しいな。 雪女を人間にする方法は、とびっきり熱い精を注いでやること、という設定で。
255 :
33 :04/06/15 22:26 ID:LloZYgnr
透き通る様な彼女の白い肌が、みるみる桜色に染まっていく。 頬にもほんのりと赤みが差して、薄化粧をほどこした様に見えた。 真珠の粒の様な水滴が産毛を光らせ、なだらかな肩を滑り落ちていく様は、あまりにも 官能的で、鳴海の情欲を煽った。 エレオノールは彼の隣ににじり寄り、その肩にコトンと頭を預ける。 温められた彼女の体から立ち昇った芳しい香りが、彼の鼻孔をくすぐった。 「街の灯りが綺麗・・・。それに山の空気も、とっても美味しいわ」 「あっ? ああ、そうだな」 エレオノールは穏やかで満ち足りた様子だったが、鳴海の方はといえば、まったくもって 落ち着かない気分を味わっていた。 艶かしく輝く肌も、髪の香りも、甘い吐息も、全てが彼を挑発する。 今すぐにでも彼女を抱きたい。 柔らかい肌を思う存分、貪りたい。 そんな衝動に囚われたが、あまりにもがつがつしている様で見っともないと思い 彼は辛うじて踏み止まった。 エレオノールの方は、そんな鳴海の気も知らぬかの様に、ゆったりと湯に浸かっている。 しばらくの間、2人は静かに寄り添い、外の景色を眺めていたが、やおらエレオノールが 鳴海から体を離して立ち上がった。 「ああ、熱い・・・。のぼせてしまったみたい」 彼女は湯船の反対側に移動して、浴槽の縁に腰を掛け、鳴海に向かい合った。 彼の目の前に、肉感的な体が惜しげも無く晒し出される。 「お、おい! 外から見られちまうぞ」 「平気よ。ここは3階だもの。下からは全然見えやしないわ」
256 :
33 :04/06/15 22:27 ID:LloZYgnr
エレオノールはゆったりとした仕草で髪を掻き上げ、悠然と顔を仰のかせるが 鳴海は気が気ではない。 「風が冷たくて、気持ち良い・・・」 彼女が身じろぎする度に、両足の間の濡れた繁みが誘う様に蠢く。 もう限界だと、鳴海は思った。 派手な水飛沫と共に立ち上がった鳴海は、彼女の二の腕を掴んで荒々しく引き寄せた。 「あっ!」 エレオノールはよろめく様に、彼の腕の中に倒れ込んだ。 「まったく、お前は・・・。わざとやってんのかよ」 すっかり勃ち上がった彼の物が、彼女の腹部に強く押し当てられる。 「あ・・・、ナルミ。もうこんなに硬くなってる・・・」 「お前の所為だぞ。どうなっても知らねぇからな」 そう言って、鳴海は噛み付く様な激しさで、彼女の唇を塞いだ。 「うっ・・・、ふぅ・・・」 舌を強く絡め取られ、彼女は息苦しそうな声を漏らす。 エレオノールの唇を貪りながら、鳴海は片手を彼女の腰に回し、もう片方の手で 白い尻をまさぐった。 「あっ、あんっ! ま、待って! こんな所では人に見られてしまうわ」 「何言ってんだよ。下からじゃ見えねぇって言ったの、お前だろ?」 「ね、ねぇったら。ナルミ。・・・あん!」 最初は拒んで見せた彼女も、耳を弄られ、首筋に舌を這わされている内に、声に艶が 混じり始めた。
257 :
33 :04/06/15 22:28 ID:LloZYgnr
「はぁん・・・、く・・・ふぅ・・・」 エレオノールは身を捩り、彼の体に縋り付く。 鳴海は彼女の足の付け根に指を差し入れた。 「・・・やんっ! あっ、あっ」 柔らかな肉襞を掻き分け、潜り込んでいった指が彼女の中で蠢き、その動きに合わせて 溢れ出した蜜が、ピチャピチャと淫らな音を立てる。 足が震え出し、立ったままでの行為に耐えられなくなったエレオノールの膝が、ガクと 崩れた。 「おっと!」 鳴海は咄嗟に彼女の体を受け止め、両腕に抱きかかえた。 そして再び湯に体を沈め、胡坐をかいた上に彼女を後ろ向きで座らせた。 エレオノールはぐったりとして、されるがままになっている。 鳴海はうなじに口付けながら、彼女の張りのある形の良い乳房を揉みしだいた。 肌理の細かいシルクの様な肌は、温泉の湯で更に滑らかさを増している。 彼が指先で硬く尖った先端を擦り上げる度に、彼女はピクンと体を揺らす。 「あ・・・、ナルミ・・・、ナルミ・・・」 エレオノールは堪らなげに仰け反らせた頭を、鳴海の胸に強く押し付けてくる。 背を大きく反らせた所為で、彼女の豊かな乳房は更に前へと迫り出されていた。 その乳房を片手で弄びつつ、もう一方の手を彼女の広げられた足の間に這わせる。 鳴海の手は焦らす様に、わざとゆっくりふとももの内側を撫で擦っている。 「や・・・、ナ、ナルミ・・・お、お願い・・・早く・・・」 一番触れて欲しい場所を触れてもらえず、エレオノールはもどかしそうに身を捩った。
258 :
33 :04/06/15 22:33 ID:LloZYgnr
予想通りというか、お約束というか。 一度は書いてみたい露天風呂プレイ。(・∀・)ドゾー。
乙です。33さんも日刊なんですねw。 つーか、やべーよ!被っちまうよ!((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル 潮と小夜で、熊さんやお猿さん、鹿さんに囲まれての露天風呂(例の温泉で)プレイ… とか考えてました。マジで被ったら御免なさい。
風呂エチキキキキタタタタ━━━(((((゚(゚(゚(((゚゚∀∀゚゚)))゚)゚)゚)))))━━━!!!!!! GJ!!
小夜編楽しみ! 今なら裸を見られて恥ずかしがるのかな? そっちの方が萌えるが。
本日のエロパロ投下です。
>>261 さんのリクも取り入れて書いてみました。
今日は忙しかったので、これだけですが、どうぞ。
『恋はみずいろ』の続きです。
鷹取小夜。「白い髪の一族」と呼ばれる血筋に産まれ、先天的に妖(あやかし)と交信出来る能力を持つ、15歳の少女である。 彼女もまた、先の戦いに助力する為に開いた「冥界の門」を閉じる為に、掛替えの無い相棒を失った1人だ。 だが、類似した境遇に在っても、彼女の心境は潮とは違っていた。昔、塞ぎ込んでいた自分を闇から解放してくれた彼を何とか救ってあげたい。 その事で彼女の頭は一杯だった。それは、彼女が麻子に気を遣う余り、心の奥底に仕舞い込んでしまった恋心も幾等か含んでいたのかも知れない。 兎に角、この同棲期間中に傷付いた潮の心を癒し、昔の彼に戻してやりたかった。 そんな事を考えながら、彼女は台所に立っていた。 (ふふ…何だか新婚夫婦みたい) そんな幸せな妄想は今限りだと解ってはいても、彼女には充分だった。 「潮くーん、晩ご飯出来たよ。食べよ」 出来る限りの明るい声で、潮を呼ぶ。 「あ…あぁ…」 潮はのろのろと居間へやって来る。やはり、小夜の知っている何時もの潮では無い。 「戴きまーす!」 「どうぞ。召し上がれ」 長く独り暮しを続けて来た小夜には簡単な夕飯程度など手馴れた物で、今日は特に気を入れて作った積もりだった ――憧れの人との限られた時間を少しでも有意義にする為に。 「小夜さん、料理巧いんだなぁ。今度真由子に教えてやってよ。あいつ、麻子に習ってんのに全然上達しねえ、って悩んでたからさ」 潮は「彼らしい」事を言いながら、夕飯を平らげて行く。だが、小夜はそんな彼を見ていると、胸が痛んだ。 普段通りにしている事自体が苦痛であろうに、自分に気を遣ってそんな素振りをしているのだと思うと辛かった。 (もっと甘えてくれても良いのに…我侭言ってくれたって構わないのに…) 潮が全てを曝け出せる相手は麻子のみで、自分はそうなれないのかと思うと、小夜の心に嫉妬が芽生えた。
「御馳走さん!」 「お粗末様。マヨヒガがお風呂沸かしてくれてるみたいだよ。先に入って来たら?」 マヨヒガも、久々の来客が嬉しいのだろう。夕飯が終わる頃を見計らって湯を沸かしたり、 浴衣を用意したりと大盤振る舞いだ。 本来は夕飯も用意したかった処だが、それは小夜に止められていた。 「いや、良いよ。俺の方が汚れちまってるし。小夜さん、お先にどうぞ」 「うん。でも…前みたく覗いたりしないでね」 冗談っぽく言って微笑む。 「だから…あ、あれは事故みたいな物で在って。その…」 「嘘嘘。冗談よ。何だったら一緒に入る?」 「い、いや良いよ良いよ!早く入って来なよ」 潮は風呂に入る前から茹で蛸になっていた。そんな潮を見て小夜は笑う。 「小夜さん、ホント変わったよ。俺は今の小夜さんの方が好きだな」 そんな潮のさり気無い一言に小夜も真っ赤だ。彼女はそれを隠すかの様に背を向け、 「お湯が冷めちゃうから、入って来るね」 と居間を出た。
ちゃぷん… 「ふぅ…」 浴槽の中で彼女は物思いに耽る。どうやったら潮を元気にしてやれるだろうか。自分は麻子にはなれない。 小夜は、何時か真由子に聞いた、麻子の言葉を思い出していた。 「みんな大事。みんなそのまんまが良い…か」 掛替えの無い存在を失った痛みは小夜にも解る積もりだった。 彼女も又、あの戦いでオマモリサマと言う、己の半身にも等しい存在を失ったのだから。 今の潮の心を解してやれるのは、自分にしか出来ない。それは、麻子にも真由子にも、勇や礼子にだって出来ない事なのだ。 (私は、私に出来る事をやってみよう) そう決心して、浴槽から立ち上がる。窓からの月明かりに照らされたその姿は、幼さこそ残してはいる物の、 色素を殆ど含まぬ肌は温められて桜色に染まり、水を弾く若々しさを持っており、優しげな瞳は水色の光を反射する。 その美しさは、月の女神であり、「純潔」の象徴でもあるアルテミスを思い起こさせた。 ガララ 「!!!?…き…」 脱衣所への扉を開けた小夜が見たのは、目を丸くしてこちらを見ている潮だった。 「い、いや、俺まだここに来たばっかで、良く判んないから探検を…ホントにわざとじゃない!わざとじゃないんだって!!」 早口で捲し立て、後退る潮。直後、ここが山奥で良かったと思える様な悲鳴が響き渡った。 「ホンット御免!覗く気なんて無かったんだよ!」 土下座しながら手を合わせると言う珍妙なポーズでひたすらに謝る潮。 小夜はそんな潮を見て、今迄頼もしさしか感じなかった彼を可愛いと思った。 「もう良いわ。どうせ一回裸見られてるでしょ。でも、いきなりなんだもん。ビックリしちゃった」 ころころと笑う小夜。それに釣られて潮も笑みが零れた。
(マヨヒガよぉ…これは作為的にやったのか〜?) 風呂から上がった潮は寝室の光景を見て焦った。客間や寝室が幾つも在ると言うのに、布団が用意された部屋は一つ。 それも、ご丁寧にもピッタリと二枚並べられていた。その片側には、小夜がちょこんと座っている。 「今日は疲れたでしょ?早めに寝ましょう」 今更布団を別の部屋に運んだり、布団同士の距離を取ったりは、変に思えるし、小夜は何も気にしていなさそうだったので、 潮は布団を頭から被った。 「小夜さん、お休み!」 「お休みなさい。良い夢を…」 尤も、潮に夢など見る余裕も無く、心臓の鼓動が聞こえる程の興奮で、直ぐには眠れなかった。 とは言っても、そこは潮。1時間もしない内に、騒音公害にもなり得そうな鼾を立て始めた。 深夜2時を回った頃だろうか。潮の鼾の所為か、小夜はふと目が覚めた。隣の潮を見ると、グッスリと眠っている様だ。 (可愛い。やっぱりまだ中学生なのね) 潮の寝顔を見て、僅かな悪戯心が芽生えた彼女は、潮の鼻を摘んでみる。ピタリと鼾が止まり、指を放すとまた鼾を掻き始める。 クスクスと笑いながら、再度潮の鼻を摘む。すると、無意識にその手を振り払おうとした潮の手が、浴衣越しに小夜の乳首を掠めた。 「ひゃん!」 小夜は未知の感覚に思わず声を上げた。だが、決して不快な感覚では無かった。寧ろ…。 (起きたり…しないよね?) そっと潮の腕を掴み、浴衣の衿に入れてみる。 「はあぁ…」 潮の手が乳房を潰し、乳首を撫でる度、思わず溜息が漏れる程の快感が小夜の全身を駆け巡る。 潮に起きる気配が見られなかったので、小夜はその行為を何度も何度も繰り返した。 小夜がそんな悪戯を続けていると、潮の寝言が聞こえて来た。 「麻子ぉ…飯まだぁ?」 その声を聞いた瞬間、小夜の体を火照らせていた熱が一気に退いた。 (私、何やってたんだろう…) 小夜は、傍のちり紙を取り、浴衣の裾を肌蹴て股を濡らしていた液体を拭い、布団に潜り込んだ。 (麻子さんは狡いよ。私が出逢った時にはもう、私が潮君の心に入り込める余地は無かったんだもの) 彼女は布団の中で指を噛み、涙を流し続けた。
以上です。皆さんのリク見てると、意外と人居るみたいですね。 順次リクに応えていきますので、今暫くお待ち下さい。では…
あ、以上って書きましたけど、まだまだこのSS続きます。 書いてて今迄どうでも良かった小夜が好きになったから、 力入りそうw
269 :
33 :04/06/16 23:43 ID:tgyH/cW5
「い、意地悪しないで・・・ねぇ、ナルミ・・・」 彼女は上擦った声で、必死に懇願する。 それでようやく鳴海は焦らすのを止め、彼女の中心に手を持っていった。 「うっ、くぅっ!」 敏感な芽を摘まれて、エレオノールの体がビクンと跳ねた。 硬く充血し切ったそれを、指に挟みコリコリと弄ぶ。 「あっ、あっ、はぁっ、あぁ・・・」 湯に温められ、ぬめりを帯びた花弁は柔らかく綻び、人造の硬い指を易々と受け入れた。 差し入れられた2本の指を貪欲に飲み込み、奥へ奥へと誘い込んでいく。 鳴海は一旦、奥まで到達させた指を引き抜き、そしてまた深く突き入れてやった。 その動きの繰り返しに、エレオノールは我を忘れ、髪を振り乱しながら身悶え 甘く切ない声を上げる。 外の部屋に、声が聞こえてしまうかもしれない。 そう考えるだけの余裕は、今の彼女には無いようだった。 「あんっ! ナ、ナルミ・・・、あぁっ! もっとぉ・・・」 跳ね上がる彼女の体を後ろから抱き締め、鳴海は手の動きを更に速めていった。 2人の動きに合わせて風呂の湯が波打ち、水飛沫が上がる。 「い、いいっ・・・、あ・・・あぁ─────!!」 悲鳴のような声を上げながら、エレオノールは体をしならせ、上り詰めた。
270 :
33 :04/06/16 23:44 ID:tgyH/cW5
鳴海は力の抜けたエレオノールの体を、優しく受け止めてやる。 「あ・・・、はぁ・・・、はぁ・・・」 荒い息を付き、胸を上下させながら、彼女は首を回し、潤んだ瞳で彼の顔を見上げた。 これだけでは足りない、もっと・・・もっと欲しいと、その瞳は訴えかけている。 頬を紅潮させ、とろんと目を潤ませた表情は、普段の生真面目で隙が無い彼女からは 想像もつかないほど妖艶だった。 まだ鳴海の指を受け入れたままの花弁も、彼の物を待ち焦がれ、ひくひくと疼いている。 彼もまた、これ以上持ちこたえる事が出来ない程に昂っていた。 「待ってろ。今すぐにやるからな」 鳴海は彼女を立ち上がらせ、体を前屈みにさせて浴槽の縁に両手を着かせ、尻を後ろに 突き出させた。 エレオノールはこの恥ずかしい姿勢にも逆らわず、従順に従う。 先ほどの余韻でふらつく彼女の腰を、鳴海は両手でしっかりと掴んで支える。 「来て・・・、ナルミ、早く・・・」 腰を高く突き出し、エレオノールはこれからされる事への期待に上擦った声で彼を誘う。 鳴海は昂りきった物を、熱い蜜を滴らせる彼女の花弁の中に、背後からゆっくりと 沈めていった。 「あ・・・、あ・・・ん」 エレオノールの唇から、切ない吐息が零れ落ちる。
33タンえろ杉(*´Д`)
ぁぁぁ33さん(´Д`)エロイ!! ネームレスさんのエロの気配に(´Д`)ハァハァ いつもお疲れさまですm(_ _)m
273 :
33 :04/06/17 23:41 ID:b4a+E9wC
鳴海はじっくりと確かめる様に、彼女の中に進入していった。 「ああ・・・、もっと。もっと奥まで来て・・・」 体の中心を押し広げられ、満たされていく感触に、エレオノールは歓喜の声を上げた。 懸命に足に力を入れ、更に高々と腰を持ち上げ、彼を急き立てる。 しっとりと熱い彼女の中は、彼を優しく包み込み、奥へ奥へと招き入れた。 2人の体が完全に一つに繋がると、鳴海は動きを開始した。 「・・・あうっ! くっ! はっ! ・・・はぁっ!」 エレオノールの細く折れそうな腰を掴んで、強く激しく刺し貫く。 彼の動きに合わせ、肉付きの良い白い双丘が上下に弾み、前に着かされた両手の間で 豊満な乳房が重たげに揺れた。 止めどなく溢れ出した愛液が、白いふとももを伝い落ちる。 「あっ、あっ・・・、ナルミ・・・、うっ・・・あっ、はぁ・・・」 「う・・・、く・・・、エレオノール・・・」 時折、宴会の最中らしい他の客の賑やかな笑い声が、遠くから微かに聞こえてくるが 旅館の敷地内は殆ど人気が無く、しんと静まり返っている。 夜の静寂の中で、彼らの激しい息遣いだけが響き渡っていた。 限界が近い事を知り、鳴海は更に動きを速めていく。 エレオノールも我を忘れ、ひたすら腰を揺らめかせる。 風呂の熱気と情欲で、熱く火照った2人の体から滴る汗が、湯の中に落ちていった。 「はぁ・・・、はぁ・・・、い、いくぅ! ああぁ・・・」 エレオノールが体を震わせ、オーガズムを迎えるのと同時に、鳴海は彼女の中に放った。
274 :
33 :04/06/17 23:44 ID:b4a+E9wC
すみません。 今日は時間が無くて、ここまで。(´Д`) ふと、しろがね2人分のダシの効いた温泉の湯って もの凄く効能がありそうだなぁ・・・と思ってみたり。
乙です。挿入シーンのネッチリ具合は流石ですね。 俺も今日は時間無くて、あんまり書いてないです。 連続投下は流石に失礼かと思うので、日付変わってから落としますね。 しろがねって言うか、エレオノールは温泉で溺れ死にそうになったりしたら、 温泉の湯が全部生命の水になりますねw
チュチュン…チチッ 小夜は何時の間にやら眠ってしまったらしく、雀の囀りで目が覚めた。まだ、完全には覚醒していない意識で、 自分の体を包み込む心地良い圧迫感を認識した。妙に思って顔を振り向けると、小夜の顔の目の前に 潮の顔が在った。 (え?え?な、何なの?) 寝惚け眼で、自分の現状を把握すべく、布団の中を覗く。どうやら、寝相の悪い潮は、小夜の布団に転がって来、 その逞しい腕で彼女の体をがっちりとホールドしているらしかった。 (ど、どうしよう。ここで潮君が起きたら……) だが、潮に起きる気配は無い。潮の吐息が小夜の浴衣の衿から入り込み、小夜の抜ける様な白さを持つ、肌理の細かい肌を擽る。 それを感じて、小夜は腕を潮の背中に回す。死んだ母に最期に抱き締められたのは何時だったろうか。 体への適度な圧迫感、浴衣を通して伝わる温もり。それだけの事なのに、小夜にはそれが途轍も無く心地良い感触に思えた。 6月とは言え、遠野の山奥の朝は冷える。彼女は潮から伝わってくる温もりを肌に感じながら、再びまどろんだ。 「うわっ!?」 潮の叫び声で、三度目を覚ます小夜。 「あら、お早う。潮君。良い朝ね」 「いや、そんな事より俺、寝てる間に小夜さんの事…」 「ああ、それなら私気付いてたんだけど、気持良いから、その侭寝ちゃったの」 ぺロッと舌を出して頬を緩めて見せる。 「すっごく気持良いんだよ。学校もお休みしてるし、二度寝しよ!」 自分の布団を捲り、潮を誘う。すっかり積極的になった小夜に、潮は逆らえなかった。 布団に入った彼の隣に小夜も潜り込み、彼を抱き締めた。 「ね?」 潮には、人を抱き抱えた記憶は在っても、抱き締められた記憶は無かった。経験は在るのだろうが、抱き締めてくれた母は、 潮が1歳になる前に、役目に出てしまっていたのだ。そんな訳で、潮は「人に抱き締められる」と言う心地良さを初めて体感していた。 それは、母への情も含まれていたのだろう。ふと、小夜に甘えてみたい欲求が生まれる。 潮の望む事と、小夜の望む事が一つになった瞬間だった。
昨日書いたのはこれだけです。ハグハグ大好きなんで、入れてみたんですが、どうでしょうか? では…
ネームレスさん、せつなさ炸裂から甘々への連鎖の小夜がGoodです。 迷ひ家も粋な計らいをしますのう。風呂場に誘導したのもわざとだなw (裏設定) 迷ひ家は住人から霊気を分けて貰って生きている。 東の長を失い、新たに住み始めた小夜は普通の人間よりは強い霊気を持っているが充分ではない。 そこに来たのが獣の槍によって潜在能力を目覚めさせた潮。 潮と小夜をくっつければ、ずっと居てくれて食事も安泰だと思ったとか。
あーーーー!!!!それ、後で書こうとしてたのに〜w!
いや、次は居間の戸を潮が開けたら、何故か小夜が用足し中の便所に繋がってた、
とか。で、風呂での件も迷い家の仕業って判って、と行こうかと。
読まれたって事は、書き手としては、更に上を行かなきゃですね。頑張ります。
つーか、
>>278 さん勘良過ぎるよ〜。何か、前も先の展開読まれた事が在った様な。
良く言えば、思考、嗜好が似てるのかも知れないけど。
感想、有難うございましたvv
>>84 俺はコテハン+トリップをJaneに登録して透明あぼーん設定してるよ
目に入らなかったら気にならないし、表示される量もどっと減るからいい
>途中でやんわりと注意した人もいるんですけど、あまり効果はないようです。
コテハンに使ってるキャラと同じで、良くも悪くも理解できないんだと思われ
↑誤爆
最近ペースが落ち気味の日刊エロパロです。スランプかなぁ。 誤爆を目立たない様にする為にもw、投下します。 『恋はみずいろ』の続きです。まだ先は長そうですが、宜しくお願いします。
二人がうとうととし始めた頃、小夜が急に起き上がった。 「誰かしら?お客さんみたい。ちょっと出て来るね」 小夜が玄関に出てみると、木々の間を駆け抜けて来る1人の女性の姿が見えた。しかし、その速度は、人間の限界を遥かに超越していた。 彼女は人間では無い。先の雷信の妹であり、鎌鼬と言う妖である。稀有な霊能力を持つ小夜は、彼女――かがりの妖気を察知して、玄関に出たのだ。 かがりもまた、潮と同じくとらを失った事で、心を非道く痛めた一人だ。 「お早う。私は潮様にお世話になったかがりと言う者なんだけど、潮様は居らっしゃるかしら?」 「お早うございます。潮君なら、まだ寝てますよ。私もこんな格好ですので、どうぞ上がってお待ち下さい」 そんなやり取りをしながら、小夜は彼女らしからぬ感情を抱いた。 (も〜良い処で邪魔が入るんだから…ってヤダ!私ったら、何考えてるんだろう。 それにしても、信じられない位綺麗な妖(ひと)だなぁ。私もあんな風になれたら…) 長い間自分を殺して生きて来たとは言え、彼女も思春期の少女である。増してや、自分を解き放ってくれた異性に対する想いともなれば、 特別な物になって当然だった。真っ赤になりながら居間へと案内する小夜を見ている内に、 かがりは女の勘と言う奴で、彼女の心の内に気付いていた。 (この娘も自分と同じ。勝ち目の無い、叶わぬ恋をしているのね) そう思うと、かがりはこの少女を応援してやりたくなった。 「では、暫くお待ち下さい。失礼します」 「ちょっと待って!」 茶菓子を用意し、着替えに向かおうとした小夜にかがりが声を掛ける。 「はい?まだ何か?」 「少し、話したい事が在るの」 「それでしたら、潮君が起きてからの方が…」 「私、潮様とお話したくて来たんだけど、貴女にも用事が出来たみたいなの。だから…ね?」
かがりは今迄、恋に関しては、周囲――雷信や潮、イズナに助けて貰うだけだった。 そして、己が積極性を欠いてしまったが為に、その恋は実らなかった。 この娘には同じ目に遭って欲しくない。そう考えたからこそ、かがりは小夜の恋の手助けをする決意をしたのだ。 小夜は、かがりには嘗ての自分と被って見えた。それ故、適切なアドバイスをしてやれる自信も在ったのだ。 そして、小夜は自分と潮との出逢い、潮への想い、潮の幼馴染達の事を話し始めた。 「そう…でも、貴女には失う物は無いでしょう?その潮様の幼馴染には、勝負する以前から負けているのだから」 かがりの意見は厳しい。だが、それは本当に小夜の事を考えての助言だった。 「何時迄も中途半端に攻めていても失敗するわ。私がそうだったんだもの。だから、貴女は頑張ってね。応援してるわ」 そう言ってかがりが励ますも、何故か小夜の表情は堅い侭だった。そして、沈黙を守っていた彼女の唇がゆっくりと開かれる。 「そう言って戴けるのは、有難いです。でも、この静養期間は、潮君の心を癒す事に専念したいですし…それに私、 譬え麻子さんが居なくても、潮君の伴侶になっちゃいけないんです。 私は…………………………………………ですから。でも、本音を言うと、一度位は愛されてみたいな」 その小夜の言葉を聞いて、かがりの表情も堅くなる。 「そう…だったら仕方が無いわね。でも、出来る限りの事はした方が良いと思うわ。さっきも言った通り、 何もしないよりは良い筈だから。それに、潮様はお優しい。きっと、無残な結果にはならない筈よ。 それじゃ、私はこれで失礼するわ」 「かがりさんは、潮君に会いに来られたのでは…」 「そのつもりだったけど、気が変わったのよ。私は暫く来ない方が良いみたいだから」 「そんな事は…」 「私がそう思うから、退散するのよ。また来るわ」 そう言ってかがりは来た時とは逆に、森に飛び込んで行った。 (格好良い妖(ひと)だったな。私も頑張らなくちゃ) 小夜は、先刻よりもかがりの事が少し好きになっていた。
以上です。便所覗きは止めて、「恋の指南役の大人のお姉さん」登場にしました。 今度は絶対先読みさせねえw では…
286 :
名無しさん@ピンキー :04/06/18 23:46 ID:yrppdhad
84 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/06/15 07:04 ID:zNvYcaNW すいません、藤田作品スレで最近定期的にSSを投下してくれてる職人さんもちょっと問題あると思います・・・。 文章は上手いし、日刊SSとか言って定期的に投下してくれるのはスレが活性化するし 住人にとっても喜ばしい事なんですけど、ただでさえその職人さんのSSがスレの大半を埋めるのに それに加えて一人語りと返レスが加わって、まるでその人のスレのようです。 途中でやんわりと注意した人もいるんですけど、あまり効果はないようです。 SSの質も量も申し分ないし、本スレが荒れたり職人さんの創作意欲を削いだりするのは嫌なので ここにカキコさせて貰いましたが、ひょっとしたら自分の勘違いかもしれません。 自分自身、以前にいくつかSSを書いていて、最初の頃は舞い上がって 同じように返レスや一人語りが多かったもんですから気になって・・・。 104 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/06/18 22:52 ID:fHCVMqva あれ、誤爆じゃないんだよな…? やっぱり分かってないようだが。 105 名前:「このスレの」84[sage] 投稿日:04/06/18 23:13 ID:dfPJB24/ 多分誤爆じゃない。でも両方とも同じレス番号とは偶然にしては・・・。 106 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/06/18 23:39 ID:jXkscT31 多分何言っても「煽りはスルーだ!」くらいにしか思われないんだろうなぁ …何とかならんものか
いや、自分鈍で不器用なんで、この位はっきり言われなきゃ解りません。 ですので、こんな風に陰でコソコソ言わなくても結構ですよ。 どっちにしても、これとは無関係に暫く此処には来ません。 気を付けてた積もりですが、スレ独占して済みませんでした。
>>287 全然とは言わないけれど、あまり気にしなくてもいいですよ。
小夜SSの続き待ってます。
問題はスレ独占じゃないというのをまず理解してほしいんだが…
>ところで、段落の頭で1マス下げるのってあんまり一般的じゃないみたいですよ。 >こういった掲示板の投稿だと。 俺は人物を特定されない為にSSによって改行とか意図的に変えてたなぁ・・・。
前スレの終盤みたいな廃墟に戻りそうだな。 雑談も萌えトークもない寂れたスレに逆戻り。 スレの正常化を目指す人たちの努力の賜物ですな。
>>289 はい。でも、本当に暫く来られそうにないです。で、覗いてみたんですが、どれに書き込みを?
1マス空けは、保管庫管理人さんへの配慮です。一つの段落が切れたりした場合、判り難いと思いましたから。
>>290 何でしょう?先のコピペからは、その程度しか伝わりませんでしたので。
では…
分りました。それじゃ、暇が出来たら立てときますね。 色々とお気遣い、有難うございました。
296 :
名無しさん@ピンキー :04/06/19 01:59 ID:DPgFncb7
知ってますよ。ちょっと探してみようかな、と思って、レス数から検索したら30秒足らずで見付かったんでwコピペする人ももう少し考えて[名無しさん@お腹一杯]とかにすれば良いのに…。
298 :
名無しさん@ピンキー :04/06/19 02:17 ID:DPgFncb7
299 :
名無しさん@ピンキー :04/06/19 02:27 ID:Pvwe4WS3
>>297 だからわかってないとか言われるんだよ…
本当に陰口だけ続けて、延々と馬鹿にしたいなら、そんなわかりやすいことするわけないじゃん
おまえを支持する人が親切心で「陰口」をここに晒したとでも思ってる?
読者連れて外部板行った方がいいと思うよ
もしくは自サイトで続ければ?
普段は雑談すらないのに、こんな時だけハッスルするんだねえw しかもageてまで
誘導も無しにそれですか。
意見は受け入れて、出て行くと言ってるんですが、何か?
唯、
>>280 の様な鶏肉様な行為はどうかと…あれに限っては、悪意にしか見えません。
って事だから、ここもあっちも荒れません様に。
あっちは賛否両論みたいだけど、もう終りにしては?
意見は受け入れてって、誰も出て行けなんていってないだろ…orz(>299は事後なので別)
そう取られてしまうだろうから、直接こちらで言わなかったんだ。実際そう取られた。
>>280 はもちろん悪意だろう、でも批判すべてが悪意じゃないよ。
どうして、スレ独占を嫌がられている、としか意味が取れない?
SSの質を、誰も今まで一言も貶していないのは驚異的だよ。本当に歓迎してる。
匿名でお世辞なんか言ってられるか。
誰もSSをたくさん投下してくれること自体を迷惑がってなんかない。そうじゃないんだよ。
それも今となっては言い訳くさいな。 まあ万が一出て行くにしてもそのうち戻ってきて。 ここで書くにしろ他で書くにしろ、作品は読みたいよ。おやすみ。
304 :
208 :04/06/19 03:02 ID:nHJH3Quo
292サンのおっしゃる通りだとオモ。 >前スレの終盤みたいな廃墟に戻りそうだな。 >雑談も萌えトークもない寂れたスレに逆戻り。 これだけは避けたいんだが・・・
305 :
304 :04/06/19 03:04 ID:nHJH3Quo
消し忘れた・・・ _| ̄|○|||
もう終わり!向こうの84は自分だけど、まさか数日経ってこんな事になるとは思わなかった。
自分も前スレにSSを投下したけど、目がかなり悪いんで、
正直言うとネームレスさんのSSみたいに文字をギッシリと詰め込んだのは苦手。
だからこのスレになってからはたまに覗きには来るけどまともにSSは読んでない。
ただ、このスレの
>>84 と同じような印象を抱いたので実際どうなのか向こうで確認したかっただけ。
自分がまともに読んでないとはいっても本スレが荒れるのは嫌だったから。
でもそれまでこのスレは特に荒れてなかったし、ちょうどネームレスさんの良さそうなSSも来たので
特に問題ないという考えを抱いたんだけど、甘かったみたいだ・・・。
このスレで正直に言うか、最初からなにもしなければ良かった。
自分もそれなりの量のSSを書いたから、同じ書き手としてネームレスさんの事が心配だったんだよ。
けっして潰そうとか考えたわけじゃないよ。
好意的な感想に対して嬉しくて返レスしたいのも、次はどんな題材で書こうか、どんな方向性で行こうか
そういう内容について読み手とのレスのやり取りがしたいのも凄くわかる。
でもそれが行き過ぎるとどうしてもウザくなって、読み手である住人の反応も冷ややかになって来る。
読み手の感想も減ってたし、本当はこうなる前になんとかしたかった・・・。
本当、スレ住人の皆さんとネームレス氏には迷惑かけました。
>>302 説明すると長くなるんですが…俺が「出て行く」って言った経緯は、
コピペが貼られる⇒読み手の本音を知る⇒
>>288 さんと
>>289 さんが空気を察してフォロー
(この際に、別の板を紹介してくれる)⇒俺、自分の所為で2つもスレが荒れるのが嫌⇒移動しようかな
って事なんですよ。でも、今は正直悩んでます。引き止めて下さる住人も居ますから。
批判意見を悪意と取った事は、一度も無いです。自分が来たばかりの頃から、
住人の皆さんには本当にお世話になりっ放しでしたから。
正直、ここに来て初めて怒りを覚えたのが、
>>280 でしたし。
で、俺はどうしたら良いんでしょう?先述した様に、鈍い奴なんで、ガツンと具体的に言って下さい。
俺の所為で、こんな状況が続くのって、正直辛いです。
ラグった。
>>306 そう言う時ャ、最初から言って下さいね。それもきつーく。
とは言っても、今更遅いんですが。俺の処分(?)は、
適当に決めといて下さい。帰って来たら、従いますよ。
感想へのレスって、当然の礼儀だと思ってたんですが、
スルーすべきだったんですね。
あ、
>>306 さんに悪気無かったのは、解ってますから、本当、
気にしないで下さい。次作から、読み易い文章書く様気を付けますね。
>307 >どうしたらいいんでしょう まずはSSを一発ばーんと、完結まで投下してしまうのをお勧めするw SS以外の書き込みはほとんどなくてもいいくらいだと思う。 それ以外の雑談は、基本的に名無し推奨。 感想へのレスは、「スルーすべき」…て程じゃないけど、当然の礼儀ってわけでもない。 感想への感謝は次回作で返す!くらいの心意気で充分だと思うよ。 作品について語りたいのは、自分も書く側なのでよく分かるけど、 そういう部分は作品の完成度にこめて託して、作品だけで語るというのもあり方だと思います。 そしてそれが出来る技量をお持ちだと思います。 いろいろあるけど、ごたごたですら楽しむくらいでなんぼですよ。がんがれ。
……ねえ、書き手は感想に対してレスするなって言っている人は、 自分の好みを押しつけてるだけだってわかっている? 正義面して「スレが荒れてるかもしれないから」なんて、大義名分を くっつけて、自分の正義を押しつけようとする人が一番タチ悪いよ。 しかも、その正義は一般的ですらない。エロパロ板には書き手の 感想への返信がオッケーなスレだっていっぱいある。 単に、このスレの一部住人が狭量なだけだ。 ネームレス氏の感想返しがウザイと思うなら、ウザイと言えばいい。 だが、彼がそれでも感想レスを返したいと思うのなら、自由に 返せばいいと自分は思うよ。 書き手がどんなスタイルを貫こうが、それは書き手の自由だ。 それで場が荒れる? バカを言うな、それは書き手のせいじゃない。 それを我慢できずに煽りや暴言で場を荒らす荒らしのせいだ。 例えば>280や>286みたいなね。 (書き手が暴言を吐いてしまった場合は別だが。今回はそうじゃ ないからね) ついでに言うならネームレス氏はちゃんとコテ+トリップつけて いるんだから、ウザイと思うならあぼーんやスルーすればすむ ことでしょう。 それもせずに、書き手に自分の希望ばかり押しつけてるんじねえ。
ちょっと追加。 >ネームレス氏の感想返しがウザイと思うなら、ウザイと言えばいい。 ただし、スレのためなんて大義名分はつけずに、自分一人の考え として勝負しろよ。 ウザイと思っているのは、 あ ん た 自 身だ。 スレ住人という、実体のないものじゃない。
さらに追加。 書き手のレスの部分までどうこう言う人は、自分の理想の書き手の 人格を、書き手全員に押しつけてるだけだって、まず気づけ。 そして、そんなこと不可能だってことにもね。
もうやめてくれー。33タンが続き投下できないだろ・・・('A`)
結局どんな風に書き込んでも、いろいろな人がいる限り、
すべての人が納得するような書き込みなんてないのよ。
だったら、自分の好きなようにすりゃよろしいと思われ。
自分語りだろうと感想返しだろうと、本人がしたきゃすればいい。
他人がそれをヤメレなんて言う権利あるはずがない。
あるとしたら、ここの管理人であるひろゆき氏だけでしょ。
自分を罵る意見なんざ、↓これくらいの気概で跳ね除けちゃえばいいんじゃない?
ttp://www.geocities.com/kuni_kenkyu/twl.htm
317 :
33 :04/06/19 23:49 ID:0o0y/CRf
え〜と、そろそろ続きを落としていいでしょうか? 今回、ようやく終わりまでこぎつけました。
318 :
33 :04/06/19 23:50 ID:0o0y/CRf
鳴海は陶然としているエレオノールの体をバスタオルで手早く拭いてやり、部屋の中に 運んでやった。 並んで敷かれた布団の片方に下ろし、備え付けの浴衣を着せてやろうとしたところ 彼女は鳴海の首に腕を回し、齧り付いてきた。 「おいおい。ふざけんなよ、こら。服を着せらんねーだろ?」 鳴海はエレオノールの腕を引き剥がそうとするが、彼女は更に強くしがみ付いてくる。 「だめ・・・。もう一度・・・」 彼女はそう言って、彼に唇を重ねた。 「しょうがねーなぁ」 鳴海は苦笑しながらも、彼女のしたい様にさせてやる。 猫がじゃれつく様に、エレオノールは鳴海の上に伸し掛かり、引き締まった彼の肉体を 紅い舌でちろちろと舐め始めた。 ぺちゃぺちゃと音を立てながら、彼女はくすぐる様に舌を這わせていく。 吹き掛けられる息と、滑らかな舌の感触の心地良さに、鳴海は思わず息を詰めた。 エレオノールは、横たわった彼と上下を逆にした状態で、その足の間に顔を埋める。 そして彼の物に手を添えて、そっと唇に含んだ。 「くっ・・・」 エレオノールは愛おしむ様に、鳴海の物を口に頬張り、舌を絡める。 「う・・・、くぅ・・・ぁ・・・」 彼女の舌使いに鳴海はしばらく陶酔していたが、こちらに向けられた彼女の下肢を 掴んで引き寄せ、自分の顔の上に跨らせた。
319 :
33 :04/06/19 23:50 ID:0o0y/CRf
いわるゆシックスナインという体位だ。 鳴海は自分の目の前で綺麗に咲き綻んだ薔薇の花を、指で左右に開き、唇を押し付けて その蜜を吸い上げた。 「あっ、あん!!」 彼の物を口にくわえたまま、エレオノールは弾かれた様にピクンと体を揺らす。 鳴海は更に舌先で、剥き出しになった花芽を突付いてやる。 「ふぁ・・・、あぁん・・・」 背筋を駆け抜ける甘い戦慄におののきながらも、エレオノールは再び彼の物を夢中で 愛撫し始めた。 2人は情欲に煽られるまま、一心不乱に互いの性器を貪る。 聞こえるのは湿った唾液の音と、時折こぼれる甘い喘ぎ。 エレオノールはちゅぷちゅぷと淫らな音を立て、彼の物を唇で吸いしごきつつ 白魚の様な指を巧みに蠢かせる。 その刺激に堪え切れず、鳴海は上り詰めそうになった。 「いいわ、ナルミ。そのままいって・・・」 彼の様子を察したエレオノールは優しく促し、そして更に奥深く、彼の物を口に含んだ。 「うっ!・・・くぅ・・・」 鳴海はエレオノールの口の中に解き放つ。 それを彼女は喉を鳴らしながら全て飲み込み、少し口からこぼれそうになった滴を ペロッと舌で舐め取った。
320 :
33 :04/06/19 23:51 ID:0o0y/CRf
それからも2人は、何度も何度も交わった。 胡坐をかいて座った鳴海の膝の上に、先程とは反対に向かい合ってエレオノールが跨り 彼を受け入れたり、寝転んで互いの体をまさぐり合ったりして、何度も求め合った。 眠りに付いたのは空が白み始める頃で、目を覚ましたのはそろそろ部屋を空けなければ ならない時間だった。 2人は慌てて身支度を整え、チェックアウトを済ませた。 仲居さんには、寝た形跡の無い布団と、くしゃくしゃに乱れた布団を見られたわけだが 接客のプロらしく、彼女達は素知らぬ顔でテキパキと部屋を片付けてくれた。 「あ〜あ、朝飯食いっぱぐれちまったなぁ」 「ふふ・・・。どこか、お店に入って食べましょ」 「しっかし、お前ってスゲー元気だな。2週間は徹夜しても大丈夫なしろがねでも さすがにあれはキツイぜ」 「だって、こんな機会はめったに無いんだもの。また一緒に温泉入りましょうね」 「・・・・・・。もう当分の間はいいよ・・・」 さて、こうして恋人だけの楽しい時間を過ごした2人であったが、本体と合流した後 エレオノールはヴィルマに散々冷やかされ、鳴海はといえば3人組からの風当たりが 更に強くなったのだった。
321 :
33 :04/06/19 23:52 ID:0o0y/CRf
以上です。 それではまた( ゚∀゚)ノシ
乙ー(´д`*)
323 :
112 :04/06/20 15:55 ID:T1gI5BzQ
おつかれさまです!GJ!! 蝶エロかった(*゚∀゚)=3ムハー 突然のミンシア姐さんに萌えすぎて何も手につかない状態ですが 少し落ち着いたら何か書きたいと思っております。
324 :
33 :04/06/20 19:55 ID:Zu8pZk4P
>蝶エロかった Σヽ(゚Д゚; )ノ パ、パピヨン様!? 自分もエロい衣装で再登場のミンシア姐さんに萌えました。 法安さんと和気あいあい(?)な鳴海も(・∀・)イイ!
早く、小夜たんに獣の槍を突き刺してくれ。
すっげぇ速筆でびっくりだ。 いつも、雰囲気のある小説をありがとう>ネームレス氏
↑間違えた。前書きは31レス目。32レス目は登場人物紹介ですた。
ベッカムに負けていて恥ずかしいとは思わないのか!?
本編効果でみんな妄想吹き飛んでるんだと思われw
あれ見て、れんげ×勝が書けなくなりますた。
恐ろしい程動きが無い…… ここの処投下していませんが、来週の半ば辺りには、 『Love Replica』の書き直しを投下出来る様にしますので、宜しくお願いします。
341 :
名無しさん@ピンキー :04/07/01 00:14 ID:w+qhihEG
hosyu
いえ、来週です。お待たせして済みません。
只今です。続き投下したんでドゾー。 待っててくれる人居ると、筆の進みも良いです♪
乙です。 やはりというかなんというか、一気に過疎スレになってしまいましたね・・・。 気が向いたら半角のスレの方も覗いてみてください。
>>347 どうも♪一週間投下休んでましたからね。
虹の方にも名無しで顔出してますよ。
>>254 さん、お待たせしました。泰×垂投下です。
触りの部分のみですが、別館に載せました。どうぞ。
こっちは本スレなのに、過疎ってんなぁ。久々に萌え語りとかしない? 後、前スレのログ読み返してみたけど、かなりメンバー入れ替わってるね。
ようするに、微妙な年頃である 藤田ヒロイン達のあそこの毛の生え具合はどんなものかってことなんですよ
z
うしとらの場合、14〜16歳だもんなぁ。生えてはいるが、生え揃ってはいないと思う。 んで、何となく、小夜は控え目、勇は剛毛なんじゃないかと思えてしまうw
短いですが、続き書いたんで、どうぞ。
355 :
112 :04/07/09 02:23 ID:Um+KSCQH
ネームレスさんハイペースな良作、おつかれさまです。 んじゃま、景気付けにコネタでも。 微エロと言うか単なる下ネタというかミンシア姐さん(;´Д`)ハァハァ というか
356 :
112 :04/07/09 02:25 ID:Um+KSCQH
「わあ…フウさん、本当に腕の長さ調整してくれたんだ… 足もずいぶんすっきりしてるじゃない」 手術を終えた鳴海は、フウに部屋を確保してもらっているロンドンのホテルに戻った。 彼は自分の部屋に落ち着く前に、隣部屋のドアをノックした。 自分を終始心配している兄弟子のミンシアに、やはり挨拶しようと思ったのだ。 出迎えたミンシアは、黒髪に戻った弟弟子を目を丸くして見上げた。 部屋に招きいれ、もう一度まじまじと鳴海を眺める。 相変わらず表情の素直な"姐さん"に、鳴海が張り詰めていた表情を僅かに緩める。 天井に頭をぶつけかねないとベッドに座らされて、ミンシアを見上げながら彼は息をついた。 「ああ…人形の腕は残してもらった。動きも悪くねえし、 結構……これはこれでいいもんだな」 手袋を嵌めた指を見下ろし、ゆっくりと動かす彼をミンシアがじっと見つめる。
357 :
112 :04/07/09 02:27 ID:Um+KSCQH
「足はどうなってるの?ローラースケートは?」 「…ロー……いや、まァそうかもしれねえけどよってちょっ、姐さん!」 ミンシアは傍に屈んで、さわさわと鳴海の太腿にあたる部分を撫で始める。 「うわ、ホント、固いわ。血とかで濡れたらどうするのかしら」 …言葉だけだと微セクハラ。 と鳴海が引きつつどうしたものかとおたおたしていると、 ミンシアは不意に彼の股間に手を伸ばして突如握った。 「あ、こっちは生身だ」 「@re2jらlk痛がrじg#Σ(゚д゚lll)!!!!!!な、なにすッ」 鳴海は急激に壁の端まで最高速度で後退し掛け転倒し頭を打って上半身を必死で起こした。 「ミンシア!!シャレにならねーぞいいいいいまの!!」 「うっ、うるさいわねー!!何動揺してるのよ、ミンハイ」 急激な反応に貰い照れをしたのか、ミンシアは顔を紅潮させ、声を荒げた。 元気がなさそうだった弟弟子が、意外に元気なことにも困惑したらしかった。 心配でたまらないといった最近の表情を思わずかなぐり捨て、意地悪そうに睨みつける。 「ちょっと触っただけじゃない!」 「そーいう問題じゃねぇー!」 「なによ。……もしかして、あんた、童て…」 「うぅううるせえ言うなあああぁっーー!」 「……ご、ごめんねミンハイ。ま、まさかあんたがそこまでコドモだなんて思わなかったから」 「コドモっていうな!哀れんだ目で見るなァ・゚・(ノД`)・゚・ !!」
358 :
112 :04/07/09 02:28 ID:Um+KSCQH
お粗末、ごめんなすって。じゃまた(゚∀゚)ノ
乙です。何と言うか…微笑ましい。 111さんこの手のコロコロしたコメディ巧いですね。 もうガシガシ投下しちゃって下さい。
360 :
33 :04/07/09 22:55 ID:e8Kkn7JV
サハラでも手術台のフル○ン鳴海を、かぶりつきで見てたし。 >姐さん 美味し過ぎるポジションです(;´Д`)ハァハァ
今日は休刊です。又、明日宜しく御願いしますね
SS書きのみなさんいつもお疲れ様です。 個人的には 普通=麻子、勇、日輪、純 少なめ=礼子 薄い=真由子、小夜 こんな感じだと妄想してますが・・・。
女子は、14〜16歳くらいになるともうボウボウですよ。 逆に手入れが必要な程。勿論、毛質や量や個人差はあるが。 そう言えば、しろがねはあちらの色も銀なんだろうなと 原作でエレの裸体を見る度に考えてしまうw質は、細くて柔かい感じで。
夢を見せてよママン・・・OTL 少なくともボウボウという表現は・・・。 マジレスすると、日本人女性の1%以上は無毛症で10%以上でかなり薄いラスィですよ・・・。
おぉ…何か動いてる。
>>363 腋に股間に腕に脚、と女性は大変だね。チクチクする半端な処理には殺意を覚えるが。
しろがねになりかけの頃の鳴海の陰毛想像して吹き出したよw
>>364 無毛症は実際には見た事無いなぁ。唯、今迄経験した女性は皆、
隠すのに役に立ってない程の量だった。10%だとすると、凄い確率かも。
>>365 フウはちゃんと鳴海の下の毛も染めてくれたのだろうか・・・
それを言い出すと手足やひげも気になるな・・・
激遅レスだけど、
>>53 でネームレスさんが真由子は除外と言ったのに対して
自分は凄い残念だなあと感じてしまいました・・・。
それだけ原作に沿ってキャラを大切に扱ってるということがわかって嬉しい反面、
やっぱり真由子外しては・・・と、個人的にではありますが。
>>368 うーん…あの企画自体、ポシャッた今となっては、何とも。
俺、なるべくSSには思い入れ出さない様に書いてるんですが、藤田和日郎作品では真由子が一番好きなんですよ。
んで、
>>52 さんのリクの状況なら、真由子には逃げの口実付けられるし、
とらor霧雄以外とは在り得ない(俺なら書けない)だろ、って感じでああ言ったんですけどね。
ヤス×垂のSS、潮×麻子、小夜なんかで、童貞&処女ネタ使い果たしてしまったっぽくて、マジで暗礁に乗り上げてます。
前に書いたのと同じ様なHはさせたくないんですが。と言う訳で、今日も投下出来ません。済みません。
姉妹スレが圧縮で……。折角何人もの神が降り立ったのに。
>>370 まあ、またいつか復活するよ。
確かに今の路線とは違うけど、藤田の女性キャラはかなり萌えるってのは事実だから。
>>372 だと良いんですが。って、こっちも危ないな。スレの燃料補給の足しに、今夜か明日の晩にでも、ガチャピン×勝投下します。
まあ、このペースなら全然危ないうちには入らないと思うけどね。 二週間にいっぺん保守、なスレだって余裕で生き延びてるし。 燃料待ってます
いやぁ、明確な基準知らない所為で、もう圧縮にガクブルなんですよ。こっちもそろそろな感じですし。 で、燃料投下です。れんげ×勝で、タイトルは『Lipstick On Your Collar』。別館でどうぞ。
376 :
名無しさん@ピンキー :04/07/14 22:52 ID:GcOIGeH0
んじゃ、あげとくかい?
やっぱスレの順位が重要なんですか? まぁ、このスレは別館在るから、向こう程ダメージ大きくないとも思うけど。 何にしろ、盛り上がると良いなぁ。ファンブック発売後に期待。
最終発言時間が重要って事ね。そこはしょっちゅう読んでるけど、圧縮の記述には気付かなかった。 書いてて思ったんだけど、仲町サーカスのメンバーは性欲処理をどうやってんだろw? インポじゃ有るまいし。
どっかで20歳までに男子の98%はオナニーをしている
女子は確か95%くらいだったはず
>>379 仲町もそうだけどうしおもなー
麻子はあれだが、意外と真由子がしてそうだったり・・・
毎夜、皆に見付かっていないと思い込み、フサエの幻影を思い浮かべながら励む仲町団長…OTL<オエェ 精神的ブラクラ脳内自作しちまった。 まぁ、して当然って事だね。日輪なんかは意地でもやらなさそうだけどw
a
三馬鹿はエレをオカズに、そのエレは鳴海をオカズにしてます。 >オナニー
キリオが真由子のあそこを見たときに「意外とグロいなぁ」という感想を持つのだけは嫌だー
霧雄はAV、裏本の類は見なさそうだしね。免疫ないまま見て、ショック受けそうw つか、女性が見てもグロいと思うのかな?
そうか、このスレには鬼畜色が足りないんだ!! それはそうと、ネームレス氏乙です!
ども。鬼畜ねぇ。語ります?書きます? 三連休だし、何かデカい事出来ないかなぁ。
>>387 いや、鬼畜は自分も書いたことあるけど、パワー使うんだこれが・・・。
ひとつふたつと作品を重ねていくのはかなりきつい・・・。
特にネームレス氏は、今の藤田作品らしい空気の表現がツボにはまってるから
無理して鬼畜路線はやらなくてもいいと思います。
女の子が酷い目に遭うのも、藤田作品らしいといえばらしいかもしれないけど、
自分の好きなキャラを酷い目に遭わせるのは辛い部分もありますしね。
言われてみれば、俺も二作目でエレオノールの陵辱書いた後、暫く自己嫌悪に……orz でも、今残ってる俺を含めた書き手三人、旨い事分野が住み分け出来てますけど、 陵辱書きそうな人居ませんね。残りの二人は書こうと思えば何でも書けそうな気もしますが。 客観的に見て、自分に何が向いてるか丁度訊いてみたいと思ってました―― 最近、ストーリー性無いのばっか書いてましたから。>藤田作品らしい空気の表現がツボにはまってる
報告忘れてた。 『うしおととら』、新作連載開始しました。 タイトルは『外道呪詛』。別館でどうぞ。
『外道呪詛』続き投下です。別館へどうぞ。 三連休も今日でお終い。他の書き手さん、書き溜めてたりしないかな?
しまった、レスアンカーと勘違いしたぞ_| ̄|○
や、別にそこまで気を使わんでも。 他読みたかったら掲示板内に前次全部読むリンクはあるんだから、自ら飛ぶし。 真ん中の二つだけでいいんじゃないだろうかね。
確かに。まぁ、一度テンプレート作ってしまえば、後はコピペ改変でいけますが。 あー、最新の四人の中に「ハーレクイン」の名前が…… こないだ書いた『Love Replica』で、思いっ切り「ハーレキン」って出しちゃったよorz キャラ名被っちゃったなぁ。ま、シルヴィオ迄は被ってないから良いか。 で、俺の県では未だにガイドも33巻も売ってない訳ですが…だめぽ
400(σ゚д゚)σゲッツ うしお 「礼子サン、質問です(゚∀゚)ノ」 れいこ「はい、潮くん。何かしら」 うしお「間崎さんは礼子サンから見て、どんな人なんだい」 (まさき)||Д゚*) レイコ・・・ |⊂ れいこ「賢ちゃん?優しい人よ…ちょっと…その、早いけど(*´∀`)」 うしお「ああ!間崎さんがバイク乗ってるトコ、すげえカッチョイイもんな! 高速の世界、憧れるぜ〜くぅ〜!」 れいこ「え、ええ、そうね…ウフフッ」 (まさき)_| ̄|○|||| レイコ...
賢ちゃん……がんがれw
エ・・・エロは・・・エロはまだですか・・・?
405 :
112 :04/07/21 15:57 ID:+XZo0Bya
>404 …ふむ。誰が読みたいのかな。 パパでよかったら、書けそうだったら書いてみるよ
>>112 さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
いや、俺は
>>404 さんじゃないけど、読みたいなぁ。待ってますよん。
>>404 どんなのが?エロ苦手だけど、何かリク在れば、今のが終わったら書きますよ。
ラーオに調教されるリーゼはキませんか?
リーゼに調教されるラーオ博士の方がキますな。 ムチを振るうリーゼタン(;´Д`)ハァハァ
お、規制解除されてる。早いな。
>>406 やはり、自分は真由子のエロが読みたいと・・・。
ネームレスさん今まではうしとら、からくり合わせてかなりの数投下してるし、
真由子も好きらしいのに彼女のエロはひとつもないですよね?
俺だったらまず好きなキャラから入るから、どうしてかな、と今でも不思議なんです。
>>413 うーん……「書かない」んじゃ無くて、「書けない」から避けてるんですw
適度に好きなキャラなら書けるんですが、度が過ぎると……。
同じ理由で亜矢、フランシーヌなんかも書いてません。
でも、そんなのも書けたら書けたで、何か得られそうですから、
真由子のエロ、書いてみますね……どうなるかは判りませんが。
416 :
名無しさん@ピンキー :04/07/24 01:14 ID:wFK96bQh
誰かれんげたんの良いSSない? なかったらネイムレス書いてちょ
>>416 リクエストする前に作品読んで感想書くくらいしたらどうだ?
過去ログと空気嫁。それと、物の頼み方を知れ。話はそれからだ。
>>416 あ?自分で探せよ。保管庫に在るだろ?だから俺は書かない。
そんなふざけた頼み方も気に喰わない。
それに、せめて前に書いたの確認してから頼め。
頼まれた俺が言うのもおこがましいがな。
419 :
名無しさん@ピンキー :04/07/24 18:31 ID:BUqKIJ3g
ネームレスさんの作品の感想はどちらに書けばいいのでしょうか? 実際には別館の方に書くべきだと思うのですが、あちらは小説onlyの色が 濃いみたいなのでためらってしまいました。 かといって、別館の作品をこのスレに書くというのも場違いな気がして・・・ どなたか、ご教授お願いします。
>>419 どっちでも書いて下さると嬉しいですが、出来れば別館の方が良いかも知れませんね。
別に作品onlyって訳じゃ無くて、単にあっちに移ってから感想減ってるだけですからorz
>>420 状況見てから発言しなよ。俺は一週間前にれんげのSS書いてんだよ。
にも関わらず、
>>416 の発言だから、ああ言ったの。
キャラ変わったね。前は相手が少少無礼でも 物腰穏やかだったのに。がっかりした。 ひょっとして偽者?でもないか、トリップみれば 。
夏厨相手におとなしくしててもつけ込まれるだけだからな。
>>422 別に変わってないですよ。相手の無礼に合わせた態度を取ったんです。
逆に言うと、今迄このスレにはそれ程無礼な人が居なかったって事なんですが。
@前の人が名指しでリクしたにも関わらず、続けて同じ書き手に名指しでリク(他の書き手さんに失礼)
A巫山気た言葉遣い
B前に書いた筈のキャラのSSをリクエスト
とここ迄無礼な発言に物腰穏やかにレスしたら、逆に皮肉でしょ?
きっと偽者ならもっと旨くやってますよ。
>>423 そんなに深く考えてなかったんですけど、無礼な人に付け上がられるのが嫌なんです。
425 :
112 :04/07/24 22:16 ID:GDD8ENgL
マターリしませう | | ∧∧ |_|(´・ω・`) お茶おいときますね |流|o ヾ | ̄|―u' 旦 <コトッ """""""""""""""" 書こうと思ったのですがキャラで迷い中 どなたかリクエスト等ありますでしょうか。
test
>>425 ノシ
フラン系に萌えるので。
エレ、アンジェ、フランのどれかで書いていただけると嬉しいでつ。
>>425 戴きます。
|つ旦、、
アンジェリーナ良いですね。後、マイナーなのでもOKなら、虫目×ゾナハとか。
429 :
419 :04/07/24 22:38 ID:BUqKIJ3g
>>421 ご本人様からのご教授ありがとうございます。
今後は別館の方に感想を書き込みますね。
430 :
112 :04/07/24 22:42 ID:GDD8ENgL
おお、ありがとうです。 >427 えーとじゃ、前回金フラでフラン苛めてしまったので今度はインフラで書いてくる。 ちょっと待ってて >428 ゾナハタンは、身体がエロいところが、特に好きでつ(*´∀`) 今度書けたら書きます。…虫目の足って乗っても潰れないんだろうか
431 :
112 :04/07/25 02:05 ID:ULUvHt7f
では銀×フランシーヌで、途中まで一旦投下します。 エロに入りかけたあたりまで。
432 :
112 :04/07/25 02:07 ID:ULUvHt7f
黴臭く、すえた臭いのする硬いベッドだった。 いや、彼が昨日まで寝ていた寝台をそう呼ぶならば― これは、ただの木枠に古布を貼り付けただけの、別の何かだ。 …しかし。 しかしここが、今夜の― 「イ、銀さんっ」 「む?」 震えた声が、緊張のあまり「物質の名称が決定される基準」について 悶々と思考を巡らしはじめていた銀を、現実に引き戻した。 彼同様に緊張しているフランシーヌが、ドアからそそくさと入ってくる。 後ろ手でばたむとドア(というより粗悪な材木に以下略)を閉め、 顔を赤らめながらしどろもどろに説明した。。 指先に、紐を丸めただけのささやかな結婚指輪が嵌っている。 「あ…子供達、み、みんな、寝たから…その」 「う、うむ」 「もう大丈夫…だと、思、ああっ!!」 「な、何だ!」 突然大声を上げたフランシーヌに、銀が腰を浮かせる。 フランシーヌはおろおろと辺りを見回して、それから申し訳なさそうに銀を見た。 「どうしようインさん。私、水浴びしてないから、におうかも〜」 「ああ……いや、いい。構わん」 「あはは、そ、そうかぁ」 気まずそうにお互い、頬を染めてうつむく。 微妙な沈黙が訪れる。
433 :
112 :04/07/25 02:08 ID:ULUvHt7f
何せ今日プロポーズしてされて、今日結婚して、その夜なのだ。 「ええと」 フランシーヌの方が、小声で沈黙を破った。 そのままいつもより狭い歩幅でベッドの際まで歩み寄り、インの隣に座る。 ぎし、とベッドが軋んだ。 「……インさん」 名を呼ばれて、固まりかけた銀がぎくりとした。 一旦躊躇してから頭をがしがしと掻く。 「実は私は…その、どうも、こういうことは初めてで…その、何といえばよいのか」 「え…あ、私もなの、あははインさんと同じだぁ…」 じゃなくて。 二人同時に心中で合いの手をいれ、また赤面してうつむく。 今度は銀が咳払いし、居住まいを正した。 「で、では…」 「服、脱いだほうがいいんだよねえ?」 「なにィ!?……いや、そ、その通りだな」 うろたえてしまったことに赤面しながら、銀が改めて眉をしかめる。 所謂通り一遍の「知識」としてしか知らなかった行為にいざ向き合ってみると、 まったく自分が頼りにならないのが知れるようで、男としては実に情けない。 そもそも、脱ぐに決まっている。 (ぬ、脱ぐに) ちらりと新妻の肢体を見遣り、その発想にうろたえた。 (当たり前なのだが、そうなのだが――…) フランシーヌが、そんな銀に緊張を解いたのか、思わずふきだした。
434 :
112 :04/07/25 02:09 ID:ULUvHt7f
「こら、笑うな」 「うふふ。だってインさんたら、りんごみたいに真っ赤」 「…おまえもだぞ」 照れ隠しに低く言い返し、銀が口をひん曲げる。 その言葉で、無言の了解がなされたようだった。 暗い部屋で、硬いベッドが、ぎしりと大きく軋む。 薄汚れたスカーフや、真理を探究するものの纏うマントが床に落ち、黒い影に重なる。 なんとなく背を向けて脱ぎはじめた二人は、脱ぎ終えて、また気まずそうに赤面した。 ちらり、と視線を交わして、向かい合う。 月明かりにうっすらと照らされた白い裸身に、銀は思わず息を呑んだ。 満足な栄養を取れずにほっそりとした全身に、明らかに肉のついた柔らかな胸、 なだらかな腰から足にかけての曲線が目立ち、男の欲情を煽る。 目を見張って言葉を失った夫を、フランシーヌはどぎまぎしながら見上げた。 「あ、あのぉ見ても面白いものじゃ…って、前にも言っ――」
435 :
112 :04/07/25 02:10 ID:ULUvHt7f
頬に大きな手の平が添えられて、フランシーヌの声が途切れた。 月明かりの下で二つのシルエットが一つになる。 二度目のくちづけは長く、熱く、以前より深い。 薄いブロンドの髪に、無骨な指が分け入り、耳の裏を親指が擦るように愛撫する。 フランシーヌもそのまま両腕を銀の肩に回して、より深くくちづけを求めた。 そのままゆっくりとフランシーヌの上体が押し倒され、銀が覆いかぶさる形になる。 離れた唇から、吐息が交じり合って熱を持つ。 「インさん」 「……充分、美しい。くだらないことを言うな」 「え、あ、ありがとう」 思ってもみなかったらしく、フランシーヌが目を丸くする。 銀は黙って屈み、妻の唇を割った。 先ほどまでは唇を触れ合わせるだけのしっとりとしたくちづけだったものが、 今は相手の更に深いところまでを欲して貪る。 初めてであったから、それはほとんど本能だった。 最初はおずおずと舌を絡めあっていたが、次第にそれに没頭しはじめる。 「んっ……ぅ、ふ」 舌先を強く吸われて、フランシーヌが喉にかかった声を漏らす。 一糸纏わぬ肉体が、銀の下で小さく痙攣した。 無意識に伝っていた涙が頬を流れ、黄ばんだシーツに染み落ちる。 銀の舌が歯茎をなぞると唾液が唇からに溢れて顎に伝った。 フランシーヌの舌もそれに応え、銀の背中にも熱が走る。 やっと荒い息遣いとともに顔が離れると、唾液が銀の糸を引いた。
436 :
112 :04/07/25 02:11 ID:ULUvHt7f
「……フランシーヌ」 「ん……うひゃあうっ!」 涙の跡を不意に舐められて、フランシーヌが気の抜けた声をあげる。 銀は沈黙して、彼女を見下ろした。 「うう〜、ごめんなさい…」 「い、いやすまん」 思わずしてしまったことなので、銀も困り顔で赤面した。 それを誤魔化すように、白い喉元にそっと顔をうずめていく。 歯を立てて食べてしまいたいほどの滑らかさに抗い、そっと優しく吸ってみる。 「んっ」 フランシーヌの肩がびくんと跳ねた。 銀が、顔をあげる。 辛そうな様子が見られないのにほっと息をつき、また肌に唇を落としていった。 なだらかな肌に指を這わすと、柔らかな薄い肉が確かな弾力を返す。 (これが、女性というものか) 自らの肉体とまったく違ったしなやかさとやわらかさに、銀自身が熱く脈打った。
437 :
112 :04/07/25 02:12 ID:ULUvHt7f
というわけで続く。
440 :
427 :04/07/25 07:21 ID:dsorD2HG
寝て起きたらインフラキテタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!!!! 112さんありがとうございます! 夢のインフラだああ。SSの中だけでも幸せにしてやってくだされ。
良かった・・・ようやくこのスレにも平穏と活気が戻ってきた。 ネームレス氏、112氏、GJ!です。これからも頑張ってください。 それと、暑いので健康に気を付けてー。
442 :
112 :04/07/26 04:15 ID:OJZ+YHlj
挿入前まで。多分次回で終わります。
443 :
112 :04/07/26 04:15 ID:OJZ+YHlj
フランシーヌは汗ばんだ肌に触れられるたびに、ふわふわと 蕩けていく身体をぼんやりと銀に任せていた。 加減を計るように強く、時に表面を滑るように弱く、なぜる指先。 銀の顔が埋められて、口で吸われるたびに足の指からつむじまで、 なにかじんじんとした熱いものが走り抜けていく。 それをもたらすのが、他ならぬ彼の夫であるということが、 彼女にはこの上もない幸せだった。 (インさんの手、あった、かいなぁ…) ぽやーとそんなことを考えていると、もうすべてがどうでもよくなってくる。 このままずっと、遮る布一枚すらない今のまま、彼と肌を合わせていられれば―
444 :
112 :04/07/26 04:17 ID:OJZ+YHlj
「んぅ、あ」 乳房を軽く揉み上げられ、フランシーヌの背中が反った。 銀が彼女の反応を見てもう一度手の平全体で押しつぶすように捏ねると、 フランシーヌがぎゅっと目を瞑り、かすかに喘いで身を捩った。 銀は片手で白い膨らみを弄くりながら、顔をもう片方の尖端にまで落としていく。 銀の息がかかるだけで、フランシーヌは震えた。 重なり合った腰のあたりで、なだらかな二本の脚が痙攣したように浮く。 厚い舌先がしこった尖りを含んで転がすと、フランシーヌの身体がまた跳ねる。 「ん、あぁ…あ、インさ……ひんっ」 腰に手が這わされ、同時に乳首を甘噛みされ、フランシーヌがすすり泣く。 新しい場所に触れるたびに甘い言葉を掛けるようなことを、銀はしなかった。 できなかっただけだ。 ただ一心に彼女に触れ、撫で、舌先で愛撫し、愛することしかできない。 フランシーヌはそれに応えて、荒い息と小さな喘ぎ声を月光の下に漏らしている。
445 :
112 :04/07/26 04:19 ID:OJZ+YHlj
「インさ、あ…んっ」 「フランシーヌ……」 名前を呼び合うと、汗と吐息で熱を持った黴臭い部屋が、 一層濃密な空気で重さを増す。 黄ばんだシーツは、既に汗と唾液と、彼女の愛液でじっとりと湿り気を帯びている。 水音を立てて、銀の指がついに秘所に触れた。 そこの熱さに、銀は一瞬驚いたが、フランシーヌが同時に漏らした嬌声に 自身の官能を刺激され、指先を動かし始める。 涙を浮かべて喘ぐ若い妻の身体は、暗がりの中ほんのりと 月明かりに照らされ、この上もなく扇情的だった。 くちゅくちゅと愛液の湧く箇所を人差し指で穿る。 フランシーヌの腰がひくひくと痙攣し、背がしなった。 へその周辺を舐めあげ、中心を吸い、掠れた声で彼女の名を呼ぶ。 女性の臭いが汗に溶けて、二人の頭は痺れ、理性が薄い皮を剥くようにはがれていく。 「んぁああっ!!」
446 :
112 :04/07/26 04:21 ID:OJZ+YHlj
充血し、膨らみ始めた肉芽に銀の指が触れた瞬間、 フランシーヌは腰をひくつかせ今までにない悲鳴を上げた。 目が大きく見開かれ、快感のあまり涙が溢れる。 銀が愛液の滴る親指の腹でそこを捏ね回せば、 いともたやすく彼女は官能に溺れた。 「あ、インさんだめ、だめなのそこぉ、あ、いやはああぁっ」 黒髪に両手を埋め、フランシーヌが無意識に腰を動かして指先から逃げる。 ―逃げているのか、ねだっているのか、どちらかは彼女にも分からなかった。 身体の心から熱い蜜が溢れ出し、その水はとどまるところを知らない。 「あっ、あっ、やぁ…!」 頭が真っ白になり、何かが全身を駆け巡る。 「インさん、インさ…あああっふああぁ!」 身体が一際大きく跳ねて、彼女は初めての絶頂に達した。
447 :
112 :04/07/26 04:24 ID:OJZ+YHlj
長い余韻を味わって、荒い息で震える彼女が落ち着くのを見計らって、 銀は彼女の頬に手を当てた。 そのまま、涎の伝う口元に、触れるだけのくちづけをする。 「はぁ、はぁ…イン、さん」 「フランシーヌ」 もう一度そっと唇を重ね、抱き合う。 しばらくそのまま息を整えて、互いの温度を感じていた。 貧民街独特の臭気と暗く、細い風が半分空いた窓から漂う。 フランシーヌは、腕の力をきゅっと強めて、銀に密着した。 「インさん」 「ああ……では、その…いいか」 限界が近い銀は、身体を離すと、妻の瞳を見つめて固い声で尋ねた。 「あはは、なんか、照れるねぇ。」 フランシーヌははにかむように笑い、夫を見上げた。 背を伸ばして小さなくちづけをしてから、銀のそそりたったものに 好奇心と僅かの恐怖、そして期待の入り混じった視線を向ける。 それは予想よりも、脱いだばかりのときにちらりと見たときよりも、 ずっと大きく膨らんで、たくましく反り返っていた。 ごくり、と彼女が息を呑む。
448 :
112 :04/07/26 04:25 ID:OJZ+YHlj
微妙に中途半端ですが続く。 ちょっと用事が入って、数日PCに触れなさそうなので 3、4日ほど後になるかと。ごめん待ってて。
>>450 名も無き法力僧の話なんて読みたいなあ。
伝承候補者でもない、普通の僧侶が戦いに参加する為に妻や子に別れを告げて、みたいな
>>452 言い出しっぺの一人として、書いてみました。合同企画なのでこっちに載せますね。
>>452 さんや他の住人も後に続いてくれると嬉しいな。スレ、盛り上げてきましょう。
ある法力僧の家族への置き手紙です。
奈央、孝一、真央へ…… 奈央へ 今、私のところに光覇明宗から連絡がありました。にわかには信じがたい話だとは思いますが、以前話した「白面の者」との決戦が近く、 「白面の者」はその戦いの前に記憶を操作する作戦に出る様子があるそうです。 ですから私はこの手紙を書いてすぐにある場所へと向かい、それを防ぎます。場所は言えません。 言えば貴女が引き止める事は解っていますから。 貴女の気持はありがたいのですが、我々が戦わなければ、日本は滅ぼされてしまいます。私は家族の為に戦うつもりです。 駄目な夫で申し訳ありませんが、どうかその事を解ってやって下さい。 この手紙は、私がその戦いが済んでも帰らなかった時にのみ、子ども達に読んでやって下さい。 今、こうして偉そうに書いていますが、本音を話すと躊躇いも無くはありません。 こんな事になるのなら、もっと貴女と過ごしたかった。子どもと接したかった。 そんな事ばかり考える私は、父としても光覇明宗の法力僧としても失格かも知れませんね。 勿論、この負ける訳にはいかぬ戦い、精一杯戦って来ますが、死ぬつもりは毛頭ありません。 ですから、帰って来たら、今まで無駄にしてきた時間を家族の為に遣い、良い夫、父親を目指してみようと思います。 奈央、ありがとう。貴女が妻で本当に良かった。愛しています。 私が帰って来られたら、貴女との初めてのデートで行った海のみえる丘公園にみんなで行きましょう。きっと帰って来ます。 P.S.万が一の時は、貴女は新しい幸せを探して下さい。貴女にはその権利がある。 でも、時々で良いので私の事も思い出して下さいね。
孝一へ おまえはヒーローなんてTVの中だけのそんざいだと思ってるみたいだけど、本当はちがうんだ。父さんは日本のため、家族みんなのために戦った。 そのことをおぼえておいてくれ。そして、もうおまえを釣りにも連れて行けない駄目な父親を許してはくれないだろうか。 強くなれ。おまえは私の息子で、山本家の長男だ。父さんに代わって母さんを助け、真央を可愛がってやってくれ。駄目親父のさいごの頼みだ。 私もおまえたちと離れるのは辛い。出来ればおまえたちと一緒に居たかった。 それでも戦わねばならぬ場合があるということを、おまえも理解する時が来るだろう。 そして、その時のために強くなっておけ。大切な人達を守るには、強さが必要だと私は考えている。 今おまえが習っている空手もそうだが、心もきたえておけ。どんなに辛いことでも耐え抜ける、弱さを見せない心を養え。 おまえに言わせると、「男同士の約束」って奴だ。来週の釣りの約束、破ってごめんな。
真央へ まだ言葉も話せない貴女がこれを読める様になり、理解出来る様になるのは何時の事でしょうか。 ママそっくりな貴女の成長した姿はきっと、それは美しい事でしょう。直に見てみたいとも思いますが、駄目だった様です。 貴女の名前は、パパとママの名前から一文字ずつ取りました。 パパは貴女にママの様な美しく、優しい女性に育って欲しいという願いを込めて。 ママの方には、直接尋ねてみて下さい。 パパは貴女の成長が楽しみで仕方ありません。ずっと見守っています。 みんなへ 説教好きな親父はまだまだ言っておきたいことが沢山在りますが、そろそろ行って来ます。みんな、大好きです。 お父さんはきっと負けません。必ず帰って来ます。では…家族みんなが幸せで居られます様に。
>>別館225さん ……とこんな感じで良いでしょうか? SSじゃないですし、短いのでも良いので、読み手の方も気軽に書いてみてくれると嬉しいですね。
458 :
33 :04/07/27 22:23 ID:iCWS6oK+
銀フラ、キテル━*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*━!!!!! せめて、SSの中でだけでも幸せに・・・(つд`)
>>457 GJです。
こういうモブにスポットライトを当てた話って好きだなあ。
プロジェクトX風に、「キルリアン振動機」を作った男たちってのも読みたいなあ。
妖怪版で、「結界自在妖」を作ったあやかしたちもw
460 :
112 :04/07/29 01:31 ID:Mch5x4ek
ではラストであります
461 :
112 :04/07/29 01:34 ID:Mch5x4ek
処女の膣内は、想像以上にきつかった。 銀は絡みつく襞を押し割りながら、じりじりとフランシーヌの中に自身を埋めこんでいった。 熱い内部が拒むように圧力をかけて、分け入らせまいとする。 充分蜜で潤っていたとはいえ、フランシーヌは痛みに涙を流し、 夫の背中に爪を立てて必死に耐えた。 全部が彼女の中に収まってからも、荒い息で彼女は痛みを訴えていた。 「ん…あ、ふ…」 「く……すまないな、痛むか」 銀が抱き寄せて身体を起こし、しばらくそのままで背中を擦ってやる。 僅かな動きにも、身体の下の材木が危なげに音を立てた。 月光が薄く、黒髪と薄いブロンドを照らし、艶を落とす。 フランシーヌは厚い銀の胸板に、汗と涙の流れる頬を押し付けた。 「あのね、インさん…嬉しいの」 そのまま両腕を回すと、二人の身体が密着する。 彼女は、銀の腕の中で泣きながら笑った。 「痛いのに、変だな……でも、とっても…嬉しい」 銀は黙って、妻を抱き返した。 再び彼女を横たわらせる。 ゆっくりと腰を引くと、フランシーヌの目がぎゅっと閉じた。 銀がその目元に、そっと唇を落とす。 胸を優しく愛撫し、鎖骨にくちづけを落とし、全身を愛するように。 フランシーヌの身体をほぐしながら、彼は腰を動かし始めた。
462 :
112 :04/07/29 01:35 ID:Mch5x4ek
痛みに歪んでいたフランシーヌの声に艶が混じってきたのを、銀は感じていた。 潤滑の助けとなる愛液の量が増えていることも、彼女が感じているしるしだ。 「あ…や、ん…、あ、あ」 「フランシーヌッ…」 内から突き上げる衝動に、突き上げを強くすると、 フランシーヌが悲鳴に近い嬌声で応えた。 「んふ、あっあっあっ、イン、さっ、あッひああ!!」 涙が流れて、しがみつく力が強まる。 フランシーヌは無意識に快感を求め、腰を動かしていた。 銀を誘うように熱を持った内部はうねり、絡みつき、互いの快感を増大させる。 古い寝台が壊れるほどギシギシと軋り、汗と互いの分泌液でシーツの染みが広がる。 「っ…ぁ、フランシー、ヌ…!」 「ひゃあああっ!こんな、あ、はぁっ、あああ…ッん、んっ」 ぐちゅぐちゅという音をより激しく立てて、銀はすべてを忘れて妻を攻めた。 射精が近付くのを感じる。
463 :
112 :04/07/29 01:37 ID:Mch5x4ek
フランシーヌは足を銀の背に絡ませて、ひたすらしがみついて彼の名を呼んだ。 密着した身体が上下すると、豊かな胸が銀の身体に擦れて、更に彼女を煽り立てる。 二人の身体を襲う大きななにかが、走り抜け、それは先に銀から迸った。 銀の腰が痙攣し、フランシーヌの中に勢いよく放った。 その衝撃でフランシーヌも一際大きな声をあげ、上り詰める。 中で銀が脈打つたびに、小さな嬌声が漏れ、反った背中がひくひくと痙攣していた。 貧民街の臭いをまとった風が、余韻の残る空間に溶け込んで消える。 乱れた息を整えながらも、二人は身体を寄り添わせ抱き合っていた。 銀が、思い出したように抱きしめる力を強める。 フランシーヌは顔をあげて、もぞもぞと彼を見上げた。 「イン、さん?」 銀は、妻を見下ろして笑った。 「…私も、おまえとあえて幸せだ」 フランシーヌはきょとんと夫を見つめた。 それから―太陽のように輝く笑顔をいっぱいに浮かべて、銀の身体に抱きついた。
464 :
112 :04/07/29 01:39 ID:Mch5x4ek
終わりです。 もちろんこの後何が起きるかは考えてはいけない…orz どんなEDにしても切ないのはこれいかに。 ではでは御期待に添えていれば幸い。 リクエストどうもです、いつかリビドーが溢れてきた頃にまた(・∀・)ノシ
466 :
33 :04/07/29 23:44 ID:8JhL1Vhv
>>464 ・゚・(ノД`)・゚・ ・・・金イッテヨシ
467 :
427 :04/07/29 23:53 ID:3YDjatOE
112さん乙〜 銀とフランの初々しさが大変GJでした。 やっぱフラン系はええのう。 …しかし…泣ける…
468 :
427 :04/07/29 23:59 ID:3YDjatOE
ちなみに33さんの鳴エレもいつも楽しませていただいてます。
>464 甘酸っぱくも、くすぐったくなる様な優しげな描写の数々、 物語も面白かったです。 112氏のリビドーが早く溢れることを期待して。ではまた。
目玉をぐりぐりされるコロンたんハァハァ
471 :
むらさき :04/08/03 03:33 ID:QjQLXEtF
山腹は霧掛かり幽玄さを湛えて、秋雨が躰の芯を凍えさす支度に入ろうとする 季節。男女(おめ)は出逢った。ひとつの出来事をきっかけとして、約束の盃を 極内々の者の間で交わした。当初は夫婦固めの盃としていたものを、修行と 妖魔の討伐に躰を置く身なればと、紫暮が伏して願い出たのだった。未熟故、 今しばらくの猶予をというのが名目。男の本心はどこにあったのか定かではないが、 紫暮は須磨子の元にじっとしていたかったわけではなかった。 「かりにも、須磨子が清姫になったとしたら、いかがいたします」と訊かれても、 紫暮はひたすら頭を下げていた。それでも須磨子は、出立するまでの数日間を いっしょに過し、紫暮の情愛に包まれて大きな倖せを感じていた。その半年後に 夫婦固めを執り行う。それが須磨子と紫暮の最初の一年となった。 「紫暮さま。お久しゅうございます」 深く頭を下げ、臀にとどく素直な垂れ髪が揺れて華奢な両肩に掛かり、腰の ところでは綺麗に切り揃えた髪裾がふわっと散ると、それから須磨子のやさしい 陽が紫暮へと昇る。 卵型の輪郭に、きりりっとした濃い目の眉。その瞳は須磨子の精神のように 大きく深い黒色を湛えて、小さくぽてっとした愛らしい唇が笑みを見せて言葉を 紡いだ。 「今日は泊まっていっていただけるのですか」 出逢いの季節よりも僅かばかり先をいってしまい、今日は牡丹雪が降っていた。 須磨子は金茶地の着物姿に、利休ぼかし(薄い灰緑色)の地に縦縞柄の二部式 道行着を上に着ていた。
472 :
むらさき :04/08/03 03:34 ID:QjQLXEtF
「いかがしょうかな」 着物衿とおなじ道中着よりも、四角い額衿から着物の衿許が覗く道行着の方が 色っぽいと紫暮は思う。須磨子の道行着の胸元には、同色の正絹の菊結びの紐、 二組飾ってあった。雨降る里で須磨子を見た時も、雨コートではなく、やはり 道行着だった。 「綺麗だな」 「なにか、おっしゃりましたか」 「あ、いや。なにも」 「なにもとは」 「だからなにもだ」 「いじわるなのですね」 「そうかな」 「そうですよ。ふふっ」 「はははっ。さてと。それでは、お供でもしようか」 「よろしいのですか」 「ん」 「ごいっしょされても」 「よろしいもなにもないだろう」 「夫婦ですものね」 白くしなやかな指が揃えられて、須磨子は口元の綻びをそっと隠した。 「あっ、いや……」
473 :
むらさき :04/08/03 03:36 ID:QjQLXEtF
「なにか」 「先刻は綺麗だといった」 「はい。ありがとうございます」 須磨子はにこりとして、また丁寧に礼をして(垂れ髪の前髪を胸の長さで切り込んで 二組の房にして前に掛けていた)、黒髪はサラッと揺れていた。 ただ須磨子の貌を観によったわけで、さしたる用事があるわけでなく、愉しそうな 須磨子の気分に水を差すようで、あえて同行しようと言ったまで。修行の身の男が 女の笑顔を観に寄ったなど口が裂けても、と思ったが閨でいってみるのもいいかも しれないと紫暮は考えていた。 須磨子の雨下駄を鳴らして寄り添ってくる音も軽やかに、パンと小気味良い 音をさせて、傘が開き差し向けられる。須磨子のつま先を被った雨下駄の前皮の 臙脂が灰色の石畳に映えていた。紫暮の貌もつられて綻んでいた。 「ああ、日本傘ではないのだな」 「これでも和傘なのですよ。見てくださいな」 須磨子が手先を上に向ける。紫暮が仰ぎ見ると傘の骨が洋傘のものより多く、 紫の布の質感も落ち着いていて、紙に近い風情があった。 「しかし、すこし派手ではないのかな」 須磨子に妙な間が出来たことに紫暮は気づいた。 「どうした」 「どうもしません」 「そうなのか。ちゃんといって」
474 :
むらさき :04/08/03 03:37 ID:QjQLXEtF
「しりません」 須磨子は直ぐに応えて、唇をツンと尖らせて顔を逸らした。 「いったい、どうしたというのだ」 「どうもいたしません」 「なにか、幼くなっていくように見受けられるが」 逢うたびごとに、須磨子が幼く見えるようになったと口元まで出掛かるのを慌てて 濁そうとするが、次の言葉が思いつかない。 「紫色は私に似合いませんか」 「幼く見せるのにも使われるというし。あ、いや。子供っぽいと言っているのではないぞ。 そうだ。物腰を和らげる色だな。うん。着物にも似合っているし」 「紫暮さま……」 「はい」 「お気づきになりませんか」 「ああ。紫……ということか」 「はい」 須磨子がにこりとした。紫暮の頸がなんとか繋がった。 「どれ、己(おれ)にそれを貸してみろ」 「あっ」 紫暮は須磨子から傘の柄を奪い取る。須磨子の肩口が雪に濡れないようにと 紫暮は肩を抱き寄せて傘を差した。須磨子とこんな時をいっしょに分かち合い、 あとどれくらい過してゆけるのだろうかと思う。暦で見れば、それは容易いことだが。
475 :
むらさき :04/08/03 03:38 ID:QjQLXEtF
「紫暮さま」 「ん……」 「紫暮さまは、千宝輪をお持ちになられていますでしょう」 須磨子の横顔を見ると、まだ頤を引いて俯いている。 「ああ。いつぞやの説教のつづきだな」 「説教だなんて、おっしゃらないでください」 須磨子の顔があがって視線が絡み合った。 「……」 「怒ったのか」 「……いえ。怒っただなんて。……紫暮さま」 「なんだ」 「もう判りなのでしょう」 「なにがだ」 「千は無限の己の力を示すものではないことを」 「それは聞き捨てならんな」 須磨子の問い掛けを紫暮は意図的にはぐらかしていた。無論、忘れていた ことではない。 「そうでしょうか」 紫暮が妖魔を討伐することは、秀でた法力に驕ったというわけでもなかった。 力の極めは、その精神によるところが大きい。残酷なようで、それが真実。 力を極めれば、強いものが必ずや勝つという世に身を置いている。
476 :
むらさき :04/08/03 03:41 ID:QjQLXEtF
力量の差において、弱者が強者と対峙しての偶然の勝機などはあり得ぬことと 紫暮は熟知した。それが武道の理でもあった。無慈悲といえども、力量の差異に 針穴ひとつの勝機もそこには無い。端から見切られているのだから、手出しなど できるはずもなく。 それが、人と蟻ほどの差があるというのなら、大妖・九尾狐(きゅうびこ)と 人との対峙になにが可能なのかと焦らずにはいられなかった。だが端から負けると 思うつもりも紫暮にはない。紫暮の心情というのは、幼き頃に培った愚直にも近い 勧善懲悪だった。 獅子と蟻ではないが、多勢に無勢で襲うは、勝負事ではないような気も実際 していて気分のいいものではなかった。ひとりの男として対峙してみたい という闘争本能が、欲とでもいうべきものが紫暮を駆り立てていた。そして、 世情の変化が紫暮の精神をいつしか歪ませてもいた。 それが獣の槍への紫暮の驕りだったのかもしれない。それとも人としての、 大妖に臨む古よりの残された唯一の矜持だったのかもしれない。 須磨子と逢うまでの紫暮は苛立っていたに等しい。焦りが、いつしか恐怖に 変容していた。それは、ある意味、成長の証拠(あかし)でもあったのだが。 だから紫暮は無意識だったにせよ、恐怖に打ち勝つ為の槍を心底欲した。 力に縋ろうとしたが、それで己一人でなんとかなるとも思ってはいない。 時雨に打たれて彷徨っていた。須磨子に声を掛けられるまで。 「さあな」 「確かに御仏のお力は千。すなわち無限なるもの。しかし、それは慈悲の心で衆生を導く ためにあるといいます」
477 :
むらさき :04/08/03 03:43 ID:QjQLXEtF
「須磨子。やはり、出掛けるのはよそう」 「私、差し出がましいことを……申してしまい……」 須磨子の中の童女は泣きそうになっていた。 「部屋で寝(やす)みたい。己は須磨子を抱きたくなった。おま×こがしたい」 紫暮の戦いと鍛錬の節くれ立った大きな手が、たおやかな須磨子の手をきつく 握り締めていた。 「まだ……陽が高いと……存じます」 須磨子の動悸が早くなる。あけすけな紫暮の物言い。瞼がぼうっと朱にけぶる。 「十分暗い」 「これは」 「嫌か」 「私の話はつまりませんか……」 「ああ、つまらん。つまらんな。だから、己ともっと愉しいことをしよう」 「そんな……」 須磨子の貌が見る見る曇っていて、黒く吸い込まれそうな精神(こころ)の 眼(まなこ)はあふれそうなくらいに涙を張って濡れていた。何か紫暮が ひとことでも言葉を掛けてしまえば、壊れそうなくらいに須磨子は儚くなって。 卑猥さではない。粗野なまごころといったところなのかと思った。真摯さも 紫暮に感じてもいて、それをどううけとめてやればよいのかの術を知らない 須磨子だった。すると……。 「からかっただけだ。精進怠らず、天に通ぜよ。須磨子はそう言いたいのであろう」
478 :
名無しさん@ピンキー :04/08/03 17:30 ID:XrjDMAyu
新たな職人さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
紫暮須磨子禿萌え(;´Д`) 超GJ
480 :
むらさき :04/08/04 02:59 ID:6KRH/5pg
「……あんまりです」 哀しみに声が顫えている。私も紫暮さまと、おま×こをしたい……。須磨子も お役目に命を賭けるのとおなじ、紫暮も妖魔討伐に日々命を張る。ぎりぎりの狭間で 命を燃やす。 紫暮は素直な気持ちを口にしただけだということを感じていた。柄は悪かろうが、 誠に生きている。羞かしいと感じた自分のほうが羞かいとさえ思える。自分もみだらを 口にしてみたい。欲望は募る。おんなとしての強い子孫を残したいという本能なのか。 「拗ねるのもまた可愛いな」 久しぶりの逢瀬に愛と春情が縺れて捻れていた。 「拗ねているのではありません。私は紫暮さまを……怒っているのです」 「赤紫蘇の粉は……、縁(ゆかり)と言うそうだ」 「いかが……されました……」 須磨子は訝る。 「己の名だ」 「……むらさき」 「そうだ。紫が暮れると書いて、ゆかりが喪失する。そういうことだ」 「紫暮さま……」 「わたしはずっと独りだった。確かによいものだな。こういう時が持てる ということは」 紫暮は華奢な丸い肩を強く掴んで須摩子の躰を曳き寄せる。
481 :
むらさき :04/08/04 03:13 ID:6KRH/5pg
「……夫と子への責務を考えれば、私はひどいおなごと言うより他ありません」 これも、人の素直な欲のひとつだと思う。そう感じれば感じるほど、普通で いることが、人としていかに大切なことかを、須磨子はお役目として生きることの おなごに痛みを感じていた。 「ながいかみじかいかではないということは頭ではわかっていても、どこかで 拒んでいる己がいるんだ……。須磨子」 この痛みは、迷い。ほんとうに我を通すというところから来るものなのでしょうか。 「はい」 「己は、須磨子と出逢え、一緒になれて十分に倖せだ」 そうなのですよね。きっと。……紫暮さま。 「でも……」 紫暮は須磨子の黒い大きな瞳を眩しがらずに真直ぐにみつめていた。須摩子は 長い睫毛を震わせながらも、応えていた。 「私も倖せです。ごめんなさい」 「それでいい」 「はい」 「須磨子」 「はい」 「己は、その時に笑えたらいいと思う。だから、奥ゆかしさが、須摩子の すべてとは思っていない」 「私は……、わたくしは……」 「ん」 「このお役目を辛いと思ったことはござりません」 それは須摩子の決意でもあり、紫暮に送った愛の言葉。
482 :
むらさき :04/08/04 03:19 ID:6KRH/5pg
「強いな。須磨子は。誠の武士の精神を持っている。それでいい」 「紫暮さまこそ」 「言葉ではなんとでも言えるしな」 「……」 「あっ、いや、須摩子のじゃなくてだな……。己は力だけに縋って生きてきた。 なにが力かも分からずにな。須摩子もそれに気づいて己を観ていたのだろう」 だから、あの時の涙はこころに鋭く刺さって来た。顫えるほどにな……。 「それを気づかせてくれた」 「いいえ。紫暮さまは強いお方です。私が保証いたします」 「そういうことは、先代に言ってもらいたいな」 「は……」 須摩子は紫暮の言葉が数瞬理解できないで、間の抜けた返答をしていた。 「あの梅干婆さんだよ」 「なっ、なんという」 「大それたなんて言わなくてもいいぞ」 「紫暮さま……」 「あの婆さんには、いまでもお前呼ばわりだからな」 「そ、そうなんですか」 「ん、なんか、こころなし口調が変わっておるな。さては己の正体に驚愕したか」 「あっ、いえ。なにもそのようなことは……」 着物の胸元で掌を立てて、慌てて左右に振って見せていた。 「よろしいですよ。でしたら、私に任せて下さい」 「冗談だよ。ほんとに須磨子は面白い」
483 :
むらさき :04/08/04 03:24 ID:6KRH/5pg
「もう、紫暮さま」 語気を荒げて恋人を言い名付けて、須磨子は歓びを感じていた。なにげない 倖せを感じても肩に掛かった雪のように消える。しかし、喪失したのではなく、 精神に深く滲み込んでいって、須摩子のこれからの人生を、明日を信じる 生きるかがり火になる。 「紫暮さま……」 須磨子なりに、励まそうとしていることは、紫暮にはもちろんわかっていた。 紫暮は遠くをみつめるような眼差しをする。あしたは来るのだろうかと。 「己は……」 「紫暮……さま」 雪にふたりの足跡を残し、紫暮の逞しい肩に須摩子は頭を寄せる。逞しい 死線を潜り抜けてきた腕に、労わるように抱きついて、眼は潤みを見せていた。 かつては金色の体毛を纏っていた獣。此処大和に渡来して、玉藻前(たまものまえ)と 名乗りし者、人心を惑わし内丹を貪った。秀でた先人の力と知恵によって討伐 されたという。そのはずだった……。 しかし、大妖は難を逃れただけで、彼の地に深く眠り続けていた。その者は時の 流れ共に白面と呼ばれ、結界の懐で眠りながらも強大な妖力を……今も尚蓄えている。 その力の開き、どのように縮めればよいのか。こうしていても、紫暮はその 歴然とした力の差をひしひしと感じて皮膚感覚がぴりぴりとしていた。須摩子は それ以上に体感しているのだと知って、強きおなごのほうをチラッと盗み観る。
484 :
むらさき :04/08/04 03:31 ID:6KRH/5pg
伝承の槍に縋るだけでほんとうによいのかと紫暮は逡巡する。須摩子は熱い 眼差しを感じてどぎまぎしていたが、童女のように腕にしがみ付いて。守りたい。 守らねばならぬものがある。 「で、おま×こはするのか」 「ええっ。なっ……」 真っ赤に貌を染めて抱きついた手を離して俯いている。 「やはり、可愛い。さあ、行き先はどこなのかな。用事を済ませて掘りごたつにでも 入って、蜜柑でも」 「私は……、かまいません」 「なにが」 紫暮は素で分からずに須摩子に訊いていた。 「だから……」 「だから」 「おま×こです」 蚊の鳴くような顫える声であったが、紫暮の耳にはしっかりと聞こえた。 「ええっ」 「ええって、いったいどういうことですか。私が思ってはいけないのですか」 「だ、誰もそうはいっておらんよ」 「……もう」 「なあ、だったら、もういっぺん言ってはくれないか」 紫暮を掴む須摩子の指に力が籠って爪が立てられていた。次には拳が飛んで 来るものと思い覚悟した。
485 :
むらさき :04/08/04 03:33 ID:6KRH/5pg
「紫暮さまと、おま×こが……したいです」 「おおっ。無上の歓び」 「ばっ、ばか……」 「ん」 「どうか……いたしましたか」 「なんか、誰かに見られているような」 「きっと、気のせいです」 「そうかな」 紫暮は人差し指で頬をぽりぽりと意味も無く掻いていた。 屋敷に戻って歳を重ねた年配の女性の付き人が、褥の用意をいたしますと 立ち去るのを須磨子は止めて、私がいたしますから、ときっぱりと言い切って 紫暮に礼をしてから部屋を出て行った。暫らくして須磨子は戻って来て。 「紫暮さま、ご用意ができました。寝所に……連れて行ってください」 「うむ。行こう」 屋敷の奥へとふたりは入っていく。広かった廊下はだんだんと細って、胎内に深く 入っていく心持ちになる。闇に深く分け入るような。そんな紫暮の気分を 察してか、須摩子が声を掛けた。 「紫暮さま」 「なんだ」 「暮れるはなにも、ただそれだけではありませんよね」
486 :
むらさき :04/08/04 03:37 ID:6KRH/5pg
「そうだな。暮らすという向きもあるな」 「はい」 しっかりとした須摩子の明るさが発話されて、薄暗い廊下の闇を裂いていた。 ――初めて観た須磨子の躰―― まばらに拡がる須磨子の陰毛。柔肉の綴じ目に近づくほどにおんながこゆくは なっていたが、それでもまだまだ稚く感じる。お役目と躰がなにか関係してと 思うがそれが愛い。 須摩子の乳房も小振りで、量感に乏しいとは思わないが、顫えるさまを 観ていると、紫暮は肉情を駆り立てられるというより、甘くせつなくなっていって 静かに須磨子の肉体に狂っていった。 初交の時、躰を固くしている須磨子に、律動を止めて暫らくじっと抱き締めて いたときのこと。 「紫暮さま……」 律動で揺さぶられて須磨子はたよりない笹舟になり荒波に揉まれていった。 肉棒の一突き一突きに、白閃光に灼かれる思いに泣いていた。それが 止んだのだった。 救われた思いがした。だのに、愛しい男に突き放された気にもなっていて。
487 :
むらさき :04/08/04 03:44 ID:6KRH/5pg
478、479 読んでくれて、ありがとうございます。 それから、もうちょっと続きます。
488 :
むらさき :04/08/04 14:46 ID:6KRH/5pg
「痛くはないか」 もっとしてください、紫暮さま。 「……はい」 もっと、もっと。 「正直にいってはくれぬか。ほんとに痛くはないのか」 「……ええ」 もっとして。 「そうか」 「紫暮さま。もう、おわりなのでしょうか」 「おわりというわけではないが」 「では、つづきをいたしてください」 「こうしているのは嫌か」 「嫌ではありませんが、じっとされていては……まだあそこは……紫暮さまに 馴染みません。ですから……おねがいいたします」 紫暮は、少し上体を起こした。 「馴染まないとは、なんのことかな」 「……」 下からかるく睨め付け、逞しい腕の筋を撫でていた須磨子の手が、紫暮の頬を むぎゅっと摘んで捻り上げた。 「痛う……。なっ、なにをする」 「しりません……」 「なら、こうだ」 「あうっ、あ、ああ……」
489 :
むらさき :04/08/04 14:49 ID:6KRH/5pg
「どうだ、降参か」 紫暮の指が須摩子の乳首をやさしく摘んでこねまわして引っ張り上げる。 それに吊られて白い柔肉は紡錘形になる。 「降参などと……はっ、はあっ」 「いきなりで、射精そうだったぞ。もっとしょうか」 「一思いに……駆けて来て……ください。あっ、んんっ」 「それでは」 二度三度突いて、須磨子は歯を食いしばりながら呻いていた。 「楽に構えて、己を感じてくれ」 「は、はい。紫暮さまあぁぁぁ……」 瞼を閉じ合わせていても、爛れた美富登に突き入る、紫暮の下腹の黒い茂みから 天上を突くようにそびえていた錆朱の肉棒をまざまざと幻視していた。女性器の 肉粘膜は血を吐きながら、その色を極めて臙脂に近づいて絖っていると。 逢瀬ごとの同衾(どうきん・ともねのこと)の重ねにより、ふたりの想いが交歓されてゆく。 それだけとは言わないが、怯え、非力な者であることを知って、狂おしいまでにお互いが 求め奪い合った。なぜなら、夫婦としてのあたりまえの歳をいっしょに重ねることは 誓約(やくそく)されはしないことだから。 口に出さなくとも、男女(おめ)が春情に悶え狂おしくなるさまが精神に伝播し、渇望を 生むのだった。そして、高みに昇り詰めた時、記憶も無くすほどの歓びに打ち顫えて 深き眠りに落ち紫暮と須摩子は癒されていった。
490 :
むらさき :04/08/04 14:50 ID:6KRH/5pg
―そして最後の一年が始まる―― 鮮やかな正絹の朱色の帯び締めを落とし、帯を解きに掛かったところで、 堪えきれなくなった紫暮が背中から須磨子を抱き締めていた。華奢な丸い肩に 両手を添えて須磨子の貌を覗き込む。 須磨子は伏し目がちに、ほっそりとした頤を曳いて「紫暮さま……、ずっと この時を待っていました」とそっと発話した。性愛の残り香は日が経つにつれ、 くすぶっていて、いつしか焔へと変容する。羞恥と春情の間だで春水を芯から 洩らしながら想いを募らせていた。その瞼は朱を極めて長い睫毛を震えさせていた。 それは紫暮もおなじ。もしもかりに、玄関で須摩子に出迎えられていたなら、 須摩子の匂い立つ香にも狂わされて、押し倒して犯していたやもしれなかった。 かたちこそ、最初は拒んでも須摩子は紫暮を受け入れるであろう確信はあったが。 須磨子の臀にまで掛かる濃やかな黒髪は、紫暮に背から抱かれて肉情に妖しく 縺れていった。須磨子の臍の上で組まれていた紫暮の手は離れて、着物越しに 喘ぐ乳房を鷲掴み、烈しく揉みしだく。 「いっ、痛い……」 紫暮のこわばった両手が弛緩すると、須磨子の手が乳房を覆う紫暮の手の甲を掴んで。 「やめないで、くださいまし」 「いいのか」 「はい」 「痣になるかもしれない」
491 :
むらさき :04/08/04 14:51 ID:6KRH/5pg
「……ほんとですか」 「うそだ」 「いじわる。でも、構いませんから」 「泣くなよ」 「泣きません……から。早くして」 「わかった。参る」 乳房を強く揉まれて「あううっ」と須磨子の貌に苦悶が走った。凛としたこゆく 太い眉を吊り上げて眉間には縦皺を寄せる。須磨子の精神を反映して黒く棲んでいた 瞳は色に惚け。そして、ぽてっとした愛らしい唇が花を咲かせて白い雫をこぼれさせる。 眦を濡らして。 紫暮は緩んだ帯を落としてから、須磨子の裾を割った。掌は須磨子の右膝小僧を 包んで撫で廻した。羞恥から須磨子は両膝を閉じ合わせようとしたが、ぐいっと 開かされる。 「ああ……堪忍」 「してって、いったじゃないか」 「……もっとして」 須磨子はきゅっと下唇を噛みしめていた。紫暮の掌は膝から離れて、五つの指頭が その上を這って窄まり、またひらくようにして掌が付いた。 「はっ、はっ、はっ」 「昂ぶっている」 「はっ、はい」
492 :
むらさき :04/08/04 14:56 ID:6KRH/5pg
そうだった。素肌を直に愛撫されているわけでもないのに、躰は熾火になっていた。 紫暮の右手は潤い始めた秘園を目指して這い上がってくる。そして、左の乳房を 揉んでいた手は須磨子の濃やかな黒髪を右から束ねて左肩に流す。 晒されたうなじの生え際に唇を付けられて躰をくねらせた。やがて頸筋に廻り込んで 頤を唇で挟まれて、濡れた唾液の痕を残す。 「ううっ、うあ……、ん、んんっ」 舌が差し出されて、白粉を薄く塗った頬を舐め、すうっと耳朶を目指してなめくじが 這ったようなキラキラとした軌跡を残しながら。濡れそぼった秘園を探り当てられ そうになって、須磨子は両太腿を閉じようとする。 紫暮の手は内腿から膝を跨いで須磨子の臀部に廻り込んだ。そして左の臀肉を むずんと掴み、裂かれるみたいに外側に引っ張る。須摩子は女陰と菊座が痙攣して みだらなひくつきをみせていたが、外側へと粘膜が開放されるような幻視を紫暮は 須磨子の躰に強引に刻印したのだった。 「んっ、んっ、んあっ」 それでも閨声を上げまいとして必死に堪える須摩子。その強情さと健気さに 紫暮は惚れて、尤態をみだらに崩すことに躍起になった。 たまらなくなった須磨子は狂ったように躰を揺さぶりだし紫暮の顔を、 その濃やかな黒髪で叩いて嬲っていた。あたかも、臀にあたる紫暮の怒張を 誘っているようにも思えて、金茶地に咲く白椿を摘み取って、薄桜の襦袢に須摩子を するといっしょに白い寝具へと縺れ落ちる。
493 :
むらさき :04/08/04 14:57 ID:6KRH/5pg
「あっ、はあ、はあ、はっ、あっ、あっ」 紫暮はだて締めを緩めに掛かり、裾を割ってしっぽりと濡れている秘園を掌で覆うと、 ぐぐっと須磨子の臍に向かって曳き上げたのだった。 「んああっ、あうっ、ああっ、ああ……」 一度目の衝撃から、数瞬の間隔を置いて、連続して二度三度と繰返した。須磨子は 横たわった躰をびくんびくんと跳ねるように痙攣させてしまう。とうとう泣き出して、 それでも背中にいる紫暮を誘おうと、腕を後方にやり、火照る貌を捻って、紫暮の頬や頭、 背を撫で廻していた。白く細い腕に黒髪が白い波から引き摺られるように揚がって、 尖った肘が肉情に濡れた、せつない美貌のところで揺れた。 紫暮は衿から手を忍ばせて須磨子の胸板の肋の波打つ場所に掌を圧した。須摩子の 烈しい鼓動を確かめた。その所作が須磨子の胸を熱くする。ぬくさが躰に波紋のように 拡がってゆく。 紫暮はもう一方の手で自分の着物を解き、肉棒を寝所の澱んだ気に晒すと、須磨子の 襦袢に覆われた臀部にぐいぐいと擦り付けた。 「美臀だ」 「ひっ、いっ、いやあぁぁぁ……」 「豊穣のあかしだな」 「字が……字がちがいます」 「なぜわかった」
494 :
むらさき :04/08/04 14:59 ID:6KRH/5pg
「だっ、だってお臀を、あっ、あ、ああっ」 それでも我を残し、まだ乱れていない須磨子に苦笑しながら美臀を錆朱の尖端で 大雑把に荒く突く。 「おなじだ。田んぼも、おなごの臀も」 「強情なのですね」 「強情なのは須磨子だ」 「……そっ、そんな」 「しかし、痔とはな」 「なっ、なにをもうされて」 「詮索せぬほうが、須磨子のため」 須磨子は薄青を底に湛える白い裸身を、白い波から桜の花弁を散らせた場所に 仰向けにして紫暮を待った。錆朱色にてらてらする紫暮の亀頭が開いた華に近づいて、 女芯を捉えた。 須磨子は両膝を寝具から浮かせて、しなやかな肢体を弓反りにして顔を仰け反らせる。 一時に最奥を極めようと、ずぶっと突き刺した。 「んんっ」 須摩子は仰け反って頤を衝きあげて、そのまま横を向いて唇を噛み締めて、 がくっと迫り上げた閨橋を白い寝具の波に沈めた。灼けるような羞恥から、紫暮の 女陰を愛撫する顔を、須摩子の顫える両太腿の内側で挟み込んで、「いやっ」と小さく 発話した。
495 :
むらさき :04/08/04 15:02 ID:6KRH/5pg
両腕を返して敷布を掻き集めていた須磨子は、しなやかな指の握りを開き、 股間で動く紫暮の黒髪を捉まえる。白い小振りの両乳房は内側に搾られて深い谷間を つくっていた。 「んっ、んん。んんっ」 股間では紫暮の乱れた黒々とした髪と須磨子の白雪の如き柔肌が寝具にのたうつが、 須磨子の甘い嬌声は歯によって阻まれて、開放されずにくぐもった声で寝所を濡らし。 そして、須磨子のあふれさせる春水を啜る音が響いていた。屋敷の奥の寝所は陽光を 阻み、代わりに竹細工のランタンが褥から少し離れた場所に一基設置され、寝所の 四隅に燭台の灯りが掲げられていた。 ほの暗いというには少々趣を異なるものとしてはいたが、それでも絡み合う 浅黒い肌と白雪の肌の二重奏を橙色に妖しく包み込んでみだら絵を描き出していた。 そして、ふたりの嗅覚からも春情はけしかける。香木が焚かれていた。それは 性臭を緩和させるためのものではあったが、須磨子の吐き出した春水と合わさって 甘ったるい芳香を漂わせていた。 けれども、須磨子の月はまだ満ちてはいない。紫暮と須磨子の和合水が吐き出されれば、 薔薇を腐す芳香へとまた変容する。深く蕩けるその刻を躰は身悶えながらも精神は 研ぎ澄まされて静かにその刻を待った。 軋むほど躰を抱き締められて、烈しく喘いでは脾腹に肋を浮かばせ、白い喉を紫暮に 晒して頭を仰け反らせる。律動を繰り出されては、唇を捲って閉じた歯を剥く。眉の上で綺麗に 切り揃えられた前髪が、白い額を露わにして、両頬にはほつれ毛を汗に張りつけ、重い呻きで 褥を濡らしていく。
496 :
むらさき :04/08/04 15:05 ID:6KRH/5pg
「んっ、ん、ん、う、う、うっ」 須磨子は閨声を噴かぬようにと堪えていた。紫暮が須磨子を衝きあげると、堰を 切ったように喚いた。 「うっ、うあっ。んあっ、あっ、う、ううっ、うあああぁぁぁ……」 総身を快美感が駆け抜ける。唇をいっぱいに開いて、口周りに皺をつくると眉間には しっかりと深い縦皺をつくって叫び、紫暮はこれまでにない締め付けに、こめかみに汗粒を どっと噴き上げた。 その汗は流れて須磨子の喘ぐ乳房の素肌にも滴り落ちていた。更に一突きで須磨子は 橋を描いて乳房をぐんっと迫だしたのだった。紫暮は頤を引いて、須磨子の姿態を いま一度堪能して見下ろした。 ぷくっと膨らんだ乳暈にしこった乳首が愛しさを募らせ、のたうつような白い蛇に 止めを刺しにゆく。浅く浅く天井をこそげるように衝きあげ、ずぶっと子宮を圧し上げた。 須磨子の嬌声の変容を見極め、紫暮はもう律動に手加減はしなかった。どくどくと あふれる精液に、須磨子の膣内の肉襞は蠕動を行ないながらひくついていた。 なにもかもが、開放される場所に紫暮はいた。戦いに身を置いた男が初めて味わう 安らぎの刻は限られていた。そして須磨子も狂おしい交媾に排卵を刺戟されていた。 千の慈愛で衆生をみつめて守り、千の手で衆生を救う者。紫暮が抱いたのは、須磨子は そんなおんなだった。そして、九尾狐を見張る結界の要となったおなごが辿り着いた誠。
497 :
むらさき :04/08/04 15:06 ID:6KRH/5pg
「京花紙か」 縦二十六センチ、横二十センチ、高さ六センチの白木の箱の蓋をずらして、 須摩子は京花紙を数枚手に取った。 「お清めいたします」 楮(こうぞ)という桑科の樹皮の細く長い繊維から精製したもので、 おだやかな朝陽のような質感を持つ。そのいのちで、紫暮の柔らかくなった 逸物を須摩子はそっと包んだ。 「繊維束……か」 「どうされました」 「竹だよ」 「あのしなやかな竹ですか」 「ああ。繊維一本は短くて使い勝ってはよくなくとも、繊維束になれば、引っ張る力は 鋼鉄の一・五倍近くにもなるそうだ。三本の矢よりも理に叶っているだろう」 「紫暮さま。私は倖せです」 「そうだな。ならば己は掛かる凶兆に備えよう。もう一度、掌中の玉に逢うことを此処に、 己は誓約(ちか)う」 「紫暮さま、ありがとうございます」 「礼を言うのは、むしろ己のほうだ」 あたえられた二年は紫暮と須磨子を強くしていった。救いの珠を授かることが そうさせたのではない。お互いを愛しむ精神がふたりを高めていった。
498 :
むらさき :04/08/04 15:07 ID:6KRH/5pg
ふたりの世話をしていた付き人の述懐によれば、最初の年と白面との対峙の はじまりの日(紫暮と須磨子が心を通た期間を経てという意味において)とでは紫暮と 須磨子は別人だったという。 「ありがとう」 どちらともなく、ふたりの声が重なって笑っていた。 「須磨子」 「はい」 「風呂場でも抱きたい」 「……」 「やはり、ダメか……」 「あんまり、無茶はしないでくださいましね」 「大きいし、檜風呂だし、ここのはくつろげる」 「そうではなくて、あまり湯舟に浸かっていたなら」 「のぼせるものな。だったら、すのこで須磨子を抱こう」 「……」 「どうした」 「躰がごりごりして、痛く思います」 「それが、たまらんのだ」 「そうですか」 「そうそう」
499 :
むらさき :04/08/04 15:08 ID:6KRH/5pg
「誰かとお試しになられたとか」 「そうそうって……んなわけがあるか」 「あやしいです」 「ほれ、ゆくぞ」 寝具を起きて、京花紙の白木のところで爪先を立てて正座している須磨子を横から 抱きかかえる。 「きゃあっ」 横抱きにされて須磨子は小さく悲鳴を上げた。 「……」 「いかがされました」 「あっ、いやな」 「なにやら、ボキッと音がしたような気が」 「そっ、そうか。やはりしたのか」 「たっ、たいへんです。誰かを呼んできます」 「己はこのまま風呂に行く。須磨子もいっしょに」 「でしたら、降ろしてください」 「ダメ」 「無体な。わらしみたいです」 「それでも構わん。己はゆくぞ」 「もう……勝手にしてください」
500 :
むらさき :04/08/04 15:10 ID:6KRH/5pg
紫暮はよく笑う男になったという。夫婦になれば、守りに入るばかりに、攻撃性が 薄れるとはよく言われることだったが、礎を持った男は己に更に厳しくなったという。 ぴりぴりとした余裕のない殺気立った感じは消失していた。 「綺麗でしょう」 紫暮は本尊の軒反りの曲線をじっと眺めていた。 「ああ。須磨子がな」 そういわれて、素で須磨子は悦んでいた。 近況の報告に本尊に出掛ける前のこと――。 「どうですか」 藤色のブラウスに、褐色(かちいろ)のタイトスカートに鳥の子色のシームバック・ ストッキングという出で立ちだった。太腿のシリコンストッパーのレース地には鴇色の リボンが結ばれていた。 「どうといわれても」 生臭坊主、さすがに妻となった女の姿を見てエロいとは言えない。かといって、綺麗とはつまらない。 「ドラエもんよりはいいかな」 「それだけですか」 「あ、いや」 また、人差し指で頬を掻く。 「いや……だけですか。それはもう、おやめください」
501 :
むらさき :04/08/04 15:10 ID:6KRH/5pg
「どうして」 紫暮は須磨子の真似をして唇を尖らせる。 「小ばかにされているみたいです」 「そうか」 「そうです」 「そっか。すごくいい。うん。ドラミちゃんもびっくりだ」 「もう。ドラミってなんですか」 「須磨子はドラミを知らんのか。己はつい最近知り合いになった」 「そうじゃなくて」 「そうじゃなくてって」 「もっと、気の利いたことを聞かせてくださいまし」 「す、すまん。だ、だから……綺麗だ」 ぶっきら棒でも須磨子には紫暮のせいいっぱいの心根が十分にうれしい。 「やはり、着物がいいと思うぞ。どうする」 僧衣と道行着すがたの男女が本尊の軒反りを眺めていた。 「あ、ありがとうございます……」 「うむ。あの繊細な曲線が、こう来てだな。須磨子の裸形を思わせるのだ」 身振り手振りで比較を論じる。 「なっ、なんということを申されるのですか」 「そうは思わぬのか」 「私の裸となんの関係が」 須磨子はほんきで怒っていた。しかし、紫暮の発話はふっとなにかを抜く。 「無駄な美しさではないということだ。凛としているおなごのような気がする」 「……」 「泣くなよ。これから先代に会うのだからな」 「私は泣きません」 「羞かしいといって泣くなよ」 須磨子の貌を覗いて来る。
502 :
むらさき :04/08/04 15:12 ID:6KRH/5pg
「だから、泣きませんと言っていますのに。叩きますよ」 「よし。じゃあ、行くとするか」 突然、紫暮は須磨子の手を握り締めて。 「紫暮さま。そんなに、強く引っ張らないで」 「あなたといえば、緩める」 「あ……」 「どうした。ほら、言ってみてくれ」 「……あなた」 「己は先代が苦手でな。物腰はやわらかなのに、隙がまったくといっていいほど無い。 否、全くだ。だから、こうして勢いをつけねば、謁見できぬのだ。言っておくが、 山車にしたのではないからな」 「あなた」 「どうした」 「私に隙はあるのでしょうか……」 「己ぐらいには、もっと隙を見せてもらいたいものだな」 「もっと甘えてもよろしいということなのですね」 須磨子の貌は童女のように、ぱっと華やいでいた。 「そういうことだ」 「あっ、それはドラエもんの口真似ですね」 「ちがう。そっ、そんなことはどうでもよい。ほら、あの婆さんに会いに行くぞ」
503 :
むらさき :04/08/04 15:13 ID:6KRH/5pg
「そんなに強く引っ張らないでください」 「でも、先代はきっと」 「己の力量ではまだまだ先代の足元にも及ばんという事さ」 そんなことを言う紫暮は須磨子に笑っていた。ほっとしたと同時に胸にぬくいものが サァアッと拡がっていった。 九百九十九の荒事をして、ひとつだけの穏やかな心内を見せるは、卑怯な兵法では ありませぬか、と申したのは、夫婦の近況を本尊にふたりして報告に赴いたときの、 紫暮に掛けた先代のお言葉。 「おまえのしたことは須磨子には、千にも勝るものに映ったのやもしれませんね」 先代と須磨子は愉しそうに笑う中で、紫暮だけは蚊帳の外で憮然としていたらしい。 「さて、おまえ。婆さんとは誰のことかな」 「須磨子」 「私はなにも、申してなどは」 「須磨子を触媒として様子を窺っていたのです」 「げっ、まさか」 「なにか、須磨子によからぬことでもしたのですか」 「こっちが訊きたいくらいだわな。なにを見ていたのか」 「なにをぶつぶつ申しておる。はっきりと申しなさい」 「いっ、いえ。なにも申しておりません……です。はい」 紫暮は畳に額を擦りつけた。 ―――― 『むらさき』――― 終わり
504 :
112 :04/08/05 11:52 ID:lnt6iKeO
隅々までが素晴らしい。GJ 並々ならぬエロさに驚愕しますた 須磨子母さんマジでエロ杉
505 :
むらさき :04/08/05 15:10 ID:OJzJ4SOj
檜風呂の場面で、すのこに組み敷いての絡みまでを書くつもりだったのですが、 笑いに逃げたような感も少なからずあって、人がどうエロく感じてくれているのか、 加減にも悩んでいて、そう言っていただけると本当にうれしいです。 ありがとうございます。 ついでに訂正もさせてください。 503の冒頭の会話です。 「そんなに強く引っ張らないでください」 「でも、先代はきっと」 「……紫暮さま。いかがされました」 「己の力量ではまだまだ先代の足元にも及ばんという事さ。だから隙など 感じることはできない」 紫暮の先代に寄せる苛立ちでもましてや嫉妬でもなくて、男の垣間見せた余裕が 須磨子の躰をふわっと包み込む。そんなことを言う紫暮は――― と繋げて下さい。
506 :
33 :04/08/05 20:42 ID:J7qltjhl
>むらさきさん 文章も内容も凄く(・∀・)イイ! 次回作も是非! >ネームレス改め字伏さん しばらくご無沙汰と思ってたら、やはり大学は夏休みの方が忙しいんですね。 スケジュールが空いたら、またよろしく。
>>むらさきさん
今朝、ようやくネット繋げたので『むらさき』読んでみました。激しくGJです。
華の在る文章ですね。その上、心理描写メインにも関わらず、しっかりエロで纏めてる技量には感服しました。
自分、書くのはアッサリが好きですが、読むのはコッテリが好きなんで、ツボに来ました。次も期待してます。
>>33 さん
っても集中講義以外は遊びばっかですけどねw
そして溜って行くリクエスト……済みません。
508 :
名無しさん@ピンキー :04/08/09 22:39 ID:QLvUUnK5
移転age
hosyu
明日はからくり本、どんだけ出るんだろ?
お盆明け保守
誰もいないの〜?(´・ω・`)
513 :
名無しさん@ピンキー :04/08/19 23:04 ID:Uf6jXRmV
ノシ
| \ |Д`) ダレモイナイ・・トラグレSSオクナラ イマノウチ…? |⊂ |
515 :
33 :04/08/20 23:19 ID:Ac7Fns/O
えーっと・・・ちょっと静かなので、エロくも何とも無いんですが 小ネタを置いときますね。
516 :
33 :04/08/20 23:20 ID:Ac7Fns/O
A long long time ago ───── むかしむかし、あるところにナルミという若者が住んでいました。 ナルミは血のつながらないお父さんと2人のお兄さんの4人で暮らしています。 本当のお父さんは小さい時に死んでしまい、その後再婚したお母さんも死んでしまったからです。 新しいお父さんのナカマチシノブは良い人でしたが、お兄さんのノリとヒロはナルミを毎日いじめていました。 「おい、ナルミ! 買い物行って来い」 「やだね」 「おい、ナルミ! 部屋の掃除しろ」 「知るかよ。テメーでやんな」 2人の兄は何かと用事を押し付け、ナルミを働かせていたのです。 「誰が働いてるっつーんだー! あいつ、全然言う事きかねーじゃねーかよ!」 「カワイクねー! ほんとにカワイクねぇぇぇー!!」 何やら2人が騒いでますが、それはひとまず置いといて・・・。 ある日の事、お父さんが言いました。 「今晩、王女の18歳の誕生日を祝って舞踏会が開かれるそうだ。国中の若い男は皆、招かれるんだと」 「えー! おやっさん。あの美人で評判のエレオノール姫の!」 「馬鹿やろう。この話ではお父さんと呼べ! それでだな、誕生パーティとは表向きで 実際は婿さん選びが目的らしい」
517 :
33 :04/08/20 23:21 ID:Ac7Fns/O
「ほんとっすか!? おやっ・・・お父さん」 「やったぁ! 上手く姫のハートを射止めれば逆玉だぜー」 ノリとヒロは大騒ぎです。 早速、舞踏会へ行くための仕度を始めました。 しかし、ナルミだけは平然としています。 「団長・・・じゃねぇ、お父さん。俺は遠慮しとくわ」 「どうしてだ? もしかしたら王女と結婚できるかもしれないんだぞ」 「俺、そんなもん別に興味ねぇし。それに夜はアテネの実況、見るからさ」 「そうか。じゃあ仕方ないな」 後ろではノリとヒロが憎まれ口を叩いています。 「へへーん、お前なんか来なくていーよ」 「俺が姫と結婚しても、吠え面かくなよなー」 皆が出掛けてしまった後、1人残ったナルミは清々とした顔で言いました。 「さーて、うるさい兄貴達もいないことだし、これでゆっくりテレビが見られるぜ。 今日は1番楽しみにしてた男子100キロ級だからな」 そこへ、コンコンコンと、玄関の扉を叩く音がしました。 「誰だよ、今頃。こんな時間に訪ねて来る奴ぁ」 めんどくさそうにナルミが扉を開けると、そこには見知った顔の男が立っていました。 「やあ、久しぶりだ、チョンマゲマン。相変わらず間の抜けた顔をしているな」 「げ・・・、何しに来やがった、ギイ」 ナルミは思いっきり嫌そうな顔をしました。
518 :
33 :04/08/20 23:22 ID:Ac7Fns/O
その男はギイといって、ナルミが以前大怪我をした時に手術をしたお医者さんです。 でも性格が歪んでいてマザコンなので、ナルミはとても嫌っていました。 「・・・悪かったな、マザコンで。失敬なナレーターだ。 それよりナルミ、今日はキュベロン城で舞踏会なのだぞ。すぐに出掛ける用意をしろ」 「俺は行く気はねーんだよ。オリンピック見るんだからな」 「さぁ、グズグズしてたら始まってしまう。さっさと仕度をしないか。まったくのろまな奴だ。 ここまで僕が世話を焼いてやらねばならんとは」 「人の話を聞けー! 俺は行かねぇって言ってるだろーが!」 「何故だ? お前のようなド平民の猿が王女と接近できるチャンスなんだぞ」 「王女も舞踏会も興味ねーっての。だいたい何でそこまで俺を舞踏会に行かせたがるんだよ」 そこでギイは胸元からロケットペンダントを取り出しました。 「ママン〜。恩知らずなチョンマゲマンがいるよ〜。僕に命を救われておいて、言う事を聞いてくれないんだよ〜」 「・・・分かったよ。行けばいいんだろ、行けばよぉ! 着替えて来るから待ってろ」 仕方なくナルミは一張羅の服を引っ張り出して、着替えました。 バキッ!! ギイが思いっきりナルミの頭をど突きました。 「誰が武闘会に行くと言ったかね? 舞踏会だぞ、舞踏会。このイノシシマンが!」
519 :
33 :04/08/20 23:23 ID:Ac7Fns/O
ギイが怒るのも無理はありません。 ナルミが着て来たのは、戦闘用のカンフー服でした。 「そんなこと言ったってよぅ・・・。俺はこんなのしか持ってねぇし」 「まったくもう・・・、こんなこともあろうかと思ってレンタル衣装を借りて来ている。 城へ行く為の乗り物も用意してあるから、さっさと着替えて来い」 ぶつくさ言いながらもナルミはギイの用意したスワローテールに着替え、家の外に出ました。 するとそこにあったのはカボチャの馬車・・・ではなく大きなカボチャの人形でした。 横にはお仕着せを来た子供と、小さな自動人形が立っています。 「僕が御者のマサルでーす」 「グリュポンでーす」 子供と自動人形が朗らかに挨拶しました。 「さあ、ナルミ。これに乗れ」 「あ、あのなぁ・・・普通は馬車だろうがよぉ!」 「贅沢を言うな。城まで行くにはこれが1番速いんだ。最高速で空をひとっ飛びだぞ」 渋々、ナルミはカボチャ人形、ジャック・オー・ランターンに歩み寄ります。 「ち、しょうがねぇなぁ・・・。じゃあ頼むぜ、マサル」 「はーい。それじゃあ、お兄ちゃんはジャコの後ろの箒にまたがってね」 マサルは巨大なカボチャの頭部に乗っかり、操縦用の糸を引っ張りました。 「行きまーす。しっかりつかまっててよ、お兄ちゃん」 「イヒヒヒヒ」 奇妙な声を上げると、ジャック・オー・ランターンは夜空に飛び上がりました。
520 :
33 :04/08/20 23:24 ID:Ac7Fns/O
それでは、後半は後日にまた(・∀・)ノ
乙です。男子100キロ級を見損ねた鳴海はちと気の毒かもw
| \ |Д`) ダレモイナイ・・トラグレSSオクナラ イマノウチ… |⊂ 女体化モノダカラ キライナヒトハスルーシテクダチイ・・・ |
523 :
投下中1 :04/08/22 14:57 ID:gPHlHNWN
「GURENN」 黒い。 深い。 ………どこまで堕ちれば、底があるのか…… 意識と記憶の闇の中を延々と落ちながら、私は小さく吐息を落とす。 ――オナカ―――スイタ、ナァ―――― ヒトとして生きていた頃も、そして妖(バケモノ)として彷徨っていた頃も…… 私の腹はいつも蛇のように貪欲に食い物を求め、口からは汚い涎があふれ続けていた 貧しい生活の中で私は他人からモノを奪う事を覚え、そのために自分の全てを利用した 顔も、声も、肉体とそれが生み出すものの全て――――そして獲物の感情を弄び、陥れる術も身につけた 劣情、怒情、慈愛、ありとあらゆるヒトの感情 それを引き出し食い散らかすうち、私は人間の最もマシな感情を抱く事が出来なくなっていた だから、あの女は私を選んだ 私と同じ臭いのする、ぞっとするほどキレイな………『白面の者』……
524 :
投下中2 :04/08/22 14:57 ID:gPHlHNWN
「…………………」 不意に暗転していた意識がどこかに落ち着き、視界に『無』とは違う闇が現れた。 鼻先に突き刺さった霊刀の束が冷たい……私は、生きているのか? 「…………暗い、だろ?」 「!?」 闇の中から放たれた声に、背筋の全神経が総毛立つ。 何かが居る……… 私は腰を落とし腕を構えようとして、そこで初めて自分が何かに身体を固定されている事に気付いた。 手足を痺れるような鈍い痛みが覆い、そこからぎりぎりと荒縄で何かを締め上げるような音が聞こえてくる。 私は柄にも無く慌ててしまって、闇の中の誰かに向かって口を裂けんばかりに開いて炎を吐こうとした。 「………じたばた……」 バギっ!!と酷い音がして、私の霊刀を砕いて誰かの拳が口内に叩き込まれた。 痛みに思わず短い悲鳴を上げた瞬間、周囲でぼ、ぼ、と音がして灯火が浮かび上がる…… 明るくなった空間の中……目の前には、見覚えのある獣の姿が在った。 「…するなってんだよ、糞紅蓮」 「……がッ…がひゅ……」
525 :
投下中2 :04/08/22 14:58 ID:gPHlHNWN
ずぼ、と引き抜かれた拳が切り裂かれているのも構わず、その字伏は口元に笑みを浮かべ、卵形の顔を微かに傾けてみせる。 折れた刃のせいで顔を傷つけ、話すことも出来ず俯く私に、そいつは金色の髪を伸ばしながら笑いかけてきた。 「飼い主が呼んでたのに現れねぇからよ、どこに雲隠れしたかと思ったら……メシに気を取られてやられちまってたとは、とんだお笑い種だな?」 「ぅ……ぅっ」 金糸が首から下顎にかけてからみつき、無理やり私の顔を上げさせる。 間近で腕を組むそいつの顔は相変らず私にそっくりで、色さえ同じなら双子のようだった。 その顔が更に接近し、開かれた淡白く薄い唇が、折れた霊刀の切っ先をがっちりと挟む。 「……ひぃィ…!!」 ずず、と音を立てて引き抜かれてゆく刀の感触に、喉から出した事のないような情けない声がほとばしる。 あの符呪師に倒されたせいだろうか……以前のような絶対の自信は、もはや胸のどこにも転がってはいなかった。 カラン、かしゃん、と、霊刀が一本ずつ口から引き抜かれ、床に落とされる。 そして最後の一本を指で摘んで引き抜くと、そいつは私の口の傷を舌で舐めながら楽しげに言った。 「よぅ、、、いつかはずいぶんとコケにしてくれたよな………うしおの野郎め、てめぇはヒョウの物だなんて言いやがって……… わしを雑魚呼ばわりしたヤツは、わし自身の手でブッ殺さなきゃ気がすまねぇ」 「………ぁ…まだ……………」 痛みが引いて口を開く私に、『とら』は小さく片眉を上げる。 こいつの生意気な台詞に、やっと意識の底から自分が戻り始めてきた。 「……まだ、潰れてなかったのか………?雑魚犬野郎…」
526 :
投下中3 :04/08/22 14:58 ID:gPHlHNWN
一瞬の間もなかった。 頬に叩きつけられた鉄のような拳が牙を軋ませ、目の前に赤い火花がスパークする。 符呪師の炎で焼かれて短くなった髪を掴み、とらは私の顔を無理やりに引き回した。 手足を拘束した何かがぎしぎしと悲鳴を上げ、同時に深く骨まで食い込む。 「や゛……めろ!この……小便臭い糞餓鬼がァア!!」 「口は達者だなぁ、紅蓮よ………良い事を教えてやろうか…? ……お前の可愛い黒炎どもと白面はな、、、、、わしが、ブッちめてやったぞ」 ……白面が、やられた? 私が驚愕に一瞬動きを止めた途端、とらは私の首を掴み、一気に酷い馬鹿力で引き倒した。 ぶちぶちと手足の何かが引きちぎれ、うつ伏せに体が床にたたきつけられる。 痛みと息苦しさにむせ返った私の尻の辺りを、とらの獣の足がどすっ、と踏みつけた。 「ぐれえええん!!……ってな………哀れなモンだったぜ。 実際てめぇがあの場所に来たら少しは話も違っただろうに、まさか主の声も聞こえねぇ程夢中でメシをがっついてたたぁ……」 「ッ……汚い足をどけろ……糞雑魚めッ!!!」 雷鳴のような音を立てて私の毛皮からとらめがけ、黒い稲妻が放たれる。 だがとらを電圧で吹き飛ばしてやろうとした瞬間、突然尻の中央辺りに鋭い痛みを感じ……稲妻が、大きく脇へと反れた。 状況を把握できずに首を振り曲げると、稲妻が壁に炸裂したのとほぼ同時に、排泄器官を抉られるおぞましい感触が背筋を走ってきた。 「ひぎっ!……!」 「…糞が何だって?え、紅蓮よ」
527 :
投下中3 :04/08/22 14:59 ID:gPHlHNWN
本来何かを受け入れるように出来ていない『孔』に、とらの鋭い足爪の生えた指がずぶずぶと差し込まれてゆく。 常日頃とは全く逆の運動に、全身の神経が嫌悪に震え上がった。 「ああ゛あ゛ッ…!やめろ、抜け……!痛い!!」 「『痛い』…?……まだてめぇの立場ってもんがよく分からねぇと見えるな」 とらが片足で私の尻を貫いたまま、うつぶせになった私の背に抱きついてきた。 背中に柔らかい平らな胸が押し付けられ、同時に自分の乳房を容赦なくねじ上げられる。 思わずうわずった声を上げると、とらが嬉しそうに背後から黒い耳を噛んだ。 「お〜、でっけぇな。邪魔ったい乳ぶら下げて目立ってたもんなぁ………何食ったらこんなに膨れ上がるんだ?『はんばっか』か?」 「いっ…………!…クソが……乳も膨れてない餓鬼が調子に乗りやがって………!」 「……可愛くねぇな。全く…………どれ…こっちはどんなあんばいか?」 右手を腰の前面に伸ばして股間をさするとらに、流石にカッ、と頭に血が上る。 戒めを解かれた右腕を振るい、とらの顔面めがけて肘を突き出した。 「!!」 ガツッ、、、と音を立ててぶつかった肘が、そのままとらの眉間を弾く事無く受け止められた。 微動だにせず微笑を浮かべたとらの手が、指先からずぶりと渇いた膣の内部に侵入する。 「ギャッ!………」 「………んー…?なんでぇ、こっちはユルユルじゃねぇか!締まりも何もありゃしねぇ、、、遊びすぎじゃねぇのか、ああん!?!」 勝手に手を突っ込んでおいて文句を言うとら。 彼女の手首までが膣に埋まると、腹を底から突付かれるような不快感と異物感が容赦なくのど元にせりあがってくる…… 私は両手でとらの腕を掴みながら、泣きそうな声で怒鳴った。
528 :
投下中3 :04/08/22 15:00 ID:gPHlHNWN
「…っいい加減にしろ!この畜生野郎!!雌のクセに女のまたぐらいじくってんじゃねぇ!!!」 「アァ?誰が畜生だ……こんなにやらしい体してよ。 …………まぁいいや、このままじゃ『楽しめねぇ』からな」 粘着質の音を立てて2つの孔から異物が抜き去られ、神経がぞくぞくと総毛立つ。 とらは火照った私を仰向けに転がすと、私が拘束されていた辺りに腕を伸ばして何かを引きずり出してきた。 「………実際どうなのよ、紅蓮?」 「……?」 「そんなにユルくなるまで『誰』と抱き合ってたのかって聞いてんだよ。やっぱ白面か?色っぽかったからな」 恥知らずな問いに牙をむこうとした瞬間、とらが引きずり出したモノが私の身体に無造作に投げつけられ、体中が重圧にぐぅ、と唸る。 黒い毛、柔らかい触感………数秒して覆い被さってきたそれが何であるか悟ったとき、私は本格的に背筋を恐怖に跳ね上げた。 「こっ……黒炎…!」 そう、それは私の分身であるはずの黒炎………私の四肢を巻き取っていたのは、その髪だったのだ。 「…一匹攫ってきたんだ、あんまり『そそられた』からよ………うしおに感づかれねぇように飼うにゃ、苦労したぜ」 私の胸を潰すように顔をうずめながら、黒炎が大きな瞳をうるませて私を見る。 肉欲に任せ散々いいように弄ばれた形跡が、丸みを帯びた体の随所に表れていた。 とらがニヤつきながら黒炎の股間に手を伸ばし、そこに生えたモノをさする。 ……黒炎は私と白面の意向により、両性の肉体を持たされた妖だった。 「…指や舌だけじゃそんなに緩むわきゃねぇ………と、なると、夜通しこうやって楽しんでたとしか思えねぇんだよなぁ」
529 :
投下中5 :04/08/22 15:01 ID:gPHlHNWN
黒炎のそれが私の秘所にあてがわれる。 憎ったらしいコイツの前で交尾の光景を晒すと思うと一気に嫌悪と危機感が弾け、私は黒炎の体を押しのけようとしながら何度もとらに蹴りを放った。 秘所の表皮で温かい何かが擦れていたが、そんな事はどうでも良い。情けなく喘ぐ黒炎を無視して、とらの顔面を足底で蹴り上げる。 「クソッ、クソッ!!!雑魚の分際で、この紅蓮を弄ぶのかよッ!雑魚のクセに、雑魚のクセにィイイイ!!!!」 とらは私の悪態と蹴りに笑みを消しながら、それでもやはり蚊ほども感じぬように黒炎の柔らかい尻を自らの腰で押し進める。 太い桃色の肉が、私の急所を容赦なく抉り抜く。 嬌声を上げて背を仰け反らせる尻をとらの爪につかまれ、そしてまた、尻の孔を指で押し広げられる。 2,3度とらが腰を振って私たちの身体を揺るがすと、女の柔肌に挟まれた黒炎が全く堪えることも出来ず、肉棒から私の中に大量の精を放出した。 「はぁぁあ……ッ……」 「ア、ゥ…紅蓮、様……ゴメンナサイ……!」 高い娘の声で謝る黒炎が、次の瞬間にはヒイイィ!!と鋭い悲鳴を上げて全身を跳ねさせた。 膣の中で膨れ上がる肉棒に腰を悶えさせながら見た先には、とらが、全く容赦もなく、黒炎の紅い尻孔にも指をずぶりと挿入していた。 「ヤメロ……!ソコハ……違ウ………」 「騒ぐなよ、すぐに良くなるから」 私の孔から指を引き抜き、両手で黒炎を責めにかかるとら。 私はやっと秘所以上に屈辱的な部分を解放され、子宮に精が染み込むのを感じながら、目の前の黒炎の揺れる乳房をぼぅ、と眺めていた。 とらが両手で丸い尻肉を左右に割り、中央の窄まりを長い舌で捏ねまわすようにしゃぶり上げる。 私の胸に顔をうずめて悶える黒炎の肉棒が、相も変わらず肉壁のハザマで膨張し、溜まった精液を卑猥な音を立ててかき混ぜていた。
530 :
投下中6 :04/08/22 15:01 ID:gPHlHNWN
肉棒の動きで黒炎が何をされているのかが分かる…… とらが物陰から引き寄せた棒キレをそこにあてがった瞬間、黒炎ががちがちに固まった肉と頭を振りながら私に両腕で抱きついた。 黒い桃のような尻の、ひくひくと収縮を繰り返す花弁を………硬い無機質な道具が、冷酷に押し開く。 「あ・・・・・・ァア・・・・・・・・・」 肉の門を押し開き、木棒が更に温かく、柔らかい場所へ入ってゆく…… 硬い棒が尻の内部を貫く感触が脳に伝わると、黒炎は声にならぬ叫びを上げ、乳房に顔を埋めたまま、更に濃い精液を肉棒の先から噴射した。 びくり、びくりと痙攣する様を狙うように、とらが木棒を一気に奥までずぶずぶと押し進める。 私と黒炎は、いまや完全に色の変わった悲鳴を上げながら、再び闇に落ちていった………… END
531 :
投下終了 :04/08/22 15:03 ID:gPHlHNWN
途中で3番を間違って二つつけちゃったので4飛ばして5に行ってます。 すれ違いだったらスマソ
532 :
33 :04/08/23 23:15 ID:EIsaYfPA
>>531 さん 乙です。
では、カピタン・グラツィアーノ並みの大法螺御伽噺の後半、行きます。
533 :
33 :04/08/23 23:16 ID:EIsaYfPA
お城ではすでに舞踏会が始まっていました。 広間の中央では大勢の男女が踊っています。 「何だ。ナルミはまだ来ていないのか。いったい何をしているんだ?」 既にお城に到着していたギイは、イライラしながら言いました。 そこに先代女王のルシールがやって来ました。 「これはこれは、陛下。御機嫌麗しゅう」 「どうだえ、ギイ。孫の婿に丁度いい男は見つかったのかい?」 「はぁ、それが・・・。見つけることは見つけたのですが、まだ到着していないようで・・・」 女系一族のベルヌイユ王朝では、王女は年頃になると自分でお婿さんを見つけて来るのが決まりです。 しかし前女王の娘婿、エレオノール姫の父親ショウジは超の付く過保護で 「エレオノールは嫁にやらん。一生側に置いておくんだ」などと言っていました。 お陰で王女はすっかり世間知らずに育ってしまったのです。 それでルシール元女王は城の主治医のギイに命じて、王女のお婿さん候補を探させていたのでした。 「まったく、うちの娘婿は人がいいだけで、間が抜けていて頼りにならないからねぇ。 サダヨシなんていう得体の知れ無い胡散臭い男を信用して付き合ったりして・・・。 アンジェリーナときたら、本当に男を見る目が無いよ。 何とかエレオノールには、しっかりとした頼りがいのある夫を見つけてやらないと」 ギイは恭しく頭を下げて、答えました。 「もちろんです。陛下のイビリに耐え得る・・・いえ、誉れ高い王家の一族たるに相応しい たくましい男を選りすぐってまいりましたとも」
534 :
33 :04/08/23 23:16 ID:EIsaYfPA
その頃、ナルミを乗せたジャック・オー・ランターンは、ようやく城の前庭に到着していました。 「ずいぶんと遅れちまったな」 「そりゃ、ゆっくり飛ばないと、あんたが箒から落っこちそうになるからだろー」 グリュポンが呆れたように言います。 「○リー・ポッターじゃあるまいし、こんな棒っきれに座ってられっかよ!」 「お兄ちゃん、僕達はここで待ってるよ。帰りも送って行くからね」 「そりゃあ助かるが・・・。だけど遅くなっちまうぜ。子供はもう寝る時間だぞ」 「大丈夫。僕、1時間しか寝なくても平気だから」 「・・・・・」 広間の中に入って行ったナルミは、ギイの姿を見つけ近寄りました。 「遅いぞ、ナルミ。僕はオリンピアでとっくに着いていたというのに。何をもたもたしていたんだ」 「うるせぇな。こっちはテレビ見てぇのに来てやったんだ。用事が済んだらすぐに帰るからな」 「ナルミ、控えろ。先王ルシール陛下の御前だ」 「ギイ、これがお前の選んできた男かえ?」 元女王は興味深げにナルミを観察しました。 「へ? この皺くちゃのバーさんが前の女王様・・・グハッ!!」 元女王の踵落しが、ナルミの頭の天辺に炸裂しました。 その素早い動きは、とても年寄りとは思えません。 「・・・痛ってーな! 何すんだよ、このババァ!」 「なかなかいい根性してるね。でもまあ、男はこれぐらい図太い方がいいさ」 ルシール元女王は満足気です。
535 :
33 :04/08/23 23:17 ID:EIsaYfPA
「ナルミ、陛下はお前を認められたようだ。それではエレオノール姫と顔を合わせて来い。 お前が気に入られるかどうか、試さねばならないからな」 「はあ? なんで俺がお姫さんと?」 「この舞踏会は姫のお見合いパーティなのだ。とりあえず1曲踊ってくれば、今晩はもう帰ってもいいぞ」 「ちっ、分かったよ。1曲だけお姫さんのお相手すりゃ帰ってもいいんだな?」 早く帰ってアテネを見たい一心のナルミは、勢い込んで歩いて行きました。 広間の一角では、大勢の若者が王女を取り囲んでいます。 「エレオノール姫。あなたの気持ちは分かってるんだよ。俺の事が好きなんでしょう?」 「エレオノール姫。僕の妻として、甲子園に応援に来てくれないか?」 「エレオノール姫。俺の心の穴を埋めて欲しいんだ」 皆、王女の気を引こうと一生懸命です。 しかし王女は憂鬱な気持ちで一杯でした。 まだ恋をした事の無い王女には、男の人と話をするのが退屈で仕方がないのです。 (ギイ先生、お見合いパーティなんて無理です。私には恋とはどういう物か分からないのだから・・・) そこへ、ツカツカと自分に向かって来るナルミの姿が王女の目に入りました。 気迫に満ちたその形相は、とてもダンスを申し込むのが目的とは思えません。 その姿を見た途端、王女は雷に打たれたような衝撃を受けました。 「あ・・・、あの人は・・・?」 なんと、王女はナルミに一目惚れをしてしまったのです。 随分とご都合主義な展開ですが、お伽噺なんてまあこんな物です。
536 :
33 :04/08/23 23:18 ID:EIsaYfPA
王女はポーとなって、近付いて来るナルミの顔を見詰めました。 そんな王女の様子を不審に思った若者達が色々話しかけますが、まったく上の空です。 ナルミは王女の前に立つと、スッと手を差し出しました。 「エレオノール姫。俺と1曲踊ってくれませんか?」 「は・・・はい」 王女は頬を赤く染めながら、その手を取りました。 「な、なんだよ、お前! 後から来たくせに図々しいぞ!」 若者達が抗議の声を上げます。 町一番の金持ちの息子のリシャールが、ナルミの前に立ち塞がりました。 「姫は今、俺と大事な話をしているんだ。遠慮してもらおうか・・・う、うわぁ!」 ナルミの鋭い一睨みで、リシャールはあっさり腰を抜かしてしまいました。 ヘタレです。 構わずナルミは王女をエスコートして、ダンスをしている人々の群れに加わりました。 ワルツのステップなどろくに知らないナルミは、見よう見まねで何とか足を動かします。 初めての恋に夢見心地の王女はナルミに尋ねました。 「あなたの御名前は?」 「ナルミってーんだ」 王女目当てで来ていた若者達は、歯軋りをしながら2人を目で追います。 「あっ、あいつ! ナルミの奴じゃねーか?」 「まさか・・・。ナルミがこんなとこ来るわけがないだろ?」 「でもよぉ、あんなでかい図体の奴が、そうそういるもんかよ」 ノリとヒロも悔しそうに2人の様子を見ていました。
537 :
33 :04/08/23 23:19 ID:EIsaYfPA
その時です。広間の時計が11時の鐘を打ちました。 「やべっ! 遅くなっちまった。まだ決勝には間に合うかもしんねぇ」 ナルミは王女から体を離し、スワローテールのすそを翻して走り出しました。 「あっ・・・。ま、待って下さい! 何処へ行くんですか!」 王女の呼び掛けに振り返りもせず、ナルミは広間を出て行きました。 「い、行かせない。1人でなんか行かせないんだから!」 ナルミはマサルの待っている場所に向かって、城の正面の階段を駆け下ります。 「あるるかぁぁぁん!」 掛け声と共に何者かが、ナルミの前に現れました。 「な、何なんだ、こいつは?」 それは王女の操る、黒い衣装を着た左腕の無い巨大な操り人形でした。 その操り人形はあるるかんといって、王家に代々伝えられる戦闘用マリオネットです。 「ナルミ、何処へも行かないで。私にはあなたが必要なの」 そう言って王女は、あるるかんの右腕をナルミに向かって振り下ろしました。 手っ取り早く殴り倒して、ナルミを引き止めるつもりです。 さすがにルシール元女王の孫娘。過激です。 ナルミは間一髪で避けながら叫びました。 「お、お前なぁー! 何考えてんだよ!」 「だって、あなたが逃げようとするから・・・。大人しく私の話を聞いて下さい」 なおも王女は攻撃を仕掛けます。 「ちっ、こうなりゃ仕方ねえ。聖ジョルジュの剣!」
538 :
33 :04/08/23 23:19 ID:EIsaYfPA
ナルミの左腕から大きな刃が飛び出し、あるるかんの攻撃をがっちりと受け止めました。 「そ、それはあるるかんの左腕! 何故、あなたがそれを・・・」 あるるかんの左腕はずっと以前に折れたまま、行方知れずになっていたのです。 それがナルミの体に取り付けられていたので、王女はとても驚きました。 「こいつは昔、俺が大怪我をした時、ギイって藪医者が勝手に付けやがったんだ」 「ギ、ギイ先生が・・・?」 王女が呆然としている隙に、ナルミはその場を離れました。 ようやくナルミがたどり着くと、マサルは腕立て伏せをしている最中でした。 「・・・78、・・・79、・・・80」 「マスター、がんばれー」 グリュポンが横で声援を送っています。 どうやら待っている間、マサルは筋トレをしていたようです。 「マサル、待たせたな。すぐに帰るぞ」 「あっ、お兄ちゃん、お帰り〜。じゃあまたジャコの後ろに乗って」 ナルミは箒にまたがりました。 「よーし。行くよ、グリポン君」 「了解! マスター」 王女が追い掛けて来た時には、もうジャコは飛び去った後でした。 「あるるかんのもう片一方の腕を持つ人・・・。国中を回ってでも、絶対に捜し出してやるわ」 あるるかんの左腕の欠けた肩を見上げ、王女は固く誓いました。
539 :
33 :04/08/23 23:20 ID:EIsaYfPA
翌日、スポーツ新聞を見ながら、ナルミはがっくりとうなだれていました。 その横でノリとヒロが怒っています。 「まったく、テメーって奴は要領がいいな」 「興味無いって言ったくせに、ちゃっかりエレオノール姫に取り入りやがってよ」 ガシャ―――ン!! 突然、窓ガラスを打ち破り、何者かが家の中に乱入して来ました。 「うわぁぁぁ! なんだなんだなんだ、こいつはー!」 ノリとヒロが悲鳴を上げます。 それは昨夜のあるるかんでした。 もちろん、操っているのは王女です。 「コラン!!」 王女の掛け声と共に、あるるかんの上体がぐるぐると回り出し、うろたえるノリとヒロの体を 跳ね飛ばしました。 ナルミも慌てて左腕の聖ジョルジュの剣を引き出し身構えます。 「何のつもりだ、エレオノール姫!」 なおも暴れるあるるかんに、ナルミは切り掛かりました。 あるるかんの右腕の聖ジョージの剣と、ナルミの聖ジョルジュの剣が打ち合わされます。 「見つけた! あるるかんのもう片方の腕」 王女は叫びました。
540 :
33 :04/08/23 23:21 ID:EIsaYfPA
「見つけたって・・・?」 「今朝からずっと国中を回り、あなたを捜しました。そしてやっと見つけたのです」 王女はあるるかんの片腕を持っていないかどうか確かめる為、若い男に手当たり次第 攻撃を仕掛けたのです。 ほとんど通り魔です。 「あ、あんた・・・やる事ムチャクチャ過ぎ」 心底脱力して、ナルミは言いました。 「さあ、ナルミ。一緒にお城へ行きましょう。私のお婿さんになるのです」 「なって下さい、だろ? 普通はよー。少しは人の話を聞けー!!」 「問答無用。あるるかぁん!」 王女が操り糸を引くと、あるるかんはナルミの体をしっかりと捕まえ、抱え上げました。 「帰ったらすぐに結婚式を挙げましょう。御婆様も大層お喜びになるわ。御婆様はナルミを とても気に入ったとおっしゃっていて、あなたを連れて来るのを今か今かと待ち構えているんですから」 「って、おい! ちょっと待て─────」 王女はあるるかんの肩の上に乗り、意気揚々とキュベロン城に帰って行きました。 こうして王女に拉致・・・もとい見染められたナルミは結婚して、いつまでもいつまでも 幸せに暮らしたということです。 〜Fin〜
541 :
名無しさん@ピンキー :04/08/29 20:21 ID:HP5QnN/S
人いないね…。原作があの有様じゃ仕方ないのかな? 2週続けて休載って、ジュビロ…(つд`)
ホシュ 藤田が心配…
黒賀の3姉妹陵辱調教モノなんて素敵だぬあ
すっごい今更だけど33氏乙 格キャラの性格出ててよかったです。本編もこんぐらいうまくいけばなぁ、とか思っちゃった
「大丈夫。僕、1時間しか寝なくても平気だから」 ここでワロタw 原作だと全然笑えん台詞だけに、上手くギャグに活用してるのがいい
ホシュがてら33たん乙。小ネタの使い方が上手いね。 やっぱルシールはええなあ。母子三代が本編でも見たかった。
本編がバトルに突入すると、このスレは人が来なくなる。どうだろう?
548 :
名無しさん@ピンキー :04/09/14 20:34:06 ID:ZqZkrsSW
神降臨期待age
ホシュ 本編そろそろ鳴海が出てきてくれんかなあ…
書き手も読み手も消えた… もうだめぽ_| ̄|○
本当にもうだめなのか?
読み手はいるんだが..別館のネームレスさんはまだ書いてんのかな?
>>552 居ますよ。唯、言い訳したくないので黙ってましたが。
連載中の二つ。放ったらかしで済みません。実は、何時も投下前にOutlookに書いていたんですが、
ウィルスにやられて壊れてしまいました。で、書き上げたSSも……orz
それで一気に意欲が失せてしまって……。
それと、現在自分が中心で行っている共同研究が、10月初めに提出だったりで、余り時間が取れなかったりしています。
全て終ったら帰って来たいと思っていますので、又宜しくお願いします。
554 :
名無しさん@ピンキー :04/09/28 18:34:24 ID:MXb9ypi9
待ってます、ネームレスさん そして他の職人さんたちも
書きかけのネタはこまめにRWとかRAMに焼いておくのがお奨め
>>555 >はこまめにRWとかRAMに焼いておくのがお奨め
>RWとかRAMに焼いておくのがお奨め
>RWとかRAMに
>RWとかRAM
>RWとかRAM
>RWとかRAM
( ゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
_, ._
(;゚ Д゚) …?!
長編小説だな
>>556 >>557 ああ、SSだけでなく他の保存しておきたいファイルと一緒にって事だ
動画とかも含めると4GBくらいすぐにたまる。
4.7GBのSSマンセー
そんなにあったら、どんだけの長さのSSになるんだろう
単純に2バイトで全角一文字分と考えたとして、4700000000バイトだから、2350000000文字かな。 これを400字詰め原稿用紙に直すと、5875000枚相当って処か。 唯、改行等を吟味すると手書きよりも沢山書ける計算になるから、原稿用紙6000000枚は下らないだろうな。 とここ迄書いといて、以上全て暗算だから、計算ミス在りそうorz
562 :
SS保管人 :04/10/11 20:53:50 ID:nXRDVQEP
>>561 ちなみにこれまでに収蔵したSSを全部あわせても60MB弱ですw
保管人さんいつも乙。
実は
>>561 で計算したのは俺だったり。
因みに、これ迄自分が書いたSSの中で一番長かったのが、『外道呪詛』で
サイズ見てみたら、それでも4MB強みたいです。
今書いてるのも良い勝負な位長くなりそうですが。
>>562 何時も乙です。そろそろ、久々に保管頼むと思いますので、宜しくお願いします。
あ、それと書き掛けで止まってしまった2本、↑の理由で続きが消失したので、消しておいて下さい。
読み手の方も、本当に済みませんm(_)m
フラッシュメモリ買ったんで、もうこんな事無いと思いますが、気を付けます。
(゚∀゚)ノシ 字伏タンお帰りー 鳴海も出てきたことだし、ここも住人もみんな帰って来ないかな…
もう少しかかりまする(今は電気店から・・・)
568 :
名無しさん@ピンキー :04/10/21 01:03:12 ID:wu0pOMWT
age
保守
なんつー過疎化じゃ・・・
出来上がるのいつになるか分からないんですが、正二郎とアンジェリーナとかいいですか?
>>572 ありがとうございます。
出来るだけ早いうちに上げたいと思います。
しばらく牛音とラーでお待ちください。 「礼子ォ…目を、目を明けてくれよォ、礼子ォ〜〜!!!!」 うしおの悲痛な叫び声が虚しく響き渡る。 「酷い、だ…誰がこんな事をっ…!」 少し離れた所で麻子がわなわなと拳を震わせている。 「可哀想に……礼子ちゃん、痛かっただろうね……」 涙を拭いながら真由子が声を洩らす。 「お前が、お前が死んだらお腹の子はどうするんだよォ〜〜!!!!」 うしおの慟哭も、麻子の怒気も、真由子の嗚咽も、冷たい風が無常に吹き消した。
ここは蒼月牧場、かの有名な光覇明宗牛乳の産地である。 そこで、牧童の少年蒼月うしおと幼馴染の少女が2人、 無残な死を遂げた牝牛の死体を囲んでいた。 「礼子ォ〜礼子ォ〜目を明けてくれよ、モォ〜って鳴いてくれよ……」 「でも、血も、内臓も抜かれて死んでるなんて、こんなの人間の仕業じゃないよね?」 「わたし聞いたことあるな。確かキャトルミューティレイションとか言って 宇宙人が研究や実験の為に家畜を殺したりするんだって!」 真由子の言葉に麻子がぶるりと肩を震わせる。 「……お前らなあ、礼子が、礼子が死んだんだぞ! 何はしゃいでるんだよ!!」 うしおの感情に任せた怒声に麻子が食って掛かろうとするが、そこに真由子が割って入る。 「ご…ごめんねうしおくん……そんなつもりはなかったんだけど」 うしおはそんな言葉など聞こえなかったかのように背を向ける。 「まったく、2人とも薄情だぜ、お前も俺と同じように悲しいよなあ──」 そう言って足元にじゃれ寄ってくる子豚を撫でる。 「────麻子」
んぶぐしゃあぁああん!! 麻子の踵落しが炸裂した音だ。 激痛に頭を抱えるうしおの向こうには逃げて行く麻子(豚)の姿が見える。 「…っな、にすんだよ麻子ォ!!」 「アンタねえ……勝手に人の名前を豚に付けるんじゃないわよお!!!!」 げしゅわあん うしおの身体が宙を舞う。 あまりに見事なアッパーカットである。 「ふんっ」 とりあえずのうっぷんを晴らした麻子がずんずんと大股開きで去っていく。 女鬼の姿が見えなくなったのを確認し、むくり。 うしおが起き上がる。 男らしく腕を組み仁王立ちを気取るがその目尻には痛みと恐怖で涙が溜まっていた。 「まったく、麻子のやつ、人のことぽんぽん殴りやがってよお、なあ──」 頭にできたたんこぶを撫でる真由子とは別の方を向き。 「────真由子」 山羊である。 これにはさすがの真由子(人間)も苦笑いするしかなかった。
ワロタ GJ
教えてくれ、僕はいつまで待てばいい?
ホス。
そしてスレは墜ちてゆく・・・
582 :
名無しさん@ピンキー :04/11/13 22:14:05 ID:mflGIQbR
そいじゃ上げとこ。 「うふふ、さすが伝説の二〇〇体人形破壊者のギイ。 よくDat落ちをかわしたな」
保守
おーちーてーゆーくー
571です。 まだ、前半部だけなのですが、載せます。 遅筆ですみません。
あの大火事の後、長崎からどうにか逃げ出した正二郎とアンジェリーナは、九州から抜け出して、伊勢の旅籠に居た。 「ここまで来れば急いで他所に移る必要もないじゃろ」 正二郎は担いでいた荷を部屋の隅に下ろすと、心配事も一緒に下ろしたかのようにそう言った。 正二郎が心身ともに鍛えている人間であることは、この十日ばかりの旅の間に、いやあの大火事の一件で十分に分かっていた。 けれど、そんな正二郎でも異人を探す長崎奉行所の目を逃れて行動したことはさすがに堪えたらしく、横顔には僅かではあったが疲労の色が浮かんでいた。 「ごめんなさい……。私が姿を晒したばっかりに……」 「なにを言うとるか。異人に対して門戸が狭すぎるこん国がどうかしとるんじゃ。 おまえが気にするこつじゃなか」 アンジェリーナの俯き加減の謝罪に、正二郎は笑ってそう応じた。 正二郎の笑顔はこの短い間に、幾度となくアンジェリーナの心を和らげてきたが、アンジェリーナの胸はそれと同時にいつでも痛みを覚えていた。 とは言っても、苦痛を伴った痛みではない。 淡く心地の良い痛み。 胸の奥のとくとくというリズムが強くなって、胸が痛くなる。 悲しいわけでもないのに、何故だか涙が滲む時のように目頭がじんとする。 「……はい」 アンジェリーナは、自分でも染まったと意識できるほどに火照った頬を、正二郎から隠すために頷いて下を向いた。
「しかし、いつまでもこう、あちこちうろつく訳にもいかんのう」 髪の色を落とし、目から色硝子を外し、布団を敷き終えると、正二郎はその上に座って、腕を組み首を捻った。 「江戸が一番いいんじゃろうが……ちと、遠いのう……」 「すみません。私が無一文で……」 アンジェリーナがまた俯きかけると正二郎が大きな手をかざしてそれを遮った。 「あーあーあー。そんなことは関係なかたい。 二人で江戸まで行く分くらい、わしの持っちょぉ金でどうにか足りるばい。ただのう……」 正二郎はそこまで言うと、言葉を濁してまた首を捻った。 「ただ、なんでしょう?私にできることならなんでも言って下さい」 アンジェリーナは身体を乗り出して、正二郎の横顔をじっと見つめると、正二郎は指で顎を掻きながら、天井の方へと視線を移し、 「ただのう……そうすると祝言を挙げるんが遅うなってしまうと思うてなあ……」 と、呟いた。 「しゅう、げん……」 まるで辞書を使ってでもいるかのように、アンジェリーナはその言葉を反復し、頭の中からその意味を探し出した。 「なんじゃ。どうした?」 「あの、祝言というのは……」 アンジェリーナはこちらに視線を戻した正二郎の方に身を乗り出した。 祝言というのは、自分の故郷でいうところの結婚式だ。 アンジェリーナの頭には遠い昔に見た、質素ではあるけれどいつもより着飾り、夫となる男の隣で幸せそうに微笑んでいる娘たちの姿や、それを祝う村の人々の姿が次々と浮かんできていた。 幼い頃に抱いた花嫁への憧れ、誰かと連れ添うことへの憧れ、正二郎と出会う前に出会った男たちにそれを期待し裏切られ、そんな憧れを打ち消すかのように遊女に納まった。 そうした様々な出来事と感情が一度にアンジェリーナに押し寄せた。
そんなアンジェリーナの胸中に気づかないのか、言葉を切ってしまったアンジェリーナに正二郎は告げた。 「これから連れ添うて行くんじゃ。そのくらいはせんといかんじゃろ」 「…………」 「アンジェリーナ?」 「あっ!は、はいっ!」 不意に正二郎の顔が目の前に現れ、少し過去へと迷い込んでいた意識が呼び戻され、アンジェリーナは思わず頓狂な声を上げた。 「どげんしたと?」 「あ、あの……本当に?……祝言を?」 自分の目を覗き込んでくる目を見つめ返している筈なのに、焦点をうまく合わせられないまま、アンジェリーナは口を動かした。 正二郎が眉根を寄せた。 「今更なにを言うとるか」 「いえ、あの……。祝言を……挙げて……下さるのですか?」 寄っていた眉が今度は八の字のように下がる。 「当たり前じゃろうが。人に隠すような仲ならともかく、これからずっと一緒におるというのに、祝言の一つも挙げんでどぎゃんすると」 「…………」 この男に会ってからまだ一月も経っていないというのに、嬉しさで一体どれだけ言葉を失っただろうか。 嬉しいと、ありがとうと言いたいのに言葉が出せなくて、アンジェリーナは呆けたようにただ目の前にある正二郎の顔をじっと見つめた。 「あ、アンジェリーナ?外国では、おまえのおった国ではそういうことはせんかったとか?」 「いいえ……いいえ、私のいた村でも結婚式は、この国で言う祝言はありました。でも、でも……」 「でも?」 正二郎が今度は不安そうな顔をする。 どうしてこの男はこんなに表情がくるくると変わるんだろう。 それに合わせて自分の表情も変わっていることに気づかずに、アンジェリーナは微笑んだ。 「でも、自分が誰かとそんなことを出来るなんて、思っていなかった。忘れていたんです。だから、……嬉しくて」 そこまで言って声を詰まらせると、正二郎は優しく微笑みかけてくれた。 肩に大きな手がぽん、と乗る。 「そうか。なら、なおのこと、早うせんとな」 「ありがとう、ございます」 そう言った瞬間、目の前の正二郎が涙で滲んで見えなくなった。
「おまえは本当によう泣くのう」 ようやく涙が流れなくなったアンジェリーナの目じりに指で触れながら、正二郎が言った。 自分でもそう思う。 しかし、嬉しくて涙が出るなどということは、もうずっとなかった。 悲しくて、怖くて、苦しくて涙を流すことはあっても、嬉しくて泣くなどということはずっとなかった。 いや、むしろ正二郎に会って初めて知ったことかもしれない。 「でも、これはあなたのせいなんですよ」 大きな手に自分の手を添え、頬を預けてアンジェリーナは言った。 「わ、わしには泣かせるつもりはないんだがのう」 今度は困ったような顔になる。 本当に表情の豊かな男だ。 思わずふふ、と笑うと、正二郎はなんじゃ、とでも言いそうに口を尖らせた。 「あなたは、表情が豊かなのですね」 その口元に思わず伸ばしたくなる手をどうにか自分の膝の上に押し留めて、アンジェリーナは言った。 「そうかのう……」 「ええ」 「ばってん、そういうおまえの顔もよう変わってるけん。お互い様じゃ」 正二郎がアンジェリーナの大好きな笑顔を作った。 胸の鼓動が早くなる。 「あなたの……おかげです」 「そうか?」 「はい」 「……すまんかったな」 半ば夢心地で応じていたアンジェリーナは、予想しなかった言葉に正二郎を見つめ返した。
「なにが、ですか?」 「事情を知らんかったとは言え、わしはおまえに『人形のような笑い顔だ』と言うてしもうた」 アンジェリーナは、そう言った正二郎が引こうとした手を強く握り締めた。 「いいのです。そんな……あの時の私は……だから、謝らないで」 これ以上何か言ったら、また泣いてしまいそうで、アンジェリーナは唇を噛み締め、俯いて、強く首を左右に振った。 「ばってん」 それでも続けそうになる正二郎だったが、アンジェリーナは顔を上げるととっさに指先で、その唇を遮っていた。 「いいのです。だから、もう……」 どうにか声を絞り出すと、正二郎の瞳は分かった、と言うように優しくなった。 そして、アンジェリーナは自分が正二郎の唇に触れていることに今更気づいて、また胸の鼓動を早めた。 指ではなくて、唇で触れあいたい。 けれど、自分からそんな事をしたら正二郎はどう思うだろう? 胸に一抹の不安がよぎったけれど、次の瞬間アンジェリーナは自分から身を寄せていた。 「正二郎……。これは、私の国の……伝え方なのです。愛しい人へ想いを伝える……」 「アンジェリーナ?」 指の下で正二郎の唇が動いた。 寄せられる顔に、正二郎の顔が本能的に僅かに引いている。 「目を……閉じて」 「う、うむ……」 正二郎が目をぎゅっと閉じた。 頬にあった手が硬直しているのが伝わってくる。 アンジェリーナはその手を再度握りしめ、唇に添えてあった指を顎へと落とし、そっと、ほんの一瞬、自分の唇を押し当てた。 ゆっくりと顔を引き、それに合わせて目を開いていくと、正二郎はまだ目も口も固く閉じたまま、その場で硬直していた。
「正二郎?」 しばらく待っても一向に目を開ける気配がない上に正二郎の顔が次第に赤くなっていくので、アンジェリーナは声をかけてみた。 「ん?」 「あの……もう、目を開けても……」 「ん……んむ」 正二郎は片目ずつゆっくりと目を開けると、ぷはっと息を吐き出した。 どうやら、予想していた通り息を止めていたらしい。 畳に両手を付いて喘いでいる正二郎の肩に、アンジェリーナは手をかけて顔を覗き込んだ。 「だ、大丈夫?」 「だ、大丈夫じゃ……。ば、ば、ば、ば、ばってん……」 赤い顔をこちらに向けて、正二郎は口篭った。 「……はい」 なんだか、まずいことをしでかしてしまった子供のような気持ちになる。 「お、おまえ。くくくく唇を付けんかったか?」 「はい……」 「おおお、おまえの国ではそっ、そぎゃんすっとか」 「は、はい」 正二郎は真っ赤な顔で口を結ぶと、視線を右へと向けた。 それから、しばらくすると今度は左上を睨みつけた。 怒っているわけではなさそうだが、苦悶している様子が伝わってきて、アンジェリーナは口を開く隙を見つけられず、そんな正二郎を不安交じりに見つめているしかなかった。 (続)
う、うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!
来たっ来たぁ嗚呼ああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!
幾年この日を待ち続けたことかっ
>>571 さん、続き待ってます!!!!!!
GJ 続きも楽しみ
でも過疎のまま・・・・・・_| ̄|○
571です。 残り最後まで上げます。 長い上にエロ薄くてすみません。
更にしばらくすると、正二郎の視線がようやくこちらに戻ってきた。 「あの……」 アンジェリーナが口を開くと、正二郎は破顔して、 「異国では不思議なことをするんじゃのう」 と言った。 アンジェリーナはその笑顔に一瞬見惚れた。 そして改めて思った。 自分はこの男に心を奪われたのだと。 共に歩いてもらうために、心を捧げてきた今までの男たちとはまるで違う。 気がついた時にはこの男の笑顔をもっと見たいと思い、そのためなら、たとえ一人で永遠の時を歩くことになっても構わないとさえ思っていた。 それなのに、その笑顔が目の前にある。 口では言い表せない幸福感を伝えるすべをアンジェリーナは他に思いつくことが出来なかったのだ。 「ですが、これが一番、気持ちを伝えられる気がしたのです」 アンジェリーナがそう言って顔をほころばせると、正二郎ははにかんで鼻の頭を掻いた。 そして正二郎は、少し間を置いて、 「い、今んはー……、おなごが男にするもんなんか?」 と尋ねてきた。 見えない故郷を見ようとでもしているかのように、アンジェリーナが部屋の壁の方へと視線を向け、 「いえ、どちらかと言ったら、男性からかもしれませんが……親子でも、友人同士でもしますし」 と答えると、正二郎は目を丸くして、身を乗り出してきた。 「親とそぎゃんすっとか!」 「はっ、はい!あ、でも、ほっぺたとかに……」 「なるほど……奥が深いんじゃのう」 今度は腕を組んで座りなおし、薬の話をしている時のような表情になった正二郎を見ているうちに、アンジェリーナはまた唇を寄せたいと思ってしまった。 さっきよりほんの少しだけ深く、唇の隙間を塞ぐような口づけをしたら、この人はどう思うんだろう。 そんなことを考えていると、正二郎がなぜか睨むようにこちらを見てきた。
「しょ、正二郎……?」 見透かされたのかと思い、それを誤魔化すかのように首を傾げると、正二郎の顔が目の前にぐいと寄ってきた。 「ちうことは、じゃ、……わっ、わっ、わしからしても、いい、ちゅうことじゃな?」 目の前で自分を睨んでいる顔が真っ赤になる。 自分もきっと真っ赤になっている、と思えるほどアンジェリーナは顔が熱くなるのを感じた。 「……はい」 やっとの思いで頷くと、正二郎の大きな手に両肩が掴まれた。 「目ぇば、瞑っといてくれんか」 アンジェリーナは正二郎に微笑みかけると、黙って目を閉じた。 期待と恥ずかしさと嬉しさが混ざり合って、頭がくらくらしている。 全ての神経が正二郎の方に向いているのが自分でもよく分かった。 しかし、いつまで待っても、唇に何かが触れた感触が伝わってこない。 顔の前には気配が感じられるのに、それがそれ以上こちらに来る様子がなくて、アンジェリーナは正二郎に気づかれないように僅かに瞼を持ち上げて、思わず小さく吹き出してしまった。 「なっ……なんじゃぁ」 「ご、ごめんなさい」 確かに笑ったのは失礼だったかもしれないが、目の前に蛸のように真っ赤になって唇を突き出した顔があったのでは笑ってしまう。 アンジェリーナは笑いを押し込めるように口を抑えてみたが、震える肩を止めるのは難しかった。 「そ、そぎゃん、おかしか顔ばしとったか?」 ふてくされてそっぽを向いてしまった正二郎の腕にそっと手を添えて、アンジェリーナは身体を伸ばし、そっと頬に口付けた。 「ごめんなさい」 「も、もうよか」 正二郎はそう言うと、アンジェリーナの手を握り、心を決めたようにきっちりと真一文字に口を結んで顔を寄せてきた。
頬に鼻頭が触れ、唇が触れた。 「…………」 「こ、これでよかか?」 こくん、と一つ頷きはしたものの、アンジェリーナはまた言葉を失ってしまった。 唇が触れた場所に指を添え、視線を上げると正二郎の不安そうな顔が目に入ってきた。 「……アンジェリーナ?どぎゃん……」 どう答えていいか分からず、ただ首を左右に振る。 ただ頬が熱くて熱くて、そこから身体が溶けてしまいそうだった。 何も言えないまま正二郎の手を握り締めると、正二郎がその手を握り返してきた。 「……今度はこっちじゃ」 反対側の頬に、また唇が触れた。 先ほどよりは自然に、少しだけ強く。 「異国では……当たり前なんが、分かる気がすっと」 正二郎はアンジェリーナの目の前で笑うと、また頬に、今度は少しだけ唇に近づいた位置に唇を落とした。 そして、頬のいたる所に、顎に、ゆっくりと口づけを繰り返した。 夢の中にでもいるような心地になってきて、アンジェリーナが自然と目を瞑ったその刹那、唇に何かが触れてすぐに離れていった。 眠りの淵で起こされたときのように目を開くと、正二郎は顔を赤くしながらも、笑顔でこちらを見つめてくれていた。 「やっぱり、あなたの笑顔がとても好き」 正二郎の頬に手を伸ばし、そう告げると、正二郎は繋いでいた手をぐいと引いて、 「わしもおまえの笑った顔が好きじゃ」 と、再び唇を寄せてきた。 三度唇が触れ合うと、アンジェリーナは今度は離れて行ってしまわないように、少し顔を傾けて自分からも更に唇を押し付けた。 不安定な身体を支えようと、正二郎の頬に置いていた手を肩に落とすと、正二郎にぐい、と腰を抱かれた。 「あっ……」 正二郎の膝に乗った弾みと身体を引かれた驚きで、声を発した唇をまた塞がれる。 ただ抱きしめ合っているだけなのに、触れている唇から、腕を廻されている背中から、身体の中心へと熱いものが流れていくのをアンジェリーナは感じ始めていた。
「ふ、……っぅ……」 どのくらい経っただろうか。 背中を強く抱いていた正二郎の腕から力が抜けて、顔が離れた。 息を吸い込んだせいで唇が冷えて、そこが濡れているのが感じられた。 ふわふわとした感じと正二郎の腕に身を任せていると、不意に唇を拭われた。 「んっ……」 「す、すまん。よ、よだれの付けてしまったと」 着物に親指をなすりつけようとした手を捕らえて、アンジェリーナは首を振った。 「いいの……いいのです」 そして、自分の唇を拭った太い親指を自分の方に引き寄せ、その腹にそっと唇を付けた。 「う……」 詰まった声のした方を向くと、正二郎は赤い顔を硬直させていた。 そんな表情さえ愛おしくてたまらない。 夢ならば永遠に覚めないでほしい。 そんなことを思って、アンジェリーナは正二郎の肩に頬を乗せ、身体を預けた。 すると正二郎がもぞり、と動いた。 「……あの、私、重たかったですか?」 思わず不安になって正二郎の方を見上げると、正二郎は困ったというふうに顔をしかめていた。 「そぎゃんこつは……、まったくなか。ばってん……」 「ばってん?」 「あんまり、くっつくんは……」 「あっ……ご、ごめんなさい。あの、つい……」 アンジェリーナが慌てて正二郎の膝から降りようとすると、正二郎がそれを止めた。 「や、その……嫌という訳じゃなかばってん……」 正二郎の方を振り向くとその顔は耳まで赤かった。 「そのう……わしもー……男じゃけん、そのう……つまりじゃ。もっと……くっつきとうなると……」 「では……では、もっとくっつきませんか?」 言葉を濁す正二郎が指す意味を頭が理解するより先に、アンジェリーナの口は動いていた。
「あ……アンジェリーナ……ばってん、まだ祝言も挙げとらんけん、そぎゃん」 アンジェリーナが強く首を横に振ると、正二郎は言葉を切った。 「わ、私も、もっと……と、思います。だから……」 「アンジェリーナ……」 「私を、はしたない女だと、思いますか?」 緊張のせいで喉の奥が焼けるようで、声が震えているのが自分でもよく分かった。 硬直していた正二郎の顔が柔らかい笑顔になった。 「思わん」 アンジェリーナが安堵の息をこぼした瞬間、ぐるりと正二郎の後ろが回った。 背中が安い旅籠の固い布団に乗る。 「不思議じゃのう。時間はいくらでもあるちうに、待つことが出来ん」 「ええ……不思議ですね。でも、私もです」 真上にある正二郎の顔に両手を差し伸べると、正二郎は顔を寄せてくれた。 その首に腕を絡め、更に引き寄せると、アンジェリーナは自分から正二郎の唇に自分のそれを重ねた。 帯にかけられた手が震えているのが、着物の上からでも伝わってきた。 そういえば、正二郎は遊郭に遊びに行ったことなどないと言っていた。 それを思い出しただけで、胸が詰まっていっぱいになる。 そんな男が、長久の命があれば女に一途になれると言っていた男が、今、自分を求めてくれていることが例えようのない幸福感でアンジェリーナを満たしていた。
ようやく帯がほどけると、正二郎はゆっくりと顔を離し、アンジェリーナが首に絡めていた手を腕に沿って下ろしていくと、着物の襟に手を伸ばしてきた。 裸などとうに見られているというのに、正二郎に肌を晒すことが急に恥ずかしくなって、アンジェリーナは僅かに顔を背けた。 着物が片方ずつゆっくりと捲られる。 肌着もよけられ、火照った肌に外気が触れる。 腰巻も取られて、アンジェリーナは思わず目を強く瞑った。 腹に指が触れて、両手が脇腹を伝って背中へと落ちていく。 そのぎこちない動きがくすぐったくて身を捩ると、その手が背中へと廻り、抱きしめられて身体を起こされた。 髪留めも外され、髪がさらりと背中に流れた。 「……正二郎?」 「着物の……じゃまたい」 正二郎は片手でアンジェリーナを抱いたまま、布団の上に広がっていたアンジェリーナの着物を脇へと押しやった。 着物越しに、正二郎の逞しい体つきと体温が伝わってくる。 正二郎も脱げばいいのに。 そんなことを思ってしまった自分に、気恥ずかしさを感じているうちに、アンジェリーナは再び布団の上に寝かされてしまった。 また離れていってしまう正二郎の身体を追って手を伸べると、正二郎はその手を取って、アンジェリーナの腕を広げた。 自然と身体が正二郎の前に大きく開く形になる。 「しょっ、正二郎っ……」 「どげんしたと?」 「あの、こ、この格好は……恥ずかしい、です」 「おお、すまん。ばってん、おまえをよう見たいけん」 その言葉に応じる言葉をアンジェリーナが捜していると、正二郎はほう、と溜息を漏らした。 「うつくしかなぁ……」 「え、あの……」 「初めて会うた時から思うとったんじゃがな、あの炎の中に立っておった姿ば見て、あげん時だちうにわしは見惚れとった。 あるるかんばつこうとった手の動きも、炎になびいとったその髪も、うつくしかと思うたんじゃ」
正二郎はそう言いながら、視線を身体の上に巡らせた。 その目の動きはまるで愛撫をしているようで、実体のない感触にアンジェリーナの身体はじんじんと切なく疼き、その疼きが波となって身体を震わせた。 「寒かか?」 正二郎が顔をこちらに向けた。 身体を覆っていた緊張感が僅かにほぐれ、熱に浮かされたような感覚の中でアンジェリーナは首を振った。 正二郎はほっと息を吐くと、繋いでいた手を握ってまた不安そうな顔になり、 「ふっ……触れても、よかか?」 と聞いてきた。 正二郎になら、何をどうされてもきっと平気。 そう伝えたいのに、伝えて彼の思うままにして欲しいと思うのに、口を開いたらこの心地の良い熱が醒めてしまいそうで、アンジェリーナはただ微笑んで頷くことで答えにした。 離れていってしまった大きな手の変わりに着物の袖を握る。 手の動きは相変わらずぎこちなくて、腹を這う指からのくすぐったさにアンジェリーナはふふっと笑って、身を捩った。 「す、すまん。診察で見たことはあるばってん、こげん心持ちでおなごの身体に触れるんはなかったからのう……。 どげん触れたらよかか、いまいち分からんのじゃ。気持ちの悪いなら、そう……」 「平気……あなたの……いいように、触れてください」 やたらと饒舌な口に手を伸ばして、指で言葉を遮るとアンジェリーナがそう言うと、正二郎はきまり悪そうに笑ってから、その指に唇を押し付けた。
そのまま手を首へと伸ばすと、正二郎は片手で己の身体を支え、もう片方の手のひらでアンジェリーナの身体をゆっくりと撫で始めた。 そして一瞬の躊躇が感じられてから、大きな手に胸を包まれた。 「柔らかかぁ……」 正二郎は感嘆の声を漏らすとゆっくりと手を動かし始めた。 その動きに合わせて、乳房が形を変える。 正二郎に不安を与えるような表情はするまいと思うものの、身体を這う甘美な感触にどうしても眉に力が入ってしまう。 「んっ……はあっ……」 長い間の剣の稽古のせいか、ざらつき硬くなった手のひらが胸の先端を擦ると声も上がってしまう。 アンジェリーナは正二郎の着物の襟を握り締め、意識を少しでも正二郎の手から逃そうとした。 しかし、アンジェリーナの神経はそんな彼女の意志とは裏腹に、正二郎の動きを感じろうとますます敏感になり、女を知らないという正二郎の手の動きにアンジェリーナは翻弄された。 「く、ふっ……」 声を出すまいと詰めていた息を吐き出すと、正二郎の動きが止まり、手が離れた。 「つらかか?」 辛くなどない。 身体を包み込んでいるのは快感で、むしろもっと触れて欲しかったし、身体の方は正二郎を受け入れるには十分な状態になってきているのも自分でよく分かっていたから、アンジェリーナは掴んでいた正二郎の着物を引いた。 「お願いです。離れないで。あなたが触れずにいる方が、つらいから……」 誘っているとしか思えない自分の言葉に、アンジェリーナは顔が熱くなった。 けれど、正二郎は照れながらも、 「分かった。ちょっと待て」 と言って、身体を起こすと着物の帯をほどき始めた。
しまりのある身体が、自分を抱きとめてくれた逞しい胸板が明かりの中に晒された。 「照れくさいのう」 正二郎は脱いだものを脇へと放ると、相変わらずの照れ笑いを浮かべながら、隣に身体を横たえた。 間近に正二郎の体温が感じられると思った次の瞬間、アンジェリーナは強く抱きしめられた。 正二郎の身体の輪郭がはっきりと分かり、背中に廻された腕が微かに震えているのも分かった。 何も言わずに、額を正二郎の胸に押し付けると、手が背中から更に下へと降りてきた。 尻から腰を辿り、脚の間に手が滑り込んできた。 正二郎の荒い息遣いが耳に届き、それにつられるようにアンジェリーナの鼓動もそれまで以上に早くなってきた。 「ん……っ……」 秘裂に届いた指がひどくゆっくりとそこを辿っていく。 「あ、んっ!」 敏感なところを指が滑り、アンジェリーナは思わず声を上げた。 けれど正二郎は何も言わない。 ただ指だけがアンジェリーナの身体の入り口を探している。 「っ……あっ……んっ、はっ」 声がこぼれるたびにそこが正二郎を招くように雫をこぼし、それに誘われて正二郎の指先がぬるりと身体に入り込んだ。 「ふあっ!」 思わずアンジェリーナが身体をびくりと反らすと、正二郎はごくりと喉を鳴らし、その中で指を小さく動かした。 「こ、ここでよかか?」 正二郎の腕にすがり、こくこくと頷くのが精一杯で、息も思うように出来ないでいると、正二郎の唇が額に触れた。 「ほんの少し、辛抱しとってくれ」 正二郎はそう言うと指を引き、上体を起こして、アンジェリーナの脚の間に身体を入れた。
指とは明らかに違うものが、疼きを覚える箇所に押し当てられた。 「っ……」 正二郎は片眉を顰めて息を呑むと、一気にアンジェリーナを貫いた。 「あああっ!」 「あっ、くッ……!」 その強さに身体が孤を描く。 「しょうじ、ろう……」 拠りどころを求めて正二郎の首に手を伸ばそうとすると、正二郎は口の端をかみ締めて、目をきつく閉じていた。 「……正二郎?」 呼びかけに正二郎の片目が僅かに開く。 「正二郎?」 もう一度呼びかけると、正二郎は震えた息を吐き出して、口を開いた。 「す、すまん。動いたら、訳の分からんようになってしまいそうじゃ」 汗のせいで額にはりついた銀色になった正二郎の前髪をそっとはらうと、アンジェリーナは首に手を廻して正二郎を抱き寄せ、耳元に囁いた。 「平気……。だから、あなたの、正二郎の思うようにして」 「アンジェリーナ……」 正二郎は唇を頬に押し付けると、身体を更に深くに沈めてきた。 「ん……んうっ……」 それを感じて身体が震えた瞬間、正二郎が強く身体を動かし始めた。 「あっ!は……あ、んッ!」 熱い塊が自分の身体を内側から圧迫し、荒い息遣いが耳からアンジェリーナを刺激する。 「うっ……んっ、しょ……じろっ……」 上がってしまう声を止められないまま、アンジェリーナは正二郎を求めて名前を呼んだ。 「アンジェリーナっ、アンジェリーナ……ッ!」 激しい息遣いの合間に自分の名前を口にする掠れた声に胸が締め付けられて、アンジェリーナは跳ねる意識の中で正二郎を強く抱きしめた。
もう声を殺そうとすることすら忘れ、正二郎に身を任せるうちに、正二郎がぞくりと身体を震わせ動きを止めた。 そして、アンジェリーナは自分の中に熱いものが流れ込んでくるのを感じ、自分の高い声と正二郎の低くうめいた声を遠くで聞いた。 身体がやけに重くて目を開けると、正二郎が自分の身体の上にいた。 まだ肩が大きく上下している。 なんだか嬉しくなって、そっと抱きしめると、正二郎ははっと顔を起こし、慌てて上から滑り降りてしまった。 口を開きかけた正二郎の肩に額を押し付け、首を横に振ると、正二郎は言葉を飲み込み、そっと肩を抱いてくれた。 胸はまだどきどきしていて、心は満たされて暖かかったけれど、落ち着きを取り戻し始めた身体は夜の隙間風に小さく震えた。 それを感じ取ったのか、正二郎が掛け布団を引き上げて、アンジェリーナの上にかけた。 正二郎は?と問うように彼の方に視線を向けると、正二郎は布団にもぐりこんできた。 その身体に自分の身体を摺り寄せて、 「あったかい……」 と呟くと、正二郎は優しく目を細めて、頬に手を添えてきた。 少し首を動かして、その手のひらに口付けると、正二郎が言った。 「おまえはそうするんが好きじゃなあ」 思わず口を尖らせて、 「だって、それは、あなたのことを……」 と返すと、正二郎は笑って額をこつん、と合わせ、 「そうじゃな。わしも、おまえを見てるとしとうなる」 と、はにかんだ。 正二郎の笑顔を目の前にして、またアンジェリーナが言葉を失ってしまうと、それを知ってか知らずか正二郎は唇を重ねてきた。 甘い口付けに身を任せ、アンジェリーナはゆっくりと目を閉じた。 (了)
GJ!!らぶらぶだー
うう、甘い…だがそれがいい!
し、幸せじゃの〜。
保守 もう誰も来ないのか…
本スレですら過疎化してるんですよ
保守
保守する者を滅する
614 :
名無しさん@ピンキー :04/12/09 19:44:35 ID:4RIm4aRs
保守
保守
捕手
617 :
名無しさん@ピンキー :04/12/25 20:12:54 ID:1Azgob/H
保守
全巻読み直した。 なんかキリオ篇終わったあたりでは、流と日輪ってくっつくんかなと思ってた。 いい感じだよね、この二人。 まあこの二人のエロ話なんかどこにも無さそう…。 でも萌える。
流×日輪同人誌出してたサークルさんがいたけど 今も活動されてるかどうかは分からないです
うしとらのエロ同人なんてあったのかな からくりは一応あるけど
>619 どこのサークルか教えてくれ。 >620 釣りキチだよな?
>>621 かなり前に見ただけで買ったわけじゃないから名前までは憶えてないです
懐漫のうしとらスレの方が知ってる人いるかも
>>621 ちちくりサーカスというやつと、エレオノール嬢というやつがあったはず
あけおめ
例えば、勇でも・・・いいのか?
全然オッケー!!
うしとらヒロイン、というか藤田ヒロインの中で一番オナニーしてそうなのは真由子だな
私は史帆だと思ふのだよ。
今のこのスレには一体何人の住人がいるんだろう・・・ なんか2人くらいしかいない気がしてきた
何を言うか 妖萌えで悪いが俺が居る!
ノシ 居ますです
うしとら女性陣萌え ノシ
634 :
名無しさん@ピンキー :05/01/14 04:51:12 ID:RiCb088M
4人か・・・最下層は寂しいのであげ
5人目参上ノシ 書き手だったけど、もう読み手に徹しようかと思ってる。 既に書き手は残ってないのかな?
6人目。からくりもうしとらも好きだ。
ノシ。7人目。
ノシ。8人目だす。
ID:mzd5ZA+Vだけどなんだかんだで8人も?いるのね・・・ 一応アイデアはあるんだけど、進まない・・・ しばらくまともに文章考えてないと駄目なもんですね
>>641 読み専門ですが、マターリと待ってますんで。
保手。
644 :
112 :05/01/26 07:25:16 ID:++GRQWbI
∧||∧ ( ⌒ ヽ ∪ ノ ∪∪ 今週読んで絶望しますた
まあ、希望はあるさ・・・多分
646 :
名無しさん@ピンキー :05/01/26 22:09:37 ID:YXOhN4IR
112さん、お久しぶり〜(・∀・)ノシ …まあ、手ぐらい生えてきますよ。藤田だから
ミンシア姐さん……_| ̄|○
まぁ、それ言ったら、俺が好きな人間フランシーヌなんざ物語開始当初から既に故人ですしw 藤田得意の回想シーンで株上げちゃったりするかも。 人間フランシーヌ、白銀、白金、アンジェリーナ、正二、ルシール、梁剣峰、明霞(?)、 ダール、ファティマetc.―― からくりの世界は、現世よりも正二や白銀の言う地獄の方が魅力的なキャラが沢山居る様な……。
649 :
名無しさん@ピンキー :05/01/31 02:56:32 ID:rq0YVXbL
うしとら、ひさびさに読んだらとら真由に再ハマりだよ… やっぱこの二人は泣ける
保手。
もうずっと真由子に萌えすぎ
うしとら久々に読み返した。 とら真由やっぱいいなぁとしみじみ思いつつ。 雷信×かがり。 いろいろもう駄目だorz
653 :
名無しさん@ピンキー :05/02/07 20:25:33 ID:rKbFH/xX
保手。
保守ピタル
656 :
名無しさん@ピンキー :05/02/28 07:06:09 ID:CyVebBtv
ちょっと
もうこの人登場人物一人も生かすつもりはないんだろうな
んな事ぁ無いだろ。
勝さまだけは最後まで生き残り金も女もすべて手に入れますよ
真由子殺したい
ほしゅ〜
ほしゅっ
保手。
禿げ
665 :
フヂタ :2005/03/23(水) 11:41:44 ID:XcYjGoZ3
俺のことかー!
ちょっと燃料を投下。 暇つぶしにどうぞ。 イタヅラが過ぎて、ヤンキーのラジカセを壊してしまったタツヤ。 そこに偶然通りかかった麻子(水着)が助けに入った。 「ちょーっとぉ、いい大人がよってたかって、小さい子供相手に何やってんのよぉ?」 「あぁ? なんだ、このアマ!」 見るからに人相の悪い3人組が、殺気立った。 しかし、麻子の方が速い。先手必勝。あっと言う間に二人に肘と膝を叩き込む。 その場にくず折れる二人。 麻子は流れるような動きで、リーダー格と思しき残りの一人に、掌打を叩き込もうとする。しかし。 伝わる筈の衝撃が無く、麻子はバランスを崩した。 (かわされた?) 思ったのと、鳩尾に激しい衝撃を受けたのが、同時。 「ぐぅ・・・ハァ」 今度は、麻子が崩れ落ちる番だった。呼吸が出来ず、腹を押さえたまま蹲る麻子。 「まぁまぁ出来るみたいだが、相手が悪かったなぁ」 頭上から、リーダー格らしい男の声が降ってきた。 苦痛と屈辱に、思わず麻子の目から涙が零れる。
そのうち、先に倒した二人も立ち上がってきた。 「イテテテ、チクショー、このアマ・・・」 「このアマ、どうします?」 「そうだなぁ・・・とりあえず、あのガキつかまえとけ。」 リーダー格の男が顎をしゃくった。 それまで呆然と見ていたタツヤが、ハッと我に返り、反射的に逃げ出そうとしたが、 すぐに手下の男に捕まった。 「おら、大人しくしてろ、このクソガキ」 僅かに抵抗したタツヤだったが、軽く小突かれただけですぐ大人しくなった。 もう一人の手下は、無理矢理麻子を引き起こすと、両腕を捻り上げて押さえつけた。 「おねえちゃぁん」 タツヤは文字通り首根っこを掴まれ、ベソをかいている。 「その子をどうするつもり?」 「そのガキはどうもしねぇよ。お前が大人しくしてりゃあな」 リーダー格の男はニヤニヤ笑いながら、麻子の胸を軽く突付いた。 「そんな怖え表情すんなって。よく見りゃ可愛い顔してんじゃねぇか」 麻子は身をよじるが、勿論逃れることは出来ない。 「やめなさいよ。変なことしたら、タダじゃ済まないわよ」 麻子の強がりを、男は鼻で笑った。 「ま、とりあえず一緒に来てもらおうか。」 そう言って男は背を向けて歩き出した。その後を麻子とタツヤ、そして二人を押さえた男たちが続いた。 (このままじゃ・・・。でもどうしたら・・・) 麻子は必死で周囲に視線を走らせるが、生憎と人影は無い。 夏の日がゆっくりと傾き、辺りは薄暗くなっている。
一向はすぐに路上駐車してあるワゴンに行き着いた。後部にはスモークが貼ってあり、中が見えないようになっている。 リーダー格の男が、ガラリとドアを引き開けた。 「乗りな。おかしな真似はするなよ。」 手下の男が麻子から手を離した。麻子はリーダー格の男とタツヤを見比べた。 リーダー格の男は車に寄りかかり、余裕の笑みを浮かべている。 タツヤはスリーパーホールドを掛けられた状態で、ベソをかいている。 観念したように、麻子はワゴンに乗り込んだ。誰か見ていないかと、最期の希望に縋って周囲を見渡したが、やはり誰の姿も無い。 (潮・・・!) 心の中で呼んでみたが、無論、奇跡など起こらなかった。 続いてリーダー格の男とタツヤたちが乗り込み、ドアが閉められた。 麻子を押さえていた男が運転席に周り、そうして車は出発した。 車は段々と海から離れるように進み、15分程走って停まった。 麻子たちが車から降ろされると、そこには1件の別荘風の建物が鬱蒼とした木々に囲まれ、ポツンと建っていた 「良い所だろう? 海からはちょっと遠いが、静かなのが取り柄でな」 思わず辺りを見回すが、森が広がるだけで、他の建物は見当たらない。 麻子にはそこがどこなのか、見当もつかなかった。 「まあ、遠慮せずに入れや」 男に背中を押され、建物の中に入ると、僅かにカビ臭い匂いがした。 全員が入ると、リーダー格の男が鍵を掛けた。 「こんな所、誰も来やしねえが、念のため、な」 玄関を上がり、最初の部屋がリビングになっていた。リビングと言っても、ソファが2組とテーブルが一つ、あるだけだったが。 3人の男たちは思い思いの場所に座ると、好色そうな視線を隠すことなく、水着しか着ていない麻子の身体をねめ廻している。 夕暮れとはいえ、夏だというのに、麻子は薄ら寒いものを感じて、思わず自分の肩を抱いた。
男たちはその様子を楽しむように見ていたが、やがてリーダー格の男が口を開いた。 「これからどうなるか、見当もつかないってぇ、カマトトぶるつもりは無えだろ?」 麻子は無言で睨みつけた。 「大人しく言うこときいてりゃ、手荒な真似はしねぇ。そのガキも無事に帰してやる。どうだ?」 「・・・・・もう、家に帰して」 「おいおい、人の話はちゃんと聞けよ。無事に帰すって言ってんだろ?」 「今すぐ、よ。これ以上、何か変なことしたら、タダじゃ済まないんだから!」 麻子が語気を強めると、脇で鈍い音と悲鳴が起こった。 ゴキ! 「ギャウっ!」 タツヤが頬を押さえて倒れている。 「君、大丈夫!?」 タツヤに駆け寄る麻子。 「お、おねぇぢゃあん」 タツヤが泣きながら縋り付いて来た。 「なんてことするの!」 麻子が叫んだが、男たちはニヤニヤ笑っている。 「だから言ったろ? お前次第では、そのガキはもっと痛い目に会うぜ。」 「卑怯者! こんなことして、恥ずかしくないの!?」 麻子の悲痛な叫びも、男たちには届くはずも無かった。 麻子は男たちを睨みつけていたが、やがて目を伏せ、搾り出すように言った。 「・・・どう、すれば、いいの?」 「そうそう。そうやって素直にしてりゃ、そのガキも痛い思いしなくて済んだんだぜ。じゃ、場所を移動だ」 リーダー格の男が、隣の部屋を指差した。 麻子が立ち上がると、タツヤが縋りついた。 「おねえちゃん!」 「大丈夫よ。すぐ帰れるから、ここで大人しく待っててね」 麻子は無理に笑顔を作ると、言われるがままに隣の部屋へと向かった。
そこは、リビング以上に殺風景な部屋だった。 部屋の真ん中に、マットを置いただけのパイプベッドが一つ。そしてそれを囲むように、三脚に乗ったカメラとモニター、ビデオがあるだけだった。 「そこに、横になるんだ」 リーダー格の男が、ベッドを指差す。 激しい嫌悪感と戦いながら、麻子は何とか言われる通りにした。 「頭上に腕を伸ばせ」 男たちは、渋る麻子の腕を、半ば強引に伸ばさせた。 麻子の頭上で、カチャカチャと、冷たい金属音が鳴った。 見上げると、両手を手錠でベッドに繋がれていた。 麻子は反射的に引っ張ってみたが、冷たい感触は簡単に外れそうにない。 「な、何をする気?」 麻子の問いに、男たちは答えようとしない。 「じゃ、始めるか」 リーダー格の男がそう言って、麻子に馬乗りになった。 「!」 男が手にした物を見て、麻子は思わず息を呑んだ。それは裁縫用のハサミだった。 男は麻子の目の前で、そのハサミを見せつけるように2,3度、チャキチャキと開閉させた。 「暴れると、怪我するぜ・・・」 馬乗りになったまま、男は麻子の水着の肩紐を切った。 ジャギ、ジャギと、小気味良い音が響く。 「やめてぇ!」 思わず麻子が叫ぶ。男は躊躇することなく、もう片方の肩紐も切り裂いた。 (潮・・・、助けて、潮・・・) 麻子は心の中で、悲痛な叫びを上げた。その名前を浮かべたことで、強気に振舞っていた心が折れ、ついに麻子の瞳から涙が流れ落ちた。
(゚∀゚)イイ!!
麻子タソレイープマンセー(・∀・)
良いね!できればアナルもレイープして前後の穴サンドイッチで麻子を気持ちよくさせてやってくだせぇ ニ゚ω゚)=3
674 :
112 :2005/03/30(水) 23:16:24 ID:jh4eBS9w
姐さんまだ生きてる・゚・(ノД`)・゚・ 怯えつつも歓喜し麻子タン続き待ちsage
本スレは(も?)最近ノリが悪いな
676 :
性獣の槍 ◆Qs2eC/BXvM :2005/04/13(水) 23:47:33 ID:o2T80+5w
初めまして〜 潮が槍を使いすぎて変身した後、それを治すために五人の女の子と、二人の法力僧の女の子がいましたが名前判りませんか? 原作では櫛で髪を梳き元に戻しましたが、違う方向=エロで書こうと思ったんですが、名前と髪を梳く順番が思い出せません 協力お願いします
礼子たん→小夜たん→勇たん→真由子たん→麻子たん 小夜たんと勇たんのときに日輪と純が協力
フルネームでお願いします…(・凵E)
679 :
名無しさん@ピンキー :2005/04/14(木) 16:41:55 ID:2oqLf3Hp
>678 羽生礼子 鷹取小夜 檜山勇 井上真由子 中村麻子 関守日輪 守綱純 SS楽しみにしてまつノシ
>>679 謝謝
もう一つジエメイだったでしょうかね…ギリョウの妹の名前
>>680 ジェメイだったりジエメイだったり。漢字で書けば決眉。
670の続きと性獣の槍タン、マダー?チンチン(AAry…
683 :
性獣の槍 ◆Qs2eC/BXvM :2005/04/17(日) 04:00:43 ID:CH87n0Pq
《取り敢えずは出だしのみです》 《台詞や呼び方に違和感があったらごめんなさいです》
〜プロローグ〜 【獣の槍に魂を吸い取られた潮を助けるために、五人の少女が集まった…】 『潮を戻すためには、彼の性欲を満たし魂をこちらに呼び出さないといけません』 『貴女達にその覚悟はありますか?』 【獣の槍を作ったギリョウの妹…ジエメイは真摯な目付きで潮と縁の深い少女達の顔を一人一人見ていく】 『………』 【五人の少女は一斉に沈黙したが、やがて一人の少女が進み出る】 『私が最初にいくわ…』 『礼子さん!?』 【礼子と呼ばれた女性…羽生礼子は、他の四人に振り返り笑うと】 『私は、一度獣の槍に刺されているの…今度は蒼月君に刺されるけどね』 【ニッコリと笑うと潮に振り返り】 『覚えてる?私死にたがりの礼子よ…今は生きたがりの礼子なの…』 『私の体を好きにして良いわ…だから戻ってきて』 【羽生礼子:潮ととらによって鬼となった父の呪縛から解き放たれた女性】 〜一人目〜羽生礼子へ続く〜
取り敢えずは出だしとして、プロローグを載せました 仕事が暇になったら礼子編を載せますが 五人+二人全員本番までいったほうが良いのか 礼子(パイズリ) 小夜(フェラ) 勇(アナル) 真由子(とらを含めた3P) 麻子(本番/膣内射精) 日輪&純(小夜&勇の時に長くなった潮の髪の毛に襲われる) …と言う2パターン考えてます 皆さんの意見聞かせて貰えたらと思っています
乙です!楽しみにしてます 個人的にはいろんなプレイが見られると嬉しい
とにかく皆をうしおのテクニック(?)で喜ばせてやってくださると幸いです がんばって!
勇のアナルセックスに激しく期待
貴方が書きやすい方で良いよ
690 :
名無しさん@ピンキー :2005/04/20(水) 19:39:01 ID:RPhBSayw
揚げ
691 :
性獣の槍 ◆Qs2eC/BXvM :2005/04/22(金) 21:26:03 ID:3UJq1a8Z
>>689 ん〜別にどちらでも書きやすいけど…忙しいだけです
692 :
名無しさん@ピンキー :2005/04/25(月) 06:26:49 ID:QqqxlJj/
UP
やはりアレですよ 処女の純潔を持ってして清めなければならないという
勇は・・・? 肛門の純潔か?
695 :
名無しさん@ピンキー :2005/04/27(水) 10:13:25 ID:0z7gO50R
あげ
性獣の槍氏の作品まで、こんなもんで繋ぎ保守。 白面との戦いから数年後。 真由子とキリオはそれぞれ高校生と中学生になり、家族として平和に暮らしていた。 真由子は相変わらず華奢だが、やはり胸や腰は、女らしい曲線を帯びてきた。 キリオは、早くも身長でマユコを追い越し、細く長い手足を持った若者に成長していた。 そんなある日の、初夏の日曜日。 朝から好天に恵まれ、ちょっと動くと汗ばむような陽気になった。 8時を過ぎた頃、キリオが真由子の部屋のドアをノックした。 「お姉ちゃん、起きてる?」 「は〜い。どうぞ〜」 真由子の元気のいい声が返ってきた。 キリオはドアを開け、部屋の中に入り、そこで凍りついた。 真由子は下着姿で、キリオに背を向け、2枚のワンピースを交互にあてがいながら、姿見に向かっていた。 「ご、ごご、ゴメ・・・」 慌てて部屋を出ようとしたキリオだが、真由子は気にするでもなく振り向いた。 「丁度良かった。どっちが良いと思う?」 言いながら、2枚のワンピースをかざしてみせる。
真由子はキリオを本当の弟のように思っているのか、キリオの前で下着姿になることを、全く気にしない。 その為、キリオが真由子の下着姿を見るのは珍しいことでは無いのだが、キリオは未だに慣れることができない。 いや、慣れるどころか、互いの成長に伴い、益々意識してしまうようになっていた。 薄い黄色が基調の花柄のワンピースと、上から下へ、白から淡い水色へと段々と色が濃くなっているワンピース。 だがキリオは、真っ赤になって下を向いたまま、真由子の方を見られない。 キリオはオズオズと、適当に指差した。 「うん、やっぱりこっちよね」 真由子は水色のワンピースをベッドに投げると、黄色いワンピースを持って、またキリオに背を向けた。 フンフンフン♪と、なにやら怪しげな鼻歌を歌いながら、真由子が着替える。 真由子が向こうを向いたことで、キリオはようやく顔を上げた。 真由子は背中のファスナーを引き上げているところだった。 「キリオくん、ホック止めてくれる?」 背中のファスナーを引き上げた真由子が、声を掛けた。 「え? あ、うん・・・」 ボーッと見ていたキリオは、我に返った。 真由子は邪魔にならないように、首筋の髪をそっと掻き分ける。
白い項が露わになり、それを見たキリオの鼓動が、ドクン、と高鳴った。 キリオの視線は真由子の白い首筋に釘付けとなり、その白さが、下着姿を連想させた。 キリオの記憶にある限り、真由子は白以外の下着を身に付けていたことが無かった。 「? どうしたの?」 一向にホックを止めようとしないキリオに、真由子が声を掛けた。 「う、うん・・・」 キリオはゴクリ、と唾を飲み込んで、ノロノロと腕を伸ばす。 真由子の髪から、ほのかなリンスの香りが立ち昇り、キリオの鼻腔をくすぐった。 「お姉ちゃん!」 次の瞬間、キリオの伸ばした腕は、背後から真由子を抱きしめていた。 「キャッ」 不意をつかれた真由子が、小さく悲鳴を上げる。 「ど、どうしたの?」 「お、お姉ちゃんがいけないんだ! そんな格好で、いつも、僕を、僕を・・・えーっと・・・」 キリオは興奮も手伝って、『挑発』という言葉が、出てこない。代わりに、抱きしめる腕に益々力を込めた。
真由子は、キリオが自分に欲情するなど夢にも思っていないので、まだ事態を飲み込めておらず、怪訝そうに声を掛ける。 「どうしたの? キリオくん?」 キリオは答えず、抱きしめた腕を一瞬ほどくと、肩を掴んでクルリと真由子を反転させた。 そして、間髪を入れず唇を重ねる。 「!」 真由子は驚きに目を見張った。 そして、唇をはなしたキリオと目が合った。 そこには、いつもはにかんだように自分を見つめる少年はいなかった。 そこにいるのは、欲情に燃える「男」だった・・・。 この先は、ご自由に想像してお楽しみください。
かーーっ!いいところで終わっちまったーーーーーー
701 :
名無しさん@ピンキー :2005/05/01(日) 00:43:52 ID:scEd4rmo
下がりすぎ?
702 :
性獣の槍 ◆Qs2eC/BXvM :2005/05/02(月) 20:54:20 ID:JF37nAKV
礼子編の構想がなかなかまとまらない…OTZ
703 :
性獣の槍 ◆Qs2eC/BXvM :2005/05/03(火) 20:23:06 ID:434ofPYh
704 :
性獣の槍 ◆Qs2eC/BXvM :2005/05/08(日) 23:27:12 ID:shPlC1ro
何となく下がりすぎてるみたいなので、あげ
今週の話で、勝の下半身の世話までするコロンビーヌとかを妄想。 炉コロンの新機能とか書いてあったのにカケて、カオナシが新たに付けたセクサロイド機能! …病んでるなorz
706 :
名無しさん@ピンキー :2005/05/12(木) 21:18:47 ID:fL0j/E9O
それを是非!
707 :
名無しさん@ピンキー :2005/05/14(土) 03:08:05 ID:Ob/blvgg
安芸
708 :
名無しさん@ピンキー :2005/05/18(水) 06:01:43 ID:CF6TLgBk
下がりまくり…
709 :
705 :2005/05/18(水) 17:04:29 ID:RR65lPnz
ここはやはり勝×炉コロンの新フラグだな。
710 :
名無しさん@ピンキー :2005/05/21(土) 05:38:50 ID:PuB1/zBr
↑掻いてくれ
712 :
名無しさん@ピンキー :2005/05/25(水) 22:59:24 ID:312zRTtZ
あげ
よーし、おいちゃん陵辱物描いちゃうぞ〜
がんがれ!
715 :
名無しさん@ピンキー :2005/05/29(日) 01:36:13 ID:WglqLLFd
ゲメル
鳴海×ミンシアとか、鳴海×ファティマとかは、全く需要がないのかな
性獣の槍はただの釣りだったのか?( ゚д゚)ノ
719 :
性獣の槍 ◆Qs2eC/BXvM :2005/06/03(金) 04:31:49 ID:FcwNQRYp
>>718 時間と暇が無いんだよね
礼子編は構想はまとまっている
>>718 そりゃぁ一般人は時間が無いのは当たり前だよ
構想を考えてくれてるだけでもありがたもんだよ
ネームレスのエレ陵辱話、今だに読み返すくらい好きだ
キャラにもよるだろうけど あそこの毛は生えてる方が萌える? それとも生えてない方が萌えるかね? 真由子とか、産毛のちょっと濃いようなのが申し訳程度に生えてるとか想像したら 結構いい感じなんだが
723 :
名無しさん@ピンキー :2005/06/15(水) 23:50:24 ID:Wzy/TcWh
なんで線が荒いのに藤田漫画の女キャラはエロいんだろうな? 燃えよペンを見るかぎりじゃやっぱ魂吹き込んでるのかねぇ? ま、鳴海が羨ましいと俺含めて、みんな思ってんだろうな 勝もハーレム状態だけどな
鳴海も勝もそのぶん酷い目あってるがなw 女キャラに魅力があるのはみんな性格良くて一途だからじゃない? 勇だけは可愛いと思えないけど…あの髪型はヤジロベーじゃん
それだけ御菓子甲斐のある少女よ
CD-ROMイラストの勇は可愛いぞ しかしあの髪型は正面向きが、ヤヴァイ
勝は犯っちまうわ♪
>>728 勝を犯るのか?
ウホッな展開のSSは勘弁してほしいぞ。
今の勝なら鳴海すら犯っちゃいそうだ
分解で手足封じて鳴海を押さえ込む勝タン(;´Д`)ハァハァ
733 :
名無しさん@ピンキー :2005/06/21(火) 22:13:26 ID:YcHx+C1e
801板にスレ作ってそちらでどうぞ
おじいちゃんが死ぬまでの勝は好感度が最高潮だったが 以後のクロガ村のぐだぐだで落ちるトコまで落ちたんで 勝自身には萌えられんということでFA?
つぅかアレだな・・・本来少年キャラってのはエロで使う場合は 受身にすることがだいたい好まれるが、自我が確立しすぎて無私な勝は少年らしくない・・・ つうか付け入る隙がなさすぎなあたり、エロに使いにくいのかね? まあ・・・勝自身がむかつくって奴がおおいんだろうが・・・
なんつーか間違いを犯さない感じがある>勝 しろがね見慣れてるせいもあるんだろうが 鳴海のほうがキョドってくれそう。 ギイはテクはあっても貧相、しかも意外とノーマルな感じ。
勝はカマトトで子供らしさを装ってるあざとさが見えて萎え。
実はもう中身が入れ替わっています
東北の旅館の美人女将、史代さんのお話でも。 史代は多忙な一日を終え、ようやく就寝しようとした所を、泊り客である2人組の大学生に襲われた。 一人に背後から羽交い絞めにされ、髪を染めた方が、浴衣の裾から手を差し入れてくる。 「な、何を!?」 「いいじゃないですか。旦那さんが亡くなってから、ご無沙汰なんでしょ?」 背後の男、即ち香上が耳元で、未亡人へのお約束を囁いた。 「そ、そんな、や、やめてくだ、んんッ」 みなまで言わせず、香上が唇を重ねた。胸元を割って入った腕が、下着を着けていない胸をまさぐる。 史代の必死に閉じていた脚が緩み、下から伸ばされた片山の手が、最も敏感な部分を刺激した。 「ヒッ」 「ほら、嫌だって割には、もう反応しちゃってるじゃないですか」 指先の湿りを見せながら、これまたお約束を片山が呟く。 史代の抵抗はすっかり弱弱しいものとなり、布団の上へと崩れ落ちた。 香上は背後から抱きかかえたまま胸を揉み、首筋や耳を舐めてくる。 「アウッ。い、いやぁ、や、やめ・・・し、詩織が、起きて・・・」 片山は畳み掛けるように緩んだ脚を掻き分け、顔を埋めてきた。 「素直じゃないなぁ。ほら、これでもやめて欲しいんですか?」 言いながら、既にたっぷりと潤った亀裂に舌を這わせる。
「アァッ! や、いや、あ、アァン」 堪らず史代が鼻に掛かった声を出す。 「ほらほら、あまり大きな声を出したら、詩織ちゃんが起きてきちゃいますよ?」 男の言葉に、一瞬ハッとした史代は、慌てて自分の指を噛んだ。 「んんっ、んぐっ」 片山の舌が、亀裂をなぞり、敏感な突起を転がす。史代は必死で声を殺す。 「そんなに噛んだら、綺麗な指が台無しですよ。俺が口を塞いであげましょう」 そう言って香上が離れると、史代は四つん這いにされた。気付くと、目の前に硬くなった男の器官がそそり立っていた。 「ほら」 香上が、グイッと史代の口許に押し付けると、史代はさして抵抗もせず、それを口に含んだ。 「んじゃ、俺はこっち。お先。」 片山はそう言って史代の腰を抱えると、背後から一気に史代を貫いた。 「んあぁっ!」 片山は若さに任せ、グイグイと史代を突き上げる。 「んんーっ。ん、ん、ングッ」 初めはぎこちなく口で刺激していた史代も、後ろからの責めに合わせるように、激しく舌を使い始めた。
「うあっ、そ、そんなにされたら、俺、もう・・・。おい、片山、代わってくれ」 咥えられた香上が、喘ぐように言った。 「分かったよ。仕様が無ぇな」 片山は、そう言うと動きを止め、ゆっくりと引き抜いた。 香上はもどかしげに場所を代わると、早くも爆発しそうな己の一部を、一気に史代の中へと沈めた。 「アウッ」 史代は小さく呻き、がくりと頭を下げた。しかし、片山のモノが目の前に差し出されると、今度は自分からむしゃぶりついた。 「あぁっ、ん、んぐ、んぐっ」 香月は、先程の片山を凌ぐ勢いで、出し入れを繰り返す。 「おぉ、やっぱこっちは・・・凄ぇや。最高だな。悪ぃが、先に・・・イクぜっ」 香月は最後に深々と突いて一旦動きを止めた。 「んーっ!」 史代が片山を咥えたまま、ビクンビクンと身体を震わす。 そして香月は引き抜くと同時に、史代の尻から背中にかけて、勢い良く放出した。
史代はようやく片山から口を離すと、グッタリとうつ伏せになった。 「おっと、もう1本ありますよ」 片山は再度場所を変えると、今度は史代を仰向けにして、己を沈めこむ。 「あうっ!」 「くぅー、締まるなぁ。とても子供を産んでるとは思えないぜ」 片山は、またもやお約束を口にすると、先程のようにガムシャラではなく、リズミカルに腰を打ちつけ始めた。 「も、ダ、メ・・・」 何度目かの絶頂を迎えた後、史代が、息も絶え絶えに呟いた。 「よぉし、俺も、イクぜぇ!」 やはり片山も最後に深々と突き入れ、一旦動きを止めた。 「!」 史代はシーツを握り締め、背を仰け反らせて最後の絶頂を迎えた。 片山は引き抜くと同時に史代の顔の方へ移動すると、そこでたっぷりと放出した。 「顔射かよ」 「へへ、1回やってみたかったんだよね」 香月の言葉に、片山がニヤリと笑って答えた。 「よーし、俺も次やろっと。おい、ちゃんと顔、拭いてやれよ」 言いながら香月が、史代の脚の間へ身体を入れた。 「お、お願い・・・もう、無理・・・」 「何言ってるんです。まだまだ、たっぷりと可愛がってあげますよ」 史代の弱弱しい哀願も虚しく、香月は笑いながら、元気を取り戻した部分を、史代の中へと侵入させた・・・
マニアックすぎw
このスレには潮と麻子、とらと真由子のような純愛に萌える層と 真由子やフランシーヌが甚振られるのにはあはあする鬼畜層が混在していると見た
>>744 同じ人間の意識の中に混在してますが何か?
どっちも好きさ!
746 :
名無しさん@ピンキー :2005/07/05(火) 19:19:26 ID:C1vb7z2T
保守りんこ
おいおい…ageてるヤツがいるぜぇ? どーでもいいけどさぁ… もう来んな
748 :
名無しさん@ピンキー :2005/07/08(金) 03:08:50 ID:u1AyB7qg
はいすいませんもうageませんもう来ません来ますさようなら
ホシュ
ナイア×フラッシュジミーとか
751 :
名無しさん@ピンキー :2005/07/25(月) 10:31:00 ID:RmiEU9AJ
下がりすぎも考えもんだと…
とら真由エロ熱望保守
以前書いたものがあったので貼ります。 配役と文章に問題はありますが…。
僕が彼女に出会ったのは、中学3年の短い冬休みを利用して 苫小牧の親戚の叔父の家に厄介になっていた頃だった。 「うん、大丈夫。冬休みが終わる頃にはちゃんと帰るよ… お母さん、そんなに心配しなくてもいい。僕は以前とは違うから」 そう、去年の夏休みの後の事件で、僕は生まれ変わった。 あの日本中、いや、世界中を恐怖の渦に陥れた白面の者の恐怖をも乗り越え 真っ直ぐに立ち歩む勇気を手に入れた。 ……いや、そんな大それたものじゃあないな。 ただ、人並みに歩み出せるようにはなったつもりだ。 以前の僕は俗に言ういじめられっ子だったのだから、 その頃に比べると遥かに成長していると思いたい。 「わかった…うん、おじさんにも伝えておくよ。じゃあ、また」 そう言って会話を切り上げ受話器を置く。久しぶりの母親の声が名残惜しくはある。 しかし、もうすぐ高校受験だ。 息抜きを兼ねての北海道滞在とはいっても勉強を欠かすわけにはいかない。 それに、市外電話じゃ電話料金もバカにならないし。 さて、おじさんが用意してくれた勉強部屋にでも篭るかな、と考えてたところ… 「ピンポ〜ン♪」 「おじさんたち出掛けて居ないのにお客さんかなあ…集金とかだったらどうしよう?」
「どちら様ですかー」 玄関先から訪ねる。 「隣の檜山ですけど、回覧板です」 おそらく僕と同じ年頃と思われる女の子の声だ。 「はいはい、いま開けま……わわわっ!?」 濡れた玄関の床は寒さで氷が張っていて、僕は足を滑らせてしまった。 そのまま扉に突撃し、なんとか転ぶことだけは回避できた、が… ぽふっ。 あ、なんか柔らかくて心地良い感触が、顔と右手に。 あまりも触り心地が良いので思わずそれをまさぐってしまったり。 「はっ!?ゴメ…」 「ちょっと…アナタねえっ…!」 その子との出会いは最悪だった。 痴漢呼ばわりされて殴られるわ蹴られるわ…。 用事から帰って来たおじさんたちは 僕の顔についた平手の跡と話を聞いて笑ったけど、まったく冗談じゃないよ…。
──翌日 気分転換の散歩に出たところで 昨日の女の子とばったり出くわしてしまった。 彼女はこちらの姿を目に留めるなり睨んできた。激しく。 「あ、あのさ…昨日のことは悪かったけど、あれ、わざとじゃ……」 誤解を解こうとしどろもどろで言い訳をする。 「わかってるわよ、そんなこと!でもね、女の子があんなことされて、 はいそうですかって許せると思う?」 「確かに…ゴメン」 まだ睨んでる。 そこで僕はこの、ちょっと元気の良さそうなこの女の子の名前を知らないことに気がついた。 「ええっと、君は檜山さん、でいいんだよね?」 「檜山勇よ」 「ありがと」 「私が名前を教えたんだから、貴方もさっさと教えなさい」 「冬休みの間の短い付き合いだけど、よろしく。僕は…」 そこで初めて彼女、檜山勇の笑顔を見た。 素直に、可愛い。そう思った。 性格にはちょっと激しい部分があるみたいだけど… 僕の名前は野村信一。 青函トンネルの妖怪事件で蒼月潮という少年に会い僕は生まれ変わった。 そして、先生のような、生徒と正面から向き合える教師になると決意したんだ。
そうきたか。確かに考えてみれば設定的に在り得る出来事だ。 ●の事●とか言ってたけど、俺の中で勇に昇格するかも。 がんがってくれ。
アナルの勇!アナルの勇!
「ふう…雪ってこんなに重たいんだな」 僕は昨夜の大雪で積もりに積もった雪を除雪している。 これは受験勉強で篭りっきりでの生活からの運動不足の解消も兼ねて 自ら申し出たことだった。 それに思った通り…隣の家の軒先に目をやる。 「ようやく、半分ね」 そう言って勇ちゃんが笑いかけてくる。 微かに疲労の色と汗が浮かんだ熱っぽい表情と視線に思わず手を止め 見とれてしまうが、はっとして笑い返す。 「ひょっとして、いい感触なのかな…」 そこで受験のことを思い出し、いかんいかんと首を振る。 女の子のことより、今は勉強第一だぞ、野村信一!そう自分に言い聞かせる。 「なにやってるの?」 「わあああああああああああああああああああっ!!!!」 脳内で苦闘していることろをいきなり話しかけられ 本気で驚いていまった…話し掛けた勇ちゃんもびっくりして尻餅をついている。 「き、急にどうしたのよ?あ〜あ…濡れちゃったじゃない!」 不機嫌そうに頬を膨らませ睨んでくる。 でも、もうこの間みたいな敵意のある視線じゃない。 その表情に、またぼうっと見とれてしまった。
確かに可愛い子だけど…溜まってるのかなあ そういやこっちに来てから…なんてことを考えてたら また顔を覗き込まれてるのに気がついて我に返った。 しまった、今の妄想を考えると思い切り気まずいじゃないか。 「そ、そういやさ、北海道ってやっぱり相当に雪降るんだね。 こんな一面白銀の世界なんて生まれて初めて見るよ」 「う〜ん、私は去年苫小牧に来たばかりでよくわからないんだけど…」 「元々ここが地元じゃないんだ?」 「うん」 話題をそらすのに成功して内心ほっとしていた僕は、 おそらく悲しげな表情をしていただろうその時の彼女の様子には気が回らなかった。 「でも、北海道では苫小牧は雪が少ない方で、こんなに積もることは 滅多にないらしいよ。札幌やうしお君のおじさんの家がある旭川はもっと雪が深いらしいけど…」 「えっ、なんだって?」 「あ、ゴメン。うしお君ってね、私のお友達で──」 「その『うしお君』てひょっとして、あの、蒼月潮?」 母さん、世間は広いようで狭くもあり…なんてことを考えたりもした15歳の冬でした。
神様あぁ神様!どうか真由子ネタをご投下下さい! とら真由、キリ真由、潮真由、麻子真由、さや真由、真由子が乱れる姿をどうか神様あぁ神様!
↑激ワラタw
とら×かがり ってのが個人的に劇萌え。 かがりの報われない恋心てのがいいのかなぁ・・・ 公式カプはとら真由だろうが、それが分かっていても激しくこのカプが好きだ。 SS読んでみてー。(かがりエロ体形だしw)
>>752 純愛かどうか分かりませんが、コロンビーヌ攻め攻めでおながいします。ゴスロリはぁはぁ
でもコロンビーヌが陵辱されてるのも見たいと思ったり。すみません。生まれてすみません。
俺はリーゼがいいなぁ
_, ,_ ∩ ( ゜∀゜)彡 かがり!かがり! ⊂彡
ながれ豚切ってスマソ ブリゲッラでエロが見たいと思ってるが そんなキャラじゃないのと あれの興味を引くほどの格闘家の女が居ないだろうな
ミンシア姉さんが居るではないか
ミンシアじゃあうでっぷし的に無(ry)
ブリゲッラに「君はつまらん」とか言われて陵辱されるミンシアねえさん希望。 しかしスゲエ名前だなあ、ブリゲッラ。
おまいさんはネタの神か まさに そ れ だ ! ブリゲッラのフルネームも長いし発音しにくいし。 てか彼の素顔はいつか明らかになるんだろか
「私、うしお君が好きだったんだ。でもね、彼にはずっと昔から… 私と会う、ずぅ〜っと前から好きな人が居てね…」 雪ハネを終えると、僕の勉強部屋に勇ちゃんを呼んで色々な話をした。 勇ちゃんを連れて家に帰った時はおじさんたちに冷やかされたが。 「そうなのよ、信ちゃんったら受験が控えてるのに女の子を連れ込んでね うん、うん、その子が隣の家の勇ちゃんて子なんだけどね」 階下から嬉し気な話声が…まる聞こえだよおばさん。 電話の相手は、僕の実家か。 こりゃあ、後でなにを言われるやら。 勇ちゃんと2人して真っ赤な顔を見合わせたのは 気恥ずかしくも嬉しいことであるが。 「じゃあ、その衾って化物にお父さんを殺されて…大変だったんだね」 「その衾や白面のせいで亡くなった人、親が死んで残された子供も多いんだし、 私だって特別じゃないよ」 「勇ちゃんは、強いなあ…」 以前は妖怪の存在も、身近な人が死ぬなんてことも考えすらしなかった 僕からしてみたら、勇ちゃんは本当に強い子なんだと思えた。 人は死を身近に感じて、より成長できる。 もちろんそうではない人も多いだろうが、僕はそうだった。 運が悪ければ、初めて出会った死の予感にあのままあの世まで連れて行かれてしまっただろう。 僕も勇ちゃんも、妖怪の餌食になりかけたところを 運良く不思議な槍を使う少年、蒼月潮と同席したが為に命拾いをしたのだ。 2人の内どちらかの運命の歯車がちょっとズレていたら… すでにこの世にはなく、こうして出会うこともなかっただろう。 蒼月潮は2人の、いや、今生きている日本中の人々の恩人なのだ。
「で、神居古潭での話なんだけどみんなでうしお君をね〜」 そう考えると、勇ちゃんがこうして繰り返し蒼月の名を口にするのも 悔しくはないと思える。 蒼月潮の名を声にするときの勇ちゃんの目は輝いている。 その時の視線はすぐ側にいる僕なんて目に入らないようで、 憂いを帯びた表情はなんとも表現し難い。 ……やっぱり、ちょっと悔しいかなァ。 「勇ちゃん」 「え?あ、ああ…ごめんネ。私ばっかり話すのに夢中になっちゃって」 「僕じゃ、蒼月の代わりになれない、かな?」 時間が止まった。 僕は勇気を振り絞って勇ちゃんに顔を寄せる。 僕以上に勇ちゃんの鼓動も高鳴っているのが感じられる。 「でも、まだ私たち会って数日しか経ってないよ…」 「関係ないよ。僕、勇ちゃんを好きになっちゃったみたいなんだ」 「べ、勉強だって、受験だって…あるし……」 「それも、関係ない」 「わ、わからないよそんなの、急に…信一君は、いい人だけど…」
ドクンドクンドクン…と、僕達の感情の高まりなど知らず CDコンポから呑気に流れ続ける音楽さえ掻き消すように、 まるで2人の鼓動が空間に響き渡っているかのようだ。 彼女は、怯えて震えている。 それは今までと違う男の僕が恐ろしくてなのか、 僕の想いを受け入れる事で彼女の中の蒼月が消えてしまうのが怖いのか、それはわからない。 ただ、身を縮こませて震える勇ちゃんは、 僕が知っている明朗快活な姿からは想像できないほどに小さく弱弱しく見え、 守ってあげなくてはという想いが強烈に芽生える。 ( 蒼月潮…男ならさ、こんな勇ちゃんを、ひとりぽっちにさせちゃあいけないだろ? ) 「あっ!?」 勇ちゃんへのいとおしさが弾け、我慢できなくなった僕は彼女の肩を掴みグッと身を寄せた。 互いの震えと鼓動、そして温もりが伝わり理性が崩壊しそうになる。 彼女は僕の目から視線を逸らさない。いや、逸らせないのだろう。 その潤んだ瞳に吸い込まれるように僕は顔を近づけた。 「だっ…だめだよ…」 「なにが?」 更に顔を近づける。 僕の中で、性欲が彼女への純粋な愛情を凌駕し、膨れ上がって爆発しそうだ。 もう我慢できない…。 頭の中が真っ白で勢いに任せてこのまま勇ちゃんを押し倒してしまいそうだ。 ふと、彼女が視線を落とす。 「ゴメンネ…」
勇ちゃんのその一言で、切れてしまいそうだった理性を取り戻した。 僕は、何をしようとしていたんだ…欲望のままに彼女を汚してしまうところだったのか。 そう思うと情けなくて涙が出てくる。 「僕こそ、ゴメン。勇ちゃんを怖がらせて、傷つけて…」 「ううん、いいよ。……信一君」 「え?」 頬に柔らかい、優しい感触。 「今日はこれで、許して、ネ?」 勇ちゃんが恥ずかしそうに微笑む。 何が起こったか一瞬理解できなかったが、釣られて僕も笑い返す。 はっとして頬に触れ、彼女の唇の感触を思い起こし、顔を見合わせて再び微笑み合う。 許すも許さないもないじゃないか。 その笑顔で許されたのはむしろ、僕の方なのだから。
そうして我に返り、自信の行動と言動を思い返し、そして、止めに頬へのキス…。 僕の頭の中は完全に舞い上がっていた。 「じゃ…じゃあ受験勉強の続きでも、しししようかあ〜!」 「ちょっ、とォ…信一君っ!?」 ズてテ〜ンン!! 「イタタタタ…」 ロクに前見ないで狭い部屋を歩くもんだから お約束っぽく勇ちゃんに突撃をかましてしまった…。 もつれて倒れ込む2人。 更にお約束っぽく。 「はれ?」 手にふにふにと柔らかな感触。 「ゴッ…ゴメ…」 「…っ、きゃ…!」 ガシャーン なにやら後方で物を落としたような音が。 最悪の事態ってやつ、そこには差し入れを持って来たらしいおばさんが。 「し…信ちゃん、貴方…なななななああああああああああああああああああっ!!!!!!」 「わわっ、わわああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」 「きゃああああああああああああああああああああああああっ!??????????」 がっしゃーン、ドーソ、ばっしゃーん 訳も分からず3人で部屋を走り回る。 ご近所まで響き渡る迷惑な悲鳴を上げながら。 いろいろと賑やかな、1日、で、した…はあ〜あ。
麻子:14歳、彼女のいとこによって処女喪失。潮とは16歳時。 真由子:11歳、輪姦され処女喪失。その後、潮に慰めて貰う(潮脱童貞)。鏡魔、とらとの新婚初夜等。霧雄とは16歳時。 礼子:15歳、間崎によって処女喪失。父親の呪縛から逃れてすぐの事。 小夜:幼少の頃から地元の男子に悪戯されていた。彼女の家族は子を生ませる為に黙認。 勇:12歳時、大好きな厚澤さんと。父親の飛行機事故の後、因縁つけられ輪姦される。
礼子は父親にじゃないのか
780 :
名無しさん@ピンキー :2005/09/01(木) 21:04:34 ID:kmu5yQSu
そろそろヤバス age
コロンビーヌ×マサルきぼんぬ
むしろコロンビーヌたん受けで。
>苫小牧の人 こっそり楽しみにしてる。 空気が感じられる文章がいいですな。
今週号の展開てどうなん? …と21歳以上の皆様に聞いてみるテスト (メル欄1)を取り戻すには絶対(メル欄2)が絡んでくると思ってたのに
そんなことより早くコロンビーヌたんを出せよと思った。
完璧超人むぁっさーる様には誰も勝てないのです 髪無し…orz
ブリゲッラ女体化も読みたいです>< ていうかずっと女だと思ってたよ 本編のアルレとの絡みに萌えてたのに
鰤ゲラ、男だと確定した描写って出てたっけ?
ナレーションで「彼」って出てた
790 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう :2005/09/11(日) 01:53:44 ID:+K5g5XGQ
コロンビーヌとかディアマンティーナって、まんこ付いてるの?
うしとらネタだが潮×水乃緒を妄想。 潮に胸キュンしてしまった水乃緒。 だが外堂と戦った時に潮がプッツンした理由を考えると、 勝ち目ねぇーと思った水乃緒は……以下妄想駄文 「なっなな何すっ、何してんだよ設楽!?」 水乃緒は突如潮に接吻したかと思うと、スルスルと衣服を脱ぎ始めた。 胸に巻かれたサラシと色気の無い下着も脱ぐと、水乃緒のスラリとして小麦色に焼けた裸身が表れる。 「蒼月…おまえがあの中村に惚れちょるのはわかっとる…けどな、あたしもおまえに惚れてしまったけん。 おまえが中村のコトをどれだけ好いておるかと思うと、あたしは身を引いたほうがよかと思う… あたしは明日四国に帰る、ほしたらもう二度とは会わんじゃろ」 会おうと思えばいつでも会える。だけどもう一度逢ってしまったら、きっと自分の気持ちを抑えられない。 「じゃから…じゃからな、最後に情けをくれてやると思って、あたしを抱いて欲しい。 あたしに、蒼月の痕(あと)を残して欲しいんじゃ…」 潮が躊躇していると、耳もとでとらの声がした。 『うしお…据膳食わぬはなんとやら…だぜ、抱いてやったらどうだ』 『とら!?どこにいるんだよっ』 『おめえの髪の一本に化けてんのさ。それになぁ…うしお、こういう時は女に恥じかかせるもんじゃねえぜ』 心なしか、とらの声は愉快そうだった。 なにが据膳食わぬだバカヤロ、と思った潮だが、 「ほっこぉ、あまりじろじろ見るなや…」 と言って、頬を赤らめて顔を伏せた水乃緒を見ると、己の男根が起立していくのを感じていた。
…続きを書く気は一応あります。
また〜り純愛っぽいのが続いておるが鬼畜ならどこまで可なんじゃあ 輪姦?スカ?妊娠?人体改造?美神さんぼかーもう?美少女ぶち殺し萌え(富野)?
>>793 スカは既にあったはず。輪姦はどうかなぁ…
>>793 投下前の注意書きに「輪姦等の気分を不快に感じさせる描写あります。
苦手な方はスルーを」と書けばいい。
それで「輪姦イクナイ!」「気持ち悪くなった。責任とれや! ボケェ!」
なんて叩く人間が現れたら、スルーできないそんな人のほうがアレな
んだから、無視すればよろし。
つーか793がそれを書く気があるのかどうか。 それとも単に請求してるだけなのか?
書く気はあるというか、うしとらネタで書いてはいる。 完成まで時間掛かりそう&長くクドくなりそうだけど。 でも、連載中盤のネタでキャラをどういう設定にしていいか迷ったり(処女非処女とか) どこまでやっていいかの程度で迷ったり…。 もう、最初から連載中のネタを全部エロネタ化するかとか、 HTMLで選択式のノベルにするかとか、 フリーソフトで(ryとか妄想したりしてるw
煽りじゃなくて単純な疑問なんだけど… ミンハイは強くなりすぎちゃって、もはや敵無しに思えるのだが、パワーバランスはどうするんだろ。 最後の四人の面々なんか、ミンハイと戦ったら一瞬でぶっ壊されそうな気がするのだが。
>>798 ブロム戦でもちょっと本気出しゃ勝てるのに、無理矢理苦戦させられてて
すごく間抜けに見えたよね。
800(σ´D`)σゲッツ!!
801(σ´D`)σゲッツ!!
全角ワロス それはそうとエレオノールの「鼻糞」ネタは流石に萎えたな。 それ以来エレオノールは嫌いになった。
>>802 いったい何があったんだ!?
最近よく読んでないのでわからん………
鼻糞……エレオノールにいったいなにが………
>>802 嫌う相手が違うだろw
それ書いた職人に文句言え。
18巻の真由子の腰のくびれとお尻のラインと柔らかそうな股間と細くて美味そうな足や 2巻と最終巻の純白で清楚なお嬢様っぽい服装を見ると その下の恥毛やスリットから顔を覗かせる肉ビラを想像したくなる… 普段のミニスカ姿なら容易に黒々と生え揃った陰毛とビラビラを想像できるのだが あの清純な服装と笑顔を見ると…ああっマンダム!
いいから早くコロンビーヌたんを出せ! 戦いに傷ついてゴスロリ服もボロボロになったコロンビーヌたんが見たいんだ!
学年で仲の良い男女数人が集まっての海水浴での出来事である。 最初に「それ」に気がついたのは厚池だった。 見間違えか。 夢じゃないのかと首を激しく振ってみる。 いや…見間違えではない。 確かに見える。 パーン、自分で頬を叩いてみる。 痛い…間違いなく夢ではない。 「どうした厚池〜」 先ほどから身動きもせずにボ〜ッと突っ立ってる厚池をからかおうと 彼とよく行動をともにする横尾がやってきた。 「さっきから君はボサッと…なにしとんの?」 「いや、さ…井上さんなんだけど」 「井上さんがどうした…あ〜さてはお前、狙ってんな!? 先に唾つけた、もとい肩に手をかけたのは俺だぞ!!」 「お前…いつの間に…いや、そうじゃなくてよ」 「あによ」 「井上さんの今日の水着、白いよな」 「それで?」 厚池が水辺でビーチボールをしている真由子を黙って指指す。 その指を下方へもっていく。 釣られて横尾の視線が下がった。 「あっ!」 「それ」に気がついた横尾が声をあげた。 顔を見合わせる2人。 「な?」と目で合図する厚池に横尾が目で頷く。 2人の表情がスケベな妄想をしている時のそれに変化した。
「それ」とは─── 真由子はちょっと子供っぽい、短いフリルのスカートのついた白い水着を着ていた。 スカートの影になって見えない時もあるが、 その股間の部分が海水に濡れて、くっきりと栗色の茂みが浮かびあがっていたのだ。 真由子も、一緒に遊んでいる女の子たちも夢中で気がついていない。 しばらくすると、ビーチバレーの輪に加わっていた男子のひとりが厚池と横尾の方へやってきた。 「お前ら…気がついてるんだろ?イ・ノ・ウ・エ・さ・ん・の…」 さすが男の子というか、女の子を見る視線の鋭さでは2人に負けていない。 こくこくと頷く2人。 そこへ「なんの話だ」と別の方へ行っていたひとりが加わる。 「井上さん、やっぱりあそこの毛も茶色いんだなあ」 「濃さは?濃いのか…いや、清純な井上さんだからきっと薄いに違いない」 「見えないのか?」 「ここからじゃちょっとな」 「一緒に遊んで近くにいた俺はわかったぜ」 「で、どうよ?」 「イメージよりは、ちょっと濃い目かな」 「さすがにあそこまでは見えないよな…」 思春期真っ盛りの中学生である。 一度そっちの方向へ行ってしまった話題は止まることを知らない。 その様はもはやエロ親父の集団の様相を呈していた。 「誰か、カメラ持ってないか」 その言葉によりある作戦が立案、迅速に決行される。 もちろん真由子の水着姿を、というよりも水着が透けて 浮かび上がる秘毛を激写するためである。 カメラは横尾が防水のデジカメを持っていた。 男子たちは真由子や女子らに意図を悟られないようにビーチバレーの輪の中に加わった。 横尾はカメラマンとして。 「カメラマン」という言葉を聞いた女子たちが、訝しげな目つきで男子たちを見渡す。 男子諸君のよこしまな思惑など、本来ならば女の子たちは見透かしているはずだった。 女の子の自覚があるのか、いつも通り能天気で無防備な真由子以外は。 しかし、今の彼らの目的は彼女たちの眩しい水着姿ではなく、 真由子の恥ずかしい部分、そこ一点であった。
「まあ、いいけど…変な目でみないでよ〜」 口ではそう言いつつも、一様にまんざらでもない様子である。 むしろ横尾に対して「可愛く撮ってよ」という期待の念波が痛いくらいに突き刺さる。 横尾はそれを察してか「ナムサンッ!」と口の中で唱える。 君らは適当にしか撮らないよ、という意思表示と非難に対する覚悟である。 それでこそ男の子というべきか、否か。 男子は女子の視線から真由子の姿を隠すように布陣を組む。 誰かに水着が透けているのに気がつかれてしまうことのないようにである。 横尾は適当に走り回りながらシャッターを切り始めた。 もちろん真由子の下半身を主役として。 ビーチボールを隠れ蓑としての 「真由子のスケスケ水着激写計画」は順調に進行していた。 「きゃっ」 不意に強いボールを受けた真由子がバランスを崩す。 キラーン…厚池、横尾たち男子の間でなにか次元を超越した存在が目を覚ました。 この後数秒の男子たちの連携は神業の域に達していただろう。 横尾はこの瞬間をあらかじめ知っていたかのように一瞬で「連続撮影」に切り替える。 男子たちは横尾が撮影しやすいように、女子から真由子が見え難いように 驚くべき素早さでポジションを整える。 真由子がカメラに大股開きを向けて倒れていくところから、 厚池が手を貸して助け起こすまでを激写し終え、我らの英雄横尾はついに力尽きた。 厚池たちには横尾の心身の疲労が股間が痛いほどよくわかった。 期待通りというべきか。 水に濡れて透けた純白の水着は、恥毛だけではなく 恥ずかしいスリットからお尻の窪みまでをもくっきりと浮かび上がらせていた。 しかも、真由子が足を開いたがために 割れ目の内側の薄桃色の媚肉さえも僅かにはみ出て見えた。 それを極限の集中力を持って直視し脳裏に焼き付けた厚池たちもまた… 前屈みによる戦線離脱を余儀なくされた。 突如卒倒した横尾を引きずっていく厚池らをポカーンと見送る女の子たち。 結局、彼女たちが真由子の水着が透けているのに気がつくことは最後までなかった。
民宿へ戻った厚池と横尾たちは部屋にこもりデジカメの画像を確認していた。 女子たちには「後で選んで現像する」と言っておいた。 「横尾…すげえ!」 「横尾さん神!!」 「天は…エロに命を賭ける者にエロ才を与える」 横尾の驚異的なカメラワークに賛美の声をあげるエロ魍魎ども。 真由子の動きに合わせてスカートが捲くれ上がった時のみならず、 隙あらばカメラの視点を下げて激写。また激写。 誰も気がつかないくらいの早業である。 それでいてなお、文句を言われないくらいに他の女子の写真もきちんと撮っていた。 渡せないものを除けば、むしろ真由子の写真の方が少ないくらいである。 そして、肝心の例のシーンの写真であるが───。 「この後だ…」 ごくりという唾を呑む音。 真由子がバランスを崩し片足を上げる。 この段階でぷっくりとした土手と中心のスリットが見えている。 さらにもう片方の足がツルリと滑り、大股開きで頭から水面に落ちる。 この間、カメラは恥部を正面に捉え続け、 しかも横尾は手動で少しずつズームに切り替えていた。 最後は水着越しとはいえ未成熟な局部の度アップである。 「なんだこりゃ?」 知らない間に部屋に入って来た潮が デジカメに写る真由子の秘部画像を見て言う。 「うわわわわわわわわわわっ!?」 慌てふためいてカメラを隠す厚池たち。 「なーにやってんだおまえら?」 「いやーちょっとデジカメの調子が悪いみたいでよ」 「そーかー…せっかくの記念なのに残念だな」 「は…ははっ、まーな!」 「おまえら、晩飯食わんのか?」 「いや、遊びすぎて疲れちまってよー後で行くわ」 「あんまり遅いと俺が全部食っちまうからなー」 潮がドタドタと階段を降りて行く音を聞いて全員がホッと胸を撫で下した。 「潮には内緒だからな」 「おうっ」 「で、どうするこの井上さんの写真」 「エロ雑誌の読者投稿に出すとか」 「はっきり写りすぎだろこれは」 「学校で売りさばく!」 「そりゃバレたら…死ぬぞ」 「この写真をネタに井上さんを脅していろいろやっちゃう、とか…」 「お前はエロゲのやりすぎだ」 結局、この場にいる皆の夜の友になるということで話の決着はついた。 余談ではあるが、横尾がネット上で流した写真は 今でも時々見ることがあるという。
てわけで即興で書いてみました
なかなか良いね! こういう庶民感みたいなssおもしろいよ。
>>802 多分俺の書いた奴だな、それw久々覗いて思い出した。
あの頃鬼畜って何やりゃ良いか判んなくて、有り得そうなの全部詰め込んだからな。正直スマンカッタ
つか、エレオノールは全然悪くないじゃん。実は俺も書いてて気持悪くなったから、それで許してくれ。
>>812 職人さん増えて賑わってんのかな?GJです。
真由子なら水着の下にスイムショーツ(だっけ?)穿かずに泳いでそうだしなぁ……
で、それに気付いた麻子に叱られるも、真由子は訳が解らない、と。
815 :
名無しさん@ピンキー :2005/09/23(金) 01:55:52 ID:l+Jm9JQU
ミンシアねーさーん に逢わしてくれ
ミンシア×鳴海の純愛キボンヌ
麻子という名のミンシア
「遺言T」の時だったか、明霞と百合が両方出てる回。 両者の違いが髪型が左右逆になってる事だけで、笑った覚えがあるな
拾い物で場繋ぎになるなら紅煉+白面があるが
コロさん、ぶっ壊れてしまいました。 もしも平野耕太なら、スゲー萌える破壊シーンを描いてくれただろうに、ちょと残念。