ファイアーエムブレム&ティアサガ第10章

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452ダミアン ◆.lt5gYzbQ.
この世の果てで恋を唄う少女(1)

「・・・ん・・・もう朝か・・・」
ノアは目を開いた。まばゆいばかりの朝日が窓から差し込んでいる。
「・・・ふあああ・・・あ・・・あれ?」
ノアは自分の体中を触ってみた。その身にまとっている衣類は、なにもなかった。
「まさか・・・俺、全裸なのか?」
ふと下のほうを見ると、天に向かって高くそびえる己のシンボル。
「ははは・・・」
なぜ自分がこうなっているのか、まったく身に覚えがなかった彼は、笑うしかなかった。
「・・・・・・う・・・ん・・・・・・」
すぐ隣で、寝息が聞こえるのに気づいた。
「のわっ!フィ、フィルさん!」
ノアが振り向くと、そこにいたのはフィルだった。もちろん全裸だ。
「・・・・・・んん・・・ん・・・」
寝息が小さなうなり声に変わると、フィルは上体を起こした。
まだ眠そうに目をこするフィルの胸に、ぷるるんと震える二つのふくらみ。
そしてフィルの目がしっかりと開いた。
「・・・ノ・・・ノアどの・・・?」
フィルはふとノアの体を見た。そしてすぐに自分の体を見た。
「きゃああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!」
耳をつんざくばかりのフィルの悲鳴が響いた。
「ノ、ノアどの!こ、これはいったいどういうことですかっっ!!!」
シーツで体を隠しながら、きっとノアを睨みつけるフィル。
「ちょ、ちょっと待ってくれフィルさん!俺にも何がなんだかさっぱり・・・」
「ノアどの!あなたを・・・見損ないました!」
体のすぐ脇に置いてあるはずの倭刀に手を伸ばすフィル。しかしその手はむなしく宙を舞うばかり・・・。
「あ、あれ?・・・な、ない・・・剣が・・・ない!」
そしてすぐにまたノアを睨むフィル。
「ノアどの・・・武器を隠してしまうなんて・・・何て卑怯なの!」
453ダミアン ◆.lt5gYzbQ. :04/07/05 22:50 ID:JIy8y7fs
この世の果てで恋を唄う少女(2)

「だ、だから、俺には全然身に覚えがなくって・・・」
「早く返してよ!」
ノアの両肩につかみかかるフィル。おかげですぐ目の前にフィルの胸が・・・
「そ、そんなに密着すると・・・」
「えっ?・・・きゃああっ!」
すぐに胸を押さえて離れるフィルだった。
「と、とにかく一度、冷静に話し合おう。」
「何を言ってるんです!ノアどのが無理やり私を連れてきて、エッチなことをいろいろしたに決まってます!」
「だから違うって!」

そのとき、ドアが突然開いて、ユーノが入ってきた。
「おはよう二人とも。よく眠れた?」
「ユ、ユーノさん!?」
そしていきなりフィルが声を荒げた。
「聞いてくださいユーノさん!ノアどのったらひどいんです。私が寝てる間に私を部屋まで運んできて、
全裸にして、武器まで隠したんです!」
それを聞いてユーノは微笑んだ。
「ふふふ。それは違うわ。あなたをここまで運んできて、服を全部脱がして、武器を隠したのは私よ。」
その手に握られているのは、まぎれもなくフィルの倭刀だった。
「ああっ!か、返してください!」
「ダメ。返さないわよ。」
「ユーノさん、一体どういうつもりですか!?」
ノアも口を開くと、ユーノはじっとノアを見つめた。
「ノア、あなた、言ってたわよね。『失うのが怖いから、親しい人を作らない』って。
でもね、人を愛するというのは、とっても素敵なことなの。恋する二人が、お互いに手と手を取り合い、
そして愛し合い・・・次の世代に子孫が残されていく・・・だから、ノア。あなたも・・・」
「ユーノさん?」
ユーノはにっこりと微笑んだ。