(ああ…とうとうやってしまいましたわ…)
雪広あやかの目の前には、一糸まとわぬ赤毛の少年が、
あどけない顔で寝息を立てていた。
(犯罪よ!いいんちょ!)
脳裏には無二のケンカ友達である少女の声が響いていた。
あやかは罪の意識から生まれた幻覚を振り払おうと、首を振った。
そこは、あやかの実家の屋敷、その寝室だった。
(メイドたちには休暇を出しました…明日の昼まで帰ってきません)
あやかは少年の顔に唇を近付けた。
(それまでは…ネギ先生と二人っきり)
あやかはまだ眠っているネギに接吻をした。
卑怯なことだとわかっていた。しかし、あやかにはもう、
この衝動を抑えることはできなかった。
その頃、3−Aの教室では、ちょっとした騒ぎになっていた。
「あれ…今日はネギ君お休みー?」
まき絵の問いかけに明日菜が答える。
「それがアイツ、昨日の夜から帰ってないのよ」
「えー、じゃあ失踪?」
「いいんちょの家に行くって言うとったんやけど」
「そう言えばいいんちょも休んでるわね」
「まさか…ねぇ。いくらなんでも」
頭に浮かんだ想像を、一同は否定する。
いくらあのいいんちょでも、そこまではするまい。
しかし、いくら振り払っても、その悪い予感は消えることはなかった。
「ん…」
ネギは意識を取り戻した。
(あれ…ここはどこだ…そうだ、僕いいんちょさんの家を訪問して…)
昨日の夜、ネギはあやかに「相談したいことがある」と言われ、
寮のあやかの部屋を訪れた。そこで出された紅茶を頂いている内に
意識が遠くなって…そこから先は覚えていない。
「気がつかれました、先生?」
「い、いいんちょさん!」
ネギは驚いた。あやかが全裸でネギに覆いかぶさっていたからだ。
「どどどうしたんですか、服を着て」
ここでネギは、自分も服を脱がされていたことに気がついた。
とたんに真っ赤になるネギ。
「ああ…可愛らしい…」
たまらずあやかはネギを抱きしめた。
素肌に感じる双丘の柔らかな感触に、ネギの心臓は高鳴り、息が詰まった。
「ど…どうして…いったい何がどうなってるんですか」
混乱しつつも意識を振り絞って、ネギはあやかに問いかけた。
あやかは少しすまなさそうにするとネギに答える。
「手荒な真似をしてすみません、先生。でも、もう邪魔は入りませんから」
ネギにはまだ状況が飲み込めなかった。それはそうだろう。
睡眠薬を飲まされ、拉致されただなんてネギの想像の範囲外のことだった。
「さあ、2人だけの世界へ…」
「ちょちょ、駄目ですよそんな、何をむぶっ」
ネギの主張をあやかは唇で封じた。
「むぐぐ・・・」
唇に当たる柔らかい感触。それは今までネギが経験した誰の唇よりも滑らかだった。
不意に唇を割って、何かが侵入してきた。
「!」
それは柔らかく、熱く、湿っていた。それはネギの口内をまさぐり、
ネギの舌に激しく絡み合ってきた。あやかがネギの唇を強く吸う。
呼吸が苦しくなり、ネギの意識が遠のいた。
口づけを交わしたまま、あやかはネギの手を取り、自分の秘部へと導いた。
されるがままのネギは、指先がべっとり濡れたものに当たるのを感じた。
そこは、洪水だった。
「んっ…むっ…」
あやかは唇を離さないまま、ネギの手を使って局部を撫で回し、喘ぎ声を上げた。
ぴちゃぴちゃという音が鳴る。ネギは、自分の腹に熱い液体が
降り注ぐのを感じた。
「ん…はあ、はあ…」
やっとあやかは唇を離した。放心状態のネギをしばらく見つめる。
「さあ、次は先生の番ですよ」
あやかはそう言うと今度は、少し膨らみかけたネギの陰茎を手に取った。
「ふふ…先生はここも可愛らしいですわね」
そう言われると何故だかわからないがネギは恥ずかしくなった。
あやかはゆっくりと、ぎこちなくそれを上下に動かした。
思わずネギは声を漏らす。
「あっ…」
10歳にもかかわらず、ネギの陰茎は機能を果たせるまで大きくなった。
「さあ、先生、ひとつになりましょう…」
あやかは中腰になってネギに跨ると、ネギのそれを手で導いた。
「だ、駄目ですよいいんちょさん、そんな…」
そう言いつつもネギはほとんど抵抗を示さなかった。
本気で払いのければきっと逃がれられるだろう。しかし、心の奥では
ネギは続けてほしいと願っていたのだ。それは、本能だった。
「う…」
ずぷり。
ネギの陰茎が、中ほどまであやかに埋没した。
今まで感じたことのない感触、熱く、強く締め付けられる感じにネギは呻いた。
あやかは苦しそうにしている。亀頭の先に、何かがつっかえるような感じがした。
ネギがあやかを見ると、それに気づいたあやかはネギに微笑みかけた。
「どうです…先生、気持ちいいですか…?」
「う…は、はい…気持ちいいです…」
それを聞いたあやかは心底嬉しそうに微笑んだ。
そして少し腰を浮かすと、再び、今度は一気に座り込んだ。
「う……んっ、う…あああーーーっ!」
何かを突き破る感触。ネギは全身があやかに包み込まれるような錯覚を覚えた。
ネギの陰茎は、今や根元まであやかに飲み込まれていた。
「はあ、はあ…ああ…ネギ先生……愛してますわ…」
「い…いいんちょさん…ぼ、僕…」
あやかは屈み込み、ネギと口づけを交わした。
舌と舌が絡み合い、ぴちゃぴちゃと激しい音が鳴った。
ゆっくりと口を離すと、お互いの唾液が混じりあい糸を引いた。
あやかは再び体を起こし、腰を激しく上下に動かし始めた。
「あっ、はあっ、ああーっ!ネ、ギ、せんっ、せえーっ!」
粘膜同士が激しく擦れ合う初めての感触に、ネギは未知の衝動を感じた。
必死にこらえるが、もはや幾ばくの猶予も無さそうだった。
「いいんちょさんっ、僕、もうっ」
「いいんですよっ、先生っ、そのままっ、中にっ」
「ああっ、出る、出ちゃいますっ」
「ああ、イキます、先生っ、ネギせんせえーーっ!」
あやかが絶叫して仰け反ると、ネギはあやかの膣が急激に収縮するのを感じた。
もはや、こらえることはできなかった。
「ああーーっ!」
あやかは体内に熱いエキスが放出されるのを感じた。幸せに全身が満たされていく。
そのままあやかは全身の力を抜き、愛しいネギにもたれかかった。
「ああ…ネギ先生…愛しています…」
そのままあやかの意識は闇の深淵に落ちていった…。
「…いいんちょさん、いいんちょさん、起きて下さい」
あやかが目を開けると、困った顔をしたネギがあやかの肩を揺すっていた。
「たたた大変ですよ、どうしましょう」
あやかが身を起こすと、ネギは窓を指差した。
カーテンの隙間からそっと下を覗くと、明日菜をはじめとした3−Aの
クラスメイト達が集まっていた。
「こらーっ!いるんでしょー!開けなさーい!」
「ネギくーん、大丈夫ー!?」
振り返るとネギは俯き何やら呟いていた。
「ぼぼ僕はどうしたら…責任を取らなきゃ…英国紳士として…」
あやかはネギを抱きしめた。ネギの顔があやかの胸の谷間におさまる。
「むぎゅっ」
「大丈夫ですわ、先生。招待状を出す手間が省けましたわ」
「え?」
きょとんとしてネギが見上げる。
「さ、あちらにウェディングドレスとタキシードが用意されてます。
皆さんを迎えに参りましょう」