946 :
581:2005/08/26(金) 18:03:57 ID:3neTFEwk
しかも、ヴィルはよりによって、あの引き出しの取っ手を掴んでいた。
「ヴィ、ヴィル!ダメ!!!……そこはっ!!!!」
アリソンが叫んだのと、ヴィルの体重を支えきれずチェストが倒れたのはほぼ同時だった。
「う、うわああああ!!!」
「ヴィルっ!!!!」
チェスとの引き出しが吹っ飛び、中身がぶちまけられた。ヴィルは前のめりに倒れて、散乱した引き出しの中身に突っ込む。
「の、飲みすぎた……」
痛みに顔をしかめるヴィルの目の前を、棒状の何かがころころと転がっていく。体を起こしたヴィルは足元にあった数枚の便箋に目をとめる。
「ん、これ、なんだろ?」
なんとなくそれを拾い上げたヴィルの耳に、つんざくようなアリソンの悲鳴が響いた。
「ヴィルっ!!!それを読んじゃ、ダメぇ〜〜!!!!」
しかし、時既に遅く、ヴィルはその紙に書かれた文章に目を通し始めていた。
そこに書かれていたものは……
947 :
581:2005/08/26(金) 18:04:44 ID:3neTFEwk
ヴィル『乳首だけでイっちゃうなんて、アリソンはとってもいやらしいなあ』
アリソン『やぁ、ちが……はうっ…そこ、だめぇ…』
ヴィル『ほら、アソコだって、もうこんなに濡れてるよ』
アリソン『ちがう…ちがうのぉ…あっ!…ふあぁん!……』
ヴィル『知らなかったよ。アリソンは本当にとんでもない淫乱だったんだね』
アリソン『嫌ぁ…も…言わないでぇ……』
果たしてどうやって使うつもりだったのか。それは台本というより、アリソンのやばい妄想をそのまま書き出したみたいで……。
ヴィルが紙から視線を外すと、足元にはさっき転がっていた棒状のものがあった。男性のモノをかたどったそれが、何に使われるものなのかは一目瞭然だった。
何が何やら理解できず、ヴィルは完全に凍り付いてしまう。
「うわあああああ!!!!!ヴィルううううううう!!!!!!」
その時、パニックに陥ったアリソンが叫びながら、ヴィルに突っ込んできた。二人の体はもつれ合い、アリソンがヴィルを下敷きにする形となる。
そのまま二人は見つめ合う。なんとも複雑なヴィルの表情は、アリソンに事態がもう手遅れであることを悟らせた。
「あの……アリソン……あれは一体?」
ヴィルの問いかけにも答えられよう筈が無かった。アリソンの頭の中はグルグルと空回りを始める。
(あわわわわ……一体どうしたら良いの?)
訳のわからぬままアリソンは、とんでもない行動に出てしまう。ヴィルのズボンのファスナーに手をかけ、一気に開き、ヴィルのモノを取り出す。
948 :
581:2005/08/26(金) 18:05:32 ID:3neTFEwk
「アリソン?…何?何なの?」
既に大きくなり始めていた自分のモノを外にさらされて、ヴィルは顔を真っ赤にしてうろたえる。しかし、一方のアリソンはそんなことには気付く余裕も無い。
「ヴィ、ヴィ…ヴィル………しましょう!!!」
「えっ!?」
「え、えっちなこと…しよう!!!!」
もうヤケクソだった。戸惑うヴィルをよそに、剥き出しになったヴィルのモノに口をつける。
「え?えっ!?…今、ここでなの?」
唐突に始まった行為にヴィルの頭はついていけない。その間にもアリソンはたどたどしくヴィルのモノに舌を這わせる。
(そ、そうよ。もともと、こういう計画だったんだから……)
そう思いながらもアリソンは、今の状況が本来のヴィルをえっちに積極的にさせるという計画の骨子からは、ずれ始めていることに気付いていた。
(とにかく、これは計画通りなんだから……何も恥ずかしいことなんて無いんだから…大丈夫なんだから…)
果たして、何がどう恥ずかしくなくて、大丈夫なのやら………。とにかくアリソンには、行為に没頭する以外の選択肢は無かった。
「はむっ…ぅむ…くちゅくちゅ…ぴちゃ……はあ、はあ…」
アリソンが舌を絡めるたびに、ヴィルのものをムズムズとした刺激が襲う。ヴィルには眼前で繰り広げられる行為を、呆然と見ていることしか出来なかった。
(なんなんだ?…一体、アリソンはどうしちゃったんだ?)
さっき見た便箋や、張り型は何だったんだ?いくら考えても、朦朧とするヴィルの頭は答えを出せそうにも無かった。
今のヴィルの目に映るのは、目の前で淫らな行為を続けるアリソンの姿だけだった。
「あっ…うむぅ…ぴちゃぴちゃ……ふぅ…んぅ……」
949 :
581:2005/08/26(金) 18:06:23 ID:3neTFEwk
音を立てながら自分のモノをしゃぶるアリソンの顔に、いつしかヴィルは見入っていた。
(……なんだか、アリソン……いつもより…)
それは、アリソンの裸エプロン姿を見たときの感覚に似ていた。
いつものエプロン、いつもの服装、いつもの部屋、そんな日常の延長の中で、今二人は淫らな行為に耽っている。その何とも言えないギャップ……。
(…今のアリソン…エッチで……かわいい……)
なんとなく、ヴィルはアリソンの肩に触れてみた。セーターの分厚い布地越しに感じられるアリソンの体の熱が、何だかとても、いやらしく思える。
自然と下半身に感じる熱が高まっていくのを、ヴィルは感じていた。
(……あれ、…ヴィルの……前にしてあげた時より、熱い………)
ヴィルのモノに奉仕を続けるアリソンも、その変化に気付いていた。口の中に、舌先に感じるその熱に、アリソンは段々とペースを早めていく。
「ふぁ…くちゅ…ぴちゃ…すご……ヴィルの、すごいよ…ふあっ…ふむぅん…」
我慢できずに、アリソンは自分の股間、ズボンの中にも指を這い入らせる。ショーツの中は既に、ぐちゅぐちゅに濡れていた。
軽く指で触れるだけで、電流のような快感がアリソンの背骨を走りぬける。アリソンは夢中になって、自分のアソコを指でかき混ぜた。
「ふあっ!…ああんっ…んんっ!!くちゅ…ぴちゃ…んうぅ!!…ふうんっ!!」
「アリソン、ダメだ。…あっ!!くぅっ!…もう、もう僕、イっちゃうよ!」
激しさを増すアリソンの舌使いに耐えかねて、ヴィルのモノは熱い欲望を吐き出してしまう。
大量に吹き出たそれは、アリソンの口には収まり切らず、アリソンの顔を、セーターを、ズボンを、そしてエプロンを白濁に汚した。
「うあ…いっぱい…」
自分に降りかかったものを呆然と眺めながら、アリソンはつぶやく。
950 :
581:2005/08/26(金) 18:07:12 ID:3neTFEwk
「ご、ごめん…こんな、汚すつもりじゃ…」
体を起こして、ヴィルは謝った。アリソンの顔についた汚れを拭おうと伸ばした手は、しかし、アリソンにつかまれてしまう。
驚くヴィルに、アリソンは微笑んで……。
「アリソン?」
ヴィルの唇はアリソンの唇に塞がれてしまった。
アリソンの口に残るお酒の香り、さっき自分が出したものの粘り気とにおい、それにアリソンの唾液の甘さがいやらしく絡まりあう。
唇を離すと、糸を引く唾液がキラキラと光る。
言葉も出せず固まったヴィルの目の前で、アリソンがもう一度微笑む。
アリソンがいつも通りの服を着てそこに居るだけのはずなのに、白濁に汚されたその姿が、その笑顔が、どうしようもなくヴィルを欲情させる。
自分の中に渦巻く今まで感じたことの無いほどの欲望が、ヴィルの意識を朦朧とさせる。
「ヴィル、さっきは、いきなりごめんね…」
語りかけるアリソンの笑顔が、ヴィルにはとってもエッチに見える。
「……でも、私はヴィルとしたいの。……もっと、いろんなことを…」
「ああ、うん…」
ヴィルには生返事をするのが精一杯だ。不意にアリソンが視線を下ろして、ヴィルもなんとなく下の方を見る。
「ヴィルも、私としたいみたいだし……」
アリソンの視線の先では、先ほどの射精で萎えてしまったはずのヴィルのモノが再び頭をもたげようとしていた。
951 :
581:2005/08/26(金) 18:07:58 ID:3neTFEwk
「うあ……」
「ねっ……」
もはやヴィルには、言い返す気力も残っていない。ただ一度だけ、目の前で微笑むアリソンに、ヴィルはうなずいた。
こんなにドキドキするのは、告白したとき以来だろうか、初めてヴィルとしたとき以来だろうか。
今、アリソンはズボンとショーツを脱ぎ捨て、裸の下半身をヴィルの前にさらしていた。
さっきから次々と出てくる言葉は、とても自分が発したとは思えないようなものばかりで、それだけでアリソンの頭はクラクラしてしまう。
どんどんと行為にのめり込む自分がいる一方で、それを覚めた視線で見つめるもう一人のj自分がいるのを感じた。
そのもう一人の自分が、このままじゃヴィルに嫌われるんじゃないのかと、ずっと語りかけてくる。
こんなにいやらしい自分をさらけ出していることが、不安で不安でたまらなくなってくる。
それなのに行為を止められない自分に、アリソンの混乱は深まる一方だった。
「ほら、ヴィル、これ……」
アリソンは床に転がっていた張り型を拾い、ちろりと舌先で舐める。
「これ、何に使うかわかるわよね?」
張り型を凝視したまま、答えられずにいるヴィルに、アリソンはその張り型をそっと手渡す。
「ヴィルに入れて欲しくて、買ったの……」
解ったのか解らないのか、アリソンの言葉にヴィルは無言のままうなずく。張り型を手渡してしまうと、アリソンの鼓動はさらに早まっていくようだった。
(あれを、入れられるんだ……)
952 :
581:2005/08/26(金) 18:08:42 ID:3neTFEwk
改めて見ると、それは夕方見たとき以上に大きく見えてしまう。
(しかも、ヴィルの手で………)
もう取り返しがつかないという不安感、今から自分がされようとしていることへの期待感、二つが混ざり合い、アリソンは背中が粟立つような感覚を覚える。
「お願い…ヴィル……」
アリソンが促すと、ヴィルは言われるがままに張り型をアリソンの濡れそぼった秘部にあてがい、ゆっくりと挿入を開始する。
ヴィルのものとは違う、杭を打ち込まれるような異物感にアリソンは身震いする。
「…ひうっ…なに…これ……ふあああっ!!…すごっ……ああああんっ!!!!」
予想以上のアリソンの反応に、思わずヴィルは張り型を持った手を止めてしまう。
「…ア…アリ…ソン…だ、だいじょう…ぶ…?」
舌をもつらせて、ヴィルがなんとか言葉を発する。
「うあ…あんっ…ヴィ…ル?…だいじょぶ…うごかして大丈夫だから…」
挿入されたままで止まった張り型に、もどかしさを抑え切れないアリソンは、ヴィルの手をとり、自ら前後に動かす。
「はうっ!あんっ!!あっ!ヴィル、もっと突いてぇ!!!ああああんっ!!!!」
自分の発するいやらしい嬌声が、視界の中を激しく動くヴィルの腕が、アリソンの理性を破壊し、さらに欲情を煽る。
「ふあっ!ああんっ!!!ひあっ!!気持ちいいっ!!!気持ちいいよぉ!!!!」
張り型が前後するごとに、えぐるような快感がアリソンの背骨を突き抜ける。
どんどん快楽が高まるごとに、一方で、ヴィルに恥ずかしい姿を見せていることへの不安感も膨らんでいく。
そして、その不安が、恥ずかしさが、さらなる快感を呼び寄せ、アリソンはもはや自分が何をやっているかも解らなくなっていた。
953 :
581:2005/08/26(金) 18:09:32 ID:3neTFEwk
(ああ、私どうなっちゃうんだろ………?)
そう思いながらも、どうすることも出来ず、与えられる快感をアリソンはむさぼる。
「すごっ!気持ちよくて、気持ちよすぎて!!もう私、私ぃっ!!!!!」
もはや、アリソンの体は高みに登りつめようしていた。
だが、しかし…………。
「……ひあっ……あれ?……なんで止めるの?…ヴィル?」
張り型を持ったヴィルの手が止まり、アリソンは現実に引き戻される。ぶるぶると肩を震わせるヴィルに、アリソンの中の不安感が急に頭をもたげてくる。
「ヴィル、どうしたの?」
しかし、ヴィルはうつむいたまま答えない。アリソンの中の不安はむくむくと大きさを増していく。
(こんなの……やだ……これじゃあ、まるで)
ヴィルは、頭の中をぐるぐると回る嫌な考えを振り払おうとしていた。
(……まるで、アリソンをいじめてるみたいだ)
今、ヴィルの頭の中では例のアリソンが書いたエッチの台本に書かれた内容が繰り返しリフレインされていた。
『乳首だけでイっちゃうなんて、アリソンはとってもいやらしいなあ』
『ほら、アソコだって、もうこんなに濡れてるよ』
『知らなかったよ。アリソンは本当にとんでもない淫乱だったんだね』
あそこに書かれた言葉は、まるでアリソンを責め立て、いじめてるみたいに、ヴィルには思えてならなかった。
しかも、それを言っているのはヴィルだということになっている。自分がアリソンを汚い言葉で責め立てている。考えたくも無いことだった。
954 :
581:2005/08/26(金) 18:10:24 ID:3neTFEwk
しかし何度振り払おうとしても、酔いが回って朦朧としているはずの頭の中に、その言葉は何度も蘇ってくる。
そして、太い張り型を使いアリソンの秘部を責める内に、ヴィルはなんだか自分がアリソンをいじめているような気分になっていた。
そんなのは、そんなのは絶対に嫌だった。
『知らなかったよ。アリソンは本当にとんでもない淫乱だったんだね』
違うよ。
『知らなかったよ。アリソンは本当にとんでもない淫乱だったんだね』
そんなわけない。
『知らなかったよ。アリソンは本当にとんでもない淫乱だったんだね』
そんなこと、僕は言いたくない。
『知らなかったよ。アリソンは本当にとんでもない淫乱だったんだね』
違う。アリソンは、アリソンは……。
『知らなかったよ。アリソンは本当にとんでもない淫乱だったんだね』
僕がアリソンに言いたいのは……。
『知らなかったよ。アリソンは本当にとんでもない淫乱だったんだね』
僕がアリソンに本当に言いたいことは……………。
「ちがああああうっ!!!!!!!」
ヴィルが大声をあげて、アリソンはびくりと後づさる。
ヴィルの頭が、ついに許容範囲を越えて、オーバーヒートしてしまったのだ。
955 :
581:2005/08/26(金) 18:11:15 ID:3neTFEwk
「ヴィ、ヴィル、ごめん、私が悪かっ…」
「アリソンっ!!!!」
不安げな顔のアリソンの肩を、ヴィルはガシッと捕まえる。
「な、何?」
もう殆ど泣きそうな表情で、アリソンは尋ねる。
「…………アリソンはっ!」
「はいっ!?」
「きれいだあああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!」
「えっ!?」
目の端に涙さえ浮かべていたアリソンは、ヴィルのその発言の意味を図りかねて、ぽかんと口を開ける。
「アリソンはきれいだし!かわいいし!勇気があるし!やさしいし!……だから…だから、僕はそんなアリソンのことが昔から大好きで……」
一度口火を切ったヴィルの言葉は、とどまることを知らなかった。
「えっ!えっ?ええっ!!?」
訳のわからぬまま、いつもは口にしないようなヴィルの熱烈な言葉の数々が、アリソンの耳を直撃する。
(な、何?ヴィル、どうしちゃったの?)
当然浮かんだそんな疑問も、ヴィルの熱烈な言葉にかき消されていく。
「うあ、ヴィ、ヴィルぅ…」
ヴィルにとって、色事、性に関することが苦手であるのと同じように、ヴィルの今の言葉はアリソンの心の弱点を鋭く刺激してきた。
956 :
581:2005/08/26(金) 18:12:05 ID:3neTFEwk
何年も、言えない思いを胸に秘め、アリソンはヴィルに恋焦がれてきたのだ。
これだけの愛の言葉を前に、耐え切るだけの免疫をアリソンは持っていなかった。
「僕はアリソンが好きなんだ!あんなこと言いたいわけが無いんだ!!」
酔いの回ったヴィルの口からは、いつも胸に秘め、自分でも意識してこなかったアリソンへの思いが溢れ出していた。
「ちょ…ちょっと、ヴィル?」
「アリソン、好きだ!!好きだっ!!!!好きなんだ!!!僕は、君のことがっ!!!!」
勢い任せに、ヴィルはアリソンを抱き締める。
「僕はっ!アリソンのことをっ!!心からっ!!!愛してるっ!!!!」
「ヴィル!?うあ!…んむぅ!?」
そのまま、アリソンの唇にキスをする。長く長くお互いの唇を味わい、唇を離したときにはアリソンの瞳はとろんと蕩け切っていた。
「……アリソンが、何のつもりであんな物を書いたのかは知らないけど、僕は、……僕はっ!!」
いまや、形勢は完全に逆転していた。ぽーっとしながら、アリソンはヴィルの顔を見つめる。
「ねえ、ヴィル……」
叫び疲れて肩で息をしていたヴィルに、アリソンは呼びかける。
「私、やっぱり、ヴィルのを入れてほしい………」
恥ずかしそうに頬を染めながらおねだりをするアリソンに、ヴィルは愛しさを抑え切れなくなる。
ゆっくりと張り型を抜き、アリソンの体を抱きすくめ、床に押し倒す。さっきまでとは逆にヴィルの方が上になる。
「アリソン、好きだよ……」
957 :
581:2005/08/26(金) 18:13:16 ID:3neTFEwk
改めて言われて、また顔を赤くするアリソンにそっと口付けてから、ヴィルは挿入を始める。
「うわあああっ!!!ヴィルぅ!…すご!ふあっ!!!ああんっ!!さっきより、ひあっ!全然!!!!」
「くうっ!アリソンの中もっ!!」
限界まで高められた二人の神経は、互いの熱を感じるだけで、強烈な快感を二人に与える。
「ヴィルぅ!!あああんっ!!!ひあっ!もっと!突いてぇ!!かき混ぜてぇ!!!!」
自分の口から卑猥な言葉が漏れるのも、アリソンにはもう気にならなかった。ただ、ヴィルの存在だけを求めて、アリソンは激しく体を動かす。
「アリソン!好きだっ!!!大好きだっ!!!!アリソン!!!アリソン!アリソンっ!!!」
「ヴィルぅ!ふあっ!私もぉ!!あああんっ!!!私も、ヴィルがぁ!!ふあああっ!!!ヴィルのことがぁ!!!!」
互いの名を呼ぶ声が、さらに二人の体を燃え上がらせる。ヴィルが動くごとに、アリソンは背中を小さく仰け反らせ、快感に身を震わせる。
「あっ!ひううううっ!!!!ヴィルぅ!ヴィルぅ!!!!あああんっ!!やあっ!!」
アリソンの腕が、ヴィルの背中をぎゅっと抱き締める。ヴィルはアリソンの体を、思いっきり突き上げた。
「ひあっ!!イクぅ!!!!イっちゃうぅっ!!!!!!ヴィルのが熱くて、私ぃ!!もうっ!!ああっ!ひあああああああんっ!!!!!!」
「好きだあああああっ!!!!!!アリソンっ!!!!!!」
今まで感じたことの無いほどの絶頂感を感じながら、二人は同時に気を失った。
窓から朝日が差し込んでいる。さわやかな休日の朝だ。
昨夜、気を失ってから、二人は床に転がったままだった。二人とも、ちゃんと服装は直っている。
気配から、お互いに目を覚ましていることはわかっていたけど、昨夜のことが気恥ずかしくて、お互いに背中を向けて黙っている。
958 :
581:2005/08/26(金) 18:14:21 ID:3neTFEwk
「へっくしゅっ!!!」
アリソンがくしゃみをした。しまった、という顔を浮かべるアリソンの後ろから、ヴィルの声が聞こえた。
「風邪、ひいちゃったの?」
戸惑っているような声音だ。アリソンもしばらく迷ってから、やっとのことで言葉を搾り出す。
「大丈夫。ただ、ちょっと寒かったから…」
それ以上は言葉が続かず、再び部屋に沈黙が訪れる。
しゃべりづらい。だけど、いつかは昨夜のことを触れないわけにはいかない。
「………ごめんね、昨日は……」
先に口を開いたのはアリソンだった。昨夜、ヴィルの言葉で吹き飛んだ不安が、また浮かび上がってくるようだ。
「ううん。楽しかったよ、あれはあれで……」
思いのほか明るい声で、ヴィルからの答えが返ってきた。いつも通りの優しい声音からは、昨日の大暴走は想像できない。
「本当に?」
それでも不安そうに、アリソンは尋ね返す。
「うん。本当に……」
怒ったり、ウソをついてるような口調ではなかった。
「そっか……」
アリソンは、ようやく嬉しそうに微笑んだ。
「………それに、スッキリしたし……」
959 :
581:2005/08/26(金) 18:15:12 ID:3neTFEwk
「スッキリ!?」
アリソンが小さく叫ぶ。
「えっ!?なにか変だったかな…?」
意味が解らず、ヴィルが聞き返す。
「……いや、スッキリしたなんて、ヴィルって結構いやらしいんだなって……」
恥ずかしそうに言ったアリソンの言葉で、ヴィルはやっとアリソンの言いたいことを理解する。
「あはは、違うよ。そういう意味じゃなくて……」
「じゃ、どういう意味」
いぶかしげにアリソンが尋ねると、ヴィルはしばらく沈黙してから………。
「アリソン、大好きだっ!」
「ひあっ!?」
唐突に叫んだヴィルに、アリソンも驚いて声をあげる。
960 :
581:2005/08/26(金) 18:36:21 ID:3neTFEwk
「あんなに『好きだっ!』って叫んだの、生まれて初めてだよ……」
嬉しそうに語るヴィルの言葉に、アリソンは顔を真っ赤にする。
「でも、まだ言い足りない。もっと、言ってあげたい………」
そう言ってから、ヴィルは背中を向けたままアリソンの方に体をすり寄せる。二人の背中がぴったりとくっつく。
「だから昨日みたいのも、たまには、ね………」
そう言って、ヴィルはアリソンの手を握った。しばし躊躇ってから、アリソンもその手を握り返し、言葉を返す。
「……私も…言いたいよ……」
恥ずかしそうに、とても恥ずかしそうに、アリソンはつぶやいたのだった。
961 :
581:2005/08/26(金) 18:40:42 ID:3neTFEwk
こんな感じでした。
ううん、やっぱり暗いよりは明るいほうがいいのかな。本当にごめんなさい。
ヴィルとアリソンの馬鹿っぽい奴ということで書いてみました。
この二人は本当に良いです。
それでは、また………。
乙&GJ!!初めてリアルタイムで見れた。
俺はあまりバカっぽく感じなかったなぁ。むしろ互いにデレデレな二人に萌えた。
激しくGJ!920です。
ネタが被った…裸エプロンの部分が…
路線変更して書き直すのでもう少しお時間下さい。
神様その文才をオイラにも分けて…。
投下はやはり次スレになります。神作品の後では萎えるかもしれないけど許して下さい
超GJ。あとこの場合鬱になった…とかは褒め言葉だからキニシナイ!
激しくぐっじょぶ。ヴィルの「きれいだあああ(ry!」にちょっと噴きました。
切れるとアリソンより激しく暴走するヴィル、というのも面白いですね。
あれだけ悲惨なのとこんなにブッ飛んだのと両方書けるとは、芸風が幅広いなぁ……。(褒めてますよ念の為)
>>963さんも次スレでの投下楽しみにしてます。
このスレは大分作品が投下されてるよね。
次スレも近いことだし、そろそろ保管庫に収蔵してほしい。
保管庫の管理人さん、見てたらよろしくお願いします。
967 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 11:27:56 ID:2i3YZPOu
968 :
名無しさん@ピンキー:2005/08/30(火) 11:30:13 ID:2i3YZPOu
とうとうキノの旅\が10月発売だ!!
これは、キノとエルメスがとある有名な動物園
に行ったときのあほな話し
「あれ?どうしたのキノ。」
『触れ合いコーナー』と書かれた看板が掛かった、柵のドアから、
なぜか、この動物園の飼育係と同じ、青緑色のジャージを来たキノ
が出てきた。
「うん、ちょっとね。服が汚れちゃったから、係員の人に貸しても
らったんだ。」
「汚れたって、何かどじったの?」
「いいや。カンガルーがね、後ろか襲ってきたんだ。いつもは大人しい
らしいんだけど、なんかじゃれ付いてきてね、僕のお尻に腰を何度も
ぶつけてきたんだ。」
「・・・・・それで?」
「飽きちゃったみたいで、やった開放されたと思ったら、お尻のとこに
なんかべとべとした白い液が付いてたんだ。そのカンガルーの
仕業だろうね、やっぱり。」
「うわ・・・・・。」
「そしたら、係員の人が来て、凄い勢いで謝ってきたんだ。
そんなヒドイな事されてないのにね。で、クリーニングに出し
てくれるって言うから、ついでにジャケットも頼んじゃった。それで、
今はジャージ姿ってわけ」
「・・・・・そりゃ謝るだろうね。そんなことされたんだから。くそ、
カンガルーごときがキノにぶっ掛けるなんて・・・・・・。僕に体が
あれば・・・。」
「どうしたんだいエルメス?さっきからぶつぶつと。」
「なんにもー。」
以上でーす。後、ウミショーとのコラボねたあるんすけど、
それはまた次スレで
972 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/03(土) 13:01:30 ID:TboWSP8W
保守
973 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/05(月) 16:59:52 ID:Q/jISCKN
次スレまだたってないよね?
yes
975 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/07(水) 16:17:14 ID:AlWsS9AW
一応ageとくかな。
976 :
581:2005/09/08(木) 16:59:49 ID:w3ElNJCG
また、書いてきました。
キノさんのお話です。
それでは……。
977 :
581:2005/09/08(木) 17:01:27 ID:w3ElNJCG
こんな事になるなんて、思ってもみなかった。
「あっ…やぁ……も…やめ……ふあっ…」
ベッドの上で、キノはシズに押し倒され組み伏せられていた。
シズの舌が敏感になった肌の上を這う度に、キノの小さな体がビクンと震え、切なげな声が唇から漏れる。
「うあっ…はっ…こんな…こんなの…嫌で…す…シズさ…ああんっ…」
必死に哀願するキノの声を無視して、シズはキノの体を責め立て続ける。
的確で執拗なシズの責め、それが与える快感に、体はキノの意思を裏切り抵抗する力を失っていく。
「…も…やめ…あんっ……も…シズさん…許し…て…」
今のキノに出来ることは、シズがこの仕打ちをやめてくれるように、ただ何度も哀願の言葉を発し続けることだけだった。
そうでなくても体格差は歴然、大きなシズの体に押さえつけられてしまえば、キノにはほとんど抵抗のしようがない。
偶然の再会に浮かれて、言われるがままにシズについていった自分が愚かだったのだ。
陸もティーもいない薄暗く狭い部屋に通されて、キノが違和感を感じたときには勝負はついていた。
キノはパースエイダーを抜く暇も与えられず、シズに押し倒されてしまった。
押さえつけられたままのキノは乱暴に服をむしられ、シズにされるがままになっている。
「…も…やだ…あぅ…シズさん…もうこんな酷いこと…ああんっ…やだぁ…」
ぽろぽろと涙をこぼし、キノは頭を振る。そんなキノの様子を見ながら、シズはキノを責めたてる舌を止め、言った。
「キノさん、本気で言っているのか?」
978 :
581:2005/09/08(木) 17:02:23 ID:w3ElNJCG
「…えっ?」
わけがわからないキノに、シズは微笑みながら言葉を続ける。
「私にこんなふうにされて、本当に嫌なのか?」
「それは…嫌に決まって……ひあっ!!?」
混乱するキノの首筋を、シズの舌が舐めあげる。長々と責め続けられた体は、たったそれだけの刺激でキノに死ぬほどの快感を与える。
「ほら、キノさんの体は、私に責められてこんなに喜んでいるじゃないか」
キノの反応に満足げな表情を見せて、シズはさらにキノの乳首を甘噛みする。
「…そん…な…くぅ…嘘ぉ…うあっ…ボクは喜んでなんか…はぅ…」
必死で発する否定の言葉も弱弱しい。
「なら、どうして抵抗しようとしない。今の私は刀も脇に置いて、キノさん以上に無防備だ。キノさんなら、どうとでもできるんじゃないのか?」
「…でも…だって…」
「ナイフだって、まだまだ隠し持っているんだろう?格闘だって、私に劣らないはずだ」
もはや、反論する言葉を思いつくことも出来ず、シズが投げかける言葉に、キノはただ身を震わせる。
「抵抗しないのは…………、こうして欲しかったからなんだろう?」
「…………」
「私にメチャクチャにしてもらいたかったんだろう?」
「………ちが…」
目を硬く閉じて、キノは首を横に振り続ける。
979 :
581:2005/09/08(木) 17:03:28 ID:w3ElNJCG
シズに目覚めさせられてしまった欲望をなんとか振り払おうと、ただ首を振り否定の意思を示し続ける。
このままシズのなすがままになっていたら、本当におかしくなってしまう。シズの与える快感にこのまま流されてしまえば、いずれ自分は……。
そんなキノの様子を見ながら、シズは一つ溜め息をついて、こうつぶやいた。
「仕方ない。キノさん、素直になってもらおう」
そう言ったシズの指が、素早くキノのショーツの中に這い入り、キノの一番敏感な部分に触れた。
「…あっ!…やっ!…ひあああああっ!!!!」
未だシズの触れていなかったそこは、しかしシズのこれまでの責めに耐えかねて、いやらしく汁を垂れ流し、どうしようもなく熱く震えるばかりになっていた。
「これでも、まだ嫌だと言うのかい?」
シズの指に撫で回され、弄られ、かき混ぜられて、キノの最後の理性が飴のように溶けていく。
「…らめぇ!!…そこぉ!…も…らめえぇ!!…やめっ!!!…もうやめ…て…」
髪を振り乱し、キノはただ叫んだ。意識が朦朧としていく。体も心も限界だ。もし、これ以上のことをされてしまったら……。
「どうしても素直になれないか……。まあ、それもキノさんの可愛らしいところだ」
キノの反応に気を良くしたシズは、いよいよ自分のモノを取り出した。
大きくそそり立つそれは、涙と汗とでぐちゃぐちゃになったキノの視界には、何か恐ろしげな凶器のようにも見える。
「…あっ!…やっ!!…おねが…シズさ…お願いだから…あぅ!…も…ゆるしてぇ…」
既にシズの腕はキノの体を押さえつけることをやめていたが、もはやキノに起き上がり逃げ出す気力は残っていなかった。
たとえ、直接に力を加えられていなくても、この男の腕の中から逃げ出せる気がしなかった。
「大丈夫だ。すぐにもっと気持ちよくしてあげよう」
980 :
581:2005/09/08(木) 17:04:21 ID:w3ElNJCG
シズのモノがキノの秘裂にあてがわれ、キノはぶるっと身を縮み上がらせる。
「…ゆるして…ゆる…して……ゆるして……」
うわ言の様につぶやき続けるキノをもてあそぶように、シズは自分のモノで何度かキノの秘裂の入り口辺りを撫で回す。
死んでしまいそうなほどの恥ずかしさ、快感、絶望感、そういった物たちに自分の心が時の経つほどに浸食されていくのをキノは感じていた。
そして、突然にそれは、キノの膣内へと侵入を開始した。
「ひあっ!!ふああああっ!!!!ああぅ!ああんっ!!はぁ、はぁ、ひうっ!?…なにこれぇ!!?なんなのぉ!??」
ゆっくりとシズのモノが挿入されていく動き、それだけでキノの全身を快感が矢のように貫く。
頭が真っ白になる。声が抑えられなくなる。快感で、頭がおかしくなってしまう。
「あっ!?やぁ!!も…やあああっ!!!そんなっ!?動いたら!!ああっ!!ひあああああああああっ!!!!」
ゆっくりとシズが腰を動かし始める。抜き差しを繰り返されるたびに、キノの頭の中で小さく稲妻が弾ける。
絶えがたい快感の奔流に、キノの心と体は押し流されていく。
せめて、動きを少しでも緩やかなものにしようと、キノはシズの体にしがみつく。
しかし、シズはそんなキノをあざ笑うかのように動きを早め、まるで杭を打ち込むように、キノの小さな体に腰を撃ちつける。
「うああああっ!!?すごひいいいぃ!!!!ああんっ!!あうぅ!!こんな…ひうううぅ!!!やああんっ!!!」
キノの発する嬌声が激しくなるごとに、シズの動きも激しさを増していく。
どろどろの膣内をかき混ぜられて、エスカレートしていく快感にキノの頭の中は塗り潰されていった。
もはや何も考えることが出来ず、何もすることが出来ず、キノの中はシズから与えられる快感だけで満たされていく。
やがて、止まるところを知らない快楽の波はキノを絶頂へと押し上げていった。
981 :
581:2005/09/08(木) 17:05:19 ID:w3ElNJCG
「ふあああっ!?なにかきちゃうぅ!!?へんなのきちゃうううっ!!うあああっ!!!イクうううぅ!!!イっちゃううううぅ!!!!!」
激しすぎる絶頂にキノは小さな体を弓のように仰け反らせ、大声で叫ぶ。体がビクビクと痙攣し、意識が何度も明滅を繰り返す。
「……あううう…も…らめ……こんな…もうボクは…あんっ!?えっ!!?……なんでまだ?ひあああああっ!!!!」
しかし、絶頂の余韻に浸るほどの余裕もキノには与えられなかった。
「まだ、私は満足していないからね」
シズが再び腰を動かし始め、達してしまったがために敏感さを増したキノの体を責め立てる。
「ダメェ!!も…ボク…限界で…ああんっ!!…これ以上されたら…もう…ふあああんっ!!」
泣き叫ぶキノの体は、何度もシズのモノにえぐられ、かき混ぜられ、その度にキノの体は小さな絶頂を迎える。
「ああああっ!しぬぅ!!しんじゃうぅ!!!も…こんなぁ…ボクぅ!!こんなのボクぅ……しんじゃうううぅ!!!」
やがて全ての感覚はその絶頂の連続の中に呑み込まれ、キノの白い闇の中に消えていった。
「可愛いよ、キノさん。君はとても可愛い」
全ての衣服を剥ぎ取られ、白濁の中に沈んで体をビクビクと震わせるキノの姿を見ながら、シズは満足げに微笑んでいる。
「…あ……うあ………や……だめぇ……」
か細い声で喘ぐキノの秘部には、その体には不釣合いなほど大きなバイブレーターが刺さり、絶えることの無い振動で快感を与え続けている。
シズは自身が達した後もキノを解放せず、このようにしてキノを責め立てていた。
「…シズさ…シズさん……もう許してぇ…もうボクを許してぇ…」
焦点の定まらない瞳のまま、キノはシズに許しを請い続ける。その姿はさらにシズの欲情を誘った。
982 :
581:2005/09/08(木) 17:06:11 ID:w3ElNJCG
キノの唇を己の唇でふさぎ、シズはキノの口腔内に舌を這い入らせる。
「ふあっ?うむう!?んんっ!!んぅ…ぷはぁ…」
シズの唇が離れ、唾液が糸を引いていく様をキノは呆然と眺める。そしてキノは気付かされた。
口の中を、舌を犯されて、乱暴にシズの舌に蹂躙されて、それすらも自分は感じてしまっていることに、キノは気付かされた。
シズによって与えられる快感なしには、いられなくなってしまっている自分に気がつかされた。
自分の変化に愕然とするキノの目の前で、バイブレーターが引き抜かれた。
「ひあっ?あっ!?やああっ!!!?」
今まで自分の中を満たしていたものが無くなる喪失感に、キノは身震いする。あれがなくては、もう我慢することはできないのに……。
未練を残した視線でバイブレーターを見つめるキノに、シズは耳元で語りかける。
「ずっと、やめてくれって言ってたのに、アレが欲しいのかい?キノさん…」
「……そんな…こと…」
否定の言葉はあまりにも弱弱しく、キノ自身にも自分が本気で言っているようには聞こえない。
「無理はしなくてもいい。キノさんが望むのなら、私がいくらでも気持ちよくしてあげよう」
いつの間にか、大きさを取り戻していたシズのモノが、再びキノの中に挿入されていく。シズの腕に抱きすくめられたまま、キノはその感覚に身震いする。
ゆっくりとしたシズの動きが、今はもどかしくさえある。もっと激しくえぐってほしい。もっと深く突き入れてほしい。
そんな考えだけが、キノの頭のなかを満たし始める。
それを見透かしたように、シズはキノの耳元で囁いた。
「キノさんが望むなら、私はいつだってしてあげよう」
983 :
581:2005/09/08(木) 17:07:12 ID:w3ElNJCG
「いつでも?」
「ただし、それには条件がある」
蕩けきった瞳で見つめてくるキノの顔に微笑みながら、シズは言った。
「私のものになるんだ、キノさん」
………………って感じの夢を見たんですよ、シズさん!」
拳を硬く握り締め、感極まれりという表情でガッツポーズをとるキノの姿を、シズは呆然と眺めていた。
狭い部屋の中、ベッドの端っこに座ったキノと、備え付けの簡単な椅子に座ったシズは向かい合っている。
偶然、同じ国でキノにめぐり合ったシズは、キノが宿泊している宿の部屋に招かれていた。
「こんな夢を見たときに、ちょうどシズさんとめぐり合うなんて、もう運命以外の何者でもないですよ!」
そう言ってキノは小さく、くぅっと唸る。話に着いていけず、目の前で小さくなっているシズのことなどお構いなしといった風情だ。
「あの……キノさん……それは一体どういう意味で…?」
なんとなく、もう察しはついてはいるのだけれど、一応シズはキノに尋ねることにしてみる。
「やだなあ、シズさん……決まってるじゃないですか…」
満開の花のような、満面の笑顔を浮かべて、キノが答える。
「シズさん…………しましょう!!!!!」
やっぱり、そういうことか。うんざりした表情のシズの胴体に、キノはひしっと抱きつく。
984 :
581:2005/09/08(木) 17:08:06 ID:w3ElNJCG
「せっかく、今日はエルメスを修理屋に出して人払いをしてるんですから……」
なるほど、キノの相棒のモトラド、エルメスの姿が見えないのはそう言うわけか。
しかし、今現在シズが置かれている状況は、さきほどの夢の話でのキノの状況にまるっきり酷似していた。
偶然の再会を喜んで、キノのほかに誰もいない部屋にのこのことおびき出されて、抱きつかれ、今にも押し倒されそうだ。
「まあ、野良犬にでも噛まれたと思って…据え膳食わぬは男の恥ですよ、シズさん!」
喩えがメチャクチャだ。据え膳と言われたところで、こっちにだって心の準備というものが必要だ。
発情期の動物じゃあるまいし、そんなにすぐに準備OKとはいかない。
「あの…キノさん……やっぱり…こういうことは…もっと落ち着いて……」
しかし、キノはキラキラと目を輝かせたまま、シズの体を離してくれそうな気配はない。そもそも、この娘はこんなキャラだったか?
「シズさん、しーまーしょ!!!」
まぶしいばかりの笑顔に目がくらむ。抱き締められたことで、背中にまで回された腕の細さ、体の小ささが手にとるようにわかる。
確かに、ぎゅっと抱き締めたくなるほどに可愛い。しかし、それでも今は気分じゃないのだ。
時間だって早すぎる。太陽の明かりはまだ西の空を明々と照らしている。
なし崩しにされてたまるものか……!!!意を決して、シズはキノの肩を掴んで強引に引き剥がす。
「えっ!?シズさん……なんで?」
呆然とつぶやくキノは、シズに拒絶されたことが全く信じられない様子だ。
「なんでも何も、こんな無茶苦茶なやり方は無しだ!!」
思った以上に大きな声が出てしまった。怒鳴りつけるような形になって、シズは一瞬、しまったと後悔する。
985 :
581:2005/09/08(木) 17:09:03 ID:w3ElNJCG
罪悪感に駆られるシズの顔に、キノが上目遣いに不安げな視線を送ってくる。
「………シズさんは、ボクのこと嫌いですか?」
「いや…そんなことは……」
シズ目をじっと見つめてくるキノの瞳は、涙で潤みキラキラと輝いている。それを見ているだけで、シズの体は身動きがとれなくなってしまう。
明らかにおかしい。いつものキノのテンションではない。
それは解っているのだけれど、目の前で小さな肩を震わせるキノの姿は、シズの心をちくちくと突き刺して、追い詰めていく。
「……シズさん……ボクは…」
そう言ってしなだれかかって来たキノの体を、シズは思わず抱き締めていた。シズの腕の中にすっぽりと収まってしまうほどに、キノの体は小さい。
自分の体全体で、キノを包み込んでいるような感覚に、シズは頭がくらくらするような感覚を覚える。
………愛しすぎる。
「……キノさん」
つぶやいたシズの背中に、するりとキノの腕が回されて、シズの体もキノに抱き締められる。
「えへへ……やっと抱き締めてもらえた」
得意満面といった感じのキノの台詞に、シズは自分が上手く乗せられてしまったことを悟る。
しかし、事ここに至っては、もはやそんなことを気にするような気分にはなれなかった。シズはキノを抱き締める腕に力をこめ、ベッドの上に押し倒す。
「……なんだか、納得がいかない…」
そう言いながらも、シズは手早く自分の服を脱ぎ捨て、キノの服を脱がせにかかる。
「ま、良いじゃないですか」
986 :
581:2005/09/08(木) 17:10:05 ID:w3ElNJCG
あっという間に、全ての衣服を脱がされて、キノは丸裸になる。
一糸まとわぬその姿は、まるでガラス細工のように細くか弱く、触れれば壊れてしまうのではないかと、シズには感じられる。
思わず行為を始めるのを躊躇うシズに、キノは再びぎゅっと抱きつく。
「シズさんの胸だ……」
シズの胸板に顔を埋めたまま、本当に嬉しそうにつぶやくキノの言葉が、シズをさらに躊躇させる。
いつもと違ってずっと積極的なキノの様子は、一方ではなんだかとても不安定で、頼りなさげに見える。
(一体、キノさんはどうしてしまったんだ?)
さまざまな疑問に頭を悩ませながらも、シズはキノへの愛撫を始める。
少し触れただけでピクリと反応するキノの体は、以前よりずっと敏感になっているようだ。
陸にしてやるように、背中を撫で回してやるだけで、キノの体は嬉しそうに震える。
「ふあっ!ああんっ!…はぁはぁ…シズさぁん…あっ!」
首筋をそっとキスしてやるたびに、乳首を指先で転がしてやるたびに、キノは嬌声を上げ、シズの名を呼ぶ。
異常なほどのキノの反応を見て、シズは試しにキノの秘部へと手を伸ばし、指を侵入させてみる。
すでに湧き出たものが外にまであふれ出ていたその中は、蕩けそうなほどの熱をもち、淫水にまみれてシズの指が動くたびにいやらしい音を発する。
「ひあっ!ダメェ!!シズさんっ…そこ…まだダメェ!!」
さらに奥へと指を侵入させようとしたとき、突然にキノの腕がシズの体を押し返した。
呆然とするシズの前で、キノは自分のしたことが信じられないという風に、自分の腕とシズの顔を交互に見る。
「すまない……キノさん」
987 :
581:2005/09/08(木) 17:11:23 ID:w3ElNJCG
震える小さな背中を見下ろしながら、キノを気遣うようにシズが声をかける。
「だってボクの体、もう敏感になりすぎてて、アソコを触られたらそれだけでイっちゃいそうで……」
キノの瞳から、ぽろぽろと涙がこぼれる。
「イっちゃたら、終わっちゃったら、シズさんが行ってしまうから……」
今にも大声をあげて泣き出しそうなキノの体を、シズはそっと抱き締めてやる。
「大丈夫だ。自分だけ満足したら、どこかに行ってしまうような薄情な人間じゃないよ、俺は……」
シズは、小さな子供にしてやるように、キノの背中をポンポンと軽く叩いてやる。それでようやく安心したように、キノはシズに体を委ねる。
「シズさん、好きです。……好きなんです…」
「わかってる」
静かにそう言ってから、シズはキノへの行為を再開する。先ほどまでよりも優しく、穏やかに、キノの体中をいたわるように愛撫する。
「…あっ…はぅ…あっ…やあぁ!!…あぁん…はうう…はぁ…はぁ…」
体中を撫で回すシズの腕に、キノは今度こそ本当に全てを任せ、感じるままに喘ぐ。
「ああんっ!!…シズ…さん…ひうぅ!!……お願い…も…きてください…ボクの中に…ふああっ!…きてくださいっ!!!」
小さな体の全てを投げ出して、必死に自分を求めてくる姿が、シズの心を燃え上がらせた。
言われるがままに、シズは自分のモノをキノの秘裂へとあてがい、挿入を開始する。
「ああっ!!ふああああっ!!!やぁ!すごひぃいいっ!!!あああんっ!!!」
シズの体にしがみつき必死で叫ぶキノの体を、シズのモノが何度も突き上げる。
深く、激しく、シズの体が動くたびに、キノの体は波の上に浮かぶ板切れのように翻弄される。
988 :
581:2005/09/08(木) 17:12:47 ID:w3ElNJCG
「ああんっ!!ひあっ!!あっ!こんな…ボク…へんになっちゃうぅ!!!きもち…よすぎてぇ!!へんになっちゃうっ!!!!」
「……くぅ…キノ…さん…」
いつに無く弱弱しく見えるキノの姿、自分の中で抑え切れないほど湧き上がるキノへの愛情、二つに挟まれて揺れ動く心が、シズの責めを激しくしていく。
シズに貫かれたキノの体が、快感を与えられるたびに踊るように跳ねる。
「ふああああっ!!あああんっ!!!シズさんっ!!シズさぁんっ!!!…もう…ボクぅ!!…ボクぅ!!!!!」
限界まで高まったものが、キノの中で一気に押し寄せる。体全体で快感を感じながら、キノの意識は絶頂へと昇りつめ、はじけた。
「ふあああああああああっ!!!!ひああああっ!!!イクっ!!イっちゃううううううぅ!!!!シズさぁああああんっ!!!!!」
「キノさんっ!!!」
同時に放たれたシズの熱いものを感じながら、キノは気を失った。
「実は、あの夢には続きがあるんです」
絶頂感に体中の力が抜けて、ぐったりとベッドにうつ伏せになったままのキノがつぶやいた。
キノの横に寝転がるシズは口を挟まず、ただ静かにキノの言葉に耳を傾ける。
「あの夢の最後に、シズさんに『私のものになるんだ』って言われて、もう何も言い返す気力も無いのはずなのに、ボクはこう言うんです」
自分の発する言葉の一つ一つにキノは体を震わせている。
「『それは出来ない』って………、もう身も心も溶かされて、シズさんに逆らうことなんて出来ないはずなのに……」
硬く目をつむって、キノは必死で言葉をつむぎだす。
989 :
581:2005/09/08(木) 17:14:30 ID:w3ElNJCG
「それは、今も同じなんです。今、シズさんに一緒に来ないかって言われても、ボクの答えは同じだ。
ボクはシズさんとは一緒には行けない、ずっと一人で旅をしていく………」
シズの方からは、キノがどんな表情を浮かべているかを読み取ることはできない。
いつもと変わらない淡々とした口調、しかし、今この少女は泣いているんじゃないだろうかと、シズは思う。
「……変ですよね。自分が好きでやってることなのに………。こんなこと言うの、変ですよね………」
寂しげにそう言ったキノの背中を、シズはそっと抱き締める。
「キノさん、好きだよ……」
キノの手が、シズの腕をぎゅっと握る。もう絶対放したくないとでも言うかのように、強く強く握り締めてくる。
「……明日は、この国の中を見て回るんだろう。三日間、私も付き合うよ」
「……はい」
少しだけ明るさを取り戻した口調で、キノが答える。体を起こしてシズがその顔を覗き込もうとすると、同じくシズの顔を見ようとしたキノと目が合った。
花のような笑顔だ。
(まったく調子がいい、ゲンキンなものだなぁ、この娘は……)
やれやれとばかりに、心の中でそうつぶやくシズの顔も、キノと同じ笑顔だった。
990 :
581:2005/09/08(木) 17:19:33 ID:w3ElNJCG
こんな感じでした。
異様にエッチに対してノリノリなキノさんを書きたかったんですが、妙にしおらしくなっちゃいました。
まあ、こんなのもアリかな、と個人的には思ってるんですが、どうだったでしょうか?
この作品を投下したことで、いよいよこのスレも限界のようです。
それでは、また……今度はおそらく次スレで……。
いつもいい仕事ですなー
積極的なキノもいいかな、と思ってしまった
992 :
& ◆vDn3MDiuZY :2005/09/08(木) 18:49:18 ID:DVa542g6
カルロエロネタ希望
993 :
名無しさん@ピンキー:2005/09/08(木) 19:24:48 ID:uI1Mcy3q
GJ!!
神様いつもありがとう!!
次スレは?
立ってないから立ててくれば?
俺は無理だったけど。