マリア様がROMってる〜淫風えろえろ〜

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1名無しさん@ピンキー
「マリア様がみてる」のエロSS(百合推奨)を書くスレッドです。

スレは乱さないように、マターリとsage進行がここでのたしなみ。
もちろん、荒らし、煽りを放置できないような、はしたない住人など
存在していようはずもない。

前スレ
マリア様がROMってる〜真夏のエロページ〜
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1082872354

過去スレ他は>2-5のあたりに。

SS保管庫&アップローダ
ttp://ec.uuhp.com/~reisama/
2名無しさん@ピンキー:04/05/20 06:02 ID:8PMsoqjC
過去スレ

#1 マリア様がRAMってる
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1033/10331/1033106716.html
#2 マリア様がROMってる〜エロ薔薇革命〜
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1051/10511/1051109575.html
#3 マリア様がROMってる〜えろばらの森〜
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1057/10576/1057660666.html
#4 マリア様がROMってる〜エロ・カニーナ〜
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1062/10622/1062225419.html
#5 マリア様がROMってる〜ウァレンティーヌスの贈りエロ(前編)〜
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1065/10654/1065444527.html
#6 マリア様がROMってる〜ウァレンティーヌスの贈りエロ(後編)〜
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1067/10676/1067613438.html
#7 マリア様がROMってる〜いとしき蜜月(前編)〜
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1069/10697/1069778956.html
#8 マリア様がROMってる〜いとしき蜜月(後編)〜
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1071/10713/1071321750.html
#9 マリア様がROMってる〜チェリーエロッサム〜
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1073/10734/1073410156.html
#10 マリア様がROMってる〜エロニーブルー〜
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1075136907
#11 マリア様がROMってる〜エロソルをさしてー〜
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1077674400
#12 マリア様がROMってる〜エロ羊たちの休暇〜
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1080578489
3名無しさん@ピンキー:04/05/20 06:03 ID:8PMsoqjC
職人名鑑テンプレ(サンプルは保管庫の職人名鑑にあり)

【XXX(コテor数字ハンor通称等】XXX(ふりがな)

属性:(紅、新聞部等)
得意技:(特徴的な挙動、言動があれば)
決め台詞:「(作品内で使われた台詞より)」

以下、職人さんの特徴を10行前後で解説。客観的に、それでいて
ユーモアが交えてあるといいかも。煽るようなコメントはダ〜メ。

類義語:(その他の呼び名があれば)
4名無しさん@ピンキー:04/05/20 06:03 ID:8PMsoqjC
山百合会からのおしらせ〜その1

ここはみんなの利用するスレです。SSを読む方も書く方も、節度をもっておねがいね。

【感想を書くときの注意】
百合推奨だけれど、それ以外のSSを排除しているわけではありませんことよ。
それに、SSを書く方もプロではないですし、あなたにとって、とても退屈だったり、
怒りさえ感じることがあるかもしれませんわ。

でも、SSを書いている方も、あなたを怒らせたり、不快にさせるつもりじゃなくて、
むしろ楽しませようとしてくれているんですの。
だから、「出て行け」だとか「ゴミ以下」だとか、はしたない言葉は、
思っても書き込まないこと。よろしくて?

SSの多くは予告+NG-WORD付で書き込まれるから、自分には合いそうじゃないなと
思ったら まよわず回避なさってちょうだい。それには2ch専用ブラウザを使うと便利よ。
5名無しさん@ピンキー:04/05/20 06:04 ID:8PMsoqjC
山百合会からのおしらせ〜その2〜

【SSを書くときの注意】
このスレにいる妹たちは百合SSが大好きなの。できれば百合で書いてくださいね。
もちろん、そのSSには殿方が必要と言うことであれば、無理強いはいたしませんわ。
でも内容によっては読み手を選ぶことがあるのは、ご存知よね。
とても傷つきやすい妹たちが苦しまないよう、ちょっとだけ配慮をしてね。
それと、中にはまだお姉さまからの指導が行き届いてない妹たちもいます。
時々リリアンにあるまじきはしたない声が届いてしまうかもしれないけれど、やさしく導いてあげてね。

・投稿予告
  カップリングや、明かせる範囲でのシチュエーションの予告をお願いね。
  傷つきやすい妹たちが自分では受け止められないと思ったら、回避してくれるわ。
  回避しやすくする為の[NG-Word]も投稿予告に書いてね。

・SS本文
  名前欄[タイトル/通り名/番号]を、mail欄[sage + NG-WORD]をお願いね。
  Mail欄に[NG-Word]があれば、傷つきやすい妹たちがよけやすくなるわ。
  それと、じつはこのスレには投稿されたSSを保管してくれるお姉さまがいらっしゃるの。
  保管庫ではタイトルがあるととても見やすくなるわ。
  そして、もし名無しさんじゃない素敵な名前がアナタにあれば、それもお願いね。
6名無しさん@ピンキー:04/05/20 07:03 ID:bU00EFNa
>>1
乙か令ちゃんのバカ〜!
7名無しさん@ピンキー:04/05/20 07:04 ID:WZu/EvWo
>1
乙か令ちゃんのマカー
8名無しさん@ピンキー:04/05/20 07:14 ID:OKXFTnr0
>>1
乙!

よ〜し、このスレでは煽らないようにするぞ〜
9名無しさん@ピンキー:04/05/20 07:25 ID:y801Y+OB
新スレ保守のため投下します。
題名は「時は流れる」、エロなし、聖さまの独白
メール欄は「himo sage」でお願いします。
10時は流れる:04/05/20 07:26 ID:y801Y+OB

別れを告げた校舎、
大切な思い出たち、
しかし、身近な場所に在り続ける私。

近くに存在するからこそ
目に触れないようにしている。

時は戻らない、
どんなにいとしき蜜月でも・・・。

11時は流れる:04/05/20 07:27 ID:y801Y+OB

時は流れる、
愛しい人が私の元を去った時も、
両手を繋いで彼女だけを求めた日々も。

時は流れているから繋がれた片手を手放す。
新しい出会いが待っているから、
両手を広げて、少しだけ心を開いて周囲に解け込む。

「頼らないで」って言ったけど、
本当はちょっと頼って欲しかった。
「心の中のものぶちまけていいよ」って言ったけど、
支えてあげられる自信は無かった。

全身、心の中までずぶ濡れの祐巳ちゃんを捕まえたあの日、
あの娘が望めば何でもしてあげられた。
たぶん・・・、
私がここに居られなくなるような事でも。

私にしては愛の告白のつもりだったんだけど、
気付いてくれなかったのかな?
もっとストレートに話せば違ったかもしれない。
けど、嫌われるのが怖くて、少し臆病になっていたのだろうか。
いや、時間が欲しいだけかもしれない。

12時は流れる:04/05/20 07:28 ID:y801Y+OB

私は男の人を愛せない。
初めての時は何か狂っているのではないかと
悩み、本を読みあさった。

 医学書・・・これは使えない。
 生物学・・・これは無意味。
 漫画、小説・・・ボーイズラブはやっているだけで自分に置き換えてもピンとこない。
レズ、百合ものは・・・見付からなかったし、見つけても参考にならなかった。
心理学、コラム・・・同性愛者の項目は少ない。
そう、異性愛者が書いたものが多く、異常性欲&病気なんだと決めて掛かっている。

"性同一性障害、バイセクシャル、
ゲイ、レズビアン、ノンセクシャル等々"
読んでいるだけで鬱になりそうな差別の連続や
一般社会で抹殺され続けている現実が手に取るようにわかる。
後は・・・、何を読んでも自分を否定されているようだった。


ああ、祐巳ちゃんが元気になってよかった。
祥子と仲直り出来て良かった。
ホッとした反面、少しガッカリもした。

祐巳ちゃんが、
私のものになってくれたら
このくだらない日常も変わるのかな。

13時は流れる:04/05/20 07:30 ID:y801Y+OB

コンパは苦手、恋愛の対象にならない男どもを引き合いに出され、
どれがいいって聞かれても困る。
大学からの入試組みはよくこの手の話も振ってくる。
いちいち2年前のことを説明するの必要もないし、
気味悪がられても困るので適当に誤魔化す。

この間は、酔っ払った勢いで女の子を口説こうとしていた。
未遂に終わったけど・・・。
あれは失敗。
変に勘ぐられて女の子が近寄ってこなければ
眺める楽しみすら無くなるのでちょっぴり注意しよう。

祐巳ちゃんの抱き心地は柔らかかった。
スベスベ、ぷくぷく。
祥子なんかどーでもいいからキスして押し倒したかった。
そんな衝動を理性で押しとどめた。

あと1歩、あと半歩、
祐巳ちゃんが歩み寄れば捕まえて離さない。
どんな手を使っても守ってあげる。

14時は流れる:04/05/20 07:32 ID:y801Y+OB

銀杏並木が秋の色に染まる。
一年前、祐巳ちゃんに出会った季節がめぐってきた。
出会い、発見、大切な友達。
ほんの少し正直に、ほんの少し素直になれた私。
しかし時は戻らない、
楽しい時間は過ぎ去った過去なのだから。




〜おしまい〜
15名無しさん@ピンキー:04/05/20 08:05 ID:eTymDE+e
ポエム野郎は失せろ
16名無しさん@ピンキー:04/05/20 09:18 ID:Fz4dDKxT
>>9
もうやめろ、
エロ無しはどっかよそに投下しる、
ここは21禁の板なんだ、
もう何度も言われてるでしょ・・・。


〜おしまい〜
17名無しさん@ピンキー:04/05/20 09:37 ID:cXQ7I5dq
>>16
メール欄は何かのネタですか
18名無しさん@ピンキー:04/05/20 10:46 ID:WLHUXiLL
>>9=>>16
文体もいっしょだしな。


もう誰も信じられなくなってきたよ…OTL
19名無しさん@ピンキー:04/05/20 10:55 ID:+TXbo5U+
>>18
メール欄はトリップとは違うけど、疑心暗鬼にもなるよね _| ̄|●

けど俺は待つよ。
同じ願いを持ってる住人が居ることを信じて、いつか平和が戻る日を待つよ。
(ノД`)・゚・
20名無しさん@ピンキー:04/05/20 11:05 ID:TnjVghXq
誰か煽り目的でやったんじゃないの。
メル欄半角スペース入ってるからコピペして貼ったんかと思ったよ。
21名無しさん@ピンキー:04/05/20 12:24 ID:SOG/XKKx
どうせしまいに荒らしや勘違い厨も飽きてどっか行くさ。

その間に職人さんも飽きてどっか行くかもしれんけど( ´ー`)y―┛~~
22名無しさん@ピンキー:04/05/20 16:12 ID:F1yWaBrY
センスのないスレタイだなオイ。
さっさと立て直せ屑野郎。
23名無しさん@ピンキー:04/05/20 16:35 ID:XOnF8oX/
釣れますか?
24名無しさん@ピンキー:04/05/20 17:59 ID:5+3Lt9pR
>>17
感想にも NG ワード入れてるだけじゃないかと。
25名無しさん@ピンキー:04/05/20 18:21 ID:wUy9ETXL
>>24
ああ!なるほど、お前頭いいな。
26名無しさん@ピンキー:04/05/20 19:30 ID:I9PmGocg
>>1
乙!
ありがとな、立ててくれてマジ嬉しい・゚・(ノД`)・゚・

>>9
乙!!
聖様の独白キタ*・゚゚・*:.。..。.:*・゚(n'∀')η゚・*:.。. .。.:*・゚゚・* !!!!!
こう言う感じのSSも大好きです。
himo氏、批判的なのは一部だけだと思われるのでこれからも頑張って下さいm(_ _)m


いいじゃないか、多少エロ無いSSあったって
新スレ保守の為って言ってるだろう!!
心機一転、マタ−リ行こう
みんな大抵『マリみて』スキーな( ・∀・)人(・∀・ )ナカーマなんだから
まず知らんかったら荒らす香具師もココまで来れないと思うし、
内容知った上で時間を無駄にして荒らしに来ているのなら、別の意味で『マリみて』に
のめり込まれてるんじゃない?
スキーな人は自ら「のめり込む」その上( ・∀・)人(・∀・ )ナカーマもできる
でも荒らす香具師は「のめり込まれる」その上( ゚д゚)ポツ−ン
これは結構大違い。
どうせ「のめり込まれる」なら「のめり込む」方が仲間も増えて楽しいぞ??

27名無しさん@ピンキー:04/05/20 19:38 ID:qVOoyi41
なんだこいつ。こわ!
28名無しさん@ピンキー:04/05/20 19:57 ID:szuXEoc7
>>himo氏
グジョーブ
もっと萌えさせてくれ!
>>26
熱いねぇ。冷笑系だらけのスレでこういうレス見ると感動する。
29名無しさん@ピンキー:04/05/20 19:59 ID:hoBqmLgL
荒らしが消えるまであげ続けようと思います
30名無しさん@ピンキー:04/05/20 20:00 ID:Xskpz8sJ
即死回避終了?
31名無しさん@ピンキー:04/05/20 20:55 ID:OKXFTnr0
即死ってそんなあるもんなの?
2日で7レスのスレとかも消えてないけど
32名無しさん@ピンキー:04/05/20 20:56 ID:bU00EFNa
せっかくだから保守

⌒*(・∀・)*⌒ξ(・∀・)ξ
33名無しさん@ピンキー:04/05/21 04:35 ID:b98Cn+qr
前スレ、眠い終わり方したな。
34名無しさん@ピンキー:04/05/21 12:00 ID:gsL/xy7e
実はSSだけ2chブラウザで抽出して
雑談とか感想全部スルーしてるんだけど
駄目ですか?
35名無しさん@ピンキー:04/05/21 12:27 ID:CtTRdbl/
なぜわざわざ訊く
36名無しさん@ピンキー:04/05/21 13:32 ID:g0YqWLsC
>>33
確かに
>>34
別にいいんじゃないか?
37名無しさん@ピンキー:04/05/21 19:30 ID:5Hqv0CPm
その方がマターリ出来ると思う。
38名無しさん@ピンキー:04/05/21 20:28 ID:SM8HqwLR
このスレ誰もいなくなったんじゃねーの。HP持ち職人さんは前スレから一人も投下してないし himo氏以外ね
39名無しさん@ピンキー:04/05/21 21:57 ID:CtTRdbl/
まだ君がいるじゃないか!
40名無しさん@ピンキー:04/05/21 22:10 ID:v+S3S8Pa
>>38
即売会にサークル参加するための準備してるみたいダスよ
41名無しさん@ピンキー:04/05/21 23:24 ID:vmIVCo8/
この雰囲気を改善するためにも、一刻も早い職人の誕生が待ち望まれているということかしらね。
42名無しさん@ピンキー:04/05/22 01:02 ID:i7UTKKUr
祐巳がDQNたちに拉致されて40日以上にわたってレイプと虐待を繰り返された挙句
殺されてセメント漬けになるSSキボンヌ。
祐巳に糞を喰わせるシーンを特にキボンヌ!
43名無しさん@ピンキー:04/05/22 01:40 ID:3V7UDF4C
>>42
帰ってください。お願いだから。
44名無しさん@ピンキー:04/05/22 01:52 ID:cPsBjlhJ
小ネタ満載の聖蓉コメディエロ
聖←蓉前提の凸蓉鬱ダークエロ
どちらを書こうか迷ってるんですがどちらが需要ありますか?
45名無しさん@ピンキー:04/05/22 02:24 ID:dRGWkkR1
暗いのが続いているからここは明るいのがいいと思う。
46名無しさん@ピンキー:04/05/22 02:28 ID:Q8q5Xvkg
>>43
しっ!見ちゃだめって言ってるでしょ!
47名無しさん@ピンキー:04/05/22 03:08 ID:bZDyurqQ
お邪魔します
需要なさげな祥祐でしかも続いてなんですが

NGは[sachikoyumi sage]でひとつよろしく
48名無しさん@ピンキー:04/05/22 03:10 ID:bZDyurqQ
いつだって唐突なひとだ、と思う。
何をするのだって、言うのだって。きっと、頭の中では全てに筋道が立っているのだろう。
そういえば、頭の良い聖さまや蔦子さんも、よく唐突な言動で祐巳を惑わせた。

けれど、それは祐巳には伝わらないから。たまに不安になっているのに、果たして気づいてくれて
いるだろうか?
だから、出来る事なら。唐突にではなく、分かるように全部話してくれたら、と思うのだ。

これは贅沢なのかも知れないけれど・・・心うちまで、全部。


――そしてやはり、今日もお姉さまは唐突だった。
49名無しさん@ピンキー:04/05/22 03:11 ID:bZDyurqQ

「お、お姉さま・・・!」
薄い暗闇の中に祐巳の声が響き渡る。
否、響くほど広い室内でもないのだけれど、祐巳と祥子さましかいない室内では、確かに祐巳の
声は際立って聞こえた。
「ん・・・なぁに?祐巳」
大好きな、お姉さまの声。
「あ・・・っ」
それが今は、ソファに座った祐巳のすぐ後ろから聞こえてくる。耳の裏に唇を当てるように囁いて、
その距離は今、ゼロに限りなく近い。祐巳が震える度に、祥子さまの唇が祐巳の耳を掠める。
そのささやかなはずの刺激にさえ、体の芯が疼いてくるのを感じずには居られなかった。
お姉さまの吐息が、鋭くなった祐巳の神経を刺激する。ただ軽く口付けてくるだけなのだけれど、
反射的に漏れ出る声を抑え切れない。刺激から逃げるように身をよじるけれど、祥子さまの唇も、
後ろからしっかり絡ませた腕もそれを許してはくれなかった。
「み、耳・・・やめ・・・!駄目ですお姉さま・・・!」
祐巳が辛うじてそうとだけ言葉を紡ぎだすと、祥子さまの笑み含みの声が囁くように耳に
吹き込まれた。

「なに?祐巳は、耳が駄目なの?」

「んんっ・・・・・・!そ、そういうことじゃなくてぇ・・・っ」

半ば泣きそうになっている祐巳にはお構いなしで、祥子さまは絡みつけるように抱き締めて祐巳を
逃がさなかった腕を動かした。右手は、祐巳の左のふくらみにそっと這わすように。左手は、腿を
押さえて逃げられないように。
50名無しさん@ピンキー:04/05/22 03:12 ID:bZDyurqQ

「じゃあ、どういうこと?何が駄目なの?」
新たな刺激に怯える祐巳に、言って御覧なさい、と促す祥子さまの声は意地悪だ。言葉の端々に
余裕が感じられて、焦っているのは自分だけかと祐巳はちょっと悔しくなった。
無論、そういう余裕たっぷりで強気な祥子さまが、祐巳の大好きなお姉さまなのだけれど。
だからと言ってこの状況が変わるわけじゃないし、お姉さまには、どうにかして思いとどまって
頂かないと。
「お、お姉さまの意地悪・・・!」
でも、何がどう駄目なのか、ぼんやりし始めた頭では上手く説明できなくて。間を持たせるように
紡いだ言葉は、そんなありふれた意味のない抵抗だった。
「意地悪で結構」
くすり、と祥子さまが笑む、その空気の流れさえ祐巳の神経をなぶる。脚と胸に置かれた手は、
制服の上からただ包み込むように其処にあるだけで。時折撫でるように微かに動くけれど、
それは決して激しいものではなかった。

傍目には、祥子さまはただ、後ろから祐巳を抱き締めているだけなのである。
もっともこれだって、誰かに見られたら十分まずい光景なのだろうけれど。
51名無しさん@ピンキー:04/05/22 03:13 ID:bZDyurqQ

「・・・んぁ・・・あっ!やぁ・・・っ」

それなのに、どうしてこんなにも祐巳の身体は祥子さまに反応しているのだろう。

唇でなぞられた耳や頬や首筋は、その軌跡を覚えているかのように熱く痺れていて、ふわりと
包み込んだまま時折抱えなおす為に動かされる手の平の下では、疼く肌が熱を持っていた。
その奥にある心臓は早鐘を打っていて、それが更に祐巳を落ち着かない気分にさせる。
もう逃げ出す力も入らない脚には依然として抑える手が添えられているけれど。
スカートの上からさえ少し冷たく感じるそれは、肌の期待に反して、少しも動きをみせなかった。

――焦らされてる。

どうせならこのまま、止めてくれたら良いのに・・・と思うけれど。反面、それを寂しく思う心が
疼きだすのを感じて、祐巳は戸惑った。

でも、ここは。
 
ここは――まだ校内で。先ほどまでは皆でお茶を飲んでいた・・・薔薇の館。

52名無しさん@ピンキー:04/05/22 03:14 ID:bZDyurqQ

「ん、んん・・・っ!・・・お、姉さま・・・どうして、こんな事・・・。ぁっ・・・!」
耳たぶを甘噛みされる感触に耐えながら祐巳が言うと、
「それは、先ほどの答えになっていないわよね」
祥子さまはくす、と笑って、首筋に唇を這わせた。
「駄目、です。お姉さま・・・!」
溢れ出る吐息を抑えて、辛うじて紡いだ言葉はあっさりと無視されてしまった。
何が、どうして駄目なのか言うまで解放してくれないのだろうか。
元々動きに乏しかった右手は、胸の先あたりを緩々と撫でるだけに留まっている。
服地の上からなのに、微かな刺激が掠めるように訪れるのが堪らなく背筋を粟立たせた。

胸に、首筋に。神経が集中するのを感じる。

「誰かに見られたら・・・!それに、学校じゃ、こういうことはしないって・・・」
「そうね」
「お、お姉さま?」
相変わらず祥子さまのお声は楽しそうで、解放してくれるわけでも無いから止めるつもりは無いの
だと悟った。
「誰かに・・・見られたら、困ります・・・」
53名無しさん@ピンキー:04/05/22 03:15 ID:bZDyurqQ

「どうして?」
 くすり、笑われる声。
・・・どうして、なんて分かっていらっしゃるくせに。

「恥ずかしいし・・・お、お姉さまにも私にも立場って言うものが・・・」
紅薔薇さまと、そのつぼみという立場。
それはたしかに重要だけれど、自分で発しておきながらなんて薄っぺらい理由なのかと思った。
お姉さまとの行為は、自分の立場より大切なものだろうかと。
しかし、お姉さまの立場は大切だと思う。・・・もう、進学も決まっていらっしゃるのだし、
何より祐巳は祥子さまに悪評が立つことに・・・祥子さまが周囲に冷ややかな視線を浴びたり、口汚く
罵られ貶められる事に耐えられない。

「この時間まで校内に残っている生徒はそう居ないわ。カーテンは閉めているし、何より薔薇の館には
一般生徒はあまりこないもの」
そういう問題じゃない。そういう問題じゃないんです、お姉さま。
54名無しさん@ピンキー:04/05/22 03:15 ID:bZDyurqQ

誰かが来る可能性がある場所。来ない確率のほうが圧倒的に高くても、その恐れのある場所で、
落ち着けるわけがないのだ。
「万一、って事もあるじゃないですか・・・!」
・・・もっとも、祥子さまとこういう事をするとき、落ち着いていたためしは無いのだけれど。
「そうね」
「・・・なんで今日に限って、こんな、急に・・・するんですか」
荒い息の間にようやく言葉を紡ぎだすと、祥子さまはまたくすくすと笑った。
こわばった身体は振り向く余裕もなくて、祥子さまの表情は窺い知れないけれど。きっと、
艶やかに笑んでいらっしゃるのだと想像が付く。
「せっかく令や志摩子が気をきかせて早く帰ってくれたのだもの。勿体ないでしょう?」
「勿体無いって・・・。んん・・・っ何が・・・・・・」

ますます混乱する祐巳に、祥子さまは「分からないなら良いわ」と囁いて。

先ほど手ずから整えてくれたタイを、シュル、とほどいた。

55名無しさん@ピンキー:04/05/22 03:16 ID:bZDyurqQ

祐巳は急いで考えをめぐらせた。・・・・・・どうしてこんな事になったのだっけ。
微かな刺激に集中する頭は、もうあまり活発には動いてくれなかったけれど。白く霞みがかった意識で、
先ほどまでのことを精一杯思い出そうとする。

いつも通り集った薔薇の館。でも、取り立てて何かあるわけでもないから、ちょっとした書類の
まとめのあと、いつも通りの雑談とお茶会に入った。

今日は用事があるのだとかで、いつもより早く帰った他の姉妹の分まで洗い物を片付けて。
振り向くと祥子さまが微笑んで手招きしていらっしゃって、嬉しくなったのを覚えている。
ソファに腰掛けた祥子さまに促されて、ぴったりくっついて座ったところまでは良かった。
ねぎらうように頭を撫でてくれる手が心地よくて、うっとりと目を閉じた。
祥子さまがこんな風に祐巳を甘やかしてくれるのは、二人きりの時だけだから。早く帰ってくれた
ほかの姉妹に感謝かな、と考えて、ちょっと申し訳ない気分になってしまったりもして。 

しかし、その優しい手の後に待っていたのは唐突な抱擁だったのだ。それも、多分にそういう意味
を含んでいると感じられるような。


・・・やっぱり、どうしてこういう流れになったのか分からない。心当たりが無い。

56名無しさん@ピンキー:04/05/22 03:17 ID:bZDyurqQ

「わ、分かりませんお姉さま・・・!どうして、急に」
だって、お姉さまと祐巳が通じてからもうだいぶ経つけれど、これまでお姉さまは学園内でこんな事、
なさったりはしなかった。
たまに誰も居ない時に祐巳が控えめに甘えると、額にキスしてくれたり、髪を撫でてくれたりする。
・・・それくらいのことならあったけれど。


第一、人に知られてはいけないと、だから学園内ではこういう事はご法度だと、そうおっしゃったのは
祥子さまだったはずだ。
公私混同はよくないし、けじめと言うものが必要だから。
「だから、分からないなら良いと言っているでしょう?」
それまで後ろから抱き締めるだけだった祥子さまが、祐巳を膝の上で向き直らせると今度は正面から
抱き締めた。

向き直った一瞬、見えた微笑は、なんだか寂しげに見えて、祐巳はなお戸惑った。

――気のせいだと良いのだけれど。

しかし、祥子さまはそのまま、祐巳の細い身体を抱き締めて動かない。

57名無しさん@ピンキー:04/05/22 03:18 ID:bZDyurqQ

「・・・・・・お姉さま?」
息を整えて恐る恐る呼びかけると、祥子さまは少し身体を離して、微笑んだ。


「・・・ね、祐巳。今ここで、祐巳が欲しいの。どうしても嫌?」

「――」


そんな風に言われて、嫌と言えるわけが無いのだ。


微笑んではいるけれど、どこか儚い、今にも何か壊れてしまいそうな表情。
切なげに寄せられた眉に、潤んだ瞳。
漆黒のそれに自分の惚けたような顔が映っている事が、たまらなく嬉しく祐巳の心を震わせた。

・・・そんな場合じゃないと分かっているのに。


嫌と言えば多分祥子さまはあっさり祐巳を解放してくれるのだろう。

でも。
祐巳は頷く。恥ずかしかったから、目を閉じて、小さく。

祥子さまに求められることがこの上なく嬉しいのに、どうして祐巳が否を言えるだろうか。

――ましてや、これまでのささやかな行為で、既に祐巳の身体は熱く火照ってしまっているのだから。



58名無しさん@ピンキー:04/05/22 03:19 ID:bZDyurqQ





「んん・・・っ」
殺し損ねた声が控えめにその小さな唇から漏れる。
耳朶を甘くくすぐるその響きに、祥子はぞくりと背を這い上がる快感に身体を震わせた。
そっと解いた祐巳のリボンと髪ゴムを床へ落とすと、二人の脱いだ制服に落ちて、微かな音を立てる。

ようやく露わになった肩口に口付けながら、紅い徴を刻んでいく合間に囁いた。
「可愛いわ、祐巳。・・・声、お出しなさい」

声が聴きたい。

甘く掠れた吐息も、喉から漏れ出てしまったような押し殺した声も、全て愛しいけれど。
私に感じてくれているのだと、確かに今自身の手で祐巳に何かを与えているのだと
実感できるものが欲しい。
祐巳の、甘く響く確かな声が聴きたい。

心からそう思って、首筋を舐めあげる。祐巳はいやと首を振るような動きを見せたけれど、
お構い無しに続けた。
右手はスリップの裾から忍ばせて、控えめな胸を包み込むように暖める。
「大丈夫。ここなら・・・家よりも人に聞かれにくいわ」
否、暖められているのは自分の手かも知れなかった。
祐巳の身体はどこも熱くて、触れるたびに細かく震えるから、祐巳は祥子の手の冷たさに
反応しているのだろう。・・・もっとも、反応しているのは冷たさにだけでは無いと分かるけれど。
59名無しさん@ピンキー:04/05/22 03:20 ID:bZDyurqQ

「や・・・・・・はぁ・・・っ!お姉さま・・・!お姉さま」

自分を呼ぶ祐巳の繰り返される声に、うっとりと目を細めて祥子は首筋から耳へ、鎖骨へ、
肩へと唇を滑らせた。
緊張に筋張って一層深まった鎖骨のくぼみに舌を添わせて横に移動するように舐めると、
祐巳の白い首が仰け反る。
開いた左腕で踝から膝の裏までをゆっくり往復させて、じわじわとその位置を上へ上へとずらしていくと、
その都度祐巳の開いた脚は跳ねて、小刻みに震えた。

暖められた手の平の下、心臓の鼓動とともに忙しなく震える胸は、もう硬度を持ってその存在を主張していた。

少しだけ手を動かして、てのひらの中心でその蕾を揉むように撫でる。

「あっ・・・・・・」

その事に気づいたのだろう。祐巳の恥ずかしげに横にそらされた目線を追いかけるように顔を上げて、
「可愛いわ」
「・・・・・・んんっ・・・!」
言うと、祐巳はきつく目を閉じて唇を噛み締めてしまった。
60名無しさん@ピンキー:04/05/22 03:21 ID:bZDyurqQ

祥子は蕾の周囲を円を描くように撫でまわして、もう片方に口付けた。ずりあげたスリップとブラが
邪魔だったけれど、鼻先で追いやる。
口の中に感じる胸の先は、まだこちらには何もしていなかったのにもう片方と同じようになっていた。
舌で舐めあげて、吸って、押しつぶすようにして転がす。同時にそれまで胸の周囲に円を描いていた手を、
蕾に押し当てて軽く扱いた。
もう片方の手は内腿を撫で上げ、遠ざかるのを繰り返す。

堪えきれなくなったのだろう、切なげな祐巳の声が一際大きく響いた。
祐巳はその声の大きさにか艶かしさにか、びくっと怯えたように身体を震わせると、
手の甲を口に押し当てて横を向いてしまった。

――可愛い。

その耐える姿さえ、たまらなくそそるのだと、可愛いのだと。どうして祐巳は気が付かないのだろう。

いつも祐巳は、自分のことを『平凡で大した事の無い顔』だとか、
『愛嬌だけがとりえのタヌキ顔』だとか言うけれど。

どうして魅力というものは本人は気づかないものなのだろう。
61名無しさん@ピンキー:04/05/22 03:21 ID:bZDyurqQ


そういう祥子も、祐巳が誉めてくれる自分の顔をそれほど好ましく思っているわけではなかったのだけれど。

しかし、この祐巳の顔を見て可愛いと思わない者など居ないはずだ、と考えて苦笑した。

――他の誰かになんて、この顔を見せてやるつもりはないのだけれど。少なくとも、祥子には。


祐巳は可愛い。


そして、何よりも愛しかった。世界で一番、他の何よりもだと自信をもって言える。

胸の先から唇を離して、その周囲に舌を這わせる。白くて柔らかい肌は滑らかで、何度触れてもそのたびに感

動を覚える清らかさがあった。

もっと。もっとこの肌に、この身体に、声に、――祐巳に溺れていたい。
いっそ肉の肌も血も骨も、無くなって。一つであれたら良いのに。
二人の間にある二人の全てが邪魔で仕方が無かった。
62名無しさん@ピンキー:04/05/22 03:22 ID:bZDyurqQ

なんと我侭な想いだろう。自嘲に視界が霞む。
祐巳がこちらを見ていないことが幸いだと思った。きっと彼女は、こんな姉でも心配するに決まっているから。

これほどまでに祐巳の身体を貪りながら、心まで自分の中に取り込みたいと願うなんて。

――叶わないと、知っているのに。


卒業が別れだなんて、本気で思っているわけではない。
しかし、一歩一歩確かに近づく、将来への不安。
63名無しさん@ピンキー:04/05/22 03:23 ID:bZDyurqQ

学園で、姉妹で。

 
祐巳と一緒に居るという事が何の代償も無く、無条件で叶った幸せな環境はもうすぐ終わる。
その後も祥子は祐巳を求めるだろう。
祐巳も、おそらくは共に居たいと望んでくれるだろう。――そう思うことさえ傲慢かも知れないけれど。

でも――それは、いつまで?

あと何年、そうしていられるのだろう。手を繋いで、幸せなままに。
もしかしたら十数年後、自分は祐巳と笑いあって過ごせているのかも知れない。
あの頃は些末な事で不安になったりもしたものだと、若い自分を懐かしく微笑ましく思い出すのかもしれない。

そう信じたいけれど。


――どうして、そんな都合の良い幻想を、今のうちから抱いて生きていけるだろう。
64名無しさん@ピンキー:04/05/22 03:24 ID:bZDyurqQ

叶わなかった時に。心弱い祥子には、それはあまりに、痛い。
ともすれば心が壊れてしまうかも知れないほどに。

いいや、壊れてしまうに決まっているのだ。あの雨の日にそれは経験済みだった。

そして一度手に入れて通じ合った心を手放してしまうのは、失ってしまうのは、一体如何ばかりの衝撃だろうか。


間断なく蕾を攻め立てて、祐巳の高い声を耳朶に刻み付けるように、それだけを聴きながら。
蕾に、胸に。お腹に、鎖骨に、肩口に。貪るように口付けて、紅い痕を刻みつけながら。

祥子は、いつの間にか涙を流してしまっていた。

65名無しさん@ピンキー:04/05/22 03:26 ID:bZDyurqQ
失礼しました

てか、二重に失礼した。
NG…[sachiyumi sage]だった… _| ̄|●
66名無しさん@ピンキー:04/05/22 05:19 ID:L22XhAra
とても(・∀・)イイ!!
早起きしてよかった…

祥祐、需要なくないですよ!
もっと読みたいっす。
67名無しさん@ピンキー:04/05/22 05:45 ID:Q8q5Xvkg
>>65
乙かれ。とっても楽しく読めました。この微妙な雰囲気もこれで打破されそうで嬉しいです。

でもちょっと気になった所があったので・・・。
一つ一つの文の完成度は高いけれど、全体的に纏まりがないように思えた。
話の流れが分かりにくい箇所もちょっとあったかな。

巧い文章を書ける方だと思うので、期待してしまいます。
65さんが数少ない祥祐職人になってくれる事を祈って出勤。
68名無しさん@ピンキー:04/05/22 08:21 ID:Jsh0XiLx
職人さんGJです。
祥祐ってオーソドックスな組み合わせだと思うんですが、
あんまり見かけないのはなぜでしょう・・・
69名無しさん@ピンキー:04/05/22 09:07 ID:8rJuUhGq
祥祐の需要がないなんてとんでもない。
俺なんか祥祐が来たら両手両足の親指を立てて奇声を発しながら小躍りするよ
>>65
GJ。切なくも楽しいひとときをありがとう。祐巳タソはえろいなあ〜
70祐巳陵辱顛末 ◆jHCuM/6C1s :04/05/22 13:23 ID:bpiSVK6B
埋め立て余り、NGワード;柏木


「――祐巳」
「……お姉……さま……?」
ゆっくりと、涙に濡れた瞳を上げる。その先。
その人は立っていた。古い温室の入り口。
長い黒髪をアイボリーのセーラーカラーに絡めて。
「待って!」
咄嗟に逃げようとする腕を祥子は掴む。
そのまま、強く、強く手繰り寄せる。
「許して、祐巳、許して」
「お姉……さま……」
祥子は祐巳をきつく抱きしめていた。
立ったまま。駆けようとする祐巳を離さないように。
閉じた瞼から一筋の涙を流して。
「お願いだから、私をおいて行かないで。一人にしないで、お願いよ……」
死ぬなんて止して。
あなたを失うくらいなら、他のことなんてどうでもいいのと。
「お姉さま……」
祥子のいつも気高い顔ばせは今は子供のように崩れて、
ただ心の中だけを映し出していた。祐巳は、ぽろぽろと涙をこぼす。
「お姉さま。祐巳は、どこにもいきません……」
ごめんなさい、心配かけてごめんなさい。そう呟いて。

71祐巳陵辱顛末 ◆jHCuM/6C1s :04/05/22 13:24 ID:bpiSVK6B

「そんな、そんなことって――」
刺繍入りのハンカチを口に当てて、体を震わして。
涙をぼろぼろこぼして。
「許して、祐巳……私を、許して――」
祥子は知った。祐巳が心身に受けた傷。
無理に話さなくていい。そう言う祥子に、静かに首を振って。
もう、お姉さまに隠し事なんてできないのだと。
「お姉さまのせいじゃありません」
祐巳をその手をしかと握り、ただ首を振る。
「それに、柏木さんだって――」
「もう、その名前は口に出さないで!」
今度は祥子がかぶりを振って。
そして、そのまま――祐巳に口付けをした。
「! んっ……ん……」
先に舌を差し入れたのはどちらからだろう。
驚いたような祐巳の瞳も、次第に細まり、濡れて――。
二人は体の一部で、つながり、一つになる。
「あ……は…ぁ……」
やがて離れる二人の唇には濡れた橋がかかって。
「お姉……さま……」
まぶたは、涙がこぼれそうに。
「お姉さま……こんな汚れて……しまった、私でも……いいん……ですか……?」
祥子は、黙って、もう一度祐巳に唇を重ねた。
唇と唇が触れ合っていく。
「祐巳、あなたが好きなの」
72祐巳陵辱顛末 ◆jHCuM/6C1s :04/05/22 13:25 ID:bpiSVK6B

だから、いつまでも元気でいて。
「うれ……しい……」
そのまま、意識を失っていく祐巳。
祥子はその体を棚に腰掛けさせると、最後にもう一度だけ、その頬を撫でた。
「さようなら、祐巳――」









「さて、今度は他のやつら呼んでこようか――」
「それには及ばないわ――」
その声に、さっと強張る柏木の。顔は見る間に蒼褪めていく。
「さ、さっちゃん――」
「どうして、ここに? かしら」
皮肉った口調とは裏腹に、祥子の顔からは底冷えするように、
表情が欠落していた。それが、この男の恐怖をよけい煽る。
「さち……子……」
下を向く。その先で。聖は拘束され、転がされている。
だが、顔からはさっきまでの絶望も薄らぎ。
「祐巳ちゃんと、仲直りできたんだね――」
良かった。本当に良かった。そう溢れる涙は、さっきとは別の。
73祐巳陵辱顛末 ◆jHCuM/6C1s :04/05/22 13:25 ID:bpiSVK6B

「――どういうことだ、柏木先輩」
うろんな目で、祐麒は柏木を見つめた。
祥子と柏木とを交互に見やる。
「い、いや、これは――」
「聞いて、祐麒さん。祐巳に乱暴を働いたのは……その男よ」
全部その男が仕組んだことなのと――言葉とともに掲げる、本物の「記念写真」。
瞬時、柏木が駆け出した。後ろにある別口を目指して。が――
「ぐべっ」
まるで、いつぞやの銀杏地獄のように、派手に転ぶ。
柏木に足を掛けた祐麒が、迫ってきた。
「そういうだったのかよ――」
「ま、まて、ユキチ」
問答無用だった。祐麒の、全力を込めた拳が振り下ろされる。
「ぶべらっ!!」と、数発の拳を顔面に馳走されて、柏木は再び地に伏した。
「よくも、よくも祐巳を……!」
「フフ」
怒りに凄まじく歪む祐麒の形相を見て、血を拭い、
柏木はやけにすっきりとした顔であぐらをかいた。
「フフフ、バレちゃしょうがないな。ケケケ」 
「――優さん」
今にも飛び掛ろうとする祐麒の肩に、手を置いて、祥子が立つ。
その顔を見て……祐麒の腕もそのまま固まった。
74祐巳陵辱顛末 ◆jHCuM/6C1s :04/05/22 13:26 ID:bpiSVK6B

「なぜ、祐巳を傷つけたの?」
「…………」
柏木はそっぽを向いて、そして、うすら笑い一つ、いつものように言ってのけた。
「別に。単なる暇つぶしさ」
瞬間。
飛び掛ったのは祐麒でなかった。
「さ、さっちゃ……ぎょええええええええっ!?」
「安心なさって。優さん」
祥子の手に握られているのは、細い針金。
針金は腕を交差させた祥子の手のひらに、血がにじむほどきつく食い込んでいる。
「あなたを殺して、私もすぐ後を追うわ」
――祥子の顔はさっきとは別物のように歪められていた……憎悪に。
「ぎょぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼ」
「二人で死んで、祐巳と聖さまにお詫びしましょう。もう、もうそれしかないの」
恐怖で引きつった柏木の顔は真っ青に、それからすぐにどす黒く染色されていく。
呆然と立ち尽くす祐麒、横たわる聖に止める手立てはない。
やがてパンパンに膨らみきったその顔が、破裂せんとしたとき。
「待って、お姉さまっ!」
声は、やはり後ろの戸口から聞こえた――

75祐巳陵辱顛末 ◆jHCuM/6C1s :04/05/22 13:27 ID:bpiSVK6B

「祐……巳……」
「お姉さまっ」
駆け寄って来る祐巳は、まっしぐら、祥子の胸へと飛び込む。
「死ぬなんて、死ぬなんて止めてください……!」
「祐巳――」
そっと抱きしめる、その腕すら強張って。祥子の美しい顔は、懊悩に酷く歪められる。
「私の身内のせいであなたを傷つけて……その上、あなたの心まで追い込んで。
私が、私が自分でけじめをつけなければならないのよっ」
「嫌です! そんなの嫌です!」
不意に、腕の中の祐巳が声を振り絞った。
びっくりしたように目を見開いて、見上げる、濡れた瞳を見下ろす。
「私のためにお姉さまが死ぬのも、お姉さまが人を殺すのも、そんなの絶対嫌です!!」
「祐巳……」
「それに」と云って、祐巳は目を向ける。
へたれこむ、柏木の方へと――
「それに、もういいんです。お姉さま、柏木さんを許してあげて」
その言葉には祥子や祐麒たちだけでなく、当の柏木まで驚いた。
76祐巳陵辱顛末 ◆jHCuM/6C1s :04/05/22 13:27 ID:bpiSVK6B

「なん、だと……」
「そんな……何を言っているの、祐巳!?」
さっきまで咳き込んでいた柏木の方へ、祐巳は歩み寄る。
「あなた……つらそうな顔をしてた」
「…………」
祥子が横から口を挟む。
「祐巳、あなたはそんなことでいいの!?」
祐巳は静かに首を横に振った。
「もう、いんです。もう……。お姉さま、柏木さんと仲直りしてあげて」
大切な従兄弟なのだからと。
「祐巳……」
「…………」
柏木の顔から、悪あがきのような強張りが抜け落ちて。
微かに、自嘲気味に笑った。
「俺の……いや、僕の負けだ」

(――完敗だ)

「ごめんなさい……ごめんなさい」
見れば、祐麒が額を床に付けて、聖の前にうずくまっている。
ぽたぽたと床に滴るのは悔恨の涙。
77祐巳陵辱顛末 ◆jHCuM/6C1s :04/05/22 13:28 ID:bpiSVK6B

「許してくれなんて云いません……煮るなり焼くなりしてください」
「…………」
聖は身を起こし、今や縛めも解かれて、半身を布と手とで蔽っている。
白い肌についた鮮血の跡も痛々しいが、今やすっかり肌に生気が蘇っていた。
「祐麒は……祐巳ちゃんが好きなんだね」
思わぬ言葉に、祐麒が面を起こして聖を見る。
その頭を、聖はくしゃくしゃと手で撫でてやった。
「私も、祐巳ちゃんが大好きだよ」
祐麒を見下ろす瞳に、もう涙は乾いていた。
「祐巳ちゃんのことでこんなに夢中になって、傷ついて。本当に、祐麒は祐巳ちゃんが好きなんだね」
「聖さん…………」

(本当に、完敗だな――)

――やがて、面々がそれぞれに帰路についた。日常へと。



その後、柏木が祐巳に指一本触れることはついになかった。



<完>
78名無しさん@ピンキー:04/05/22 13:35 ID:HgfjZLab
>>65
GJ(・∀・)!
祥祐、読む方にとっては需要が無いなんてことはないんだけど、
書く人は少ないね。なんでだろ。
とにもかくにも良かったです。
79名無しさん@ピンキー:04/05/22 13:48 ID:BqRkaD5S
>>77
柏木は死んだ方が面白かった
80名無しさん@ピンキー:04/05/22 13:58 ID:+VtZlqYw
>>65
なんかうまく言えないけどすごく良かったです。
マリみてはやっぱり祥祐に限りますなーヽ(´ー`)ノ

後、文章すごくうまいですね。自分にはとてもこんな文章書けないですよ…
それと、これからは名前欄題名にしてもらえると嬉しいです。
81名無しさん@ピンキー:04/05/22 17:39 ID:lsRVY5S6
>>77
乙〜。面白かったですよ。
マリみてっぽい終わり方で救われますた。

祐巳たんと聖さまの処女の問題が未解決ですが、
福沢時空で再生可能なんでしょうか・・・
82名無しさん@ピンキー:04/05/22 19:32 ID:qe8lmbZd
>>65
果てしなくグッジョブ!
いとしさとせつなさとエロチシズムに溢れててヨカッタヨー。
祥祐は本編で満たされてるから作品数が少ないのだと思うが、このカプこそ王道であると納得の一本でした。

蛇足ながら、>61とかは行間に空白が多すぎなんじゃないかと思いますた。
83名無しさん@ピンキー:04/05/22 23:20 ID:eERxvZ0t
>>65
 すげーよかった。GJすぎ。 祥祐属性があんま無い
自分なのにめちゃときめいた。 かゆいトコに手が届くって
感じの文章すごい。

 需要云々の話だけど、職人さんはそんなこと気にせずぜひ
どんどん投稿してもらいたいでつ。 いい出来ならどんな
カプでも喜んで読む名無しさんきっとイパーイですよ!!
84名無しさん@ピンキー:04/05/23 00:21 ID:engzYIKn
>>65
(*^ー゚)b 祥祐グッジョブ!!
これからも期待してまつ(・∀・)ノシ
>>77
GJ!!
途中痛くて少々キツかったが、終り方は結構上手かった。
最後らへんの聖さまがなんかカッコイイ(`・ω・´)
まとめ方うまいな
85名無しさん@ピンキー:04/05/23 02:31 ID:Mdr3SMJw
>>77
うわ!!ハッピーエンドしてる…読み始めの頃のダークな予想を覆してくれたなぁ。
GJ。

そう言えば書き始めの辺りで、もしこの作品がハッピーエンドになったらどうこうって言うレスがあった気がする。
86名無しさん@ピンキー:04/05/23 11:20 ID:fbWCu1Fv
祥子さまと祐巳は、王道過ぎて話のネタが思いつかない。
原作と被っちゃったりしたらアレだし・・・。
すっげーマイナーな組み合わせじゃなければ祥祐が一番書くには難しい。
何度か祥祐書いてみようかと挑戦してみたが、全部撃沈でした。
87名無しさん@ピンキー:04/05/23 11:45 ID:FGTtaJpg
>>65
GJ!!
よかったです。祥祐に目覚めました。

HP持ちじゃなくても、いい書き手さんがまだまだいるのでありがたい。

88名無しさん@ピンキー:04/05/23 11:58 ID:fbWCu1Fv
逆にHP持っててもエロなし投下し続ける人もいるしな
89名無しさん@ピンキー:04/05/23 15:09 ID:fHTSLzQ9
迷惑な話だ
90名無しさん@ピンキー:04/05/23 18:07 ID:NYNbw7ZX
エロなくてもエロい雰囲気ならいいと思うけどな。
91名無しさん@ピンキー:04/05/23 18:11 ID:jKfk88cd
↑正直、あんたらの方が迷惑ですが
9291:04/05/23 18:13 ID:jKfk88cd
あ、88と89の馬鹿ね
93名無しさん@ピンキー:04/05/23 18:16 ID:fNg2v6rP
まぁ、そうカリカリしないで。
94名無しさん@ピンキー:04/05/23 18:50 ID:d5Au9s34
もう、およしになって
95名無しさん@ピンキー:04/05/23 19:16 ID:5IHUt4Kg
エロなしは確かにスレ違いだが、エロなしに脊椎反射で罵倒する奴はサルっぽくて引く
96名無しさん@ピンキー:04/05/23 19:19 ID:CDUvqlsy
野暮なことは言いっこなし。
エロSSを「直接描写バリバリ・Hあり」って狭く定義するんじゃなくてさ、もっと広い意味でエロを捉えるがいいと思うのよ。
直接的なエロさよりも精神的なエロさの方が断然エロかったりするっしょ?
スレ違いの一言で片付けるのはもったいない。エロさの基準についてはもっと寛容であるべきだわ。


>>94
ごめんね、志摩子さん。(´・ω・`)
97名無しさん@ピンキー:04/05/23 20:11 ID:2wsOCT2U
まぁマリみて自体エロエロだからな
98名無しさん@ピンキー:04/05/23 20:44 ID:A2Ajiz+V
オロオロする志摩子さん(・∀・)イイ!!
99乃×志 ◆jHCuM/6C1s :04/05/23 22:22 ID:FLAWoWaH
乃×志
NGワード;イム


「帰れないね……」
「そうね」

あまり緊張感もなく呟く志摩子の前で、
しかし、現実はあまり甘くはなかった。
「まさか、いきなり降り出すなんて……」
呆然と立ち尽くす乃梨子の前、駅の軒先には水の塊が、
文字通りバケツをひっくり返したように落ちていく。
「予報では逸れるってことだったのに……」

「志摩子さん……仏像を見に行かない?」
そう、声を掛けたのは、とある週末の一日のこと。
「ここなら、日帰りも出来るし」
「そうねえ……」
旅行ガイドブックを片手。目を輝かせる乃梨子の前で、
志摩子は顎に手をあて一寸思案顔をつくってみる。
「乃梨子と遠出というのも、たまにはいいかもしれないわね」
「やった!」

100乃×志 ◆jHCuM/6C1s :04/05/23 22:23 ID:FLAWoWaH

楽しい時間はあっという間に過ぎていった。

山門を巡り、あぜ道を歩き、茶屋でお菓子を食べて。
志摩子の前ではしゃいでみたり、一緒に手をつないでみたり。
志摩子は優しい目で乃梨子を見つめる。
陽光に眩しげに目を細めて。

やがて、朝昇った太陽は夕べには山の端に沈むころ。
楽しいひとときに――ハプニングは、起こったのだった。

その日、季節外れの台風は、夕過ぎより北関東一円に雨の塊を見舞っていた。
まさしく、志摩子と乃梨子の頭上にである。
已に夕天は低く垂れこめ、曇を黄昏の朱で染めている。


101乃×志 ◆jHCuM/6C1s :04/05/23 22:27 ID:FLAWoWaH

「やっぱり、駄目みたい」
駅の先で。二人で一本の傘に、乃梨子が濡れながら飛び込んできた。
「電車だけでなく、長距離バスも全部臨時休業だって。――今日はもう、帰れないよ」
「そう……」
うつむく志摩子の顔に、あまりはっきりした表情はない。
何を考えているか掴みづらいのは、いつものことではあるが。
「そう、じゃないよ、志摩子さん。今、お金いくらもってる?」
「待って」
乃梨子の言葉に、一緒に財布の中を探り始める。
「三千とちょっとね。乃梨子は?」
「私も。三千七百と五十二円」
二人は顔を見合わせ、はあっと溜息をついた。
「帰りの切符、買わなければ良かったなぁ」
観光向けの宿泊施設は乏しくないが、二人合わせて六千円では難しいだろう。
「どうしようかしら」
「うーん」
家に帰ることは出来ない。身を寄せる一夜のよすがもない。
そうこうする内にも、風雨はますます激しく、二人の華奢な体を吹き飛ばす勢いだった。


102乃×志 ◆jHCuM/6C1s :04/05/23 22:27 ID:FLAWoWaH

「……そうだ。……志摩子さん、ここ」
ふと、目に付いて、乃梨子は志摩子の腕をひっつかんだ。
指し示す先。
「えっ……の、乃梨子……ここって」

ご休憩 \3000
お泊まり \6000

「…………」
ピンク色のネオンが、安っぽい看板に煌いている。
ドライブに来たカップル向けだろうか。その辺りには、”この手”の施設が多いようだ。
「……他にないし……しょうがないよ」
「で、でも……」
か細く呟く志摩子の顔は仄かに紅い。それは乃梨子とて同じことではあるが。
「このままじゃ、びしょ濡れになっちゃうよ。二人揃って風邪引いちゃ、みんなに迷惑だよ」
「……そうだけど……でも……」
「もう、いいから!」

結局、なおも云う志摩子の腕をとって、乃梨子はネオンの下をくぐったのだった。


103乃×志 ◆jHCuM/6C1s :04/05/23 22:29 ID:FLAWoWaH

中に入ると、受付は無人であり、機械化されていた。
乃梨子は大体推し当てると、手続きを済ませて鍵を取る。
「さ、志摩子さん。202だって。早く行こう」
「え、ええ……」
風邪引いちゃうよ、という乃梨子に引っ張られて、エレベーターに乗る。
二人きりの狭い個室。
志摩子はもじもじ下を俯きながらも、ちらちら乃梨子の横顔を窺う。
「何?」
「え、……その、乃梨子って、こういうの慣れてるの?」
志摩子の言葉に、乃梨子は思わずこけそうになった。
「ち、違うよ!」
慌てて、首を振って否定する。顔は真っ赤で。
「その……ドラマとか、学校の男子の話からとか、大体聞いてたし。
いや、全然詳しくはないんだけど。見てみれば、大体分かるじゃない? それで……」
なおもしどろもどろ言う裡に、エレベーターが開いた。
乃梨子は「いくよ!」と先に飛び出る。
「もう、志摩子さん、何を言い出すんだか!」
「ごめんなさい」
そう言いつつ、乃梨子は自分の鼓動が高鳴るのを感じていた。
(嘘……志摩子さんと、こんな……)
怒った振りをして、誤魔化して。だけど、鍵を持つ手は震えている。
「乃梨子?」と志摩子が訝しむ。慌てて、鍵穴に鍵を差し込んだ。
104乃×志 ◆jHCuM/6C1s :04/05/23 22:31 ID:FLAWoWaH

「わぁ……」
乃梨子が、ちょっとした歎声を漏らしたのだった。
「中ってこうなってるんだ……」
ピンクを基調にした内装。やはりピンクのWサイズ回転ベッド。
バブルの遺産だろうか、正に「お約束」の光景が、眼前に広がっていた。
「…………」
「あっ、し、志摩子さん!」
荷物を置き、後は所在なく俯く志摩子に振り返る乃梨子。
知らず知らず声が裏返っているのに気づく。そしてまた動揺。
「お、お風呂入ってきたらどうかな。濡れちゃってるし」
私も後で入るからと。そう促す。
「ええ……」
志摩子はこくんと頷くが。
二人で、バスルームの方を返り見て絶句。
「お約束……」
果たして、バスの扉は総ガラス張りとなっていた。

105乃×志 ◆jHCuM/6C1s :04/05/23 22:32 ID:FLAWoWaH

結局、先に入るのを嫌がる志摩子を残して、乃梨子が先にシャワーを浴びた。
(うひゃー……こんなことになるなんて……)
暖かい湯の粒を浴びて、今更ながらに思う。
丸見えの後背が気にはなったが、所詮は自分の体だ。
それほどプロポーションは悪くはないとは思うけど、
志摩子さんの均整のとれた体には到底及ばないのだ。
一々、みたいとは思わないだろう。
(それに比べて、志摩子さんの体――)
目に浮かぶ、服の上からでも優美な曲線――。
柔らかい巻き毛。
ふっくらした唇。
「やっ、やだ、なに考えてるのよ!?」
乃梨子は頭から冷水を被ると、タオルを巻いて浴室を飛び出した。

「志摩子さん……上がったよ……」
湯気を立て、濡れた髪をさらす乃梨子に、志摩子はこくんと頷いた。
ベッドに腰掛け、所在無く俯いていた。
振り返らないよう後ろを向いた後背から、衣擦れの音がする。
(志摩子さんも、意識してたのかな――)
そんな考えが脳裏に浮かんで、消えてを繰り返す。
乃梨子は頭をぶんぶん振った。
やがて、シャワーの水音がガラス越しに背中へと届く。
頭がおかしくなりそう――


106乃×志 ◆jHCuM/6C1s :04/05/23 22:33 ID:FLAWoWaH

「て、テレビ! テレビ見よう!」
乃梨子は慌てるように、大型テレビのスイッチを入れた。
瞬間、飛び出す人の嬌声。
「あっ、あん……ああっ!!」
やはり、お約束だった。
「こ、これは……わわわ」
映ったのは派手に絡み合う男女。要するにAVの濡れ場。
慌ててリモコンを取ろうとするが、手を滑らせ、壁に頭をぶつける。
「ううっ……」
らしくない。これではまるで紅薔薇のつぼみだ。
涙を滲ませる。その間にも、嬌声は続く。
――いつの間にか、乃梨子はそれに聞き入っていた。

<続>
107名無しさん@ピンキー:04/05/23 22:58 ID:TyhyWVns
>>106
禿しくGJ!強引にラブホに入る乃梨子(・∀・)イイ!!
早く続ききぼんぬ
108名無しさん@ピンキー:04/05/23 23:04 ID:+4+HCSz2
まぁ、今時回転ベッドなんて置いてる方が珍しいけどね。
109名無しさん@ピンキー:04/05/23 23:08 ID:8cluvc+A
小学校の図工で、自分の家の模型作るときに
ピンクの折り紙貼りまくって「俺の家はラブホだラブホ」って騒いだ頃を思い出した
110名無しさん@ピンキー:04/05/23 23:10 ID:ftOLW5gw
アリス×由乃(或いは逆)で書こうかなーとか思ってるディス

まぁ、まだ書き始めてもいないんですがね。
だって、アリスのキャラが掴めてないから。出番少ねえよ、アンタ
ていうか、そもそもエロ書いた経験無いよママン

書いている途中でエロくなくなるかもしれんが、その時は首吊る覚悟で。




そもそも、こんなカプは需要はあるのか?
アリス自体見掛けないといふのに……エロパロでも一回しか見たことないしな_| ̄|○
111名無しさん@ピンキー:04/05/23 23:29 ID:NYNbw7ZX
需要がないことはないと思うけど

アリスって絵がないから・・・
想像しにくいよね。
112名無しさん@ピンキー:04/05/23 23:31 ID:haoM8T8n
>>106
レイプ以外も書けるんじゃん。
そのまま激しく続きキボンヌ。
113110:04/05/23 23:49 ID:ftOLW5gw
>>111
ん、いや、外見は何となく想像付く。
まー、公式じゃなかったけど、絵は見つけたし。

そういう問題ではなく、単純に文章へ変換しにくい……カツラサンイカダシナ_| ̄|○
114名無しさん@ピンキー:04/05/23 23:52 ID:6ajjGaK9
>>106

>慌ててリモコンを取ろうとするが、手を滑らせ、壁に頭をぶつける。
>「ううっ……」
>らしくない。これではまるで紅薔薇のつぼみだ。

 祐巳みたいなって、やっぱりそう評価してるのね。

続きはいつ?
115名無しさん@ピンキー:04/05/24 00:12 ID:FbyJIJVx
>◆jHCuM/6C1s
何が来るか分からないので
完成して周りの反応見てから読むze
116名無しさん@ピンキー:04/05/24 00:24 ID:L4abL73+
>>106
GJ

明日は関東から東北にかけて雷が鳴ったり、雹が降るんだと 今日の出来事 で言ってた。
117名無しさん@ピンキー:04/05/24 03:04 ID:JZmUfaAC
>>44
両方っていうのは反則ですか?
お手数ですけどどちらも激しく読みたいです・・・(T_T)
118乃×志 ◆jHCuM/6C1s :04/05/24 10:18 ID:WmEk2Doy
>>99-106

画面の中では、股間に顔を埋められた女性が、
息も絶え絶えに喘いでいる。
噂に聞いていたが、これは……。
「うわ…………」
知らず知らず、向けてしまった目は中々そらすことが出来ない。
リリアンに来る前は男子ともそこそこ付き合いのあった乃梨子だが、
こういう実物を見たのは今日が初めてだった。
乃梨子とて、まったく興味がないと言えば、そうでもなく。
「い、いけない……」
志摩子さんがお風呂にいるのに……!
思い直して、慌てて電源を切る。
が、耳に残った嬌声は消えることがなかった。
否、むしろ益々かまびすしく脳裏にこだまするのである。

119乃×志 ◆jHCuM/6C1s :04/05/24 10:19 ID:WmEk2Doy

「なにやってるのよ、なにやってるのよ、私……」
頭を抱え、目を瞑り、雑念を必死に散らそうとする。
はしたない、恥知らずな妄想を。
だが、頭を振れば振るほど、心の中は千千に乱れていくばかりだった。
いつの間にか、中で喘いでいる人物の顔は入れ替わり、
乃梨子のそこに顔を埋めているのは、巻き毛の……。
「んっ……」
思わず、布地の上からそこを押さえる。
ようやく思い出す、自分で慰める行為を最近していなかったのだと。
「し、志摩子さん……」
「乃梨子、何やってるの?」
声は、不意に背中に掛かった。
「!! あ、うわ…………」
それこそ心臓が止まりそうになって、乃梨子は後ろを振り向いた。
後ろでは志摩子が湯気を身にまとって、きょとんとしている。
「あ、あの、これは……!」
錯乱する内に泣きそうになって、乃梨子は濡れた瞳で見上げた。
だが、志摩子はまるでよく分かっていないらしい。
120乃×志 ◆jHCuM/6C1s :04/05/24 10:19 ID:WmEk2Doy

「そんな格好でいると風邪を引くわよ」
そう言いつつ、乃梨子の傍らにしゃがみ込む。
髪と髪が触れ合う程近づいて、香しい匂いに包まれた。
(志摩子さん……駄目……っ)
そんなふうにされると。もう……っ
妹の心、姉知らず。
理性が飛びかけている乃梨子の手前で、志摩子は無遠慮にそれを手に取った。
「あら、テレビのリモコンかしら」
「! そ、それは……」
プチン、と電流の流れて、ブラウン管には先程の映像が再生された。
無論、派手な音声つきで。
「こ、これは……」
(ああ、私なんか死んじゃえ……)
頭を抱える乃梨子の目の前で、男女の濡れ場は派手に展開されている。
ふと、目を向け、横を見ると。
「…………」
121乃×志 ◆jHCuM/6C1s :04/05/24 10:20 ID:WmEk2Doy

志摩子の横顔は、ほんのりと紅潮している。
初めはきょとんとしていた志摩子も、さすがに何をしているかは分かるらしく、
呆然と眺めたまま顔を紅くしている。

じゅん、

乃梨子の”おんな”の部分が湿ってくるのが分かる。
どうしようもないくらい、疼いて。

「のり……」
「志摩子さん!」

乃梨子はその場に志摩子を押し倒したのだった。
「の、乃梨子!?…………んんっ」
何かを言おうとした志摩子の口は乃梨子の口に塞がれる。
122乃×志 ◆jHCuM/6C1s :04/05/24 10:21 ID:WmEk2Doy

乃梨子は目を瞑って、貪るように、必死に口付けを求めてくる。
ぴちゃ、ぴちゃ
唇と唇が触れ合い、濡れた音を奏でる。
間に伴奏されるのは志摩子の息苦しそうな喘ぎ。
「ん……んんっ……」
やがて、手の平が志摩子の上半身を撫でて下へ下りようとした。
必死にしがみ付いてくる乃梨子の力が緩んだとき。
志摩子は乃梨子を突き離していた。
「あっ…………」
ようやく、わずかに我に返った乃梨子が、目を見開いた。
両手を突いた、すぐ下の志摩子は困惑した表情を浮かべている。
「し、志摩子さん……」
すぐにその目が涙でいっぱいになった。
「ご、ごめんなさい、あたし……」
「…………」
志摩子の上で、肩を震わせて。
裸の上半身はこみあげてくる動悸に揺れている。
123乃×志 ◆jHCuM/6C1s :04/05/24 10:22 ID:WmEk2Doy

「私、変だよね……? おかしいよね……? 女なのに。ずっと前から志摩子さんとこうしたくて。
女なのにどうしようもないくらい、志摩子さんが欲しくて。志摩子さんと身も心も一緒になりたくて」
そう云いつつ、高ぶっているのは感情だけでなく、
乃梨子の下半身から湿気がこぼれおちていた。はしたない体液が。
「い、今だって体がどうしようもなくて……。いつも、志摩子さんで慰めてて。それで……」
そこまで言い切ると、ようやく自分の発した言葉の意味が分かってきたのか、
乃梨子は絶望的な面持ちで面を上げた。
「私……今すぐ出て行くね。志摩子さんは気にしないでここに泊まってて。
もっとも、私なんか気持ち悪いだけでせいせいするだろうけど。
許してくれなんて言わない。妹の縁を切ったってかまわないよ。だから……」

なおもつのる言葉を制したのは、柔らかい巻き毛だった。
「し、志摩子さ……んっ」
ふんわりとした毛に包まれたと思った瞬間、
唇にやわらかな感触が押し当てられる。
たおやかな腕が乃梨子の裸の肩を、優しく包みこんだ。
124乃×志 ◆jHCuM/6C1s :04/05/24 10:22 ID:WmEk2Doy

「んっ……ん……」
二人はそのまま唇を交わして。
やがて、そっと志摩子がその肩を離した。
「いいわよ…………」
「……えっ……?」
言葉の意味が理解できず、涙に濡れた目で、乃梨子は聞き返してしまう。
「乃梨子となら、私……」
「嘘…………」
口に手を当て、呟く乃梨子は、今度は反って困惑する立場になる。
「だ、駄目だよ! 志摩子さん、志摩子さんには、マリアさまが……」
志摩子は静かに首を振る。
今の乃梨子を見捨てる方が許されることではないと。
「今夜だけ。今夜だけは、マリア様も許して下さるわ……」
「し、志摩子さ……ううっ……」
もう、言葉が詰まって出なかった。乃梨子は志摩子を押し倒したのだった。

125乃×志 ◆jHCuM/6C1s :04/05/24 10:23 ID:WmEk2Doy

「ん、んんっ…………」
二人は口付けを交わす。志摩子の上に圧し掛かって。
今度はより深く、互いの絆を確かめ合うように。
「はぁ…………」
やがて離れた舌と舌は、絡み合って、唾液を糸引かせる。
「志摩子さん、志摩子さん!」
「乃梨子……んっ!」
乃梨子の唇はふっくら湛えた膨らみを這い、
さくらんぼうのような頂きに口付けをする。
「……乃梨子……ああっ!」
きゅっと頭をだく指先に力が込められる。
乃梨子の唇はそこを挟んで優しく愛撫する。
「志摩子さん……いくよ」
囁きつつ、手を伸ばすそこは既に十分なほど濡れそぼっている。
志摩子は目を瞑り、きゅっと身を固くする。
「ん……んんっ……ふ……」
細い指先が縦になぞる度に、志摩子の体が痙攣し、掠れた息を漏らす。
志摩子のそこは清純な心を闡わすかのように、鮮やかな桃色に閉じられている。
126乃×志 ◆jHCuM/6C1s :04/05/24 10:24 ID:WmEk2Doy

「志摩子さん、大好き」
「んっ」
指はやがて頂きに身を結ぶ朱色の珠へと触れる。
いとおしむ様にそっと、珠に振れ、指先で転がす。
「ふわぁ……ああっ……!!」
「んっ……」
志摩子の泣き声はすすり泣くようなものへと変わっていき、
乃梨子にしがみ付く力はますます強くなっていく。
同時に、乃梨子の頭もやがて霞がかかっていった。
(私……今、取り返しのつかないことをしてるのかもしれない)
ふと、脳裏に浮かぶ鮮烈な痛恨。だが、それさえ霞んでしまう。
(でも、どうだっていい……今は、志摩子さんがいれば)
乃梨子は志摩子の身体に跨ると、己が自身を、しまこのそれに重ね合わせる。
そうして、その上でゆっくりと、次第に激しく動き出す。
志摩子の会え魏が一オクターブ高くなる。
腰の動きはさらに激しくなって。やがて乃梨子も限界を迎えて。
「志摩子さん……大好きだよ……」
うわごとのように呟く、振り乱す髪からは汗の珠が飛んで。
「志摩子さ……好き、好きっ!」
「乃梨子、乃梨……ああっ、あっ!!」
「一緒に――――!!」

127名無しさん@ピンキー:04/05/24 10:28 ID:WmEk2Doy









やがて、理性がもどってくる。あのときは何も考えられなかった。
だが、快楽の余波が引く度に胸を締め付ける痛みは痛烈で。
「し……まこ、さん……ごめんなさい」
涙腺が壊れたようにぼろぼろと。
乃梨子は今更のように涙を流し、脱力したように横たわっていた。
(私が、志摩子さんを穢してしまった)
志摩子さんの清純な心を穢してしまった。
敬虔な信仰を私が肉体で穢してしまった。
「私、私が…………!」
「いいの、乃梨子……」
128乃×志 ◆jHCuM/6C1s :04/05/24 10:29 ID:WmEk2Doy

そっと、同じく横で裸身を横たえる志摩子が、そっとその頬を撫でる。
「でも、でも……」
「あなたがそんな風に泣いてくれるのはこれで二度目ね」
志摩子は微笑んで、静かに首を振る。
じっと見つめる乃梨子の横で、上を向いて。
「私、いつかあなたとこんな風になるんじゃないかと思ってたわ。
――あの、初めて桜の下で会った日から」
横顔に乃梨子の視線を受けて。志摩子は淡々と語りだす。
かつての想い、今の想いを。
「私のお姉さまは、私とは似たもの同士だったから。だから、近づき過ぎない方がいいんだって。
片手だけつながってようって」
だけど、違った。
片手だけのつもりが、心の中では随分互いに依存しあっていたのだと。
「私は、お姉さまが卒業されて、心の中にぽっかり穴が空いてしまったわ。
……そんなとき、私の側に現れてくれたのが乃梨子だった」
志摩子は蒲団の下で、きゅっと乃梨子の手を掴んだ。
129乃×志 ◆jHCuM/6C1s :04/05/24 10:32 ID:WmEk2Doy

「私、乃梨子とはもっとつながっていたいの。傷つくのを恐れて、
あなたを離してしまいたくない。臆病になりたくないの」
「志摩子さん…………」
やおら、乃梨子を見つめる目。その目に、こくんと頷き返して。
乃梨子は手を握り返したのだった。

片手だけ、だけど強く、つながって――

これからも、この先も、明日も明後日も、その次も。
二人は手をつないで歩いて行った。

ずっと、ずっと――

「ねえ、志摩子さん。良く考えたら、切符代払い戻ししてもらえば良かったんじゃ」
「あ…………」



<終わり>
130名無しさん@ピンキー:04/05/24 11:39 ID:sMLEgO+7
>◆jHCuM/6C1s
Excellent Job!
前半はお約束につくお約束、そして後半はちょっといい話っぽくてヨカッタヨー。
最後にオチをつけたのも見事でした。
131名無しさん@ピンキー:04/05/24 12:37 ID:V+xFgRhf
面白かった。
読後感もいいし。
>115は読むといい。
132名無しさん@ピンキー:04/05/24 14:17 ID:JOrT9k3E
のりしまはええのぅ
133名無しさん@ピンキー:04/05/24 14:23 ID:YFc9ha45
GJ、おもしろかったよ、うん。
王道的な乃梨子攻めでした。
134名無しさん@ピンキー:04/05/24 17:53 ID:gpIeH3Xx
久々にスレの流れがゆっくりですね。
135名無しさん@ピンキー:04/05/24 20:10 ID:rDmb4ZZa
良いことだ。
136名無しさん@ピンキー:04/05/24 22:04 ID:BNZPAbrv
 スマン。ちょっと関係無いことなんだが
>>109に(*´Д`)ハァハァしちまった・・・・・orz
137名無しさん@ピンキー:04/05/24 22:24 ID:faGQCtsM
土日実家行きで、ココくるの久しぶりだったけど、スレがマターリしててよかった。
激しくGJ!なssを投下してくださった>65さんと>jHCuM/6C1s さんのおかげです。
ありがとう!
138名無しさん@ピンキー:04/05/24 22:52 ID:L4abL73+
今日は東日本天気荒れてますね〜
139名無しさん@ピンキー:04/05/25 00:20 ID:llxpqpQP
スレがマターリなら、問題ない。
140名無しさん@ピンキー:04/05/25 00:37 ID:2XP47FF8
蓉子は聖Loveなのだが凸に無理矢理犯られるみたいな設定禿萌えです。
>>44さんの投下待ってますよ〜
14144:04/05/25 02:25 ID:UXTHqiM1
最近マターリしてきたのと明るい話しが続いたので凸蓉ダーク投下します
長くなったのでとりあえずエロ前まで
タイトルは「救い」
NGワードは「DECOYOU」で
江利子さまが壊れ気味なのでご注意を。
142救い1/6:04/05/25 02:26 ID:UXTHqiM1
放課後の薔薇の館。

本来ならそろそろみんなが集まって恒例のお茶会が始まる時間。
しかし今は部屋に蓉子と江利子の二人きり。
江利子は特に話す事もないのか、はたまたわざと話さないのか無言でカップを傾け文庫に目を落としている。
蓉子はと言うと、何かソワソワとして落ち着かない様子。
いや、これはどうみてもご機嫌斜めである。
「…どうしたのよ?」
見かねた江利子が声をかける。
蓉子は江利子が心配してくれるとは思わなかったらしく、キョトンとした後すぐにムッとして
「なんでもないわよ」
と口を尖らせる。
「聖でしょ」
江利子がニヤニヤしながら聞く。
「違うわよ」
蓉子は否定するが明らかに聖の名前を聞いて顔色が変わっている。
「聖よね?」
「違うわよ」
「聖じゃないの?」
「違うって」
「絶対聖よ」
「だから―」
「アナタが聖と生理以外でそこまで機嫌が悪くなるとは考えられないわ」
「生理かもしれないじゃない」
「まだのはずよ」

ふと、時が止まる。
143救い2/6:04/05/25 02:26 ID:UXTHqiM1
「なんで人の生理周期知ってるのよ」
蓉子が怪訝な顔で聞くと江利子は
「趣味よ」
と言いカップの中の紅茶を啜った。
「人の生理周期把握が趣味だなんて…ファンの生徒達が聞いたら泣き出すかもしれないわね」
眉間に皺を寄せ、蓉子は平静を保つ様にわざとキツめの皮肉を言った。
すると江利子はフフッと不敵な笑みを浮かべる。
「何よ、そんなに私を怒らせたいの?」
江利子の笑いを小馬鹿にされたと解釈した蓉子は怒りで手が震わせながら凄む。
「怒らせる?違うわ…」
江利子はカップと文庫を置き立ち上がると何故か楽しげに蓉子の側へと近付く。
「じゃあ、何だって言うのよ?」
近付いてくる江利子を鬱陶しそうに見る蓉子。
「何?…そうね…言うなればこれは…」
江利子は唄う様に言葉を紡ぎながら蓉子の目の前に立ち、座っている蓉子の顔に自分の顔を近付け
「愛かしら」
と笑顔で言った。
144救い3/6:04/05/25 02:27 ID:UXTHqiM1
「愛?」
突然わけのわからない事を言われ蓉子は怒りを忘れる。
そして江利子からの次の言葉は蓉子を更に混乱へと突き落とす。
「そう、私ね、貴女の事が好きみたいなの」
笑顔で、最高の笑顔で江利子は告白する。
「…私の事が?」
江利子のテンションについていけず、思わず聞き返してしまう蓉子。
しかしそんな蓉子を江利子は優しく抱きしめる。
「そうよ、蓉子の事が大好き」
耳元で囁き、確かめる様に少しキツめに抱きしめる。
「ちょっ…まって…でもっ…」
蓉子はとりあえず江利子から逃れ様とするが、座った体勢では転びでもしない限り離れる事はできない。
「わかってるわ…蓉子は聖が好きなのよね?」
何か、子供にでも話しかける様に江利子は言う。
「そ…そうよ、だから、気持ちは嬉しいけど江利子とは…」
蓉子がなんとか言いかけると江利子はそれを遮る様に
「ダメよ!」
と叫んだ。
「え、江利子…」
あっけにとられる蓉子。
145救い4/6:04/05/25 02:28 ID:UXTHqiM1
江利子は先ほどの笑顔とはかけ離れた辛い顔を蓉子の顔に近づけ、目と目をしっかり合わせる。
「蓉子は…聖と居たらいつか壊れてしまうわ」
江利子は手で優しく蓉子の髪を撫で、諭す様に話しを続ける。
「蓉子は聖の為に辛い思いをしてばかり、それなのに聖はあなたの気持ちに応えもせず、妹まで作って…あなたはそれでいいかもしれないけど…」
髪を撫でていた手が頬に流れて行く。
「私はもう見てられないの」
江利子は言葉通りとても辛そうに話す。
「そ、そんな…」
蓉子はまず何を言わなくてはならないかわからず、ただ呆然としたまま江利子の話しを聞く。
「蓉子には、甘えさせてくれる相手が必要なのよ、それも対等な立場の」
江利子の手が首筋を撫でる、ビクッと反応する蓉子。
「あなた、紅薔薇さまにも遠慮がちだったもの」
首筋を撫でた手がタイへと滑る、蓉子は不安げに江利子を見上げる。
「祐巳ちゃんみたいなコが私たちの代にいればよかったかも」
146救い5/6:04/05/25 02:28 ID:UXTHqiM1
するり…とタイが解かれる。
「でも、祐巳ちゃんは一年だし、祐巳ちゃんみたいなコはいないし」
タイを取り払うと再び江利子は蓉子を抱きしめる。
「だから、私が救ってあげるの」
耳元で囁きながら吐息を耳に吹き込む、蓉子は思わずはしたない声を漏らしそうになる。
「蓉子は優等生だから我慢してばかり…でももう、我慢しなくていいのよ…」
江利子は蓉子の髪を撫で、優しく、優しく囁く。
「でも…私、それでも聖が…」
蓉子は瞳を潤ませ、必死に自我を保とうとする。
「私は、私なら、貴女の弱さまで全て愛してあげる」
江利子の囁きが、次第に強くなる。
147救い6/6:04/05/25 02:29 ID:UXTHqiM1
「聖はこれから先もあなたに甘えて、依存して、何もしてくれないわ…だから…」

私を愛して、そう強く言う江利子。
蓉子は、未だに混乱したままだった…。
自分が愛している人を悪く言われているのに、何故…。
何故、自分は今言いようの無い安心感を得ているのだろう…。
「江…利子…」
蓉子は目の前の親友の名を呼ぶ。
涙を流しているが、本人は気づいていないだろう。
そして蓉子は江利子の肩に両手でしっかりしがみつきながら
「本当に…私を愛してくれるの?」
と、すがる様な瞳で言った。


続く
148救い:04/05/25 02:32 ID:UXTHqiM1
なんとゆーか江利子さまらしさが出てればいいなぁ…

コメディ期待してた方スマソorz
149名無しさん@ピンキー:04/05/25 02:43 ID:jerSQxA5
>148 乙!
江利子様と蓉子様、あまり見ない組み合わせだけど
すごくいい感じです。
続き期待してます
150名無しさん@ピンキー:04/05/25 03:48 ID:2XP47FF8
乙です!
凄くいい感じなので続き期待してます。
151名無しさん@ピンキー:04/05/25 13:59 ID:xMXt6AOV
女好きな凸さまなんて凸さまじゃないやいヽ(`Д´)ノ
熊相手の野獣のようなセクースきぼん
152名無しさん@ピンキー:04/05/25 14:50 ID:B4kO4/NR
>>151
そんな紛らわしいこと事いうと(ry
153名無しさん@ピンキー:04/05/25 16:01 ID:RfzCkQ0P
ネタフリ発動されますた
154名無しさん@ピンキー:04/05/25 16:12 ID:EMoe5VT4
獣姦スレはここですか?
155薔薇の痕:04/05/25 17:00 ID:mpf+iwX8

>>48-64

 祥祐続き投下します
 無駄に長くてスイマセン
 コメントとかご意見ありがとうございました!
 た、タイトルとか・・・忘れてた(T_T;)

 NG[sachiyumi sage]で
 
156薔薇の痕:04/05/25 17:01 ID:mpf+iwX8

――ポタリ。


祐巳の脳裏に警鐘が鳴り響く。聞こえてくるのは、祥子さまの唇が胸の先を弄る水音と、これまた
耳を塞ぎたくなるような自分のはしたない声だけ――だったのだけれど。

祥子さまの様子がおかしい、と告げる何かが確かにあった。

あまりに優しくてじれったい・・・けれど、祐巳のどう感じるかを把握している祥子さまの手。その的確な
刺激に白濁する意識で、それを感じ取れたのは奇跡に近かった。

はじめからずっと、脳を冒す甘い刺激に身を委ね切れないのは何故だろう。いつもどおり優しくて、
いつもより丹念に丁寧に、愛してくれるお姉さまの唇と手。
薔薇の館で、という緊張と興奮もあってか普段よりずっと刺激に弱くなっている気がする。
・・・なのに。
もう少し。もうほんの少しで達してしまいそうな感じが先ほどから常にあるのに、どうしても達する事が
出来なくて、祐巳は気が変になってしまいそうだった。
157薔薇の痕:04/05/25 17:02 ID:mpf+iwX8

もう何も考えずに快楽に身を任せてしまえば良いのだ。それがこういう時に一番合っていて、そして祥子さまも
喜ぶことだと知っている。
途中で訳が分からなくなって、次に気づいたときには、何時だってお姉さまが優しく微笑んで見守っていてくださるから。

なのになぜか、そうしてしまう事は許されない気がして、祐巳は辛うじて意識を繋ぎ留めていた。

快楽の高みへと導いてくださっているのは確かにお姉さまのはずなのに。 
今達してしまう事は、お姉さまを置き去りにしてしまう事のような気がしていた。 


だから、祐巳がそれを感じ取ったのは偶然でも奇跡でもない。
時折肌にぶつかり滑り落ちる、くすぐったい――けれど訪れる間隔から他の物ではない気がする刺激。


――涙・・・?
158薔薇の痕:04/05/25 17:03 ID:mpf+iwX8

「――!?・・・お姉さま!」
 喘ぎに占有される喉を辛うじて通り抜けた声は、我ながら大きかったと思う。

「んぅ・・・・・・」
「あっ、ん・・・やめ・・・っ!お姉さま!」
なのに、制止の声は祥子さまに届かない。聞こえていないはずは無いと思うのだけれど・・・。
ただ最中に喘いでいる呼び声だと思っているのだろうか、そのまま胸や脚への手を止めず、
顔も上げてはくれない。
「あっ・・・んん・・・っ!ふ、ぁっ・・・」
しまった、と祐巳は思った。祥子さまのほうに目を向けると、今祐巳が何をどうされているのか、
まざまざと意識させられてしまって。一層お腹の辺りが熱く疼きだす。

「〜っ!・・・お姉さまっ!」

一層大きく発した悲痛な声に、はっ、と祥子さまが顔を上げた。
「あ・・・・・・」
その拍子に零れ落ちる涙。そして潤んだ瞳を見て、ようやく祐巳は分かった。
159薔薇の痕:04/05/25 17:03 ID:mpf+iwX8

不安なのは、気に掛かるのは、辛いのは・・・祥子さまの心が全く分からないからだ。

そういえば今日、祐巳はお姉さまの顔を、目を、まともに見ただろうか?
記憶にあるのは、祐巳を抱きたいと、ここで抱きたいのだと言った時の切なげで寂しげな微笑だけ。
そのときから、ずっと気に掛かっていたのだ。

いつもなら祐巳を安心させる為に、慈しむようなキスを始終降らせてくれているのに。今日お姉さまは
一度でも祐巳の顔を見て、優しい唇をくれただろうか。
そして、今日も優しいお姉さまの手は、全身に満遍なく降り注いで祐巳をいつもより感じさせてくれた
けれど・・・祐巳が密かに待ち望んでいる其処には、決して訪れてはくれないのだ。

最初は焦らされているのかと思ったけれど、それにしてはあまりに長い。
いつもなら祐巳が堪えきれなくなる頃合に何か――そう、祐巳にとって恥ずかしい事をおっしゃって。
そのあと、導いて・・・解放してくれる。

触れないのはどちらかと言うと、何かを恐れて、厭っているように思えた。初めて肌を重ねたときのような
逡巡が、祥子さまの態度からは感じられたから。

――祥子さまは、本当に、心から祐巳を欲したのだろうか。
160薔薇の痕:04/05/25 17:04 ID:mpf+iwX8

「・・・・・・やめて、下さい。お姉さま・・・待って」

切れる息の合間に辛うじてそう言葉を発すると、祥子さまは何事か呟いて唇を噛み締めた。
自分を責めるような後悔の表情。しかし、どこかホッとしているようにも見受けられるそれに、胸を衝かれた。
「ごめんなさい・・・辛かった?しつこすぎたかしら・・・あなたが嫌ならもう止めるけれど。・・・・・・大丈夫?」
大丈夫じゃありません、と祐巳は言いたい気分だった。
祐巳の身体に残る熱は・・・否、残るどころではない、いまだに湧き上がってくる熱は、祐巳の思考を奪い、
身体を内側から疼かせる。このままで居るのは、正直耐えられない。
けれど、今はそんな事を言っている場合じゃないから首を横に振る。
「私が辛いのは、お姉さまが泣いてる事です。お嫌なら、お辛いなら・・・」
今日はやっぱり出来ないと、たとえ行為の途中で、祐巳が辛くても言って欲しかった。
祥子さまを泣かせる事に耐えるくらいなら、そのほうが余程マシだ。
何故なのか分からないけれど心変わりして、やはり薔薇の館で抱くのが辛くなったのなら、
嫌々ながらしてもらうよりも疼く身体を持て余した方が良いと思った。
161薔薇の痕:04/05/25 17:05 ID:mpf+iwX8

「泣いてなんかないわ。何を言っているの?」
暗いからって、顔が見えてないとでも思っていらっしゃるのだろうか。

「じゃあ、どうして・・・?」
祐巳は両手で祥子さまの頬を挟んで、瞼と頬の涙の跡に唇を寄せた。
祐巳よりずっと追い詰められた表情にそうせずには居られなかったのだ。
「んん・・・っ。・・・何が」
「・・・お姉さま、最近おかしいです。気づかないと思っていらっしゃるんですか?・・・私には、話せませんか」
「・・・・・・」
「いきなり薔薇の館でこんな事なさったり、妙に笑顔過多だったり、そっけなかったり。今日は私と、
一度も目を合わせてくださいませんでした」
極めつけが、これである。確かに祥子さまが言い出して、ここで行為に及んだというのに・・・何故、
祥子さまが泣くのだろうか。

祐巳に魅力が無い?それは、元からの話で何も昨日今日始まった事じゃない。抱きたくない理由にはなっても、
途中で止める理由にはなりえない気がした。
その気で無いなら、祥子さまは最初からそんな事しないだろう。

どうして急に薔薇の館で、などとおっしゃったのだろう。
そして、どうしてそれを辛そうに、躊躇われるのだろう。
162薔薇の痕:04/05/25 17:06 ID:mpf+iwX8

そもそも、薔薇の館で、と言い出した時点で祥子さまは様子が変だったのだ。
ずっと楽しげに笑っていらっしゃったけれど、祥子さまは辛いときでも・・・いいや、辛いときほど、
笑顔で上手くコーティングしてしまうから。祐巳に悟られないよう、自分の心さえも誤魔化すように。
もうそれくらい見破れる、と自惚れているけれど・・・祥子さまはずっと祐巳の後ろで、顔を見せては
下さらなかったから、見破れなくても仕方ないというものである。

「・・・・・・全部、私の我侭なのよ」
言う祥子さまの両目からは、止まっていた涙がまた滲み始めていた。
「それでも、話して下さったら嬉しいです。聞きたいんです、全部」
「・・・あなたを傷つけるところだったの。傷つけようとしていたの」
「じゃあ、私には話してくれても良いんじゃないですか?お願いですから・・・」

もう、あの梅雨のような過ちは繰り返したくなかった。祐巳に心配を掛けないよう、傷つけないように
祥子さまは口を噤むことも多いけれど、そんなのは嫌だと思った。

傷ついても良い。結局役に立てなくて泣いても良い。


中身の無いチョコレートはいらない。
苦くて辛くても、一緒に悩んで考えて。祥子さまの近くで、みんな知っていたい。


そう言った祐巳の胸に、祥子さまは額をつけて、泣いた。

163薔薇の痕:04/05/25 17:07 ID:mpf+iwX8


『あなたに、私を覚えて居て欲しかったの』



しばらくしてようやく呼吸を落ち着けた祥子さまが呟いたのは、そんな言葉だった。
「――え?」
「・・・私と祐巳が一番一緒に過ごした場所は、間違いなくこの薔薇の館だわ。そして多分、
あなたは来年もここに居て、ここで過ごすの」
祥子さまは両手で身体を支えて身を起こすと、室内を見回して、宙に視線を止めたまま微笑んだ。
「・・・はい」
寂しくなって祐巳は俯いた。・・・俯いても、スリップに隠された祥子さまの肢体が目に入ってしまって、
落ち着かなかったけれど。

お姉さまと一緒に居られるのは、薔薇の館が多い。温室なんかも二人にとって思い出の場所だけれど、
毎日行っていた訳では無いし。一番お姉さまと関わっていたのは間違いなく薔薇の館。二人の思い出が
たくさん詰まった、この古いけれど素敵な館なのだ。


「だから・・・あなたに、薔薇の館に・・・私を刻んでおきたかったのよ」

自嘲気味に笑んで言われた言葉に、ぐっと胸が詰まった。
ようやく、祐巳は行為の意味を理解した。

「もうここには居られないけれど、祐巳がここで過ごすたび、薔薇の館に私を思い出してくれたらと思ったのよ」

――涙が出そうだった。愛しい人が、こんなにも自分に恋着してくれる喜び。

164薔薇の痕:04/05/25 17:08 ID:mpf+iwX8

「じゃあ、どうして・・・っ」
「だって、我侭でしょう?私はもう居なくなるのに、祐巳に覚えておいてなんて」
祐巳はふるふると首を左右に振った。息が詰まって、否定したいけれど声は出そうに無かった。
「お・・・ねえさ・・・」
「傲慢でしょう?ましてや、強制的に忘れないようにさせようだなんて」
「・・・・・・っ!」
 ――・・・・・・!
「んぅ・・・っ・・・!・・・・・・ゆっ」
無理やり引き寄せて、強引に唇を塞いだ。声は出ないけど、自分を責めるお姉さまを止めるくらいの
役には立つのだ。

多分、祐巳が自分からした初めてのキスだった。
それなのにこんな荒々しくて申し訳ないな、と思ったのだけれど、お姉さまは意外や意外、抵抗したのは
最初だけで、今は祐巳に身を任せてくれている。

角度を変えて何度も繰り返し啄ばんで、息苦しくなって離れた。
「祐巳・・・・・・」
いつもお姉さまがしてくれるような優しいキスでも大人のキスでもない。でも、お姉さまは頬を染めて
目を潤ませていた。
「お姉さま・・・・・・。嬉しいです、お姉さま」

もう、祥子さまの気持ちも、全部分かったから。
怖いことも辛いことも何処にも無かった。


「私、お姉さまをもっとたくさん覚えていたいです」

165薔薇の痕:04/05/25 17:09 ID:mpf+iwX8

 ――。



『お姉さまをもっとたくさん覚えていたいです』



そう言った祐巳の顔は、晴れやかで嬉しげで。笑っているのか泣いているのか良く分からない
不器用な笑顔だけれど、でも嫌じゃないと伝わってきた。
嬉しすぎる言葉に、耳を疑う余地も無いくらいに。
「いいの?」
祥子は両手で祐巳の頬を包み込んで、額と額をそっと擦り合わせた。至近距離にある、祐巳の顔。
濡れた瞳、照れくさそうな笑顔。

――先ほどのキスの味は、一体どちらの涙だっただろう。

「はい、お姉さま」

確かめる事は出来ないけれど、祥子はそっと顔を近づけて祐巳の唇を味わった。
166薔薇の痕:04/05/25 17:10 ID:mpf+iwX8

先程までの行為で、祐巳のほうはもう準備が整っているようだった。ショーツに指を当てると完全に
濡れた感触がして次第に中から染み出してくるのが分かる。――熱い。
恥じらいに顔を真っ赤に染めた祐巳が切ない声を吐息に乗せた。
「可愛いわ、祐巳」
先程も繰り返した言葉を、もう一度繰り返す。
やはり顔を背けて耐える様子を見せる祐巳に微笑みつつ、次第に申し訳なさと罪悪感で一杯になった。
あそこまでしておいて、結局は罪を犯して刻み込むにも踏み切れなくて。でも、もう始めてしまった以上、
引き返すことも出来ずに足踏みして。
自分に意気地がない所為で祐巳には随分と辛い思いをさせてしまったと思う。

軽く布越しに触れただけで、もうそこは内に祥子を招く動きを見せていて・・・こんな状態で待たせてしまうなんて。
――酷い事を。

謝る代わりに、精一杯気持ち良くしてあげようと思った。これまで以上に優しく、しっかり。
祐巳が望んでくれた通り、忘れられないくらい自身を刻みこんで。

そしてそれは、祥子の願いでもあるのだ。

167薔薇の痕:04/05/25 17:11 ID:mpf+iwX8

「祐巳・・・もう大丈夫よね?して、良い?」
ショーツに指をかけて言うと、祐巳は真っ赤に染まった顔を上げて、首を左右に振った。
「え?」
「お姉さまの考えてくれてる事は分かりますけど・・・できたら、その・・・もう一度全部最初から・・・」
いつもみたいなキス、とか・・・・・・ともごもご呟いて、途中からは届かずに消えた。耳まで真っ赤で、
もうほとんど明るさの無い室内でも分かるから可笑しかった。
「でも・・・大丈夫なの?辛いでしょう」
「・・・さ、さっきまでのも素敵でしたし、覚えてますけど」
恥ずかしそうに、でも幸せそうに笑う祐巳に首をかしげながら次の言葉を待つ。
「あの台詞を聴いた上で・・・お姉さまを、ちゃんと全部覚えていたいんです」

「――そう」

はにかむ祐巳を抱き締めて、感動をくれる可愛い唇に深く口づけた。
168薔薇の痕:04/05/25 17:11 ID:mpf+iwX8

嫌がる祐巳を押さえて、スリップと下着を全部脱がせた。代わりと言ってはなんだけれど、いつもは
そのままの祥子のそれも脱ぎ去ってしまった。身体全体、素肌で触れ合いたいと思ったから。
「お姉さま・・・綺麗」
「・・・・・・。そ、そういう事は・・・言うものじゃないわ」
惚けたまま見詰めてくる祐巳の視線が痛くて、口付けて抱き締める事で視界を遮った。
夕陽はもうほとんど落ちてしまっているけれど、徐々に暗さに慣れた目には不自由が無い。
おかげで、祐巳の細い身体も控え目で可愛らしい胸も、なだらかな腰から脚へのラインも、
濡れて色づいた身体の芯も・・・堪能する事が出来た。

――祐巳が自分を覚えるように、私も祐巳を覚えていたい。

169薔薇の痕:04/05/25 17:12 ID:mpf+iwX8


ゆっくりと唇を滑らせて、額、瞼、頬・・・耳から首筋へ流れて、鎖骨をなぞる。
そろそろ、祐巳も限界だろうか。全身を撫で、執拗にキスの雨を降らせるうちに、もう交わす言葉も
なくなっていた。否、言葉が声にならなくなってしまったのだった。
出来るだけ優しく、時間をかけて愛したつもりだったのだけれど、それまでの事もあるから致し方ない。

反る背中に手を這わせてしっかりと掻き抱く。ぴたりと触れ合った素肌は、お互いに吸い付くようで
心地よかった。
胸をひと撫でした利き手をお腹をなぞって内腿まで滑らせ、そこに手の向くまま文様を描きながら、
先程はついぞ触れることの出来なかった其処へと指を滑り込ませる。
熱く濡れた其処はあっさりと祥子の指を招き入れた。
「んんっ・・・・・・や、ああっ・・・!」
ソファを必死で掴もうとする祐巳の両手を背中に回させて、しがみ付かせる。
祐巳は拳を握って爪を立てないように気をつけているようだったけれど、傷くらいいくらついても
かまわないと、むしろ残してくれたらと思った。
170薔薇の痕:04/05/25 17:13 ID:mpf+iwX8

――愛しい。

まだこの声が音としてではなく言葉を紡いでいた頃、祐巳が言う事はほぼ決まっていて、
しかしどれも祥子を喜ばせた。

 『好きです』
 『お姉さま』
 『大好き』

たった、三つの言葉だったけれど。それだけで十分だと思えた。
祥子も、同じような言葉しか返せなかったけれど。どんなに繰り返しても足らないような、
そんな気がしていた。
『好き』という言葉を何度繰り返しても、この気持ちには満たないから。
だから、繰り返し使っても目減りしない言葉なのだとおぼろげながら思った。
171薔薇の痕:04/05/25 17:13 ID:mpf+iwX8

――愛しい。

もう焦点が定まりにくいのだろう瞳はぼんやりしていたけれど、祥子が覗き込むと、
花がほころぶ様に柔らかく笑んだ。
無意識だと分かるからなお嬉しくて、愛しい。そんなときでも素直に帰ってくる好意が
祥子の心を浮き立たせた。

腕の中で震えるこの存在が、たまらなく愛しくて。
忘れようにも、忘れられないのだと思った。


てのひらで揉む様に其処にある蕾をこすると、一層声が高まる。断続的に震える身体に、
脈打つ内のきつさに、そろそろ祐巳の限界を感じた。
差し入れた指の動きを速めて、同時にてのひらをより密着させて刺激を誘う。
祐巳の顔になだめる様に唇を落としながら祥子は苦笑した。

先程まで精神的にも状況的にも八方塞りで困窮していたというのに、この今の幸せはなんだろう――と。

172薔薇の痕:04/05/25 17:14 ID:mpf+iwX8


――そのうちに、忘れられてしまうのが怖かった。
 卒業して、祐巳の側に居られなくなって。
 それで祐巳の中からも自分が消えてしまうと考えると、たまらなく寂しくて、悲しかった。

――覚えていても、平気に過ごされるのも辛かった。
 たとえ自分を思い返しても、祐巳が寂しがってくれなかったら。
 もう祐巳にとって過去の人に過ぎないと思うと、今からの自分に価値があるのかと、悲しかった。

――覚えていて、寂しく思われたなら切なかった。
 卒業してしまった自分を思って、泣かれてしまったら。
 側に居てやれない自分が憎らしくて、泣かせた事が辛くて、祐巳が泣いていると思うと、悲しかった。
173薔薇の痕:04/05/25 17:58 ID:mpf+iwX8

どうあがいても、どんな形でか、悲しい。どの道を選んでも出口は無かったのだ。
ならばせめて祐巳が辛くないように、自分を忘れるて平穏に生きていく事を願うべきだった。

でも我侭な心は、離れたくないと願う心は、忘れられぬようにと動いて。

そしてそれすらも覚悟の無さが踏みとどまらせて、弱い心は立ち行かなくなった。

祐巳がそれに気づいてくれなかったら、今頃私はどうなっていたのだろう。
受け入れて、それを嬉しいと言ってくれなかったら。
――分からない。けれど、それで良いのだと思った。
もし、何てことは存在しないから。考えても無駄なのだ。

ただ自分は、素直にそれに感謝して、祐巳を愛していけば良いのだと。

それだけを。愛しいと、それだけを思って。


一声高く啼いて達した祐巳に、触れるだけの唇を贈った。


174薔薇の痕:04/05/25 17:59 ID:mpf+iwX8






「・・・・・・立てません、お姉さま」
祐巳はソファに座ったまま、換気をして色々と後片付けをしてくれている祥子さまを恨めしげに見遣った。
「だから座ってて良いと言っているでしょう?もうしばらくしたら少しは良くなるわよ」
迎えの車は手配しておいたから、とお姉さまの声は楽しそうに弾んでいる。

祐巳が意識をなくしていたのはそれほどの時間ではなかったらしく、まだ門も守衛さんに
開けてもらえる時間と分かって安心した。とてもこの状態では塀越えなんて出来ないと思う。
それにしても、祥子さまはさっきからずっと楽しそうで、嬉しそうだ。
勿論祐巳も祥子さまと心が通じて嬉しかったし、お姉さまが嬉しそうにしていれば無条件で
嬉しいのが妹である。
しかし、嬉しそうに甲斐甲斐しく服まで着せられたのでは堪らない。

脱がされるのと同じくらい、着せられるのも恥ずかしいと知った。
175薔薇の痕:04/05/25 17:59 ID:mpf+iwX8

「はあ・・・・・・。でも、守衛さんになんて言えば良いんだろう・・・」
もう生徒が校内に残って良い時間をとうに過ぎていたから、山百合会の仕事・・・などでは言い訳にならない。
がっくりとうなだれる祐巳に、祥子さまは鞄を持ってくると『行くわよ』と声をかけて手を差し出した。
「・・・・・・。お姉さま、聞いてました?私の話」
「失礼ね。聞いていたわよ。『具合が悪くて休んでいたらいつの間にか時間が過ぎていました』
・・・これで一石二鳥じゃなくて?」

ほら、と祥子さまは腕を差し出す。
「?」
「まだ、一人では歩けないでしょう?・・・ふらついた足取りなんか病人に見えて、丁度良いんじゃないかしら」
「――」

つまり、お姉さまの腕にすがり付いて歩け、と。
いやいや、ありがたくも腕を貸してくださるというのだ。多少の恥ずかしさや照れくささは我慢すべきだろう。
しかしやっぱり、守衛さんに見られる事を考えると恥ずかしいなぁ・・・。

祐巳が考えていると、祥子さまは意地悪に笑った。
「それともここで夜を明かす?」
「・・・・・・いえ、ありがたく腕をお借りいたします」
ぺこり、と祐巳が頭を下げてまた上げると、目が合って、なんとなく二人して笑いあった。
176薔薇の痕:04/05/25 18:00 ID:mpf+iwX8

 ――強くて、弱くて、ガラスみたいに繊細で傷つきやすいけれど、強がりの天邪鬼。
 ――気分屋で我侭でヒステリックな一面もあって。――でも、本当はすごく優しくて。


 ――そして、こういう意地悪で強気なお姉さまが、祐巳の好きなお姉さまなのだ。



祐巳は、愛しい祥子さまの手を取る。
ギュッと腕に絡んで離れないように抱きついて、そして一緒に歩き出した。

お姉さまが祐巳を望んでくれるのなら。
もう何の遠慮も躊躇いもなく、しがみ付いていけるというものである。





<おわり>
177薔薇の痕:04/05/25 18:04 ID:mpf+iwX8

 意味無く長くどくて失礼しました m( _ _;)m
 冗長とはこういう事を言う・・・ 

 レス・コメントありがとうございました!
 祥祐SSの寂しさに自家製造・投下してみたんで反応もらえて嬉しかったっす
 祥祐・・・そうか人気がないわけじゃないのか・・・

 途中で書き込み制限くらって焦った

 失礼しましたー
 
178名無しさん@ピンキー:04/05/25 18:09 ID:Xd0yMwqo
長すぎてまだ読んでないけど、乙です。
また暇なときに読ませて頂きますよ。
179名無しさん@ピンキー:04/05/25 18:26 ID:LguMzx/b
乙〜。やっぱ王道は良いなぁ。
180名無しさん@ピンキー:04/05/25 19:18 ID:C4gepwcc
心が洗われますた。グッジョブ!(・∀・)b(
181名無しさん@ピンキー:04/05/25 19:44 ID:Jj125AEZ
>>177
乙です。良い祥祐話でした。ヽ(´ー`)ノ
長い長いって言うけどそんなに長・・・うわ、20レス分もあったのか!
なんか一気に読めちゃったので気にならなかったよ。
182名無しさん@ピンキー:04/05/25 20:04 ID:lQit2Fgb
>>177
乙です


comic4鯖が落ちてるので、一応貼っとこう

【TV】アニメ、「マリア様がみてる」の第2期シリーズが放送決定
ttp://news14.2ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1085406850/
183名無しさん@ピンキー:04/05/25 20:29 ID:fxpuaL+1
>>177
乙でした。祥祐はいいですなぁ。
184名無しさん@ピンキー:04/05/25 21:05 ID:arUGAV/k
>>177
このスレくらいしか巡回してない自分が言うのもなんだが
個人的に祥祐最高傑作!
185名無しさん@ピンキー:04/05/25 21:13 ID:OuFKQSyH
>>177
あー・・なんかすごく幸せな気持ちになれた。サンクス
186名無しさん@ピンキー:04/05/25 21:23 ID:d989ZtWV
>>177
すげ。乙です。
エロパロだと変わったカプとか好きなんだけどやっぱ王道いいなぁ。
自分が紅信者ということを再確認w
187名無しさん@ピンキー:04/05/25 21:28 ID:rbHg2syk
>>140>>141
は自演?
188名無しさん@ピンキー:04/05/25 21:36 ID:1cBTo2sP
>>156-176
いい!
みんな小説読みだけあってすごいなぁ…
189名無しさん@ピンキー:04/05/25 21:42 ID:reZtsiFW
>>187
そういった事は、分かっていても黙って置く物です
190名無しさん@ピンキー:04/05/25 22:50 ID:hYV5pswr
自演でも何でもやったらいい。
>>177
話をもうちょっとうまくまとめられてたらなー、と思う。
191名無しさん@ピンキー:04/05/25 22:51 ID:wViFUVBT
>「蓉子は聖の為に辛い思いをしてばかり、それなのに聖はあなたの気持ちに応えもせず、妹まで作って…あなたはそれでいいかもしれないけど…」

蓉子に応えなかったり妹を作っただけで凄い言われようだ。
惚れられるのも楽じゃないな。
192名無しさん@ピンキー:04/05/25 22:55 ID:BE1PCVVd
だが、それが(・∀・)イイ!
193141:04/05/25 23:34 ID:UXTHqiM1
>>140>>150
>>141

こちらが書こうとしている設定に禿萌えだとおっしゃってもらったんで大急ぎで書き上げたら自演扱いですか…orz

正直投下まで2時間書き込みがなかった時はびっくりしましたよorz

194名無しさん@ピンキー:04/05/25 23:43 ID:hYV5pswr
>>193
気にすんなよ。こういう事はよくあるし!あんまないけど。
俺は楽しませて貰ったよ。是非次も書いてくださいね。
195名無しさん@ピンキー:04/05/26 00:03 ID:eHpvnx2R
>193
ドントウォーリー。気にするな。
そんなことよりも蓉子さまと凸ちんのその後の方が気になるぜ!
196名無しさん@ピンキー:04/05/26 00:03 ID:QOZtmQF9
2ちゃんではよくあることだ>自演認定
気にするな
197名無しさん@ピンキー:04/05/26 00:11 ID:NE+Jz635
書き手が釣られると場が荒れそうで恐い
198名無しさん@ピンキー:04/05/26 01:44 ID:FEw6PdI+
蓉凸の続き楽しみにしてるよ〜
あと、聖蓉のSSも是非読みたい
199名無しさん@ピンキー:04/05/26 02:19 ID:08ArOGnI
てーか嫉妬むき出しの負け犬どもの戯言なんて放っておけ。
否定するのは誰でもできるってなー。
200名無しさん@ピンキー:04/05/26 04:08 ID:Tpt8E4Ql
蓉子さまをレイープする凸さまも又萌え
201名無しさん@ピンキー:04/05/26 08:13 ID:6aEycKyz
>嫉妬むき出しの負け犬ども
毎回同じこと言ってウザイよ。荒らしか?
そうじゃなければスルーしとけよ。投下のタイミングが微妙だったのは確かなんだから
202名無しさん@ピンキー:04/05/26 08:16 ID:6aEycKyz
>>200だけじゃ俺も荒らしだな。

聖さまが乱入して、凸レイープきぼん。
「よくも私の蓉子を・・・」的な嫉妬むき出し展開なら、なお珍しくてよし。
203名無しさん@ピンキー:04/05/26 08:43 ID:EJUY3JJb
141は自演野郎w
204名無しさん@ピンキー:04/05/26 17:08 ID:jh3NikMH
スレ全体のレベルが低くなってる、とはこういう時に使うべき。
205名無しさん@ピンキー:04/05/26 17:51 ID:+VZWuBH2
HR/HM板あたりのノリに近いぞ
206名無しさん@ピンキー:04/05/26 21:51 ID:1v0z0tX2
>>202
ソレダ!!
207名無しさん@ピンキー:04/05/27 00:00 ID:Y4r7kJoR
>>202
ソレダ!!
208名無しさん@ピンキー:04/05/27 00:17 ID:etsACXxr
祐巳に失望した可南子はいつしか志摩子とマリア様を重ね、救いを見いだしていた。
そんな時、偶然、志摩子と乃梨子がやっているところを目撃してしまう。
きれてしまった可南子が志摩子を襲う…
…なんて話が読みたいと言ってみる
209名無しさん@ピンキー:04/05/27 00:48 ID:PtfJ67m0
>>208
そんなことしたら乃梨子の返り討ちにあいますよ!
・・・・・・でも可南子×志摩子ってのはおもしろそうな設定だから読んでみたいかも。

一年生ズはもっと上級生と絡むべきだと思う。
210名無しさん@ピンキー:04/05/27 01:03 ID:VW7jG/SU
時代はのりどりですよ
211名無しさん@ピンキー:04/05/27 02:35 ID:qduRHchd
>>210
 一瞬何のことか真剣に考えちまったじゃないかw
すごいネーミングだ。ミッドナイトひよこの次点くらいに
212名無しさん@ピンキー:04/05/27 03:24 ID:oGtK/MAz
よく普通の二次創作なんかである設定だけど
由乃&志摩子×祐巳の3人プレイキボンヌ
213名無しさん@ピンキー:04/05/27 04:04 ID:NBF/3Dmx
801本で(*´Д`)ハァハァしてるところを由乃に見られる令ちゃんキボンヌ
214名無しさん@ピンキー:04/05/27 04:09 ID:KBt8PRdt
山辺さんに構ってもらえず、悶々としている凸が薔薇の館から僅かに漏れるエロヴォイスを耳ざとく聞きコソーリ覗きにいくと、
聖と蓉子がやってるのを目撃し、嫉妬に燃えて翌日蓉子を拉致して縛り上げて媚薬を飲ませて、
犯した後に蓉子を使って聖を呼び出し再びレイープし二人を真っ白な灰にしてしまう絶倫凸・・・
という珍奇な展開がスキ
215名無しさん@ピンキー:04/05/27 09:43 ID:2/81v4rv
みなさんレイープがお好きなんですね
216名無しさん@ピンキー:04/05/27 10:38 ID:QZp7Qqou
最近微妙なSSしか投下されてないし誰かもっと面白いの書いてくれ
217名無しさん@ピンキー:04/05/27 14:39 ID:cICdKOla
それならちょっと書いてみなさいよ。待ってるからさ
218名無しさん@ピンキー:04/05/27 16:13 ID:L5OsodnV
SS書ける人って( ゚д゚)ウラヤマスィ
219名無しさん@ピンキー:04/05/27 21:13 ID:EeAGLBPm
妄想を文にするのって難しいよね
220名無しさん@ピンキー:04/05/27 23:14 ID:V0PiaBQu
>>215
俺の中では前薔薇同士限定
つーかあの3人なら例えレイープでもきっと愛があるハズ( ´ー`)y―┛〜〜 

>>218>>219
確かに
221名無しさん@ピンキー:04/05/27 23:23 ID:+t4oE4G2
誰かマリみてSS書き講座でも開けよ
222名無しさん@ピンキー:04/05/28 00:17 ID:YSngQzF6
口で糞垂れる前と後にごきげんようと言え、これでOK。
223名無しさん@ピンキー:04/05/28 00:26 ID:C2b5Xfcv
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1085564458/84に萌えた挙句
来るべき日のために由乃と姉妹のロールプレイをする祐巳、という妄想が止まりませんタスケテ

どちらが妹かってそんな野暮な事は聞くもんじゃないよおまいさん。
224名無しさん@ピンキー:04/05/28 00:57 ID:Vu/UX4xV
新参者です。
過去ログでお勧めのSSがあったら教えてください。
なるべくキャラクターが原作のイメージに近いSSが理想です。
(エロでそんなもんない?)
225名無しさん@ピンキー:04/05/28 01:06 ID:G94zq04M
>>224
一体どれくらいの数のSSがあると思ってるんだ。
具体的なCPを上げたら誰か答えてくれるかもね
226名無しさん@ピンキー:04/05/28 01:15 ID:7szs431k
>>224
保管庫見れ。
自分で探すのが一番。大量だからな。
227名無しさん@ピンキー:04/05/28 01:41 ID:Vu/UX4xV
>>224
>>225
レスどうも。
カプは特にない(なんでも読むし特にこだわりもないので・・・。)です。
あまりに大量なので、ちょっと眩暈がして・・・・。
皆さんのお勧めでもあったらまずそれから読んでみようかなと思ったのですが。

今初代スレを読んでいるのですが、中では白の痴漢ものと山辺江利子が面白かった。
228名無しさん@ピンキー:04/05/28 02:15 ID:NF+8pIG7
せっかくたくさんの作品があるんだから、全部読むのが長く楽しめて良いと思うよ。
スレのふいんき(ry)もわかるだろうし。
229名無しさん@ピンキー:04/05/28 02:25 ID:cgnE6Vjh
まぁ、堪能してくれ。
230名無しさん@ピンキー:04/05/28 03:40 ID:V8x6A9Ya
原作の雰囲気重視なのに痴漢ものが好きとはこれ如何に。 すべて読むには一週間はかかるな
231名無しさん@ピンキー:04/05/28 03:46 ID:MvDB5Kve
継続中の江利子×蓉子投下楽しみにしてまつよ。
232名無しさん@ピンキー:04/05/28 08:12 ID:afNAUyRW
また自演か
233名無しさん@ピンキー:04/05/28 08:15 ID:HnjGX/ZE
>>223
いいなーそれ!
そういえば、立場を逆転させる遊びが昂じて、祐巳を「お姉さま」と呼ぶ聖さまの話ってあったよね?
あれってまだ完結しないままだったような気が。続きが無性に読みたくなったよ。
234名無しさん@ピンキー:04/05/28 16:21 ID:k0r1Pho7
マリア様がみてる〜春〜 2004年7月4日(日)より朝7:30〜 テレビ東京系6局ネットにて放送決定!

待望の続編キタ―――――
235名無しさん@ピンキー:04/05/28 16:48 ID:SofU6udg
既出

てか、なんで朝なんだ_| ̄|○...
236落日の志摩子さん ◆jHCuM/6C1s :04/05/28 16:57 ID:8SGxLFUc
NGワード;レイプ



――初めて、乃梨子と体の関係を持ってからどれくらいだろうか。
ふと、志摩子は思い起こす。


「藤堂志摩子ちゃん、だっけ」
振り向いた先、見も知らぬ男が立っていた。
「へへ、待ってたよ――」
「…………」
志摩子のぼうっとした頭に、ようやく血の気が送り込まれた。
そして思い出す。
自分は今だるい身体を引きずって、いつものマンションから帰る途中だったのだと。
「あなたは誰ですか?」
冷ややかに問う先で、胡散臭げな男は薄ら笑いを浮かべる。
白い背広に襟巻きを巻いて、浅黒い顔には皺が多くて年齢が分からなかった。
「ちょっと俺達と一緒に来てもらいたいんだが」
「……どういうことだか、良く分かりませんが」
冷淡に応える志摩子に、男はにっと歯を剥きだして見せた。
「これを買ってもらいたいんだ」
ぽんと投げるように差し出した封筒を、志摩子は感慨なさげに取る。
取って中身を見て、その瞳が開かれていった。
「――――!!」


237落日の志摩子さん ◆jHCuM/6C1s :04/05/28 16:58 ID:8SGxLFUc

黒塗りのワゴン車が下りた先は、どこかの雑居ビル。
その地下階へと志摩子は連れられていった。
中には「撮影」の機材を抱えた男たちが、あわただしく動き回る。
志摩子は無感動に思い返していた。これから自分は犯されるのだと。


「これを公開されちゃ、まずいんじゃない?」
下卑た笑みを浮かべる前、志摩子は立ち尽くす。
「女の子同士で、こーんなエッチなことしてるなんてねえ」
「…………」
志摩子は写真を突き返すと、こともなげに問い返す。
「何がお望みなの?」


乃梨子との関係はもうずっと倦んでいた。
初めて体を求められたとき、なぜ拒絶できなかったのだろう。
二人の関係を壊したくなかったから?
乃梨子を傷つけたくなかったから?
乃梨子を失ってしまうのが怖かったから?
違う。
多分どれも正解で、どれも正解ではない。
238落日の志摩子さん ◆jHCuM/6C1s :04/05/28 17:00 ID:8SGxLFUc

私は、重ね合わせていたのだ。乃梨子を、自分自身に。
だから嘗ての自分を否定するのが恐ろしかったのだ。

(お姉さま――――)

あなたは私を包みこんでくれた。
でも、私にはそんなことはできない――

「――ちゃんは、リリアンの現役生なんだよね」
半ば夢ごこちから汚濁に塗れたうつつへ。
ぼんやりと耳に掛かる声と肩を抱く狎れた腕を感じる。
「エッチの経験はどうなのかな?」
初体験は? オナニーしたことある?
イッたときはどんな感じ? オマ○コは感じる方?
と、例の陳腐な調子で質問しながら、三流男優が性感帯をまさぐっていく。
勿論、志摩子に応えがあるはずもない。
(男性経験ですって? フフ)
――女性経験なら、と、いっそ答えてやろうかと本気で思う。
ふと、脳裏に彼女の面影が浮かぶ。
そうすると、途端、身体の奥が沁みてくるのが分かった。
239落日の志摩子さん ◆jHCuM/6C1s :04/05/28 17:01 ID:8SGxLFUc

「んっ……う……」
「感じてきたねえ?」
途端、自分の指技によるものと勘違いした三流男優が、嬉嬉とした声を上げる。
カメラの閃光、まばゆいスタンドライトの脚光、
何人もの見知らぬ男に囲まれて、それでも自分は濡れていた。
「オマ○コ湿ってきたよ?」
「はっ……ぁ……」
そう言いつつ耳朶を噛まれて、身体がビクッとうごめく。
汚い指になぞられて、秘裂は已に端ない汁を溢れ返らせている。

(志摩子さん――)

(志摩子さん、耳が感じやすいんだね)

(耳が、)

(耳が――――)

そのとき、私――は。
「乃梨…………」
その瞬間。男の剛直が突き込まれた。
240落日の志摩子さん ◆jHCuM/6C1s :04/05/28 17:02 ID:8SGxLFUc









「志摩子さん……志摩子さんっ」
身体の上でうわ言のように呟いている。自分の名を。
自分の体を貪る乃梨子の下で、やけに醒めた感覚は鈍く。
「……乃梨子……んっ」
それでも、自分の中に乃梨子が入ってきたとき、体が反応を始める。
気だるい、疲れ切った心とは裏腹に。
「志摩子さん、好き……大好き……!」
そう、夢中で発する乃梨子の目は開かれているのだろうか。
いや、どちらにせよ見えてはいなかった。
「んっ……ああっ……!!」
やがて、体の芯が熱くたぎり出し、志摩子の内奥に血潮の渦が起こる。
それと伴に意識は焼き切れて行く。

241落日の志摩子さん ◆jHCuM/6C1s :04/05/28 17:02 ID:8SGxLFUc

「――――」

(良かったのだろうか)
(本当に、これで)
(乃梨子と私は)
(これで)
(どうして)
(私は――)
(乃梨子――)



「藤堂志摩子さん、藤堂志摩子さん、まだ校内にいましたら、至急――」
夕暮れの校舎にスピーカーから少し割れた音が響いていく。
白薔薇の呼び出しに生徒の反応は明らかにいつもと異質なものだった。

「白薔薇・藤堂志摩子、裏ビデオに出演」

リリアン瓦版を読むまでもなく、その件は学校で、
口さがない女生徒の口から口へとこだまし、伝播していった。
実際、そのビデオを入手し、進んでダビングして配布したものまでいた。
近隣の男子高生の間では、破格の値段で取引されているという話である。

242落日の志摩子さん ◆jHCuM/6C1s :04/05/28 17:03 ID:8SGxLFUc

ふらふらと、生活指導質をでてくる志摩子。
そこに、取り囲む山百合会。
だが、志摩子の耳には届いていなかった。
振り切って、志摩子はぼんやりと校舎をでる。行き先などないのに。
(嘘でしょ、志摩子さん、嘘だよね!?)
祐巳がしがみついてきたような気がする。
祐巳の泣きじゃくる声だけが脳裏に残っている。
(行かないで、志摩子さん、行かないで……っ)

「――志摩子さん」
ふと、赤く腫らした面を上げる。……乃梨子が佇んでいた。
「乃梨子……」
「! 志摩子さん、その顔……」
志摩子は自嘲気味に微かに笑った。
「お父様にぶたれちゃったわ。お前など、家から出て行けって」
「…………」
乃梨子は拳を握りぶるぶると、俯いて震えていた。
堪えきれない激情を、何とか押さえようとするように。
「志摩子さん、どうして……どうしてなの……どうして?」
「…………」
243落日の志摩子さん ◆jHCuM/6C1s :04/05/28 17:04 ID:8SGxLFUc

(――乃梨子)
訳を話すのは容易い。だけどその結果は見えていた。
だから、じっと黙っていた。
生徒たちの冷たい視線を浴び、教師の厳しい責めを受け、
父の平手打ちを往復されながらも。
(言えば、乃梨子は……傷ついて、自分を責めて)
そして……きっと。
「――あなたのせいだからよ」
「えっ?」
見上げる瞳が驚愕に開いていく。
「私ね、あなたの体を受け入れたことを後悔していたの。
はっきり言ってあなたとの交わりは気持ち悪かった。――もう、嫌になっていたの」
「し、しま…こ……さん……」
ガクガクと目に見えて震える乃梨子の前に歩み寄る。
そうして、胸からロザリオをもぎ取った。
「…………っ!」
どん、と乃梨子は志摩子を突き飛ばすと、そのまま走り去って行った。
二度と、振り返ることもなく。
(これで……良かったのよ)
そう。私を憎んでくれればいい、いいんだ。
尻餅をついて。その背中を見送りながら。自嘲気味に笑って。

夕闇の忍び寄っていた。
そらは赤く夕ばえの、黄昏の彩にいろどられ、やがて暗闇の迫って。
――そうして、志摩子は陰に溶け消えるように、消えていった。



244名無しさん@ピンキー:04/05/28 17:17 ID:Fdu8BAX9
聖×蓉子投下します。メール欄「photoframe sage」です。
スレ10-32「さざ波」の続編ですが、前のを読んでいなくても平気だと思います。
前回のあらすじ:蓉子と聖はキスまで進みました。
245「欠片1」:04/05/28 17:20 ID:Fdu8BAX9
結局聖も私も……二人とも臆病なのかもしれないわね。

ノートの上に走らせていたペンの動きはいつしか止まり、蓉子はこの日何度目かの
物思いに囚われていた――。


「蓉子?」
「え?」
「『え?』じゃなくて。なんかぼんやりしてたけど。さっきから手も止まってるみたいだし」

不意に名前を呼ばれ、内にこもっていた意識が現実へと引き戻される。はっとして声の
した方へと目を向けると、部屋の隅にある自分のベッドが目に入った。声の主である聖は
その上に腰を掛け、窓から差し込む午後の光を頬に受けながら、両足を手持ちぶさたに
ぶらぶらと揺らしている。

「ほとんどテキストから書き写すだけの単調な作業だから、少し飽きてきちゃったのかしら」

どこか不思議そうな眼差しで見つめてくる聖に、蓉子は呆れたような苦笑いを作ってみせた。
単調な作業だからといって、集中力が途切れてしまう蓉子ではない。しかし咄嗟に口を
ついて出た言い訳は、思いのほか滑らかに唇から滑り出ていた。蓉子の言葉にくすりと
笑った聖の顔から、意識的に視線を引き剥がす。

それにしても、そんなに長い間ぼんやりしていたのだろうか。
何気なく手元を見やると、ペンを握っている右手には力がまるで入っていなかった。指は
傍目にも明らかなほど弛緩しており、普段なら蓉子の意志を乗せてすらすらと走る愛用の
シャープペンシルは、今にも指の間からこぼれ落ちそうなほどに傾いていた。
246「欠片2」:04/05/28 17:24 ID:Fdu8BAX9
「まったく蓉子の大学といいリリアンといい、入学早々課題なんて出さないで
ほしいわよね」
「それは確かにそうだけど、あなたも少しは自分の分を進めなさいよ。一人じゃ
どうしても怠けちゃうからってうちに来たんじゃなかったの?」

わざとらしく呆れた口調でこぼす聖に、溜め息交じりで蓉子が返す。
それでも高校時代とまるで変わっていない二人のやり取りに、蓉子はどこか
懐かしい気持ちになっていた。

今は四月。大学生活が始まり半月ほど過ぎ、細々とした準備で慌ただしい時期の
中で一息つけるだけの余裕も出はじめる頃だ。高等部の卒業式を終えて別々の
大学へと進んだ蓉子と聖はしばらく会ってはいなかったが、近況報告をかねて度々
電話で話しはしていた。

そんな何度目かの受話器越しの会話の中で、入学早々出されてしまったレポートに
ついて聖があれやこれやとぼやき始めた。そして蓉子も同じように課題を出されて
いると知ると、どういうわけだか聖の文句は加速をつけた。
冗談交じりの口ぶりから聖は本気で怒っているようではなかったが、それでも蓉子は
面倒くさがる聖に対して一言たしなめるのを忘れなかった。

そうしていつもだったら、大学での出来事や日常生活の中でのちょっとしたことを
とりとめもなく二人で話して終わるはずだったのに。どういう会話の流れでこうなった
のか、そしてどちらが先に切り出したのかももうよくは覚えていない。気がついた時には
自分の家に聖を呼び、課題を一緒に片付ける約束を交わして蓉子は受話器を置いていた。
247「欠片3」:04/05/28 17:28 ID:Fdu8BAX9
英語の講義で使っているテキストを抱えて蓉子の家にやって来た聖は、始めの
うちこそ大人しくノートに英文を書き込んでいた。出された課題の内容はもちろん
二人とも全然別のものだったので、自然、蓉子と聖はしばらく静かに自分の課題
に取り組んだ。

しかし元から優等生で通ってきた蓉子はともかく、聖の方はさぼりたい時はさぼって
しまう性格である。そんな人間が大学生になったからといって、急に真面目になれる
わけもない。テーブルに向かい合って座り、三十分も経たないうちに聖は欠伸をしは
じめた。そうしてすぐに「休憩」と一人で勝手に宣言すると、あっさりペンを投げ出した
のだ。

「変な所覗かないでよ」

課題を放棄して部屋の中をうろうろし始めた聖に釘を刺し、どうしても気になってしまう
その姿を目で追ってしまわないように気をつけながら、それでも蓉子は自分の課題を
進め続けた。
すると聖は居場所を蓉子のベッドの上に定めたのか。枕を抱いてベッドの上に浅く
腰掛けると、蓉子がテキストに向かっているのにも構わずに、聖は徐々に慣れてきた
大学生活について楽しげに話し始めたのだった。

「少しずつでも進めないと、いつまで経っても終わらないわよ」
「だから今はちょっと休憩。それでさっきの話だけどさ――」

物思いに耽っていた蓉子の意識が戻ったことに満足したのか、聖は途切れてしまって
いたらしい話の続きをし始めている。
248「欠片4」:04/05/28 17:32 ID:Fdu8BAX9
「あなたが休憩を取るのは勝手だけど、どうして勉強している私に話しかける
のよ」
「まあまあ、適当に聞いててくれればいいからさ」

(適当にね……)

居住まいを正すようにベッドの上で座りなおしている聖を、横目でちらりと見やる。
勉強している人間の横で世間話をする聖も、友人の話を聞き流しながら勉強を
続ける自分も、よくよく考えてみたらどっちもどっちだ。まあ、今さらお互い気を使う
相手でもないのだが……。
ぺらぺらと楽しげに話し続ける聖の声を頭の隅で聞きながら、蓉子はペンをしっかり
と握りなおして手元のノートに視線を落とした。

「なんかさ、クラスに私と似たような名前の人がいるんだよね」
「人の名前なんかに興味無さそうなあなたでも、自分の名前と似ている人のことは
さすがに頭に入るのね」

聖の話の内容はごく一般的な世間話で、蓉子の課題はといえばテキストの指定され
た個所をノートに書き写しておくだけという頭を使わない簡単なものだった。
ペンを持つ手を止めることなく、聖との他愛のない会話に無難な相槌を打ち続ける。
その一方で蓉子は大学で購入したばかりの真新しいテキストを指でめくり、並んでいる
文字に目を走らせた。
しかしそんな風に調べ物をしている振りをしながらも、蓉子の心は早くも再び別のことに
囚われはじめていた。
249「欠片5」:04/05/28 17:37 ID:Fdu8BAX9
高校を卒業してからは、聖とは会っていなかった。電話でお互いの近況を報告
し合うたび、受話器越しの会話にさえ蓉子の心は揺れていたが、そんな自分の
心の動きを蓉子は戸惑いながらもどこか冷静に分析していた。

自分が聖に会いたがっているのは確かなことだ――。それなら素直に、会う約束を
取り付ければいい。蓉子は聖に会うための口実を頭の中で何度も何度も探したが、
思いつくことはついになかった。

「あとさ、やっぱり『佐藤さん』なんて呼ばれると新鮮だよね」

テキストとノートの間をさまよっていた蓉子の視界の隅に聖の足の先がちらりと入った。
先ほどまで蓉子のベッドの端でぶらぶらと揺れていた聖の両脚は、いつの間にか動きを
止めて組まれている。

「蓉子も大学では『水野さん』なんでしょう?」
「当たり前じゃない。うちはリリアンとは何の関係もない学校なのよ」

聖の脚は動きを止めていたが、世間話は一向に止まらなかった。答えながら密かに
伺った聖の視線は蓉子の方を向いてはおらず、部屋の中を何気なく見渡しているように
半ばぼんやりとさまよっている。

(口実なんて、何でもよかったのにね)

こうしていざ実際に会ってみると、会うための理由を必死に探していたことすら馬鹿馬鹿しい。
大学の課題を一緒にやる。蓉子が探しても探しても見つけられないと思っていた聖に会う
ための理由は、ずいぶんと身近なところに転がっていた。
……いや、そもそも何か理由がなければ会う約束ができないような仲ではないはずなのだ。
「久しぶりに会わない?」ただその一言だけで十分なのだということは、心の底で本当は
分かっていたのに。しかし肝心のその一言が、蓉子にはどうしても言い出せなかった。
それはたぶん――あの日聖と交わした口接けが原因なのだ。
250「欠片6」:04/05/28 17:41 ID:Fdu8BAX9
卒業式が間近に迫っていたあの日、蓉子は薔薇の館でひとり私物の整理をして
いた。ついでに処分しなければいけない書類をチェックしていたところに聖がやって
来て、そこで蓉子は初めて聖と唇を重ねたのだ。

その時に聖が見せたどこか寂しげな笑顔に不安のかけらを抱きつつも、そこは
蓉子もやはり恋に不慣れな高校生である。「変に恋人気取りな態度をとられても困る」、
「聖が学園内で馴れ馴れしくしてきたらどうしよう」、などと半ば本気で心配してしまう
気持ちも抑えられなかった。
しかしそんな悩みは、今思えば呆れかえるくらいに呑気なものだったのだ。

蓉子の微笑ましい心配は杞憂に終わり、聖の蓉子に対する態度はそれまでと何も
変わらなかった。わざと態度を変えずに接することで自分のことをからかっているの
ではないかと腹立たしく訝しんだこともあったが、そうではないことはすぐに分かった。

あの口接けのことが二人の間で話題に上ることすらなく、二人きりになっても聖の方
から距離を詰めてくることはとうとうなかった。
口接けを交わした日の聖の積極的な行動は、いったいなんだったのだろう。
聖のはっきりしない態度に蓉子の不安は募るばかりだったのだが……

(はっきりしないのは、私も同じだったのよね)

卒業式を終え、そして今日のこの日まで、二人の関係は結局何の進展もしなかった。
聖が蓉子に近付いてこなかったのと同じように、蓉子の方も聖に近付かなかったのだ。
物憂げに俯いてしまった視線の先、開かれたテキストの紙の白さが妙に鮮やかに
蓉子の目に映る。

(そういえば、あの日も書類を整理していた時に聖がやって来たんだったっけ)

手元のテキストをぱらぱらとめくる。文字の羅列を斜め読みで瞳に映しながらも、
蓉子はその意味を考え取ってはいなかった。
251「欠片7」:04/05/28 17:45 ID:Fdu8BAX9
「あ。この写真、飾ってるんだ」

唐突にトーンの変わった聖の声に、蓉子ははっと我に返った。
見るとベッドに座って世間話をしていたはずの聖は、いつの間にか腰を上げて
蓉子の勉強机の前に立っている。きちんと整頓された机の上、並べられている
辞書の隣に置かれている写真立てに、聖がすっと手を延ばした。

「これって卒業式の時の写真でしょう?」

持ち上げられたフレームの中の写真が、聖の腕越しにちらりと見える。
木製のシンプルなフレームの中に収められた一枚の写真。そこには蓉子、聖、
そして江利子の三人がリリアンの制服姿で写っていた。三人揃ってカメラ目線で
微笑んでいるこの写真は、卒業式の日に写真部のエース・武嶋蔦子に撮って
もらったものだった。
いつも眺めているはずなのに……。蓉子は何故か聖の手の中のその写真に
惹かれるように立ち上がり、聖の隣に並んで立った。

「私も同じ写真もらったけど、さすがカメラちゃんは腕がいいわよね」

他にも祥子たち薔薇の館の面々と一緒に写った写真ももらった。卒業式の写真に
関わらず、蓉子のアルバムの中にはリリアン時代の写真が数え切れないほど
収められている。それらの写真は、一枚一枚がそれぞれ違う思い出を映し出して
いる大切な品だ。どの写真ももちろんとても気に入っていたのだが、蓉子が自分の
机の上に飾るために選んだ一枚は、自分と聖、そして江利子の三人だけで写った
この写真だった。
252「欠片8」:04/05/28 17:49 ID:Fdu8BAX9
「江利子は元気にしてるかしら」

ここにはいないもう一人の親友のことが、蓉子は何故か急に懐かしくなった。
江利子とも卒業してから会っていない。そういえば、聖を自分の部屋に招待
したのもキスをした後では今日が初めてのことだった。

「元気っていうか、どうせ熊男のことで頭がいっぱいなんじゃないの?」
「山辺さんとは……うまくいっているといいわね」

徐々に弱くなっていく自分の声が、どこか遠くに聞こえる気がする。呆れなが
らも楽しげな口調で話す聖とは反対に、蓉子は声に力を入れることすら出来
なかった。
恋人のことで頭がいっぱいなのかもしれない江利子のことが無性に羨ましい。
自分だって、聖のことで頭がいっぱいなはずなのに。蓉子は何故か、自分と
江利子が別のところに立っている気がして仕方がなかった。

「蓉子?」

聖の声に、いつの間にか俯いてしまっていたらしい顔を上げる。

「またぼんやりして。何、考え事?」
「ええ……」

急に不安定になりはじめた自分の心を、蓉子は止めることができなかった。

「あなたのことを考えていたの」

瞳をそらした蓉子のすぐ隣で、聖が手に持っていた写真立てを机に置く音が
小さく聞こえた。
253「欠片9」:04/05/28 17:54 ID:Fdu8BAX9
側に立つ聖からは、気楽に世間話をしていた時とはまるで違う気配が感じ
られる。
自分はそんなに分かりやすい表情をしてしまっているのだろうか――。
蓉子は自分が今どんな顔をしているのか、想像してみようとした。しかしそんな
ことをしてしまったらますます自分を追い込んでしまうのだろうということに一瞬で
思い当たり、どうしようもなくなって蓉子は一人静かに震えを抱えた。

「蓉子……ごめん」
「何がよ」

言葉だけは強がってみたが、口から出た音にはまるで力がこもっていない。蓉子は
聖の目を見ることすらできなかった。聖はきっと気遣ってくれているような表情を
浮かべているのだろうが、顔を上げて確かめてみる勇気は蓉子にはなかった。

聖の手が肩に触れる。その手は蓉子の黒髪をかすめ、すぐに頬へと移ってきた。
聖の顔が近付いてくる気配を感じたが、視線を合わせることがどうしても出来ない。
蓉子は瞳をそらしたまま、聖と唇を重ねた。
これで、三度目のキス――。
目を閉じた背中に聖の腕がゆっくりと回されると、一瞬で全身が緊張した。

そうして長い口接けの末、身体に回された聖の両腕に力が入った瞬間、これから
何が起こるのか蓉子は悟った。
瞳を薄く開き、聖の背中に腕を回し返す。その動きの途中でこちらを向いていた写真
立てを、蓉子は震える指でそっと伏せた。
254244:04/05/28 17:56 ID:Fdu8BAX9
次回へ続きます。
255名無しさん@ピンキー:04/05/28 18:02 ID:RFOm9b4M
>>243>>253
乙かれです
256名無しさん@ピンキー:04/05/28 20:09 ID:I08MIyx/
久しぶりにスレきたけど、まだ250くらいなのか。
こんなに流れがゆっくりなの、アニメ始まって以来始めてじゃないかね。
257名無しさん@ピンキー:04/05/28 21:13 ID:afNAUyRW
それでもはやいよ〜
258名無しさん@ピンキー:04/05/28 21:38 ID:82LY3GEW
>>244
乙です。
最後の部分、写真立てを伏せるってのがなんだか(・∀・)イイ!!
259名無しさん@ピンキー:04/05/28 21:39 ID:5/jG8A+I
2期決定時の本スレよりは遅い遅い。
260名無しさん@ピンキー:04/05/28 22:36 ID:C2b5Xfcv
>244乙
なんつうかこう、グっときた。
261名無しさん@ピンキー:04/05/29 00:43 ID:vUAXAvWK
>>244
乙でした!
続き楽しみに待っとるよ。
262名無しさん@ピンキー:04/05/29 00:46 ID:A3xqvlXI
>>244
ここで切るとはなんと殺生な!
首を長くして続きを待ってますよ。
263名無しさん@ピンキー:04/05/29 01:27 ID:osew/9dU
>>243
ここで読んだSSの中ではダントツ面白い。
NGワードで無視られるのがもったいない出来。

職人様、乙です。今後に期待します。
264名無しさん@ピンキー:04/05/29 02:04 ID:TVnlc7Op
昨日の新参者です。
2スレ目に突入しました。
聖志摩子、江利子令、聖蓉子(逆?)がいい感じでした。

基本的に、どのキャラも好きだし、どんなカプでも楽しめるんだけど、
祥子さまが少なくて驚いてます。
今後は増えるのかな?

>>243
乙です。
せつなくていいですね。
265名無しさん@ピンキー:04/05/29 04:13 ID:9TPXYc33
おまえの感想なんかいちいち聞きたくないよ。 このくらいのスレの流れがちょうどいいんじゃないかなぁ
266名無しさん@ピンキー:04/05/29 13:52 ID:HtNdv/pN
なんかまた人大杉みたいだね。
267名無しさん@ピンキー:04/05/29 18:52 ID:gpi891N4
>>266
気長に待ちましょう。
268名無しさん@ピンキー:04/05/29 21:30 ID:LQGWig0f
よくあるネタですが個人的に好きだから書いてみた。
祥祐で今回はエロなし。

NGは「我がまま」

しかし我ながら文才ねーな(゚∀゚)アヒャヒャヒャヒャ
269お姉さまは私:04/05/29 21:31 ID:LQGWig0f
「横暴ですわ!お姉さま方の意地悪!」
聞き覚えのある声が部屋の中から聞こえ
志摩子さんが部屋の扉を開けた
と、その瞬間。
「ええ、今すぐ連れてまいります!」
という言葉とともに一人の生徒が勢いよく部屋からはじき出されてきた。
「あっ!」
「うわっ!」
人が飛び出してきたと思った瞬間
軽い衝撃をうけ、その生徒の下敷きに……

が、何故か重みを感じない。
「うぅん…」
反射神経で瞑った目を開くと
見覚えのある顔が……

見覚えがあるなんてもんじゃない
昨日も今朝も毎日一番よく見ている顔だ。
鏡?

「大丈夫!?」
志摩子さんと蔦子さんの声が聞こえた。

何がなんだかよくわからない、すごい状況になっていた。
270お姉さまは私2:04/05/29 21:32 ID:LQGWig0f
頭に軽い痛みを感じ
頭をさする――――

リボンがない…
それに私こんなに髪の毛長かったっけ…?
と自分の髪を持ち、見る
「ええ!!!」
そのとき
「痛……」
と私が下敷きにしてしまっている人物が呻き声をあげた
「え…私?」
と小さな声で呟きながら、その人物…私?がゆっくりと身を起こした。

見つめあう、が状況がつかめない。
私は未だに状況がつかめないでいたが
彼女は先に状況をつかんだようだ。
ガシっと抱きしめられ、
「何がなんだかわからないけれど、とりあえず、私のフリをして、
 私は小笠原祥子、あなたは?」
と耳元で問いかけられる
条件反射で
「あ、一年桃組三十五番。福沢祐巳です」
自分で自分に自己紹介してるなんて、誰が想像できようか。
271お姉さまは私3:04/05/29 21:32 ID:LQGWig0f
「それで、あなた、お姉さまはいて?」
「いません…けど?」
「それじゃあ、私…今はあなただけれど
 小笠原祥子は、福沢祐巳をスールにするわ」
「え!?」
「嫌でもこの際そうもいってられないでしょう?
 スールになったほうがいろいろと都合がいいと思うわ」
「あ、あの」
「いいから。言う通りにして」
かなり強引。訳もわからず、メンバーの前に引きづられるようにして
連れて行かれた。
「いい、何がどうなったのかわからないけれど
 今はあなたが小笠原祥子なの、みんなの前であなたを…福沢祐巳を
 プティスールにすると宣言して頂戴」
と耳打ちされる。拒否権はないようだ。
「え、えっと、私、小笠原祥子は福沢祐巳をプティスールとすることを宣言します。」
272お姉さまは私4:04/05/29 21:33 ID:LQGWig0f
「どうぞ」
湯気の立ち上がる赤い液体が白いカップに注がれる。
「祥子さまは、お砂糖だけでしたよね」
「…」
「祥子さま?」
「え!?」
そうだった、今私は小笠原祥子様だったのだ
「え、ええ、ありがとう」
背の低い…いつもの視点なら、同じくらいの身長なのだろうけれど
今は小さく見えるお下げ髪の少女がお砂糖を手渡してくれた。
たしか、黄薔薇のつぼみである支倉令さまの妹で由乃さん。
ああかなり混乱している。

「祥子だけじゃなく、祐巳さんにもお聞きしたいわね」
「わ、私ですか…!?」
みんなの視線が一斉に私に注がれる
「だから、祥子じゃなくて祐巳さんにお聞きしたいといっているでしょう?」
と首をかしげ紅薔薇様がおっしゃった。
「はい、私は祥子さまの妹になりたいと思っていましたから、光栄に思っています」
両者が肯定したわけで、誰も咎めることもできず
薔薇の館の面々は腑に落ちない顔をしていたが、その場は解散となった。
「祥子さま、一緒に帰りましょう」
「え、あ、はい」
273お姉さまは私5:04/05/29 21:33 ID:LQGWig0f
マリア様の前で手を合わせ
校門へと足を向ける
いったい何がどうなってしまたったのか?
「はぁ…」
ため息がもれた。漫画やドラマの中じゃあるまいし
こんなことが現実に起こるなんて、信じたくないが、現実に起こってしまったのだ。
「とりあえず、私の家に行きましょう」

お金持ちだとは知っていたけれど
お屋敷の大きさは想像以上だった。
そして祥子さまの部屋も。
「適当に座って頂戴」
「あ、はい、ありがとうございます」
「ふふ、おかしいわね、私がそんな話し方しているなんて」
口では笑っていても顔は笑っていない
自分が苦笑いしている時の顔だ。
「なぜこうなってしまったかの理由がかわからない以上
 解決方法も今のところわからないし、当分はこのままの可能性があるということね」
「病院にいったほうがいいんじゃないでしょうか?」
「そんなことして誰が信じると思って?」
「……」
「原因があるとすれば…ぶつかった時に入れ替わったようだから
 もう一度ぶつかってみますか?」
「そうね可能性があるのならやってみる価値はあると思うわ」
「でもちょっと勇気がいりますね」
笑わないとやってられないとはこういう状況をいうんだろう。
274お姉さまは私6:04/05/29 21:34 ID:LQGWig0f
私達は、部屋の端と端に離れ
「いっせいのーせで走るわよ?いいわね」
「は、はい!」
「いっせいのーせ!」

―――ガチーン!
「痛っ……!」
頭をきつくぶつけ合い、星が散る

視界に入るのが、祥子様でありますように……

しかし、その願いは叶わなかった
見慣れた顔が苦痛に顔を歪めていた。


「だめ……みたいね」
泣いたって何もかわらない、祥子さまを困らすだけだってわかってるのに
本当に大変なことになったのだと実感して
涙がこぼれ落ちた。

私の姿をした祥子さまは黙って私の抱きしめてくれた
今は私よりも小さい体なのにお母さんのように優しく。
祥子さまだって、こんなことになって泣きたいはずなのに。
275お姉さまは私7:04/05/29 21:35 ID:LQGWig0f
ワンワンと泣きはらした祐巳は子供のように泣きつかれて眠ってしまった。
祥子は自分がもっていた鞄から祐巳の学生証を取り出し
祐巳の家に電話をかけ、祥子の家に泊まることを祐巳の両親に伝えた。

「祐巳…祐巳」
聞きなれた声が聞こえる
「ん…」
「起きなさい、朝よ」
すべて夢だったらよかったのに
目を覚ました現実は、昨日となにも変わっていなかった―――

「シャワー浴びてきなさい」
「……はい」
代えの下着を渡されバスルームの場所を教えてもらった。

タイを解き、制服を脱いでゆく。
洗面所にある大きな鏡にいる人物に見られている…
自分なのだが、自分ではない人物に。

身にまとっていた物をすべて脱ぎ鏡に向き合う
美しい長い黒髪
思わずため息がでるほど綺麗な顔
バランスの取れた最高のプロポーション
憧れの人の生まれたままの姿

しかし、それを見ることが今は悲しい。
私が望んだのはこういう形での祥子さまではないのだから。
276名無しさん@ピンキー:04/05/29 21:36 ID:LQGWig0f
色々本読んだりしたんだが
進歩してないな。

とりあえず今日はここまでです。
277名無しさん@ピンキー:04/05/29 21:37 ID:6KN5Dhot
ガンガレ〜ヽ(´ー`)ノ
期待してるYO
278名無しさん@ピンキー:04/05/29 21:38 ID:P12BNicG
うーむ…なんというか興味深いですな。
279名無しさん@ピンキー:04/05/29 21:38 ID:ZeOVHUjp
>>268-276
⊂⌒~⊃。Д。)⊃<GJ
280名無しさん@ピンキー:04/05/29 22:21 ID:wZZd+/yW
ありがちなネタは作者の力量が問われるね。
281名無しさん@ピンキー:04/05/29 22:25 ID:P12BNicG
鏡の中の自分に欲情してしまう祥子様(in祐巳)に(;´Д`)ハァハァ
282名無しさん@ピンキー:04/05/29 23:05 ID:rVfUEPvD
最近続きが気になるSSがつぎつぎ投下されて
うれしいが待ちきれないぜ。
283名無しさん@ピンキー:04/05/29 23:06 ID:biu6y4FS
ありがちなネタだが、初代スレからここまで誰もやってないネタなのはたしか。
これは楽しみですな。
284名無しさん@ピンキー:04/05/29 23:59 ID:DGF2KJ6J
俺があいつであいつが俺で!Σ(゚ロ゚)
すげぇ、なんかおもしろそうだ。
続き楽しみにしてるヨー。
285名無しさん@ピンキー:04/05/30 07:22 ID:6XrFDyIm
前スレ483の続き
「お姉さま待って」
メール欄は「himo sage」でお願いします。
286お姉さま待って:04/05/30 07:24 ID:6XrFDyIm

「あの日と同じことだよね、志摩子さん」
「お願い、祐巳さん」
志摩子さんは気が付いていないかもしれないけど声が少し上ずっている。
視線も虚ろで今にも崩れ落ちてしまいそう。
聖さまが卒業された頃に戻ったみたいだった。

祐巳は、今にも消えてしまいそうな志摩子さんを繋ぎ止めたくて、
そのためなら罪を重ねてもかまわなかった。
志摩子さんが良いなら、志摩子さんが私なんかを求めてくれるなら・・・。
「うん」
ただ一言、わかったと伝える。
見つめ合ったままじゃ照れるから視線を下にゆっくり落とす。
紅く染まった頬、口唇、白く滑らかな首筋、
セーラー服のタイの合間から覗く鎖骨。
肩から身体の中心に向かって撫でるように視線を移動させ
胸の谷間、タイの結び目で止まる。

「ねぇ、今度は志摩子さんがタイをほどいて」
志摩子さんは無言で指をタイに添えゆっくりとその戒めを解く。
少し皺になったアイボリーカラーのタイが肩から真っ直ぐに伸びている。

「確か、胸・・・。胸の間にキスしたんだよね、私。」
記憶を確認するように小声で呟く。
「ええ」
小さく相槌をうつ志摩子さん、他にも何か思い出したみたいだけど
口にしたのはそれだけだった。

287お姉さま待って:04/05/30 07:26 ID:6XrFDyIm

その続きも気になったけど後でゆっくり聞けばいいやって
思い直した祐巳は次の行為に移ることにした。
本当にこの前と同じならタイをほどく前に押し倒す必要があったけど、
祐巳自身の記憶もおぼろげだったから多少前後したり、違ったりしても
しょうがないかもって考え直した。

だって、志摩子さんはとても魅力的だったから。
ドンドン触って感じる姿を見たいという気持ちと、
綺麗だから自分が触れても良いのかと躊躇する気持ちが混在していた。
あれだけのことをしておきながら今更って気もするが、
そう思ってしまうのだから仕方が無い。

志摩子さんの両腕を掴み身体を引き寄せるように腕に力を込め、
胸の谷間に顔を埋めようとした。
手始めに、セーラーから覗く胸の膨らみ、そこにキスをする。
そのまま顔をすりすりと左右に動かす。
リリアンの制服の上からではわかりにくい胸の大きさや形、
つけているブラジャーの刺繍と生地の肌触り。
そして・・・志摩子さんの・・・香り。

少しくすぐったそうにしていた志摩子さんだったけど、
祐巳に掴まれた両腕を上げ、自由になった両腕で祐巳の頭を抱え込む。
"ギュッ"って感じで・・・。
こんな風に抱きしめてくれる人はあまりいない。
お母さんにお姉さま、そして志摩子さん。
聖さまは、後ろから抱きしめられるけど正面から抱きしめられることは
ほとんどなかったと思う。
今だから思うけど、聖さまって本気で襲ってこなかったみたい。
何か考えていらっしゃったみたいだけど、
頭の良い人の考えることってよく解らない。
288お姉さま待って:04/05/30 07:29 ID:6XrFDyIm

前のめりという不自然な姿勢の上、ぐっと引き寄せられたから
バランスを崩し、志摩子さんと一緒にゆっくりと崩れ落ちる。
私よりも豊かな志摩子さんの胸に包まれてちょっと息苦しい。

胸の谷間に二酸化炭素が充満しているだけではなく、
興奮しすぎて呼吸が満足に出来ていないみたいだった。
それだけこの後に待っていることが魅力的なんだ。


なんだかドキドキする。
今、離れたら顔が紅く染まっていて恥ずかしいから
もっと、もっと、頬擦りすることにした。

何時までもこうして居たいような気もするけど、
志摩子さんが望んでいるのはこんなんじゃない。
もっと、もっと、先のこと。
あの日と同じなら私が志摩子さんを脱がすべきなんだろうけど・・・。
「志摩子さんに直接触れたい、だから・・・・。お願い・・・・」

たとえ志摩子さんの着替えであっても、
誰かさんのように目を輝かせたりしないと思う・・・たぶん。
しかし、このまま視てみたいという欲求も抑え切れず。
私が脱がせたいの、とも言い切れない内に志摩子さんは制服を脱ぎ始めた。


そして・・・、祐巳の視線は釘付となった。
289お姉さま待って:04/05/30 07:30 ID:6XrFDyIm
今回はここまでです。
近いうちに続きを書きます。
290名無しさん@ピンキー:04/05/30 08:33 ID:9x3tyqbz
間が空いてしまった連載は
あらすじあると感情移入しやすいに
100リリアン
291名無しさん@ピンキー:04/05/30 08:41 ID:AVm+BwMs
>>289
あいかわらずつまらないんだが・・・
292名無しさん@ピンキー:04/05/30 08:54 ID:I1Ay5bqN
>>291
↑なら、おまいがもっと( ・∀・)イイ!SSを投下しろと小一時間(以下略)
293名無しさん@ピンキー:04/05/30 10:44 ID:A2tDJ5Zx
スレ潰し目的の一行荒しレスは無視する方向でお願いします。
294名無しさん@ピンキー:04/05/30 11:42 ID:3VSIDrWC
>>291
感想を書くのは自由だけど、その内容によっては、あまり率直すぎる書き方は控えた方がいいんじゃないか?
ふいんきが悪くなりやすいから、荒らしと間違えられかねないよ?
295名無しさん@ピンキー:04/05/30 12:55 ID:nBjopVo6
>>286
GJです。ただ、もう少し纏めて投稿してもらえると、筋が解り易くていい感じかな。
好きなシチュから流れるHシーンなので、場面場面が細切れになってしまっているのが勿体無い気がします。
296名無しさん@ピンキー:04/05/30 14:25 ID:MmHyVsfL
>>292-294
プププwwwwwwww
釣れた釣れたwwwwwwwwww
297名無しさん@ピンキー:04/05/30 14:50 ID:IuVJb66e
>>296
何でもいいが上げんなよ。
298名無しさん@ピンキー:04/05/30 15:09 ID:eC694t4Z
ここでふいんき(←何故か変換できない)のガイドラインですよ。


関係ないが244の続ききぼんぬ
299名無しさん@ピンキー:04/05/30 15:09 ID:ZVeivhDa
自分から釣れたって言う釣り師は釣り師の底辺だそうな・・・
釣れても黙ってニヤニヤしてる釣り師が本物だってどこかで見たな
300名無しさん@ピンキー:04/05/30 16:07 ID:pP0Ie07+
これね↓

俺が荒らしと釣り師の違いを教えてやろう。
荒らしと言うのは、周囲を叩くことによって自分が偉くなったように錯覚する馬鹿だ。
釣り師と言うのは、自分が馬鹿をやって周囲に叩かれる事でほくそ笑む変態だ。
では、周囲に叩かれそうなキーワードを言って、数行後に釣れた!というのは何か。

残念ながらそいつは釣り師ではない。荒らしでもない。
そいつは、2chの最下層カースト。悲しい「かまってクン」だ。
真の釣り師は、決して自分が釣り師である事を告白しない。
なぜなら、釣れた!と告白することは、
逆に、自分が周囲の叩きに「釣られた」事を意味する敗北宣言でもあるからだ。
真の釣り師のスレは、ライブ中は周囲を巧みな話術で煙に巻き、引き付け、
熱中させる。そして、なにもかもが全て終わった後、
ようやく数人が「あれは釣りだったのでは?」と気付くのだ。
いま2chで釣り師を名乗っている奴は、大概が周囲のレスにまんまと釣られてしまった
滑稽な"釣られ師"なのだ
301名無しさん@ピンキー:04/05/30 16:41 ID:n8OQQKax
つまりあれだな、針に魚が食らいついたが魚に引っ張られて海に落ちたようなもんだな。
302名無しさん@ピンキー:04/05/30 16:42 ID:E/w7XMx0
どーでもいいですよ。
マリみてのSS読みに来てるのになんで釣り師と荒らしの違いなんて
読まなきゃならんのよ。ばかばか
303名無しさん@ピンキー:04/05/30 16:47 ID:pP0Ie07+
読みたくなきゃスルー汁
ばかばか


↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓何事もなかったように↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
304その後の乃梨子 ◆jHCuM/6C1s :04/05/30 17:01 ID:+OJ4pV5S
>>236-243 NGワード;レイプ


(私のせいで……)
(私のせいで、志摩子さんは……)
(私が、私が――――!!)


そらに夕日。赤赤と。あのときを。照らして。


「二条乃梨子ちゃんだよね?」
振り向いた先、やはり見も知らぬ男が立っていた。
「へへ、待ってたよ――」
「…………」
305その後の乃梨子 ◆jHCuM/6C1s :04/05/30 17:04 ID:+OJ4pV5S

乃梨子のぼうっとした頭に、ようやくのこと血の気が送り込まれる。
うつろな目はその男を視界に捉えても、まだはっきりとは見えていない。
あの日以来、抜け殻のようになってしまった乃梨子には。
「僕はこういうものなんだけど」
なにやら差し出す男を無視して、乃梨子は歩き出した。
「ちょっと、待ってよ」
「あなた、誰?」
さっと振り向き、冷たく男を見据える。その瞳に映る男はへらへらと、
相変わらず煤けた相貌に黄色い歯を剥き出している。
「僕さ、実はちょっくらモデルの子を探しているんだよね。
簡単な撮影の仕事なんだけど――」
それで、ちょっと話を聞いてくれないかな――
などと言おうとする男を全く無視して、乃梨子はさっさと歩き出す。
「お、おい。ちょっと――なら、言い方を変えようか……」
なおも追いすがり、男は何かの切れ端が詰まった封筒を押し出す。
306その後の乃梨子 ◆jHCuM/6C1s :04/05/30 17:06 ID:+OJ4pV5S

「おい、これを」
「放っておいてよ!」
前にまわりこんだ男の手から、封筒を叩き落とした。
うんざりとを通り越して怒気に歪んだ顔で、乃梨子は男を睨む。
「…………」
「いいかげんにしないと、警察に――」
その瞬間、乃梨子の鳩尾に凄まじい衝撃が叩き込まれた。
「あぐっ……かはぁ……?」
腹の中に石の塊を押し当てられたように、重く、
胃が口から飛び出そうになる。こらえきれず、膝をつく。
男の顔は夕日の陰になって見えない。
男が、自分の頭上で何かを振りかぶったのが見えた。






307その後の乃梨子 ◆jHCuM/6C1s :04/05/30 17:07 ID:+OJ4pV5S

男たちはそもそも、暴行と売春斡旋を生業とする集団であった。
家出娘や歓楽街を遊びまわる娘を捕まえては、反吐が出るまで輪姦して、
食い物にしてきたのであった。
「んだが、最近じゃ、すっかり舌が肥えちまってなぁ」
男が云う。
陵辱のうまみを求めて位の高い女を漁るようになったのだと。
「ん……ぐぅ……」
「手間は手間だがな。その分儲けはある」
AV撮影、輪姦、脅迫、金持ち相手の秘密クラブ。
陳腐な官能小説のごとき言葉の羅列は、商売として十分成り立つのだという。
「リリアンっていうブランドは、凄えわな」
興信所を使って、弱み探して。無ければ排尿を盗撮してでも、弱みつくって。
それでも十分おつりが来るのだと。何より――楽しいのだ。
「なぁ、二条乃梨子ちゃん♪」
「ぐっ……ぶっ……」
――穢れを知らない乙女たちを、グチャグチャに穢して壊すのは。
308その後の乃梨子 ◆jHCuM/6C1s :04/05/30 17:08 ID:+OJ4pV5S

男が、乃梨子の髪をひっつかんで上を向かせる。
殴りぬかれ、青黒く腫れた乃梨子の顔を。
乃梨子は制服のまま縄で縛られ、口にはボールギャクを噛まされていた。
見た目よりずっと気の強い少女だったのが災いした。
暴れた際、殴られた顔は、それでもまだ「商品」として手加減してある。
その分、目立たない腹には、想像を絶するだけの打撲が集中していた。
「オラ♪」
「ぶぐぅっ!!」
おもしろ半分に男がさらに腹を蹴り上げた。
乃梨子が身体をくの字に折って悶絶する。
「ぐぅ……うぐぅ……!」
ビクンビクンッと震え、口から胃液を垂れ流す。
苦痛に歪んだまなこからは涙が止め処もなく溢れる。
乃梨子は身体をひたすら曲げて、あまりの苦痛に子供のように咽び泣いていた。
内臓を滅多打ちにされているのだから当然ではある。
「うう……うぐぅ……」
「それじゃ、輪姦しちまうか」
暗い地下室にスタンドライトの脚光が落ちた。
撮影機材を周りに、何人もの男たちが乃梨子を取り囲む。
――これから、犯す乃梨子を。

309名無しさん@ピンキー:04/05/30 17:08 ID:o9yDhQqu
w
310その後の乃梨子 ◆jHCuM/6C1s :04/05/30 17:09 ID:+OJ4pV5S

…………。

「ぶぐっ!! ううっ!!」
「オラァ! もっとしっかりしゃぶらんかい!!」


…………。

「オラァ、おま○こして下さいって言ってみろやぁ!!」
「ぎゃ! ぐぎゃあ……痛い、やめっ」


…………。

「やっぱこの程度のレベルだと、ハードじゃなきゃよ」
「オラァ! オラァ! 感じるっていえや!!」
「うぐっ、ぶぐぅっ!!」


311その後の乃梨子 ◆jHCuM/6C1s :04/05/30 17:10 ID:+OJ4pV5S

…………。

「オ〜ラ、出すぞ、出すぞ。膣内に出すぞっ!!」
「うぶぶ、ぐぶうっ!!」
「よっしゃ、次はアナルファックしようぜ」


やがて、男たちもあらかた欲望を竭して。
その中心で、乃梨子はザーメンに沈んでいた。
裸に向かれ、縛られたまま、その顔にはべっとりとザーメンがぶっ掛けられていた。
顔だけでなく、体中いたるところにザーメンに塗れて、
まるで蝋に包まれた日本人形のような様であった。
漏れてくることばに生気は無い。
かわりにさっきまで飲まされていたザーメンが溢れる。
破瓜の鮮血に塗れた秘所は、やはり注ぎ込まれた白濁に穢されている。

312その後の乃梨子 ◆jHCuM/6C1s :04/05/30 17:11 ID:+OJ4pV5S

「ごっそさん♪」
「…………」
男がひらひらと手を振って見せる。手中にはさっき現像したばかりの写真。
乃梨子の顔と性器がはっきりと映って、
そこに無修正の男根が差し込まれている。
「分かってはいると思うが、ポリ公に密告ったらみんなにバラ撒いちゃうよ♪」
学校や、近所や、実家や、親の勤め先や、友達の自宅や。
それとインターネットでばら撒けるだけばら撒く。回収は不可能。
「なんだったら、タクヤとかいうジジイにも送ってやろうか。メールでよっ!!」
男が写真――乃梨子の性器の拡大、をふりかざす。
「とっておきの観音さまです、ってか」
ぎゃはははは、と男たちが一斉に破顔した。
「ぐう……うぐぅぅ……」
とっくに枯れ竭したと思っていたのに。
今更ながらに涙が溢れる。痛恨の慟哭が。
「うううっ……ぐううっ……ううう」
それを聞いて、男たちの笑いが一段とボリューム・アップする。
「――そうだ、お前にいいものを見せてやるよ」
そう云うと、男は一本のビデオテープを取り出した。

313夜行性:04/05/30 17:29 ID:iCruwmSQ
自作SSを放り込む場所が確保できたため、「うぷろだ」に投下したSSを削除させていただきました。
何名いるのかわかりませんが、読んでいただいた方に感謝しつつ……。
314名無しさん@ピンキー:04/05/30 18:07 ID:oNR2D4+O
>>312
乙ですが、いつものパターンになりつつあるのが・・・_| ̄|○
バラバラ殺人はもうイヤン(ノД`)
>>313
うpロダってまだあったんですか。読み損ねたヽ(`Д´)ノ
315名無しさん@ピンキー:04/05/30 18:13 ID:ZVeivhDa
>>313
>自作SSを放り込む場所
のヒントをお願いします
316名無しさん@ピンキー:04/05/30 18:14 ID:E/w7XMx0
可南子祐巳SS書いた人だっけ、忘れちゃったよ。
317名無しさん@ピンキー:04/05/30 18:42 ID:7u68I9Y1
>レイプ
少しいじれば、名前の乃梨子という部分に祐巳でも由乃でも祐麒でも入りそうな希ガス
318名無しさん@ピンキー:04/05/30 18:48 ID:z40ULOQu
正直、キャラ置換可な作品はどうかと思う。

読んでないから別に構わんがね。
319名無しさん@ピンキー:04/05/30 19:00 ID:KRcs5pTm
>>317
>祐麒でも

えええっ!?
320名無しさん@ピンキー:04/05/30 19:37 ID:AsMpktxX
いいよいいよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
レイプ最高!!!!!この調子で全メスキャラ制覇しちゃえ!!
321名無しさん@ピンキー:04/05/30 19:43 ID:pP0Ie07+
次は小林君キボンヌ
322名無しさん@ピンキー:04/05/30 20:12 ID:fwvylfqU
レイプの人は男が出てくると単調になるね。癖なんだろうか。
323名無しさん@ピンキー:04/05/30 20:14 ID:d4fH5s8T
願望?
324名無しさん@ピンキー:04/05/30 20:15 ID:5zpFCng1
男を聖にすると極悪聖の志摩子独占欲による乃梨子虐待ということでまだ読めたんだが。
325名無しさん@ピンキー:04/05/30 20:20 ID:HKj3GRhf
ありきたりじゃん>>324
ようするに、エロはしょせん底が浅いってことか。
326名無しさん@ピンキー:04/05/30 20:55 ID:bYZOsnxB
志摩子編のときは「むむ、これは!」って何か感じるものがあって、でもそれを理解するのに俺の読解力ではこの長さじゃ足りないと感じた。
だから今回「続編キタ−!」ってちょっと期待したのだけれども・・・・・・うーん?
乃梨子よりも男の方に重きを置いているうえに心理描写とかが無ので、乃梨子が薄くなってしまっている印象。
それは一般的なエロ作品の手法ではあるけれど、なんかそれだけじゃ物足りないと感じてしまうんだよね。
327名無しさん@ピンキー:04/05/30 21:17 ID:pP0Ie07+
ここらで一発糖尿病になるほど甘甘なやつ読みたい
328名無しさん@ピンキー:04/05/30 21:21 ID:8jShZudx
仮にこれがエロ漫画ならまだいいのですが、エロ小説となると文章で存在そのものからキャラ付けまで表さないとならんので大変なんすよね。

大体レイプってのは本能優先でヤる側もいちいち細かい事考え無いだろうから、そこに多様性を持たせるのは結構難しいのかな?と思った。
329名無しさん@ピンキー:04/05/30 21:57 ID:AVm+BwMs
首すげ替えエロに何を期待してるんだか。
330名無しさん@ピンキー:04/05/30 22:21 ID:7/NNYAbx
聖さま受けが読みたい・・・
331名無しさん@ピンキー:04/05/30 22:21 ID:egxhbKQV
やっぱりあれだな、甘々な話が読みたいぜ。
332名無しさん@ピンキー:04/05/30 22:30 ID:iPPEqXF6
バリエーションを増やす
マリみて設定を活かす

ということが必要ですね
333名無しさん@ピンキー:04/05/30 22:32 ID:IcLxGud+
江蓉のSSの人どうなったかな。
続きキボンなわけだが


個人的には前薔薇絡みが好きだな。基本は聖蓉で
334名無しさん@ピンキー:04/05/30 22:33 ID:l+ZoXILd
>330-331をまとめると
蓉子にでろでろに甘える聖さまきぼんぬ
ということになるわけですか。
335名無しさん@ピンキー:04/05/30 22:45 ID:8qu9Xfab
http://www.tma.co.jp/page_top/more_new/new.html

>マリア様がみている ¥3.990(税込) 08月20日発売
>姫咲しゅり・平井まりあ主演で送るお嬢様学園レズストーリー。
>由緒ある女子校で、清く正しく美しい学園生活を送る乙女たち。
>下級生の憧れの的であるお姉さまに姫咲しゅり、
>そして突然の運命に戸惑う下級生に平井まりあを配し、
>乙女の園で繰り広げられる淫靡な物語を丁寧に描写。
>甘い香りが漂うような美少女の世界をお楽しみください。


_ト ̄|○
336名無しさん@ピンキー:04/05/30 22:46 ID:J1lw8scj
そろそろ笑えるエロが読みたいな。
337名無しさん@ピンキー:04/05/30 22:46 ID:7DbTWpBN
ところで今うpろだの一番上にある歌って何?
知ってる人詳細キボンヌ
338名無しさん@ピンキー:04/05/30 22:52 ID:wPKBlE93
読みたい読みたいばっか言ってないで
書け!おまいらの萌えを書けよ!
339名無しさん@ピンキー:04/05/30 22:55 ID:7DbTWpBN
>>338
蓉子さまハァハァ
340名無しさん@ピンキー:04/05/30 23:03 ID:d4fH5s8T
>>337
なんだろう・・・。不思議で堪らないよ。
341名無しさん@ピンキー:04/05/30 23:13 ID:PAzdEBpc
>>335
ワロタ
なかなか面白そうなギャグ作品ですね
342名無しさん@ピンキー:04/05/30 23:21 ID:/CKkRiLn
主要以外の配役を知りたいなぁ。
343名無しさん@ピンキー:04/05/30 23:47 ID:7/NNYAbx
>>334
それだぁぁぁ
344名無しさん@ピンキー:04/05/30 23:48 ID:HKj3GRhf
>>335
髪型ワラタ
345名無しさん@ピンキー:04/05/30 23:50 ID:7/NNYAbx
ごめん興奮の余りあげちゃったよ
ロザリオで首吊って氏んでくる
346その後の乃梨子 ◆jHCuM/6C1s :04/05/31 00:47 ID:zz6UGQxd
>>304-312


結局、その一本が決め手となった。
男たちの行動は別段、いつもと変わり無く、
いつも成功裡に少女たちの心身を踏みにじってきた。
女の心など、暴力と脅迫を以ってすれば容易く捻じ伏せられる
――そう男どもは確信しきっていたのである。が、

「凶悪、レイプ集団逮捕――――」

紙面を賑わす文字列、ワイドショーのカメラは列を成して、
緑多い武蔵野に怒号とフラッシュの閃光を撒き散らす。
いつも安らかなマリアさまのお庭が、今はけたたましい喧騒に揺れている。
有名なお嬢様学校を巻き込んだセンセーショナルなこの事件は、
せいぜい一月くらいマスコミを賑わすだろうか。
……そんなことはどうでもよかった。

(志摩子さん――)

347その後の乃梨子 ◆jHCuM/6C1s :04/05/31 00:50 ID:zz6UGQxd

「勇敢な少女」こと二条乃梨子は、うるさいレポーターを振りきり、
ただひたすら俯き、歩き、歩いていた。
あれから、陵辱者の男どもは散々因果を含めて嚇しつけると、
繁華街の雑踏にゴミでも放るかのように乃梨子を捨て去った。
「ポリ公に密告りやがったら、おまえのマ○コを世界中に晒してやるからなぁ!!」
乃梨子はその足でまっしぐら警察に駆け込んだ。心と身体に負った傷も省みず。
やがて、署の奥へと通される。
狭い取調室に刑事と向き会って――深夜の為、女性職員がいなかった、
自分が犯された経緯を、臆すことなく黙々と詳述していった。
シャワーも浴びずに調書を書かされて、
それから体内に残る精液を採取された。
救急病院に担ぎ込まれたときには意識を失っていた。
そうして、次に目覚めたとき、両親と叔母の心配そうな顔が、
その次にはあの、古い建物の仲間たちの、痛ましい顔が自分を覗く。
だが、乃梨子は思わずそこにない顔を探してしまうのである。
幸い、怪我はさほど酷くなく、後遺症は残らないとのことだった。

348その後の乃梨子 ◆jHCuM/6C1s :04/05/31 00:51 ID:zz6UGQxd

(志摩子さん、志摩子さん――……!!)

乃梨子一人でなら、ここまで強くはなれなかった。
殴られ、心を折られ。
犯されて、心をボロボロにされて。
そのまま、一人で泣き寝入っていただろう。他の少女たちのように。
これほどまでドス黒い悪意に踏みにじられて、
それでも心を砕かれずにいられるほど、乃梨子は強くはなかった。
だが、乃梨子は一人ではなかったのだ。

……志摩子の、最愛のお姉さまの分まで戦わねばならなかったのだから。


349その後の乃梨子 ◆jHCuM/6C1s :04/05/31 00:52 ID:zz6UGQxd

「嘘……志摩子さん……」
男どもに取り囲まれ、無理やり見せられたブラウン管の中。
喘いでいる声、張りのある、ゆれる巻き毛は淡くふわふわで。
忘れようはずも無い、あの銀杏の桜の下であったその日から――
「ケケ、見ろよ。あの女自分から舌を使い始めたぜ」
下卑た声で揶揄するさき、画面の中で――志摩子が男のものをしゃぶらされている。
志摩子は裸に剥かれ、何本もの腕に押さえ込まれ、
女性に汚らしい指をつっこまれていた。
ふっくらとしたあの柔らかな唇には、真っ黒に汚濁に塗れた肉棒を突きこまれている。

『ん……んぅっ……』
『おま○こイジられて感じてるのかなぁ。エッチな子だねぇ』

画面の中の男はますます狎れ狎れしく、志摩子の裂け目の奥深くまで掻き回す。
ピチャピチャという淫靡な音がスピーカー越しにやけに生々しく響く。
350その後の乃梨子 ◆jHCuM/6C1s :04/05/31 00:54 ID:zz6UGQxd

「嘘よ、こんな……」
――志摩子さんが、あの志摩子さんがこんなことするはずなんて、絶対に……
カクカクと、自分が犯される前より激しく、乃梨子が震え出す。
その縛られた裸の身体を抱く腕が、面白そうによじられた。
「お前のせいなんだぜ、白薔薇のつぼみちゃん♪」
「――――!!」
その言葉と、男のにやついた表情で、勘の良い乃梨子は既に何かを悟ったらしく。
ガクガクとはっきり目に見えて震える乃梨子の前で、男は例の封筒をとり出す。
本来なら、乃梨子を脅す材料にするはずだった封筒を。
「この女はな、自分のことなら密告りたければ密告ればいい、そう言ったんだぜ。
自分なら学校を辞める覚悟はとうにできているからだとよ」
ククク、と男は愉快げに哂う。
「ところがそれでお前の名前出して、ちょっと脅したらどうなったと思う?
『自分はどうなってもいいから、乃梨子には手を出さないで、
お願い、乃梨子のリリアンでの生活を奪わないでっ』だってよ!」
とうとう、こらえきれず、他の男たちが一斉に大笑いした。
ひたすら、おこりのように震え続ける乃梨子を囲んで。
「嘘よ……嘘……」
「ウソじゃねえよ。それからはすっかり素直になっちゃって。
おれらのケツの穴まで舐めたんだぜ。ぺろぺろと舌だしてよぉ――」
「嘘よ、嘘よ、嘘よおおお――――――っ!!」

351その後の乃梨子 ◆jHCuM/6C1s :04/05/31 00:54 ID:zz6UGQxd

(私のせいで、志摩子さんが――)

(一番大切な純潔まで捨てて――)

(私のせいで――)


「ううっ……志摩子さん、ごめん、ごめんなさぃ……」
思えば、志摩子さんはずっと倦んでいたのだった。
自分との関係に。
あのとき、桜の下で雨に濡れながら誓った言葉は何だったのか。
何が迷うことなどない、だ。
ロザリオの重みを分かってなかったのは、やっぱり自分の方だったんじゃないか。
あのとき、自分は志摩子さんを支えてあげられるのだと思っていた。
甘えるだけじゃない。、
志摩子さんが甘えられる存在になれるのだと自惚れていた。
――だけど、自分は負担にしかならなかったのだ。
自分がめくらのように志摩子さんを求めるごとに。
志摩子さんは疲れきっていって。
それでももう、つないだ手は離すことができなくて、そして――

352その後の乃梨子 ◆jHCuM/6C1s :04/05/31 00:55 ID:zz6UGQxd

「私、謝らないと、志摩子さんに謝らないと――」

乃梨子はうわ言のように呟いて、ひたすら駆けつづける。
行くあてなど無いのに。
果たして、一ヶ月、志摩子の行方は杳として知れなかった。
「おま○こがガバガバになったから、歌○伎町に売った」
元”リリアン陵辱同好会”首魁、浅黒い男の謂いである。
警察のあまりはっきりしないのらりくらりとした対応で、
時は虚しく経つばかりだった。
「まさか、あの女がチンコロさすとは……。
普通の女じゃ、絶対にありえないことなんだが」
男はそう首を傾げていたという。
ちなみに反省の色もまるで無く、しかも、
この後すぐにさる筋の手引きで保釈まで与えられるのだが――

(志摩子さん……志摩子さん……っ)


353その後の乃梨子 ◆jHCuM/6C1s :04/05/31 00:56 ID:zz6UGQxd

「ちょっと、待ちなさい」
あてども無くさまよう乃梨子を、呼び止める。
その声は大学部の敷地から届いた。
「あなたが、志摩子の妹――乃梨子さんよね」
「…………」
見れば、女子大生か、セミ・ロングの髪を肩まで垂らした、
すらっとした女が佇んでいる。
顔の彫りは深く、まるで日本人以外の人種であるかのようですらある。
「…………」
「申し遅れたわ。私は先代の白薔薇――志摩子の姉よ」
だからなんなのだろうか。
無感動に立ち尽くす乃梨子の前で、その女性は言葉を続ける。
瞬間、乃梨子の身体がビクンと動いた。続いて震え始める。
――志摩子が見つかったというのである。


354名無しさん@ピンキー:04/05/31 01:04 ID:YLFFlA4s
このあと読みたくない_| ̄|○
355名無しさん@ピンキー:04/05/31 01:30 ID:M2ujLS+m
何でもいいけど早く終わってくれないかなあ・・・・
356名無しさん@ピンキー:04/05/31 01:34 ID:dqUQLSRq
もしくは消えて欲しい
357名無しさん@ピンキー:04/05/31 01:46 ID:ZJ0b7Cni
>その後の乃梨子
投下ペース早ぇ!
違和感を感じ続けてはいるのだが、どうまとめるか気になるので、待ち。
なんつーか・・・設定がショッキングなだけで文章がそれに追いつけてないって感じなのだけど・・・。
358名無しさん@ピンキー :04/05/31 02:58 ID:2T06V21t
>>337
劇場版「火の鳥(鳳凰編)」の主題歌だったはず。
個人的には何故うpされているかの方が疑問なんだが……。
359名無しさん@ピンキー:04/05/31 03:15 ID:df9XSmk4
ちゃんとNGワード指定があるのに、自分から読んでおいて文句言う奴が多いな、ここ。
360名無しさん@ピンキー:04/05/31 03:37 ID:ggcBw+xr
>>297-303
そうやって俺にレスすること自体が釣られてるっていうんだよwwwwwwww
空・気・よ・め・&hearts
361名無しさん@ピンキー:04/05/31 04:04 ID:USLBZsb+
前スレでは祐巳、
現在は志摩子が、
次スレでは……
362名無しさん@ピンキー:04/05/31 06:08 ID:dtrSR1Lx
何が?
363名無しさん@ピンキー:04/05/31 07:49 ID:uMsrdmtH
どーでもいいから早く百合話(この場合レズか…)に戻ってほしい。
364名無しさん@ピンキー:04/05/31 08:23 ID:nsj9Zx9r
それじゃ、気を取り直して…
どんな話が読みたいんだ?
365名無しさん@ピンキー:04/05/31 09:45 ID:dtrSR1Lx
見てる方が恥ずかしくなるようなsweetなやつkibonnnu
366名無しさん@ピンキー:04/05/31 11:00 ID:Qh69HK6k
>>365
sweetなやつkibonnnu とか、むしろそっちの方が書いてて恥ずかしくなりません?
367名無しさん@ピンキー:04/05/31 11:19 ID:dtrSR1Lx
眠いからよく考えられません
368名無しさん@ピンキー:04/05/31 13:03 ID:L2G90HlO
なんだかお姉様の指導の行き届いていない、ダメな妹たちが大勢いるようですね。
お姉様のいらっしゃらない方たちかしら。
人大杉の現在、それでもこのスレにいるということは専ブラを使っていると思われるのだけれど、
NGワード指定はちゃんとされているのかしら。
そして>>4を、10回ほど詠唱されるとよろしいと思いますよ。

それから、21歳未満の妹たちはすみやかにここから去ってくださいな。
ここは良識と礼節を持った大人だけの秘密の花園ですから…。


>その後の乃梨子
続き楽しみにしてます!
369名無しさん@ピンキー:04/05/31 13:49 ID:DKCNu3+I
で、また荒れるわけか
370名無しさん@ピンキー:04/05/31 14:15 ID:1WhDEKxx
>その後の乃梨子
続き楽しみにしてます!

とってつけたようなレスワロタ
371名無しさん@ピンキー:04/05/31 14:25 ID:2tr5mFfb
レイプをNGワードにしておけば大半の男物はさけられる
なんの話をしてるのか分からんのは難点だがな。
372名無しさん@ピンキー:04/05/31 14:42 ID:tDdN+247
レイプ物が悪いわけじゃないんだが…
ワンパターンでつまらない作品が多すぎる気がするんだな
面白いのもあるけど
373名無しさん@ピンキー:04/05/31 14:55 ID:tAP3BOJB
読まなきゃいいのにな。
おれはレイープとか嫌いだけど読まないからなんとも思わない。
読まなければ気分を害することもないだろうに。
374名無しさん@ピンキー:04/05/31 15:02 ID:qS+qmWxH
ほとんど思いつきで書いたものですが投下します。
375へたれ聖さまの今生日記:04/05/31 15:04 ID:qS+qmWxH
ぎゃーといつもの叫び声が響く。
今日もいつも通りの光景が薔薇の館で繰り広げられているのである。
しかし、この後佐藤聖は不思議な体験をした。

祐巳に抱きついた瞬間、聖の意識は遠のいた。
その薄れ行く中、祐巳に後ろから抱きつく少女が見えた。
ふわふわの巻き毛がそれはそれは綺麗な西洋人形のような少女を。

気付いたとき聖は後ろ手に縛られていた。
どうして私がこんなことに!?祐巳ちゃんは?
慌てて周りを見まわすとそこはいつもの薔薇の館の2階であることに気付く。
では一体誰が?そう思っていると死角から一人の少女が現れた。
虚ろな目をした儚い西洋人形・・・そう形容してもいいような私の妹志摩子が近づいてくる。
「お姉さまぁ〜」
志摩子はそう言って私に頬擦りしてくる。
どうしたの志摩子、あなたそんなキャラじゃないでしょうに。
普段から色気を振りまいてるのにこんな声、仕草、匂いを放つなんて反則よ。
片手だけ繋いで、そう心に決めてから今までも胃の痛む思いをしながら、私は一歩下がるように我慢してきたんだから。
どうして志摩子は私を苦しめるの。そう思うとつい口をついてしまった。
「志摩子どうしたの?おかしいよ」
「お姉さまはなにも分かってらっしゃらない。いつも祐巳さんとお戯れになっているとき、私はいつも身を引き裂かれる思いをしているのに!」
私も少し語気が強かったかもしれない。しかし、志摩子の言葉はそれを打ち消しても余りあるほど大きな声で心情を露吐した。
その言葉に私はハッとさせられた。私はいつも自分のことしか考えてなかった。志摩子のことを考えてそうただ自分に言い聞かせてきただけなんだ。
志摩子をこんなにも苦しませて・・・。私も志摩子の気持ちを聞いた以上答えなければならない。
“〜したい”そう言う感情じゃなくて、むしろ義務。いや“〜させてください”という感情が私の心の中にふつふつと沸いてきた。
「ごめん志摩子。もうあなたに寂しい思いさせない、させないから!」
376へたれ聖さまの今生日記:04/05/31 15:05 ID:qS+qmWxH

バタン!
そこへ一升瓶を手にした江利子が入ってくる。
「あら志摩子ちゃんよかったわね。私も祐巳ちゃんと遊べて楽しかったわ、でもそろそろ危ないから気をつけてね」
だとか何とか言って、一升瓶をテーブルに置くとからからと笑いながらまたビスケット扉の彼方へと消えていった。
そのとき気付いた。志摩子と江利子はグルだったのだ。いや江利子が志摩子を焚き付けたのかもしれない。
でも私にとってそれはどうでもいい、こうして志摩子の本音が聞けたのだから。
私を縛っていた可愛らしいチョウチョ結びを解くと流し台に志摩子を連れて行きこれでもかと水を浴びせる。
江利子が入ってきたとき志摩子が酔っていたと気付いたから、酔ったままでことに及び後で忘れられるのは嫌だから。
正気の志摩子と・・・。私も意を決したことを志摩子に示すためにガバッとワンピースの制服を脱ぎ去る。
「志摩子」
「お姉さま」
髪の先から水のしずくを滴らせ、水も滴るいい女になった志摩子の瞳がまっすぐに私を見つめる。
もうどなってもいい。どうにでもしてくれ。そして、志摩子をテーブルに押し倒し、私は大きく息を吸いこみ吐いた。
「いくよ、しま――」
377へたれ聖さまの今生日記:04/05/31 15:05 ID:qS+qmWxH

バタン!?
扉のところに祥子がぐでんぐでんの祐巳ちゃんを抱え立っている。まるで信じられないものを見ているような目で。
それから一拍の後、祥子の視線はテーブルの上の一升瓶に、続いてテーブルに押し倒されびしょびしょに濡れた志摩子へ
そして最後にこれからの事を考え顔を真っ赤に紅潮させたすっぽんぽんの私へ向けられた。
それを見た祥子は必死になって何か言おうと口をぱくぱくさせている。
そしてようやく言葉をつむぎ出した。
「ギィ・・・ギィ・・・」
その後この世の終わりとも思われる叫び声が薔薇の館に響き渡る。
私はその叫びの中思った。終わったと・・・。

後日、この事は蓉子にも知れる事となり、
私はゴルゴダの丘もとい薔薇の館に磔にされた。
足元では志摩子がこんな私のために一生懸命祈りを捧げてくれている。
二人の心と心は通じ合えたのに、結ばれない姉妹。
嗚呼、そんな哀れな二人を窓外の月とマリア様だけが見ていた。
378名無しさん@ピンキー:04/05/31 15:06 ID:qS+qmWxH
以上スレ汚しすまんでした。
379名無しさん@ピンキー:04/05/31 15:21 ID:KfVmFRBy
つまらん。
ギャグって難しいのね。
380名無しさん@ピンキー:04/05/31 15:35 ID:dWHlslf1
こらっ
381名無しさん@ピンキー:04/05/31 16:48 ID:1woCZgWQ
ここは投下してくれるマリア様が多いから、贅沢が言えるんだろうな・・・
過疎化したスレだったら・・・
382名無しさん@ピンキー:04/05/31 17:51 ID:TL30yR7c
俺も祐巳をボコボコにブン殴りながらレイプしてぇ
383名無しさん@ピンキー:04/05/31 18:24 ID:dtrSR1Lx
最初のスレ初めて読んだら驚くほどふいんきがよくて驚いた。
384名無しさん@ピンキー:04/05/31 18:37 ID:HgK59AAF
くま×江利子のセクースって需要ある?
385名無しさん@ピンキー:04/05/31 18:42 ID:K7FgiZxi
以前あったなぁ。その時は凸が熊を逆レイプみたいな感じだったが。
386名無しさん@ピンキー:04/05/31 18:43 ID:YrqzzvcN
需要を、作るんだ!君の手で。
387名無しさん@ピンキー:04/05/31 21:26 ID:q1NX1yUY
正直野郎はもういらねえ
388名無しさん@ピンキー:04/05/31 22:17 ID:PfhM2LBt
そろそろダークの神様22LRさん光臨キボンヌ。
速く月シリーズの続編見たいっす。
389名無しさん@ピンキー:04/05/31 22:28 ID:9+PG07n3
正直ダークはもういらねえ
390名無しさん@ピンキー:04/05/31 22:56 ID:sop8n3ug
レズもいらねぇ。
つぼみたちにありえない妄想を抱くのは、もうやめようじゃないか。
マリみて世界への冒涜だよ。
391名無しさん@ピンキー:04/05/31 23:03 ID:jWRc9kxu
この頃江利子さま&蓉子さま分が足りない気がするんだが・・・
392名無しさん@ピンキー:04/05/31 23:06 ID:uMsrdmtH
なんだろう前までは神スレだったのに、今では昔の精神を忘れているな。
393名無しさん@ピンキー:04/05/31 23:10 ID:appCKNU9
受け聖さま又はへたれな聖さまを読みたい。
やっぱり聖さまは狼の皮をかぶった羊だと思うわけですよ。
394名無しさん@ピンキー:04/05/31 23:19 ID:hm7qHYRp
聖に振り回される蓉子の話か、
蓉子に甘える聖の話がいいなぁ。
とにかく聖蓉が見たい。
395名無しさん@ピンキー:04/05/31 23:21 ID:jWRc9kxu
>>393
σ゜Д゜)σソレダ!!
396名無しさん@ピンキー:04/05/31 23:57 ID:MDcRf2ei
>388
HP行って催促してこいよ。鬱陶しいな
397名無しさん@ピンキー:04/06/01 00:43 ID:I4BdEzqp
>>384
   ∩___∩
   | ノ      ヽ
  /  ●   ● | クマ──!!
  |    ( _●_)  ミ
 彡、   |∪|  、`\
/ __  ヽノ /´>  )
(___)   / (_/
 |       /
 |  /\ \
 | /    )  )
 ∪    (  \
       \_)
398名無しさん@ピンキー:04/06/01 01:18 ID:h7UOdpAb
既出未出で言ったらこのスレの住人が持ってない画像なんて無いので
面白い奴でまとめてみたですが
ラノベ2の7090
399名無しさん@ピンキー:04/06/01 01:23 ID:h7UOdpAb
orz
まあアレだ。 美人姉妹の蓉祥キボンヌ。
蓉聖なら神域。
と言い逃げしてみる。


orz
400名無しさん@ピンキー:04/06/01 08:24 ID:AH+/ToUF
400ゲト
401名無しさん@ピンキー:04/06/01 11:55 ID:bgYsIkn+
>>392
>前までは神
あれだな、マリみてそのものみたい
402名無しさん@ピンキー:04/06/01 16:24 ID:x64jhXd+
>>401
そうだな。王妃になったシンデレラの話なんぞ、
読んでも面白くないな・・・
403名無しさん@ピンキー:04/06/01 16:37 ID:zCKb09r3
またマターリしてきた。なんつーか、わかりやすいスレだな
404名無しさん@ピンキー:04/06/01 17:35 ID:CVit5Wut
ダレモイナイ・・・書き落とすならイマノウチ

>>275
の続きですが、かなーり長くなりそうなので
無理そうな方はイマノウチにNG放り込んでください。
405お姉さまは私8:04/06/01 17:35 ID:CVit5Wut
頭からシャワーを浴びる
丁寧に髪を洗い、体の汗を流す。
胸に手を当ててみた。
ずっしりと感じる重み。
胸が大きくなりたいと思っていたけれど、
こんな形で叶ってもうれしくなんてない。
手に感じる感触も、胸に感じる感触も自分のものなのに
私は私なのに、私は私じゃないのだ。
また泣きそうになる。いや心は泣いていた
だけどもう涙は枯れ果てていた。

体はさっぱりしても気持ちまではやはりさっぱりすることはできなかった。
いったいどうすればいいのか。
答えの出ない問題が永遠と頭の中を駆け巡る。

バスルームを出ると祥子さまにそっくりな女性がこちらへ歩いてくる。
「あら、祥子さん、ごきげんよう。さっき、祐巳ちゃんが挨拶してくださったわ
 しっかりしたお嬢さんね、さすが祥子さん見る目あるわね」
「あ…ありがとうございます」
「もう朝食の用意ができていてよ?さあ、行きましょう」

席につくと、お手伝いさんが朝食を運んできてくれる
まるでお嬢様…て今はお嬢様なのだった。

「それではいただきましょうか」
「いただきます」
大きなテーブルに私と、私の姿をした祥子さま、清子小母さまの3人。
いつも2人で食べているのだろうか……
しかし、聞いてはいけないことだと思い
「おいしいですね」
と楽しい朝食を心がけた。
406お姉さまは私9:04/06/01 17:36 ID:CVit5Wut
周りからみれば、ごくごく普通の女生徒が二人。
話しながら登校している。
世界中の誰一人として私達が入れ替わってるなどと思わないだろう。

「お互いのことをよく知る必要があると思うの」
「そうですね」
私は前から祥子さまのことを知っていたけれど
祥子さまは私のことなんて昨日まで名前すらしらなかったのだから…

「それじゃあ『自分』について話しましょう」
「まずは私から言うわね」
「はい」
「我がまま・高慢・ヒステリー」
「へ?」
「祥子さまが…ですか?」
「そうよ?おかしい?」
「いえ、おかしいというか…」
「イメージと違った?」
「……はい」
「私のイメージっていったいどういうのなのかしら」
「綺麗で、頭がよくて――」
といったところで手で口を遮られた
「外見で中身なんてわからないわ」
確かに、私は祥子さまの外見しかしらない。
話したのは昨日がはじめてなのだから。
でも、今は私…祐巳の体をしていても、
優しくてとても魅力のある方だってわかる。
「次は祐巳の番よ」
407お姉さまは私10:04/06/01 17:36 ID:CVit5Wut
自分について……考えたこともなかった。
私の性格……
「…元気」
祥子さまが手を口に当て少し笑った。
「どうして笑うんですか!?」
「たった一日かもしれないけど、あなたといて
 元気な子なんだろうなと思ったからよ」
「それだけが取り柄ですから…」
「それじゃあ、私がもう一つあなたの特徴を言うわね」
「へ?」
「百面相」
「百面相?」
「小笠原祥子の顔、今まで生きてきて、
 そんな色々な表情をしたのきっとはじめてよ」
「でも私がそれをしないといけないのよね、大変な人と入れ替わっちゃったわ」
と明るく祥子さまは言った。
「そんなこといったら、私のほうが大変だと思います」
「紅薔薇のつぼみなんて…心の準備ができてないです」
「そのへんは私がちゃんとサポートするわ、安心なさい」
「だからあなたは堂々としていればいいの」

今はただ、祥子さまを信じるしかない、信じよう。
「はい。がんばります」
408お姉さまは私11:04/06/01 17:37 ID:CVit5Wut
もうすぐで学園につくといったところで

「おーい、祥子ー!」
ミスターリリアンこと令さまが手を振ってこちらに駆けてくる
その後をゆっくり由乃さんが歩いてくる
「ごきげんよう、さっそく仲がよろしいこと」
「祐巳ちゃんもごきげんよう」
ついつい、祐巳ちゃんといわれて
祥子さまと一緒に『ごきげんよう』と返事をしてしまった。
ボロを出さないようにあまりしゃべらないようにしたほうがいいかもしれない。

授業中も心ここにあらずといった調子で
ずっとどうすればいいのかを考えていた。
早く授業が終わって祥子さまに会いたかった。
一人だと不安に押しつぶされそうで……
もうこんなにも祥子さまに頼ってしまっているんだと実感した。

終業のチャイムが鳴り響いた。
やっと終わった。
今日ほどこのチャイムを待ちわびた日はないだろう。
私は鞄をつかむと学友への挨拶もほどほどに一年桃組へと走った―――

祥子さまは授業を終え、廊下にでたところだった。
『祥子さま』と叫びそうになったのをぐっと堪え
私の姿をした祥子さまに駆け寄る。
「廊下を走ってはだめよ、どうしたの?そんなに慌てて」
「祥子さまに…はぁ…はぁ…早く会いたかったから」
409お姉さまは私12:04/06/01 17:38 ID:CVit5Wut
「そう、それじゃあ薔薇の館にいきましょうか」
私の顔でもこんなに上品に微笑んでいるとまるで別人のようだ

「そうそう、紅薔薇様のことはお姉さまとお呼びなさい」
「白薔薇様と、黄薔薇様はそのまま呼べばいいわ、
 あとは令と志摩子と由乃ちゃんね」
「令さまと志摩子さんを呼び捨てにするのはちょっと抵抗ありますね」
「しょうがないわ、急に令のことを令さまと呼んだりしたら
 怪しまれるでしょう?」
「そして、私はあなたのこと…祥子のことを「お姉さま」と呼びますからね」
「はい、わかりました」

『私は小笠原祥子』
そう心に何度も言い聞かせ、薔薇の館の扉を開いた。

そこには白薔薇様と黄薔薇様がいた
「ご、ごきげんよう、ロ、白薔薇様、黄薔薇様」
「ごきげんよう、白薔薇様、黄薔薇様」
紅薔薇さまがいないことに安心した
紅薔薇様は一番祥子さまのことを知っているわけで
ばれてしまう可能性が一番高い人物だからだ。
しかし、そのとき後ろのドアが開き
「あら、祥子、祐巳ちゃんごきげんよう」
紅薔薇様登場。
410お姉さまは私13:04/06/01 17:38 ID:CVit5Wut
「お、お姉さまごきげんよう」
「ごきげんよう、紅薔薇様」

「どうしたの?祥子。祥子がどもるなんてめずらしいね?」
そういって後ろから抱き着いてくる聖さま
「ひやぅ!」
「うお!」
「どうしたの祥子!?」
聖さまは慌てて私から離れた
「だって、白薔薇様が抱きついてくるから」

「だからっていつもこんなうれしい反応してくれないのに、ねぇ?」
聖さまは隣にいる江利子さまに同意を求めた
「ええ、とてもおもしろい反応」
そういって微笑む江利子さま。

「妹ができたおかげかな?
 祐巳ちゃんだっけ?じゃあ祐巳ちゃんはどうかな?」
私にしたように、私の体をした祥子さまに抱きついた
「およしになってください、白薔薇様」
祥子さまは、それを”いつものこと”とでもいうかのように軽く振りほどく
「ちぇ…由乃ちゃんは令のガードが厳しいから
 祥子に妹ができたら可愛がろうと思ったのにな」
411お姉さまは私14:04/06/01 17:39 ID:CVit5Wut
「さあ、今日の仕事を早く片付けてしまいましょう」

「なんか祐巳ちゃんて、昨日初めて会った気がしなくない?」
とまた隣にいる江利子さまに聖さまは同意を求める
「私もそうおもってた。それにさっきの反応どこかで見たことあるきがする」
二人で首を傾げるが答えはでなかった。

「今日は令が部活で志摩子も委員会、由乃ちゃんは病院にいくようだから
 祐巳ちゃんが来てくれて助かるわ」
蓉子さまは祥子さまの…周りから見れば祐巳の頭をなでる。
祥子さまの顔から緊張が解けていくのがわかった。
その顔で16年生きてきた祐巳だからこそわかったのだろうけれど。
祥子さまにとっては、やはり紅薔薇様は大切な人なんだって
ちょっとした嫉妬心が芽生えた。

「じゃあ、祥子のアシスタントとしてよろしく頼むわね祐巳ちゃん」
「はい、おねっ…紅薔薇様」
祥子さまでも間違うことがあるんだってちょっと安心した。

もたつく私とは正反対にテキパキと仕事をこなしてゆく祥子さま
ばれるのではないかと冷や冷やしたが
何事もなく無事仕事を終え、私達は早々と薔薇の館を後にした。
412お姉さまは私15:04/06/01 17:39 ID:CVit5Wut
「今日はどうしましょうか…」
「今日も私の家に泊まるという訳にもいかないし」
「そうですよね…でも祥子さまが一般庶民の家で住むわけにも…」
「そんなことを気にしていたの?祐巳の家で住めるなんて楽しそうだわ」
とにっこり微笑む祥子さま。
強い、というか本当は能天気な人なのだろうか…?

私は今後のことを考え、家族のことを話した
「弟さんがいたのね…」
「え?」
「いや、なんでもないの、なんでも…」
「?」
どうしたんだろう?さっきの強気はどこへやら
さっきから少し様子がおかしい
「あの、心配でしたら、今日は私が泊まりに行くということにするのはどうでしょうか?」
と提案すると「そうね、そうしてくれると助かるわ」
祥子さまは即答した。

――ピンポーン
「はーい」
という声とともにドアが開かれ
弟の祐麒が顔を出す
「祐巳、遅くなるなられん…ってあ、こんばんは」
「……」
あ!そうだった、これは私に言ってるんだ
「ごきげんよう、祐麒さん」
祐麒のことをさん付けする日がくるなんて…
「オレの名前…」
「あ、さっき祐巳から聞いたのよ」
「そうですか、はじめまして、弟の祐麒です。いつも姉がお世話になってます」
「こちらこそ、はじめまして、小笠原祥子と申します」
413お姉さまは私16:04/06/01 17:41 ID:CVit5Wut
「昨日は祐巳ちゃんがお世話になったみたいで、ごめんなさいね」
「いえ、こちらこそ挨拶もなしに、祐巳さんを勝手に泊めてしまって…」
「でもさ、驚いたよな、突然祐巳が紅薔薇のつぼみの妹だなんて」
「なんで祐巳を選んだんですか?祥子さんは」
「え、えっと…」
祥子さまが私の選んだわけ…薔薇の館でぶつかって
それで、なんでか入れ替わっちゃって、それで…
そうだ…祥子さまが私の選んだのはただの事故で
私だったからじゃない。
こんなことにならなかったら、祥子さまが、私なんか妹選ぶはずなんてないじゃない。
そのとき祥子さまが口を開いた
「祥子さまは、私の元気で明るくて、素直なところが好きだといって
 妹にしてくださるっていってくれたのよ」
視線を下に向けるとスカートを握り締める私の手を
祥子さまの手が優しく包み込んでいた。
「そっか、これからも姉のことよろしくお願いします」
祐麒は私に軽く頭をさげた。

その後も祥子さまは見事に”私”を演じきった。
私はというと、誰も”本当”の祥子さまを知らないわけで気楽なものだ。
414お姉さまは私17:04/06/01 17:42 ID:CVit5Wut
今日は祥子さま…といっても私なのだけれど
私がここに泊まるということをお母さんとお父さんに伝え
感づかれないうちに私達は私の部屋へと入った。

私はベットに倒れこんだ、全身の緊張が解けていく。
「ふぅ〜ずっと演技してるのってつかれますね〜」
やっと今日始めて本当の自分に戻れた。
祥子さまはというと、
「そう?私は結構楽しいわよ」
などと言う。
「やっぱり祥子さまってすごい」
「すごくないわ、ただ、どこかでばれるはずないって思ってるから
 祐巳ほど力んでないだけよ」
「ばれるはずないですか?」
「もし私が誰かに『私達入れ替わっちゃったんです』って言われても信じないもの」
「たしかに」
「でしょう?だからあまり考え込んだり、演じようって力を入れすぎないほうがいいわ」
「そうですね」
「……よかった」
「なにが?」
私はベットから起き上がり、祥子さまの方を向いて
「入れ替わったのが祥子さまで」
と答えた。
「私もよ」
そういってくれただけで、どう頑張ればいいのかわからないけど
頑張ろうって、どうにかして、解決法を見つけようって思った。
祥子さまに、本当の祥子さまに本当の私をスールにしてほしいって思ったから。
415名無しさん@ピンキー
とりあえず今日はここまで。

ちょっとの思いつきだったのにこんなに長くなるとは・・・