【妖怪】人間以外の女の子とのお話6【幽霊】

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1名無しさん@ピンキー
幽霊妖怪天使に悪魔、ロボットだってエイリアンだって何でもOK!
オカルト・SF・ファンタジー、あらゆる世界の人間以外の女の子にハァハァなお話のスレです。
これまではオリジナルが多いですが、二次創作物も大歓迎!

<前スレ>
【妖怪】人間以外の女の子とのお話5【幽霊】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1077123189/
<過去スレ>
【妖怪】人間以外の女の子とのお話4【幽霊】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1072/10720/1072019032.html
【妖怪】人間以外の女の子とのお話3【幽霊】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1065/10657/1065717338.html
【妖怪】人間以外の女の子とのお話U【幽霊】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1047/10479/1047959652.html
人間じゃない娘のでてくる小説希望(即死)
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1046/10469/1046994321.html

<関連スレ>
かーいい幽霊、妖怪、オカルト娘でハァハァ【その9】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1067243766/
【獣人】亜人の少年と亜人の少女の絡み【人外】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1061197075/
ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α2
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1078822739/
触手・怪物に犯されるSS
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1067867411/
猫耳少女と召使いの物語2
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1071622872/

<保管庫>
2chエロパロ板SS保管庫 (サーバーが重くて繋がりにくいです)
http://adult.csx.jp/~database/index.html
2名無しさん@ピンキー:04/05/09 07:08 ID:Q03ZHwJw
2
3名無しさん@ピンキー:04/05/09 07:10 ID:7NjXnrkW
即死回避
4ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/09 10:55 ID:Cb8E4FZC
警告:今回の作品は猟奇&残酷な表現が多々含まれていますので、
耐性の無い方は読み飛ばす事をお勧めします。御了承下さい。


「まぁ……あなたが日野さんですかぁ」
「ははははは、初めまして〜!!」
 水晶の柱が幻想的な光を放つ暗黒世界の中、“つぁとぅぐあ”さんの『にへら〜』とした微笑みに対して、
日野さんは僕の背中に隠れながら、ガクガク震えっぱなしだった。
 春の日差しもさわやかなある日のこと、突然、今後の事を相談したいと日野さんが遊びに来たんだ。
 いや、遊びに来たというと少し御幣があるかな。一応は今後の事をちゃんと話し合ったし……
……ほとんど先日の龍田川さんの件について再確認しただけだけど。
 ちなみに、彼女と“くとぅぐあ”さんとの関係は極めて良好らしい。
それがどんな意味で『良好』なのかは、少し気になる所だけどね。
 で、その後、日野さんはなぜか『私も“つぁとぅぐあ”様に会いたいです〜!!』
って熱心にお願いしてきたので、供物を捧げに行くついでに、こうして案内しているんだけど……
「やっぱり『接触者』さんだけありましてぇ……美味しそうですねぇ」
「ひ、ひ、ひぇええええ〜!!!」
 ……この人、一体何しに来たのだろう?
5ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/09 10:56 ID:Cb8E4FZC
「――あら、この子が“くとぅぐあ”神との『接触者』さんですのね」
「ひいぃ――!?」
 突然、背後から美しくも妖しい声をかけられて、今度は僕も本気で驚いた。
日野さんに至っては、驚愕のあまり僕の後ろと前のどちらに身を隠せば良いのか分からないらしく、
僕の周りををぐるぐる回っている。
 いや、その声の主は聞いた瞬間に“あとらっく=なちゃ”さんだと分かったんだけど、驚いたのはその格好だ。
 その妖艶で美し過ぎる肢体を隠しているのは、漆黒のセーラー服じゃなかった。
白い半袖の体操着に、紺色のブルマという、一昔前の体育授業中の女子高生といった姿格好なんだ。
「……なぜ、そんな服を?」
「セーラー服は“でぃーぷわん”達に破られてしまって、
仕方なく換えの服を……あまり見つめないで下さいな」
 ほんの少しだけ頬を赤く染めて、“あとらっく=なちゃ”さんは体操着の裾を下に引っ張っろうとしていた。
サイズが少し小さいらしく、さっきから隠そうとしている形の良いおへそは丸見えだし、
意外に大きい胸とお尻のラインもはっきり浮かんでいる。
 普段の黒いセーラー服姿とはあまりにギャップのある姿に、僕はあんぐり口を開けて見惚れていた。
「それにしても、本当に美味しそうな子ですこと」
「“くとぅぐあ”ちゃんの匂いが美味しそうですねぇ」
「ひえぇええええええ〜ん!!」
 日野さんの絹をズタズタに裂くような乙女の悲鳴に目が醒めたけど、
“つぁとぅぐあ”さんと“あとらっく=なちゃ”さんに舌なめずりされながら両手を掴まれている彼女を見て、
同じ『接触者』である僕にとっても、日野さんの立場は決して他人事じゃないんだなぁ……
……と、僕は今更ながら深く深く傾いた。
「傾いてないで助けてくださ〜〜〜い!!」
6ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/09 10:58 ID:Cb8E4FZC
 それから2日後の夜だった……あの事件が起こったのは。
 数日間続いていた雨も止み、久しぶりに静かな夜の帳をベッドの中で楽しんでいた僕は、
ふと、窓の外から差し込む蒼い光に気付いた。
 この光には見覚えがある。いや、僕にとって決して忘れられないだろう、世界一美しい蒼光――
 “ばいあくへー”さんの輝きだ。
「先日はお世話になりました! “ばいあくへー”さんですね?」
『……そうよ』
 でも――僕は、その声に魂の底から戦慄した。
 あのおぞましい声が、“ばいあくへー”さんの声だと言うのか。
 記憶とは全く違うその声を、しかし“ばいあくへー”さんの物だと認識できたのは、
彼女特有の『悲しさ』を、その響きの中になぜか感じたからだ。
「“ばいあ――」
『……来ないで』
 窓を開けようとした僕の手を止めたのは、彼女にそう言われたからじゃない。
 月光を背に受けて、薄手のカーテン越しに浮かぶ彼女のシルエットは――
どんな悪夢でも見れないだろう、恐ろしい怪物のものだった。
触手と肉腫の塊を、機械で造られたスズメバチの装甲で覆い隠したような……
シルエットだけでは、これ以上は描写できない。
でも、もしこのカーテンが開いていて、今の彼女をまともに見てしまったら、
僕は間違い無く発狂していただろう……それだけは断言できる。
 恐怖と戦慄、絶望と嫌悪感に支配されて、指1本動かせない僕に、
『……あなたにだけは、見られたくないの』
 “ばいあくへー”さんのシルエットは、不気味に、恐ろしく、おぞましく――そして悲しそうに語りかけた。
7ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/09 10:59 ID:Cb8E4FZC
『……雲井様が、近日中にあなたを抹殺しようとしている』
「え?」
『……私はその計画をあなたに伝えに来たの』
「…………」
 かけなしの勇気を総動員して、僕は“ばいあくへー”さんのシルエットをまっすぐに見据えた。
「ちょっといいですか? 以前から疑問だったんですけど……ええと、
“ばいあくへー”さんは立場上は僕の敵ですよね。それなのに、なぜ僕を助けてくれるんですか?」
 数秒間の沈黙が、なぜかひどく長く感じられた。
『……私は雲井様に仕えるために、
感情や情緒、人格、思考パターンが地球人類と完全に同一するように調整されているの』
「あのぅ、答えになっていないような――」
『……そんな事はどうでもいいから、私の情報を早く受け取って。
もう、あまり自由に動ける時間が無いの』
 台詞と同時に、窓がほんの少しだけ開いて――
「ひっ!?」
 悲鳴を上げるのも当然だ。
ぼたぼたと腐汁を垂らす、肉と機械が融合したような触手が僕の方に伸びてきたんだから。
「こここここ、これをどうしろと?」
『……触るだけでいいわ。それであなたの脳に直接情報が入力されるから』
 恐る恐る、僕はグロテスクな触手に指先を当てた。ぐじゅっと身の毛もよだつ感触が伝わってくる。
でも、僕が指先を離さなかったのは、“ばいあくへー”さんを全面的に信用しているからだ。
 しかし――僕の脳裏に浮かんだ映像は、
彼女の話とも、僕の想像とも、全く違う恐るべき内容だったんだ――
8ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/09 11:01 ID:Cb8E4FZC
 ちょうど満月が天頂に差しかかった深夜。
 郊外にある、小さなコンビニのアルバイト店員は、他に誰も客がいないことをいい事に、
休憩室で雑誌を読んでいたのだが――
「……あの……す、すいません」
 レジからのか細い声に、慌てて彼は飛び出して、
「はい、いらっしゃ――」
 顎が外れんばかりに絶句した。
 月の光が具現化したように美しい、蒼髪の美少女が、ぶるぶる震えながらレジの前に立っていたのである。
――それも、一糸纏わぬ全裸姿で!!
 御伽噺の妖精のようにスレンダーなプロポーション。きらきら輝く青い長髪。
処女雪よりも白くミルクよりも柔らかな肌……そして、乳首とクリトリス、ラビアに食い込む毒々しいピアス。
柔肌に刻まれた蛇の如き鞭の痕。秘所からぽたぽた垂れる、愛液とザーメンの滴。
 “ばいあくへー”だった。
 機械の翼は根元から毟り取られて、蒼い半透明の羽衣すら纏っていない。
店員の視線から目を反らそうとする、その絶世の美貌は羞恥に打ち震えていた。
雲井の要望により、人間と同じ感情を持つ彼女は、人間と同じ羞恥心を持っているのだ。
「……缶コーヒーを5本下さい……ホットで」
 今にも消え去りそうな声に、店員は茫然自失と値段を告げた。
初めは絶句していたその瞳は、徐々に惚けてきて、今では明確な情欲の光を宿している。
「……お金は無いんです」
「そそ、そ、それじゃあ、売るわけには……」
「……お願いします……その代わり、私の…身体で……」
 その言葉と同時に、店員の理性は虚空の中に消滅した。
9ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/09 11:03 ID:Cb8E4FZC
 ガチャガチャとあわただしくベルトを外し、ズボンとパンツを膝まで下ろす。
そのペニスは店員自身にも信じられないくらい大きく勃起していた。
「か、か、金はオレが出してやる! だから……わかるだろ? 早くしろよ!!」
「……はい」
 “ばいあくへー”は悲しそうな表情のまま、店員の足元に膝をついて、
ギンギンにそそりたつペニスに手を当てた。細く美しい指先がペニスに触れただけで、店員は呻き声を漏らした。
シャフトと陰嚢をマッサージするように手でしごき、その小さな口には大き過ぎるペニスを、一生懸命口に含む。
「うおぉおお!!」
 彼は獣のような雄叫びを上げた。それくらい気持ちいい口内だったのである。
どんな人間にも不可能な『人外の快楽』――それは男の正気を失わせるには充分過ぎた。
「……んぶぅ!?」
 男は乱暴に蒼髪を掴み、容赦無くペニスを突き入れた。フェラとはとてもいえない猛烈なイラマチオ。
激しく前後に頭をシェイクされて、“ばいあくへー”は苦悶の涙を流した。
太いペニスが食道にまで突き刺さり、呼吸すらできない。
「だ、出すぞ!! 飲めっ!!」
「……んふぅううう!!」
 奥の奥まで“ばいあくへー”の口にペニスを差し込んだまま、店員は凄まじい勢いで射精した。
喉の奥に直接ザーメンを叩きつけられて、
むせかえるのを必死に我慢する“ばいあくへー”の大きく開いた唇の端から、
飲みきれなかった白濁液がゴボゴボと溢れ出す。
店員は射精の快感に浸りながら、ゆっくりとペニスを抜き出した。
「……んはぁ……うえぇ」
 3分ぶりに呼吸ができた“ばいあくへー”は、大量のザーメンを嫌悪感に震えながらごくりと飲み込んだ。
酸素不足で頭の中がガンガンする。人間形態の彼女は、肉体的にも人間とほとんど変わらないのである。
このやっかいで残酷な身体も、雲井のリクエストだ。
「こ、こ、これでコーヒー1本分だ……に、2本目行くぞ!!」
「……はぐぅ!」
 まだ1・2回しか呼吸していない内に、再び店員はペニスを“ばいあくへー”の白濁液を垂らす口に挿入した。
 こいつのフェラは最高だ。1回や2回ではとても満足できない。
 必死になってイラマチオに耐える“ばいあくへー”の瞳から、涙がとめどなく流れ落ちた。
「……んふぅううう――!!」
10ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/09 11:04 ID:Cb8E4FZC
 数十分後、5回ものフェラチオで最後の1滴まで精液を出し尽くした店員は、
床に腰を降ろしながらはぁはぁと荒い息を吐いていた。
足元には、チアノーゼ寸前にまでイラマチオを強制されて、
もはや精魂尽き果てたようにぐったりと床に伏す“ばいあくへー”がいる。
 その目の前に、5本の缶コーヒーが放り投げられた。
「ほら、さっさとそれ持って帰れよ。客や店長に見られたら冗談じゃ済まされねぇ」
「……はい……ありがとうございます」
 “ばいあくへー”は小さく傾くと、よろよろと身体を起こした。
四つん這いになって足を開き、いわゆる『雌豹のポーズ』を取る。
ぱっくり開いた秘所は、少女のものとは思えないくらい熟して、女の匂いを醸し出していた。
その姿勢のまま、彼女は熱い缶コーヒーの1本を手に取って――
「……んはぁ!!」
 店員は目を向いた。何と“ばいあくへー”は缶コーヒーを缶のままヴァギナに挿入したのである。
その小さな性器には大き過ぎるだろう缶コーヒーによって、膣内は完全に塞がれてしまった。
「……あああ…あ……熱い…熱ぃいい……!!」
 手で持つ事も困難なくらい熱い缶コーヒーだ。“ばいあくへー”の性器は火傷しても不思議ではないだろう。
しかし、彼女は苦悶の表情を浮かべながらも、新たな1本を今度はアナルに挿入し始めた。
許容限界以上に大きな缶コーヒーに、アナルは限界まで伸びきっている。
それでもゴリゴリと捻じ入れるに缶コーヒーを押し込んで、何とか無理矢理挿入する。
そして、次は3本目を膣口に――
11ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/09 11:05 ID:Cb8E4FZC
「……んぁあああ……だめぇ…入らな……ぃい……!!」
 十数分後、ヴァギナに2本、アヌスに1本缶コーヒーを挿入した状態で、
“ばいあくへー”は苦痛と絶望に打ち震えていた。
最後の2本は前と後ろに1本ずつ、3分の1ぐらいは挿入しているのだが、これ以上はどうしても入らないのだ。
いや、ここまで中に収められた事が、人外の存在である事を考慮しても奇跡に近いだろう。
「おい、早くしろって言ってるだろ!!」
 店員が苛立ちながらも、サディスティックな嘲笑を“ばいあくへー”に向けていた。
彼女の痴態はこれ以上ないくらい滑稽で淫猥なショーだ。
ならば、見物料代わりに少し手伝ってやってもいいだろう。
「……でもぉ……無理、むりなんで…すぅ」
「それならこうしてやるよ!!」
 店員は一欠片の遠慮も無く、全力で“ばいあくへー”の缶コーヒーにつま先蹴りを叩き込んだ。
「……ぁああああああぁあ――!!!」
12ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/09 11:06 ID:Cb8E4FZC
「……はぁ…はぁ……はぁああ……ぁあ……」
 点滅する街灯が逆に不気味は雰囲気を醸し出す裏通りを、“ばいあくへー”がよろめきながら歩いていた。
1歩進めば壁に寄りかかり、2歩進めば腰が砕けそうになる。
無理もないだろう。彼女の膣には3本、アヌスには2本もの缶コーヒーが挿入された状態で歩行しているのだから。
しかし、こうして運ぶのも雲井の命令なのだ。逆らう事は絶対に許されない。
「……んあぁ…だめぇ……もう、歩けな…ぃ」
 “ばいあくへー”の可憐な美貌は苦痛と恥辱に歪み、悲しそうな瞳からは涙がとめどなく流れ落ちていた。
痛い。苦しい。恥ずかしい。
そして、悲しい――それは、“はすたー”神に仕える『奉仕種族』として存在している自分にとっては、
今まで想像もできなかった感覚だった。あの男が人間の心など与えなければ、
たとえ今の数万倍の責め苦を与えられても、こんな思いはしなくてもよかったのに……
「よう姉ちゃん、すげえ格好してるな」
「へへへ、変質者って奴か?」
 後ろからの下卑た男達の声に、“ばいあくへー”はビクっと小さな身体を震わせた。
恐れていた事態が、また起こったのだ。
 ゆっくりと振り返った彼女の前には、いかにもといった風体のチンピラ達が、
舌なめずりしながらにじり寄ってきている。
「……や、やめて……くださ…い」
「遠慮すんなよ。俺達と楽しもうぜ、変態さんよォ」
13ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/09 11:07 ID:Cb8E4FZC
 悲鳴も出せずに、“ばいあくへー”は薄汚い路地裏に押し倒された。
「……いやぁ…!! やめてぇ……かはぁ…!!」
 四方八方から伸ばされるごつい男の手で、“ばいあくへー”は全身を滅茶苦茶にまさぐられた。
愛撫なんて生易しいものではない。薄い乳房を握り潰し、細目の太ももをねじり、
脂肪の無い腹に爪を立てる――これはレイプというより肉食動物に捕食される哀れな小鹿を連想させた。
「おい見ろよ。こいつマ○コとケツに缶コーヒーなんて入れてるぜ」
「マジかよ……本物の変態って奴だな」
「邪魔だ邪魔、とっとと取り出せよ」
「……んあぁ…ダメ! 取らないで――むぐぅ!?」
 か細い抗議の声を上げる口は、勃起したペニスで塞がれた。
せっかく苦労して入れた缶コーヒーを、フィストファックの要領で無理矢理引きずり出される。
その激痛に悶絶する“ばいあくへー”の中から、最後の1本が取り出されて、
一息つく間もなく男達のペニスが入れ替わりに性器とアヌスに挿入された。
「はぐぅううう……!!」
14ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/09 11:08 ID:Cb8E4FZC
 数十分後――
「へへへ、よかったぜ姉ちゃん」
「缶コーヒーも御馳走様っと」
 笑いながら男達が去った路地裏には、全身白濁液塗れとなった“ばいあくへー”が、
声も出せずに大の字で横たわっていた。徹底的に陵辱され尽くしたヴァギナとアナルからは、
赤と白のマーブル模様となったザーメンがとめどなくあふれている。
魂が抜けたように惚けた彼女の顔の側には、飲み干されたコーヒーの空き缶が転がっていた。
これで、また買い直す――いや、奉仕と引き換えに譲り受ける事をやり直されなければならなくなった。
同じコンビニに行く事は許されない。
必然的に雲井の自宅からどんどん離れた場所にあるコンビニに行かなければならないが、
それはこうして今の自分の姿を誰かに目撃されて、陵辱される確率が増す事も意味していた。
 しかし――“ばいあくへー”はよろよろと立ち上がった。
 それでも行かなければならない。なぜなら、それが『奉仕種族』としての彼女の宿命だからだ。
 ……結局、“ばいあくへー”は、それから18回同じ事を繰り返す事となった……
15ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/09 11:11 ID:Cb8E4FZC
「缶コーヒー5本買うだけで一昼夜かけるとは、いい度胸だな。“ばいあくへー”よ」
「……申しわけ…ああっ!……ありま…うぐぅぅぅ」
 色とりどりの油性マジックペンを弄びながら冷酷な青年――
雲井 明は“ばいあくへー”の側にゆっくりと歩み寄った。
 ここは雲井の自宅、地下にある『拷問部屋』――元々は暴力団の末端の1人に過ぎなかった雲井は、
“はすたー”神の『接触者』としての力を手に入れた後、
その力をフルに活用して瞬く間に組織の頂点に昇り詰めたのだ。
この邸宅も、本来はかつての自分が所属していた暴力団のボス――
――とうの昔に犬のクソにしてやった――の物だったのである。
今いる『拷問部屋』も、暴力団時代のそれをそのまま再利用したものだ。
 拷問される側に心理的圧迫感を与えるように計算されたその部屋は、
不気味なまでに薄暗く、壁一面には古今東西、あらゆる種類の責め具が展示品のように並べられていた。
それら責め具はもちろん全て本物で、効果も保証付きだ。
全部あの部屋の真ん中で悶えている女で試してみたのだから間違い無い。
こういう時、不死身の身体は本当に都合がいい――雲井は邪悪に唇を歪ませた。
「……んぁあああああ!! だめぇ……あぐぅ!!」
 そんな拷問部屋の真っ只中で、“ばいあくへー”は奇怪なオブジェと化していた。
 両手は後ろ手に縛られて、両足は長めの鎖で石畳の床に繋がれているのだが、
なんと床から2本の赤錆びた鉄柱が長く伸びていて、その頂点で“ばいあくへー”が股間を串刺しにされているのだ。
大人の手首ほども太い2本の鉄柱は、それぞれ彼女の膣とアヌスに深々と突き刺さり、
自分自身の体重でゆっくりと、しかし確実にずぶずぶと突き刺さっていく。
限界以上に拡張されたヴァギナとアヌスからは、鮮血がとめどなく流れ落ちていた。
16ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/09 11:12 ID:Cb8E4FZC
 しかし、この責め苦はそれだけでは終わらない。なんと鉄柱の根元には、
青白い炎を吹き出すガスバーナーが設置されていて、炎の先端で鉄柱を炙っているのである。
炎が直接当たっている個所は完全に赤熱化し、その面積は徐々に増加していった。
“ばいあくへー”の秘所から流れ落ちる血も、鉄柱の途中で蒸気と化して消えてしまう。
その臨界点は少しずつ彼女に接近しているのだ。
「……あはぁああうぐぅううううぁああああ――!!! 熱っ! 熱い!! あついぃいいいい――!!!」
「動くんじゃねぇ。せっかくパーティーの為に化粧してやってんだからよ」
 灼熱地獄に串刺し状態のまま悶える“ばいあくへー”の身体に、
雲井は様々な色の油性マジックペンで落書きしていた。
『雌犬』『チンポ入れて』『肉便器』『変態』『ザーメン注入口』『公衆便所』『発情中』……
様々な淫語を“ばいあくへー”の身体に書いていったが、ふと手を止めて、
「マジックじゃそのうち消えちまうなぁ……よし」
 ピストルに似た奇妙な道具――機械式の刺青彫り機を取り出した。
 ガガガガガガガガガ――!!
「……きゃぁあああああああああ――!!!」
 全身に淫語の刺青を彫られる“ばいあくへー”の絶叫が、薄闇の拷問部屋に長く長く轟いた……
17ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/09 11:14 ID:Cb8E4FZC
「……ふぐぅ…ふぐぅうううう……ぅうう」
 ギャグボールの奥から、くぐもった声が漏れた。
「もたもたしてんじゃねぇ。パーティーに遅れちまうだろうが」
 舌打ちした雲井は、『手綱』に火をつけて、“ばいあくへー”の背中の上に放った。
 ぱぱぱん!!
「……うぅぐっ!!」
 刺青が醜く彫られた“ばいあくへー”の背中に落ちた『手綱』――爆竹の破裂に、
彼女は背中を仰け反らせて苦悶を全身で表現している。
 深夜――人気の全く無い住宅街の通りを、全裸で四つん這いとなった“ばいあくへー”が、
苦痛と恥辱の行進を続けていた。身に付けている物は、ギャグボールに首輪、
そしてヴァギナとアヌスに突き刺さった極太バイブだけだ。
その極太バイブからは長い鎖が後ろに伸びて、車輪も付いていない大きな木箱と、
その上に腰掛ける雲井を引きずりながら運んでいる。
己の体重の倍以上あるだろう重量の木箱と雲井を引きずる“ばいあくへー”は、
全身に脂汗を浮かべて、涙とよだれと愛液を垂れ流しながら、地獄の行進を続けていた。
18ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/09 11:15 ID:Cb8E4FZC
 ぱぱぱん!!
「……ふぐぅう!!」
 少しでも這う速度が遅れたり、重い木箱と雲井を引くバイブが抜けると、
『手綱』代わりの爆竹が身体の上で爆破する。
今や“ばいあくへー”の背中は血みどろの火傷で覆われていた。
「なんだ、住宅街なのにあちこちゴミが落ちてて汚ぇなぁ……おい、ゴミ掃除するぞ。全部食え」
「…………」
 流石に“ばいあくへー”も聞き間違いと思った。その足の動きが一瞬止まる。
 ぱぱぱん!!
「……はぁうぐぅぅぅ」
「2度も言わせるな。パーティー会場までの道程、道に落ちてるゴミをお前が全部食いながら進むんだよ」
 “ばいあくへー”は言われた通りにした。どうせ拒否権は無いのだ。
彼女は涙を流しながら、道に捨てられた紙くずを口で拾い、雲井の命令でよく咀嚼して飲み込んだ。
落ち葉やビニールの切れ端、腐った魚の骨に雑草、空き缶や小石ですら苦労しながら飲み込む。
 そして、ついに目的地であるパーティー会場『緑化公園』に辿りつく寸前――
 電柱の側のダンボール箱に、捨てられたらしい子猫が数匹、か弱い鳴き声を上げて――
「よかったじゃねえか、久しぶりにザーメン以外のタンパク質を補充できるな」
「……いやぁああああああああ――!!!」
19ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/09 11:17 ID:Cb8E4FZC
「……ひっく…えぐ……うぅぅ」
「いつまでも泣いてんじゃねぇ!!」
 緑化公園の外れに位置する公衆便所――その男子トイレの中で、異様な光景が繰り広げられていた。
刺青と外傷で化粧された蒼髪の美少女――“ばいあくへー”が、
乳首とクリトリスを貫通するリングピアスに鋼線を結ばれて、
天井から高さ1mの位置に水平に吊るされているのだ。
全体重がかかる乳首とクリトリスは限界まで伸ばされて、今にもピアスごと引き千切れそうだった。
 だが、まだこんな苦痛など序の口もいいところだ。
「この便所には少し細工がしてあってな、中でまる1日を過ごしても、外では1時間も経過しねぇんだ。
おまけに、中にいれば人間は水も食事も睡眠すらも必要無い。
そのかわり、お前は逆に無限再生能力が働かなくなるんだ。不死性はそのままだがな。
『旧支配者』直々の細工だ。何者も解除できねぇ」
 独り言のような解説に、果たして何の意味があるのだろうか?
 “ばいあくへー”が苦痛の中で疑問を抱く間に、公衆便所の周囲にぞろぞろと人の気配が集まって来た。
それは――
「おう、やっと来たか。もう始まってますぜ」
 一目で暴力団関係者と分かる者達、脂ぎった性犯罪者予備軍、垢まみれの浮浪者……
誰もが情欲に狂った雄の視線で、続々と公衆便所に押し入り、“ばいあくへー”の周りに群がってくる。
「裏社会やネットで集めた、お前の陵辱志望者だ……
さて皆さん、道具はたっぷり用意してありますぜ。好きに嬲ってくれ」
 蹴り倒した木箱から、バイブに蝋燭、鞭にローター、針に浣腸器、ナイフに有刺鉄線、
スタンガン、etc……様々な責め具が転がり出た。下劣な男達は1人1人それを手に取り――
“ばいあくへー”に一斉に襲いかかった!!
20ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/09 11:18 ID:Cb8E4FZC
「……やぁあああ!! んはぁ!!や、やめてぇ……んくぅ!!」
 濡れてもいない性器に極太バイブが叩き込まれて、“ばいあくへー”は吊るされたまま仰け反った。
アヌスに突き刺さった浣腸器状のカテーテルから、大量の水道水が直接流される。
蝋燭の火で直接柔肌を炙り、溶けたハンダを振りかけた。
棘だらけの有刺鉄線を身体に巻き、戦闘用の鉄鞭を容赦無く打ちつける。
ハンドパンチャーでラビアや舌に穴を開けて、面白半分にナイフで肌を切り刻む。
苦痛のあまり“ばいあくへー”が気絶すると、すかさず高出力のスタンガンが無理矢理覚醒させる……
もはやこれは陵辱ではなかった。拷問の範疇も超えている。
これは『処刑』だった。
「なぁ、こいつは便所なんだよな?」
「もちろん、そう本人の身体に書いてあるじゃねぇか」
「それじゃあ、遠慮無く……」
 浮浪者らしい男の1人が、恥垢まみれのペニスを“ばいあくへー”の悲鳴を上げ続ける口に挿入した。
そのまましばらくしゃぶらせて、喉の奥に差し込んだら一気に――
「……んぶぅうううう!?けほっ!」
 浮浪者は“ばいあくへー”の口の中に放尿したのだ。
食道に直接流し込まれた小便を、彼女は抵抗も許されずに全て嚥下するしかなかった。
21ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/09 11:20 ID:Cb8E4FZC
「ふぅ、すっきりしたぜ」
 最後の一滴まで放尿して、紙代わりに彼女の美しい蒼髪でペニスを拭く。
浮浪者の顔は歪んだ満足感に支配されていた。
「へへっ、面白ぇ事するな」
「じゃあ、俺も……」
「……い、いやぁああ……むぐぅ!!」
 男達は次々に“ばいあくへー”の咥内へと放尿していった。
見る間もなく“ばいあくへー”の腹部が妊婦のように膨らんでいく。
その内部は全て残酷な男達の排泄物なのだろう。
 “ばいあくへー”は、本当に『便所』にされていた。
「おい、面白そうな物を見つけたぜ」
「なんだそりゃ?」
 この大人数では一度に全ての男が彼女を責められない。
そんな順番待ちをしていた男の1人が、公衆便所の近くで行われていた工事現場から、
物騒な道具を失敬してきたのだ……個人用の小型削岩機を。
「こいつをどうする気だ?」
「へへへ……まぁ、見てな」
 男は先端のドリル部分にバイブを取り付けて、“ばいあくへー”のヴァギナに軽く挿入した。
そのままスイッチを入れると――
 ドガガガガガガガガ――!!!
「……きゃぁああああああああああああ!!!」
 岩をも砕く高速回転と高速ピストンが、“ばいあくへー”の秘所を滅茶苦茶に粉砕した。
飛び散る鮮血と肉片がスーツを赤く汚し、軽く舌打ちしてから、
「それじゃあ、たっぷり楽しんでくれよ……裏切り者への罰をな」
 雲井は悠然と去って行った……
22ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/09 11:20 ID:Cb8E4FZC
 1ヶ月後――
「ぐわっ!!……ひでぇ匂いだ。本当に便所代わりにされたみてぇだな」
 再び公衆便所を訪れた雲井は、まずその凄まじい悪臭に顔をしかめた。
ブランド物のハンカチで鼻を塞ぎ、意を決して中に入ると――
「……ぁ…………ぅ……ぁ………」
「へぇ、そんな状態でもまだ生きていられるんだな。さすが人外の存在は違うぜ」
 雲井は『腐肉』を靴先で軽く突ついた。
「安心しな、お前はまだ楽にしてやらねぇよ。次は戦闘用に改造して――」
23ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/09 11:22 ID:Cb8E4FZC
「うわぁああああああ!!!」
『……っ!?』
 絶叫と同時に、僕の指先から触手が離れた。あまりに惨たらしい光景を『直接』目撃したショックで、
全身の震えが止まらない。心臓は今にも爆発しそうなくらい激しく脈動して、
恐怖のあまり体温が急速に低下していくのがわかった。
 ほんの1秒にも満たない時間、僕は“ばいあくへー”さんの触手に触れた。
その一瞬の間に、今までの光景が僕の頭の中に雪崩れ込んできたんだ。
 あんなショッキングな映像を見せるなんて……どういうつもりなんだろう?
「……わぅん?」
「……御主人様、何事でしょうカ?」
 “てぃんだろす”が目を擦りながらベッドの下から這い出てきて、
ドア越しに“しょごす”さんが声をかけて来た。僕の悲鳴はよほど大きかったらしい。
『……おかしいわ、あんな映像を見せるつもりは……データが書き直されている!?』
 “ばいあくへー”さんの動揺した声は、この事態が彼女にとっても予想外だった事を現していた。
「……“ばいあくへー”さん、今の光景は、まさか――」
 恐る恐る尋ねた僕に、“ばいあくへー”さんは悲しみに満ちた声で返答しようと――
『……あれは――』
「その裏切り者に対する制裁だ。つい先日実行された、な」
「!?」
 その時、“ばいあくへー”さんのいるベランダとは反対側の壁が、轟音と共にいきなり崩れ落ちた。
 そして、その向こうには――
「久しぶりだな、赤松よォ」
「ごごごごご、ごめんなさい〜!!!」
 嘲笑の形に唇を歪めた雲井氏と、その背後でぐるぐる巻きに拘束されて涙を流す日野さん。
そして、カットジーンズが眩しいロッカースタイルの美女――“らーん=てごす”さんと、
銀の仮面で顔半分を隠した、虹色マントの怪人――“ひぷのす”さんが!!
「さぁ、パーティーを始めようか」

続く
24名無しさん@ピンキー:04/05/09 17:37 ID:934GDj/6
ひでぼんキテター---(゚∀゚)---!


ばいあくへーさん・・(つД`)
25名無しさん@ピンキー:04/05/09 20:27 ID:7NjXnrkW
雲井側に外なる神々がいるから戦力的にひでぼんピンチか
26名無しさん@ピンキー:04/05/09 20:34 ID:ylmDXRpJ
“あぶほーす”さんが本格的に味方についてくれればあるいは
27名無しさん@ピンキー:04/05/09 20:36 ID:6HYnWmsV
なんの、ひでぼんにはあぶほーす様が……って別にひでぼんの味方ってわけでもないか
28名無しさん@ピンキー:04/05/09 22:32 ID:yI3BkDcZ
そこでヨグ様の使いとしてウムル・アト=タウィルたんが来ますよ。
29名無しさん@ピンキー:04/05/09 22:42 ID:FaHURKw3
(*゚∀゚)=3 ぃぇぁ
30名無しさん@ピンキー:04/05/09 23:36 ID:9+cxzhZ7
なんだか今日のばいあくへたんは悪を倒した後のカタストロフィーだか
カタルシスだかを高めるため、さらには悪を倒してなお後味ワルイ気分を
演出する為だけの犠牲者な気がする悪寒。
31名無しさん@ピンキー:04/05/09 23:37 ID:9+cxzhZ7
下げ忘れた。つってくる
32名無しさん@ピンキー:04/05/10 00:22 ID:az+huhgx
ああ、これは駄目だ。
こういう不幸で儚げで、その上無理矢理奉仕させられて従順に耐えてる女の子を見ると、
正気度が完全になくなる。
しかも蒼髪美少女。
よくあるパターンとかそんなのどうでも良い。
犠牲者萌え。
セラエノ逝きたい。
33名無しさん@ピンキー:04/05/10 01:38 ID:piLz3xfZ
>>28
第二部第二話の
>まるで修行僧みたいな袈裟を着て、頭には奇妙な形のト巾、手には錫杖

って描写から見て、ひでぼん版ヨグ様の格好は、ウムル・アト=タウィルを元にしてると思われ。

#一説には、ヨグ様の化身でしたっけ?<ウムル・アト=タウィル

で、改造ばいあくへーさんって、沙耶たん(リアル)と緋蜂が悪魔合体したみたいな感じなのか?(;´Д⊂)

ともかく次回は、のほほんとは行かぬまでも、鬱ではない結末キボンヌ
34名無しさん@ピンキー:04/05/10 18:25 ID:rCCuaNBt
ばいあくへーさん…(涙
正しき怒りを胸に戦え、ひでぼ……無理かw

しかし雲井は下手すれば三対一になるのを理解してるのだろうか?
35名無しさん@ピンキー:04/05/10 19:03 ID:qwtGgOBH
雲井のビジュアルがなぜか初登場からずっと村雨健次なんだが。何故?
36名無しさん@ピンキー:04/05/10 19:30 ID:LpANzqfQ
すみません。
半龍の龍人の少女とそのマスターの話を書いてるのですが、
こちらでもよろしいのでしょうか?

濃厚らぶえっちの予定なのですけれど、最初の数レスはエロが全く無いと思います。
こちらにはもう長編が書かれている事ですし、誘導して頂けたら嬉しく思います。
よろしくお願いします。
37名無しさん@ピンキー:04/05/10 19:32 ID:eZNj2tru
雲井を悪役に徹底させるのなら、このような展開も然るべきとみた。
半端な悪役ぶりでは倒してなお後味悪く残るのでは?
ダルマ・猟奇など残酷表現は個人的には('A`)だが商業的な制限のないこういったとこだからこそドカンとやってほしい。

ところで雲井の立場だけど、
赤松・龍田川同盟は単なる休戦協定だしSSでは日野勢に関する条約も見当たらない、
漏れには日野さんが何を考えているのかまだグレーな部分があるし三国同盟的な見方にはならないなぁ…
 素で何も考えてないのかもわからんけど。
38名無しさん@ピンキー:04/05/10 19:36 ID:B1tz3piD
>>36
大歓迎!

萌えとラブがあればそれでいい
39名無しさん@ピンキー:04/05/10 19:42 ID:+OqQe2e7
>>36
長編短編おかまいなしのスレ(しかも立ったばかり)なので是非こちらに投下ヨロ。
40名無しさん@ピンキー:04/05/10 19:45 ID:eZNj2tru
>>36
昔は龍萌えなSSがあったような気がしたけど今はここに投下するしかないんでない?
というか、漏れが読みt
41名無しさん@ピンキー:04/05/10 20:05 ID:EufC8Q/W
>>36
お願い。
4236:04/05/10 21:19 ID:LpANzqfQ
ありがとうございます。
それでは、エロまで書けましたら投下させて頂きます。

気長にお待ち下さいませ。

>23
◆SNuCULWjUI さま。
いつも楽しませて頂いています。
がんばって下さい。
もう少ししましたら御邪魔させて頂く事になります。
m(_ _)m
43名無しさん@ピンキー:04/05/10 21:57 ID:Tfdldobw
『接触者』雲井 明、婦女暴行及び障害の罪でジャッジメント!!

[ ..]ヽ(`・ω・´)ジャッジメンターイム
[ ]

    人
   人          ⌒       ((゚∀゚ ))
  ヾ(`Д´)シ〇 <('A`;)> ))  ━□=□入))
   ( へ)   ((  ( ヘヘ  ×  <<
  <

ジャッジメント!!

[ ..]ヽ(`・ω・´)
[×]

デリート許可!!

  /^8 -- 、      |\ _|\
 〈〈 ノ」」」」)     \」\ ̄\ 
  ヽリ ゚ヮ゚ノリ _ ̄\〔〈 ミ  ̄Å〉
   <) 5(> 〈lll(◎)/(◎)ニ〔〈llニ(0)ニ(0)
    l_j_l    (| ヽ_/__/
44名無しさん@ピンキー:04/05/10 22:06 ID:hojFEaJ1
とりあえずばいあくへータンは元の姿に戻れるのだろうか?
ここで銀の鍵使うのは勿体無いような気がするしなあ。

45名無しさん@ピンキー:04/05/10 22:14 ID:ZE548D6r
まぁ先読みは無粋っすよ。

>>36
楽しみにしてるよ〜
46名無しさん@ピンキー:04/05/10 22:20 ID:Tfdldobw
>>44
とは言え、そこで銀の鍵を使っちゃってこそ、我らがひでぼん

前スレ261

『接触者』
利点:気に入られれば、個人的に『邪神』がフルに力を使ってくれる。
欠点:自分の思うようには力が使えない。『邪神』に見捨てられたらその時点で終わり(破滅する可能性大)。

雲井氏の末路は、十中八九「”はすたー”様に見捨てられて破滅」と思われ
47名無しさん@ピンキー:04/05/10 23:38 ID:Y86yxmi9
>>44
多分大丈夫でしょう。
前にも魔改造で治してくれた方がいるじゃないですか。
4836 改め☆ ◆QT4umEMRFs :04/05/11 00:38 ID:zOHMK7UD
ざっと書きました。
とりあえずえち前まで一気に。
49私がここにいる理由(1):04/05/11 00:39 ID:zOHMK7UD
>48
「私がここにいる理由」

■■【プロローグ】■■

 爆炎。

 “ごどんっ”と、一抱えほどもある大岩が地に落ちたとしても立てぬだろう硬質な音を響かせ、圧倒的
な熱量と共に紅蓮(ぐれん)が押し寄せる。睡蓮(すいれん)の群生に身を隠すようにしていた巨大な黒
岩が、脅(おび)えたように水面に身を沈めると、高らかな嘲笑(ちょうしょう)をもって打ち出された
不可視の力が水を文字通り“割った”。
 すっぱりと庖丁(ほうちょう)を立て切ったかのような水断面が“ざあああっ”と音を立てて左右に割
れ引き、のそのそと蠢(うごめ)く牛ほどもある黒岩を、ようやく晴れかけた雲間の陽光に晒(さら)し
出す。
 なぜ、岩が蠢くのか。
「ふはははははっ!」
 侮蔑(ぶべつ)にまみれた嘲笑は、捲(まく)れあがった赤い唇の間から、鋭く尖った肉切り歯を覗か
せる一人の少女から発せられたものだ。ひらめく裾(すそ)は長衣(ながころも)のものであり、水面よ
り子供の丈ほどの高さで風も無いのに舞い踊っている。“それ”が、水を割った不可視の力の余波によっ
てのものだ…と知るのは、宙に足場も無く立つ少女以外には、たった一人しかいなかった。
 その一人は男であり、歳も30に届くかと思われる黒髪の旅人。旅人と呼称するのは、その者の装束
(しょうぞく)に、この地方の村村では決して無いであろう豪奢(ごうしゃ)な刺繍(ししゅう)が縫い
込められていたためである。その刺繍は一見ただの糸で在るように見えるものの、表面をチリチリと走る
細かな紫電(しでん)に応える如くぼんやりと薄赤い輝きを見せれば、誰の目にもそれがただの刺繍では
ないと理解(わか)るものだ。
「よおし!今だ!」
 少女はその声の主に視線をくれることも無く、ただ眼前の黒岩を見やる。
 少女とは言っても人の子の歳で言えば17・8の年頃の娘。既に「女」と呼称して良い歳に見える。不
可視の力にたなびく髪は腰まで美しく流れ、色は藍と銀を熔かし込んだかのような光を弾く鮮やかな色彩。
肌の色はどこまでも白くなめらかで、黒の長衣との対比が素晴らしい。また、体躯は成熟した人の娘のそ
れであり、豊かに張り出した乳房は今にも長衣を内側から破いて飛び出してしまいそうなほどだ。
50私がここにいる理由(2):04/05/11 00:41 ID:zOHMK7UD
>49
 その少女の藍銀の髪が風に煽(あお)られ、可愛らしい耳が日の光を浴びた。
 その耳は人の子のものではなく、先端が尖った魔性の印。見れば、その耳のすぐ上よりねじくれた大鹿
のような硬角が覗いている。
 少女はその可愛らしい唇をうっすらと開き、“すうう”と息を深く吸い込むと、大音声(だいおんじょ
う)で叫んだ。
「我の目を誤魔化せると思ったか!甘いわっ!我、青海南方!海神(わだつみ)三神の一柱、雷鳴と針雨
の剛王!天界ニ印大ル・パルトの一子!カルパダル=ド=ダルー…」
「なげーっつーの!はよやれっ!!」
 “すかぽーーーんっ!”と少女の頭に何がぶち当たり、跳ねてすぐさま湖面に落ちた。
 ぷかりと水面に浮いたのは、泥のついたクツが片方。
 見れば、先ほどの男の右足が裸足だった。
「……今、いいところなのにぃ〜…」
 少女はせっかくの見せ場をいきなり断ち切られ、ぶちぶちと呟きながら軽く頭を振った。藍銀の美しい
絹髪についた泥が、たちまち乾燥し、風に吹き拭われ、跡形も無く消える。
「はよやれ。逃げられたら何のためにこんな時間まで待ってたかわかんねーだろーが」
「はぁい…」
 しょんぼりと肩を落とし、恨みがましい目で男を見やった少女が視線を戻せば、黒岩がのそのそと湖の
より深い処へと移動してゆくところだった。
 見れば、四肢が在る。尾が在る。ギョロリと怨嗟(えんさ)に濁(にご)る赤い目を光らせた、巨大な
顎(あぎと)の頭が在った。
 黒岩は、歳経た大亀であった。
 ゴツゴツとした甲羅には苔が生え水草が絡み、その水草に埋もれるように、所々に黄色く変色した、も
とは白かったのであろうものが見えた。
 それは骨であり骸(むくろ)。この妖亀に生きたまま湖に引き擦り込まれ、食われた人々の亡骸(なき
がら)だった。
 少女はそれをつまらなそうに見て、“ふう”と溜息を吐(つ)き、たった一言、
「落ちろ」
 と言った。
 その途端、雲が割れ青空が広がりつつある天空より、一条の光が気を裂き空を震わせ、妖亀の上に轟
(とどろ)き落ちた。
51私がここにいる理由(3):04/05/11 00:43 ID:zOHMK7UD
>50
■■【1】■■
 旅の道すがら、通りかかった村で化け亀退治を請け負ったのは、今朝の事だ。
 人であって人にあらず、ただ人の形(かた)に似て在る者。
 人に次ぐ者。
 亜(あ)なる者(もの)。

『亜人』

 そう呼ばれる使役魔を連れた旅人が、中央より遥かに離れた辺境の地を訪れる事は滅多に無い。街道が
近く、隣国からの行商が立ち寄る町が麓(ふもと)に無ければ、誰も立ち寄らないような山奥の村だった。
 路銀が底を尽きかけてはいたが、元より報酬をもらうつもりは無かった。
 だが、それでは命永らえさせてもらった義が立たぬ…という理由で、男は村長(むらおさ)から少々困っ
た『報酬』を受け取ることとなった。
「なぁ〜〜〜〜にが、困った報酬、ですかっ!」
 村長が用意した一軒家で、ほっぺたをふくらませて目の前の男を睨み付けているのは、先ほど傲岸不遜
(ごうがんふそん)な態度で大音声を響かせ、泥付きのクツを頭にぶつけられた挙句、せっかくの決め台
詞を「長い」の一言で止めさせられたあの少女だった。
 少女は身体にぴったりと張りつくような黒い長衣の裾を翻(ひるがえ)し、左手を“ばしん”と机に叩
き付ける。ほっそりとした長い指には真珠のような光沢の長い爪があり、その薬指には精緻な細工を施さ
れた金の指輪が光っていた。
「だがなぁ翼(タスク)、せっかくの申し出を受け取らないわけにはいかねーだろ?」
 夕闇が空を染め始め、残照が背後の山を照らしている。その様子を横目で見ながら、少女に憮然とした
顔で睨まれた男はボリボリと頭を掻いた。
「断ればいいんです!だいたい、こんな処でじっとしていられる御立場ですか!?王都からの追っ手は、
もうすぐそこまで来ているのですよ?」
「まだいーじゃねーか。あいつらも狂王の言う事なんか、まともに聞く気なんてねーさ」
「それが甘いと言うんです!」
 “ばん!ばん!ばん!”と机を両手で叩き、顔を顰(しか)める男を少女―翼(タスク)は真っ赤な顔
で睨んだ。机を叩くたびに目を見張るほど突出した、実に重たそうな胸がゆさゆさと揺れる。
52私がここにいる理由(4):04/05/11 00:46 ID:zOHMK7UD
>51
「零幻(りょうげん)様は、王のあの御乱心を、身をもって体験なされたのに、まだそんな事をおっしゃっ
てるのですか?!少しは自覚して下さい!今、この国随一の呪人(まじないびと)である御主人様が、再
び王に捕縛(ほばく)なされるような事があれば、この国は終わってしまうのですよ?滅んでしまうので
すよ!?しかも滅びはこの国だけではなく、今まで見てきた、数々の国々で幸せに慎(つつ)ましやかに
暮らす、様々な人々にまで及ぶのです!」
「…わーってるって…」
「いーえ!わかってません!御主人様は、この私と狂王の手の届かぬ最果ての国を目指して下さるのでは
無かったのですか?この私を目覚めさせた御主人様が、万一捕まるような事にでもなれば、私はその者の
言うなりになってしまうのですよ?それでも平気なんですか?!」
「勝手に目覚めたんじゃねーか…」
 男――零幻が余所(よそ)を見ながらボソリと言うと、翼は“ギロリ”と、それこそ野鹿でも一瞬でぶっ
殺してしまいそうな目で彼を睨みつけた。
「…っと、時間だなぁ〜…っと」
 それでも、そ知らぬ風をして零幻は立ち上がり、入り口に向かう。
 その前を、いったいいつ移動したかわからないほどの素早さで、翼が立ち塞がった。
「おめーもしつけーなぁ…」
 うんざりした顔で、零幻は不精髭の生えた顎を“ぞろり”と右手で撫でた。少し長い髪の毛を後で乱暴
に一まとめに縛り、ゆったりとした腰までの着物とズボンを履いているため、一見、どこかの剣人(けん
と)のように見える。戦(いくさ)を生業(なりわい)とする剣人とは比べるべくも無いが、零幻も、着
物に隠れてはいるものの、それなりに良い体つきをしていた。
「いい加減にして下さい!今はこのような場所にぐずぐずしているような時ではありません!」
 背の高さは、零幻と翼では頭1個分ほども違う。翼の、左右に2本づつある硬角を含めて、ようやく零
幻と同じくらいの高さかもしれなかった。
「どけよ」
「いいえ!今日こそは言わせて頂きます!」
53私がここにいる理由(5):04/05/11 00:48 ID:zOHMK7UD
>52
 ずいっと前に一歩踏み出し、翼は気丈に己の主人を見上げた。いつも見慣れた細長い顔が、なぜかひど
く恐く感じる。炎の術を得意とする零幻と、水と雷を操る翼では、はっきり言って翼の方が遥かに分があ
る。本気でやりあえば、きっとそれほど時を経ずして主人を組みする事は容易いに違いない。
 けれど、それは左手の薬指に指輪がはまっている限り、無理だった。
 いや、もし仮に指輪を外しても、翼に零幻を攻撃する事など………
「だいたい、報酬と言って、生贄になりかかった娘を差し出すという村長の真意からして疑わしい。これ
は狂王の手の者による罠かもしれないのですよ?零幻様が女性(にょしょう)にだらしないという事を知っ
ている宰相が、このような罠をしかけたのかもしれないのです!」
 “ふんっ”と鼻息も荒くそう言うと、翼はゆさりと重たげに揺れる胸を主人の腹に押しつけて、「ここ
は通しません」とばかりに両手を広げてみせた。
 …と、不意に零幻の顔が“にやり”と歪み、翼の頭から足の先までをじろじろと無遠慮に眺める。
「…ははーん…おめぇ、ヤキモチ焼いてんな?」
 途端、翼の顔が“かあああっ!”と赤く染まった。
「なっ…何を…」
 “ふんっ”と鼻で笑い、目を逸らす。本人はそれで誤魔化したつもりだろうが、明かに動揺していた。
「そうかそうか…ヤキモチか…へー…ほー…」
「なっ…なななな…なにを…そんな…」
 顔を覗き込もうとする零幻の目から逃げるように、翼は顔をあっちこっちへと背ける。
「わっ…私はべつに…零幻様が、何しようと、一向に構いません」
「つれないねぇ…。昨日だってあんなに熱く愛し合ったのに…つめてーなぁ」
「なっなななななななななななな…あ、あれはっあれは天仙昇華の術式を練るために仕方なく……そ、そ
う、そうです!仕方なく、です!そうしないと私は天界に昇れませんから、だから、仕方なく、です!」
「仕方なく…ねぇ…」
 真っ赤な顔でしどろもどろに口紡(くちつむ)ぐ様は、どこからどう見てもウソを言っているようにし
か見えなかった。
 零幻は“ふふん”…と余裕を浮かべると、
「それにしちゃ、随分と善がってたじゃねーか」
 と言った。
54私がここにいる理由(6):04/05/11 00:49 ID:zOHMK7UD
>53
「よが…」
「『ああんっ!零幻さまぁ〜〜〜』ってな」
「なっ!なっ!なっ!なっ!」
 今度こそ決定的だった。
 翼の顔が色付いた「ほおずき」のように真っ赤になり、気が立ったせいか硬角の表面を青い
電光が“パリパリ”と走る。
「いっ…いいいいくら零幻さまでも言って良いことと悪いことがありますっ!!」
「ほお〜」
「そんなだから、いつも大事な人を護れないんですよ!」
 瞬間、時が止まった。
 翼は、自分が何を口走ったのか、自分でもわからなかった。一瞬だけ、頭が真っ白になった。
「…ぁ……」
 時が、動く。
 開き戸の開いた窓枠に、小鳥が止まり、ひと啼きして、再び飛び去って行った。
「…ったく」
 ガリガリと零幻が頭を掻いた。
 “ふう”と溜息を吐いた。
 それだけで翼はもう身を縮み上がらせ、首を竦め、自分の主人の胸の内を思って恐れ戦(お
のの)いた。
「なあ、おめーは、オレの何だ?」
「え?…い、いきなりなにを…」
「何だ?と聞いてる」
 怒っている。
 わざわざ確認しなくても、声音だけでわかった。
 自分はこの主人と、もう8ヶ月近くも一緒に旅をしているのだ。
「そ…それは………使役魔…です」
「そうだ。そしてオレはお前の、なんだ?」
「……御主人様です」
「そうだ。なあ、その使役魔のお前が、なんで主人であるオレに立てつくわけ?」
 冷たい、言葉だった。
 今まで、零幻が自分と翼の立場をこれほど明確にした事は、ここ2ヶ月の間無かったはずだ。
55私がここにいる理由(7):04/05/11 00:51 ID:zOHMK7UD
>54
 翼にはわかっていた。
 これは、自分が招いた事だ。決して触れてはいけない、御主人様の傷を抉ってしまったのだ。
「わ…私は別に……」
「イヤなら、その指輪を外せ」
「…えっ!?」
 一瞬、翼は何を言われたのか、わからなかった。
 零幻が練って念刻した指輪を外す。
 それは、主従の契約を解消するという事だ。
「外せ。そーすればお前は自由だ。オレを食うも殺すも自由だ。だが、そうすれば日が3度昇る前にお前
はまた石になる」
「…っ……」
「石になって、また何千年もたった一人で、一人ぼっちで、誰にも知られず、誰にも気付かれず、誰にも
顧(かえり)みられる事も無く、ただの石として暗闇に沈む。それでもいいなら、その指輪を外せ」
「……りょ…零幻さ…ま…」
 冷たく暗い王都の、宝物殿地下壕に打ち捨てられるように転がっていた石。
 それが、数千年前、龍神の娘でありながら神に連なる王の肉を食らった罪で姿を変えられ封印された翼
だった。その翼を、偶然とはいえ、再びこの世界に解き放ってくれた恩人。それが零幻だった。
 王が反天し、天意に背いて狂王となり、翼は彼の身を護って王都を脱した。
 それから、様々な事があった。
 呪人は亜人を使役魔とする際、その精気を分け陰気を練り、力とする。陰気を受け『刻魂』するたびに、
亜人は強くなってゆく。
 また、龍人である翼が父神である龍神のおわす天界に昇るためには、それはどうしても必要な事だった。

 だから、精を通じ零幻から陰気を受けた。
 肌を…合わせた。

 数千年生きて、初めての体験だった。
 零幻の精を身体の奥深くに受け、そして零幻の魂の空洞を知った。飄々(ひょうひょう)とした面影か
らは想像も出来ないほど、哀しい体験を経てきたのだと知った。
56私がここにいる理由(8):04/05/11 00:53 ID:zOHMK7UD
>55
 何度も……何度も何度も、肌を、合わせた。
 肌を合わせ、
 貴方には私が必要です。
 私には貴方が必要です。
 そう、言葉に出来ない言葉を伝え続けてきた。
 つもりだった。

 けれど。

「もう一度聞くぜ?お前はオレのなんだ?」
 御主人様の…愛しい人の言葉が、冷たく心を裂いてゆく。
 俯いた翼の目から、ぽたぽたと涙がこぼれた。
「……使役魔……です…」
 翼は、そう呟いて、そして、閉まる扉の音を……聞いた。
57☆ ◆QT4umEMRFs :04/05/11 00:54 ID:zOHMK7UD
>56
ここまで。
一応推敲しましたが……。

さて、次はえち……のはずなんですけど…。
ええと…(やばい)。
58名無しさん@ピンキー:04/05/11 01:11 ID:bijHqxOI
まだ読んでないから内容については語れないけど、
とりあえず振り仮名は要らない。

特殊な読み方とか、固有名詞とか、この様に読んで欲しいという場合を除いて振り仮名は不要。
嘲笑(ちょうしょう)とか、庖丁(ほうちょう)とか、誰でも読める様な漢字に振り仮名を付けたら、それだけで読むリズムが崩されてしまう。
59名無しさん@ピンキー:04/05/11 01:18 ID:xe4zcDsS
理解るを「わかる」と読ませたいのなら
「ワカる」と板垣風にしてしまえばうわなにものd
60名無しさん@ピンキー:04/05/11 01:19 ID:r8ODduFP
そうだねえ。
余計とも思える振り仮名が特に前半に多い。
よほど読みにくいもの以外にはいらない…というのも知識は人それぞれだし、
いっそ無くてもいいと思う。
61名無しさん@ピンキー:04/05/11 01:39 ID:bijHqxOI
とは言え、振り仮名以外の部分では文章はしっかりしてるし展開的にもツボ

続きをキボンするもの也!
62名無しさん@ピンキー:04/05/11 01:53 ID:07FTHVUM
これだと、ばいあくへーさんはすでに性行為がトラウマになっててもおかしくないよな……。
触られるだけで反射的に体が強ばったり、いきなり泣き出したりしそう……。
……妄想してたらさらに萌えてきた。

>>57
乙。文章とかしっかりした感じがあってイイ!

みんなも言ってるけど、冒頭部のヴィジュアルな描写は勢いがあって良いので
その良さを殺がないためにも振り仮名は外した方が良いと思う、に一票。
63名無しさん@ピンキー:04/05/11 03:16 ID:pR0oaOVO
(*゚∀゚)=3 ぃぇぁ
64ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 04:57 ID:+YBFMigX
 僕はあまり他人を恨んだ事が無い。
 いや、もちろん人並みに誰かを嫌ったり、敵意を向ける相手と喧嘩ぐらいはした事があるけど、
基本的に僕は小心者で無用なトラブルはできるだけ避けようとする、挑戦心とは無縁な性格だからだ。
ある意味、根性無しと言われても仕方ないかもしれない。
 しかし、今、僕は、生まれて初めて『殺意』のレベルまで他人を恨んだ。
 雲井 明――“そいつ”が再び僕の前に出現していた。
「ほう、そんな目ができるとは意外だな。もっとヘタレで腰抜けの根性無しだと思っていたぜ」
 ……本当に言われちゃったよ。しかも3倍増しで。
 コケそうになる意思を総動員して、僕は思いっきり迫力を込めて相手を睨んだ。
 人間じゃないとはいえ、あの“ばいあくへー”さんをあそこまで虐待できるなんて、
同じ人間という種族として許せない。この男をどうにかしないと、
僕は恥ずかしくて“つぁとぅぐあ”さん達に顔向けできない気がするんだ。
「御主人様、ぼーっとしてないで下がってくださイ!」
「わん、わぉん!!」
 ……ガンを飛ばしていたつもりだったんだけどなぁ。
 すかさず“しょごす”さんと“てぃんだろす”が僕をかばうように、
雲井氏とその背後に控える“らーん=てごす”さんと“ひぷのす”さんの前に立ち塞がった。
あ、ついでに人質になってる日野さんの前にも。
「ついでなんてヒドイです〜!!」
 泣き叫ぶ日野さんの首筋を、“らーん=てごす”さんが鋭い爪先でつい、と撫でた。
それだけで、彼女は短い悲鳴を漏らして崩れ落ち、
“らーん=てごす”さんに支えられながら気絶してしまった。
65ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 04:59 ID:+YBFMigX
 雲井氏があの嘲笑的な目で僕を睨む。
「言うまでも無いだろうが、余計な事は考えるなよ赤松。さもなければこの女の命は――」
「言うまでも無いと思いますガ、日野様を人質にしてモ、私とこの子には何の意味もありませんヨ」
「わ、わぅん?」
「ちょ、ちょっと“しょごす”さん、そんな乱暴な……」
「御主人様、こういう場合は相手に弱みを見せてはいけないのでヨ。たとえ本心は別としてもでス」
「……そういう台詞は、相手の前で口に出さない方がいいと思いますけど」
「ソ、そうでしタ……でモ、私の場合はあながち嘘ではありませんかラ」
“しょごす”さんの淡々とした脅しにも、雲井氏は動揺の気配なんて欠片も見せなかった。
「そうか、じゃあそっちを人質にしよう……“ばいあくへー”!!」
「!!」
 次の瞬間、背後から伸びてきた機械と腐肉が融合した触手が、
一瞬にして僕の体を雁字搦めに拘束した。
「“ばいあくへー”さん!?」
 し、しまった。あいつに気を取られて、彼女の存在を一瞬失念しちゃってた。
『……動かないで。抵抗しなければ、今すぐ殺される事はないから』
 僕にだけ聞こえるように物騒な台詞を言う“ばいあくへー”さん。その不気味でおぞましく、
そして悲しそうな響きに、僕の抵抗の意思はたちまち萎えてしまう。
まるで僕が彼女を苛めているみたいな気がするんだ。
「……だめだ、もう降伏しよう」
 僕はかろうじて動かせる片手を振って、降参の意を伝えた。
「御主人様!?」
「あぉおん!!」
「そうだ、無駄な抵抗は止めるんだな。
どのみちショゴスロードとティンダロスの猟犬では、この戦力差は埋められねぇよ」
 しばらく雲井氏を睨んでいた“しょごす”さんと“てぃんだろす”も、やがてがっくりと肩を落とす。
 もう……ダメだ。
 雲井氏の勝利の哄笑を、僕達は呆然と聞いていた。
66ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 05:00 ID:+YBFMigX
「……さて、これからお前をハスター教団に連れていって、盛大におもてなしする所だが……その前に」
 突然、雲井氏が“しょごす”さんの巨乳をメイド服の上から鷲掴みにした。
「――あッ」
 ワンテンポ遅れて、“しょごす”さんが甘い声を漏らす。
雲井氏はそのまま強引に彼女の身体を抱き寄せた。
「俺はあんたみたいなタイプが好みなんだ。どうだ、あんなマヌケな奴は捨てて、俺の女になれよ」
「ミ、見損なわないで下さ――ああうッ!!」
 気丈な顔で目の前の男を睨もうとする“しょごす”さんだけど、右手で形の良い巨乳を揉み潰され、
背中に回した左手でお尻を撫でられると、たちまちその息が荒くなって、糸目をトロンと綻ばせていく。
 トホホ……しっかり感じちゃってるじゃないですか。“しょごす”さぁん……
「言っておくが、少しでも余計な事をしようとすれば、その瞬間、あの男の命はないぜ」
 “しょごす”さんの耳たぶを甘噛みしながら、雲井氏はささやいた。
「がるるるるるる……」
 “てぃんだろす”が四つん這いになって雲井氏に唸り声を上げる。
いや、それは彼に無抵抗のまま愛撫されている“しょごす”さんに向けられた物なのかもしれない。
でも……
「きゃうん!?」
 妖艶な美貌の半分を銀の仮面で隠した美女――“ひぷのす”さんが、
背後から素早く“てぃんだろす”を抱きかかえた。
ジタバタ暴れる“てぃんだろす”を、虹色のマントで自分ごと包むと――
「ひゃうん!! わうぅ……ぁあん!!」
 今度は“てぃんだろす”が甘い声を漏らし始めた。そのマントの中でどんな行為が行われているのか、
首から下をマントで隠された“てぃんだろす”は、瞳を潤ませながら肌を上気させて、
切なそうに悶えながら嬌声を放っている。
「なんやなんや、何もできへんのはウチだけやないか。損な役目でごわすなぁ……」
 腕の中でぐったりと気絶している日野さんを藪睨みしながら、“らーん=てごす”さんが唇を尖らせた。
67ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 05:02 ID:+YBFMigX
 そして――
「あぉおおおおおおん……!!」
 一際大きな悲鳴にも似た嬌声を上げて、仰け反るように天を拝んだ“てぃんだろす”は、
そのままカクンと失神してしまった。
 “ひぷのす”さんが虹色マントを振り払う。
 ぱふっと床に崩れ落ちた“てぃんだろす”は、いつのまにか全ての服を脱ぎ捨てられていて、
まだビクビク震えるペニスから射精したザーメンで自分の下腹部を白く染め、
女性器からはこぽこぽと愛液とオシッコを垂れ流していた。
 ど、どんな事をされたのだろう?
「んはぁ……はむぅ…美味し…んんぅ」
 ぴちゃぺちゃと卑猥な音が響いた。
「し、“しょごす”さん?」
 見れば、“しょごす”さんが雲井氏の前で膝を付き、
剥き出しになったペニスをうっとりとした表情でパイズリしているじゃないか。
その豊かな乳房の間に勃起した肉棒を挟み、左右の乳肉で擦り合わせるように刺激して、
突き出た亀頭をアイスキャンディーのようにしゃぶる……あああ、何だか寝取られたみたいでとっても悲しいぞ。
「うぉおお……いいぞ、よし、ケツを向けろ」
「ふふフ……はイ、どうゾ」
 言われた通りに前屈みの姿勢でお尻を向けた“しょごす”さんは、
ゆっくりとじらすようにメイドスカートをめくり上げた。
ガーターベルトだけで下着を着けていない“しょごす”さんの秘所が丸見えとなる。
何の愛撫もされていないのに、しっとりと濡れたそこに、雲井氏はいきなりペニスを突き刺した。
「んぁあああア!! ソ、そんナ…いきなリ……はぁああァ!!」
「オラオラ!! ガンガンいくぜ!!」
 宣言通りにガンガン腰を叩きつける雲井氏。その動きの激しさは明らかに常軌を逸していた。
おそらく“しょごす”さんの『人外の誘惑』に支配されているのだろう。
 そして――
「うぉおおおおおお――!!」
 獣のような雄叫びと同時に、雲井氏は“しょごす”さんの中に放って――
68ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 05:05 ID:+YBFMigX
 ずるり
「――っな!?」
 いや、射精する直前に“しょごす”さんは雲井氏から離れたんだ。
射精寸前の状態で爆発しそうなペニスが、容赦なく“しょごす”さんの美味しそうなお尻から抜き取られる。
当然ながら、生殺し状態の雲井氏は吼えた。
「お、おい! まだ終わって――」
「いいエ、終わりましたヨ」
 一瞬にしてメイド服を着直した――というより、
原形質の身体をメイド服状態にした“しょごす”さんは、糸目を妖しく歪めた。
「時間稼ぎは終わりましタ」
 その時、押入れが内側から爆発するように開いた。
同時に中から飛び出したのは、蠢く焦げ茶色の髪の束と、黒い着物姿の無表情な美少女“いたくぁ”さん。
そして体操服にブルマ姿の――まだセーラー服は直ってないらしい――“あとらっく=なちゃ”さん。
それに灰色のフレアスカートを広げた超絶美少女“あぶほーす”さんまでが降臨したんだ。
「なっ!? ば、ばかな、何時の間に!?」
 慌てて“ひぷのす”さんと“らーん=てごす”さんの側まで離脱した雲井氏は、心の底から動揺しまくっている。
「あの子と“つぁとぅぐあ”神に頼まれましたの……ふぅ、あまり手間をかけさせないで下さいな」
 ブルマ姿でも妖艶な雰囲気を崩さない“あとらっく=なちゃ”さんの視線の先には、
“つぁとぅぐあ”さんのものらしい焦げ茶色の髪の束と――それに包まった“おとしご”ちゃんの姿があったんだ。
 そこで初めて、僕は自分の手首から黒いミサンガが消えている事に気付いた。
 そうか、この危機的状況で“おとしご”ちゃんが出現しないのが疑問だったのだけど、
誰にも気付かれずにこっそりとン・カイへ救援を求めに行っていたのか。
さすが“おとしご”ちゃん、ナイス判断だよ!
69ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 05:06 ID:+YBFMigX
「まったク、どうせならもっと上手にして欲しかったでス。感じる演技するのが大変でしタ」
 小馬鹿にしたような“しょごす”さんの台詞に、雲井氏はここまで聞こえるくらい強く歯軋りした。
「“いたくぁ”神に“あとらっく=なちゃ”神、それに“あぶほーす”神だと……
馬鹿な!! お前達に赤松を助ける義理は無い筈だ!!」
「……ヘイ……無いっス……けど……」
「“つぁとぅぐあ”神に頼まれましたの。我々には我々の義理というものがあるのよ。
人間のそれとは異質の概念ですけど」
「…………」
「お……おおお……おのれェェェ!!!」
 雲井氏の瞳の色が変わった。明らかな狂気の色だ。
「“ばいあくへー”!!奴を殺せ!!」
 背筋の凍るような命令――そうだ、まだ僕の生殺与奪権は、彼女に握られている。
『…………』
「どうした!?早く殺せ!!」
 でも――“ばいあくへー”さんの触手は動かなかった。動かなかったんだ。
『……命令を拒否します』
「なっ……なぜだ!?」
『……今、赤松氏を抹殺すれば、その瞬間に雲井様も八つ裂きにされるでしょう。
冷静になって下さい』
「う、う、五月蝿い!!肉便器風情が俺に逆らうな!!言われた通りに――」
「……もういいわ。あいつ、用済みね」
 その時――僕の耳に聞き覚えのない声が届いた。
 いや、正確に言えば、発音そのものには記憶がある。
違和感を感じたのは、その声の主が、そんな発言をするとは思えなかったからだ。
 まさか――
70ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 05:09 ID:+YBFMigX
 どしゅ!!
 身の毛のよだつような音が、部屋中に轟いた。
「……が…ぁ……ぁあ……はぁ…」
 驚愕の表情で固まった雲井氏の口から、ゴボゴボと音を立てて赤黒い血が零れ落ちる。
その胸の真ん中から、血塗れの手首が生えていた……“らーん=てごす”さんの手首が!!
「わ、わぅ!?」
「これハ……」
「あら、面白い」
「…………」
「……14行き?……」
 僕は声も出せなかった。
 ずるり、と嫌な音を立てて、“らーん=てごす”さんの血に染まった手が抜き取られる。
糸の切れた人形みたいに、床に崩れ落ちた雲井氏の向こうには――
「どこまでも使えない男ね……ほんと、それに相応しい死に方だわ」
 “ひぷのす”さんにロープを解かれた日野さんが、
ふてぶてしいまでに不遜な態度で、雲井氏を見下ろしていたんだ。
 あの日野さんが――!?
「……ば…か……な……裏切っ…た……の…か……お前……達ッ……!?」
 全身血塗れになりながらも、体を起こそうとする雲井氏の驚愕と憎悪に満ち満ちた眼差しは、
日野さんの左右に控える“らーん=てごす”さんと“ひぷのす”さんに向けられている。
「裏切ってなんかいないわよ。初めから“らーん=てごす”神と“ひぷのす”神は、
私と『接触』した邪神だったの。私の指示で、あんたに仕えているように見せかけていただけなのよ』
「……な……に…ぃ……?」
「あんたは最初から“はすたー”神と、その奉仕種族の“ばいあくへー”としか『接触』していなかったわけ。
ホントに馬鹿よねぇ……“はすたー”神は人間の為に自ら動くような神じゃない。
唯一あんたの味方だった“ばいあくへー”を、そんな風に虐待するなんて」
「……ぁ…ぁあ……」
『…………』
71ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 05:10 ID:+YBFMigX
「もう少しあんたが利口に動いてくれたら、私ももう少し甘い汁を吸えたのに……
ま、もういいわ。あんたの役目は終わりよ。早く死んでちょうだい」
「……ぉ………ぉ……」
「何よ、あんたは薄汚い悪役でしょ? 悪役は悪役らしく、惨めに泣き叫びながら、見苦しく死になさい」
「…………」
 それで人を殺せるくらい殺意を込めた視線を、日野さんに向けていた雲井氏は、
やがてゴボリと大きな血の塊を吐いて――そのまま永久に動かなくなった。
「…………」
 あまりの事態に、僕は頭の中が真っ白だった。
信じられない光景が立て続けに起きて、何が真実で何が偽りなのかも分からなくなっている。
そんな僕の意識を現実に戻したのは、
日野さんが鬱陶しそうにトレードマークのぐるぐる眼鏡を外した事だった。
 なんて綺麗な――そして冷酷そうな眼差しなんだろう。
彼女が牛乳瓶の底みたいな眼鏡をかけていたのも当然だ。
あんなに美しく、そして邪悪な美貌を素で外に晒していては、
周囲の人間が怯えてしまい、まともな日常生活を送るのは不可能に違いない。
「……どういう事なんですか、日野さん」
 僕はようやく、その一言を搾り出せた。
「説明する必要はないでしょ? これが本当の私。
あんたや雲井は私に騙されて、まんまと手の平で踊ってくれたわけよ。
本当はこのままあんた達を同士討ちさせるつもりだったんだけど、
あのバカが自惚れたおかげで、計画がぶち壊しになったわ」
 そういう事か……僕の知る気弱でオドオドしていた日野さんの姿は、
全て他の『接触者』を騙すための演技だったんだ。
おそらく、雲井氏や龍田川さんにも、同じように自分が無害な仲間だと思わせていたに違いない。
72ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 05:13 ID:+YBFMigX
「……さて、このままあんたを始末してやりたいけど、
『外なる神々』が一柱、『旧支配者』が三柱もいては戦力的に不利よね。ここは退散させてもらうわ」
 億劫そうに肩をすくめる日野さんを、“ひぷのす”さんが虹色のマントで包んだ。
そのまま“らーん=てごす”さんも一緒に足元がどんどん薄れていく。
「あら、そう簡単に逃げられると思って?」
 “あとらっく=なちゃ”さんの右手が、グロテスクな外骨格状の鉤爪に変貌する。
しかし、それを見ても日野さんは余裕そうだった。
「いい事教えてあげる。先日、あんたにン・カイを案内してもらったでしょ?
その時、あそこにちょっと細工をさせてもらったわ」
 ぞわり、と背筋の産毛が逆立つのを覚えた。暗黒世界ン・カイに仕掛けを?
……“つぁとぅぐあ”さんの住処に!?
「壁の大穴から外を見てごらん。ちょうど見える時間よ」
 彼女の言葉通り、僕は大穴の外を見て――そこで信じられないものを見た。
 緑色に輝く美しい――そして恐ろしい巨大な火の玉が、遥か上空に浮かんでいるんだ。
どれほど巨大な火球なのか、相当に距離が離れている筈なのに、
それは満月以上の大きさで空に浮かんでいる。
しかも、それは少しずつ――しかし目に見えてはっきりと大きくなっていく!!
「あたしがン・カイにした細工は、簡単に言えば誘導灯よ。
あの『緑の火焔』“とぅーるすちゃ”神の炎を送り届ける為のね」
 日野さんと“ひぷのす”さん、“らーん=てごす”さんの姿は、もうほとんど消えかけていた。
「安心しなさい。“とぅーるすちゃ”神の炎は、ほとんどがン・カイに送り込まれるから、
地上世界はあんたの家から半径数キロが消滅する程度で済むわ。
ン・カイがどうなるのかは……説明するまでもないね。『外なる神々』の炎、絶対に防ぐ事は不可能よ」
 最後に盛大な高笑いを残して、日野さん達は虚空に消えてしまった……
「きゅぅん……」
 “てぃんだろす”が不安そうに僕の足元に寄って来た。
でも、そんな目で見られても、僕にはどうしようもない。
「直径400km前後の火球ですネ。まともに地球に落ちると仮定するなラ、
地球ばかりか太陽系の火星公転半径まで完全消滅するでしょウ」
 “しょごす”さんも実に物騒な予想をしてくれた。
73ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 05:15 ID:+YBFMigX
「また面倒な事をしてくれますわね」
「……75被害点……」
「…………」
 みんな特に慌てたりしないのは、完全に諦めたのか、この脅威から逃れられる手段を持っているのだろう。
それに頼れば、僕も助かるに違いない。
でも、ここで僕の家が消滅して、ン・カイへの入り口が消えてしまったら……
……もう、2度と“つぁとぅぐあ”さん達に会えなくなってしまう!!
 なんとかしなくては……でも、どうすればいいのだろう?
あの火の玉を消す事ができるのなら、僕が頼まなくてもとうの昔にこの場の誰かが実行している筈だし……
……あ、そうだ!!
 僕はポケットのふくらみを思い出した。
『銀の鍵』があったんだ!!
“ばいあくへー”さんの話では、夢の世界に渡る資格のない僕でも、
この鍵から力を借りれば一度だけどんな願いもかなえる事ができるという。
それであの火の玉を消してしまえば――
『……駄目よ』
 背後からの恐ろしく、おぞましい声がポケットに進む僕の手を止めた。
『……“世界変革”の力を持つ鍵を、こんな即時的な危機に使ってはいけないわ……ここは私に任せて』
 そして、その声の悲しさに、僕ははっとした。まさか……
「あの火球を止める事ができるんですか?」
『……可能よ』
 僕は少しずつ不安になってきている。彼女の声が、どんどん悲しい響きに聞こえるからだ。
「止めてくれるのは嬉しいですけど……まさか自分の身を犠牲にするなんて事はないでしょうね!?」
 “ばいあくへー”さんは笑った。明るい笑い声だった。そう、悲しいくらいに明るく。
『……そんな古臭いパターンに倣う気はないわ。
自己犠牲も最近流行らないしね。大丈夫、私は死なないから』
 蒼い、蒼い、蒼い――果てしなく蒼い光が、カーテン越しに部屋の中へと差し込んだ。
僕の人生において、今後これほど美しく、そして悲しい輝きを見る事は二度とないだろう。
 蒼の光が、世界に満ちて――
『……ごめんなさい』
 ――消滅した。
74ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 05:16 ID:+YBFMigX
「“ばいあくへー”さん!?」
 僕は愕然とベランダに踊り出た。いない。“ばいあくへー”さんの姿は何処にもない。
「わぉん!」
 “てぃんだろす”が僕のズボンを引っ張って、上空へと促した。そこには――
「――っ!?」
 遥か天の高みに、蒼き光球が昇っていく。その先には、巨大な緑色の火球が迫りつつあった。
 そして、蒼と緑の光が交錯して――
(……ごめんなさい)
 青緑色の光の粒子が、四方八方に爆発した。
「ば、“ばいあくへー”さん!?」
 きらきらと輝く光の粒が、雪のように天から舞い落ちてくる。
それは地面に触れると儚く消えていった。
「……『“とぅーるすちゃ”神の炎』の反応消滅を確認しましタ」
 “しょごす”さんの口調はひどく重い。僕は形振り構わず彼女に掴みかかった。
「“ばいあくへー”さんはどうなったんですか!?」
「……それハ――」
 ドサッ……
 その落下音に、僕の背筋は凍りついた。
 振り向きたくない。でも、振り返らずにはいられない。
 そして、そこには――半分溶解した金属性の翼の破片と、
申し訳ばかりにこびり付く焦げた腐肉だけがあった。
「…………」
 僕は無言でへたり込んだ。頭の中でキーンという音が延々と響いて、何も考えられない。
 以前、これと同じ感覚を味わった事がある。高校入学の朝、父が目の前で車に轢かれた時だ……
(……ごめんなさい)
 最後の“ばいあくへー”さんの、恐ろしく、不気味で、おぞましく、
そして悲しい声――それだけが、蒼い光の雪の中、頭の中で何度もリフレインしていた――
75ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 05:17 ID:+YBFMigX
「――という事があったんですよ」
「まぁ……それは大変でしたねぇ」
 翌日、“つぁとぅぐあ”さんに供物を捧げに行った僕は、昨日の事件の顛末を話していた。
「“ばいあくへー”さんも酷いですよね。自己犠牲なんて流行らないとか、
古臭いパターンは嫌だとか言ってて、あんな事をするんですから。
まったく、謝るくらいなら初めからやらなければ――」
 柔らかく、暖かく、優しい感触に僕は包まれた。
「ボクには人間の感情はよくわかりませんがぁ……」
 僕をそっと抱き締めた“つぁとぅぐあ”さんの手が、優しく頭を撫でる。
「泣きたい時はぁ……思いっきり泣いた方がいいと思いますよぉ」
 僕は言われた通りにした。
76ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 05:19 ID:+YBFMigX
 ――さらに翌日、珍しい事に“あぶほーす”さんに呼ばれた僕は、
“おとしご”ちゃんの案内で、暗黒世界ン・カイの最深部へと案内された。
何の用なのかはさっぱりわからないけど、先日の件でお礼を言いたかったから、僕にとっても丁度いい。
 奥に奥に進むにつれて、光源代わりの水晶の柱も数が少なくなり、
先導する“おとしご”ちゃんの手に掴まらないと、真っ直ぐ進めないくらいになってきた。
 やがて、ついに光源が無くなり、文字通り世界が暗黒に包まれようとしたその時――
まばゆい輝きが、世界に満ちた。
いや、実際はほんの少し明るくなっただけなんだけど、
そう錯覚するくらい、輝くように美しい美少女が視界に飛び込んで来たんだ。
 レースにフリル、オーガンジーを多用した灰色のゴシックロリータ風ドレスは、
フレアスカート部分が異常なまでに長く、床に広がる様はまるで灰色の泉のように見えた。
短く切り揃えた銀髪と、物静かに沈思するような落ちついた顔立ちは、驚愕を通り越して戦慄するくらい美しい。
 どちらかといえばアダルトで成熟した大人の女性が好みな僕でも、
一瞬で幼児愛好者に鞍替えしそうな超絶美幼女――“あぶほーす”さんだ。
「……ええと、僕に何の用でしょうか?」
 ミサンガ状態に戻った“おとしご”ちゃんに、手首をきゅっと締められて、
僕は我に帰って“あぶほーす”さんに話しかけた。
どうやら、たっぷり十数分間は見惚れていたらしい。
「…………」
 “あぶほーす”さんは、相変わらず無言、無表情のまま、スカートの中から何かを取り出した。
その際、触手のような物が見えた気がするけど、忘れよう。
 それよりも、取り出されたものを見て、僕は絶句したんだ。
 溶解しかけた機械の翼と、焦げた肉片――思わず目を反らした。
昨日、“つぁとぅぐあ”さんに慰められた悲しみが、再び僕の心を侵食し始めて――
「…………」
 しかし、その言葉を聞いて、僕は思わず“あぶほーす”さんのスカートを踏みしめながら、
彼女に猛烈な勢いで詰め寄った。
「“あぶほーす”さんを再生させる!? 本当ですか!!」
77ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 05:22 ID:+YBFMigX
「…………」
「え? 再生じゃなくて生まれ変わり? あと、スカート踏むな?
そんな事はどうでもいいです!! 本当に彼女が生き返るのなら、ぜひお願いします!!」
「…………」
「以前の“ばいあくへー”が甦るわけじゃない? 新たな生命として転生させるだけ?
……それでもいいのかって?」
 沸騰していた頭の中が、急速に冷めていく。
「……それは……」
 “ばいあくへー”さんが生き返る――それは嬉しい。本当に嬉しい。
 しかし、以前の彼女がそのまま甦るわけではないらしい。
それに、本人に承諾を得たわけではない、僕の勝手な行動だ。
そんな事をしても、彼女は全く喜ばないかもしれない。
僕が『銀の鍵』で彼女を復活させないのも、そう皆に諭されたからだ。
 でも――
「……お願いします。“ばいあくへー”さんを生き返らせて下さい」
 僕は自分のわがままを押し通す事にした。これはきっとエゴだろう。
でも、僕は彼女に悲しみ以外の感情を与えたいんだ。
「…………」
 “あぶほーす”さんは微かに頷くと、再びスカートの中に翼と肉片を戻した。
その際、ばりばりむしゃむしゃごくんと何かを咀嚼する音が響いた気がしたけど、
幻聴という事にしよう。うん。
「…………」
「え? 今から復活を手伝えって? はい、それはもちろんOKですが……何をすればいいのですか?」
「…………」
「はぁ、“あぶほーす”さんとSEXしろと……って、なにィ!?」
 さすがに僕は驚いた。少しはこの展開を予想もしたけど。
78ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 05:27 ID:+YBFMigX
 彼女とセックスするって……あんな幼い彼女とできるのか!?
あ、“おとしご”ちゃんや“つぁーる”&“ろいがー”ちゃん達とはできたか……
……いやいや、そういう事じゃなくて。
 ひょっとして、僕と“あぶほーす”さんの間に生まれた子供が、転生した“ばいあくへー”ちゃんだとか!?
「…………」
「少し違う? 産んだ子供が転生体なのは確かだけど、
僕とのSEXはただのきっかけであって、全然関係無い?
はぁ……でも、なぜ“ばいあくへー”さんを生き返らせてくれるのですか? いや、もちろん有難い事ですが」
「…………」
 今度は何も話してくれなかった。まぁ、きっとこれも人外の存在特有の、
人間には全く理解できない異次元の思考によるものなんだろう。
「…………」
「早く始めよう?……わかりました。では――」
 僕は身を屈めて“あぶほーす”さんのお人形さんみたいに可憐な顔を正面から見つめた。
そのまま彼女に吸い込まれるように、自然に唇を合わせる。
色素の薄いピンク色の唇をついばむようにキスして、本当に小さな舌先をチロチロと舐め合った。
手の平に感じるマシュマロのように柔らかな頬と、甘い銀髪の感触が心地良い。
指先でみみたぶをくすぐるようにマッサージして、伸ばされた舌を唇で咥えると、
“あぶほーす”さんの大きな黒目がちの瞳が、徐々にうっとりと潤んでくるのがわかる。
「…………」
「ほら、もっと声を出していいんですよ」
 少しずつ息を荒げる“あぶほーす”さんの胸を、ドレスの上からそっと揉む――いや、撫でる。
揉めるほどの大きさが無いんだ。このままではあまり面白くないので、僕は彼女のドレスを脱がそうと――
「……えーと」
 脱がそうと――
「……どこかにチャックかボタンは……」
 脱がそうと――
「…………」
79ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 05:29 ID:+YBFMigX
 見かねたらしい“あぶほーす”さんが自分の肩に手を当てると、
魔法のようにドレスがスカートを残して床に落ちた。
素肌の上に直接着ているらしく、一糸纏わぬ上半身があらわとなる。
雪のように白く銀のように艶やかな裸身は暗黒の背景に栄えて、息を呑むような美しさだ。
ほとんど純白に近い薄桃色の乳輪が可愛らしい。
「…………」
「ほら、気持ちいいですか?」
 腕じゃなくて手で抱えられるくらい、“あぶほーす”さんの体は小さくて幼い。
僕は彼女の腋の下を両手で掴み、ゲーム機のコントローラーを操作するみたいに、
親指で小さな乳首をクニクニと押し潰した。
親指の腹に本当に小さな乳首が少しずつ固くしこってくるのが感じられる。
“あぶほーす”さんは泣きそうな表情でイヤイヤしながら、僕の胸に顔を埋めて快楽の波に耐えているようだった。
「では、そろそろ……」
 幼いながらもしっかりと自己主張した乳首から手を離した僕は、“あぶほーす”さんの背中に手を這わせた。
背筋を指先でツツーっと撫でると、ぞくぞくっと震えながら僕の首元に齧り付いてくれる。
そのまま僕は彼女のスカートの中に上から手を差し込んで、お尻を愛撫しようと――
「――!?!?」
 名伏しがたい異次元の感触が、僕の手を襲った。
身体中が総毛立った次の瞬間、しかし僕の手の平には、すべすべとした手触りの良いお尻の感触がある……
……えーと、さっき僕は何を触ったんだろう?
「…………」
「え? 気にするな?……わ、わかりました」
 言われた通りに気にしない事にして、僕は“あぶほーす”さんのお尻を存分に味わった。
ほとんど脚の延長みたいに肉付きの無いお尻だけど、その分柔らかくてすべすべしている。
僕は思う存分尻肉を揉みまくり、指に食い込む感触を満喫した後、お尻の割れ目に指を運んだ。
80ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 05:30 ID:+YBFMigX
「…………」
 ぎゅっと僕の胸にしがみ付く“あぶほーす”さん。1本も皺のないアヌスをクリクリと撫でて、
スジ状の性器を指先で開く。クリトリスも膣口もまとめて1本の指で愛撫できるくらい幼い性器だ。
たまらない背徳感が僕の心を侵食する。
サラサラだった秘所の感触は、だんだんニュルニュルとなり、今はクチュクチュと指全体を濡らしていた。
「…………」
「もう、入れて欲しい? では、さっそく……」
 僕の方もそろそろ限界が近付いていた。さっそく“あぶほーす”さんのスカートをめくろうと……
……って、このスカート大き過ぎるよオイ。
今も広げたスカートの上に乗って彼女を愛撫しているくらいだ。さて、どうしようか……?
「…………」
「え? そこで横になれ? は、はぁ……」
 彼女に言われた通りに仰向けに寝転がる。
いつのまにか僕の下半身は剥き出しになっていたけど、そんな事はどうでもいい。
 すっ――
「え?」
 驚いた事に、僕の下半身だけが灰色のスカートを擦り抜けて、中に潜り込んでしまったんだ。
さすが人外の存在。どういう原理かはさっぱりわからないけど、物体透過なんて朝飯前なんですね。
 そして、“あぶほーす”さんは僕の真上に移動すると――すとん、とそのまま腰を落とした。
「――!?!?」
 声の無い絶叫が僕の口から凄まじい勢いであふれた。
快感と呼ぶには強烈過ぎる衝撃が、僕のペニスを――いや、僕の下半身全体を襲ったんだ。
これは気持ち良いなんて生易しいレベルじゃない。この快感はあまりに危険過ぎる。
そのまま発狂してもおかしくはないだろう。
81ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 05:31 ID:+YBFMigX
 大体、この感触はセックスのそれとは全然違うぞ!?
下半身全体をウネウネグチョグチョニュルニュルグチャグチャした『何か』で包み、
凄まじい勢いで蠢いているんだ。
スカートの中に隠れた今の僕の下半身は、どんな状態にされているんだろうか?
いや、それ以前に“あぶほーす”さんの下半身は、一体どんな姿なんだ!?
 ただ――恐ろしいほど気持ちいい。ただひたすら気持ちいい。
あまりに気持ちが良過ぎて、いつ射精しているのか全くわからない。
おそらく、ずっと射精しっぱなしなんだろう。
「…………」
 “あぶほーす”さんも、可憐な顔を上気させた女の表情で、快楽を貪っているようだ。
彼女が騎乗位の体位で上下する度に、切ない吐息がどんどん熱くなっていく。
 そして――
「…………ッ!!」
 幼い身体とオソロシイ下半身を震わせて、“あぶほーす”さんは絶頂を迎えた……らしい。
その時、僕はすでに意識とSAN値を完全に失っていた……
82ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 05:33 ID:+YBFMigX
「……はっ!?」
 まるで頭に水をぶっかけられたような勢いで、僕は気絶から目覚めた。
意識とSAN値を回復した僕は、よろよろとよろめきながらも何とか身体を起こそうとして……
……またへたりこんだ。
 下半身がまるで綿みたいだ。しばらく休まないと1歩も動けないだろう。
「…………」
 そんな僕の様子を、いつもの無表情に戻った“あぶほーす”さんが、無感情に見つめている。
さっきまでの痴態が嘘のような落ち付き振りだ。
 でも――
「えええっ!?」
 僕は目を見張った。“あぶほーす”さんの灰色のドレス姿の下腹部が、ぷっくり膨れているからだ。
ひょっとして……もう御懐妊なんですか?
それにしても……幼女妊婦って……何だか今までで最大級に背徳的な姿ですね……
「えーと……とにかくおめでとうございます」
「…………」
「え? 数ヶ月後には産まれる!?」
 そうか……また彼女に会えるんだね――!!

 12年後――成長した彼女とその仲間達によって、
再び『邪神』達を巻き込んだ大騒動が起こるのだが――それはまた別の物語である。

続く
83ひでぼんの書 作者 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 05:40 ID:+YBFMigX
さすが人外スレの皆さん。猟奇や肉体改造にも耐性はバッチリですねw

4人の『接触者』の関係は……本文を読めば御理解できると思います。
できなかった場合は、私の表現がわかりにくいだけなので、気にせず詩的魔神の詩を賛美して下さい。

>◆QT4umEMRFsさん
おおお〜面白そうな展開ですね。文章も雰囲気もグッドです。続きを期待しています。
84名無しさん@ピンキー:04/05/11 06:40 ID:mi36f9fM
火球・・・75被害点・・・
もしかして・・・ドラゴン・ファンタジー?
85名無しさん@ピンキー:04/05/11 07:37 ID:P5H77zLc
ばいあくへータンがあああああ!!
86名無しさん@ピンキー:04/05/11 07:42 ID:J91yCsU5
ゴスロリ幼女妊婦…ハァハァ(*´Д`)ハァハァ
87名無しさん@ピンキー:04/05/11 09:06 ID:07FTHVUM
>>83
最近展開早くてGJです。
……この作品で泣き寸前まで持って行かれるとはついこの間まで思いもしなかったのにw

ばいあくへーさんも生まれ変われるみたいで良かった。
でも、悲しみに満ちた彼女をまた見たいと思ってしまう勝手な自分がー。

あと、>>76最終行は誤植ですよね?
88名無しさん@ピンキー:04/05/11 09:46 ID:8NJGb/pE
スチーブジャクソンキタ━(゚∀゚)━!?
雲井のやつ指セーブしてなかったのか。意外な所で律儀なやつだなw

誤植説明FAQが楽シミ━(゚∀゚)━!
89名無しさん@ピンキー:04/05/11 10:03 ID:F1JuJiiX
いろいろと感想

あれこれと気がかりは残されたものの、雲井氏には相応の報いが下されたようでよし

日野さん、“くとぅぐぁ”様とのアレも演技だったんディスカー
#って言うか、第二部第四話の時点で既に雲井氏とグルだったんでしょうか?

“あぶほーす”様……芹香御嬢様でサクラちゃん(ベターマン)でぶちゃけCVは岩男潤子さんですか?
#『ToHeart』で「芹香御嬢様は、やっぱり喘ぎ声とかも訊き帰しなのだろうか?」と言うネタが
#あったのを思い出した次第w

ところで、
>「“あぶほーす”さんを再生させる!? 本当ですか!!」

ここは
「“ばいあくへー”さんを再生させる!? 本当ですか!!」
ではないでしょうか

いかなる怪異に襲われた結果、このような次第になったのかが気がかりですw
90名無しさん@ピンキー:04/05/11 14:53 ID:F1JuJiiX
感想追加

先読みは無粋な事ではありますが、日野さん、龍田川さんや退魔士協会、ハスター教団に有る事無い事
吹き込んで、ひでぼん包囲網を構築しそうで(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

>>87-89
サーァンジューゥコーーーーーン!!

>>87
転生“ばいあくへー”たんが、もしも元気いっぱい御転婆ボクっ娘だったりしたら…………






…………それはそれで……(;´Д`)ハァハァ
91名無しさん@ピンキー:04/05/11 17:53 ID:7wImKgdI
にしても凄まじいペースだ。
92名無しさん@ピンキー:04/05/11 18:56 ID:H5WyJUtX
日野さんが悪のボスっぽくは感じていましたが、そうなるとなんとなく
ひでぼんが世界滅亡を引き起こして終わりそうな気が…。

まあ、作者自身が12年後のネタを出しているので心配ないみたいですが。
93名無しさん@ピンキー:04/05/11 19:09 ID:nWsHw/vu
12年後ってまさか、魔法少女の話?
94名無しさん@ピンキー:04/05/11 20:05 ID:MEC9xI/Y
>83
乙でございましたです〜。
ばいあくへーさんのことを案じるあまり、仕事に身が入りませんでした(w
いやはや何とも素晴らしいお話で。

個人的には”ひでぼんの書から12年後”も見てみたかったりしてます。
95名無しさん@ピンキー:04/05/11 20:38 ID:pR0oaOVO
(*゚∀゚)=3 ぃぇぁ
96ひでぼんの書 作者 ◆SNuCULWjUI :04/05/11 20:53 ID:+YBFMigX
みんな! 先読みはやめようぜ!!(親指立ててさわやかに。血涙を流しながら)

Q:「“あぶほーす”さんを再生させる!? 本当ですか!!」 というのは、
「“ばいあくへー”さんを再生させる!? 本当ですか!!」 ではないでしょうか?
A:ここ数年、日本語の乱れが大きな問題となっています。
貴方も街中で女子高生がエニグマ暗号としか思えない謎の言語で会話しているのを見て、
思わず地獄の断頭台を食らわせてしまった事が2・3回はあるはずです。
特に最近、いわゆる「てをには」のような接助詞、格助詞の乱れが問題となっているのは周知の事実でしょう。
ひでぼんは25歳、ちょうどそういった問題が浮上した頃に学生生活を送っていた年齢です。
つまり、ひでぼんは「“あぶほーす”さんが再生させる!?」というのを「“あぶほーす”さんを再生させる!?」と
つい間違った格助詞で話してしまったのです。
「この状況でで“あぶほーす”が再生させるのは当たり前だろ」とか
「他の文章も助詞の使い方が間違ってるぞ」というツッコミには耳を塞ぐ事にして、
すなわち、これも時代による日本語の移行と、それに取り残された人々の葛藤という、
現代社会の問題がまた1つ産んだ時代の悲劇と言うのはデタラメで、つまりは誤字です。

>各キャラのCVは?
作者は声優の事はよくわからないので、この辺から適当に選んでください。
ttp://strawberry.atnifty.com/cgi/up/src/up3814.jpg
97名無しさん@ピンキー:04/05/11 21:25 ID:qbkXCrAA
ナチャさんは麦人。これだけはガチ。

FAQの文章って、昔のRPG100の疑問とか、ジャンボジェット機の飛ばし方とか
あの辺りのノリとそっくりでナツカスィ。

>92
デジタルでビル物語の中島みたいな真似はしない希ガスというかありきたり
過ぎてして欲しくないとか我儘言ってみるテスト
98名無しさん@ピンキー:04/05/11 22:12 ID:MUOr1dY4
>>96
>「この状況でで“あぶほーす”が再生させるのは当たり前だろ」

えーと、「で」が一つ余計なのも、「時代による日本語の移行と、それに取り残された人々
の葛藤という、現代社会の問題がまた1つ産んだ時代の悲劇」ですか?

>>97
>デジタルでビル物語の中島みたいな真似はしない希ガスというかありきたり過ぎてして欲しくないとか

じゃ、原作版『マーズ』でと戯言ほざいてみるテスト

ひでぼん「“つぁとぅが”ーーーーーーッ!!」

―――この日、一つの惑星が宇宙から消えた―――











しかし、『銀の鍵』か『輝くトラペゾヘドロン』(今後入手予定と思われ)の力で、『ゴッドマーズ』な世界に
再構築されてしまう罠w
99名無しさん@ピンキー:04/05/11 22:20 ID:CQpyVr59
んじゃあ今後登場する予定の退魔組織のやたら銃剣使う奴が野沢那智な。
100名無しさん@ピンキー:04/05/11 23:06 ID:J91yCsU5
>>98
じゃぁ、イデオン
101☆ ◆QT4umEMRFs :04/05/11 23:22 ID:zOHMK7UD
つ…続きです。
◆SNuCULWjUI さん、乙です。
隙間を埋め……るにはちと量が多いかもしれません。

ココ…猟奇や肉体改造への耐性はデフォルトなんですか?
なんかもー…可哀想で可哀想で…。
いえ、ノリは好きなんですけど…(どっちだ)。
102私がここにいる理由(9):04/05/11 23:23 ID:zOHMK7UD
>56
■■【2】■■
 零幻が一夜の宿に戻った時、部屋の中は明かりが消され真暗だった。村長が用意させた行灯の油は、ま
だ十分にあるはずであったし、光虫玉の卵もまだ孵化にはいくばくかの猶予があるはずだから、明かりの
確保に難儀して…の事とは思えない。
「なんだよ。御主人様がお帰りだってのに、出迎えも無しか?」
 蒼月の明るい夜だというのに窓の開き戸もぴったりと閉められ、部屋の中は真闇と言えるほどの黒が蟠
(わだかま)っていた。
 誰もいないのか?とは思わない。声も物音もさせずとも、わずかな翼の呼気を感じるからだ。
 零幻は“ちっ”と舌を鳴らすと、クツを脱いでズカズカと部屋を突っ切り、入り口正面の開き戸を大き
く開け放した。そしてそのまま、部屋の左手に備え付けられている寝床を見やる。
 果たしてそこには掛け布団代わりの毛織物を引っかぶって、こんもりとした山を形作る何者かがいた。
 零幻が“すんっ”と鼻をひくつかせれば、満ちているのは嗅ぎ慣れた翼の芳(かぐわ)しい香りのみ。
 何度もこころゆくまで味わったのだ。
 間違えようも無い。
「起きてんだろ?」
 沈黙を守っているが、覚醒しているのが彼にはわかる。
 起きていて、じっと息を潜めている。
 零幻はぼりぼりと頭を掻くと、部屋に入った時から手に持っていた徳利を質素な机の上に“ごとり”と
置いて、懐から取り出したそれなりに雅(みやび)な碗にその中身を注いだ。村長の家から土産代わりに
と持たされたものだったが、このひどく貧しい村にしてみれば、こんな薄汚れた碗であっても上等な部類
に入るのだろう。
 窓の縁に背を預け、碗に満ちた香気溢れる濁酒(にごりざけ)を一息にぐいっと煽った。米もろくに採
れぬこの村では、酒にするほど米も果実もあるわけもなく、おそらく麓の町で買い求めてきたに違いない。
一杯でこの村の飢えた子供の飯が何食分賄(まかな)えるか…と考える輩もいようが、もとより零幻はそ
んな事を気にするような愁傷な心持ちなどしていなかった。
103私がここにいる理由(10):04/05/11 23:25 ID:zOHMK7UD
>102
 それでも、
「さっきの事、まだ根に持ってんのかよ…」
 ふてくされているのであろう自分の使役魔には、ほとほと弱りきった声をかけるのだった。

 零幻は2杯目の酒を今度はちびりと嘗めるようにして呑み、生暖かい風が吹き込む窓から肩越しに蒼月
を見上げた。虫の鳴き声や草木の立てるさざめきに耳を傾けるものの、「風流」と洒落こむには状況が許
さなかった。
 これ以上も無い重苦しい沈黙が、部屋をじくじくと満たしている。
 何度声をかけても、翼からの返事は無い。
 こうなったら、もう何を言っても無駄だ。
 旅をはじめてはや数ヶ月、今までの苦い経験から零幻が学んだ事だった。
 こうなった翼は、それでも用事を言えばそれなりに足すし、行動を別にする事も無いが、四六時中ただ
ひたすらに無言のまま無表情の抗議を続ける事となる。それはくどくどと小言を言われるより、ぎゃんぎゃ
んと吠えかかられるよりも遥かに零幻の精神を磨耗させ、疲弊させる。
 もっとも、翼が主である零幻に対してそのように不遜な態度を取るには、その前に零幻がよほど翼を怒
らせたか、それとも心根が凍るほど哀しませたかの、どちらしかない。
 前に翼がこうなったのは、3つほど西の国の娼婦宿で可哀想な「美人」の娼婦としっぽり“良い仲”に
なり、しつこいヒモを追い払うのに利用され、さらには全財産を身包み剥がされた上、狂王の手の者に売
られかけた時以来だから、かれこれ一月と6日ぶりになるだろうか。
 その「美人」の娼婦には最初から他に心を捧げた男がいて、その男と手に手を取って新天地へと旅立っ
ていったのだから、零幻にとっては「その手助けが出来た」と思えばなんということも無いのだが、危う
く狂王の手の者に捕縛されかけ、その後5日間も追いかけまくられてしまう原因となってしまった。翼は
その間、今のようにじっと黙ったまま唖(おし)のように目だけで抗議を続け、最後には零幻が何度も謝っ
て許してもらったという情けなくも恐ろしい経緯がある。
104私がここにいる理由(11):04/05/11 23:27 ID:zOHMK7UD
>103
 「呪人が使役魔に頭を下げる」など、王都ではたとえ魚が空を飛ぼうとも、絶対に考えられ
ないことだろうが、黙ったまま無言で一日中行動を共にするあの辛さを味わえば、長老共も
「已む無し」と、膝まで伸びた白髭を撫でながら頷くに違いなかった。

 溜息が漏れる。
 続いて零幻は、低く、小さく、囁くように言葉を紡ぎ、意識をすべらせて「小炎」の術式を
練り上げる。力在る者が見れば、薄く開いた彼の唇から銀に光る文字がすべり出ているのが見
えるはずだ。「意識をすべらせる」というのは他者に説明出来るものではなく、呪人が生まれ
ながらにして“出来て当然”のことであり、常人が手足を動かすのと同様に、ことさらに集中
せずとも行える術式展開の基礎だった。
 唇から滑り出した銀字は、宙で複雑な文様を描き、編み込まれ、やがて“ふっ”という零幻
の呼気によって一瞬のうちに針のように細く鋭くなって、行灯へと疾(と)く走る。
 ポッと、火皿に浸した芯の先に小さな炎が点り、すぐに部屋の中を、橙色の光がやわらかく
染めはじめた。
 零幻は碗を机に置くと一息ついて、寝台に歩み寄り、その縁に腰をかける。
「翼」
 ひとこと名を呼ぶが、毛布はぴくりとも動かない。
 弱りきった零幻は、がりがりと頭を掻くと、
「ったくよ…ちーとしつけーぜ?そーゆーのはさらっと流せや、な?」
 と言った。
 “そういうの”というのは、もちろん先ほどのやり取りの事だ。聞き分けの無い翼にちょっ
とだけお灸を据えたつもりだったのだが………どうやら、効果があり過ぎたようだ。
「どうして…」
 やがて、小さな声が零幻の耳を打つ。
 そっと毛布を捲り上げると、そこには彼に背を向けて壁を睨んだまま、じっと息を潜める翼
がいた。
 見れば、目許が濡れている。
『泣いていたのか…』
 さすがの零幻も、ほんの少しだけ胸が痛んだ。
 …気がした。
「その…なんだ、お前だって悪いんだぜ?オレの事をちったぁ信用してもいいだろうに」
105私がここにいる理由(12):04/05/11 23:28 ID:zOHMK7UD
>104
 気まずくなって翼に背を向け、零幻はぶちぶちと文句を言った。
 まるで子供だ。
 そして零幻はそれに気付かない。
 翼はその主の言いように、ぼろぼろと涙をこぼしながら身体を起こした。
「どうして……どうして零幻様はいつもいつも…いつもいつもいつもいつもいつも…そうなのです!?私
の忠告など、道端の老いさらばえた野良犬が吼えているとしか、思っていらっしゃらないのでしょう!?」
 翼は哀しかった。
 哀しくて、苦しかった。
 我侭だとわかっている。使役魔が主にするべきことではない。
 でも、止められなかった。
「おいおい」
 零幻は、眉を山の形にして、困ったように胸の前で両手を立てた。翼にはそれすらも哀しい。
 まるきり拒絶されているような気がした。
「わ、私は、わた…」
「落ち着け」
 やんわりと翼の両肩に手を置き、落ちつかせようとする御主人様が、彼女はいつになく憎たらしかった。
「わ…私と零幻様は確かに契約を結びました。主(あるじ)と使(つかい)の関係です。でも、でも私は
……私は零幻様が心配だから…だから…」
「わーってるって」
「わかってません!零幻様はいつもそうです。いい加減なことばかり。私の事など、亜人だからどうでも
よいと御思いなのでしょう?!」
「…オレが本気でお前をそんな風に思ってると?」
 不意に真剣味を帯びた瞳に射竦められ、翼は“ひくっ”と息を呑んだ。その隙に、零幻はぐいっと肩を
押さえ、彼女の細い肩を壁に押し付ける。
「だ…だって…」
「なんだよ…オレの事がそんなに信用できねぇか?こんなにもオマエを大事に思ってるオレのことをよ…」
 “あれ?”と思う間も無かった。
 零幻のやや面長の顔が間近に迫り、お酒の匂いの息が藍銀の前髪を揺らした。吐息は彼女の頬を撫で、
先の尖った耳を撫でる。
 その甘い感覚に、翼は身体のいちばん奥が“うずっ”とするのを感じた。
「だ…んっ…で、でも…」
106私がここにいる理由(13):04/05/11 23:30 ID:zOHMK7UD
>105
「でも、なんだよ?信用してくんねぇの?オレが好きなのはオマエだけなんだぜ?オレが今、大事なのは、
オマエなんだ。オマエが一番大事だ」
 『好き』
 『大事』
 『一番大事』
 なんてひどい人だろう。
 一番言って欲しい言葉を、こんな時に口にするなんて。
「また…そんな……」
 翼の視線が泳いだ。
 零幻の黒い前髪を見て、太い眉を見て、筋の通った高い鼻を見て、がっしりと張った顎を見て、ざらざ
らと散った不精髭を見て、そして自分をまっすぐ見つめる優しい瞳を見た。
「信じられねーか?」

 捕まった。

 翼はそう思った。
 泣きたくなる。
 泣く。
 涙が溢れそうになる。
「でも…んっ…」
 それでも最後の抵抗のように抗議しようとした途端、

 キス。

 “んむぅ”と、吐息まで吸われるように舌をねじ込まれ、巧妙に誘い出されて、“ちゅううう”と脅え
た舌を吸い上げられた。
 それだけで全身が“ぞくぞく”と震え、頭がまっしろになる。
107私がここにいる理由(14):04/05/11 23:31 ID:zOHMK7UD
>106
『あ…だめ…』
 思う間も無かった。
 一度唇から離れ、御主人様の唇は涙の跡を優しく撫でた。

 そして再びのキス。

 容赦が無かった。
 何度も何度も何度もキスされた。
 食べられた。
 嘗められ、甘く噛まれ、そして吸われる。
 唾液を音を立てて飲まれて、その卑猥な音に腰が震えた。送り込まれる酒の味の唾液を“こくこく”と
夢中で飲み、口の中の全てを撫で、くすぐり、嬲ってゆく力強くてしなやかな舌を、夢中になって吸った。
 鋭い肉切り歯で御主人様が舌を、唇を切ってしまうのでは…と頭の片隅でちらりと思ったが、熱に浮か
されたような行為にすぐに霧散して消えてしまう。
 全身の力が抜け、自分の体が米を詰めた麻袋のように重たく感じた。
 全てがとろとろにとろけ、全ての感覚が熱く、にぶくなってゆく。なのに、御主人様の触れる部分だけ
が憎らしいほど鋭敏に、甘くてねっとりとした感覚を拾い上げる。
「…あ…だめ……だめ……いや……」
 思わずそう呟いたのは、御主人様の唇が耳から首筋を通り、喉へと至ったからだ。
 翼の、人間の男で言う「喉仏」があるだろう場所に、ぷっくりと膨らんだものがある。それは、強大な
力を持ち、自然界に適う者の無い龍の「唯一の弱点」と言われている「逆鱗」だった。龍は、霊的または
呪的なものは頭の両脇にある2対の硬角で受ける事ができ、それ以外の微細な感覚情報は、極度に鋭敏な
この部分を研ぎ澄ます事で処理をする。そのため、肉体的に成龍より脆弱な龍人の場合、皮膚の下に潜り
こむようにして無用な接触から保護されていた。
「…んっ!あっ…いやっ…だめっ…あっ…ぁっ!」
 その部分を、零幻が“嘗める”。
 舌を平べったくしたまま、べろりと野卑に。
 細く尖らせて、つつつ…となぞるように。
 舌先だけを動かして、つんつんと突つくように。
108私がここにいる理由(15):04/05/11 23:33 ID:zOHMK7UD
>107
 そして、
「ひああぁあぁあぁぁ〜〜〜〜…」
 零幻は、大型肉食獣が草食動物に対してそうするように、“かぷり”と翼の細く白い首に歯を立てずに
かぶりつき、舌でべろべろと何度も「逆鱗」を嘗めたくった。
 零幻の両肩に置いて、必死に押し返そうとしていた翼の両手が、御主人様の着物を“ぎゅうう”と握り
締めたまま小刻みに震えた。「…ぁ………ぁ〜……」
 ひくんひくんと細い肩が震え、固く閉じられた瞼から“つうっ”と涙がこぼれて頬を滑り落ちた。
 立て続けに達してしまったのだ…と翼が気付いたのは、髪を優しく何度も撫でられている事に気づいて
から。
「翼……ああ…オマエは本当に可愛いなぁ…」
「…いつもいつも……ひどい……」
 にっこりと笑う“ずるい”御主人様が憎らしくて憎らしくて、ぽろぽろと涙が止まらなかった。
「ひどかねぇよ……こんな事言うの、オマエだけなんだぜ?」
「うそ……うそです…」
 香の匂いがする。
 他の女の匂いだ。
 きっとまた他の女を抱いてきたのだ。
 妖亀の生贄にされかけた生娘を抱いてきたのだ。
「うそなもんか…な?触ってみろや」
 左手を掴まれ、下の方へと導かれた。
「あ…」
 そこには、着物を下から力強く押し上げる、剛直な激情が在った。
「あぁぁ…」
 思わず吐息が洩れる。
 さわさわと撫で、その硬さ、熱さを着物の上からでも確かめようとした。
「こんなになんのは、オマエに対してだけなんだぜ?」
「…すぐ他の女性(ひと)とだって、してるくせに…」
「オマエも知ってんだろ?聖月を迎えずに他の女に精を漏らせば、オマエに与えた陰気も霧散する。そう
なればオマエは二度と天にゃ昇れねぇ……このオレがそんなヘマをすると思うか?」
109私がここにいる理由(16):04/05/11 23:34 ID:zOHMK7UD
>108
「……それは…」
 迷う。
 こと、呪(まじな)いに関して、彼ほど真摯で誠実な人はいないだろう。
 それは真実だ。
 でも、やはり抱いてきたのではないのか?
 他の女を抱いてすぐに、私を抱くのか?
 翼の目に再び涙が溜まる。
「オマエが大事だ。俺はオマエに幸せになって欲しい。それにゃぁ、地上にいてはダメだ。そのためにこ
うしてオマエだけに精を与えているんだろう?」
「それだけ…ですか?」
「あん?」
「それだけなんですか?わ、わた…私を…天に…」
「…違うさ…わかってんだろう?」

 キス。
 またキスされた。

 翼は左手に硬さを感じながら、御主人様の命の高鳴りを感じながら、身体の奥をとろとろにして、涙を
ぽろぽろとこぼした。
『ああ…私はまたこの人に騙される…』
 哀しい想いが胸を焼く。

 わかっているのに抵抗出来ない。
 騙されるなら騙されてもいい。
 今このひと時だけは、私を見てくれる。
 愛してくれる。
 だから私も、今このときだけは信じよう。
 こころから…お慕いしているのだから…。

 胸が張り裂けそうなほど愛しい御主人様の舌を嘗め、ちょっとだけ酒の匂いのする唾液を飲み込めば、
 もう、拒むことなんて出来なかった。
110☆ ◆QT4umEMRFs :04/05/11 23:35 ID:zOHMK7UD
>109
ここまで。

次回から、本番です。

また後日…御邪魔致します(読みには来ます)。
111名無しさん@ピンキー:04/05/11 23:43 ID:MEC9xI/Y
>110
リアルタイムで直撃キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!
翼たん、一途でかわいいですねえ。
言い回しも情景が容易に連想出来る、丁寧な運び方だと思います。
続き期待してまつー。
112名無しさん@ピンキー:04/05/12 00:42 ID:Oxkf0tXC
>>89
同意してみる。紗孔羅は何というか、萌え要素をホラーに昇華できることを初めて思い知らされた。

>>90
正直、それは少しきついw

>>110
心理描写もしっかりしていて良かったですよ。
期待して待とう。
あと、今までそんなに猟奇描写はなかったような。
みんな平気で読んでる辺りは、さすがクトネタが受け入れられる場所だと思ったけど。


昨日から想像が止まらないので、泣きじゃくるばいあくへーたんを慰める純愛えちシーン妄想でもしながら寝ます。
113名無しさん@ピンキー:04/05/12 02:27 ID:vp5KnIH1
前スレのいたくぁさんの「ぐるじお」でかなり笑った
それはよくネタになってるサムライスピリッツ零の炎邪だな
昔のアーケードゲームが好きだとは言ってたけど
どうやら今でもアーケードゲーム好きのようで何となくうれしい

何で今さら前スレのつっこみ?と思うかもしれないが
やはりいたくぁさんには後からつっこんでおかなければいけなドッゴラー!!!
114ひでぼんの書 作者 ◆SNuCULWjUI :04/05/12 07:02 ID:FhrwNUy+
>>98
Q:>「この状況でで“あぶほーす”が再生させるのは当たり前だろ」
「で」1つ多いのはなぜですか?
A:皆さん、「で」という言葉を聞いて連想するものはなんでしょうか?
先日、新宿・北京・ニューヨーク・ロンドン・パリ・モスクワ・ニューデリー・カイロ・シドニー・シンガポール等で
街頭アンケートを取った結果、87パーセントの人が『“いけない! ルナ先生”のわたるの「でぇ〜!?」という台詞』だと答えました。
作者はそれらの統計データを参照に、“あぶほーす”さんとのエッチに関する記述であえて「で」を混入する事により、
サブミナル的なお色気を演出しました。すなわちこれは人間心理の隙間を巧みに利用したテクニックの1つと言うわけがなく、どう見ても誤字です。
115名無しさん@ピンキー:04/05/12 20:54 ID:58NSye/7
ルナ先生っすかw
87%とはまた微妙な数字を(笑
117 ◆MABOUp7up. :04/05/12 22:32 ID:CMLgtyg1
トリップを変更しましたが、◆W/KpcIbe5Yです。いや、別に深い意味はございませんですが。
それにしても……新スレが立ってたと思ったら、早くも100レス突破ですか。………素晴らしい。
で、前スレにも少し余裕がありましたので、前スレで半端に残ってたのを投下しました。
気が向いたら見てみてください。……に、しても埋まりきらなかったよママン……_| ̄|wバシュ〜ン============○

>83
毎度お疲れ様です。ただ早いだけでなく、中身も充実しているのがなんともかんともトレビアン。
ばいあくへーたんの話、マジで泣きそうになりました。
その反動で、間接的にばいあくへーたんを殺した1人と2神には、
とてつもなく惨たらしい死に方をしてもらいたいと思う今日この頃。
>94さんでないけど、12年後の話も激しく希望します。
また、誤字への受け答えも毎度お見事ですので、誤字があるのがかえって楽しみになってしまうかも?w

>110
日常の主導権がお互いを行き来してる、微妙なバランスの二人って感じですね。
こういうお話が大好きなので、首を伸ばして続きをお待ちしております。
118☆ ◆QT4umEMRFs :04/05/12 22:58 ID:ZhKJGzuQ
なんだか、エロに入ると指が早く動きます。

今日は、挿入直前まで。
119私がここにいる理由(17):04/05/12 22:59 ID:ZhKJGzuQ
>109
■■【3】■■
 寝台の横にある窓を開け、零幻が蒼月の光を部屋へと招き入れる。
 月明かりの冴え冴えとした硬質な光と、行灯のあたたかでやわらかい光が、翼の、メリハリのある体を
ひどく立体的に浮き立たせていた。
 首も、腕も、腹も細いのに、胸と腰はしっかりと成熟した女の形をしている。
 けれどその細い腕で、翼は剣より硬い地蟲の殼を砕く事が出来ると零幻は知っている。女性(にょしょ
う)の姿形をしているが、そもそも亜人の筋力や骨の硬さなどを、人の子の身体と同等に見る事は出来な
いのだ。
 翼は、いつもの、体にぴったりとした黒い長衣ではなく、今は白い寝間着を身につけている。見れば黒
い長衣は衣文掛けに掛けられ反対側の壁に在った。
 薄い白布の寝間着は、袖は肘まで…と短いが、裾は足首までと長い。腰の高い位置で締められている帯
のせいか、乳と腰がいつもより豊かに見えて、零幻は翼に「オンナ」を強く感じた。それに、彼女が毛布
を被っていたことと、興奮して汗ばんだことが相乗となり、零幻の鼻腔に翼の芳しくも甘い香りが濃厚に
届いている。汗の匂い、肌の匂い、それに翼がいつも持ち歩いている香袋の芳醇な匂いが、これから行う
事への期待に高鳴った零幻の胸の鼓動を、よりいっそう激しくさせる。
 それに加え、彼の目には翼の可愛らしい頬に残る涙の光と、夜目にも白い首筋の玉の汗がひどく艶かし
く映る。
 頬にかかる藍銀の髪を丁寧に指で除(の)けて、再び零幻は翼の汗ばんだ額に、涙の光る目尻に、熱く
火照る頬に、可愛らしい鼻の頭に、そして、いかにも口付けて欲しそうにうっすらと開かれた唇へと順番
にキスしていった。
「……ん……ふ…ぁ…」
 こんな時にだけ憎らしいほど優しい御主人様を、翼は抱き締めたくて仕方ない。
 けれど、それはまだ許されていなかった。
 まだ零幻は、翼の豊かな体をその腕(かいな)に抱いていないのだから。

 帯を解き、着物を右、左と捲ってゆけば、その彼の手の動きを赤く腫れぼったいほっぺたのまま、じっ
と潤んだ瞳で見詰める目があった。
「ん?」
 そう聞けば、ふるふると翼は首を振る。期待と情欲の浮かんだその瞳は、ただ一心に愛する御主人様を
見上げていた。
120私がここにいる理由(18):04/05/12 23:01 ID:ZhKJGzuQ
>119
 白い肌が露わになると、その胸元や二の腕に“ふつふつ”と鳥肌が立っているのがわかる。寒いのか?
と一瞬思っては見るものの、薄く開かれた腿の間にあるものがぬるぬるとツユにたっぷりと濡れているの
を見てしまえば、それが寒さから来るものなどではなく、これから「食べられる」のだ、「貪られる」の
だ、「愛してもらえる」のだという期待からくる“待ちきれないオンナの反応”なのだ…と知れる。
 零幻は、袖から翼の腕を抜く事はせず、ただ前だけを開く。
 帯を解かれ、着物を開かれ、行灯の火の元に晒された白肌には、腰帯も乳帯も無い。ただでさえたっぷ
りと大きな乳房が、首と二の腕が細く、腰に至る線もきゅっと締まっているためになおさら豊かに見えた。
股間に繁る茂みは眩しい銀色で、それが今はねっとりとしたツユにべたりと地肌に張り付いていた。
「…ぁ……」
 吐息のような、溜息のような声に彼女の顔を見れば、彼女はぴくぴくと固く閉じた瞼を震わせながら顔
を背けている。呼吸に合わせて重たげな白い乳房が、蒼月と行灯の光に照らされる中、ゆらゆらと揺れた。

 この国も故国でも、乳肉の豊かな者などほとんどいない土地柄であったから、むしろ翼のようにたっぷ
りと盛り上がり、零幻の手の平を持ってしても包みきれぬ柔肉などは、女に対する「美人」の条件からは
大きく外れ、むしろ侮蔑と軽蔑の対象でさえあった。
 世界を鑑(かんが)みれば、そこには乳の豊かな事がすなわち豊穣を示し、むしろ賞賛されることもあ
るのだ…と知るのだが、不幸にもその知識を持つ者は少ない。ゆえに、翼の大きく盛り上がり突出した乳
房は、『亜人』であるからまだ許容されたようなもので、それが人であったならば、眉を顰めるに留まら
ず嘲笑の視線と共に陰口を叩かれても甘受しなければならないところだった。
 黄泉の国の“忌み神”は、“国創りの神”である大神と共にこの世界を創った妻神であったと伝えられ
ている。
121私がここにいる理由(19):04/05/12 23:03 ID:ZhKJGzuQ
>120
 だが、妻神は「大神(おおがみ)を邪な呪いでたぶらかし、それゆえに地の底に落とされた」というの
がこの地方での定説だった。さらにその妻神は、地の持つ力を大神の力でもって奪い、全て我が物とした
ために、他のどんな神々よりも豊かな肉体を持っていると言われている。
 が、ために、肉体が過度に「豊かである」という事は、この近辺の国々では「他の者から搾取し、奪っ
た」象徴としての知識しか無かった。
 翼も己の豊か過ぎるほど豊かな乳房を疎(うと)んでいる気配があったが、もっとも、それはむしろ先
述の神話によるものなどではなく、ただ単に邪魔なだけなような気もしないでもない。

 “はっはっはっ”と浅く短く繰り返される翼の呼気は、これから自分がされる…してもらえる事への期
待と渇望に濡れていた。零幻の右手がもったりとした、やわらかく重たい左の乳房を下からすくいあげる
ようにして揉み込むと、翼はすぐに首を竦め、唇をうっすらと開いて愛しい主人を見上げた。
 乳肉はやわらかく、あたたかく、そして重くて優しい。手の平に吸い付くような…という比喩が相応し
い、もちもちとした肌の触感だった。それは汗ばんでいるという事も、もちろん無関係ではない。だが、
彼女自身の肌が瑞々しいのは、なにもこんな時ばかりでもないということを、零幻は知っていた。
『こんなに気持ち良いもんを忌むだなんてなぁ…バカのやることだぜ』
 そう零幻は思う。
 揉み、撫で、揺らし、震わせ、嘗め、吸う。
 豊かな乳肉は、ただ豊かであるというだけで、薄い乳肉よりも楽しみが増えるのだ。
 そして、零幻が乳房を可愛がる時の翼の瞳は、ひどく慈愛に満ち、ささくれた心さえも癒してくれるよ
うな気にさえ…させる。
「ふあっ…」
 ぷくりと硬く尖り始めた薄紅い乳首を、わざと翼自身に見せつけるようにゆっくり口を開き、舌を伸ば
して嘗めた。“ねろっ”と唾液をたっぷりとまぶし、くりくりと尖らせた舌で弄べば、太股の間から膝辺
りまで長く伸びる影が、ぴくぴくと動きを見せる。
 それは、細かな鱗に覆われた龍の尻尾だった。
122私がここにいる理由(20):04/05/12 23:04 ID:ZhKJGzuQ
>121
 龍人の、頭の硬角が霊的・呪的なものを感じ取る特殊な受信機だとすれば、ふさふさと先端に銀毛の茂
る尻尾は、地に走る龍脈から力を得るための植物で言う「根」のようなものだった。仰臥の今は見えない
が、翼の細い首の後から尻尾までは、背筋を通って鬣(たてがみ)のような銀毛が生い茂っている。術を
行使する際には頭の硬角から尾の先まで、鞘走りにも似た音を立て青い電光が火花散るため、身につける
服は、薪にくべても燃えない上、呪術的にも強力な焔鼠(ほむらねずみ)の毛を編み込んだものでなけれ
ばならなかった。

 ただでさえ乳房が異様なまでに大きい上、そのような体質であるために、翼は街娘が着るような煌(き
ら)びやかな服を着た事があまり無い。翼も使役魔とはいえ「オンナ」なのだから、味も素っ気も無い黒
い長衣ばかり着るのではなく、少しは艶やかに着飾ってみたいと思ってるはずだ。その証拠に零幻は、立
ち寄った国々でごくたまに市場などを通るい時など、正体を悟られぬよう目深に被ったフードの下から、
軒先に吊るされた美しくも可愛らしい服へと、彼女がちらちらと視線を向けるところを何度も見ていた。
「欲しいか」
 と問えば
「いいえ」
 と答える。
「遠慮しているのか」
 と問えば
「私には不要のものです」
 と毅然と答える。
 零幻の身の上と懐具合を慮(おもんぱか)っての言いようだとは思いながら、そう言われてしまえば無
理に買い与える事も無いだろうと思うのが零幻という男だった。

 そしてそのまま、今日まで来てしまった。体を合わせ、自分でも偽りとも真ともわからぬ言葉を囁いて
いれば、どんな朴念仁であろうとも情は湧く。零幻も、今まで翼に何も買い与えなかったわけではない。
いつも身につけている香袋も、紅玉の耳飾りも、右手の青い指輪でさえも、彼が少ない路銀から買い与え
たものだ。彼女にはそれらを、娼婦や引っ掛けた一夜限りの女からもらったものだ…と言ってあったが、
どこまで信じているものか彼にはわからない。ただ、「無駄遣いはしないで下さいね」と小言を言われる
事も無かったから、少なくとも「無駄」とは思っていないのはわかった。
123私がここにいる理由(21):04/05/12 23:06 ID:ZhKJGzuQ
>122
 また、真面目な顔で受け取った後、零幻が見ていない(と思い込んでいる)ところで、何度も何度も何
度も彼からもらったものを飽きずに眺めている様が、ひどく可愛らしかった…と思った事は、彼女には秘
密であった。

 右手と舌と唇で左の乳肉を嬲りながら、零幻は左手を右乳より“そろり”と下へと滑らせる。なめらか
な脇腹を撫で、やわらかな下腹を撫で、もしゃもしゃと濃く生い茂った藍銀の陰毛へと至る。
「…んっぅ…」
 と小さく吐息を吐き、ぴくりと太股を震わせる翼にはかまわずに、指を茂みの上でしばし遊ばせた。陰
毛はしなやかでありながらやや硬く、少し獣毛を思わせるものだが、これもしばしの間だけだ。翼の体が
火照りきり、あと1・2度気をやれば、やがてしんなりと野兎の毛のように柔らかくなる。毛質そのもの
が変わるのだと知った当初は驚きこそしたものの、今ではその柔らかさの程度で、挿入するべき機会を探
るわかりやすい目安にもなっていた。
「…ん…ふぁ…」
 “ねろり”と舌で翼の乳首を撫で付け、“ちゅくちゅく”と口内で嬲りながら、零幻の左手はするりと
太股の間へと滑り込んだ。指先に脚ではないもう一つの皮膚が触れ、生暖かい鱗の感触が指の先に残る。
「…ぁ…」
 期待に濡れた翼の声に、いつもの悪戯心が頭をもたげる。
 翼は寝台の上に仰臥し、頭上に開け放たれた窓を戴きながら壁に肩を委ねて、ぐったりと体を横たえて
いる。寝台と垂直に交差する形となっているその体を、零幻は左手で“ぐいっ”と開いた。
「あっ…いやっ…」
 「逆鱗」を嬲られ、立て続けに達してしまった翼のそこは、もうすでにこれ以上無いほどに濡れそぼっ
ている。左乳を弄ばれながら右足を膝の裏に手を当てたまま引かれ、そのまま寝台の端に足裏を載せるよ
うに言葉ではなく行為によって示された。
 そして「まさか」と思う間もなく、左足も同様にされる。
124私がここにいる理由(22):04/05/12 23:07 ID:ZhKJGzuQ
>123
「…ぁあ…」
 両足の裏を寝台の縁に載せ、膝を大きく開かれてしまえば、そこには割り開かれた自分の太股の深い谷
が見える。翼はあまりの恥ずかしさに閉じようとするものの、御主人様の皮肉げな笑顔の拒絶に会い、あ
えなく断念せざるをえなかった。

 ぐったりとして両腕を体の横に投げ出したまま、あられもなく脚を開き行灯の橙色の光の元に全てを晒
している。
 その自分の恥知らずな姿に、翼の体が震えた。
 両腿の辿り付く帰結点、すなわち女陰と尻穴のすぐ下からは、細かい青緑色の鱗に覆われた龍の尾がだ
らりと寝台から垂れ落ちている。その先端が、ぴくりぴくりと動きを見せ、それと同調するように可愛ら
しい尻穴がひくひくと蠢いた。
「べちゃべちゃじゃないか…」
 つつつ…と零幻の左手の中指が、ぬらぬらとした内腿に走る粘液のぬめりを撫で広げ、意地も悪く微笑
んだ。
「まさか、オレが帰ってくるまで一人でしてた…とか?」
「ちがっ…」
「いやらしいなぁ…翼は…」
「ちが…だ…さっき…」
 『先ほど「逆鱗」を嘗められたから』だと言いたいのだろうが、巧妙に股間を指が滑るため、翼はたっ
たそれだけの言葉を紡ぐ事が出来ない。また、『いやらしい女だ』と思われてしまうのは嫌だったが、そ
れもあながちウソでも無いのだから、強く否定は出来なかった。
 出来れば、今すぐにも御主人様の「御情け」が欲しかった。先ほど触れた、あの硬くて熱い剛のものを、
強く強く何度も何度も体の奥深くまで突き込み、熱い命の迸りを子袋の中に注いで欲しかった。
 それは、事実なのだ。

 何回も何回も、それこそ初めて体を合わせた日より何十回も御主人様とこうしているのに、飽くという
事が無い。その時はそれで満足出来ても、すぐにまた御情けが欲しくなる。出来れば一日中、いや一月、
いや未来永劫、御主人様に貪られ嬲られ、そして精を注がれたいと翼は願う。
 だが、それが絶対に叶わない事もまた、翼ははっきりと認識していた。
 零幻に精を注がれ、陰気が満ち、術式が完成すれば、『天仙昇華』によって天界に“昇らなければ”な
らない。
125私がここにいる理由(23):04/05/12 23:08 ID:ZhKJGzuQ
>124
 それは、零幻との別れを示す。
 だから翼は、本当はこうした交合を頻繁にはしたくなかった。
 だが、交合しなければ陰気を練る事は出来ず、それはつまり力を失う事となる。故国を裏切り狂王に追
われる零幻をこれからも助けるためには、こうした交合を何度も繰り返し、揺るがぬ力を身につけねばな
らないのだ。
『いや、それは詭弁だ』
 幾度も、そう翼は想う。
 陰気を練るためとか、天界に帰るためとか、そんな事より、今は翼自身が零幻と交合したくてたまらな
いのだ。繋がっていたいのだ、抱かれていたいのだ。
 愛している。
 愛してしまった。
 離れたくない。
 だが。

 愛すれば愛するほど、別れが近づく。

 その相反した事実に魂が引き裂かれそうだった。
 いっそのこと、本当に他の娘に精を漏らしてしまっても…とさえ思う。
 そうなれば、陰気は霧散し、天界への道は閉ざされ、自分はずっと御主人様のそばにいられる。
 けれど、自分は災厄の元であり、狂王が求める覇者の鍵だ。
 抑えても抑えきれぬ強大な力を持つ異形の自分を連れている限り、彼には安息は訪れない。
 それに、彼は翼が天界に昇る事こそが、翼自身にとっての真の幸せだと信じている。
 哀しい。
 苦しい。
 想えば想うほど哀しさはいや増し、愛すれば愛するほど苦しさに身悶える。

「んぅあっ!…はっ!…」
 不意に“ぬるるっ…”と、胎内を細くて長くて節くれだったものが押し入ってくるのを翼は感じ、その
圧迫感に思わず声を上げた。
 待ち望んだ御主人様の、あの熱い激情ではない。だのに、泣きたくなるくらい気持ち良かった。
126私がここにいる理由(24):04/05/12 23:10 ID:ZhKJGzuQ
>125
 “ぬるぬる”“こりこり”と、しなやかな筋肉が潜む粘膜の中を、零幻の左手の中指と人差し指が何度
も何度も往復する。あとからあとから溢れ出る粘液を、まるで掻き出すように…だが細心の注意をもって
繰り返されれば、翼は白い腹をしゃくりあげるように震わせながら泣きじゃくるしかない。
 胎道からとろりとこぼれた白濁の粘液が、脚の間に伸びる尻尾の鱗を濡らして敷布の上に垂れ落ちる。
 その上で、長くしゃぶっていた左の乳を解放した零幻の唇が、再び「逆鱗」を嘗め上げれば、後は身も
世も無く「狂う」しか残された道は無かった。
「ああぁあぁああっ!!いやっぁあ〜〜〜…いやっ!いやっ…いやいやっ…あっあ〜〜〜〜っ!!!」
 長く尾を引く艶声は、開け放した窓より夜風に紛れ、いかにこの場所が村の外れにあろうとも、村中に
響き渡ってしまったのではないかと思える。実際、零幻が事前に音絶(おとたち)の術を家の周囲にかけ
ておかなければ、こんな夜半に響いた女の啼き声に村人は驚き、様子を確かめようと集まってきたかもし
れなかった。
「声がでけぇよ」
 “ひくっひくっ”と体を震わせながら、うつろな瞳で自分の主を見つめる翼は、零幻にそう言われて初
めて自分が声高らかに悦びを告げてしまったのだと知った。
 それでも、求める心を止める事は出来ない。
「…りょ…りょうげんさまぁ…りょうげん…さまぁ…」
 まるで子が親にするように、赤子が母にするように、両手を伸ばし甘ったれた鼻声を漏らすのが、昼に
妖亀をつまらなさそうに焼き殺した小娘とはとても思えなかった。
 零幻はその声に答えるように唇を与え、翼は心から幸せそうに彼の流し込む唾液を“こくこく”と飲ん
だ。絡まる舌はねっとりと甘く、少し酒の匂いのする吐息は翼の身を何度も震わせる。
「りょ…げ……さまぁ……」
「ん?もう欲しいのか?」
「ほし………りょ……さまの……」
 とろりと唇の端からたれ落ちる透明な涎を、翼はうっとりとした瞳のまま“ねろっ”と長い舌で嘗め取っ
た。
127☆ ◆QT4umEMRFs :04/05/12 23:13 ID:ZhKJGzuQ
>126
ここまで。

他の方への感想などは、後日名無しにてさせて頂きます…。
以前、馴れ合い云々で揉めた事があり、ちょっと鬱入るので…。
お察し下さい。
そして、どうかお許し下さい。
128名無しさん@ピンキー:04/05/13 10:46 ID:pEyYuoNJ
>>127
中華風の舞台の中、“キス“って表現はどうなのかと。
ただ、そこ以外の雰囲気は激しくGJですので、続きに期待しています。


>>117
知ってて倉庫格納依頼済みの前スレに、投下するというのはどうかと思いますが。
また、あまり露骨に“書いたから見てね“ってのは、アレではないでしょうか?
129名無しさん@ピンキー:04/05/13 15:23 ID:WCEuvsXP
>>127
続きに期待しつつ乙。
このスレに投下されたSSは保管庫行きとなりますがそれは大丈夫で?
>>128
前スレで始まったものを前スレでひとまず収めようとしただけでは?
格納依頼を知っていてわざと投下したなんてどこにも書いてないし、ただの考えすぎな気が。
130☆ ◆QT4umEMRFs :04/05/13 21:07 ID:g5OJAawO
エロだと筆が進む進む…。

保管庫を、確認しました。
早いですね。もう収録されてました。
131私がここにいる理由(25):04/05/13 21:09 ID:g5OJAawO
>126
■■【4】■■
 それじゃあ…と、零幻(りょうげん)は言った。
 そしてぼんやりとした翼(たすく)の左手を取って、自分の硬く張りつめたものを触らせる。
「あ…かたい…」
「そうだ。オマエがあんまりいやらしくて可愛いから、こうなってんだ」
 『可愛い』という言葉はとてもとても嬉しかったけれど、翼にとっては『いやらしい』という言葉が
“ちくり”と気持ちに冷たいものを刺す。それでも、手に感じる主(あるじ)の剛直が嬉しくて、愛しく
て、翼は“こくん”と口内に溜まった唾液を飲み下した。これから自分がする事を想うだけで、自然と口
の中が潤う。垂れ落ちるほどに唾液が満ちる。
「立った方がいいか?」
「…ぁ…ぃぇ……」
 消え入りそうなほどの声で告げると、翼はいそいそと寝台を下りる。板間に厚い麻布を敷いただけの簡
素な硬い床だったが、躊躇う事無く両膝を着いて、御主人様へ寝台に腰掛けるようにと促した。そして彼
の着物の帯を解き、少し腰を浮かしてもらいながら下履きを引き下ろすと、両足からそれを抜き取って軽
く畳んで床に置く。下から現れた濃紺の腰帯を解いて開けば、そこには猛々しくそそり立つ熱い剛直が、
行灯の淡い光に照らされて在った。
「ぁあ…」
 思わず翼の口から、溜息にも似た声が漏れる。
 翼の細い指三本分くらいの太い幹。
 開きかけた茸のように張った赤黒い傘。
 幹には青黒い血管が走り、ぴくぴくと脈動している。赤黒い先端は粘液で濡れて、行灯の光をぬらぬら
とはじいていた。時折、全体が跳ねるように“ぴくっ”と動くのが、どこか別の生き物のように感じて可
愛らしい。

 一番最初に人の陰茎を見たのは、もう遥か昔の事となってしまった。この地に翼を顕現させ「未来永劫、
共にあらん」と誓ってくれた命よりも大切な人は、もうこの世界にはいない。今では、世界で一番いぢわ
るで、世界で一番優しく、そしてこの世で最も愛しい人の中に、その名残を見るだけとなってしまった。
 同じ魂を持ちながら、肉体のありようはここまでも違うものなのか。
 おかしな話だが、翼は愛しい御主人様の猛々しい激情を見るたびに、感じるたびに、何度もそう思って
しまう。
132私がここにいる理由(26):04/05/13 21:11 ID:g5OJAawO
>131
 王都の宝物庫地下壕で石の中に印されていた翼を目覚めさせ、解放したのは零幻である。彼はそれを
「偶然」だと思っているようだが、翼にとってそれは出会うべく出会った「さだめ」であった。
 だが翼は「さだめ」とは関係なく、零幻が飄々とした仮面の下に抱える深い哀しみに呼応し、「この人
のそばにずっといっしょにいよう」と誓った。それは彼の前世や、翼との忘れ得ぬ『絆』が仕向けたとい
うものではないのだ。
 それを誤解される事を恐れ、翼は真実をまだ彼に伝えられずにいる…。

 肉切り歯で傷付けないように、長い舌を伸ばして“ねろり”と傘の周りをまず嘗める。白く“ねとねと”
とした恥垢をこそぎ取るようにして口内に運び、くちゅくちゅと唾液と混ぜて飲み込んだ。ツンとした刺
激臭と苦(にが)じょっぱい味に、初めて口淫した時などは吐き気すら催したものだが、「やはり慣れる
ものだ」と翼は思う。今ではこの味を思い浮かべるだけで口内に唾液が溜まり、喉が鳴る。決して美味だ
というわけでもないのだが、自分の口で愛しい人の不浄を清めているのだ…と思えば、むしろ喜びさえも
湧いてくるから不思議だった。
「ん…ふ…んぅ…」
 恥垢を全て嘗めとってしまうと、翼の舌は木に巻きつく蛇のように零幻の逞しい幹へと絡みつく。
 蛇のように先端が2つにこそ割れていないが、翼の舌は人のものよりもずっと長い。伸ばせば、だらり
と「逆鱗」の下辺りまで届き、「そんなに長いものがそんな小さい口のどこに仕舞われていたのか」と思
われそうなほどだ。そんな舌で人間と同じ声を発声出来るのは不思議だが、あるいは自分の意思で長くも
短くも出来るのかもしれぬ…と零幻は思った。
「…ふぁ…」
 その舌を、翼はずるずると幹に絡め、そしてぬるりと引く。ぬめぬめとした唾液の道筋が描かれ、その
たびに頭上で主の押し殺したような声がする。
「気持ちいいですか?」
「…ああ……翼は上手だな」
 主にそう誉められ藍銀の髪をなでなでと撫でられると、翼はそれだけで涙が出そうになった。
133私がここにいる理由(27):04/05/13 21:12 ID:g5OJAawO
>132
 この地方の交合に、口淫の習慣は無い。
 実際には知られていないだけで本当はあるのかもしれないが、この地方の褥(しとね)の睦(むつみ)
を明らかにした文献は無いに等しかったし、口で相手の性器を愛撫するという行為は、娼婦宿などで行わ
れても堅気の女性が好んでするような行為ではなかった。水が豊富にある土地ではあったから入浴の習慣
はあったものの、その頻度は決して高いとは言えず、大小便する不潔極まりない不浄の場所を、あえて口
で触れようとする者はいないだろう…というのが一般での認識だった。
 そもそも口淫は、野良犬が互いの肛門の匂いを嗅ぐに等しい行為である…とも思われていたため、それ
をする事は人ではなく獣へと堕ちる事だという認識の方が強いのだ。
 娼婦に、最下層の貧民出身者が多い事もまた、その考えに拍車をかけていた。娼婦というのは、己の体
以外に何も持たない、体を売るしか能の無い獣だと思われていたためだ。
 けれど、翼はこの行為が好きだった。
 正しくは、愛しい零幻に対してだけするのが、好きだった。もし零幻以外の人間に同じ行為を強要され
ても、翼は決して従わないだろう。それどころか、命じた人間を有無も言わせず八つ裂きにするかもしれ
ない。
 卑しい口で卑しい使役魔が、卑しい行為をする。
 跪き、御主人様に上から見下ろされながら、不浄のものを口を使って清める。
 その屈辱的な行為は、屈辱的であればあるほど被虐心を呼び起こし、「私は零幻様のもの」という認識
を強くするのだ。
 自分には零幻様だけだ、と思う。
 零幻様は、自分にとって唯一無二の存在だ。
 だからこそ、自分は零幻様の唯一無二のモノになりたかった。そのためなら、どんな恥ずかしい事も、
どんな屈辱的な事も、全て悦びに変える事が出来る。
 翼にはその覚悟も自信も、あった。

 翼は顔を傾け、茎を唇で挟むようにして“にゅるにゅる”と唾液のぬめりで滑らせる。そうしながら舌
を伸ばして“にちにち”とくすぐるのだから、零幻にしてみればたまったものではない。気を抜くと精を
放ってしまいそうで、歯を食いしばって耐えた。
134私がここにいる理由(28):04/05/13 21:16 ID:g5OJAawO
>133
 人間の女に精を漏らせば、練り上げた陰気に女の陽気が巻き、せっかくの苦労も水の泡となる。自慰に
よる精の放出では陰気が霧散してしまう事は無いが、それでも再び“満ちる”までは決して精を漏らす事
は許されない。ただ、陰気を分け与え体内で練り上げている翼に注げば、自らの陰気が“満ちる”のも早
い。
 だが、胎道を経ずに体内に注がれても陰気は与える事が出来ず、翼の口内で漏らせばそれはただの「無
駄」となる。
 いかに零幻といえど、昨夜もしたばかりでは、今日注ぐことが出来るのは、1・2度が限度だろう。
 だからこそ、いかに翼の唇が、舌が気持ち良かろうとも、そこに放つのは避けなければならなかった。
「翼…あんまり頑張るな。出ちまう…」
「…あ…」
 あまりに口淫に夢中になってしまっていた事を、他ならぬ零幻に指摘されて、翼は胸元まで赤く染めて
恥じ入った。
 嘗め、しゃぶり、肉切り歯で傷付けないように気をつけながら口内で嬲り、ぶら下がる玉袋まで嘗めた
くった。茎を右手で少し彼の腹の方に倒し、裏側を舌から上まで何度も嘗めれば、それだけで翼は下腹の
中を“とろとろ”と、ねっとりとしたツユが垂れ落ちてくるのを感じた。愛しい人の体の一部をいとおし
むというのは、まさしく至福の時だったのだ。

 「逆鱗」だけが唯一の肉体的な弱点である龍人と違い、人の体は脆く、壊れやすく、全身が弱点と言っ
ても過言ではない。その中でも男の性器は特別な器官であり、傷つければそれだけで悶絶し、場合によっ
ては他のどの部分を攻撃するより的確に行動不能にする事が出来る最大の弱点だった。
 その場所を、こうも無防備に自分に晒してくれる。任せてくれる。
 それは、翼にとって最大限の信頼を寄せられているのと同じ事だった。命を預けてくれている…とまで
思う。
 だからこそ不浄の場所でありながら狂おしいまでに愛しく、そして夢中にさせるのだ。

 長い真珠色の爪で傷付けないように、翼は細心の注意を払いながら零幻のモノをしごいた。それ自体か
ら染み出すツユと、翼の唾液で“にゅるにゅる”と滑り、彼女の白くて細い指の中でそれは“びくびく”
と元気に動く。
135私がここにいる理由(29):04/05/13 21:17 ID:g5OJAawO
>134
「もう…いいですか…?」
 “はあっ…”と、吐息を吐くように甘く囁き、翼は零幻を見上げた。彼は少し鼻腔を広げて「ああ」と
だけ呟くと、寝台の上に横になる。
 翼は“こくり”と喉を鳴らして、この上も無く嬉しそうにいそいそと自ら寝台に上った。そして零幻の
腰を跨ぐと、ぱっくりと開いて透明な雫を滴らせる女陰に、零幻の激情の赤黒い先端をあてる。
 粘膜と粘膜が、互いの半身に出会ったかのような親密さでぴたりとつき、「ぁあ…」と声を上げて翼が
目を閉じた。

ぬ…

 と、その先端が膣口をくぐる。翼が肩を竦め、目を瞑り、口を笑みの形にしたままぶるぶると震えた。
『たまらない』
 そう言いたそうなほどの愉悦の笑みだった。
「…ぁ…あ…………あ………」

ず…

ず…

 と、軽く尻を振りながら少しずつ奥へ奥へと零幻のモノを呑み込み、翼は目を瞑ったまま可愛らしい顔
に淫靡な妖婦の色を浮かべて“ぺろり”と紅い唇を嘗めた。
「気持ちいいか?」
「いい……きもち……いい……」
「そう……かっ」
 不意に零幻が翼の腰に両手を当て、ぐいっと下へ押し下げた。その拍子に、彼の太いモノが“ずぷり”
と根元まで突き挿(さ)さる
「…ぅおぉ…あぁ…ぁ…はぁぁああ…」
 唇を「○」の形に開けたまま、翼は太い息を吐いた。涎が唇から垂れ、彼女のもったりと重たげに揺れ
る乳房に落ちた。
 “びくっ…びくっ…”と全身を震わせる翼は、うっすらと目を開いているが、見えるのは充血して少し
赤味がかった白目ばかりで、零幻は彼女が入れただけで軽く達してしまったのだと知った。
136私がここにいる理由(30):04/05/13 21:20 ID:g5OJAawO
>135
 さらりと流れる藍銀の髪を手に取り、零幻はその艶やかななめらかさを堪能する。右からは窓から注ぐ
蒼月の冷光を受け、左からは行灯のやわらかな橙の光を受けて、情欲に溺れる翼はどこまでも可愛く、そ
して美しい。人ではないからこその美しさであり、可愛らしさなのだろう…と思わなくもない。封印の解
かれたばかりの頃は、ただのやかましい足手纏いでしかなかった事を思えば、零幻は自分自身の「変化」
に気付かざるを得ない。
 鬱陶しくて邪魔な亜人を天界に「送り返す」だけ…と始めた交合ではあったが、では「愛しい」という
気持ちが全く生まれいずる事は無かったか?と問われれば、否と答えるより仕様が無い。それでも、翼に
はこの地上の汚濁にまみれさせておくには清廉過ぎる心根がある。だからこそ、自分の想いなどは無視し
ていいのだと思うし、一刻も早く天界に「送り届けて」やりたいと願うのだ。
「今日は…私が……」
 ひそやかな声に現(うつつ)へと引き戻されてみれば、翼が零幻の胸板に両手を置いて、けなげにも自
分から腰を蠢かせている。困ったような、苦しいような、奇妙な表情は翼が激しい快楽に翻弄されてる証
拠だ。少し前傾しているため、南国の果実か、はたまた冬瓜の実か…と思える形に重く垂れた乳肉が、零
幻の眼前でゆさゆさと揺れている。
 “ずっ…ぶちゅ…ちゅちっ…”と、粘液質の音が翼の背後から…いや、股間から聞こえ、零幻はもうす
でにそこがどろどろになってしまっている事を知る。彼女の銀の陰毛は野兎の綿毛のように柔らかくなり、
“もちゃもちゃ”とツユを吸った湿り気のある音を立てていた。

 翼は一所懸命に腰を動かし、自分の乳肉を零幻に擦りつけたりもするが、いかんせん、どうにもぎこち
ない。彼女は確かに身体的には人間よりも遥かに丈夫で体力もあるが、こうして陰気を練り込んだ状態で
の交合では感覚がいつもの数倍にも研ぎ澄まされ、感じ過ぎてしまい、いつも零幻にいいようにされるだ
けだった。そのため、この翼が主導権を握る女性上位では圧倒的に経験が少なく、どこをどうすればいい
のか、さっぱりわからなくなってしまうのが常であった。
137私がここにいる理由(31):04/05/13 21:21 ID:g5OJAawO
>136
 いつもいつも自分ばかり気持ちよくさせられてしまい、荒れ狂う波に翻弄されて、気がつくと何もかも
が終わってしまっている…という状態が続けば、「奉仕したい」と願う心を体が裏切っている…と翼が思
うのも時間の問題であった。二人の交合を、ただ「力を増すためだけ」の、「術式を練るためだけ」の、
「快楽が伴うだけ」の味気無い「作業」にはしたくなかった。
 自分が気持ち良いと思うのと同等かそれ以上、零幻には気持ち良くなって欲しかったし、そうでなけれ
ば自分も本当の意味で気持ち良くなどなれない気がするのだ。
「りょ……さまっ…あっ…りょ…げん…あっ…」
 “ぬるっぬるっ”と、腰を上下し、陰茎を胎道に出し入れしながら、翼は一心に主の目を見つめ、名を
呼ぼうとする。だが視界は涙に滲み、声は突き上げる快感に震え、途切れてしまうのだ。
 …と、不意に彼が身を起こし、背中と尻に手を当てて翼を軽々と抱えた。
「んあああっ…」
 胡座をかいた主の腰に両足を絡ませ、翼は涙をぽろぽろとこぼしながら“ぎゅっ”としがみついた。
「翼…ちーと苦しい…」
 はっとして腕を緩めると、すぐに唇を据われる。ぞくぞくと震えが背筋を通り、その背筋の鬣(たてが
み)のような銀毛がざわりと立ち上がる。
「…ん…んむっ…んっ…ふっ…」
 翼は夢中になって零幻の唇を味わい、舌を吸う。彼の左手が髪から続く鬣を撫で下ろし、右手が腰から
続く長い尾を撫でた。肩甲骨の内側辺りからは細かい鱗が浮かび、鬣の根元は硬質化した鱗が覆っている。
感覚など無いはずなのに、零幻の撫でる指の動きは手に取るようにわかった。
「んぅあっ…はぁ…」
 “きゅ…”と抱き締められたまま、御主人様の左手が翼の左の耳たぶを撫でる。彼の右手は、太い龍の
尾の根本近くを何度も撫で擦った。
「…んぅ…しょこ…らめぇ……」
 とろとろにとろけ、舌がうまくまわらないのか、甘ったれた幼児言葉のような声が零幻の頬を撫でた。
「ん?」
「しっぽ…らめぇ…なのぉ…」
「知ってる」
 零幻はゆさゆさと腰を揺すり、突き挿(さ)さった陰茎で翼の胎道を擦りながら、ぴくぴくと震える尾
を“きゅ”と握り込んだ。
138☆ ◆QT4umEMRFs :04/05/13 21:27 ID:g5OJAawO
>137
ここまで。

口付け・口吸い・接吻
どれも具合がよろしくないので「キス」にしました。
確かに雰囲気は大切なので留意したいですけれど。

中華風なんですか?
書いてる人間は日・中+アルファ(竹河聖)っぽいかと。
139名無しさん@ピンキー:04/05/13 21:42 ID:G1hb9GCS
そういえば、
某異世界ファンタジー小説の作者が、
ワインの存在しない世界でワインレッドの色を表現するのに苦労した。
そんなことを語っていたのを思い出した。


”獅子王”時代の竹河聖だが。
140☆ ◆QT4umEMRFs :04/05/15 00:47 ID:P/oi+1OP
一気に人が少なくなりましたね。
141私がここにいる理由(32):04/05/15 00:50 ID:P/oi+1OP
>137
「ふぁあああ…」
 がくがくと身体を震わせる翼は、呆けたような顔で口を半分開けると、まるで空気を求める魚のように
ぱくぱくと唇を動かす。
「どうした?」
「…りょ…げ………あっ…はぅ…」
 知っていてにやにやと笑う主の、その右耳をおかえしのように翼はぺろぺろと嘗める。
「翼はかわいいなぁ……『今日は私が』…なんだって?」

かぷっ

「あだっ!こら、耳を噛むな、耳を!」
 肉切り歯で噛みつかれて、零幻の耳朶に穴が開くほどの痛みが走る。それでも再び尾を“きゅきゅきゅ”
と握り込むと、熱い吐息を吐きながら翼は口を離した。
「いりわるぅ……」
「意地悪?オレが?」
 耳を擦(さす)りながら零幻は、さも意外だとでも言いたそうな言葉を吐く。そんな彼に、翼は幼女の
ようにこくっと頷き、彼が苦しくない程度に“きゅううう”と抱き締めた。

 抱き合うようにして繋がっているため、翼の凶悪な重たい乳房は、零幻の意外と逞しい胸板に押し付け
られて淫猥な形に歪んでいた。帯は解いたとはいえ、翼はまだ薄い白布の寝間着を身に着けている。その、
さらさらとした上質な絹のようになめらかな寝間着の中へ、零幻は両手を差し入れ、その上で彼女の背中
と尾を愛撫している。
 寝間着が彼女の汗を吸ってしっとりとしているのを感じている彼は、ふと、翼の肩に顔を埋め、布地に
鼻を押し付けるようにして思い切り息を吸った。
「翼の汗の匂いがする」
「…ぁあ…いや…」
 零幻の、どこかうっとりとした声音に翼がもじもじと身じろぎする。
「いや?何が?」
「いっぱい……いっぱい汗をかいてしまいましたから…」
「これだけ乱れればな」
「ぃやです……その……あ、汗臭く…ないですか?」
142私がここにいる理由(33):04/05/15 00:51 ID:P/oi+1OP
>141
「良い匂いだ」
「……うそ」
「ウソ?おいおい、オレがオマエにウソをついた事があるか?」
 とぼけた顔でにこりと笑う零幻に、翼は何も言えなかった。確かに彼はウソは言わない。だがそのかわ
り、真実も言わない。都合の悪い事は話さないし、旗色が悪いとすぐに逃げる。何も話してくれないとい
うのは、ウソをつかないということと同義ではないはずだ。
 そんな零幻を、翼は卑怯だと思う。
 だから、「好きだ」「愛している」「大事だ」という彼の言葉が、泣きたくなるくらいに嬉しくても、
それを信じる事が出来ない。
 信じたいのに信じられないというのは、とてもとても哀しいことだ。
 だから、翼の中ではこの御主人様は、「とてもとてもひどいひと」だった。
「あっ!…あっ!…あっ!…」
 翼が黙っていると、零幻は両手で彼女のなめらかで“きゅっ”と引き締まった尻肉を掴み、ゆさゆさと
揺すった。時々、ぐいっと持ち上げ、そして重力に引かれるままに落とす。
「あっ…ふ…ふかぁい…」
 “ずんずん”と奥の奥、子袋の入り口をぐりぐりと圧迫されるような感覚に、翼のとろけた頭も体も、
ぶるぶると震えて揺れた。
 それでも腰が動く。
 零幻の首にしがみ付いたまま、翼の腰はぐにぐにと、まるで擦りつけるかのように妖しく動く。
 そして“じゅぷじゅぷ”と粘液の絡んだ音が響き、胎道が“きゅううう”と引き絞られる。
「…あっ…いやっ…」
 不意に“ぬるるっ”と御主人様のモノが引き抜かれ、翼は窓枠に両手をかけるよう促された。切なくて
切なくて、翼は泣きそうな顔で主を見るが、彼は彼女がそうするまで、絶対に入れてくれるつもりは無い
ようだった。
 仕方なく翼は、のろのろとした緩慢な動きではあったが、早くあそこをみっちりと埋めて欲しくて、急
いで膝立ちに寝台に立ち、窓枠に両手をかける。
『あ…風……』
 窓から翼の顔が出て、少し生暖かい風が彼女の顔を撫でる。
 目の前には黒い森が迫り、さわさわと草木の葉の擦れ合う音が聞こえてきていた。零幻のかけた術は内
側の音を外に漏らす事は無いが、外側の音はちゃんと伝えてくれる。でなければ、何か異変があっても感
知出来ないからだ。
143私がここにいる理由(34):04/05/15 00:53 ID:P/oi+1OP
>142
「…んぅうぁあ〜〜〜〜〜〜……」
 ぐいと腰を両手で掴まれ、翼は寝間着を捲り上げられて、強引に高さを調節されると、すぐに主の右手
の指が尻肉を分けて太い剛直のモノが“ずぶずぶ”と胎内へと挿し込まれた。
 肩甲骨まで捲り上げられた白い寝間着が、蒼月の冷たい光を浴びて青になる。つるりとした剥き身の茹
で卵のような尻肉を両手で揉み込んで、零幻はゆっくりと腰を前後させた。

にるっ……ぬるるっ……ぬるっ…ぬるっ…ぬっ…ぬっ…ぬっ…

「…んうっ…ぅ…ぁ…はっ…ぁ…」
 徐々に早さが増すその動きに、まるで耐えられないとでもいうように翼の頭がいやいやと左右に振られ、
藍銀の紙がさらさらと流れる。素肌の背中には尻尾まで続く鱗(うろこ)と鬣(たてがみ)の峰があり、
それが蛇のようにうねった。
 “ぱちゅっ…ぺちっ…”と、粘液質な音を立て零幻の男根が出入りする。翼の長い龍の尾が邪魔をして、
その様は見下ろす零幻からは見えない。そのため彼は、翼の尾を右手で掴んで“ぐい”と捲り上げ、ひく
ひくと蠢く尻穴も“ぬるぬる”とした粘液を垂れ流す膣口をも明かりの下へと露にした。
「い…いやっ……」
 肩越しに振り返り涙目で抗議する翼に、零幻は意地悪く笑ってやりながら、前傾した彼女の体の下で乳
牛(ちちうし)のように重たく垂れ下がり、ゆさゆさと前後に揺れ動く乳房を、左手をいっぱいに開いて
掴んで“ぐにぐに”と揉みしだく。
「ああっ…ああっ!…」
 切羽詰ったように啼き声を上げ、びくびくと体を震わせる翼の後押しをするように、零幻は腰の動きを
早めた。

ぺちっ!ぺちっ!ぺちゅっ!ぺちっ!ぷちゅっ!

「あっ…あっ…はっ…あっ…あっ…ひっ…あっ…」
 白く泡立ち、ねとねととした粘液が翼の太股を垂れ落ちる。
 揺れ動く乳房を後から弄び、そのやわらかさ、あたたかさ、重さをたっぷりと楽しんでいた零幻の左手
が、その垂れ落ちた粘液を指で掬い取って、こりこりと勃起し包皮から顔を出した翼の陰核へと塗りつけ
る。
144私がここにいる理由(35):04/05/15 00:54 ID:P/oi+1OP
>143
「ひんっ!…ぃあっ…」
 途端、胎道の締め付けが“きゅうううう”と一層増し、零幻のモノを奥へ奥へと引き込むように蠕動
(ぜんどう)した。
「うぅ…」
 彼の口から、思わず声が漏れる。
「き…きも…きち…ひ…?」
 『気持ち良いですか?』と聞きたいのだろう翼の真摯な瞳に、零幻は素直に「ああ」と囁く。
「すげぇ…イイ。オマエの身体は、やっぱり最高だ。オマエの身体が一番良い」
「あぁ…う……しい……」
 『嬉しい』。
 そのたった一言を告げると、翼は再び窓の外に顔を戻し、愛しい人から与えられる快美感を感じること
だけに集中した。だが視線の先、黒い森の中に、いくつもの光るものを見つけると、翼は全身が“かああ
あっ…”と一層の熱を帯びるのを止められなかった。
 獣の目だった。
 鹿や兎、狸や野鼠や、野性の馬までいる。
 その彼等が、窓から顔を出し、尻から人間の男に責め立てられながらうっとりと快楽に酔う龍人を、じっ
と静かに見つめていたのだ。
『ああ…見られてる……私と零幻様が繋がってるところを…見られてる……』
 妖亀を退治した事で、この森の草食動物や小動物が戻ってきたのだろう。
 その彼等が、どうしてここにいるのかわからない。音絶(おとたち)の術で声が聞こえたとは思えなかっ
たが、ひょっとしたら翼の硬角から発する微弱な思念派が、彼等を引き寄せてしまったのかもしれない。
『ああ…恥ずかしい……』
 野生動物の瞳は、感情を示さない。ただ、じっと静かに見つめるだけだ。
 だが、だからこそ快楽に溺れ身も世も無く善がる自分の姿を、音も無く見つめら続けるのは翼の羞恥を
激しく喚起した。
「そろそろいいか」
 小さく聞こえた零幻の呟きに、翼が翻弄されながらも振り返れば、彼は彼女の身体を軽々と抱き起こし
て、汗と淫液をたっぷりと吸った寝台にころんと転がした。ずしりと重たい白く大きな乳房が“ぶるん”
と揺れ、汗ばんだ肌が蒼月の青と行灯の橙を映してきらきらと煌く。
「そろそろ注いでやる」
145私がここにいる理由(36):04/05/15 00:56 ID:P/oi+1OP
>144
 しなくても良い宣言を、零幻はわざわざ、目に涙をいっぱいに溜めた翼の熱く火照る尖った耳に囁く。
そして彼は、彼女の両足をいっぱいに開いて、その中心の『肉の亀裂』に、己のいきり立った肉茎を“ぬ
ぬぬぬ…”と奥深くまで一息に挿し入れた。
「あっ…ぁっ…あっ…ああ〜〜〜〜〜〜ぁ〜…」
 翼の流麗な眉は苦悶を刻んでいるにも関わらず、紅を注さずともなお紅い唇は、天上の愉悦を示してい
る。狂おしく刻まれた愛しい人の刻印が、魂にこれでもかと何度も何度も穿たれてゆく錯覚。
 いや、それは確信だろうか。

ぶぼっ…ぶっ…りゅっ…

 主に抱き締められ、翼も彼の首にかじりつくようにして抱き締め返す。“ずんずん”と力強く、優しく、
激しく剛直を打ち込まれると、押し広げられた股間の洞(ほら)から空気が漏れる。
 広がっている。
 大きく口を開けている。
 呑み込んでいる。
 奥深くまで。
 貪欲に。
 全てを。
 その上で、もっともっと深くまで迎い入れたくて豊かな尻を揺する。尚も親密な密着を求め、隙間すら
許せないとでも言うかのように素晴らしく美しい形の長い両足が、零幻の腰に回される。
「んはぁうぅ…」
 ぐりぐりと膣壁のやわらかな肉襞を零幻の暴虐な肉柱(にくばしら)が擦り上げれば、翼は首を竦めて
耐えるしかない。
146私がここにいる理由(37):04/05/15 00:57 ID:P/oi+1OP
>145
 高みは近く、意識は朦朧と揺れる。

 哀しくて。

 苦しくて。

 愛しくて。

 涙がぼろぼろとこぼれては紅く染まった頬を流れた。
「泣くな」
 無理です。
「オマエが泣くと、オレは困る」
 違うのです。
 哀しいのではないのです。
 哀しいけれど、それはいいのです。
 あなたと私は、主と従であり、聖と魔であり、人と妖なのですから。
 決して交わらないのですから。
 それはわかっているのです。
「では、なぜオマエはいつも泣くのだ」
 嬉しいのです。
 愛しいのです。
 愛しくて胸が苦しいのです。
 愛しくて魂(こころ)が哀しむのです。
「なぜ哀しい?こうして愛しているのに」
 気持ちが良くて。
 気持ちがすごく良くて。
 この気持ちの良いことを私以外の娘にしたあなたが憎いのです。
 きっと何度も私以外の娘にしたあなたが許せないのです。
 でも愛しているのです。
 全てを許したいのです。
「ならば許せ」
147私がここにいる理由(38):04/05/15 00:58 ID:P/oi+1OP
>146
 では愛して下さい。
 身体だけでなく心も愛して下さい。
 口付けと同じくらいの気安さで「愛している」と言わないで下さい。
 魂が引き裂かれるほどの愛しさで「愛している」と言って下さい。
 囁いて下さい。
 言葉にならない言葉を胸に、翼は零幻に貫かれながら何度も涙の雫をこぼした。

 やがて。

「行くぞ」
「…ぁ…は…ぁい……」
 主の腰の動きが一層激しく、深くなる。
 そうしながら、主の薄い唇が呟くように囁くように言の葉を紡ぐと、常人には不可視の銀字がするする
とこぼれ出る。その銀字の帯が薄く開いた翼の唇の中へと入ってゆき、彼女の頭の硬角がぼんやりと青白
く光を放った。
「…んっうっ…」
 そして。
「…くぅぅぅううう…」
 翼の全身に複雑な文様が浮かび上がる。その文様は翼の鼓動に呼応するように明滅を繰り返し、やがて
光は下腹部へと集まっていった。
「いいか」
「はいっ」
「いくそ」
「は…」
「いくぞ」
「ぅ…」
「いくぞっ!」
148私がここにいる理由(39):04/05/15 01:00 ID:P/oi+1OP
>147
 まるで叩きつけるような腰の動きに、翼のもったりと大きな乳肉が面白いように揺れ動く。

ぱちゅっ!ぱちゅっ!ぱっちゅっ!ぺちゅっ!

 零幻は翼の両脚の膝裏に腕を当て、抱え上げるようにして彼女の身体を二つ折りにすると、上から叩き
つけるように男根を押し込んでゆく。翼は涙をぽろぽろとこぼしながら寝台の敷布を顔の横で掴み、何か
に耐えるようにいやいやと首を振った。
「ぅ…ひっ…ひぃっ…」
 翼の紅い唇の間から、噛み締めた白い歯が覗き、肉切り歯がぎりぎりと合わさって鋭く光る。
「…ふっ…」
 零幻が短く呼気を吐く。
 それが、射精の合図だった。
「あっあっあっあっあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ぁ………」
 長く尾を引き、引き絞るような声が漏れ、下腹部に集まった光が一気に全身を覆う。薄ぼんやりと膜の
ように覆う光は、ゆっくりとその輝きを失い、やがて消えた。
「……ぁ………」
 “びくっびくっ”と、しゃくりあげるように翼の赤味を帯びた白い腹が波打つ。一滴も漏らしてなるも
のかと、翼の膣が脈動し、奥へ奥へと零幻のモノを誘い込んだ。
『ああ……入ってる……入ってくる……』
 何度も脈動する御主人様のモノから、精が、練り込まれた陰気が流れ込んでくる。下腹部が熱くなり、
その代わりに全身が少しの間、氷のように冷たくなったように感じた。
 いつも、そうだ。
 いつもこんな風に体がひどく冷たくなり、翼はこのまま自分が消え去ってしまうような恐さを味わう。
 だのに、この瞬間がたまらなく愛しいのは、
「……良かったか?」
 零幻がいつもの笑顔で、熱い口付けをくれるからだ。
「りょうげんさまぁ……」
 見上げる翼の瞳から、ぽろぽろと涙がこぼれる。愛しくて愛しくて、この瞬間だけは、気が狂いそうな
ほど幸せだった。
 主は二つ折りにして上から押さえ込むように挿入していた男根を、“ぬるり”と抜き取った。
149私がここにいる理由(40):04/05/15 01:03 ID:P/oi+1OP
>148
「…んぁっ…」
 翼がその刺激に、消え入りそうな声を上げる。
 そして、
「…ください…呑ませてください…ぜんぶ…ぜんぶ…」
 泣きながらそう請う翼の口に、零幻は、まだ彼女の淫液と自分の精で濡れた男根を寄せていった。翼は
身を起こし、上半身を左肘で支えながら力を無くしてだらりとした肉茎にしゃぶりつく。
 そうして丁寧に嘗め、ちゅうちゅうと吸う。
 しゃぶる。
 尿道に残った精までも、全ては私のものだ…とてもいうかのように。
「零幻さまの…あじ…」
 たっぷりとねぶり、一滴残らず精を嘗めとって飲み下すと、翼はうっとりと囁いて再び仰臥した。荒かっ
た呼吸はゆったりとしたものとなり、前の開かれた白い寝間着からは、仰臥してもだらしなく垂れたりす
ることなく大きく盛り上がった乳房が、汗ばんだ肌のままゆらゆらと揺れていた。
150☆ ◆QT4umEMRFs :04/05/15 01:03 ID:P/oi+1OP
>149
ここまで。

とりあえずフィニッシュまでです。
後はピロートーク+アルファ。
151名無しさん@ピンキー:04/05/15 02:28 ID:uQ0JbDnk
☆さん>

乙っす。
人が減ったというより、まあ日頃からこんなものであるかと。大量投下に戸惑っている読み手の人もいるかとは思うので。

ムコウノスレガチョイトイジョウカト…ソンナオレハアチラモミテイルノダガ

やっぱ情景の描き方が丁寧で良いです。
続きも期待(ピロートーク含)
152名無しさん@ピンキー:04/05/15 03:51 ID:qU0m2L8b
向こうのスレ?
153名無しさん@ピンキー:04/05/15 10:38 ID:+Zv4HBTr
>>150
乙です。
心理描写が上手いので、ぐいぐい引き込まれてしまいます。
続きのピロートークも期待大。

>>151
書き手さん本人が「ここでも書いてるよ」と明記してない限り、
「向こうのスレが」とか、思わせぶりなレスはやめたほうがいいと思われ。
154名無しさん@ピンキー:04/05/15 23:35 ID:f92E01W9
Pink本をつくろうよ会議。
http://erobbs.com/pink/

人大杉を解決するためにも新サーバーを購入しよう、その資金の為に本を作ろうという動きがあります。
pink系各板がアイデアを出し合っているわけですが、エロパロ板は手詰まりな状態です。
というのも版権の問題でパロは載せられない、つまりこの板の膨大なSSは使えないのです。
しかし、完全オリジナルであるこのスレのSSならば問題はありません。
残念ながら作者に原稿料や印税は入らないわけで無理強するものではありません。
ご意見がありましたら上記掲示板にお願いします。
155155 ◆MABOUp7up. :04/05/16 13:35 ID:Vvs+nx4f

「ん。6度2分……平熱ですね。それじゃ、安静にしててくださいね〜」
体温計を確認し、にっこりと微笑みながら、看護婦さんが部屋から出て行く。
ああ……白衣の天使って綺麗だなあ…。
「こ〜ら。何ぼけらっとしてるんだ? まったく……」
「い、いや、別に!?」
と、窓側から咎めるような声がして、動揺した僕はどもりながら反射的に振り返った。
「あんな娘が好みだったのか? それとも、あの服装がよかったのか?
何なら、同じ格好してきてやってもいいけど?」
「ちょ…そ、そうじゃないよ。そんな言い方しなくても………」
腕組みしているアイリスが、扉を見つめながら投げやりな口調で吐き捨てた。
僕は慌ててアイリスの言葉を否定したが……看護婦姿のアイリスは……正直、見てみたいかも。
「それにしてもなあ……まったく……何を考えてるんだ、いいトシして」
「ううう………だって……」
呆れ顔で、部屋の中を歩き回っていたかと思うと、
ベッドの脇の椅子に座りこみ、たしなめるようにつぶやくアイリス。
………そうさ。僕だって情けないさ。スノボで大転倒して、足の骨を折ってしまうなんて。
「私は恥ずかしいよ、恵ちゃんたちにも迷惑かけちゃったんだから」
ピンッと僕の鼻の頭を叩きながら、アイリスの愚痴は続く。
そりゃあさ、確かに多少無理して滑ってたのは僕だけど……無理するような原因を作ったのは、
前の夜に足腰立てなくなるくらいまで、エッチさせたアイリスじゃあないか……。
156155 ◆MABOUp7up. :04/05/16 13:36 ID:Vvs+nx4f

うぐ……し、しまった………そんなこと考えてると、おしっこしたくなってきた……。
「んん〜? 震えてるなあ? もしかして、トイレ行きたくなってきたかあ?」
「う………うん…」
アイリスが、そんな僕の挙動を見逃すはずもなく、嬉しそうな声で問い掛けてくる。
その目に悪戯っ娘の光を感じたとき、嫌な予感がしたが、逃げようも無いので僕は素直に頷いた。
「そっか。ま、出るものは仕方ないやな。さて、トイレ行くのも大変だろ。……しょっと」
言うや否や、アイリスの姿が僕の視界から消える。
再び姿を現すアイリスの手には……ガラスの器。……いわゆる尿瓶、だ。
「い!? い、いいよ。トイレくらい、一人でちゃんと行けるって!」
「無理するなって。私だって一応、御主人サマを気遣ってるんだからさ」
……言葉だけ聞けば嬉しいけれど、そのニコニコ微笑んでいる顔を見たら、何故か素直に喜べないよ。

「ほらほら、暴れると他の患者さんに迷惑だぞ♪ おとなしくしなさいな」
ぱっと僕の上に飛び乗りながら、アイリスは嬉しそうに言った。ぐ……膀胱を圧迫しないでほしい………。
それに、そもそも病室の患者は僕ひとりしかいないし……。
「ん〜、青い顔をしてるぞ〜? 早く出したほうがよくないか〜?」
「わ、分かった! 分かったから降りて!」
アイリスは、下腹部を手でぐいぐいと押しつけながら微笑んでくる。もう! もう本当にまずいって!!
「そっか、分かった分かった。さあってと……じゃ、脱がすぞ〜」
僕の逼迫した叫び声を聞いて、にっこり微笑んだアイリスは、ずるずるとそのまま後退していった。
と、僕のパジャマのズボンに手を掛け、こっちを見つめる。
「う、うん。は、早く、早くして」
身体がブルブル震えているのは、我慢が限界に近いからだけ、なのだろうか?
157155 ◆MABOUp7up. :04/05/16 13:37 ID:Vvs+nx4f

「よいしょっと……。よし、いつでもいいぞ」
「あ、ああ……」
アイリスは、膝近くまで僕のズボンとパンツを下ろし、モノを優しく摘み上げ、尿瓶の入り口へ誘導した。
僕はアイリスが言い終わるのが待ちきれずに、用を足していた。
ふう…横になったまま用を足すのって、意外と気持ちいいんだな……って、まずい。癖になっちゃうかも。

「……っと…。これで終わり、かな?」
「あう…う、うん……どうもありが…と!?」
おしっこの勢いが弱くなってきた僕のモノを、軽く振りながらアイリスが話しかけてきた。
ひと息ついたおかげで安心感が生まれた僕は、アイリスに礼を言おうとして、声を裏返させてしまう。
何故なら、アイリスがモノを摘んでいる親指と人差し指を、モノに沿って素早く動かし始めたから、だ。
「ちょ、ちょっと、アイリス!?」
「んん? やっぱり若いなあ。すぐに大きくなってくるし、さすがは御主人サマ♪」
悲痛な叫びとは裏腹に、少しずつ大きくなるモノを見て、アイリスが嬉しそうに微笑む。
……やっぱ…こうなるのね……。って言うか、看護婦さんとかが来たらどうするんだよ!?
「うわっ。何だか……今までよりも立派に、しかもビクビク脈打ってるよ、御主人サマ」
頭は冷静になってはいるが、下半身はかえって興奮してきてるらしい。……我ながら情けない。
「く……っ………う……」
だが……滅多に無いシチュエーションだってことが、興奮を呼び覚ましたようで、
早くも限界が近づいてきた。も…もう、イッちゃ………。
158155 ◆MABOUp7up. :04/05/16 13:37 ID:Vvs+nx4f

「……っと」
イキそうになって腰を浮かした瞬間、アイリスはぱっと手を離してゆっくりとベッドから降りる。
何? 何があったの!? 僕は情けない顔でアイリスをじっと見つめていた。
「ん? 何だか物足りないって顔してるなあ。ま、たまには我慢しなさいな。
退院したら、目一杯相手してあげるからさっ」
尿瓶をベッドの下に戻し、優しく微笑みながら僕のズボンを元に戻すアイリス。
……………。何だか…あの笑みが悪魔の微笑みに見えてきた。
……あ。でも僕が女神サマと言っているだけで、本来は悪魔だったんだっけか。
まあ仕方ない。アイリスが帰ったら、久々に一人寂しくオナニーでも……。
「た・だ・し」
「え? な、何!?」
僕がそんなことを考えていると、アイリスは指をピシリと突き立ててきた。
反射的に、思わず身構えてしまう。……毎度思うけど、これじゃ、どっちが御主人なんだか……。
「分かってると思うけど、退院までオナニーしたり、看護婦さんに抜かれたりしたら、あとが怖いからねっ♪」
にっこりと微笑みながら、小首を傾げてアイリスが宣言する。
………やっぱり女神サマの名前、返上してもらったほうがいい、かなあ?
159155 ◆MABOUp7up. :04/05/16 13:38 ID:Vvs+nx4f

――夜。思い切り僕は目が覚めていた。……アイリスのおかげで普段から、夜更かししてるからねえ……。
そういえば、この病院でも特有の怪談ってあるのかな? 看護婦さんには聞きそびれちゃったし。

ヒタ………ヒタ………

……などと思っていると、廊下を何者かが歩いている音がする。ううむ、何てタイミングのいい。
一瞬、看護婦さんの巡回かなと思ったが、こんな時間にそれは無い、と思う。

ヒタ……ヒタ……

何だか……足音の感覚が短くなっている……ということは、こちらに向かっているというわけで。

ヒタ…ヒタ… カチャ

「あ、か、看護婦さん?」
扉が開き、誰かが部屋に入ってくる。その姿を確認して、僕は思わず間抜けな声をあげていた。
何故かというと、そこには昼間、検温に訪れた看護婦さんが立っていたのだから。
その姿を見て、ホンモノが来たかと内心、ドキドキしていた胸をそっと撫で下ろした。
「まあ、まだ起きてらっしゃったのですか。こんな時間だっていうのに」
看護婦さんは軽く眉を顰めながら、こちらへと向かってくる。
「か、看護婦さんこそ、何があったんですか? もう真夜中ですよっ!?」
「ええ、まあ。少し気になることがありまして……ん…っ……」
上半身を起こしながら、僕は看護婦さんに話しかけた。
いっぽうの看護婦さんは眉を顰めたまま、僕のベッドに腰掛け……いきなりくちびるを奪ってきた。
160155 ◆MABOUp7up. :04/05/16 13:39 ID:Vvs+nx4f

「な? なな!?」
さらに、彼女が舌を潜り込まそうとしていることに気がつき、反射的に両肩を掴んで無理矢理引き剥がした。
驚きのあまりに、声じゃない声が口から漏れだす。何が…どうなってるんだ!?
「どうしましたか? ……大丈夫ですよ。今夜のことは、誰にも言いません。
あとは、秀人さんが誰にも言わなければ、今夜の出来事は無かったことに、なるのですよ?
それとも……彼女のことが、気になっているのですか? ………………」
小首を傾げながら、彼女は僕を諭すように語り掛けたかと思うと、
聞き取れないくらい小さな声で、何事かつぶやいている。
………何だか…彼女の目を見つめていると、凄く安心出来るような気がしてくる。
それどころか今はただ、目の前の彼女とずっとそばにいたいとさえ、思いはじめていた。
「大丈夫…ですよ……」
彼女の言葉を再び耳にした途端、僕はその声が何かの合図だったかのように、
フラフラと手を伸ばし、しっかりと彼女を抱きしめて――冷たい!? 
――そう、彼女の身体は、何故か氷のように冷え切っていたのだ。
まるで寒い日に、外から帰ってきたばかりの身体のように。
だが、それなら僕が温めてあげればいい――そう思って、彼女を力強く抱きしめた。
161155 ◆MABOUp7up. :04/05/16 13:40 ID:Vvs+nx4f

「んふ…ん……んんんっ……」
「……ん……ん…っ……」
くちびるを奪い、舌を潜り込ませようとする。おかげで、自然と鼻息が荒くなり、腕の力が緩む。
彼女は僕の後ろ頭に手を回しながら、舌を伸ばして僕の口内に潜り込もうとしてくる。
今度は、さして違和感も持たず、彼女の舌を無条件で受け入れていた。
「ん…ん……んんっ……んっ……」
彼女の舌がどんどん伸び、僕の咽喉まで届きかけている。
本来なら呼吸を妨げられて、咳き込んでいてもおかしくは無いのだが、
不思議なことに、息苦しさなどはまったく感じられなかった。
むしろ、口中が彼女で満たされることで、至福の喜びを感じるようにまでなっていた。

「ん……ん…んん……っ……」
長い舌を僕の口内からゆっくりと抜き出し、僕に妖しく呼び掛けてくる。
ふと気がつくと、僕は上半身に何も身につけていなかった。いったい、いつの間に……?
「さ……どうぞ、こちらへ……」
声に誘われ、彼女のほうを見ると、やはり上半身には何も身につけておらず、
張りのある、形のいい胸が、その存在を主張するように、ぷるぷる揺れている。
両手を開いて語りかける彼女の姿は、まるで何かの神話に出てくるような、
慈愛に満ちた聖女を連想させ、僕は何かに魅き寄せられるように、そっと彼女を抱きしめた。

「ん……ちゅっ…ん…んっ……あったかいです……秀人さんの身体……。ん……ちゅっ…ちゅ…っ…」
「…ああっ! …あ…ああ……気持ちいい…気持ちいいよ………」
チュッチュッと、小鳥が餌をついばむような、軽い口づけをしながら彼女はつぶやき続ける。
と、彼女がゆっくりと僕の手をほどいたかと思うと、そのまま僕の胸に吸いついてきた。
氷を押し当てられたような感覚に、思わず悲鳴がこぼれる。
だが次の瞬間には、ただの氷とは違った柔らかい感触が胸の頂をうごめき、
その刺激がたまらなくて、僕は吐息とともに愉悦の声を漏らしていた。
162155 ◆MABOUp7up. :04/05/16 13:41 ID:Vvs+nx4f

「あ! ううっ……」
舌を這わせたまま、彼女はゆっくりと僕の下腹部を目指す。
依然として氷のように冷たいが、そんなことも気にならないくらい、彼女の舌は魅力的だった。
「ん…ふふっ……お元気ですね…もう、こんなにしちゃって……」
「あああっ…」
彼女は僕のへその辺りを舐めながら、目だけをこちらに向け、優しく微笑みかけてきた。
その手はしっかりと、僕の下腹部の膨らみを撫で回している。うう……もう、何も考えられない………。
「……しょ……っ…と………ま…何て立派なんでしょう……」
軽く身体を起こした彼女は、僕のパジャマのズボンに手を掛け、ゆっくりと引き下ろす。
下着に押さえつけられていたモノが、その縛めを逃れ、ピンと天井を向いたのを見て、
彼女が感嘆の声を漏らすが、その声もまるで、どこか遠くで聞こえているようにしか感じられなかった。
……もっと、もっとモノに刺激が欲しい。今はそれしか考えられなかった。

「さて…と……ん…んふ……っ……」
「く…うっ…はあ…っ……あっ…」
彼女はゆっくりと身体を起こし、悠然とした表情で僕を見下ろしている。
さらに、僕が吐息を漏らしながら、ぷるぷると歓喜に震える姿を見て、
満足げな笑みを浮かべたかと思うと、おもむろに僕のモノを口に含ませた。
襲い来る刺激に、たちまち腰がガクガク震えだす。
「んぐ……ぐ…っ……っ……」
「あ…あ……ああ……」
根元までモノを咥えこんだかと思うと、ゆっくりと顔を前後に動かし始めた。
その舌は左右に小刻みに震え、モノにピタピタとぶつかっている。
思わず彼女の頭を両手で抱えながら、今までとは一味違う、新たな快感に身を震わせていた。
163155 ◆MABOUp7up. :04/05/16 13:41 ID:Vvs+nx4f

「……っ……。凄い立派………さ…今度は…私にも……」
モノから口を離した彼女は、ゆっくりと体を起こし、足を自らM字に開いて手招きしてくる。
おかげで、スカートの中身が丸見えだ。彼女の下着が目に飛び込んでくる。
――制服とほぼ同色の、薄いピンク色のショーツ――気がつくと、僕は彼女の股間の前に跪いていた。
「…思い切って……破いちゃっても…いい、ですよ…」
「え? あ…ええ?」
自ら大事な場所を、異性に曝け出している興奮なのか、ほんのり頬を上気させながら彼女は言う。
言葉の意味を一瞬分かりかね、僕は思わず問い返していた。
「だ…だから、その……こ…こうして……」
ビリッ
僕の質問に、彼女は顔を真っ赤にさせながら、自分のパンストの一部をそっと引き裂いた。
乾いた音が鳴り響く。と、同時に僕の中でも何かが”切れた”気がする。
164155 ◆MABOUp7up. :04/05/16 13:42 ID:Vvs+nx4f

ビリビリビリッ

「きゃっ! あ、ああっ!!」
両手でパンストを引っ掴み、思い切り左右に引っ張った。
小気味よい音が室内に響くと同時に、彼女が軽い悲鳴をあげる。
どうやら勢い余った指の先端が、彼女のショーツに覆われている割れ目を、軽くなぞっていたようだ。
今までとは違った彼女の声に興奮した僕は、ショーツを掴んで思い切り上に引っ張った。
「あ! ああんっ!!」
ショーツが割れ目に食い込み、上半身を仰け反らせながら悶える彼女。
調子に乗ってきた僕は、そのままショーツを左右に揺さぶってみた。
「…は! はあ……んっ……! ……!」
彼女の目からは、涙がぽろぽろとこぼれおち、その手は漏れ出す声を抑えようと、
必死に口元を押さえている。そんな意地らしい姿に、もっと意地悪をしてみたくなってきた僕は、
思い切って、ショーツの上から人差し指を割れ目に潜り込ませてみた。
もちろん、ショーツを揺さぶっている左手はそのままで。
「…! ………ーっ!!」
途端に天を仰いで、必死に悲鳴を飲み込む彼女。割れ目の中は、すでに熱い液体で満たされていて、
僕の指は彼女のショーツごと、難なく飲み込まれてしまった。
さらに中指も彼女の中に潜り込ませ、そのまま不規則にうごめかせてみる。
「……っ! ………っ…!」
彼女が腰をよじらせ、僕の手を掴んで首を軽く振っているが、片手は口元を押さえているうえに、
力がほとんど篭っていない。それをいいことに、僕は彼女の割れ目を夢中になって攻め立てていた。
165155 ◆MABOUp7up. :04/05/16 13:43 ID:Vvs+nx4f

「あ…あ…あ……ああ…あっ……」
彼女が腰をガクガク震わせながら、断続的なあえぎ声を漏らし始めた。
声の質が変わってきたと思った僕は、一気に指を彼女の割れ目から引き抜いた。
「あ! はあんっ!」
割れ目から指を引き抜くと同時に、そのまま彼女のショーツを掴みあげ、両手で引っ張ってみる。
すでに、彼女の大事な場所を隠すという、肝心な役を果たしていないそれは、
彼女自身からあふれる蜜を吸って、強度が増していた。
だが僕は、委細かまわず両手に力を思い切り篭めてみる。

ビ………リッ

先ほどのパンストと違い、湿った音を立てながら、ショーツがようやく破けた。
僕は再び、彼女の割れ目に指を――今度は3本一気に――潜り込ませる。
「ああっ!! は……っ……あ、ああーーっ!!」
指を根元まで潜り込ませた途端、彼女は手で口を覆うのも忘れ、
あられもない声を響かせたかと思うと、そのままゆっくりとベッドに倒れこんでしまった。

続く。


>128
申し訳ございませんでした。以後気をつけます。
166ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 14:31 ID:rhW00eB7
「残念ながら、雲井氏がリタイアしても、君に対する脅威が減ったとは言い難いだろうな」
 今回は顎鬚がダンディーな老紳士の姿をしているゲルダさんが、
“しょごす”さんの煎れた紅茶を飲み干すなり断言した。
「アタシも同意見よねぇ……むしろ日野ちゃんが明確な敵意を見せたって事は、
これから容赦無い攻撃が来ると考えた方がイイわよン」
「わ、わぅう……きゃぅん!!」
 ジタバタ暴れる“てぃんだろす”をお人形さんみたいに抱きかかえながら、
ボブロフさんが可愛らしく小首を傾げる。あくまで仕草だけは可愛らしく。
 今朝早く、僕の家に視察に来たゲルダさんとボブロフさんに、
先日の事件の顛末を詳しく話して、今後の事についてアドバイスを聞いてみたんだけど……
残念ながら、あまり安心感を持てる返事は聞けなかった。
 ゲルダさんの見立てによると、雲井氏は『接触者』として勢力的には最弱で、
いなくなってもあまり全体に影響は与えないらしい。
むしろ、最大の勢力を誇る日野さんが宣戦布告した事が非常にまずいという。
先日、“とぅーるすちゃ”神の炎で人間の街ごとン・カイを焼き尽くそうとしたように、
目的のためなら手段を全く選ばないタイプ――というより、
いかに自分が楽しむかを基準に手段を選択するタイプだからだ。
167ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 14:33 ID:rhW00eB7
 あ、ちなみに僕等『接触者』の勢力と言うのは、
単純に自分の味方になってくれている『邪神』の数と強さに比例するらしい。
 そういった接触した『邪神』の事を『接触神』と言うんだけど、注意したいのは、
単純に出会うだけの『邪神』では『接触神』には含まれなくて、
ちゃんと積極的に味方となって手助けしてくれる『邪神』だけが『接触神』に数えられるという点だ。
 ちなみに、そうした面で見た僕の『接触神』の皆さんは、
“つぁとぅぐあ”さんに“てぃんだろす”、“しょごす”さんに“おとしご”ちゃんという構成になる。
“いたくぁ”さん、“あとらっく=なちゃ”さん、そして“あぶほーす”さんは、常時助けてくれるわけではないので、
厳密には『接触神』には含まれないようだ。僕は前者だけならあまり勢力的には強くないけど、
後者の3柱を加えると途端に最強クラスになるという、非常に微妙な勢力になっているらしい。
 そして、日野さんは最低でも“とぅーるすちゃ”に“ひぷのす”という2柱の『外なる神々』、
“くとぅぐあ”に“らーん=てごす”という2柱の『旧支配者』を味方にしている。
これはとんでもなく恐ろしい勢力で、特に『外なる神々』の力を使えば、
銀河系の2・3個は軽く滅ぼす事ができるとか……
しかも、この『接触神』は、あくまで確認しただけの数で、もっとたくさんいるかもしれないんだよね……ああ、頭が痛い。
168ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 14:34 ID:rhW00eB7
「要するに、正面からまともに日野氏と戦っても、絶対に勝ち目は無いという事だ」
「残念ですガ、私もゲルダ様の意見に同意しまス」
 お茶菓子を運んでくれた“しょごす”さんの糸目は、どこか憂鬱そうだった。
 うーん、確かにこのままでは何かとマズイよねぇ……
僕自身はただ平和な日常をのほほんと過ごしたいだけなんだけど、
向こうはそれで『はい、わかりました』と放っといてくれる筈がない。
かといって専守防衛しても、たちまち押し潰されちゃうだろう。
 珍しく真剣に思案する僕に、ボブロフさんがずいと身を乗り出してきた。
「ねぇ、これはあくまで提案の1つだけどォ……龍田川ちゃんと組んでみてはどうかしら?
2人の勢力が合わされば、日野ちゃんともけっこう良い勝負ができると思うんだけどォ」
 そのヒグマみたいな兇貌で、ばっちんと音を立ててウインクしてくれるのだからたまらない。
思わず僕は後退りしながら反射的に傾こうとして――
「……それで……みんな同士討ちすれば……万々歳……というわけね……」
 例によっていつのまにか部屋にいる“いたくぁ”さんの声に、はっとなった。
 慌ててボブロフさんがごつい両手を振る。
「や、やぁねェ……そんな事考えて無いわ――」
「確かに、我々にとってそれが一番都合が良いのは事実だ」
 ゲルダさんの眼差しは、身震いする鋭かった。
「ちょ、ちょっとゲルダちゃぁン……」
「しかし、最後に誰かが生き残るのなら、君が最上だと考えているのも、また事実なのだ。
我々脆弱な人間が君達に敵対すれば、その瞬間に破滅させられる事は理解している。
だが、その上でなお君を利用しようとしている我々の覚悟を、少しでも汲んでくれればありがたい」
「……考えてみます」
 『覚悟』を決めた人間特有の真摯な言葉に、僕はそう答えるのがやっとだった。
169ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 14:35 ID:rhW00eB7
 危惧していた事が起こったのは、その日の夜の事だ。
「……う〜、しばれるねぇ」
「わぉおん」
 いわゆる寒の戻りというやつらしく、この時期にしては珍しいくらい寒い。
先月頭にしまったコタツを再び出して、僕は“てぃんだろす”と一緒に包まっていた。
「もうすぐお夕食ができますヨ。今日は寄せ鍋にしてみましタ」
 さすが南極出身、寒さなんて全然平気らしい“しょごす”さんが、台所からうれしい言葉をかけてくれた。
「……2ラウンド目から……早くも……おじや……」
 ……まぁ、今更コタツの向かいで勝手に玉露を煎れて飲んでる“いたくぁ”さんの事について、
とやかく言うつもりは無いけど。最近、食事時には必ず出現するからなぁ。
でも、最近は何かと助けてくれる事も多いので、その点は素直に感謝しよう。
あまり調子に乗りすぎてる時は、例によってアナル地獄だけど。
 かりかりかりかり……
「はイ、できましたヨ」
「あぉん!!」
「おおお〜、待ってました!!」
「……ナベ……それは最後のフロンティア……」
 かりかりかりかりかりかりかりかり……
「ポン酢と出汁卵をどうゾ」
「はふ、きゃぅん!!」
「ほらほら、熱いからふーってしないと火傷するよ」
「……ガンフロンティアの……ラスボス戦で……連打して泣いたのは……俺だけでいい……」
 がりがりがりがりがりがりがりがりがりがりがり……!!
「一献いかがですカ? “てぃんだろす”ちゃんにはメッコールでス」
「かりかり……わぅん!?」
「ああ、その海老の頭は出汁取り用だから、食べちゃダメだよ」
「……連打すると……難易度が上がるのは……なぜ?……」
 がんがんがんがんがんがんがんがん!!!……がしゃあああああん!!!
「いいかげんに気付けにゃ〜!!!」
 いきなり窓ガラスをブチ壊してきた乱入者に、僕は食べかけの具を吹き出しかけた。
170ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 14:36 ID:rhW00eB7
「な、何が起こったの!?」
「わぅん!!」
「珍入者でス!!」
「侵入者だにゃ!!」
「……今のうち……肉を全部頂き……」
 あまりにも突発的な緊急事態に、無感情な1人を除く全員が身構える。あ、一応は僕も。
 謎の乱入者は――ちょっと一言では言い表せないような、珍妙な格好をしていた。
 白くてスリットの入った袖の長いワンピース風の衣装には、様々な色彩の宝石と黄金の装飾が成されていた。
足には靴底の厚いサンダル、頭にはコブラの紋章が浮き彫りとなった宝冠、
いわゆる古代エジプトの女王様みたいな衣装なんだ。
その豪華さは、おそらく腕飾り1つで億単位の価値があるだろう。
 しかし、なにより豪奢で華麗なのは、その中身――驚愕、絶句の果てに陶酔するような少女の美しさだ。
歳は14〜5くらいかな。ちょっと気が強そうだけど愛嬌のある顔立ちで、
思わず抱き締めたくなるくらい可愛らしい。髪は光沢のあるダークブルーで、
肩口でばっさり切り揃えてある。ただ耳の脇だけは長く伸ばしていて、その長さは腰に届くくらいだ。
 そして、何より特徴的なのは――頭のサイドからぴょこんと飛び出したネコ耳と、
お尻から長く伸びた、左右に揺れるネコ尻尾!!
 そんな古代エジプト王女様風のネコミミ美少女が、その家宅不法侵入者の正体だ。
いや、全然正体は明らかになってないけど。
「えーと、ちょっと『くるくるですぅ〜』って言いながら、その場でスピンしてもらえませんか?」
「何を意味不明な事を言ってるのにゃ!?」
 ……とまぁ、そんな感じの超絶美少女です。
 もう、いいかげん同じパターンばかり続くから、大体想像つくけど、やっぱりこのネコ娘は、
『美味しい生贄』である僕を狙ってきたフリーの『邪神』さんか、あるいは日野さんの――
「わらわは“ばーすと”! 日野 エツ子の願いにより、赤松 英の命を貰い受けに来たのにゃ!!」
 あああああ、やっぱりこのパターンか。正解しない方が嬉しかったなぁ。
171ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 14:38 ID:rhW00eB7
「ねぇ、やっぱり――」
 溜息を吐きながら皆の方に振り返った僕は――しかし、ある意味信じられない光景を見た。
「ごごごごごご、御主人様!! 危険でス!! マズイでス!! びーでんじゃーでス!!」
 あの“しょごす”さんが、糸目を見開いてガタガタ震えているじゃないか。
「……涙君さようなら……」
 “いたくぁ”さんは、一瞬の躊躇いも無くダッシュで2階に逃げようとしていた。
ただ、熱い鍋を抱えて逃げようとしているので、簡単に捕まえられたけど。
「“しょごす”さん、あの妖怪エジプトネコ娘は、そんなに危険なのですか?」
 力無く暴れる“いたくぁ”さんのお尻を抱きかかえながら、僕は“しょごす”さんに尋ねてみた。
いささか緊張感の欠落した僕の質問に対して、彼女の返答は緊張が漲っている。
「当然でス!! あの御方は“ばーすと”……『外なる神々』ですヨ!!」
「げ、“あぶほーす”さんや“ひぷのす”さんのお仲間ですか……やっぱり強い?」
「御主人様に分かりやすく表現するなラ、2週目剣王並みでス」
 やばい!! 即死れる!!!
「にゃはははは……わらわの恐ろしさ、思い知ったかにゃ?」
 いや、イマイチそれはよくわかりませんが、とりあえず非常にまずい事態になったみたいだ。
まだ何もしてないのに勝ち誇る“ばーすと”さんには、
確かに凄まじいまでの“人外の気”とでも言うべき迫力を感じる。
見た目がアレなので、あまり緊迫感はないけど。
「にゃはははははははがぶっははははは――『がぶっ』?」
 突然、“ばーすと”さんの高笑いが止まった。よく見れば、彼女の背後に誰かがしゃがんでいる。
その時になって、僕は“てぃんだろす”の姿をさっきから見かけない事に気付いた。
 “ばーすと”さんの後ろに回って、そのゆれる尻尾を掴み、嬉しそうに噛みついているのは――“てぃんだろす”!?
172ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 14:42 ID:rhW00eB7
「がう、わう♪」
「うにゃぁああああああああ――!!!」
 近所から苦情が来る事間違いなしの大絶叫が、“ばーすと”さんの口からあふれ出た。
「がぶがぶがぶがぶ……わぅん♪」
 “てぃんだろす”は瞳をキラーンと輝かせながら、
嬉々として“ばーすと”さんの尻尾に噛みついている。
あの楽しそうな表情は、以前、僕の目を盗んで“つぁとぅぐあ”さんの胸やお尻に噛みついていた時と全く同じだった。
あーあ、あの子の美味しそうな邪神に対する噛み付き癖は、まだ直ってなかったのか。後でお尻ペンペンだね。
「痛い痛い痛いにゃ〜!! 何をするのにゃ〜!? 離せにゃ〜!!」
 “てぃんだろす”を尻尾につけながら、半泣きの表情で部屋中を跳ねまわる“ばーすと”さん。
その姿に、神様としての威厳はカケラも感じられない……
「えーと、ちょっとお聞きしたいんですけど、貴方は本当に『外なる神々』さんですか?」
「その通りにゃ!!」
 タンスの上に避難して、すぐ真下でぴょんぴょん飛び跳ねてる“てぃんだろす”に、
全身の毛を逆立てて怯えている姿を見ると、とてもそうには見えないんですけど。
 とりあえず、このままでは話が進まないので、
僕は陶酔している“てぃんだろす”を捕まえて、お尻をペンして大人しくさせた。
「にゃふふふふ……ようやく、わらわへの敬意を思い出したようにゃね?」
 “ばーすと”さんは、僕の隣でしゅんとなってる“てぃんだろす”を見ると、
とたんに勝ち誇ったように薄い胸を反らして、意味もなく威張り始めた……
……もう少し、噛みつかせておけば良かったかな。
173ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 14:43 ID:rhW00eB7
「とにもかくにも赤松よ!! おぬしの命、貰いうけるにゃ!!」
 物騒な台詞と同時に、“ばーすと”さんの周囲に健康に悪そうな漆黒のオーラが出現した。
目に見えない殺気がちくちくと僕の肌を刺していく……
“しょごす”さんが、ネコジャラシをぱたぱた振るまでは。
「はーイ、こっちですヨ〜」
「うにゃ〜ん♪」
 ゴロゴロ喉を鳴らしながら寝転がって、嬉々としてネコジャラシにじゃれつく“ばーすと”さん……
「えーと、もう一度聞きますが、貴方は本当に『外なる神々』さんですか?」
「……にゃっ!? も、もちろんそうなのにゃ!!」
 はっとしたように咳払いして、すくっと何事も無かったように立ちあがった“ばーすと”さんは、
再び僕に剣呑なネコ目を見せた。
「うにゅにゅにゅにゅ……人間にしてはなかなかやるにゃね!?
しかし、わらわが本気を出せば、おぬしなどネズミ同然に始末して――」
「……食べる?……」
「わにゃにゃにゃにゃ〜!?!?」
 “いたくぁ”さんが鼻先に突き出した蜜柑の匂いに、
“ばーすと”さんは可愛い鼻を押さえながら床を転げまわった。
「あのぅ……くどいようですが、本当のホントに貴方は『外なる神々』さん?」
「と、当然なのにゃ!!」
 その後、“ばーすと”さんは掃除機をかける音を聞かせたり、
煙草の匂いを嗅がせたりする度に逃げまわり、
ニボシを食べさせたりコタツに当たらせる度にゴロゴロ喉を鳴らして喜んだ。
 数十分後――
「ぜぇぜぇ……さ、さすが幾多の邪神を退けてきただけの事はあるにゃね……
人間の分際で『外なる神々』たるわらわをここまで苦戦させるとは、大した奴にゃ」
「…………」
174ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 14:45 ID:rhW00eB7
 言いたい事は山ほどあるけど、荒い息を吐きながら汗びっしょりで、
豪奢な服もヨレヨレになっている“ばーすと”さんの姿を見ると、どうでもよくなってくる。
ちなみに、“しょごす”さんは食事の後片付けの為に台所に引っ込み、
“てぃんだろす”は居間のテレビでアニメ番組を見ている。もう、彼女達にとっても、どーでもいいらしい。
「ならば、わらわも奥の手を使うしかないのにゃ……いでよ!!“うるたーるのネコ”!!」
 高らかと宣言する“ばーすと”さん――それと同時に、
外から『どどどどど……』というイヤな地響きが聞こえて来た。
 そして――
「「「にゃー!! “ばーすと”様、“うるたーるのネコ”部隊、ただいま参上しました。にゃー!!」」」
 割れた窓から次々と部屋の中に乱入してきたのは……
どこかの格ゲーのネコ娘か、どこかのミュージカルみたいに、
身体のあちこちからフサフサのネコ毛を生やした、ネコ耳ネコ尻尾の全裸な美少女軍団だった。
その数、およそ10体前後。全員、外見年齢もプロポーションも毛並みもバラバラだけど、
目を見張るような美少女揃いで、素肌に毛皮だけという姿がとても色っぽい&可愛らしい。
ただし――その手には黒光りする自動小銃やロケットランチャー、
手榴弾にマシンガン等の凶悪そうな武器があるんだ。
 にゃふふと笑う"ばーすと"さんは、ギロンと僕を睨みつけた。
「さあ、あの幾多の同胞を手篭めにした女の敵を、蜂の巣にしてやるのにゃ!!」
「「「にゃー!! イエス、にゃー!!」」」
 あまりの事態にぽかんと口を半開きにしていた僕も、
その“うるたーるのネコ”達が一斉に重火器を僕に向けてきたのには焦った。
げげげ、いきなり大ピンチ!?
でも――
175ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 14:46 ID:rhW00eB7
「……ネコの邪神の……しもべ達よ……とっととお家に……帰りなさーい……」
 “いたくぁ”さんがすっと人差し指を突き出すと、“ばーすと”さんと“うるたーるのネコ”達は、
びしっと身体を硬直させて、食い入るように彼女の指を凝視した。
“いたくぁ”さんが指を左右に動かすと、それに釣られて彼女達もフラフラと目で追っていく。
そして、素早く指を引っ込めて、入れ違いにネズミのオモチャを取り出すと、
“ばーすと”さんと“うるたーるのネコ”達が同時に尻尾をぴーんと立てた。
最後に“いたくぁ”さんがぱっと手放したネズミのオモチャは、
どういう原理なのか勝手に走り出して、居間から廊下にダッシュで消えていく。
「「「「にゃー!!」」」」
 間髪入れずに、ネコ娘軍団はネズミを追いかけて僕達の目の前から消えてしまった……
 うーん、やはりネコはネコか。
「……えっへん……」
「えーと、作戦はアレですが、ありがとうございます」
 無表情で薄い胸を張る“いたくぁ”さんに、僕は軽く頭を下げた。
「ところで、あの“ばーすと”さんとネコ軍団は、どこに――」
「……ン・カイ……」
「……へ?」
「……あそこに送り込めば……ここは安全……さぁ……食後のお茶でも……」
「前言撤回します!!」
 僕は慌てて“いたくぁ”さんを小脇に抱え、Bダッシュで階段を駆け上がり、自室の押入れに飛び込んだ。
 “つぁとぅぐあ”さんが危ない!!……かもしれない!!
176ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 14:47 ID:rhW00eB7
 転げるように飛び込んだ暗黒世界ン・カイは、しかし今回は普段と少し様子が違っていた。
 光源の水晶柱以外は闇一色の世界に、白い煙みたいな靄が立ち込めているんだ。
「“つぁとぅぐあ”さん!?」
「……はぁいぃぃ」
 妙にエコーのかかった“つぁとぅぐあ”さんのトロンとした声が、白靄の最深部から響いてくる。
よかった、無事みたいだ。
 そして、その中に突撃した僕は――ちょっと予想しなかった光景に遭遇した。
 ちゃぷん、とお湯の跳ねる音が湯気を掻き乱す。ごつごつした岩肌の広がる暗黒空間の中、
湯気を書き分けた僕の目の前に、いきなり25mプールぐらいの大きさの、天然温泉が出現したんだ。
唖然とする僕の頬を、熱気と湿気が僕の頬をくすぐる。あの白い靄は温泉の湯気だったのか。
「ひでぼんさんとぉ……“いたくぁ”さんもどうですかぁ?」
 その温泉のちょうど真ん中に、気持ち良さそうに入浴している“つぁとぅぐあ”さんの姿があった。
白い肌は少しだけ赤く火照り、塗れた髪がしっとりと張り付いている。
少し白濁した湯の中に見え隠れする“つぁとぅぐあ”さんの肢体は、
普段全裸姿を拝見しまくっている僕ですら、息を飲むくらい美しく、妖艶だ。
あああ〜爆乳がお湯に浮かんでるよ〜!!
「な、何をしているのにゃ!? 早くあの食っちゃ寝旧支配者をコテンパンにしてやるのにゃ!!」
「「「にゃー!! ダメですにゃ〜!! 我々は熱いお風呂が苦手なのですにゃー!!」」」
 そして、温泉の周りでにゃーにゃー騒いでいるのは……
あのエジプシャンネコ耳王女の“ばーすと”さんと、ネコ耳二等兵軍団“うるたーるのネコ”達だ。
どうやら矛先を“つぁとぅぐあ”さんに変えたらしいけど、
ネコの悲しさか、熱いお湯の中に入れないでいるらしい。
177ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 14:48 ID:rhW00eB7
 その時、“うるたーるのネコ”の1人が、僕を指差して叫んだ。
「にゃー!! “ばーすと”様、いつのまにかターゲットが接近していますにゃー!!」
「にゃにい!?」
 い、いけない、バレちゃった。
 たちまち僕に向かって銃口を向ける“うるたーるのネコ”達。
しかし次の瞬間、僕と“いたくぁ”さんの腰に何かが巻き付いたかと思うと、
あっというまに温泉の中に引き込まれてしまった。
 ざぶーん!!
 一瞬、視界が熱い白濁に染まる。
 必死にちょっとぬるめのお湯の中から顔を上げた僕は、
漫画みたいに口からお湯をピューっと吹き出した。
「……なぜ……私まで……」
 すぐ隣では、同じく濡れ鼠状態の“いたくぁ”さんが、それでも顔色1つ変えないでブツブツ呟いている。
「んんんぅ……湯加減はどうですかねぇ」
 そんな僕達に、お湯の滴る“つぁとぅぐあ”さんが、『にへら〜』と微笑みかけてくれた。
「ええい!! 卑怯者にゃ〜!! お湯の中に逃げるなんてズルイのにゃ!!」
 “ばーすと”さんがホントに悔しそうにじたんだを踏んでいる。
なるほど、流石は“つぁとぅぐあ”さん。こうして僕達を助けてくれたのですね。
「……単に……何も考えてない……と思う……」
 動き難そうに“いたくぁ”さんがツッコミを入れてきた。
動作がやたら鈍いのは、黒い着物がお湯を吸って重いのだろう。実際、僕も動くのが辛い。
幸いなのは、向こうもあたふたしていてなかなか行動を起こさなかった事だろう。
「何をしているのにゃ!? 早く攻め込むのにゃ!!」
「「「にゃー!! そんな事を言うのなら、“ばーすと”様がまず手本を示して欲しいのですにゃー!!」」」
「にゃ、にゃにぃ!?」
178ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 14:51 ID:rhW00eB7
 手下の思わぬ反撃に、“ばーすと”さんの身体がぴきっと硬直した。
やっぱり彼女にとってもお湯は苦手らしい。
しばらく俯いたままぶるぶる震えていた“ばーすと”さんは、やがてくわっと頭を上げると、
「ならば見るがいいにゃ!! わらわの勇姿を、その猫目でしかと焼き付けるがよいにゃ!!」
 気合一発、だだだだだーっと温泉に駆け寄って、ぴょーんと僕達目掛けて大ジャンプ!!
 ざっぱーん!!!
 わぷぷ、熱い湯飛沫を頭から被っちゃったよ。
 で、肝心の“ばーすと”さんは……
僕と“つぁとぅぐあ”さんと“いたくぁ”さんを結ぶトライアングルの中心で、仰向けにぷかーっと浮いていた……
「えーと、大丈夫ですか?」
 敵の刺客である事を一瞬忘れて、慌てて抱き起こすと――
「ふにゃあ……お湯はダメダメなのにゃぁ……」
 “ばーすと”さんは瞳をぐるぐる回したまま、再び力無くお湯の中に沈んでいく。
「あらあらぁ……大変ですねぇ」
 今度は“つぁとぅぐあ”さんの髪の毛が、彼女の小柄な身体をそっと支えた。
そのまま優しく腕の中に抱き寄せる。
「のぼせてしまったのですねぇ……介抱しましょうかぁ」
 “つぁとぅぐあ”さんに浮かぶ笑いの種類が変わった。
『にへら〜』としたのんびりな微笑みから、地獄の女魔王のように、威厳ある妖艶な笑みに。
「ふにゃああああ……ああぁ……ああっ……あっ」
 両足首を掴んで、頭頂部が湯面に触れるギリギリの高さに、
“ばーすと”さんを逆さに持ち上げた“つぁとぅぐあ”さんは、スリットの入ったロングスカートの中に頭を入れた。
やがてピチャピチャと何かを舐め啜る音が淫靡に響き、同時に“ばーすと”さんが切ない声を漏らす。
「うにゃぁあ……や、やめるの…にゃあ……おまえ…ごときにぃ……にゃはぁん!」
 さすがは“つぁとぅぐあ”さん、舌技も天下一品だ。
“ばーすと”さんは逆さ吊りのまま身悶えして、甘い声を漏らし、快楽の涙を流した。
そして――
179ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 14:52 ID:rhW00eB7
「にゃぁあああああ……」
 めくれたスカートの間から顔を出した秘所から、噴水のように香ばしい黄金水が噴き出した。
それがしたたり落ちる直前、“つぁとぅぐあ”さんのセクシーな唇が尿道口に蓋をして、
ゴクゴクと音を立てて飲み干していく。
「――んぱぁ……お風呂でオシッコしてはぁ、いけませんねぇ」
 “つぁとぅぐあ”さんは長い舌で唇をぺろりと舐めた。恐ろしいくらい艶然に。
「「「にゃー!! ボスがあられもない姿で陵辱されてますにゃー!!」」」
「「「にゃー!! 早く助けましょうにゃー!!」」」
 そんな“ばーすと”さんの艶姿に、周囲の“うるたーるのネコ”達が慌てて銃口を“つぁとぅぐあ”さんに向けるんだけど、
ちょうど“ばーすと”さんが盾になる形となっているので、手が出せないでいる。
 その足元に、濡れた焦げ茶色の髪の毛が忍び寄った。
「「「にゃー!?」」」
 次の瞬間、一瞬にして“うるたーるのネコ”達は温泉の中に引き込まれて――
――主と同じように、ぷかーっと浮かぶ事となった。
よ、弱い……やっぱりネコじゃ駄目だよなぁ。トラやライオンならともかく。
「……はにゃああ……あん! ふにゃぅぅぅ……」
 そうしている間にも、“つぁとぅぐあ”さんの責めは止まらない。
髪の毛で全身を亀甲縛り状に拘束された“ばーすと”さんを、髪の毛触手が小さなピンク色の乳頭をキュっと縛り、
限界まで引っ張り伸ばす。ネコ耳の中やうなじ、腋の下、背筋におへそ、太ももからふくらはぎ、
そして足の指の間まで、あらゆる性感帯を何百本もの髪の毛が這い回り、くすぐり、徹底的に愛撫する。
「にゃあん!!……そ、そんな…とこぉ……!!」
180ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 14:54 ID:rhW00eB7
 全身を縛られてる為に悶えたくても震える事しかできない“ばーすと”さんの秘所にも、
次から次へと魔性の髪が侵食する。くるくると数十本が捻れた髪の即席バイブがアヌスに突き刺さり、
腸の奥へ奥へと潜り込み、本当に小さなクリトリスに絡みついた髪が、上下左右に揺り動かしながら引っ張ると、
“ばーすと”さんは声も出せずに全身を振るわせた。
左右に広げられたピンク色のラビアはお湯と愛液とさっきのオシッコでしっとりと濡れていて、
細い髪の束が何十本もつつくようにヴァギナをくすぐり、尿道口に挿入された髪が激しくピストンする。
「……にゃはぁああ……あふっ!! はにゃう!! にゃ、にゃ、にゃああ……ぅん!!」
 快楽のあまり、金魚のようにパクパクと開く口の中に“つぁとぅぐあ”さんが指を差し出すと、
“ばーすと”さんは無我夢中でペロペロと舌を這わせ、濃厚な擬似フェラを開始した。
「あぁん……ザラザラして気持ち良いですねぇ」
 淫魔の女王も尻尾を巻くだろう淫靡な表情で、
“つぁとぅぐあ”さんはお返しとばかり“ばーすと”さんの頬をぺろりと舐めた。
 ううう……見ている僕もたまらなくなってきたぞ。『人外の淫靡』に支配されてきた僕は、
必死に獲物を探そうとしたけど……“つぁとぅぐあ”さんは“ばーすと”さんとお楽しみ中だし、
“うるたーるのネコ”達は気絶中だ。うーん、“つぁとぅぐあ”さんに爆乳を借りて抜いちゃおうかな……
「……こそこそ……」
 そこで、僕はコソコソ逃げ出そうとしている“いたくぁ”さんを素早く捕まえた。
襟首を掴まれた“いたくぁ”さんは、相変わらず無表情のままで必死にジタバタともがいている。
「……はなせ〜……変態アナルレイプマン〜……」
「人聞きの悪い事を。これは“つぁとぅぐあ”さんを危険な目に合わそうとした罰です」
 湯船の縁を掴ませて、目の前にお尻を向けさせる。
黒く塗れた着物の裾をめくり上げると、小さいけど肉付きの良い、すべすべプルプルな白いお尻が顔を出した。
美味しそうな尻肉に思わず頬擦りすると、濡れた肌が柔らかな感触を存分に伝えてくれる。
お湯に浸かった為に、いつも以上に柔らかくなっているらしい。
181ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 14:56 ID:rhW00eB7
 では、早速――
「……ふひゃん!?……」
 ぞくぞく〜っと背筋とお尻を震わせる“いたくぁ”さん。キュっとすぼまるアナルがとても可愛い。
「……な……何を?……」
「なんでしょうね?」
 とぼけながら僕は、再び綿棒で“いたくぁ”さんのアヌスの皺を撫でた。
その度に彼女はアヌスをすぼめて背筋を反らし、面白いくらい反応してくれる。
この綿棒はただの綿棒じゃない。
“しょごす”さんに調合してもらった特殊な消毒用アルコールを染み込ませているんだ。
いわば剥き出しの粘膜であるアナルにこれを付けると、あまりの刺激と冷気に飛び上がるという寸法だ。
あまり大量に粘膜に塗りつけると、人間ならショック死してもおかしくないくらい強力な消毒用アルコールは、
アナルがとことん弱い“いたくぁ”さんにとっては天国と地獄を同時に味合わせてくれるだろう。
「……ふひゃあ……はうぅ!!……ひゃあん!!……熱ぅ……ぃい!!……」
 アヌスの皺を1本1本、数えるように丁寧に綿棒で撫でて、薬液をたっぷり染み込ませる。
口では嫌と言いながらも、“いたくぁ”さんのアナルはパクパクと呼吸するように口を開いて、
しっかり感じてくれている。そろそろ頃合かと感じた僕は、
つぷっと綿棒を彼女のアヌスに突き刺して、そのままクチュクチュと磨くように往復させた。
「……んぁあああ……ああああああぁああああっ!!!……」
 ビクビクっと“いたくぁ”さんの全身が痙攣する。
震えるアヌスからぬぷっと抜いた綿棒は、薬液と腸液でねっとりと濡れていた。
182ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 14:57 ID:rhW00eB7
「たっぷりイったみたいですね。じゃあ、次は僕をお願いします」
「……はぁ……はぁ……はむぅ!?……」
 “いたくぁ”さんの体の向きをくるりと変えると、
僕は上気した彼女の頬に勃起したペニスをぺちぺちと押し付けた。
イヤイヤして抵抗する頭を押さえ付けて、無理やり口の中に含ませる。
「……はふぉぅ……んぱぁ……はぐぅぅ……」
 小さな“いたくぁ”さんの口では、僕のペニスを半分咥えるのが精一杯みたいだ。
僕はイラマチオ気味に彼女の頭を動かして、少しでも快楽を高めようとする。
「……はふぅ!?……んはぁああ……あむぅ!!……」
「ッ!?」
 突然、“いたくぁ”さんが僕のペニスを甘噛みした。何事かと思ったら――
「にゃあ……美味しそうなお尻ですにゃあ……」
「にゃあ……甘くて柔らかくて歯ごたえもありますにゃあ……」
「にゃあ……アソコもヌルヌルで舐めがいがありますにゃあ……」
「にゃあ……アナルがキュって舌を絞めますにゃあ……」
 なんとグロッキー状態にあった“うるたーるのネコ”達が、
うっとりとした表情で“いたくぁ”さんのお尻を嬲っているじゃないか。
その蕩けそうな顔付きは、彼女達も僕と同じように『人外の淫靡』に当てられている事を意味していた。
「……ああぁああぁ……ざらざらがぁ……ざらざらがぁ……お尻……をぉ!!……」
「ほら、ちゃんと舐めて下さいよ」
「……んふぅ……」
183ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 14:59 ID:rhW00eB7
 ……っと、僕の方もそろそろ限界が近いかな。
“うるたーるのネコ”達にちょっと待ってもらって、再び“いたくぁ”さんの向きを180°変える。
彼女のお尻は“うるたーるのネコ”達のザラザラな舌で散々弄ばれて、
可哀想におサルみたいに真っ赤に腫れていた。
痛そうだなぁ……でも、遠慮せずに一気にアナルへ挿入する。
「……はぁああああぅあああ――!!……」
 嬌声の入り混じった絶叫を漏らす“いたくぁ”さんのアナルの中は、相変わらずたまらない気持ち良さだ。
ヌルヌルの柔らかいゴムみたいな微妙な感触が、僕のペニス全体を痛いくらいに絞めてくれる。
僕は彼女のお尻を破壊する勢いで激しく腰を叩きつけた。
 そして――
「……はぁああっ!……ぁぁ……あ……ああぁああああ――!!……」
「ううっ!!」
 大量のザーメンを腸の奥に放つと同時に、“いたくぁ”さんも再び絶頂を迎えた。
「……あはぁ……あうぅ……ひどぃぃ……」
 温泉の縁に寄りかかって、半泣きのまま絶頂の余韻に浸る“いたくぁ”さんのお尻から、
ずるりと湯気の立つペニスを引き抜く。ぱっくり開いたままのアナルから、白濁液がトロリと溢れ出た。
「「「にゃー!! 我々のオモチャを勝手に取らないで下さいにゃー!!」」」
「「「にゃー!! 我々はまだイってないのですにゃー!!」」」
 僕も射精の余韻に浸っている最中、“うるたーるのネコ”達がにゃーにゃー騒ぎ出した。
なるほど、ネコだけにレズビアンなんだね。
「あー、はい、どうぞ」
「……え?……」
 僕はあっさり“いたくぁ”さんを彼女達に引き渡した。
「……え……あの……ちょっと……」
「「「にゃー!! たっぷり鳴かせてあげますにゃー!!」」」
 うーん、ネコなのにタチとはこれ如何に。
 10人近い“うるたーるのネコ”達に弄ばれてる“いたくぁ”さんを見ながら、僕はそんな感想を抱いていた。
「……薄情者〜!!……」
184ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 15:00 ID:rhW00eB7
 一方、“つぁとぅぐあ”さんと“ばーすと”さんの方では――
「……うにゃあ……はうぅ!! ……にゃうん……ぺろぉ……」
「んふぅ……ザラザラの舌がぁ……牙が差さってぇ…気持ち良いですよぉ」
 相変わらず髪の毛で亀甲縛りにされている“ばーすと”さんが、
赤子みたいに“つぁとぅぐあ”さんの乳首に舌を這わせ、しゃぶりまくっていた。
その間にも、髪の毛でできた擬似ペニスが“ばーすと”さんの秘所を絶え間なく嬲っている。
「“ばーすと”さぁん……ボクの髪は気持ち良いですかぁ?」
「にゃふぅん!! いいっ! イイにゃああ!!」
「ではぁ、ボクも気持ち良くして下さいねぇ……」
「……ふにゃっ!?」
 “ばーすと”さんのお尻でふりふり揺れる長い尻尾が、
“つぁとぅぐあ”さんの手に優しく、しかししっかりと掴まれた。
そのまま尻尾の先端を、“つぁとぅぐあ”さんの秘所に導いて――
「うにゃあああん!!」
「んんっ……はあぁん」
 お湯の中で“つぁとぅぐあ”さんと“ばーすと”さんの身体が同時に跳ねた。
“ばーすと”さんの尻尾が、“つぁとぅぐあ”さんのヴァギナに深々と突き刺さり、
彼女の手に導かれて激しいピストンを繰り出しているんだ。
“つぁとぅぐあ”さんはともかく、“ばーすと”さんまで官能の波に悶えているのは、
あの尻尾もペニス同然に感じるからか。
 そして――
「はあぁ……あぁん!!」
「イクっ! イっちゃうにゃあああああ――!!」
 2人は抱き合いながら同時に達して、白濁したお湯の中に沈んでいった……
 ……って、溺れないで下さいね?
185ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 15:01 ID:rhW00eB7
「ふにゃー!! もうイヤにゃ〜!! やってられないのにゃ〜!!」
「「「にゃー!! 我々はそれなりに楽しめましたにゃー!!」」」
 十数分後――事が終わって解放された“ばーすと”さんは、
地面にぺたんと座り込んでにゃーにゃー泣き出した。
「……泣きたいのは……こっちっス……」
 視界の隅では、四つん這いでお尻を押さえてこちらを睨む“いたくぁ”さんがいるけど、
あえて無視する事にしよう。
「あの女にコキ使われるのにも、もう飽きたにゃ!!
みんな、ブバスティスのお家に帰るにゃよ!!」
「「「にゃー!! イエス、にゃー!!」」」
 “ばーすと”さんの宣言に、“うるたーるのネコ”達が自動小銃やライフルを掲げて答える。
 ……え?
 その言葉に、僕はピンと来た。
「ち、ちょっと待ってください。“ばーすと”さんは、日野さんにお願いされて刺客として来たんですよね?
自分が言うのも何ですが、帰っちゃって良いんですか?」
「そんな事はどうでもいいのにゃ。わらわはわらわの自由意思であの人間に手を貸しただけにゃ。
見捨てるのもわらわの自由意思なのにゃ」
 その言葉を捨て台詞にして、“ばーすと”さんは“うるたーるのネコ”達を引き連れて、
闇の中に消えてしまった……
「また遊びに来てくださぁい……お風呂を用意してますねぇ」
 のほほんと彼女達を見送る“つぁとぅぐあ”さんを呆然と見上げながら、
しかし僕は全く別の事を考えていた――
186ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 15:02 ID:rhW00eB7
「あの“ばーすと”神を撃退した!? それは本当なの? 赤松 英……!」
 お冷にお代わりを注ぎ入れながら、ウェイトレス姿の龍田川さんは驚愕と疑念の声を漏らした。
 “ばーすと”さんと“うるたーるのネコ”が襲撃に来た翌日、
僕は“てぃんだろす”と“しょごす”さんに“いたくぁ”さんを連れて、
シーフードレストラン『ギルマンハウス』――龍田川さんの店に顔を見せに行った。
休戦協定でかなりの金額を渡したにも関わらず、店はあまり変わり栄えしていない。
彼女の話によると、あのお金はほとんどダゴン秘密結社本部に上納されてしまったとか。
今も『ギルマンハウス』は、大勢の“でぃーぷわん”ちゃん達が元気に働いている。
「“ばーすと”神は『外なる神々』なのよ? 先日私が襲われた時は、
“くとぅるふ”様達の力を借りて、命からがら逃げ出すのが精一杯だったのに……」
「……その時、日野さんの姿はありましたか?」
「ええ……私達が逃げ惑う姿を見て、高笑いしていたわよ。
あの女、つい数日前まではあたしの協力者の振りをしていて……騙されたあたしが間抜けだったわね」
 下唇を噛んで悔しがる龍田川さんの姿を見て、僕は脳裏に浮かんだ仮説を確信しつつあった。
「龍田川さん、これはあくまで仮説なんですが……」
187ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 15:04 ID:rhW00eB7
 ――今まで僕の目の前に現れて、僕に襲いかかってきた『邪神』には、大きく分けて2つのタイプがあった。
1つは、襲いかかると言っても冗談半分みたいで、エッチしたり苛められただけですぐに諦めて帰ってしまうタイプ。
もう1つは、本気の本気でマジ殺しに来るタイプだ。
その両者の違いを分けるものは何なのか――
それはひょっとして、自分と『接触』した人間が側にいて、
その人間の直接指示で襲いかかるタイプの『邪神』は、後者が多いのではないだろうか?
もちろん例外も多いから絶対にそうだとは言えないけど、
龍田川さんと最初に出会った時はあんなに怖かった“だごん”さん達が、
2度目の襲撃の際には、龍田川さんが目の前から消えたら、結局いつもと同じパターンで撃退できた。
あの“ばいあくへー”さんも、雲井氏がいない時は僕を何度も助けてくれた事から考えて、
けっこうこの仮説は当たっているのではないだろうか?
 なぜ、『邪神』達がそんな行動を取るのか? それは人間の僕にはよく理解できない。
でも、これはあくまで仮説だけど、『邪神』さんにとって、人間なんて本当にどうでもいい、
塵芥にも過ぎない存在であって、美味しそうな人間を見つけたり、『接触者』のお願いがあっても、
他の『邪神』と喧嘩してまで相手にするものじゃないと考えているのではないだろうか。
無論、自分と接触した『接触者』がすぐ側にいる時は、一応は指示に従うけど――
188ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 15:05 ID:rhW00eB7
「――つまり、『接触者』が側にいない時、実は『邪神』はあまり怖くないのではないでしょうか?
もちろん、こちらも用心棒代わりの『邪神』が側にいる事が前提ですが」
「……突拍子も無い考えね」
 さすがに龍田川さんも、僕の仮説には絶句したみたいだ。
「でも……考慮する価値はあるかもしれない」
 顎に手を当てる龍田川さんの視線が鋭くなっていく。
「つまり、こういう事ね……日野 エツ子がいない時に、あの女の『接触神』を襲えば、
比較的容易に撃退する事ができるかもしれない……」
「そういう事です」
 そう、これが彼女との圧倒的な戦力差を覆す事ができるかもしれない、現在思い付く唯一の手段だ。
「――そして、それをあたしに伝えに来たという事は……」
 龍田川さんの瞳に、妖しい光が宿る。不敵に、華麗に、そして美しく。
「はい、僕と手を組んで、一緒に日野さんの『接触神』を退治する手助けをして欲しいんです」
 ボブロフ氏の言葉を思い出しながら、僕ははっきりその言葉を口にした。
 日野さんは、何の前触れも無く“ばーすと”さんという超強力な『邪神』を送り込んできた。
つまり、彼女は何の遠慮も遊びもなく、本気で僕を殺しに来ているという事だ。
 『倒さなければ、こちらが殺される』
 そんな状況に追い詰められてしまったら、いくら僕でも懐刀を抜かざるをえない。
 追い詰められたネズミの牙の鋭さを、彼女に思い知らせてあげよう。
189ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/16 15:06 ID:rhW00eB7
「…………」
 龍田川さんは、無言で周囲を見渡した。
「わぅ、わわん!」
「フフフ、ソンナ事ガアッタノカ」
 隣の席では、“てぃんだろす”と車椅子にちょこんと腰掛ける――
――普段はこの姿らしい――“おとぅーむ”さんが、楽しそうに談笑している。
「その肉を煮込む時間は――」
「――ちょうどこのソースを和える時間と同じよ」
「ふむふム、勉強になりまス」
 コック姿の“だごん”さんと“はいどら”さんに、“しょごす”さんが料理を教わっている。
「ふん、今度は負けませんわよ」
「……何度やっても……同じ事……」
 大量の紅茶と緑茶をテーブルに並べた“ぞす=おむもぐ”さんと“いたくぁ”さんが、
懲りずにお茶の飲み比べを始めている。
 そして、龍田川さんは頷いた。
「いいわよ。あの女を倒すまでの間、協力してあげる」
 差し出された手を、僕はしっかり握り返した。
「日野 エツ子……あの女に、一泡吹かせてあげましょう!!」

続く
190名無しさん@ピンキー:04/05/16 16:59 ID:t5DobULE
>>155-165
乙です。

アイリスさんキター…って、生殺しですか(w
アイリスvs謎な看護婦のバトル(あるのかな?)が楽しみです。


>>166-189
続けて乙です。

ガンフロネタですか…。
あのーそれを見た時に直感的に「世界滅亡=メタルブラック」を
思いついたのは私だけでないと思いたいです…。
191名無しさん@ピンキー:04/05/16 17:56 ID:0VwmU1Qj
銃風呂とあ〜るとキタ━(゚∀゚)━!!わんこ飯本当にやりそうでワロタ
そうか、いたくぁさんの着物の色は学ランのイメージだったんだよ!ナ、ナンダッテー
それともしかしてパトラ子と漢達の挽歌キタ━(゚∀゚)━?
いたくぁさんがブラックならホワイトが誰なのか、今後に期待してみるテスト
本当はバーストさんがいつ滅びのバーストストリームを放つかドキがムネムネして
たんだが(´・ω・`)

ちうか、バーストさんの外見が某ミケキャラットに変換されてしまう漏れはもうだめだ
192名無しさん@ピンキー:04/05/16 22:28 ID:/M8h0McC
「闘いの挽歌」懐かしすぎます。
「『カイザーナックル』のジェネラル並み」でもOKですか?
193名無しさん@ピンキー:04/05/16 22:38 ID:frVMSxbN
自動小銃とネコ、の組み合わせに「キャット・シット・ワン」を思い出したのは…私だけでしょうねえ。
「キャット・シット・ワン」→http://www.itmedia.co.jp/games/ga/cat/index.html
ちなみに上記マンガでは、ネコはヴェトナム人役で出演しています。
194名無しさん@ピンキー:04/05/16 22:48 ID:QJqHXhN9
さて、突然だが聞いてみたい。
ここの数々の作品の中で、どのキャラが好きだ?

ちなみに俺はアイリスタソだ。俺も悪魔を呼ぶ本がホスィ……
195名無しさん@ピンキー:04/05/16 23:46 ID:4DD+KqiH
俺もアイリス萌え。
ベタ惚れっぷりがよい。
196名無しさん@ピンキー:04/05/16 23:52 ID:RikvZtgO
自分はいたくぁさんだなぁ。
あの人、ほんとはひでぼんに本気で惚れてるんじゃないかと思う。
197名無しさん@ピンキー:04/05/17 00:24 ID:UzT04Ymt
最近のひでぼん氏はやや不遜になってきている気がするけどもしや何かの伏線に
198名無しさん@ピンキー:04/05/17 02:08 ID:y4k0vDMH
人外(;´Д`)スバラスィ ...ハァハァ
199名無しさん@ピンキー:04/05/17 04:53 ID:5vbWLu0X
>>167
>>ちなみに、そうした面で見た僕の『接触神』の皆さんは、
>>“つぁとぅぐあ”さんに“てぃんだろす”、“しょごす”さんに“おとしご”ちゃんという構成になる。
>>“いたくぁ”さん、“あとらっく=なちゃ”さん、そして“あぶほーす”さんは、常時助けてくれるわけではないので、
>>厳密には『接触神』には含まれないようだ。

一部6,7,9話にでたゔぉるばどす”さんが、名前すらあがらないのが、いとあはれ
ひでぽん組に、アレだけの”猛特訓”をうけたのに(w
200名無しさん@ピンキー:04/05/17 05:13 ID:5Kk/hdkO
>>194
話の続きそのものも激しく気になってる、キツネっ娘のかなめちゃんがイイ。
近所の山の中にいないか探してこようかな?
というか320さん、今頃何してるかなあ。早く帰ってきて欲しい…。

>>199
”ゔぉるばどす”さんは、今まで”ひでぼんを助けた”ことなんて無いのだから、
あえて名前を挙げる必要も無いんだと思うけど、もしかしたらもしかして、
我々には推し量ることなど出来もしないくらいの壮大な、
”何か”があるのかもしれなかったりするのかもしれない…。
201名無しさん@ピンキー:04/05/17 06:02 ID:krwwihJr
>>194
ダメージ大きかった”ばいあくへー”さんが……。
自分には回避不能な線を突かれた。

あと、あれだけこってりと描写されると翼(ちゃん? さん? どっちが合うかな)も良いなあ。
202名無しさん@ピンキー:04/05/17 08:07 ID:ppIfYwl9
あ〜るネタで、久々に読み返そうと本棚を探したが、実家に置いてきていた・・・。
そしてスタトレネタで、サントラCDを引っ張り出した。
ガンフロは・・・サターンが動くか心配になった。ソフトは発見。
・・・もしかしたら手の上で踊らされてる?

>193
ペロペロ
シコシコ
ファッキン
ナンバーワンね
203名無しさん@ピンキー:04/05/17 17:44 ID:bVoqDVng
>>194
天音たん。
名前が被ってる方も好きだけど、やっぱ強気な女の子が(・∀・)イイ!
204155 ◆MABOUp7up. :04/05/17 18:16 ID:qZZiyVpj
>165の続き。

「はあ…はあ…はあ……。凄かったです……秀人さん……。……こんなの…こんなの、初めて………」
肩で大きく息をしながら、彼女は恍惚とした表情でつぶやく。
いっぽうの僕はと言えば、彼女の痴態を目の当たりにして、声も出せずに固まっていた。
「まだ……イッて…なかったですよね……ん…ぐっ……んんっ……」
「うっ…あ、ああ……イイ…気持ちイイよ……」
ゆっくりと体を起こした彼女は、僕をそっと仰向けに寝かせ、モノを優しくしごきながら舌を這わせる。
さっきの愛撫で、すでに敏感になっていたモノは、
下半身の感覚が無くなるほどの快感を、僕の脳に送り込んでくる。
「あ…ああっ……も、もう……っ……」
「んふ……逃げないで…くださいね……ん…っ……んっ……」
「くっ…ううっ……あっ……あっ……」
あまりの心地よさに身をよじらせる僕の下半身を、がっしりと押さえながら妖しく微笑む彼女。
さらに顔を横に向け、舌を伸ばしてモノに絡ませてきた。もちろん、モノをしごく手は止めずに。
僕は立て続けに襲い掛かる快感に、ただ身を任せるしかなかった。
「くふ…ん……んっ…んんっ……」
「あ…あ…あ…ああっ……」
今度は正面からモノを咥えたまま、片方の手で袋を撫で回す。
しかもただ撫で回すだけでなく、時々袋の中の玉をくにゅくにゅと軽く握り締めてきたり、
お手玉みたいに下からピタピタ突き上げたりしてくる。
モノから伝わる刺激と相まって、気絶してしまいそうな快感が僕の脳に送られてくる。
「も、もうダメ! イッちゃう! イッちゃうよっ!!」
「ん〜……ん! んん! ん! んんっ!」
両手を頭の上に回し、枕を思い切り握り締めながら叫び声をあげた途端、
スパートとばかりに彼女の、モノをしごくスピードが増した。
「う…ううっ!!」
「! ん! んん…ん……んっ…んっ……ごく…ん…ごく……」
その直後、僕は絶頂に達するとともに、モノから大量の精を吹き出させていた。
彼女は僕の絶頂を口中で受け止め、ゴクンゴクンと咽喉を鳴らしながら、精を飲み干していた。
205155 ◆MABOUp7up. :04/05/17 18:17 ID:qZZiyVpj

「いっぱい…いっぱい出しましたね……。うふっ…美味し……」
「え…あ……その…飲んじゃって…大丈夫だった……?」
口の端から溢れる、ひとすじの白い液体を舌で舐めとりながら、微笑む彼女。
その目には、じわりと涙が浮かんでいる。思わず僕は彼女に問いかけていた。
「え? あ…これですか? あまりにたくさんだったから、むせちゃっただけですよ。
それにしても……こんなの初めてです………秀人さん……」
目をゴシゴシ擦りながら、ペロリと舌を出しながら微笑む彼女。
と、そのままゆっくりと、僕にもたれかかってきた彼女を、僕はそっと抱きしめた。
まだ彼女の身体は冷たいが、さっきよりも温かくなってきた、気がする。
このまま、ずっとこうしていたい……そう思いながら、僕は彼女に口づけをしていた。


「秀人さん……その…よろしい……ですか?」
「……………………」
しばらくの間、添い寝していた彼女は、おもむろに起き上がったかと思うと、僕に語りかけてくる。
その言葉が何を意味するのか、理解するのにしばらく時間が掛かったが、
気がついた僕は、何も言わずに顔を縦に動かしていた。

「ん…んんんっ……」
彼女は、再び勃ちあがったモノを、優しく握り締めながら僕の上にそっと跨った。
腰をおろした彼女の中へ、モノが潜り込もうとした瞬間、
それまで雲に覆われていた月が姿を見せ、窓から月の明かりが差し込んできた。
月の明かりに照らされる、彼女の姿は幻想的で、まさに女神様を連想させ………女神…様?
何故かそのフレーズが頭に浮かんだ途端、頭の中の霧が晴れていくような気がする。
この、違和感は何なのだろう……? もう一度、違和感を起こしたきっかけの単語を思い出す。
………女神……様? 女神サマ…?
頭の中で、その単語が反響している。…女神サマ……いったい…誰のこと……?
今度は色々な顔が、頭の中で映像として、浮かんでは消える。
どの顔も、女神サマとは言えない。そう、今目の前で繋がろうとしている女性でさえも……。
だが、あるひとつの顔が浮かび上がったとき、一気に夢から現実に引き戻された感覚を覚えた――
206155 ◆MABOUp7up. :04/05/17 18:17 ID:qZZiyVpj

「アイリス!!」

手を伸ばして声を限りに叫ぶ。だが目の前に、そのアイリスの姿は無い。
代わりに目に映ったのは、驚愕の顔を浮かべている彼女の姿だった。
「どう…したのですか? 突然、叫び声なんてあげたりして…?」
「え……あ…………」
ゆっくりと僕にしなだれかかり、右手を僕の頬に添えながら、寂しげにつぶやく。
その姿に、一瞬心が揺れ動いた。が、しかし。
………そう……彼女は…女神サマじゃ…ない…。僕にとっての女神サマは……

気まぐれで、人をからかうのが、大好きだけれども……。
夜ごと僕を手玉に取るのが、心底嬉しそうだけれども……。
どんなことがあっても、毎日僕が帰宅すると、必ず優しい笑顔で迎えてくれて……。
何かあれば、すぐに飛んできてくれて、ずっとそばにいてくれて、
心から僕が安心することができる女性……アイリスしか、僕の女神サマじゃないんだ……。
アイリスじゃなきゃ、ダメなんだ……。

「アイリスじゃなきゃ、ダメなんだ………」
「そ…んな……まさか……」
僕のつぶやきに、彼女は信じられないという顔で答える。
確かに…確かにここまでシて、今更とも思う…思うけれど、やっぱり、やっぱりアイリスじゃないと……。
207155 ◆MABOUp7up. :04/05/17 18:18 ID:qZZiyVpj

「ゴ、ゴメン。でも…僕にはやっぱりこれ以上は……?」
「何で…どうして……嘘…人間が…自力で………」
下を向き、押し黙る彼女に詫びの言葉を述べようとして……途中で止まってしまう。
何だか……様子がおかしい、ぞ? 僕は彼女の顔を覗き込もうとして……
「許さないわよ」
「ぐ、ぐえっ!?」
彼女の口調が急変し、いきなり僕の首を絞めてきたのだ。
不意を付かれた僕は、転がりながら懸命にふりほどこうとするが、
見かけとは裏腹に彼女の力はとても強く、ビクともしない。

ガンッ

足をばたつかせた途端、彼女からギプス目掛けて膝蹴りを食らう。
痛さのあまり涙があふれるが、逆に痛すぎて悲鳴はおろか、うめき声すら出すことが出来なかった。
「ふう……たかだか人間風情がまさか、ね。そう、私がただ失敗しただけ、よ。
………βηβαξζφχωθζφχησ、ξαζφχαζφχησασ」
僕を見下ろす彼女は、ブツブツ文句を言ったかと思うと、何事かつぶやきだした。
その言葉は、さっき上手く聞き取れなかった言葉に似ている、気がする。
などと思う間もなく、彼女が僕に微笑みかけてきた。そう、とても安心できる、あの微笑みで……。
…何で、何であんなふうに抵抗しちゃったんだろう? こんなに安心できる女性なのに……。
「うふふ……。そう…恐れることなんて、何もないのよ……」
「……う…うん……」
耳元で、僕を安心させようと、そっとささやく彼女。
そう、まるで怯える子どもを優しく諭す、母親みたいに……。
208155 ◆MABOUp7up. :04/05/17 18:18 ID:qZZiyVpj

「な、だ、誰?」
彼女の瞳が突然、昼間の猫のように細くなる。と、同時に何やら慌てふためいた様子で振り返った。
そこには、いつからいたのかもう一人、看護婦が立っている。顔は……暗くてよく見えない。
「そ…そんな……ここに、入ってこれるなんて……? ………まあいいわ、誰であっても。
これからがいいところなんだから、もう誰にも邪魔はさせない。邪魔は出来ない。
そこでじっとしていなさい……………………ψχηηβζφχησχαξζφξχ……」
一瞬、戸惑いを見せる彼女だったが、すぐに冷静に戻り、
鼻で笑ったかと思うと、もう一人の看護婦に向かって、何か話しかけた。
言葉の意味は………まったくわからない。まあ、わかる必要も無いけれど。
「ふふっ……そう、いい子ね……。…………さあ、続きを楽しみましょう?
&βηβαχ&βρβηησ、ρσ&βθυβωξαξχρσασ……。
ここまで来て、はいさようなら………なんて野暮なことは、言わないでしょ?」
微動だにしない看護婦を見て、嘲笑の笑みを浮かべたかと思うと、僕に向き直って艶然と微笑む彼女。
……ゆっくりと開いたその口に、およそ人間のものとは思えない、異様に長い犬歯、というか牙が見える。
え、ええっ!? まさか…まさか、彼女って……!?
「大丈夫……痛いのは最初に少しだけだし、命まで奪ったりなんてしないから。
ただ……ちょっと私の言うことを、何でも聴いてくれるようになるだけ……」
僕を見つめ、舌なめずりをする彼女。……こ、これってやっぱり?
そう思った僕は、どうにか逃げ出そうとするが、指一本動かすことが出来ない。
「無駄よ…おとなしくしなさい。……………」
艶然とした中に、嘲りが混じった笑みを浮かべながら、彼女は大きく口を開く。
そしてそのまま僕の咽喉元に………。
209155 ◆MABOUp7up. :04/05/17 18:19 ID:qZZiyVpj

「はい、そこまで」
「な、何!?」
突然、聞き覚えのある声がしたかと思ったら、彼女が驚きの声をあげる。
恐る恐る目を開けてみると………
「ア、アイリス!!」
そう、そこには僕の女神サマ、アイリスが――何故か看護婦姿で――
まるで猫にそうするように、彼女の首根っこを掴みあげていたんだ。
「な……何で…何で私の術が……!? な!? う、動かな!? あ、あなた、私に何をしたの!?」
「ん〜そうねえ。あなた、人間じゃない気配出しまくりだったから、
念のため、この部屋に結界張らせてもらってたの。どうやら、大当たりだったみたいね」
首を巡らせ、どうにか声を絞り出す彼女。驚きのあまり、その顔を引きつらせて。
対照的に、アイリスはけろりとした顔で、『雨降りそうだから傘用意した』くらいの感覚で答えた。
た、助かった……。そう思うと安心感が湧き出し、安堵のため息が漏れる。
……それにしても、いつの間にそんな結界なんて張ってたんだろう……?

「でも、まさか御主人サマに夜這いを掛けてくるなんて、ねえ……どうしてくれようかしら……」
「ひ……ひいっ…」
アイリスが、彼女を見下ろしながらつぶやく。
一応、笑顔ではあるのだが、その目はまったく笑っていやしない。
それどころか、あからさまに怒りの気配が感じ取れる。
……アイリスも、こんな顔することあるんだ……初めて見た。
アイリスが目の前にいることで、精神的に落ち着いてきた僕は、そんな場違いな感想を心に抱く。
いっぽう、僕とは対照的に動揺しきっている彼女は、
その低い声を耳にしたとき、思わず吐き出そうとした息を飲み込んでいた。
……確かに、面と向かって言われると、ちょっと怖い……かも。
目をすうっと針のように細くしているアイリスの顔を見て、僕は思った。
210155 ◆MABOUp7up. :04/05/17 18:20 ID:qZZiyVpj

「さて……いつまで御主人サマに、抱きついているのかな? そろそろ離れてもらいましょうか」
「……………」
アイリスのつぶやきに、首根っこを掴まれたままの彼女は両手をあげ、
無言で何度も大きく頷きながら、ゆっくりと僕から離れる。
その姿はまるで、ライオンかトラを目の前にして震える小鹿のようだった。ちょっと可愛そう…かも。
「そう……いいコね…」
「あ…あ……ああ…ゆ……ゆる…」
アイリスは、床をじっと見つめ、ブルブル震えている彼女の顎を、
親指と人差し指で軽くつまみあげながら、無理やり目を合わさせた。
彼女は歯をカタカタと打ち鳴らし、途切れ途切れに哀願の言葉を口にする。
こうなってしまうと、逆に目を逸らすのが恐ろしいのだろう。
涙をポロポロこぼしながらも、その目はアイリスをじっと見つめていた。
だが、それにしても……別に、取って食べるわけじゃないだろうに、怯えすぎでないかな?
などと思っていた僕は次の瞬間、思い切り息を呑んだ。アイリスがいきなり、彼女のくちびるを奪ったからだ。
突然の出来事に、彼女の震えが止まった。その目はこれ以上ないくらい、大きく見開いている。

「………行きなさい」
「…………え!?」
くちびるを離し、アイリスが顎をしゃくらせて扉を示す。
彼女は心底驚いた顔で、アイリスを見つめ返し、聞き返していた。確かに、意外な展開だ。
「聞こえなかったのかな? 今すぐ消えなさい、と言っているんだけど?
それとも……お仕置きされたいのかな? それならそれで、構わないけれど…ね」
「……………」
彼女の問いかけに、声の抑揚なしに答えるアイリス。……そのほうがかえって恐ろしい。
恐ろしかったのは彼女も同じだったようで、無言で首を横にブルンブルンと振りつつ、
ベッドに脱ぎ散らかしていた衣服を腕に抱きかかえ、生まれたままの姿で部屋から駆け出していった。
余程慌てていたのだろう、ふとベッドの上を見ると、ナースキャップと僕が破り捨てた下着が残っている。
211155 ◆MABOUp7up. :04/05/17 18:20 ID:qZZiyVpj

「さて、と……御主人サマ…」
僕のほうをじっと見つめ、ゆっくりと近づいてくるアイリス。その目は……怒っていない、かな?
「…あ、ありがとう、アイリス……。助かったよ……」
僕がアイリスに向かって右手を伸ばし、礼の言葉を口にすると、
アイリスはにっこり微笑みながら、無言で僕の手を握り返してくる。
が、いきなり僕の上に馬乗りになったかと思うと、
両手を僕の頬に優しく添えながら、何も言わずにくちびるを重ねてきた。
ああ……やっぱり、やっぱり僕の女神サマだ………。
アイリスの温もりを感じた僕は、それを全身で確かめようと、思い切りアイリスを抱きしめていた――

「ん……っ………大丈夫だった? 御主人サマ?」
「え? ああ、うん」
くちびるを離し、アイリスが僕に問い掛けてきた。
「そう……よかった……」
「………でも…えっと…その………………ところでどうしたの? その格好?」
心底安心そうな顔をするアイリスに、、色々な疑問が頭の中を駆け巡っていたが、
一番疑問に思っていることが、自然と口をついて出た。
212155 ◆MABOUp7up. :04/05/17 18:21 ID:qZZiyVpj

「ん? 何だか御主人サマ、この格好を見てみたそうだったからな。………似合わない?」
「い、いや、そんなことないよ、よく……似合ってる、よ」
少し照れくさそうに顔を逸らして答えながら、
それでも目だけは、僕の顔色を伺うようにこちらに向けて、アイリスは問いかけてくる。
僕はアイリスの、滅多に見せない仕草に、ドキッとしながらもどうにか答えた。
……でも、この答えって、褒めてるの…かな?
「あはっ、うっれしいっ。さすが御主人サマ……ありがとう………ん…っ……」
僕の答えに、アイリスは満面の笑みを浮かべて再び、くちびるを重ねてきた。
………ま、喜んでいるのだからいい、か。

「さあってと。……それじゃ御主人サマ、検温の時間ですよ〜♪」
くちびるを離したアイリスは、ゆっくりと上半身を起こしながら、楽しそうに微笑む。
まったく……何も看護婦になりきらなくても……あ〜あ、尻尾がパタパタ揺れてるし……え? 検温?
尻尾と検温? も、もしかして………。
「ん…っ………は、あああっ……」
「あっ! あ…ああ……」
予感は的中したようで、アイリスは例によって、自らの尻尾を僕のすぼまりに突き入れた。
僕は突然の刺激に声が出せず、金魚みたいに口をパクパクさせながら、あえぐことしか出来なかった。
213155 ◆MABOUp7up. :04/05/17 18:21 ID:qZZiyVpj

「ね…御主人サマ……私の胸…揉みたい……?」
「…あ……う…ん……」
アイリスが腸内に尻尾を潜り込ませながら、話し掛けてきた。
尻尾の先端が腸内の襞をめくれ返すたびに、何ともいえない刺激がこみあげ、
無意識のうちに下半身がビクビクと痙攣し、脳には快感として伝わってくる。
そんな快感に溺れながらも、僕はアイリスの問いかけにどうにか頷いた。
「そ……。それじゃあさ、御主人サマ……脱がして………」
「うん……しょっ……と……」
軽く頷いたアイリスは、顔をほんのり赤く染めあげながら、耳元でささやく。
僕はその声に操られているかのように、ゆっくりとアイリスの服のボタンに手を伸ばし、
もどかしい手つきで、ひとつひとつ外し始めた。
「きゃっ」
何個目かのボタンを外した途端、アイリスの形のいい胸が、服を押しのけて姿を現した。
アイリスは軽く悲鳴をあげて、照れくさそうに二の腕で胸を隠そうとする。
………下着、付けてなかったんだ………。もしかして、下も…かな?
そんな何気ない仕草を見て、よからぬ想像を膨らませるとともに、興奮の度合いが増してきた僕は、
アイリスの腕をそっと押しのけて、目の前でゆらゆら揺れている、胸の頂に吸いついた。
「あ! ああんっ! ご、御主人サマんっ! 胸、胸、揉むって! あ、ああっ!!」
たちまち甲高い声をあげるアイリス。さらに手をパタパタ動かそうとするが、
僕がそれぞれの手首を、しっかりと握り締めているため、それもままならないようだ。
214155 ◆MABOUp7up. :04/05/17 18:22 ID:qZZiyVpj

「ああっ! ああん! はああっ!!」
軽く頂に歯を立ててみると、うっすらと涙を浮かべながら、上半身を左右に激しく揺り動かし始める。
もちろん、それくらいで僕が口を離すはずがなく、しっかりと吸いついていた。
…………というか、これって何だかアイリスが、自ら喜んでやってるみたい。
恍惚とした表情を浮かべ、口をパクパクさせるアイリスの顔を見て、僕はそう思い始めていた。
「! くっ! アイリス! アイリスッ!!」
と、突然すぼまりの奥から、今までとは比較にならないほどの、強烈な刺激が襲い掛かり、
全身をガクガク震わせながら、思わず叫び声をあげてしまう。
弾みで胸から口を離してしまったが、そんなことを気にしている余裕なんて、とても無かった。
「んん〜? あ…ああ……んっ……。そういえば…お熱を…測って……たんだっけ…あんっ……。
……どうやら…平熱……かな? よく…分からない……な……。
こっちで……調べて…みよう……かな? あ、んっ……」
「く…あ……ううっ…ア…アイリスゥ………」
アイリスは僕の叫び声を聞いていたのかいないのか、艶っぽい声をあげたかと思うと、
尻尾の動きをピタリと止め、少し困ったような顔を見せたかと思うと、モノを後ろ手に軽く握り締める。
……よく分からないのだったら、検温する意味がないじゃないの……。
などと冷静に答えられるわけもなく、僕はひたすら上半身をビクつかせて喘いでいた。
「うふふっ………さっすが御主人サマ。準備は万全、みたいだねっ……」
ベッドの上に立て膝をつき、モノにまたがろうとしているアイリス。……あれ? 
「んん〜? どうしたのかな〜御主人サマ? 何だか不思議そうな顔しているよ〜」
「え…あの……アイリスの下…そのままで大丈夫かな、と思って………」
僕の表情の変化を読み取ったアイリスは、再び両手で僕の両頬を挟む込ませながら、問いかけてきた。
素直に僕は、思ったことを口にした。まさか……本当に、上下とも下着つけてなかったの?
いや、それ以前に、ストッキング穿いたままじゃないの。
215155 ◆MABOUp7up. :04/05/17 18:24 ID:qZZiyVpj

「ああ……そんなの……大丈夫だよ。……ほら」
「あ…」
言いながら、アイリスは立て膝のままで、こちらに擦り寄ってきたかと思うと、
ゆっくりとスカートを捲り上げた。思わず間抜けな声を漏らす僕。
アイリスは、今日は珍しくパンストではなく、ガーターベルトを付けていたのだ。
そして、下着は……何も付けていないようで、ヘアと割れ目が見える。
久しぶりに見るアイリスの割れ目は、すでに蜜がつつっと太ももまで垂れ、ピクピクと震えていた。
……なるほど。これなら、このままでも大丈夫か。……って、そこでなくて!
「あのう……いつから、下着付けてなかったの?」
「んふっ。そんなこと聞いて、いったいどうするつもりなのかな?
……大丈夫、この病院に来てから、だよ。……結構、お尻触ってくる人がいたから、ドキドキしてたけど」
僕の問いにアイリスは微笑みながら答え、最後に頬を赤く染めながらポツリとひとこと。
確かに、そんなこと聞いてどうするつもりだったのだろう。僕も何故か顔が熱くなってきた。
「あ、分かった。せっかくいつもと違う格好してるから、
いっそ、ストッキング破りたいとか思ったんでしょ? 残念でした♪」
黙り込む僕を見て、口元を手で押さえながら、コロコロと笑うアイリス。……何というか。
「いや、もうさっき破いてたし」
「え?」
僕のひとことに、アイリスが笑いをピタリと止め、
さっき彼女に見せたのと、同じ表情でじっと僕を見下ろし始めた。……し、しまったあ!!

続く。
216名無しさん@ピンキー:04/05/17 20:49 ID:zjdq4WSx
秀人はうかつだなあ。
罰としてどんな攻めを受けるんだろうハアハア
217名無しさん@ピンキー:04/05/17 20:51 ID:Hkw9vbb/
まだ出てきてない神性やら種族やらっていうと…
ノーデンスとかチャウグナー・フォーンとかボクルグとかミ=ゴくらい?
218名無しさん@ピンキー:04/05/17 21:41 ID:5vbWLu0X
ひでぽんさんの設定資料にもまだでてきてない神が何柱か、ちょこっと書かれているし、
あんまり詳しくはないんだが、それでも、イグとかシャンタク鳥とか土星の猫とか食屍鬼とか
結構思いつくから、まだまだ打ち止めには、はやいんじゃ
できれば"しゅぶ=にぐらす"様の中の人(仔!?)の『暗き仔山羊』たちに出てきて欲しいなぁ
もっとも、『暗き仔山羊』たちは、既出の「”つぁとぅぐあ”さまの落とし仔」という説もあるらしいが…
219名無しさん@ピンキー:04/05/17 22:10 ID:IqYVCSFG
ストッキングを破りたい……、か。
永遠の浪漫だ……。
220名無しさん@ピンキー:04/05/17 23:42 ID:Hkw9vbb/
      |
      |    /^l
      |'゙''"''゙´ |
      |∀ `  ミ     ン・カイニハ ダレモイナイ・・・
      |  ⊂  :,ノ^〜、   モサモサ スルナラ イマノウチ
      |     ミwww;;;;i
      |    彡;;;;;⊂ノ ヌチャ!
      |    ,:';;;;;;;;/
      |''~''''∪^゛~^
          

               l^丶            
        モサモサ    |  '゙''"'''゙ y-―,     
               ミ ´ ∀ `  ,:'     
             (丶    (丶 ミ     
          ((    ミ        ;':  ノ^〜、  ヌチャヌチャ
              ;:        ミ (wwwハ 
              `:;       ,:'  ノ;;;;;;;;;;;\.、 
               U"゙'''~"^'丶) く;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;^つ
                         ⌒^゛〜^゛~^´

            /^l
     ,―-y'"'~"゙´  |   モサモサ
     ヽ  ´ ∀ `  ゙':
     ミ  .,/)   、/)
     ゙,   "'   ´''ミ   /⌒〜、  ヌチャヌチャ
  ((  ミ       ;:'  ノ;;wwwノ
      ';      彡 ノ;;;;;;;;;;;;;(
      (/~"゙''´~"U  く;;;;;;;;;;;;;;;;;\
               ⌒^゛〜^´^^`

某スレより、リアルツァトゥグァさんとリアル落とし子ちゃん。
221名無しさん@ピンキー:04/05/17 23:45 ID:Hkw9vbb/
222名無しさん@ピンキー:04/05/18 00:28 ID:/A61KEL2
リアルなつぁとぅぐぁさん萌え
おとしごちゃんは……リアルではスライム系だったのかw
223名無しさん@ピンキー:04/05/18 00:51 ID:SuVgxiAh
不定形だしなぁ・・・。
224名無しさん@ピンキー:04/05/18 00:52 ID:+z70PSAD
マイナーなの入れるときりがないから……。
>149
■■【5】■■
 零幻は、翼に添い寝するようにして肘で体を支えながら、さらさらとした彼女の藍銀の髪を撫でていた。
指で梳くようにすると、髪は指の間を流れるように滑り落ちてゆく。腰までの長さでありながら、枝毛も
無く艶やかなのは、人あらざるもの故…だろうか。。
「……ぁ……」
 吹き曝しの氷河に呆然と立ち尽くした時のような冷たさと寂しさと恐さが翼の中から去ると、今度はあ
られもない自分の姿に激しい羞恥が沸き起こる。浅く短かった呼吸が、深くゆったりとしたものになり、
全身にしっとりと浮かんだ汗が揮発してゆくと、とろとろにとけた頭がじわじわとハッキリしてくるのだ。
「…はふっ……」
 身体が、どうしようもないくらいに満足している。
 満ちている。
「オマエ…感じやすいクセに体力だけはバカみたいにあんのな」
「なんですかそれぇ…」
 帯が無いまま、とりあえず汗でしっとりとした寝間着の前を合わせて、翼は剥き出しの乳房を零幻の目
から隠した。少しひんやりとしてきた夜気が、開け放した窓から入ってくる。寒くは無いとはいえ、いつ
までも御主人様の前で乳房も腹も、下腹さえも無防備に晒している…というのは、やはり恥かしかった。
「オマエに付き合ってたら体がもたん」
「……ダメですよ…責任は…取ってもらいます」
 翼は目を瞑り、髪を撫でる零幻の手にうっとりとしながら“くすり”と笑う。
 白い肌は健康そうに赤らみ、艶やかで張りがあった。
「…責任って……」
「一度抱いた以上…最後までちゃんと責任取って頂かないと…」
「一番最初ん時は、確かオマエが無理矢理…」
「…何言ってるんですか…そうでもしなければ、零幻様一人じゃ…とても狂王の手の者から逃れられなかっ
たくせに…」
「……オマエ、最近ちょっと反抗的だよな」
 薄く開いた目で、翼がちらっと零幻を見る。じっと見つめる零幻と目が合って、ちょっとだけ胸が“ど
きり”とした。
「…だって…御主人様が御主人様がですから…ほら…『使(つかい)は主(あるじ)の鏡』って言うじゃ
ないですか…」
「言わねー」
226私がここにいる理由(42):04/05/18 02:06 ID:m52bvZQP
>225
「言います」
「…ちっ……大体よ、オレ、こんなにスケベでインランじゃねーもんよ」
「…誰がスケベでインランですか」
「そのくせ妙なとこ堅いし、融通利かないし、おまけにすげーヤキモチ焼きだわ、意固地だわ素直じゃねー
わ頑固だわ…」
「…最後の3つは全部同じ意味じゃないですか」
「おまけに、すげーこまけーわ…」
「…もうっ……御言葉ですが零幻さ」
「でも、可愛いからいーや」
「え…」
 誰何する前に翼は、『ちゅ…』と、汗で湿った額に口付けされた。
「も…もうっ……」
 …何も言えなくなってしまった。
 たったこれだけの事で、もう何もかもどうでもよくなってしまう。
『我ながら単純だな』
 と、翼はひっそりと溜息を漏らした。
「さて、今日はもう寝ておけ。明日は早いぞ」
「あ…まだ……」
「ん?」
「まだ……いてください…そばに…」
 寝台から下りようとした零幻に、少し怒っているような、拗ねているような、そんな声で翼は囁き、零
幻を逃がさないように…と彼の右手を両手で“きゅ”と握る。
 零幻は「仕方ないな」という顔をしつつも、彼女が求めるままに寝台へ再び身を横たえた。
「寒くはないか?」
 零幻がそう聞けば、翼は“ふるふる”と首を振る。
 彼の優しい物言いに、心が濡れた。
『りょうげんさまの……せーえき……』
 目を瞑り、下腹の中で子袋に満ちているだろう白濁した粘液を想う。
227私がここにいる理由(43):04/05/18 02:08 ID:m52bvZQP
>226
 練られた陰気を取り込む事が目的であるはずなのに、今は何より、愛しい人の精を胎内に受け止められ
た事こそがいとおしい。

 ふと、想う。

 今までも幾度となく浮かんだ想い。
『…子が…欲しい………』
 自分と、御主人様の子が。
 わかっている。
 それは無理な話だ。もとより、神魔的な存在である自分と人の血肉を持った零幻との間に、子など出来
ようはずも無い。人の精は、陰気と共に子袋で受けても跡形も無く消え去り、ただ霊的循環のための触媒
となるだけだ。
 あと一呼吸する間もなく、下腹のぬくもりは消え去ってしまうに違いない。
 それは、いつものこと。
 …そう。
 いつものことなのだ。
 なのに、今日だけは『愛しさ』が溢れて止まらなかった。
 いっしょにいたい。
 ずっといっしょにいたい。
 ずっと愛し合いたい。
 ずっと
「翼…?」
 零幻の訝しげな問い掛けに、翼は“ふ…”と顔を向け、彼の手を取って自分の頬にあてた。
 細く、長く、節くれだって、いぢわるでやさしくて愛しい…手。
「……なんでも……ありません……」

 どうして別れがあるのだろう?
 どうして私は龍人なのだろう?

 どうして零幻は人なのだろう?
228私がここにいる理由(44):04/05/18 02:09 ID:m52bvZQP
>227
『私が龍人でなく人だったら……御主人様が人ではなく龍人だったら……』
 問うても詮無いこととは知りながらも、それでもそう問わずにはいられない。
 愛し合うたびに別れが近付き、愛し合わなければ力を得る事が出来ず、そうなれば主を狂王から護る事
も出来ず結局……別れなければならなくなる。
 どうあっても別れは避けられないさだめ。

 数千年前から、決められていた「さだめ」。

 これが自分に課せられた『償い』というのであれば、天はなんと非情なのだろう。
 遥か昔の因果が、出会いと別れを「さだめ」とし、ただ翼を苦しめるためだけに「愛」が在る。
『そんなこと………』
 すりすりと愛しい人の手に頬擦りし、翼は静かに涙を流す。
 困ったような顔をして自分を見下ろす御主人様の、見慣れた…けれど決して飽くことなどない顔を見上
げる。
『御大聖龍冠剛王さま……』
 翼は心の中で、今はもう遠い昔に失われて久しい、その聖名を呼んだ。
 自らが肉を食らい血を啜った、愛しい人の名を呼んだ。
 数千年前、共に生きる事を近い契りを交わした彼の者は、狂王の祖と言われている現人神(あらひとが
み)だった。
 目の前の御主人様が石の中に封じられていた自分を解放してくれた時、翼には「そうなのだ」とすぐに
識(し)った。
 零幻は、神と人の子…剛王の生まれ変わりなのだと。
 神族であることを捨て、それ故に天に罰せられ地に落ちた人の王。
 決して結ばれてはならない二人だった。先には、破滅しか無かった。
『それでも私達は…』
 剛王は血肉を纏い煉獄に落ちながらも人間を護り……そして護るべき人に討たれた。
『その愛しい人の遺言に従い、私は彼の肉を食(は)んだ』
 口内に広がる、命を賭してまで愛した人の、肉と血の味。
 そして、剛王の肉を食み血を啜った翼は、その咎(とが)により神々によって石に封じられた。
229私がここにいる理由(45):04/05/18 02:11 ID:m52bvZQP
>228
 封じられるその瞬間、いづれ蘇り、共に生きる事を切に願って父神に祈り、聞き届けられたのは再びの
逢瀬。

 刹那の愛。

 けれど、時を経た人の命は古(いにしえ)よりも遥かに短くて、ただ愛し合うしか手が無い。
 また魂は同じであっても、そのありようには埋められぬ落差があった。
 剛王は高潔であった。
 清廉であった。
 慈愛は深く、翼を頼ってみせる余裕も持っていた。
 翼はただ、彼に全てを委ね、愛し、求め、そして与えれば良かった。
 零幻は、剛王とは似ても似つかない。
 むしろ正反対ではないかと思った。
 そう思っていた。
『でも……』
 力を得るため零幻に抱かれた時、剛王と同じものを感じた。
 いや、あの方よりも、遥かに激しく、熱く、そして哀しい魂を感じた。
『そう…』
 最初は、剛王の生まれ変わりなのだから…と「愛そうとした」。
 けれど、今では。
「りょう…げん…さま…」
 翼は涙のいっぱいに溜まった瞳で、愛しい御主人様を見上げ、彼の手を自分の寝間着の間に滑り込ませ
る。
「…ん……」
 そして、自ら右の乳房にかぶせた。
230私がここにいる理由(46):04/05/18 02:13 ID:m52bvZQP
>229
「翼…?」
「零幻様…私は…………」
 御主人様の手は、乳を揉むことも捏ねることもなく、ただもったりと重たい肉を手の平で覆っている。
しっとりとした肌が零幻の手に吸いつき、やわらかかった乳首が主の手に反応して少しだけ硬くなった。
「…私を……捨てないでください…」
 唇を割って出たのは、意図したものとは違う言葉。
『私は最後まで零幻様の御側にいます』
 そう言いたかったはずなのだ。
 なのに。
「アホか」

 …鼻で笑われた。

 じわわわっ…と涙が浮かぶ。その翼の唇に零幻は慌てて口付けして、鋭い肉切り歯を“ねろっ”と嘗め
た。翼はすぐにその舌へむしゃぶりつき、送り込まれる唾液を“こくこく”と飲む。
 それは甘露であり、蜜であった。
「オマエはオレのものだ。だからこのオレが、天に必ず還(かえ)してやる。それまでは、逃げたくなっ
ても逃がさねーよ」
 唇を離して、間近から瞳を覗き込む彼の言葉を、翼は「信じたい」と思った。

 …「信じよう」と、思った。

『私にはもう、この人しかいないのだから』


    ■■終■■
231☆ ◆QT4umEMRFs :04/05/18 02:15 ID:m52bvZQP
終わらせときました。
SSは、始めるよりも終わらせる方が何倍も難しいですね。

頑張って下さい。>書き手さま

御邪魔しました。
さようなら。
232名無しさん@ピンキー:04/05/18 19:58 ID:09rBLCf+
>>231
お疲れさまでした。
また何か思い付かれましたらお願いしますね。
233155 ◆MABOUp7up. :04/05/19 04:39 ID:+LWk63mB
御注意:今回の投下分には一部、アレな表現が入ります。
    その部分には、名前とトリップとIDを変えて投下しますので、ご了承ください。

>215の続き。

沈黙が場を支配している。その間、僕はアイリスの目をじっと見つめていた。
いや、性格には目を逸らすことが出来なかったのだ。……さっきの彼女の気持ち、よく分かる気がする。
「さて……どういうことか、ゆ〜っくり説明してもらいましょうか。ね、御主人サマ?」
アイリスが沈黙を破り、抑揚の無い声で喋りだした。………凄く怖いです、はい。
見つめあっていた時間は、恐らく1分も無かっただろう。だがその1分が、僕には何時間にも感じられた。
「あ…いや……その…えっと…あう……」
「どうしたの? まさかとは思うけど、私には話したくないと言うの?」
しどろもどろの僕を見て、アイリスがくちびるを歪めながらポツリとひとこと。
僕は必死に首を横に振って、話したくないわけではないことを、必死にアピールした。

そう、話したくないわけではなく、話せなかった、のだ。
あの時、彼女に対して、何をしたのかは覚えていても、
何故そういう行為に及んでしまったのかが、どうしても思い出せなかった。
無理やりに表現してしまえば、意識のある夢遊病、とでも言えばいいのか。
234155 ◆MABOUp7up. :04/05/19 04:40 ID:+LWk63mB

「ふうん、そう……大変だったね………」
「ア、アイリス………」
僕の説明を黙って聞いていたアイリスは、聞き終えると両手で僕の頬を抱え、
そっと額に口づけしながら、つぶやいた。ああ、よかった。信じてくれた………と思ったが、
「…って、そんな見え透いた嘘、信じるハズないでしょ。本当のことを白状なさいな」
「あうっ!! そ……んな! …あっ! ほ…ほんと…くううっ!!」
不意にアイリスは、僕に潜り込ませていた尻尾の動きを再開させ、
さらには後ろ手に握り締めたモノを、ゆっくりとしごき始めてきたのだ。
下腹部から伝わる刺激に、僕は思わず上半身をビクつかせ、あえぎながらも答えた。
「ほらほら。早く言わないと、もっと酷い目に遭っちゃうぞ〜♪」
「あく! ぐ! ああっ!!」
目をぎゅっと瞑り、歯を食いしばって必死に刺激にこらえようとする僕を見て、
アイリスは心底嬉しそうな声をあげて、尻尾と手を動かし始める。
しかもいつものことながら、実に絶妙な力加減だ。強すぎず弱すぎず……。
…………でも…でも、本当のコトを言っているのに、どうしたら信じてくれるんだよ……。
235155 ◆MABOUp7up. :04/05/19 04:40 ID:+LWk63mB

あれからしばらくの間、僕はアイリスに弄ばされ続けていた。
が、そのアイリスの愛撫が、彼女の悲鳴とともにピタリと止む。
訝しんだ僕が、そっと目を開けてみると、目の前には完全に濡れそぼった、
アイリスの割れ目が、ぱっくりと口を開いてピクピク震えている。
「…ああんっ! 御主人サマ! 御主人サマあんっ!!」
まるで、何かに吸い寄せられるかのように、僕はアイリスの股間に顔を埋め、舌を伸ばす。
僕の舌が、アイリスの割れ目の中の、ピンク色の襞に触れたとき、アイリスはこらえきれなかったのか、
手の動きがピタリと止まり尻尾もすぼまりから離れ、ただ叫び声をあげていた。
そんなアイリスの姿を見て興奮してきた僕は、ゆっくりと上半身を起こしてアイリスを逆さに転がした。
「んっ…ん……んんんっ……」
「あああっ! 御主人サマ! ああんっ!!」
アイリスを、いわゆるまんぐり返しの状態にした僕は、夢中になって、
割れ目の中へと舌を潜り込ませ、湧き出る蜜を咽喉を鳴らして飲みくだす。
僕を弄るのも忘れ、アイリスはベッドのシーツをぎゅっと握り締めながら、あえぎ続けていた。
「……ん?」
「あ! イ、イヤ! 見ないで! 見ないでえっ!!」
ふと下を見ると、アイリスの肩甲骨あたりが、ピクピクと震えている。
かと思ったら一部がポコッと盛り上がり、皮が破れて黒い小さな爪みたいなものが生えてきた。
不思議に思った僕は、爪を指で軽く突ついた。その途端、アイリスは目を見開いて叫び声をあげる。
見る見るうちに、黒い爪はどんどん伸び続け、最後には腕くらいの長さまで達した。

バサッ

そんな音がしたかと思うと、爪が3本くらいに分かれた。その間には薄い膜が張ってある。
……へえ………長いこと一緒にいるけれど、アイリスが翼を広げる瞬間って、初めて見た………。
「う……うう…う……ううう………。あ…あっ! ああっ! あああっ!!」
何故かアイリスは、真っ赤に染めあげた顔を両手で押さえ、すすり泣いている。
一瞬不思議に思い、手を止めようかとも思ったが、割れ目からあふれんばかりに蜜が溢れるのを見て、
僕の理性は吹き飛び、気がつくと再びアイリスの割れ目に舌を這わせていた。
236155 ◆MABOUp7up. :04/05/19 04:41 ID:+LWk63mB

「あは! ああっ! あ…ア…アア……ア……………はあんっ!!」
アイリスが、舌をだらりと伸ばして、断続的なあえぎ声を出し続ける。
これは……もしかすると、初めて僕より先にイッちゃってくれるのかも………。
などと思いながら、悠然とアイリスの豊かな胸を揉み始めた。
その刺激に耐えられなかったのか、アイリスは上半身を震わせて叫んでいる。
よし……もう一息だ………。などと興奮しきった頭のどこかで、妙に冷静に考えていると――
「はあうっ!」
予期せぬ刺激に、間の抜けた声を漏らす。ふと見ると、アイリスが手を伸ばして僕のモノをしごいている。
すでにアイリスの痴態を見て、視覚的に興奮しきっていた僕は、絶頂寸前だった。
「ああっ! ア…アイリスゥッ!!」
思わず、アイリスから逃れようと腰を引こうとするが、いつの間にかアイリスの翼が僕の腰に回っていて、
がっしりと抱きしめるような姿勢になっていた。あ……もう、ダメ…だ………。
「く…うううっ!!」
ゾクゾクするような刺激が背筋を伝わり、全身がビクビク震えたと思うと、
僕はうめくような声を発し、アイリスの背中に向かって精を放出していた。
「あ! ああっ! イッちゃうっ! イッちゃううっ!!」
絶頂に達したはずみで、アイリスの中に潜り込んでいた指を、
思わず中の襞に引っ掛けた瞬間、アイリスはあられもない声とともに絶頂に達していた。
その瞬間、僕を捕縛していた翼と、僕の腕に絡んでいた尻尾の両方に力が篭り、
まるで全身が絞られているような錯覚を覚えた僕は意識を失い、
そのままアイリスの股間に顔を埋めていた――
237155 ◆MABOUp7up. :04/05/19 04:41 ID:+LWk63mB

「…サマ………んサマ……御主人サマ…」
「ん? あ…アイリス? ん? な、何これっ! ちょ、は、はずしてよっ!!」
どこか遠くから、アイリスが僕を呼ぶ声が聞こえたような気がして、目が覚めた。
目の前には、アイリスの微笑む顔がある……って、何で逆さなの?
などと思っていたが、今の体勢に気づいて、思わず叫び声をあげてしまう。

僕が気を失っている間に、アイリスは先程されたお返しとばかりに、僕をまんぐり返しの姿勢にしていた。
ここまでは一応一緒、なのだが、一緒で無い点がいくつかある。
まず、僕が背中側からアイリスを攻めていたのに対して、アイリスはお腹側に回りこんでいる。
骨折した足は、一応吊るしてくれているから痛くは無いんだけど、それって気づかってくれている、
というよりも、逃げられないように固定された、と表現したほうが正しいのかもしれない。
それより何より、最大の相違点は――後ろ手に縛り上げられていること――だった。

「だあめ♪ だって御主人サマってば、私の質問に答えるどころか、エッチで誤魔化そうとしたんだもの」
「そ、そんな……あうっ……」
アイリスは舌をペロリと出して、例の悪戯っ娘の顔で僕の懇願を断った。
僕は絶望の声を漏らすが、いきなりモノを咥えこまれた刺激に悶え声になってしまう。
……っていうか、人の話を信じないでエッチに走ったのは、いったい誰なんだよ。
悶えながら、心の中でそうつぶやいたが、さすがにお返しが怖くて、口にすることは出来なかった。
「んふ……ん…っ……んんっ……。さっすが御主人サマ、もうこんなになっちゃったよ♪」
「あ……ああっ…」
モノから口を離し、舌を伸ばして尿道口を舐めすさりながら、僕に笑いかけるアイリス。
あまりの気持ちよさと、艶然としたアイリスの表情に、心臓が痛いくらいに脈を打っている。
「んん〜? 御主人サマ、こういうの好きみたいだねっ♪
ほらほら見て。小さい御主人サマが、ピクピクしているよ♪」
「く…あ………いや……」
嬉しそうな声で、モノをちょんちょんと突つきながら、アイリスは僕の顔をじっと見つめる。
羞恥のあまり、反射的に目を瞑ってしまうが、一瞬だけ視界に飛び込んできた僕のモノは、
アイリスの言葉どおり、ビクンビクンと脈を打っていた。
238155 ◆MABOUp7up. :04/05/19 04:42 ID:+LWk63mB

「うふふっ。お目々瞑っちゃって、ホントかっわいい♪ こっちのほうも、ヒクヒク震えてるよ……んっ」
「はあうっ!?」
腰が痺れるような、突き抜けるような快感が全身を襲い、思わず声が漏れる。
そう、アイリスは僕のすぼまりに舌を潜り込ませようとしていたのだ。
「き……汚いよ…ア、アイリス……あうっ……」
「んん? 御主人サマに汚い所なんて、あるはずないでしょ……ん…んっ……」
普段から尻尾で貫かれているとはいえ、さすがに、口ですぼまりを弄られるのには抵抗があった。
だがアイリスは、世の男たちが聞いたら泣いて喜びそうな台詞を、平然とつぶやく。

よく小説や漫画などで、そういう表現を目にすることはあったが、
正直『そんなのあるわけないだろ』と思っていた。
でもアイリスは事も無げにそう答えた。いや、答えてくれた。
やっぱり…やっぱり、僕の女神サマだ………。

「あれ? 御主人サマ、泣いているけれど、そんなにイヤだったあ?」
「う、ううん……アイリス……あ………」
心配そうなアイリスの声。目を開けると、そこには不安げに僕を見下ろすアイリスの顔があった。
僕はアイリスに、『愛してる』と言おうとしたが、今置かれている状況を思い出して、言葉を飲み込んだ。
さすがにこんな状況で、そんなこと言おうものなら、次は何をされるか分かったものじゃない。
「どうしたの? もしかして漏らしたくなった、とかじゃないよね?」
「ち、違うよ……」
言葉を詰まらせる僕を見下ろしながら、アイリスは問いかけてくる。
ぶっきらぼうな口調ではあるが、僕を心配してるときはいつもそうだ。……多分。
「そっか。泣くほどよかったんだ……うっれしいっ。……ん…んんんっ……」
「あ、ああっ!!」
アイリスの問いかけに、軽く首を振って答えるが、その途端にすぼまりからの刺激が再び襲い掛かり、
僕はあられもない声を出して、必死に身をよじらせて思った。……前言撤回。やっぱり悪魔、だ。
239155 ◆MABOUp7up. :04/05/19 04:43 ID:+LWk63mB

「んふ…んっ……ん…んんんっ……」
「あ…あ…ああ……あ…」
両手で僕のお尻を左右に押し広げ、舌をすぼまりの奥まで潜り込ませようとするアイリス。
僕は、何とも言えない刺激に全身を震わせ、歓喜の声を漏らし続けていた。
「ん………しょっと」
「は? ああ?」
すぼまりからの刺激が突然中断され、思わず声が漏れ出してしまう。
ふと顔を上げると、心底嬉しそうなアイリスの顔が見える。
「ふふっ。御主人サマ、すっかりお尻が気に入ったみたいだねっ。ホントいやらしいっ」
「あう……ア…アイリスう………」
お尻の周りをチロチロと舐めあげながら、アイリスは言った。
微妙な心地よさに、思わず涙がこぼれてしまう。
「うふふふっ。かっわいい……じゃあ…これはどうかな? ん…ん……んふっ…」
「はああっ!! アイリスゥ!!」
僕の涙を目にしてにこりと微笑んだアイリスは、
おもむろに袋を口の中に含ませたかと思うと、顔を左右に振り始めた。
勢いで、袋がアイリスの歯に当たるたび、電流でも流し込まれたかのような刺激が僕を襲う。
次々と襲いかかる刺激に、僕はなす術も無く翻弄され、歓喜の声を漏らしていた。
240155 ◆MABOUp7up. :04/05/19 04:43 ID:+LWk63mB

「ん〜〜〜ん。ん〜んっ……んっ…」
「あ…あ…ああ……あ…」
口の中でコロコロと、僕の袋と袋の中の玉を弄ぶアイリス。……飴玉じゃ、無いんだけど。
もちろんそれだけではなく、モノを右手でしごきあげるのも忘れてはいない。
さらに左手の指は、菊の門渡りやすぼまりの辺りを、さわさわと撫で回している。
既に僕の思考回路は完全にマヒしていて、呆けたように吐息を漏らし続けるしかなかった。
も…ダメ……イッちゃう…イッちゃ………
「…っと」
「あ? ああ?」
絶頂に達する寸前に、アイリスがぱっと僕から離れる。
思わず僕は目をカッと見開き、アイリスをじっと見つめていた。
「ふふっ。どうしたの、そんな顔しちゃって? そんなにイキたいの?」
「……う、うん……」
アイリスの問いかけに、力なく答えた。でも、まだ頭がもやもやしている。
「そっかあ……どうしよっかなあ?」
「そ、そんな………お願い…イカせて………」
大げさに顔を傾げながら、アイリスは考え込んでいる。
――いや、多分フリなのだろうが、それを指摘する余裕はとてもじゃないが無かった。
僕は下半身をブルブル震わせて、必死にアイリスに頼み込んだ。
「………でも、ダ〜メ。これはあくまで、御主人サマへのお仕置きなんだから。
簡単にイッちゃったら、お仕置きにならないでしょ?」
「え? そ…そ、それって………ああうっ!」
にっこりと微笑みながら、アイリスはそら恐ろしいことを僕に向かって語りかける。
反射的に質問しようとした僕だが、モノを指でピンと弾かれ、思わず悲鳴をあげてしまった。
241155 ◆MABOUp7up. :04/05/19 04:44 ID:+LWk63mB

「あふう…あふう……」
……あれからアイリスは、寸止め生殺しを少なくとも10回は繰り返していた。
正確な数は……もう、数えている余裕など無かった。
涙があふれ、だらしなく開いた口からはよだれが垂れていたが、気にしちゃいられない。
いつの間にか、窮屈な姿勢から開放されていたが、それも気にならない。
僕はただひたすら、アイリスがもたらす刺激に反射的に、あえぎ声をあげ続けていた。
「ん〜、御主人サマ〜、反省してますか〜?」
「……う…うん…」
アイリスが手でモノをしごき、胸の頂に舌を這わせながら、僕に語りかけてくる。
多分今なら、アイリスのどんな言葉にも、首を縦に振ってしまうことだろう。
何に反省しているのか、自分でも分からないまま、アイリスの言葉に素直に頷いていた。
「ふふっ…そう……。…ん……ん…んん…んっ……ん…」
「は! ああっ! あ! あああっ!!」
僕の言葉を受けて、アイリスは満足そうに笑みを浮かべたかと思うと、
モノを根元まで一気に咥えこみ、激しく顔を上下に揺さぶり始めた。
今までの、付かず離れずのような微妙な刺激とは全然違った強烈な刺激に、
目の前が真っ暗になり、チカチカと火花が飛び散る錯覚を覚える。
「も、もうダメ! イッちゃう! イッちゃううっ!!」
「ん……ん…ん……んっ…んっ…………」
僕はまるで、子どものように泣き叫びながら、アイリスの口中に精を放っていた。
アイリスはモノの先端部分を、チロチロと舌で舐めまわしながら、
まるで僕から精を搾りつくそうとしているかのように、優しくモノをしごき続けていた。

「ん…っ……たくさん…出た………ね…。んふふっ……」
モノからの勢いが収まったころ、アイリスはようやくモノから離れ、こちらを向いてきた。
「御主人サマ……ん……んんっ…」
「ん…? ぐ? んんっ!?」
ゆっくりと僕の上に馬乗りになり、両手で僕の頭を抱えながら、くちびるを重ねてくるアイリス。
どろりとした物が、アイリスの柔らかい舌とともに潜り込んできて……何? この味?
苦いような、しょっぱいような……こ、これってもしかして………僕の…アレ?
「ん……ん…んっ……」
「ふん……ん…んっ……」
アイリスはぱっちりと目を開き、僕の目をじっと見つめている。
その間にも、アイリスの口から苦しょっぱい液体が、どんどん流し込まれてくる。
苦しさにむせ返るが、口を塞がれているため、吐き戻すことも出来ない。
思い切って、僕は咽喉を鳴らしながら飲み下した。
咽喉を通るときに、生臭さがツンと鼻まで届き、思わず涙がこぼれる。
そんな僕を、アイリスは恍惚とした表情でじっと見つめていた――

「ん…っ。御主人サマ……怒ってる………?」
僕が口の中に満ちていた精をどうにか飲み下した頃、ようやくアイリスはくちびるを離した。
上目遣いにこちらを見つめるその目は、悪戯をし過ぎて親に侘びを請うている子どものそれだ。
何だか…アイリスがそんな目をするのって……初めて見た気がする。
そう思った僕は、返事の代わりにアイリスをぎゅっと抱きしめ、再びくちびるを重ねていた。
244155 ◆MABOUp7up. :04/05/19 04:48 ID:+LWk63mB

「ねえ……アイリス?」
「なあに? 御主人サマ」
アイリスのさらさらした髪をそっと撫でながら、僕は話しかけた。
僕の胸に顔を埋めていたアイリスは、ぱっと顔をあげて僕に微笑みかけてくる。

あれからアイリスは、僕の姿勢を直してくれたかと思うと、
顔を真っ赤にさせながら、「私にも……シテください」と頼み込んできた。
儚げな表情を見せる、女神サマの頼みを断れるはずもなく、僕はアイリスを抱いた。
………いや、足が足だからアイリスが上になっていたんだけど。
ついでに言ってしまえば、やっぱり長持ちしたのはアイリスだったりするし。トホホ……。

「どうしたの? 御主人サマ?」
「あ、ああそうだ。あのさ……アイリスは、彼女が人間じゃない、って分かってたんだよね?
彼女って、いったい何者だったの? やっぱり吸血鬼、だったのかな?」
しばし違う世界に行ってた僕を引き戻す、アイリスの声。
我に返った僕は、さっき疑問に思っていたことをアイリスに問いかけた。
まあ彼女の場合は、どう考えても吸血鬼としか言いようが無かったけれども。
「ん……さっき言った『人間じゃない気配を出している』ってのは、正確な表現じゃなかったな。
彼女の場合、生気がまるで感じられなかったんだよ。普通の生き物なら普通に感じる気を、ね。
それで少なくとも人間じゃない、とは思ってたんだけど、詳しいことは私にも分からないよ。
ただ、念のためキスしてみたら、今まで感じたことがないイヤな気分になっちゃったし、
催眠術みたいに御主人サマを魅了させたりしてたし、牙は生やしていたし……
吸血鬼なんて見たこと無いけれど、多分御主人サマの推測で正解だと思う。私もそう思ったし」
やっぱりそう…なのか。って、アレ?
「あっ…キスしたのって、そのためだったんだ」
「おいおい、何のためだと思ってたんだ? 私は少なくとも、そっちの趣味はないぞ」
口をついて出た言葉に、アイリスがジト目でこちらを睨む。あ、あははは。
245155 ◆MABOUp7up. :04/05/19 04:49 ID:+LWk63mB

「で、でもさ…彼女、放っておいていいのかな?」
「いいよ別に。御主人サマさえ襲わなければ、彼女が誰を襲おうが、私の知ったことじゃないもの」
何とか話を誤魔化そうと、別の話題を振ってみる。するとアイリスは、投げやりな口調で答えた。
……よかった、どうにかはぐらかすことができた。
それにしても、かなりクールな反応……って、ぼ、僕は一応守ってくれるんだ。
………って、よく考えたら今回も、僕のことを守ってくれてたんだよね。やっぱり僕の女神サマ、だよ。
などと、ちょっと胸にジーンときてしまったりして。ただ、ひとつだけ、ねえ……。
「正直言って、もう少し早く来て欲しかったけど、いつからこの部屋にいたの?」
まあ、ボディーガードじゃないんだから、来てくれただけでも嬉しいことは嬉しいんだけれど。
「ん〜。彼女が御主人サマの服を脱がしているあたり、かな?
魅了されてたせいか御主人サマ、結構間抜けな顔してたから、見ていて面白かったよ」
な、何だよ。じゃあ、じっと見ていたのかい。まったく、性質の悪い女神サマ、だ。
「でもさ……御主人サマ、あのとき『私じゃなきゃ、ダメなんだ』って言ってくれたよね。
すっごい、嬉しかったよ。御主人サマ………大好き………」
そう口走ったかと思うと、アイリスは僕にしがみつき、口づけをしてきた。
僕もアイリスをしっかりと抱きしめ返した。……ああ、女神サマがそばにいてくれると、やっぱり安心だ……。
今夜の出来事が、まるで走馬灯のように思い出される……あれ? ちょっと待てよ?
246155 ◆MABOUp7up. :04/05/19 04:49 ID:+LWk63mB

「あ、あのさ。アイリスは確か、『僕が彼女に着替えさせられてる』ときから、ここにいたんだよね?
じゃあ、僕が彼女のパンストを破いてたのも、見ていたんじゃないの?」
「……………………………………………あ」
僕の言葉に、アイリスはしばし沈黙していたかと思うと、ペロリと舌を出して悪戯っ娘の笑みを浮かべる。
じゃ、じゃあやっぱり、知ってたんじゃないか!
「ア、アイリス〜」
「あはは、ま、何だかんだと楽しめたから、よかったじゃない。
そ、そろそろ夜が明けちゃうから、一旦帰るわ。それじゃ、またねっ」
僕が身体を起こそうとするや否や、アイリスはぱっと身を翻した。
そのまま看護婦の制服を羽織って、部屋をあとにしようとする。やっぱり前言撤回、悪魔決定。
「あ…御主人サマ……」
「何!」
アイリスが、扉から顔だけを出して、こちらを見ながら僕を呼ぶ。思わず声が荒くなってしまう。
「あのさ……今夜もまた…この格好で来たほうが……いい?」
軽くうつむきながら、アイリスがぽそぽそとつぶやいた。その顔は、真っ赤に染まっている。
………う…やっぱり……女神サマ……かな?
「え!? あ…う、うん……待ってるよ…女神サマ……」
「うふふっ、それじゃあねっ」
どもりながら答える僕を見たアイリスは、とびきりの笑顔を浮かべ、手を振りながら部屋を後にした。
アイリスが去った扉を、じっと見つめながら僕は思った。彼女の魅了が効かなかったのって、
すでにアイリスが、魅了の魔法を僕に掛けているからじゃないのかな? と。

おしまい。
247名無しさん@ピンキー:04/05/19 20:30 ID:RP2yVWCl
            /^l
     ,―-y'"'~"゙´  | ξ オツカレサマー
     ヽ  ´ ∀ `  ゙':旦     オチャドゾー
     ミ       、/)
     (丶       ´''ミ  
      ミ       ;:' 
     i⌒ヽ,   i⌒ヽ,    
     ゝ、__ノ~"''~'ゝ、__ノ   
                   
248名無しさん@ピンキー:04/05/19 23:03 ID:B1fGa86p
>>231
お疲れ様でした。
ってか、これほんとに単発なんですか?
設定とか用語とか練られていますし、ちょっともったいない気が。


>>155
先生、質問です。
ブツの味は実体験にy(省略されました。
249名無しさん@ピンキー:04/05/20 02:13 ID:8rXyE/rk
アイリスには相変わらずソソられますな〜

作者様には d(゚Д゚)☆スペシャルサンクス☆( ゚Д゚)bでつ。

250ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/20 08:38 ID:G5v6BxeI
「あそこが本当に日野 エツ子の自宅なの?」
 僕の頭の“上”で、龍田川さんが少し疑心気味に首を傾ける。
「一応、僕が招待された所はそこですが……」
 羽疎市の外れ――平凡なマンションの二階の一室が、
僕が以前日野さんに招待された自宅だと思われる場所だ。
しかし、ここは単なる隠れ家の1つかもしれないし、すでに引き払ってる可能性もある。
龍田川さんの疑念の声も、それを踏まえたものだろう。
「私が偵察に行きましょうカ?」
 僕の頭の“下”で“しょごす”さんが控え目に提案する。でも、
「あの場に日野 エツ子がいたらその時点でアウトよ。リスクが高すぎるわね」
 ぴしゃりと言い捨てる龍田川さん。
「しかし、こうして見ていても――」
「――何も進展しないわよ」
 “だごん”さんと“はいどら”さんの完璧にハモった発言には、正直、僕も賛同したい。
 今の僕達は、下から“てぃんだろす”、“いたくぁ”さん、“しょごす”さん、僕、龍田川さん、
“だごん”さん、“はいどら”さん、“ぞす=おむもぐ”さん、“おとぅーむ”さんという順番で、
電柱に隠れながらトーテムポールみたいに顔を突き出して、
日野さんのマンションを見張っているという状態だからだ。はっきりいってこれは目立ち過ぎるよ。
ああ、通りすがりのオバさん達が、露骨に僕達を指差してヒソヒソ話するのがとっても悲しい。
251ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/20 08:40 ID:G5v6BxeI
「来たわよ!!」
 短く、小さく、そして鋭い龍田川さんの呼びかけに、僕ははっとなった。
マンションの2階から階段を降りて行くのは、ぐるぐるメガネがトレードマークの、
一件善良で無害そうな女子短大生――日野 エツ子さんに間違いない。
「今ノウチニ攻撃デキナイカ?」
 物騒な“おとぅーむ”さんの発言だけど、確かに今の彼女は無防備に見える。でも――
「……やめた方が……よござんす……」
「そうですわね。“くとぅぐあ”神と“とぅーるすちゃ”神の気配が感じられますわ」
 さすが旧支配者さん達、不思議パワーによる感知能力もバッチリだ。
僕には何故わかるのかもさっぱりだけど。
 日野さんは幸いにも僕達とは正反対の方角に進んでいった。
もし、僕の方に向かってきたら、この面子では一発で見つかっていただろう……
あの方角は僕の家や龍田川さんのレストランとも方角が違う。買い物にでも出かけたのかな。
 そんな推測をしている内に、彼女の姿は町並みの中に消えてしまった。
 しかし、そうなると今、あの部屋に残されているのは――
「“らーん=てごす”神と、“ひぷのす”神か……外なる神々がいるのは厄介ね」
 顎に片手を当てて思案する龍田川さん。あの仕草はどうやら癖らしい。
「まぁ、その御二人がいるとは限りませんから、一応覗いて見ましょう。
空き家荒らしでも日野さんにダメージを与えられると思いますし」
「……貴方、性格変わってない?」
「そう思いますか、ははは……」
 僕があえて楽観論を口にしたのは、早く日野さん陣営にダメージを与えようと皆を促すためだった。
実は“てぃんだろす”や“しょごす”さんは、あまり今回の作戦に好意的ではないみたいなんだ。
口には出さないけど、表情や仕草で何となく分かる気がする。そんな意味もあり、僕は少し焦っていた。
玉露数杯で買収できた“いたくぁ”さんは別として。
「大丈夫大丈夫、もっと気楽に行きましょう」
 ……今にして思えば、日野さんの挑発に乗った僕は、恐怖や焦りで自分を見失っていたのだろう。
結論から言えば、僕は今回の作戦を心の底から後悔する事になった。
そして、僕は愚かにも、全てが手遅れになるまで、その事に気付かなかったんだ。
252ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/20 08:41 ID:G5v6BxeI
「――お邪魔しまーす」
 自分の耳にも聞こえないくらいの小声で呟いて、僕達は日野さんの部屋に無断侵入した。
 中の様子は、以前来た時とほとんど変わりがない。物音1つしない廊下を抜けて、
招待されたあの部屋の前に辿り着く。木製の扉の向こうには、人の気配は何も感じられなかった……
……いや、僕にそんなスキルは無いから勝手な想像だけど。
 意を決してドアを開ける。がちゃり、という音が妙に大きく聞こえた。
 そして、部屋の中には――幸いな事に、人間は誰もいなかった。
 ただし、『邪神』さんは1人いたんだけどね。ギャー。
『……うふふ、くすくす』
 魔性の美貌の半分を銀色の仮面で隠した、虹色のフード付きマントの怪人――“ひぷのす”さんだ。
「……ええと、その、あの、その、ええと……」
 今のうちに日野さんの『接触神』を倒してしまおう!!……なんて意気込んでいたけど、
実際に『邪神』を目の前にしたら、そんな分不相応な思いは消し飛んでしまった。
そういえば、具体的にどうやって倒せば良いのかとか考えてなかったじゃないか。ああ、僕の馬鹿。
『あははっ、うふふふふっ』
 そんな僕の内心なんていざ知らず、“ひぷのす”さんは妖艶に笑いながら、僕の目の前でばっと虹色マントを広げた。
その中身は――文字通り、夢の中でしか遭遇できないような、素晴らしい美女の裸身があったんだ。
豊満で形の良い乳房、無駄な脂肪の無いくびれた腰、ムチムチとはちきれそうなお尻、
すらりとした美味しそうな太もも、細くて折れそうな足首、etc……
その美しい柔肌全てに光沢のあるオイルが塗布されていて、
角度によって微妙に色彩を変える艶かしい肢体を浮き上がらせていた。
 そのあまりの美しさ、魔性の色香に茫然自失となっている僕を、
“ひぷのす”さんは虹色のマントで包むように強引に抱き寄せた。
253ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/20 08:43 ID:G5v6BxeI
『くすくすくす……』
 柔らかいくせに張りのある、極上の肢体が直接僕の身体に混ざり合った。
淫靡に蠢く指先がうなじや背筋をくすぐって、潰れた乳房が僕の胸をマッサージするように擦り、
勃起したペニスを素股の要領で股間に挟み、2度と離さないように太ももが僕の足に絡み付き、
熱い舌先が唇をチロチロと舐める……いつのまにか僕も一糸纏わぬ全裸姿になっていたけど、
もはやそんな事を気にする余裕はない。あの『人外の情欲』に支配された僕は、快楽を貪る事しか考えられなかった。
 むしゃぶるように“ひぷのす”さんの唇を咥えて、舌を絡め合いながらたっぷりと唾液を交換する。
その間にも股間でゴシゴシ擦り付ける素股が、直接的な快感を与えてくれる。
我慢が出来なくなった僕は、彼女の腰を持ち上げて正面から一気に挿入した。
『あはははは、ふふふふふ』
 何の愛撫もしていなかったけど、“ひぷのす”さんのアソコは僕のペニスをすんなり受け入れてくれた。
柔らかく濡れた肉の感触が肉棒全体を包む。
彼女の足が僕の腰を挟んだのを確認した僕は、駅弁の体位でガンガン腰を叩きつけた。
目の前で妖しく嘲笑う銀の半面が踊り、艶やかな巨乳がブルンブルンと揺れる。
『くくくくく、うふふふふ』
 その時、僕の首を背後から誰かが両手で挟んだ。
その手の動きに合わせて、僕の頭が背後を振り向くと――妖艶な銀仮面の美女“ひぷのす”さんが!?
254ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/20 08:46 ID:G5v6BxeI
 驚愕する僕の頭を掴んだまま、彼女の身体が後ろに下がると――なんと、僕の身体が『分裂』して、
2人目の“ひぷのす”さんに抱き寄せられたんだ。
慌てて後ろを振り向くと、同じように後ろを向いたまま最初の“ひぷのす”さんを犯す僕自身の姿があった。
それと全く同時に、駅弁で彼女を犯す僕自身の視点で、分裂した僕も認識できる……
……そう、僕は1つの意識で2つの身体を持つ存在と化しているんだ。
この異常な事態に驚く間もなく、2人目の僕のペニスを、
2人目の“ひぷのす”さんがシャフトの根元からカリまでを、口全体を使ってねっとりと舌を這わせた。
快楽のあまり、思わず腰が砕けそうになる。彼女は右手で陰嚢を軽く揉み、
左手でシャフトをゴシゴシ痛いくらいしごきながら、亀頭だけを口に含んで、
唾液を混ぜながら舌でクチュクチュ音を立てて舐め回すんだ。
脳味噌が蕩けるような快感に耐えられず射精しかける度に、根元をぎゅっと握り締めるのだからたまらない。
永遠に続くような快楽地獄――
『あははははっ、あはははははは』
 そして、新たな“ひぷのす”さんが僕の手を掴んで、3人目の僕を『分裂』させた。
思わずよろけそうになった僕の目の前で、四つん這いになり、いわゆる雌豹のポーズを取った“ひぷのす”さんが、
オイルが艶やかなボリューム満点のお尻を左右に揺らしている。
僕は無我夢中でお尻にかぶりついた。
プリプリの尻肉にたっぷり歯形を残し、ラビアを舐め回して、アナルを音を立てて吸った。
唾液でビショビショになったお尻の穴はパクパク口を開いていて、揺れるお尻と一緒に僕を誘っている。
それに答えなければならない僕は、何の躊躇いもなくそこに挿入した。
精液ばかりかオシッコまで吸い取るようにアヌスが蠢き、僕のペニス全体を痛いぐらいに絞めてくれる――
255ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/20 08:47 ID:G5v6BxeI
『くすくすくすくすくす』
 背後から僕の胸に手を絡めた4人目の“ひぷのす”さんが、新たに『分裂』させた僕を床に押し倒した。
そのまま僕に秘所を見せつけるように跨って、上からその豊満な巨乳で僕のペニスをムニュっと挟んだ。
ペニスがドロドロに溶けそうなパイズリが頭の中を真っ白にさせる中、
愛液でしっとりと濡れた秘所が僕の顔面に押し付けられる。
子宮口まで見えそうなくらい開いたヴァギナを鼻先でくすぐりながら、
真珠のように輝く真っ赤なクリトリスを唇で挟み、舌先でコチョコチョくすぐる――
『うふふふふふふふふふ』
 更に、新たな“ひぷのす”さんが僕を『分裂』させて、続けて新たな“ひぷのす”さんが僕に跨り、
それを新たな“ひぷのす”さんが『分裂』させて、また新たな“ひぷのす”さんが――
 駅弁で“ひぷのす”さんとセックスする僕――
 69の体勢で互いの性器を舐め合う僕――
 バックから“ひぷのす”さんのアナルを犯す僕――
 “ひぷのす”さんにフェラチオされる僕――
 騎乗位で“ひぷのす”さんを跳ね上げる僕――
 ひたすら乳首をしゃぶり、乳房を揉みまくる僕――
 座位で――クンニして――足コキされ――スパンキングして――正上位で――
 今や何十人にも分裂した僕は、同数の“ひぷのす”さんと絡み合い、全ての快楽を同時に体験して――!!!
256ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/20 08:48 ID:G5v6BxeI
「――はっ!?」
 如何なる前兆も前振りも伏線もなく、僕は唐突に跳ね起きた。
「ふぅん、思ったより早いお目覚めね」
 頭上からの冷徹そのものの、そして2度と忘れられない声。
 ゆっくりと頭を上げた僕の目の前には……世界の全てを小馬鹿にするような不敵な眼差しがあった。
 日野 エツ子さんが――なぜ、ここに?
「顔がにやけっぱなしだったわよ。いい夢見ていたみたいね」
 言葉通り、見下すように僕を見下ろす彼女の隣には、
銀色の仮面で顔半分を隠した虹色マントの美女がいる。
 これは一体……どういう事だ? 何が起こったのだろう?
「あんたは私の部屋に入ったと同時に、“ひぷのす”神の力で眠らされたのよ。
まんまと引っかかってくれたわね」
 ……そういう事ですか。僕はどうやら完全に彼女の罠にかかったらしい。
 無意識のうちに唇を噛む僕――の背後から、
「んはぁああ!! や、やめ…んくぅ!!」
 絹を裂くような悲鳴が響き、慌てて振り向いた僕の目の前には――恐るべき光景が広がっていた。
 あの時と何も変わらない日野さんの部屋の中では、
あちこちに“いたくぁ”さん、“てぃんだろす”、“しょごす”さん、“おとしご”ちゃん、
そして“だごん”さんに“はいどら”さん、“おとぅーむ”さん、“ぞす=おむもぐ”さんまでが、
力無く床に伏しているじゃないか!!
 見た目には外傷は無いし、寝息も聞こえるから無事らしいけど、
どうやら“ひぷのす”さんに眠らされるなりして無力化されているようだ。
 そして、何より僕の目を引いたのは――
257ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/20 08:49 ID:G5v6BxeI
「なんやなんや、そげな声だしてでら感じとんやんか?」
「そ、そんなわけが……んはぁ!」
 肱掛椅子の肘掛に足を乗せるようにM字開脚の姿勢で拘束されて、
“らーん=てごす”さんに身体中を愛撫される半裸の龍田川さんの艶姿だった。
「けっこう胸が大きいっぺね〜」
 藍色のスーツを剥ぎ取られて、白いブラの上から念入りに乳房を揉みほぐされる度に、
龍田川さんの大きな胸は食い込む指に合わせて形を変える。
「痛っ……んんっ! やめてぇ……はあぁ!!」
 屈辱と怒りに震える龍田川さんの声には、しかし明らかに快楽の喘ぎが混じっていた。
「んふぅ!! だ、ダメっ!!」
 ブラと同じく白いショーツに、“らーん=てごす”さんの指が容赦なく這い踊った。
シュッシュッと音を立てて上下する指先に合わせて下着が食い込み、
ラビアやクリトリスの形までしっかりと浮き上がらせる。
「やぁああ……あはぁ!…はぁううう……んんんっ!!」
 今や純白のショーツは愛液でじっとりと濡れて、ピンク色の秘所もしっかりと透け見えていた。
龍田川さんの声も、完璧な喘ぎ声と化している。やはり、彼女も『人外の快楽』に支配されてしまって――
「……これだから男って嫌よね」
 日野さんの軽蔑しきった声に、僕は慌てて龍田川さんから視線を反らした。
いけないいけない、僕が彼女に見惚れてどうする。
 僕は改めて日野さんを睨んだのだけど……
「今更そんな顔してもだめよ」
 やっぱりそうかぁ……
「さて、向こうはお楽しみ中だけど、そろそろ本題に入るわね」
 鬱陶しそうにぐるぐる眼鏡を外す日野さん。あの美しくも冷酷な瞳が露となる。
情けない話だけど、あの絶対零度の視線を見た瞬間、
僕の敵愾心はあっという間に雲散霧消してしまった。とほほ……
 しかし、それを再び奮い立たせたのは、次の一言だった。
258ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/20 08:51 ID:G5v6BxeI
「このままあんた達を抹殺すれば全てが終わるんだけどね、
それじゃ面白くないわね……ねぇ、あんた達の『邪神』、私にくれない」
 『ちょっとお醤油貸して下さい』……そんな感じの軽い口調だったので、
思わず僕は『はい、いいですよ』と答えそうになって――憤慨した。
「そんな事できるわけがないじゃないですか!!」
「そ、そんな事が……ああうっ! 許されると……んくぅ! 思ってるのぉッ!!」
 龍田川さんも喘ぎつつ異議を唱える。
「『接触者』が自分の『接触神』を失うのが惜しいというのは理解できるけど、自分の命よりも大事なわけ?」
「いや、そういう問題じゃなくて……あの御方達は神様ですよ? そんなモノみたいに……」
「そんな罰当たりな……きゃふう!!」
 日野さんは軽蔑しきった仕草で肩をすくめた。
「これだから宗教関係者って輩は度し難いわね……
あんた達、『邪神』ってそんなに偉い存在だと思ってるの?」
「なっ……」
「『神』だなんて大層な異名を持ってるけど、
『邪神』ってのは宇宙的スケールの超常生命体、ただそれだけなのよ。
人間の想像を絶する力を持ってるから、神様みたいに扱われているけどね」
「いや、それは……」
「なによ、『邪神』が本当に全知全能で、人間を虫ケラみたいに思える究極存在ならば、
こうして私達に従う筈もないでしょう? でも、現にこうして私は『邪神』達を従えて、
手足のように扱う事ができる……それが事実よ。あんただってそうでしょう?」
「違う! 少なくとも僕はそんな事考えていない!!」
「本当にそうかしらねぇ……
それなら、なぜあんたはこうして“いたくぁ”神を初めとした『邪神』達を手駒にして、私の家を襲撃したわけ?」
259ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/20 08:53 ID:G5v6BxeI
 ぐっ……息が詰まるような絶句が、僕を襲った。
「『邪神』を撃退する方法がわかったから、攻めに行こう。みんな手伝え。ねぇ……
まるで私や龍田川、それに雲井みたいなやり方よね。いい? 所詮あんたも私と同類なのよ」
 勝ち誇る日野さんに対して、僕は何も言い返せなかった。確かに僕は思い上がっていた。
彼女の罠にかかったのかもしれなけど、
今までの僕ならば、それでものんべんだらりとマイペースを貫いて、
自分から他者を傷付けようとなんて考えもしなかった筈なのに……
 僕は心の底から反省した。ただ、それももう遅過ぎたかもしれない。
彼女の言う通り、僕は傲慢な人間に過ぎないのかもしれない。
「……日野さん」
 僕の声は小さかった。自分の耳にもはっきり届かない。
 ……でも、それでも……
「……貴方は間違っています。日野さん」
 それでも、僕はその言葉を口に出せた。
 具体的に何がどうとは言えない。
ただ、彼女の考えは何か非常に根本的な部分で間違っている――僕にはそう思えた。
「何が間違っているのかしら? こうして負け犬になってるあんたが言っても説得力はないわよ」
 僕の呟きは聞こえたらしいけど、それでも日野さんは勝ち誇っている。
「この世界に本当の意味で『神様』なんて存在しない。『神』は人間が考えた概念に過ぎないのよ。
人間が考えたものを人間が利用できないわけがないでしょう? 所詮『神』は人間に勝てないのよ――」
260ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/20 08:55 ID:G5v6BxeI
『お前は間違っている。日野 エツ子』
 その時――この場の誰でもない声が響いた。朗々と、高々と、まるで『神様』の声みたいに。
「だ、誰!?」
 ここで初めて、日野さんの美貌に動揺が走った。
いや、びっくりしているのは僕や龍田川さんも同じだけど。
『神は全能であり、神に不可能はない。神の言葉は常に正しく、神の意志は真理である。
それが矛盾した不可解なものとうつるのは、
矮小な人間という生命体如きには、偉大な神の御心を理解できないからだ』
 この口調……そして響き……どこかで聞いた覚えがある!?
『なぜなら、それが可能な存在こそ、神が神と呼ばれる唯一にして絶対の条件だからだ。
神が究極の存在なのではない。究極の存在を神と呼ぶのだ。
そして、我々が遭遇している『邪神』には、そう呼ばれるだけの偉大な力がある』
 これは……まさか!?
「ゲルダさん!!」
「退魔組織の者か!?」
「御名答!!」
 驚愕した次の瞬間、僕の“影”がむくりと起き上がり、
モーフィング映像みたいにみるみる輪郭を変えて膨らみ色が付いて……
シスター衣装の妖艶な美女、ゲルダさんの姿となったんだ!!
「ちょっとちょっと、アタシもいるわよン♪」
 がしゃあああん!!
 盛大な破砕音とガラスの破片を撒き散らして、でっぷり太った陽気そうな髭モジャオヤジ、
アルタン・ボブロフ氏も登場する。足場もないのにどうやって2階の窓に飛び込めたんだろう?
例の怪しい空中格闘技なのかな。
「ゲルダさん!! ボブロフさんも!!」
「あまり我々に手間をかけさせないでくれたまえ」
「ここはアタシ達にお任せよ♪」
 ゲルダさんが短く傾き、ボブロフ氏が濃厚なウインクを送る。
「人間如きがぁぁぁ!!!」
 日野さんが人が変わったみたいに吼えた。右手を素早く振り下ろすと、
今まで龍田川さんを責めていた“らーん=てごす”さんの姿が消えて、次の瞬間、僕達の目の前に踊り出た。
 カニのはさみを連想させる、外骨格状の鉤爪が振り下ろされる!!
261ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/20 08:57 ID:G5v6BxeI
 バチィ!!
 しかし、それがゲルダさん達に触れる直前、
目に見えない壁にぶつかったみたいに跳ね返って、なんと“らーん=てごす”さんがよろめいたんだ。
「馬鹿な!?」
 日野さんが驚愕の声を漏らす。
「我々を舐めるなよ『接触者』――今の我々は『地球本来の神々』の力を借り受けている。
『邪神』としては、また別の名前があるらしいがな」
「力を借りるには手続きやら何やらで時間と手間が恐ろしくかかるしィ、
ほんっっっっっっっのちょっぴりしか力を借りられないけどネ」
「……それを言うな」
 何だかよくわからないけど、どうやらゲルダさん達は『邪神』を相手にしても、
ほんのちょっぴりだけ戦える力を得ているみたいだ。
 そして日野さんは、心の底から悔しそうに歯軋りして、美しい顔を憎悪で歪めている。
どうやら他人を弄ぶのは得意でも、他人に弄ばれるのは慣れてないらしい。
「『擬似資格者』というわけね……しかし、所詮は人間。
“ひぷのす”神と“らーん=てごす”神が本気を出せば――」
「もちろん、ひとたまりもなくやられちゃうけどォ」
「その相手は、彼女達に任せよう」
 ゲルダさんの嘲笑に、愕然と日野さんが振り向くと――
「――よくもやってくれたわね……100兆倍に利子付けて返してあげるわ」
 “だごん”さんにロープを解かれて自由を取り戻した龍田川さんが、
思わず逃げ出したくなるくらい迫力を込めて仁王立ちして、
その周りには元気な“だごん”さんに“はいどら”さん、
“おとぅーむ”さんに“らーん=てごす”を侍らせているじゃないか。
262ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/20 09:00 ID:G5v6BxeI
 そして――
「わん、わんあぉん!!」
「御無事ですカ、御主人様」
「……玉露1000杯追加……」
 “いたくぁ”さんに“てぃんだろす”、
“しょごす”さんに“おとしご”ちゃんまでが、元気な姿を見せてくれたんだ。
今はまさに一触即発な状況なので、駆け寄って抱擁するというわけにはいかないけど。
「遊びが過ぎたな日野 エツ子。後で味方にするため“ひぷのす”神の眠りを浅くしたのが間違いだ。
密かに覚醒させるのは容易だったぞ」
「おのれぇぇ!!」
 怒りに燃える日野さんは、今にも全身から炎を噴出しそうだった……って、あれ?
物理的に彼女が燃えている!?
「“ひぷのす”神!“らーん=てごす”神! 彼奴等を皆殺しにして!!」
 実に物騒な捨て台詞を残して、日野さんの姿は炎に包まれたかと思うと、跡形もなく消えてしまった……
……焼死したわけじゃないよね?
 ……って、そんな事を気にする余裕はなさそうだ。
言われた通りに“ひぷのす”さんと“らーん=てごす”さんが、僕達の方にゆらりと近付いて来る。
「非戦闘員は退避したまえ」
「アナタと龍田川ちゃんの事よン」
 言われなくても、僕は皆を連れて脱兎の如く逃げようとしたけど――
「……ここに来る直前、君の家に“とぅーるすちゃ”神と“くとぅぐあ”神、
そしてもう1柱謎の『邪神』の存在を感知した」
「!!」
263ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/20 09:00 ID:G5v6BxeI
 驚愕する僕に、ゲルダさんが言葉を続ける。
「おそらく、狙いはン・カイだろう……早く行きたまえ。日野 エツ子もおそらくそこにいる」
「ここはお任せ下さイ、我々が引き受けまス」
「わん、わわん!!」
「……私は……逃げたいけど……」
 “しょごす”さん達も(1人を除いて)僕を促してくれている。それで僕の腹は決まった。
「ほらン、龍田川ちゃんも逃げて――」
「あたしは残るわ。ダゴン秘密教団・ニコニコ組の巫女として、
“くとぅるふ”様の『接触者』として、“だごん”様達の戦いを見届ける義務がある」
 そして、龍田川さんは、初めて僕に素直な笑顔を見せてくれた。
不敵で、男勝りの――優しそうな笑みだった。
「グズグズしてないで、早く行きなさい!! 赤松 英!!」
 その声と皆の視線に押されるように、僕はマンションから飛び出した。
「皆さん、ありがとうございます!!!」
264ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/20 09:02 ID:G5v6BxeI
「――“つぁとぅぐあ”さん!?」
 十数分後――数億円単位のチップをタクシー運転手に渡し、あらゆる交通規定を無視して帰宅した僕は、
死に物狂いで階段を駆け登り、押入れの中に飛び込んだ。
 無論、神々の戦いに単なる人間に過ぎない僕が乱入しても、何も変わらない事はわかっている。
それどころか足手まといになるのが関の山だろう。
しかし、それでも僕は彼女の元に足を進めずにはいられなかった。
もう、これは理屈じゃないんだ。
 無限に続く一瞬、闇の中を落ちる感覚の後、僕が目撃した光景とは――!!

 ……暗黒世界ン・カイは、しかし今は暗黒の世界ではなくなっていた。
 闇の世界が3種類の光に満たされている。
 翠緑の炎――真紅の炎――そして、蒼い輝き――
265ひでぼんの書  ◆SNuCULWjUI :04/05/20 09:03 ID:G5v6BxeI
「…………」
 空中に浮かび緑の炎を全身から吹き上げる、
中華風の着物を纏った美貌の仙女“とぅーるすちゃ”さんの前には、“あぶほーす”さんがいる。
普段から灰色の泉みたいに地面に広げていたフレアスカートは、
今は闇の地平線の彼方にまで広がって、まるで巨大な灰色の海のようだ。
そして、灰色の海面のあちこちから、巨大な灰色の触手が生えて、
“とぅーるすちゃ”さんを牽制するようにうねくっている。
「流石に一筋縄ではいかないわね……」
 巨大な竿状武器を翻し、全身を紅の炎で隠した中華風女武者“くとぅぐあ”さんと対峙しているのは、
我等が“あとらっく=なちゃ”さんだ。
ただし、黒いセーラー服のスカートの下が、全長数百メートルもの巨大な漆黒の蜘蛛に変化した。
 そして――
「つ、“つぁとぅぐあ”さん!?」
「……まさか、ここに来るほど馬鹿だとは思わなかったわ」
 力尽きたように岩肌に寄りかかりながら、ぐったりと動かない“つぁとぅぐあ”さんと、
彼女を見下ろす日野 エツ子――その傍らに浮かぶ巨大な機械の邪神――
――金属製の触手を蠢かせる、全長数十メートルものスズメバチ型戦闘機動兵器――
そして、機械のスズメバチの頭部キャノピーの中に浮かぶ、全裸姿の可憐な蒼髪の少女は――!!
「……“ばいあくへー”さん……」

続く
266名無しさん@ピンキー:04/05/20 10:17 ID:VOlHBklq
アルたんキタ━(゚∀゚)━!!こち亀の特殊デカみたいだなんて思ったことは一℃モアせふじこ

もう、ばいあくへ−さんがワスピータにしか見えなくなってきたのは何故だブーン?
267名無しさん@ピンキー:04/05/20 18:29 ID:I474u1Qx
ばいあくへータンがいつ緋蜂化するかドキがムネムネ(ry
268名無しさん@ピンキー:04/05/20 18:35 ID:6lyZzxfV
ひでぼんキテター(゚∀゚)----!

飛びこむ航空相撲ワラタw
269名無しさん@ピンキー:04/05/20 20:16 ID:tARbAI24
月並みな感想で恐縮ですが、毎度毎度乙でG・Jでございます、Ser!
G・JとはGood Jobの略ではなくて、GOD JOBの略であります、Ser!
つぁとぅぐあさんはただ単に眠っているだけなのではないでしょうか、Ser!
ばいあくへーさんの登場で、今後の展開が激しく気になるであります、Ser!
更に自分は現時点での設定集更新版を激しく希望する所存であります、Ser!

だが、ひとつSerに質問が!
>261で龍田川さんが侍らせているのは、
>“だごん”さんに“はいどら”さん、
>“おとぅーむ”さんに“らーん=てごす”
ではなく、
“だごん”さんに“はいどら”さん、
“おとぅーむ”さんに“ぞす=おむもぐ”さんではないでしょうか、Ser!
そーいえば。
ラーン・テゴスを称える詠唱には 「クトゥルフ フタグン」 の文言が含まれてるんだよね。

水棲という性質も鑑みるに、大クトゥルフの眷属神というイメージが強いんだが・・・、さて。
271名無しさん@ピンキー:04/05/20 21:29 ID:HJPwGys8
>>269
上官にモノを尋ねるときは「sir」をつけろと何度言えばわかるんだ!

誤字指摘が連鎖するとはまた面妖な。
272名無しさん@ピンキー:04/05/20 22:48 ID:sxM2wEvc
>数億円単位のチップをタクシー運転手に渡し、あらゆる交通規定を無視して帰宅した僕は、

ま、まさかそのタクシーはプジョーの白い奴・・・っ!?
273名無しさん@ピンキー:04/05/20 23:02 ID:MvoDi4yF
>>272
今気づいて、ワロタ

作者さんGJ!
274名無しさん@ピンキー:04/05/21 00:28 ID:G70g9eAD
>>272
まさに白タクやね………


ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ
275(゜」゜):04/05/21 00:37 ID:kky+/AdH
ギャー
276名無しさん@ピンキー:04/05/21 07:29 ID:QPhRRs8p
>271
イエッサー!
自分は「サー」とは軍曹のサーだと思ってました、サー!
勉強になりました、サー!
これからは素直にカタカナで書きます、サー!

…それにしてもスレ立て10日で容量半分使ってますが、
このペースだと今月中に次スレ突入でしょうか!? サー!
277ひでぼんの書 作者 ◆SNuCULWjUI :04/05/21 10:05 ID:7cKvQCvZ
最近、誤字が多くてマジ落ちこみ中です。Q&A考えるのも大変ですし……

>◆MABOUp7upさん
アイリスさん相変わらず魔性の女で可愛いですね。次回の活躍も期待してます。

>>269
Q:>261で龍田川さんが侍らせているのは、
>“だごん”さんに“はいどら”さん、
>“おとぅーむ”さんに“らーん=てごす”
ではなく、
“だごん”さんに“はいどら”さん、
“おとぅーむ”さんに“ぞす=おむもぐ”さんではないでしょうか。
278ひでぼんの書 作者 ◆SNuCULWjUI :04/05/21 10:06 ID:7cKvQCvZ
A:皆さんはアボガドを山葵醤油で食べるとトロの味がすると聞いて、実際に試した事はありますか?
私の友人も先日試してみましたが、本当にトロの味がしてびっくりすると共に、己の安っぽい味覚に落ち込んだそうです。
しかし、友人の配偶者は『擬似トロなんて嫌だ。刺身が食べたい』と言ってギャーギャー騒いだ癖に、
その日の家事を一切手伝ってくれなかったとかで、軽い殺意を覚えたそうです。
そんな時は相手が寝てる時に、枕元に包丁片手で立って呼び起こすと、一発で土下座してくれるので効果的と聞きました。私も今夜試してみようと思います。
上記のエピソードから分かるのは、役立たずな存在は身近にいるほどムカツクという事です。
さて、原典のクトゥルフ神話では、ゾス=オムモグ神は別名『ルルイエの居候』と呼ばれています。
しかも大クトゥルフと同じ『旧支配者』なので、とても偉そうです。
昔から居候は大飯食らいの役立たずと決まってますので、さぞ配下のディープワン達は彼の者を持て余した事でしょう。
それに比べてラーン=テゴス神は、>>270で信奉者さんが仰るように、とてもクトゥルフ神にフレンドリーでラブリーチャーミーな存在だと想像できます。
このような状況では、前記したエピソードを例に挙げるまでもなく、『近くの居候よりも遠くの友人』の方が当人達にとっては好ましい存在である事がよくあります。
おそらく、龍田川さんも以前から『“ぞす=おむもぐ”様より“らーん=てごす”様が味方ならよかったなー』と思っていた事でしょう。
つまり、前々からそんな事を考えていれば、周囲に味方を侍らせて決めポーズを取るという見せ場で、
ついうっかり“ぞす=おむもぐ”さんと“らーん=てごす”さんを間違えるという事も十分考えられるのです。
つまり、これは『亭主元気で留守が良い』という大宇宙の真理を体現した現象であるわけがなく、作者が間違えただけです。
279名無しさん@ピンキー:04/05/21 16:38 ID:T+U7nCpX
ネタ切れで辛いならもうFAQはやめましたって一言書いて後は普通に間違えましたでいいじゃん。
ムリスンナー
280名無しさん@ピンキー:04/05/21 17:36 ID:PtMTwUXV
むしろ、無理を!
よりいっそうの無理を! 限界の果てを潜り抜け、常識を打ちのめすほどの無理を!
妖精さんにキーボードを打ってもらい、尿が黄色を通り越して血が混じるくらいの無理を!


・・・しないで下さいね。
281名無しさん@ピンキー:04/05/21 19:13 ID:qPTqqwy2
ぃぇぁ

己にあったペースでがんがって
282名無しさん@ピンキー:04/05/21 19:16 ID:Sr1XSzwf
ネタというものは追い詰められるほど出てくる!といいな。
283名無しさん@ピンキー:04/05/21 20:34 ID:x+6+XOVT
炎尾燃の様だ……。
284名無しさん@ピンキー:04/05/22 21:55 ID:50dcQYvF
ほっしゅほっしゅ
285名無しさん@ピンキー:04/05/23 21:52 ID:hf4aEZAQ
偉大なるひでぼんの作品を読んで、俺もクトゥルフ神話が読みたくなった。
今全く何も知らん状態なのだが、俺のような初心者なら
どこから手を付けたらいいだろうか。
お勧めとか教えて欲しい。お願い。
286名無しさん@ピンキー:04/05/23 22:00 ID:idC7UMFz
青心社「クトゥルー」シリーズを読むとヨロシ。
ただし萌えなくても泣かないこと。
287名無しさん@ピンキー:04/05/23 22:14 ID:dkTtIwOc
創元推理文庫のラヴクラフト全集1〜6はおさえるベシ
288名無しさん@ピンキー:04/05/23 22:16 ID:nPW56OFw
矢野健太郎の邪神シリーズ(漫画)。
学研のクトゥルー神話辞典。
289名無しさん@ピンキー:04/05/23 22:18 ID:hf4aEZAQ
サンクス。
まあ、萌えるのは鼻から期待してないが。
本屋逝って探してみるよ。
290名無しさん@ピンキー:04/05/24 02:04 ID:lINmsLCx
291名無しさん@ピンキー:04/05/24 09:25 ID:apaVmmlB
遅レスだけど、アイリスたんに追い出された吸血鬼たんの話も見たいなあハァハァ
292ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:13 ID:zhzfgrcw
 ……人間、本当に驚いた時には、体も心も硬直して、同時に弛緩するという矛盾した状態になるという。
いわゆる茫然自失ってやつだ。
 今の僕は、まさにそんな状態だった。
 いつも僕におっとりと優しい笑顔を向けてくれる“つぁとぅぐあ”さんが――
岩壁にもたれかかるように、ぐったりと動かないでいる!?
 巨大なスズメバチを思わせる機械兵器の半透明な頭部の中に浮かぶ、
蒼髪の華奢で可憐な裸身の少女――“ばいあくへー”さんが生きている!?
 “つぁとぅぐあ”さんに対する戦慄と嘆き、
“ばいあくへー”さんに対する驚愕と嬉しさに、僕の頭の中は真っ白だ。
「残念だったね、赤松……肝心のシーンを見逃しちゃってさ」
 そんな僕の意識を正気に戻したのは、日野さんの冷たい声だった。
「見物だったわよ、この“ばいあくへー”の一撃で、“つぁとぅぐあ”が眠りながらくたばる様子はね」
 心の臓が凍り付くような感覚が走る。
「“つぁとぅぐあ”さん!?」
 慌てて駆け寄ろうとした僕を、目の前に突き刺さる柱のような機械蜂の触脚が止めた。
飛び散る岩片が美しい顔に当たっても、“つぁとぅぐあ”さんはまるで反応を見せない……
気絶しているのか、昏倒しているのか、それとも、まさか……!?
293ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:15 ID:zhzfgrcw
『んぁあああ……ぁぁあっ』
 その時、頭部キャノピーの中に浮かんでいる“ばいあくへー”さんが、苦しそうに身悶えした。
「“とぅーるすちゃ”神の邪魔をした時は、どうしてやろうかと思ったけど、思った以上の拾い物だったね。
少しの改造でここまでの戦闘兵器に化けるとは正直思わなかったわ」
「彼女に……“ばいあくへー”さんに何をしたんだ!!」
 自分でも驚くくらいの怒声だったけど、日野さんは涼しい顔で受けた。
「さっきも言ったろ? “とぅーるすちゃ”神に体当たりしたバカな奉仕種族を捕らえて、
戦闘兵器の母体に改造したのさ。元々雲井に弄くられていたからね。改造は容易だったよ」
 彼女は生きていたのか……しかし、感慨にふける余裕は無いだろう。
『んぅぅぁぁあああ……!!』
 それにしても、“ばいあくへー”さんの苦しみ方は尋常じゃない。
キャノピーの内側に爪を立てて身を捩り、この距離に聞こえるくらいの大声で泣き喚いている。
「ちょいと五月蝿いけど我慢してよね。
24時間ノンストップで意識を覚醒させるために、直接痛覚を刺激しているだけだから。
激痛のあまり発狂しても、すぐにまた激痛で正気に戻るから安心してね」
「…………」
 あまりの事に、僕は一言も声を漏らせずにいた。汗もかかず、呼吸も静かで、そのくせ全身が燃えるように熱い。
人間、あまりに怒りが激しいとこうなるらしい。
「さて御分かりかしら? ゲームは私の勝ちよ。赤松」
 そんな僕の心情を知らず、日野さんは無邪気に勝ち誇っていた。
 そのあまりの無邪気さに、僕は怒りを燃やすと同時に愕然とした。
あの女は……本気で神々の戦いを『ゲーム』としか考えていないんだ。
“つぁとぅぐあ”さんや“ばいあくへー”さんを、自分の『接触神』である“くとぅぐあ”さんや“とぅーるすちゃ”さんまで、
あくまでゲームの駒としか思っていないんだ。
 日野さんの部屋で語ったように、彼女は本気で『神は人間の道具』と信じているんだ。
294ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:17 ID:zhzfgrcw
 ごぉおおおおお……!!
 その時、凄まじい轟音と熱気が僕の横っ面を乱暴に撫でた。どれくらい激しい熱風なのか、
直接僕に火が当たったわけではないのに、髪の一部がチリチリになっていく。
 こうして僕と日野さん達が対峙している瞬間にも続行されている、
“あとらっく=なちゃ”さんと“くとぅぐあ”さんの戦いの余波だ。
「――ニャルラトテップに喧嘩を売るだけの事はありますわね」
 “くとぅぐあ”さんの炎をまとった斬撃を受け止める、
下半身を超巨大な漆黒の蜘蛛に変えた“あとらっく=なちゃ”さんも、
普段の華麗で妖しい口調に苦味を混ぜている。
「…………」
 “あぶほーす”さんもン・カイのさらに奥で“とぅーるすちゃ”さんと交戦中だ。
お互いじっと睨み合ったまま動かないように見えるけど、
おそらく人知を超えた概念による神々の戦いを繰り広げているのだろう。
「あちらの戦いはほぼ互角。いわゆる千日戦争状態ね。
しかし、ここにこの“ばいあくへー”が参戦したらどうなるかな?」
 日野さんは最終鬼畜兵器な巨大蜂の腹部を愛しそうに撫でた。
「さっきも言ったけど、このゲーム、私の勝ちよ」
 確かに彼女の言う通りだろう。現状では互角の勝負らしいあちらのパワーバランスも、
“ばいあくへー”さんが加わればたちまち一変する。
“つぁとぅぐあ”さんが動かない以上、このままではン・カイチームの敗北は必至だ。
「さあ、お喋りはここまで……どんな風に殺されたい? ひでぼんちゃん?」
 お茶の温度を聞くぐらい軽い口調で、日野さんが尋ねて来た。
それが決して冗談じゃない事は、いくら僕でも理解できる。
 絶望が氷の掌で僕の心臓を握り潰そうとしている。
 いや……まだ諦めるな。
 諦めちゃダメだ。
 死ぬのは最後の最後まで足掻いてから――
それはどんなにちっぽけな生き物にも課せられた、生物としての義務だ。
 どうする?
 どうすればこの危機から逃れられる?

 かちり
295ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:17 ID:zhzfgrcw
 その時――ズボンの後ろポケットの感触が、僕の絶望をたちまち打ち消してくれたんだ。
 たった一度だけ、どんな願いもかなえてくれる神話的アイテム……『銀の鍵』だ!!!
 僕は自分でも情けないくらいブルブル震えながら、後ろポケットから『銀の鍵』を取り出した。
そんな様子が怯えているように見えるのだろう。日野さんは嘲笑しながら僕の見ているだけだ。
 この鍵を使えば、あの憎いあんちくしょうも一瞬で消し去る事が――!!
『くぅぅぅ……ああっ!! あっ!!』
 “ばいあくへー”さんの苦痛の声が、僕の頭に冷水をぶっかけてくれた。
 ――即時的な願いで、世界改変の力を使わないで――
 以前、彼女はそう教えてくれたじゃないか。そう、ここで鍵の力で日野さんを倒しても、
また新たな『接触者』が襲いかかってくるに違いない。
 “戦い”そのものが2度と起こらないようにしなければ駄目なんだ。
 どんな願いならば、その望みをかなえられる!?
 考えろ。
 考えろ……
 考えろ――!!
「…………」
 僕はゆっくりと『銀の鍵』を突き出した。使い方は、なぜか理解できた。
「……その鍵は……?……まさかっ!!」
 日野さんの顔色が一変する。彼女もこの鍵の力を知っているのだろう。
「“ばいあくへー”!! 奴を殺せ!!」
 以前、誰かが言ったのと全く同じ台詞が、醜く歪んだ日野さんの口から発せられた。
 巨大な蜂の触脚が、僕目掛けて振り下ろされる。
 同時に――僕は鍵をひねった。
296ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:19 ID:zhzfgrcw
 かちり

 何も無い空間、何も無い時間の影から、確かにその音が世界中に聞こえた。
 一瞬、眩暈にも似た衝撃が頭の中を駆け巡る。
 この瞬間、世界の何かが“変わった”――僕だけじゃなくて、世界中の誰もがそう感じただろう。
 そして『銀の鍵』は、役目が終わったとばかりに粉々に砕けて、
闇の世界へ四方八方に散らばり……消えてしまった。まるで宇宙にきらめく星々のように。
「あんた……『銀の鍵』で何を願ったの?」
 わなわな震えているらしい日野さんの姿は、半分しか見えない。
 振り下ろされた巨大蜂の触脚が、僕の鼻先をかすめるように地面に突き刺さっているからだ。
死の一撃をそらしたのが、『銀の鍵』が発動した際の眩暈なのか、
それとも“ばいあくへー”さんの意志なのか……それはわからない。
「何を願ったのかと聞いている!!!」
 わかるのは、日野さんが今までに無く怒り狂っている事だ。
「大した願いじゃないですよ……
ただ、『資格者』が『邪神』に遭遇しても、『資格者』の力を失わないようにしただけです」
「『資格者』が……『邪神』に会っても力を失わない!?」
 さすが日野さん、すぐに僕の意図に気付いたらしい。
 今までは、『資格者』は『邪神』と直接接触すれば、その時点で『資格者』の力を失う事になっていた。
その為に仲介役に『接触者』が必要で、その為『資格者』は『接触者』の言いなりになるしかなかった。
だから僕以外の『接触者』は、同類を排除して、『資格者』を独占しようとしていたんだけど――
「これで、僕達『接触者』の存在価値は無くなったわけです。『資格者』の独占は諦めましょう」
 そう、これで今後『接触者』同士の戦いも無くなるわけだ。
297ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:20 ID:zhzfgrcw
「な……な……何て…事を……」
「まぁ、これでゲームは“流局”ってやつですね」
「……赤松……あァァかァァァまァァァァつゥゥゥゥゥ――!!!」
 そして、今までで最大最強最悪の怒りの波動が、彼女の全身から吹き上がった。
なまじ美人なだけに、その姿は下手な『邪神』よりも恐ろしい。
うーん、戦う理由が無くなったら、僕を襲う理由も無くなると、淡い期待を持ったんだけど……
やっぱり虫が良すぎたみたいだ。
「……ッ……ッッ!!」
 もう、日野さんの叫びは人間の声をしていない。ただ、僕にとってありがたくない命令である事はわかった。
 すぐ目の前にあった触脚が、猛烈な勢いで僕を跳ね飛ばしたのは次の瞬間だった。
落下地点に“つぁとぅぐあ”さんの柔らかな身体がなかったら、
僕は猛スピードで岩肌に激突して即死していただろう。
僕自身は全身がバラバラになるような衝撃が走っても、“つぁとぅぐあ”さんはぴくりとも動かないままだ。
「……ッ……死ねッ!!!」
 朦朧とする意識の中、その単語だけははっきりと聞こえた。
『あああぅ!! うあぁああああ!!!』
 巨大な機械蜂が、“ばいあくへー”さんの悲鳴と連動するように死の鉤爪を持ち上げる。
 でも、満身創痍の僕の心は、とても落ち付いていた。
 深く……静かに深呼吸して……そっと美しい耳に語りかける……
298ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:22 ID:zhzfgrcw
「“つぁとぅぐあ”さん、起きて下さい。供物を持ってきました。ご飯ですよ。」

「ふわぁ……おはようございますねぇ」
299ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:23 ID:zhzfgrcw
「……は?」
 ぽかんと日野さんが口を開けて呆然と見守る中、
“つぁとぅぐあ”さんは眠そうに背伸びをして、『にへら〜』としたいつもの微笑みを向けてくれた。
「それでぇ……今日の供物は何でしょうかぁ」
「あ、あれです!! あの弾幕洗濯機な最終鬼畜兵器です!!」
 今、まさに鉤爪が振り下ろされようとしているのを見て、僕は慌てて“つぁとぅぐあ”さんの背後に回った。
「あ、ただしコックピットの“ばいあくへー”さんは食べちゃダメですよ」
「え〜」
「ダメですってば」
「はぁい……美味しそうなのにぃ」
 “つぁとぅぐあ”さんの膨大な髪の毛が、ざわざわと蠢いた。
そして、異変が起こったのは“ばいあくへー”さん――あの機械蜂の足元に広がる髪の海原だ。
まず、赤い裂け目が2つ生じた。八の字型に並んでいるので、まるで邪悪な真紅のタレ目に見える。
さらに、真紅の目の下に広がる髪が盛り上がり、火山の火口のように形を変えて――牙を向く巨大な顎と化した。
 そして――
 ばくん
 瞬きにも満たない一瞬の内に――あの巨大な機械蜂が、一口で髪の大口に飲み込まれてしまったんだ。
そのままムシャムシャと咀嚼するように髪の顎が蠢いて……ごくん、と飲み込む音を、僕は確かに聞いた。
300ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:24 ID:zhzfgrcw
 ……ぷっ
 数秒後、まるで小骨を吐き出すように、小さく開いた髪の裂け目から、
蒼髪の可憐な美少女、“ばいあくへー”さんが飛び出す。
慌てて受け止めた“ばいあくへー”さんは、ぐったりと気絶しているけど無事のようだ。よかったよかった。
「そ、そんなバカな……“つぁとぅぐあ”神は死んだ筈ではなかったの!?」
 日野さんの驚愕したような呆れたような微妙な叫びも当然だろう。
“つぁとぅぐあ”さんはホントに死んだように深く静かに眠るからなぁ。
一度眠るとちょっとやそっとじゃ起きないし、初見の者なら死んでると勘違いしても不思議じゃないだろう。
 そう、彼女は『旧支配者』――“死して眠るもの”なんだ。
 ……まぁ、僕も“つぁとぅぐあ”さんが寝ているだけだという事に気付いたのは、
さっき機械蜂の触脚に跳ね飛ばされた瞬間、
彼女の髪の毛が動いて衝撃を和らげてくれたのを目撃したからなんだけどね……
「さて、どうやらゲームは僕の勝ちですね。日野さん」
 彼女の口調をできるだけ真似して、僕は日野さんに語りかけた。
さっきとは全く逆の立場で、戦力比は逆転したんだ。
このまま彼女を屈服させれば、この馬鹿馬鹿しい戦いも終わらせる事ができるだろう……
その時、僕はまだそんな事を考えていた。
 そう、確かにこれで戦いは終わった。
 しかし、それは僕の想像とは全く異なる形での終焉だったんだ。
301ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:26 ID:zhzfgrcw
「……“くとぅぐあ”神!!“とぅーるすちゃ”神!!私を守りなさい!!!」
 ほとんど悲鳴のように日野さんは叫んだ。
 戦いの真っ最中だった“くとぅぐあ”さんと“とぅーるすちゃ”さんが、きょとんとしたように振り返る。
 “あとらっく=なちゃ”さんは気が抜けたように肩をすくめ、
“あぶほーす”さんは相変わらず無言のままだ。
 ほんの少しだけだけ悩むそぶりを見せた“くとぅぐあ”さんと“とぅーるすちゃ”さんは、
やがて赤と緑の炎の矢と化して、日野さんの側に降り立った。
「ふ、2人とも……私をあいつらから守りなさい!!」
 ガタガタ震えながら僕を指差す日野さんは、明らかに常軌を逸しているように見える。完全にパニック状態だ。
「守れ……? それはいつもの願いか、それとも指示か?」
 “くとぅぐあ”さんの声は不服そうだった。その声に非常に危険なものを感じた僕は、
今までの事も忘れて日野さんに注意を促そうとしたんだけど……
「うるさいわね!! あんたは言われた通りに私を守ればいいのよ!!!」
 それより先に、日野さんは叫んだ。言ってしまったんだ。

 どしゅ!!

 身の毛のよだつような音が、暗黒世界に轟いた。
「……が…ぁ……ぁあ……はぁ…」
 驚愕の表情で固まった日野さんの口から、ゴボゴボと音を立てて赤黒い血が零れ落ちる。
その胸の真ん中から、血塗れの手首が生えていた……“くとぅぐあ”さんの手首が。
302ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:27 ID:zhzfgrcw
「もう、お前は可愛くない」
 静かに、優しいくらい静かに“くとぅぐあ”さんは囁いた。そう、恐ろしいほど優しく、静かに。
「…………」
 僕は声も出せなかった。
 ずるり、と嫌な音を立てて、“くとぅぐあ”さんの血に染まった手が抜き取られる。
糸の切れた人形みたいに、床に崩れ落ちた日野さん……そう、この光景は、雲井氏が死んだシーンの再現だ。
「……な……ぜ……わ…た……し……が……」
 岩肌に流れ落ちる血の量に比例して、彼女の身体からみるみる血の気が引いていく。
 “くとぅぐあ”さんは何も答えなかった。“とぅーるすちゃ”さんも平然としている。
きっと彼女達にとっては、味の無くなったガムを吐き捨てるのと、同じ感覚なのだろう。
「…………」
 やがて彼女は完全に動かなくなり……そして、何の前触れも無く燃え上がった。
真紅の炎に包まれた日野さんは、数秒もしない内に黒焦げの灰と化していく。
 日野さんは――彼女の破滅は、最初から決まっていたのかもしれない。
彼女はゲームや漫画みたいに、人間が『神』に勝る存在だと考えていた。
人間が『邪神』を操れると考えていた。『接触者』の自分は運命に選ばれた英雄だと考えていた。
だから、こうして破滅したんだ……
 ……人間という種族なんて、この大宇宙とその化身である『邪神』と比べたら、塵芥にも満たない存在なのに……
「邪魔したな、帰らせてもらおう」
 その一言を残して、“くとぅぐあ”さんと“とぅーるすちゃ”さんは、闇の中に消えていった……
……というのは、後で聞いた話だ。
 僕の心の中には――『恐怖』だけがあった。
 日野さんの惨劇は、決して他人事じゃない。
たまたま僕の『接触神』には“つぁとぅぐあ”さんを始めとして、気の良い神様が多いだけで、
彼女に見捨てられたら、あるいは彼女の気を悪くすれば、たちまち僕は破滅するんだ。
 全ての戦いが終わったにも関わらず、僕の心は暗黒の世界にいた……
303ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:28 ID:zhzfgrcw
「……ん……ぁあ……」
「あらぁ……お目覚めですねぇ」
 でも、そんな僕の心に光を刺し込めたのは、その『邪神』の声だったんだ。
 僕の腕の中で“ばいあくへー”さんは、弱々しく、しかしはっきりと瞼を開いた。
「ぁああ……ああ……あ…か……ま……」
「そう、僕ですよ。まだ喋ってはダメです……“つぁとぅぐあ”さん、お願いします!!」
 僕は彼女を“つぁとぅぐあ”さんに手渡しつつ『お願い』した。『命令』じゃない。『願い』だ。
しかし、このほんの些細な違いが重要なんだろう。
人間は神様に対して、願いをかける事しか許されないのだから。
 そして、僕の最愛の神様は……
「はぁい……うん、これくらいならぁ、すぐに魔改造で回復させてあげますねぇ」
 『にへら〜』と、のんきで、優しく、怠惰に、暖かな微笑みを浮かべてくれたんだ――
304ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:28 ID:zhzfgrcw
「わぉん!! わんわわん!!」
「御主人様、御無事でしたカ!?」
「……玉露クレー……」
 しばらくして、僕の大事な神様達も、押入れに続く靄の中から次々と登場して、
僕の胸の中に飛び込んできた。あ、“おとしご”ちゃんと他1名は除いて。
「みんな、無事だったんですね」
「はイ、危機一発でしたガ、急に“ひぷのす”神も“らーん=てごす”神モ、
戦いをやめて消えてしまったのでス」
「そうでしたか……皆さん、本当にありがとうございました」
「きゅぅううん……」
「……だから……玉露……」
 心配そうに僕の顔をぺろぺろ舐める“てぃんだろす”をあやしながら、
僕は心の底から“しょごす”さんと“おとしご”ちゃん、そして“いたくぁ”さんに頭を下げた。
「やれやれ……世話のかかる隣人を持つと苦労しますわね」
「…………」
 再び闇の中に消えていく“あとらっく=なちゃ”さんと“あぶほーす”さんの後姿にも、
誠心誠意を込めて頭を下げる。おそらく、誰が欠けても僕の命は無かったのだろう。
 ……いつか、僕も彼女達に見捨てられて、日野さん達のように破滅するのかもしれない。
それが『邪神』と『接触』した者の、逃れられない運命なのかもしれない。
 でも、今はこうして皆と一緒にいられる幸せを噛み締めたい。
その思い出さえあれば、将来来るかもしれない破滅も、笑って受け入れられるだろう。
 それで十分だった。
305ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:29 ID:zhzfgrcw
「――よかったわねぇ、ホントに」
「はい、ありが――」
 背後からの声に笑いながら振り向いて――僕の笑顔は凍り付いた。
 “だごん”さん、“はいどら”さん、“おとぅーむ”さんに“ぞす=おむもぐ”さん……
幾多の『邪神』を従えて、龍田川さんがボロボロのスーツ姿のまま、ニコニコと満面の笑みを浮かべている。
額にはっきりと青筋を浮かべて!!
「ふぅん……『銀の鍵』を使ったんだぁ」
「は、はい」
「それもずいぶんスゴイ願いに使ったのねぇ」
「は、はぁ」
「これで、ダゴン秘密教団・ニコニコ組の野望も雲散霧消しちゃったのよねぇ……」
「は、はぅ……」
「なんて事をしてくれたのよアンタはぁああああああああ!!!!!」
 次の瞬間、龍田川さんの華麗な後ろ回し蹴りが、僕の顔面に炸裂したのだった……
……ダルケスは強いなぁ――
306ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:31 ID:zhzfgrcw
 数日後――僕はいつもの供物を持って“つぁとぅぐあ”さんに会いに行った。
あれから少し日が開いたのは、龍田川さんにボコボコにされて、
しばらくベットから起き上がれなかったからだ。とほほ、情けない……
 荷台一杯のおにぎりを引っ張って、黒い靄の中を進む。自然に足が速くなるのは、
久しぶりに“つぁとぅぐあ”さんに会える嬉しさもあるけど、
彼女に預けている“ばいあくへー”さんの事も気になっていたからだ。
 “つぁとぅぐあ”さんの事だから、魔改造とかいう治療に関しては大丈夫だと思うけど……
まさか、うっかり彼女を食べちゃったりして……
 あはははは……有り得る!!!
 僕はダッシュでン・カイへと雪崩れ込んだ。
「んんぅ……まぁ、ひでぼんさんですねぇ」
 聖母のように優しく、魔王のように威厳ある“つぁとぅぐあ”さんは、
横たえた身体を半身に起こして、僕に『にへら〜』と挨拶してくれた。
「お、おはようございます……あの、“ばいあくへー”さんは無事ですか?」
 キョロキョロ辺りを見渡しても、彼女の姿はどこにもない……まさか!?
 動揺する僕を他所に、“つぁとぅぐあ”さんは相変わらずマイペースだ。
「“ばいあくへー”さんですかぁ……うぅん、魔改造は――」
「……無事に完了してるわ」
 その時、岩陰から薄青色の羽衣をまとわせた蒼髪の可憐な美少女――
“ばいあくへー”さんが姿を現したんだ。よかった。どうやら食べられずに済んだらしい。
「そんなに離れなくてもイイと思うのですがねぇ……」
 ほんの少しだけ口を尖らせているように見えなくもない“つぁとぅぐあ”さんの言葉通り、
確かに彼女は僕と“つぁとぅぐあ”さんから10mは離れた場所に立ち、側に近寄ろうとしない。
「……寝ている時、何度も噛まれたから」
 どうやら、食べられかけたのは事実らしい……
 やがて彼女は“つぁとぅぐあ”さんが寝惚けていない事を確認した後、僕達の側に来てくれた。
307ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:33 ID:zhzfgrcw
「ええと、身体の方は大丈夫なんですか?」
 “ばいあくへー”さんは小さくこくりと傾いた。
「……肉体的損傷は完全に回復したわ……ありがとう」
 素っ気無い口調で礼を言う“ばいあくへー”さんは、
相変わらず可憐で、華奢で、淡雪のように儚く、そして美しい。
 でも……彼女の構成要素の1つである『悲しさ』が、幾分薄れているように見えた。
それが僕には嬉しかった。
「……貴方達には大きな借りができたわ」
「いや、そんな、気にしないで下さいよ」
 実際、僕は特に何もしていないし。
「それではぁ……せめて一口食べむぐむぐぅ」
 ヘッドロック気味に“つぁとぅぐあ”さんの発言を封じた僕に、
“ばいあくへー”さんはどこか切なそうな流し目を見せた。
「……“はすたー”様の許可が得られるなら、私は貴方の『接触神』となって、
貴方を守りたい……貴方さえ良ければ」
「ははは……また危ない時にはよろしくお願いしますよ」
 その時、僕が陽気に片手を上げたのは、単に彼女に賛同の意を伝えるための仕草であって、特に意味はない。
 しかし、彼女の反応は檄的だった。
「――ッ!!」
 “ばいあくへー”さんは瞬時に青ざめるやビクっと身体を脈動させて、
そのまま膝を抱えるようにしゃがんでしまったんだ。
まるで発作を起こしたようにガタガタ震えながら、
小声で『申し訳ありません、申し訳ありません』と呪文のように呟いている。
 一瞬、呆然とした僕は、しかしすぐに彼女の症状に気付いた。
「“ばいあくへー”さん……」
「……ごめんなさい……ごめんなさい……貴方が嫌いなわけじゃないの……でも……でも……」
 子供のように怯える彼女を見下ろしながら、僕は同情の吐息を漏らした。
 雲井氏を初めとした連中に、あれだけ性的虐待や拷問を繰り返されたのなら、
トラウマを抱かない方がどうかしている。敵でもなんでもない人物の、一挙一動にこうして怯える彼女に対して、
僕になにもできないのだろうか。死を賭してまで、彼女は僕を助けてくれたのに……
308ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:35 ID:zhzfgrcw
「……あっ」
 そして、苦悩する僕を助けてくれたのは……やっぱり僕の最愛の女神様だったんだ。
 いつのまにか彼女の背後に回っていた“つぁとぅぐあ”さんが、
すばやく、しかしとても優しく彼女を抱き寄せたんだ。
 おそらく、男女を問わずに身体に触れられるだけで拒否反応を示すだろう“ばいあくへー”さんは、
事実一瞬硬直したものの、すぐに身体を弛緩させて、“つぁとぅぐあ”さんの柔らかな肢体に身を預けてきた。
 さすがは“つぁとぅぐあ”さん。その包容力と癒しパワーは邪神一だろう。
「心の中がまだ完全に直っていないみたいですねぇ……すぐにメンテナンスしましょうかぁ」
 “つぁとぅぐあ”さんの微笑みの種類が変わった。
 優しく、おっとりとした聖母から、妖艶で恐ろしい女魔王のそれに――
「……んぁぁ…ぁああっ!……やぁ…ごめん…なさぃ……」
 背後から“ばいあくへー”さんを抱きかかえるように彼女を押さえる“つぁとぅぐあ”さんは、
今回は髪の毛を使わずに、その美し過ぎるくらい美しい淫手で、直接彼女の肌を愛撫し始めた。
 掌が薄い乳房を持ち上げるようにマッサージして、指先で羽衣の影に隠れた小さな乳首をくすぐる。
その度に、“ばいあくへー”さんはイヤイヤするように上半身をくねらせて、吐息を熱くしていた。
 足を絡めてかき開かれた秘所は、微妙な位置で羽衣が邪魔になって直接見えなくなっている。
その羽衣の上から“つぁとぅぐあ”さんの指が踊った。
秘所に押し付けられた羽衣は、はっきりと性器全体の形を浮き上がらせて、
やがてジワジワと内側から濡れて薄桃色の花弁を透かせていく。
「……ごめ…ん……な……あぁあああっ!!んふぁあああ!!」
 どれほどの時間が経過したのか、“ばいあくへー”さんは“つぁとぅぐあ”さんの魔性の愛撫に、
普段の清楚さをかなぐり捨てて悶え、嬌声を上げていた。
まるでピアニストかハープ奏者のように“つぁとぅぐあ”さんの指先が“ばいあくへー”さんの裸身を奏でると、
淫靡な楽器と化した“ばいあくへー”さんが甘い声で快楽の唄を歌っていく――
309ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:37 ID:zhzfgrcw
「……はぁ…はぁ……はふぅ」
「あぁん……ふふふ、“ばいあくへー”さんも甘えん坊さんですねぇ」
 切なく身悶えする“ばいあくへー”さんが顔の向きを変えて、
目の前に圧倒的なボリュームで広がる爆乳に頬擦りし、朱鷺色の乳首を口に含んだ。
まるで赤子みたいにちゅうちゅう音を立てて乳首をしゃぶる“ばいあくへー”さんの頭を、
“つぁとぅぐあ”さんが慈母の光を瞳に宿してゆっくりと撫でる。
その度に、“ばいあくへー”さんの強張っていた表情が、徐々に穏やかなものになっていった。
「ひでぼんさんもぉ……御一緒しませんかぁ」
 再び瞳に妖しい光を宿して、僕をゆっくり手招きする“つぁとぅぐあ”さん。
悩むまでもない。今の僕は2人の濃厚なレズプレイでで、あの『人外の淫靡』に支配されていた。
 破るように服を脱ぎ捨てて、死に物狂いで彼女達の元へと特攻する。
 しかし――
「……あッ」
 僕が側に近付くと、再び“ばいあくへー”さんは身を強張らせて、怯えた視線を向けてきたんだ。
うーん、やっぱりまだ男に対する不信感は拭えないみたいだ。単に僕が嫌われているだけなのかもしれないけど。
「……私は大丈夫……が、我慢するから」
 震えながらそんな台詞を言われても、今回ばかりは加虐心を満足させるわけにはいかない。
「……っ!」
 そっと頭に手を伸ばすと、“ばいあくへー”さんはぎゅっと瞳を閉じながら全身をガタガタ震わせた。
心の底から僕に怯える彼女に、僕はそっと手を触れた。
「……あ」
 彼女の美しい蒼髪に。
 “つぁとぅぐあ”さんの癖のある溶けそうなくらい柔らかい髪も良いけど、
“ばいあくへー”さんの髪の感触も格別だった。サラサラとしたストレートヘアを指で梳くと、
まるで指の間を風が抜けていくような心地良さを伝えてくれる。
 しばらく無言で彼女の髪を梳き続けた。
「……赤松……さん」
 そっと、彼女の繊手が僕の手に重ねられた。どこか潤んだ瞳で、僕の目をじっと見つめてくる。
その蒼い瞳のあまりの美しさに、僕も惚けたように彼女と見詰め合った……
310ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:39 ID:zhzfgrcw
「んん〜ボクを忘れちゃダメですよぉ」
 “つぁとぅぐあ”さんの咳払いに、僕は慌てて“ばいあくへー”さんから顔を離した。
いつのまにか彼女との顔の距離がキスする1歩手前まで接近していたんだ。
 いけないいけない、やっぱり『人外の美貌』は恐ろしい。
本気で唇を奪っちゃう所だった……そう思った刹那、
「……んっ」
「!?!?」
 なんと、“ばいあくへー”さんの方からずいっと顔を乗り出して、
僕の唇に自分のそれを押し付けてきたんだ。
子供のキスみたいに唇を合わせただけなのに、僕の頭の中は赤熱化して何も考えられなくなっていく。
「……あっ」
 僕はほとんど無意識の内に“ばいあくへー”さんを押し倒していた。
細身の肢体は赤く火照り、控え目な乳房もツンと立って、
羽衣に隠された秘所もしっとりと熟しているのがわかる。僕は無言で彼女の瞳を覗き込んだ。
 “ばいあくへー”さんは顔を真っ赤にしてはにかみながら、そっと瞳を逸らして、
「……優しくして下さい」
 蚊の鳴くような小声で、そう呟いてくれたんだ。
「……んっ……くぅ!」
 彼女のリクエストにちゃんと答えられたのか、正直自身はない。
完全に理性が崩壊した僕は、正常位のまま一気に彼女にペニスを挿入していた。
311ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:40 ID:zhzfgrcw
 しっかり濡れているにもかかわらず、彼女の中は痛いぐらいにきつい。
苦痛に腰を浮かせる彼女と一緒に我慢して、ぐっと腰を突き出すと、
急にペニスの先端の抵抗が無くなった。後はただ無限の快楽が広がるだけだ。
生暖かい液体が一筋、ペニスを伝わり落ちるのが感じられる……
 さすが“つぁとぅぐあ”さんの魔改造。
あれだけ陵辱と改造を繰り返された彼女の身体を、処女の段階まで元に戻せるなんて!!
「……痛…ぁあ……ううぅ…くぅん!」
 相当に痛いだろうに、健気にも“ばいあくへー”さんは自分から腰を動かして僕に快感を与えてくれる。
細くて華奢な身体で必死に僕にしがみ付き、涙を流しながら口付けを求めてくる“ばいあくへー”さんを、
僕は心の底から愛しく感じた。
 貪るように互いの身体を求め合う、僕と“ばいあくへー”さん……
「……ぁああっ!…きゃふぅ!!いい…イイのぉ!!」
「“ばいあくへー”さん……僕も、もう――」
「……出して…このまま……私の中に注ぎ込んでぇ……ッ!!」
 限界を悟った僕は、一気に根元までペニスを力強く叩き入れた。
「……んぁああ……ぁあああああ――!!」
 僕の身体を持ち上げんばかりに腰を浮かせた“ばいあくへー”さんのヴァギナが、
キュっと僕のペニスを絞め付ける。
「うううっ!!」
 たまらず僕は彼女の子宮の奥の奥まで、大量の精を放った……
「……赤松……さん……赤松さぁん……」
 ぐったりと身を預ける僕の頭を愛しそうに抱きながら、
最後に彼女はもう一度僕にキスをして、眠るように意識を失った――
312ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:42 ID:zhzfgrcw
「むうううぅ……だからぁ、ボクの事を忘れちゃダメですよぉ」
 もちろん、これで終わる筈がない。今度は“つぁとぅぐあ”さんが僕を押し倒した。
彼女にしては珍しく、ほんのちょっとだけ乱暴に。
「……あの、“つぁとぅぐあ”さん……怒ってません?」
「いいえぇ……別にぃ」
 ゆらゆらと膨大な髪を触手のように揺り動かしながら、“つぁとぅぐあ”さんは妖艶な笑みを浮かべた。
まるで淫魔の女王のように華麗で妖しく、万物をひれ伏さんばかりの魔性の美貌が、僕をじっと見つめる。
 どこまでも果てしなく美しく、果てしなく恐ろしいのに……それ以上に慈愛に満ちて、僕の心を魅惑するんだ。
 やっぱり僕は、彼女の胸の中から逃れられない運命らしい。
何よりも、僕自身がそれを望んでいるのだから……
 僕は強引に彼女の腰を抱き寄せた。
目の前でぶるんぶるんと揺れる魔神級の爆乳にむしゃぶりつきたいのを必死に我慢して、
いつのまにか回復しているペニスを、騎乗位の体勢で“つぁとぅぐあ”さんの肉壷に挿入する――
「んぁああああぁ……あはぁ♪」
「――ッ!!」
 たちまち僕のペニスが――いや、僕の全身が人外の快楽に包まれた。
極上の肉感がペニス全体を優しく激しく絞め付けて、精液の一滴も逃さずに吸い尽くそうとする。
挿入の瞬間に射精した僕は、そのまま射精しっぱなしのまま狂ったように腰を動かした。
気持ちいい。ただひたすら気持ちいい。
やっぱり“つぁとぅぐあ”さんとのSEXは、この世界で究極の快楽だ。
313ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:43 ID:zhzfgrcw
「んふふふぅ……やぁん…もっと乱暴にして……イイですよぉ」
 快楽のあまり脳味噌がグツグツに沸騰する中、
頭上で揺れる両手でも支えきれない彼女の爆乳を、僕は思う存分揉みまくった。
張りがあるのに柔らかく、圧迫感があるのに羽根のように軽い“つぁとぅぐあ”さんの爆乳は、
この宇宙の至宝に間違いないと、誰もが断言できるだろう。
「おっぱいぃ……あふぅ…飲んで下さいねぇ……きゃぅん!」
 騎乗位の体位なのに、ちょっと彼女が身を屈めるだけで爆乳の先端は僕の鼻先に届いてしまう。
僕は彼女のリクエストに答えて、思う存分勃起した乳首をしゃぶり、乳輪を舐め回し、乳頭を甘噛んだ。
そうしている間にも、“つぁとぅぐあ”さんは自分から腰をピストンして、僕の精気を吸い取ってくれる。
 そして――
「うううううッ!!!」
「あはぁ……ぁあああああ――っ!!」
 彼女の巨体を浮かせるように腰を跳ね上げながら、僕は最後の精を彼女の中に放った――
314ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:44 ID:zhzfgrcw
「はぁ……はぁ……」
「…………」
 “つぁとぅぐあ”さんとのピロートークの常として、
精魂尽き果てた僕は指1本も動かせずに、ぐったりと岩肌に寄りかかっていたんだけど、
「んふふふぅ〜♪」
 隣で僕と並んで座っていた“つぁとぅぐあ”さんが、
急に僕の右手をぎゅっと掴んで、身を摺り寄せてきたんだ。
「ええと……どうしたんですか?」
「んんん〜〜〜別にぃ♪」
 何が嬉しいのか、彼女は『にへら〜』と満面の笑みを浮かべている。
 ぎゅっ
 と、その時、反対側の腕を誰かがぎゅっと掴んで、同じように身を摺り寄せてきた。
「……赤松さん」
 どこかうっとりとした表情で、潤んだ瞳を向けているのは“ばいあくへー”さんだ。
「……赤松さん……私…私は……」
「んんん〜ふふふぅ……ひでぼんさぁん」
 まるで大岡裁きのように、両側から僕の腕を取り合う“つぁとぅぐあ”さんと“ばいあくへー”さん。
この位置ではよく見えないけど、彼女達の視線が絡み合う位置にある頭上の方から、
バチバチと火花の散るような音が聞こえるのはなぜだろう? 幻聴だと良いなぁ。
 しゅるしゅるしゅる……
 突然、僕の右手のミサンガが解けた。漆黒の髪糸は編み上がるように形を変えて、
たちまち“つぁとぅぐあ”さんの幼女バージョン、“おとしご”ちゃんが登場したんだ。
「ええと……何か危機でも迫ってるの?」
 僕の危惧を他所に、“おとしご”ちゃんは僕の胸の上に這い上がって、甘えるように胸に顔を摺り寄せた。
 えーと、この状況は――
315ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:45 ID:zhzfgrcw
「御主人様……ご飯の時間ですのニ、何をなさっているのですカ!?」
「ぐるるるる……わん、わわわん!!」
 状況に悩む僕の目の前に、いつのまにか“しょごす”さんと“てぃんだろす”がいて、
ジト目の糸目と半泣きで僕を睨んでいるじゃないか。
「あ、いや、これは――」
「皆さんばかりずるいでス!!」
「わぉん!!」
 あれよあれよという間もなく、“しょごす”さんは僕の右足に、
“てぃんだろす”は僕の左足にしがみ付いて、愛しそうに僕の身体に身を預けてきた。
「……ちゃらりー……ちゃーらーらーらー……ちゃららーん……」
 無感情な必殺仕事人(第3期)のテーマを鼻歌で歌いながら、僕の背後に回っているのは、
確認するまでもなく“いたくぁ”さんだろう。
「……実はガヤン神官……」
 “いたくぁ”さんはそっと僕の首に手を巻くと、
背中に薄い胸を押し付けながら――綺麗にヘッドロックを決めた。
「んふふふふぅ……ひでぼんさぁん♪」
「……赤松さん」
「…………」
「御主人様ァ……」
「くぅん、きゅぅううん」
「……このまま死の手……」
 男にとってはある意味天国と地獄を同時に味わっている状況の中――
僕は『接触者』として破滅するより先に、
女性問題で破滅するかもしれないなぁ……と、不遜な事を考えていた。
 ……人間の女性は1人もいないけどね。トホホ……
316ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/25 18:47 ID:zhzfgrcw
「――作戦は失敗に終わったな」
「え? 赤松ちゃんが最後に生き残って、龍田川ちゃんの野望も潰えたしィ、
これでめでたしめでたしじゃないのン?」
「私のミスだ……『世界滅亡』の主犯は、“赤松 英”だったのだ」
「そんなァ……アタシの見立てが間違ったの? これからあのボウヤが世界を滅亡させるって言うの?」
「そうじゃない。本人にそのつもりがなくても、結果的に世界を滅亡させる例もあるという事だ。
それに、すでに世界は滅亡している」
「ちょ、ちょっと……どういう事よ!!」
「今までは『接触者』の仲介が無ければ、『資格者』は邪神の力を手に入れる事ができずにいた。
しかし、これはつまり『接触者』を監視すれば、
どの『資格者』が、何時、何処で、どの邪神の力を入手できるのか把握する事もできたのだ。
それならば、こちらで対処法を練る事も可能だった……」
「……しかし、ボウヤがその法則をブチ壊しちゃった……」
「そうだ。これからは、何時、何処で、誰が恐るべき『邪神』の力を手に入れて、
その力を行使しようとするのか、誰にもわからない事になる。
この瞬間、誰かがこの地球を吹き飛ばすかもしれないのだ。
今までの平穏な世界は滅亡した……恐怖の時代が来るぞ」
「これが……“ブラックメイド”の真の目的だったのかしら?」
「さぁな……あるいは、これからが『本番』なのか――」


第2部 完

エピローグに続く
317名無しさん@ピンキー:04/05/25 18:52 ID:2udjNxZ/
初めてリアルタイムに遭遇シタ━(゚∀゚)━!!

弾幕蜂VSつぁとぅぐぁ戦はやっぱりスプライト限界でスローモーションだったりしたんでしょうか?

既に世界は滅亡している!で某MMRで逆転な裁判を思い出して多いにワロタ
318seirei:04/05/25 18:59 ID:MLAsqlUZ
リアルタイムだわー…凄まじい。
“くとぅぐあ”さんの冷酷?さやら“つぁとぅぐあ”さまの焼餅やら色々と満喫です。
エピローグかぁ…クトゥルフ&ハスター様の出番はあるのかな。
319名無しさん@ピンキー:04/05/25 19:02 ID:MLAsqlUZ
ageちゃった…しかも名前_| ̄|○
ホント申し訳ない
320名無しさん@ピンキー:04/05/25 19:06 ID:uPJsqVld
ばいあくへーさん、生き返っタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)゚∀゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_)゚∋゚)´Д`)゚ー゚)━━━!!!!
つぁとぅぐあさん、やっぱり眠ってただけでしたかw

日野エツコも死んじゃったし、これでめでたしめでた…じゃなかったのね。
アルタンのこれからの活躍に何故か期待w
321名無しさん@ピンキー:04/05/25 21:15 ID:47/h2Ug/
いたくぁさんが、何気に、ゴーセス→≪死の手≫コンボ決めてるのに、
萌え。
322名無しさん@ピンキー:04/05/25 21:31 ID:dMD+6Alp
GJ!&祝!”ばいあくへー”さん復帰!
エピローグと第2部分の設定資料が今から実に楽しみです
…はいいんですが、、たしか残された触手から”あぶほーす”さんが”ばいあくへー”さんを再生中…
記述がないけど、たぶんおなかが大きいままで、、“とぅーるすちゃ”さんと戦ってた”あぶほーす”さんもすごいけど
すでに「真”ばいあくへー”さん対ネオ”ばいあくへー”さん」、上映確定ですか?(w
>322
>ネオ”ばいあくへーさんはどうなったのディスカー?
かの窮極魔人・精霊たんが、

「失った肉体を再構築しようとあぶほーす様に憑依した際、
 幼女なばいあくへーさんを発見。あまりの愛らしさにテイクアウトした」

に一票。
324(*´Д`)<えっちゃーん:04/05/25 22:31 ID:CCPEUd6X
ひでぽんが(股間のハイパー兵器で)エツコタンを籠絡しちゃふのかなーと淡い期待をもってたのに。・゜・(つA`)・゜・。

ともかく第二部完結(とエツコタン悪役終了)乙
325名無しさん@ピンキー:04/05/25 22:36 ID:YXV88rN/
同じく、エツコタンが〜〜〜。・゚・(ノД`)・゚・。

ひでぼんの書作者さま。お疲れ様です。
ひでぽんはいろんな心配の前に、まず赤玉がでないように“つぁとぅぐあ”さんに「お願い」しないといけないですね(・∀・)ニヤニヤ
326名無しさん@ピンキー:04/05/25 22:52 ID:Kx1XrA/4
魔改造キタ━(゚∀゚)━!
ひでぽんの書の中の人、乙かれ!GoodもといGod Job!でつ。

なにげに、いたくぁさん、おいしいなぁ(w
327名無しさん@ピンキー:04/05/25 23:59 ID:KAGjt7My
な、泣けた…!
感動だっッ!!
328名無しさん@ピンキー:04/05/26 00:28 ID:6NkAB7xU
いつの間にこの世界に七つの月が出現しましたかw
329イゴーロナク:04/05/26 00:53 ID:SsGr48oN
>ひでぼんの書 作者様
一見大団円、実は人類危機一髪というオチはさすがですねぇ。
ばいあくへーさんはよみがえりましたし、
つぁとぅぐぁさまは魅力&魔力大爆発ですし…。
エピローグを(若干の寂しさを感じつつ)楽しみに待ちたいと思います。

G.O.O. JOB!!
330名無しさん@ピンキー:04/05/26 06:58 ID:dMZRRe9W
小さくなった“ばいあくへー”さんは動きが速くなって、やっぱり花火のような弾幕を…
あれ?
―ボムか(そして二周目に入…

とまれGJ!
331名無しさん@ピンキー:04/05/26 15:15 ID:YqJeqb6g
女性問題で破滅する前に、
女性達に犯され尽くして過労死する予感大。
ああ、生きてるって素敵だなあ。
332名無しさん@ピンキー:04/05/26 19:23 ID:z80n2ZSW
そこでつぁとぅぐあさんの『恩恵』ですよ。
333名無しさん@ピンキー:04/05/26 23:19 ID:AxHqLah7
>>332
しかし、つぁとぅぐあさんの『恩恵』を受けた直後は、激しく衰弱してしまう罠

素人にはお勧めできない(w
334名無しさん@ピンキー:04/05/27 01:51 ID:P9siGMx5
赤松・龍田川同盟がどうのこうのと先読みしてひでぽん作者氏に血涙を流させた香具師です。
(そのせつは非常にスマソ)

まず、この壮大な萌えストーリーの結に立ち会えた事を幸せに思います。

 >>でも、今はこうして皆と一緒にいられる幸せを噛み締めたい 。

…この一行の件がひでぽんの身を助けた性格を現していると思いますが、
期待を裏切らない結末の中でひでぽんの機転の利いた(?)ドンデン返しは、
読む側の胸中を見事に突き抜けた、颯爽たるものでありました。(*゚∀゚)=3 キユン
今後も、エピローグ、細かい部分の完結、そして第三部以降に期待するところですがとにかく

漏れからもGod Job !

 なにか、ここにネタ振りできるものがあればと思ったのですがー
稚拙な漏れではロクなものが出てきませんでつ。
これからも頑張って下さい。            ↓
335名無しさん@ピンキー:04/05/27 01:57 ID:P9siGMx5
-------【シスターゲルダの邪神占いのうた】------------

  |   / ,,‐-     -‐   
  |   i    ,-、     _, |  
  ,‐-、  l _   oヽ` ヽ' o` 
  | 、` l    `ー     ヽ´`i
 .|  )             ヽ|
  ヽ `     _   ゙ー-、_ )

Aカップ Bカップ Cカップ Dカップ Eカップ Fカップ Gカップ Hカップ

8組の邪神を選ぶとしたら キミならどれが好き?
(生徒)「F!」
“しゅぶ=にぐらす”好きは自分に素直。人妻好きを隠せない でも
不倫は旦那がだいぶ怖いから 夢から覚めなさいー
(生徒)「じゃあ、E!」
“ゔぉるばどす”好きは少しお利口さん 人妻好きより少しはお利口
それでもまだまだ夢見がちだから大人になりなさいー
(生徒)「じゃあ、D!」
“あとらっく=なちゃ”好きはだいぶお利口 人妻好きよりいくらかCOOL
そこまで現実分かっているならもうひと頑張りでーす
(生徒)「じゃあ、C!」
“しょごす”好きは正解に近い もっとも限りなく正解に近い
でも夜に満たないメイドも多いので 油断は禁物でーす

(間奏)
神々チョイスのセンスで 接触者の人生は大きく左右されます。
まるでひでぼんの人生のように…
336名無しさん@ピンキー:04/05/27 01:57 ID:P9siGMx5


(生徒)「B!」
“てぃんだろす”好きは中途半端 好みとしては中途半端
「胸はなくていいけど、ティムポはあった方が……」そんなの微妙過ぎ〜
(生徒)「A!」
“いたくぁ”好きは卑屈過ぎます 自分に自信がない証拠です。
アナルは決して 怖くなーい。勇気を持ってください。
(生徒)「じゃあ・・・」
“つぁとぅぐあ”(Gカップ)好きと
“ふじうるくぉいぐむんずはー”(Hカップ)好きは
でかけりゃいいってもんじゃないことを肝に命じておいてくださーい
女性の敵ですよー

いろんなオッパイ見てきたけれど 最後に私が言いたいことは
邪神の人を胸で判断するのは 良くないことですよー!

ラーララ・ラーララ・ラーラララララ・・・・・
337名無しさん@ピンキー:04/05/27 05:32 ID:BVZ4/DaW
GJ! ハライテー。

ネタがわからない人は「バスト占い」でググりましょう。
338名無しさん@ピンキー:04/05/27 06:08 ID:clSvr306
>>324
>>326
>>334
お前ら元ネタ知らんだろ。
知っていたらしないタイプミスがあるぞ。
339名無しさん@ピンキー:04/05/27 13:42 ID:J0vZJCom
(´-`).。oO(元ネタを知らなければ書き込んではいけないスレは、ここですか?)
340名無しさん@ピンキー:04/05/27 17:17 ID:HA6t4j6q
元ネタはなんだかよくわからんが、人の名前間違えちゃ失礼だよな。
ひでぼんの書の中の人、いつもGJです。
341ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:31 ID:LYCbErgb
「そこのお客人、ちょっと見てって下さいニャルラ」
 あの事件から数ヶ月後――仕事の打ち合わせが長引いた僕は、
夜風に当たろうかと徒歩で帰宅していたのだけど、突然、街外れでどこか舌足らずな声をかけられた。
 声の方に振り向くと、裏路地の入り口に様々なアクセサリーをテーブルに並べて売っている、
街頭露天商があったんだけど……それを見て、僕は絶句した。
「今なら全品三割引ニャルラ」
 ミカン箱に座って呼び込みをしている店主が、
なんとメイドさん――それも頭部のカチューシャから靴のつま先まで黒一色という、
何ともフシギでブキミな姿だったからだ。
服装を見る限り女性らしいけど、街灯が逆光になっているので、顔がよく見えない。
「お客人、助けると思って何か買って下さいニャルラ」
 好奇心に駆られた僕は、その露天商を覗いて見る事にした。
店主の声があまりにも哀れっぽかったのもある。
 品揃えはイミテーションの宝石やシルバーアクセサリーが大半で、
そこらの露天アクセサリーショップとあまり変わらないようだった。
その中に『黒山羊の角』や『銀の鍵』が一山いくらで山積みになっている気がするけど、幻覚だろう。
「何かお勧めはありませんか?」
「それなら、掘り出し物があるニャルラ〜」
 店主は嬉しそうに手を叩くと、懐から奇妙な物体を取り出した。
342ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:34 ID:LYCbErgb
 握り拳ぐらいの大きさの、赤い線の入った黒い多面体の宝石だった。
材質はさっぱりわからないけど、特に高価そうには見えない。
「『輝くトラペゾへドロン』ニャルラ。輝いてないけど気にしないで欲しいのニャルラ」
「はぁ……お幾らですか」
「100億兆万円ぐらいの価値はあるニャルラ」
「いらないです」
「じゃあ、1000円でいいニャルラ」
「…………」
 思い切りがいい店主だなぁ。
それとも駄菓子屋のオバちゃんが言う『お釣り10万両』みたいなものなのかな?
「この『輝くトラペゾへドロン』をプレゼントすれば、どんな邪神のハートもゲットできるのニャルラ。
誰でもお気軽に『接触者』か『資格者』になる事ができるラッキーアイテムなのニャルラ」
 いや、これ以上『邪神』のハートをゲッチュする必要は無いんだけど……
僕が世話になってる『邪神』の皆さんが喜ぶなら、プレゼントしてあげるのもいいかもしれない。
「じゃあ、それ下さい」
「ありがとニャルラ」
 プレゼント用に丁寧に包装してもらい、意気揚揚と露店を後にした僕は、
すぐにあの“黒いメイド”が『接触者』や『資格者』、それに『邪神』という言葉をなぜか知っている事に気付いて、
愕然と振り返ったんだけど――あの露店の姿は、影も形も無くなっていた。
343ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:35 ID:LYCbErgb
 さて、この『輝くトラペゾへドロン』を、誰にプレゼントしようかな?

 ・“ばいあくへー”さんに渡す。→>>344へ進む。
 ・“しょごす”さんに渡す。→>>348へ進む。
 ・“てぃんだろす”に渡す。→>>354へ進む。
 ・“いたくぁ”さんに渡す。→>>360へ進む。
 ・“つぁとぅぐあ”さんに渡す。→>>365へ進む。
 ・自分で持ってる。→その日の深夜、“闇の跳梁者”に襲われて……14へ進む。
344ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:35 ID:LYCbErgb
・“ばいあくへー”さんに渡す。

 あの事件の後、『セラエノ』とかいう所に帰った“ばいあくへー”さんだけど、
月の綺麗な夜にはよく遊びに来るようになっている。
無口で大人しい彼女は僕達の取り止めの無い話に耳を傾けたり、
仕事の為、パソコンの前で悪戦苦闘している僕の側で、じっとしている事が多いけど、
当人はそれなりに楽しいみたいだ。
 今宵は満月の夜――いつも通りに遊びに来た彼女は、
僕が差し出した『輝くトラペゾへドロン』を、あの透明な眼差しでしばらくじっと眺めていた。
「……これは?」
「ええと、あの時すごくお世話になりましたから、プレゼントです」
「……プレゼント……」
 “ばいあくへー”さんは、一瞬ぽかんと惚けると、顔を真っ赤にして俯いた。
「……ありがとう。プレゼントなんて……生まれて初めて」
 あんな黒い結晶体のどこが嬉しいのか、彼女は瞳に涙を浮かべてまで、それをぎゅっと抱き締める。
「……地球人類の心を持つのも、悪い事ばかりではないのね」
 “ばいあくへー”さんの細い手が、僕の手をそっと掴んだ。
同時に、かしゃかしゃかしゃんと無機的な音を響かせて、背中に機械の翼が展開する。
何のつもりだろうか? そう思った瞬間――
345ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:37 ID:LYCbErgb
「――ッ!?!?」
 ごおっ、と周囲の景色が風に吹き飛ばされるように流れた――そして気が付くと、
僕の頭上には巨大な蒼い満月に満天の星々が煌き、眼下には灰色の雲が延々と広がって、
隙間からは町明かりらしい光点が闇の中に瞬いているのが見える。
 僕は“ばいあくへー”さんに、遥か天空の高みに拉致されてしまったんだ……ひえ〜!!
 必死にしがみつく僕の手を取って、“ばいあくへー”さんはチークダンスを踊るようにゆっくり宙を移動し始めた。
蒼い髪が宇宙の輝きを受け止めて、きらきらと光の粒子を振り撒く。
「……ふふふ、あはは」
 月の光をBGMに、雲海のダンスホールで舞う“ばいあくへー”さんは、
まさに天の使いのように荘厳で、果てしなく美しい。
いつのまにか僕は恐怖も忘れて、目の前で舞う“ばいあくへー”さんの姿に見惚れていた……が、
「……赤松さん?」
「あはは……」
 ダンスも佳境に入り、彼女が身を摺り寄せてきた時――“ばいあくへー”さんは、
お腹に当たるイチモツの感触に気付いたらしく、恥ずかしそうに頬を赤らめた。
 だって、“ばいあくへー”さんは全裸の上に半透明の羽衣をまとっただけという、
たまらなく官能的な姿なんだから……普段は何とか自制できるけど、
こう目の前で肌を密着させられては、反応しない方が男としてどうかしている。
彼女もれっきとした『邪神』さんなのだから。
346ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:38 ID:LYCbErgb
「……私も……お願いします」
 “ばいあくへー”さんは小さくこくりと頷くと、左手を僕の肩に置いて、ゆっくりと引き寄せた。
徐々に彼女と僕の唇が接近して、それがゼロになった瞬間、
僕と“ばいあくへー”さんは小鳥が嘴を啄み合うようにキスを繰り返し、唇の先端を舐め合った。
「……んん…ぁあ…」
 自然に僕の手は彼女の秘所に導かれていた。薄い陰毛が飾ったクリトリスを撫で、
膣口に指を沈ませると、すでに濡れていた彼女のそこは、くちゅっと音を立てて受け入れてくれる。
「ううっ」
 お返しとばかり、“ばいあくへー”さんの繊手が僕の勃起した亀頭を撫で回した。
先走り汁をカリからシャフト全体に塗り込めるように手が動き、繊細かつ優しい快楽を与えてくれる。
「……ふぁああ……あふぅ…んんっ」
 どれほどの時間、互いの性器を愛しあったのか……すでに僕のペニスは爆発寸前にまで高まり、
彼女の秘所からは愛液がとめどなく下界に降り注いでいた。
「……んぁあ…くふぅ!!」
 僕達はごく自然に繋がった。肉の混ざり合う快感がペニスから脳天にほとばしる。
 駅弁の体位で激しく腰を動かしながら、それ以上に情熱的にキスを交わす僕と“ばいあくへー”さん。
「……赤松さん…赤松さんっ……赤松…さぁん!!」
 彼女はうわ言のように僕の名前を呟きながら高まって、断続的にヴァギナを絞め付けてきた。
彼女ももう昇り詰めてきたのだろう。
347ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:39 ID:LYCbErgb
 そして、僕も――
「うううっ」
「……はぁああ……ぁああああああ――!!」
 彼女の中に精を放つと同時に、“ばいあくへー”さんは僕の肩にしがみ付きながら絶頂を迎えて――
そのまま幸せそうに気絶したのだった……
 ぐらり
 ……って、え!?
「うわぁああああああああ――!?!?」
 当然の結果として、浮遊力を失った“ばいあくへー”さんごと、
僕は遥か下界へ数千メートルの高みから落下していった。
 薄れゆく意識の中、このまま死んでもある意味男としては花道なのかもしれないなぁ……と、
僕はタワケた事を考えていた……
 ……まぁ、一応は助かったんだけどね。

 ・>>372に進む。
348ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:40 ID:LYCbErgb
・“しょごす”さんに渡す。

「“しょごす”さん、ちょっといいですか?」
「はイ、何でしょうカ?」
 それなりに遅い時間に帰宅したにもかかわらず、
“しょごす”さんはきちんと台所で夕飯の後片付けと明日の食事の仕込みまでやっている。
本当に彼女は働き者で、メイドさんの鏡だ。
 そんな“しょごす”さんに、日頃の感謝を込めてプレゼントを渡すのは、ごく自然な行為と言えるだろう。
それでも“しょごす”さんは、プレゼントを渡すと糸目を満面の笑みの形に崩して、
跳び上がらんばかりに喜んでくれた。
 てけり・り、てけり・りと鼻歌を歌いながらも、
プレゼントの包みを再利用できるようにきちんと剥がす彼女は、
几帳面というより貧乏性なのかもしれない。
「まァ……これハ!!」
 『輝くトラペゾへドロン』を手にした“しょごす”さんは、喜ぶと同時に驚いているように見えた。
やがてうっとりと糸目を綻ばせながら、愛しそうに抱き締める。
349ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:41 ID:LYCbErgb
「この『輝くトラペゾへドロン』ハ、かつての私の主人が持っていた物と同じ種類のものでス。懐かしイ……」
 その仕草は、普段メイドのプロフェッショナルとしての姿勢を崩さない彼女が、
ほんの少しだけ垣間見せる『自己』そのものに見えた。
「本当ニ、ありがとうございまス……ですガ、私には何もお礼するものガ……」
「いえいえ、そんな、むしろお礼を言いたいのはこっちの方ですから」
 これは本当だ。
実際、“しょごす”さんはどんな時でも僕の事を第一に考えてくれて、本当によく尽くしてくれる。
今回の戦いでも、一番手をかけてくれたのは彼女に間違い無いだろう。
たとえそれが『メイドさん』の仕事に過ぎないとしても、僕は素直に彼女にしたい。
「そうですカ……では御主人様、お願いがあるのですガ……」
「なんでしょ――」
 彼女に手渡された『道具』の数々を見て、僕は台詞を生唾と一緒に飲み込んだ。
「……久しぶりニ、これデ……私ヲ……」
350ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:42 ID:LYCbErgb
「ふふぁああふぅゥ……はふぅうウ!!」
 ホールギャグで強制的にOの字に開かれた“しょごす”さんの口からは、
恍惚の涙と一緒に唾液がとめどなく流れ落ちる。
「ほらほら、ここも大洪水ですよ」
 いや、とめどなく流れ落ちるのは、
バックからアヌスとクリトリスを鈍い音を立てて振動するローターで責められて、
膣口から垂れ流す愛液もそうだった。
 今の“しょごす”さんは後ろ手に縛ったロープで天井から吊るされて、
両足もM字開脚に拘束された状態にある。トレードマークのメイド服は胸元を引き裂かれ、
ロングスカートもずり下げられて、形の良い巨乳とローター責めでグチョグチョに濡れた秘所を剥き出しにしていた。
「こんな事をされて感じるなんて、やっぱり“しょごす”さんは淫乱な変態さんなんですね」
「はぅふぅゥ……くふぁあああふゥ!!……くふぅぁああゥ!!」
 勃起した乳首とクリトリスを貫く黄金のピアスと、それらを結ぶ細いチェーンを強くひっぱると、
“しょごす”さんは変形した乳首とクリトリスが千切れんばかりに身体を震わせて、
快楽の涙を撒き散らそうとする。しかしそれは彼女が背徳の快楽を全身で感じ取っている証でもあった。
事実、彼女の糸目は蕩けるように開かれて、虹色の不思議な光彩を覗かせている。
351ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:44 ID:LYCbErgb
「ほら、しっかり舐めてくださいね」
 ホールギャグの直径ギリギリの大型バイブを、僕は容赦無く彼女の口に突っ込んだ。
喉の奥までグジュグジュと何度もピストンして、たっぷりと唾液を付着させる。
「ぷぁはァ……んむゥ!!んむむぅゥ……ぴちャ…ぷはァ!はぁァ……ぐぅゥ」
「擬似ペニスにここまで美味しそうにフェラするなんて、
“しょごす”さんは本当に肉棒が大好きなんですね」
 ならば、さっそく食べさせてあげよう。
「んふぁあああ!!」
 僕はバイブを一気に根元まで彼女の膣口に叩き込んだ。
先端が勢い良く子宮口にぶつかったのを確認した後、パワーの目盛を最大まで上げる。
「ふぅううウ!!ふぁあぅふううウ!!うぅんはぁあア!!」
 何か未知の生命体みたいにグネグネ蠢くバイブをしっかりテープで固定した僕は、
今度はホールギャグの中にギンギンに勃起したペニスを挿入してみた。
「んぷゥ!ふふぅゥ!!ふぅぅうウ!!」
 喉の奥から食道にまでイラマチオ風にペニスを挿し入れると、
流石に“しょごす”さんも苦しそうに虹色の瞳に涙を浮かべた。
それなのに懸命に舌をペニスに這わせて快楽を分け与えようとしてくれるのだから、彼女は本当に愛しい。
352ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:45 ID:LYCbErgb
 ヴヴヴヴヴヴヴ……
「はふぅぐう!! んはぁぐぅうう!!」
 お礼として、アナルにもローターを入れてあげよう。
にゅるん、にゅるんと次々にアナルの中に潜り込むローターは軽く5個を超えているけど、
“しょごす”さんのアヌスはまだまだヒクヒク口を開いて貧欲に快楽を求めている。
「本当に淫乱なんですね……“しょごす”さん!!」
 ぱぁん!!
「んふぅゥ!!」
 せっかくだから、僕は彼女のお尻を思いっきりスパンキングしてあげた。
真っ赤な手形が白いお尻にはっきり浮かび上がるのが面白くて、何度も何度も全力で叩いてあげる。
「んふゥ!!んふぅぅゥ!!んふぁあああんぐゥ!!!」
 “しょごす”さんもペニスをしゃぶりながら涙を流して喜んでくれた。
特にうっかりラビアやバイブをスパンキングすると、全身を痙攣させて喜びを表現してくれる。
 そして――
「うううっ」
「んふぅうううウ――!!!」
 食道の奥に直接ザーメンを放つと同時に、
“しょごす”さんもロープを引き千切るように悶えて、イキまくってくれた……
353ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:46 ID:LYCbErgb
「はァ…はァ……御主人様ァ……」
 SMプレイ終了後――
全身を鞭の痕と蝋燭と愛液とザーメンで彩った“しょごす”さんは、僕の足の指を舐めながら、
「ずっとォ……はむゥ…お仕えしますゥ…御主人様ァ…ぁあア」
 ぞくぞくっと背筋を震えさせるような台詞を言ってくれた。
「派遣会社との契約が切れても?」
「絶対ニ……切らせませんヨ…うふふふフ」
 虹色の光を妖しく輝かせる“しょごす”さんの瞳を見て、もう一度、僕の背筋はぞくぞくっと震えた。
さっきとは違う意味で……
……ま、それもいいけどね。

 ・>>372に進む。
354ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:47 ID:LYCbErgb
・“てぃんだろす”に渡す。

「うーん、“てぃんだろす”は欲しがるのかな? コレ……」
 今回の戦いでで『戦友』を1人挙げるとすれば、それは“てぃんだろす”になるだろう。
あの子がいつも僕にべったりなのもあるけど、
何か騒動が起こるたびに一緒に巻き込まれるのはいつも“てぃんだろす”だからだ。
苦楽を共にした同士としては、是非とも“てぃんだろす”にプレゼントしたいんだけど……
あの子、宝石なんて喜ぶかなぁ。ダークシールの基盤の方がよかったかな?
「くぅん?」
 案の定、『輝くトラペゾへドロン』を見せても、あの子はきょとんとするだけだった。
しかし、その瞳が輝いたのは、手渡そうとしてうっかり床に落としてからだ。
 多面体の『輝くトラペゾへドロン』は宝石と言うよりボールに近く、床を転々と弾みながら転がっていく。
それを見た“てぃんだろす”の瞳がきゅぴーんと輝いた。
「わん! あんあん!!」
355ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:48 ID:LYCbErgb
 “てぃんだろす”は尻尾を盛大に振りながら、四つん這いで『輝くトラペゾへドロン』を追いかけていった。
部屋の中なのになぜか土煙が舞う中、猛スピードで戻ってきた“てぃんだろす”は、
僕の足元に『輝くトラペゾへドロン』を置いて、期待に満ちた眼差しで待ちきれないように尻尾を振っている。
 僕はもう一度『輝くトラペゾへドロン』を手に取り、今度は意図的に遠くへ投げた。
「わわわん!! あぉん!!」
 再び猛烈な勢いで追いかけていった“てぃんだろす”が、あっという間にそれを持って帰ってくる。
 うーん、さすがはワン子邪神。『ボール遊び』という犬にとっては最高の遊戯が大好きみたいだ。
「それじゃ、投げるよ」
「わん!!」
 僕はとことんあの子に付き合ってあげたけど、2時間も過ぎた頃には流石に限界を悟った。
「はぁはぁ……ちょ、ちょっとタイム……」
「わぅん!」
 息を切らす僕とは対照的に、“てぃんだろす”は汗だくになりながらもまだまだ元気そうだ。
でも、遺憾ながら僕の体力が持たないよ、トホホ……
「汗かいちゃったね、一緒にシャワー浴びようか」
「わん!!」
356ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:50 ID:LYCbErgb
「きゅぅん……」
「ほら、もうすぐ終わるからね」
 “てぃんだろす”とは毎日一緒にお風呂に入る(“てぃんだろす”が付いてくる)けど、
この子は相変わらず頭を洗うのが苦手だ。自分では頭を洗えないので、僕の膝の上に座り、
鼻の頭に白い泡の塊を乗せながら、瞳をぎゅっと閉じてシャンプーが洗い流されるのをじっと耐えている。
目に水が入るのが嫌いと言うより、石鹸の類が苦手らしい。
 ふむ、それならこれはどうかな?
「わ、わぅん!?」
 好奇心に駆られた僕は、髪を全て洗い流した後、
いきなりボディソープを染み込ませたスポンジで“てぃんだろす”の身体をゴシゴシ洗い始めた。
「きゃぅん! わんあん!!」
 案の定、“てぃんだろす”はジタバタ暴れ始めたけど、
逃げられないように背後からぎゅっと抱き締めて、全身余す所なくスポンジで擦りまくる。
「きゃぃん!!きゃぅん!……くぅん」
 数分後には、身体中をボディソープで真っ白に染めた“てぃんだろす”の抵抗もだんだん弱くなってきた。
時折身体をピクっと震わせるだけで、成すすべなく僕に身体を洗われまくられている。
観念したかと思った……その時、
「あぉん!!」
 突然、“てぃんだろす”の身体がビクビクっと震えたと同時に、
股間から石鹸とは違った白い液体がぴゅっと飛び出して、自分の胸を白く染めたんだ。
357ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:51 ID:LYCbErgb
「て、“てぃんだろす”?」
「……くうぅん……」
 慌てて覗いた“てぃんだろす”の顔は赤く上気して、
泡に隠れた股間からは、小さいながらもしっかり勃起したペニスが顔を覗かせている。
 し、しまった。あまり念入りに洗い過ぎて、敏感なこの子の性感帯まで刺激してしまったのか。
普段、石鹸を嫌うのも、幼い柔肌には刺激が強すぎるからなのかもしれない。
「きゅぅぅん……ぁん、ぁぅん……」
 “てぃんだろす”は大きな瞳を快楽に潤ませながら、すりすりと背中とお尻を僕の胸に摺り寄せてくる。
どうやら、完全にスイッチが入ってしまったらしい。
「…………」
 僕は無言で“てぃんだろす”のザーメンを指ですくい、この子の口元に運んだ。
自分の精液にもかかわらず、“てぃんだろす”はうっとりと僕の指を舐めてくれる。
そう、スイッチが入ったのは僕も同じだ。
「きゃん!!あぉん!!わぉおん!!」
 再び猛烈な勢いで股間や平坦な胸をスポンジで擦り洗う。
“てぃんだろす”は今や完全な嬌声を漏らして、全身で快感を表現していた――
358ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:52 ID:LYCbErgb
「……いくよ、“てぃんだろす”」
 十数分後、男の部分も女の部分でも、何度も絶頂を迎えてぐったりとしている“てぃんだろす”を
背中から持ち上げながら、僕は最終確認を取った。
「くぅん……」
 “てぃんだろす”が小さく、しかしはっきりと傾いたのを確認した僕は、
そのままゆっくり手を離す。天を向いて勃起した僕のペニスに、
“てぃんだろす”の女性器が深々と突き刺さった。
「きゃぅううん!!」
 悲鳴に近い喘ぎ声が風呂場に響いた。幼い性器には大き過ぎる僕のペニスを、
しかししっかりと受け入れてくれる“てぃんだろす”のヴァギナは、痛みとたまらない快感を与えてくれる。
半分も刺さらないうちに奥まで届いたのを確認した僕は、背面座位のまま容赦無く腰を突き上げた。
「わぅうん!!きゃん!!きゃぁああん!!」
 泣き叫ぶ“てぃんだろす”の股間には、
あれだけ出したのにまだ勃起している包茎ペニスがプルプル揺れている。
それを右手でぎゅっと握り、オナニーの要領でゴシゴシ擦ると、
“てぃんだろす”は狂ったように悶え、身をよじり、痙攣する。
 そして――
「うううっ」
「あぉおおおおおん!!!」
 ヴァギナの奥に大量のザーメンを注ぎ込むと同時に、
“てぃんだろす”もペニスから勢い良く白濁液を射精して……ぐったりと腕の中で気絶してしまった。
359ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:53 ID:LYCbErgb
「……くぅん、くんくぅん」
「こらこら、どうしたんだい“てぃんだろす”?」
 湯船の中で“てぃんだろす”は、僕に抱き付きながら何度も顔を舐め回した。
その瞳は幼子の親愛を超えた範疇で、明確な『女』の光を宿している。
 ……“ティンダロスの猟犬”に魅入られた獲物は、絶対に逃れる事はできないという。
タレ耳の乗った緑髪の頭をくしゃくしゃに撫で回しながら、
僕はそれも構わないかなぁ……と考えていた。
 
 ・>>372に進む。
360ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:54 ID:LYCbErgb
・“いたくぁ”さんに渡す。

「何だかよくわからないけど、急にプレゼントしたくなりました。はい、お土産です」
「……いらない……」
 “いたくぁ”さんは手渡した『輝くトラペゾへドロン』を無表情に眺めた後、ぽいっと投げ捨てた。
 あ、相変わらずこの方は……あらゆる意味でゴーイングマイウェイだ。
「……それより……玉露クレー……」
「嫌だと言ったら?」
「……泣く……玄関先で……御近所にエンガチョされるまで……」
「勝手にどうぞ」
「……しくしく……おいおい……えーんえん……」
「……玄関先じゃなかったのですか?」
「……面倒臭い……」
 僕は溜息を吐いて、懐から『最高級玉露 お徳用2リットルペットボトル入り』を取り出した。
たちまち“いたくぁ”さんの紅眼がきゅぴーんと輝く。無表情なのでかなり怖い。
「欲しいですか?」
「……512勲章ぐらい欲しい……」
「3回まわってワンと言ったらあげます」
「……3回まわってワン……」
「いや、そういう事じゃなくて……」
 もう一度溜息を吐いた僕は、素直に玉露入りペットボトルを差し出した――
「……それでいい……供物を捧げるのは……下郎の義務じゃ……」
 ――いや、差し出すフリをして、彼女の華奢な身体を捕まえた。
「……何をする〜……離せ〜……」
 ジタバタと無感情に暴れる“いたくぁ”さんのお尻を、黒い着物の上から撫でまわす。
 いやぁ、さすがに僕もプレゼントを目の前でポイ捨てされたらムカつくし。
「ちゃんと玉露は飲ませてあげますよ……ただし、下からね!!」
「……いやぁ……」
361ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:55 ID:LYCbErgb
 今回はちょっと趣向を変えて、
バックじゃなくて背中側から腰を持ち上げるような体位で、お尻を苛めてみよう。
 着物の裾をぺろんと剥くと、細くてラインの綺麗な素足と、
小ぶりだけどキュっと締まって肉付きのいい白いお尻が顔を出した。
まずは尻肉に思う存分頬擦りする。
“いたくぁ”さんのお尻は張りがあってスベスベサラサラで、体温が低いのでひんやり気持ち良い。
「……ふわぁ……おヒゲが……チクチクする……」
 そのまま柔らかな尻肉を舐め回して、歯型が付く程度に甘噛みした。
お尻全体が唾液と歯型で彩られた頃には、“いたくぁ”さんの抵抗も弱々しくなり、吐息に甘いものが含まれていく。
「……ぁああ……もぅ……お尻……ばかりぃ……」
 尻たぶをマッサージするように揉み解しながら、むにゅっと左右に広げると、
ほとんど色素の沈着していない綺麗なアヌスが顔を見せた。
舌先でアヌスをつつくと、キュっとすぼめるのが面白い。
僕は皺の1本1本を数えるようにアナルクンニを開始した。
彼女のアヌスは全く汚れていないので、舐めるのには全く抵抗が無かった。
生物学的に排泄という機能が存在しないのかもしれない。
でも、今は学術研究は無視して、ぷるぷるお尻を震わせて喘ぐ彼女の反応を楽しむだけだ。
「……ふわぁああ……ダメ……だめぇ……」
 ぷうっとアナルの中に息を吹き込むと、“いたくぁ”さんは激しくイヤイヤしながら悶えてくれた。
口ではイヤと言いながらも、前の方はしっかり濡れている。
「それでは、そろそろ玉露を飲ませてあげますね」
「……っ!!……」
362ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:56 ID:LYCbErgb
 2リットルが丸々注入できる巨大浣腸器を見せると、さすがの“いたくぁ”さんも短い悲鳴を漏らした。
目の前で見せつけるように玉露2リットル全部を吸い上げて、
浣腸器の先端を恐怖ですぼまったアヌスに当てる。
「行きますよ。力を抜いてリラックスしてください」
「……いやぁ……だめぇ……!!……んはぁあああっ!?……」
 つぷっ
 抵抗しようにも、開発された彼女のアヌスは、すんなり浣腸器を受け入れた。
まずは半分まで一気に注入する。
「……ぁあああ……ぐぅうう……だめ……ダメ……だめぇ……!!」
 今度は小刻みに注入したり、一度入れた中身を吸い出したりしながら、
たっぷり時間をかけて玉露2リットルを浣腸した。
下腹部を妊婦みたいにぷっくり膨らませて、浣腸器の動きに合わせて喘ぐ彼女は、
まるで淫らな楽器と化したみたいだ。
 ちゅぷん……
「……!!……っくぅ……」
「ほらほら、ちゃんとアナルを絞めてないと出ちゃいますよ」
「……んぁあああ……ダメ……だめぇ……!!」
 本人の言葉通り、ぷるぷる震えるアヌスからは、ピュッピュと断続的に少量の玉露が噴き出してる。
うーん、これはいけないなぁ。ちゃんと蓋をしてあげよう。
363ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:57 ID:LYCbErgb
 ずにゅにゅにゅにゅ……!!
「……はぁう!!……んくぁああああっ!!……」
 何の断りも入れずに、僕はいきなりペニスを彼女のアナルに挿入した。
やっぱり彼女のアナルは最高だ。腸壁が精気を搾り取るように蠢いて、淫猥に絞めつけてくれる。
「……やぁあああ……ダメぇ……苦しい……くるしいのぉ……」
「浣腸したまま挿入されると、いつもより感じるでしょう?」
 入れてる僕の方も、玉露がじゅぶじゅぶとアナルの肉壁ごとペニスを洗ってくれるみたいで、
新鮮な快感を与えてくれた。
一突き、一突きピストンする度に、逆流した玉露が噴き出してくるのがオシッコしているみたいで面白い。
 そして――
「うううっ」
 たっぷりアナルセックスを満喫した僕が、ゆっくりペニスを抜き取ると――
「……だめぇ……出ちゃうっ!!……いやぁああああ……!!!」
 ザーメン混じりの玉露が噴水のようにアナルから噴き出して、
“いたくぁ”さんの身体をビショビショに濡らしていった……
364ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:58 ID:LYCbErgb
「……ぐす……ひっく……ひどぉい……」
「はいはい、今度は普通に飲ませますから泣き止んでください」
 胸の上で泣きじゃくる“いたくぁ”さんを抱きかかえながら、僕は優しく彼女の頭を撫でた。
普段は全く無表情なだけに、ギャップがまたたまらない。
この泣き顔が見たいから、彼女のアナルを苛めるようなものだ。
 あああああ……なんだかんだ言っても、可愛いんだよなコンチクショウ!!
 より力強く抱き締める腕の中で、“いたくぁ”さんはぽつりと呟いた。
「……きっと……いつか……堕としてやる……」

 ・>>372に進む。
365ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 17:59 ID:LYCbErgb
・“つぁとぅぐあ”さんに渡す。

 本日も暗黒世界はン・カイ晴れ。
「ふわあぁ……おはようございますねぇ」
 今日も“つぁとぅぐあ”さんは『にへら〜』と、のんびり晴れやかな微笑みで僕を迎えてくれる。
「今回は、ちょっと変わった供物を持ってきたんですよ」
「へえぇ……それは何ですかぁ?」
「ふっふっふ、見てのお楽しみです」
 少しもったいぶってから、黒い多角形の宝石――『輝くトラペゾへドロン』を手渡すと、
“つぁとぅぐあ”さんは満面の『にへら〜』を見せてくれた。
「まぁ、『輝けトリニトロン』ですかぁ……とても美味しそうですねぇ」
「全然違いますよ……って、え?」
 唖然とする僕の前で、“つぁとぅぐあ”さんは『輝くトラペゾへドロン』を、
ぱくりと一口で飲み込んでしまった。
「んんん〜テイスティですねぇ」
「…………」
 今更だけど、“つぁとぅぐあ”さんがずっと全裸姿である理由の一端が、垣間見えたような気がする……
「それではぁ……今日もおっぱいでやりますかぁ?」
 ずい、と極上最高の肢体を乗り出してくる“つぁとぅぐあ”さん。
その美貌は早くも妖艶で威厳ある女魔王のそれに変貌しつつある。
今回も彼女はその神の淫技で最高の快楽を与えてくれるのだろう。
366ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 18:00 ID:LYCbErgb
 その時――僕はちょっと普段とは違う事をやってみた。
なぜそんな事をしたのか――自分でもよくわからない。
すぐ目の前にそれがあったのと、潜在的にやってみたかったのかもしれない。
我ながらちょっと意外だけど、今まで何度も彼女と身体を合わせている中、
“それ”は今回が初めてだったんだ。
 何てことはない。ただ目の前にある“つぁとぅぐあ”さんのセクシーな唇に、ちょっとキスしてみただけだ。
キスと言っても、ただ唇を合わせるだけの、子供みたいなキスを。
「…………」
 ところが、“つぁとぅぐあ”さんの反応は予想外も予想外だった。
 あの女王様な威厳ある美貌のまま、呆然と僕の顔を見つめると、顔をトマトみたいに真っ赤にして――
「ふみゃああああああああぁぁぁ〜〜〜」
 唇を押さえながら地面に広がる髪の上にしゃがんで、
恥ずかしそうにイヤイヤ首を振って髪の中に隠れてしまったんだ。
 えーと……これってまさか……ひょっとして……“つぁとぅぐあ”さん、恥ずかしがっている!?
「もおおおぉ〜〜〜乙女にそんな事をしてはダメじゃないですかぁ〜〜〜」
 髪の山の中から真っ赤な顔を目元だけ出して、“つぁとぅぐあ”さんは僕をふにゃふにゃっと諌めた。
「す、すいません」
 一応は頭を下げたものの、どんなに濃厚で過激な変態プレイもオールオッケーな“つぁとぅぐあ”さんが、
キスひとつでこんなに恥ずかしがるなんて……なんとも意外な一面だなぁ。
やっぱり人外の存在は、モラルも人間と違うのかな。
 しばらく髪の毛の中でモジモジしていた“つぁとぅぐあ”さんも、
根気よくなだめると髪の中から這い出てきてくれた。まだ少し顔は赤いけどね。
367ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 18:01 ID:LYCbErgb
「ぇ、ええとぉ……まずは胸からですねぇ」
 “つぁとぅぐあ”さんはどこか照れくさそうに僕を押し倒すと、いつのまにかビンビンに勃起していたペニスを摘み、
その天上天下宇宙最高な爆乳で、むにゅんと挟んでくれた。
「――ッ!!!」
 たちまち仰け反るような快楽が爆発する。“つぁとぅぐあ”さんのパイズリはやっぱり最高だ。
暖かく、柔らかく、すべすべしているのにもっちりと吸い付いて、綿毛の軽さと膨大な圧迫感が、
ペニス全体を包んでくれる。僅かに顔を出してる亀頭の先を、舌先でチロチロくすぐりながら、
爆乳を左右から挟む手の微妙な動きが、卑猥な脈動となってペニスを刺激する。
いつ爆発しても不思議じゃない快感なのに、射精しない――というよりできないのは、
彼女に肉体をコントロールされているからなのだろう。
「はむぅ……あはぁ…ちゅぅ……美味しぃ」
 長い舌で淫猥に亀頭をしゃぶる“つぁとぅぐあ”さんの爆乳の先端には、
濃厚な乳首がしっかり勃起している。僕は乳首を乳房に沈めるように親指で押し潰してみた。
信じれないくらい柔らかくて巨大な乳房は、どこまでも僕の指を飲み込んでしまう。
このまま彼女のおっぱいに僕の身体は飲み込まれてしまうんじゃないか……
そんな非現実的な陶酔をしていた――その時、
「え?」
 突然、手首のミサンガが解けて編みあがり、一瞬にして“おとしご”ちゃんの姿になったんだ。
368ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 18:03 ID:LYCbErgb
「え、敵ですか!?」
「いいえぇ……“おとしご”ちゃんも、ボクたちとエッチしたいのですねぇ」
 “つぁとぅぐあ”さんが妖艶にささやくと、“おとしご”ちゃんはモジモジしながらこくりと頷いて見せた。
こちらは素で恥ずかしがりやさんだ。
「ボクはもう少し頂いてますからぁ……“おとしご”ちゃんはひでぼんさんにお任せしますねぇ」
「了解しました」
 今度は喉の奥まで使ってペニスを咥え込む“つぁとぅぐあ”さんのフェラに、仰け反りそうになりながらも、
僕は“おとしご”ちゃんの裸身を優しく抱き寄せた。
 真っ赤な顔で俯く“おとしご”ちゃんの、小ぶりながらしっかり自己主張しているおっぱいを口に含み、
マシュマロみたいな感触を味わうと、“おとしご”ちゃんは可愛い吐息を漏らしてしっかり反応してくれる。
それがうれしくて僕は彼女の全身を、余す所なく舐め回した。
顔に首筋、背中からお尻の割れ目、指先から腋の下、太ももから足の指、
線のような性器から点のようなアヌスまで……まるでお菓子を舐めてるみたいに、
“おとしご”ちゃんの身体は美味しい。何だかとってもアブナイ気持ちになりそうだ。
 やがて“おとしご”ちゃんは、可愛らしく全身を震わせて達すると、くたっと力無く気絶してしまった。
369ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 18:04 ID:LYCbErgb
「うふふふぅ……“おとしご”ちゃんもイイですけどぉ、ボクの方もお願いできますかぁ」
 唾液をローション代わりにシャフトをしごく、“つぁとぅぐあ”さんの手淫に悶絶しながら、
僕は必死に傾いた。うーん、やっぱりエッチに関しては、彼女は女王様だ。
「どちらでもお好きな方を……お願いしますねぇ」
 僕にお尻を向けて四つん這いになり、雌豹のポーズを取って“つぁとぅぐあ”さんは僕を誘った。
自らの手で秘所を左右に開き、愛液でクチュクチュに熟れたヴァギナと、
パクパク物欲しそうに口を開くアナルを見せつける。どちらも最高に美味しそうだ。
どちらにしようかな……あ、そうだ。
「ふわぁああああぁ……」
 ずにゅにゅにゅにゅと愛液を掻き混ぜる音を響かせて、
僕はゆっくりと“つぁとぅぐあ”さんの膣口にペニスを挿入した。
熱く、優しく、卑猥な彼女の性器は、ヴァギナ全体が淫猥に蠢いて、
最後の一滴までザーメンを絞り尽くそうとする。
射精を必死に堪えながら何度か腰を叩きつけて、しかし僕は名残惜しそうにペニスを抜いた。
370ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 18:05 ID:LYCbErgb
「あらぁ?……ぁはああぁん!!」
 不思議そうに振り向いた“つぁとぅぐあ”さんの美貌が、再び快楽の波に溺れた。
間髪入れずに、今度はアヌスに挿入したんだ。痛いくらいに絞めつけて、
ペニス全体を包み込もうとする彼女のアナルは、いつまでもこの中に入れておきたいくらい気持ち良い。
でも、やっぱり何度かピストンしたら一度抜いて、またヴァギナに挿入を開始する――
そう、僕は“つぁとぅぐあ”さんの前と後ろを交互にセックスしているんだ。
「きゃふぅぅん!!あああっ、ああっ!!それぇ…イイぃ……ですぅ!!」
 2つの異なる淫穴に挿入しながら、僕は凄まじい快楽にたまらず射精した。
射精しながらまた別の穴に挿入した。
何度も何度も射精しながら、“つぁとぅぐあ”さんの秘所を同時に責めていく――
今や彼女の秘所は僕のザーメンで白くグショグショに染められていた。
「はぁあああぅん!! ボクも…ボクもぉ……あぁあああああ――!!!」
 何十、いや何百回目の射精の中、ついに“つぁとぅぐあ”さんも絶頂を迎えて、
僕を背中に預けたままぐったりと己の髪の海原に沈んでいった――
371ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 18:06 ID:LYCbErgb
精魂尽き果てた僕の上に、再び“つぁとぅぐあ”さんが魔性の笑みを浮かべて跨ろうとする。
「んふふふぅ……次はぁ、ボクが上になりますねぇ」
 ペニスがヴァギナに食べられそうになる直前、
僕は“つぁとぅぐあ”さんの頭を抱き寄せて――唇にそっとキスした。
「ふみゃああああああぁ〜〜〜ダメですってばぁ〜〜〜」
 たちまち顔を真っ赤にして、髪の中に包まろうとする“つぁとぅぐあ”さん。
ふふふ、ついに弱点を見つけたぞ!!
「ねぇ、今度はキスしながらやってみませんか?」
「きゃうううううぅん……ひでぼんさんの意地悪ぅ〜〜〜」
 髪の山から“つぁとぅぐあ”さんを引きずり出そうとしながらも、
やっぱり僕は、色々な意味で彼女に『食べられて』しまったんだなぁ……と、
心の底から愉快な真実に納得した。
 ……その後、全身の精気を完全に吸い尽くされた僕は、
数ヶ月間昏睡状態に陥るハメになったりする……
 ああ、生きてるって素晴らしい……

 ・>>372に進む。
372ひでぼんの書 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 18:07 ID:LYCbErgb
「――きゃぁん!!」
「おっと」
 数ヶ月後――ちょっと外出しようと玄関の扉を開けた僕は、
危うく玄関前にいた人物を弾き飛ばそうとしてしまった。
「ごめん、大丈夫?」
「は、はぁい……ボクは大丈夫ですぅ」
 どこかで聞いたような口調で話すその“少女”は、
白い無地のワンピースで、背中に真っ赤なランドセルを背負った、たまらなく可愛らしい美少女だった。
焦げ茶色で癖のある髪の下から、温厚そうなタレ目が恐る恐るといった調子で僕の様子をうかがっている。
「ええと、何か御用かな?」
 少女は頭が地面に触れそうなくらい深々と頭を下げて、どこかおっとりとした調子で話し出した。
「ええとぉ……ボクの名前は“津田 トウカ”ですぅ……
……あのぉ、“つぁとぅぐあ”さんにお会いしたいんですがぁ……」

 ――そして、再び『物語』が始まる――


『ひでぼんの書』 完


『魔法怪盗団 はいぱぁ☆ぼれあ 〜七つの願い〜』 に続く
373名無しさん@ピンキー:04/05/27 18:14 ID:b1DMbnxt
マルチエンディングキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!
乙カレ&GJ!
374ひでぼんの書 作者 ◆SNuCULWjUI :04/05/27 18:33 ID:LYCbErgb
 『ひでぼんの書』一応は完結しました。感想、応援ありがとうございました。
 さて、次は一種の魔法少女物に移行するのですが……ここではスレ違いになりそうで微妙な感じです。
『人外に変身する娘』は、ここのカテゴリーに含まれるのでしょうか?
ちなみに、この物語は某所の『魔法少女く☆りとる☆りとる』とリンクしておりますので、ツッコミは(シ´▽`)シ氏にお願いしますw
 私信失礼。
 現在、用語集追加データと、新作を執筆していますが、明日からしばらく作者が書き込みできない状況になるので、御意見、御感想等の返事は遅れる事を御了承下さい。
 半角二次元、キャラネタ板のクトゥルフ神話スレッドの皆様にも、極めて個人的ながら感謝の意を伝えたいと思います。
 本当にありがとうございました。

>>336
いたくぁ「……私が……“てぃんだろす”よりも……薄い!?……P9siGMx5は……私と……ヒモ無しバンジー……」

 ちなみに、“つぁとぅぐあ”さんのカップサイズは最低でもSを超えそうです。
375334-336:04/05/27 18:51 ID:P9siGMx5

Σ(゚д゚; はぅ

コ、コレハ…邪神占いのうたの語呂に合わせる為でアリマシテ、
決して設定資料を飛ばしてまで、“いたくぁ”様のおムネが、a
うゎなにくぁwせdrftgyふじこlp;「」

あああぁーーーぁぁぁーーーーーーーーーーーー!! (落下)
376名無しさん@ピンキー:04/05/27 19:27 ID:oRhl3zug
>374
お疲れ様です。
笑いあり、涙あり、興奮ありで、非常に楽しく読ませていただきました。
しかも最後はマルチエンディングなんて、一粒で四つも五つも美味しかったです。

カテゴリーに関してのお話ですが、『ひでぼんの書』の続きものなのですから、
こちらのスレで続けられても、一向に問題無いと個人的には思います。
と言いますか、正直続きを見たいのでこのスレで続けていって欲しい、というのが本音だったりしますけど。
377名無しさん@ピンキー:04/05/27 20:42 ID:C1akFz6g
お疲れ様ですたアンド傑作をありがd

ブレナンキタ━(゚∀゚)━!
378名無しさん@ピンキー:04/05/27 21:34 ID:2Iqh6ltD
>>343
>・自分で持ってる。→その日の深夜、“闇の跳梁者”に襲われて……14へ進む。

これの14って何処?
379名無しさん@ピンキー:04/05/27 21:36 ID:2Iqh6ltD
>>343
>・自分で持ってる。→その日の深夜、“闇の跳梁者”に襲われて……14へ進む。

これの14って何処?
380名無しさん@ピンキー:04/05/27 21:49 ID:eyKfElhI
ここも鯖の調子悪いのか……。「書き込みミス」が出てもたいてい書き込めてるので、無視すべし。
投稿が反映されるまで数分かかるのでゆっくりした気持ちで。

>>378
ブレナンのゲームブックで14と言えば死亡エンド、つまりゲームオーバーのパラグラフなのです。
381名無しさん@ピンキー:04/05/27 22:16 ID:2Iqh6ltD
>>380
ふうん…

そんなわかる人にだけわかるようなネタじゃなくて、普通にBADENDバージョンを書いてくれたら良かったのに。
382名無しさん@ピンキー:04/05/27 22:29 ID:sjIMS/k5
381は小ネタというものが理解できていない
383名無しさん@ピンキー:04/05/27 22:34 ID:sjIMS/k5
381は小ネタというものが理解できていない
384名無しさん@ピンキー:04/05/27 22:42 ID:sPQqUlz6
>>382
知ってる人はクスリと笑える、
知らない人は素通りできる。

そういうのが小ネタでないのか?
知らない人が混乱してしまうようなモノは内輪ウケでしかないと思うが。
385名無しさん@ピンキー:04/05/27 22:49 ID:C1akFz6g
21歳だともうゲームブック知らない世代か(´・ω・`)
386名無しさん@ピンキー:04/05/27 22:52 ID:eyKfElhI
とはいえ、今までもいくつか小ネタはちりばめてあったし、一読者として解らないのはスルーしてきた。
前回のルナルネタ然り、STGネタ然り。
それも味として許容されてた流れだと思ってたんだが。
387名無しさん@ピンキー:04/05/27 22:53 ID:3njHbtUR
>>375
どうでもいいけど「ひでぽん」じゃなくて「ひでぼん」な。

以下、個人的魂の叫びです。スルーしてください。

ノーデンスさんコナイー(゚A゚)!ボクルグさんもコナイー(゚A゚)!
色彩たんもブラウンジェンキンたんもコナイー(゚A゚)!!
そして何より・・・くとるたんコナイー(゚A゚)!!!
388名無しさん@ピンキー:04/05/27 23:50 ID:weCSxV2I
>>374
お疲れ様。最後までGJでありました。
続編があるとのことですし、是非是非発表していただきたいものです。
ただ、多少スレの傾向と違うということでしたら、ちょうど良い機会ですし余計な衝突を避けるためにもピッタリはまる板やスレ等に移住されるのも良いかとは思います。
どちらで再開されるにしても楽しみにしております。
389名無しさん@ピンキー:04/05/28 00:08 ID:s81MY0o8
ブラボー!おお…ブラボー!

外伝として夢の国から20XXとかやって欲しいとか
無茶を言ってみる実験。ひでぼんでも蘭弗深太でもいいから。
390名無しさん@ピンキー:04/05/28 01:47 ID:FZo7bGw7
通して読んでて一番心温まったのは、“おとしご”ちゃん登場の回のワンシーン。
ひでぼんに真摯な態度で「結婚しましょう」と言われた“つぁとぅぐあ”さんが、
『ふにゃっ』とした笑顔を見せてくれたシーンです。

すごく幸せ嬉しそうで・・・。

って、エロパロ小説に普通に萌えてどうするよ漏れ_| ̄|○

ぇちシーンはどれも甲乙つけがたいですが、あえて選べば“しゅぶ=にぐらす”さん。
やっぱ毛深い女性はエロいです。

なにはともあれ完結おめでとうございます&お疲れ様でした!

完結してくれた作者様に感謝。
そして静かに完結まで見守ってくれたスレ住人の皆様にも感謝。
391司祭 ◆RQtJkBayno :04/05/28 03:28 ID:It/FknFn
「ひでぼんの書」、完結・・・お疲れ様でした。
しかし、それは、始まりのための終わり。
ひとまずの、小休止。
作者様、登場された神々、人々、次なる世界へ向けてお休みくださいませ。
いまだ物語は終らず・・・。
更なる夢を、世界の続きを、楽しみに待っております。

それにしても、最後にあんなお楽しみが。(笑)
いやあ、驚きました。

これからもがんばってください〜。
392名無しさん@ピンキー:04/05/28 10:22 ID:4K+W1yGX
>388
そうも言いますが、移住うんぬんはスレの雰囲気を鑑みて、
書き手さんが判断すればいいのではないでしょうか?
余計な衝突と言っても、別に書き手さん自身が衝突されてる訳ではないのですから。

>374
本当に素晴らしいお話、お疲れ様でした。そしてありがとうございます。
続編の物語ですが、こちらのスレでの投下でも、一向に構わないと思います。
これからの作品も、激しく期待しています。
393名無しさん@ピンキー:04/05/28 13:52 ID:JtZuVlds
にゃるらさんはネコ耳常備ですか?
・・・・てぃんだろすと被るかなあ・・・。
394名無しさん@ピンキー:04/05/28 19:53 ID:w6W98S0h
 『ひでぼんの書』作者さま、お疲れでした。
>>341-374 最後に満干全席フルコースをありがとうございます。
プレゼントの扱いやセックスの仕方のおかげで神様たちそれぞれの個性がよく分かりました。
(喜んでくれたりボール代わりにしたりポイしたり食べたり・・・)


 『人外に変身する娘』の新作を楽しみにして待っています。
『人外に変身する娘』は少なくとも「人間」ではないので、このスレでも問題ないと思います。
395名無しさん@ピンキー:04/05/29 00:01 ID:oJj05PKg
今の自分の気持ちを二言で言うと、
生きてて、よかった。
396名無しさん@ピンキー:04/05/29 01:06 ID:sERQ44d6
>>374
まずは完結お疲れさまでした。
ずっとROMってましたが毎回面白&エロエロ、時に涙な物語の数々、
堪能させていただきました。
本編も去ることながら小ネタ群や誤植のフォローはある意味芸術ですよ。
途中話が猟奇寄りになった時はどうなるかと思いましたが、
その時点で読むの止めないで正解でした。
ばいあくへーさん幸せになってくれてよかった…つд`)
最後の最後でとっても可愛い一面見せてくれたつぁとぅぐあさんもラブリィ。
もう自分の中でクトゥルー神話はひでぼんの書がデフォになってます。
次回作にも期待しています。
無理はしないで頑張って下さい。

>>378
雲井の最後にも14行きのネタ出てますよ。
397名無しさん@ピンキー:04/05/29 01:12 ID:gPjfCeGf
第二部完結並びに未来のジャージ先生登場記念に告白。
いまだに脳内の“いたくぁ”さんの声がちびまる子の野口さん。
あと、“う゛ぉるばどす”さんはもっと好きです。
398名無しさん@ピンキー:04/05/29 05:46 ID:0pjLNl/5
大団円キター!!!

作者さんの趣味の広い小ネタには毎回笑わせてもらいました
ダークシールは俺も名作だと思う
399名無しさん@ピンキー:04/05/29 20:15 ID:PAMEQrgt
漏れ脳内における「おとしご」ちゃんのイメージに、なんかデジャブあるんで脳内検索してみた

検索項目1:外見ょぅι゛ょ(しかしきょぬう)
検索項目2:ボサボサっぽい長髪
検索項目3:無口で恥ずかしがりや

検索結果…………棄てプリのスィンたん(原作版)ですた(苦藁
400名無しさん@ピンキー:04/05/29 22:11 ID:FqK0HiGs
よし胴上げだ
401名無しさん@ピンキー:04/05/29 22:12 ID:FqK0HiGs
ごめん、棄てプリに脊髄反射で反応しちゃったよ……
スルーしてください
402名無しさん@ピンキー:04/05/30 08:39 ID:UcoZyOuM
邪神占いのうたで“てぃんだろす”よりも薄い“いたくぁ”さんを見て、
貧乳年増がネタとなっている某四姉妹の長女が思い浮かんだ…。

ttp://sound.jp/chaku/flash/kasftwb.swf







  | _
  | M ヽ
  |从 リ)〉
  |゚ ヮ゚ノ| ……。
  ミ)} i !
  |_/ヽ|」
  |'
403名無しさん@ピンキー:04/05/30 08:45 ID:zx9W4BEN
>>402
お前・・・
狩られるぞ・・・
404404 ◆MABOUp7up. :04/05/30 13:20 ID:rc3WDu2G
2chエロパロ板SS保管庫内
http://adult.csx.jp/~database/sslibrary/original67.html の続き。

痺れるような射精の快感が少しずつ覚めるとともに、頭に冷静さが戻ってきた。
……お、俺は何てことをしてしまったんだ。マズイ、このままでは非常にマズイ。
初対面の、しかも年齢的にはまだ毛も生えてもいないような相手に、いきなり手コキをさせたのだ。
いくら…いくら木魚みたいに頭をどつかれても、これは犯罪だろう。
しかもしかも、本当かどうかは知らないが、彼女は自分を『天狗』とか名乗っているし。
……待てよ? だとすると見た目はともかく、年齢は18歳以上と考えて差し障りない、のか?
いや、それ以前に天狗だったら、そもそも人間の倫理なんて関係ない、だろ?
うん、そうだそうだ。気にすることは無い。何も気にすることはないんだ。そういうことにしておこう。

「の、信幸殿。これは穢れが去ったと見ていいのか? 少しずつしぼんできましたぞ?」
「え? あ、ああ?」
突然絹代の声がする。しばし別の世界へ出かけていた俺は、反射的に言葉を出していた。
言葉どおり、俺のモノは一度果てたのと、考え事のおかげで少しずつ平常時に戻りつつある。
「あ、えっと……。そ、それよりも、顔についたのを拭いたほうがいいと思うのだが…」
「ううむ……しかし…穢れを聖なるものに換えるとは……信幸殿、わらわは心底感服しましたぞ」
俺の言葉を受け、絹代はモノからそっと手を離した。
かと思うと、今度は己の顔についていた精液を拭いとり、まじまじと見つめながらつぶやいた。
いや…確かに穢れを精なるものに換えはしたが……って、字面と意味が全然違うぞ。
405404 ◆MABOUp7up. :04/05/30 13:25 ID:rc3WDu2G

「わらわにも、そうした能力が携わるといいのだが……」
などと考えながらズボンをあげていると、何を思ったか絹代は自らの股間に手を這わせだした。
…って、おいおい! 何考えてんだ!? まさか俺のせいで、妙な色気に目覚めたか!?
「ふむ……やはり…わらわには、信幸殿のような物が……ん? これが…そう、なの…か?」
はあ? 『これ』? 冗談抜きで生えてきた、とか言わないだろうな?
「……の、信幸殿……もしかしたらわらわにも、信幸殿と同じようなものが付いているのかもしれぬ。
かたじけないのだが、確認していただけぬか? これが、これがそうなのか?」
おもむろに着物の裾を捲りあげながら、絹代が問いかけてきた。
その目は期待感からか、キラキラ輝いている。まさか………なあ。
いや、絹代が人間じゃないのなら、そういうことも十分あり得るのかもしれないのか。
そう考え直して、俺は恐る恐る絹代の足元にしゃがみこんで、股間を覗き込んでみた。
当然のことながら、そんなモノは生えているはずもなく、人間の女性と何ら変わりない、
男を受け入れたことが一度も無さそうな、ピッタリと閉じあわされた割れ目が見えるだけだ。
うん、やっぱり毛は生えていない……か。
「こ…この……この出っ張りが…そのうち、そうなるのか?」
と、絹代は片方の手で、秘部の先端のちょんと突き出た、皮に覆われている部分を指で指し示した。
いかん……ここまでされると、さすがに我慢できねえぞ………。
「そう…さな……どうだろうか?」
「あ! んんっ…! の…信幸殿……?」
軽く指の腹で割れ目を撫で上げると、途端に身をすくめながら、怪訝そうな表情で俺を見下ろす。
こりゃあ………自分で弄ったことも無さそうだな。
「な、なあ。もしかして、自分で触ったことって無いのか?」
「………………」
無言で頷く絹代。よく見ると、プルプル体が震えている。
406404 ◆MABOUp7up. :04/05/30 13:27 ID:rc3WDu2G

………まったくの未経験、か。これは……チャンス、かも……。
「そうか……。少し調べてみるから、じっとしているんだぞ」
「わ、分かった。か、かたじけない……んっ……」
一応真面目な顔をしながら、絹代の足を立ったまま広げさせ、割れ目に沿って指を這わせる。
絹代は両手で裾を捲り上げたまま、目をぎゅっとつぶりながら、震える声で答えた。
……この反応…かなり俺のツボ、だ……。
「あ…ん……んっ……」
軽く割れ目を指で押し広げてみる。中は綺麗なピンク色だ。しかも、少し濡れてるし。
指の動きに反応して声をあげるなんて……未経験な割には敏感だな。まったく、勿体無い。
「は! あっ!」
今度は、先ほど絹代が指し示した皮を軽く捲ってみると、これまたピンク色の小さい肉芽が姿を現す。
「わぷっ」
直接肉芽を触れられる刺激に堪えきれなかったのか、絹代は服から手を放して口元を抑えだした。
その結果、絹代の服は当然のことながらニュートンの法則にしたがい、俺の頭の上に被さってきたのだ。
「あっ! も…申し訳な……あ…は! あ…ああっ!」
絹代は慌てて再び裾を捲り上げ、俺に詫びの言葉を述べながらも、あえぎ声を漏らし続けている。
ふと見ると、その足はブルブル震えていた。……必死に堪える姿……たまらないね、こりゃ。
「はっ! あ…は……ひゃ………あ…」
右腕を絹代の左太ももに絡ませ、左手の中指を割れ目の中に潜り込ませてみた。
すでに、透明な液で濡れていた絹代の割れ目は、あっさりと俺の指を飲み込んでいく。
「んああっ!?」
「ちょ……これじゃ…よく見えない……」
「…あ……も…もうし…わけ…あ……は…あ……ふわ……あっ…!」
第二関節まで飲み込まれたとき、軽く指を動かしてみると、絹代は身体をビクンと震わせ、
悲鳴とともに腰を落とそうとするが、俺が軽く抗議の声をあげると、震えた声で詫びの言葉を述べ、
へたり込みそうになるのを、どうにかこらえようとしている。
「ああっ! はっ! んあっ!?」
中指をうごめかしたまま、親指でそっと肉芽を突っつくと、
たちまち今までの押し殺した悲鳴とは違う、艶っぽい声を漏らし始めた。
407404 ◆MABOUp7up. :04/05/30 13:28 ID:rc3WDu2G

「ふあ…あ……あ…ひゃ……あっ…ああっ……の…のぶ…ゆき……ど…の…わ、わら…わ……あっ」
「ん? どう……した?」
しばらくその状態で、秘部を弄っていたが、絹代が悶え声とともに俺の名を呼ぶ。
既に下半身はガクガク震え、俺が支えてないと、まともに立っていられない状態だ。
俺は中指を絹代の秘部から抜き、顔を見上げながら問い掛けた。
「……あ…ああっ………お、…おしっこ…おしっこ……で…でちゃ……う…っ……」
「んん? ああ……。………よい…しょ……っと……さ。これで、大丈夫、だろ?」
思いもよらない言葉に一瞬動揺してしまうが、すぐに気を取り直した俺は絹代の背後に回って
絹代の両膝に手を掛け、ゆっくりと抱きかかえながら、そのまま両足を開かせた。
「はあ…あ……そ…その…は……恥ずか…し……いあ……あ! あああっ!!」
M字型に大きく足を開かされた絹代は、真っ赤に染まった顔を左右に振って、
いやいやの仕草を見せたが、俺が軽く割れ目に指を這わせると、全身を震わせながら悲鳴をあげた。
同時に、しゃーっという音とともに、金色の液体が絹代の股間から迸り、
幾分の飛沫を伴いながら、草むらに向かって金色のアーチを描いていた。

「は…あ……ああ…っ……」
天を仰いで全身をプルプル震わせる絹代。……ふうむ、経験が無いのなら、これ以上はキツイかな?
「何だか…何だか変な……こんな…こんなのって……」
口の端からひと筋の涎を垂らしながら、俺のほうを仰ぎ見てつぶやく。
その目はとろんとして、焦点が定まっていない。………やっぱり、我慢できねえかも……。
「あ……ああっ!?」
そう思うや否や、少し乱暴に絹代を地面に寝転がせた。絹代はうつろな目のまま、俺をじっと見ている。
いや……俺のほうを向いているだけで、実際に”見て”いるかどうかはなんとも言えない。
ズボンとパンツを慌てておろし、既に勃ちあがっているモノを絹代の秘部に突き立てようとしたそのとき――
408404 ◆MABOUp7up. :04/05/30 13:28 ID:rc3WDu2G

ポツリ ポタ ポタ

頬に冷たい物が当たる。雨……か。ちくしょう、いいところだったのに。
「こ、これは………まずい、大雨の気配がする。信幸殿、今宵はわらわの庵に参られよ」
雨粒が当たったことで正気に戻ったのか、絹代が俺の袖を引っ張りながら話しかけてきた。
おお、これは誘われているのか………?
「え、えっと…俺は……その…」
しかし……こんな毛の生えてない娘と一晩を共にするのは………いやいや、問題はそこではない。
問題は、休みは今日限りで、明日からはまた仕事が待っている、ということだ。
あんな会社でも、一応会社は会社だ。俺が会社を辞めた場合、故郷の母への仕送りは誰がする?
「気になさることは無い。修行中の身ゆえに、庵にはわらわしかおらぬ。気兼ねなど無用ぞ。
それにわらわは修行中のうちに、世間のことをもっと色々と知っておきたいのじゃ」
ううむ……絹代しかいない? それは……チャンスかもしれない。いや、だからそうではないって。
いやしかし。よく考えりゃ俺の休暇は名目上、47日間残っている。
多少休暇が増えても、いきなりクビにはならないだろう。
よし、そうと決まればさっそく会社のヤツに連絡しておこう!
……そう思いながら携帯を取り出そうとした俺は、あることに気がついた。
「お…思い切り圏外じゃないか………」
まったく……これじゃ、ただのデジカメじゃねえかよ……。
409404 ◆MABOUp7up. :04/05/30 13:29 ID:rc3WDu2G

「………高位の天狗殿に対して、言葉が過ぎたようじゃったな。これは失敬した。
今宵はわらわの庵にて、色々なことを教えていただけぬか?」
顔を上げ下げして考え込む俺を見て、絹代が覗き込むようにして話しかけてきた。
軽く眉間にしわを寄せ、こちらを気遣うような表情がまたなんとも…って、そうではなくて、よ。
ふむ……色々、か。これは…あんなことやこんなことも教えて欲しい、ということなのだろうか?
だとすれば、ここで引いては男が廃るだろう。会社? ………まあ、なんとかなるだろ。
「…………わ、わかった。それじゃ、お世話になるよ」
「か、かたじけない! わらわの願いを聞いていただけるなんて!」
俺がそう答えると、絹代は年相応な笑顔でにっこりと頷いていた。
うーん……あらためてこうして見ると、結構可愛いな。
見た目がアレだから、さすがに恋愛対象にはならない………はずだ、うん。
「さあ、さっそく参ろうぞ! さもないと、ずぶ濡れになってしまう!」
「う、うわあっ!?」
絹代は妙に明るい声で、俺の手を握り締めながら駆け出す。
俺はつんのめりそうになりながら、絹代のペースに合わせるのがやっとだった――
410404 ◆MABOUp7up. :04/05/30 13:30 ID:rc3WDu2G

山の中をしばらく歩いていると、前方に小さな小屋が見えてきた。
どうやらあれが、絹代の住んでいる庵、なのかな? などと思っていると、
「………………の、信幸殿! か、かたじけない! し、しばしこちらで待たれよ!」
突然俺の前方に回り、俺を制止する絹代。一体何事だ? しかも雨が降ってる、ってのに。
「あ……た、確かにこのままでは濡れてしまわれるな! ど、どうぞこちらへ!」
軽くしかめっ面で空を見上げていると、絹代は俺の手を引っ張りながら、庵の軒先へと案内する。
「よ、よろしいか!? わ、わらわは今から中へ入るが、わらわが合図するまで、
ここから決して動かれるでないぞ! さ、さもないと大変なことになる!」
縁側に腰掛ける俺に、真剣そうな表情で語りかける絹代。ほ、本当に何事なんだよ?
「も、もちろん信幸殿が出張れば、あっという間にカタがつく!
だ、だが、こればかりは、わらわが出向かねば、修行にならないのじゃ!
わ、わざわざ招いた信幸殿に、や、役不足なことをさせるわけにはいかぬ!」
「あ、ああ。分かった。ここで待たせてもらうことにする、よ」
絹代のあまりの迫力に押され、俺は素直に頷いた。
……まさか危険な生き物が、中にいるとでもいうのか? やっぱり、来なきゃよかったかも……。
「か、かたじけない! そ、それではしばし! …………あ。
…で、ここから庵の中が見えるが、ぜ、絶対に中を見ては、ならぬですぞ! そ、それでは!」
窓を指差し、しつこい位に釘を刺しながら、庵の中へと入っていった絹代。
というか、そんなこと言われたら思い切り気になるし、まるで”覗け”と言っているようなものじゃないか。
「なあに…ちょっとだけ……ちょっとだけなら、気づかれっこないさ……」
まるで、自分に言い訳をするように、独り言をつぶやきながら、そっと窓の中を覗いてみた――

そこには、部屋一面に散らかったゴミを、慌てて片づける絹代の姿があった。
やれやれ……何を必死になっているかと思ったら、こんなことかい…。
俺は吹き出しそうになるのをどうにかしてこらえ、絹代が呼ぶのをじっと待つことにした。
411つぶやき ◆MABOUp7up. :04/05/30 13:40 ID:rc3WDu2G
>404-410で続きます。
……思い切り間が空いてしまいましたが、
これからはもう少し間隔を詰め


れればいいなあ…と思っておりますです、はい。


>374
完結お疲れ様でした。“つぁとぅぐあ”さんが最後に照れ照れになるとこ、萌え萌えでした。
これからも頑張ってください。期待しています。
412永遠のケダモノ:04/05/30 23:24 ID:cQflFpS/
あなた様もガンガッテください!
期待してましゅ…
413名無しさん@ピンキー:04/05/31 00:01 ID:8tQqOFTo
さてさて、このまま騙し通せるのか、それまでに落としてしまえるのか。
命まで賭けた大勝負のようなw


しかし、こういった妖怪の隠れ家に招待されたら浦島太郎な展開が予想されたり。
414名無しさん@ピンキー:04/06/01 07:51 ID:JMYvXhro
>>413
で、結局一緒に暮らす、と。
それはそれでイイ!
415名無しさん@ピンキー:04/06/02 01:29 ID:kPIFGUMH
ひでぼん氏は今後石造りの豪邸に住む予定はおありなのだろうか?
あるとしたら勿論その家は大理石でも御影石でもなく、総黒片麻岩造りだろう。

黒片麻岩。
ttp://images.google.co.jp/images?hl=ja&ie=UTF-8&c2coff=1&q=black+gneiss&sa=N&tab=wi&lr=
ちなみに日本語で黒片麻岩で検索したら……_| ̄|○
416名無しさん@ピンキー:04/06/03 20:22 ID:dE6Zw+Ca
age
417名無しさん@ピンキー:04/06/04 20:29 ID:LldtRR3T
保守。
418404 ◆MABOUp7up. :04/06/05 01:33 ID:Hd7bEIZa
>410の続き。

「た、大変お待たせいたした! ど、どうぞ中へ!」
待つことしばし。突然扉が開き、絹代がこちらを向いて手招きをする。
……にしても随分早いな。あんなに散らかっていたのに。これも天狗の神通力、か?
「ん。そんじゃ、お邪魔しまっす」
「さ、どうぞどうぞ」
お言葉に甘え庵の中に入ると、そこは昔ながらの風情を思わせる土間が広がっていた。
顔をひょいと横に向けると竈と洗い場があり、その上には神棚が飾ってある。
……よく見りゃ、洗い場には食器が乱雑に積み重なっているし、神棚は埃まみれだ。
まあ、俺の家もこんなもんだから、あまり偉そうなことは言えないんだがな。
「ささ、早ようあがってくだされ」
絹代に促されるままに、靴を脱いで部屋にあがる。
畳敷きの部屋の真ん中に、これまた年季の入ってそうな囲炉裏がある。大きさは…8畳くらい、か。
季節が季節だし、体が少し濡れているから、火を熾してくれるとありがたいのだが……。
「どうぞこちらへ……。さて、とりあえず茶でも煎れるので、ごゆるりとくつろいでいてくだされ」
囲炉裏端に座布団を敷いて、俺に座るように促しながら絹代はパタパタと土間へと駆けて行った。
419404 ◆MABOUp7up. :04/06/05 01:34 ID:Hd7bEIZa

「……よい…しょっと……お、お待たせいたした」
しばらくして、ヤカンと火打石を手に戻ってきた絹代。……おい、あんなので火を点けるのか。
俺がそう思ってじっと見ている中、絹代はヤカンを自在鉤に引っ掛け、
囲炉裏に点すための火を熾そうとして、火打石を打ち鳴らし………

カチ…カチ、カチ…

「あ、あれ…? 湿気てるのかな? な…なかなか……点かない…な………」
火花は散るのだが、中々火が点せないようだ。……やれやれ。このままじゃ、カゼをひいてしまう。
「ちょっとゴメンよ。………っと」
俺はライターを取り出し、ほくちに火を点けた。たちまち、ほくちはパチパチと音を立て、煙を吐き出す。
「な、なんと! さすが信幸殿! こんなにも簡単に火を熾してしまうなんて……!」
「お…おいおい。そんな、気にするほどのことでもないだろう?」
絹代は目を丸くして、俺と火の点いたほくちを交互に見つめる。俺は肩をすくめ、ほくちを薪に放り込んだ。
「いや、さすが高位の方だ。我が里の住人でも、こんな力を持った者はいなかったというに……!」
興奮冷めやらぬ様子で、絹代は俺の言葉に首を振りながら、感嘆の声を上げ続ける。
そうか…よく考えりゃ文明の利器なんて、こんな山の中にある訳がないものな。
だとすると、絹代がここまで感心するのも大袈裟な話じゃないのか……。
そんなことを考えながら、俺は再び座布団の上に座り込んだ。
420404 ◆MABOUp7up. :04/06/05 01:34 ID:Hd7bEIZa

「さて…沸いたか……な?」
しばらくの間、二人で他愛無い話をしていたが、絹代がおもむろにヤカンの蓋に手を掛けようとする。
……ちょ、ちょっと待て。そのまま触ったりしたら……。
「う、うわっちぃっ!!」
「な…お、おい、大丈夫か? …って、おいっ!」
俺が止める間もなく、絹代はヤカンの蓋に素手で触れ、その熱さに跳ね上がる。
そりゃあそうだろうな……思わずため息を吐こうとして、逆に息を飲んでしまった。
絹代がバランスを崩して、そのまま囲炉裏へと突っ伏しそうになっていたから、だ。
ちょ、ちょっと待てえ! 俺はすんでのところで絹代を抱え込み、どうにか囲炉裏へのダイブを阻止した。
「あ、も、申し訳ござらん! そ、その……」
「んなこと言ってる場合じゃない。すぐその手を冷やさないと……」
図らずも、背後から抱きかかえる姿勢になり、絹代は何故か動きが固まってしまう。
俺はそんな絹代を抱きかかえたまま、洗い場へと向かった。
421404 ◆MABOUp7up. :04/06/05 01:35 ID:Hd7bEIZa

「あ……つ………」
「とりあえずはこれでよし……と。ちょっと……しばらくそうやってな」
水を満たした手桶に絹代の手を突っ込ませ、俺は部屋に戻った。
確か、荷物の中に薬があったはず……。えっと……あ、あったあった。
俺は薬が入ったスプレー缶を取り出し、軽くカシャカシャと振りながら絹代のもとへと急いだ。
「………? な、何なのだ、それは?」
「ああ、薬だよ。さ、手を出して」
怪訝そうな顔を見せる絹代の手を取り、赤くなっている場所にスプレーを噴きつけると、
見る見るうちに白い泡が噴き出し、絹代の手を覆っていく。
「さて…これでひとまずは大丈夫かな? あとは手で引っ掻いたりしないで、しばらく我慢することだ」
「ふうむ……先ほどの聖なる液体といい、これといい、何とも摩訶不思議な……」
泡が固まったのを確認してから、俺は絹代の手を離しながら言った。
絹代は軽く指先で、固まった泡をつんつんと突つきながらつぶやく。
「い、いや。それはそうとして、とりあえず部屋に戻ろうや」
「いやはや……まったく、かたじけない……何かわらわで、礼が出来ればいいのだが………」
「まあ、困ったときはお互い様ということで。そんなに気にすることもないだろ」
がっくりと肩を落とし、眉を顰めて小首を傾げる絹代の姿を見て、柄にもなく胸の鼓動が高まった俺は、
それを誤魔化すように、絹代の頭を撫でながら部屋へと戻った。
422404 ◆MABOUp7up. :04/06/05 01:36 ID:Hd7bEIZa

「それにしても…だ。信幸殿は一体どこで、かような技を身につけられたのだ?」
バリバリと煎餅を食べながら、絹代は問い掛けてくる。
う〜ん……何といえば、いいのやら………。
「そうさな……別に修行がどうこうってわけでもなく、自然に身についたというか……」
「何と! 修行が自然である、と。もはやそこまで達観されておるのか!
いやいや、かような心掛けでおられるなんて……本当に、わらわは修行が足りないのう……」
ズズズッと寂しそうにお茶を啜る絹代。………何だか、会話のポイントがズレてるような。
「そ、そうだ。それで、先程の話に戻って大変恐縮ではあるのだが、
わらわにも信幸殿のような立派なものが、生えてくると思われるか?」
「う、う〜ん、どうだろうかねえ……」
……生えるはずないだろ。と言いたくなるところを必死にこらえ、曖昧に返事をする。
変なこと、教えてしまったかねえ? ………って、いきなり裾を捲りあげるな!
「で、た、大変恐縮なのだが、今一度、確認していただけぬか?
先程は雨のおかげで、途中になってしまったことだし」
「あ、ああ分かった。………それじゃ、そのままじっとしててくれよ」
座ったまま裾を捲り上げ、ゆっくりと足を開く絹代。
股の間で、割れ目がヒクヒク動いているのを目にしたとき、俺の理性はあっけなく消え失せていた。
「ん…っ……は…あっ……」
両手でそっと割れ目を押し広げてみると、先ほど弄っていた名残なのか、透明な液がひと筋こぼれる。
さらにその小さな口からは、早くもあえぎ声が漏れ出していた。……ここまで敏感なのも、珍しいな。
423404 ◆MABOUp7up. :04/06/05 01:37 ID:Hd7bEIZa
「はあ! んっ! あ…っ……!」
人差し指と中指を中に潜り込ませてみると、絹代は艶っぽい声とともに、腰をよじらせようとする。
だが俺の目からは、まるで自ら腰を振り乱し、指を受け入れているようにも見て取れた。
ちらりと顔をあげ、絹代のほうを見上げると、さっきと同じように目をぎゅっと閉じ、頬を赤らめている。
そんな健気な仕草に妙に興奮してきた俺は、潜り込ませた指を中で軽く折り曲げてみた。
「はああ! ああっ! くうんっ! んっ!!」
柔らかいヒダ状のものが指先に触れた途端、絹代は上半身を仰け反らせ、押し殺した悲鳴を漏らす。
同時に、割れ目の入り口がきゅっと締まり、俺の指を痛いくらいに圧迫してくる。
ううむ……こりゃあ…中に挿れたら……たまらないかも、な。
「くはっ! あんっ! はっ……!」
ヒダを指でそっと撫でまわすと、それに合わせるように絹代は腰をもぞもぞと動かし続ける。
割れ目からは透明な液体がしとどに漏れ出し、畳に染み込んでいく。……あとでシミにならないだろな?
「くっ…んん……んはあ…っ……!」
二本の指を一気に引き抜くと、ちゅぷっという音が響き渡った。
突然刺激が中断されたことで、絹代は怪訝そうな声をあげながら、ちらりと俺のほうを見つめる。
その目はさっきまで見せていた、元気一杯の女の子という面影をどこと無く残しながらも、
一方で成熟した”女”としての妖しい光をたたえていた。
この何ともいえないギャップに、欲望をたぎらせない男なんていないだろう――多分。
424404 ◆MABOUp7up. :04/06/05 01:37 ID:Hd7bEIZa
「んっ! は…ああっ!!」
親指と人差し指で、軽く肉芽を摘まみ上げてみると、とうとう絹代はこらえきれなくなったのか、
そのまま後ろに倒れこんでしまった。……それでも裾を押さえてるのは立派というか、なんというか。
「はあああっ!! あ! ああんっ!!」
思い切って、今度は割れ目に舌を這わせてみた。絹代はビクンと体を震わせ、悶えていた。
俺はと言えば、絹代の艶姿を目の当たりにして、下半身が痛いくらいに疼いている。
体を起こしてズボンとパンツを一気に膝まで下ろすと同時に、完全に勃ちあがったモノが姿を現した。
「あ…はあ……あっ?」
「くう……っ……」
虚ろな表情で、俺を見つめる絹代。俺は腰と腰を密着させ、モノを割れ目に擦りつけた。
ただ軽く擦りつけただけで、痺れるような快感が俺を包み込み、思わず悲鳴が漏れてしまう。
「うあ…あ……っ…あ…ああっ……」
快感の波が押し寄せているのは絹代も同じようで、涙をボロボロ流し、
腰の動きに合わせるかのように、あえぎ声が口からあふれ続けている。
ダメだ……もう、我慢できねえ……。俺はモノを絹代の割れ目に押し当てた。
そのまま腰を突き動かし、モノの先端が割れ目の入り口を押し開けた、まさにその瞬間――
425404 ◆MABOUp7up. :04/06/05 01:38 ID:Hd7bEIZa
「ぷはあっ。まったく、何でいきなり大雨になりますかな? おかげで、ずぶ濡れになってしまいましたよ」
突然襖が開いたかと思うとぼやき声がしたため、俺は思わずそちらのほうを振り向いた。
そこには、絹代と同じような服装の女性が、苦笑いを浮かべながら立っている。
この雨の中、傘も雨具も使わずに歩いていたようで、ずぶ濡れの服が体にピッタリまとわりつき、
ややスレンダーだが、出るべきところはきっちりと出ている、見事な体型が露わになっていた。
「………な…なな…な……」
「あ…え……」
と、俺と目があった彼女は、見る見る顔を真っ赤に染め上げ、口をパクパク動かしている。
一方の俺も、言葉が言葉にならず、やっぱり口をパクパクさせるしかなかった。
そんな気まずい空気の中、沈黙を破ったのは、のっそりと体を起こした絹代だった。

「んあ……ど、どうした…の? あ……佳乃? どうしたのだ、いったい?」
「き、絹代様に何をしているんだ! 貴様あ〜!!」
絹代の声をきっかけに、佳乃と呼ばれた彼女が動いた。しかも、肩にかついだ薙刀を振りかぶりながら!
……って、おい! 俺を斬るつもりか!? というか、ここには誰も来ないはずじゃなかったのか!?
「わ! ちょ、ちょっと!?」
「問答無用! この不埒者があっ!!」
混乱する俺に向かって、佳乃は容赦なく薙刀を振りかざす。
………嗚呼、人生短かったなあ……などと覚悟を決めかけたそのとき――
426404 ◆MABOUp7up. :04/06/05 01:38 ID:Hd7bEIZa
「止めぬか、佳乃!!」
絹代の凛とした声が響き渡ったかと思うと、佳乃の動きがピタリと止まった。
首筋には、佳乃の握り締める薙刀の刃がしっかりと当てられている。
もしこのまま刃を縦に引かれると、首筋からシャワーのように真っ赤な血が噴き出すことだろう。
時代劇ではよく見る光景だが、間違っても自分自身で体験したくは無い。
「し、しかし絹代様……」
「うるさい! この者は、わらわが招いた客人じゃ。
かような無礼を働くと、わらわが容赦せぬぞ! 今すぐに、その刃を退かぬか!」
この状態で、違う意味で刃を引かれたら、俺って死ぬと思うんだけど。
………まさか、やっぱりこのまま俺を殺す気なのか?
「ですが絹代様、何故に人間などをこの庵へ……」
「人間? 佳乃も目が曇ってしまったのか? 信幸殿はれっきとした天狗でござるぞ! ほれ!」
「な! ちょ…ちょっと絹代様!?」
尚も抗弁する佳乃を見て、絹代はいきなり俺のモノを握り締めながら叫んだ。
佳乃は手にしていた薙刀を落っことし、真っ赤に染まった顔を背ける。
「ほれ! 信幸殿は我々と違って、穢れが溜まるとこちらが膨らむのだ!
それだけではない! こうして擦っていくと、聖なる液体を噴き出させるのじゃ!」
言いながら、絹代はモノをしごき始めた。……あう…そんなこと…されたら……またでかくなって……。
絹代がもたらす心地よい刺激に耐え切れず、思わず腰がひけてしまう。
「き、絹代様……そ、それは………」
「それも何も無い! 大体、おぬしは今日は何をしにここへ来た、というのだ!?
わらわに意見をするのは、その後であろうが!」
「あうっ!」
指の隙間からチラチラとこちらを見ながら、ぽそぽそつぶやく佳乃に向かって、絹代が再び叫んだ。
叫んだ弾みで、モノを握り締める手に力が篭り、その痛さに思わず悲鳴がこぼれてしまう。
427404 ◆MABOUp7up. :04/06/05 01:39 ID:Hd7bEIZa
「も、申し訳ございませぬ。……実は、琢磨様からの書簡をお持ちしまして……」
「何? 父上からと? それを先に言わぬか、まったく………」
絹代の言葉に佳乃は、はっと何かを思い出したかのように、絹代の前に跪いた。
「申し訳ございませぬ………。さ、こちらで………」
「まったく……わらわが用がある時は姿を見せずに、こんな時だけ佳乃を使うなんて…………」
すっかり畏まった佳乃は、懐から濡れてぐしゃぐしゃになった手紙を取り出し、絹代に差し出した。
絹代は、それをひったくるように受け取り、ブツブツ言いながら手紙を読み始める。
……………段々、顔つきが険しくなってきたんだけど、どうしたというんだ?
「………信幸殿。不躾だがお願いがある」
「ああ、はいはい。俺に出来ることなら、なんなりと」
手紙をくしゃくしゃに丸めながら、絹代は俺の顔を見据えて言った。
まあ一応命の恩人だし、ここで断ったりしたら、そのまま佳乃に殺されそうだしな。
「信幸殿ならば、簡単なことじゃ。……………わらわと一緒になってくれ」
「ん。それなら確かに簡単で………」
「な、何だってーーーーーー!?」
「な、何ですってーーーーー!?」
佳乃と声がハモリ、思わず佳乃の顔を見てしまう。と、同じことを考えていたようで、
思い切り目が合ってしまい、プイと顔を背ける佳乃。どうでもいいが、ここまで嫌うか普通?
428404 ◆MABOUp7up. :04/06/05 01:40 ID:Hd7bEIZa
「な……ど、どういうことですか絹代様! 何を御乱心あそばしましたか!?」
「ええい、無礼なことを申すな。わらわは至って平静じゃ。……………ほれ」
大慌てで絹代に詰め寄る佳乃に、絹代は仏頂面のまま、先程の手紙を渡した。
「そ、それでは失礼…………………………き、絹代様! こ、これは!?」
絹代から手紙を受け取った佳乃は、畏まりながら手紙を読み………驚嘆の声をあげる。
…………何が書いてあるか、非常に気になるのですが。
「あ、ああ。信幸殿には事情を説明せねばなるまいな。これは失礼した。
実はわらわの父上が、縁談を持ってきたのじゃ。だが信幸殿も知っての通り、
わらわはまだまだ未熟者。父上には悪いが、結婚などまだまだ考えたくも無い!」
………確かに、あんな部屋を散らかしたりしてたら、結婚生活は大変だろうな。
「………そ、そういうわけで、信幸殿にはすまぬのだが、夫婦になるフリをして欲しいのじゃ。
勿論この礼は、わらわが出来ることであれば、なんなりとさせて頂く!
お願いいたす! どうか、どうかわらわの願いを聞いてくだされ!」
突然俺の前に土下座する絹代。……どうすればいいというのだ、まったく……。
「あ、いやそんな、いきなりそう言われても……というか、頭をあげてくれよ」
「いいや! 絹代のこの一生の願い、聞いていただけるまで頭を上げる気にはなれませぬ!」
俺がたしなめても、絹代は土下座したまま動こうとしない。
……弱り果てた俺は、何も言えずにその場にへたりこんでしまった。
429404 ◆MABOUp7up. :04/06/05 01:40 ID:Hd7bEIZa
「無理ですよ、絹代様」
「な、何を申すのだ、佳乃!」
佳乃がポツリとひとこと。絹代がぱっと顔をあげ、佳乃を睨みつける。
「無理なものは無理、と申しているのです。先程も申し上げましたでしょう、このような人間に、
形だけとはいえ、天狗の姫君を娶ろうなんて甲斐性が、あろうはずもないのですから」
「「な…なな……」」
小馬鹿にするような佳乃の言葉に、俺と絹代が揃って声を詰まらせてしまう。
ちょ、ちょっと待て。天狗の姫君って、まさか絹代が………?
「そなた……確か、信幸とか申したか。ささ、今回だけは見逃してやるから、早々に帰りなされ」
ゆっくりと立ち上がり、襖を開ける佳乃。……確かに、ここで帰れば平和な日常に戻れる。
絹代とは、元々が住む世界が違えば種族も違うんだ。それに、応えなければならない義理もない――
そう思って、立ち上がろうとした瞬間、泣きそうな顔でこちらを見上げる絹代の姿が目に入った。
「の…信幸殿………」
…………天狗の姫君うんぬんはともかく、ここで退いたら男が廃る、よな。
「分かった、分かったよ。……しばらくの間、一緒に暮らすことにするよ」
「さ、さすが信幸殿! か、かたじけない! 絹代、この御恩は一生忘れぬ!!」
「ふむ。どうやら話は決まったようですな。
それでは琢磨様への御返事は明日にするとして、我は夕餉の支度をさせていただきますか」
俺の言葉に、絹代はこれ以上ないくらい頭をブンブン頷かせながら、感謝の言葉を述べる。
と、佳乃は先程までの、小馬鹿にするような態度から一変して、無表情のまま部屋をあとにした。
………これは…思い切り、挑発に乗ってしまった、というヤツか……。
まあ仕方ない。乗ってしまったのなら、最後まで乗り続けてみせる、さ。
430404 ◆MABOUp7up. :04/06/05 01:41 ID:Hd7bEIZa

「うむ、久々に佳乃の夕餉を食すが、いつ食べても美味いものだのう」
「かたじけのうございます、絹代様。それより……絹代様の方こそ、料理の腕は上達されたのですか?」
「あ……そこはそれ、だ、ははは……」
「ははは、じゃございませぬ。今回はさておき、いつかは絹代様も嫁入りされる身。
炊事洗濯くらいまともに出来ねば、一緒になって頂ける殿方に申し訳が立ちませぬぞ」
「わ、わかっておる、わかっておるわ……まったく………」
食事中、2人は何やかやと話し込んではいたが、俺は会話に参加出来るわけでもなく、
ただ黙々と目の前の料理を口に運んでいた。……薄味で、量的にも物足りないと思ったが、
不思議なことに食べているうちに旨味が増し、お腹も膨れてきた。
……まるで、どこか懐かしいお袋の味、という言葉がしっくりくるような料理だ。
それにしても……部屋は散らかしっぱだわ、料理はまるでダメだわって…嫁入りしたくない理由って、
どちらかというと、そっちにあるんじゃないだろうな?
かと言ってこちらの世界にやってきて、お料理教室に通うとかって話でもないし、な。
ま、そんなことはどうでもいい、や。
「どうも、ごちそうさまでした。すっごく美味かったよ」
「ああ、おそまつさま。あとは明日に備えてゆっくり休んでくださいな」
俺の言葉に、そっけなく答える佳乃。……やれやれ、とことん嫌われたもんだ。
431404 ◆MABOUp7up. :04/06/05 01:41 ID:Hd7bEIZa

「さて、とりあえず布団でも……」
「あ、そ、そこじゃなくて、隣の部屋に布団があるから! そこから出す必要は無いぞ!」
ご飯を食べ終え、何気ない会話を続けていた2人だが、佳乃が伸びをしながら立ち上がり、
部屋の隅にある押入れに向かって歩き出す。絹代は何故か大慌てでそれを止めようとしている。
「何を言ってるんですか。今日は我ら二人だけでなく、信幸殿もいらっしゃるのですぞ。
それとも、三人で一緒に寝るとでも仰るのですか?」
「あう……そ、それ…は……」
怪訝そうな顔をして絹代に返事をする佳乃。………確かに、3人でってのは色々な意味で怖い。うん。
「よいしょ…あ、あれ? おかしいな、開かない?」
「あ…手伝おうか?」
「うむ、かたじけない。それでは、合図とともに引っ張るぞ」
佳乃は押入れを開けようとするが、何かが引っ掛かっているようで、なかなか開かないようだ。
手持ち無沙汰にしていた俺が手伝いを申し出ると、佳乃は珍しく素直に応じてくれた。
「よい…しょ……っと…わ、わあっ!?」
「な、何だあっ!?」
二人で一緒に襖に力をこめると、襖が勢いよく開いた。
……だけでなく、中からガラクタやら何やらが次々とあふれ落ちてきた。
その勢いに押され、思わず二人揃って倒れこんでしまう。
「………き……絹代様!!」
俺の上に乗っかったまま、佳乃は絹代に向かって叫んでいた。
………そうか…随分早く片づけが終わったと思ったら、ここに押し込んでいただけだったのか。
「……う……だから言ったのに……」
「『だから言った』も何もございませぬ! 珍しくお部屋が綺麗だったと思ったら、
こんなところに詰め込んでいたなんて! 今すぐ! お片づけくだされ!!」
首をすくめてぼそぼそとつぶやく絹代を見て、さらに大きな声で佳乃は叫ぶ。
というか、いい加減俺から降りて欲しいんだけれども。
432404 ◆MABOUp7up. :04/06/05 01:42 ID:Hd7bEIZa
「ああ…う……」
「返事は『はい』です!!」
「は…はい………」
「あっと……これは失礼いたした信幸殿。
恐れ入るが、あなたにお泊りいただくのは、こちらになります。さ、どうぞ……」
ひとしきり絹代を叱りつけたのち、言葉とは裏腹に、
全然失礼をしたと思っていない表情で、俺を奥の部屋へと案内する佳乃。
……やれやれ、結構可愛いんだから、これでもう少し愛想がよければねえ。
などとは俺が、言う資格などあるわけないのか……。

「おぬしには、こちらで寝泊りしていただく。ごゆるりと疲れを癒やすがよかろう」
佳乃に通された奥の部屋は、真ん中に布団が敷いてあるだけの、3畳ほどの小さな部屋だった。
正直、外で寝泊りしろとか言われるかと思ってたから、扱いとしては悪くないのかな?
でもよく考えりゃ、逃げ出されないように、俺を奥の部屋に押し込めた、のか?
いや、普通に窓があるから、そこから逃げようとすればいくらでも逃げられるし……。
「えっと……どうもありがと………」
「ひとこと言っておく。絹代様の客人ゆえに縄は掛けぬが、我はおぬしをまったく信用してはおらぬ。
だが、ここから逃げ出したくば、いつ逃げ出しても一向に構わぬぞ。
もっとも、迷いの霧の術を破ったうえに、我の手から逃れることが出来れば、の話だがな」
とりあえず、俺が礼を言おうとしたが、それを遮るように佳乃は俺に釘を刺し、部屋を後にした。
………それにしても俺の人生、これからどうなるんだろう?
433つぶやき ◆MABOUp7up. :04/06/05 01:45 ID:Hd7bEIZa
>418-432で続きます。

この続きは…考えているでもあり考えてなくもなし、です。
主人公じゃないけど、どうなりますやら……。
434名無しさん@ピンキー:04/06/05 01:52 ID:kf2srGQv
なんか予想外の展開にw

どう転がっていくのか期待しつつ待たせて貰います。
435名無しさん@ピンキー:04/06/05 21:34 ID:1Sdaxz13
佳乃も毒牙にかけr
436名無しさん@ピンキー:04/06/06 19:16 ID:yMALqPFy
>>418-432
片付けの下手な絹代さん、ドジッ娘とはまた違った萌えがありますね〜。
加えて一途で純情とくれば御飯が三杯はいけますよ。

ところで、角二の「クトゥルフ神話萌えスレ」に「ひでぼんの書」の設定画が投稿されてますぞ。
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1086356345/23
437404 ◆MABOUp7up. :04/06/06 22:52 ID:tQvFovBA
>432の続き。

――夜、俺はぱっちりと目が覚めた。あたりを見回すと……ここは絹代の庵、だ。
やはり昨日の出来事は夢じゃなかったか。時計は……夜の2時を指している。
窓からは異様に大きい月が見え、風の音に混じって虫の音が聞こえる。
「まったく……半端な時間に目が覚めやがって……」
ため息とともに独り言が漏れ出す。そりゃあそうだ、寝る時間が早すぎたんだからな。
何せ娯楽どころか、照明すらまともに無い山奥だ。日が暮れると、何もすることがない。
おかげで、睡眠サイクルが狂ってしまったんだよな……。

ん…っ……んんっ…

何だ? 一体何の音だ? …………隣の部屋から何やら聞こえてくる。
隣には俺がこんな場所に泊まる原因となった、絹代と佳乃がいるだけのはず……。
放っておいてもいいのだが、どうしても気になる。俺は出来るだけ音を立てないように襖を開けた。
438404 ◆MABOUp7up. :04/06/06 22:52 ID:tQvFovBA
「ん…は……ああっ………」
音の正体は、佳乃の口から漏れ出すあえぎ声だった。
俺のほうからは背中を向け、上半身を起こして自らの胸と股間に手を添えている。
月明かりにぼんやりと映し出された佳乃の裸身は、ぞっとするくらいに美しい。
まるで、その声に惹かれるかのように、俺は音も無く佳乃のほうへと忍び寄った。
ふと見ると佳乃の隣では、絹代が布団をめくらせ、足を露出させたまま、すうすうと寝息を立てている。
へーえ、絹代のすぐそばでオナニーとは、主従関係もあったもんじゃないな。
半分呆れ返りながらも、滅多に見ないシチュエーションに、胸の鼓動が高まる。
「あ……ああっ……あ……ああっ…き………」
すぐ背後まで来たが、佳乃はまったく俺に気がついていない。
その一方で、押し殺したあえぎ声は少しずつ甲高くなっている。
「……ああっ……き…絹代……様…あ…は…あっ……」
絹代だって? まさか絹代のことを考えながら、オナニーしていたのかよ? 
で、その対象を目の前にしてのオナニーとは…いやはや、可愛い顔して中々やるねえ。
俺は佳乃が自ら添えているのとは逆側の胸と股間に、それぞれ手を伸ばした――

「……あ…ああっ!?」
「な、何だっ!?」
佳乃と俺の叫び声が重なった。佳乃は、突然自らの体にまとわりつく手が増えたことに驚いて。
俺は、股間に伸ばしたときに感じた手の感触に驚いて。……これは……まさか…生えている!?
だが……胸には男とは明らかに違う弾力があって…え? 何だって?
「……き…さま……ああうっ!?」
驚愕の表情を見せ、佳乃がこちらを振り返った。
が、思わず俺が佳乃から生えているモノを軽く擦りあげた途端、
全身をビクンと震わせて、モノから白い液体を噴き出させていた。
439404 ◆MABOUp7up. :04/06/06 22:53 ID:tQvFovBA
「あ……く…き…さま……あっ…あ……ああっ!」
佳乃は俺に向かって拳を振り上げるが、俺がモノをしごきあげると吐息を漏らして床に倒れこんだ。
俺はそのまま、佳乃の両足をがばっと押し広げてみた。そこには……女性の部分もしっかりとある。
これは……いわゆるふたなり、というやつか? だとすると、絹代も本当に生えてくる、のか?
「は…あ! あっ! ああっ!」
冷静に考える俺の理性を破壊したのは、目の前で悶え続ける佳乃の声だった。
ちらちらと絹代の方を身ながら、両手を押さえて必死に声が漏れ出すのをこらえている。
………何だか…たまらないな、この光景。俺は佳乃のモノをしごきながら、そのまま胸に舌を這わせた。
「ぐ…ん……んふ! ん! んんんっ!!」
絶頂に達したばかりのせいか、頂はすでに硬く張り詰めていた。舌を引っ込め、頂を軽く吸ってみる。
もちろん、モノはしごいたままで。それだけで佳乃は顔を紅潮させ、必死に身をよじらせる。
そんな佳乃の艶やかな姿に魅かれ、俺はひたすらに舌を這わせ続けた。

「き…さま……こ、これいじょ……」
「おいおい。そんなに暴れると、絹代が目を覚ましてしまうぞ」
モノをしごくのを止めて顔をあげると、佳乃は再び拳を振り上げながら、抵抗の意思を見せる。
そんな佳乃の耳元に顔を寄せ、俺はポツリとつぶやいた。
俺としては、何の気なしに言っただけのつもりだったが、佳乃にとっては効果てきめんだったようで、
たちまちピタリと体の動きを止め、振り上げた拳を下ろす。
440404 ◆MABOUp7up. :04/06/06 22:53 ID:tQvFovBA
「それとも、一緒に参加して欲しいのか? それはそれで構わないがな」
「ば…ばかや……あ! ああっ!!」
昼間に見せた表情とのギャップがどことなく楽しくて、俺は笑みを浮かべながらさらに言った。
声を震わせて抗議しようとする佳乃だが、モノをしごき始めるとたちまちあえぎ始める。
ふうむ……絹代といい、佳乃といい、天狗ってのは感じやすいのかな?
俺はそんなことを考えながら、モノをしごいたまま、佳乃の下腹部に顔を埋めた。
改めて、佳乃の秘部をしっかりと目で確認しながら思った。――うん、やっぱり割れ目がある。
ただ、女性ならば割れ目の合わさる頂点には、小さな肉芽があるはずだが、
佳乃の場合は、それがそのまま大きく伸びて、立派な男根になっていた。
また男性とも違って、袋や玉が無い。……じゃあ、さっきの白い液体は何だったんだ?
そんなことを考えながら、俺は佳乃の割れ目に舌を這わせた。
「は! ああ! くう! んんっ!!」
先ほどの行為の成果か、割れ目からはしとどに蜜があふれ出している。
俺はあふれ出す蜜を咽喉を鳴らして飲み下しながら、舌を割れ目の中へと潜り込ませた。
「んふ! ん! んんんっ!! くううっ! あはあっ!!」
舌先が何か丸いモノに触れた瞬間、佳乃は下半身をうごめかせ、くぐもった悲鳴をあげたかと思うと、
割れ目の締まりが増し、モノはビクビクと震え、白い液体を再び噴き出させた。
2回目にも関わらず、1回目とほとんど変わらない勢いで噴き出す白い液体は、
見上げた俺が見ると、月を背景にしたせいもあって、どこかしら幻想的な雰囲気を醸し出していた。
441404 ◆MABOUp7up. :04/06/06 22:54 ID:tQvFovBA
「は…あ……あ…ああ…あ……」
全身をピクピクと震わせ、虚ろな視線は宙をさまよい、肩で息をする佳乃。
あれからさらに、2回ほど佳乃は射精していた。……いや、俺がさせていたというべきか。
だが、モノは萎えることなく未だに勢いを保ち続けている。……すげえ持久力だな。さすが天狗。
「あ……あ?」
お互い、生まれたままの姿になってそっと肌を合わせた。佳乃の温もりが、じかに伝わってくる。
その佳乃は抵抗するでもなく、俺のなすがままになっている。
「くは……あっ……」
……そろそろ…俺も我慢できねえな。つーか、絹代とは結局出来なかったわけだし。
俺は佳乃の左足を肩にかつぎ、右足にまたがるようにして、モノの先端を佳乃の割れ目に添えた。
「い……や…そ…それ…だけ…は……」
モノを添えた途端、それが何かのスイッチだったかのように、佳乃は弱々しく抵抗の声をあげる。
目を潤ませ、弱々しく首を振る佳乃を見たとき、罪悪感がちらりと頭をかすめたが、
それも一瞬のことで、俺はゆっくりとモノを佳乃の中へと潜り込ませた。
「あ…はあ……あああっ!!」
「……う…くうっ…」
言葉とは裏腹に、熱い液体で満たされていた佳乃の割れ目は、難なく俺のモノを受け入れる。
モノが潜り込んだと同時に、佳乃と俺は叫び声をあげていた。
「ふあ…あ……ああっ!」
ずぶずぶと音を立て、俺のモノが佳乃の中へと吸い込まれていく。
それとともに、襞と割れ目の入り口近くにある丸いモノが、俺のモノに刺激を送り込んできた。

「くっ………佳乃、もう完全に俺のモノを飲み込んじゃってる、よ」
「い…いやあ……。……! ああっ! あはあっ!!」
とうとう、モノが根元まで佳乃の中へ潜り込んだ。俺は佳乃の耳元でそっと囁いてみる。
佳乃は涙をボロボロこぼしながら、押し殺した声で拒否の言葉を口にするが、
俺が再びモノをしごき始めると、耐え切れずに身をよじらせてよがり始めた。
同時にモノへの締めつけが増し、中の襞がまるで別個の生き物のようにモノをなぞる。
その感触をもっと味わいたくて、俺は腰と手の一斉に動かし始めた。
442404 ◆MABOUp7up. :04/06/06 22:54 ID:tQvFovBA
「ああ…いい……いいよ…佳乃………」
「あ! はああっ! おかしく! おかしくなっちゃう! おかしくなっちゃううっ!!」
無意識のうちに、繋がっている相手の名前を口走る。もちろん、相手のモノをしごきながら。
その佳乃は、片手で口元を押さえもう片方の手で畳をかきむしりながら、必死に堪え続けていたが、
とうとう甲高いあえぎ声を漏らし始めた。……本当に、絹代が目を覚ましたらどうしよう?
本能に従った行動の中、一瞬だけ理性的な思考が脳裏をよぎった。
が、襲い来る快感には到底抗えず、腰の動きを早めだす。もう…もう、限界だ……。
「も………だめ! もうだめえっ!!」
「よ…佳乃おっ!!」
悲鳴とともに、モノが千切れるのではないかと思えるような勢いで、
佳乃の中が収縮したかと思うと、佳乃のモノは5回目の絶頂を迎える。
同時に俺は、襲いくる快感に抗うことも出来ずに、佳乃の中に射精していた。


「はあ…はあ…はあ…はあ……」
「………………」
肩で息する俺を、佳乃はひと言も発せずにじっと見つめている。
俺は視線を離すのが怖くて、かと言って話しかけることも出来ず、こちらも無言で見つめていた。
永遠と思えるくらいの長い時間が経過して、佳乃はおもむろに上半身を起こし始める。
やはり、ひと言も発することなく、凄くゆっくりとした動作で。
ふと見ると、股間からモノが無くなり、女性のそれとまったく同じ状態になっていた。
「あ、それって………」
どうなってるんだ? と言おうとしたが、出来なかった。
何故なら、佳乃の鉄拳が俺の顎に見事に炸裂し、そのまま俺は気を失ったからだ――
443404 ◆MABOUp7up. :04/06/06 22:55 ID:tQvFovBA
「信幸殿、朝ですぞ。起きてくだされ」
翌日――俺は絹代に揺り起こされて目が覚めた。……ここ…は?
「寝ぼけておられるのか? 今、佳乃が朝餉の支度をしておる。顔を洗ってくるがよろしかろう」
怪訝そうな顔をしている俺を見て、小首を傾げながら絹代は言葉を続ける。
「えーっと……あ、いやそうか…そうする……いつつ……」
首を巡らせながら今の状況を確認する。ここは……昨日最初に寝た部屋で…寝巻きも着ている?
そうか……昨日の出来事は夢だったか……と思いたかったが、顎に響く鈍い痛みが、
昨日の佳乃との情事が現実であったことを、何よりも雄弁に物語っている。……うう…まだ痛え……。
「だ、大丈夫か信幸殿? 慣れない寝所ゆえ、寝違えられたか?」
「いや…大丈夫、大丈夫だよ……」
下顎を押さえる俺を見て、絹代が不安げに問い掛けてくる。
俺はまさか本当のことを言えるはずもなく、顔を洗うためにゆっくりと立ち上がった。
444404 ◆MABOUp7up. :04/06/06 22:56 ID:tQvFovBA
囲炉裏のある部屋を抜け、土間に出ると、朝食の支度をしている佳乃の後ろ姿が見える。
………うう…どうしよ。後ろを通り抜けるのにシカトはおかしいし、かと言って気楽に話し掛けるのも……。
「あ、おはようございます、信幸様。ゆうべはお休みになれましたか?」
「え? あ、ああ。お、おはヨウ」
などと考えていると、鍋を抱えながら振り返った佳乃が、俺に気づいて挨拶をしてきた。
不意を突かれた俺は、思わず声を裏返しながら返事をする。…………待てよ? 今俺を何て呼んだ?
「ああ、顔を洗われるのですね。扉を出ましてすぐ右手に井戸がございますので、そちらでどうぞ」
ぽかんとしている俺を見て、にっこりと微笑みながら、首を巡らせて案内する佳乃。
昨日とは打って変わって優しい口調で、表情も皮肉混じりの笑みではなく、優しい微笑みで、だ。
えーっと………これは……どうしたものか………。
「ささ、お待ちしてますからお早めにどうぞ。でないと、せっかくのお味噌汁が冷めてしまいましてよ」
「あ、ああ分かった。どうもありがと」
顎の痛みに、やっぱり夢じゃないと思った俺は、戸惑いながらも礼を言った。と、
「信幸様」
「え? な、何!?」
佳乃が俺の名を呼び、慌てて振り返る。…………何で、何で「信幸様」になってるの?
「今日はこの山の天狗の長である、琢磨様にお会いなさるのです。
偽りの婚姻相手とはいえ、くれぐれも粗相はなさらないようにしてくださいましね」
「う、うん。そ、そうする」
突然の佳乃の豹変に、背筋に冷たいものが走るのを感じながら、俺は井戸へと向かった。
445つぶやき ◆MABOUp7up. :04/06/06 22:58 ID:tQvFovBA
>437-444で続きます。

続きは……投下前に別の話を投下するかもしれませんです…。
446名無しさん@ピンキー:04/06/06 23:17 ID:tkOYB2Fm
続きが着てるよワーイ!
佳乃タン・・・・・・信幸に惚れた?まさかね。
447名無しさん@ピンキー:04/06/07 01:14 ID:tMn/G1ac
クトゥルーはやはり人気があるんだな。まさか専用スレがあるとは

こういうのを見ると、さつきたんや天音たん、絹代たんやアイリスたんの絵を見てみたいと思うのは俺だけですか?
448ひでぼんの書作者代理 ◆Br4U39.kcI :04/06/07 09:25 ID:cpySgtbw
>>437-444
相変わらずグッジョブです。続きも期待してます。

ひでぼんの書の某作者からの伝言です。
「用語集追加分の「新Q&A」の質問項目が思いつかないの。どんなバカバカしい質問でも構わないので、本編での疑問、質問を教えて欲しいのです」
との事です。よろしければ付き合ってあげて下さい。
現在、作者は執筆どころか手も動かせない状態にあるので、発表は少々遅れるかもしれませんが、近日中には必ず用語集だけでもアップしたいと考えているようです。
よろしくお願いします。
449名無しさん@ピンキー:04/06/07 09:30 ID:TsrcPtqo
アルタンの詳細なプロフィールを教えてください
考えても全然楽しくないと思うけど
450名無しさん@ピンキー:04/06/07 12:30 ID:/J8PdlKM
その質問募集への応募はこのスレでやっちゃっていいのかね?
前にクトゥ読者ウゼエってなったし。気が引ける罠。
451名無しさん@ピンキー:04/06/07 12:43 ID:5oPsBk+6
>>445
GJですた。
信幸の行く末が羨ましいような心配なような
>>448
ツッコミどころが無いのにそれを捏造するようなボケ倒しは不要だと思われw
あと、どちらかといえばキャラ紹介の方を更新してもらいたかったり。
お忙しいようですが作者氏ガンガレ
452320-ヤキトリ‐:04/06/07 16:30 ID:RLXYpFbT
とある学園の屋上。
時刻はちょうど昼を回ったところであり、普段は静かなこの場所にも、生徒達が集まり、いくらか賑やかになっていた。
絵に描いたような青空と燦々と降り注ぐ日光が、気持ちのいい景色を演出していた。
やはりこういう場所で食事をとろうという考えの生徒がいるためか、いつもよりは生徒の数が多いようだ。
そんな中、いくつも設置されたベンチに座り、昼食をとっている一団がいた。

「くっくっくっ……今日の俺は一味違うぜ!」
突然男子生徒の一人が立ち上がり、片手に持っていた、可愛らしい形の弁当箱を天に掲げ、その蓋をあけた。
「じゃーん!今日はのり弁なんだぜ〜。どうだ、恐れ入ったか!」
まったく意味のわからない自信を全身から発しながら、その男子生徒が言った。
お前ら俺様にひれ伏せ、とでも言いたげな視線で残りのメンバーを見下げながら。
「……作ったのはお前じゃないだろう」
もう一人の男子生徒の、あまりにも冷静すぎる一言が飛び出す。
「そ、それはそうだけどよっ」
「だったらそういうことを言う前に、天音に感謝して、ありがたく頂いておけ」
それだけで会話をすませてしまうと、その男子生徒……柳神真は、手に持っていた缶コーヒーを、口に含んだ。
「ちぇっ……そういうことなら仕方がない。……天音、ありがとうっ。君のおかげで僕は生きていられているよ」
最初はつまらなそうに呟いた涼であったが、すぐに調子を取り戻すと、女子生徒の前に片膝ををつき、大仰に感謝の意を表した。
「えっ!?そ、そんな……お礼なんて……いいよ……」
その女子生徒、朽木天音は、顔を真っ赤にさせながら、ぼそぼそと呟いた。
「天音、本気で相手にしないほうがいいぞ。そいつは冗談とネタの塊のような男だからな」
「そうそう、俺の体はネタと冗談によって構成されて……って、何言ってんだコラァ!」
思わず乗ってしまった涼だったが、時既に遅し。
天音の表情が見る見るうちに怒りの形相に変わっていき、全身から恐ろしい威圧感が放たれる。
「……冗談なんだ……?」
目元が髪で隠れているのが逆に怖い。
「え?あ、あはははは……」
さすがの涼も冷や汗をかき、仕方なく、視線をそらしながら乾いた笑い声をあげるしかなかった。
「涼の、バカーーーーッ!!!」
453320-ヤキトリ‐:04/06/07 16:31 ID:RLXYpFbT
ファティがこの学園に転入してきてから、早くも一ヶ月が経っていた。
いや、まだ一ヶ月、というのが正しいのかもしれない。
とにかく、この一ヶ月の間に、転入生であったファティは、完全にクラスに馴染んでしまったのである。
当然容姿によるものだけではなく、ファティ自身の人柄が一番の要因であろう。
学園の中でも指折りの美少女として数えられ、クラスどころか、学園中の男子から人気なのも、やはりその明るい性格があるからこそだろう。
そんなファティが特に親しく接しているのが、神真や涼、天音といった面々だった。
クラスメイトやほかの学年の生徒とも分け隔てなく接する彼女ではあるが、この三人とは、出会って一ヶ月だというのに、まさに「親友」といったところであった。
これは、そんな四人組の、ある日の放課後の様子である。
454320-ヤキトリ‐:04/06/07 16:32 ID:RLXYpFbT
「今日さ、みんな暇か?」
ホームルームを終了し、生徒たちもまばらになってきた頃、突然涼が言い出した。
「暇だけど……どこか遊びにでも行くの?」
天音の質問に涼がうなずく。
「実はだな、こんな物を手に入れたのさっ」
妙にハイテンションになりながら、涼は片手に持っていた何かを、全員に見えるように差し出した。
その手に握られているのは、映画の鑑賞券が四枚。
「あっ、これって、ついこの間から公開されてるやつでしょ?見たかったんだよねー」
たしかに、その作品は、公開初日から話題を呼び、テレビなどでも取り上げられている作品だった。
「ちょうど四枚あるからさ。今から行かないか?」
「アタシは賛成っ」
「ボクもいいよー」
天音とファティが、二人で仲良く手をあげて、賛同の意を示す。
「神真は?行かないか?」
鑑賞券を一枚手に取り、黙ったままそれを眺めていた神真であったが、涼が聞いてくると
「……行こう」
とだけ答えて、学生カバンを手に取り、立ち上がった。
「行くなら早く行ったほうがいい。上映時間に間に合わないかもしれないし、何より席が取れないかもしれない」
「そうだな。それじゃ、そうと決まれば早速行きますか」
涼の言葉を合図に、残りの三人も、それぞれのカバンを手に持つ。
「そんなこと言って〜、神クンも早く見たいだけなんじゃないの〜?」
ファティが、にやにやしたまま、神真をからかう。
「そうか。それはよかったな」
しかし、屋上の一件でいいかげん捌き方を覚えたのか、神真は相手にしないまま、教室を後にしてしまう。
あわてて天音と涼が、その後を追いかける。
そして最後に教室を出たファティが頬を膨らませながら、一言。
「むぅ〜、楽しみじゃないのかな……ボクは楽しみなんだけど……」
それだけ言うと、ファティは、先行している三人に追いつくべく、足を速めた。
天音の拳が動いた瞬間。
涼は、空を飛んだ。

「まったく、二人はいつもあんな感じだな」
コーヒーを飲みながら、あきれたように神真が呟く。
しかし、その表情に嫌悪感やそういった物はみられず、むしろそれがうらやましい、そんな風に思っているようだった。
「それじゃあさ、ボクたちもやってみよっか?」
「ッ!?」
突然自分の耳元に囁かれた言葉。
その暖かい吐息と突然の事に驚き、神真はすばやく立ち上がり振り向いた。
そんな神真に「突然何をするんだ」といいたげな目で睨まれながらも、くすくすと笑っている、囁き声の張本人。
肘の辺りの長さまで伸びた銀髪は、日光を浴びて煌びやかに輝いている。
街中を歩いていれば、通り過ぎていく人々がみな振り返りそうな美しさを持っているが、言葉に表すとしたら「可愛らしい」といったところだろう。
そんな、美少女、という言葉が似合いそうな、後ろに広がる青空のように蒼い瞳をもった、女子生徒が立っていた。
「あはははっ、神クンおもしろーい」
「その呼び方はやめろと言ったはずだろう。それと、突然耳元で囁くな」
彼女の様子にふう、とひとつため息をつき、神真が淡々とした口調で注意をする。
「えー、いいじゃない」
唇を尖らせ、女子生徒が不満をもらす。
「駄目だ」
神真がはっきりと言うが、女子生徒は大して気にしていないような顔をしながら、上目遣いで、神真を見つめた。
「だって、神クンが驚いたときの顔可愛いんだもーん」
「な……ッ!!」
神真の冷静な顔が真っ赤になり、そのまま固まってしまう。
「それそれ、かっわいー」
「いいかげん怒るぞ……ファティ」
からかわれていることに気づいた神真がわなわなと拳を震わせるが、目の前の女子生徒―――ファティは、まったく気にしていないようである。
というより、その様子をみて、くすくすと楽しそうに笑っている。
この後、昼休みの時間が終わるまで、神真はファティにからかわれ続ける結果となったのは、言うまでもない。
456320-ヤキトリ‐:04/06/07 16:39 ID:1Tq45nAI
学園の門を抜け、一行は、街の中心部へと向かう。
都会という言葉がとてもよく似合うこの街には、それこそ数え切れないほどの店や施設がある。
つまりは、時間をつぶしたり、買い物をしたり、食事を取るためには、まったく事欠かない場所なのだ。
それゆえ、この時間帯にいる人は、そのほとんどが、暇を持て余した学生だ。
人ごみを器用にすり抜け、神真達一行は、鑑賞券に書かれていた中で、一番近かった映画館へと到着した。

「お、けっこういいタイミングでこれたみたいだぜ」
涼が、入り口前に貼り出された、映画の上映時間の予定表と、自分の携帯電話の時刻を見比べながら言った。
たしかに、上映まで残り15分程度といったところだ。これなら席も取れるだろうし、菓子類や飲料も買ってこれるだろう。
飲料などは館内でも買えるということで、一行はさっそく鑑賞券を係員に差し出し、館内へと入っていく。
この映画館はつい最近に建てられた物であり、随分と出資者が力を込めているのか、映画館としてはかなりの大きさだ。
その中にいくつものシアターが入っているため、公開されている殆どの作品をカバーしており、連日多くの人で賑わっている。
四人は手早く菓子類を購入し、席へとついた。
前からの座席順で言えば丁度真ん中、かなり好条件と言えよう。
457320-ヤキトリ-:04/06/07 16:39 ID:1Tq45nAI
「そういえばさ、これからやるのってどんな映画なの?」
さきほど買ってきたポップコーンを早くも食べながら、ファティが隣に座る神真に話しかけた。
「そうだな……涼、それ、貸してくれるか」
なにか考える素振りを見せたあと、神真は、涼が読んでいた薄い本のようなものを借りた。
「これを読めばわかるだろう」
みれば、それは、これから上映される作品のパンフレットであった。
表紙や内容を見る限り、どうやらホラー作品の色が強いらしい。
「……これって怖いやつなの?」
パンフレットを見つめて固まったまま、搾り出すような声でファティが言う。神真は、こくりと頷いた。
「恐怖系は苦手なのか?」
「ま、まさか!し、神クンこそ、ここ、怖がってボクに抱きつかないでよね?」
思いっきりどもっているのに加え、明後日のほうを見つめながら言われても説得力がないが、神真はそこに突っ込むのをやめ、背中を座席に預けた。
それとともに、上映開始を告げる、おなじみのブザー音がシアターに鳴り響いた。
458320-ヤキトリ-:04/06/07 16:40 ID:1Tq45nAI
作品の内容はとても単純なものだった。
ごく普通の一般市民が、突然恐ろしい化け物に追われたり、伝承にあるような人外の存在が生命を脅かす。
何の力もない主役の一般市民たちは逃げ惑うが、ある者は食われ、ある者は発狂してしまったりする。
典型的なホラー物だ。
こういう作品の上映中は、観客を驚かせるような意図をもったシーンが流れると、えてして誰かが悲鳴をあげるものだが……。

「きゃあああああああ!」
「……はぁ」
何度目か分からない悲鳴と自分の腕に巻きつく感触に、神真は、静かにため息をついた。
神真が自分の左腕に視線を向ければ、そこには、神真の腕にしっかりと両腕を巻きつけたまま、ぶるぶる震えているファティの姿があった。
やはり上映直前の言葉は虚勢だったらしく、開始五分もしないうちから、隣にいた神真に抱きつき、怪物が出るたびに悲鳴を上げている。
これだけ怖がっているというのに、しばらくすればしっかりとスクリーンに目を向けるというのが、なんともまあ健気である。
「大丈夫か?」
神真に声をかけられ、ファティが俯かせていた顔を上げた。
「し、神クンは怖くないの……?」
震えるファティの声に、神真は、視線をスクリーンに戻しながら答えた。
「涼や天音がこういうのが好きでな、あいつらに付き合って何度もこういうのをみているから慣れている。それに……」
言いかけると、ちょうどいいタイミングで、扉を開けた瞬間に目の前に化け物がいるというシーンが流れ、ファティが驚き、さらに強く神真に抱きつく。
「こういうのはいくらリアルでも、所詮は作り物だからな、それを考えていればまったく怖くない」
「そ、そういう物なんだ……きゃああ!」
スクリーンには、襟の大きな黒いマントを纏った、お約束な姿の吸血鬼が、女性の首筋に噛み付いているシーンが映し出されている。
それを見た瞬間、ファティは、いままでよりもずっと強く驚き、いつのまにか神真の腕ではなく、神真の首筋に両手を回し、思い切り抱きついていた。
「吸血鬼怖いよう……」
ほぼ全身にファティの身体の感触があり、目の前にはファティの顔がある。
できるだけ身体を動かさないようにしながら、神真は、赤面してしまった自分の顔を見られないよう、そっと視線を逸らした。
459320-ヤキトリ-:04/06/07 16:41 ID:1Tq45nAI
「あー、面白かったなー」
映画館を出て、大きく伸びをしながら、涼が感情をたっぷり込めて言った。
「こ、ここここここ怖かったよう……」
いまだに神真の片腕に抱きつき、半ベソをかいているファティは、もはや可哀想に思えてくる怯えっぷりだ。
抱きつかれている神真は、いつもの無表情に、少しだけ困ったような色を出してはいるが、嫌がるわけでもなく、黙って抱きつかれていた。
その様子を、天音が、複雑な表情で見つめている。
「……アタシもあんなふうにしたら、涼に……」
ぽつりと呟く。
「ん?呼んだ?」
涼が反応すると、天音の顔が、火を吹くようなぼっ、という音とともに、真っ赤になった。
「え!?よ、呼ぶわけないじゃない!勝手な勘違いしないでよねもうっ」
「そうか。ところでなんで拳が飛んdぶるわぁああああ!!」
どこかの天才高校生の父親が出しそうな断末魔を響かせながら、涼が宙を舞う。
そして、鈍い音を立てて、アスファルトへと激突した。
「そ、それじゃ、アタシは涼を送っていくから、二人とはここでさよならね!」
「な、あ、おい、ちょっと……」
神真が声をかけようとするが、天音は、ぴくりとも動かない涼の足を掴むと、そのまま引きづり、遠くへ行ってしまった。
結局、その場には、困ったような表情の神真と、相変わらずビクビクしているファティだけが残った。
「……仕方ない、か。…ファティ」
「な、なななななな何?」
ファティと視線が合い一瞬戸惑うが、すぐに平静を取り戻し、神真はゆっくりと口を開いた。
「その調子だと、一人では帰れないだろうから、家まで送ろう」
実際、神真はかなり恥ずかしい思いをしているのだが、それを表に出さないようにしながら、ゆっくりと言葉を紡いだ。
すると、涙目だったファティの表情が、まるで早送りで花が咲くかのように明るくなっていく。
「ほんと!?ほんとに!?」
「……あ、ああ」
さっきまでの暗さはどこ吹く風、いまや完全にファティは、いつも通りの、明るいファティに戻っていた。
「それじゃ、行こう行こう!」
ファティに突然腕を引っ張られ、神真は体勢を崩しそうになる。
そして、そのまま、引きづられるように、神真はついていくのであった。
460320-ヤキトリ-:04/06/07 16:41 ID:1Tq45nAI
「ふふふ……神クンと二人で歩けるなんて、夢みたい♪」
ぎゅっと腕に抱きつきながら、ファティは幸せそうに言った。
大げさな、と神真は考えたが、口には出さないことにした。
さきほど、同じようなことを言った際、ファティにこれでもかというほど反論されたからである。
そしてなにより、神真自身が、この状況を悪いものだと思っていないというのがあるだろう。
「うー……到着しちゃった」
「ほう、ここがファティの家か……っ!?」
なぜか残念そうなファティの声に見上げてみれば、目の前には、巨大な建造物と、庭と、巨大な門。
大豪邸という言葉が、これ以上になく似合いそうだ。
「こ、ここがファティの家なのか……?」
ファティは、悲しそうな顔のまま、うなずいた。
「そうか……。ところで、さっきからどうしたんだ?帰るのがいやなのか?」
首を横に振るが、その表情は、嫌だというオーラを十分にかもし出していた。
「神クンと離れるのが辛いの」
まるで付き合い始めたばかりの恋人同士のようなことを言うものだ、と神真は考えたが、やはり、口に出すのはやめた。
そして、ファティの頭に、そっと手を添える。
「明日になれば会える。この夜を越えて朝が来れば、いやでも会えるさ」
「……うん」
「だからせめて、待っている人と会うときには、笑顔でいるんだ。ほら」
神真の、穏やかな微笑み。
こんなときでしか見られないであろうその微笑を見つめながら、ファティも微笑んだ。
「それでいい」
神真の言葉とともに、巨大な門が、カラカラ…という音を立てながら、左右に隠れていった。
おそらく、ファティが玄関先にいることに気づいた誰かが、開けたのだろう。
「さあ」
「……うんっ!」
ファティはひときわ明るい笑顔を浮かべ、駆け出すと、そのまま振り返ることなく、邸宅へと入っていった。
その様子を最後まで見届け、門が閉まり始めるとともに、神真は、夜の闇へと消えていった。
461320-あとがき-:04/06/07 16:46 ID:1Tq45nAI
えーと……なんていうかですね。
謎の本文規制+投稿失敗により、めちゃくちゃになっちゃいました。
読まれるときは、
>452 >455 >453-454 >456-460の順でお読みください。


PCが逝去+新品を買いADSL工事をするも、延長 という二重コンボを食らい、かなり長い間来れませんでした。
いつのまにかひでぼんの書終わってますし……_| ̄|○
と、とりあえず、今までの遅れを取り戻すためにがんばろうと重いますので、よろしくおねがいします
それでは。
462名無しさん@ピンキー:04/06/07 22:14 ID:GSa3MIqM
320さんだ!!お久しぶりです。
ファティの秘密とか気になりますんで続きを楽しみにしています。
463名無しさん@ピンキー:04/06/07 23:45 ID:keNRxjQ/
2者連続でGJ!
464イゴーロナク:04/06/08 01:51 ID:LFDywjzn
>>448-451
確かに…小説とその感想以外のレスでこのスレッドを消費するのはまずいという意見にも、
一理あると思われます(「ひでぼんの書」自体は既に終了していますし…)。
もしよろしければ、>>448の作者代理氏に対するレスは角二の「クトゥルフ神話萌えスレ」の方に、
という事でいかがでしょうか?
一応向こうにも>>448を転載させていただきますので。

[闇黒]クトゥルフ神話萌えスレ 4[無名之霧]
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1086356345/
465ひでぼんの書作者代理 ◆Br4U39.kcI :04/06/08 09:29 ID:oz7qF5Jy
>320さん
御久しぶりにグッジョブです。先の展開にも期待しております。

>>449-451
この件に関して作者本人に伺ってみたところ、単に本編で分かり難い部分があったら解説しておきたかっただけなので、無いなら無いで全然問題ありませんとの事です。お騒がせしました。
466名無しさん@ピンキー:04/06/08 13:41 ID:ZO+O9ixb
>>447
ノシ
というか、MABOUp7up.さんにも、ひでぼんの書作者さんに習ってキャラ紹介を作成してほしいかも。

>>465
作品中に出てきた小ネタの元ネタ一覧とかどうでしょ?
参考文献等のURL添付して。
467名無しさん@ピンキー:04/06/09 02:09 ID:ebivjazK
>>447
いっそのこと虹板にスレ立ててみたり絵掲作ってみたりしてな。
468名無しさん@ピンキー:04/06/09 03:26 ID:m+vRsstO
>467
今さらスレ立てても絵師さんが来なければ即死すると思われ。
というか、虹板には似たようなスレが既に立っているからねえ。
悪魔っ娘とかモンスター娘とか犬耳とか。
いっそ、該当スレに売り込みに行く?
469名無しさん@ピンキー:04/06/09 23:48 ID:GblNi8E/
ここで美央の続きを希望してみる
シュチュも性格とか物凄くツボだったのよ
470名無しさん@ピンキー:04/06/10 00:35 ID:bwAItC79
>>469
タヌキのお姉さんだろ?
一度作者の人に質問したら「忙しかったんで今夜には…」
結局それ以降書かれることはなかった。
忙しいんじゃしょうがないとは思うが寂しいね。


471名無しさん@ピンキー:04/06/11 03:01 ID:8c5lkuH/
>470
ま、そう言わないで、投下してくれると信じてじっくり待ちましょうや。
何か事情があって、書き込むことが出来ないだけなのかもしれないし。
472前スレ343:04/06/12 20:57 ID:zX+7/ler
 すすす、すみません。
 別にたいした理由があるわけじゃないんですが、一度書いてここに投稿しようとした物が消滅してしまい、暫らく書けなくなってしまってたんです。
 今、何とか再び気持ちを新たにして書いてる最中なので、近日中には必ず投稿します
473名無しさん@ピンキー:04/06/12 23:57 ID:B7VQXseK
>472
あららら。それはお気の毒でした。
ゆっくり待ってますので、焦らないで頑張ってください。
474474 ◆MABOUp7up. :04/06/13 08:44 ID:IL4UIDIS
「ええ〜? じゃあ敏則さん、今日は帰ってこないんですかあ?」
「ああ、まあ仕方ないよ。順番なんだし」
朝、食卓を挟んで向かい合わせに座る夕那が、くりっとした目を真ん丸に見開いて、
タコさんウィンナーを口から落としながら、すっとんきょんな声をあげる。
そんな夕那の表情がとてもおかしくて、思わず吹き出しそうになりながら答えた。
「まあそうなんでしょうけども、今どき珍しいですねえ。宿直なんて」
「そうだね。………それはそうと、今晩はちゃんと一人で過ごせるよね?」
確かにそれは言える。もっとも、田舎の学校ならそれが当たり前なのかもしれないが。
そんなことを考えながら、夕那に返事をした。
「もうっ敏則さんたら。夕那、そんな子どもじゃないですよお」
「あはは、そりゃそうだ。さて、そろそろ時間、か」
俺の言葉を受けて、夕那は頬っぺたをぷくりと膨らませて抗議する。
確かに夕那なら、何も心配することは無いやな。……色々な意味で。
そう思いながら苦笑いを浮かべた俺は、腕時計を見てゆっくりと席を立った。
「はあい。これ、お弁当です。気をつけてくださいね」
食後のお茶をすすっていた夕那は、にっこりと笑みを浮かべ、俺に弁当箱を差し出してきた。
……俺のために弁当を作ってくれるのはすごく嬉しいし、美味しいことは美味しいのだが、
毎度ハートマークとか描かれているから、正直言って皆の前で開くには少々勇気がいる弁当だ。
475474 ◆MABOUp7up. :04/06/13 08:44 ID:IL4UIDIS
「ん。いつもありがと。それじゃ、行ってくるね」
「あ、ちょ、ちょっと待ってください」
弁当箱を鞄にしまい玄関へ向かおうとする俺を、夕那が慌てて引き止める。
どうしたんだ、いったい……? 
「ネクタイが曲がってますよお。まったく、ちゃんとしてくださいねえ」
夕那は目の前まで歩み寄ってきたかと思うと、両手をにゅっと伸ばして俺のネクタイを締め直す。
小首を傾げ、まるで年下の子に言い聞かせるみたいにつぶやきながら。
「さっ、これでいいですよお」
「ど、どうもありがと………ん…んんっ……」
ネクタイを締め直し、満足そうな笑みを浮かべる夕那に礼を言おうとしたが、
夕那がいきなり俺のくちびるを奪ってきたため、言葉が中断される。
「……んっ……。行ってらっしゃいのキスです。気をつけて行ってきて下さいね、敏則さんっ」
「ああ、それじゃあなっ」
はにかみながら手を振る夕那に、手を振り返して車に乗り込んだ。
……何だか、絵に描いたような新婚家庭だな、これじゃ。
そんなことを考えながら、俺は妙に気分を高揚させたまま、車を発進させた――
476474 ◆MABOUp7up. :04/06/13 08:45 ID:IL4UIDIS
「じゃ、福山先生。お先です。当直、気をつけてくださいね」
「あ、ありがとうございます。先生こそ、どうぞお気をつけて」
授業も終わり、職員室でテストの採点をしている俺に、別の教師が話しかけてきた。
ふと窓を見ると夕焼けはおろか、すでに星が幾つか見え始めている。……もうそんな時間か……。
「ふあ〜あ。さってと…それじゃ、とりあえず見回りするとすっか……」
軽く伸びをしながら席を立つ。ま、肩が凝りはじめたから、丁度いいか。

コツ…コツ…コツ…

誰もいない廊下を、俺の靴音だけが鳴り響く。もうこの時間は人っ子ひとりいやしない。
何せこの学校、小高い山の上に建っていて、麓の最も近い民家にですら、車で5分くらい掛かるのだ。
俺たち教師は、マイカー通勤だから大して問題は無いが、生徒たちはそうもいかない。
実は校則で日が暮れてからは、生徒だけで山道を通るのを禁止しているのだ。
まあ、生徒たちに何かあっては大変だから、それはそれで間違っているとは思えない。
むしろ最近の世の中の動向を見ると、当然の措置とも言えるだろう。
一応生徒たちのために、朝と放課後にバスが2、3本ずつ学校の前まで来るが、
乗り遅れてしまう生徒も当然出てくる。おかげで何回か、生徒を自宅まで送り届けたこともあった。
もっとも、それが元で生徒の親とも、それなりに親交を持てるようになったのだから、
それはそれでいいのかもしれない。
だがやはり、生徒の親からは苦情が出ているようで、学校の移転話も持ち上がっているようだ。
……利便性を考慮すれば、当然の話だ。俺もそれには異存は無い。
ただ、最初に赴任した校舎が、いきなり廃止になるのは、正直言って少し寂しいとも思っていたが。
477474 ◆MABOUp7up. :04/06/13 08:45 ID:IL4UIDIS
「そういや、四不思議がどうのとか言ってたな…まったく、あいつらときたら………」
不意に昼間の生徒との会話を思い出し、独り言が漏れる。
何せ連中、俺が宿直だと分かると、ここぞとばかりに怪談を始めたのだ。
まったく……それくらいで驚くはずがないだろって……。そんなことを考え、廊下の角を曲がり
「うわあああああっ!!」
暗がりに女の子が立っているのを見て、思い切り大きな悲鳴をあげていた。

「ちょっとちょっと、そんなに驚かないでくださいよお」
「ゆ、夕那!?」
女の子は尻餅をついてる俺に、手を伸ばしながらつぶやいた。……え? その声は、まさか……? 
首を傾げながら、女の子に懐中電灯を向けた俺は、再び叫び声をあげた。
懐中電灯に映し出されたのは、憮然とした表情でこちらを見ている夕那だったからだ。
478474 ◆MABOUp7up. :04/06/13 08:46 ID:IL4UIDIS
「もうっ、敏則さんったら。そんな幽霊を見るような目で見なくても、いいじゃないですかあ」
「…………あ、ゴ、ゴメン。…って、何でこんなトコにいるの?」
夕那は頬をぷくりと膨らませたまま、俺に向かってなじるように言った。
いや、あの状況なら普通は驚く。驚かないほうがおかしい。
………というか『幽霊を見るような』って、よく考えたら夕那はそもそも幽霊だろうが。
どうにか気を取り直した俺は、夕那に謝りながら問いかけた。
「え〜っと、バス乗って来たんですけれど、バス停からここまで結構歩くんですねえ。
山道が結構暗かったので、夕那ちょっと怖かったです」
俺に腕を絡め、人差し指を手に添えながら夕那は答える。
そうだよな。この時間だとバスは学校には入ってこないで、麓のバス停を通り過ぎるだけ、だ。
それにしても、本当に幽霊らしくない幽霊だな。暗いのが怖いって………って、そうじゃなくてよ。
「いや、俺が聞きたいのはそこじゃなくて、何をしにここへ来たの、と聞いているんだけど?」
「ああそうだったですか。……やっぱり一人じゃ寂しいんで、やって来ちゃいましたあ。
それに、敏則さんの職場も見たかったですし。はい、これお弁当です」
再度の問いに、夕那は舌をペロリと出してあっけらかんと答えたかと思うと、
俺を上目遣いに見つめ、弁当箱を差し出してきた。
「そ、そりゃどうもありがと…って………ううん…まあ、いいか」
弁当を受け取り夕那に礼を言いながら考える。
……何か違うような気がするが、今さら送り返す訳にもいかないしな……。
「さ、それじゃ早速見回りしましょう!」
夕那は妙に張り切った声で、投げやりにつぶやく俺の手を引っ張りだした――
479474 ◆MABOUp7up. :04/06/13 08:46 ID:IL4UIDIS
「へ〜え、ここが教室ですかあ。………よいしょっと。………ううん、随分小さな椅子ですねえ。
夕那も、このサイズがピッタリだったときがあったんだなあ………」
教室に入った夕那は、真ん中辺りの席に駆け寄り、腰掛けたかと思うと遠い目でつぶやいた。
うーん……本人があっけらかんとしている分、何だかこちらがせつなくなってしまうな……。
「ね、先生! 授業を始めてもらっていいですか?」
「ええっ!?」
椅子に座ったまま、右手をピシッと上げながら夕那は微笑んだ。いきなり何を言い出すんだ、まったく。
「もうっ、授業ですよ、じゅ・ぎょ・う! 早く始めてくださいっ!」
「う…う〜んと……。それじゃこの問題、分かる人?」
呆然としている俺を見て、手足をパタパタさせながら催促する夕那。
しばし考えた末、俺は黒板に数式を書き出した。………まあ、たまにはいい、かな? 
その代わり、どうせなら本気で答えてもらうぞ。
「ええ〜。先生ズルイですう。それ、小学生の問題じゃないですよお」
「はいはい口答えしない。……夕那クン、前に出て答えを書き込んで」
夕那はくちびるを尖らせて抗議する。……今さら夕那に小学生の問題を出してどうする。
俺は夕那を指差し、黒板に答えを書き込むように促した。…そりゃ、生徒が一人しかいなけりゃ、な。

「う〜んっとお……えっとお…先生、わからないですう」
夕那はしばらくの間、黒板に数式を書いたり消したりを繰り返していたが、
とうとう諦めたようにチョークを握り締めながら、こちらを振り向いてお手上げのポーズを取った。
ええい、根を上げるのが早すぎるぞ。というかこの問題、いつだか教えたろうが。
「わかんない、じゃないっ。ここは…こうして……こうなって……で、こうなる。………わかったかな?」
「は〜い、わっかりましたあ」
「それじゃ、次の問題。さ、考えて」
俺が黒板に解答を書くと、夕那はコクコク頷きながら返事をした。……本当に解ってるんだろうな? 
そう思った俺は、違う問題を書き込みながら、夕那に解くように促した。
こちらは今の応用だから、内容を理解出来てれば当然解答が導き出せるわけで。
480474 ◆MABOUp7up. :04/06/13 08:47 ID:IL4UIDIS
「う……う〜んと…あれが……こうして…えっと…う〜ん………」
頭を抱えながら黒板と睨めっこをしている夕那。……やれやれ、全然解ってないな、こりゃ。
腕組みしながら机に腰掛け、夕那が悪戦苦闘している様子を見ていたが、
悩ましげに全身をくねらせる姿を目にしたとき、俺の頭の中に悪巧みが浮かび上がった。
「え……え〜っとお………わ、わからな……きゃっ!?」
「まったく…夕那クンは、授業で一体何を聞いていたのかな? これは、お仕置きが必要かな?」
降参しようとする夕那を、背後からそっと抱きしめると、夕那は突然のことに目を丸くさせる。
俺はそのまま、夕那のスカートの中に手を潜り込ませた。
「あ…ちょ、こ…これ……お、お仕置きな………て、あ、ああんっ。あは…あっ……」
夕那は抗議の声をあげようとするが、下着越しに割れ目を撫であげると、たちまち甘い声を漏らす。
さらに服の上から胸を揉み始めると、面白いくらいに悶え始める。俺は夢中で両手を動かし続けた。
……そういえば、ここんとこ忙しかったから、とんと御無沙汰だったしな。
最近の夕那は、一人で風呂に入れるようになってたから、
体を洗いながら肌を触れ合わすことも出来なかったし、久々に楽しむとするか……。

「んは…あ……ああっ……」
久々のせいか、揉み始めてさほど経たないうちに、夕那は艶っぽい声であえぎ始める。
いつの間にやら、すっかり敏感になってしまって……果たして、嬉しいと言っていいのか悪いのか? 
「んん? 夕那クン、何だかこの辺が湿ってきたが、どうしたのかな?」
「ああっ……そ…それ……は…あ…あはあっ………あんっ!」
下着の上からでも、夕那の割れ目からは恥ずかしい液体が、溢れているのが分かる。
それをあからさまに指摘され、夕那の顔は真っ赤に染まっていた。
「はあ……あっ………と、敏則さん? …………ん…んんっ……んっ…」
もう片方の手を服の裾から潜り込ませ、夕那の肌に直接触れてみた。
ピクンと体を震わせ、必死に俺のほうを仰ぎ見る夕那。その目は心なしか潤んでいる。
そのくりっとした目に吸い込まれるように、俺はそのまま夕那のくちびるを奪っていた。
481474 ◆MABOUp7up. :04/06/13 08:48 ID:IL4UIDIS
「ぷは……あ…っ………と…敏則さん………」
くちびるを離すと、蕩けるような声で俺の名を呼ぶ夕那。
俺が支えてないと倒れこんでしまいようなくらい、腰はガクガク震えている。
だがそれでも、俺の手は止まることが無く、夕那の胸に軽く触れた。
「んあ……あ! ……あんっ!」
もはや全身が、性感帯にでもなっているかのごとく、どこに触れても夕那はあえぎ続けていた。
そのまま胸を揉んでみると…………あ、あれ? 何だか…大きくなってないか?
「あ…あはあっ! と、敏則さん! 敏則さあんっ!!」
うん、確かに大きくなっている。前までは平らな胸の真ん中に、可愛らしい乳首があるという感じで、
いまいち揉み応えがなかったのに、今でははっきりと起伏を感じ取ることが出来る。
「な、なあ夕那。何だか…胸、大きくなってきてないか?」
「あ……当たり前ですようっ……ゆ、夕那だって、まだまだ成長期なんですからあ……あんっ」
俺の質問に、夕那はあえぎながらも振り絞るような声で、如何にも当然とばかりに答える。
………ううむ……幽霊が成長ねえ……まさかそんなこと、あるのかねえ?
ま、いいか。それならそれで、楽しみが増えるだけ、さ。

「ふうむ…何だか、この辺も硬くなってきたね。何故だろう?」
「んあ……あ…ああっ…そ…それ…は…ああっ!!」
胸が成長したおかげで、簡単に探り当てることが出来た乳首を、軽く摘まんでみた。
勃起していた乳首は、コリコリとした手応えが心地よくて、つい絞り上げるように力が篭ってしまう。
さすがに、母乳など出るはずはないのだが――いや、出たら出たでそれは大変なのだが――
その度に夕那は悲鳴をあげながら、身をよじらせていた。
「ああんっ! あは! あああっ!!」
482474 ◆MABOUp7up. :04/06/13 08:48 ID:IL4UIDIS
カツーン

夕那が大きく身をよじらせた弾みで、黒板にぶつかり、チョークが教壇の上に落ちた。
チョークは、当然のことながら粉々に砕け、飛び散った破片が教壇を汚している。
「あ……落とし…ちゃった………」
「ん。夕那クン、教室を汚しちゃいけないな」
はっと我に返り、夕那はぽそりとつぶやく。この瞬間、俺はいきなり教師に戻っていた。
ただ、普通の教師ではありえない、どころか教師にあるまじき悪巧みを思い浮かべながら、だけどな。
「す…すみません、敏則さん……」
「敏則さんじゃない、先生だろ? これは…罰掃除しなければ、ね」
「え………? ?? 縄跳び…?」
すっかり畏まる夕那を見て、俺は掃除用具箱から箒とチリトリ、それと近くの棚から縄跳びを取り出した。
箒とチリトリはともかく、縄跳びを手にする俺を見て、夕那はきょとんとしている。
……そりゃもっともだ。どこの世界に掃除をするときに、縄跳びを使うヤツがいるというのだ。
だがこっちは別に、掃除で使うというわけではないからねえ……。
「さて……俺も手伝うから、これで掃除してもらおうか」
「は…はい、わかりまし……えっ?」
右手に箒と左手にチリトリをかざして、顔をしかめながら夕那に向かって言った。
うつむきながら、夕那は箒とチリトリに向かって手を伸ばすが、俺はぱっと引っ込めた。
夕那は意表を突かれたようで、怪訝そうに顔をあげ、俺をじっと見つめている。
「何をしているの? そのままじゃ、罰にならないだろ?」
「と、敏則さん! い、いやあっ!」
言いながら俺は夕那の背中に回り込み、縛ってあった縄跳びを解く。
次の瞬間、夜の学校に夕那の悲鳴が響き渡っていた――
483474 ◆MABOUp7up. :04/06/13 08:49 ID:IL4UIDIS
「あ…う……あう…っ……」
「ほらほら夕那、チリトリは先生が構えてるんだから、ちゃんとこっちに運んでこないと」
下半身裸の夕那は、縄跳びで後ろ手に縛られ、割れ目に箒を差し込まれた状態で、
ポロポロと涙をこぼしながら、嗚咽の声を漏らしている。
俺は教壇と床の段差でチリトリを構え、大袈裟に肩をすくめながら夕那に声を掛けた。
「そ……そう言われても……あ、ああっ……」
「おいおい、プルプル震えてるよ。そんなんじゃ、いつまで経っても片づかないじゃない」
震える声で、夕那は俺に向かって返事をする。箒でチョークの粉を払おうと、
少し動くたびに割れ目を刺激され、夕那は声を漏らし続けていたのだ。
そんな夕那の姿に妙に興奮していた俺は、容赦なく夕那をなじるように声を掛け続けた。
「く…は……あ…ああ…っ………」
「そらそら、もう一息だ。がんばれがんばれ」
それでも夕那は、喘ぎとも嗚咽ともいえる声を漏らし続けながら、こちらのほうへと近づいてくる。
ふと見ると、夕那の割れ目から太ももにかけて、透明な液体がつつっと伝っていた。
「ん……くう…っ……んっ…んふっ……」
「ようしっ、うまいぞ夕那。これで終わり、だ」
「は…あ……あああっ!!」
顔はおろか、耳まで真っ赤に染めあげながら、夕那はチリトリにチョークの破片を落としこむ。
教壇が綺麗になったのを確認した俺は、夕那にねぎらいの言葉をかけ、箒を夕那から引き抜いた。
その途端、夕那は絶叫をあげるとともに、そのまま床にへたりこんでしまった――
484474 ◆MABOUp7up. :04/06/13 08:51 ID:IL4UIDIS
「はあ…はあ…はあ…はあ……と、敏則さん……」
「な、なんだい、夕那?」
夕那は肩で息をしながら首だけを背中に向け、縄跳びを解いている俺を見据えてつぶやいた。
その目に非難の色が入っているのを見て、さすがに声がうわずってしまう。……そりゃ、怒るよなあ。
「まさかとは思いますが……普段から、生徒さん相手にこんなことしてるんじゃ、ないですよねえ?」
「そ、そんなはずないだろ! 何言ってるんだ!?」
首をこちらに向けたまま口調はいつもの通りで、それでも凄く低い声で夕那は言った。
あまりの迫力と質問の内容に驚き、俺は慌てて声をうわずらせたまま答える。
……俺は無実だ。いや、夕那にはしてしまったから、
「ホントですかあ?」
「ホ、ホントだってば! 信じてくれよっ!」
それでもジト目で俺を見つめ、夕那はさらに問いかけてきた。
うう……ホント、俺は夕那のこの目に弱い。というか、信じるほうが無理があるかも知れないが。
「ふうん………わっかりました。夕那、敏則さんを信じますよっ!?」
鼻を鳴らしたかと思うと、夕那は俺の鼻の頭をちょんと突っつきながら、明るい声で言った。
「ゆ、夕那……ん…んんっ……」
「……っ…。でも……その、き…気持ちよかったです……」
俺の返事を遮るように、夕那がいきなり俺のくちびるを奪ってきた。
突然のことに頭が混乱している俺を見て、もじもじしながら夕那がポツリとつぶやく。
「え?」
「た…たまには……本当にたまには、こういうのもイイかも…しれませんねっ」
俺から視線を逸らし、指をせわしなく動かしながら、ポソポソとつぶやき続ける夕那。そ、それって……。
「その代わり、夕那以外にはヘンなこと、間違ってもしないでくださいねっ!?」
「あ、ああ分かった夕那。約束するよ」
言葉の意味を反芻しながら呆然としている俺に向かって、
夕那は指をピシリと突きつけ、ウィンクしながら白い歯を見せて、笑いかけてくる。
「んっ、それでよろしいっ。さ、それじゃ見回り、続けましょうっ!」
俺の返事に夕那はにっこりと微笑み、俺の手を取って再び歩き始めた。
485つぶやき ◆MABOUp7up. :04/06/13 09:11 ID:IL4UIDIS
>474-484で一区切りです。
次はどこの部屋に入ろうか悩んでいる最中だったりしますんで、
リクがあったらお願いしますです。

>461
320さんお久しぶりです。
あれから天音の犬耳はどうなったのか、
などと野暮な考えが浮かんだりしつつも、
ファティの正体が明かされる日を心待ちにしております。

>466
自分の脳内で、キャラの設定がコロコロ変わっている現状では、
それを文章におこすのは非常に難しいです。
486名無しさん@ピンキー:04/06/13 19:49 ID:m4fiPS6s
(*´д`)ハァハァハァハァ/ \ア/ \ア
エロお疲れ様です。
エロ上手い。エロ最高です。
深夜の誰もいない校舎ってシチュエーションがものすごくエロ良いですね。
かくて学校の不思議がまた1ページ・・・
487404 ◆MABOUp7up. :04/06/15 23:07 ID:nkHn7dDH
>444の続き。

「もぐもぐ……じゃ、ごちそうさまでした」
「はい、どうもお粗末様でした。今、お茶をお煎れしますね」
朝食を食べ終わると、佳乃が笑みを浮かべながら急須を取り出す。
「どうしたのじゃ、佳乃? 何だか、信幸殿への接し方が変わっているようだが?」
「え? い、いえ。さ、左様なことはございませぬが?」
首を傾げながら、佳乃に質問をする絹代。さすがに絹代の目から見ても、そう思えるよなあ……。
一方の佳乃は、何でもないと言うふうに答えてはいるが、手にしている急須と湯飲みがぶつかって、
カチカチと鳴り響いている音が、佳乃の動揺っぷりを如実に物語っている。
「ふうむ、そうなのか。わらわはてっきり、信幸殿の御力を認めたのかと思っておったのに」
佳乃からお茶を受け取り、ズズズッと啜りながら残念そうにつぶやく絹代。
…………鋭いのか鈍いのか、よく分からない反応だな。
「ま、まあそれはさておき。ひと休みしてから、早速琢磨様の元へ参るとしましょう。
信幸様をいつまでも、こちらにお引止めする訳にも参りますまい」
「う、うむ。そうでござるな。…………信幸殿、本当に申し訳ござらんが、よろしくお頼み申す」
「ああ、分かったよ。何とかなるだろ」
絹代は佳乃の言葉に頷き、こちらにお辞儀をしてきた。
まあ、絹代の父さんに会ってそれで終わりだろ。だったら一日もあればケリはつくはずだ。
一日くらいなら、会社に連絡しなくてもなんとかなるさ。……………………多分。


「さて、それではお支度は出来ましたかな?」
「うむ。わらわは大丈夫じゃ。………信行殿は大丈夫か?」
「ああ、忘れ物は無いし、大丈夫」
絹代の言葉に持ち物を確認する。…と言っても、本来は日帰りだったはずだから、
そもそもそんなに荷物を持ってきていなかったんだけどな。
「そうですか。それでは、参るとしましょうか」
ううむ、天狗の里か……滅多に無い体験をした、と前向きに考えよう。
まあ、まだ見ぬ結婚相手の父親への、予行演習だと思えば何てことはないか……。
488404 ◆MABOUp7up. :04/06/15 23:11 ID:nkHn7dDH
一方その頃、某会社にて……

「あれ? おい、山内はどうしたんだ?」
「さあ? どうしたんでしょうかね?」
「……ああ課長、1週間くらい休暇くれってメール着てますね。お袋さんが危ないそうで」
「何だ……それなら仕方ないか。で、山内がいなくて仕事のほうは大丈夫なのか?」
「ううん…システム障害さえ起きなければ、なんとかなるでしょう」
「そうか。ま、大変かもしれないが、頑張ってくれ」
「はいはい、了解しました〜」
まったく…ああでも言わなかったら、休みを与えることないからな……あのヅラ課長。
というか人がいない分、自分が頑張るという発想にならないところが凄いねまったく……。
これじゃ、今週はずっと残業かな……まあ、仕方ないか。
とりあえず、山内に口裏合わせの連絡でもして……あら? 圏外か。本当にどこ行ったんだ?
紅葉を見に行くとか言ってたから、まさか遭難しちまった、とかじゃないだろな?
んー、しゃあない。とりあえずメールしとこ……。
【課長には『お袋さんが危篤で1週間くらい休む』と報告しておいた。
たまにはゆっくり休め。ついでに、おみやげは忘れるなよ。片山】
489404 ◆MABOUp7up. :04/06/15 23:12 ID:nkHn7dDH

「さて、この洞窟を抜けるとわらわの里じゃ。足元に気をつけてな」
「あ、ああ」
……洞窟、というより山肌に出来た小さな亀裂じゃないか、これじゃ。
通っているときに、崩れたりしないだろうな?
「気をつけてくださいね、信幸様。ここではぐれてしまうと、帰れなくなってしまうかもしれませんから」
佳乃が俺の手を取りながら、そら恐ろしいことを平然とつぶやく。
背筋がゾクゾクしてきたのは、洞窟の寒さだけでは決してないだろう。
思わず俺は、佳乃の手をぎゅっと握り返していた。
……やれやれ、ホラー映画をカップルで観に行った女の子か、俺は。
「何を言っておる佳乃。我らとは違って、計り知れない修行を積まれた信幸殿なのだ。
これしきのこと、物の数ではなかろうて」
俺が佳乃の手を握り締めているのを知ってか知らずか、絹代は妙に明るい声で笑いかけていた。
真っ暗なので、お互いの姿が見えなかったのが、唯一の救いと言うべきか……。


「見えてきた、な。あれがわらわの里、じゃ」
「ふうん、あれが……」
洞窟の中を進むことしばし、前方に小さな光が見え、絹代が微妙なニュアンスで話しかけてきた。
……あんまり帰りたくなさそうだな。ま、それもそうか。帰れば気乗りしない縁談が待っているんだしな。
「さ、ここまで来たら、もう大丈夫でしょう。お手をお離しくだされ」
「え? あ、ああ……どうもありがと」
そんなことを考えていると、佳乃が小声で俺に話しかけてきた。
……そういや、ずっと握りっぱなしだったっけか。俺は佳乃の手をぱっと離し、耳元でそっと礼を述べた。
「礼には及ばぬ。信幸様に何かあれば、絹代様が縁談を承諾せねばならなくなる。
ただそれだけのこと、だ。………そう、ただそれだけ………」
俺の返事に、佳乃はぽそぽそとつぶやいた。それは、俺に向かって言っていたのか、
それとも佳乃が自分自身に言い聞かせていたのか、どちらとも言い難いニュアンスだった。
490404 ◆MABOUp7up. :04/06/15 23:12 ID:nkHn7dDH

「ふうむ。久々に戻ってきたが、ここは変わってないのう。……などと感慨に浸っていても仕方がない。
……信幸殿、わらわの家は里を突き抜けた一番奥じゃ。早々に参るとしよう」
「ん。ああ…」
ここが絹代の里、か。何だか、日光○戸村みたいな雰囲気だねえ。
というか、本当に時代劇で見るような服装の人たちばっかりだ。
逆に、絹代みたいな山伏の服装なのがいないんだけど、本当に天狗の里なのか?

「絹代様だ……」
「そういえば、輿入れが決まったとか……」
「だとすると、隣の若者は何者だ?」
「まあ、佳乃がいるからなあ……」

里の中を歩いていると、住人がこちらを指差し、口々に何かつぶやいている。
佳乃は苦々しい顔をして、絹代はどことなく不機嫌そうな顔をしている。と、
「何なのだ、おぬしたち。久々にわらわが里に帰って来たのが、そんなに気に入らないのか?」
「い、いえ。そんな滅相も無い……」
絹代がいきなり住人に向かって問い掛け、一番側にいた住人は慌てて首を振りながら答える。
「ふうむ、ならばよいが……さっきから、わらわ達のことを何やら噂していたようだが、
用があるのならば、本人に直接話しかければよいではないか? なあ、光宏よ」
「え? いや…そんな……」
ジロリと絹代がひと睨みすると、光宏と呼ばれた男は顔を伏せ、ぼそぼそと口ごもった。
……ううん、絹代って本当に偉い人、もとい天狗だったんだなあ。
「き、絹代様。せっかく里に戻ってきたのです、まずは琢磨様にご挨拶せねば」
「うむ、そうであるな。……信幸殿、お見苦しいところをお見せした。さ、こちらへどうぞ……」
佳乃が絹代をたしなめると、絹代は不承不承ながらも頷き、俺に語りかけてきた。
491404 ◆MABOUp7up. :04/06/15 23:14 ID:nkHn7dDH

里を抜けた田んぼの向こう側に、塀に囲まれた大きな屋敷が見えてきた。
……まさか、あれが絹代の家、か? 本当にでかいな……。


「さて、ここがわらわの家じゃ。……絹代が戻ってきたぞ! 誰かおらぬか!?」
「こ、これは絹代様! お帰りなさいませ! お変わりなさそうで何よりで! ささ、どうぞ中へ!」
絹代が屋敷の中に向かって叫ぶと、妙齢の女性が現れた。…何だか女中さんみたい。
「うむ、薫も変わりなさそうだな。……とりあえず、父上に会いたいのだがどこにいる?」
「は、はいっ。琢磨様は長老達と一緒に、大広間におわします」
「何? 長老達もおるのか? まあいい、そのほうが話が早いか。さ、信幸殿、どうぞこちらへ」
玄関ではなく、庭先を指差す絹代。ううむ……いよいよ絹代の父さんとご対面、か……。
492404 ◆MABOUp7up. :04/06/15 23:16 ID:nkHn7dDH

庭先を通り抜けると庭園が広がっていて、そこを見渡せるように襖を全開にした広間がある。
と、広間に何人か座っているけれど……真ん中に座っているのが、絹代の父さん、か?
「ただいま戻りました、父上」
「おお、絹代か。久しぶりだな。早速だが手紙の件なのだが……」
どうやら正解だったようで、縁側に上った絹代が恭しくお辞儀をすると、
真ん中に座っていた男が笑みを浮かべながら、ゆっくりと頷いた。
ふうむ……絵に描いたような天狗様だが……絹代とは全然似てないな。母親似なのかね?
などと場違いな感想を抱いていると、絹代は手をぱっと伸ばして琢磨氏の言葉を遮っていた。
「父上には申し訳ないのだが、今回わらわが戻ってきたのは嫁入りのためではありませぬ。
実は、父上にお会いして頂きたい方が、おりますのじゃ」
「い…今、何と申した絹代!?」
絹代の言葉に笑顔が固まり、あからさまに動揺する琢磨氏。まあ、確かに父親なら動揺するだろうな。
まして、縁談を持ち掛けた途端に『会ってもらいたい人がいる』なんて言われた日には……。
「父上には黙っていて、本当に申し訳ないと思っている。……信幸殿」
「さ、信幸様。……お気をつけて」
「あ、あのう。は、初めまして。絹代さんには、色々とお付き合いをさせていただいて……」
縁側に上っていた絹代が、こちらへ手招きをする。と同時に、佳乃が耳元でそっとささやく。
ええい、ここまで来たらもう後には引けない。靴を脱いで、縁側に上がりとりあえず挨拶をした。
「何? ま、まま、まさか、こ、こここ、この男が………?」
俺を見た琢磨氏だが、どもりまくって言葉になっていない。さらに、どんどん顔が真っ赤に染まっていく。
おお、まさに天狗だ…………って、そんな感慨に浸っている場合じゃなさような気がしてきたが。
493404 ◆MABOUp7up. :04/06/15 23:16 ID:nkHn7dDH
「こ…この不届き者があっ!!」
琢磨氏は突然叫びながら立ち上がった。その手に光るは抜き身の太刀。…ちょ、ちょっと待てえ!!
「おやっさん、刀は、刀はよしてくだせえぇっ!」
「お、御館様!」
「ち、父上!」
周りの家臣らしき連中や、絹代が止めるにも関わらず、琢磨氏は宙を舞いながら俺に斬りかかってきた。
さすが天狗だ、宙を舞うなんて。………んなこと言ってる場合じゃねええ!!
「の、信幸様!」
背後から佳乃の叫び声が聞こえるが、俺はまるで金縛りにでもあったかのように、
声を出すことも出来ず、ただ目をつぶるしかことしか出来なかった。

ガシッ

何か、硬い物同士がぶつかった音がする。……あ、あれ? 全然痛くない。……何があった……?
恐る恐る顔をあげると、琢磨氏の振り上げた刀が鴨居に突き刺さっている。
俺は笑いがこみあげてくるのを必死にこらえ、じっと琢磨氏を見つめていた。
琢磨氏は、刀を引き抜こうと力を込めているが、深く食い込んだ刀はどうしても抜けない。
「ふ、ふん。私の刀を見切るとは、さすが絹代が見初めただけの男ではある。
だが、それとこれとは話が別、だ」
やがて諦めたのか、琢磨氏はそんなことをつぶやきながら踵を返した。
……おいおい、この刀、いったいどうすんだよ。
ふと辺りを見渡すと、皆仏頂面をしていたが、何人かは必死に笑いを堪えているようにも見える。
そんな中、一人ケタケタ笑い転げているのがいた。……琢磨氏の娘である絹代だ。
だが、あまり笑い転げられると、こちらまで釣られて笑いだしそうになってしまう。
必死に誤魔化そうと、佳乃のほうを振り返ると、真面目なはずの佳乃でさえ、
笑いを堪えてか、床に顔を突っ伏してプルプル全身を震わせている。……ま、そりゃそうだわな。
何だか天狗、いや、琢磨氏に対する威厳と言うものが、一気に薄れてしまったような気がする……。
494404 ◆MABOUp7up. :04/06/15 23:17 ID:nkHn7dDH

「……で、信幸殿は我らよりも遥かに優れた御方なのです!」
あれからしばし、場には微妙な空気が漂っていたが、薫さんがお茶を持ってきたことにより、
妙な緊張感から解かれ、絹代は琢磨氏や周りの長老に必死に力説を始めていた。
やれたちどころに火を熾すだの、やれ不思議な操って傷口を癒やしてしまうだの……
確かに事実だが、それって俺の力では無いのだがな……。
ただ佳乃から『信幸様が、穢れを聖なる液体に替える力を持つことは、内緒にしたほうがいい』
とあらかじめ言われていたので、それだけは伏せているようだった。
絹代は最初、何故内緒にするのか疑問に思っていたようだったが、
俺が『これは無闇に人に見せるものじゃないんだ』とか適当なことを言ったら、どうにか了承してくれた。
そりゃそうだ。本当のことがバレたら琢磨氏が怒り狂う前に、間違いなく俺が絹代に殺される。
だが…いつかは本当のことを話さなければ、ならないんだろうなあ……。
勿論、このままバックレてしまっても構わないが、後から絹代が真実を知った方が怖いし可哀想だ。
でもどういうタイミングで言えば、波風が立たないのかねえ……。

「ふうむ、なるほどな。確かに絹代の鼻を見ていると、嘘をついているようには見えないな」
しばし考え事をしていた俺は、琢磨氏の言葉に、はっと我に返った。
そういえば、絹代は嘘をつくと鼻が伸びるんだっけか。言われて見ると、絹代の鼻は普通どおりだ。
でもまあ、嘘を真実と信じ込んでいる場合でも、嘘とは見なされないだろうからなあ。

「で、では!」
「そう急くでない。絹代様が御覧になられたとしても、我らがこの目でしかと見た訳ではないのだ。
信じるに足る根拠が、今ひとつ不足なのじゃ」
琢磨氏の言葉に身を乗り出す絹代だが、長老の一人が軽くたしなめる。そりゃそうだ。
特に絹代みたいに純真無垢な性格では、俺のような嘘を嘘で塗り固めるようなのを相手にすると、
嘘をつかれていることさえ、気づかないだろう。……聖なる液体が、いいサンプルのように。


「では、信幸殿が真に絹代の婿にふさわしいかどうか、見極めさせてもらおう。
…………妖刀白菊を手に入れてきていただきたい」
495404 ◆MABOUp7up. :04/06/15 23:18 ID:nkHn7dDH

ざわ…ざわざわ……
「妖刀白菊だと……」
「まさか、そんな……」

しばし考え事をしていた琢磨氏が、目をカッと見開いて俺に向かって言ったかと思うと、
たちまち長老たちがざわめきの声をあげる。なーんか、嫌な予感がしてきたのだが。
「ち、父上! かような物を試練とするなんて! 無茶苦茶です!」
「黙らぬか、絹代」
食って掛かる絹代を、琢磨氏が厳格な顔で制す。……あの件が無ければ、威厳を感じたんだがなあ。
そう思いつつ振り返った先には、未だ鴨居にぶら下がっている太刀がある。
時折、風に吹かれて揺れる姿が、侘しさをさらに助長させていた。何だかそれで一句作れそうな……。
「し、しかし!」
「黙らぬか、と言っておる。そもそも今回の輿入れは、我が望んで芳光殿に申し入れたこと。
それをこちらからいきなり、『別の者が婿になる』などと持ちかけてみよ。
我が芳光殿の顔を潰す、ということになるのだぞ。
なれば芳光殿の顔を立てる為にも、信幸殿には試練に耐えていただく必要があろう。
それも、我々だけではなく、誰しもが納得しうるような試練が、な」
尚も抗弁する絹代を諭しながら、俺に向かって宣言するように琢磨氏が言った。
ううむ……何だか、話がややこしいことになってきたような……。
「白菊を取りに行けとは……琢磨様も何て御無体なことを……」
「な、何なんだよ。その白菊ってのは?」
俺の隣で顔を青くさせ、小声でつぶやく佳乃の袖を引っ張って、小声で問い掛けた。
……すでに絹代と琢磨氏の会話で、嫌な予感が当たってそうな気はしているのだが、な。
「うむ、我が一族に伝わる妖刀だ。何でも、手にした者は絶大な力を得ることが出来るというが、
手に入れるには恐るべき試練を克服せねばならぬらしい。今まで名のある方たちが試練に挑んだが、
未だかつて試練に打ち勝ち、生きて帰ってきた者はいないゆえ、妖刀の名を冠せられているのだ」
やはり小声で答える佳乃。………琢磨氏は、遠まわしに俺に死ねと言っているのか?
496404 ◆MABOUp7up. :04/06/15 23:19 ID:nkHn7dDH
「さて……信幸殿よ。御主の素性はあえて問わぬ。
問題は、絹代の婿となるにふさわしい力を携えているかどうか、だ。
少々骨の折れる試練だとは思うが、絹代を嫁に迎えるためだ。引き受けられるな?」
「「の…信幸――…」」
「殿」と「様」で語尾が違ったものの、絹代と佳乃の声がぴったり重なった。
ふと顔をあげると、不安げな表情で二人がじっとこちらを見つめている。
そう……さな、今さら後になんて引けないやな……。
「分かりました。行ってきます」
「「の…信幸――!!…」」
俺の言葉に、これまた語尾が違ったものの、絹代と佳乃の声が重なる。
絹代は申し訳なさそうにしながらも、どこかしら嬉しそうな顔で、
一方の佳乃は心底驚いた顔で、俺をじっと見つめていた。


「なるほど……さすが、絹代様が見込まれた方だけのことはある。立派な心意気ですな。
かと言って、この山に慣れていない信幸殿御一人では、何かと不都合が多かろうて。
信行殿に、案内役を付けると言うのは如何でしょうかな?」
「うむ…………そうだな。誰か適任なのは………」
取り巻きの一人が、大仰に頷いたかと思うと琢磨氏に向かって語りかけ、琢磨氏が頷いた。
「恐れながら、既に適任者はおられます。……佳乃、信幸殿の案内役を命ずる。
信幸殿が白菊を手にされるのを、しかと見届けよ」
「は? …………はっ」
琢磨氏の言葉を受け、待ってましたとばかりに男は再び語りだし、佳乃に向かって言った。
不意に名前を出された佳乃は、一瞬目を丸くさせていたが、深々と頭を下げながら返事をする。
頭を垂れたとき、俺にしか聞こえないような大きさで、佳乃が歯軋りをするのが聞こえた。




>487-496で続きます〜。
497名無しさん@ピンキー:04/06/16 00:14 ID:ordtalDz
おおっ、おおおっ。
なかなか主人公、男気があるな。
びゅりほーな展開になってきそうで期待。
498名無しさん@ピンキー:04/06/16 14:00 ID:jXWquAP0
なるほど。親父様はMr.KARATEだったのか(違
499名無しさん@ピンキー:04/06/16 21:11 ID:5Ti927i9
ヤバイ。
佳乃に非常に萌えるのですが。
500名無しさん@ピンキー:04/06/17 11:53 ID:8rpqtusS
>>499
同志
501名無しさん@ピンキー:04/06/17 17:23 ID:yvLn9Jfj
え、えっとさ。

「菊」って単語に過剰反応してしまった俺って駄目人間?
502名無しさん@ピンキー:04/06/18 12:05 ID:IhGTvO97
>>501
ああ、駄目人間だな。
お前も俺も。

503イゴーロナク:04/06/19 00:30 ID:/TnQ2Cw6
すみません、ちょっとだけ報告させてください。
>>335-336
遅れ馳せながら、【シスターゲルダの邪神占いのうた】を、
「ひでぼんの書」設定資料集の方にも収録させていただきました。
ttp://yellow.ribbon.to/~moecthulhu/hidebon.html
504名無しさん@ピンキー:04/06/22 13:20 ID:D0HlxJ7d
>>485
トイレで花子さんと対決させるとかw
505231:04/06/22 22:34 ID:2v+9qvTh
お久しぶりです。
カップヌードルのCMを見て、突然自分の中で人魚フェア開催。

…で、人魚×人間ネタってここでもいいのでしょうか?

■かーいい幽霊、妖怪、オカルト娘でハァハァ【その9】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1067243766/

テンプレの、ここですか?
どなたか誘導お願いします…(礼)。
506名無しさん@ピンキー:04/06/23 00:41 ID:Kgbg3B3I
>>505
大昔にこのスレで投下されていたから、ここでも問題無いかと>人魚
507名無しさん@ピンキー:04/06/23 00:46 ID:YBO3FMGn
>>505
かもんべいべー!
508ひでぼんの書作者代理 ◆Br4U39.kcI :04/06/23 11:32 ID:98RDq1h1
ttp://up.isp.2ch.net//up/3a33b27b59a7.txt

用語集、追加分が完成したのでUPします。
現在作者は執筆できない状態にありますので、レス等の返事は遅れる事を御了承下さい。
509ひでぼんの書作者代理 ◆Br4U39.kcI :04/06/23 11:34 ID:98RDq1h1
ttp://v.isp.2ch.net/up/3a33b27b59a7.txt

>>508では表示されないようです。失礼しました。
510名無しさん@ピンキー:04/06/23 11:39 ID:r2JqJonm
そこって24時間しか持たないけど大丈夫かね?
511335-336:04/06/23 13:23 ID:cE0RolmS
>>イゴーロナク様

かの萌エロクトゥルフ万魔殿の一端に加えて頂けるとは!(・∀・;)
非常に光栄でアリマス。

 フト思えば、生徒のところを信徒としておくべきだっt
512SS保管人:04/06/23 13:28 ID:8af4Guwn
513231:04/06/23 22:41 ID:7TfgkZM6
人魚モノを勢いに任せて書いてみました。
人によっては人魚と認めてもらえないかもしれません。

まったりとお付き合い下さい。
514名無しさん@ピンキー:04/06/23 22:44 ID:7TfgkZM6
■■「ぼくの人魚姫」〜言葉で伝えるにはまだ熱い〜■■

■■【1】■■

「でっかいおっぱいだな」

 ぼくが初めて彼女に出会った時、心の中でまず最初に思った事と言えば、彼女の髪の色とか瞳の色とか、
背格好とか裸足であるとか、薄い布地の汚れた白い服しか着ていないとか…そーゆーのじゃぜんぜんなく
て、えっちなグラビア雑誌とかで微笑んでいるどんな女の子よりもでっかくて重たそうでシャツの表面に
ツンと突起の浮き出た、その胸の事だった。
「りょーた」
「うん…」
 釣り竿とクーラーボックスを肩に担いだまま、人通りの無い道の真ん中で、ぼくと幼馴染みのキョウちゃ
んは目の前に現れたその女の子を引き攣った顔で馬鹿みたいに眺めた。

 時刻は夜の7時半。

 天気は曇り。

 場所は波止場の近くの細い路地。

 そこここに、じっとりと海の潮を含んだままわだかまった……闇。

 そして目の前には訳もなく“ほにゃほにゃ”とした笑みを浮かべたまま立ち尽くす、ラーメンみたいに
ちぢれた銀色の髪の“ちょっとあたまのネジがゆるいんじゃないかな?”なんて失礼な事を思ってもいい
ような女の子。
 この状況だけ見たら、もう立派なホラーかもしれない。
 つい先日も隣の漁港で少女の幽霊騒ぎがあったばかりで、シーズンにはまだちょっと早いそんな怪談話
を、ぼくもキョウちゃんもハゼを釣りながら笑いあったばかりだった。
515「ぼくの人魚姫」(2):04/06/23 22:47 ID:7TfgkZM6
>514
 キョウちゃん――ぼくの幼馴染みの「更科恭一郎(さらしな きょういちろう)」は、ぼくより1つ年
上の中学3年生だ。鉄工所と薬品会社と原子力発電所と寂れた漁港があるだけの、太平洋に面した小さな
この町にはあまり似つかわしくないくらいの秀才で、来年にはもっと大きな街の高校に進学する予定だっ
た。
 キョウちゃんは怪談とかオカルトとかUFOとか、そういう不思議なものを信じていない。信じていな
いけれど、否定してもいない。「自分で見ないとわからない」と、結論を急がない人だ。「いないとも言
い切れないものを自分の狭い認識だけで否定するのは愚かだ」なんて言い切ってしまうところは、ホント
にスゴイと思う。
 そんなキョウちゃんを横目で見上げたら、キョウちゃんは眼鏡の奥の細い目をいっぱいに開いて、目の
前の女の子をじっと見ていた。中学3年生で身長が170もあるキョウちゃんからすれば、153センチ
のぼくなんて小学生みたいなものかもしれない。実際、ぼくは自分でも気が弱い方だと思うし、第一、怪
談とかそーゆーものが大の苦手で、キョウちゃんの彼女の美伊奈(みいな)さんからは、それでよくから
かわれたりする。

 ぼくはキョウちゃんの視線を追うようにして、おっかなびっくり、女の子を見てみる。
 背は、キョウちゃんよりは高くない。
 “なみなみ”になった銀色の髪の毛は腰のところまであるのか、風に揺れて身体の横で揺れていた。汚
れた白い服はボタンが無くて、丈は足首まである。裾は泥だかなんだかわからないけれどひどく汚れてい
て、黒ずんでさえいた。半袖から伸びた手はちょっと汚れているけれど、それでも美伊奈さんよりずっと
白くて、すらりとしていて、やわらかそうで、女の子はその手を、ただだらんと身体の横に下ろしている
だけだ。足首から下しか見えない足は、まったくの裸足で、その足も汚く汚れていてずいぶんと長いこと
そのまま歩き回っていたんだろうな…と思えた。
 女の子が目の前に現れたさっきは、暗がりでよくわからなかったけれど、今こうして見てみるとすごく
可愛い………というか、綺麗な子だった。
516「ぼくの人魚姫」(3):04/06/23 22:49 ID:7TfgkZM6
>515
 叔母さん――お母さんの歳の離れた妹の真珠(まり)さんは、高校を卒業して東京に行き、モデルをす
るくらい美人だったけれど、その真珠さんと同じくらい、目の前の女の子は綺麗だった。
 真珠さんがこの町にいた頃の写真は、真珠さんが町を出る時に真珠さん自身が処分してしまい、ほとん
ど残ってない。
 ただ一枚、高校の卒業式の時、その頃にはもう大学を出て働いていたお母さんと撮った写真だけが、真
珠さんの高校時代の写真としてお母さんの手元に残っている。けれど、その真珠さんは東京でモデルを始
めてすぐ、事故で亡くなってしまって、お母さんはその写真をずっとすごく大事にしていた。
 ――そしてその写真は、今、ぼくの手元にある。
 目の前の女の子は、その真珠さんに少し、似ている気がした。
「俺達に、何か用?」
 キョウちゃんの声にハッとして、思わず身体が震えた。
 女の子の目を見ていたら、いつの間にかすっかり見とれていたみたいだ。女の子の目は、夜なのにキラ
キラ光ってるように見えた。青とも緑とも違う色。エメラルドグリーンとか、なんだかそーゆー色。
 キョウちゃんのちょっとトゲトゲしい声に、女の子は少しだけびっくりしたみたいだった。なんだか、
キョウちゃんがここにいることに「いま初めて気付いた」って感じ。ちょっとだけ俯いて、それからおず
おずとぼくを見た。
 どうしてぼくを見るのか、わからない。
 でもぼくは、この女の子をもう「恐い」とは思えなくなっていた。
「黙ってないで、何か言えよ」
 キョウちゃんが声を大きくしてそう言うと、女の子は一歩だけ後に下がって、それでもぼくのことをじっ
と見ていた。
 ぼくは…というと、女の子が動いた拍子に“ゆさっ”と揺れたでっかいおっぱいに目を奪われて、馬鹿
みたいに口を開けていた。足首までの服を着ているからウエストがどれくらいなのかわからないけど、手
とか首とか足首とかは、折れちゃいそうなくらい細いから、きっとたぶん腰もすごく細いんだろうなぁ…
なんてことを考えていたのだ。
「…りょーた。ダメだこりゃ。向こうから行こう」
「う…うん」
517イゴーロナク:04/06/23 22:52 ID:SAGnHvj6
>>508-509
乙です、こちらも確保いたしましたー&サイト更新しましたー!
ttp://yellow.ribbon.to/~moecthulhu/

それで、誤植らしきものを発見です(サイトではこちらの判断で修正しています)。

>クトゥルフ神話の成立(うそ)
…最後から2行目「今も多くの人々を切望と恐怖とハァハァの渦に」→「絶望」では?

>銀の鍵
…「よぐ=そとーす」の等記号が半角→全角で統一すべき?

>日野 エツ子
…“つぁとぅぐあ”と接触した→“くとぅぐぁ”
以前にseirei師がこの類のネタで漫画を描いていました…
これに関しては“くとぅぐぁ”神に対する作者殿の弁明を聞きたいような(笑)

>>511
じゃあそこは修正しておきますねー。
あと、個神的意見では、「邪神の人を胸で判断するのは」の部分も、
邪神を人類扱いしているようで「良くないことですよー!」かも知れません。
「邪神を胸で判断するのは」でもメロディに合っていると思うのですが、
こちらはどうですか? やはりあの急ぎ足で歌うのが味でしょうか。

 半魚人:某つるぺた邪神をBにランクアップする修正は必要ないよねぇ。
 黒山羊:ひも無しバンジーは決して怖くな〜い!(その前に狂ってるから)
518「ぼくの人魚姫」(4):04/06/23 22:53 ID:7TfgkZM6
>516
 キョウちゃんに促されて、ぼくは回れ右をして元来た道を歩き始めた。少し遠回りになるけれど、漁協
の方へ回るしかない。少し歩いて、ぼくはキョウちゃんに言った。
「…ねえ、ついてくるよ?」
「黙って歩くんだ。後見るな」
「う…うん…」
 後から、ぺたぺたとコンクリートの道を裸足で歩く音が聞こえる。
 ずっと聞こえる。
「キョウちゃん」
 さっきより、近くなった気がする。
 角を曲がって倉庫の横を通り、桟橋を右手に見ながら潮風に吹かれて歩く。
「キョウちゃん」
 足音は、もう、すぐ後まで来ていた。
「走れ!」
「えっ!?」
 ぼくは、いきなり走り出したキョウちゃんの背中から引き離されように、必死になって走った。無駄に
大きな駐車場を横切り、車なんて滅多に通らない沿岸道路を渡って、『原発を誘致して得た補助金をつぎ
込んだ』とか言われてる臨海緑地公園に入ると、50メートルくらい走って海に面した柵に辿り付く。
“オシャレなデートスポット”のはずのその場所は、色とりどりのタイル張りの地面が寂しく感じるほど
さっぱり人影が無かった。
 8時近くになれば、いくら初夏でも薄暗くなって星が瞬き始める。しかも今日は曇り空だから、外灯が
無ければ真暗だったに違いない。海面がゆったりとうねって、ただテトラポットに打ち寄せる音だけが寂
しく聞こえてくる。柵から下を見れば、そこにはテトラポットも何も無く、ただ黒い海面だけがあった。
「キョ…キョウちゃん…あれ、なにかな?ガイジンかな?ユーレイかな?」
 柵にもたれかかり、ぼくは息を整えながら同じくぐったりとしたキョウちゃんを見た。ただの秀才じゃ
ないキョウちゃんは、ぼくと違ってしっかり身体も鍛えていたりするけれど、クーラーボックスを肩に担
いだままここまで全力で走ったのは、初めてのことなのかもしれない。
「さ…さあな、外人の幽霊ってセンも、あるぞ?」
519「ぼくの人魚姫」(5):04/06/23 22:55 ID:7TfgkZM6
>518
「恐いこと言わないでよ。大体、こんなところに…」

ぐうううう〜〜〜……

 2人とも息を飲んで、音のした方を見た。
「うわっ!」
「ぎゃっ」
 クーラーボックスも釣り竿も放り出して、水をかけられた野良猫のように飛び退く。果たしてそこには、
“ほにゃほにゃ”とした笑顔のあの女の子が、指を咥えたまま立っていたのだ。
「な…ななな……な……」
 キョウちゃんは、まるで泣き笑いのような顔で女の子を指差していた。
 無理も無いと思う。荷物を担いでいたとはいえ、あれだけの距離を走ってきたぼく達に、女の子は息も
乱さずに追いついてきたのだから。
「…ず、ずっと後、ついてきてたのかなぁ?」
「裸足で?」
「息一つ乱れてないよ?」
「じゃあ…」
「…ゆ…」

ぐうううう〜〜〜……

 『幽霊?』と言おうとしたぼくの言葉は、女の子から聞こえてきた間抜けな音に遮られて、ぼくは思わ
ず息を飲んだ。
「お腹の」
「音?」
 2人で顔を見合わせる。
「……腹の減る幽霊なんて聞いた事も無い」
「……うん」
 女の子はぼく達のやりとりなんて聞いていないかのように、指を咥えたまま放り出したままのクーラー
ボックスを見ている。
「お腹、空いてるの?」
520名無しさん@ピンキー:04/06/23 22:57 ID:7TfgkZM6
>519
気がついたらまずいことに。
御知らせが流れてしまうので、今日はここでやめます。
えっちまで行きたかったのですが、それは後日ということで。

失礼致しました。
521イゴーロナク:04/06/23 23:12 ID:SAGnHvj6
あわわわ、231師、割り込んで申し訳ありません!
更新チェックをなまってしまいました。
私のレスは流れても消えてなくなるわけではありませんので、
もしよろしければ作品のアップを続けてください。

気になる方は私のレスを透明あぼーん等してください。
522名無しさん@ピンキー:04/06/24 01:27 ID:ePerzyCj
>520
(・∀・)イイヨイイヨ-。早く続きが見たいです〜。


ところで容量的に、そろそろ次スレの話をしたほうがいいと思うのですが、どうしたものでしょうか?
523名無しさん@ピンキー:04/06/24 01:46 ID:LytkrAZb
>>522
単純に6を7に変えるだけで良いと思う。
前スレを過去スレに追加すれば、関連リンクに変化もないし。
524名無しさん@ピンキー:04/06/24 02:50 ID:tsUgadIv
サテライトシステムと言ったらガンダムXと主張したいけどセリヲスキーなのでウニウニウー
525名無しさん@ピンキー:04/06/24 04:17 ID:ePerzyCj
>496の続き

「ふう……」
天井を見上げ、溜め息を漏らす。
結局、白菊を取りに行くのは明日ということになり、今夜は琢磨氏の屋敷に泊まることになった。
次々とここ何日かの出来事が、脳裏に浮かんでは消える。

絹代と出会ってあんなコトをして…庵に案内されて、佳乃に出会ってまたこんなコトをして……。
いや、その前にいきなり絹代にプロポーズされたんだっけか。
まあ、プロポーズつっても結婚したくないが為に、お芝居に乗ってくれって話だが。
そりゃそうだな。プロポーズは女からされるものより、男からするものだと思っているから。
というか、眠っていたとはいえプロポーズされた女の目の前で、別の女とヤル奴は普通いないだろ。
で、絹代の父である琢磨氏の屋敷に案内され………何故か天狗の一族に伝わる妖刀を
取りに行くことになった。何故かって? そりゃあ……………絹代を嫁に貰うため!?

…お、おいおい……何だか混乱しているな。ちくしょう、かえって目が冴えちまう……。
それにしても……何でこんなことになっちまったのかねえ……。

「ん? だ…誰……?」
ふと見ると、障子越しに人影が見える。情けないが、俺は人影に向かって怯えながら声を掛けた。
「あ……あの…起きて……おられたか?」
「き…絹代? どうしたんだ、こんな夜更けに?」
ゆっくりと障子が開き、そこには……月明かりを受けて青白く光る、絹代の姿があった。
まさか……夜這い……なわけはないわな。
「それが……その…」
それきり、絹代は顔をうつむかせ黙り込んでしまった。俺は絹代の次の言葉をじっと待ち続けた。
526名無しさん@ピンキー:04/06/24 04:18 ID:ePerzyCj
「も、申し訳ない……まさか、かような目に遭わせてしまうとは……」
「なんだ、そんなことか」
しばしの沈黙ののち、絹代はぽそぽそとつぶやく。その声は心なしか震えている。
「そ、そんなこと…って……信幸殿、白菊の話を聞いてはいなかったのか!?」
「いいや。ちゃんと聞いていたよ」
俺の返事に、絹代は目の色を変えて慌てふためく。
絹代のその姿とは対照的に、俺は自分でも驚くほどの冷静な口調で答えていた。
「な、ならば何故……何故、試練に挑まれる? 信幸殿には挑まれる理由は無いのですぞ!」
「いや……あ………」
絹代の言葉に肩をすくめながら答えようとして、声を詰まらせる。絹代の目に光るものを見たからだ。
それまで冷静だった頭が、一瞬にして沸騰するような奇妙な感覚に襲われ、心臓が鼓動を早める。
「わ…わらわのせいで、信幸殿にもしものことがあったら、わらわは……わらわは………?」
「気にするなよ」
涙をポロポロこぼし、声を詰まらせる絹代を軽く抱き締め、ぽんぽんと頭を撫でながらささやいた。
突然の俺の行動に驚いたのか、絹代はビクンと身をすくめる。
「……気にするな、などと言われて気にしないほうが……!?」
「ん……何て言えばいいのかね……。確かに、妖刀を取ってこいという話になったのは、
琢磨氏が言い出したことだけど、それを受けたのは紛れも無い俺なんだから、な」
だが、なおも弱々しく首を振りながら、声を絞り出す絹代のくちびるを、そっと人差し指で塞ぎ、
俺は宥めるように出来るだけゆっくりと話し始めた。
ゆっくり話すことで、絹代だけでなく自分の頭も冷静にさせようと考えながら。
「だ、だからそれはわらわが……」
「いいや、そうじゃないさ。元々の原因は俺にあるんだからさ」
俺の手首を引っ掴み、絹代はつぶやき続けるが、それを遮るように俺は言葉を続けた。
口に出したおかげなのか、俺の心と頭は妙に冷めていった。
同時に、さっき自分の頭に浮かんだ疑問――それに対する答えも浮かびあがった。
何故、妖刀を取りに行くことになった? 何故、自分がここにいる? その両方の答えが。
答えは明解にして、的確だった。しかし、それを絹代に言うべきか否か戸惑っていた。
何を躊躇う必要がある? 新たに浮かんだ疑問の答えを探すため、俺は自分に問い掛けていた。
527名無しさん@ピンキー:04/06/24 04:18 ID:ePerzyCj
「信幸殿………?」
絹代の怪訝そうな声が耳に届く。ああ、そうか……答えはこれだったか。
俺を見上げる絹代の心配そうな顔を目にした時、あっけなく頭の中で答えが出た。
真相を絹代に知られるのが怖かったのだ。いや、知られることではない。
知ることで、絹代の心が変わってしまうのが怖かったのだ。
「信幸殿……どうされた?」
「いや……それよりさ…こんな夜中に二人でいること、琢磨氏に気づかれるとまずいんじゃないか?」
恐怖は……態度に表れた。辺りを伺うフリをして、絹代から視線を逸らしながら、小声でつぶやく。
しかも視線だけではなく、話題そのものまで逸らそうとしていた。
「……信幸殿…………………本当にかたじけない……」
「いや、だから礼を言われるようなことじゃないって」
俺の意図を知ってか知らずか、恭しく頭を下げる絹代。
どことなく後ろめたくなってきた俺は、髪の毛をかきむしりながら答える。
そうさ………本来なら、こちらが土下座しても足りないくらいなんだから……。
などと思いながらも、それを口にすることが出来ない、弱虫で卑怯な自分がここにいた。
と、絹代はゆっくりと頭を上げ、じっと俺を見つめながら口を開く。
「信幸殿……お願いだ。白菊を持ってきて欲しい、などとは言わない。いえ、言えない。
ただ…ただ無事に、わらわの元に帰って来ていただきたい……」
「絹代……」
突然の絹代の申し出に、俺は口をぽかんと開けるしかなかった。…お、おい、それって……。
「もっと…もっと信幸殿とお話がしたい。お互いを知る時間が欲しい。
父上がお認めにならなくても、生きてさえいてくれればそれが出来る。だから…だか……ら……」
「あの…さ……絹代…俺も…言っておきたいことが……」
俺にすがりつき、最後は涙声になる絹代を見て、俺は本当のことを言おうと決心した。
天狗などではない、何の力も持っていやしない、ただの――いや、嘘つきな人間だ、と。
これだけ純粋に俺に語りかけ、慕ってくれる絹代を欺く自分自身に、我慢出来なくなっていた。
だが、絹代は俺の胸に顔を埋めたまま首を振り、震える声で俺の言葉を遮った。
528名無しさん@ピンキー:04/06/24 04:19 ID:ePerzyCj
「………今は聞かぬ。帰ってきたら、無事に帰ってきてくれたら、
その時こそ幾らでも話す時間は出来る。そうであろう? だから、今は聞かぬ」
「…いや、でも……これだけは……」
絹代の言葉に、決心が鈍ってしまう。
真実を語ってしまえという自分と、このまま黙っていろという自分がぶつかる。
「それより……これ…を……」
「? え?」
ゆっくりと俺から離れ、首飾りを外して俺の右手に握りこませる絹代。……えっと…これは……?
「お守り代わり、じゃ。だがな…信幸殿にあげるわけではない、貸すだけじゃ。必ず、返しに来るのだぞ」
しっかりと俺の右手を握り締め、絹代はにっこりと微笑んだ。……そうか、戻って来いという意味か。
「ん……どうもありがと。約束する。必ず返しに戻ってくるよ」
「信幸殿…………いえ、何でもない。……必ず、無事に戻ってきてくだされ…………では………」
…………そうさ、生きて戻ってくれば、いくらでも謝ることが出来る。
本当のことを話すのは、その時でも遅くはないさ。
俺は去っていく絹代の後ろ姿を見送りながら、そんなことを考えていた。
心の片隅で、それはただの言い訳だろうと思いながらも………。


「では……行ってまいります」
「うむ、気をつけてな」
「信幸殿……お気をつけて」
翌日、俺と佳乃は白菊を祀ってあるという、祠に向けて出発した。
祠までは歩いて1日もあれば着くらしいが……よく考えたら会社は大丈夫か?
遭難届けとか出されてたらどうしようか? などと現実的な問題を思い出したりしてしまった。
まあ……何とかなるか。ここまで来たら、2日も3日も一緒だわな。
529名無しさん@ピンキー:04/06/24 04:19 ID:ePerzyCj
一方その頃、某会社では……

「えっと……お〜い、片山〜」
「ん? どうした、新條?」
PCのディスプレイ上で、アラートを示す赤い点が明滅を繰り返す。
思わず僕は後ろの同僚に声を掛けた。
「なあ、これどう思う? 何かヤな予感がするんだけど……」
「うっわ〜……マジっすか?」
赤い点を指で指し示すと、同僚が嘆息の声をあげる。……やっぱ、システム障害、かなあ……。
「……片山もそう思うか………ま、いいや。とりあえず休憩すっか」
「あ、そうしよっか……」
ため息をついて、課長と同僚を交互に見やりながら、同僚に声を掛けて席を立つ。
同僚は、僕が何を言いたいのか分かったようで、後を追うように腰を浮かしていた。


「ふう……で、山内からメールはまだ来ないわけ?」
休憩室で缶コーヒーを飲みながら、同僚に問い掛ける。
実はこの男、もう一人の同僚を本人の承諾無しに『一週間休む』と課長に報告していたのだ。
しかも、勝手に彼の母親を危篤にさせて。……で、その件に関して口裏合わせようと、
一応メールは入れたらしいんだけど、返事が無いそうで。
「そうなんだよねえ……まさか、本当に遭難しちゃったかなあ?」
「訳の分からん駄洒落はいい。………にしても何やってんだアイツは。連絡くらいしろよな」
お約束過ぎて、突っ込む気力も失せた僕は、窓の景色をぼうっと見やった。
あ〜あ、今日も残業か……。しゃあない、帰り何時になるか分かんないし、アイリスにメールしておこ。
多分、アイリスはそれでも起きて待っていてくれると思うけど。
さらに『夜のお勤めは別だよ』とかってオチになりそうな気もするし。
かと言って、伸ばし伸ばしにしていると、休日前夜に地獄のような天国を味わうことになりそうだし。
「てっか、課長はやっぱり、定時にあがるんだろうなー……」
「だろうね。もう慣れたからいいよ。さて、ぼやいてても仕方ないから、さっさと仕事始めるかー」
同僚のぼやきに肩をすくめ、飲み干した空缶をゴミ箱に放り投げながら、僕は仕事場に戻った――
530名無しさん@ピンキー:04/06/24 04:20 ID:ePerzyCj
「大丈夫ですか、信幸様? 今日はここまでにいたしましょうか?」
「え? あ、ああ……でも、祠までは……あと、どれくらいあるの?」
夕暮れ時、川原に差し掛かったところで、佳乃がこちらの様子を伺いながら問い掛けてきた。
一日中歩き続けたおかげで、文字通り足が棒になっている俺は、思わず佳乃に聞き返す。
「そうですね……この調子だと、あと一時半もあれば到着しますが……」
……あと3時間ほど、か。着いたら真夜中だろうし、ここは無理をしないほうがいいかな?
「うーん……そうだね、慌てる必要も無いし、ここで休もうか」
「わかりました。それでは、今宵はここで休むといたしましょう」
佳乃は荷物を下ろしたかと思うと、手際よく大きめの石を集め始めた。
「ふう……で、信幸様。お手数ですが、火を熾していただいてもよろしいですか?」
「あ、ああ。ちょっと待ってて」
即席の竈を作り上げた佳乃の言葉を受けて、ライターで焚き付けに火をつけた。
焚き付けはたちまち、パチパチと音を立てて燃え始める。
「……ふうむ、なるほど。これが絹代様が仰っていた火熾しですか。
さ、われは夕餉の支度をしますので、その間、ゆっくりとお休みくださいませ」
「う、うん。そうさせてもらうよ……」
火を付けるのを見て、妙に感心した様子の佳乃は、俺に向かって優しく微笑む。
俺はやはり疲れていたのか、生返事をして腰を下ろしたかと思うと、あっという間に眠りについていた。

「信幸様……出来ましたよ」
「え? もう?」
佳乃が俺を揺り起こす。時間的には、まだ10分かそこらしか経っていない。
にも関わらず、竈の鍋からはいい香りが漂っている。
「ええ、野営ですから簡単に済ませました。さ、どうぞ……」
「ん、いただきます……」
お椀に鍋の中身を装って俺に差し出す佳乃。山菜がふんだんに入った味噌汁で、とても美味しそうだ。
さらに佳乃は笹の皮を広げ、中の団子を3個ほど俺に手渡してきた。
足の疲れも然ることながら、空腹も限界に近かった俺は、夢中になって団子を口に運んだ――
531名無しさん@ピンキー:04/06/24 04:20 ID:ePerzyCj
「ふう……ごちそうさまでした。……でも何だか、量の割には満腹になる、不思議な料理だね」
この前感じたのと、同じような感想を漏らす俺。……何か秘訣でもあるのかねえ。
「どうもお粗末様でした。……秘訣、ですか……そうですねえ……天狗の秘術の賜物、ですかね」
「へえ、そうなんだ」
天狗の秘術……ねえ。そんなのでお腹が膨れるなんて……。
「うふふっ、秘術ではないですよ。正確には代々伝わる材料と製法、ですから」
「なるほどねえ………」
真に受けた俺を、佳乃が笑いながら諭した。
……ふうん、だとすると天狗一族に伝わる伝統みたいなものなのか。……ちょっと感動したりして。

「ところで……信幸様に、お伺いしたいことがあります」
「え? な、何?」
お腹が膨れて、そろそろ眠くなってきたというときに、佳乃が話しかけてきた。
その真面目な顔に、思わずぱっと目が覚めてしまう。
「何故に、琢磨様の申し出を受けられたのですか?
……まさかとは思いますが……絹代様に、『一緒になってほしい』と言われたからですか?」
俺をじっと見据え、上目遣いに問い掛ける佳乃。……何だか、昨日絹代に聞かれたような質問だな。
「ん〜? あー……そうだねえ……強いて言うなら自分のせい、だからかな?」
「の、信幸様のせい?」
肩をすくめて、昨夜導いたのと同じ結論を口にする。佳乃は目を丸くさせ、きょとんとしていた。
「昨日、夜中にずっと考えていたのさ。俺は何でここにいるのか?
何で白菊なんて取りに行くことになったのか? ってね」
「そ、それで……?」
不安げに、俺を見つめる佳乃。……あまり見つめられると照れてしまうんだが。
「そもそもの原因がさ、絹代にちょっかい出したことが始まりだったんだな、って」
「………………」
あの時のことを思い出すだけで、何故か佳乃の顔をまともに見れなくなり、
視線を逸らしながらつぶやく。いっぽうの佳乃は、無言で俺をじっと見つめていた。
532名無しさん@ピンキー:04/06/24 04:21 ID:ePerzyCj
「……佳乃が最初に感じたとおり、俺はただの人間さ。ただ、絹代と話していて、
ちょっとしたことでムラムラしちまって、その……あんなことをしていたわけで………」
佳乃の視線に、しどろもどろになりながら説明する。……何だかどんどん後ろめたくなるのだが。
「………ちょっとしたこと、ですか……。ふう……」
「あ、いやその、えっと……それで、絹代の庵に招かれて、佳乃が手紙を持ってきて…だから、
最初に絹代と会ってすぐ分かれてたら、こんなことにはならなかったなーって………」
呆れ返ったようにため息をつく佳乃を見て、どんどんしどろもどろになっていく。やばいぞ、どうした俺。
「……………後悔されていますか?」
「え?」
うわずった声で聞きなおしてしまう。……佳乃の口調が、何だか凄く寂しそうだったから。
「後悔されていますか? と聞いたのです。絹代様と出会って、こんなことになってしまったのを、
われがあの時、琢磨様の手紙を携えていたのを………」
ここまで言って佳乃は言葉を一旦切り、すうっと息を吸いなおした。俺はじっと佳乃を見ている。
「…………根に持たれては、いないのですか?」
「お、おいおい。別に後悔なんてしてないよ。……それに、誰のせいにもしちゃいないし、ね」
しばし間を空けて、佳乃が振り絞るような声でつぶやいた。俺は肩をすくめながら答える。
「誰のせい……にも?」
「ガキの頃から、お袋に言われてたんだ。『たとえ自分がどんな状況におかれたとしても、
まず、それを決めた自分がいるんだから、相手を責めるような人間にはなるな』ってね」
「信幸様の……お母上が………」
俺の言葉に、佳乃は俺をじっと見つめ、ポツリとつぶやく。
533名無しさん@ピンキー:04/06/24 04:22 ID:ePerzyCj
「俺の両親は、俺が物覚えついてない頃に別れてしまって、お袋は女手一つで俺を育ててくれたのさ。
片親しかいないことを負い目に感じていたのか、俺には何ひとつ文句とか言わなかった。
そんなお袋が唯一、説教らしい説教をしたのがこの言葉だった。それだけに、尚更身に沁みたね」
ああ、そういえば、あの時は何で叱られたんだっけか……。急に懐かしくなってきたな……。
「……………」
じっと黙って俺を見つめ続ける佳乃。……しまった。らしくないこと、言っちまったな。
こんなこと会社の連中にも、学生時代の友人にも、話したこと無かったぞ………。
「ま、そんなわけだから俺に何かあったとしても、自業自得なんだから絹代が気にすることはないさ」
誤魔化すように、わざとおどけて佳乃に説明する。……参ったな。何だか調子が狂っちまう。
「そうだったのですか……何だか、われは信幸様のお母上に、お会いしてみたくなってきました」
「な、何だって!?」
突然の佳乃の申し出に、俺は叫び返していた。……それって、あの、その…えー……。
「さ、最初にお会いしたときは、正直何て人なのだと思ってました。
でも、その……段々、われの中で考え方が変わってきて……その……
こんな…立派な御方に、お育てになられた方って、どんな方なのかな? と思いまして……」
佳乃は俺の叫び声を受けて、顔を真っ赤に染め上げながらしどろもどろにつぶやいている。
えーっと……何だか、すっげー気まずい空気なんだけど……何か違う話題は……えっと……。
534名無しさん@ピンキー:04/06/24 04:22 ID:ePerzyCj
「あ…いや……その、さ。えっと…佳乃こそ、後悔しているのかな?」
「は? われが? どうして?」
「昨日、俺の案内役に指名されたとき、歯軋りしてたでしょ?」
俺は必死に誤魔化そうと、違う話題を振った。佳乃は俺の言葉に目を丸くさせている。
そういえばあの時の佳乃の様子、ちょっと気になっていたし、丁度いいかな。
「ふう…どうせ、厄介払いでしょうね」
「や、厄介払いって?」
予想外の答えに、思わず鸚鵡返しになってしまう。……どういうことだ?
「意味が分からなかったのも、無理は無いですね。
彼奴めは、『信幸様が白菊を手にするのを、しかと見届けよ』と言ったのですよ?
逆に言えば、『信幸様が白菊を手に出来なかった場合は、戻ってくるな』と言っているのです」
「そ、そんな………何故……」
だとすると佳乃は厄介者、ということか? 何で? 気も利くし、しっかりしてるし、真面目で
優しいし料理も上手いし……正直言って、絹代よりもずっと、理想の嫁さんになれるんじゃないの?
「ああ。信幸様も御存知でしょう? われのこの身体を。
彼奴らは、里にこんな異形の者がいることに、我慢ならぬのでしょう」
「そ、そんなことくらいで………」
何の感情も無く、ただつぶやく佳乃に対し、俺は掛ける言葉を無くしていた。
だが、里の連中には何か言ってやりたい衝動に駆られていたが。
「お気になさることはありませんよ。昔からあんな調子ですから…すっかり慣れました」
「でも、さ………」
寂しそうに首を振る佳乃。何か言おうとして、掛ける言葉が見当たらなくて途中で止めてしまう。
535名無しさん@ピンキー:04/06/24 04:23 ID:ePerzyCj
「お優しいのですね、信幸様……。………われの操を奪ってくれたことですし、
信幸様がいいと仰るのならば、二人でこのまま、戻らぬのもいいかもしれませんね」
「…………えっ!? い、いや、あれは……その……」
ポツリとつぶやく佳乃の言葉に、口をぽかんと開けて返事をしてしまう。ちょ、ちょっとそれって………。
「うふふふっ。冗談、ですよ」
戸惑う俺を見て、さぞ可笑しそうに笑い声をあげる佳乃。ああ驚いた……。
「何だかんだ言って、われはこの山の者です。山を下りて人間と混じって暮らすことなんて、
考えられませぬ。それに、このまま戻らぬということは、帰りをお待ちになられている、
絹代様を裏切ることにもなります。それだけは、どうしても許されぬことですしね……」
「佳……乃…」
さらに言葉を続ける佳乃だが、途中で顔を伏せてしまった。
……うーん、何だかすっげー気まずいんだが……やっぱこれも、俺の自業自得だよなあ…。
「さあ、馬鹿な話は止めて、早く休みましょう。明日はいよいよ、試練に挑まれるのですから」
「あ、ああ…そうしようか……」
しばしの間、妙な沈黙が続いていたが、佳乃が明るい声で俺に笑いかけてきた。
………こりゃあ、白菊の試練も然ることながら、その後も試練が待っているかも、な………。


>525-535で続きます〜。
で、今からスレを立ててきます。失敗したらお手数ですが、どなたかよろしくお願いします。
536つぶやき ◆MABOUp7up. :04/06/24 04:38 ID:ePerzyCj
あ…525-535の名前抜けてた_| ̄|○

…というわけで、次スレ立てちゃいましたです。
【妖怪】人間以外の女の子とのお話7【幽霊】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1088018923/
537511:04/06/24 09:54 ID:8hNmwtmn
競演
キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!

食べ物恩返し話も
キテタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!

>>イゴーロナク様
即死回避の支援がてら、お返事は新スレの方へ…
てか、昨夜タイミング計ってたら新スレなっちゃいますた。
538名無しさん@ピンキー:04/06/24 11:11 ID:cdmWxW2v
佳乃かーいいよ佳乃
539名無しさん@ピンキー:04/06/24 22:59 ID:57WxOcbH
佳乃といい雰囲気じゃあないですか。
萌え。
540名無しさん@ピンキー:04/06/27 13:32 ID:aRMRmQ0s
ho
541名無しさん@ピンキー:04/06/27 19:17 ID:dPgy+bNw
542名無しさん@ピンキー:04/06/27 22:09 ID:Fu+37k5F
543名無しさん@ピンキー:04/06/27 22:12 ID:Fu+37k5F
544名無しさん@ピンキー:04/06/27 22:13 ID:Fu+37k5F
545名無しさん@ピンキー:04/06/27 22:13 ID:Fu+37k5F
546名無しさん@ピンキー