TS・性転換・女性化小説(非強制) Part3

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632ボクたちの選択(462)
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「……は?…じゃなくて」
「ん?」
「……あの……胸…触ったのって…」
「いや、久しぶりにちょっと触ってみたかっただけだ」
 圭介は“ぺしっ”と彼女の両手を乳房から払うと、“ぶすっ”とした顔でさっさとシャツを引き下ろし、
御丁寧にジャージのファスナーを首まで引き上げてみせた。
「ところで先生」
「ん?」
「ひとつ聞いてもいいですか?」
 ふう…と一息吐いてから、圭介は、にやにやと笑うソラ先生の顔をなんとも言えない顔で見やる。まる
で人生の全てに絶望したような、はたまた、みんなが薦めるインディーズCDを期待を込めて聞いてみた
らとんでもないハズレだった……とでもいうような、そんな顔だ。
「なんだ?」
「どうしてボク、ブルマ履いてるんですか?」

 しかも赤だった。

■■【71】■■
 保健室の窓を見ると、外はもうすっかり真暗だった。壁の上に設置された白い文字盤の時計を見ると、
針は9時20分辺りを指している。雨宿りをしている時、最後に時計を見たのは6時46分だったから、
あれからもう2時間半近くも経っている事になるだろう。
 圭介の質問に
「なんとなく」
 の一言で打ち切ったソラ先生は、汗で濡れたシャツを着替えるようにと、新しいシャツと、それに替え
のナプキンとパンツを彼に渡してカーテンを閉めた。
 履いていたパンツのナプキンを替えるだけにしようかと思ったら、ちょっとだけ赤茶色の汚れが付いて
いたので、圭介がパンツごと替えることにしたためだった。