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“ジッ”とファスナーを手早く下ろされ、そのイキオイのまま不意に“ぺろん”と汗を吸ったシャツを
捲り上げられた。
「ひゃぅ…」
ぶるんっとまろび出た乳房は、ブラには包まれていなかった。
圭介は思わず、両手で揺れ動く重たい乳房を抱えるようにしてソラ先生の視線から隠す。胸が急に大き
くなった時、彼女には触診までされ、そしてバストサイズを測ってもらったりもした以上、恥ずかしがる
必要は無いはずなのだけれど、あの時とはまた事情が違う。今日はなんだか、裸の胸を他人の視線に晒す
事が、ものすごく恥ずかしいのだ。
「…可愛い声出すな。…襲いたくなっちまう」
「冗談でしょ?」
「だと思うか?」
ぷにぷにとしたほっぺたを真っ赤にして上半身を傾け、両手でいっしょうけんめい乳房を隠そうとして
いる姿は、同性(?)である彼女から見ても、ちょっと“クる”感じだ。
世界を股にかけて飛びまわる世紀の大怪盗の三代目なら、「ふぅじこちゃあぁ〜〜ん!」などと言いな
がら脱出系パフォーマーの女性ですら驚きそうな脱衣をしつつベッドにダイブするところだ。
……もちろん、美智子(ソラ先生)にそんな特技があるはずも無いが。
「ほれ、手をどけろって」
「あっ…」
圭介の体を“ぐいっ”と強引に起こし、両手を掴んで体の横に押しつける。そして「動くなよ?」と言
いながら“ぷるぷる”と動く白い肌の乳房を“ゆさり”と両手で包み込んだ。
「んっ…」
乳首が敏感になっている。
ソラ先生の手が触れただけで体内を走った、“ぴりっ”とする電気のような刺激で、圭介はそれを実感
した。
“もにゅ”
“たぷっ”
“ぽにゅ”
…と、ソラ先生の細い指が圭介の重たい乳房をゆっくり優しく捏ねる。圭介は時折“ぞくり”と走る甘
い痺れに耐えるように、唇を噛んで彼女とは反対側に顔を逸らし、目を瞑った。