魔法先生ネギま! エロパロスレッド6

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
週刊少年マガジンで好評連載中!
コミックス第四巻 絶賛発売中! 第五巻は4月16日発売予定
キャラクターソングCD第二弾「近衛木乃香」発売中!
第三弾「図書館探検部」は 3月24日発売予定

◆原作の早売りネタバレは厳禁です、投稿時はご考慮を。
◆ネタバレ解禁は水曜日の午前0時からです。
◆450KBを越えたら新スレを立てて下さい。
◆新職人は常時募集中です。

【前スレ】
魔法先生ネギま! エロパロスレッド5
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1073208431/l50
2名無しさん@ピンキー:04/03/13 02:48 ID:9cv583ae
【過去スレ】
魔法先生ネギま!エロパロスレッド4(・3・)
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1066/10662/1066297053.html
魔法先生ネギま!エロパロスレッド3
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1065/10659/1065972768.html
【本屋ちゃん】魔法先生ネギま!エロスレ2【萌え】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1058/10584/1058455646.html
魔法先生ネギま!のエロパロスレッド1
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1046/10468/1046869279.html

【公式サイト】
AI Love Network
ttp://www.ailove.net/
週刊少年マガジンWeb Site
http://www.shonenmagazine.com/
スターチャイルド「魔法先生ネギま!麻帆良学園中等部2-A」
http://www.starchild.co.jp/special/negima/

【関連サイト】
SS保管庫(ネギまノベルゲーム制作ぺージ内)
http://rakuasa.hp.infoseek.co.jp/ss.html
魔法先生ネギま!@2ch(関連スレ・名簿等)
http://negimagi.at.infoseek.co.jp/
3登場人物:04/03/13 02:50 ID:9cv583ae
神楽坂明日菜

麻帆良学園中等部2&3年A組8番
1988年4月21日生(辰年・牡牛座) B型
好きな物: 高畑先生。渋いオジサマ。
嫌いな物: ガキんちょ。勉強(保健体育は得意)。
所属: 美術部
体力のある超強気娘。バカ力の持ち主。
一部の人間から、暴力的で無法者というレッテルを貼られている。
なぜか目の色がそれぞれ違う。(右目が空色。左目が紺色。虹彩異色症?)
ネギの着任初日から関わり、ネギの魔法で一番ひどい目に遭っている。
ネギの正体を知っている人間の生徒の一人。
姿と匂いがネギの姉に似ている。
7年前、海外から麻帆良学園小学部へ転校して来た。
両親がいないため、毎朝3時半起床で、
新聞配達のアルバイトをして学費を稼いでいる。
2年A組のバカ五人衆(レンジャー)の一人(バカレッド)
4登場人物:04/03/13 02:51 ID:9cv583ae
近衛 木乃香

麻帆良学園中等部2&3年A組13番
1989年3月18日生(巳年・魚座) AB型 京都出身
好きな物: 占い。オカルト。料理。
嫌いな物: あんまりない。
所属: 2&3年A組の書記。占い研究部(部長)。図書館探検部。
学園長の孫娘で魔法使いの血筋だが、親の方針で魔法のことは内緒にされている。
いつもローラーブレードで登校している。
おっとりした大和撫子だが、突っ込みはハード。
京都弁口調で話す。掃除・洗濯・料理が上手。
ネギを弟のように可愛がっていて、生活面での世話をしている。
祖父の学園長から頻繁にお見合いを勧められていて困っている。
明日菜の親友で、寮でも同室(643号室)である。
5登場人物:04/03/13 02:53 ID:9cv583ae
佐々木 まき絵

麻帆良学園中等部2&3年A組16番
1989年3月7日生(巳年・魚座) O型
身長152cm 体重秘密 B72 W53 H75
好きな物: 新体操命。ネギ君。カワイイもの。
嫌いな物: ぬるぬるしたもの(納豆とか)
好きな色: パステルピンク  好きな場所: 世界樹の丘
好きな食べ物: いちご
所属: 新体操部
いつも持ち歩いているリボンを使って、遠くの物をつかむことができる。
自称、経験豊富なお姉サマ。弟がいるらしい。
亜子・裕奈・アキラと仲が良いらしい。
2年A組のバカ五人衆(レンジャー)の一人(バカピンク)
「ネギま」のインタラクティブ性(双方向性)を象徴する人物。
全然活躍がない第1話の人気投票で、断トツになるほど第一印象が良い。
6登場人物:04/03/13 02:54 ID:9cv583ae
雪広 あやか

麻帆良学園中等部2&3年A組29番
1988年7月5日生(辰年・蟹座) O型
好きな物: ネギ先生。花。純真無垢な少年。
嫌いな物: 暴力的で無法者な人。
所属: 2&3年A組のクラス委員長・馬術部・華道部
雪広財閥の次女。(つまり、姉がいる。)
容姿端麗、頭脳明晰(学年4位)。
武芸百般で様々な段位を取得しているらしい。
クラスの連絡網は彼女から始まる。
ショタコンの気があり、ネギのことがとても気に入っている。
幼い頃に亡くなった弟の面影をネギに重ねている。
いつも明日菜と対立しているが、お互い口には出さない親友同士である。
明日菜と並んで色々出しゃばるので、高等部の間でも有名人である。
7登場人物:04/03/13 02:55 ID:9cv583ae
エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル

麻帆良学園中等部2&3年A組26番
生年月日不明(年齢は100歳を超えている) 血液型不明
好きな物: 茶々丸の入れるお茶。日本の景色。囲碁。
嫌いな物: ニンニクと(野菜の)ネギ。授業。
所属: 囲碁部・茶道部
真祖(最強種族の吸血鬼)にして歴戦の最強の魔法使い。
中学生には見えないほど小柄だが、元々現在のような容姿だった。
15年前まで、「人形使い」「闇の福音」「不死の魔法使い」と呼ばれていて、
魔法界で600万ドルの賞金をかけられていた犯罪者だった。
ネギの父であるサウザンドマスターに好意を寄せて追っかけをしていたが、
彼にかけられた「登校地獄(インフェルヌス・スコラスティクス)」という
変な呪いによって魔力を極限まで封じられて、
15年前から麻帆良学園の中等部に在籍しながら警備員の仕事をしている。
満月の前後以外はただの人間になってしまうが、
人間の血を吸うことにより、ある程度の魔力を戻すことはできる。
自分にかけられた呪いを解くために、血縁者であるネギの血を狙っている。
魔法薬を触媒にして防御魔法を使うことができる。
蝙蝠で作ったマントで空を飛ぶことができる。
人間の心を読むことができる。昼間は眠くなる。泳げない。
学園都市内に結界を張っていて侵入者を探知できる。
学園都市内の一戸建て(桜ヶ丘4丁目29)に茶々丸と住んでいる。
8登場人物:04/03/13 02:56 ID:9cv583ae
絡繰 茶々丸(からくりちゃちゃまる)

麻帆良学園中等部2&3年A組10番
2002年1月3日完成 2002年4月1日起動(午年?・牡羊座?)
好きな物: 特に‥‥
所属: 茶道部・囲碁部
エヴァンジェリンの「※魔法使いの従者(ミニステル・マギ)」。
(初代従者は、「チャチャゼロ」という操り人形だった。)
エヴァンジェリンの命令には絶対服従のロボット。
完成当初、動力は外部電源式だったが、現在はゼンマイ式である。
話すことができる。背中や足裏の噴射で空を飛ぶことができる。
指からコンピュータ接続用プラグを出して操作することができる。
腕を噴射で飛ばして、有線操作することができる。
飲食することはできない。
戦闘中であっても礼儀正しい。
奉仕精神に溢れていて、子供や年寄りに親切なため、街の人気者である。
毎日、野良猫にエサを与えていて、動物にも好かれやすい。
彼女の立てるお茶はエヴァンジェリンのお気に入りである。
工学部(内線 A08-7796)にいることが多いらしい。
9登場人物:04/03/13 03:00 ID:9cv583ae
桜咲 刹那

麻帆良学園中等部2&3年A組15番
好きなもの:剣の修行、木乃香お嬢様(?)
嫌いなもの:曲がったこと、おしゃべり
所属:剣道部
京都を護り、魔を討つ為に組織されたといわれる戦闘集団「神鳴流」の見習い剣士。
近衛家と縁があり、木乃香とは幼馴染である。
いつも自分の身長より長い真剣「夕凪(ゆうなぎ)」を持ち歩いている。
冷めた性格で、協調性は低いらしい。
ネギの正体を知っている人間の生徒の一人。

10登場人物:04/03/13 03:03 ID:9cv583ae
麻帆良学園中等部2&3年A組27番
1988年5月10日生(辰年・牡牛座) O型
好きな物: 本に囲まれること。本の整頓。
嫌いな物: 男の人。
所属: 学園総合図書委員・図書委員・図書館探検部
ニックネームは「本屋」。性格は消極的で無口。
前髪で顔を隠している「前髪っ娘」だが、実はすごく可愛い。
ネギに魔法で助けられて以来、ネギに好意を寄せていて、修学旅行で告白する。
現在、ネギとは友達づきあいから始めている。
アクシデントでネギとキスをしてしまったため、
偶然にネギの仮契約者になってしまい、後にネギの正体を知ることになる。
夕映やハルナと仲が良い。ハルナと同室。
従者のときの専用アイテムは、人の心の表層を読むことができる本。
11↑宮崎 のどか:04/03/13 03:04 ID:9cv583ae
綾瀬 夕映

麻帆良学園中等部2&3年A組4番
1988年11月16日生(辰年・蠍座) AB型
好きな物: 読書。
嫌いな物: 学校の勉強。
所属: 児童文学研究会・哲学研究会・図書館探検部
感情を出すのが苦手なため、
常に冷静沈着で無表情だが、意外と突っ込みタイプ。
クラスの女子のことは「アホばかり」と思っている。
変なジュースを愛飲しており、味覚が変わっている。
神社仏閣仏像マニア。
修学旅行中のゲーム以来、ネギのことを意識し始めているようである。
ハルナやのどかと仲が良い。
2年A組のバカ五人衆(レンジャー)のリーダー(バカブラック)
12登場人物:04/03/13 03:05 ID:9cv583ae
朝倉 和美

麻帆良学園中等部2&3年A組3番
1989年1月10日生(巳年・山羊座) O型
好きな物: 大スクープ。人情話。カメラ。
嫌いな物: 巨悪。
所属: 報道部(突撃班)。「まほら新聞」記者。
通称「麻帆良パパラッチ」。
3−Aの人間データベースで、情報収集能力に長けている。
成績優秀にして、クラスNo.4の巨乳(バイーン級)。
「まほら新聞」(内線 B09-3780)を発行している。
常にカメラを持ち歩き、世界的なスクープを探している。
スクープのためなら、変装もするし、体も張る。
学園内は自転車を使って移動しているようである。
メガネをかけることがある。
自分のホームページを持っている。
彼氏のいない生徒をノー天気と評しているので、彼氏がいる模様。
千鶴と同室のようである。夏美とも仲が良いようである。
ネギの正体を知っている人間の生徒の一人。
13登場人物:04/03/13 03:06 ID:9cv583ae
早乙女 ハルナ

麻帆良学園中等部2&3年A組14番
1988年8月18日生(辰年・獅子座) B型
好きな物: お茶会。修羅場。
嫌いな物: 爬虫類。締め切り。
所属: 漫画研究会・図書館探検部
ペンネームは「パル」。メガネっ娘。
噂話に尾ひれを付けて大きくする癖があるらしい。
似顔絵が得意。夕映やのどかと仲が良い。のどかと同室。
14登場人物:04/03/13 03:07 ID:9cv583ae
長瀬 楓

麻帆良学園中等部2&3年A組20番
1988年11月12日生(辰年・蠍座) O型
身長177cm 体重? B89 W69 H86
好きな物: のんびりすること。
嫌いな物: カエル
好きな場所: 高い木の上
好きな食べ物: プリン。おにぎり(たらこ)。
所属: さんぽ部
甲賀忍者で、運動神経と動体視力が良い。
一応、本人は忍者であることを否定している。
土日は寮を離れて、山で修行している。
なぜか、いつも目を細めている。
巨乳(ボイーン級)。ブラの代わりに「さらし」を愛用している。
第一人称は「拙者」で、話言葉の語尾に「ござる」を付ける。
携帯電話の着メロは、「ゴッドファーザー 愛のテーマ」。
ネギの正体を知っている人間の生徒の一人。
2年A組のバカ五人衆(レンジャー)の一人(バカブルー)
風香・史伽と同室。
15登場人物:04/03/13 03:08 ID:9cv583ae
古 菲

麻帆良学園中等部2&3年A組12番
1989年3月16日生(巳年・魚座) A型
身長151cm 体重秘密 B78 W56 H80
好きな物: 修行。強い男。
嫌いな物: チャオとハカセの新発明
好きな場所: 中央アジア。シルクロード。道場。
好きな食べ物: 肉まん
所属: 中国武術研究会(部長)
運動神経が良く、中国拳法を駆使する。
話言葉の語尾に「アル」を付ける。
2年A組のバカ五人衆(レンジャー)の一人(バカイエロー)
16登場人物:04/03/13 03:09 ID:9cv583ae
明石 裕奈

麻帆良学園中等部2&3年A組2番
1988年6月1日生(辰年・双子座) A型
好きな物: お父さん(明石教授)
嫌いな物: かっこ悪い服。はみ出たシャツ。だらしない生活習慣。
所属: バスケットボール部(弱いらしい)
騒ぎに必ず関わろうとする元気な女の子。
クラスではリアクションを担当することが多い。
まき絵・亜子・アキラと仲が良い。

和泉 亜子
I
麻帆良学園中等部2&3年A組5番
1988年11月21日生(辰年・蠍座) A型
好きな物: 可愛いバンソーコー。洗濯。
嫌いな物: 血。けんか。
所属: 保健委員・男子中等部サッカー部マネージャー
気が弱く、お人良しだが、運動能力は高い。
口調は関西弁。右脇腹に謎の傷痕がある。
2003年3月に、卒業生の先輩に告白したがフラれて、現在彼氏なし。
まき絵・裕奈・アキラと仲が良い。

大河内 アキラ

麻帆良学園中等部2&3年A組6番
所属: 水泳部
寡黙。運動能力は高い。
水泳部のエースで、高等部からも期待の声がかかっている。
彼氏はいない。
まき絵・亜子・裕奈と仲が良い。
17登場人物:04/03/13 03:13 ID:9cv583ae
長谷川 千雨

麻帆良学園中等部2&3年A組25番
1989年2月2日生(巳年・水瓶座) B型
好きな物: 小さくムダのない機械(サブノートPCなど)
嫌いな物: 人ゴミ。予想のつかない事象。
所属: なし(帰宅部)
協調性が全くない。クラスの女子のことは「ガキ」と思っている。
学校では目立たないようにしているが、裏の素顔は、
インターネット界を牛耳るスーパーハカーにしてNo.1ネットアイドル。ハンドルネームは「ちう」。
HP「ちうのホームページ (ttp://www.chi-u.co.jp/)」を運営している。
視力は1.2あるが、メガネなしで人に会うのは苦手なため普段はかけている。

鳴滝 風香

麻帆良学園中等部2&3年A組22番
1988年12月6日生(辰年・射手座) A型
好きな物: いたずら。甘いもの。
嫌いな物: ゆうれい。じっとしてること。
所属: さんぽ部
史伽の双子の姉 ツインテールヘア。ツリ目。いたずらっ娘。
中学生には見えないほど小柄。おませさん。
楓の指導により忍術の技が使える。楓・史伽と同室。

鳴滝 史伽

麻帆良学園中等部2&3年A組23番
生年月日、血液型は風香と同じ
好きな物: そうじ。甘いもの。
嫌いな物: 毛深くて長いもの(毛虫とか)
所属: さんぽ部・美化委員
風香の双子の妹 タブルシニヨンヘア。タレ目。恥ずかしがり屋。
18登場人物:04/03/13 03:14 ID:9cv583ae
椎名 桜子

麻帆良学園中等部2&3年A組17番
1988年6月9日生(辰年・双子座) B型
好きな物: カラオケ、クッキとビッケ(飼い猫)
嫌いな物: ゴキブリ(猫が見せに来るのがイヤ)
所属: ラクロス部。まほらチアリーディング。
元気な女の子で、クラスのムードメーカー的な存在。
スタイルには自信があるらしい。
ネギが王子だという噂を信じている。
ギャンブル運が強い。
小学校の時から麻帆良学園にいて、明日菜やあやかとも付き合いが古い。

柿崎 美砂

麻帆良学園中等部2&3年A組7番
1988年5月15日生(辰年・牡牛座) O型
好きな物: プルーン、ショッピング(毎週末都心に)
嫌いな物: 炭酸飲料
所属: コーラス部。まほらチアリーディング。
洋裁が得意?彼氏がいる。

釘宮 円

麻帆良学園中等部2&3年A組11番
1989年3月3日生(巳年・魚座) AB型
好きな物: まつ屋の牛丼、シルバーアクセ、洋楽(最近はアヴリルラヴィーン)
嫌いな物: ナンパしてくるチャラい男、自分のハスキーっぽい声がちょいコンプレックス
所属: まほらチアリーディング
チアリーディングの中では、桜子と美砂の歯止め役になっている。
19登場人物:04/03/13 03:17 ID:9cv583ae
那波 千鶴

麻帆良学園中等部2&3年A組21番
所属: 天文部
左目に泣きボクロあり。巨乳(バイーン級)
和美と同室のようである。

村上 夏美

麻帆良学園中等部2&3年A組28番
所属: 演劇部
自分のスタイルにコンプレックスを持っているらしい。

龍宮 真名

麻帆良学園中等部2&3年A組18番
所属: バイアスロン部(外部)
色黒。 巨乳(ボーン級)。彼氏不明。
実家の龍宮神社(学園内にあるらしい)で巫女のバイトをしている。
20登場人物:04/03/13 03:19 ID:9cv583ae
超 鈴音

麻帆良学園中等部2&3年A組19番
所属: お料理研究会・中国武術研究会・ロボット工学研究会・
    東洋医学研究会・生物工学研究会・量子力学研究会(大学)
勉強・スポーツ・お料理、何でもござれの無敵超人。
実家が中華料理店? 朝、教室内で中華饅頭を売り歩いている。
イギリスにも肉まんを広める野望を持っているようである。
茶々丸のプロジェクトに加わっているらしい。
学年トップの成績の持ち主。彼氏はいない。

葉加瀬 聡美

麻帆良学園中等部2&3年A組24番
所属: ロボット工学研究会(大学)・ジェット推進研究会(大学)
研究以外に興味なし。あだ名は「ハカセ」。メガネっ娘。
茶々丸のプロジェクトに加わっていて、メンテナンスも担当している。
学年トップクラスの成績の持ち主。彼氏はいない。

春日 美空

麻帆良学園中等部2&3年A組9番
所属: 陸上部
シスター服で登下校している。キリスト教徒らしい。
21登場人物:04/03/13 03:20 ID:9cv583ae
四葉 五月

麻帆良学園中等部2&3年A組30番
所属: お料理研究会 給食委員
チャオと仲が良いようである。(よく肉まん売りを手伝っている。)

ザジ・レニーデイ

麻帆良学園中等部2&3年A組31番
所属: 曲芸手品部(外部)
ピエロ?
手品に使うため、何匹か動物を飼っている。

相坂 さよ

麻帆良学園中等部2&3年A組1番
いまだに本編に登場しない謎の少女。
出席番号や座席があるのに、なぜか誰も彼女について触れることはない。
名簿では、他の生徒と違う制服を着ていて、
「1940〜」「席、動かさないこと」という謎の言葉が記されている。
幽霊ではないかという噂がある。
22登場人物(終):04/03/13 03:21 ID:9cv583ae
ネギ・スプリングフィールド

1994年生まれ AB型
好きな物: お姉ちゃん。ハーブティ。アンティーク(杖)。
嫌いな物: お風呂。一人で寝ること。
所属: 麻帆良学園本校中等部教育実習生。2003年4月2日より中等部英語科教員。
得意技: 風の魔法
メルディアナ魔法学校2002年度首席。
ナギに憧れて、「※立派な魔法使い(マギステル・マギ)」を目指す魔法使いの少年。
修行のため、麻帆良学園中等部で英語教師をしている。
2&3年A組の担任でもある。
「※魔法使いの従者(ミニステル・マギ)」になる女性パートナーも探している?
修行中の身なので、あまりたくさんの魔法は使えない。風の魔法が得意。
ナギからもらった長さ1.5mはある魔法の杖を
いつも背中に背負って持ち歩いている。
くしゃみをすると突風が起きる。顔相を見ることができる。風呂嫌い。
オックスフォード大学卒業程度の語学力がある。
日本語は3週間でマスターした。
両親はおらず、姉に育てられた。祖父はメルディアナ魔法学校の校長。
女子寮の明日菜と木乃香の共同部屋(643号室)に居候している。
姉と一緒に寝ていた癖が抜けず、いつも明日菜のベッドに入り込んで寝ている。
23名無しさん@ピンキー:04/03/13 03:58 ID:6nn9ElPa
>1
乙!
24名無しさん@ピンキー:04/03/13 04:00 ID:3vmLhhPI
即死判定っていくつだっけ?
25名無しさん@ピンキー:04/03/13 09:27 ID:r3GwiRyM
>>24
24時間以内に25レス以上カキコがないとダメだったような。
多分これでOKのはず。
26名無しさん@ピンキー:04/03/13 14:11 ID:VyKyyQVB
>>1
乙華麗
27名無しさん@ピンキー:04/03/13 14:14 ID:xpqc4UmJ
前スレ後30KB?
28(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/03/14 22:56 ID:SL4qshA1



  夢 に 向 か っ て 一 生 懸 命 努 力 し て い る の は 、 ガ キ だ ろ う が な ん だ ろ う が 嫌 い じ ゃ な い ・ ・ ・



第一話

「う……うーん……」

明朝から修学旅行明け最初の新聞配達だというのに、明日菜は全然寝付けない様子である。
楽しんだり、普段の勤労学生な身分にすればよい息抜きになるはずの修学旅行が、
友人の親族のいざこざに巻き込まれる形で、日常ではありえない大冒険をする破目となり
度を超した肉体・精神の疲れによって、タフさが身上の彼女でも却って眠れなくなるのも無理はない話。
しかし……。

(……あー、まただ……またネギの事を意識してる…別に今特別に心配してるでもないのに……。)

今の明日菜が寝付けない理由は、前述のとは違う物がありそうな雰囲気である。

(そりゃ確かにカモに言われた手前勢いで本音を吐露しちゃったけどさ……何でだろ、
 別に変な事言ったわけじゃないのに……まだ子供なのに凄い勢いで酷い目にあうネギが心配なだけなのに……。)

とくんっ……

(そんな……何で、何で、ネギのこと考えただけで、こんなに心臓がドキドキいうの……。
 今まで、高畑先生と会っている時ぐらいしか、こんなにドキドキする事なかったのに……。
 今でこそ、ネギのことそんな嫌いじゃなくなったけど……なんかコレじゃいいんちょと同じだよ……。)
29(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/03/14 22:59 ID:SL4qshA1
いくらなんでも子供を嗜好するのは自分としては如何なものか、そう思った明日菜は
気を紛らわそうとして、ベッドの棚に置いてあるタカミチの写真をじー、と凝視した。
一通り網膜に焼き付けた後は、修学旅行のときに木乃香の実家から貰った
関西呪術協会会長=木乃香の実父の写真を同じように眺めた。
駄目押しにと、パルに奨められて少しずつ読んでいる「○文字D」や「○岸ミッド○○ト」、「ゴ○ゴ○」「バ○」
を物凄い勢いで読み進めたりもした。

(いやだ、もう……こんなに忘れようとしても、ネギの笑ったり、泣いたり、怒ったり、落ち込んだりする顔が出てくる……。
 確かに笑っているときは、何か事が成功したのか、素直に嬉しいと思うし、泣いたり怒ったり、落ち込んだときは
 自分の剣呑な態度に落ち度でもあったか、クラスの連中に変な話題の肴にされたか、
 また何かクラスを巻き込ませたくない事が起きたのか心配になるわよ。でも、でも……本屋ちゃんみたいな感情までは……。)

じゅん……

(!!)

心でネギにそんな感情を抱くのは違うと言い聞かせても、体の方が、正直なのかひねくれ者なのか、
ネギの失敗魔法で毎度白日に曝される薄い布切れの奥にある深淵は熱く疼きだし、快楽の証を湛え始めている。
30(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/03/14 23:00 ID:SL4qshA1
(嘘……私……濡れてる……ネギのこと考えて……感じてる!?
 でも……違う!ネギに抱いているの良い感情は、まだ子供じみた面こそあれど人としてどうかであって、
 男としてどうかじゃない!あ、いや、そりゃ何気に美形だとは思うけど……そうじゃなくて!もう頭にきた。自分に。意地でも吹っ切る!)

…………

ネギに対して何かと突っかかっていた2年末期の如き鉄の意志を、ネギに対する感情の突然変異を
抑止するために全て使い込み、何とか深い眠りに付こうとしていた。しかし、それを嘲笑うかのように、体は余計に熱を帯びていった。

(駄目だ……。余計に変なこと考えちゃう……。
 …………そーいえば……奴があんなこと言ってなければ、
 こんな、自分の発言に苦しむことなんかなかったんだ。よーし……ネギには悪いけど、ちょっとお仕置きしちゃえ♪)

「zzzzz..........兄貴ぃ、もう勘弁してつかぁさい..........あ、いや、彼女たちが嫌いってぇ訳じゃないスけど、
 もうお腹(?)いっぱいで..........ぐげ!あ、姐さん!もうしないから赦して..........
 て、あれ、夢か..........ど、どうしたんです姐さん、深刻さと悪巧みが渾然一体と化した顔しちゃって?」
「何か凄いおめでたい夢の途中悪いんだけどさ……ねぇカモ、ちょっと手貸してくんない?手どころか足全部と尻尾も使うと思うけど♪」

続く
31名無しさん@ピンキー:04/03/15 00:00 ID:P2NaQx/b
>>30
GJ!!
32名無しさん@ピンキー:04/03/15 06:39 ID:oe0QAYpn
>>28-30
続き気になる〜!
どんなエチーなお仕置きなんだろう。ワクワクドキドキ。
33座薬 ◆lQS9gmV2XM :04/03/15 17:12 ID:msioXqtI
>>1 乙彼様
内容は鬼畜なので苦手な方はスルーしてください



以下は美砂のアーティファクトの設定

柿崎美砂―――【傾国のマイク】

・ハンディマイクのような外見の精神干渉型アーティファクト
・マイクを通して発した歌を聞かせることで、対象を重度の催眠状態に陥らせる
・歌を聞かせなくても、催眠状態に陥った対象への効果は30時間持続し、単純な命令を実行する奴隷にできるが、普段通りの生活を続けさせる事もできる
・複雑な命令を実行させる場合は、その願いを歌に込めて奴隷に聞かせなくてはならない
・歌が聞こえなくなると、奴隷は単純な命令を実行する状態に戻ってしまう
・ただし、マイクの能力が知られている相手には効果がない

34第27話「学園混戦」 ◆lQS9gmV2XM :04/03/15 17:14 ID:msioXqtI

「このちゃん、こっちやよ。一人で早く、ウチのところに来てな―――」
 突然目の前に現れた「ちびせつな」に導かれ、木乃香はループ結界をオートにして、焦ったような顔で階段を駆け上がっていた。
「せ、せっちゃん、何があったんやろう……」
 「立入禁止」と書かれた壊れたドアを破ると、涼しい夜の風が木乃香の頬を撫ぜた。


 学園・屋上―――


「せっちゃん!」
 木乃香のオレンジ色の着物と、長い髪が風に靡く。
 桜咲刹那は屋上の中央で、一糸纏わずにしなやかな裸体を夜の闇に晒していた。
 片手には闇を映して鈍く輝く愛刀、もう片方には呪符の束が握られている。
「このちゃん」
 刹那が微笑んで木乃香を出迎える。
「せっちゃん……」

 二人が向かい合い、距離が縮まり、そして―――



 麻帆良学園の放送網―――スピーカーは学園の広域に及び、学園都市メンテナンス時の停電前の放送などに用いられている設備である。
 他人の心を歌で惑わし、操る美砂のアーティファクト『傾国のマイク』を使うならば、その設備を利用しない手はないだろう。
「さーて、ストレス解消もかねて、思いっきり歌っちゃうよぉ―――」
35第27話「学園混戦」 ◆lQS9gmV2XM :04/03/15 17:16 ID:msioXqtI
 円から「ネギ君逃走」との知らせを受けた柿崎美砂はパチッ、パチッ、と放送機材のスイッチをリズムよくONにしながら、カードを「♪」を逆さまにしたような形状のマイクに変え、大きく息を吸い込んだ。
「――――――――――――――――――――――――っ!!!!」

 ネギ君を捕まえて―――
 その願いが込められた美砂の歌声は、麻帆良学園を巨大なコンサート会場に変えながら響き渡り、学園を警備している奴隷化した生徒100人以上に、命令としてその鼓膜を震わせる……。

          *

「危ないっ! や、止めてください―――っ!」
 大音量の歌が響き渡る中、ネギとカモが乗った杖はふらふらと低空飛行で学園の敷地内をさ迷っていた。
 歌声に操られた生徒たちはハルナが創りばら撒いた武器、魔法銃や弓矢などを空に向けて嵐の如き攻撃でネギを撃ち落そうとし、二重、三重の防衛ラインを成して逃亡を阻んでいる。
「兄貴、もっと速く、いや、高く飛んでくれっ! 矢が尻尾に刺さっちまう!!」
「今の力じゃ、これが精一杯だよぉ! え? う、うわああ―――っ!?」
 新手の追手が真上から現れる。その生徒たちはリュックサックのように背負える翼を装備し、ネギの杖に急降下してネギを羽交い締めにし、呪文を唱えられないよう口を塞いだ。
「ラス・テル・マ・ステむぐう! むぐぐ……む、むぅ――っ! ん、ん―――!?」
 杖はジグザグに飛びながら高度を下げ、まるで地獄に引きずり込まれていくように美砂の兵隊が群がる地上へと落下していく。

 その時、ブツン! と美砂の歌声が突然止まった。

 生徒たちの動きには精彩がなくなり、ネギを羽交い締めにしていた手の力が緩む。地上の生徒たちも、目的を無くしたようにバラバラな行動をし始めていた。
「何か分かんねーけど、今がチャンスだ兄貴!」
「う、うん!」
 ネギは力を振り絞って杖を飛ばし、そのまま美砂の兵隊の包囲を破って逃げていった。
36第27話「学園混戦」 ◆lQS9gmV2XM :04/03/15 17:18 ID:msioXqtI

          *

「あの生徒たちの翼、ハルナたちが飛ぶのに使ったのと同じモノ……。ふーむ、存在し得ないアイテムを創造し、それを量産する能力―――思ったより厄介でござるな」
 深く茂った樹の枝葉に隠れながら、黒装束の少女は穏やかな、しかし鋭い光を宿した目を開く。
「放送設備は使用禁止に設定したけど、それで良かったのか?」
 携帯から聞こえてくる女声に、黒装束は満足げに肯定の返事を返した。
 歌声が消えると、群がっていた生徒たちは統率を失って虚ろな目で徘徊し始めた。歌がなければ「怪しい者に遭遇すれば阻止せよ」程度の命令しか受けていないのだろうか?
 しゅた、と黒装束の少女が地上に降り立ち、そのまま統制を失った生徒たちに襲いかかる。
 矢や魔法銃が発射されるが命中しなかった。黒装束は闇の中で16人になり、生徒たちを幻惑しながら一人、また一人と敵の数を減らしていく。
 しかし、圧倒的な黒装束の少女の胸中では、ある思いが大きくなっていた。

 ――――身体が、あの時のように動かない

 黒装束の少女は以前、女子寮で吸血鬼になった事があった。
 身体はあの時の感覚を鮮明に覚えている。肉体は羽のように軽くなり、力は身体中に満ち溢れてコンクリも簡単に砕け、ヘリを易々と落とせたあの感覚を―――
 もっとも力は朝には失われてしまい、少女も最初はそれが良い事だと信じて疑わなかった。少女にとって力とは、修行を積み重ねて手に入れるものであり、魔法に頼るなどしてはならないという答えに至る。
 しかしあれから数日、木乃香たちの動きを探る過程で少女は、強力な魔法の力を見せつけられてしまった。
 人を操る力、心を読む力、創造する力……それらは普通に修行するだけでは到達できない場所にある力だった。
 きっかけは何か分からない。いざという時は双子などを守らなければならないので、力が欲しかったのか―――それとも単に、さらに強くなりたかったのか。
 ただ、まるでコインが回転するように、いつの間にか気持ちは裏返った。
37第27話「学園混戦」 ◆lQS9gmV2XM :04/03/15 17:19 ID:msioXqtI
 全滅した生徒がそこら中に転がっている。
 黒装束の少女はゆっくりと携帯を取り出すと、再び通話ボタンを押した。
「もう終ったのか? 早いな」
「千雨、お主に一つ問う」
「……え?」

「お主、魔法の力を欲しくないでござるか―――?」

 黒装束の少女はぞっとするような低い声で、携帯の向こうにそう伝えた。
 それは両者間で無意識の内にタブーになっていた問いかけだった。

「………………………………………………………」

 黒装束の少女は何も答えずに、携帯の向こうで沈黙した仲間の返事をずっと待った。
 女子寮を救った少女たち。真相に最も近い少女たち。魔法に近づき過ぎた少女たち。そして、仲間を救おうとここに至った少女たち。
 魔力で操られた生徒たちは既に動かず、少女たちは何も言わない。
 ただ闇は静寂を好むのだろうか、色濃い闇がさらに深く黒装束を包んでいく。
 そして、返事は―――

          *

「ひう……ふうう…ふうう…ふう……」
 占い研究会の部室は、喉を震わせたエヴァの呼吸音が聞こえるほど静かになった
 エヴァを床に倒しての平らな胸を踏み付け、弱々しく開かれた脚の間から生えているモップで、幼い少女と違わない淡い色の性器をごりごり抉っていた円は、訝しげに眉を寄せた。
「美砂の歌が止まった? もうネギ君を捕まえたのかな……でも、ちょっと早過ぎる……」
「ふううぅ……痛い…痛い…抜いて、くれ……」
38第27話「学園混戦」 ◆lQS9gmV2XM :04/03/15 17:20 ID:msioXqtI
「うるさいなあ。そんなに痛いなら、気持ち良くしてあげる」
 円はモップをエヴァから抜くと、ネギが監禁されていた檻から尿のような黄色い液体が入ったフラスコを拾ってきてエヴァの顔に近づけて、ゆっくりと振って見せた。黄色い液体に泡が混じる。
「これが何か分かる?」
「………性交に用いる初歩的な魔法薬……媚薬だな。驚いた。ジジイの孫はもう、魔法薬の調合までできるようになったのか……」
 円はにっこりと嗤ってフラスコのゴム栓を外し、手で扇ぐように香りを嗅いだ。
「正解ぃ。ネギ君はこの薬少しで勃起が治まらなくなって、一日中本屋ちゃんと檻の中でセックスしてたんだよ。じゃあさ、これ全部飲んだらどうなるんだろね?」
「な、に………まさか貴様、それを私に………バカな真似は止めろっ! 魔法薬の素人が! うぐう!」
 円の片方の手が、エヴァの無惨に腫れた人形のような顔に伸びて顎を掴んで口をこじ開け、もう片方に持ったフラスコをエヴァの、血で汚れた小さな口にねじ込んでいった。
「マスター!」
「んん―――っ!」
 従者の茶々丸の見ている前で、エヴァの目から何度目か分からない涙が零れ落ちる。エヴァの口に押し込まれた出口から泡だった黄色い液体が口内に充満し、嗚咽する狭い喉を流れ落ちていく。
 口から垂れ落ちた黄色い涎は内出血で蒼くなった乳房にぼたぼた滴り、淡い色の突起や肌を黄色く汚しながら凹凸の少ない身体のラインを伝い落ち、咽るような臭気が場に立ち込めた。
「ゔゔゔ――――――――――――――――――――――っ!」
 西洋の人形のような体躯をガタガタ震わせて手足をばたつかせ、用量を大量オーバーしている媚薬を注ぎ込まれるエヴァが痙攣するように悶え始めた
 胃に流れ込んだ媚薬が吸収され、皮膚を伝った媚薬が肌に染み込んでくる。外と内から溶け込んだ過剰な媚薬は瞬く間に効果を発揮し、少女の幼い身体を溶鉱炉のように熱くさせる。
 エヴァの身体の至る部分から汗が噴き出してきた。おでこや首筋、乳房や背中、脇の下や膝の裏、そして股間や尻の割れ目の間から、水滴がみるみる溢れ出して滝のように伝い落ちる。
39第27話「学園混戦」 ◆lQS9gmV2XM :04/03/15 17:23 ID:msioXqtI
「ゔあ゙っ、あ゙あ゙ぁ――――――――身体がぁ――――――っ!」
 口から涎を垂らし、目から涙を垂らし、頬を紅く染めながらエヴァが叫んだ。未成熟な胸は相変わらずだったが、淡い色の突起がピンと張り詰めてその存在感をアピールしていた。
「マスター! しっかりしてください!」
 従者の呼びかけは耳に届かなかった。乳房がドロドロした欲の塊に変わる。恥部からは血を洗い流すように愛液が染みだして濡れていき、男根に飢えたむず痒い悲鳴を上げてエヴァを苛ませる。
 全身が敏感になり、神経が研ぎ澄まされて性感に繋がっていく。狂っていく身体をどうする事もできないままエヴァはガクリと膝を折って床に崩れ落ち、自らの火照った身体を自分で抱き締めて悲鳴を上げた。
 しかし、焦点が狂いかけた目はまだ光を失っておらず、焼き尽くされようとする理性の最後の抵抗を思わせる。その必死な瞳が円の嗜虐心を増幅させた。
 円は陥落寸前のエヴァに跨って手首を縛って平らな胸を捏ねまわし、勃起した乳首を爪先でこりこりと弄んで反応を愉しんだ。
「はひぃ、ひっ、ひいぃ……や、めてぇ、頭、、変になる……ひっ……ひいい……」
 理性で我慢できる快楽の限界は超えていた。100年を超える時を生きていた闇の女王が、20年も生きていない少女に乳首を弄ばれるだけで無様な牝の声を上げ、股間を更に濡らしていく。
40第27話「学園混戦」 ◆lQS9gmV2XM :04/03/15 17:24 ID:msioXqtI
「んじゃあ、トドメをさしてあげる。ループ空間もだいぶ狭くなって時間もないし。これで最後、押し潰される前に……」
 円はポケットからペニスバンドを取り出してエヴァに見せる。ただしそれはベルトに本物の生々しい男根を接着したような不気味な代物だったが、エヴァはそれを見て歓声に近い悲鳴を上げた。
「これはねー、ハルナちゃんがアーティファクトで作った玩具なんだけど、実は射精とかできたりする優れもの。みんなに試供品として配られてるの」
「ふうぅ―――ふうぅ―――ふうぅ―――ふうぅ―――」
 エヴァの顔に屈辱と渇望、期待と恐怖が入り乱れる。そのペニスバンドは長さ・太さ共に怪物級であり、エヴァのサイズに合っているとは言い難かったが、エヴァは股間の疼きを押さえられない。
 円はエヴァの顔を見て征服欲を刺激されたのか、立ち上がるとカチャカチャと学ランのベルトを外しズボンを緩め、淡いブルーの下着を下げる。そこには赤黒く充血した巨根が堂々と聳え立っていた。
「手間取らせないよ。最初から装着してるし」
「はひ、ひいぃ―――っ!」
 突然の事に思わず後退するエヴァ。しかし円はエヴァを脚を掴むと、そのまま自分の身体をエヴァの脚の間に滑り込ませた。そしてエヴァの飢えた股間に特大の餌を押し込む。
41第27話「学園混戦」 ◆lQS9gmV2XM :04/03/15 17:25 ID:msioXqtI
「う、ぁ………!?」
「くふふふふ」
 オモチャにされたエヴァの性器に、敵対する関係にある者が結合する。
 膣を押し広げて突き進んでくる巨根を、欲情したエヴァの肉体はしっかりと受けとめていた。体内に突き入れられた肉の棒が前後し子宮を小突くたびに、押し寄せてくる快楽の波に翻弄される。
「あ゙あ゙っ! ああっ! あっ! あっ!」
 エヴァは惚けたような顔で身体を揺らしながら、外見に似合わない艶のある声を上げた。縛られた手がバタバタ暴れ、噴き出た汗でべとべとした肉体が淫靡に震えた。
「へえ、いい声で鳴くじゃん」
「はああ、はあ、はあ、も、もっと……」
 円が微かに頬を赤くしてエヴァを見、薄っすらと嗤う。
「もっと激しくしてあげる」
 エヴァの反応を見て気をよくした円が、ペースを速めてエヴァの幼い身体を犯していく。動きに合わせてエヴァは、悲鳴と悦びが混ざったような声を断続的に上げてそれに応えた。
「あっ、あっあっあっあっ、はあ、ああ、あっあ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ―――」
 男根の破壊力にエヴァの理性が吹き飛んでいく。ピストンの度に思考は真っ白になり、ただ快楽で満たされていった。


(サウザンド・マスター………お前とこのように交わりたかった―――)


 崩れ去る寸前のエヴァの意識が、わずかに震える。
 あの男。
 もう会えない。話せない。いっしょにいる喜びも、安心感も、あの胸が高鳴る想いも、もう二度と戻ってこない。
 帰ってきてくれるって、言ったのに。
42第27話「学園混戦」 ◆lQS9gmV2XM :04/03/15 17:27 ID:msioXqtI
 どれだけ絶望したか。その当時は毎晩のように枕を涙で濡らしていた。
 何が残った……? 何も残らなかった!
 どうして、どうして私を置いて死んでしまったのだ―――
 帰ってきてくれるって言ったのに!
 帰ってきてくれるって言ったのに…
 帰って………
 …

 うそつき…。

 こんな小娘に弄ばれて、結界に押し潰されて死ぬのか……
 まあ、それもいい。
 向こうで奴に会えるかもしれん。
 どうせ行く先は同じ、地獄だろうし……


 ………心残りは、和泉亜子の事だ。
 人間に戻れない吸血鬼を作ってしまった。
 真祖の魔力を奪い取りながら、自ら吸血鬼になった真祖とは対極の存在。
 もし亜子が生きていたら、必ずこいつらとぶつかるだろう。
 守ろうとするモノを壊そうとするこいつらと。
 近衛木乃香は、私が仕掛けた桜咲刹那の罠にかかって弱体化するはず。
 ジジイの孫は一筋縄ではいかんだろうから、できればここで仕留めてやりたかったが……無理か。

 まあ、もういい。
 私は、もうすぐお前のところへ行くぞ。
 サウザンドマスター………
 …………
 ……

43第27話「学園混戦」 ◆lQS9gmV2XM :04/03/15 17:29 ID:msioXqtI
 快楽に喘ぐエヴァの目から、一筋の涙が流れ落ちていった。
 占い研の部室に水音が響き、窓からの月明かりが交わる二人のシルエットを壁に映し出す。
「……………………………………」
 茶々丸は何も言わず、泣くエヴァの姿を眺めながら、最早無駄な抵抗に近い結界解除作業を続けていた。従者のすぐ前で主人は淫らな声を上げて絶頂に向っていく。
「は、ああぁ………!」
 絶頂に達したエヴァの肉体がビクン! と震えた。その顔に真祖の面影は一片もなく、ただ性的な欲望に満たされた幸せな、そして哀れな少女の微笑みがそこにあった。
 巨根が限界に達し、エヴァの蜜壷にどくどくと大量の精液を注ぎ込んだ。エヴァは抵抗もすることなく、まるで締めているようにその行為が終わるのを待っていた。
「な、なんか調子狂うなー」
 円は逆に興醒めしたようで、エヴァをぽい、と乱暴に茶々丸の方に投げた。茶々丸はそれを受けとめるとハンカチを出してエヴァの股間を拭き、そして懐から試験管を出してエヴァに飲ませる。
「………うう」
 解毒作用がある薬のようで、エヴァの理性が少しづつ戻り始める。それを確認すると茶々丸は、その事に関しては何も言わずに陵辱された主人の脇に控える。
「忠実だねー。茶々丸さん」
 嗤う円が立っている場所を、ループ結界の境界線が透り抜けていく。
 エヴァと茶々丸を中心にしたループ結界の球が、どんどん縮んで小さくなっていく。。
 結界の半径は3メートルを切った。
 エヴァは何も言わずに立ちあがる。
 結界が縮む。
 2メートルを切った。
「ぷはははははは、お別れだね。エヴァちゃん。茶々丸さん」
 円が歪んだ笑みを浮かべる。
「これから邪魔する全ての者は奴隷にされる。麻帆良は木乃香ちゃんと桜咲さんのモノになる―――」
 半径は茶々丸の身長より小さくなった。結界の中でしゃがむ茶々丸。
 エヴァと茶々丸は身を寄せ合い、押し潰されるのを待つだけになった。
44第27話「学園混戦」 ◆lQS9gmV2XM :04/03/15 17:31 ID:msioXqtI
「茶々丸。頼む」
 エヴァが静かに言った。
 茶々丸は無言で、持っていた銃をエヴァの頭に向ける。
「わお」
 円が目を丸くして、見届けようと少し前に出る。


 と、その時、それは起こった―――


「あ」「む?」
 茶々丸とエヴァは同時に声を上げた。それとほぼ同時に廊下の方からバタバタと、複数の足音が聞こえてきた。
「円! やばい! ネギ君に完全に逃げられた! 外にいる連中はなぜか応答もしないし、放送室は使えないし、木乃香ちゃんもどこにもいない!」
 美砂が焦ったような声を上げながら、片手にマイクを持って数人の兵隊と占い研に入ってきた。
「マジでやばいよ! 何か言い訳考えとかないと、本屋ちゃんが「アレ」を使ったら、私たち手も足も出ないまま何されるか分から―――」
 アレと称されるもの―――ハルナがのどかの為にアーティファクトで創った強大な「武器」、美砂と円が二人がかりで挑んでも勝ち目は薄い反則技。
 しかし美砂の思考はすぐに止まってしまった。目の前の光景の意味が分からないからだ。
「………え? あれ……?」
 円も呆然として、ループ結界を易々と解除して立っているエヴァと茶々丸を見ている。
「どうやら、学園の結界が切られました」
「うむ、そのようだ……何かのトラブルか? まあいい」
 エヴァはばさりと蝙蝠で編んだマントを纏って裸体を隠し、どこか残念そうに「ふふふ」と笑った。
 結界の消失―――
 エヴァの魔力を極限まで押さえている結界、それが消えた。
 和泉亜子に大半を奪われて、残り僅かな魔力。それは普通の魔法使いレベルの力しかないが、しかし、結界がなくなった事でその力を存分に使える状態になったのである。
45第27話「学園混戦」 ◆lQS9gmV2XM :04/03/15 17:32 ID:msioXqtI
「え、えぇ!? なんで?」
 訳も分からないまま、エヴァと茶々丸に気圧された円がバットを構える。
「ふう、やれやれ、私としたことが…危うく向こうに行っても奴にバカにされるところだった……」
 目を軽く拭いながらエヴァは言った。


「とりあえず、和泉亜子のために貴様らは排除しておこう―――」


 茶々丸が銃口を、エヴァが片手を円と美砂に向ける。何かを叫ぼうとした美砂と円の声を、爆発音が吹き飛ばした。
 噴煙が晴れるとそこには円、美砂、そして美砂の兵隊たちが意識を失って転がっている。全員が完全に失神しており、円の学ランは胸の辺りが消失して乳房が見えている。
「………全員意識を失いましたが、数時間で目を覚ますかと思われます」
「よし、それまでに決着をつける―――では行くか、ジジイの孫のところに」
 マントを翻したエヴァの後に、巨大な銃を持った茶々丸が続く。
「ところで、今の状態の私とジジイの孫、どちらが強い?」
「おそらく木乃香さんがまだ勝っているかと。彼女がどのくらい消耗しているかにもよりますが」
「………そうか、まあいい」
 壊滅した占い研から、二つの影がゆっくりと消えていった。

          *

 学園の傍の木に立った黒装束の少女は、煙を上げる占い研部室を細い目で眺めていた。
「おいおい、本当に良かったのか? 学園の結界を切っちまって」
「まあ上出来でござる」
 近衛家から収集した情報の中には「エヴァは女子供は殺さない」というものがあった。黒装束の少女はそれが正しかった事に安堵しながら、次の策を練る。
46第27話「学園混戦」 ◆lQS9gmV2XM :04/03/15 17:34 ID:msioXqtI

「さて、従者は片付いたが、問題は誰から仮契約の方法を聞き出すかでござるな」

 黒装束は頭を掻いて苦笑し、携帯の相手と話している。
「しまった、あの時ネギ坊主を捕まえて聞き出すべきでござった……」
「おいおい、本当に仮契約の仕方をゲットできるのかよ……。 ま、後でガキや刹那に聞けば済む気もするが」
「いや、事件が解決してからでは、それは逆に危ない。下手すれば拙者たちが危険因子と見なされかねない。できれば、状況が混乱しているうちに何とか―――」
「そこらへんは長瀬に任せるよ。ああ、そうだなー、≪魔法少女アイドルちう≫かぁ……なかなかいいな。ま、まあ、女子寮を守ったのは私たちだし、それぐらいは、なあ?」
「そうでござるよ。魔法の力を安全に、そして有効に利用できるのは―――」
「その危険性を知り、そして撃退した経験もあり、知識もある私たちだけだ。クラスの能天気な連中じゃ、こんな力は使いこなせんよ。そう、私たちだけ……」
 深い闇の中で、携帯電話の向こうの少女と黒装束の少女は声を殺して嗤う。
「とりあえずは観戦でござる。≪近衛の姫≫と≪闇の福音≫―――お互い全力を出し合って戦い、そして潰し合わせる」
「そして最後に勝つのは私たちだ。ふふ、ふふふ――――」


 黒装束の少女は立っていた木の枝を軽く蹴り、そのまま跳躍して闇に消えた………。




47座薬 ◆lQS9gmV2XM :04/03/15 17:35 ID:msioXqtI
次回は「近衛の姫VS闇の福音」
(;´・`) ◆FOU/niiiV6 氏の尻尾プレイ(?)が激しく気になりつつ、ではまた
48名無しさん@ピンキー:04/03/15 20:58 ID:N+Td9gH5
>>47
裏楓キタ─wwヘ√レvv〜(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜─ !!!
刹那に続き楓までもが己の暗黒面に堕ち、三つ巴、四つ巴
の争いへと事態は混迷と悲劇の度合いを増していくのか。

麻帆良の明日はどっちだ!?w
49名無しさん@ピンキー:04/03/15 22:40 ID:OqmPBWl+
弱々エヴァたん萌え〜

そしてクギミーは予告通り3秒で仕留められちゃった訳ですな。
無言実行ステキメイドその名はセ…茶々丸さん(縞パン)

都合の良いマスターを探すはぐれサーヴァント楓&千雨の邪悪っぽい会話もイイ。
50名無しさん@ピンキー:04/03/16 13:46 ID:h5Y/CeQm
前スレ使い切れよな
51名無しさん@ピンキー:04/03/16 22:34 ID:iCPNp90V
さて、そろそろ皆がいい具合に壊れてきたわけでして……
52座薬 ◆lQS9gmV2XM :04/03/18 19:21 ID:0iKBcJQw
つなぎの話なのでエロありません……すみません
苦手な方はスルーしてください
なんか喧嘩しているようなので、好きな方を応援してください


 今、麻帆良学園を襲っている現象は、近づく者や関わる者を否応無しに巻き込み、拡大する混迷の渦である。その忌々しい渦を生んだのは真祖と呼ばれる吸血鬼の少女だった。
 その渦巻きに最悪の形で巻き込まれたのが、吸血鬼に変質し戻れなくなった一人の少女であるならば、以下に挙げる二人はさながら渦巻きに呑まれず、台風でいう目の位置に立っていたと言えるだろう。

 一人は見習い剣士、名は桜咲刹那。
 古都京都に本拠地を持った掛値なしの戦闘集団「神鳴流」の一員。魔法剣士。気を込めた剣は一振りで岩を砕いて魔を切り裂き、跳べばワイヤーアクションのように壁を越えるその能力は、常人を遥かに凌駕している。
 肌は白く端整な顔、目は刃物のように鋭い。背は小さいが四肢は鍛えられ引き締まっている。肉体はまだ熟れてはいないものの、硝子のような強さと脆さを内包した美しさに、男たちは思わず足を止めるだろう。

 もう一人は何も知らされずに育てられた才能、名は近衛木乃香。
 祖父は関東魔法協会の長、父は関西呪術協会の長。日本魔法界の中核「近衛家」、その血に秘められた強大な魔力を受け継ぐ令嬢である。その才能は関東を滅ぼせるとさえ謳われており、千の呪文の男をも超える。
 おっとりとした性格の大和撫子であり、長い黒髪が美しい。幼さが残る美顔からこぼれる笑みはホットケーキのように場を和ませる不思議な雰囲気を放っており、これも一種の彼女の才能だろう。


 二人は最初、お互いに大切な友達だった。立場も、家も、身分も関係ない、純白のティッシュペーパーのような関係である。しかしすぐに友達は護衛に変わり、また友達はお嬢様に変わっていった。
 時間は溝に、絆は闇に、願いは影に、想いは力に、
 欲は暴力に、愛は鎖に、自責は罪に、夢は現実に、
 近衛の姫は吸血鬼に、護衛の剣士は生きる傀儡に、
 変わりゆく全てを受け入れながら進む二人に、そして今―――


 学園・屋上―――


「せっちゃん」
「このちゃん」
 周囲に満ちていた夜の闇は二人の会話に反応するようにざわめきだし、煽るような強い風をどこからともなく運んできた。木乃香の長い髪とオレンジの着物が、風に流されてゆらゆらと靡く。
 母のお腹から産まれたままの姿の刹那は、片手に刀を、片手に呪符の束を持ち、冷たいコンクリートの上をひたひたと歩いて木乃香の方に近づいていく。その肉体には薔薇のような香りが纏わり付いていた。
 風に乗って漂ってきたその香りをくんくん、と嗅ぎながら、木乃香は眉を少し寄せた。
(この香りは………魔法薬?)
 刹那はそのまま木乃香の前で、目を愛らしく細めて頬を朱に染めながら「えへへ」と無邪気に微笑んでみせた。木乃香もそれに応えるように華のような笑みを浮かべる。
 刹那は嬉しそうに刀を前に翳して、刃に刹那と木乃香を歪めて映しながらまた「えへへ」と嗤う。
 しかし、女子寮で誘拐しようと時と同様、今の状態の木乃香には刀は通用しない。
 木乃香の纏うオレンジの着物がざわりと、風に逆らうように波打って動いた。
 しかし刹那はそのまま刃を水平に構えて、
 一気に突き、そして抜けた。
「え……」
 木乃香の思考が数秒停止した。
 木乃香の前で、背中から刃を生やした刹那は反動で回転しながら、しかし微笑みながら刀を握る手に力を込めて、そのまま刀を引き抜いた。
「えへへ…ごほっ!」
 刹那の口から、そして身体から流れ出す液体がぽたぽたと屋上のコンクリに染みていく。べっとりと濡れた刀が刹那の手から滑り落ち、からん、と乾いた音を立てて転がっていった。
「あ、あ……?」
 よろよろと木乃香が刹那に近づいていく。まだ思考は正常に戻っていない。刹那はそんな木乃香に、やはりにっこりと微笑みながらどろりと口から液体を垂れ流し、そして倒れた。
「き…きゃああああああああああああ――――――! せっちゃん!」
 木乃香が刹那に慌てて駆け寄る。素人目から見ても、刹那の傷は決して浅くない。早く回復魔法をかけなくては命に関わりかねない。
 木乃香は倒れた刹那の傷に手を置き、回復魔法を唱え始める。溢れる液体で指や爪がべたべたになったが気にしてはいられない。
 しかし刹那は突然目を開くと、刀を握っていた手で木乃香の手を掴み、もう片方に握っていた呪符を全て発動させた状態で木乃香の身体の、胸の辺りに押し付けた。
「きゃっ!? せ、せっちゃん、何するん?」
 木乃香の障壁と刹那の呪符がバチバチと反発し火花を散らした。どうやら呪符は攻撃用の代物らしい。それと連動して刹那の身体にも負荷がかかるのか、傷が広がりプシャ! と液体が勢いよく吹いた。
「せ、せっちゃん………」
 木乃香を捕えた刹那は蒼白な顔で、「えへへ」と邪気のない笑みを浮かべた。


 エヴァのかけた暗示、それはつまり、そうする事だった。
 木乃香を確実に追い詰めるための、トラップ。

 せっちゃんの傷がこれ以上広がると、手遅れになる。
 罠だろうが関係ない。
 せっちゃんが一番大切なのだから。
 せっちゃんの護衛はもう要らないと言い切ったのだから、自分は強くなったと言い切ったのだから。
 ウチがせっちゃんを守ると言い切ったのだから―――


 木乃香は躊躇いなく自分を守っている障壁を解除した。オレンジの着物は消えてなくなり、木乃香は刹那と同じく産まれたままの姿になった。
「きゃあああ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙―――――――っ!」
 反発は収まり刹那の傷が広がるのは止まったが、呪符から流れ込んでくる電撃のようなものが、無防備になった木乃香の身体を貫いた。身体が砕け、精神が焼き切れるかと思うほどの激痛が木乃香を襲う。
 髪を振り乱して泣き叫ぶ木乃香の腕を、刹那はしっかりと掴んで離さない。呪符を押し付けられた木乃香の胸は乳房が真っ赤に腫れ上がり、刺激で乳首が立ってぷるぷる震えている。
「いやあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ―――、せ、せっちゃ……ん―――、い、今あ、治して…あ゙あ゛あ゛っあげる、がらぁ、も、も゛う少し、だけぇ、あ゛あ゛あ゛あ゛っ! あ゛あ゛あ゛あ゛っ! がんばってな、ぁ……」
 激痛で集中できず、回復呪文の光はネオンのように点滅して上手く治療できない。
「うん、ウチがんばるね。ゴホッ、ゴホッ、だからこのちゃんもがんばってな」
 刹那は蒼い顔で口を赤く染めながらにっこりと嗤って、そう答えた。
 ……………………………………
 ………………………

          *
「果たして木乃香さんはどの程度消耗しているでしょうか?」
「枯れ果ててくれていると楽だがな」
 濃厚な闇の気配が辺りに満ち満ち、その中からぬるりと人影が屋上に現れる。
 生きた蝙蝠で編まれた漆黒のマントを纏うブロンドの少女と、巨大な銃を装備したメイド服のロボット―――従者二人を退けて「主人」の元に辿り着いたエヴァンジェリンと茶々丸である。
 二人の前では一糸纏わぬ姿の刹那と木乃香が絡み合うように抱き合い、冷たいコンクリに転がっていた。周囲にはどす黒い染みが飛び散り、少し離れた場所には汚れた刀が転がっている。
「せ、っちゃん……」
 ゆらりと立ちあがった木乃香が、闇にその身体を預けるような無防備な姿でぽつりと呟いた。刹那は安らかな顔で眠っており、微かに上下する乳房が呼吸をしている事を示している。
「ごめんな…ひくっ、ひっく、こんな辛い目に遭わせてもうて……油断しとったなんて、言い訳にはならへんよね……ごめん。ほんまにごめん……」
 ぼろぼろと零れ落ちる涙は、広がったドス黒い染みに吸い込まれるように消えていく。木乃香の乳房は真っ赤に腫れあがり、腹部は刹那から溢れた液でべとべとに汚れ、憔悴した顔は目だけがぎらぎら輝いている。

「あんたらか、せっちゃんに、変なことをしたんは」

 木乃香の首がぎこちなく回り、エヴァと茶々丸を無表情で見た。長い髪がふわりと舞い上がる。
「ちっ、まだ力は有り余っているようだな―――茶々丸!」
「攻撃開始します」

「氷の精霊17頭。集い来たりて敵を切り裂け。『魔法の射手・連弾・氷の17矢』―――!」

 エヴァの周囲で、闇から生じた氷が魔力で矢へと変わっていく。同時に茶々丸がチャージしていた銃から閃光を発射した。荒れ狂う魔法の矢と眩い光線が木乃香のいる場所で炸裂する。
 轟音と共にぱらぱらと氷の欠片が飛び散り、闇に白い雪の結晶が舞い落ちる。
「因果なものだ。ジジイは産まれてくるお前を将来守るために、わざわざ学園の警備員を探していたというのに、今ここで、その警備員がお前と戦っているとはな」
 爆発の余韻の霧が朦朦と立ち込める、その向こうから伝わってくるのは圧倒的な敵意。
「この麻帆良という巨大な揺り篭を与えられた貴様が今、自らの手で麻帆良を壊そうとしている。色恋に狂うなとは言わんが、反抗期もほどほどにしておくことだ」
「……魔力値が急上昇しています」
 エヴァの横で、茶々丸が無感動に報告した。霧の向こうからびりびりと伝わってくるプレッシャーは、どうやら気のせいではないらしい。
「ふん、これが一週間前には私の力を借りなければ何もできなかった小娘の力か。これが近衛の血を受け継ぎ、その力あれば関東を討てると言われた近衛の姫か―――面白い!」
 ぼん! と霧を吹き飛ばし現れたのは、美しい、姫と呼んでなんら遜色ない綺麗な少女だった。オレンジの着物を身に纏い、バチバチと周囲に青い放電現象を起こしながら身体は数センチ浮かんでいる。
 星明りしかない闇の中でも、着物はまるで輝いているように鮮やかなオレンジ色だった。生地は生物のようにばたばたと波打ち、木乃香の身体を覆っている。
「マスター、あの着物は」
「ふむ、身に纏うタイプの『護鬼』だな。ループ結界といいパートナーといい、どうやらジジイの孫は西洋魔術と陰陽術の両方を使えるらしい」
「オンアクヴァイラウンキャシャラクマンヴァン!」
「―――っ!」
 漆黒の翼を広げたエヴァと、ジェット噴射の茶々丸が上空に舞い上がる。衝撃波が屋上の表面をバリバリと削り取りながら通過したのはその直後だった。設置されていた避雷針が折れて飛んでいく。
「ふっふっふ。近衛木乃香よ。桜咲刹那の唇は柔らかいな!」
 上空のエヴァの言葉に、木乃香がぴくりと反応する。
「マスター?」
 茶々丸を無視して、エヴァは木乃香に叫ぶ。
「ああ、弄んでやったよ。無理矢理薬を飲ませてからも、ずっと泣いてお前の名を呼んでいたよ。助けてー、このちゃん助けてー、ってな。まあ、指を挿れてやったら大人しくなったが、くくく」
 木乃香の髪が、ざわざわと動いて逆立ち始める。間違えても風のせいではないだろう。
「………」
「ついでに流れた血を少し舐めてみたが……血は不味かったな」
「せっちゃんの、血を……? ウチがずっと飲むのを我慢していたのに……?」
 呆然とする木乃香が、すやすやと眠る刹那を見る。
「マスター、なぜそのような嘘を」
「少し怒らせて魔法を乱発させる。もう少し消耗させないと今の状態では勝負になら―――」
 小声で会話するエヴァと茶々丸。その時、屋上は猛烈な光に包まれて闇を照らした。

「光の精霊173柱。集い来たりて敵を射て。『魔法の射手・連弾・173矢』―――」

「何―――っ!?」
 屋上から発射された魔法は、まるで光のシャワーが夜空に降り注いでいるような幻想的な光景を作りながら、麻帆良学園上空の闇を一気に塗り潰した。
「くっ、この化物めっ! くだらん呪文をどこで覚えた?」
「マスターの狙い通りですね。木乃香さんはキレたようです」
「ええい、うるさいっ! とにかくこちらは力を温存せねばならん。防ぐのは必要最低限に止めろっ!」
 確かにエヴァと茶々丸に直接飛んでくるのは数十矢で、残りの矢は魔力の無駄な消費として夜空に消えていく。ホーミング弾でなかったのが幸いである。しかし……。
「こ、これは……ちょっと待てっ!」
 光の矢の大群に混じって数メートルはある巨大な光の玉や、目に見えない衝撃波が連射される。
 最初は凌いでいたエヴァたちだったが、シューティングゲームのふざけたボスキャラのような猛攻を仕掛けてくる木乃香に、だんだん逃げまわるだけになってくる。
「たまらん! 茶々丸、少し反撃しろ!」
「了解!」
 怒涛の勢いで魔法を乱射する屋上の木乃香に、上空から氷の矢と閃光が降り注いだ。しかし、木乃香の着物は攻撃を完全に遮断しており、魔法を発射するペースは衰えない。
 上昇する魔法と、降り注ぐ魔法の軌跡が空間で交差し爆発する。衝撃が伝わり学園が震え、窓ガラスが粉々に割れて滝のように学園校舎の壁を流れ落ちた。
 夜空をまるで昼のように明るくしながら、遠距離による魔法の撃ち合いが続く。
「マスター、このままではこちらが押し切られます!」
「ふうむ……いや、そんなことはないぞ。茶々丸よ、もう少し凌げ。攻めるのはそれからだ」
 エヴァが下降し、そのまま学園校舎の中に飛び込み見えなくなる。屋上から校舎の内部を狙うのは難しい。木乃香が魔法を発射しながら軽く舌打ちをした。

          *

「ふーむ、これは使えるでござるかな……?」
 「♪」を逆にしたようなマイクを片手に、黒装束の少女は首を傾げた。
 壊滅した占い研の部室には「うーん、うーん」と呻いている円と美砂、そしてその兵隊が転がっている。
「おい、どうだ? 私でも使えそうか? 柿崎のマイク!」
「うーむ、とりあえず試しに拙者が一曲披露したいところでござるが、聞かせる相手がいないでござる……」
「まあ保留だな」
 携帯で会話しながら、黒装束の少女は部屋を調べている。
「んー。隣の部屋は何でござるかな?」
 黒装束の少女はそのまま隣の部屋に移動する。その部屋はハルナが使っていたはずだった。
「………」
 黒装束の少女は警戒しながら歩を進める。部屋には沢山の本が積まれていた。奥にある机には、漫画家が使うトレース台やカッター、インクやトーンが散乱している。
 積まれた本は最新兵器の図鑑、刃物の写真集、式神術の教本、魔法アイテムの書物など。どうやらハルナがアーティファクトを使う時の資料にしたものらしい。そして、

「理科の教科書? こんなものがどうしてここに―――」

 それは少女たちが使っていた中学理科の教科書だった。
 その時、外がまるで昼のように明るくなり、爆発音が何回も響いてきた。校舎がガタガタと揺れて窓ガラスが割れて落ちていく。
「どうやら始まったようでござるが……いや、すごい」
 窓枠に残ったガラスを丁寧に取り除いてから、黒装束は窓から顔を出した。
「どれぐらいすごいんだ?」
「音と光のショーを見ているようでござる」
「遊園地かよ」
「ははは」
 屋上から発射される光の奔流に、黒装束の少女はしばし見惚れる。
 と、その時。
「何っ!?」
 黒装束の少女は慌てて窓から身を退き、そのまま隠れた。上空にいたはずのエヴァが飛んできて、黒装束の少女が覗いていた窓を通り過ぎて少し離れた部屋に突っ込んだ。
「こ、校舎の中に来られると、拙者も危ないでござるよ――」
 部屋から出ようとする黒装束の少女、しかし部屋の出口付近で足を止め、そのまま横の壁に張り付く。
「さあ、勝負はここからだぞ小娘ぇ―――っ!」
 黒装束の少女が飛び出そうとした廊下を、漆黒の翼を展開したエヴァが猛スピードで飛んでいった。
「ふうう、危ない危ない。いやいや、スリル満点でござるな。遊園地の5倍はすごい」
「遊園地の5倍? 客も5倍で行列も5倍か」
「並んでまでは……どうでござろう?」
 黒装束の少女は苦笑しながら、窓から顔を出して観戦を続けた。
「むう? 校舎側からの攻撃が止んだようでござるな―――」

          *

「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ……」
 刹那を後ろに寝かせ、木乃香は大量の汗をかいて屋上にへたり込み、荒い呼気を何とか整えようとしていた。少なくとも魔法を乱射していた元気はなくなっている。
 その前にズシャ、と重量を感じさせる音を立てて茶々丸が着陸した。その手に構えた巨大な銃はエネルギーをチャージし、一直線に狙いを木乃香に定めている。
「貴女は魔力を無駄にし過ぎです。いくら膨大な魔力を有していても、あんな使い方をすれば枯渇するのは当然。マスターの睨んだ通り、戦闘に関しては素人のようで」
「そっちこそ、何でわざわざ降りてきたん? 実はエネルギー切れでもう飛んでる余裕もあらへんとか? だいぶエヴァちゃんを庇っとったみたいやし」
 刹那と茶々丸の間に身体を入れるようにして、涼しい顔で木乃香は立ち上がった。汗はかいているものの、その表情には焦りや疲れは全く見られない。
「もう魔力も少ないのにその表情。ご立派ですね。自分が弱っている事を敵に教えないのは基本だと、マスターも申していました」
「表情では、茶々丸さんには勝てへんえ。ほら、ウチを攻撃したら?」
「そちらこそ、自慢の魔力を使用したらどうですか?」
 お互いに睨み合うが、どちらも手は出さない。
「もしかして、もう残り一発分のエネルギーしかないんかな? 外したらお終いとか」
 にっこりと笑みを見せる木乃香に、茶々丸は無機質な声で言う。
「そちらこそ、さっさと魔法を使ったらどうですか? 使える状態なら、の話ですが」
「………」
「………」

 ―――桜咲刹那を狙うぞ。防げ。

「―――!」
「マスター!」
 どこからともなく響いてきたエヴァの声に、屋上の停滞した空気が弾け飛んだ。


「来たれ氷精、闇の精。闇に従え吹けよ常夜の氷雪。『闇の吹雪』―――!」


「くっ! せっちゃんを狙わんとウチを狙え―――っ!」
 刹那の元に木乃香が駆け寄っていく。同時に屋上を突き破って、木乃香を追いかけるように闇のエネルギーの奔流が渦を巻いて殺到した。下の階からエヴァが攻撃魔法を放ったのである。
 刹那は穏やかな顔で眠ったままだった。木乃香は背中に迫る魔法の力を感じながら、刹那の身体を庇うように抱き締めて着物で覆う。そしてこれからくる苦痛に耐えようと、ぎゅっと目を閉じた。
「せっちゃんは、ウチが守る―――」
 攻撃魔法が木乃香の背中に押し寄せ、そのまま呑み込んだ。鈍い爆発音が響いて屋上の3分の1が吹き飛び、宙に二人の少女が投げ出される。
 刹那は無傷で眠ったまま、まるで葉が風で舞っているように穏やかに虚空に投げ出された。木乃香は裂けてボロ雑巾のようになった着物を纏いながら、刹那を目で追い続けていた。
「せ、っちゃ、ん」
 木乃香が明らかに重力以外の外力を使って空中を移動し、そのまま刹那をがっしりと抱き締めた。そして屋上にいたエヴァと茶々丸に向けて何かを叫ぶ。
「――――――――――――――――っ!」
 それは呪文だった。既に存在しているものなのか、木乃香が無意識に創ったのかは分からない。
 判別不能な叫び声の呪文は、恐るべき量のエネルギーを集めて屋上に収束し大爆発を起こした。二人が抱き合って地面に落下していった後に、校舎の屋上と下の二階分を抉るように吹き飛ばしてエヴァと茶々丸を巻き込んだ。
 地面が接近する前に木乃香と刹那は光に包まれ、そのまま重力に逆らって速度はスローになっていく。屋上から地上に、ふわりと優雅に着地した。
「せっちゃん、無事で、よかった……」
 魔法の光が消えて現れた木乃香はボロボロだった。オレンジの着物は真っ黒に焦げて裂けており、魔法の直撃を食らった背中の着物は完全に焼失して、その肌に真っ赤な火傷が広がっていた。
 魔法を乱発し、また敵の魔法を連続してガードしていたが障壁は少し破られ、指の爪は全て割れている。全身がだるく、初めての本格戦闘による精神的疲労も激しい。
「ウチが、せっちゃんを、守る……から……」
 木乃香は傷ついた身体をそっと刹那に近づけ、ゆっくりとキスをする。まるで弱った鳥が羽を休めているような、穏やかな光景がそこにあった。

「まだ、終りだと思うな……」

「ま、まさか、そんな……エヴァちゃん?」
 驚愕の顔で振り返る木乃香の目に飛び込んできたのは、全裸でふらふらと迫って来るエヴァだった。その鬼のような表情に木乃香は戦慄する。
「機能停止、機能停止、復旧まで1200秒」という警報を鳴らして倒れている茶々丸が近くにいた。どうやらエヴァは茶々丸に庇われて助かり、茶々丸は機能停止に追い込まれたらしい。
「せっちゃん、ウチに、力を……」
 木乃香が震えながら立ちあがり、ふらふら向ってくるエヴァに血塗れの手を向ける。エヴァもエヴァで両手を構え、それを迎え撃とうとする。

 ―――!

 両者が渾身の力で呪文を放ち、両者はそのまま相手の呪文で吹き飛ばされた。エヴァは地面を転がっていき、倒れた木乃香の着物は限界を超えて呪符に戻っていった。
「う、ぐううう……後、少しというところで………」
 苦しそうに呻き声を上げるエヴァの前で、木乃香がずりずりと地面を這っていく。その先には着物の懐から落ちた仮契約カードの束が転がっていた。
「させるか……うぅ……」
 エヴァは攻撃魔法を使う魔力が残っておらず、木乃香が仮契約カードに近づくのを阻止できない。
 と、その時、
 パチパチパチと拍手しながら、
 その黒装束は現れた。

「いやいや、両者いい勝負でござった」

 携帯を肩と首に挟んで穏やかな微笑を浮かべながら、長瀬楓は闇の中から溶け出すように現れた。その細い目に木乃香とエヴァを交互に映し、にやりと口を三日月に歪める。
「楓ちゃん………? まさか、記憶が残ってたん……?」
「長瀬、楓か……いいところに来た! 早く! そいつにトドメをさせ!」
 仮契約カードに手を伸ばした木乃香がそのまま固まった。エヴァが期待の声を上げる。
「まあ、慌てない慌てない」
「……?」
 何を言っているのだ? とエヴァの表情が語っていた。楓はしかし視線を木乃香に移し、にっこりと人を安心させるような笑みを浮かべて言った。

「仮契約の方法を教えるでござる。そうすれば、この場から逃がしてさしあげよう―――近衛の姫君」

 十字架の巨大な刃を翳しながら、楓は木乃香を見下ろして目を細めた。
「つーか、聞き出した後で近衛もエヴァも両方ぶちのめせよ」
 楓にしか聞こえない大きさで携帯から女声が語りかけ、「あいあい」と楓は肯きながら表情は変えない。
「な、何を言っているのだ貴様! そいつは危険だ! 早くトドメを!」
「拙者の仲間が近くにいて、お主を逃がそうと待っているでござるよ」
「……ほ、ほんま?」
 木乃香の問いかけに、首肯する楓。
「…………これ、知ってる? 仮契約カードって言うんやけど?」
 ごく自然な、まるで楓に説明するためのように、木乃香はカードの束を拾う。そして呪文を唱え始めた。知らない者から見れば、仮契約の説明を始めようとしているようにしか、見えない。
「愚か者がぁ! 仮契約カードは従者を―――」

 呼び寄せる事ができる―――、というエヴァの言葉は、最後まで語られなかった。

「………!?」
 楓の前でハルナ・のどか・桜子のカードが鈍く発光し、にやりと嗤う木乃香の顔を照らし出した……。



68座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/03/18 19:39 ID:0iKBcJQw
次回からトリップを変えようと思います
このトリップで投下予定なので、設定変更お願いします

一番エグイ(予定の)最後の鬼畜シーンに向けて話をまとめていこうと思います
ではまた
69名無しさん@ピンキー:04/03/18 22:10 ID:/xdBgPb6
さー、どーなんだか。
70名無しさん@ピンキー:04/03/19 02:04 ID:2gScuPWf
座薬氏はなんというか人間が出来とるなぁ
作品は見とらんがわざわざ告知するところにせよ
荒らしの対応にせよ良くできた好漢だよ
71名無しさん@ピンキー:04/03/19 06:32 ID:ZTCIzbZg
楓、(ノ∀`)アチャー
どうなるエヴァ?!
ってな話ですな。

がんがれ座薬さん。

>一番エグイ(予定の)最後の鬼畜シーンに向けて話をまとめていこうと思います
へ?もしかしてこの話って木乃香完全勝利ED?
・・・怖い、怖すぎ。泣けそう。
72座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/03/20 12:22 ID:ClxLTi70
苦手な方はスルーしてください
喧嘩続行中です、すみません(行為のシーンがないと書くのは早いのですが……)
投下形式を変えたので、改行が上手くいっていないときは画面の大きさ調節してくださいm(_ _)m
 千本鳥居の奥、満開の桜の海に聳える関西呪術協会総本山―――
 木乃香の祖父や父、何十人もの巫女が並ぶ大広間に一人の女が運ばれてきた。手足を魔法で
拘束され、無地の地味な着物を纏っている。彼女は麻帆良学園女子寮で捕えられた反乱分子で
ある。対策会議で関西に来ていた学園長は、この女の尋問に同席する事になったのだ。
「天ヶ崎千草の意識が戻りました―――」
 近衛家の重鎮たちの前に女を運んできた巫女たちが、礼をして離れていく。
「ふむ、では聞かせてもらおうかのぉ。あの夜、女子寮で何が起こったのか」
 殺気を含んだ老人の声が響く。しかし千草はそれに反応を示さず、ぽつりと呟いた。
「このかお嬢様はお元気なんか?」
「それが分かっていたら、苦労はせぬ」
 老人の答えに、千草の顔が蒼白に転じた。
「に、逃がしたんか!? あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ! な、何てことや!」
 錯乱した千草を、巫女たちが取り押さえる。
「お嬢様はウチらに報復に来る! 絶対に来る! あああ、頼む! 頼むわ! 早く、早くお嬢様
を捕まえてえな! 関西でも関東でもええから! 手に負えんようになる前に!」
 口から泡を吹きながら、泣きながら千草は叫び続ける。
「手も足も出えへんだ! 侵入した四人組やって上位の術者やったのに! 戦力を全部集めて攻
めたのに! ああ、あああああああ、お嬢様を始末しようとしたウチを、絶対お嬢様は殺しに来る
わ! お、お願いや、お願いやから、ウチを守ってええええええええ―――ウキッ? ウッキー!」
「もう少し時間を置いて、尋問を再開しましょう」
 木乃香の父が冷静に言いながら、錯乱する千草を魔法で猿に変えた。 


 カードで従者を呼んで、木乃香は命じる。

 滅せよ。処刑せよ。沈黙させよ。排除せよ。滅殺せよ。全殺せよ。
 エヴァンジェリン、茶々丸、長瀬楓、近衛家、関東魔法協会。
 敵を滅ぼせ。討て。焼け。崩せ。壊せ。切れ。解け。
 そして、せっちゃんと二人きりの楽園を、天国を、夢を、世界を―――
 主人の最後の命令を、
 実行せよ………………

 …………………………………………
 ……………………………………………………
 ………………………………………………………………………
 ………………………………………………………………………………

 どん! と立ち昇った三本の光の柱から現れたのは三人の従者たちだった。椎名桜子、早乙女
ハルナ、宮崎のどかは危険な光を眼に宿らせながら堂々と、そして異様な殺気を放ちながら学園
に降り立つ。桜子は手に巨大なピコピコハンマ、のどかは手に一冊の本、ハルナは手にスケッチ
ブックを持っている。翼をリュックサックのように背負ったハルナが、素早く木乃香を救出した。
「ちっ、しくじったか―――」
 苦無を構えながらじりじりと距離を広げていく楓、流石の楓といえども三人の従者と同時に戦う
気にはなれない。魔力で強化されている上に強力なアーティファクトを持った強敵である。
 逃げる楓を見てハルナがにっこりと嗤い、スケッチブックから一冊の本を創りのどかに与えた。黒
いブックカバーで覆われた薄い本、手帳サイズの大きさでありページには何も書かれていない。
「ふふふ、のどか、せっかくだから楓ちゃんで、この本の威力を試してみなよ」
「うん、分かった―――」
 黒い本を片手にのどかが嗤いながらページを開いた。
「長瀬、楓」
 名前を呼ぶと白紙のページに楓の名が記され、同時にページの左上から横に無数の文字が浮
かび上がった。それは瞬く間に一行、二行、三行と改行していき、あっと言う間にそのページを覆
い尽くしてしまう。そこに書かれているのは紛れもなく楓の脳内情報だった。脳内情報がランダム
に読み込まれて日本語に変換され、その黒い本に綴られているのだ。
 楓の背に寒気が走る。まるで首筋に刃を突き付けられている感触を何百倍も濃縮した黒い恐怖
が、楓の心を絶対零度にまで冷やしてしまう。レベルの差ではなく次元の差を感じた。のどかの本
から放たれる禍禍しい殺気が、否応無しに自分を壊すものだということを、楓は本能的に悟ってし
まった。
「う、うわあああああああああああああああ――――っ!」
 楓が苦無を構えてのどかに向けて加速する。途中で16人に分身し、16人が16人とも異なる武
器を装備していた。鎖鎌、苦無、爆薬、手裏剣、戦輪、刀などを構え、四方八方からのどかを包囲
し、そのまま逃げ場がないように一斉に攻撃を仕掛ける。しかし攻撃されるのどかは澄ました顔で
筆ペンを取り出し、攻撃する楓の顔は逆に恐怖に歪んでいる。
 苦無が、鎖鎌が、手裏剣が、バチバチと音を立てて呪符に弾かれた。のどかの手の動きは止ま
らない。使うつもりはなかった爆薬を躊躇わずに使用し、ぼん! と間抜けな音が響いた。しかし
障壁に守られたのどかは無傷で煙の中から現れ、筆ペンでゆっくりと、「長瀬楓」という名前を塗り
潰していく。
 その、筆で名前を塗り潰す行為が自分に致命的な影響をもたらすであろう事が、楓には直感で分
かってしまった。筆は容赦無く、楓の名前を全て塗り潰す。
「あ゛―――――――」
 名前が塗り潰された瞬間、読み込まれた楓の個人情報は墨のワイパーをかけたように真っ黒に
塗り潰され、同時に楓の目の前も闇黒に包まれた。分身が消える。かくん、と楓の身体が右に傾
き、持っていた武器が手から滑り落ちた。光の失った目はのどかを映す事はなく、のどかの前にど
さりと崩れ落ちた。


「試作アイテム『ブラックリスト』―――ふふん、なかなかのモノだね」
 のどかの黒い本をアーティファクトで創ったハルナが、まるで自分の子供を誇る母親のような笑
みを浮かべて、誇らしげにそう言った。
 のどかの黒い本、美砂や円には恐怖と畏敬の念を込められて「アレ」とだけ呼ばれるその物体
は、ハルナが非戦闘員ののどかの為に創り与えた広域攻撃兵器だった。
 モデルにしたのはのどかのアーティファクト「魔法の日記帳」である。有効射程範囲は本から20
0メートル。その範囲内にいる対象の名前を唱えれば、ブラックリストは自動的に対象の脳内情報
を読み込み保存する。そこで対象の名前を墨で塗り潰すと、対象の意識は墨に染まったように暗
転して停止し、そのままのどかの命令を聞く傀儡に成り果てる。解除するには、ブラックリストから
該当するページを破り取らなければならない。
 即ち、攻めてくる敵の名前が分かっていれば、名前を言う→塗り潰すという数秒の動作によって
その敵を精神崩壊させて奴隷にできる。のどかの持った本はそういうモノなのである。
「さてと、私も好きなようにやらせてもらおうかな」
 ハルナはにやりと嗤いながらスケッチブックを開いた。スケッチブックが光り輝き、其処に描かれ
た絵が実体化していく。集中線の効果で接近してくる雰囲気を演出し、トーンで炎の演出をしたそ
の物体が出現すると辺りには熱風が吹き始め、夜空は燃えて明るくなった。


 不吉な、燃える夜空を眺めていたエヴァはハルナが具現化したモノの正体に気付いた。
「逃げるぞ茶々丸! はっ、茶々丸……」
 茶々丸はダメージが大きく、動けるようになるにはまだ数分を要したはずだった。しかし、恐らく
名前を利用する魔術にやられた楓はさておき、茶々丸は復活できる。
(まだ、パートナーを見捨てて逃げるほどには落魄れてはいないか―――)
 魔力は限りなくゼロに近い。しかしエヴァは精神を集中し力を振り絞る。
(百戦錬磨の吸血鬼、命まで燃やせば不可能ではないはず!) 
 エヴァの心の叫びに応えるように、漆黒の翼がばさりとを広がった。鬼気迫る顔でエヴァが逃げ
る準備を整える。そのまま茶々丸の方を向いた……そこには椎名桜子がいた。桜子は巨大なピコ
ピコハンマを振り上げて倒れた茶々丸を狙いながら、エヴァの方を見てにやりと嗤う。思考が沸騰
した。エヴァは翼を動かして全力で茶々丸の元に向かった。
「止めろおおおおおお―――――っ!」
 桜子のアーティファクト「破魔の小槌」は無生物を粉々に砕く能力を持っている。茶々丸との相性
は最悪だった。そのアーティファクトを持った手が、ゆっくりと振り下ろされていく。
 エヴァの目から熱い液体が溢れ出した。もう間に合わない。それは確実だ。逃げた方がいい。し
かしエヴァは止まらず、いや、止まれず、僅かな希望をガラにもなく信じて猛スピードで飛んだ。
「はい、残念でしたぁ〜」
 適度に力を抜いたクイズ番組の司会者のような声を出して、桜子がピコピコハンマを茶々丸に振
り降ろした。変化は一瞬だった。アーティファクトに触れた茶々丸がびくんと動き、そのままボディ
が風船のように弾けた。腕と脚と頭部が飛んでそれらも粉々になっていく。とぱらぱらぱら、と茶々
丸が散っていく。いつも猫に餌をやっていた茶々丸が、美味い茶をいれてくれた茶々丸が、自分に
尽くしてくれた茶々丸が、
「きゃはははははははははははははははははははははははははははははは―――っ!」
 桜子の高笑いが響き渡る中、風に飛ばされて消えていく。影も形もなく、まるで存在すらしていな
かったかのように、そこらの砂に混じって四散していった。
「貴様あああああ―――っ!」
 向こうでは近衛木乃香が美砂の兵隊たちの血を吸っていた。吸血鬼にとって血液は貴重かつ重
要なエネルギである。見た感じでは楓は再起不能、茶々丸は散った。近衛木乃香は復活する。あ
そこまで追い詰めた近衛の姫が復活する。この戦いは、全て無意味になる―――
 その時、ぶわぁ! と猛烈な熱気がエヴァの頬を撫ぜた。ハルナに具現化されて夜空を燃やす
その物体が、引き寄せられるように一直線にエヴァに突っ込んできたのだ。
 それは、燃え盛る巨大な隕石だった。
 エヴァはその隕石に見覚えがあった。それはエヴァたちが使っていた中学理科の教科書の、天
体分野の資料としてカラーで載っている小惑星のイラストである。教科書の改訂が行われてもそ
のイラストは削除されなかったのだ。その太陽や地球や月のオマケである紙上の小惑星を、ハル
ナはスケッチブックに書き写し、武器として使用してきたのだ。
「作品名―――『メテオ(大)』」
 ハルナの声が遠くから聞こえたような気がした。隕石の熱気がエヴァを包む。逃げられない。防
げない。どうしようもない。障壁も発生させられない今のエヴァに、何ができるだろうか。
「………ふふっ。首を洗って待っていろ! サウザンドマスタ――――――っ!」
 赤い炎が目の前に広がり、エヴァの意識はそのまま消えた。


 エヴァを呑み込んだ隕石の軌跡はそのまま学園の地表を抉りながら進み、麻帆良学園中央駅
の建物を吸い込まれていった。前で屯していたタクシーがばらばらと吹き飛び、ヨーロッパ調の駅
の外壁をぶち破り抜けていく。ワンテンポ遅れて駅は内側に沈むように崩壊し、周辺ではタクシー
が次々と火に包まれた。
 そして、インパクト。
 隕石の運動エネルギが爆発となって吹き荒れる。学園都市の建物がドミノのように薙ぎ倒され、
神や悪魔を思わせる巨大な火柱が起こった。爆炎、噴煙。音は衝撃波となって波状に広がり窓ガ
ラスを破壊し、巨人がジャンプをしたような振動がびりびりと学園都市全体を揺らした。
 直撃した位置にはクレーターができ、周辺は何も残っていない。
 学園都市の一部が、ハルナの攻撃で完全に消滅していた。
「折角だからさあ、このまま始めようか。関東魔法協会との戦争―――」
 顔を赤い炎で照らしながら、ハルナがにっこりとのどかと桜子に嗤いかけた。そして木乃香を、主
人たる近衛の姫を振り返る。美砂の兵隊の血を吸っていた木乃香は、回復魔法で美砂と円を復
活させていた。木乃香は無表情で肯くと、ゆっくりと呪文を唱え始めた。
「風の精霊よ。我が従者の歌声を遠方へと運べ―――」
 美砂が「傾国のマイク」で歌い始める。人を狂わす歌声が風に乗って、学園周辺の街に広がって
いく。燃える都市を背景にぞろぞろと亡者のように集まり始める群衆は、全員が意識を美砂に操ら
れていた。その数は優に1000人はいる。
「さーて、みんな。これから関東魔法協会って連中が私たちを捕まえようとわんさか押し寄せてくる
からね。ちょっとだけ協力してもらうよ」
 ハルナがスケッチブックからコピーと具現化を繰り返す。集まった学園都市の市民―――美砂
の奴隷たちにバラバラと、アーティファクトで創った銃器や魔法アイテムが雨のように降り注ぐ。
「あ、あんたはこっちに来て」
 学園で起こった戦闘に気付いたのか、操られた群衆の中に近衛家の黒服がいた。彼はそのまま
ふらふらと美砂たちの元まで歩いてきた。
「関東魔法協会の、主力の魔法使いの名前を教えてください―――」
 のどかの問いかけに黒服はぺらぺらと数十人の名前を唱え始め、円がそれをメモる。
「コピーできるだけコピーして、みんなに配って。それと、楓ちゃんにも働いてもらうからね」
 メモを渡された―――のどかの傀儡になった楓が肯いて、闇に消えた。
「よっしゃ―――っ! これで敵の魔法使い対策も万全! はっはっは―――」
 ハルナが精神崩壊の本『ブラックリスト』を量産し、ばらばらと雨のように群衆に与える。敵の名
前が書かれたリストも配られた。数秒で敵を精神崩壊させる兵器を持った軍勢から、美砂の歌に
合わせて歓声、いや、鬨の声が上がる。
「さあ、お祭りの開始だよ―――!」
 人を狂わす歌が広がる。兵隊が増える。武器が撒かれる。黒い本を持った一団は、壊れたテー
プレコーダのようにリストの名前を繰り返し唱えながら前進する。群衆が武器を構える。銃器に剣
に魔法アイテム。ピコピコハンマを持った桜子と、釘バットを持った円が群衆を率いる。歌う美砂。
木乃香の傍に付くのどか。
「もうちょっと味方を補強しとこうか」
 ハルナが次に創り出したのは、巨大な蜘蛛だった。式神術の教本に載っていた「鬼蜘蛛」と呼ば
れる式神である。固いボディに8つの黒い目、強力な牙に脚力、糸を吐く能力を持った怪物。何十
も量産されたその怪物の軍勢は、群衆の軍勢を守るように先行して敵を探す。
「みょおおぉぉぉぉ―――――」
 蜘蛛たちに混じって、潰れた大福のようなフォルムに白魔術師のローブを纏った、アニメキャラ
のようなデザインの木乃香が現れる。手にはトンカチ、数メートルの巨躯、常に木乃香の身を守る
オレンジ色の着物の姿をした「護鬼」と対をなす、接近戦用の「善鬼」である。
 道路の向こうから黒い車が数台やってきた。近衛家の車である。流石に騒ぎに気付いて急いで
やって来たらしいが、1000を超える武装した奴隷と式神の軍勢に立ち向かうにはあまりに儚い。
「せっちゃん、ちょっと予定より早いけれど、いよいよ始めるえ」
 軍勢を坂の上から見下ろす木乃香が、刹那にそっと声をかけた。
「うん。始めよう。このちゃん」
 無邪気な笑みを浮かべる刹那。
「『メテオ(小)』」
 ハルナが放った隕石がミサイルのように車群に向けて飛び、大爆発と共に車を舞い上げる。
 学園都市を火の海に変え、住民を兵隊に変え、近衛の姫と関東魔法協会の戦争が始まる。


 その時、眩い光が群衆の前で炸裂した。あまりの眩しさに桜子と円が悲鳴を上げて後退する。群
衆も突然前が見えなくなった事に戸惑いながらも、じりじりと前線を下げ始めた。代わりに木乃香
の善鬼や鬼蜘蛛の大群が光源に押し寄せていく。しかし式神たちは、光に近づくと蒸発するように
消えてしまった。
 周囲に満ち満ちた闇を裂くように、その人物は軍勢の前に現れた。
「ああ………そ、そんな………」
 木乃香がその人物を見て驚愕する。自分の目で見ている情報を信じられない、訳が分からない
といった表情である。木乃香の横の刹那が、怯えた顔で木乃香のオレンジの着物を掴んだ。
「せ、せっちゃんが、二人……?」
 軍勢の前に現れたもう一人の桜咲刹那は、木乃香を見てにっこりと微笑んだ。しかし軍勢が押し
寄せてくるのを見て表情を一変させ、鋭い目で敵を威圧しながら持っていた剣を前に構える。
 ぴしぴしぴし、と音が聞こえてくる。
 周囲に満ちた夜が、炎上する麻帆良学園都市の光景が、
 まるでガラスのようにヒビが入り、
 地平線からガラガラと崩壊していく。
 闇の世界が、壊れていく。
 偽物の世界が、消えていく。
「だ、誰だお前ぇ! こ、このちゃん騙されちゃダメ、あれは偽物だよおお!」
 木乃香の横の刹那が木乃香の袖を掴んで、必死の顔で喚き散らした。
「私が誰か? 古来より人を救い魔を討つ秘剣―――神鳴流見習い、桜咲刹那!」
 突然現れた刹那は剣先を、軍勢の中の木乃香ともう一人の刹那に向けて、よく通る声で言った。
「遅れて申し訳ありません、このかお嬢様。今、闇からお救いいたします!」


 …………………………………………
 ……………………………………………………
 ………………………………………………………………………
 ………………………………………………………………………………


「夢の妖精、女王メイヴよ、扉を開き夢へといざなえ―――」


 エヴァとの戦闘でボロボロになった木乃香と全裸の刹那が手を繋ぎ、額に同じ呪符を貼り眠ってい
る。木乃香の横ではエヴァと楓がいっしょに、魔法で木乃香の夢を覗いていた。
「―――ぐ、ダメだ。魔力の限界だ」
 エヴァと楓は木乃香の夢から帰ってくる。それは時間にして一秒にも満たない旅だったが、木乃香
が紡いだ麻帆良の未来の一つは膨大なイメージとなってエヴァや楓の脳に焼き付いた。
「やれやれ、これは厄介なことになったぞ―――ジジイの孫め。くだらん命令を残しよって」
 木乃香の近くに落ちていたハルナの仮契約カードを睨みながら、ぽつりとエヴァが呟いた。
「近衛の姫が覚醒し本気になれば、関東は滅ぶ―――関西のバカどもの妄想だと思っていたが……」
 楓は微動だにせず、後悔に彩られた瞳を虚空にさ迷わせている。


 ここで何が起こったのか?
 それは―――
84座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/03/20 12:42 ID:ClxLTi70
次回に大体の事は決着、次次回から最後の鬼畜シーンです
ではまた
85名無しさん@ピンキー:04/03/20 19:04 ID:l0ZrE/4J
茶々丸死んじゃったかと思った。
夢オチですか…びびらせてくれますね(汗

今まで一番心臓に悪かったです。
86名無しさん@ピンキー:04/03/20 20:45 ID:DCJJ3vmM
前と繋がってねぇ!…と思ったんで夢オチで納得
この後は悪夢の現実と言うわけですな
楽しみにしてます。座薬氏、乙。
87名無しさん@ピンキー:04/03/21 21:44 ID:Njs5KNMx
ん?結局、楓はどうなったんだ?
88名無しさん@ピンキー:04/03/21 22:40 ID:QAMRq5k7
>>87
エヴァと一緒に木乃香が見てる麻帆良大破壊の夢を覗いてる。
>>67からどうやってそんな展開になったのかの説明は次回。
89名無しさん@ピンキー:04/03/22 05:17 ID:Xpiuj4eG
>88
>67からどうやってそんな展開になったのかの説明は次回。

夢オチってのは最後で判ったけど何処で切り替わったかさっぱり判らなかったのは自分だけじゃなくてちと安心。
・・・座薬氏って実はHP持ってるんじゃないこと疑ってみたり。
90名無しさん@ピンキー:04/03/23 01:05 ID:MhxbFJQA
夢の中での自分の所業を後悔しているかえで姉萌え。
いつもの超然とした様が鳴りを潜め、精神的に追い詰められてそうな感じが良すぎ。
傷心のかえで姉の傷口に塩を塗りこむような事言ってみたい。
91名無しさん@ピンキー:04/03/24 19:03 ID:Ez7ygKWt
  ,,,,.,.,,,,
 ミ・д・ミ <ほっしゅほっしゅ!
  """"
92座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/03/24 19:34 ID:X+TIjmD+
内容は鬼畜なので、苦手な人はスルーしてください

>>89
いえ、座薬はHPを持っていません
作りたいとは思っているのですが……(苦笑)

 ―――その時、何が起こったのか?


 まずは木乃香が皆を出し抜いた。桜子・のどか・ハルナの仮契約カードを手に、木乃香は楓の隙
を付いて早口で呪文を唱え始めた。
 カードで従者を呼んで、木乃香は命じる。
 それに対し、最初に行動を起こしたのは、木乃香の後ろで横たわっていた刹那だった。
「―――!」
 それがエヴァの魔法薬の効果か、自らの身体を刀で貫いたショックか、それとも木乃香の回復
魔法が効き過ぎたのか、その結果に正確に答えられる者はいなかった。ただ事実として、その時
の刹那は正気に戻っており、そして間違いなく木乃香を止めるために行動していた。
 刹那はよろめきながらも、残り少ない力で木乃香の背中に体当たりをする。
「―――うぐっ!」
 背中に鈍い衝撃を感じて、木乃香の身体が大きく傾いた。その反動で、桜子とのどかのカードが
滑り落ちるように木乃香の指から離れていく。木乃香は呼吸ができないのか、口を金魚のように
パクパクしながら崩れ落ちていった。誰に攻撃されたかは分からなかっただろう。しかし、その目
はしっかりと、手元に残った最後のカードを捉えていた。
「そのカードを奪え―――っ!」
 次に叫んだのはエヴァだった。エヴァは情報を収集していた茶々丸から、残る3人の従者の能力
は大体ではあるが報告を受けている。実際に戦ってみないと強いか弱いかは分からないが、少な
くとも今のエヴァでは従者3人を相手に戦う力はない。魔法が完成する前に木乃香の妨害をする
のは正しい判断だったと言える。
「―――っ!」
 エヴァの声に反応したのは楓だった。楓は直感的に、状況が危機的であることが分かったのだろ
う。苦無を取り出して木乃香に踏み込み、持っていたハルナのカードを真っ二つに切り捨てた。
 刹那が、エヴァが、楓が、それで終ったと思った。
「う、ふ、ふふっ―――」
 しかし木乃香は愉快そうに嗤っていた。それは敵を嘲笑い、勝利を確信した歪んだものである。
同時に、木乃香の身体から魔力が噴き出したのを、エヴァと刹那は感じていた。木乃香は魔法使
いとして覚醒して約一週間、天賦の才能を完全に使いこなすには時間も経験も不足している。
その木乃香の余力は、限界に達した木乃香が絞り出した、まだ使いこなせていなかった才能の一
部だろう。
 そして木乃香は、半分になったハルナのカードに、その全ての力を注ぎ込んだ。
 エヴァが舌打ちをして木乃香に近づく。刹那が悲鳴に近い声を上げて木乃香に迫る。楓は訳が
分からないままその場に立ち尽くしていた。
 三人の目の前で、半分になったハルナのカードが爆発するような光を放った。
 従者の召喚は失敗した。
 しかし、命令は送り込まれた。


 滅せよ。処刑せよ。沈黙させよ。排除せよ。滅殺せよ。全殺せよ。
 エヴァンジェリン、茶々丸、長瀬楓、近衛家、関東魔法協会。
 敵を滅ぼせ。討て。焼け。崩せ。壊せ。切れ。解け。
 そして、せっちゃんと二人きりの楽園を、天国を、夢を、世界を―――
 主人の最後の命令を、
 実行せよ………………

 破滅をもたらす命令と渾身の力を遠方のハルナに送り、木乃香は満面の笑みで力尽きて倒れ
た。エヴァと刹那は背筋に寒いものを感じて立ち尽くす。サウザンドマスターを超える魔力を持っ
た近衛の姫は、呪いに近い執念で、麻帆良を壊滅へ導いていくレールを敷いたのである。
「…………! どうして! どうして!」
 刹那がよろめきながら涙目で、楓に掴みかかった。刹那の顔には、木乃香の凶行を止められな
かった自責の念と、楓の行動を非難する感情、そして何よりも、傀儡と化してしまった自分への情
けなさが入り乱れていおり、やり場のない怒りを楓にぶつけているようにも見えた。
「せ、拙者は、ただ……うぐうっ!」
 楓の言い分を無視して、刹那は大声で呪文を唱え始めた。陰陽術系の呪文である。楓の胸に手
を置いて、一気に力を送り込んで楓を吹き飛ばした。
「………身体能力を封じる呪いだ。一時間ほどで解ける」尻餅を付いた楓を、鬼のような形相で見
下ろして刹那は言った。「貴女にはしばらく、ここで「闇の福音」を見張っていてもらう」
 刹那は次にエヴァの方を向いて、楓を指差しながら言った。
「エヴァンジェリンさん……いや、闇の福音。貴女にはしばらく、ここで、この危険人物である甲賀
の忍びを見張っていてもらう。嫌と言うなら斬り捨てる」
 エヴァと楓は無言だったが、刹那はそれを肯定と解釈した。
「今から私はお嬢様の心の中に入り、その中に巣食った魔から直接お嬢様を助け出します」
 木乃香浄化の準備をする刹那、体力はまだ残っているようである。
「おい、近衛木乃香の従者はどう始末をつける気だ?」
「……できる事から、先に解決していきましょう。今の我々に、従者を止める手段はない」
 エヴァの質問に、刹那は無愛想な口調で答えた。その間にも呪符を作り、木乃香の心に侵入す
る準備を整える。木乃香の額に呪符を貼りながら、刹那はふと思い出したように言った。
「あ、そうだ。エヴァ……闇の福音、貴女に伝えておきたい事が一つある」


 刹那が語った事、それは事件勃発の原因となった、あの―――

 …………………………………………
 ……………………………………………………
 ………………………………………………………………………
 ………………………………………………………………………………


「遅れて申し訳ありません、このかお嬢様。今、闇からお救いいたします!」
 燃える麻帆良学園都市を背景に、白い巫女姿で軍勢の前に現れた刹那は宣戦布告すると、そ
のまま剣を群衆に向けて駆け出した。群衆の中から、背中に翼を背負ったハルナが上空に飛び
出して刹那を睨み、下にいる美砂に手で合図をした。
「ふん、たった一人で何ができるのかなあ―――?」
 美砂の歌に導かれて群衆は左右に分かれ、刹那を凹字の形で取り囲むようにぞろぞろと動き始
める。手に持っているのは刀剣の類の他に、銃器を持っている者も少なくない。
「私たちに、貴女一人で勝てると思っているんですかー? 桜咲さん」
 のどかが黒い本を持ってジャンプし、群衆の前線に軽やかに着地する。楓を壊した黒い本がぱ
らぱらと風に捲られた。刹那が射程距離に入るまで数十メートルである。
「確かに、現実だったら私だけではお前たちに勝てない―――」
 ハルナのスケッチブックが光り輝いてマシンガンを具現化する。ハルナはそれを片手で持ち、刹
那に向けて慣れた手つきで引き金を引いた。タタタタタタタタ、と火薬音が響き、無数の弾丸が刹
那に向けて発射される。群衆の中からは桜子と円が刹那の隙を伺っていた。
「桜咲刹那、さん―――」射程距離に入った刹那に対して精神を壊す黒い本が発動する。しかし刹
那の情報が読み込めない。「あ、あれ!?」
「現実では、な。―――ここでは話は別だっ!」
 マシンガンの弾丸の軌跡を、刹那が剣で遮断する。鈍い金音が連続して響き、撃墜された弾丸
ぱらぱらと地面に落ちた。刹那は刀で弾丸を叩き落しながら疾走し、前方に群れてきた美砂の兵
隊数十人を一振りで斬り飛ばした。バラバラと斬られた兵隊が後ろに飛ぶ。
「なっ!?」美砂が驚きの声を上げる。「そ、そんなのあり?」
「あううっ!?」のどかが美砂の兵隊に紛れて逃げた。
 刹那のスピードは衰えない。美砂の兵隊をまるでオモチャのように蹴散らし、のどかを兵隊ごと
横に斬り払った。黒い本が分解し、ページがバラバラになって宙を舞う。
「調子に―――」「乗るんじゃないよ―――っ!」
 左から円が釘バットを、右から桜子がピコピコハンマを振り下ろしてくる。刹那は地面を軽く蹴っ
て一回転しながら数メートル下がって着地した。桜子のピコピコハンマで叩かれた地面が粉々に
吹き飛んで穴ができる。円が体勢を整えてバットを片手に接近してきた。周囲に刹那を逃がすま
いと美砂の兵隊のバリケードができ、桜子がピコピコハンマを振り翳して高く跳び上がる。
 前後左右上から敵に迫られた刹那は剣を構え直し、
「神鳴流奥義…百烈桜華斬!!」
 円と桜子、そして美砂の兵隊を鮮やかな螺旋の軌跡を描いて切り裂いた。刹那を包囲していた
敵の陣が一気に崩れて散っていく。倒れた兵隊や従者は血を流さずに、そのまま煙のように消え
ていった。ハルナが険しい顔でスケッチブックを開き、『メテオ(大)』と連呼する。燃え盛る巨大な
隕石が現れて、夜空が紅く染まった。
「ぐう、う、うううう……」
 オレンジの着物を纏う木乃香が苦しそうに座り込み、横の刹那がおろおろしながら木乃香を助け
起こした。しかし木乃香の影が、モゴモゴと生物のように動き始めたのを見て顔色を変える。
「こ、こいつ! こっちに、出てくるなあ―――っ!」
「ぷはあっ!」
 木乃香の横の刹那が顔を歪めて怒鳴った。オレンジの着物を纏う木乃香の影に波紋が生じ、そ
の中から全裸の木乃香が苦しそうな顔をして飛び出す。その裸体には巨大な鎖が巻き付いてい
て拘束されていた。はあ、はあ、はあ、と縛られた木乃香は呼吸を整え、美砂の兵隊の陣を切り崩
す刹那に、大声で叫んだ。

「せっちゃ―――ん! ウチはここぉ――――――っ!」

「お嬢様!」
 刹那の顔がぱっと明るくなる。今だ敵の手の内にあるものの、呼びかけてきたのは女子寮で魔
に憑かれて以来、眠り続けていた本物の木乃香だった。木乃香の心の中で、助けにきた刹那の
呼びかけに本物の木乃香が目覚め、魔に抵抗して現れたのである。
「黙れええええっ!」
 偽の木乃香と刹那が二人がかりで、縛られている木乃香を押さえ付ける。
「せっちゃん、口塞いで!」
「うん!」
「ゔゔゔ、ゔ―――っ!」
 偽者の木乃香に鎖を締め付けられ、刹那に口を塞がれて、木乃香は苦しそうに顔を歪めた。
「木乃香ちゃんのところに行かせるなぁ! 全員でかかっちゃえ―――っ!」
 美砂がマイクを片手に叫ぶと群衆がうねり、おぞましい数で刹那に殺到する。その頭上ではハ
ルナが具現化した燃え盛る隕石が4つ、夜空を炎色に染め上げている。
「『メテオ(だ―――あ゛」
 ハルナの言葉が途中で止まる。美砂も真上を見上げたまま静止してしまう。たった今、襲いかか
る群衆の最前にいたはずの刹那が何時の間にか、美砂の真上を飛ぶハルナに斬り込んでいた。
「い、れ、ん……」
 群衆の中に落下するハルナ、続いて頭上で燃え盛る4つの隕石が指揮官を失い、そのまま真下
で群れる美砂とその奴隷たちに向けて落下する。衝撃が近衛の姫の軍勢を呑み込み、美砂とハ
ルナが煙のように消えた。複数の爆風は互いに衝突しながら波状に麻帆良に広がり、一帯を焦土
と化しながら拡散していく。
 焦土の世界にピシピシとにヒビが走り、そのままガラガラと崩れて消滅し始めた。偽者の木乃香
は本物の木乃香を連れて闇に融けるように逃げ、本物の刹那がそれを追いかける。その途中で
へらへら笑いながら偽者の刹那が立ち塞がった。
「ここは通さな、あ―――?」
 「い」を言う前に本物の刹那が偽者を斜めに叩き切る。偽者は煙のように消えていった。
 壊れていく世界の中を、木乃香を追って刹那は駆けていく。
「さあ、お嬢様を解放してもらうぞ!」
 燃える学園都市が消えた後に残されたのは狭い、球体の闇の世界だった。刹那が剣を向ける先
には縛られた木乃香と、オレンジの着物を纏う偽者の木乃香がいる。おそらく外見は単なるイメー
ジだろうが、実質は魔の元凶であるその「木乃香のカタチをした者」は、本物の木乃香を解放する
つもりはないらしい。
「ゔゔゔ、ゔ―――っ!」
 偽の木乃香は本物の木乃香の口を手で塞ぎ、余裕たっぷりの笑みを浮かべて刹那を黙って見
ていた。刹那の刀を握る手に汗が滲む。相手はあれだけ酷く女子寮で暴れた敵であり、先ほどの
従者たちのように簡単に排除できるとは思えない。実力差は歴然としており、現実では刹那は従
者一人にも勝てないだろう。
(ここからが問題だ―――)
 偽の木乃香から、本物の木乃香をどうやって取り返せば良いのか?
 それは、本物の木乃香が偽の木乃香に抵抗して打ち勝つしかない。
 実際問題として刹那は木乃香の心の魔を狩っているが、それは木乃香を救う手助けであって直
接救う事には繋がらない。場所が木乃香の心である以上、本物の木乃香が刹那に協力して、魔
に怯えず全力で抵抗しなくては勝利することはできない。逆に万が一、木乃香が諦めたりした場合
は刹那が逆に魔に殺されかねない。そうなれば現実の刹那は廃人である。
「ふふふっ、せっちゃん、あれほど可愛がってあげたのに、だま足りへんのかなあ―――」
 闇がざわりと蠢き、にゅるにゅるにゅると無数の黒い触手になって刹那に殺到した。
「くっ!」
 刹那が刀を振って触手を切り裂くが、1本斬ると10本の新たな触手が現れる。小さな島が波に
削られて消えてしまうように、刹那は圧倒的な物量に押し切られる。手首と足首を触手に掴まれ、
手から愛刀が転がり落ちた。本物の木乃香が涙目で見ている前でビリビリと巫女装束が裂かれ、
刹那は半裸で大の字に拘束されてしまう。
「ぷはっ! せ、せっちゃん!」
「お嬢様、気を確かにお持ちください! そいつはお嬢様が……う゛あっ…」
 喉が潰れたような悲鳴を残して刹那の顔が引き攣っていく。刹那の下半身では、イボ付きの太い
触手が陰唇を押し広げながらずぬりと挿入され、白い太ももに赤い血が流れ落ちていた。触手は
まるで先端に目があって、少し進むたびに膣壁をいちいち観察しているようなスローペースで、少
女剣士の性を貪っていく。木乃香も、刹那がされている行為の意味は理解できているようで、その
可愛らしい顔はみるみる蒼白になっていった。
 刹那の膨らみかけた乳房を押し潰すように触手が巻き付き、文字を書いているように肉質を捏
ね回した。触手に合わせて乳房は形を歪に変え、ピンク色の乳首が木乃香の見ている前で上下
左右に揺れ動く。刹那は歯を食いしばって悲鳴を堪えた。木乃香のためならどうなっても良いと思
っていようが、物理的または精神的な苦痛に完全に耐えられるわけではない。
「ああっ! ううっ……! くう……! ほ、んきで……逆らってくる……のを、恐れて……」
 刹那は拘束を解こうと手足に力を入れるが、固定された肉体を動かす事ができない。刹那の足
首に巻きついていた触手はぐるぐると刹那の脚に巻き付きながら上昇し、脹脛から太ももを締め
ながら股間に到達した。手首に巻き付いていた触手も刹那の肘から肩まで迫ってくる。腹にも何十
も触手の輪ができ、細い首にもぐるりと触手の首輪ができた。そして触手はぎちぎちと力を込めて
全身を締め始め、苦しむ顔が木乃香に見えるように位置を動かしながら刹那を嬲った。
「いる、だけ……ゴホッ、ゴホッ……あ、あ……あ、が、ぁ…………」
 性器からもぐり込んでくる触手の圧迫感、肉体を締め上げられ弄ばれる苦しみ、愛情の欠片もな
い物体に犯される悔しさ、想いをよせる本物の木乃香の前で汚される絶望。しかし、何よりも刹那
の心を抉るのは、この光景を凝視させられ続けている木乃香の姿だった。
 希望の類は裏返れば絶望になる。高く飛べば落ちた衝撃も大きい。刹那の呼びかけに応えて抵
抗を始めた木乃香に対し、どうすれば一番ダメージを与えて追い詰め、決意を揺さぶり、戦う力を
奪い、絶望させ、心を折り、諦めさせる事ができるかを、
 「木乃香のカタチをした者」は残酷なほどよく理解していた。
「うぐっ、うあっ、ああっ、あっ、ぐうっ、ああ゛っ、あ゛あ゛っ!」
 突然触手は狂暴化し、今までのスローペースが嘘のような猛烈なスピードで動き始めた。子宮を
ごつごつ突き上げられる腹に響く衝撃に、締められている喉からも悲鳴が漏れる。サイズをオー
バーした太さの触手は木乃香の前で勢いでぐちゅりぐちゅりと出入りを繰り返し、血と愛液を飛ば
しながら刹那の身体をガクガク揺らす。先端の尖った触手が伸びて刹那の乳首にそれぞれぷすり
と刺さり、痣だらけの乳房に赤い筋が伝った。
「あ゛、あ゛あ゛―――っ! あ゛あ゛っ!」
 手足を縛る触手がそれぞれの方向に刹那をひっぱり、突き上げに身体を揺らす刹那がさらに上
下左右に振れる。血塗れの乳房は指より多い本数の触手で押し潰され、挿入されていた触手が
どくん、と一回り大きくなって性器を広げながら突き上げる。両足の触手は刹那を開脚させ、股間
が一直線になるまで広げて力を緩めず、木乃香の前で股裂き状態になった。どす黒い触手が刹
那の陰唇を押し広げて結合している光景が、木乃香の目の前に近づけられる。
「い、嫌あああ! せっちゃんが……せっちゃんがああ――――――っ!」
「あーあ、あんたがウチに逆らわんと大人しゅうしとれば、せっちゃんはこんな惨めな事にはならん
かったやろうなあ。あんたのせいや。目の前の光景はぜーんぶ、あんたのせい」
 泣きながら叫ぶ本物の木乃香の耳元で、偽者の木乃香がぼそぼそと語りかける。その口調はと
ても優しくて穏やかなものだったが、温かみの欠片もない。
「ウチ、が、あんたの言うことを、聞いたら……?」
「あ゛あ゛っ! うっ、ぐっ、う゛っ! お、嬢様、耳を、貸してはいけませ……があ゛っ!」
「せっちゃんは、助けてあげるえ」
 本物の木乃香の言葉に、偽者の木乃香はにっこりと微笑み、その言葉を待っていたようにゆっく
りと肯いた。細い指がそっと、まるで本物の木乃香を誉めるように頬を撫ぜる。
「ウチに全て任せとき。あんたはゆぅーっくり、ずぅーっと、永遠に、眠っとればええんよ―――」
 偽者の木乃香は、震える本物の木乃香の頬にキスをして嗤う。
「おじょ、う、ざまぁ! あ゛あ゛っ! いけま、せん!」
 本物の木乃香は怯えた瞳で、涙を伝わせながら、口を開いた。
「…………ごめん、せっちゃん………。分かり……ました。言うこと、ききます」
「ふふふっ、ええ子やなあ」
「だから……だから……」
「うん?」
 本物木乃香の瞳から、更に涙が溢れ出した。
「うぐっ…ひっく……せっちゃんを……助けて……ひくっ……ください……」
 偽者の木乃香は、目を細めて嗤い、
「約束は―――守るえ」
 刹那を責めていた触手が、動きをぴたりと止める。
 偽者の木乃香は手でそっと、本物の木乃香の目を閉じた。
「ほな、おやすみ」
 刹那の前で、本物の木乃香は目を閉じたまま、
 ずぶずぶと、まるで底無し沼に沈んでいくように闇に消えていく。
 木乃香の脚が消え、
 腹が消え、
「お嬢様、諦めてはいけません!」
 刹那が叫ぶ。
 木乃香は抵抗もないまま。
 ただ、涙を残して。
 闇に呑まれていく。
「お嬢様! お嬢様!」
 狂ったように刹那が叫び散らす。
 木乃香の胸が消え、
 腕が消え、
「このちゃん! 諦めちゃダメ! 諦めたらアカンよ!」
 ぼろぼろと涙を零して。
 刹那は叫んだ。
 木乃香の首が消え、
「―――もう遅いわ」
 偽者の木乃香が、くすくす嘲笑う。
「このちゃん!」
 木乃香の頭が、消え―――


「ここから帰って、また、昔みたいに、いっしょに遊ぼう! だから、がんばって―――」


「ぷぷっ。ふん、何を今更―――」
 偽者の木乃香の嗤いが、途中で固まる。
「なっ……!?」
 闇に沈んだはずの木乃香が、刹那の前に立っていた。
 鎖はない。拘束からは解放された自由な姿で、泣きながら、刹那の瞳をじっと見つめている。
「このちゃん……」
「せっちゃん、嘘ちゃうよね? ホンマやよね?」
 木乃香は目に涙を溜めながら、にっこりと微笑んだ。
 そっと刹那に手を伸ばすと、刹那を嬲っていた触手は煙のように消えた。
「ふ、ふざけた真似を―――」
 偽者の木乃香が、本物の木乃香に襲いかかる。偽者がぶつぶつと陰陽術系の呪文を唱え始め
て手を本物に向ける。本物の木乃香も全く同じ呪文を唱えて偽者に向けた。
「ウチに逆らう気かああ――――っ!」
「せっちゃんに近づくな―――っ!」
 同種の呪文が両者の中間で激突した。偽者が悲鳴をあげて吹き飛ぶ。刹那たちを覆っていた闇
の世界にピシピシとヒビが入り、そこから光が差し込んできた。本物の木乃香もよろめき、刹那の
前で膝を折る。しかし、互角に思えたが、立ちあがったのは偽者の方だった。
「ふふふっ、ウチの、ウチの勝ちや―――」
 崩れていく闇の世界と連動するように、ぐにゃぐにゃと輪郭を歪ませながら偽者の木乃香が迫っ
てくる。オレンジの着物も顔も完全に闇に同化し、巨大な闇の塊になって木乃香に殺到した。
「―――!?」
 固まって動けない木乃香に、偽者の木乃香だったモノが襲いかかる。
 その時、木乃香は誰かの、大きな背中を眺めていた。
 木乃香と、闇の塊との間に滑り込んだ、少女。
 手には愛剣が握られていた。
 魔を討ち。
 人を救う。
 神鳴流の剣士。
「せっちゃん!」
 桜咲刹那はゆっくりと剣を構え、
 後ろに木乃香を守りながら、
 襲いかかる敵に立ち向かう。

「このちゃんに近づくな―――っ!」

 殺到する闇を、真っ二つに斬り捨てた。
 周囲を覆う闇が砕け散る。
「あ、ああ゙あ゙あ゙あ゙―――っ!」
 闇がオレンジ色の着物を纏う木乃香に戻り、鬼のような形相で刹那たちを睨む。
 しかし、すぐに形は崩れて闇に戻り、そのまま砕け散った。
 刹那と木乃香の周辺に、光が差し込んでくる。
「せっちゃん!」
 木乃香が刹那に抱き付いてくる。
 刹那は顔を赤くしながら、そっと抱き締める。
 魔に憑かれた近衛の姫と、
 傀儡に堕ちたその護衛
 魔から解き放たれた近衛の姫と、
 心を取り戻したその護衛
 いや、
 ただ想い合う二人。
 長い時間をかけての、ようやくの再会
 そのまま、
 見詰め合い、
 口を近づけていく。
「このちゃん……」
 二人の距離が、
 ゼロになる。




 そして、光が満ちる―――




 …………………………………………
 ……………………………………………………
 ………………………………………………………………………
 ………………………………………………………………………………


 エヴァが楓を誘って、残る僅かな魔力を使って木乃香の夢を覗いたのは、もちろん「やれ……全
部壊してまえ……」などと呟いている木乃香の夢への興味もあるが、楓に、自身の行為がもたら
す結果を教えるためでもあった。
 木乃香がハルナに送った命令は救いの無いものであり、送った力は簡単にコントロールできるレ
ベルではなかった。99.9%ハルナは力を制御できずに暴走する、そうエヴァは読んでいる。ハル
ナのアーティファクトはその能力の応用性はもちろん、戦闘力をとっても従者の中で別格である。
あの燃え盛る隕石を麻帆良学園都市に発射し続ければ、おそらく30分ほどで麻帆良全体が木乃
香の夢と同じように炎上し、壊滅するだろう。そして、おそらく、何も残らない。
「拙者は……ただ……ちょっとだけ……魔法の力を使ってみたいと思っただけで……だって……
みんな使っていたではござらんか……拙者だって……ちょっとぐらい……ちょっとぐらい……」
 千雨に「双子を連れて麻帆良から逃げろ」と電話した楓は、虚ろな目でふらふらと歩いて、そのま
まエヴァの視界から消えていった。エヴァが楓に夢を覗かせたのは、状況を理解させて的確に動
き回らせる狙いもあったのだが、事態の原因となった楓は精神を押し潰されてしまった。
「ははっ。無敵の者などいないか」
 エヴァは自嘲するように、そう呟いた。口からは牙も失われて血も吸えない状態である。
 エヴァと楓が木乃香の夢から帰って一分ほど過ぎた。刹那が木乃香の心に潜入してからは二分
ほどである。そろそろ刹那と木乃香は決着しただろう。現実の二分も心の中では数時間に近い。
刹那が木乃香を浄化するか、闇に呑まれて廃人になるか、二択の結果はもう出るはずである。
「ん、どうやら浄化には成功したようだな」
 同じ呪文が書かれた呪符を額に貼った木乃香と刹那は手を繋ぎ、まるで二人で遊んでいるよう
ににっこりと微笑んで眠っていた。すやすやと安定した呼吸音も聞こえてくる。しかし、浄化が成功
すれば自分の意思で目覚める事ができる術者の刹那が、なかなか目を覚まさない。
「……いつまで夢の中にいる気だ? もうすぐ現実の麻帆良は火の海になるというのに」
 そこでエヴァはふと、気付いた。
「ふふっ。はははっ。 そうか……桜咲刹那……お前もまた、逃げてしまったのか……」
 浄化が成功した刹那は、夢の中で本物の木乃香と再会していることだろう。コミュニケーションと
して不完全な言葉などではなく心同士で触れ合い、誰にも邪魔されずに結ばれているのだろう。
 そして、麻帆良崩壊が始まる現実に戻ってこない。
 今の状態なら普通に目覚まし時計で起こすこともできる。叩き起こしてやろうとも考えたが、エヴ
ァはそれを実行しなかった。起こしたところでハルナ相手に刹那は役に立たないだろうし、記憶が
残っているかどうかも怪しい木乃香は、もう力も使い果たされて戦力外である。
「……………ふう」
 風が虚しく吹いて、ブロンドの髪を靡かせる。
 目から涙が伝い落ちた。
 刹那から聞いた事実は、エヴァにとって衝撃的だった。

 実は、サウザンドマスターは生きている。

 木乃香に囚われていた時、刹那とネギは一時期、同じ部屋で過ごしていたらしい。その時に雑
談していて、刹那はネギからサウザンドマスターのこと、そしてエヴァの目的を聞いていた。
「生きている……サウザンドマスターは生きている………」
 サウザンドマスターを生き返らせて、もう一度会いたい。
 その一心で始まった今回の事件は、はっきり言ってしまえば、
「無意味だった……な」
 停止しつつある思考は、これが悪い夢であることを祈ってしまった。
「全て無意味だった……これから麻帆良が壊滅しても、もう意味すらも存在しない……」
 麻帆良の、まるで嵐の前のような静かな夜景を見ながら、一人で嗚咽する。
 その時、脳裏に一人の、人間に戻れなくなった少女の顔が浮かんだ。
「そうだ……まだあいつがいたか。うむ、名前を使う魔術に対抗でき、使えないながらも真祖の魔
力を持ち、そして私の名を受け継いだ吸血鬼―――あいつがもし、勝てれば……」
 その考えを、エヴァはすぐに否定した。
「あいつが勝てれば? 奪った魔力もろくに使えない奴が、従者に勝てるわけがない……」
 そんなことは、当たり前なのに。
 しかし、それを否定している、いや、否定したい自分がいる。
 あの、和泉亜子が勝つのを望んでいる自分がいる。
「なんだ、この気持ちは……」
 そもそも亜子は、既に殺されているかもしれないのに。
 近衛の姫の夢は、もうすぐ現実のものとなるのに、それでも否定したい。
 サウザンドマスターが生きていると分かった時に生まれた、心の揺れ。
 15年暮らしてきた、麻帆良学園都市。
 平和ボケした連中にはうんざりしていた。
 平和な暮らしにもうんざりしていた。
 自分は夜の女王なのだから。
 闇の福音なのだから。
「ダメだ。私もどうやら、本格的に狂ってしまったらしい……」
 自由になりたかった。
 闇に戻りたかった。
 それなのに。
 サウザンドマスターが生きている。
 それが分かると、もうどうでもよくなった。
 バカな中学生といっしょに授業を受ける。まあ楽しかったではないか。
 バカな中学生といっしょに部活をしたり、まあまあ楽しかったではないか。
 学園都市で、のんびりと平和に暮らす。まあまあ、それなりに楽しかったではないか。
 それが今になって、本当に、分かる。
 今になって、消える前になって……。
 今更。
「――――――――――――――――――――――――――――――――――――っ!」
 半壊した学園で一人だけ残ったエヴァは、絶叫するように泣き喚いた。
 静かな現実の麻帆良学園都市。
 炎上し壊滅する夢の麻帆良学園都市。
 近衛の姫の夢。
 夢が重なる。
 現実になる。
 麻帆良は、
 終わる。


 闇の福音の横では、木乃香が幸せそうな寝顔で眠っている。
 木乃香が見ている夢は、温かく、愛に満ちた、
 想う人との、幸福な再会。


112座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/03/24 19:55 ID:X+TIjmD+
刹那と木乃香の話はとりあえず今回で終了です
次回は時間をかなり巻き戻して、第25話の続きで吸血鬼亜子たんVS文系コンビ
物語の最終章みたいな感じです

えと、次の投下はおそらく四月に入ってからになりそうです……
しばらくエネルギー充填して来ます
ではまた
113名無しさん@ピンキー:04/03/24 20:30 ID:EShEDJG7
━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
114名無しさん@ピンキー:04/03/24 20:42 ID:4dFjJHqB
GJ乙です。
たっぷり充填して下さい。
115名無しさん@ピンキー:04/03/25 18:20 ID:vuvN6ijf
ホシュ?
116名無しさん@ピンキー:04/03/25 23:19 ID:wmQA33Yq
とうとう、楓が壊れてしまったか……再起しそうに無ぇなぁ……
117名無しさん@ピンキー:04/03/26 00:56 ID:NiehjyoJ
かえで姉・・・なんつーカッコ悪い幕引きだ・・・・・なんて骨体。
118名無しさん@ピンキー:04/03/26 04:39 ID:uwP2A1IM
エヴァたんが…
エヴァたんのへいわなにちじょうを返せ〜w

>座薬氏
>いえ、座薬はHPを持っていません

無料のスペース借りて適当にでっち上げたらどうでしょうか?
HPは目的ではなく手段のはずですから。


せっちゃんのスパッツはたまらんですのぅ。
生尻には無い魅力。
119 :04/03/27 01:04 ID:OK+yb9Vf

ひとつの物語が幕を閉じましたか。
しかし救いがないな。ただ、刹那編と次の亜子編次第では、
最終章で何かが起こりそうな…
つーか、最終章とかないだろうな。絶望のまま
終わるか。
いずれにせよ期待してるよ。絶望もまた良しだ。
120花野木三日 ◆3DAY.zI4Tk :04/03/27 05:32 ID:n2FdFYq6
 人多杉になってからちょいと静かになっちゃった気がするこのスレですが、それでも投下するとレス
くださる方はありがとうございます。
 引き続きパワフルに投下なさっている座薬さん、いつもお疲れ様です。他の職人さんもご自分のペースで
ぼちぼちやりましょ。楽麻さんも、保管庫運営お疲れ様です。


 今回は双子×ネギです。ふたりなのでいつもより長くなりました。
 双子も結構お気に入りです。しかし双子とかいいんちょとか桜子とかパルとか那波とか、私の好きなのは
みんな位置付けが微妙というか(笑) これで文句言っては村上とか超好きの人に怒られるかもしれませんが。
121Twins Stir ◆3DAY.zI4Tk :04/03/27 05:33 ID:n2FdFYq6
「あー、つかれましたー」
「そーだねえ」
 風香と史伽は、額の汗を拭ったりふくらはぎを揉んだりしながら、はぁはぁと乱れた息を鎮めている。
 傍らには、薪として集められた枯れ木や落ち枝の山。風呂を焚けるほどの薪となるとかなりの量が必要で、
双子は数時間掛けて山の中を走り回って集めてきたのだ。
「お主らも、なかなかできるようになってきたでござるな」
 とは楓の言。木というのも軽いものではないから、それを抱えて山道を何時間も走れるほどなら相当な
体力だといえる。そして、忍者の基本は体力だ。
「いえいえ、かえで姉ほどじゃないです」
「ネギ先生よりはできるけどねー」
 と、3人が目線を送った先には、小川の流れの中にある大きな岩の上に、うつぶせに潰れているネギの姿。
流れに舌を伸ばして水を舐めている。双子の薪集めに同行してこの有様だ。
「……前は薪は取らなかったのにー……」
「いやー、あの時はレクリエーションのつもりでござったから」
 今回のネギは、京都での苦戦の教訓を生かし、「やっぱりある程度は身体を武器に戦えないとダメだ」と
思い、こうして楓に修行をつけてもらいにきたわけである。
 ひょっとしたら、即戦力な必殺技や忍術をポンと教えてもらえるかも……という期待があったのだが、
現実はそんなに甘くなく、地味でハードな体力作り。文句を言いたいわけではないが、やはり辛かった。
「じゃ、かえで姉に教わった、疲れが取れて元気になる経絡秘孔を突いたげるよ」
「お姉ちゃん、ネギ先生イギリス人ですから、秘孔とか北斗の拳は知らないんじゃ……」
 ツッコミをものともせず風香がネギの足首を取り、そしてアキレス腱の裏側あたりに指を当てる。
「あ、風香、そこのツボは」
「いいいいいいいたたたたた!!!」
「ん!? まちがったかな……」
122Twins Stir ◆3DAY.zI4Tk :04/03/27 05:34 ID:n2FdFYq6
「さて、ネギ坊主お待ちかねのお風呂でござるよ」
「待ちかねてませんよっ!」
 そういうネギは湯船の中で、前にきたときのように楓の膝の間に座らされ、後頭部を胸にうずめている。
「説得力ないねー」
「うう……」
 風香がそういうのも無理はない。これを楽しみにしない男がいるものか。
「そんなことより、どっちが先に入ってくるでござるか。アレをやるんでござろう?」
「アレ? なんのことですか? それに入ってくるって、ここに3人は……」
「まあまあ。いいことでござるよ」
 そういいつつ、ネギが上がれないように、水の中で両手首を掴んで湯船の底に押し付け、さらに太腿を乗
せて押さえつけた。
「あ、私が先にするですよ」
 と、チョキにした手を上げたところを見ると、史伽がじゃんけんに勝ったらしい。
 装束の帯を解きするりと脱ぎ捨てる。そしてドラム缶のふちをまたいだ。
「わ」
 太腿の間が見えそうになって、ネギは慌てて目を閉じる。
 しかし直後に水音がすると、もう目を閉じているどころではない。
「うー、やっぱり狭いですよ」
 胸を圧迫されて目を開けると、目の前に史伽のおなか。三角座りで入っていたネギの膝と胸の間に割り
入ってきていた。
「ネギ坊主、膝立てないで正座するでござるよ」
「わ、わかりましたけど、史伽さんちょっと、体上げてくれないと……」
「えっと、こうですか?」
 史伽がふちに手をついて体に上げると、湯から出てきた股間がネギの鼻先に。
「わー! ちょっと、もうちょっと下げて!」
「もー、ネギ先生、どさくさに紛れて意外とえっちですね」
123Twins Stir ◆3DAY.zI4Tk :04/03/27 05:35 ID:n2FdFYq6
 ひと悶着のあと、ようやく史伽が湯船に収まる。
「ようやく落ち着いたでござるな」
 物理的には落ち着いたのだが、精神的にはネギは到底落ち着かない。
 正座の形になっているのは水の中だから辛くもないのだが、史伽が向かい合わせでその太腿の上に座って
いる。これでは逃げようがない。背中を楓に預けているのは変わらないが、手は底に押さえられたままだ。
「それであの、3人でお風呂入って、なにがあるんですか……って、史伽さんあんまりくっつかないで」
「いーじゃないですか」
 ひとり落ち着かずにそわそわ、しかし動けないネギに、史伽が体をすり寄せていく。
「忍者というものは、自分の体と技のすべてを駆使して活動するものなのでござるよ」
 と、楓が語り始める。
「それゆえ、体術を磨くのは基本ではござるが――それがすべてではないのでござる。他にも磨くべき技は
いろいろあるんでござるが、中でも房中術は、なかなか女の拙者だけで女の風香や史伽に手ほどきするわけに
いかないんでござるよ。そういうわけで、ネギ坊主にコレを提供してもらいたいな、と」
「わ、ちょっと」
 楓の手がネギの股間のものをいきなり握った。
「うん、一丁前に大きくなってるでござるな。拙者と史伽に挟まれたら、英国紳士ではいられんでござるか?」
 からかわれたネギは、顔を赤くする。
「照れなくていいですよ。むしろ、これで大きくしてくれなかったら、私たちに女の魅力がないみたいです」
 と、大きなぬいぐるみを抱えるように楓ごとネギに腕を回し、ふくらみのほとんど無い胸板を押し付ける。
「あ、あの、まさか房中術っていうのは……」
「左様でござるよ。色事の技、床の術、ネギ坊主にわかるようにいえば、セックスの技術でござる」
「そ、そんな、ダメですよ、先生と生徒で!」
「うー、私は他の男のひとよりネギ先生がいいですよ」
「風香と史伽が一人前のくノ一になるために、協力願うでござるよ。避妊の術は施してあるし、秘密は厳守
でござるから、何も心配ないでござる」
124Twins Stir ◆3DAY.zI4Tk :04/03/27 05:37 ID:n2FdFYq6
「で、でも……あむ」
 なお何か言おうとして開かれたネギの口に、史伽が唇を押し付ける。
 思わず口を閉じそうになったが、史伽の舌が侵入してきていて閉じられない。
「んー、うー……」
 舌は柔らかくて温かくて、触れたところから溶けてきそうだった。そのくせ、舌同士が触れ合うと、表面の
わずかな突起がざらりと摩擦する。すくんだように動きを止めているネギの舌を、史伽が舌先で撫でる。
 少し高い位置にある史伽から、ネギへと唾液が流れ落ちていく。自分の味とはわずかに違う。
 唇に隙間が出来て、ちゅっと鳴った。入ってきた空気が、ずいぶん冷たく感じた。
 史伽が押し付ける力をゆるめて、少しずつ引いていく。舌は前歯の付け根や唇の裏のあたりにまで下がり、
そこを一方的に撫でる。
 最後に、唇を吸いながら離した。ぽっ、と音を立てて開放される。はずみに、ネギの唇の端から唾液が一筋。
「かえで姉、こんな感じでいいですか?」
「んー」
 楓が、その垂れた筋を指で拭うと、粘って糸を引く。ネギがそうされて初めてよだれを垂らしていることに
自分で気付き、慌てて手を湯から上げて流す。
「うん、これなら上々でござるよ。こう、とろっとしてたら、そういう気分になってる印でござる」
 それを聞いて、史伽がえへへと笑ってネギにほお擦りする。
「ネギせんせ、こないだ本屋さんとキスしてましたけど、こういうキスは初めてですよね?」
「……うー、そうですけど……」
「じゃ、私がいろいろ、ネギ先生のはじめてをもらえますね」
「あうう」
 史伽はほんとに嬉しそうに、ネギの髪を撫でながらほっぺに軽いキスをする。
「ん? 風香、なにもの欲しそうに見てるでござるか」
「え、いや、なんでもないよ」
 ドラム缶を覗き込んでいた風香が、気付かれて一歩下がる。
「公平にじゃんけんで決めたですからね。交代しないですよ」
 史伽がへへんと偉ぶると、風香は不満そうに眉根を寄せた。
125Twins Stir ◆3DAY.zI4Tk :04/03/27 05:39 ID:n2FdFYq6
「いいよーだ。その代わり史伽、痛くてもやめちゃダメだからね」
 風香は棄て台詞をいって、膨れ面をぷいとそらす。
「うー、きっと大丈夫ですよ。ネギ先生、痛くしないでくださいね」
 と、若干不安の顔色をにじませつつ、史伽はネギから顔を離す。そのまま上体を少し引いて、代わって
ネギの脚の上でお尻を滑らせ、腰を寄せた。
 そして屹立……というにはまだ小さなそれを、これも小さな裂け目の上に乗せる。
「ふ、史伽さん、ダメですよ、そんな」
「まあまあ。ちょっと史伽がやりやすい姿勢にするでござるよ」
 ネギの腕を、肘のあたりで楓が絡め取る。そして後ろに引っ張りつつ腰を前に押し出した。すると、ネギの
上体が後ろに倒れ、股間の小さなものはほぼ垂直に立ち上がる。
「えい」
 そして史伽が、自分の性器と手のひらでそれを挟み込んで、ゆっくりと動かし始める。手のひらと腰と、
逆向きに円を描くように動かす。まだ生えていないつるんとしたそこは、全体に脂肪の薄い史伽の体の中では
もっとも柔らかい部分のひとつだった。ネギの硬くなったそれを、柔軟に形を変えて受け止める。
「ぁぅ、……」
 ネギは思わず小さく声を出してしまって、慌ててかみ殺す。
 史伽のほうも動きながら、自分の敏感な肉芽を熱い棒の首や裏筋に引っ掛けて、自らを高めていく。それは
ネギの方にも、柔らかい肌の中の小さなアクセントとして伝わる。
 ぐにぐにと形を変えることで動きを吸収していた肌が、だんだんとぬめってきた。それによって、ぴったり
割れ目に収まっていたネギのものは、動きにつられてぬるりと外れ、擦過される。
「えへへ……そろそろ私も、入れても大丈夫そうですよ」
 史伽の割れ目からあふれた粘液は、ふたりの押し合っているあたりで、水にガムシロップを入れたような
陽炎を立てている。
「で、ござるな。あんまりやってると、ネギ坊主のほうが終わってしまいそうでござるよ」
 ネギは、眉根を寄せて目を閉じた、苦しそうにも見える表情で、だらしなく口を開いて荒く息をしている。
「じゃ、いよいよです」
 史伽が、顔を引き締める。
126Twins Stir ◆3DAY.zI4Tk :04/03/27 05:40 ID:n2FdFYq6
 今までなんでもないふりをしてはいたが、やはり本当は怖い。
 「体が裂けるほど痛い」という話もあり、「特に痛くもない。ちょっと苦しいぐらい」という話もありで、
ひとによって違うらしい。自分は飛びきり痛いほうだったら、と思うと心配だ。
 それでも、性器どうしをこすりあっている間に、だんだんと心配が薄れていった。自分のそこが思ったより
よく柔らかく形を変えるし、ネギのそれも入れれば入りそうで、怖く感じるような大きさではない。
「ネギせんせ……」
 入り口にあてがって、ゆっくり腰を下ろす。卵形の先端に押されて、少しずつ広げられていく。両脇にある
小さな花弁がいっしょに巻き込まれそうになって、指で広げて引っ張り出した。
 ネギの腰の後ろには楓の脚があって下がることはできず、史伽は固定された軸を、やりやすいようにくわえ
こんでいけた。無理な負担がかからない角度を選んで、慎重に押し込んでいく。
「ふぅっ」
「いたっ!」
 先端の膨らんだ部分が入りきったところで、ふたりが同時に声を上げた。ネギは一番敏感なところを包ま
れたせいで、史伽はぴりっと鋭いが軽い痛みがしたせいだった。数秒ほど、痛みの痺れるような余韻があって、
消えた。
「え、痛いんですか!?」
 ネギが顔色を変える。
「あ、ちょっとだけですよ。もう大丈夫です」
 史伽のほうは我慢しているどころか、あんまり痛くなくて意外だ、というぐらいの顔をしていた。
「……かえで姉、今のがひょっとして?」
「んー、そうみたいでござるなぁ」
 よく見ると、申し訳程度につなぎ目から赤い筋が引いている。
「えへへ。もう痛くないなら安心です」
 史伽は、押し込む力を強める。ネギのものは、どんどん史伽の奥へと飲み込まれていく。
 そして、互いの足の付け根が合わさった。
127Twins Stir ◆3DAY.zI4Tk :04/03/27 05:41 ID:n2FdFYq6
「これで奥まで入りましたよ、ネギ先生」
 ぴったり腰を合わせて、史伽がかすかな満足感と征服心をもって言う。
 初めてらしくもなくスムーズに入ったとはいえ、史伽の中はゆるいわけではなかった。とろけるような
肉壁が、まとわりつくようにネギに巻きつく。粘膜がやわらかく、愛液も豊かなようだった。
「あ……なにか、奥のほうに……」
 ネギの先端に、少し触感の違うものが触れている。それは史伽の方も気付いていて、さらに力をこめてぐっ
と押し付ける。史伽はあまり奥行きは長くないようで、最深部はネギのものでも十分に届いた。
「く、ふっ……」
「んくっ」
 史伽はそれで、圧迫感とともに体の奥で熱が生まれるのを感じる。それが性の快感だと思って、腰を少し
引いて助走をつけ、勢いよく叩き込んだ。
「んぁあ!」
 つい、高い声が上がる。
 また引いて、叩く。それを単発から繰り返しに換えた。
「んっ、ん、んあ、んっ、ぅあふっ」
 少しずつストライドが大きく、ピッチも上がっていく。さらに継ぎ足された愛液が、ますます動きを滑らか
にさせて、加速を助ける。
「ぁ、だめ」
 ネギが高い声でそう叫んで、腰を引こうとする。が、楓の脚に阻まれた。
「ぬ、抜いてくだ……あぅ、ああっ!」
 ネギの腰の底面で渦巻いていたものが、堰を切る。それが2、3秒の時間をかけてペニスを遡り、ついに史伽
の深部に吹き上がる。
「あ……もういっちゃったですね」
 迸りを深くで受けるために、腰を強く押し付ける。何度か脈打ちながら搾り出された精液が、放ったネギ
自体に栓をされて逃げ場もなく、史伽の奥に詰め込まれた。
128Twins Stir ◆3DAY.zI4Tk :04/03/27 05:42 ID:n2FdFYq6
「えへへ。先生の初めての精子です」
 痛くもなく気持ちよく処女を終えられた史伽は、機嫌よく放たれたものの感触を体内で感じている。相手も
年下でかわいい、お気に入りの先生だから、申し分なかった。ちょっと早かったことが少し不満なだけだ。
「ほいネギ坊主、お疲れ様でござるな」
 楓が、ネギの頭にぽんと手のひらを置く。
「うう……こういうことしちゃって、大丈夫なんですか……?」
「アスナには内緒にしておくでござるよ」
 色々と心配そうなネギの耳元で、楓が囁く。
「いや問題はそこじゃなくて、あ、その、それも心配ですけど、もっと他にいろいろ」
「やっちゃってから心配してもしかたないですよ」
「あう……」
 身も蓋もないが、その通りだ。
「まあ、大丈夫でござるから。それより史伽、風香と交代でござるよ」
「そうですね」
 と、腰を浮かせて、萎えないまでもいくらかやわらかくなったネギから離れようとする。
「おっと史伽。抜くときは、精をこぼさないようにぎゅっと締めるでござるよ。湯から出てから出すでござる」
「はーい」
 史伽は言われたとおり、締めながらネギを引き抜く。巾着といわれる自在の締め付けは、そのための筋肉の
使い方があるもので、史伽も風香もそれは練習して身に付けている。
 そうされると中が負圧になって、放出直後で過敏なネギを強く吸い込む。それを無理に引き抜く強い摩擦と
あいまって、ネギが身を捩る。先端まで搾るように引かれ、離れると、史伽の合わせ目はぴったり閉じて中の
液体をこぼさなかった。
129Twins Stir ◆3DAY.zI4Tk :04/03/27 05:44 ID:n2FdFYq6
「さて風香、出番でござるが……風香?」
「……」
 風香は、膝が割れた正座で、両手で股を押さえている。表情が妙に陶然としていた。
「……え? あ、う、うん、終わった?」
 少し遅れて気が付いて、取り繕うように手を離して立ち上がる。その顔には朱がさして、幼いながらも色気
らしい雰囲気があった。
「お姉ちゃん、待ってる間になにしてたですか?」
 湯船から上がった史伽が、珍しくにやにやしながら言う。一足先に行ったせいで、少し強気になっていた。
もう締め付けは緩めているから、溢れて垂れた精液が内股を這っていた。
「う、うるさいな。さーネギ先生、今度はボクだからね!」
 いつもの調子を取り戻そうとするかのようににぎやかな大声を出して、風呂に文字通り飛び込んだ。
「お」
「わぷっ!?」
 ネギと楓が顔に波を浴びる。
「さあネギ先生、まだ小さくなってないよね?」
「え、あのあの」
 波が収まると、風香は早くもネギに手を触れる。それが一度放った後もまだ萎まずにいるのを確認すると、
さっそく腰を落として自分の性器に触れさせた。
「風香、ちょっと落ち着くでござるよ」
 あまりに性急な風香に驚き、楓がふたりの性器の間に手のひらを挟んで止める。
「うー、なんで止めるんだよー……」
「いきなりでは入るものも入らないでござるよ……おや」
 間に差し入れた手で、風香の線をなぞる。すると、指はぬるりと滑った。
「ふ、双子なんだから、そういうもんなんだって」
 何も言われない先から言い訳をする。双子は一方の感覚や感情がもう一方にも伝わる、とはよく言うから、
これはそのせいだといいたいらしい。
130Twins Stir ◆3DAY.zI4Tk :04/03/27 05:45 ID:n2FdFYq6
「大丈夫だって、ほら」
 風香が楓の手をどけ、再び性器を触れ合わせる。
「あれ、なんか……」
 ネギが、違和感を覚える。その原因は、史伽と違って風香の身体が硬く感じたせいだ。
 だが風香はかまわず、指で広げながら力をこめてくる。
「…………んぅ〜」
 喉の奥で声を立てた。その声色は少し苦しげに聞こえる。
 ネギの先端が少しずつ食い込んでいくが、やはり硬い壁が強く締め付けて抵抗していた。史伽のように、
きつくてもやわらかく飲み込んでいくような感覚とはぜんぜん違う。
「ちょ、ちょっと、さっきと感じが違いますよ!?」
「そりゃ、いくら双子でも、なんでも同じって、わけじゃ、ないって」
 と、あくまで力を入れて押し込むのはやめず、しかしあきらかに苦しそうな声で風香は言った。
 もう少しだけ進むと、その進行を遮るものがあった。そこを突き抜けようとすると、風香がギリっと歯を
きしる音が鳴った。そして、そこは破られることなく、ついに力がゆるんで停止する。
「あのひょっとして、風香さん、痛いんじゃ……」
 ネギの眼前の風香の顔は、涙を浮かべてどう見ても尋常ではない。痛いか、と問われ、かすかにうなずいた。
「う〜、双子なのになんで僕だけこんな痛いんだよぅ……」
「あのあの、楓さん、やめましょうよ、そんなに痛いなんてこんな」
 ネギのほうが動転気味に、楓の助けを求めて振り向く。
「んー……。これはダメそうでござるな」
 風香が何か反論する前に、両手でその身体を持ち上げてネギから離した。
「じゃあ、代わりの技を教えるでござるから、こっちはまたの機会にするでござるよ」
 風呂から出ながら、その腕の中で悔しそうにしている風香に言葉をかけた。
131Twins Stir ◆3DAY.zI4Tk :04/03/27 05:47 ID:n2FdFYq6
 風香を抱えたままにもかかわらず、楓はドラム缶のふちを蹴って、ほとんど音もなく着地した。
 下ろされた風香はなにもいわず、口を尖らせている。史伽は少々決まり悪げに様子をみている。
 楓はそんな風香を慰めるでもなく、テント脇の荷物からござを取り出し、石の少ない草地の上に広げた。
ござはかなりきめ細かに織られたもので、素肌で寝転がってもケバ立ちが刺さるようなことはなさそうだ。
「風香と史伽は、いつもふたり一緒でござるからな。ふたりでやる技を使わない手はないでござる」
 こいこい、と手招きする。双子がござの上まで来ると、まず史伽に横になるようにいう。
「あお向けになって、膝を抱えて、こう」
「こうですか? ……ちょっと恥ずかしいかっこですけど」
 いわれたとおりにすると、いわゆるM字開脚になり、史伽の性器は何も隠すものなくぱっくりと口を広げる。
「今更恥ずかしがっても。で、風香はその上にこう、がばっと足を開いてまたがるでござるよ」
「えっと」
 風香が史伽をまたいだが、具体的にわからずにそのまま止まった。
「んー、こうやって、ホトをくっつける感じで」
 その風香の膝に手をかけて、爪先立ちで腰を下ろさせる。史伽が持ち上げた太腿の裏、付け根の方にお尻を
つけると、ふたりの性器が開かれて重なる。
「風香はもうちょっと、身体を前に。うん、こんな具合でござるな。大体どうするかはわかるでござろう?」
「うん」
 双子が揃ってうなずく。こうやってふたりの性器を重ね合わせて、その間に挟みこむのだろう。される男性
にはかなり気持ちよさそうだし、これなら中に入れられなくてもできる。
「で、最後にこの香油を塗って、と……」
 楓が小さな油壷を出してきて、それに右手をひたす。そして、ふたりが重ねているところに差し入れた。
「ひゃ」
「あぅ」
 ふたりが声を出すのもかまわず、ぐるりと手首を回してこってりと塗りつける。
「よし、準備終わり。ネギ坊主を連れてくるでござるよ」
 手を引き抜いて拭いつつ、立ち上がってふたりに背を向けた。
132Twins Stir ◆3DAY.zI4Tk :04/03/27 05:48 ID:n2FdFYq6
 異変を感じたのはものの数秒後、ふたりともほぼ同時だった。
「ああぅっ、なに、なんだよ」
「か、かえで姉、なにを塗ったですか、ふあぁ……」
 香油を塗られたところが、まるで冬の寒い日に凍った手をぬるま湯に入れたように、かゆみと痺れと熱さが
混ざった感覚に襲われる。
 上の風香が、痺れる部分を史伽に押し付ける。あまり自由に動けない史伽も夢中でそれにあわせようとする
ものの、油でぬるぬるするそこは摩擦がなさすぎて弱い刺激しか生まず、余計にかゆみが増長する。
 それでも必死で腰をうねらせて性器をすりあわせるふたりを、連れてこられたネギが食い入るように見て
いる。この幼くもいやらしい光景は、迷いとか倫理を消し飛ばしてしまうものがあった。
「あの間におちんちんを挟んだら、さぞかし気持ちよさそうでござらんか?」
 楓はネギの耳元で囁いて、ふたりに向けて軽く背中を突いた。
「ネギせんせ、おねがい、おちんちんを……」
「早く、早くしてよ」
 双子も、この滑らか過ぎる隙間に硬いものが入ればいいと悟って、催促する。
 ネギは少し早足にふたりに近づき、風香が痛がることで一度萎えたが再び硬くなったそれを、境目に当てた。
 それを迎えるべく、ふたりが合わせる力を強めた。そこを割り広げながら、ネギが侵入していく。
「ふぅ、あぁ……」
 ぬるり、どろりとした感触に、ネギは背筋を震わせた。上下から、やわらかくも複雑な凹凸のある部分に
包み込まれ、性器に挿しいれるのとはまるで違う快感がある。そしてそれは、上と下でバラバラにうごめく。
「はっ、あ、気持ちいいよっ」
 風香も腰を激しく揺する。期待通り、ネギのものが力の軸になり、ふたりで擦り合わせていたときと違う、
動きに対する感覚の反作用が起こる。そしてそれはネギを媒介に、下の史伽にも伝わる。
「ネギ坊主をちゃんとイかせられたら、油を流してやるでござるよ。拙者は湯を沸かしなおすとしようかな」
 楓はそれだけ言い残して、そこを離れた。
133Twins Stir ◆3DAY.zI4Tk :04/03/27 05:49 ID:n2FdFYq6
 風香は前後の動きを中心に、ときおり左右に振って円運動に変えたり、水平にするのではなくやや斜めに
角度を変えたりと、激しくネギを責める。風香も不自由ながら、かすかに動いたり、腰を持ち上げて圧迫した
りと、風香を助ける。
「ネギ先生、気持ち、いいですか?」
「あ……はい……、すごく……」
 史伽の問いかけにそう答えた。ネギの性器には、乱暴なぐらいの勢いで快楽が送りこまれている。
「先生、すぐにイく? 気持ちいいんだよね?」
 風香も、動きを止めることなく聞く。
「え、それは……わかんないです」
 こちらのほうは、ネギにはYESとはいえなかった。先ほど史伽の中に放出したばかりだから、いくら気持ち
よくても次が射てるのはもう少し先になりそうだ。
「うー、早くイってよぉ……」
「私たちの方が、先にダメになっちゃうですよ、ぅあ」
「は、はい、努力は……します」
 といっても、我慢するならともかく、早く達する方法というのは思いつかない。
 そのまま、しばらく風香が責めつづけていたが、香油の効果は強い。
「あ……もうちょっとしたら、出るかも……」
 ネギが、こみ上げてくるものを感じたところで、
「ああぅっ! イく、だめっ!」
「わ、私もですぅぅっ!」
 突然動きを止めて、双子が身体を硬く突っ張る。その腰から頭へと遡るように細かな震えが伝わった。
 上と下から、熱くなっているはずのネギよりもさらに熱い液体が迸った。
「ふ、風香さん史伽さん……その、すみません」
 ふたりが荒い息をつきながら弛緩して動きを止める。ネギはつい詫びの言葉を口に出した。
「どーしたでござるかー? 終わらせないと終わらないでござるよー」
 楓が遠くから、容赦なく声をかける。
134Twins Stir ◆3DAY.zI4Tk :04/03/27 05:51 ID:n2FdFYq6
「ううっ、二度も弱音は……吐かないん、だからね」
「あ、風香さん……」
 風香が、上手く力が入らない膝で無理に身体を支え、達したばかりなのにまた動き始める。
「あう! お姉ちゃん、私は、私はもうっ!」
 たどたどしい風香の動きだったが、その一往復ごとに、下の史伽はびくりびくりと痙攣する。続けざまに
刺激されれば、こうなるのが普通だ。
 合わせ目の香油とふたりの溢れさせた液が、史伽の痙攣にあわせてびちゃ、びちゃと散る。
「ぅっ……ぁふっ……」
 ネギも、風香の動きに合わせて声を漏らす。さっきまでの激しい動きとは違うが、快楽の限界を超えても、
身体の痙攣を押さえながら動いている風香の背中が、ネギの眼前で淫靡に見えていた。
「はぅ! うっ、ううーっ!」
 史伽が、歯を食いしばったまま長い呻きをもらした。風香とネギに再びイかされた声だったが、それを
聞いた風香はさらに腰の動きを強めた。
「おねえ、ちゃんっ! ほんと、ダメです、こわれうぅっ!」
「……せんせ、ふみかがこわれるって」
 風香が振り向いて、ネギの目を見た。
 ガクガクと発作のように暴れだす史伽と、顔で平静を装っていても身体は同じような風香の摩擦が、ついに
ネギをも同じ状態に引き込もうとする。
「……あっ」
 ネギが小さく呟いて、風香の背中に倒れ込むように上体を預けた。
「わ、先生?」
 風香は驚いたが、体重は乗ってこない。ネギが腕を回し、きゅっと抱きしめたと同時に、
「う、うううっ!」
 ネギが迸らせた。それはまとわりつく油と愛液を突き抜けて、ぶしゅ、と音を立てそうな勢いで噴出し、
ふたりの胸のあたりまで跳ね上がった。何度も脈打ち、上の風香のおなかに打ち込まれるものもあれば、
史伽の上に落ちるものもありつつ、ふたりをどろりと汚していく。
135Twins Stir ◆3DAY.zI4Tk :04/03/27 05:52 ID:n2FdFYq6
「ふうー……」
「あ、っと」
 ついに力尽きて崩れそうになる風香を、倒れこみたくなるような射精後の気だるさを押してネギが支える。
「は、ひぃ……はぁっ、ひぃ……」
 史伽はぐったりと、笛のような音を立てて息をすることしかできないようだった。
「へへへ。入らなくたって、史伽よりできるんだからね」
 風香が少し誇らしげにつぶやく。こうやって抱きしめられたまま射精されたことも、少し嬉しかった。

 湯を換えて沸かしなおされた風呂に、風香とネギがくつろいでいる。史伽は風呂に入れたらそのまま沈み
そうだ、と、楓が桶で湯をかけて身体を洗ってやっている。
「あの油はかなり強いものだったのに、よく頑張ったでござるな」
「えへん」
 風香がない胸を張る。
「今日のところは合格点でござるよ。もっとも、床の秘術皆伝にはまだまだ遠いござるが……」
「また修行につきあってくれるんだよねー」
「え」
「ま、いつでも待ってるでござるよ」
 にやにや笑う楓と風香に、ネギはドギマギして、意味もなくお湯をかき回した。
136花野木三日 ◆3DAY.zI4Tk :04/03/27 05:54 ID:n2FdFYq6
 あ、やるやると思ってたらやっぱりやっちゃった。>>133の2行目の風香は史伽ですね。
 他にもあったら適宜読み替えてください。すいません。

 赤松先生もたしか一度間違えたことがあったんだっけな。
137名無しさん@ピンキー:04/03/27 12:41 ID:XdO06PAq
GJ

双子ネタも(・∀・)イイネ
138名無しさん@ピンキー:04/03/28 21:48 ID:DaOsH1l8
          ∧_∧
         ( ・∀・) <ぬるぽ乙って言ってm
         ( ∪ ∪
         と__)__)  旦
139名無しさん@ピンキー:04/03/28 22:35 ID:KnwAgXR3
>風香がない胸を張る。

ここでちょっとワロタ
140(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/03/29 04:07 ID:UUGFLxi0
>>28-30の続き


第二話

「へい、何でやしょう?兄貴が嫌がることでなければなんなりと。」
「大丈夫よ。少なくともネギ自身には何もしやしないから……。」
「で、何をすればいいんスか?」
「 こ う す る の よ っ ! ! 」
「ウボアー!!」

明日菜はそう言ってカモを逃げ惑う鰻を掴むようにおもむろに握り締めると、
濡れそぼっている自らの秘部に頭から胴体まで一気に挿入し、一旦その部分をめくっていたぱんつを元に戻し、
より深く穿きこんで蓋をし、さらに内股を強く閉めて厳重にカモが逃げ出さないようにした。
内股をきつく閉めながら、明日菜はパジャマの前を開き、タカミチの写真を表が見えるように咥えながら、
最近成長著しい程よく膨らんでいる胸を軽く揉みだした。

「くぁwsでrftgyふじこ!!」
「あっ……ああんっ、これ……いいわ、はうんっ!カモ、もっと暴れなさい♥」

普段めったにお目にかかれない、穢れを知らない10代半ばの少女の陰部とはいえ、
息苦しいことには変わりは無く、何とか脱出を試みようとして必死に足掻いてみるカモ。
しかし、丁度良い太さ(?)の体のひねりや振動、四肢の激しい動きは、
その肉の落とし穴の持ち主である明日菜にとっては、雑誌や与太話でたまに聞く「おもちゃ」と同然の
快楽を与えるギミックでしかなかったのであった。
141(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/03/29 04:08 ID:UUGFLxi0
「んふっ……んん……あん…………?」

口に咥えたタカミチの写真をオカズに、『カモ・バイブ』で下半身を、両手と指で上半身を
快楽に委ねる明日菜であった。が……。

(あれれれれ?何でだろ……下のほうにカモが入るぐらいに良い感じになったのに……。
 胸とか、脇とか、弱いところ触っても全然イケそうに無い……なんか空虚な感じ…………。)

「はぁ……。」

『カモ・バイブ』を挿入しているにも関わらず反応しないのを何とかするため一呼吸置こうと、
明日菜はため息をついて、内股は継続して閉めつつリラックスした体勢を取った。

(おかしいなー。あんだけ感じて、カモもすんなり入ったのに…。
 幾らさっきネギの事考えて感じちゃったといっても……いいんちょや本屋ちゃんじゃないんだから、
 ネギをオカズにするだなんて……だってあいつまだ子供……でも……子供だけど……だけど……。)

「ふあああっ!?」
142(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/03/29 04:09 ID:UUGFLxi0
不意にネギを意識した瞬間、明日菜の体に電撃が走る。
先刻から深淵にカモを封じ込めているため、衝撃の度合いは入れる前の比ではない。
体温が上昇し、顔を含めて体中が紅潮し、かつ、反応が俊敏になる……。

(やだ……またネギの事考えたら……
 ああ……体が熱い……何かが触れるたびにこそばゆい……
 そんな……年端も行かない子供でこうなるなんて、これじゃ私……変態じゃない!!でも……でも……)

さわ、さわ、さわ、さわ……むにゅ、むにゅ、ぎゅうっ!

「はぁん、あ、あん、はあぁっ!」

くいっ、くり、くり、くり……くいっ、ぎゅ〜〜っ、ぽよん!

「ひいっ、ぎっ、い、い、ひあああんっ!」

乳房を撫でたり、強弱をつけて揉みしだいたり、乳首を転がしたり、つまんでひねったり、引っ張ったり。
その一連の胸への緩急ある愛撫と、『カモ・バイブ』の無駄な足掻きで、明日菜は凄い勢いで高みに達しようとしている。
いつの間にか、声を抑えるのにも役立っていた、口に咥えたタカミチの写真は寝床に落っこちている……。
143(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/03/29 04:11 ID:UUGFLxi0
(ネギ…ネギ…そんなに、泣かないで…責任、感じちゃうじゃない……。
 嬉しい顔で、何かを報告するのも、だめ……変に、高揚しちゃうから……。
 目標に向かって、嫌な困難を乗り越える姿…ちょっとカッコイイよ……
 でも、どこかに行ってしまいそうで、切なくなる……。
 日本での修行終わったらどこに行くの……故郷?それとも、お父さん探すの?
 それとも……好きな人とどこかで……好きな人?
 そういえば、好きな人の事、全然知らない……ねぇ、誰?
 お姉ちゃん、ていう答えは無しよ……アンタの事知っていて、私じゃ勝負にならないし、それ以前に近親だし。
 それじゃ、一番触れ合っている時間が長い、クラスの中ではどうかな……
 このか?ガサツな私と違って、家事全般できるし、そこそこ頭もいいし、気も回る……。
 いいんちょ?アレは暴走するととても危険だけど、根は悪くない。ドジも多いけど、
 何でもござれで財力もある。それに、過去の事情や勘違いこそアレ、アンタを弟のように可愛がっている……。
 本屋ちゃん?普段は凄く臆病なのに、アンタの事となると、危険顧みずに飛び込んでくる。 
 それでいて、頭の回転は緊急のときでも良く回るし、アンタへの想いは、私や、先の2人よりも、深くて強い……。
 それに比べたら、私は……ガサツで、馬鹿力で、何かにつけて口うるさくて、
 最初のうちはそれこそ追い出そうともしていた。そして、アンタの事、何となく判ってきて、何か力になろうとしても、
 何だか気合ばかりが空回り……。凄い有用な仮契約の力まで貰っているのに、あまり役に立っていない気がする。
 ふっ……所詮は、アンタのお姉ちゃんの面影だけで、繋がっているだけ……。それだけでも……本当は嬉しい。
144(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/03/29 04:12 ID:UUGFLxi0
 でも……もし、その時が来て、離れ離れになったら……切れちゃうの?
 唯一の、それでも、他のみんなより強い繋がりが……イヤ!それだけはイヤ!
 知りたい!未だ知らないアンタをもっと知りたい!それまでは切れちゃイヤだ!
 行かないで……故郷にも……遠い何処かにも……このか…いいんちょ…本屋ちゃん…他の仲間の許もダメ……
 アンタの為なら私ももっと頑張る!だから……何処にも行かないで……お願い……ダメ……絶対に……ああ、ああ……)

「ああああっ、ネギ、ネギ、ネギぃ━━━━━━━━━━━━!!!!!」

ぷしゅうううううううううう!

びくん、びくん、びくん、びくん、びく……

普段、素直に言えないネギへの気持ちと、ライバル(?)への嫉妬を嬌声に変えて、
それと共に内から湧き上がる強烈な快楽を伴って、背中を反らして硬直させながら、
激しい潮と、生体バイブと化したカモを打ち出しつつ昇天し、そのままぐったりと床に落ちた……。
145(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/03/29 04:13 ID:UUGFLxi0
「ふぅ〜、やっとこさ出られたぜ......いくら若い娘の中とはいえ、俺っちが妖精とはいえ、
 あの中に長時間は結構きついぜ..........しかも、何故か急激に体砕けるぐらい締め付けてくるし..........。」
「……ネギ……勝手に先行って消えちゃ赦さないからね……あ、カモ……ゴメン、さっきは……。」
「いいって事ですぜ姐さん。姐さんのお役に立てたし、姐さんという若い娘の中を味わえたし。
 それに比べりゃ窒息死寸前だの圧死寸前だのはどうって事無い事でさぁ..........ときに姐さん、イク寸前とさっきのうわ言で兄貴の名前を」
「皆まで言うな。もうちょっとデリカシーというものを考えなさい、このエロガモ!……ま、そういう事よ……ふっ♥」
「あれ?いつものように俺っちをスパーンとは..........?」
「今はそういう気分じゃないの…悪い意味じゃないけどね……。」
「..........??(なんか調子狂うな..........ま、姐さんが素直になったと思える形跡が見えたから、良しとしますか..........。)」

普段なら、景気良くお仕置きされるシチュエーションにも関わらず、明日菜は薄く微笑んで見逃すだけという結果に、
調子を狂わされて釈然としないながらも、信頼する主人の従者の進歩を確認して、カモは何とか納得しようとしていた。

「……ふあぁあ……あ…すなさん……どうしたんですか…いきなり僕の名を呼んで。」

明日菜の叫びを呼んだものと思って目を覚ましたネギ。ソファからゆっくりと身を起こし、明日菜のベッドへと歩き出した。
それに気づいた明日菜は、パジャマを整えて、はっきりした普段とは違う、穏やかだけど少し気だるい、陰のある笑みで招く。

「ねぇ、ネギ……最近、一人で寝る事多くなったけど、寂しくならない?たまには、前みたいに一緒に、寝ようか……おいで。」

続く
146名無しさん@ピンキー:04/03/29 04:30 ID:h0sX3Fyt
どっかにさ
ネギま、SSリンクとかない?
エロでもエロくないのでもいいから
テンプレの奴は少ないから読み終わったし。
あれ、出来ればカップリングが書いてあるとわかりやすいね。
147(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/03/29 06:19 ID:UUGFLxi0
さて、久々の朝投下&仮眠を済まして軽くレス。

座薬 ◆lQS9gmV2XM さん

カモの活用は今回だけではありません( ̄ー ̄)ニヤソッ
しっかし、かえで姉が…ションボーリな終わり方に(´・ω・`)

>>146さん

うーん……すいません、情報が少なくて。(;´Д`)
非エロなら、刹那・エヴァ・夕映・さよスレの過去に何個か転がっているのがありますので
ttp://f10.aaacafe.ne.jp/~project/ で探してみてはどうでしょう?
(キャラスレの過去ログが閲覧可能)

しかしまぁ……総じて作品が集まりにくい文章創作の鯖で何でまたこんな長期間
人大杉が続いているのでしょうかねぇ…あと、意外と専用ブラウザ使っている人も少なくて。
漏れの場合は、他に巡回先が多いので使っていますが、
2〜3スレしか見ない人はマンドクサがって入れない物でしょうか……。

そいでは飯の種(σ゚∀゚)σゲッツ!すべく働いてきまつ。
明日は給料日だ♥
ごきげんよう。
148名無しさん@ピンキー:04/03/29 11:12 ID:9zS38IGE
149名無しさん@ピンキー:04/03/29 11:16 ID:7qQ7Tyiz
萌え統は非エロSSの書き手を募集しています。
前スレ、前々スレに一つずつ投入されました。
150名無しさん@ピンキー:04/03/29 13:34 ID:f0d2Tts4
>>147
カモバイブナイス!!!GJ!

ネギにもカモバ(ry
151楽麻 ◆jjWTI8ewtY :04/03/29 20:31 ID:JcJoJVT5
>>146
ttp://angitwu.com/Libiray/Negima/Negilist.html
ttp://yotsuba.saiin.net/~h-sora/book/negima/menu.htm
2ch外ではこれくらいしか知りません。後は個人サイトぐらい?

カップリングについては次の更新の時にちょっと考えてみます。
152名無しさん@ピンキー:04/03/29 20:38 ID:3nG0FBki
個人サイト晒すのはどうかと思う
153楽麻 ◆jjWTI8ewtY :04/03/29 20:55 ID:JcJoJVT5
ごめん。
154名無しさん@ピンキー:04/03/29 22:30 ID:/7QkeF7h
>>121-135
双子SSよかった。
史伽中出し最高!!
願わくばネギの「史伽さん」より本編で呼んでる「史伽ちゃん」ならさらに最高ですた。
155名無しさん@ピンキー:04/03/29 23:15 ID:f0d2Tts4
>>151
(;´Д`)学園長の極太テムポ・・・・
156名無しさん@ピンキー:04/03/31 00:37 ID:qIuqBBRd
・・・楓とコタロキボ(ボソ
157v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/03/31 01:11 ID:JHKnR5wX
今週の展開読んで、前振り、修正が必要かと思ったです…

てか、体調崩して全然書き進めてないし。脳内では半分くらいまでプロット
出来てるのに、あうぅ…
158名無しさん@ピンキー:04/03/31 22:25 ID:MxNd99EB
そろそろ、かえでものが落ちてきても良い頃合かと……
159名無しさん@ピンキー:04/04/01 02:23 ID:S8FKl6zG
>>157
がんがれ。
160P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/01 03:48 ID:71xDejqh
ifネギま! 〜 一話一妄想 〜


第十一話



 明日菜をはじめとするバカレンジャーたちの脅威のがんばりにより、実力で学年1位をゲットした2−A。ネギは試験に合格し、クラスメートたちとも交流をいっそう深めることに成功したのだが……。

 
「あんたたち、いーかげんに出ていきなさーい!」
 明日菜は口を目一杯開いて、彼女ら三人の部屋で騒いでいるクラスメートたちを追い出し始めた。
 見事学年1位の座を射止めたこと、そしてネギが晴れて麻帆良中学の教員となったことを記念して、今まで祝賀会が開かれていたのである。
 広いとはいえない部屋に、バカレンジャー5人と図書館三人娘、さらにはおまつり好きの桜子にまき絵、新聞の記事にするからというので朝倉、ネギ目当てのあやかが押しかけ、消灯時間間際の今まで大騒ぎしていたのである。
 明日菜はその尋常ではない腕力でぽぽいぽいと夕映、まき絵、のどか、桜子を廊下へとほうりだし、楓、朝倉、クー、のどかをひとかたまりにしてぐいぐいと押し出し、感極まってネギに抱きついているあやかをひっぺがして蹴り出した。
「まったく限度ってものを知らないんだから……」
 明日菜は腰に手を果てて鼻息荒く言うと、ドアを閉めた。
「いいやん、学年1位なんて滅多にとれるものやないんやし」
 木乃香が早速、片手で机の上の平皿を重ねつつ、もう片方の手のハンドクリーナーで紙吹雪を掃除しながらニコニコと言った。
「別に宴会をするのが悪いって言ってるわけじゃないわよ」
 おっとりとした笑顔と口調で言われ、怒りがしぼんでしまったらしく、明日菜は眉間のしわを解いた。
「ほら、あんたもいつまでもこんなもの着けてないで」
 明日菜は、木乃香の横でちょこちょこと、スナック菓子の袋を集めているネギのそばに歩み寄った。
161P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/01 03:49 ID:71xDejqh
 彼の頭にかぶせられているトンガリ帽子を取る。面白がって桜子がかぶせたのを、律儀に今までかぶっていたのだ。
「あ、どうも」
 振り向いたネギの前髪に、リボン状によれた細長い紙がいくつかくっついている。おそらく、まき絵が持ってきたクラッカーのはじけたものだろう。
「ほら、ゴミついてるわよ」
 そう言うと、明日菜はネギの頭をきれいにしてやった。

 さてその後。
 3人がかりで大急ぎで後かたづけをし、なんとか消灯時間までにはざっと部屋をきれいにした。
 もっとも、木乃香は「あとでちゃんと掃除機かけないとあかんな〜」などと言っているが、それは明日にまわすことにする。
 三人が寝間着に着替え終えた頃、ちょうど部屋の照明が落ちた。しかし机に置いてある電気スタンドが、部屋全体を照らすには足りないながらも明かりを供給している。
「それじゃアスナ、ネギ君、おやすみ〜」
 木乃香が、はやくも眠そうに間延びした声で言いながら、二段ベッドの下に潜り込む。
「おやすみなさい、木乃香さん、アスナさん」
 続いてネギの声が、ソファーの方から聞こえてくる。もっとも、こちらはまだ昼間の興奮が冷めていないのか、声に張りがある。
「うん、二人ともおやすみ」
 明日菜は応えたあと、二段ベッドのはしごに手をかけ、そこでふと止まった。
 軽く握った手をあごに当て、ふっとネギの方を振り返る。
 わずかに躊躇したものの、明日菜はゆっくりとソファーのそばに向かった。
 中腰になり、まくらに顔をうずめて目を閉じているネギに囁く。
「ちょっとネギ……」
「なんですか?」
 瞼を下ろしてはいたものの、やはり眠ってはいなかったようだ。ネギはすぐにぱっと目を開き、はっきりとした声で応えた。
 明日菜は「しーっ」と口元に立てた人差し指を当て、次いで同じ指でベッドの木乃香を指した。
 耳を澄ますと、はやくも木乃香のかすかな寝息が聞こえてくる。ネギは慌てて自分の口を押さえた。
 明日菜は、ちらりと自分も木乃香の方に横目で視線をやり、ネギに視線を戻し、またすぐにあさっての方向を見るようにその視線をずらす。
162P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/01 03:50 ID:71xDejqh
「あのね……」
 ネギに呼びかけたまま口ごもってしまう。暗がりの中だからネギには見えないだろうが、彼女の頬がうっすらと染まり、表情は強張っていた。
 なかなか本題を切り出さない明日菜をネギは辛抱強くじっと待っていた。やがて明日菜の方が沈黙に耐えきれなくなってようやく言った。
「あの……今夜は私のベッドで寝ていいわよ」
「え……」
 ネギは目をぱちくりさせた。
 相変わらずネギと目を合わせないまま、明日菜は続ける。
「その、いつもソファーで寝かすのも悪いかなーと思ってたし、今回のテストはホントにあんた頑張ったと思ったから……まあ、私からのご褒美ってことで……」
 と、ここで急に明日菜は怒ったような顔と口調になり、
「あ、言っとくけど、今日だけだからね! あんたはしょせん居候なんだから!」
「はい、ありがとうございます」
 ニコっとネギは笑った。さほど長くはないが、これまでのつきあいの中で、これが明日菜の照れ隠しであることを分かっているようだった。

「あれ、明日菜さんどうするんですか?」
 梯子を上り終え、二段ベッドの上に到着したネギが、未だ下に留まっている明日菜を見下ろして言った。
 電気スタンドを豆電球にした彼女は、自分の枕を抱えてソファーへ向かおうとしている。
「どうって、あんたが私のベッドを使うんだから、私はソファーで寝るんじゃない」
 ネギはそれを聞いて、慌てて胸の前で小刻みに両手を振った。
「そんな、悪いですよ。明日菜さんもベッドで寝てください」
 こめかみに指を当てて、明日菜は思った。一人用のベッドなのだから二人で寝るには狭すぎる。しかし慣れないソファーでうまく寝られるかというとそれは少し不安があった。明日も新聞配達で朝が早いのだ。
(ネギは子供だからまあいいか……)
 と、明日菜はネギに向かってうなずくと、足音を忍ばせながら2段ベッドに歩み寄る。
 枕をぽーんとベッドに投げ入れると、梯子に手をかけた。
 一段目に足をかけたところで、木乃香の顔をが目に入る。可愛らしく目を閉じ、ぐっすり眠っているようだ。
(ネギと一緒に寝ているところなんか木乃香に見られたら、また何か言われそうね。まあ私の方が先に起きるからいいか)
163P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/01 03:51 ID:71xDejqh
 手探りでベッドの二階に上がった明日菜は、途中、ネギの体を踏んづけたりしながらも(「あぎゅ」「あ、ごめん」)、横になって布団の中にもぐり込んだ。
 机の上の、豆電球にしたスタンドの光がかすかに届いていた。目鼻の位置はわからないが、ネギの華奢な体の線が、うっすらとシルエットになって見える。
 そのシルエットに向かって、明日菜は
「おやすみ、ネギ」
 と言った。
「おやすみなさい、アスナさん」
 すぐさま返ってくるネギの声を聞いて、明日菜は目を閉じた。
 視界を閉ざすと、すぐ隣りに寝ているネギの存在を感じた。
 ぴったりくっついて寝ているわけではないが、彼の体温、彼の呼吸、彼の雰囲気を、ごく身近に感じる。
 眠れるかな、という心配は、杞憂だった。
 長い間一人で寝ることに慣れているはずの明日菜だったが、そばに人がいるというのは不思議に安らぎをもたらす感覚で、彼女は間もなく眠りについた。
 
 いったいどれだけ経ったか、明日菜はふと目を覚ました。
 寝ぼけた頭は数秒間、自分が起きていることにすら気づかなかったが、やがて胸の辺りになにか違和感があることに気づいた。
 さらに数秒後、霧が晴れるように意識が明らかになってきて、明日菜は顎を引いて自分の胸元を見た。
「!?」
 彼女は、危うく声をあげるところだった。
 明日菜の胸元に、ネギが顔をうずめている。ただうずめているのではない。二つのふくらみが完全に露出するまでパジャマがたくしあげられており、無防備にも外気にさらされた右の乳首に唇を押し付けるようにしている。
「このエロガ……!」
 拳を固く握り締め、ハンマーのように振り上げる明日菜。しかし、ネギの目に火花を散らせるであろうその手が、空中でぴたりと止まる。
 ネギが、まるで反応しないからだ。
 もし彼がすぐそばで寝ている明日菜の体に触れようと意図してやったことならば、彼女が拳を振り上げた時点で頭をかばうなりなんなりするはず。
164P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/01 03:52 ID:71xDejqh
(う、確かネギがこの部屋にきた最初の頃にも似たようなことが……)
 自分の痴態を思い出して冷や汗を流す明日菜。これまでずっと一人で寝ていたせいなのかなんなのか、彼女はひどく寝相が悪い。
(そ、そういえば、朝起きると半裸になってたことが何度もあったわね)
 振り上げていた拳を降ろす。
 しかしもちろん、寝ているとはいえ、このままネギに自分の胸の感触を楽しませてやる義理はないということで、明日菜は体の下に腕をおいて、ずりずりとあとずさる。
 と、明日菜の胸がネギの口から離れた瞬間、ネギが片手を前方に突き出した。
 空中を、さぐるようにさまよったあと、明日菜の胸をむんずと掴んだ。
(! こ、こいつやっぱり意識あるんじゃないの!?)
 手を払いのけようとしたその時、ネギの声がかすかに届いた。
「mamma...」
 明日菜の手が、いや体全体が、ぴたりと止まる。
 胸をネギの手に任せたまま、闇の中に目と耳を凝らした。
「...mam......」
(もしかして、ママって言ってるの?)
 その瞬間、明日菜の頭の中で電光が幾条も駆け巡った。
 かつて、ネギが明日菜のことを姉に似ていると言ったこと、ネギが家族のことを話す時、母親の話題をまったくしないことが一瞬のうちに結びついた。
 話を聞くかぎり、ネギの姉というのはおそらく二十歳前後、そしてその姉は、ネギの母親代わりとなっていたのではないか。
 そしてネギの姉が明日菜と同い年の時、ネギはちょうど、最も母親を求める年齢のはずだ。
(ネギは……私を通して、お姉さんを通して、お母さんを見ているってこと……?)
 自分の推測が合っているかどうかはわからないが、一度そう思ってしまうと、もう明日菜はネギの手を払いのける気にはなれなかった。
 それは、彼が夢の中でのみ許される母親との触れ合いを邪魔することに思えたのだ。
 明日菜は逆に、ネギに体を寄せ、彼の頭を抱きかかえた。先ほどと同じように自分の胸にネギの顔を触れさせる。
 自分が母親の代わりになれるというなら、せめて今このひとときだけでも……。
 幼い頃に両親を亡くした者同士の共感、そしてこのところの共同生活で芽生え始めた母性本能が彼女にそんな行動を取らせた。
165P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/01 03:54 ID:71xDejqh
 そんな明日菜の思いが通じたのか、ネギは幼い子供が添寝してくれる母親にそうするように、明日菜の体にぎゅっと抱き付いてくる。
 ここまで近付くと、常夜灯にしている豆電球のかすかな明かりでもネギの表情が見てとれる。口元にかすかに微笑みを浮かべ、安心感に満ちた、見ている方まで幸せになってしまう赤ちゃんの表情だ。
 子供を育てるには少々役者が足りない明日菜の柔らかい胸に二三度頬擦りをしたあと、ちゅうっとその先端に吸い付いた。
「あっ」
 乳首に走る刺激に、思わず声が出てしまう。
(もう、本格的に幼児退行しちゃったの? やっぱりガキはガキね)
 ふうっと息を吐く。多少呆れつつも、自分が親代わりになれたことに、明日菜は奇妙に快い満足感を感じていた。
 母乳を求めて吸い付いてくるネギ。彼はますます明日菜の体にぴったりとくっつき、より深く明日菜の乳首をくわえてきた。
 その勢い、圧力が思いのほか強く、明日菜は乳頭を引っ張られる感覚に体をぴくっと震わせた。
(ちょ、やだ……これ、結構感じる……!)
 いつの間にか、明日菜は自分の体と吐息に熱がこもりはじめたのを自覚した。
 親代わりのつもりの授乳に、いつのまにか性的な要素を見つけ出してしまう自分の体。明日菜はたまらない恥ずかしさを覚えてしまう。
 それでも、ネギを起こさないようなんとか口の中であえぎ声を噛み殺す。
 が。
「んんっ」
 本物の赤ん坊と違って、ネギには歯がある。固い前歯が敏感になった乳首を甘噛みし、明日菜はその鋭くも甘美な刺激に両目をぎゅっと閉じた。
 しかしそれが返って胸から送られてくる快感に意識を集中させてしまうことになる。
 乳輪を挟む上下の唇。吸い上げられ、時に舌の愛撫を受ける乳首。ネギの唾液で濡れた肌は、空気に触れるとすっと熱を奪い、その冷たさがまたアクセントとなっていっそう官能の炎に勢いを与える。
 彼女は明らかに欲情した様子で、うねうねと全身を悶えさせた。
 あえぎ声は止められても、激しくなる息遣いはどうしようもなく彼女の吐息の音が、送り出されては闇に溶け、溶ける先から次々と送り出される。
「……ふ、うっ」
 頭を小刻みに震わせ、明日菜は身をすくめる。目の前で、ネギの髪の毛がゆらり、またゆらりと波がさざめくように動いている。彼女の熱い息のせいだ。
166P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/01 03:55 ID:71xDejqh
(こんなことしてたら、ネギが起きちゃう……っ!)
 そう思いつつも、彼女はネギに胸を与えるのを止められなかった。がしかし、その動機が母性本能とか同情とか、そういうものから離れていっているのは、明日菜自身よくわかっている。
 頭の中が熱で冒されてきて、快楽を求めることだけに集中していく。その感覚には、覚えがあった。
(あ……そういえば、私、寮生活に入ってからオナニーしてなかったんだ……)
 比較的早い年齢で自慰を覚えていた明日菜だが、木乃香と同室になってからはさすがに恥ずかしいので自重していた。
 その分のつけが、一気に襲ってきたようだった。
 明日菜はこらえきれず、ネギの頭を抱く手に一層力を込め、彼の顔を自らの柔らかいクッションに押し付ける。
 ネギが起きるかもしれないという恐怖感。健気な少年の母親を求める心を自慰の道具代わりにするという罪の意識。それらでさえ、久しぶりに点火された性欲には良質の燃料だった。
(駄目なのに……こんなこと……でも……)
 明日菜は顔を傾け、枕に口を押し付けることで無理矢理に荒い息の音を殺す。
 その一方で、明日菜は片手を股間にやった。パジャマのズボンを軽く下げると、もどかしげに下着の中に手を入れる。びっくりするほど熱く湿っていた。
 唇と突起の位置を探り当てると、いきなり激しく手をうごめかせる。
 どうせ逃れられないなら、逆に早く達してしまおうという考えだ。
 すでにだいぶ水位の高まっていたところに猛烈な勢いで官能が注がれ、明日菜は声を出さないようにするため枕のカバーを思いっきり噛みしめることになった。
「うう───っ!」
 しばらくぶりで敏感になっていたのか、思ったより早く絶頂が到達した。
 手足を突っ張らせ、あちこちの筋肉が痙攣する。その拍子に、ネギの口から明日菜の乳首がちゅぽん、と音を立てて抜ける。
 明日菜はごろんと横向きだった体を仰向けにした。
 若々しい両乳房が、大きく上下している。明日菜は、片手を下着の中に突っ込んだまま、しばしの間虚ろな目で真っ暗な天井を見上げていた。
167P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/01 03:56 ID:71xDejqh
 やがて、彼女は自分の姿に気づき、慌てて首までたくし上げられていたパジャマの上を戻す。
 下着は愛液が冷えて気持ちが悪かったので、そーっと枕元のティッシュを何枚か取って下着の中に入れて水気を取り、さらにもう何枚かを重ねて股間と下着の間に敷いた。
 一段落して、明日菜はふと胸を押さえた。快楽が過ぎ去った後に、罪悪感が残っている。自分の強烈な欲望に振りまわされ、ネギを自慰の道具にしてしまったことに対する罪悪感だ。
 慎重にネギの様子をうかがう。
 限りなく闇に近い薄明かりの中、ネギはさきほど明日菜の胸にしゃぶりついていた時よりも一層、安らかな顔で寝息を立てている。どうやら、彼の方も満足したらしかった。
 その表情を見ていると、過程はどうあれ、自分が母親の代わりを果たせたような気がして、胸の痛みは雪が木漏れ日に溶けるように無くなっていった。
 軽く溜息をつくと、明日菜は身を起こした。
 ネギの耳元に顔を寄せ、囁く。
「ごめんね、ゆっくり寝なさい」
 彼女はネギを起こさないよう慎重に、枕を抱えながら梯子を降りると、ソファーに向かって歩いて行った。


   第十一話 終わり


次回予告!
必要以上に個性派揃いの2−Aだが、千雨はそんな中にあって数少ない常識人だ。密かにクラメートたちの言動にツッコミを入れる毎日だが、彼女にはネットアイドルにしてスーパーハカーという裏の顔があった。
もし彼女が、より深いネットビジネスに手を染めていたら……? 乞うご期待!
168P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/01 04:01 ID:71xDejqh
Q 何やってたんですか?
A なんか、何がエロいんだかよくわかんなくなっちゃって。
Q それだけ?
A う、ちょっとBUSIN 0にハマってました。
Q それだけ?
A あ、「山奥のしぃ先生」と「世界制服をたくらむモララー」を関連スレ含めて一気読みしてました。
Q それだけ?
A え、あとPDA買おっかなーでもやめようかなーとか思いながら価格.comとヤフーオークションを一日中眺めてました。
Q 何か言うことがあるんじゃないですか?
A、ウァーン・゚・(ノД`)ごめんなさい。


>花野木三日さん
おお、意外と少ない双子モノですね。乙です〜。
楓がもうちょっと活躍するとなお良かったかも。

>(;´・`) ◆FOU/niiiV6
カモ、よく生きてたなあ……。
それはそうと、今回ちとネタかぶってしまってスマソ。
169名無しさん@ピンキー:04/04/01 08:06 ID:zOdiwLvW
>P.Tさん
ゴチでした。w
とても良かったのですが、ただこの話は11話の妄想である必要は無いかも。
この11話は本編の内容で妄想するのは難しいですね。
使えそうなネタはネギが試験時に使った魔法ぐらいしか思いつきませんし。w
170名無しさん@ピンキー:04/04/01 10:36 ID:TLK2hEu6
 >>152
良いんじゃないの? その『雪国』の管理人は明らかに2chネラーと分かっている人物の作品掲載しているし。
 

 >>146

  ラブひなのは作成中みたいだけどね
  ttp://angitwu.s52.xrea.com/
  デザインに斬新さが無くて、つまらないが(苦笑)
  
171座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/04/02 01:03 ID:vSYScx+w
内容は……陵辱までいけませんでしたスミマセン
陵辱の前フリになっちゃいました、暴力描写が多めです
苦手な方はスルーしてください
第25話の続きになります


>>花野木三日 ◆3DAY.zI4Tk氏

*― ―)意外とテクニシャン……
甲賀忍軍ごちそうさまでした
史伽が上手で風香が上手くいかないのが、すごくそれっぽいですな


>>(;´・`) ◆FOU/niiiV6氏

;― ―)カモヴァイブすげえ、でもカモは羨ましくない(笑)
最初から怒涛の急展開に、にやけながら楽しませてもらいました
カモ活用が今回だけではない……まさかネギの(ry (((;― ―)))ガクガクブルブル


>>P.T ◆3QNEGIp2Uc氏

*― ―)は、母の愛……!
明日菜のキャラがすごく際立っていたと思いました
エロさと微妙な重さで、個人的にはシリーズ最高傑作です
次は原作もやたらハイテンションのちうがどうなるか、楽しみにしています
 麻帆良学園都市に出現した異常な領域の特徴は、人がその内部に侵入できないこと、そして内
部にいた人間を、半ば強制的に外に排除することである。それは日本の法、または麻帆良独自の
ルールによって行われた措置ではない。重力や遠心力、コリオリの力などの物理的な力によるも
のでも、また地震の直前に動物が逃走するような本能的な行動でもない。一般の考え方では、そ
の現象を正確に説明することは不可能だろう。
 普段と同じパターンで入浴していたり、コンビニに夜食を買いに行っていたり、テレビを見ていた
りしていた住民が突然、抵抗し難い不可視の力によって動かされ、街のある一定のラインまで押し
出されてしまう。日常生活を送るほぼ全員が、ある者は車で、ある者は徒歩で、ある者は自転車
で、また葉加瀬聡美はセグウェイに乗って、訳が分からないまま数百メートルから1キロメートル以
上の移動を余儀なくされた。
 そして今、住んでいた場所に帰れなくなった麻帆良の住民たちは、仲間同士で集まって他愛もな
い雑談に興じながら、事態が動くのを待っている状態である―――

「と、いうのが今、私たちが置かれている状況ネ」
 学年トップのチャオ・リンシェンは集まったクラスメイトたちに状況を解説しながら、目の前に広が
る無人の学園都市を観察していた。周囲には住民が溢れ返り、道路まで占領されている状態であ
る。先ほどから絶えず、一部の住民が自宅に戻ろうと試みているのだが、チャオがいる位置から1
0メートルほど先のポイントを越えることができず、首を傾げて引き返してくる。
「えええ〜。いったい、どうなってるのー?」
「あらあら、どうしたの夏美ちゃん。いつもにも増して取り乱しているわね」
 女子寮が半壊した事件から約一週間、寮の住民は6つの施設にランダムに振り分けられて、寮
が直るまで生活することになった。チャオ・夏美・千鶴・夕映は同じ施設で暮らしていたのだが、今
回の騒動で追い出されて1キロメートル先まで散歩することになった。
 おろおろしている村上夏美の相手をしていた那波千鶴は、にっこりと微笑んでチャオを見た。
「でも野宿は困るわね。今夜はあやかの部屋にお邪魔でもしようかしら」
「駄目。いいんちょも部屋から追い出されて今、ハカセといっしょに街を移動中。夕映の方はど
う?」
「えーと、駄目です。みんな、連絡がつきません」
 綾瀬夕映は携帯でハルナたちに連絡を取ろうとしていた。ハルナ、のどか、桜子、円、美砂は
同じ施設で生活しているはずである。しかし、誰も携帯には出なかった。
「こういう時は、長瀬さんの意見を求めたいのですが……」夕映が長瀬楓の携帯にかけてみると
鳴滝姉妹が出た。本人は携帯を置いて外出したらしい。長谷川千雨なら携帯で小声で話ながらパ
ソコンをしていると言う双子だったが、千雨が役に立つとは思えなかった。双子に状況を正確に説
明するのも面倒だったので、夕映は電話を切ってしまう。「どこ行っちゃったんでしょう……」
 楓が隠密行動時の千雨専用にもう一つ携帯を買ったのは、誰にも知らされていなかった。
「クーはどうネ?」
「とても楽しそうでした。無人都市への侵入を試みているようです。しかし、役に立つ意見は……」
「やっぱり?」
 苦笑するチャオの横で、夕映ははあ、と溜息をついた。
「あっ、アスナ、待ってよ―――」
 その時、夏美が声を上げた。
「どうしましたか?」夕映が夏美の方を向いた。
「今ね、アスナがいたの」夏美が暗闇を指差した。「声かけたら、逃げるように行っちゃった」
「明日菜さんが? 彼女はまだ入院しているはずですね。どうしてここに……」
「うーん、なんでだろ? なんか落ち付かない様子で、心配そうに無人の街を見てたよ」
 夕映は思考に浸かりながら状況を繋げようとするが、上手くいかない。
「お手上げですね」
「考えても分からないから、神様になって上から見てみるネ」
「何をする気です?」
 麻帆良の地図を広げたチャオが、ペンでチェックをし始めた。
「私たちがここ、いいんちょたちがここ、クーたちがここ、アキラたちがここ、和美がここ………」
 連絡がついた友人たちは、全員が「それ以上先に進めないポイント」の前にいる。それらの点を
線で結んでいくと、地図の上に巨大な円ができた。
「ああ……バリアでも張られているみたいですね」夕映が地図を覗き込む。「綺麗な円です」
「バリアか。確かにそんな感じネ。大きさは地図の縮尺からして……半径約1.2キロメートルの人
払いのバリアが、麻帆良のド真ん中に発生している……」
「……って、この状況は尋常ではないですよ、ここは安全ですか?」
「さあ、何とも言えないネ。ただ……」チャオが微笑む。「私と夕映がどちらも無事で済まないなら、
この辺りにいる人は全滅ネ」
「何を言っているんです?」夕映が表情を変えずに言った。「私はただの、本好きの学生ですよ」
「あらあら、みんな、なんだか大変そうねぇ―――」
 千鶴がまったく大変そうでない口調でそう言った。


          *

 麻帆良学園都市、人払いの結界の中心。
 桜子、亜子、のどか、そしてハルナがその場にいる。
 亜子の周囲はクレーター状に地面が凹んでいて、横には崩壊した歩道橋が道路にめり込んでい
る。桜子は全裸で失神しており、亜子の足下には桜子の仮契約カードが落ちている。のどかは失
神した桜子を見て少し怯えているようである。ハルナはリュックのように背負える白い翼を装備し
た状態で、亜子をじっと見つめていた。
「亜子ちゃんに何があったか気になるねー。名前を吐かせて情報を手に入れたい」
 ハルナはアーテクファクトのスケッチブックを翳し、にたりと嗤った。
 亜子は負傷した肩を押さえ、痛みが残る足をぺちぺち叩いて、ハルナを警戒しつつ荒い呼気を
整えていく。
「えーと……『魔法銃』、『びりびり』、『ブラックリスト』」
 スケッチブックがぱらぱらと捲れて光が溢れだし、3枚のページがひらりとハルナの前に舞い上
がった。その、厚さ数ミリメートルの紙から、ずぶずぶと質量が浮かび上がってくる。ハルナはそ
れらを、そのまま一気に紙から引きずり出した。
 一つは黒光りするロッド状の物体である。先端には電極のような金具が露出しており、握る位置
にはスイッチがいくつか付いていた。ハルナが指でスイッチを入れると、バチバチと青白い火花が
金具の間で散る。防犯グッズのスタンガンのようなものらしい。
 他に現れたのは、筒のような銃口を持ち、綺麗な装飾が施された銃と、手帳サイズの真っ黒なカ
バーが付いた本だった。この時の亜子は知らなかったが、銃は木乃香に脅されたカモが取り寄せ
た本に載っていた骨董品で、ネギも同じものを持っていた。
「消費した分を、最新のページにコピー」
 スケッチブックが数秒間青く輝き、そして普通の状態に戻った。
(あれが、ハルナのアーティファクト……)
 茶々丸から話は聞いていたハルナのアーティファクト「魔法のスケッチブック」、その能力は描い
た絵のストックと、その具現化が主であるらしい。しかし茶々丸は、描いた絵を別のページにコピ
ーできるという機能が、一番の脅威であると報告していた。
(それって、いくらでも武器を創れるってことやな……)
 亜子はそう解釈し、何が出てくるか分からないスケッチブックから一定の距離をとる。
「でも、確かに亜子ちゃんに何があったかは気になるけど、明日菜のところに行かせてくれたら、と
りあえずは見逃してあげてもいいよ。今の目的は明日菜だし。ね? のどか」
 のどかを見ながら、ハルナが言った。
「あ、それはもう無駄やで」亜子はハルナに言う。「ウチがアスナに、あんたらが攻めてくるって伝え
たから、とっくに逃げてるやろな。どこに逃げたかはウチにも分からへん」
「………」
「………」
「………」
「亜子ちゃんさあ」ハルナが微笑んだ。「喧嘩売りまくりだねえ。喧嘩は嫌いじゃなかったの?」
「ど、どうしてですかー」のどかが前に出る。「ネギせんせーの問題は、亜子さんには関係ありませ
ん! どうして、どうして邪魔するんですか? 私はただ……」
 のどかと亜子、ハルナと亜子、ハルナとのどか、
 視線が交差する。
「特別やからね」
 亜子は自嘲気味に笑った。
「特別?」
 のどかが繰り返す。
「まあ、あんたらに、ウチみたいに手遅れになって欲しくないのもあるけど、正直、ネギ先生とアス
ナはウチとっては特別やから……いろいろあったけど、ウチを助けようとしてくれたし……」
 亜子は乾いた笑みで、
「ウチ……もう終ったも同然やけど……」
 飢えたような目で、
 淡々と言った。


「あの二人がいてくれたら……まだ頑張れる気がする……生きていける気がする……」


「………」
「………え、えーと……」
 のどかがコメントに困ってハルナを見る。
「ふふふふ、今の亜子ちゃんて何だか重いよねー。何があったか知らないけどさー、なんかおかし
くなっちゃったって言うか、悟っちゃったって言うか―――」
 ハルナは愉快そうに、亜子を見て微笑んだ。
「実際、明日菜たちもさー、そんな変な重い荷物背負ってるやつに頼られるなんて―――」


「はっきり言って迷惑だと思うよ」


「……そ、そんな、こと……ない、わ……」
 亜子の顔に、少し動揺が浮かんだ。ハルナは亜子の反応を見てにやりと嗤う。
「迷惑だよ。絶対に、迷惑」
 ハルナは亜子に言う。
「結局、その荷物をネギ先生と明日菜にも持って欲しいってことでしょ? 否定しても駄目だよ、亜
子ちゃんの顔にそう書いてあるもの。ウチはとっても辛いから助けてください。慰めてください。支
えてください―――ってね。二人に優しく、傷口ぺろぺろ舐めてもらいたいんでしょ?」
 最後の言葉は亜子に向けたジョークのつもりらしいが、亜子は反応しない。
「そんなの無駄だと思うよ。最初は親身になってくれるかも知れないけどさー、そのうちに絶対ウザ
がられるって。うん、断言してもいいよ。で、そこで相談なんだけど、私たちの仲間にならない?」
 のどかが驚いてハルナを見る。
「木乃香と仮契約すればさ、そのやたら巨大な魔力も使いこなせるかも知れないよ? そうすれば
亜子ちゃんは―――」
「あんたらと仲間になる気はあらへん。いっしょにせんといて」
 微笑みながら、ハルナの笑顔が固まる。
「何とでも言ってええ。ただ、ウチにはもう、これ以外に道はないんよ―――」
 亜子はそれだけ言った。
「ふうん」
 ハルナは、今度は面白くなさそうな顔でそれだけ言った。そして。
「これぐらいなら、のどかでも使えるでしょ。一応持っとき」
 ハルナがスタンガンと銃と本を投げ、のどかの足下に次々と落ちる。のどかは少しだけ戸惑った
ような顔をしたが、すぐに武器を掻き集めて銃と本をポケットに入れ、スタンガンを両手で持った。
「拾ったら、次は……邪魔だから桜子ちゃんを遠くに運んで、後はどっかに隠れてな」
「え……」のどかの動きが少し止まった。「う、うん。そうするー。頑張ってね……」
 のどかは小走りで、桜子の方に走っていった。亜子は「邪魔だから」がどちらに向けられたのか
少し考えたが、答えは出るはずもない。
「さて、仮名の亜子ちゃん。安心してね。殺さない程度には手加減するから―――」
 ハルナは、微笑を浮かべながらゆっくりと眼鏡を外し、そのままケースに入れて懐に仕舞った。
 眼鏡を外すとハルナの印象はがらりと変わっていた。端整な顔は普段より大人びて見える。
 もっと活き活きとしていたイメージがあったが、目の前にいるハルナは静かで落ち付いている。
 冷たい双眸が、品定めをするように亜子の姿を映した。
 スケッチブックが風に靡いて、ぱらぱら捲られた。
「………!」亜子が身構える。
 氷がどろりと溶解するように、ハルナの唇が歪んで、笑みの形を作った。
「23ページ」ハルナが絵のタイトルではなく、ページ数を言った。
 スケッチブックのページが宙に舞い、光を放つ。
 一瞬だけ見えたその絵は、集中線というスピード感を出す表現が用いられていた。中央に収束
している線の先にあるのは、まるで遠くから接近してくるかのように描かれている「剣」だった。
「―――!」亜子が後ろに下がる。
 スケッチブックから尖った金属が顔を出した。次の瞬間、漫画で端役が使うような質素なデザイ
ンの剣が、しかし弾丸のような勢いで紙上から発射され、亜子に向けて真っ直ぐに飛ぶ。
「―――くっ!」転がるように亜子が横に避ける。黒いマントの端が剣に掠って裂けた。
「『魔法銃』!」
 ハルナが亜子に向けて魔法銃を連射し、ドンドンドンと重い音が響き渡った。亜子は止まらずに
走り続け、背後から亜子を追いかけるように小さな爆発が起こる。亜子は爆発の勢いを受け止め
るようにマントを広げ、そのまま一気に飛びあがって円弧を描くコースでハルナに向けて急接近し
た。蝙蝠で編まれたマントは、亜子が使える数少ないエヴァの能力だった。
「『シールド』5連作!」ハルナが叫ぶ。
 ハルナと亜子の間に、厚さ4センチ、縦横2メートルほどの曇りガラス状の壁が5枚現れた。それ
らは亜子とハルナの間に勝手に移動し、亜子からハルナを遮った。
「こんなもん!」亜子がスピードに乗って勢い良く蹴りつけ、鈍い音がした。亜子のキックを受けと
めた壁は蜘蛛の巣状のヒビが走り、真っ白になってそのまま砕け散る。亜子はそのまま体当たり
で次の壁を強引に破った。そのまま前に進もうとするが、3枚目の壁が破れずに止まってしまう。
「2枚も破られるとは、怖い、怖い。でも、残念だったね」濁った半透明の壁の向こうで、ハルナが
にやりと嗤う。「悪いけどさあ、私って殴り合いとかするタイプじゃないんだわ。だから―――」

 亜子の背後で、ずしん、と重量感のある音がした。

「やりたければ、鬼蜘蛛ちゃんと好きなだけどーぞ。木乃香の呼び出すオリジナルの式神にも勝っ
ちゃった自作の鬼蜘蛛だよ。鳴き声がとってもキュートだから聞いてあげてね」
 亜子が振り向くと、数メートルはある巨大な蜘蛛が、黒く濁った目に亜子を映し込んでいた。身体
は硬い装甲に覆われている。無数の脚がわきわきと蠢いて、その巨躯を亜子に向けて走らせた。
「くもっ!」
 間の抜けた鳴き声と共に、蜘蛛の巨体が亜子の視界を覆い尽くし、そのまま激突する。
「きゃあああっ!」
 亜子は弾き飛ばされてごろごろと転がり、民家のヨーロッパ調の壁に背中をぶつけて止まった。
「かはっ……あ゛……げほ、ごほっ……」
 激突した民家の壁にヒビが走る。衝撃を受けて肺の空気が一気に絞り出され、亜子の呼吸が一
瞬だけ止まった。自分に契約執行しているのでダメージは軽減されているが、それでも十分に痛
い。無意識に背中を丸めて、亜子は地面に頬を付けたまま苦痛が治まるのを待つ。
(……さっきの、何……く、くも?)
 亜子の口からどろりと唾液の塊が零れ落ちる。体当たりされただけなのに、まるで車に轢かれた
ような衝撃に襲われた。亜子は車に轢かれた経験はないが、おそらく似た感じだと思われる。
「くも。くもぉ? くっもー」
「………」
 亜子が見上げた先には、「大丈夫?」とでも言いたげな可愛い声を出して、先程の蜘蛛がいた。
「ひっ! あ、あっちに行きやっ! ち、ちょうあ゛っ! ぐう! い、いや…あ゛っ! うあ゛っ!」、
 鬼蜘蛛が巨大な脚を数本振り上げ、バシバシと倒れた亜子に叩き付けた。振り下ろされる重量
の一撃一撃が強い。連続する骨まで砕かれそうな衝撃に、肉体が軋むのが伝わってくる。
「ひぎいっ! あ゛っ、あ゛……ごほっ、はあ、はあ、あ゛っ! うあ゛っ!」
 大きな太鼓を叩いているようなリズムで、鈍い衝撃が亜子の身体を襲う。細い脚や腰を打たれる
度に、亜子から悲痛な声が漏れた。胸や腹を打たれると悲鳴も出せない。ガードしようとしたが、3
回ほど攻撃を防ぐと亜子に腕は内出血だらけになり、痺れて動かなくなった。しかし亜子は泣きな
がら、その動かない腕でガードし続けるしかなくなっていた。
「あ゛あ゛っ! ごほ、げほ、げほ、はあ゛っ! ぐっ! あ゛……いやああ、あ゛あ゛あ゛っ!」
 腹を何度も打たれ、身体が自然にくの字に曲がっていく。口内に唾液と胃液に加えて血の味が
広がり始めた。負傷した肩も何度も打たれ、傷口が少しずつ広がって血が溢れ出てくる。打たれる
と亜子の身体は、埃といっしょに少し浮かび上がる。しかし次の一撃で固い地面に叩き付けられ、
次の一撃で再び浮かぶ。障壁が反発しているせいだったが、最早扱いはサッカーボールと変わら
ない。泣き叫びながら蜘蛛に攻撃を止めるよう訴える亜子に対し、鬼蜘蛛は腹への強烈な一撃で
応える。亜子の口から胃の中身が飛び出した。
「げほっ! えほ、げほ、ごほ……はああっ!、はあ゛あ゛っ!、あ゛あ゛あ゛っ!」
 口から吐瀉物を垂れ流しながら悶える亜子の身体を、鬼蜘蛛が脚で押さえる。そして2本の脚で
亜子の首を挟んで、鬼蜘蛛が亜子の身体を持ち上げる。
「うう゛う゛う゛……う゛あ゛あっ! 止め……あ゛っ、あ゛ぐゔゔゔゔゔゔ、ゔゔゔ―――」
 首を巨大な脚で挟まれた亜子が、脚を掴んで必死に暴れる。喉を潰される苦しさに亜子の顔が
歪み、足がばたばたと空中を蹴るが、鬼蜘蛛は無視してさらに亜子を高く持ち上げ、別の脚で亜
子の顔を殴打した。
「や゛あ゛あ゛―――あ゛ぶっ……! ……あ゛……はぁ……ゔあ゛っ! ゔっ!」
 亜子の唇が切れて鼻血が少し飛んだ。脳まで揺さぶられる衝撃に意識がぶれる。二度、三度と
殴打が繰り返され、亜子の顔が左右に振れて悲鳴を撒き散らした。次は真上から脚が頭に振り下
ろされて、ガン、ガン、と鈍い衝撃に2回襲われる。髪の毛の間から血が顔に流れ落ちた。

「――――――っ!」

 世界が反転した。
 放り投げられたと分かった時には、道路のアスファルトがすぐそこまで迫ってきていた。こういうと
きに、受身をとれという話はよく聞くが、亜子は受身など知らない。どこから落下したのかはよく分
からなかったが、激突した音の後に亜子は道路にキスをし、そのまま勢いでごろごろと転がる。止
まった時には、生きているかどうかも分からなかった。
 仰向けで倒れた亜子の逆さまの視界に、ハルナがいた。

「準備運動は終ったの? 亜子ちゃん―――」

 ハルナは四階建ての建物の屋上に立っていた。ハルナの周囲には無数のスケッチブックのペー
ジが乱舞し、まるで餌をねだる鳥の大群のように、一種のおぞましさを伴って群れている。
「さっきの剣を最新200ページにコピーしてみたの。単純な絵だから数秒だったけど」
 真っ白い。雪のような紙。紙吹雪。
 幻想的。
 さっきの、飛んでくる剣。
 ハルナが笑みを浮かべて、亜子を見下している。
 冷酷が刃のように研ぎ澄まされている。
 悪魔が、理性の仮面を被っている。
「『飛剣』200連作―――」
 ハルナの周りの紙が、一斉に発光する。
 現れる無数の、鈍い光。
「……う、そ」
 現れたのは、雨のような200本の剣。
 そのまま、亜子に引き寄せられるように、
 近づいてくる。
「あ、あぁ―――っ!」
 周りにドスドスと突き刺さる剣を見て、亜子が慌てて起きあがる。しかし回避は間に合わない。亜
子は身体をマントで隠して顔を手で守りながら、剣の雨に対して背中を向けて丸める。
 ガキィン! ガキガキガキガキン! と背中から障壁が反発する音が聞こえた。
「あ゛っ、あ゛、あ゛、ぐ、あ゛、うあ゛、はあ゛、あ゛、あ゛ぐ、あ゛っ……」
 痛みが連続して亜子を襲った。亜子の障壁に当たり、反発した剣が転がり落ちては消えていく。
剣の嵐は止まず、足の周りが刺さった剣で埋まる。少しずつ標準が合ってきて剣が亜子に集中し
出した。ピンポイントで同じ場所を何度も突かれ、障壁がだんだん弱くなってくる。連続する叩くよう
な痛みに混じって、焼けた鉄を当てられるような痛みが少しずつ増えてきた。反発した剣の先に、
赤い液体が付着し始める。
「あ゛……あ゛う……」
「んっふー。200連発なら、流石に障壁も抜けたかな?」
 最後の一本が転がっていく。亜子はそのまま千鳥足でハルナから離れようと動き始めた。マント
は穴だらけで雑巾のようになり、着ていたボンテージは背中がズタズタになって血がじわりと滲ん
できている。蜘蛛にやられて蒼く腫れた脚にも裂傷だらけで、赤い筋が何本も伝っていた。剣は深
く刺さりはしなかったが、ダメージは酷い。
「あら、鬼蜘蛛の方が好みだったかな? じゃあ、最新ページ30に『鬼蜘蛛』をコピー」
 ハルナがいやらしく嗤いながらそう唱えると、スケッチブックが10秒ほど蒼く光り、その後に蜘蛛
の大群30匹を吐き出した。
「んー。ちょっと少ないかな? 最新ページ20に『鬼蜘蛛』をコピー」
 スケッチブックが6秒ほど蒼く光り、その後に蜘蛛の大群20匹をさらに吐き出した。
 あっと言う間に50匹の蜘蛛の大群を、ハルナは創ってしまう。
「そ、そんなん……はんそく……やん……」
 ハルナの周辺を埋め尽くした蜘蛛の大群を呆然と眺めながら、亜子は小声で呟いた。
「なんで? 少年漫画みたいに一対一で殴り合いするとでも思ったの? 亜子ちゃんに合わせる必
要なんて何もないんだよ? ていうか、信じないかもしれないけど、私って本気出せば麻帆良ごと
消せちゃうの。これでも手加減してるんだから、感謝ならともかく反則なんて心外すぎー」
「あ……ああ……」
 亜子がふらふらしながら、後ろに一歩、また一歩下がっていく。
 逃げてはいけないと分かっていても、足は止まらなかった。茶々丸に殺されるかもしれないと忠
告されても、覚悟はできていたつもりだった。自暴自棄だとエヴァに言われても笑って肯定した。
 みんなを助けたかった。
 自分のように手遅れの人をもう生みたくはなかった。
 もう、酷い事を繰り返したくはなかった。
 そして、
 もう何も残されていないから、
 捨て身で、最後の希望に縋りつこうと……。
 ネギ先生と明日菜に、
 助けを求めようと、
 もしかしたら、助けてくれるかもしれないと……。
 心の中で、ほんの少しだけ思っていた。
 でも、
 もう、ダメだった。
 強くなったと思ったのに
 身体的な苦痛で、簡単に屈してしまう。
 止まれない。
 下がる足はだんだん速くなり、やがて走り出した。
「うぐっ! うぅ……あ、足が……」
 両足がずきりと痛んでよろめき、亜子はそのまま倒れてしまう。怪我が酷く、立ったり歩いたりは
できても、最早思ったようには走れなかった。亜子の心がぶるりと震える。自覚はしていないが、
いつも友達からは運動ができると言われてきた亜子である。それが、走ることもできない。これは
思った以上の窮地かもしれない。
「ちょっとちょっと」ハルナが嗤う。「戦意喪失が早すぎない?」
 亜子は気にせずに蝙蝠で編んだマントを広げて逃げようとする。
「あ゛うっ!」
 しかし、亜子は再び無様に地面に転がった。倒れて動けなくなった亜子の、穴だらけでボロボロ
のマントが、風に煽られて虚しく揺れた。
「………うっ、うぅ……ううう……いやっ……いやや……」
 亜子が痣だらけの両腕を伸ばし、ずるずると虫のように這って逃げていく。傷だらけの身体を必
死に動かして、何とかこの場から逃れようと足掻く。


          *


「なんて言うかさ、死にかけたゴキブリみたいだねえ……私の可愛い鬼蜘蛛ちゃんとは大違い」
 ハルナは哀れみのこもった目で亜子を見下し、命令を下した。
「さあ鬼蜘蛛ちゃん。亜子ちゃんを適当に可愛がってあげてちょーだい」
「くも! くも! くもぉぉ!」
 ハルナの近くにいた鬼蜘蛛が、何かをねだるように顔をハルナに近づけた。
「ふふふっ。甘えんぼなんだからー。えっ? 戦うのが不安なの? ……大丈夫よ」
 鬼蜘蛛の固い顔に、ハルナはそっと柔らかい唇を付けた。
 ハルナは気持ちの全てを込め、鬼蜘蛛の口をゆっくりと満たしていく。
 自分の描いた絵と触れ合える幸せが、ハルナの心も満たしていった。
 描いた絵は、みんな絵師の分身である。
「みんなも、できればコピーなんかじゃなくて、一枚一枚描いてあげたんだけど……」
 ハルナは泣きそうな顔で蜘蛛の大群を見渡した。
「今の私じゃあ、まだ無理なの。まだまだ未熟だからね。でもいつか、コピーなんて使わなく
ていいように、みんなを、きっちり描き上げて見せるから―――今は、ごめん」
 鬼蜘蛛たちが奮い立ち、一斉に亜子に襲いかかった。


          *


「のどかー、のどかー、どこよ?」
 向こうで蜘蛛の大群が亜子に押し寄せていて、泣き声に近い悲鳴が断続的に聞こえてくる。ハ
ルナはそれをしばらく見物しており、たまに10匹ぐらい蜘蛛を増やしたりしていたが、視線を
逸らしてのどかを呼んだ。
「な、何ぃ?」恐る恐る、建物の影から顔を出すのどか。「もう、終ったの?」
「何びびってるのよ、あんた」ハルナは呆れたように笑う。「あんな弱いの、怖がることないって」
「……うん。そう、だね……」俯いて低い声でのどかは言う。
「別に、亜子さんが怖いわけじゃないんだけど……」
 怯えた声は、ハルナに届く前に消えていった。
「あー、のどか。これ」ハルナの指した先には、バットや剣などの武器が山積みにされていた。「さ
っき渡したやつでもいいけど、好きなの使っていいから、あんたも亜子ちゃんと戦ってきなよ」
「え、ええっ!?」のどかは驚きの声を上げた。「む、無理だよー」
「大丈夫だって、もう亜子ちゃん戦意なんかないんだから。殴ってでも蹴ってでも亜子ちゃんの名
前を聞き出せばいいの。怖がることないよ。危なかったら助けてあげるし、鬼蜘蛛ちゃんもいるし」
 ノリ気ではなさそうなのどかを亜子の方に行かせて、ハルナはふう、と溜息をついた。
「あんなんだから、いつまでたってもネギ君をモノにできないのよ……」
 スケッチブックを開いてペンを取り出し、ハルナは案を練る。
 名前の不明な敵と戦うための、のどか専用の武器を創る予定だった。
 ところが、いざ創ろうとすると何が良いのか分からない。刀剣、銃器、それとも他の何かか……。
「あー、何か早く創ってあげないと……それで、自信を付けさせてあげなきゃ駄目だよね。うーむ」
 頭の中で無数の線がぐにゃぐにゃと動く。
 それらは形にならない。漠然としたもの。イメージ。浮かんでは消える。
「あー、駄目だ。思い付かない。やっぱ、もう少し亜子ちゃんと遊ぼうかな」
 次はスケッチブックの、どの絵を使おうか考えながら、ハルナはにたりと嗤う。


          *


「ちっくしょー、どこまで行っても侵入できないっ! 何かスゴいスクープが転がっている予感がす
るのに! あー、もどかしいなあ!」
 朝倉和美は「まほら新聞」という腕章を巻いて、麻帆良の住民たちが作る巨大なドーナツの輪の
外側を、自転車で移動しながら無人都市への侵入を試みていた。まるで見えない壁があるように
前進を阻まれてしまう異常事態、果たしてその先では何が起こっているのだろうか?
「このままじゃあ、報道記者の名がすたるってもんよねぇ……」
 悔しそうに唇を噛んだその時、向こうから気合いの篭った声が聞こえてきた。

「うにゃあああああああああ―――っ! 進めないアルかあああああああああ―――っ!」

「………」
 そこでは必死になって走っているが、その場から一歩も進めていないクーフェイが汗を流してい
た。どうやら無人都市へ侵入を試みているらしいが、見事に失敗していた。遠くから見るとルーム
ランナーでトレーニングをしているように見える。バカに見えるのは秘密である。
「頑張るんだから……」
 春日美空が苦笑しながらそれを眺めている。止めてやれよ、と和美は思ったが、美空も退屈な
のかもしれない。クーを見ていると面白いのだろう。
「やれやれ、ここも侵入できずかー」
「あ、朝倉」美空が和美の方に寄ってきた。
「ん、何か情報あり?」
 取材メモを取り出して和美は言う。
「ううん、そうじゃないけど……ここ最近、何が起こってるの? この騒ぎだってなんか、怖い……」
 美空は首にかけた十字架を握り締めて言った。
「無人の都市を見てたら、なんかいきなりお化けとかでてきそうで……」
 和美も言葉に詰まる。女子寮の半壊に続き、クラスメイトの刹那・木乃香・亜子・エヴァンジェリ
ン・茶々丸と担任のネギが行方不明になっている。確かに一連の事件に関連がある可能性は大
きい。しかし、何も分からないのが現状である。

「大丈夫! 私がついてるアル! 何か変なヤツが出てきてもやっつけてやるアルよ!」

 ばてたクーがぜいぜい息を吐きながら、Vサインをして美空と和美を見ている。
「……」
 もしかしたらクーは、美空の気を紛らわせてやろうとして、ずっとあんな事をしていたのだろうか。
和美は少し考えたが、報道記者が追求するような問題でもない。
「……ふふふ、そーだね。そりゃいいや」
「頼りにしてるよー。くーふぇ」
 和美と美空にも、自然と笑顔が戻ってきた。



 人々が見守る中、沈黙を続ける無人都市。
 災厄を包み込み、沈黙を続ける無人都市。
 内に秘めるは地獄。
 外に存在するのは、当たり前の平和。



 ≪to be continued≫
190座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/04/02 01:31 ID:vSYScx+w
というわけで長編は最終章突入です
投下ペースは少し落ちそうですが……
まあゆっくり最後の修羅場を盛り上げたいと思います
次回は陵辱に入りますので……


最後に保管庫管理人様、乙彼様です
ではまた
191名無しさん@ピンキー:04/04/02 01:35 ID:becAFeYo
夜半キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!!!!!!!!!乙でございます!!!
192名無しさん@ピンキー:04/04/02 01:59 ID:l8BAHHJq
座薬さんの最新作が読めるのはこのスレだけ!(多分!!)
亜子大ピンチ!?楓復活はあるのか!?
結界の外もなにやら騒がしくなってきていよいよクライマックス!!

続きを超楽しみにしてます、GJ!
193名無しさん@ピンキー:04/04/02 20:17 ID:Pw/W8cAW
DDDの井川正寿は荒らし?井川の掲示板が見苦しい。DDDが荒らされたのは井川のせいという話も聞くよ。
http://erogeya.at.infoseek.co.jp/top.htm
http://tcup7020.at.infoseek.co.jp/erogeya/bbs
194名無しさん@ピンキー:04/04/03 00:18 ID:8NiNV2V2
>>193
ヅラクラ
195名無しさん@ピンキー:04/04/04 15:56 ID:d8ylpscc
補修
196名無しさん@ピンキー:04/04/05 03:17 ID:1obnGF3E
頼むから……作品が投下される度に、まるで厨房のような発言をするのはヤメレ
197名無しさん@ピンキー:04/04/05 03:43 ID:cZni21I1
(・з・)キニスルナ
198P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/05 16:13 ID:JuTaJ/9S
ifネギま! 〜 一話一妄想 〜


第十二話



 2−Aの生徒の一人、長谷川千雨は、普段は目立たない地味な女子中学生。しかし実は、彼女はいずれネットを牛耳るという野望を持つ、No.1ネットアイドルという裏の顔があったのだ。今日も自分のホームページの更新にいそしむ千雨だったが……。


 白い壁紙を背に、セーラー服姿の千雨はカメラの前に座る。
 背中の真ん中まで伸びる、ほどいた髪を扇風機でかすかになびかせ、左手は軽く握って顎に、右手は床に。体育座りを少し崩したような形だ。
 スカートは男の視線を誘うよう、だいぶ短くしてあるが、カメラと足の位置を調節して、うまく下着が見えないようにしている。足先を包む靴下は無地の白。
 視線はカメラを直視しないよう微妙にずらし、口は軽く開け、表情には軽く驚きと恥じらいを混ぜる。
 まるで、座って物思いにふけっていたところを、誰かに急に撮られた、という具合に。
 あとで背景には、すがすがしい森林公園の画像を合成する予定である。
 その姿勢をみじんも崩さずに、千雨は左手の中に隠したリモコンを、そっと親指で押した。
 カシャっという作動音が、狭い部屋の中にいくつか響き、フラッシュが連続して明滅した。
 千雨はまばたきもせずにその光を受けると、さっきまでの絵に描いたような清純な表情はどこへやら、にへら〜と顔を緩めて立ちあがった。
 三脚からデジカメを外し、今撮ったばかりの写真を液晶で確認。満足げにうなずいた。
「くっくっく、これでまた、私の野望に一歩近付いた……」
 独り言を言いながら、含み笑いを漏らす。彼女の全身からは暗い色のオーラが発散され、純情さを演出するセーラー服と絶妙なミスマッチを見せている。
 千雨は、デジカメからカードを抜くと、それをパソコンにつながっているカードリーダーにセット、次いでフォトショップを立ち上げる。
 細かい修正やアップロードはあとでまとめてやるとして、とりあえずデータをパソコンにコピーしてカードの容量を空ける。ついでに、写りの悪いものを消したり、大雑把な修正をしたりもした。
199P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/05 16:15 ID:JuTaJ/9S
 それにしても……。
 パソコンにちょっと詳しい者が見ればすぐに気がつくだろう。彼女が使っている機器は、女子中学生の持ち物にしては値が張りすぎる。
 報道部の朝倉が喉の奥から手を出して欲しがるであろう、600万画素・光学3倍のデジカメ。
 フォトショップがストレス無く動くミドルタワーのパソコン本体。
 デスク上を占領する、スタパ斉藤も御用達の20.1インチデュアルディスプレイ。
 デスクサイドのラックには、高性能ノートパソコン、PDA、デジカメ、デジタルビデオカメラ、プリンタ複合機、ポータブルMP3プレーヤー、列を成す各種ソフトの箱。
 部屋の横幅一杯を使う巨大な衣装ダンスは、観音開きの扉が開きっぱなしになっているが、その奥にはごく一般的なものからかなりマニアックなものまで、無数の衣装が吊られている。
 少なく見積もっても、総額200万は下らないだろう。
 これだけのものを、千雨はどうやって手に入れたのだろうか。
 千雨は、一通り作業を終えると、モニタの壁紙にしてあるカレンダーを見て、あっと声をあげた。
「そういや、今日は『裏ページ』の更新日でもあったのね。危うく忘れるところだった」
 いそいそと彼女はカードをデジカメに戻すと、三脚に据え付けた。
 さらにもう一つ三脚を出すと、デジカメの横に設置し、そこにはデジタルビデオカメラをセットする。このビデオカメラも、民生用としては最高級のものである。
 そして再びデジカメの前に、さきほどと同じように膝を立てて座った。
 しかし、今度は体勢が少し違う。
 両膝はくっつけるが、足先は大きく外側に広げるポーズ。先ほどは脚で下着が写るのを避けていたのとは逆に、明らかにパンツを見せる格好だ。
 千雨は、デジカメに向かってにこっと微笑みかけると、シャッターを切った。
 フラッシュに照らされ、彼女の張りのある太ももと、そこに挟まれた真っ白な布がしっかりと写ったはずである。また、すぐ横のビデオカメラも、その昆虫の巨大な単眼を思わせるレンズを通して、彼女の姿態を記録し続けている。

 これが、千雨の収入源、すなわち会員制のポルノサイト運営である。
200P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/05 16:16 ID:JuTaJ/9S
 ネットアイドルのホームページなどやっていれば、当然セクハラメールを送りつけてくる者も多い。
 普通のネットアイドルなら即ゴミ箱行きだが、千雨は逆にそういう者たちに裏ページの案内を返信していた。
 毎月一定額の会員料をとる代わりに、『表ページ』では絶対にアップしないセクシャルな画像や動画を提供するのだ。
 コンテンツにコピーガードを導入する一方で、過激かつ無修正の画像や動画を次々と更新するというので、一度会員になった者は滅多に退会しなかった。
 口コミで、また千雨自身のジサクジエンで、アングラサイトを中心に評判になり、今や会員数は1000人の大台に乗っている。
 ここで得た収入を元手にいずれ起業し、マイケル・デルやビル・ゲイツのようなIT富豪になるのが彼女の目標である。
 
 次に彼女は、セーラー服のスカーフを取り去り、上着の胸元を引っ張って襟を広げると、四つん這いになった。
 顎から首、そして鎖骨と美しいラインがセーラー服の奥へと続き、光が届くか届かないかというギリギリのところで白いブラジャーがのぞいている。
 そのポーズを撮り終わると、今度は上着を大きくたくし上げて、清楚な下着に包まれた両胸をカメラの前にさらけ出した
 2−Aの胸囲ランキングは上位に常識離れしたのが何人もいるせいであまり目立たないが、中学生としては大きい部類に入るだろう。
 服を掴んでいる両腕で胸を挟み、実際より大きく見せている、というのもある。
 その格好で、やや角度をつけた流し目をカメラにやる。『表ページ』の写真を撮っていた時とはうって変わって、男の欲求を挑発する、妖艶な表情だ。
 さきほどまで清らかさの象徴だったセーラー服は、今や単なるフェティシズムの対象にされている。
 千雨は、視線の向きをビデオカメラの方に移しながら、じらすようにゆっくりと両手をフロントホックへとやった。
 すぐにホックを外すようなことはせず、二三度自分の胸を、下着越しにぎゅっ、ぎゅっと揉む。
「はぁ……ん……」
 と、ため息ともあえぎ声ともつかぬ声を出し、顎をのけぞらせてから、ようやくホックを外した。
 ブラの肩紐を脱ぎにかかるが、その間、片手で常にカップを押さえ、一気に肌をさらすようなことはしない。
201P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/05 16:17 ID:JuTaJ/9S
 肩紐が両方とも外れ、カップを押さえている手を離せばブラが落ちるというところで動きを止め、シャッター。
 フラッシュを浴びて、再び千雨は動き出す。
 両手を少し離し、ブラを膝に落とす。しかし、今度はブラの代わりに手のひらで乳房を包み、肝心な部分をなかなか見せない。
 その状態でまたシャッターを切ってから、ゆっくりと、胸を包んでいた掌を上へ持ち上げていく。
 官能と、恍惚と、少しの恥じらいを目に浮かべながら、千雨はついに一番肝心な部分を二つのレンズに明らかにした。
 さんざんじらし、もったいぶっただけあって、二つのふくらみは品のよい大きさと形で、先端の突起も舌なめずりをしたくなるほどいい色をしている。
 乳輪の色素は薄く、乳首自体も慎ましやかで、扇情的な格好にもかかわらずどこか清らかさを失っていないものがあった。
 そこがまた、彼女のファンを引きつけてやまないのである。
 千雨は、そこでシャッターを切り、次にたくし上げた上着を顎で押さえて落ちないようにした。
 ぐっと両手を高く掲げて伸びをし、少し体を傾ける。
 完璧に処理された脇の下のラインと、くっとへこんで一番下の肋骨が浮き出るお腹をじっくりと見せつけてシャッター。
 今度は逆に上半身を倒し、床に両手をついて、グラビアアイドルのように重力と両上腕の力で胸の大きさを強調する姿勢でシャッター。媚びるような、誘惑するような上目づかいでデジカメを見つめ、ビデオカメラにも視線と笑顔を向けるのを忘れない。
 そのまま180度回転し、スカートをまくりあげて真っ白なパンツを見せる。
まるで、その引き締まったお尻を押し付けるようなポーズでシャッター。
 千雨のセルフ撮影会はさらに過激になる。
 画面に写らないよう置いてあったクッションを引き寄せると、そこに顔を埋めた。突き出した尻がますます強調される格好だ。
 カメラにちゃんと顔が写るように、額と脳天の中間辺りをクッションにつけて上半身を支える。そうして、股を大きく広げた。
 2台のカメラから見れば、尻を頂点に両脚と床で三角形ができ、その三角形の中から千雨の顔がのぞいているという状態である。
202P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/05 16:18 ID:JuTaJ/9S
 千雨は、両膝と頭の三点で体を支えたその状態から、自由になった両手をパンツにかける。
 再び、ブラを外した時のようにじっくりと時間をかけながら、それをゆっくりと降ろしていった。
 じりじりと、しみ一つない、磁器のように白くつややかなお尻が無機質なレンズにさらされていく。
 他の部分よりわずかに色の濃いアヌスがすっと顔を出し、あと1センチでこの少女の一番の秘密が明らかになる。
 というところでわざとストップ。
 ……。
 ……。
 ……。
 たっぷり5秒もじらしてから、再開した。
 赤い色をした割れ目が、徐々に、徐々に、さらされていった。
 毛はまったく生えていない。
 本当はすでに生え初めているのだが、会員の反応から、きれいに剃っていた方が評判がいいことを知ってからは、常に手入れを怠っていない。
 成熟への過渡期にある千雨の性器は、少女の無垢さと成人した女性の淫靡さの両方を併せ持つ一方で、一歩踏み外せばどっちつかずに陥る危ういバランスを秘めている。
 とそこで、シャッターが切られた。顔と性器しか写っていないという、どぎついほどに露骨な写真が撮れたはずだが、そういうものに群がる男も多いことを千雨は知っている。
 性器の接写が終わると、千雨は脚を閉じ、すばやく下着を脱ぎすてた。
 いったん仰向けになり、三度、あの体育座りを崩した座り方をとる。
 ただし今度は、上着はたくしあげられたままで胸は露出しているし、割れ目もばっちりのぞいている。
 ここに至っても敢えてセーラー服を脱がないのだから、千雨もそうとうに男性心理を研究していると言えよう。
 そして、撮影はいよいよクライマックスの段階に入る。
 千雨はビデオカメラの方に向かって微笑むと、口を開いた。
「会員のみんな、今日もちうのこと見にきてくれてありがとっ。今月の会員用特別動画は、ちうのオナニーだよ。でも、ただのオナニーじゃないんだ……」
 千雨は手を伸ばし、画面の外に置いてあった黒光りするバイブを手に取った。
ただ、その形状が問題だ。パチンコ玉ほどの大きさの球が、いくつも縦に連なっている形である。
203P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/05 16:19 ID:JuTaJ/9S
 千雨はそのアブノーマルさを漂わせるバイブを口元に寄せて言う。
「ふふ……これ、なんだかわかる? そう、今日はちうのアナルオナニーをお披露目するの。ちうはお尻の穴はあんまり経験無いんだけど、みんなからのリクエストが多かったから、今日は頑張って挑戦してみますっ」
 千雨が会員制の『裏ページ』を始めてから、すでにだいぶ経つ。会員に高い会費を払わせ続けるために定期的な更新は欠かせなかったが、それ以上に、内容の更新も求められた。
 主に動画コンテンツは、コスプレをしてのオナニーショーと、彼女が学園の更衣室やトイレに仕掛けた盗撮ビデオであるが、それだけではいずれ飽きられてしまう。
 会員を引きとめ、またさらにその数を増やすために、彼女のパフォーマンスはしだいに過激になっているのである。
 千雨は、アナルバイブを男性器にみたてて口の中に入れ、カメラ目線を維持しながら、ちゅぱっちゅぱっと大きな音を立ててしゃぶる。
 アナルバイブの、連なった玉と玉の間に唾液が糸を引くようになってから、彼女は膝を強くたたみ、腰を前に突き出した。
 いわゆるM字開脚の姿勢になってから、右手を惜しげもなくさらけ出された肛門にやる。
 人差し指と中指を使って、まるで中を見せまいとするかのように閉じているその穴を、ぐっと開く。ここでシャッター。
 さすがの千雨も、頬が赤らんでいる。胸や性器を見せれば男が喜ぶことは小学生の頃から知っていたし、すでにそうすることにも慣れている。
 しかし、こんな場所を見て興奮するとは、実はつい数ヶ月前まで想像すらしていなかったのだ。撮影会でこの場所をさらすのも、まだ数回しか経験していない。
「あっ……」
 こじ開けられ、空気が入ってきたのか、千雨は小さく声をあげた。
 左手に持ったアナルバイブを、慎重に入口にあてがう。
 真っ白な素肌に比べれば多少色が濃いとはいえ、千雨のアヌスは色が薄いほうだ。そこに黒真珠のように黒々とした球体の連なりが挑もうとしている。
 さながら、必死のバリケードで入口を固める修道院の扉に、巨大な鋼鉄製の破城槌が仕掛けられているという印象だ。
 千雨は、ゆっくりとアナルバイブを持った左手に力を込めた。先端の球と二番目の球が一気に中にもぐり込む。
「くっ……」
 思わず目をつむり、歯を食いしばった。
204P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/05 16:20 ID:JuTaJ/9S
 実は、事前に一度だけではあるが、試してみてはいたのである。
 やはり普通は排泄一方通行のところを逆走しようというのだから、相当な異物感があり、全長十センチに満たないアナルバイブを挿入するのに30分以上かかった。
 今回はもう少し楽に行くかという目論見があったのだが、少し勢いが強過ぎたようだ。
「あ……、ふう、はあ、はあ……」
 千雨は、大きく息を吸ったり吐いたりして心構えを整える。そして先ほどより慎重に、再び自分の秘すべき場所を犯しはじめた。
 ずぶり。ずぶり。ずぶり。
「あ、あう……ふう、あっ……はぁ、はぁ、はぁ、ああああっ、くっ……」
 ゆっくりと、一つずつ、彼女自身の唾液で黒光りする球体が収まっていく。そこだけアップで見れば、醜悪なミミズの仲間か何かが、巣穴にもぐり込んでいくような印象だ。
 千雨は苦しいような、あるいは快感を耐えているような表情で、一つ球体が彼女の内側に入り込むたびに声をあげている。
 しかし、アナルバイブの侵入は、たびたび停止しつつも、着実に進んで行く。
「あ、くうぅぅぅぅっ……あと…もうちょっ………と……んんん───っ」
 ついに、黒い杭は根元まで千雨の肛門に埋まった。
 挿入するだけで相当に体力を使ったようで、千雨は肩で息をし、珠の肌には薄っすらと汗をかいている。
 少し休もうと、彼女はM字開脚を伸ばし、体を横にしようとした。
「きゃうっ」
 千雨の体が、ビクリと動いた。その表情が、歪み、目尻に涙が浮かんでいる。
 体勢を変えようとした時に直腸が微妙にうねり、その際深く突き刺さったアナルバイブに思いきり腸壁が擦られてしまったのだ。
「こ、こんな、ちょっと動いただけで……っ!」
 前に試した時は、一度入れてからすぐに抜いてしまったので、気づかなかったのだ。
 顔を真っ赤にし、ふるふると微かに全身を震えさせながら、千雨はゆっくりと体を横にしていく。さきほどのように焦らしているのではなく、刺激をなるべく少なくしようという、恐々とした動きだった。
 ようやく横になった千雨は、ずりずりと手足を使って体の向きを調整し、カメラにアナルバイブの突き刺さった股間を向ける。
205P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/05 16:21 ID:JuTaJ/9S
 位置が決まると、アナルバイブを握るために、再び股間に右手をやる。
 が、手探りで掴もうとしたために、手の甲がバイブのグリップにぶつかってしまった。
「ひぃぃっ」
 準備していなかった衝撃に、千雨は体をのけぞらせる。
 それでも、どうにかこうにかバイブをしっかりと掴むと、いよいよ本格的にアナルオナニーの開始である。
 本格的にといっても、慣れていない部分への刺激であるから、とうてい激しくなど動けない。
 一応、前後はさせているが、球体一個分から二個分が、彼女の薄茶色の穴から出たり入ったりしているだけだ。
 それでも相当に感じているのか、千雨の全身は朱に染まり、息遣いが次第に荒くなってきている。
「はぁっ……、あ、あっ、あっ、んっ、きつ…、あっ」
 千雨は、ちらりとビデオカメラに視線を送る。
 官能に染まった千雨の規則的な声と息遣いが、余すところ無くビデオカメラに記録されているはずだった。
 彼女は、少し視線を横に移し、デジカメの方を見る。小さなレンズが、照明を反射しつつ、撮影の命令をじっと待ち続けている。
 千雨は、左手を開いた。そこには、先ほどから隠し持っていた、デジカメのシャッターボタンがある。手から出る汗で湿っていた。
 彼女は一度、そのボタンを押してフラッシュを浴びると、壊れないように、ボタンを画面の外に放り投げる。ここから先は動画撮影に専念し、両手を使えるようにしようというわけだ。
 空いている左手を前に持ってきて、自分の割れ目をそっと撫でてみた。
 すぐ後ろの穴から送り込まれ続ける快感によって、すでにそうとう濡れていた。
 その滴を二本指でぬぐって、アナルバイブの球体に塗り付ける。
 それを何度か繰り返すと、先ほどに比べてだいぶバイブの滑りがよくなった。
 千雨自身が肛姦に慣れてきたこともあって、バイブ全体の半分ほどが出入りするようになった。
「ふんっ、あっ、ああっ、いい、いいよぅっ」
 ようやく気分も乗ってきたようだ。バイブを出し入れするたびに彼女の体がうねる。床とセーラー服がこすれて皺ができてしまっている。
 肛門はバイブが腸壁をこするたびにぱくぱくと口を開き、新しい快感を貪っているようだ。
 性器の方も次から次へと愛液が溢れ出し、恍惚にむせび泣いているようにも見える。
206P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/05 16:21 ID:JuTaJ/9S
 千雨はさらに高みに到達しようと、バイブのグリップの尻についているスイッチを入れ、振動させた。
「ひっ、ひゃああああああああああっ!」
 まるで釣り上げられたばかりの魚のように、千雨は体を激しくのたうちまわらせた。
 初心者用の小さいサイズであるし、単四電池一本で動くものだから、それほど大袈裟な振動ではない。
 しかしアナルオナニーについて素人同然の千雨には、充分過ぎるほどの刺激の追加だった。
「あ────っ! あ────っ! あ────っ!」
 激しくあえぎ声をあげながら、幼児がだだをこねる時のように体を左右に揺さぶる千雨。長い髪の毛が振り乱され、床に模様を作っては次々と形を変える。
 上下の口から唾液をまき散らし、感極まってあふれ出た涙が頬を伝っている。
 すでに、カメラを意識して媚態を作る余裕すら無い。
 普段は排泄にしか使わない場所から、想像を超えた凶暴な性感がとめどもなく発生している。
 その快楽が、千雨の体の中で洪水となって暴走し、行き場を求めて荒れ狂い、汗・愛液・唾液・涙となって体外へとあふれ出ているかのようだ。
「ああっ、もういっちゃう! いっちゃ……お尻でいっちゃうよぅぅぅぅ」
 あまりの快感に、あえぎ声すら最後が消え入りそうになる。
 千雨の右手は、あたかもそこだけが機械を埋め込まれているような激しい上下運動をしている。
 今やアナルバイブは、その全長の全てを使って主人の肛門を犯していた。
 ほとんど抜けそうになるまで引っ張られたかと思うと、グリップの部分すら入ってしまうほど押し込まれる。
 その繰り返しの果てに、ついに千雨は絶頂に達した。
 ビリビリと感電したような強烈な感覚が、神経を灼きながら体の末端まで瞬く間に走り、返す波が千雨の脳を真っ白にショートさせた。
 永遠にも思える数秒、無重力の中を浮遊する感覚にも似た絶頂を体中の感覚器に刻み込まれたあと、千雨はぐったりと脱力した。
207P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/05 16:22 ID:JuTaJ/9S
 しばらくして。
 絶頂の余韻から覚めた千雨は、多少肛門に違和感を感じながら後始末をする。
 ビデオカメラを止め、デジカメのカードを交換し、床に垂れた愛液を拭きとる。
 それが終わると、再び『表ページ』の撮影会の再会である。
 セーラー服を脱いだ彼女は、今度は白いレオタード・ネクタイ・手袋・そして巨大なウサミミを身につけた。
 いったいどこで売ってるのか、ニンジン型のクッションを小脇に抱え、思いきり快活な笑顔を浮かべてピースサイン。
 着ているコスチューム、意図するシチュエーションに合わせて自由自在にテンションを変えられるのが彼女の特技だ。
 予定の撮影が終わると、バニーのコスチュームもそのままに、これまでの画像と動画を一気に修正・編集・アップロード。スーパーハカーを自称するだけあって、職人芸とも言える、おそるべき手並みである。
 そんな自分に心底酔っているようで、彼女は涙すら流しながら至福の笑顔を浮かべて作業をしている。
 その恍惚の表情といったら、薄暗い室内にも関わらず、どこからかさんさんと降り注ぐ聖光が彼女を照らしているような幻覚が見えるほどだ。
 自分の世界で幸福に浸りきっている彼女は、すぐ後ろでネギが部屋の扉を開けたことに、まだ気づいていない……。


   第十二話 終わり


次回予告!
まだまだ学園に慣れないネギは、ひょんなことから2−Aの名物双子、鳴滝風香と鳴滝史伽に学園の案内をしてもらうことに。もしいたずら好きの姉妹が、ネギのことをからかってやろうと考えたら……? 乞うご期待!
208P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/05 16:35 ID:JuTaJ/9S
どーでもいい話。
今回一番悩んだのが、実は千雨のパソコン。「小さく無駄の無い機械が好き」という設定だったので一番最初はキューブ型だった。
しかし仮にもスーパーハカーを自称する輩が、そんな拡張性・メンテナンス性・通気性に劣る選択をするだろうか、むしろフルタワーの方が
らしいんじゃないかということで結局間をとってミドルタワーということに。
ちなみに今回の妄想は、「あんなでかいディスプレイを2面も使うなんて、千雨は金持ちだなあ」というところから生まれたものだったり。

>>169
ん〜、11話は、本編では明日菜がはじめて、口に出してネギを評価した回なんですな。
まあそういうところから話を考えてみました。
ネギまは時々、妄想の種が見つかり辛い回があって苦労します。

>>196
こんなこと言うと荒れるかもしれんけど。
書き手の立場から言わせてもらえば、厨房な発言が目立たなくなるぐらい感想書いてもらえると嬉しいな。
いや最近感想減ってきてるから。
209名無しさん@ピンキー:04/04/05 17:17 ID:RXkUDRoy
    ,、‐"゙'!ヽ:::l:::::{  l l :. .l キli'  ,';;'-rillllll'゙;! ゙、i'.    ,'゙、、、ノ:i゙llli'_,'-:.,r'|/: ,/:,.' '゙、
  /   .l ::::j::::::ヽ. l:. l.::. l ヾ 、';;r"ノ''"_;/   ゙'     l::r'ilツ::;' ン゙,':ン'゙i,.rシ',ン'     ',
  /    .l. :::j::::::i::l:゙'''!:.',::: |      ̄ ̄         ,  '''''''ー'- i::´ T'jノ'     l
      ,' ::::j::::::l:::l::::::',::',::. .l':、                      l::::  l ,'
     / :::,'::::::i::::!:::::::゙、:',::. ',;、ゝ、                 ,ィ゙::: ,' ,'  なんかもう、現実ってこんなもんだよね、機械達に視姦ry
     /  ::,'::::::j::::!:::::::::i;゙、'、: ',ヾ, ゙ヽ 、,,       ο    ,.、-シ-、., // 
210名無しさん@ピンキー:04/04/06 01:26 ID:KSqMqpJp
GJ
211名無しさん@ピンキー:04/04/07 00:51 ID:qNqFwLS1
オナーニはいまいち萌えない、百合でも良いから絡みがないと。
212(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/04/07 01:13 ID:CbJi0bYV
>>140-145の続き

第三話

「おいで……。」

素直になれない気持ちを整理してもやもやを吐き出した明日菜はネギを寝床に招く。

「えっ…。いいんですかアスナさん?邪魔じゃないんですか?」

いつもと雰囲気が違うことを察し、梯子に足をかけるのを一寸躊躇するネギ。

「ふふっ、たまには良いかな、って思っただけよ。そりゃ普段こんな風に誘わないから珍しいだろうけど、そんなに怖がらないで……。」
「で、でも……いつまで経っても添い寝してもらうだなんて、今まで迷惑に思っている風だったから」
「ゴルァ!今は先生として振舞っているわけじゃないんだからガキらしく素直に甘えとけぃ!♪」
「うわあっ!」

普段では想像しない態度を取ったので違和感を覚えるのでは、と承知していたとはいえ、
やはりというか、変に生真面目に拒否しようとしていたので、隙を見ていつものテンションで怒声を出しつつ、
でも妙に嬉しそうな顔で、ネギを豪快に釣り上げて強引に自分の隣に横たわらせて、一緒に布団を被った。

「…………。」
「♪」

無意識のうちに隣に入ってきたことはあっても、意識がある程度はっきりしたとき、
それも、普段は嫌がっていた相手に何故か誘われるという経験が無く、どぎまぎして何も言えずに硬直するネギ。
それに対して、明日菜は、タカミチの居残り補修を受けているとき並、いや、それ以上に満足げな表情で、
ネギに背中から抱きつき、自分の体を程よく強く密着させ、胸の間の少し下にネギの頭が挟まっている事も
意に介さずにネギの表情・心拍・息遣い・温度を堪能している。
213(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/04/07 01:20 ID:CbJi0bYV
「ふふん……ネギの体、あったかい……。」
「あ、ぁのー、アスナさん……?」
「ん?なあに?」
「えっと……心遣いは嬉しいのですが……流石にこれは恥ずかしいので少し離れてください……。」
「全く……。ほぼ毎晩こっちにその気が無いのにこっそり入ってきてはこれくらい密着しておきながらよく言うわ♪」
「あ、あわわわ……そ、それは…………。」
「……もういいわ、そのときの話は。最初は、体面もあったから嫌がっていたけど……実の所、しばらく続いてから
 逆にアンタが入ってこないと、少し寂しかったり調子が狂ったりしていたもんよ。……だから水に流しておくわよ♪」
「す……すいません……。」
「……私が赦すって言っているんだからちったぁ素直に受け止めなさいよ…あはは♪」
「あ、あははは……」

互いに密着しながら、眠りに落ちるまでしばし談笑する二人。
214(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/04/07 01:22 ID:CbJi0bYV
「それにしても、アンタ……思っていたよりもちょっと逞しくない?
 もっと華奢かと思ってた……。流石は高畑先生に訓練されただけの事はあるわね……。」
「いえ……それ程でも……。修学旅行の時も、まだまだだな、と思っています……。」
「アレは相手が人間じゃないから仕方ないわよ……。でもさ、同い年の男の子同士だったら、
 かなりイイ線行っていると思うけど。頭は良いし、可愛いし、多少ぼろは出るけど礼儀もしっかりしている。」
「そ、そうですか……?」
「私が幾らガキが嫌いと普段から言っていても、見る時には見ているもんよ。
 この私が言ってるんだからさ、ちょっとは魔法以外の自分に自信持っても罰は当たらないわよ♪」
「あははは……アスナさんを信じます。」
「ふふふっ…………でも、ね……。」
「でも?」
「私の心配の種が無くなる位にアンタが完璧な人間になるのも、なんかつまらないかな……。」
「??」
「例えば……同い年の男の子より何もかも優れている中に、神経以外の面で、弱いところないかなー…って。
 誰にもさらけ出さないアンタ特有の弱み……私だけが知っていて、私しか弄れないような所。
 アンタは私だけにしかそれについて打ち明けられず、私のみが自由に処置したり、悪戯したり……。」
「あ、あのー……話がよく見えないのですが……。」
「例えば、 こ う い う 事 ♥ 」
「!!!!」

ネギの体を誉めたり同年代と比べたりした後、明日菜は、突然何か物足りなさそうな
顔をしながらネギを正面に向け、ネギの顎を少し上に向けて、唇をふさいだ……。

「はああっ……うん……うんんっ!」
「んん……ううんっ……あはあっ!」
(あ……ちょっと紅茶の香りがする……。それに、ちょっと甘酸っぱいな……♥)
215(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/04/07 01:23 ID:CbJi0bYV
仮契約の時と違って、義務的に済ましているという感じではなく、妄想の中でタカミチとやっているかの如く
甘く、激しく、ネギの唇、舌、口腔を貪りだす明日菜。
上手くネギの歯をこじ開けて舌を絡め、口腔にたまった唾液をすくって飲み込み、タイミングを合わせて
舌に吸い付き、自分の口腔に誘ったり、唇を塞いだまま息をしたりと、すっかりネギの口に夢中になっている。
時々、息継ぎのためにすこし口を離すも、ちょっと息をしたら(させたら)すぐに喰らいついて、執拗に舌を絡め合わせる。

「んん…………ふうん…………。」
(嘘…………前は渋々だったのに……今のアスナさんのキス……凄い……頭が溶けそう……。)

ネギの方も、いきなりの反応に戸惑いながらも、一番信頼を置いている従者のキスの快楽にすっかり溺れてしまっている。

「「ぷはぁーっ!」」

ようやく唇を離した二人。離れた後には、その余韻を表すように長い唾液の糸が読書投の光で薄く煌いていた。

「……これで本当の一番目、お終い、と。」
「え……?これは、二回目じゃ……?」
「へ?あー、仮契約の時ね。言ったじゃない、あれはノーカンだって。でも、今回のはちゃんと数えるから。だから一回目。」
「あ……。だったら、なんで「本当の一回目」を、タカミチにしないのですか……?」
「気が変わったの……。どうしても、アンタにしたかった……。」
「…………?」

明日菜とのキスの余韻に浸りながら、明日菜の不自然な心変わりを疑問に思うネギ。

「良かった……。神経以外にちゃんと人並みに弱い所あって。」
「??」
「さっきのキス……そんなに、気持ち良かったんだ。アンタのパンツ、いつ破れてもおかしくない位になってるわよ♥」
「え…………あっ!」

続く
216(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/04/07 01:46 ID:CbJi0bYV
さて今回は体調が思わしくないのでコンパクトに切り。

>>150さん
  &
座薬 ◆LsUrNEsQeQ 御大

 ち っ 、 ば れ ち ゃ し ょ う が ね ぇ や ψ( `∀´)ψ <鴨葱合体

でもね、実をいうとまだそれだけではないんだわ<ヽ`∀´>ウェーハッハッハ
それは話進んでからのお楽しみということで。

P.T ◆3QNEGIp2Uc さん (>>168
>>168
いや、中身については不問でつ。終局が違えばいいだけなので。
それより気になるのは……ナズェヨヴィスデナンディス!?オリナルカギルザァワヅゴドゥイイバジタディスカ-!
オンドゥル(ry 。・゚・(ノД`)・゚・。
>>208
>妄想の種が見つかり辛い
漏れはストーリーなぞりではないのですが、確かにそれはありまつね。
むしろ、話の中の発言や一言からいきなり妄想が膨らむことが多かったり。

そいでは友人に頼まれたROアニメのリアルタイムDivX化を行いつつ、今宵はこれにて。

ごきげんよう〜(  ゚∀)ノ
217名無しさん@ピンキー:04/04/07 02:08 ID:XQpr+YIT
キタキタキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
ここでカモバイブですよ!!!   ってそれはパル系か
218名無しさん@ピンキー:04/04/08 00:37 ID:6J0QUODg
無理が無い取り合わせで愛のあるセクースキボン。
219名無しさん@ピンキー:04/04/08 03:10 ID:zhujycXp
ネギ×いいんちょ
しかないでしょ。
220名無しさん@ピンキー:04/04/08 08:32 ID:u+EeROVb
>>219
貴様は勘違いしている、いいんちょ×ネギこそが至高の組み合わせだ
221名無しさん@ピンキー:04/04/08 17:09 ID:iQS/H/N6
いいんちょとネギ・・・逆レイプしか思いつかない
222名無しさん@ピンキー:04/04/08 19:21 ID:P8JBqcdS
貴様等、言っておくぞ。
まずネギ先制告白→いいんちょ感動→でもって嬉しさの余り抱きしめる
さらにそれに愛を感じたネギ先生お姉ちゃん思い出す→お姉ちゃんと言われて嬉しいいいんちょ
添い寝する→たまたま(w朝に精通が来る→んでもって優しくリードしてセクース
ファンフィクションならではの出鱈目さを忘れるな!こわっぱ!!!!
223P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/08 19:38 ID:b3ypVV9Q
ifネギま! 〜 一話一妄想 〜


第十三話



 鳴滝姉妹に学園の案内を頼んだネギ。散歩部の二人にあちこち連れられた末、世界樹へとやってきた。ネギと共に世界樹を登った姉妹は、片思いの人にこの場所で告白すると、それが叶うという伝説を語るのだが……。


「あ…そーだ史伽! 今ここで先生に告って、とりあえずちょっとだけ彼氏になってもらうってのはどう!?」
 人差し指をピンと立て、風香がとんでもないことを満面の笑顔で言った。
「あ、いーなそれ。きっと世界樹が叶えてくれるですよ(はぁと)」
 史伽の方も、両手をぱちんと胸の前で合わせ、姉とそっくりな笑顔で言う。
「えっ!?」
 思わず顔を赤くするネギ。
 一瞬、本当にこの姉妹が自分を慕ってくれているのかと彼は思った。
 しかし、すぐにそれを否定する。
 これまでの逆セクハラな学園案内や、さきほどの食堂での遠慮の無いたかりっぷりを思い起こせば一目瞭然。
 要はネギをからかい、それをネタに何かの機会におごってもらおうという魂胆だ。
 いつもは風香のいたずらを止めたりツッコんだりする史伽が、一緒になってはしゃいでいることからもわかる。
 姉ほどではないが、先ほどのパフェの気持ちいいほどの健啖家ぶりを見れば、史伽も相当食い意地が張っていることは明らかである。
224P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/08 19:40 ID:b3ypVV9Q
 ネギは抱き付こうとする双子をなんとか遠ざけようと、わたわたと両手を振って大声を出す。
「ちょ、ちょ…僕たち先生と生徒だし…ふざけないでくださーいっ」
 がしかし、悲しいかな、年齢の幼さ・体格の小ささのせいで、まるで威厳が無い。
 風香も史伽も、まるでじゃれあうようにネギの手をかわしつつ、キャーキャー騒ぎながら彼の体を押さえ付ける。
「えーい逃げるな。史伽そっちつかんで」
「うん」
 とこうなると、双子の連携の強み。
 一瞬のアイコンタクトを交わした鳴滝姉妹は、左右からのシンクロした動きであっという間にネギの両手を掴み、肩を押さえて動きを封じてしまう。
 両肩をがしっと掴まれたネギは、冷や汗をかき、目尻に涙まで浮かべながら体を揺するが、さすがに両側から二人に挟まれるとどうにもならない。
 魔法の力を使えば簡単に振りほどくことができるだろうが、怪しまれるし第一こんな木の上で暴れたら、三人とも地面に落下しかねない。
 万一そうなっても、一応杖を枝分かれしているところに置いてあるから空を飛んで助けることはできる。
 が、明日菜以外の人に魔法使いであることをばらしたくはなかった。
 ネギがそんなことを考えている間にも、両頬に暖かい吐息がかかる。
 双子の顔が、ネギを挟むように、すぐ近くまで迫っていた。
「あ、だめー、叶ったらどうするんですかーっ」
 とここで『君らなんかと恋人になりたくない』とでも突っぱねれば、さすがの姉妹もテンションが醒めてしまうところだろう。 
 しかし、あくまで生徒としてではあるが、可愛い教え子たちである。ましてや、この手のことには奥手というか純情というか、性格的に強く出られないネギには無理な相談だった。
「えへへ」
「せーの」
 ちゅっ……。
 左側からは頬に、右側からはこめかみに。柔らかく暖かな感触が両側からネギを挟んだ。
「あ……」
 ネギは大きく目を見開き、口を半開きにする。
 考えてみれば、身内以外の女性からキスされたのは──唇ではないとはいえ──はじめてのことだった。
225P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/08 19:41 ID:b3ypVV9Q
 鳴滝姉妹は唇を離すと、同時に左右からネギの体を抱きしめる。
「ネギ先生だーい好き(はぁと)」
 と、史伽。
「またプリンとパフェおごってね(はぁと)」
 と、どうしても色気より食い気が先行する風香。
「あう───っ」
 ネギは両側から柔らかい体にぎゅうっと抱きしめられ、その気持ちよさに何も言えずにただ声をあげる。

 ひとしきりネギを抱きしめた双子は、くすくす笑いながらようやくネギの体から離れた。
 甘い抱擁から解放されたネギは、そこではっと気づく。
 思わず流されてしまったが、教師としての威厳を取り戻さなければならない、と。
 ネギは風香と史伽を交互に見ながら、なるべく怖そうな口調で言った。
「も、もう、僕は先生なんだから、二人だけ特別扱いするわけにはいかないんです。さっきは案内のお礼として食事をおごりましたけど、これからはそういうわけにはいきませんからね!」
 語尾にびっくりマークまでつけてみた。
 が、さっきの抱き付きの余韻でまだ頬は赤いままだし、風香と史伽を交互に見るのが逆にきょろきょろと落ち付きがなく見えてしまい、あまり……いやまったく怖くない。
 風香と史伽はネギの言葉を聞くと、なんだかきょとんとした表情で、彼の顔ごしに視線を交し合った。
 お互いに自分と同じ顔を見つめる。
 双子である風香と史伽の場合、そこでやりとりされる情報量は他の者には及びもつかないものがある。
 わずか一秒ちょっとのアイコンタクトで、鳴滝姉妹は完全に意思を疎通しあった。
 風香がニマ〜っと、いたずらっこ特有の悪意と愉悦の入り混じった笑みを浮かべる。史伽までもが、鏡に映したようにそっくりの表情だった。
「むう〜、せっかく告白したのに、先生は私たちのこと好きじゃないみたいです。世界樹の伝説は嘘だったですかお姉ちゃん」
「そんなことないよ史伽、きっと告白したりほっぺにチューだけじゃ足りなかったんだよ」
「え? え?」
 何か悪い予感を感じ、ネギは戸惑いながら風香と史伽の顔を交互に見た。
226P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/08 19:42 ID:b3ypVV9Q
 二人は、再びネギの両腕をがしりと掴む。
「あ……その……」
 完全にペースを握られ、ネギの声に怯えがまじりはじめている。
 この手のことは弱気になった方が負けである。
「史伽!」
「はいっ」
 掛け声と共に、風香がネギの首に抱きついたかと思うと、自分の方へと引っ張った。
 同時に、史伽はネギの両足の、太ももの辺りをまとめて抱え込むと、やはり自分の方へと思い切り引っ張る。
 ネギはあっという間に押し倒されてしまった。
「うわ、ちょっと」
 身をよじるネギに、風香がのしかかってくる。
「先生、こんな狭いところで暴れたら危ないよ」
 吊り目ぎみの瞳を光らせ、顔を間近に近づけながら風香が言った。
 自分の胸と相手の胸をがっちりと密着させられ、両手首をバンザイの格好で押さえられ、ネギは起き上がることもできない。
 風香は双子の妹である史伽、そしてエヴァンジェリンと並ぶクラス……というか学年一のささやかな胸の持ち主だ。胸を密着させてもそこからアピールすることは難しい。
 が、仮にも女の子である以上、骨格が細く肉付きは柔らかい。
 むしろ体重が軽い分、苦しさを感じずに風香のたおやかな肢体の感触が伝わってきてしまう。
 風香はその状態で、その愛らしい顔をネギにぐっと近付けた。
 そしてネギにかわす暇も与えず、その唇を奪う。
227P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/08 19:43 ID:b3ypVV9Q
「んん───っ」
 抗議のうめきをものともせず、ぐいぐいと唇を押し付ける。
 首を振って逃れ様とするネギ。
 風香はネギの手首を掴んで押さえていた手を話し、今度は彼の頭を動かないようがっちりとホールドする。
 両腕全体を使って頭を固定されてしまい、ネギは風香のキスから逃れられなくなってしまった。
 そうすると、ファーストキスの衝撃で意識の外に追いやられていた風香の唇の感触が戻ってくる。
 柔らかく、つややかで、まるで味のしないゼリーのような感触が、ネギの唇を這いまわる。
 ときおり舌が出てきて、探るようにネギの唇や歯をなめまわした。
「んっ」
 敏感な口の周辺を、繊細な道具で強引に愛撫され、ネギは顔を真っ赤にして声を漏らしてしまう。
 風香の唇が、一瞬だけ離れた。ネギは反射的に息継ぎをしようとして、その瞬間を風香につけこまれる。
 半開きになった前歯の間に素早く風香の舌が滑り込んだ。これでもうネギは、風香の舌を傷つけずに口を閉じることができなくなってしまう。
 遠慮して前歯を開いたままにするネギに対して、風香の舌はというと遠慮のかけらもない。
 まるでいじめっこのカタツムリが、別のカタツムリの殻の中にその身をもぐり込ませて暴れているかのように、ネギの舌を、頬の内側を、歯の裏側まで思う存分蹂躙する。
 まつげとまつげがくっつくほどに近付いた風香の吊りあがった目が、その発育不良の体格に似合わない妖艶な笑みをたたえている。
 ネギはその瞳と見つめあうことが恥ずかしくて耐えられず、思わず目を閉じる。
 そうすると、視界が塞がれたせいで返って他の感覚が研ぎ澄まされてしまう。
 自分の口の中を我が物顔で這い回る舌の感触。
 ぴったりとくっついた風香の熱い唇。
 しばしばふっと吹き込まれてくる吐息の甘さ。
 風香の唾液と自分の唾液がはじけ、交じり合う水音。
 それらが少しずつ、ネギの頭の中をとろけさせていく……。
228P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/08 19:44 ID:b3ypVV9Q
「あ─────っ お姉ちゃんばっかりずるいですー!」
 めくるめく官能の世界は、史伽の抗議の声で中断された。
 ぷはっと口付けを離し、体をひねって後ろを向いた風香は、いっそう目を吊り上げて言う。
「もー、せっかくいい感じになってきたのになんで邪魔するんだよー!」
「私もネギ先生としたいですーっ」
「史伽は『そこ』担当でしょーが」
「むぅーっ、たまには私もキスしたいのにっ」
 濃厚なディープキスから解放されたとは、いえ、いまだ夢見心地から醒めきれないでいるネギは、ぼぅーっとした頭のまとまらない思考の中で、『そこ』っていったいどこだろう、と思った。
 その答えは、すぐにわかった。
 へその下辺りに、もぞもぞとした感触。そして、カチャカチャという金属の触れ合う音。
「えっ、ちょ、何を!?」
 ネギが言う間に、ベルトの止めがねがはずされ、スーツの下が下着と一緒に引きずり降ろされた。
 彼にのしかかる風香の体が邪魔で直接は見えないが、突然冷たい空気に下半身全体がさらされたことでそれがわかる。
 さすがに、ネギの羞恥心と理性が一気に戻ってきた。
「なんてこと、するんですか史伽さん、やめてくださいっ」
 叫ぶネギに、再び風香が顔を近づける。
「先生大丈夫だって。史伽はああ見えて上手なんだよっ」
「上手って何が……むぅっ」
 ネギの質問には答えず、再びその口を自分の口で強引に塞いだ。
 一方史伽はというと、多少不満げな顔をしていたものの、ズボンを脱がした後、ネギの股間を見て表情を変えた。
 十歳に相応しい子供サイズとはいえ、風香の官能的なキスのおかげで急角度でそそりたっている。
 風香と比べ、おっとりとした性格の史伽だが、ネギの勃起した局部を見て目をとろけさせる。
 頬に朱がさし、うっとりとしたその表情には、幼い色気がにじみ出ていた。
 史伽はネギの両足を大きく広げさせると、彼の脚と脚の間に自分の体を置く。
 まず両の太ももに手のひらを乗せ、すりすりと自分の体温を塗り込むようにさする。その感触に、ネギの足がぴくっと動いた。
229P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/08 19:46 ID:b3ypVV9Q
 まるで女性の足のように、きめが細かく毛の生えていないネギの足。しかし少し力を込めて触れてみれば、意外にもしっかりと筋肉がついていることがわかる。
 ネギの体に秘められていた、意外な男性的要素に、史伽はうっとりとなって顔を寄せた。
 太ももに二三度頬擦りし、軽く口付けをする。もちろん、その間両手はネギの足を優しくさすり続けている。
 手のひらと顔を使って愛撫を行いながら、ゆっくりと史伽はネギの足の付け根へと登っていく。
 一番重要な部分に近付くにつれて、ネギの股間のものはぴくっ、ぴくっと催促するように震えている。すでにその先端には、先走り液が滴となっていた。
 ついに股間に到達した史伽は、ちろりと舌を出し、脚の付け根にぴとっとくっつける。
 そこから、舌を筆代わりに、唾液を絵の具代わりに、ネギの股間に透明な線を引いていく。
 太ももからはじまり、睾丸をちらりとかすめ、90度を越えて屹立した肉棒を先端に向けて一直線に──
「んん────っ」
 敏感な亀頭が、暖かく柔らかく、しっとりと濡れたものに包まれ、ネギは腰を跳ね上げた。
 口が風香に塞がれているので意味のある言葉は出せないが、その声には怒りよりも戸惑いと快感の方がはるかに多く含まれていて、史伽は満足げな表情をした。
 史伽は上半身の体重をうまくかけてネギの腰の動きを押さえ込むと、口淫奉仕を開始する。
 可愛らしい十の指先で竿をなであげると、亀頭を舌先でチロチロとなめはじめる。
 次に大きく口を開け、先端部をまるごと口の中に含んだ。歯を立てないようにしながら、すべすべとした唇を使ってカリ首の辺りを柔らかく包む。
 左手は根元の辺りを軽く掴んで上下に小刻みに動かしており、右手はそっと袋を包んでいた。
「ん〜〜〜、う〜〜〜」
 まだフェラチオは序盤も序盤、史伽はほんの小手調べのつもりだが、この手の刺激に慣れていないネギは相当な快感を得ているようだ。史伽が少し動くたびにうめき声を発し、腰が前後に動く。
230P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/08 19:46 ID:b3ypVV9Q
 史伽はあまり激しく責めたてるようなことはせず、あくまでソフトタッチでことを進めた。
 なるべく多くの唾液を舌と陰茎にまぶし、摩擦係数を少なくした状態にする。
 唇の締め付けを反応を見ながら調節し、根元の方をつまむようにして触れている左手と共に、ゆっくりと顔を上下させる。
 基本的に竿の刺激を中心とするも、ときたま亀頭に舌を這わせたりして、刺激の強弱・アクセントをつけるのを忘れない。
 手のひらの中に袋を収めている右手は、睾丸に痛みを与えない程度にゆっくりと揉みつつ、中指を伸ばして肛門のやや手前、会陰部をくいっ、くいっと押したりもしている。
 そんな調子で史伽はネギの声、体温、動き、さらには尿道から溢れ出す先走り液の味や量まで感じとりながら、徐々に刺激を強めていった。
 ネギが慣れてきた頃を見計らって、唇の締め付けを強くし、竿をこする指の動きが大きくなる。
 亀頭をペロペロと舌全体を使ってなめまわし、さらには舌や唇をカリ首にひっかけるようにした。
 右手の中の陰嚢に、ほんの少しだけ力を込める。それと同時に、舌で尿道を刺激した。
「ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」
 一際大きくネギがうめいた。
 おさえつける史伽の体を浮かすほどに腰がはねあがり、彼女の口の中に水鉄砲のように激しい勢いで精液が噴出された。
 史伽は目元を赤く染めながら、おとなしく自分の口の中に精液を溜めていく。
 ややあって、二度、三度と間欠泉のように吹き出す射精がようやく終わった。
 史伽は己の口の中にたっぷりと吐き出された粘つく液体を躊躇なく咽喉の奥へと落とす。
 それが終わると、射精してなお堅さをほとんど失わないネギのペニスに舌を這わせはじめた。
 放出直後で敏感になっている亀頭に強過ぎる刺激を与えないよう慎重に、自分の舌と唇をタオル代わりにして、精液の残滓をきれいに拭きとっていく。
 その作業が終わってようやく、史伽はペニスを離して顔をあげ、ふうっと息を吐いた。
「史伽、終わった?」
 気配を察して、ネギの口を封じていた風香が顔をあげ、肩越しに後ろを振りかえる。
「うん……先生の、すごく濃かったよ……」
 姉の問いに、妹はうっとりとした口調で答えた。
231P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/08 19:47 ID:b3ypVV9Q
 姉の問いに、妹はうっとりとした口調で答えた。
 風香は再びネギの顔へと視線を向けると、ニマっと笑って言う。
「どうだった先生。史伽、大人しそうに見えて意外と上手かったでしょ?」
 しかしネギは答えない。
 さきほどから風香の唾液を注がれ続け、べとべとになった口のまわりを拭こうともしない。
 焦点の合わぬ虚ろな目で、宙を見つめているのみだ。
 どうやら、快感を受容する回路に負荷がかかり過ぎて、ショートしてしまったらしい。
「せ、先生?」
 さすがに額に汗をにじませつつ、ぺちぺちとネギの頬を叩く風香。
「う……あ……」
 死んではいないようなので彼女は安心した。もっとも、まだ意識は戻らないままだが。
 と、後ろから声がかかった。
「お、お姉ちゃん、私、ネギ先生としたいな……」
 風香が後ろを振りかえると、そこには体つきに似合わぬ色っぽい瞳をした史伽が、太ももをすり合わせている。懇願するように姉のことを見ていたが、その視線がちらちらと、そそり立ったままのネギの股間へと動いている。
 風香は、人差し指を顎に当てて、少しの間考えていたが、やがて「ん」とうなずいた。
「こうなったらショック療法だね。やろう、史伽」
 史伽の顔がぱっと輝く。彼女はすぐさま短いスカートの中に手を突っ込み、下着を脱いだ。木の枝に、洗濯物を干すように引っ掛けられたパンツは、ちょうど股間に当たる部分がしっかりと湿っている。
 一方風香の方は短パンなので、そう簡単にはいかない。いったん立ち上がってから、下着ごと短パンは脱ぎにかかる。
 しかし史伽はそれを待たずに、ネギの肉棒に手を添えると、そこに腰を下ろしてしまった。
「あっ……」
「はぁぁぁっ」
 史伽とネギが、同時に声を出した。
 ちょうど短パンから片足を抜いたところだった風香は、それを見て非難の声をあげた。
「あ────っ、ちょっと、なんでボクを待たないんだよーっ」
「んんっ、だって、待ちきれなかったんです……」
 風香は口をとがらせながら大急ぎでもう一本の足を抜くと、脱いだものをそこらへんに放り捨てた。
232P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/08 19:49 ID:b3ypVV9Q
 はやくも呼吸を荒げながら腰を前後に振り始めている史伽と、彼女の腰が往復するのにあわせて「あ、あ、あ、」と声を漏らしているネギのそばにジャンプする。
 そのまま風香は、足を大きく広げてネギの顔をまたいだ。
 ネギの視点からは、風香の剥き出しになった股間がバッチリと見えている。 小学生並の体格同様、恥毛はまるで生えておらず、ゆで卵のように白くつるんとしていた。
 女性の隠すべきところを直視してしまい、ネギは慌てて目をそらす。そこに、史伽と向かい合わせになる形で、風香はあろうことかネギの顔に腰を降ろした。
「んむっ!?」
「先生、ボクのなめて頂戴」
 風香は肩越しにネギの顔を見下ろしながら、ぐいぐいと自分の股間をネギの口元に押し付ける。
 多少粘り気のある熱い感触がネギの口の周りを濡らし、いやらしい性臭がネギの鼻孔に入り込んできた。
 さきほどからペニスを史伽の膣で強く締めつけられ、そこから洪水のように押し寄せてくる性感で意識を押し流されているネギは、素直に風香の支持に従ってしまう。
 歯で風香の大切な部分を傷つけないようにしながら、舌をぐっと伸ばし、愛液を分泌しつつある割れ目にそって這わせた。
「あ、先生いいよ。もうちょっと奥も……」
 ぴくっと両肩を震わせ、顎を跳ね上げる風香。ネギは風香の言う通りに、さらに舌を伸ばした。
「んあっ、あっ、いい、いいよ〜〜」
「お、お姉ちゃん」
 呼ばれて風香が目の前を見ると自分と同じ顔をした妹が、自分と同じような、蕩けきった表情をしていた。
 二人は視線を交わすと、それぞれに相手の方へ上半身を倒す。
 お互いに姉妹の首に手をまわして抱きあうと、そのまま歯がぶつかりそうな勢いでキスをする。
 すぐさま二人とも舌を絡めあい、双子同士の激しいディープキスがはじまった。
 溶け合ってしまいそうに唇と舌を強く合わせながら、風香は性器を押し付けるのを、史伽は腰を振るのを忘れない。むしろ、キスと同様次第に激しくなっていくほどだった。
「あっ、あっ、ああっ」
「いい、いいっ、良すぎるよっ」
「う、う、ううっ」
 三人の声が申し合わせたように急速にたかまった。
 そして──
233P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/08 19:49 ID:b3ypVV9Q
「結局、先生におごらせる約束、できなかったですね」
「うん、まあでもそれは次の機会に……あ、そうだ、これこれ」
 短パンを履いた風香は、ネギの背広のポケットから名簿とペンを取り出した。
 いひひひ、と笑いながらそこに何事か書き付ける。
「お姉ちゃん何してるですか?」
 おなじくパンツを履き終えた史伽が、ネギの体を引っ張って起こしながら訪ねる。
「ん? ちょっと、ね」
 ニヤリと笑った歯と瞳をキラリと光らせて、風香は名簿とペンをネギのポケットにそっと戻した。


   第十三話 終わり


次回予告!
明日菜・木乃香と共にあやかの家を訪れたネギ。だが、あやかと明日菜はいつもの調子で喧嘩してしまう。
しかし実は、明日菜があやかのためを思って、ネギをここに連れてきたのだった。もし、あやかが弟の代わりになるというネギに欲望をぶつけてしまったら……? 乞うご期待!
234名無しさん@ピンキー:04/04/08 19:53 ID:UlEUDICR
     *  ※ ☆  ※   ※   ※  ☆ ※  *
    * ※ ☆ ※   ※ ☆ ※  ※ ☆ ※ *
   * ※ ☆ ※  ※ ☆  .☆ ※  ※ ☆ ※ *
  * ※ ☆ ※ ※☆     ☆※ ※ ☆ ※ *
  * ※キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!※ *
  * ※ ☆ ※ ※☆     ☆※ ※ ☆ ※ *
   * ※ ☆ ※  ※☆  .☆※  ※ ☆ ※ *
    * ※ ☆ ※   ※ ☆ ※  ※ ☆ ※ *
     *  ※ ☆  ※   ※   ※  ☆ ※  *

乙です!!
235P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/08 19:55 ID:b3ypVV9Q
1週間で三話うp達成。質が落ちてなきゃいいけど、とりあえず1ヶ月サボってた分を取り戻すってことで。もうすぐ春休み終わっちゃうしね。

>(;´・`) ◆FOU/niiiV6様
や、これは気づきませんで失礼。おわびにいつもは「さん」のところをグレードアップしてみました。
ッテイウカオンドゥルゴノカイドクニジュップンモカカッタヨ。
ずいぶん積極的な明日菜ですね。どうやらこの先の展開に隠し玉があるようで。楽しみにしております。
236名無しさん@ピンキー:04/04/09 01:48 ID:PoqGa7H/
久々に来たら
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!
P.Tさん、乙です!GJでつ!!
やっぱP.TさんのSSはエロくて激しく(;´Д`)ハァハァでつ。
次回も激しく期待!
いいんちょふぁんの俺はいやがおうにも期待します!!!
237名無しさん@ピンキー:04/04/09 08:35 ID:qfFdBrI0
龍宮出番増えねえかなぁ
しかしいまだ情報が少ないし…………
てっきりゴルゴかとばっかおもっていたんだが
238コピペ:04/04/09 19:32 ID:Qty24N/+
マロン板から拾い物でつ↓

454 名前:マロン名無しさん 投稿日:04/04/09 17:49 ID:???
私の名は龍宮真名 神社で巫女のバイトをしている。そして厄介事を裏で片付ける、暗殺者でもある。
今は修学旅行中で、関西呪術協会との闘争を済ませて旅館へ帰るところだ。

こうした巫女稼業と射手業の毎日は私にとって何よりの生きがいだった。

恋人も作らず、暗殺者として生きていくことを使命とも思っている。
ストイックな生活も、私には苦痛ではない。

「あっ、、あぁんん、、」

と、そのとき、木陰の中から、女の子の喘ぎ声が・・・
私は好奇心から覗いてみたい欲求に駆られ、草を分け、声の発する方へと目をやった。

「あっ・・・!」

夏美「きゃあ、ど、どうしたんです、千鶴さん。なんか、いつもより激しいです・・・・ああっ・・・・」
千鶴「ほほほ、夏美ちゃん、8位だったんですってねえ・・・・
    私は19位だったのよ。こんな貧乳で男たちを誘惑しただなんて・・・・」
夏美「いやあ、つままないで〜! わ、私、誘惑なんてしてませ〜ん!」

それは、3−A女生徒同士の発する、セクースの喘ぎ声だった。

裏稼業を生きる巫女の私にとって、それは青天の霹靂とも言うべき光景だった。
それも、私が幾度となく夢想しては、必死に振り払ってきた女同士の・・・・


・・・はい、続きはこちら↓で
http://comic2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1076582154/
239名無しさん@ピンキー:04/04/10 00:56 ID:3YbRlHVH
やめろやめろ元ネタやば過ぎる
240P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/10 11:09 ID:UOsU4cHl
ifネギま! 〜 一話一妄想 〜


第十四話



 明日菜・木乃香と共にあやかの屋敷へ家庭訪問を行うネギ。あれこれ騒動が起こった後、明日菜たちは帰り、ネギだけが残ることとなった。ネギはずっと前に亡くなったあやかの弟の代わりに、自分が弟の役を務めると言い出したのだが……。


「──というわけで、今日は一日僕がいいんちょさんの『弟』になりますよ。実のお姉さんとして何なりと僕に言いつけてください」
 ネギの言葉に、あやかはやや間を置いて問い返した。
「……何なりと?」
「はい。何なりと」
 己の言葉が秘めている危険性に気づいていないらしく、ネギは、ぐっと拳を握り締め、明るく答えた。
「ふふっ……ありがとう、ネギ先生」
 あやかは、肌の奥から光を放つような、やさしげな笑顔を浮かべた。
 いつも笑みを絶やさなかった、故郷の姉のような暖かな表情だ、とネギは思った。
 あやかはそんな、春の日のようなきらきらとした笑顔のまま、ネギの手を引く。
「では……さきほどの続きを……」
 そういうと、室内プールを出て、中学の教室とほぼ同じ幅のある廊下をずんずん進んでいく。
 ネギは一定間隔で飾ってある彫刻・絵画・陶磁器などに、もの珍しげに視線をさまよわせながら、あやかについて歩いていく。
「え? 続きってなんですか」
 なぜかあやかは答えなかった。どういうわけか、ネギの手をひくあやかの手のひらがさきほどに比べて熱くなっている。汗ばんだ感触すらしていた。
 しかしネギはこの時、悠長にも『さっきの続き』というのはクッキーとお茶のことだと思っていたのである。歩いている先が、先ほどお茶をご馳走になったあやかの部屋の方向だったこともある。
 ややあって、あやかはとうとう一つの扉の前で止まった。
241P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/10 11:10 ID:UOsU4cHl
 精緻な細工を施されたドアを開けると、中には豪奢な天蓋のついた大きなベッドがどんっ、と鎮座している。
 それ以外には、ボックスハンガー・鏡台・フロアランプ、それにごく小さなテーブルと椅子が配置されている。
 さっきとは違う部屋だったのだ。
「あのっ」
 ネギの言葉を遮るように、あやかが部屋の東側をきっと睨んだ。さきほどの、女神を思わせる笑顔とは対照的な、鋭い視線である。
 すると、テレポートしてきたとしか思えない唐突さでメイドが三人、部屋の隅に『出現』した。
 あやかが睨んだ東側は、壁の八割が巨大な窓になっていて、外から光を豊富に採りいれている。そのため、天井の明かりをつけていなくても充分にこの部屋は明るかった。
 二人のメイドは、あやか達にむかってぺこりと完璧なお辞儀をすると、機械のように無駄の無い動きで、窓の両端にまとめられているカーテンをほどいた。
 外側の絨毯のように分厚いカーテンと、内側のレースのように薄いカーテンを同時に閉める。部屋の中がさっと薄暗くなった。
 薄明かりの中、一人がカーテンの合わせ目を結び、もう一人はベッド脇のフロアランプの明かりをつける。
 カーテンが開いていた時に比べればずっと光量の押さえられた照明となり、この部屋はいっきに寝室らしさを増した。
 メイドたちは作業が終わると、再び部屋の隅へと戻る。完全にシンクロした動きで一礼をすると、そのまま音も立てずに『消失』した。
「その、」
 『今のはなんですか』と聞こうとしてネギは言いよどんだ。たぶん『ただのメイドです』と答えられるに決まっているからだ。
 それでも割りきれないものを感じ、物を言いたげにあやかの方を見上げていると、あやかもまた、ネギの方を見下ろした。
 その瞳が、ギラギラと飢狼のごとき光を放っている。ネギはその不穏な視線に、思わず一歩さがるところだった。
 たぶん、薄暗い明かりの関係でそう見えるだけだろう、と、無理矢理に自分を納得させるネギ。
 しかし、あやかに握られた手に感じる、『絶対に逃がさないぞ』という意思がこもった力と熱は紛れも無い。
242P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/10 11:10 ID:UOsU4cHl
 あやかは前方に向き直ると、ベッドに向かって一直線に歩き出した。
「あれ、そっちはベッドじゃ……」
 無言でベッド脇までネギを連れてくるあやか。
 と、突然ネギと相対したかと思うと、ネギが羽織っている上着を脱がした。
「あ、何するんですか!?」
 ようやく彼は、危機感を感じたようだった。しかしあまりにも遅過ぎる。
 上着が床に落ちるのもまたずに、彼のトランクス型の水泳パンツをひきずりおろす。ネギの年相応の、可愛らしいとすらいえるペニスがむきだしになる。
 あやかはすっと手をネギの股間に伸ばし、その少年らしいペニスに指先で触れた。
「キャ…キャ───ッ」
 女の子みたいな甲高い声をあげて、ネギは飛びのいた。内股になり、両手を股にやって股間を隠す。
 非難と怯えが混じったネギの視線を受けて、あやかは「ほほほ」と笑った。
「冗談ですわよネギ先生」
 が、その目がまるで笑っていない。というか、あからさまに血走っていてかなり怖い。
 ネギは退路を確保しようと、さっき入ってきたドアに目をやる。するとその途端に、半開きだったドアがバタンと閉まった。ご丁寧にも、かちゃりと鍵のしまる音。まるでホラー映画だ。
 ネギが口をあんぐりと開けている間に、あやかは手早く両手を後ろにまわし、ビキニの上を取り払った。大きさと形の良さを兼ね備えた、見事としかいいようがない乳房がこぼれ出る。
 充分に大きいふくらみだが、折れてしまいそうなほど引き締まったウエストのために、実際よりもさらに豊満さが際立っている。
 肌の白さ、上品な色・サイズの乳首と合わせ、息を飲むほど美しい。
 ただ惜しむらくは、その先端の桃色の部分が言い訳できないほどに勃起しており、芸術品というには淫靡さが過ぎることか。 
 続けて、あやかは水着の下も脱ぎ捨てた。
 すでに成熟しきっている上半身同様、下半身も女性らしくむっちりと肉がつき、股間を覆う陰毛も黒々としている。
 しかしそこは大富豪令嬢のたしなみか、下の毛はきっちり三角形に手入れされており、いやらしさを感じさせない。
 肉がついていると言っても当然それは体のラインが理想的な丸みを帯びているという意味である。
 特に太ももの辺りは、男ならば誰でも挟まれてみたいと思うほど、量感と脚線美を両立させている。
243P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/10 11:11 ID:UOsU4cHl
 なお、この時ネギは気づいていなかったが、メイドが一人、あやかのすぐ後ろに出現していた。
 手にネギとあやかの服を持っている。ネギのスーツはこの短い時間でどうやったのか、クリーニングの上糊付けされ、さらにビニールできちんと包装されていた。
 メイドは二人の服をテーブルの上に置くと、床に散らばっているネギとあやかの服をおそるべき手際の良さで回収すると、姿を消した。
 出現から消失まで、実に2秒を切っている。
 あやかがいつの間にか全裸になっているのを見て、ネギは急いで視線をそらした。できれば両手で目を覆いたいところだが、それだと自分の肝心な部分が無防備になってしまう。
「い、いいんちょさん!? なにやってるんですか!」
「ふふっ……私、実は弟と一緒に添寝をするのが夢だったんです。ネギ先生が弟代わりになってくださるというので早速……」
「でもなんで裸になるんですかーっ」
「ああ、我が家では、寝る時に身につけるものは、香水だけですのよ」
 マリリン・モンローみたいなことを言い出すあやか。
 そして有無をいわさずネギを抱え上げる。
 ほぼ同時に、もはやおなじみとなったメイドがベッド脇に出現し、かけ布団を大きくまくりあげた。
 ネギを抱えたあやかが、そこに倒れ込むと、メイドは彼女らの上に布団をかぶせ、フロアランプの明かりを最小にしてから消えた。
「ええ!?」
 あまりの手際のよさに、いったい何が起こったんだがわからず、ネギはあやかに抱きかかえられた状態で硬直してしまう。
「ネギ先生、ああ、ネギ先生と同じ布団に入れるなんて、夢のようですわ……」
 感極まった声で、あやかはネギの耳元にささやきかける。
 耳元に熱い吐息が吹きかけられ、ネギは「あ……」とまたも女の子のような声を出してしまう。
 その様子にますます興奮したのか、あやかはさらに自分の体をネギと密着させた。
 右手をネギの背中にまわして自分の方へと押しつけつつ、左手は彼のサラサラした前髪を愛しげに何度もすく。
「ネギ先生……おやすみのキスをしてよろしいですか……」
 ぐっと顔を近づけ、ハァハァと呼気に熱を帯びさせながら、あやかが言う。闇の中にあやかのらんらんと光る両目が浮き上がり、その迫力に思わずネギはうなずいてしまった。
244P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/10 11:12 ID:UOsU4cHl
 彼が首を縦に振るやいなや、あやかはネギの顔に吸い付いた。
 まずは髪の毛からはじまって、こめかみ、額、まぶたの上、頬と順々に、ありったけの熱意を込めてキスを連発する。お休みのキスにはとても似つかわしくない、情熱的な口付けだった。
「んむむむむむむむむっ」
 ついにキスの雨が唇に到達すると、あやかは躊躇無くネギの口に舌を突っ込む。
 顔を傾け、舌を伸ばせるだけ伸ばした上で、じゅるじゅると音まで立ててネギの唾液を飲み込んだ。
「ああ、ネギ先生、ネギ先生……!」
 息継ぎに口を離した時にも、愛しい相手の名を呼び続ける。そして再び、猛烈なディープキスを再開した。
 唇を貪る間も、あやかは自慢の胸をネギにぎゅうぎゅうと押しつけ、足と足をからませ、自分の濡れた股間を相手の太ももにこすりつけている。
 全身であやかの愛にさらされ、ネギの幼い体も性欲を目覚めさせられてしまった。
「……? まあ、ネギ先生これは……」
 あやかが、キスを中断した。激しいキスのため酸欠でぼぅっとなっているネギは、何だろうと思う。
「嬉しいですわ。ネギ先生も興奮なさっておられるのですね……」
 そう言うと、あやかはネギのペニスを握った。
「あっ」
 股間に走った激しくも甘い感触に、ネギは顎を跳ね上げる。
 彼のそこは、あやかの全身を使った愛撫にしっかりと応え、子供とは思えないほどに膨張していたのだ。
「あ、あ、すいません」
 薄明かりでもわかるほどに顔を真っ赤にして、思わずネギは謝ってしまった。
「ふふ、あやまることはございませんよネギ先生。こんな立派なものをお持ちになっておられるなんて……」
 あやかは言いながら、ネギのペニスの大きさや硬度を確かめるように、握ったものをぐにぐにと動かしたり強く握り締めたりした。
「あーっ、いいんちょ、さん、そんな、ダメぇ」
 肉棒を激しく手淫されるたびに、ネギは身をのけぞらせ、もだえさせながら甲高い声で叫んだ。
「あら、ネギ先生、お辛いのですか? それでは不肖ながら私が楽にして差し上げましょう」
 そう言うと、あやかはいったん手を離したかと思うと、ふとんの中に身をもぐりこませた。
245P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/10 11:13 ID:UOsU4cHl
 かけぶとんがもぞもぞと、足元の方に動いていくのを見ながら、ネギはいったい何をするのかといぶかった。ろくでもないことであることだけは予想がついたのだが。
 ネギの予感は、ただちに実証された。
 再び、ネギの痛いほどに勃起したペニスに、甘美な衝撃が走ったのだ。
 信じられないほど柔らかく、かつ弾力に富んだもので竿の部分が挟まれ、亀頭は熱く濡れた何かで覆われている。
 竿がその柔らかいもので上下にしごかれ、尿道口を濡れたものが撫でた。
「ふぁぁぁぁぁぁっ」
 あまりの快感に、ネギは大きくのけぞった。なおも送られてくる激しい刺激にのたうちまわりながら、かけ布団を大きくはねのける。
 そこには、自分の豊満な乳房でネギの最大限にまで膨張した性器をはさみ込み、先端を上品な口でくわえ込んでいるあやかの姿があった。
 あやかは上目使いにネギを見ると、目だけで笑い、猛然とパイズリフェラを開始した。
「あぁぁぁぁっ、だめ、だめ、ダメぇぇぇっ!」
 極上の胸でしごかれ、柔軟な舌全体で敏感な亀頭をなぶられ、ネギは首を左右に激しく振って暴れる。
「ああ、あああっ、そんなっ、許してぇぇっ!!」
 まるで拷問でも受けているかのように、ネギは絶叫した。目元に涙を浮かべ、悲鳴をあげつづける。
 しかし彼が苦痛ではなく快感を感じていることは、ペニスの先端からあふれ出る透明な液体からも明らかである。
 女性の愛を受け受け止めるとこに不慣れなネギは、あっという間に達してしまった。
「出るっ、出ちゃうよ、いいんちょさん、口を離してぇ───っ」
 こんな時になっても、ネギはあやかの口に自分の汚いものを出してしまうことを、気遣っていた。
 が、当然ながらあやかがネギの精液をいやがるはずが無い。
 勢いよく噴出される白い粘液。それを彼女は一滴も残さず口で受けとめた。
 舌の上で粘つく白濁液を、あやかは転がしたり何度か噛んだり、普通だったらすぐに吐き出してしまうほどきつい味と臭いを思う存分楽しんだ。
 そして、まるで一気に飲み込んでしまうのがもったいないというように、何度かにわけて飲み込む。
 それでも物足りないのか、ネギの亀頭に残ったものをきれいにし、さらに尿道をストローのように吸い上げたりもした。
246P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/10 11:14 ID:UOsU4cHl
 ようやく、息を吐いてネギのペニスから口を離したあやかは、目元を赤らめて言う。
「たいへん結構なものを、ご馳走様でしたネギ先生」
「あ……その、お粗末様でした……」
 ネギはぐったりとした様子で、なんだかとんちんかんな返答をした。
 あやかに精液どころか、精力まで全て吸い取られたといった具合である。

「ふふ、それでは今度こそちゃんと寝ましょうか」
 あやかはさっきネギがはねのけたかけ布団を手にすると、それと共にネギに覆い被さってきた。
「え、うわぁ、ちょっと」
 再び狼藉がはじまるのかと、ネギは力の入らない体でなんとか身構えようとする。
 そこに抱き付いてきたあやかはしかし、胸を必要以上に押し付けるわけでもなければ、ネギの体をまさぐったり、股間にタッチしたりすることもなく、ただ優しく彼を抱きしめているだけだった。
 ネギがそっと、あやかの表情をうかがうと、そこには憑き物が落ちたように、柔らかい笑顔が浮かんでいる。
 何年にも渡って蓄積されてきた少年愛が満たされ、即物的な愛情の形をとらずとも、満足したということなのだろうか。
 ネギはあやかの急変に多少とまどいながらも、目を閉じて言った。
「おやすみなさい、お姉ちゃん」
「おやすみなさい、ネギ」

 一時間半ほど眠りについた後、目覚めたあやかは、素直に明日菜への謝罪の言葉を口にした。


   第十四話 終わり
247P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/10 11:15 ID:UOsU4cHl
次回予告!
姉からパートナーを探したらと手紙がきた。が、その内容が生徒たちに伝わるうち、ネギが結婚相手を探しているという話になってしまう。
みんなから逃げる途中、木乃香に会ったネギは、彼女がお見合いを嫌がっていることを知る。もし、木乃香がネギを結婚相手にしようとしたら……? 乞うご期待!



どーも強引な展開の話が続きますな。でもいいんちょを肉欲だけの人にしたくなかったんでこんな終わり方に。

>>238
「巫女服を脱ぐとき」ですな。
248名無しさん@ピンキー:04/04/10 12:36 ID:BwK/1P72
P.Tさん筆速いですねー。いつもながらGJです。
そうなんだよ、いいんちょは決してショタでもヘタレでもないんだ…口が曲がってきましたw
249名無しさん@ピンキー:04/04/10 14:02 ID:yRFsMYfY
GJ!!P.Tさん最高です!!!
こういう感じのが好きなんでマジに感謝!
250名無しさん@ピンキー:04/04/11 17:26 ID:eJYo4A6v
>>247
イイ!
251名無しさん@ピンキー:04/04/13 01:03 ID:IjbwUDNo
アナルオナニーするちう、(・∀・)イイ!
252名無しさん@ピンキー:04/04/13 01:34 ID:S3M3ECGk
P.Tさんの話を進めていくと修学旅行編のキス争奪戦は凄いことになりそう・・・
体壊さない程度に頑張ってください〜♪
253名無しさん@ピンキー:04/04/13 04:14 ID:Y5roZyWf
本編せっちゃんがますます可愛くなっていく。
くすぐりプレイ用の道具には事欠んな。
254名無しさん@ピンキー:04/04/14 01:24 ID:IIkVBBar
修学旅行のキス争奪、チ○ポ争奪になりそうな悪寒…
255P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/14 19:09 ID:pQJ6bhuM
みなさん感想ありがとうございます。

>>248
いや実は速くないです。時速3k〜4kですから。春休みだったんで時間をかけてたんですな。
今週から大学始まったので、また1週間1話のペースになるかと。
256名無しさん@ピンキー:04/04/17 02:45 ID:+FC1+AKL
週末なので期待あげ
257P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/17 23:38 ID:Cq4g3VQe
ifネギま! 〜 一話一妄想 〜


第十五話



 パートナー探しの話がいつの間にか結婚相手探しの話になってしまい、クラスメートたちから追いかけられるネギ。逃げる途中で木乃香と出会い、そこで彼は、木乃香がお見合いを嫌がっている話を聞く。木乃香はネギがパートナーならいいと言い出すのだが……。


 木乃香はネギに向かってすっと手を差し伸べると、彼の体を抱き寄せた。
 ぱちんとウインクして言う。
「ネギ君来てから、カワイイ弟出来たみたいで嬉しいえ」
 ネギの尻に手をおき、ぎゅっと腰を押し付けた。
 いつもとは趣を異にする木乃香に変な抱きかたをされ、ネギは思わずぽーっと赤くなった。
「……木乃香さん……」
 とそこで、彼は自分の教師としての立場を思い出した。
「ぼ、僕は弟じゃなくて先生ですよー」
 両手をばっと振り上げて、強い調子で言う。照れ隠しの意味もあって、ついつい声が荒っぽくなる。
 しかし所詮は弟扱いされる方が相応しい年齢だ、木乃香はちっとも堪えた様子もなく、笑顔で大袈裟にネギから逃げる。
「ネギ君また怒った──」
 袖口を両手で掴む町娘スタイルで走る木乃香と、それを追うネギ。
 どう見ても、先生が生徒を叱っているというよりは、姉弟がふざけて追いかけっこしているようである。
「あ」
 突然、木乃香ががくりと体勢を崩した。
 慣れない和装のため、地面すれすれまである長い着物の裾に草履を引っ掛けてしまったのだ。
「ひゃあ」
 どしーんと派手に転ぶ木乃香。それをすぐ後ろまで追っていたネギも、急に止まろうとして失敗。「わう」と木乃香と同じように転倒してしまう。
「あたた」
258P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/17 23:39 ID:Cq4g3VQe
 さすがにふざけ過ぎたという反省の色を見せながら、木乃香は体勢を立て直そうと、上半身を起こす。
 ネギもまた床に手をついてむくりと起きあがった。
 そこで、彼は目の前に木乃香の丸だしになった下着を直視してしまう。
 あんなに長い着物が、いったいどうやったらここまで見事にめくれるのかと不思議になるくらい、木乃香は腰のすぐ下までむき出しになっている。
 大輪の花をあしらった、ネギの目から見ても高級な着物の布地と、木乃香の息を飲むほど白く、きめの細かい肌が好対照だ。
 しみ一つない、若い肉の詰まった太ももと、清楚な無地白色の下着がかえって扇情的な光景を作り出してしまっている。
 木乃香は上半身を起こすと、正座を崩して尻を床につける、いわゆる女の子座りになった。着物の裾を前に引っ張って下着を隠す。
 頬に手を当て、さすがに恥じらいを見せながらも笑顔のままで言った。
「あちゃー、ウチもパンツ見られてもーたかな」
「いえっ、その」
 額に汗を浮かばせて否定しようとするネギだったが、さすがにあの体勢で見てなかったと強弁するのは無理がある。
 どうしようかとあせっていると、木乃香がその瞳に、奇妙な光を宿らせ、ネギを見つめた。
「うーん、ウチはネギ君とだいぶ仲良うなったし、パンツも見られてもーたし、これはネギ君とパートナーになる資格ができたってことやな」
「え?」
 論理の急展開についていけず、ネギは間抜けな返事をしてしまった。
 一方、話を続ける木乃香の表情には、いつの間にか真剣なものになりつつある。
「なあネギ君。さっき言うた通り、ウチは会ったこともない、年の離れた男の人とお見合いなんて嫌なんよ……」
 さきほど少しだけ見せた、木乃香の憂い顔、それが再び彼女の顔に宿った。
 普段笑顔を絶やさない木乃香だけに、その表情を見てネギは心臓が跳ねあがった。なんとかして彼女を助けたい、彼女の想いに応えたいという、正義感にも似た熱い衝動が湧きあがってくる。
259P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/17 23:40 ID:Cq4g3VQe
 ネギは胸の前で拳を握って言う。
「木乃香さん……僕にできることならなんでもやりますよ」
 すると木乃香は、にぱっと笑顔になり、膝で歩いてネギにぐっと近付いた。
 その表情の変わりように、ネギは「あれ?」という顔で思わずのけぞってしまう。
「ほんまやな、ネギ君。それじゃちゅーしてくれへんか?」
 ネギの顔が、ぼっと赤くなった。
「な、な、な、何を言い出すんですかーっ」
「いわゆる既製事実ってやつやな。ウチにもうつきあってる人がいるとわかれば、おじーちゃんも無理にお見合いの話持ってこなくなると思うんよ」
「うう……」
 教師と生徒という立場にこだわるネギは、断ろうとも思ったが、先ほど堂々と『僕にできることならなんでもやります』と言ってしまっている。
 少しの躊躇の後、ネギは顔を真っ赤にしながらゆっくりうなずいた。
 木乃香は両手を胸の前で音を立てて合わせる。
「わぁー、ほんまにおおきになー」
 こちらは対照的に、あまり照れていない。
「それじゃさっそく……」
 木乃香がぐっと首を前に突き出した。
 光を反射する、つややかな唇を目の前にして、ネギは思わず唾をゴクリと飲む。
 ネギは木乃香の両肩に手を置くと、ゆっくりとその唇に近付いていった。あまりの緊張に、体のあちこちがガタガタ震えている。
 ネギの顔が近付いて、木乃香は両目を閉じた。それに合わせて、ネギも目をつむる。
 暗闇の中、さらに進んだところで、唇が柔らかいものと接触した。
 今、木乃香とキスをしている。
 そう思うだけで、ネギの頭の中はそれで一杯になってしまい、石化したように動けなくなってしまった。
260P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/17 23:42 ID:Cq4g3VQe
「ネギ君! ネーギー君っ」
「え? あっ」
 木乃香の呼びかけで、ネギは意識を取り戻した。
 彼の目の前で、木乃香が不思議そうな顔をしている。どうやら、彼は緊張のあまりキスが終わったことにも気づかなかったらしい。
 気まずさを誤魔化すために、コホンとネギは咳払いをした。
「えーと、これで、僕の役目は終わりですね」
「それがやな、今考えてみたんやけど、やっぱりキスぐらいじゃ既製事実にはほど遠いんやないかな」
 一瞬の間。
「と、言いますと?」
 冷や汗をだらだら流しながら問うネギに、木乃香は両頬に手を当て、体をくねらせて答える。
「やーん、ネギ君、女の子にそんなこと言わせないっ」
 いったいどこから出したのか、小さなトンカチでゴチッとネギの頭を小突く。
 あたた、とネギが打たれたところをさすっていると、木乃香は彼の目の前で、あろうことか着物の前の合わせをゆっくりと開いていく。
「木乃香さん……!」
 さすがに恥ずかしいらしく、木乃香は視線をそらし、頬を染めている。それでも前をはだける手は止まらず、芸術的な弧を描く鎖骨があらわになる。
 崩された着物、新雪のように汚れ一つ無い肌、優美な曲線を描く肩、恥じらいを秘めた少女の顔……ネギを黙らせるには充分すぎるほどだった。
 がくがくと震えながら、ネギが木乃香に手を伸ばす。
 指先が肌に触れる。驚くほど熱い。木乃香も興奮しているのだ。
 木乃香は白いブラをつけていたが、ネギが取り除けるまでもなく、自分で外して床に置く。
 その間に、ネギは木乃香との間をぐっと詰めていた。
 するりと、着物が落ち、このかの両肩が出る。
 普段、明日菜とは違った意味で明るい木乃香は、さほどか弱さを感じさせない。
 しかし今、屋内照明のもとにさらされた肩は狭く、小さく、幼いネギですら抱きしめるのを躊躇したほどだ。
 しかしその自制も、着物の合わせ目からのぞいた木乃香の胸を見て吹き飛んでしまった。
261P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/17 23:43 ID:Cq4g3VQe
 大きさという点ではそれほどでもない、年齢相応の、つつましやかなものである。
 だがしかし、その控えめなサイズと上品な形、そして色つやは、ぞっとするほど男の本能に訴えかける色気がある。
 加えて半脱ぎ状態の和服がそれに拍車をかける。
 日本人の男にとってもそそる情景だが、ネギのような外国人にとってもキモノがエキゾッチクな魅力に溢れた衣装だ。
 ネギは矢も盾もたまらず、木乃香に抱きついた。その勢いは、体格に優る木乃香を床に押し倒してしまったほどである。
 本能の赴くまま、ネギは木乃香の鳩尾の辺りに顔をうずめる。
 木乃香の甘い体臭に酔いながら、激しく肌を吸う。ちゅ、ちゅっと、音までさせながら、次第に胸のふくらみを頂上に向けてキスが登っていく。
「あ、あっ、あっ、あっ」
 一つ肌に口付されるたびに、木乃香は短く声をあげた。ネギの肌を吸う音と合わせ、淫らなアンサンブルになっている。
 ついにキスが胸の先端に到着した。一際強く吸い上げると、それに応えるように
「あ────っ」
 と長くあえぐ。再びキスは上昇を続け、鎖骨を通り、首筋に足跡を残し、顎を経て唇へ到達した。
「んっ……」
「むう……」
 舌をからめ、お互いに唾液をすすり、唇をこすり合わせる。最初の時とは比べ物にならない、体の真までとろけるような強烈な大人のキスだった。
 息継ぎを挟みながら熱心にキスを続ける一方で、ネギはベルトを外してトランクスごとズボンを下ろし、木乃香は少し腰を浮かして下着を取り払った。
 お互いに『準備』ができたことを目と目で教えあうと、二人はいったんキスを中断した。
「木乃香さん……」
 つい、逆らいがたい勢いでここまで来てしまったが、本当にこの先に進んでいいのだろうか?
 そう問いかけようとするネギの言葉を遮るように、木乃香は強くうなずいた。
 いつも朗らかで屈託のない彼女だが、さすがにこの時ばかりは緊張しているようで、顔を上下に振る仕草一つとってもどこかぎこちない。
262P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/17 23:46 ID:Cq4g3VQe
 ネギはゆっくりと腰を進めようとしたが、そこは童貞である。
 割れ目に亀頭が接すると、その感覚に痺れ、より一層の官能を求める本能が、ネギの意思を無視して一気に貫いてしまう。
「ああーっ」
 挿入と同時に、普段のおっとりとした声音からは想像もつかない、鋭い悲鳴がネギの鼓膜を叩いた。
「あ、ご、ごめんなさいっ! やっぱり痛かったんですね。すぐに抜きます!」
 慌ててネギは腰を引こうとした。
 ところが、悲鳴を上げたとうの木乃香自身が、ネギの尻に足を絡みつかせる。
「ち、違うんよっ、痛かったんと違う、気持ち良かったんや。だからぬかんといてーっ」
 ぐいぐいと絡みつかせた足に力が入った。
 ぬけかけたペニスは、逆に先ほどよりさらに奥深くへと木乃香の中に潜り込む。
「ふあーっ! ええよ! ネギ君すごいええよっ!」
 いやいやと首を左右に激しく振り、熱い吐息とともにあえぎ、よがり、体を波打たせ、木乃香は全身で自分が肉欲の虜であることを表現した。
 普段ののんびりした、ともすればとろくさい性格からは想像もつかない激しさ。大和撫子という言葉がしっくりくる容姿からは考えもつかない乱れっぷりである。
 しかも、それでいて、貪欲なまでにネギの肉茎をくわえこむ陰部では、純潔であった証しが愛液と交ざって桃色の筋を引いている。
「こ、木乃香さん、痛くはないんですか!?」
 腰の当たりでとめどなく発生してくるとろけそうな感覚に耐えながら、ネギはきいた。
 幼いとはいえ、魔法学校首席である。実践は伴わなくとも、知識として女性の体について学んでいる。
「う、うん、ネギ君気にせんええよっ! あっ、なんでか知らんけどウチ、うんんっ、全然痛くあらへんの。あっあっ、あっ、それどころか……き、気持ちええのっ」
 あえぎ声混じりの返答を、体を左右によじりながらする木乃香。
 その言葉を裏付けるように、彼女の口元はだらしなく半開きになり、顔は官能で朱に染まっている。
 目尻には涙が雫となって宿っているが、とろけきった瞳を見れば、それが痛みによるものでないのは明らかだ。
263P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/17 23:48 ID:Cq4g3VQe
 ネギは木乃香の想像もしていなかった激しいよがりかたにやや驚き、呆れてもいたが、その一方で安心し、喜んでもいた。
 それまでどこか遠慮がちだったネギの腰使いが、猛然と勢いを増した。
 ネギの理性が、木乃香の言葉で手綱を放したのである。
 ネギは欲望に突き動かされるままに、ピストン運動のペースを上げる。
 剥き出しになった木乃香の胸元に顔をうずめ、興奮でピンク色になった肌に熱気を帯びた息を吐きつける。
「木乃香さんっ! す、すごいです、あっ、木乃香さん!」
「うん、ネギ君、は、激しいえっ。もっと強くしてもええんよ。もっと、ああっ」
 お互いに名を呼びながら、さらに官能を高めようとするネギと木乃香。
 ネギが激しく腰をうちつけるのはもちろん、木乃香もそれに合わせて下半身を上下させている。
 女性としての慎みなどかなぐりすてた、かたい人が見れば眉を潜めるであろうはしたない動きだ。
 しかしネギには、それが二人がともに喜びを分かち合い、感覚を共有しているようで、いっそう木乃香への思いが増すのだった。
 木乃香はさらに積極的になり、自分の胸にキスマークをつけるのに夢中になっているネギの頭を掴んだ。
 ぐっと上を向かせ、そして自分も頭をあげて顔を寄せる。
 すぐさまネギは相手の意図を察し、上半身を伸ばして木乃香に熱烈なキスをした。
 唇同士が触れ合うと、すぐさま舌が出てきてねっとりと抱擁しあい、唾液をすすりあう。
 もちろんその間、性器同士の交接は、いささかもその激しさを減じていない。
 上下の粘膜で激しく愛し合う二人は、たちまちのうちに絶頂へと昇り詰めて行った。
「ネ、ネギ君っ、ネギ君ウチもうだめやっ! もうっ、もうっ」
 せっぱつまった木乃香の声。それに応じるかのように、ネギが眉根を寄せて苦しそうにうめいた。
「あーっ、木乃香さんそんなに強くしちゃ僕僕耐えられませんっ」
「耐えちゃいやや、出してええからウチと一緒に……っ!」
「で、でもっ」
 先生として、あるいは男としての責任感がネギに拒絶の言葉を言わせる。
 しかし、射精を我慢することも、木乃香の膣内から離れることもできない。
 はじめて味わう、脳の奥まで染み渡る圧倒的な快楽の前では、いかなる抵抗もむなしかった。
264P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/17 23:50 ID:Cq4g3VQe
「ああああああああああああっ!!!」
 二人は同時に声をあげた。悲鳴じみてすらいる絶頂の叫びと共に、ネギは激しく射精する。
 全身の神経を冒す快楽を集め、一気に噴出させるかのような激しいものだった。
 発射したネギも、それをあますところなくうけきった木乃香も、糸が切れたようにがっくりと脱力する。
 さきほどの激しい交わりが嘘のように二人は動かない。
 ただ、お互いのいまだ熱の残滓が残る体温、汗ばんだ肌の感触、次第に穏やかになる呼吸と心音を感じながら、至福の時を共有していた。

 やがて、燃えるようだった熱が引いてくる。
 木乃香とネギは、名残惜しさをにじませながらも、肌を離していった。
 ついさっきまでの狂おしいもだえぶり、あえぎぶりはどこへやら、木乃香は平然とした微笑みで、乱れた着物を直している。
 脱ぎ捨てられていたブラジャーをとって身につけながら、木乃香は世間話でもするみたいな感じでネギに話しかける。
「ネギ君さっきのすごかったわー。ウチ、ほんまにはじめてだったんよ。ウチら、そういう相性ええのかな?」
「し、知りませんよ」
 一方ネギの方は、体を交えた直後だというのにやたら恥ずかしがって、すこしぶっきらぼうに答えた。
 が、知らないと答えたものの、頭の中に、姉からのメールの言葉が浮かんだ。
 スタンド使いとスタンド使いは……じゃなかった、魔法使いとパートナーは惹かれあう。
 今回の出来事も、そういうことだろうか。
 考えているうちに、ネギは着替えが終わった。
 木乃香の方も、上半身の用意を終え、今は裾を大きくまくりあげてパンツを履いているところである。
 なんとなく、白い魅力的な太ももの辺りに見とれていると、それに気づいた木乃香がいたずらっぽい表情で言った。
「どうしたんネギ君、まだウチのパンツ見たいん?」
 ネギは顔を赤くし、慌てて手を振った。
「いえっ、その…」
 それにかぶせるように声がかかった。
「ふふふ、お二人とも仲がおよろしいようで……」
「え?」
 振り向くと、顔を引きつらせた明日菜とあやかが立っていた。


   第十五話 終わり
265P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/17 23:51 ID:Cq4g3VQe
次回予告!
 新学期を明日に控えた夜。まき絵は一人桜通りを歩いていた。とそこに、妖しい黒い影が現れ、彼女に襲いかかる!
 その正体は、クラスメートのエヴァンジェリンであった。もしエヴァがまき絵を操り人形にしていたら……? 乞うご期待!



少林サッカー見てたら遅くなっちゃったよ。
例によって漏れの書く木乃香の方言は滅茶苦茶です。
266名無しさん@ピンキー:04/04/18 00:04 ID:dahnahmz
kitakita-!!まいど乙!
267名無しさん@ピンキー:04/04/18 01:51 ID:TrUy5TVN
P.Tさん、乙でつ。GJ!でつ。
方言が無茶苦茶でも雰囲気が(・∀・)イイ!ので無問題でつ!
268座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/04/19 00:17 ID:3Aoo2nOt
内容は鬼畜、苦手な方はスルーしてください
ていうか、遅くてすみません;― ―)
P.T ◆3QNEGIp2Uc 氏すごい、パワーが満ち満ちてますね(←?
リョウメンスクナノカミがシリーズに登場することを願っています
では中編↓
 殴られ続けると、恐怖も麻痺してくる。
「あ゛う゛――っ!」
 鉄の塊がひしゃげる鈍い音に続いて、ガラスに蜘蛛の巣のようなヒビが走る。
 道路に停車していたワゴンに思いきり叩き付けられた和泉亜子は、自分が人間ではなくなったこ
とを再認識していた。


 なぜなら、普通の中学生であれば、とうの昔にこの世から存在が消えているだろうから。


「ごほ……ごほっ、えほ……はあ、はあ、はあ」
 べっこりと凹んだワゴンの前に亜子はずるずると崩れ落ちる。背中は怪我が酷く、凹んだワゴン
のボディには赤黒い痕が伝い落ちている。
 殴られ続けた腹や胸には痛みが残っている。足は切り傷だらけで、乾きかけた血がべとべとと汚
らしくへばり付いていた。身体中の大切な部分が壊れかけている気がする。
 周囲からは、無数の気配が近づいてくるのを感じた。ハルナがスケッチブックから具現化した怪
物たちは数を増やしながら、体当たりで吹き飛ばした亜子を探して周囲を徘徊している。
「ごほっ、ごふっ……はあ、はあ……参ったなぁ……あんなん、反則やわ……」
 亜子は身体を起こそうと、手足に力を集中させる。色々な所からぽたぽたと、真新しい血が落下
して大小の点々を作っていった。しかし亜子は気にしないで、身体を少しずつ浮かせていく。
 この戦場から逃げることは最早不可能だった。
 ハルナたちは、亜子の名前を吐かせて心を読もうとしている。
 亜子は直接的な明日菜の居場所は本当に知らないが、エヴァにネギ救出を頼んでいるし、明日
菜には手紙でネギと合流するように指示していた。
 それを読み取られると、ハルナたちはネギと明日菜の逃亡を阻止しようと行動を起こすに違いな
い。そうなれば、亜子を助けてくれる最後の望みも断たれてしまう。
 それに亜子が陥落すれば、ハルナたちは間違いなく明日菜を追って結界から街に侵攻するだろ
う。結界の外は住民で溢れかえっており、その時の被害は計り知れない。
 詰まるところ、亜子がハルナたちに嬲られ続けている間だけは、結界周辺の安全は保障される
ということである。切れかけた糸のような亜子の抵抗だったが、それには大きな意味があった。
 亜子が暴行に耐えて時間を稼げば、その分みんなは助かる。
 明日菜たちが助かれば亜子にも望みがあった。
 逃げるだけの力が残っていない今の亜子には、耐えることが最善の策に思えた。
 ただ……。


(でも、いくら明日菜やネギ先生でも、吸血鬼になったウチを受けいれてくれるんやろうか……?)


 自分の中の比較的冷静な部分が、最悪の展開をリアルに想像する。
 むしろ攻撃してくるのではないか? 亜子はそんな不安すら抱いてしまった。
 女子寮の事件があった日、親友の裕奈とまき絵に嬲られたトラウマがぐちぐちと疼く。
 行方不明になっても、みんな木乃香ばかりで、誰も亜子を探そうとしなかった現実が重い。


(いや、そんなことないっ! ……そんなこと……あらへん……)


「うぐっ! うっ……くうぅ……」
 全身に走る痛みに耐え、亜子はボロボロの身体で何とか立ち上がった。
「大丈夫……大丈夫や……」
 壊れかけた心が、身体が、壊れていく世界に僅かな救いを求めて、動き出す。
 その時、どこからともなく、スローな声が聞こえた。


          *


 亜子さん、見つけましたぁ―――。


「!?」
 その時、上空から巨大な質量が、亜子がもたれているワゴンを直撃した。
「きゃあああっ!」
 反動で吹き飛ばされた亜子が、ごろごろと前に転がっていく。ワゴンを踏み潰した巨大な蜘蛛
は、ハルナがアーティファクトで創った作品「鬼蜘蛛」だった。オリジナルである木乃香の式神より
強いという、生みの親直々のありがたくない紹介もされている。


 ふふふっ、ふふ―――。


 そして一人の少女がいた。
 蜘蛛の丸々とした巨躯の上に立ち、風にスカートを靡かせている宮崎のどかは、まるで「蜘蛛の
上の少女」という一枚の絵のように、堂々とそこに存在していた。目立たず静々とした、野草の花
ような素朴な華が、前髪の奥でゆっくりと咲いていく。
 そして咲いた華がぐにゃりと歪んだ。口が三日月になり、鋭い牙を覗かせてにたりと嗤った。
 風に揺れる前髪の隙間から見える瞳は、獲物を嬲り、追い詰めていく愉悦に濁っていく。
 最初こそ亜子と戦う気のなかったのどかだが、本当に亜子が鬼蜘蛛に手も足も出ないことが分
かってくると、時間が経つにつれて、いい感じにノってきたようである。
「の、のどか……」


 貴女の名前は何ですか―――? そして明日菜さんの居場所を、本当に知らないですか――?


 倒れた亜子に、蜘蛛から降りたのどかが黒いロッドを片手に近づいていく。先端に電極が付いて
いるそれは、カシ、カシ、カシ、とアンテナのように伸びて剣のようになる。
 ハルナが創り、のどかに与えた物騒な武器は、スタンガンのような性質のモノらしい。
「うっ!?」
 のどかに気をとられた一瞬に、四方から寄ってきた蜘蛛たちに手足を捉まれてしまう。そのまま
地面に押さえ付けられた亜子に、パチパチと火花を散らす電極がキスをしようと迫ってくる。
「く、うぅ…………そ、そんなもので、ウチを……」
「えへへ」
 のどかは嬉しそうにスタンガンを亜子の顔から逸らし、そのまま杖のように胸に押し付けた。
「きゃあ、あ、ああ、あああ―――っ! あっ! ああっ! あぁ―――っ! ―――っ!」
 バチチッ、バチ、バチチィ! と、胸から乾いた音が響き渡る。胸に与えられた電撃は服を越え、
その下のピンクの突起から肉山の中で暴れまわり、そのまま亜子の身体を一気に貫いた。
「ひやああ、ああっ、あっ、あ―――っ! ほ、ほんまに、知ら、へ、んねん! あぁ―――っ!」
 押さえられた手足がばたばたと振動し、神経が焼き切れそうな電流が身体中を駆け巡る。髪が
ふわりと立ち上がり、逃れられない拷問に亜子の顔が悲痛に歪んだ。
「じゃあ、亜子さんの名前を教えてください―――。それを知らないとは言わせません―――」
 電極を離して、のどかが嗤いながら亜子の顔を覗きこむ。
「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ……はあ…………………あああっ! きゃあああ―――っ!」
 黙った亜子に再び電極が押し付けられ、電流が身体に一気に流れ込んでくる。髪を振り乱して
悲鳴を漏らし続ける亜子の目の前では、大小の光がちかちかと点滅していた。
「貴女に黙秘権はありません―――」
「甘いってのどか、亜子ちゃんは自分に契約執行してるんだから、これぐらいやらないと」
 建物の影からわさわさと大小の鬼蜘蛛が溢れ出して、辺りを瞬く間に埋め尽くした。絨毯のよう
に波打つ怪物の群れは、子供大の大きさから乗用車大のものまで様々である。
 現れた「作者」にして「生みの親」である早乙女ハルナは、モーゼのように蜘蛛の大群を割って亜
子の前に立ち、にっこりと嗤ってスケッチブックから絵を具現化させる。
 現れたのは鉄球が付いた鎖、一般にモーニングスターと呼ばれる武器だった。
「う、うぐうう……うう……ふ、あ……」
 両脇の鬼蜘蛛が、電気ショックで弛緩した亜子を器用に立たせた。足に力が入らず、手を吊り
上げられて固定されたその姿は、かの有名な「人間に捕まった宇宙人」の構図に似ている。


(都合のいい漫画みたいに……こ、こういう時に、力を使いこなせて、必殺技とか出せたり……)


 エヴァの力を奪ったのに、ほとんど使いこなせないのが悲しい。
 ひゅぃん、と鎖が風を切る音を聞いて、意識が朦朧とした亜子の視線がその方向をさ迷う。


(……せーへんよね……は、はは、ははは……)

「―――っ! がは、ぁ……」
 鈍い音を立てて鉄球が腹にめり込み、押し出されるように亜子は口から半透明な胃液を噴く。
「ふ、う……う……うう……おえ、ぇ……え……えっ……げほっ……」
 衝撃に意識が遠くなったが、吊るし上げられている状態では亜子は倒れることもできない。器用
に2本の脚で亜子の手を吊るす鬼蜘蛛たちは強固で、それを振り払って逃げることができない。


(もう……ダメ……や……)


 絶望の色を浮かべる亜子の胸や肩に、遠慮なく鉄球が叩き付けられる。腹や負傷した背中や肩
を鉄球で抉られ、亜子は痛みに声にならない悲鳴を撒き散らした。


(エヴァンジェリンって名前を言えば……でも、ここで吐いたら……何もかも……台無しに……)


「……はあ……はあ……はあ、はあ……ああ……そんな……」
 ハルナがのどかに、同じモーニングスターを与えている。その時、鬼蜘蛛たちが亜子の手足を掴
んで、そのまま違う方向に引っ張り始めた。4方向のベクトルの始点になった亜子の身体が、だん
だんと不自然なポーズになって、そのまま手足が独立して運動しようとする。
「……ああっ! いやあああっ! やめて! やめてえっ! う、腕が! うでがぁ!」
 引き千切られそうな力に、関節や筋肉がぎちぎちと悲鳴を上げる。八つ裂きではなく四つ裂きだ
った。引き伸ばされて限界まで張り詰めた四肢、更に亜子のボロボロの肉体に鉄球が交互に叩き
付けられた。


(いやああ゙あ゛あ゛あ゛あ゛、あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ―――――――――――――――っ!)


 終りが見えない暴行の中で、磨耗していく精神。
 自分が屈すまで続く地獄。
 それが拷問というものなのだろう。
 亜子は肉体を嬲られ尽くされる苦痛の前に、ただ悲鳴をあげるだけだった。


          *


 ……………………
 ………………………………………
 ………………………………………………………………


「う、うぐ、ぅ……う、ウチ、生きてるん?」
 全身がずきりと痛かった。目覚めた亜子はぼんやりした頭で、意識を失う前のことを思い出す。
過酷な拷問に意識が潰え、一瞬の解放を求めて眠りに引き込まれてしまった。
「あ、何やこれ、動けへん……服は……?」
 亜子はマントも何も纏ってはおらず、剥かれた状態で寝転がっていた。拷問でできた蒼痣や切り
傷が、まるで皮膚病のように全身に広がっていて、糸がコイルのように巻き付いている。
 小さな膨らみや淫裂までが全て露になっている格好だと気付いて、亜子は何とか自由を得よう
と、痛みを我慢してもがいてみる。しかし、滑らかなラインの体躯は糸でぐるぐるに絡みとられ、
細い手足も糸で縛られていた。
 周辺には歪な多角形を紡いだ糸がびっしりと何重にも、背景を埋め尽くすように濃密に張り巡ら
されていた。学園都市の建物に糸がぐしゃぐしゃに絡み付いて綿飴のようになっている。その変貌
した学園都市の光景は亜子に、まるで巨大な蜘蛛の巣に捕らわれた蝶になった気分にさせた。
「……って、これ、蜘蛛の巣!?」
 ようやく理性が戻ってきた亜子は、自分が危険な状況にいると悟った。
「御名答、亜子ちゃんがあんまりにも白状しないから、責め方を変えることにしたの」
 後ろからハルナの声が聞こえた。のどかの気配も感じる。
「あれを見てよ。ほら、蜘蛛の巣の所々に張ってある呪符、あれがねー、なかなかスゴイんだわ」
 よく見ると、周囲の蜘蛛の巣には無数の赤い呪符が貼ってあった。
「このかの特製の呪符だよ。まあ、空間をまんべんなく包むように配置しなくちゃいけないから、私
の可愛くて、強くて、働き者の鬼蜘蛛ちゃんが沢山いないと使えなんだけどね。それは」


「1分を30分に変える魔法」


「この呪符だらけの蜘蛛の巣での30分は、外での1分だよ。そろそろ関東魔法協会が動いてくる
かも知れないけど、これならまだ、ゆっくり、ゆっくり、亜子ちゃんのお話を聞いてあげられるね」
 つまり、仮にあと10分で救援が来るとしても、それは5時間後ということになる。
「う、ウチをどうする気なん……? うひゃ!?」
 怯えたような声で尋ねた亜子の前に、人間大の鬼蜘蛛が姿を現した。
 鬼蜘蛛は8本の脚で身体を持ち上げて器用に立ち上がっている。そして、その腹部にはハルナ
の悪趣味としか表現のしようがない、どす黒い肉の塊が盛り上がっていた。太く、醜悪な外見のそ
れは、育ち方を間違えたキノコのように見えるが、亜子がそれを見間違えるはずがない。
「ああ……」
 亜子の牙がカチカチと鳴り始めた。
 あの悪夢を忘れるはずがない。
 公園で、体育倉庫で、屋上で、一人の女として嬲られ尽くされたあの日を。
 目の前に聳えている肉棒は、亜子を嬲っていた茶々丸よりも巨大だった。亀裂からとろとろと透
明な汁を垂れ流しているその怪物は、亜子には料理を前に涎を垂らしているように見えた。
「い、嫌やっ! 蜘蛛なんかに犯られるやなんて……! じょ、冗談やない!」
 なんとか拘束を解こうとする亜子だったが、縛っている糸は思ったよりも強靭で、吸血鬼の力でも
びくともしなかった。鬼蜘蛛が少しずつ、亜子に近づいてくる。
「くっ! うっ、くう、ぅ……! この糸、切れへん……! な、なんで切れへんの!」
 糸を切ろうと力をふり絞る亜子の顔に、だんだんと諦観の色が濃くなっていく。潤んだ赤い瞳に、
凶悪な肉の塔が堂々と映り込んだ。
「い、いやっ!」
 亜子が顔を背けて拒絶の意志を示した。縛られた身体で這うように、蜘蛛に背中を向けるように
動いていく。
「あああっ!」
 しかし鬼蜘蛛は前脚で、お好み焼きをひっくり返すように亜子の身体を回転させると、己の欲望
の塊を亜子の鼻先に突き付けた。
「ううっ、臭い! 近づけやんといて……」
 猛烈な臭気に亜子の顔が歪んだ。ハルナの嫌がらせなのか、その肉棒はまったく洗われていな
いような異常な匂いを放ち、黒い亀頭にはカスのようなものがびっしりとこびり付いている。生ゴミ
としか思えないその肉塊を近づけただけで、亜子の身体はそれを拒絶していた。
「まあ、明日菜の陵辱用に生やしたモノだからね、そんなに上等なブツじゃないよ」
 ハルナがくすくすと嗤って、鬼蜘蛛の頭をそっと撫ぜる。
「亜子ちゃんには最後の考える時間を与えてあげる。タイムリミットは、この鬼蜘蛛ちゃんが射精す
るまでかな。いい返事を信じてるからね―――」
「な、なにを……う、うむぅ!?」
 異臭を放つ肉の塊が、亜子の舌の上に滑り込んできた。鬼蜘蛛は8本の脚を器用に使い、4本
の脚で己の身体を支え、2本の脚で亜子の身体を支え、残る2本の脚で亜子の後頭部を押して、
亜子の口に肉棒をねじり込んだ。悪臭に亜子は思わず呻く。
「う、うぶ―――ん、んん―――う、うう、うん―――う、うぅ―――」
 縛られて抵抗もできない亜子の頭が前後して、口と舌で肉棒をしごかされる。舌に肉棒を擦り付
けられるたびに、亜子の舌の表面のざらざらがカスを拭いとっていく。
 唾液を潤滑油にして舌の上の肉棒が、亜子の口から喉までを激しく犯していった。それが新しい
刺激になって唾液がさらに分泌され、口の中をどろどろにしながら肉棒に絡み付いていく。


(……うううっ、うえっ! こんな汚いもん、口でさせられるやなんて……口が腐ってまう……!)


 口の中に広がる肉の異臭と、喉奥まで犯される苦しみから、加速度的に吐き気が高まっていく。
しかし口はしっかりと塞がれて、込み上げてくるモノですら肉棒に押し返される気がした。
「う、ぐうう、ん―――ぷはっ!」
 鬼蜘蛛の動きにタイミングを合わせて、亜子が頭を力いっぱいに動かして肉棒を吐き出した。亜
子の口から解放された肉の塊は少しキレイになった姿で、亜子の前にぴんと直立する。
「うえっ! おええっ! ごほっ! はあ、はあ、はあ」
 嘔吐する亜子の小さな唇から、ペニスの味が溶けた唾液がだらだらと垂れ落ちる。口の中に染
み付いた肉棒の残滓を吐き出す亜子のほっぺに、硬直した肉棒がべちゃりと押し付けられた。
「ちょっとちょっと」ハルナが笑いながら、亜子に言った。「吐き出しちゃダメだよ」
「き、汚い、うっ、く、ぅ……」
 固く閉ざされた亜子のピンク色の唇に、巨大な亀頭が割って入ろうとする。亜子は顔を動かして
唇をずらしながら、侵入を防ごうと必死に肉棒と格闘した。
 しかし鬼蜘蛛は亜子で遊んでいるように、カウパーや唾液が混じった汁をほっぺや鼻、目の周り
や顎ににじり付けながら、ゆっくりと唇を追いかけている。


(ウチ、遊ばれてる……この蜘蛛、やろうと思えば簡単やのに……ウチが嫌がるのを……)


 綺麗な顔をべとべとに汚しながら、鬼蜘蛛はたまにほっぺを亀頭で突ついたり、嗅がせるように
鼻先に近づけたりしながら亜子を嬲る。そしてしばらくして、今までのが遊びだったと言わんばかり
に、簡単に唇を捉えて、亀頭をそのまま前進させていった。
「ん、うぐぐ、い、やぁ……ぐうう、ん―――」
 唇の防壁を突破され、再び肉の塊が口の中に侵入してくる。一度吐き出したモノを再び口に入
れられ、再び喉まで深く犯されていく。
「う、んん―――んぐ、ぅ―――ぐう―――ん、んんっ―――」
 口内で大きさを増していく肉の塊に抵抗しようと、亜子は牙を思いきり立てた。しかし固いゴムの
ような感触が伝わってきただけで、文字通りに歯が立たない。
 まるでヘドロ塗れの分厚いホースをしゃぶらせれているような錯覚に陥りつつある亜子に、鬼蜘
蛛は気持ち良いのか、さらに勢い良く腰(?)を亜子の顔に打ち付けていった。
 何回か犯された経験のある亜子は、そろそろ射精が近いことを察知していた。再び吐き出そうと
するがしかし、今度は蜘蛛も警戒していて叶わなかった。


どびゅるるる、どぷっ、どぷぷ、びゅるびゅるびゅる、どぴゅ―――っ!


「―――っ!」
 どくどくと脈打つ肉塊から、まるで水道の蛇口を捻ったように大量の欲望が吐き出され、亜子の
口という受け皿にぶちまけられた。人間ではない、限度と言う概念を知らない勢いと量だった。
 どろどろとした濃い精液が口の中に溜まっていき、その苦さと生臭さ、そして息苦しさが亜子を苦
しめる。しかし、口が塞がれている以上、亜子は悔しさを押し殺して、口にいっぱいになった精液を
ごくり、ごくり、と喉の奥に流しこんでいくしかない。
「う、うぶ……うんん! う、ううっ! うっ! ごほっ!」
 ようやく口から肉棒が抜かれると、亜子の口からどろどろと粘っこい欲望が溢れ出した。気管に
精液が入って激しく咽込み、赤い瞳に苦しさと悔しさの涙が浮かぶ。
 しかし、呆れたことに蜘蛛はまだ射精を終えておらず、咽込む亜子のホワイトブルーの髪に精液
を降らせていて、亜子の髪の毛の中には大小無数の精液の塊ができていた。重力に引っ張られ
てゆっくりと、ナメクジのように亜子の頭から垂れ落ち、髪から地面に滴り落ちる。
 さらに鬼蜘蛛は、口を精液塗れにして苦しんでいる亜子を脚で掴み上げると、さきほど汚した顔
にさらに残りの白濁液をびちゃびちゃとかける。
「あ、あああっ……こ、こんな……あぶ、うぶぶ……」
 顔中を生臭い精液塗れにされた亜子が、どさりと地面に放り投げられる。鬼蜘蛛はとりあえず満
足といった感じに「くもおおっ!」と叫ぶと、作者であるハルナに場所を譲った。
 亜子は身体的な拷問とはまた違った、敗北感に近い感情に打ちのめされていた。
「鬼蜘蛛ちゃんけっこうスゴイでしょー。で、返事はどう?」
「………」
 亜子は何も答えない。ハルナはその沈黙から、拒絶の意志を感じていた。
「まっ、そうこなくっちゃ面白くないよねぇ。亜子ちゃん。ねえ、みんなもそう思うでしょ?」
 ハルナがそう言うと、周囲の蜘蛛の巣からわらわらと大量の蜘蛛が現れる。見た感じでは、百匹
はいそうな数である。どうやら、亜子が眠っている間にさらに増産したらしい。
「100Pとかって、なかなか愉しそうだよね」
 ハルナの声に、亜子はびくりと身体を震わせた。これから始まるであろう亜子を嬲り尽くす宴に
対し、亜子には覚悟を決める時間も与えられていないらしい。
「す、すごいねー。ハルナ」
 アーティファクトをカードに戻していたのどかが、ハルナに話しかけている。
「ふっふっふー。まあ、このミニストラ・コノカ最強のパル様はもう、無敵って感じかな?」
 にやりと嗤ってハルナは応えた。


「この『魔法のスケッチブック』に、勝てるやつなんていないのよ。うっふっふ―――」


          *


 人を排し、沈黙を守る無人都市。
 囲む人々から少し離れた場所に、チリンと鈴の音がした。
 そこに立つのは一人の少女、名を神楽坂明日菜という。
 病院に入院しているはずの彼女は、今、無人都市の境界にいた。
 右手に亜子からの手紙を握り締め、その顔は心配そうに無人都市を眺めている。
 その、色の異なる瞳が見つめる先は―――






 ≪to be continued≫

282座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/04/19 00:39 ID:3Aoo2nOt
龍宮に高額の仕事料を要求されて払えず、肉体を代わりに差し出すせっちゃんを妄想しつつ
ではまた

283名無しさん@ピンキー:04/04/19 04:29 ID:f5Jm3c0l
亜子たん人気投票ランクUP記念陵辱?
今後パルがどの様にヘコまされるか期待してますw

>高額の仕事料を要求されて払えず、肉体を代わりに差し出すせっちゃんを妄想しつつ
素敵だ…
284名無しさん@ピンキー:04/04/19 07:09 ID:gGNO1qXw
>龍宮に高額の仕事料を要求されて払えず、肉体を代わりに差し出すせっちゃんを妄想しつつ
それだけで短編をおながいしたいでつ。
285名無しさん@ピンキー:04/04/20 04:47 ID:+VSBX894
だんだん怖くなってきた、そろそろ亜子さんに救いが欲しい。
286名無しさん@ピンキー:04/04/21 00:43 ID:qcOMzE0O
もし亜子が今週のエヴァ並みの強さを発揮したら…ハルナとのどかは死亡確定だろーなー…
実際には無理か。真祖の能力手に入れてもソレを活かす知識が無いし。なによりヘタレだし(w
287名無しさん@ピンキー:04/04/21 05:04 ID:HM/NHDmh
>285
漏れは前スレの時点で怖かったんだが。
今スレでもエヴァ様壊れちゃうかと思ったり茶々丸粉砕(夢オチ)?!とかでガタガタブルブル。

なので現在進行中のシリーズとは別に
>高額の仕事料を要求されて払えず、肉体を代わりに差し出すせっちゃんを妄想しつつ
を希望>座薬殿
息抜きさせてクポ。
288名無しさん@ピンキー:04/04/21 06:44 ID:wGPI+AX8
何か書いてみようかと思うんだけど、今ここではどんなのが需要ありますか?
289名無しさん@ピンキー:04/04/21 13:20 ID:zZHUWJHN
>>288
せつ×この or この×せつあたりで
290名無しさん@ピンキー:04/04/21 14:26 ID:422RuYef
>>288
千草・月詠×コタローものキボンヌ
291名無しさん@ピンキー:04/04/21 15:20 ID:1yPknULr
>>288
ネギ先生イジメ
ネギ先生逆レイプ
ネギ先生純愛
ネギ先生弄られ
ネギ先生…………
292名無しさん@ピンキー:04/04/22 00:36 ID:MqWZ2inl
まだ見ぬジャンルとして、楓×コタローとかがある。
楓×くーふぇ、楓×夕映、楓×鳴滝姉妹(既出?)……ごめん氏ぬ_| ̄|○

えぇと……とにかく、個人的には楓が出りゃええと思うとる。
先週の扱いが酷過ぎた。誰か、かえで姉分の補給を頼む。
293名無しさん@ピンキー:04/04/22 01:24 ID:0dwIPmNY
俺はいいんちょさんでおながいしたい。
294名無しさん@ピンキー:04/04/22 01:30 ID:DjujW9+B
   ヾ(・∀・)ノ
  \(\ノ  かえで×あやかがどうしたってー!!
295名無しさん@ピンキー:04/04/22 13:25 ID:Y6fSW+OY
エヴァは処女か非処女かどっちだと思うよもまいら。
漏れは処女で耳年増の誘い受けだと見たが。
296名無しさん@ピンキー:04/04/22 17:34 ID:680+DhHF
ヴァンパイアなんだから処女だろう・・・と思うが真祖だしなぁ。
とりあえず耳年増には激しく一票。少なくとも年増なのは間違い無い。
297名無しさん@ピンキー:04/04/22 22:07 ID:QP4WD57d
エヴァたんは処女派に一票。元は10歳なんだから性に目覚めてなくただの耳年増だと思う
298名無しさん@ピンキー:04/04/23 01:11 ID:ogbGhuyF
膜は有る(吸血鬼の能力で破れても再生)けど非処女なんじゃないの?
299名無しさん@ピンキー:04/04/23 16:04 ID:i0AoqQ+P
痛いだけで損じゃないか<処女膜再生
300名無しさん@ピンキー:04/04/23 18:19 ID:ogbGhuyF
>299
つまりヤりたくてもヤれないジレンマサイコー
301名無しさん@ピンキー:04/04/24 09:21 ID:ePgPNw0A
>>265
氏が出てきてからずっと待ってました。
期待して・・いいのかな?
302座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/04/24 23:21 ID:flyijABr
内容は鬼畜、苦手な方はスルーしてください
前回に比べるとずいぶん平和になった気もします

>>龍宮×せっちゃん
;― ―)すみません……まだ書けるような段階の妄想ではないので……

>>288
*― ―)やっぱ月詠でしょう

>>295
*― ―)非処女に一票  
「さーて、みんな、楽しいパーティの始まりだけど、喧嘩しないで仲良く順番を守ってねっ」
 ハルナの一言で鬼蜘蛛たちは動き出した。既に姿を現していた蜘蛛に加え、周囲を覆う蜘蛛の
巣の影から一匹、また一匹と顔を見せて溢れ返り、縛られて動けない亜子を包囲してその半径を
縮めていく。
「うひゃひゃ、ここまでくると壮観、壮観」
「壮観だけど……で、でも……ちょっと、多すぎない―――?」
 百匹以上の巨大な蜘蛛が蠢く、悪夢のような光景が街を浸食していく。その中でも、まるで戦車
のように巨大な鬼蜘蛛に乗ったハルナとのどかは悠々として、蜘蛛の海に呑まれようとしている亜
子を眺めていた。
「ひぃ……こ……こんなにおるん!?」
 想像ではなく、実際に蜘蛛の大群に囲まれた亜子の赤い瞳が驚愕に見開かれた。耳で聞いた
百匹と、目で見る百匹は全く違っており、その大群の欲望が全て自分の肉体に注がれると思うと
目の前が暗くなってくる。
「あ、ああ……っ」
 逃げようとしても逃げられない、まさに脱出不可能の地獄だった。
 亜子のしなやかな体躯には戦闘と拷問による傷が痛々しく刻まれており、喧嘩のけの字も知ら
なかった肉体に与えられた暴力の凄まじさを物語っている。柔らかな肌は泥で汚れ、糸に絞り出さ
れた乳房は腫れて表面から出血していたが、それでもピンク色の突起が健気に、女性のシンボル
としての美しさを辛うじて保っていた。電撃の拷問で痺れの残った四肢は蜘蛛の糸でさらに拘束さ
れており、逃走はもちろん抵抗する権利すらも奪われている。
 口から喉にかけて汚いペニスに犯されてしまい、肉棒と精液の味と匂いで汚染されてしまった。
異臭を放つ肉棒から噴き出した欲望を飲まされ、有り余る量を顔や髪にかけられたせいで、亜子
の頭からは白い欲望がぽたぽたと落ちている。生臭い牡の匂いが顔に染み付いてくる嫌悪感に、
亜子はどうすることもできず耐えるしかない。顔を拭くこともできない現状で、亜子の綺麗な顔と髪
には白い欲の塊がどろどろと、まるで蛆虫の群れのように這っていた。


(……こんな数に襲われたら、ウチ、どうなってまうか……でも、名前とか喋ってしもたら―――)


 後にはもう何もない。亜子は明日菜たちを売るか、地獄を見るかの瀬戸際に立たされていた。
 そして、亜子の心を揺さぶるように、鬼蜘蛛の大群はその凶器を勃起させて接近する。黒々とし
た異形の肉塊たちは咽かえる臭気を纏いながら、とろとろと透明な粘液を滴らせて亜子の穴を狙
っていた。
「い、嫌やっ……どっちも嫌やあっ!」
 亜子は赤い瞳で蜘蛛たちを睨んだが、精液塗れの顔にその目は蜘蛛を刺激してしまうだけであ
る。そんな亜子を蜘蛛たちは、しかし無反応で取り囲んでいる。


「みんな、もう一度言うけれど、順番を守ってね」


 ハルナの声が合図になった。蜘蛛たちは一斉に亜子に飛びかかり、亜子の視界を蜘蛛の大群
が覆い尽くした。
「い、いやああああ―――っ」
 もう囲んでしまえば意味はないと言うのか、亜子を縛っていた糸をぶちぶちと切断しながら、無
数の蜘蛛の脚が亜子の脚の間や腰、腹や首、肩の下に潜り込んでくる。亜子を御神輿のように持
ち上げると、真下に一匹の蜘蛛が器用にも仰向けに潜り込んできた。
「ああっ!」
 巨大な蜘蛛の胸(?)に落ちた亜子の周囲に何匹もの蜘蛛が犇めき合った。それぞれが腐った
ような匂いのする肉塊に欲望を漲らせており、獲物に挿入するのを心待ちにしている。
「んあっ! や、やめ、て……う、あっ……ひ、ひうぅ……」
 左右から蜘蛛の不気味な形の口が、亜子の小ぶりの胸山にしゃぶり付いてくる。腫れて血で汚
れていたが蜘蛛たちは気にもせずに、亜子のピンク色の乳首に吸い付いて舐め始めた。
「え、えっ!? あっ、こんな、あ!?」
 左右から違う蜘蛛に胸を貪られ、それぞれ異なる感覚が亜子の身体に響いてくる。右の蜘蛛は
舌(?)で亜子の突起を、まるで表面にだけ熱を伝えるように優しく転がしてくる。左の蜘蛛は突起
を舌でべろべろと舐め、時には甘噛みして刺激してくる。片方が薄皮を一枚一枚剥いていく丁寧さ
を持っているならば、もう片方は一気に全ての皮を剥いてしまうような勢いがあった。


(お、おかしい……こんなん、ゼッタイにおかしい……寝てる間に、何か―――)


「ああっ、はああ、あっ! くぅ、ぅ……」
 亜子の乳首は蜘蛛の舌に弄ばれて反応し、蜘蛛の口の中で熱を帯びてぴんと立ち上がってい
る。火山が噴火してマグマが流れていくように、亜子の肉山からどろどろと蜘蛛の唾液が流れ落ち
て、胸の間に溜まっていった。そして胸に加えられた圧力は別の感覚に変質して、亜子の肉体を
震わせていく。それは異様に研ぎ澄まされていた、官能の悦びに違いなかった。
「ふっふっふ。やっと気付いたのかなぁ」
 ハルナがにやりと笑って、試験管に入った黄色い液体をちらつかせる。
「木乃香が作った媚薬だよ。亜子ちゃんが気持ちよく眠っている時に、用量の10倍を投薬してお
いたから、はっきり言って狂えるよ。どうやら、効いてきたみたいだね」
「………!」
 亜子の顔に戸惑いの表情が浮かぶ。てっきり無理矢理に犯されると思っていた亜子は、間違え
てもそこに大きな快感が存在するとは思っていなかった。おそらくは暴力の延長の陵辱だろうと考
えていて、痛みに耐えることばかり考えていたのだが、変な意味で裏をかかれた気分だった。
 ちなみに、この頃、エヴァも同じ媚薬を円に飲まされていたが、そんなことは亜子は知る由もな
い。
「そ、そんにゃもんで……、あふっ!? そ、そんなところ舐めやんといて、あっ! ああっ!」
 寒気のような電流が全身を駆け巡る。蜘蛛の舌が伸びたのは亜子の胸だけではなかった。亜子
のベッド代わりになっている蜘蛛の口は、亜子の股間から少し昇ったところの、大きな肉の割れ目
の隙間にあった。
 そこにある窄んだ穴を、蜘蛛の舌がぴちゃぴちゃと音を立てながら舐めている。周囲の毛をべっ
たりと唾液で濡らして、舌の先端がその穴に入り込む。すると亜子はびくりと震えて、その穴はきゅ
う、と縮んで舌を締め出そうとし、身体には微弱な電流が走った。


(お、お尻の穴……舐められて……気持ち悪いのに、こんなに……っ!)


「あ、はぁ―――っ! ひい! あっ、ああっ! なんやこれ……や、止めてえ―――っ!」
 お尻の穴を舌で責められる悦びを、亜子は必死に否定しようとする。そんな亜子の抵抗を嘲笑う
ように、蜘蛛たちは舌を使って亜子の胸やお尻の穴、脇や太ももの内側、首や耳などを責めてい
き、ぴちゃぴちゃという音が身体中から聞こえてくる。開発すらされていなかった場所から引き出さ
れていく性感が、亜子の精神を苛ませていった。


(こ、このままじゃ、ほ、本当に狂わされる……でも、身体が言うことをきかへん―――ああっ!)


「あっ、あかん、だめ、やっ! あっ! あんっ! ふううう……ふあっ! あっ! ああっ!」
 精液でどろどろの顔が仄かに紅潮してきて、赤い瞳は恐怖とは別の感情で潤みつつある。
 淫裂からはとろりと愛液が滲んでいたが、蜘蛛たちは決してそこを責めようとはしなかった。
 まるでピアノのドレミファソラシドのように、違う所を責められる度に僅かに違う悲鳴を上げなが
ら、亜子は身体中を舐めまわしてくる舌たちに戦いを挑む。手足を振りまわして何とか責めから逃
れようとするが、蜘蛛たちはその抵抗も楽しんでいるように亜子を責めていった。
「ふ、ああっ! あっ! ああっ! ああん! も、もう、許し……ひあっ!? あっ! あ!」
 それは虫は違えど、獲物をゆっくりと弱らせていく蟻地獄のようであった。
 亜子の抵抗が疲労と官能で潰えていくのを、蜘蛛たちはじっ、と観察している。


          *


「ふふふ、亜子ちゃん、本番はまだまだこれからだよ―――っ」
「ねえ、ハルナ」
 にやりと嗤うハルナの後ろから、のどかが話しかけてくる。
「ん? 何よ?」
「まだ、これ続けるの……?」
 ハルナはのどかを見て笑った。
「ふふふ、なーに言ってるのよ、のどか。調教はこれからじゃない」
「う、うん、それはいいんだけど、でもなんか……手段と目的が入れ替わってない―――? 私た
ちの目的はあくまで、ネギせんせーを明日菜さんの呪縛から解き放つために、明日菜さんをやっ
つけに行くことだったよね? じわじわ亜子さんを責めるんじゃなくて、さっさと明日菜さんの情報を
吐かせて追跡しようよ―――。亜子さんの調教より、明日菜さんを―――」
「んなこと言ったって、亜子ちゃんは名前を吐かないし。それにせっかくノってきたんだしさー、もう
ちょっとぐらい愉しませてよ。あんただってさっきまでスタンガンで遊んでたじゃん。今更そんな…」
「で、でも、ハルナ約束したよね……。明日菜さんをやっつけるの手伝ってくれるって―――」
「そりゃしたけど、私だってやりたい事とかあるし。ここで止めたら鬼蜘蛛ちゃんも可哀想でしょ?」
「……わ、私とこんな蜘蛛のどっちが大事なの……? はぶっ!?」
 ハルナの張り手がのどかの頬を強かに打ち、のどかは尻餅を付いた。


 こんな蜘蛛? 私の描いた鬼蜘蛛ちゃんに何てこと言うのよっ!


「……は、ハルナ」
 信じられないと言った顔で、のどかは大声で叫んだハルナを見る。
「何よ?」
「ハルナ、最近おかしいよ……何ていうか、性格が変わったって言うか、病的って言うか……」


 スケッチブックに絵を描かされてるみたい……


「なんか、何よりもアーティファクトが大切みたい。アーティファクトを貰った日だって、ハルナって木
乃香さんの話も聞かずに帰ろうとしたし、ハルナがアーティファクトの能力に酔うのは別にいいと思
うけれど、そればっかりってのは、その―――」
「うるさいなぁ。それなら一人で明日菜を探しに行けばいいじゃない!」
 のどかは無言で俯いてしまった。
「一人で明日菜のところに行って、一人で喧嘩して、一人でやっつけてくればいいでしょ! ほら、
さっさと行けばいいじゃない! できるならやってみなよ! 戦闘能力の欠片もない、しかも敵の名
前が分からないとまったく役に立たない自慢のアーティファクトで、警備されてる病院に突撃してき
なよっ! あんたなんか誰かの後ろにいなきゃただの役立たずじゃん! デカイ口叩かない!」
「は、ハルナ……」
「あー、はいはい。もう決定ね。もう少し調教して遊ぶ。文句なし。いいね。おっ、いいぞいいぞ!」
 亜子の調教の方を向いたハルナの後ろで、のどかはぼそりと呟いた。


「最初っから『心を読めるアイテム』を創ってくれればいいのに………からできないんだよね」


 ハルナはぴくりと耳を大きくし、鬼気迫る顔でのどかを見る。
「今、なんて言った?」
「最初っから『心を読めるアイテム』を創ってくれればいいのに………


 画力とアイデアが足りないからできないんだよね―――


「だってそうでしょ? ハルナが創ったアイテムですごいのはみんな、他の絵や武器を写しただけ
だもん。「精神を壊す黒い本」は私のアーティファクトを絵にして改造しただけだし、あの「背負う
翼」はなんかの漫画のパクリだし、「鬼蜘蛛」だって式神の教本の挿絵を格好よく写しただけだし、
「メテオ」なんか理科の教科書写して炎に似せたトーン貼っただけだし―――」
「な、なんだって……」
 ハルナは怒っているというより、傷ついた顔でのどかを見る。
「普段、半ズボンの子供やホモの漫画ばっか描いてるから、脳味噌が特化しちゃって、アイデアが
枯渇して、完全にオリジナルの「心を読めるアイテム」が創れないんでしょ? 結局、ハルナはその
スケッチブックを全然使いこなせてな……あ゛あ゛あ゛―――っ!?」


 がぶっ!


「……は、ハルナ、ぁ……? あ゛……あ゛、あ゛あ゛―――」
 のどかが言葉を言い終わる前に、ハルナの牙がのどかの首筋に食い込んでいた。じゅるじゅる
と音を立てながら、のどかの血液がハルナの口に満ち満ちていく。
「ふぅ―――っ。ふぅ―――っ。ふぅ―――っ」
 ハルナは涙目になりながら、のどかの声を噛み潰していく。のどかの手がばたばた暴れながら
ハルナの背中を叩き、服を掴んで引き離そうとしていた。
 しかしハルナはのどかに食らい付いて離れず、のどかの顔はみるみる貧血で蒼くなっていく。
「ぁ、る、な……や、め゛、てよ、ぉ……あ……あ……あ゛あ゛あ゛……」
「ふぅ―――っ。ふぅ―――っ。ふぅ―――っ。ふぅ―――っ」
「は、る、な、ぁ……どうして……こんな……ひ、ど、ぃよ……」
「ふぅ―――っ。ふぅ―――っ。ふぅ―――っ。ふぅ―――っ。ふぅ―――っ。ふぅ―――っ」
 涙目で睨んでくるハルナに、のどかが口をぱくぱくさせながら話しかける。
「……め、がぁ……かすむ…………あ、やまる、から………………あ゛…………」
 のどかの手から力が抜けて、だらりと垂れ下がった。
「ふぅ―――っ。ふぅ―――っ。ふぅ―――っ。ふぅ―――っ。ふぅ―――っ。ふぅ―――っ。ふぅ―
――っ。ふぅ―――っ。ふぅ―――っ」
「……ご……めん………・・・…ご……めん…………いうこと………き……く、から……………
や、めて………なんか……」
「ふぅ――――――っ。ふぅ――――――っ!」
 ハルナに血を吸われるのどかの声が、段々か細くなっていった。
「…………………………………………………………………………あ゛あ゛………………………
……………………………………きゅう、けつ、きなのに………よるが、くらい…………………
…………………………はる、なの…………………かおも、なにも………………………………
………………み、えな、ぃ……………………………………………………………………………」
 ハルナがのどかから牙を抜くと、のどかはそのままよろめいて、鬼蜘蛛の上から転がり落ちてい
った。のどかは胸が上下しているので、死んだりはしていないようである。
「げぷ……」
 口をのどかの血で汚したハルナは、呆然として倒れたのどかを眺めていた。
 倒れている親友を見下ろしながら、
 牙にかけた親友を味わいながら、
 後悔の念を瞳に宿しながら、
「私のせいじゃない」
 ポツリと呟いて視線を逸らす。


「これは全部、亜子ちゃんのせいだよ。もう思いっきり、徹底的にやらないとね―――」


 桜子が消えて、のどかも消えて、
 一人残ったハルナは蜘蛛の大群に囲まれて、ただ虚ろな視線で亜子を見る。
 自分の中で納得させているような時間が過ぎると、亜子に異常な感情が向かっていく。



 絵師と司書の狂騒祭。
 祭りの後に残るもの。
 そんなものは無いのかもしれない。
 濁った瞳で倒れているのどかの周りでは、鬼蜘蛛たちが困って顔を見合わせていた。



 ≪to be continued≫
312座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/04/24 23:34 ID:flyijABr
最終章「無人都市の戦い」編ですが、ペースはがた落ちですみません
次回はおそらく五月になるかと思われます……

「のどかも桜子もまだ出番がありますので、ご安心ください」と誰かに言いつつ
ではまた
313P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/25 00:41 ID:DyhCt1Bg
ifネギま! 〜 一話一妄想 〜


第十六話



 短い春休みもあっという間に過ぎ、明日に新学期を控えた夜。まき絵は一人、風呂帰りに桜通りを歩いていた。そこは最近、吸血鬼が出るという噂の場所だったのだが……。

 満開の夜桜の向こうに、雲一つ無い、夜空。
 ダイヤを砕いたような美しい星空の中心に、真円の満月がじっと地上を見下ろしている。
 酒をたしなむ者なら、この光景を肴に一杯やりたいと思うほどの絶景だ。
 しかし立ち並ぶ桜並木の下を、まき絵は景色になど目もくれず、息を切らして走っていた。
 左手に風呂道具の入った洗面器を、右手に拳を、手が白くなるほど握っていた。
 目元には涙が大粒になり、顔は今にも泣き出しそうに歪んでいる。
 まき絵は辺りを見まわしながら走る。
 探しているのは、助けか、それとも。
 ザザァァ……。
「ひっ…」
 突然、風も無いのにまき絵の斜め前に位置する桜の枝が揺れた。
 悲鳴をあげた途端、まき絵の体に何か重いものが体当たりしてくる。
「きゃあっ」
 たまらずまき絵は仰向けに転がった。取り落とした洗面器から、シャンプーの容器が宙を舞う。
「あ……いや……」
 珠の肌についた擦り傷の痛みを気にする余裕もなく、恐怖のみなぎった歪んだ表情で宙を見る。
 巨大なコウモリを思わせる影が夜空を横切り、動けないまき絵目指して急降下。
「いやあぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!」
 喉も裂けよとばかりに大きな悲鳴をあげて、まき絵は転んだ姿勢のまま、拳を作って無茶苦茶に振り回した。
 影は悪夢のような優美さでそれをかわすと、まき絵の白い首筋に食らいついた。
 まき絵は意識を失う一瞬前、目の前に氷のような瞳をした彼女のクラスメート、エヴァンジェリンの顔を見た。
314P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/25 00:42 ID:DyhCt1Bg
 ひとしきり血を味わったエヴァは紅い唇を舌でぬぐいつつ立ち上がった。
 コウモリの翼に見えた、夜と同じ色のマントに身を包んで立つエヴァに対し、まき絵は寝転がったままだ。
 吸血鬼としての渇きをいやしたエヴァは、真祖、すなわち闇に君臨する恐怖の君主としての、威厳に満ちた表情で言った。
「さてと……まき絵!」
「はい」
 エヴァの呼びかけに、まき絵はまるで機械音声のような、抑揚も生気もない声で返事をした。
 ビー玉をはめ込んだような、なんの意識も映し出していない瞳のために、よくできた人形のように見える。
 そして、実際にその通りであった。
「立て」
「はい」
 精神支配が成功したかどうか、手っ取り早く調べるには、命令をしてみるのが一番である。
 まき絵は立ち上がった。どこを見るでもない、焦点を失った瞳で、そのまま棒のように突っ立っている。
 さっき転んだ時に落とした洗面器には見向きもしない。
 さて、とりあえずまき絵の洗脳は成功しているようだが、これだけでは足りないと、エヴァは考える。
 この先、まき絵を第一の手駒として使う計画だ。立つとか座るとか、そういう単純かつ抵抗感のー少ない命令に従うだけでは不十分である。
 そう、最低でも、親友に襲いかかれるくらいでないといけない。
 エヴァは、より難度の高い要求をしてみることにした。
「服を脱げ」
「はい」
 まき絵は機械的に返事をすると、すぐさま服を脱ぎ始めた。
脱いだものが無造作に地面に投げ捨てられ、闇の中にまき絵の裸体が浮かび上がる。
 つややかな白い肌は、真っ暗な背景を背にすると燐光を放っているようで、ほっそりした体型、人間味を感じさせない顔とあいまって、さながら妖精のようである。
 ためらうことなく全裸になったまき絵を前にしてしかし、エヴァはいま一つ満足がゆかなかった。
 二年間、不本意ながらクラスメートとしてまき絵を見てきたが、彼女にとって裸になるというのはそれほど無理な要求だろうか?
315P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/25 00:42 ID:DyhCt1Bg
 思い起こしてみれば、新体操というレオタード姿を人目にさらす部活をやっているせいか、生来の能天気な性格のためか、それとも女子校という場所のせいか、まき絵は脱ぐことにさして抵抗を感じていない様に思える。
 目の前でこうも見事な脱ぎっぷりを見せられると、ますますそう思えてくる。
 さらに過激な命令が必要だろう。
 エヴァは少し考えた後、言った。
「なめろ」
 右足に重心を預け、左足を前に出した。
 まき絵は膝と手のひらが汚れるのも構わず、すぐさまその場に四つん這いになった。
 犬が水を飲むように頭を下げ、舌を突き出してエヴァの足の甲をなめた。
 濡れた柔らかいものが肌を往復する感触に、工ヴァはぶるっと震えた。
 その頬に恍惚の笑みがさす。
 久しく味わうことが許されなかった、他人を支配し、思うがままに操るという快感。
 自分が支配する立場にいると、感覚で理解できる瞬間だ。
 吸血鬼を吸血鬼たらしめる最大の要素、吸血衝動とは、あらゆる本能の結集である。
 吸血とは空腹を満たすという食欲の一面を持ち、仲間を増やすという性欲の一面を持ち、抵抗する相手を傷つけるという闘争本能の一面を持つ。
 すなわち、通常の人間が感じる本能的欲望が何倍にも煮詰まったものが吸血衝動である。
 その激しさたるや、低級な吸血鬼ならば理性も何もかなぐり捨て、ただ欲望の赴くままに人を襲う怪物となるほどだ。
 真祖ともなればさすがにそのような無様な堕ち方はしないが、なにしろ久しぶりの吸血である。エヴァは、足に感じる生暖かい感触と水音に、我慢ができなくなってきた。
 吸血衝動に引きずられる形で、性欲が急速に自己主張し始めたのである。
「次はこっちだ」
 多少、うわずっと声で命令しながら、エヴァはマントの前を開いた。
 ほとんど下着のような薄手の黒いワンピース姿。十歳という外見年齢に似合わぬ、大人びた格好だ。
 エヴァは、自分の股間に手をやると、秘密の部分を覆い隠す布に指をひっかけ、くいっと横にずらした。
 まったく無毛の、つるんとした割れ目が、まき絵のガラス細工のような目に映る。
316P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/25 00:44 ID:DyhCt1Bg
 まき絵は四つん這いの状態から上半身を起こすと、膝で歩いて前に進む。両手をエヴァの尻にあてがって体を支えるとエヴァの股間に顔をうずめた。
 そのまま、ためらうことなく桃色の舌をひらめかせる。
「ああーっ」
 はじかれたように、エヴァは顎を跳ね上げた。思わずまき絵の後頭部の髪をひっつかんでしまう。
 普通なら痛がるところだが、主人の命令を最優先とするまき絵は、エヴァの手で頭をがくがくゆらされながら、少女の股間を舐め続ける。
「はぁっ、いい、いいぞまき絵……っ」
 さっきからの威厳をなんとか保とうとしているが、どうしようもなく声がせっぱつまっている。
 浅いく短い呼吸を繰り返し、目はとろんと潤み始めていた。
 頬はもちろん、手足にいたるまで肌が上気し、まだ肌寒い四月の風の中、薄っすらと汗まで滲ませている。
 手でまき絵の頭を股間に押しつけ、肉付きの薄い両太ももで下僕の顔をぎゅっと締め付ける。
 外見の年齢から見れば、彼女はまだ性欲の芽が出始めたばかりのはず。しかしその実、彼女は一世紀を生き抜いた人外の魔物である。すでに彼女の官能は、充分に開発されていた。
「もっと……奥を……ああっ」
「ふぁい」
 口を押し付けたまま、なんだか間抜けな返事をするまき絵。彼女は舌の筋肉を一杯に使って、エヴァのスリットの中にぐいぐいともぐり込む。
「あ─────っ、もっと、もっと!」
 体の中にもぐりこまれる感触に、エヴァは激しく上半身をのけぞらせたり前かがみになったりした。
 溢れるような蜜がまき絵の唾液とまざり合い、きめの細かい肌を伝って膝の辺りまで降りてきている。
 普段から、どうしようもなく性欲が高まった時には、茶々丸に奉仕させていたエヴァだが、やはり従者にさせるのと下僕にさせるのとでは違うものがある。
 十年以上に渡って禁じられていた快楽に、エヴァは思う存分酔いしれた。
  が、そのうちに一番感じる部分に触れたり触れなかったりするもどかしさが出てくる。
 下僕は従者と違い、自分で工夫するということをまるでしないからいちいち指示しなければいけないが、それもなかなか面倒くさい。
 復帰戦とあってあまり余裕がないエヴァは、とうとう我慢できなくなり、膝でまき絵の肩を押しながら仰向けに倒し、その腹の上に馬乗りになった。
317P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/25 00:45 ID:DyhCt1Bg
 エヴァの『性器をなめろ』という命令を続けようとして首を無理矢理にエヴァの股間に向けようとするまき絵に、「もういい!」と乱暴に叫ぶ。
 両手でまき絵の肩を地面に押さえ付けると、問答無用で唇を奪った。
 すぐさま舌を使うが、命令を与えられておらず、待機状態にあるまき絵は無反応である。ただ少し、息苦しげにするだけだ。これが茶々丸だったら、舌を絡めて相手をしてくれるのだが……。
「ええい、足を上げろ!」
 声に苛立ちを乗せながら、エヴァは言った。
 まき絵は相変わらず「はい」と答えると、寝転んだ状態のまま、両足を棒のようにまっすぐ伸ばしたまま、天に向かって直立させた。
「違う、片足だけだ」
 右と左、どっちをあげればいいのか指示されなかったせいでまき絵は少しの間、パソコンがフリーズするように止まった。舌打ちしたエヴァが左足をぐいっと肩で押すと、そのまま左足を下ろして右足だけを立てる。
 新体操部だけあって、体と足の角度がきっかり90度だ。
 エヴァはいったん、まき絵の体から離れると、やや後ろに下がった。そしてまき絵の、降ろされた左足のももにまたいで座る。
目の前に、柱のように突き立った右足を抱きかかえ、そのまま体を前に倒す。まき絵の柔軟な体はさすがで、ももが腹に、脛が額にくっついた。
 エヴァは、右足ごとまき絵の体を抱え込んだその状態で、微妙に腰の位置を調整し、自分とまき絵の貝を合わせる。
 自我は封じられていても体は多少感じていたらしく、敏感な部分を通じて感じるまき絵の割れ目は、かすかに熱く、うっすらと湿っていた。
 ぴたりと吸盤のようにあわさった性器から、生暖かく複雑な触感がわきあがり、エヴァの背骨の中をぞくりと走る。
 彼女はまき絵の足の美しい形をしたふくらはぎに牙を立てながら、腰を上下させた。
 敏感な粘膜と粘膜をこすりあわせ、快感の凝縮された肉芽同士をぶつけあう。
 エヴァはもちろん、まき絵もまた次第に息を乱し始める。
318P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/25 00:46 ID:DyhCt1Bg
「はぁっ、あ、まき絵、お前も合わせて動け」
 指示を受けて、まき絵が腰をうごめかせる。本人にそんな経験が無いため、いっそうぎこちなく、からくり細工じみた動きだ。
 それでもエヴァは感じているらしく、合わさった部分からぴちゃぴちゃと水音が激しい。
 茶々丸の、人工的なものとは違う生身の女性器は、確実にエヴァを追い詰めていった。
「あああああ─────っ」
 桜並木全体に響き渡るような大声をあげ、エヴァはどさりとまき絵に体を預けた。
 荒い呼吸を整えながら、絶頂の余韻にひたるエヴァ。
 しかし、彼女の表情には落胆の色が隠せない。
 吸血鬼としての本能を余すところ無く満たしたはずなのに、精神的な充足感が得られないのだ。
 下僕とのセックスは、肉体的な快楽は得られても情動の交流が無い。結局のところ、これは下僕の体を使った自慰行為に他ならないのである。
 かといって、吸血鬼という化物を恋人として抱いてくれる男などいるはずもなく、そもそも吸血衝動が性欲と一体化しているため、好きになった相手は下僕にしてしまわなければ気がすまない。
 実はエヴァは、対等の相手と交わったことが無いのだ。
 これが低級な吸血鬼ならば、そもそもそんな高次の精神的欲求などもたないから問題無い。
 なまじ自我を維持している真祖だけに存在する悲劇である。


 服を着終え、エヴァの前で命令を待って立つまき絵に対し、エヴァは言った。
「これから私は三つ数える。数え終えた瞬間、お前はこの場で気絶し、しばらく目覚めない」
「はい」
 現れた時と同様、黒いマントに身を包んで立つエヴァ。少なくとも表面上は、自信と威厳に満ちた顔つきをしていた。
319P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/25 00:46 ID:DyhCt1Bg
「なお、その際ここで行われた私とのやり取りの記憶は一切封印され、お前は一時的に私の支配から脱する」
「はい」
「しかし私からの呼びかけがあった場合は、すぐさま私の下僕としての立場と使命を思い出すように」
「はい」
「1、2、3」
 まき絵は命じられた通り、支柱が折れたようにその場に崩れ落ちた。
 催眠術に似ているが微妙に違う。
 吸血による魅了、すなわち吸血鬼化を伴う精神支配が、深層意識のレベルにまで達しているのである。
「ふふふ、待ってろ坊や。お前の血を吸ってやれる日は近いぞ……」
 含み笑いとともにつぶやいたエヴァは、ばっとマントを広げた。
 風をまき、舞い落ちる桜の花びらを吹き散らしながら、エヴァは満月に向かって飛び立っていった。


   第十六話 終わり



※ 吸血衝動の理論に関するくだりは、古橋秀之氏の「ブラックロッド」(電撃文庫)から思いっきりパクっています。


次回予告!
 のどかを襲う謎の影、それはエヴァンジェリンだった! 魔力を封じられたエヴァを追うネギは、経験の差をなんとか覆して彼女を追い詰める。
 しかし、茶々丸の参戦によって、ネギはついにエヴァの餌食に。もし、明日菜が助けにくるのがもう少し遅かったら……? 乞うご期待!
320P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/04/25 00:50 ID:DyhCt1Bg
むー、どうも難産の話になってしまいました。

>>295
というわけでこの話の中では非処女でつ。

>>301
あんまり期待に添えませんでもうしわけない。これからしばらくエヴァの話ばっかりになってしまうので
そちらでなんとか挽回したいです。

>>座薬 ◆LsUrNEsQeQさん
すぐ後に投稿してしまってすいません。スクナが出てくるまで続けられればいいんですが。
座薬さんに負けないよう、頑張りたいです。
321名無しさん@ピンキー:04/04/25 02:56 ID:lS0rs7od
やー、やはりP.T氏の作品はすげーなぁ。
ネギま!の世界を壊すことなく、しっかりと違和感の無いエロを入れた作品としている。

次回も楽しみでつ。
322名無しさん@ピンキー:04/04/25 05:04 ID:X/tl77XA
P.Tさん。毎度凄いです

ついにエヴァですか。
・・・茶々丸の回はどうするつもりなんだろう
323名無しさん@ピンキー:04/04/25 10:34 ID:fvyhDpHE
>>312
(゚∀゚)bイイヨイイヨー!じっくり仕上げてくれ!
324名無しさん@ピンキー:04/04/25 15:32 ID:K+602L3P
椎名桜子の降臨は、まだかな?
325名無しさん@ピンキー:04/04/25 16:31 ID:I0a4kXo9
とりあえず座薬氏ぐっじょぶ
326名無しさん@ピンキー:04/04/25 20:48 ID:ghqRva0b
亜子さんがパルの血を吸い尽くす展開キボン。
327名無しさん@ピンキー:04/04/25 21:54 ID:C4rIVhbA
>>312
いやいや、それでもすごいですよ。
これからも頑張ってください!!
328名無しさん@ピンキー:04/04/25 21:54 ID:C4rIVhbA
ageてしまいましたスマソ
329名無しさん@ピンキー:04/04/26 07:47 ID:qYG+MZSW
age
330DT60V ◆tsGpSwX8mo :04/04/26 07:55 ID:y3IvrFHF
祝!
人大杉解除おめ!
&職人様方ぐーっじょーぶ!
331名無しさん@ピンキー:04/04/26 22:13 ID:KejO26Ls
【ネギ゙ま!】11番 釘宮円萌えスレッド5【釘男君】
ttp://comic4.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1082553832/255-256
あずまんが大王 3巻 正月話より。
332名無しさん@ピンキー:04/04/27 00:23 ID:ua7BUSIo
>>330
あなたも職人さんじゃないかw
頑張って下さい
333名無しさん@ピンキー:04/04/27 05:48 ID:X0r/LWy9
P.Tさんと座薬さんはホームページ作らんのかのぅ?
パルは味方殺しwしちゃった訳ですが…これが如何繋がるのか期待です。

P.Tさんの次回作はエヴァ様本番ですか。
震えて待ちます。
334座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/04/28 21:07 ID:2mwnEuiT
内容は鬼畜なので苦手な方はスルーしてください
なんか、難しいかと思っていたら意外と早く書けました……
レスくださった方ありがとうございます

P.T ◆3QNEGIp2Uc氏GJ!
「if」ではなく、エヴァは本当にそういうことをしてそうですねw
―――って、電撃文庫読まれるんですか! *― ―) 
俺も読んでますよ! 古橋氏のは読んでないけど……
……すみません、特にオチはないです

>>333
;― ―)作る予定はないですね……
「ん?」
「どーしたの? アキラ」
 明石裕奈と大河内アキラはやはり無人都市の結界によって臨時寮から追い出され、チャオから
連絡を受けた後はそのまま無人都市から離れつつあった。目的地はまき絵がいる別の臨時寮で
ある。他にも長瀬楓や鳴滝姉妹、長谷川千雨、龍宮真名がその寮にはいるはずだった。
 アキラと裕奈は今晩をまき絵の部屋で過ごすことに決めていた。無人都市の周辺でいるクラスメ
イトに比べてずいぶん早い決断だったが、妙な事件が相次いでいる今日、仲間同士で久しぶりに
夜を過ごしたくなったのである。亜子がいないのが寂しい。
「いや、ちょっと……」
 目を擦りながら、アキラは裕奈を見る。
「今、ネギ先生が……杖に乗ってふらふらと空を飛んでいた……」
「え、えぇっ!?」
 裕奈も驚いて上空を見上げたが、ネギの姿はない。
「……いくら何でも気のせいでしょ」
「そうだな。少し疲れているのかもしれない。まき絵のところに早く行こう―――」


 ………………………………
 ………………………………………………
 ………………………………………………………………


          *

 のどかの身体がハルナの牙に支えられたまま脱力し、そのまま鬼蜘蛛のボディをごろごろと転
がり落ちていったとき、亜子は蜘蛛の舌による責めに悶えていた。
「はぁ、はぁ、あっ! あっ、ああ、あああ……や、めて……お願い…ひゃっ!? あっ、あ―――」
 甘い飴を舐めているように亜子の全身を舐めてくる蜘蛛たちの舌(?)が、媚薬で敏感になった
触覚をびりびりと痺れさせる。蜘蛛の呼気と無数の舌の感触に肉体を嬲られながら、亜子は生臭
い塊が這う顔を切なげに歪ませて、抵抗する意思に反して甘い声を上げずにはいられなかった。
「ひうぅ、ひうぅ、ふっ、う―――はあっ、ああっ、あっ、はぁはぁはぁはぁ、は、あ、あっ!」
 耳の後ろを舐めているびちゃびちゃという音を聞きながら、亜子の口から精液が混じった唾液が
顎に垂れ落ちていく。胸の肉山はまるで母乳をねだられているように蜘蛛たちに吸われ、乳輪か
ら乳首の先にかけて這いまわる舌の感触と、乳房にかかるプレッシャーが快感に変わってじわじ
わと亜子を温めていく。おへその上を舐められたり、脇の下にキスをされたりするような、くすぐっ
たさ以上快感未満の感触も少しずつ積み重なっていくと、敏感な箇所の愛撫に連動して性感へと
変質していった。


(はあ、はあ、はあ、はあ……そ、そんな……そ、そこは―――っ!?)


 皮膚が裂けて再生した歪な痕跡に、唾液がべろべろと塗りたくられた。脇腹の大きな傷跡に這い
まわる舌が生み出してくる甘い刺激に、亜子は自分の肉体を信じられなくなってしまう。
「うっ……はぁっ、あ、あっ!」
 ゾクゾクと身体を駆け巡る感触が、亜子の身体をくねらせる。そんな箇所を責められてまで感じ
てしまうほどに、亜子の肉体は昂ぶっているのだろうか? 


(はあ、はあ、はあ、はあ……それは……それは、ゼッタイに嫌や……!)


 醜い傷痕に対して亜子が普段から抱いていた感情、そして傷痕への愛撫で感じてしまうという認
めたくない事実が、快楽に半分溶けかかっていた亜子の意識を復活させた。
「ふっふっふ、亜子ちゃん、苦しそうだねぇ。どう、言う気になった?」
 唇に付着した血液を手で拭いながら、ハルナはゆっくりと目を細めていた。亜子の目に映ったハ
ルナは勝者の笑みを浮かべていたが、少し雰囲気が変わった気がする。理性のパーツが欠けた
ように表情は安定せず、スケッチブックを恋人のように抱き締めている。そもそも唇の血は誰のモ
ノなのだろうか?
「う、うぅっ……」
 追い詰められ、それでも亜子は首を横に振った。
 亜子の中の良心に似た何かが、頑なにハルナの問いを拒絶していた。
「ふん、まあいいよ。もう雑音もないし、わ、私の傑作の鬼蜘蛛ちゃんで、たっぷり調教してあげる。
うふ、うふふ……うっふっふ……ど、どいつもこいつも、私のスゴさが、分かってないんだから……
亜子ちゃんにはそれも、たっぷりと教えてあげるからね……もう、私の足をぺろぺろ舐めて私を
崇めるぐらいに狂わせてやる……後で、私をバカにしたのどかも―――」
「………?」
 亜子にはハルナが、なんとか感情を安定させようとしているように見えた。
 のどかと何かあったのだろうか? まさか仲間割れなのか?
 亜子のぼやけた頭に、いくつか説が浮かぶ。
 その盲信する強力なアーティファクトをバカにされたのか。
 もしかしたら、ハルナの評価はアーティファクトに集中して、ハルナ自身はそのオマケと周囲から
見なされていて、ハルナもそれを感じ取っていたのか。
 それとも単に、画力やアイデアが重要なアーティファクトを使ってみて、才能の限界を感じていた
のか。
 画才のない亜子にはハルナのことは欠片も分からなかったが、何となくそんな考えが浮かんで
は消える。
「とりあえず、思いっきり焦らしてイかせちゃってよ―――」
「!」
 ハルナの一言に亜子の表情が強張った。
「ふっ、くうっ、こ、このっ……っ!」
 手足をばたつけせて、唾液でてらてらと光る身体をくねらせながら蜘蛛の舌地獄から脱出しよう
とする亜子だったが、タイミングを見計らったかのように同時に手足を掴まえられてしまう。抵抗の
動きはほんの数秒で封じられた。
「そんなっ、あっ、ああっ、もう、もう嫌やあっ! ふう、うっ、うあっ、はあぁ!? あ、あ―――」
 大の字になった亜子の肉体に、むしゃぶりつく蜘蛛たちの舌の動きが激しくなる。肛門に捩じ込
まれた舌の先が、まるで穴を広げるように亜子の排泄口の内側をなぞってきた。茶々丸に陵辱さ
れて以来、わずかに開発されていた性感と、尻の穴を舐められるという羞恥が亜子から考える力
を奪い、屈服の二文字を意識に刷り込んでいく。
「ううっ、ああっ、いや、あっ、あ、あ、はぁぁ、やっ、あ、ああ―――っ」
 鬼蜘蛛たちに身体中をべちゃべちゃ舐められ、敏感な部分を甘噛みされて送り出される刺激
に、亜子は頭がおかしくなりそうだった。動かせない手足がもどかしい。赤い瞳は既に輝きを失
い、磨耗した精神を代弁するように濁ってきている。拘束されて自由を失った亜子は最早、吸血
鬼として抵抗することもできず、飢えた猛獣に味見されている涎塗れの肉の塊だった。
「はあ、はあ、あ、あ、はあああ、あ、ひゃあ、あ、ふぁあ、あ、ああ、あ、あ、あ、あ―――」
 足の裏に塩水を塗って一晩中山羊に舐めさせ続けると、あまりのくすぐったさに人は発狂してし
まうという。そんな物騒な話を昔どこかで亜子は聞いた気がしたが、この状況ではそれは本当かも
知れないと思う。媚薬で敏感になった肉体に蜘蛛の舌が這いまわると、神経を直接愛撫されてい
るかのような痺れと寒気と快感が、足の指の先から頭の天辺まで暴れ狂って亜子を苦しめてくる。
 もし、媚薬に狂った状態で一度でも絶頂に達してしまうと、後はろくに抵抗もできずに堕とされて
いくだけになる。そんな確信に近い予感が亜子の中に存在していた。


(……はあ、はあ、あ、あかん、ダメ、ガマンせな、でも、でも、い、イってまう、い、イって……)


「あ、ああん、あっ、あ、あ、あ、あ、あ、あぁ―――あぁ―――あ、あぁ―――」
 だらしなく開いた口から漏れ出す声は、もう余裕の欠片もない。肉体の中で溜まった熱は出口を
求めて暴れながら、絶えず送り込まれる燃料によってさらに熱く燃え上がった。亜子の淫裂から漂
う牝の匂いが意志に反して陵辱者を誘い、肌に浮き出た異常な量の汗と蜘蛛の唾液が混じった
滴が、肛門を責める蜘蛛の上にぽたぽたと落下する。


(……はっ!? そ、そこはっ……あ、あ、あ、あっ! も、もうダメや―――っ!)


「ひぃ、あ、あ―――、はあ、ふぁああ、あぁ―――、あ、ぁ―――ひっ、ひやああああっ!」
 今まで一度も触れられなかった淫裂に蜘蛛の脚先が数本伸びる。足が左右に広げられた状態
で、性器までもが左右から広げられ、股間に肉色の泉がぱっくりと開いた。固い蜘蛛のつま先
(?)が陰唇の中に少し入ってくちゅくちゅと掻き回してくる。今までの責めとは異なる直
接的な責めに、亜子の意識は急速に形を失って霧散し、甘い悲鳴が口から勝手に漏れていった。
「はあぁ、あ、あっ、ああ、あっ、ああっ、ふぁあっ、あ、うっく、うぅぅ―――っ!」
 クリトリスをぐりぐりと乱暴に弄られて、心を支えるべく張り詰めていた糸がぶちぶちと切れてい
く。長時間溜めていたモノが一気に噴火しようとする感覚が、うずく股間に浸透していく。亜子は甘
い声を上げて快感に震えながら、とろけた赤い瞳で責めの続きを乞うた。蜘蛛たちは舌や脚を動
かして亜子を責め続け、亜子も抵抗も忘れてそれを受け続ける。亜子の肉体は蜘蛛の責めに反
応して淫らにくねり、顔には悦びの色さえ見られた。
「あ、あ、あ―――ふ、ぁあ――――――っ!」
 亜子の肉体がびくんびくんと震えて、淫裂が勢いよく潮を噴いた。天国に来たような開放感が肉
体に広がっていく。とろけた赤い瞳を悦びで一杯にした亜子が、放心状態のまま地面に放り投げ
られる。しかし転がっても、ぴくぴく震えながら、媚薬の効果で倍増した絶頂に浸って動かない。
「ふふふ、まだまだこれからよ。最初にお腹一杯にしてから、思いっきり飢えさせてやる―――」


          *


「あ、アスナさん!?」
 雪広あやかは交差点の向こうに神楽坂明日菜の姿を見つけて、驚いて声を上げた。
「え? どこですか?」
 セグウェイに乗った葉加瀬聡美が目を凝らすが、それらしき人影はいない。
「お、おかしいですわ……確かに」
「アスナさんは麻帆良大学附属病院に入院しているはず、見間違いじゃないですか?」
「う、うーん」
「それより早く、チャオたちと合流しましょう。那波さんや綾瀬さんもいっしょらしいです」
 あやかと聡美は、無人都市の円周をなぞるように移動していた。


          *


「……あ、うあ…………」
「休むのは早いよ。むしろ、こっからが本番」
 鬼蜘蛛がだらりと手足が垂れ下った亜子を持ち上げ、お尻を掴んで欲望で満ちた肉の塊に引寄
せる。亜子のお尻の割れ目からは蜘蛛の唾液が滴り落ち、穴は舌でほじくられて責めの前より大
きくなっていた。べとべとした亜子の肉体を自らの巨躯に座らせるように、鬼蜘蛛は亜子をゆっくり
と降ろしていく。震えるお尻の割れ目に、どす黒い蜘蛛の巨根がぴとりと触れた。
「ひあっ!? な、な……! お尻……!?」
 亀頭の先が亜子の尻の穴に、挨拶と言わんばかりに密着する。亜子の肉体がびくりと震えて手
足が激しく動いたが、その暴れようは哀れなほどに弱い。
「やっ! やあぁ……! やめて、お願いや、今……今突っ込まれたら…・・」
 惚けていた亜子の顔が、一気に恐怖に染まる。しかし亜子の尻の穴は太い亀頭のサイズまで拡
張され、唾液を潤滑油にして巨根をずぬり、と一気に呑み込んだ。
「お゛あ゛あ゛あ゛ぁ――――――っ!」
 獣のような悲鳴を上げる亜子の肉体が、尻にねじ込まれた肉棒によって前後する。腸壁を抉ら
れる度に、排泄物が戻ってくるような違和感とぞくぞくする快感が亜子の肉体を駆け巡っていく。
地面についた足には力が入らず、そのままもつれて蜘蛛に支えられてしまう。亜子の赤い瞳から
涙が溢れ、なお美しさを失っていないピンク色の突起が上下に揺れた。
「あ゛っ、ああ、あっ、あ゛あ゛、あ゛っ―――お、お尻がぁ……」
 助けを求めるように前に差し出された亜子の手が、虚しく空気を掻いた。亜子の尻を犯す鬼蜘蛛
はずん、ずん、ずん、ずん、と尻に肉杭を打ち込んで亜子の肉体を嬲りながら、亜子の肩などを脚
で押さえてさらに深くねじ込もうと力を込める。
「あっ、あ、あっ、あ゛っ……うぅ……くぅっ! うぅ―――」
 ガタガタ震える足で身体を支えた亜子が、身体中のバネを使ってなんとかに肉棒を尻から抜こう
ともがき始める。鬼蜘蛛は嘲笑うようにそれをあしらうが、亜子は脆弱な抵抗を続けていった。
「ひいっ!? そ、そんな―――」
 その亜子の目の前に、別の鬼蜘蛛が肉棒を聳えさせて迫ってくる。まるでカツを2枚のパンで挟
んでサンドイッチを作るように、亜子は肉の凶器を持った2匹の鬼蜘蛛に挟まれた。
「いやあ、いやっ! いやああああっ!」
 手足を倍以上の本数がある蜘蛛の脚に捕らえられ、亜子は尻を犯されたまま前方の鬼蜘蛛に
性器を晒す形になった。何度目かの絶望に歪む亜子の顔に鬼蜘蛛の巨躯が被さって、そのまま
肉棒を亜子の性器に思いきり突っ込んだ。


「いやあ゙あ゙あ゙ぁ――――――――――――――――――っ!」


 悪夢の女子寮事件から一週間、亜子は真祖の潜在力を持った吸血鬼に生まれ変わった。
 しかし、その力も使えないまま、再び陵辱という形で乙女の華を無惨に散らしていった………




 ≪to be continued≫
343座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/04/28 21:17 ID:2mwnEuiT
「この長編SSは一応、最初から亜子たんがメインです」などと言いつつ
ではまた
344名無しさん@ピンキー:04/04/28 23:03 ID:gvj7v/lG
(;゚Д゚)ォ(;0Д0)オオオオ(;0Д0)才才才才才才…
345ななし:04/04/29 01:15 ID:cpTy9UXC
だんだん神懸かってきた座薬たんの小説。
結末は?亜子たんの未来は?葱は?アスナは?
様々な期待を抱きつつ…

乙です!
346名無しさん@ピンキー:04/04/29 04:34 ID:91oPcr94
最後はどうか亜子たんが救われますように(-人-)ナムナム
347名無しさん@ピンキー:04/04/29 15:36 ID:lPIgjP51
/i /{/'⌒'}  }}Y/ / ,r-、ヽ,  /
 ノ、|、ヾ_,,ノ  ノ ノ{ ヾ {^')) }フ/ /          _/
   \ヽ、    彡'`、、  'ー' ノ //",,゙ """ /    ヽ 
 ヽ-、ミ‐-、、 、,r=‐'¬ー=、、,-‐'_ ヽ、    /ノ     / 『味』 ウ・  こ
 ミ/   ~          ̄ノ /\   /彡 ""  |/   だ  ソ・  の
  /   ,'    u ∪   ! ヽ  | i、゙ー''"彡     /|   ぜ   を・  味
  、、∪ / ノ /  _,,,...-‐‐ニ=,ノ,,/ ヽ、,,_ \   ,イ / |    :  つ・  は
  ニ、=!, l_. レr=-ニ二、,,,.-'"    ー、==-ヽ'"/ / ヽ   :  い・
  、(・,)>ノ⌒  ∠,(・,)_く  ゙`   ヽ゚ノ`ー=、_ /// ∠   :  て・
    ̄/""゙   ヽ ̄ ̄  \ヽ      ̄ ̄ //   ノ     る・
  u 〈  、     u   (ヽ          //     ̄ノ
    ヽ -'   lj     >、       //  /    ̄ヽ、
    /ヽー‐ 、      /'"´ 'i     //  /       ∨ヽ/
    ^゙"⌒ヾ、     ,i|  ,"__}    //  /  /
    ー-  -      ヽ_人`'′ //  /  /
               / i'゙' /-─‐‐''/_/_
   、         _/-‐ヽ、___,,,, -‐‐  ̄
   ー-、、,,__,-‐'//ノゝノ ノ  ヽ\
348名無しさん@ピンキー:04/04/30 15:03 ID:PmwNVouC
ここまでいろいろ書かれているのに
ザジが一度もでてきてないよ
349名無しさん@ピンキー:04/04/30 16:00 ID:EJf4YalF
さよと四葉も出てきてないのではないかな?
どっちにしても目立った出番もセリフもないキャラでは動かしにくいだろ。
350名無しさん@ピンキー:04/04/30 17:00 ID:ZLeU+7jN
セリフないんなら無言でヤラレjなんでもなiですないんでもないです
351名無しさん@ピンキー:04/04/30 17:12 ID:PmwNVouC
いやホント、オレもそういうの希望してんのよw
ザジなんか特にそんなシチュエーションが
ぴったり
352名無しさん@ピンキー:04/04/30 18:43 ID:bI8wgZjs
さよは既に机消滅にて成仏済
353名無しさん@ピンキー:04/04/30 21:19 ID:b+EDjwmq
亜子さんを助けにさよさんがやってきます。

「もう見てらんない」とばかりに亜子さんにとりついてあやつってみたり。
354名無しさん@ピンキー:04/05/01 01:20 ID:SG0lYfZ4
みんな、神懸かり的な陵辱の嵐に壊れかけてるなw
355名無しさん@ピンキー:04/05/01 10:05 ID:UXCaAXrs
最後はバッドエンドだと嬉しい
最高に後味悪いのキボン
356DT60V ◆tsGpSwX8mo :04/05/01 18:56 ID:8JHcDXB0
>>座薬様
乙ぐっじょぶ!
人大杉中に話がかなり進んでしまいましたが、
よくこれだけの話が出来ますなあ・・・。
感服いたしますです。
もうすぐ終わっちゃうみたいですが、
亜子が蜘蛛に犯されたまんま壊されちゃって終わりなんでしょうか?
う〜ん?

>>P.T様
あやつられまきまきぐっじょぶ!
続きのエヴァ編も期待しております。
あやつられ4人娘がネギ(Orエヴァ)をどう犯す(とは限りませんが)のか・・・。
今から非常に楽しみです。

当方ですが、元々いた会社がやばくなる前に転職して今度は
土日祝日が休みになったので続きでもやりましょうか・・。


357名無しさん@ピンキー:04/05/02 01:29 ID:fNy0QA8C
ダレカ椎名桜子を主役にした小説を書いてくれる職人様は居ないでしょうか?
358v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/02 20:25 ID:ZrLwZjfR
ぼちぼち再開しようと思ってます。
でも、前振り、書き変えた方がよさそうな気が…
359名無しさん@ピンキー:04/05/02 22:06 ID:nkQlQkJk
>>358

カモーン!!
エヴァたんですか?
360P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/05/03 00:25 ID:ZFdg8hQa
ifネギま! 〜 一話一妄想 〜


第十七話



 まき絵とのどかを襲ったエヴァンジェリン。それを追うネギは、魔法を駆使して彼女を追い詰めることに成功した。しかし、エヴァは従者・茶々丸の援軍を得、逆にネギを追い詰めてしまう。エヴァは自らにかけられた呪いを解くため、ネギの血を残らず吸おうとするのだが……。

 茶々丸にガッチリと押さえつけられたネギに、エヴァは横から抱き付いた。
 カァーっと口を大きく開けると、狼のような長大な犬歯が、血に飢えた白い姿を見せた。
「……悪いが死ぬまで吸わせてもらう……」
 死の宣告と共に、ネギの首筋にエヴァの熱い吐息がかかった。
 必死で逃れようとするも、茶々丸の拘束は鋼のようで、ろくに身動きできない。
「うわあ〜〜〜〜ん、誰か助けて〜〜〜〜っ」
 目前に迫った逃れ得ぬ最期に、ネギは目尻に涙を溜めながら悲痛な叫びをあげる。
「ん……」
「うあっ」
 カプッと、エヴァは牙を突きたてた。
 反射的に叫んでしまったネギだが、予想していた痛みはなかった。ほとんど無痛……どころか気持ちがいい。
「あう、あっあぁ……あ」
 ネギはまるで、愛を受けている時の少女のような声を出してしまう。
 明らかに、噛み付かれた首の付け根から血が吸い取られているのがわかるというのに。
 血と一緒に、抵抗する力と心まで奪われているかのように、ネギはへなりと脱力した。
 もはや何をしようと為すがままという状態になったそのとき、エヴァの動きがはたと止まった。首筋から、口を離す。
「……?」
 吸血による脱力で半分夢見心地だったネギが、不審げにエヴァの様子をうかがう。
 彼女は顎をひき、ネギの体の下の方をじっと見つめている。
 その視線を追ってみると、そこには高くテントを張って己の存在を誇示するネギの股間が。
「ああっ」
 ネギは顔を真っ赤にした。
361P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/05/03 00:26 ID:ZFdg8hQa
 どうしてこんなみっともないことになったのかわからずあたふたと手足をバタバタさせたが、茶々丸の拘束は微動だにしない。
 あわてふためくネギとは対照的に、エヴァはしげしげと彼の股間を見つめ続けている。
 血を吸われた相手が、男女を問わず性的興奮の兆候を示すというのは、エヴァにとってはごく当たり前の現象である。
 吸血には感染をともない、血を吸われた相手が吸血鬼化してしまうのは周知のとおりだが、これは別の面から見れば、遺伝情報の入力といえる。
 吸血鬼の吸血とは、仲間を増やすセックスに他ならない。
 だから吸血鬼の犠牲者は、血を吸われている時は恍惚としているのだ。
 さて、ネギの股間を凝視していたエヴァは、顔をあげると、なにやら意味ありげな笑みを浮かべた。
氷のような冷たい微笑であるが、瞳の奥にいたずらな輝きがある。
「おい坊や、チャンスをやろうか?」
「え?」
 聞き返すネギに、エヴァは彼の膨らんだ股間をぎゅっと掴んで言った。
「はあうっ」
 腰から背中に抜ける甘美な神経の震えに、ネギは少女のそれと区別のつかない声をあげてしまう。
「実はな、魔力のこもった体液なら別に血である必要はないんだ。精液でもいい。いや、いいどころか、血液の何倍も効力がある。生命力の塊みたいなものだからな」
 股間を揉みながら語るエヴァ。
 ホムンクルスの製造や、マンドラゴラの発生に精液が使われることはネギも学んでいるが、今はそれどころではない。
 悶えるネギに、その幼い体格からは想像もつかない嫣然たる笑みを向けながら、エヴァは続ける。
「そこでだ、血を吸う前に、お前の精液の方を先にもらってやろう。もしかしたら、失血死する前に足りるかもしれないし、血を吸うまでもないかもな」
「ああ……でも……」
 顔を真っ赤にして、もごもごと言うネギ。しかしエヴァはそれを無視してその場にしゃがみこむと、手早くネギのズボンをトランクスごとひきずり降ろした。
362P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/05/03 00:27 ID:ZFdg8hQa
「ひゃあっ」
 羞恥の声と共に、ネギのすでに大きくなったペニスが勢いよく飛び出す。
 服に押さえ込まれていたのが急に解放されたため、勢い余って上着にぶちあたった。そのあと、ぶるんぶるんと上下に揺れたあと、110度くらいの角度でそそり立つ。
「ほう……」
 ネギのその部分を目の前にして、エヴァは笑みを浮かべながら、感心した声を出した。
「さすがに父親に比べれば劣るが、十歳にしてはなかなかいいモノを持っているじゃあないか」
 からかうように言われ、ネギは赤い顔を一層赤くして、顔を背けた。エヴァの言葉がさりげなかったせいか、何故彼女がサウンザンドマスターのその部分を知っているか、ということには気付いていないようだ。
 エヴァの言う通り、ネギの性器は立派なものだった。
 長さ・太さ共に太いマジックペンほどもあり、大人サイズというにはやや足りないが、十歳の少年としては充分過ぎるほどである。
 陰毛も生えていないのに亀頭は完全に露出していた。竿には青い血管が愛撫を求めるように脈打ち、先端からは滴がしみだし、完全に戦闘態勢である。
「まだ精通を迎えていなかったどうしようかと思っていたんだが、これなら大丈夫そうだな。ん? もう出るんだろう?」
 幹を軽く握って、上下にシュッシュッと小刻みに動かしながら、エヴァは言った。
「はぁぁっ、だ、だめぇぇ!」
 恥ずかしい部分に、未だかつて感じたことのない刺激を与えられ、ネギは体を左右によじった。
 エヴァの小さな手に掴まれたペニスが、さらなる愛撫を乞うてビクビクと震えている。
 亀頭の裏側を、親指の腹でぐりぐりと押すと、それだけで先走りがあとからあとからあふれてくる。
「なんだ坊や、ちょっと敏感すぎるぞ。ひょっとして自分でしたことないのか?」
「はううぅ、じ、自分でって……?」
「自分の手でこうやった経験はないのか」
 エヴァはもう一度繰り返しながら、竿を包んでいる手にぎゅっと力を込めた。
「くあっ」
 ネギは鋭い悲鳴をあげた。
 と同時に、ぱんぱんに張りつめていたペニスが、爆発する。
 先端から水鉄砲で発射されたみたいに勢いよく吹き出した精は、空中を一直線に飛んで、狙ったかのようにエヴァの額を直撃する。
363P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/05/03 00:28 ID:ZFdg8hQa
「うわ、ちょっと早すぎるぞ。それにもったいない」
 エヴァは不満そうな顔と口調で、前髪から鼻の頭にかけて飛び散った、ねばついた白い液体を手でぬぐった。
 ぬぐった手を口元にやると、赤い舌を伸ばして、自分を汚したものをなめ取った。
 一口精液を喉の奥に送る度に、エヴァの表情が恍惚に染まる。
 あたかも酒、媚薬、あるいは麻薬を口にしているかのように、瞳は熱くうるみはじめている。
 顔についたネギの精液のほとんどを自分で処理したエヴァは、唾液まみれになった手を見ながら、くっくっくと笑った。
「濃いな……素晴らしく生命力が濃縮されている。極上の栄養剤だ。やはりサウザンドマスターの血縁は違う!」
 ぐっと顔をあげると、ネギは激しい射精の影響で胸で呼吸をしているが、股ぐらのものは対照的に元気一杯である。
 幼い年齢に似合わぬ威容を誇るだけあって、一回出したくらいではまるで疲れを見せていない。
 先端にいましがた放出した精液をこびりつかせたまま、硬く、太く、長く、急角度でそそりたっている。
「ふふ、嬉しいぞ。まだまだ味合わせてもらうからな」
 エヴァは男心をぞくりとさせる、官能的ながらも底に冷たさを秘めた声で言った。
 エヴァは再びネギの肉棒を掴むと、いきなり亀頭をぱくりとくわえた。
「ああっ、そ、そんなこと……」
 手のひらで包まれるのとは一味違う感触に、ネギはがくがくと身を震わせた。
 エヴァはまず、亀頭周辺の射精の残滓を舌できれいに掃除したあと、尿道に残ったものを強く吸って飲み込んだ、
「ひぃあっ!」
 強すぎる刺激にネギが悲鳴をあげる。
 口の中のものが少し柔らかくなってしまったのを感じ、エヴァは経験の浅いネギの亀頭を責めても痛がるだけだと判断する。
 彼女は戦術を変え、敏感な先端は柔らかい唇で優しく包んで愛撫するだけにとどめた。そして竿を掴む手のほうを忙しく動かしだす。
「あ、そんなことされたら、うあっ、あ、はぅぅぅ」
 ネギのあえぎ声を聞き、手と口でペニスの反応を捉え、どのくらいの刺激が最適か、どこが一番感じる部分なのか、あたかも楽器を調律するように探り出していく。
 幼い少女に似合わぬ、それでいて永い時を生きてきた魔物に相応しい、熟練した手つきである。
364P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/05/03 00:29 ID:ZFdg8hQa
 あっという間にネギの弱いところを発見したエヴァは、両手の十本指を巧みに使って撫でまわし、こすり、指圧し、くすぐり、揉み、さらには舌も動員して肉茎を刺激してやった。
「あーっ、あっ、だめ、だめ、やめてぇっ」
 あまりに強い性感のためか、それとも未知の感覚に対する怖れか、涙をポロポロと流して首を振るネギ。
 しかし痛みを感じているわけでないことは、嬉しそうにエヴァの愛撫を受ける肉棒を見れば明白である。
 表面を指先と舌が這いまわる度に、ビクンビクンとネギのペニスが脈打つ。
 限界まで溜まった快楽が溢れ出るかのように、亀頭から先走り液が噴き出す。
 竿を両手で上下にしごきつつ、玉袋をひとつずつ口に含んで舌先で転がしてやると、ネギは「ああああああああああっ」と一際大きな声をあげた。
 エヴァはその小さな口に、さらにもう一個の袋を無理に押し込めると、舌と顎をうまく使って、二つの玉をコリコリとこすり合わせたりする。
「ひぃぃっ、そ、そんなことしないでぇっ!」
 ほとんど叫び声になっているが、過激なまでの官能の中に、甘い痛みが混じることで、一層彼は高まってしまう。
 もうそろそろいい頃だと判断したエヴァは、口から袋を出すと、再びペニスを頭から加え込む。
 左手で睾丸を甘く掴み、右手で根元の方を上下にしごきつつ、唇を強く合わせて竿を締め付ける。舌先で優しく粘膜を愛撫しながら、顔を前後させた。
 性器の全てが複合的な攻撃にさらされたのである、ネギはかすかな抵抗さえ許されず、二度目の絶頂へと引きずり上げられた。
「うああああああああーっ」
 絶叫と共にペニスが脈打ち、一度目をはるかに優る量と勢いで、エヴァの口の中に精液が放出された。
 喉の奥を撃ち抜かんばかりの射精を、エヴァはうまくむせないように受け止めると、出される先から飲み干していく。
 ネギの射精は十秒近くにも及んだが、エヴァはそれを一滴残らず味わい、嚥下してしまった。
「ん……」
 ようやく射精が終わると、エヴァはちゅっと音を立てて残りを吸い取り、亀頭についたものを舌できれいにする。
 射精直後の敏感になった部分を直接刺激され、ネギは息を切らしながらも「あっ、あっ」と声を出した。
365P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/05/03 00:30 ID:ZFdg8hQa
 やがて、エヴァは名残惜しげに顔をネギの股間から離すと、ゆっくりと立ち上がる。
 連続した絶頂のせいで、ネギはあまり頭が働かない状態だが、目の前に立つエヴァの姿を見てふと気付く。
 彼女はあまりに白い肌をしているためか、夜景を背景にすると、肌の表面が燐光を放っているように見えるのだが、その淡い光に、一層の生気が宿っているように見えたのだ。
「んんむむむ〜〜〜〜んんんんん」
 と、エヴァは唸った。
「予想通りサウザンドマスターの息子の精液はなじむ。この呪いを解くのに実にしっかりなじんで魔力が今まで以上に回復してきたぞ」
 見開いた目と、剥かれた牙をギラギラと月光に光らせ、エヴァは悪魔のように高らかに笑った。
「なじむ。実になじむぞ! フハハハハハハハハハ!」
 ここでエヴァが血が出るほど頭をかきむしったりすると別の漫画になるのだがそうはならず、彼女はネギの首に抱き付いた。
 恋人同士のようにネギの頬に熱烈なキスをすると、その耳元に囁く。
「くくくくく、感謝しているぞ坊や。だが、もっとだ」
 魅惑的な仕草で恐ろしいことを言われ、ネギは二つの意味で身を震わせた。
「ああ……エ、エヴァンジェリンさん、もうやめてください……」
 弱々しい声のネギに、エヴァは答えず代わりに股間のものを握った。
「あっ」
 さすがに完全に勃起していないが、あれほどたっぷりと出したにもかかわらず、再び鎌首をもたげつつあった。
「思った通りだ。サウザンドマスターの息子ともあろう者が、この程度でギブアップするものか。本番はこれからさ。茶々丸!」
 エヴァはネギに抱き付いたまま、茶々丸に指示してネギをその場に仰向けに寝かせた。
 もう抵抗する力も意志も失われているにも関わらず、エヴァはネギに自分の立場を教えるためと、彼の両手をバンザイさせた状態で茶々丸に押さえつけさせている。
 エヴァはそこで、着ていたワンピースの下着を脱いだ。
「エヴァンジェリンさん!? な、何をするんですかっ」
 手と口とはいえ、あれだけ激しく性の手ほどきをしてもらったにも関わらずネギは純情さを失っておらず、夜景をバックに白く輝くエヴァの全裸から顔を背けた。
366P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/05/03 00:30 ID:ZFdg8hQa
 一方エヴァはまるでそんなこと気にしておらず、それどころか、妖しい少女の色気を誇示するかのように腰に片手を当て、脱いだ下着を茶々丸に渡しながら傲然とネギを見下ろす。
「何って……まあ私も久しぶりだから、いろいろやり方を変えてみようと思ってな」
 そう言うと、ネギの腰より少し下、太ももの辺りに馬乗りになる。
 半勃ち状態のペニスを掴んで上下させながら、艶っぽい瞳でネギに笑いかけた。
「精液の礼にな、お前の童貞も貰ってやろう」
「え?」
 ネギが意味を理解するより先に、はやくも回復し、威容を取り戻したネギの肉棒の上に、エヴァは勢い良く腰を降ろした。
「んあっ」
「ふあああぁぁぁぁぁ」
 エヴァの鋭く短い声と、ネギの引き伸ばされた声が同時に流れた。
 ネギは手とも違う、口とも違う、ずっと熱くて複雑な形状のものが自分の快楽を受ける器官を包んだのを感じて、背をのけぞらせる。
「あ────、あ────」
 呆けたような表情と声のネギ。大きな声を出すには少々疲れていたが、先ほどの濃厚なフェラにも優る性感に、声を出さずにはいられなかった。
 股間から発し、腰椎と背骨を通って心臓を経由し、脳を侵す強烈な快楽に、ネギは身をよじる。
 しかし、感じているのはエヴァも同じ、いやむしろ、彼女の方が激しく官能に翻弄されていた。
 一気に奥まで挿入し、そのままブルブルと小刻みに震えるエヴァは、全身を真っ赤にしたまま動かない。
 歯をぐっと食いしばり、両手の拳を硬く握り、目を強く閉じて、心の準備を遥かに超える衝撃をやり過ごそうと、必死で耐えていた。
 やがて、挿入による第一の波をなんとか我慢したエヴァは、大きくため息をつく。
 生のペニスを挿入するのは、エヴァにとってもそうとう久しぶりのことだ。うっかり一息に根元まで入れてしまい、あやうくそれだけで達してしまいそうだった。
「ふう……挿れてみると………改めて子供のくせに立派だな」
 額に汗しながらも、強気な笑みをエヴァは見せた。
367P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/05/03 00:31 ID:ZFdg8hQa
 対して、ネギの方は情けない声を出している。
「あうぅ、そんなに強く締め付けないで……」
 経験を重ねているとはいえ、エヴァの体は十歳の少女のそれである。
 多少拡張されてはいるものの、大人並の性器を持つネギにはエヴァの膣は充分過ぎるほどにきつい。
 痛みを感じるほどにぐいぐいと握り締めてくるのだが、先ほどから過激な『教育』を受けているネギの肉棒は、それすら快感に感じはじめていた。
「動くぞ」
 一方的に宣言したエヴァは、両手をシャツを着たままのネギの胸に当てて、最初から勢いよく腰を揺すり出した。
「くああっ、あっ、あっ、あっ強すぎる! やめてよエヴァンジェリンさんっ!」
「ん、はぁっ、は、あっ、あう、奥にっ、あっ、いいっ!」
 挿入する前から充分に湿っていたエヴァの秘裂だが、さらに止めど無く潤滑液が溢れ出してくる。
 その量たるや、静かな桜舞う夜に一際大きな水音が響くほどだ。頬を紅潮させ、何かにとりつかれたように腰を振るエヴァの、快感の大きさを物語っている。
 いろいろしてみると言った通り、エヴァは手を後ろについて大きくのけぞり、あるいはネギの胸に顔を埋め、左右に角度を変え、さまざまな方向からネギのペニスを責めたてる。その間、一時もピストン運動は休まない。
 エヴァの狭い膣の中で、あっちへよじられ、こっちへ曲げられ、ネギの肉棒は散々に責めぬかれた。
 ネギは頭の上で両手を茶々丸に押さえつけられたまま、いわゆるマグロ状態でひたすら悲鳴とあえぎ声とを交互にあげている。
 強姦とも言える一方的な陵辱がしばらく続いた後、エヴァは再び、ネギの胸に両手をつく態勢に戻った。そして、それまでを上回る勢いでスパートをかける。
 歯を食いしばり、すでに余裕を失った顔のエヴァ。その顔は、苦悶しているようであり、快楽に身を投じているようでもある。
 一方ネギの方も、急速に官能の水位を高められ、同じような表情を作っていた。
368P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/05/03 00:32 ID:ZFdg8hQa
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、ああああああああああっ」
 先に達したのはエヴァの方だった。背骨が折れてしまうのではないかというほど思い切りのけぞり、口から絶頂の叫びをほとぼしらせる。
 ただでさえきつかった締めつけがさらに強くなり、ネギのペニスは、果実が握りつぶされて果汁を吹き出すように、精液をエヴァの中に放出した。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
 長く尾を引いたネギの声が途切れると、エヴァは全身にみなぎっていた緊張を解き、体を倒した。まるで彼の心臓の音を聞こうとするかのように、ネギの激しく上下する胸に頬を当てる。
 しばらくの間、二人分の激しい息遣いだけが、聞こえるものの全てだった。

 さて、しばらくの間、ネギの胸の上で余韻に浸っていたエヴァだったが、すぐ上から聞こえてくる、すんすんというすすり泣きの声に顔を上げた。
「なんだ坊や、泣いているのか?」
 えっぐえっぐとしゃくりあげながら、ネギは泣き声で言った。
「だ……だってエヴァンジェリンさんひどいですよ。いくらなんでもこんな強引に……」
 と、無理矢理犯された女性そのまんまの返答だ。
 体を起こしたエヴァは、ばつの悪そうな顔をしてポリポリと頭をかいた。
 高額の懸賞金までかけられた凶悪な吸血鬼とはいえ、女子供以外(No women, No kids)の原則を守る程度の情はある。
 また一方で、あのサウザンドマスターの息子にはもう少ししっかりしてもらいたいという、奇妙な感情もあった。
 エヴァはネギの額をデコピンして言った。
「えーい泣くな情けない! それでもサウザンドマスターの息子かっ」
 ビシッと言われ、びっくりした顔のネギ。尊敬する父親の名前を出されたせいか、涙も止まったようである。相変わらず泣き顔だけはそのままだが。
「まったく……まあ私も久しぶりでちょっとペースが速すぎたかな。よし、ちょっとゆっくりやってやろうか」
 あきれと思案の混ざった顔でそう言ったかと思うと、エヴァは有無を言わさずネギの首に抱き付いた。
 瞳を閉じると、自分の唇とネギの唇をぴったり合わせる。
369P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/05/03 00:33 ID:ZFdg8hQa
「……! んむむっ!」
 これまでの経験から、ネギは思わず身を固めてしまったが、予想とは裏腹にエヴァの口付けは、驚くほど優しかった。
 前歯を閉ざすネギに対し、無理にこじあけようとはしない。ゼリーのように柔らかい唇をゆるゆると動かし、唇で唇を愛撫する。
 舌先をほんの少しだけ出して、ネギの口の周りをゆっくりと舐めまわしたかと思うと、軽く口を開き、ネギの上唇を甘く噛む。
 とろけるようなキスに、ネギが口の扉を開いてしまうと、ゆっくりと舌が侵入してきた。
 甘い唾液をまとい、あくまで優しく丁寧な舌使いで、ネギの口の中を舐めまわす。
 ネギの舌に出会うと、ゆっくりとその身を絡みつかせ、ちゅっと軽く吸った。ネギの体がぴくっと動き、エヴァの舌を同じように吸う。
 とろとろと唾液を伝わらせながらも、舌同士の絡み合いはネギに主導権を預けている。
 彼がエヴァの口の中を味わいたいとするなら深く口付けて招き入れ、エヴァに口の中を探られたいという動きを察したらそうしてやる。
 息継ぎのタイミングもネギに合わせ、キスに不慣れなネギがリードしやすいようにと細かいところまで気を配る。
 左手はネギの首に回し、首筋から鎖骨の辺りを撫でまわす一方で、右手は彼のシャツの中に、下からもぐりこんでいた。
 シャツの中でネギの素肌に触れている右手は、風邪を引いた幼子にするようにネギの胸を撫でまわしている。時には乳首を軽くつまんだりノックしたりして、ゆっくりとしたテンポにスパイスを一つまみ入れる。
 胸の先端をいじられる度に、ネギは敏感に反応して体を揺すった。
 一方、下半身の方はというと、膣は心持ち締める程度にし、腰の動きも激しい上下運動ではなく、じらすようにうねうねと回転させたり左右に振ったりするという具合。
 むしろネギの方が我慢できずに、ぎこちなく腰を上下させるほどである。
 まるで小さな恋人同士のように、二人は静かに睦み合っていた。
370P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/05/03 00:34 ID:ZFdg8hQa
 これまでのは、激流に押し流され、溺れそうになりながらわけもわからず絶頂へ導かれていくものだった。
 しかし今は、さらさらと流れる小川を、向こうに見える目的地に向けてエヴァと二人して、ボートを漕いでいくといった様子である。
 そんな穏やかとすら言える性交も、一歩一歩、官能の階段を上がるにつれ、次第に勢いを増していく。
 それもあくまでネギの方から求める形だ。
 彼が激しい口吸いをねだれば大人しくそれに応え、不器用に腰を上下させれば合わせて丁度いい具合にしてくれる。
「あっ」
「ん……」
 二人は深いキスを続けたまま、可愛らしい声をあげて達した。

 ふうぅーっと深くため息をついたエヴァは、眠るように目を閉じて余韻にひたるネギをそのままに、立ちあがった。
 そのつるりとした無毛の割れ目から、ねっとりと濃い白濁液が垂れてくる。
「おっと。茶々丸、吸い出してくれ」
 エヴァの命を受け、茶々丸は押さえ続けていたネギの両手を離して四つん這いになった。
 ネギにとっては逃げる絶好のチャンスだが、身も心もとろけきっている今、そんなことを考えられる状態ではない。それを承知の上でのエヴァの命令である。
 手をついた茶々丸は、そのまま四つん這いになって前に進み、エヴァの股間に顔をうずめた。
 そして、割れ目を覆うように口を当てる。
 エヴァの体内に放出された、二発分の精液を吸い出そうというのである。
「よし、私の口へ」
 膣から口の中に精液を移動させた茶々丸は、立ちあがると、エヴァの前で少し前かがみになった。それを受けて、エヴァは軽く上を向く。
 主人と従者はキスをすると、互いに口を開いた。
 茶々丸の口内から、ゆっくりと落ちてくる精液を、エヴァは受けとめ、そして飲み干した。
 口元を手の甲で拭ったエヴァは、一人ごちる。
「うーん、確実に力は回復しつつあるが、まだまだ足りないな。しかし坊やはまだできるかな?」
 エヴァは一瞥を倒れたままのネギにやる。あれほどにエヴァの中で暴れていたペニスは、いまやしぼんでへたりと腹の上に仰向けになって倒れていた。
 もう限界か、それともまだもう一回ぐらいはできるか……?
 エヴァは試しに、不精にも裸足のつま先で、ネギの萎えて芋虫みたいになっているペニスをいじってみた。
371P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/05/03 00:35 ID:ZFdg8hQa
「あっ、そんな足でなんか……」
 ネギの体がびくりと動く。
「…………?」
 エヴァは今度は、もっと力を入れて、足の裏でネギの股間を踏みつけてやった。
「うぁぁーっ!」
 首をかしげるエヴァ。今のネギの悲鳴に違和感を覚えたのだ。痛みや屈辱の声というよりは……。
 エヴァはネギのペニスを、彼の腹に押し付けるように、グッ、グッ、と足に体重をかけた。
「あうっ、あっ、やめて……」
 今度はよりはっきりとした兆候が現れた。エヴァの足の裏が、ネギの性器がまたもその硬さを取り戻しつつあることを感じたのだ。
「アハハハハハハ! なんだ坊や、ひょっとして私に踏まれて感じているのか!?」
 嘲りの笑いと共に、エヴァはミシンやピアノのペダルを踏む時のように、足に力を込める。
「あっ、うあっ、そんなこと、ああっ!」
 ネギは否定しようとするが、そんな言い訳が通用しないのほど、彼の肉棒が硬度を取り戻しつつある。
 彼には信じられないことだが、エヴァの言う通り、ネギは股間を踏みつけられて快感を覚えていた。
「くくく、おいおい、男のシンボルを足蹴にされて大きくするなんて、変態もいいところだな。お前の父、サウザンドマスターが知ったらどんな顔をするやら」
 嘲笑され、さげすまれ、ネギは自分の情けない格好にぽろぽろと大粒の涙をこぼした。
 しかしそれでも、柔らかくすべらかなエヴァの土踏まずが竿をぎゅうぎゅうと押し潰し、可愛らしい形をした親指が亀頭の裏をぐりぐりといじめると、抗いがたい甘い感覚が押し寄せてくるのである。
「やめて……やめてくださいぃ……僕は変態なんかじゃ、あうぁっ」
 一際強く体重をかけられて、ネギは大きくのけぞって絶句してしまう。
「このままイかせてやろう、喜ぶんだな、変態坊や」
 両手を腰に当て、ニヤニヤとネギを嘲りながら、エヴァは忙しく足を動かした。
 体重をかけては戻し、竿を踏みにじったかと思えば優しく表面を愛撫し、亀頭を指の間に挟んで締めつけたら、親指の腹で小突き回す。
372P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/05/03 00:37 ID:ZFdg8hQa
 女性の足で、大切な場所をいじめられるという男にとって屈辱的な仕打ちが、かえってアブノーマルな喜びをネギにもたらしてしまう。
 後から後から涙が頬を伝い、声をあげて泣きたいほどくやしいのにも関わらず、ネギの肉棒は再び一杯に膨張している。
 神経を灼き、心を狂わせる被虐の官能は、驚くほどはやくネギを絶頂に導いてしまう。
「そ、そんな、足でなんて、足でなんてぇぇぇぇ!」
 ネギの悲痛な叫びを裏切るように、エヴァに強く踏みつけられたペニスは、あっけなく射精してしまった。
 腹に押さえつけられた状態で射精したため、飛び散った精液が胸、喉、顎、さらには額まで汚す。
「くくくく、情けない格好だな。カメラを持っていないのが残念だ」
 傷口に塩を塗り込むようなことを言うと、エヴァは四つん這いになり、ネギの正中線に点線上に着弾した白濁を、一つ一つ舐めとっていった。
 
「さて、どうやら弾切れのようだな」
 エヴァはネギのペニスを右手で弄びながら言った。
 三十分程度の間に、実に五連射を強要されては、いくら若いネギの性欲といえども底をつく。
 だらりと重力に引かれるまま下を向くペニスは、もはやどんな刺激をされてもピクリともしない。
 ネギ本人も、立て続けに精を搾り取られ、息も絶え絶えだ。
「では、最初に言った通り、足りない分は血で補わせてもらうぞ」
 エヴァはそう言うと、控えていた茶々丸にネギを抱え上げさせた。
 もはや抵抗する兆しすら見せないネギの白い首筋に顔を近づけ、大きく口を開ける。
 今まさに牙を突き立てんとしたその時、猛烈に近付いてくる足音と怒号を、エヴァの鋭敏な耳が捕えた。
「……ん?」
373P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/05/03 00:38 ID:ZFdg8hQa
「コラ───ッ、この変質者ども──────っ!!」
 声に聞き覚えがある。誰だとエヴァが振りかえったと同時に、衝撃がエヴァと茶々丸を襲った。
「ウチの居候に何すんのよ──────っ」
 充分以上に加速をつけての跳び蹴り。しかも一撃目でネギを羽交い締めにしていた茶々丸を蹴り倒し、さらに二撃目でエヴァの顔面を蹴り飛ばしている。
「あ」
「はぶぅっ」
 茶々丸は人形のように固まったまま倒れ、エヴァは顔面で屋根の上を数メートルもスライディングする。
 不測の事態に供え、エヴァは魔法障壁を展開していたのだが、それがまるで紙のように突破された。
(な!? なんだこの力は……!?)
 変形するかと思ったほど思いきり蹴られた顔を押さえながらも、エヴァは方膝を突いて立ちあがる。
 ネギを助けに来たのは誰か。タカミチか? しかし声は女性。すると……。
 エヴァが振りかえってみると、そこに立っていたのは。
「か、神楽坂明日菜!!」


   第十六話 終わり


次回予告!
 辛くもエヴァの毒牙から逃げ出すことができたネギ。しかし、彼がエヴァに狙われていることには違いない。
 鬱屈するネギを心配して、3−Aのメンバー達は、ネギを元気づける会を開く。それがどんどんエスカレートしてしまったら……? 乞うご期待! 
374P.T ◆3QNEGIp2Uc :04/05/03 00:45 ID:WhRkFoo9
あー、久しぶりに20k越えた。最近短いのばっかりだったからね。
しかも1対1でこんなに長いの書いたのは初めてだったりする。

>>333さん
保管庫が作られる前は作ろうと思ってたんですけど、いろいろ面倒くさくなっちゃったんで、その予定は無いです。

>>座薬 ◆LsUrNEsQeQさん
古橋さんの作品はいいですよ。ぜひ取り寄せをお薦めします。
ああそれにしても陵辱モノでは座薬さんにかないそうにない……。


>>DT60V ◆tsGpSwX8moさん
かちゅーしゃとか使わないんですか? 投稿にも閲覧にも便利ですよ。サーバーへの負担も少ないですし。
作品楽しみにしてますよ。


>>v3yaa ◆d4WtKA.Zvsさん
お、続々と職人さんの復活宣言が。これは楽しみですね。
375名無しさん@ピンキー:04/05/03 00:54 ID:iJUgrFhp
Ahyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!!!!!!!
今から特攻させて貰います!!!!
376(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/05/03 03:30 ID:kGVFNE4u
>>212-215の続き。レスは今晩に回します。

第四話

「え…………あっ!」

明日菜のキスで感じてしまい、ネギは股間を今までに無い位に痛々しく腫れ上がらせていた。
それはパンツの上からでも形が判ってしまう位で、腰のゴムすらも引っ張って、真上から見れば根元が丸見えである。

「ふふん……キスだけでこんなに大げさに膨らますなんて……えっちな事していないのに……。」
「あぁ……はうぅ……。」
「この…………エ・ロ・ガ・キ♪」

ふーっ…ぴちゃぴちゃ…

「んんんんっ!!うぅ…………はぁん!!」

妖しい笑みと声色で、ネギの耳元で罵りながら、耳に息を吹きかけたり
耳やうなじを満遍なく舐め回したりし、同時に腰に回した両手の指先で
外界に出たくて仕様がないネギの屹立をなぞったり撫でたりする様に愛撫していた。

ぬちゃ……

「ああ、ううっ……。」
「あら……ネギ、もう濡れてる……。」

直に触っているでもないのに、パンツの盛り上がりの頂上部からは、布越しであるにも関わらず
大量の先走りを湧き水のように湛え、お漏らしのような染みを作り出していた。
377(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/05/03 03:31 ID:kGVFNE4u
「全く……アンタ感じすぎよ。それだからみんなによくからかわれるのよ……。無能なわけでもないのに。」
「ご、ごめんなさい……。」
「別に謝る事じゃないわよ。体質だったら仕方ないわけだし。それに……」
「それに?」
「私も、みんなとは理由は違うけど、何かこう、「可愛がりたく」なってきてさ……。」
「な、何でアスナさんまで……ん、んんっ、ひああああっ!」

びくん、びくん、びくん、びゅくっ、びゅる、びゅっ、びゅ……

「えー!?もう出ちゃったのー!!」

明日菜の執拗な耳と首への愛撫と、股間の活火山への布越しの愛撫によって、
ネギはあっけなく第一波を迸らせてしまった。布越しであるのにも関わらず、その迸りは軽く宙に舞っていた。

「はぅ〜、ご、ごめんなさ」

反射的に謝ろうとするネギの口を明日菜はキスで塞ぎ、再びネギを黙らせつつ蕩けさせた。

「だから、早さも体質的に仕方がないから謝らなくてもいいんだって。でも…幾らなんでもコレは早すぎね。
 そんな、持ち主と違って見た目から逞しいのに中身は全然伴っていない駄目息子は…………こうだ!!」
「きゃあっ!?」

先走りと迸りで股間がしっとり濡れたパンツを脱がし、読書灯脇に置いていた
普段よく身につけてトレードマークにもなっている鈴付きリボンを手に取り、
勢いよく出しても衰えを見せない若い、それでいて年齢に合わない百戦錬磨の手練にも見える巨根の
根元を、持ち前の力とスナップを利かせてキツキツに締め上げた。
その様は、妖しい漫画等で、女の子が自分をラッピングして恋人に自分を捧げるアレを、ペニスでやっている様なものである。

「あの…アスナさん……すごく恥ずかしいんですけど……。」
「ふふっ、私が十分堪能する前に果ててしまった罰よ。みっちり鍛えなおしてあげるから。
 ちなみに、そ・れ・だ・け・じゃないのよね〜。エロガモー、ネギの一大事よ────!!」
(あー、なんか、勢いでやって自分で思うのもなんだけど、チンポにリボンつけたネギ、結構可愛いかも……♥)
378(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/05/03 03:33 ID:kGVFNE4u
(へい!姐さん、何の用でやんしょ?)
(とりあえずさ……さっき私がやったように、ネギのお尻で一暴れしてくんない?)
(えー!( д) ゚ ゚ マジっすか姐さん?そりゃ入れないことはないですが、まだ子供の兄貴にはちときついんじゃ..........)
(判っているけど…私とネギの今後のためには必要なのよ。もしやってくれたら今後必要無い時には勝負下着を寝床に使うのを許可)
(なんだか訳判らないけどその話、乗ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)
(よし、契約成立ね。頼んだわよ、カモ!)

明日菜の迫力と奇妙な報酬に押されて、ネギのアナルに特攻をかけるカモ。

「兄貴、兄貴と姐さんの今後のため、俺っちは鬼になりやす!どりゃあああああ!!」
「か、カモ君、君まで一体何を……ああああんっ♥」

めりめりめりめりめり……

「あ、ああっ、んっ……そんな、中に強引に入らないで……ひうっ、あ、暴れちゃだめぇん!!」

ちりん、ちりん……

「ぐおおおお……。」

明日菜がしたのと同じことをアナルでやられ、圧迫感を伴いながらも強烈な快楽に飲まれ、果ててしまうネギ。
だが、ペニスの根元は強烈に締め付けられており、イッても外に放出することができず、気持ちの悪い圧迫感が残ってしまう…。

「鈴が鳴った……もう一回はイッちゃったんだ……でも、まだまだこれからよ……ネギ♥」
379(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/05/03 03:34 ID:kGVFNE4u
ぴちゃぴちゃ……ちゅう、ちゅ、ちゅ……

「もう……チンポ以外にも色々感じやすいからまさかと思ったけど……胸まで弱いなんて……エロにも程があるわよ♪」
「そんな事言ったって……自分じゃ…ふ、ふああっ!クリクリしながら吸っちゃ駄目ぇ!!
 ……い、いぎいいいいいっ!カモ君……そんな所、尻尾で撫で回さないでんあああああ!!」

ちりん、ちりん……

(カモ、ただお尻だけじゃなく尻尾までフル活用するなんて……グッジョブよ!餌代も少し出してあげようかな♪)

明日菜に両乳首(片方は手で摘まれ、片方は唇と舌で舐りまわされ)とペニスを、カモにアナルと陰嚢を責められ、
ネギはまたしても快楽の音色をペニスの鈴で奏でていた……。

「ひぃっ!あうあうあ……そんな、弱いとこそんなに一編にやられたら、僕、壊れちゃう……うあっ!」
「駄目。すぐにイカないための訓練だから、壊れるぐらいやんないと意味がないわよ♪」
(ふふふ、カモが扱いてくれるからこういうありえない状態もできるのが有難いわー♥)
「ひぎ、くぅっ、うおおおおお……!」

ちりん、ちりん……

ペニスへの刺激をカモに任せ、両手でネギの乳首を緩急つけてこねくり回しながら、舌で
耳やうなじを責め、時々ねっとりとキスを交わしたりもしながら、体全体のネギの弱点を連携技で攻め抜き、
また「鈴を鳴ら」させた……。

「へー……それにしても、アンタのチンポ、とんでもなく立派ね……私の顔より長いなんて。」
「そ、そんなに見ないでください……僕、すごく気にしていて、恥ずかしいんです……。」
「コレだけのモノを恥ずかしいだなんて、それじゃ宝の持ち腐れよ……。
 せっかく私たちがこうして強化に協力してあげているんだから、自信を持ちなさい!」
「じ、自信って……やあんっ!そこそんなに擦っちゃ……あぁん!」
「ふふっ、ネギの亀頭、柔らかーい。軸は鉄みたいに硬くて熱いのに、
 グミみたい……。ここ弄られるの好きみたいね…それそれっ!ぷにぷに、うりうり〜♪」
「あああああ!!あんっ、あんっ!!」
380(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/05/03 03:36 ID:kGVFNE4u
ちゅぷ……

(あ……根元縛ってるのに先走りは出るんだ……必死になってるみたいでいいかも♥よーし、もっといじめちゃお!)

根元縛られているゆえに勢いこそ無いものの、しっかり染み出した先走りをみて嬉しくなった明日菜は
先走りを潤滑油代わりに、亀頭やカリの繋ぎ目、裏筋、そして軸により一層激しく指を擦らせた。

「あああっ、そんな強くこすっちゃ、あ、あ……!!!」

ぶっちーん……

「え、ぶちっ?……」

びゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅる…………

「ひゃああああああああああん!駄目、今出ちゃ駄目!怒られちゃうぅぅ!あ、ああ、ああああああああああ!!」
「ちょ、ちょっと、何でリボンが切れてわひゃあ!ちょ、ちょ、多すぎ……ウボアー!!」

びゅくっびゅくっびゅくっびゅくっびゅく…………

堰き止められた分が限界を突破したのか、尿道を膨らませてリボンを引きちぎり、
外の世界を待ちわびたかのように一気に飛び出し、ネギの体と、明日菜の顔を白く染め抜いた……。

びゅくっ、びゅくっ、びゅくっ、びゅく、びゅく、びゅるる……
381(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/05/03 03:37 ID:kGVFNE4u
「……ちょっと、精液の圧力だけでリボン切っちゃうなんて……大きさとその点だけは京都の鬼並ね…。」
「はあ、はあ、はあ……ご、ごめんなさい……こんな事になっちゃうなんて。」
「……ううん、気にしないで。私がやったことだからさ……。」
「……でも、アスナさん、どうして……こんな事を……」
「……………の…………からね……。」
「え?」

今回、突然に積極的に迫り、尚且つ、普段のように煙たがるのからではなく、嬉々としていじめた理由について
問おうとしたとき、明日菜は、それで我に返り、少し嗚咽を交えながら、淡々と語りだした。

「……アンタの…所為だからね……。」

続く
382名無しさん@ピンキー:04/05/03 08:45 ID:oz+7JN/7
カモバイブキター
P.T氏ともどもGJ。

やっぱりネギはひたすら受けですか。
383名無しさん@ピンキー:04/05/05 03:24 ID:dteglsSH
>>121
イイ!(・∀・)
384v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/05 03:47 ID:9vjdQLKT
ほぼ3ヶ月ぶりに投下します。ブランク長いと、苦労しますね…

「(こ、これは、一体、何事ですか…!! 私の唇に伝わってくる、この生暖かくて、艶やかな感覚は…。)」
のどかの唇に重ねられたネギの唇の間から、ネギの舌が顔を出し、のどかの唇を丁寧に舐め回していた。
「(ネギ先生は、魔法で私とのどかの神経が繋がっていると言っていました。つまり、今、のどかが感じている事が、私にも感じられる、という事なのですか…。)」
ようやく、夕映は、ネギが、自分とのどかにかけた魔法の意味を理解した。
しかし、今まで経験した事のない感覚に翻弄され、冷静に思考を続ける事が、今の夕映にはできなくなっていた。
ネギの舌の先が、のどかの唇の間を執拗に突っつく。だが、のどかの唇は硬く閉じたまま、開かない。
ネギは、右手をのどかの左頬に添えると、やさしく撫で回し始めた。
その瞬間、ぞくぞくとした感触が、夕映のカラダを駆け巡った。
「(な、何なのですか、この、得体の知れぬ、きも…、気持ちよさはっ…!!)」
ネギの右手は、のどかの頬から首筋、そして、ブラウスの上から肩へと這い回る。
ネギの愛撫で緊張を解されたのか、のどかの唇が徐々に開き、ネギの舌を受け入れていく。
「(あっ…!!)」
舌先が触れ合う感触に、夕映が反応する。
夕映のまぶたが、静かに閉じていった。
「(ま、まるで、直に、ネギ先生と、キスをしているみたいです…。)」
夕映の思考が、次第にぼんやりと霞んでいく。やがて、夕映は、ネギと抱き合っている幻想に駆られていた。
385v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/05 03:48 ID:9vjdQLKT
ネギとのどかの舌が、ぴちゃぴちゃと音を立てて絡み合う。夕映も、のどかに合わせるように、自らの唇から舌を出して、艶かしく動かしていた。
頭の芯まで、痺れにも似た感覚がじーんと伝わってくる。これが、いわゆる、大人のキス…
のどかの上体が、力を失い、後ろに倒れかけた。ネギの左手が、のどかの背中を支えるように添えられる。
夕映の背中にも、ネギの手の感触が伝わってきていた。
「(あぁ…、ネギ先生…、私、貴方になら…)」
夕映は、そのままネギの手にもたれかかるように、上体を後ろに倒していった。だが…。
「あっ!!」
次の瞬間、夕映はバランスを崩して数歩後退し、本棚に背中をぶつけてしまった。
「あうっ!!」
背中に走った鈍い痛みで我に返った夕映が、再び目を開ける。
のどかと舌を絡ませ合いながら、ネギは右手でのどかのブラウスのボタンを外していた。
「(夢を…、夢を見てはいけません。目の前の、これが、現実なのです。現実に…、現実に、対処しなければ…)」
目の前で繰り広げられる、ネギとのどかの艶かしい絡み合いを見つめる夕映の瞳から、徐々に熱いものが溢れ出してきた。
386v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/05 03:49 ID:9vjdQLKT
「(いた…っ!!)」
背中にズキンと走った痛みに、のどかの舌の動きが一瞬止まる。しかし、次の瞬間、何事もなかったかのように、ネギの舌と艶かしく絡み合っていた。
「(私の中に、ゆえが、いる…)」
幾度となくネギとカラダを重ねた経験から、のどかは、自分がどこを触られれば感じるかを、しっかりと記憶していた。
しかし、今は、いつもならネギに触られても特に何も感じなかった部位でさえ、ピクリと反応してしまう。
「(ゆえも、感じてるんだー…)」
間接的ではあるが、ネギは自分と夕映の二人を同時に抱いているのだ、と、のどかは感じていた。
「(ネギせんせー、ずるいですー…)」
のどかの心に、小さな嫉妬が芽生える。
「(でも、ゆえも、ネギせんせーの事…)」
これまで、夕映は、自分の前では、そんな素振りを見せた事はなかった。
「(ゆえー…、私に気を遣って…?)」
のどかの頭の中で、夕映が、自分のネギへの想いを常に応援してくれていた光景が浮かんできた。
「(もし、それが本当なら、私…)」
今、自分が夕映の目の前で、自分の全てを曝け出して行っている行為を、のどかは申し訳なく思っていた。
恐らく、先程、夕映が何を言おうとしたのかを、ネギは理解できていないのだろう。
夕映に非難された事について、意地を張って、子供っぽい単純な思考で解決しようとして、このような行為に至ったのだろう。
387v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/05 03:50 ID:9vjdQLKT
「(でも、私も、同じですー…)」
のどかが、薄っすらと瞼を開ける。すると、目の前に、真剣な顔つきをしたネギの顔があった。
のどかの胸が、ドキンと高鳴る。
今まで、ネギとカラダを重ねた際には、常にのどかがリードしてきた。
しかし、今はネギが自分をリードしてくれている。
例え、異常な状況下にあっても、今は、ネギに身を任せていたい…。
「(もう、余計な事…、考えたくないですー…)」
のどかは、静かに心を閉じていった。その瞬間…
「はぁあーーーんっ!!」
いきなり胸元から伝わってきた快楽に、のどかが嬌声を上げた。
のどかのブラジャーのワイヤーに手を潜らせ、ネギが、のどかの左の乳房を鷲掴みにして激しく揉みしだいていた。
「あはぁん、あふうっ、はぁあぁん…」
ネギの手の平の中で、のどかの乳首が固くなっていく。
カラダの内側から湧き上がる快楽が、自分のものなのか、夕映のものなのか、もはやのどかには判別できなくなっていた。
388v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/05 05:01 ID:9vjdQLKT
「(乳房を揉まれるというのは、こういう感覚なのですか…。発育が極端に悪い私では経験し得ない感覚です。さぞかし、殿方の指先に心地良い弾力感を与えているのでしょうね。全くうらやましい限りです。)」
本棚にもたれながら、ネギとのどかの行為を見ている夕映の乳首も、ネギの愛撫に反応して勃起していた。
ネギは、のどかのブラジャーを手首に引っ掛けて一気に摺り上げた。控えめなサイズだが、弾力のある、お椀型をしたのどかの乳房が露になる。
いつの間にか、のどかから唇を離したネギの頭が、のどかの胸元まで降りてきていた。
ネギの口が、のどかの右の乳首を咥え込む。
「あふぅっ…!!」
強烈なネギの吸い付きに、のどかが一際高い声を上げる。
ネギの右手は、のどかの左の乳首をつまんで、コリコリと弄んでいた。
「(どうして殿方は、ああも乳というものが好きなのでしょうか。全く理解に苦しむです。あれではまるで赤ん坊ではありませんか。)」
夢中になってのどかの乳首に吸い付くネギの表情を見て、夕映が心の中で呟く。
しかし、それは、同時に感じている激しい快楽を何とか忘れようとする、今の夕映ができる精一杯の抵抗だった。
ちょっとでも気を抜くと、快楽に慣れていない自分は、たちまち飲み込まれてしまうだろう。そんな危機感が、今の夕映を支えていた。
しかし、そんな事はおかまいなしに、ネギの右手が、次なる標的に向けて動き出す。
ネギの右手は、ゆっくりとのどかの下腹部に移動すると、のどかのスカートの裾をこじ開けて、入り込んでいった。
「ひゃぁっ!!」
ショーツの上から、ネギがのどかの恥部を鷲掴みにする。乳首に吸い付くのとほぼ同じリズムで、ネギの右手が蠢き出した。
389v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/05 05:02 ID:9vjdQLKT
「ひあっ、ひゃあん、はふぅ、はぁあっ!!」
スカートの裾で押さえつけられているせいか、ネギの右手はぴったりとのどかの恥部に貼り付いてくる。
ショーツの中から染み出してきたのどかの快楽の証が、ネギの手をべったりと濡らしていく。
やがて、そこから、じゅぷじゅぷと淫猥な水音が聞こえ始めてきた。
「(くっ…、そ、そんな所を…っ!!)」
夕映の恥部からも、じわりと快楽の証が滲み出してくる。さすがに、夕映の旗色も悪くなってきた。
「(今まで、オナニーをした事がないなどと言ったら、それは、嘘になるです。しかし、自分で触っても、これほど…、これほど気持ちいいと思ったことは、ないです。これは、のどかが感じているから、気持ちがいいのでしょうか。
だとすれば、私は不感症なのでしょうか…。いや、じゃなくて…、このままだと、私、ヘンに…、ヘンに、なるです…。)」
夕映の口から、今まで我慢していた喘ぎ声が次第に漏れてきていた。
「のどかさん…、いいですか?」
のどかの乳首から口を離したネギが、のどかにやさしく問い掛ける。
「は…、はいですー…」
のどかは、うっとりとした声で答えた。
ネギは、指先でのどかのショーツの股布を掴むと、片側にずらして、のどかの恥部を露出させた。
390v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/05 05:21 ID:9vjdQLKT
「(い、一体、これから、何をするですか…?)」
夕映の顔に、焦りの色が浮かぶ。
のどかの恥部に、ネギの中指が添えられた。
「(ま、まさか…)」
ネギが、中指をゆっくりと突きたてていく。
「(そんな、私、まだ、こんな…、だ、駄目ですーっ!!)」
しかし、夕映の心の叫びも空しく、のどかの恥部は、ネギの中指を難なく飲み込んでいった。
「はうあっ、あぁーっ!!」
「あうぅっ、ふぁあーっ!!」
ほぼ二箇所から同時に上がる嬌声が、図書館島の薄暗い地下室にこだまする。
ネギの中指は、瞬く間に、根元までずっぽりとのどかの膣中[なか]に挿入[はい]り込んでいた。
「(あぁっ…、私の膣中[なか]に、ネギ先生の、指がっ…!!)」
実際には、夕映の膣中[なか]には何も挿入[はい]っていないが、細長くて固いモノをしっかりと咥え込んでいる感覚が確かに伝わってきていた。
ネギの中指が、ゆっくりとのどかの膣中[なか]で回転運動を始める。
「あぁあん!! あはぁっ!! ひぁあーーっ!!」
「やはぁっ!! くぅっ!! くはぁーーっ!!」
のどかと夕映の喘ぎ声が、同じリズムでハーモニーを奏でる。
今まで一度も異物を挿入[いれ]た事のない夕映の膣中[なか]が、のどかを通じて、ネギによって蹂躙されていく。
あまりにも激しい快楽に堪え切れず、夕映の細い脚が、がくがくと震え出す。
「(あぁっ、もう、もう、立ってられないです…!!)」
本棚にもたれて立っていた夕映のカラダが、ずるずると崩れ落ち、床の上に脚を投げ出す形でぺたりと座り込んだ。
391名無しさん@ピンキー:04/05/05 06:34 ID:x+DuU72I
微妙な所で止まりましたな・・・
392名無しさん@ピンキー:04/05/05 11:09 ID:5hxLzybp
寝た?爆水中か?
393v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/05 22:15 ID:9vjdQLKT
のどかの膣中[なか]を弄るネギの指の動きに、緩やかなピストン運動が加わった。
「ひゃあ〜ん(はぁと)、にゃあ〜ん(はぁと)」
「くふぅ〜ん(はぁと)、あはぁ〜ん(はぁと)」
のどかと夕映の喘ぎ声に、次第に甘い響きが混じってくる。
しかし、夕映の顔は、自らが発する嬌声を聞いて、羞恥の色に染まっていた。
「(も、もう、限界…、ですっ…、これ以上続けられたら…、私、私…)」
自分ではどうする事もできない状況の中で、夕映は、ネギの愛撫が早く終わってくれる事を切に願っていた。
「にゃあ〜ん(はぁと)、ネギせんせ〜(はぁと)、焦らしちゃ、いやですぅ〜(はぁと)」
破顔しきったのどかの口から、甘ったるいおねだりの声が漏れてくる。
その声を聞いたネギは、のどかの恥部から中指を引き抜いた。
「(た、助かった、の、ですか…?)」
局部から伝わってくる激しい快楽からようやく解放された夕映が、ほっと安堵の息をつく。
しかし、それはつかの間の安息でしかなかった。
394v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/05 22:15 ID:9vjdQLKT
「それでは、のどかさん…、後ろを向いて、しゃがんで下さい。」
のどかのスカートの裾から右手を引き抜きながら、ネギがのどかに指示を出した。
「えっ…!! は、はいー…」
のどかが、一瞬、戸惑いの声を上げるが、すぐにネギの指示に従ってしゃがみこんだ。
「のどかさん、お尻を上げて下さい。」
「く…、くふぅん…」
恥ずかしそうな声を出しながら、のどかが自らのお尻を上げていく。
ネギは、のどかのスカートを捲り上げると、両手で白いショーツを膝の位置まで摺り降ろした。
丸みを帯びたのどかの豊満な尻が、ネギの目の前に突き出される。
「(な、何とはしたない格好をしているのです、のどか。あれでは、お尻の穴まで丸見えです…!! 先生とはいえ、相手は10歳の子供なのですよ…。
何で、そこまでの事ができるですか…!!)」
夕映は、ネギの指示にどこまでも従属的なのどかの姿を、半ば信じられないといった目つきで見つめていた。
395v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/05 22:16 ID:9vjdQLKT
ネギの眼前に、のどかの白い尻が広がっている。
きれいな色をした菊門の下では、快楽の証を滴らせているのどかの恥部が、今や遅しとネギの逸物を待ち構えていた。
その光景を煽情的な眼差しで見つめながら、ネギはベルトを外すと、ズボンとパンツを同時に脱ぎ捨てた。
夕映の目に、ネギの股間に勢い良くそそり勃つ逸物の姿が飛び込んできた。
「(ま、まさか…、あれを挿入[いれ]るですか…!! 指3本以上の太さは、あるです。それに、長さも結構…、あれが、10歳の子供のものなのですか…!!)」
夕映の全身に、戦慄が走る。
「のどかさんのお尻…、大きいですね。」
「ひあっ、ネギせんせー、恥ずかしいですー…」
ネギは立ちながら両手でのどかの尻をがっちりと抱え込み、いきり勃つ逸物をのどかの恥部にあてがい、のどかの快楽の証をたっぷりと塗りつけていった。
「それでは、いきます…」
のどかの快楽の証をべったりと纏ったネギの逸物の先端が、のどかの渓谷に押し付けられた。
ネギの腰が、ゆっくりと前に押し出されていく。
「(あうっ…、先っぽが、当たって…、広がって、いくです…。あ…、熱い、ものが、挿入[はい]って…、くるですっ…!!)」
ネギの亀頭は、既にのどかの恥部にすっぽりと埋もれていた。ネギは一呼吸置くと、両手に力を込めて、一気に腰を突き出した。
「あ、あ、あぁあーーーっ!!」
局部から伝わる激しい感覚に、夕映が叫び声を上げて仰け反る。夕映の目の前に広がる天井の景色が、次第に真っ白になっていった。
396v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/05 22:17 ID:9vjdQLKT
「(言葉が、見つからないです…)」
夕映は、今、自分の身に起こっている事柄を、頭の中で整理しようと必死になっていた。
それが、自分の意識を、この場に繋ぎ止めておく最善の行為だと信じて。
しかし、局部から激しく突き上げてくるその感覚は、夕映がこれまで経験してきた事がないまでに、狂おしいまでの心地良さと、甘美なまでの悦びに満ち溢れていた。
夕映は、自分が虚空に浮かんでいるようなイメージを思い浮かべていた。
「(浮遊感…、そうです、この感覚は、まるで、空を飛んでいるみたいな…)」
ふと、夕映は、図書館島の最下層で、ツイスターゲームに敗れてゴーレムに落とされた時の事を思い出した。
足元を支えていたものが砕け散り、虚空に投げ出された瞬間に感じた、あの感覚。
「(…墜ちて、いくです…)」
その言葉をきっかけに、夕映の頭の中のスイッチが、一気に切り替わった。
仰け反っていた夕映の頭が、ゆっくりと前に垂れてくる。
半開きになった口元は、いやらしい笑みを浮かべている。虚ろな目の奥には、妖しい炎が灯っていた。
「あぁっ…!! ネギ先生が、奥まで、奥まで突いて、いるですぅっ!!(はぁと)」
快楽と欲望の虜となった夕映が、歓喜の叫びを上げる。
もはや、今の夕映には、理性のかけらも残されてはいなかった。
397v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/06 00:31 ID:0gdAPY1l
ネギの逸物が、のどかの膣中[なか]を、激しい勢いで往復する。
やや不安定なバックの体位のせいで、ネギの逸物はのどかの膣中[なか]をまっすぐではなく、やや旋回するような形で進んでいた。
ネギの下腹部がのどかの尻に打ち付けられる音が、部屋中に響き渡る。
それに混じって、のどかの膣中[なか]から溢れ出てくる快楽の証が、ネギの逸物に掻き回されて、淫猥な水音を立てていた。
ネギによって開発し尽くされたのどかの膣中[なか]は、初めて経験する体位であるにも関わらず、ネギの逸物をスムーズに受け入れる。
「のどかさぁん、どう、どうですかーー!!」
「せんせー!! せんせー!! すごいですぅっ!! こんな…、こんなの、初めてですぅっ!!」
ネギと幾度となく交わってきたのどかですら、これまでに経験した以上の快楽に酔いしれ、いつも以上の嬌声を上げていた。
だが、それは、何も体位のせいだけではなかった。
のどかが感じている快楽は、感覚を共有している夕映にも、容赦なく襲い掛かっていた。
さらには、ネギの逸物とのどかの膣中[なか]が擦れ合う触覚が、夕映の膣中[なか]にも伝播して、夕映自身が感じている快楽が付加されていた。
それが再びのどかにフィードバックされ、お互いに快楽を倍加させ合っていた。
「ネギ先生の肉棒が、うなりを上げて、私のいやらしい肉襞を掻き回してるですぅっ!! あぁん!! 私の肉壺から、次々と、はしたないお汁が零れてくるですぅっ!!
もっと、もっと突くですぅっ!! 私、ホントはいやらしい女ですぅっ!!」
夕映も、床に座り込みながら、ネギとのどかの動きに合わせるかのように、狂ったように叫びながら、激しく腰を振っていた。
現時点では処女であるにも関わらず、夕映のカラダには、確実にセックスの快楽が次々と刻み込まれていた。
読書家である夕映は、興味のあるなしに関わらず、あらゆるジャンルの本を読んでいた。
その中には、いわゆる官能小説も含まれていたが、あまり興味を示さなかった夕映にとって、その中にかかれていた卑猥な言語は、単なる情報の一つでしかなかった。
しかし、恥じらいを失って快楽と欲望の虜となり、オンナに火がついた今、夕映の記憶の片隅に残っていたそれらの言語は、有益な情報として再構築され、夕映の叫びとなって次々に解き放たれていった。
398v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/06 01:19 ID:0gdAPY1l
今回は、ここまでです…
399名無しさん@ピンキー:04/05/06 01:55 ID:5TQg79su
寸止めかよ!俺の右手をどうftyぐhjklk
400名無しさん@ピンキー:04/05/06 05:38 ID:0l0QJPc/
401v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/08 09:29 ID:0WJ387ap
膨大な書籍が理路整然と並ぶ、無数の本棚に埋もれた図書館島の地下室の一角で、欲望の赴くままに幼いカラダを重ね合う、ネギとのどか、そして、夕映。
3人の奇妙な交わりは、このまま絶頂まで突っ走るかに思われた。だが…
「(お、おや? 一体、どうしたですか?)」
のどかの膣中[なか]を往復するネギのスピードが、急激に鈍化していくのが、夕映にも感じられる。
やがて、ネギは、のどかの奥底に逸物を突き入れたまま、のどかの背中の上にパタリと倒れこんでしまった。
「ネ、ネギせんせー…?」
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
のどかの背中の上で、ネギが激しく息を上げていた。
「(一体、何をしているですか、ネギ先生。休んでいる場合ではないです。さあ、早く煮えたぎるこの私の肉壺を、貴方の血潮みなぎるたくましく熱き肉棒で、思いっきり掻き乱すです…!!)」
夕映の願いも空しく、ネギの腰が再び動き出す気配は、全くなかった。
のどかと真剣に交わりたかったネギは、あえて魔法による体力強化を行っていなかった。
「ネギせんせー、がんばり過ぎですー…。」
「す、すみ、ません、のどか、さんっ…、ぜぇっ、ぜぇっ…」
辛うじて言葉を紡ぎ出したネギだったが、息が続かず、陸に上がった魚の如く、目を白黒させていた。
402v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/08 09:30 ID:0WJ387ap
「後は、私にまかせて下さいですー…、う、うぅん!!」
のどかは、腰を前に寄せて、ネギの逸物をすぽんと引き抜いた。疲れの溜まったネギが、元気なくへなへなと腰を降ろす。
しかし、ネギの逸物は、のどかの膣中[なか]に挿入[はい]る前よりも膨れ上がり、のどかの快楽の証を纏いながら、てらてらと光ってそそり勃っていた。
「もう少し、がんばって下さい、ネギせんせー…」
のどかは、膝までずらしていた白いショーツを完全に脱ぎ捨てると、ネギと向かい合って立ち、スカートを捲り上げていった。
「それでは、いきますよー…」
スカートを捲り上げたまま、のどかが座り込む。のどかはゆっくりとネギの脚の上に、自らの脚を重ね、ネギのカラダを抱き寄せた。
そそり勃つネギの逸物が、再びのどかの恥部に添えられる。
「(そうです、のどか。その調子です。さあ、早く、ネギ先生のたくましい肉棒を、突っ込むですよ…!!)」
妖しい微笑みを浮かべながら2人を見つめる夕映の瞳が、爛々と輝いている。
「んっ…、ふぁあっ…!!」
右手でネギの逸物の向きを変えると、のどかは自らの腰を落とし、ネギの逸物を膣中[なか]へと沈めていく。
「(き、きたです。先っぽが挿入[はい]って…、あぁっ、ゆっくり、突き進んでいるです…。のどか、ぐずぐずせずに、奥まで、はやく、奥まで突っ込むですよ…!!)」
ネギとのどかの繋がりは、のどかのスカートに隠れて、夕映からは見えなくなっていた。
しかし、膣中[なか]を通じて確実に伝わってくる挿入感に、夕映は、再びカラダの奥底から情欲の炎が燃え盛るのを実感していた。
403v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/08 11:55 ID:0WJ387ap
のどかのカラダの重みが、ネギとのどかの繋がりにかかる。
ネギの逸物が、根元までのどかの膣内[なか]にずっぽりと挿入[はい]り込み、二人の恥部が重なり合う。
「(あぁ…、子宮まで、達して、いるです…)」
夕映の膣中[なか]もいっぱいに満たされ、のどかと同様に、悦びに蕩けるように、顔が崩れていく。
のどかの胸の中で、ネギの息遣いが、徐々に落ち着きを取り戻していく。
「ネギせんせー、動きますー…」
のどかは、繋がりに体重をかけたまま、ぐりぐりと腰を動かし始めた。
次第に、その動きが速度を増していく。
「はぁっ…!! ネギせんせー、止まらないですー、とっても、とっても、きもち、いいですー!!」
ネギを抱き締めるのどかの腕に、きゅうっと力が入る。
「の、のどか、さんの、膣中[なか]で、ぼくのが、ぼくのが暴れていますっ…!!」
ネギも、わずかに残った力を振り絞るように、のどかにしがみ付く。
「す、凄い、ですっ!! 私の膣中[なか]がっ、掻き乱されてっ…!! こんな、こんなっ…!!」
感情が苦手なはずの夕映が、感極まった叫び声を上げる。
ほぼ同じ体勢になったせいか、のどかと夕映のシンクロ率が、これまで以上に高まっていた。
404v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/08 11:56 ID:0WJ387ap
ネギとのどかの繋がりから、のどかの快楽の証が、ぐちゅぐちゅと水音を立てて溢れ出してくる。
「ネギせんせー!! ネギせんせー!! すきー!!」
「のどかさぁん、ぼく、ぼくもぉっ!!」
「あぁ、この温もり…、私も、一緒に…」
夕映も、のどかと同じように、ネギを抱き締めるように両手を虚空へと差し出していった。
だが、夕映の両腕は空を切り、自らの胸の上で交差する。
はっ、と目を開けた夕映が見たものは、今まさに絶頂にたどり着こうと一心不乱に交わりあっている、ネギとのどかの姿だった。
「ま、待つです、二人とも、私を置いて行かないで下さい、ですっ…!!」
しかし、夕映の叫びとは裏腹に、膣内[なか]から突き上げてくる快楽は、そのまま一気に高みへと昇りつめていった。
「う、うあっ、うああーーーっ!!」
「はうっ、はあうっ、はううーーん!!」
「あはあっ、はぁっ、あはーっ!!」
同時に絶頂に達した3人の叫び声が、図書館島の地下室に響き渡り、やがて静かに消えていった…。
405v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/08 11:57 ID:0WJ387ap
図書館島の本棚の谷間で、息をつかせながら、3人の人影が床の上でへばっている。
その中で、ただ一人、のどかだけが、はっきりとした意識を保っていた。
のどかの胸の中で、放心状態のネギが、虚ろな瞳でのどかを見つめている。
「えへへー…、ネギせんせー、すきですー…」
のどかは、ネギの唇にそっとキスをすると、一呼吸置いて、腰を一気に引いた。
「(えっ…!!)」
ネギの逸物が恥部から抜けた瞬間、のどかのカラダの奥底から、生き物の営みの上で欠かせないある感覚が、急激に湧き上がってきた。
それは、自らの感覚ではなく、別の所から伝播してくるように感じられた。抑えが、利かないからである。
「ひあうあ、ゆえっ、だめっ、だめーーっ!!」
のどかの叫びも空しく、自らの恥部から放出されたそれは、スカートの内側を濡らしながら、ネギのカラダの上に降り注いでいった。
図書館島の地下室の淡い光にキラキラと照らされたのどかの黄金水が、ネギの下半身をしとどに濡らしていく。
「わぁ…、あたたかいや、のどかさん…」
極度の疲労から、前後不覚に陥ったネギが、生暖かい感触にのみ反応し、薄目を開けてのどかに微笑みかける。
406v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/08 11:58 ID:0WJ387ap
「ひぃっ…!!」
瞬時に、のどかの顔が羞恥の色に染まった。
のどかは、あわてて夕映のいる方向に顔を向けた。
本棚にもたれながら呆けた顔でぺたりと座り込んでいる夕映のまわりに、ほかほかと湯気を上げながら黄金水が広がっていく。
「あわわ、たた、たいへんですーっ!!」
ようやく尿意の収まったのどかは、ショーツも履かずに、何か拭くものを探しに、ぱたぱたと駆け足でその場を離れていった。
その足音が遠のき、しばしの静寂が訪れる。
しばらく経って、何かに取り憑かれたかのように、夕映がゆっくりと黄金水の水溜りからすっくと立ち上がった。
スカートから自らの黄金水を滴らせながら、夕映がふらふらとネギのもとへと吸い寄せられるように歩いていく。
やがて、ネギの傍らにたどり着いた夕映は、スカートのホックに手を掛けた。
「ネギ先生…、私を、抱くです…」
夕映がぼそりと呟いた瞬間、自らの黄金水にまみれた夕映のスカートが、べちゃりと床に張り付いた…。
407v3yaa ◆d4WtKA.Zvs :04/05/08 12:04 ID:0WJ387ap
この話は、一旦、ここまでにします。続きは、またの機会に…。
以前予告していた、明日菜のSSに取りかかります。

他の職人さんへのレスは、また後ほど…。
408名無しさん@ピンキー:04/05/08 12:09 ID:I0m6kf9y
( ゚д゚)・・・長編乙でつ・・・・
409座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/09 03:12 ID:FsT0T/PI
内容は鬼畜、苦手な方はスルーしてください
今回は第28話(>>58-67)とほぼ同じ時間軸なので、時間が許せば28話もいっしょにお読みください

┃― ―) さて、職人の皆様に変わったお飲み物を―――

∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬
子蜜精超秘亜茶汁金鰻座月茸兎千β

スタミナ付きますよw
「明日菜さん!」
「ネギ! エロオコジョも!」
 上空から明日菜の前に、ふらふらとネギが下降してきた。二人は走り、また飛びながら無人都市
の周囲を移動して遭遇し、学園の屋上以来の再開を果たしたのである。
 ネギは裸なので、とりあえず服を調達しなければならないだろう。
「明日菜の姐さん! これからどうしやす?」
 カモの問いかけに、明日菜は無人都市を眺める。


 病院から逃げるように、そして、
 人が入れない場所には、決して近づいたらあかん―――


 亜子からの手紙にはそう書かれていた。それをくしゃりと握り締めて明日菜は叫ぶ。


「そんなの、決まってるじゃないっ!」


 最早その目に迷いはない。
 明日菜は既に覚悟を決めていた。
 その色の異なる瞳には、停滞した無人都市に嵐を起こしそうな力が漲っていた―――。


          *


「あ゙っ、あ゙っ、う゛あ゙っ、や、あ、め゙でぇ、あっ、突か、あ゙っ、んといてぇ、あん!、うあっ!」
 ズン、ズン、ズンと、前後から巨大な肉の塊が、亜子の下半身を砕かんばかりに乱暴に突っ込ま
れる。尻の穴から腸壁を抉られる寒気と充足感、膣中で肉棒が動く摩擦、子宮を突かれる感触、
性器を弄られる悦び、身体にかかってくる重み、精液の味と匂い、絶頂を迎え続ける天国と地獄、
それらを全てミキサーにかけてドロドロにした官能が、亜子の心と肉体を蝕んでいく。
「あ゙、あ゙っ! あ゙ぁ! あ゙っ! ほんまに、も゙う、げんか、い、やねん……だ、あ゙っ、からぁ……」
 一週間前に陵辱された時は、心の中でその行為を完全に拒絶していた。しかし今は快楽に心も
身体も震えてしまう。澄みきっていた亜子の心に、果たしてどれだけのおぞましい官能が刷り込ま
れてしまうのか? 亜子は犯されながら怯えていた。
「あ、っふあ―――あ、あああっ!」
 びゅるるるる、どぷっ、どぷどぷどぷ。
 生殖器に注ぎ込まれる精液に、亜子は歓喜と恐怖の悲鳴を上げる。しかし蜘蛛が亜子の性器
から肉棒を引き抜くと、すかさず次の蜘蛛が挿入する。お尻を犯している蜘蛛も射精が近そうであ
る。亜子には休息は許されていないらしい。
「ふっふっふ、100匹の鬼蜘蛛ちゃんはアソコの小さい順番になってるから、後に来る鬼蜘蛛ちゃ
んほどスゴイよ。最終的にはゾウとでもヤれるようになるかもね」
「いやあああっ! あっ、あ゙っ、あっ、いやっ! そんなんイヤやぁ―――っ! あ゙あ゙っ、あっ!」
 前後から肉杭を打ち込まれ、脱出不可能の亜子が悲鳴を上げる中、ハルナはゆっくりとアーティ
ファクトのスケッチブックを開いた。
「魔法のスケッチブックと画材セット。今から執筆」
 スケッチブックがぱらりと白紙のページを開き、ハルナの右手にはペンが出現している。
 そして、絵を描く。
 まるでビデオの早送りをしているように、ハルナの手は高速で動いて絵を完成させる。描く時間
の短縮は、画材セットの付加能力の1つだった。
「作品名……うーん、そのまんま『ろうと』でいいや」
 そして完成した絵からずぶずぶと、絵を実体化させて取り出していく。
 最近のハルナはコピー機能を頻繁に使っているが、絵を描いて実体化させることがハルナのア
ーティファクト『魔法のスケッチブック』のスタンダードな使い方である。
 具現化したのは理科の実験器具「ろうと」だった。筒状になっているが、一方の先端は大きく広が
っていて、他方の先端は尖っている。広がっている方にろ紙をセットし、濾過の実験に使用する道
具である。ただし、ハルナが創ったそれは、実物よりかなり大きい。広がっている部分が異様に大
きく、液体が流れ落ちる部分は異様に短くて太い。少し不細工なろうとだった。
 先端を下のビーカーに密着させなければならなかったり、ガラス棒を使って濾過する液体を流し
込まなければならないなど、細かい決まり事は沢山あるが、使用方法は1つしかない。
 液体を流し込むこと。
 ろうとをわざわざ用意する理由は、他にはない。他の目的には、もっとその目的に適したものが
あるはずである。少なくとも「ろうと」を創った以上、ハルナは何かの液体を何かに流し込むつもり
だろう。
「うふふ……」
 蜘蛛の一匹にごにょごにょと小声で喋ってろうとを渡す。
 そしてハルナは、そのまま時間を歪める結界から出ていった。


          *


「うぐ、うぐ、うぐ……」
 自動販売機で買った炭酸飲料を飲みながら、ハルナはほっと一息ついていた。
 亜子のいる結界の中では、外の1分が30分である。長時間の調教なら、ある程度の時間が過
ぎるまでは外で待っていた方が楽だった。
「うー、6分か……中では3時間経過ってとこね」
 時計から目を逸らし、炭酸飲料をあおる。
「……吸血鬼は頑丈だからなぁ……5、6時間ぐらいぶっ続けで犯すか……もうちょっと待ってよ」
 真後ろには、街の1ブロックを包んだ蜘蛛の巣の城が広がっている。


          *


「うわー、すっごーい! キレー!」
 臨時寮の窓からはパジャマ姿の住民たちが顔を出し、何人かは我慢できずに外に飛び出してい
った。佐々木まき絵もその例に漏れずに、臨時寮から近くの見晴らしの良い場所に移動し、人ご
みに紛れてその幻想的な光景を見物していた。
 街の地平線の向こうから、無数の光が星月夜に向けて発射されている。
 宇宙に帰る流れ星の一団。
 暗闇に注がれる光のシャワー。
 レーザー光線。
 見る者に様々な印象を与える、美しい光のショーがそこに展開されていた。その本数は100を
超えていると思われ、見物客は発射される本数に比例して多くなっていく。
「すごいですねー。お姉ちゃん」
「うーん、スゴ過ぎだよっ! 千雨丸も見に来ればよかったのに。かえで姉も帰って来ないし……
どこ行っちゃったんだろ?」
 まき絵の前では鳴滝姉妹が仲良く手を繋いで見物していた。何を見物していても微笑ましい姉
妹ではある。
「もう、裕奈たち早く来ないかなー。あ、そーだ、写真、写真」
 携帯電話で光のショーを撮影しながら、まき絵はこちらに向かってきている友人たちの到着を待
ち望んでいた。それは単純に、目の前の光景を共有したいという思いからだった。
 裕奈たちがいる場所からは、この光のショーはどうやら見えないらしい。だから早く来て欲しかっ
た。こちらに来る動機が「寮から追い出された」とか「街に入れない」などという理解に苦しむものだ
ったことは、まき絵は大した問題だと捉えてはいない。
「もしかして花火かなー?」
「……いや、あれは、花火とは違う」
 まき絵が振り向くと、険しい顔で龍宮真名が立っていた。しかしまき絵は真名の顔に浮かぶ不穏
な色には気が付かない。真名も光のショーを見るために臨時寮からここまで移動してきたのだとい
う、同じ行動をとった者として妙な仲間意識を抱いていた。
「そーだよね。花火にしては早過ぎだよねー。あっ、いやーん、あんなにいっぱい!」
 大量に夜空に発射された光に、まき絵が目を輝かせている横で、真名の顔には険しさがいっそ
う増していく。
「あー、どこから発射されてるんだろう? 1回でいいから、あんな光がいっぱい発射されてる場所
でさー、新体操とかやってみたいなー。バックに踊るとすっごいキレイに見えそうだしー」
「―――それは、止めた方がいい」
 真名の言葉には、まるでそれが命に関わる行為であるかのような凄味があった。
「えへへ。みんな光の方を見て、誰も私を見てくれないかな。そりゃダメだね、確かに……」
 しかしまき絵は平和を十二分に享受している笑顔で、光に見惚れている。


「全部忘れることができて、本当に良かった―――」


「え、何?」
 まき絵がきょとんとして真名の顔を見ると、真名は静かに目を細めてまき絵を見返した。
「君はこちらに戻って来られたんだから、それを大切にしろってことだよ」
 首を傾げるまき絵を見てふっ、と微笑むと、真名は光のショーに鋭い視線を向けた。


          *


 人を排除した無人都市は荒廃した雰囲気が漂っていると思っていたが、しかし、人工の光によっ
て意外に明るく、視野も悪くはなかった。
 信号機などは勝手に動いている。道路にはドライバーのいない乗用車が停止していて、赤から
青に変わった信号を眺めたまま動かない。家庭の電灯の明りが窓から漏れ、風呂が沸かしたまま
放置されているのか、湯気が噴き出している窓もあった。ネオンサインは普通に点滅を繰り返し、
無人のコンビニエンスストアには商品が無防備に並んでいた。自動販売機は相変わらず電動音を
微かに立てている。街灯が時々、ちかちかと瞬きをする。
 電力に依存しているとはいえ、都市は平和そのものだった。人が求めている真の平和とは、人
がいない場所にのみ存在しているのかも知れない。


 ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダッ


 そんな無人都市に走る音が響いた。二つの人影が高速で街中を移動している。一人はまだ幼い
少年で、杖に乗って低空飛行している。もう一人は少女で、乗用車に負けないようなスピードで少
年の後ろを走っていた。手には巨大なハリセンが握られている。
「兄貴! 姐さん! あれを!」
 少年、ネギ=スプリングフィールドの肩に乗ったカモが声を上げる。それに会わせて仮契約をし
た明日菜がパワーアップした足にブレーキをかけた。靴が煙を噴いて、ぶすぶすと焦げる。明日
菜が身体を静止させた先には、大きな穴ができた道路に消失した歩道橋、そして半壊して転がっ
た車やヒビが入った建物など、明らかに戦闘の痕跡が残されていた。
「兄貴」途中から消失した歩道橋の断面を見て、カモが呟く。「これは……」
 歩道橋の断面からは粉になった鉄骨が、ぱらぱらと風に運ばれて消えていっていた。まるでそこ
だけが高速で風化したような奇妙な破壊は、単なる物理的な攻撃では不可能である。
「無生物を粉々にする能力……。桜子さんのアーティファクトだね。ここで亜子さんと戦ったんだ」
 学園都市の36ヶ所に描かれ、巨大な人払いの結界を作る西洋魔方陣(直接描いたのは茶々丸
だったが、それは後から知った)、明日菜に逃げるよう促した亜子からの手紙、行方不明になった
ハルナたち、エヴァの言った言葉、それらのワードを組み合わせれば、亜子がハルナたちと無人
都市で戦っている可能性は高く、それはついに証明されたのである。
「ねえ、ネギ、この辺りってさぁ……」明日菜がぶるり、と武者震いするように一方向を指した。「私
はあまり知らないけれど……あんなものあったっけ?」
 ネギとカモも、明日菜の指の先を追う。
 そして見た。
 巨大な綿菓子のような物体を。
 明日菜たちのいる場所から数ブロック先に、大量の糸が絡み付いているエリアがある。
 それは何重にも張り巡らされた、巨大な蜘蛛の巣の塊だった。
 三人とも、思ったことは同じだった。
「行くわよ―――っ!」
 明日菜の声を合図に、二人と一匹はその蜘蛛の巣の城に突き進んでいく―――。


          *


「うー、ううん……」
 ネギや明日菜が駆けていった後、路地裏でむくりと1つの影が起きあがった。
 木乃香がのどかに渡していた「身隠しの呪符」で存在は隠蔽されていた。全裸の身体には近くの
店のマネキンが着ていた服が被せられていて、仮契約カードも横に置いてある。
「今、何時? 遅刻?」
 寝惚け眼の椎名桜子は状況が把握できずにきょろきょろと周囲を見渡しながら、ゆっくりと動き
始めた。どうやら普段のテンションを取り戻すためには、もう少し時間が要るようである。
「………う゛―――っ?」
 ぼんやりした桜子の頭に、気を失う前の記憶がじわじわと甦ってくる……。


          *


 亜子は24匹目の蜘蛛にお尻をレイプされていた。
 最初は肉体の穴と言う穴に精を注ぎ込まれる生臭い拷問が続いていた。しかし、亜子はあれか
らしばらくたって、延々と続く陵辱の隙をついて逃走することに成功した。
「あ、あっ、ああっ、あ゙っ、あ゙あ゙っ! あ゙あ゙―――」
 ズン、ズン、ズン、と尻に打ち付けられる蜘蛛の腰(?)のペースが上がってくる。
 逃走と言っても、本当に走って逃げただけである。がくがくした足を思いきり叩いて動かし、蜘蛛
のいない方へ、いない方へと時間の流れを歪めている結界の中を逃げまわった。しかし100対1
の鬼ごっこなど勝負はみえている。結局逃げ切ることができずに捕えられてしまった。
 そして今も状況は変わらず、地面に這う亜子の尻だけは夜空に向けて突き出すように固定さ
れ、そこに巨大な肉棒がずぬり、ずぬり、と捩じ込まれているのである。
「あ゙―――っ! あっ、はあ、ぁ……ああ……あ、あっ! あ、あ、あっ!」
 亜子は土の上にいた。どこかは分からないが、逃げ出して捕まったのがこの場所だった。べとべ
としていた肌は乱闘時に土の上を転がって黒く汚れ、亜子の顔も髪の毛も泥塗れになって、精液
と土が混ざって団子のように張り付いている。
「あ゙あ゙っ! あ゙あ゙あ゙っ! お゙しり゙…もう、あっ、あかっ、ん、あ゙あ゙っ! あ―――っ!」
 尻を犯されても抵抗する力はもう肉体には残されておらず、亜子は突かれる度に身体を折り曲
げた格好で、掠れた喘ぎ声を上げるだけだった。しかし、喘いでしまう自分への軽蔑も、それでも
蜘蛛のペニスに食い付き締め付ける自分のお尻の情けなさも、突かれる度に吹き飛んでしまう。
「う゛あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!」
 どぴゅるるる、どぴゅ、どぷぷ、どく、どく、どく……。
 亜子の尻に大量の精を注ぎ込んだ肉棒が、吸い付いてくる腸壁を振り払い、亜子の尻の穴から
乱暴に引き抜かれる。しかし、これだけでは行為は終らない。
「はあ、はあ、はあ、はあ……いやや……もう、逃げへんから……ゼッタイ逃げへんからぁ……」
 まるで検査で飲んだバリウムを垂れ流しているように、亜子の尻の穴からどろどろと精液が溢れ
ていた。意思に反してやはりイってしまった亜子が、か細い声で逃走の件の許しを乞う。その亜子
の前に、尻を犯していた蜘蛛がかさかさと歩いてきた。
 ハルナの命令がなされていたかは定かではない。しかし蜘蛛たちは、逃走した亜子に対して只
の陵辱ではない、一種の制裁を加え続けていた。
「いやや……う、ウチの口はトイレやないんよ……許して……許して……」 
 許しを乞い続ける呪文など届くはずもない。亜子の頭を蜘蛛は脚で軽く摘み上げる。そして泥と
精液塗れの亜子の顔の中で、わずかに潤いを保っていた唇をこじ開け、そのまま肉棒を口の中に
捩じ込んだ。


(……せめて、女の子として…………)


「ううっ……ふ、んぐう―――っ!」
 亜子の口内から喉に、自分の尻を犯した肉塊が捩じ込まれてくる。亜子の赤い瞳から再び涙が
浮かんできて、汚れた頬を洗うように静かに伝い落ちた。亜子は、一連の行為に想像以上に打ち
のめされていると実感する。前に茶々丸に似たようなことをされたが、慣れるわけもない。
 蜘蛛たちは5匹連続で、亜子の尻を犯してそのまま口を犯す行為を繰り返していた。じゅぷじゅ
ぷと口を犯している肉棒は射精するまで抜かれることはないが、先ほど尻の穴に欲望を放ったば
かりであるため、次の爆発までは少し長い。何とか肉棒を吐き出そうと必死になる亜子を見る度
に、蜘蛛たちはその責めが亜子の精神に十分ダメージを与えていることを確信し、さらに続ける。
 その時間は容赦なく亜子を苦しめ、乙女の根幹を抉り、誇りをぐしゃぐしゃに踏み荒らした。
 性交とすら呼べない、と亜子は思う。
 びゅるる、びゅるる、びゅる、びゅる、びゅる……
「ごほっ!」
 肉棒が抜かれると、亜子の口から精液がぼとぼとと零れ落ちた。目の前の亀頭はやはり、亜子
の顔にぺちゃぺちゃと生臭い欲望をふりかけてくる。


(あれ……?)


 その光景がどこか、遠い場所の出来事のような気がする。
 視界が歪んで、亀頭が何個にも分身して見えた。
「――――――」
 自分の声が何と言っているのか聞こえない。
 何も聞こえない。
 ふわふわした感覚。
 視界がだんだんと暗くなる。
 次の蜘蛛が後ろに回りこんでくる。
 お尻を犯す気だ。
「――――――」
 ?
 何も感じない。
 何も……。


 亜子の身心のストレスは限界に達し、そのまま意識を失って崩れ落ちた。


          *


 パソコンのモニタの光が、携帯の音声を聞きながらキーを叩く長谷川千雨を闇に浮かび上がら
せていた。彼女の眼鏡に映るのは、麻帆良の結界を制御しているセキュリティシステムである。
 女子寮を救った二人、長瀬楓と長谷川千雨。
 最初は同盟を組み、お互いの能力で役割を分担し、お互いの危機を救ったこともある。
 あの夜、女子寮から木乃香一派を排除することができたのは千雨の働きが大きいし、関西の過
激派たちを撃破できたのは楓(と古菲)の働きが大きい。
 二人が女子寮の危機を救ったことは、まったく周囲に知られていない。
 そして魔法に近づき過ぎた二人が、逆に危険因子に変質していることも、誰も気付かなかった。
 鳴滝姉妹が外へ来るように千雨を誘ったが、千雨は断った。なぜなら、鳴滝姉妹が千雨に見せ
ようとしている現象の、学園にいる長瀬楓の実況を聞いていたからである。戦いは重要な局面を
迎えており、千雨がモニタから離れることはできない。
 魔法の力が手に入るか否か―――。
 全てはそれに尽きる。
≪何っ!?≫
 長瀬楓の声に、千雨の顔に緊張が走る。
≪ふうう、危ない危ない。いやいや、スリル満点でござるな。遊園地の5倍はすごい≫
「遊園地の5倍? 客も5倍で行列も5倍か」
 一人嗤いながら、携帯に話しかける。
≪並んでまでは……どうでござろう?≫
 どうやら状況は安定したらしい。
≪むう? 校舎側からの攻撃が止んだようでござるな―――≫
「そうか、なら」
≪近衛の姫と闇の福音の決着がは近い。そろそろ行動を開始するでござる―――≫
「ああ、よろしく頼むぞ、中忍」
≪あいあい―――≫
 携帯を握りながら、千雨はにやりと嗤った。


「くっくっくっくっく、最後に勝つのは、私たちだ―――」


          *


「………」
 亜子が意識を失った時の対処を、ハルナはきちんと蜘蛛たちに命令していた。
 亜子の口にはハルナが創った「ろうと」が挿し込まれ、まるでラッパを吹いているような状態で、
亜子は濁った瞳を夜空に向けている。陵辱の限りを尽くされている肉体は、悲愴な姿でぴくりとも
動かない。
 ぼんやり開かれた赤い目に生気はない。
 蜘蛛たちが暴れないように手足を押さえ、そして命令を実行した。
じょろじょろじょろじょろじょろじょろじょろじょろ……
 八方から水音が、亜子のろうとに集中した。
 蜘蛛たちは黄金水を亜子のろうとに注ぎ、止まると次の蜘蛛に交代してそれを続けた。外れた黄
金水は亜子の顔や首、胸にびちゃびちゃと降り注ぎ、亜子の半身を黄色く染める。ろうとに流れ落
ちた黄金水はそのまま口内に溜まり、すぐに唇から溢れてろうとの水位を増していった。
 ごぽごぽと亜子の口から気泡が漏れて、黄金水の溜まったろうとの中を浮上していく。
「―――ごほっ! ごほっ! えぇ……あ、えほ! えほ! あ、ああ、はあぁ――、はあぁ――」
 亜子の顔から黄色い噴水が上がり、口からろうとが飛び出して中の黄金水が亜子の顔に雨のよ
うに降り注いだ。窒息して目を覚ました亜子は訳が分からないまま、黄色く濡れた顔を歪めて嘔吐
し、口の中の液体を吐き出していく。
「あ、ああ!? な、なに……うぶぶ、ぶっ、何すんの!? いや、止めて! うぶ、 いやあっ!」
 蜘蛛の尿を八方から浴びせられて、亜子の周囲から湯気がもうもうと上がった。亜子は手で顔を
隠そうとするが、押さえ付けられていて動けかすことができない。額や鼻の頭、口元などに黄色い
放物線が降下し、生温かい液体が悲鳴を上げる亜子の顔中に飛び散って、口や耳、鼻孔に流れ
込んでいく。
「……うぶ、う……ううう……うぶぶ、う、うあ………」
 手荒い目覚ましのシャワーを亜子に浴びせた蜘蛛たちは、亜子の意識がはっきりしたことを確
認すると放尿を止め、そのまま陵辱を再開していく。
 持ち上げられた亜子は身体中から蜘蛛の尿を滴らせながら、顔は放心していた。


(…………ウ、チは………ト………イ………レ…………なん…………?)

「うはあっ!」
 性器に捩じ込まれたペニスの大きさに、亜子は声を上げた。しかしその表情は前と何かが違っ
ている。陵辱されているのにも関わらず、考え事をしているのだった。


 その考え事とは
「自分は何なんやろう?」


 自分の姿を見て、亜子ならどう答えるだろうか?
「生ゴミ」


「…………………………………………あはあっ! あっ、あん、あっ、ああっ、ああっ」
 何かがふっ切れたように亜子は変わった。
 喘ぎ、腰を積極的に動かして、自分を犯している蜘蛛に抱き付いた。
 肉棒で突き上げられ、尿を肉体から飛び散らせ、尻からどろりと精液を漏らしながら笑う。
「あはああああはあああああああ―――っ!」
 尻にも突っ込まれて歓喜に打ち震える。
 蜘蛛たちは100匹。半分も終っていない。
 終った者も1回だけで、実際は何回も復活するだろう。
 最低100回? 200回? 300回?
 数え切れない欲望を、この肉体に注がれる。
 苦しいけれど、嬉しい。
「あはあ! あっ! はああ! あっ! あは! あっ! あはぁ―――っ! あ、はは―――」
 亜子が弾けた。


 華が散り、そして朽ちていく。

423座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/09 03:27 ID:FsT0T/PI
v3yaa ◆d4WtKA.Zvs氏、なんか少しネタ被ってすみません
最終章なのでじっくり書いてますが、次回は状況急変の予定です
ではまた
424名無しさん@ピンキー:04/05/09 20:16 ID:Rd8FJCc0
>>423
乙です。タツミー姉さんが渋いっす。
徹底的に責め尽くされる亜子にも萌えてしまった。。。orz

ところで一つ質問ですが本編でせっちゃんが烏族のハーフと
判明しましたが長編SSの設定ではあくまで人間のままでしょうか?
それとも後日、一部を修正されるのでしょうか?
425(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/05/10 05:39 ID:Epi34Cej
前回レスすると言いながら仕事疲れで氏んで忘れてますた。スマソ

P.T ◆3QNEGIp2Uc さん

>オンドゥルゴノカイドクニ
そんな貴方にベンカンゾヴドゥドゾ-(変換ソフトドゾー)( 0w0)ノttp://meridian.zive.net/~constellation/honyaku105.zip

それにしてもすごいペースで。羨ましい限りです。
どれも(・∀・)と思いまつが漏れ的には14・15話が現在の最萌え。
いいんちょのπ釣りフェラ(;´Д`)ハァハァ
木乃香を責め倒すネギきゅん(・∀・)イイ!

座薬 ◆LsUrNEsQeQさん

流石にリョウメンスクナ登場計画は「もちつけ」と思いますた。(^_^;
が、他は文句のつけようが無いわけで……どんどん突っ走ってください。
そして、徹夜明けの目覚ましにちょいといただきます。( *゚∀゚)つ亜子秘汁

v3yaa ◆d4WtKA.Zvs
お久しぶり&のどか夕映編乙カレー
のどか放尿…ぜひ本スレの良識の府兼同人のエロい人、T・K氏に見せたい( ̄∀ ̄)
次回作は……やべっ、漏れと正面衝突w
でも他の方だとどうなるかも興味あるので楽しみにしてまつ。


それでは、前回の>>376-381の続き、ドゾ。
426(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/05/10 05:41 ID:Epi34Cej
第五話

「……アンタの…所為だからね……。」
「えっ……?僕、また何かアスナさんの気に障る事でも……?」

普段、怒気混じりで同じ事を言われる場合は大概「ごめんなさい〜」で逃げ回ったりおどおどするはずなのに、
あまりにも普段と口調、雰囲気が違うために、思わず改まって聞いてしまっている。

「違うの……。ううん、違わない。けどいつもとは違う……。」
「??」
「私……アンタの事を最初は大嫌いだった。いけ好かない生意気なガキだと思っていた。
 だって、いきなり初対面で失恋とか何とかいうわ、
 証拠隠滅とか言って魔法失敗させて素っ裸にさせるわ、
 出所不明の薬で混乱に陥れるわで…………。
 だから、よく追い払ったり、邪険な態度で取り合わなかったりもした。鉄拳制裁なんかもしたわよね……。」
「ごめんなさい……。」
「今アンタから謝罪を求めようという気はないわ……。
 えっと、さっきの続き……。でも、そんな冷たい私なのに、アンタは、しつこくっついて回っていた。
 お姉ちゃんに匂いが似ているからといって、本当の姉のように懐いてきたりもした。
 しかも、何の関係もない、こんな冷たい、体力以外何も取り柄の無い私に対して、
 私を気にかけている理由と身上、そして、夢として抱いている目標の事までまで真剣に語って……。」
「…………。」
「それからかな……私の中でアンタの見方が少しずつ変わってきたのは。
 私の言った事を気にして図書館島で力封印してみたり、
 ムカつく位の多勢に無勢な状態でエヴァちゃんに一人で立ち向かおうとしたり……。
 そのときは、まだ自分の本心と建前のプライドの間で揺れ動いてて、
 また、あんたを信じきれていなかったのがあってあんな事やこんな事を言っちゃったけど、
 そして、それらの事が終わっても、お姉さん風吹かしてアンタには言わなかったけど、本当はちょっと後悔してた……。」
「…………。」
427(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/05/10 05:42 ID:Epi34Cej
「そうしていく内に、いつの間にか、アンタの事、悪い意味じゃなしに気になるようになってきてて……。
 皆に感づかれるのが怖くて、からかい半分で疑われるとすぐムキになったり、
 アンタが私から離れている時や、他の子と接触があるたびに、
 いつのまにかアンタの事を考えるようになってた。
 例えば、疑わしいことがアンタ絡みで起こった時、私はよくアンタに先に言ったりするでしょ?
 アレは頭にきたわけじゃない……アンタがそういう間違いを犯すのが……
 まさかそんな事したんじゃと考えるのが、すごく、嫌だったからなの。それは誤解しないで…………。」
「そうだったのですか……。」 
「それらの積み重ねが、木乃香の実家での一悶着の前の電車の中で
 カモにからかわれて口に出したあの発言。ちょっと照れ隠しで強く言っちゃったけど、あの発言には、嘘は無いから……。」
「…………。」
「本当はあんな面倒なことには関わりたくなかった。
 木乃香やいいんちょ、クラスの皆、そして高畑先生と、
 泣いたり笑ったりしながら普通の学園生活を送りたかった。
 けど……そこにアンタは悪気を微塵も感じさせない笑顔で割って入ってきた!
 わけもわからない漫画みたいな力で色々騒がせた!
 私を巻き込んだ!それどころか他数名をも巻き込んだ!
 普通に暮らしていれば巻き込まれない一大事にも首を突っ込まされた!
 死ぬかと思った!本当に死ぬかと思った!
 怪しい島の深淵で!市境の橋の上で!いわくありげな親友の実家の中で!
 普通の生活を、青春を、人生を送ることは出来なくなると思った!アンタの所為で!!」
「アスナさん落ち着いて!」
428(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/05/10 05:45 ID:Epi34Cej
「でも…それなのに…それなのに……。
 アンタの事を嫌いになれない…。無視することが出来ない…。
 時々失敗することもあるけど、そのアンタの努力、根性、行動力、責任感、夢。そんなの見たり感じたりしちゃうと…、
 アンタの事が気になって、気になってしょうがなくなる……。
 アンタの人生だけじゃなくって、気にしたところでお金にもなりゃしないアンタの事細かいところまで……。
 アンタ自身は、教師だからと、イギリス紳士だからと、あまり多くを語らないけど、
 元々私は、最初はアンタを嫌っていたから、知るつもりなんか毛頭無かったけど、
 今となっては、アンタに熱烈に迫る一部を除く皆みたいに、知りたくて知りたくてしょうがなくなってる……。
 皆とは違って、すごく遠回りになっちゃったけど、私も、皆と同じになっちゃった……。
 でも、今思うと、そんな遠回りも良いものかもしれない。
 アンタの実情を多く見ている分だけ、嫌な面も見てしまっているけど、
 それと同時に皆の知らない良い面も見ている分、私は、アンタを皆が思っている以上に可愛く思える。そう思う自信がある。」
(まさか、アスナさんは……)
「そうして、アンタが可愛くって可愛くってしょうがない気持ちが積もりに積もって、
 さっきはなかなか寝付けなくてアンタをオカズにオナニーしちゃったし、
 その時にアンタの名前言っちゃってアンタを起こしてみたり、
 それをここに呼びつけてエッチな悪戯しちゃったり……。
 私がその気持ちを我慢できなかった責任もあるけど、
 元はといえば、ガキ嫌いな私を陥落させて、こんな衝動に駆らせたアンタの責任……だから、アンタの所為、て事♥」
(!!……アスナさん、こんな可愛い顔するんだ……。
 タカミチの前でも、こんな顔見たこと無い……。でもなんで僕に?まさか、やっぱり……。)

泣きながら、怒りながら今までの心境とその変化を吐露した明日菜。
それらを吐き出した後、憑き物が取れたかのように、先ほど行った行為をネギの責任となすり付けた理由を、
今まで見たことも無いような可愛らしい笑顔で告白した。
その笑顔にネギは心を惑わされながらも、その手の思考は判らないなりに考察し、口をつこうとする……。

「まさか……アスナさんは、僕の事を、s」
429(;´・`) ◆FOU/niiiV6 :04/05/10 05:46 ID:Epi34Cej
「言っちゃダメ!!」
「!!!あん、ん……。」

明日菜の心情を察し、それを言わんとしたネギを、核心を言い終わる前にキスで唇を塞ぎ、牽制する。

(え…何で怒って止めないのアスナさん?いつものように叩いたりとか追っかけまわしたりとか……でも、このキス、すごく気持ちが伝わってくる!)
(知られちゃった、私の本心……でも、まだ今はダメ!まだ言わないで!アンタの為に、私の為に!)

「「ぷはっ、はあ……はあ……。」」
「あ、アスナさん……。」
「いい、ネギ。さっきの言いたかったことの続きは、絶対言っちゃダメ。
 もし言いたいのなら、アンタの目標を達成できたときにしなさい!
 私も、そのときが来るまで言わないから。いい、判ったわね…………。」
「は、はい……でも、なんか、言わんとしている事が判ったように言っているのは何故ですか?」
「アンタの言いたい事と、アンタが私に対して思っている事、
 そして、私がアンタに対して思っている事、どうせ一緒でしょ?
 だったら、その思いを胸に秘めつつ互いの目標へ邁進し、
 その時がきた時に互いに言ったほうが価値があるに決まってるじゃん♪」
「…………。」
(何か、上手くはぐらかされたような気がするけど、良かった……自分の予感と、気持ちが正しくて♪)

「でも……このまんま悶々と引きずって、今後がめちゃくちゃになるのもなんだから、
 その時の後の予行演習をかねて、今夜だけは、私達が思うがままに楽しんじゃってスッキリしちゃおうか♪」
「えっ……は、はい!」

続く
430名無しさん@初回限定:04/05/10 05:48 ID:WRs46+Pi
たまたま覗いてみたら
リアルタイムでキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
431(;´・`)携帯故トリップ無し:04/05/10 07:13 ID:Ak3RFEx/
何か忘れたとオモタら v3yaa氏に「さん」付けるの忘れてマスタ。 会社まで暫く吊ってます。
432名無しさん@ピンキー:04/05/10 23:08 ID:iKJ0cPLe
亜子さんを修理してくだちい
433age:04/05/12 19:28 ID:Kn2Y22z4
age
434DT60V ◆tsGpSwX8mo :04/05/12 19:45 ID:suYBOnox
人大杉になったのと同時に新しい職場の出張で中国の東芫にいってますた。ネギの中国版は売ってなかった・・。
>>座薬様
着陸直後にケータイで見ますた。
壊れた亜子タソの逆襲や、いな桜子はどうなるのか・・。
乙でした。
435名無しさん@ピンキー:04/05/12 20:02 ID:F9pG1LG0
・・・お土産は?(ボソ
436名無しさん@ピンキー:04/05/14 06:40 ID:d9EAXxHh
夕映タンがアレだってことですよ。
437座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/15 01:27 ID:F+KxRRT5
鬼畜なしですが、平和な内容とも言えません
バトルが嫌いな方はスルーしてください
第29話・第30話と同じ時間軸なので、いっしょに読んでもらえると有り難いです


>>424
┃;― ―)修正するつもりはありませんし、そんなパワーもありません
まあせっちゃんはSS中では屋内や夢の中でしか戦っていないので、翼を出す必要もなかったのではと解釈してみたり(無理があるか……)


>> (;´・`) ◆FOU/niiiV6 氏
>普通の生活を、青春を、人生を送ることは出来なくなると思った!アンタの所為で!!
┃*― ―) 俺はこういうセリフが大好き(ツボ)なのです!
明日菜の葛藤が滲み出る告白に悶えてしまいました
次回を楽しみにしております


:>>DT60V ◆tsGpSwX8mo 氏
┃;― ―) 中国ですか……乙彼様です
438第36話「ペンVS剣」 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/15 01:28 ID:F+KxRRT5
 ハルナが炭酸飲料の缶を自動販売機の横のゴミ箱に捨てて、時間を歪める結界の中に戻って
みると、蜘蛛の大群の中で亜子は失神していて、蜘蛛たちがろうとを使って小便責めをしようとし
ているところだった。
 もう何度か失神しているのだろう、亜子の身体は精液と尿塗れだった。大の字になって転がって
いるその姿は、もはや一生分の性交をやり尽くしたといった具合である。
「ふふん、さすがにもういいや。みんな、ご苦労様」
 ハルナが合図をすると、近くにいた二匹を除いて蜘蛛たちは消えていった。
「さーて、これから焦らし責めをする予定だったんだけど、どうしたものかな―――?」
 失神した亜子を見下ろしながら、ハルナはふと思案した。


          *


 明日菜は思い出していた。これまでのことを―――
 学園の屋上で途切れた明日菜の意識は、病室の天井に不意に繋がった。
 白いシーツをめくってゆっくりと身体を起こすと、学園屋上での戦闘の名残だろうか、節々にずき
りと鈍痛が残っていた。しかし、特に手や足が動かないようなことはない。
 明日菜が目を覚ましたと知るや、学園長や木乃香の親族たちは明日菜から何とか情報を引き出
そうと、躍起になって明日菜を質問責めにした。眠っている最中に夢を覗こうともしたが、夢を覗く
魔法は明日菜には効果がなかったらしい。明日菜は同じことを何度も説明するはめになった。
 そして、近衛家の面々と接した明日菜が確信したのは、近衛家は木乃香を探すことばかりで、亜
子を探す気は全くないということだった。
 明日菜はよく分からなかったが、近衛家にとって近衛木乃香は家族以上、後継ぎ以上の存在で
あるらしい。眼前で交わされる近衛家の面々の会話からは、木乃香の身を心配する他に、何か政
治的な思惑が見て取れた。
 その必死さから、人員を亜子の捜索に割いてくれるとは思えない。それでも明日菜は、亜子の捜
索を近衛家に頼み、その後、毎日を病院で平和に過ごすことになった。
439第36話「ペンVS剣」 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/15 01:28 ID:F+KxRRT5


          *


 みんな、どこいっちゃったのよ……
 一人じゃ怖いよ……
 帰ってきてよ……


 やはり心は休まらなかった。ネギ、カモ、そして木乃香。同居人たちを一斉に失った明日菜の胸
は、寂しさと事件に巻き込まれた恐怖できりきりと締め付けられていた。


 でも、亜子ちゃんやネギを探せるのは、私しかいない……!


 事件の記憶は人々の中には残っていない。近衛家が木乃香探索に全力を上げている今、亜子
を探せるのは明日菜だけだろう。
 しかし、たった一人で魔法使い絡みの事件に挑むことができるのだろうか? エヴァに操られた
亜子の脅威的な強さは、今も明日菜の脳裏に深く焼き付いている。
 それからは亜子やネギを探したいという意志と、心に刻まれた恐怖との戦いになった。殺されか
けた記憶を克服して、亜子やネギを助けに向かうことができるのか。
 明日菜は心の中で、静かに戦っていた。
 立ち上がれるか、立ち上がれないか。
 戦えるか、逃げるか。
 中学生の少女には重過ぎる荷を背負わされながら、明日菜はそれに耐えていた。
 しばらくして。
「明日菜さんー。大丈夫ですかー?」
「よっ、明日菜、元気してる?」
 宮崎のどか、早乙女ハルナ、椎名桜子、柿崎美砂、釘宮円が御見舞いに来たのは、ちょうど、明
日菜がそういう状態の時だった。少し妙な面子だと思ったが、そんなことは口にしない。
440第36話「ペンVS剣」 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/15 01:29 ID:F+KxRRT5
 何より、友人が見舞いに来てくれたことが嬉しかった。
 交わされたのは他愛のない会話だったが、明日菜はそれで少し落ち付きを取り戻すことができ
た。何より、彼女たちも亜子やネギのことを心配していた。亜子やネギの行方を心配しているのが
自分だけではないと分かって、明日菜はほっとする。
 そして、みんなの話を聞いて、改めてネギや亜子を取り戻したいと切に思った。


 取り戻せるのは、自分だけなのだ。


 まるで友人たちから勇気を分けてもらったような気にさえなった。
 このお見舞いが、明日菜襲撃の下見を兼ねていたことを知るのは数日後である。


          *


 数日後。
 明日菜の病室の窓に、亜子からの手紙が挟まっていた。
 その手紙には、事件の真相がほぼ完璧に説明されていた。
 女子寮を半壊させ、ネギをさらったのが木乃香であること。
 亜子は吸血鬼になってしまったことと、エヴァが力を失ったこと。
 木乃香は学園の占い研に潜伏し、力を増していること。
 そして―――


 今夜、ハルナ・のどか・桜子が、明日菜のいる病院に攻めてくること―――。

441第36話「ペンVS剣」 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/15 01:30 ID:F+KxRRT5


 人が近づけない場所には、近づかないように。


 明日菜はくしゃり、と亜子の手紙を握った。
 事態は明日菜が思っていたより残酷だった。まさか、木乃香と数名のクラスメートがネギをさらっ
ているとは、考えもしないことだった。
 手紙には、何とかしてネギを助けるから、明日菜はネギと二人で逃げるようにも書かれていた。
 明日菜は泣きながら、そして安堵する。
 良かった。
 本当に良かった。
 湧き上がってくる感情が、恐怖でもなく、絶望でもなく、
 怒りだったことに。
 頭がおかしくなりそうな、下手すれば発火するのではないかと錯覚するような、激しい怒りが明
日菜の胸に宿っていた。
 こんなことが、許されるはずがない!
 許されて良いはずがない!


          *


「えぇ―――いっ!」
 自動販売機の前を通り過ぎた明日菜は、地面を蹴って軽やかに跳躍した。仮契約によってパワ
ーアップした身体を宙に躍らせ、与えられた破魔の剣(ハリセン)の威力を信じて、戦場に勇ましく
飛び込んだ。
 目の前に広がる蜘蛛の巣の壁をハリセンで叩くと、まるで最初から存在していなかったように、
蜘蛛の巣はぱらぱらと解れて砕け、そのまま消滅してしまった。どうやらハリセンの能力らしい。蜘
蛛の巣の壁に大穴ができて、そこから周囲の蜘蛛の巣も連鎖的に消滅していく。
 目の前に、驚愕の色を浮かべたハルナと二匹の蜘蛛、そして倒れた亜子の姿がある。
 明日菜は倒れた亜子の、その凄惨な姿を見て我を失った。
442第36話「ペンVS剣」 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/15 01:31 ID:F+KxRRT5
「――――――!」
 鬼のような形相で、奇声を上げてハルナに飛びかかる明日菜を、二匹の蜘蛛が遮った。しかし、
ハリセンで思いきり叩くと、二匹の蜘蛛は吹き飛ぶように転がり、そして消滅した。
「な、なに!?」
 ハルナの顔に焦りが浮かぶ。何かを大声で叫ぶとスケッチブックが光り、ハルナの前にひらひら
と一枚のページが舞い上がった。ハルナはそこからずるずるとトゲ付きの鉄球を取り出す。亜子
の拷問に使った武器である。
 具現化したモーニングスターを、ハルナは足止めとばかりに明日菜に投げ付ける。しかし、パ
ン! と乾いた音を立てて、ハリセンに触れたモーニングスターは消滅した。どうやらハルナが具
現化した物は、明日菜のハリセンなら一撃で破壊できるようである。
「し、シールド!」
 ハルナの前に、ガラスのような巨大な壁が出現する。しかし、明日菜はそれをハリセンで易々と
突き破り、そしてハルナを睨みつけて、
「メガネしてなくて、良かった―――」
 バシン! と大きな音を立てて、その巨大なハリセンでハルナの顔を殴り飛ばした。
「はぶぅ!?」
 木乃香に貰った護符の効果もない。ごろごろと転がるハルナを追って、明日菜はさらに攻撃を加
えようとハリセンを持ち直す。しかしハルナも「火炎放射」と叫んでスケッチブックを明日菜に向け
る。ひらひらと舞い上がる紙に描かれていたのは、「炎」だった。
「食らえぇ―――っ!」
 引き攣った顔で叫ぶハルナの前を舞う紙から、オレンジ色の炎が明日菜に向け噴き出される。
「?」
しかし、炎が消えると、少し日焼した明日菜が平然と立っている。服は所々が焦げていた。
443第36話「ペンVS剣」 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/15 01:32 ID:F+KxRRT5
「しまった、魔法無効化能力―――!」
 のどかがネギから読み取った情報をハルナは思い出した。
「め、メテオ(小)!」
 弾丸のように発射された燃える石の塊は、明日菜のハリセンに激突して消滅した。
「こ、これならどうよぉぉ―――っ! 神楽坂明日菜!」
 懐から黒い本を取り出して、明日菜の名前をハルナは叫んだ。のどかのアーティファクトを元ネ
タに創ったその「本」は、相手の名前を呼ぶと脳内情報を読み込み、さらに情報に細工をして傀儡
に変えてしまうという必殺の精神破壊兵器である。
「?」
 しかし明日菜には効かない。
「こんにゃろぉ―――っ!」
 牙を剥き出しにしてハルナは吼えると、近くの街灯を根っこからへし折った。吸血鬼の怪力のお
陰とはいえ、中学生の少女が夜に街灯をへし折る姿はなかなか怖い。
 ぶうん! と、ハルナは街灯を思いきり明日菜に向けて振り回す。魔法系の攻撃は効かないの
で、物理的な攻撃に出たらしい。明々と輝く街灯の光りの軌跡が、明日菜の顔の前を横切った。
 ハルナが街灯を振り下ろす。街灯の明りの部分が地面に叩き付けられて粉々に散り、ポールの
部分がしなやかに曲がった。しかし明日菜は、すたり、とハルナが振り降ろした街灯のポールの
上に立つと、ぽかんとするハルナの顔を見て、再び、バシン! バシン! と思いきりハルナの顔
をハリセンでどついた。
「う゛う゛う゛……う゛あ゛……」
 顔を押さえながらよろめくハルナ、しかし次の瞬間にはスケッチブックから羽を召喚し、そのまま
ハリセンの届かない上空に逃げようとする。
「あっ、こら!」
 まだ切り札を隠していたハルナを、明日菜が一応追いかける。そもそも明日菜はただの囮の予
定だった。ここまでハルナを追い詰められたのは偶然で、最初からハルナ打倒の本命は別にいる
のである。明日菜の役割は、ハルナの注意を逸らすことだった。
444第36話「ペンVS剣」 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/15 01:33 ID:F+KxRRT5
「はああ……はああ……あのハリセン、まさかアーティファクト!?」
 ひりひりする顔を押さえながら、明日菜を見下ろしてハルナは呟いた。そして、当然の疑問にぶ
つかる。明日菜のハリセンがアーティファクトなら、相手の魔法使いは誰なのか?
「ラス・テル・マ・スキル・マギステル 大気よ 水よ 白霧となれ―――」
 真上から急降下してくる少年の存在に、ハルナが気付いた。
「……な、なんで!? どうして!?」
 彼は高速で、ハルナに向けて垂直降下してくる。
「彼の者に一時の安息を―――」
 スケッチブックを使おうとする。間に合わない。
 回避しようとする。間に合わない。
「どうして……どうしてネギ君がここに―――っ!?」
 ハルナの目の前でネギが静止し、ハルナの大きな胸に手を添えた。その瞬間に魔力がネギの
右手に収束し、至近距離で爆発した。


「眠りの霧―――っ!」


 ばちん、と弾かれたようにハルナは吹き飛んで墜落した。ハルナはそのまま動かなくなり、スケッ
チブックはカードに戻った。
 同時にスケッチブックから生まれた全ての物は消滅し、蜘蛛の巣も跡形もなくなっていた。
「ネギ、やったじゃん!」
 駆け寄ってきた明日菜に、ネギは生徒たちが起こしたこの事件の責任を感じているのか、無言
で力なく肯いただけだった。
445第36話「ペンVS剣」 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/15 01:34 ID:F+KxRRT5
「ほら、ネギ。落ち込むより亜子ちゃんの手当てが先よ」
 明日菜はネギの背中を叩くと、亜子の怪我の具合を見た。陵辱され続けた亜子の肉体には、し
かし汚汁の類は全て消滅していて、ただ加えられた暴力の痕跡だけが痛々しく残っていた。
「亜子ちゃん……」
 脇腹の傷痕が全く目立たないほどに、内出血や裂傷が酷く、ボロボロとしか言いようがない状態
だった。何十回犯されたのだろうか、陵辱の跡が性器にも刻まれている。
「…………………う、ううん………あす、な?…………ネギ、先生……?」
「あ、亜子さん!」
「気が付いたのっ! よ、良かったぁ―――」
 意識を取り戻した亜子に、ネギと明日菜が顔を見合わせて、そして歓声を上げた。
「……ウチ……」
「何?」
「二人のこと……言わへんだよ……」
 明日菜は頭を殴られたようなショックを受けた。と同時に、なぜ亜子がここまでの仕打ちを受けた
のかが、頭の中でかちりと噛み合った。
 明日菜の色の異なる瞳にじんわりと涙が浮かぶ。
「わ、私のために―――」
 か細い声を出して微笑もうとする亜子を、明日菜が思いきり抱き締めた。
「あす、な……苦しいわ……」
 抱き締めながら嗚咽する明日菜に戸惑いながら、亜子は力なく抱き締め返す。それは学園の屋
上で戦って以来の、友人同士としての再会だった。
 全ては終わったのだという実感が、ようやく胸の中に湧いてくる。
 これでやっと、今まで通りの生活が戻ってくるのだ。
 その場にいた全員が、その感情を共通していた。
446第36話「ペンVS剣」 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/15 01:35 ID:F+KxRRT5


          *


 喜びを吹き飛ばすような気持ち悪い風が吹き出したのは、そのように安心していた時だった。
 身体にどろどろと纏わり付いてくるような不快感を感じる。生温い風は何時の間にか明日菜たち
の周囲に満ち満ちて、澄んだ夜の空気をヘドロのように塗り変えてしまっていた。
「な、何よ……この風……息苦しい……」
「分かりませんけど、普通の風じゃなさそうです……」
 亜子を守るように、ネギと明日菜が周囲を警戒する。風は明日菜とネギの周りを流れており、そ
こに少しずつ白い靄が混じり始めていた。
「カモ君……この白いの……なんか凄い魔力を感じない……?」
 風に乗って運ばれてくる白い靄はみるみる周辺を覆い付くし、まるで霧のように視界を閉ざして
いく。白い風は明日菜の髪を泳がせ、足下に倒れている亜子の姿すら見えなくなっていく。
「ああ、兄貴、これは霧じゃないぜ……」
 カモの声は恐怖に震えていた。
「目に見えるほどに凝縮して固まった……魔力の塊だ」
「ちょっと、どうなってるのよっ! これ―――」
 混乱した明日菜が破魔の剣を構えると、霧はその剣を避けるように流れ始めた。
「滅せよ―――処刑せよ―――沈黙させよ―――排除せよ―――」
 突然、マイナスの気配を持った女声が響き渡り、明日菜たちの鼓膜を震わせた。
「滅殺せよ―――全殺せよ―――」
「な、何よ、何なのよ!?」
 まるで霧が声を出しているように、四方八方から明日菜たちに声が浴びせられる。
447第36話「ペンVS剣」 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/15 01:37 ID:F+KxRRT5
「明日菜さん、離れないでください」
 ネギも険しい顔で周囲を観察している。明日菜とネギの背中が当たった。
「エヴァンジェリン―――茶々丸―――長瀬楓―――近衛家―――関東魔法協会―――」
「こ、この声は……」
 明日菜の記憶が、その声の主を思い出させる。約一週間会っていない、部屋の同居人―――
「こ、このか!?」
 その声は間違いなく、親友の近衛木乃香の声だった。
「敵を滅ぼせ―――討て―――焼け―――崩せ―――壊せ―――切れ―――解け―――」
 霧は暴風のように吹き荒れて、それと呼応するように響き渡る声も大きくなっていく。
「きゃああああ―――っ」
 台風のような風に明日菜とネギがよろめいた。遠くから窓ガラスが砕ける音や、何かが倒れる音
が聞こえてくる。
「そして、せっちゃんと二人きりの楽園を―――天国を―――夢を―――世界を―――」
 大量発生した霧が、突如として一方向に流れ始め、白い奔流となって明日菜とネギを翻弄する。
目を開けていられなくなった明日菜が悲鳴を上げる。ネギは風で障壁を張ろうとしたが、上手く呪
文を唱えることができなかった。
 しかし、風は急に止まった。
 少し安堵しながら目を開けた明日菜の前には、眠らせたハルナが立っていた。その周囲には
濛々と霧が立ち込めていて、ハルナを薄く包み込んでいる。
 霧の大半はハルナの頭上に集結して雲のように浮かび、まるで心臓のように膨張と収縮と繰り
返しながら形を変えていった。まるで、何かの形を成そうとしているように、粘土細工の如く歪みな
がら変形を繰り返している。
 異常なのは下のハルナが、眠ったままの状態であることだ。目はとろんとして焦点が合っていな
いし、身体はだらりと脱力したままである。しかし、まるで霧に操られているように手足が動き、ふ
らふらしながら明日菜たちの方に近づいてくる。その手には、スケッチブックが握られていた。
448第36話「ペンVS剣」 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/15 01:38 ID:F+KxRRT5
「あ、危な―――」
 明日菜が叫ぼうとする前に、ハルナのスケッチブックからは魔法銃が生み出されていた。
 「主人の最後の命令を、 実行せよ―――」
 木乃香の声。
 それが引き金になり、ハルナの握った銃が火を噴いた。
 銃口の先にはちょうど、風が静かになって起き上がってきた亜子がいた。ハルナには背を向けて
おり、その存在には気付いていない。
 鈍い音と共に、亜子の背中に魔法銃の弾が直撃した。
 時が止まった。
 ぴちゃ、と、明日菜の頬に赤い飛沫が付いた。
 亜子は何も言わず、ゆっくりと崩れ落ちていく。
 ネギは亜子の顔を見ていた。
 自分に何が起こったのかも分かっていない、そんな顔だった。
 抉られた亜子の背中は真っ赤に染まり、傷の深さを物語っていた。
 そのまま
 亜子は倒れた。
「ごほっ!」
 口から血を吐いた。。
「い、いやあああああああああああああああああ―――っ!」
 頬に赤い化粧をした明日菜が絶叫した。
449第36話「ペンVS剣」 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/15 01:42 ID:F+KxRRT5


 麻帆良上空では、どこからともなく現れた黒雲が、欠けた月と星々を覆い隠していた。


「ふっ……ふふふっ……ふふふふふっ……あはは、はははははは……」
 ハルナの頭上に漂っている霧の塊は、その形を人型に変えつつあった。
 流れるような黒い髪を持った、穏やかな瞳の少女の姿である。オレンジ色の着物を来ていた。
 しかしその姿は幽霊のように透けていて、背後の景色がまる見えである。
「ははは、ははは、ははは、ははは―――」
 その、近衛木乃香の姿をした魔力の塊は、真下のハルナを操りながら、とても楽しそうに、まる
で子供のような無邪気な笑みを浮かべていた。
 口の部分からではなく、霧全体から声が響いてくる。
「ははは、ははは―――まずは―――いっぴき―――」


 その言葉に、
 明日菜の頭は真っ白になった。


「うわあああああ―――っ!」
 明日菜は破魔の剣を構えると、そのままハルナと、木乃香の形をした物体に向けて走り出した。




 ≪to be continued≫
450座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/15 01:44 ID:F+KxRRT5
続きは急いで書きます……
ではまた
451名無しさん@ピンキー:04/05/16 01:16 ID:87PbWHIs
>>450
お疲れ様です。
452名無しさん@ピンキー:04/05/16 01:18 ID:Mx9Ytn56
>>451=座薬

まあ、丸一日放置はきついが。
453名無しさん@ピンキー:04/05/16 01:24 ID:87PbWHIs
>>452
別人だよ、ここで言っても仕方ないけど。
ただ1日放置されてたからね、あまり書き込みしないけど。
454名無しさん@ピンキー:04/05/16 01:42 ID:CIpcK/2A
何でも(・∀・)と決め付けるスレはここでつか?
455名無しさん@ピンキー:04/05/16 03:17 ID:xd7wx7TV
鬼畜は終わり?
456座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/16 17:57 ID:5zLneMei
内容は鬼畜、苦手な方はスルーしてください。
┃*― ―) >>450の続きであります
「うわあああああ―――っ!」
 明日菜は破魔の剣を構えると、そのままハルナと、木乃香の形をした物体に向けて走り出した。
ハルナのスケッチブックからは2枚の絵が舞い上がり、そこから剣が2本発射される。木乃香の形
をした物体が剣を指差すと、剣は魔力に包まれて青白く輝き出した。攻撃力を増したらしい。
 しかし、一直線に明日菜の胸に向けて飛ぶ刃を、明日菜は破魔の剣を一振りして粉砕した。
 その時、後ろから悲鳴が聞こえた。それは瞬く間に泣き叫ぶ声に変わった。
「ネギ!?」
 明日菜が攻撃を防げたのはアーティファクトの能力のお陰だった。ネギに向けて飛んだもう一本
の剣は、易々と障壁を突き破ってネギの太ももに深く刺さっていた。血が流れ落ちてネギの足が
赤く染まり、杖は横に虚しく転がっている。太ももを押さえて泣き喚くネギを落ち付かせようとしなが
ら、赤く染まったカモが何とか剣を抜こうと、その柄を引っ張っていた。
「抜いちゃダメっ!」
 明日菜の大声にカモの動きが止まる。刃物が刺さった時は、抜いたときに大量に出血するという
話を明日菜は聞いたことがあった。
「ネギ! あんたは亜子ちゃんを連れて何とか逃げて!」
 最早、亜子とネギは逃がすしかない。明日菜がハルナと木乃香もどきの相手をして、その間にネ
ギの杖で亜子を運ぶ。そして、ネギたちが逃げる最中に狙われないように、明日菜が盾となり攻
撃を防ぐ。重傷のネギには辛いかもしれないが、それが最善の策だろう。
「亜子さん……しっかりしてください……」
 刺された足を引きずりながら、ネギは激痛に耐えて亜子を慎重に杖に乗せようとする。亜子は口
から血を流し、蒼白になった顔で苦しそうに呼吸していた。危険な状態なのは明らかだ。
 一刻も早くこの場から脱出しなければならないが、亜子は意識が怪しく、ネギは足を負傷してい
る。亜子を杖に乗せるだけでも大変であり、時間を食っていた。
「ふふふ、ふふふ、逃がさへんよ」木乃香の形をした物体が嗤う。
「く、うっ―――ネギ、早くぅ!」
 攻撃は一気に激しくなり、刃や炎、火器や隕石を乱射してくるハルナを相手に、破魔の剣だけで
は防ぎ切れなくなってきていた。このままでは、攻撃がネギと亜子に届くのも時間の問題である。
「あっ!」
 亜子を撃ったのと同じ魔法銃の弾丸が、撃墜しようとする破魔の剣をかいくぐっていった。
 その先には、亜子を杖に乗せて浮上しかけているネギがいる。
「ネギ危ない!」
 その時、1人の少女がまるで盾のように、両手を広げてネギたちの前に立ち塞がった。その風に
靡いた前髪が印象的な少女と、明日菜は目が合った。
 まさか、そんな行動に出るとは誰も思っていなかった。宮崎のどかは倒れていた場所から跳ねる
ように起きあがると、明らかに人間ではない速度でネギと銃弾の間に割り込んだのである。
 迫り来る銃弾を前に、その目は恐怖で歪んでいた。
「わ、私、だって―――盾になれますー!」
 しかし、その顔は笑っていた。
 胸に赤い華が咲いた。
 持ち合わせていた護符の障壁を全て突き破られ、胸を撃たれたのどかが反動でネギたちに激突
する。浮きあがっていたネギと亜子は地面に放り出され、さらにのどかがネギの横にどさりと倒れ
込んだ。
「ネギせんせー……」胸を赤くして倒れたのどかの口が、ネギの見ている前でゆっくりと動く。


 これが、私の、気持ちです……。


「うあぁ―――――――――――――――――――――っ!」
 ネギは目に涙を溜めながら、血塗れで倒れている亜子とのどかを見て、頭を押さえながら狂った
ように大声で何かを叫んでいた。杖に乗せるときに付いた亜子の血と、今付いたのどかの血で服
を赤くしながら、喉が潰れんばかりの大声で喚き散らした。
「しっかりしなさい! あんた先生でしょ!」
 明日菜の喝にネギはびくりと震えた。その顔は魔法学校の首席にしてマギステル・マギ候補生
でもない、教師でもない、現実に対処する能力を持たない只の子供だった。
 ハルナを操った木乃香の姿をした物体が明日菜を指差した。その表情からは優しさが欠如して
いて、響き渡る声は凍りつくように冷たい。
「ナデンノウワズミ・ヒガンノイトククリ―――ミニステル・コノカ・早乙女ハルナ」
 始動キーらしき言葉と合わせて、ハルナの身体に纏わり付く霧が濃くなった。それが切欠となっ
たように、ハルナは寝惚け眼のまま機械のようにぎくしゃくと動き、明日菜に襲いかかる。
 ハルナの動きは、先程とは別人のように鋭くなっていた。倍以上の魔力を投入されているらしく、
動きはようやく目で追えるほどに速い。
「あ゙うっ!?」
 ハルナが拳を前に突き出し、明日菜が腕と破魔の剣でそれをガードした。しかし、余りの威力に
明日菜の身体は後ろに吹っ飛び、ごろごろ転がりながらネギの前に滑ってきた。
「あ、明日菜さん! 大丈夫ですか?」ネギが不安げに言った。
「はは……ちょっと効いたかな。それよりネギ、あんたこそ足は大丈夫?」
 痛みに耐えているように顔を歪めながら、明日菜はネギの顔を見る。
「私がもうちょっと時間を稼ぐから、その間にあんたが亜子ちゃんと本屋ちゃんを連れて逃げるの」
「あ、明日菜さんは……」
「あーもう! できるの? できないの? どっちなの!」
「……で、できます!」
「よし!」ネギの頭をくしゃくしゃと撫ぜると、明日菜は立ち上がって破魔の剣を構える。
「ふふふっ、あと、にひき―――」
 正面からハルナと、木乃香の姿をした物体が近づいてくる。
「何だかよく分からないけど、あんたたちの相手は私よ―――」
 明日菜が地面を蹴り、破魔の剣を握り締めてハルナに挑みかかる。
「たあああああ―――っ!」
 その姿はまるで、大切な人を守ろうとする戦士のようですらある。
 木乃香の形をした物体がにっこりと微笑んで、ハルナの懐から呪符を取り出させる。ぶつぶつと
呪文を唱えると、呪符はみるみる膨れ上がって大福のような顔に白いローブを纏った、「のんびり
しろまじゅつし」に変わった。
 木乃香の形をした物体が、明日菜に向けても呪文を唱え始める。


 ナデンノウワズミ・ヒガンノイトククリ―――
 母なる大地、回るゆりかご、万物の存在を与えし者よ
 天は自由、地は牢獄、その重さは愛にして御加護、
 その大いなる慈愛を以て彼の者を大地に縛りつけよ、

 『重力の枷』!


「――――――っ!?」
 明日菜の周囲の空間半径20メートル程が、ぐにゃりと陽炎のように歪み始めた。そして空間内
の全ての物質に何倍もの重力がかかり、そのまま自重で潰れ始める。街灯は次々とくの字に折れ
曲がり、アスファルトは巨大な蟻地獄が出現したように陥没し、巻き込まれた全ての建物がぎしぎ
しと軋んだ。空間全体が沈降しつつある。
「服が重い……!」
 シャツとジーンズしか着ていないのに、まるで西洋のがちゃがちゃした鎧を着ているようである。
しかし明日菜は重力の変化した空間の中で立ち上がって、破魔の剣を構え直す。
「あれえ? 潰れへんの?」
 木乃香の姿をした物体が、驚いたような声を上げた。
「あ、明日菜さん!」ネギは亜子とのどかを乗せて飛んでいた。どうやら逃げられそうである。
「私なら大丈夫! 早く行って!」明日菜が声を上げる。
「『メテオ(小)』!」ハルナが叫んだ。
 ネギが逃走を開始する。遠ざかっていくネギを撃ち落そうと燃える石が発射されたが、それは外
れて別の建物を崩壊させるだけに止まった。そのままネギたちは夜の都市に消えていく。
「逃がさへん―――敵を消し去れ、ミニステ……」
 ネギたちを追いかけようと、木乃香の姿をした物体がハルナと善鬼を動かし始める。
「木乃香の姿してんじゃないわよ―――あんたが消えなさいよ、この化物!」
 破魔の剣で木乃香の姿をした物体をどつこうと、明日菜が地面を蹴って跳躍する。霧は破魔の
剣を避けていたので、多少の効果はあるのだろう。
 しかし、善鬼の腕がろくろ首の首のように伸びて、破魔の剣を持った明日菜の腕を掴んだ。
「こ、この……は、離してっ!」
 外見に似合わない猛烈な力に、明日菜の腕がぎしぎしと鳴った。破魔の剣を使おうとするが、持
っている腕を掴まれてはどうしようもない。何とか引き剥がそうとする明日菜だったが、力では遥か
に相手が勝っていた。明日菜の叫び声は、すぐに悲鳴に変わっていた。
「あ゙っ……あ゙あ゙あ゙っ、痛っ! 離して、や、止めて―――あ゙、あ゙あ゙あ―――っ!」
 そのまま地面に叩き付けられ、明日菜の視界が反転した。
 ぼきんっ。
 乾いた枝が折れるような音がして、明日菜の手から破魔の剣が滑り落ちた。魔力でパワーアッ
プしていた肉体でも、当然限界があった。
「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああ―――っ!」
 あり得ない方向に曲がった腕を掴んでのたうちまわる明日菜を捕まえながら、善鬼はしゅるしゅ
ると腕を縮めていく。破魔の剣を落としたまま、明日菜は善鬼に引き寄せられていった。


          *


「麻帆良学園都市内部に、高密度の魔力の塊が出現しました。位置は和泉亜子さんに頼まれて
用意した人払いの結界のほぼ中央付近です。レーダーに反応あり」
「おお茶々丸、動けるようになったか」
 再起動した茶々丸の前には、手を繋いで眠っている木乃香と刹那、そして横で穏やかな顔で微
笑んでいるエヴァンジェリンがいた。泣いたのだろうか、エヴァの目は赤く充血していた。
「マスター、ここで一体何が?」
「何があったか? ふっ、もう遅い……全ては終わってしまった……」
 エヴァはぼんやりと学園都市の光を見つめており、その背中は小さい。
「学園都市の中に出現したのはな、暴走したジジイの孫の、執念のようなものだ」
「……よく分かりません」
 エヴァは憑き物が落ちたような優しい顔で、茶々丸に横に座るよう促した。これまでそんなことは
無かったので少し戸惑いながら、茶々丸はエヴァの横に座る。
「ジジイの孫はな、全ての邪魔者を排除するように従者に命令を送ったんだよ。馬鹿デカい魔力と
いっしょにな。その魔力が式神のようになって、勝手に動いて命令を実行しているのだろう」
「勝手に、ですか」
「そう、勝手に、見境なく敵を攻撃する……力を使い果たして消滅するまで止まらない。強大な魔
力で暴れ狂い、全てを壊して全てを殺し尽くす……麻帆良は草木一本残らんぞ」
 エヴァはあっけらかんと言った。
 しかし、軽い口調だったがそれは、その魔力の塊に麻帆良が滅ぼされると言っているのである。
「方向性と力だけ……ベクトルが具現化したような存在ですか」
「ん? べ、べく……? まあ、よく分からないがそんなものだろう……」
 エヴァはまるで抜け殻にでもなってしまったように、曖昧に微笑んだ。
「お前の可愛がっていた猫どもも、一匹も残らず消されるぞ。向かってくれば敵。逃げたら敵。抵抗
したら敵。降伏したら敵。アレはそれぐらいの思考しかできないだろう。その魔力の塊にマトモな知
能が備わっているとは思えんし、大切な桜咲刹那を判別できるかどうかも怪しい。ジジイの孫と桜
咲刹那がいるここも、いつ襲われるか分かったものではない」
「そんな……」
 今の状況と、自分の主人の弱々しい姿に茶々丸は驚いた。力が無くても知識はある。何か対策
の一つもないのだろうか?
「マスターはそれでいいのですか? この都市にはマスターが御世話になった方も多数いらっしゃ
るのですよ。それが、みんな、そんなくだらないモノに蹂躙されるのを―――」
「いいわけないだろうがっ!」
 エヴァは立ち上がって怒鳴っていた。
「私が全力を出せればそんなヤツの好き勝手にはさせん! 最強クラスの攻撃、いや殲滅魔法を
ぶつけて力ずくで消滅させてやる!」
 しかし、エヴァはすぐに力なくしゃがみこんでしまった。
「全力を出せれば、の話だ。今の私では無理だ。力を取り戻せるのは……二ヶ月はかかる。遅す
ぎるな。……そう言えば、和泉亜子はどうした? やはり殺されたのか?」
「私に聞かれても……マスター、随分気にしていますね」
「そんなことはない……いや、気にはなるが……やはり無理だろう……」
 既に何もかも諦めた顔で、エヴァは学園都市の光を眺めた。
「茶々丸よ。共に見届けるか、麻帆良の最後を。ジジイの孫の夢の続きを」


「そして、結末を―――」




          *


「ちょっとその人押さえといて。試したいことがある」
 木乃香の姿をした物体は、そう言うとふわりとハルナの身体を浮かび上がらせた。高等魔術であ
る浮遊術である。青白い球体に包まれて、木乃香の姿をした物体とハルナは、黒雲に覆われた空
に消えていった。
「ぐ、うぅっ……は、離してよ! ……こ、このっ! うっ、くう……!」
 善鬼に押し倒された明日菜は、腕を折られながらも善鬼を振り払おうとしていた。しかし、明日菜
の顔には恐怖と、骨折による苦痛が隠しようのないほどに浮かび上がっている。
 善鬼の中に、妙なひらめきが浮かぶ。
「みょゔ……」大福のような間抜けな顔が、明日菜を見下ろしてにたりと歪んだ。
 善鬼は起き上がるや明日菜のジーンズに手をかけ、怪力でそのまま引き裂いてしまった。股の
部分がぱっくりと開き、その間からクマの絵が書かれた下着が現れる。逃げようとする足を掴んで
それも毟り取ると、陰毛の一本も生えていない恥部が露になった。
「……ま、まさか……」
 蒼白になる明日菜の予想を肯定するように、善鬼は明日菜を再び押し倒した。
「い、嫌っ! いやああっ! なんでアンタに、そんなものが付いてるのよっ! あっ……」
 片手で善鬼を叩いて抵抗するが、善鬼はそんなことを気にもかけない。明日菜は性器に押し付
けられる固い物体から逃れようと腰を捻るが、上に乗っている相手から逃げることができない。
「いやあっ! 止めてっ! やだああっ! いやっ! ……いやああっ!」
 向こうに転がっている破魔の剣に片手を伸ばすが届かない。魔力でパワーアップしていても、そ
の力は敵には遠く及ばなかった。巨体にのしかかられて息も苦しい
「あっ、ああっ、いやあああっ、誰かぁ―――っ!」
 喧嘩慣れはしているが、ここまで力量差のある相手とはしたことがなかった。明日菜は泣きそう
な声で助けを求めるも、誰も来るはずがない。善鬼の両脇からハの字に開いた足がバタバタと虚
しく地面を蹴る。一方的に犯されるという恐怖に呑まれた今の明日菜は無力だった。
「―――っ!?」
 折れた腕を掴まれて激痛が走った。抵抗がぱたりと止む。
 明日菜の性器に、肉の塊が捩じ込まれていった。狭い道を押し広げていく途中で、固い物体が
自分の体内に挿入される痛みが下半身から伝わってくる。
「い、痛い!」
 つるりとした明日菜の股間に、処女の赤い血が伝い落ちた。善鬼はゆっくりと、明日菜の肉体を
貫いていく。覚悟を決める暇もなく、明日菜の処女は散っていった。
「あ゙あ゙っ……あ゙あ゙っ……あ゙あ゙っ……」
 明日菜の上で善鬼が動き始め、それに合わせて明日菜は悲鳴混じりの声を上げていった。両者
は繋がっていた、それが現実である。
「あ゙っ、あ゙っ、あ゙っ、あ゙っ、あ゙っ、あ゙っ、動かないで、ぇ……あ゙っ、あ゙っ……」
 善鬼の下で、明日菜が悲痛な声を上げた。
 逆に善鬼は明日菜を犯しながらにやにや笑っていた。一人で立ち向かってきた従者、自分たち
式神にとっては天敵とも言える「式払い」の異能を持った少女を蹂躙しているのは愉快なのだろう
か? 処女の締め付けをじっくりと愉しみ、肉棒でかき回す。
「あ゙あ゙あ゙っ、あ゙あ゙あ゙っ、あ゙あ゙あ゙っ、あ゙あ゙あ゙っ……やめてよぉ……」
 泣き出した明日菜に対して腰の動きを激しくしていく。遠慮なく明日菜の膣で己の肉棒をしごき、
そのまま大量の欲望を吐き出さんと子宮を突く。明日菜は破魔の剣がなければ、式神を倒すこと
ができない。必死に手を伸ばしても、やはり破魔の剣には届かなかった。
「あああ゙っ……やあああっ……!」
 どぴゅるる、どぷどぷどぷ……
 そしてトドメとばかりに中に欲望を吐きだし、明日菜の肉体を汚した。
「……う、うう、うええ……ひく、ひっく……」
 善鬼は行為が終わると消えて呪符に戻ったが、明日菜は立ち上がることができずにすすり泣い
ていた。処女を奪われ、汚されたショックに打ちのめされていた。
 倒れた明日菜はぼんやりと空を見上げる。
 そこには青白く輝く、大きな石が浮いていた。



          *


「ちょっ……ちょっと嘘でしょ―――っ! ここで、アレを使うなんて!」
 黒雲に覆われた空に浮かび上がる火の玉は、桜子の記憶が確かならば相当危険なものである。
味方が近くにいる時には、絶対使わないとハルナは言っていたはずだったが……。
「ひい、ひい、ひい、ひい―――」
 何とか落下地点から離れようと、桜子は無人都市の中をあちらへこちらへと走りまわっていた。
そもそもこの辺りはあまり詳しくなく、どう動けばどこに行けるのかよく分からない。
「あっ! ネ、ネギ君!?」
 すぐに建物の影に隠れて見えなくなったが、ふらふらと飛んでいるネギの姿を確かに桜子は見
た。のどかと亜子らしき少女を二人、杖に乗せて運んでいた気もする。
「ネギ君待ってえ―――っ! わ、私も……」
 急いでネギが見えなくなった場所に向かう桜子だったが、既にネギの姿は影も形もなかった。
「ね、ネギくーん!? どこ行っちゃったのおっ!? ねえってばあ!」
 しかし、それに答える者は誰もいない。
 ぽつん、と一人取り残された桜子をバカにするように風が吹いた。
「う、うわあああああああああ―――んっ!」
 上空に見える火の玉は、青白く色を変えている。意味はよく分からないが、もう時間は残されて
いないはずである。取り敢えず遠くに逃げなくてはならない。
 桜子は泣きながら、無人都市の中を走り出した。


          *


「『メテオ(大)』」
 木乃香の姿をした魔力の塊とハルナは、燃え盛る巨岩を見上げながら麻帆良数百メートル上空
にふわふわと浮いていた。メテオ(大)はハルナの描いた絵の中で最大の攻撃力を持った作品で
あり、大きさだけでメテオ(小)の数十倍はある。
 木乃香の姿をした魔力の塊は、さらにそれに力を与えた。従者を魔力で強化するのと同じように
魔力で破壊力を増した巨岩は、青白い炎に包まれて夜空に綺麗に浮かび上がっている。
「ふふふ。ほんまに魔法は効かへんのか、試してみよう」


 ナデンノウワズミ・ヒガンノイトククリ―――
 夜空の姉妹、燃える1柱
 彼の者に熱い口付けを、そして眠りを、還元を、
 消え去る幸せを、消え去る不幸を、届けたまえ―――

 『星の気まぐれ』……


 木乃香の姿をした魔力の塊とハルナの前を、青白く燃える巨岩が一気に落下していった。
 それはそのまま、犯されて倒れている明日菜に一直線に落ちていく。
 爆発。
 青白い炎の渦は無人都市を一気に呑み込んで膨張し、次に衝撃破が周囲をなぎ払っていく。無
数の建物が炎の海の中に消え、噴煙が上空に巻き上げられてぱらぱらとゴミの雨を降らせた。
「これで生きてたら大したもんやけど―――」
 ハルナと木乃香の姿をした魔力の塊は、爆発が収束するのを待った。
 明日菜がいた場所は半径50メートルほどのクレーターができている。その周囲は衝撃波で壊滅
し、5〜600メートルに渡って無人都市は廃墟となっていた。無人だからこそ良かったが、もし人が
いた状態でこの攻撃が行われたら、その被害は甚大だっただろう。
「跡形もないやん」
 黒雲に覆われた空を見上げながら、木乃香の姿をした魔力の塊は愉快そうに嗤う。
 闇に朗々と響いていく嗤い声の中、ハルナは意志を奪われた傀儡となって浮かんでいる。
 体の一部を抉られた麻帆良学園都市は送電網などを破壊され、爆心地から黒いカーテンを敷い
たように停電が広がっていった。ぽつん、ぽつん、と、予備電源などの設備を持っている場所に光
が灯り、さながら闇に舞う蛍のように疎らな光が浮かび上がる。信号などの最低限の設備も復活
しているようであるが、大半の光は失われたままである。
 無人都市を中心に、爆撃の影響は麻帆良全体に波及していった。
 まるで標的を探すように、木乃香の姿をした魔力の塊はぐるぐると首を360度回転させて、麻帆
良学園都市を見渡した。生身ではない以上、もちろん骨などない。
 魔力の塊の、右足の親指の爪が形を失って空気中に霧散していった。どうやら魔力を消費して
その部分は形を維持できなくなったらしい。
 それでも爪だけである。魔力を使い果たして完全消滅には程遠い―――。


 光を失った地上と、黒雲に覆われた夜空の間―――
 そこにふわふわと、木乃香の形をした魔力の塊と、傀儡になった従者は浮いている。
 先程逃げた名前も知らない敵たちは、どこに隠れてしまったのだろう?
 見つけだして、とどめをささなくてはならない。
 下界には一部が廃墟と化した無人都市と、何万人が暮らす学園都市が広がっている。
「うふふ、ふふふ。せっちゃんとウチの……ん?」
 木乃香の形をしたそれは、ゆっくりと首を傾げた。
「せっちゃんて誰やったっけ? うーん、まあえっか」
 その頭は空っぽに近く、欲望も理想も何もない。ただ、敵を排除する目的だけが存在していた。


 この瞬間、麻帆良に安全な場所はなくなった。




          *


 ネギたちは無人都市内の薬局に逃げ込んでいた。できれば病院に行きたかったが、スピードも
でない上に場所も分からない。亜子とのどかを運んでいたネギも限界に近く、痛みで意識を失い
そうな状態だった。それに、明日菜をいつまでも戦場に残しておくわけにもいかない。
 カモがのどかと亜子に応急処置の止血を施す横で、ネギは足を縛って刺さっていた剣を引き抜
いた。どろどろ血が流れるが無視して包帯を巻いていく。
「兄貴、これからどうするよ……」
「とりあえず、明日菜さんを呼び戻して、作戦はそれから考えよう……病院に行くなり、戦うなり」
 ネギは苦しそうに仮契約カードを懐から出した。
「召喚!」
「もう明日菜の姐さんしか頼れる人もいねーしなぁ……」
 のどかと亜子の傷にタオルを押し当てながら、疲れたような声でカモが言った。
 光り輝く魔法陣が床に現れ、そこから明日菜が呼び出される。しかし、ネギとカモは明日菜の姿
を見て言葉を失った。
「ね……ネギ……ここは……? ……あの火の玉は?」
 明日菜は泥だらけで、右腕は奇妙な方を向いていた。いつもの力強さが感じられない憔悴し切
った顔で、裂けたジーンズから見えている血が流れた股間を隠そうともしない。色の異なる双眸か
らはぼろぼろと涙が零れ落ちており、一歩進んでそのままふらりと倒れた。
 火の玉が直撃する寸前に呼び戻せたのは良かったが、少し遅すぎた。自ら盾となってネギたち
を逃がしてくれたパートナーは、戦いに敗れた無惨な姿で帰還した。
「あ……あ……」
 ネギが何かを言おうとした時、窓の向こうで爆発が起こり、びりびりと建物を揺らした。
「う、うわああああああ―――っ!?」
 天井が落ちてきた。無人都市に加えられた爆撃の衝撃で、薬局は周囲の建物といっしょに倒壊
し、ネギたちを下敷きにしてしまった。


 ………瓦礫の中で、亜子とのどかは光のない瞳をさ迷わせていた。




          *

 ……………………………………
 ………………………………………………
 キーンコーンカーンコーンと、朝のある時間を示すチャイムが鳴り響いた。
「―――ん。―――こさん」
 机に顔を乗せてすやすやと眠る亜子の肩を、横から伸びた手が揺すってくる。
「ううん……もうちょっと寝かせてえな……だって日曜やん……」
 昨日はサッカーの試合があって、その準備や後始末で疲れてしまった。今日も朝早くから朝錬が
あり、亜子はまき絵が眠っている時間に寮を出たのである。朝錬にはマネージャーは来なくていい
と言われていたが、今はみんなで頑張って大会出場を目指しているの時期である。
 部員が朝早くから頑張っているのだ。亜子もできる限りのことをしようと、朝錬に参加している。
「―――こさん。亜子さん―――」
 しかし眠い。亜子は口から涎を垂らしながら、幸せな顔で夢の世界を旅していた。
「亜子さん。ホームルームが始まってますー」
「えっ? あっ……」
 のどかの声にようやく亜子が目を覚ますと、クラスの視線が亜子に集中している。
「亜子ちゃん、今日は月曜日だよ―――っ!」
 桜子の一言で2−Aに笑いが起こった。
「えっ? あれ? あ、あっ! ちょっと、のどか、起こしてや……」
 どうやらホームルームが始まっても、亜子だけが爆睡していたらしい。
 顔を真っ赤にしながらのどかを見る亜子に、のどかは苦笑しながら反論した。
「ずっと起こしてましたー。でも、ぜんぜん起きてくれなくて……」
「和泉さん……お疲れですか?」
 ネギがにこにこしながら亜子を見ている。亜子は顔をますます赤くして肯いた。
 2−Aにまた笑いが起こった。

 ―――あれ?

 この平和な、しかし当たり前の光景に、亜子は違和感を覚えた。



  <続>
471座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/16 18:19 ID:5zLneMei
次回は多分一週間後ぐらいです
ではまた
472名無しさん@ピンキー:04/05/17 08:49 ID:uVHgyaHi
いよいよクライマックスですか?(ワクワク
473名無しさん@ピンキー:04/05/17 11:00 ID:DRzRf1qd
とりあえず死人だけは出さない方向でお願いしたい
474名無しさん@ピンキー:04/05/20 00:24 ID:X/GbuZS4
AGEるぜ
475座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/22 22:03 ID:Cj93cjBU
鬼畜ではないですね
>>470の続きです


 楽しかった時間が、過ぎていく……。


 昨日から亜子も中学3年生になった。
「ふわあーあ。眠いなあ……」
 今朝は部活の朝練がないのでゆっくりできるが、新体操の自主練習に行くというまき絵に起こさ
れてしまい、テレビの朝の占いコーナーを梯子しながらまき絵と朝ごはんを済ませた。
 と言ってもまき絵はパンを漫画のキャラのように口に咥えて、
「ひっふぇきふぁーす」
 と言って学校に行ってしまい、亜子は約2秒間まき絵と朝食の時間を共有しただけだった。
後はまき絵が焼いてくれたパンにマーマレードを塗って、一人でもぐもぐと食べる。
 朝はご飯とお味噌汁と納豆が好きな亜子だったが、帰納的に導き出された「納豆とまき絵の法
則」からそれは実現に至っていない。
(うーん、まき絵、大丈夫やろか……昨日の今日やのに)
 亜子はまき絵のことが少し心配だった。
 まき絵は昨日、桜通りで眠っているところを保護されたのである。
 亜子は、あまり無理をしないようまき絵に注意した。まき絵は笑いながら聞き流していたが、当人
に自覚がないだけで、身体の中では何らかの変化が起こっている可能性も否定できない。
(まあ、考えすぎかなあ……。あんまりしつこく言うとまた「亜子は心配性なんだからー」とか言わ
れるだけやし……)
 亜子は朝食の片付けや歯磨き、着替え、そして朝に誰でもすることを済ませると部屋を出た。


 本当に楽しかった毎日が……。


 女子寮から駅までは近く、歩いても数分で着く。
 ただ、ここは無数の学校が集まっている麻帆良学園都市である。電車は学生で混んでいて滅多
に座ることはできない。亜子はいつものように吊り革を持って立っていた。
 普通なら英単語帳で勉強するなり、読書の時間に充てるのが有効な時間の使い方かもしれない
が、亜子は特に何もしていない。試験前なら話は別である。
「まったく、きっちりと予定を立てておかないから、いつも締め切り間近に焦ることになるのです」
 よく知った声がしたと思ったら、亜子の後ろに夕映・のどか・ハルナが立っていた。夕映は文庫本
を読みながら、横のハルナと何か話している。亜子には気付いてないらしい。
「うん、うん、よーく反省してるからさ、一生のお願い! 夕映、のどか、原稿のアシやってえー」
「パル、この前の本の時も、一生のお願いって……」
「ううっ……」ハルナは言葉に詰まった。
「前の一生を終えて、生まれ変わっている」
「えぇー」
「きっとパルはエイリアンで、もう数十回の世代交代を繰り返しているのでしょう。ここにいるパルは
見た目は同じですが、おそらく新世代なのです。ですから一生のお願いを使える」
「ゆ、夕映ぇ……」
「情報伝達のメディアは頭のアンテナですか? それで仲間からの電波を受信するのですね」
「も、もう、意地悪言わないでさぁ……バイト代出すから、ねっ? ねっ?」
「バイト代って、この前はエッチな本3冊……あんな本、困るよー」
「マザーシップの仲間を呼んで、トーンとベタをやってもらいなさい」
「パル、やっぱりあの本返すよー。誰かに見つかったら……」
「そもそも『一生』というのはですね―――」
「あー、もういい。分かったわよっ。明日から徹夜よ! 完徹よっ! 一人で仕上げてやるっ!」
「カンテツ? 国語辞典に載っていますか? その単語」
(何や、ウチにはよう分からへん会話やなあ……)
 亜子は苦笑しながら会話を聞いていた。小さい声だが、近いので勝手に耳に入ってくる。
「で、今回の本の内容は?」
「今回の本は、一人の少年が、ヒロインを助けるために蜘蛛のモンスターたちに戦いを挑んで敗
れ、そのままお尻の処女を散らしちゃうっていうシナリオなんだけど……」
「ええー。可哀想だよー。勝たせてあげなくちゃ駄目だよー」
「大丈夫、お尻の処女を失って、そのまま愛に目覚めて蜘蛛と結ばれちゃうから」
「ヒ、ヒロインの立場は……」
「はっきり言って、その少年はアホですね」
「ヒロインも蜘蛛だから大丈夫。テーマは人間と人外の愛」
 話しかけて意見を求められても困るので、亜子はそのまま黙っていた。
 正しい判断だろう。


 あっと言う間に、消えていく……。


「学園生徒のみなさん、新入生のみなさん、おはようございます。こちらは生活指導委員会です。
今週は遅刻者ゼロ週間です。始業ベルまでは15分、余裕ある登校を心がけましょう。今週遅刻し
た人には当委員会よりイエローカードが進呈され―――」
 麻帆良学園中央駅に着くと元気なアナウンスが流れている。恒例の遅刻者ゼロ週間が始まった
のだ。サッカー部の関係者がイエローカードを貰うと少し恥ずかしい気もする。
「おはようございますぅー」
「おはよー」
 セグウェイに乗った葉加瀬が亜子を追い抜いて坂道を上っていった。セグウェイは何度見ても
不思議な乗り物であるが、葉加瀬から見れば走っている亜子が不思議なのかも知れない。
 亜子が少し速いペースで走っていると、前に桜子と鳴滝姉妹がいた。
「おはよー」「亜子ちゃん、おっはよ―――」「おはよっ」「おはようです」
「桜子は、今日はラクロスの朝練ないのー?」
「亜子ちゃんこそ、今日はサッカー部の練習ないんだ」
 挨拶を済ませた4人仲良く並んで走り始めたが、列はすぐに乱れた。
「ラクロスってさあ、走れないと駄目なんだよね―――っ」
「そんなんサッカーもいっしょやわ―――」
「甲賀忍軍のボクが一番速いよ―――」
「えっ? ま、待ってくださいです! て言うか、走らなくても遅刻しないですよ……っ!」
 ドドドドドド、と走り始める4人、しかし史伽だけ遅かった。
 いつの間にか所属団体(?)の名を背負った徒競争になっていたが、たまにあることではある。4
人とも落ち付いて改めて歩いていると、後ろから明日菜、ネギ、木乃香がやってきた。
「おっはよ―――ネギ君」
「おはよー、ネギ先生――っ。それ何の遊びや―――?」
 亜子が挨拶したネギは、明日菜の肩に担がれている奇妙な体勢で登校してきた。
(さすがは明日菜や……子供とはいえネギ先生を担いであのスピード……)
 力がない亜子には多分できないだろう。少し明日菜の運動能力を羨ましく思いながら、亜子はそ
のまま学園の門をくぐった。
 たくさんの友達と一緒に過ごす学園生活が続くのに、何の疑問も持たないままに。


 ああ、あかん、戻るんや……ネギ先生の部屋にいったらあかん……


 亜子がネギの部屋を訪れたのはその日の夜だった。
「先生、ウチなら十歳の男の子がパートナーでも、いいですよ」
 風呂場に乱入してきたオコジョを撫ぜながら、亜子はにっこりと笑ってそう答えた。
 英語の授業の質問に対する亜子の答え、それはネギを受け入れるというものだった。
(ふふふ……困ってる困ってる)
 十歳の少年が恋人とは現実味が無さ過ぎる。むしろ恋人というより姉弟である。
 戸惑っているネギの反応に微笑ましいものを感じながら、亜子は目を細めてさらに言った。
「ウチ、先生の事、好きやから」
「い、和泉さん!?」
「しょーもない理由で、人を簡単にフリよるアホもおるけど、先生は、そんなんと、違うよね………」
「え、それって、どういう意味―――」
 亜子は何も言わずに膝を折って、ネギに目線を合わせた。近くにきたネギの顔はあどけなくて可
愛らしい。汚れていない澄んだ瞳が、そのまま彼の心を表しているようである。
 そのままネギの背中に手を回して、亜子は一気にネギを抱き締めた。男性を抱き締めるのは久
しぶりである。自分でも少しドキドキしているのを自覚しながら、ネギの温もりを感じとっていく。
(ネギ先生……ウチより背も小さくて、年下で、先生やのに、ウチ、この子を求めてる……)
 それは紛れもない本心だったが、本気ではない。 
 亜子の脳裏にフラれた思い出が甦る。成り行きでキスまでは許してしまったが、「ヤらせてくれた
ら付き合う」という要求を拒んだためにフラれてしまった。
 亜子はセックスなどは、本当に理解し合えた人とするものだと思っている。きっと自分は、本当に
愛し合った人にその処女をあげると信じている。だからこそ、想いを寄せた相手のその発言はショ
ックが大きかった。セックスしてから付き合うなど信じられない。
 もちろん、ネギと性交したいとは全く思っていない。のどかやまき絵、いいんちょなどは、本気で
ネギを恋人の対象として見ているのだろうか?
「お願い……それ以上聞かんといて……な?」
 フラれた事をこれ以上思い出してしまうと泣きそうなので、亜子は流れを変えた。
 どうやら失恋したことで、思った以上にダメージを受けていたらしい。
 傷ついた人間は弱く、そして卑劣になる。普段はできないことを許してしまう。
(これは復讐や)
(英語の時間に失恋を思い出させた先生への、ウチからの甘い復讐なんや……)
 ものすごい悪女になった気分。とても気持ちがよい。
(本気とちゃう。走り続けて疲れた時に、少しだけ休むのと同じ……)
(休んで疲れがとれたら、また走り始める。その場に止まり続けるやなんてありえへん)
(寂しいのを慰めてもらうだけ……先生から言ってきたんやし、かまへんよね……)
「い、和泉さん……」
 ネギの吐息を感じるほどにまで、唇が接近した。
 純粋なものに触れる悦びと、純粋なもので遊ぶ悦びが心に満ちる。
(このまま、この綺麗な心を弄んでやるんや……)
(ウチが男にされたように……)
「んっ……」
 心の準備をさせないうちに唇を奪う。
(キスは初めてやったんやろか? パートナーとか、ませたこと言っとったのに……)
 ネギの口に唾液を流し込み、舌をネギの舌に絡み付かせて、そちらからも来いと誘う。
 ネギもだんだんと舌を動かすようになり、亜子の唇に貪るように口を押し付けてきた。
 口を合わせるというそれだけの行為が、様々な感情を呼び起こしていく。
(先生、そんなにウチが欲しいん……?)
(遊ばれてるだけやのに……)
 優越感と征服する悦びに浸りながら、亜子はネギと長いキスを愉しんでいた。
 カモが口を開いたのは、ちょうどその時だった。


 まだ……まだ、戻れる……


「でも、和泉さんにパートナーになってもらう気は、ありません」
 魔法使いに関する一通りの説明を終えた後、ネギから出た言葉は亜子を揺らした。
「な、なんでっ?」
 亜子が驚いてネギを見た。
 心臓がドキドキしているが、これは興奮しているからではない。マイナス側に傾いた心が警報の
ように、不安を鼓動にして現しているのである。
 フラれた時の状況と今の状況が、少しずつ重なり始めていた。
「和泉さん、授業の時に言っていましたよね、「フラれました」って。僕は先生だから、和泉さんが落
込んでいるのなら相談には乗ります。だけど、その人の代わりにはなれません」
 真剣なネギの顔に、亜子は怖くなって一歩下がった。
(イヤや……そんな顔でウチを見やんといてよ、ネギ先生……)
 いつもの優しい子供先生は、そこにはいなかった。
 目の前のネギは怒っている。その目は鋭く亜子を睨んでいた。
(子供のくせに……)
(ウチがどれだけ傷ついているか、知らんくせに……)
(こ、怖い……)
「ちゃう! ウチは、そんな事思ってません!」
 内心思いまくっていたのだが、肯定できるはずもない。
 フラれて寂しかったから、先生に代わりの相手になって欲しかった。
 自分でも嫌悪を覚えるような「弱さ」を見透かされた事に、亜子はとてもショックを受けていた。
「……和泉さん、僕が和泉さんに魔法の事を説明したのは、カモ君が話すところを見られたからで
す。確 かに今、僕はパートナーを必要としていますが……僕もパートナーを、選びます」
 亜子はその言葉の意味を理解するのに、少し時間がかかった。
「ひ、ひどいわ……それって、ウチはネギ先生からお断りって事!?」
「僕は和泉さんの事を、生徒としては信頼しています。でも、フラれて寂しいからパートナーに志願
して くるような人を、僕はパートナーとして信用できません。ごめんなさい」
 ぺこり、と頭を下げるネギ。
「う、うう……そ、そんなん……う、ひっく、えぐ、……」
 亜子は涙を流して、顔を真っ赤にしながらネギを睨んだ。
 ネギは怯みもせずに、それを見つめ返す。
 どちらが年上で、どちらが年下なのか、亜子は分からなくなってきた。
(ネギ先生は真剣やったんや……)
(ふざけて、中途半端な気持ちで接してはいけないことやったんや……)
(でも、でも……)
「先生の、言う事、えぐ、多分、正しいと、ひっく、思うけど……思うけどぉ……」
 亜子は限界だった。これ以上、ネギの視線に耐えることは、できそうになかった。
「先生の、あほぉ―――っ!」
 亜子は部屋を飛び出した。


 ああ、この後、ウチは……。

 …………………………………………………………ん
 ……………………………さん
 ……………こさん


          *


「―――こさんっ! 亜子さんっ! しっかりしてください!」
 倒壊した薬局の中で、ネギは瓦礫を背中で支えて亜子を守っていた。背中には壊れた建物の重
量がかかっているが、絶対に潰されるわけにはいかない。辺りは真っ暗で何も見えなくても、四つ
ん這いになっているネギの真下からは、微かに亜子の呼吸音が聞こえている。
 明日菜はどうやら無事らしく、のどかを助け出しているらしい。しかしネギと亜子は脱出できそう
になかった。
「亜子さん! 亜子さん……うぐっ、う……」
 ゆっくりと、しかし確実に、上に乗っている瓦礫はネギと亜子を押し潰そうとしていた。
「あ、兄貴!」カモの声がした。近くにいるらしい。
「亜、子さん……」
「………ネギ、せんせい……」
 暗闇から、か細い女の声が聞こえてきた。間違い無く亜子の声である。
「兄貴! 今の声は」
「よか……った……無事だったんですね……」
「……ネギ、せんせいも……また話せるやなんて、思ってなかった、です……」
 暗闇に阻まれて、すぐ傍に居るはずのお互いの顔は見えなかった。
「夢を見てました……何十年も前の出来事のような、気がするけど……一週間前までの、夢……」
「あ、亜子さ……ん……」
 大量の出血でぼやけ始めた意識を、ネギも必死に維持していた。
「ごめんな、さい……あの、日の、夜……ウチ……どうか、してました……ごめんなさい」
「僕こそ……先生、らしいこと、何一つ……で、きま、せんでした……」
「先生……」
「何ですか?」


「ウチを、パートナーに……して、ください……」


 一瞬の静寂。
「……」
「一人は、もう、嫌です……まき絵に会いたい……裕奈は何してるんやろ……アキラは元気やろ
か……み、みんなと、前みたいに……いっしょに……でも……もう、無理みたいやから……で、で
も……一人は……いや……あ、あの時は、ふざけてました……でも、今は……本心です……」
「……な、何言ってるんですか……無理って……すぐに、前と変わらない、毎日が……」
「ウチには、パートナーになる、資格……やっぱ、ないですか……」
 絞り出すような。
 今にも消えそうな、小さい声だった。
「………カモ君」
 カモは魔方陣を描いた。いつものふざけた様子はなく、無言だった。
 仮契約の魔方陣から光が溢れ出して、闇を消し去り二人を包みこむ。
「……ネギ、せんせ、い」
「亜子さん……」


 二人は光の中で、再び唇を合わせた。
 それは触れ合う程度の、
 ささやかなキスだった。
 ただ、それだけだった。


「あ、ああ……」
 亜子の赤い瞳から、ぽろぽろと涙が零れ落ちた。
「温かいです……とっても、温かい……せんせい、ありがとう……」
 この一瞬は、何時間にも及んだ陵辱では絶対に得られなかった。
 亜子はようやく、自分のことを本当に思ってくれている相手と、キスができたのだった。
 愛情ではないかもしれないが、気持ちは伝わってきた。
「亜子さん……」
 仮契約の魔力が、亜子の身体に染み渡っていく。
 亜子は微笑んで、そっと目を閉じた。
 穏やかな顔のまま、
 ぴくりとも動かなくなった。
 背中から流れ出した血、
 流れ過ぎて止まっている。
 呼吸の音、
 聞こえない。
「あ……こ……さん……?」
 時間が止まってしまったように、
 眠り姫のように
「亜子さん! 亜子さん!」
 仮契約の魔法陣が消えると、まるで亜子の眠りを守るように闇が満ちた。
 少年の嗚咽が響き渡る中、
 闇に仮契約カードがひらりと舞っていた。


          *


「全てが分かち合おう、全てが終焉する喜びを」


 木乃香の形をした魔力の塊はくすくすと嗤った。
 学園都市は広大であり、どこに敵が潜んでいるか分からない。
 ならば全体を一気に潰してしまえば間違いなく、敵を全て屠ることができる。
「さっきの隕石、300発ぐらいコピーするのにどれくらいかかるん?」
「10分ほどです」ハルナの口がぱくぱくと主人の質問に答えた。その目に意志はない。
「なら、すぐにでも始めて」
 300発の隕石による麻帆良学園都市への同時爆撃。
 オセロの白を全て黒に変えるようなものだろう。


「みんなで祝おう、消える街を、後に宿る息吹を、在る者の時間を、在る物の歴史を、その全てを」
「神々の気まぐれは偶然の奇蹟、必然とは積み重なる偶然の塔、魔法が起こすは必然の奇蹟」
「奈天の上溝・彼岸の糸括―――まずは命と光の源、乾いた湖、源に近過ぎた不幸」
「母なる大地、光らない鏡、源に遠過ぎた不幸、13の衛兵を従えし王、円環の貴族」
「我に続け、この域に系を成し渦巻け、岩の姉妹、夜空の嬰児300柱」
「輝く力、惹き合う絆、星の始まりは星が知る、星の行く先は星が知る、星の願いは星が知る」
「星空は広がる敵の頭に、星空は映る敵の目に、嬰児が織り成す遊戯の果てに」
「希望、破滅、天、地、狭間の星空、天と地が重なる、それは終わり」
「地上へ注げ、夢幻の星雲、空よ落ちて踏み潰せ敵を―――」


 300の隕石を制御しようと、魔力の塊は新しい魔法を創り出し、呪文を謳い始めた。
 刻々と、静かに破滅への時は刻まれていく。


          *

 全ては終わってしまった、はずだった。
「か、カモ君……」
「兄貴……」
 カモの尻尾は立ちあがり、まるで闇に潜む何者かに怯えるようにぷるぷる震えていた。
「た、確かに、仮契約は相手の潜在能力を引き出せる、けれどよお……」
 その声も震えている。目の前の現象に圧倒されている。
 あり得ない。
 絶対にあり得ない。
 いくら吸血鬼化していても、それだけでは
「な、何だ……この魔力……こんな魔力、まるで―――」
 ここまで魔力が大きくなることは、まずあり得ないはず。
 しかし、それなのに


 亜子の身体には鼓動が戻り、凄まじい量の魔力が洪水のように闇に溢れ出していた……。



 <続>
488座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/22 22:20 ID:Cj93cjBU
第1話とリンクしていますが、告白してフラれたという設定に合うよう少し修正(+加筆)しました
昔の文章って恥ずかしいですね……
残りは約10KBのようです、次に投下する人は次スレですね
>>490に次スレをお願いしつつ、ではまた
489名無しさん@ピンキー:04/05/23 00:05 ID:riOCgcCH
490名無しさん@ピンキー:04/05/23 01:23 ID:siuoZN2I
次スレです。

魔法先生ネギま!エロパロスレッド 7
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1085239180/
491まほら新聞 ◆KazumiCL5w :04/05/23 02:25 ID:lZpxMx68
座薬氏のSS読んでいると角川スニーカーの妖魔夜行・百鬼夜翔シリーズ思い出すな・・・
あそこらへんを元にTRPGルールを考えてみようかな?
それ以前にあのシリーズを知っている人がいるか心配だが・・・

妖魔夜行&百鬼夜翔 【第十八夜】
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1076121906/

492名無しさん@ピンキー:04/05/23 17:38 ID:Nl+2a/3/
AGE
493名無しさん@ピンキー:04/05/24 17:55 ID:zCQnmpO1
アゴォォォォォォ!〈00〉
〈部屋を明るくして画面から離れて見ててください〉
494名無しさん@ピンキー:04/05/26 17:02 ID:GWkK7BZ0
>491
ガープス妖魔夜行でいいやん
495座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/30 01:02 ID:fuhbld+O
>>491
すみません知らないです……
角川で最近読んだのは「バイトでウィザード」( _| ̄|○ )だけです
て言うかまほら新聞さんに読んでもらえるとは感激です
496名無しさん@ピンキー:04/05/30 01:05 ID:50UQgEDF
>>495
そのバイトも途中で挫折した座薬たんw
497座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/30 01:18 ID:fuhbld+O
埋まってないのね

今は行方不明だよ>バイト
て言うか角川と富士見を開拓しようとして同時に買った「攻撃天使」も挫折 _| ̄|○
 
498名無しさん@ピンキー:04/05/30 05:36 ID:lg23dbly
障壁は健在です

↑このフレーズなんだっけ。他の作品で見たことあるんだけど
499名無しさん@ピンキー:04/05/30 07:07 ID:luS15j59
障壁…
エヴァか何かか???
500名無しさん@ピンキー:04/05/30 11:37 ID:TGVg8xWm
ガープス妖魔夜行だとエヴァの総CPが怖い事になりそうですな
501座薬 ◆LsUrNEsQeQ :04/05/30 12:15 ID:tsQvw/E2
>障壁は健在です

あまり意識してなかったけど、何かの作品であったっけ?
知らない間に影響を受けていたかも
言われてみればEVAっぽいな……
502名無しさん@ピンキー:04/05/30 14:04 ID:ZRdK8T4r
>>501 スレ違いすまそ

ラノベで「とある魔術の18禁書目録」書いて欲しい。
     (↑読んでるんでしょ?)
おねげえしますだ。
503名無しさん@ピンキー:04/05/30 14:07 ID:FnFmfX69
インデックスたん(;´Д`)ハァハァ
504名無しさん@ピンキー
禁書目録…。
ウィザーズ・ブレインはないのかと聞いてみる。