63 :
禁断の愛(我聞×奈良):
ある夏の暑い日、僕、奈良健太郎は、某解体現場へ出掛けていた。
そこでは、僕と同い年の工具楽我聞君が一生懸命に部下達と解体の仕事に励んでいる
姿を見ることが出来た。貧弱な体の持ち主の僕なんかよりも逞しい体つきをしている工具
楽君は、僕にとっても憧れの人だった。
「やあ。奈良君。来てくれたのかい。もうちょっとで終わるところだからそこで待ってくれ」
「うん・・・」
いつ、見ても本当にカッコいいなぁ・・・工具楽君は。やがて、
「突貫!!」
工具楽君の空を切り裂くかのような大声が聞こえ、家がバラバラになった。この瞬間が、
僕にとっては楽しいショットだった。そして、工具楽君は秘書の國生さんや部下の中之井
さんや森永さんと必要な打ち合わせを済ませて、作業着から私服に着替えた。
「奈良君、待たせたな。さあ、これからどうする?」
工具楽君が僕の肩をぽんと叩きながら言って来た。
「そうだね。ビールでも飲みながらどこかで休む?僕、工具楽君の分も買って来たから」
僕はそう言って、コンビニで買ったビールが入ったビニール袋を見せる。
「おー、奈良君、まだ高校生なのにビールを飲むんだ。まあ、オレも飲みたいからいいか」
工具楽君が嬉しそうに顔を綻ばせながら言った。
こうして、僕と工具楽君は、連れ立って解体の現場から離れた。
64 :
禁断の愛(我聞×奈良):04/03/03 19:12 ID:MiOjqAtL
現場を抜け出すと、周囲にはいつもの空気が戻ってきた。
「ほら」
僕が、手にした2つの冷えた缶ビールのうち、1本を工具楽君に渡す。
「ありがとうな」
道端の石垣に腰掛けて、工具楽君が、ブシュッ、とプルタブを開け、一息にビールを飲む。
「ぷはぁ〜、仕事後に飲むビールはうめぇ〜!」
「工具楽君って、少しオヤジ入ってるね」
「いいじゃねぇか、オレ、現に家長やってるんだぜ。3人の弟、妹を世話しているからよ」
「あ・・・ごめん。余計なことに触れてしまって」
「いや、いいんだよ。それよりも奈良君も飲みな」
工具楽君に勧められて、僕も彼の隣に腰をおろし、ビールに口をつける。
山から下りてくる夜風は冷たく、火照った肌に、その冷たさが心地よい。
「あー、ビール飲み終わっちまったな。またコンビニで買うか?」
工具楽君がそう言ったが、僕は
「いや、それよりちょっと、酔い覚ましに歩きたいな」
と言った。
「じゃあ、川原へ行ってみるか。ここよりももっと涼しいぜ」
「いいね」
ほろ酔い気分のまま、僕たちは川原へと向かった。
「さすがに、こっちの方が涼しいな」
「それに、水の音も耳に心地いいしね」
穏やかな、川のせせらぎの音に包まれながら、暫く目を瞑ってみる。
「奈良君、ホントいい人だな」
工具楽君がふとそういった言葉を漏らす。
「え?」
「何でもねーよ。それより、もっと向こうの方へ行ってみようぜ」
僕と工具楽君は、他愛もない会話をしながら、少し川原を歩いた。
「何だか少し、腹が減ってきたな」
「そうだね。僕も少しお腹が減ってきたよ」
「それじゃ、何か食い物を調達してこようぜ」
僕たちは川原から離れかける。すると、草むらの向こうから、何かの物音が聞こえた。
65 :
禁断の愛(我聞×奈良):04/03/03 19:13 ID:MiOjqAtL
「何の音だろう」
「案外、どこかのカップルがイチャついたりしてるのかもな」
「ええっ!!」
「バカッ、声がデカい。気付かれたらどうするんだよ」
「そんなこと言われても」
「な、ちょっと覗いてみようぜ」
工具楽君がニヤニヤしながら言ったが、僕は
「そんな、やめた方がいいよ」
と引き止めようとした。しかし、
「大丈夫だって。ちょっとだけだからよ」
と、工具楽君は僕を残してさっさと行ってしまう。
「はぁ〜」
大きくため息をつきながら、仕方なく工具楽君の後に付いていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「う〜ん、確かこの辺だと思ったんだけどなぁ・・・・あっ!」
薄暗がりの中、周囲を見回していると、突然、工具楽君が短く声をあげた。
「工具楽君、何か見つけたの?」
とっさに工具楽君の方を見る。工具楽君は、ある一点の方向を凝視したまま固まっていた。
何を見ているのかと思い、工具楽君に近寄って、その視線の先に目を向けてみる。
そこには・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・愛しています、優さん」
「アッ!陽菜ちゃん・・・」
僕の、想像だにしていなかった光景が広がっていた。
「これ、は・・・・・・!?」
國生さんの指が、森永さんの股間をなぞりながら、激しく攻め立てている。森永さんの方は、
甘い声をあげながら身悶えていた。
「・・・・・・・・・・」
僕と、工具楽君は声を出すことも出来ず、ただ、その場に立ち尽くしていた。
66 :
禁断の愛(我聞×奈良):04/03/03 19:14 ID:MiOjqAtL
それから、どのくらい時間が経ったのだろう。気が付くと、目の前の行為はいつの間にか
終わっていた。
「このことは・・・・2人だけの秘密ですよ」
「・・・そうね、陽菜ちゃん」
國生さんと森永さんは、僕たちの存在に気付かないまま、どこかへ行ってしまった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・なぁ。奈良君。今日は・・・・どこかで飲み明かさないか?」
工具楽君なりに気を遣っているのだろう。今の僕には、その心遣いがとても有り難かった。
「・・・・なるべく、人のいない所がいいかな・・・・」
僕はそう言った。酔っ払って、何もかも忘れてしまいたい。
「それじゃあ、オレの学校へ行くか。今の時間、誰もいないからよ」
工具楽君の提案に、黙って、コクン、と頷いた。
途中、コンビニで、持てるだけ缶ビールを買い込み、終始無言のまま、工具楽君の学校へと
向かう。
「誰もいないようだな」
「工具楽君・・・・早く・・・中へ入ろう」
「ふぅ、腕に抱えてここまで持って来るのは、さすがにキツイぜ」
工具楽君が、教室の机の上にゴトゴトと缶ビールを置く。僕も、もう耐えられないと半ば落とす
ように置いた。
「これだけありゃ、朝までもつだろ」
「そうだね・・・・・」
工具楽君の言葉に相槌を打ちながら、近くの椅子に腰を下ろす。
「今夜はオレがついているから、酔いつぶれるまで飲んでも構わないからな」
「・・・ありがとう。遠慮なく酔わせて貰うよ」
工具楽君も適当な場所に腰を下ろし、プシュッ、とプルタブを開ける。そして2人して、一気に
ビールを飲み干した。
「なんか、苦いな・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
67 :
禁断の愛(我聞×奈良):04/03/03 19:16 ID:MiOjqAtL
「わはははは!國生さんがぁ〜、なんだぁ〜!」
7本目の缶ビールを一気飲みしたあたりで、工具楽君はすっかりデキあがっていた。僕は、
途中でペースを落としたせいで、まだ、それほど酔ってはいなかった。
「まったく、工具楽君ったら、どこかの酔っ払いのサラリーマンみたいだね」
「ぬわんだとぉ〜!そういやぁ、さっきからオレばかり飲んでるよなぁ〜!?」
「そんなことないと思うけど」
さっきまでの雰囲気はどこへ行ったのか、工具楽君が大声で騒ぎ立てる。でも、この方が
僕にとって気が紛れていいように思った。
そんなことを考えていると。
「よぅ〜し。それじゃあ、オレが代わりに飲ませてやるぅ〜」
工具楽君が手近にあった缶を掴み、プルタブを乱暴に開けながら絡んできた。
「い、いいよ、自分で飲むから」
「オレと君の仲じゃあないかぁ〜。遠慮なんかするなぁ〜」
仰け反る僕の口元で、工具楽君がお構いなしに缶を傾ける。
ジョボジョボジョボ
「うわ!工具楽君、こぼしてるよ!」
「わはははははぁ〜!飲め、飲めぇ〜!」
「や、やめてよぉ!」
僕の叫びも虚しく、ビールは瞬く間に上着を濡らしていった。
中身がなくなり、やっと工具楽君が離れる。上着の方はすっかりビールが染み込んで、
特有の香ばしい匂いを放っていた。
「これは、早めに洗った方がいいな・・・・・」
すぐさま、上着を脱いで上半身裸になる。ふと、気が付くと、工具楽君が何故か、真剣な
表情で僕を見つめていた。
「・・・・」
「どうか、したの?工具楽君」
「・・・・」
「工具楽君?」
「・・・・なぁ」
「同性同士って・・・・気持ちいいもんなのか?」
「え?」
68 :
禁断の愛(我聞×奈良):04/03/03 19:18 ID:MiOjqAtL
唐突な質問に、どういう意味なのか、と聞き返そうと思った瞬間。
ガタンッ!
椅子ごと倒され、身体が床に投げ出される。そこを、すかさず工具楽君が馬乗りになった。
「何すっ」
最後まで言い終わらないうちに、工具楽君の唇で僕の唇が塞がれる。続けざま、半開き
だった口の中に、ぬめった生暖かい舌が滑り込んできた。
なに・・・なんだ?
僕はすっかり気が動転し、なかなか正常な思考を取り戻すことが出来ない。
「ンッ・・・・・・ァ・・・・・・・ンムッ・・・・・・」
その間にも、工具楽君の舌が内壁や歯の裏側を乱雑に犯していった。
「クチュ・・・・・ン・・・・・・ハブァ・・・・・・」
舌を伝わってゆっくりと、そして止めどなく唾液が流れ込んでくる。僕は口の中に溜まった
唾液を、工具楽君の唾液と混ざり合っていることさえ判らないまま、何度も飲み込む。
そうして、工具楽君が一通り内側を舐めた後、今度は僕の舌にねっとりと絡めてきた。
「・・・・・・!!」
不意に我に返り、工具楽君を払いのけようと腕に力を込める。だが、いつの間に押さえられ
ていたのか、両腕は微かに動いただけだった。
「抵抗したって無駄だからな、大人しくしてろよ」
工具楽君がいったん口を離す。そして、頭を胸のところまで移動させると、また口を開いて
舌をのばしてきた。
「やめてっ!!」
反射的に体を動かしてもがく。しかし、工具楽君はそのまま、小さな突起をペロッと舐め
あげた。
「アッ!」
何ともいえない刺激に、思わず身体が、ビクッ、と反応してしまう。
「奈良君の胸、ビールの味がするな」
そう一言だけ言うと、僕の体に染みたビールの味を楽しむかのように、縦横無尽に舌を
這わせた。
ピチャ・・・・・ペロ・・・・・ピチャピチャ・・・・・
暗く静まり返った室内に、工具楽君の舌の、淫猥な音が響く。
69 :
禁断の愛(我聞×奈良):04/03/03 19:19 ID:MiOjqAtL
「奈良君なんか・・・・メチャクチャにしてやる!!」
工具楽君が勢いよく覆い被さってくる。その力強さから、今の言葉が本気だということを
悟った。
「・・・工具楽君」
何故か僕は、自分がこれから何をされようとしているのか判っていながら、工具楽君の
気の済むようにさせようと思った。どうしてそう思ったのか・・・・。もしかしたら、工具楽君
の苦しみを少しでも減らしてやりたかったのかも知れない。
工具楽君は、僕の気持ちを知ってか知らずか、乱暴にズボンを下着ごと引き下ろして脇に
投げ捨てる。そして、彼もチャックを開け、自分のモノを取り出した。両足を掴んでその間に
割って入る。続けて、自分のソレを僕の後ろの入り口に押し当てた。僕は、工具楽君が
次にするであろう行為を考えて、ギュッと目を瞑る。そして、その予想はすぐに的中した。
ズッ−−
先端が入り口を押し広げる。工具楽君の僕の足を掴む手に力が入り、そのまま中に入ろう
とした。だが・・・・
「クソッ、入らねぇ!!」
工具楽君は何度も挿入を試みるが、どうやっても先端までしか入らない。僕自身、性行為
は初めてだし、ましてや、後ろに入れられたことなどあるはずもない。キツすぎて、中に
入っていかないのは当然のことだった。
70 :
禁断の愛(我聞×奈良):04/03/03 19:20 ID:MiOjqAtL
「・・・・・・・・・・」
工具楽君は行為を中断して、しばらく何かを考え込む。すると、何を思いついたのか、急に
自分の掌に数回唾を吐いた。
「こうすりゃ、少しは良くなるだろ」
そう言って自分のモノに唾を塗りつけ、もう一度、挿入を試みる。
「いくぜ」
再度、工具楽君のモノが入り口に押し当てられ、体重をかけながら強く腰を進めてきた。
唾液が潤滑液の代わりになったのか、少しずつ、かつ強引に僕の中に進入してくる。
「ぐうぅっ!!」
下半身を襲う激痛に、唇を噛みしめて堪える。工具楽君は、そんな僕を無視してどんどん
腰を進めた。そのまま痛みに耐えていると、やがて、僕の体と工具楽君の体が触れ合う。
「全部入ったぜ」
一息ついて僕の足を抱え直し、今度はゆっくり引き抜く。入ってくるときよりは幾分楽だが、
それでも、かなり痛みが伴った。
「・・・・・・・・っく、ぅぅ・・・・・・・」
先端だけを残して引き抜かれ、それが終わるとまた入ってくる。そうして繰り返されるうちに
少しずつ工具楽君の動きがスムーズになっていった。工具楽君は気持ち良く感じている
らしく、僕に向かって何度も腰を打ち付ける。
「ハァ、ハァ、ハァ」
息を荒くしながら、その動きが徐々に速度を増していく。そして・・・・
「うぁっ!!」
呻き声を上げると同時に、その体が、ビクッと震えた。
「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・」
工具楽君は暫く絶頂の余韻にボーっとしていたが、自分のモノを引き抜くとそのまま僕の
上にもたれ込む。
「・・・・」
工具楽君の様子が静かになる。見てみると、いつの間にか寝息を立てて眠っていた。
これで、少しでも苦しみが減ったのならいいんだけど・・・・。そんなことを考えていると。
−−−ポトッ
胸の上に何かが滴ったような気がした。室内に薄く差し込む月明かりに、工具楽君の頬が
一瞬光る。僕は、工具楽君の体を抱きしめてやると、僕自身も目を瞑って、そのまま深い
眠りに落ちていった−−−。