46 :
高級ホテルでの甘い夜:
ある日の夜、沢近愛理はビルの解体現場に立っていた。
沢近が恋している工具楽我聞が、今からハンマーで柱を壊すところである。
「工具楽屋 25代目 社長・・・工具楽我聞!!」
工具楽の口からそんな言葉が発せられ、その瞬間
「突貫!!」
大声と共にハンマーが柱に当たる。あっという間に柱に複数のひびが入り、
ビルが大きな音と共に崩れ落ちる。
「カッコいーよ!工具楽くん!!」
沢近が思わず工具楽に駆け寄る。工具楽がそんな沢近を抱えて
「おっと、ここへ来ると危ないぜ?お嬢さん」
「・・・だって、仕事を頑張っている工具楽くんを見ていると、私、ウキウキして
しまうんだよー」
「ふ・・・その労いの言葉が嬉しいな。じゃ、今夜は約束どおり・・・」
「うん、私が既にホテルを取っているからねっ!」
2人は高級ホテルの前に立っていた。
「す、すげぇ・・・。こんなホテル、オレの給料じゃとてもじゃねえが払えねえよ」
工具楽が驚愕の表情を見せる。沢近が悪戯っぽく笑って
「うふふ。工具楽くんはお金の心配などしなくてもいいわ。このホテルは、
スウェーデンで経営している母の会社の系列だから特別に安く泊まれるように
してもらったの」
「うわー。やっぱり沢近さんはすごいなあ。零細企業の社長のオレとは釣り合わ
ないほどだよ」
「ううん、そんなことないわ。工具楽くんは今の私にとって最も大事な人・・・。
その大事な人のためなら私は全てを投げ売ってもいいわ・・・」
「沢近さん・・・」
「工具楽くん、さあ早くホテルの中へ入ろうよ!」
47 :
高級ホテルでの甘い夜:04/03/02 17:55 ID:nixcUj6D
贅沢なディーナーを堪能した後、沢近と工具楽は、自室へ戻った。
沢近はスカートを脱ぎ、工具楽はシャツだけ脱いだ姿になっている。
そして、暫く、沢近と工具楽は童心に返って互いの身体をくすぐりあった。
−−−柔らかいな。
でも、互いのその手つきはもう童心とはいえないかも知れない。2人は互いに
相手の存在が確かめたかった。手の届くところにある、その身体が。
暫くして、沢近と工具楽は仰向けになってベッドに寝転がった。沢近のブラウスの
ボタンはもう全て外れていたから、腕に押しつぶされた丸い胸が強調される。
工具楽は、その胸元に視線が釘付けになるのを抑えずにはいられなかった。
やがて、沢近が身体を乗り出してきて、工具楽に唇を合わせた。舐め回すように
キスをしてからようやく満足したように顔を離す。
「工具楽くんって、私から見ても本当に本当にカッコよくて・・・理想的な男性・・・。
うちの学校には工具楽くんのような生徒なんて1人もいないわ」
「沢近さん・・・」
今度は、工具楽の方から沢近にキスをする。
「オレも沢近さんが一番理想的な女性だと思ってるよ。國生さんや優さんよりも」
「ホントウ?」
「ああ、本当さ」
工具楽は両手で沢近の頬を包むと、舌を本格的に差し入れた。
「ンンッ!」
軽くうめき声をあげたけれど、沢近は拒まなかった。少しずつ動かした舌先に、
沢近はやがて応えてきた。絡み合うように、舌が幾度も交差する。
それから、2人は幾度となく、キスを繰り返した。
飽きるほどキスを繰り返した後、沢近と工具楽は一旦、身体を起こして、ベッドの上
で壁にもたれ掛かった。真っ白で飾りのないブラが、工具楽の目には眩しかった。
「こんなのはいていたら、暑いよね」
沢近がベッドに横になると、工具楽の腰に手を伸ばした。いそいそと工具楽のズボンを
脱がせる。
「ズボン、皺になっちゃうかなぁ」
「作業着のズボンだし大丈夫だろ」
工具楽は、少し腰を浮かせて、それに協力した。
48 :
高級ホテルでの甘い夜:04/03/02 17:57 ID:nixcUj6D
「あら・・・工具楽くんったら緑と青のチェックのトランクスはいてるんだー」
「解体の仕事やっていると暑くなるからね」
工具楽が、照れながら何となく腰に手を当てた。
「だから、トランクスの方が涼しいしむれないしね」
「それに、何か大きくなってる」
「うるさい」
工具楽が、思わず腰を引いた。
「沢近さんの服だって、皺になるぞ」
「・・・・・・あの、ね」
沢近は、身体を起こしたまま工具楽を見つめた。
「その」
「いい。それ以上言うな」
工具楽は上半身を起こし、沢近のブラウスの襟元を掴んだ。ゆっくりと両手を袖から
引き抜く。
「ありがとう」
沢近は、恥ずかしそうに、でも嬉しそうに頷いた。
ブラとショーツ姿の沢近は、工具楽の想像以上に整ったプロポーションをしていた。
「やだ、そんなマジマジと見ないでよ」
沢近は、肌を隠そうとするかのように、工具楽に抱きつく。
−−−暖かいんだな。
工具楽が、その肌の感触に酔っていると、沢近はそのままクンクンと鼻を動かした。
「ねぇ」
真面目な顔をして、突然冷静な声で告げる。
「何かと思ったけど、工具楽くん、ちょっと汗臭いね」
「そりゃあ、先まで仕事していたからね。解体の仕事って結構、汗を流すんだよ」
「そうだよね。でも、私、工具楽くんの汗のにおいは好きだわ」
沢近が、クンクン、と鼻を鳴らす。
「フローラルの香り、とかしてるよりは、ずっと男らしくていいわ」
「でも・・・汗臭くちゃ、お金持ちのお嬢様に失礼だよな」
「ううん、そんなことはないわ。でも・・・一緒にシャワー浴びる?」
「いいよ」
49 :
高級ホテルでの甘い夜:04/03/02 17:58 ID:nixcUj6D
それから、沢近と工具楽は2人で1枚のシーツを身体に巻いて、バスルームに向かった。
浴室は、シャワーの湯気に満ちていた。
「うぁー、気持ちいい」
汗ばんでいた身体に当たる水滴が心地いい。暫く甘い雰囲気を忘れ、頭からシャワーを
浴びる。
「髪、濡らしても大丈夫?」
工具楽が聞くと
「うん。大丈夫」
と、沢近も、頭からシャワーを浴びる。金色の髪が肩から文様を描くように流れ落ちる様が
美しかった。暫く、そうして全身の汗を流すと、工具楽は、そっと沢近の肩を掴んだ。
「ん、なに?」
濡れた髪をかき上げながら、沢近が工具楽を見上げる。
「沢近さん、愛してるよ・・・」
工具楽が、沢近をギュッと抱き締めた。
「私も・・・よ。あのね。工具楽くんに一つ、お願いしてもいい?」
「なに?」
「・・・・・その、一度、工具楽くんのをちゃんと見せて」
「えっ?」
「いいでしょー。私、工具楽くんの全部が知りたいの・・・」
「い、いいけど、でも」
沢近は、後ろ手にシャワーを止めると、そろそろとしゃがみ込んだ。
「・・・・・ふーん、こんなふうになってるんだぁ」
沢近は、工具楽の足下でしゃがみ込んだ。
ピクッ!
工具楽は、沢近の視線を感じただけで、何かが反応するのがわかった。
「あ、少し動いた。また動いた。・・・・・やだ」
沢近に見られていると意識するだけで、瞬く間に、工具楽のそこが熱く、たぎってくるのが
判った。
「やだ、もっと大きくなってきた」
50 :
高級ホテルでの甘い夜:04/03/02 17:59 ID:nixcUj6D
工具楽はどうにもこらえようがなかった。
「・・・・・こんなに、なっちゃうの?」
「も、もういいだろ」
工具楽は、重く沈む、異様な熱さに耐えかねて僅かに腰を引いた。
「充分、見たろ」
けれど、沢近は、工具楽の前にしゃがみ込んだまま、じっと動かなかった。
腰を引こうにも、狭いバスルームでは場所がない。後ろを向くのも、卑怯な気がした。
「あ、あのね、工具楽くん」
やがて、沢近がオズオズと言う。
「その、・・・・・・触ってみても、いい?」
「い、いいよ」
答えると同時に、サワッと、沢近の手が触れる感触があった。
ビクビクッ!
そのショックで、激しく腰が震える。
「そんなに柔らかくないんだ」
沢近の手は、優しく、撫でるように、工具楽の表面をさする。その微妙な触り具合は、
逆に凶悪だった。
「こんなに、変わるんだ」
やがて、沢近はゆっくりと力を入れながら、中程を握り締める。
「充分だろ、もう!」
思わず、工具楽がそう叫んでいた。
−−−こ、このままだと、もう・・・・・
沢近に触られて、予想以上に、速い速度で熱さが腰に溜まりつつあった。
「なあ・・・沢近さん」
「・・・お願い、その、もう少しだけ触らせて」
「どうして?」
その意外なほど真剣な声に、工具楽は思わず問い返した。工具楽のものを握り締めた
まま、沢近は工具楽を見上げる。
「私・・・工具楽くんの全てが知りたいんだもの・・・」
51 :
高級ホテルでの甘い夜:04/03/02 18:00 ID:nixcUj6D
それから−−−シャワーを浴び終え、沢近と工具楽は再び部屋に戻った。2人とも裸の
まま、ベッドの中へ潜り込む。
「ヘヘヘッ」
毛布の中から顔だけを出し、沢近は楽しそうに笑った。一つの枕に頭を並べて、ベッドに
横になる。沢近が工具楽の頬に軽くキスをした。
「今の私はとーっても幸せ・・・。工具楽くんとこんなふうに、一緒にベッドに入って、こうして
るなんて」
毛布の中に身体が隠れて、沢近は随分リラックスしたみたいだった。ベタッと身体を寄せて
指で工具楽の脇腹を撫でる。
「こらっ!」
「エヘヘッ」
沢近が工具楽に抱きつく。そして、その抱きついた手を下に伸ばした。細い指を、既に反応
している工具楽のあれに絡みつかせる。工具楽が、咄嗟に漏れた息をこらえた。
軽い刺激だったのに。それだけで、工具楽の身体はすぐに反応してしまった。
更に沢近が、両手を工具楽の胸にまわして、抱きついてくる。オズオズと、胸を、工具楽の
身体にすり寄せてくる。工具楽も、沢近を抱き締める腕に力を込めた。
「その、・・・・・もう少し触ってもらっても、いいか?」
「うん・・・いいよ。工具楽くんも・・・私に触れて・・・」
沢近が、工具楽の右手首を掴むと、それをソロソロと、下へ導いていく。その手は、沢近の
ヘソのあたりから、更に下へと進んだ。柔らかい、サワサワとした手触りが、工具楽の指先に
触れる。
52 :
高級ホテルでの甘い夜:04/03/02 18:01 ID:nixcUj6D
「・・・・アッ・・・・ハッ・・・・・」
甘く、とろけるような沢近の声が室内に響く。
「ハァーッ・・・・・」
工具楽はその感触を確かめながらゆっくりと指を動かした。右手の中指が、沢近の茂みの
奥の割れ目をなぞる。
−−−温かい。
そこは、ひどく熱く火照っていた。そして柔らかく濡れていた。
「ン・・・・・・・・・・アッ・・・・」
思わず、小さく声を漏らす沢近。その呟きには、今まで聞いたことがなかった艶が見え隠れ
していた。
「・・・・・・・ハァ・・・・・・・・ィ・・・・・・・・ア・・・・・・・・」
酔ったような瞳を湛えた沢近の身体に、指を這わせる。はじめはそっと。そして少しずつ、
その身体を確かめるように念入りに。その肌は、じっとりと汗ばんで、弾力豊かな肌は、
信じられないほど柔らかかった。
「アッ!」
工具楽は、沢近を傷つけないよう、細心の注意をはらって、指を動かした。
「・・・・・・ねぇ、工具楽くん・・・・」
「なに?」
「・・・・工具楽くんの指、熱い・・・・・」
工具楽が、左手で、沢近の乳首をそっと撫でる。小さい乳首は、いつのまにか堅さを増し、
次第に固く隆起していた。時折、優しく撫でると、それだけで、ビクン!と沢近の背筋が
大きく震える。
「沢近さんのここも、熱いよ・・・・・」
工具楽は、右手を小刻みに揺らした。
「・・・・・・アアッー!」
沢近の声が、やや大きくなる。後ろから、抱えるようにして抱き締めた沢近の身体は
柔らかかった。
53 :
高級ホテルでの甘い夜:04/03/02 18:02 ID:nixcUj6D
「アッ、工具楽くん・・・・・・」
沢近の手が、何かを掴むかのように、毛布から伸びる。
「どうした?沢近さん」
「・・・・・・やだ、工具楽くん」
何かを探すかのように、沢近の手は宙をさまよう。工具楽は、そっと沢近の身体を反転
させた。胸にまわした手は苦しくなるが、正面から沢近と向き合えるようになった。
「・・・・・・・・・・ン・・・・・・アァ・・・・・」
沢近が、ギュッと工具楽に抱きついてきた。
「工具楽くん・・・・・」
工具楽も、左手で沢近を抱き締めた。沢近の柔らかい胸が、工具楽の身体で押しつぶされる。
「なあに?」
「・・・大好き・・・」
沢近が、工具楽の首筋に軽くキスをする。
「優しくするから」
工具楽が、ひとしきり指で沢近の身体を確かめた。手をついて身体を起こし、寝そべった
沢近を見下ろす。
「・・・・ちゃんとするよ」
もう、迷いはなかった。
「いいよね?」
「うん」
沢近が、金髪を払いながら、工具楽を見上げて頷いた。
「ちゃんとして、工具楽くん」
身体を伸ばして、工具楽の上半身につかまろうとする。工具楽はそれを右手で支えた。
「なんとなくね」
沢近が顔を寄せてくる。軽くキスをした。
「そのまま、奥まで」
恥ずかしそうに顔を背ける。
「出来るだけ優しくするよ」
54 :
高級ホテルでの甘い夜:04/03/02 18:03 ID:nixcUj6D
工具楽が、丁寧に沢近を抱き締めながら、身体を完全に起こす。肩から毛布が滑り落ちて
沢近の身体が露わになった。
細かい足首。健康的な小麦色から、次第に真っ白な肌に変わっていく太股。緩やかに、
女らしくくびれたウエスト。
「・・・・・やだ、そんなに見つめないでよ」
手足を僅かに縮こまらせて、恥ずかしそうに沢近が呟いた。それでも、身体を隠そうとは
しなかった。むしろ、身体をほんの少しだけ開いた。
「ゴメン・・・でも、綺麗だから」
「・・・・工具楽くんにそう言われると、ちょっと嬉しい」
「つい、触りたくなっちゃう」
スッ、と工具楽は沢近の胸元から腰にかけて指を這わせた。
「バカァ・・・・」
呟きながらも、沢近は指を拒まなかった。瞼を閉じて、何かをこらえるかのように、眉間に
皺をよせる。
−−−よしっ!
工具楽は、そのまま腰にまわした手で、沢近を抱え込もうとした。
「・・・・・・あ、工具楽くん」
沢近は、薄目を開けて、工具楽を見上げる。
「あのね、ちゃんとして」
「えっ?」
「その、・・・・・ゴムして」
−−−ゴム?
一瞬、工具楽はそれが何のことか判らなかった。だが、すぐに気付いて真っ青になった。
「そ、それは」
・・・・そんなの用意してないぜ。
そんな工具楽を見て、沢近が悪戯っぽく笑う。
「そうだと、思って、私が用意してきたの」
沢近が、自分のバッグに手を伸ばして、無地の茶色い紙袋を差し出した。その中には、
コンドームが一箱、入っていた。
55 :
高級ホテルでの甘い夜:04/03/02 18:04 ID:nixcUj6D
「さすが・・・沢近さんだね」
コンドームのパッケージを手に、呆然としている工具楽に、沢近が下から抱きついてくる。
手を脇にまわし、肌をすり寄せてくる。工具楽の首筋に頬を寄せて、気持ちよさそうに、
頬ずりする。そして、工具楽の手からコンドームを取る。
「ゴム、つけてあげるね」
「えっ?」
沢近がクスッと笑いながら、ピリピリ、と慣れない手つきで、パッケージの封を切ると、
工具楽の足下にうずくまる。工具楽は下半身を横にして、仰向けになった。
沢近の手は、けれど震えていた。工具楽は、沢近にされるがままに任せた。付け終わる
までには、暫くの時間が必要だった。
「・・・・・これで、いいかな?」
「ああ」
工具楽が、ゆっくりと身体を起こした。かわって、沢近がそっと、身体を横たえる。
「痛かったら、ちゃんと言えよ」
「・・・・・あ、あのね。工具楽くん」
沢近は、工具楽の右手をギュッと握り締めた。
「私が、痛いって言っても、やめないでいいからね」
「・・・・沢近さん」
「痛いって泣いても、やめてって叫んでも、絶対にやめないでいいからね」
「・・・・・・優しくするよ」
「何を言っても、やめないでね。痛かったら、つい、叫んじゃうかも知れないけど」
工具楽が、泣き出しそうな顔の沢近を、力一杯抱き締める。
「私、・・・・・・本当に、工具楽くんにして欲しいんだから」
「うん、わかってる」
工具楽は頷くと、そっと、撫でるように沢近の瞼を閉じた。
「愛してるよ」
それから、腰にそっと手をあて。工具楽は、沢近と自分の身体を一つに繋げた。
「アァン!」
「綺麗だよ、沢近さん・・・・・それに、すごく可愛い」
「バカァ・・・・ウソ・・・・」
優しく囁いた言葉は、決して嘘じゃなかった。少なくないはずの痛みに必死に耐え、工具楽を
受け入れてくれている沢近。その健気さが、工具楽の胸を熱く震わせていた。
56 :
高級ホテルでの甘い夜:04/03/02 18:05 ID:nixcUj6D
「本当に・・・・・綺麗だ・・・・・」
沢近が、困ったように身悶えする。それは、愛らしくなまめかしい仕草だった。
たまらずに、工具楽はつい腰を突き動かしてしまう。ねっとりとした液体に絡められながらも、
沢近の中は狭くて、動きにくくて・・・気持ちよかった。
「やだ、そんな・・・・・・・・・・・ハァァ・・・・・・・アンッ!」
「ごめん、痛かった?」
「う、うん・・・・・・ううん、違うの。あ、あのね・・・・・・」
顔を赤らめながら、沢近が上目遣いに工具楽を見た。
「へ、変な子だって思わないでね」
「思うわけないだろ、そんなこと」
「・・・・本当に?」
「約束する」
「・・・・・絶対に?」
「絶対にだよ」
「・・・・本当に絶対に?」
「本当に絶対に、思わないから」
「じ、じゃあ・・・・・・・・・言うね」
やがて、一度結ばれた口が、意を決したように開く。
「そ、そんなに・・・・痛くなかったの・・・・」
「えっ?」
「あ、ち、違うの、そういう意味じゃなくて・・・・痛いのはやっぱり痛いんだけど、で、でも、
あの・・・・」
赤く染まった頬を隠すように、沢近が視線を逸らす。
「痛いだけじゃ、なかったから・・・・・」
「・・・・・・・・あっ・・・・・・・・・」
「熱くて、痛いんだけど・・・・・すごく嬉しくて、幸せだから・・・・」
57 :
高級ホテルでの甘い夜:04/03/02 18:06 ID:nixcUj6D
泣き出しそうな瞳で、沢近はにっこりと笑った。その健気な言葉と態度に、工具楽は恥ず
かしいような嬉しいような気持ちで一杯になった。
「沢近さん!」
「ァン!」
考えるよりも早く、工具楽の腕が沢近を抱き締めてしまう。その衝撃が一部を通して、
沢近の内側に刺激を与えてしまった。
「ン・・・・もぅ、いきなりなんだから・・・・」
「・・・・・・えっと、驚かせた?」
「う、うん。ちょっとだけ・・・・・・・・・・」
工具楽が強くしっかりと抱き締めたまま、ゆっくりと腰を動かし始める。沢近を壊さないように。
けれど、決して手放さないように。
「ァ・・・・・・・・アァ・・・・・・・・ンァ・・・・」
工具楽の動き合わせ、小さな声が部屋にこぼれる。
「ハァ・・・・・・ン・・・・・アハッ・・・・・アハァ・・・・・・」
それは、やがて小さからぬ声になり、次第に、部屋中に響くような喘ぎへと変わった。
「アッ・・・・いや・・・・・そんなに・・・・・ンァ・・・・・だ、だめ・・・・」
「可愛いよ・・・・沢近さん・・・・」
「アン、アン、アァンッ・・・・イ、ア、激し・・・・ンンンッ」
羞恥心を覆い隠すように、沢近は刺激に没頭していた。
「ァン!」
苦悶を覆い隠すかのように、嬌声を漏らす。
「・・・・・・アハァ・・・・・ンァァ・・・・・こ、声・・・・止められな・・・・ングッ!」
快感と苦痛と、自分ではどうしようもない二つの感覚に翻弄され、身悶えする沢近。しかし
工具楽では、沢近を助けることは出来なかった。・・・工具楽自身も、沢近とのつながりに
身も心も奪われていたから。
「・・・・あぁ・・・・沢近さん・・・・だ、大丈夫、か・・・・?」
「ンァ・・・・工具楽・・・・工具楽く・・・・」
58 :
高級ホテルでの甘い夜:04/03/02 18:07 ID:nixcUj6D
互いの名を呼ぶ声と、粘着性の高い音だけが耳に届く。高まる鼓動と絡み合う身体。
痛みと快楽に、本当は境なんてないのかも知れない。
「・・・・アアッー!」
沢近と工具楽は、とどまることなく互いを求め続けた。
伝わる重みと、重ねた肌の熱さ。沢近と、沢近と触れ合う工具楽自身のこと以外、
工具楽は何も考えられなかった。
・・・・・・・・・・・・・・そして、高ぶる感情だけに支えられて、2人は終わりのときを迎えようと
していた。昇り詰める緊張感は、確実に限界へと近づく。2人は一気に押し流された。
・・・・苦痛とか、快感とかを越えた何処かへ・・・・。
瞬間、沢近の身体が弓なりに激しく揺れた。同時に、背筋を例えようのない刺激が駆け
めぐる。まるで、痙攣のように小刻みに震える沢近を、工具楽は夢中で抱き締めた。
沢近も、抜ける力を必死に押しとどめるように工具楽にしがみつく。
荒れ狂う刺激の渦に晒された2人は、ただただ互いを強く抱き締め合うしかなくて。
体内に残っていた余韻は、冷める気配もなく、熱さを増していくばかりだった・・・・。
・・・そして、2人は気持ちのよい世界へ躍り出たのであった。
(完)