291 :
名無しさん@ピンキー:
また仕事でミスをして怪我をしてしまい入院してしまった工具楽我聞。
これで2度目の入院である。そして、偶然なのか、同じ日に、沢近愛理が
食中毒で救急車で運ばれて同じ病院に入院することになった。
部屋は違ったが、毎日、2人は互いの病室へ遊びにいって会話を交わしたり
していた。
しかし、その日は違ってた。
沢近が、元気に幸作に声をかけても心、ここにあらずの顔つきで、沢近のかける
言葉に乗ってくれない。。。
結局、いつもと違った、時間をすごし…沢近は、病室を後にしようとした。
その時、我聞が沢近に声をかけた
「沢近さん、今夜良かったら、屋上に連れて行ってくれない?今日は気分がいいから、
春の星空を君と一緒に見たいんだ。」
「夜はまだ寒いよ・・・工具楽くん、体に悪いよ…」
「お願いだ、沢近さん、ほんの少しだけで良いんだ、だから、お願いだ…」
「しょうがないわね、工具楽くんは、じゃあ、少しだけだよ。」
「ありがとう、沢近さん。」
「じゃあ、あとでね…」
292 :
名無しさん@ピンキー:04/03/22 01:56 ID:L/ZkyWdg
あ、ミスった・・・。
また仕事でミスをして怪我をしてしまい入院してしまった工具楽我聞。
これで2度目の入院である。そして、偶然なのか、同じ日に、沢近愛理が
食中毒で救急車で運ばれて同じ病院に入院することになった。
部屋は違ったが、毎日、2人は互いの病室へ遊びにいって会話を交わしたり
していた。
しかし、その日は違ってた。
沢近が、元気に我聞に声をかけても心、ここにあらずの顔つきで、沢近のかける
言葉に乗ってくれない。。。
結局、いつもと違った、時間をすごし…沢近は、病室を後にしようとした。
その時、我聞が沢近に声をかけた
「沢近さん、今夜良かったら、屋上に連れて行ってくれない?今日は気分がいいから、
春の星空を君と一緒に見たいんだ。」
「夜はまだ寒いよ・・・工具楽くん、体に悪いよ…」
「お願いだ、沢近さん、ほんの少しだけで良いんだ、だから、お願いだ…」
「しょうがないわね、工具楽くんは、じゃあ、少しだけだよ。」
「ありがとう、沢近さん。」
「じゃあ、あとでね…」
293 :
名無しさん@ピンキー:04/03/22 01:57 ID:L/ZkyWdg
消灯時間を迎え、病院も静まった時間、沢近は、我聞の病室を訪れた。
「待ってたよ、沢近さん、早速連れて行ってくれる?」
「工具楽くん…厚着した?セーター着た?」
「うん…」
我聞は、何か緊張した顔つきだった・・・。
沢近は、我聞の点滴台を押しながら、我聞を支えつつエレベーターへと連れていった。
エレベエーターを呼んでる間、我聞は一言も発しようとしない。
(どうしたのかな?工具楽くん…。)
エレベーターに乗り込み、屋上のボタンを押そうとして、沢近は我聞の方を振り向いたが、
我聞はエレベエーターの壁にもたれかけ、沢近の方を見ようとしない。
「行くよ?」
「ああ」
エレベーターの扉が閉まり、屋上に着き扉が開くまでの時間が永遠に感じた…
おかしな、感情だった。いつも、明るく沢近に接する我聞がここまで、押し黙った姿は、
沢近は初体験だった。
屋上に着き、沢近は、我聞を屋上のベンチに座らせた。
「きれいな星空だね、工具楽くん・・・満足した」
星空を見上げながら、沢近は我聞に語りかけた
「・・・ああ・・・。」
「神奈川でも、こんなに星空が綺麗に見えるなんて。」
「・・・ああ・・・。」
沢近が、星空を見上げながら、我聞に話しても、我聞からの、返事はこころここにあらず
という感じの物だった。沢近は、ふと我聞の方を見た。
我聞は、星空を見ず、沢近の方をずっと見ていた。
「どうしたの?工具楽くん?せっかく星空を見に来たのに・・・?」
「ああ・・・。」
294 :
名無しさん@ピンキー:04/03/22 02:02 ID:L/ZkyWdg
「・・・。」
沢近は、あとに続ける言葉を見つけることができなかった。
しばらく、無言の時だけが流れた…。
「沢近さん…あのな?・・・」
「どうしたの?工具楽くん、何か言いなさいよ…。」
星空の中で、二人だけの時が流れていく…。やがて、決心したように我聞は語りはじめた。
「オレね、このまま、死ぬわけにいかないよね…。」
「当然でしょう?工具楽くん!貴方は怪我しただけなのよ。大袈裟な・・・」
「当然、それは当然だよ!…だってね…。」
「だって?」
「好きな人と…」
「好きな人と?」
「だからぁ…好きな人と…あ…しさぁ…。」
「だから、なあに?好きな人と?」
我聞は、やがて決心したように
「だから、好きな人と、いっしょにいたい。」
沢近は、言葉を失った。我聞の気持ちは痛いほど知ってる…。我聞が、自分のことを
どのように思ってるか、その気持ちを痛いほど知っていた。
295 :
名無しさん@ピンキー:04/03/22 02:03 ID:L/ZkyWdg
どれくらいの、時間が流れたであろうか・・・。
その時間が、沢近の気持ちをある方向に導いたのも事実である、しかし、それ以上に
今まで、我聞が示してくれた、自分への無償の愛にこたえたいと言う気持ちが、どこかに
あったのも確かである。
「工具楽くん…そろそろ屋内にはいろう?」
「ああ」
我聞を支えながら、エレベーターに乗り、沢近は、我聞の病室とは違う階のボタンを押した。
「ちがうよ?沢近さん…?」
「いいの、これで…」
やがて、沢近が押したボタンの示す階のフロアーについた。
「行こう?工具楽くん…」
「ああ」
我聞は怪訝そうな顔をしながら、沢近に体を預けて、沢近の導きに従いながら歩き出した。
二人は、無言で、誰もいない病院の廊下を歩いた。二人の足音だけが、静かな廊下に響
いた。
やがて、沢近は奥まった扉の前で止まって、その扉を開けた。
「はいって、工具楽くん…」
「ああ…。」
我聞が、部屋に入ったのを確認すると、沢近は一度廊下の外を確認して、静かに扉を閉
めた、そして、扉の鍵を音ができるだけでないようにかけた。
その部屋は、個室のようであったが、部屋の広さは、我聞のいる四人部屋と同じくらいの
広さがあり、そして、窓際にあるベッドは、完全看護用のベッドのようであったが、我聞の
今使ってるベッドと違って、ふかふかのベッドであった。部屋の片隅には、ソファーベッドが
おいてあり、窓際には、高そうな花瓶がおいてある。
「この部屋はね、特別室なの、滅多に使わないけどね…いつでも入院できるように、ベッド
の用意もしてあるし、シャワールームも、おトイレもついているの…。」
296 :
名無しさん@ピンキー:04/03/22 02:03 ID:L/ZkyWdg
「工具楽くん…私、貴方に何も言ってあげられない…ごめんね…。」
「…。」
「だけど、工具楽くん…私、工具楽くんに何かしてあげたいの…。」
沢近は、着ていた服をゆっくりと脱ぎだした。
最初に着ていたセーターを脱ぎ、ソファーに投げ出した。
「工具楽くん…今だけ、私…工具楽くんのものになってあげる…。」
「さ、沢近さん…。」
「工具楽くんは、私の事をいつも見ていてくれた…だから、私も、工具楽くんの事を…
今だけ…うんん、きっと今夜をきっかけに…。」
沢近は上着を脱ぎ、下着だけの姿になると、窓際のベッドの上に座った。
「きて…工具楽くん…。」
今日はここまで。精力尽きたので。次回はまた元気な時に書きます。