18禁版シスタープリンセス妄想スレッド 16

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570紗羅綺麗
「はい・・・。来週には退院できます・・・。兄上さま、ミカエルは元気ですか?」
病院の廊下に優しい月光が降り注いでいる。
受話器を置いた鞠絵は、足音をたてぬよう、静かに自分の病室に歩き出した。
もう就寝時間は過ぎている。早く戻らないと・・・。
今回の入院は長かったけど、やっと兄上さまの元へ帰れるのですね・・・。
期待に胸を躍らせながら・・・。鞠絵が院長室の前を通った瞬間。
「次、206号室だけど・・・」
私の個室?
ドアの向こうから聞こえてきた院長の声に、鞠絵は足を止めた。
「今までダマしダマしやってきたけど、今度こそダメだな」
え?
ドキリ、とした。
何かの聞き間違い・・・。
部屋番号が同じでも、他の病棟かもしれないし・・・。
その時。院長と会話しているらしい、顔なじみの看護婦の声が聞こえてきた。
「何とかならないんですか?鞠絵ちゃん、かわいそう・・・」
間違いない!私だ!!
鞠絵はドアに顔を寄せ、必死に聞き耳を立てた。
院長と看護婦の会話が、とぎれとぎれに聞こえてくる。
571紗羅綺麗:04/01/23 00:13 ID:P6ZHAhu7
「この間、鞠絵ちゃんの退院予定は来週って・・・」
「仕方ないだろう。ここまで悪いんだから。君は気付かなかったのか?」
「院長のミスじゃないですか!なんとかならないんですか?」
「ダメだね。悪い所は一箇所や二箇所じゃないんだ。もう私たちじゃ手に負えない」
「・・・鞠絵ちゃん・・・。どうしましょう」
「う〜ん。早めに話しておく必要があるな」
そこから先の事は覚えていない。
気が付くと・・・。鞠絵は兄の胸で泣いていた。
いつ自分の病室に帰ったのかもわからなかった。
「大丈夫か?」
兄上さまの、優しい声・・・。
一瞬、鞠絵は、夢の中にいるかのような錯覚を覚えた。
「いきなり泣きながら電話してくるからビックリしたよ。何を聞いても泣いてるだけで返事しないし・・・。警備の人に見つからずに来るの、大変だったんだぜ」
傍らには、バイクのヘルメットがあった。
鞠絵は、院長室の会話を聞いた後、錯乱しながらも兄に電話した事を思い出した。
兄上さま・・・。こんな遅くに、バイクで駆けつけてくださったのですね・・・。
兄の優しさを感じた瞬間。再び鞠絵は泣きじゃくっていた。
「何があったんだい?話して・・・」
572紗羅綺麗:04/01/23 00:13 ID:P6ZHAhu7
「ウソだろ?」
鞠絵が盗み聞きした院長の話を聞いて。兄もまた、驚愕の表情を見せた。
「だって、この間の検査でも異常はなかったのに・・・。何かの間違いだよ!」
「私も、そう思いたいです・・・。でも、でも・・・」
口を開くと、涙がぶわっ、とあふれる。
「院長先生が・・・。はっきりと私の名前を・・・」
「くそう!ヤブ医者め!叩き起こして問い詰めてやる!」
「兄上さま、止めてください!」
その時。調子が悪いのか、部屋のすみにあるエアコンが、ガガガガガン!と物凄い音をたてた。
兄がビクッと、反射的に振り向いた瞬間。
鞠絵はすがるように、兄に抱きついていた。
「行かないで・・・。私を一人にしないでください・・・。兄上さま・・・」
「鞠絵・・・」
兄の胸に埋めていた顔を上げると・・・。鞠絵の大きな目は、涙で濡れていた。
「兄上さま、イヤ、イヤです!」
「大丈夫、オレが死なせない!」
鞠絵を抱きしめ、思わず口走る兄だったが・・・。
心の中で、その言葉が無力である悔しさを噛み締めていた。
「違うんです!私、わたくし・・・」
鞠絵は、兄のシャツを掴む手を震わせながら、涙声を絞り出すようにして言った。
「今までずっと、我慢してきました・・・。私は体が弱いんだから、普通の女の子がしているような事でも、我無理してやっちゃいけないんだ、って。でも、でも・・・」
キッ、と顔をあげ、涙に濡れた瞳で兄を見つめ、鞠絵は言った。
「好きな人に抱かれぬまま・・・処女のまま、死ぬのはイヤです!」
「鞠絵・・・」
573紗羅綺麗:04/01/23 00:15 ID:P6ZHAhu7
病室の窓から、優しい月光が降り注いでいる。
月明かりに浮かび上がる、若い二人のシルエット。
一糸まとわず、生まれたままの姿で向かい合う兄と妹は・・・。
影絵のように静かに寄り添い、互いの唇を重ねた。
「ん・・・」
初めてのキス。
夢にまで見た、初恋の人とのキス。
鞠絵の心に、温かいものが広がっていく。
永遠に思える聖なる時間を終えて・・・。
唇を離した鞠絵は、ほう、と溜息をついた。
「私、胸がドキドキして・・・。壊れてしまいます・・・」
その瞬間。エアコンが再びガコン、と音を立て、鞠絵は「キャッ!」と小声で叫ぶと、兄にすがりついた。
「なんだ、このオンボロ。止まっちまったみたいだな・・・。鞠絵、寒くないか?」
でも、そのお陰で、兄上さまに抱きつく事が出来た・・・。
鞠絵は微笑むと、兄の胸に頬を寄せ呟いた。
「大丈夫です・・・。兄上さまが温かいから・・・」
そんな鞠絵を抱きしめ返すと・・・。兄は再び、キスをした。
前のは軽く唇を寄せ合うバードキスだったが、今度は歯をこじあけ、兄の舌が入ってきた。
少し驚いたが、全身の力を抜き、受け入れる。
生まれて初めて他人と舌を絡めあう鞠絵の股間が、じゅん、と熱く潤った。
574紗羅綺麗:04/01/23 00:16 ID:P6ZHAhu7
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
「うっ、くっ、や、やぁん・・・」
月光に浮かび上がる、男女の淫らな交わりのシルエット。
何かを振り切るかのように。兄は一心不乱に、鞠絵の乳房を揉み続けた。
仰向けになってもなお、形良く盛り上がる鞠絵の胸を揉みながら、兄はやりきれない思いに包まれた。
病室に閉じこもってたけど・・・。鞠絵の肉体は、こんなに育っていたんだな・・・。
こんなにキレイなのに、どうしてあと僅かの命なんだ・・・。
こみ上げてくる悲しみを振り切るように。
兄は蕾のように可憐な、鞠絵の右乳首に唇を寄せる。
「だ、ダメです・・・乳首は・・・」
くすぐったいような、切ないような、生まれて初めての快感。
鞠絵は親指の爪を噛み、必死でこらえる。
「鞠絵・・・ここがいいの?」
兄はちゅぽん、と吸っていた乳首から口を離すと囁いた。
「ほら、乳首、勃ってきた・・・」
「し、知りません・・・」
左乳首を、親指と人さし指で摘んでクリクリと擦りあげる。
「ほら、こんなに大きくなって、もうコリコリだよ・・・」
敏感な乳首を指の腹で弄られ、鞠絵は涙声で呟いた。
「兄上さま・・・。私、恥かしい・・・」
「恥かしがる事ないんだよ。女の子なら普通の事なんだ」
「でも、でも、私・・・」
575紗羅綺麗:04/01/23 00:17 ID:P6ZHAhu7
「鞠絵・・・もっと気持ちよくなって・・・」
そう言うと兄は、下半身に手を延ばし・・・。
固く閉じられた、ふとももの間に指を入れた。
「あんっ!」
白い首をのけぞらせ、鞠絵はうめいた。
「熱い・・・」
小陰唇をかきわけ、指先を中に入れた兄は、かすれた声で言った。
「それに・・・もう濡れてる・・・」
自分でも見た事のない恥かしい所を・・・。
しかも、濡れている所を愛しい兄に触られ、鞠絵は恥かしさで死にそうだった。
「イヤ、イヤ、イヤです!兄上さま・・・」
涙声で、鞠絵は呟いた。
「恥かしい私を、嫌いにならないで下さい・・・」
兄は微笑むと、鞠絵の乳首に再び吸い付き・・・。
音を立てて吸い上げながら、割れ目に沿って右手の指を這わせた。
その間にも、左手は開いている方の乳首を優しく擦り上げる。
「あ、あ、兄上さまぁ・・・」
胸を突き出すように上体を反らす鞠絵だが、兄は乳首に吸い付いたまま離そうとしない。
熱い蜜壷をかき回す粘着質な音が、少しづつ大きくなっていく。
両乳首と秘所の三点攻めに・・・。鞠絵はもう、失神寸前だった。
576紗羅綺麗:04/01/23 00:18 ID:P6ZHAhu7
どれくらい経っただろう。
兄の愛撫に体をほぐされた鞠絵は・・・。
唾液に濡れた胸を上下させ、荒い息をついていた。
愛液に輝く鞠絵の秘所を、じっと見下ろす兄の股間は・・・。それ自体が一つの生き物であるかのように。生命の息吹を宿らせ、逞しく隆起していた。
「鞠絵・・・」
兄は、自分のペニスを掴むと、そっ、と潤った鞠絵の割れ目にあてがった。
「ひとつに・・・なりたい・・・」
どこか苦しげな、兄の言葉に・・・。
鞠絵は両目を閉じたまま、こくん、とうなずいた。
「行くよ・・・」
兄が腰を沈めるのと同時に。
メリメリッ、と体が裂けるような痛みが鞠絵を襲った。
「!」
思わず声をあげそうになった鞠絵だが、慌てて口を押さえる。
初めて男を受け入れる鞠絵自身に、男根を締め付けられ、眉を潜めながらも。
兄は、鞠絵の顔を覗き込み。優しく尋ねた。
「鞠絵・・・痛くない?」
「はい・・・。少し痛いです・・・。でも・・・」
下から兄の顔に両手を伸ばし、鞠絵は目に涙を光らせながら微笑んだ。
「大丈夫です・・・。私、女の子の一番、幸せな瞬間を迎えられましたから・・・」
その言葉に。兄はたまらなく愛おしくなり、鞠絵を力いっぱい抱きしめた。
577紗羅綺麗:04/01/23 00:18 ID:P6ZHAhu7
鞠絵に負担をかけないよう注意しながら・・・。兄はゆっくりと、腰を動かし続ける。
「あっ!あん・・・あん!」
兄が規則正しくストロークを送るたび、鞠絵の体が小刻みに揺れた。
「あ、兄上さま・・・」
荒い息をつき、黒髪を振り乱しながら、鞠絵は尋ねた。
「私の中、気持ちいいですか?」
「あぁ・・・。あったかい・・・。気持ちいいよ、鞠絵・・・」
「よかった・・・」
それだけ言うと、鞠絵は断続的に続く痛みをこえらえるため、唇を噛み締める。
処女である鞠絵の体を慮り、ゆっくりと腰を動かしてきた兄だったが・・・。
腰の動きにあわせ、鞠絵のたわわな乳房が弾むように揺れるのを見ると、興奮が高まっていった。
兄は鞠絵の両手首を掴むと・・・。そのまま乳房を挟んで寄せるように、両腕をクロスさせた。
「あ・・・兄上さま・・・」
両胸が寄せられ、圧迫される感触に。鞠絵の中で、ビクン、と痛みとは違う感覚がこみ上げてきた。
「はぁ、はぁ・・・」
兄はクロスさせた鞠絵の手首を左手で掴んで固定すると、寄せた胸を右手でまさぐる。
私・・・。今・・・。すごくエッチな格好してる・・・。
兄上さまのおちんちんを入れたまま、自分の両腕でおっぱいをギュッ、と寄せられて・・・。
コリコリの乳首を・・・。いじくり廻されてる・・・。
578紗羅綺麗:04/01/23 00:20 ID:P6ZHAhu7
いやらしい格好をさせられている・・・。その事が、鞠絵の未熟な性感に火をつけた。
「んんっ!」
いつしか、股間の痛みを、快感が打ち消していく。
兄のペニスをキュッ、と締め付けながら、鞠絵は呟いた。
「兄上さま・・・私・・・気持ちいい・・です・・・」
その声を聞き。兄は掴んでいた鞠絵の手首を離すと、彼女のふとももを大きく開かせた。
ジュボッ、ジュボッ、と兄のペニスが自分の中に出入りしている様子がさらけだされ、鞠絵は恥かしさに身をよじらせた。
あぁ、そんな!こんなカエルみたいな格好、いやです!
だが、抗議の声をあげる前に・・・。
兄は接合部に手を伸ばすと、鞠絵のクリトリスを親指の腹で揉みこんだ。
「あ、あぁあああん!」
すでに大きくなっていた敏感な肉芽を弄られ、鞠絵は黒髪を振り乱してイヤイヤすると叫んだ。
「そこは・・・。ダメです・・・。私、おかしくなっちゃいますぅうう!」
ギュウッ、と締め付け、兄が声をあげた。
「うぉっ!で、出る!」
その瞬間。初めての快感に身を任せていた鞠絵は、我に返った。
「だ、ダメです!」
両手で兄の体を押しとどめるようにして、鞠絵は叫んだ。
「中には・・・中には出さないでください!」
579紗羅綺麗:04/01/23 00:20 ID:P6ZHAhu7
兄は思わず腰の動きを止め、呟いた。
「鞠絵・・・」
「兄上さま・・・。ごめんなさい・・・」
涙ぐみながら、鞠絵は言った。
「中に出したら・・・。赤ちゃん・・・できちゃいます・・・」
その次の言葉に。兄は胸がえぐられる気がした。
「せっかく命が授かったのに・・・。生まれる前に私と死んじゃうんじゃ・・・赤ちゃんが可哀想・・・」
「・・・・・・」
涙を流しながら・・・。
無理に笑顔を作り、鞠絵は言った。
「だから、私、一人で逝きます・・・」
鞠絵は、そこに兄がいるのを確認するかのように。
兄の頬に掌を当てると、優しく撫でた。
「兄上さまの物になれて、嬉しかった・・・。今夜の思い出を胸に、私は一人で旅立ちます・・・」
兄はしばらく、無言で鞠絵を見つめていたが・・・。
対面座位の形に鞠絵を起こすと、ギュッ、と抱きしめた。
「一人にはさせない・・・」
驚く鞠絵の耳元で。兄は力強く言い放った。
「お前は絶対、オレが一人にはさせない!」
「兄君さま・・・」
「残された時間が少ししかなくても・・・。一緒に戦おう・・・。大丈夫、オレがいる」
そう言うと、兄は鞠絵の瞳を見つめた。
580紗羅綺麗:04/01/23 00:21 ID:P6ZHAhu7
さっきお前は言った。病気のせいで、普通の女の子がする事を我慢するのが辛いと・・・。だから最後の瞬間まで、オレが一緒にいて、他の女の子がする事は、全部お前にさせる!」
兄の姿が映る鞠絵の瞳から。大粒の涙が溢れ出した。
「私・・・普通の女の子として・・・。愛する人を、胎内で受け止められるんですね・・・」
鞠絵の頬を流れる涙に口付けると。兄は対面座位の姿勢で、ピストン運動を再開した。
「んっ、くっ、ふぅ・・・」
兄は目の前で弾むように揺れる、鞠絵の乳房に吸い付いた。
「はぁん・・・」
鞠絵は自分の胸を吸う兄の頭を抱きしめると、切なげに言った。
「わたくし・・・もうイキます・・・」
「オレも・・・一緒にイこう・・・」
「はい・・・」
「鞠絵の顔を見ながら・・・イキたい・・・」
「わ、わたくしも・・・はぁう!」
二人は、荒い息の下、見詰め合うと・・・。
何者にも汚されない、熱いキスをした。
「あ、兄上さま、私、私・・・」
「鞠絵!鞠絵!」
二つの曲線が同じ軌跡を描き、二人の間に命の花火があがった。
「は、はぁあ・・・」
熱いたぎりを、その胎内に受けながら・・・。
兄とつながったまま、鞠絵は体を弓なりに反らした。
溜息とともに。白いシーツの海に、黒髪が広がった。
581紗羅綺麗:04/01/23 00:22 ID:P6ZHAhu7
ガコン!ブルブルブル・・・。
怪獣が唸るようなエアコンの音に。一つの毛布にくるまっていた兄妹はたたき起こされた。
「なんだぁ?このオンボロ。また動き出しやがった」
「兄上さま、もう朝です!病院の人に見つかっちゃう!」
鞠絵の声に、兄が慌ててベッドから出るのと同時に。
病室のドアを開けて、院長が入ってきた。
兄の姿を見つけた院長は、少し驚いた表情を見せた。
「あれ?お兄さん、今日は早いですね。ちょうどよかった。お話があります」
間髪入れず、兄は言い返した。
「えぇ。ボクも先生に話をしようと思っていた所です」
それを聞いた院長は、頭を掻いて言った。
「あ、わかっちゃいました?」
人を舐めたようなその態度に、思わず兄はカッとして掴みかかろうとしたが・・・。
「あ、兄上さま!」
鞠絵に腕を引っ張られ、兄はしぶしぶ座りなおした
「鞠絵も一緒に・・・話を聞いていいんですか?」
「そうですね。鞠絵ちゃんにも準備してもらわないと」
運命を受け入れる心の準備が必要という事か。
鞠絵は緊張し、兄の腕をギュッ、と握りしめた。
582紗羅綺麗:04/01/23 00:23 ID:P6ZHAhu7
「え〜。来週、退院と申し上げてきましたが・・・。誠に申し上げにくいんですが、鞠絵ちゃんには今日付けで部屋を移っていただきます」
集中治療室?それとも・・・苦痛を少なく死を迎えるためのホスピス?
覚悟はしていたが・・・。じわぁ、と涙があふれてきた。
兄は鞠絵の両肩を掴み、揺さぶりながら言った。
「しっかりしろ!オレがついてるぞ!」
「う、うぅ・・・。兄上さま・・・。私、私・・・」
院長はそんな二人をキョトン、と眺めていたが、申し訳なさそうに頭を掻くと言葉を続けた。
「すいませんねぇ。病室代の差額は、退院時に清算してお返ししますんで」
「はぁ?」
鞠絵の両肩を掴んだまま。兄は、うわずった声で言った。
「退院って・・・。だって、部屋を移るんでしょ?」
「はぁ。ずっと個室という契約でしたが、四人部屋に移っていただくんですよ」
どうも話が見えてこない。
少なくとも、命のやり取りの話ではなさそうだ。
その時。ドアが開き、いつもの看護婦が病室に入ってきて行った。
「院長先生、山田電気さんがいらっしゃいました」
「えっ!もう来ちゃったの?早いなぁ・・・。じゃぁ鞠絵ちゃん。エアコン直すから二階の四人部屋に移ってちょうだい」
583紗羅綺麗:04/01/23 00:24 ID:P6ZHAhu7
「エアコン!?」
兄と鞠絵が同時に叫んだので、院長と看護婦がビクッ、とした。
じーっ、と自分を凝視する兄妹にビビりながら・・・。院長は壁にかけられたエアコンを指差して言った。
「鞠絵ちゃんが退院するまでもてば良かったんだけど・・・。ついにブッ壊れちゃったんですよ」
「えーと、エアコンが?」
「そうです。この寒さだと、エアコン無しじゃ夜は辛いでしょ?」
「じゃぁ、部屋を移るのは・・・」
「エアコンを壁から外して修理しますんで。かなり大掛かりな修理になりますから。ホントは、鞠絵ちゃんが退院してからやりたかったんですけどねぇ」
「院長がケチって修理を先延ばしするからですわ」
横から看護婦が口を挟んだ。
「前から調子悪かったから、早く直そうって言ったのに・・・」
「キミぃ!患者さんの前でそういう事言うもんじゃないよ、もう!」
慌てる院長の前で。信じられない、という顔で兄は呟いた。
「え〜と、じゃぁ、鞠絵の体は・・・」
「あ、予定通り来週、退院していいですよ。むしろ早めてもいいかもしれない」
「もう、悪い所は・・・」
「すっかり治りました。完璧な健康体。徹底して治療した分、むしろ常人よりいいかも知れない」
安心のあまり脱力し、兄はヘナヘナヘナ、と床に崩れ落ちた。
584紗羅綺麗:04/01/23 00:24 ID:P6ZHAhu7
そんな兄に向かい。ベッドの上から、鞠絵が歓喜の表情で飛びついた。
「兄上さま!」
「鞠絵!」
目を白黒させる院長と看護婦の前で。
兄はまるで映画の主人公のように、鞠絵の体を高く抱き上げ、クルクルと回った。
「兄上さま!私、ずっと生きていけるんですね!兄上さまと一緒に・・・」
「良かったなぁ、良かった・・・」
兄も嬉し涙を流しかけたが、ふと思い出して青ざめた。
「やべ・・・。中出し・・・」
鞠絵は顔を赤らめ、お腹に手をあてながら言った。
「私、元気になりましたから、兄上さまの赤ちゃんを立派にお育てできますわ♪」
「いや、そういう問題じゃなくて・・・」
「どうせでしたら産婦人科に移りますか?兄上さま」
青ざめる兄の耳に口を寄せると。茶目っけたっぷりに、鞠絵は囁いた。
「責任取ってくださいね。兄上さま♪」

Happy End