「さて、そろそろ寝るか」
電気を消し、布団に潜り込む波平。その隣ではふねが寝息を立てている。すると襖が開い
てタラオが部屋に入ってきた。
「おじいちゃ〜ん、暗くて怖いですぅ、おしっこついて来て欲しいですぅ」
「ん、なんだ、マスオくんはどうしたんだ」
「パパ眠ってて起きてくれないですぅ」
暗い中をふらふらと歩くタラオ。よく見えないため波平の頭を軽く踏んづけてしまった。
(ぶちり)
「あ、ごめんなさいですぅ」
タラオが謝る。しかし波平は急いで電気をつけると鏡台に向かった。
「なんだ今の音は、もしや、もしかして」
鏡に映る頭には、あの波平のシンボルマークといえる波だった一本毛が無くなっていた。
「うおお、毛が、毛があ!」
波平がのたうつ。ふねを揺り起こし、その禿げ上がった頭を見せつけた。
「かあさん、毛が、わしの大事な毛があ!」
「なんです騒々しい、毛の一本ぐらいどうってことないじゃありませんか」
「なんだと、わしの毛を馬鹿にするのか、ええいこうしてやる」
波平の頭の中の何かが壊れた。ふねの寝巻きを無慈悲に引き裂き、その場で横たわるふね
のしおれた乳房を乱暴に揉みしだいた。
「こうしてっ、こうしてっ」
「いやっ、あなた、やめてくださいこんな、なんですか」
ふねの抵抗を物ともせず、波平はかつては美しかったであろうふねの乳房にしゃぶりつき
唾液で音を立てて吸いついた。さらに枯れた秘所に手を伸ばすと茂みを掻き分けて淫裂を
擦りあげる。タラオは呆然とその様子を見やっていた。
「おじいちゃんたち、どうしたんですかぁ」
「あなた、やめてくださいタラが見てますよ」
「いいじゃないか見せつけてやれ、お前がどんないやらしい女かをな」
波平はふねの首筋に歯を立てて噛みつく。耳たぶに舌をあてがい、タラオの視線にも構わ
ず舐めつける。ふねはその温もりに酔いしれ、すでに無くしたはずの女の性を取り戻しつ
つあった。クレバスからは蜜がこぼれ、男を欲するかのようにひくひくと襞をぬめらせて
いた。
「かあさん、もうこんなになってるじゃないか」
波平がふねの陰唇あたりを撫で回して愛液を掬い取る。人差し指と中指でぬちゃぬちゃと
音を立てて蜜壷をかき回した。
「あふぁ、お父さん、許して、許して下さい」
ふねの口から小さく喘ぎ声が漏れる。波平は寝巻きを脱いで、そのギンギンに固くなった
年を感じさせない男根をふねのヴァギナにあてがった。
「さあいれるぞかあさん」
じゅぷりと奥へ挿入する。すでに濡れたそこは波平のモノを滑らかに受け入れ、まるで飢
えた子供のように中に飲み込んでいった。
「うえええん、僕、僕怖いですぅ」
タラオは元いた部屋に逃げていった。ふねが不安そうな視線をタラオの背中に向ける。
「ああ、だめ、こんなとこ、タラに見せてしまって、ああ」
「構うもんか、どうせなら家中の者に見せてやれ、お前が、お前がどんな女かをなあ」
タラオに無理矢理起こされて、マスオやサザエがやってきた。その頃波平はふねの太腿に
両手をかけてペニスを出し入れしながら、ふねを大股開きさせて抱え込んでいた。
「まあ、お父さん、こんな、何してるんですか」
サザエがその場でへたり込む。マスオもただその悦楽の儀式を見守っていた。
「お義父さん、落ち着いて、落ち着いて下さい」
「バッカモン、わしは落ち着いておるわ。見ろ、ふねの淫らなところを、はしたないぞ」
にやにや笑いながら波平はふねをファックしていた。やがて絶頂が近づき、どくどくとふ
ねの中へ欲情の猛りを放出していた。
「おお、かあさんや、あったかいぞ、うおお」
「ああ、あなたぁ……」
ふねは顔を両手で隠していた。二人の様子にただサザエとマスオの視線が釘付けになって
いた。
「ようし、次はお前だサザエ」
波平はふねの体を放すとサザエに向かっていった。その間にマスオが立ち塞がる。
「お義父さん、気をたしかに、目を覚ましてください」
しかし波平は瞬時にマスオの懐に潜り込むと掌底をみぞおちに叩き込んだ。かがみこむマ
スオ。波平は小さく飛び上がり、マスオの後頭部にかかと落としを決めた。マスオはその
ダメージでがっくりと倒れこむ。
「ふん、馬鹿にしおって……さあサザエ、お前も女ならわしを喜ばせてみろ」
波平がサザエのパジャマに手をかける。思い切り引っ張るとボタンが次々とはじけ飛ぶ。
さらに波平は爪を立てて手を縦に振り下ろすと、サザエの下着は細切れになって畳に落ち
ていった。
「え、なに、お父さん、やだ、ちょっと」
「お前は犬みたいによがり狂え」
波平の拳がサザエの腹にめり込む。痛みでしゃがみこむサザエを四つんばいにさせ、波平
は後ろからサザエの陰部を舐め回した。襞の奥に舌を突き入れ、中を無茶苦茶に掻きまわ
す。肉襞をほぐすように唇で揉み、さらにクリトリスをついばむと舌先でころころと転が
した。
「あん、だめ、お、父さん、やめ、てっ」
喘ぐサザエ。唾液で十分に濡らせたと見るや波平はサザエの膣口に自身の怒張をあてがっ
た。ゆっくりと中へ突き進んでいき、やがて全体がサザエの中に入り込んだ。
「おおお、サザエの中は暖かいな、すごくいいぞ、おおおっ!」
波平が腰をグラインドさせる。じゅぷじゅぷと膣内を蹂躙し、波平は高らかに勝利の雄た
けびをあげる。引き締まる膣道。波平のモノは固くなり今にも射精しそうだった。
「おお、サザエ、中でいくぞ、くおおっ」
「やだ、お父さん、中はやめて、いやあ!」
騒ぎを聞きつけてカツオとワカメがやってきた。二人とも目の前の淫雑な戯れに目を奪わ
れていた。
「姉さん、それにお父さん、なにやってんのさ」
カツオが喚くが波平の腰の動きは速まるばかり。やがて絶頂が近づき、サザエの中に熱い
欲情をぶちまけていった。
「サザエぇ、いくぞお……う」
「ああ、お父さん……」
サザエがぐったりとうなだれる。波平が男根を引き抜くとぽたりと精液の滴が幾筋か落ち
た。その糸の筋を見て、カツオは波平の頭頂にある一筋の毛がないことに気がついた。
「ああ、これだ!これのせいだ」
カツオは走って自室に戻るとタコ糸を引っ張り出して適当な長さに切り取って、その端に
セロテープを貼り付けた。そして戻ってくると、波平の頭にその糸を貼った。
「ほら、父さん、毛があるよ」
カツオが手鏡を渡す。波平はそこに映るタコ糸を見て安堵の息を漏らした。
「おお、わしの、わしの大事な毛があるぞ」
しかしセロテープでひっつけただけのそれは波平の頭の脂で簡単に取れてしまった。
「おお、わしの、わしの大事な毛がないぞ!カツオ、からかったな!」
波平はカツオを押し倒し、そのパジャマを脱がせるとカツオのペニスにしゃぶりついた。
波平のとろけるような舌技にカツオのそれは硬直していった。
「ああっ、父さん、何するんですかぁ」
「わしを馬鹿にしくさって、ちょっと毛がないからといって、くおお」
波平はカツオの竿の部分を舐め上げ、雁首に軽く歯を立てた。全体をくわえ込み、じゅる
じゅると音を立てて吸いついた。ワカメはどうしていいかわからず、ただ目の前の惨事を
見つめるだけだった。カツオは逃れようともがくが、波平は腕力でそれを押し戻す。しば
らく舐めつけられていくうちに、カツオは絶頂が近づいていった。
「ああっ、父さん、もうだめぇ」
びゅるびゅると噴き出す精液。波平はそれを残らず飲み干していった。
「馬鹿にしおって、馬鹿にしおって、くそくそくそ」
波平は立ち上がり、全裸になると玄関から外へ飛び出していった。
「馬鹿にしおって、馬鹿にしおって、馬鹿にしおって、馬鹿にしおって馬鹿にしおって」
ただ夜の空に波平の絶叫がこだましていた。波平は夜の街をひたすら素っ裸で駆けていっ
た。彼がその後どうしてしまったのか、サザエさん一家には知る由もなかった。
(おわり)