マリア様がROMってる〜いとしき蜜月(前編)〜

このエントリーをはてなブックマークに追加
1 ◆gq8LfIdVD.
「マリア様」のエロSS(百合推奨)を書くスレッドです。

スレは乱さないように、マターリとsage進行がここでのたしなみ。
もちろん、荒らし、煽りを放置できないような、はしたない住人など存在していようはずもない。

前スレ
#6 マリア様がROMってる〜ウァレンティーヌスの贈りエロ(後編)〜
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1067613438/
これ以前は>2あたりに。

保管庫&アップローダ
ttp://soukospace.virtualave.net/
2 ◆gq8LfIdVD. :03/11/26 01:50 ID:oHf9+9bC
HTML化済過去スレ
#1 マリア様がRAMってる
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1033/10331/1033106716.html
#2 マリア様がROMってる〜エロ薔薇革命〜
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1051/10511/1051109575.html
#3 マリア様がROMってる〜えろばらの森〜
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1057/10576/1057660666.html
#4 マリア様がROMってる〜エロ・カニーナ〜
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1062/10622/1062225419.html
#5 マリア様がROMってる〜ウァレンティーヌスの贈りエロ(前編)〜
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1065/10654/1065444527.html
3 ◆gq8LfIdVD. :03/11/26 01:51 ID:oHf9+9bC
実は初めてのスレ立て、ハァハァしてしまいました、お姉さま。
4名無しさん@ピンキー:03/11/26 01:59 ID:cDtIKDnG
>3
正直なのは感心ね、気に入ったわ。薔薇の館に来て妹(プティ・スール)をファックしていいわよ。
5名無しさん@ピンキー:03/11/26 02:07 ID:Rm3KTu1A
>1
初スレ立ておつか令さま
6名無しさん@ピンキー:03/11/26 02:16 ID:RGsXSBWI
>>3
あなたの初めてをいただけるなんて…。
7名無しさん@ピンキー:03/11/26 02:20 ID:rDeSIzZL
>>3乙カレーでもどうぞ
8名無しさん@ピンキー:03/11/26 02:32 ID:wvbx/ATt
>>1
お築山三奈子
9名無しさん@ピンキー:03/11/26 02:48 ID:WpeIYZNI
>>1
綺麗なスレ立て、ごくろうさま。
10名無しさん@ピンキー:03/11/26 03:05 ID:HTgsz7VB
>>1


そして「エロ」にも乙
11名無しさん@ピンキー:03/11/26 03:54 ID:/xhSUPGt
>>1
小笠原祥子様
12祐聖いばら後1:03/11/26 07:33 ID:OJoBVNJ9
では新スレを記念して一発。
祐巳X聖です。
誘い受けを目指しますが、筆の運びによってはどうなることやら。
今回分はちっともエロくないはご勘弁を。
メル欄は”祐聖いばら後”
13祐聖いばら後1:03/11/26 07:34 ID:OJoBVNJ9
年の瀬も押し迫った12月28日、福沢祐巳はリリアンの銀杏並木を歩いていた。
(あーあ、面倒くさいな)
銀杏の木々はすっかりその葉を落とし、寒々しい幹を晒している。
(もっと早く気が付けばよかった)
冬休みの最初の二日間をおうちでごろごろ過ごした祐巳。
今朝、お母さんにいい加減に宿題しなさい、って叱られて自分の部屋に戻ってから気が付いた。
数学の宿題の問題集が入った手提げかばんを忘れて来てしまったのだ。
(多分、薔薇の館かな。…クリスマスパーティの後のごたごたで忘れちゃったんだ)
終業式は荷物が多いからってもうひとつ余計に持ってったのだが、それを見事に忘れてしまった。
祥子さまからクリスマスプレゼントを貰ったおかげですっかり舞い上がっちゃったせいだ。
(はあ…)
気が重い。薔薇の館まで行って家に帰ってその上苦手な数学と向き合わなければならないのかと思うと、足取りも重くなる。
見上げると曇り空。お天気にまで見放されたかと思うと祐巳の心はますます沈むのだった。
「寒っ!」
冷たい風がスカートの裾を揺らす。
とりあえず薔薇の館に行ったらダージリンで温まろう。お砂糖も入れて。
そんなことを考えながら昇降口の脇を通り過ぎた。

「祐巳ちゃん?」
突然かけられた声にびっくりして振り返る。が、声の主が見当たらない。
「ここ、ここ」
昇降口脇の窓からやっほー、と手を振る人物が一人。
「白薔薇さま!」
「はいはいこんにちは。ちょっと待ってて、すぐ行く」
14祐聖いばら後1:03/11/26 07:35 ID:OJoBVNJ9
窓をぴしゃりと閉めると、すぐに昇降口から白薔薇さまがやってきた。
冬休みでシスターの目がないからって、全力ダッシュはないだろう。
「…ごきげんよう」
「ごきげんよう。なーに、祐巳ちゃんどうしたの。私に会いに来てくれたのかな〜?」
うわ、冬休み中も白薔薇さまのオヤジモードは全開だ。
ニタニタ笑いながら両手でお下げをぴこぴこ動かしてくる。
「違います…ったら! 忘れ物です」
祐巳は数学の問題集を今から薔薇の館に取りに行くのだと手短に語った。
「白薔薇さまは?」
「うん、先生と面談。呼び出されちった」
進路決めてないからねー、とカラカラ笑う白薔薇さま。おいおい、大丈夫なんですか。
「薔薇の館に行くんでしょ。ここ寒いし、早く行こう」
あれ、いつの間にか白薔薇さまもご一緒することになってしまったようだ。
それでも、さっきまでの重い気分はすっかり飛んでしまった祐巳だった。

探し物はすぐに見つかった。二階の会議室の隅でぽつんと置かれたかばんを開けて、中を確かめる。
プリント、裁縫セット…、数学の問題集。よしよし、中身も大丈夫だ。
「あったー? よかったね」
流しのほうでは白薔薇さまが電気ポットの仕度をしている。
「白薔薇さま、私やります!」
そんな雑用をやらせるなんて畏れ多い。
「じゃ、お茶の用意よろしく。ええと、お茶請けの在庫がどっかにあったはず〜♪」
語尾を歌うようにいいながらごそごそと棚の奥を漁る白薔薇さま。長期休み真っ只中なのにお菓子なんかあったっけ。
「お、あったあった」
何かの缶詰を取り出して埃を手で払う。ほら、といって手渡してくれた。
「乾パン?」
「そ。山百合会の非常食。賞味期限も切れてないし、何もないよりはましでしょ」
そうこうしているうちにお湯が沸き、ティータイムになった。
15祐聖いばら後1:03/11/26 07:36 ID:OJoBVNJ9
「祐巳ちゃん、氷砂糖ばっかり食べないでよ」
「えー、だって乾パン硬いんですもん」
「若いうちから歯を鍛えなきゃだーめ」
そんな他愛もない事でも話が弾む。白薔薇さまも、祐巳と同じく冬休みに退屈してたんだろう。
正しいごろ寝とは何か、できゃあきゃあ盛り上がる。

何の拍子だろう、ふっと話が途切れた。
雲の隙間から日光が差し込み二人を照らす。
祐巳が窓の外に目を向け、暖かいな、と呟いたときだった。

「…ふっ、う…」
呻き声? 驚いて振り向くとさっきまでとまったく違う白薔薇さまが、いた。
うつむき加減で両目を閉じ、右手は口を抑え声を殺している。
「どど、どうしたんですか!? 気分でも悪いんですか!?」
慌てて傍によって訊いたが、目を伏せたまま首を横に振られる。
どうしよう、もしかしたら保健の先生が校舎にいるかもしれない、そう考えて外に出ようとすると、
「待って」
微かな声だったが、祐巳の足を止めるには十分だった。
口を押さえたまま白薔薇さまがゆらりと立ち上がり、言う。
「ごめん、肩、貸して」
トイレにでも行くのかな。そう判断して白薔薇さまの左腕を取って自分の肩に廻した。
「歩けますか?」
一歩踏み出そうとした、その時、

祐巳は後ろからもの凄い力で抱きしめられた。
16祐聖いばら後1:03/11/26 07:37 ID:OJoBVNJ9
「ぎゃっ!」
驚くと同時に怒りが湧いてきた。
本気で心配したのに、白薔薇さまにとってはスキンシップの前振りに過ぎないんだ。
「白薔薇さま! いくらなんでも!」
やりすぎです、と振り向いて言おうとしたが放してくれない。
顔が祐巳の背中に強く押し当てられるのを感じた。
「ごめん、ホントごめん…」
祐巳がふと目を下ろすと、白薔薇さまの手が祐巳の制服の生地を掴んでいた。
小刻みに震えるその手は、力の入りすぎで真っ白になってる。
白薔薇さまの腕で締め上げられ、祐巳が身をよじる。それでも腕はそのままだった。
しんとした薔薇の館。
何も言わないない白薔薇さま。
祐巳は驚きから立ち直ると同時に、だんだん怖くなってきた。
「あのー…」
そう呼びかけた祐巳の耳に何かが聞こえてくる。
「ふっ、くぅ…んん、ぁぁ…」
嗚咽? いや違った。
17祐聖いばら後1:03/11/26 07:38 ID:OJoBVNJ9
泣いてはいない。目をきつく閉じ、喉を震わせながらも唇を噛んで涙をこらえてる。
「どこか痛いんですか」
我ながらとぼけたことを聞くなあ、と思いながら聞いてみる。
「ううん、もう、すこし、このまま…」
途切れ途切れの答えが返ってくる。それを聞いて体の力が抜けてくのがわかった。
よくわからないけど、いまの白薔薇さまを振り払って逃げるなんてできない。
しばらくこのままでいることに決め、祐巳は窓の外をぼんやりと眺めた。
あんなに厚かった雲が薄れ、冬の青い空が見えはじめてきた。

15分ほどそうしていていただろうか。
「ふうっ…」
ため息ひとつ付くと、白薔薇さまはやっと解放してくれた。
「よっこらせ」
そのまま椅子にどかっと座り、両手で髪をかきあげる。
祐巳もその正面に椅子を引き、向かい合うように座る。
白薔薇さまはすでにオヤジモード入ってて、足を組んで背もたれに寄りかかり首をこきこきと鳴らした。
「いやー、びっくりしたびっくりした。祐巳ちゃんも驚いたでしょ、ごめんね」
さっきから謝ってばかりですね、と思ったがそれを口に出さずにとりあえず聞いてみた。
「どうしたんですか」
白薔薇さまは自分の目尻に抑えきれなかった涙のかけらを発見したのか、ぐいっと乱暴に拭うと話しだした。
18祐聖いばら後1:03/11/26 07:40 ID:OJoBVNJ9
「ここ数日ね、自分でもわかんないんだけど感情が高ぶっちゃうときがあるんだな。
 突然大波が押し寄せてくるって言うのかな。さっきも窓の外見たら、こうぶわっと」
ぶわっと、の言葉に合わせて両腕を広げてみせる。
自分でもわかんないんだけど、なんて嘘だ。つい先日、『いばらの森』事件があったばかり、理由はそれしか考えられない。
「さっきのは今までで最大級だったなあ」とか言ってとぼけているけど、嘘に決まってる。
祐巳の視線から考えてることを察したのか、白薔薇さまはちょっと困った顔をした。
「うん、やっぱり、まだ完全には吹っ切れてないみたい」
悲しくなった。自分が『いばらの森』事件に首を突っ込んだのは好奇心からだった。
面白半分でしたことではないが、白薔薇さまの癒えかけた心の傷に触れてしまったことには変わりがない。
「でもね」
そういって白薔薇さまは祐巳の頬に手をかける。
「さっきは祐巳ちゃんがいてくれたから耐えられた」
「え」
白薔薇さまが優しい笑顔が近づいてくる。
「すがりつく私を受け止めてくれたじゃない。…すごく頼もしかった」
それは抱きつかれて固まってたって言いませんか。なんか過大評価されてるんですけど。
「どうもありがとう。本当に君は不思議な子だね」
これはお礼、といってほっぺたにキスされた。
いつもはほっぺたの真ん中にチュッなのに、
今回は祐巳の唇のすぐ隣、触れるか触れないかぎりぎりのところにそっとキスされた。
「…」
ぼっと顔から火が出る。そんな祐巳をほほえましく見つめると、白薔薇さまはさめた紅茶をぐいっと飲み干し、
「さ、帰ろ帰ろ。また大波が来たら困る」
今度は祐巳ちゃんに何するか分かんないし、とセクハラ発言を付け加え帰り支度を始めた。
19祐聖いばら後1:03/11/26 07:43 ID:OJoBVNJ9
二人でそそくさと片付け、早足でバス停まで行き、丁度来たバスに飛び乗った。
なんだか逃げてるみたい、と思ったがもちろんそんなことは言えず、二人がけの席に隣り合って座る。
「着いたら起こして」
ちょっと疲れちゃった、と呟いて白薔薇さまはうとうとし始めた。

隣ででこく、こくと揺れる頭。白薔薇さまの手が目に入る。
自分の制服をきつく握って離さなかった手。救いを求めてすがりつかれた手。バスの振動で小刻みに揺れている。
祐巳はそっと手を伸ばすと、それを包み込むようにして握った。

隣で白薔薇さまがかすかに笑った、ような気がした。






以上です。わーい、ちっともエロくなーい
20名無しさん@ピンキー:03/11/26 09:49 ID:YCuySz8g
失せろ
21名無しさん@ピンキー:03/11/26 10:49 ID:f9tyhz8L
>13-19
前スレからの流れでついつい聖さまが悶えてるように感じてしまったんだけど
、普通のほのぼのとした内容・・・だよね?この話はエロくなくていいんだよね??
なんか祐巳=腹黒総攻めエロ天使という概念から離れられなくなってしまった・・・。

それはそうと、ずっとタイトルが「いばら後1」のままなのはこれ如何に?
22名無しさん@ピンキー:03/11/26 12:36 ID:WpeIYZNI
なんでマガジンでマリみてが読めるんだろう・・・目の錯覚かなぁ、お姉様?
23名無しさん@ピンキー:03/11/26 14:23 ID:ZvqOzfP9
ぐっじょぶ!
24名無しさん@ピンキー:03/11/26 14:49 ID:2d6PXDIC
読みやすくて先が気になりますなぁ。
続き期待してます!エロも!
25名無しさん@ピンキー:03/11/26 18:32 ID:Wn45DVTs
>>20
>失せろ

お前が失せろ
26名無しさん@ピンキー:03/11/26 18:58 ID:CwZyAvV0
ローダーにすごい祐巳のマンガが…
27名無しさん@ピンキー:03/11/26 19:56 ID:Yrc7NyfN
>>22
どうしてでしょうね……不可解だわ。


実際すこしも面白くなかったがな。
28名無しさん@ピンキー:03/11/26 20:07 ID:PvQFCJV0
直截な性描写より、>>19のような精神の内面をさらけ出すような文章の方がエロいものと
私は考えるんですが、お姉さまはどう思われまして?
29祐×乃5・1/4:03/11/26 20:49 ID:zv2t7Ma1
 肩の部分を強く抑えるようにして乃梨子の上にとかぶさる。
「……や――」
 拒絶の声を上げようとしたその口を、祐巳さまは自分の口で塞いできた。
 思わず首を左右に振って逃れようとするが、その力は予想外に強くて振り払
うことすら出来ない。
 ――ダメ、気持ち……良過ぎるっ……。
 快感が、カラダ全体の剥き出しになった神経を迸る。
 その薄く赤い唇は柔らかくて、乃梨子はキスされてるだけで全身がとろけて
いくような錯覚すら覚えた。押し付けられる瑞々しい肉感に溺れてしまいそう
なのが怖くて、何とか体をよじって逃げ出そうとする。
「っんー、んんー」
 そんな様子を見て満足したのか、祐巳さまは強引に乃梨子の唇を開かせると、
今度は口内へと舌を侵入させた。
 重なり合ったカラダの下で、思わず全身が跳ねる。
 祐巳さまは両足の間に自分の白く肉付きのいい脚を割り込ませると、乃梨子
の頭を抱えるようにしてさらに舌を激しく動かした。
30祐×乃5・2/4:03/11/26 20:53 ID:zv2t7Ma1
 ぴちゃぴちゃっとした淫らな響きが耳に届く。
 ……やだぁ、キモチイイよぉ。
 声にならない声で叫びそうになる。
 祐巳さまの舌は歯の隙間や表面を舐めまわし、唇の後ろの粘膜をこそぎ取る
かのように這いずり回る。
 なんで、なんで、……こんナに。
 キスされてるだけなのに、ただ唇同士が触れ合っているだけなのに、それだ
けで乃梨子は全身を駆け巡る快楽に支配されそうになる。
 アソコがだらしないぐらいに開いて、粘液を太ももにだらだらと垂らしっぱ
なしで靴下まで届いてきているのが分かる。
 凄いよ……ぉ、やだよぉ……、イっちゃうよぉ……。
 全身を弛緩させて、だらしなく口元を開いてしまっている乃梨子を抱きとめ
ながら、祐巳さまはいとおしそうな瞳でその姿を見つめる。
 だけど攻める舌は全く緩めないままで、舌を絡めあうようにして音を立てて
吸い、自分の口の中に引き寄せることを繰り返す。
31祐×乃5・3/4:03/11/26 20:56 ID:zv2t7Ma1
「……ふぁ、んんーっ、ん」
 ――言葉にならない。祐巳さまに塞がれた口から出てくるのは、まるで獣の
ような唸り声。もう考えられるのは目の前にいる人のコトだけ。
 乃梨子はついに、自分から舌を伸ばして絡めていた。
 祐巳さまの唾液が口から流し込まれる。
 それはとても……甘くて。その狂おしいまでの甘美さに、乃梨子はただ酔い
しれてしまう。
「ふぁ……」
 飲み込むように催促するその舌に応えてのどを動かす。
 唇の隙間からこぼれた唾液が首筋を流れ落ちていく。それはテラテラと光っ
ていて、乃梨子の制服を瞬く間に濡らしていった。
 ――も、もう……だ、だめぇ。
 脳の神経という神経中が犯される快楽に、全く意識が保たない。
「ひゃ、ん、んっ、んんーーーーーーっ!」
 いっそう強く――唾液ごと舌を吸われる。その瞬間、乃梨子の意識は真っ白
になって、今日2度目になる絶頂を迎えていた。
32祐×乃5・4/4:03/11/26 20:57 ID:zv2t7Ma1
「どう、気持ち良かった?」
 しばらく唇をついばむようなキスを繰り返したあと、祐巳さまは抱きかかえ
ていた乃梨子のカラダを優しく椅子に座らせて訊く。
 なんて――残酷な優しさ。
「まだ……終わりじゃないからね」
 その言葉に返す気力もなく、ただ祐巳さまのことを見上げた。
 涙が一筋頬を流れる。
 ごめん……ごめんね……、志摩子さん……。
 もう自分は堕ちゆく運命なのだということを悟って、乃梨子はひたすら心の
中で謝罪の言葉を繰り返した。
 ――咎人は永遠に許されることなく。
 マリア様のように純粋な志摩子さんを裏切っていた、あの瞬間。カラダだけ
でなく、ココロまでが目の前の人を求めていた。
「どうして泣くの?」
 祐巳さまが頬に流れた涙の筋を舐め取る。乃梨子はそれに対してただ渇いた
笑みを見せた。
33名無しさん@ピンキー:03/11/26 20:58 ID:zv2t7Ma1
Q.祐巳ちゃんが鬼畜過ぎやしませんか?
A.仕様です。

Q.処女がそんな簡単にいくなんて(ry
A.嘘を嘘と見抜けない人は(百合を読むのは)難しい。

Q.乃梨子(*´Д`)/lァ/lァ
A.お前が感じている感情は精神的疾患の一種だ、
 治す方法は俺が知っている、俺に任せろ

Q.ボ、ボクの乃梨子タソを汚すなぁー。
A.白厨は(・∀・)カエレ!!
34名無しさん@ピンキー:03/11/26 21:04 ID:2d6PXDIC
>>29-32
ィィ!エロィィィ!
あぁ、これに志摩子さんが絡むと思うと今からどきどきわくわくてんこもりですよ。
35名無しさん@ピンキー:03/11/26 21:08 ID:WpeIYZNI
>>33
Q.なんで前スレに落とさないの?覚醒祐巳は埋まるまでは前スレでってことだったかと・・・

Q.この続きはあるの?個人的には志摩子を含めてPlzなんだが。(志摩子が乃梨子を取り戻すために戦うのでも可)

Q.なんでひろゆき?なんで感感俺俺?超先生にあこがれが?せめて100円の価値がこの文章に欲しかったりw?

Q.おつかれさまでした。
36名無しさん@ピンキー:03/11/26 21:22 ID:zv2t7Ma1
>>35
A.議論まとまってたっけ? 新スレのてこ入れしたかったのでこっちに投下。

A.乃梨子が完全に堕ちるまで続きます。そのあとインターバルを挟んで、志摩子編を執筆予定。

A.前薔薇さま達がそう書けと命令してきたのです、脳内で。

A.せぇーんきゅぅー、しーゆーねくすとうぃーっく! ちぇけらっちょ
37名無しさん@ピンキー:03/11/26 21:24 ID:dI7zfz9E
>>36
別に前スレでって決まりは無いんだけど、続き物だし、前スレに投下した方が
読みやすかったんではないかと思う。
まだ続くようだし、どちらにしろいつかはこっちのスレに移行することになってたとは思うが。
38名無しさん@ピンキー:03/11/26 21:45 ID:fDh6AVDo
きっと前スレに素敵な埋め立てSSを召喚するためだYO!
39名無しさん@ピンキー:03/11/27 02:57 ID:EQZ1iFH9
>>22
設定があからさまでなくて?不快だわ
40名無しさん@ピンキー:03/11/27 05:18 ID:ZCWLY7TC
>>39
登場人物も・・・あからさますぎだ^^;
41名無しさん@ピンキー:03/11/27 09:57 ID:PfhqXcmT
学年はわざとずらしたのかなあ…

あんなの萌えない。
42名無しさん@ピンキー:03/11/27 15:06 ID:fMDAncHK
書くほうとすれば、それなりに気合を入れたSSを、
みてもらえる機会が少ない旧スレに投下したくないんだけどな。
肩の力を抜いて書いたお遊びや、スレ違い気味のものだったらいいんだが。
43名無しさん@ピンキー:03/11/27 15:15 ID:0am0Z8gE
埋め立てSSに過大な期待が集まるのは、やっばり日ごろの息苦しさの反動かな。
44Re前973:03/11/27 17:36 ID:fMDAncHK
前スレ973のリクエストに答えてみたのだが、
投下はこちらでよろしいのだろうか。

メル欄は「令由rice」で。
45Re前973:03/11/27 17:37 ID:fMDAncHK
「これも駄目、ぱっとしない、だめ、だめ、あ〜〜! 全部、ボツ!」

島津由乃はいらいらしていた。
怒りに任せて写真を放り出し、これまた怒りに任せてせんべいをバリバリと噛み砕く。
外は快晴。窓からの秋の陽だまりの中で、何を怒っているのか…。

「ちょっと由乃、止めなよ。借り物の写真でしょ」
一緒に写真を見ていた支倉令がかき集める。
とんとんと端をそろえると一枚一枚ぱらぱらとめくった。

「由乃さん、蔦子さんが、『これ以上写真を痛めるならもう貸したくない』っていってたよ」
令さまの傍から写真を一緒に覗きこみながら、福沢祐巳が釘を刺した。
由乃はそれも気に入らないらしく、ぷーっとふくれる。

放課後の薔薇の館。ここ連日三人は早めに集まって極秘会議を開いていた。
議題は『期限が押し迫った黄薔薇のつぼみ妹選考』。
前黄薔薇、鳥居江利子と交わした約束の期限まで3週間足らず。
お掃除と剣道部の部活の間でのわずかな時間を利用して開かれる会議、
しかしそれはまったく実を結ぶ気配がない。
46Re前973:03/11/27 17:38 ID:fMDAncHK
「あーーーっ、もう! 何で学園祭でも何にもないのよ!」
一通りこなした秋の行事。しかしそれらは由乃にとって出会いのチャンスとはならなかった。
「そう言ったって、祥子のときみたいなこと、そうそう起こるわけないでしょ」
令が”一年桜組”と書かれた封筒から別の写真の束を取り出しながら言う。
「こうなったら私も一年生のタイを直して歩こうかな」
由乃が祐巳をちらりと見つめて言った。
「やだなあ由乃さん」
去年のことを思い出した祐巳が百面相をはじめたのを見て由乃はますます不機嫌になった。

「ごきげんよう…またやってるんですか」
そこに一年生の二条乃梨子ちゃんがビスケット扉を押し開きながら入ってきた。
今日も空転気味の会議を見て半眼で言う。
机に伏せて大きくため息をついた由乃は乃梨子を横目で見て訊いた。
「乃梨子ちゃん、一年生に活きの良いのいない? 二、三人見繕ってつれてきてよ」
もうめちゃくちゃだ。
「由乃、いい加減にしなさい。姉妹ってのはそんなに軽々しくなるもんじゃないの」
そうだそうだ。祐巳も内心うなずいた。自分の妹作りの参考になるかと思ってこの極秘会議に参加しているものの、
まったく進展を見せない上にぶーたれてばかりの由乃さんにはなんだかなあ、って思ってた所なのだ。
47Re前973:03/11/27 17:39 ID:fMDAncHK
「私が一緒にお姉さまに謝ってあげるから。ね、こんなことやめようよ」
「やだ! 江利子さまに謝るぐらいだったらぜーーーったい作ってやる!」
はあ…。その場に居合わせた面々のため息。
「第一、令ちゃんだって妹選びで何の苦労もしてないじゃない。偉そうなこといわないでよ」

その言葉にさすがにカチンときたのか、令さまが立ち上がって写真を机に叩きつけた。
「由乃! じゃあなに? 私が他の人と姉妹になればよかったってこと?」
「そんな事言ってないもん。令ちゃんのばか」
「まったくもう! 剣道部の試合もあるってのに! 先行くから!」

令さまはぷいっと顔を背けると、鞄を掴んで肩を怒らせながら部屋から出て行った。
階段がぎしぎし悲鳴を上げるのが扉越しにも聞こえる。
気まずい沈黙。
「…由乃さん」
「分かってる。私が悪かった」
かさかさと写真をかき集める。
祐巳はそれを手伝いながら(あーあ、また痛めちゃった。蔦子さんになんていおう)などと考えていた。

「じゃあ、私も剣道部行くね。写真、蔦子さんに返しておいて」
さすがに反省したのか、由乃はいつになくしおらしい態度で言った。
「うん、頑張って」
祐巳がほっとした様子で送りだす。
由乃がドアを開いた瞬間、お茶の用意をしてた乃梨子がぽつりとつぶやいた。

「…こうなったら神頼みでもやってみます?」
48Re前973:03/11/27 17:41 ID:fMDAncHK
『あるインターネット掲示板で見たんですけど。K駅前に中央公園がありますよね、
 あそこの噴水、クリスマスに向けてライトアップが開始されたんですよ。
 で、夜そこに行くとマリア様が現れて願い事を聞いてくれるという噂が…』

昨日の乃梨子ちゃんの言葉が頭の中でリフレインしている。
そのときはばかばかしいって一笑に付したけど、今朝いっしょに登校している令ちゃんの仏頂面を見ていると突然思い出した。
いつもは楽しい令ちゃんとの登校。
でも、けんかして仲直りの出来てない日は由乃にとって苦行以外の何物でもなかった。
「ねえ、令ちゃん」
「何」
昨日、あの後の剣道部でも令ちゃんはまったく話しかけてくれなかった。
試合を控えてピリピリしているときに(令ちゃんは気が小さいから本番の結構まえからいらいらし始めるのだ)
怒らせたのは大間違いだったようだ。
(何とか仲直りしなきゃ)
そうしないと、妹選びに(もしかしたら江利子さまに謝るのにも)差し支えてしまう。
「今日は私、放課後薔薇の館行けないからね」
つまり黄薔薇のつぼみ妹選考会議には参加できないという意味だろう。やっぱりまだ怒っている。
何か仲直りの出来るアイディアは無いものか。
『あそこの噴水、クリスマスに向けてライトアップが開始されたんですよ。
 あそこの噴水、クリスマスに向けてライトアップが開始されたんですよ。
 あそこの噴水、クリスマスに向けてライトアップが開始されたんですよ…』
ぱっと閃いた。乃梨子ちゃんありがとう。
「ねえ令ちゃん、明日の土曜行きたいところがあるんだけど…」


仲直りデートを切り出せば、令ちゃんの態度が軟化することを由乃はよく知っていた。
49Re前973:03/11/27 17:43 ID:fMDAncHK
週末の駅前公園。しかもイルミネーション付。
噴水前広場は、夜の7時半といっても二人の想像よりもはるかに多い人にあふれていた。
「多いね、人」
「うん」
「カップルばっかだね」
「そうだね」
ライトアップは街路樹まで施されていて、夜を鮮やかに染め上げている。
空は一面の曇天なので、かえって明かりの綺麗さが引き立つようだった。
由乃が「寒いから」といって令ちゃんの腕にしがみついてみせると、令ちゃんはもうご機嫌。
お母さんの許可を取るのはちょっと大変だったけど、来て良かったなあとのん気に考える令だった。
「で、あれがマリア様の噴水なの?」
「そうだと思う。噴水これしかないし」
人と人の隙間を縫って歩く。
令ちゃんが体を押し込むようにして噴水がよく見れるスペースを確保してくれた。
「「わあっ…!」」
踊る、踊る、光の粒。
綺麗だねー、と平凡な感想を漏らしながら二人で寄り添った。
「で、マリア様はどこ?」
「あ」
そうだ、そのためにここに来たんだった。二人できょろきょろと見回すがそれっぽいものはない。
「何あれ」
由乃がこっそりと指差した先にはお賽銭を入れて拍手を打つカップルがいた。
「何だかなあ。やっぱりただの噂だったんじゃないの?」
「むー」
自分でも本心から信じて来たわけではない由乃は返す言葉もない。
「どうする? 帰る?」
「もうちょっと居ようよ。せっかく来たんだし」
「はいはい」
50Re前973:03/11/27 17:44 ID:fMDAncHK
と、公園の時計が8時の鐘を鳴らしたその時。

「八時キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!」
「八時キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!」
「マリア様マンセ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!」

突然二人の真後ろから叫び声が湧き上がった。
色々な外見の男たちが輪になって万歳を繰り返している。
カメラのフラッシュが焚かれる。
二人はびっくりしてその場に立ち尽くした。無言で。
周りのカップルの中にも、迷惑そうにその場を離れだすのが出始めた。

「諸君、私はマリア様が好きだ。
 諸君、私はマリア様が好きだ。
 諸君、私はマリア様が大好きだ。……」

なんだかわけの分からない演説まで始まった。
「令ちゃん」
「うん、何だか怖いね。あっち行こう」

自分たちの学園のシンボルが馬鹿にされているようで気分が悪い。
男たちの雰囲気におされるようにして、二人はその場を避けて人けのないほうに歩いていった。
51Re前973:03/11/27 17:45 ID:fMDAncHK
途中、自販機でコーンスープを買って、噴水からちょっと離れたベンチに座った。
あの男たちがまだ騒いでいるのが小さく見える。
「こっちは電気、ついてないんだね」
「暗いけど、あそこよりはましでしょ」
このあたりにはイルミネーションがついてなく、ここからだと向こう側に噴水がぼおっとともって見えた。
「どうする?」
「あの人たちが帰るまでまとうよ」
「ん」

時間がかかるかもね、とつぶやいて令ちゃんは由乃の肩に手を回した。
「寒くならないように」
と引き寄せる。

「あんっ」

突然の嬌声に二人は目を合わせた。
「…ちょっと由乃、変な声出さないでよ」
「…私じゃないよ」
「じゃあ誰だって言うのよ、」
そういって令ちゃんが辺りを見回した。
「!」
52Re前973:03/11/27 17:47 ID:fMDAncHK
明るいところから暗いところに来て、今のいままで気がつかなかったが、
あたりのベンチというベンチには抱き合うカップルが鈴なりだった。

「あ、やだぁ」
ふ、はぁ、はぁ…

耳を澄ませば、ベンチはおろか後ろの茂みからも声や音やら息遣いやらが聞こえる。
「ちょっと、何これ…」
慌てて周りを見る令ちゃん。顔を真っ赤にする由乃。
「おうニイちゃん、彼女困ってるぞぉ」
通りかかった酔っ払いのおじさんに声をかけられる。
「に、ニイちゃん…?」
呆然とする令ちゃんに、酔っ払いは握りこぶしを作り「グッといけ、グッっと!!」
とか何とか言ってふらふら歩いていった。
「グッってなによもう…」
そういって立ち上がろうとする令ちゃんの手を、由乃が引き止め、囁く。

「令ちゃん。目立っちゃうよ。私たちも、ね?」







続いてしまいます。たぶん
53名無しさん@ピンキー:03/11/27 19:11 ID:Wku6v0KJ
>>50ワロタ
読みながら、何事かっ!?と思ったよw。
54名無しさん@ピンキー:03/11/27 19:14 ID:NiFfdUGR
>>50はどうかと思うなァーw

続き待ってますよ、がんがって!
55名無しさん@ピンキー:03/11/27 19:21 ID:MvKE4oWi
>>50
「ビックリするほどギガンティア!!」
の人が来たのかとオモタ・・・
56祐×乃6・1/4:03/11/27 20:27 ID:sHmWYNVG
 既に、薔薇の館の中は完全に熟れた雰囲気に包まれていた。
「はぁーい、脱ぎ脱ぎしましょうね」
 そうおどけるように言って祐巳さまが乃梨子のタイをするりとほどく。汗と
唾液でぴったりと肌に張り付いている制服を、肩の部分まではだけた。
「……ふぁ、祐巳さまぁ」
 あられのない姿だなんて、考える余裕すらなかった。
 意思は快感へとすぐに流され、祐巳さまの手が触れるたびに頬は上気し、カ
ラダ全身は快感に打ち震えてしまう。
「ひゃっ!」
「あれ、乃梨子ちゃんて耳が弱いんだ?」
 耳たぶをその口でついばまれ、思わず喘ぐ。乃梨子の形の良い耳を、祐巳さ
まは好き勝手に弄り回してきていた。舌を窄めるようにすると、いきなり耳の
穴の中に差し込んでくる。
 ……ゃだぁ、おかしくなっちゃっうよぉ。
「ひゃ、ひゃめて……くださ」
 ろれつが回らない。
「だ〜めっ。手加減はしないって言ったよね」
 素直じゃない乃梨子ちゃんが悪いんだから、淫蕩な笑みを浮かべて祐巳さま
はそう切り捨てた。
57祐×乃6・2/4:03/11/27 20:28 ID:sHmWYNVG
 唾液と汗にまみれた首筋を、祐巳さまの指先がつつーっと滑る。産毛のみを
撫でるかのような軽やかなタッチが繰り返されると思うと、今度はつめ先を立
てて軽く引っ掻いてくる。
「祐巳さまぁっ」
 後ろ手に縛られた手が酷くもどかしい。さっき絶頂を迎えたばかりだという
のに、もう新たに上り詰めたくてしょうがない。
 誰でもいいから、アソコを弄って欲しくて堪らなかった。肉芽を痛いぐらい
に摘んで、強引にナカに指先を捻りこんで欲しい。びらびらを摘んで引っ張っ
たり、膣の中を引っ掻いて欲しい。乃梨子はそれしか考えられなくなっていた。
「ふぁ、お、お願い、お願いふぃまひゅ」
「あれ……? 乃梨子ちゃんって結構首筋が細いんだね。それに、結構白くて
艶かしい感じがして、すっごく綺麗……」
 だというのに、祐巳さまは一向に首より下には手を伸ばそうとはしてこない。
乃梨子がどんな気分なのかは分かりきっているのに、ワザとはぐらかして、せ
っかくはだけたその胸にすら手を触れようとしないのだ。
 ――酷い、酷いよぉ。
 あんなにシツコク、嫌がる人のアソコを舐めてきたのに。まるでさっきの発
言の仕返しみたいに、焦らされてばっかりだ。
58祐×乃6・3/4:03/11/27 20:29 ID:sHmWYNVG
「ゆ、祐巳しゃまぁ……お願ぃ……でひゅから」
 もう恥も外聞もない。乃梨子は息絶え絶えになりながらも、なんとか祐巳さ
まに対して懇願する。
「うーん、お願いって言われても……。私あんまり頭が良くないから、ちゃん
と言ってくれないと分からないよ」
「ひぇ、そ……そんな」
 意地の悪い返し方。その瞬間も首や頬をなぞる指や舌を止めずに、酷薄な笑
みを浮かべてそう言い放ってきた。
 普段のクールな姿とは全く違う、今の乃梨子が見せる弱気な姿に、祐巳さま
は完全に興奮していた。あの落ち着いた口調は、興奮で途切れ途切れにうわず
り、強く引き締まっていた口元はだらしなくよだれを垂らしている。瞳にはう
っすらと涙が浮かび、頬には汗で綺麗な黒髪が張り付いていた。
「ねぇ、言ってよ。乃梨子ちゃん?」
 祐巳さまは目からぎらぎらとした鈍い光を放ちながら、乃梨子のことをさら
に追い詰めてきた。
59祐×乃6・4/4:03/11/27 20:30 ID:sHmWYNVG
「い、言え……」
「言えないことないよね? 乃梨子ちゃんは素直だし、ね?」
 先を打って逃げ道を防がれる。こっちは素直だし、と揶揄するように言いな
がら祐巳さまは右耳の後ろ、髪の生え際をなぞるように舌を這わせた。
「ああっん、そ、そこヤぁ」
 ぞくっとしたモノが首の後ろの頚椎を通り抜けるかのような感覚。
 乃梨子のカラダは、どこかを触れられるたびに面白いおもちゃのように反応
してしまう。どうにか体をもじもじと動かして、自分のアソコを両足を割る祐
巳さまの膝に擦り付けようとするが、それも器用にかわされてしまった。
 この……ままじゃ……おかしく、なっちゃうよぉ。
 そんな乃梨子に焦れたのか、祐巳さまは耳元にふっと息を吹きかけると、小
さく囁いた。
「言いなさい、乃梨子」
 ――その瞬間。
「シてぇ! 私のアソコをめちゃくちゃに弄ってくださいっ、お願いですぅ!」
 乃梨子は耐え切れずに叫んでいた。
60名無しさん@ピンキー:03/11/27 20:44 ID:sHmWYNVG
洗脳まんせー!(AA略)

この訴えは、微妙にスレ違いなので一度限りにしておきます。
61名無しさん@ピンキー:03/11/27 20:46 ID:znwsJb43
乙津(´ー`)
>>50の余りの無意味さにワロタ。
いや、実は後半に向けた重要な伏線なもかも知れないが。
(↑そんなこと、あるわけございませんことよ)
続き、楽しみにしてるyo。がんがってくれ。

しかし、学園祭後もまだ妹がいないってことは、
瞳子か可南子には断られたんだね、由乃ん……。
62名無しさん@ピンキー:03/11/27 20:52 ID:HWITp8xu
>>60
おつかれさま。うまいですなぁ。
ますます志摩子編が楽しみになってきますた。乃梨子編ももうすぐ終わりそうなのが惜しいくらいいいです。
63名無しさん@ピンキー:03/11/27 20:52 ID:h9ttH+R/
乃梨子=ちゃねらー

>56
色シーンをそんなに細かく描写できて羨ましいです。
つうかエロイ
64前スレ973:03/11/27 20:56 ID:hnSqkqys
>44サマ
 ありがとうございます。ワタクシメの愚にもつかない妄想にすばらしいテキスト。
続きを期待してます。
#>50はワラタョ
65名無しさん@ピンキー:03/11/27 21:48 ID:NiFfdUGR
>「言いなさい、乃梨子」

さすが…!
66名無しさん@ピンキー:03/11/27 21:56 ID:bwe9l64e
>Feeling-AIRさん、殺意に目覚める祐巳。
>ver.conrsilkさん、「cg」にあっちの世界気味な祐巳。
>CLODIAさん、金網祐巳…なんか最近祐巳がダークサイドに転び気味ですよ?
67名無しさん@ピンキー:03/11/28 09:50 ID:YBaA9RVH
コバルト読んで思い出したけど、乃梨子は優等生という設定だったんだよな。
エロさ倍増で(*´Д`) ハァハァ
68名無しさん@ピンキー:03/11/28 12:58 ID:GjohV6mF
一番頭悪いのって誰?
(って言ってもみんな普通以上の成績ではあるんだろうけど)
69名無しさん@ピンキー:03/11/28 13:23 ID:owyuvfLC
祐巳か由乃。たぶん由乃かな。
70名無しさん@ピンキー:03/11/28 14:39 ID:SHzvuCud
成績は祐巳<由乃だよ。
71名無しさん@ピンキー:03/11/28 14:40 ID:SHzvuCud
ごめん、ageてしまった・・・。_| ̄|○
72名無しさん@ピンキー:03/11/28 14:52 ID:EY0ctKM/
>>60
おもしろかったです
ブラック祐巳最高!
それとも覚醒祐巳かな?

>>69
祐巳の方が悪かったはずですよ。いばらの森の最初のほうに
「由乃さんと志摩子さんとの差を縮めないと」な感じのことが書いてあったと思う。
73名無しさん@ピンキー:03/11/28 15:21 ID:MeyUs8oe
あら、新スレですわね。>1さん、おつかれさまですわ。

ちなみに、スレタイがツボですの。
74名無しさん@ピンキー:03/11/28 17:10 ID:6ZL5oI5/
>>56-59
え、エロッ!描写がすごいエロいよ(;´Д`)ハァハァ
洗脳モノ好きになりそう。続き楽しみに待ってます。
75名無しさん@ピンキー:03/11/28 18:10 ID:ZAjgUrwP
>>56-59
もう最高。しかも続くなんて!
76名無しさん@ピンキー:03/11/28 18:27 ID:G5qnrS7b
>>70
由乃さんは、国語や歴史等の成績はトップ10以内をキープしているが、
数学や物理は赤点スレスレなイメージがあるw
77名無しさん@ピンキー:03/11/28 19:18 ID:XwcIUaO3
逆に数学とか物理はできて、
暗記モノとかいかようにもとれる国語が苦手だってイメージがあるけど>由乃さん
スパっと白黒わかれるものじゃないと嫌とか。
78名無しさん@ピンキー:03/11/28 19:24 ID:jJ0nSU1K
>>77
そこで令×由乃の家庭教師ネタですよ
79名無しさん@ピンキー:03/11/28 19:52 ID:hHn9nVKV
>>78
「いけない! 令先生」か・・・。
80祐×乃7・1/6:03/11/28 20:26 ID:LXRlHUSt
「よく言えました。……でも、それじゃあ50点だよ」
 祐巳さまは満足げな表情を浮かべたかと思うと、荒々しく乃梨子の乳房を揉
みつぶしてきた。
 下着を強引に取り払うと、白く形のよい山をこねくり回す。先端についた桜
色の突起を、人差し指と中指で挟むようにして軽く引っ張った。
「んーっ、そこ、ち、違ぅ……ぁん」
 思わず抗議の声を上げるが、すぐに自らが上げた嬌声でかき消される。
「えー、アソコってここのことでしょ?」
 ノックするように、ぽちっとしたさくらんぼを2,3回強くはじいた。
 あまりに乱暴な手つきに、顔をわずかに苦痛に歪める。
 祐巳さまはそんな乃梨子の様子には気にもかけず、しっとりとした乳房に右
手を吸い付かせたまま、左手であごを持ち上げて強引にキスをした。
「ぷ、ぷはっ。い、痛いで……。ぁん……も、もっと優しくし……」
 唇が離れた瞬間、目じりに涙を浮かべて乃梨子は懇願する。
81祐×乃7・2/6:03/11/28 20:34 ID:LXRlHUSt
「でもー、ここはそう言ってないよ?」
 指先で乳首をいじりながら祐巳さまは楽しげに言う。弄ばれるソレに目を向
けると、完全に立ちあがり――ぴくぴくと震えていた。
 たぷたぷと揺れる双房もこころなしか大きくなったように感じられる。
「ぃ、いやぁ……」
 乃梨子は、自分の上気した顔がさらに真っ赤に染まったのが分かった。
「こんなに乱暴にされて悦ぶなんて、乃梨子ちゃんMなのかなあ」
 いやいやと首を左右に振る。
「それとも、もしかしてすっごくエッチで淫乱な娘なのかも? 『嫌』って言
うのに、言ってばかりで全然抵抗しないんだもん」
 祐巳さまの言葉はどんどんと淫らな乃梨子をいたぶるものになっていく。嘲
るようなことを言ったかと思うと、一転して優しい言葉をかける。卑猥な言葉
をぶつけたかと思うと、臆面もなく愛の言葉を並べるのだ。
 相変わらず乱暴に扱われる胸への攻めと、それらの言葉で、乃梨子の興奮は
さっきから収まるどころか、昂るばかりだった。
82名無しさん@ピンキー:03/11/28 20:34 ID:FX1ARZbY
もう飽きました。
次回作に期待。
83祐×乃7・3/6:03/11/28 20:38 ID:LXRlHUSt
 快感に打ち震える乃梨子に、祐巳さまはさらに意地悪く訊く。
「すごいねぇ乃梨子ちゃん。あーあ、乃梨子ちゃんがこんな娘だって知ったら、
志摩子さん……きっと悲しむだろうなー」
「……え?」
 ぴたっと乃梨子の動きが止まる。
「……ぃ、いやあっ! お願いっ、言わないでぇっ!」
 唐突によみがえった罪悪感に、乃梨子は思わず絶叫していた。全てを忘れて
悶えていないと、悦楽にカラダだけでなくココロまで委ねてしまわないと、理
性と快楽の狭間で――頭がオカシクなってしまいそうで。
 そんな乃梨子に、祐巳さまはここぞとばかりに追い討ちをかける。
「こんなに汚れちゃってる乃梨子ちゃんが、あんなに綺麗な志摩子さんの前に
出る資格なんてね。そんなもの……あるのかな?」
「お、お願いですから……。思い……出させないで……」
 悦楽の吐息を漏らしながら、その目からはぽろぽろと大きな涙をこぼして、
乃梨子はただ懇願し、ひたすら許しを請うた。
「……乃梨子ちゃん……可愛い」
 その様子を見て、祐巳さまはさらに興奮の度合いを深める。子供のようにた
だ泣きじゃくる乃梨子の胸に、祐巳さまは無我夢中でむしゃぶりついた。
84祐×乃7・4/6:03/11/28 20:40 ID:LXRlHUSt
「ひっ、ひゃぁ。ん、あ……あん」
 唇で先端を挟まれ、唾液を溜めた舌で転がされる。祐巳さまの両手が下から
ふくらみを押しつぶすようにして揉みしだいていた。
 乳輪をなぞるようにして舌が一回転すると、ずずずっと音を立てるようにし
て紅潮した突起を吸う。
「祐巳さまぁ……っ、祐巳さまぁ」
 乃梨子はぎゅっと眼を閉じて必死でその快感に浸ろうとする。
 さっきまでの荒々しい愛撫と反対に、乳房を押しつぶす手は優しく、きめ細
かい肌の上を這う舌はどこまでも丁寧だ。
 甘噛みされる乳首も、歯を強く立てないように、かといって快感は確実に伝
わるようにというなんとも絶妙な力加減だった。
「……ひぇ、な……なんで」
 ――そんなのってヒド過ぎるっ。
 何も考えたくはなかった。さっきまでみたいな乱暴な手つきと言葉で、強引
に絶頂の渦へと巻き込んで欲しかった。だというのに、祐巳さまの攻める手は
緩やかに、少しづつ乃梨子を絶頂まで押し上げようとしている。
 乃梨子にとってはなんとも残酷な拷問だった。
85祐×乃7・5/6:03/11/28 20:41 ID:LXRlHUSt
「泣かないで……乃梨子ちゃん」
 祐巳さまはゆっくりと顔を上げると、優しく耳元で囁く。
 その声はいつものように暖かく慈愛の心に満ちていて、乃梨子は誰が自分を
ここまで追い込んだのかも忘れてしまいそうになる。
 だがその天使のような姿で、祐巳さまは再び深くその心を抉ってきた。
「乃梨子ちゃんって変態さんだよね……」
 思わず目の前が真っ暗になった。
「もう志摩子さんのそばにいる資格なんてありえないよね……」
 乃梨子の顔が思わず醜く歪む。高揚は一気に醒め、心が絶望に絡めとられて
いく。涙が溢れて、止めるすべすら見つけられなかった。
「でもね――」
 祐巳さまがにっこりと微笑む。
「私はそんなエッチで淫乱な乃梨子ちゃんが、大好きだよ」
「ゆ、祐巳さまぁ……」
 思わず視界が歪む。だけどその涙は、絶望ではなく歓喜のものだった。
 ……こんなに汚れた『私』を、この人は受け入れてくれている。
 乃梨子は既にこの狂った空間に飲み込まれつつあった。
86祐×乃7・6/6:03/11/28 20:42 ID:LXRlHUSt
「ああんっ、祐巳さまぁ、そ、ソコぉ」
 全てを認めてしまえばそれは……とても楽だった。
 祐巳さまは悦ばせようとして胸を一心に奉仕してくれた。快感を与えるポイ
ントをすぐに探り出し、そこをなんとも巧みに刺激してくれる。
「あはっ、イイ声だね」
「いっ……いいよぉ、……あんっ」
 なんであんなに否定していたんだろう?
 受け入れてさえしまえば、こんなにキモチイイのに。何も考えずに、ココロ
もカラダも全てを祐巳さまに預けてしまえるのに。
 強引に拒否してた自分がまるでバカみたいだ。
 淫蕩な笑みを浮かべながら、乃梨子はただそう思った。
「乃梨子ちゃん……いいかな?」
 びしょ濡れのショーツに手を伸ばしながら、祐巳さまが確認してくる。それ
は『問い掛け』ではなく『確認』だった。
 ……そんなこと言うまでもないのに。
「ぁん、祐巳さまぁ、乃梨子の膣を……あんっ……弄ってくださぃ、ん」
 乃梨子は両足を大きく開いて、自分からおねだりしていた。
87名無しさん@ピンキー:03/11/28 20:44 ID:LXRlHUSt
あと2回で乃梨子編は終了予定っす。
88名無しさん@ピンキー:03/11/28 20:47 ID:7ukt4K7W
始めに薬などに頼らなければもっと楽しめたと言うのが正直な感想だよ。
89名無しさん@ピンキー:03/11/28 20:48 ID:hHn9nVKV
(*´д‘)

・・・たまりません
90名無しさん@ピンキー:03/11/28 20:50 ID:oRc11+GL
>>87
乙!これは何て極上なエロSS!続き楽しみであります!
乃梨子好きになりますた。
91名無しさん@ピンキー:03/11/28 21:29 ID:XwcIUaO3
ほんとイイです。あと2回も続くのかぁ。嬉し杉。
こここのぶんだとししし志摩子さん編も最低5回くらいはあるハズ…!!
マジで楽しみだー。
92祐聖いばら後:03/11/29 01:16 ID:iYBcyeu+
>19の続きです
題名は祐聖いばら後2ですが時期的にはなかきよの直後です。ああ分かりづらい。
メル欄は前回同様”祐聖いばら後”で。
93祐聖いばら後:03/11/29 01:17 ID:iYBcyeu+
「…トイレ」
私がおめでたいんだかおめでたくないんだか良くわからない初夢から目覚めると、まだ午前3時だった。
「うう、寒い」
祥子さまや白薔薇さまを起こさないようにそっと廊下にでる。
板張りの廊下はしんとした冷たさに満ちていた。
(なんだったんだろう、さっきの夢)
一富士、二鷹、三なすびとは言うけれど、一祥子さま、二白薔薇さま、三キャンディーなんてわけがわからない。
語呂もちっとも合ってないし。
それでも、初夢で祥子さまを見れたんだからきっと縁起が良い夢に違いない。今年も仲良くできるといいな。
そんなことを考えながら用を足し、足早に廊下を戻る。あったかい布団が恋しい。
暗い廊下は似たような障子が延々と続いていて、帰りにはちょっと迷ってしまった。

「ただいまー」
そっと呟きながら障子を開ける。祥子さまの静かな寝息が聞こえてきてほっとした。
「…おかえり」
「ひゃっ!」

返事を返されるとは全く思ってなかったのでビックリしてしまった。
夜だからと慌てて口を押さえたのでほとんど声は漏れなかったけど。
「何よ祐巳ちゃん。人のこと幽霊みたいに」
白薔薇さまが布団の中で憮然としてこっちを見てる。
「だって、返事が返ってくるなんて思わなかったんですもん。あれ、もしかして起こしちゃいました?」
私は祥子さまの足元を回りながら囁き返した。
「ううん、最近あまり眠れないんだ。さあ、寒いから早く布団に入りなさい」

お布団にはいりなさいって、あの、何でご自分の掛け布団を持ち上げてるんですか。
「もしかして、私にそこに入れとおっしゃいますか」
「あたり。ほら、あったかい空気が逃げちゃうから早く」
ちょいちょい、と手招きする白薔薇さま。
「せっかくですがお断りします」
「えー」
94祐聖いばら後:03/11/29 01:18 ID:iYBcyeu+
そりゃ、白薔薇様ファンクラブの人たちからすればとんでもないシチュエーションなんだろうけど、私は残念ながら違う。
小声でブーイングしてくる白薔薇さまを無視して自分の布団にもぐりこんだ。
「祐巳ちゃんを抱っこしてぬくぬく眠りたかったのになー」
「人を抱き枕か湯たんぽみたいに言わないでください」
さらりと凄いこと言ってませんか、白薔薇さま。
「祥子さまがいるのにそんなことできるわけないじゃないですか」
「あれ、じゃあ祥子がいなければ一緒に寝てくれるの?」
「違います」
まったく白薔薇さまったら正月だろうと深夜だろうと365日24時間オヤジモードなんだから。
ふん、と仰向きになって寝ちゃおうとしたときだった。
「ねえ、ちょっとお話しよ」
振り向くと白薔薇さまが、布団から手だけだして手招きしてる。
「ここから先は絶対行かないから。ね、こっち来て」
ここ、といいながら指で線を示す。私と敷布団と白薔薇様のそれの境目が国境らしい。
「本当ですね。嘘ついたら怪獣の子どもみたいに騒ぎますよ」
「わはは、さすがにそれは怖い」
白薔薇様はもう国境の近くまで転がってきた。
「約束する。お願い」
トイレにおきたせいで体がちょっと冷えていて、少しの間眠れそうもなかったから、布団が温まるまでお話し相手になることを決めた。
布団にくるまりながらのそのそと移動する。
「もそっと近うよれ」
のそのそ。
「もちっと」
のそのそ。
「もうちょい」
のそ。
小笠原家の布団は大きくて広い。それでもこれだけ移動すると白薔薇様との距離が凄く近くなった。
というか、国境をはさんでお互いの息が感じられるくらいで向き合っている。
「あの、」
近すぎませんかと言おうとしたが、白薔薇さまの口が先に開いた。
「会いたかった。来てくれてありがとう」
95祐聖いばら後:03/11/29 01:21 ID:iYBcyeu+
いえいえ、こちらもお正月ヒマでしたからと言おうとして、どうやらそういう雰囲気でないことに気づいた。
オヤジモードが消え、にへっとした笑みが姿を消している。
他の人とこんな間近で向き合うことなんてないからちょっとどきどきした。
真剣な顔するとやっぱり格好いいなあ…なんて、何考えてるんだろう私。
「会いたかったって、12月28日にもあったじゃないですか」
12月28日、私が感情の高ぶった白薔薇さまに抱きしめられた日。
『いばらの森事件』で栞さんのことをまだ吹っ切れてない自分に直面した白薔薇さま。
以来時々感情が高ぶってしまうことがあったらしい…けれど。
「28日に会ったからまた会いたくなったのよ」
そのときに手を握ってあげたりしたことが、えらく白薔薇さまのお気に召したらしい。
「何とか会えないかなと思ってずっと考えてた」
へへへ、と苦笑する白薔薇さま。端正な顔立ちだから、そんな表情もとっても素敵。

本当は1月2日の初詣に私だけ誘おうと考えてたらしい。そこに祥子さまからお泊りのお誘いがあったからついでにそれに乗ったそうだ。
そう言われれば今日(正しくは昨日だけど)は白薔薇さまと目が合うことが凄く多かった気がする。
神社や車での移動中は二人きりだったから当たり前だけど、
祥子さまの家で百人一首したりトランプやったりお寿司いただいたりしたときもしょっちゅう目が合っていた。
初めて祥子さまの家にお邪魔してたから気が付かなかったけれど、今日一日、白薔薇さまは私をずっと見つめてたんだ。
「や、やだ。…あの、やだってのは本当に嫌だと言う意味じゃなくて
 ずっと見られてたのに気がつかなくてびっくりしたって意味であの…」
弟とはしゃいだり、祥子さまの和服に見とれてたりした様子も全部観察されてたと思うと、
恥ずかしいやら自分の鈍感さに嫌気がさすやらだった。
白薔薇さまはくすくす笑う。吐息が私の百面相をくすぐった。

「でも、私そんな凄いことしましたっけ?」
混乱がひとまず収まった後、聞いてみた。
初詣に私だけ誘おうとしたり今日ずっと見つめられてたり、いつの間にか白薔薇様にすっごく好かれちゃってるようだけど
自分ではいまいち理由がわからない。私ってやっぱり鈍感なんだろうか。
96祐聖いばら後:03/11/29 01:22 ID:iYBcyeu+
「祐巳ちゃん、運命って信じる?」
頭の良い人の会話はたまに変に飛ぶからついていけない。しかも運命って。

「28日に私たちが学校で出会ったのも偶然。その後で私に感情の発作がおきたのも偶然…だよね」
それはそうだろう。別に約束してあったわけじゃないし、感情の大波のことも私は全く知らなかった。
「じゃあ、その時私が祐巳ちゃんに助けられたのも偶然?」
…こんなに真剣な白薔薇さま、初めてだ。
表情は怖いくらい張り詰められている。
「あの、」
うまく言葉がつむげない。いい加減な返事はできない。
「でも、居合わせたのが私でなくてもきっと誰かがお慰めしたと思うんですが」
やっとのことで言葉を出す。
「うん、薔薇の館の住人は優しいからきっとそうしてくれたでしょうね。
 でもね、あの時は祐巳ちゃんじゃなければ駄目だったのよ。
 蓉子でも、江利子でも、祥子でも、令でも、由乃ちゃんでも…」
「志摩子さんでも、ですか」
最後の一人を言いよどんだ白薔薇さまの変わりに恐る恐る言った。
言ってしまった後、急に背筋が寒くなった。
「志摩子さんでも、駄目だったって思うんですか」
思わず詰問するように言ってしまう。
聞きたくない。
答えを聞きたくない。
このまま、なかったことにして欲しい。
長い沈黙の後、白薔薇さまの口が開いた。

「そうよ」

「他の誰でも駄目だった。駄目だったのよ。
 ねえ、祐巳ちゃん。偶然は2つまでは偶然かもしれない。でもね、 3つそろえばそれは必然なのよ」
「それが運命だって言うんですか」
「そうかも知れない」
97祐聖いばら後:03/11/29 01:23 ID:iYBcyeu+
もう私たちはにらみ合うようになっている。
白薔薇さまの情熱に触れてしまい気圧されて何も言えない。
先に目をそらしたのは白薔薇さまのほうだった。
「…もう寝ようか。おやすみ」

布団の中央まで後退して私に背を向けてしまう。
私も疲れきった体を引きずって自分の布団の真ん中に戻った。
仰向けになって目を閉じる。
「おやすみなさい」

枕の下の宝船の折り紙に手を触れる。
ついさっき見たはずの初夢を思い出そうとしたけれど、全く思い出せなかった。
98祐聖いばら後:03/11/29 01:24 ID:iYBcyeu+
失敗した、さすがに引かれたかな。
私、佐藤聖は背中越しに祐巳ちゃんの寝息を聞きながら臍を噛んだ。
会いたかった気持ちを伝えてちょっと話をするだけのはずだったのに、
いつの間にか私たちが出会ったのは運命だなんて意味不明のことを熱弁してしまった。

枕元に置いた目覚ましの針の音が気に障る。手を伸ばして電池を引っこ抜いてしまおうかと思ったが
朝起きれなくなるので止めた。
分かってる。
正月に祐巳ちゃんをどうやって呼び出そうと考えてたのも、昨日一日ずっと祐巳ちゃんを見つめてたのも、
さっきの会話で舞い上がってしまったのも。
今、この胸を焦がす気持ち。
私の心は、明らかに祐巳ちゃんに向いている。

さっき目を白黒させてた祐巳ちゃんは全くの初耳だったろう。
私が祐巳ちゃんのことを好きになっているなんて気付いてないに違いない。
昨日の私の服装、コート以外は祐巳ちゃんを誘うのに成功してから
慌てて元旦のデパートに買いに行った物だなんて、彼女は全く気が付いていないに違いない。
それでもいい。それも彼女の魅力だろう。
そう、自分に言い聞かせる。が、気付いて欲しかったという気持ちは拭えなかった。

布団の中で身をよじる。湿った下着が肌に張り付いて不快だ。
自分の股間に手を伸ばす。ヌルッとした手触り。
ははは。
声を上げずに哂う。体は正直だ。
連日の間、自慰行為のたびに思い描いていた相手が隣に寝ているんだ、反応しないわけがないじゃないか!
99祐聖いばら後:03/11/29 01:25 ID:iYBcyeu+
寝返りを打って祐巳ちゃんの方を向く。
枕を頭の下から抜き取り、胸に抱きしめる。
折り紙の宝船が転がった。罰当たりの私はいい初夢に恵まれないに違いない。
掛け布団を目の辺りまで深く被った。

ゆみちゃん、と口の中で囁き、枕にキスをした。
祐巳ちゃん、祐巳ちゃん、祐巳ちゃん。

指をくわえ、一本一本に唾液をたっぷりまぶす。指の股、手のひらも忘れずに。
自分の歯を指でなぞり、吸いたてる。

始めるよ、祐巳ちゃん。

スパッツとショーツを同時に下ろし、そっと割れ目に這わせた。
「…あっ」
ちょっと声が出てしまった。うん、でもイイ感じ。
人差し指と薬指で割れ目を押しひろげ、中指でなぞる。
枕の角にキスし、甘く噛む。

祐巳ちゃんの寝顔を食い入る様に見つめる。
「祐巳ちゃん、私、今、君でオナニーしてるんだよ…」
ほら、こんなにヌルヌルが出てる。
割れ目からクリトリスに指を移しそのまま指先で軽く転がす。
「あ、ハァ!」
その刺激に肩を震わせて反応する。
ちょっとしごくように指の動きを変える。
「ん、…気持ちいい」
祐巳ちゃん、君はどんなオナニーをするの?
100祐聖いばら後:03/11/29 01:26 ID:iYBcyeu+
「まさか、まだしてないなんてことはないよね…」
くちくち、くちゃ…。
布団のなかに自分の水音が響く。
祐巳ちゃんは、あんまり激しくやらなそうだな。
「こんな感じ? 祐巳ちゃん…」
擦る指使いをやめ、わずかなタッチで触れるようにする。じぶんでわざとぎこちなく動かす。
「はは…、祐巳ちゃんはこんな風にしてるんだぁ」
目を閉じて祐巳ちゃんが私にしてくれてる様を想像する。刺激そのものは少ないが、その想像だけで十分だった。

しばらく祐巳ちゃんの指使いを堪能し、目を開ける。
「ふぁ、…気持ちよかったよ、祐巳ちゃん」
今度は私のやり方を教えてあげる。
私は祐巳ちゃんの寝顔を見つめると、心の中でレクチャーを開始した。
祐巳ちゃんは中に入れたこと、ある?
自分の中指を挿入し、膣内を引っかく。
「うん、ふふっ。ああ、ん、いいよ…」
後から後から湧いてくる蜜をかき出し、手の平に広げる。
いい? こうやって中指と手の平で、中とクリをいっしょに刺激するの。
「可愛い寝顔だね」
荒い息とともにそっと囁く。

ん、ああ、くちくちくち、ちゅ、しゅ、しゅ、ぴちゃ…

心の中でまた語りかける。
祐巳ちゃんはをオナニーするとき誰でしてるのかな?
そっと顔を上げると祐巳ちゃんの向こうに祥子の寝顔が見えた。
きっと祥子なんだろうね。いいな。
「ん、んんんん、くっ、ひゃ…」
たまには私でもやってみてね。
101祐聖いばら後:03/11/29 01:27 ID:iYBcyeu+
自分の体がゆっくりと高みに上っていくのが分かる。
涎で頬に張り付いた髪を枕に押し付けて拭う。枕のカバーはもう唾液でぐちゃぐちゃだ。
わたしは、急にあることに気がついた。
ここには祐巳ちゃん、そのお姉さまの祥子、襖一枚隔てて実の弟の祐麒がいるんだ。
私はそんなところでオナニーしてるんだ。
そう考えると目もくらむような快感が背徳感とともにやってきた。
へへ、祐麒、私、君のお姉ちゃんでオナニーしてるよ。
祥子、祐巳ちゃんをこんなことに使ってごめん。でも祐巳ちゃんのこと大好きなんだ。
祐巳ちゃん…祐巳ちゃん祐巳ちゃん祐巳ちゃん祐巳ちゃん、気持ちいいよ、切ないよ。
お願い、こっちを向いて。
「はっ…もう、すぐ…イきそうだから…んんんんんっ、私を見て…」
目深にかぶった布団の中で、私の水音と荒い息、祐巳ちゃんへの囁きがこだまする。
あ、イク…。

その瞬間、祐巳ちゃんが私のほうにころんと寝返りを打った。
いままで横顔をに甘んじていたのが、正面からの寝顔を見つめることができる。

「ああ、もうダメ…」
祐巳ちゃんに見つめられながら、私は絶頂に達した。
102祐聖いばら後:03/11/29 01:28 ID:iYBcyeu+

「…」
後に残るは荒い息と嫌悪感。ぐちゃぐちゃになったシーツと枕カバー。
それらをそっとはずすと、服を調えランドリーへと向かった。
湿りに湿ったシーツ類を洗濯籠に放り込み、そっとシャワールームに入る。
蛇口をひねると熱いお湯を全身に浴びた。
「はぁ、はぁっ。ふう、はぁ、はぁ。…は、ひはは、あははは…」
何をやっているんだろう、私は。
吐き気がするぐらいの自己嫌悪に苛まされながら、私はいつまでも笑い続けた。
103祐聖いばら後:03/11/29 01:30 ID:iYBcyeu+
以上です。

聖さまが変態になってしまった。…おかしいな。死んだほうがいいよ>俺
次にはきっとらぶらぶで終わる予定。
104名無しさん@ピンキー:03/11/29 01:33 ID:XDWIMcyk
おお、リアルタイムだ。

なんとまぁ、かわいらしい白薔薇さまというか…
105名無しさん@ピンキー:03/11/29 01:33 ID:/EDx9JnI
聖さまカワイソ。
誰か慰めてあげて(つД`)・゚・
106名無しさん@ピンキー:03/11/29 01:40 ID:dPfSjd4I
聖さま聖さま性さま〜〜   聖さまヘンタイヘンタイ!
107名無しさん@ピンキー:03/11/29 02:28 ID:gvKZQnNX
結ばせてやって..

ふたりを。おねがい。
108名無しさん@ピンキー:03/11/29 03:48 ID:EXoZ5hlk
聖さまって片思い似合うキャラだね。
109名無しさん@ピンキー:03/11/29 03:52 ID:xnwX6Y0O
>>108
みんなに愛されてるから・・・かなぁ
110名無しさん@ピンキー:03/11/29 05:19 ID:IBadDOhS
直球エロじゃないと思ってたから
心の整理がつかず
111名無しさん@ピンキー:03/11/29 08:58 ID:lgl7YHb7
直球と言うか、スローカーブのような変態的な内容だ。
112名無しさん@ピンキー:03/11/29 09:02 ID:R7dbmiBY
>スローカーブ
別名「しょんべんカーブ」(;´Д`)ハァハァ
113名無しさん@ピンキー:03/11/29 09:46 ID:tDIE9s4m
元中日の今中のスローカーブはかなりそそるものがあった。
前に誤っていきなりSSのラストシーンから投下した人がいたけど、彼はフライをオデコでキャッチしたり、
ショートゴロを捕球してライトの田尾に向かって矢のように送球したりしたうーやんこと宇野みたいなものだろうか。
スレ違いスマソ
114名無しさん@ピンキー:03/11/29 09:53 ID:vpLNpjPa
>>112
トイレの個室でふたりきり
祥子さまの放尿を見せられる祐巳の姿が浮かんできました
115祐×乃8・1/4:03/11/29 11:32 ID:EEuD673V
「もうぐしょ濡れだね」
「……はい」
 ショーツを摺り下ろす祐巳さまに協力して、腰を小さく浮かす。下着のクロ
ッチとアソコの部分がつーっと糸になって繋がった。
 陰裂の上の濃い茂みがきらきらと光る。
「あれ? どんどん溢れてきてるよ?」
 腰を落として祐巳さまが割れ目の部分を覗き込むようにしてくる。くんくん
と匂いを嗅がれるその息遣いに、ヒダの奥からとろとろとした液が溢れて出て
くるのを止められなかった。
「でも、乃梨子ちゃんエッチだししょうがないよね」
「はい……祐巳、さまぁ」
 からかうようにさらにふうっと冷たい息を吹きかけてくる。それに身をよじ
らせながら、乃梨子は自分が蕩けそうな顔をしていることに気づいた。
 ……なんてキモチイイんだろう。
「私は……乃梨子は、とっても……ぁんっ……エッチな娘、ん……です」
 本当に蕩けちゃいそう――。
116祐×乃8・2/4:03/11/29 11:33 ID:EEuD673V
「うわーっ、すっごい。くちゅくちゅだ」
 くちくちと花弁が指で押されて音を出す。右に、左にと、祐巳さまの人差し
指が割れ目に沿ってまわりのピンクの花びらを刺激した。
 あられもない嬌声を上げながら、乃梨子はもっとと哀願する。
「ねぇ、舐めて」
 ぬらぬらと愛液に濡れた人差し指を突きつけられる。頬になすりつけられる
指先を、舌を伸ばして絡めとった。
 ……ヘンな味。
 自分でシたことはあったけど、こうして舐めてみるのは初めてだった。
 終わるとだいたいすぐに醒めてしまい、気恥ずかしくなってティッシュで処
理してしまうのが普通だったから。
 乃梨子がそんなことを考えている最中も、祐巳さまの指が口内を好き勝手に
蹂躙してくる。ハムスターのように頬の部分を膨れさせてみたり、舌の部分を
思う存分弄繰り回してきた。
「美味しいでしょ?」
 唾液にまみれた指を口から引き抜く。
「……はぁい」
 祐巳さまに恍惚とした表情を向けながら、乃梨子は自然に頷いていた。
117祐×乃8・3/4:03/11/29 11:34 ID:EEuD673V
「力、抜かなきゃね」
 そう祐巳さまが呟いた瞬間、いきなり乃梨子の膣の中へと人差し指が差し込
まれる。入念な愛撫でほぐれたソコは、唾液で充分に濡れた細く長いソレをあ
っさりとナカに呑み込んでいた。
「ひゃぁん……っ……!」
 思わず乃梨子は大きくカラダを弓なりに曲げて、小さく悲鳴を上げる。
 ……な、何これぇ……っ。
 まるで背骨を通って、何かが一気に脳まで駆け上がってくるかのような感覚。
意識は一瞬で真っ白くなり、蜜を湛えた媚肉は、自分の意思を持ったかのよう
に指先をぎゅうぎゅうと熱く咥え込んでいた。
「あ、あぁん、ゆ……祐巳さ……まぁ」
 自分の息遣いがひどく荒く感じる。
 一本、たった指一本が差し込まれただけというのに、それだけで脳が快楽に
取り付かれてしまいそうな錯覚。
 こ、これで指先だけだなんてぇ……。
「きっつきつだね、乃梨子ちゃんのお腹の中」
 祐巳さまは笑いながら、そんな乃梨子の様子を見て楽しんでいた。
118祐×乃8・4/4:03/11/29 11:35 ID:EEuD673V
 祐巳さまの指が動くたびに、乃梨子のカラダが跳ねる。
「いやぁ、……な、ナカぁ……ナカがぁ」
 切り揃えた黒髪が体に合わせて揺れ、汗で頬に張り付く。口元から垂れた唾
液が艶かしく光るのを見て、祐巳さまはさらに指を動かす速度を速めた。
「熱い……アツいよ。乃梨子ちゃんのアソコの中」
「ひゃっ、ひゃあ……ん、んんっ」
 キツイ膣の中を祐巳さまが蹂躙する。中のヒダヒダを擦るように、じゅぽじ
ゅぽと卑猥な音を立てて激しく指が抜き差しされた。
「こんなによだれを垂らしちゃって……」
「そ……そうっ、ああん、……ですぅ」
 とろっとした粘液が、アソコからお漏らししたみたいに自分や祐巳さまの制
服にと流れ落ちて、べちょべちょに生地を濡らしていく。
 ……いやぁ……き、キモチ良さ過ぎるよぉ。
「も、……もっとぉ、祐巳さまぁ……あんっ」
 もう羞恥心なんてなかった。祐巳さまを誘惑するように、ただ乃梨子は嬌声
を上げて全身を悶えさせた。
119名無しさん@ピンキー:03/11/29 11:37 ID:EEuD673V
残り一回は夜に投下予定。

あと、上の祐聖いばら後(・∀・)イイ!!。
120名無しさん@ピンキー:03/11/29 12:33 ID:Rw7O4NVn
ハァハァハァハァハァハァ(*´д‘)
121名無しさん@ピンキー:03/11/29 14:17 ID:PlxFsB08
遅レスだが、
>85
>乃梨子は既にこの狂った空間に飲み込まれつつあった。
恐るべき「福沢時空」の真髄を見た気がする・・・。

一匹狼気質の白薔薇はみんな祐巳に弱い罠。
122名無しさん@ピンキー:03/11/29 15:37 ID:2zOJJ2oh
エロエロイイ……。

狼っていうより、野良猫って感じがするなぁ。>白薔薇一家
独りで生きてけるように見えるけど、実は限界ギリギリで、
でも「ときどき姿を見せる」っていう控えめなSOSコールしか送れないという感じが。
123名無しさん@ピンキー:03/11/29 16:09 ID:tDIE9s4m
>>115さんを中日の選手に例えるなら川又かな。
124名無しさん@ピンキー:03/11/29 17:31 ID:rVSr+SCG
SS投下します
乃梨子攻めです
125124:03/11/29 17:32 ID:rVSr+SCG
なんだかこの頃の志摩子さん達の様子がおかしい。
乃梨子ちゃんはいつもどうりなんだけど、志摩子さんがすこし怯えてる感じがする。
たしか2週間前の日曜日に、志摩子さん達がどこかのお寺に行った頃からこうなっていた。
お姉さまにも、「あの二人、心配だから相談にでも乗ってあげなさい。」
なんて言われたけど、どうしようか正直悩んでいた。
(そうだ由乃さんにでも相談してみよう。)
そうと決めたから早速言ってみよう。
126124:03/11/29 17:34 ID:rVSr+SCG
ああ、祐巳さんも言われたのね。」
「”も” って、由乃さんも令さまに何か言われたの?」
昼休み、薔薇の館でお弁当を食べながら、私は由乃さんと相談していた。
「うん。祐巳さんと同じよ。でもどうする?」
「まあ志摩子さんか乃梨子ちゃんに話を聞くのが一番だと思うけど。」
「じゃとっちがどっちの方行く? 私はどっちでもいいけど、乃梨子ちゃんとは
うまく相談に乗ってあげられないかも。」
「そう?結構相性いいと思うけど?」
「うん これは女の勘ってやつかな。だから私は志摩子さんでいい?」
「別に良いけど。あんまり志摩子さん責めないようにね。」
127124:03/11/29 17:35 ID:rVSr+SCG
「ねえ乃梨子ちゃん、私と今度の日曜どっか行かない?」
放課後の下校前、乃梨子ちゃんを待っていた私は予定どうりに話しかけていた。
今頃、由乃さんも私と同じように志摩子さんを誘っているだろう。
「それとも志摩子さんとどっか行くのかな?」
「いえ、ないですよ。でもなんで何で私なんですか?」
「え え〜〜と〜〜・・・・、まーいいじゃない。まあ理由と言えば私も前白薔薇の
聖さまといろいろ遊んだりしたし、乃梨子ちゃんの事とかいろいろ知りたいからかな」
(危なかった!! 本当やばかった〜)
乃梨子ちゃんは少し考え込んだあと、「別に暇だし大丈夫です。」
128名無しさん@ピンキー:03/11/29 17:36 ID:NseTgO0z
(*´-`)人 現白氏の新作が投下されますように…。
129124:03/11/29 17:36 ID:rVSr+SCG
と言ってくれたので、心の中でため息をつけつつ
「じゃ何処に行こうか?」なんて話をしながらいろいろ決まり
「じゃ私はこれで」
「うん またあしたね」
と乃梨子ちゃんのうしろ姿が見えなくなってからため息をつきつつ
(由乃さんはちゃんとやってるかな?)と心配した。

「で由乃さんはどうだったの?」と電話の向こうへ聞いてみる。
「ん〜〜 大丈夫だったよ〜〜」なーんて間延びした返事がきた。
「とにかく後はどうやって聞きだすかだけども・・・・」
「なに弱気になってんの!! やるって決めたんだから、ちゃんとやろうよ。」
「うんそうだね。じゃお休み。」と受話器に声をかけた。
おやすみ〜 なんて声を聞いた後受話器を置いた。
(さて、あの乃梨子ちゃんから話を聞きだせるのかな〜)
なんて考えながらベットへ潜り込んだ。
130124:03/11/29 17:37 ID:rVSr+SCG
「祐巳さんに場所はまかせるって言いましたけど・・・・・。」と乃梨子ちゃん
ここは上野動物園 まあ普通女の子二人で来るところではないかもしれない。
「まあ騙されたと思って入ってみようよ。」と乃梨子ちゃんの手を引っ張った。」
あ ここで補足。乃梨子ちゃんが私をさん付けしてるのは、
「志摩子さんがさん付けなら、わたしも今日はさん付けでね。」と言ったから。
入場料を払い中へ入りいろいろ眺めてると、
「祐巳さんは志摩子さんを動物に例えると何になりますか?」
「動物? う〜〜ん うさぎかな。 乃梨子ちゃんは?」と返すと、
「白鳥ですかね。」なんて答えた。
その後ゾウ、ライオン、パンダ、ときてレッサーパンダの前に来たとき
「あーここに聖さまがいたら『祐巳ちゃんがいっぱいいる〜』なんていうんだろーなー」
なんて乃梨子ちゃんに聞こえない独り言を言ってしまった。
131124:03/11/29 17:38 ID:rVSr+SCG
あらかた見おわったあと、「あんまりおもしろくなかった?」と聞いたら、
「いえなかなかよかったです。」なんて言われた。 お世辞でもそう言われるとうれしい。
「それじゃあ今度は浅草にでも言ってみる?」と言ってみると、
はい とちょっとうれしそうに返事をされた。

浅草を回り、上野に戻ってアメ横で服を見て回っていたら4時近くになっていたので
「もうそろそろ帰ろうか?」と言った。
「そうですね。今日は本当に楽しかったです。」
「じゃ家まで送るよ。」といってみた。 ここからが本番だ。
乃梨子ちゃんを家に送る間に話を聞きだすというのが私の作戦である。
「え? わざわざいいですよ。家遠いし。」なんて返されたけど
ここで諦めるわけにはいかない。
「そう言わず今日1日、付き合ってくれたんだからそれぐらいさせてよ。」
そして3分後、
「分かりました。じゃ行きましょう。」と乃梨子ちゃんの方が折れてくれた。
132124:03/11/29 17:41 ID:rVSr+SCG
ガタンゴトン ガタンゴトン
電車に揺られながらいつ話を切り出そうか迷っていたところ、
「祐巳さん今日は何か私に聞きたいことがあったんじゃないんですか?」
と言われてしまった。 やっぱりこの子は鋭いななんて考えながら、
「うん。実はこの頃の乃梨子ちゃん達の事なんだけど・・・・・」
「ああ やっぱりそのことですか・・・・・。 祐巳さん今日は時間ありますか?」
「うん。今日は遅くなるって言っといたから大丈夫だよ。」
「じゃ家でおはなしします。」と真剣な声で言われた
ガタンゴトン ガタンゴトン ガタンゴトン ガタンゴトン ガタンゴトン
目的の駅に着くまでなぜか無言のままになってしまった。
道をてくてく歩いていくと普通のマンションへ乃梨子ちゃんが入っていった。
133124:03/11/29 17:43 ID:rVSr+SCG
「ふーん結構広いんだね〜。」と私。
五畳ほどの部屋にコタツがあり乃梨子ちゃんと向かい合わせに座っている。
お茶は日本茶、茶請けは浅草で買った芋羊羹。
「じゃ本題に入ろうか。」というと、乃梨子ちゃんは少し間をおいた後頷いて話し始めた。
「あの祐巳さんは祥子さんと”あれなこと”したことありますか?」
”あれなこと”? あれなことってなんだろう?
「”あれなこと”ってなに?」と聞き返すと、
「”あれなこと”はあれなことです。」と顔を赤くしていった。
う〜ん なんだろう
「いいかげん教えてよ。乃梨子ちゃん。」
「・・・・・・・・キスとかのもっと後のことです。」
キスの後・・・キスの後といえば・・・・
あ〜なんか私も恥ずかしくなってきた。
・・・・・・いかんいかん話進めないと!!
「い、いやないよ。それでそれが乃梨子ちゃん達とどうゆうことなの?」
「・・・・・え〜と私と志摩子さんはそういう関係になったんです。」
「へっ?」 え〜と志摩子さんと乃梨子ちゃんが”あれ”で
あれな関係なのが志摩子さん達なんだから・・・・・
134124:03/11/29 17:44 ID:rVSr+SCG

「・・・さん!!祐巳さん!!」と言う声でやっと正気にもどった。
なんとか考えをまとめつつ言葉をなんとか出した。
「えーとそれで・・・・そのそうゆうことは2人とも合意の上でやったんだよね?」
「はい。そうです」
「じゃ何で今みたいな雰囲気になったの?」
「それは・・・・・・・・・。」いきなり黙った乃梨子ちゃん。
「ど・・・ど・・・・。」と乃梨子ちゃん
「ど?」と私。
「ど・・・・どう・・・道具を使いたいと言ったら逃げられちゃったんです。」
あ・・・駄目だ・・・今度こそ頭が真っ白になっちゃった・・・・・・
135124:03/11/29 17:47 ID:rVSr+SCG
                30分後
「つまり・・まあ・・そういうことなんですよ。」と、頭をカキカキしながら乃梨子ちゃん。
まだはっきり理解できないけどなんとなくは分かった。
つまり志摩子さん達はあれなことを時々やってたんだけど、
乃梨子ちゃんがそれにはまって、道具(?)まで持ち出して、
志摩子さんが引いてしまったらしい。
「で・・でも、なんで道具なんて使いたいなんて思っちゃったの?」
「だって好きな人に、もっと気持ちよくなってほしいじゃないですか!!」
押し黙ってしまう私
「で・・でもさ・・やっぱりそこまでいくとアブノーマルになっちゃうよ?」
あれ? なんか急に黙り込んじゃったけど
「アブ・・ノーマルですか・・・・・・・フフッ・・フフフッ・・」
(なーんかすっごい不気味なんですけど、とゆうかはっきり言って怖い)
「アブノーマルって言うんでしたら、一回アブノーマルなことしましょうか?祐巳さん」
(な・・・なんか笑ってるんですけど・・・ 逃げた方がいいかも)


136名無しさん@ピンキー:03/11/29 17:48 ID:rVSr+SCG
「あ!!なんかずいぶんお邪魔しちゃったね。もう帰ろうかな。」
「そんなこと言わないで、もうちょっといてくださいよ・・・(笑)」
(なんか乃梨子ちゃん、そんなふうに返しながらどんどんこっちに近づいてくるんですが)
「祐巳さ〜〜ぁん。何帰ろうとしてるんですか(ハート)」
(や・・やばい!!あの笑いは聖様のやばいときと同じだ!!)
「じゃ・・じゃあもう帰るね。」とこたつを出ようとしたとき
「逃がしませんよ」とつめたい声が聞こえたと思ったら
いきなり乃梨子ちゃんに押し倒され・・・・唇を奪われた・・・
「ウッ!!ウゥゥ・・・・」
必死に退けようとするけれど、いきなりのキスのショックと予想以上に乃梨子ちゃん力が
強くてまったく動けなかった。
「んっ・・んんっ・・パッ!!・・ハアハアハア」
とやっと唇を離してくれると思ったら
「ン〜〜〜ッ」と、また唇を貪られ今度は口のなかに舌まで入れられた。
まず前歯を舐められてから奥歯へ、そこから歯茎を舐(ねぶ)られ 
無理やり私の顎を引かれ、彼女の舌が私の舌と絡んだ。
乃梨子ちゃんの舌は長く、蛇のように私の舌に絡みつき、篭絡されていく。
137124:03/11/29 17:55 ID:rVSr+SCG
すみません135あげてしまいました。

え〜とこの話は祐巳攻めだったのを覚醒祐巳が多いので方向変換したもので
いちようギャグとシリアスを考えているんですが
ギャグは由乃と凸さまが絡んでくるのを、シリアスは志摩子が絡んでくるのを考えているのですが
どちらがよろしいでしょうか?
138名無しさん@ピンキー:03/11/29 18:03 ID:2zOJJ2oh
>>137
おつー。
シリアスと志摩子さんはHeUHMWWBの人ので見れそうだし、
スレ内のバランスを考えれば黄が絡むほうかなと思うけど、個人的には志摩子さんがもっと見たい。
まあ他の意見を見て考えてください。

>>128
投稿途中にはしたないですよ。
てか、HeUHMWWBの中の人は現白さんじゃないかと勝手に思ってるんだけど。
139名無しさん@ピンキー:03/11/29 18:27 ID:odAWsa6I
現白ですが、新作はマターリと待っててくだされば。
でも職人さんの投下中に召喚しないでくだされ(つД`)・゚・。

>>137
乙ー。どっちも読みたいとかいう意見はダメかな。

>>138
自分の新作はほったらかしで、人の作品に連日ハァハァしてました。
最近SSの投下多かったし、新スレ早々乃梨子豊作だし。
乃梨子スキーとしては、なんかもう満足w。
140名無しさん@ピンキー:03/11/29 18:37 ID:2zOJJ2oh
違ったか・・・
お二方には失礼しますた(;´Д`)
141名無しさん@ピンキー:03/11/29 20:02 ID:S/Lk+KWY
両方の案があるなら両方読みたいなー
142名無しさん@ピンキー:03/11/29 21:00 ID:QTDAPdap
>>137
両方がいいです。 両方読みたい! どっちか一つだけと言われたら、シリアスかなぁ。

>>139
白は最近本編で影が薄いからここで癒されますよね。
でも、現白さんの白も好きですぞ。 満足などと言わずにまたUPしてくだされ。
>>128=140(?) 一緒にマターリ待とうw
143祐×乃9・1/7:03/11/29 21:21 ID:EEuD673V
「乃梨子ちゃん……イイ声で鳴くんだね」
 熱で浮かされたような、それでいて冷静な瞳で祐巳さまが呟く。ごくっと唾
を呑み込む音が響いた。
「ひゃぁ……ん、ぁ、ああっ……あーっ」
 だけど乃梨子にはそれを聞いている余裕などなくて。
 ……いいっ、いいぃ……イっちゃうよぉ。
 感じられるのは性器の中に入った、祐巳さまの細い指だけ。膣壁を抉るよう
に回転し、前後に擦られるソレのみが確かな感覚だった。
「あん、ああんっ、イクぅ……んんっ、イっちゃうよぉ!」
「イクの? イキそうなの?」
 もう限界だった。
 あれだけずっと攻められ続けて、もう感度が上がりっぱなしになってる。あ
と10秒掻き回されたら、いやそれでなくても、今クリトリスをぎゅっと摘まれ
たら、次の瞬間絶頂を迎えるだろう。
「――はいぃ、い……イっちゃいますぅ」
 そう乃梨子が絶叫した瞬間だった。
144祐×乃9・2/7:03/11/29 21:22 ID:EEuD673V
「……ふぇ?」
 思いがけなく膣の中で指が止まる。
 乃梨子が呆然と祐巳さまの方を見ると、その表情はにやにやとして明らかに
口元を愉悦で歪めていた。
 止まった手が動く気配は――全くない。
「いやぁ……ん、擦ってぇ、イかせてぇーっ! 乃梨子のおまんこを、んっ…
…無茶苦茶に弄ってくださいぃーっ!」
 思わず乃梨子の両目から涙がぽろぽろと零れる。
 これじゃあ蛇の生殺しだ。乃梨子は思いつく限りの言葉を吐いて、祐巳さま
にどうにかイカせてくれるように懇願する。
「イキたい?」
 分かりきっているというのに、意地悪く祐巳さまはわざわざ言葉に出して乃
梨子に質問してくる。
「はぃ……お願い……しますぅ」
 もう尊厳もプライドも何もかもあったものじゃなかった。
 まるで主人に相対した犬のような瞳で、祐巳さまのことを見上げるだけ。
145祐×乃9・3/7:03/11/29 21:25 ID:EEuD673V
「じゃあ言って。『私は祐巳さまのモノです』って。『ココロもカラダも全部
捨てて、祐巳さまだけに捧げます』って」
 祐巳さまの眼は虚ろい、胡乱なまでにぎらぎらと光っていた。
「……えっ?」
 思わず言葉に詰まって硬直する。
「言えないの、……かな?」
 祐巳さまはただそう、ぼそっと溢した。
 『言わなきゃ止める』とは一言も言わない。ただ上唇をちろっと舐めて、小
さくナカに入った指を微動させただけ。
「――わ、私は……」
「私は?」
 その台詞を言ってはいけないと脳のどこかが必死で警告を鳴らしているよう
な気がする。言ったら最後、もう二度と取り返しが付かない、と。
 だけど……戻る必要なんてあるのだろうか?
 ここに自分を受け入れてくれる人がいる。人とは違う変態な自分を、祐巳さ
まは肯定し認めてくれていた。
 乃梨子はうっすらと眼を開く。そこには慈愛に満ちた表情を浮かべたマリア
様が――祐巳さまが乃梨子のことをじっと見つめていた。
146祐×乃9・4/7:03/11/29 21:26 ID:EEuD673V
「私は……祐巳さまのモノ……です。ココロもカラダも全部……捨てて、祐巳
さまだけにぃ……捧げ……ぇ……ますっっ!」
 最後は悲痛な絶叫に近いものだった。
 乃梨子は完全に泣いていた。その涙は……総てを誰かに委ねてしまった歓喜
ゆえか、それとも完全に堕ちてしまった絶望によるものか。
 でもそれすら、乃梨子にはどうでもよかった。
「だから……イカせてぇっ! 祐巳さまの指で私を犯してぇ」
 淫らに腰を振って祐巳さまを誘う。
「あはっ、うん。えっちな乃梨子ちゃんにたくさんご褒美あげるね」
 嬉しそうに祐巳さまは言って、いきなり指を3本突っ込んできた。
「ああんっ……お、多いよぉ……」
「多いの? でもこんなに美味しそうに呑み込んでるよ?」
 じゅぷっと音を立てて指が左右に回転する。伸びたツメの先が膣壁を摩擦で
引っ掻くようにこする。
「いっ、いイっ……キモチいいよぉ」
147祐×乃9・5/7:03/11/29 21:30 ID:EEuD673V
 乃梨子の口から、唾液が泡になって制服の上へと落ちる。汗と唾液と愛液で
すっかり肌に張り付いた制服にぽつんぽつんと黒い染みが連続してついた。
「熱い……アツいよぉ」
 アソコが指を咥えこんで離さない。一本でもキツキツだった膣の中は、3本
もの指だとわずかに動くだけで神経が焼き尽くされそうになる。
 脳の限界は既に突破していた。
 これまでずっとオーバーヒート寸前まで回されたエンジンみたいなモノだっ
たのだ、もうまともな意識なんて乃梨子には残ってない。
「ああ、ああんっ。いい、いい……イっちゃうぅ」
 祐巳さまはそんな乃梨子の様子を見て、さらに指を激しく抜き差しさせる。
ぐちょっ、じゅぼっ、じゅぷっ、と鳴る音が、アソコから匂い立つ百合のよう
な濃厚な薫りが、薔薇の館全体を包み込んだ。
「あーあ、大洪水だね。ココ」
 手の動きに合わせて激しく愛濁液が飛び散り、目の前の顔を汚していく。祐
巳さまはそれを避けようともせず、むしろそれを受けた顔は悦んでいた。
148祐×乃9・6/7:03/11/29 21:31 ID:EEuD673V
「あん、ああんっ……い、いいよぉ……んんっ」
 ついに乃梨子の喘ぎ声が一段と激しく速いものにと変わる。精神もカラダも
壊れんばかりに昇り詰めていく。
 ……も、もうダメぇーーーっ。
「よし。イケぇ、そのままイっちゃえっ!」
 そう祐巳さまが叫んで、いっそう指を秘奥まで押し込んできたその瞬間。
「あ、あっ、あーぁーーーーーーっ!」
 乃梨子はひときわ高い嬌声を上げて、カラダ全体を震わせながら完全な絶頂
を迎えていた。
「……ぃ、いやぁ」
 突如、乃梨子が小さく悲鳴を上げる。
 ――その途端、ぷしゃーっと可愛らしい音がして乃梨子の秘所の上の方から
生暖かい液体が一気に漏れ出た。黄色いさらさらとしたそれは祐巳さまの手を
伝わって流れていく。
 自然に止まるまで、その光景は10秒程度続いた。
「お漏らし……しちゃったね」
 差し込んだ指を抜く気配を見せぬまま、祐巳さまはそっと顔を上げて、ぐた
っと倒れこんでいるカラダに耳元で囁く。
 乃梨子は――既に意識を失い、完全に失神していた。
149エピローグ・7/7:03/11/29 21:33 ID:EEuD673V
「……」
 お互いに一言も口を利かないまま、帰る仕度を整える。
 乃梨子が意識を取り戻したときには、乱れた制服や身体、髪はちゃんと既に
整えられていた。もちろん帰ったら、制服のスカート部分についてしまった染
みなんかはもう一度きちんと綺麗にする必要はあるけれど。
「ねぇ、乃梨子ちゃん」
 全身がびくっと震える。
 もう……逆らえない。
「お願いです……祐巳さま。お姉さま……だけには……このことは」
 声が震える。
 けれど、そんなこっちの気持ちに祐巳さまはお構いなしで。
「そんなこと考えなくていいんだよ。乃梨子ちゃんはもう私のモノだもの、何
も考えなくていい、何も恐れないでいいの」
 だから安心して総てを委ねて、と言うその笑顔は天使のようだった。
「ちゃんと、乃梨子ちゃんと志摩子さんにも仲良くさせてあげるからね」
「祐巳さ……ま」
 その瞳はどこまでも深く、暗く濁ったものだったけれど――。
150名無しさん@ピンキー:03/11/29 21:35 ID:EEuD673V
疲れたっぺよ……。

最初の予想を大幅に超えて合計30kbいってた。
とりあえず少し休んで、志摩子編はそのあとに……
151名無しさん@ピンキー:03/11/29 21:41 ID:tDIE9s4m
改行は
で行います。
152名無しさん@ピンキー:03/11/29 21:43 ID:tDIE9s4m
ゴメンw
153名無しさん@ピンキー:03/11/29 22:45 ID:ZkH0VkAQ
>>151
携帯からでつか。
わざわざ高いパケ代を払ってまでそんな事(乙川又)が言いたかったのか君は。
154名無しさん@ピンキー:03/11/29 22:48 ID:wYuJyqDC
(゚∀゚)モエスギル EEuD673V=God
155名無しさん@ピンキー:03/11/29 23:08 ID:kNKrvbW7
>HeUHMWWB
Good Job!そしてオツカレー。
投下ペースが速かったので、充実した週末だった――気がするよ。
最後の一行が祐巳の黒さの程を表してて個人的に好きでつ。
156名無しさん@ピンキー:03/11/30 00:22 ID:vpkdRHeE
うpろだの祐巳X祥子はワロタw
157名無しさん@ピンキー:03/11/30 00:36 ID:Ra1hVNBR
いやーえがった。ペース速いっすなぁ。
志摩子さん編も楽しみにしてます。
今週末くらいには見れるかなぁ。
158124:03/11/30 00:44 ID:QD7pae/V
シリアス投下しま〜す
















159シリアス:03/11/30 00:44 ID:QD7pae/V
私は身を震わせ、目をきつく閉じ、自分のココロが少しずつ崩れていくのを
なにもできず・・・ただ呆然とするかなかった。

どのくらい時間がたったのだろう・・・・
実際はそんなに経ってはいないと思う・・・
何回も・・・気が狂うほどキス・・いやキスなんてきれいなものじゃなく
ただの蹂躙だった。 呼吸が満足にできず、呼吸ができたと思ったら、
また口を塞がれ、頭の中が曖昧になり脳がドロドロに解けていくような心地だった。
そのあと、彼女は私を裸にし、私の足と手の指に変な金属片を付けた。
「これ 指錠と言ってヘタに動くとすごい痛いし、簡単には外せないですから。」
と、言った。 その後彼女はどこかに電話をかけていた。
多分私の家だろう。親にも遅くなるって言ってたし。
160名無しさん@ピンキー:03/11/30 00:45 ID:UpQyggQc
щ(゚Д゚щ)カモーン!!
161シリアス:03/11/30 00:45 ID:QD7pae/V
う〜ん 何か足りないな〜。」と彼女が言った。
「ん? 何ふるえているんですか?祐巳さん。」
まるで彼女は何かおもしろい実験でもしてるような・・・
      蟻の巣をただもくもくと壊す子供のような・・・
       一生懸命に作られた砂の城をうれしそうに壊す


            そんな微笑みだった

「そんなの・・そんなの・・怖いからにきまってるでしょう!!」
爆発した・・・・あとは堰を切ったように・・・
「何でこんなことされなきゃいけないの!?私はなにも・・・」
162名無しさん@ピンキー:03/11/30 00:47 ID:QD7pae/V

           「う る さ い」

ただの一言でその場が凍った。
何もいえない ないもいえない ナニモイエナイ
怖い  こ わ い  コ ワ イ  K O W A I
「祐巳さん、あなたうるさいからこれでもつけて静かにしてください。」
彼女はそういって穴の開いたボール状のものにベルトが付いたものを
私の口に無理やり咥えさせた。
「さ〜て これからもっといいことしてあげますからね。」

           ー風呂場ー
その後はさっきと同じだった。
163シリアス:03/11/30 00:47 ID:QD7pae/V
まずは私の涙を舐め、「しょっぱいですね」と言った後、
額、瞼、頬、を舐め、耳を舐めた後、軽く噛みながら面白そうに笑っていた。
次に右手の指、手のひら、手の甲、腕を唾液を擦り付けるように
同じように左手も同じように舐められた。
私は、ただ嫌悪感だけしか感じなかったが、
それがまだ私を正気へ留めてくれたのかもしれない。
「う〜ん ちょっと舌が疲れちゃったな〜」なんて彼女はいった。
当たり前だ。実際舐められた所は、まだヌトヌトといやな感触ほどなんだから。
(いい気味だ)とかすれたココロで笑う。
「じゃあ今度はこれ使いますね。」と彼女が持ってきたのは透明な液体の入った瓶だった。
164名無しさん@ピンキー:03/11/30 00:49 ID:QD7pae/V
「これ自分で作ったんですよ。ある海草をで作ったものにミントを加えたんですよ。」
まずその液体を私の胸に流すとやさしく塗りつけた。
最初ぬるぬるした感触だったものが後からスースーと涼しいカンジがした
その後さっきまでとは違って胸だけを弄くってきた
胸を優しく揉んだり、いきなり強く揉んだり
しばらく揉んでいると彼女が私の胸に顔を寄せ、そして
「ウ〜〜〜〜〜〜ッ!!」噛まれた と思ったら
レロッ と胸に生々しい感触が走り「はふぅ〜〜〜」と口から情けない声を出した。
「あれ?今のカンジちゃったんですか〜?さっきまであんなに嫌がっていたのに。」
私も訳がわからなかった。けど彼女はそんなことで手を緩めない。
165名無しさん@ピンキー:03/11/30 00:50 ID:QD7pae/V
また強弱をつけて胸を揉みながらいきなり、乳首をつねって、その後をやさしく舐める。
「はぁっーあぁ〜!!はぁっーはぁっー」 
息が早くなり心臓も次第に早鐘を打つようになってきた。
彼女は一旦手を止め、自らも服を脱ぐと身体にさっきの液体を塗りつけた。
そして彼女は私に抱きついた。私を貪る為に・・・・

その後彼女は私の感じるポイントを次第に見つけなちっこく攻め立てた。
うなじに液体を塗りたくり指で首筋をなぞり、息を吹きかけ
お尻を揉みくちゃされ、足の又を舐められ、
次第に私の感情とは裏腹に私の身体は興奮し、次の行動を欲した。
「ふふっ 濡れてますよ。 感じてくれたみたいですね。」
彼女は直接股間の割れ目をに触りながら聞いてきた。
166名無しさん@ピンキー:03/11/30 00:52 ID:QD7pae/V
私のカラダは次を期待し、ココロはその先に恐怖した。
「ずいぶんおとなしくなりましたね〜。じゃこれ外しましょうか。」
口と手と足の指の拘束を解かれても、
弛緩した身体には拘束なんてあってもなくても一緒だった。
「さて、本題に入りますか。まあ今とうり私はアブノーマルかもしれません。
 性欲もどうやら人並み以上あるみたいだし、志摩子さんに今みたいなこと
 してしまうかもしれない。いや、してしまうと思います。
 でも、それは一時的な欲求で、後で後悔しそうなんです。
 だから祐巳さん、私の”道具”になってくれませんか。」
「そ・・それは何?私だったら罪悪感なんて感じないってこと?」
167名無しさん@ピンキー:03/11/30 00:53 ID:/HO/wDKA
覚醒祐巳が、これほどだったとは…
感動した!
168名無しさん@ピンキー:03/11/30 00:53 ID:QD7pae/V
「正直言ってしまえばそうですね。」
「そんなのイヤにきまってるじゃない。」我ながらよわよわしい声で叫んだ。
「へ〜?そうですか。それじゃあ・・・さ・・・」
「お姉さまだけには手を出さないで!!」
「ふふっ やっぱり祥子さまのこととなると違いますね〜
 安心してください、私だってそんなことしませんよ。
 その代わりと言ってはなんですが・・・・・・・・・・・・・・
 
  処女膜を貫かせてもらえませんか?」
(へ?処女膜って)私は混乱しつつも聞き返した。
「何で処女膜なんて・・・破りたいの?」
169名無しさん@ピンキー:03/11/30 00:55 ID:QD7pae/V
「え〜と処女膜って女の子にとって神聖なものじゃないですか?
 大好きな人に純潔を捧げたい って、祐巳さんだってそう思うでしょ?」
(よく考えたことはなかったけど大切な人に捧げたいって気持ちは・・・)
「私はその”大切なもの”を奪ってみたいんですよ。」
そうゆうと彼女は禍々しいリレーで使うバトンぐらいの太さの棒を取り出し
私の割れ目の入り口へ押し当てた。
「さて祐巳さんに選択権をあげます。まず一つ私の玩具になる。もちろん処女膜には、
 手は出しません。 二つ処女を私に奪われて私との関わりを立つ。
 三つこれは例外ですが私に祥子さんを渡して、祐巳さんは一人だけ無事でいる。
 あ あとそれを後20秒で決めてください。20秒過ぎたら問答無用で貫いて
 祐巳さんの意思は無視して勝手に行動します。」
 20・・・(そ・・そんな)・・・19・・・(お姉さまには手を出させたくない)・・・18(でももうこんな思いはいや)・・・17
・・・(で・・でもお姉さまを犠牲にすれば)・・・16・・・15・・・14・・・13・・・(なんでそんなこと考えているの!!
私は !!)・・・12(でもだからってこんな事で処女を)・・・11・・・10・・・9・・・8・・・6(でもでもでも)・・・5
(でもやっぱり私が我慢すれば)・・・
170名無しさん@ピンキー:03/11/30 01:03 ID:Sc3JLJMt
>>156
見ちまったじゃねーか!
つかあんなのどこで拾ったんだよw激ワロタ
171名無しさん@ピンキー:03/11/30 01:09 ID:QD7pae/V
「わ・・私がど!!・・・」ブスッ 「え!!」
「よーん〜」と私を嘲り言いながら彼女は私を突き刺した。
痛かった 泣いた 何か大切な何かを失った 痛い いたい!! イタイ!!
(なんで!!なんで!!なんで!!私は・・あきらめて・・道具になろうと・・
 口にしようとしたのに)
「うぅ〜〜〜 うぁぁぁぁぁぁ〜〜〜」ただ泣くしかなかった。
「私がそう簡単に折角の楽しみを手放すなんて思いました?
 あなたを悩んでいるところ、楽しかったですよ。相変わらず百面相してて。
 祐巳さん一瞬祥子さまを私に差し出そうとおもったでしょ?
 ふふっ 図星ですか?酷い妹ですね祐巳さんは。私だったら1秒もしないで
 決められますよ。」
172名無しさん@ピンキー:03/11/30 01:11 ID:QD7pae/V
そうゆうと彼女は膣内の棒を引き抜き、中の血を啜った。
「ははっ おいしいですよ。祐巳さんも飲んでみます?」
そう言うと彼女は私の口へ血を注いだ
すこし粘り気の強い血の味を感じつつ彼女は耳元でささやいた。
「もう、一つ失ったんだから、私の玩具になるぐらいなんてことないでしょう。
 自分の代わりに祥子さまを犠牲にしようと考えた罰だと思えばいいんです。
 自分を ニンゲン でなくただの ニンギョウ と思えば気が楽になりますよ。」
「人形?」
(人形か・・・ふふっ・・)
「ふふっ・・はは・・ははは・・」
かすれた声で笑いながら私はただ・・・・ただ・・・・・・・・・・・・
173124:03/11/30 01:13 ID:QD7pae/V
すみません 又あげてしまいました

あとシリアスはもう一回書けば終わりなんですが
今回かなり自分的にエロ度少なくてすみませんでした
174名無しさん@ピンキー:03/11/30 01:15 ID:0dtnKipu
なんつーかもう、ほとんど荒らしと変わらんな。
175名無しさん@ピンキー:03/11/30 01:19 ID:UfYQ1Sdg
今何が起こってるんだこのスレで。
176名無しさん@ピンキー:03/11/30 01:21 ID:vPGSH4ys
マリみて?
177名無しさん@ピンキー:03/11/30 01:24 ID:NzPEiNgC
>>124
乙。
投下する前に、てにをはの間違いとか脱字を推敲するだけで、大分良くなると思うぞ。


とりあえず、乃梨子なら指錠持っていたとしても違和感無いなと思った自分。
ヤバイかも。
178名無しさん@ピンキー:03/11/30 01:26 ID:0dtnKipu
こうなると、楽しかった祭りももう終わるという予感がひしひしと感じられるな。
そろそろこのスレも原点に立ち返ってみるべきかな。
しかし、漏れには何もできない。何も書けない。

と言うわけで、祥子×祐巳のあまあまのらぶらぶエロSSきぼんぬ。
179名無しさん@ピンキー:03/11/30 01:27 ID:/HO/wDKA
…ダーク乃梨子だったのか
そりゃ志摩子さんも逃げるわな
180名無しさん@ピンキー:03/11/30 01:33 ID:Ra1hVNBR
>>178
それは原作で補完できるからいいじゃんヽ(`Д´)ノ

124さんは、内容的にメル欄設定したほうがいいと思います。
自分的にはこういうのもアリだけど、やっぱ嫌がる人も多いと思うので。続き待ってます。
181名無しさん@ピンキー:03/11/30 01:36 ID:p7PhUAFo
うぷろだと言えば、黄薔薇姉妹がホテルに遊びにいくアレって、
前のやつはどこかで見れるんでしょうかね?ちょっと笑ってしまったんですがw
182名無しさん@ピンキー:03/11/30 01:53 ID:eO01VBqv
折れも甘々祥子×祐巳が見たいなんて思ってる
183名無しさん@ピンキー:03/11/30 02:20 ID:zjypewLq
最近数は多いんだが・・・・・。
184名無しさん@ピンキー:03/11/30 02:29 ID:grb+3hc+
まあ、質もわるいとは言わない。けして言わないけど、なんつうか……ほら。NGとかいろいろね。
185名無しさん@ピンキー:03/11/30 02:47 ID:zZYBltFh
裾野が広がっていろいろ出てくるのは悪い事ではない。
セクシュアルな事柄に関する嗜好は個人差が激しい訳だし。
ま、趣味に合わないと思ってもスルーしる。

今んところ漏れは現スレはみんなOK!!
186名無しさん@ピンキー:03/11/30 02:49 ID:Fk1Iom+v
ところで、祐麒×令 を書いてた人、どうなった?
続き待ってるんだけど・・・
187名無しさん@ピンキー:03/11/30 02:49 ID:Ra1hVNBR
最近黄が無いなぁと思ったので、江利子×令のソフトもので。エロくはないっす。(開き直り)
メール欄は タイsage でいきます。まあ軽いので気楽に読み流していただけると嬉しいっす。
188名無しさん@ピンキー:03/11/30 02:51 ID:Ra1hVNBR
シンデレラの衣装も手芸部からあがってきた、文化祭の準備も大詰めのある日。
支倉令は自身の役どころである「貴公子」の着替えに大いにてこずっていた。

(ネクタイってどう結ぶんだっけ……)
昨日初めて結んだときは、お姉さまがくれた説明図を見ながら落ち着いてやったからできたんだけど。
ど忘れというか、なんというか。一度左右の手順が頭のなかでこんがらがった途端、
ネジが抜けたかのように全くわからなくなってしまった。
今日の舞台練習が始まる時間まで後少しで、準備する暇がそんなにないことが混乱に拍車をかける。

「あら、まだ準備できてなかったの?」
わやわやと輪っかを作ったりそのなかに通したり、試行錯誤をしているとお姉さまが楽屋に入ってきた。
藁をも掴みたく猫の手も借りたいところに現れた、ある意味仏さまより頼りになる人物。
「あ!お姉さま、ネクタイの結び方がわからなくなってしまって……」
渡りに船と助けを乞う。

「もう、仕方ないわねえ……貸してごらんなさい」
「はい……」
少し気恥ずかしいが、みんなを待たせるわけにもいかない。
令は顎をそらすと、ついと喉を押し出すようにした。
189名無しさん@ピンキー:03/11/30 02:52 ID:Ra1hVNBR
「綺麗な首筋ね」
お姉さまは妖艶さを感じさせる微笑みを浮かべながら、顔を近づけてくる。
目の前に光る髪がある。いい匂いがする。
こらえきれず少し視線を落とすと整った眉と長い睫が瞬きに動くのが見えた。瞳は真剣にネクタイを見ている。
盗み見るように更に視線を落とす。
鎖骨と、白い胸元。真上から見下ろしているぶん、いつもより露出が大きい。

「おかしいわね。うまくできないわ」
そう呟いて、さらに前かがみになるお姉さま。
セーラーカラーの襟元がたわんで、白い下着と双丘のなだらかな稜線が垣間見えた。

「……!」
いけないものを見てしまった気がして、あわてて視線を天井に戻す。
頬が紅潮してしまっているのが、自分でもわかった。
「お、お姉さま、まだですか……?」
「うーん……」
「実は私も他人のを前から結ぶのって初めてなのよね。どうもうまくいかないわ。
 後ろにまわれば自分で結ぶようにできると思うから、そうするわね」
「あ、はい」
私はそのときに気付くべきだった。
お姉さまが珍しく楽しそうに笑っていたことに。
190名無しさん@ピンキー:03/11/30 02:53 ID:Ra1hVNBR
コツコツと足音を響かせて、ゆっくり後ろに回るお姉さま。
その緩慢な動作が、なぜか私の不安感を煽る。
「ほんとに綺麗な首筋ね」
耳元で囁かれた。不思議な感覚に、皮膚が一瞬にして総毛立つ。
「お、お姉さま、はやくネクタイを……」
「ええ、わかってるわよ。でも、令のほうが背が高いからやりにくいわ。
 椅子にでも腰掛けてくれる?」

おとなしく言われた通りに椅子にすわると、さっそく肩越しに腕が伸びてきた。
私の肩に二の腕を預けた両腕はなぜか微妙に気だるげな、ゆっくりとした動作でネクタイをいじる。
「ん……」
されるがままにしていると、お姉さまは自らの胸を私の頭に押し当てるように密着させてきた。
「お、お姉さま……」
「……どうしたの?」
「あ、あの、頭が……頭に、その……」
「何よ。はっきりなさい」
柔らかい感触に高鳴る胸とうわずる言葉を嘲るように、後頭部の優しい圧力がさらに強まる。
「ぁぅ……」
私はうぶな男子中学生のように、目をつむり口を噤んでうつむくことしかできなかった。
191名無しさん@ピンキー:03/11/30 02:55 ID:Ra1hVNBR
「令……下を向いてたら、顔が邪魔でネクタイを結べないじゃない……」
いつのまにかお姉さまの匂いがすぐ横に感じられるようになっている。
おそるおそる瞼をあけ横目に見ると、お姉さまは美しい曲線と長さを持つ睫が触れそうになるほど近くに
体を乗り出してきていた。

「顔をおあげなさい、令……」
耳元で何度も熱く囁かれる緊張のあまり膝の上で握った拳に、細く暖かくやわらかい指がそっとあてがわれる。
それでも頑なに顔を上げようとしない私に業を煮やしたのか、お姉さまはふっと私の耳に息をふきかけた。
「……!」
思わずビクンと体を震わせ、私は顔をあげた。
間近に潤んだ瞳。少し染まった頬。柔らかそうなくちびる。
くちびる。くちびる。くちびる。

「おおおお姉さま!!」
混乱をきわめた私の意識はお姉さまの頭を両手で抑え、問答無用でその唇に自分の唇を重ねるという行動に出ていた。
「んんッ……」

ぷはっとお互い息をついて、5秒あまりのくちづけを終わらせ、見つめあった数瞬後。
「……あら」
「!?わぁぁああああっ!!」
私は何事かを叫ぶと、つぶやくお姉さまを置いて猛ダッシュで楽屋を逃げ出していた。
「……ちょっとやりすぎたかしら……ね……?驚いたわ」
192名無しさん@ピンキー:03/11/30 02:57 ID:Ra1hVNBR
わけもわからず全速力で走っていると、いつのまにか舞台についていた。
「令、遅いわよ。早く準備なさい」
「はぁ、はぁ、はぁ、ごめ、祥子。遅れて……」
「急いできたのはわかったから別にいいわ。それより、黄薔薇さまと途中で合わなかった?」
「いや、あの、あったけど、でも、別に何もやましいことは……」
「……?会ったのなら、なんでまだネクタイ結んでないのよ」
「へ?え?あ……それは……その」
「なんでも黄薔薇さまは毎朝お父さまとお兄さまたちに請われてネクタイを結んであげてるらしいわよ。
 だから令のも結んであげる、って珍しく上機嫌で楽屋に向かったのに」
「ええー!!……あ、はは、あはは、はぁ……」

(前からだと上手に結べないって……)
私はなぜか途方もない疲労を感じてがっくりと舞台に手をついたのであった。
193名無しさん@ピンキー:03/11/30 02:59 ID:Ra1hVNBR
以上です……が、

192の頭に
(私は今、何をしたんだ、何をしたんだ、何をしたんだー!)

っていう一行+改行がつくはずだったのに、間違えてコピペし忘れてしまいました…。

まあどちらにせよ、お目汚し失礼しました。
194名無しさん@ピンキー:03/11/30 03:13 ID:OYXm/c1l
ワーイ、エリコサマー!
195名無しさん@ピンキー:03/11/30 04:41 ID:eO01VBqv
自分で書いてみたものを投下してみます。
祥子×祐巳でメル欄は冬sageで。
2回ぐらいに分かれると思います。
携帯からなのでおかしな部分があるかもしれませんが。
196祥子×祐巳 〜冬の始まり〜:03/11/30 04:43 ID:eO01VBqv
吐く息もそろそろ白くなってきた、冬の始まりのある日。
しかし、冬になったからと言ってこれと言って日常生活に変化はない。
変わったものと言えば、制服が厚手のものになった事と、教室にストーブが設置された事ぐらいか。
それ以外は、至って普段通り。

そして、今日もいつもと変わりなく一日が過ぎると思っていた。
197祥子×祐巳 〜冬の始まり〜:03/11/30 04:45 ID:eO01VBqv
―――ここは、薔薇の館。

いつもの様に、楕円テーブルに黄薔薇である令さま、由乃さん、志摩子さん、乃梨子ちゃん、紅薔薇さまであり自分のお姉さまでもある祥子さま、そして自分の六人が座って、いつもの様に部活の会計報告などをしていつもの様に解散するのだと思っていた。―――なのに。
今薔薇の館にいるのは、紅薔薇さまであるお姉さま、そして自分の二人だけだ。
いや、最初はちゃんと六人揃っていたのだ。
けれど、令さまと由乃さんはいきなり「今日は親戚が家に遊びに来るから早く帰らないと」と言ってそそくさと帰ってしま言う訳だ。

何だか皆の様子がおかしかったのも気になるのだが、今の祐巳はそれ以上に隣にいるお姉さまの事の方が気になっていた。

久しぶりにお姉さまと二人っきりになった緊張ももちろんあるにはあるのだが、お姉さまの様子が何だかおかしいのだ。
198祥子×祐巳 〜冬の始まり〜:03/11/30 04:47 ID:eO01VBqv
紅薔薇姉妹の二人だけが残されてしまった時点で「二人しかいないのでは話し合いにならないわ。帰りましょうか」と言われると思っていたのに、お姉さまは席を立とうともしない。
紅茶のカップの縁を指先でいじくりながら、視線はどこか遠くを見ている。


「……あの、お姉さま?紅茶のおかわり、入れましょうか」
「……え?…ううん、平気よ。いらないわ」
「はあ」


恐る恐る話しかけてみたが、相変わらずお姉さまは遠くを見つめたままだ。

具合でも悪いのだろうか。だけど、顔色は別に悪くないしなぁ。
もしかして、何か自分はお姉さまに対して失礼な事をしてしまったのではないだろうか。
自分では身に覚えはないのだけれど、知らず知らずのうちに、と言う事もあり得る。
199祥子×祐巳 〜冬の始まり〜:03/11/30 04:52 ID:eO01VBqv
お姉さまは、怒っているのかもしれない。
だとしたら、早いうちに謝ってしまった方がいい。


「あ、あのっ、お姉さまっ」
「―――祐巳は」
「へっ?」


ごめんなさい、と謝ろうとした時にいきなり名前を呼ばれて、思わず間の抜けた返事になってしまった。
「祐巳、あなた、その間の抜けた返事どうにかならないの?」と怒られるかも、と内心ビクビクしたが、祥子さまからはお怒りの言葉は飛んでこなかった。


「……あの、何でしょう?お姉さま」
「―――…祐巳は……キス、した事はあって?」
「はっ?」


200祥子×祐巳 〜冬の始まり〜:03/11/30 04:52 ID:eO01VBqv
まるで想像していなかった言葉が耳に届いて、祐巳はピキーンと凍り付いてしまった。


キス?
今、キスって言いましたよね?


「………キスって、キスの事ですか」
「キスはキスよ。あなた、何を言っているの」


呆れた様にお姉さまが溜め息をつく。


だって、だって。
お姉さまの口からそんな言葉が出てくるなんて思いもしなかったのですもの。
少々パニクっちゃったって仕方ないじゃないですかっ。


「……キ、キスは、した事ないです」
「そう。……そうよね」
「…あの、なぜお姉さまはいきなりそんな事を」


201祥子×祐巳 〜冬の始まり〜:03/11/30 05:00 ID:eO01VBqv
お姉さまの考えている事がいまいちよく掴めないのはいつもの事だけど、今回はまた一段と分からない。
上目遣いで尋ねてみると、「あのね」とお姉さまは話し出した。


「…私、前に柏木さんにキスされそうになったでしょう?」
「……はい」


あの時の場面は、今でも思い出すと柏木さんが無性に憎たらしくなる。


「私、思ったのよ。柏木さんは私に対して恋愛感情を持っていないのにキスしようとしてきたでしょう?人って、好きでもない人とそんなに簡単にキスできるものなのかしらって。
――だから、祐巳はどうなのかしらって思ったのだけど。……ごめんなさいね、変な事聞いて」


そう言って、お姉さまは微笑んだ。
その笑顔が少し哀しそうに見えて、祐巳は思わず口を開いていた。


202祥子×祐巳 〜冬の始まり〜:03/11/30 05:01 ID:eO01VBqv
「―――……っ、私、私なら、好きな人以外とはキスしたくないです」
「……祐巳」
「私は、お姉さま以外となんて、キスしたくありません。好きな人以外となんてっ…お姉さま以外となんて……!!」


一気にまくし立ててから、顔が沸騰しそうに熱くなった。
いくら興奮していたとは言え、すごい事を言ってしまった。

下を向いて俯いていると、ふと髪に優しく触れられる指先の感触がした。
思わず顔を上げると、そこには優しい顔で微笑むお姉さまがいた。


「……ありがとう、祐巳」
「……お姉さま」
「私も、祐巳と一緒よ。好きな人以外とはキスしたくないわ。……祐巳以外とは、キスしたくない」

一瞬、何を言われたのか理解できず目を見開いた。しかしすぐその後に嬉しさで視界が涙で滲んできた。


203祥子×祐巳 〜冬の始まり〜:03/11/30 05:09 ID:eO01VBqv
「泣かないで、祐巳」
「…ふえっ…お、姉…さまぁっ……」


優しく体を抱き寄せられ、お姉さまの顔が近付いてくる。

涙の溜まった目尻に口付けられ、頬に口付けられ、そして、静かに唇を重ねられた。

ついばむ様に何度も触れ合わせて、お姉さまの柔らかい舌がするりと滑り込んできた。

キスの経験などなかった祐巳だが、それでもお姉さまに応えようと必死で舌を絡ませた。


キスって、こんなに気持ち良かったんだ―――。
204祥子×祐巳 〜冬の始まり〜:03/11/30 05:09 ID:eO01VBqv
頭がぽうっとして、幸せな気持ちになって―――。
いつまでもこうしていたい、そんな風に感じた。


どれぐらい、キスしていたのだろうか。
ゆっくりと唇を離すと、銀色の橋が二人の唇を繋いだ。

祐巳が真っ赤な顔で呼吸を整えていると、耳元でお姉さまが囁いた。


「……ねえ、祐巳」
「…はぁっ……っ…な、んですか……?」
「好きな人と……キスだけじゃなくって、もっと触れ合いたいって思うのは、いけない事なのかしら」
205祥子×祐巳 〜冬の始まり〜:03/11/30 05:10 ID:eO01VBqv
思わずお姉さまを見ると、お姉さまもほんのり頬を桜色に染めていた。
それを見て、祐巳の心にどうしようもない愛しさが溢れ出してくる。


「……いいえ、いけない事なんかじゃありません。私も…お姉さまに、もっとさわって、欲しいです」
「……祐巳……」


もう一度、お姉さまの唇が近付いてくる。
祐巳は目を閉じて、その愛しくて心地よい唇を受け止めた。

続く。
206名無しさん@ピンキー:03/11/30 05:19 ID:wyQYFsTy
リアルタイム投下キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
207名無しさん@ピンキー:03/11/30 05:19 ID:eO01VBqv
実は小説初書きです。
初めてな上携帯からの書き込みなので不安がイパーイ・・・
208名無しさん@ピンキー:03/11/30 05:20 ID:nO82efTx
キタね
209名無しさん@ピンキー:03/11/30 05:24 ID:Ra1hVNBR
おつー。あまあまも良いですね。
なんか、携帯からのせいか、独特の間があって、それが心地よかったです。
210祐聖いばら後:03/11/30 05:56 ID:dYCi3PT2
>93-102の続きです。
メル欄はちょっと変えて”祐聖いばら後shino”で。
211祐聖いばら後:03/11/30 05:57 ID:dYCi3PT2
避けられてる。
私は白薔薇さまの車の後ろの座席からルームミラーを覗いた。
ちらりと目があうが、すぐにそらされてしまう。

思えば朝からそんな感じだ。
朝起きてみんなでご飯を食べ、少し遊んでからお茶を頂いた。その間もずっとこんな感じだった。
どうしてだろう。
どうして昨日と全く違うんだろう。
ゆうべ、布団の中で話したことについてもっと話し合いたいのに。
私のことを見もしないし、話しかけても二言三言でうやむやにしてどこか行ってしまう。
機嫌でも悪いのかと思えば、祥子さまや清子小母さま、祐麒や柏木さんともいつも通りに接しているのに、
私だけ目もあわせようとしない。

重苦しい沈黙が続く。カーラジオから聞こえるにぎやかな会話が空々しく聞こえた。
車の中ではいかに私を無視しようとしても限界がある。
祥子さまの家から駅まで送ってもらう間、隣の祐麒が何とか場を持たせようとしたが、その苦労も無駄に終わっていた。
(おい)
祐麒がひじでつついてくる。
見ると、お前けんかでもしたのか?って顔でこっちを見ていた。
私が首を振ると、じゃあどうしてって顔をする。
そんなこと、私が教えて欲しい。
駅までの長くない時間、私は白薔薇さまの後頭部を見つめ続けた。

「着いたみたいですね」
祐麒がほっとしたように言う。いそいそと降りる仕度なんかしてる。
駅前のロータリーに横付けされた。お正月だと言うのに意外と人が多い。

祐麒がドアを開けて降りた。
「送っていただいてどうもありがとうございました。…祐巳?」
最後の言葉は着いたというのに降りるそぶりを見せない私へのものだ。
212祐聖いばら後:03/11/30 05:58 ID:dYCi3PT2
「…」
じっと見つめる。
振り向いてもくれない背中。
「祐巳、早くしろよ。いつまでも止まってたら迷惑だぞ」
一刻も早くここから立ち去りたい祐麒が急かす。
「着いたよ」
ぽつりと言われた。
カチンと来た。とっとと降りろと言ってるんですか。
私はキッと顔を上げると車をおりて後部ドアを叩きつけると、そのままの勢いで助手席のドアを開けた。
「祐麒! これから白薔薇さまとドライブしてくる! あんた先に帰って留守番しといて!」
助手席にあった白薔薇さまのかばんと自分のバッグを後ろに放り込み座ってドアを閉じてベルトを締める。
私の剣幕に祐麒も白薔薇さまも目を丸くする。
「祐巳ちゃん」
「とくに御用事あるっておっしゃってませんでしたよね。
 じゃあ、いいじゃないですか。車、出してください」
前を見据て言った。
白薔薇さまは少しの間私を見ていたが、分かった、と言ってアクセルを踏む。
振り返ると、祐麒が呆然と私たちを見送っていた。


「どこに行けばいいの」
「どこでも。落ち着いて話ができる所なら」
「大きな公園があるんだけど、そこでもいい?」
「はい」
それだけ話して、また黙り込む。
会話もない、お互いを見もしない、30分のドライブだった。
213祐聖いばら後:03/11/30 05:58 ID:dYCi3PT2
その公園は各種スポーツ施設が集まった凄く大きなところだった。
ジョギングコースやちょっとした広場、ベンチなんかがそこかしこにある。
いつもは人でにぎわうのだろうけど、今日は閑散としていた。
肩を並べ、無言で園内を進む。
”しばふひろば”と名づけられただっぴろい広場にやってきた。名前のように一面芝生である。
向こうで子どもが二人、凧揚げをしているのが見えた。

「ここでいい?」
「はい」
近くのベンチを示されて訊かれる。
「座る?」
私は首を振った。座ってのんびりおしゃべりなんて気分じゃない。

立ったまま向き合い、白薔薇さまの目を見据える。両手をぎゅっと握って口火を切った。
「やっと、目を合わせてくれましたね」
「そう、かな」
「何で私を避けるんですか」
「そんなことないよ」
「白薔薇さまは冗談は言うけど嘘は言わない、って思っていましたけど違うんですね」
自分でもびっくりするほど冷たい声が出た。
白薔薇さまは俯いてしまう。
ちがうちがう、こんなことを言いたいんじゃない。ちゃんと、いまの気持ちを言葉で伝えなければ。
214祐聖いばら後:03/11/30 06:00 ID:dYCi3PT2
「昨夜のお話で、白薔薇さまが私を好きだって思ってくださってるのはわかりました」
こくん、白薔薇さまが頷く。
「お気持ちに気がつかなかったのは悪かったって思ってます。でも」
ちょっと言葉に詰まった。
「それだったら、何で今日になっていきなり避けるんですか」
「…」
「私、お気持ちを伺ったからには、真面目に、考えて、お返事しようと思ってる、のに」
あれ、変だ。視界がぼやける。
「なんで、今日になったらいきなり、避けるんです、か」
なんだ、なんだこれ。
「ひっく、なんで…もっと、ちゃんと、き…たいのに」
ああ、だめだ。言いたいことが胸いっぱいにつかえて言葉にならない。
「もっと、おはなし…、ずるい、です…」
出るのは涙ばかり。言葉を、言葉を出さなきゃいけないのに。
あふれる涙を手で拭う。もう白薔薇さまの顔も見れない。
「…祐巳ちゃん」
ああ、まだここにいてくれている。呆れて帰っちゃったりしてないんだ。
「私は、君が思ってるほどいい先輩じゃないんだ。私なんか、君のこと好きじゃいけないんだよ」
「そんな…じゃ、わかんない、てす。…わかんない…」
「私は最低なヤツなんだ。柏木なんかよりもずっと。人を傷つけるだけで…」
白薔薇さまの声も震えてる。
「なんで、そんなこと…。ひくっ。ぜんぶ、はなして…」
「言えないよ。きっと祐巳ちゃんを傷つける」
「なんで…? ぐすっ。ききたい、ききたいです。おねがい…。わたし、きかせて…」
「ごめん、もう迷惑かけないから」
涙でぐしゃぐしゃになった視界の中で、白薔薇さまがすっと動くのが見えた。
行かないで。
私は夢中で抱きつく。もう言葉が出ない。必死になって一言だけ搾り出す。
「…いくじなし…!」
215祐聖いばら後:03/11/30 06:02 ID:dYCi3PT2
罪悪感と祐巳ちゃんの気迫に押されて、思わず一歩退いてしまった。
その刹那、祐巳ちゃんが私を追いかけて抱きついてくる。
私の胸にしがみつき、顔を見上げて最後の言葉がかけられる。
「…いくじなし…!」
その瞬間、私の胸にあったすべての感情が涙とともに吹き出した。
「わあああああああああんっ!!!!」
私は祐巳ちゃんの体を抱きしめ、あらん限りの声で泣き出した。
祐巳ちゃんも泣いた。
二人で抱き合って、延々と泣いた。


泣きつかれてうとうとしてたのか、私は眠りから覚めた。
慌てて顔を上げる。
真っ赤に泣き腫らした目で、私を見つめる祐巳ちゃんの微笑があった。辺りはもう夕焼け空だ。
何がどうなったのか覚えていないが、気がつくとベンチに座っていて、祐巳ちゃんに頭を抱きかかえられていた。
「いっぱい泣きましたね」
頭を優しく撫でられる。涙がまた出そうになって慌てて祐巳ちゃんの胸に顔をうずめる。
そこにあったダッフルコートの爪飾りを玩んだ。
「気持ち、全部ぶつけてくれましたね」
この子は強い。私は祐巳ちゃんを尊敬した。
私の感情を全て受け止めてなお、こんなに優しい声が出せるなんて。
背中をぽんぽんとあやすように叩かれる。いや、本当にあやされてるんだ。
「いいですよ。…私も、大好きです」
耳を疑った。ふふ、と笑って髪を梳かれる。
どうか、どうか夢なら覚めないで。
私はうっとりと目を閉じ-----

ぐぎゅるぎゅる〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。

その瞬間、かえるの大合唱が私の目の前から聞こえてきた。
216祐聖いばら後:03/11/30 06:03 ID:dYCi3PT2
呆気に取られてまじまじと見つめ合う。
祐巳ちゃんは私の顔と自分のおなかを何度も見比べた。
「ぷ、あは、あっはっははははははははは!」
私はのけぞって笑い出した。
祐巳ちゃんは真っ赤になって立ち上がる。
「もう! 笑わないでください!
 お昼も食べないでこんな時間なんですからおなかが空いて当然です!」
「あははは、あはははははっははは…」
だめだ。笑いが止まらない。
「も〜〜〜〜っ! 何か食べに行きましょう!」
そういってぷいっと顔を背け、私の手を引いて歩き出す。
「ほら、行きますよ、”聖さま”!」
笑いを抑え、て引っ張られるように要に後を追いながらつないだ手を確かめる。
この手を離さない限り、大丈夫。そう思えた。
「ありがとう。…大好き、”祐巳”」

初めての呼び捨ては、ほんの少し気恥ずかしかった。
217祐聖いばら後:03/11/30 06:04 ID:dYCi3PT2
「はい、ずうずうしく押しかけてしまってすいません。今晩はお世話になります…」

うちのリビングで聖さま(まだちょっと呼びなれないなぁ)が私の親に電話をかけている。
あれから私たちはファーストフードでちょっと食べてから家まで送ってもらった。
車庫にお父さんの車がなく、まだ帰ってきてないのかな、と思っていると、
玄関先で植木に水をやっていた祐麒が、今日は父さんたち帰らないよと教えてくれた。
何でも、おばあちゃんちで他の親戚に会ってしまい、宴会でお酒を飲んでしまったらしいのだ。
お母さんは運転できないし、そのまま帰ると飲酒運転になってしまうので、仕方なくもう一泊するとのこと。
私はその場にいた聖さまに(あ、だいぶなれてきた)じゃあうちに泊まりませんかと即座に提案したのだった。
和気藹々と帰ってきた私たちを見て祐麒は不思議がってたけど、別に反対はしなかった。

「祐巳ちゃん、代わってって」
聖さまが受話器を渡してくる。私はちゃんづけはやめて下さいよと囁いてから電話を代わった。
『ちゃんと部屋は片付いてる? 薔薇さまに散らかった部屋を見せたりしちゃあなたもうリリアンにはいられないわよ。
 ああもう、どうしてこんなときに限って白薔薇さまがおうちに来たりするのかしら』
…お母さん、舞い上がってまた変な事言ってる。
はいはいと言って電話を切った。
 
コンビニに聖さまの変えの下着とお菓子を買いに行き、祐麒と三人で夕食を食べた。
祐麒のテレビゲーム(なぜか聖さまは凄く上手かった)で遊んだりして時を過ごす。
順番にお風呂に入り、そろそろ寝ようということになった。
218祐聖いばら後:03/11/30 06:05 ID:dYCi3PT2
「祐巳、やっぱり毛布貸してくれれば私ソファで寝るから…」
いざ寝る前になって聖さまはそんなこと言ってきた。
「えー、私のベッド、セミダブルだから二人でも大丈夫ですよう」
「何かないの? お布団とか」
寝る直前にもなって何を言い出すんだろうこの人は。
「知りません。ほらほら早く寝ましょうよ。はーいおやすみなさーい」
ベッドに聖さまを押し込む。電気を茶色にしてから私も隣に滑り込んだ。
「ゆうべは一緒に寝ませんでしたけど、今日は一緒ですね」
「そうね」
人間の感情なんて分からないものだ。
昨日はとんでもないことだと思ったのに、今日はそれを当たり前にしている。

「あったかいですね」
「うん」
聖さま、なんだか気恥ずかしそうにもじもじ。
「昨日は『祐巳ちゃんを抱っこしてぬくぬく眠りた〜い』って言ってたじゃないですか」
「うん」
「じゃあ、ほら、抱っこしてください」
そういって聖さまに抱きついた。お布団の温かさと聖さまの体温で溶けちゃいそうだ。
抱き合って、これ以上はないくらい近くで見つめあう。
彫りの深い顔が素敵…。
聖さまが目を細め、私の頬に手を当てた。
あ、キスされる…。
私は目を閉じ、その時を待った。
219祐聖いばら後:03/11/30 06:05 ID:dYCi3PT2
目の前でキス待ち状態の祐巳がいる。キスしなきゃ。…それは分かってる。
しかし、私は金縛りにあったかのように体が動かせなかった。
思えば、私だってキスの経験なんか一回しかない。それだって、栞に衝動的にしたものだ。
(…栞)
栞のこと、私の過去のこと、全て話したわけではない。
キスしてしまえば、私は祐巳の体まで求めてしまうだろう。こんな状態で、キスする資格なんてあるのだろうか。
思考が固まって動けない。

と、いつまでもお預けをくらっていた祐巳が、目を開け、微笑むと唇を寄せてきた。
私は人の唇の温かさを初めて知った。

「ファーストキスですよ」
うん、分かってる。私も同じようなものだよ。
一度キスしてしまうと、迷いなんか吹き飛んでしまう。
「セカンドキスもサードキスも、ぜんぶ聖さまにあげますね」
私たちは啄ばむようにキスを繰り返す。額、頬、耳にお互いの唇が触れる。
と、いきなり私の口内にぬるりとしたものが差し込まれた。
(ひゃっ!?)
びっくりして声を上げそうになったが、すぐにこれがフレンチキスなんだということが理解できた。
祐巳の舌が私の舌に絡み、歯をなぞり、唇を舐める。
触れるだけのキスとの違いに私は酔ってしまう。
と、口いっぱいに生温かい液体が流し込まれる。反射的に飲み下してから目をやった。
二人の唇の間に繋がった糸が、今飲んだものの正体を物語っていた。
220祐聖いばら後:03/11/30 06:07 ID:dYCi3PT2
聖さまの端正な顔が紅く染まっている。
以前、クラスメートが持ってきたえっちな雑誌をみんなでこっそり見た時に書いてあったことを
一つ一つ思い出しやってみたが、どれも成功みたいだ。
『つばを飲ませる』と書いてあったとき、みんなで気持ち悪いよね、と話し合った。
私もそう思っていたけど、今はそんなことない。聖さまも喜んでくれてるし、私だって飲んでみたい。
「聖さま、飲ませて…」
そうおねだりすると、聖さまは少し口をもごもごさせてから、飲ませてくれた。
ごくん。…不思議な味。
でも、これがオトナのキスなんだと思うと、すごく嬉しい気持ちになった。
「…祐巳」
「はい?」
あれ、聖さまなんだか渋い顔してる。
「こんなことどこで覚えたの」
「友達の、本で…」
聖さまは複雑な顔をした。私が読んだ医学書には書いてなかった、とかぶちぶち言ってる。
私は唇を唇でふさぐ。キスの次はなんて書いてあったっけ?
…そうだ、胸を触るんだった。
221祐聖いばら後:03/11/30 06:09 ID:dYCi3PT2
祐巳の手が私の胸をまさぐる。
「うわ、聖さま胸おっきい…いいなー」
楽しそうに触られる。Tシャツの上から乳首を擦られるとくすぐったい。
「祐巳ぃ、くすぐったいよ。…脱ぐから、待って」
Tシャツが重苦しくなって脱ぐことに決めた。裸の胸の谷間に祐巳が顔を埋める。
カップを確かめるように下からすくうように持ち上げられた。
「おっきいし、形も綺麗だし…羨ましい」
「あんっ」
乳首を吸われて声を上げてしまった。やられっぱなしは何なんでここらでひとつ反撃といこう。
「祐巳も脱ぎなよ。私がしてあげる」

祐巳のパジャマのボタンを一つ一つはずしていく。白い肌が見えるたびに興奮が高まる。
「あ」
見つけた。祐巳の小ぶりな胸が合わせ目から覗く。思わず首を突っ込んで乳首を吸いたてた。
「あん、や、聖さまっ…!」
ちゅうちゅう吸いながらボタンをはずすのは忘れない。片手ですっぽり収まってしまう小ぶりな胸を揉む。
祐巳、何でも平均点だと思ってたけど、胸だけはちょっと平均以下だね。
そう思ってにやっと笑うと、憮然とした表情の祐巳と目が合った。
まずい、考えてることばれちゃったかな? 顔を赤らめて、ぷいっと横を向かれてしまう。
ははは、可愛いな。楽しくなって胸を激しく吸った。
「ちょ、聖さま、きゃ、やだ、子どもみたい…」
泣いて喚いて抱きしめられ、今こうして胸を吸っている私なんて、祐巳にとってはただの子どもなのかもしれない。
「聖さまの甘えんぼ」
そうだよ。甘えたがりなんだ。いけない?
ちゅ、ぺろ、ちゅるるっ、ふにふに…。

祐巳の胸のにおいをたっぷり吸い込んで、私は顔を上げた。祐巳の目をまっすぐに見つめる。
「祐巳、最後までしたい。いい?」
パジャマのうえからそっとあそこを触る。そのかすかな刺激にすら身を震わせて祐巳が返事をする。
「はい、しましょう。お願いします」
222祐聖いばら後:03/11/30 06:11 ID:dYCi3PT2
示し合わせて一緒に服を脱いだ。二人とも全裸になって身を寄せる。
肌が熱い。息を乱し、昂ぶる気持ちのまま、お互いの秘部に手を伸ばす。
ぴちゃっ。
二つの水音が重なって響いた。
「「ん、ああ、はっ、ちゅ、やぁ、ちゅ、ぺろ…」」
もう、わけが分からない。
お互いのあそこを刺激しあいながら、空いた手と唇で胸を揉み、乳首を擦り、首筋にキスマークをつけ、唾液をすする。
祐巳の”指使い”は私の想像よりもずっと激しいものだった。思ったよりオナニー慣れしてるのかも。
「あん、ねえ、祐巳。こういうこと、よく、するの…?」
祐巳はあえぎ声を出しながらもこくこくとうなづいた。
「誰を考えてしてるのかな?」
私は意地悪だ。…祥子に決まってる。
「いつもは祥子さま、ですけど、たまに聖さまとか、令さまも…」

私は呆気にとられた。それでも指は止めないが。
祥子はわかる、私でもしてくれてたなんてうれしい。でも、令って。
「聖さまとか令さまって、男の人みたいで格好いいから。たまに、してるん、です」
…祐巳は私の想像よりもずっとえっちな子みたいだった。
「明日からは私以外でしないでね。約束だよ」
「はい…っ! 聖さまも…」
「分かってる。”私のことを考えながらオナニーする祐巳”を想って毎日するからね」
真っ赤な顔で激しく頷く。

私たちの指使いは限りなく早く、激しいものになっていく。
もうすぐだ。もうすぐ、もうすぐ…。
「祐巳、イきそう?」
「はい、聖さまも、ですか?」
「うん。一緒に、一緒にイこうね」
愛しい人をかき抱く。どこまでも、どこまでも一緒に…。

言葉にならない悲鳴を上げて、私たちは果てた。
223祐聖いばら後:03/11/30 06:12 ID:dYCi3PT2
その後、私たちは夜遅くまで愛し合い、泥のように眠った。

翌朝、二人で着替えて顔を洗ってリビングに行くと、祐麒がコーヒーを飲んでいた。
ソファで毛布をかぶって寝た跡がある。
「祐麒、あんたこんなところで寝てたの?」
「ゲーム一晩中やってたらここで寝ちゃったんだよ」
確かにリビングのテレビにはテレビゲームやらヘッドフォンやらが接続されてたままになっていた。
「ちょっと、いくらお父さんたちがいないからってそんなことしたらダメじゃない」
「うるさいな、祐巳には関係ないよ」
きょうだい喧嘩が始まった。
祐麒がこちらをちらっと見た。頬を染める。
はは〜ん、なるほど。私は気がついた。二人を見比べる。祐巳はまだ気付いていない。
愛いきょうだいじゃのう。
「メシ作っといたから。聖さんもどうぞ」
ぶっきらぼうにいって出て行こうとする。私は祐巳を後ろから抱きしめて祐麒に笑いかけた。
「祐〜麒は本っ当に気が効く子だね。こんどおねーさんがデートしてあげようかー?」
耳まで赤くなる祐麒、「ご、ごゆっくり!」と叫んで走っていってしまう。
大笑いする私。
階段を駆け上がり、ドアを閉める音が聞こえた。
「全く祐麒ったら。だめな弟でごめんなさい」
だめなのは君のほうだよ祐巳。弟くんの気遣いを全く分かってないんだから。
祐巳を抱きしめ、ほっぺたをつつきながらダイニングに向かう。


さあ、今日からは受験勉強をしよう。今まで全くやってないけれど、リリアン大程度なら十分挽回できる。
私のためにも、祐巳のためにも一生懸命やってやろう。
さわやかな朝の光の中、私は朝食を取るために腕捲りをした。


おしまい。
224祐聖いばら後:03/11/30 06:18 ID:dYCi3PT2
以上で終わりです。
SSなんて片手で数えるほどしかかいてなく、
またここまで長いものを書いたこともなかったので、何かと粗の目立つ出来ですが、とりあえず終わりました。

>12で宣言した誘い受けには程遠くなってしまいましたが、
”性知識にはあんまり詳しくない聖さま”をかいてみたかったのでこれで自分では良しとします。

感想を下さった方々、どうもありがとうございますた。



P.S.いい加減研究したほうがいいよ>俺
225名無しさん@ピンキー:03/11/30 07:03 ID:cWVPevIm
萌えたー
226名無しさん@ピンキー:03/11/30 07:55 ID:PKsI9bap
「セカンドキスもサードキスも聖さまの物です」なんて
覚醒じゃなくても祐己はラブハンターだ(;´Д`)ハァハァ
227名無しさん@ピンキー:03/11/30 10:32 ID:rZKqiJ6I
>193
デコちんキテ(゚∀゚)タ--!
江利子さまのエロさ(類:いやらしさ)が出ててヨカッタヨ-。
228名無しさん@ピンキー:03/11/30 10:40 ID:dYCi3PT2

 ギシギシギシ・・
 ユミ、イクッぅ…  アッァッァア・・・・・

                        \
   |          ハァハァハァ・・・
   |  …      セイサマ、イイ…  スゴク・・      
   ('A`)|||                   /
  /<< ) ̄ ̄ ̄        
   祐麒
229名無しさん@ピンキー:03/11/30 12:24 ID:Sc3JLJMt
>>193
すげえ!
すげえよあんた!
みるみる翻弄される令ちゃんがいい。
エロまでいかなかったせいか、展開も自然で良かった。
是非また書いてくれ!
230名無しさん@ピンキー:03/11/30 13:08 ID:dnHe7l23
>>228
ワラタ
231名無しさん@ピンキー:03/11/30 13:27 ID:NjfkZKM9
なにやら…祭り状態に……。

職人さんの皆様、グッジョブですわ〜。
232名無しさん@ピンキー:03/11/30 13:31 ID:cr/zbE6g
さ、最高だ・・(;´Д`)ハァハァ 雰囲気が原作に近くていいわ
233名無しさん@ピンキー:03/11/30 13:31 ID:Fk1Iom+v
>>228
ワラタ。 でもその通りだったんだろうなぁw
234名無しさん@ピンキー:03/11/30 13:37 ID:pvEVvj1D
>>228
泣いた
235128 :03/11/30 15:13 ID:WN0lX5JM
大変申し訳ない…
吊ってきます
236名無しさん@ピンキー:03/11/30 16:05 ID:YJ8RBwPB
新スレの すごい 豊作
237名無しさん@ピンキー:03/11/30 16:35 ID:8izcRxu6
続編キボン
238名無しさん@ピンキー :03/11/30 17:48 ID:NhFHfOW5
この調子でソドムも投下きぼん。
239名無しさん@ピンキー:03/11/30 18:38 ID:PIhKChqs
職人さんラッシュ!!! すごい!うわ!
一日見なかっただけでエロパロ板で100レスって何だ!
マリアさまに感謝です!
240名無しさん@ピンキー:03/11/30 19:46 ID:J2B6iAmU
>>228
ワロタ
241名無しさん@ピンキー:03/11/30 19:56 ID:DDj9JIQ1
>>211-224
「でもなぁ、祐巳…俺も佐藤さんのこと嫌いじゃないけど、
 祥子さんはどうするつもりなんだよ…」
…てな感じで続編キボン。
242名無しさん@ピンキー:03/11/30 20:08 ID:V+2ymxoU
今までだとマリみてで鬼畜な展開は想像できなかったが、
乃梨子のやっていることは悪魔の所業だとオモワレ。
リリアンに悪魔が訪れたか・・・
SS面白かったです。
243名無しさん@ピンキー:03/11/30 20:15 ID:0Nb90HyH
>俺も佐藤さんのこと嫌いじゃないけど

どっちにしろ祐麒は混ぜてやらん!
244名無しさん@ピンキー:03/11/30 20:55 ID:pvEVvj1D
でも令×祐麒の続きを首をながーくして待ちます
245名無しさん@ピンキー:03/11/30 20:57 ID:Sc3JLJMt
>>244
祐麒受けかよw

黄薔薇ラブホ話の続き(・∀・)マ(ry
246名無しさん@ピンキー:03/11/30 21:01 ID:YJ8RBwPB
っていうか蟹志摩の続きはまだカニ?
247名無しさん@ピンキー:03/11/30 21:16 ID:NhFHfOW5
甘茶の続きもお願いしたい。
248名無しさん@ピンキー:03/11/30 21:19 ID:NhFHfOW5

       黄薔薇ラブホ話の続きまだ?

                        \
   |          蟹志摩の続きは?
   |  …      甘茶の続き…  ソドム・・      
   ('A`)|||                   /
  /<< ) ̄ ̄ ̄        
   職人
249名無しさん@ピンキー:03/11/30 21:26 ID:0Nb90HyH
    〃∩∧_∧
   ⊂⌒( ´・ω・)   <>>244-248
     `ヽ_っ⌒/⌒c     やっぱりこのスタンスがいちばん気楽だな・・・
        ⌒ ⌒
250名無しさん@ピンキー:03/11/30 22:13 ID:QD7pae/V
すみません、ここのスレではリレーSSのネタ投下って可能なんでしょうか?
251名無しさん@ピンキー:03/11/30 22:15 ID:VN7ypILU
>>250
賛同してくれる人がいてくれれば、できなくはないと思うが
何かと揉め事が多いここでは難しいような気がする。
252名無しさん@ピンキー:03/11/30 22:25 ID:vPGSH4ys
エロ系のギャグっぽいものを書こうと思ったら、
なぜか15禁になるかならないか程度のライトなものになっちゃったんだけど、
そういうのはこのスレに投下していいんかな?
253名無しさん@ピンキー:03/11/30 22:36 ID:aZgk6+4C
>>252
大丈夫だと思います。
読んでみたいです。
254名無しさん@ピンキー:03/11/30 22:38 ID:YJ8RBwPB
15禁って基準がどれくらいなのかよく分からないけど、キスだけでもあるのなら
いいのではないかと思う。
255名無しさん@ピンキー:03/11/30 22:44 ID:cpQtlA6H
>>252
寸止めは勘弁
256名無しさん@ピンキー:03/11/30 22:48 ID:vPGSH4ys
キスどころか、ヤってることはヤってるんだけど、
冗長な気がしてその場面をばっさり切っちったんだよね……。

メル欄入れてあるから、嫌な人はNGに入れておくれ。
257アルコール狂想曲1/9:03/11/30 22:49 ID:vPGSH4ys
 ――悪夢だ。
「いっちば〜んっ、島津由乃いっきまーっす」
「ぐすっ、栞ゴメンネ、栞ゴメンネ、栞ゴメンネ……」
「聖お前暗いんだよ、このウジ虫が」
 ……思わず眩暈がする。
 部屋中に散らかるのは空になった酒ビンの山。ビールから、ワイン、チュー
ハイ、ウィスキーまでごろごろ転がっている。
 えーっと……ここは薔薇の館じゃなかったんだろうか。
 私は目の前の乱痴気騒ぎを見ながら、ビスケットの扉を開けたままの状態で
固まって呆然と立ち尽くしていた。
 鼻につんとつくのは濃厚なアルコールの匂い。
「あらあら」
 横では志摩子さんが呑気にそんなことを言って。
「黄薔薇さまぁーーーーーーーーーっ!」
 私は思わず天井に向かって、直前にこそこそと外へ出て行くのを見かけたあ
る人の名前を叫んでいた。
258アルコール狂想曲2/9:03/11/30 22:50 ID:vPGSH4ys
 部屋の中は惨憺たる状況だった。
 机の上に書類は散らばり、その上にコップとビンが所狭しと並んでいる。下
敷きになった紙が濡れてるのを見てとれた。
 後片付けをするのは私ですか、マリア様?
 椅子は数脚床に倒れていて、紅薔薇さまと白薔薇さまは床にあぐらをかいて
酒盛りをして盛り上がっている。
 その姿は一般生徒が見たら幻滅すること受けあいだった。
 お姉さまは長椅子に座ってちびちびとワインを飲んでいるし、由乃さんと令
さまなんてウィスキーをストレートで一気飲みしていた。
 思わず泣きたくなるのを我慢して、お姉さまのもとへ走った。
「お姉さまっ!」
 そうしたら椅子に可愛らしくちょこっと座っていたお姉さまは、小さく首を
傾げて微笑むとゆっくり口を開いた。
「おねえちゃん、なにおこってるの?」
 ……ぴしっ。
 身体ごと石化した。
259アルコール狂想曲3/9:03/11/30 22:51 ID:vPGSH4ys
「お、おねえざま……」
 私はあんぐりと口を開けて、呆然とお姉さまの姿を見る。
 ……それは何の冗談でしょうか?
 思わず開いた口がふさがらない。
 けれどお姉さまはふざけている様子は全くなくて、本当に不思議そうにこち
らの姿を上目遣いで窺ってくる。
「どうかしたの?」
「は、はうっ」
 ……も、萌える!
 私は思わず悶絶していた。
 ぎゅっと抱きしめてそのまま頬をすりすりとなすりつける。
 普段は冷たさを感じさせるぐらいに端整に整った顔が、今はあどけない童女
のように無邪気にころころ変わっていた。
「だいじょうぶ、おねえちゃん?」
「え、ええ。大丈夫よ」
 私は心の中で感涙の涙を流しながら、がっつぽーずをしていた。
 お酒、万歳! 江利子さま、万歳!
260アルコール狂想曲4/9:03/11/30 22:51 ID:vPGSH4ys
「ほんとうにだいじょうぶ?」
「大丈夫よ、祥子ちゃん」
 ここぞとばかりにちゃんづけで呼んでみる。
「でも……いきづかいがあらいよ」
「それはね、祥子ちゃんが可愛いからだよ」
 ……危ない、本気で抑えが効かなくなりそうだ。
「でも……めもちばしってるよ」
「それはね、祥子ちゃんが可愛いからだよ」
 ……はぁはぁ。
 も、もう我慢できない。
「なんで……そんなに手をうごかしてるの?」
「それはね、これから祥子ちゃんを食べちゃうからだよっ!」
 思いっきり叫んで、一気にお姉さまに襲い掛かる。
「きゃあー」
 ――がこんっ。
 小さくお姉さまが悲鳴を上げた瞬間、私の頭の横にフライパンが炸裂した。
261アルコール狂想曲5/9:03/11/30 22:52 ID:vPGSH4ys
「ぐっ、ぎゃあぁ」
 変なうめき声を上げながら頭を抱えて床を転げまわる。そんな私を、お姉さ
まが恐ろしいものでも見るかのような目付きで見ていた。
 それではっと意識が戻る。
 ――わ、私はいったい何を。
 側頭部を押さえながら、ゆっくりと辺りを見回しながら立ち上がった。
「……痛かったんだけど」
 横にはフライパンを手に持った志摩子さんがいた。
 ……フライパン?
「ごめんなさい。大丈夫だったかしら」
 その様子は、普段の優しくて温厚な志摩子さんと何ら変わりがない。
 手に持っているものさえ除けば。
「まあ、いいけど……。で、その手にあるものはどこから出したの?」
「なに言ってるの、最初から持っていたじゃない」
 ……絶対に嘘だ。
 何も突っ込まなかったけど、私だって命は惜しいのだ。
262アルコール狂想曲6/9:03/11/30 22:53 ID:vPGSH4ys
「とりあえず他の人の介抱もしましょうか」
「そ、そうだね、そうしようか」
 一応、正気を取り戻した私は、志摩子さんの提案を受けてお姉さま以外の人
の面倒も見ることにした。
 お姉さまも暴れているわけではないので、放っておけば元に戻るだろう。
 ……薄情って言うな。

「ぶつぶつ……私は最低です……私なんてしょせん」
「さっきからうぜえなこのおフェ○豚が、犯るぞクソ聖が」
 さて問題です、この人たちは誰でしょうか?
 解答はCMの後で。
「祐巳さん、誰と話してるの?」
 お願いです、志摩子さん人の心を読まないでください。
「それぐらい祐巳さんの顔見てれば分かるわよ」
 ……無視だ、無視。
 そんなわけで、目の前では白薔薇さまと紅薔薇さまが2人で仲良く床にあぐ
らをかいて日本酒をぐびぐびと飲んでいた。
263アルコール狂想曲7/9:03/11/30 22:54 ID:vPGSH4ys
 ちなみに前者の泣き上戸なのが聖さま。
 栞さんことを思い出しておいおい号泣していたかと思うと、今度はリストカ
ットでもせんばかりに自虐的な独り言が始まった。
 いっそのこと鬱薔薇さまと改名してみてはいかがでしょうか?
 そしてハートマン軍曹ばりの放送禁止用語を連発しているのは蓉子さま。
 聖さまを罵詈雑言の限りを尽くして罵っている。ストレスでも溜まっている
のだろうか、大変ですね紅薔薇さまも。
 それともこれも愛なんでしょうか、とっても歪んだ。
「……放っとこうか?」
「そのほうが良さそうね」
 志摩子さんと顔をあわせて同時に頷くと、その場を離れた。
 どうでもいいけど志摩子さん。聖さまはあなたのお姉さまだったんじゃあり
ませんでしたっけ。
 ――あ、紅薔薇さまが白薔薇さまを襲ってる。
264アルコール狂想曲8/9:03/11/30 22:55 ID:vPGSH4ys
 背後の嬌声は無視し、最後に黄薔薇姉妹のところに向かった。
「いぇーいっ、一発芸行きます! 一番、影絵っ!」
 由乃さんは誰もいない方向に向かって、妙なハイテンションで一発芸を繰り
替えしていた。
 ただ由乃さん……。
 あなたは影絵といって『犬』しか出来ないんでしょうか……。
 せめて『ちょうちょ』や『兎』ぐらいは。
「聞いてるの由乃? 私は前からあなたに言わなきゃ――」
 その横で、ちょうど背中合わせになるようにして、壁に向かってこんこんと
説教をしているのが令さま。
 妹としてどうあるべきか、姉を敬い尊ぶことの重要性、そういうことを必死
で説いている。ちょっと哀れだ。
 酒に酔っても、本人に向かって面と言えないあたりが。
 溢れそうになる涙をこらえて、令さまの前に置かれたグラスに上等なウィス
キーを注ぐ。まあ一杯飲めよ、奢りだぜ。……お、おやっさん。
 私は満足感を覚えながら、部屋を後にした。
265アルコール狂想曲9/9:03/11/30 22:55 ID:vPGSH4ys
 ――帰ろ。

 私たちは薔薇の館を後にした。あそこは人外魔境だった。あの地に足を踏み
入れてはならない、一般生徒があの館を敬遠するのも当たり前だ。
 後始末は黄薔薇さまが全部やってくれるだろう。
 私は今日のことを記憶の奥深くに封印することに決めた。

「ねえ、祐巳さん」
「なに志摩子さん?」
 横を歩く志摩子さんにと顔を向ける、何故だろう頬が少し赤い気がする。
 目も少し潤んでいるようだ。
「ナイアルラト・ホテップって信じるかしら?」
 ブルータス、お前もか。
266名無しさん@ピンキー:03/11/30 22:57 ID:vPGSH4ys
ごめん……俺、変なのが書きたかったんです。
267名無しさん@ピンキー:03/11/30 22:58 ID:dOHokb0B
23時に爆笑させるんじゃねえぇぇぇぇぇぇぇ!
268名無しさん@ピンキー:03/11/30 23:04 ID:0Nb90HyH
    〃∩∧_∧
   ⊂⌒( ´・ω・)   <>>257-265
     `ヽ_っ⌒/⌒c     HeUHMWWBタン、こっちが本領か・・・
        ⌒ ⌒

269名無しさん@ピンキー:03/11/30 23:06 ID:zZYBltFh
>265
落ちがシュールすぎる。っつーかあのエジプト系の人って名前のそこに「・」いれるんだっけ?
紅薔薇さまと白薔薇さまのその後が知りたい。っていうか祐巳もうちょっと頑張れ!
270名無しさん@ピンキー:03/11/30 23:06 ID:aZgk6+4C
>>256
GJ!
こーゆーのめちゃめちゃ好きです!
それにしても、相変わらず文章うまいなぁ。
271名無しさん@ピンキー:03/11/30 23:11 ID:ITNAjLe8
いそがしい連中だな……




あんたは神だ!! HeUHMWWB!!
272名無しさん@ピンキー:03/11/30 23:18 ID:RdSqfzO+
HeUHMWWBさん
最高っす!
ほんと面白かったです
さ、祥子ちゃんが可愛すぎる・・・・
この状態でお持ち帰りしたいっす

この惨事のときに逃げた凸ちんは何をやってたんだろう・・・・
273名無しさん@ピンキー:03/11/30 23:25 ID:aZgk6+4C
>>272
「隠しカメラを仕込んでおいた」に30リリアン。
274名無しさん@ピンキー:03/11/30 23:27 ID:PIhKChqs
>>257-265
 オチ最高。 祐巳の心の中でつっこみはホントおもしろいなぁ。


 ところでココの住人って
  甘々なエロと鬼畜なエロならどっちが好きなんでつか?
275名無しさん@ピンキー:03/11/30 23:40 ID:YJ8RBwPB
>>274
自分は甘いのが好きだけど、ぶっちゃけ面白ければどっちでも受け入れられるのでは
ないかな。
>>257だって、エロシーンはそれを匂わすセリフのみだけどOKな訳だし。
まあ甘々の方が好きな人の裾野は広そうだが。

鬼畜は罵られるのも覚悟できる人でないと、投下しづらいかもしれんね。
あなたが職人さんなら、読者の好みをあまり気にし過ぎないでもいいと思うよ。
276名無しさん@ピンキー:03/11/30 23:41 ID:+WoVwN+C
甘々、現紅ならさらにヨシ
277名無しさん@ピンキー:03/11/30 23:46 ID:uOPzgC7f
尼尼鬼畜がいいです
278名無しさん@ピンキー:03/11/30 23:47 ID:uOPzgC7f
あ、鬼畜なくらい甘甘ってことね
279名無しさん@ピンキー:03/12/01 00:07 ID:HcIiupNP
しかしSSを何個も書いてると自分が一番書きやすいキャラっていうのがわかってくるね。
漏れはデコさまが一番書きやすいよ……。
蟹さまは何度挑戦してもかけません。むじーっす。
280名無しさん@ピンキー:03/12/01 00:07 ID:fADIGhPO
ゆりさまは引っ越してこないんですか?
281名無しさん@ピンキー:03/12/01 00:10 ID:vkUs9nwl
>279
うらやましい。
漏れは聖さましか書けなくて困ってるぞ。
せめて現黄薔薇姉妹もかけるやうになりたし。
282名無しさん@ピンキー:03/12/01 00:14 ID:0a+fVPbl
漏れも黄薔薇姉妹、とくに令さまが書けない。
あと瞳子も。
283名無しさん@ピンキー:03/12/01 00:21 ID:5k9m2UU5
乃梨子が書きやすい体質なので、調子に乗って前スレの会話で萌えるものを感じた
「乃梨子×瞳子」にチャレンジしてみた。しかし5分で挫折したよ。
やっぱり書きやすいキャラの他に、書きやすいカップリングやシチュというのもあるんだろうね。
何故かソ○ムは他のキャラのも書けたけど。

令ちゃんは何気にムズいよな。
284名無しさん@ピンキー:03/12/01 00:49 ID:D75ra2At
>>283
> 5分で挫折
(つД`)

いや、でも、乃梨子×瞳子は難しいよな。
「思わぬスキンシップがあってぱっと頬を赤らめる」くらいならともかく、
どうにもエロには持っていけない。キスでさえ至難の業。
開き直って鬼畜系にすればなんとかなるだろけど、なあ……。

> 令ちゃんは何気にムズい
だってあの人、全然自分から動こうとしないんだもん(;´Д`)
285名無しさん@ピンキー:03/12/01 00:55 ID:zP3PZWlD
>>284
>あの人、全然自分から動こうとしない
だから令ちゃんはヘタレ攻めなんだよ、相手が誘ってくれなきゃ何も出来ないんだ
そういう意味で>>193は秀逸。よくぞここまで的確に書いたと言いたい。
286名無しさん@ピンキー:03/12/01 00:57 ID:9DihkGHz
>>284
乃梨子の前で、演技のつもりで泣いて見せているうちに崩壊してしまう瞳子
…なんてね。
287名無しさん@ピンキー:03/12/01 01:08 ID:vkUs9nwl
>278
鬼畜なくらいあまあまねぇ…


「祐巳さん、その背中にはっついてるモノ、何?」
私は軽い目まいを抑えながら聞いた。お昼休みの薔薇の館の出来事である。
「こらこら、由乃ちゃん、2つうえの先輩をモノ扱いしたらいけないよ〜」
祐巳さんの後ろのモノが口をきいた。

お弁当を食べようと思ってやってきた私が見たのは、1つの椅子に座って祐巳さんに後ろから抱きついている聖さまだった。
二人羽織のような体勢だが、二人とも別々に自分のお弁当を食べてる。
つまり…ここのカップルは相変わらずサカりやがってコンチクショーというわけだ。

「祐巳さんがいやがってませんか」
「エー、そんなことないもん。ねー、祐巳?」
聖さまが祐巳さんの首筋に頬擦りする。祐巳さんはちょっと困ったような顔をしたが別に何も言わなかった。
「祥子さまや志摩子さんが来たらどうするんですか」
「志摩子は銀杏拾ってるし、祥子は今日休み、リサーチ済」
ひょいと横をむいてタラモサンドをほおばる聖さま。食いずらいのによくやること。
「ひょっとしてうらやましいのかな、由乃んは?」

よ、よしのん!?珍妙な呼び名にくらりと来たが何とか耐えた。
「由乃んのとこに比べれば私たちなんて出来立てほやほやかもしれないけど、だからこそできることもあるんだよん」
ミートボール頂戴、といって祐巳さんの弁当箱からひとつつまむ色ボケ。
あー、と抗議の声を上げるが、タラモサンドを一口齧らせてもらっておとなしくなる色ボケ2.

「くっ…、」
手がわなわな震えて、お弁当の包みを解くこともできない。
と、そこへビスケット扉が開いて令ちゃんがやってきた。
288名無しさん@ピンキー:03/12/01 01:10 ID:I49YasBf
瞳子はキャラはともかくとして口調が決めづらいっす。
「〜ですぅ」、とか「〜ですわ!!」みたいなのはあまり乱発したくない(軽いノリのときはいいけど)。
特に祐巳との会話の時、瞳子の話し方っていつもと違う。そこが萌えるんだが。

>HeUHMWWB
萌えた。あと、ラストのスタイルちとわらた。
自分も小寓寺の本尊は実はショゴス(Shoggoth)というネタを昔考えて書いてみたことがあります。
だからなんなんだと言われても困るけど。
>>283
>「乃梨子×瞳子」にチャレンジしてみた。しかし5分で挫折したよ。
ぼくも書いてみた。現白至上主義者にコロされそうな展開の上やたらと暗い話に。こんなもん投下できるか!!
289名無しさん@ピンキー:03/12/01 01:14 ID:I49YasBf
失礼しました
290名無しさん@ピンキー:03/12/01 01:16 ID:3ukT6uQi
職人祭り感動した。
みんな本当にありがとう。
これからもがんばってくれ〜
291名無しさん@ピンキー:03/12/01 01:26 ID:a34A0RgU
>>290は小泉。

それにしても今の流れはすごいな。
みなさんがんがれ〜(他力本願)
292名無しさん@ピンキー:03/12/01 01:27 ID:vkUs9nwl
「えーん、お姉さま、聖さまがいじめる」
「な、なに。由乃、どうしたの」
「令が甲斐性なしで由乃ちゃんがかわいそうだって話」
「か、甲斐性なし!?」

「聖さまに馬鹿にされた。私たちもやろう令ちゃん!」
「あんなことできるわけないでしょ!?」
「あんなこととはまた失礼な。やってごらん。きーもちーよー」

「令ちゃんのいくじなし。やらなきゃもう絶交からね!」
「由乃ぉ」
「いけいけ令! 男を見せろ!」
「令さま、ファイトです!」
「あ〜〜〜〜〜っ、もう!」


「ごきげんよう、パン買って来たら遅くなっちゃった」
遅れてやってきた蓉子さまが見たものは…
祐巳ちゃんに抱きつく聖さまと、お互いにお弁当を食べさせっこする由乃ん・令だったとさ。

「あんたたち、ここはデートクラブじゃないのよー!!」



…普通につまらんな。逝ってくる。
>289さんもごめんなさい。




293名無しさん@ピンキー:03/12/01 04:16 ID:jr2Xjq2B
いや、その・・・・次に期待してまつ。
294名無しさん@ピンキー:03/12/01 08:12 ID:JB9SbsWL
>>268=249
祭りの間潜伏してたということは、アンタも覚醒祐巳職人のひとりだな?
引退するのはまだ早い!新作キボン。
295名無しさん@ピンキー:03/12/01 09:14 ID:0faUkYFu
昨夜は珍しく書き手どうしのトークが続いたようだな。埋め立てでもないのに珍しい。
職人さんたちの中の人は大変だと思った。

>>288
大丈夫、原子炉至上主義者と言えどもそんなに怖くない、怖くないよ(多分)。
だから投下してみて。
296名無しさん@ピンキー:03/12/01 10:06 ID:a34A0RgU
いや、一部の原子炉至上主義者は今でも恐ろしいぞ。
暗殺はもとより、いざとなれば自爆テロすらも辞さないからな。
297名無しさん@ピンキー:03/12/01 12:55 ID:I3bbG+vI
『魔王祐巳と淫らなお嬢様達』の
「白薔薇崩し」編、第二幕
「志摩子、咽び泣く」はまだでつか?祐×乃の
中の人。

(かってに変な題名つけてスマソ。気にせず頑張ってください。
いつまででも待ってます)
298名無しさん@ピンキー:03/12/01 15:01 ID:7tF0O5nc
初心者なんだけどSS投下してもいいですか?
キャラが壊れ気味なんだけど・・・
299名無しさん@ピンキー:03/12/01 15:07 ID:6XVPNjAq
щ(゚Д゚щ)カモーン!!
300名無しさん@ピンキー:03/12/01 15:16 ID:zkKtsBok
んじゃ、投下するね。

コンコン、木のドアをノックする控えめな音が響く。
祐巳は弟の部屋の前で返事が返ってくるのを待っていたが、扉は無言のままであった。
「祐麒、いないの?」
もう一度ノックして訊ねてみたものの、やはり返事はなく、トイレにでも降りたのだろうと判断して祐巳は弟の部屋を開けた。
瞬間、異様な光景が目に飛び込んできた。
「どどどどど」
「祐巳っ!? ノックくらいしろよ!」
「したよ、しました! 2回も!」
祐巳も慌てて反論する。しかし、視線の先はある一箇所に釘付けだ。
祐麒の股間から異様なモノが突き出していた。
自分にはあり得ないソレを見て、心霊写真みたいだ、と場違いなことを考える。
「な、な、なにしてんのよ。日曜の昼間から!」
トピュッ!
返事は声ではなく、音として返ってきた。
祐麒はオナニーの真っ最中だった。射精寸前だったらしく、たった今、行為がクライマックスを迎えた。
最悪の形で・・・・・・
(ど、ど、ど、どうしよう。お姉さまに相談しなきゃ、いや、むしろこういうことは聖様に?
で、でもよくよく考えたらこんなこと相談できないし、ここはビシッと姉の私が叱ってあげた方が)
祐巳はぐるぐると百面相をした挙句、なかったことにしようとバタンと扉を閉めた。
後には、真っ白になった祐麒だけが残る。
301名無しさん@ピンキー:03/12/01 15:16 ID:zkKtsBok
(参った、完全に終わった・・・・・・)
祐麒は事後処理をしながらひどい自己嫌悪に陥っていた。
今日は日曜日、AVの返却期限が今日までだったので、返すもう一仕事と思っていただけなのに。
(まさか祐巳に見られてしまうとは。これからは顔合わせづらいな・・・・・・)
しかも今日は祥子さんが家に遊びに来ているのだ。
小林には仲の良い姉妹だと言われたけど、今日のことで二人の間に厚い壁が出来てしまった。
祐麒は巻き戻したビデオを取り出し、ケースにしまう。
内容はレズモノだった。
今までにも祐巳の下着を一枚一万円で叩き売ったり、コッソリ着替えを覗いたり、
数々の悪行を重ねてきた祐麒だったが、今回の失敗は痛かった。
そもそもヘッドホンで聞いていたのが間違いだったのだ。
(いっそのこと開き直って祐巳の前でオナニーしてしまうか? いや、それより柏木さんに相談したほうが)
祐麒もまた祐巳と同じく百面相した挙句、なかったことにしようと心に決めた。
302名無しさん@ピンキー:03/12/01 15:17 ID:zkKtsBok
一方、祐麒の部屋から出てきた祐巳は部屋の前で深呼吸する。
(私は何も見てない、何見てない)
ガチャッ、ドアを開け自分の部屋に戻る。
「祐巳、さっき隣で騒いでいたみたいだけどなにかあったの?」
「いえ、なにも」
「ふ〜ん、ところで祐麒さんは?」
「え!?」
「何を驚いているの? 祐麒さんのコートを借りに行ったのではなくて?」
「い、いえ。お取り込み中みたいで。それに、やっぱり外は寒いので出掛けるのは止しましょう」
「顔が赤いわよ」
「気のせいですよ」
祥子様はしばらく不審げな表情をしていたが、やがて気を取り直していった。
「そう。それじゃ部屋の中でできることをしましょうか」
そういうと、祥子様は妖艶に微笑んだ。
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください! なんで服を脱がせるんですか!」
「祐巳が好きだからよ」
「待ってください、隣には祐麒が・・・」
「お取り込み中なんでしょ?」
会話している間も祥子様はテキパキと祐巳の服を脱がせていく。
たちまち、祐巳は全裸になった。
「は、恥ずかしいです」
「安心しなさい。とても綺麗よ」
祥子様はうっとりと呟いた。
(ど、どうしよう。隣には祐麒がいるのに)
あれ? でも待って。
(祐麒も恥ずかしいことをしていたんだし、祥子様もいつになく積極的。
今日を逃したら奥手な祥子様はもう自分から来てくださらないかも)
めまぐるしく頭を回転させ、祐巳はもう一度目の前の祥子様を見つめた。
「よろしくて?」
祥子様の問いに祐巳はコクリと頷いた。
303名無しさん@ピンキー:03/12/01 15:18 ID:zkKtsBok
その頃祐麒は部屋のベッドで寝そべっていた。そんな彼の耳にギシッという耳障りな音が聞こえてきた。
「?」
《ああ、いいです。祥子様ぁ》
《可愛いわよ、祐巳》
ちゅぱ、ちゅぷっ、くちゃくちゃ・・・
いやらしい音が壁を伝って聞こえてくる。福沢家の壁は薄いのだ。
(おいおい、いいのか祐巳? くっ、混ざりてえ!)
祐麒は壁に耳を押し当てて二人の会話を盗聴する。
《あっあっ、いいっ、いいですぅ。お姉さまぁ》
かつて一度も耳にしたことのなかった祐巳の嬌声が鼓膜の奥に響く。
《ここ? ここがいいのね。じゃ、こうしてあげちゃおうかしら》
次の瞬間、ジュパッ、ズズッっと一回り大きい音が響き渡る。
(なんだ、何をしているんだ!? 恐るべし小笠原祥子!)
《や・・・ぁんっ、す、吸っちゃダメです、おねえ・・・さまァ》
(録音! 急いで録音しなくちゃテープレコーダーはどこだっ!)
《ひっ、はぁ・・・イくッ、逝っちゃいます! あ、あ、ダメェーーーーー!!!》
ブシュァ! 
水飛沫の音が上がった。
荒い息遣いは今なお続いている。しかし、その音はどちらかというと全力疾走をした後に息遣いに似ている。
(終わっちまったか。祐巳め、イクのが早すぎだ早漏め!)
祐麒は自分のことは棚に挙げて祐巳を罵る。
《あの・・・お姉さま》
《何?》
《3Pってしてみませんか》
(その言葉を待っていたぞ!YUMI!)
祐麒は全裸になって部屋を飛び出した!
《じゃあ、聖様を呼びますね》
祐巳の声に続いて、電話のプッシュ音が鳴る。
祐巳の部屋に絶叫が響き渡ったのはその直後のことだった。

以来、祥子様の男嫌いにはますます磨きがかかったという。
304名無しさん@ピンキー:03/12/01 15:21 ID:zkKtsBok
祐麒好きの人ゴメン
オレも祐麒好きなんだけどこんなキャラになってしまった。
305名無しさん@ピンキー:03/12/01 15:32 ID:zkKtsBok
以前、オレの部屋で兄がオナニーしているのを見たことがある。
体験談を基に書いてみますた
306名無しさん@ピンキー:03/12/01 15:45 ID:JhbcOiba
・・・・・・;
307名無しさん@ピンキー:03/12/01 15:50 ID:XOx3AsAw
>>300
ワラタ。GJ!
308名無しさん@ピンキー:03/12/01 16:09 ID:gdTh9CxC
祐麒のアホめw

それとお姉さま、レスがagaってましてよ。
309名無しさん@ピンキー:03/12/01 16:19 ID:zkKtsBok
>308
ゴメン。
今調べたんだけどsageってメール欄に書けばいいのかな?
310名無しさん@ピンキー:03/12/01 17:54 ID:d9M0j7nq
>309
そうよ、次からは気をつけてね。
次回作に期待しているわ。
311名無しさん@ピンキー:03/12/01 18:32 ID:3A6IzvZg
>305
その兄とはひょっとして"御兄様"ですカ?
#いかん、脳がやられているらしい……
312名無しさん@ピンキー:03/12/01 20:35 ID:yg1WQD15
    〃∩∧_∧
   ⊂⌒( ´・ω・)   <>>300-303
     `ヽ_っ⌒/⌒c     この早漏姉弟は懲りずにまたやるな・・・
        ⌒ ⌒
313名無しさん@ピンキー:03/12/01 21:00 ID:2hw3DhLT
>311
御兄様? いいえ、普段はクソ兄貴とお呼びしておりますわ。
妹の部屋でオナニーするのが花寺でのたしなみ
314名無しさん@ピンキー:03/12/01 21:06 ID:jLUDOE1Z
>>313
311が言ってる「御兄様」って「御姉さま」の逆の意味じゃ・・・?
315名無しさん@ピンキー:03/12/01 21:32 ID:a34A0RgU
誰もあのAA貼らないのか?
316名無しさん@ピンキー:03/12/01 22:05 ID:0Uqg3nUF
>>300-303
(・∀・)イイ!!
祐麒の童貞全開な行動に乾杯w
317名無しさん@ピンキー:03/12/01 22:50 ID:2ZDpMCZd
おいおい聖さま
呼んじゃうのかヨ!!!(わくわく)
318名無しさん@ピンキー:03/12/01 22:53 ID:2ZDpMCZd
つか、祥子さまも一緒の時は
聖さまじゃなくて蓉子さまを呼ぶほうがしっくりくるかもー。
紅薔薇三代入り乱れ咲き


こんなのをきぼんします職人様..
319紅いロザリオ1・1/7:03/12/02 01:46 ID:4xpjh2wW
 ――ときに平成。

 小笠原祥子と福沢祐巳の衝突。
 山百合会の根幹を揺るがすこととなった紅薔薇の乱は、前紅薔薇さまである
水野蓉子の手によって収束した。
 これで学園に平和が戻るかと誰もが思ったが、事態は新たな展開を見せる。
 紅薔薇のつぼみの妹の座を巡っての対立である。
 現紅薔薇である祥子の外戚、松平瞳子と、つぼみである祐巳に心酔する細川
可南子、この両者が互いの正統性を賭け激しく争ったのだ。
 両者の対決は広がりを見せ、いつしか妹問題のみならず、祐巳の所有権その
ものを争う戦いとして学園中を戦乱の渦に巻き込んだのである。
 生粋の覇者として知られる紅薔薇さま、小笠原祥子。
 白薔薇主導により百合の復興を目指す、藤堂志摩子。
 黄薔薇の雄として小覇王とも呼ばれる、島津由乃。
 この三者を中心に、隙あらばと一般生徒も続々と戦乱に身を投じていく。
 ここに――今、群雄割拠の時代が始まったのである!

じゃーっ、じゃーじゃーっん!
320紅いロザリオ1・2/7:03/12/02 01:46 ID:4xpjh2wW
「……由乃さん、楽しい?」
 目の前でノリノリとモノローグを語る親友をジト目で見ながら、私は疲労感
を隠せぬまま、小さく溜息を吐いていた。
 素晴らしく歴史物ちっくなノリが超素敵。
 というか最後のドラの音はいったいどこからでしょう、解説の由乃さん?
「うーん、わりと結構楽しいかも」
 ……そーですか。
 そーですね、聞いた私が馬鹿だったんです。
「一つ聞いていいかな?」
「どうぞどうぞ、祐巳さん」
 ――三奈子さまに似てきてない?
 思わずそんなことを言いたくなる衝動を抑えて、笑顔で由乃さんに訊く。
「何で、私は後ろ手に椅子に縛り付けられてるのかな?」
 ……あ、自分でも声が少しキレてる。
「それは祐巳さんの協力が必要だったからよ」
 協力――これはびっくりだ。
321紅いロザリオ1・3/7:03/12/02 01:47 ID:4xpjh2wW
「薬で眠らせて、起きたら縄で椅子に縛り付けておくって。それは協力を請う
のとはすごい違うような気がするんだけど……」
 俗にそれは拉致といいます、例えば北朝鮮とか、北朝鮮とか。
「……でも、そうしないと祐巳さん逃げたでしょ?」
 当たり前だぎゃあ。
 思わず名古屋弁で反論したくなった、しないけど。
「大人しくあきらめなさい、祐巳さん。今日はついに待ちに待った祐巳さん争
奪戦! 老若男女、リリアンの生徒の大半が参加して、祐巳さんの所有権を巡
って戦いを繰り広げるという一大イベントなのよ!」
「うわぁ凄いなー」
 でも『老』はいないと思うな、あと『男』も。
「……なんか棒読みね」
 由乃さんは不満そうに眉をひそめる。
「もうあきらめたから」
 ――大人になるということは諦めを知ることである。
 いい言葉だなー、先人の偉大さに感服の念が押さえられない今日この頃だ。
322紅いロザリオ1・4/7:03/12/02 01:48 ID:4xpjh2wW
「……それで、今回の件の首謀者はいったい誰なの?」
 もうすっかりこの異常事態を受け入れてしまってる自分が憎い。まあ慌てて
もどうにもならないからという方が正しいのかもしれないけど。
 全校生徒の憧れ、山百合会。その麗しき薔薇さま方がこんな人たちだったな
んて、去年の今頃の私に教えてやりたい気持ちで一杯だった。
 知ってる? 人の夢って書いて儚いって読むんだよ。
「落ち着いてるわね……」
 由乃さんは何が気に入らないのか、イライラとした感じでお下げを弄る。
「だって、助けてって言ったら逃がしてくれるの?」
「まさか」
 一言で切り捨てられる。
「祐巳さんはみんなの賞品よ。これは祐巳さんの一番を選ぶ戦い、それなのに
賞品が逃げたら話にならないでしょう」
「……私の一番を選ぶのに、私の意思はどこに消えたのかな?」
「あると思う?」
 親友って言葉の意味を教えてください、由乃さん。いや黄薔薇のつぼみ。
323紅いロザリオ1・5/7:03/12/02 01:49 ID:4xpjh2wW
「で、結局黒幕は誰なのかな?」
 正直もうイベントが始まる前から疲れてしまったけど、すこしぐらい現実逃
避をしたかったので話を続けた。
「ふふっ、この島津由乃がそんなことを言うと思ったか!」
「江利子さま?」
 あ、由乃さんがびしっとこちらを指差したまま固まった。
「それから聖さまあたりもちょっかいかけてそう」
「ま、まさか、そ、そんなわけけけ――」
 由乃さんの語尾が震える。私が道路工事として穴を掘っているときもこんな
感じなんだろうか。少し恥ずかしい。
「可南子ちゃんと瞳子ちゃんが反目しあってるときにいきなり現れてけしかけ
たとかそんな感じかな……。何を馬鹿なことを、って怒るお姉さまや、由乃さ
んに対しても上手く誘導して逆に参加させたんだろうね……」
 思わず遠い目になる。
 激昂して興奮するお姉さまと由乃さんの間で、泣きそうになりながら江利子
さまを止める令さまの姿が簡単に想像できた。
324紅いロザリオ1・6/7:03/12/02 01:50 ID:4xpjh2wW
「それはともかく!」
 あ、復活した。
「この後、祐巳さんには学園内を逃げ回ってもらいます。祐巳さんからロザリ
オを貰った人が晴れて勝者となり、祐巳さんの所有権を得られます」
「貰うじゃなくて、奪うの間違いじゃ?」
 熱弁をする由乃さんに小さく突っ込みを入れる。
「なので――」
 ……無視すんな。
「もしそれが嫌なら頑張って逃げてください。18時まで誰にもロザリオを渡
さずに逃げ切ったら、そこでゲームは終了です。ただし学園外に行くことは禁
止です、身体に発信機がついてるので警報が鳴ります」
 ここはどこの秘密組織ですか?
 思わず突っ込みを入れたくなったけど止めた。だってどうせ言っても無駄だ
から、無駄なことをしてもしょうがないし。
 どうやらまだまだ長い一日になりそうだった。
325紅いロザリオ1・7/7:03/12/02 01:51 ID:4xpjh2wW
「いくつか質問いい?」
「どうぞ」
 なんだか由乃さんは腕を前で組んで、凄くえらそうだ。
「学園内ならどこに逃げてもいいの?」
「ええ。外にさえ出なければどこに隠れてもいいわよ。どこかに鍵をかけて閉
じこもってもいいし、ずっと逃げ回ってもいい」
 そう言うからには立て篭もり対策は万全なのだろう。
「じゃあ、参加者はどんな人がいるのかな?」
「えーっと、瞳子ちゃんに可南子ちゃん、それから祥子さまに私ね、志摩子さ
んと乃梨子ちゃんも参加してるわよ。一般生徒はだいたい全体の9割が参加し
てるわ、あと教職員の一部も」
 ……それってほぼ全員てことではないでしょうか?
 というか乃梨子ちゃん、お前もか。
「それじゃあ時間もそろそろいいし、今から縄を解くから。縄を解いてから1
0分後には私もこの部屋を出るからね」
 そう言って、椅子に厳重にくくりつけられた縄がほどかれる。

「レディ、GO!」
326名無しさん@ピンキー:03/12/02 01:53 ID:4xpjh2wW
11時過ぎに帰ってきて私はなにやってんだろうね……(遠い目)

途中でライトエロが入る予定。
でも、先にとっとと祐×乃×志を書き始めねば……。
327名無しさん@ピンキー:03/12/02 02:01 ID:oqcWMB5b
>>319-325
お、おもしろそうだドキドキ
続き待ってるよう。

…てか、なんか由乃んは壊れた役が多い?w
328名無しさん@ピンキー:03/12/02 02:05 ID:XHt1kKab
いいねぇGJ!

祐巳が、一人リリアンロワイアル状態
329名無しさん@ピンキー:03/12/02 02:09 ID:PgSsgHwT
どういう展開になるのかたのしみー。

でも、祐乃志の続きのほうがもっと楽しみだと言わせてください・・・!
330名無しさん@ピンキー:03/12/02 04:35 ID:1aLzgXW5
―――白薔薇様が、祐巳のパンツを奪えと言った―――
リリアンロワイアル(R15)
331名無しさん@ピンキー:03/12/02 05:15 ID:4opGCS9w
>>330
聖「コインを投げて、表が出たらみんなと一緒にあいつらと戦う。
  でも、裏が出たら・・・・ 
  
  このゲームに乗る!!」

静「せいさま・・・・」

ダダダダッダダダダダダダダダダダダダ
332名無しさん@ピンキー:03/12/02 05:55 ID:GhMp0hhp
彼女とセックルしている間に、
一瞬「これが聖さまだったらな…」と言う考えが頭をよぎってしまった。
俺はいったいどうなってしまうのだろう。



_ト ̄|○
333名無しさん@ピンキー:03/12/02 06:36 ID:JJRJ/r1v
    〃∩∧_∧
   ⊂⌒( ´・ω・)   <>>319-325
     `ヽ_っ⌒/⌒c     ノリノリだな、どこが遅筆なんだ・・・
        ⌒ ⌒
334名無しさん@ピンキー:03/12/02 09:00 ID:UNyILmKY
>>319-325
ちょっと空回ってるかな?
335名無しさん@ピンキー:03/12/02 09:37 ID:2mefQWXq
>325
祐巳のツッコミが大好きでつ。
続きに期待大!
336名無しさん@ピンキー:03/12/02 09:45 ID:/XQdBeWR
空回りしがちなしょーもないネタをかなりうまく書ききったと思う。
ただ、後を長々と続けるようなもんではないかもな。寒くなるだろうし。
と、言う訳で先に黒祐巳の続ききぼん。
337名無しさん@ピンキー:03/12/02 14:24 ID:gCuogwok
最近読むときは脳内で声優がしゃべるようになつた
338名無しさん@ピンキー:03/12/02 16:01 ID:mLPvl0bq
>>337
おめでとう
339名無しさん@ピンキー:03/12/02 16:03 ID:iSunMg15
>>337
ごきげんよう
340名無しさん@ピンキー:03/12/02 16:03 ID:25kkRubS
いっつも思うんだがお前ら、
偉そう過ぎ、自己中過ぎ、閉鎖的過ぎ。
もっと職人さんに優しいスレを目指そうとは
思わんのかね?
341名無しさん@ピンキー:03/12/02 16:04 ID:mLPvl0bq
>>330
そんなSSどっかで読んだなぁ
342名無しさん@ピンキー:03/12/02 16:19 ID:gsYQyxyD
いっぺん職人さんが2週間ぐらい示し合わせて
ボイコットしたら面白いかもな。スレが沈むかも知らんが
343名無しさん@ピンキー:03/12/02 16:25 ID:eBCoZVfG
>340
覚醒祐巳祭りの少し前あたりから
だいぶ職人さんに優しくなったと思うのだが・・・。

職人さんガンバレ&ありがとう
344名無しさん@ピンキー:03/12/02 16:44 ID:0GEkCt85
>>343
うん、それはそう思う。徐々にスルーも上手くなってきてる気もする。
きっとマリア様のお導きですわ、お姉さま。
345名無しさん@ピンキー:03/12/02 17:09 ID:x5ZHRusk
んじゃまあ、お言葉に甘えて原子炉原理主義テロに挑戦状。(乃瞳)
つーか、俺のシカバネを乗り越えて逝け!
346乃瞳:03/12/02 17:10 ID:x5ZHRusk
「瞳子はさあ、キスしたことある?」
不意打ちを食らって、思わずいちご牛乳を派手にぶちまけてしまう。
「な、ななななな、何を!」
乃梨子さんは表情ひとつ変えずに、顔にかかった飛沫をハンカチで拭った。
「その様子じゃ、まだみたいね。耳年間の瞳子さんも実践は不得手かあ」
からかう調子でもない冷静なコメントに、かえってムキになってしまう。
「失礼な!白雪姫に眠り姫、キスシーンのオンパレードですわ」
はからずも舞台の外では未体験であることを暴露してしまう。
「あー、ぜんぶ眠ってる間に奪われるパターンね」
「・・・怪しげな言い回しはおよしになって。そういう乃梨子さんはいかがですの?」
どうにか体制を立て直して、反撃に転じる。
「ないよ、演技も本気も。だから聞いてみたんだけど」
あとで考えても、何であんなことを口走ったのか瞳子自身わからない。
「よろしいですわ。乃梨子さんにキスの何たるかを、瞳子が教えて差し上げます!」
何だかよくわからないが、とにかく、あとには引けなくなっていた。
347乃瞳:03/12/02 17:11 ID:x5ZHRusk
「よろしくて?まずは唇をこころもち湿らせて、やわらかくします」
(やっぱり馬鹿だ、この子)
自分で振った話題だが、乃梨子は頭を抱えたい気分だった。
「・・・お互い逆方向にかるく顔を傾けて、あ、歯をぶつけないように注意」
真っ赤になって一生懸命説明しながら、顔を近づけてくる縦ロール。
(か、可愛いかも?)
あとは、まあ、なりゆきというか、なんというか・・・。
「ん、んー、ん」
初めはかるく触れ合うように、ちゅっちゅっと小鳥の吻合のように。
(って、舌を入れてくるか!)
「・・・乃梨子さん?」
思わず唇を離すと、うるうるの瞳で困ったように見返してくる。
「うっ・・・」(その表情は反則だって!瞳子)
頭の中で何かが弾けとび、乃梨子は自分から唇を重ねていった。
志摩子さんの顔が浮かんだけど、不思議と後ろめたさは感じなかった。
348乃瞳:03/12/02 17:12 ID:x5ZHRusk
いつしか少女たちは、夢中になって舌を絡めあっていた。
「んぐ、んちゅ、はぁん、むちゅ」
しっかりと抱きしめあい、息つぎをする暇も惜しむように、ごくりと咽を鳴らす。
重ねられた唇の隙間から零れ落ちる雫まで、一滴も逃すまいと啜り込む。
(負けるもんか。こんなわけのわからない縦ロールなんかに)
(生粋のリリアンっ娘の誇りにかけて、外様の乃梨子さんになんか)
奇しくも同じように意味不明のことを考えながら、陶酔感に浸る少女たち。
「あぁん」「あっく」
乱れたスカートの奥に触れる相手の腿の感触が心地いい。
もう、なんかどうでもいい感じで、次のステップに進もうとしたその時。
カラーンコローン・・・昼休みの終わりを告げる予鈴が鳴った。
「・・・命拾いしたわね」
「・・・今日は、ここまでにして差し上げますわ」
異口同音につぶやきながら、抱きあった腕を緩めようとしないふたりだった。

―おしまい
349名無しさん@ピンキー:03/12/02 17:34 ID:0GEkCt85
>>345
おもろかったよ!
>もう、なんかどうでもいい感じで、次のステップに進もうとしたその時。
そうそう、もうどうでもいいから。進んでしまえ。っていうか進んでくださいw。
350名無しさん@ピンキー:03/12/02 17:40 ID:Oi7icJWJ
イイ!
そういや瞳子ってこのスレじゃ珍しいね。
もっと書いてくだちい。
351名無しさん@ピンキー:03/12/02 17:50 ID:mrNS3WHF
やってくれるぜ、この二人!
352名無しさん@ピンキー:03/12/02 19:19 ID:glO5Cb+Z
>>345
(・∀・)イイ!

>>332
セックル出来るだけで幸せと思え、このクソ野郎!
353名無しさん@ピンキー:03/12/02 19:48 ID:kiRJmINt
>>332
いやその辺でやめておけお前の身のためだキモオタと言われたくなかったらな
354名無しさん@ピンキー:03/12/02 19:54 ID:AHsQqkHV
こういう方向の方が興奮する漏れはもう駄目なんでしょうか(*´д‘)
355名無しさん@ピンキー:03/12/02 21:13 ID:TgWlk+Wv
>>354
ウェルカムトゥマイテリトリィー
356名無しさん@ピンキー:03/12/02 23:09 ID:Ibow4i7m
マリア様、祐巳×ゴロンタという組み合わせは禁忌でしょうか?
書く前に聞いておいたほうがよいと思いまして。
ちなみに甘甘な展開のつもり。
357名無しさん@ピンキー:03/12/02 23:13 ID:ZGZoSEoq
じゅ、獣姦かよw
新路線だなぁ・・・
メル欄NGワードを何か入れて、一度投下してみたらいかが?
漏れはどういうものか読んでみたい
358名無しさん@ピンキー:03/12/02 23:32 ID:Ibow4i7m
356です。
鬼畜な展開にはしません。とりあえず書いてみますね。
359名無しさん@ピンキー:03/12/02 23:45 ID:UaCoa2nZ
たぶん原子炉原理主義テロな自分でも>>346-348よかった!!
乃梨子も瞳子も可愛い(*´Д`)ハァハァ

 そういや本スレとかでも白主義って嫌煙されてるけど
そんなに酷いのか??
360名無しさん@ピンキー:03/12/03 00:00 ID:FrIchz9+
>>359
煽り文句がネタになるだけ
361名無しさん@ピンキー:03/12/03 00:11 ID:yqO8ieBg
>>346-348
乃梨子×瞳子ダ────────(;´Д`)'`ァ'`ァ
数多の勇者が挑み、そして5分前後で敗れたこの難関、よくぞ征した。
いや、もう、よくぞ書いてくれますた。キスだけだけど、それがまたよし。
> 何だかよくわからないが、
> なりゆきというか、なんというか、
> もう、なんかどうでもいい感じで、
意地の張り合いと場の勢いだけで突っ走るノリドリ萌え(*´Д`)
362名無しさん@ピンキー:03/12/03 00:41 ID:BjZBoII4
>>346
もちっとシリアスなのが読みたかったけど、これはこれでいいなあ。
363名無しさん@ピンキー:03/12/03 01:24 ID:Q3UE5War
>>356
猫特有のざらついた舌で、リリアン高等部のお嬢様がたを喜ばせているわけですな。
364名無しさん@ピンキー:03/12/03 01:28 ID:XWTcQqHV
猫の舌で舐められると、気持ちいどころか肉が削れるって聞いたが。
拷問にも使われたっていういし。
365名無しさん@ピンキー:03/12/03 02:11 ID:yqO8ieBg
>>364
そうらしいな。
と、なると、山百合会一の舌上手は、犬属性の令ちゃんてことで。
366名無しさん@ピンキー:03/12/03 02:32 ID:6utvILh1
やはりここは肉球で。
367名無しさん@ピンキー:03/12/03 02:34 ID:/dEUtHDV
バレンタインに照れながらも乃梨子にチョコ渡す瞳子
368名無しさん@ピンキー:03/12/03 02:36 ID:SMtAu05E
>>367
 「義理ですわよ!!」 がお約束か!!(*´Д`)
369名無しさん@ピンキー:03/12/03 02:48 ID:c/4qUIFE
そろそろ打ち止めか。
次の祭りに期待。
370名無しさん@ピンキー:03/12/03 03:05 ID:x096ZXmv
ちと質問です。黄薔薇先生の作品って完結したんでしょうか?

保管庫やら過去ログやらで追いかけていった結果、
「その27」での次で終わります発言以後が発見できず、
悶々としております。

へるぷみー。
371名無しさん@ピンキー:03/12/03 03:07 ID:x096ZXmv
思いっきりありましたすんません…。
読んできます。
372前スレ669:03/12/03 03:08 ID:XWTcQqHV
続きできたので投下します。NGワードは麒令です。
なお、今回はエロ無し……
373前スレ669:03/12/03 03:09 ID:XWTcQqHV
 あのゴタゴタから十日程が過ぎた。
 予想通りというかなんというか、あれっきり一度も祐麒君には会っていない。
 祐麒君はあのことを祐巳ちゃんに言ってはいないようだ。もし何か知っていたら、いつもの百面相ですぐにわかると思う。
「そういえば、祐麒君も百面相やったりするんだろうか。だったら面白いな」 
 祐麒君には悪いが、ついクスリと笑ってしまう。
「……あ」
 そんなことを考えながら、自室で書類を眺めていた時。令はあることに気がついた。
 今週の会議で配布するはずのプリントに、誤植がある。表に載せられたデータが、一段ずつずれているのだ。
 会議は数日後なので急いで修正することはないが、責任者に連絡はしておくべきだろう。
「確か、これ書いたの祐巳ちゃんだっけ」
 祥子に『しっかりしなさい』と絞られて、ペコペコと頭を下げる祐巳ちゃんの姿が頭に浮かぶ。
 それも一種のスキンシップなのだろうが、少しかわいそうだ、早めに連絡しておかなければ。
 机にしまってあった山百合会の名簿から福沢家の電話番号を確認すると、玄関前の電話から、福沢家に電話する。
 祐巳ちゃんの自宅に電話をかけるのは初めてだったが、特に何の気負いもない。由乃だって何度か電話をかけているようだし、姉の私が何を気後れする必要がある。
374前スレ669:03/12/03 03:10 ID:XWTcQqHV
「そう言えば……由乃が初めて電話かけたとき、祐麒君が出たって言ってたなあ」
 同じ家に住んでいるのだから、そういうこともあるだろう。それに祐麒君はしっかりしているし、電話が鳴っていたら真っ先に駆けつけるタイプだと思う。
 つまり、今かけた電話も祐麒君が出る可能性があるわけだ。そんな当たり前のことに今更気がつくと、なぜか急に受話器が重く感じてきた。
 なにを焦る必要があるのか。電話に本人以外が出た時の対応など、リリアンでなくとも学ぶことはできる。
(もしもし、福沢さんのお宅ですが、私、リリアン女学園高等部三年生の支倉令……)
 いや、祐麒君とは花寺の学園祭のことだけでなく、つい最近お世話になったばかりだ。だとすると、そんなに他人行儀に接するのは、寧ろ失礼な行為にあたるのではないか。
(いや、親しき仲にも礼儀ありって言うし……ああ、でもそれほど親しいというわけでもないし!!)
 ああでもない、こうでもないと試行錯誤している令。一度切ってしまおうかなどとも考えてしまったが、その瞬間、受話器の向こう側からガチャリと音が聞こえた。
 祐巳ちゃんでありますように、そう願う令だったが、
『はい、福沢です』
 受話器から聞こえるのは、毎日聞く女の子の声ではなかった。十日前に自分を助けてくれた少年の声である。
375前スレ669:03/12/03 03:12 ID:XWTcQqHV
 予想外、いや予想通りの声に、一瞬だけ絶句してしまう令。それでも頭に残っていたマニュアルを思い出し、声に出そうとする。
「え、えっと。私、リリアン女学園高等部三年生の……」
『あ、令さんですか?』
「う、うん」
 情けないが、助かったと思ってしまった。
「あの、祐巳ちゃんに連絡があって……」
『あ、わかりました。すぐかわります』
「ま、待って!!」
 反射的に引き止める。その直後、焦る。
 なんで引き止めてしまったのか、そしてなにを話せばいいのかわからない。とりあえず、共通の話題を口にした。
「え、えーと……あの本どうだった?」
『あ、読み終わりましたよ。すごく良かったです』
「そ、そう……」
『あの、令さん……もしかして、あの本まだ読んでなかったんじゃないですか?』
「そんなこと、ない、よ」
 図星をつかれて声が裏返ってしまった。
『だって……俺が令さんと会った日が、あの本の発売日だったじゃないですか。その時は気がつかなかったんですけど』
「私、読むの早いのよ」
 それは嘘ではないが、既に読んだというのは嘘だ。祐麒君にも、たぶんばれているだろう。なぜか、無性に恥ずかしい。
376前スレ669:03/12/03 03:14 ID:XWTcQqHV
『あの、よければ近いうちに返したいと思うんですが』
「……じゃあ今度の日曜日会おうか」
 思わず口からこんな言葉が飛び出した。なんでそう言ってしまったのか考えるより先に、受話器の向こうの祐麒君が答える。
『はい。場所は……この前の喫茶店でどうでしょうか』
「うん、そこでいいよ。時間は……」
 あれよあれよという間に、待ち合わせ時間まで決めてしまった。自分の発言を省みる暇もなく。
「じゃ、おやすみなさい」
『はい、それでは』
 ガチャッと受話器を置いた。ありふれた形の電話機を、しばらくの間ボウッと見つめる令。
 それからハ〜〜と溜息をつくと、ポツリと呟いた。
「……男の子と待ち合わせ」
 口にした瞬間、顔が火のついたように赤くなる。そのままペタンと床に尻餅をついてしまった。
「なんであんなこと言っちゃったんだろう……」
 リリアン育ちの自分にとってはかなり恥ずかしい。だが、今更撤回するわけにもいかない。
 それに、なぜか撤回する気も起きなかった。
「あ、祐巳ちゃんに取り次いでもらうの忘れてた……」
 『令ちゃんのバカ』。聞きなれた妹の声が、頭の中で響いた気がした。
377前スレ669:03/12/03 03:14 ID:XWTcQqHV
 同時刻、福沢家。
 祐麒もまた、受話器の前でハ〜〜と溜息をついた。
「これってデート……な、わけないか」
 姉がいる自分は同級生に比べて女性への免疫があるほうだと思っていたが、実際はそうでもないのかもしれない。令と少し話していただけで、手は震えて、顔は真っ赤になっている。
「本を返すだけ、返すだけ……」
 祐麒がそう呟いていると、階段からトコトコと姉の祐巳が降りてきた。
「あれ? 祐麒、電話あったの?」
 そういえば、令さんは祐巳に用があったのではなかったか。だが、それを言うと全部根掘り葉掘り聞かれそうな気がしたので、嘘をつくことにした。
「小林だよ。宿題教えてくれって」
 何事もなかったかのように、答える祐麒。
 祐巳と顔は同じでも、あの百面相までは受け継いでいない。なにせ、自分が花寺の生徒会長であったことすら、数ヶ月もの間、隠し通していたのだから。
「ふーん」
 疑うことを知らない姉は、コロリと騙される。小林の電話など、それほど興味もないからだろう。
「じゃ、俺は宿題でもしてくる」
 祐麒が電話の前を去った瞬間、またプルルルと鳴り出した。今度は近くに居た祐巳が電話を取る。
「はい、福沢です。あ、令さま」
 その名前に反応し、クルリと振り向く祐麒。
「え、間違ってたんですか!? すいません!! すぐ修正して、明日持っていきます!!」
 受話器に向かって祐巳がペコペコと頭を下げる。祐麒に見られているのに気がつくと、『あっち行って』とでも言うように手をぶんぶんと振った。
(別に見たいわけじゃないんだけどな)
 気になるのは姉の奇行ではなく、電話の向こうの相手のことだった。
 『すいません』と連呼しながら受話器を降ろすと、階段の前の祐麒には目もくれず、自分の部屋に戻る。いつものうっかり間違いでもやらかしたのだろう。
 あの様子だと、今度、令さんと会うことは聞いていないようだ。
「知ったら何言われるかな……」
 電話を眺めながら、再び溜息をつく祐麒であった。

 続く
378前スレ669:03/12/03 03:16 ID:XWTcQqHV
 性懲りもなく、続きます。
 需要無しカップリングぽいですが、もう暫くお付き合いください。

 あと、令さまをかわいく書いてしまうのは、自分の中で『令さま=ともねえ』のイメージがあるからだったり。
379名無しさん@ピンキー:03/12/03 03:35 ID:vm3kCWfk
うおおぉグッジョブ!
令様凄くかわええ…。
380祥子VS可南子:03/12/03 03:57 ID:HeprYCVY
NGワードは祥可かな。
381祥子VS可南子:03/12/03 03:58 ID:HeprYCVY
「みんなの期待を裏切らないでください!」
可南子ちゃんは、悲鳴のような声をあげると、そのまま駆け出した。
しかし、出口にはいつの間にか人の姿があって、可南子ちゃんの行く手を阻んだ。
「ずいぶんと、ひどいことを言うものね」
凛としたその声に、祐巳は目を見開いた。夢のようにそこに立っていたのは、
大好きなお姉さまだったのだ。


「ごきげんよう」
「ロサ……キネンシス?」

「祐巳に憧れていたんですって?」
「はあ」
「でも正体を知って幻滅したんですって?」
「はあ…」
「祐巳泣いてるわよ」
「……」
「勝手に好きになって、まとわりついて。なのに、自分が思っていた人間像と
 違っていたからといって、相手を傷つけてもいい。そんな理屈が通ると、
 本気で思っていて?」
「お姉さま…」
「『少し気になるから、注意して見ているように』って昨夜聖さまに言われて、
 それとなく様子を伺っていたのよ」
「でも驚いたわ。まさか自分がこの世界の法律だと思っていたなんてね」
「別に自分が法律だなんて思っていません」
「そう…? なら安心したわ。これで心おきなく忠告できるわね」
382祥子VS可南子:03/12/03 03:59 ID:HeprYCVY
「あなたは祐巳を好きになる資格はないわ。あなたの本質は電波なのだから」
「あなたは、人の気持ちを思いやらない自己中心的な人間。自分の理想像を
 相手に押し付け、一方的に奉仕する。上辺だけなのよ。そんなあなたが本当に
 考えてるのは、自分自身の幸せだけ」
「ち、ちがっ…」
「そんなあなたが何を求めて祐巳を好きになるの?」
「私はそんな風に祐巳さまのことを好きなわけではありません…。
 でも、私にだって祐巳さまに求めるものがあってもいいはずです」
「ふーん、言ってごらんなさい。何が望みなの?」
「……」
「どうしたの? 本当に心の底から祐巳に望むものなんてないのでしょ?」
「違います!」


可南子ちゃんはそのままうつむいて少しの間じっと黙っていたが、
ようやくしぼり出すように言った。


「祐巳さまの…祐巳さまの……妹になりたい」
「!?」

「祐巳さまと一緒に居たいんです」
「普通に……薔薇の館のみんなみたいに」
「普通に仲良くなりたいんです」
383祥子VS可南子:03/12/03 03:59 ID:HeprYCVY
祐巳は驚いた。妹になるなんて俗っぽい野望は持ってないんじゃなかったっけ?
でもうつむいたままきゅっと口をつぐんで、ぼろぼろ涙を流し始めた可南子ちゃんを
見ていると、どうもそんな突っ込みを入れるのは野暮な雰囲気だった。


「無理ね」
「!」
「あなたに姉妹なんて出来やしないわ。あなたは、人というものを、を自分を心地好く
 してくれるか、そうでないかでしか判断できない。そういう人間だもの」
「今のあなたには祐巳がまぶしすぎて計りきれないだけよ。姉妹になりたいわけじゃない」
「祐巳と姉妹になったら、いつかあなたは祐巳にロザリオを返したくなる。
 姉妹を解消された祐巳がそれでも自分をもう一度求めてくれるか、試したくなる」
「なぜなら、あなたは根っからの背後霊だから」


沈黙が流れた。


「細川可南子! 祥子さまだろうとなんだろうと、今回限りは言わせてもらいます!
 祥子さまの言うことなど聞く必要はありません!!」
「瞳子ちゃん何時の間に!?」
384祥子VS可南子:03/12/03 04:00 ID:HeprYCVY
どこから聞いていたんだろう。温室の入り口から瞳子ちゃんはいきなり飛び出してきた。


「いつもの調子で切り返しなさい!
 祐巳さまと仲良くなりたいですって? 寝ぼけないで!
 祐巳さまはいつだってそのつもりだったわよ!」
「え? そうなの祐巳?」
「は、はい…」
「そう、参ったわね。祐巳はもうそのつもりなのね…」

「よし、祐巳の妹は瞳子ちゃんにします」
「!?」

「薔薇の館に電波なんていらない。邪魔なだけだから。で、瞳子ちゃん良いわね?」
「さ、祥子さまちょっと待ってください」
「…拒むの? あなただって本当な祐巳の事を」
「やめてください!!」
「困ったわね…。生徒会運営の観点からすれば、瞳子ちゃんが来てくれた方がいいのに。
 ここで無理やり瞳子ちゃんを祐巳の妹にしたら、まるで私が悪者、可南子さんは被害者
 みたいじゃない」
「……」
385祥子VS可南子:03/12/03 04:01 ID:HeprYCVY
「…そうだ! 祐巳に命令すればいいんだわ!」

「それなら、祐巳がどう思ってても関係ない。妹にとって、姉の命令は絶対なのだから」
「そうよね祐巳?」
「そ、それはそうですが…」

「聞いたわね? 細川可南子さん。
 私と対決して命令発動を阻止しないと、祐巳の妹にはなれない。
 祐巳の妹になるためにこのあたくし、紅薔薇こと小笠原祥子と向かい合えて?」
「わ、わたしは……」

「あなたにはできなくってよ」
「なぜならあなたは祐巳の妹になることなんかより、
 今この場で私の怒りに立ち向かえるかどうかの方が大事だから」
「そしてあなたの中で答えはもう出てる。『自分には怒ったロサ・キネンシスは怖すぎる』」
「『勝ち目のない罰ゲームはやるな』 体育祭で思い知ったはずでしょう?」


そう言い切った祥子さまは手を可南子ちゃんのタイに伸ばした。
386祥子VS可南子:03/12/03 04:02 ID:HeprYCVY

「動かないで」
「少しでも動いたらバトル開始の合図と見なします。
 同じく、私の手があなたのタイに触れた瞬間からバトル開始とします」
「止める方法は一つだけ。わかるわね?」
「でも……忘れないで。あなたが私と対決しなければ、
 大好きな祐巳は永遠にあなたの姉にはならなくなるのよ」




「……ごめんなさい。私の……負けです」

「あーよかった。これで一件落着ね。おーほっほ、嘘ですよ。
 祐巳に瞳子ちゃんを妹にするように命令するなんて嘘よ。
 あなたが祐巳の妹にふさわしいか試してみたかっただけなの。
 でもこれではっきりしたわ」
「あなたにスールを作る資格はない」
「必要もない」




〜『極悪祥子さまが見てる』〜 (完)
387名無しさん@ピンキー:03/12/03 04:36 ID:yHLrPclC
・・・・・・・・・・(;´Д`)
388名無しさん@ピンキー:03/12/03 06:34 ID:nTe50Gqo
なぜエロパロ板に書く?w
389名無しさん@ピンキー:03/12/03 07:56 ID:l1r0pbv+
なんつーか、自分の中では令×祐麒は新境地というか
すごい革命的事項だったので、ぜひがんがって続き書いてください
面白かったです
390名無しさん@ピンキー:03/12/03 08:05 ID:AqqAZOQJ
>前スレ669氏
俺は令×祐麒楽しみにしてたので続ききてうれしかったですな。
令=ともねぇ って・・・次回は祐麒が敵に襲われ瀕死になり、
かけつけた令が纏身して怪人と戦い、祐麒に血をわけてHシーンなんですね?

それはマリみてなのか?という疑問はありますが楽しみにまってますw
・・・嘘です、そんな話にはしないでしょうしw
391名無しさん@ピンキー:03/12/03 08:50 ID:Pc2yi5Gq
みなさんマリみてのエロパロを書いてください
392名無しさん@ピンキー:03/12/03 08:54 ID:zHxJKGkG
>390
で、由乃が姉貴で、祐巳がお姉ちゃんで、祥子さまがお姉さまで
聖さまがねぇねぇで・・・って、いいかげんにしろ!(俺)
ファン層(特にこの板では)けっこう被ってると思うけど、お互い
ほどほどにしとこうな。
393名無しさん@ピンキー:03/12/03 09:49 ID:uPDsQPfR
>391には悪いがエロがなくてもよろしいか?
登場人物は祐巳、令、聖。

メル欄は"お買い物shino"
394お買い物:03/12/03 09:50 ID:uPDsQPfR
ちょっと遅いけど衣替えネタ。

ある初秋の日曜日。
「令、たんすの中身入れ替えちゃいなさい」
「はい」
朝から何かと忙しい。お母さんが納屋から出してくれた衣装箱を部屋に運び込み、夏服と入れ替える。
防虫剤の臭いが鼻を突く。一枚一枚一度確認しながら箪笥に入れていった。
最初はしぶしぶだったものの、やっていくうちに鼻歌交じりでてきぱきと進む。
やはり自分はこういったこまごまとした事に向いているのだな、と実感しながら、仕事を進めていく。

「はい、おしまい」
一仕事終えた達成感から、ぽんと手を打った。
箪笥を上から一段一段確認していってお終いにしよう、そう考え次々に見ていく。
違和感はそのときに生まれた。
「あれ、…あれ?」
おかしい、無いな。
念入りに探したが見つからない。
衣装箱もチェックするがそこには今入れ替えた夏服があるばかり。

「もしかして、秋冬物のスカート、一着も無い…?」
乙女ちっく女子高生、支倉令にとってそれはいささかショッキングな出来事であった。
395お買い物:03/12/03 09:52 ID:uPDsQPfR
さて、誰に相談しよう。
ショックから立ち直った後で頭を抱える。
服ぐらい一人で買えないこともないが、以前、かわいいなと思った服を買ったら由乃に酷評された事があって、
それ以来少々自信消失気味だった。

(やっぱり、由乃かな)
『何、令ちゃん。スカート一着も持ってないの? それでも本当に女? それだからミスター・リリアンなんて…』
駄目だ駄目だ。馬鹿にされるに決まってる。
それにお互いの持ってる服まで知る尽くしている仲だし、たまにはこっそり買ってびっくりさせたい。

(じゃあ、お姉さまかな…)
『お姉さま、ご無沙汰してます。お変わりありませんか。ところで今日お暇ですか? 実はスカートを買いたいんですが』
なんて間抜けな誘い文句だろう。しばらく会ってもない妹から突然こんな電話が来たらさぞびっくりするに違いない。
同様に蓉子さまも聖さまも却下。

(祥子は…)
『へえ、どこに買いに行くの? 銀座?』
前提となる予算が違いすぎる。高級ブランドの服を薦められても買えやしない。

(志摩子?)
『そちらもお似合いですわ。あら、こちらも…』
なんだか試す服ぜんぶ賛成してきそうだ。服探しのパートナーとしては当てに出来ない。

(乃梨子ちゃんは…無理ね)
志摩子とは別の意味で『どれでもいいんじゃないですか』と言われそう。
呆れたまなざしでみられながらショッピングを楽しむのはキツイ。

(じゃあ、やっぱり祐巳ちゃんだな)
こうして相談相手は大本命の祐巳に決まったのだった。
396お買い物:03/12/03 09:52 ID:uPDsQPfR
「はい福沢です。あ、令さまごきげんよう。え? …はあ、構いませんけど。
 由乃さんには内緒。はい。分かりました。じゃあ1時にK駅の西口で」
ピ。電話の子機を置いて祐巳が首を捻る。
「令から? 珍しいね」
電話の邪魔をしたら悪いと、おとなしくしていた聖さまが祐巳に抱きつきながら聞く。
「高校と大学に別れちゃったからって、他の女と浮気しちゃ駄目よ」
「しませんってば。…ふだんは電話なんか来ないんですけど。なんか事情があるらしくて」
祐巳がその『事情』とやらを語る。聖さまは身をよじって大笑いした。
「わっはっは。令って意外とそんな事気にするんだねー。…ついていっていい?」
その目は「だめだといわれてもついて行っちゃうよ」と雄弁に物語っていた。
397お買い物:03/12/03 09:54 ID:uPDsQPfR
K駅、1時5分前。令は多少緊張しながら待ち合わせの場所に立っていた。
最愛の従妹に見つからないようにこっそり出てきてしまったおかげで、なんだか逃亡者のような
不思議な心持ちである。ただ、後輩と服を買いに行くだけだというのに。
しかし、由乃以外の誰かを呼び出して休日を過ごすということがまれな令にとって、動悸を早めさせるに十分だった。
そわそわしながら待ち人を探す令。
(なんだか、これじゃ祐巳ちゃんとデートするみたいだな)
祐巳ちゃんとデート。その考えが頭に浮かんだ瞬間、由乃の般若のような形相が脳裏に浮かび、慌てて振り払った。

「令さま、お待たせしました」
その声に振り向く。祐巳ちゃんが手を振りながらやってくる。
チェックのスカートを履いているのを見て、ああやっぱり女の子はスカートなんだなとちらりと思う。
そして、祐巳の後から一緒にやってくる人物に気がついてのけぞった。
「白薔薇さま!?」
チェシャ猫ばりのにやにや笑いを顔に浮かべ、祐巳の肩に手を置いて聖さまがいう。
「ごきげんよう、令。白薔薇はやめてよね。もう代替わりしたんだから」
令は頭を抱えながら祐巳と聖さまを見比べた。
(しまった…!! この二人、付き合ってたんだ!)
今年の初めに紹介されたのではなかったか。
「祐巳のところに遊びに行ったらさ、令が電話かけてくるじゃない」
迂闊だった。何でその可能性に気がつかなかったのだろう。
「で、祐巳に浮気されちゃ困るから、私もついてきたわけ」
この人は全く変わっていない。面白いからついて来たに決まってるんだ。
令は祐巳に恨めしげな視線を送る。「ゴメンなさい」と手を合わせて謝ってくる祐巳。
「さあ行ってみようか。今日は令ちゃんをとぉってもかわいくしちゃおー!」

くるりときびすを返し駅ビルに入っていく聖さま。尻尾を振ってついていく祐巳。
全身を襲う脱力感と戦いながら、令は二人の後を追った。
398お買い物:03/12/03 09:55 ID:uPDsQPfR
「まずは好きなものを選びなさい。私たちも探してあげるから」
婦人服のフロアに着いたところで、祐巳と聖さま、令という二手に分かれて探すことになった。

「令さまは足が長いから、それを生かしたものの方がいいですよね」
「それにあの子はあの外見だしね。ちょっとクールな感じで決めたほうが…」
祐巳と聖さまが顔をつき合わせて考える。まずはどんな方針でいくか決めるのも一苦労だ。

「あ、ここにいた。持ってきました」
そこに令がやってきた。意外と早いなと思って振り向く二人。
「………」
そして固まる二人。表情を見て、自信満々だった令の顔が曇る。
「…もしかしてダメですか?」
「ダメも何も、どうしてピンクハウスなのよ」
「可愛いなと思って。似合いません?」
そういって自分の腰に当てる令。
長身でボーイッシュな彼女がフリルのついたひらひらのロングスカートを当てているのは気持ちが悪い以外の何者でもない。
(アリスのほうが似合いそう)
祐巳は思った。
399お買い物:03/12/03 09:55 ID:uPDsQPfR
「こっちはどうです?」
「…パリの高級娼婦みたいね」
黒エナメルのミニスカート、却下。

「じゃあ、これ」
「それを真冬に着るんですか?」
薄手のワンピース、却下。

「これなんか私にぴったりだと思ったんですが」
「うーん、あなたが着るには40年ほど早いのと違う?」
黄色い薔薇の柄が施されたおばさんスカート、却下。

「………」
「それ、パンツじゃないですか」
「令、相当混乱してるわね」
400お買い物:03/12/03 09:57 ID:uPDsQPfR
結局、令が選んだのは黒に緑を一滴落としたような色の、膝下まであるスカートだった。
「では、買ってきます」
スカートを抱え、意気揚々とレジに向かっていく。

「はあ…」
後に残された二人はげんなりとため息をついた。
二時間ものあいだ、令は次から次へととんでもないスカートばかり持ってきた。
よくぞまあこんなものを見つけてくるものだと感心するぐらいの代物ばかりである。
令の微妙なファッションセンス攻撃は気力体力を相当に消耗させたのだった。

「疲れたね」
「そうですね」
もう、喋る気力もない。
「あれ、いつもの制服とどこが違うんでしょうね」
「…もういいじゃない。また一から選びなおすのは勘弁してほしいわ」
そこへにこにこにながら令が帰ってくる。
「どうもありがとうございました。喫茶店でも行きませんか? ご馳走します」

来るときとは逆に、軽い足取りの令の後を二人が肩を落としてついて行く格好になった。
401お買い物:03/12/03 09:58 ID:uPDsQPfR
日曜午後の喫茶店は混んでいたが、ほとんど待たずに席を確保できた。
ここのケーキがおいしいんですよと、令お勧めのお店らしい。
「甘いのどれ?」
メニューを開くやいなや聖さまは令に聞いた。
「季節のフルーツのタルトなんかはお勧めですけど」
「じゃあ、それで」
「そうですか。聖さまはこのダークチョコレートのケーキとかにするかと思ってました。
 ほろ苦くておいしいですよ」
「気持ちは嬉しいけど、今は甘いものが食べたいのよ」
「はあ」
だめだ。令さま全然気付いてない。
祐巳がメニューから顔を上げると、令がデパートの袋のなかをそっと伺うところだった。
スカートを買えたのがよほど嬉しいらしい。


注文したケーキと紅茶がきて、三人で食べる。
「それにしても、令がスカートを持ってないのを気にするなんて思わなかったわ」
「去年までは持ってたんですけどね。ガムがくっついてしまったんで捨てたんです
 …聖さまはスカートをお持ちなんですか?」
令が聖さまの服装をちらりと伺う。デニムパンツに男物のジャケット。
顔立ちとあいまって、中性的な雰囲気。
「失礼な。私だって持ってるわよスカートぐらい」
そういって隣に座った祐巳の髪に手を伸ばす。
「でも、祐巳と会うときはねぇ。私がスカートはいてって祐巳がパンツで来たらどう思う?」
頭の中で二人の服装を入れ替えてみる。ついでに腕を組ませる。
「周りの目なんか気にしないけど、そうは言ってもやっぱりね」
402お買い物:03/12/03 10:00 ID:uPDsQPfR
弾んでいた気持ちが萎む。もしかしたら由乃は自分がスカートを履くことを望んではいないのだろうか。
考え込んでしまった令に慌てて聖さまがフォローした。
「でも、由乃ちゃんを驚かせたくてわざわざ内緒でスカート買ったんでしょ?
 好きな人が自分のためにお洒落してくれるんだから、嬉しいに決まってるわよ」
祐巳の肩に腕を廻したまま、もう一方の手を伸ばして令の頭をわしわしと撫でる。
「そうですよ。そのスカート、とってもよく似合ってましたよ」
絶妙なタイミングの合いの手を入れる祐巳。
ごく自然なカップルになっている二人を見て、急に由乃に会いたくなった。

「じゃあ、私はお先に。お会計、ここにおいておきますからごゆっくりどうぞ」
ケーキを平らげ、そそくさと席を立つ令。
「はいお疲れ様、次からは愛しの由乃ちゃんに選んでもらいなさいね〜」
ひらひらと手を振る二人を残して令は去っていった。

令が店を出るのを確認して、二人とも息をついた。
「あれじゃ、由乃さんが怒るのも仕方がないですね」
「そうね。…祐巳、パフェでも食べない? おごってくれた令には悪いけど、糖分が全然足んないわ」
「そうですね。 今日、これからのこともあるし♪」
「ふふん。今夜は寝かさないよ、祐巳」



さて、あのスカートがどうなったかというと…
「うーん、これに会う上着が全然ないわ…」
じつはまだ、箪笥に眠っているのです。

おしまい。
403名無しさん@ピンキー:03/12/03 10:49 ID:IDmddget
由乃「それだからミスターリリアンなんて言われるのよ」
令「んー、それはですね、こうズバッと、ファンシーにですね、
  グルッとイメージチェンジでですね…」
404名無しさん@ピンキー:03/12/03 11:30 ID:SMtAu05E
>>393
(アリスのほうが似合いそう)
祐巳は思った。  のとこワロタ

 令ちゃん可愛い・・・あと山百合会メンツの反応のトコが
多様でおもしろかった! しかし付き合ってるのかあの二人w 
405名無しさん@ピンキー:03/12/03 13:09 ID:BjZBoII4
これの原作の事は良く知らないけど、このSSはつまらなかったよ!
406名無しさん@ピンキー:03/12/03 13:21 ID:Eypj53Pk
>>405
warata
407名無しさん@ピンキー:03/12/03 13:23 ID:AtTwvUnu
これの原作の事は良く知ってるけど、>>405のレスはつまらなかったよ!
408名無しさん@ピンキー:03/12/03 14:08 ID:k6c8C3LN
これは伝説の吾妻ひでおオチ……。
409名無しさん@ピンキー:03/12/03 18:11 ID:j2JQjyB7
SSのパラレルとして
覚醒祐巳と極悪乃梨子の対決が読みたくなった…
410名無しさん@ピンキー:03/12/03 18:26 ID:bOCQSa6f
>>393
乙〜
割とおもしろかったよ。
それにしても・・・聖さまのスカート姿見てぇー!!
411名無しさん@ピンキー:03/12/03 19:06 ID:0IH8SWus
>>405
ワラタ
412名無しさん@ピンキー:03/12/03 19:54 ID:jS9Uixey
SS投下します。

スレ#5(贈りエロ前編)の731(温泉編)の後の話という設定です。
前の読んでなくてもほとんど平気です。
とりあえず前作までで志摩子と乃梨子は既にそういう仲になってるので、そこだけ
踏まえていただければ。

メール欄は「現白お聖堂編sage」です。
413現白SS3(プロローグ1):03/12/03 19:57 ID:jS9Uixey
「いつも付き合わせてしまって悪いわね」
「いいよ。志摩子さんがお祈りしてるのを見るの、私好きだもん」

少し肌寒くなりかけたある土曜の放課後、私は乃梨子と共に学園内のお聖堂へ向かって
歩いていた。

私は時々、祈りを捧げるためにお聖堂へ行くことがある。薔薇の館での仕事がある日などは、
今日のように下校時間ぎりぎりまでに遅くなってしまうことも珍しくはなかった。
しかし、そんな時でもいつも乃梨子は当然のように私に付き合ってくれている。
そして、時々ならまだしも律儀に毎回付き合ってくれることに対して私が遠慮をするような
ことを言うと、乃梨子は決まって「気にしないで」と言って微笑んでくれるのだ。

思えば私も、仏像に真剣な眼差しを注ぐ乃梨子のことを眺めるのは好きだった。
乃梨子の寺院巡りに付き合うのを面倒だなどと思ったことはなく、私にとってそれは
むしろ楽しいことなのだ。きっと、それと同じことなのだろう。

そう思いながら隣で歩く乃梨子の横顔を盗み見ると、彼女もまた、今の私と同じように
何か考え事をしているようだった。
会話の無い時間を苦痛に感じてしまう仲ではなかったので、私も言葉をかけることもなく、
そのまま静かに並んで歩く。
こうして無言で肩を並べている時間も、私にとっては大切な瞬間なのだ。

そうして生徒もほとんど帰宅した静かな校内を歩いていると、ほどなくして厳粛に佇む
お聖堂が見えてきた。その外壁は、もうほとんど沈んでしまった夕日に照らされて微かに
赤く染まっていた。その脇の、人気の無い所にさしかかる。
そこで周りに人がいないのを確認すると、私たちはどちらからともなく、軽くキスをした。

いつの日からだったろう。
気が付いた時には、ここでこうして口接けを交わすことが当然のようになっていた。
414名無しさん@ピンキー:03/12/03 19:58 ID:KRvN/N3/
現白クル━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!
415現白SS3(プロローグ2):03/12/03 20:00 ID:jS9Uixey
初めて乃梨子と唇を合わせたあの日。
乃梨子の部屋でそういう行為をしてから、いくらか月日が流れた。そして私と乃梨子は、
あれからも何回か肌を重ねていた。
互いの家で二人きりになれることはそれほど多くはなかったが、しかしその僅かな
機会を得る度に、二人とも少しずつ自分の気持ちに正直に、そして大胆になっていった。

そう――私は正直になっていた。
乃梨子の前では素直に自分の心をさらけ出せることに、確かな幸せも感じている。

「ちょっと寒くなってきたね」

乃梨子はお聖堂の扉を開けながら振り返り、寒そうに肩をすくめながらそう言った。
乃梨子の後に無意識に続きながら物思いに耽っていた私は、慌てて意識を現実に引き戻す。

「もう、秋も終わりなのね」

お聖堂の中へと先に入る乃梨子の後ろ姿を見つめ答えながら、私は思った。
桜が散り始める時期に乃梨子と出会い、季節が初夏に移り変わろうとする頃、私たちは
姉妹の契りを交わした。
そして今へと続く時間の中で、私はゆっくりと良い方向へ変わっていっている。
……乃梨子は、どうだろう。

心の中に想いを溜め込む私とは違って、乃梨子は元から正直だったのだ。
私が彼女に惹きつけられた理由はいくつもある。その中の一つにはきっと、自分には
無い乃梨子のそういう真っ直ぐな気質も含まれているのだろう。

しかし、最近の乃梨子は……なにか心の中に悩みを抱えているようだった。
いつもなら私に相談してくれるはずなのだが、今回はその悩みを私に打ち明けてくれそうな
様子は今のところはなかった。

それは多分、その悩みが、この私に関係していることだからなのだ――
416現白SS3(1-1):03/12/03 20:06 ID:jS9Uixey
お聖堂の中で、祈りを捧げている志摩子。
乃梨子は長椅子に座り、後ろからその様子を静かに眺めていた。

祈りを捧げている志摩子の姿をこうして見ているのは好きだった。
いくらカトリック系の学校とはいえ、志摩子のように信心深い生徒は意外と少ない。
乃梨子もまた、この学校に入学してからは祈りの言葉も覚えたとはいえ、信仰心とは
無縁の存在だった。
自分がそういう性質であるからなのか。
心の底からの祈りを実体のないものに捧げるという行為ができる志摩子のことは、
誇らしくさえあった。
今も志摩子は微動だにせず、静かに祈りを捧げている。

(………………)

そうして数分経った頃だろうか。志摩子の後ろ姿をじっと見つめているうちに、乃梨子は
自分の心が落ち着かなくなってくるのを感じ始めていた。
――まただ。
祈りを捧げている志摩子を見ていると、心が休まる。いくらでも見つめていられた。
いや、いくらでも見つめていたいと言った方がいいだろう。

しかし最近は、志摩子のことを見つめることによって心が満たされるのと同時に、何か
もやもやとよく分からない気持ちが心の中に沸き起こってくる時があるのだ。

(私、この頃ちょっとおかしいかも……)

志摩子はまだ熱心に祈っている。今日はいつもよりも大分長いようだ。

乃梨子はいつものように、ただ志摩子の後ろ姿を見つめていただけだった。
そして乃梨子が自分の心のざわめきについて自覚し、それに気を取られ始めたその時。
今すぐにでも志摩子の側へ行って後ろから強く抱きしめたい……そんな激しい衝動が、
何の前触れもなく乃梨子の心に沸き起こってきた。
417現白SS3(1-2):03/12/03 20:09 ID:jS9Uixey
いつものもやもやではなく、急に具体的な欲求を伴って心に浮かび上がってきた
その衝動。乃梨子は自分の心に驚き、冷や水を浴びせられたような気持ちになり、
密かに身震いをした。
椅子の上で不自然に身じろぎをし、慌てて自分の心を押さえ込もうとする。

今抱きしめることなんて、できはしないのだ。熱心に祈りを捧げている志摩子の邪魔を
してしまうことになる。そう、そんなことはしたくはない。でも……。

志摩子のことを抱きしめたい気持ちと、そうはできない気持ちとが混ざり合って、
乃梨子の心の中は訳も分からず複雑だった。

どうしてこんな気持ちになったのだろう。志摩子のことを見ているだけで、確かに
幸せなのに。でも自分も同じ心を共有できたら、同じように隣に並ぶことができたら……。
そうしたら、もっと多くの幸せを感じられるのかもしれない。

(好きな人と同じ行動をしてなくちゃ気がすまない人って、いるよね)

自分もそうなのだろうか……。いや、自分はそんな性格ではなかったはずだ。
少なくとも今までは、そんなことを思ったことなどありはしなかった。
そう、今までは……。

どうやっても入り込むことができない志摩子の心の領域。確かに存在しているその
部分に、少しでいいから自分も踏み込みたいと思っているのだ。
そう思い当たった瞬間、乃梨子はそんな感情を抱いてしまった自分のことが悲しくなった。

「乃梨子?」
「えっ?」

名前を呼ばれ、ふと気付いて顔を上げると、祈りを終えたらしい志摩子が自分の前に
立っていた。どうやら考え事に没頭してしまっていたらしい。志摩子は不思議そうに、
乃梨子の顔を覗き込んでいる。
418現白SS3(1-3):03/12/03 20:14 ID:jS9Uixey
「どうかしたの?」
「ううん、なんでもない。ここって静かだし、ちょっと考え事に夢中になっちゃった。
さ、帰ろう」

内心の動揺を隠しながらそう微笑んで誤魔化し、乃梨子は椅子から立ち上がった。

お聖堂の扉を開けると、外は来た時よりもまた少し寒くなっているようだった。
そして中に入った時には微かに姿を残していた夕日も、もう既に沈んでしまっている。
どんどんと暗くなっていく校内を、二人は並んでバス停へと歩き出した。

(私、志摩子さんのことを独り占めしたいのかな……)

乃梨子は外気に少し身体をすくめながら、自分の心を整理しようと一人懸命になっていた。

相手のことが誰よりも大切ならば、一秒でも多くの時間を自分のために割いてもらいたい。
そう思っても当然だとは思う。

(好きなんだから、こんな気持ちになっても当然だとは思うけど)

別に他の誰かに取られそうになっている訳でもないのに。自分には入り込めない領域が
その人の中にあるのが、ただもどかしいだけなのだ。
しかし、自分はそこまで嫉妬深かったのだろうか。

そんなことを考えながら並んで歩いていたその時、乃梨子の手が志摩子の手を偶然
かすめた。

「――!」

乃梨子はとっさに、触れた手を慌てて引っ込めた。
その乃梨子の反応に、志摩子は少し不思議そうな顔をしている。そして乃梨子自身も
また、無意識のうちの自分のその行動に驚いていた。
419現白SS3(1-4):03/12/03 20:28 ID:jS9Uixey
今は周りに誰かがいる気配もない。普段だったら照れる志摩子の手を取り、そのまま
繋いで歩いたはずだ。
しかし今日はどういう訳か、それができなかった。志摩子の手に、何故だか触れては
いけないような気がしたのだ。

今触れてしまったら自分が抱いているこの良く分からない感情が、繋いだ手を通して
志摩子にも伝わってしまうかもしれない……。そんな気がしたのだ。

「大分寒くなってきたし、早く帰ろう。風邪引くといけないし」
「ええ……そうね」

乃梨子は誤魔化すように、笑顔を作りながらそう言った。
今日の自分はどうかしている。
志摩子から視線をそらし、少し早足で歩き出した。

帰り道、乃梨子は自分の心に意識が向かないように無難な話題を志摩子に振り続けた。
そしてとりとめのない話をしながらも、時折志摩子が何か言いたげな視線を自分に
寄越すのを乃梨子は確かに感じていた。しかし乃梨子はそれに気付かない振りをして、
一方的に話し続けたのだった。

そうしてバス停で志摩子と別れると、乃梨子は何故だかほっとした気分になった。
だがそれと同時に、自分の悩みで精一杯なことに憤りも感じ始めていた。

(ほんと、どうかしてる。志摩子さんにも心配そうな顔させちゃったし……)

ため息をつき、一人JRの駅へと歩き出す。
しかし一歩足を踏み出すごとに、その足取りは鉛のように重くなっていったのだった。



(「お聖堂」乃梨子編1 終わり)
420412:03/12/03 20:30 ID:jS9Uixey
次回へ続きます。
早めに投下できると思います。たぶん週末頃には。


それにしても夜はやっぱ混むのか、いつまで経っても「サーバーの負荷が高いので
書き込めません」攻撃が。今日はもうダメかと思ったよ。
最後のなんて15分待ち(つД`)。
専用ブラウザ入れてるんだけどもなぁ。書き込むときは関係ないのかな。

421名無しさん@ピンキー:03/12/03 20:42 ID:bOCQSa6f
>>412
乙!
(ほんとだ、メチャ時間かかった・・・)
422名無しさん@ピンキー:03/12/03 20:48 ID:HjbNToQa
>>412
乃梨子(*´Д`)ハァハァ

18時から19時の間と、20時から21時の間が特に混むみたいでっせ。
参考URL:http://ch2.ath.cx/load/www2.html
423名無しさん@ピンキー:03/12/03 20:50 ID:HjbNToQa
……メル欄無視して
424名無しさん@ピンキー:03/12/03 20:57 ID:cTRsn/Zn
(・∀・)ミタヨー
425名無しさん@ピンキー:03/12/03 20:58 ID:l1r0pbv+
↑蔦子さん
426名無しさん@ピンキー:03/12/03 21:09 ID:SMtAu05E
 やヴぁい!!現白さん!!! うわ!前スレとか
過去ログとかから好きです!おお! 
新作 おお!! 思わず書き込み。今から読ませてもらいます。
427閑話、WkCR1/5:03/12/03 22:26 ID:HjbNToQa
 写真の中で――みんなは幸せそうに笑っていた。
 マリア様を中心に、同じ制服を着た少女が集まっていて。
 もちろん泣いているヒトも、少し目を潤ませている人もいるのだけれど、で
も確かにみんなは笑っていた。
 そんな中で……自分の顔だけが真っ黒く塗りつぶされている。

 塗り潰したのは、私。
 マジックで何度も何度も上にひいて、そこだけ黒く光っている。
 みんな、みんな、幸せそうで――。
 蓉子さまも、お姉さまも、聖さまも、志摩子さんも、由乃さんも、江利子さ
まも、令さまも、そして――私という名前の誰かも。
 楽しそうにはしゃいでいる。
 まるで夢の中の一部分だけを切り取って、ソレを写したみたいで。
 だから……とても哀しかった。
428閑話、WkCR2/5:03/12/03 22:27 ID:HjbNToQa
 電気を点けていない部屋の中は真っ暗で。
 わずかに窓の外から射してくる月のひかりに写真をすかして、私はベッドの
上で膝を組んで丸めて座っていた。
 幸せが永遠に続くだなんて、どうして思っていたんだろう?
 この頃の自分に訊いてみたかった。
 あんなに堅いと信じていた絆は、驚くほど脆くて。
 そうなったときの私は、どうしようもなく弱い存在だった。
 別れることを、壊れることを恐れて誰とも関わらないなんてそんなの味気な
いじゃない、――聖さまは昔そんなことを言っていたけれど。
 身を切られるような別離を経験して、それでも辛さを乗り越えることが出来
たのは聖さまの強さ。
 私には……到底そんなことは不可能だった。

 そう。今も、昔も、周りの人たちは全く変わってはいない。
 変わってしまったのは私だけ。
429閑話、WkCR3/5:03/12/03 22:27 ID:HjbNToQa
 みんなはどんどん真っ直ぐに成長していく。片手だけ繋いで、もう一方の手
を絶えず未来へと伸ばしている。
 だけど、私は足元を絡め取られて浮かび上がることが出来ない。
 あの事件以来、私は酷く何かを恐れているようだった。
 お姉さまが私のことを嫌いになるはずはない、あれは不幸なすれ違いだった
のだって既に分かっている。由乃さんともさらに親友になれた。
 なのにどこかそれを素直に受け取れない自分がいる。
 こんなに自分が醜い人間だとは思わなかった。言っていることも、向けられ
ている感情も、事件の前から何にも変わっていないはずなのに私はどこかでそ
れを疑ってしまっている。
 乃梨子ちゃんに対しても、最近どす黒い感情が湧くのが止められない。
 ただ志摩子さんが乃梨子ちゃんを求めてるという、それだけで。
 私がどうしても入り込めなかった志摩子さんの心の隙間に、乃梨子ちゃんは
苦もせず入りこみ、悩みをあっさり解決してしまった。
 志摩子さんに私は必要ない、そう言われてしまったような気がして。
430閑話、WkCR4/5:03/12/03 22:28 ID:HjbNToQa
 私はいつしか歪んでしまったのだろう。
 いつしかみんなが自分のもとを羽ばたいて去っていくのを知って、飛べない
ようにその羽を毟ってしまいたいと思っている。
 お姉さまの脆さが好きだ。
 誇り高く気高い祥子さまが、私のこととなると途端に弱気になってしまうこ
とが嬉しくてしょうがない。
 志摩子さんの儚さが好きだ。
 あんなに綺麗で優しい彼女が、ときに葛藤して揺れる心を私に晒してくれる
のが嬉しくてたまらない。
 由乃さんや、聖さまや、みんなに対してもそう。
 みんな永遠に今のままでいて欲しい。
 ずっと私に依存して、ずっと私を必要として欲しいと思っている。
 ――なんて狂った考え方なんだろう。
 けれど、もしみんなにそんな欠点が無かったら、平凡な私が必要とされるこ
となんかなかっただろう。
 私はそれが恐ろしくてしょうがなかった。
431閑話、WkCR5/5:03/12/03 22:29 ID:HjbNToQa
 お願いです、どうか捨てないでください。
 好きなんです。
 みんなの側にいられるなら何だってします。罵られてもいいです。嫌われた
って、蔑まれたって構いません。
 私が私でなくなったっていいです。
 
 だから――私のもとから逃げないで……。


「祐巳ぃーっ、晩御飯だってよ」
 ドアの外から祐麒の声が響いた。
 のっそりとベットから起き上がり、扉へと向かう。
 夜空には欠けた月。
 振り返って顔を向けた先には銀色に輝く窓があって、その中に映る自分の顔
はとても――歪んで見えた。
432名無しさん@ピンキー:03/12/03 22:31 ID:HjbNToQa
祐×乃×志のインターミッション的なお話。

祐巳ちゃん電波受信中。
433名無しさん@ピンキー:03/12/03 22:42 ID:o7BAy9k+
    〃∩∧_∧
   ⊂⌒( ´・ω・)   <>>427-431
     `ヽ_っ⌒/⌒c     黒祐巳の原点に踏み込んだか・・・
        ⌒ ⌒
434名無しさん@ピンキー:03/12/03 22:47 ID:vBwQtCfc
うおぉ・・・なんか髪じゃなくて手首にリボン巻くようになりそうな話が・・・
435名無しさん@ピンキー:03/12/03 22:51 ID:olf9fkaD
祐巳、覚醒前夜ですかw
436名無しさん@ピンキー:03/12/03 23:53 ID:oVKRNznp
おー、掘り下げてますね!
イイです。物語がさらに楽しめそうです。
437名無しさん@ピンキー:03/12/04 00:15 ID:jhvn7WLu
>>現白さん
 すっげよかった!よかった!続きめちゃ楽しみにしてます!!
独占欲(*´Д`)ハァハァ

>>HeUHMWWB
 すごい!コレ読んだ後覚醒祐巳読むとまた違う感じになりそう!
こういう暗いのは百合にするといいなぁ。
438名無しさん@ピンキー:03/12/04 00:20 ID:LFhoK79S
仕方ないよ。誰でも志摩子さんは独占したくなる。
二つとも続き楽しみだわー
439名無しさん@ピンキー:03/12/04 00:25 ID:l/e/HT+P
勢いで書いた蓉×祐 投下しまーす
440蓉祐1:03/12/04 00:25 ID:l/e/HT+P
「祐巳ちゃん」

その時、薔薇の館には祐巳と紅薔薇さまだけだった。

「もう祥子と……の交換はしたのかしら?」
「……はい?」

よく聞き取れなかった。
いや、いつだって明瞭な紅薔薇さまの声が祐巳に届かなかったわけではない。
ただ、聞こえた文章があまりに突拍子も無いものだったので、
祐巳の頭は受け付けなかったようだ。

「してないのかしら? 祥子と。ショーツの交換」
441蓉祐2:03/12/04 00:26 ID:l/e/HT+P
どうやら聞き間違いではないとわかると、
祐巳の頭は『ショーツ』という単語には
祐巳の知らない意味があるに違いないと考え始めた。

ショーツと言ったら普通、女性用の下着だと思っていた。
でもそう言えばそもそもの語源は『ショートパンツ』らしい。
ちなみにカタカナ語なのに日本でしか通じないらしい。
ということは、そうか、祥子さまが持っていないようなタイプの、
ショートパンツなんかをお貸しして着せてみたりしたことはあるの?
って意味に違いない。
わあ凄い今日はちゃんと結論が出た。やるじゃん祐巳。えらいぞ祐巳。

「祥子にショートパンツ履かせて妄想の世界に飛んでいっちゃだめよ、
 祐巳ちゃん」

今日も思考は筒抜けのようです……。
442蓉祐3:03/12/04 00:27 ID:l/e/HT+P
「その様子じゃ、知らないみたいね。
 リリアンの『陰の姉妹の儀式』のこと」
「か、陰の……ですか?」
「そうよ」

紅薔薇さまがいつも通りの穏やかではっきりとした口調で説明してくれた内容によると……

男女が隔離されて教育を受け、
結婚するまで異性の体に触れるなんてとんでもない事だった時代。
思春期の女子は、女の子同士で抱き合ったり触り合ったりして
好奇心や性欲を誤魔化す事が珍しくなかったらしい。
そうした関係を『陰の姉妹』と言い、
互いの履いている下着を交換して履くという儀式も行う。
現在でも密かに受け継がれているらしい。

「『陰の姉妹』はあくまで肉体的な欲求を満たすためだけの相手だから、
 普通の姉妹と違う相手でもいいし、何人かの相手と契りを結んでもいいのよ。
 表の姉妹と一致させる人が多いけどね」
「そ……そんな慣習があったなんて……」

平静として語る紅薔薇さまの分までも顔の赤さを引き受けたかの様に
祐巳は真っ赤になって話に聞き入っていた。
443蓉祐4:03/12/04 00:28 ID:l/e/HT+P
「ねえ、祐巳ちゃん。
 よかったら私と契りを結んでみる?」
「えええええ!?」

それまで祐巳の想像の中で顔を持っていなかった抱き合う女子の図が、
紅薔薇さまに抱かれる祐巳の図に変わった。
背景に真っ赤な薔薇が咲き誇っちゃったりして。

紅薔薇さまはあくまでも落ち着いた仕草でゆっくりと席を立って、
祐巳の傍らまで歩みを進めて来た。

「私もたまには白薔薇さまみたいに祐巳ちゃんをギュッてしてみたいな。
 祐巳ちゃんは、こんなおばあちゃんは嫌いかしら?」
「そそそ、そんなことないです! 絶対ないです!」

紅薔薇さまも祥子さまに負けず劣らずお美しいし、
お姉さんお姉さんしてて何か包まれてみたいっていうか、
思い切り甘えさせてくれそうっていうか……ああ祥子さま祐巳は負けそうです。
444蓉祐5:03/12/04 00:29 ID:l/e/HT+P
「祥子は私にとっても大事な妹よ。
 知られたら悲しませるようなことをするつもりなんてないわ。
 祐巳ちゃんの心は祥子のもの。
 私と体を合わせてお互いちょっと気持ち良くなろうってことなの。
 もちろん、祐巳ちゃんが嫌でない範囲でね」

それにこれはリリアンの慣習としても認められていることだから
罪悪感を持つ必要なんて無い、と紅薔薇様はつけ加えた。
祐巳の両肩に手を置いて、後ろから顔を寄せて、耳元で囁くように。
紅薔薇さまの吐息を耳に感じて、ゾクゾクした。

薔薇の館で、紅薔薇さまと、契る。
文を細切れにして組み替える遊びで作ったような言葉だ。
445蓉祐6:03/12/04 00:29 ID:l/e/HT+P
「祐巳……」

吐息に微かに音を乗せて、
そして紅薔薇さまは祐巳の首筋に口付けした。

「ひゃん……紅薔薇……さま」

1回唇を触れさせるごとに、軽く吸い付いて、
しかも舌先でちょっとだけ舐めてくる。
3重のゾクゾクが来て、すぐに離れる。
こんなキス、唇にされたらどうなっちゃうだろう……。

「今だけは……お姉さま、よ」
「…………さま……お姉さま」
446蓉祐7:03/12/04 00:30 ID:l/e/HT+P
そう呼んだ途端、紅薔薇さまは祐巳を後ろからギュッと抱き締めた。
振り返るように顔を横に向ける。目を閉じると、唇を奪われた。

「ん……ちゅ……んん……」
「あ……んあ……ちゅっ……」

紅薔薇さまの唇が祐巳の舌を吸い、しごく。
紅薔薇さまの舌が祐巳の口の中を舐め回す。
椅子に座っていても倒れてしまいそうな程の快感だった。

薄く目を開くと、紅薔薇さまは目を閉じて
せつなそうに眉を寄せて、感じている顔だった。
いつも理知的なその顔が性的な快楽に染まっている様は、
祐巳をとても興奮させた。

荒い息を吐きながら唇を離すと、
混じり合った唾液が糸を引いて祐巳のスカートへと落ちた。
447蓉祐8:03/12/04 00:31 ID:l/e/HT+P
「じゃあ、交換しましょ。下着」

さすがに顔を赤らめながら、
紅薔薇さまは恥ずかしそうに長いスカートの左右をたくし上げ、
両手を潜り込ませた。
少しの間モゾモゾと動いていた手がゆっくりと下ろされ、
スカートの裾から白い布が現れて、そして片方づつ脚から抜き取られた。

「見て、祐巳ちゃん……」

紅薔薇さまは両手の指にかけた下着を広げて見せた。
アソコに当たる部分がベッタリと濡れていた。

「さ……祐巳ちゃんも、ね?」
「……はい」

なんか夢の中に居るような心持ちで、
祐巳も紅薔薇さまの前で下着を下ろした。

「濡れてる所見せて……」

言われるままに、同じように指にかけて広げ、
キスだけでグッショリと濡れてしまった証を見せた。

「嬉しいわ。キスだけでこんなにしてくれたなんて」

紅薔薇さまは祐巳が広げた下着の濡れている部分をつまんで擦って、
ヌルヌルの感触を確かめていた。
448蓉祐9:03/12/04 00:32 ID:l/e/HT+P
それから二人は下着を交換して、脚に通した。

紅薔薇さまの温もりがアソコに貼り付いた瞬間、
祐巳は軽く達しそうになってしまった。

紅薔薇さまは、下着を上げきってもしばらく
手をスカートの中でモゾモゾさせていた。

「ん……あ……祐巳ちゃんの濡れた下着、気持ちいいわ」
「お姉さま……見せて……」
「だめ、祐巳、見てはいけないわ……ああ、だめ……」

祐巳は、紅薔薇さまのスカートの前を摘んでめくり上げた。
紅薔薇さまは、祐巳の目に晒されてもなお、
祐巳の履いていた下着の上から股の割れ目を指で擦り続けていた。
スカートの裾を紅薔薇さま自身の口にくわえさせて、
祐巳も同じようにスカートの前をくわえて、
紅薔薇さまの履いていた下着の布地を自分の粘膜に擦り付けた。

「ん……ん! んんん!」
「んん……んんん……」

スカートを噛んで恥ずかしい声を抑えながら、
二人は夢中でオナニーを見せ合った。

紅薔薇さまの声がオクターブ高くなったかと思うと、
ビクビクと震えて、下着の染みを一段と広げた。
それを見て祐巳も、達した。
449蓉祐10:03/12/04 00:33 ID:l/e/HT+P
「……お姉さまの下着、いっぱい汚してしまいました……」
「いいのよ。それはあげるわ。
 その代わり、今日はそのまま家まで履いて帰りなさい。
 分かる人には匂いで分かってしまうから、気を付けてね」
「はい……お姉さまも……」
「ふふ……そうね」

お互いの指を口できれいにしながら、『姉妹』は微笑み合ったのだった。
450蓉祐おまけ:03/12/04 00:36 ID:l/e/HT+P
「え? そんな慣習無い……?」
「ぶわはははは、なに、蓉子、本当にそんなことあると思ってたの?」
「ちょ……騙したのね、あの夜! 修学旅行のあの夜!」
「だってー、蓉子と相部屋にする当時のクラスメイトたちが悪い」
「あの時あなたには既に栞さんがいなかった?」
「修学旅行だけは、姉妹も関係無い、同い年だけの関係を築く場なの。
 これは本当」
「くぅ……パンツ返しなさい! あの時の!」
「やだよーん」
「こら、ちょっと待ちなさい! ああ、もう……祐巳ちゃんに何て言えば……」

−おしまい−
451名無しさん@ピンキー:03/12/04 00:38 ID:vM6Db29v
紅薔薇様リアルタイムキター
ドキドキしながら読みますた!乙!!

聖様と容子様のも見てみたいっす。
初々しい容子様(*´Д`)ハァハァ
452名無しさん@ピンキー:03/12/04 00:39 ID:5mCqMl+O
>>440-450
ヽ( ´ー`)ノマンセー
453名無しさん@ピンキー:03/12/04 00:43 ID:VQeG8F97
>>440-450
GJ!!
うまく言えないけど、今までありそうでなかったシチュエーションというか。
おぱんちゅ交換とか、目のつけどころがいいでつね。
454名無しさん@ピンキー:03/12/04 01:04 ID:Nom6amip
ネタ投下しまーす

今日は珍しく3年の私達だけしかいない。
蓉子は真面目に、江利子はだらだらと、そして私もだらだらと生徒会の仕事を片付けていた。
「ふぅ〜」と一つため息をつき椅子に寄りかかっていると、なにやら江利子の笑い声が聞こえた。
「また変なことでも思いついたの?」と聞くと、
「ちょっとね・・」と意味ありげに返してきた。
「実はね一週間の間、妹を交換してみない?」と江利子。
江利子の発言に苦笑しながら蓉子の方を向くと何やら悩んでいた。
私は視線を江利子に戻すと。
「それは、私や蓉子にメリットがあるわけ? 私は令や祥子より祐巳ちゃんの方がいいわよ。」と言ってやった。
もう一度視線を戻し蓉子に同意を求めようとすると、
「私は別に良いわよ。これを機会に仲を深めるのも良いかもしれないし。」なんて言葉が返ってきた。
追い討ちをかけるように
「2対1で可決ね。」なんて江利子がニヤニヤしながら言った。
「はぁ〜 しかたないわね〜。 で、どうやって決めるのよ?」とめんどくさげに返すと、
「三人でジャンケンして勝った一人が、二人から一人を選んで、後の残りの二組は別々の姉妹になるように
 すればいいとおもうけど?」と蓉子に返された。
455名無しさん@ピンキー:03/12/04 01:09 ID:Nom6amip
「まあ しょうがないわね。じゃあ、さっさときめましょうか。」と私。
「おもしろくなればいいわね。」と江利子。
「まあ どうなるか分からないけどね。」と蓉子。
そして勝負の結果は、・・・・・・・・・
456454:03/12/04 01:11 ID:Nom6amip
いちよう誰が勝ってどんな組み合わせがいいか、皆さんの意見を聞いて続きを書きますので
ご意見ください
457名無しさん@ピンキー:03/12/04 01:16 ID:bSnMQvAw
>>454
なかなかおもしろそうなネタですな
組み合わせは
蓉子・志摩子
江利子・祥子
聖・令
がよろしいかと
458名無しさん@ピンキー:03/12/04 01:18 ID:l/e/HT+P
>>457
江利子・祥子のところが荒れそう(w
まあ、そこが面白そうなわけだが
459名無しさん@ピンキー:03/12/04 01:19 ID:5mCqMl+O
>>454
つまり選択肢は2個なのですかね?
A。聖→祥子、蓉子→令、江利子→志摩子
B。聖→令、蓉子→志摩子、江利子→祥子
ならば聖×祥子の方向で。
460名無しさん@ピンキー:03/12/04 01:58 ID:M2Jobwrw
取り敢えず聖さまが令ちゃんをゲトしたら
令ちゃんをそそのかして一般生徒を狩りまくるに一票。

江利子と志摩子はなんだかなんだかどうしようもなくなるような…w
461名無しさん@ピンキー:03/12/04 02:05 ID:l/e/HT+P
>>460
小寓寺に上がり込んで水を得た魚の様に
志摩子を質問攻めにする江利子さましか想像できん(w
462名無しさん@ピンキー:03/12/04 02:05 ID:1iY4yU3q
B。聖→令、蓉子→志摩子、江利子→祥子 に一票!
463名無しさん@ピンキー:03/12/04 02:06 ID:cfcuNIjh
聖→祥子蓉子→令:女将と番頭
江利子→志摩子:観察者と観察対象
聖→令:コンビを組んでタップダンスでも…
蓉子→志摩子:似たもの姉妹の茶飲友達
江利子→祥子:放火魔とガスタンク

あまりエロい妄想が湧かんな…。

聖→祥子…は以前に傑作があったので…所詮二人は福沢時空…。
464名無しさん@ピンキー:03/12/04 02:10 ID:M2Jobwrw
女将と番頭、って言葉だけ聞くとエロいんだがなあ…w
放火魔とガスタンクに激しく同意。
465名無しさん@ピンキー:03/12/04 10:56 ID:D2ERs0/K
江利子→祥子がよさげ。
書道部の恨みを晴らしてください(w
祐巳を虐めそうな気もするが。
466名無しさん@ピンキー:03/12/04 11:12 ID:/+IeAoOw
ネタとしてはいいけど、>>454自身は割とヘタレっぽい。
いろんな職人さんの競作きぼん。
467名無しさん@ピンキー:03/12/04 11:34 ID:EywJ4UI+
>>466
そのID、ちょっとかっこいいね。
それはそうと、あまりひどいことを言わないように。
ネタやギャグ書くのって、大変なんですよ……。
468名無しさん@ピンキー:03/12/04 12:25 ID:RZxqYnv1
まあ確かに、組み合わせが2つしかないことには気付いていなかった
ようだが・・・どうせなら二通りとも書いてみては?
469名無しさん@ピンキー:03/12/04 12:56 ID:D8VsxzEX
どうせなら、二通りとも実際に試すって展開でいこうよ。
最初の組み合わせをしたあとで、やっぱりあのコも!ってなると。
470名無しさん@ピンキー:03/12/04 13:58 ID:33S5CW+w
>>440-450
蓉×祐イイ!!
オチもとてもいいのでSS化キボン。
471名無しさん@ピンキー:03/12/04 14:43 ID:TNGPTKLd
>>465
筆で愛撫かっ!? それとも筆を(中略)で字を書かせるのかっ!?
……どうも発想がオヤジくさいなあ、俺。
472名無しさん@ピンキー:03/12/04 15:02 ID:HAng6Cf/
>>467は書き手さんでつか。確かに人を笑わせるのって難しそう。
漫画家とかでもギャグ作家の寿命は短いって言うよね。
二次創作の場合、原作を壊せば良いってもんでもないだろうし匙加減が微妙。
>>469よ、それはだらしなさすぎないか。
>>471は実は聖さま(21禁だよ、ここは)
473454:03/12/04 17:16 ID:Nom6amip
えーとですねジャンケンで勝った人が組み合わせを決められるので
ジャンケンで勝った人=話の中心 にしようかと思っているので・・・・・
逆に負けた方のどっちか片方に自分の妹をやって、
仮妹と観察するなんて事もできますし・・・
474名無しさん@ピンキー:03/12/04 17:32 ID:GasQ2gIx
蓉子さまが勝って、大事な祥子を誰に預けるかという観点で考える。
江利子も色々と問題のある人格だが、
聖と違って身体までは取られないだろうと判断。
(深いところでは、聖を妹と取り合うようなことにはなりたくない)
蓉志 江祥 聖令 に。

あとは『放火魔とガスタンク』とか『書道部時代の逆襲』とか
『孫いびり』とか『女将と番頭』とかに期待。
475440〜:03/12/04 17:41 ID:GasQ2gIx
>>470
お褒め頂き、嬉しいです。
SS化って、どうする事でしょう?
新参者ゆえ、見当違いの問いであったら申し訳ない。
476満ちた月、欠けた月1・1/4:03/12/04 21:23 ID:YOGsnBzv
 ――お姉さまが好き、志摩子さんが好き、由乃さんが好き。可南子ちゃんが
好き、瞳子ちゃんが好き、乃梨子ちゃんが好き。聖さまが好き、蓉子さまも好
き、江利子さまも好き。令さまが好き。
 みんな、好き。
 だって私が持ちえなかったものをみんな持っているから。
 最初はそばにいるだけで心が躍った。夢のような世界があって、夢のような
人たちが自分の目の前にあった。
 だけど……だんだん自分はそこに場違いだということに気づいてしまった。
 シンデレラは王子さまに見初められて結婚したけれど、彼女は運が良かった
だけで所詮は一般庶民でしかなかったのだ。
 王宮の作法も知らず、才能もない彼女にはそこに馴染めるはずもなく。
 けれど物語はもう既に続いてしまっていた。

 ――さて問題です。
 シンデレラは宮殿を追い出されないために、何をしたでしょうか?
477満ちた月、欠けた月1・2/4:03/12/04 21:23 ID:YOGsnBzv
「……祐巳さま?」
 ゆっくりと目を開く。
 ちょうどそこには、見慣れたビスケットの扉を後ろ手で閉じながら静かに入
ってくる乃梨子ちゃんの姿があった。
「ごきげんよう、乃梨子ちゃん」
「祐巳さまも、ごきげんよう。少し遅れてしまって……すみません」
 そう言ってわずかに頭を下げる。
 その表情は微妙に硬く、けれどこんなときにまで礼儀正しい姿をとろうとす
る乃梨子ちゃんに、私は酷く歪んだ興奮を覚えるのだった。
「ううん、まだ時間には充分余裕あるからね」
 私は紅茶の入ったカップを机の上に置くと、ゆっくりと立ち上がる。
 努めて無表情で私の横を通り過ぎようとした彼女に、私はいつものように後
ろから覆いかぶさるようにして抱きついた。
「ねぇ、乃梨子ちゃん」
「……っ」
 一瞬、表情が崩れる。
 それは――いつ何度見てもそそるモノだった。
478満ちた月、欠けた月1・3/4:03/12/04 21:24 ID:YOGsnBzv
「祐巳さま……」
 何とか冷静を保って、こちらを見上げてくる。
 けれどその手先はぎゅっと握り締められていて、漏れ出でる声もわずかに語
尾が震えていた。
 ……最高にぞくぞくする。
 私は思わず口元が緩むのを抑えられなかった。
「可愛い……乃梨子ちゃん」
 乃梨子ちゃんは、隷属させるには最高の存在だった。
 従順ではありながら、絶対に自分というものは捨てようとはしない。
 ちゃんと命令をすればそれに従うのだが、考えることを放棄して完全に奴隷
となる気は全くないようだった。
 理性と本能が心の奥底で葛藤しながら揺れるさまは、傍から見ていてなんと
も私の心をくすぐる。
 半強制的な性交で感じてしまった自分の身体を恥じ、そんな自分を人とは違
う浅ましい変態ではないかと恐れている。そんな不安定になった心のやり場を
必死で探している乃梨子ちゃんは、とても愛しかった。
479満ちた月、欠けた月1・4/4:03/12/04 21:25 ID:YOGsnBzv
 ……それに、そんな彼女の姿を見て私は楽しんでいた。
 令さまや瞳子ちゃんみたいにすんなり堕ちてもらうのもいいけれど、たまに
はこういう歯応えがある方が面白い。
 もう乃梨子ちゃんは私のもとから逃げられないし、逃がす気もないのだ。別
にとりたてて焦って急ぐ必要性もないだろう。
「……ぁ、あはは」
 咽の奥からくつくつとしわがれた笑い声が漏れる。
 そんな私を乃梨子ちゃんは悲痛な眼で見てきた、……本当にお人好しだね。
 ――小さく首を振る。
 そんなんだから私みたいな最低な人間に騙されちゃうんだよ。
「ひゃっ……」
 襟から手を差し込んで胸をさわさわと触った。乃梨子ちゃんが小さく身じろ
ぎするのを無視し、私は下着の上からしつこく弄ぶ。
「心配しないで。これからは――志摩子さんも一緒なんだから」
 それを聞いた乃梨子ちゃんは、今度こそ本当に顔を絶望に崩して、泣きそう
な表情を見せてくれたのだ。
480名無しさん@ピンキー:03/12/04 21:27 ID:YOGsnBzv
祐巳ちゃんゆんゆん、乃梨ちゃんのりのり。

というわけで祐巳×乃梨子×志摩子スタート。
予定通り、今回はゆみすけの一人称で進むはずです。
481名無しさん@ピンキー:03/12/04 21:38 ID:vZpZH1nG
ゆんゆんキタ━━(・∀・)━━ッ!!
482名無しさん@ピンキー:03/12/04 21:43 ID:6Ueg+dtA
◎クリスマスは楽しいなー!!◎お正月も楽しいなー!!◎一発やりてー!!◎

ttp://homepage3.nifty.com//hot-hot/7254.html
483名無しさん@ピンキー:03/12/04 22:04 ID:viKvlifE
おつかれー。
>>476がよかった。ああいう書き始めっていいね。
484名無しさん@ピンキー:03/12/04 22:27 ID:LFhoK79S
おつかれ……はこの先何度もいいそうなので、今回はスルー。
ほんと楽しみにしておりますのことですよー
485名無しさん@ピンキー:03/12/04 22:34 ID:yOLDIE3N
乙ー。
ただのエロ話で終わるかと思いきや、祐巳の行動の根底にあるものが見えたことで
話に深みがでてきたね。
続きがすっげー楽しみです。
486名無しさん@ピンキー:03/12/04 23:55 ID:wzkBO7Ts
>>476さんとかが書いてる黒祐巳シリーズは「マリア様がみてる」のネガみたいなもんだな。
原作の魅力とされている部分をそっくりそのまま反転させるとこうなってしまう訳だ。
いつまでも続くのも正直どうかと思うが、476さんなんかは実に上手くやってる。
自分の書いてる物の意味をちゃんとわかってるっぽい。
487名無しさん@ピンキー:03/12/05 00:21 ID:a1wpkBbk
いや〜いいなぁ、黒祐巳は!
エロパロには一週間に一回来るくらいだったが
HeUHMWWB氏が作品を上げ始めてからは
毎日来てるよw
続き楽しみにしてます。
488名無しさん@ピンキー:03/12/05 01:53 ID:AbGOz4LT
>>487
まるで自演のようなレスだw
いや、自演だとは思わんが、とってつけたような褒め方がなんか藁える。
489470:03/12/05 03:20 ID:QOjFvWrH
>>475
いや、オチの聖蓉エピソードが激しく気になるので
それも小説化したのが見てみたいっつーことが言いたかったのデス。
言葉足らずでスマン。
490名無しさん@ピンキー:03/12/05 03:58 ID:B+1hWV8O
>>486
>「マリア様がみてる」のネガ
一読して「ハァ?」と思ったが、ちょっと考えたら意味が分かった。
イイ事言いますなアンタw
491名無しさん@ピンキー:03/12/05 05:36 ID:J20wa6ir
なるほど、写真部もいるもんな
いい例えだ
492名無しさん@ピンキー:03/12/05 09:06 ID:ACu5SLP2
>>486自身は黒祐巳展開に良い印象を持っていないようだな。
だが言ってる事はまあ、的確かな。許せる。
しかし職人の気持ちを考えれば、正しければ何を言っても良いという訳ではあるまい。
つう事で、>>486は原作の魅力を全く損なわないマリみてのエロSSに挑戦するようにw
それはそれで難しいぞ。

>>488
自演と言うより広告みたいだね。
493名無しさん@ピンキー:03/12/05 09:46 ID:Fyg71URD
批評厨をさらに批評するとはw
このスレ、熱いぜ
494名無しさん@ピンキー:03/12/05 11:49 ID:v7KeRFRz
ttp://soukospace.virtualave.net/cgi-bin/uploader/src/rm0043.jpg
覚醒祐巳とは別に天然ラブハンター聖さまとか
聖さまの見えない水面下で大戦争を繰り広げられ
495名無しさん@ピンキー:03/12/05 12:21 ID:cE0ZR++L
>>494
実に自然に蓉子と祥子の関係線が無く、
またそれを見た自分もしばらくその点に気付かなかったことにワラタ
496名無しさん@ピンキー:03/12/05 13:28 ID:bU0NLnH6
>>494
黄がいないことに満足。
497名無しさん@ピンキー:03/12/05 13:31 ID:opOJtbVO
甘さとせつなさがある、リリカルな萌えが欲しい・・・・・。
最近、スレの消化速度は激しいんだけど、その辺がちと物足りない・・・・。
いや、小ネタ面白いんだけど。
498名無しさん@ピンキー:03/12/05 17:00 ID:vSgzaq2C
リリカル方面は流石に女子経営のHP見回った方がいいと思うがどうか?
蓉子聖やかわいい系の祐巳分が欲しい時は俺はそうしている
499名無しさん@ピンキー:03/12/05 17:41 ID:WXGy3tfd
濃いくてねっとりとした祐巳×祐麒物が読みたい。
裕巳攻めで搾り取り捲くりが(・∀・)イイ!!
500名無しさん@ピンキー:03/12/05 18:38 ID:1XvlkIXa
卒業を間近に控えた黄薔薇様が
今日もつまらなそうに薔薇の館でお茶を飲んでいます。
誰かいるかな?祐巳ちゃんなら抱きついて遊べるなぁ。
・・・いつもの平和な午後のようです。

ガチャ、というより少し乱暴な音を立てて
白薔薇様が入ってきました。

開口1番
「なんだ、江利子か。他は?」
「さぁ、今の所私一人よ。
ねぇ、面白そうなビデオを手に入れたんだけど
家だとゆっくり観られないの。どうしたらいいと思う。」

「どんな物?」
「はい、これ」
鞄の中から普通のケースに入れられたビデオを手渡される。
エッ!この背表紙のタイトルって、やっぱりあれだよね。
こんな物を持って来たことがばれたら紅薔薇様に何を言われることか。

「こんな物渡されても困るから返すよ。」
言葉使いは普通だったが目が泳いでいる。
今後の参考にしようと購入したのだけど1人で観る気になれなくて
とりあえず持ってきてしまったのだと江利子は話してくれた。
501500:03/12/05 18:55 ID:1XvlkIXa
「令には刺激が強すぎるから駄目だし、
由乃ちゃんだと令がセットで付いてきちゃう。
蓉子や祥子なんかにばれたら没収されそうだし、
聖なら案外付き合ってくれると思ったんだけど。」

なんかやばい、逃げようとビスケットの扉に目をむけると。
「ごきげんよう、黄薔薇さま、白薔薇さまもいらしてたんですね。
お茶の用意をしますね。・・・何飲まれます。」

「ねぇ、祐巳ちゃん。1つお願いがあるのだけど聞いてくれるかしら。」
「私が出来ることでしたら構いませんけど」
「今度の日曜日ヒマかしら、聖の家にお邪魔する予定だけど祐巳ちゃんも一緒にどうかしら。」
「白薔薇様のお家ですか、ええ、構いませんよ。
特に予定も有りませんし、もしかして他の人も誘っていたりします。」
「いいえ、今の所は祐巳ちゃんだけよ。」

私の家で観ることに決定なのね、江利子。祐巳ちゃんを巻き込んで…愉しそうね。
どちらにしてもあの人も父親も出かけてしまうから休日は家に1人だからいいけど。
「他にも声を掛けてみるけどどうなるか分からないし、
たまには良いじゃないこの3人の組み合わせなんて以外性があっていいじゃない。」
絶対有り得ないっていうか普通は黄薔薇ファミリーと私が一緒にならないし

それじゃあM駅の改札に11時ね。
502500:03/12/05 19:05 ID:1XvlkIXa

次の日曜日、約束の時間に黄薔薇様と駅で待ち合わせた祐巳ちゃんが白薔薇様の家に到着する。
ピンポン
・・・・パタパタ・・・
ガチャ

いらっしゃい
白薔薇様こと佐藤聖は、笑顔で玄関の扉を開き2人を中に招き入れた。
「中に入って遠慮なんか要らないからね、私1人だから。」
江利子は・・・っと、気にすることなかったね。

3人でお昼ご飯を食べた後聖の部屋に移動する。
ベットに机、テレビにコンポ等がシンプルなデザインで統一されている。
私、何か飲物取ってくるから待っていてね。

さて、何か入ってたかな?
戸棚を覗いていると
聖、私も手伝うわよ。
「ゲッ!」
「なに、幽霊でも視たみたいな顔してるの。」
今は2人きりで話したくないだけなんだけど

祐巳ちゃんが逃げないように捕まえておいてね。
江利子が祐巳ちゃんに気付かれないようにささやく。
よけいな事言ったら許さないわ。
協力してくれなきゃ紅薔薇さまにあること無いこと吹き込んじゃうから


503名無しさん@ピンキー:03/12/05 20:08 ID:0zhLjyrt
щ(゚Д゚щ)カモーン!!

       щ(゚Д゚щ)カモーン!!


            щ(゚Д゚щ)カモーン!!
504焼いも円舞曲:03/12/05 20:12 ID:2azD4uTg
軽い季節ネタでつ。
エロなしなのはご勘弁を。


////////////////////////////////

白薔薇の場合

「あ、ねえ志摩子さん、焼いもだって」
「本当。こんなところに珍しいわね」
「ね、志摩子さん。食べようよ。おいしそうだよ」
「ええ、凄くいい匂いね。…でも、私、食べきれるかしら」
「じゃあ、二人で半分こしよう。おじさん、一本下さい。お幾らですか」
「300円ね」
「はい、じゃあこれで…」
「いいよ、志摩子さん。私が誘ったんだから、私が出すよ」
「いいの。たまにはお姉さまっぽいことさせて、ね?」
「うん。…ありがとう。はい、じゃあ半分ね」
「ふふっ。暖かいわね…」
505焼いも円舞曲:03/12/05 20:30 ID:2azD4uTg
黄薔薇の場合

「お、焼いも屋発見! 令ちゃん、早く走って走って!」
「ちょっと由乃、焼いもなんか食べる気?」
「ああもう! グズグズしてたら見失っちゃうじゃない!」
「この間、帰りにお菓子食べて夕ご飯食べれなくておばさんに怒られたんじゃなかったっけー?」
「お菓子と焼いもは別! あーーーっ、待ってーーー!」
「…行っちゃったね」
「……」
「……」
「…ばか」
「え?」
「令ちゃんがごちゃごちゃ言ってるから追いつけなかったじゃない。令ちゃんのばか!」
「そんな、私のせいなの?」
「そうよ! 全部令ちゃんがいけないの! ふーんだ」
「由乃ぉ」
「ふん。あーあ、食べたかったなぁ。甘くてほくほくでおいし〜い石焼いも」
「ごめん。ごめんってば。機嫌直してよ」
「…スイートポテト食べたい。ねえ、令ちゃん、明日作って」
「う、うん。由乃がそれでいいって言うんなら…」
「ホント? わーい!約束ね、令ちゃん!」
「やれやれ…」
506焼いも円舞曲:03/12/05 20:39 ID:2azD4uTg
紅薔薇の場合

「お姉さま、焼き芋屋さんですよ」
「ああ、さっきからピーピー不愉快な音がしてたと思ったらあの車だったのね。
 で、『やきいも』って何かしら、祐巳」
「あ、えっと、つまり、お芋を焼いたものです」
「私にだってそれぐらい分かるわ。焼いたじゃがいもにバターをつけたものでしょう?」
「さつまいもです、お姉さま。あとバターはあんまりつけません」
「そう。シンプルなお料理なのね。…ふうん」
「……」
「……」
「お姉さま、もしかして食べたいんですか?」
「な、何を言っているの祐巳!」
「ひっ。だ、だって、ずうっと焼いも屋さんのほうを見てらしたから、もしかしてそうかなって」
「別に、興味なんかありません」
「そうですか」
「……」
「……」
「あの、お姉さま、私、急に焼いも食べたくなりました。買ってきていいですか?」
「…、もう、仕方がないわね。じゃあ一緒に行きましょう」
「はい!」
507焼いも円舞曲:03/12/05 20:41 ID:2azD4uTg
番外編

「あ、加藤さんいいところに来た! どう? 今なら焼いも一本300円!」
「…ダイエット中だから遠慮しておくわ」
「そんなこといわずに助けると思って買ってよ」
「あのねえ。そもそも、何でそんなに買ったのよ」
「いや〜、なんかどれもおいしそうだからさぁ、色々選んでるうちに10本も…」
「呆れた。じゃあ、私はこれで」
「ああっ、待って、200円! いや150円でどう? 弓子ちゃん焼いも好きって言ってたから、お土産にもぴったり!」
「”弓子ちゃん”? あなた大家さんといつからそんなに仲良くなったの」
「この間、カトーさんがいない時に鍵開けてもらった」
「ちょ…、ちょっと!何勝手なことしてるのよ! 鍵なんて貸してくれないはず…」
「ああ、大丈夫。祐巳ちゃんもいたから。あの子、弓子ちゃんのお気に入りみたい」
「…いったい何しに来たの?」
「ああ、学校の近くで二人きりになれるところってあんまりないんだよね〜。
 加藤さんち、シャワーもあるし丁度いいかなって…」
「あなた! 祐巳ちゃん連れ込んで何したの!」
「大丈夫。ちゃんと後片付けもしたし。今まで気がつかなかったでしょ?」
「そういう問題じゃないわ! ちょっと、人の話を聞きなさいってば!」
「はい、じゃ、これで許してね。じゃあね、また明日〜」
「もう、こんなに焼いもいらないって! 待ちなさい、待ってってば!」


508名無しさん@ピンキー:03/12/05 21:04 ID:KpdxFYLV
やっぱりあのお母さんの娘だなぁという祥子さまと、
蓉子さま二世への道を着々と歩んでいる景さんに萌え(=´∇`=)
509満ちた月、欠けた月2・1/3:03/12/05 21:19 ID:8DatR2CQ
 乃梨子ちゃんの2つのふくらみを好き勝手に撫で回す。
 私の手にあわせて、自由に形を変えるソレは、なんとも素晴らしいさわりご
ごちだった。
 志摩子さんの肌も白くて綺麗だけど、乃梨子ちゃんの肌も劣らず白くきめ細
かくて、滑らかな手触りが心地よい。
「……っ」
 下着の隙間に手をもぐらせると、乃梨子ちゃんはぴくっと身体を動かして小
さく反応した。
 声は出さない。
 下唇を噛んで、必死で漏れ出でそうになる声をこらえている。
 だけど頬は既に一部赤く上気して、首筋も汗をかいてほんのり桜色に染まっ
ているのが見て取れた。
 ……なんていじらしいんだろう。
 私は思わず頭がくらくらしそうになる。
 乃梨子ちゃんの首筋に顔をうずめて匂いを嗅ぎながら、私は指の先で突起を
摘むようにして弄繰り回した。
510満ちた月、欠けた月2・2/3:03/12/05 21:20 ID:8DatR2CQ
「……祐巳さま」
 唐突に乃梨子ちゃんは顔を上げると、何かを決意したような表情を見せる。
 思わぬ視線の強さに、私の弄ぶ手はつい止まっていた。
「やっぱり……止めましょう」
 小さく、だがはっきりとこちらを見据えてくる。
「私なら何でもします。……足を舐めろって言うんだったら舐めます、下着を
着けずに学校に来いって言うんだったらそれもします。校庭を裸で走るのだっ
て構わない……。何でも祐巳さまの言うことは聞きます……!」
 熱に浮かされたように乃梨子ちゃんは言葉を紡ぐ。
「奴隷にされたって文句は言いません、だから――」
 だから、その瞳から涙をぼろぼろこぼしながら乃梨子ちゃんはそう言った。
「――お姉さまだけは巻き込まないでください」
「…………」
「お願いですっ、こんなの止めてくださいっ。まだ志摩子さんが来てない今な
ら、何も壊さないですみますから……っ!」
 そうやって、乃梨子ちゃんは嗚咽と共に身体をひくひくと縮こまらせた。
511満ちた月、欠けた月2・3/3:03/12/05 21:21 ID:8DatR2CQ
「……何か勘違いしてないかな」
 私の口から出た声は、……自分でも驚くほど冷淡なものだった。
 乃梨子ちゃんはそれを聞いた瞬間、思わず涙を溢すのを止め、完璧に恐怖の
表情を顔に浮かべる。
 どす黒い感情が、またたくまに私の中に生まれて全身を包み込んだ。
「乃梨子ちゃんにそんなことを私に言う権利はないんだよ」
 顔に薄ら笑いを貼り付けながら、乃梨子ちゃんの乳首を強引に押しつぶすよ
うにして捻り上げる。
「いっ、痛いっ!」
 乃梨子ちゃんは即座に悲鳴を上げて全身を突っ張らせた。
「自分の立場が分かってる? 乃梨子ちゃんはもう私のモノなの、自分でそう
言ったってこともう忘れたのかな。何も考える必要はない。私が決めたことに
だけ従っていればそれでいいの、……分かる?」
 そう囁いて一呼吸置くと、私はさっと抱きついていた乃梨子ちゃんのカラダ
を放して、顔を見せぬように後ろを向いた。
「さ、そろそろ志摩子さんが来る頃だね。それじゃあ予定通りにヨロシク。素
直な乃梨子ちゃんなら大丈夫だと思うけど、念のためね」
「祐巳さま……っ」
 乃梨子ちゃんは私に逆らっちゃダメなんだよ……、ねぇ?
512名無しさん@ピンキー:03/12/05 21:23 ID:8DatR2CQ
薔薇の“館”っていうぐらいだから、やっぱ最後は炎上しなきゃダメ?
513名無しさん@ピンキー:03/12/05 21:38 ID:EVqjyD19
黒祐巳の作り出す魔性の世界を暗黒福沢時空と名付けよう
514名無しさん@ピンキー:03/12/05 21:41 ID:0zhLjyrt
500タンまだー?
515名無しさん@ピンキー:03/12/05 21:49 ID:DRSNIHUt
>512
でも見た目が和風だからなぁ。もっと洋風な建物だったらともかく――と、ネタがわからないまま反応してみるテスト。
516名無しさん@ピンキー:03/12/05 21:54 ID:Fyg71URD
>>510の乃梨子の発言は笑うところなのかな?
517名無しさん@ピンキー:03/12/05 22:00 ID:vSgzaq2C
>>515
ああ、「館もの」と呼ばれるゲームカテゴリでは、カタストロフがおこって
館が炎上して、最後に主人公(とヒロイン程度)しか生き残らない、という
黄金パターンがあるんですよ

最近は知らないけど、確か月姫の外伝のおまけシナリオにそのパロディ
ものがあった気がする
518名無しさん@ピンキー:03/12/05 22:09 ID:2azD4uTg
じゃあ、ラストは炎上する館の中で一人憑かれたように笑い続ける祐巳。
他の面々は裸同然の格好で外に脱出し、燃え落ちる館を抱き合いながら眺める。
やがて消防車のサイレンが近づき…ってなかんじでつか?
519名無しさん@ピンキー:03/12/05 22:20 ID:8mNlOHb9
「館もの」なんてジャンルまであるのか。知らなかった。
やはり祐巳は取り残されて……ガクガク。
520名無しさん@ピンキー:03/12/05 22:31 ID:vSgzaq2C
とりあえず知らない人には「禁断の血族」とか無責任に薦めてみます
そしてそれがわかるであろう>>512氏も私もオサーン
521名無しさん@ピンキー:03/12/05 22:34 ID:tEiYo1GH
>>520
漏れもDOS版やりますたが、何か?
しかも未だに持ってるしw
522500:03/12/05 22:49 ID:e0rO7azQ
和やかに話をそらそうとしたのに・・・
「黄薔薇様、今日白薔薇様のお宅にいらした理由ってなんですか?」
ああ、祐巳ちゃん。私の苦労は無駄になるのね、
江利子の興味をそっちに向けちゃ やばいのに

「面白いビデオが手に入ったから祐巳ちゃんと一緒に観たかったの。
家だと父親と兄貴達がうるさくてゆっくり出来ないから。」
ウソつけ、祐巳ちゃんを玩具にしようとたくらんでるくせに

「聖、これよろしくね。」
断ったら許さないからねってオーラが語っているよ。
はい、逆らいませんスッポンの黄薔薇様。

ジー、ビデオの作動音が鳴って映像が流れる。
5分後、祐巳ちゃんがビデオの内容に百面顔を始める。
私と黄薔薇様が何事も無いかのように画面を観ているのをちらちら見てどうしようか悩んでいるみたい。
お姉さんだって軽いショックをうけてるんだぞと言いたいけど口に出したら負けだ。

結局、1本観終わってしまった。
「さっきのどうだった?」
どうって言われても困るんだけど
「興奮したかしら、それとも聖の好みじゃなかったのかしら?」
えっ、どういう意味だろう。
つまらなそうな江利子の表情からは真意は測りしれなかった。

「以外と面食いだものね、志摩子とか、栞さんに一目ボレするくらいだから。」
栞という名前にチクリと胸が痛む。急に息苦しくなってシャツを強く握りしめる。
まだ忘れられないのね私は・・・栞のこと。
523500:03/12/05 23:01 ID:e0rO7azQ
「せっかく面白いことしようと思ってたんだけど、祐巳ちゃん、ちょっといいかしら」
手招きをして自分の元に呼び寄せ耳打ちをしはじめた。

「えっ、あっ、でもそんなことしても平気なんですか?」
「だいじょうぶよ、・・・には新しい・・・が必要なのよ。
それに・・・だって・・・じゃないでしょ。」
「黄薔薇様、白薔薇様のこと・・・だなんて・・・ことしたいです。」
どんなことを吹き込んでいるんだ江利子、だんだん不安になってきた。
ここから逃げたくても自分の部屋だったりする。

「大丈夫、私が付いているわ。・・・てごらんなさい。きっと・・・てくれるわ。」
「そうですね、当たって砕けろとも言いますよね。」


「白薔薇さまのアルバムをみせてください。」
「えっ、ああいいよ。」
どんな質問をされるかビクビクしていただけに表紙抜けしてしまった。

「ちょっと待っててね、はいこれ。」
「ありがとうございます。」

「うわぁ〜髪が長い。この隣に写っているのは誰ですか?」
・・・・栞だ。
白薔薇様?どうかされましたか?


524500:03/12/05 23:15 ID:e0rO7azQ
あと2つぐらいで終わります。
私の力不足のためエロが無くて申し訳ありません。
明日あたりには残りを書きたいと思います。
525名無しさん@ピンキー:03/12/05 23:20 ID:8mNlOHb9
>>524
乙〜。
IDがなんとなくeroっぽいw。
526はさみでジョキジョキ:03/12/05 23:28 ID:nNiXhWxv
「よかったよ、すごく」
祐麒は拗ねて後ろを向いた祐巳の肩に手をかけて、そう言った。
「本当?」
振り返りながら祐巳は、いつからこんなに自然にやさしくできる男になったのか、
って弟の顔を不思議に見つめた。
527名無しさん@ピンキー:03/12/05 23:53 ID:8mNlOHb9
>>526タン、続き30分くらい待ってるんだが。
まさか……伝説の「ラスト先落とし技」炸裂?
ここから回想に移るんだったら、いらぬツッコミすまぬ〜。
528名無しさん@ピンキー:03/12/06 00:03 ID:EkDS0bVR
>>527
ちゃんと素っ裸になって、正座して待たなきゃダメだよw
529名無しさん@ピンキー:03/12/06 00:07 ID:tu1mUdVw
この気温で素っ裸はすごく寒そうだw。

>>419の続き投下します。
メール欄「現白お聖堂編sage」です。
530現白SS3(2-1):03/12/06 00:12 ID:tu1mUdVw
乃梨子と別れ家へと帰り着いた志摩子は、自分の部屋へ入ると深くため息をついた。

(乃梨子、やっぱり元気がなかったみたい)

今日も乃梨子は何か考え事をしているようだった。
お聖堂でも自分の中に入りがちな様子がうかがえたし、帰り道でもいつになく妙に
よそよそしかった。

何か悩んでいるのは間違いないのだ。
バス停で乃梨子と別れるまでの間、志摩子は何度かそれとなく話を向けてみようかとも
思った。しかし様子のおかしい自分のことを志摩子に悟られまいとするかのように
喋り続ける乃梨子に、話を切り出すことは結局できないまま別れてしまった。

大事なことなら、きっとそのうちに自分に話してくれる。そう信じてはいるのだが。
やはり乃梨子のこととなると、どうしても気になってしまう志摩子なのだった。

今日の帰り、思い切って聞いてみた方が良かったのかもしれない。
今さらそんなことを思ってしまう自分が、志摩子はとてももどかしかった。

(上手く気持ちを伝えられなかったのは、私も同じなのね……)

乃梨子と出会ってからは、自分の心も確かに随分と軽くなっている。しかし大事な
ところでは、一歩を踏み出すことに戸惑いを感じてしまう部分も、まだまだ残っている
ようだった。

そんなことを考えながら、志摩子はまたひとつため息をついた。
乃梨子ももう家に着いているはずだ。
せめて電話でもしてみようかとも思ったが、やはり顔を合わせて話したかった。

そう思案に暮れながら志摩子が制服を着替えようとしたその時、家の呼び鈴が鳴った。
531現白SS3(2-1):03/12/06 00:13 ID:tu1mUdVw

(「お聖堂」志摩子編1 終わり)
532名無しさん@ピンキー:03/12/06 00:15 ID:bIGwQCeM
>520
え、それ知ってるとオサーンなの?
ショック!!
533現白SS3(3-1):03/12/06 00:15 ID:tu1mUdVw
「ごめんなさい、急に押しかけちゃって。なんだか……顔が見たくなって」

顔が見たいも何もない。つい先ほど別れたばかりではないか。
玄関先に出てきた志摩子の姿を目の前にしてやっと、乃梨子には自分の行動を
冷静に振り返る余裕が出てきていた。

バス停で志摩子と別れた後、乃梨子は自分のマンションへ帰るために駅へと
歩き出した。しかし足を一歩踏み出すごとに、その足取りは乃梨子の暗い気持ちを
反映するかのように確実に重くなっていった。
そして悶々とした気持ちを抱えながら電車に揺られ、自分の家の最寄駅のホームに
降り立った瞬間、乃梨子は自分の気持ちを抑えられなくなったのだった。

今日は土曜。週明けの月曜に学校で会うまで待っていられない。
家に帰ったら志摩子に電話をして、明日の日曜に会いに行けばいいのだ。そう理性は
告げていた。
しかし気が付いた時には電車に飛び乗り、乃梨子の身体は志摩子の家へと向かっていた。
少しでもいいから自分のこの気持ちを、今すぐに志摩子に会って伝えておくべきだと
思ったのだ。

「月曜まで待てなくて」
「いつだって、来たい時に来ていいのよ」

放課後別れたばかりのはずの乃梨子の突然の訪問に、志摩子もさすがに驚いたようだ。
しかし勢いでやって来たものの、玄関先で居心地悪そうにしている乃梨子を励ます
ように、志摩子は優しく言葉をかけた。
534現白SS3(3-2):03/12/06 00:19 ID:tu1mUdVw
部屋へ行きましょう、と言う志摩子の後に続いてひんやりとした廊下を歩く。
もうすっかり暗くなったこんな時間に押しかけるのは、どう考えても失礼にあたる。
家の人になんて挨拶をしようと慌てて考え出したが、大きな家は他に誰もいないかの
ようにひっそりと静まり返っていた。
そして志摩子の部屋へと通されると、どうしても今すぐに会って話したかった気持ち
とは裏腹に、乃梨子は何から切り出していいのか分からず動揺した。

「お茶は、後でいいわよね」
「うん……」

何の用も無くいきなりやって来たのでないことは、やはり志摩子にも分かっているの
だろう。乃梨子の心配をよそに、部屋に入るとすぐに志摩子が立ったまま話を切り出した。

「乃梨子、最近時々辛そうな顔をしているわ。今日も少し、おかしかったように
思うのだけど」

やはり悟られていた――。
自分の心の内を無防備に表面に出さない自信はあったのだが。しかしよくよく考えて
みれば、志摩子が悩みを抱えている時は、たとえ何も言われなくても乃梨子にも分かる
自信があるのだ。

志摩子に心配をかけていたことに後悔の念を覚えたが、それでも乃梨子は何から
話せばいいのかはまだ分からずにいた。
そしてそんな乃梨子の代わりとでもいうかのように、志摩子は話を進めてきた。

「悩み事があるのではないの?それに何か、私に遠慮しているみたいに見えるわ。
今日の帰りは特に……」
「遠慮なんてっ」

遠慮どころか、その反対なのだ。話すべきことが見えてきたような気がして、乃梨子は
志摩子の言葉を遮った。
535現白SS3(3-3):03/12/06 00:21 ID:tu1mUdVw
「遠慮なんて……私、なんだか最近志摩子さんのことが気になってしょうがなくて」
「それは、私のことを好いていてくれるからでしょう?」

優しく語り掛ける志摩子の柔らかな声音に促されるように、乃梨子は俯きながらも
話し続けた。

「そうだけど……。でも、志摩子さんの心の中とか、そういうところも知りたくなってきて。
知りたいだけじゃなくて、もっと……もっと深く入り込みたくなってきちゃって」

今までは何のためらいも無く志摩子に近付いていけた。なのにどういう訳だか最近は、
その距離の取り方が分からなくなってきたのだ。
そう、志摩子との距離が縮まれば縮まるほどに……。

「私も乃梨子のことなら、なんでも知りたいと思っているわ」

志摩子のその言葉は、乃梨子には嬉しいものだった。志摩子だって、きっと同じ
気持ちなのだろう。
そう分かってはいるのだが、何故だか割り切れないものもまた乃梨子の心の中には
溜まっていた。そして乃梨子はそれを吐き出すように、言葉を続けた。

「私、自分がこんなに執着心が強い人間だなんて知らなかった。すごく自分勝手な
気がする。ごめん、ごめんね、志摩子さん……」
「乃梨子」

苦しげに呟くと、俯いた視界の隅で志摩子がゆっくりと、立ったままの二人の間の
距離を詰めてくるのが見えた。
536現白SS3(3-4):03/12/06 00:24 ID:tu1mUdVw
「謝ることなんてないわ。誰にだってそういう感情はあるもの。私だって……」

志摩子は一呼吸置いて、話を続ける。

「私だって、あなたが他の人と仲良く話しているのを目にした時、少し嫉妬したわ。
きっと、あなたの一番になりたかったのね」

その言葉を聞いた乃梨子は俯いていた顔を上げ、志摩子の瞳を見つめ答えを返した。

「志摩子さんは、私の一番だよ……」
「乃梨子だって、私の一番だわ」

今更言われなくても、それは二人ともとうの昔に実感していることなのだ。
しかし確かな言葉として確認できると、乃梨子の心は急速に満たされ、壁が一つ
取り払われた。

「でも私は、志摩子さんに私のことだけを見てほしいだなんて、そんなこと、
言いたくない」

震える声を途切れ途切れに搾り出しながら立ち尽くす。
そうだ。たぶん、これが一番伝えたかったことなのだ。
言葉として口に出してみて初めて、乃梨子にはそれが分かった。

「そんなあなただから、私は好きなのよ」

無意識のうちに力が入っていた身体に、志摩子が優しく抱きついてくる。
不意に乃梨子は自分の頬に、冷たく、それでいて熱い何かが伝っているのを感じた。
乃梨子の頬には、自分でも知らぬ間に涙が流れていた。
537現白SS3(3-5):03/12/06 00:27 ID:tu1mUdVw
「あなたの悩みに、もっと早く気が付くべきだったわ。……ごめんなさい、乃梨子」
「どうして?どうして、志摩子さんが謝るの……?」

抱きついていた身体を離した志摩子は、静かな瞳で乃梨子のことを見つめている。
その瞳が揺れて見えるのは、自分の目に涙が溢れているからなのだろうか。

「あなたは、本当に優しいわ」

志摩子の右手が乃梨子の頬に延び、涙を拭うようにそっと動いた。
そうしている志摩子の瞳からも、涙が一粒流れ落ちている。
その涙の粒は、乃梨子にはこの上もなく綺麗で純粋なものに見えた。

「あなたには、いつも支えてもらっているのに。これではどちらが姉なのか、
分からないわね……」
「姉とか妹とか、そんなの関係ないよ」

弱々しくそう言った乃梨子に、志摩子が顔を近付けた。その柔らかな唇が、乃梨子の
頬を流れる涙に口接けてくる。

「そんなの、関係ない……」

志摩子の柔らかな唇の感触を頬に感じながら、ぎゅっときつく目を閉じる。
乃梨子の頬を伝う涙の筋が、また僅かに太くなった。



(「お聖堂」乃梨子編2 終わり)
538529:03/12/06 00:29 ID:tu1mUdVw
次回へ続きます。
次はちょっと長めにして、それで終わります。
539名無しさん@ピンキー:03/12/06 00:43 ID:ATn+fFP/
現白さんキタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
続きが楽しみです。
540名無しさん@ピンキー:03/12/06 00:54 ID:uddgwCSm
イイ!
541名無しさん@ピンキー:03/12/06 01:11 ID:5IS+nEKW
現白さんっ!!
542名無しさん@ピンキー:03/12/06 01:34 ID:euIO3CKU
現白さん(・∀・)イイ!!ですっ

さて440〜(下着交換ネタ)の続き、一部投下させていただきます。
543542:03/12/06 01:36 ID:euIO3CKU
「ちょっと、何て格好してるのよ……」

バスルームから戻った私を見た蓉子は、
すぐに視線を外しながらブツブツと文句を言い始めた。

「お風呂上りの格好だけど?」
「あなた家でもそんな格好でうろついてるの?」

ただ今の私の身に着けている物。
上半身、サイズの小さいTシャツ。
下半身、下着。
以上。

「お風呂上がってから朝起きるまでこんなカッコだよ。
 いいじゃん、別に。
 マリア様だって、私のパンツまで見てないって」

溜息をひとつついて、蓉子は中断していた書き物を再開した。
旅行のしおりから手帳へ、明日のスケジュールを書き写しているみたい。
相変わらずの生真面目さだ。
ちなみにその服装は、普段は体育着であるTシャツとスパッツ。

私の方はというと、
バスタオルをポイッと片方のベッドの上に放り投げて、
空いている方のベッドの上に身を投げ出した。
544542:03/12/06 01:37 ID:euIO3CKU
「もう……私のベッド荷物置き場にしないで」
「へ? あ、いや、そんなつもりじゃなかったんだけど……」

ツインルームだから二つあるベッド。
片方には私の体だけが乗っている。
もう片方には二人分の荷物が乗っている。

「あら、私が荷物どかさないといけないのね。
 じゃ、私のベッドでゴロゴロくつろがないで」
「いや、そんなつもりでもなかったんだけど……」

ペンの動きがピタリと止まった。
さすがは、一を聞けば十を知る紅薔薇のつぼみ。

ジロリとこちらを振り返った蓉子に向かって、
私はベッドの上から両手を広げる。

「おいで蓉子。一緒に片方だけベッドを使おう」

ふぅ……とまた溜息。
立ち上がった蓉子は、荷物置き場と化しつつあるベッドから枕を手に取った。

「あ、そうか、枕は二ついるね……って、フギャッ」
「上手なのね、ゴロンタの鳴き真似」

顔に枕が直撃して、私は黙らせられてしまった。
545542:03/12/06 01:38 ID:euIO3CKU
「うう……」

『泣き』真似でもしてやろうかと思って枕を抱えていると、
蓉子は私の横たわっているベッドの端に腰を下ろしたようだった。

「聖……」
「ん?」
「楽しい? 修学旅行」

書き物机の電気スタンドのオレンジがかった光が
蓉子の横顔に影を作っている。
だから、どんな表情をしているのかよく分からない。

「まあまあ、かな」

だから私はあまり考えずに本音をそのまま口にした。
もっとも蓉子に対しては、口に出して何を言おうとも
本音を見透かされているような気がする時もあるけれど。

「クラスに馴染んでないと、こういう時に色々とツケが回って来るけど……
 でも来て良かったとは思ってる」
「そう……なら、良かったわ」

蓉子は私を見下ろして微笑んだ。
546542:03/12/06 01:38 ID:euIO3CKU
「ちょっと心配していたの。
 あなたが修学旅行に行くより……その……
 怒らないでね、本当に心配していたのよ、
 栞さんと過ごしていたいとか言い出したらどうしようとか……
 来ても辛い思いをしていないかとか……」

仰向けからうつ伏せに体勢を変えてみた。
蓉子の顔は見えなくなった。

「言ってみたよ。
 旅行は行かずに栞といるって……
 そしたら、怒られた。
 修学旅行さぼり中の私に会うことより、
 私が帰って来てから土産話聞かせてもらう方がいいってさ」
「そう……いい子ね、栞さんて」
「珍しいじゃない。蓉子が栞を誉めるなんて」
「そうだったかしら……?」
「……まあ、さっき言った通り、来て良かったと思ってるよ」

再び顔を蓉子に向けて笑って見せる。
満足そうに頷いて立ち上がりかけた蓉子、
その腕を掴んで、引っ張った。

「蓉子と相部屋だしねっ」
547542:03/12/06 01:39 ID:euIO3CKU
「え? ちょ……きゃっ!?」

不意を突かれて倒れ込んで来た体を受け止め、
抱き込みながらこちらを向かせて位置を入れ替える、と。

平衡感覚を無くしたまま振り回された蓉子がギュッと閉じていた目を開いた時には、
ベッドの上で私に組み敷かれていたというわけだ。

「驚かさないでよ」
「ごめんごめん」
「謝る気があるならどいてもらえるかしら?」

それには応じず、笑顔だけお返ししてみる。

「栞さんに言い付けるわよ?」

本気ではない口ぶりだが、どちらでも構わなかった。

「いいよ、言い付けても。
 修学旅行の間だけは姉妹のことは忘れて同い年の友人たちと思い出を作るの。
 これもまたリリアンの伝統。
 旅行中に友人たちとどれだけはしゃごうが、姉妹からの口出しは御法度なのですよ、
 紅薔薇のつぼみ」
548542:03/12/06 01:40 ID:euIO3CKU
「あなたがだいぶ『思い出作りを』拡大解釈しているような気がするのは錯覚かしら……
 それに栞さんとあなたは姉妹じゃないし……」

私が結構本気で解放する気がないと悟ったか、
蓉子は私の体の下から抜け出そうと身じろぎを始めた。
体格で勝る方が上から押さえていると簡単には逃げられないんだぞ。

「栞は『お友達を私だと思って仲良くしてね』って言ってたから大丈夫」
「い、いい子ね……栞さん」
「珍しいじゃない。蓉子が栞を誉めるなんて」
「そ、そうだったかしら……? さっき誉めたばっかりよ」

いけない、蓉子の表情に少しだけ真面目な怯えが加わり始めた。

「蓉子」
「何よ、話をしたいならまず離して」
「いつもありがとう」

読み通り。硬直した。
549542:03/12/06 01:41 ID:euIO3CKU
「いつも感謝してる。頼ってるよ。
 中等部の頃から、ずっと……」
「聖……」

呆然とした蓉子の顔が段々赤くなっていく。
照れてる照れてる。

「私、不器用だからこういう時にしかこういうこと言えないんだ。
 それに、上手く言葉にできないから、
 こうして触れて気持ち伝えることしかできなくて……」

蓉子の瞳が潤み始めた。
妹の祥子程ではないけど、紅薔薇姉妹は顔に出易い血筋みたいだ。
この調子でいくと祥子の妹なんて何か考える度に百面相する子になったりして……
さすがにそれはないか……ないと思いたい。

「ごめんね、蓉子。いつもごめん……」

体を預けて肩に顔を埋める。

「……いいのよ、聖。わかったわ」

だから、私の方が体格いいんだってば。体重かけられては重いだろうに。
蓉子は気にした風もなく、私の頭と背に手を回し、子供をあやすように撫で始めた。
まったく、生まれながらのお姉さま体質なんだから。

私は蓉子の肩に押し付けたままの顔でニヤリとした。
550542:03/12/06 01:41 ID:euIO3CKU
足掛け5年の付き合い。
だいぶ私の操縦を覚えたつもりでいるみたいだけど、
こっちも学習もすれば上達もするってこと、忘れてない?

「蓉子……大好き」

囁いて、唇で耳を挟む。

「あん……!」

不意打ちになったのだろう。
蓉子は「感じちゃいました気持ちいいです」というすっごい声を出した。
すぐに、慌てた声で否定の言葉を並べ始める。

「だだだだだ、ダメよ。
 そういうことは……ね、聖、落ち着いて」

再び蓉子を見下ろす体勢で、
真っ赤になったその顔を見て、言う。

「ね、これは知ってる?
 昔、男女が完全に隔離されて教育を受けて、
 結婚するまでは異性の体に触れることすらとんでもないことだった時代、
 女学生が女同士で抱き合ったり触り合ったりして
 好奇心や欲求を誤魔化すことは普通に行われてた。
 もちろん、リリアンでも……」
551542:03/12/06 01:42 ID:euIO3CKU
「そ、そんなことあるわけが……」
「ちゃんと調べたもん。図書館にあるよ。『裏側の姉妹関係』って本」

優等生街道を行く蓉子は『教科書』に弱い。
つまりきちんとした出典を示されると信用してしまう傾向にあるのだ。
まあ、その本は民明書房っていう、いかにも真実であるような語り口で
架空の事柄を記した本ばかり出版している所から出ているんだけど、
そこまで説明してあげる必要は今はないということで。

「先輩が後輩を教え導くっていう普通の姉妹とは別に、
 女子校という環境で性の相手になる関係が存在するの。
 先輩後輩でなくてもいいし、一時的なものであってもいい。
 関係を結ぶ儀式だってあるわよ。
 ロザリオの授受ではなくて……」

蓉子の目を凝視しながら、ニヤリ、と笑ってみせる。

「下着を交換するの。
 蓉子……今夜、姉妹として私と繋がって」
552542:03/12/06 01:44 ID:euIO3CKU
今日はここまでで……

蓉子と聖はクラス違ったはずですが、
奇数人数であぶれてしまった者同士が例外的に相部屋になった
ということで何とか納得してくださいませ。
そんな整合性のためにこれ以上前フリを長くしたくないですし(;´д⊂)
553名無しさん@ピンキー:03/12/06 01:53 ID:4qUB1Uc/
>>542
文章うまいし自然だし、読ませる。おつかれ!

でもそのころの聖さまがこういうことするかって言われると、なんだか違和感があるんだよなあ…
野暮なつっこみすまん。
554名無しさん@ピンキー:03/12/06 02:04 ID:I4GUoxdA
まあ、確かにこの頃のギスギス聖さまはこんなことせんだろうが
熱を持った人の肌なんか、「汚らしいもの」だとか思ってそうだし(´∀`;)
しかし、そんな事はどうでもいい。細かい整合性はシカトして楽しもうやあ。
555名無しさん@ピンキー:03/12/06 02:38 ID:32ttxB4G
その頃の聖さまって、髪の毛ロングだよね…

   萌え杉(*´∀`*)
556名無しさん@ピンキー:03/12/06 03:32 ID:WCIBM1xI
想像してもごらんよ

蓉子を組み敷くロンヘの聖さまをーーーー




エロ杉
557名無しさん@ピンキー:03/12/06 03:38 ID:CC3JONLi
最高です
558名無しさん@ピンキー:03/12/06 05:13 ID:ge3yAaQ7
わーい、起きたらいっぱい!ハァハァ
3作とも最高です!!!
559名無しさん@ピンキー:03/12/06 09:38 ID:HpV/EOHx
早起きしてはしゃぎ杉w
560名無しさん@ピンキー:03/12/06 10:27 ID:ljWWrPH1
民明書房キタ━━━(゚∀゚)━━━!!

令「ムッ!あの技は!」
祥子「知っているのか令!」
561500:03/12/06 12:49 ID:ItXVcyIZ

「白薔薇様?どうかされましたか?」

「何でもないよ〜、私なんか変?」
「ええ、この写真に写っている人が栞さんですね。
聞かせていただけませんか?栞さんのこと。
具体的にどんな関係だったのか、知りたいんです。」

「私も知りたいわ。もういいでしょ、洗いざらい話してすっきりしなさい。
じゃないと悪戯するわよ。こんな風に」
答える間もなく口が塞がれる。何するんだ、祐巳ちゃんもいるのに
祐巳ちゃんに目で助けてと訴えたのに解ってくれない。

言葉を口にしようと開けたとたん、舌を滑り込ませ口内を貪る。 
2〜3分ぐらいだったのかもしれない、時間の経過が長く感じられる。
「ふぅ、いまいち盛り上がらないわね。祐巳ちゃん交代。」
・・・交代ってなんだ!交代って、勝手にキスしたくせに

「さっき黄薔薇様に言われて気が付いたんです。白薔薇様のこと、
好きかもしれないってことに。確認させて下さい、この気持ちが何なのか?」
         
         
「だから・・・・、キスしていいですか?」
562500:03/12/06 12:53 ID:ItXVcyIZ
「だから・・・・、キスしていいですか?」

いいわ、上手くいった。これでヌードモデルがただで手に入ったわ。
スケッチブックに鉛筆で十分よね、用意しなくちゃ。
祐巳ちゃん、キスだけじゃなくて最後まで頑張ろうね。
563500:03/12/06 12:59 ID:dvhVUnsZ
これで終了です。
もしも黄薔薇様にビデオを手渡して白薔薇様を誘い抱いたのが
覚醒祐巳だったらもっと面白そうだと思ったけど
私にはこれが限界かな。

他の職人さん頑張ってね。
564名無しさん@ピンキー:03/12/06 14:19 ID:jGNPAtFl
>>563
乙でした。
江利子さまだったら普通のエロビデオでは
「不自然すぎ。普通、男ってもっと変態じみたものよね」
とか言いそうw
565名無しさん@ピンキー:03/12/06 15:05 ID:DztcrgAW
聖 「ほひ〜、ういのう、こばむ仕草がよいのう〜♪」
祐巳「そ、その言葉遣いは・・・(汗」
聖 「想いを伝えられるのは言葉だけじゃないよ(きりっ)」
祐巳「・・・すりつぶすわよ」


祥子「貴方達・・・」 ←ゲームとかさっぱりな人
566妹は思春期:03/12/06 21:48 ID:plxpNU2z
令「うーわどうしよう。ほんとに抜けないよ」

江利子「どうしたの?」
由乃「令ちゃんの指がビンの口から抜けなくなったんです」
令「情けないです……」

江利子「うーん。そのままアソコにつっこめばヌルヌルになって抜けるんじゃない?」
令「 Σ(゚Д゚;」

由乃「令ちゃんのはそこまでガバガバじゃないですよ。どっかのヘアバンドじゃあるまいし(ゴゴゴゴ)」
江利子「……(ゴゴゴゴ)」
令「誰か助けてくれー」
567満ちた月、欠けた月3・1/4:03/12/06 22:03 ID:Zwi9cNfP
 階段を上がってくる足音を聞くと、私は乃梨子ちゃんに合図をしながら、扉
の死角となる部分にすっと身を隠した。
 志摩子さんの性格を示すように、ゆっくり規則正しく耳に届いてくる。
 その音は扉の前に来るとぴたっと止まった。
「ごきげんよう、乃梨子」
 がちゃっとノブが回る音と一緒に志摩子さんは入ってくると、早速乃梨子ち
ゃんの姿を見つけて挨拶をした。
 ここからでは後姿しか見えないけれど、きっといつもの柔らかい笑みを浮か
べているのだろう。私はそんな志摩子さんの表情が大好きだった。
「……ごきげんよう、お姉さま」
 それに対する乃梨子ちゃんは、やはりまだ逡巡が抜け切らないのかどうも歯
切れが悪い。顔にもどこか苦悩が表れている感じだ。
 志摩子さんも、如実にそれは感じ取っているみたいだった。
 顎をくっと引いて、すぐさま顔付きが真剣なものに変わるのが分かる。
 さすが……深いところで繋がりあった2人だよね……。
 ――私はそれすらも気に入らなかったのだけど。
568満ちた月、欠けた月3・2/4:03/12/06 22:04 ID:Zwi9cNfP
 先に沈黙を破ったのは志摩子さんだった。
「乃梨子、なぜ私から目をそらすの?」
「……」
 胸の前でぎゅっと片手を握って、乃梨子ちゃんは顔を下に向ける。志摩子さ
んはそんな乃梨子ちゃんを真っ直ぐ見つめていた。
「最初は私の気のせいだと思ったわ。でも、すぐに気のせいじゃないって気づ
いた。極力、私と顔を合わせないように避けているし、私と話しているときも
目線を私に合わせようとはしない……」
「……」
「ねぇ乃梨子……私のこと、嫌いになったのかしら?」
「……」
 その声は責めるのではなく、ただ純粋に問うものだった。
「そうならそうと言って欲しいの。だったらあなたのことを諦めるとは言えな
いけれど……、それならば知っておきたいから」
「……違う、違うの」
 ただそうとだけ、乃梨子ちゃんは俯いた咽から搾り出した。
569満ちた月、欠けた月3・3/4:03/12/06 22:05 ID:Zwi9cNfP
「……ええ、分かってるわ」
 そう言う志摩子さんはまるで本当の天使様みたいで。
 私は扉の裏で、心の奥底で暗いものが燃え上がるのを感じていた。
「乃梨子はいったい何を悩んでいるのかしら?」
「……」
 けれど乃梨子ちゃんは何も言わない、言えない。浅ましいと思ってる自分が
嫌われるのが怖いから。志摩子さんの後ろで、歪んだ笑みを浮かべた私が見え
ているはずだから。
 志摩子さんは小さく嘆息して言葉を続けた。
「傲慢かもしれない、でも私は乃梨子の不安を消してあげたいの。もちろん私
に解決できるかなんて分からない、乃梨子の抱えているモノは私にはどうしよ
うもないことなのかもしれない」
「……志摩子、さん」
「私は乃梨子と不安を分かち合いたいの。私に助けられるのだったら助けてあ
げたい。それが無理でも、せめて乃梨子と一緒に苦しむことをしたいの」
 そう言って微笑む志摩子さんは、どこまでも神々しくて綺麗だった。
570満ちた月、欠けた月3・4/4:03/12/06 22:06 ID:Zwi9cNfP
 ……気に入らない。
「なんで……なんで、志摩子さんは……」
 乃梨子ちゃんの言葉は、声にならぬまま上ずり消えていく。
「私はあなたの姉だから――ううん、違うわね。私は乃梨子が好きなの、乃梨
子が独りで悲しむ姿は見たくない。ただ、それだけ」
 すごく……気に入らない。
 これ以上聞いていたら、私の頭の方がおかしくなりそうだった。
「だから――」
 その後になんと続くかは分からない。
 けれど……志摩子さんが何を言いたいかだけは分かって。
 それを絶対に言わせてはいけないことも分かって。
 私は隠れていた扉の陰から飛び出すと、志摩子さんをうしろから無理やり羽
交い絞めにするようにして抱きついていた。
「……っ、きゃっ」
 身体のバランスを崩して後ろに倒れこむ志摩子さんを受け止め、上から覗き
込むようにして右手を腰に、左手を首に覆うように回す。
 志摩子さんが上げた悲鳴は、彼女らしく小さくて可愛いものだった。
571名無しさん@ピンキー:03/12/06 22:06 ID:Zwi9cNfP
(爆風)スランプ……
572名無しさん@ピンキー:03/12/06 22:46 ID:7ReDd5xL
>566
最後の会話ワラタw

>571
志摩子さん出てキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
このあと祐巳の毒牙にかかってしまうのか!?

とりあえず、流れる汗もそのままに走ってください。
573白薔薇さま:03/12/06 22:50 ID:bIGwQCeM
私は強要しなかったわよ。
これはあくまであなたが決めたこと。
だから、投下したら最後まで責任もちなさいね。
574名無しさん@ピンキー:03/12/06 23:04 ID:E6GJrSFD
>>571
スランプだぁ?
てめぇはそんな大層な書き手じゃねーだろ。
もっと気合いを入れろ。
ロケットで突き抜けろ。
575白祐巳:03/12/06 23:05 ID:rqItIr78
>>573
それ、言葉間違えてませんか。白薔薇さま。
あの、普通は「がんばってね」とか「応援しているわ」とか。
576名無しさん@ピンキー:03/12/06 23:12 ID:5IS+nEKW
>>574
 キユ大先生のことか!?
577名無しさん@ピンキー :03/12/07 01:54 ID:Pu1PGGiR
そんな君たちもロックだw
でもこのスレでキユネタ見れるとは思わなかったよ
578名無しさん@ピンキー:03/12/07 03:49 ID:AzNdbjY+
痛みを知らないホモが嫌い。 心をなくした大
人が嫌い。 やさしい祐巳が好き。ごきげんよう。
579名無しさん@ピンキー:03/12/07 07:45 ID:SHIsfj+g
>>578
ワラタ
580名無しさん@ピンキー:03/12/07 09:52 ID:cqDvtWlI
>>567
単調になってる。
飽きてきたか。
581名無しさん@ピンキー:03/12/07 10:27 ID:oGF7C93h
みんな反応が冷たすぎるんじゃないか?
>>567タン、漏れはいいと思う。マターリ自分のペースで進めてくれ
582名無しさん@ピンキー:03/12/07 11:07 ID:0ujdQh9+
>>581
だよなぁー
まぁ、HeUHMWWBさん気楽にどうぞ
これからも頑張ってくんなせー
583名無しさん@ピンキー:03/12/07 12:28 ID:Z5+loih7
>>542
おおお!ヤター!聖蓉編!!
リクエストしてみるものですね。アリガトー
そうか、ロングヘアード聖さま…最高。
続き楽しみにしてまつ
584祥×祐未遂 0/9:03/12/07 13:09 ID:8OmmbslB
( ´_ゝ`)すいませんね。ちょっと今からヌルいの投下しますよ…
メール欄にGO!GO!祥子さまとか入れときますね。

そうそう。場面は別荘暮らし最後の日ね。
585祥×祐未遂 1/9:03/12/07 13:09 ID:8OmmbslB
「もしもし、佐藤です」
「あの、聖さまですか?私、祥子です」
「どうしたの?祥子が私に電話してくるなんて珍しいじゃない?」
「ええ。実はちょっとお聞きしたいことが…」
586祥×祐未遂 2/9:03/12/07 13:10 ID:8OmmbslB
『祐巳、もしよかったら一緒にお風呂に入らない?』
何かの聞き間違いだろうか?いや、お姉さまの口は確かにそう言っていた。
では、解釈を間違えたのだろうか?駅で待ち合わせた時の「車で」と「来るまで」のように。
うーん…
「嫌かしら?嫌だったらしょうがないけど」
やっぱり聞き間違いではないらしい。私は一も二も無く答えた。
「そんなこと無いです!一緒に入りたいです!」
「そう。それじゃあ行きましょう」
お姉さまはそう言うと、早々にお風呂場へ行ってしまった。
うわー、お姉さまに見られても恥ずかしくない下着はどこだー
…それにしても、お姉さまったら一体どういう風の吹き回しなんだろうか?
587祥×祐未遂 3/9:03/12/07 13:11 ID:8OmmbslB
カポーン。よく漫画なんかのお風呂の場面にある音を思い出す。
こういう時って、大体女湯を覗こうとする不届き者がいたりするんだけど。
この場には私とお姉さまだけ。私は今、ものすごく幸せだ。
だから、思わずお姉さまのお身体をマジマジと見てしまうのもしょうがないワケで。
「いやだ祐巳ったら。そんなにジロジロ見ないでよ」
お姉さまがクスリと笑いながら注意した。
「あ、ごめんなさい」
ひょっとしたら、オジサンが女子高生を見るような目つきで見てしまっていたのだろうか?
ああ、マリア様、罪深い私をお許しください。
お姉さまの魅力は、私をオジサンにしてしまうんです…

…まあ、ずっとお姉さまに見とれていたらのぼせてしまうので、ここらで頭でも洗ってこよう。
588祥×祐未遂 4/9:03/12/07 13:12 ID:8OmmbslB
ワシワシ。力強く、そして大胆に頭皮をマッサージ。これが私の日課だ。
これを怠った次の日には、私の髪は昔のロックバンドになってしまう。
その作業にも飽きて、そろそろ止めようかと思ったとき―
「祐巳、背中流してあげる」
「どっ、どどど」
どうしたんですかいきなり―そう言おうとしたけど、
あまりにいきなりの事で、私の口は工事現場のドリル音を発してしまった。
いや、でも、あのお姉さまがここまでしてくれることなんて滅多にない。
というか、一緒にお風呂に入ったのも今日が初めてだけど。
せっかくだし甘えてしまおう。
「それじゃあ、お願いします」
「わかったわ」
うわーお姉さまに背中を…幸せというか、ものすごくドキドキする。
589祥×祐未遂 5/9:03/12/07 13:13 ID:8OmmbslB
ピト。ヌゥー…
ん?何だろう、この背中にあたる感触は?タオルかな?いや、タオルよりもキメが細かくて柔らかい。
たぶん、これに似た感触を私は知っている。思い出せ、思い出すんだ!
確か、初めて薔薇の館に行ってお姉さまに押し倒されて、その後に感じた気がする。
そういえば、その数日後、お姉さまと一緒に「マリアさまの心」をピアノで弾いた時にも感じたハズだ。
と、いうことは…
ピシッ。自分の身体が一気に固まったのがわかった。
つまり、この背中の感触は、ナイスバディなお姉さまの…
ああっ、お姉さま。素敵過ぎです…

『ブフゥッ!』

「祐巳!大丈夫!?祐巳!」
目に映るのは真っ赤な景色だけ。耳にはお姉さまの声と換気扇の回る音が響く。
ああ、お姉さまにまた迷惑掛けちゃった。でも、今回ばかりはどうしようもないや。エヘヘ…
590祥×祐未遂 6/9:03/12/07 13:14 ID:8OmmbslB
「もう。祐巳ったら…」
今、祐巳は私の膝の上で眠っている。
それにしても、さっきはビックリしたわ。
祐巳ったら、いきなり鼻血を噴いて倒れてしまうんだもの。
やっぱり祐巳には刺激が強かったのかしら?
でも私だって、最初にこの方法を聞いたときはとてもドキドキしたんだから。
それに、結局「祐巳にもっと私を好きになってもらおう」計画は失敗してしまったし。
聖さまのバカ…
591祥×祐未遂 7/9:03/12/07 13:15 ID:8OmmbslB
「どう?聖」
「あー、やっぱいいやね。蓉子にしてもらうのがイチバンだわ」
「あら、それじゃあ他の人たちにもしてもらってるのかしら?」
「まさか。私の愛する姫は、蓉子さまただ一人ですよ」
『フフフ』
二人でこうして笑い合ってる時が今は一番幸せなのかな、なんて聖は思う。
そういえば、祥子はうまくやったのだろうか?
592祥×祐未遂 8/9:03/12/07 13:16 ID:8OmmbslB
「私のことが好きな人に、私をもっと好きになってもらうには、どうしたらいいのでしょう?」
それが彼女の質問だった。たぶん祐巳ちゃんのことなんだろなー。
そうでもなきゃ、祥子がわざわざ私に聞くはずがないだろう。
せっかくだから、二人にはちょっと楽しませてもらおう。
「そうね…一緒にお風呂に入りなさい」
「えぇっ!?」
こらこら、素っ頓狂な声をあげない。小笠原の名が泣くぞ。
「それで…その後は?」
「祥子は胸、結構あるほうよね?」
「ええ…他の人と比べたことはないからよくわかりませんけど」
「では、その胸に泡をつけて、好きな人の背中を洗ってあげなさい。これでイチコロよ!」
「本当ですか?」
祥子が怪訝そうな声で聞いてくる。
もうちょっとソフトな意見を期待していたのだろう。流石はお姫様。
「本当本当。そうして私は何人もの女子大生たちを…」
「お話は結構です。ご意見ありがとうございました」
ほんの冗談でここまで嫌がるなんて。流石は(以下略
593祥×祐未遂 9/9:03/12/07 13:16 ID:8OmmbslB
「あー待った待った。せっかく教えてあげたんだから、こっちからもお願い」
「いったい何でしょう?」
「実行したら、結果を私に教えなさい」
「それは出来ません」
「何故?」
「それは…」
「もし教えてくれないなら、蓉子に一部始終を色つけて言っちゃうよ〜」
「…わかりました」
「よろしい」
こっちの勝ちだ。きっと面白い結果になるんだろうな。今から報告が楽しみだ。

「…聖。何ニヤニヤしてるの」
「いや、ちょっとね〜」
594祥×祐未遂 投了:03/12/07 13:21 ID:8OmmbslB
さて、せっかくの休みに漏れは何してるのかと。
本当は最後に加藤さんに「長風呂ねぇ」とかいわせようと思ったんですが
冗長にも程があるってことで。つーか後半長すぎたか(´Д`;)
595名無しさん@ピンキー:03/12/07 13:29 ID:fKHgu2hz
すげーよかった!
つか何気に聖蓉が入っているところがよかった
聖蓉ばんじゃ〜い!

つか聖さま、蓉子さまを姫扱いかい!!
596名無しさん@ピンキー:03/12/07 13:46 ID:xzcqmyFk
あわあわあわ泡泡泡アワアワアワ……

(・∀・)イイ!!
597名無しさん@ピンキー:03/12/07 20:15 ID:mkY4rogc
さてと今のうちに

黄薔薇ラブホ話の人のPC復活(・∀ry
598名無しさん@ピンキー:03/12/07 20:37 ID:e+BIWIzY
祥子さまも祐巳に泡泡してもらったら鼻血噴きそうですな(w

さて、542〜の続きいきます。
599598:03/12/07 21:02 ID:e+BIWIzY
負荷が大きいと怒られたので、しばし待ちました。
改めて投下開始。
600598:03/12/07 21:03 ID:e+BIWIzY
「聖と……繋がる……?」

それは何と甘美な意味を持つ言葉なのだろう。

聖の顔が近付いて来る。
私は目を閉じかけ……

「聖は……私でいいの?」

震える声で、最後の問い掛けをした。

「蓉子がいい」

少しだけ間隔を置いた二つの波の様に、
聖とキスしているという悦びと、
『私が』いいと言ってくれた喜びとが、押し寄せて来た。

聖が私をどうしようと、怖くない、嫌なはずはない。
体の重みも心地良いことはあっても、苦しくなんてない。
聖が『私を』抱き締めてくれるのなら。

「ん……嬉しい……聖……」

上唇と下唇を、聖の唇と前歯で挟まれ弄ばれる。
唇がこんなに感じる所だったなんて予想外だった。自分の体の一部なのに。
自分がどうにかなってしまいそうな気がして、私は聖にしがみついた。
私が積極的に求め始めたと思ったのか、
聖も私をきつく抱き締めてきた。
互いの舌をつつき合い、絡め合い……
混じり合った唾液を飲み込んだ。
601598:03/12/07 21:04 ID:e+BIWIzY
「脱がすね……」

聖の手がスパッツの上から私の下半身を撫で回す。
私は――多分顔を真っ赤にしながら――
腰を持ち上げて脱がされるに任せた。

「かわいい下着だね。
 もしかして覚悟してた?」
「……あなたと違って、
 普段からきちんとしたものを身に着けているのよ」
「へぇへぇー」

絶対信じてもらえていないけど、仕方ない、嘘だもの。
聖と相部屋になると分かっていたから、
下着はお気に入りのものばかりを持って来ていた。
まさか脱がされて交換することになるとは思っていなかったけど。

「綺麗だね、蓉子」

下着を脱がしながらそう言ってくれた。
私の方は、足から抜き取られて聖の指で広げられた下着に
明らかに濡れた跡があるのに気付いて、顔から火が出そうだった。

「そんなに恥ずかしがらないで、
 私も今、全部見せるからさ」

聖が、自分も脱ぐためだろう、少し体を離したので、
私は両手で自分のアソコを隠しながら彼女に目を向けた。
602598:03/12/07 21:12 ID:e+BIWIzY
「手を開けないと……と」
「ちょ……っと!」

何と聖は私の下着を口にくわえた。
しかも一番汚れている所
――お風呂上がりに身に着けたばかりだから愛液だけだけど――
をわざと唇に挟んで。

私の様子を面白そうに眺めながら、
聖は空いた両手で自分の下着を下ろした。
同じように広げて私に見せる。
アソコに当たる部分は、私以上に濡れていた。
そしてそれに、私の足を通し始める。

聖の下着を履かされた。
はっきりと濡れている感触。まだ温かかった。

続けて、聖も私の下着を履いた。

「やっぱり、興奮しちゃう」

そんなことを言いながら、聖は私のTシャツをたくし上げ、
背中に手を回してブラジャーを緩めて、胸を露出させた、
仰向けになると小さく見えるとはいえ、元々聖より小さいので
――聖が立派過ぎるのだけど――
下を見られるより恥ずかしく感じた。

「痛かったらごめん。そう言って」

揉み始められると、胸から快感が広がって来た。
603598:03/12/07 21:13 ID:e+BIWIzY
聖は私と脚を絡めて、下着をくっ付けてきた。
胸と合わせて腰を動かしてくる。
互いの太股がアソコを、
また角度を変えるとアソコ同士が、擦りあう。

「だめ、聖……あなたの下着を汚しちゃうわ」
「いいよ。いっぱい汚して。
 私も蓉子の下着に、たくさん出すから」

女同士なのに『出す』だなんて、
これが同性同士だけど紛れも無いセックスであると、
わざと意識させるようなことを言って、聖は動き続けた。
直接指で粘膜を触るような強烈な快感ではないけれど、
じんわりと染みてくるような快感と精神的な興奮が、
私たちを少しづつ高めていく。

聖が私にそうするように、
私も聖のTシャツの下に手を入れて、
乳首をいじめる。

「ん、あ……そんなに先っぽばかり弄らないでよ」
「ふふ、聖は乳首弱いんだ?」
「蓉子だってこんなに硬くしてるくせに……」
604598:03/12/07 21:14 ID:e+BIWIzY
やがて私たちは、互いのアソコに手を伸ばして、
下着の上から指で責め合った。
二人の愛液の染み込んだ布で粘膜と突起を擦られる。

「気持ちいい? 蓉子、アソコ気持ちいい?」
「いいの、気持ちいいの、ヌルヌルして気持ちいいの!」

キスをしながら、いやらしい言葉を囁き合って、
真っ直ぐに頂を目指して二人で駆け上る。

「い……イッちゃう……私もうイク……!」
「いいよ蓉子、私もイキそう……!」

そして……
互いの腕の中で思い切り体を震わせて、
達した。
605598:03/12/07 21:15 ID:e+BIWIzY
1年と少し後。

「え? そんな慣習無い……?」

蓉子が文字通り目を真ん丸くして、呆然としている。
まさかずっと信じてたとは……あ、怒り始めた。

「くぅ……パンツ返しなさい! あの時の!」

ダメダメ、返すものか。

「こら、ちょっと待ちなさい!」

そんな慣習有っても無くても関係無い。
あの夜貰った蓉子の心は、何があっても
返してなんかあげないんだから。

いつまでも私のお姉さまでもあり妹でもある貴女に、
ごきげんよう。

−おしまい−
606名無しさん@ピンキー:03/12/07 21:16 ID:e+BIWIzY
長時間かかってしまって失礼。
途中でも一度『負荷〜』で怒られて時間を空けました。
であであ。
607名無しさん@ピンキー:03/12/07 21:18 ID:HFPGCxEH
とりあえず、抜きますた
608満ちた月、欠けた月4・1/6:03/12/07 21:29 ID:/0Lhl3rO
「えっ……祐巳、さん?」
 驚愕の視線を向ける志摩子さんに、私は暗い満足感を覚えた。
「志摩子さん、悪いんだけど今回はお説教を聴きに来たわけじゃないんだ」
 私は自嘲するかのような笑みを浮かべて、回した左手の指先でそっと白く艶
かしくうつる首筋を優しく撫でた。
「な、なんで祐巳さんがここにいるのかしら?」
 状況は全くつかめぬまま、けれど自分が後ろから自由を拘束されているとい
うことにただならぬものを感じ取ったのだろう、不安そうな表情で交互に私と
乃梨子ちゃんへと視線を動かす。
「え、だって志摩子さんを放課後ここに呼び出すように乃梨子ちゃんに命令し
たのは、私なんだもの」
 だから私は、小さく言い含めるように耳元で囁いてあげた。
「どういう……」
 私の見る目に何か危機感だけは感じたのか、即座に身体をくゆらせて逃れよ
うとする志摩子さん。
 そんな彼女を、私は強くぎゅっと痛いぐらいに抱きしめた。
609満ちた月、欠けた月4・2/6:03/12/07 21:29 ID:/0Lhl3rO
 私に聞いても埒が明かないと思ったのだろうか、なぞる指先を跳ね除けるよ
うにして、志摩子さんは首を捻って乃梨子ちゃんの方に向ける。
「乃梨子……どういうこと?」
 冷静に、けれどどこか上ずった声。
 それを聞いていた乃梨子ちゃんはびくっと身体を震わせると、俯いていた顔
をゆっくりと上げた。
「ごめんっ……ごめんね、志摩子さん……」
 その顔は既に涙でくしゃくしゃで。
「ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい」
「……乃梨子」
 両肩を手が白くなるぐらいに硬く握り締めて、乃梨子ちゃんは全身を嗚咽で
震わせながら、ひたすら謝罪の言葉を繰り返していた。
「……どういう、ことかしら?」
 きっと強い感じで私の顔を見上げてくる。
 普段の志摩子さんとは少し違う、返答しだいではただじゃおかないぞってい
う感じの瞳の色に、私は最高にぞくぞくするものを感じていた。
610満ちた月、欠けた月4・3/6:03/12/07 21:30 ID:/0Lhl3rO
「……簡単だよ。志摩子さんに私のモノになって欲しいの。乃梨子ちゃんと一
緒にね……」
 私は独り言のように小さく呟く。
 志摩子さんはすぐにはその言葉の意味が掴めなかったようだった。
 けれどすぐに顔中が真っ赤なものへと変わり、次いでそれは怒りによるもの
へと変わった。
「祐巳さん、まさか……」
 はじめて見る志摩子さんの本気で怒った表情。
 そんな顔ですら、志摩子さんはとっても綺麗だった。紅潮した頬は桜色にほ
のかに染まり、ウェーブのかかった柔らかい栗色の髪がわずかに頬にかかって
いる。瞳は強い意志の光を放って、どこまでも惹きこまれそうだった。
 もっと怒らせたくて、私はわざと口元を嘲るようにして歪める。
「そうだよ、私が乃梨子ちゃんを――襲ったの。無理やり押し倒して、乃梨子
ちゃんの純潔を奪ったの」
 それを聞いたときの志摩子さんの表情は、何とも見ものだった。
611満ちた月、欠けた月4・4/6:03/12/07 21:31 ID:/0Lhl3rO
 絶望と言うものをまるで体現したかのような表情。
「……嘘、嘘でしょう? 祐巳さん」
 その顔は赤から一瞬にして蒼白に染まる。
 志摩子さんは、一縷の望みを賭けて私にすがりつくように言った。
「冗談、よね……。冗談、なんでしょう……?」
 ……諦めが悪いなあ。
 これが冗談だなんて志摩子さん自身が思っていないはずだ。そんなの、この
状況を見れば簡単に分かることだし、何より乃梨子ちゃんの顔さえ見れば嘘だ
なんて思う人は誰もいないだろう。
 もう分かっているはずだ、これが全部――真実だって。
 あいかわらず泣きじゃくる乃梨子ちゃんを見た志摩子さんは、ついに全身か
ら力が抜けて崩れ落ちそうになる。
 私はそんな彼女の身体を強く抱きしめると、耳元でそっと囁いた。
「ううん、嘘じゃないよ……。私が乃梨子ちゃんを奪ったの、乃梨子ちゃんが
志摩子さんを避けるのも私の所為。嫌がる乃梨子ちゃんに、志摩子さんを呼び
出すように強制したのも、私がやったことなんだ……」
 ……あぁ、最高だ……。
612満ちた月、欠けた月4・5/6:03/12/07 21:32 ID:/0Lhl3rO
「どうして……どうしてそんなことっ!」
 感情の揺り返しが来たのか、志摩子さんには珍しく激昂するような感じで声
を荒くして叫ぶ。
 瞳には動揺、混乱、悲痛とさまざまな色が映る。
「なんで、そんなに怒るのかな?」
 私は首を傾げて聞き返す。
「……っ」
「もしかして、志摩子さんは自分が最初に乃梨子ちゃんを抱きたかった? そ
れならゴメンね、先に奪っちゃって」
 揶揄するように言い放つ。
 それを聞いた瞬間――志摩子さんは身体を捻るようにして右手を私の頬に叩
きつけてきていた。
 ぱんっと渇いた音が部屋中に響く。
「……お痛が過ぎるんじゃないかな」
 一呼吸過ぎた後、私は苦痛の声を上げる志摩子さんを無視して、その手を捻
り上げるようにしてカラダをぐっと引き寄せていた。
613満ちた月、欠けた月4・6/6:03/12/07 21:33 ID:/0Lhl3rO
 声からどんどん感情の色が無くなっていくのを感じる。
「別にね……今日は志摩子さんとお話しをしに来たわけじゃないんだ。乃梨子
ちゃんが呼び出したのはあくまでも口実」
 けれど、それを聞いても志摩子さんの顔は気丈なそのままで。
 私を見るその眼には嫌悪感すら浮かべていた。
「……あはっ、あははは」
「何が……おかしいのかしら?」
 心の中でどんどん暗い炎が燃え盛るのを感じる。
 無茶苦茶にしてあげたい……。
 その端正な顔を涙でぐしゃぐしゃにしてあげたい、その綺麗な白い肌を興奮
で紅く染まらせたい、その鈴が鳴るような声で自分から隷属を誓わせてあげた
い、どこまでも――志摩子さんを私だけのモノにしたい。
「まだ……自分の立場が分かってないこと、かな。志摩子さんはもう罠にかか
ってるんだよ? 今度は、――志摩子さんの番なんだから!」
 私は志摩子さんの顎をくっと引き上げると、強引にその唇を奪っていた。
614名無しさん@ピンキー:03/12/07 21:34 ID:/0Lhl3rO
純潔を奪ったなんていってますが、乃梨子はまだ処女です(重要)
でも調教はしまくりです(*´Д`)ハァハァ
615名無しさん@ピンキー:03/12/07 21:47 ID:nBjeFm0n
>>608->>614
 怒った志摩子さんカコイイ・・・
616名無しさん@ピンキー:03/12/07 21:58 ID:rQ0rg6cC
>>608
617名無しさん@ピンキー:03/12/07 22:00 ID:TiLee3/3
自分的には終わったテーマなんだけど、HeUHMWWBたんの路線で
もう一本だけ書いてみた。(瞳子)
618名無しさん@ピンキー:03/12/07 22:00 ID:+03zJCw6
616よ、どうしたのだ。
619名無しさん@ピンキー:03/12/07 22:07 ID:BSJ6Fa1W
聖さまは爆乳?
620名無しさん@ピンキー:03/12/07 22:14 ID:e+BIWIzY
「けんかの原因、何だっけ」
「嘘、忘れたの?」
「何だか気に障るようなことを、言ったような言われたような……」
「江利子が私の胸を指差して『アメリカ人』って言ったから
 私も『貧乳』って言った……けど」
「何ですってぇぇぇぇぇぇ!」
621名無しさん@ピンキー:03/12/07 22:21 ID:zu2o2/Ej
さすが、リリアンのダークサイドに落ちた祐巳すけ、志摩子さんの平手打ち程度では
蚊ほどにも効かんか。
622名無しさん@ピンキー:03/12/07 22:24 ID:RCh5cz6b
>620
つまんね。
623名無しさん@ピンキー:03/12/07 22:24 ID:ZxaQzSGE
>619
聖さまはばくにゅーじゃないだろ。
平均ぐらいじゃないか。あんまり柔らかくなさそうだ。

ところで、リリアンの生徒はやはりどこか世間ずれしていないところがあるが、
TV,音楽などの嗜好はどんなもんだと思う?
祐巳はバラエティ番組を見るみたいがけど。
こういうことからネタができることもあるので皆様のご意見をひとつ伺いたい。
624名無しさん@ピンキー:03/12/07 22:29 ID:zu2o2/Ej
とりあえず、志摩子さんは日曜早朝深夜のラジオの拝聴は欠かさないと思われ。
625名無しさん@ピンキー:03/12/07 22:31 ID:CPnaDJPB
たぶんみんな『普通』だと思うぞ。
祥子さまあたりは特殊だろうけど、他はなんてことないかと。
626名無しさん@ピンキー:03/12/07 22:45 ID:NykIUK3q
祐巳>一家団欒でテレビを見ているのでバラエティ中心
祥子>忙しくてテレビなんて見ない
蓉子>同じく見ない
由乃>もちろん時代劇
 令>少女漫画原作のドラマ「君はペット」
江利子>お笑い
志摩子>教育番組
 聖 >エロビデオ

こんな感じだと思う。
627名無しさん@ピンキー:03/12/07 22:54 ID:nBjeFm0n
>>626
聖>エロビデオ
 悠々と煎餅でも食いながら演出とかを笑い飛ばしてそうだ。

令ちゃんのソレは可愛いなぁ。  
628名無しさん@ピンキー:03/12/07 22:57 ID:XYBe433B
すみません
ここのスレでは祥子と柏木の精神が入れ替わって
精神が柏木の祥子が祐巳を落として
精神が祥子の柏木が花寺で男に囲まれておろおろして
祐麒にたよってしまって
一週間後に元にもどって祥子が祐巳にあったら
超エロエロになっていたとゆう話はありでしょうか?
(ただの思い付きです)
629名無しさん@ピンキー:03/12/07 23:02 ID:NykIUK3q
最初に内容を説明しておけば抵抗ある人に見られなくて済むと思うよ。
オレ的にはちと微妙だが、いま祐巳×ゴロンタで書いているので人のことは言えない。
630名無しさん@ピンキー:03/12/07 23:11 ID:Ho4K8dXe
>>628
つまんね。
無しだ。
631名無しさん@ピンキー:03/12/07 23:13 ID:e+BIWIzY
いや、読みたい。
632名無しさん@ピンキー:03/12/07 23:17 ID:a6LLZgp4
>>628
嫌だなーそういうのは
他の人はどうか知らないけど
633名無しさん@ピンキー:03/12/07 23:20 ID:KsZspn2N
>一週間後に元にもどって祥子が祐巳にあったら超エロエロ

っつー部分がよくわかんねが、とりあえず書いてみ?
634名無しさん@ピンキー:03/12/07 23:28 ID:NykIUK3q
祐巳と祥子が入れ替わるってのはどうだろう?
そのほうが抵抗少ないが。
もしくは聖と祥子が入れ替わる。
635名無しさん@ピンキー:03/12/07 23:35 ID:jk4u4v9j
いやそれよりも可南子と祥子が入れ替わる方がッ
636名無しさん@ピンキー:03/12/07 23:38 ID:+KXS+R7n
>>614
キターーーーーー
祐巳ちゃんと同じくゾクゾクしながら読んでる。志摩子さんがどういう風になるかとおもたらモウモウハァハァブヒブヒ
637名無しさん@ピンキー:03/12/07 23:44 ID:LjmJtAbw
>精神が柏木の祥子が祐巳を落として

が引っかかったなぁ。柏木が女性に興味を持つとは思えぬ。
祐巳と入れ替わってユキチを落とす、ならともかく。
638名無しさん@ピンキー:03/12/07 23:52 ID:RCh5cz6b
っていうか、それはもうマリみてじゃないんじゃ・・・・。
639名無しさん@ピンキー:03/12/08 00:10 ID:sCKX/FRj
そこで祥子と祐巳の中身が入れ替わるSSですよ!

>>628
とりあえず書いて投下してみれば良い。
前もって忠告してNGワード配慮すれば、読む前から文句言う者には
関係なくなるわけだし。ま、窮屈だろうがやってみれ。
640名無しさん@ピンキー:03/12/08 00:13 ID:F7trRpm0
>祥子と祐巳の中身が入れ替わるSS

それはもう究極のヲナ..
641名無しさん@ピンキー:03/12/08 00:23 ID:mbZmNKL1
普通に祐巳⇔祐麒入れ替えでいいんじゃ?
てか、ネットの海のどこかに落ちていそうなネタだけど。
642名無しさん@ピンキー:03/12/08 00:39 ID:dfxh6Yft
このスレには読む前からダメだしをする
度量のせまい奴ばかりか?
643名無しさん@ピンキー:03/12/08 00:39 ID:re/jybkn
無理に入れ替わらなくても……。
つか、最近ネタ的なもんが多すぎる。
644名無しさん@ピンキー:03/12/08 00:49 ID:ijyGxrdU
とりあえず投下していいでつか?
ほのぼの系でひとつ。エロなし。
645名無しさん@ピンキー:03/12/08 00:51 ID:ijyGxrdU
初冬のある日、祐巳が薔薇の館の扉を開けると、2階から途切れ途切れの音楽が聞こえてきた。
「?」

音楽の邪魔をしないように階段をいつも以上に慎重に上る。
ビスケット扉をゆっくりと開けると、冬の陽だまりの中でギターを引く聖さまの姿があった。
真剣な顔で楽譜を見つめ、曲を行きつ戻りつしながら練習している。
(格好いいな)
薔薇さまたちが真剣に何かに没頭している姿を見る機会なんてあまりなかったので、祐巳は声をかけることもできずに見とれてしまう。

聖さまはポロン、と弦を弾いて、ギッと背もたれにもたれ大きく息をついた。
こきこきと首を鳴らすしぐさまでしてみせる。
どうやら一曲終わったらしい。

「ご、ごきげんよう」
祐巳はおそるおそる声をかけた。
「お、祐巳ちゃん、ごきげんよう」
「白薔薇さま、それ…」
祐巳がギターを指差す。聖さまはそれに気がついてちょっと掲げるようにして見せた。
「先週末、お父さんが押入れを整頓したら出てきたんだ。
 それでなんとなく貰ってみたんだけど…、結構難しいね。私、音楽経験ないし」
お茶入れてよ、と祐巳にリクエストしながらチューニングをいじりだす。
「弦を張り替えてすぐだからすぐ音が狂っちゃうんだよね」
「はあ、そういうものですか」
曖昧に返事をしながらお茶の仕度をする。
646名無しさん@ピンキー:03/12/08 00:52 ID:ijyGxrdU
ダージリンを2つのカップに入れて振り返る。
すらりと組んだ脚と、弦を踊る形のよい指が目に入った。
ありがとう、と言って紅茶を受け取ると聖さまは一口飲んだ。
祐巳はそのお向かいに椅子を引いて座る。
「何か弾いて見せてくださいよ」
「うーん、一曲しか弾けないけどいい?」
もう一口飲んでからカップを机に置き、ギターを構えなおした。
「んじゃ、いくよ」

ゆっくりと弾き始める。
明るいわけではなく、悲しみに沈んでいるわけでもない。
ただ、少しだけもの哀しいメロディー。
聖さまの上体がリズムとともにかすかに揺れている。
まだ慣れてないのか、たどたどしくなる箇所もあるが、それすらも一つのアクセントとなって曲を彩った。

「…すっごーい!」
曲が終わると、祐巳は思わず立ち上がって叫んでしまう。
拍手をし、それでも足らずに両手で聖さまの左手を掴みぶんぶん振った。
「ちょ、ちょっと、祐巳ちゃん。ギター落としちゃうよ」
いわれてやっと気付き、ぱっと手をはなす。
聖さまはギターを右手一本で支えると、左手を伸ばしてカップを掴み、少し冷めてしまった紅茶を飲みだした。
「そんなにほめてもらうと照れるなぁ。まだまだ下手だから」
「そんなことないですよ。初めてほんの数日なんて信じられません」
「ははは」
苦笑して、紅茶を飲み干す聖さま。ふと思いついたようにギターを祐巳に手渡した。
「やってみる? 教えてあげる」
「ええええ!?」
647名無しさん@ピンキー:03/12/08 00:54 ID:ijyGxrdU
いきなりのことに驚く祐巳。聖さまは意も介さず「ほらちゃんと持って」といって、構え方を指導し始める。
「祐巳ちゃん、音楽経験は?」
「えーと、ピアノを昔…」
「そう、ならきっと私よりましだ」

そういいつつ聖さまは祐巳の後ろに回りこんだ。手を伸ばし、祐巳を抱きしめるようにする。
「白薔薇さま!?」
左手が祐巳の左手を包み、コードを押さえさせる。右手は弦を弾きながら祐巳の手を時折撫でた。
「ほら、こうすれば、二人で弾いてるみたいだね」
「は、はい」
耳元で囁かれ、ちょっとだけ首をすくめる。
「姿勢がわるいよ、ほら…」
聖さまの唇が、首筋や頬を掠る。
「ひゃう…」
「そういえば、さっき弾いた曲、名前知ってる?」
「え、ええと」

聖さまの暖かさと、首筋への刺激でぼうっとしかかってる頭を必死で検索する。
あれは、昔ピアノの練習でもやったことがある…
「『禁じられた遊び』だよ」
耳たぶを唇で挟まれた。もう、頷いてみせることしかできない。
「私、あの曲好きだな」
唇のすぐ脇にキスされる。
「…祐巳ちゃんは、好き?」
祐巳はもう何も言えない。聖さまの唇が近づく。二人はそっと目を閉じ…。
648名無しさん@ピンキー:03/12/08 00:55 ID:ijyGxrdU
「ごっきげんよ〜!」
一階から元気な声が薔薇の館中に響いた。つづいてぎっしぎし勢いよく階段を上がる音。
聖さまは慌てて体を離すと、祐巳の向かいの席についた。

やたらとご機嫌で現れたのは江利子さまだった。
「ごきげんよう、元気ね、江利子」
聖さまはもう何事もなかったかのように話している。
一方の祐巳は、さっきの余韻から立ち直れないでいた。
「あら、祐巳ちゃんもごきげんよう。あれ?ギター?」

パワー全開の江利子さま、目ざとく見つけるとすぐに祐巳の手からギターを受け取る。
「私の。こないだ始めたの」
「へえ、聖がねぇ。…弾いていい?」
弾いていい?、と聞いたときにはすでに弾き始めていた。
机に腰掛け、ほんの少し指慣らししたかと思うと曲を始める。
「あ、これ」
「さっきの」
649名無しさん@ピンキー:03/12/08 00:57 ID:ijyGxrdU
江利子が弾き出したのは『禁じられた遊び』だった。
ついさっき聞いたばかりのメロディーが、再び薔薇の館に流れる。
黄薔薇さま音楽もできるんだ、と祐巳がぼんやり思っていると、背中から廻される腕があった。
いつものように抱きしめられるのではなく、ただちょっと肌が触れ合い体重を預けてくる程度。
(聖さま)
(やっぱり、いい曲だね)
そう囁くとあとは目を閉じて聞き入る。祐巳もそれに倣った。



静かに流れる旋律の中、二人は寄り添って立ち続けた。


おわり。
650名無しさん@ピンキー:03/12/08 01:03 ID:M4av0H87
ギタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
651名無しさん@ピンキー:03/12/08 01:32 ID:8yO0ieV+
そういえばピアノとバイオリンくらいだっけ、登場している楽器は。
お嬢様校ならそれぞれを特色付ける楽器があっても面白いかもね。
聖さま、ギターかなりいけそう(´∀`)
652名無しさん@ピンキー:03/12/08 02:20 ID:7sktJTsV
雰囲気がイイ!
あと、やたら機嫌のいい凸さまにワロタ
653名無しさん@ピンキー:03/12/08 02:57 ID:x/8LsbLe
>651
オルガンとかピアニカとかが出てきてるな。
あと、小さい太鼓とか
654617:03/12/08 07:20 ID:5oawTvt2
思わせぶりスマン。半端なアク禁食らってたもんで。
そんなわけで、黒薔薇をもう一本だけ。(瞳子)
655瞳子:03/12/08 07:21 ID:5oawTvt2
「瞳子、舐めて」
躯を開いたお姉さまが、妖しい声で誘う。
瞳子は敬虔な信者のように跪き、神聖な場所に接吻する。
「ん、はぅん」
神々しいお声に、妹としてお仕えする喜びを感じる。
艶やかな真珠がふるふると慄き、顔中がお姉さまの匂いで満たされる。
「もう、いいわ」
顔をあげた瞳子を抱き寄せ、雫を丁寧に舐め取ってくださる。
そのまま舌が滑り込み、お姉さまの指先が瞳子の躯をまさぐっていく。
「もうこんなにして。しょうがない子ね」
目の前にかざされた指の間を、ねっとりとした液体が糸を引く。
「ごめんなさい。お姉さま」
怒っていらっしゃるわけではない。“ご奉仕”の時はいつもこうだから。
「いいのよ。いらっしゃい」
お姉さまに抱きしめられるだけで、瞳子は蕩けてしまいそうだった。
656瞳子:03/12/08 07:22 ID:5oawTvt2
「だめよ。もう少し、がまんなさい」
瞳子だってまだ終わりたくない。何より、お姉さまを失望させたくなかった。
ふたたび唇が重ねられると、全身がくまなく密着する。
(お姉さま、大好き!)
(瞳子、私の可愛い妹)
言葉を交わさなくても、触れ合った肌から想いがつたわり合う。
「お姉さま、瞳子は、もう」
優しくうなずいてくれたから、瞳子は二度目の波にのってのぼりつめた。
瞳子が下りてくるまで、お姉さまは抱きしめていてくださった。
「お姉さま?」
いつも、手早く身支度を整えてしまうお姉さまにはめずらしいことだった。
「瞳子。厭になったら、いつでもロザリオを返していいのよ」
お姉さまのお声は限りなく優しくて、どんな非道い仕打ちより瞳子の心を抉る。
「お姉さまは、ひとりぼっちじゃありませんわ。未来永劫」
言葉のなんと無力なことか。だから、瞳子はお姉さまの手を握り締める。
657瞳子:03/12/08 07:22 ID:5oawTvt2
「何を、言っているの?」
「世界中が敵になっても、瞳子はお姉さまの味方です」
まっすぐに、お姉さまの目を見つめ、よどみない口調で宣言する。
「馬鹿じゃないの?私はたくさんの女の子を汚してきたわ。あなただって同じ。
自分が特別だとでも思っているの?いちばん利用し易かっただけのことよ」
いつもの淫蕩なクスクス笑いが、やがて狂ったような哄笑に変わっていく。
「お姉さま・・・」
瞳子の手を振り払い、身を折るようにして笑い続けるお姉さま。
震える背中をぎゅっと抱きしめて、肩のあたりに頬擦りをする。
「瞳子は、そんなお姉さまが、お姉さまの全てが大好きです」
「おめでたいわね。あなたって本当に馬鹿。・・・馬鹿、なんだ、から」
いつしか嗚咽を始めたお姉さまを、頑是無い幼子をあやすように抱きしめる。
「大好き。瞳子のお姉さま」
囁いた瞳子の顔面に、会心の笑みとも言うべき表情が浮かび上がっていた。

―おしまい
658名無しさん@ピンキー:03/12/08 08:26 ID:mTEWEZTL
>>665
こぴぺ改変?
659名無しさん@ピンキー:03/12/08 08:27 ID:mTEWEZTL
ごめん

>>655
適当なコピペ改変ですか?

の間違いでした。
660名無しさん@ピンキー:03/12/08 08:54 ID:5oawTvt2
655>659
??? 拙いながら、オリジナルのつもりですが? 誤爆?
661名無しさん@ピンキー:03/12/08 09:53 ID:1o7omUt+
君の書いたSSにはこのカプらしさが欠け(黒祐巳だとしても)、しかも全然面白くなかったって事さ。
精進したまえ。
662名無しさん@ピンキー:03/12/08 11:25 ID:AjY2+AOi
むしろ由乃っぽく感じた。
ああ本当は令ちゃんにしてもらいたいんだね由乃。
663名無しさん@ピンキー:03/12/08 11:42 ID:64fHzoF+
本当に最近量は豊富だけど、質がどうにも・・・・。
いい作品もあるけど・・・・。
664名無しさん@ピンキー:03/12/08 12:27 ID:Fqz9SCLj
>663
言いたいことは良く分かるが、豊作の今を楽しもうや兄弟。
漏れが常駐してる某エロパロスレなんて、ほぼ荒野状態だってえの(TーT)y-~~
665名無しさん@ピンキー:03/12/08 12:38 ID:0xC79blY
>>663
対価も払ってないのに、質も量も要求するわけにいかんでしょ。
上手下手以外にも好き嫌いという「質」の物差だってあるわけだし、
たくさん書いてもらえればその中で口に合うものも増えるのが道理。
職人様はすべからく神様です。
666名無しさん@ピンキー:03/12/08 13:26 ID:4rcYZ5Nl
相変わらず職人さんに厳しいスレだな。貴重なドリル職人を腐らせないでくれよ。

「らしさ」ってのはパロディの命だから、そこを外すと凡百のエロ小説の劣化コピーに
なりかねないわけで、純粋に文章だけで喰っていけるだけのウデの職人さんはこの
スレでもそんなに多くはないと思う。(当たり前だ!覆面プロもいるかも知れんけど)

エロだからこそ「マリみてらしさ」にはこだわりを持ちたいし、>>660氏も、前作までは
そのポイントを外してなかったと思うのだが…。今回の酷評にめげることなく、これを
糧にまた挑戦していただきたい。(なんて文学賞選考委員みたいだなwスマソ)
>>665
概ね同意だが、×すべからく→○おしなべて、では?辞書で確認のこと。
667名無しさん@ピンキー:03/12/08 14:28 ID:ntD+kJlv
短編・長編・ネタ・テーマも色々な作品が上がってた方が楽しいと思うが。
「らしさ」については、エロシーンにキャラやカプらしさを反映させるのって結構難しくて
(ヤってる行為は結局どのキャラでも変わらないし)、書いてて凹むこともしばしば。

このスレたまに変な流れになるけど、案外あっさり軌道修正されることもあるので、
職人さんもあまり気負わず楽しんでいただきたい。
668名無しさん@ピンキー:03/12/08 15:42 ID:1o7omUt+
「らしさ」について>>660に関して少しこだわると、祐巳といる時の瞳子の一人称は「私」だと思うのだよ。
ドリルスキー的にはその辺りがどうしても気になった。
このネタにおける黒祐巳の圧倒的な優位を揺るがすような終わり方で、本当は結構好きなんだが・・・。
669名無しさん@ピンキー:03/12/08 16:10 ID:Yj9H6C+G
瞳子派の俺だが普通に良かったぞ
俺はこういう軽めの話が大好きだ!
なんで袋叩きにあってるのか理解できん
670名無しさん@ピンキー:03/12/08 16:34 ID:ntD+kJlv
>>537の続き投下します。
メール欄「現白お聖堂編sage」です。
671現白SS3(4-1):03/12/08 16:37 ID:ntD+kJlv
立ち尽くす乃梨子の頬を伝う涙に、志摩子は優しく口接けた。

今日の放課後別れたばかりだというのに、「顔が見たくなった」と言って突然家に
やって来た乃梨子。
その乃梨子は今、自分の心を言葉にして涙を流していた。

志摩子はしばらくそんな乃梨子の涙に唇を触れさせたままでいたが、不意に
乃梨子にきつく抱きすくめられ、二人はそのまま畳の上に倒れこんだ。
志摩子を押し倒した乃梨子の腕はいつもよりも力強く、その瞳は今までで一番、
欲情した光を宿していた。
乃梨子は自分の下に組み敷いた志摩子のことを、まだ涙に濡れた瞳でじっと
見つめている。

物事を割り切るのが上手そうな乃梨子のことだ。執着心や独占欲のような慣れない
感情を持て余して、一人悶々としていたのだろう。しかし、その気持ちを自分に
ぶつけてくれたことが志摩子には嬉しかった。

ひと時互いの気持ちを確かめるように見つめ合うと、乃梨子が志摩子に顔を寄せ
唇を重ねてきた。そして自分の唇を乃梨子が激しく求め始めると、志摩子はそれを
受け入れ自分から舌を絡ませていった。

「んっ…」
「は……ぁっ」

志摩子の舌の動きに合わせるように、乃梨子も舌を志摩子の口内に差し込んでくる。
二人は目を閉じ夢中で互いの唇と舌を貪り合いながら、甘い唾液を交換し合った。
その深い口接けはいくらしていても飽きることがなく、息継ぎをするために微かに
唇を離しては、また重ね合わせる。
そしていつしか二人の濡れた唇は、ぴちゃぴちゃと淫靡な音を立て始めていた。
672現白SS3(4-2):03/12/08 16:39 ID:ntD+kJlv
今までで一番激しいキスなのではないだろうか……。
志摩子はそう思いながらも、長く濃厚な口接けで頭は半ば朦朧となりかけていた。
そこに追い討ちをかけるかのように、乃梨子の手が志摩子の胸に延びてくる。
その手が柔らかな膨らみを丹念にこね回すように、ゆっくりと動き始めた。

乃梨子のその手の動きに制服と下着の上からであるにもかかわらず、志摩子の身体は
敏感に反応し、全身が熱く燃えるように急速に火照り始めてくる。
そして志摩子の口内を舐めまわす舌の動きに合わせるかのように、胸を揉みしだく
乃梨子の手の動きが徐々に激しくなってきた。

今日の乃梨子は自分のことを上手く制御できないようだ。
しかし乃梨子のその激しさは志摩子にとって不快なものでは全くなく、その熱さを
自分にぶつけてくる乃梨子のことがたまらなく愛しかった。
そして今こうして乃梨子の想いを受け止めているのは、他の誰でもないこの自分なのだ。
その事実が、志摩子にはこの上もなく嬉しかった。

胸を撫でまわしていた乃梨子の指が、布越しに乳房の登頂を探り当てた。
乃梨子の指の動きがそこを刺激するような細かい動きに変わると、その先端が硬く
勃っていくのが自分でも分かった。そして胸の反応に同調するかのように、下腹部も
どんどんと熱くなってくる。

「ん……うんっ……」

口接けの合間を縫って、堪らずに吐息を漏らす。しかしその僅かな隙も逃すまいと
するかのように、すぐに乃梨子の唇が塞いでくる。
そしてその乃梨子の息遣いは、身体を責められている志摩子のものよりも、はるかに
荒く激しいものになっていた。
673現白SS3(4-3):03/12/08 16:41 ID:ntD+kJlv
深い口接けをそのまま続けながら、乃梨子の手が志摩子のスカートの裾をたくし上げ、
その中に入り込んできた。ふとももを這い回り始めたその手のひらに、志摩子の
下半身は敏感に反応する。

温かな手のひらで内股を撫で回される度に、ぞくっとするような感覚が沸き起こる。
その感覚に志摩子は脚を震わせ、身体をすくめた。
そして自分の秘所が熱く脈打ち始めたのを感じたその時、乃梨子の指がショーツの
上からその部分をそっと刺激してきた。

「乃梨子……っ」

敏感な部分を割れ目に沿って指で上下に擦られる度に、気持ちよさが秘所に広がって
くる。そして乃梨子の指の動きに呼応して自分の中心からとろとろと熱い蜜が
溶け出していくのが、志摩子にははっきりと分かった。

「あ、ぁっ」

感じる部分を擦り上げる指の動きが徐々に速度を増してくると、その快感に唇から
漏れ出る嬌声を抑えられなくなり、志摩子はさらにきつく目を閉じた。

「乃梨子、んっ」
「ふ、はぁっ」

ショーツ越しの愛撫を続けながらも、乃梨子はなおも志摩子の唇を求めてくる。
口内と乳房、そして秘所に同時に刺激を受け、志摩子の快感は更に高まった。

布越しの刺激がもどかしい。
志摩子がそう感じ始めたのと同時に唐突に胸と秘所への愛撫が止まり、唇を離した
乃梨子が身体を起こした。志摩子がそれまで閉じていた目を開けると、乃梨子が
荒い息のまま、志摩子のスカートを捲り上げているのが視界の隅に見える。
そして片方の手で腰を軽く持ち上げられると、そのままショーツを脱がされた。
674現白SS3(4-4):03/12/08 16:44 ID:ntD+kJlv
自分の愛液で濡れたショーツが両足から抜き取られると、熱く火照っていた秘所が
外気に晒された。
そのひんやりとした空気を、志摩子が自分の濡れた柔肉に感じた瞬間。
何かぬるぬるとした熱いものが、志摩子の濡れそぼった割れ目に沿って這わされた。

「――!?」

今までに体験したことの無い刺激に驚いた志摩子が再び下の方へ視線を移すと、
腰の辺りまで捲り上げられた自分のスカートと、露わになった白い太ももが見えた。
そしてその両脚の間で身体を屈め、乃梨子が自分の秘所に顔を埋めていた。

「乃梨子、だ、だめよっ……!」

乃梨子の熱い吐息を自分の秘所に感じる。そしてその柔らかい舌は、自分の二つの
花びらをゆっくりと押し広げるように、敏感なそこをねっとりと這いまわっていた。
志摩子は乃梨子の予想外の行動に驚いたが、その秘所からは、すぐに抗いがたい
快感が沸き起こってきた。

「そんな、とこ……ゃ、んっ……ぁ、ぁ」

乃梨子の唇と舌での愛撫を秘所に受けながら、志摩子は恥ずかしさと、そしてそれを
上回るほどの凄まじい快感に今までにない興奮を覚えていた。
脚を閉じてしまいたいと思う一方で、乃梨子になら自分の恥ずかしい部分を全て晒しても
いいという気持ちも、確かに心の中に同居していた。
そして自分の秘所を無言で舐め回している乃梨子の舌を感じているうちに、志摩子の
心からは恥ずかしさが徐々に消えていった。

乃梨子の手が自分の脚を更に押し開くように力をかけてくる。
その手に促され、志摩子は羞恥に緊張していた脚の力を抜いた。
675現白SS3(4-5):03/12/08 16:46 ID:ntD+kJlv
志摩子の秘所は乃梨子の唇と舌の愛撫を受け、快感にひくひくと震えていた。
そこからは、とろとろと熱い蜜が流れ続けている。
そして乃梨子の舌が、その志摩子の溢れる愛液を舐め取ろうとするかのような動きで
秘裂を舐め回す。

ぬるっとした舌が秘裂に沿って上下に動く度に、くちくちと小さく湿った音が
跳ねている。
そのいやらしい水音は、乃梨子の唾液と自分の中から溢れ出した淫靡な蜜が合わさって
立てているのだ。そう思った瞬間、志摩子の身体の奥はさらに熱くなった。
そして乃梨子の舌が小さな肉芽に触れると、志摩子は鋭い快感に打ち震えた。

「あ、あっんっ!……乃梨子っ」

肉芽を襲う強い刺激に志摩子は耐え切れず、快感から逃げようとするかのように
腰をくねらせる。しかしその腰は乃梨子が両手でしっかりと押さえつけている
ために、思うように動かせなかった。
それどころか不自由な腰の動きが乃梨子の舌の動きと重なり、予想外の刺激が肉芽に
与えられた。さらなる快感が志摩子を襲う。

「んっ、あぁ!の、乃梨子……だめっ、私……っ」
「志摩子さん……」

ひと言小さく志摩子の名を呟くと、乃梨子の舌が志摩子の入り口を弄り始めた。
その舌は、ほぐすようにゆっくりと浅い所を責め立ててくる。
そこから聞こえてくる水音は、くちゃくちゃと徐々に大きくなってきていた。

入り口を舌で軽く掻き回されている志摩子のそこは、奥までは入ってこない乃梨子の
舌を深いところまで引き込もうとするかのように、ひくひくと蠢いている。
そのいやらしい蠢きが自分でも分かり、自分の身体の淫らな反応に志摩子は
身悶えした。
676現白SS3(4-6):03/12/08 16:48 ID:ntD+kJlv
ほどなくして志摩子の腰が快感に細かく震えだすと、乃梨子の唇が秘所から離れ、
その代わりに細い指が志摩子の濡れた膣口にあてがわれた。
柔らかい舌とは違う硬い指の進入を予感して、志摩子の身体は期待に震える。
そしてその震えを抑える間もなく、あてがわれた指はゆっくりと志摩子の中へ
入ってきた。

志摩子の蜜と乃梨子の唾液でとろとろになっていたそこは、容易に細い指を咥え込んだ。
乃梨子の指はきつい膣壁の中をぬぷぬぷと沈み込み、すぐに根元まで埋め込まれる。

自分の体内に感じる異物感に、志摩子は一瞬身をすくめた。しかしその中はすぐ
に快感を生み出し、乃梨子の指を抱き包むようにぐっぐっと脈動し始める。
そしてその動きに合わせるようにゆっくりと出し入れが始まると、待ち望んでいた
刺激を与えられた志摩子の身体は歓喜に震え、唇からは吐息が漏れた。

「乃梨子、ん、んんっ……ぁっ……」

卑猥な水音とともに自分の中を出たり入ったりしている乃梨子の指。
その乃梨子の指を奥まで誘おうとするように蠢く自分の中心。
とろけるように濡れたそこが淫靡な蠢きを繰り返すたびに志摩子の快感は高まって
いき、さらに愛液を溢れさせた。

「志摩子さん、志摩子さんっ」

自分を求めるような乃梨子の声とともに、挿入された指の動きが速くなった。
その動きに合わせて、ぬぷっ、じゅぷっという濡れた音も早く大きくなっている。
乃梨子はその指を根元まで激しく出し入れしていたかと思うと、中に埋めたまま
掻き回すような動きも加えてくる。
677現白SS3(4-7):03/12/08 16:54 ID:ntD+kJlv
微妙に変化を付けて蠢く乃梨子の指に、志摩子の限界が近付いてきた。
それを示すかのように、抽送を繰り返す乃梨子の指を膣壁が更にぐっぐっと強く
締め付ける。
すると、もう果てる寸前だった所に、再び乃梨子の舌が肉芽を転がしてきた。

「あ、ああっ!は、あん……、ああ、あぁぁっ……!」

中を掻き回している指に意識が集中していたので不意打ちを食らった感じになり、
予想外の刺激に志摩子は無防備に嬌声を上げた。
乃梨子の指は変わらず激しく体内を行き来しており、唇と舌は快感で硬くなった
肉芽をねっとりとねぶるように、執拗な愛撫を繰り返している。

膣内と肉芽の両方に同時に愛撫を受け、志摩子は秘所から湧き起こる快感に
今度こそ耐え切れなくなった。
自分の脚の間に顔を埋めている乃梨子の頭に、すがるように両手を延ばす。
その黒髪の中に手のひらを埋めると、すぐにその手に乃梨子の空いた片手が
重ねられた。
そしてそれと同時に、志摩子の中で抽送を続けていた乃梨子のもう一方の手の指の
動きが、さらに速くなった。

「乃梨子、乃梨子っ」

声を震わせながら乃梨子の名を呼び、重ね合わせた手の指を絡ませ、きつく握る。
すると乃梨子の手が、自分の手をしっかりと握り返してきた。
乃梨子と強く繋がった手の感触に志摩子の心は満たされ、同時に肉体は快感の波に
さらわれた。

「あ、あ、ああぁっ……!」

志摩子は乃梨子の熱い愛撫を自分の中心に感じながら、細い身体を震わせ快感の
絶頂へと昇りつめていった。
678現白SS3(4-8):03/12/08 16:58 ID:ntD+kJlv

志摩子は荒くなっていた息遣いが徐々に収まるのを感じながら、うっすらと目を
開いた。疲れたのだろうか、乃梨子は志摩子の隣で眠っている。
自分が果てた後、乃梨子に強く抱きしめられたような気がするのだが……。
志摩子はよく覚えていなかった。しばらくの間、少し朦朧としていたのかもしれない。

今日の乃梨子はいつもよりも激しかった。
起こしてしまわないように気をつけながら、すぐ側にある真っ直ぐな黒髪をそっと
撫でる。

「ん……」

志摩子に触れられ乃梨子は僅かに身じろぎをしたものの、起きる気配は無かった。
今日はこのまま泊まらせよう。
志摩子は乃梨子の髪を撫でながら、そう思った。

乃梨子は強い。
自分の心の内を吐露したことによって、きっともっと強くなるだろう。
目覚めた時には、また笑顔を見せてくれる。その確信が、志摩子にはあった。
そう、自分は乃梨子のことを信じているから……。

瞳を閉じ眠るその頬に涙の跡を見つけ、志摩子はそっと手を添えた。

「乃梨子……」

ごめんなさい。
その言葉を口に出せない代わりに、志摩子はそっと乃梨子の涙の跡に口接けた。



(「お聖堂」志摩子2編 終わり)
679現白SS3(エピローグ1):03/12/08 17:00 ID:ntD+kJlv
月曜の朝。私は駆け足でこちらへやって来る乃梨子に、軽く手を振りながら
挨拶をした。

「ごきげんよう、乃梨子」
「ごきげんよう、志摩子さん。今日も寒いね」

二人にはもう馴染みの場所となったお聖堂の前で、私たちは待ち合わせをしていた。
部活の朝練の生徒でさえもまだ登校していないような早朝だったが、時間を告げると
乃梨子はすぐに頷いてくれた。

あの土曜の夜。身体を重ねた後そのまましばらく眠っていた乃梨子は、目が
覚めると少しの間ばつが悪そうにしていた。しかしそれも次の日の朝を迎えると、
すぐにいつもと同じ明るさを取り戻してくれた。

そして今。
乃梨子の瞳は以前と同じ光を放っていた。私を照らしてくれる、あの光を。
あの夜のことがきっかけになって、乃梨子は少しずつ自分の心を受け入れようと
し始めたように、私には見えた。

乃梨子の涙を見るのはあれで二回目だった。
一度目は、今では二人にとって忘れられない思い出となった、あのマリア祭の時。
あの時も、そして今回も、乃梨子が泣くのは私のためだった。

「最近、本当に寒くなってきたわね。風邪を引かないように気をつけないと」
「そうだね。でも志摩子さんが風邪引いたら、今度は私がお見舞いに行ってあげるから」
「それは嬉しいわね。……でも、なるべく引かないように気を付けるわ」

それもちょっと残念だなぁと笑いながら言う乃梨子に、私は安らぎを感じた。

乃梨子のおかげで私は強くなれた。私は乃梨子に何ができるのだろう。
笑顔を取り戻した乃梨子の顔を見ながら、私はそんなことを考えていた。
680現白SS3(エピローグ2):03/12/08 17:04 ID:ntD+kJlv
(乃梨子ももう少し、私に甘えてくれてもいいのよ)

人に甘えることなど滅多にしなさそうな乃梨子にそう言ったら、怒られるだろうか。
いや……きっと、乃梨子は照れてしまうだろう。

「どうしたの、志摩子さん?」
「なんでもないわ」
「そう?でも、なんだか楽しそう」

不思議そうな表情で尋ねる乃梨子。自分でも気付かぬうちに、頬が緩んでいたらしい。

でも乃梨子が私に甘えてくれるとしたら、どんな感じなのだろう。
そう思った私の心に、はにかむようにして頬を染める乃梨子の顔が浮かんだ。
その想像は朝の冷たい空気に冷えた身体とは反対に、私の気持ちを暖かく和ませた。
乃梨子はぱっと見ではそっけない。愛想が悪いように見えることすらある。しかし
あれで案外、人の心を気遣うのだ。

「朝のお聖堂もいいね」

そう言いながらお聖堂の扉を開けようとした乃梨子の腕を、そっと取る。乃梨子は
一瞬不思議そうな顔をしたが、すぐに察したように真剣な眼差しを返してきた。
そして私たちは身体を寄せ合い、そっと互いにもたれるようにしてキスをした。

これからも、互いに支え合いながら歩いていけますように――。

寒空の下で優しく唇を重ねながら、強く抱きしめられる。
私は支え合える相手が側にいてくれることに確かな幸せを感じて、大切なその人を
柔らかに抱きしめ返した。


(「お聖堂」 完)
681670:03/12/08 17:05 ID:ntD+kJlv
完結です。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
レスくれた方々、感謝です。
682名無しさん@ピンキー:03/12/08 17:40 ID:HCyCLCg/
現白さま。乙です。
いいもの読めてしあわせです。
ありがとうございました。。
683名無しさん@ピンキー:03/12/08 19:28 ID:wh3CEAVc
>>655-657
自分は面白かったです。瞳子の一人称も祐巳の名前を一切出さない手法も
雰囲気出てたし。タイトルを「祐瞳3」にしてしまった方が受け入れられ
やすかったんじゃないかなと思いますが,十分「らしかった」と思います。

人それぞれ好みの差はありますが,長編の書き手さんが多い中で,簡潔で
露骨な表現を極力排した文体を好む自分のような者もおりますので,ぜひ
また書いて下さい。
684名無しさん@ピンキー:03/12/08 19:39 ID:oh7Yc1ju
現白氏お疲れ様でした。
次回作にも期待しています(・∀・)!!
685名無しさん@ピンキー:03/12/08 19:52 ID:KgxoOldv
ス、ス、ス、ス、スバラシイ…スバラシスギル。。。
現白さん、乙です! 

  ∧w∧   ∬
  (  ゚Д゚)⊃旦  ニラ茶ドゾ

感動シマスタ。ラストの余韻がめちゃいいです。
686満ちた月、欠けた月5・1/5:03/12/08 21:14 ID:+lzUpG7b
「んんーっ」
 志摩子さんの瞳が驚愕で大きく開かれる。
 私はもがく志摩子さんの体を抱きしめ、後頭部を抱えながら、自分の口を彼
女のほのかに色づく唇へと押し付けていた。
 くちゅくちゅと淫らな音が耳に届く。
 左手には柔らかくさらさらな髪の感触を、右手には羨むぐらいの腰の細さを、
唇にはつややかな濡れた感触を、私はそれぞれに感じていた。
 ……やっぱり志摩子さんは最高だった。
 みんな、私なんかとは比べ物にならないぐらいの美貌や肌、プロポーション
の持ち主だったけど、その中でも飛びぬけている。
 ――それはまるで本物の麻薬みたいで。
 キスをしているだけだというのに、ずいぶんと耐性が出来ているはずの私で
さえその快楽には溺れてしまいそうだった。
 私はさらにそんな志摩子さんをしゃぶりつくそうと、自分の舌を志摩子さん
の中へと侵入させる。
 好き勝手に口の中を動く私の舌は、まるで蛭みたいだった。
687満ちた月、欠けた月5・2/5:03/12/08 21:14 ID:+lzUpG7b
 白くつやつやな歯を舌の先で撫ぜ回すと、ピンク色の歯茎をねぶる。
 歯の隙間を舌でなぞったかと思うと、口の中で溜めた唾液を志摩子さんの口
の中にと強引に流し込んだ。
「……」
 だというのに、興奮していく一方の私とは正反対に、志摩子さんはカラダを
がちがちにして固まってばかりだった。
 視線も私の顔からずらして、あらぬ方向を見ている。
 胸の中でむかむかするものを押さえながらその視線の先を見たとき、私は胸
の奥でどろっと澱むものを感じた。
 志摩子さんが見ていたのは――乃梨子ちゃんだった。
 顔をぐしゃぐしゃにして歪ませて、ただ立ち尽くしたまま私と志摩子さんの
絡み合う姿をぼーっと見つめる乃梨子ちゃん。
 志摩子さんはそんな彼女の姿に必死に目で呼びかけていた。
 ……助けて、と。
 ああ、なんて麗しき姉妹愛――本当に、反吐が出る。
688満ちた月、欠けた月5・3/5:03/12/08 21:15 ID:+lzUpG7b
 とにかく壊したくて堪らなかった。
 ……何をなのかすら、自分では分からなかったけれど。
 次の瞬間、私は自分のカラダごと志摩子さんをぐるっと回転させると、彼女
の視界に映る乃梨子ちゃんの姿を遮る。
「んっ、……んんっ」
 腰に添えていた手を下げると、形の良いお尻へと手を這わせていた。
 指先で生地をなぞるように、プリーツのラインに合わせて腰からなだらかな
曲線を描きながら優雅に移動させる。
 慌てたように喉をうーうーと鳴らす志摩子さんを、私はその隙を見て舌をさ
らに内部まで犯していた。
「んんーっ、ん」
 ひときわ高くうめき声を上げる志摩子さん。
 何かを訴えるような視線でこちらを見上げてくる。
 カラダ全体が指が踊るごとにびくっと震えるのを楽しみながら、私は舌を使
って自由に口内を蹂躙し始めた。
689満ちた月、欠けた月5・4/5:03/12/08 21:16 ID:+lzUpG7b
 私の舌が志摩子さんの舌を絡めとる。
 苦痛の余り目じりに涙を浮かべているのを無視して、狂わんばかりに強く志
摩子さんの舌を吸った。
 右手は耳の後ろの髪の生え際となる部分をなぞり、戯れに形の良い耳を髪を
分けて露出させる。
 白く透けるような志摩子さんの耳はわずかに紅潮していて、ますます私の情
欲を掻き立ててくれた。
 志摩子さんの全身から徐々にチカラが抜けていく。
 私の後ろで乃梨子ちゃんがごくっと唾を呑み込む音を聞きながら、私はいっ
そう攻める手を激しくした。
 お尻を撫でる手は蛇のように厭らしく、しつこく這い回る。
 スカートを捲り上げて直接素手で鷲掴みにしたい欲求を必死で抑え、あくま
で優しく志摩子さんを制服の上から撫で続けた。
 舌は絡み合って既にどろどろに融け、溢れた唾液は口から漏れる。白い首筋
をつーっと垂れて、べとべとに制服を汚していく。
 いつしか――志摩子さんは完全に私にともたれかかってきていた。
690満ちた月、欠けた月5・5/5:03/12/08 21:17 ID:+lzUpG7b
 唇同士を繋げていた光の糸が伸びて、ぷつっと切れる。
「……はぁっ……はあっ、はぁ」
 完全に全身を弛緩しきった志摩子さんは、呼吸を荒くしたまま、足をがくが
くと震わせていた。
 手を放せば崩れ落ちそうになる彼女を、絶妙な力加減で支える。
「気持ち良かった……でしょ?」
「……」
 返答はない。
 けれど、私を見上げる目は全く力を失っていなくて。
 不信、軽蔑、憎悪、瞳に映るそれらを――志摩子さんには最も似つかわしく
ない感情を引き出せたことを、私はとても満足していた。
 ……なんだ、やっぱり志摩子さんも人の子だったんだ。
 それで、最後にどこかにあった恐れが消えた。
 私は志摩子さんが小さく身じろぎして抵抗するのを無視して、後ろから拘束
するような姿勢に戻すと、乃梨子ちゃんの方へとカラダを向ける。
 からっぽの笑顔を浮かべたまま、私は乃梨子ちゃんに――命令した。
「さ、志摩子さんをもっと気持ち良くしてあげて」
691名無しさん@ピンキー:03/12/08 21:19 ID:+lzUpG7b
性格悪いって褒め言葉ですよね?

らいぶらいくろけっと!
692名無しさん@ピンキー:03/12/08 21:28 ID:3gqJPTwZ
スランプってなんですか?w
本当に展開が楽しみなので、お願いですから途中で連載打ち切りとかナシにしてくださいね。
693名無しさん@ピンキー:03/12/08 21:32 ID:ubqJ9Av0
ほめ言葉だろうな、うん。

この話は最後にどうやってまとめるのか・・・オチが気になるんだよね。
シリーズとして・・・館が炎上するのか?w 刺されるのか? 自殺するのか・・・

先は長いけど、それを見るまで(ようするに最後まで) 応援するよ
694名無しさん@ピンキー:03/12/08 21:41 ID:NgrzFZ0Q
いやー志摩子さんイイなぁ。
695名無しさん@ピンキー:03/12/08 21:44 ID:rA3MwjYU
現白さんGJ!
ああ、寝取られスキーとしては、このらぶらぶな白薔薇姉妹が、
将来、黒祐巳に摘み取られ、堕とされてしまうんだ…と、他作品をごっちゃにして考えて、
くぅぅぅっと思ったりもしてます(邪道?)
696名無しさん@ピンキー:03/12/08 22:09 ID:GIfm+zKB
実は黒祐巳作者さんは現白作者さんの別人格といってみるテスト。
697670:03/12/08 22:56 ID:ntD+kJlv
>>696
黒祐巳にも前スレでちゃっかり参加してました。
ソ○ムなんて3本も……。
698名無しさん@ピンキー:03/12/08 22:57 ID:HDL/z5e6
暇なんですね
699名無しさん@ピンキー:03/12/08 23:06 ID:sCKX/FRj
そろそろ紅や黄が読みたくなってくる頃だな。

それにしても、保管庫が1ヶ月たっても更新されてない・・・
いつのまにか広告は入ったけど、中の人はどうしたんだろうか・・・
700名無しさん@ピンキー:03/12/08 23:13 ID:+lzUpG7b
私は、『螺旋回廊』と『好き好き大好き!』をこよなく愛し、
ライフル乱射が趣味なキ○ガイ、ごほっ……ナイスガイでございます。

原白の人とは残念ながら別人格かと、たぶん?
私のマリみてデビュー作は祐×乃ですんで、それ以前は書いておりません。
701名無しさん@ピンキー:03/12/08 23:13 ID:ntD+kJlv
広告は中の人の操作に関わらず、スクリプトが自動で挿入されるだけだろうしねぇ。
アク禁またはPC故障してるとかならいいけど、病気その他だったら、ちと心配。
702名無しさん@ピンキー:03/12/08 23:17 ID:+lzUpG7b
うわー別人の後ろに『各』が入ってるー、誤字カッコワルイ!
703名無しさん@ピンキー:03/12/08 23:19 ID:+lzUpG7b
うわーしかも『各』じゃなくて『格』だよ、もっとカッコワル!

こういうのを乃梨突っ込みと言います、ホントだよ?
704名無しさん@ピンキー:03/12/09 00:07 ID:ugT3DETV
ちょっとしつこいな。
ウザったい。
705名無しさん@ピンキー:03/12/09 00:11 ID:s560/kmi
まぁモチでもついて落ち着け。
っていうか引用元のレスに「格」が入ってるんだから間違ってないじゃんか。

ところでアニメのロザリオ、黄薔薇のだけ他の色のとは微妙に別路線っぽいんだが。
希少価値ということで、凸さま大喜び?あのロザリオを使って(ry ハァハァ

706名無しさん@ピンキー:03/12/09 01:59 ID:XgzoLPef
 現白さんいいモノ読ませて頂きました・・・
ほんとプロローグとエピローグが100倍
(*´Д`)ハァハァを盛り上げますっ!

 HeUHMWWBさんの祐巳が・・・なんだろう カコイイ 
続きがんばってくだちぃ
707名無しさん@ピンキー:03/12/09 03:04 ID:5DOQblXH
>現白氏
乙ですた。
また白でも紅でも黄でも良いので書いてくださいおながいします。
…でもやっぱ白がイイナー(本音

>HeUHMWWB氏
SSDはやったことないけど、螺旋回廊と漏れ的NTR原典である神語をこよなく愛する
白薔薇スキーの自分としては貴方の作品大好きです(w
もー志摩子さんの描写が上手くて上手くてハァハァしっぱなしで困ります(w
月並みな言葉ですが、今後も期待しとります。

>695
なるほど、そう言う読み方もアリか…。
…堪らんね!(w
708名無しさん@ピンキー:03/12/09 04:21 ID:qfxUF0r1
最近になってマリみてにはまって、このスレにたどり着きました。
SSが豊作で良いですね〜。
自分が覗くエロパロスレは閑古鳥が多いので、ここは賑やかで嬉しいです。
今過去ログ一生懸命読み漁ってます。

マリみてのパロは、キャラやカプが豊富でいいですよね。
709名無しさん@ピンキー:03/12/09 10:00 ID:1jSaMMOu
拙作へのご意見ご感想は、全て真摯に受け止めております。
SSには自分なりのこだわりがあり、描写の殆どは意図的なものですが
「面白くない」「外している」等のご批判は甘んじて受けさせて頂きます。

そんなわけで性懲りもなく、今度は黄色い人の顰蹙を買ってみる。(由瞳)
710由瞳:03/12/09 10:01 ID:1jSaMMOu
「瞳子ちゃんは、祐巳さんが好きなのよね」
由乃さまの放った爆弾が炸裂したとき、薔薇の館にはふたりしかいなかった。
「嫌いな方のお手伝いにお邪魔するほど暇ではありませんわ」
ある程度予測した事態でもあり、瞳子は比較的冷静に対処することができた。
「祐巳さんのロザリオ、欲しくないの?」
すかさず第二弾を放ってくる由乃さま。これは、慎重な対応が必要である。
「仮定のお話ですわね。そうしたことは実際にお申し出を受けてから考えます」
「けっこう頑張るわね。だったら、私のロザリオなら受け取ってくれる?」
「・・・ご冗談を」
予想外の展開に平凡なリアクションを返してしまう。何が狙いか、由乃さま?
「あら、わりと本気よ。あなた有能だし。私とキャラが被るけど、面白いじゃない」
噂に聞く先代黄薔薇さまの性癖を彷彿とさせる。隔世遺伝というやつか。
「由乃さまと黄薔薇さまの絆には、誰も割り込めないと思いますけど・・・」
「そういう問題じゃないわ。妹が出来たくらいで揺らぐような絆でもないし」
一瞬虎の尾を踏んだ気がしたが、由乃さまは特に動じる気配もなかった。
711由瞳:03/12/09 10:01 ID:1jSaMMOu
「仮定のお話には、お答えできません」
可愛くないなあ。祐巳さんへのリアクションはすごく分かりやすいのに。
気付いてないのは、当の祐巳さんくらいのものだ。由乃は意地になった。
「やめて下さい」
ご自慢の縦ロールを弄ってみたが効果なく、背後に回って抱きしめてみる。
「由乃さま、おふざけが過ぎますよ」
さすが舞台女優はこの程度では動じないか。と、身体をはなしたとき。
「あぁん」
ビンゴ、やっぱりここが弱点だ。主人の思いを裏切って可憐に色づく耳たぶ。
面白いなぁ。息を吹きかけたり、口に含んでレロレロしてみたりして。
「や、あん、ふぅん」
そんな声をだされると、イケナイ気持ちになってしまう。
上気した頬を両手で挟み、唇を奪う。続けて舌を滑り込ませると。
「いや、祐巳さま!」
一瞬にして空気が凍りついた。
712由瞳:03/12/09 10:03 ID:1jSaMMOu
「ごめんなさい。ちょっと調子に乗りすぎたわね」
気まずい沈黙のあと、身体をはなした由乃さまがつぶやいた。
「私もね、祐巳さん大好きよ。たぶん、私の中で、令ちゃんを脅かすくらい」
由乃さまらしい例えだと瞳子は思った。
「祐巳さんが下級生だったら、絶対妹にしてるな。祥子さまから奪ってでも」
「それは無理だと思いますけど」
はじめて、瞳子は口をはさんだ。
「誰も、紅薔薇さまには敵いませんから」
「そう?やってみなくちゃわからないじゃない?」
由乃さまはそういう方だった。
「それにしても」
窓際に立った由乃さまが振り返って、悪戯っぽく微笑む。
「祐巳さんも、あんまり鈍感だと瞳子ちゃんを横取りされちゃうのにね?」
今度ばかりは、顔全体が真っ赤になるのを止められなかった。

―おしまい
713名無しさん@ピンキー:03/12/09 10:33 ID:TPdTkedp
由瞳って全く眼中になかったけれど、>>710-712、すっげぇイイ!
714名無しさん@ピンキー:03/12/09 11:44 ID:yXalHYk/
>>713
前半の会話がなかなかかっこいい。
気の利いた台詞回しは大好きだ。乙!
715名無しさん@ピンキー:03/12/09 15:41 ID:ugT3DETV
乙。
次からはもう少し整理して書いて欲しい。
>>711はギャグとして読んで、笑わせてもらった。
716名無しさん@ピンキー:03/12/09 16:23 ID:oQAY74L1
子猫のじゃれあい という感じだ。いい。
717名無しさん@ピンキー:03/12/09 19:59 ID:9MAbmJw8
次の次のスレの話になるけど、
マリア様がROMってる〜チェリーエロッサム〜になるんだろうかとおもって、
一人でモニタの前でニヤニヤしてしまった漏れ。
718名無しさん@ピンキー:03/12/09 20:39 ID:rDYVMBot
>>710-712
(・∀・)イイ!エロくないけど、好きだ。
つーか、あれだけ理不尽に叩かれた翌日に
こういう佳作を投下してくるとは、あんた漢だな。
719満ちた月、欠けた月6・1/4:03/12/09 21:17 ID:ymTRZ6TI
 それを聞いたときの志摩子さんの狼狽ぶりはひどかった。
「ゆ、祐巳さん……冗談でしょう?」
 聴こえているんだか、聴こえていないんだか、さっきからそのままの姿勢で
ただ呆然と私たちの姿を見つめる乃梨子ちゃん。
 志摩子さんが身をよじらせて何とか逃れようとするのを無視して、私は乃梨
子ちゃんにもう一度冷たい声で命令した。
「……乃梨子ちゃん?」
 ぴくっと表情が動く、瞳に冷たい炎が宿るのが分かった。
 乃梨子ちゃんはまるでロボットみたいな動きで、無表情のまま足を引きずる
ようにしてこちらに近づいてくる。
 志摩子さんが恐怖に駆られて叫ぶのが分かった。
「乃梨子っ! 正気になってっ!」
 けれど、乃梨子ちゃんの歩みは止まらない。
 声にならない叫びを上げながら私の腕の中で必死で暴れる志摩子さんのとこ
ろまで来ると、祈るかのようにゆっくりその前へとひざまずいた。
720満ちた月、欠けた月6・2/4:03/12/09 21:17 ID:ymTRZ6TI
 虚ろな目で私たちを見上げる乃梨子ちゃん。
「じゃあ、まず胸から気持ち良くしてあげようか?」
 私の大事なお人形さんと化した彼女に、最初の指示を下す。
 乃梨子ちゃんはすっと音を立てぬように立ち上がると、志摩子さんのタイを
するりとほどいた。
「乃梨子、お願いっ! 止めてっ!」
 必死に志摩子さんは呼びかける。
 けれど、乃梨子ちゃんは顔一つ動かさずに、破らんばかりの勢いで制服を一
気に肩の部分まで引き下げた。
 悲痛な叫び声が部屋中へと響く。
「うわぁ、やっぱり志摩子さんて肌がすっごく綺麗だね……」
「……」
 思わず感嘆の声を上げる。
 私は舐めるようなねっとりした視線を向けながら、あらわになった志摩子さ
んの上半身をひたすら凝視していた。
721満ちた月、欠けた月6・3/4:03/12/09 21:18 ID:ymTRZ6TI
「いやぁ、いやぁ……」
 志摩子さんが首を小さく左右に振ってもがく。
 ――完璧な美というモノがそこにはあった。
 志摩子さんの肌は私が思っていた以上に白く、そして艶かしい。肩から鎖骨
の部分にかけての線は、どこまでも芸術品のようだった。薄い緑色の簡素な下
着も、志摩子さんにはぴったり当てはまっている。
 私は思わず唾を呑み込んでいた。
「……お、お願い。乃梨子……止めて……」
 顔を真っ赤に染め、乃梨子ちゃんへと慈悲を請う志摩子さん。
 私はその表情を見て、ますます心の中で情欲の炎が荒れ狂うのを感じた。
 ――綺麗なものを壊すという狂った喜び。
 真っ白な志摩子さんをどこまでも汚しつくしたい、その表情を絶望で覆い隠
したい、そのカラダを快楽の海へと溺れさせてしまいたい、その心を悦楽へと
狂わせてしまいたい。
 破壊欲ともとれる、そんな劣情に囚われる。
 それは――乃梨子ちゃんも同様みたいだった。
722満ちた月、欠けた月6・4/4:03/12/09 21:19 ID:ymTRZ6TI
 乃梨子ちゃんの目がぎらぎらと鈍い光を放つのが分かる。
 ……とっても私好みな表情だった。
 けれど、志摩子さんにとってそれは全然違うみたいで。
 恐怖の色を顔全体に浮かべて歪めているのが、簡単に見て取ることが出来た。
「……志摩子、さん……」
「乃梨子……正気に、戻って……」
 ――頑張るね、志摩子さんも……。
 本当は今にも不安に押し潰されそうな心境のはずだ。
 いや……もう押し潰されていたって全然おかしくはない。
 なのに志摩子さんは、乃梨子ちゃんを信じ続けて、縋るようにしながらも何
度も必死で呼びかけを続けている。
 無意識のうちの逃避だとしても、それは素直に凄いことだと思った。
 でも――その願いは通じることはない。あるわけが、……ない。
「……乃、梨子」
 乃梨子ちゃんも既に狂気に蝕まれつつあるのだから。
723名無しさん@ピンキー:03/12/09 21:20 ID:ymTRZ6TI
魔王くろのりこ覚醒前夜?
724名無しさん@ピンキー:03/12/09 21:24 ID:rDYVMBot
>>719-722
乙。 そーか、ドリル職人タンが瞳子にやらせた下克上を
HeUHMWWBタンは乃梨子にやらせるわけだな。タノシミタノシミ
725名無しさん@ピンキー:03/12/09 21:41 ID:8n+hMy1i
>>724
>ドリル職人
ワロタ
726名無しさん@ピンキー:03/12/09 22:08 ID:9MAbmJw8
志摩子さんハァハァ
次からいよいよ乃梨子せめかな!楽しみにしとります!
727名無しさん@ピンキー:03/12/09 23:58 ID:aaRj+HZd
>>710-712
よろしくてよξ;´Д`)'`ァ'`ァ
瞳子ならなんでもアリな漏れとしては、非常に楽しめますた。
あなたにはこのままドリラーとして活躍していただきたい。
728名無しさん@ピンキー:03/12/10 01:27 ID:XSD5puvN
あぁ・・・俺もドリル分をもっと補給したい。
誰か一心不乱のドリル長編を!!
729名無しさん@ピンキー:03/12/10 01:36 ID:ad1YZ4vz
瞳子はイイのだ。やっとみんな気付いたようだな。
昔のドリルスキーは肩身が狭かった物だが。
本スレの埋め立てにいきなり瞳子メインのSSが投下された時は嬉しかったな。
>北枕さん
なあ、もう書かないのか?
730唇の味:03/12/10 02:39 ID:e9GSeEmT
バレンタインで誰にもチョコを贈る描写の無かった聖さまと蓉子さま。
蓉子さまに至っては一つも貰っていない様子。妹の祥子さまからすら……。
いくら受験シーズンだからといってもこれでは可哀相。
みんなの憧れの薔薇さまなのに……。

でも大丈夫。お二人はちゃんと大切な人とチョコの交換をしていたのです。
交換の方法がちょっと特別だったので、
蓉子さまのお風邪が治るまで待たなければなりませんでしたが……。
731唇の味1:03/12/10 02:40 ID:e9GSeEmT
「おじゃまします」

家族は皆出かけているから気楽にして、と言ったけど、
蓉子は律儀にお決まりの挨拶をして靴を揃えて我が家に上がった。

「何か、久しぶりね」
「今年に入って初めてだよね、家に来るの」
「受験漬けだったから」
「ご苦労様。あ、先部屋行ってて」

先に蓉子を部屋へ向かわせ、私はキッチンに立ち寄った。
勝手知ったる他人の家、とばかりに進んで行く蓉子。
私は階段を足早に昇り、部屋に入るところで追い付いた。

「ただいまー、なんて……」

私の部屋のドアを開けながら、
蓉子はそんなことを言って小さく舌を出した。

「はいはい、おかえり」

二人で笑いながらテーブルを挟んで腰を下ろす。
私は冷蔵庫から出してきた物を二人の間にドカッと置いた。

「これはまた、大量に作ったわね」

一口サイズのチョコレートの山を見て目を丸くする蓉子。
732唇の味2:03/12/10 02:41 ID:e9GSeEmT
「鼻血出るまで好きなだけ食べられるようにと思って……
 なんて、実は暇で暇で。つい作り過ぎた」
「さすが、行き先も決まって卒業待つだけのご隠居様。
 改めて、合格おめでとう」
「ありがと。そっちも、ひとまずお疲れ様」
「ええ、あとは発表待ち。やっと終わったわ」

山盛りのチョコレートを挟んでおじぎし合う薔薇さまの図。
カメラちゃんあたりが見たらシャッターを切るだろうか、
それともさすがのあの子も首を捻るだろうか。

「風邪の方は、だいじょぶ?」
「もう全く大丈夫。
 それを証明するために、私の方が出張して来たんだから」
「それはよかった。伝染されずに済む」

バレンタインデーの前後、蓉子は大風邪をひいていた。
だからこのイベントが今日、日曜日まで延期になったのだ。

「面白かったわね、あの日の学校」
「うんうん」

蓉子はとても幸せそうな目をした。
生徒でいっぱいになった薔薇の館を見て、
『人生最良の日』だと言っていたのを思い出した。
733唇の味3:03/12/10 02:42 ID:e9GSeEmT
「結局、ゲームの結果はどうなったの?」
「1年の子が令のカードをゲット。
 志摩子のカードを静がゲーット」
「静さんが……?」
「面白いよね。この二組は今日、ご褒美の半日デートしてるはず」
「あら、祥子は誰とも遊んでもらえないの……?」

残念そうに、悲しそうに、眉を寄せる蓉子。
蓉子としてはこの機会に、妹に
一般の生徒と遊びに行くという経験をしてもらいたかったのだろう。

「祐巳ちゃんが遊んでくれるってさ」
「そう。それなら良かったわ」

二人揃って頬が緩んでしまう。
祥子と祐巳ちゃんのことだから、
さぞドタバタのデートになっているだろう。

「で、聖はいくつのチョコを貰えたのかしら……?」
「2コ。志摩子と静から。蓉子は?」
「今のところ、ゼロ」
「あらら、麗しの紅薔薇さまが……」
「もう3年だもの。
 当日は薔薇の館に寄ってすぐ帰ってしまったし」

祥子や令のように『華』があれば別だが、
薔薇さまといっても普通は一般の生徒と変わらない。
姉妹とだけチョコの遣り取りをする程度だ。
734唇の味4:03/12/10 02:43 ID:e9GSeEmT
「じゃ、可哀相な蓉子ちゃんに、
 おねーさんがちょっと遅いチョコレートをあげようね」

テーブルの上のチョコの山から一つを摘み上げる。

去年は栞の事があって間もなかったから、
私はバレンタインを楽しむなんて気分じゃなかった。
蓉子は私にだけチョコレートをくれたけど、
私からはホワイトデーも含めて何も返せなかった。

だから今年は私から贈ると言ってあった。
蓉子は受験で日程が詰まってるから、
今年は去年のお返しということで私からだけということに。

「はい、あーん」
「……あーん」

照ているのか目を閉じて、蓉子は、あーん、と小さく口を開けた。

私は立ち上がり、蓉子の側へと静かに歩み寄りながら自分の口にそれを放り込んで……

唇を合わせて、蓉子の口へと舌でチョコを押し込んだ。

「美味しい?」

驚いて目を見開いている蓉子に至近距離から感想を聞く。
ありゃ、真っ赤になって目を伏せてしまった。

「び、ビックリしてしまってよく分からなかったわ……」
「じゃ、もう一つだね」
「え……」
735唇の味5:03/12/10 02:44 ID:e9GSeEmT
チョコを摘んで、自分の口に入れて、蓉子にキスして口移し。
このために、一口サイズを大量に作ったのだ。

今度は唇を離さずにいると、蓉子は少し味わった後に私の口に押し返して来た。

「ん……ちゅ……」
「ちゅ……くちゅ……」

少しづつ味わっては相手の唇に押し込むことを繰り返す。
唇に付いたチョコはお互いで舐め取って。
一つが溶けてしまったら、もう一つ。

「……はぁ……美味しい、とっても」
「まだまだ、たくさんあるから……」

いつしか二人は腕を相手の体に回して抱き合っていた。
チョコレートの香りに包まれて、甘い甘いキスを繰り返した。
相手の唇に舌で塗り広げたり、
口の中でトロトロに融かしてから相手の口に垂らしたりもした。

「ふう……さすがに作り過ぎたかな……
 相乗効果で本当に鼻血出るかも……」
「ねえ、聖、もっと……」
「ちょ、ちょっと待って、せめて休ませて」
「いやぁ……美味しいの頂戴」

唇から舌を出しておねだりする蓉子に私も歯止めがかからず……

やがて、志摩子と一緒にいるという静から呼び出しの電話が来たので、
何とか部屋を血に染めるのは免れたのだった。
736唇の味:03/12/10 02:47 ID:e9GSeEmT

以上です。
前フリ長かったかな……
思い付いて一気に書いてしまったので、
少々粗いものになってしまったかもしれません。
聖蓉万歳。では、また。
737名無しさん@ピンキー:03/12/10 10:16 ID:6aUYD7ex
>>736
君の情熱、しかと受け止めたよ。萌えた。
タイトルを見た瞬間はスプラッタな展開になるのかと思ってビビったがw
ちょっと体言止めが多いかな。慌てて書くと、こうなるのかしらん。
>口の中でトロトロに融かしてから相手の口に垂らし「たりもした」。←なんか知らんが、ココわろた。

>>729
北枕さんか。
彼の作品は確かに上手いし、面白い(面白さの質が普通の書き手とちょっと違う気がする)が、
寡作なのと、すぐ失踪してしまうのが惜しいな。
738名無しさん@ピンキー:03/12/10 13:13 ID:LceZbMQo
聖蓉万歳。
この二人はほんと好き。
作品も素敵。
739名無しさん@ピンキー:03/12/10 14:06 ID:aeXqtAOg
なんで未だに昔の消えてしまった職人のことを書く人がいるんかわからん。
本人混じってんだろーって思ってしまう漏れは性格が歪んでいるのか・・・。

ともかく聖蓉よかったっす。
740名無しさん@ピンキー:03/12/10 14:48 ID:9eKUUlB3
スレが長く続くと、どうしても職人さんは入れ替わるのだな。
消えた職人と言えば、食人族さん、紅茶菜月さん、森の一番槍さんなども
叶うならまた来て欲しい職人さんなんだが・・・やっぱもう無理かのう。

>>739
それだけ惜しまれてるってこった。
特にドリル萌えの者にはありがたい書き手だったからな。
まあ、多少の自演くらい別に構わんさ。
それに乗じて帰って来てくれるならね(これが重要)。

>>730
乙です。
執筆の動機と思われる意見に非常に好感を持ったよw

#なんだかんだ言っても、結局SSを頑張って書いて投下する奴がエライのだ。
#今いる書き手を大事にするべき。そうだろ、みんな?
741名無しさん@ピンキー:03/12/10 14:59 ID:93rOaZl6
>739
そりゃ単純にラブコール&あの人は今ってやつだろうよ。
漏れも好きな職人さんがスレに出てこなくなると、元気かなとか
気になったりする性分なんでこういう感覚は分かるよ。
しかし名前出しただけですぐ本人云々言われるとはなー。
職人の中の人も苦労が多いな。

>736
乙です。蓉聖スキーなんだけど、逆も良いな。赤くなった蓉子さまに萌え。
あと漏れは最後の二行がツボに入ってワロタ
742名無しさん@ピンキー:03/12/10 15:06 ID:aeXqtAOg
>>740
最後同意
>>741
漏れが現役の職人だからそう感じてしまうのかも。
まあ自分の力が至らないだけだけどさ。
今書いてる人はどうなのよって思っちゃいます。

個人的な好みの問題もあるんだろうけど……。
食人族さんと黄薔薇先生はよかったとおもうが他は。
743名無しさん@ピンキー:03/12/10 15:43 ID:7RaXZE/D
ID変わってしまってるけど、741だ。
>742
ああそういう意味か。ごめん。
漏れ実は>739のレスを特定のコテ職人が気にかけてられることに対する僻みで
叩きたいのかなとすごく意地の悪い見方をしてしまっていた。
漏れのほうが深読みしすぎだっな。済まん。
ただ、ちょっと名前出しただけで遠回しに自演じゃねーの扱いは勘弁してくれ。
続き気になる職人にもうかうかラブコールもかけられなくなるからさ。
<祐祐の続きはどうなんだ。それから蓉聖も。

あと勿論今いる職人さんも大事だよ。でも昔書いてくれた職人さんたちも
同じく大事なのよ。読み手はただ、もっと職人増えて欲しいって貪欲なだけなんだよ。
少なくとも漏れはそうだ。
今書いてる人が駄目だとか、そういう意味で優劣を比べたくて昔の名前を出してる
わけじゃないから、気にしないで頑張って欲しい。
長文スマソ
744名無しさん@ピンキー:03/12/10 16:35 ID:iWtWD9Vq
当方職人だけど、願いが叶うなら昔の職人さんにも帰ってきてほしい。
マリみて萌えで書いてる以上やっぱり人の作品も読みたいし、種々の作品で
賑わってた方が自分のも投下しやすいしね。

>>742
>今書いてる人はどうなのよって思っちゃいます。
上でああ書いたとはいえ、気持ちは分かる。でも別に今いる職人をないがしろに
してる訳じゃないと思うので、あまり気にしない方がいいかと。

読む立場に回った時は、今元気に書いてる人たちは何も催促しなくてもまた
書いてくれるだろうという、一種の安心感があったりもする。少し身勝手だがw。
それに投下後に「良かった」だの「乙」だのレスしたりしてるしね。

一方姿の消えた(と思われる)人に対しては、「昔いたあの職人さんはどうしてるの
かな」とか、ふと定期的に思ってしまうのだよ。
745名無しさん@ピンキー:03/12/10 16:43 ID:My6vJFp9

                 ┌─┐
                 |も.|
                 |う |
                 │来│
                 │ね│
                 │え .|
                 │よ .|
                 │ !!.│
                 └─┤    プンプン
    ヽ(TヘT)ノ ヽ(`Д´)ノ  (`Д´)ノ    ( `Д)
    | ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|─□( ヽ┐U
〜 〜  ̄◎ ̄  . ̄◎ ̄   ̄◎ ̄   ◎−>┘◎
     ↑      ↑      ↑      ↑
    北枕     森一  すまちこん  紅茶菜月

自分も現役の職人だと言いながら、それとなく他の職人を格付けする>742は、
恐ろしいほどの正直者なのか、それとも想像力と判断力が足らないバカなのか。
ホントにもう、よしなさいよ。
746名無しさん@ピンキー:03/12/10 16:51 ID:LceZbMQo
確かにその通りだな
747名無しさん@ピンキー:03/12/10 17:09 ID:5EKFW6+N
「ドリル」という呼称は、あまり好きじゃなかったりします。
ましてや、「ドリル職人」とか「ドリラー」とか(ry

図に乗って今日も突っ走る。可南子派の人ゴメン。(瞳祐)
748瞳祐:03/12/10 17:10 ID:5EKFW6+N
「話って何?瞳子ちゃん」
例によって、天使のような微笑。これが曲者なのだ。
「祐巳さま、もっと自覚を持って下さらないと困ります」
「へ?何のこと?」
きょとんとして、仔犬のように首をかしげる祐巳さま。
「ゆ、祐巳さまは、一年生に影響力をお持ちなんですから」
「から?」
か、可愛くなんかない。抱きしめて頬擦りしたくなんかない、絶対。
「もっと、毅然とした、態度を、取って、下さらないと」
はぁはぁと浅ましく上がってしまう息を、腹式呼吸で押さえ込む。
「何ハフハフやってるの?瞳子ちゃん」
「親しみやすさは祐巳さまの美点ですけど、無防備すぎます」
あえて“魅力”とは言わない。言うものか。
「そんなことだから、あんな人に付け込まれるんですわ」
つい口を滑らせてしまった。祐巳さまの表情がくるくると変わる。
749瞳祐:03/12/10 17:11 ID:5EKFW6+N
「あれ?もしかして妬いてくれてるの、瞳子ちゃん」
頼むから、鈍感なら鈍感なままで通して欲しい。
「な、何を馬鹿なことを!」
祐巳さまは、心底嬉しそうに瞳子の腕を取る。
「心配しないで。瞳子ちゃんのこと、大好きだから」
真っ赤になって腕を振り払いながら、瞳子は突如として悟った。
天然ボケには、“口で言ってもわからない”のだ。
「うふふ、照れちゃって。可愛いなあ、瞳子ちゃんは」
でも、このままでは、あの長身電波女の餌食にされるのは必至。
「細川可南子ごときに散らされるくらいなら、いっそこの手で」
「何?やだ、瞳子ちゃん、あはは・・・め、目が怖いよ?」
この期におよんで、怯えた栗鼠のような仕草。ああ、もう駄目。
「問答無用!お覚悟」
「いやあぁぁぁぁ…!!!」
瞳子は、ネコ科の肉食獣の俊敏さで襲い掛かっていった。
750瞳祐:03/12/10 17:12 ID:5EKFW6+N
「ううう・・・ひどいよ、瞳子ちゃん」
祐巳さまは、床にうずくまったまま、まだメソメソとしていた。
「いいかげんにして下さい!泣きたいのはこっちですわ」
「そんなに怒らなくても・・・」
両サイドで纏めた髪までが、しょんぼりと垂れ下がる。
「とにかく、もっと自覚を持って下さらないと困ります」
「う、わかった。・・・でも、こういうことは私、お姉さまと」
それを、それを、あなたが言いますか?祐巳さま!
「私だって、は、初めては、祥子お姉さま・・・ずっと、思って・・」
涙が出てきた。何が悲しくて、こんな。
「じゃあ、協力してくれる?」
「・・・え?」
「今度はさあ、祥子さまと三人で、したくない?」
無邪気な微笑。瞳子は、堕天使という言葉を思い出した。

―おしまい
751名無しさん@ピンキー:03/12/10 17:30 ID:EBtfc5OI
>「細川可南子ごときに散らされるくらいなら、いっそこの手で」
ハゲシクワラッタw

祐巳と下級生との絡みは、彼女の成長が見られる気がして、好きです。
7523P派:03/12/10 17:30 ID:35nWJcVh
>>瞳祐
ハァハァ

関連スレ
【国際】宿題は陰部のスケッチ - 台湾の有名女子高
ttp://news5.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1071018531/
753名無しさん@ピンキー:03/12/10 17:32 ID:LceZbMQo
>>751
同じくw

瞳子いい香具師だなぁ
754名無しさん@ピンキー:03/12/10 17:34 ID:dIIjzLZN
>>748->>750
筋らしい筋が無い上に肝心のエロシーンも無く、全く褒められた物ではありません。
また、ラストのオチは、現在のこのスレではあまりにも陳腐化している物です。
評価できる点といえば、そこそこ文章が巧みな事、分量が少ない為にすぐ読めてすぐ忘れられる事ぐらいでしょうか。

どうやら貴方には、ここよりももっとお似合いの居場所があるようです。
したらばヘの再就職を心よりお勧めいたします。
755名無しさん@ピンキー:03/12/10 17:55 ID:WXD3Sc5l
>>754
カエレ
756名無しさん@ピンキー:03/12/10 18:48 ID:ad1YZ4vz
ちゃんとスルーしなさいよw
757名無しさん@ピンキー:03/12/10 18:52 ID:LceZbMQo
>>754
カエレ
758名無しさん@ピンキー:03/12/10 18:52 ID:SKzaymjg
>>754
カエレ
759名無しさん@ピンキー:03/12/10 19:11 ID:3nQhPcCg
>>748->>750
めげるな、俺も応援してるぞ。
760名無しさん@ピンキー:03/12/10 19:28 ID:ILSAsi8y
スレは乱さないように、マターリとsage進行がここでのたしなみ。
もちろん、荒らし、煽りを放置できないような、はしたない住人など存在していようはずもない。
761名無しさん@ピンキー:03/12/10 19:52 ID:iWtWD9Vq
ハァハァスレの68タンはまだか。
762名無しさん@ピンキー:03/12/10 20:17 ID:IVUz9LGk
>>748-750
グッジョブ!
ここの瞳子絡みのSS読むたびにドンドン瞳子が好きになる自分がいるのはきっと仕様です。
チェリー〜レイニー辺りまでは本当に嫌いだったものだが。職人たちsugeeeeeeeee!!
( ´-`)。ο0(でもドリルって呼びたいんだよなあ…)

>>754
ダウト!!
763満ちた月、欠けた月7・1/4:03/12/10 21:26 ID:sY+xyULO
 強引に志摩子さんの下着を上へと取り払う。
 乃梨子ちゃんは、何かを叫ぶ志摩子さんを無視して、荒々しい手つきで胸を
揉みしだきはじめた。
 その眼は何かに取り憑かれているようで。
 普段の乃梨子ちゃんとは何から何まで違っていた。
 ……楽しい、なんて楽しいんだろう?
 あのときの私と全く同じ顔だ。
 初めて人を絶望の底まで堕としたとき、私は今の乃梨子ちゃんそのままの表
情をしていたに違いない。
 志摩子さんが必死で何かを言っているけどそんなの気にならない、私は馬鹿
みたいに哄笑を上げつづけていた。
 みんな、みーんな、一緒なんだ……。
 だから――壊れちゃえ。
 狂ったように志摩子さんを責め続ける乃梨子ちゃんを見ながら、私は自分が
どこか既におかしくなっていることを自覚した。
764満ちた月、欠けた月7・2/4:03/12/10 21:27 ID:sY+xyULO
「……志摩子さん、綺麗……」
 乃梨子ちゃんの手は止まらない。
 両手を使って円を描くように乳房を押し潰すと、親指と人差し指の先で突起
を摘んで捏ね繰り回す。
 白いマシュマロのような柔らかさのそれは、乃梨子ちゃんの手にあわせて自
由に形を変えていた。
「……っ、乃梨子っ」
 志摩子さんはぎゅっと眼を閉じて必死で耐えていた。
 おそらくまだ快感などないのだろう、乃梨子ちゃんのただ乱暴な未熟な手つ
きでは恐怖や痛みの方が先に来るはずだった。
 身もよだつような嫌悪感に包まれているのが分かる。
 パニックに陥って、叫び出さないだけでも驚きだった。
「志摩子さんっ、志摩子さん!」
 けれど、乃梨子ちゃんはそんな志摩子さんの気持ちには気づきもしない。気
づこうとすら、――していない。
 ただ夢中になって志摩子さんの胸にむしゃぶりついていた。
765満ちた月、欠けた月7・3/4:03/12/10 21:28 ID:sY+xyULO
「なんでそんなに耐えてるの、志摩子さん?」
 耳元で小さく、ゆっくり一文字ずつ発音する。
 乃梨子ちゃんには聞こえないように。まあ聞こえたとしても、今の状態で耳
になんて到底入らないと思うけど。
「思いっきり叫べばいいじゃない。誰か助けに来てくれるかもしれないよ?」
 そんなこと本当はありえない。
 文化祭や体育祭などの行事前でもないのに一般生徒が薔薇の館の近くまで来
るなんて奇特なことはまずないだろうし、他の山百合会のみんなはそれぞれ用
事なりなんなりでここにはいない。
 けれど、今の志摩子さんにそんなことは判断できないはずだ。
「乃梨子ちゃんは志摩子さんを――裏切ったんだよ?」
 また耳元で、最初と同じように囁く。
「きっかけを作ったのは私だけど、選んだのは乃梨子ちゃん。志摩子さんを無
理やり抱こうとしてるのは、乃梨子ちゃんの――意思」
 優しく、包み込むように志摩子さんを抱きしめた。
766満ちた月、欠けた月7・4/4:03/12/10 21:29 ID:sY+xyULO
「それでも乃梨子ちゃんのことを――信じるの?」
 耳にふっと息を吹きかける。
 志摩子さんのカラダ全体がびくっと震えた。
「嫌って叫んで、乃梨子ちゃんを突き飛ばせばいいじゃない。それで――全て
は解決するかもしれないよ?」
 優しく、優しく、啓示を与えるかのように私は呟いた。
 ぎゅっと眼を閉じてばかりの志摩子さんに変化はない、けれど確実に彼女に
は聞こえているはずだった。
「言うのは辛いよね……でも、最初に裏切ったのは――」
 私はそっと志摩子さんを拘束していた腕の力を緩める。
 ……見せて欲しい。
 私だけだなんて不公平だ。みんなに絆なんて言葉がどれだけ脆いか教えてあ
げよう。壊れることを知ってしまった後に、どんなに後悔しても遅い。
 綺麗で純粋なものほど壊れやすいというのなら。
 私だけがなんて――許せない。
767名無しさん@ピンキー:03/12/10 21:30 ID:sY+xyULO
洗脳中〜! 洗脳中〜! ア〜ミノしっき〜!
768名無しさん@ピンキー:03/12/10 21:53 ID:kxOcmuN7
こんな妄想し〜たく〜ても〜


無理っ!!
769名無しさん@ピンキー:03/12/10 21:57 ID:j17fcaob
洗脳中〜! 洗脳中〜! ア〜ミノしき

そして洗脳されて逝く
770お姉さまも思春期:03/12/10 22:04 ID:9NQPG/BE
江利子さまの家に遊びにきた蓉子さま。

蓉子「今日は冷えるわねー」
江利子「暖房つけていいわよ」

蓉子「リモコンどこ?」
江利子「テーブルの上にあるでしょ?」

ピッ
江利子「ああんっ(ビクッ)」

江利子「ちょっと何のリモコンいじってるのよ!!」
蓉子「ええ〜〜〜」
771名無しさん@ピンキー:03/12/10 22:22 ID:IVUz9LGk
>>770
イイ(・∀・)!!

聖「祐巳ちゃん。あなたは年頃の女の子で、サンタは男なのよ?」
祥子「…白薔薇さま、一体祐巳に何を吹き込んでらっしゃるのかしら?」
772名無しさん@ピンキー:03/12/10 22:23 ID:kxOcmuN7
凸助は人間だと思っていたが暖房器具だったのか
773名無しさん@ピンキー:03/12/10 22:27 ID:EBtfc5OI
>>772
輻射熱で あったか
774名無しさん@ピンキー:03/12/10 22:32 ID:kxOcmuN7
自爆機能とか……付いてるのかな(ワクワク)?
775名無しさん@ピンキー:03/12/10 23:14 ID:yaO4bZbQ
違うだろおまいら!
何でそこでバ(自粛)のリモコンだって思わない!!

え、わざと?
776名無しさん@ピンキー:03/12/10 23:20 ID:kxOcmuN7
いや、バ(ry のリモコンだとしたら、暖房器具のそれと間違えるなんて、
いくら何でもボタンが多すぎるじゃなかろうかと思ってw
777名無しさん@ピンキー:03/12/10 23:29 ID:dVysLJPi
祐麒「DVD! DVD!」

というSSはマダデスカ?
778名無しさん@ピンキー:03/12/10 23:43 ID:EBtfc5OI
多機能なんだよ。
いや、「紅1」「紅2」「白1」とか書いてボタンもあるかも…
779名無しさん@ピンキー:03/12/10 23:53 ID:BpV3ECUP
凸様のことだから、バ(ryと暖房のリモコンの中身を入れ替えているんだろ
780名無しさん@ピンキー:03/12/11 01:15 ID:OferHDxF
黒祐巳、毎日毎日いいところで切りやがってヽ(`Д´)ノ
先が気になってしょうがないよヽ(`Д´)ノ
志摩子さんマケルナー 乃梨子カムバック
781名無しさん@ピンキー:03/12/11 01:21 ID:Qq3TSWav
ならば、続きは自分で書きなさい。
適当に「もう出来てるやつ」を探してきてコピペして切り貼り、改変すればよろしかろう。
どうせ展開は決まってるんだし、何とかなるだろう。
782黄色い薔薇 3:03/12/11 01:25 ID:7Qy754bG
気持ち悪い・・・。
気持ち悪い・・・・。
気持ち悪い・・・・・。

気がつけば、いつのまにか学校で聞いた少女達の言葉が何度も頭の中をリピートし、その度に由乃は落ち込んだ。
そんな事、今更他人に言われるまでも無いわよ、と悪態を心中つきながら、炬燵の上に不貞腐れたように頭をのっけて、由乃は盛大な溜息をついた。
女同士である、という事をさっぴいても自分の恋は八方塞だ。
令との仲が親密であればあるほど、状況は不利だといってもいい。
他の女性とたちに比べて圧倒的に有利な「身近さ」という点が、実は最大の障害だというのも、なんとも皮肉な事だ。
令が由乃を愛している、という点に関して、由乃は疑いを抱いた事は無い。誰よりも愛されている、という自信すらある。
けど、それはあくまで「妹」としてであって・・・それ以外の愛情があるとは、到底思えない。

いっそ・・・従姉妹でなければよかったのに。普通に出会って、普通にスールになりたかったな・・・。祐巳さんみたいに・・・・。

普通に出会って普通に恋に落ちて・・・玉砕覚悟で告白して。
令の方にその気がなかったとしても、告白されたら、悪い気はしないんじゃないだろうか。仮に断わるにしても、一人の女の子として丁寧に扱ってくれるに違いない。

それに令ちゃんってば、結構押しに弱いから、その気がそれまでなくても、強引に迫れば落ちるかもしれないし・・・。

由乃は思わずその様子を想像して、クスリと笑ってしまった。
だが次の瞬間、現実にはありえない、あまりに空しい想像にガクリと項垂れる。

ああ・・・・もういや。こういうの向いていないわ、私。

グルグルと同じ所を回っては、「どうしようもない。」という後ろ向きな答えにたどり着く。
全く持っていけいけGOGO、先手必勝が信条な自分らしくない。
体さえ丈夫になれば全てが上手くいくと思っていた昔の自分は、なんと楽天的であったのだろうか。
今の自分と来たら、告白する事も諦める事も出来ず、ただ悶々と溜息をつくだけだ。
783名無しさん@ピンキー:03/12/11 01:25 ID:TZd8PCxF
すまんが現白の1・2というのはどれほ指すのだろうか?
784黄色い薔薇 4:03/12/11 01:26 ID:7Qy754bG
「どうしたの?由乃、溜息ばっかりついちゃって・・・。」
「え・・・いや・・なんでもないよ・・・。」

不意に母親に顔を覗き込まれ、由乃は慌てて頭を振った。
それでも尚不審気な母親の顔を見て、由乃は無理やり笑顔を作ってみせる。
手術の成功で健康体になった今でも、両親は由乃の一挙一動にひどく敏感だった。

「もうすぐ試験だなーなんて考えていただけ。」
「そう?ならいいんだけど・・・。」
「それより、何か用があったんじゃないの・」
「あ、そうそう、今日ね、令ちゃん一人だから、夕飯の時に呼んで来てちょうだい。」
「え?何それ。おばさん達いないの?」
「そうなのよ。遠縁の親戚で、不幸があったんですって。」
「令ちゃんは行かなかったの?」

学校のある平日ならとにかく、今日は金曜日。明日から週末に入るのだから、連れて行っても良さそうなものだ。

「それがね、令ちゃんちょっと風邪気味なんですって。たいした事は無いらしいんだけど、
一応大事とって置いていくって言ってたのよ。」
「ふうん。」
「いくら家事が万能でしっかりした令ちゃんでも、こんな時はやっぱり心細いだろうし、色々手間だと思うの。だから、呼んできてちょうだい。」
「わかった。行って来る。」

由乃は頷くと、炬燵からゆっくりと立ち上がった。
どんなに令の事で胃が痛くなるほど悩んでいても、お隣さんであり、従姉妹である令とははこうした「ご近所づきあい」があって、結論が出ようが出まいが、それをこなして行かなければいけない。
どんなに令の事で思いつめていても、会えば、最近お父さんのトイレが長くってさ、トイレ貸してよ、とか肉じゃが大目に作りすぎちゃったからおすそ分け〜とか、そうういった事をニコニコ笑って話さなければならないわけだ。

「・・・・・本当に、まるて家族みたいだよね。」

由乃の呟きに、そうねえと母親は呑気に笑って同意した。
785名無しさん@ピンキー:03/12/11 01:27 ID:7Qy754bG
だいぶ間があいてしまって申し訳ありません。
(ほとんどの方がもう忘れていると思いますが。)
786名無しさん@ピンキー:03/12/11 01:44 ID:OferHDxF
>>785
乙かりー

>>781
なんか悪意のある書き方だなぁ。
じゃああなたは、レイニーブルーで寸止めされて「結果はわかってるんだから」
「祐巳が祥子と和解するのを想像で補完したら?」
とか言われて納得できますか?

それと一緒のこといってるとおもふ
そりゃまあ原作のほうが上手なのは当たり前として。
787お言葉に甘えて(w:03/12/11 02:03 ID:Qrvy0AVG
>>781

今、この階段が崩壊したら。
打ち所が悪ければ死ぬかもしれない。
遺体のポケットから乃梨子ちゃんの全裸写真がわらわら出てきたら、
皆どう思うだろう。

───だから死ねない。

儀式のように言い聞かせて、祐巳は階段を上り終えた。


>>476に続く。
788名無しさん@ピンキー:03/12/11 02:05 ID:l1XhVg8m
>>785
お帰り〜。覚えてるよ〜。
トイレで非公式キモカプ扱いされてしまった由乃んの話(語弊アリ)だよね。
こういう臆病な由乃んは非常に萌えるので、続きを楽しみにしてるよー。

て、続編はまた1ヶ月後ですか?(;´Д`)
789名無しさん@ピンキー:03/12/11 02:35 ID:1l1QbaYg
>>HeUHMWWBたん
 (*´Д`)ハァハァ 狂気の沙汰は大好きです・・・

>>785
 由乃のもんもんが正に思春期の女の子な悩みっぽくてヽ( ´▽`)ノ

>>783
 現白さんの変わりに答えさせて頂きます。
今回のお御堂編の他に エロ・カニーナスレから二編あるよ。
過去ログ見てみ。  
790名無しさん@ピンキー:03/12/11 02:42 ID:sdY7zzaa
>>782->>785
なつかしいー!! 久しぶりだねぇ。 もちろん覚えてます。
ギャグになるかシリアスになるかと思ってずっと待ってて待ちつかれて忘れるところでしたよw
結局、シリアス系になったみたいですね。由乃がどうするのか・・・また続きをマターリ待つとしますか。
忘れたころに更新されることを願ってますw
791名無しさん@ピンキー:03/12/11 03:14 ID:KJ78+dm/
黄薔薇話イイ!
792名無しさん@ピンキー:03/12/11 07:07 ID:GyZ40cOP
>>785
わあい待ってたよー!!
いいじゃんいいじゃん!!続きも楽しみにしてるから頑張って!!
793名無しさん@ピンキー:03/12/11 09:00 ID:V/Ye9GUB
                      -=;z- 、、.,,__
                      _,,,゙=-、;;;;;;;;;`'''‐、,,, ヾ;、
                 _,,.、、-- 'ー‐‐ r┐r┐;;;;;;;;;;ヽ"゙!;;゙'、
                ゙',>‐-- 、.,___l:::l;;l:::ゝ、;;;;;;;;;;;;゙;、!;;;;l'.、, ,,、、----,
.               ,ri'"- ;;''''''''''''゙'_--__┘'-‐‐';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l ,r'";;;;;r ''"´
             ,,,r';}.{;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'---;:::|;;「::,二.};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙;;;;;;=-'''"""^'''‐、,_
           ,、;'、;___l .!;;;;;;;;;;;;;;_;;;;;;;;;;;;;i__!;;;l__!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;z、i,''''""゙'''''‐-、
.           /´::;::::| .|:;、r ;"´;;;;、-=‐;;;;;;;;_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙';、
           /::::;;;;::::|-.!;;;;;、- '"r'"´;;;;、-',r';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、-'l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
.          {:::;;;;;;;、';! .|'",r'" ,r";;、‐'" /;;;;、-'/;;;;;;;、-'" ,,ィ!;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ,、;;゙、
.          ヽ;;;/"| r"  /,-"、 `ヽ';;-'" /;r''"  ィ'''",r' l;;;i、;;;;;;;;;;、;;;;゙、゙'ヽ
.        ,,、-''"l;;;;r'''i"~ヾ';  !  -'  'i" ,r'"'"; ゙'‐、,,_`~´  .l;;l ゙ヽ、;;;゙、゙ヾ、
.       ,'::::;;r''";゙'-!, |  |"、  ゙'‐- - '´ ,:': : : : : ; ; ; ; ; ゙;7   l;l ,...、l゙、;;゙;
.      ,'::::;/;;;;;;;;;/;r゙,'‐- ':::::゙'.、    ,r': : : : : : : : : ; ; ; l    l´,...,`! ゙ヾ,        紅はまだか〜!!
      ,'::::;;;;;;;;;;r';;//;;:::::::::::::::::::ヽ.  /: : : : : : : : : : : : : l.    i' j. }
.      l;::::、、、、- ' !;;;;::::::::::::::::::::::゙',-,i';,;_: : : : : : : : : : : : |     ゙'-;,ツ
      ´´     .l;;;;;;::::::::::::::::::::::::゙-、゙':‐.、゙':‐- 、;,: : : : :|     ,.r ''
            l;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::゙゙''-、゙゙':‐-、::゙゙':‐、;|..、 -‐''"
794名無しさん@ピンキー:03/12/11 10:00 ID:trkyqRIi
か・な・り、恥知らずな方なので、顰蹙を買おうとも
ネタが続くうちは、投下を躊躇しなかったり・・・。

そんなわけで昨日の続き。(祐瞳祥)
795祐瞳祥:03/12/11 10:05 ID:trkyqRIi
「瞳子ちゃん、ついに計画を実行に移すときがきたわよ!」
前置き抜きで話しはじめた祐巳さまは、異様に興奮していた。
「いちおう伺いますけど、何のお話ですか?」
紅薔薇さまから、週末ひとりなので、お友達を連れてお泊りに誘われたと。
「何で私なんです?由乃さまでも、白薔薇さまでも・・・」
ちょっと嬉しくなってしまう自分が悔しい。
「えー、協力してくれるって言ったじゃない」
「言ってません!」
って、まさか本気で紅薔薇さまを?そんな、神をも恐れぬ所業を。
「やっぱり、薬使ったり縛ったりとかしたら、お姉さまかわいそうだし」
「な、何を考えてるんですか!あなたは」
「瞳子ちゃんがいれば安心だし。お姉さまも話せばわかってくれると思うんだ」
もしもーし。人の話を聞いてますか?祐巳さま。
「じゃあ、土曜日のお昼、小笠原邸に集合ね。遅れたらおしおきよ!」
お願い。誰か、あの小悪魔を止めて・・・。
796祐瞳祥:03/12/11 10:07 ID:trkyqRIi
「最近、祐巳と仲良しなのね。瞳子ちゃん」
「はあ、まあ、何というか・・・」
祥子お姉さまのお顔がまともに見られない。瞳子は、瞳子は。
「さっさと儀式を済ませてしまえばいいのに。祐巳は何をもたもたしてるのかしら?」
言えない。妹じゃなくて、使い魔にされちゃったなんて、言えない。
「ごきげんよう、お姉さま。瞳子ちゃん、早かったのね、ごきげんよう」
堕天使は、今日も元気いっぱいだった。

「で?何をたくらんでいるのかしら?」
何を驚いてるんですか、祐巳さま。百面相に隠し事は無理ですってば。
「えへへ。瞳子ちゃんとふたりで、お姉さまをしゃぶりつく・・・」
「さ、三人で、もっと親睦を深めましょう。というお話しですわ」
ああ、お願い。そんなに優しく微笑まないで。
「そう?具体的に何をすればいいの?」
「みんなでいっしょに、お風呂に入りましょう!」
祥子お姉さまと瞳子は、同時にお茶を吹き出した。
797祐瞳祥:03/12/11 10:08 ID:trkyqRIi
「じゃあ瞳子ちゃんが上半身、私が下半身ね。きゃー!」
間違ってる。何かが、おそろしく間違ってる。
気がつくと、小笠原家の広い浴場で、祥子お姉さまのお背中を流していた。
「ダメよ、瞳子ちゃん。スキンシップは、もっと密着しなくちゃ」
前にまわった祐巳さまは、早くも目つきが妖しくなっている。
「お姉さま、きれい。キスしていいですか?」
なんてことを。何かおっしゃってください、祥子お姉さま。
「瞳子ちゃん、痛いわ」
思わず、お胸をぎゅっと握りしめてしまっていた。
「祐巳!いいかげんにしないと・・・」
ああ、とうとう堪忍袋の緒が!
「・・・風邪をひくわよ。続きは寝室で、しましょう」
「はーい。行こう、瞳子ちゃん」
瞳子はずるずると引き摺られていった。助けて!マリア様。

―おしまい
798名無しさん@ピンキー:03/12/11 10:19 ID:vIUgNdYB
令と由乃はなんか甘々いちゃいちゃのイメージが強かったので、ちょっと新鮮。
799名無しさん@ピンキー:03/12/11 11:43 ID:nON4jgUj
>>794
ワロタよ
800名無しさん@ピンキー:03/12/11 12:21 ID:z7wnfJLU
紅薔薇は妹がお姉さまにお風呂で御奉仕するのが伝統なんだな、きっと。
801名無しさん@ピンキー:03/12/11 13:37 ID:Y0Q63j4D
祥子様が蓉子様にお風呂場で御奉仕したわけですね。

ムッハー!! ssキボン
802名無しさん@ピンキー:03/12/11 14:45 ID:54mKCKFm
>>794
つまらん物を投下するのはいいが、恥は知るべき。
なんかキモイよ、あんた。
ちゃんと働いてる?
803名無しさん@ピンキー:03/12/11 14:50 ID:UDnJ+bWG
>>802
つまらん釣りするのはいいが、恥は知るべき。
なんかキモイよ、あんた。
ちゃんと働いてる?
804名無しさん@ピンキー:03/12/11 15:32 ID:PYgfzaKa
聖さまは受け。
805名無しさん@ピンキー:03/12/11 16:35 ID:ZOEXDTUC
聖様は精神的には受け

肉体的には攻め
806名無しさん@ピンキー:03/12/11 17:05 ID:3K4P7yki
>>777
むしろ
小林「DVD! DVD!」

では?
807名無しさん@ピンキー:03/12/11 19:37 ID:6KkBJTaH
>>806
それだけはやめてください
おねがいします
808名無しさん@ピンキー:03/12/11 19:52 ID:GyZ40cOP
>>805
令さまも然りとか思ってしまった
809名無しさん@ピンキー:03/12/11 21:10 ID:l5K+w7sO
は…早い!早いですよスレ進行が!
いつのまにか新スレに。しかも使い切り寸前…。

と、いうことでしばらくご無沙汰してましたが、黄薔薇モノの続きです。

(これまでのあらすじ)
「…だからね。新作は拝一刀と柳生烈堂が相打ちになったあの最終回の続きなのよ。
たまたまそこに居合わせた流れ者の侍も胴太貫の持ち主で、
そこに縁を感じたその男が大五郎を引き取って旅を始める事になるのよね。あー楽しみ」
「っていうか由乃…『これまでのあらすじ』ってそれは…」
810809:03/12/11 21:11 ID:l5K+w7sO
そりゃあ、従姉妹で幼なじみでお隣さんとくれば、確かに昔は一緒にお風呂にだって入ったし、
夏になればお互いに裸のままで庭に広げたビニールプールで水遊びだってした。
でもそれが当たり前だったのはまだ幼稚舎に入ったかそうでない頃の話で、
二人とも高等部に上がるまで成長した今とは勝手も事情も違うはずだ。
…ち…違うはず…だと思うけど…。
狭い脱衣場で向かい合っているのに、平然どころか鼻歌まじりで服を脱ぐ彼女の姿を見ていると、
もしかしてズレているのは自分の方なのかと思ってしまいそうにもなる。
「…いっしょ…って…今からここで?…ここのお風呂で?」
「あのさ、何度も同じ事聞かないでよ。頭トコロテンみたいにぐにゃぐにゃになっちゃったの?」
遠慮ない呆れ顔を浮かべながら、ポクポクと自分の『姉』である支倉令の頭をグーでノックすると、
島津由乃は涼しい顔で脱いだばかりのスカートを脱衣カゴにぽいっと放り込んだ。
あ、上下でお揃いの色にしてるんだ。どこで買ったのかな…いや、そうじゃなくて。
「いや、その…な…なんで?」
家族同然の仲とは言うものの、普段見慣れない由乃の下着姿に妙な気恥ずかしさを感じて、
令はオレンジイエローのショーツに包まれた小振りなお尻からそそくさと目を逸らす。
その態度が癇に障ったのか、むぅ…っと顔をしかめた由乃がにじり寄る。
「イヤなの?」
「…えっ?」
「ふーん。そうなのね。令ちゃんったら、私とお風呂に入るのもイヤがるんだ」
「そうじゃないったら。…急に言われたって、困るって言ってるの」
811809:03/12/11 21:12 ID:l5K+w7sO
さて、それでは由乃と一緒に入浴すると、一体何がどう困るというのか。
毎月のアレは…先週終わったばかりだし、
今日の下着はあんまり可愛くないから…では、理由としては弱い。弱すぎる。
人前で裸を見せるなんて恥ずかしいじゃない…でも、いつも部室で皆といっしょに着替えてるし。
あれ?なにが不都合なんだろう?
正直な所、そこを鋭く突っ込まれたら明確な答えを示せる自信などは当の令にもさっぱりなのだが、
あえてその漠然とした理由を言葉にすれば、それは『イヤな予感』の一言に尽きるのだった。
由乃の言うがままに流されたら、なにかとんでもない目に遭うような気がする。
そう言えば、今思い返せばここに来る前にもそんな気がしたのだが、
いつのまにかすっかり由乃のペースに翻弄されているではないか!?
…これではいけない!
ここは由乃の『姉』として、ハッキリした自分の意思を示さなくては。と、令は思った。
理由としては弱いのを承知だが『気が進まない』と、その訳を告げれば、
いくら由乃だってそれ以上の無理は言わないだろう。
…言わないよね?
…言わないといいなぁ。
…言われそう…。
早くも頭をもたげてきた弱気の渦に思考を支配されながら、
じっと押し黙ったままの令の背中に由乃がポツリと語りかけた。
「ずっとね」
「…えっ!?ご!ごめんっ!」
不意に掛けられた言葉になぜか反射的に謝ってしまいながら、令は由乃に向き直った。
「ずっと前から考えてたのよ。冬になったら令ちゃんと温泉巡りでも行きたいなあって。
ひろーい温泉でゆっくりお湯に浸かったりね。…でも、なかなかそんな機会ないでしょ?」
ああ。と、令は思った。そうか、それで…。
812809:03/12/11 21:12 ID:l5K+w7sO
「…それで、こんな場所でその代わりなの?」
「そ。まさか家のお風呂でぎゅうぎゅう詰めになりながら、温泉気分ってわけにはいかないでしょ?
さっきここのお風呂見たときに思ったの。ここだったら令ちゃんと一緒に入っても、
まだまだ充分余裕ありそうじゃない?」
聞いて見れば他愛ない理由に、ふふっと令の頬が思わず緩む。
「…うん、そうかもね。これくらい広かったら充分よね」
「でしょ?いっつも令ちゃんには手を焼かされてるんだから、たまにはわがまま聞いてもらって、
貸しも返してもらわないとね?」
にっこりと微笑む由乃の上機嫌な顔に、令もつい軽口を叩きたくなる。
「たまには…って…由乃、私になにか貸しなんかあった?」
「…そりゃあるわよ。あるに決まってるじゃない」
令のその言葉に、なにをばかな事をと言わんばかりの表情で、
ええっと…と記憶の中を総ざらいするような顔で思案した由乃は、何かに思い至ったのか、
あっ!っと声を上げてにっこりと笑顔を見せた。
「夏にミルクホールで2回おごってあげたじゃない」
「…私は由乃に13回おごらされたけど」
間髪入れずに切り返され、うぐっと言葉を飲み込みながら、由乃は渋い表情で令をぎろりと睨んだ。
「何よ。令ちゃんったらセコイわね。しっかり数えてるんじゃないわよっ!」
…ヒドイ。
本当に今さらながら、令は島津由乃という少女の理不尽大王ぶりを再認識した。
813満ちた月、欠けた月8・1/7:03/12/11 21:27 ID:Rnvu6tFS
「……えっ」
 それは誰が上げた声だったのだろうか?
 志摩子さんではない。かといって、乃梨子ちゃんのものとも違う。――だか
ら、私のものだったのかもしれない。
 ――志摩子さんが、泣いていた。
 今までどんな行為をしても気丈な顔を崩さなかったはずの志摩子さんが、頬
を涙で濡らして泣いていた。
 雫が頬を伝って落ちて、乃梨子ちゃんの上げた顔へと降りかかる。
「乃梨子……お願い、止めて……」
 志摩子さんはもう一度呟くように言って、また涙を一筋流した。
「……」
 ……なにそれ、そんな茶番劇が……。
 一人だけ善人ぶる気だというのか、そんなのは――卑怯だ。
 心がちぢにかき乱れていくのが分かる。思わずその柔らかいくるくるっとし
た髪を掴んで、思いっきり引き寄せたい衝動に駆られていた。
 顔を真っ青にしている乃梨子ちゃんの姿を苦々しい目で見ながら、私は心は
さらに乾いた砂のようにぼろぼろ崩れていくのが分かった。
814満ちた月、欠けた月8・2/7:03/12/11 21:28 ID:Rnvu6tFS
 それならそれでいい――。
 私の中で、闇が鎌首をもたげて起き上がるを感じる。
 これぐらいで崩れるほど、稚拙な計画で行動に移したりは……しない。
「ご、ごめん……志摩子さん」
 混乱しているのか、かなり間抜けな台詞を吐くと慌てて乃梨子ちゃんは志摩
子さんのカラダから離れる。
 志摩子さんの胸が唾液でべとべとに光っているのが見えた。
 それを見て、捕らえようもない自己嫌悪に包まれたのだろう。
 乃梨子ちゃんは頭を抱えるようにして、ふらふらと近くの椅子の背もたれに
寄りかかると、うわ言のように何かを呟き始めた。
 志摩子さんの方がよほど冷静なままだった。
「良かった……乃梨子、正気に戻ってくれたのね」
 ほっと安堵するように息をつくと、目に涙を浮かべながらも乃梨子ちゃんに
対して微笑みかける。
 その安心はすぐに裏切られるとも知らずに……。
815満ちた月、欠けた月8・3/7:03/12/11 21:29 ID:Rnvu6tFS
「ご、ごめん、私……どこかおかしく」
 頭が上手く回らないのだろう。
 途切れ途切れ、支離滅裂になりながらも、乃梨子ちゃんは志摩子さんに向か
って弁解の言葉を繰り返していた。
「大丈夫……大丈夫よ、乃梨子」
 もう窮地は脱したとでも思ってるのだろうか?
 志摩子さんは拘束されてる後ろ手を振り払うことすらせずに、乃梨子ちゃん
に優しく呼びかけていた。
 体からもすっかり力が抜けている。
 ……馬鹿だなあ。
 私はこっそり下を向いて、小さくほくそえんだ。
「……乃梨子ちゃん?」
 志摩子さんの後ろから、ゆっくりと冷たく低い声で呼びかけた。
 それ以上は何も言わない、ただ名前を呼ぶだけ。
 けれど、乃梨子ちゃんはまた恐慌状態に陥ったように、一歩後ずさり全身を
細かく震わせた。
816満ちた月、欠けた月8・4/7:03/12/11 21:30 ID:Rnvu6tFS
「乃梨子……落ち着いて……」
 怯える子犬のようなしぐさを見せる乃梨子ちゃんに、志摩子さんは再度優し
く包み込むようにして声をかける。
 乃梨子ちゃんが、志摩子さんに縋るように視線を向けた。
「ねぇ乃梨子ちゃん、もう後戻りは出来ないんだよ? 乃梨子ちゃんはもう汚
れちゃったの、――汚されちゃったの、私に」
「乃梨子っ、聞いちゃ駄目っ!」
 それを遮るように志摩子さんが必死に叫ぶ。
「自分が志摩子さんとは全然違う汚くて浅ましい人間だって、乃梨子ちゃん自
身が一番良く分かってることだよね?」
「乃梨子っ、こんな人の言うことを聞いては駄目よ!」
 ……こんな人だなんて、――酷いね志摩子さんも。
「いまここで止めて、私を警察に突き出せば何か変わるのかな? 警察じゃな
くて別に先生に言うんでもいいけどね」
 私は嘲笑うかのようにして言葉を続けた。
817満ちた月、欠けた月8・5/7:03/12/11 21:30 ID:Rnvu6tFS
「私の人生も終わるけど、乃梨子ちゃんの人生も崩壊だね。みんなからどんな
目で見られるのかな? 同情? 憐憫? 侮蔑かもしれない」
「黙ってっ! 黙りなさい!」
 耳を塞ぐことすら出来ずに呆然と立ち尽くす乃梨子ちゃん。
 志摩子さんは私を黙らせる作戦に変えたのか、彼女らしくない乱暴な言葉遣
いで私の口を塞ごうとする。
「まあ優しい、優しい志摩子さんはね。乃梨子ちゃんがどんな浅ましい人間だ
ろうと、みんなから腫れ物を触るような扱いを受けようと、絶対に乃梨子ちゃ
んの側にいてくれると思うよ。でもね――」
 手足をばたつかせて叫び、私をなんとしても妨害しようとする志摩子さん。
 私はそんな彼女を無視して、目も虚ろに今にも倒れそうな乃梨子ちゃんに対
して最後の宣告をした。
「乃梨子ちゃんの方が――それに耐えられるのかな?」
 ぱりん、とどこかで何かが壊れる音がした。
「今のあなたが、志摩子さんの側にいて正気でいられるのかな……?」
818満ちた月、欠けた月8・6/7:03/12/11 21:31 ID:Rnvu6tFS
「……」
 乃梨子ちゃんは俯くと、ぶつぶつと何事かを呟き始めた。
 その顔は全然見えない。綺麗に切り揃えた前髪が目の部分を覆い隠して、表
情は全く読めなかった。
「……乃梨子」
 志摩子さんは崩れ落ちそうなるのを最後の気力を振り絞り、一縷の望みを賭
けて乃梨子ちゃんへと呼びかけた。
「先生にこのことを伝えましょう……。事件にはしないように頼めば、周りの
人には知られないで済むと思うわ」
 その言葉は確かに真摯なもので――。
「騙されては駄目、別に乃梨子は醜い人間じゃないの。私よりはるかに純粋な
のを、祐巳さんにそう思い込まされてるだけよ」
 乃梨子ちゃんのことを一番理解してたものだったのだけれど――。
「私は乃梨子の受けた傷が癒えるまでずっと一緒にいるわ。乃梨子がそれを負
担に思う必要はないの、私がそうしたいだけだから」
 志摩子さんと乃梨子ちゃんにとって一番不幸だったのは。
 ――自分よりも相手の方がお互いのことを理解していたことなんだろう。
819満ちた月、欠けた月8・7/7:03/12/11 21:32 ID:Rnvu6tFS
「……そうか、やっぱりそうだよ。志摩子さん……」
 そう言って上げた乃梨子ちゃんの目はどんよりと濁っていて。
 志摩子さんの表情が絶望へと包まれていくのが分かった。
「私、やっぱり無理だよ」
 幽鬼のようにぽつりと呟く。
「今のままの志摩子さんの側にいても、私は壊れちゃう。一緒にいるだけで私
の心は苛まれて、いつかそこを逃げ出してしまうの」
 涙が、乃梨子ちゃんの頬を伝って床に落ちた。
 ――そう。蛇に騙されて禁断の実を食べてしまったエバは、もう二度と楽園
にと戻ることは出来ない。
 蛇はわたし。エバは乃梨子ちゃん、ならアダムは……?
「だけど、私は志摩子さんと離れたくない。そんなの絶対にいや……、卒業ま
でなんて言わずにずっと一緒にいるの……」
 頬を流れる涙をぬぐうことすらせず、壊れたラジオのような抑揚のない言葉
で乃梨子ちゃんは喋り続けた。
「だから一緒に堕ちよう? 志摩子さんと一緒なら私は怖くない。それならず
っと一緒にいられるから……」
820名無しさん@ピンキー:03/12/11 21:34 ID:Rnvu6tFS
拷問のコツは、一度今日は終わったと思わせて安心させた後にもう一度やることだそうです。
緩急をつけるのが重要らしいですよ?
821名無しさん@ピンキー:03/12/11 21:35 ID:aXgcO5TK
    〃∩∧_∧
   ⊂⌒( ´・ω・)   <>>810-812
     `ヽ_っ⌒/⌒c     まだ洗いっこじゃなかったか・・・
        ⌒ ⌒
822名無しさん@ピンキー:03/12/11 21:35 ID:GyZ40cOP
>>黄薔薇の人
キター!!待ってたよ!!
でも展開遅いぜさっさと脱(ry

続きも楽しみにしてます…って終わったのか?
823名無しさん@ピンキー:03/12/11 21:39 ID:OferHDxF
志摩子さんつえー。
けっこう意外といえば意外だったかもしんない。
いい展開です。
824名無しさん@ピンキー:03/12/11 21:39 ID:PYgfzaKa
ラブホ先生キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!

と叫びたくてうずうずしてた。30分くらいw。
825名無しさん@ピンキー:03/12/11 21:41 ID:UDnJ+bWG
うは、黒を通り越して暗黒!
826名無しさん@ピンキー:03/12/11 21:47 ID:D6W7uNoT
乃梨子がダークサイドに堕ちてしまったか。
くそー展開が読めないぜ。
そして毎回SS後のネタを用意してくるHeUHMWWBタン萌え。

>824
ラブホ先生てw
827名無しさん@ピンキー:03/12/11 21:49 ID:wKU4JZnx
>>820
ハァハァ(((((゚Д゚)))))ハァハァ
828名無しさん@ピンキー:03/12/11 22:27 ID:CMFl9RDT
>>809
由乃に振り回される令ちゃん(・∀・)カワイイ!!
弱気でどこまでも受けな独白が面白いw

>>820
読んでてなんかニヤニヤ笑いが止まんね。
壊れ乃梨子と絶望に飲まれていく志摩子さん(;´Д`)ハァハァ
829802:03/12/11 22:57 ID:54mKCKFm
>>803
(俺を)スルーしろと言ったのだ。
830お姉さまも思春期:03/12/11 23:09 ID:MpWKflBx
祐巳、聖さまのスカートに紅茶をこぼす。

祐巳「もっ申し訳ございません、聖さま!!」
 ふきふき
聖「あー、いや……」

聖「ふー参ったわ。パンツが……」
蓉子「ビショビショでしょ? 大丈夫?」
聖「いや……ヌルヌルになっちゃった」
蓉子「うそォ!?」
831名無しさん@ピンキー:03/12/11 23:45 ID:wKU4JZnx
>>830
ハァハァしてきた(*´д`)

お姉さまが妹に紅茶をこぼされ、
下着に染み込んでしまった紅茶を責任持って口で
吸い取らせるという話、書いてみてもいいですか?
832名無しさん@ピンキー:03/12/11 23:53 ID:UDnJ+bWG
>>829
>>802>>803を)スルーしろと言ったのだ。
833名無しさん@ピンキー:03/12/12 00:05 ID:3xxukyRn
<<830
あの漫画のネタをマリみてでやったら、かなり面白いことに気付いたよ
834名無しさん@ピンキー:03/12/12 00:07 ID:pRx//0NH
>>832
不毛な会話はやめるが吉。
つーか、何でドリル職人タン(て呼ばれるの嫌?スマソ)は妙なのに
粘着されてるんだ?単なるアンチドリル派?私怨?
俺、けっこう好きなんだけど、読み手を選ぶのかなあ。
835名無しさん@ピンキー:03/12/12 00:07 ID:idg3zEay
>>831
是非吸い取ってください。ちゅるちゅると。

836名無しさん@ピンキー:03/12/12 00:11 ID:/gii0cnI
826のめる欄はなんなんだろう
837名無しさん@ピンキー:03/12/12 00:11 ID:hYEBv2BI
>>831
カモン!
838名無しさん@ピンキー:03/12/12 00:12 ID:idg3zEay
>>836
SSリンク見れ。
839名無しさん@ピンキー:03/12/12 01:53 ID:M+oUjNsX
おお登録されてるっ
840831:03/12/12 02:17 ID:hw+IAUT6
勢いで書いてしまった……
紅茶をこぼし、下着にまで染み込んだそれを直接口で吸い取らされる
可哀相な妹と、怖い怖いお姉さまのお話です。

そう、この姉妹なんです……
841831:03/12/12 02:18 ID:hw+IAUT6
「申し訳ございません、お姉さま!」

文字通り椅子を蹴って立ち上がった小笠原祥子は、
ハンカチを取り出して彼女のお姉さまの横に跪いた。

「ああ、慌てないで。
 だいぶ冷めていたから大丈夫よ」

そのお姉さま、紅薔薇の蕾とも呼ばれる水野蓉子の方は、
驚いてはいる様だが騒ぐでもなく跳び上がるでもなく、
ゆっくりと椅子から立ち上がった。

「そんな、でも、制服がひどいことになってしまっていますわ」

被害者より加害者の方が慌てている。
考えてみれば、
お姉さまの前を通して書類を受け渡すなどという事自体が、
してはならないことだったかもしれない。
そのような非礼な真似をしてしまった時点で注意が欠けていた。
挙句、テーブルの上のティーカップに腕を当ててしまったわけで、
蓉子の下半身が一瞬にして紅茶まみれになった。

「何とかしてきますので、後お願いします。祥子、手伝って」
「はい、もちろんです、お姉さま」

3年生の薔薇さま方をはじめとした一同に一礼して部屋を後にする蓉子。
祥子が慌てて後に続いた。
842831:03/12/12 02:19 ID:hw+IAUT6
「火傷しなくてよかったわね」

ドアが閉まった音がまだ耳に残る中、白薔薇さまがホッとした様に言った。
黄薔薇ファミリーが、やはり安堵の溜息と共に頷く。
しかし、蓉子のお姉さまである紅薔薇さまだけが、
依然として心配そうな表情で、ビスケットのようなドアを見つめていた。

「大丈夫かしら……」
「すぐにクリーニングに出せば大丈夫よ。
 制服って結構丈夫だし……」

白薔薇さまの言葉に、しかし紅薔薇さまは首を振る。

「そうじゃないわ。祥子ちゃんのことよ……」
「え?」
「あの子、きっとこの機会に……」

武道を嗜む支倉令だけは、感じることができた。
……紅薔薇さまは、怯えている?

「……蓉子に、躾けられるわ」
843831:03/12/12 02:20 ID:hw+IAUT6
「困ったわ……制服も下着も替えなんて持って来ていないし……」

蓉子は片手でビショ濡れのスカートを摘み、片手を頬に当てて首を傾げた。
薔薇の館の1階の小部屋である。

「本当に申し訳ありませんでした。
 先生にお願いしてすぐに洗っていただきましょうか?
 それとも、代わりに着る物を買って来た方がよろしいでしょうか……」

先程取り出した白いハンカチで蓉子のスカートを拭いながら、
祥子は平謝りするしかなかった。
完全に自分の落ち度なのだから潔く責任を認め、
できる限りの事で償うしかない。

「そうね……どうしようかしら……」

祥子は自分が汚してしまった蓉子のスカートばかり見ていた。
だから気付いていなかったのだ。
蓉子の目が笑っていることに。
本当は少しも困っていなくて、他の事を考えているということに。

「とりあえずスカートはそれくらいでいいわ。
 幸いストレートで飲んでいたし、
 鞄で隠しながら帰ってすぐにクリーニングに出すから」
「はい。すみませんでした、お姉さま……」
「でも……」

蓉子の唇が笑みを形作る。
それにも祥子は気付かなかった。頭を下げていたから。
844831:03/12/12 02:21 ID:hw+IAUT6
「下着がね……どうしようもなく気持ち悪いのよ。
 完全に染み込んでしまって」
「はい……どうしたら……」

保健室には買い置きの下着があって、
買い取る形で使わせてもらえるはずだ。
養護教諭はまだ帰っていないだろうか。
それとも一旦学校から出てきちんとした物を買って来た良いのだろうか。
祥子の思考は目まぐるしく回転する。

「ね、祥子……」

まだ青ざめたままお姉さまを見上げる祥子に、
蓉子は笑みを、不自然な程にこやかな笑みを浮かべて、言った。

「吸いなさい」

コノ人ハ何ヲ、シテイルノダロウ?

自らのスカートの前をめくり上げる蓉子を見て、
祥子の思考はしばらくの間、停止した。
845831:03/12/12 02:22 ID:hw+IAUT6
リリアンの乙女らしい白い下着、
それから伸びる太股、
その大部分が紅茶で濡れていた。

「お、お姉さま!? 何という格好を……」
「あら、そんな格好をしなくてはならないのは、
 あなたのせいじゃなくって?」

それを言われては祥子は反論のしようもなかった。

「あの……それで私は、どうすれば……」
「聞こえなかったの?
 あなたがこぼした紅茶が染み込んだ私の下着に、
 あなたが、あなたの口を付けて、紅茶を吸い取って、
 きれいにしなさい、と言っているの」

あくまで穏やかに、しかし強く一語一語を区切って、
蓉子は『命令』した。

「このまま……ですか?」
「当たり前でしょ。それともあなた、
 私に下着を脱いでしばらく何も履かずにいろって言うの?」
「いえ……そんなつもりではないのですけど……」
「だったら、このまま、私の履いている下着に口を付けるしかないでしょ?」
846831:03/12/12 02:22 ID:hw+IAUT6
こんな後始末の仕方はない、と警鐘を鳴らしている自分がいる。
しかし、このお姉さまがそうしろと言っているのだ。
次代の山百合会の大黒柱と言われる紅薔薇の蕾。
1年早く生まれたというだけではない、
容姿の面でも、能力の面でも、お姉さまと認めるに足る蓉子さまが言っている。

だったら、おかしいと思っている自分の方がずれているのではないだろうか?
そうだ、幼稚舎に自家用車で通園することだって、
サンドイッチをナイフとフォークで食べるのだって、
自分にとっての常識は周りとずれていたのだった……。

「どうしたの、祥子?
 あなたは自分のミスの後始末くらい、
 きちんとできる子だと思っていたのだけど……」

心から残念そうに蓉子が言う。
もう、祥子には分からなくなっていた。
紅茶をこぼしてしまったあの時、
彼女らしからぬ不始末をしでかしたあの瞬間から、
動転し続けているのかもしれなかった。

「……はい……すぐにいたします……お姉さま……」

観念した様に、祥子は蓉子の下着に口付けした。
847831:03/12/12 02:24 ID:hw+IAUT6

とりあえずこんなところで……
実際に「後始末」をするところはまた改めて書いて来ます。
眠いのです。
848名無しさん@ピンキー:03/12/12 02:39 ID:CliSip76
うおおおお、イイ!
蓉子さま女王様だ・・・
849名無しさん@ピンキー:03/12/12 04:59 ID:yjG/TweY
祐麒×令の続きはまだですか?
850名無しさん@ピンキー:03/12/12 05:55 ID:M+oUjNsX
聖・X・蓉!聖・X・蓉!
851名無しさん@ピンキー:03/12/12 09:46 ID:0/AzHMjA
ばんつネタ多いなあw
ヤシチの魔法か?
852名無しさん@ピンキー:03/12/12 10:45 ID:OpIwzyW8
>831
エクセレントッ!
祥子×蓉子が好きになりそうだ。
853名無しさん@ピンキー:03/12/12 11:58 ID:hYEBv2BI
>>840
ハァハァしますた(;´Д`)
続きも期待しております。
854名無しさん@ピンキー:03/12/12 12:20 ID:8kVs9OhF
>>831
馴染むッ! 馴染むぞッ!
エロも非エロもあんまり見ないけど、蓉子×祥子ええなあ(*´Д`)
動揺しているのを差し引いても、いいように騙されてるさっちゃん萌え。
世間知らずな1年生(;´Д`)'`ァ'`ァ
855名無しさん@ピンキー:03/12/12 12:26 ID:0/AzHMjA
ただのバカという気もするがw
856名無しさん@ピンキー:03/12/12 12:26 ID:TKEhEmIB
これは、私の彼が実はあそこが小さくて(^_^;)アメリカにいる友人に教えてもらって買いました!アメリカでは効果もじっしょうされててテレビとか雑誌に掲載されたりしてる人気の商品だそうで、
私の彼の場合1ヶ月目で→ん?何か大きくなってない?と二人で驚き
2ヶ月飲んだ頃には効果がはっきりわかりました!長く太くなってHしててもやっぱ違いがわかります(#^.^#)
日本ではあまり知られてないみたいですねー。うちの場合は結構平気で「標準より小さいよね」って言えたから普通におすすめできました。
http://www.extend-jp.com/
857名無しさん@ピンキー:03/12/12 12:28 ID:0/AzHMjA
ageスマソ。
悪気はなかった。
858名無しさん@ピンキー:03/12/12 12:28 ID:IIfP/ODG
>>857
ただのバカという気もするがw
859名無しさん@ピンキー:03/12/12 12:29 ID:TKEhEmIB
これは、私の彼が実はあそこが小さくて(^_^;)アメリカにいる友人に教えてもらって買いました!アメリカでは効果もじっしょうされててテレビとか雑誌に掲載されたりしてる人気の商品だそうで、
私の彼の場合1ヶ月目で→ん?何か大きくなってない?と二人で驚き
2ヶ月飲んだ頃には効果がはっきりわかりました!長く太くなってHしててもやっぱ違いがわかります(#^.^#)
日本ではあまり知られてないみたいですねー。うちの場合は結構平気で「標準より小さいよね」って言えたから普通におすすめできました。
http://www.extend-jp.com/
860黄薔薇☆絵日記:03/12/12 12:46 ID:mNJH99Og
十二月○日(金) くもり

これは、私の妹が実は胸が小さくて(^_^;)アメリカにいる友人に教えてもらって買いました!
アメリカでは効果もじっしょうされててテレビとか雑誌に掲載されたりしてる人気の商品だそうで、
私の妹の場合1ヶ月目で→ん?何か大きくなってない?と二人で驚き 2ヶ月飲んだ頃には効果が
はっきりわかりました!丸く大きくなってHしててもやっぱ違いがわかります(#^.^#)
日本ではあまり知られてないみたいですねー。私の場合は結構平気で「標準より小さいわね」って
言えたから普通におすすめできました。


過去ログからのコピペだけど。
861名無しさん@ピンキー:03/12/12 14:41 ID:GX+HW/Lo
>>860
絵日記の絵の部分キボンヌ
862黄色い薔薇 5:03/12/12 16:25 ID:U+q1eJ+F
インターホンを押してもノックをしても反応が無い。
仕方なく由乃は合鍵で支倉家のドアを開けた。
物音ひとつしなければ明かりもついていない、支倉家から人の気配はしなかった。

「お邪魔しまーす。由乃でーす。」

令のローファーが玄関先にあいてある所を見ると、家にはいるようだ。
具合が良くない、という話だから、もしかして部屋で寝ているのかもしれない。
勝手知ったる支倉家である。由乃は遠慮もなしにそのまま上がりこむと、令の部屋目指して二階へ昇った。

「令ちゃん?由乃だよ。」

令の部屋の扉を軽くノックしてみても、反応はない。
そっと音を立てないように扉をあけてみると、ベッドの上で横たわる令の姿が目に入った。

やっぱり寝ていたんだ。

起こすのも可哀想だし、ここはひとまず退散するか、と由乃が引き返そうとした所、ふいに令が寝返りを打った。思わず引き込まれるように由乃の視線はそちらに動く。

「・・・・ん・・。」

寝返りを打った令は、短く声を漏らした。表情は険しい。悪い夢でも見ているのだろうか。
なんとなく帰る気もそがれてしまい、由乃はふらふらと令のそばに近づいた。
ベッドの脇にある椅子を引き寄せ、そのまま座り込んで令の寝顔を覗きこむ。
863黄色い薔薇 6:03/12/12 16:26 ID:U+q1eJ+F
令ちゃん、色白いなあ。睫毛も長―い・・・。

しげしげと寝顔を覗き込んで、心中そんな感想を漏らす。
思えば付き合いは長いというのに、令の寝顔をこうしてじっくり眺めたのは初めてのような気がする。
改めてみてみると、令の顔は女性的な甘さや華やかさこそ感じられない物の、至極綺麗に整っている事に気がつかされる。まるで眠りの魔法にかかった王子様のようだ。

「んん・・・。」

時折寝息とも寝言ともつかない声を漏らす、令の整った唇を眺めているうちに、由乃はそこから目が離せなくなった。

令ちゃんの唇はどんな感触だろう・・・・・。どんな味がするんだろう・・・・。

静寂の中、令の吐息だけが辺りを支配している。
日は既に沈みかけ、窓から差し込む夕日が部屋を薄い橙色に染めていた。
由乃は今更ながら、今自分が、この世で一番好きな相手と二人っきりでいるのだ、という事に気がついた。

どうしよう・・・・。

令の寝顔を見ながら、由乃は胸がドキドキする自分に動揺した。
いまだかつて感じたことの無い衝動に、自分で自分に驚いてしまう。

・・・・キスしたい・・・・かも・・・・。
864名無しさん@ピンキー:03/12/12 18:44 ID:mNJH99Og
>>863
今日はここまでかな?乙〜。

>・・・・キスしたい・・・・かも・・・・。
してしまえ!いや、してください。お願いしまつ。
865名無しさん@ピンキー:03/12/12 18:52 ID:93TAaPF7
フタナリで逝く!!
866名無しさん@ピンキー:03/12/12 19:10 ID:N1e/r35Z
>819
堕つ!
乃梨子、乙です。次週は黒志摩子登場デツカ?

867名無しさん@ピンキー:03/12/12 19:11 ID:mSmBSlvZ
フタナリかー。
スレ的定番は志摩子さんだけど、由乃んでも萌えるなぁ。

そっと下着からアレを出して、
「令ちゃん知らないよね私何度も心の中で令ちゃん襲ってたんだよ。
コレ使って令ちゃんを痛めつけてやりたいってずっと思ってきたの」
みたいの。

>863
乙です。ハァハァしつつも、
なんかこうじりじりしてもどかしいことこの上ないんですが。
この話令ちゃんは由乃んをどう思ってるんだろ。鈍ちん?
868名無しさん@ピンキー:03/12/12 19:41 ID:phwmV6Ur
これは、私のぬいぐるみが実は胸が小さくて(^_^;)イタリアにいる友人に教えてもらって買いました!
イタリアでは効果もじっしょうされててテレビとか雑誌に掲載されたりしてる人気の商品だそうで、
私のぬいぐるみの場合1ヶ月目で→ん?何か大きくなってない?と二人で驚き 2ヶ月飲んだ頃には効果が
はっきりわかりました!丸く大きくなってHしててもやっぱ違いがわかります(#^.^#)
日本ではあまり知られてないみたいですねー。私の場合は結構平気で「標準より小さいわね」って
言えたから普通におすすめできました。


「そんなことはどうでも良いけど何故引き取り先の住所がここなわけ。」
「え〜、だって自分の家だと親に見つかった時の言い訳が面倒だし〜」
869840の続き:03/12/12 19:57 ID:4Bm49h4e
由乃やっぱり可愛いなぁ……

こちらは怖い怖い蓉子さまのお話の続きです。
お姉さまのスカートに紅茶をこぼしてしまった祥子さま
いったいどうなってしまうのかw
870840の続き:03/12/12 19:58 ID:4Bm49h4e
まずは下着の横の方に口付ける。
ちゅ……と音を立てて、吸う。
確かに、紅茶の味がした。

「祥子、美味しい?」

味が問題とされる場面ではないのではないか、
そう思い戸惑っていると、不機嫌そうな声が降って来た。

「自分のした事の後始末とはいえ、
 我慢できない程気持ち悪い思いを
 させていないかと思って聞いているのに……」
「あ……大丈夫です、美味しいですわ、お姉さま」

慌てて答える。
見上げなくても、形の良い眉を寄せている蓉子の顔を思い描くことができた。
祥子の行いを注意する時のお決まりの表情。
そういう表情をしているお姉さまも、嫌いではない。

「そう、それはよかったわ。
 ……でも祥子」
「はい……?」
「横の方より、もっとデリケートな所の方が、
 より早急な措置を必要としているとは、思わない?」
871840の続き:03/12/12 19:59 ID:4Bm49h4e
問い掛けという殻に包まれた命令を受けた祥子は、
今まで直視しないようにしていた脚の間の中心に視線を向けざるを得ない。
濡れた白い下着には、肌色と、そして黒い色が透けていた。

姉妹とはいえ、このような所をまじまじと見るのは初めてのこと。
躊躇している祥子に行為を促すように、蓉子は少し足の幅を広げた。
祥子は目を瞑って柔らかな布に鼻先を埋める。

唇が、布とその下の茂みの感触を感じ取った。
味や匂いは紅茶のものしか感じられない。

じゅ、ちゅ……染み込んだ液体を吸い始める。
唾液と共にそれを飲み込む。

「奥の方もね……」

より広く足の間隔を取った蓉子下に潜り込む様な体勢になる。
股下に唇を密着させるために。

下着の布が二重になった部分の向こうに、
女性の裂け目が感じられた。
そこは、脚を広げているために、ピタリと閉じ合わされてはいない。
872840の続き:03/12/12 20:00 ID:4Bm49h4e
「あ……」

祥子の唇と舌が下着を敏感な所へ押し付け吸い付くと、
蓉子は微かに声を発した。

「そこが肝心な所なんだから、
 しっかり吸うのよ」
「はい……」

ちゅ……ずずっ……。

「ん……はっ……」
「お、お姉さま……このまま続けてよろしいのですか?」

祥子だってその部分は持っている。
このようなことを続ければどのように感じてどうなるかくらいは分かる。
自分が蓉子の立場だったら、羞恥で耐えられなくなるかもしれないと思った。

「続けなさい……きれいにするためには仕方ないでしょう?」

頭上には蓉子が自分でめくり上げているスカートが広がっているため、
表情は伺えない。
しかし声は明らかに熱を帯びて来ており、
息遣いは荒くなっているようだった。

「……わかりました……」

やがて祥子の口の中に、
染み込んだ紅茶と違う感覚が広がり始めた。
自分の唾液より粘度の高いものが舌や唇に糸を引く。
873840の続き:03/12/12 20:01 ID:4Bm49h4e
「お姉さま……その……違うものを吸ってしまうのですけど……」

祥子の方が真っ赤になって恥ずかしがっている。
蓉子は、興奮に顔を赤らめてこそいるものの、
遥かに平然としていた。

「ええ、あなたが恥ずかしい所ばかり吸うから
 生理的反応が起きてしまったみたいね」
「こ、このままでは、余計に下着を汚してしまいます」
「そうねぇ……困ったわね……」

始めからどうなるかは分かりきったことだろうに、
今更ながら紅茶と唾液と愛液とで濡れた下着を目の前に
困惑する祥子を、蓉子は愉快そうに見下ろしていた。

「じゃあ、下着を汚す前に舐め取ってみなさい」
「え……?」
「早く。こうしている間にも少しづつ出て来るわ」
「は、はい……では失礼します……」

祥子の細い指が股布の脇にかかり、
少し横にずらした。
幾種類もの液体に濡れた茂みが、
続いて蓉子の中心が、外気に晒された。
そこへ舌をねじ込む。

「あ……」

舌が粘膜に触れた刺激に、蓉子が蕩け切った声を漏らした。
祥子の舌は、愛液の源を探し、粘膜の中を蠢く。
874840の続き:03/12/12 20:06 ID:4Bm49h4e
「あ! 祥子、それは……っ!」

舌先が突起に触れてしまったのを悟った途端、
蓉子が叫んだ。
慌てて舌を離し、改めて穴を探し始める。
ついに探し当てると、中に先端を差し込むようにして、
湧き出て来る液を舐め取り始めた。

「は……ん……!
 やだ、凄……い……これ……」

スカートを掴んでいた手が背後にあった机の上に置かれた。
支え無しに立っていられないのだろう。
祥子の体の上にスカートが被さる。
視界を閉ざされた中、舌の感触だけに集中して、
祥子は行為を続けた。

「あ……ん……
 舌、あったかい……気持ち……いい……
 ねえ、祥子はそこを舐められたことは……はぁっ……あるの?」
「……あ、ありませんわ、こんなこと……」
「あら……勿体無いわね……ん……たまらないわよ……」
「お姉さま……どんどん出て来て……もう、どうしようも……」
「もう仕方ないわ。
 私の下着を下ろして、思い切り舐めてちょうだい。
 落ち着かせてくれないと止まらないわ」

最早、紅茶の始末という形はどこにもない。
蓉子は机に腰掛けると脚を更に大きく広げ、
スカート越しに祥子の頭に手を置き、
腰を押し付けるのだった。
875840の続き:03/12/12 20:06 ID:4Bm49h4e

サーバの負荷が高いと怒られました。
区切りも良いのでとりあえずここまでアップにしておきます。
祥子さまの口調って意外と難しいものですね。
祥子さまらしいかどうか、あまり自信ないです。
876お姉さまも思春期:03/12/12 20:08 ID:7gR/ZhWk
聖さま、学校を休む。

江利子「今日、聖どうしたのかしらね」
蓉子「携帯で電話してみましょう」

聖『……はい(ハァハァ)』
蓉子「貴方、今日は学校どうしたの?」

聖『あ…ああ…ちょっと風邪ひいちゃってさあ…(ハァハァ)』
蓉子「苦しそうね。大丈夫?」

聖『え? いや、今ちょうど祐巳ちゃんをオカズにオナニーしてて(ハァハァ)』
ブツッ!!

※リリアン生は携帯なんぞ持たんだろうな……

>>840
 グジョブー
 しかし、ほんとに書くとは思わんかった……
877名無しさん@ピンキー:03/12/12 21:08 ID:BmuG4bCe
>>840
紅茶の人キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
SS自体は仕上がっているようですが、今晩中に続きアップ出来ますよね?(;´Д`)ハァハァ
878由乃戸惑う 1:03/12/12 21:08 ID:WqJMzDQI
LHRの時間に文化祭についてクラスで話し合いが行われ、割り振られた仕事ごとの話し合いになっていた。
体育祭の時と違い、当日の仕事は割り振られていない。
私は何もすることが無く、ボーっと黒板を眺めていた。
ふと気がつくと、目の前に祐巳さんが居た。
すぐ前の席に座って私と向き合うように座りなおす。

「ねぇ、由乃さんちょっといい?」
何の用かなと思う私に
「由乃さん、手を握ってもいい」
と聞くので
「うん」
と答えて好きにさせる。
机の上に置いた右手に祐巳さんの両手が添えられる。
自分の手から祐巳さんにドキドキが伝わってしまうかも知れないと
思うと、必要以上に意識してしまう。
879由乃戸惑う 2 :03/12/12 21:11 ID:WqJMzDQI
机の上に置いた右手に祐巳さんの両手が添えられる。
自分の手から祐巳さんにドキドキが伝わってしまうかも知れないと
思うと、必要以上に意識してしまう。

私は令ちゃんが好きなはずなのに。
まるで祐巳さんのこと好きなのかも知れないと錯覚しそうだ。
「ゴメン、由乃さん。
もう少しこのままでいさせて、私、他の人の手を握っているとイライラや不安が不思議と治まるの。
悪いけど、お願い。私の気が落ち着くまで・・・ねっ!」
「うん、いいよ」
心の動揺を悟られないように、教室の奥へと視線を泳がす。
何をこんなにドキドキしているんだろう。
私のそんな気も知らないで大きく深呼吸する友人
880由乃戸惑う 終:03/12/12 21:13 ID:WqJMzDQI
「由乃さんのおかげで落ち着いた、ありがとう。」
そう言って、席を立ってしまった。

もし、2人きりでこんなことをされたら・・・次は確実に落ちる。
そう考える私がいた。
ここが教室で本当に良かった。
あぶない、あぶない。
881由乃戸惑う:03/12/12 21:15 ID:WqJMzDQI
>879の
机の上に置いた〜意識してしまう。
は2重に書いてしまったので無視してください。
882満ちた月、欠けた月9・1/3:03/12/12 21:18 ID:Db5FTEoz
 ――楽園に届かない。
 そんな言葉をいつか昔、どこかで聞いたことがあった気がする。
「乃梨子……」
 志摩子さんの表情はとても悲痛なものだった。
 自分の大事なものを守れなかった後悔。
 もっと乃梨子ちゃんの様子に注意を払って早めに相談に乗っていたら、もし
私が抱えた闇にさえ気づいていれば。そうでなくても、今もっと別のやり方を
していれば……。
 そんなことばかり考えているに違いなかった。
「……志摩子さん、どうしてそんなに辛そうな顔をするの?」
 志摩子さん以外の全て――たぶん私すらも――捨ててしまった乃梨子ちゃん
は、子供のような無邪気な笑顔をしていた。
 志摩子さんはそれを見て、さらに見ていて気の毒なほどに顔を歪める。
「一緒に堕ちよう、ね?」
 まるで小学生が友達を遊びに誘うかのように、気軽に。
 それはとても彼女らしくないといえばそうなのだけど、乃梨子ちゃんは志摩
子さんのもとへ笑顔で歩み寄っていった。
883満ちた月、欠けた月9・2/3:03/12/12 21:19 ID:Db5FTEoz
「乃梨子ぉ……乃梨子っ」
 それはまさしく――慟哭だった。
 私が拘束した手を放すと、乃梨子ちゃんに倒れ掛かるようにして抱きつくと
声にならない叫びを上げて号泣し始めた。
 その大きな瞳から、ぽろぽろと輝く涙を落して。
 何か大事なものを失って、それがもう二度と戻らないことも知って、志摩子
さんは乃梨子ちゃんを抱いたまま泣き続けた。
「志摩子さん……泣かないで……」
 しばらくそのままの姿勢で泣いた後、乃梨子ちゃんは志摩子さんを慈しむか
のように髪を撫でる。
 その様子は普段の2人と全く変わらないもので。
 ――けれど。
「素直に身を任せればすぐに気持ち良くなるよ、祐巳さまは上手いもの。私も
そうだったし……」
 乃梨子ちゃんの呟く言葉はどこまでも狂気に満ちていて――。
 それを聞いて、志摩子さんはまた泣いていた。
884満ちた月、欠けた月9・3/3:03/12/12 21:21 ID:Db5FTEoz
「ね、怖くないからね」
 あやすように言う乃梨子ちゃんに、駄々をこねるかのように泣いて体を震わ
せる志摩子さん。
 乃梨子ちゃんは困ったように私に助けを求めてきた。
「祐巳さま……、お姉さまが怖くてしょうがないみたいなんです」
 あらそうなんだ、なんて私は頬に手を当てて困惑したような素振りをとる。
「はい、すみません。お姉さまがご迷惑をお掛けしまして……」
 乃梨子ちゃんが頭を下げてお詫びしてきた。
 ……ああ、なんて狂った光景なんだろう?
 怪しい新興宗教に嵌ったお母さんが、強制的に子供を入信させて、泣き喚く
のを無理やり儀式に参加させてるみたいだ。
 その想像があまりにも当を得ていたので、私は思わず苦笑していた。
 ――ならばエデンの園の蛇であるところの私は、ちゃんとその役目を果たさ
なければいけないだろう。
「志摩子さんは照れてるだけなんだよ。気持ち良くしてあげればすぐに素直に
なるんじゃないかな、乃梨子ちゃん」
 私はいつものように、笑って言った。
885名無しさん@ピンキー:03/12/12 21:21 ID:WqJMzDQI
>840
お疲れ様です。
蓉子さまに萌えました。
続きを楽しみにしてます。
いやぁ〜ホント蓉子さまはいいなぁ〜。
886名無しさん@ピンキー:03/12/12 21:23 ID:Db5FTEoz
ゆーみー、ゆーみー、ゆみゆみ、ゆーみー。
887名無しさん@ピンキー:03/12/12 21:38 ID:iUprPeBP
>>886
ああ、いい感じに壊れてきてイイ!
888名無しさん@ピンキー:03/12/12 21:44 ID:erGR9/QX
>>886
ワロタ
イニシエーション終了、さて、次はいよいよ……ってところですか。
889名無しさん@ピンキー:03/12/12 21:51 ID:pBCHqC4/
>>886
小学校のころよくリコーダーで吹いたなその歌w

いよいよ陥落の時ですかな?期待してます。
890名無しさん@ピンキー:03/12/12 22:08 ID:4GPGlHst
名SSがぞくぞく登場してますな。
891名無しさん@ピンキー:03/12/12 22:18 ID:/gii0cnI
なんかすごいいきおいだ。
どれも面白いし
人口が増えたのか
たまった妄想をみんな爆発させはじめたのか・・・
892名無しさん@ピンキー:03/12/12 22:23 ID:T9DUTShs
>889
マテwそれは何か計算がおかしくないか?
893名無しさん@ピンキー:03/12/12 22:30 ID:PUKb3hC1
>>840
 紅茶イイヽ( ´▽`)ノ !蓉子祥子イイヽ( ´▽`)ノ
続きが(*´Д`)ッハァハァ 

>>881
 さっぱりしてていいなぁ。 ギリギリはこの二人に似合ってる
ような気がする。 

>>HeUHMWWBたん
 前回分志摩子の「黙ってっ! 黙りなさい!」がかんなり
ツボだったですよ。 乃梨みたいに薬入ってないから
この気高いまま蹂躙されていくんかな( ;´Д`)y━~~/ヽァ/ヽァ
 病気だないいかげん・・・
894名無しさん@ピンキー:03/12/12 22:48 ID:4GPGlHst
>891
それはだぶん、マリア様のおかげですわ。
895名無しさん@ピンキー:03/12/12 23:15 ID:yhATTJx1
黒くない祐巳と瞳子、ラスト。(儀式)
まあ、実際はどうなるかわかりませんけどね。

拙い文章に最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
896儀式:03/12/12 23:16 ID:yhATTJx1
「つまり、祐巳さまとの“関係”を清算したい。と?」
瞳子の相談を受けた乃梨子さんは、首をかしげた。
「そんな大層な話じゃありませんわ。スールでもないし・・・」
「だからさあ、言えばいいじゃない。ロザリオを下さいって」
違う。私たちは、白薔薇さまと乃梨子さんの関係とは違う。
「何を聞いてらしたの?もう祐巳さまに振回されるのは沢山なんです」
「天邪鬼も程々にしないと、幸せを逃しちゃうと思うな」
結局、自分で解決するしかないのだと、瞳子は思った。
その日の薔薇の館は、薔薇さま方がお出掛けで、仕事も多くなかった。
「じゃあ、祐巳さん瞳子ちゃん、あとよろしくね」
由乃さまが帰っていくと、祐巳さまとふたりだけ残される。
偶然ではなく、乃梨子さんとかが気を遣った結果だろうと思う。
「久しぶりに瞳子ちゃんと、“仲良く”したいなあ」
いつもは無駄な抵抗をする瞳子が、今日は素直にうなずいていた。
祐巳さまは、ちょっとびっくりしていたけど、すごく嬉しそうだった。
897儀式:03/12/12 23:17 ID:yhATTJx1
「あ、ふ、ん・ん」
祐巳さまがとろりと流し込んできた唾液を、のどを鳴らして嚥み下す。
「あん、や、うぅん」
襟元から潜り込んだ瞳子の掌が、祐巳さまのふくらみを揉みしだく。
どちらからともなく、手が、脚が、自然に蠢き、躯が反応する。
「瞳子ちゃん、好きぃ」「祐巳さまぁ」
タイを解いた胸元から、まろみを掴み出し、固くなった先端を口に含む。
プリーツをたくしあげ、湿った布地の隙間から競うように指が滑り込む。
「あん、そこぉ」「ああ、いぃ」
絡めた舌と、互いの指先から、ぴちゃぴちゃと水音が響きわたる。
やがて両手が互いの背中にまわされ、柔らかな胸乳が押し潰される。
「瞳子ちゃん、・・・可愛い」
布地が剥ぎ取られ、直接触れ合った場所から、止めどなく溢れ出てくる。
「祐巳さま、好きです。祐巳さま」
最後だから・・・。その想いを胸に、瞳子は初めて自分に正直だった。
898儀式:03/12/12 23:18 ID:yhATTJx1
「好きな人とじゃれあうのって、楽しいじゃない?」
瞳子の言葉を聞き終えた祐巳さまが、微笑って言った。
「そんなこと!ちっとも楽しくなんかありません。ただ、辛いだけ・・・」
ずるずると、こんな関係を続けていたら、おかしくなってしまう。
祐巳さまは、意に介さず、瞳子の髪を愛しげにもてあそんでいる。
「瞳子ちゃん。素直じゃない子には、ロザリオあげないよ」
「ロ、ロザリオが欲しいなんて、全っ然、思ってません」
一瞬きょとんとして、やれやれという感じで肩をすくめる祐巳さま。
「世話の焼ける妹ね。先が思いやられるなあ」
「だから、妹なんかじゃな・・・」
言いかけた瞳子の口を、祐巳さまの唇がふさぐ。
「じっとしていて、瞳子」
呼び捨てにされた瞬間、甘やかな想いがひろがって、動けなくなる。
大きく輪になった“絆”が、ゆっくりと降りてきて、瞳子は目を閉じた。

―おしまい
899名無しさん@ピンキー:03/12/12 23:25 ID:VAs7DkDh
さようなら
900名無しさん@ピンキー:03/12/12 23:26 ID:s/jbnsKJ
>>895
乙。ラストの雰囲気がいいなぁ。こういうの好き。
901名無しさん@ピンキー:03/12/12 23:27 ID:xtwCDnIX
>>895
乙〜。良かったよ。
次回作も書いてほしいな。
902名無しさん@ピンキー:03/12/12 23:28 ID:VAs7DkDh
なんかえろい場面の表現がオジンくさくてとてもイヤ
903名無しさん@ピンキー:03/12/12 23:30 ID:4Bm49h4e
祐巳も、シンデレラの劇が終わった後、
これで祥子さまとの関係はおしまいだって思っていたんだよね。
そしたらロザリオが……

それと重なる感じで、じんと来ました(´ー`)

というか今夜凄いな……もう降誕祭?w
904名無しさん@ピンキー:03/12/12 23:38 ID:xtwCDnIX
そういやもう900超えとるな。
次スレタイトルは
マリア様がROMってる〜いとしき蜜月(後編)〜
でいいよな。

950くらいになったらテンプレよろしく。
905904:03/12/12 23:41 ID:xtwCDnIX
違った。今の速さじゃ950でテンプレは遅いか。
950くらいになったら次スレでいいかな。

一応今からテンプレ貼っとくので、950近辺踏んだ人はよろしく。
906テンプレ1:03/12/12 23:43 ID:xtwCDnIX
「マリア様」のエロSS(百合推奨)を書くスレッドです。

スレは乱さないように、マターリとsage進行がここでのたしなみ。
もちろん、荒らし、煽りを放置できないような、はしたない住人など存在していようはずもない。

前スレ
#7 マリア様がROMってる〜いとしき蜜月(前編)〜
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1069778956/
これ以前は>2あたりに。

保管庫&アップローダ
ttp://soukospace.virtualave.net/
907テンプレ2:03/12/12 23:47 ID:xtwCDnIX
HTML化済過去スレ

#1 マリア様がRAMってる
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1033/10331/1033106716.html
#2 マリア様がROMってる〜エロ薔薇革命〜
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1051/10511/1051109575.html
#3 マリア様がROMってる〜えろばらの森〜
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1057/10576/1057660666.html
#4 マリア様がROMってる〜エロ・カニーナ〜
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1062/10622/1062225419.html
#5 マリア様がROMってる〜ウァレンティーヌスの贈りエロ(前編)〜
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1065/10654/1065444527.html
#6 マリア様がROMってる〜ウァレンティーヌスの贈りエロ(後編)〜
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1067613438/
908904:03/12/12 23:48 ID:xtwCDnIX
テンプレで変なとこあったら修正よろしく。
909名無しさん@ピンキー:03/12/13 01:38 ID:odA8Wudn
スレの住人は今までの比じゃなく増加しそう
ここ最近は1ヶ月で1スレ消化のペースだったのに
このスレではついに半月に・・・
約2倍速となってしまいました(w

職人さんの人数も増えてきているのかもしれない。
ありがたいことだがどの職人さんがどの作品を書いたのか整理出来ない。
誰か教えてくれないかなぁ〜。(他力本願)
現役職人さんだけでもいいから自己申告してくれたら・・・ムリにとは言わないけど

910名無しさん@ピンキー:03/12/13 01:43 ID:uqku1b4f
アニメも始まるし、来年になったらもっと住人増えるだろうね。
ところで>>909は保管庫の中の人?だったらいつも乙です。
違ったらこの場を借りて、保管庫の中の人いつも乙です。
911名無しさん@ピンキー:03/12/13 01:47 ID:v//vFjcb
ほい、テンプレ↓
     __
    , '´   ヽ
   l ,'ノノノ'l 〉
   | !、゚ ー゚ノ|
   ノ,<,f_、><ノリ
    くノl[__]_〉
      し'し'
私、小笠原>3ち子が>3ゲットさせていただきますわ。

支倉>0 いつまでも妹の尻に敷かれてんじゃねーよ(藁
>2条乃梨子 仏像見たきゃ花寺にでもいってろ(プ
>3藤聖 私の祐巳に手だすなよ。この真性レズ(ゲラ
藤堂>4摩子 出番確実に減ってるな(w
島津>44乃 あんまナマ言ってるとシメるぞ(ププ
水野>405様 何でもないです・・・(ガクガク
鳥居江利>5 誰だっけ?
ふ>9沢祐巳 タイが曲がっていてよ。直してあげる。
松平>10子 祐巳いじめてんじゃねーよ。この糞ドリル(笑
細川可>75 電波が。私の祐巳に近づくな(呆
その他の男供 ゲイとオカマは花寺にでも帰りなさいってこった
912名無しさん@ピンキー:03/12/13 01:57 ID:5EjAO2Q5
それってわざわざスレのテンプレにする程面白いか?
913名無しさん@ピンキー:03/12/13 02:32 ID:v//vFjcb
冗談を本気にされても困る。
914909:03/12/13 02:34 ID:odA8Wudn
>910
残念だが私は保管庫の中の人ではない。
保管庫の中の人&アップローダに上げてくれる人には
いつも感謝している。

テンプレに801は避けた方が良いとか、暗黙の約束になっていることがあったら
追加して欲しい。(新人の職人さんがいなくならないように)
個人的な希望なのでスールしてもかまわないから
915名無しさん@ピンキー:03/12/13 02:38 ID:KdxcIlw/
形式美ってやつだろう。
916名無しさん@ピンキー:03/12/13 03:38 ID:rNnwadSs
保管庫の中の人はもう消えてしまったんじゃないだろうか…
覚醒祐巳がでかくてローダーにはいらない…
917名無しさん@ピンキー:03/12/13 05:26 ID:kS8ivQ0m
おお、目を覚ましたら大豊作だな。
>>896-898GJ!でも、ナンダヨーヽ(`Д´)ノ
本当に引退しちゃうのか?これからどこでドリル分を補えば…。
とにかく、前スレの覚醒祐巳祭りの口火を切り、乃瞳・由瞳など
数々の難関を制した功績をタタエルヽ( ´▽`)ノ
>902
貴様も粘着する相手がいなくなって寂しかろう( ;´Д`)y━~~
918名無しさん@ピンキー:03/12/13 08:07 ID:/f5LxILP
でも確かにちょっとおじんくちゃい。
あまり言うべきでは無いかも知れんが。
919テンプレ案:03/12/13 08:51 ID:/f5LxILP
このスレをご覧の方初めましてキユです。それではどうぞキユで、2ゲットでつきぬけろ!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
              ∧∧ キュワッ!
            ヽ(゚∀゚)ノ   (´⌒(´
            へ(   )   ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
                >    (´⌒(´⌒;;
ロケットで突き抜けろ!ロケットで突き抜けろ!ロケットで突き抜けろ!
Live Like Rocket!  Live Like Rocket!  Live Like Rocket!

ヒステリックに荒らしに反応ですか>>3さん?(゚∀゚)
百合なんて妙にエロチックだと思いません>>4さん?(゚∀゚)
夏の夕方って好き、でもsageを知らない>>5は嫌い
心を無くしたモラル欠如者の>>6も嫌い
大人であり子供である>>7は優しい住人が好き
>>8 ごきげんよう
920869の続き:03/12/13 11:09 ID:CHxj6Djj
おはようございます。
投下ラッシュだったので保留しておいた紅茶のお話の続きです。
921869の続き:03/12/13 11:10 ID:CHxj6Djj
粘膜が奏でる濡れた音と、
抑えきれない吐息が、
薔薇の館の一室に響いている。

「はぁ……祥子、なかなか上手じゃない」

うっとりとした表情で蓉子は、
自分のスカートの奥に顔を埋めている妹を見下ろす。
片手を机に付いて体を支え、
もう片方の手は制服の上から自らの胸に添えられている。

「ありがとうございます……お姉さま」

祥子は、
下着を下ろしむき出しにしたお姉さまの秘所を夢中で味わう。

「んんっ! ……そう、祥子も、そこが気持ちいいわけね」
「え……? い、いえ、決してそんなつもりではありませんわ」
「あら、じゃあ何を基準に私を気持ち良くしようとしてるの?
 自分だったらここがいい、って所を責めてるんじゃないの?」
「そんな……どこがいいかなんて……そんなこと……」
922869の続き:03/12/13 11:11 ID:CHxj6Djj
「……ねえ、祥子」

蓉子の声の温度が急激に下がった。

「あなた今の自分の姿が分かっているのかしら?」
「……!」

ビクリ、と震え、舌の動きが鈍った。

「学校の、しかも薔薇の館で、
 お姉さまのスカートに顔を突っ込んで、
 同性の性器を舐めているのよ」
「お……お姉さま……」
「そしてスカートの奥を熱くしているんでしょう?
 興奮しているんでしょう?」
「そ、そんなこと……!」
「認めないと言うなら、今すぐ自分の手でスカートをめくらせるわよ。
 ……濡らしているのね?」
「……はい」
「ふふ……そう……小笠原祥子が、ね……」

被せていたスカートをどけ、
蓉子は祥子に直接、蔑んだ視線を浴びせる。
祥子は小さく震えていた。
923869の続き:03/12/13 11:12 ID:CHxj6Djj
「でも大丈夫よ、祥子」

一転して、優しい声。

「他の人からは軽蔑されるようなことをして、
 他の人からは軽蔑されるようなことを感じている祥子が、
 私にとっては可愛い妹なんだから」
「お姉さま……?」
「全部見せなさい。
 あなたの嫌な所も汚い所も、私だけには全部見せなさい。
 私だけは、全部まとめて愛してあげるわ、祥子」

祥子の緑の黒髪を、蓉子の白い手がそっと撫でる。

「お姉さま……私も、私も……
 大好きです、愛しています、お姉さま……」

今度こそ自分の意志で、祥子は蓉子の中心にしゃぶり付いた。
924869の続き:03/12/13 11:12 ID:CHxj6Djj
「嬉しいわ、祥子」
「何でもします、私、お姉さまの言うこと……」

祥子は夢中で舐め、そして吸った。
片手を自分のスカートの中に入れ、
堪えきれない疼きを慰めながら。
その目に、
紅茶をこぼす前までのような十分な理性の輝きは無かった。

「はぁっ……祥子……
 気持ちいいわ」

蓉子は口に手を当てて高まる声を抑える。
2階に聞こえてはならない。
彼女の目は、快楽に浸ってはいるものの、
あくまで理知的に祥子を見下ろし、笑っていた。

「ん……ん! んん!
 んんんんぁ………………!」

そして必至で声を噛み殺しながら、妹の舌で、果てた。
925869の続き:03/12/13 11:13 ID:CHxj6Djj
「ごきげんよう」
「ごきげんよう」

 さわやかな朝の挨拶が、薔薇の館にもこだまする。

「最近、祥子ちゃんは蓉子ちゃんといつも一緒ね」

紅薔薇のつぼみとその妹が連れ立って階段を昇って行くのを見送り、
黄薔薇さまが言った。
白薔薇さまも微笑んで頷く。

「姉妹だもの。いいことじゃない」
「祥子ちゃん、習い事を全て辞めてしまったそうね。
 お姉さまと一緒に山百合会の仕事に専念したい、ってところかしら」
「ギュウギュウ詰めの生活だったみたいだから、
 悪いことじゃないのではないかしら」

頷き合っている二人から距離を置いて、
紅薔薇さまは少し違った視線で妹たちの姿を追って、
誰にも聞こえない声で呟いた。

「躾けられたわね……」

マリア様のお庭に集う乙女たちは、
今日も無垢な天使のように見える笑顔で、薔薇の館に集う。

内面も天使であるかどうか、それはマリア様にしか見えない。
926869の続き:03/12/13 11:16 ID:CHxj6Djj

以上です。
蓉子さまはS、祥子さまはMだと思うのです。
祐巳はMで、祥子さまとはMMなのでたまに擦れ違ってしまうのでしょう。
927869の続き:03/12/13 11:19 ID:CHxj6Djj
あ、思春期の人、アイディアありがとうございました。
928名無しさん@ピンキー:03/12/13 12:07 ID:dBhER4t0
乙かれー
この紅茶ネタ、他の姉妹でもやってみると面白いかもしれない。
929名無しさん@ピンキー:03/12/13 14:07 ID:QBB4Yk6I
オツー。
蓉子さまのお姉さまっぷりが素敵でした。
一人事情がわかってる先代紅薔薇さまワラタw
930名無しさん@ピンキー:03/12/13 14:07 ID:XkPM/5VY
すごいよかったです
蓉祥がこんなに萌えるとは!
931名無しさん@ピンキー:03/12/13 15:01 ID:xPKM4LLJ
>909
>ありがたいことだがどの職人さんがどの作品を書いたのか整理出来ない。

HeUHMWWB氏と縦ロールの人以外は数本書いてても識別不可能なので、
作品のつながりだけ整理したぞ。
漏れがあったらすみませぬ。よろしければ申告してください>職人さん

名前・メール欄にワードが入っててもタイトルか微妙なのはカッコ付け。
続き物以外は投稿順。続くかどうか不明なのは(?)付き。
932スレNo7まとめ:03/12/13 15:02 ID:xPKM4LLJ
#7 マリア様がROMってる〜いとしき蜜月(前編)〜


(祐聖いばら後)
>13-19、>93-102、>211-223

(祐×乃) (HeUHMWWB氏)
>29-32、>56-59、>80-81、>83-86、>115-118、>143-149

(令由)
>45-52 (続く)

(乃梨子×祐巳)
>125-127、>129-136、>159、>161-166、>168-169、>171-172

「ネクタイ」
>188-192

「祥子×祐巳 〜冬の始まり〜」
>196-205

「アルコール狂想曲」(HeUHMWWB氏)
>257-265
933スレNo7まとめ2:03/12/13 15:03 ID:xPKM4LLJ
(?)
>287、292

(祥子×祐巳+祐麒)
>300-303

「紅いロザリオ」
>319-325

(乃瞳)
>346-348

(麒令)
>373-377

「極悪祥子さまが見てる」
>381-386

「お買い物」
>394-402

「お聖堂」
>413、>415-419、>530-531、>533-537、>671-680
934スレNo7まとめ3:03/12/13 15:04 ID:xPKM4LLJ
「閑話、WkCR」 (HeUHMWWB氏)
>427-431

(陰の姉妹)
>440-450、>543-551、>600-605

(姉妹交換)
>454-455

「満ちた月、欠けた月」 (HeUHMWWB氏)
>476-479、>590-511、>567-570、>608-613、>686-690、
>719-722、>763-766、>813-819、>882-884 (続く)

(聖を落としてみよう)
>500-502、>522-523、>561-562

「焼いも円舞曲」
>504-507

「はさみでジョキジョキ」
>526

「妹は思春期」
>566
935スレNo7まとめ4:03/12/13 15:04 ID:xPKM4LLJ
(祥×祐未遂)
>585-593

(聖×祐巳)
>645-649

(瞳子)
>655-657

(由瞳)
>710-712

「唇の味」
>730-735

(瞳祐)
>748-750

「お姉さまも思春期」
>770、>830、>876

「黄色い薔薇」
>782、>784、>862-863 (続く?)
936スレNo7まとめ5:03/12/13 15:05 ID:xPKM4LLJ
(祐瞳祥)
>795-797

(黄薔薇ラブホ)
>810-812 (続く?)

(紅茶)
>841-846、>870-874、921-925

(コピペ改変)
>868

「由乃戸惑う」
>878-880

「儀式」
>896-898


以上。
937名無しさん@ピンキー:03/12/13 17:36 ID:TWjjSfL5
>>931


蓉祥ハァハァ
938名無しさん@ピンキー:03/12/13 19:26 ID:IGdCNkYG
ここ最近、素晴らしいSSが続いてるけど、コメディ系も読みたい。
939名無しさん@ピンキー:03/12/13 19:28 ID:8s0EkjWj
贅沢な住人どもだw
940名無しさん@ピンキー:03/12/13 19:40 ID:+hEpiD41
そう、ここの読み手は我侭なのさw

続き物早くキテー HeUHMWWB氏とかラブホ氏とか森一氏とか・・・
941名無しさん@ピンキー:03/12/13 20:58 ID:5p283gfY
遅レスだが。

黄薔薇ラブホ話の続き(・∀・)キターー!!
くそう焦らしやがって!とっとと押し倒(ry
942満ちた月、欠けた月10・1/5:03/12/13 21:16 ID:7UEt7GhC
 憎しみで人を殺せたのなら――。
 よく使う言い回しだけど、それが本当なら私は既に数回、数十回、いや数万
回は志摩子さんに惨殺されているのに違いない。
 それぐらい、志摩子さんの私に向ける視線は凄かった。
 けれど壮絶な美というものがそこにはあって。
 天使と悪魔というものが実在するのなら、確かに悪魔は天使が負の感情に囚
われて堕ちたものなのだろう。
 私はそんなとりとめもないことを考えながら、ゆっくりと志摩子さんと乃梨
子ちゃんの側へ近づいていった。
「じゃあ、志摩子さんのこと気持ち良くしてあげようか?」
 私がそう言った瞬間、志摩子さんはどこにそんな気力が残っていたかと思う
ぐらいの素早さで体を放すと、扉の方に向かって駆け出していた。
 不意を衝かれた私が反応できず、挿し伸ばした手が空を切ったとき。
「志摩子さん……どこへ行くの?」
 ――逃げ出したはずの志摩子さんの手を掴む人間がいた。
943満ちた月、欠けた月10・2/5:03/12/13 21:16 ID:7UEt7GhC
 空虚な笑みを浮かべて、乃梨子ちゃんは志摩子さんの腕を握り締める。
「なんで逃げるの? 私のこと、嫌いなの……かな」
 あのまま腕を掴まれなかったら――。
 志摩子さんは私の横をそのまますり抜けて、扉の外にしいては館の外にと出
ていたに違いない。
「……あはっ、あはははは」
 これはお笑いだ。最高のショーだ、爆笑モノだと思う。
 ……これだけ打ちのめされて、それでもなお乃梨子ちゃんを救おうとした志
摩子さんの高潔さと。
 それを土壇場で壊したのが乃梨子ちゃんだと言う事実の対比が。
「私のこと……裏切ったの、志摩子さん?」
 握った腕を放さずに、乃梨子ちゃんはポツリと呟く。
「違う、違うのよ……。これは乃梨子のためなの!」
 私はよっぽど歪みきった顔をしているのだろうか。
 志摩子さんは私の顔を見て焦ったように、乃梨子ちゃんに腕を放してくれる
よう必死で説得している。
944満ちた月、欠けた月10・3/5:03/12/13 21:18 ID:7UEt7GhC
「酷いよねー、乃梨子ちゃん。志摩子さんは乃梨子ちゃんのこと見捨てて、一
人だけ逃げようとしたんだよ」
 私は嘲笑するかのように言って、乃梨子ちゃんの闇を煽る。
「本当なの? 志摩子さん」
「ち、違うわっ! 祐巳さんの言うことなんかに騙されないで!」
 本当に志摩子さんも馬鹿だなあ……。
 そんなこと言ってる暇があるんだったら、強引に乃梨子ちゃんの手を振り解い
て、突き飛ばしてでも逃げればいいのに。
 乃梨子ちゃんを傷つけたくない一心なんだろうけど。
 それが結果として、もっと最悪になることなんて分かりきっているのに。
「声が慌ててるよ? 嘘ついちゃ駄目だよ志摩子さん」
「……っ」
 歯噛みをするようにして、もの凄い目でこちらを睨みつけてくる。
「やっぱりおしおきしなきゃいけないのかな?」
「おしおき?」
 乃梨子ちゃんは初めて知ったことのように、口の中で小さく反復していた。
945満ちた月、欠けた月10・4/5:03/12/13 21:18 ID:7UEt7GhC
「そう。嘘つきの志摩子さんにおしおきしてあげるの」
 それを聞いて、乃梨子ちゃんの目が虚ろに光った気がした。
「志摩子さんに……おしおき」
「そ、乃梨子ちゃんを裏切って逃げようとした――おしおき」
 2,3度頷くようにして志摩子さんへと、視線を向ける。
 思わず志摩子さんが一歩後ずさろうとして、乃梨子ちゃんの掴んだ腕が少し
前へと引っ張られた。
 ……乃梨子ちゃんがくすくすっと笑う。
「違いますよ、祐巳さま。お姉さまは意地張ってるだけなんですよ、きっと」
 狂った瞳で、穏やかに乃梨子ちゃんは私に反論してきた。
「信じてるからね。私を裏切るわけないよね……」
 自分自身に言い聞かせるように、声に出して呟く。
「そっかー、でもおしおきしないと駄目かな? 頑固な志摩子さんも嫌いじゃ
ないけど、このままじゃ志摩子さんも困るしね」
 乃梨子ちゃんはそう言うと、それが名案といわんばかりにパンっと手を叩い
て、志摩子さんににっこり微笑みかけた。
946満ちた月、欠けた月10・5/5:03/12/13 21:19 ID:7UEt7GhC
 志摩子さんの表情、それはとても素敵なモノだった。
 激情と慟哭と絶望の狭間で激しく揺れているのが見て取れる。無表情かと思
うと、泣いているようにも見え、怒っているようにも見えた。
 あと一押しすれば崩壊しそうな、壊れかけのガラス細工のような美しさ。
 氷の中に閉じ込めて、永遠に取って置きたいぐらいだった。
 ……そのまま自分の手で志摩子さんを壊してしまいたい。
 ……志摩子さんの涙の跡を拭い取って、優しく抱きしめたい。
 そんな相反する2つの感情を心の中に押し込めて、私は命令を待つ乃梨子ち
ゃんへとさっそく指示を下した。
「じゃあ、志摩子さんを四つん這いにしてお尻を出させてくれるかな?」
「はい、祐巳さま」
 元気良く返事をすると、乃梨子ちゃんは掴んでいた腕を引っ張って、志摩子
さんを床へと強引に引きずり倒す。
「きゃあっ」
 押し倒された衝撃で志摩子さんは思わず悲鳴を上げる。
 乃梨子ちゃんはそんな悲鳴は無視して、膝で床に着いた腕を押さえると、手
で志摩子さんの腰の部分に乗っかるようにして押さつけていた。
947名無しさん@ピンキー:03/12/13 21:20 ID:7UEt7GhC
ユミスデス「怒りや憎しみで私を倒すことは出来ぬ!」
948名無しさん@ピンキー:03/12/13 21:23 ID:KsVN8neW
949名無しさん@ピンキー:03/12/13 21:25 ID:i/gS1KiW
>>947
突然だけど、HeUタンって呼んでいいかな?
950名無しさん@ピンキー:03/12/13 21:35 ID:7UEt7GhC
>>949
??? ……どうぞ。
951名無しさん@ピンキー:03/12/13 21:40 ID:dBhER4t0
>>947
うおー、まだかまだかまだかまだかようやくか!
焦らすなぁ。次スレでも楽しみにしてます。
952名無しさん@ピンキー:03/12/13 21:51 ID:v//vFjcb
>>950
次スレ立て…か?
よろ。
953名無しさん@ピンキー:03/12/13 22:06 ID:EhWWUfX6
祐巳「ファファファ… ついに手にいれたぞ!!最強の力! リリアンを支配する力!「エロ」の力だっ!!」

>>947
乙だす。
954名無しさん@ピンキー:03/12/13 22:18 ID:BCNMMDmm
暗黒福沢時空に死角なし
955名無しさん@ピンキー:03/12/13 22:20 ID:7UEt7GhC
あー、じゃあ次スレ立ててみます
956名無しさん@ピンキー:03/12/13 22:24 ID:7UEt7GhC
次スレ:マリア様がROMってる〜いとしき蜜月(後編)〜
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1071321750/
957名無しさん@ピンキー:03/12/13 22:30 ID:1VZuGzWl
イカ降臨待ち。
958名無しさん@ピンキー:03/12/13 22:53 ID:5WPFM8rZ
前スレにこのスレが入ってないね、
>>907の時点で気付けず無念(´・ω・`)
959名無しさん@ピンキー:03/12/13 22:54 ID:dW9bn43Z
薔薇は薔薇は 気高く咲〜いて〜
薔薇は薔薇は 美しく散る〜・・・・――のか?

HeUさん重ね重ね乙ー。
960名無しさん@ピンキー:03/12/13 23:00 ID:0/16Z9Q8
>イカSSの作者さん
先生、そろそろお願いします。
961名無しさん@ピンキー:03/12/13 23:00 ID:i/gS1KiW
>>958
このスレのリンクなら1に入ってるけど、そういう意味じゃなくて?
962名無しさん@ピンキー:03/12/14 00:02 ID:2pmj8cm6
完璧主義者なのでしょうね。
963名無しさん@ピンキー:03/12/14 01:48 ID:k/0M6Khr
HeUさん乙かれさま&新スレおめです。

さて、ちょっと珍しい(と思う)
カップリングで一本書いてみました。
そう、この二人です。

964963:03/12/14 01:49 ID:k/0M6Khr
「ほら、諦めなさい。
 大人しくしてれば、すぐに気持ち良くなるわ」
「な、何てこと言うのよ……あ、そこっ……!」
「ここが感じるのね? ほら、だいぶ硬くなってるわ」
「あ、うう……」
「どう? 私、結構上手いでしょ」
「うん……正直、気持ち、いい……」
「もっとしてあげる」

由乃はもう、されるがままだった。
こんなところ絶対に令ちゃんに見られるわけにはいかない。
そう思った。
965963:03/12/14 01:49 ID:k/0M6Khr

「やったぁ、令ちゃんとお泊まりね!」

合宿。

「由乃……今回はやめておかない?
 期間中、家から通って、無理の無い時間だけ練習に参加すればいいよ」

高校における体育会系部活動の夏合宿。

「ダメ、絶対、ダメ! 私だってもう剣道部の一員なんだから!」

その恐ろしさを、

「でも、由乃の場合は……
 手術した事は1年生も含めてみんな知っている事だから、
 誰も無理にみんなと同じように練習しろなんて……」

島津由乃は、まだ、知らなかった。

「私と合宿するのがそんなに嫌なの!?
 令ちゃんのばか!」
966963:03/12/14 01:50 ID:k/0M6Khr
私ってバカかもしれない……。
由乃はその時、心からそう思っていた。

8月の東京。
炎天下の日差しを遮るものなど無い、フライパンの様になった校庭。

走る。ひたすら、走る。グルグル走る。

何のために走っているかなんて、とっくに分からなくなっていた。
最初は、自分のため、だった気がする。
そのうち、『自分のため』では続けられそうになくなってきたので、
リリアン女学園のために切り換えた。
次は山百合会のために走り続けることにした。
その次あたりが、令ちゃんのためだった気がする。
でも自分がぜーぜーひーひーいいながら少しづつ遅れていくのに、
余裕すら見せながら先頭で部員全員を引き連れて走っている従姉を見ていると、
何をどうすれば令ちゃんのために走ることになるのか分からなくなった。

そうか、頭がゆだってバカになってしまったのだ。
何故走っているのか分からなくなっても走り続けているなんて。

何か、おかしくなって、笑ってしまいそうになって、
急に、目が回った。
967963:03/12/14 01:51 ID:k/0M6Khr
「……のさん、由乃さん!」

これは絶対に倒れた、と思ったら、何か柔らかいものに支えられていた。

「ふに?」

目を開けてみる。

「……げ、田沼ちさと……」
「……予想以上に元気そうね『由乃』。放り出していい?」

こめかみをピクピクさせながら由乃を支えているのは、
令ちゃんを狙う不届き者こと田沼ちさとさんだった。

「いいわよ、大丈夫だから……大丈夫」
「あら、そう。
 倒れかけたところを助けてくれた人に
 『げ』なんて言えるんですものね、大丈夫よね」

そう言いながらもちさとさんは、
二人の方を顔を青くして見守っている令ちゃんに向かって頷いて、
由乃を背負い始めた。

「だから大丈夫だってば……」
「はいはい、保健室に着いたら、ちゃんと放り出してあげるから安心して」
968963:03/12/14 01:51 ID:k/0M6Khr
「私より後ろに人、いたっけ……?」

ライバルの背中で、由乃は首を傾げる。

「あなたをよく見ているように頼まれてたの。
 令さまは部員全員を見なければいけないから。
 何かあったら即、保健室に強制連行するように、
 との絶対命令」
「令ちゃんったら……余計な……」
「……令ちゃん、ですってぇ!?
 部活動中はせめてお姉さまと呼びなさいよ!」

思わず声が高まる。
これが夏休み中でなければ、
どこかで聞き付けたシスターが目を吊り上げているところだ。

「なによぉ……そうだ、あなたは練習抜けていいわけ?」
「50キロを背負って保健室まで歩くのは、
 走ってるより、よっぽどキツイわ」
「もっと軽いもん……」

由乃は確かに細い方だが、
ちさとも逞しいと言うには程遠い。
一人で背負って歩いているのは、楽ではなさそうだった。
969963:03/12/14 01:53 ID:k/0M6Khr
「歩くよ……もう立てる」
「はいそうですか、って歩かせて今度こそ倒れられたら、
 わたしが令さまにどんな顔でお会いすればいいのよ。
 じたばたしないでグッタリしてなさいよ」
「むぅ……」

下ろしてくれないようなので、
せめて背負い易いようにしっかりとしがみ付いてみる。
二人とも汗まみれだった。

「……しかし、倒れるまで走り続けるとは思わなかったわ。
 普通、立ち止まるなりリタイアするなりしない?」
「しない」
「他の部員について行けると思ったの?」
「思った」
「誰もあなたが同じ練習量こなせるなんて思ってないって。
 自分のペースで体力つければいいじゃない」
「やだ」
「はぁ……なんでよ?」
「……一緒に……」
「……何?」
「……一緒に走りたかったんだもん。
 手術したら、令ちゃんと……並んで走れると思って……たから……」

ちさとさんは何も言わなかった。
ただ、しゃくり上げる由乃を落とさないように、
しっかりと背負い直した。
970963:03/12/14 01:53 ID:k/0M6Khr
合宿所。
さすがに私立学校。
それは調理室や浴室も備えた立派なものである。
運動部にとっては、主に、ぐったりするために用いられる建物だ。

夜、由乃はしっかりとぐったりしていた。

令ちゃんは部長や先生とミーティング中。
もっとも、部の合宿中はずっと団体行動だから、
二人だけの時間は期待できないのだけど。

「いつまでゴロゴロしてるの、由乃さん?」

髪を拭きながら、ちさとさんが部屋に入って来た。
2年生全員が布団を並べる大部屋。
だから二人は当然相部屋、しかも何故か布団が隣同士だった。

「のんびりしてたら、お風呂の時間、終わっちゃうわよ」
「今、お湯に浸かったら、吐くかも……」
「お風呂で疲れを引き出してから寝て取ってしまった方が楽よ。
 そのまま寝ちゃうと、明日、辛いよ」
「そうは言っても……」
「しょうがないなぁ……」
「……え?」
971963:03/12/14 01:54 ID:k/0M6Khr
うつ伏せになってダラーンとしていたところへ、
いきなり背中に跨られて、由乃は驚いた。

「ちょ、ちょっと、重い……」
「失礼ね。
 せめてお風呂に入れるくらいの元気が出るように
 マッサージしてあげようってのに……」

由乃の腰に跨ったちさとさんは、
首や肩の辺りから、由乃の体を揉みほぐし始めた。

「ちょ、ちょっと、くすぐったいって」
「ほら、諦めなさい。
 大人しくしてれば、すぐに気持ち良くなるわ」

ちさとさんは笑ってる。絶対、わざと言葉を選んだ。

「な、何てこと言うのよ……あ、そこっ……!」
「ここが感じるのね? ほら、だいぶ硬くなってるわ」
「あ、うう……」
「どう? 私、結構上手いでしょ」
「うん……正直、気持ち、いい……」
「もっとしてあげる」

由乃はもう、されるがままだった。
こんなところ絶対に令ちゃんに見られるわけにはいかない。
そう思った。
972963:03/12/14 01:55 ID:k/0M6Khr

止めるべきか……いや、止めるべきだ。

「もっと上……あ、そこ……」
「痛くない? 由乃」
「大丈夫、もっと強くしていいよ……
 はぁ、ちさと、いいよ……凄くいい」

止めなければいけないんだけど……
どのタイミングで……?
何と言って踏み込めば……?

「気持ちいいよぉ……」
「これから毎日してあげるわよ」

部の首脳陣のミーティングが終わり、由乃の様子を見に来た令は、
2年生部屋のドアの前で入るに入れず、
中から聞こえる声に耳をそば立てて、
顔を真っ赤にしているのだった。
973963:03/12/14 01:58 ID:k/0M6Khr

以上です。
ライバル=一番の友人になり得る体育会系のノリで……。
レディゴの姉妹二人三脚の時、
きっとちさとさんは黄薔薇姉妹を思い切り応援していたんだろうなぁと、
勝手に思っています。
974名無しさん@ピンキー:03/12/14 02:14 ID:Xxph/OAB
GJ!いろんな意味で王道ものだね。てかワロタwうまいな。
975名無しさん@ピンキー:03/12/14 02:15 ID:cG3lU7/s
乙〜
オチにワラタ
このカプもなかなか(・∀・)イイ!!
976灰色の日傘:03/12/14 06:16 ID:BpHXARbu
では新スレを記念して一発。(前スレにも同じ事を書いた気が…)

聖さま黒仕立てX祥子さま です。
今回ぶんはやはりエロがなくて申し訳ないです。

時期はレイニーブルーの最後辺りから。

メル欄はshinoと入れてあります。
977名無しさん@ピンキー:03/12/14 06:17 ID:BpHXARbu
しまった!
新スレに投下します。


はずかし〜
978名無しさん@ピンキー:03/12/14 06:21 ID:4YAbp5BA
>>976
│∀・) ミタヨ…

新スレで会おうw
979名無しさん@ピンキー:03/12/14 06:21 ID:VPfWeqBo
>977
まぁ、がんばれ
980名無しさん@ピンキー:03/12/14 17:35 ID:QlOagOu9
>>963
ちさとたん(´Д`*)
981名無しさん@ピンキー:03/12/14 23:54 ID:X08D7iDj

愛するがゆえに近づくことが出来ない。
私の想いがきっと彼女を困らせる。
彼女のことを知りたい。

でも私のことは知らないで欲しい。
秘めた想いも欲望も全部、
愛している、あなたを・・・。

片思いでいいから。
そう、両想いになんかならなくていい。
彼女を茨の森に引きずり込むことは出来ない。
私のプライドに掛けても、友達の一線を越えてはいけない。

嫌われたくない、特別じゃなくていい。
他人に悟られてもいけない。
友人以上の感情・・・好きという気持ちを・・・。
982981:03/12/14 23:57 ID:X08D7iDj

彼女のことが気になって仕方が無い
臆病で繊細で傷つきやすい人、
意地っ張りで寂しがりやのあなた

私の言葉が・・・
あなたの心に届いているかしら

2人の関係は以外だった。
・・・、あの人が執着するなんて。
あれほど激しい気性の持ち主だったなんて知らなかった。

私とは正反対なあなた、だから目が離せない。
切なくなる、少しでも近くにとどめて置きたい。
彼女の足かせになってしまっても・・・。

はじめは山百合会のため、友人として気に掛けていたと思っていた。
しかし、誰にも感じたことの無い想いの強さに私自身がとまどっていた。
983981:03/12/15 00:00 ID:M2bTWrOz

周りの人は私のことをしっかり者を言う。
そうなのかもしれない。
私はこの年頃の女の子としてはしっかりしていると思う。

今更変われるものではない。
身近にいる人がしっかりしないから
私がしっかりしなければいけない。

自分に大きな不満があるわけじゃないし、
それなりに愛情もある。

私は特別なんかじゃない。
優等生なんて呼ばれていても努力で身に付けたもの、
本当の天才には勝てない。

そう、必死で努力した結果だけ見ているから。
そんな風にみえるだけ、私はまだ弱い子供にすぎない。
今は力を付けなければならない。
誰にも負けない、実力を・・・。
984名無しさん@ピンキー:03/12/15 00:06 ID:M2bTWrOz

他人に隙を見せないように・・・というよりも
お姉さまが自分に言い聞かせるようにつぶやいてた。
「他人の干渉を受けたくなければ自分がしっかりすればいい。
最低限の役割をこなせば自由になれるからね。」
この言葉を覚えていたのかもしれない。

それとも彼女を見つめ続けることが苦しかったのかもしれない。
私のプライドに掛けても、友達の一線を越えてはいけない。

特別じゃなくていい。
友人でいた方がいい。
臆病かもしれないけど、
友人以上の感情・・・溢れてしまう前に、離れてしまいたかった。

彼女と会った後はいつも自分に呼びかける。
「ねぇ、私はいつも道理の私だったのかしら。」
985名無しさん@ピンキー:03/12/15 00:09 ID:M2bTWrOz
上げてしまった・・・ゴメン。
とりあえずこれで終わりです。
失礼しました。
986名無しさん@ピンキー:03/12/15 00:15 ID:7Qr7mXIa
ぬぉ、誌的ですね('∇')
次スレでも皆様の御活躍を期待しております。

では、埋め立て作業入っていいですか?
と言うか入ります。
987埋めのための駄文:03/12/15 00:17 ID:7Qr7mXIa
年が明けると私たちは、体育の授業で銃の扱い方を教わるようになった。
988埋めのための駄文:03/12/15 00:17 ID:7Qr7mXIa
幾つかの組織から次々と、この国に対するテロの予告が発せられて、
一般の国民にも最低限の自衛のための自衛教習を行うことが、
学校・企業・自治体等に課せられたからだ。
989埋めのための駄文:03/12/15 00:18 ID:7Qr7mXIa
リリアンはカトリックの学校であると共に、
生徒の内には政治的にも経済的にも
ある程度以上の力を持っている人物の親族が少なくない。
だから陸上自衛軍から大勢の隊員が講師として派遣されて、
何度もかけて授業内容を変更して、教習が行われた。
990名無しさん@ピンキー:03/12/15 00:18 ID:A0dvT/Lu
>>985
ええ、こういった作品も悪くなくてよ。
ところで、そろそろ埋めてもいいのかしら?
991埋めのための駄文:03/12/15 00:19 ID:7Qr7mXIa
丸い的に向けて銃を撃つのは何とかなったけど
――もちろん当たらなかったんだけど――
人の形をした的を狙って撃つのは、とても嫌だった。
992埋めのための駄文:03/12/15 00:20 ID:7Qr7mXIa
ロープを使った行動や、
近くで爆発が起きた時の行動の訓練等、
体力を問われる教習の辛さは、
普段の体育とは比べ物にならなかった。
993埋めのための駄文:03/12/15 00:20 ID:7Qr7mXIa
自衛軍の講師の人たちはとても怖かった。
殴ったりこそしなかったけど、とても大きな声で怒鳴った。
生理で見学したいという生徒がいたのだけど、
では貴様は生理の間にテロに逢ったら何もせずに死ぬのか、
と問い詰められて、泣きながら教習に加わっていた。
994埋めのための駄文:03/12/15 00:21 ID:7Qr7mXIa
学校の警備も大幅に厳しくなった。
校門は勿論、敷地内のあちこちに門(ゲート)が設けられ、
行き来する度に、精密に作られた新しい生徒証を確認されなくてはいけなかった。

この国とこの学校は、確実におかしくなってきていた。
995埋めのための駄文:03/12/15 00:21 ID:7Qr7mXIa
そんな中、来年度の生徒会役員選挙が行われ、
ロサ・カニーナと称して立候補した蟹名静さまを下して、
祥子さま、令さま、志摩子さんの3人が当選した。
3人が公約とした方針は、リリアンを元のリリアンに近付けること。
一方、ロサ・カニーナは、
時代の変化に応じて自分たちの身は自分たちで守るべきとして、
警備の強化と生徒への自衛教習の充実を訴え、敗れた。

そして、事件は起こった。
996埋めのための駄文:03/12/15 00:22 ID:7Qr7mXIa
2月14日、バレンタインデーの放課後。

この社会を包む閉塞感の中、少しでも明るいイベントを、
と新聞部と山百合会が合同で開催した、
バレンタイン宝探しイベントの真っ最中。
ロサ・カニーナとその支持者たちは武装した集団を率いて高等部の要所を占拠。
高等部校長の名において、山百合会幹部選出に関わる校則の改定を発表させた。

校則の改定が発効し、現在の山百合会幹部の生徒証が権限を失ってしまえば、
学園の実権はロサ・カニーナの手に落ち、リリアンはもう天使の庭には戻らない。

期限は、翌日の始業時。
997埋めのための駄文:03/12/15 00:23 ID:7Qr7mXIa
三人のつぼみや白薔薇さまが居る薔薇の館は包囲されている。
学校の敷地も翌朝まで完全に閉鎖された空間と化した。

校舎のどこかにいる黄薔薇さまと、由乃さんと、
蔦子さんや真美さん、
そして事件発生時には学園内に居なかったはずの紅薔薇さまと、
何とか協力しないといけない。

学園長を探し出して、お守りして、
それからタイムリミットまでにロサ・カニーナを……倒して、
そしてみんなを助けるんだ。
998埋めのための駄文:03/12/15 00:23 ID:7Qr7mXIa
「ごきげんよう、紅薔薇のつぼみの妹」
「お姉さま、ご無事ですか!?」
「言え……藤堂志摩子はどこにいる!?」
「行きなさい、祐巳、私たちのために行きなさい!」
「絶対に、死ねない……」
「私はただ、あなただけを見ていたんです……白薔薇さま」
「1人、犯しなさい。映像と音声を校内に流して」
「令ちゃん! 令ちゃん! 嫌、イヤ、いやぁぁぁぁぁぁ!」
「マリアさま、どうか子羊たちを見守っていてください」
「ヒーローはお姫様の最大の危機にならないと駆け付けないものなんだよ」
「あなたに撃てるの! 私を撃てるっていうの!?」
「大好きでした……さよなら」
「蓉子……今、いくよ……」
999埋めのための駄文:03/12/15 00:24 ID:7Qr7mXIa
『逆襲のカニーナ 〜リリアンの一番長い日〜』

 近日公開……されるかも

(注:公開されません。今更ですが私は静さまファンです。
 では、ごきげんよう)
1000埋めのための駄文:03/12/15 00:25 ID:7Qr7mXIa
次スレもお楽しみに!

マリア様がROMってる〜いとしき蜜月(後編)〜
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1071321750/
10011001
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。