194 :
134:
「全部綺麗になってしまっていますか。強力すぎる洗浄剤というのも問題ですね。折角、
凛さんの腹黒さの具合がよく分かると思ったのに」
凛の身体から吐き出されたものを、丁寧に観察しながら夕菜は残念そうに呟く。
巨大な水槍で不浄の穴を刺し貫かれた衝撃で、お腹の中の物を全て体外にまき散らして
しまった凛は、磔にされた状態のまま全身を弛緩させ、視線を虚空に彷徨わせている。
白魚のようだった少女の肌は、熱を帯びたように真っ赤に染まり、時折思い出したよう
に、痙攣を起こしている。
しかし魔神の化身たる少女の責めは、それでもなお容赦なく続く。
「おかしいですね、凛さんの肛門から捻り出されたものだけなら、こんなに粘り気のある
液体が吹き出ているわけはないんですけれど?」
夕菜はそう云うと、その股間で粘り着く、熱気の籠もった液体を嘗め取った指を、凛の
眼前に見せつけるようにする。
「ご理解されましたね? 凛さん、貴女にとっての和樹さんというのは、ただ凛さんの雌
としての本能を満足させる為の、雄の機能を備えているだけの肉塊に過ぎないんです」
凛は己の愛液にまみれた夕菜の指から、弱々しく視線を外すことしかできない。
「分かりますか? 凛さんの気持ちは獣としての原始的欲求なんです。凛さんだけじゃあ
りません! 玖里子さんも、千早さんも、舞穂ちゃんも全部同じです。
そう、この世の中で和樹さんのことを本当に愛しているのは私だけなんです!」
勝ち誇ったような声が薄暗い小部屋に響き渡る。
しかしその夕菜の言葉が、魂を消し飛ばしていた凛の瞳に、再び光を灯した。
195 :
134:03/12/17 20:46 ID:BESQXtcR
肉体の陵辱よりも、この気持ちが、和樹に対する気持ちに泥を塗られることの方が凛に
はずっと耐えられなかった。
残り少ない魔法を使ってまで義兄を月へと送り届けてくれた和樹。
とても食べられない弁当を、まずいまずいと云いながらも最後まで食べてくれた和樹。
軟弱者で、鈍感で、それでも触れていると、とても温かい気持ちになる和樹。
そんな和樹のことを凛は・・・
「そうでした。元々凛さんは和樹さんのことが殺したいほど嫌いと仰っていましたよね。
あれはきっとの獣欲を最初から自覚していたが故だったんですよ。
凛さんがその本心を明らかにしないまま和樹さんを寝取ろうとするのは、口に出したが
最後、本能のままに突き動く獣になることをご自分で知っているからなんです!」
酔ったように言葉を紡ぐ夕菜に、僅かばかりに生気を取り戻した凛が口を開く。
「わ、私は・・・」
いまの夕菜のことだ。こうやって挑発しておいて本心を露わにしたが最後、凛に制裁の
一撃を喰らわすだろう。しかし言葉にしないわけにはいかなかった。でなければ、己の想
いが穢されてしまう気がしたからだ。
「私は、私は、私は・・・・・・」
心の底で押し隠していた気持ちが、言霊となってストレートに口をついて出た。
196 :
134:03/12/17 20:47 ID:BESQXtcR
「私は式森のことが好きです!」
最後に残った羞恥と躊躇いを振り払い、凛は想いの丈を籠めて叫ぶ。
「夕菜さんにどんなことをされようとも、私は式森が好きです!
こんな歪んだ形でしか愛情を示すことが出来ない夕菜さんよりも、ずっとずっとずっと
式森のことを愛しています!」
・・・・・・予測された夕菜の致命的な一撃は、振り下ろされなかった。
「そうですか。よく分かりました」
凛の初めての告白を、しかし夕菜は軽く頷いただけで受け止める。
それどころか、後光の差すような笑顔を浮かべ、思い出したように云う。
「そうそう。凛さん、最初に聞かれましたよね、和樹さんが今どうしているのか?」
「・・・?」
夕菜が言い終えると同時にその頭上に光球が出現する。
燦々と太陽のように輝く炎は部屋を真昼のように照らし上げ、その様子が露わになる。
虚ろだった凛の瞳が大きく見開かれ、つい先程までは漆黒の闇で覆われていた、夕菜の
背後の一点に注がれる。
そこには・・・・・・
197 :
134:03/12/17 20:48 ID:BESQXtcR
「・・・い、い、いやゃゃゃぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!」
それまで如何なる攻めにも耐えていた凛の精神が、夕菜の背後にいる人影を認めた瞬間、
粉微塵になって崩壊した。
「見るなっ! 頼むから見るなっっっ! お願いだから見ないでくれぇぇぇぇっっっ!」
磔にされ、動く筈のない全身をばたつかせ、瞳から爆発的に透明な涙を噴き零しながら
凛が哀願する。
だが夕菜の背後、魔法により隠されていた、透明な氷柱状の空間に閉じこめられた人物
は身動き一つせず、凛の恥態を凝視していた。
「お願いですから! 土下座でも何でもしますから! 何でも云うことを聞きますから!」
目の前の少女の瞳が絶望に染まり、その強靱な意志が完膚無きまでに破壊し尽くされた
のを至福の笑顔で迎えた夕菜は、囚われの人影に向かい優しく問いかける。
「・・・という凛さんからの熱い告白がありましたが、正直に言って凛さんのことをどう
思っていらっしゃるんですか、和樹さんは?」
夕菜の魔法で瞬き一つすらできぬ状態にされた和樹が、そこにはいた。
198 :
134:03/12/17 20:52 ID:BESQXtcR
・・・見られた!
・・・聞かれた!
淡い思いを寄せていた少年に、最も見られたく姿を晒し、最も知られたくない言葉を聞
かれた凛の精神が、ぼろぼろと音を立てながら崩れ落ちていく。
その光景を心から幸せそうな笑顔を浮かべながら見守った夕菜は、氷柱状の空間に全身
を擦りつけるようにしながら「和樹さんは」と、残酷な問いを発する。
「ベヒーモスの舌に嘗められて感じてしまう淫獣女なんて、触れたくもないですよね?」
驚愕の表情を貼りつけたままの和樹の首が、上下に、肯定を示す動きをする。
冷静なときの凛ならば、明らかに魔法によりその意志に反した動きと看て取れただろう
が、魂を砕かれた少女にはそれすら叶わない。
「人前で愛液や糞尿を垂れ流してしまう変態女なんて、口も利きたくないですよね?」
和樹の必死の抵抗にもかかわらず、しかし残酷にその首は縦に激しく揺られる。
そして魂をずたずた切り裂かれた少女は、弛緩しきった己の股間にあてがわれた、男性
器を象った巨大な水槍にも気が付かない。
「水槍で処女膜を破られて達してしまう淫乱女なんて、顔も見たくないですよね?」
地上に降り立った天女のような笑顔で夕菜が語りかけると同時に、凛の一番大切なとこ
ろに無惨に水槍が突き立てられる。
己の身体を引き裂くあまりにも残酷な音とともに、凛の意識は虚空へと墜ちた・・・。
199 :
134:03/12/17 20:54 ID:BESQXtcR
「・・・凛ちゃん、凛ちゃん、そろそろ起きないと」
「!?」
肩を揺すりながらの優しい呼びかけに、文字通り凛は跳ね起きた。
「ど、どうしたの!?」
危うく座席から跳ね飛ばされそうになった和樹が叫ぶ。
・・・ざ、座席?
ようやく凛にも周囲の状況がはっきりしてくる。
「映画、もう終わっちゃったよ。ひょっとして・・・面白くなかった?」
「・・・い、いや。そんなことはないんだが・・・」
ゆ、夢だったのか。私はまだ式森と映画館にいるんだ。
背を伝う冷たい汗を感じながらも、凛は安堵の溜息を大きく吐き出す。
しかしなんて云う夢を見たんだろう。夕菜さんの恐ろしさはいつもと変わらないが、あ
んな淫らな夢を見た上に、私が式森のことを好きなどと。
我知らず、顔を真っ赤にし、そっぽをむいてしまった凛に対して、訝しげに、しかし温
かい笑顔を浮かべながら、和樹が嬉しそうに云う。
「行こう! 凛ちゃんがお気に入りの店に連れてくれって云うんで楽しみにしていたんだ」
差し出された和樹の掌を、躊躇いながらも、しかし、凛はしっかり握ると二人は夜の闇
へと消えていった・・・。
夜の町へと消えていった二人の背後に、闇よりも更に深い、漆黒の闇が舞い降りる。
「・・・そう簡単に楽になれると思って貰っては困ると云った筈ですよ。
魔淫の宴は、朝の来ない夜は、まだまだ始まったばかりなんですからね、凛さん」
そう呟いた堕天使が血に塗れたような唇を歪めたのを、二人はまだ知らない・・・。
200 :
134:03/12/17 20:54 ID:BESQXtcR
以上でした。
拙い初エロSS、最後まで読んで頂いた方、どうも有り難うございました。
エロ物がこんなに難しいとは思ってなかったです、はい。
凛たん、原作の方ではキシャーなんてさしおいて幸せになって欲しいものですが・・・
御免なさい、凛たんファンなんです<自分。
で、こんな類でよければ、いずれ再参戦させて頂こうかと。
でも「豹変した和樹が女性陣を〜」という展開を考えると、自分の脳内ではどうしても
「キシャーに操られて」とか「キシャーに脅迫されて」とかいうシチュエーションしか、
思いつかないのが問題なんですけれど・・・。
とりあえず次にキシャーが獲物と目するのは玖里子さんかな?
や、ご希望が多ければ、ということですが。