『……を蒸留器の中に40日間密封する。液はやがて腐敗し生動し始め、人間の形に似たものがあらわれる。これは透明で実体がほとんどない。この物体を人間の血で養い40週間、馬の胎内に等しい一定の温度に保てば……』
白を基調とした執務室の一角、アンゼロットは古書を置くと溜息をついた。ほっそりした手がティーカップを手にし、フォートナム&メイソンを一口。沈思黙考の態か、ブラックオニキスめいた瞳は厳しく細まっていた。
「アンゼロット様、例の件の適格者は以下の通りとなりました」
壁際に控えていた黒服が進み出、紙束をアンゼロットへと手渡した。アンゼロットは鷹揚に頷き、その書類へと目を落とす。
「ご苦労様です……世界律に沿うのはウィザードでも数十人ですか」
「はい。確実性を重視すれば、さらに十分の一ほどになるかと思われます」
黒服の言葉を耳に、アンゼロットは書類をめくってゆく。日本名、英名、独名……人種国籍を問わず、詳細な解説と共にリストアップされているのは男性のウィザードばかりだ。
また1ページをめくったところで、アンゼロットの手が止まった。そこに記されているのは、少し斜に構えた、なかなかの美形少年一人。アンゼロットはその項目を数秒じっと見つめると、優美に立ち上がる。
「ではこの人物で。もうすぐ任務終了のようですし、こちらから出向きましょう」
「心得ました」
アンゼロットの指令と共に、黒服たちが動き出す。アンゼロットが書類を黒服に渡した時、それがばさりとめくれた。
今回の目的となる少年のパーソナル・データ。そこには、柊蓮司なる名が記してあった。
柊蓮司は浮かれていた。「フレイスの炎砦」「黒き星の皇子」「スルトの剣」という世界の危機三つを乗り越え、出席日数ギリギリながらもなんとか学校へ戻ってこれたのだから。
くれはと別れ、意気揚々と廊下を歩む。まだ朝の登校時間。いつもなら生徒で騒がしい廊下が妙に静かだが、そんなことは気にしない。目の前には自分のクラスの扉。深呼吸して扉にかけた。
「みんな、おはよう!ひさしぶりー!」
「おはようございます、柊さん」
「おお、おは……」
元気な挨拶と共に入室。透き通った少女の声が返答する。柊は笑顔でそちらを見やり――硬直した。
「此度の任務、お疲れ様でした。今は、疲れた身体を癒すことだけを考えてください」
湯気の出るティーカップを持ったまま、ゴシック装束の少女――アンゼロットは微笑んだ。唖然呆然とする柊は、あまりのショックに扉脇で固まったままだ。
「どうかなさいましたか?」
アンゼロットが小首を傾げ、机にもう一つのティーカップを置くと紅茶を注いだ。また数秒。茫然自失の態からようやく回復した柊は、怒鳴る気力も無いのか扉に向かいさめざめと泣く。
「……またか、またなのか……単位、出席日数……」
「……紅茶、お飲みになりますか?」
アンゼロットは身振りで席に着くよう促す。柊は半ば死人の態で着席すると、紅茶をまじまじと見つめた。
「毒、入ってないよな……」
「ご安心ください。それに、今回は任務のお願いではありませんから」
にっこりとアンゼロットは笑む。柊は溜息をつくと紅茶をすすり、眼前の少女を見つめた。
「任務じゃないって言われてもな……で、何の用だ?」
「すぐわかります。もう準備は済んでいますし、手間はかけさせません」
「ふーん。まあ、出席日数足りれば……あれ?」
くらり。言いかけたところで、柊は眩暈を感じた。頭の中がぐるぐるまわる感覚。呆として手足が思うようにならない。
「あら、効いてきたようですね」
「お、おい。毒は入れてないって言ったろうがっ!?」
「毒ではありません。ちょっとした痺れ薬です。大丈夫、後遺症はありませんから」
しれっと言い切るアンゼロット。やっぱり毒じゃねえか、と心の中で叫びつつ、柊の意識は闇の中へ堕ちていった。
「っ……どこだ、ここ……?」
背中に冷たい感触を感じ、柊は目を覚ました。意識はぼんやりしつつも、基本的にははっきりし、手足の感触もある。頭を振って、記憶を辿った。
(そういや、確か紅茶を飲んだら痺れ薬が……)
「って、学校っ!?」
慌てて身を起こす。途端、両手足を引っ張る感覚。首を曲げてみれば、両手首と両足首が何やら手錠めいたもので繋ぎとめられているではないか。手錠から伸びるのは鎖。天井には見慣れた蛍光灯。どうやら、教室の机をいくつか繋げた上に拘束されているらしい。
「お目覚めですか?」
「おい!これは何のつもりだっ!」
どこからかアンゼロットの声が響く。柊の怒声にも動じず、アンゼロットは涼しげに声を紡いだ。
「そう興奮しないでください。危害を加えるつもりはありませんから」
「ちっ、こんなことされて信用出来るか……って何してるんだお前はあああっ!?」
アンゼロットの声を追うように、視線をむける。間断なく、柊の悲鳴が響いた。なぜならそこには――
――柊のズボンをおろし、トランクスに手をかけているアンゼロットがいたからだ。
「おいこら、何するつもりだっ!」
「当然ナニです」
「アホかあっ!」
「冗談です」
あまりといえばあまりなアンゼロットの答と行為に、げっそりとした表情になる柊。アンゼロットは聖女のような笑みを浮かべると、トランクスに手をかけたまま答えた。
「ホムンクルスはご存知ですね」
「ああ、聞いたことはある。パラケルスの人造人間だったよな」
「はい。そして迫り繰る次なる世界の危機を防ぐためには、ウィザードの精子を使ったホムンクルスが必要なのです」
「っておい、もしかして……」
「ええ。あなたの精子を使わないと世界が滅びます……わかりますね?」
「わかってたまるかバカ野郎ッ!」
「大丈夫です、痛くしませんから」
「人の話を聞けぇぇぇぇっっっ!?」
いくら叫んでも両手両足拘束状態の柊が抵抗出来るはずも無い。必死の絶叫もむなしく、アンゼロットは無情に柊のトランクスをずり下ろした。そこには、萎えているとはいえサイズ大の男性自身が鎮座しましている。アンゼロットが微かに顔を赤らめた。
「あらあら、かわいい」
「あらあらじゃねえっ!てかなんだこれは。恥辱プレイかっ!そうなのかっ!?」
「興奮しないでください。精子を頂くだけですから……」
アンゼロットは妖艶な笑みを浮かべると、細く小さな手で柊のそれに触れた。中指から小指までで竿の部分を包み、人差し指と親指がカリを這いずって刺激する
「だから、やめ……っ……」
柊の口から、思わず間抜けな吐息が漏れた。可憐な少女という外見に似合わず、アンゼロットの手管は手練のそれ。ゆっくりと、時に速く柊のソレをこすり、敏感なカリの部分をつまみ、さする。主の意に反し、柊の男性自身は速やかに屹立し、硬化していた。
「ふふっ、柊さん、真っ赤ですよ?」
「うはあっ……くれは、助けてくれ……」
ちろり。アンゼロットが舌をなめた。意外にサドっ気があるのかもしれないなあ、などと柊は思う。その間にも、責めの手は休むことを知らない。
アンゼロットの繊手は、一旦柔らかく包み込んだ後に、激しく柊の一物をこすりたてていた。びくびくと脈打つそれは、もう射精寸前と一目で判るほどにいきりたっている。
「ではそろそろいただきます。柊さん、無駄な抵抗はなさらないでくださいね」
「……うあ……っ……くそっ、俺、もうっ……!!」
柊が苦悶と快感にまみれた声を出すと同時に、アンゼロットはソレを一層強く握った。柔らかい手にぎゅ、と押され、臨界点突破。ねっとりした白い精液が、柊の一物から溢れ出る。
間欠泉のごとく溢れ出るそれらは、アンゼロットの傍らに置かれた半透明のビンへと自動的に導かれていった。
「はぁ……はぁ……」
「ご協力感謝します、柊さん。これで世界は救われますわ」
いつもの表情に戻って淡々と告げるアンゼロット。柊はもう投げやりなのか、机の上で荒い息をついた後無表情に答えた。
「ああ、もうどうでもいい……とりあえずこの鎖外してくれ」
「はい、今すぐに」
柊の四肢を拘束していた鎖。、アンゼロットは机に近寄ると、柊の手足を捕らえていた手錠の鍵を外した。
どっこいしょ、とばかりに柊が起き上がる。下半身むきだし、上半身制服という姿の柊は、そのまま机の上であぐらを組んで動こうとしない。アンゼロットがまた一歩近寄り、柊をじっと見つめる。
「柊さん、これは必要なことだったのです。今は疲れた身体を癒すことだけを……」
「……」
「柊さん?」
「……ここまで」
「え?」
「ここまでされて我慢出来るかああっ!!」
「きゃあっ!?」
柊は咆哮すると、いきなりアンゼロットを机へと引っ張りあげた。複数の机を組み合わせたそれはかなり広く、アンゼロットの体格には十二分。無理やり引っ張り上げられ、ぺたん、と座る形になる。
「柊さん、何を……」
「ええい、少し黙ってろ!俺はもう堪忍袋の尾が切れた!ウィザードも世界律もエミュレーターも知ったことかあ!!」
プラーナを解放。常識では有り得ない動きで、アンゼロットの両手、両足を先ほどまでの手錠で拘束する柊。ついでにアンゼロットが床に置いていた瓶(柊の精液入り)を奪い取る。
結果、机の上には下半身むき出しの柊と、いつものゴシックドレスに身を包んだアンゼロットが対峙する格好となった。アンゼロットは両手両足拘束され、身動きが極度に不自由な状態である。
「何のつもりですか、これは」
「男と女が教室で二人きり。女のほうは拘束されてて、こっちは下半身むき出しでまだおさまってない。やることなんて一つしかないだろーが」
「な、なんてはしたない……柊さんがそんな方だったとは」
「最初に仕掛けてきたのはそっちだろっ!?」
わなわなと震えるアンゼロットに、柊は怒鳴る。いつもなら平然としてるアンゼロットが、微かに身をすくめたのは気のせいだろうか。
「取り合えず俺の言うことを聞いてもらう。聞かないのもそっちの勝手だが、その場合はさっきの瓶を放り捨てて割っちまうだけだな。そうなったらもう使い物にならないだろ?」
精液入りの瓶を振って悪い笑いを浮かべる柊。アンゼロットは目を細め、冷ややかに見返す。
「私が素直に従うとでも?私が力ずくでそれを取り返せないとでも思うのですか」
「思うね。あんたはこの世界じゃ力を振るえないはずだ。だからこそ俺たちウィザードに依頼してくるんだからな」
「っ……」
アンゼロットは口をつぐんだ。柊の言うことは正しい。アンゼロットは一切の魔法的な力の行使を禁じられている。腕力で柊にかなうはずもないし、そもそも今は拘束状態だ。あの瓶と中身は最重要であり、選択肢は実質的に無い。
「……わかりました。それで、何をすればよろしいのですか」
「そうだな。取り合えず……口でもう一回だ」
「……わかり、ました」
ニヤリと笑みを浮かべる柊は、机にまたがって自身をむき出しにした。対するアンゼロットは形の良い眉を潜め、正座の形になって身をかがめる。拘束されているため、手は使えない。舌と口だけで、柊のモノを慰めることとなる。
「ほら、速くしてくれよ」
催促の声。アンゼロットはおずおずと舌をつきだし、柊のソレに触れた。先ほどは意識しなかったが、間近で見るとかなりの巨根だ。口腔におさまるかどうか疑わしい。
ちろ……ちろ……ゆっくりとしたペースで柊のペニスをなぞるアンゼロット。筋は悪くないが、たどたどしすぎる。必死で舌を動かすアンゼロットを見おろすと、柊は邪悪な笑みをまた浮かべた。
「ほら、舌だけじゃなくて、口もちゃんと使えよ」
「……えっ……んむふっ!?」
柊の右手がアンゼロットの頭をぐいとおさえ、無理やり口内に含ませる。いきなり侵入してきた巨大なペニスの感覚に、アンゼロットは思わずむせこんだ。
目尻に涙が浮かび、頬が恥かしさに上気する。二人の立場はすっかり逆転していた。
「んむっ……っふ……」
アンゼロットの口が上下に動くたび、柊に伝わるかなりの快感。慣れてきたのか、絡みつくような舌の動きが一層の快感をひきたてる。
銀髪が揺れる頭を右手で押さえ込んだまま、柊は左手をわきわきと動かした。このまま遊ばせておく手は無い。手を伸ばし、ドレスの上からアンゼロットの胸をむにゅむにゅと揉みしだく。
「ふーん……結構胸あるんだな」
「……あふ……っ!?ん、んーーっ!!」
柊が押さえ込んでいるため、口を離すことも出来ない。柊の手は意外なほど巧みにアンゼロットの乳房を刺激する。
胸をこねくりまわすと、ドレスの上質な絹の感触が、かえって興奮をそそる。もぞもぞと動く手は、やがて頂上に辿り着くと乳首をぎゅと摘んだ。
「んんんーーっ!!ふぁ、んああっ……!!」
「お口が留守になってるぜ。それに、こんなことされて乳首立てちゃって……」
「…………っ」
柊の言葉通り、ドレスの上からもわかるほどに乳首は屹立してきていた。胸元と乳首から伝わる感覚に、アンゼロットの口はまともに動こうとしない。
柊の言葉に真っ赤になると、アンゼロットは涙目の上目遣いで見上げた。余裕のこもった笑みを浮かべ見下すと、柊はアンゼロットを押さえつけていた手を離す。
「けほっ……柊さん、もういいでしょう……」
手足を繋がれたまま、アンゼロットが弱弱しく言う。凛とした様子はだいぶ薄れてきた。気付いているかないかはともかく、口淫だけでだいぶ弱っているようだ。
「何言ってんだよ。こんなもんじゃ終わらないぜ……っ!」
「きゃああっ!!」
アンゼロットの胸元をつかむと、力まかせにドレスを引き裂く。アクセサリが弾け飛び、清楚な白いブラジャーが覗いた。腰から下、スカートはそのままで、上着だけ破かれたという構図。
下着に包まれた胸は大きすぎず、かといって皆無というわけでもない、いわばお手ごろサイズ。陶磁器めいた真っ白い肌は、艶かしく汗でてかっていた。
「ほら、気持ちよくしてるやるよ」
「あっ……」
柊はアンゼロットの背後にまわりこみ、ブラジャーの上から胸を掴んだ。右手は丁度掌におさまる乳房の感触を楽しみ、左手はスカートから覗くふくらはぎや太股をつたう。ちろちろと、舌はアンゼロットの首筋を責めていた。
「ああっ……はあ……やああっ……」
息も絶え絶えに喘ぐアンゼロット。白いブラジャーをずらすと、柊は生の乳房の感触を楽しむ。胸を揉み、首筋をいじる度にアンゼロットの肌は上気し、息は確実に荒くなっていた。
「何が嫌だよ。こんなになってるぜ?」
「ひゃあっ!?そこ……っ……!」
ピンク色の乳首を摘みあげ、転がす。すっかり充血したそれをいじる度に、アンゼロットは面白いように反応した。
感度はかなり良好、と柊は判断する。太股の感触を楽しんでいた左手をスカートに潜り込ませ、ショーツに手をかけた。アンゼロットが思わず振り向く。
「や、やめてくださいっ!そこはっ!!」
「俺もさっき、やめろって言ったよな。そっちは聞こうともしなかったけどよ」
「あ、あの時とは状況が……ひゃあっ!?」
あられも無い嬌声をあげるアンゼロット。柊がショーツを引っ張り、アンゼロットの秘部に食い込ませたのだ。
「なんだ、もうびっしょりじゃん。ウィザードのお姫様は淫乱、と」
「……ふあああ……やめて、そんなこと言わないでください……」
真っ赤になってふるふると首を振るアンゼロット。柊はかぷりと耳をかむと、黙って中指先を秘部へと挿入した。
「……や……っ!?はぁふっ……あうっ……あああああっ!」
柊の右手は相変わらず乳房と乳首を揉み、摘み、転がし、いじり続けている。舌は首筋を這い、耳をねぶっていた。もうアンゼロットからは喘ぎしか聞こえない。
「本当、凄いな……」
ずぶり、とより一層指先を侵入させる柊。無数のひだが存在する壁面をこすり、指先を曲げてさらに奥へ。同時に、親指と人差し指で包皮をむいてクリトリスを転がす。
「きゃあっ!?そこ、ダメで……ふぁっ、あああっ!そんなところ、いじったら……はんっ!」
全身を赤くして痴態もあらわに悶えるアンゼロット。秘部からは愛液がしたたり、ぐっしょりと机と床をぬらす。教室という空間での行為は、二人を一層興奮させていた。
「ほら、イっちゃえよ」
柊の指がひときわ強く動く。中指にくわえ人差し指を、深くまで突き入れ、クリトリスをを転がした。
「や、はあ、ふあっ!うぁ、やあああーーーーーーっ!!!」
アンゼロットの体ががくがくと震え、反り返る。手足を拘束する鎖に引っ張られ、緊張した姿勢になる体。天を仰いで痙攣した後、アンゼロットはくたりと崩れ落ちた。
「さてと……っと」
「え……?」
呆然自失の態から回復すれば、いつの間にか仰向けになっている柊。アンゼロットはそれにまたがる格好とされ、柊の両手はしっかりと太股をおさえている。破かれたドレスの前面と、中途半端に脱がされ愛液で濡れたショーツが淫猥だ。
言うまでも無く、柊からはスカートの中身は丸見え。夢うつつな瞳で見やるアンゼロットは、今の状況に気付いて正気を取り戻す。
「ひ、柊さん。何をするつもりなのですか!」
「え?見ればわかるはず。ナニに決まってるだろ」
「っ……!やめてください、もう十分でしょう!それに、イってすぐは……」
「俺がまだイってない。それにもう、止められねーよ」
がっしとアンゼロットの太股を捕獲すると、引きずり下ろしてゆく柊。アンゼロットも必死で抵抗するも、かなうはずがない。ぴたり。ペニスがアンゼロットの秘部に触れたところで、ふと柊の動きが止まった。
「本当に、やめてほしいのか?」
「こ、こんなこと、許されることでは……」
「そうじゃなくて。ここまで来てやめていいのかってことでさ」
「…………」
アンゼロットは俯く。先まで嬌声をあげていた自分を省みると、やめてくれとばかりは言えない。それに、気持ち良いのも事実だ。かといって、首肯するわけにも……
「……………………」
「だんまりか。まあいいや、じゃあ合意の上ってことで」
「え、ま、待っ……きゃああああっ!?」
だんまりを決め込んだアンゼロットに対し、柊は容赦なく出た。未だひくひくとしている秘部に、容赦なく自分のペニスを挿入する。騎上位の形。重力もあいまって、アンゼロットの秘部は柊の一物を一気に呑み込んだ。
「はっ……はあ……っ……!」
モノの太さと衝撃に、息も絶えなばかりのアンゼロット。一方、しとどに濡れた秘部は、愛液が潤滑油の役目を果たして意外なほどスムーズだ。柊はアンゼロットの太股を力強く抱えた。
「動かすぜ」
「ひゃうっ!?あっ、あぐっ……ふあはああっ!!」
アンゼロットを持ち上げ、そのまま重力の助けを借りて突き落とす。ピストン運動の容量で突き上げ、かき回す。ギシギシと、アンゼロットを拘束している鎖がきしんだ。
「んふ……はぁっ……!」
下から掴んで乳房と乳首をこねくりまわす。指先が触れ、腰が動くたびにアンゼロットは喘いだ。目元からは間断なく涙が流れ、美しい面を濡らしている。
(けっこー興奮すんな、これ……)
柊はそんな感想を抱きつつ、アンゼロットを責め続ける。長い銀髪が揺れ、全身に光る玉の汗。いつしかアンゼロットは、自分から腰を振りはじめていた。
「はあっ、ふあっ、ひうううっ……柊さん、もう、私……っ」
「ああ、俺もこれ以上は……それじゃ、一気に中にいくか!」
アンゼロットの締め付けは凄まじい。柊ももう限界が近かった。がっしりとアンゼロットの下半身を押さえ込み、強く腰を打ち付ける。
がたがたと机が揺れ、鎖がきしんだ。教室にこもる匂い。
「……ふぁ……あ……あああああ!!中は、中はダメです……ひあっ、ふああっ!!」
言葉とは裏腹に、最早快感を貪るとしかいえないアンゼロットの動き。柊も絶頂に達しようとしていた。
「くっ!俺も、もうそろそろ……!」
「ああっ!わ、私も、もう……はあああああーーーーっ!!」
「――っ!!」
より一層高い嬌声と共に、アンゼロットは二度目の絶頂に達した。同時に、柊もまた大量の精をアンゼロットの膣内に放つ。
「はあ……はあっ……柊さん……」
くたり、と。アンゼロットが倒れこんできた。柊はそれを受け止め、濃厚なディープキスを一つ。アンゼロットも唇を貪る。
淫猥な匂いこもった部屋で二人が立ち上がったのは、それから数十分もした後であった――
――なお、後日談だが。柊が定期的にアンゼロットに呼び出されるようになったり、、二人がいたしている場面をくれはに見つかって物凄いことになったりするのだが、それはまた別の話。