【ママレ】吉住渉作品のエロパロ【ウルマニ】

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659名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 16:55:31 ID:W3O4897V

一哉×未央が読みたいですΣ(>人<)
660名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 07:12:29 ID:zPsZDWC3

なんといっても光希x遊が禿げしく見たいです
661652 男:2005/12/08(木) 21:44:49 ID:qYI1ezBJ
 そりゃ、女のほうが多いか。男は、アニメになった
ママレ、ウルマニ派が多そうだな。
662名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 21:26:42 ID:UTFhDxaL
178さん、続きが読みたいな★
663名無しさん@ピンキー:2005/12/13(火) 21:27:21 ID:UTFhDxaL
178さん、続きが読みたいな★
664名無しさん@ピンキー:2005/12/15(木) 02:27:27 ID:2WwrhHCT

メインカプでメロメロになるのも好きだがそのネタ系やバッドエンドも好きだし
マイナーカプや名無し陵辱も想像の楽しみがあって好きだ

という訳でウルマニ亜由たんか織原(だっけ?)希望
665名無しさん@ピンキー:2005/12/23(金) 22:43:53 ID:adRunZtA
クリスマスとか、ニューイヤーネタとかもいいな。
666名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 02:22:24 ID:TwCrkA9x
667名無しさん@ピンキー:2006/01/05(木) 12:39:35 ID:4vzGHnjE
新年保守上げ
668名無しさん@ピンキー:2006/01/09(月) 09:48:54 ID:S1Y4LK2R
>>661
俺も男だがやっぱりママレ派だな。ウルマニは全く見て無いから知らん。
つか男なら大体ハマるのはママレぐらいじゃね?
日曜朝は絶対に起きて見てたからなあ・・・
669名無しさん@ピンキー:2006/01/10(火) 05:43:08 ID:TUjCaGOY
ウルマニはアニマックスだから男もそれなりに見てたと思ってたんだけど
仁菜の設定とか明らかに狙ってたし
670名無しさん@ピンキー:2006/01/12(木) 16:41:45 ID:orjJL2at
佐々×女装のえるキボンヌ
671名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 20:03:09 ID:vNPhG24b
178さん、ひょっとしてもう続かないの?だとしたらショック・・・・
672名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 22:04:28 ID:kX5F+blP
673名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 22:55:16 ID:d1VZvvwR
hoshu
674名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 20:49:11 ID:MIf4xgsk
収目線→理花です。



何をそんなに悩んでるん?

どうして一人で泣いてるん?

こんなに側におるのに・・・俺はそんなに頼りにならへんのかな?

気づいてないんかもしれへんけど  理花って結構喜怒哀楽がわかりやすいんやで?
そやからな“どないしたん?”って聞いて“何もないよ”って言われるとすごく悲しいんよ

理花の力になりたいのに
この手で支えてあげたいのに
俺には何もできないんじゃないかって、不安で切なくて泣きそうになるんよ


いつだって理花の側におるよ
何があったって理花の味方でおるつもりや
そやから・・・胸に抱えてるものを俺にも持たせてくれへん?
どんなに重くても大丈夫やで
二人で持てばどんなに楽になるか・・・
教えてくれたんは理花やったやろ?


これからもずっと一緒に歩いていくんやで、俺たち
理花が嫌やって言うても離さへん
もう俺からは逃げられへんよ?


そやから、観念して言うてみ?

最後までちゃんと聞いてあげるから
理花の気持ち、全部受け止めるから


どうか・・・どうか理花の『真実』を見せて


そして、いつか心から笑おう
笑いながら、二人歩いて行こう
675名無しさん@ピンキー:2006/02/02(木) 10:57:54 ID:yLXf5NcX
ほのぼのあげ
676名無しさん@ピンキー:2006/02/04(土) 01:15:18 ID:6wR1BTii
「…やっぱり」


ギュっと瞑っていた目をそっと開けると予想通りの反応だった。
理花はそのまま座り込み、押し寄せてくる不安に襲われる。
手に握っているものをもう1度見つめ、愛する人の顔を浮かべた。


「赤ちゃん、出来ちゃった…」
陽性の反応が出た検査薬を持ったまま、暫くトイレの中で座り込んでいた。
この事を何て話せばいいんだろ?
お腹の子の父親となる人の顔を浮かべては、溜め息を吐く。


すると丁度、玄関の扉が開く音が聞こえた。
理花は手中の物を慌ててポケットに突っ込み、すぐさまトイレから出た。


「お帰り、可児くん」
「お、ただいま」
疲れた表情を見せていた収の顔が、パっと明るくなる。

「わざわざ出迎えてくれたん?」
そう笑いながら言う。
同時に理花も嬉しさを感じるが、先程の検査薬の結果を思い出し表情が曇った。


「理花?どうしたん?」
異変に気付いた収は、理花の顔を覗き込む。
「ううん。何もあらへんよ」

そう言っていつものようににっこりと微笑むと、収は理花の頬を撫でた。
手のひらから収の愛情が伝わる。
思わず泣きそうになりながらも、理花はぐっと涙を堪えた。


収と理花は付き合い始めて約8年程経つ。
大学を卒業した2年前から同棲生活を送っていた。
それなりに愛し合い、喧嘩もする。


2人にとってお互いの存在は特別なもの。
だから余計に今の関係が壊れるのが怖い。
もし赤ちゃんの事を可児くんに話して困らせてしまったら…?
愛しているからこそ言い出せない。
理花は押し寄せてくる不安に恐怖を感じた。


「なぁ、来週の日曜の午後って空いてる?」
お互い向き合ってテーブルを囲み、夕食をとっていると突然収が口を開いた。
「特に予定は無いけど…何で?」
「その日の午後オフになったんや。たまには外でデートしようや」
「ほんまに?」
「ああ、いつも家ばっかやからな。外で待ち合わせしよ」
「…嬉しい!楽しみにしてるね」

子供のように無邪気に笑う理花に、収は思わず笑みを零した。
「俺が惚れ直すくらい、お洒落して来ぃや」
677名無しさん@ピンキー:2006/02/04(土) 01:24:15 ID:6wR1BTii
そして日曜日、理花は指定されたショッピング街で収を待つ。
ショーウィンドーに映る自分の姿を見つめ、身なりを整えた。

久々の外でのデート。
同棲を始めてから2人で出かける事もあまり無かったので、余計に胸が弾む。

だが約束した時間を10分過ぎているのにも関わらず、来る気配も無ければ連絡も来ない。
仕事が延びてるんかな?
そう考えていると鞄の中の携帯が震え始めた。

「もしもし?」
「俺や、俺」
「…どちらの俺様?」
少し怒ったような素振りを見せると、収は笑いを含みながら謝る。
「ごめん。あと15分でそっちに着くからもうちょい待ってて」
「これ以上遅かったら帰るから」
そう冗談交じりに言うと、収は笑い、こう言った。
「我が儘なお姫様やなぁ」
そう言われ電話を切る。
収が来るまでの時間を潰す為、近くのショップを回り始めた。

洋服、アクセサリー、バッグ、靴…
様々な品物が目に入って来る中、理花はある場所で足を止めた。

「赤ちゃん…かぁ…」
理花の目の前には小さな赤ちゃん用の服やサンダルなどが綺麗に並べてある。
店の中では幸せそうな若い夫婦らしき男女が、小さな靴を手に取り笑あっていた。
そんな光景を見て理花は思わず自分のお腹を意識し、優しく撫でた。

「あ、こんな所におったんか」
背後から聞き覚えのある声がして振り返る
そこには、サングラスをかけた男が立っていた。

「可児くん…」
「頑張って早く着いたっつーのに理花が居ないから探したんやで」
「あ、ごめん…暇やったから…」
「まぁ原因は俺やけどさ」
収はそう言うと、店内を見渡した。

「ベビーショップか…何やこれ、小さっ。かわええな」
「そうやね…もう行こっ!」
何となく居辛くなり、理花は収の手を引っ張り歩き始めた。
「何やねん、急に」
「…せっかくのデートやもん。時間が勿体ないやん?」
理花は無理やり笑って収の顔を見る。

「あ、もしかして理花は赤ちゃんが欲しかったんかぁ?何なら今夜にでも協力するでぇ」
おどけた様に言う収の姿を見ると、益々本当の事を言えなくなる。
どうして良いのか分からない。


「…って何で泣いてんねん!」
頭の中が混乱した理花は、自分でも気付かないうちに涙が零れ始めていた。
「ごめ…何でも無いから」
口では大丈夫と言いつつも止まる事のない涙。

「取り敢えず、何処か入るで」
収はそう言い、近くのカフェに入った。
678名無しさん@ピンキー:2006/02/04(土) 01:28:47 ID:6wR1BTii
「…大丈夫か?」
「うん…ありがと」
理花は涙で濡れたハンカチを握り締めたまま、俯いている。
「なぁ理花、顔上げてみ?」
その優しい声でそっと顔を上げる。
目の前には真剣な表情の収が居た。
「何があったか分からんけど…泣いた理由、俺に話してくれへん?」
そう収に促されるが、簡単に打ち明けられる理由ではない。
理花は再び俯き、黙りこくってしまった。

そんな様子を見た収は、もう1度言った。
「理花の事は何でも知っておきたいねん。なぁ、話してくれへん?」
そう強く言われ、理花はゆっくりと顔を上げる。
「…おどろかんと、聞いてくれる?」
「おう」
理花は1度ギュっと目を瞑り、収の目を見て言った。

「赤ちゃん…出来たん…」
「…え?」
「せやから、可児くんの赤ちゃん…出来たん」
勇気を出して本当の事を口にする。
事実を知らされた父親はポカンと口を開けていた。

「ほ、ほんまに?」
理花は黙って頷く。
すると収は力が抜けたように一点を見つめていた。
「何やねん、それ…」
困惑の色を見せる収に、理花は再び涙で頬を濡らす。
「って、何でまた泣くん?!」
「だって…やっぱり迷惑なんかなぁって」
「…そんなわけないやろ!」
急に真面目な表情で収は言い切った。
679名無しさん@ピンキー:2006/02/04(土) 01:30:02 ID:6wR1BTii
「ただ、俺の今日の計画が狂っただけや」
「け、計画…?」
すると収はポケットの中から小さな箱を出し、それを開けた。
「え、これって」
「ちょっと順番が逆になってもうたけど…俺と結婚してくれへん?」
この急展開な状況に理花の頭はついて行けず、ただただ収の顔と目の前に出された指輪を見つめるだけだった。

「理花…俺じゃアカン?」
収のその言葉でハっと我に返り、首が痛くなりそうなくらいに横に振った。
「あたしで…ええの?」
不安げに尋ねると小さく微笑んだ。
「理花やないと、俺がアカンの」
そう言って収は理花の左手を取り、美しく輝く指輪を薬指にはめた。
「もう1回聞くで。俺の嫁さんになってくれる?」
「…は、はい」

涙を流しながら答えると、収の真面目だった表情がふっと雪崩れる様に笑顔に変わる。
「良かった〜。嫌って言われたら泣くところやったわ」
そう冗談交じりに言う彼の顔を見ると、より一層涙が溢れた。

「理花、気付いてやれんでごめんな。赤ちゃんの事、不安に思っとったんやろ?」
「うん…可児くんの重荷になるんやないかって思ってた。。でも、もう大丈夫だよね?」
「当たり前やろ」
笑顔で言い切った収の顔を見て、理花はようやく笑った。

「今日はな、元々これを渡そうと思って誘ったんや」
そう言って理花の薬指で煌く指輪を指差す。
「ビックリさせてやろうと思っててん。でも俺まで理花にビックリさせられるとはなぁ」

「ほんまにごめんね、大事な事なのに…ずっと黙ってて」
「でも今話してくれたやん。驚いたけど、めっちゃ嬉しいで。俺もパパになるんやな」
そう無邪気に笑う顔がまるで子供のようで、父親となる収を見つめ、理花は微笑んだ。

「理花と赤ちゃん、絶対幸せにしたるからな」
同時に妻と母親になる理花は、甘い喜びに浸りながら左手に輝く指輪をそっと撫でた。
これから訪れるであろう、愛で溢れる日々を思って…
680名無しさん@ピンキー:2006/02/16(木) 00:40:13 ID:SVnglsNr
イイ作品だと思うんだが、ママレくらいしか覚えてないのでわからんのがつらい・・
681名無しさん@ピンキー:2006/02/23(木) 18:16:27 ID:ItZe5prT
sage
682名無しさん@ピンキー:2006/02/28(火) 01:39:07 ID:2G5qUfd8
ミキと遊で
683名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 22:31:34 ID:J4S6q2JK
ほしゅ
684名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 07:06:18 ID:qMy7qqnu
誰でもいいから書いてくれ
685名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 17:10:05 ID:PVi3+vpy
じゃあ、684さん書いて。
686名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 23:13:36 ID:w2nWbRc6
保守しよう。書き上がるまで保ってくれ。
687名無しさん@ピンキー:2006/04/16(日) 22:01:52 ID:uRSuI/Tt
>>686に期待して保守
688名無しさん@ピンキー:2006/04/22(土) 23:11:23 ID:4aDzrtjP
では、収&理花ファンが上げます。
689名無しさん@ピンキー:2006/04/22(土) 23:12:00 ID:4aDzrtjP
では、収&理花ファンが上げます。
690名無しさん@ピンキー:2006/04/22(土) 23:12:56 ID:4aDzrtjP

「可児くん、寝タバコ危ない。」

朝、生成り色のカーテンから差し込む光を浴びながら、

2人、ハダカのまま薄いシーツにくるまってる。


「ん?」


ゆらゆら上っていく煙をぼんやり眺めていた目線は、

私の方に向けられた。


「家燃えたー!ってなっても知らんよ。」


冗談めいたコトバに収は乗ってきて、


「えぇやん。死ぬ時は一緒やて。」


左腕をアタシの肩に回し、優しく頭を撫でた。


「…アタシまだ死にたないし…もっと可児くんと居たい。」


寝返り打って、収を見上げる。


691名無しさん@ピンキー:2006/04/22(土) 23:14:43 ID:4aDzrtjP
何でやろ?

いつもこんな甘えたコトバ、自分には似合わへん思て、

よぉ使わへんのに。

…朝やし。寝ボケてんのカモ。



ちょっと深く息を吸ったら、収の汗の匂いの中に、

タバコの匂いが混ざった。


「…タバコ変えたん?」


呆けた様につぶやくと、


「…何で分かったん?」


笑いながら、訝しげに見つめてきたから、


「私、鼻めっちゃビンカンやねん。

…前の方がスキやったなぁ…美味しいん?今の。」


思いっきり見つめ返してやったのに、


「ん?吸ってみる?」


何の気ナシで返って来たから、


「イヤや、肺ガンになる。」


ちょっとムッとして、また寝返りを打った。
692名無しさん@ピンキー:2006/04/22(土) 23:15:36 ID:4aDzrtjP
ちょっとムッとして、また寝返りを打った。

収はベッドサイドの灰皿にタバコを押し付けて、

「…タバコって『受動喫煙』言うんがあって、

吸ってる人が周りにおるだけで

肺ガンになってまうかも分からへんねんて。

…ホンマに死ぬ時一緒になるかもな。」


って、後ろから抱き締めて、耳元で囁くと、

今度は収の唾液と混ざったタバコの匂い。

…あ、コレならスキかも。

と思った瞬間、あるコト思い出した。


「可児くんっ!ちょっ、どいて!」

「んん?」


収をムリヤリどかして、顔をうずめたのは収の枕。


「あんなぁ、好き合ってる男女って、

最終的には匂いで惹かれ合うんやって。

アタシ、可児くんの枕の匂いが一番好きやねん。

可児くんの汗とか、タバコとか、香水とか、シャンプーとかの

匂いが全部つまってるやろ?

何か、めっちゃ安心すんねん…」
693名無しさん@ピンキー:2006/04/22(土) 23:18:03 ID:4aDzrtjP
目を閉じると、収は今度は前から抱き締めて、あの時みたく髪を撫でて、鼻を頭に押し当てた。

「…理花もシャンプー変えたやろ?」

「…え?」

「俺は前の甘ったるぅ〜いカンジのが好きやってん。今のは何か…何かイヤや。」

「…しゃーないやん。安売りしとったんやもん。」

「俺はイヤや。…今日買いに行け。」

「何でよぉ?勿体無い。」

「俺が使たるから。」

「可児くんが?使うん?」

「理花がこの匂い発してんのはイヤやけど、別に自分が発してる分にはかまへん。」

「何やねん、それ……せやったら、可児くんもタバコ買い替えてよ。」


収の方に向き直って、反撃開始。


「はぁ?イヤや、勿体無い。」

「何その自分勝手。」

「せやかてシャンプーは代わりに使えるけど、理花タバコ吸われへんやん。さっき開けたばっかやし…」

「…今全部吸いぃや。」

「『イヤや、肺ガンになる。』」


変にアタシの口マネするんがムッとしたから、思いっきし膨れてると、収はタバコに火をつけて深く吸うと、


「…ホンマに一緒に肺ガンになって、死んでもらおか?」


ニッて笑って、唇奪った。

きっとこんなコト、タバコが無くなるまで繰り返されるんやろな。


可児くんの唾液とアタシの唾液と混ざったタバコの味は、
…結局どんな味でもスキなのかも。
694名無しさん@ピンキー:2006/04/22(土) 23:19:02 ID:4aDzrtjP
以上です。
私は収&理花が好きなので、このジャンルだったらまた書きたいです。
695名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 20:32:07 ID:3z6AACMG
hoshuhoshu
696178 ◆J37krGtNNg :2006/05/14(日) 03:14:50 ID:vRXetVA0
「今が嘘やったら…どんな人生になったんやろな」
理花も、俺も。
きっと喧嘩して、目も見ないままで、誤解したままで…。
俺は適当に他の女と付き合っては、こいつを傷つけ続けたんだろう。
知らないところで、きっと泣いてた理花。
「…ごめんな」
「なに?」
「気付かんかった俺は、アホやな…」

こんなに近くに、奥深い、手放せない、愛情があったのに。
掌からポロポロと溢れて、危うく空っぽになるところやった。

理花。
指先に最後に残った、小さな意地っ張り。

俺は、再び動き出した。理花はビクリと震えて、眉間に皺を作って、目を閉じる。
内部で止まっていた蜜が、俺を絡めとる。
熱い感触を与え合って、高まる身体が…涙になりそうな切なさをもたらした。
「可…児くん…っ」
確かめるように、名前を呼ばれる。
もっと手慣れた、身体に完璧な刺激を与えてくれる女が、他に数多くいるのは、認める。
でも、このぎこちなさとひたむきさが…俺を離さない。
本当に欲しかった感情と向き合ったら、他の刺激なんて、捨て置いても悔いはない。
一人の人間が、俺にくれた未来。
その尊さとは、比べものにならない。

「…好き…」
息も耐え耐えの中の呟きに、頬が緩緩む。
身体に走る快感よりも、俺を酔わせる声。
理花の魔法に、嵌って行く…。

「信じて…くれる、か?」
我知らず上がる吐息の中、絞り出すように言葉を届ける。
興奮と疲労と快感と、歓びと切なさと…。
理花といると、封じ込めていたたくさんの感情が目を覚ます。
無垢な俺が、戻って来る。
片想い。そんなどうしようもなさを、叶えたいと思うように。
「当たり前…やろ?」
頬を高潮させながら答える理花が…いつの間にか、俺の全てを包み込む強さを持って、微笑んだ。

「お前が好きや」
言い慣れた台詞なのに、何故か激しい照れが襲って来て、俺は唇を重ねた。
理花に刺さった自身に快感を集中させながら、腰の動きを速める。
「あっ…ん、あぁ…!」
首を反らせて白さを映す理花が、妙に妖艶で…。簡単に堕ちた心で、欲しい女を抱きしめる。

やがて、その瞬間が近い事を知った。
唇を噛み締めたら、それをほどくように、理花の舌が差し入れられる。

「理花…ッ!」
それは声に出ていたか、いなかったか。
分からないままで、俺は冬の星空を追う。
流れ星が見えたら、永遠を願う。そう思いながら、頭が真っ白になる快感に、身を任せた。
697178 ◆J37krGtNNg :2006/05/14(日) 03:16:46 ID:vRXetVA0
「…ほなまた、ね…」
帰り道。
少し待ち合わせには遅れそうなお互いの状況が、危うくも甘酸っぱい。

降りる乗客を待つ、電車のドアの前。
残された僅かな時間。
「可児くん?」
突然引き寄せられた耳元。

「あたしも、好き」

魔法の呪文を落とされて、一瞬意識が、無限の旅に出た。
はにかんだ笑顔に、負けを認めて。
それを確かめる間もなく、理花は電車のドアの向こう側にいた。
走り出すまでの短い間に、強く見つめ合う。

そして俺達は、ガラス越しにキスをした。
促した訳やないのに、何で分かるんやろな?
苦笑しながら、やがて電車は、理花を乗せて走り出す。

離れて行く命。
遠くなる光。
でも、距離には負けたりしない。
俺は、胸の中にほんのりと紅い薔薇が咲いたような気持ちを抱きしめながら、歩き出した。



<終>
698178 ◆J37krGtNNg :2006/05/14(日) 03:20:39 ID:vRXetVA0
あまりにも久しぶり過ぎて、平身低頭の178です。
収×理花、思いっきり引っ張りまして、申し訳ありませんでした。
一応完結ですが、こんなんだったら終わらせない方が良かったかも…。
だいぶテンションが変わってしまい、ヘタレに磨きがかかってしまってすみませんでした。
699名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 12:39:17 ID:QPH9wwiP
おお、178様乙です。
エロスではないですが絵的にキレイなエンディングでしたな。
次回作も楽しみにさせていただきます。
700名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 23:37:45 ID:nnVVQ1ID
178さん、待ってました!そして素晴らしい最後でした。
次回もぜひぜひ!よろしくお願いします。
701178 ◆J37krGtNNg :2006/05/25(木) 23:42:45 ID:B9wA9SOz
この世界に彼女を見つけた、15歳の夏。
…なんて事だ。
その美しさを、目映さを、知らずに生きて来た自分に、衝撃が走った。
居た。
こいつに、必ず出会ってみせる。そして、誰よりも綺麗に、撮ってみせる。
懐かしく愚かで、切なく誓った。それは、暑い暑い夏の日の事だった。

「どうしたの、一哉?」
部屋に入るなり、その身体を抱きしめた俺に、彼女から疑問の声が上がる。
細い腕、腰。薄い皮膚の向こうにある、安らかな心。
いつもなら、それを感じるだけで収まる感情が、今日は何故か、うまくコントロール出来そうになかった。
日差しは穏やかで、からっとした空気で、散歩にはもってこいで。
なのに、あの日のような衝撃と愛しさを感じるのは…結局これが、俺にとって生き方すらも変える恋だったからなのだろうか。

「…抱きたい」
目を閉じたまま、耳元で囁く。答えを待つより先に、ワンピースの肩紐を外し、白い肩に唇を寄せた。
「ちょっと、痕付けないで…!」
その言葉は、少し遅かった。首のアーチの根元に、くっきりと残ったしるし。
理性では、彼女の仕事の都合を思い遣っているのに、殻を破るように強く支配する欲望が、それを見事に押しやってしまった。
壁際に追い詰めて、長い髪が絡んで。
両肩に彼女の掌が降りて来たのをいいことに、俺はその身体のラインを探り始めた。
702178 ◆J37krGtNNg :2006/05/25(木) 23:43:48 ID:B9wA9SOz
一哉×未央です。
書き始めた途端に眠くなってしまったので、続きは明日以降、週末に頑張ります…。
703名無しさん@ピンキー:2006/05/26(金) 00:57:58 ID:2dVzEpK9
kita-------------------------
704名無しさん@ピンキー:2006/06/01(木) 20:38:30 ID:k3zBycnG
>702
おお、また178様の一哉×未央SSが読めるとは!
続き楽しみにしています。
705名無しさん@ピンキー:2006/06/04(日) 02:50:26 ID:WDHYB9So
続きwktk
つーか701だけですでに萌える
706名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 02:12:14 ID:OgSSD/4B
707名無しさん@ピンキー:2006/06/16(金) 22:48:14 ID:SEH90ZPu
>>701
続きが読みたい〜
708名無しさん@ピンキー
>>702
続き待ってます。