【許してよ】高尾滋作品【エロパロなんだ(;´Д`)】
前スレがあっという間に天に召されたので・・・(つД`)
高尾滋のキャラでSSを書くスレです
高尾滋作品ならなんでもOKですので、作家さん・新人さん共にお待ちしていますm(_ _)m
2 :
1:03/08/15 20:48 ID:Dh/n60mA
いちおう お約束事という事で・・・
★ あくまでマターリと高尾滋作品を愛ででいきましょう
★ メンバーそろったらsage進行でお願いします
★ 閲覧・参加にはブラウザ推奨
(何のことだかわからない人は初心者板参照でお願いします)
3 :
1:03/08/15 21:06 ID:Dh/n60mA
あとは前スレで出たカプリング・要望などを覚えてる限りで
【てるてる×少年】
才蔵×しの 才蔵×千代姉 左介×千代姉 松子×殿 松子×当主
★要望:才蔵×しので、才蔵(眼鏡あり)→(眼鏡なし)に豹変するのを見たい
千代姉に責められる才蔵
【ディアマイン】
風茉×咲十子 一美×九鉄 一美×鋼 一美父×一美母 (おふざけで鋼×寿千代w)
あとはスロップマンション・人形芝居・モナリザなどもあったような・・・
不確かでスマソ
4 :
名無しさん@ピンキー:03/08/16 00:00 ID:Nlzl4LoK
前スレ早々とdat落ちしちゃったからなぁ…
というワケで、ほしゅ
5 :
名無しさん@ピンキー:03/08/16 00:41 ID:UrGaQRbo
只今 松子×殿製作中です
お目汚しかとは思いますが、しばしお待ちを・・・
待ってます
7 :
5です:03/08/16 02:39 ID:UrGaQRbo
>6さん
お待たせいたしました
今日書いた所までうpいたします
稚拙ではありますが、読んでいただければ幸いです
注意! ここから先は鼻夢17号を参考にして書いた為、ネタばれを含む内容になっています
コミックス派の方はネタばれOKの方のみどうぞ〜(;^^A
8 :
殿×松子【過去編1】:03/08/16 02:45 ID:UrGaQRbo
籠の中の小鳥の様に、ひっそりと囚われていたかった。
己が囚われている理由に目を瞑り、何も考えず、感じず、ただひっそりと・・・。
私は母様の代わりなのだから・・ただそこに『在る』だけでいい・・・。
そう・・・・人形のように・・・・。
「・・・松子さん 松子さん しょ・う・こさ〜ん」
甘えた様な声で私に呼びかけると、彼はいつものように窓ぎわに陣取ると、無遠慮にどっかりと腰をおろした。
彼の名は幸田正吾。私の行儀作法の先生の息子でもある。
ふとしたきっかけで彼と出会ってから、彼は度々私の部屋を訪ねるようになっていた。
いつも突然現れて他愛もない話をして帰っていく。
この間は『どんぐりが可愛かったから松子さんに見せようと思って』と言ってどんぐりと真っ赤に色づいた紅葉を私に手渡すと、『じゃあね』といってぽんと部屋から飛び出していった。
・・私などに構って、一体何が楽しいのだろう。
彼ならば学校に行けばもっと気の合うような女友達だっているはずなのに。
9 :
殿×松子【過去編2】:03/08/16 02:50 ID:UrGaQRbo
「年がら年中部屋ん中じゃ〜ん。 たまには外に出ようよぅ」
人懐っこい子犬の様な笑みを浮かべながら無邪気に誘う。
「・・・外に出る理由がないわ」
外に出るなんてそんなこと父様が許すはずがない。
「いや・・なんつーか こう・・・息つまんない?」
・・人の気も知らないで・・・。
「不自由ないわね。 それに・・私が外に出るのを・・・父様も嫌がるし」
そう答えると、彼はしばらく憮然とした表情を浮かべながら私を見つめていた。
これで少しは静かになるかしら? そう思った矢先、彼は私の痛い所をついた。
「学校には車で送迎付き、外出にも徒歩厳禁、必ず守人を従えて決して一人で出歩かない。この家を出て行ったとかいうあなたのお母さんによく似たあなたを溺愛しているらしい父様の命令ってやつ?」
・・・ぱあぁぁーん・・・・・平手一閃。
思わず手が出てしまった。まあ後悔はないのだけれど。
「あなたいつか刺されるわよ」
くっと指で彼の顎を持ち上げながら、キッと彼を睨み付ける。
「誰に・・・・・」
頬に私の手形をくっきりとつけたまま、彼は恐る恐る訊ねた。
― そんなの決まっているじゃない ―
「わ・た・し・に・よ」にっこりと極上の笑みを浮かべながら、一言そう言い放った。
10 :
殿×松子【過去編3】:03/08/16 03:00 ID:UrGaQRbo
「俺の飼ってたヒヨコはかまいすぎて死んじゃったよ」ふと彼がそんな事を呟いた。
ヒヨコと私の境遇を重ねているのかしら?
・・・馬鹿にして
「私はペットじゃないわ」
私は訳も解らず飼われている愛玩物なんかじゃない。自分の意志でここにいるのよ。
だからこれ以上 私の心を掻き乱さないで・・・!
「・・どーかな・・・・・・」ふっと考え込む様な顔をした後、にっと不敵に笑うと
「一生 飼われているつもり?」
かぁっと頭に血が上る。そう そんなにいうなら出てやろうじゃないの。
「わかったわよ!どこへでもつれていけばいいでしょう!」
「そうこなくっちゃ」にっこりと満足げに笑うと「じゃ 行こうか」とすっと手を差し伸べる。
うれしそうな彼の先には窓の外の真っ暗な風景だけがあった。
「行こうかって・・・・ここ2階よ」
「だって松子さん 玄関から出られないでしょ?」
それはそうだけど・・・。だからといって窓から降りるなんて・・・。
「大丈夫だって。すぐそこに立派な木もあるし、俺がついてるから。・・・・ほら、行こう」
そういうと彼は私の手を取ってぐいっと引っ張った。
そんな彼の強引さに呆れながらも、まだ幼さの残る彼の手は、何故だかとても温かく感じられた・・・。
11 :
無料動画直リン:03/08/16 03:03 ID:vNsLZp0I
12 :
ふたたび5です:03/08/16 03:09 ID:UrGaQRbo
いかがでしたでしょうか?
あんまり文章うまくないんで、広い心でみてもらえればいいなと思います
まぁ まだまだアレに到達するまで先は長いのですが、
とりあえず今日はここまでということでご勘弁を(;^-^A
とりあえずdat落ちしないといいなあ・・・心配
13 :
5です:03/08/16 03:18 ID:UrGaQRbo
(゚д゚)ハッ!
そういえば殿の母は松子さんの行儀作法の先生でよかったんでしたっけ?
うろ覚えなので微妙に自信なかったり・・・
まちがっていたらごめんなさいです
14 :
名無しさん@ピンキー:03/08/16 13:54 ID:DbHVMn5Q
殿×松子さんキタ―――(・∀・)―――!!
続きお待ちしています
というわけで ほしゅ
15 :
名無しさん@ピンキー:03/08/16 21:54 ID:6JR4mBDA
期待あげ
即死回避
おお期待してます
ほしゅー
19 :
5です:03/08/17 12:20 ID:axeIAhu2
今続きを製作中です。しばしお待ちを
そして他の作家さんщ(゚Д゚щ) カモーン!
協力
21 :
45511:03/08/17 12:53 ID:8Jqe4kMj
22 :
名無しさん@ピンキー:03/08/17 20:40 ID:42mxdZki
即死回避ほしゅ
23 :
5です:03/08/18 01:37 ID:x5pvTxuH
とりあえず今日書いた所までうpします〜
それではどうぞ↓
― かたかた かたかた ― 窓辺から物音が聞こえる。
ふと 音のほうに視線を向けると、どうやら風で窓がゆれているだけのようだった。
「今日は来ない・・・か」
一人呟いた言葉は、誰もいない部屋にゆるりととけていった。
・・・来ないのならそのほうがいい。
煩い人。この家の秩序を、静謐を乱す人。いつも私の心を掻き乱す人。
あの透明な瞳が 私の見ないふりをしていた弱さを全て暴いてしまう・・・。
そう 来ないのならそのほうがいい・・・。
それなのに・・・どうして 彼を想うだけでこんなにも胸が苦しいのだろう。
心が・・・痛むのだろう。
気がつけばいつも探している。
彼の姿を 彼の声を 彼の吐息を ・・・彼の温もりを。
・・・騒々 騒々と水面が揺れる。
今までは煩わしかったそれが いつの間にか心地よいものに変わっていく。
― さわさわ さわさわ ―
・・・心地よい風が私の心を満たしていく。
本当はずっと待っていたのではないだろうか?
確かにここにいれば何も傷つく事はない。
・・・穏やかな時間。眠るような日々。永遠に続く優しい日常の夢。
だが それと引き換えにあるのは、
・・・永遠の孤独・・・。
そう 私は父様の腕の中の籠に囚われながらもずっと待っていたのだ。
・・・もう・・ずっと前から。
― 誰かの代りではなく 私自身を求めてくれる誰かを ―
もう・・・ずっと・・・ずっと・・・・。
― コンコン ― ノックの音が部屋に響く。
不意に現実へと引き戻された私は、とりあえずノックの主に対して返事を送った。
かちゃりとドアを開く音がして、父様の秘書が静かに部屋へ入ってくる。
「失礼致します。 松子お嬢様 旦那様がお呼びです」
「分かりました。すぐに行くと伝えて下さい」
畏まりましたと告げると 彼女は入ってきた時と同様に、静かに部屋を後にした。
『一体何の用かしら・・・?』
特に父様に呼ばれるような事などないと思うのだけれど・・・。
そう思いつつ私は父様の書斎へと向かった。
「失礼します」そう云って部屋を開けるとそこは懐かしい匂いがした。
・・部屋にある無数の本とこの家との混じり合った匂い・・・。
「松子か・・・。 そこに座りなさい」
そう言うと父様は来客用のソファーを指した。
父様の仕事場でもあり、プライベートルームである書斎には、ここ最近滅多に入る事は少なくなっていた。
子供の頃は、仕事をする父様と一緒に絵本を読んで自分も仕事をしている気になったものだけれど・・・。
そんな懐かしい記憶を思い起こしていた所為かも知れない。
父様がどこか寂しげな・・・何ともいえない表情を浮かべているのに私は気づかなかった。
「・・松子・・・・・・」
やがてしばらくの沈黙の後に、父様は静かにこう言った。
― ・・・・お前と御城の御当主との縁談が決まった・・・・ ―
27 :
5です:03/08/18 01:57 ID:x5pvTxuH
本日はここまでです
なかなか本題にいけなくてごめんなさい
でも途中経過って大事ですよね(;^-^Aアセアセ・・・
(単にヘタレなだけですが(ニガw)
だけど次こそは必ず・・・!がんがりますw
風茉×咲十子の初体験は・・・あるとしたら何年後ぐらいになるんだろうか?
ぼくの地球を守っての輪×アリスはあの最終話(輪12歳、アリス21歳)の後にすぐ初体験だったんだろうか?
真吾と久美子シリーズの2人は最低でも真吾19歳、久美子26歳の時には経験済み(真吾が中学生の間はコトは無かった)だが
29 :
名無しさん@ピンキー:03/08/18 14:46 ID:DAEfdPy6
〉5
乙かれ〜
続きガン(・∀・)ガレ!
〉28
まぁそれを想像して書くのがエロパロな訳で…φ(.. )
個人的には15〜18歳の間かと予想
とりあえず、ただ作家さん待ちホシュするだけじゃつまらんので、みたいカプを書くってのはどうだろう?
というわけで、一美×九鉄に一票
30 :
名無しさん@ピンキー:03/08/18 15:19 ID:XeF4MAie
普通に風茉×さとこ・・・(・∀・)イイ!
31 :
名無しさん@ピンキー:03/08/18 17:09 ID:xuyxWFGi
32 :
名無しさん@ピンキー:03/08/18 18:15 ID:Fb22jSHl
sage
続き待っております
才蔵×姫が・・・(・∀・)イイ!
今日てるてる6巻発売で、明日は花ゆめで高尾さん読めるから普通にウレスィ
まるっきりの初心者ですが、風茉×咲十子 書いてみたいと思います。
かなり、妄想入ってます。駄文ですが良かったら見てください。
希望あれば続き書きます。では!
終了から5年後のある日・・・
「・・・・?」
「咲十子ちゃん、ちゃんと聞いてる?」
「それ、・・本気で言ってるんですか!!」
あまりのことに、一瞬、脳みそが止まってしまった。
そりゃあ、和久寺家が、大名家出身の元華族だって言うことは、
嫌というほど、わかってたつもりだけど、、まさか、こんなしきたりがあるなんて・・・。
その知らせは、いつものように突然降ってきた。
今日は、風茉くんの誕生日だから、張り切ってご飯を作っていたの。
相変わらず、いつも仕事ばかりで、気の休まらない生活を送っている風茉くんに
今日くらい、のんびりしてもらいたいな、って思って・・・。
私たちが、一緒に暮らし始めて、もう、5年。
当時から、大人びていた風茉くんはもちろん、大人の女性になる予定だった私も
何も変わらず、平穏な日々を送ってきた。
気持ちが通じ合った後も、(確かに一緒にお昼寝したりするようにはなったけど・・・)
恋人らしい雰囲気なんて、あんまりなかったな。
そもそも、風茉くんは仕事で忙しいし、家にはママや鋼さんや寿千代くんもいるし、、。
たまに二人きりになっても、必ず、いい雰囲気になりそうなところで邪魔がはいるのよねぇ。
それでも、物足りないなんて思ったことはなくて、ずっと幸せだったの。
37 :
36:03/08/19 06:08 ID:x93IqEZB
そんなことを考えながら、キッチンに立っていたはずの私は、なぜか、今、和久寺美容部隊に
よって、成人式の時にきた振袖を着せられてます。
アッという間に、着付けが終了して、一人取り残された私。
やっと、頭の働きが戻ってきた気がする。
確か、キッチンに九鉄さんが現れて、こう言ったのよ。
「本日は、和久寺家当主 和久寺風茉さま ご元服の儀にあたり、咲十子様が宿直役に選ばれましたこと謹んでお喜び申し上げます。」
「??九鉄さん、なんでそんなにかしこまってるんですか?さっきのどういう意味だか、わからなかったんですけど・・・。」
「えっ?!坊ちゃんから聞いてない? あー、つまりだね、元服ってぇのは、大昔の成人式で大人に、なりましたよー!って、お披露目するようなもんかな。んで、その儀式のメインイベントに咲十子ちゃんが関係してるんだよ。」
「はぁ。なんだか、大変そうですね?じゃあ、今日は風茉くん、一緒にご飯食べれないんですか?」
「って、おいおい。そんな人事じゃないんだぜ。」
「でも、私は公の場では役に立たないし。どうせ報道対策で一美ちゃんが代役をするんでしょう。」
「・・・・。ほんとに、全然、知らないんだな。エーっト、今回の儀式は、ごく内輪だけなんだ、というか、
咲十子ちゃんと、坊ちゃんだけで、やらなきゃいけないんだ。」
「そんな、いきなり言われても、ぜんぜん練習してないことなんか、出来ませんよぉ。」
「いや、いいんだよ、練習とか必要ないことだから、まー。つまり、その、流れに、身をまかせて・・・」
「??」
「あぁ〜!!じれったい!!ようは、子作りしておいでってことだよ!!」
この九鉄さんの言葉を最後に、私の頭はフリーズしてたんだっけ。
38 :
36:03/08/19 06:10 ID:x93IqEZB
それよりも、ここはどこなんだろ?きっと、和久寺の敷地の中だとは思うけど、来たことはないと思う。
隣に誰か、いるのかしら?
左がわの襖を開けてみると、そこは食事をする場所みたい。お膳はならんでるけど、誰もいない。
反対側の障子を開けてみると、縁側があって、目の前には小さいけれど手入れの行き届いた庭があった。
正面の襖を開くと、そこは玄関みたい。上がりかまちまで、言ってみよう。
!私の履物がない。これじゃ、外に出れない。
後、残っている部屋は、後ろの襖。
スタン!バタン!!なんとなく、想像はついてたけど、思わず見た瞬間に襖を閉じてしまった。
あの、時代劇でよく見るような、お布団がしいてあるお部屋だった。
九鉄さんの言葉は、冗談じゃなかったんだ。
そう思うと、また、頭が止まってしまいそうになる。
その、風茉くんといつか、そうなる、というのは考えてた。
でも、こんなに突然やってくるなんて、思ってなかった。
嫌なわけじゃ、ないんだけど、、実感が湧かない。
それに、「さぁ、どうぞ」っていわれてもできるものではないような気がする。
そもそも、風茉くんだってこんなことになるなんて、思ってもないだろうし・・・。
こんな、まとまらない考えばかりが、グルグルして、落ち着かない。
39 :
36:03/08/19 06:13 ID:x93IqEZB
ガラガラガラ。
玄関の引き戸を開く音がした。
心臓が飛び跳ねてしまう。
風茉くんだ。
髪型が違う、いつもはおろしている髪を上げているから、なんだかいつもより大人っぽい感じ。
「咲十子」
思わず、背中を向けてビクンとしてしまった。
「大丈夫だよ、とって食やしないから。いろいろ、驚かせちゃったな。」
いつもの、風茉くんだ。ちょっと、安心した。相変わらず、心臓はドキドキしてるけど。
ゆっくり振り返った。
すると、やわらかく微笑む風茉くんがいた。
「懐かしいな、この角度で見る咲十子の顔。」
「どうしたの急に?振袖なんか着てるから、成人式の時を思い出したの?」
ゆっくりクビを振りながら、一段下から私にやわらかく抱きついてきた。
「もう、どうしたの、急に。」
段差のせいで風茉くんの顔が、心臓の近くにある。やっと、落ち着いたのに、また、ドキドキしちゃう。
「はじめてキスした日のこと覚えてるか?」
「うん。絶対に忘れない。」
「あの頃の、俺。いつもこの角度でおまえを見上げてたんだ。いったろ、本当はもっと成長してから会うつもりだったって。」
そういいながら、風茉くんは私と同じ高さに立った。
40 :
36:03/08/19 06:14 ID:x93IqEZB
そういいながら、風茉くんは私と同じ高さに立った。
「もう、私が風茉くんのこと見上げなきゃいけなくなってきてるよ。」
風茉くんの顔が、私の胸元から、肩にもたれる位置を移動した。
「予定では、15で咲十子より、アタマ1つ大きくなるはずだったんだ。つまり、今日、咲十子に婚約者は俺だって、宣言するつもりだったんだよ。」
顔は見えないけど、きっと、風茉くんの顔は真っ赤だ。もちろん、私の顔も。
「あの頃は、とにかく、自分がガキなのが悔しくて、時期が早まったことを悪く思ってたけど、今考えると、良かったな。」
耳元で風茉くんの声が聞こえる。それに、背中にある手にも、力が入ってきたみたい。
「咲十子といられる時間が増えたし、咲十子がきれいになっていくのも見れた。」
そういってぎゅっと抱きしめた後、腕を緩めて、正面から顔をまじまじと見ている。
私は、恥ずかしくて、我慢できなくなってしまった。
「もう、そんなに、見ないでよ。いつもの見慣れた顔でしょ。それより、私、おなかすいちゃった。こっちの部屋にしたくしてあるんだよ。」
言うが早いか、風茉くんの腕から、すり抜けて奥の部屋に進んだ。
41 :
36:03/08/19 06:18 ID:x93IqEZB
未熟な文章の上、ありえない設定で、恐縮です。
さらに、エロ要素もなくてすみません。
こんな、へっぽこでも、読んでくださる方がいるなら、続き、ガンガリマスvv
ふうま×さとこキタ――(・∀・)――!!
ほのぼの…(・∀・)イイ!
続き待ってます
43 :
名無しさん@ピンキー:03/08/19 14:33 ID:wyAujBG2
まさか、あの風茉タンの大きくなった姿を見れる日が来るとは… 立派な初陣、期待しております!!
44 :
名無しさん@ピンキー:03/08/19 15:05 ID:iJTRSqwV
イイ!
風茉くんたまりませんなぁ(・∀・)ニヤニヤ
早く続きをおながいしますた。
でも、無理はしちゃイヤン
45 :
5:03/08/19 18:28 ID:xPVkutnG
おお!新人さんがキタ――――(・∀・)――――!!
しかも大好きな風茉×咲十子なのでウレスィです
エロ要素少ないとのことですが、そんなことないですよ
私のほうが少なくて申し訳ない位ですから・・・(つД`)
それでは元服エチまでがんがって突っ走ってください!
(でも無理の無い程度にw)
46 :
名無しさん@ピンキー:03/08/20 01:00 ID:/M6HUbt/
てるてる新刊なかったよ ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン
最近新刊1日遅れで入ってくるのでウトゥ
そんなわけでこのスレ期待あげ
47 :
チズル:03/08/20 02:22 ID:A73ICVGR
ハジメマシテ;高尾作品大好きなものです。私、コミクス派な物で今日新刊買ってかなり萌えましたぁ♪
その勢いでSS書いてしまったのでよければ…。
駄文、乱文字、あと私個人の妄想なんで気分を害したらすいません;
48 :
チズル:03/08/20 02:26 ID:kmp3RBLb
注:第18話のふたりっきりになった千代と才蔵の掛け合いの中の話だと思って下さい;
千×才…カナ;
苦手な人は飛ばして下さい;
49 :
チズル:03/08/20 02:28 ID:TObwHtR5
最初はただかわいいと思って眺めていた。なのにいつの間にか一つ一つの表情に釘漬けになり、眺めるだけじゃ物足りなくなって声が聞きたい、彼に触れたいと強く思った。
彼の声はやさしくて、くすぐったくて。
すぐ泣く所も、ふわっと笑う所もかわいくてしかたが無かった。ずっと見ていたかった。
でも。
彼の怒った顔を見た瞬間…
自分の物にしたいと思った。
だってあまりにも…美しかったから…。
でも、いくらやさしくしてもいくら虐めても彼の心はここには無い。いつも遠くの忍びの花を思っていた。
…悔しかった。
50 :
チズル:03/08/20 02:30 ID:OtUyysDp
「ねぇ、才蔵。」
千代が才蔵の手をそっと握りながらで囁くように言葉を発した。その声と行動に才蔵は一瞬ぞくっと身が揺らいだ。
「さっきのキスの話、冗談半分本気半分なんだけど。」
ギシッ
千代は脚立の脚をもう一段登り、才蔵の顔に更に近づいた。
「ち、千代姉?」
「才蔵は…いつもそう。里にいる頃からどこか心はここにあらずみたいな顔をするのね。遊んでる時も、修業中も。そう、今も。」
千代姉は才蔵の手をあやしながら話続ける。「でも私わかってた。才蔵はいつも御城のほう向いてほうけてたから。…姫ね。」
51 :
チズル:03/08/20 02:32 ID:POVEX58e
才蔵は下を向いて赤くなった。
「まったく。わかりやすいわね。」
ずっと昔から千代姉にはなんでも見透かされていたから。
でも…。
「どうしてそんなに悲しそうな顔するの、千代姉。」
千代は話ながらいつの間にか、いまにも泣きそうな顔をしていた。「はっ…。馬鹿みたい。自分で話しといて姫には負けること悟ってるなんて。」
髪をかき揚げながら千代は下を向いた。
「千代姉…大丈夫?」心配になって才蔵は顔を覗き込んだ。
そのとき。
「隙あり♪」
バッ
「んっ…!!?」
52 :
チズル:03/08/20 02:33 ID:kmp3RBLb
いきなり千代が顔を上げ才蔵の唇と自分の唇を合わせた。
あまりのことに一瞬我を忘れた才蔵だったがすぐに離れようと手をだそうとした。
しかし…
片手はしっかりと千代に捕まれもう片方は脚立の上でバランスを取るのに離せない。
千代はしっかりと才蔵の顔を両手で挟んで、いつのまにか口を開かせ自分の舌を才蔵の口に運んでいた。
「ふっ…っぅ!!」
才蔵はどうしていいかわからずただ漠然と千代に身を任せた。
クチュッ…
「ん…っはぁ…」
千代は才蔵の口を愛した。
(どうか今だけでもいいから…私の物でいて…お願い)
53 :
チズル:03/08/20 02:37 ID:D4BLOH1O
とりあえずここまで。もし読んでいただけた人がいたらありがとうございますw
本命は強気才×たじたじなしの姫なんですが機会が合ったら…;
才蔵×千代姉(;´Д`)イイ・・・
才蔵喰べられてしまえw
チズル様、無理のない様がんがって下さい
55 :
名無しさん@ピンキー:03/08/20 22:26 ID:3U5YE6Sd
色々なSSキタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!
良スレになりそうでつ(*´д`*)
56 :
53046:03/08/20 22:35 ID:S+pPPy0H
ほしゅ〜
58 :
チズル:03/08/21 21:06 ID:BqPTK3tX
千×才の続きです;
才蔵の唇、舌、前歯、すべてを感じたくて息つぎもせず貪るように千代は口づけ続けた。「ちっ…んぁっ…」
言葉も満足に発せないほど才蔵はくらくらしていた。
(なんか…ふわふわして…気持ち、いい?)いつしか無意識に抵抗することを忘れていた才蔵。そこを千代は見逃すはずがなかった。スルスルと千代の手は下へ降りていき才蔵の脚の付け根へ降りていく。
「うわっ…ちょ、待って千代ねっ!!」
「もう待てなぁい♪」千代の手は既に黒服の中に入り込み才蔵のモノに触れていた。
才蔵はあまりの恥ずかしさに言葉が詰まる
59 :
チズル:03/08/21 21:08 ID:y/OQS2uB
千代はずっと愛撫し続けていた唇をゆっくりと離した。
クチュ…ツゥー…
光る糸が暗闇の中で二人を繋ぐ。
「才蔵、私何もいらないの…ただ私を…」
千代は言葉を詰まらせた。
「っ…何?」
さっきまでキスをしていたせいで息を詰まらせ、顔を紅潮させながら困ったような顔で千代を見つめる才蔵。
(その顔は…たまらなく卑怯よね…)
静かに笑みを浮かべるとゆっくり顔を下に降ろしおもむろにズボンを降ろした。
千代の手の愛撫のせいで才蔵のモノは意思とは関係なく堅く起っていた。
(…ただ私を…感じてくれればいいの…)
60 :
チズル:03/08/21 21:09 ID:G7fgtT3U
「…(かぁ〜〃)」
才蔵はあまりの恥ずかしさと情けなさで目が潤んでいた。
「そんな顔しないで。私まで我慢できなくなっちゃう。」
千代は自分の手で自分の胸をぎゅっと強く抑えつけた。
そのままおもむろに才蔵のモノを自分の舌でやさしく包み含んだ。グチュッ…クチャ…
粘りのある音が才蔵の耳だけに大きく鳴り響く。
「うわっ…もぅ…んぁ。」
「…んっ…。」
まるで絡み付く得体のしれないものに自分が呑まれていくような感覚。才蔵は素直に感じ、絶頂をもうすぐ迎えようとしていた。
もう抵抗する力も気もしなかった。
61 :
チズル:03/08/21 21:11 ID:7AyP93De
「千代姉…もう、駄目かも。」
肩で息を切らしながら才蔵が囁く。
「このまま…いいから。」
才蔵は拳を握りしめながら千代の吸う力と一緒に白濁と溜息を一気に吐き出した。
「…っはぁ!はぁはぁ…はぁ〜。」
(ゴクッ…ペロ)
「ふぅ。ふふ♪」
千代は残らず綺麗に舐め取り才蔵の着衣をスルスルと整えた。
千代はふうと一息ついて脚立の下に腰掛けた。我に帰った才蔵はトンった下に降り言葉を選びながら話し掛けた。
「あ、あのさ…千」
「いいの。」
千代が才蔵の口を手で塞いだ。
そのとき。
62 :
チズル:03/08/21 21:12 ID:QWj5G74T
「おい姫!何処だ」
左介の声だ。
「才蔵聴こえるか!!お姫探せ!」
千代が声を掛ける頃には飛び出す寸前だった。
(幸せなんだ…か)
千代は才蔵の言葉を思い、唇を噛んだ。
わかっていたことだけど、痛感すると痛い胸。人は自分の言うことすること笑いさげずむかもしれないけれど幼い頃からの気持ちは変わらない。
(そうね。私も幸せだわ。許してね。)
以上で完結。最後までありがとうございましたぁ;
やっぱエロ場は恥ずかしい〃
63 :
5:03/08/22 02:34 ID:EWzedjwa
才蔵×千代姉キタ━━⊂⌒~⊃。Д。)⊃━⊂⌒O。Д。)⊃━O(。Д。)O━⊂(。Д。O⌒⊃━⊂(。Д。⊂~⌒⊃━━!!!
チズル様 完結乙かれ〜 よかったですよ!
ドキドキしながら読ませていただきましたw(;゚∀゚)=3ムッハー
才蔵×姫もよかったら書いてくださいませ
松子×殿 本当ははなゆめ18号発売前に完結したかったのですが・・・
もうしばらくかかりそうです(´д⊂
17号読んでからの妄想なんで、本誌とは内容違いますがよかったら読んで下さい
64 :
36:03/08/22 05:00 ID:yzy3f3FZ
レスついてた!!
皆さんありがとうございます。
ご期待に添えれるよう頑張ります。
チズルさん 才蔵×千代 乙デス!
>そうね。私も幸せだわ。許してね。・・・萌えましたvv。
ぜひ、次回 才蔵×しの姫 お願いしまつ。
>63 どんな展開かワクワクwです。楽しみにしております。
それでは、続きです。良かったら見てやってください。
予定では、後、一回分で終わるはずです。
65 :
36:03/08/22 05:02 ID:yzy3f3FZ
どうしよう、全然余裕ないよ。なんだか、風茉くんの様子もいつもと違うし、、なんていうか、
その、そこはかとなく、色っぽいというか・・・。
「へぇ。意外だ。ばあさんの趣味にしては、まともだな。」
!!!
「うわ!びっくりした、急に背後に立たないで!驚くじゃない!」
「なにそんなに、焦ってんの?さては、なんかイケナイこと考えてたんだろ?」
「・・・そんなことないわよ」
だめだ、自分でも説得力ないのが解っちゃう。
「本とに、お前って隠し事できないんだな、顔、えらくあかいぞ。」
「もう、やだ、そんなに見ないでよぉ。ね、ご飯にしよ。」
「いいよ、俺、メシより咲十子見てたいもん。ね、何、考えてたんだよ?」
そんなこと、言えるわけないじゃない。何か、別の話題、別の話題
「そ、そんなことより、ね。このお家って勝手に使っちゃっていいの?」
ドギマギしている私が、そんなにおもしろいのかな。風茉くんの顔はずっと微笑んでる。
「俺がばあさんから、もらったんだからいいんだよ。」
!!相変わらず、さらっと、とんでもないこと言うのね、やっぱりこの感覚には慣れないなぁ。
と、とりあえず、さっきの追及はかわせたのかな・・・?
「それって、誕生日のプレゼントってこと?」
「さぁね?俺にもあの人の考えることはよくわかんないけど。
とりあえず、お気に入りが幕末から室町以前までさかのぼってるのは間違いないみたいだけどな。
66 :
36:03/08/22 05:03 ID:yzy3f3FZ
??それが、どうして家をプレゼントにする理由になるの?
「やっぱり、咲十子はいいな。表情がコロコロ変わる。表情に演技がないっていうか、
すごく自然で、すごく落ち着く。」
もう、それじゃ私、小さな子どもみたいじゃない。ちょっと、ムッとしちゃう。
「ほら、今、ムッとしただろ。俺、咲十子の考えてることなら何でも解るんだ。
さっきだって、本とは、俺、解ってたんだ。」
そんな、まさか・・・。
「咲十子がようやく俺のこと、大人の男として見てくれて嬉しかった。」
私の心臓、どうにかなっちゃうんじゃないだろうか、それに、今の顔もきっと見られてる。
「それだけ、あかくなってるってことは、図星なんだな。」
コクン。小さく頷くことしか出来なかった。もう、恥ずかしくて、風茉くんの顔が見れない。
次の瞬間、急に体が宙に浮いた、、
「きゃっ。なに?」
「思ったより、軽いな。ひそかに筋トレしてたおかげかな。」
軽々と、お姫様抱っこされてしまった。
「ね、ねぇ、どうするつもり?どこにつれてくの?」
ジタバタしようとしても、着物のせいでうまく動けない。
風茉くんの顔、さっきまでとはうって変わって、ちょっと、怒ったみたいな顔。
何にも応えてくれないみたい、怒らしちゃったかな?
67 :
36:03/08/22 05:05 ID:yzy3f3FZ
あきらめておとなしく抱っこされてると、なんとなく、行き先が解ってきた。
風茉くんがゆっくり目的地に近づくにつれて、私の心臓はますます、ドキドキしてくる。
もう、心臓がアタマの中にうつってきたみたい。
ついに、あの、一番奥の寝室の襖の前に到着した。
襖の前で、やっと風茉くんが口を開いた。
「咲十子、俺、咲十子が嫌がっても止まれなくなりそうなんだ。
もし、どうしても無理なら、今、言って。」
風茉くん、こんなときまで優しすぎるよ。
「・・・大丈夫なら、咲十子が襖を開けて。」
怖くないって言ったら、ウソだけど、風茉くんの声が掠れているのに気付いて
安心できた。風茉くんも緊張してるんだ。
抱っこされたまま、そっと、手を出して襖を開けた。
68 :
36:03/08/22 05:06 ID:yzy3f3FZ
ゆっくりふとんの上に、降ろされる。
おでこ、瞼、ほっぺた、鼻、顔じゅうに、優しく風茉くんの唇が降りてくる。
「ヤダ、くすぐったいよ。」
思わず、笑ってしまった。
「でも、肩の力抜けただろ。緊張してガチガチだったぜ。」
風茉くんには解っちゃうのに、つい、強がっちゃう。
「いつもと一緒よ。ふつ・・・。」
唇がふさがれてしまった。さっきまでのキスと違って、すごく力強い。
いつのまにか、風茉くんの舌が侵入してきてる。
あっ、なんだか、全身から力が抜けてきちゃった。
なんだか変なかんじ。風茉くんに触られてる、手首とか頬がアツイ。
唇から離れた風茉くんが意地悪くニヤっとした。
「まだ、いつもとかわらない?」
もう、何もかんがえられない、風茉くんじゃなくて、私が止まれなくなりそう。
「・・・なんだか、アツイの。・・・だけど、嫌な感じじゃないの。」
すごく、満足そう。恥ずかしくてますます、体があつくなる。
「俺も、あつくなってきた。咲十子、ボタンはずして。」
そういいながら、風茉くんは私を起こして、帯をほどきだしてる。
私も、風茉くんのシャツに手を伸ばすんだけど、うまくはずせない。
風茉くんも、帯に苦戦してるみたい。
69 :
36:03/08/22 05:11 ID:yzy3f3FZ
耳元に風茉くんの息がかかる。
もう、だめ、ボタンに集中できない。風茉くんに抱きついた。
「どうした、咲十子?苦しかった?」
ただ、首を横に振ることしか出来ない。
風茉くんの声が響いて我慢できない。
帯を解く風茉くんの手の動きに、ゾクッとしちゃう。
「・・・ん。」
どうしよう。我慢していても息が、漏れちゃう。
シュルル・・・。帯が解けたみたい。
風茉くんの手でゆっくり、着物を脱がされて、私は肌襦袢一枚。
ゆっくり、横たえられて、もう一度、キス。
「・・・ふっっっ。・・・ん・・・。」
襦袢の上からなのに、すごく感じてる。
体に沿って降りていった、指が襦袢の紐を解くのがわかった。
とりあえず、ここまでです。
Hな表現って難しいですね。もっと、表現力があれば・・・。と身悶えながら書きました。
とりあえず、完結目指して頑張ります。
イイ! 続き激しくきぼん。肌襦袢愛撫萌え。
71 :
チズル:03/08/22 11:15 ID:aNy7KmQI
うわぁv皆様レスありがとうございます(; ;)ゝ
最後の方かなり乱雑だったのに嬉しい感想に喜びです(> <)
携帯からなのでなかなか長くは書けませんがのんびり頑張らせていただきます。
風咲ドキドキ〜★☆咲十子の反応がカワイイvv
萌え萌えです!
72 :
5:03/08/23 05:40 ID:dNN96pgt
風茉×咲十子キタキタキタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!!!!!!!
着物・・・やっぱいいですねぇ(*´д`*)もえ〜
73 :
36:03/08/23 07:04 ID:fUyyuXv+
>>70-72 皆さん、ありがとうございます!!
どーにかこーにか、完結です。
なんだか、妙に長くなってしまって申し訳ないです。
まるきり、初めて書いたのでビクビクしてます。
どんどん、ご指導、ご批判お願いします。
74 :
36:03/08/23 07:07 ID:fUyyuXv+
「着物のときって本とに、下着つけないんだな、ねぇ、下もつけてないの?」
そういいながら、風茉くんの手はゆっくり襦袢の上を滑って、私の腰を撫でる。
風茉くんが触るところに、ゾクゾク感が伝わっていく。
「ねぇ、どうなの?」
「・・・ふぅ・・まく・・、ぃじ・わる・・。」
「胸の方は、体が応えてくれたんだけど・・・。ほら、上からでも咲十子の気持ちいいとこ、解るよ。」
風茉くんの指が、襦袢の上から、胸の先端をこする。
滑らかな絹の感触と、じんわり伝わってくる体温でおかしくなりそう。
恥ずかしいのに、もっと、強く触って欲しくなっちゃう。
「・・・咲十子の恥ずかしそうな、顔ってHだな。」
「や、、だぁ!・・あっ・ん・見ない・で・・・。」
顔をそむけようともがくと、紐が解かれた襦袢の裾や襟元が乱れた。
風茉くんが息を飲むのが解った。
はだけた胸元を合わせようとしたら、手を押さえ込まれてキスされた。
首筋、胸の間、お臍、腰、ふともも・・・
指が、手が、襦袢を剥ぎ取るように、直接、肌を通っていく。
体中を走るざわざわした快感に、思わず、風茉くんのシャツを握り締める。
「・・離して、・・咲十子の全部、見たい。」
風茉くんの息も、弾んできてる。
風茉くんが手を止めてくれないから、力が抜けない。
「・・・ぃや・・そん・・は・ずかしぃ・・。」
「・・離さないと、もっと恥ずかしくするぞ。」
耳元でささやかれるのダメみたい、少し、力が緩んだ。
その、隙を突いて風茉くんが離れた。
あっという間に、袖から腕を抜き取られ、隠すものが何もなくなった。
やだ、全部見えちゃう。そう思うと、体の中心がますますあつくなるのを感じた。
75 :
36:03/08/23 07:08 ID:fUyyuXv+
ブチ・ビリビリ・ブチ(シャツのボタンを引きちぎる音) カチャカチャ(ベルト)、シュ、シュ、トサ
目を閉じて必死に恥ずかしさに耐えていると、ふしぎな音が聞こえてきた。
思わず音の方に、目を向けると行灯の光に風茉くんの裸が浮き上がって見えた。
オレンジ色の明かりの中にある背中は、知らない男の人みたいだった。
振り返った風茉くんは、少年の顔でイタズラっぽく笑った。
「これで、もう、止められないからな。覚悟しろよ。恥ずかしくしてやる」
とんでもないことを言われてるんだけど、少年の風茉くんにほっとした。
ちょっと、油断するとすぐに、恥ずかしいところを隠していた手をどけられた。
さっき、指でなぞっていったところを、今度は、舌が伝う。
胸の先端を口に含まれて、転がされると、気持ちよすぎてジンジンする。
逆の先端を指でつままれると、体が逃げてしまった。
「ん、痛い!・・・風・・ま・くん。強すぎ・・だよぉ・・。」
心配そうに、顔を見上げながら
「・・・ゴメン。・・咲十子が可愛いから、・・思わず力が入っちゃった。」
なんて、いいながらそっちを舐めてくれた。
「じゃ、・・どれくらいまでいいか、教えて。」
また、先端を口に含むと、カリッと歯を立てる。
ゆっくり、ゆっくり力が強くなってる。
逆は、指でおんなじ刺激を与えられてる。
「・・・も・・だめぇぇ・・。」
自分でも、痛くてダメなのか、気持ちよすぎてダメなのかわかんない。
シーツを握り締める手に爪が食い込んで痛い。
「・・もぅ・・胸・・はぁ、、やめて・・。変に、なっちゃぁ・・・ん・・・。」
76 :
36:03/08/23 07:09 ID:fUyyuXv+
「それな・・ら、こっちがいいの?」
風茉くんの手が、足の間に滑り込んだ。体が跳ねる。
「あれ、よく、わかんないけど、もう、かなり濡れてる?女の、人っていつも、こうなの?」
もう、これ以上恥ずかしいことなんてないと、思ってたのに、顔が真っ赤になってるのが解る。
「聞・・かない・・・でぇ。んっ・・そん・・な・の、知らな・・い。ふ・・まく・・のせい・・だも・・」
ゆっくり、優しく、入り口の周りを指が蠢いてる。
そんなところ、自分でも触ったことないのに・・・。
「・・・そこ、やめて・・。・・・はぁ、、ん。」
風茉くんの指の動きは止まらずに、ますます広い範囲になった。
時々、すごく強い刺激に襲われる。そのたびに、腰がびくついちゃう。
「どうして?痛かった?・・でも、どんどんあふれてるよ。」
「やだぁ・・・。そん・・な、・・ん。・・恥ず・・かしい・・」
「言っただろ。恥ずかしくしてやるって。俺、好きなんだ、咲十子の恥ずかしがる顔。」
風茉くんは、悪魔の微笑を浮かべた後、半泣きの私の顔に、キスをして起き上がった。
そして、手のほうは中指をゆっくり、入り口に侵入させてきた。
はじめての感覚に全身が強張ってしまう。
「半分入ったよ。痛い?咲十子。」
「いた・・くは・ないけ・・ど、、怖・・い。」
「じゃあ、ここは?」
さっき、時々感じた強い刺激がやってきた。
風茉くんが一番敏感なところをつまんでグリグリ動かしてるみたい。
今までの快感よりも強くてはっきりした感覚に、何かが押し出されそう。
「んっ・・・ふぅ・・。や、やだ、なに・・こ・・れ。風茉・・く・・。変、へ・・んに・・・。・・怖・・・い・・。」
侵入している指も、動き出して、もう、我慢できない!!
「・・・ふぅぅぅんっっっ・・!」
中心から、快感がはじけて、全身を通り抜けた。頭の中が真っ白になった。
77 :
36:03/08/23 07:11 ID:fUyyuXv+
自分の鼓動が大きく、聞こえる。さっきのなんだったの?
ぐったりしている、私に風茉くんが優しくキスしてくれた。
「咲十子が、はじめてイクとこ、全部、みてた。可愛いかった。」
あれが、イクってことなの?
「最初の怖がってた顔も、感じてた顔も、はじめてイッタ顔も全部、俺の。」
少しずつ、アタマが働き出して、すごく恥ずかしくなってきた。
逃げたいけど、全身がだるくて動けない。
それに、腰の方はさっきの快感の名残がムズムズ残ってて、うまく力が入らない。
「・・・・咲十子、俺、咲十子のこと全部、独り占めにしたいんだ。いいか?」
コクン。しっかりうなづいた。
「この、誕生日プレゼントは返品不可だからね。」
風茉くんは、ちょっと驚いた顔してた。
「返せって言っても、返さねぇよ。」
もう一度、キスをすると、風茉くんは入り口に分身を押し当ててきた。
「・・・んん。・・・痛・・い。」
さっきの指のときは感じなかった、入り口がひきつれるような痛みがある。
「もう少しで、楽になるから・・・。」
予想以上の痛みに、涙が浮かんでくる。
風茉くんとひとつになるんだから、頑張らなきゃ。
ギチッギチッとすすんでいた風茉くんが止まった。
「咲十子の、中に、全部、入った。」
すごく痛いんだけど、じんわり幸せな気持ちが満ちてく。
「・・・ごめ・・。咲十子。お前の中。気持ち良すぎ・・・。俺、動・・く・・。」
ガンガンガンガン
風茉くんの動きが激しくて、しっかり歯を食いしばっても、声が漏れちゃう。
「ふぐぅ・・・。いっつ・・。んんー。」
止まっていた涙も、流れはじめた。
ビ、ビクン。ドク、ドク。
風茉くんが果てるのを感じた。
78 :
36:03/08/23 07:13 ID:fUyyuXv+
すごく痛くて、ものすごくジンジンしてるけど、嫌じゃない。
私の上で、息をついている風茉くんを、ぎゅっと抱きしめた。
風茉くんは、今までで、一番、幸せそうな顔をして微笑んでくれて、
涙を、ぺロっとなめてきれいにした後で
「優しく出来なくてゴメン。」
って、照れてた。
「ハッピーバースデイ」そういって、鼻のアタマにキスをした。
79 :
36:03/08/23 07:15 ID:fUyyuXv+
エピローグ <翌朝>
妙に早く目が覚めちゃった。
昨日のことって、夢じゃないよね?
寝返りをうってみると、風茉くんのどアップがある。
やっぱり、夢じゃないだ。
昨夜のことを、思い出すと自然に赤面しちゃう。
そういえば、一応、儀式の一貫なんだっけ?
ということは、何か続きもあるの?
えっと、じゃあとりあえず、すぐに動けるように身支度しておこうっと。
お風呂からあがって、ご飯の支度をしてると、風茉くんがおきてきた。
やだ、なんか、すごく照れくさい。
それに、なんか、新婚さんみたい。
「おはよう、咲十子。・・・その、体、大丈夫か?」
いきなり、何てこと聞くのよ!
「おはよ。・・・・・ちょっと、痛いけど平気。儀式もちゃんとでるよ。」
「??儀式?何のこと言ってんだ?」
ヤダ、風茉くん寝ぼけてるのかな?
「え、九鉄さんがいってたよ、その、昨日のことは、和久寺家代々のしきたりで、
その儀式の一貫なんだって・・・。」
「あぁ。あれのことか。いいんだ、もともと、ばあさんが思いつきでやりだしたことで、うちにはそんなしきたりないから。」
は?どういうこと??また、アタマがフリーズしそう。
「どうやら最近のばあさんの道楽は源氏物語だの、平家物語だのらしくて、
影響されたらしいんだ。本とは、このあと、親族一同にお披露目とか言う恐ろしいこと計画してたんだ。」
なんだか、アタマがクラクラしてきた。
80 :
36:03/08/23 07:16 ID:fUyyuXv+
「ま、主犯は九鉄だな。ばあさんの提案をおもしろがって、実行しようとしてたんだから。」
「だ、だから、風茉くんは何も言ってくれなかったんじゃなくて、知らなかったの?」
「そーゆーことだな。余計なおせっかい以外の儀式は取りやめたけどな。」
「余計なおせっかいって?」
「その、九鉄のやろう、自分が幸せなもんだから、一美と結託して俺達の中を進展させたがってたんだよ。お前等は、誰かにお膳立てしてもらわないとダメだって・・・。」
「つ、つまり、私はまんまとはめられたってこと?・・・振袖でラッピングされたプレゼントだったのね・・・。」
「だな。・・・俺は嬉しかったけど・・・。」
あまりのことに、放心してしまった。
「咲十子、咲十子、おい、大丈夫か?」
「あぁ、平気、だまされたのにはちょっと腹が立つけど、
風茉くんと、その、そうなったのは嫌じゃなかったし。
2人とも、やりすぎだけど、一応、私たちのこと考えてくれたんだもんね。」
風茉くんは、嬉しそうに笑って
「俺も、今回のことはヤツラを多めにみてやるよ。
それとさ、鋼の誕生日プレゼントは
1週間の休暇なんだけど、このまま2人で過ごさないか?」
テレながら、いうから、こっちまで照れちゃう。
もちろん、返事はO.K.だけどね・・・。
―the end―
81 :
36:03/08/23 07:27 ID:fUyyuXv+
以上、です。
お目汚しスマソ。
本とは、もっと何にもわかんなくて四苦八苦の二人を書きたかったのに、
なぜか、風茉くんは言葉攻め&目線攻め・・・。
うーん、見事なへタレぶりです・・・逝ってきます。
>5さん、チズルさん
期待してます。頑張ってくださいね。
(無理しない程度に・・・。)
風茉×咲十子キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
萌えますた。
36さん 乙かれ〜(^▽^)
立派な初陣でしたよ!
年上の咲十子より余裕たっぷりの風茉に萌えますた(*´д`*)
さて、なんとなくですがコテハン名考えてみました
意味は特にないんですが・・・まあ『うたかたの夢』の様に
楽しんでいただけたらいいなあと
とりあえずまとまった続きができましたので、よかったら見てください
(あと1回で終わる予定・・・です(多分))
・・・それから後の事はよく覚えていない。
当主は実直で真面目な人柄であるとか、仕事の面でも一目置かれているとか、御城の家へ嫁ぐのはとても名誉な事であるとか・・・。
・・・そんな事を言っていた様な気がする。
― お前の幸せの為にも、将来の為にも一番いいのだ ―
部屋に戻って一人、父様の言葉を反芻する。
将来・・・幸せ・・・・・・・? とたんに笑いが込み上げる。
幸せとは一体何なのかと。決められた未来に一体何があるのかと。
閉じられた檻の中で、一人狂った様に自嘲的に笑う。
そして 静かに 少しだけ 泣いた。
― サァアアア・・・・ ― 窓の外から雨の音が聞こえる。
ここ最近ずっと雨の日ばかりが続いていた。
「・・・嫌な天気」思わず一人ごちて、さっとカーテンを閉める。
そうすると少しだけ雨の音が遠くなったような気がした。
私が御城の家に嫁ぐことが決まってから、すでに数日の時が流れていた。
当主とは一度も顔をあわせる事もないまま、結婚に向けての準備が静かに滞りなく進んでいく。
私にはまだ他人事のように感じられるのに・・・。
― ガタン ― 窓の方から物音が聞こえる。
まさかと思いながら急いでカーテンを開ける。
この雨の中傘も差さずに歩いてきたんだろう。
・・・そこには全身ずぶ濡れで、虚ろな瞳をした彼の姿があった。
尋常ではない彼の様子に、私は全てを悟った。
彼がここにきた理由も そして・・・彼の瞳が力なく私を見つめている理由も・・・。
タオルを差し出した手を彼がぐっと握り締める。
わずかな沈黙の後、ぽつりと彼が尋ねた。
「・・御城の・・・当主と結婚が決まったって・・・本当・・・・・・?」
― もう・・・これ以上隠す事など・・できない ―
「ええ・・・」
彼の瞳からすうっと力が抜けていく。
そして彼の顔に悲しみの・・・絶望の色が波紋のように広がっていく・・・・・・。
― バンッ! ―
「・・どうして・・・!」押し殺した声が鼓膜に響く。
壁に叩き付けた手が、肩が小刻みに震えている。
「あんた知ってたじゃないか。俺の・・・俺の気持ちなんてずっと・・・・っ!」
そう言う彼の頬からポタポタと水滴が流れ落ちる。
それは雨の所為なのかもしれない。
でもその時の私には、彼が・・・泣いている様に見えた。
「いやだ・・・」
ぎゅうっと彼が私の体を抱きしめる。 強く・・・強く・・・。
「駄目だ そんなの・・・!」
・・・抱きしめた彼の声がかすかに震えている。
「正吾さん 痛いわ・・・離して」
気持ちを悟られないように努めて冷静に言ったつもりだが、どこか声が上擦っている。
― どきん どきん どきんっ! ―
心臓が壊れそうなほど早鐘を打っているのがわかる。
・・・抱きしめられた体が・・熱くなってゆく。
「・・いやだ・・・」
そう言うと彼はぎゅっと抱きしめる力を強くした。
雨の所為で体は冷えているはずなのに、耳元にかかる吐息だけが熱い。
「離して・・・」
掠れた声でやっとそれだけを言う。
口を開くだけで、鼓動が・・・熱が全て・・・彼に伝わってしまうような気がした。
「今離したら、あんた俺の目の前から消えるだろ・・・・それだけは・・・いやだ」
しぼりだすように言う彼の言葉が胸に突き刺さる。
― 消えたりしない ― そう言えたら・・・どんなに幸せだろう。
でも今の私にはそんな事を言う資格などない。
そして彼も・・・そんなうわべだけの慰めなど求めてはいないのだ。
「・・・ねぇ 松子さん」しばらくそのままでいると不意に彼が口を開いた。
「一緒に・・・逃げようか? どっか遠くへさ」
私はゆっくり首を横に振った。
「そんなの無理よ。それに・・いつかこうなる気がして・・・んんっ!」
言い終わる前に彼が強引に唇をふさいだ。
一瞬何が起こったのか分からなくて、頭の中が真っ白になる。
その隙を突いて、また何度も何度も唇を重ねる。
「ん・・・ふぅっ・・ん・・・んん」
はっと我に返り、慌てて彼を引き離そうと腕に力を込めるが、反対に両手をつかまれてがっちりと動きを封じられてしまった。
彼に握られた手首にぐっと力が込められる。
「時々・・・あなたのそういう所がすごく厭になるよ」
吐き捨てる様にそう言うと、また強引に唇を重ね、舌を割り入れる。
初めての感触に唇から背筋にかけてぞくっと電流のように刺激が走る。
「ん・・んんっ!・・・はぁ・・・あっ・・・んっ・・んんっ・・・!」
唇を・・舌を味わい尽くすように動くそれは頭の奥を痺れさせるには充分だった。
いつしか私は抵抗する事をやめ、彼に身を任せていった・・・。
そして・・・力がすっかり抜け切った所で、やっと彼は私を解放した。
お互いに息が荒い。呼吸の仕方を忘れたように互いに空気を求め合う。
しばらくして呼吸が落ち着いた後も、さっきのキスの余韻がまだ唇に残っていた。
・・・頭が眩々する。
そのままぼぅっとしていると、そんな私の様子をいつの間にか彼がじっと見つめていた。
「・・駄目だよ、松子さん・・・俺の前でそんな・・無防備な顔しちゃ・・・」
そうぽつりといいながら、彼はどこか苦しそうに目を伏せる。
「・・・抑えられなくなるよ・・・」
「どうして・・・?」頭がぼうっとしてうまく働かない。でもそれだけ訊ねた。
まさかこんな状態の私から、問い返されるとは思わなかったのだろう。
少し困ったような顔を浮かべながら、やがて意を決したように私の方へ向き直った。
「俺は 松子さんの事が好きだよ・・・。だから誰よりも一番大事にしたいと思う。だけど・・・」
― 時々・・・すごくあなたの事をめちゃくちゃにしたくなる・・・―
「だからもし・・・俺の事が嫌なら断ってくれても構わない。 俺は・・・」
・・・やがてしばらくの沈黙の後、彼がようやく口を開いた。
「俺は・・・あなたを 俺だけのものにしたい・・・・・・」
―― ・・・あなたを・・・抱きたい・・・・・ ――
90 :
うたかた:03/08/24 02:42 ID:ILMqufN/
今日はここまでです
あんまりヘタレで、正直恥ずかしいのですが・・・(汗
楽しんでいただけたら幸いです
それではまた(=゚ω゚)ノシ
91 :
名無しさん@ピンキー:03/08/24 21:40 ID:Y42vmxBb
殿×松子キタ――――(・∀・)――――!!
続ききぼん
92 :
チズル:03/08/24 21:45 ID:VZQ4ctI0
36さん、うたかたさんお疲れですm(_ _)m
もう、見ててドキドキ萌萌でした☆
咲十子が激可愛くて可愛くてもう…vv
そしてうたかたさんの殿にはクラクラさせられましたぁ(* *)vv
お二人の次の読物&新しい書き手さんにも期待しちゃいます☆
93 :
36:03/08/24 22:52 ID:oOsoIU/m
>うたかたさん
殿×松子 いよいよですね。
正吾君、暴走して下さい!!許します。って感じです。
感情、状況ともに描写がウマイ!ドキドキしてますvv。
>チズルさん
次回作、待ってます☆。
誉められて、木に登りかけてるブタさんなんですが、
次回も、ディアマインで書きたいです。
お勧め、カップリングあったら教えてください。
94 :
名無しさん@ピンキー:03/08/24 23:12 ID:8Y3Qnung
>93
風茉×咲十子、乙です!
数年後の設定なのに小学生の風茉のままで想像してしまう…ヤバイヤバイ。
次回もディアマインで、とのことですが
九鉄×一美を希望します…
95 :
名無しさん@ピンキー:03/08/25 17:16 ID:O3MxXlTP
次のSSくるまで、マターリほしゅしとくか…
一美×九鉄 漏れもキボン
96 :
うたかた:03/08/26 00:50 ID:X+3AM3x+
>91〜93
レスありがdです
やっぱ感想もらえるとうれしいですよねぇ・・・☆-(ノ^Д^)八(^Д^ )ノ
でも後から読み返すと、日本語が怪しい所があって恥ずかしい・・・・゚・(ノ∀`)・゚・。
続きはもう少しお待ちを
やっとエチー突入ですのでがんがります(・`ω´・)☆シャキーン
なんだか今書いてるのが暗めの話なので、その反動か もし次に書く時には明るい話を書きたいですね
>チズル様
ケータイからSS書いてるとは・・・お見事ですw
新作楽しみに待ってます〜
>36様
登っちゃって(・∀・)イイ! ですよw
ディアマインだと風茉×咲十子の他はやっぱり一美×九鉄がイイですね
スレでの需要も高そうですし(*´д`*)
楽しみに待ってます!
97 :
うたかた:03/08/26 00:54 ID:X+3AM3x+
しまった・・・あげてしまった(汗
御城の檻の中にでも逝ってきます;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
98 :
チズル:03/08/26 01:47 ID:iIX2i4Rl
今回は両思いになってからの才×しのでいってみようかと;
前回と同じく乱文・脱字で御見苦しい所ありましたらスイマセン;
あの日。あの場所で。あなたと約束したこと一度足りとも忘れたことなんてなかったのに。何度悲しい顔をさせてしまったのだろう。これからは…一緒に…
ギシッ
「まっ、待って才蔵。一度汗を流し…」
「才蔵は…もう限界です。」
薄暗い部屋の中。唯一の明かりは窓からの三日月の光だけ。
薄いカーテンの奥、白いシーツのダブルベットの上には人影。紫信に覆い被さるようにねそべる才蔵がいた。
99 :
チズル:03/08/26 01:48 ID:q0hgvGoh
「紫信様がいけないんです。そのような恰好でウロウロされては、才蔵以外の男もじっとはしていられません。」
既に眼鏡は外しており、いつのまにか片手で自分の服のボタンをも外していた。
間から除く少し白い肌には無数の傷。無駄な肉の付かない少し男を感じさせる体に紫信は体が強く脈打ち、高潮するのを感じた。
「だ…そ、そんなのしのの勝手でしょ。しのだって暑ければ薄着にくらいなるわ。」
紫信は精一杯の強い口調で反論した。
しかし内心では、こんなふうになることを望んでいたのでは?と自分自身を疑問に感じていた。
100 :
チズル:03/08/26 01:49 ID:wjEo7pVh
紫信は中にショーツだけ履きネグリジェ一枚で部屋の中を歩き回っていたのだ。
正吾がくれたシルクのような服は歩くたびに体の線がはっきりと浮かび上がる。
まだ幼いが形のいい胸の膨らみと小さな突起、そこから下へ柔らかな線を描くくびれ、少しショーツの線が浮かびあがる丸びをおびた場所から下には透き通るようなしろいふとももが見え隠れした。
そんな姿をみてじっとしていられる程才蔵は辛抱強くない。
「紫信様…。」
才蔵は一瞬勢いで押し倒してしまったことを悔やんだが紫信の乱れた服と体制を見た途端、ふっきれていた。
※ ※
※ ※ ※ ※
※ ☆ ☆ ☆ ☆ ※
※ ☆ ※ ※※ ※.☆ ※
※ ☆ ※ ※ ※ ※ ※ ☆ ※
※ ☆ ※ ※※☆※※ ※ ☆ ※
※ ☆ ※ ※☆100マデ☆※ ※ ☆ ※
※ ☆ ※ ※☆ (・∀・) ☆※ ※ ☆ ※
※ ☆ ※ ※☆キタ--!!☆※ ※ ☆ ※
※ ☆ ※ ※※☆※※ ※ ☆ ※
※ ☆ ※ ※ ※ ※ ※ ☆ ※
※ ☆ ※ ※※ ※ ☆ ※
※ ☆ ☆ ☆ ☆ ※
※ ※ ※ ※
※ ※
作 家 様 良 作 お 待 ち し て い ま す !
103 :
名無しさん@ピンキー:03/08/26 20:50 ID:W/VRQrfV
打ち上げ失敗・・・_| ̄|○
104 :
33129:03/08/26 20:53 ID:VBibBCkQ
新作キタ━*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*━!!!!!
保守しときまつ
36です。おだてられて木に登ってしまいました。
というわけで、コテハンもそのまんまです。
>チズルさん
新作お待ちしておりました☆。
期待してますvv。
相変わらずへたくそですが、九鉄×一美です。
良かったら読んでやってください。
また勝手にその後(4年後)の設定です。
暗がりの中、2人の声だけが響いている。
お互いに座ったまま抱き合っていて、表情は見えない。
俺には、ただ背中に流れる豊かな黒髪だけが見えている。
俺の手に絡みつく黒髪は汗に濡れて、なかなか離れない。
そうかと思うと、手に握り締めていた髪の毛は、流れるようになくなっている。
まるで、俺みたいだ。完全に手に入れることも、思い出から逃げ出すことも出来ない。
上の空だった俺を、現実が引き戻した。
「・・・あぁん。九・・鉄・・・、もう・・やめて、すご・・く、奥、まで、きて・・る・・。」
入れたまま、髪をいじり続ける俺に我慢できなくなったらしい。
しっかり、抱きとめてるから自分が動くことも出来ずに、苦しそうだ。
「ずいぶん、積極的になったもんだな。箱入りのお嬢さん。」
そのままの体勢で下からつき続ける。
「っん、、あぁ・ん、、はぁ、・・・。」
甘ったるい声を聞きながら、俺は目を閉じて頂上を目指す。
途中で声が途切れた気がするが、もう止められない。
ぐったりと、もたれかかった体を突きあげ続け、目の裏にちらつくアイツの名前を呼んだ。
「・・・一美!!」
終わった後で俺が髪を撫でてやると、突然、泣き出した。
こいつも、そろそろ限界かな?
どいつもこいつも
根性ねえな。
最初に、身代わりに使ってくれっていったのは、そっちだぜ。
結局、長くても4ヶ月しかもちやしねぇ。
それとも、これが普通の感覚なのか?
見込みのない思いを、年も捨てられない俺の方が、おかしいだろうか。
・・・ねぇ。九鉄、私はただの性欲処理ロボット?この髪の毛がなかったら私なんて価値もないの?」
「・・・割りきった、関係でいたいんじゃなかったっけ?」
彼女は、絶句してしまった。正直、俺も自分が最低な男だと思う。
「・・・でも、・・・少なくとも、私はあなたを見てるわ!でも、あなたは・・・、」
また、泣き出してしまった。
もう、これ以上は無理だな。ベットから抜け出すと、帰り支度をはじめた。
「ほら、したくしなよ。送っていくから。」
彼女はショックのあまり、呆然としている。
そう、それでいい。最悪な男だったと思って恨んでくれればいい。
「それと、もう俺に連絡しないでくれ。お互いその方がいいだろ?」
俺は本当に最悪の男だ。この結末は、二人の関係が始まったときからわかっていた。
それでも、かなわぬ想いに押しつぶされそうで、一人ではいられないんだ。
とことん、自分勝手な男だよ。俺は。
やるせない気持ちのまま、仕事へ向かった。
今日は、長期海外出張に同行して時差ぼけ中の主人を起こすことから仕事が始まる。
ここから既に分刻みのスケジュールは始まっている。
「おら!一姫、起きろ!!時間だぞ!!」
部屋に入ったとたん、花のような香りを感じた。
大声を出しながら、部屋に入っても一美は目を覚まさない。いつものことだ。
お嬢様のお決まりスタイル。キングサイズのベットに、天蓋つき。
レースをかき分けて、ベットの淵に腰掛ける。
この数分間の寝顔だけは俺のものだ。
―たとえ、見ているのが鋼十郎の夢だとしても―
この2ヶ月間、坊ちゃんのパートナー役として忙しい日々を送っていたのだろう。
少し、やせたみたいだな。
「おかえり。一美。」
黒髪に縁取られた頬に、そっと手を沿えて確認する。
一瞬、一美の顔が大人びて見えて、思わず手を引っ込める。
いっくら、成長期でも2ヶ月でそんな、変わるわけないよな。
一呼吸おいて、いつものノリで声をかけた。
「おーい。一姫、14にもなって寝坊するのかぁ!?鋼十郎に言いつけるゾ!」
おー、さすがさすが.鋼十郎の名前が出ると即座に反応するんだから。
「・・・鉄。・・・今、何時?」
「いちおー、まだセーフだよ。あと10分でしたくすりゃ朝飯も食えるよ。」
それを聞くと、がバッと起き上がって行動を開始する。
もう、何年も続いてきた朝の一幕だ。
ただ、最近の俺には、朝日にたたずむ一美の姿はまぶしくて仕方ない。
一美はそばにいてくれるだけで、俺に幸せを与える存在だ。
たとえ、自分の想いが叶わなくても一美が幸せになれるのなら、何でもしてやりたい。なにものからも傷つけられないように守りたい。
そのくせ、未練たらしく、その想いを諦めきれないから、他の女を傷つけてる。
これじゃあ、その辺の小学生と変わらないんじゃないのか?
我ながら情けない。
本日は、ここまでです
ちょっとでも、気に入っていただけたら幸いです。
人気がある2人だけに、イメージ壊してたらごめんなさい。
先にあやまっておきます。(w
とりあえず、今回も完結目標に頑張ります!!
111 :
名無しさん@ピンキー:03/08/28 22:05 ID:t2dffWbF
>110
(・∀・)イイ!!
最初、イキナリかよ!!とチョトびっくりしますたが、
そうだよね、まだ4年しか経ってないんだよなー。
本編の一美がすっごく大人びてるからもうハタチくらいかと
勘違いしちゃった。
応援してます、がんばってください!
>111 レスありがd!!
びっくりしていただけて、しめしめって感じです。
とりあえず、続きをうpしようと思います。
しかし、なんか、ダラダラ長いです。
力不足を実感します。へタレです。
良かったら読んでください。
「ちょっと、鉄?」
物思いにふけってたら、いきなり間近に一美の顔がある。
「おぁっ!なんだよ!!」
「それはこっちのせりふだわ。着替えのときくらい気を利かせてくれても
いいんじゃなくて?」
「おい、それじゃあ俺が全く気の利かない、男みたいじゃないか!
紳士だと評判なんだぜ、俺って。」
「その評判はどういった方にもらったの?」
「主に、ナンパした女の子とか、お店のオネェサンかな?」
「・・・・もう!!相変わらずフラフラしてるのね!!。
とにかく、着替えられないから部屋から出てよ!」
相変わらず、冗談の通じないヤツだな。
背中を押されながら、戻ってきた日常にほっとしている。
最後にひとこと、これは自己暗示でもあるんだろうな。
「そんなに必死にならなくても、お前のまっ平らなお子ちゃま体型なんて見ても興奮しねぇよ。」
「もぅー!!いいから出ていいって!!」
この騒ぎからいつもの毎日が始まる。
部屋から出ると、執事と出くわした。
「相変わらずですな。一美様は普段とても大人びておられますが、藤田様といるときだけは普通の少女のようで、見ていて安心できます。」
「そう言っていただけると、光栄ですが当の姫からはお叱りを受けるんですよ。鉄といると落ち着けないと・・・。」
「良いのですよ。それで。私たちでは逆に気を使わせてしまいますから。きっと一美様はあなたに全幅の信頼を置いていると思いますよ。」
「全幅の信頼ねぇ。・・・そりゃ、荷が重いや。」
「何の、軽々と持っておられるように、お見受けしますよ。
それでは、朝食の準備を急がせますので、失礼します。」
相変わらず、しゃれたじい様だ。
今日の俺はそんなにひどい顔をしていたんだろうか。
あのじいさんは、人が落ち込んでいるときに必ず声をかけて励ましてくれる。
さすが、年の功。きっと俺の気持ちもばれてるんだろう。
しかし、全幅の信頼ねぇ。
正直、俺は一美の信頼に耐えられなくなりそうなんだよな。
一美が望んでいるのは、何でも相談できる兄のような存在だ。
今までは、外見の幼さが俺にブレーキをかけてた。
でも、最近の一美は俺にとって女にしか見えない。
12のとき、一美は貧血で倒れた。そのときの青白い顔は鳥肌が立つほどきれいだった。
そのとき、一美の体に変化が起こっていた。初経だ。一美は女になった。
気さくな兄の仮面をかぶって一美に接するのも辛くなってきた。
俺、前世でよっぽど悪いことしたんだろうか?
俺の好きになる女はいつもこっちを向いてくれない人ばかりだ。
万理さんのときと同じ後悔を繰り返さないように、一美の傍にいる覚悟をしたつもりだった。
でも、このままじゃあ、一美の信頼を裏切って、傷つけてしまいそうだ。
一美にとっての危険人物は、この兄の仮面をかぶった俺なんだ。
情けないが、俺は鋼十郎に泣きついて2ヶ月の海外出張の代行をしてもらった。
本来は鋼十郎が本社に残り、俺が現地に同行するはずだった。
とにかく、一度、一美から離れてこれからのことを考えたかった。
もう、答えはでてるようなもんだったけど・・・。
□ □ □
朝食を終えた一美をつれスケジュールを1つずつ確認する。
後部座席の一美は、パソコンでメールチェックしながら俺の言葉に頷く。
一美は12になってから、ファッションやアクセサリー、飲食店産業などの部門を一部任されている。
坊ちゃんほどじゃないにせよ、多忙なのだ。
それなりに成果も出してきている。
まぁ、これまで頭の硬いおっさんのおかげでグループのお荷物だった部門が息を吹き返し始めたという程度で爆発的に利益をあげたわけではないが。
柔軟な感性と、今まで学んできた帝王学、それに加えて完璧を求める性格が見事にはまった。
最初は文句を言っていたおっさん連中も実力で黙らした。
もう、十分だよな。サポートするのは俺じゃなくても。
むしろ、もっと業績伸びるかもな。
愛の力は偉大だって言うし。
そう、俺はこの2ヶ月間で、一美の傍から離れる決心をした。
後任は有無を言わさず、鋼十郎にする予定だ。
俺が一美のためにしてやる最後のおせっかいだ。
スケジュールの最後にさらっと付け加えた。
「あっ、あと俺、今度の視察でお守役兼秘書業務辞めるから。後任は鋼十郎だ。頑張れよ。」
パソコンの画面でうまく表情が見えないが、ルームミラーの中の一美は身じろぎ一つしなかった。
ただ、髪の毛が肩から、はらりと滑り落ちただけだ。
ま、会社についてからの一美はいつもと変わらなかったから、大丈夫だろう。
□ □ □
それからの日々は本当に飛ぶように過ぎていった。
鋼十郎との業務の引継ぎ、屋敷の中での一美の世話役の選定。
辞めた後どの部門に異動するか、感傷にふける暇もないほど用事があった。
秘書業務は第2秘書に任せた。
当然、一美と顔を合わす時間もほとんどなかった。
あの日以来、一美を起こしに行く事もしなかった。
離れている時間が長いほど、一美との思い出が頭をよぎる。
黒髪の記憶。
きっとどれだけ逃げても、俺の心は黒髪に絡め取られたままだろう。
そして、また俺は身代わりになってくれる女を探すのだろう。
一美から離れることも、一美の傍にいることも、同じだけ苦しい。
情けねぇ、30年近く生きてきて、自分の気持も操れない。
俺が一美の傍を離れることは、すぐに坊ちゃん達に伝わった。
麻里さんのときの後悔を知っている咲十子ちゃんはもちろん、勘のいい坊ちゃんも何か言いたげだった。
それを止めてくれたのは鋼十郎だ。
本当に、アイツには迷惑ばかりかけている。
本当に、俺はどうしようもない。
今回、鋼十郎は俺の申し出を受ける条件を、
『一美の視察旅行には俺だけが同行すること。』にした。
まぁ、最後の思い出だ。
しっかりけじめをつけて、一美の前から去ろう。そう決めた。
□ □ □
今、俺は飛行場のロビーにいる。
今回の視察先は和久寺グループ所有の無人島だ。
数ある島の中から、現在計画中のリゾート施設にふさわしい物件を選び出すのが目的だ。
この計画は、ここのところ不振の続くリゾート開発で目玉となるもので、一美の評価を決定付けることになるものだ。
情報を出し抜かれるようなことがあってはいけないので、表向きは一美の夏休みとして、出発する。
目的地は東南アジアだ。
鋼十郎と話し合った結果、俺は先乗りして現地の下準備を整え、飛行場で一美を出迎える
ことにした。
一美を乗せた飛行機は、どうやら、無事に到着したようだ。
到着ロビーに人があふれる。
一美はまだ、現れない。何かあったんだろうか・・・。
到着ロビーにあふれていた人は既にまばらになってきている。
心配のあまり、航空会社に問い合わせようかと、立ち上がったときボディガードに付き添われて一美が現れた。
シンプルな黒いノースリーブのワンピースに華奢なヒールのミュール。アップにした髪。
以前なら無理をして大人ぶっているように見えた。
でも、今日の一美は違った。よく似合っていた。
ボディガードを下がらせる手の動き、普段は隠れている白いうなじ、色気さえ感じる。
俺を見つけて手を振る一美の笑顔が、きれい過ぎて息をのんだ。
ゆっくり近寄ってくる一美を見ながら、精一杯頭を切り替えた。
「一姫、久々だな!しかし、また、えらく大人ぶったもんだな?胸、余ってるぞ。」
「相変わらずね。久しぶりに会って、いきなりそんなことを言うのは鉄くらいだわ。」
「まぁまぁ、荷物は?全部送ったの?よし、じゃあさっそく移動するぞ。台風が発生しそうだから急いで予定を消化しないといけないんだ。」
「ところで、本当に大丈夫なんでしょうね?鉄の操縦ってなんだか怖いものがあるわ。」
「信用ね―な。車の運転だってうまいだろ。安心しなさい!」
いつもの自分が出来ていることに安心した。
その一方で、このままどこかに連れ去ってしまいたい衝動も感じていた。
台風発生の危険性を知りながらも、ヘリを出そうとしているのはそのせいかもしれない。
まさかな。自分の思いつきに苦笑しながらヘリポートへの道を急いだ。
とりあえずここまでです。
あと2回くらいでまとめたいなーと思ってます。
うたかたさん、チズルさんの続きを期待しつつ、頑張りまつ。
新作家さんもぜひ、おいでください。待ってます;&heart
↑うわ、やっちゃった。
ハートの練習しに逝ってきまつ・・・。
120 :
うたかた:03/08/29 14:25 ID:m3D9Cp05
新作キタ――――(・∀・)――――!!(しかも2作も!)
お二方仕事が早いッす! それに比べて私は・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
続き期待してまつ
そして新たな書き手さんもお待ちしておりますm(_ _)m
それはそうと・・・
真っ昼間から木登りさんのキティクな九鉄に萌えた私は
逝ってよしですかw;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
ほしゅ☆しときます♪
作家様方SS期待してますね!(^∀^)ノシ
んじゃ漏れもほしゅ
(* ̄- ̄)y─┛.。oO(SSこないかな・・・)
124 :
チズル:03/09/01 23:01 ID:/QxJX+/k
学校始まって中々続きが書けんです(; ;)
だれか続きを素晴らしきSS様書いていただけたらウレスィ…♪
とりあえず、続きです。
□ □ □
移動手段にヘリを選んだのは正解だった。
プロペラの騒音と、トランシーバーのおかげで会話をしなくてすむ。
俺は少しでもボロを出す事が怖かった。
最後まで、一美の信頼に応えたかった。
もう、俺には余裕なんてない。
早く視察を終えて、日本に帰りたいとさえ思い出していた。
今回の、視察は無人島に建てられた別荘の調査だ。
このリゾート計画は『プライベート・アイランド』をテーマにしている。
島まるごと貸切にするという、大胆な企画だ。
新しく建築するリゾート施設の目玉となるものだ。
その島自体は、歩いて4〜5時間で一周できるほど小さいが、ビーチあり、ダイビングスポットあり、と良いことづくめだ。
もちろん、隣の島からも離れているので、密会にももってこいだ。
グループのおっさん達は何のために使っていたのやら。
坊ちゃんの目が厳しくなり、実力のないものは切り捨てられる今、
のんきなおっさん達も、さすがに不倫旅行している暇はないらしく、
これらの施設は、最近使用されていない。
そんな状態なので、使用人も現在は常駐していないし、発電機の重油も非常用しか置いていない。
まぁ。どんなに寂れていても和久寺の別荘だ。建物自体はありえないほど豪華で頑丈に建てられている。
今回、確かめるところは、建物の老朽度と周囲の環境の変化の有無、内装の補修にかかる経費の概算だ。
島に着いてからの行動を考えるうちに、目的地に近づいてきた。
よし、これからが大変だ。気ぃ抜くなよ!と自分に言い聞かせ、ヘリの高度を下げていった。
ヘリポートの降り立った俺は、いつも車でするように、一美の方に周り、ドアを開けてやる。
階段を下りる一美が手を差し出す。
すかさず俺が手を取る。
言葉はなくても長年培われた呼吸がある、体に染み付いている。
「ふふ。さすが鉄。」
嬉しそうに微笑む一美、俺と同じ事を感じたのだろうか。
こんなことが、嬉しくて早くもメッキがはがれそうだ。
やべぇ。手が汗ばんできた。
これじゃ、本当に中坊だぞ。
俺の変化に気付かれたくなくて、わざと乱暴に手をひく。
「きゃ!階段から落ちたらどうするのよ!」
「いったろ、台風が発生しそうで時間がねぇんだよ。ちんたらすんじゃねーぞ。」
「ちょっと、待ってよー。靴、履き替えなきゃ・・・。もう、待ってたら!」
先を急ぐ俺に一美が小走りで駆け寄ってくる。
いつもは颯爽と歩く一美の後ろを、俺が歩く。
俺の後を一美がついてくるのは、幼いとき以来のことだ。
もう、気持ちは決めたはずなのにこんなに愛しいものから離れてしまっていいのか?と考えてしまう。
□ □ □
ヘリポートからビーチを回り、テニスコート、プール、物資輸送用の港と、ヨットハーバー、最後に従業員施設と、別荘という順序で回る。
ここからは仕事モードだ、それぞれの施設ごとに考えてきたチェック項目を確かめていく。
いくら、俺や一美の仕事が早いといっても、たった二人で全てを調査するのは、大仕事だ。
そもそも、こんな調査、一美自身が赴くことは、ないんだ。
でも、何でも全力投球で、完ぺき主義の一美にとって自分の目で確かめたかったんだろう。
鋼十郎には、時には無理矢理でも休ませるようにいっておこう。
俺の目には、ワンピースをはためかせて、日傘をさしてたたずむ一美が映っていた。
「おぉ、悪い悪い!ようやく機械のチェック終わった。ずいぶん待っただろ?」
「・・・そんなことないわ。私も今、終わったところだから。」
おっかしいな?一美のスピードならそんなに時間かかるはずねぇのに。
「なんか、問題あったのか?」
「そんなことないんだけど、・・・やっぱりタイルは全部張り替えね。」
なんか、変だな。とは思ったものの、明らかに風が強くなってきている。
こりゃ、いそがねぇとヘリが出せなくなるぞ。
「そっか、じゃあ、次は港だ。ちょっと急ぐから後、ついて来いよ!」
プールから港までは一本道だ。そろそろ、見えてきたぞ、と振り返ると一美は10メートルくらい遅れている。
なんだか、歩き方もおかしい。
「おい!どうしたんだ!ひねったのか?いつやったんだ!?早くいえよ!」
「大丈夫よ、たいしたことないわ。」
「んなわけないだろ?あーぁ、えらく腫れてるぞ。」
「そんなことないわよ。ビーチでちょっと足を取られただけだもの。先を急ぐんでしょ、ゆっくり行くから鉄は自分の仕事をして。」
「お前、ビーチから我慢してたのか?仕事よりこっちが優先だろ、歩けてたから骨に異常はなさそうだけど、手当てしないとな。・・・・ほら、乗っかれ!」
一美に背を向けてしゃがみこんだ。
「おい、早くしろよ!雨が降り出すまでにヘリにつかないと島から出れなくなるぞ。重くても、文句いわねぇから、ほら!」
おずおずと、一美が背中に体を預けてきた。
軽い。そのくせ、背中にあたる一美の体はやわらかい。
靴を脱がせたときに気が付いた。
一美はずっと、あの華奢なヒールのミュールをはいていた。
あの時、ヘリポートで一美が待ってくれといったとき、俺が待ってやれば怪我させずにすんだんだ。
後悔が俺を襲う。
「鉄、怪我をしたら優しいのね。私、『ガキが大人ぶるからだ』って怒られると思ったの。正直に言うと、自分でも背伸びをして早く大人になりたいと思ってたし。」
申し訳なくて返す言葉が見つからない。
「・・・本当の大人はそんなこと考えないものね。鉄に安心してもらおうと思って、頑張るつもりだったのに、さっそく迷惑かけちゃった。」
「・・・怒ってなんかないよ。痛かったのに我慢させて悪かったな。」
「本とに怒ってない?予定、狂っちゃったのに。」
コテンと、一美の頭が肩に寄りかかった。俺が怒っていないと聞いて、安心したんだろうか?
「いいよ、半分は予定こなしてるし。それより、どうした?気分でも悪いのか?」
「・・・・ううん、鉄の背中。大きくて暖かくて、鉄の匂いがして安心するの。」
なんでこんなに無防備なんだろう。心臓をわしづかみにされたみたいだ。
「寝ててもいいぞ、ついたら起こす・・・。」
ゴォォォォォ。嫌な音が聞こえる。
ポツン、ポツン、ザァァァ・・・・・。
全てを言い終わる前に、急に強い雨が降り出した。
「やばいな、台風発生が早まるかもしれない。減りを出すのは無理だな。」
一美を背負いなおし、目的地を変更する。
「えっ?鉄、どこに行くの?」
「別荘だよ。遭難者がこの島にたどり着いたときのために、非常用の食料と発電機の燃料があるんだ。」
強い雨に打たれながら、在原業平みたいだな。と思った。
―どうか、雨がやんで夜が明けても、姫が鬼にさらわれていませんように。―
姫の無事を祈るのも、鬼となって姫を奪おうとするのも、俺自身だ。
風の強さが増したようだった。
□ □ □
外は、完全に嵐が吹き荒れている。
よくテレビで見る沖縄の映像のようだ。
東京の台風とはくらべものにならない。
一美はダイニングの椅子に座らせ足にはシップを貼った、
俺は地下の発電機を作動させようとしている。
この別荘にたどり着くまでの間に、俺達はずぶ濡れになっていた。
作業に集中しようとするが、どうしてもこれからのことを考えてしまう。
ヘリの無線で、本島の別荘に連絡を取った。
どうやら、今回の台風はものすごく大型でスピードが遅いらしい。
最悪、3、4日間ここで過ごさなければならない。
雨にぬれた一美の姿を思い出す。
ワンピースは体に張り付き、柔らかな曲線をはっきり見せていた。
まとめられた髪から出ている後れ毛が、一美のうなじに悩ましげに張り付いていた。
発電機が、ゴォォォンという、唸りを上げたのと同時に、
「・・・・やべぇな。」
と、ため息をついてしまった。
なかなか、一美の前に戻る決心がつかずにいると、
ガシャーーン!!というけたたましい音が聞こえてきた。
一美に何かあったのか?考えるよりも先に体が動いていた。
「おい、一姫!大丈夫か??」
ダイニングには姿がない。どこにいるんだ?
バタン、バタンと1つ1つドアを開けて確かめる。
一美はキッチンにいた。
「一姫、怪我はないか?」
俺の、あまりの剣幕にきょとんとしている。
「もう、鉄ったら、そんなに息を切らして、、、。」
「でっかい音がしたぞ、なにをしようとしてたんだ?座ってろって言っただろ。」
??一美の顔が少し曇る。
「ただ、お茶を入れようと思ったの。濡れたままで体が冷えちゃうといけないから・・・。」
「ここまで歩いてくるのも大変だっただろう?俺に言えば良かったのに・・・。」
「・・・・・。」
「いいんだぜ、今更、遠慮しなくても。おっ、それより電気ついたからシャワー浴びて来いよ。そのほうがお茶より早く暖まるぞ。」
「・・・わかった。・・・そうする。」
なにをそんなに落ち込んでいるんだろう。一美は明らかにがっかりしているようだ。
「お前が上がるまでに部屋の支度しておくから、あと、着替えは、、、、多分従業員用の寝巻きだな。地下のランドリーにあったから持ってくる。」
「うん、じゃ、お願い。・・・・・部屋で待ってる。」
きっと、不安なんだろうな。こんなところに何日もいなくちゃいけないなんて・・・。
せめて体だけでも、落ち着かせてやりたい、そう思って俺は必死に働いた。
一階のメインルームを主に、使うことにした。
その部屋は、中で小さく接客室、寝室、バスルームに分けられている。
発電機の燃料を節約するため、こことキッチン以外の電気は使わないように決めた。
そんなわけで、俺は一美のシャワーの音を聞きながら、寝室のベッドメイキングをしている。
正直、今回ばかりは、俺が大人で良かったと思う。
無人島、二人きり、不安な夜、無防備な彼女、・・・中坊だったら我慢できないね、絶対。
そう考えると、やっぱり坊ちゃんは我慢強いといえるのかもな。
いまだに、キス以上してないみたいだし。
しかし、咲十子ちゃんがその気になるときなんて、いつになるのやら。
そう考えると、やっぱり若さゆえの勢い、というか、暴走も必要なんだな。
ベッドメイキングを終えて、ベッドの淵に腰掛けて大荒れの海を見ながらボーっと考えた。
―花の香りがする・・・。―
ふわっと暖かいものが俺の背中にかぶさってきた。
一瞬置いて、
「鉄、抱いて。」
一美の、緊張で掠れた声が聞こえた。
やっと、終わりが見えてきました。
今晩中に書き上げる予定です。
本当にダラダラ長くなってしまってすみません。
□ □ □
俺の冷え切った体に、じんわりと一美のぬくもりが伝わってくる。
なにが、起こってるんだ?俺は夢でも見てるのか?
このまま、勢いに流されてしまいたい、気持ちも確かにあった。
でも、そうするには俺は大人になりすぎていた。
「・・・相手、間違えてるんじゃねーのか?鋼十郎は日本だぜ。」
首に、巻きついていた腕が緩んだ。
俺は立ち上がり窓の外を見つめた。
「なんで急にそんなこと言い出したのか知らないけど、焦らなくても大丈夫だよ。お前はきれいになるよ。きっと鋼十郎もみとれるくらい。」
ゆっくりと振り返ると呆然と俺の方を見る一美の目とあった。
湯上りの上気した肌はうっすらピンク色になっている。
それを隠すのはバスタオルと、濡れた黒髪だけだ。
黒髪から滴る水滴は、「艶かしい」という言葉を思い起こさせた。
すぐにでも自分の言葉を撤回したかった。
「お前はもう、誰よりもきれいだ」と。
それと同時に、一美をこんなに追い詰めている鋼十郎を恨めしく思った。
俺には慰めることしか出来ない。
浴室からタオルを取ってくると、頭をゴシゴシと拭いてやった。
タオルで顔が見えなくなると、一美の嗚咽が聞こえてきた。
何も、声をかけず、ひたすら手を動かす。
5分くらいたっただろうか、次第に一美の嗚咽が収まってきた。
「・・・鉄。いなくならないで。」
小さな小さな声は聞き取るのがやっとだった。
これだけ長く一緒にいても、こんなにか細い声を聞いたのは初めてだ。
「ちっとも鉄の役に立てなくて、今回だけでも予定を狂わせたり、お茶も入れられなかったり、本当に何にも出来ない子どもで面倒くさいけど、・・・。でも、今の気持ちは本物なの。」
俺は、心にまで傷を負わせていたのか。手が止まってしまう。
「・・・・私、今までずっと、自分の気持をごまかしてたの。それに気付いてしまったらもう我慢できなくなったの。もう子どもじゃないって知って欲しかった。」
一美が顔を上げたひょうしに、俺の手と、タオルは滑り落ちた。
「鉄が好きなの。鉄じゃなきゃダメなの。」
驚きのあまり、言葉が頭で反響する。
「私、鉄との関係を壊したくなかった。自分の気持に気付いてから、また、鋼十郎様の時みたいになったらって思うと怖かったの。だから、相変わらず鋼十郎様が好きなふりしてたの。鉄にとって、こんな子どもの気持ちは迷惑でしょう。」
これは現実なのか?。
「もう、覚えてないかもしれないけれど、私が倒れたとき、抱き上げて運んでくれたでしょ。その時はっきりと自分の気持に気付いたの。胸がドキドキして苦しかった。意識が戻ってきたとき、鉄の心配そうな顔があって、この人を独り占めしたいって思ったの。」
沈黙する二人をよそに、風の音が轟々と鳴り響いている。
やばい、考えがまとまらねぇ。
「ごめんなさい。最後に一番困らせちゃった。もう、こんな馬鹿なことはしないわ。」
涙を浮かべながら、ベッドを降りようとしていた一美が、気付いたら俺の腕の中にいた。
考えるよりも先に体が動いた。
□ □ □
俺も、一美もきょとんとして動けないでいる。
俺って意外にこらえ性ないのかね?思わず、笑いがこぼれる。
だめだ、俺も結局、ガキって事だな。さっきの一美の言葉を聞いてオトナのメッキははげてしまった。
一美はどうしたらいいのか、オロオロして、腕から抜け出そうとしている。
一美を抱く手に力をこめる。花の香りが強くなる。
「わかってんのか?一美?お前のせいで、無駄な我慢しちまったじゃねぇか。」
右手で、髪をすく。
「覚悟しろよ。もう、我慢してやんねぇからな。やっぱ嫌だっていっても、離さない。」
「えっ?!何?どういう意味?。ふざけないで!」
俺から離れようともがく、一美の顔は真っ赤だ。
仕事中の落ち着き払った姿からは、想像できないほど慌てている。
どれだけ我慢したと思ってるんだ。これ以上我慢出るか。
顎をもって、上を向かせると、唇を重ねた。
「!!っいや!何する・・・」
唇で言葉をさえぎる。舌を進めて歯茎をなぞる。少し隙間が開いたところで一美の舌を絡め取る。
俺の胸を押していた一美の手から、力が抜けている。
ちょっとやりすぎたかな?唇を離すと、一美の熱っぽく潤んでいる。
もう一度、一美を強く抱きしめた。
「俺がどれだけお前のこと大切かわかってないだろう?鋼十郎に死ぬほど嫉妬したり、
暴走しそうな自分を必死で押さえてたことなんて、知らないんだろう?
一美のことが愛しくて俺のものにしてしまいたくて、そんな自分が許せなくて一美の前から去ろうと思った気持ちも知らないんだろう?
俺がこんなに我慢してたのに、自分から飛び込んできたんだからな。絶対、離さない。」
腕の中にいる一美が愛しくて仕方ない。
おいおい、こんなに心臓動いたの、いつぶりだ?
俺の胸にぴったりくっついている一美にもばれてるんだろう。
一美は、ゆっくり顔を上げて目に涙をためながら微笑んだ。
「・・・もう、我慢しちゃヤダ。もっと、いろんな鉄を教えて欲しいの。」
無言で頷き、おでこに優しくキスをした。
ゆっくりと、一美の体をベッドに倒した。
外の嵐とは対照的なほど、静かに時が流れているようだった。
九鉄×一美キタ―――(・∀・)―――!!
イイ!です 続きがんがってください!
落ちてきたのであげときまつ
作家さま方 ガン(・∀・)ガレ!!
これにて終了です。今回も最後まで書ききれたことだけが救いです。
駄文ですが、よろしかったらどうぞ。
□ □ □
頬に手を当て、真っ赤な唇を親指でなぞる。
一美は緊張している様子だったが、親指を遠慮がちに、ぺロッと舐めた。
けなげにも、一生懸命応えようとしてくれているらしい。
ただ、今もまだ、一美の両手はしっかりとバスタオルを握り締めている。
やわらかい唇を自分のそれで覆う。
自然に入り口が開かれて、舌が先へ進んでいく。
今度は一方的ではなく、ぎこちないが舌の動きが感じられた。
なんて可愛いヤツなんだ。
そう思うと、もっと気持ちよくさせたくなる。
一美の力も抜けてきた。そっと、タオルを握り締めていた手をどける。
タオルをどけ、まだ小ぶりでかたい乳房をあらわにする。
頬に当てていた手を、ゆっくり動かし白いふくらみを包む。
俺の手のくぼみにちょうど収まる。
胸の先端を指で転がしながら、ふくらみを揉む。
唇を離すと、一美の息は乱れ始めていた。
「すごく綺麗だ。それに肌がすごく気持ちいい。吸い付くみたいだ。」
恥ずかしいのか、横を向いてしまった。
髪の黒さに、うなじの白さが強調される。
ひきつけられるように、首筋に唇を近づけると、吸血鬼のように思い切りすった。
桜の花びらみたいに、俺の印が浮き上がる。
そのまま、舌をはわせ硬くなった先端を口に含む。
「・・・なに、これ?っあ。・・・て・・つ。」
「どうしたの?言ってみて?」
初めての快感に戸惑っているのだろう、不安げな様子がたまらない。
「あの、、ね、・・・なんだか、、そこ、、さわられると、背中・・が、、やぁ・・ん。」
ペロリと逆の先端を舐める。
「背中がどうした?」
一美の手は、シーツを握り締めた。ふくらみを撫でたり、先端を引っ張ったり、いじりながら意地悪な質問をする。
「背中が、・・・うぅん。・・せな・・か・がね、っふ。・・ゾクッと・・・・するの。」
「じゃあ、やめて欲しいの?」
胸に顔をうずめ、無数に印をつけながら聞いた。
手は徐々に下降して、臍のあたりをさわるかさわらないかのところで動かしたりしている。
「っっやぁ。・・・そん・な・・の・・・・・わかぁ・・ンナ・・・。」
小さな胸は俺の与える刺激を敏感に感じ取っているようだ。
「・・・もっと、して欲しい?」
一美は照れながらも、小さく頷き顔の傍にある、俺の手に両手ですがりつきほお擦りした。
その表情のかわいらしさと、今まで隠されていた華奢な背中が、天使を連想させる。
羽の名残だって言ってたな。一美の言葉を思い出しながら、首筋から肩甲骨までキスを降らす。
さっきまでの刺激よりは弱いけど、じわりじわりと良くなってるはずだ。
流れる黒髪の間から、俺のつけた花びらがのぞく。
俺は全身に俺の印をつけたくなって、一美をうつぶせにした。
「っえ?、、何?」
「大丈夫。変なことはしないから。」
「やぁだ。・・・・何、、するのぉ?」
太ももの裏を舌でたどる。不安の声が消え、体がビクンとこわばる。
もちろん、内側には俺の印をつける。
ふくらはぎ、かかと、くるぶし、膝、つま先、足の指、くまなくキスの雨を降らせる。
時々、甘く噛み付いたり、舌でなぞると呼吸が乱れている。
一美を仰向けにし、つま先から徐々に上へと進んでいく。
一美の体が、小刻みに震え始めていた。
「・・・寒いのか?・・・・怖いって言っても止めてやらねぇぞ。」
「や、、やめるのは・・ダメ。・・・暖めて。」
ウソつけ、本当は怖いくせに。わかってるけど、俺はもう我慢できない。
濡れたまま、まとわりついている服を剥ぎ取ると、一美の手を俺の胸に当てた。
「いーぜ。無理しなくても。俺も暴走しちまいそうで怖いんだ。でも、もう戻れない。」
「いい・・よ。・・・鉄なら、、、なに・・しても・・・。」
少し、落ち着いたみたいだ。今までで、一番長いキスをする。
俺の手は胸から快感を引き出したあとで、ゆっくり太ももへ伸びる。
やわらかい感触を確かめ、そのまま中心にすすめる。
一美のそこは、もう濡れていた。
俺が唇を離すと、一美は声を出さないようにしっかりと自分の唇をかみ締めた。
「可愛い声、もっと聞かせろよ。」
俺の指が、一番敏感な部分をいじる。
イヤイヤをするように首を振ると、髪の毛から、花の香りがしてくる。
一美が目を閉じたので、ゆっくり体を動かし中心に顔を近づける。
ふぅぅっと息を吹きかけると、かわいい入り口は、キュンとしぼんだ。
「っやだ、・・・見ちゃ・・・やぁぁ・・ん。」
声と一緒に、とろーっと新たな水が染み出してきた。
ぺロっと舐めとって舌を入り口へ差し入れる。
背中が跳ねる。もう、唇は甘い声を押さえ込むことは出来ないらしい。
「やぁぁ・・・ン。・・・・ふぁ・・・・あん・・・あ・・。」
入り口にゆっくり指を入れる。やっぱり、狭い。
初めての感覚に少し戸惑っているようだ。
入り口をほぐすように指を動かしながら、敏感なところを舌で刺激してやる。
口に含んだ敏感な突起に吸い付く。
「ん、・・あぁ、・・はぁん、ン、ん、、、ひぅぅ・・・・ん。」
背中が反り返り、ガクッと落ちた。シーツを握る手も緩んでいる。
何がなんだかわからず呆然としているみたいだ。
初めていったんだし、頭は真っ白だろう。
可愛い肩が乱れた呼吸に合わせて上下している。
おでこにキスしてやると、まだ、ぼんやりしたままの目で俺を見つめる。
苦しそうに呼吸しながら、声にならない声で、『テツ』とつぶやき微笑んだ。
俺は、頷いて、入り口に俺の物をあてた。
ゆっくり先に進めていく。
指で慣らしたとは言っても、やはり辛そうだ。
出来る限り痛みの少ないように、進んだ。
一美の目には涙があふれている。
「痛い・・・よな?」
「平・・・気。・・・テ・・ツ、、だ・・から・・・。なに、、されて・・・も・・。」
こんなに愛しいものはかつて無かった。
俺は今、生まれ変わったんだとさえ思えた。
繋がったままだってぇのに、嬉しくて泣けてきそうだった。
「悪いけど、ちょっと動くぞ。」
必死でごまかそうと腰を動かす。
少しでも、痛みから気が散るように、敏感な突起も擦った。
最初、耐えているだけだった一美の声に、少しずつ甘い声が混じってきた。
限界に近づいたとき、一美の中が一段と締め付けてきた。
次の瞬間、二人同時に頂点を迎えた。
外の嵐は、ますますひどくなっているようだった。
□ □ □
エピローグ
結局、二人は5日間島から出ることが出来なかった。
その間、どうしてたのかなんて、野暮なことは聞かなくてもわかるだろ。
まぁ、あと、これからについて話し合った。
その結果、俺は和久寺に婿に入ることになった。
いやぁ。驚いたね。まさか本人達を無視してこんな計画がされてるなんて。
もともと、一美の親父は俺か、鋼十郎を婿として迎え入れ自分はとっとと引退しようと
もくろんでいたらしい。(そんなことはさせないけどね。)
もっとも、親父さんは一美の鋼十郎への思いを知っていたから、候補は鋼十郎だったんだろうけど。
俺達の年の差に、ついては本人達以上に周りがすんなり認めてくれた。
あたりを見渡せば60過ぎた爺様が20やそこらの女の子と結婚する事だってあるんだから、可愛いもんか?
とりあえず、こんなハッピーエンドを迎えられたのも、俺達二人の間で働いてくれた、鋼十郎のお陰だ。
そんなわけで、鋼十郎は希望通り、坊ちゃん付きの勤務に戻した。
一美の秘書は、第2秘書と俺が立場を入れ替わった。
マスオさんってのも、大変で、これから一美の親父さんの仕事を覚えなきゃいけねぇんだと。
まぁ、俺は優秀だから、あっという間だな。
1年もすりゃ、一美付きの勤務に戻ってやるぜ。
みてろよ、親父、愛の力は偉大なんだ。
仕事を全部、覚えたら一美と一緒に住ませてやるって言う絶対、守らせるからな。
傍にいるだけで俺に、幸せを与えてた一美が俺だけに甘えたり、我侭言うんだぞ。
こんな幸せなこと、起こらないと思ってた。
もうこの幸せを逃さないと決めた俺に、怖いものは無い!
なんだってやってやるさ。
― the end ―
ようやく、終わりです。
本とにへたくそで恐縮です。なんだか、ふしぎな日本語のところもあるし。
人気のある二人だけに、イメージ壊してしまってたらごめんなさい。
相変わらず、無茶苦茶な設定で、最後には性格まで変わってしまいました(汗。
修行の旅に逝ってきます。
てるてる本編、いい感じですね。
才蔵×しの姫 希望ー!!
>143
はぁ〜…おつです…
なんかすごいなぁ。
前フリからちゃんと設定してるし。
高尾さんの絵もちょっとエロ想像しやすいから
ますます(・∀・)イイ!!
やっぱ一美萌え〜〜〜
最近きたんだけど皆さんすごい。
一美も鉄も好きなのでむちゃくちゃ嬉しかったよ。
レスありがとうございます。
少しでも楽しんでいただけたようで、ほっとしました。
ところで、うたかたさん&チズルさんの続きが気になるー!!
殿も才蔵もそんなところで焦らさないでーー!!
ちょっと、レスついたうれしさで、テンションあがりすぎでした_| ̄|○
お二人とも、無理せずゆったりまったりでいいので是非続きをお願いしまつ。
あと、才蔵がしのをどうめちゃくちゃにしたいのか(w
書いてくれる方、お待ちしております。
147 :
うたかた:03/09/13 14:00 ID:ioHdATmW
木登りさん 完結乙かれでした〜
なんていうかもう・・・グッジョブ!ъ( ゚ー^)
2作目とは思えないすばらしいSSで、ほんと堪能させていただきました!
新作期待してますね♪
さて続きなのですが、仕事が忙しく中々書けませんでした・・・(つД`)
本当ならまとめてうpする予定だったのですが、やはりちまちまとうpすることにします
前にあと一回で終わる予定とか書いといてなんなんですが・・・(鬱
んでは89からの続きです どぞ〜↓
どきん!
心臓が一際高く鳴った。
― どくん どくん どくんっ! ―
鼓動がどんどん強まっていくのが分かる。
・・・いつからこんな風になってしまったのだろう。
彼の言葉一つで私の内の何もかもが彼という存在に侵食されていく。
でもこの胸の奥からじわじわと湧き上がってくるこの感覚は・・・決して不快なものではなかった。
「いや・・・?」
じっと私の事を見つめながら彼が訊ねる。
でもそう訊ねながらも、彼のその瞳は全てを見透かしている様な気がしていた。
本当は貴方だってわかっているのじゃないの・・・?
― 私が・・・貴方の事を拒めるはずなどない事を・・・ ―
やがてしばらくの沈黙が続いた後、ぽつりと彼が呟いた。
「・・・やっぱり駄目・・か」
そしてそのままくるりと背を向け、窓の方へと歩き出していく。
とたんに一人置いていかれた様な気持ちになって、必死で彼の背中を追いかける。
待って・・・独りにしないで・・・今だけ、一時でもいい・・。
私の傍にいて・・・!
今までこんなに強く何かを望んだ事なんてなかった。
こんな自分がいるなんて思いもしなかった。
・・・ただ何も考えず、気がつくと私は彼の胸の中に飛び込んでいた。
「・・松子さん 俺が何をするのか解ってて、どうして俺の事をとめるの・・・?」
ぎゅっとしがみつく私を、まるで小さな子供をあやすかの様にそっと抱きしめる。
「わかっているくせに・・・・!」
本当はお互いに知っていた。初めて出会った頃からずっと・・・。
― もうこの想いがとめられない事を ―
「そうだね でも一度だけ・・・あなたの方から追いかけてきて欲しかったんだ」
どこか悪戯っぽい笑みを浮かべながら、彼はぎゅっと私の体を抱きしめた。
「松子さん 抱いて・・・いい?」少し掠れた声で彼がもう一度訊ねる。
抱き寄せられた耳元から、彼の心臓の音が聞こえてくる。彼も私と同じなのだと思うと、少しだけふっと気持ちが楽になった。
― そう 答えはもう・・・決まっている ―
私は返事をするかわりに小さく縦にこくんと頷いた。
・・・そしてそれが合図だった。
私達は弾かれた様に抱きしめ合い、唇を求めあった。
唇を舌でなぞり、そのまま味わい尽くすように舌を割りいれ絡ませる。
微かに雨音の聞こえる部屋の中で、私達の吐息と舌を絡ませる水音だけが静かに響いていた。
「んっ・・・・んんっ・・・はぁっ・・・・!・・・んぅっ・・」
背筋から全身にぞくっと甘い痺れが湧いてきて、体の力が抜けていくのがわかる。
そしてそのままキスを交わしながら、私達は縺れる様にベッドへと倒れこんでいった。
いつの間にか私を強く抱きしめていた腕が解け、指がそっと頬に触れる。
そしてするりと首筋の方に指を滑らせると、髪を柔らかく梳きながら、額や瞼、頬に優しくキスの雨を降らせていった。
視線が・・・吐息が・・・熱が・・絡まりあって溶けていく。
彼の手と唇が触れるたびに、私は体が火照っていくのを感じていた・・・。
やがて指がゆっくりと首筋の方へとつたい始め、少しずつ下の方へと下りてくる。
ただ軽く触れられているだけなのに・・・なんて・・・・・熱い・・・。
そして胸元まで指を滑らせると、そっとボタンを外しながらゆっくりとシャツをはだけていった。
彼が息を飲む音が聞こえる。
私の肌はすっかり冷たい外気の中に晒され、火照った体に白いレースがくっきりと浮かび上がっていた。
恥ずかしくて彼の顔をまともに見ることが出来ない。真っ赤になりながら顔を背けていると、彼が耳元に顔を寄せ、ぽつりと囁いた。
「松子さん・・・・・すごく・・・綺麗だ・・・」
耳元で囁かれ、ますます顔が火照っていくのがわかる。
「・・・可愛いよ」
髪をなでながら、そっと瞼に口付ける。それだけで不思議と体の強張りが溶けていくような気がした。
「松子さん・・・」
愛しげに名前を呼びながら、ゆっくりと耳朶を甘噛みし首筋に舌を這わせていく。
「はぁっ・・・・正・・吾さ・・・んぁ・・っ・・ぞくぞく・・する・・」
くすぐったいような・・・なんだか切ないような不思議な感覚に思わず体が震える。
そしてさらに、項から首筋、鎖骨へと唇を滑らせながら、強く吸い付いてくる。
「っ・・・! そんな・・に・・・強く・・・しないでぇ・・・っ・・・・!」
「・・・駄目」
指を絡ませながら両手を押さえると、はだけた胸元へと唇を滑らせ、自分の跡をつけていく。
想いの全てをぶつける様に・・・確かめるように・・・彼の唇が体をなぞっていく。
・・・赤い刻印が体中に刻まれていく。
彼に与えられた甘い鎖になら・・・繋がれても・・・・かまわない・・・・・。
触れられた所から彼の所有物になっていく感覚が、私の胸の奥をじんと痺れさせていった・・・。
153 :
うたかた:03/09/13 14:11 ID:ioHdATmW
さて今回ここまでです〜
ホント少なくて申し訳ない・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
仕事も落ち着いてきたので、次回はもう少しはやくうpできると思います
それでわまた(・∀・)ノシ
殿(・∀・)イイ!! 萌え!!
萌え萌えだ〜
続き待ってますー
萌えました!イイです
がんがって下さい!
保守
うたかたさん、乙です!
もう、かなり焦らされてます。
お仕事大変そうですが、無理せず頑張ってください!
いつまでもお待ちしています。
そのうち、また調子にのって書き出すかもしれませんが、
ちょっとROMして、研究します!
とか、言いながらすぐに復活するかも(w。
160 :
名無しさん@ピンキー:03/09/21 02:34 ID:JzA2oP0h
保守
ageてしまった。スマン。
162 :
うたかた:03/09/23 00:51 ID:ISxGTomW
どうもこんばんわ〜(o ̄∀ ̄)ノ
>154〜160様
レスありがとうございます・゚・(ノ∀`)・゚・。
相変わらずヘタレですが、続き書いたのでうpします
少しでも楽しんでいただけたらいいなぁ・・・(汗
それでは152からの続きです↓ どぞ
「・・正吾さん・・・キス・・して・・・」
堪えきれなくなって思わず潤んだ瞳で甘えるようにキスをねだると、彼は優しく微笑みながらそっと唇を重ねた。
「んむっ・・・ふっ・・・・・んんっ」
さっきの激しい感情をぶつけ合うキスとは違う優しいキス。
彼の舌先が滑り込み、優しく舌を絡ませあい、柔らかな舌を甘噛みする。
「んん・・・っ・・・・」
唇の隙間からどちらともなく吐息が漏れる。
お互いの舌の動きが波紋のように体中を駆け巡り、思考回路を溶かしていく。
このまま・・・・貴方と二人・・・溶けてしまえばいいのに・・・・・・。
「・・っ・・・・はぁ・・・」
時折洩れる吐息も 声も 体温も・・・・全て愛しい・・・。
私達は見つめあいながら、もう一度深く・・・唇を重ねた。
長いキスを交わし、唇を離すとつぅっと一筋の糸が引いた。
甘く長いキスの感覚に陶然となっていると、彼は絡めあわせている指を解き、ゆっくり胸元へと滑らせていった。
そしてブラの上から壊れ物を扱うかの様に、そっと掌全体で私の双丘を包みこむ。
きっと触れた掌から私の鼓動が全て伝わっているのだろう・・・。
そう思うと思わず唇から熱い吐息が洩れた。
やがて柔らかな感触を確かめるように、彼は私の双丘をゆっくりと揉みしだいていく。
「ぁ・・・んっ・・・」
恥ずかしさとどこか切ない甘い疼きが波紋のように広がっていく。
「はぁ・・っ!・・・ん・・・・ふぁ・・っ・・・・!」
彼の手が・・・唇の触れたところが・・・たまらなく愛しい。
・・・・もっと触れて・・・欲しい・・・。
そんな私の気持ちを見透かしたのか、そっと背中に手を回すとブラのホックを外し、柔らかな胸に手を滑り込ませていく。
「ふぁ・・・ん・・っ・・・・はぁっ・・・・」
触れた掌が双丘を包み込み、彼の熱が直に伝わる。
掌のすべすべした感触が心地いい・・・。
まるで全身を抱きしめられているかの様な安心感に身を委ねていると、不意に彼の指が私の敏感な突起を撫でた。
「はぁんっ!」
今まで感じた事のない刺激にぴくんと体が跳ね、胸の頂から甘い電流がぞくっと背筋に走っていく。
・・・その反応を彼が見逃す筈がなかった。
「松子さん・・・・ココが いいんだ」
子供が新しい遊びを見つけたかの様に無邪気に笑いながら、そっと固くなっている芽を指先で優しくこする。
「あぁ・・っ!・・・・んっ・・・くぅっ・・・!」
自分の意思とは関係なく洩れる声を抑えようと、くっと唇を噛む。
胸の頂から起こる甘い波・・・。その波が次第に高まり、私を狂わせていく・・・。
「松子さん・・・どうして声我慢してるの・・・?」
少し意地の悪い声でそう言いながら、私の双丘の一つを揉みしだくと唇でもう片方にそっと口付ける。
「ゃあ・・っ!・・・恥ず・・・か・・しい・・から・・・意地悪・・・・しないで・・・っ・・・!」
甘く切ない痺れに耐えながら、子供の様に弱々しくいやいやとする。
それだけが・・・今の私に出来る唯一の抵抗だった。
「だから・・・・そんな顔されたらもっと・・・もっといじめたくなるよ・・・!」
そう言うといっそ乱暴とも思える手つきで、固くなっている芽を指先で転がす様に摘み、さらに舌先で輪郭をなぞりながら吸い上げる。
「ふぁあぁあんっ!」
いきなりの強い刺激に思わずぎゅっと彼の体にしがみつく。
触れ合った肌から狂おしい程に彼の鼓動が伝わる。
体が・・・洩れる吐息が・・・信じられない程熱い。
鼻先を掠める彼の匂いはもう少年のものではなく、一人の男の人の匂いがした。
双丘に顔を埋め、痛い位に張り詰めた芽を責め立てる様に唇で甘噛みする・・・。
舌先で輪郭を柔らかく・・・吸い取る様になぞる・・・。
甘い果実を全て味わい尽くすかの様に・・・口に含みながら柔らかく転がす・・・。
「ぁあっ!・・・はぁ・・んっ・・・・ふぁ・・・あぁん・・・っ・・・!」
一度箍が外れてしまえば、そこから墜ちていく事は容易かった。
もう・・・声を・・・自分自身を抑える事など・・・出来ない・・・。
― 理性という名の鎖が・・・・解き放たれていく・・・ ―
167 :
うたかた:03/09/23 01:07 ID:ISxGTomW
今回はここまでです 展開遅いなぁ・・・(鬱
そして何故か殿が妙に手馴れてるし!Σ( ̄□ ̄lll)
(清純な殿好きな人ごめんなさい・・・)
それではまた懲りずにがんがりますので、
もしよかったら見てくださいね(・`ω´・)☆シャキーン
ではまた(・∀・)ノシ
帰ったら続きが!乙です!
169 :
名無しさん@ピンキー:03/09/25 21:56 ID:vzPKS2SB
殿×松子保守あげ
170 :
名無しさん@ピンキー:03/09/27 00:28 ID:ZjCDeZu+
殿×松子 イイ!
期待してます☆
そういえば、本スレでここの話題出てたYo!
割と、評判良くてなぜかほっとしてしまったYo!
スロップマンションの、ツネ×鶴母キボン。
スロップマンション切ない〜・゚・(ノ∀`)・゚・。
好きだと気付いたとたん父親なんだもんなぁ・・・
ツネ×鶴母 ちょっと切ない感じのSSになりそうですね
んじゃ懐かしい所でヴァル×散音(orリエ)などどうでしょう?
おぉ!それもいいですな(・▽・)b。
鶴が忘れられないツネとなんとなく自分が他人の代わりと気づく鶴母。
高級娼婦として働く散音とそれを見守る?ヴァル。
どっちもツボです。
(゜Д゜)もしや、少数派かしら・・・?
モナリザの兄妹なんかはまずいですかね…?
おおいにOK!!w 血繋がってないし
安永と両想いになりたいが為に悪魔の兄貴と契約してしまうミカとか
一回処女あげると言ってしまった為に夜兄貴に迫られてしまうミカとか・・・かな?
ディアマインの鋼×一美の甘々なやつ読みたいなぁ・・・
あの二人大好きなのです(つω⊂)キャン
あの、それだったら鉄×咲十子ママで、大人の関係w とかもアリ?
178 :
名無しさん@ピンキー:03/10/01 13:41 ID:lsyIqhyj
>173
漏れもツボでつ…w
>177
おぉ!ちと予想外のカプでビックリしたけどそういう展開もイイ(・∀・)!!ですな!
やはりディアマのが需要高いのかな?
てるてるもイイ(・∀・)!!素材がたくさんあるけど…
179 :
名無しさん@ピンキー:03/10/04 15:44 ID:bQ50tvBw
いままで載った作品をまとめて読みたいなと思い、
まとめページを作ってみようと思うのですが
どうでしょう。
(・∀・)イイ!!
でも中の人次第かな。
181 :
名無しさん@ピンキー:03/10/05 01:12 ID:pASOaEjF
一応『地味なまとめHP』できました。
作家さんにOKいただけるならあぷしたいでつ。
》181タン お疲れさまです。 私のへなちょこ作品でよければ使って下さい! ずっと規制されてました。 今回は携帯からです。 ROMってはいたので、新しいカプ話とか参加したかったぁ…。 パソ復活したら作品投下させてください!
>>182 さん
ありがとうございます。
メール欄にアドレスをアップしました。急いで作ったのでかなり地味です。
あと白泉対策でアクセス解析とか付けていることをご了承ください。
ばれたら即逃げいたしまつ。
184 :
うたかた:03/10/07 17:47 ID:IpYKREk+
お久しぶりです。続きはもうちょいお待ち下さい。・゚・(ノД`)・゚・。ゴメンネ・・・
>183タソ 乙です〜 いつの間にかそんなお話が出てきて正直びっくりです!
私のへタレSSでよければどうぞお使いくださいませ(;^-^A
纏めるのは大変かと思うので、SS書き終わったあかつきには
メールで送ろうかと思いますが・・・どうでしょうか?
(あと2〜3回の投下で終わる予定です)
185 :
名無しさん@ピンキー:03/10/07 20:32 ID:RsYuYQ4r
182です。
>>184うたかた様、もつかれさまです。
現時点の段階で『つづく…』状態でアップしてもいいですか?
んでもって最後のお話はメールで受け取りますね。
今夜中にサイトにメールアドレスをアップしておきますので
おまちしております。
186 :
名無しさん@ピンキー:03/10/07 21:42 ID:RsYuYQ4r
たびたび181でつ。
すいませんスレ番まちがえました、日本語も変だし…右津田氏のう
>>182 木登りブタ様、
新カプール話、もしよかったらサイトの入稿用メール使ってください。
私が代わりに投下するか、もしくはサイトにアプします。
いかがでしょう?
あつかましくてすみません。
187 :
うたかた:03/10/08 01:46 ID:vy0Q+2M2
>181様
まとめページみてきました〜
タイトルみて思わず(≧∇≦)となってしまいました
今の所『続く・・・』状態でもOKですよ
自分の作品がまとめられているのをみると、なんだか照れますね・・・(;^-^A
続きはもうしばらく時間かかると思いますので、できたら送らせていただきまつ
そして181さんに1つだけお願いが・・・
ざっと見たところ、スレで読む分には気にならなかったのですが、いざまとめて読むとキツキツになってしまって
ちと読みにくくなってしまった感じがするので、適当にスペース入れて読みやすくしたいのですが いいでしょうか?
OKならメールで手直ししたものをお送りいたします〜
それでは長文スマソ 続き早くうpできるようにがんがりまつ
>>187さま
おつかれさまです。
改行の件おまかせします。
メールお待ちしてます。
本日、木登りブタさんから新作いただきました。
木登りブタさんのプロバイダーが規制を受けていらっしゃるので、
代わりに私が投下させていただきます。
お話はまだまた続くそうですが、
本日頂いた分のみアップさせていただきます。
『風茉×咲十子』@2回目編
↓
(1)
頭では休暇だってわかっていても、体内時計はわかっちゃくれない。
夜が明ける少し前、目がさめてしまった。
俺の隣には咲十子が寝ている。
一瞬、驚いて、すぐに昨夜のことを思い出した。
やっぱり、夢じゃなかったんだよな。と思ったら、急に幸せな気持ちになってきた。
おでこにそっとキスをする。
いっしょに暮らすようになって、5年目。
俺が思いつづけて13年か。
ほんとにこんな日がくるなんて夢みたいだ。
しばらく咲十子の寝顔を見つめていたら、障子越しに朝日がさしてきた。
まぶしそうに、ちょっと、顔をしかめ、小さく「うぅん」と声をもらしながら寝返りをうっている。
咲十子のヤツ、どんな反応するだろう。そう思った俺は、寝たふりをすることにした。
さっきまで、規則正しかった寝息がとまった。
おおかた、見知らぬ天井に戸惑っているんだろう。
少しして、顔を動かす気配を感じた。ついで、驚いて息を呑む気配。
目を閉じていても、咲十子の表情がわかる。
「・・・そっか、昨日・・・・。…あのまま・・・・。」
きっと今の咲十子の顔は真っ赤だ。俺の好きな照れる顔。
いや、でも、もう少し寝たふりしてよう。
(2)
「・・・風茉くん、・・・起きてる?」
我慢、我慢。驚かせるのはまだ早いな。
「最近、忙しかったもんね。疲れてるよね。休ませてあげなきゃ。」
可愛いな、咲十子。思ったことはすぐ独り言になるんだ。
ほんと、わかりやすいやつ。
枕上に置かれていた、浴衣に手を伸ばす気配を感じた。
「えっと、どうしよ、風茉くん、起きないよね。」
俺の方の布団を動かさないようにゆっくりめくっているようだ。
起きてたらなんかまずいのか?そっと、半分、目を開ける。
そこには、たたまれたままの浴衣で胸を隠し、上半身を起こそうとしている咲十子の姿があっ
た。
手早く浴衣を広げると、さっと、羽織る。
朝日に照らされた体は、まるで光っているみたいにきれいだった。
ゆっくり、布団から抜け出して立ち上がろうとした咲十子の動きが止まった。
「っやだぁ。・・・なんか、まだ、感覚が・・・・。・・・それに、着物。・・・・どうしよう、恥ずか
しくて顔。見れないかも」
着物やら、襦袢やらを衣文かけにかけたあと、咲十子は襖を開けて出ていった。
咲十子の独り言に気を取られて、俺としたことが、起きるタイミングを逃してしまった。
なんだか、妙にモジモジしてるのが気になったが、一体、何を恥ずかしがってるのかわからな
かった。
でも、咲十子が部屋を出て行った後で、起き上がって、部屋を見渡すと、納得した。
昨夜、脱ぎ捨てた衣類が妙に、なまめかしい。いかにも情事のあと、だな。
引きちぎられてとんだボタンや、投げ捨てられている下着が余裕のなさを物語っている。
(3)
でも、そんなに照れくさいか?
あんなに、モジモジしなくてもいいんじゃないか?しばらく考えたが良くわからない。
不思議な気持ちで、俺も浴衣を着ようと立ち上がったときに、わかってしまった。
感覚って、・・・そのことか。
布団には、赤い花びらが数枚散っていた。
すごく、辛そうだったもんな・・・。
俺の場合、テレと申し訳なさみたいなものが混ざって、ますます咲十子を愛しいと思った。
これも、また、俺の余裕のなさをあらわすみたいで、すごく恥ずかしくもあったが。
だめだ、何を見ても昨日のことを思い出しちまう。
やっぱ、俺ってガキだなぁ、咲十子がその気になるのを待つつもりだったのに、
咲十子の顔見てると、余裕なくなっちまって。
・・・・よし、この休暇の間は、咲十子サービスしよう。
茶の間に人の気配がし始めた。
咲十子が風呂から上がってきたらしい。
俺は内心、いつも通りに振舞えよ、にやけたりするなよ!と気を引き締めて、襖をそっと開けた。
まとめサイトにもアプしますので
のちのちお読みください。
194 :
名無しさん@ピンキー:03/10/11 22:29 ID:9Tt9iCUp
ageます。
ドキドキ。
規制が解かれたらしいので、テストです。
181さん、代理投下ありがとうございますm( )m。
もつかれさまです。
新作楽しみにしてます(´∀`)
少しだけ、続きです。
相変わらず上達しませんが、生暖かく見守ってやってください(W。
(4)
□ □ □
朝食も終わり、手持ち無沙汰な時間。
2人の間には、なぜか緊張した空気が流れている。
なんだ、何がいけなかったんだ?
朝食前に、咲十子の誤解がとけ、九鉄と一美のおせっかいについて笑いあってたときは、
いい雰囲気だった。
もちろん、これからの休暇をいっしょに過ごそうと、
提案したときも咲十子はすぐに、うなづいてくれた。
でも、後片付けが終わって、茶の間に帰ってきた咲十子はどこか、変だ。
そしてそのまま、妙な時間が続いている。
二人で向き合って食後のお茶をすすりつづけている。
言葉を発そうとすれば、同時になってしまう。
どうして、だ。
おれは、もっと二人でゆっくりしたいんだ。
縁側に二人並んで庭を眺めたり、、昼寝したり、
その、・・・膝枕。…とかしてもらったり。
もっと、言えば咲十子といちゃいちゃしたいんだ。
それなのに、現実は……。湯飲みを置くのに、気を使うほどの緊迫感。
これは会議の何十倍も疲れる。
いいかげん、あぐらの足もしびれてきた。
これじゃあ。埒があかない。
ここはまず、状況を変えてみよう。
(5)
「あー、座ってばかりだと腹がすきそうにないな。ちょっと、庭を散歩しないか?」
おっ?明らかに咲十子の表情が明るくなった。
「うん、ずいぶん立派なお庭だから、ぐるっと回るだけでも大変そうだね。」
「大げさだな。そんなにたいしたことないだろ。移動に車が要らないくらいなんだから。」
「風茉君の感覚だと、そうなっちゃうのね…。」
立ち上がり、縁側から外に出る俺に咲十子が続く。
さっきまで、大きな座卓に阻まれていた距離が一気に縮まる。
シャリ、シャリと玉砂利を鳴らしながら、並んで歩く。
そう、この感じだ。いつもと変わらない、落ち着いた空気。
いつのまにか、咲十子が隣を歩いている。
会話がなくても安心できる。
偶然、同じものを見ていて驚くタイミングがいっしょだったり、
池の鯉が跳ねた音に、同時にびくついたり、
そのたびに、二人で顔を見合わせて、笑いあった。
庭を歩く間、自然に手をつないで歩いていた。
俺の作戦は成功したようだ。
最近は、こんなに二人きりでいられる時間がなかった。
咲十子も就職活動で大変そうだったし、俺も会社の再編成で家に帰れない日が多かった。
お互いに一段楽して、こうして晴れた日に二人きりで散歩できるなんて、ものすごく幸せだ。
ゆっくり時間をかけて庭を散策し、二人の腹のムシが騒ぎ出したころ屋敷の中に入った。
(6)
□ □ □
散歩以来、二人の間にはいつもの空気が戻ってきている。
昼飯を食って、二人で後片付けや、掃除をした。
(もっとも、俺は咲十子の仕事を増やしていただけかも知れない。)
仕事の後は、二人で昼寝をしている。
俺は寝付けないまま、咲十子の寝顔を見ている。
結局、咲十子サービスになってないよな。
昨夜も、あんなにつらい思いをさせたのに…。
やっぱり俺ばかりうれしい思いをしている。
俺は咲十子には俺以上に、喜んでほしいんだ。
俺のわがままでまたあんなに辛い思いはさせたくない。
……。
そう、思っているのに昼からの咲十子は無防備で、
「…なんだか、新婚さんみたいで、照れくさいね。」
とか、
「今日はお風呂で背中、流して上げるね」
とか、
「いっしょにお昼寝するの、久しぶりでうれしい」
とか、…………。
とにかく、可愛くて抱きしめたくて仕方なくなるようなことを言ってくれる。
正直なところ、押し倒してしまいたい気持ちを、昨日のことを思い出すことで耐えている。
俺自身、こんなに自分がスケベな男だとは知らなかった。
いや、やはりこれは咲十子が可愛いから仕方がないんだ。
罪作りなヤツ。
こっちは咲十子がOK出してくれるまで、2回目は我慢しようって努力してるんだぞ。
チョンっと、鼻の頭をはじいてやった。
(7)
□ □ □
あのあと、俺も結局寝てしまったらしい。
窓の外は、真っ暗になっていた。
隣の咲十子に手を伸ばすと、……いない。
咲十子の分の昼寝用枕は、片付けられているようだ。
思い切り手足を伸ばし、起き上がると茶の間には食事が仕度されている。
しかし、咲十子の姿はない。
奥の寝室を覗いてみると、やはり咲十子はいない。
ただ、昨日と同じように部屋の四隅に行灯が置かれ、ほのかに香が漂い、
いかにも、といった感じの演出がされている。
なんとなく、音を立ててはいけないような気がして、襖をそっと閉め、台所、トイレ、と順番に回っていった。
咲十子は風呂にいた。
脱衣所の外から、声をかける。
「咲十子、風呂の仕度してるのか?」
シャワーの音が大きくて、声が聞こえないらしい。
仕方がないので、脱衣所に入る。
(8)
心臓が跳ねた。
脱衣所の籠にはきれいにたたまれた浴衣が置かれていた。
「………咲十子、入っていいか?」
何を言っているんだ、俺!?
思わず口をついてでた言葉に自分であきれてしまった。
そんなこと、聞かなくてもわかるだろう。
「あー、その、背中、背中をだな、流してやろっかなぁと思って。」
なんて、かっこ悪いんだ、
咲十子の動きが止まっている。
「いや、咲十子が嫌ならしない。おまえが無理しなくてもいいんだからな。」
咲十子の動きは止まったままだ。
「悪かった、じゃ、ゆっくりしてくれ。」
少しでも早く逃げ出したい。そう思っていたとき。
「………ヤじゃないよ。風茉君」
思いがけない言葉が聞こえた。
今日はここまでです。
今回は、比較的短めに出来そうな感じです。
いつも書いてますが、イメージを壊してしまっていたらごめんなさい。
私の文章だと、二人のほのぼの感が表現しきれてなくて申し訳ない気分でいっぱいです。
風茉×咲十子キタ ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!!!
ほのぼの感、よく出ていると思いますよ。
風茉のモノローグがすごく可愛くて、鼻の頭をはじいた
というところに萌えーでした。
続きも楽しみにしていますね。
これからどうなるのか(;´Д`)ハァハァですね。
余談なんだけど、
柄亀SSがすごいことになってる。
205 :
名無しさん@ピンキー:03/10/14 01:00 ID:Sk9RozmY
こぱんだ@まとめサイトです。
絵掲示板設置しました。
イメージイラストとか非エロでも高尾さん関係ならなんでもOK。
是非お絵書きしに来てください。
206 :
うたかた:03/10/14 20:19 ID:jShFvck+
(゚Д゚;≡;゚д゚)ドキドキ・・・ どうもこんばんわです
やっとや〜っと続きが出来ましたのでコソーリうpしますね
>木登りさん
復活おめでとうございます!よかったよかった
(・・・とか思ってたら私の自宅のPCがアク禁くらいますた_| ̄|○
なので会社からこっそりうpします)
しかも新作に風茉×咲十子Uがキタ━*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*━!!!!!
楽しみに待ってます
>こぱんだ管理人様
乙です〜
続きと一緒にまとめて送ろうとしたら大変遅くなってしまって申し訳ないです・・・・゚・(ノ∀`)・゚・。
とりあえずここにうpしたあとにまとめて送らせて頂きますね
んでは166からの続きです どぞ〜↓
「もっと・・・松子さんの可愛い声・・聞かせて・・・」
そう耳元で囁くとスカートの中に片手を滑り込ませ、太腿から足の付け根へとゆっくり
指を滑らせていく。
「あっ!・・・ゃあっ・・・だ・・めぇ・・・っ!」
必死で彼の侵入を拒もうと力をいれるものの、脚の間の僅かな隙間へと指を滑り込ませ
つぅっとショーツ越しに撫で上げる。
「・・・・っ!」
声にならない。恥ずかしさのあまり思わずぎゅっと足を閉じる。
そのまま体を強張らせていると、彼は安心させる様にそっと唇を重ねた。
優しく啄ばむ様なキスを何回も交わしながら、それでも手を休める事なくショーツ越しに
指先でゆっくりとなぞりあげていく・・・。
「・・はぁっ・・・んぅ・・っ・・・」
彼の指の動きに合わせて自分の意思とは関係なく背中が小さく跳ねる・・・。
「ん・・・っ・・・・はぁっ・・・」
唇がわななき、熱く濡れた吐息が漏れる・・・。
「あっ・・・ん・・ふっ・・・あぁ・・っ!」
小刻みに脚が震え、固く閉じた扉が徐々に開かれていく・・・。
寄せては返す漣の様に 幾度も幾度もそっとなぞりあげる。
そのたびに彼が起こす優しく甘い波が、私の体の中を駆け巡っていった・・・。
そして甘い波に呑まれ、躯の力が失われていく刹那・・・。
その僅かな間隙をついて、彼の指がするりとショーツの脇から差し入れられた。
くちゅ・・・
・・・・それは本当に微かな音だったのかもしれない。
でもその水音は静かな部屋の中で一際大きく感じられた。
「あぁ・・・っ!」 思わず声が漏れる。
そこはもう・・・自分でも分かる程に熱く潤っていた。
恥ずかしい・・・何もかも見透かされてしまいそうで・・・怖い・・・。
でも・・・求めてる・・・ 貴方の事を・・・・こんなにも・・・・。
差し入れた指先を蝶が花と戯れるかのようにそっと滑らせていく。
「ふぁ・・・・ん・・くぅ・・・・あぁ・・・」
鼻にかかったような甘い喘ぎ声が自然と口から溢れ、それと同時に熱く甘い疼きが
躯の奥深くから湧き出てくる・・・。
―――――この感覚は・・・何?
さらに温かく柔らかなクレパスを幾度もなぞり上げ、芽の回りに指を滑らせる。
「ふぁあんっ!・・・くぅ・・・はぁっ・・・・・!」
始めは控えめだった水音が徐々に激しさを増し、とろりと奥から熱いものが溢れてくる。
その溢れた蜜を指先で掬い、絡めあい、そして・・・敏感な芽へと滑らせていく・・・。
「はぁあああぁんっ!」
頭の中で一瞬何かが白く弾ける。
その先に何があるのかなんて解らない 知らない。
・・・・・教えて欲しい。
貴方から・・・貴方だから・・・教えて欲しい。
感覚が・・・感情が・・・愛情が加速する・・・。
蜜で潤った指先で芽を小刻みに擦り、ころころと円を描きながらそっと優しく撫で上げる・・・。
「んぁ・・・っ! ふぁっ・・・やぁ・・あぁぁあんっ!」
びくんと躯が跳ね、唇が震える。
優しく・・・時に強く激しく・・・敏感な芽を責め立てていく。
「はぁっ! ああぁぁっ! ん・・くぅっ!・・・・はぁ・・んっ!!」
躯が・・・思考が・・・溶けてしまいそうな程熱い。
そしてついに・・・指先が豊かな水が湧き出る源泉へと誘われるように吸い寄せられていく・・・。
「ふぁ・・・んっ」
彼の指がゆっくり私の内へと侵入してくる。
充分に潤ったそこは、つぷりと小さな水音をたてると指を容易く飲み込んでいった。
「松子さん・・・苦しくない?」
心配そうに彼が訊ねる。
お互い初めてで余裕などない筈なのに、それでも私の事を気遣ってくれる彼の優しさが
うれしかった。
「ん・・・何か変な感じだけど・・・大丈夫よ・・・」
そう言うと両腕で彼の頭を引き寄せ、軽く口付けを交わした。
「・・・続けて」
柔らかく笑みながら、そっと続きを促す。
彼は小さく頷くと、差し入れた指を全て埋め、蜜壷を解きほぐすようにそっと掻き混ぜていく。
「んっ・・・くふぅ・・・ん・・・はぁ・・・・ん」
蜜を掻き出すように捏ねながら、蜜壷の内側を指が滑っていく。
そして奥の一点に指先が触れたその刹那・・・
「はあぁっ!」
―――――ぞくっと今までない刺激が背筋に走っていった。
「・・・ココがいいの?」
少し上擦った声で訊ねながら、指をくっと折り曲げながら小刻みに擦りあげる。
「ぁああぁんっ!・・やあっ・・・だめぇ・・・・おかしくなっちゃう・・・っ!」
がくがくと躯を震わせながら、必死で甘く切ない責め苦に耐える。
「やっぱりココがいいんだ・・・松子さんの中からすごく溢れてくる・・・!」
そういうとさらにもう片方の手を滑り込ませ、芽と蜜壷の両方を責め立てていく。
その動きは徐々に激しさを増し、淫靡な水音が楽器のように部屋に響き渡る。
「はぁあぁぁぁあっ! ふぁああぁん!! もう・・だ・・・めぇ・・・っ・・・・!」
もう何も考えられない。
ただ彼のなすがままに登りつめていく。
意識が 自我が 真っ白な世界へと解き放たれていく。
―――――そしてその先にある一面の光・・・・!
「あぁああぁぁあぁあぁぁあん!!」
背中を弓なりにしならせながら、彼の腕の中で私は快楽という名の海に沈んでいった・・・。
213 :
うたかた:03/10/14 20:33 ID:jShFvck+
今日はここまでです
風茉×咲十子がほのぼのほんわかなのに、いきなりエロで申し訳ないです。・゚・(ノД`)・゚・。
しかも会社からエロ小説うpしてるからドキドキもんですな
見つからないうちに撤退したいと思います
でわ!ノシ
214 :
名無しさん@ピンキー:03/10/17 21:37 ID:QsgcgCxL
皆様乙華麗!です
さみしいのであげときまつ・・・(つД`)
215 :
名無しさん@ピンキー:03/10/17 23:24 ID:iPdNPmKQ
乙です☆
中学生くらいになった寿千代と鋼という組み合わせは鬼畜?
ちょっとこなかったらいろいろ進んでる!
両方とも続きを楽しみに待ってます。
>215
801がやりたかったら801板にいってください。
板違いです。
>うたかたさん 乙です!
描写が上手い!そして、松子さんが、可愛い!
もっとやれ!若殿! ますます楽しみです。
>215さん
私も801はちょっと・・・・・。
でも、寿千代だったら、さよ嬢(苗字忘れた)あたりどうでしょう?
ディアマでは珍しい、同年代カプでは?
219 :
こぱんだ:03/10/19 18:02 ID:KjCRf6qt
寿千代と広尾のさよ嬢っていいかも。
多分さよ様の方が1〜2才年上ぽい。
さよ嬢があのまま鋼っちに懐いて和久井寺家に遊びに来るようにでもなれば。
寿千代とさよ嬢はゆくゆくは幼馴染み(?)。かな。
中学生くらいになったらさよ嬢と…とか。でも寿千代ってどんな感じに育つんだろ。
風茉とは正反対キャラぽくなるのかな(笑)
んで、その頃の鋼っちはきっと風茉と咲十子の子供にメロメロの予感。
ホッシュ
221 :
名無しさん@ピンキー:03/10/25 21:03 ID:lAuSNnBE
保守
ほしゅほしゅ。
ほしゅっとな。
224 :
名無しさん@ピンキー:03/11/01 00:50 ID:afYo04eF
新作期待age
じゃぁ、自分も。
6巻を3連休で30回ぐらい読んでしまった。
ホッシュホッシュ
あー、もうすぐ「てるてる」が読める。
227 :
名無しさん@ピンキー:03/11/06 21:33 ID:4ceS2b5H
てるてるモノ期待age
ほす
お久しぶりです。
続きが出来たので、良かったら読んでください。
(9)
□ □ □
風呂場の明かりは、窓からさす月の光と、ほのかな間接照明だけだ。
自分の心臓の音で、ドアを開けた音が聞こえなかった。
ヒノキのいい香りの湯気が咲十子の背中をうっすらとぼかしている。
咲十子はカランとシャワーのついている壁に向かって座っている。
こちらからは、表情が見えない。
咲十子の目の前にある鏡越しに、様子をうかがおうとするが、
湯気で曇っていて、何も見えない。
俺は役に立たないな、という気持ちと、助かった、という気持ちを鏡に対して抱いた。
昨日の暗がりで見た、咲十子の体をはっきり見たい。という気持ちと、
それを見てしまったら、ここが風呂場だろうが止まれなくなる、という気持ち、
が俺の中で渦巻いていたからだ。
「……咲十子、スポンジとって。」
声をかけると、背中がびくんと動いた。
左手はしっかり胸の前でタオルを抑えたままで、
右手でスポンジを渡してきた。
顔は正面を向いたままなので表情は読み取れない。
(10)
でも、俺にはわかってる。
今の咲十子の顔は、俺の好きな恥ずかしがってる顔だ。
塗れた髪越しに見える、小さな耳たぶは何かの果実みたいに真っ赤になっている。
ゆっくり、ゆっくり自分を落ち着けるようにボディソープをあわ立てる。
俺の緊張が少しずつ落ち着き、いたづら心が芽生えるのと比例して、
咲十子の肌は徐々に、桃色に色づいていった。
そっと、手の甲を背中に押し付ける。
咲十子の背中がびくつく。
「や!なに?」
「咲十子がのぼせそうだから、冷やしてやったんだ。」
緊張のせいで俺の手は冷たくなっていた。
華奢な背骨に沿わせて、指先をゆっくりなぞりあげる。
後ろから頬を包む。
いっそう、咲十子の熱を感じて暴走してしまいそうになる。
両手で頬を包んだままで、つむじにキスして手を放そうとしたとき、
咲十子の手が俺の手をつかんで放さない
(11)
□ □ □
「おい、このままじゃ背中流せないぞ。」
「…風茉君の手が冷たすぎるから暖めてあげるの。」
さっきの仕返しか?
もっと、困らせてやろう。俺は無反応を決め込んだ。
ピチョン。 ピチョン。
湯船に水滴の落ちる音が響く。
「なんで、何にも言わないのぉ。意地悪してるのに…。」
ついに咲十子が痺れを切らした。
「え?だって、俺の手が冷たいのが嫌だったんだろ?
しっかりぬくもったことだし、そろそろ背中を流してやろうかと思ってたんだ。」
すっとぼけながら、ゆっくり手を引き抜く。
ボディソープに手を伸ばし、じかに手につける。
「ほら、洗うぞ。」
かけ湯をしたあとで、手のひらを背中にこすりつける。
手のひらが肌に吸いつけられるみたいだ。
一瞬でも間を空けるのがもったいない気がして、ずっと、密着してなでつける。
「え、また…なに??…スポンジは?」
手は動かしたまま、口を耳元に近づけて説明する。
「よく言うじゃん、手で洗うのが肌に一番、いいって。
それに、せっかく適温に暖めたんだし。
ほら、手を上げないと全部洗えないだろ。」
腕と脇の間にボディソープを潤滑油にして滑り込む。
しっかり挟み込まれていたタオルを押し出して胸をあらわにする。
「ちょ…。風茉君。」
咲十子の抗議の声が聞こえたが無視して、腕を洗いにかかる。
(12)
―よく考えてみたら、俺、人の背中を流すの初めてだ。―
背中流されることはしょっちゅうだったけど、今まで誰かと風呂に入る事も
あまりなかったもんな。
ひょっとして、これ、背中流されるより、流してやるほうが気持ちいいんじゃないか?!
相手から信頼されている感覚とか、無防備な相手を好きに出来るっていうところとか、
反応が直に返ってくるところも、体温や肌の感触が伝わってくるところも気持ちいい。
考え事をしながら、肌の感触を楽しんでいたら、手が滑った。
ふわぁ。
やわらかい感触。
手のひらから電流が走る。
咲十子も突然のことに驚いて対処できないようだ。
俺も、驚いたのは同じだけど、本能は正直だ。
手の動きを徐々に大胆にしていく。
やわらかい膨らみにゆっくり力を加える。
どこまででも飲み込まれていきそうだ。
人差し指と中指の間でぷっくりと硬くなっていくのを感じる。
コロコロいじってやると、ますます可愛いつぼみは固くなる。
咲十子の首筋に強くキスをして、桃色の肌によりいっそう赤い印をつける。
片手は胸をいじったままで、もう片方の手をゆっくり臍の方に伸ばしていく。
熟した果実みたいな耳たぶをカリっと噛む。
シャンプーやボディソープの香りのためか本当に甘い気がして、
耳たぶをペロペロ舐めた。
(13)
「……ヤだ。も、、やめて。…風茉君。怖い。」
暴走中の俺を止めたのは、か細く上ずった咲十子の声だった。
正気になった俺は、激しく後悔した。
俺はいま、この風呂場でなにをする気だったんだ!!
「悪い。」
それだけを言い残して、さっさ風呂から逃げ出してしまった。
(14)
□ □ □
なぜか俺はまた風呂にいる。
今度は俺だけだ。
あのあと、雰囲気は最悪だった。
沈黙のまま夕食を取り、お互いまともに顔を合わせられないまま、今にいたっている。
どうして、俺は咲十子を目の前にすると我慢が利かなくなるんだろうか。
咲十子といっしょに暮らし始めた5年前、俺がガキなのは身体面がほとんどで、精神面では
咲十子よりも大人だと思っていた。
今、考えるとそういう風に考えてしまうこと自体、精神面もガキだったてことなんだけど。
それでも、この5年間で体も心も、ずいぶん咲十子に見合う大人に近づいたつもりだった。
咲十子に無理させないように、俺が守ってやるんだと思っていた。
よりによって、「怖い」なんていわせるつもりはなかった。
まだまだ修行が足りん。と自分を戒める。
湯船にもぐり、苦しくなるまで自分の失敗を思い出す。
ぷはぁ!
顔を出した瞬間に気持ちを切り替えた。
これ以上、この調子だとさらに咲十子に嫌な思いをさせるからな。
実は、風呂に入る俺の背中を流す、という咲十子を先に寝るように言いくるめてきていた。
今日はもう、寝てしまって、明日こそ完璧に咲十子サービスしよう。そう考えていた。
なんだか中途半端なところで申し訳ないです。
今晩中に書き上げることを目標にがんばります☆。
時間があいてしまったんで間抜けな感じですが、良かったら感想ください(^∀^)ノシ。
236 :
名無しさん@ピンキー:03/11/09 23:01 ID:YnZREm0e
>235
乙です!
お風呂の湯気に包まれた感じが(・∀・)イイ!!
>236さん
感想ありがとうございます。
見えそうで見えない、とか好きなんです(w。気に入っていただけてよかったです。
さて、先ほど完結を目指すと大風呂敷を広げたものの、たためませんでした。
というわけで、出来たところだけ。
ほんとに短いですが、良かったら読んでください。
(15)□ □ □
咲十子はもう寝ただろうか。
出来るだけ音を立てないように、襖を開ける。
風呂に入って気分を変えたものの、すぐに寝室に入る気になれず、かなりの時間を茶の間で過ごした。
髪の毛から滴り落ちていた水滴もなくなり、つま先も冷たくなってきた。
自分でも滑稽なほど、咲十子の前に出ることをためらっている。
恐れているといってもいいかもしれない。
俺にとって咲十子は、唯一の原動力で弱点だ。
そんなことはないと、信じているのに咲十子に愛想をつかされたら…と考えてしまう。
まったく、一度自信を無くすと俺はこんなにも情けなくいなってしまう。
襖の奥は昨夜と同じよう、行灯があるだけでなんだか幻想的でさえあった。
後ろ手で襖を閉め、咲十子を起こさないように布団にもぐりこんだ。
暗がりのせいで咲十子の表情は良く見えないが、俺が来ても何も言わないところを見ると、
きっと、寝ているのだろう。怒って、狸寝入りしているなんて事はないはずだ。
自分に言いように解釈した。
隣に浴衣一枚の咲十子がいる状況で、寝てしまえるとも思えないが、目を閉じて眠る努力をしようと思った。
「おやすみ。嫌がることしちゃってごめんな。」
小さな声でささやいた。
それから、何分たっただろうか。
咲十子のほうから、声を殺して泣く声が聞こえた。
「!おい、咲十子、どうしたんだ?…どっか痛いのか?」
咲十子は布団で顔を隠して、イヤイヤをするように首を振るばかりで、答えてくれない。
(16)
「俺が、怖くなるようなことしたからか…?」
布団の下の動きが止まった。
それでもまだ、咲十子の嗚咽は続いている。
「もう、しないから。咲十子が大丈夫って言ってくれるまでは。」
ゆっくり、布団が動いて、涙でぐちゃぐちゃになった顔が覗いた。
咲十子の気持ちが落ち着いたのがうれしくて、上から覗き込んだ。
次の瞬間。なにが起こったのか、理解できなかった。
咲十子の腕が伸びてきて、キス、された。
ポカンとしている俺を無視して、咲十子はもう一度、俺の頭を抱えてキスしてきた。
「な…んで?」
驚きのあまり、思考回路がまともに働かない。
今度は咲十子の手が、俺の手を浴衣の袂に引き入れる。
反射的に手を引っ込めると、
「風茉君が怖いんじゃないの。」
と、鼻声で咲十子がささやいた。
(17)
「じゃあ、何で泣いてるんだよ?言ってくれなけりゃわかんねぇよ。」
掛け値なしの本音だった。
「…泣いてたのは、、風茉君が怒ったと思ったから。」
「そんなことねぇよ。」
「怒って、もう、抱いてくれないんだと思ったから…。」
嫌がってたんじゃない?のか?
「本当は朝から、もっと甘えたりしたかったんだけど、緊張しちゃって、出来なかったの。」
咲十子の言葉で、俺の自信がむくむくと回復していくのが分かる。
「それに、風茉君に触れられることを考えると、ドキドキして、体が、、ね。…体が熱くなっちゃうの。」
もしかして俺たち、おんなじこと考えて遠慮してたのか?
「だから、、だから、ちょっと触られただけでも、すごく気持ちよくなっちゃうのが怖くて……。」
相当、恥ずかしいのか咲十子の顔はいつにも増して恥らっている。
「変だよね。…まだ、1回しかしたことないのに、こんなになっちゃうなんて…。」
こんな可愛いこと言われて、我慢できる男がいたとしたらお目にかかりたいね。
俺は、恥ずかしがってそむけた顔のあごをつかみ、無理やり唇を奪った。
今日はここまでです。
短く終われそうだったのに、なぜかまた長引いてしまいそうです。
次回の投下は出来るだけ早めにしますね。
乙華麗さまです!
風茉と咲十子の恥じらい振りがとてもカンジが出てて良いです!!
続きが読みたいーッ!
最高です!続き楽しみにしてます!
やっぱり上手い!
うわーーー
木登りさんやっぱ最高。
こぱんだです
早速サイトにうpさせていただきましたm(_ _)m
やはりここのSSは
みんなすばらしすぎ!!
245 :
うたかた:03/11/14 23:05 ID:30WSGUER
木・木登りさんの新作キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(`* )━(д`* )━(*´д`*)ハァハァ
何ていうかもう・・・うますぎでつ!萌えまくりますた!!
続き期待してます(;゚∀゚)=3ムッハー
・・・・自分まだ途中で書き終わらないんで鬱・・・_| ̄|○
早く書けるようにがんがりまつ(´・ω・`)
うわー、たくさんレスいただけて感謝☆です。
明日は休みですし、今からチョビチョビ書いてはうpしようかと思ってます。
風茉君の性格が豹変したようにも思いますが、Hの時の彼はややSに違いな(ry…。
ということで、良かったら読んでください。
(18)
もうだめだ、限界を完全に突破した。
俺たちは息をすることも忘れたように、お互いを求め合っている。
もう周りのものは目に入らない、耳はキーンという音がしてくるほどだ。
合わせた唇から時折もれる、咲十子の息遣いが頭にこだまする。
咲十子の手は俺の頭を捕らえて放さない。
塗れた髪の毛をぐしゃぐしゃにかき乱している。
まるで唇を放したら死んでしまうかのように、お互いが離れられない。
さすがに苦しくなって、ゆっくり唇を放す。
「咲十子がのぼせそうだから、俺が静めてやるよ。」
耳元でささやくと、咲十子の手が俺の頬を包む。
「…風茉くんじゃ、静められないよ。…余計、暑くなっちゃう。」
思わず、ニヤリと笑ってしまう。
「じゃ、やめようか?」
もちろんそんな気はさらさらない。
「やだ!このままにしないで!…もっと暑くして欲しいの。」
薄暗がりの中でも分かる。
咲十子の目は潤んで、すでに呼吸も乱れ気味だ。
(19)
「なら、覚悟しろよ。」
もう一度深く口付けながら、浴衣の帯を解く。
さっき風呂場でつけた印に今度は軽く歯を立てる。
咲十子の声にならないため息をどんどん引き出していく。
「へぇ、浴衣でも下着ってつけないんだ。」
袂からこぼれる乳房にもキス。
「あれ?でも今日は下はつけてるの?」
やわらかい乳房の感触を唇や舌で確かめながら、
浴衣と肌の間に手を滑り込ませ徐々に肌をあらわにしていく。
「そ、、なこと……、いっわないで…。」
風呂場で聞いたのと同じ、上ずった声だ。
咲十子、感じてるんだ。
俺の自信は完全に回復した。いや、むしろ倍増した。
胸の先端を含み、舌で押しつぶすように刺激する。
下着の上から入り口を触ると、もうすっかり濡れていた。
敏感なところまで、すぅっとなぞりあげると咲十子の体が跳ねる。
そしてまた、新たな液体が染み出してきた。
「ねぇ、もうとろとろになってるぜ、咲十子のココ。せっかくの下着も台無し。」
「もぅ、触るのぉ、、ヤメテ。……怖いのぉ。」
そんなこといってももう、分かってるんだよ。
すごく感じすぎて『怖い』んだってことは。やめてなんかやらねーよ。
「わかった、じゃ、触るのやめるよ。」
ほっとしつつもどこか残念そうな顔をみて、俺の方が我慢できなくなりそうだ。
言葉とは裏腹に下着を抜き取り、足を開く。
そっと顔を近づけマジマジ見てしまった
(20)
知識として、医学書などでは見たことがあったが、こんなに見たのは初めてだ。
ゆっくり近づいて、敏感な突起をチョンっと刺激すると、激しい快感に襲われるらしく、
咲十子の息が詰まる。
触っていないのに、相変わらず入り口からは新たな水が染み出してくる。
ちらりと咲十子の表情を確認すると、目を閉じ唇をかみ締め恥ずかしさに耐えているようだ。
可愛さあまってにくさ100倍。
嫌でもこっちを向かせてやろう。
長い沈黙のあと、静かに行動を起こす。
ヒクヒクと動いている入り口から水を絡めとり、ぷっくりした突起になすりつける。
「ふぅぁっ!」
突然の強い刺激に咲十子は声を漏らす。
指で突起を刺激し続け、入り口には舌を差し入れる。
「あぁん!」
咲十子の声は一段と甲高くなって、俺の舌はきゅうっとしめつけられる。
「や、やぁん。…こわ…ぃ…。」
咲十子の手が俺の頭を押し戻そうと髪をかき乱す。
それをものともせずに、口と指の場所を交代し、
咲十子に刺激を与えつづける。
これで俺のほうを向かずにはいられないはずだ。
「ま・・・た、、変にぃ…ふぅ、…やぁぁん。っっっっっあん!」
俺が突起をカリっと噛み、指に一番の締め付けを感じた瞬間、
俺の髪をかき乱す咲十子の手から力が抜けた。
(21)
快感の波にさらわれて、まだ呆然としている咲十子の鼻の頭にキスをする。
やさしくするつもり、だったんだけど…。
今日一日の、蛇の生殺し状態が思った以上に効いているらしい。
俺は浴衣を脱ぎ捨てて、乳房に印をつける。
「1回目。」
そう、咲十子のいった回数の印をつけるつもりだ。
深く口付けながら、いったばかりの咲十子のからだを愛撫する。
新たな刺激ですぐに咲十子は可愛い声をあげる。
指を入り口に差し入れ、なかがすっかりとろとろになっているのをもう一度確認し、
「入れるぞ?」
ゆっくり俺のモノを押し当てた。
返事を待ったが、咲十子は小さくうなづくのがやっとだった。
昨日よりもゆっくり時間をかけて入れていく。
「あっ、あっ、…ん。」
咲十子のさっきまでとは異なる声が聞こえる。
昨日ほどではないにせよやはり、痛いのだろう。
全部入った。
辛そうな顔を見ると申し訳なくなるが、咲十子の中は、ものすごく熱くすごくきつい。
我慢できずに動いてしまう。
最初は、昨日同様苦しそうな咲十子だったが、なんだか声の色が変わってきた。
一番深く差し込んだ瞬間、俺はいってしまった。
やはり、咲十子はいけなかったようだ。
「ごめん・・な。やっぱまだ、痛いんだな。」
息も絶え絶えに謝る。
(22)
奇妙な沈黙。
咲十子はすごく、複雑そうな顔をしている。
今日、これ以上するのは止めたほうがよさそうだ。
「俺ばっかり、気持ちよくてごめんな。咲十子が可愛いから、我慢できなくなっちまうんだ。」
そういって、軽くキスすると、身体をずらそうとした。
その時。
咲十子に抱きつかれ、バランスを崩してのしかかってしまった。
「わりぃ!重いだろ?」
急いでどけようとしたが、咲十子の腕が放してくれない。
なんだ?どうしたんだ?
軽くパニックになりかけたとき、咲十子が耳元でささやいた。
「……なんだか、途中から痛みより快感の方が強くなってたの。」
そ、そうなのか?
「それに、…なんだか、本当に身体が熱くて静まらないかも…。」
プツン!!
恥らいつつも、大胆な咲十子の言葉に俺の理性は吹っ飛んだ。
咲十子が可愛いせいで、また俺の予定は狂ってしまった。
きっと、一生俺は咲十子に惑わされつづけるんだ。
―the end―
以上で風茉×咲十子の2回目終了です。
なんだか、深夜独特の妙なテンションで書いてしまいました。
途中からキャラが変わったかのような変貌振りですみません。
また何か、いいカプがあったら教えてください☆。
252 :
名無しさん@ピンキー:03/11/15 16:06 ID:LK/Q/dMC
乙です〜。もう悶え死にそうです。
253 :
名無しさん@ピンキー:03/11/15 16:36 ID:20vw222S
お疲れさまでスタ。
ムハー!!鼻息荒くなっちゃうですよ〜
風茉X咲十子最高でしゅ また落ち着いたら風茉X咲十子の甘甘Hをお願いします。
こぱんだです。
本日、更新しました。
初心者な質問でごめんなさい。
こぱんださんのまとめサイトは、どこにあるのでしょう?
いくつかキーワードでググってみたのですが、出てきませんでした。
>>255タン
>>183 へどうぞ。
コピペして移動すれば見れるはずでつ。
携帯だとムリかもですが。
>256さんありがとうございますありがとうございます!!!!
私の目は節穴もいいところでした…(;´Д`)
PCなので、これから早速ログを漁りに潜ります…。本当に多謝!!
過去レスを見ていて、
>>177 さんのカプもありだな。
と、思っているうちにこんな組み合わせが出来てしまいました。
鋼十郎×三津子(咲十子ママ)です。鋼十郎には裏があった、という設定で…。
(1)
あなたも相当の食わせものね。
大人の女性には興味ないようなこといっておいて。
ずいぶん卑怯だわ。
私から逃げ道さえも奪ってしまうんだから。
私たちが男と女の関係になったのは、ずいぶん前のこと。
もちろん、2人の間には将来の約束なんて物はない。
ただ、寂しいときにお互いで孤独を埋めあうだけの関係。
誰にも知られることのない、2人だけの秘め事。
□ □ □
この家に厄介になるまで、私と咲十子は2人で生きてきた。
必死でがんばって幸せになろうと努力してきた。
その努力を一瞬で打ち崩す恋人の裏切り。
もう、咲十子以外に信じれる人はいないのかもしれない。
そう思っていた矢先の援助話だった。
話を受けた私自身、忘れてしまっていた口約束で娘の運命を決めてしまうのだろうか。
唯一の味方を、怒らせて失ってしまうのだろうか。
そう、おびえていた私に向けられた暖かい微笑み。
不安を打ち明けずにはいられなかった。
初対面の自分よりも一回りは若そうな青年に。
…まさか、そのときは自分とこんなにも深く関係する人だとは思わなかった。
(2)
□ □ □
エレベーターから降りていつもの部屋にむかう。
部屋に入った私がまずすることは、ゆっくりシャワーを浴びること。
そして、足の指の間や、くるぶし、ひざの裏や、首筋に香水をすりこむこと。
バスローブを羽織ると、最後の仕上げに丁寧にルージュを塗る。
香水も、ルージュも気分に合わせて種類を変えている。
全てが終わりに近づくころ、ドアが開き、あの人の気配が感じられる。
続いて、ルームサービス。
私が色と香りを化粧品で知らせるように、
彼はワインでその日の色と香りを私に知らせる。
ボーイが部屋をでたあと、たっぷり間をおいて私はバスルームを出る。
いつのまにか染み付いた2人の呼吸。
彼は私がソファにつく前にグラスにワインを注ぎ待っている。
カチン
無言のまま、視線とグラスを交わす。
彼はグラスを開けると、バスルームに消える。
私はシャワーの音を聞きながら、グラスを傾け、
窓の外に見える、昼間の喧騒に後ろめたさを覚える。
そして、いつも思うのだ。
― まだ、私にもこれが悪いことだという意識はあるらしい ― …と。
(3)
意図したものなのか、偶然か、今日のワインとルージュの組み合わせは、
2人の関係が始まったときと同じだった。
そう、解禁したばかりのボジョレ・ヌーボーとその雫を固めたようなワインレッド。
新しいワインには澱はないはずなのに、なぜかこのワインは舌に残る。
ワインの匂いが芳醇なほど、胸の中の何かが騒ぐ。
分かっている。
それは自分が、愛すべき人たちを騙しているという罪悪感だと。
シャワーの音が消え、彼が私の背後にやってくるのを感じる。
ただ、背後に立つだけ。
彼は最後まで、私に選ばせるのだ。
私が彼の共犯者でいられるのかということを。
そのくせ、ひとことで私を捕らえてしまうのだ。
「ねぇ。…ワイン、飲ませてよ。」
私は暗示をかけられたように彼の唇に吸い寄せられていく。
後ろめたさも、罪悪感もソファに置き去りにして。
…というような感じです。
テーマは昼メロ☆です。雰囲気違うんじゃー(`口´)ガーッという方、お知らせください。
すぐに撤退します。
>>253さん レスありがとうございます。
風茉×咲十子もまたそのうちに…。ほのぼの甘甘大好きなので。
262 :
名無しさん@ピンキー:03/11/17 14:12 ID:jom1gMLj
ぎゃ-!!新作ですか!?
木登りブタさんたら神です-。イイっイイっスよ昼メロ最高です。
続きも期待なり!
263 :
うたかた:03/11/18 00:36 ID:bkEATNVE
木登りさん乙華麗!&新作なのですね!!
昼メロ・・・・イイ(;´Д`)ハァハァ 期待してまつ
そしてスレが木登りさんフィーバーな所で久々にコソーリうpいたしますw
もはや忘れられてそうですが
>>212からの続きです どぞ〜↓
――――――――――・・・・・・・・・松子さん・・・
彼の声が聞こえる・・・。
どこか遠くて近いような・・・・そんな所から声が響いている。
―――――・・・・・・松子さん・・・!
心配してる・・・? 私を・・・・?
彼が・・呼んでる・・・・。 早く・・・目を・・覚まさなきゃ・・・
「・・・・松子さんっ!・・・・・大丈夫・・・?」
彼の声に促されふっと顔をあげると、心配そうに覗き込む彼の姿があった。
「・・・私・・・どう・・・・したのかしら・・・?」
・・・ぼぅっとしてうまく考えが纏まらない。
自分の体がここにないような、そんなふわふわした感覚が体に残っていた。
「どうって・・・・」
少し困った様な・・・照れた様な曖昧な表情を浮かべながら、そっと耳元で囁く。
「・・・・可愛かったよ・・・・・・」
ふっとさっきまでの自分の姿が頭の中をよぎっていく。
初めての感覚に翻弄されて・・・もう何も考えられなくて・・・・私・・そのまま・・・!
思わずかあぁっと顔が火照っていく。
「松子さんがあんまり可愛いから・・・・俺・・・おかしくなりそうだった・・・」
「・・・・・・・・・・莫迦」
それだけ言うと私はぷいっとそっぽを向いた。
顔を彼の方から背けた後も、どんどん頬が火照って熱くなっていくのが分かる。
・・・・恥ずかしくて・・・彼の顔をまともに見ることが出来ない。
そのまま顔を背けていると、彼の手がそっと柔らかく髪を撫でていく・・・。
「・・・ねぇ・・・松子さん・・・・」
名前を呼びながら、肩に・・・首筋に・・・頬に・・・キスの雨を降らせる。
「こっち向いてよ・・・・・・」
背けている顔をそっと上向かせ、柔らかな唇を味わう様に求めていく・・・・。
「やぁ・・んっ・・・・・だ・・めぇっ・・・んっ・・ふぅ・・ん・・・・っ」
ささやかな抵抗も空しく、私の体は呆気なく彼の腕の中に絡め取られていった・・・。
「・・・っふぁ・・・ん・・・しょ・・・ごさぁ・・・ん・・」
深い口付けとそれに続く愛撫が・・・躯も・・・心も蕩けさせていく。
いつの間にかスカートとショーツが脱がされ、生まれたままの姿がさらけだされていた。
彼の声が・・・手が・・・唇が・・・頭の奥を甘く痺れさせる・・・。
・・・・もっと私を・・・・満たして欲しい・・・。
――― もっと・・・貴方の事を・・・・感じていたい・・・ ―――
「しょう・・・ごさんっ・・・正吾さん! 正吾さぁんっ!・・・・もう私・・・っ!」
言い終わる前に唇を塞ぐと、彼は何かを振り切るかの様に身に纏った物全てを脱ぎ捨てた。
服の下から引き締まった滑らかな体躯が現れる。
どこか少年のあどけなさが残っているものの、あきらかに女の自分の体とは違う。
・・・この躯が今から私を『女』にするのだと思うと、体の芯が熱くなっていくのを感じていた。
幼い恋かもしれない・・・。
一夜の儚い夢でもいい・・・。
それでも・・・誰に何を言われようともこの気持ちに迷いはない・・・。
どちらともなく息苦しい程強く抱きしめあいながら、私は泣き出したい程幸せな気持ちに浸りきっていた。
「松子さん・・・・いくよ・・・」
優しく口付けると、そっと私の足を割り広げ彼自身をそこにあてがった。
入り口に熱いものが触れる。
耳の奥で心臓の鼓動が聞こえ、一際鼓動が高まっていくのを感じる。
そしてゆっくりと・・・私の中へ彼自身が入ってくる・・・。
「・・・くぅ・・・っ・・あぁあああっ!」
―――――― ・・・・・・・ア ツ イ
・・・痛いというよりもそう言った方がいいのかもしれない。
彼がきつく閉じられたそこを割り広げるたび、灼けつくような痛みが走っていく。
「・・・くっ・・・! 松子さんの中・・・・すごくキツイ・・・」
おもわず洩らした彼の声も今は遠くに聞こえる。
今はただこの痛みを堪える為、必死で彼にしがみつく事しかできなかった。
灼けつくような熱さのなか、ゆっくりと何かが進んでいくのがわかる。
やがて動きが止まり、やっと少しだけ息をついた。
「はぁっ・・・ねぇ・・正吾さん・・・・・その・・・全部・・・?」
「うん・・・全部・・松子さんの中に入ってるよ・・・・」
肉体と精神が繋がる感覚・・・・愛する人と一つになる喜び・・・・。
胸の奥から泣き出したい位に倖せな気持ちが満ち溢れてくる。
彼に与えられたものなら、この痛みすらも愛しい・・・。
目から自然と涙が溢れ、しがみついている彼の胸を濡らしていく・・・。
しばらくの間破瓜の痛みも忘れ、互いに強くきつく抱きしめあった。
―――――― もう・・・思い残す事は何もない・・・
「じゃあ・・・松子さん動かすよ・・・痛かったらゴメン」
「・・・・ん」
ゆっくりと引き抜くと、私の体を気遣いながらそっと挿しいれていく。
「んっ・・・くぅっ・・・」
浅く・・・時に深く・・・温かく柔らかな海へとそっと滑り込ませていく。
「ふぅっ・・・くぅ・・・・はぁああっ!!」
鈍い痛みを堪えながら、夢中でぎゅっと彼の躯を抱きしめる。
やがて徐々に・・・痛みの中に微かに違う感覚が体の中から湧き上がっていくのを感じていた。
最初は微々たるものだったそれは徐々に高まり、そしてそれと比例するかのように感情と快楽の波を高めていく・・・。
痛みと快楽が鬩ぎあう最中、時折目を開けると私の中で切なげに喘いでいる彼の姿があった。
その姿がこの世の何よりも美しく・・・そして愛しかった。
もっと・・・私で感じて・・・・・・
もっと貴方の手で・・・声で・・・貴方の全てで私を狂わせて・・・・!
「・・・・名前・・呼んで・・・」
―――――― 貴方の声を・・・・・聞かせて欲しい・・・・
「・・松子さん・・・」
「・・もっと・・・!」
―――――― ・・・足りない・・・もっと・・私の事を呼んで・・・!
「松子さんっ・・・!」
「もっと・・・・っ!」
―――――― もっと・・・もっと貴方の声を・・・・・聞かせて・・・・!
好きな人に名前を呼ばれているのに、どうして・・・こんなに胸が苦しくなってしまうんだろう・・・?
こんなに愛おしいのに・・・呼ばれるたびに切なさが込み上げてくるのは何故だろう・・・?
でも彼以外の他の誰が呼んでもこれほど胸を熱く焦がれさせる事などない。
―――――― こんなにも胸を熱く切なく苦しくさせるものは他にはない・・・。
「・・・しょう・・こさんっ!・・・松子っ・・松子・・・・っ!」
「あぁぁああぁっ!正吾っ!正吾ぉっ!!」
何処までも高まりゆく感情・・・・
飽く事無く求め合う精神・・・
二つに分かたれた躯が交わりあい、一つに溶け合っていく至高の喜び・・・
繋がりあった所から響く水音が淫靡に静かな部屋へと響き渡る。
素面なら平気でいられる筈のないその水音は、いまや二人の行為を高める絶好のスパイスとなっていた。
彼の動きが早まり、どこまでもどこまでも・・・まだ見ぬ彼方まで二人を後押しする。
「やぁっ! 正吾ぉっ!! へ・・んなのぉっ! もう・・・もう・・私っ!」
残されたありったけの力で彼にしがみつく。
そして想いの全てをぶつけるかの様に彼が私自身へと深く穿ったその瞬間・・!
「ぃやぁ・・・・もぅ・・いっ・・・・あぁぁああぁあっっ!!」
「っ・・・! くぅっ・・・松・・・子ぉっ!!」
彼の欲望と愛情の白い飛沫が私の中で熱く弾けた。
彼の肉体を・・・生命を・・・全てを・・・余す事無く受け入れる。
甘い痺れが漣のように全身に伝播していく・・・。
この上ない幸せの余韻に浸りながら、私達はゆっくりと微睡んでいった・・・。
・・・そしてその後、私達は幾度も求め合い交わりあった。
互いを確かめるように・・・慈しむように・・・幾度も幾度も・・・
―――――― 朝日が二人を照らすまで・・・。
271 :
うたかた:03/11/18 00:59 ID:bkEATNVE
とりあえずやっとやっとここまでこぎつけたと言った感じです
あとはエピローグを書いておしまいですね
だいたい終わり方は決めているので、次回は早くうpできるかと思います
終わったら感想とかいただけるとうれしいです
それではまたのちほど・・・ノシ
こぱんださんなにげにサイトリニューアルしててビックリです
しかも絵がウマー!!(;´Д`)萌えますた・・・
私もファンになりそうですw
こぱんだです。
うたかたさんと木登りさんの新作をサイトあぷしました。
ってやっと書込めたです。
>271
下手な絵をさらしちゃってすみません〜。あれが限界でつよ…
もう回線切って…(ry
||
Λ||Λ
( / ⌒ヽ
| | |
∪ 亅|
| | |
∪∪
>うたかたさん
どぉぉして忘れることが出来るでしょうか!!
もうずっとお待ちしてましたよぉ!
おかげで妄想も進むこと進むこ(ry…。
あまりのすばらしさに取り乱してしまいました。
本当に良かったです☆。
>こぱんださん
サイトリニューアルお疲れ様です。
自分のへっぽこ小説がこんなに立派なところに…(*´∀`*)と感動してます。
絵もほんとにお上手で、うらやますぃwです。
殿×松子さんも(゚Д゚)ウマー でした。
お2人とも、無理なさらないように、でも新作くださいw。
それでは、へっぽこ昼メロの続きです。
良かったら読んでください。
(4)
□ □ □
あの日。
お屋敷についてから与えられた部屋で、
私は泣き続けた、彼の胸の中で。
先に弱みを見せたのは私。
恋人に裏切られた不安。
咲十子にさえあきれられ、見捨てられるのではないかという恐怖。
私がすがれるものは、目の前にいる初対面の彼の微笑みだけだったから。
母親として咲十子の前で泣くことだけはしたくなかった。
ましてや、勢いからとはいえ、娘の将来を借金と引き換えにしてしまった母親だから。
あの黙って胸を貸してくれた数時間のおかげで、私は気持ちを切り替えることが出来た。
咲十子の前では能天気で、わがままな母親に戻ろうと決意した。
今、思えば、このときも2人の間に言葉はなかった。
ただぬくもりだけ。
年甲斐もなく泣きじゃくる私の背に、そっと添えられた鋼十郎の手。
次々あふれてくる、感情に涙を抑えられない私に向けられたやさしい微笑み。
思えば、これも彼の表の顔だったのだけど。
あとから考えて思った。
彼はいつも人の気持ちを受け止めるけれど、自分の気持ちを押し付けることはない。
まるで自分の気持ちも他人の気持ちも、ただの情報として分類しどう対処するべきか、
分析して行動しているのではないか。…と。
彼が「やさしいお守り役」という役割のフィルターを通さずに感情を見せるのは、いつだろう。…と。
(5)
□ □ □
和久寺家での生活も長くなったある日。
咲十子と風茉君は、九鉄君と一美ちゃんと一緒に出かけていった。
屋敷に残されたのは、仕事の都合で旅行に参加できなかった、私と、
風茉君の名代で非常連絡係の鋼十郎君。
2人だけなので、使用人の人たちにも休暇を出した。
このお屋敷に来て以来、こんなに人影が感じられないのは初めてだ。
初めてこの屋敷の門をくぐったときは、咲十子の将来を決め付けてしまった気がしていた。
でも、あの日からいろいろあって、咲十子は風茉君と向き合っていくことを決めたようだ。
自分が咲十子の運命を決めた。なんて思い込むのは傲慢なのだと気づいた。
咲十子は、突然投げ入れられた状況の中でも、自分の道を進みつづけた。
今。この屋敷を取り巻く世界は、咲十子と風茉君2人を中心に成り立っている。
母親なんて、娘の人生にとっては脇役でしかない。
私は、自分の娘を見くびっていたようだ。
そう考えると、私は自分が本当に一人ぼっちになってしまった気がした。
知らず知らず、涙が頬を伝う。
咲十子の父親との早すぎる別れ。
信じていた恋人の裏切り。
お互いに支えあえる関係の人が私にはいない。
それに、2度の別れで懲りてしまった。
新たな人を探すことも出来ない。
ただ、母親のメッキがはがれ、一人の女に戻るとき、
本当の自分、弱い自分が現れる
(6)
□ □ □
ひとしきり泣いたあと、屋敷の静けさに耐え切れず、鋼十郎君の所へ
押しかけることにした。
お酒でも飲んで眠りたいところだけれど、秋の夜長に一人で晩酌なんて
我慢できなかった。
もう、夜もふけている。
ワインセラーからワインを2本失敬して、チーズやクラッカーとグラスを持って屋敷の秘書室をノックした。
「はい、どうぞ。」
やはりまだ自宅に帰らず、仕事をしていたようだ。
迷子の子供が、親を見つけたようにほっとする。
そんなことを考えた後で、そこまで弱っている自分に苦笑が漏れた。
「まだ、お仕事中かしら?良かったら試飲会しない?ワインセラーに入ったばかりのボジョレーよ。ほら、おつまみも持ってきたの。」
「いいですね。ちょうど仕事も終わったところです。」
「じゃ、コルクを抜いてくれる?私、苦手なのよね。ボロボロにしちゃうの。」
イヤだ、私、なんだかはしゃいでいるみたい。
「…三津子さん、でも、こんな時間ですし、女性一人の屋敷に長居は出来ませんので…。」
「そんなこと言わないで!!」
とっさに出た言葉の鋭さに空気が凍る。
(7)
「・・・・・もぅー。そんなこと言わないでよぉ。女性って言っても私はおばさんだし、鋼十郎君なら誤解されることもないわよ。なに?それとも、私と飲むのがイヤ?」
いけない、またこの人の前で弱音を吐いてしまいそう。
必死に、道化て煙幕を張る。
ソファにグラスやチーズをセッティングしながらちらりと、顔色を窺う。
いつものように、フゥっと小さく息をはくと、困ったように微笑む。
「それじゃあ、少しだけお付き合いしましょう。」
私の手からワインと、ソムリエナイフを受け取ると、慣れた手つきでコルクを抜く。
コルクを鼻先に運び、香りを確かめる姿はまるで映画のようだ。
「ふふ、この銘柄、評判良かったんだけどどうかしら?」
グラスに注がれる赤い液体を見つめる。
「私も、えらそうなことは言えませんが、なかなか良さそうですよ。」
手渡された、グラスを掲げ彼を見つめる。
きっと、彼には私が隠そうとしてる弱さなどお見通しなのだろう。
グラス越しに見る彼は、憎らしいくらいいつものとおりだ。
「なにに乾杯しましょうか?」
「そうね、ありきたりだけど…秋の夜長に。」
カチン。
クリスタルの澄んだ音が耳に響いた。
(8)
□ □ □
当り障りのない会話。
彼は本当に、優秀な人だと思う。
場の空気を変えることなく、次々と話題をつむぎだす。
咲十子のこと、風茉君のこと、季節のこと、新しく出来たお店のこと、
ちょっとした雑学や、業界の裏話まで、いつまでだって話しつづけられそうだった。
自分の手を見せずに相手の本音を探り出すのに、この会話術は使われているのだろう。
そう、決して自分の本心は表に出さない。
確かに和久寺の社長秘書ともなるとこれくらい朝飯前よね。
自分が先代の社長秘書室に勤務していたころのことを思い出す。
優しそうな仮面の裏でこの人はどんな本心を飼いならしているのだろう。
「三津子さん、強いんですね。私は酔っ払ってしまいましたよ。」
席を立つタイミングも良く知ってる。
一本目のワインが空になったとき、終わりの言葉を切り出してきた。
「でも、楽しかったですよ。たくさんお話出来て。また……。」
うそつき。
本当は酔ってなんかいないくせに。
彼の言葉が耳に入らなくなる。
どうせ、めんどくさい、早く退散したいって思ってるんでしょう?
なら、いいわ。困らせてあげる。
(9)
「…そんなこと、言って。本当は酔っ払っていないでしょう?もう1本あるもの、帰さないわよ。」
ワインとソムリエナイフを彼に向けて差し出す。
「……困りましたね。私は本当に酔っ払ってしまったんですよ。」
ふーん、あくまでそれで乗り切るつもりなのね?
「じゃあ、おねがい、飲まなくてもいいからここにいてくれないかしら?一人では飲みたくないのよ。」
どう?お優しい鋼十郎さんには断れないでしょう?
「…………しかし。」
「ふふ、イヤだわ。やっぱり私も酔っ払ってるみたい。困らせて、ごめんなさいね。」
「こちらこそお相手出来なくて申し訳ありません。」
さすがね、本当に困っているみたいよ。
それならその完璧なところを逆手にとってあげるわ。
「鋼十郎君が帰るなら私も部屋に引き上げようかしら。…あっ!そうそう。このコルク抜いておいてくれない?お部屋でもう少し飲みたいから。」
にっこり笑って受け取ると、いとも簡単にコルクを抜く。
もちろん、まじめな秘書としての忠告も忘れずに。
「度を越さないでくださいね。ワインのアルコール度数は思っているよりも高いですから。」
ボトルとグラスを右手に。
小脇にクラッカーの箱をはさんで、チーズの皿を左手に。
ソファから立ち上がると、わざとおぼつかない足取りで扉を目指す。
そう、優しい人なら思わず手を貸してしまいそうなくらいにヨロヨロと。
駄目押しに、躓きかけてみたり。
「きゃ!………大丈夫よ。ちょっと、絨毯に足をとられかけただけ。一人で戻れるわよぉ。」
ほらね。引っかかった。
「このまま帰るほうが心配なので、お部屋までお送りします。」
今日はここまでです。
なんだかまた長くなりそうですみません。
うたかたさんの殿×松子を読んで書き始め、かれこれ4作目。
ちっとも上手くならない私って…。
うたかたさんの足元くらいには上れたでしょうか?
281 :
うたかた:03/11/18 21:05 ID:bkEATNVE
ども〜こんばんわです♪
>木登りさん
いやん昼メロキタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(`* )━(д`* )━(*´д`*)ハァハァ
そんな!木登りさんウマー!!!ですよ!
私のヘタレSSの斜め上空をかっ飛んでますよ!いや本当に!!
妄想膨らまして続き待ってます(;゚∀゚)=3ムッハー!
>こぱんださん
い・いや〜〜〜〜!こぱんださん逝かないで!!
戻ってきて〜〜〜。・゚・(ノД`)・゚・。
こぱんだです
まとめサイト、
本日新作あぷいたしました。
ヒルメロ(*´Д`)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア
283 :
うたかた:03/11/18 21:16 ID:bkEATNVE
さて、やっと最後までこぎつけました
なんとかまとまってホッとしています。・゚・(ノД`)・゚・。
単行本派の方は本編ではHシ−ンは省略されてましたが(当たり前)
個人的に殿×松子の過去話はかなりよかったので期待して下さいね
私の妄想はホント足元にも及びません!やっぱ高尾さん最高!!
それではラスト
>>270からの続きです。どぞ〜↓
〜epilogue〜
その後・・・子供だった俺達の関係は呆気なく露見し、この前代未聞の不祥事に御城に
縁の深い両家はこの事をなかったものとし、互いに裏口を合わせ有耶無耶なものとした。
彼女の輿入れの日、両家の目を掻い潜り再会した時に俺は一つの誓いを彼女に捧げた・・・。
・・・彼女は自ら檻へと囚われていった。
俺は力のない無力な自分を責めた・・・。
そして数年後・・・
―― 俺は一羽の美しい小鳥を手に入れた・・・ ――
微睡みから目を覚ますと、隣には安らかな寝息を立てている紫信の姿があった。
寝かしつけている間に、何時の間にか自分も寝入ってしまったらしい。
ずいぶん昔の夢を見たな・・・と苦笑しながら、傍らにいる小さな紫信の髪をそっと撫でた。
しの・・・・ 可愛いしの・・・。
お前はいつか俺の下を離れるだろう・・・。
だが・・・・それでも構わない。
その時まで 俺はお前を守り続けよう・・・。
兄のように・・・
友達のように・・・
恋人のように・・・
――――――――― 父親のように・・・
だからその時まで・・・
ゆっくりおやすみ・・・ しの・・・。
―――fin―――
285 :
うたかた:03/11/18 21:36 ID:bkEATNVE
・・・・以上です お目汚しスマソ
あぁ・・・読み返すとえらい恥ずかしいですが、
素人が思いつきで書いたものですので大目に見てください(つД`)
それにしても妄想した号から次の発売日までなんて軽く考えていたものが
こんなに長くなるとは予想外だったよママン・・・_| ̄|○
次回はてるてるにするかディアマにするかちと悩んでいます
てるてるならもう王道甘々Hで、ディアマならコメディHでいく予定です
(私の頭の中ではなんとなくシリアス物→てるてる コメディ→ディアマというイメージなのです)
いつになるかは未定ですが、書いた時には読んでいただけるとうれしいです
でわでわ!ノシ
こぱんだです
風呂に入っている間に、エピローグがぁぁぁ
ということであぷしましたー(・∀・)ウホッ
>うたかたさん
お疲れ様です。
読み返してみて内容はもちろん表現まで素敵でウットリしております。
ぜひ、次回はコメディのほうで!
なんだか今からワクワクしているお馬鹿さんです。
誉めていただいて、木から下りれなくなるほど
高く上ってしまった気がしてます。
もう、書かずにはいられない体に…。
なんだか、支離滅裂な長レススマソ。
次から、へっぽこ昼メロの続きです。
良かったらどうぞ。
(10)
□ □ □
もし、この時、彼のこの言葉がなかったら、
私はあんなにむきにならなかっただろう。
酔った女にまで完璧なエスコート。さすがね。と、
関心したまま、礼をいって見送っただろう。
ただ、彼のあの発言が私の弱点を刺激した。
弱い私は、自分を守るために相手を傷つける言葉を投げつけた。
そう、こんな風に。
「…そういう、あなたこそ。ずいぶんな偽善者じゃない!見ていて辟易するわ!
私と咲十子なんて、ボスを喜ばせるための貢物でしょう!
あなたは自分の利益しか考えていないのよ。
それをさも、人助けのように見せかけるの。
『優しいお守り役の鋼十郎さん』がしたようにね。結局。誰も信じてないのよ。」
もう、酔っ払ったふりなんて忘れてしまった。
悔しさのあまり、涙がこぼれる。
自分でもぞっとするほど、次々に尖った言葉が飛び出す。
私の心にこれ以上触らないで。
これ以上私のプライドを奪わないで。
「そうよ、あなたの言うとおり!私は人に弱みを見せれないわ!
でも、それは咲十子を信じていないからじゃない!
私が!負担になりたくないのよ!あなたにわかる?!
私はあなたとは違うわ!信じてるから弱みを見せないの。
ねぇ、本音を見せてみなさいよ!本当は人を信じるのが怖いから、
裏切られるのが怖いから、女性に興味がないなんて言っているんでしょう。
それともなに?!本当は女が怖いんじゃないの?!」
彼は黙り込んだまま、私の方を見ている。
(11)
「……三津子さん。先ほどの言葉は失言です。忘れてください。それと、今日はもう飲まないでください。お疲れのようですから。」
この期に及んでまだ仮面が取れないなんて、なんて嫌な人なの。
最後まで本心を見せようとしない彼に苛立ちを感じ、ドアノブに手をかけた彼を追いかけた。
「逃げる気!!?どんな暴言だっていいわ、本音を見せなさいって言ったのよ。」
彼が振り向くのと同時に、ネクタイを掴む。
ネクタイをグイッと引っ張り、顔を近づける。
「私を甘く見ないで。私だって第一線で秘書をしてたわ。だからあなたの言葉が本物かどうかぐらい見分けられるの。心にもない慰めなんて私は要らない。」
挑発的にネクタイをひいて、ネクタイで口をぬぐう。
ワインレッドの染みが残る。
「これでチャラにしてあげるわ!あなたには分からないかもしれないけど、あなたの心無い言葉に本当に傷ついたの。…これはワインを飲みすぎて見た夢よ。朝になったら、お互い水に流しましょう。どうせあなたは何も感じていないんでしょうけど…。」
くるりときびすを返すと、振り向きもせずに言い放った。
「……早く、出て行って。」
ソファにすわり、ワインを煽る。
ゆっくりとドアの閉まる音が聞こえた。
私は、投げつけた言葉と行動のひどさに罪悪感を感じ、身動きできないでいた。
目からあふれる涙を流れるままにし、必死で嗚咽をこらえる。
その時、カチリと金具の音がした。
振り向くと、鋼十郎が後ろ手で扉の鍵を閉め、こちらを見ていた。
(12)
□ □ □
一歩一歩彼が近づいてくる。
一歩一歩私はあとずさる。
彼の表情は、今まで見たこともないほど硬かった。
近づきながら彼はゆっくりとジャケットを脱ぎ、ネクタイを緩める。
無言のまま、ソファに腰掛けジャケットを置く。
私は混乱した頭で必死に考える。
今、私の目の前にいる男は、藤田鋼十郎、そのものなのだろうか、と。
一定の距離を保とうと、私は必死で部屋の奥に逃げる。
そんな私を一瞥して、彼は言った。
「ワイン、もらうよ。」
今まで聞いたことのない口調。しぐさの雰囲気。
間違いない、これは作り物ではない。
「ねぇ、こっちに来なよ。お望みの本音を聞かせてあげるからさ。」
「…………出て行ってと言ったのよ。」
クククっと、皮肉な笑い声が聞こえた。
声の方を見れば、背筋が凍るほど冷たい微笑を浮かべる鋼十郎がいた。
「ほら、本性を出すと退かれるんだよね。俺って。」
一体、どういうつもりだろう。
「でも、三津子さんはさすがだよ。正直なところ、俺見くびってたかも。」
ワインを飲みながら話を続ける。
「すっかり、あなたが先代に勤めてたこと忘れてた。いつから気づいてたの?」
「……なんとなく、最初からね。」
「へぇ。」
彼はそういうと、タバコに火をつけた。
しっかり最初の一息を吐き出して彼は続けた。
(13)
「じゃあ、今日のは、三津子さんの同属嫌悪なの?ま、人前で役割を演じる理由は違うみたいだけど。」
「違うわ。ただ、…ただ、『自分は一人だと思っていないか、もっと周りを信じろ』なんていう、もっともらしい言葉をあなたに言われたのがイヤだったのよ。」
「『本当は弱いのに、無理しないほうがいいですよ。』ってのも、気に入らないんでしょ?でも、俺には、『私は本音を見せたんだから、あんたも見せなさいよ』って言われてるように感じたんだけど。」
確かに、そう思う気持ちもあったのかもしれない。
初対面で弱い自分を見せてしまったことを心の奥で後悔していた。
「三津子さん、人ってさ、上辺しか見えないヤツのほうが多いんだよ。分かり合える相手なんて、そうそうめぐり合えるものじゃない。だから、俺は基本的に誰も信じない。」
「かわいそうね。」
聞こえなかったのか、能天気な声で最後のワイン飲んじゃうよ、なんて言っている。
「じゃあ、なんで今、本心を話す気になったの?」
「…ワインで酔ったから、かな?あと、三津子さんに興味を持ったから。」
「そう、光栄だわ。」
グラスに残った最後の液体を飲み干し、彼は立ち上がった。
「俺、このネクタイ一番、気に入ってたんだよね。でも、もう使えないなぁ。」
また、彼が近づいてくる。
私はあとずさり、ベッドの傍まで追いやられた。
「ねぇ。あと一つ。」
彼はゆっくりと近寄ってくる。
「何かしら?」
「訂正して欲しいんだよね。俺が、女を怖がってるていうの。」
彼との距離はもう2メートルくらいしかない。
「誰にも、言ってないわよ。そんなこと。それに、そう思われてる方が好都合なんじゃないの?」
あと、1メートル。
「世間的にはそうだけど、でも、本性を知ってるヤツにかわいそうとか、怖がってるとか、分かったようなこと言われるの、イヤなんだよね。」
(14)
次の瞬間、私はベッドの上に倒されていた。
「何をする気なの?」
起き上がろうとする私に覆い被さって、唇を奪われた。
必死で押し返そうとしていた手を取られ、押さえつけられる。
「大の男を怒らせておいて、どうなるかなんて分かってるでしょう?」
「馬鹿なことは止めて。放して頂戴。」
必死にもがくけれど、びくともしない。
「大丈夫だよ、どんなに大きな声出しても誰にも聞こえないから。」
「…本気、なの…。」
彼は返事をする代わりに、ネクタイをはずし、私の手首を縛り始めた。
「良かったよ、まだこのネクタイの使い道があった。」
にやりと笑う彼を見て、絶望的な気分になる。
恐怖のあまり、涙があふれる。
それでも強がって、思ってもないことを言ってしまう。
「好きにするといいわ。」
目を閉じて覚悟を決める。
しかし、しばらくそのまま恐怖に耐えていても、彼は何もしてこない。
思い直してくれたのかも知れない。目を開けようとした瞬間。
盛大な笑い声が部屋に響いた。
今日はここまでです。
木登りブタの鋼十郎がすごく嫌われそうでビクビクしてますが、
あくまでも、私の妄想ですので、許してください。
最近、妙に筆の進む木登りブタでした。
294 :
名無しさん@ピンキー:03/11/20 00:34 ID:9sBYUuy0
鬼畜(?)鋼十郎イイ!
木登りブタさんさいこーです!!
続き楽しみに待ってます。
こぱんだです。
さっそくあぷしましたー。
なんかママのお話、
ワクワクする展開になって来ましたね〜
黒ハガネ(・∀・)イイ
中の人も大変だ〜
296 :
うたかた:03/11/20 11:12 ID:UaFHDqBy
木・木登りタン イイワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
黒鋼十郎に(*´Д`)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア
子供好き(というよりペド?)の優しいお兄さんの鋼もいいですが、こういうのも個人的にツボでつ
こういう妄想が許されるのもエロパロの1つの楽しみだと思うのでいいんじゃないでしょうか?
今から続きが楽しみです(*´∀`*)
それとレスありがdです
ヘタレSSなのにそう言ってもらえるなんて・・・光栄です・゚・(ノ∀`)・゚・。
また懲りずに書いた時には生暖かく見守ってくださいませ
297 :
名無しさん@ピンキー:03/11/20 12:07 ID:8HBeydkN
作家様方、乙でつ! 新作たくさんで追いつくのが大変ですた。 そすて萌え萌えでつ。
>>297 芋使い?なんだか横に長いですよ( ´∀`)σ)Д`)。
それでも感想を書き込まずにはいられない気持ちはわかるよ!
最近、スレがにぎわってて幸せです。
うたかたさんの新作、木登りさんの黒ハガネ、楽しみにしております。
299 :
うたかた:03/11/20 18:30 ID:UaFHDqBy
こぱんださんのHPのすばらしいトップ絵に萌えたので
勢いで当初の予定とは違う短編を書いてみました
いつもすばやいお仕事をして下さるこぱんださんに感謝を込めて
たいしたものではありませんがこの短編を捧げます
∧_∧ ∩,_∧ ∧_∧゙ ∧_∧ ∧_∧
(, ・∀・ ) | |・∀・) (・∀・ ) ( ・∀・) (・∀・ ) <では短編どぞ〜♪
(( ⊂ ⊃ / ,⊃ (⊂、 ⊃゙ ((⊂ ,⊃)) ((⊂ ⊂ヽ
(( ⊂,,, ノ゙ ((( ,,_,,⊃゙ ((⊂,,,_,, ) (( ( ,,_,,⊃)) ((⊂,,__,, )))
(__/,, ヽ_),, (_/, ヽ_),, ,,(_/
コレを覚えたのは・・・いつの頃からだろう・・・
一時凌ぎの慰めに過ぎないけれど・・・もうコレを止める事は出来ないかもしれない。
また今日も・・・甘く切ない夜遊びが始まる。
「ったく・・・お子ちゃまは早く寝ろよ! 子供が夜更かししてもいいことなんか全然ないんだからな!!」
「ちょっと!子供扱いしないでよ!! もう・・・九鉄の馬鹿っ!!」
軽口を叩きながら無理矢理部屋に私を押し込めると、バタンとドアを閉め九鉄は出て行った。
きっといつまでも私が起きていると、自分が夜遊びにいけないからだろう。
和久寺家お守り役の自覚があるのかないのか・・・同じ双子でも鋼十郎様とは全然違う。
・・・鋼十郎様
誰よりも温かく優しい手をもつ人・・・
幼い頃眠れない時はそっと優しく抱きしめてくれた・・・
あの大きく優しい温もり・・・
そうやって鋼十郎を思い出していると、またアノ感覚が躯の内から湧き上がってくる。
知らず知らず鼓動が高まる・・・。
――― カ ラ ダ ガ ホ テ ル・・・―――
思わず堪えきれなくなりそっとベッドに潜り込むと、目を瞑り再び愛しい鋼十郎に
思いを馳せていった・・・。
――――― 一美様・・・
鋼十郎様が私を呼ぶ・・・
あの大きく温かい手が優しく私を撫でていく・・・。
・・・きゅんと甘く躯が鳴く。
――――――― あぁ・・・・また・・・・長い夜が始まる・・・・・。
そろそろと夜着の上からまだ僅かにしか膨らんでいない幼い双丘に手を伸ばしていく。
そっと手をあてると、服の上からでも鼓動が高まっているのがわかる。
これから起こる感覚に胸を高鳴らせながら、指で敏感な突起を服の上からなぞった。
「んっ・・・!」
甘い波が胸の頂から全身に伝播していく。
そのままかりかりと引っかくように触りながら、空いている方の手で小さな胸をそっと
揉みしだいていく・・・。
「んっ・・・くぅっ・・・・ぁ・・・」
胸の頂きにある小さな突起が徐々に固さを増し、夜着の上からでも自らの存在を主張し始める。
ついに堪えきれなくなって夜着の合わせ目から手を差し入れ、直に触れると痛々しい位に
芽が張り詰めていた。
その芽を指先で軽く摘むと、こりこりと擦りあげる。
「!・・・んぅっ!・・はぁっ・・・!」
ぞくぞくした甘い疼きが、頭の奥を痺れさせる。
必死で声を噛み殺しながら、下腹部がじんわりと熱くなっていくのを感じていた。
「こう・・・じゅう・・・ろう・・・・・さまぁ・・・」
知らず知らず愛しい人の名前を呼びながら徐々に高まりゆく幼い躯・・・。
10歳というまだ未熟な年齢ではあるが、今この時はもうすでに・・・一美は一人の女であった。
片方の手を胸へ残しながら、そろりと手を下へと伸ばしていく・・・。
十分に躯が高まったのを見届けると、私はそっと夜着の裾をはだけていった。
つぅっとショーツ越しにそこに触れると、もうすでに・・・そこは己の蜜で溢れかえっていた。
「・・・くふぅ・・・・ん」
甘い疼きを感じながらも、胸の内に微かな罪悪感がよぎっていく。
しかしもうこのままでは自分の躯が静まらない事を 一美が一番良くわかっていた・・・。
胸の奥に微かな罪悪感を仕舞い込み、また再び・・・指の戯れへと没頭していった。
ショーツ越しに指をあて、そっと自らのクレパスを撫で上げていく・・・。
指を動かすたび布地と秘所が擦れあい、くちゅりと控えな水音が聞こえる。
次第に撫で上げていく速度が速まり、布越しのじれったい感覚に我慢できなくなると
ショーツの中に手を差し入れる。
自らの小さな泉に指を滑り込ませ、解きほぐす様にゆっくりと動かす。
水音が部屋から漏れてしまうかもしれないと思いつつも、指の動きを止める事は出来なかった。
そしてさらに最も敏感な芽に手を伸ばすと、そっと指先で触れ、つぅっと撫で上げる・・・。
「ふぁあぁんっ! ・・・・・っ!!!」
思いのほか大きな声が出てしまったのに驚き、咄嗟に自らの手で口を塞ぐ。
はぁはぁと荒い息を吐きながら、また再び・・・自らの敏感な突起へと手を伸ばす。
「んくぅっ・・・ふっ・・・・はぁん・・・っ」
ぷっくりと膨らんだ芽がさらに固くなり、より感覚が研ぎ澄まされていく。
指の動きに合わせ、電流のように快楽の波が走る。
・・・その甘い誘惑に幼い一美の精神が抗う術などある筈がなかった。
自らの本能に任せ、指の動きを徐々に早めていく。
自らが生み出す背徳的な快楽に溺れそうになりながら、頭の中で鋼十郎の事を思い浮かべた。
鋼十郎様・・・・
鋼十郎様・・・・!
鋼十郎様ぁっ・・・・・!!
愛しい人を想いながら、自らを慰め 唯ひたすら昇り詰めていく。
そんな倒錯した感情も・・・いまや己を高めるものにしかならない。
「ふぁっ・・・! んっ・・・・っぁあぁあん!!」
指が自分の意識下から離れ、独立した生き物の様に自分を責め立てる。
さらにもっと快楽を貪る様に、もう片方の手を蜜壷に滑り込み、内側を擦るように掻き混ぜていく。
くちゅくちゅと淫らな水音が楽器のように部屋に響き渡る。
切なげに息を吐きながら、一美はもう・・・自分の限界が近い事を感じていた。
鋼十郎様! 鋼十郎様ぁっ!・・・・好きっ・・・・大好き・・・っ!!
躯が震え、何も考えられなくなる。
残っているのは鋼十郎への溢れる思慕とどうしようもない程に高まった快楽の波・・・!
『ふぁああぁあんっ! ふぅっ・・・! はぁぁぁあああああんっ!!』
枕に顔を押し付け、声を殺しながら私は一気に登りつめ、シーツの海へと沈んでいった・・・。
指遊戯 〜 ユビアソビ 〜
―――― それは夜密やかに紡がれる少女の内緒の秘め事・・・。
指遊戯 〜 ユビアソビ 〜
――――――― それは満たされぬ想いを埋める甘く切ない夢物語・・・。
――― fin ―――
305 :
うたかた:03/11/20 18:55 ID:UaFHDqBy
・・・以上です
勢いで書いちゃったもんで漏れの一美はこんなんじゃねぇ!
(ノ`д´)ノ ==== ┻━━┻ と思った方ゴメンなさい
あぁ・・・しかし読み返すと自分文才ねぇ〜〜〜_| ̄|○
しばし武者修行の旅へ逝ってきまつ・・・
もっとこのスレに新しい神がくるといいなぁ・・・
リレー小説とかでもいいからもっと他の方の作品も読んでみたい・・・
306 :
名無しさん@ピンキー:03/11/20 21:15 ID:3ce2Qda6
こぱんだです。もつかれさまです
あぷ完了しました。
>うたかたさん
リレー小説面白そうですね。
もしやるならカプは誰ががいいですかね?
きゃー!!
うたかたさんの新作がキタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(`* )━(д`* )━(*´д`*)ハァハァ
一美の思いが切ないくらい伝わってきますよぉ。
ほんと、なんて罪作りな男なんだ鋼十郎め。
リレー小説企画も(・∀・)イイですね。
新人さんもバンバン、デビューして欲しいです。
希望カプは、才蔵×姫に1票です。
そして、次からへっぽこ昼メロの続きです。
良かったら読んでください。
(15)
□ □ □
「さすが、三津子さん。クククっ。本当はヤラれそうで怖いのに、強がるんだもんな。」
今の事態がまるで飲み込めない。
「いっくら本性を知られたからって、犯罪はしないよ。からかっただけ。」
相変わらず、涙は止まらない。
「さっきの仕返しだよ。あぁ、三津子さんがキレて俺に、いろいろ言ったことじゃないよ。まぁ、多少はそれもあるんだけど。実は俺、さっきの酔っ払ったふり見抜けなかったんだよね。それで、軽くプライドが傷ついちゃってさ。」
彼の言葉を必死に噛み砕いて理解しようとする。
それでも恐怖に縛られた思考は上手く働かない。
「これで、おあいこだろ?お互いに騙された、ってことで。」
彼が私の自由を奪っていたネクタイを解く。
それと同時に、私の思考も恐怖から解かれていく。
恐怖の次に現れた感情は安堵。
イヤだ、こんなヤツの前で泣きたくない。
そう思うのに、自然と嗚咽が漏れ始める。
クッションで殴りつける。
何度も、何度も。
「なに?今度は被害者のフリ?経験が多いと演技にも幅があるね。」
悔しい。自分が手玉に取るつもりだったのに。
「いくら、私でも、こんなことされたことないわ!本当に怖かったのよ。…怖かった。」
泣きじゃくりながらも、クッションを振りおろしつづける。
しばらく、無言のまま彼はクッションを受け止めていた。
(16)
「もう、気分はすんだ?」
そういうと、私の手首を掴み、そして抱き寄せた。
泣きすぎて頭がクラクラしている私はバランスを崩し、彼の胸に倒れこんだ。
押し戻そうとするまもなく、きつく抱きしめられる。
朦朧としている頭が、あの日と同じ匂いを思い出す。
抱きしめられている、背中が、あの日のぬくもりを思い出す。
鋼十郎は小さい子をあやすように、背中をたたく。
「あーぁ、こんなに泣きつづけたの、この家にきた日以来だろ?
これじゃ明日の朝顔がはれるぞ。ほんとに、涙腺壊れてんじゃないの?」
誰のせいだと思ってるの。そう思っても言葉にできない。
涙は今も鋼十郎のシャツに新しい染みを作っている。
「これじゃ「夢」にならね―よ。あんたが言ってた、ワインの見せた夢。」
乱暴な言葉とは裏腹に、優しい手。
「絶対の自信を打ち砕かれた俺と、本気で怖い思いをしたあんたっていう悪夢。」
私の嗚咽も徐々に収まろうとしている。
「対等のダメージだと思ったんだけどなぁ…。あんた、俺が思ってたより、ずっと弱いんだもん。」
「……………。」
「……悪かった。やりすぎたよ。」
(17)
なんてひどい男。
私から逃げ道まで奪ってしまうのね。
最後まで嫌なヤツでいてくれたら良かったのに。
最後まで自分勝手で利己的な男でいてくれたら良かったのに。
もう、憎むことも出来ない。
ぼんやりした頭で考える。
開けてはいけない、パンドラの箱に最後に残ったのは希望だった。
私が開けた箱には、ぶっきらぼうな優しさが入っていたのかもしれない。と。
「な、三津子さん、これで懲りただろう?人って全部知ってるつもりでも、ほんの一部しか分かってないんだ。あんたが周りのヤツを信じてるって言うなら、全部見せてやらねぇと。」
それを知っていながらどうして、誰とも分かり合えないなんて言うの?
本当は、あなたも私も同じ。
誰かに本当の自分を見せたかったんじゃないの?
(18)
□ □ □
「……あなたは、本性を見せる人いるの?」
彼は一つ、ため息をついて続けた。
「俺は、人を信じていないからな。九鉄も知らないんじゃないかな?もう、ガキのころからあんな感じだったし。三津子さんくらいじゃないかな?」
「…そうなの。」
そんなに長い間、自分のことを偽っていたの。
きっと彼のさっきの行動も私と同じだったんだ。
自分の心を触れられるのが怖くて、必死で相手を傷つけようとしていた。
彼の腕が緩んで出来た隙間から、腕を伸ばし、彼がしてくれたように背中をたたく。
彼が私のつむじにあたるように、顔を乗せる。
「きっと俺、共犯者を探してたんだろうな。偽りの俺に気づく位、切れ者の。ねぇ、三津子さん。」
「…なに?」
優しく頬を包まれ、上を向かされる。
そこにあるのは、はじめてみる寂しそうな微笑。
「共犯者になってよ。ワインの見せる夢を見る。…俺、そろそろ息継ぎしないと、溺れそうなんだ。」
「…反則よ。そんなの。」
まぶたの上に、キス。
頭の片隅で、いけないことだと警鐘がなる。
優しく降り続くキスの雨。
頭の中では必死にブレーキをかけようとしている。
(19)
でも、体は、私の手は、彼の頬へと引き寄せられる。
孤独で乾ききっていた、私の心が、彼のキスでよみがえる。
でも、いけない。流されては。
分かっているのに、とまれない。
彼の唇を私のそれで受け止めたとき。
ワインとタバコの香りを感じた。
頭がしびれる。
さっきまでの酔いが戻ってくる。理性がかき消される。
深いキスを交わして、大きく息を吸う。
―まるで、水中から出てきたときのように。
知っていた。本当は私にも息継ぎが必要だということを。
だからこそ、その苦しさに耐えようと思っていた。
愛すべき人たちを、自分は騙しているのだから…。
どうしても、彼らには本当の自分を見せられないのだから…。
(20)
□ □ □
「…一緒に、夢をみようよ。」
私の肩に額を乗せ、ささやく彼。
言葉の代わりにつむじにキスをする。
「でも、いいの?私はあなたの守備範囲からかなり外れてると思うんだけど。」
ベッドに倒れこみながらお互いの服を脱がせる。
「人って、完璧な人間だと疑うから…。作ってるんじゃないかってね。だから、わざとだよ。」
「どうだか?フェイクには見えなかったけど…。」
二人の間には、もう共犯者の空気が流れ始める。
「三津子さんこそ、いいの?付き合ってるヤツいるんじゃないの?」
ほら、バンザイして、なんて言ってる。
「そんなこと、人の服を脱がせながら聞くことかしら?」
セーターとスリップを一緒に脱がされ、肌が現れる。
「本音を見せるに値する男がいなかったのよ。」
彼のシャツのボタンをはずし、アンダーウェアをめくる。
「こんなにきれいなのに、もったいない。」
彼の手がスカートを引き抜く。
私はベルトをはずす。
あぁ、もうだめ。作業に集中できない。
「キスしてよ。もう、…溺れそうよ。」
肌に当たりそうで当たらなかった彼の手の感触を思い描いて、
私の体には、火がついてしまった。
もう、何もかもがもどかしい。
お互いをむさぼるように口付けすると、
世界は私たち2人だけになった。
そう、ワインの見せる夢に堕ちていった。
今日はココまでです。
なんだか、徐々に長い話になっているようで焦ってます。
理想は、さくっと読めてさくっと萌えられるお話なんですが…。
良かったら、もう少しお付き合いください。
こぱんだです
マンハッタンラブストーリーを観てる間に…黒鋼しゃん…
木登りさん乙です。ちゅーことであぷしました。
リレーカプはわたしも才造×しの姫ですねぇ。
こんばんは!
ようやく鋼十郎×三津子編 終了です。
思いついて勢いでココまで書き上げましたので、なんだか穴も
ボロボロたくさんありますが、少しでも楽しんでいただけたらうれしいです。
それでは、どうぞ☆!
(22)
□ □ □
さっきまでとはまるで違う優しい彼の手。
背中を這う彼の手は、暖かい。
いつのまにか、下着を脱がされてる。
まだ足りない、もっと欲しい。
私の手は彼の頭を掴んで放さない。
手首をつかまれ、それを唇に運ばれる。
「赤くなってる。俺のせいだな。」
優しくキス。
指先に向かってまた、キスの雨が降る。
もどかしい快感に、かえって体の熱が上がる。
「んっ。」
恥ずかしい。もう、こんなに感じてるなんて、、。
「三津子、かわいい。」
彼は、私の人差し指をくわえて軽く噛んだり舐めたりを繰り返す。
「やばいな、ゆっくり楽しむつもりなのに。色気出しすぎだよ。」
彼の手が、私の胸に触れる。
強弱をつけて揉みしだかれるうちに、快感の波が襲ってくる。
首筋にキスを受けると、声にならないため息が漏れる。
「ぁあ…・。だめよ…。痕ついちゃ…う…ぅん。」
どこにも証拠を残してはいけない。
一度の夢で終わらせなければ。
「だめだよ、契約には印鑑押さないと。」
必死で彼の顔を引き離す。
「しょうがないな。じゃあ、三津子からも見えないところならいいだろ?」
彼の手が、私の腰に走る。
(22)
くるり。
気づくと私はうつぶせにされていた。
触れるか触れないかのところで撫でていく暖かな手。
さっき自分の想像していた感触がよみがえる。
顔の見える体制に戻ろうとするが、
彼が私の両足をまたいで座っているので、必死に首をねじるしかない。
なにをしようとしているのか確かめようと、覗き込むと、、
いたづらっぽい上目遣いの彼と目が合った。
「ねぇ、知ってた?三津子ってこんなところに黒子あるんだよ。」
わざと見えないところにキスをする。
そのまま舌を這わしだす。
さっきまでの暖かだった手の感触とは明らかに違う、湿った感触。
体がビクンとこわばる。
「ねぇ、こっち見てよ。どこなら印つけていいの?」
さっきと同じように振り向く。
目の前に広がるのは、悪戯をする子供のように笑顔を浮かべ、
私の背中を舐める、鋼十郎。
その光景に羞恥心が刺激され、頭がクラクラしそう。
「ふぅぅあ……ん。あん、…あぁ…ん。」
振り返るためにできたベッドとの隙間から彼の手が浸入していた。
「隙あり。…こっちも中途半端で欲しかったでしょ?」
先ほどあまり触られなかったせいか、先端の蕾を重点的に攻められると、
痛みにも近いくらいの快感が背中に走る。
その快感を追うように、這い回る鋼十郎の舌。
もう、後ろを振り向くなんて出来ない。
体の奥が熱い。
(23)
「返事がもらえないんじゃ、ここにはつけられないな。じゃあ、こっちは?」
彼の手がおしりにのびる。
徐々に、太もも、ひざ、ふくらはぎ、踵、と撫でていく。
舌で足とおしりの境界線を重点的に刺激してくる。
それでも、肝心のところは触ってくれない。
濡れているのが、 自分でもわかる。
「それにしても、三津子のおしり、おいしそうだな。…よし、ココにしよう。」
カリリと、硬いものが当たる感触。
続いてキスの感覚。
「よし。いい出来。ねぇ?捨て印はどこにする?」
嫌なヤツ。
我慢できなくなりそうなのに。
「ココにしようか?」
膝の裏から、太ももの内側に舌が這う。
まだ、触ってくれない。
近くまでくるだけで、焦らして楽しんでる。
「ねぇ、印つけづらいからさ、ちょっと上げてくれない?」
なんてこというの?そんなことできない。
本当はもっと刺激が、快感が欲しいのに羞恥心がブレーキをかける。
戸惑っていると、また、触りそうで触らないという愛撫を繰り返す
(24)
きっと与えられるであろう快感を予感して私の秘所は蠢いている。
もうダメ、我慢できない。
ゆっくりと腰を上げていく。
「お願い…。焦らさないで…。」
焦らされて溢れ出した蜜が足を伝う。
それを舐めとる感覚。
そして、入り口の近くにキスの感覚。
それだけで意識を飛ばしてしまいそうになる。
「じゃあ、契約成立ということで。」
彼の少し上ずった声が聞こえる。
熱いものが入り口に当たる。
ゆっくり浸入してくる。
息が詰まる。
苦しいような圧迫感。
「すごっ。三津子、絞めすぎ…。」
全部、入ったと思うとすぐに彼が動き出す。
さっきまでとは比べ物にならない快感。
部屋に響く水音。
自分の出している声。
彼の動きでぶれる風景。
全てが頭の中で渦巻いている。
渦のスピードが徐々に上がる。
「こ、鋼十郎ぉ。…もぉ、…イっっちゃうぅ。」
「俺も、…ヤバイ。」
一番奥に、彼の分身を感じた瞬間。
目の前の風景は、白いフラッシュとともに消えた。
(25)
□ □ □
少し時間がたち、視界が戻ってきた。
まだ2人とも息は弾んでいる。
一度、快感に支配された体は重く感じられる。
それでも、また2人は唇を重ねた。
快感が過ぎ去ってしまうと、一気に罪悪感に囚われそうだから。
少し、茶化して彼の胸に体を乗せる。
「今度は、私が調印する番ね。」
ついばむように軽くキス。
「どうぞ、お好きなところへ。」
ワインの効能はまだまだ途切れそうになかった。
(26)
□ □ □
一夜だけの夢だと思っていた。
それまでと変わらない役割を演じつづけていた。
ただ、あの夜、無数に付け合った印が薄れていくと、
寂しさと息苦しさで胸がいっぱいになった。
何度、スーツの背中に抱きつこうとしただろうか。
何度、あの手を思い出しただろうか。
何度、あのワインとタバコの香りを思い浮かべただろうか。
ついに、最後の痣が消えてしまった。
その日。
あの夜と同じワインを飲めば、ワインがあの夜のことを見せてくれるかも知れない。
そんな小さな思い出しかあの夜をつなぐものはなかった。
それなのに、地下にある広いワインセラーの中、それは待っていた。
同じ銘柄のワインのビンの下に挟まれていた、小さな紙。
『こちらの不手際で、契約書を紛失してしまいました。この失態をお許しいただき、また、共同作業をしていただけるなら、10日にコンチネンタルホテル、3250号室にいらしてください。お許しがいただけるまでいつまでも待っています。』
こうして、私と彼の新たな関係が始まった。
―the end―
323 :
うたかた:03/11/22 00:18 ID:HZcVTKrB
おい モマイラ!! しの姫の乳がワンランクUPしましたよ!!(;´Д`)ハァハァ
そして表紙に激しく
萌エタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(`* )━(д`* )━(*´д`*)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア
・・・興奮しすぎました スマソ…_| ̄|○
リレー小説はやはり才×姫がいいですねぇ・・・
以前チズルタソが書いてたのが放置されてるので、それを利用してもいいのではとか思ったり
ところでチズルタソ もうROMってないのかしら・・・(´・ω・`)ショボンヌ・・・
もし見てたらまとめサイトでまとめて読みたいのでOKしてもらえるとうれしいでつ
以上です。
なんだかほんとに、まとまりのないモノになってしまった気がします。
しかも、番号フリ間違えるし(鬱。
妖精さんのいるスロップマンションに逝ってきます。
325 :
うたかた:03/11/22 00:29 ID:HZcVTKrB
はぅっ! まさか木登りタンが降臨していたとは・・・・
一生の不覚なり・・・_| ̄|○
でも一応区切りがついたとこだったからよかった・・・=3
木登りさん乙です〜 思わず一気読みしてしまいました(*´∀`*)
鋼×ママ 大人の関係という感じでよかったです♪
黒なんだけどちと脆い部分もある鋼に激しく萌えました・・・
黒鋼萌。
こぱんだです。あぷ完了です。
>うたかたさん
ありがとうございます!!。
しかし、やはりあなたもそこに目をつけましたか(w。
祝!!しの姫バストUP☆。
なんと言ってもあの才蔵の驚きぶりがイイですな。
リレー設定は、チズルさんの続きでいきますか?
それとも、新たなカプ案をもう少し待ちます?
楽しそうな企画で、お祭り好きの血が騒いでいる私です。
鋼十郎×三津子は、2人とも意地っ張りで負けず嫌いなので
お互い自分の気持ちを認められない人たちというイメージで書きました。
楽しんでいただけてよかったです。
連投すまそ。
>こぱんださん
モツカレ様です!
この黒鋼w×三津子は、こぱんださんの絵の効果で、
エロ度がパワーアップしてしまいました。
罪作りなお・ヒ・ト☆。 ←すみません、壊れてました。
329 :
名無しさん@ピンキー:03/11/23 01:35 ID:uMgngzjU
皆様もつかれさまです〜
ガンガン作品投下お願いします(でも無理のない程度に・・・)
330 :
名無しさん@ピンキー:03/11/23 21:37 ID:dpC2V8xP
しばらくこない間に色々キテタ――――(・∀・)――――!!!!!
新作待ってます!
最近、創作意欲に燃えている木登りブタです。
お勧めカプやお勧めシチュエーションがあったら教えていただきたいぁ、と思ってます。
ディアマでもいいですし、その他の読みきりとかでも…。
レベルUPめざしてがんがりますので、よろしくお願いしますm(_ _)m。
332 :
名無しさん@ピンキー:03/11/24 23:01 ID:fSvNiMJc
>331
毎度毎度ご馳走させてもらってます…
お勧めというかリクエストですが、佐介×千代なんかどうかな、と
ひいいいい
あげてしまった…ごめんなさいーーー
334 :
うたかた:03/11/24 23:26 ID:2hglYS+P
こんばんわです〜
おぉ!木登りさんが創作意欲に燃えている!!(*´д`*)ハァハァ
次回作も期待しています!
(もし短編でするならスロップマンションかモナリザがいいですねぇ・・・)
>>333 (*´д`*)σ)´Д`)
たまに自分もやりまつ。気になさらず・・・
こぱんだです
TOP絵をヘタレ更新しました。_| ̄|○
絵掲にTOP絵を描いてくださる絵描きさんカモーンです。
うわーい!皆様レスたくさんありがdです。
やっぱり高尾さんのカプは魅力的ですねー。
目移りしちゃって大変です。
提案していただいたぶんは、徐々に形にしていきますね。
それでは、今回は、ちょっと懐かしめのモナリザでいってみようと思います。
ラブコメ目指してがんがりまつw。
それでは、良かったら読んでください。
「おに〜ちゃ〜ん!!ミカのお願い聞いてぇぇぇ!」
飛び込んだのは、勝手知ったるお兄ちゃんの仕事場。
画廊 苑。…の奥の契約の部屋。
薄暗い照明に、いまどきありえない羽根つきペンとインク壷。
アンティークの蜀台には、いつまでも消えない青白い炎。
いつもながら、どうしてこういう重苦しい雰囲気にするのかしら。
だから、お客さん怖がっちゃうのよ。
ほら、この契約者だって、ビクビクしてるじゃない。
でも、今はそんなことを気にしている場合じゃないわ。
「あのね、お兄ちゃん。ミカどうしても自分じゃ解決できない、願い事があるの!!!」
「……………。少し、黙ってろ。」
お兄ちゃんがパチンと、指を鳴らす。
それと同時に、私は長ったるいテーブルクロスのかかったテーブルの下に押し込まれる。
「ゴホン。…それでは、契約書にサインを。」
「……。えっ?ごめんなさい、さっきまでボォっとしていたみたいで…。」
もう、こうやって記憶を消せるなら、久しぶりのミカのお願いを優先させてくれればいいのに。
「分かりますよ。皆さん誰でも、緊張されていますからね。」
「これで主人は、必ず主人は助かるんですよね!」
もう、さっさと契約しちゃえばいいのに、お兄ちゃんどんな難題をけしかけたのよぉ!
「えぇ。あなたの子宮と寿命20年分いただければね。」
うわぉ!またすごい契約だったのかも。
頭上でペンの走る音がする。
「…それでは、そこに血判をつけてください。」
目の前にある依頼者の足は、震えている。
「それでは、契約完了です。成立次第、代価を受け取りに参ります。」
また、お兄ちゃんの指がパチンとなる。
依頼者の足が消え。部屋には私とお兄ちゃんのみ。
これで、やっとミカのお願いが聞いてもらえる。
テーブルクロスをめくって飛び出すと、
ゲンコツに息を吹きかけながらお兄ちゃんが待っていた。
□ □ □
ひりひりする頭を氷嚢で冷やしながら、お兄ちゃんの入れてくれたココアを飲む。
「もう、ミカは高校生だよ。大人なの。ほんとにいつまでたっても子ども扱いなんだからぁ。」
ぷぅっと膨れてお兄ちゃんを見る。
「おまえなぁ、さっきのが大人ってヤツの行動かよ。それに、結局最後は俺を頼るのか?」
なによ、怒ってても少し、うれしそうなの分かるんだから!
なんだかんだいってお兄ちゃんは私に甘いんだもん。
ここ2年。
安永君にお似合いの人になれるように、お兄ちゃんの力を借りないように頑張ってるときも、
何かといえばすぐに、手伝いたがってたもん。
ずぇったい、本当は嬉しいに決まってるのよ。
「それで、その自分じゃ解決できないお願いってなんだよ?内容によっては却下だからな。
特に、安永絡みのことは、自分で解決しなきゃイヤなんだろ?」
うっ。いけない。
安永君に関係してないともいいけれないのよね。
というか、関係してないから悲しいというか。
でも、でも、付き合出だして1年半もたつのに…。
しかたないわよ。これは遺伝だもん。
私の努力ではどうしようもないもん。
よしっ!覚悟を決めてお願いしてみよう!
「あの…。思いどうりの肉体。って代償はどれくらいなの?」
あっ、お兄ちゃんコーヒー入れてるんだ。
キッチンからリビングに香ばしい香りが漂ってくる。
顔を見せずに、声だけが返ってくる?
「そうだなぁ、場所にもよるな。子宮とか、脳みそみたいに能力が必要なところ。
顔とか、肌の色とか外見のみに関係するところか…。それがどうした?」
い、いうのよ、ミカ。
2人の仲を進展させるんだから!
「あのね…。…ねを……して欲しいの。」
コーヒーカップをもったお兄ちゃんがキッチンから出てきた。
「なんだって?いつもの無駄な大声はどうしたんだ?」
恥ずかしい。だから、勢いがあるうちに言っちゃいたかったのに。
もう、思いつく方法はこれしかないもの、頑張るのよ、ミカ!
「ミカの胸を大きくして欲しいの!!!!!」
ゴトン。
「………なんだって?!!!」
「きゃぁあ、おにーちゃん、コーヒー、コーヒー。足にかかってるよぉ!」
「うわっ、熱ぃ!それより、ミカ!なんでそんなこと言い出したんだ。…もしや、、安永に…。
安永とは、そ。そういう、関係なのか?」
「えーっとぉ…。」
うわ、舌噛みそう。
肩をつかまれて前後に振られる。
「答えなさい。ミカ!おまえ、いつ、いつ、処女を安永に…。」
ちょっと、くるしいよぉ。
それに、早とちりしすぎだよ。
そうだったらこんな、お願いするもんか!
「まだ!!まだなの。1年以上付き合ってるのに、安永君キスしかしてくれないんだもん!!!!」
大きな声で口に出すと、急に実感わいて悲しくなってきた。
「きっと、ミカが貧乳だから嫌いになっちゃったんだぁぁぁあ!!うぇええぇぇ〜んん!」
もうそれから中居家は、大パニックだった。
今日はココまでです。
いかがでしょうか?初のディアマ以外の作品なので、緊張してます。
あと、またまた、勝手にその後の設定です。
どうやら安永とミカは両思いにはなってるようです。
果たしてミカはお兄ちゃんと安永どちらと結ばれるほうが幸せなんでしょうね。
どう転ぶのかお楽しみに…。(そんなたいそうなものではありませんが。)
こぱんだです。
木登りさんモツカレ樣です。
さっそくあぷしましたよ〜
>こぱんださん
モツカレ様です。
続きが出来ましたので、またよろしくお願いします。
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
では、続きです!ドゾ!
□ □ □
昨日の騒ぎは収まらないまま朝を迎えてしまった。
なによ。お兄ちゃんがケチなのよ。
今朝もミカが、朝ご飯をわざわざ!作って仲直りしてあげようと思ってたのに、
呼んでも起きてこないんだもん。
もう、知らない!
一人でご飯食べちゃうもん!
ピンポーン♪
あ、いけない、安永君がお迎えに来てくれたんだ。急がなきゃ。
ドタドタバタバタ、、ドタン!!!!
「ミカ!!今来たのは、安永か!!?俺が一言釘をさしてやる。呼んで来い!」
なにを言ってるんだか。
昨日でもう懲りたよ。お兄ちゃんに相談したのは失敗だった。
それに、階段でこけたのか足を痛そうにプラプラさせながら言ったって説得力ないのよ。
「イヤよ。どうせ、ミカに手を出したら命はないと思え!とかいって脅すんでしょう。」
「あたりまえだ!!どこに、どうか妹を襲ってくださいなんて頼む兄がいるんだ!」
あー、もう、めんどくさい。
玄関の扉を開ければ、愛しの安永君がいるっていうのに…。
「どこまでついてくるつもりかは知らないけど。
…靴下は左右ばらばらだし、シャツのボタン段違いだよ。
あと、顔。絵の具がついてる。それじゃ、なにを言われても説得力ないなぁ。」
これだけ言えば、時間が稼げるでしょう。
お兄ちゃんがあちこち確かめている間に、学校行っちゃおう。
「ミカ、どこに絵の具がついてるんだ!ウソついたな。ちょっと待て!
おい、まっすぐ帰ってくるんだぞ!安永の家には近寄るなよ!!」
何かわめいているけど、しーらない。
「いってきまーす!!」
□ □ □
今日も安永君は、かっこよかった。
成績もトップクラス。
サッカー部でもMFとして大活躍。
そして何より、彼女一筋。
クラスの女の子達からは、どうしてミカなの?!
って羨ましがられてる。
確かに、自分でもそう思うことは時々あった。
安永君に告白されたときも、本当に夢みたいで信じられなかったもん。
頑張れば、思いは伝わるんだってすごく嬉しかった。
だけど…。
最近、ますます不安になる。
本当は安永君、私のこと好きじゃないんじゃないかって。
女の子たちにキャーキャー言われるのがめんどくさいから、
私を隠れ蓑にしているのかも知れないって。
やさしいし、2人きりのときはそれなりにふざけたりするんだけど、
どんなにいい雰囲気になっても、キスしかしてくれない。
本当は、不安で爆発しそうなんだよ。
安永君の家はいつも、人がいない。
お父さんは社長さんでいつもあちこちを飛び回っているから。
お母さんは、小さいときに亡くなっているから。
ほとんど毎日、遊びに行っても嫌がらないし、むしろ喜んでくれる。
それなのに、何にもしてくれないのはなんで?!
やっぱり、私のことそんなに好きじゃなのかなぁ…。
□ □ □
いつものように帰り道。
安永君がクラブをしている間は、私の勉強時間。
安永君と同じ学校に通いたい一心で入ったこの高校は、成績別のクラス。
つまり、勉強を怠ると、すぐに離れ離れになっちゃうの。
我ながら、すごい執念。
こんなに好きになる人は彼以外にいない気がする。
だから、全部見せて欲しいし、全部知って欲しいのに…。
「ねぇ、今日もおうちに遊びに行っていい?」
そうよ、今日こそ、安永君の本心を確かめるのよ!
「俺は嬉しいけど、いいの?中居。ココのところ毎日じゃん。苑生さん、心配しない?」
「いいのよ、お兄ちゃんも妹離れしなきゃいけないんだから!ね、それより、晩御飯なにが食べたい?」
「そうだなぁ、ミカの料理なら何でも、いいよ。」
周りを確かめてから、繋いだ手をポケットに入れる。
相変わらず、人前では名前呼んでくれないんだから。
さっきまで冷たかった指先が、安永君の体温でぬくもっていく。
こんな風に優しくされちゃうから、期待するんだよ。
やっぱり、私がわがままなのかなぁ。
「じゃあ、一緒にスーパー行って決めようか?」
「なんか、いいなぁ。ミカといると落ち着く。夫婦みたい。」
「もう!」
顔で笑って、心で泣いて。
夫婦だっていうなら、もっと積極的になってよぉ。
こうして、今日もまた、一日が終わってしまった。
□ □ □
いつものように夕ご飯を食べた後、安永君は家まで送ってくれた。
笑顔で彼の背中を見送ったあと、玄関に入るまでに涙がポロポロ出てしまった。
安永君と2人でいると、楽しくて幸せで、暖かい。
でも、でも、ミカはそれじゃ足りないんだよ。
いつまでたっても安永君より私の気持ちの方が大きいんだろうな。
切ないなぁ。
静かに玄関を開け、部屋に入った。
こんな顔、お兄ちゃんに見せられない。絶対、安永君のことを誤解するもん。
カバンを投げ出し、ベッドに倒れこむ。
枕に顔を押し付けて、とまらない涙を流す。
あれから、どれくらいたったのだろう。
私は疲れて眠ってしまったみたい。
ベッドの端に人の気配。
優しく私の髪を撫でている。
分かっている、お兄ちゃんだ。
「なんでミカを泣かせるんだよ。俺が困るじゃないか。」
放っておいてくれていいのに。
思わず、可愛くない事を考えてしまう。
お兄ちゃんは悪魔だもん。
私の考えていることなんてお見通しだよね。
「大丈夫、ミカに魅力が無い訳ないじゃないか。なんてったって、
新進気鋭の芸術家 中居 苑生の唯一のモデルだぞ。」
そういうのを、兄バカって言うのよ。
そう思ったんだけど、なんだかすごく心が落ち着いて、また深い眠りに入っていった。
お兄ちゃんが、あんな小細工をしているとも知らないで。
□ □ □
泣き疲れ、寝てしまった翌朝。
すごく照れくさかったけど、お兄ちゃんにお礼をいった。
お兄ちゃんも私の気持ちをわかってくれたみたい。
「ミカの覚悟は分かった。文句は言わないから、もう一度、安永と話をさせてくれ。」
どういう心境の変化かと、一瞬疑ってしまったけど、また喧嘩するのはいやだもん、
小さくうなづいた。
「最近、一緒に晩飯食ってなかったもんな。たまにはうちで一緒に晩飯食おう。」
その点については、私にも罪悪感がある。
本当にココのところ、安永君の家に入り浸ってたから。
「分かった。じゃあ。今日の帰りに誘ってみるよ。」
ちょうどそのとき、お迎えのチャイムが鳴った。
とりあえず、ココまでです。
目標15レスくらいで、終わりたいと考えております。
なんだか暴走しそうで怖いのですが…。
しっかり手綱握って頑張りまーす!
こぱんだあぷおわりました〜。
木登りさんおつかれさまです。
これからどんな展開になるのか楽しみです!!
352 :
うたかた:03/11/26 23:08 ID:xUC3h/T2
木登りさんキタァァ(゚∀゚)ァァ( ゚∀)ァァ( ゚)ァァ( )ァァ(`* )ハァ(Д`*)ハァ(*´Д`*)ハァハァ
しかもモナリザだし・゚・(ノ∀`)・゚・。(感涙)
木登りさん( ´∀`)ワショーイ!( ´∀`)ワショーイ!( ´∀`)ワショーイ!( ´∀`)ワショーイ!
続き期待してます!
あの…、続きまで書きあがってしまいました。
途中、暴走してますので、オイオイという感じですが何とかまとまったので、
許してください。
では、良かったらご覧ください。
□ □ □
なにか気になることのある日って、時間の進み方がおかしい。
イライラしてなかなか進まないと思っていても、気づけばすでに引き返せなくなっている。
長くて短い一日が終わり、夕方がやってきた。
お昼休み、安永君を晩御飯に誘った。
そしたら、彼。妙に緊張してお土産買って行くとかいってた。
だから、私は先に家に帰って、ご飯の支度をしてる。
お兄ちゃんもお兄ちゃんで、用も無いのにキッチンをうろついてる。
「あの、家庭科が1だったミカがこれほど料理できるようになったのも、安永の為なんだよなぁ。」
なんて言って、ため息をついてる。
本当にこんな調子で今日の晩御飯どうなるんだろう…。
一抹の不安がよぎる。
携帯がなった。安永君からだ。
お兄ちゃんに聞かれたらまためんどくさそう。
料理も終わったし、部屋で話そうっと。
「あっ、ミカ?ちょっと聞きたいんだけど、苑生さんって、ワインと日本酒どっちが好き?」
電話ごしでわかるほど、緊張してるみたい。
「うーん。どちらかといえばワインかなぁ?…うん。赤。
、、ねぇ、いいんだよ、ほんとにそんな気を使わなくて。」
「そんなわけにはいかないよ。ミカの家族に好印象もってもらいたいし。」
本当に、まじめなんだから。
そんなところも、好きなんだけど…。
「大丈夫だよ、お兄ちゃんも安永君のこと気に入ってるもん。」
「ほんと?ならいいんだけど。もう少ししたら着くから。じゃ、あとで。」
いいなぁ、このあとでっていうの。なんだか新鮮かも。
少し、沈んでいた気分がウキウキしてきた。
さぁ、安永君がくるまでにテーブルセッティングしようっと!
このときの私たちは、あんなことが起こるなんて信じていなかった。
□ □ □
3人そろって、食卓を囲んでみると、意外にもお兄ちゃんが友好的だった。
安永君のお土産のワインをすごく喜んでた。
しかも、いつもなら私にはお酒を飲ましてくれないのに、
「もう、大人だから少しくらいいいだろ。」
とか言っちゃって、自分でグラスを準備してくる始末。
なにかたくらんでるのかなぁ、とも思ったんだけど表情に裏はなさそう。
安永君も少しずつ緊張が解けてきたみたい。
なんだか本当にほっとしたら、ワインも手伝ってすごく楽しくなってきた。
それに安永君のワイン、甘くて飲みやすいからあっという間に開けてしまった。
料理もなくなって、安永君が席を立とうとした。
その時。
ガタン!!!
「あれ、変だな?…力入らない。酔っちゃったのかな?」
もう、安永君ともあろう人が、調子に乗るなんて…。
本当に緊張してたんだ。
「お水、持ってくるね。」
ん!!?
私も立ち上がろうと思うんだけど、力が入らない。
「ヤダ、どうしたんだろう?私も酔っちゃったのかな?」
2人で微笑みあった瞬間。
視界の端に、ニヤリと笑うお兄ちゃんの顔が見えた。
まさか!!?
「2人とも迂闊だな。俺はただの優しいお兄ちゃんじゃないんだぜ。」
なに、この人、本当にお兄ちゃんなの?
ヤダ、何をする気なんだろう。
身動きが取れないでいる私のところまでくると、
安永君の方を向いて顔を歪めて舌なめずりをした。
□ □ □
「なぁ、知ってるか?ミカのヤツ。おまえが抱いてくれないからヤキモキしてるんだぜ。」
なんてこと言うの!恥ずかしさのあまり全身が熱くなる。
「それも、俺が大事に楽しみに取っておいた処女をおまえなんかにやるって言うんだよ。」
もう、何がなんだかわからない。
とにかく恥ずかしくて、怖くて、逃げ出したいのに体が言うことを聞かない。
安永君に顔を見られたくなくて、必至にそむけようとするんだけどそれすら出来ない。
「なぁ、いいだろ?1回目だけ俺に譲ってくれよ。これまでの養育費だよ。」
「…ふざけるのもいいかげんにしてください!!僕が気に入らないなら、はっきりそう言えばいい!!」
安永君、本当に怒ってる。
「ふざけてなんかないさー、昨日も可愛がってやろうと思ったのに最後までするのはヤダってミカが泣くからさぁ。なら、安永君の了承をとればいいのかなぁと思ってな。」
うそ、うそ、うそ!!!
何でそんな事いうの。
安永君、すごくショックを受けてる。
「そんな、ウソ信じられねーよ!ミカはそんなヤツじゃない!」
冷たい手が、首筋を這った。
「うぅぅん!!」思わず、息をのむ。
「仕方ないな、ミカって実はすごく淫乱なんだぜ。そりゃあもう、悪魔好みの。…昨日の証拠を見せてやるよ。」
ヤダ、何?そんな証拠なんてあるわけないのに?!叫びたいのに声が出ない。
キャンバスナイフを持ち出すと、カットソーを引き裂く。
「…ミカ、本当なのか…?」
なんで、そんなことあるわけないのに…。
私の体には艶かしい痣が無数についている。なんなの、これ?!
「えらいんだぜぇ、ミカ。あんなに感じてるのに、最後だけはどうしても安永君がいいんだって我慢するんだ。」
騙されないで、これはウソ。ウソなの。
「…でも、俺が我慢の限界。お前が煮え切らないのが悪いんだからな。…それじゃ、いただきまぁす。」
お兄ちゃんの指が、まとめていた髪を解く。
キャンバスナイフが、ブラを切り裂いた。
□ □ □
今、目の前にいる人とは似ても似つかない昨日までのお兄ちゃんを走馬灯のように思い出す。
心の中は、恐怖と、悲しさと、恥ずかしさと、怒りでグシャグシャ。
冷たい手に触られると、嫌悪感が全身に走る。
決壊が壊れたかのように涙があふれつづける。
安永君、助けて!助けて!助けて!!!
「ミカを放せ!!!変態!!!」
目の前には安永君。お兄ちゃんを殴り飛ばしていた。
「お前それでも兄貴かよ!いくら血が繋がってなくても…お前、兄貴なんだろぉ!ミカの自慢の!」
お兄ちゃんにのしかかって、殴りつけてる。
不意を突かれてお兄ちゃんは反撃できないみたい。
「よぉし!!合格!」
このど修羅場に響き渡るほどの大声で、お兄ちゃんが叫んだ。
安永君の手も、私の涙も突然のことに止まってしまった。
ぽかんとする2人をよそに、お兄ちゃんは説明をはじめる。
「最初に言っておくけど、安永。ミカが悩んでいたのは本当だ。」
「お兄ちゃん!!!!」
「まぁ、チョビッとやりすぎたかもしれんがミカは俺の大事な妹だからな。なにがあっても守れるような男じゃないと、任せられん。」
いけしゃあしゃあと、何をえらそうに言ってるのよ!
「それと、安永がモタモタしてたら、他のヤツに盗られるぞと、教えてやろうと思ってな。
なんと言っても、ミカの子悪魔的魅力は絶大だ。」
それが、こんなにひどいことをされた理由?
「あと、よく言うだろ、娘を嫁に出す前に一発殴らせろって。お前らのこと、認めてやる代わりの嫌がらせだ。やりすぎた分のおつりは、さっきの安永のパンチだな。」
なによ!一体、どうなってるの?
「じゃ、俺は今日から週明けまで、里帰りしてくるから、お二人さんはごゆっくり。」
□ □ □
嵐のようにまくしたて、お兄ちゃんは部屋から出て行った。
クチュンっ!!
どれくらいたったのか、わからない。
上半身ほとんど裸の私は、自分のクシャミで我に返った。
安永君も、おんなじみたい。
目が合ったとたん、安永君の顔が染まる。
「ごめん!!」
自分の姿を思い出して、一気に頭に血が上る。
破かれたカットソーをあわせようとしても、まだ力が入らない。
「…あのぉ。安永君。すごく、頼みにくいんだけど…。上着、着せて欲しいの。あの、力、入んなくて…。」
本当はこんなこと、頼みたくない。
お兄ちゃんにつけられた痣なんか…痣なんか…?………消えてる。
こちらを見ないように近づいてきた安永君は、そっと自分のジャケットをかけてくれた。
「ありがと。」
上目遣いに見上げると、
ぎゅうぅぅっと抱きしめてくれた。
「何で、悩んでること俺に言わないんだよ!そりゃあ、お兄さんよりは頼りないかもしれないけど…。
俺の我慢は水の泡じゃん。必死で耐えてたのに。」
「呆れないの?Hなヤツって。ミカのこと、本当はそんなに好きじゃないんじゃないの?」
不思議。
頭をイイコイイコされるなんて何度も、お兄ちゃんにされてたのに、
安永君の手だと、すごく気持ちいい。
「世界で一番大切だよ。壊しそうで、怖くて、毎日我慢するの大変だったんだからな。」
信じられない。そんな素振りぜんぜん見せなかったのに…。
「たしか、お兄さん。週明けまで帰ってこないって言ったよな?」
「そうだけど…。どうするの?」
「かなり無理矢理だけど、こんなにお膳立てされてて我慢できると思う?」
それって、つまり…。
考えがまとまる前に、私はソファに運ばれちゃった。
□ □ □
「ねぇ、ミカ。さっきの苑生さんの言ってたことウソだよね?」
これ以上振れませんっていうくらい、首を縦に振る。
「ただ…思い余って、相談しちゃっただけ…。ミカが貧乳だから、その気になれないの?って。」
「そんな訳、ないじゃないか!」
「ほんとに?」
なんだか、すごくほっとした。
「まだ、体動かないの?俺、薬切れるまで待てないんだけど…。」
言うが早いか、首筋にキスされる。
「あん!ね、優しくしてね。」
答える代わりに、唇をふさがれちゃった。
今までしたことないような、荒々しいキス。
「ミカずるいよ。可愛すぎ。」
花びらを一枚ずつはがすように上半身の衣類がとられてく。
全部、取り除かれるとくっつきそうなくらい、顔を近づけて眺めてる。
「ねぇ、ミカ。さっきのキスマークなんだったの?」
ツンツンしながら、どこにも痣がないのを確かめてる。
やだ、恥ずかしいよ。
声、出ちゃいそう。
「ほんとに一つも無いや。あれ?なんだったの?」
「…わかんないよぉ。そんなの。…そんなに、見ないでぇ。」
さっきまで見られていたところを、安永君の手が触ってる。
「じゃ、俺がはじめてキスマークつけるのかなぁ?」
小さな胸の間に、バラの花びらみたいに大きな痣。
「これでミカは俺の。」
キスマークをつける間に、安永君の髪が膨らみに触れる。
たったそれだけの刺激で、すごく気持ちいい。
「可愛いなぁ。ミカの胸。すごく感度いいみたい。」
「ヤ…。ソン、な。わかん…な…。」
胸への刺激で、意識が遠くに行っちゃいそう。
なのに、安永君の手がショーツの上からスリットをなで上げた。
強い快感で、引き戻されちゃう。
胸を舌と手のひらでいじられ、さらに直にスリットをなで上げられる。
やだ、私だけ気持ちいいの。
安永君も気持ちよくしてあげたい。
「も、、、来て。大…じょぅ・・ぶ…ふぁぁん。」
ゆっくり頷くと、安永君がショーツに手をかける。
足を開かれて、恥ずかしいところを見られてると思うと、すごく恥ずかしい。
でも、きれいだよ。って言ってくれたから、何をされても許せるって思っちゃった。
熱いものが入り口に当たる。
クチュリ。
何かがすべる感触。
それが何かわかると、もっとあそこが濡れてきた気がする。
もう一回、熱いものが当たる。
今度はゆっくり、入り口を少しずつ押し広げていく。
痛い。熱い。怖い。
「安永…君!…キス…キ…スしてぇ。」
不安を紛らわせるように叫ぶと、快感をこらえながらミカに答えてくれる。
唇をはずすと、小さなふくらみを刺激しながら、前後に動く。
重苦しい痛みと、ジンジンする快感。
やっと、安永君の全てを感じられた喜びが全身を駆け抜ける。
意識を投げ出した瞬間。
体の中で、安永君が弾けるのを感じた。
□ □ □
エピローグ
休日が終わり、お兄ちゃんが帰ってきた。
さすがのミカも今回顔を合わせるのは、照れくさい。
だって、保護者公認でHしちゃったんだもん。
でも、私のことを思ってしてくれたんだよね。
アトリエまでその、一応、報告にいくとキャンバスの準備をしてた。
「ほら、記念に絵を書いてやるよ。幸せいっぱいの顔。モナリザが引きつって逃げ出すくらい綺麗に。」
やっぱり、お兄ちゃんは兄バカだよ。
どこにいても、誰と結婚しても、きっとミカはブラコン脱却できないよ。
育てて貰った代償に、ずぅっと付きまとってあげるね、お兄ちゃん。
―the end―
以上でモナリザ、木登りブタ編終了です。
イメージぶちこわしですね。
はい.すみません。
ははん!と鼻で笑いながら読んでください。
こぱんだです
モナリザあぷしました〜一気に読めます。
TOP絵も新しいです〜。
おぉ!もう新作が来てるーーー!! 木登りタン、こぱんだタン モツカレサマです! ミカ、可愛いっすぅー!
レスありがdです。
今日、こぱんださんのサイトでキリ番(σ・∀・)σゲッツしまして、
特典イラスト見せていただきました。
萌えますた(;´Д`)ハァハァ。
そこで、日ごろの感謝とイラストのお礼を込めまして、才×しのです。
お絵かき掲示板の絵ともかぶる?かなと、思ってます。
では、どぞー。
キリ番ゲット記念SS
今日のしのはご機嫌斜め。
せっかくのお休みだというのに、あの粗忽者は家政婦よろしく家事にいそしんでいるのだもの。
半年前、思いを伝え合った。
数ヶ月前、2人だけの秘密も出来た。
正兄さまも知らない秘密。
誰にも知られてはいけない、秘め事。
しのだって、わかってる。
だからそのあとも、今までどうりにしてる。
主のしのに手を出したと知られたら才蔵は断罪される。
それでも、どんなに危険だってわかっていても2人は止められなかったのだもの。
こんなに愛しい人をどうして抱きしめられずにいるというのだろう。
この気持ちはきっと誰にも負けない。
まだまだ加速してしのの心は破裂してしまいそう。…それなのに。
…それなのに。
才蔵ずるい!!本当に今までとかわらないんだもの。
今日だって、正兄さまも、佐助も出かけていていないというのに。
いつもしのを悩ませる宿題もないというのに。
こんなに可愛いしのがずうっとみつめているというのに。
………………だというのに!
まっっっっっったく、まっっっっっっったく、いつもと変わらないのだもの。
こんなに焦れているのはしのだけだというの。
「才蔵!しのは部屋にかえるわ!だからお茶をもっておいで。」
もう我慢できない。
才蔵が困るのはわかるけれど、しのはそんなに我慢強く出来ていないのよ。
少しくらい、からかったっていい筈よ。
しのの気持ちも知らないで、和やかな表情でポットとカップをもって才蔵が現れた。
「昨日、新しい葉を買ってきましたので紅茶にしました。ミルク、レモン、ストレートなんでもご注文にお応えしますよ。」
そう。なんでも応えてくれるのね。
「才蔵。」
私のオーダーを呼びかけと勘違いしたみたい。
「はい?なんですか、しのぶさま?」
「カップに紅茶をついで、そのままこちらにおいで。」
ティーセットののったトレイを持ったまま才蔵がやってくる。
「?どうしたんですか?しのぶさま?」
才蔵の身動きが制限されたことを確認すると、おもむろに才蔵の頭に手を伸ばす。
「髪の毛にほこりがついてるわよ。今日1日しのをほっておいて掃除ばかりしているから。」
「ですが、しのぶさまが快適に過ごせるように環境を整えるのは才蔵の仕事です。」
どうしてこうなのかしら。ほこりだらけになったって死ぬもんじゃないわ。
確かに清潔なほうが好きだけれど。
優先事項があるでしょう!?しのの気持ちを晴れやかにするという。
才蔵にしか出来ないコト。
「ねぇ、才蔵、あなた服の中にもほこりが入り込んでいるわよ。しの、とってあげる。」
頭に乗せた手を、顔の輪郭に沿わせてシャツに伸ばす。
才蔵は驚いて、後ろに飛びのこうとする。目で、それを禁止する。
「どうしたの?そんなに動いたら紅茶がこぼれてしまうじゃない。すぐに取れるから、そのまま。」
ボタンを一つ、二つはずしていく。
カップから立ち上る紅茶のいい匂い。
「もう、結構です。自分でしますから…。」
「ダメ。しのがするといったらしのがするの。」
上目遣いに才蔵の表情を確かめると、本当に困った顔。
ボタンの位置がトレイと同じ高さまで下がってきたとき、ついに才蔵は後ろに下がった。
テーブルにトレイを置くと、なにかごちゃごちゃ言いながらそそくさと部屋を出ようとしてる。
「お待ち、才蔵!戻りなさい。」
予想どうりの才蔵の反応に思わず微笑みが浮かぶ。
戻ってきた才蔵をそのままにし、部屋の鍵をかける。
「何をなさるつもりですか?紅茶が冷めてしまいますよ。」
「いいのよ、紅茶なんて。しのが注文したのは才蔵だもの。」
はっと何かに気づく表情。
いつもフワフワしてるのに、時折鋭い表情を見せる。そんなところも好き。
しのが、ブラウスのボタンを一つずつはずし始めると才蔵が息を飲んだ。
「やっぱりいけません!しのぶさま。」
沈黙を破る才蔵の声。
「どうして?いいじゃないの、しのはしのの意思で才蔵が欲しいと思ったの。才蔵もしのと同じ気持ちでいて欲しかったから…。」
才蔵の顔が染まる。
「…この前のことは、軽率だったと思っています。…それに、しのぶさまにすごく辛い思いをさせました。」
今度はしのの顔が火照る。
「そんなことどうでもいいのよ。それよりも、しのをしっかり抱きしめて。」
それでもまだ才蔵は我慢して逃げ出そうとするから、とっさにシャツを引っ張った。
さっきはずしておいたせいで、才蔵の肩が露になる。
ほっそりしているようで、実は鍛えられた滑らかな筋肉に覆われた男の体。
数ヶ月前にしのがつけた爪あとは跡形もない。そのまま、背中に抱きつく。
突き飛ばさないように力を加減しながら、しのをはなそうとするけれど。
そんなに簡単に、離れてあげるものですか。
また、才蔵がしのの腕を振り払おうとしたとき、軽く、踵を払った。
しのが下敷きになりそうに倒れこんだのに、床の感触は柔らかかった。
いや、床ではなくてしのを庇った才蔵の体があった。どうしてこの人はこんなに優しいのかしら。
「どこも打ちませんでしたか?」
こんなに困らせているのに優しい声。
もう、だめよ。才蔵。しのはもう、止まれないわ。
才蔵の深い優しさに触れ、愛しさが膨れ上がってしまったみたい。
初めて、しのからキスをする。
ついばむように、軽く唇で挟むように。繰り返し繰り返し。
才蔵が逃げ出せないように、両頬を包んで繰り返すほどもどかしさの増す気持ちをこめてキス。
とりあえず、ここまでです。
相変わらず勢いだけがとりえですが少しでも楽しんでいただければ嬉しいです。
それにつけても、こぱんださん。
素敵な絵をありがとうございました。
いつも強力なエネルギーいただいております☆。
こぱんだです
木登りさんの新作をまとめページにアプしました。
例のイラスト(ド下手☆)も公開します。
一気に投下できなくてすみません。
出来上がりましたので、続きです。
こぱんださんの絵に便乗して少しでも萌えていただければ幸いです。
最初、才蔵はしのを押しのけようと必死に抵抗していた。
それでも、拙いキスを繰り返すうちに、しのの体に触れる手は反対の役割をするようになっている。
才蔵の手はしのの髪を梳き、背骨がきしみそうなほど強く抱きしめている。
気づけば才蔵の舌はしのの腔内へ浸入している。
しのの舌も、同じように才蔵の腔内へ。
長い時間をかけたせいで、二人の口の境目がどこだかわからなくなりそう。
才蔵の手がブラウスの裾から背中を登り、下着のホックをはずす。
そして、しのが途中まではずしかけていたブラウスのボタンをはずす。
コンプレックスにしている小さな胸が、はだけた襟元から直に才蔵の熱を感じる。
それだけのことなのに、もう、先端が固くなっているのがわかる。
いや、見られたくない。才蔵の泣き所。眼鏡を取って放り投げる。正気の沙汰ではないわ。
才蔵だけなのよ。しのをこんなに狂わせることが出来るのは…。
キスだけじゃ足りないわ。もっと才蔵を感じたい。
しのは邪魔をされるのが嫌いなの。
2人の皮膚の間にあるシャツにさえ嫉妬しているわ。
唇をつなげたまま、才蔵のシャツを引きちぎる。
そのまま才蔵の体に指を這わせる。
少し他の場所とは異なる感触の場所。
わき腹にある傷跡。
一瞬、しのの手が止まる。
その隙をついて、視界が反転する。
離れた口からはお互いを繋ぐ淫らな銀の糸。
その先にあるのは、まるで獲物を狩る獣のような鋭い表情。
「いけない人ですね。一度火がついてしまったら僕は止まれません。責任。とっていただきますよ。」
わかってるわ、才蔵。しのはお前が感じられるなら痛みでも怖くないのよ。
耳たぶを甘噛みされて、ピチャという音を立てたり、息を吹きかけたりする。
「んっ!っやぁ……。」
そちらに意識をもっていくと、思わぬところから強い刺激を感じる。
尖って自己主張している2つの蕾。
一度に刺激されて思わず予想外の声がでる。
才蔵の舌が作り出す音と、呼吸が自分の声をいっそう淫らなものに色づける。
少し冷たい才蔵の手のひらに包まれたふくらみは、どんどん熱を帯びるよう。
「あ…まり。さわらない…で…。」
小さくて恥ずかしいから、胸を触られるのは苦手。
でも、才蔵はわざと執拗に胸を愛撫しているみたい。
「恥ずかしがることないですよ。しのぶさまは綺麗です。それにこうしてると大きくなるって言うし。実際、大きくなりましたよね?ひょっとして自分でもされてたんですか?」
なんてことを言うの。眼鏡を取っているからって…。
でも、…確かに、それは事実…なのだけど。
言葉に窮しているしのをよそに、反応こそが答えとばかりに、
いじられて敏感になっている蕾を舌でつつく。
「っぅん。」
柔らかく湿った舌の感触を予想していると、軽く歯を立てられる。
甘く噛み付き、次に優しい舌の感触。
その刺激を繰り返されるうちに、気づけばしのの手は才蔵の頭を胸に押し付けるように抱きしめていた。
片側の手がお臍をグリグリと刺激する。
なぜかは、わからないけれどしのはお臍がとても弱いみたい。
お臍の刺激が、一番敏感な芽に響く。
内側からそこをいじられているみたいな感触。
「あっ…ふぁ……やぁぁ…ぅぅぅん…はぁん…」
それまで控えめにしていた声も我慢できずに溢れ出す。
そして、その芽の傍にある泉の存在もはっきりわかる。
才蔵の手がスカートの下から浸入してくる。
太ももをさすった指は、ショーツに触れるとそれを一気に抜き取った。
スカートに隠れて才蔵の手がいつ触れるのかわからない。
全ての神経がそこに集中されている。
クチュリ。
たっぷり間を置いて才蔵の指が侵入してくる。
溢れている泉にたどり着き、頬をほころばせる。
「すごく、濡れてますよ。」
ゆっくり泉のなかに指を進める。
才蔵の指が、しのの中にある、そう思うときゅうっと狭まっていくのがわかる。
ちょっと驚いた顔。
「そんなに、欲しかったんですか?」
指を引き抜くと、てかてか光る中指を意地悪な表情で舐めている。
「もう、こんなに溢れてるし、すごく締まってましたよ。」
恥ずかしい、だけど、中途半端な刺激で余計に渇望感が強まる。
「そう、ずっと、さい…ぞう が…欲しかった…。」
「本当に、いけない人ですね。そうやって僕が我慢していたものをすぐに飛び越えてしまうんだから…。」
足を割り開き、顔を近づけながらスカートの中に入っていく。
「…お仕置き、しなきゃいけませんね。」
しのはもう、早く次の刺激が欲しくて何もまともに考えられない。
恥ずかしさも、とんでもないことを言われているということも、才蔵が与える刺激の前ではスパイスでしかなかった。
敏感な部分に、才蔵の息を感じる。
指がまた、泉の中をさぐる。
さっきの内側から感じた刺激で敏感になった芽にも指の感触。
続いて、暖かく湿った感触。
強い刺激が次々にしのを襲う。
徐々に追い上げられて高められていく。
何かにつかまらないと遠くに飛ばされてしまいそうなのに、カーペットではつかめない。
才蔵の顔が見えない。いや、怖い、才蔵、才蔵!
瞬間、頭の中でフラッシュが起きた。
自分の鼓動が大きく聞こえる。
次第に、感覚が戻ってくると、才蔵がこちらを見ている。
すぐにまた、快感の波が押し寄せようとしている。
「しのぶさま、すごいですよ。一度いったのにまだまだ締まってくるんです。しのぶさまの中。」
すぐに波にさらわれそう。また、一人でいくのはイヤ。
「才蔵も……しょじゃなきゃ…ぃや。」
才蔵が小さく頷いた。
才蔵は自分の分身を取り出し、なにかゴソゴソしてる。
しのの頭はぼんやりしていて、何をしているのかわからない。
また、芽をいじられる。
少し落ち着きかけたところに、強い刺激。
また、波の中に引き戻される。
軽く触れるようにキスされる。
才蔵が来る。
張り詰めたものが泉の入り口に当たる。
指とは比べ物にならない存在感。
蕩けきっていてもまだ、なれない。
浸入が止まって、二人で息を吐く。
なんだかおかしくて2人で微笑みあう。
「才蔵、すごく…熱い…。」
「しのぶさまだって、…僕、溶けてしまいそうですよ。」
もうこのまま離れたくない。
「しのぶ、って呼んで。今…だけ…しのが…才蔵のモノに、して…。」
「そんなこと言われたら、我慢できなくなっちゃいますよ。」
すこし、上ずった声で才蔵はそう告げると、ゆっくり動き出した。
痛みのなかに、むずがゆいような快感は感じるけれど、まだ痛みのほうが勝っている。
その様子に気づいた才蔵は、しののお臍に手を伸ばす。
敏感な芽へ内側からの快感。
大きくなる動きと、快感に襲われて、またどこかに流されそうになる。
必死に才蔵につかまりそのときを待つ。
才蔵の手が直に芽を刺激する。才蔵の動きもいっそう速くなる。
「っっしのぶ…!」
才蔵の顔が歪んだ瞬間、才蔵はしののなかで熱を放ち、しのは意識を手放した。
しのが目を開けると、しのはベッドに横たえられていた。
しのはお気に入りのネグリジェを着せられていた。
ただ、下着は一切つけていないのだけど…。
才蔵はどこに行ったのかしら。
部屋を見渡すと、途端に恥ずかしさがこみ上げた。
そういえば、ベッドまで我慢できなかったのよね。
2人の情事の後は綺麗に片付けられている。
ただ、汚れを落としたらしい水の染みがさっきの出来事を物語っている。
こんなことまで才蔵にさせてしまったのかと思うと、少し、情けなく思う。
そこへ、暖かい紅茶をもった才蔵が入ってきた。
「あの…。すみませんでした。無理をさせてしまいました。」
「いいのよ、しの嬉しかったんだもの。時には才蔵のしのでいたいもの。」
2人で並んでお茶を飲んでいると、正兄さまと、佐助が帰ってきたみたい。
また日常が始まるのね。
後、少しだけ、ただの恋人でいさせて。
せめて、このわがままだけ…。
才蔵が立ち上がり、食事の仕度をしなければ…なんて言って部屋から出ようとした。
わかっていたのだけど、引き止めてしまった。
現実に引き戻される前に、耳元でささやく。
「背中の傷の消毒は、しのがするわよ。…必ず、毎日、来なさい。」
赤く頬を染めた才蔵を、ドアの外の現実に押し出す。
佐助の声が聞こえてくる。
「おい、才蔵、具合でもわるいのかぁ?顔、えらく赤いぞ?」
― the end ―
以上です。
ここですでに間違い発見(鬱。
佐介の字、助になってます。ほんとにすみません。
あとわかりにくい所。
才蔵は直前に何をしていたかというとですね…装着です。
Hを我慢していながら、準備は常にしていたというしたたかな彼です。
いつにもまして穴だらけですが、ツッコミなどよろしくです。
こぱんだあぷ完了です。
木登りさん乙です!!
もう才蔵さんたら中学生の癖に
例のモノを隠し持ってるをするなんて
エライゾコラ(*´д`)σ)´Д`)
>こぱんださん
モツカレ様でしゅ。
一番やってはいけない、人名間違いをやってしまいました。
おひまなときにでも、佐助を佐介に直していただけますでしょうか?
お仕事増やしてすみません。
>例のモノ
蛇足かしら、と思いながらも書いてしまいました。
きっと彼らは親世代の過ちをくり返さないはず…、という木登りの希望です。
まだ、中学生だし。
早うち大王wだとばれると、晴海ちゃんに殴られて(o゚ロ゚)=●)'ν゚)・;'しまいますしね。
こぱんだでつ。
了解しました。今夜なおしますね。
>木登りブタさん、ごっつお様ですた( ̄人 ̄)
>こぱんださん、もつかれ様ですた(・∀・)
>こぱんださん
変更ありがdです☆。
>381さん
お粗末さまですたw。
それにしても、本誌の才蔵…、メロメロにしておきながらその行動はひどい(泣。
383 :
名無しさん@ピンキー:03/12/06 02:27 ID:0eOXnsj0
このスレあんまり人いない…?
384 :
名無しさん@ピンキー:03/12/06 12:18 ID:ZOHkQFA/
あまり人は居ないけどマッタリしてて(・∀・)イイ
作品も完成度高いし萌えるよん。
385 :
383:03/12/06 13:43 ID:0eOXnsj0
それは禿同、てゆーかだから人少ないのもったいなーと思ったんす。 水差してスマソ(−_−メ)
386 :
名無しさん@ピンキー:03/12/06 14:16 ID:acfPrH2d
>>385 確かにもったいないっていうのはある
ここのスレのまったりとした雰囲気を残しつつ
新たな神がたくさん降臨するといいなと思うyo!
ここはROM率が高いと思う。
まとめサイトの訪問者数から見れば
ROM率は高いですよね。
最初のスレが即死したことを思えばここまで育って大健闘ってことですかね?
個人的には作家さん達が、需要ないって勘違いしないことを祈ります。
なんだか話の内容がちがう気もしますが、いいたいことは、いつもごちそう様です!
ってことです。
ほぼ日参してROMしてますよ。
390 :
うたかた:03/12/07 01:16 ID:VAXE1oU/
| \
|Д`) ダレモイナイ・・・
|⊂ シンサクヲトウカスルナライマノウチ
|
♪ ☆
♪ / \ ランタ タン
ヽ(´Д`;)ノ ランタ タン
( へ) ランタ ランタ
く タン
♪ ☆
♪ / \ ランタ ランタ
ヽ(;´Д`)ノ ランタ タン
(へ ) ランタ タンタ
> タン
和久寺家の敷地内にある古い蔵の奥深く・・・埃が積もった薄暗い蔵の中で一美はある物を探していた。
「これでもない・・・一体どこにあるのかしら?」
回りに幾冊もの本を積み上げ、服が汚れるのも気にせず懸命にページを捲る。
―――― そして数時間後・・・・
「・・・・ついに見つけたわ。コレさえあればもう・・・鋼十郎様は私のモノよ・・・。」
一美の手にあるのは一冊の古びた本。
本に積もった埃を払い落とし、逸る気持ちを抑えながら一美は蔵を後にした。
―――――― この本が後に大変な騒動を巻き起こす事になる事を、今はまだ誰も知らない・・・。
◇◆◇
久しぶりの休日。
部屋で咲十子と二人寛いでいる時に、その知らせは突然訪れた。
「失礼します。風茉様、咲十子様、一美様からお手紙が届いております。」
そう言うと鋼は俺達に封筒を渡した。
「・・・・咲十子はともかく俺宛にって言うのは何かの間違いじゃないか?」
大体アイツがらみの事でいい事なんて一つもない。
俺にとってのアイツはまさに鬼門で、百害あって一利なしと言っても過言ではないだろう。
「・・・まさか不幸の手紙とか果たし状とかじゃないよな?」
そうあからさまに嫌な顔をすると、咲十子が俺を嗜めた。
「も〜 一美ちゃん絡みだとすぐ嫌な顔するんだから・・・。中も見ないうちにそんな事言わないの!」
ま・それもそうだな。
アイツが何を考えてるかは知らないが、とりあえず中を見ない事には始まらない。
俺と咲十子は早速一美からの手紙を見る事にした。
封を空け、恐る恐る中を覗く。
そこには『招待状』と書かれた一枚のカードが入っていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
* 招待状 *
×月×日 私の家でホームパーティを致しますので、ぜひ皆様で遊びに来て下さい。
おいしいお菓子とお茶をご用意してお待ちしています。
一 美
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・・・・・怪しい。
何ていうか・・・ものすごく普通の内容すぎて逆に怪しい。
長年アイツとの係わり合いで培われてきた俺の防衛本能がガンガンと警鐘を鳴らしていた。
・・・行かないほうがいいんじゃないか?
そんな俺の思いとは裏腹に、咲十子はすごく嬉しそうだった。
「ねぇ風茉君! ホームパーティだって!!」
「私宛にきた手紙も招待状でしたし、寿千代様と三津子様にも届いていましたから、
きっと同じ内容なんでしょうね」
「うわ〜 みんなでお茶会なんて楽しみ〜♪」
年上の咲十子が子供のようにはしゃいでいるのを見ると、俺までなんだか幸せな気分になってくる。
咲十子を見てほのぼのとした気分になっていると、それまでニコニコとしていた咲十子が
不意に不安げな表情へと変わっていった。
「風茉君 お仕事大丈夫・・・?」
本音を言えば、今回に関してはアイツの家にはあまり行きたくない。
でも・・・咲十子の嬉しそうな顔みると 俺弱いんだよな・・・。
「鋼 ×日のスケジュールは?」
「×日は特に大口の仕事もありませんし、前々から調整しておけば大丈夫ですよ」
「・・・だそうだ」
とたんに咲十子の顔がぱぁっと明るくなる。
「風茉君!! ・・・・・ありがと♪」
にっこりと甘い蜂蜜色の微笑が咲十子の顔に広がる。
あぁ なんでコイツはこんなにめちゃくちゃ可愛いんだろう。
思わずぎゅっと抱きしめたい衝動を抑えながら、ホントつくづく惚れてるよな俺としみじみ思う。
まぁそんなわけで俺達は一美主催のお茶会に行く事になった。
―――――― 胸の奥に一抹の不安を残しながら・・・。
394 :
うたかた:03/12/07 01:43 ID:VAXE1oU/
木登りさんから次回はコメディの方で!とリクがあったので
思い切って書いてみました( ̄∇ ̄)
コメディ初挑戦なので正直緊張しております(小心者なので・・・(TдT))
エロまではまだまだ遠いですが、生暖かく見守ってもらえれば幸いです
395 :
名無しさん@ピンキー:03/12/07 10:20 ID:Aq8J+3Ls
新作( ´∀`)ワショーイ!
そして朝からここにいる自分に鬱・・・_| ̄|○ニチヨウナノニ・・・
続き待ってまつ
>>395 同士よ!!!モレモニチヨウナノニ…。
それでもいいさ、うたかたさん乙です!
コメディ(・∀・)イイ!!
風茉タンの警戒ぐあいが良いでつ。続き期待してます。
こぱんだです。
うたかたさん乙です。
もうすぐアプします。
いま自分が設定した裏キリ番踏みそうになって
あわてて更新やめてまつ。
|∀・) ダレガフムノカナ
|⊂ ドキドキ
|
| Σ(`Д´)/ アッ…
| ( ) ジブンデフンジャッヤヨ…
| く \
[キリバン]
うたかたさん、乙〜〜〜です☆!!!
さらにリク応えて頂いちゃって嬉しさで転がりまわってます。
これからどうなっていくのか楽しみvv。
続きをお待ちしておりますです。
こぱんださん(*´д`)σ)´Д`)。
ナイスです☆。
ドンマイです☆。
本当にいつもこまやかな運営感謝です。
そんなことを言っていたら…。
また、アタクシが踏んでしまいました…。
イヤン(⊃凵シ)。
すぐに新作として還元いたします。
こぱんだです
更新終了しました。
木登りさん
ダジャレキリ番ゲットしちゃいましたね。(*´д`)σ)´Д`)
何げにキリ番ゲット様用ページは画像増やしてまつ。
世間はすっかりクリスマス。
ということで、ディアマの人々のクリスマスを書いてみたいと思っています。
甘甘、目指します。
設定は、木登りブタの風茉×咲十子、九鉄×一美の続編です。
よろしかったら読んでみてください。
12月に入って久しぶりの休日。
今日は朝から、みんなでクリスマスの飾り付けをした。
風茉君と私。ママと寿千代君とさよちゃんと、鋼十郎さん。
ママったら、ずっと寿千代君とさよちゃんをからかってる。
「なんだか、ちょっと前の俺たちを見てるみたいだ。」
風茉君が私に耳打ちする。
ほんとだね。お互いに好きあってるのはわかるのに、なんていうか、ぎこちない。
「でも、風茉君の方が積極的だったよ。」
「そりゃ、俺はお前を振り向かせる自信があったからな。好かれてる自信はなかったけど…。」
ほら、その星てっぺんだろ、なんて言って手を伸ばす。
この数ヶ月間の間に風茉君の身長は急激に伸びた。
それに、表情も少年から青年に、なんていうか、引き締まってきた感じ。
初めてのクリスマスのことを考えていると、ポンと頭を小突かれた。
「おい、なにボォっとしてんだよ。疲れたのか?」
「ううん、確か初めてのクリスマスはここで一美ちゃんが乱入してきたなぁ…とか、思い出してた。」
ソファに座った風茉君が、隣を叩いて手招きする。
いつのまにか、部屋は私たち2人きり。
もしかして、気を利かしてくれたのかな?なんだか照れくさい。
私がソファに座ったとたん、風茉君が膝に倒れてくる。
膝枕。
「あー、明日からの出張めんどくさいな。なんで俺が九鉄の仕事振りを査定しなきゃいけないんだよ。」
「ふふ、仕方ないじゃない。一美ちゃんと叔父さん、お互いの妥協案だもん。最終審査なんでしょ?」
前はあんなに強がっていた風茉君が、私だけに甘えてくれる。
私も、前みたいに意識せずに、自然に受け止めることが出来る。
もちろん、逆のこともあるんだけど。
お互いのことを深く知ってから、本当に幸せ。
無理せず背伸びせず、素の自分を見せ合っている感じ。
ちょうど天秤がつりあっているような、パズルが出来上がったときのような、
すごくしっくり来る感じ。
こうなれたのも、九鉄さんと、一美ちゃんのおかげだな。
クリスマスに、何かプレゼントしようかなぁ、なんて呑気に考えていたら久々の台風がやってきたの。
□ □ □
血の気が引くって、こういうことを言うのかしら。
もちろん、過去のことだと割り切らなくちゃいけないのはわかってる。
でも、…でも、
どうして、こんな不安なときに追い討ちをかけるのよ。
どうして、すぐに弁解できるところにいないの。
…どうして、…どうして。
………………。
どうして、私は鉄と16歳も離れてるんだろう。
ダメよ、一美。
最高責任者がプライベートな問題を現場に持ち込んじゃ。
特に、この忙しい年末に、スケジュールを乱すわけにはいかないもの。
そうして、自分に言い聞かせてきたけど、もう限界。
鉄のところに言って、問い詰めてやりたいけどいろいろ可能性を考えすぎて、怖くなっちゃった。
わかってるの、私は弱虫だから自分のことは誰かに背中を押してもらわないと…。
お父様の提案でNYで社長業見習をしている鉄は、クリスマスに帰ってくる。
それまでに、気持ちを決めなきゃ…。
いろいろ不安な考えが頭を支配する。
誰かに、この気持ちを聞いて欲しい。
気が付くと、私は風茉の屋敷に向かっていた。
そこで見たのは、今の私の心境とは正反対の2人の姿。
5年前と変わらない、仲のよい風茉と咲十子ちゃんだった。
私に気づいた咲十子ちゃんの微笑をみた瞬間。
それまで必死にこらえていた不安が、一気に溢れ出した。
□ □ □
部屋に入ってくるなり、一美ちゃんは泣きっぱなし。
何か、話したいことがあるみたいだけど、言葉を発しようとすると嗚咽に遮られる。
「おい、なにがあったんだよ?仕事のトラブルか?親父と喧嘩したのか?」
風茉君がなだめても、首を振るばかりで、ついに、その場に座り込んでしまった。
私と風茉君は、顔を見合わせてただ事じゃない。と確認しあった。
そのとき。
風茉君の携帯がなった。
舌打ちした風茉君が電話にでる。
休暇であるにもかかわらず、携帯に連絡があるということはトラブルが発生したってこと。
しかも、鋼十郎さんが連絡せずに携帯に直接かかってくるということは事態は相当深刻なの。
状況を聞く風茉君の眉間に皺がよっている。
泣きじゃくる一美ちゃんを放って仕事に向かうことに躊躇しているみたい。
『私がいるから』
口だけで伝えて、にっこり微笑む。
仕方ないよね。風茉君たちは何万人の責任を背負ってるんだもん。
自分の気持ちを優先できないこともある。
すごく、心配そうな表情のまま風茉君は部屋を出かけていった。
きっと、一美ちゃんも同じ。
九鉄さんは遠くにいるし、子ども扱いされないようにいつも気を張ってるもの。
ここでやっと、本音が出せたんじゃないかな?
一番、聞いて欲しい九鉄さんが遠くにいるんだもん。
そう思うと、一美ちゃんの切なさがすごく伝わってきた。
そうだよ、いつも学校で接している中学生と一美ちゃんたちは同い年なんだもん。
そばによって、泣きじゃくる一美ちゃんを抱きしめる。
とりあえずここまでです。
中途半端ですみません。
クリスマスまでに完結目指します!
風茉×咲十子のほんわかした感じも、一美の一途さも、とってもイイ!
続きが楽しみです。
こぱんだです。
ネコタンにマウスの操作を邪魔されながらの更新でつ。
マウスの上で座り込むのやめれ…。
∧_∧
(´Д`)ネコタンニミラレテシマッタ…。
∧ ∧ / \
ジー( ・ω・) / / ̄ ̄ ̄ ̄/
_ ( )(__ニつ / まかー/____
\/____/
409 :
こぱんだ:03/12/14 00:24 ID:7dpo6HDu
もうすぐキリ番3333でした。
皆さん、レスありがとうございます。
キャストそれぞれの視点で書き始めたら、細切れみたいな感じになってしまいました。
分かりづらくてすみません。
あと、勝手な設定ですが、木登りブタ的咲十子の職業は中学校家庭科の臨時採用教師です。
それでは、空中分解しそうで怖い構成ですが、続きです。どうぞ!
□ □ □
咲十子ちゃん、暖かい。
私が泣きじゃくる間、ずっと、抱きしめててくれた。
落ち着いてきたところで、あったかいミルクティーをもって来てくれた。
私、何してるんだろう。
こんな私だから、子どもだって言われるのね。
呆れられても、同情されてもいい。
この不安な気持ちを聞いて欲しかった。
そして、そんなことを話せる人は咲十子ちゃんしかいなかった。
「…今日ね、鉄の知り合いが訪ねてきたの。」
あの衝撃の瞬間を思い出しながら、ポツポツと話した。
その人はとても、綺麗で色っぽい人だった。
完全な女性という感じ。
取引先の社長令嬢で、そのブランドのデザイナーなので名前は聞いたことがあった。
実際のその人は、凛としていて、何か一本芯が通っているような印象。
かっちりしたスーツ姿なのに匂いたつような色気を感じた。
私が目指している鉄の隣にいても恥ずかしくない人のイメージにぴったりだった。
その人は、私を見ると、一瞬驚いた顔をして微笑んだ。
「はじめまして、九鉄さんの若紫さん。以前、九鉄さんに親しくしていただいたんです。このたびはご婚約されたそうで、おめでとうございます。」
言外に匂う2人のかつて関係。
今まで鉄に恋人がいなかったなんて思ってはいなかったけれど、現実を突きつけられた気がした。
精一杯の虚勢を張る。
「ありがとうございます。残念ですけど、藤田はただいまNY支店へ行っておりますので…。ご挨拶に来ていただいたことは伝えておきますわ。」
コーヒーカップをもつ手に金の鎖がゆれる。
一つ一つの動作に、心が乱される。
「いいえ、お気使いなく。ただ一美さんにお会いしたかっただけなんです。
彼、いいえ、藤田さん。があなたのことをよくお話になってたから。
私の想像どうり。藤田さん綺麗な黒髪がお好きだから、
きっとあなたも綺麗な黒髪の美少女だと思っておりましたの。
また、直接お会いしてご挨拶いたしますわ。もちろん2人きりでは会いませんので、ご安心なさってね。」
疑惑は確信に変わった。この人は鉄の恋人だったんだ…。
私の脳裏に、腕枕した鉄の手が、私の髪を弄る感触が浮かんだ。
―一美の髪って上等のシルクみたいだ。―
同じことを、この人にもしていたのだろうか。
彼女もまた、綺麗な黒髪の持ち主だった。
こんな、綺麗な大人の女性と私では、どうしたって私のほうが劣ってしまうにきまっている。
咲十子ちゃんに話を聞いてもらうまで、私を支えていたのは仕事に対する責任感だけだった。
まるで、自分は機会のように目の前にある仕事をかたづけていった。
心の中では、九鉄のことばかりを考え、不安になりながら…。
□ □ □
もうすぐクリスマス。…か。
帰宅途中のイルミネーションがにぎやかだ。
世界中、この時期になるとクリスマス色に染まる。
思い浮かぶのは、日本にいる一美のことばかり。
高層ビルの最上階にあるペントハウスで1人きり、これまでの思い出を反芻してすごしてきた。
一美には寂しい思いをさせているし、今年のクリスマスは気張るかな。
イヤって言うほどベタベタに、レストランで食事をして夜景の見える部屋をとって…。
花と指輪の一つでも…。
指輪、、はちょっと、気が早いかもな。まぁ、アクセサリーの一つでも準備して、っと。
いつもに比べせわしない感じのする雑踏を車の窓から眺め、じわじわ沸いてくる幸せをかみしめる。
俺にとって、初めてのクリスマスだ。
思っている人と自分が同じ気持ちですごすクリスマス。
いままで、適当な相手と妥協した時間を過ごしてきたことを考えれば、天と地ほど違う。
耳に入るたびにいらついていた、クリスマスソングが今は気持ちを高揚させている。
まさか、この俺がこんな気持ちにさせられるなんてな。
やっぱりあいつはただものじゃねーや。
俺はすっかり純情少年に戻っちまってる。
クリスマスがこんなに待ち遠しいなんて、数年前では予想もできないな。
知らず知らず口ずさんでいたクリスマスソングに、一人テレながら、
無意識でマンションのオートロックを解除し、エレベーターに乗り込む。
このエントランスに入った瞬間から、俺の頭は期待に支配されている。
ペントハウスのドアをあけ、わき目も振らずにパソコンに直行する。
そう、一美から毎日届く画像メールを見るために。
だが、どういう訳か、今日のメールは届いていなかった。
□ □ □
「お客様、申し訳ありません。まもなく離陸いたしますので座席を元にお戻しください。」
浅い眠りから俺を起こしたのは、咲十子ではなく作り物のように整った笑顔の客室乗務員だった。
こいつも内心面白くないのに、よく笑えるよな。
俺はすごく腹が立っている。
それも当然だ。
ここのところの咲十子ときたら、毎日一美、一美で本当につれない。
しかも、秘密の話だか、特訓だか知らないが、鋼を使ってまで俺を遠ざけてる。
それもこれも、グループ総代表たる俺が、わざわざ!査定する人物のせいだ。
九鉄。
あいつの過去の女性関係がどうやら関係しているらしい。
俺の持論は、過去のことは過去のこと。そりゃあ、面白くはないが。
重要なのは、お互いを信じて思いやれることだと思っている。
だから、一美がこれしきのことで傷つくのも、九鉄がこれしきのことで揺らぐほどにしか一美を安心させてやれてないのも、二人の責任だ。
人事だから、そう思えるのかも知れないが、俺にとっての最重要課題は、咲十子がこいつらの問題に巻き込まれていることだ。
変なことに感化されてなければいいけど。
ため息と同時に飛行機が滑走をはじめた。
とりあえず、NYについたら九鉄にしっかり説教してやろう。そして、一美に大きなプレゼントを持って帰ってやるかな…。
この春の咲十子との一件では、借りがあるしな。
何より、俺と咲十子の時間を削られるのはごめんだからな。
しっかり、くっついておいてもらわないと。ほんとに世話の焼けるヤツラだ。
ピンポン♪本日は、日本航空000便をご利用いただき、ありがとうございます。
機長は山口、客室乗務員は………。
機内放送を聞きながらシートベルト着用ランプが消えたのを確認してシートを倒した。
ここ数日の揉め事のせいで、寝不足だったので本当に沈むように眠りについた。
柄にもなく、心の中で咲十子におやすみ。といいながら。
今日はここまでです。
それにしても、貧乏人のワタクシには和久寺家の様子が把握しきれません。
思い切り脳内大富豪です。
想像の世界なので、ありえない点は笑って見逃していただけると助かりますです。
ペントハウスとファーストクラス。社長室に成金じゃないお嬢様。
描写しきれねぇよ・゚・(ノД`)・゚・。
力不足_| ̄|○。
416 :
こぱんだ:03/12/15 01:10 ID:OVsALLFg
木登りさん乙です。
更新終了いたしましたー。
甘々なひと波瀾が期待できそうで楽しみです。
風茉君はAMEXはきっとブラックなんだろうなー。
(庶民こぱんだの想像はこのレベル)
417 :
こぱんだ:03/12/15 01:13 ID:OVsALLFg
>風茉君はAMEXはきっとブラックなんだろうなー。
訂正
風茉君のAMEXはきっと最高ランクのブラックカードなんだろうなー。
418 :
名無しさん@ピンキー:03/12/15 12:19 ID:+lb+WL7L
ティーパーティにクリスマス。うらやますぃでつ。 どちらの作品も一美がかわイイ(・∇・)でつ。
419 :
うたかた:03/12/16 01:19 ID:skhmMrDu
どうもこんばんわです〜 レス頂けて嬉しいです♪ありがとうございます
>こぱんだ様
いつも細やかな運営モツカレさまです( ^‐^)_且~~ オチャドゾー
招待状もわざわざリアルにして頂いて・・・・゚・(ノ∀`)・゚・。アリガトウゴザイマス(感涙)
ネコタソに見られてしまったのですね
もしネコタソがいつもより早く発情期をむかえたらこのスレのせいかもしれないですねw
>木登り様
新作もつかれさまです( ^‐^)_且~~ キノボリサンモドゾー
クリスマス(・∀・)イイ! ですね!木登りさんの咲十子も一美も可愛いなぁ・・・(*´∀`*)モエ〜
続きお待ちしてます♪
さて少し続きが出来たので、うpします(短くて申し訳ないのですが・・・)
それではどぞ〜↓
◇◆◇
一方その頃・・・。
一美は自室にて蔵の中で見つけた本と格闘しながら、なにやら怪しげなモノをテーブルに広げていた。
ビーカーや試験管などの実験器具に見た事もないような植物と薬品の瓶・・・・。
それらに囲まれて白衣を身に纏った一美はちょっとした科学者のようでもあった。
(尤もマッドサイエンティストの方ではあるのだが)
「えーと、それからマカの根にシダ・・・ここでイモリの黒焼きとガラナを入れてと・・・」
ゴリゴリとすり鉢で混ぜ合わせながら、それをグツグツと煮えたぎっているビーカーの中に入れる。
とたんにもくもくと紫の煙が上がり、一美は咳き込みながら慌てて窓を開けた。
「っはぁ! 苦しかった・・・。こんなんで本当に大丈夫なのかね・・・?」
確認のため本を見ると特に問題はなく、いよいよ最後の大詰めの段階に突入する所であった。
ここまできて失敗する訳にはいかない。もう一度注意深く本を読み返した。
「えーと・・・『それを濾した後、最後に和久寺秘伝のハーブエキスをたっぷり入れる』か・・・。
次のページは違うみたいだし。じゃあこれで最後ね。」
慎重に濾過しながら、浪砂の部屋からこっそり持ち出したハーブエキスを文字通りたっぷりと注ぎ込んだ。
とたんに透明だった液体が薄いピンク色に変わっていく・・・。
それを小瓶の中に移し変えると、壊れ物を扱うかの様にそっと掌で握り締めた。
「ついに出来たわ・・・。和久寺家に代々伝わる『殿方用惚れ薬』。これを使えば鋼十郎様も・・・ふふっ♪」
鋼十郎を呼び寄せる為にわざわざ風茉達にも招待状を出した事だし、あとは鋼十郎が来るのを待つだけだ。
「さーて薬も出来たし、あとはお茶会のメニューと何を着るか考えなくちゃ!それにお肌もキレイにしないと!!」
そう言って白衣を脱ぎ捨てると、いそいそとパーティの準備を始める。
なにしろその日は自分と鋼十郎にとって記念すべき日になるのだから、少しでも最高の自分でいたい。
思わずこぼれてくる笑みを堪えながら、一美は愛しい鋼十郎に想いを馳せていった。
◇◆◇
そして迎えたホームパーティの日・・・。
各自仕度を整えると俺達は鋼の運転する車に乗り込み、一美の家へと向かった。
一美の家はばーさんの好みで街中から外れた郊外にあるから、車で1時間近くかかる。
休みの日にアイツの家にわざわざ時間をかけて行くのも少々癪だが、まぁ今日は天気もいいし、
ちょっとしたドライブだと思えばそれほど苦にはならないだろう。
「いい天気でよかったですねぇ。三津子様が来られなかったのは残念ですが・・・」
「ちょうどその日にどうしても抜けれない仕事があるみたいで・・・。ママも一緒に来れたら
よかったんだけど・・・」
「仕事じゃ仕方ないよな。一美からの誘いも結構急だったし・・・。また今度こっちから誘えば
いいんじゃないか?」
「そうだね。今回のお礼に一美ちゃん達を招待してもいいよね」
なんて他愛もない事を話しているうちに、いつの間にか一美の家が遠目に確認できる所まできていた。
あと十分もすれば到着するだろう。
「寿千代。ほら もうすぐ着くぞ」
軽く頬をぺちぺちと叩いて咲十子の膝で眠っている寿千代を起こすと、まだ眠いのか視点が定まらず
ぼんやりとしている。
寝起きで力が入らないのか車の振動で寿千代の小さな頭がかくかくと揺れていた。
・・・放っておくとまた眠ってしまいそうだ。
そんな寿千代の様子を見ながら、3人顔を見合わせクスリと笑う。
いくつもの坂を越え、カーブを抜けると、俺達を乗せた車は一美の家の敷地内へと吸い込まれていった。
◇◆◇
「おーい 一姫。今風茉から電話入って、もうすぐこっちに着くってさ」
「ホント!? 準備も大体終わったし、迎えに行かなくちゃ!」
そう言うと一美は鉄砲玉のように部屋を飛び出していった。
鋼十郎とゆっくり会うのは何ヶ月ぶりだろう。
ここ最近は風茉の仕事が忙しかったせいもあって、なかなか会う事も出来なかった。
少しでも早く鋼十郎の顔を見る為に玄関まで走って行くと、ちょうど窓から鋼十郎達の車が
到着するのが見えた。
高鳴る胸の鼓動を抑え一息ついて呼吸を落ち着かせると、今日一番の最高の笑顔を見せるため
傍にあった鏡に向かってにっこりと微笑んだ。
・・・・・・うん 大丈夫。
玄関の扉の向こうから聞こえる声が次第に大きくなっていく。
そして執事が扉を開けると、そこには誰よりも愛しい人が立っていた。
「ようこそおいで下さいました。お待ちしていましたわ」
ぺこりとお辞儀をして、さっきの練習の時の様ににっこりと微笑むと、鋼十郎は柔らかく
笑みを返してくれた。
それだけで胸にポッと火が灯ったかのような暖かさが湧いてくる。
「一美ちゃん!久しぶり〜。今日はどうもありがとう」
「咲十子ちゃん!久しぶり!!」
何も知らずにニコニコしている咲十子を見てると、久しぶりに会えて嬉しい気持ちと一緒に
罪悪感でチクリと胸が痛んだ。
今回風茉や咲十子達を招いたのは、鋼十郎を呼び出す為の口実だったからだ。
罪悪感を振り切る様に努めて明るく咲十子と話し続ける。
「今日は色々用意したから楽しんでいってね!」
「うん♪ありがと。あっ!そうだ。これ私から差し入れのお菓子。それとこのお花はママから・・・
今日来れないお詫びにって」
そう言いながら咲十子はお菓子とお花が入った紙袋を手渡した。
「今回は仕事の関係でどうしても抜けれないからごめんねって。それと一美ちゃんによろしくだって」
「ううん大丈夫。気にしないで! ・・・それにむしろ人数は少ない方が・・・・・・」
「? 一美ちゃん?」
「あっ!ううん何でもない!!」
危ない危ない。
ここで計画がばれたら大変な事になってしまう。
ちらっと風茉の方へ視線を向けると、若干こちらに不審そうな目を向けつつ寿千代の相手をしていた。
少し離れていたから会話までは聞こえてはいないだろう。
風茉は勘が鋭いから計画が成功するまでには特に注意しなくちゃ・・・・。
「では皆様、こちらの部屋へどうぞ」
風茉の不信感を逸らすため、私は庭園が見渡せるテラスのある部屋へ向かって颯爽と歩き出していった。
424 :
うたかた:03/12/16 01:40 ID:skhmMrDu
今日はここまでです
深夜の文章の為、怪しい所が多々ありますが見逃してくださいませ・・・
きちんと広げた風呂敷を畳めるか不安ですが、頑張って畳みますんで
もう少しお付き合いしていただけると幸いです。
そういえば木登りさんがイメージしてた未来の咲十子の職業が
自分が思ってたのと近かったのでびっくりです
咲十子は教職(家政系)とか保母さんというイメージがありますね
もし咲十子が先生だったらいい先生になりそうだなぁ
>こぱんださん
なるほど、ブラックなんてあるんですね。ゴールドの上はプラチナだと思い込んでました。
ソースもないのに…。(危ない危ない。危うく出すところだった。)
>うたかたさん
旦~~⊂(´▽`)お茶ありがdです。これでコタツとミカンがあれば冬が越せますw。
そして、とてもワクワクするお話さすがです。
一美が笑顔の練習するところとか、寿千代の居眠りとか萌えどころ満載☆。
一体、どうなってしまうのか本当に楽しみです。
>咲十子の職業
おぉ、同意していただけてうれしいです。きっと咲十子はコネとか使いたがらないだろうし、
会社でPCとか使っているイメージがもてなかったので、臨採の家庭科教師だ。と考えました。
あまり、設定生かせてないですが(ニガワラ。
さて、クリスマスの続きが出来ましたので出来たところまで投下します。
□ □ □
今日から風茉君はNY。
結局、一美ちゃんを心配して出発を3日ずらして、それでも渋々空港に向かってた。
本当に優しいな。風茉君。心配で仕方ないんだね。
でも、この話は他の誰にも聞かれたくないもん。
一美ちゃんの話を聞くまで考えてなかったけど…。私も、一応、年上だし…。
クリスマスまでに色々、一美ちゃんに教えてもらってこれまでの挽回しなくちゃ。
一美ちゃんの告白を聞いた夜。
あまりの内容でくらくらしそうだった。そして、気づいたこと。
私。Hの時、風茉君に何もしてあげてない…。
一美ちゃんの赤裸々な話を聞くと、恥ずかしさもあるんだけど
自分が受け取るばかりだったことに気づいて呆然としてしまった。
「鉄は本当に私で満足してるのかなぁ?
…上になったときにね、好きに動いていいよって言われても、その、気持ちよすぎて動けなくなっちゃうし…。」
(何?それってなんで一美ちゃんが上になるの?)
「後ろからするのも恥ずかしくてイヤだって言っちゃうし、
全部見られちゃってるのに、いまだに明るいところは苦手だし…。」
(え?後ろ?明かりをつけたまま?)
「それにね、普通にキス、するだけでも、気づいたらされるがままになっちゃうの。
気持ちよくしてあげたいと思うんだけど、、すぐに夢中になっちゃう。」
(そんな、私、いつも、されるがまま…。)
「きっと、大人の女の人だったら、余裕があるから相手も気持ちよくさせてあげれるよね。
…夏に鉄のところに行ったときにね…、口でしてあげるって言ったんだけど、
『お前はそんなことしなくていい』っていわれちゃった。」
(そうなの?それじゃあ私、全然風茉君を満足させられてないの…。?!口??!!口でするって、、。)
「咲十子ちゃん、どうしたら私、鉄にずっと好きでいてもらえるのかな?
本当にこいつで良かったって思ってもらえるのかな…。
ただでさえ、婿養子とか後継ぎとか面倒くさいことがたくさんあるのに、…どうしたらいいの?」
あの、冷静な一美ちゃんが矢継ぎばやに言葉をつむいでた。
きっと内容なんて十分の一も把握してなかったと思う。
それでも、九鉄さんを大好きな気持ちと、だからこそすごく不安な気持ちは痛いほど伝わってきた。
でも、それよりも、私にとってはHの内容が衝撃的過ぎて、思わずトンチンカンなことを言ってしまった。
「一美ちゃんの方が、私よりよっぽど大人の女性だね。
私、まだ相手のことを考えて動く余裕なんてないもの…。」
□ □ □
今日は私が咲十子ちゃんに、クリスマスディナーの作り方を教えてもらう日。
泣き喚いた日から一週間。
もう少しで鉄が帰ってくる。
鉄がNYに行く前に使っていたマンションで2人きりで過ごそう。
私が鉄のために、頑張ったところを見てもらおう。
そう決めて、毎日咲十子ちゃんの特訓を受けてる。
私が喚きたてたことを受けて咲十子ちゃんが言ったこと。
すごく、胸に響いた。
『どんなに不安でも、どんなに辛くても相手のために頑張ろう、信じよう、自分を成長させようって
お互いに思えることが一番大切。ひとりよがりにならないためにも、ちゃんと話し合うことも大事。
きっと関係がダメになっちゃうのは、相手の行動が原因じゃなくて自分の気持ちが不安に負けるときだよ。』
確かに、そうかも。
ずっとメールでしか会えなくて不安だった。
鉄の声が聞きたかった。
過去のことで揺らがないように、ぎゅっと抱きしめて欲しかった。
欲しい、欲しい、欲しい、欲しい。
鉄にして欲しいことがたくさんあった。
自分も鉄にしてあげたい、私も鉄を喜ばせることが出来るっていうことを忘れていたような気がする。
嫌われるのが怖いから、じゃなくて、喜んでほしいから。
少しでも大人になった私を、見せたいって思った。
年が離れてるって言い訳にしていたのは、自分自身だったみたい。
相手のために自分を成長させたいのは、誰だって同じだもの。
咲十子ちゃんも、風茉のために顔を真っ赤にしながら、頑張ってるし。
私だって負けてられない。
□ □ □
ついた早々、坊ちゃんはイラついている。
そもそも、この査定って、副社長の秘書かなんかが来るんじゃなかったっけか?
おそらく、一美と親父さんがやりあって、中立の立場の坊ちゃんが引っ張りだされたんだろう。
この年末のくそ忙しい時に、申し訳ない気もするが優秀な鋼十郎がどうにかしてくれるだろう。
とっとと、査定して俺を日本に帰してくれ。
ここのところ、一美のメールに画像がついていない。
何かあったのかと、ずっと気になっているのだが、時差を考えると電話もかけづらい。
いつか、咲十子ちゃんには、相手の迷惑を顧みてちょっと強引に。なんていったけど、
なんだか、嫌な予感がした。
「おい、九鉄。お前の元彼女らしき人物が一美のところに宣戦布告に来たらしいぞ。」
これか、嫌な予感。
「あの取引先の社長。お前と娘を結婚させる気だったらしいぞ。わざわざ、お前らが付き合ってるときに俺に挨拶に来た。それで言いふらしてたらしい、和久寺の腹心と親戚になれるってな。」
あの、箱入りのお嬢さん。何でもお父様にお話してたのか。
「ま、ところがどっこい、お前は一美と婚約しちまうし、親父が言いふらしてたおかげで娘は縁談こないしで、踏んだり蹴ったり。その腹いせに一美にちょっかい出したんじゃねーか?」
そこまで子どもじみたことをする女には、見えなかったんだけどな。
「お前らしくない、失敗だな。この件はこの前のカリでチャラにしてやるよ。しっかりフォローしろよ。」
確かに、あのころの俺って最悪の男だったからな。
一美の身代わりに何人もの女を使ってきた。
その報いを一美が受けてしまったと聞いて、胸が痛む。
我ながら本当に最悪な男だと思う。
その胸の痛みは、彼女達への罪悪感ではなく、一美の不安を心配するあまりに起きているから。
一刻も早く、日本に帰りたい。
一美を抱きしめて、安心させてやりたい。
今まで抑えてきた気持ちが、堰を切って溢れ出した。
きっと泣きはらした顔を見せないために画像を送らなかったのだろう。
文句も言わずに、いつもと同じように元気付けるメッセージを送ってくれた一美が愛しい。
もう、何も迷うことはなかった。
ブレスレットは取りやめにして、至急、指輪を用意してもらおう。
ここまで、ベタにするつもりはなかったんだけどな…変更の電話のコール音を聞きながら苦笑した。
今日はここまでです。
女の子達の暴走が予想以上のものになってしまい、焦りました。
もうひと波乱、起きそうですね。
1レスの容量を考えていないのが丸分かり。
読みにくくてすみません_|\○_
432 :
こぱんだ:03/12/16 21:21 ID:w76Xodo5
更新しましたぁぁぁ。
一気に読めるってすばらスィ*:.。..。.:*・(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・
>木登りさん
ダウンダウンのまっちゃんが昔、HEY×3で言ってました。
プラチナの人から更に選ばれた人がブラックカードだそうです。
コワイセカイだよぉおお。
>うたかたさん
乙です〜。
勝手に招待状を画像にしてしまいました〜
スミマセン〜(汗)
>こぱんださん
お疲れ様です。
プラチナの上がブラックなんですね。そんな世界が現実にあるんですね。
一体、年間いくら使ってるんだろう…。きっと金額とか気にしない人たちなんでしょうね。
あと、サイトの更新履歴。純ですねw。吹き出してしまいました。
さて、クリスマスの続きです。ちょびっとずつですみません。
□ □ □
NYで何が嫌かっていうと、この部屋の高さだ。
どうして広い部屋を1階に作らないのか、理解に苦しむ。
全員が全員、街を見下ろして喜んでいるとでも思っているのだろうか。
鳥が自分の足元を飛んでいる光景なんて、気味が悪い。
もちろん、ガキのころのようにわめいたりはしねーけど。
仕事に集中すれば部屋の広さも、窓の外の風景も気にならなくなる。
ただ、いつのまにか考えているのは咲十子のこと。
こんな面白くない部屋だって、咲十子が一緒ならきっと喜んでくれたんじゃないかと考える。
家にいるときは感じないが、出張などで一人になると見るもの全てが咲十子に結びつく。
作り笑いの人の群れにいると、咲十子の顔がたまらなく恋しく思う。
一ミリも偽りのない、笑顔。あまりに無邪気で本当に先生なんて出来ているのかと、疑ってしまう。
パソコンの液晶で疲れた目を抑えながら、広いベッドにうつぶせに倒れこむ。
糊の利いた清潔なシーツ。
完璧なベッドメーキングにぬくもりなんてない。
目を閉じて大きく息を吸い込んでも、咲十子の匂いはしない。
シーツを握り締めたところで、あの咲十子の暖かく柔らかい体はない。
―咲十子を、抱きたい。―
あの春の日以来、体を重ねるたびに咲十子は変わっていった。
俺しか知らない、咲十子。
絡みつく腕も、汗に濡れる髪も、甘い悲鳴も、潤んだ瞳も、俺しか知らない。
いつもはみんなのために頑張る咲十子が俺だけのものになるとき。
早く、俺だけの咲十子にあいたい。
遠く離れれば、遠く離れるほど咲十子を思う気持ちは強くなる。
時差ボケのための寝不足と、仕事で疲れた脳みそが記憶の断片を再生する。
□ □ □
いよいよ明日、風茉君と九鉄さんが帰ってくる。
風茉君の査定に合格すれば、九鉄さんは春から日本勤務になるみたい。
会社の経営形態について一美ちゃんが説明してくれたんだけど、私には難しくてわからなかった。
でも、一美ちゃんの表情を見るだけですごく嬉しい事だっていうのはわかった。
そうだよね、今まで離れ離れだったんだもん。
不安な気持ちよりも、久しぶりに会える喜びのほうが勝ってるみたい。
お料理も上手になったし、準備万端。
あとは、2人が帰ってくるのを待つのみ。
「あ、咲十子ちゃん、ちゃんと秘密のプレゼント作ったよね?きっと風茉すっごく喜ぶよ。」
そのことを考えると、思わず頬が熱くなる。
「絶対、風茉はムッツリだもん。…きっと新たな一面が見られるよ。落ち着いてね。」
私のほうは、あんまり自信ないんだけど、風茉君の為に頑張ろう。
「ねぇ、咲十子ちゃんも明日、空港にお迎えに行くんでしょ?空港に出かける前にこっちに寄ってもいい?
服とか、メイクとかチェックして欲しいの。」
久しぶりに一美ちゃんの弾んだ声を聞いて、嬉しくなった。
服やメイクなんて、私よりも一美ちゃんの方が詳しいのに。
嬉しい気持ちが、空気中に充満してる。
ただ、私のクローゼットで眠っている秘密のプレゼントの存在がすごく場違いな気がしてた。
□ □ □
成田空港。
色々な人種の人がひっきりなしに行き交ってる。
でも、私が探している人は1人だけ。
ざわめきよりも、自分の鼓動が大きくなる。
きゅうに、握り締めていた携帯が鳴った。
なに?こんな時に。今だけは仕事を優先できない。
有無を言わさず、電話を切る。
するとすぐにまた、携帯が鳴る。すぐに切る。
また、すぐに携帯が鳴る。もう、一体誰なの?
着信の表示には、『鉄』。
急いで電話に出る。
「もしもし、鉄?どこからかけてるの?」
きょろきょろとあたりを見回しても鉄の姿は、見えない。
「ただいま。やっと出てくれて良かったよ。てっきりもうメモリから消されてたのかと思った。」
「どうして、そんな冗談いうの?咲十子ちゃんも待ってるのよ。早く出てきて。」
私の様子を見てキョトンとしていた咲十子ちゃんも、事態が分かってきたみたい。
小さく、くすくす笑った。
「おい、一美ぃ、お前が騒ぐから咲十子ちゃん、笑ってるじゃないか。ま、咲十子ちゃんの王子様はすぐ返却するよ。」
「私達のこと、見えてるの?ねぇ、なんで出てこないの?」
すぐそこに鉄がいるというのに、会えないなんて…。
「なぁ、家にまっすぐ帰らずに、ちょっと2人でドライブしないか?」
「でも、車ないじゃない。鉄の車はマンションのガレージでしょ?」
あっ、咲十子ちゃんが風茉を見つけて走り出した。
「内緒で手配しておいたんだ。歓迎会も嬉しいけど、それより2人で話したい。ずらかろうぜ。」
心臓がドキンと跳ねる。
「うん。」
「じゃあ、2人に見つからないようにワシントンホテルのバスに乗ってって、ロビーで待ってて。」
鉄に会える喜びと、話の内容への不安が胸の中で混ざり合って、すごく苦しくなった。
今日はここまでです。
爆発寸前の風茉君と秘密のプレゼントを準備する咲十子ちゃん。
賢者の贈り物状態の九鉄と一美、2組とも甘い夜を送れるように頑張ります。
しかし、視点がコロコロ変わって読みづらいかも。
まだまだ修行が足りません。
438 :
ROM子:03/12/17 00:50 ID:8iF1A0uz
>木登りさん
乙です。
鉄の「ずらかろうぜ」に萌え…
空港のざわめきが聞こえるようです。気持ちが逸る感じ。
4人の視点、面白いですよ。
読みづらくもありませんし。
>うたかたさん
コメディタッチ、高尾さんぽい感じですね〜
まだまだ鋼に夢中な一美が可愛い。
背伸びする少女は良いなぁ
439 :
こぱんだ:03/12/17 01:58 ID:v+5v/reI
さっそく更新しました〜。
木登りさん更新のネタ解っていただけて嬉しいです☆
ホテルでつか…用意周到でいいなぁ鉄っあん(*´д`)
ちなみに
今の更新(12/17)のネタが解る人には
メールにて裏ページのURLお知らせしまつ。
>438さん
読んで下さってありがとうございます。
空港の雰囲気上手く出てたでしょうか?
乗り物の駅?のなかで一番好きな場所なんで感想、すごく嬉しいです。
>こぱんださん
TOP絵、素敵です☆。萌えますた。
>用意周到な鉄。
なんとなく彼は本気の人には、凝った演出をしそうな気がしてたので突っ走ってます。
風茉君は以外に不器用で、直球勝負の人ではないかと…。
でも、きっと一番凝った演出をするのは、黒鋼さんwかなぁ…と。
どうでしょう?
午前休みだったから思わず続きを書いちゃったよ、ママン。
出来たところまで、投下します。
□ □ □
九鉄の野郎、相変わらずふざけてる。
面倒くさい入国手続きを終えると年末で混み合っている手荷物受取所を横目に進む。
ベルトコンベア―を回るみやげ物の袋も、クリスマス用だ。
サンタクロースも顔負けなほど、どの袋もパンパンだ。
これで不況だっていうんだから、不思議だよな。
一瞬、グループの業績が頭をかする。
一美のとこの小売リ部門の純粋利益は、何とか増益だったよな…?
いつの間にかブツブツと口に出していたようだ。
九鉄が肘で俺を小突く。
「おいおい、仕事熱心なのはいいけど、ちゃんと今日の仕度してんのか?なんといっても今日はクリスマス・イブだぜ。咲十子ちゃん、楽しみにしてるんじゃないの?俺も今回は、気合いれてんだ。」
いい気なもんだ。いい歳した男が、クリスマスソングをハミングしてる。
「俺の心配よりも、しっかり一美にフォローしろよ。今晩駆け込んでこられるのはごめんだぜ。」
「知ってるか?かつて日本には恋人がサンタクロースという素晴らしい歌があったのを!」
だめだ、完全に浮かれてやがる。
ロビーのガラス越しに、咲十子と一美が並んでいるのが見える。
まっすぐ向かおうとすると肩を掴まれて、柱の影に一緒に引き込まれる。
何度か、携帯で電話をかけている。
何が、したいんだ?
文句を言おうと振り向くと、咲十子達のほうを指差し、笑っている。
キョロキョロしている、一美。
そういうことか、付き合ってらんねーな。思わずため息が漏れる。
俺が呆れているのを感じたのか、肩を叩くと、『行っていいよ。』と口と手を動かす。
スーツケースを引きずる人波に乗って、俺は咲十子のところへ向かう。
咲十子と目があると、咲十子が走り寄ってくる。
思い描いていた、一ミリも嘘のない笑顔で。
□ □ □
風茉君たちは夕方の便で帰ってきたので、お屋敷への帰り道はもう薄暗くなっていた。
高速道路を走る車のヘッドライトさえ、今日のためのイルミネーションに思えてしまう。
後部座席に、手を繋いで並んで座る。
九鉄さんと一美ちゃんがどこかに行っちゃったおかげで、数日振りの風茉君を独り占めできる。
風茉君に寄りかかって頭を肩に乗せると、風茉君も私の頭に顔をよせる。
「おかえり、風茉くん。」
もう、何度目かの言葉が自然に出てくる。
「ただいま。」
風茉君も、優しい声で答えてくれる。
一緒にいられなかった時間をお互いに、補いあってる。
空港からのかえる途中、ディズニーランドが見えた。
「寿千代君とさよちゃん、楽しんでるかな?きっとママも一緒にはしゃいじゃうから
鋼十郎さん大変だね。そうそう、さよちゃんもね、いつかの一美ちゃんみたいに一泊なのにスーツケース何個も持って来てたよ。
結局、ママに小さなバッグに詰め替えられてたけど。」
「遊園地かぁ、作ったことはあるけどわざわざ遊びに行ったことはないな。」
「楽しいんだよ!夢の世界みたいで。今度一緒に行こうよ。」
言った後ではっと気づく。
「…乗り物も、高いところに上るものばかりじゃないし…。」
コツンと軽く小突かれる。
「安全性が確認されてるんだから、怖くなんかねーよ。ただ、どうしても仕事の面から見ちまうから、
一緒に行っても興ざめするぞ。楽しかったら自分も作りたくなるんだ。
きっと、寿千代も明後日あたり、企画書を持ってくるな。」
風茉君、ほっぺがちょっと赤い。強がってるんだ。
いいよ、気づかないフリしてあげる。
「さよちゃんと寿千代君、可愛いんだよ。さよちゃんは寿千代君が好きな色を教えて、って来て、
寿千代くんは女の子ってどんなものが好きなの?だって。」
「知らないのはお互いだけか、なんかもどかしいな。」
「でも、それが楽しいんだよ。もどかしいほど好きになるの。
両思いだって分かるまで本当にドキドキするんだよ。」
窓の外の景色が市街地になってきた。
街路樹のイルミネーションが綺麗で、それだけでも楽しい気持ちになる。
「俺、今でもどんどん咲十子のこと好きになってるけどなぁ…。昔以上に。」
ポツリとつぶやいた一言にすごく胸がきゅうぅと掴まれたみたい。
「私も。両思いになったら、色々な面が見えるたびにどんどん、好きになってるの。」
すごく嬉しかったから、繋いだ手を強く握り締めた。
イブまであと、一週間。
どうにかそれまでには仕上がりそうです。
今晩、続きをUP出来たらいいなと思ってます。
では、行ってきますー。
445 :
うたかた:03/12/17 22:56 ID:XNbdbUTv
木登りさんキタァァ(゚∀゚)ァァ( ゚∀)ァァ( ゚)ァァ( )ァァ(`* )ハァ(Д`*)ハァ(*´Д`*)ハァハァ
もつかれさまです〜♪
一美の赤裸々な告白にアタイもみのさんもビックリですよ!(;´Д`)
甘々萌え萌え〜(・∀・)イイ! 本能の赴くままに突っ走ってください!
>>458さん そう言っていただけて大変うれしいです・゚・(ノ∀`)・゚・。
高尾さんの作品ってなんか独特の雰囲気がありますからね。
少しでも高尾さん作品の雰囲気を感じていただければ幸いです
446 :
うたかた:03/12/17 23:06 ID:XNbdbUTv
たびたびすみませぬ
ROMの方へ作品待ちの間の小ネタを一つ
こぱんださんのサイトにうpされている作品にこれを貼り付けるとすごい事になります
javascript:A=(d=document.body).innerHTML;AA=new Array("「","<br> ∩___∩<br> | ノ ヽ<br> / ● ● | ","。?」","クマー<br>
| ( _●_) ミ<br> 彡、 |∪| 、`\<br>/ __ ヽノ /´> )<br>(___) / (_/<br> | /<br> | /\ \<br>
| / ) )<br> ∪ ( \<br> \_)<br>");i=0;while(i<AA.length){r=RegExp(AA[i],"g");A=A.replace(r,AA[i+1]);i+=2;}d.innerHTML=A;focus(0);
<遊び方>
これをテキストに貼り付けなどして改行をなくす
↓
アドレスに貼り付けてエンターを押すと・・・・何かが起こったりw
気になる方はとりあえず私の一美の短編でやってみてください
(注意:萌えを求めている方は著しく作品のイメージが変わるので止めた方がいいと思います
これは最近笑ってなくて笑いたい人向けです)
では続きなるべく早くうpできるようにがんばりまつ
うぅー。昨夜は突発の忘年会。
続きがUP出来ませんでした。
すみません。
>うたかたさん
私は、モナリザでやってみましたクマー。
吹き出しました。ナイスです☆。
クリスマス、続きを投下します。
出来たところまでです。
いよいよ終わりが見えてきました。
良かったらお付き合いください。
□ □ □
空港で電話を受けた後、私は空港のバスターミナルからでているホテルのバスに乗り込んだ。
早くあいたい気持ちと、切り出される話が不安な気持ち。
ロビーに着いて、コーヒーを頼んだもののとても喉を通らない。
何を話そう、何を聞こう。鉄は何を話すつもりなんだろう。
答えなんて出ないのに、考えることを止められない。
「和久寺さま、和久寺一美さまでいらっしゃいますね?お連れ様がエントランスにてお待ちでございます。」
「ありがとう。」
待つ間に、不安な気持ちに支配されそうになっていた。
気持ちを奮い立たせ、エントランスに向かう。
そこには見慣れた、鉄のポルシェが止まっていた。
震える手を悟られないように助手席のドアを開ける。
「よぉ!久しぶりだな。」
眩暈がしそう。
久しぶりに鉄の顔を見るとなんだか、さっきまで考えていたことが消えて、ただただ安心した。
自然に、涙が溢れ出た。
鉄は左手でハンドルを操りながら、右手で私の頭をくしゃくしゃとみだす。
「なに、泣いてるんだよ。そんなに俺に会いたかったのか?」
久々に感じる鉄の大きな手。
その瞬間、あの女の人の言葉が頭をよぎった。
この手で、あの人の髪も撫でたの?
幸せで暖かかった気持ちがまた、疑惑に満たされる。
「なぁ、メシ食いに行こう。俺はらぺこなんだ。この車を持って来てくれた悪友がお勧めの店教えてくれたんだ。予約しといた。きっと一美も気にいると思う。」
マンションに、夕食の支度をしているんだけど折角、予約してくれたんだし、今、気まずくなりたくない。
「でも、愛車の鍵を渡すなんてそんなに信頼してる人いたのね。知らなかった。」
「あー、信頼というか、アイツは悪友だな。今度、会わせるよ。アイツもお前を見せろってうるさいんだ。」
私の知らない鉄の顔。私はどれだけ鉄のことを知っていて、どれだけ知らないんだろう。
これまでの私は、どうして鉄のことを全部、わかっている気でいられたんだろう。
夕暮れの車内は暗くて、鉄の横顔ははっきり見えなかった。
まるで、今の私の気持ちと同じように。
□ □ □
食事に行く前に、一美の好きなブランドに寄る。
自社系列なので新作のコレクションも確認していた。
そのとき、一美に似合いそうなドレスがあった。
柔らかいシルク素材でカシュクールタイプのデザイン。
特にアシンメトリーな裾が気に入っていた。
店員に指示して、ドレスと細身のヒールのロングブーツを出させた。
いつものきちんとしたお嬢様っぽい服装もいいけど、こういう格好もさせてみたかった。
素材の大人っぽさとデザインの大胆さ。このアンバランスな感じは、今の一美にぴったりだと思った。
大人でも、子どもでもない。少女でも女でもない。もっとも一美が着るなら何でも満足している気もする。
胸元に出来ているドレープに髪がかかる。大きく開いた背中も髪が覆う。イメージ通り。
照れる一美にコートを着せてエスコートする。
時間もちょうどいい。イルミネーションが綺麗な道をとおり、目的の店にたどり着いた。
この後の計画をもう一度、頭で確認しながらやっぱり最後のことを考えると緊張しているのを感じた。
隠れ家みたいなレストラン。会員だけが通される夜景の楽しめる個室へ。
BGMはさりげないボリュームで、一美が好きだといっていた映画のサントラから。
飾り付けの花も一美の好きな白いマーガレットを使って、しかし、可愛らしくなりすぎないように。
料理も、評判どおり申し分なし。
一美も夜景に目を奪われ、BGMに気づき、マーガレットに気づき、本当に喜んでいるように見えた。
いよいよ、次が勝負だ。断られることはないと思うが…。
もう一度、タバコを出すフリをしてポケットの小箱を確認する。
そろそろ、本日のメイン会場へ移動しようかと考えていた。
「ね、鉄、そろそろ帰らない?鉄の部屋、掃除しておいたのよ。」
なんだかさっきまでとは違う雰囲気だ。
「それとも、鉄のすることに何も口を出さないほうがいいの?」
それから、一美は部屋に着くまで黙り込んでしまった。
もちろん、小箱をだす予定も見送るしかなかった。
□ □ □
久しぶりの我が家は、いつになく静かだった。
いつも騒がしい奴らは、出かけている。
あからさまなお膳立てだが、正直なところありがたい。
車の中で感じた咲十子のぬくもりと匂い。
疲れた体がすでに、火照っている。
それでも、部屋に2人きりになったとたん、がっつくような真似はしたくない。
軽くシャワーを浴びて、気持ちを紛らわせる。
「もう、だめだよぉ、髪の毛乾かさないと。」
「気にするなよ、それより腹減ったんだ。咲十子のメシ楽しみにしてたんだからな。」
テーブルには咲十子作の料理が並ぶ。
どんなに高価な料理を食べても、予約がなかなか取れない有名店の料理を食べても、
咲十子の料理を食べたときのように、気持ちまであたたまることはない。
暖かい家庭の雰囲気。ただ、今日は少し違う。
最初に飲んだシャンパンのせいか、咲十子の頬はほんのり赤く色づき、瞳は潤んでいる。
ただ、食べ物を口に運ぶだけなのに、妙に色っぽい。
唇についたソースをぺろっと舐める、可愛い唇が艶々光る。
折角の咲十子の料理なのに、どこに入ったのか分からなかった。
「デザート、準備するね?」
キッチンに向かう咲十子を後ろから抱きすくめる。
「俺、先に咲十子がいい。」
息を吹きかけながら、ささやく。
知ってるんだ。咲十子は耳が弱いって。
「…風茉君のH。」
「しょうがないだろ、咲十子が可愛いのがいけないんだ。」
初めてのときみたいに、咲十子を抱えて有無を言わさず寝室に連れて行く。
ベッドにおろし、キスをしようとした、その時。
「待って、シャワー…使わせて。」
気にせずに、唇を合わせると、無理やり引き離される。
「本当に、ダメ。もう少し待って。」
そこまで言われると、無理強いは出来ない。
「咲十子の匂い、好きなんだけどな。」
顔を赤くしながら、バスルームに向かう咲十子が妙なことを質問してきた。
「風茉君、クリスマスプレゼント、ニットとフワフワどっちが好き?」
「なんとなく、ニット?かな。」
咲十子は背中を向けたまま、頷いた。
「わかった、…ね、灯り、暗くしておいてね。」
シャワーの音を聞きながら、今までのクリスマスを振り返っていた。
去年までは、無邪気なパーティだった。
でも、もう知ってしまった。無邪気なままではいられない。
咲十子を抱かずにいられたのがなぜなのか、不思議に思えるほどだ。
水音が止まり、衣擦れの音がする。
ドアを開けて出てきた咲十子を見て、思わず息を飲んだ。
今日はここまでです。
相変わらず、無駄に長くてすみません。
咲十子の秘密プレゼント、退かれそうですが突っ走りますのでお見逃しください。
こぱんだ@携帯です。アク禁マンドクセーです。
更新しましたが、クリスマスの22を入れずに更新しちゃいました。
明日いれまつ。
試し書き。こぱ。
∩___∩
| ノ ヽ
/ ● ● | 書けたクマ──!!byこぱんだ
| ( _●_) ミ
彡、 |∪| 、`\
/ __ ヽノ /´> )
(___) / (_/
| /
| /\ \
| / ) )
∪ ( \
\_)
ホッシュ(゚ε゚)
>こぱんださん
規制解除おめでとうございます!!
いよいよ、クリスマスですね。
本当にギリギリになって、焦ってます。
それに比例して、お話の質も落ちているような気もするのですが、
とにかく完結を目指します。
□ □ □
薄暗い照明の下でも、風茉君の驚く顔がわかった。
すごく恥ずかしくて、顔から火が出そう。
一美ちゃんにアイデアを出してもらったんだけど、本当に喜んでくれるのかな?
一歩一歩、ベッドに近づくと、不意に風茉君がなるほどね、という表情。
「ニットとフワフワってラッピングの種類だったんだ?…で、プレゼントをもらった俺がとっても良いんだよな?」
あんなに、今日は自分から動くんだって覚悟してたのに言葉を発することも出来ない。
ただ、深く頷いて立てひざの状態でベッドにのる。
素肌に着けているせいで毛糸が少しチクチクしちゃう。
白いスラブの太い毛糸を緩めに編んで作った、ホルターネックのワンピース。
スカートの丈も、いつもだったら絶対はけないくらい、短め。
私の髪を書き上げ、髪のリボンをほどき、さらに首の後ろのリボンを解こうとする風茉君の手を制する。
「ダメなの…そこをほどいちゃ。……ここ、引っ張ってみて?」
そう、スカートの裾に出た一本の毛糸。
編みかけの状態にしてたので、引っ張るとどこまででもほどけちゃう。
引っ張った毛糸がほどけながら一周して帰ってくるのを見て、風茉君が困ったような顔をしている。
「イヤだった?こういうの?なら、リボンをほどいてもいいの。」
困った顔をしながらも、風茉君の手はずっと毛糸を引っ張ってる。
だんだんスカートがなくなっていく。
「咲十子が自分から準備してくれてたのは嬉しいんだけど、突然で驚いてる。しかも、かなり色っぽいから、ますます、なんでこんなこと思いついたのか気になってる。」
言いながらも、覆うもののなくなっていく太ももに手を這わせてる。
冷たい指先が全身を粟立たせる。
「しかも、このニット微妙に透けてる気がするんだけど…。誰かの前で着たわけじゃないよな?」
糸を引く手とはちがう手が、ニットの中に浸入してくる。
胸を触られると、自然と力が抜けてきて座り込みそうになる。
「ダメだよ、ちゃんと立ってなきゃ、座るとほどけなくなるだろ。」
1人で立っていられなくなった私は、風茉君にかぶさるように抱きついてどうにか膝立ちを続けられる状態。
「俺以外に、こんな咲十子見たやつはいないんだろうな!?」
乳房を掴まれたまま、先端を指で刺激される。自然と鼻にかかった甘い声が出る。
「見せたことない…よ。着たのも、、今日、が、初めて。」
風茉君の手と、毛糸のほどけるかすかな感触が一度に感じられてなんだかいつもより変な感じ。
いつも私が去れるように風茉君の耳をパクっとくわえる。
「なんか、今日の咲十子変だ。妙に、積極的。」
「今まで、…してもらってばかり、だった、から、お返し。…一美ちゃんも…薦めて、くれたし…。今日は私が、するの…。」
表情は見えないけど、風茉君が少し、笑ったのが分かった。
そして、背中に回った手が、首のリボンをほどく。
首筋を暖かな、舌が伝い、その一瞬後でひんやりした感覚が襲う。
「ん、やぁ。…私が、するの…。」
「じゃあ、2回目はそうしよう。今は、俺、咲十子が動けないくらいトロットロに蕩けた顔してるのが見たいんだ。」
気づけば、すでに押し倒されてる。
結局、いつものように流されちゃう。
そう思うのに、かろうじて隠れている部分の近くに風茉君の手があると思うだけで、次の快感を期待してしまう。
すでに、濡れているのを確信している瞳はいつも悪戯っ子みたい。
優しく開かれて、溢れ出ている所に触れられると余裕は全くなくなってしまう。
内側を優しく刺激されながら、敏感な芽をこすられるとそれまでなんとなく現実感のなかった感覚が急に鋭くなったように感じる。
私に出来るのは、ただただ、風茉君の名前を呼ぶことだけ。
それに答えて、風茉君は深いキスを返してくれる。
酸欠のためか、快感のためかもう何も考えられなくなるまで高められた瞬間、風茉君が離れる。
ギリギリまで高められていた体は、開放されないまま蠢いている。
「ラッピング、ほどく途中だけど、先に中身食べてもいいか?あとでちゃんとするから。」
もう、そんなこと聞かないで!いつもそうなの、先に我慢できなくなっちゃう。
「…お願い、、風茉君。」
風茉君こそ蕩けそうだよ、て言いたくなるほど優しい顔でおでこにキスをくれた後、風茉君が入ってくる。
初めての時はあんなに痛かったのに、自分でも怖くなるくらい感じてる。
そして、あの瞬間を待ち望んでいる。
高められて一瞬、全身が快感に支配され浮き上がるような感覚に襲われるのを…。
そして、いつものように気づくと風茉君の腕の中にいた。
いつもなら、風茉君が主導権を持ったままだけど、今日は違う。
ニヤリと笑って余裕の表情を見せる風茉君に、覆い被さって私から深くキスをする。
いつも自分がされているように…………。
今日はここまでです。
なんだか、エロシーンが薄くなってしまいました。
濃厚なエロへの道は厳しいですw。
25日までに、九鉄×一美とエピローグが目標です。
生暖かく見てやってください。
464 :
こぱんだ:03/12/24 21:13 ID:KGUuWMa/
木登りさん乙です。
アプしました〜
今年もフジの明石家サンタだけが
楽しみなクリスマスだよぉ・・゚・(´д`)・゚・タニンノフコウハミツノアジ
いよいよ、クリスマス完結です。
昨日よりは濃厚エロになったはずw。
長い上に、穴も多いし、無理やりまとめた感が強いですが、何とか最後までかけました。
イブの夜になにやってんだか。と呆れながら読んでくださいw。
□ □ □
こんな風にするつもりじゃなかったのに。
鉄が色々、準備していてくれたのが嬉しい反面、寂しく感じた。
ただ、ニコニコ笑って、喜んでいればよかったのかもしれない。
でも、そんなのお人形と同じじゃない。
鉄にすれば私は頼りない所だらけかもしれないけれど…。
このまま、いつまでも鉄の隣に並べないんじゃないかって不安になる。
鉄のことが大好きで、私には余裕なんてないもの。
きっといつかあの女の人みたいに素敵な人が鉄を奪っていくような気がして、怖くてしかたない。
自分から帰りたいなんて我侭を言い出したのに、鉄の後ろをついていく。
こんなに悲しい気持ちなのに、初めてこの部屋にきたときのことを思い出した。
あの時は、春だった。今と同じように鉄の後ろを歩いて…。
すぐに鉄がNYに行っちゃって離れ離れになるのは分かってたけど、
合鍵をもらったり暗証番号を教えてもらったり、そんなことが嬉しくて、1年なんて我慢できる。
2人の気持ちは絶対変わらない。って思ってた。
これからは毎日一緒にいられるのに、気持ちは強くなるばかりなのに、なんだかかみあっていない気がしてる。
鉄がドアを開けて、部屋に入る。
1週間前から少しずつ、仕事の合間に立ち寄っては掃除と、飾り付けをした部屋。
暖房も入っていないただ明るいだけの部屋は、なんだか惨めに感じられる。
「…一美、お前が、準備してくれてたのか…?」
リビングも、ダイニングも、ベッドルームも、バスルームやトイレまで自分でもやり過ぎかなって思うくらい飾り付けをしてた。
鉄が私を喜ばせようと、私の好きな花を使ってくれたように、私は鉄の好きな色をアクセントに使った。
全体的に白とシルバー、所々に黒という配色の部屋に浮かないように、目立ちすぎないように、
でも、細部までこだわって飾りつけた。
テーブルセッティングも、ベッドメイクも、タオルの色も、…今日着ていた、服も。
ただ、私だけがはしゃいでいて鉄を驚かせようとして、鉄の気持ちを聞いていなかった。
きっと鉄も喜んでくれる、そういう子どもっぽい思い込み。
リビングの入り口で立ちつくす私のところに、部屋中をみて戻ってきた鉄がやってきた。
ぎゅっと抱きしめてくれた。
「ごめんな、俺が予定を狂わしちまったな。大変だったろ?こんなに綺麗にするの。それに料理まで。」
ただ、首を横に振るだけ。
声を出すと、涙か嫌な言葉が出てきそうだから。
「俺、一美に会えるのが嬉しくて突っ走っちまったんだな。あーぁ、驚かせることだけ考えてたからなぁ。
本当に、悪かった。去年は異動を控えてたから凝ったこと出来なかったから、今年は気合入れようと思ったんだ。」
鉄の腕の中で、2人で過ごしてきた今までを思い出す。
ずっと一緒だったけど、恋人同士になってから一緒にいた時間は半年くらい。
それ以外の時間は、メールや電話だけ、不安になるのもあたりまえなのかもしれない。
鉄のぬくもりを感じたおかげで、少しずつ落ち着いてきた。
そうしたら、素直に言葉が出てきた。
「…私こそ、ごめんなさい。わがまま、言っちゃって。」
「じゃあ、仲直りだな。…俺、はじめてかも。なんとなくじゃなくてちゃんと仲直りしたのって。一美だから変に強がらずに謝れるんだぜ。世界中で一番、大切なのはお前だから。」
ずっと、言って欲しかった言葉。嬉しさのあまり、ついに涙が落ちる。
「これから、もっと喧嘩したりして、もっともっと鉄のことが知りたいの。鉄のことなら私が世界で一番って言える位に。」
こぼれる涙を唇で受け止めると、鉄が目の前に小さな箱を取り出した。
「本当は海の上で言うつもりだったんだけど、…俺と一緒に歩いてください。」
箱の中には細い2連のプラチナリング。真中には、ダイヤが綺麗に輝いていた。
折角、左手の薬指にはめてくれたのに、涙でかすんではっきりとは見えない。
ただ、呆然としている、私に心配そうな鉄が聞いた。
「…返事は?」
そんなの、もちろんOKに決まってる。
「はい。」返事をしてにっこり笑うと、いっそう強く抱きしめられた
□ □ □
きっと世界中で今の俺ほど、幸せな男はそういないだろう。
プロポーズの後、俺達は2人で一美の焼いておいたケーキを食べた。
その間、一美が今までどんなに不安だったか、なんで急に帰りたがっていたかを聞いた。
2人とも、気が張っていたせいか、暖房を入れるのを忘れていてくしゃみをするまで気づかないほど、舞い上がっていた。
「寒いし、風呂でも入ってあったまろうか?一緒に入ろうぜ。」
「でも、食器片付けなきゃ…、お先にどうぞ。……きゃっ?!」
有無を言わさず、抱きかかえてバスルームへ向かう。
口では、ダメだって言うくせに全然抵抗してこない。
「全身綺麗に洗ってあげるよ、奥さん。」
一美の顔が一気に赤くなった。
湯船に湯を張りながら、脱衣所でドレスを脱がせる。
とはいっても、このデザインは肩をはずすとストンと落ちてしまうのだけど。
時々、手が肌に当たると、一美がびくつく。
俺のシャツのボタンをはずしながら、キスをねだってくる。
俺が教えたんではあるが、なんてエッチで可愛らしいんだろう。
キスはさっきまで食べていた、チョコクリームの味。
手を動かしながらも、お互いに舌を絡めあう。
胸に手を伸ばし、先端に触れると、寒さも手伝ったすっかり硬くなっていた。
クリクリと弄ってやると、一美の口から甘い声が漏れ始める。
小さな白い手が、俺のベルトをはずす。
一糸まとわぬ姿になって、絡まるようにくっついたままで浴室に向かう。
シャワーをだして、全身をぬらす。
もうもうと立ち上る湯気の中、スポンジにボディーソープをつけ体の隅々まであらう。
久しぶりなせいもあって、体は敏感に反応している。
大事なところを特に念入りに洗うと、蜜はどんどん溢れ出てきてもうとろとろになっている。
すぐに、立ていられなくなった一美の体と自分の泡を流し、湯船の中に一緒に入る。
湯船には一美の黒髪が揺らめき、ひどく煽情的だ。
さっき、綺麗にした大事なところに指を沿わせると、すでにぬるぬるになっていた。
「どうする?ここでいきたい?」
「んぅ。や、お湯、入ってきちゃ…うぅん!」
いいながら、入り口に指を挿しいれる。絡みつく感触を楽しみながら徐々に出し入れをはじめる。
俺の足の間に、挟むように一美をだきかかえているので、一美は逃れられない。
「ふあ、…あぁん、あ、ひぅ…ん。」
指をもう一本増やし、中の一点を目指して動かすと、一美の体もより強い快楽を求めて動き始めた。
「ふぅあぁん、、も、だめ。いっちゃ…。」
敏感な蕾を擦り上げると、一気に締め付けがきつくなり一美の背中が弓なりになった。
ぐったりとして、荒い息の一美を抱きかかえると、バスタオルに包み寝室に向かう。
とろんとした目の一美をベッドに横たえ、脱力したままの脚の間に顔を埋める。
蜜をたたえた泉をすすり、わざと音を立てて高ぶらせていく。
我に返った一美がギリギリまで高まったのを確かめて、となりに横たわる。
「欲しいなら、自分で入れてみな。今日、俺がすると壊しそうだから。」
騎乗位は初めてじゃないが、自分で入れるのは初めてなので戸惑っているようだ。
俺、この一美の色っぽい困った顔が好きだ。
恐る恐る、俺の分身に手を添えて、ゆっくり下に降りてきている。
ゆっくり、ゆっくり少しずつ内側に飲まれていく感覚は気持ちよさのあまり耐えられなくなりそうだった。
全部、埋まったところまで待つと、息をつかさずに下から突き上げた。
火をつけたあと、動きを止めると我慢できなくなった一美が動き始めた。
手を伸ばし、胸をまさぐる。
響き渡る粘着質な水音を聞きながら、俺の名を呼ぶ愛しい少女の中に、全部、ぶちまけた。
一美は、キョトントした顔をしたあと、深くキスをしながら、俺の分身を愛撫し始めた。
ここまで積極的なのは、初めてだ。
「まだまだ、足りないの。」
俺の上で、切なそうな表情を見せる恋人のおかげで、今夜は眠れなさそうだ。
□ □ □ エピローグ
「はぁー。疲れたわー。冬休みも初日だし、人多いんだもの。ねぇ、咲十子、お茶を入れてくれない?」
何をそんなに買ったんだか知らないが、ねずみの耳をつけた一行がドヤドヤと大荷物で帰ってきた。
なるほど、昨日、帰りに咲十子が言っていたのはこれのことだな。
「寿千代、どうしたんだ?そのキャップ。誰かのクリスマスプレゼントか?」
まあね、なんて言ってる寿千代の横で、さよ嬢が赤面している。
そして、さよ嬢の頭には真新しい、髪飾り。
「2人とも、良かったな。似合ってるじゃないか。」
ちょっと、つついてやると、反撃された。
「兄ちゃんこそ、咲十子お姉ちゃんから、何もらったんだよ?聞くだけなんてずるいぞ!」
「しかたねーな。俺は、今着てる手編みのセーターと、…。」
「風茉君!!ストップ!!」
お茶をもって部屋に入ってきた咲十子が、声をあげる。
バカだな、正直に言ったりはしねーよ。あんなに可愛い咲十子を誰に教えてやるもんか。
「だとよ、どうしても知りたかったら咲十子お姉ちゃんに聞いてみな?」
欠伸をしながら、答える。まだ夕方なのに。と怪訝そうな顔のお子様と、やれやれといった表情の大人。
仕方ないだろ、気が付いたら朝になってたくらい夢中だったんだから。
きっと九鉄たちも、そんなところだろう。なんせ、久々に会ったんだしな。
来期からの帰国の挨拶がてら、みやげ物をもってくるといっていたのに、何の音沙汰もない。
ことしのクリスマスは、なんだか振り回されているうちに過ぎてしまった実感が湧かない。
一美が咲十子に何を吹き込むのかと、気が気じゃなかったが、今回は良しとしよう。
しかし、九鉄のヤツ。一体、一美にどんなことさせてるんだ?
昨晩の咲十子の、あれで初歩だなんて…。まぁ、俺には関係ないが。
ただ、咲十子を汚染するのだけは止めるように、一美に釘をさしておこう。
咲十子は、俺が! 色々、教え込むんだから。
大きなクリスマスツリーの下、久々に戻ってきた喧騒の中で人知れず、心に決めた。
― the end ―
以上です。
なんだか反省点がたくさん残る作品でした。
まだまだ、精進が必要です。ガンガリマツ!
質問、感想、お待ちしております。
木登りブタさん、乙ですた!
連載中は、朝起きてここを一番にチェックするのが習慣になってました。
一美の可愛らしさに朝から(;´Д`)ハァハァ
普段はROM専なのですが、いつも楽しみにしています!
職人さん方、頑張ってくだちい!!
クリスマス乙です!
やっぱ二組ともラブラブでイイ!!
乙です!咲十子も一美も可愛くてイイ(・∀・)!!
>咲十子は、俺が! 色々、教え込むんだから。
この一文が、なんか色々考えてそうで(*´Д`)ハァハァでした。
>>473-475 感想ありがとうございます!!!
長くなりすぎて、不安だったので本当に感想いただけて安心しました。
めちゃくちゃ嬉しいです☆。
咲十子にも一美にも、もっとあ〜んなことやこーんなことをさせるつもりだったのに、
力不足でサラッとなってしまいました。エロは難しいです。
こってりエロエロと、ほんのりエロ、どっちが良いんでしょう?
なかなか思い通りにはかけませんが、参考までに…。
477 :
うたかた:03/12/27 02:26 ID:EDdepEkq
どうもおばんです〜
o 。 ______o O 。 。 °
。 ○ o ○ / ィ ○ o ○
o /ニニニ)⌒ヽ o
o ─(゚∀゚ )─ )
○ 。 ○ /○ ○) /|,. o O o
。 o o ∠∠______∠_/ / ○
o .|/ メリクリ |_/ ○ 。 o O 。
o O / ̄ ̄ ̄/ ̄ o 。
。 ノ / o O
o o ∩ ∩_ノ) ∩ ∩___ノ) 。 o ○
o (゚∀゚ ) (゚∀゚ ) つ o ° o 。
。 o ∪-∪'"~ ∪-∪'"~ 。 。 o °o 。
__ _ 。 __ _ o o__ _ °
__ .|ロロ|/ \ ____..|ロロ|/ \ __ |ロロ| __. / \
_|田|_|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_|田|._| ロロ|_
このスレに2日遅れですがメリクリです
木登りさん乙華麗さまですた!
クリスマス編ラブラブな感じがとってもよかったですよ(;´Д`)セーターニモエマスタ・・・
ある程度続き纏まったのでうpします
本誌が一応予想してた展開ではあるのですが、いざそうなると泣きたい展開に
なってしまったので、少しでも明るい気分になれば幸いです
それではどぞ↓
◇◆◇
やっぱり怪しい。
さっきから一美の奴、俺と視線を合わせないようにしている。
何か企んでいるのか、それとも後ろ暗い所があるからなのか・・・・。
まぁいい。
まだ確証もないことだし、こんな事を言ってせっかく楽しそうにしている咲十子の気分を壊すような
野暮な真似はしたくない。
・・・・・・もうしばらく静観してるか。
「こちらの部屋ですわ。皆様どうぞお入りになって下さいませ」
一美に促され扉を開けると、そこにはキレイにセッティングされた食器やお菓子が並べられていた。
「すごい・・・ コレ全部一美ちゃんが用意したの?」
「うん 今日は特別に張り切っちゃった! お菓子は前に咲十子ちゃんに教えてもらったのとウチの料理長に
教えてもらったのを作ってみたの。あと今回の食器も私が見立てて用意したんだ!」
「本当にすごいね。一美ちゃんがすごく頑張ったのすごくよくわかる。鋼十郎さんもきっと喜ぶよ」
「うん。 ・・・ありがと咲十子ちゃん」
ちぇっ・・・。なーんかさっきから女同士で盛り上がってるよなぁ・・・。
久しぶりに会えて嬉しいのは分かるけど、いいかげんちょっと疎外感が・・・。
「・・・・食えるのか?コレ」
おもわず小声でぼそっと呟く。
すると今まで咲十子と話していた一美がずんずんとこっちの方へやってくる。
そして満面の笑みを浮かべながら鋼には聞こえない特殊低音波でこう言いやがった。
「・・・屋上行ってチャーターしたヘリで帰るか?」
このやろう。ここでそんな事言うか!?
だからコイツとの腐れ縁は嫌なんだ・・・。
ふふんと勝ち誇ったような笑みを浮かべながらアイツはまた再び咲十子の方へと戻っていく。
・・・いつか絶対ヤツを負かしてやる・・・・!
俺は人生何度目になるか分からない誓いをまた今日も立てる事になったのだった。
◇◆◇
「じゃあお花はこのテーブルの上に置いて、もう少しお皿を持ってくるね。咲十子ちゃんのお菓子もあるし」
「あ・・・じゃあ私手伝うよ」
「ううん! 今日咲十子ちゃんはお客さまなんだからゆっくりしてて!すぐ戻ってくるから!!」
呆然としている咲十子を尻目に、あっという間に一美は部屋を駆け出していった。
「・・・いいのかな。手伝わなくても」
「いいんじゃないか。なにしろ今日の俺達は『お客さま』らしいからな」
そう言うとお互い顔を見合わせてふふっと笑った。
「あっ!ねぇ風茉君見て!! お庭すごくキレイだよ〜」
たたっとテラスの方へ駆けていくと、咲十子は寿千代と一緒に目をキラキラさせながら庭を見つめている。
「・・・あぁ 今行く」
まったくどっちが子供なのかわからないなと微かに笑いながら、咲十子の傍へと向かった。
「何で笑ってるの?」
「ん〜 ほんっと分かりやすいなと思ってさ」
すっと手を伸ばすとくしゃりと咲十子の柔らかな前髪を撫でた。
「それって・・・どういう意味よ〜」
未だにこういうのになれないのだろう。
照れて真っ赤になった頬を膨らませながら咲十子が訊ねた。
「・・・秘密」
もう 一体何なのよぅとポカポカ叩く咲十子を避けながらテラスから部屋へと逃げる。
こういう時の咲十子ってすごく必死になって追いかけて来るんだよな。
それがまた可愛くてついついからかってしまう俺も悪いんだけど。
「っと危な・・・・うわっ!!!!」
ガタンッ!!
「ひゃっ!風茉君大丈夫!?」
どうやら咲十子を避けようとした時にテーブルにぶつかってしまったらしい。
「あぁ俺は大丈夫だけど・・・。まずいな ちょっと倒しちまった」
俺がぶつかった時の衝撃でグラスが何個かコロコロとテーブルの上を転がっていた。
幸いまだ飲み物も入ってないし、ヒビとかも入ってないから元通りに戻しておけば問題ないだろう。
「あ〜あ コレ見たら怒るぞ一姫。朝っぱらから必死でセッティングしてたからな」
「わ〜ってるよ。さっさと直せばいいんだろ」
「急いだ方がいいと思うぜ〜。ほら聞こえるだろ。一姫が走ってくる音」
耳を澄ますと確かにぱたぱたと走ってくる音が近づいてくるのが分かる。
マズイ。早く直さないと。
ニヤニヤしてる九鉄を放っておいて、俺達は慌てて倒れたグラスを並べていった。
◇◆◇
「えーとお皿はっと・・・やっぱりコレがいいかな。あと鋼十郎様が好きな洋梨のシャルロット♪
キレイに盛り付けもしたし、急いで戻らなくちゃ!」
ワゴンに必要なものを乗せると、崩れないよう細心の注意をしながら早足で戻っていった。
鋼十郎様・・・・早く二人きりになりたい・・・。
そしてもう一度・・・私の想いの全てを伝えたい。
鋼十郎を思うと自然とスピードが速まってくる。
惚れ薬はばれないようにもう鋼十郎様のカップやグラスに全部塗っておいたし、薬の効果が出始める
1時間後位に告白すれば完璧だろう。
厨房から部屋までの距離がいつもより長く感じる。
あの角を曲がると鋼十郎の待つ部屋までもうすぐだ。
もどかしい気持ちで一杯になりながら足早に部屋まで走って行くと、一呼吸整え静かにドアをノックした。
「お待たせいたしましたわ。それでは皆様それぞれの名前が書いてある席へどうぞ」
皆を席に座らせ、取り皿を配り希望を訊きながらそれぞれの飲み物を用意する。
このパーティは鋼十郎様を呼び出す為に開いたけど、でもホストとして皆を招待したからには
やっぱり完璧にこなしたい。
いつもは招待されてばかりでちょっと勝手が違うから不安だけど、大体の流れは分かるし、練習通りにやれば
きっと大丈夫だろう。
「鋼十郎様は紅茶。九鉄と風茉はコーヒーで寿千代君はオレンジジュース。そして咲十子ちゃんはアイスティー。
それじゃあ私も紅茶にしようかな」
皆の所へ回りながら、練習したように手際よくお茶の用意をする。
・・・鋼十郎様の分だけものすごく気合を入れたのは、ちょっとだけ大目に見てもらおう。
「じゃあ準備も出来たみたいだし、そろそろパーティ開始といきますか!」
こうして九鉄の声を合図にパーティが始まった。
◇◆◇
「コレおいしい〜。 ねぇ コレも一美ちゃん作ったんだって!」
「・・・まぁまぁだな」
「相変わらず素直じゃないねぇ。ま・ぼっちゃんは愛妻料理しか受け付けないから仕方ないか」
「愛妻って・・・・九鉄さん!!」
「今更照れるなって! もうじきそうなるんだから」
皆でお茶やお菓子を食べながらわいわい楽しく談笑している中、私はどこか上の空で鋼十郎様を待っていた。
寿千代君が「はーたん、ボクトイレ行きたい」と言うものだから、鋼十郎様は寿千代君を連れて
トイレへと行ってしまったのだ。
さっきあともう少しで惚れ薬入りの紅茶を飲む所だったのに・・・。
「はぁ・・・」
知らず知らず溜息が漏れる。
でも焦っても仕方ないし、もう少しだけ気長に待とう。
「にーちゃん、さっちゃんただいま〜」
「失礼します。ただいま戻りました」
戻ってきた!
考えるより早く鋼十郎様の下へ体が動く。
子犬のように私は鋼十郎様の傍へと駆け寄っていった。
「お帰りなさいませ!早くしないとせっかくのお茶が冷めてしまいますわ」
「そうですね。せっかく一美様が淹れて下さった紅茶ですからありがたくいただきます」
「えぇ!どうぞケーキと一緒に召し上がってください! 鋼十郎様の好きな洋梨のシャルロットも
用意しましたから!」
「私の好きなケーキを覚えていて下さったんですね。ありがとうございます」
そう 鋼十郎様の事なら何でも覚えている。
好きなものやちょっとしたクセ、そしていつも私にくれる暖かな微笑み。
―――――― それが恋人に向ける微笑みとは違うものだという事もわかってはいるのだけれど
「シャルロットすごく美味しいですね。もしかしてこのケーキも一美様が?」
「そ・そうですわ!今回思い切って作ってみましたの。・・・お口にあって嬉しいですわ」
どうしよう。嬉しくて眩暈がする。
ささやかな一言がこんなにも嬉しいなんて。
あぁ・・・やっぱり私 この人が・・・鋼十郎様が好き・・・。
「じゃあ冷めないうちに、紅茶も頂きますね」
にっこり笑うと鋼十郎様がカップを手に取った。
「えっ ええ! どうぞ!!」
鋼十郎様のカップが口元に近づいていく。
ドキドキして鋼十郎様の動きしか目に入らない。
カップと唇の僅かな距離がこんなにももどかしい。
『もう少し・・・もう少しで・・・・』
一際鼓動が高まる。
緊張が最大限に高まり、胸の奥がきゅうっと苦しくなって思わず胸に手をあてる。
それでも鋼十郎様から目を逸らす事など出来なかった。
・・・カップと唇の距離が徐々に狭まっていく。
そしてついに・・・カップが鋼十郎様の唇に触れた。
やった・・・・・! と思った次の瞬間
ガタンッ!!!!
―――――― 何 か が 倒 れ る 音 が し た。
487 :
うたかた:03/12/27 03:11 ID:EDdepEkq
今日はここまでです
やっと宴の支度が整ったといったところでしょうか
宴の始末までがんがって突っ走っていきたいと思います
(ちなみにこのお話は本編終了から4年後という脳内設定になっております。
若気の至りプラスエロにできるギリギリの年齢かな〜と・・・・・)
そういえば木登りさんの今回のお話に出てきた一美に喧嘩売ってきた女性は
一美×九鉄の時最初に出てきた方なのでしょうか?
ふと気になったもので・・・
キタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!!!!!!!
うたかたさん、もう上手すぎ☆。
一美に萌え、咲十子に微笑み、鋼十郎&寿千代に頷き、風茉&九鉄にニンマリしながら、
堪能させていただきました。
ずっと、脳内で高尾さんの絵で展開されてますよ。続きが楽しみです〜。
>喧嘩を売っていた女性
この人は九鉄×一美の最初に出てきた、箱入りのお嬢さんで正解です。
一美とは反対に外見は大人なのに、中身は子どもっぽい強がりや見栄でいっぱいな人。のイメージです。
時間的には、
連載終了4年後の夏 九鉄×一美→ 5年後の春 3月風茉×咲十子1,2。4月九鉄、NYへ。
→5年後の12月 今回のクリスマス。
昼メロカプは、なんとなく連載終了間際もしくは連載中から。
…というイメージです。
489 :
名無しさん@ピンキー:03/12/27 21:29 ID:o2lWIcW5
沈みすぎなのであげときます
職人さん方もつかれさまです
新作&続きお待ちしています
490 :
こぱんだ:03/12/28 23:52 ID:7HofNKYO
木登りさんうたかたさん乙です。
更新いたしましたーーーーー。
保守あけおめ
hoshu ome
493 :
うたかた:04/01/03 23:02 ID:pcFZ2PKW
明けましておめでとうございまつ
今年もがんがりまつので生暖かく見守って下さいませ
遅ればせながら、新年のご挨拶を申し上げます。
楽しんでもらえる作品を目指してがんがりまつので、よろしくお願いします。
今年の1作目は、少し、時間が空くかもしれませんが佐介×千代を予定しております。
495 :
こぱんだ:04/01/04 17:16 ID:sFFVTlES
あけおめです。
今夜うら作品あぷしまつ。
うひゃ佐介キター
496 :
こぱんだ:04/01/04 23:46 ID:08Qy/zj1
↑sageてねぇーーー_| ̄|○
次はダジャレキリ番…_| ̄|○
先日言っていた左介×千代の出来たところまで、投下いたします。
第31〜33話あたりのつもりで書いております。
あの夜、左介はどこに泊まっていたのか、とか、34話の千代姉とのかけあい?を見て
勝手に妄想しております。
原作のイメージ以外は、受け付けないという方はスルーでお願いいたします。
それでは、どぞ!
昨晩から、何度も同じ場面が繰り返される。
「キス したんだ。」
才蔵の言葉に、驚き固まっちまった俺をよそ目に、お姫が乱入してきた。
才蔵を平手が襲う。
激しい言葉の応酬。
俺は、明らかに部外者だった。
「何故、こだわりになる…っ」
才蔵の問いかけに、一瞬の沈黙。そのくせ何の迷いもなくお姫の口から出た言葉。
「好きだからよ……っ!」
ここで、完全に事態が変わった。
俺はこれ以上、その部屋の中にいることが出来なかった。
ただただ、思いも寄らない展開の連続で、なにを考えたら良いのか分からなかった。
しかも、やっとこさあの緊迫した部屋を出ると、お殿さんが聞き耳を立ててやがった。
心臓が止まるかと思ったてぇのはあのことだ。
唇に人差し指を当て、静かにしろという殿の顔は、意外にも微笑んでいた。
そして、今日の外泊だ。
俺も折角のチャンスをつぶすのも野暮だと思って、出てきたが、アイツなにをたくらんでやがるんだろう?
□ □ □
特に目的があるわけでもないがなんとなく、夜の町をぶらつく。
俺は、才蔵とお姫が上手くいったことに、なんだか説明できないわだかまりを感じていた。
恋敵が片付いたんだからいいじゃねぇか、そう思おうとしたが納得いかない。
才蔵のバカの、ずっと一途なところも知っているから報われて良かったと思う気持ちはもちろんある。
俺は、知ってんだ。
千代姉は、そんなこと関係なく才蔵を好きなんだろうし、才蔵とお姫にしても俺達以外に知られたら大問題だろう。
才蔵と、お姫は新たに重荷を背負い込んだ。どう考えたって幸せな恋人同士にはなれないだろう。
それを知る、千代姉も傷つくんだ。その傷をえぐりながらでも千代姉は才蔵を思いつづけるだろう。
そして、俺は、俺が千代姉から才蔵への思いを消すことは出来ないことも知っている。
どうやっても、誰も傷つかずに上手くまとまる方法はないように思える。
だからといって、俺が千代姉からひく気は全くないが…。
「お前も当事者だからな…。」
義兄の声が頭に響いた。
一体、俺ぁどうすりゃ、いいってぇんだ!!
頭をかきむしってため息をつく。
すると、雑踏の中になれた気配を感じた。
一般人を巻き込むわけにはいかね―な。
路地に入ると、そのビルの屋上まで駆け上った。相手もついてきている。
足音も立てず、気配をあらわした人物は望兄だった。
□ □ □
一方的に用件を言った後、望兄は消えた。
敵対しあっている状況で、個人的になにを見せたいというのだろう。
また、新たな考え事が増えちまった。
自分で言うのも腹が立つが、俺はそんなに物事を上手く考えられねぇ。
きっと望兄は敵に弱みを握られてんだ、そんな考えが甘いことは分かってるがそう思わなけりゃ、やってられんねぇ。
考えても考えても、まとまらねぇのに、イライラしてコンクリートに大の字に倒れこんだ。
星でも見れば気分が変わるかと思ったのに、街の明かりが明るすぎてちっともみえやしねぇ。
ちっこいころ、世界は里で全てだと思っていた俺は、夜、星の見えない場所があるなんて考えもしなかった。
あのころは、望兄も才蔵も千代姉も俺も、ずっと変わらずにいられると思ってた。
でも、気が付いてみれば、時に流されてずいぶん、遠くまできちまった気がする。
俺は、なにを守ろうとしているんだろうか?
今更、ガキのころに戻れるわけではねぇし…、なんなんだ、この感じは。
暗闇に飲み込まれまいと、必死に身体で多い隠して守っているつもりだったのに、実際は、自分が暗闇に引きずり込まれまいと、しがみついていたみたいだ。
どうしても上手く、言葉にならねぇ。
ひたすら、腹の中にいらいらが溜まっていくだけだ。
もう、考えるのも面倒くせ―や、このままここで、寝ちまおうか。
ゆっくり、目を閉じたときだった。
「何の装備もなしに露営するのは、もうしんどいんじゃない?」
あぁ、トリに望兄を追わせてるって言ってたっけ。
「いくら、あんたがバカでも風邪引くわね。」
俺の頭の上で、いつものように静かに笑う千代姉だった。
□ □ □
千代姉のアパートに向かいがてら、どうしてお互いにあんなところにたどり着いたのか話した。
千代姉は、情報収集の合間にロプロスからの連絡で、望兄がどんな場所に出入りしているのかを確かめているといっていた。
いまだにアジトが絞りきれねぇらしい。
俺は、お姫と喧嘩して飛び出してきたところ、ビルの屋上で望兄らしき人影が見えたので上ってきたが逃げられた。
と、我ながら明らかにうそ臭いうそをついた。
千代姉はふーんと言ったきり、深くは追求してこなかった。
ドアを開け、部屋に入る千代姉に続く。
「悪いけど、ろくに食べるものないわよ。あ、後、鍵とチェーンはかけてね。」
俺の居候している、マンションとは比べ物になんねぇくらいこじんまりとした部屋だった。
「千代姉、俺、やっぱり露営する。いくら何でも一つの部屋で…。」
「なに言ってるのよ。それともなに?あんた襲い掛かるつもりなの?」
「なっっ!そんなつもりはねぇけど、その、やっぱり…。」
「なら、問題ないじゃなぁい。ほら、早くあがりなさい。私は疲れたからシャワー浴びて寝るわ。あがってから毛布出してあげるから、音楽でも聴いていて。」
すたすたと、バスルームと思しき部屋に千代姉が入っちまったせいでなんとなく、身動きが取れない。
本当に、わかってんのかよ?それとも俺は完全に弟なんかなぁ?
「まだ、突っ立ってるの?ちょっと、そこのシャンプーの買いおき、取ってくれない?そう、それよ。」
ひょっこり扉の間から顔を出して、命令する。
濡れた髪や肩にドキッとする。実はわざとやってるのか?
「ふふ、大丈夫よ。左介、あんたが血迷っても私には、敵わないから。」
鼻の頭をチョンっとつつくと、文句を言うひまも与えずに目の前で扉を閉められた。
俺のこと、からかってやがる。確かに、千代姉には敵う気がしない。
かすかに、聞こえてくるシャワーの音と千代姉の鼻歌にまで、からかわれている気がした。
とりあえずここまでです。
なんとなく、かっこつけてタイトルをつけてみました。
>500は、左介×千代3ですね。すみません。
あと、左介や千代の言葉遣いが所どころ怪しいですが、脳内補完でよろしくお願いします。
あ゛ーなぜか、今までで一番緊張しているかも知れません。
503 :
こぱんだ:04/01/09 20:59 ID:ttgmPbQ4
昨日あぷしました〜。
気になる展開にドキドキ。
告知ーーーーーーーーー。
どうしても、
キリ番ページを読ませろやゴルァ。の方は
捨てアドででもこぱんだまでメールくださーい。
>こぱんださん 更新お疲れ様です。ほんとにいつも感謝しております。
星空の見えない夜、続きです。
少しでも気に入っていただけると、嬉しいです。
また途中までですが、どうぞ。
□ □ □
水音まじりに聞こえてくる千代姉の鼻歌は、ちっこいころ歌った歌に似ていた。
才蔵と俺と、千代姉。
畑からサトイモの葉っぱを取ってきて傘にして歩いた。
あーめあめ降れ降れ、かぁちゃんが〜♪ じゃのめでお迎え嬉しいな♪
じゃのめがなんだかわかんねーけど、歌っちまうくらい嬉しいんだからものすげー乗り物なんだろうと思ってたな。
自信満々で、想像の乗り物のジャノメについて説明してると、一歩下がったところで、千代姉がクスリと笑ってた。
あの頃から俺らの関係は対して変わってねぇな。
ガキの頃よりはいろんなことが分かるようになった、じゃのめは傘で乗り物じゃねぇし、まだまだ俺が知らねぇことがいっぱいあるのも分かってる。
夕方、殿が言ってた言葉が急に、頭ん中に沸いてきやがった。
―世界は決して1人では完結しない―
俺には、その言葉を実感できるほどの人生経験も無ぇし、なんとなく理想っぽく感じた。
さすがにお殿さんのいうことだけあって、現実の泥臭さがねぇな、と斜にみてた。
それとも、ただ俺が知らねぇだけなんかな?現実がそんなに上手くいくことは少ない気がする。
でも、何も知らずに鼻歌を歌っている千代姉のことを考えたとき、よくわかんねぇけど、胸が苦しくなった。
才蔵のことなんて忘れさせて、俺のことだけを考えて俺の為に生きてくれるなら良いのに。
今すぐに俺のことを一番好きになってくれれば、傷つかずにすむかもしれねぇのに…。
考えたところで、弟から脱出できねぇ今の状況じゃ、とても行動には移せねぇけどな。
せいぜい、弟の皮をかぶって少しでも長く一緒にいられるようにすることしかできねぇ。
「飲む?」
壁に凭れて座る俺の頬に、冷たい水のボトルが押し当てられた。
遅れて、湯気と石鹸の混じったような匂い。
それと、なんかよくわかんねぇけど、甘ったるい匂い。
振り返ってみると、いつもの格好とさして変わらないようなショートパンツにスウェット姿の千代姉がいた。
髪の毛は濡れたままだ。
タオルでガシガシ拭きながら、部屋に入ってくる。
いくらなんでもここまで無防備だと、対応に困っちまう。
□ □ □
どこ、見てりゃいいかわかんねぇ。
手持ち無沙汰を解消するべく、水のボトルを転がしてた。
「飲まないなら頂戴?私が飲むから。」
しゃがみこんで俺の手の中にあるボトルを奪う。
トレーなの襟元から、ちらりと胸元が見えた。
下着、つけてねぇんだ。
思わず、ごくりと生唾を飲む。
千代姉の口角が上がったのが見えた。
まだ、からかわれてるんだ、俺。
おいしそうに水を飲むと、千代姉はさっき歌っていた曲をかけた。
「知ってる?左介?あんた、なにか考え事があるときすごく色気出してるのよ。」
なんか、面白くねぇ。
「普段が底抜けに明るいから、すっごく分かりやすいわ。あんた。ほら、悩みなら聞いたげるわよ?」
言ったら、俺のことを好きになってくれんのか?
「普段こんなことしないのよ。人の苦労まで背負い込みたくないもの。でも、あんたは特別。なんだかほっとけないのね。」
ずりぃよ。年上ぶんなよ。俺は弟になりたいんじゃねぇよ。
心の端っこからどす黒い気持ちが広がってきた。
「耳、貸してよ。あんまり大きい声出したくねぇんだ。」
仕方ないわね、っていうような顔をして俺の前にしゃがみこんだ。
「俺、千代姉のこと、抱きてぇんだ。」
おどろいて飛びのこうとした千代姉の肩を捕まえ、押し倒す。
すぐに、身動きが取れなくなるツボを押す。
やっと、俺の腕の中に捕まえることが出来た。
湿った髪がほっぺたに当たって気持ちいい。
腕に力をこめると、あったかくて、柔らかい。
「…あんたがこんな男だとは思ってなかったわ。」
「残念だけど、いつまでも誤魔化してられるほど、俺ぁ器用じゃねぇんだ。」
震える手に気づかれないように、トレーナーに手をかける。
これは完全な八つ当たりだ。これで完全に俺達の関係は壊れちまうだろう。
でも、それでもいいじゃねぇか。ずっと堂々めぐりのおっかけっこにゃ疲れちまったよ。
「千代姉、めちゃくちゃ綺麗だ。」
「左介、手。冷たい。」
ずっと触りたかった。胸に手を這わせた。
俺の手の動きに合わせてプルプルとゆれる。
少し力をいれて掴むと、手のひらに当たっている淡い色の先端が、徐々に尖ってきているのが、分かった。
引き締まったくびれまでなぜると、千代姉が小さく息を漏らした。
俺のせいでもらすため息も全部、自分の物にしちまいたかった。
少しあいた唇をふさいで、隙間から舌を忍ばせた。
千代姉の舌が俺の舌に絡まってきた。
驚いた瞬間。
身体に力が入らなくなり、覆い被さるように重なった。
指先までしびれている。そうだよ、千代姉はくのいちだった。
短くて申し訳ありません。
今日はここまでです。
出来るだけ早く、投下できるようにガンガリます。
>508
わーい佐介×千代おつです〜〜〜!
千代姉色っぺぇ…
このスレマターリでよいね。SSの雰囲気も好きかも。
511 :
こぱんだ:04/01/13 00:23 ID:qxUsnvbr
木登りさん乙です!!
まとめページ更新してますた。
なぜか、急にまとめサイトが見れなくなったのですが・・・。
私だけなんですかね?昨日は見れたのに・・・・何故なんでしょう?
513 :
うたかた:04/01/13 14:07 ID:0TYAxBpq
ども おひさしぶりです
久々に来たら木登りさんの新作キテタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!!!!!!!
千代姉に萌え・佐助に萌えおかしくなりそうですw
しかも気になる展開のとこで終わってるので生殺し状態w
続きお待ちしています!(でも無理はイヤン)
さて続き出来たのでうpします エロの道はまだまだ遠い・・・(鬱)
514 :
うたかた:04/01/13 14:09 ID:0TYAxBpq
◇◆◇
反射的に音のした方を見ると、思いっきり椅子が倒れ、お菓子や食器が見るも無残な姿で床に散らばっている。
そしてそのすぐ傍に・・・
―――――――――――― 咲十子ちゃんが倒れていた。
「咲十子っ!!!」
風茉の声が部屋に響く。
慌てて私達も咲十子ちゃんの元へ駆け寄っていった。
「咲十子っ! 大丈夫か・・・しっかりしろ!!」
風茉が軽く頬を叩いても何の反応もない。
はぁはぁと苦しげに息を吐きながら、咲十子ちゃんの頬が徐々に赤く染まっていく。
床に転がったグラスからこぼれた紅茶が、まるで私達の不安を煽るかのようにじわりと絨毯にシミを広げていった。
「風茉様 ここでは何ですからとりあえずお部屋に・・・」
おろおろしている風茉を宥める様に鋼十郎が声をかける。
「あっ あぁそうだな。九鉄、部屋まで案内しろ!俺が・・・咲十子を運ぶ。」
そう言うと風茉は咲十子ちゃんを抱きかかえ九鉄と共に部屋を後にし、鋼十郎様もその後に続いて慌しく出て行った。
515 :
うたかた:04/01/13 14:11 ID:0TYAxBpq
あまりに突然の出来事に私は呆然と立ち尽くしていた。
さっきまであんなに元気だったのにどうして・・・どうしてこんなことに・・・。
「ねーちゃん・・・・・・さっちゃん大丈夫?」
傍らには不安そうな顔をした寿千代君が泣きそうな目をして見つめている。
「大丈夫よ。お医者様に診てもらえばきっとよくなるから・・・」
寿千代君を落ち着かせるために、頭を撫でながらそっと抱き寄せる。
・・・人の体温というものは不思議な力があるみたい。
ぽんぽんと軽く寿千代君の背中を撫でているうちに、私も少しずつ落ち着きを取り戻していった。
ほっと一息ついて、ふと床に目を向けると何かキラリと光るものがあった。
どうやら咲十子ちゃんが倒れた時に食器か何かが割れてしまったらしい。
寿千代君がうっかり手を触れる前に、慌てて欠片を拾い集める。
そして最後の欠片を拾い集めた瞬間、目の前が真っ暗になっていくのを感じた。
「ウソ・・・・。何で・・・何でコレが咲十子ちゃんの所にあるの!?」
間違えるはずがない。
だって準備は慎重に行ったはずなのだから。
ちゃんと間違えないように自分にだけ解るようにしていたはずだ。
なのに何故これが咲十子ちゃんの手元にあったのだろう?
これは・・・・これは・・・・
―――――――――――― 鋼十郎様のグラスなのに
516 :
うたかた:04/01/13 14:13 ID:0TYAxBpq
◇◆◇
慌てて自室に戻ると、部屋の片隅に隠しておいたあの本のページを急いで捲る。
いつの間に咲十子ちゃんと鋼十郎様のグラスが摩り替わってしまったのかは解らないが、少なくとも
あの薬が原因で咲十子ちゃんが倒れた事は明らかだった。
アレを女性に使った場合どういう事になるのか・・・少しでも手がかりを探るため必死で探すものの、
やはりそこには手がかりになりそうな事は何一つ書かれてはいなかった。
「どうして・・・どうして何も書いてないのよ!?」
苦しげに息を吐く咲十子ちゃんの姿が脳裏によぎる。
・・・こんな事になるなんて思わなかった。
どうしたら・・・・どうしたらいいの・・・。
「一姫」
不意に声をかけられ振り向くと、いつの間にか九鉄が部屋の中にいた。
「こっ九鉄っ!驚かさないでよ!! 大体何でノックもしないで部屋に入ってくるのよ!?」
慌てて本を元の場所に隠す。
ばさばさと何冊か本が崩れてきたけれどそんな事に構っている余裕などなかった。
「ん〜俺はちゃんとノックしたぜ。一応年頃の女の子の部屋だしな。で・・・・何隠してるんだ?」
いつも通りの飄々とした口調で九鉄は何気に確信をついてくる。
その言葉に心臓が止まりそうなほど驚きながらも、何とか平静を装って言葉を返す。
「べっ別にっ!隠してる事なんて何もないわよ!!」
九鉄に言ってしまえば楽になれるのかもしれない。
でもこんな事・・・言える訳ないじゃない・・・。
517 :
うたかた:04/01/13 14:15 ID:0TYAxBpq
「・・・なぁ一姫。知ってるか? 一姫がウソついてる時、右の眉がひょいってあがるんだぜ」
にやっと笑いながら、とんとんと右の眉を軽く叩かれる。
「うっウソ!?あがってないわよ!!」
慌てて右の眉に手を当てる。
そんな・・・そんなクセなんてある訳ない・・・。
「う・そ♪」
ぴんっとおでこを弾かれ、おどけた様に笑いながら、軽くあしらわれてしまう。
こっ・・・こんな手に引っかかるなんて〜〜〜〜〜〜〜!
「まったく・・・何年オマエのお目付け役やってると思ってるんだよ!そんなクセなくても俺には解るんだよ。
ほら 怒んないから言ってみな」
くしゃくしゃと頭を撫でながら宥めるように私を見つめる。
いつもそうだ。
私が何か怒られそうな事をした時には、気付けばいつもこうして傍にいてくれる。
それがいつもの九鉄だったから・・・本当にいつも通りの九鉄だったから・・・・。
「ど・・・・・どうしよう 九鉄〜〜〜〜〜」
思わず堪えてきたものが堰を切ったように溢れ出して止まらなかった。
518 :
うたかた:04/01/13 14:17 ID:0TYAxBpq
◇◆◇
カチ コチ カチ コチ・・・・・
時計の音が静かに部屋に響いている。
鋼も九鉄も部屋を出ているから、今ここにいるのは俺達二人だけだ。
・・・咲十子はまだ目を覚まさない。
今は呼吸も安定して落ち着いているものの、時折苦しそうにしている咲十子を見ると胸が締め付けられる様に苦しくなった。
「・・・・咲十子」
ぎゅっと咲十子の手を握る。
咲十子がすぐに俺の所へ戻って来れるように・・・・強く・・・強く・・・・。
握っている咲十子の手が微かに震えている。
咲十子が寒いのかと思って慌てて毛布を掛けようとしたら、情けない事に震えているのは俺の手だった。
しっかりしろと思っても震えは止まらない。
何とか震えを止めようとぎゅっと手を握り締めていると、ふと母さんの事が頭をよぎっていった。
『風茉 いってくるわね』
母さんを空港まで見送りに行った時、いつもの言葉を残して母さんは旅立っていった。
・・・まさかこれが最後の言葉になるなんて思わなかった。
いつものようにただいまと帰ってくると信じていた。
それなのに死は容赦なく母さんを奪っていった。
そして親父も・・・死によって突然奪われてしまった。
519 :
うたかた:04/01/13 14:18 ID:0TYAxBpq
―――――― もしこのまま咲十子が目を覚まさなかったら?
馬鹿な事を考えるなと必死で考えを振り払おうとしても、ドス黒い不安が心の中を覆っていく。
いつもの日常がちょっとした事で呆気なく崩れるものだという事を、俺は嫌というほど解っていた。
咲十子がいると俺はどこまでも強くなれる。
でも咲十子がいないと俺は・・・・こんなにも脆い。
神様が本当にいるのかどうかなんて解らない。
でももしいるのなら・・・・どうか・・・・どうか・・・・
―――――― 頼むからこれ以上・・・・俺の大切な人を奪わないでくれ・・・・。
手が真っ白になるくらい強く握り締めながら、俺は祈るように咲十子の傍にいる事しか出来なかった・・・。
520 :
うたかた:04/01/13 14:24 ID:0TYAxBpq
今回はここまでです
投下した後にタイトル入れ忘れてのに気づいてちょっと鬱_| ̄|○17カラ22イレワスレタヨ・・・
力量不足で中々エロまで到達できず申し訳ありません
なるべく早くいけるようにがんばりまつ
521 :
うたかた:04/01/13 15:33 ID:0TYAxBpq
>>512様
今試した所私も行けませんでした(つД`)
どうしたのでしょう???
こぱんださん大丈夫かな・・・?
522 :
こぱんだ:04/01/13 17:18 ID:qxUsnvbr
こんにちはHPが観れなくなってますね。
現在サーバーを借りているHP自体がダウンしてるみたいです。
かの国の影響で無ければいいのですが…
もしこのまま復活が見込めない場合はどーしよ(´・ω・`)
キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!
うたかたさん、お疲れさまです!
風茉君も一美ちゃんも、切ないです〜(´д`;)。
ワタクシ的に九鉄が激しくツボですた。
続き、お待ちしております。
>こぱんださん
かの国とは、喜び組に鼻の下をお伸ばしあそばしてる方のおわします国でしょうかw?
うぅ、サーバーの復旧を祈ってます。
でも、こぱんださんが白泉から圧力をかけられたとかじゃなくて良かったです(*´∀`*)。
連投すみません。
>523も私です。
>こぱんださん
サーバーがダウンしても、データは大丈夫なんでしょうか?
もし、復旧するのに原稿がいるんでしたら言ってくださいね。
それくらいしかお手伝い出来ませんが…。
連投すみません。
>523も私です。
>こぱんださん
サーバーがダウンしても、データは大丈夫なんでしょうか?
もし、復旧するのに原稿がいるんでしたら言ってくださいね。
それくらいしかお手伝い出来ませんが…。
526 :
こぱんだ:04/01/13 18:40 ID:qxUsnvbr
心配おかけしてすみません。
でも現在サーバーを借りているRibbonネットワークさん自体が
接続できない状態なので復旧を待つしかなさそうです。
とりあえずHPのバックアップは残してあるので
もしこのまま復旧しない場合は他を探して再開…できるかな。
>木登りさん
かの国は最近2ちゃんで話題の F5アタックなお国です。
電波2ちゃんも消えちゃったしね。
うぉ!なぜか2重カキコしてるし_| ̄|○
鶏さんに埋もれて逝ってきます。
>かの国
自分が出没する板やスレは被害がなかったんで知りませんでした。
恐ろしや(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
528 :
うたかた:04/01/13 20:59 ID:0TYAxBpq
>こぱんだ様
そ・そんな事になっていたとは・・・(つД`)
1日も早く復旧出来る様お祈りしています
かの国が何なのかよく解りませんが、どうやら大変な国の様なので
とりあえず(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
529 :
うたかた:04/01/13 21:45 ID:0TYAxBpq
∩___∩
| ノ ヽ
/ ● ● | サイト復活したクマ──!!
| ( _●_) ミ
彡、 |∪| 、`\
/ __ ヽノ /´> )
(___) / (_/
| /
| /\ \
| / ) )
∪ ( \
\_)
キタ――♪ o(゚∀゚o) (o゚∀゚o) (o゚∀゚)o キタ――♪
さっきダメモトで、まとめサイトへ行ってみたところ、復活してましたよ!
データも消えてないみたいでした☆。
それに加えて、絵掲示に新作がきてて萌えました。
531 :
こぱんだ:04/01/13 23:06 ID:qxUsnvbr
御心配おかけしましたが、復活してくれてよかった。
・゚・(ノД`)・゚・。
皆様のお心使い感謝いたしております。
へっぽこまとめ人ですがこれからもよろしくお願いいたします。
ということで今夜新作あぷします。
左介×千代 完結です。
恐れ多くも本編とリンクしたお話にしたので、これからの展開でどのようになるのか
ビクビクです。
それでは、どうぞ!
□ □ □
全身がビリビリとしびれてやがる。
まるで、身体に弱電流が流れてるみてぇだ。
もっとも、気持ちのほうもずっと前から痺れたままだったんだけど。
身体より、そっちのほうが重症だな。
少しずつ千代姉の毒にならされて、気がつきゃ身動きも取れなくなってた。
さっきの乱暴が俺に出来る最後の抵抗だったんかもな。
どうせ、薬を盛るんだったら催眠剤で記憶を消すか、いっそ殺してくれりゃあいいのに。
いつかはきっと、届くんだろう。
そう思って毎晩、背伸びをしても星には届かなかった。
今はもう、姿さえ見えなくなった。
俺は、一度も触ることが出来ずに星を諦めちまった。
そしてまた、こんな中途半端なところで、千代姉に向かって伸ばした手を引っ込めなけりゃならない。
最後まで、決まんねーな。
俺の体の下敷きになった千代姉の柔らかく暖かい身体を感じると、勝手に目から涙が零れ落ちてきた。
「…わかってるわ。左介。あんたが理由もなくこんな無茶をするヤツじゃないってこと。」
何で、そんな優しい声出すんだよ。俺は慰められてぇんじゃねぇ!
もっと、怒って怒鳴って、部屋から放り出すなり縛り上げるなりしてくれよ。
思い切り、ボロボロにならなけりゃ諦めらんねぇよ!
どうして!そんな優しい手で髪を梳くんだよ。
あんまり惨めじゃねぇか。最後までただの馬鹿な弟だっていうのかよ。
「あんたは優しいから、いろんなことを胸に抱えすぎてるのね。望のことも、才蔵のことも、…私のことも。」
止めたいと思うのに、涙はとまらねぇ。
千代姉に顔を持ち上げられ、正面に向き合うようにされる。
俺の涙が、千代姉の顔にかかる。
「ストイックなあんたの表情、すごく色っぽい。私を見る目はいつも何かを我慢しているようでゾクゾクしてたわ。…でも、今日はなんだか、瞳の色が違うみたい。」
俺の身体を押しのけて、仰向けにすると、転がっていた水のボトルを口に含み、それを俺の口に流し込んできた。
ただの水よりも少し粘度を持って口に浸入してくる。
舌の痺れが少し取れた。
俺の口から溢れ、筋になって流れ出した水を、千代姉がぺロリと舐め取る。
「今日のあんたを放っておくと、遭難しそうだって思ったの。なんだか、星の見方も方角の図り方も知らないくせに砂漠に出かけようとしてるみたいだった。」
突然、俺のシャツを脱がしはじめた。
俺の胸に手を載せて、自分のトレーナーをおもむろに脱ぎ始めた。
なにが、起ころうとしているのだろう。
「あんたが言いたくないのなら、何があったかは聞かないわ。…解決することは出来ないけど、一瞬でも忘れさせてあげることは出来る。」
「…そ…なこと、、して、欲し、、じゃね…。」
情けないことに、流れつづける涙を、千代姉が舌で掬い取る。
「あんたがずっとそんな顔してたら、私が困るわ。…だって、誰にも見せたくないんだもの。独り占めしたいのよ。あんたの弱いところ。」
「趣味、…悪ぃよ。」
「…今だけ、忘れちゃいなさい。こんなに弱ってるあんたは、私しか知らないわ。」
「一ば…、知られ、たく…ねぇ。…好きな…女に…。」
「もう、黙りなさい。」
ゆっくりと、千代姉の唇が俺の口をふさいだ。
時々、柔らかい乳房が俺の胸に当たり、尖った先端が、かすかに俺の肌を掠めた。
□□ □
千代姉の細い指が、体中を撫でる。
痺れ薬の感覚と、くすぐったい感覚が混じってもどかしい。
時折、爪で刺激されると体が勝手に、ピクッと反応する。
ゆったりと微笑んだ後、おもむろに首筋から舌が這わされる。
カチャカチャという音のするほうを向けば、舌で愛撫しながら、ベルトをはずしている。
滅茶苦茶なさけねぇ、状態だってぇのに身体は正直に反応してやがる。
こんな、されるがままじゃなく、俺があの柔らかい胸を掴みたかったのに…。
消えることがないように、強く強く印を刻みたかったのに…。
今の俺は、なんなんだよ。ただ情けない声をださねぇように、意地張ってるのが精一杯だ。
「気持ちいい?感覚はあるでしょう?」
「解毒剤…くれ…よ。」
「だぁめ。左介に逃げられると困るもの。」
強い刺激に、思わず声が漏れた。
千代姉の手が俺の分身をゆっくり擦っている。
「千代、…やめろ…!」
「もう何も考えないで、気持ちよくなることだけ。今は、それだけでいいのよ。」
手際よく、避妊具をつけるとショートパンツと下着を一緒に脱ぎ捨てた。
理性では止めて欲しいと思っているのに、本能の部分で次に与えられるであろう快感を待ち望んでいる。
俺の先端が入り口を押し広げたとき、千代姉がはじめて甘い声を漏らした。
視界の端に移る千代姉の太ももに蜜の垂れた跡が見える。
つぷ、、ちゅぷリ。
ゆっくりではあるが、確実に飲み込まれていく。
千代姉の中は熱くてグチョグチョで何かが動いているみたいですぐにいっちまいそうなほど気持ちいい。
今までで、一番気持ちいいと思うのに、心の端になんだか苦いものを感じる。
「左介、っ気持ちいい?」
何度も繰り返された質問に、ようやく素直に答える。
「滅茶苦茶、気持ちいい。もぉ、出たくないかも。」
ニコリと満足げに笑うと、だらりと垂れた俺の手を、自分の柔らかい胸に押し付けながら、千代姉は動き始めた。
気持ち良いのに、動けないというのがなんとも、もどかしい。
押し当てられている手は、もっともっとというように、徐々に力が増していく。
体全体や、腕を持ち上げたりすることは出来そうにねぇが、指先に力を入れることくらいは何とかなりそうだった。
俺の腹の上で、乱れる千代姉はずっと俺の名前を呼んでいる。
たぷたぷと揺れる乳房越しに、額に髪を張り付かせて必死に俺を呼んでいる。
きゅうきゅうと締め付けが強くなる。
徐々に上り詰めて、2人とも同時に絶頂を向かえた。
あぁ、俺こそ今の千代姉の表情を独り占めしたい。
ずっとこうして、2人だけでいられたら良いのに。
現金にも、それまで俺の頭の中を支配していた考え事から、完全に解放されていた。
□□ □
痺れもだんだんと取れ始め、腕が上がるようになった。
俺の上で息をついている千代姉を、抱きしめるというにゃ弱弱しい手つきで捕まえる。
あがった息が収まり始めた頃、また、千代姉がボトルの水を口移しで飲ませてくれた。
さっきとは違う何かが、喉を通る感触があった。
「今、あげたのは睡眠薬よ。今日はもうこのまま寝てしまいなさい。何も考えずに。」
千代姉の言葉を全て聞き取る、まもなく暴力的な睡魔に襲われ何の光もない、真っ暗な闇の中に落ちていった。
かすかに聞こえるバイオリンの音はいつのまにかちっこいころの、歌声に変わり、
まぶたの裏には、成長した姿で優しく微笑む千代姉の顔を残して…。
□□ □
朝、起きてみると、千代姉は今までどおり、まるで昨日の夜のことは無かったみてぇだ。
それでも、頭に残る重苦しい眠気が睡眠薬の名残だと主張している。
あれは、夢じゃねぇ。
でも、俺達の関係は対して変わっていない。
きっと、動物と同じように、兄弟が傷ついていたら舐めて直してやるように、
千代姉は俺にしてくれたんだと思う。
朝早く、アパートから殿のマンションに戻る。
結局、何の問題も解決して無ぇから、また色々考えなけりゃならないんだけど、
一晩、空っぽになったおかげでほんの少しだけ、気が休まった。
『2週間後の水曜…。』
望兄の声がまた、蘇る。まだ、何にも解決しちゃいねぇんだ。
戻ってきた頭痛の種に、早速、髪の毛をかき乱した。
それでも、千代姉の優しさが不安でいっぱいの心を少しだけ軽くしてくれたことは間違いねぇと思った。
それに、変わっていないような関係でも、ほんの少しだけ進展したような気がしてる。
一番、格好悪ぃ所を見られちまったから、千代姉には無防備なところも見せれると思う。
もう少し、俺はこの星空の無い都会で過ごさなきゃならねぇんだろう。
でも、俺は、あの真っ暗な中にたくさんの星があることを知ってるし、どんなに無理だと思ってたことでも努力を止めなけりゃちっとは近づけるっていうのも、分かってきたよーな気がしだした所だ。
まだまだ、掴み所無ぇけどな。
考え事が多すぎて、学校どころじゃねぇ。そう思いながらも、周りに合わせて学校に行く事にした。
―the end― を入れ忘れてました。
>こぱんださん
サイトへUPの際は、↑も入れてやってください。
恋人同士ではないけれど、お互いを大事に思いあってる関係を書きたいと思ったのですが、
どうにも、力不足です。
本編につながりが悪かったり、おかしいところもあるとは思いますがお許しください。
少しでも、楽しんでいただければ嬉しいです。
540 :
うたかた:04/01/14 21:15 ID:DMw0WSJb
木登りさんの続きキタァァ(゚∀゚)ァァ( ゚∀)ァァ( ゚)ァァ( )ァァ(`* )ハァ(Д`*)ハァ(*´Д`*)ハァハァ
左介×千代もつかれさまです! 私の萌えポイント鷲掴みですよ!!!
千代姉色っぺ〜(*´Д`)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア
そして切ない感じもまた(・∀・)イイ! 萌えますた・・・
うたかたさん、レスありがとうございます。
全ては、6巻のしょぼくれ左介と千代姉の、
「チョーシにのんじゃないのっ」とかのやり取りをみていて出てきた妄想でした。
言葉遣いが独特だったりしたので、イメージを壊してないか不安だったので、
萌えて頂けてとても嬉しいです。
542 :
こぱんだ:04/01/15 00:24 ID:sT/PaPbl
あぷ完了です。
左介の振り回されっぷりにボノボノ
543 :
名無しさん@ピンキー:04/01/18 14:17 ID:m8E0sySj
職人さんにリクエストしてもいいですか?
いいのでしたらぜひ、人形芝居の青子さんが読みたいです。
544 :
うたかた:04/01/20 02:18 ID:FuT5mC92
どうもこんばんわです
>>543様
人形芝居って何巻まで出てましたっけ?
手元に一巻しかないから青子さんが解らない(´・ω・‘)
うぅむ不勉強ですね。逝ってきまつ・・・
では続きちょこっとうpします。どぞ↓
◇◆◇
コンコン
ノックの音で不意に現実へと引き戻される。
・・・鋼だろうか。
医者を呼んだにしてはずいぶん早いなと思いながらドアを開けると、そこには九鉄と後ろに隠れるように
一美が立っていた。
「よぅ坊ちゃん。咲十子ちゃんの具合はどうだい?」
「・・・まだ目を覚まさない」
短くそれだけ言うと、俺は咲十子の傍へと戻っていった。
「そうか・・・。ちょっと話したいんだけどいいか?」
「話・・・? 悪いけど後にしてくれないか」
せっかく来てもらって悪いが、今は誰の相手もする気にはなれなかった。
「いや・・・その・・・何だ」
何だよ一体? どうも九鉄にしては歯切れが悪いな・・・。言いにくい事なのか?
「今の咲十子ちゃんに関係ある話なんだけどな」
何!?
「どういうことだ!何か知ってるのか!?」
思わず九鉄に詰め寄る。
一体咲十子の何を知ってるっていうんだ!?
「まぁちょっと落ち着けよ。 ・・・ほら一姫 ちゃんと話しな」
九鉄に促されて、後ろに隠れていた一美が俯きながらぽつりぽつりと語り始めた。
◇◆◇
「・・・ほぅ。じゃお前が作った妙な薬のせいで咲十子がこうなったんだな」
一字一句噛み締めるように言いながらじろりと一美を睨み付ける。
よっぽどバツが悪いのか、一美は俯いたまま俺と視線を合わそうとはしなかった。
「ったく何でそんなもん作るんだよ!」
「だって・・・・だってやっと少し大人っぽくなったのに全然鋼十郎様相手にしてくれないんだもん〜〜〜〜〜。
まさか咲十子ちゃんが飲むなんて思わなかったし〜〜〜〜〜」
とか言い出すと、一美の奴子供みたいにびぃびぃ泣き始めやがった。
「だからってそんなもんに頼って好きにさせたって仕方ないだろうが!!!」
ぐっと一美が言葉に詰まった。
・・・・・長年の片思いの辛さは俺だって解るし同情もする。
思い詰めてやったの事なのかもしれないが、でもそれにしたってやっていい事と悪い事がある筈だ。
「まぁまぁまぁ一姫もこうして反省してる事だし。それより今は咲十子ちゃんを助ける方が先じゃないのか」
九鉄の言葉にはっと我にかえる。
それもそうだ。今は一美を責めるよりも咲十子を助ける方が先だ。
「で・・・本には何か書いてないのか?手がかりになりそうな事とか」
「・・・てない」
「何だって?」
「だから・・・調べたけど書いてないのよ!!!嘘だと思うなら自分で見ればいいじゃない!!!」
半分逆切れした一美が本を投げつけてくる。まったく・・・キレた女ほど怖いものはない。
一美を放って置いて九鉄と一緒に本を見ると、確かにそこには薬の製法以外のことは何も書いてなかった。
何か・・・何か一つでもいい。手がかりさえあれば咲十子を助けられるのに・・・・。
「・・・ん?」
「どうした九鉄?」
「なんかコレ・・・くっついてるんじゃないか? ホラこのページだけ他と手触りが違う」
触ってみると確かにそこのページだけ微妙に厚さが違っている。
蔵にあった古い本だからきっと仕舞っている内にインクか何かがくっついてしまったんだろう。
破いてしまわないように慎重に剥がすと、ペリペリと乾いた音を立てて少しずつくっついたページが
剥がれていった。
「おっ 取れた取れた。えーと何々・・・
『なおこの薬を女性に用いると強力な媚薬となるので取り扱いには十分に注意すべし』
・・・だってさ坊ちゃん。・・・・・んっ?」
――――――――――― えっ?
「びっ」 「び」 「び・・・・」
『媚薬〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!?』
部屋の中に俺達3人の素っ頓狂な声が響き渡った。
◇◆◇
「おい・・・・一体これはどういうことなんだよ!!!」
「わっ 私だってそんなの知らなかったんだってば〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
また泣きそうな声をあげながら一美が九鉄の後ろにサッと隠れる。
「知らないで済むかよ! 大体なぁお前が・・・」
「だーかーらー 過ぎた事言ったって仕方ないだろ!しかもこの本によると厄介な事に眠りの後にくる
火照りは他者の手によってしか静まらないらしいぜ」
畜生 なんで咲十子がこんな目にあわなくちゃいけないんだ!
今日この日を一番楽しみにしていたのは咲十子なのに・・・・。
「ま・坊ちゃんにはちと荷が重過ぎるよな。しょうがねぇ・・・・ここは俺が一肌脱いで・・・」
と九鉄はおもむろに着ていたシャツを脱ぎだした・・・・
バキッ!!!! ドカッ!!!!
・・・・ところで俺と一美の一撃によってあっけなく撃沈した。
『本当に脱ぐ奴があるか!!!!!』
一美と同時にハモる。
・・・・こういう時は案外気が合うのかもしれない。
「いてて・・・。だってしょうがないだろ。坊ちゃんは帝王学とかはばっちりだけどこっちの方はからきしじゃねぇか」
ぐっと言葉に詰まる。
確かに大人の九鉄から見たら、俺なんかまだまだ経験値の浅いガキかもしれない。
でもだからといって・・・
「だっ・・・駄目だ駄目だっっっ!!!絶っ対に駄目だっ!!!」
咲十子に俺以外の男が触れるなんて絶対に嫌だ!!!!!
「そー言うと思ったよ。やっぱ坊ちゃんも男だもんな。んじゃコレ俺からの気持ち」
そう言うとどこから取り出したのかガサガサと紙袋を手渡した。
「? 何だよ一体・・・」
「ん〜 まぁ開けてのお楽しみってヤツさ♪ 予習にもなるだろうし」
紙袋の中を覗くと、女の体が艶かしくくねった表紙やらDVDやらが目に飛び込んできた。
・・・・いわゆる『男のバイブル』ってヤツだ。
「鋼十郎はお堅いからな〜。俺がお目付け役だったらその辺もきっちり教え込んだのに・・・」
「九鉄っ!!!」
「おっと冗談冗談。 ・・・・んっ?どうした風茉?」
・・・・・お・ま・え・ら〜〜〜〜〜っ!!!!!
「とっととでてけーーーーーーーーーーーっっっ!!!! 絶対入ってくるなーーーーーーっっ!!」
今まで堪えに堪えていたものがついに爆発した。
550 :
うたかた:04/01/20 02:44 ID:FuT5mC92
今日はここまでです
いやはや・・・ディアマのイメージ壊しまくりで本当にすみません_| ̄|○
しのとともに牢屋へ監禁されてきまつ・・・
リクエストとかあると住人の方がいらっしゃるんだと思ってホッとします
出来る限り要望にこたえられればと思いますので、何か好みのカプとかシチュとか
あったら書いていただけるとうれしいです
それではまた
551 :
543:04/01/20 13:32 ID:LIUovhU9
>550
とても、続きが気になります。
かずみちゃんと、風摩くんと九鉄さんのかけあいが、すごくディアマぽいと思いました。
ところで、以前リクエストした人形芝居ですが、2巻まで出てます。
青子さんは2巻に出てくる嵐と静を作った博士です。
キタ━━━━(。A。)━(゚∀゚)━(。A。)━(゚∀゚)━(。A。)━━━━!!!!
頑張れ!風茉w!君ならできる!
すごくワタクシのツボにはまっております。
切なさもあるけど、テンポよくて面白い☆!
イメージ壊れるどころか、ぴったりですよ。続きが待ち遠しいです。
>>543さん
青子さんだと、三波博士ですか?
今、少し忙しいのですぐには無理なんですが、こんなへッポコでよければ考えて見ます。
うたかたさんもおっしゃってますけど、リクとかもらえるとすごく嬉しいです。
力が及ばないことも多々ありますが、ご希望にそえるように頑張ります。
まとめサイトあぷしました。
コレからの展開が気になります〜。
554 :
うたかた:04/01/21 00:35 ID:lHe6Wm1y
レスありがとうございます〜。・゚・(ノД`)・゚・。 イメージが壊れてないようでヨカッタです
ここのシーンは書きたくて書きたくてウズウズしてたので楽しく書かせていただきましたw
薬ネタひかれそうですが、エロまで突っ走りまつ
>>543様 情報ありがdです!さっそく本屋&ブクオフに探しに逝ってきま〜す
555 :
543:04/01/22 10:55 ID:NV1hTZr8
>552
そうです。三波博士との関係が気になるのでぜひお願いします。
その後の話で、沖縄まで博士が押しかけるようなのが読みたいです。
>555
私も読みたくなりました…クールな青子さんすきーヽ(´∀`)ノ
557 :
名無しさん@ピンキー:04/01/24 13:55 ID:aTQLhSes
新作・続き期待あげ
558 :
名無しさん@ピンキー:04/01/24 16:11 ID:mOxXQjZu
新人さんも来てくれんかなぁ 一美と鋼の話が読みたいけど今いる作家さんはかかなさそう いつも楽しませてもらってるんだけどね
559 :
うたかた:04/01/25 00:23 ID:0WPzYwkv
>>558 いえいえ そんなことはないですよ〜(;^^A
なにげに次回は一×鋼を予定していましたので、今書いてるものを消化してから投下したいと思います
遅筆で申し訳ないですが、気長にお待ちくださいませ (早く書かにゃぁ・・・_| ̄|○)
新人さん&職人さんもたくさん来てくれるとうれしいです
こんなヘタレでも懲りずに駄文を投下してますんで、どうかどうか新人さん&職人さんカモーン!!!щ(゚Д゚щ) カモーン!!!
560 :
kopa:04/01/25 03:00 ID:b+wuGILF
TOP絵などもカモーン!!!щ(゚Д゚щ) カモーン!!! (←パクリ)です。
今ならもれなくあなたのイラストに花ゆめコミックス風のフレームをお付けします。
コレけっこう笑えますよ。
一美ちゃん×鋼さんかぁ…どんなストーリーになるんだろう。
もし自分が一美×鋼で妄想するなら…
ある日突然恋愛対象外の女の子であった一美が…
これってさとこ&ふーまと同じだ…
ダメぽ _| ̄|○
↑こぱんだって書こうとしたら途中で送信。
さらにダメぽ _| ̄|○
562 :
543:04/01/25 11:51 ID:1XERKxay
>558
ここの職人さんは(住人さんは)皆さん優しいです。
最初からだめだと思わずにお願いしてみてはどうですか?
職人さんの負担になってもいけないかとは思うんですけど。
でしゃばってごめんなさい。なんだか気になったので書き込んでしまいました。
ロム専に戻ります。
絵の職人さんもこないかなー(・∀・)ウキウキ
高尾同人ってどれくらいいるんだろう
まとめサイトのコミック風フレームワロタ
こぱんださん乙です&(・∀・)イイ!
見てきますた。
こぱんだタン&イラスト職人タン GJ でつ!!
566 :
こぱんだ:04/01/26 23:51 ID:znZUoMQI
コミック風フレームを面白がってくれる人がいてくれて嬉しッス。
よーしパパ次は
ディアマのコミックスの色でフレーム作っちゃうぞ(・∀・)b
567 :
こぱんだ:04/01/28 22:32 ID:FoDojpzF
TOP絵のコミックス表紙の一部を押すと中身(もちろん嘘っこ)が
読む事ができます。よかったら探してね。
568 :
梨:04/01/30 22:46 ID:WIgtCLGi
こぱんださん、コミクス風フレームワロタ
そしてTOP絵感激です。
殿のパラパラ漫画ラクガキも(・∀・)いい!
ディアマフレームも楽しみにしてます。
569 :
こぱんだ:04/01/30 23:37 ID:4gBxGMIu
ディアマ風フレームはいつでもGOできる状態ですよ〜。
あとはディアマイラストを待つばかり☆
絵描きさんщ(゚Д゚щ) カモーン!!!
コミック風フレーム、すごく(・∀・)bイイです。
梨さんの、可愛らしいイラストにひかれて中をのぞくと
殿のように雄たけびを上げることになるかもw…?
ディアマ編も楽しみです☆。
絵描きさんのイラストに合わせて書いてみたりしたいなぁ。
心の広い絵描きさんщ(゚Д゚щ) カモーン!!!
早速ですが、絵掲のせせりさんのイラストで妄想してしまいました。
許可とってから書けという感じですが…(汗。
本当に短くて、エロなしですが良かったらどうぞ。
せせりさんのイラストから
珍しく静かなある昼下がり。
咲十子は部屋で何か書き物をしているみたいだ。
あまりに真剣な様子が気になって、何を書いているのかひょいっと覗きこむ。
「あっ,風茉君。」
どうやら手紙を書いているらしい。
「誰宛の手紙なんだ?まさか、俺以外の男にやるんじゃないだろうな?」
そんなことがあるわけないと信じられるから、言った冗談だった。
しかし、ペンを走らせる咲十子の手の横に汚い字で書かれた「倉田先生へ」という封筒があるのを見つけてしまった。
「ふふふ、私だってラブレターもらったりするんだよ。」
そうだった、あまりに家の中が上手くいってるもんだからうっかりしていた。
咲十子は毎日、俺以外の男と会っているんだ。
それがたとえ、同僚や生徒であろうとも。
咲十子のことは信じてるし、今の咲十子の様子からも何も問題がないのは分かった。
俺はその辺のガキとは違うと自認している。
中坊のラブレターに嫉妬するなんて、馬鹿げている。
ここは、広い気持ちで余裕があるところを見せよう。
「お世話になった方だし、ちゃんとお返事しないとね。私には風茉くんがいるんだもん。」
なに??!!
いま、お世話になった方って言ったか?!
つまり、その手紙の主は同僚ってことかよ?!
正直に言おう。
俺の咲十子に横恋慕たぁ、いい度胸だ。大人気ないのは百も承知だが一瞬で殺し屋リストが頭をよぎった。
怒りで煮えくり返る,俺を静めたのは咲十子のこの一言。
「風茉君、いいんだよね?私、風茉君の婚約者で…。」
いまだに咲十子のなかで不安があるのかもしれない。
「当たり前だ!地球がひっくり返ってもそれはかわらねーよ。」
「風茉君、大げさ。」
そう言いつつも、すごくほっとしたような柔らかい笑顔に俺の怒りがなだめられてしまった。
しかし、俺以外の男のことを考える咲十子を見るのは内心面白くない。
たとえ、断りの手紙を書いているとしても。
集中している咲十子の背後に座り、髪の毛をすくった。
「もぉ、風茉君、邪魔しないで。」
まだ、手紙を書くことに集中していてこちらを確かめもしない。
ゆっくりと柔らかい感触を確かめ、口をつける
咲十子の匂いを胸一杯吸い込む。
息を吹きかけ、耳たぶをくわえる。チロチロと舌で刺激を与えると字を書いていた手が止まった。
「これじゃあ、集中できないよ。」
「いいんだよ、俺しか考えられないようにしたいんだから。…ベッド。行く?」
コクンと頷く咲十子の耳はほんのりピンクに色づいていた。
「風茉君の、いじわる…。」
男心が分かってないな。ますますいじめたくなるじゃないか。
ご期待通り、俺のことしか見えないくらいいじめてやるよ。
どうやら俺は、かなり嫉妬深いらしい。咲十子に関しては…。
―the end―
即興で書いたので変なところがあったらすみません。
せせりさんにも気に入っていただけるといいんですが…。
次回は、人形芝居で考えております。
576 :
せせり:04/02/01 00:59 ID:cAs+OrCp
>>木登りブタさん
あの絵からこんな素敵な文章書いていただけてシアワセー&モエーでつ(*´Д`*)
許可なんて気にしないで書いていただいて全然おっけーでつYO!
人形芝居も楽しみにしてまつ!
577 :
こぱんだ:04/02/01 21:47 ID:U3moK3n/
おつかれさまでつ〜
更新したいのですが、ちょおーっとばかり気力体力が‥
明日か明後日には更新できたらいいなと思ってます〜。
もうねるぽ。(←小学生並み)
>せせりさん
気に入っていただけてよかったです。
ほっとしました。また、素敵なイラスト見せてくださいね!
>こぱんださん
大丈夫ですか?!
巷で話題のインフルエンザとかでなければよいのですが…、心配です。
マターリマターリ、体と心の健康、第一で参りましょう。
それでは、私もマターリ人形芝居のできたところまで投下させていただきます。
なんだか長い話になりそうな予感です。
嵐と暮らすようになって、もう何年たつのか忘れてしまった。
この島はのどかで、都会のような騒音は一切ない。
聞こえる音といえば、寄せては帰す波の音と漁船のエンジン音。
近所の人々はよそ者の私達に本当によくしてくれている。
「青子さん、嵐くんにお魚渡しておいたから、今夜食べてね。」
「明日、本島まで行くけど用事あるなら乗ってくかい?」
「また、台風の季節がくるけど、ちゃんと準備はしてるのかい?父ちゃんに行かせようか?」
「困ったことがあったらなんでも、言うんだよ。」
何年も前、知り合いもいないこの島に突然やってきた女が、すぐに人の輪に入ることができたのは、
間違いなく嵐の、颯之介のおかげだった。
最初は、なんだかすごい勘違いをされていたのよね。
なんだったっけ。確か、私は、指導教官との不倫がばれて大学から追い出された研究者。
嵐は、慰謝料代わりにつれて来られたアンドロイド。だったかしら。
本当に人の想像力って面白い。
島の人たちがとても優しく接してくれていたのには、こういう裏もあったのだ。
今考えると、誰かの家の犬に子犬が生まれたことでさえニュースになる島に、
都会から突然、よそ者の女が入ってきたら相当の大事件だったんだろう。
私が島の人達の勘違いと、暖かさを知ったのは引っ越してから半年後。
三波教授が様子を見にきて下さったときだった。
島の人に囲まれちゃって、三波教授は驚かれたと思う。
もちろん、真相が分かった私と嵐、島の人たちもかなり驚いたのだけど。
島の人たちに大事に思われていて安心した。時には連絡ぐらいよこしなさい。
教授は本当に様子を見るだけで、戻って来いとも颯之介はどうしているとも、おっしゃらなかった。
内心、なにを言われても帰らないつもりだったし、颯之介のことも聞くまいと決心していた。
それだけに、教授の態度に拍子抜けした。
その反面、そのさりげない優しさにさすがにあの人を育てた人だと思った。
もちろん、一筋縄じゃいかないところも彼の親らしかった。
船がもうすぐ離岸するというときに、封筒を手渡された。
□ □ □
教授を載せた船が小さくなるまで、呆然と見送った。
嵐が私の手から、封筒を抜き取り勝手に中身を空けた。
私は、颯之介からの手紙かもしれないと思っていた。
だから、封を切るつもりはなかった。
「嵐!何してるの?!勝手に人の手紙を開けたりしないで!」
「めっずらしぃー!!青子がそんなでっかい声出すなんてな!」
それでも、嵐は封筒を返さなかった。
「俺に来た手紙をどうして青子に見せるんだよ!?」
私の目の前に突き出された封筒には、確かに『嵐へ ぱぱより』、
という、ふざけた宛名が書かれていた。
もちろん、颯之介の字で。
教授もどうしてそんな手紙を私に渡されたのかしら?
颯之介もどんなつもりで、嵐に手紙を書いたのだろう?
少し離れたところで、嵐が歓声を上げた。
「ねぇ。青子見て!これ、俺のパートナーだって。静っていうらしいぜ!な、そんでこの俺とおんなじ色の髪してんのが、颯之介か?」
まだ颯之介の顔は見れない、勝手に別れを決めたのに気持ちはそのまま彼のもとにある。
顔も向けず、家に向いながらぞんざいに答えた。完璧に八つ当たりだ。
「そうよ!その能天気に笑っている男よ。エプロンかなにかもしてるんじゃないの?」
さっきのやり取りで私がまだ怒っていると思ったのか、嵐がボソリつぶやいた。
「顔なんて見えねーよ。後頭部しかうつってねーもん。」
関係のない嵐に八つ当たりしてしまったこと、颯之介が私に顔を見せたくないこと、
2人を傷つけたことに気づいて、胸が痛んだ。
特に、颯之介。こんなこと今までなかったのに…。
気まずくなっても、いつも笑って話し掛けてくれる。そんな彼だったのに。
自分がどれほど彼を傷つけてしまったのか思い知らされた気分だった。
□ □ □
颯之介と出会ったのは、春。大学院の研究室だった。
私は三波教授にあこがれて他大学からあの大学院に入った。
その大学の名前を出せば、必ず聞かれるのが
三波博士と三波博士の秘蔵っ子と噂される颯之介の話だった。
「青子もすごいけど、彼はもっとすごいのよ。しかも美形なんですって。」
「私の友達がそのゼミに入ろうとしたんだけど、応募者多数であぶれちゃったんだって。」
「あー聞いたことある。彼の親衛隊みたいなものができてるって。」
「そうそう、しかもその親衛隊もすごいらしいのよ。秀才に美形ぞろい。」
「さっすがー!!私らとは違う世界だわ。唯一、青子くらい?ついていけそうなの。」
会いもしないうちから、ライバル意識をもってた。
秘蔵っ子だなんて、親の七光りでちやほやされてるだけに違いない。
頭の中の三波颯之介は、お高く留まった嫌味なインテリだった。
私だって、前にいた大学では少しは名前が知られていたし、教授たちは必死でひきとめようとしていた。
それなりに研究の成果も出してきている。
私は彼の取り巻きには成らない。対等に渡り合ってみせる。
まずは、三波教授にご挨拶に行かないと、柄にもなく肩に力が入るほど緊張している。
秘書に聞くと、教授はラボのほうにいらっしゃるということなので、構内案内図を見ながらどうにかたどり着いた。
ノック、1回目。返答なし。部屋が違うのかしら?でも確かにラボはここだわ。
ノック、2回目。ゴトリと物音。やっぱり人はいるみたい。
ノック、3回目。なんだかよく分からないけど、複数の人の声が聞こえる。
ノック、4回目。相変わらず、気付かれていないみたい。少し様子をのぞいてもいいかしら?
ゆっくり、ドアを開け、隙間から覗き込んだ瞬間。
私の視界を遮ったのは、生クリームだった。
とりあえず、ここまでです。
いつも以上に妄想突っ走ってますので、青子さんはこんな人じゃないよー。
という方も多いのではないかと…orz。
生暖かく見てやってください。
583 :
こぱんだ:04/02/03 13:16 ID:UluFFvJs
やっと代休取れたので更新しましたー。
休日出勤いやぽ。
>こぱんださん
休日出勤だったんですね。
本当にお疲れ様でした。その上素早い更新ご苦労様です。
新コミック風フレーム拝見してきました。
私のへッポコ文もまた、採用して頂いてすごく嬉しい☆です。
>>583こぱんださん
乙です〜
何故か「焼餅」を「せんべい」と読んでしまい
新作かしら〜(・∀・)ワクワクとか思ってた…ごめんなさい。。
>木登りさん
こういうソフトほのぼのなお話も大好きなので楽しく読めました!
いつもありがとうございます
586 :
せせり:04/02/04 01:12 ID:oE/e43W0
>こぱんださん
お疲れ様です〜 ディアマフレームもイイ!感激でつ
>木登りブタさん
人形芝居、続き楽しみにマターリ待ってマース!
ああ、高尾作品は本当に皆素敵で色っぽくて愛しいキャラばかりだ・・・
>585さん、せせりさん
レスありがとうございます☆。
全然、上達しなくて困ってますが、それでも読んでくださる方がいるので、
書きたい!!という気持ちになります。
本当にありがとうございます。
それでは、できたところまで続きを投下させてもらいます。
原作からかなり妄想入っていますので、イメージ壊しまくりですが、どうぞ(汗。
□ □ □
「ごっめーん!新しく作ったルーレット式ケーキカットマシンを使ってみたんだけど、回転数の設定を間違えたみたいで…。申し訳ない!」
わなわなと震える手でハンカチを取り出し、顔をぬぐった。
なんなの、このへらへらした男は。
こいつもきっと秘蔵っ子の取り巻きに違いないわ。
「あの、ほんとに大丈夫?………ッぷ!!それより、なんで顔で受けちゃうかなぁ!君。すごい確立だよ!!」
プツン。あ、もうだめ。頭の中で何かが切れた。
ゆっくり、深呼吸。
「あなたねぇ、どうしたらラボでケーキを食べようって話になるのよ!!しかも、本来、飲食禁止のはずでしょ!!
それに、何?!なんなの、ケーキカットマシンって?!そんなもの作る暇があったら、まだ実用化されっこない方言版言語プログラムでも作ったほうがましよ!!
それに、誰のせいで私がこんな目に会ったと思ってるの、あ・な・た・が、一般常識を逸脱したふざけた行動を起こしたおかげよ。私はただ、三波教授にご挨拶に来たの。
あなたみたいな秘蔵っ子の取り巻きの学部生にかまってる場合じゃないのよ!三波教授はこちらにいらっしゃらないのよね?だったら、教授がラボにいらっしゃる前にせいぜい綺麗に片付けることね。」
はぁはぁ。息が切れる。こんなにたくさん怒鳴ったことなんて今まであったかしら…。
まぁ、いいわ。いいたいことは全部言った。
こんな不愉快な場所に長居なんてしたくないもの。
ドアを叩きつけて、近くの構内図で更衣室の位置を確認し、早歩きで更衣室に向った。
挨拶に来ただけだったから当然,白衣なんてきていなかった。
奮発して買ったスーツにもべったりと生クリームがついている。
知らず知らず、ため息が漏れる。
やっぱり、私、もとの大学で身の丈にあった研究をしていたほうが良かったのかしら。
初めての場所で,知り合いもいなくて、これから何年間か顔を合わせる人たちに最悪の印象を与えてしまった。
落ち込むのに、これ以上の理由は要らないほどと思う。どん底の気分だった。
視界が少し、涙でかすんできたとき、騒がしい足音が聞こえてきた。
バタバタバタバタ…。
「おーい!ちょっと待ってよ、そこの、えーッと、えーっとケーキの人!少し言い訳させて!
ケーキを食べようってなったのは君のウェルカムパーティをしようってことだったんだ。
んで、ケーキマシンは俺お手製のはずれ入りケーキをもっと楽しく演出するために必要不可欠だったんだ。
方言版言語プログラムは早速、明日から作ってみるよ。すごく面白そうだ。
あと、そのスーツと顔の被害は俺のせいで間違いないです。すみません。クリーニング代請求してください。
それで、…実はウェルカムパーティの主催者は教授で、あの部屋に…いたんだよね。
で、伝言。『遠方からの引越しお疲れでしょう、挨拶はまた後日でいいですよ』ということです。
もう一つ,これだけはいっておきたいこと。俺、こう見えても今年から院生なんだ。つまり君と同級生。
…きっと君の言っている秘蔵っ子って俺のことだと思う。
これから、よろしく、三波颯之介です。」
呆然としている私の手を勝手に掴むと、両手でぎゅっと握手してきた。
□ □ □
言いたいことを言い終わると、その人は言ってしまった。
「じゃ、俺、ラボ片付けないといけないから。また、明日な!」
なんだっけ、この状況にぴったりな言葉。…台風一過?そんな感じ。
今の、あのふざけた感じの学部生もどきが、取り巻きを従えた秘蔵っ子の三波颯之介なの?
全然,話が違うじゃない。
確かに、顔はかっこいい部類に入ると思うけど、美形というよりは弟みたいなかっこよさだし、だれかいってなかったっけ?ラボにいる彼の姿は話し掛けられたのにも気づかないほど集中してるって。
もう、何がなんだかわからなくなってきた。
色々、考えた結果、とりあえず更衣室に持ってきておいた非常用の着替えに着替えてマンションに返ることにした。
まさか、こんなに早く着替えが役に立つなんて…。
もっと研究が進んで、家に帰る時間もなくなる頃のために持ってきてたのに。
なんだか先行き不安かもしれない…。
「はぁぁぁ…。」
ロッカーのドアを閉めるのと同時に、一番大きなため息が漏れた。
□ □ □
気が付けばキャンパスの中は、すっかり秋色になっていた。
あの悪夢の出会いから半年、どういうわけか、颯之介になつかれてしまった。
これまでの颯之介を観察する限り、噂とはあまりにもかけ離れていた。
実際は、とんでもなく子どもっぽいところもあるし、いつもいつも私にしかられるためにしてるんじゃないかっていうほど、ふざけてる。
そうかと思えば、いざ実験に入ると、すごい集中力と発想力を見せる。
ここだけ、みたら確かに噂どおりかもしれない。
あと、記憶力はいいみたい。なんといっても初対面の時に、私が怒りに任せてまくしたてた発言に全て答えて見せてた事からも、推測できる。
その上、その言い分がまるで女子高の英語教師(生活指導)みたいといって私のことをミス・ブルーなんてふざけた名前で呼ぶ。
研究室にいる女の子のイメージや名前の雰囲気から、ピンクちゃんや、黄色ちゃんって呼んでたのの延長みたいだけど。
あまりに、無邪気に私のことを仲間に引き入れてくれた。
確かに、すごい所も多いけど、なんだか肩透かしを食らったみたい。
もちろん同じ分野で研究者を目指すものとしては、彼は絶好のライバルであることに違いない。
それでも、当初のように何が何でも、彼を負かしてやりたい、鼻をへし折ってやりたいという気持ちはなえてしまった。
そもそも、私が躍起になって対等だと認めさせなくても、最初から、ごく自然に彼が私のことを同じ高さに立っていると認めてくれていた。
毎日毎日、顔を突き合わせ馬鹿なことをする彼を叱り飛ばす。
いつのまにか、何年も前からそうしていたような錯覚を抱くほどになった。
□ □ □
そんなある日、いつものように学食で夕食を摂ろうと、食券の自販機の前にいた。
タイミングの悪いことに、自販機のお釣切れ。私はお札しか持っていなかった。
仕方ない、コンビニでご飯を買って帰ろう。
正直に言うと、私は家事が得意ではない。得意とか苦手のレベルではなく、できないといったほうがいいかもしれない。
研究に関しては颯之介に負けていないという自信があるけど、そういう能力に関しては完敗。
毎日、お茶の時間に配られる手作りのお菓子や、お弁当、颯之介の腕はかなりのものだ。
ま、いいのよ。人には向き不向きがあるんだもの。
コンビニでおむすびやカップスープ、サラダを選んでレジに並ぼうとしたときだった。
「あれ?!ミス・ブルーじゃあん!珍しいね。今日はもう帰りなの?」
ニコニコ、いや、むしろへらへらといった感じで私のほうに近寄ってきた。
「いつもは学食でご飯を食べてから帰るんだけど、今日は自販機にお釣ないし、私はお札しか持ってないし…。」
「ちょーっと待った。いままで、帰りが遅かったのってそれが理由なの?毎日?ミス・ブルーって確か昼飯も学食かコンビニ飯だよね。ちゃんとしたもん食ってんの?!」
颯之介の大きな声で、お店の人の視線が集中している。
「止めてよ!恥ずかしいじゃない。いいのよ、ご飯なんて、おなかが膨れればいいんだから。でも、ちゃんと栄養は考えてるわよ!」
颯之介の顔が少し曇った気がした。しかし、すぐにおちゃらけて、私の手から籠を奪い取って商品を返し始めた。
「チッチッチ♪ミス・ブルー、それは聞き捨てならねぇな。おいしい晩飯は心を安定させるということを証明して見せましょう。ほら、向かいのスーパーいくよ。」
そういうと、有無を言わさぬ強引さで私の手をひいてスーパーに向った。
絶対に自分がコンビニに何をしにきたのか忘れてる。きっと一つのことに目標を定めると他のものが見えなくなるんだ。間違いないわ。
本日分は以上です。
そう言えば、時代設定2700年代でした。
生活があんまり現代と変わってないかも_| ̄|○
きっと細かなシステムや、かかれていないところはすごく進化しているということで
脳内補完、よろしくお願いします(´д`;)。
嵐をつれて青子さん島に移住が23歳。
6話で颯之介29歳、その半年前に青子はやめているから5歳は年齢差あると思われ。
今年から同じ院生同士ってのはちょっと…
颯之介はAI研究室で青子はロボット工学だから研究室は別で共同研究だったんじゃなかったけ。
作品にケチつける訳じゃないが、その辺気になったもので。
>594さん
ご指摘ありがとうございます。
確認しました。不快な気持ちにさせてしまい申し訳ありません。
いつの間にか、勝手に勘違いし同い年カプだと思い込んでたみたいです。
研究分野についても、同様です。
594さんのご指摘を反映させた、改訂版か、少し力技でつじつま合わせしようと思います。
本当にご指摘ありがとうございました。
そして、私の勘違いで気分を害されてしまった方、申し訳ありませんでした。
かなり、無理やりかと思いますがつじつまを合わせて続きを書いてみました。
颯之介と青子さんは工学部のアンドロイド製作研究ゼミでグループ別で研究している
というように考えました。(←無理ありすぎ(汗)
年齢については文中でつじつまを合わせたつもりです。
良かったら読んでみてください。
□ □ □
颯之介の勢いに負けて食材を買い込んだ後、私の部屋で料理講習会が始まってしまった。
でも、ろくに包丁も握れずピーラーでさえ指を切ってしまった私を見て、ようやく釈放してくれた。
「たしか、今、最終プログラミングの最中だろ。キーボード叩けなくなると困るもんな。RXシリーズだっけ?教授、誉めてたぜ。あんな微妙な動きの違いを表現するハードとソフトを作るなんてって。」
軽快に包丁の音をさせながら聞いてきた。話題は当然、研究内容のこと。
同じ工学部でアンドロイド製作を目的とするゼミ内でも、人工知能研究グループとロボット工学グループでは全ての内容は把握しきれない。
私と颯之介の場合、颯之介が毎日ちょっかいをかけてくるから、お互いの研究内容の概要と進行状況くらいは知ってる。
私は、デスクで明日からプログラムする内容とそのプログラムによって稼動させる部分の特徴を確認していた。
「まだ計算上のことだもの。実際に上手く動いてくれるかどうかは分からないわ。そっちこそどうなの?感情のプログラムなんて気が遠くなりそうなことやってるんでしょう?」
研究成果で張り合おうなんて止めたつもりだったのに、つい染み付いた競争心が顔を出す。
対抗意識からでた醜い気持ちに少し、自己嫌悪を覚えた。
キッチンから野菜をいためる匂いがする。自分の部屋でそんな匂いを嗅ぐなんてすごく変な感じがする。
「そうだよ〜。ほんとに気が遠くなりそう。性格特性だけでも山ほどあるし、どう併せ持つかによっちゃあ行動パターンなんて無限になるからね。従来の分析力や判断力だけじゃなくて、感じるってこと、感情による揺らぎも、必要なんだ。」
こういうところは絶対に敵わない。やり遂げようとしていることはすごいことなのに、この人の話し振りは本当に楽しそうでまるでおもちゃに夢中の男の子みたいだ。
「ただねぇ、感情認知のプログラムの理論はかなり詰まってきたんだけど、それを動作で反映させられるだけのハードと動作制御プログラムがねぇ。なっかなか見つからないんだ。」
冷蔵庫を開けて、さっき買ってきたビールを取り出したらしい。
プシュっと炭酸の音が聞こえた。
「ねぇ、ミス・ブルー。君を見込んで頼みたいんだけど、この研究、共同研究にしないか?悪い話じゃないと思うんだ。新しい分野だからそりゃあ、大変だけどさ。君と一緒ならできそうな気がするんだ。」
突然に申し出に思わずペンが止まってしまった。
感情を表現できる人工生命体の作成。
もちろん、この分野の研究者なら誰もがいつかは到達したいと思うに違いない。
「………いいわよ。でも、明日の起動実験でRXが上手く動いてくれたらね。そうすれば、それだけ大変な研究でも達成できるって思えそうだから。」
少し謙遜しすぎたかしら。そう思ってキッチンに顔を向けるとうれしそうに微笑む顔が目に入った。
「じゃあ、決まったようなもんだな。教授の太鼓判つきの実験だ。失敗するわけないからな。
ちょうど料理もできたことだし、祝杯をあげようぜ!」
おいしそうな料理がお皿に載ってやってきた。
ローテーブルに移動し、床に座りソファに凭れるようにした。
「颯之介、悪いんだけど私はジュースがいいわ。」
すすめられたビールをテーブルにおくと、少し不満そうな顔をした。
「なに?ミス・ブルー、酒弱いの?無理はしなくてもいいけど、折角なんだし一緒に飲みたかったなぁ。」
「あと3年したらね。」
私の発言にすごくキョトントしてる。なにかおかしなこと言ったかしら?
「なんで?」
「別に良い子ぶってる訳じゃないんだけど、大昔からの法律だし、お酒は二十歳にならないと…。」
奇妙な沈黙。
「ッてことは。…き、君、今、17…なのか?」
何を今更、驚いているんだろう。スキップなんて珍しくもないのに。
それに本人にも聞こえてくるくらい最初の3ヶ月は噂されてたのに。
この人、本当に知らなかったのかしら。
「そうよ。この前の誕生日で17になりました。そういう訳なのでジュースで勘弁してね。」
彼とは対照的に私は大人びて見られてきたからこういう反応には慣れてる。
いつもなら、それがどうしたのよ、年齢が何か問題あるの。と少しいらだつのだけど、どういうわけか彼の反応は許せてしまった。
それどころか、なんだかほほえましいというか、可愛いというか颯之介に言うと怒られそうな気持ちになっていた。
□ □ □
共同研究をはじめてからもう、3年が経とうとしていた。
2人の関係が変わろうとしていた。
いつものように、私の部屋で颯之介が晩御飯を作ってくれた。
折角の誕生日だから、そういっておいしいカクテルを作ってくれた。
颯之介も酔っていたし、私もはじめてのお酒で少しフワフワしてた。
それまで誤魔化していた気持ちが溢れ出した。
2人とも催眠術でもかけられたかのように引き寄せられて、お互いの唇が触れるように重なった。
その瞬間は少し驚いたけど、心の中にはやっぱり。という気持ちもあった。
ほろ酔い気分なことも鉄だって、頬があつかった。
もう一度、颯之介と目があった。ゆっくり重なる唇。
軽く唇を噛まれた。驚いて少しあいた隙間から、颯之介の舌が入ってきた。
急に酔いが覚めた。顔を離そうとしてもがっしりと頭を掴まれていたために体勢が崩れただけだった。
そのまま、床に倒れこんでしまった。
目に入っているのは、颯之介なのに、頬をくすぐるのは、あの柔らかい金の髪なのに、……怖いと思った。
私の目から溢れた涙に気付き、颯之介が飛びのいた。
「………ごめん。」
そういって、彼は部屋から出て行った。
あの日から,二人の間はギクシャクしている。
いままで、人はどういう感情ならどのような行動を起こすのか、そんなことばかりを考えてきたのに、
今、颯之介がどういう気持ちであんなことをしたのか、あの「ごめん」にどんな意味がこもっていたのか私にはわからなかった。
冷静に全ての可能性を考えようと思うのに、頭に浮かぶのは酔っ払って勢いがついただけ。
という自分にとって一番悲しい理由だった。
颯之介と過ごす日々は楽しくて、騒がしくて、だけど、今までで一番気持ちが安定していた気がする。
研究も順調な経過をたどっているし、院を卒業したら国立研究所へ来て欲しいという打診も来ている。
最初に颯之介に抱いていた対抗心は180度ひっくり返って、信頼感になっていた。
とりあえず、ここまでです。
他にも気になるところがあったら指摘お願いします。
あ、青子さんが可愛い…。
この先の展開が非常に楽しみです。
602 :
名無しさん@ピンキー:04/02/10 11:35 ID:CBrFZHdy
人形芝居(;´Д`)ハァハァあげ
603 :
こぱんだ:04/02/10 20:51 ID:BUThJ+4c
まとめサイト更新しました
>601さん、602さん
レスありがとうございます。
>こぱんださん
いつも更新、ご苦労さまです。
できたところまで、投下します。
青子さんも颯之介もキャラが違いすぎて恐縮ですが、よかったら読んでやってください。
□□ □
颯之介と必要以上のことを話さなくなって、1週間が経とうとしていた。
心なしかラボの空気も重苦しい。
いつも大騒ぎしながらやってくる颯之介が静かに来て、何もちょっかいをかけずに帰るからだ。
それに、私も自分のそっけない態度にイライラして不機嫌のオーラを発してしまっている。
かっこ悪い。こんなことじゃいけないのに気を抜くとすぐに子ども扱いされてしまう。
実験の合間のお茶の時間だった。
グループ内の先輩が話し掛けてきた。
「あ、あの…ミス・ブルー、その、聞きにくいんだけども…三波さんと喧嘩したの?あの、私で良ければ、相談乗るわよ。」
「そんなの関係ないじゃないですか!それに、私、颯之介と喧嘩なんかしてません!今までがおかしかったんです。」
あ。だめだ。心配していってくれてるのは分かるのに…。
また、何かが切れてしまった。言葉が勝手に口から飛び出した。
「そ、そうなの…ごめんなさいね。余計なおせっかいだったわ…。」
こんな自分嫌い。
コントロールできない感情なんて、なくなってしまえばいいのに。
どうして、こんなめんどくさいものを感じるアンドロイドを作ろうとしてるのかしら。
もし、出来上がったとしてもそのアンドロイドたちが私と同じよう感情を疎ましく思ってしまったら、
ただ、不幸な人を増やすだけなのかもしれない。
デスクに突っ伏せるように考え込んでいた私は、今の状況が何もかも面倒くさくなった。
「すみません。気分が優れないので早退します。」
さっきのやり取りを見ていて、遠巻きに私を見ていたグループの人たちはあっけに採られているようだった。
自分でも、唐突過ぎる行動だと思うし、こんなことをするのは大人気ないと思う。
でも、もうすぐ颯之介がやってくる時間だった。
とにかく早くこの場から、立ち去ってしまいたかった。
□ □ □
一目散に部屋に帰った。
明るい部屋に帰るのはいつ振りかしら。
自分の部屋なのに、まるではじめてきた部屋のようによそよそしく感じた。
そっけない部屋。
女の子の部屋ではないわね。
本棚に並ぶ専門書に、ブルーのブラインド。全体的に男っぽい。
ソファに身体をあずける。
あの日と同じ場所なのに、全然違うところにいるような変な感じ。
もっとも、平日は朝から晩までラボと研究室にこもっていて明るいうちに部屋に着いたのなんて、最初の1〜2週間くらいだった。
そんなに長い時間を一緒に過ごしてきたのに、あの数分の出来事だけで関係が崩れてしまうのだろうか…。
もう一度、落ち着いて考えてみよう。
あの時、…キスされたとき。
嫌じゃなかった。むしろ、嬉しかった。…颯之介はただ、酔った勢いだったのかもしれないけど。
最初はびっくりしたけど、なんだかフワフワ気持ちよくて、あったかい感じ。
だけど、キスが深くなったときただ心が恐怖に支配された。
大人の恋愛がどんなものかは、もちろん知っていた。…つもりだった。
それまでどこか弟のように思っていた颯之介が男の人になった瞬間、気付いていなかったことに怖くなった。
どんなに大人ぶっても常識ぶって颯之介を叱り付けていても、恋愛については私はまだ何も知らない子どもだった。
私は颯之介を男の人として好きなのだろうか?颯之介は、こんなに女の子らしくない私のことを好きでいてくれるんだろうか?
迷宮をさまよっているみたいに同じ考えが頭を回る。
ゆっくりと目を閉じたときだった。
□ □ □
セキュリティシステムが甲高く鳴り響いた。
『来客がお見えです。モニターとインターフォンを接続しますか?』
誰だろう、こんな昼間に私を訪ねてくる人なんていないわ。
最近は物騒になったからおんなのに1人暮らしだと知られるのは危険。
それに、今、そんなやり取りする気力がない。無視することに決めた。
『来客がお見えです。モニターとインターフォンを接続しますか?』
5回くらいで諦めるだろうと思ったのに、敵はなかなかしつこかった。
設定回数の20回をすぎ、セキュリティシステムのコールが変わった。
『緊急のお客様です。モニターとインターフォンを接続します。』
いいかげんイラついていたので、こちらのカメラと音声がオフになっているのを確認して、モニターを覗き込んだ。
一体どんな、物好きなんだろう。
モニターの中を除いた瞬間。心臓が飛び跳ねた。
モニターの中で汗だくになっていたのは、颯之介だった。
「ミス・ブルー、大丈夫か?貧血で倒れてるんじゃないだろうな?!ちゃんと飯食ってたのか?!おーい!ミス・ブルー!!返事がないな…。ビルの管理会社に連絡して…。」
何をそんなに焦ってるの?そんなに汗だくになってここまで走ってきたとでも言うの?
それより、管理会社に連絡とか言ってたわよね。彼のほうこそ、パニック状態で大変そう。
とにかく落ち着いてもらわないと。
音声をオンにすると、一言だけ言った。
「上がって来て。」
そういって、ドアの鍵を開けると本当に転がるようにドアを開ける彼の背中が、画面の端に映っていた。
待つこと3分。
部屋のチャイムが鳴った。
モニターで確認すると、幾分、落ち着いた感じの彼が映っていた。
ドアを開けて、中に招き入れた。
□ □ □
もう風邪が冷たく感じられる季節だというのに、彼は汗だくになっていた。
そして、モニターでは分からなかったけれど、彼のほうが倒れそうに青い顔をしていた。
「…よかった。思ったより元気そうで。呼んでも返事がないから一人で倒れてるんじゃないかと思ったんだ。うるさくして悪かった。…じゃ、また大学に戻るよ。」
当然、部屋に上がっていくと思ったのに颯之介は靴も脱ごうとせずに、狭い玄関できびすを返して、ドアノブに手をかけた。
次の瞬間、自分が何をしてしまったのか理解できなかった。
ここ数年、颯之介が伸ばして束ね始めた髪を、むんずとつかんでいた。
驚いて私が手を離したのと、彼が私のほうに向き直ったのは、ほとんど同時だった。
自分の気持ちがめまぐるしく変化している。
今までのもやもやが、嘘のように晴れていった。
まるで新しいプログラムをインプットされたみたい。
驚いて呆然とする彼の頬に手を寄せ、人差し指を彼の唇につけた。そして、その指を私の唇に移す。
私は頭の中で、颯之介を帰したくない、あの髪の柔らかさをもう一度感じたいと思っていた。
颯之介が私のことを好きなんじゃなくてもいい。
ただ私を心配して、走ってきてくれた。それだけで十分だった。
そっと、耳を颯之介の胸につける。鼓動が耳に響くと素直に、言葉が溢れてきた。
「…帰らないで。…おとなしい颯之介は嫌い。」
そっと、颯之介の腕が私の背中を包んだ。
「…じゃあ、騒がしい俺なら…?俺、誰かさんが叱ってくれないなら騒ぐ元気が出ないんだけど…。」
少し、いつもの調子が戻ってきてる。
「もう、生活指導の先生はできないわ。…だって、あなたと不純異性交遊したいの。」
「どうしたの、ミス・ブルーともあろう人が…。」
「ふざけないで!私は本気なのよ!冗談でこんなこと…。」
「分かってるよ、…青子。」
突然の真面目な声。
あのときのように引き寄せられるように、唇が、重なる。
自然とほどけるようにキスが深くなる。
柔らかい唇の感触と、頬をくすぐる金の糸。
私はこの感覚を忘れない。
感情を持っていてよかった。現金だけどそう思っていた。
苦しかったときの何倍も暖かい気持ちで心が満たされていた。
脚から力が抜けて、ガクッと膝をつきそうになった。
「ヤバイ、青子。俺、もう青子にメロメロになったみたい。」
お酒を飲んだときのように頭がフワフワしてた。
「颯之介のせいよ。もう歩けないから部屋まで連れて行って。」
「こーゆう場合、なんて言うのかな?…押しかけ狼?」
いつもなら、怒鳴り声が出るところ。
今日はくすくすと笑い声が出てきた。
「ふふ…今日だけ。おとなしく食べられてあげる。」
颯之介は大げさに眉を上げると、私のおでこを軽く突っついた。
とりあえず以上です。
クールな青子さんファンの方、イメージ壊しまくりで申し訳ありません。
木登りブタの妄想世界全開です。生暖かくみてやっていただけると嬉しいです。
とりあえず以上です。
クールな青子さんファンの方、イメージ壊しまくりで申し訳ありません。
木登りブタの妄想世界全開です。生暖かくみてやっていただけると嬉しいです。
2重カキコ申し訳ありません。。・゚・(ノД`)・゚・。
挙兄の麻酔銃に撃たれて逝ってきます。;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
613 :
こぱんだ:04/02/11 23:54 ID:QmaIniK9
うたかたさんからキリ番記念の小説いただきました。
でも今回はうたかたさんの意向により表に公開しています。
非常にムッハー(゜∀゜)≡Зですよ。
614 :
うたかた:04/02/12 23:28 ID:hbwFDEY6
おひさしぶりです
こぱんださんどうもありがとうございました!
こぱんださんのまとめサイト限定キリ番(σ・∀・)σゲッツ!!小説やっと出来たので、よかったら見てください
感想もらえるとうれしいです(^▽^)
そして木登りさんの新作キタキタキタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!!!!!!!
もつかれさまです〜
人形芝居の2巻探しているけどなかなか見つからず・・・_| ̄|○モットモエタイノニ・・・
こりは注文かなぁ(´・ω・`)
615 :
うたかた:04/02/12 23:32 ID:hbwFDEY6
Σ( ̄□ ̄lll)あげてしまった
私も挙人の麻酔銃に撃たれて逝ってきまつ・・・;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
>うたかたさん
先ほど、限定激甘チョコレート頂いてまいりました。
もう流石という言葉がぴったりです。
麻酔で倒れている場合じゃないわ!と目がさめました。
うたかたさん,お礼と気付け薬代わりのチョコをどうぞ( ・∀・)つ◆。
617 :
こぱんだ:04/02/14 23:35 ID:8BK72y20
『金の稲穂』あぷしました。
いま人形芝居バージョン表紙でも作ろうかと準備中。
中の人(イラスト)募集です。
いつも乙です。
絵板にあったこぱんださんのイラストが素敵だったので
あれが表紙にならないかな〜と期待。
人多杉がにくいでつ。
人形芝居の続きマダー?
ホッシュあげ
621 :
名無しさん@ピンキー:04/03/03 21:53 ID:SYgx2NGM
保守
622 :
名無しさん@ピンキー:04/03/07 23:57 ID:ju7G7fdS
ほしゅ
保守
624 :
名無しさん@ピンキー:04/03/14 03:14 ID:maYKKhFf
そろそろ圧縮?があるかも。ということでageます!
やたっ
626 :
名無しさん@ピンキー:04/03/19 22:27 ID:Sta9Wck1
ほす(;´Д`)
こぱんだ
ためしかきこみ。
保守。
ほっしゅ
人いないねえ・・・
木登りさんの新作をこぱんだが代理投下しまっす。
↓ではどぞー
木登りブタ 颯之介×青子 金の稲穂 16
□ □ □
颯之介に支えられて部屋に入る。
これまで何度も颯之介は私の部屋にやってきていたけど、この部屋に入るのは初めてのはず。
ベッドとオーディオと小さな観葉植物、そしてここにも本の山。
ただ、この部屋の本棚の構成内容はリビングのそれとは違う。
この部屋。寝室にあるのは私が個人的に好きなものだけ。
気に入ったもの、大切なものだけを集めた部屋。
今日はじめて、この部屋に大切な人を招きいれた。
「青子、俺のことどう思ってる?」
「悔しいけど好きなんだと思うわ。…」
「なんで悔しいの?俺は青子のこと愛してるのに。」
どうしてこの人はこんな恥ずかしいことを臆面もなくいえるのかしら。
顔に血が上る。
「だって、颯之介の作戦どおり、餌付けされちゃったみたいじゃない。」
「…バレてましたか。野ウサギちゃんを太らせて食べてやろうとしてた狼さんの思惑は…。」
ぎゅぅうっと頬っぺたをつまんでやった。
「でも、狼さん。この前は少し先走りすぎだったわね。」
「ごめんなひゃい。我慢の限界でひた。」
頬の指を離してあげると、彼の指が私の髪を耳にかけた。
「ちょっと酒飲んだだけで耳までほんのりピンクにしちゃって、しかも『ふわふわするー』な
んて甘えられたら、狼さん我慢できませんよ。」
ますます顔に血が上る。
「今日は我慢しなくてもいいわよ。ふわふわにさせた責任をとってね。」
「よろこんで。…ん?!今日は。ってことはまた我慢しなくちゃいけないこともあるの?」
幸せなクスクス笑いが止まらない。
「ふふふ、さぁ、どうしようかしら?…何?!くすぐったいじゃない!」
颯之介の唇がまぶたに降りてくる。
颯之介の手が背中を撫で、シャツの裾から浸入しようとしていた。
やっぱり颯之介は子どものフリをした大人だ。
私の緊張をすっかりほぐしてしまった。
一生懸命大人のフリをしている私を気付けば子どもに戻してしまう。
私が冗談をゆったり、甘えたりできるのはこの人の前だけだ。
早く大人になろう。そう決めたのは6つのとき。
それぞれのオフィスを持ち毎日どこかを飛び回っている両親のお荷物は嫌だと思ったから。
甘えてすがりつく子どもは仕事の邪魔になるって分かっていたから。
知能テストを受けて、スキップを進められたとき初めて両親に認められた気がした。
―――君を1人の人間として誇りに思うよ。―――
―――スキップについてもあなたが選択なさい。私達は一人前の人としてあなたと対等でいたいわ。
子供だということ、女であるということを言い訳にしない人になりなさい。―――――
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
連続投稿がはじかれてきました…
続きはまとめサイトでもアプしています。
byこぱんだ
632 :
名無しさん@ピンキー:04/03/25 13:13 ID:lQ4FUz8i
できればこっちにも続きアップして欲しいです。
大人になろう、1人で生活できるようになろう。そうすればもっと認めてもらえる。
それから今まで、私は子ども扱いされないように気を張っていたのかもしれない。
プツン、プツン、と颯之介が私のシャツのボタンをはずしていく。
私と正反対の人、不思議な人、優しい秋の日差しのような人。
頑丈な私の心を何年もかけてこじあけ、私に自分が女であることを実感させた男。
颯之介の手がかかり、シャツが足元に落ちた。
夕暮れの日差しがベッドに差し込んでいる。
颯之介の手が迷うことなく、ジーンズを降ろし、私は下着だけの姿になった。
暖かい指が頬に触れたかと思うと、その指先は髪の中にすべり、唇が荒々しく奪われた。
その荒々しさとは対照的に、夕日の差し込むベッドに優しく横たえられた。
不思議と恐怖感はなかった。
うっすらと目を開けると、颯之介の髪が夕日を受けてゆれていた。
まるで風を受けて揺れる金の稲穂のように、キラキラ、キラキラまぶしくてなぜか涙が出てきた。
□ □ □
「…恥ずかしいな。お日様に見られてるみたいだ。」
さっきまでの手馴れた人とは別人みたいな発言に、微笑が浮かぶ。
「泣くなよ、涙が反射してまぶしいんだ。」
逆光と涙のせいで颯之介の表情が分かりづらい。
「無理よ、もうすぐ狼さんに食べられてしまうんだもの。」
颯之介が優しく笑っているような気がした。
「じゃあ、ご期待にこたえて頭の先から、足の先までおいしく頂きます。」
つむじ、髪の毛、おでこ、まぶた、こめかみ、耳たぶ、鼻の頭、頬、唇、あご、喉、首筋、、、、。
颯之介の手と口が順々に私の体を確かめていく。
柔らかい唇を押し当て、ぺろりと舌を這わせ、時には甘く噛み付く。
指先は次の場所への道しるべのようにゆっくりと進んでいく。
そして、油断をしていると思わぬところに戻ってきて私を驚かせる。
颯之介は優しい。
颯之介のベルトのバックルの冷たさに少しびくついた様子を見て、手早く衣類を脱ぎ始めた。
「俺、またがっついてたみたいだな。すっかり自分が服着たままなのを忘れてた。」
「ふふ、それでこそ颯之介じゃない?優しいだけの颯之介はイヤ。」
久しぶりに見る、悪戯っ子みたいな颯之介が身体をきつく抱きしめた。
触れ合う肌と肌の感触に、嫌がおうにも鼓動が大きくなる。
「さっきまで泣いてた人の発言とはおもえないなぁ?じゃ、本気出しちゃうよ。」
「早くしないと、気が変わっちゃうかもしれないわよ?」
颯之介の腕の中から抜け出してやろうと身体を捩った。
シーツの間に笑い声が響く。
颯之介といるといつもジェットコースターに乗っているみたい。
あんなに沈み込んでいたのはほんの1時間前のことなのに、今はもう、嬉しくて舞い上がっているみたい。
「どんなにもがいても、ダメだよ。ほら、こっち向いて。」
頬を捕まえて、颯之介は私の笑い声を封じてしまった。
歯茎を舌でなぞられ、閉じていた歯をノックされる。
少し緩んだところへ舌が浸入してきて、あっという間に私の舌も絡めとられてしまった。
うっすらと目を開けると、颯之介と目があった。
予想外の真剣な眼差しと、舌の動き。
-------------------
つづく。(はじかれまくりです)
一刻も先が読みたいという方は
>>183のメル欄にまとめHPアドレスがあります。
うたかたさんは入れないのかなぁ。
637 :
名無しさん@ピンキー:04/04/04 15:57 ID:80z67uGh
本誌お休みなんだね。
保守。
コミックス発売保守
639 :
名無しさん@ピンキー:04/04/17 01:18 ID:i3gklNVU
保守
ほしゅ
641 :
名無しさん@ピンキー:04/04/28 20:28 ID:1q4/BkVK
test
人大杉、解除されたみたいですね。
あんまりエロ〜ではないんですが、ディアマで途中まで書いてたのがあるので、
投下させていただきます。
春頃の設定で、続編っぽい感じです。
もはや、春というよりは初夏のような気候ですが…。
にぎやかしにでもなればいいかなと思ってます。
ある春の夜。
男性陣には知らされず、このようなメールが交わされていた。
date:10、03、20×× (THU)
object:お願い
from:和久寺 一美 (private)
添付ファイル:1482.JPG
本文
咲十子ちゃんへ
突然のメールでごめんね。
実は、昨日、話したいことがあったんだけど風茉がいたから話せなかったんだよね。
クリスマス以来、風茉のガードが固くて困っちゃう。
咲十子ちゃん、あれから大丈夫だった?
いじめられたりしてない?
もし、無理やり嫌なことされそうになったら思いっきり、噛み付いてやるか盛大に嘘泣きするんだよ。
(それでも無理強いするだけの根性は風茉にはないからね!)
ところで、近々風茉、3日間の出張あるよね?
そこでさっちゃんの都合が悪くなければ、作り方を教えて欲しいものがあるの。
作りたいものというのは、添付した画像のものなんだけど…。
難しいかなぁ?
(もうすぐ)新妻のプライドがかかっているので、ぜひぜひ、御教授願います。
一美より
数分後。
date:10、03.20×× (THU)
object:私でよければ…
from:咲十子
添付ファイル:なし
本文
一美ちゃんへ
お料理のコーチの件、私でよければお受けします。
新妻のプライドはなんとしても、守らないとね0(^‐^)0。
クリスマスのメニューでかなり上達してたから、きっとすぐに作れるようになると思います。
明日は、風茉君たちもいないし、ママも仕事で留守だから何をしようかなぁって思っていたところなので、
ちょうど良いタイミングでした。
材料をそろえて待ってるね。
昨日は、なんだか風茉君の機嫌が悪かったみたいで、気を使わせちゃってごめんね。
普段はいつもどおり優しいから大丈夫だよ。
それに、一美ちゃんや九鉄さんが家に、来てくれるのも本当は嬉しいみたいだよ。
私が言わなくても、一美ちゃんたちは分かってそうだけど、怒っちゃうのは照れ隠しみたい。
なので、また2人で遊びに来てね。
とりあえず、明日はビシバシ!スパルタでいくので覚悟してきてね(笑)!
咲十子より
□ □ □
私は、風茉の家の玄関の階段の影に隠れていた。
少しの時間ももったいなくて、風茉が出かけたらすぐに咲十子ちゃんに料理を教えてもらおうと思ったから。
それにしても、何で、車を真正面に停めてないのかしら。
鋼十郎さまが玄関から少し離れた場所で待っているのが見える。
ドアのほうから少しずつ、声が聞こえてきた。
「おい、咲十子、俺の出張中に何か困ったことがあったらすぐに携帯に連絡するんだぞ!」
咲十子ちゃんが持つ上着に腕を通しながら風茉が繰り返した。
「本当に変な遠慮はいらないからな。特に今日は1人だし。」
咲十子ちゃんだって大人なんだから、そう、何度も同じこといわなくても分かるって!!
私だったら頭をはたいちゃうかもしれないな。
そう思って咲十子ちゃんを見てみると、すごく嬉しそうにニコニコしてる。
「風茉君、ちょっと待って、ネクタイ。」
白いエプロンをかけて、風茉の身支度を整えてあげている姿は新婚さんそのもの。
ちょっと、耳かせ。というような風茉の手の動きに咲十子ちゃんが耳を寄せると、風茉が何かをささやいた。
アイツ、何を言ったんだろう。
ここからでも分かるほど咲十子ちゃんの顔が真っ赤になってる。
咲十子ちゃんはキョロキョロと周りを見渡したあと、背伸びをして風茉の頬っぺたにキスをした。
風茉は、すっごく幸せそうな顔をした後でおまけに咲十子ちゃんのほっぺにチュっとキスをして少し離れたところに停めてある車に駆け出した。
なるほど、この車の距離は鋼十郎さまの気配りだったのね。
毎朝こんな調子なのかしら。
これまで風茉と咲十子ちゃんの恋人らしい(というか、新婚さんみたいな)所を見たことがなかったから、妙に照れくさくなっちゃった。
自分達もはたからみたらそうなのかしら…?
もっとも、私達のほうが(もうすぐ)本当の新婚さんになるんだけれど…。
私達の場合は、一緒に出勤するだろうから行ってきますのキスはどうすればいいのかしら?
今度、鉄と相談しなきゃ。
それよりも、今日は料理をマスターしなきゃね。
見栄っ張りだといわれようと、鉄の友人(元彼女含む)達の前で鉄に恥はかかせられないもの。
クリスマスと同じ失敗はしないように鉄とも話し合ったし、がんばろう。
□ □ □
風茉くんが出かけてから、5分も立たないうちにチャイムがなった。
どうしたんだろう、風茉くん、忘れ物でもしたのかな?
身長の3倍はあろうかという大きな扉を開けると、少し頬を紅潮させた一美ちゃんが立っていた。
「おはよう、ごめんね、朝早くに来て。でも邪魔者がいなくなったみたいだし…少しでも早く…その、教えてもらいたくて…。」
ひょっとして、さっきのお見送り、見られちゃったの…?恥ずかしい。頬っぺたが熱くなる。
「あっ、あの、は、はやく着きすぎたかなぁって思ってたらそこの、その、交差点で風茉の車とね、すれ違ったから、だから、もう大丈夫かなぁって思って。」
「そそ、そうなんだ。そうなの、風茉くんさっき出かけたところなの。…あっ、だからまだ、キッチンが片付いてないの。ちょっと待っててね。」
一美ちゃんの言葉に少しほっとしながら気持ちを落ち着かせようと、静かに深呼吸をしてキッチンに向った。
「咲十子様、何か特別にご入用のものがおありでしたらお申し付けくださいね。」
すれ違ったチーフメイドの青井さんが、声をかけてくれた。
「すみません!今、応接室のほうに一美ちゃんが来ているので、お茶をお願いできますか?ちょっとキッチンを片付けてきます。」
「かしこまりました。手伝いを呼びましょうか?」
「あ、大丈夫です。すぐに終わりますから。」
以前から、風茉君の誕生日にはキッチンを独占させて欲しいとお願いしてたから、心配してくれたみたい。
確かに、ちょっと大変だけど今日は一美ちゃんもいるし大丈夫。
でも、よかった。一美ちゃんの作りたいものと私の予定してたものがそっくりで。
朝食のお皿やグラスを洗いながら、スケジュールを確認した。
これからスポンジを焼いてデコレーションしておいてクリームとムースをなじませなくちゃ。
その間に一美ちゃんの方は、材料を切っておいてもらって、下茹でして、…。
よーし、道具類を準備して。っと。
一美ちゃんを呼びに行こう!
「ごめんね。お待たせしました!」
□ □ □
ウィーーーーーン。
咲十子ちゃんが湯煎にかけたボールの中身をハンドミキサーで泡立ててる。
すっかり忘れていたけど、今日は風茉の誕生日だった。
それにしても、さっちゃん。
本当に絵に描いたような新妻ぶりかも。
主人の誕生日に朝から手作りケーキと手料理を支度するなんて。
「あ、もう具材は切れた?大体のものは味付けしてから刻むから
ニンジンとかだけしっかり切ってあれば大丈夫。」
咲十子ちゃんの流れるような手つきに見とれていると、すぐに次の指示がとぶ。
今日は、本当にスパルタなのかも。
なんと言っても、風茉の誕生日ディナーもかねてるし。
向かいの咲十子ちゃんの手つきには似ても似つかないおっかなびっくりの私の手つきで何とか、
咲十子ちゃんの指示に答えていった。
「そういえば、クリスマスのご馳走はどうだった?九鉄さん、驚いたでしょ?」
小麦粉をゴムベラでさっくりと混ぜながら咲十子ちゃんが話しかけてきた。
ふんわりバニラの甘い香りが漂ってきた。バニラオイルを入れたみたい。
「咲十子ちゃんのおかげですごく上手に作れたよ。もちろん、鉄もすごく喜んでくれたし。
…ただ、ね。ディナーじゃなくてブランチになっちゃったんだよね。」
「あっ、そうかぁ、私が風茉君と話している間にどこかに行っちゃってたよね。
確か?ご飯とか食べに行ったんだ?」
ほんとに、すごいな。こっちをみながら出来上がった生地を型に流し込んでる。
動作全てが身体に染み付いているみたい。
「そうなの。鉄のヤツ、私に何の相談もなく予定を決めてたみたいで結局私の予定は全部オジャン。危うく、大喧嘩するところだったよ。」
「そんなこと、言って。本当はすごく嬉しかったんでしょ?九鉄さんが帰ってきてくれて。」
咲十子ちゃんがクスクス笑いながら言った。
私も、今更、咲十子ちゃんの前で取り繕っても仕方ない。っていう気分になってきたので
思い切りのろけることにした。
「はーい、正直に言うと咲十子ちゃんの言った通りです。
傍にいてくれるだけですごく嬉しい。追いかけて追いかけてようやく胸の中に飛び込めた気がしてる。」
「ごちそう様です。あ!おなべの中身、煮汁が少ないから時々ひっくり返して焦げ付いていないか確認してね。」
いけない。ちょっと油断してた。
それにしても咲十子ちゃん、
中学校でもこの調子で教えてたのかな?少し厳しすぎかも…。
「弱火にしたら次は、薄焼き卵とエビのすり身入りの卵焼きを作ってね。
そのあとでご飯と寿司酢をあわせて酢飯をつくるから。」
余計なことを考えていると、次々と用事が飛び込んできた。
「新妻のプライドがかかった、手毬寿司に茶巾寿司にいなり寿司に海苔巻、
ついでに押し寿司もしようか?基本さえ分かれば簡単だから、頑張ろうね!!」
咲十子ちゃんがこともなげに言い放った内容は、とても私には簡単とは思えなかった。
□ □ □
一美ちゃんがお寿司の具やご飯を準備してくれているから、ずいぶん助かっちゃった。
イチゴをピュレ状につぶしてスポンジの間に挟むムースを作ることにした。
それにしても、九鉄さん、愛されてるんだなぁ。
一美ちゃんは私の言ったことをきちんとメモにとりながら一生懸命、調理している。
あのクリスマスの時だって、本当に頑張ってたもの。
婚約したって聞いたときは、本当に自分の事みたいに嬉しかったな。
「ねぇ、一美ちゃん。少し気が早いんだけど結婚のお祝い、何かリクエストある?」
何気なく聞いた言葉に、思いがけない答えが返ってきた。
「…えーっとぉ、さっちゃんがこの前作ってたふわふわの色違い…とか、だめ?どうも、鉄って背中が開いてるデザインが好きみたいなんだよね。」
泡だて器を握り締めていた手が止まってしまった。
確かに、クリスマスに手編みのニットのワンピースと、もう一つオーガンジーのリボンやレースのリボンをたくさん使ってシースルーの生地を何枚も重ねてスカートをフワフワにさせたドレスがある…。
というか、あった…のだけど…。
今は、二つともバラバラになっていたりする。
私の反応にピンときたのか、一美ちゃんがニヤリと笑った。
「咲十子ちゃん、顔。赤いよ。…そんなに効果あったんだ。それで、感想は?」
泡だて器をマイクに見立てて差し出した。
「…すごく、喜んでくれた…。」
「どっちが好きだって言ってた?私の予想ではニットかなぁ?絶対、アイツ全部ほどいたでしょ?途中で脱がしたりしないで。」
そんなこと言われても、その、確かに恥ずかしいって言っても全部解けるまで許してくれなかったけど、でも、着たままでもしちゃったし…。
フワフワの方は…もっといじわるで秘密にしてたお仕置きって言われてリボンで目隠しされちゃってたから気持ちよかったことは分かるんだけど、何がなんだかわからないほうが強いのよね。
ちょっと怖かったけど,あんなに激しかったのは初めてだし。
いつのまにか、その時のことを思い出していた。
□ □ □
せっかくだから、もう一つも着て見せてっていうから、素直にベッドの側まで見せに行くと腕をとられてベッドに押し倒されてて、しかも、目隠しされてた。
「咲十子の身体ってすごく女っぽいよな。実は胸も結構あるし、なんといってもすごく感じやすいし。」
うっすらと透けたリボンの目隠しのせいで、風茉君の姿はおぼろげだった。
シャワーを浴びて毛糸の名残と一緒に甘い痺れも流したと思っていたのに、また、身体の芯が痺れ初めているのを感じていた。
「そんなことない。」
足首から太ももまで、すぅっと撫でられただけで身体が反応して潤み始めているのが分かった。
「ほんの数ヶ月前まではただのキスでも恥ずかしがってたのに。」
いきなり、風茉君の指がうっすらと濡れた部分をなぞった。
「俺のためにこんなに可愛いことしてくれるんだから。」
くちゅん。
「…やぁ!そんな…ん、いきな…り。」
「おかしいなぁ?俺、風呂で洗ってやったはずなんだけど?…というか、まだ俺が足りなかったの?欲しがってるよ。ここ。」
いじわるな風茉君の声が聞こえてきた。
「風茉君…なんだからね…。私をこんなに欲張りにしたの。…責任とってね。」
「喜んで。…さっきの言葉、取り消しさせないから覚悟しろよ。」
目隠しのせいで肌の感覚が研ぎ澄まされてるみたい。
肌を擦るチュールレースのザラッとした感触と風茉君のバスローブのタオル地の感触。
風茉くんが動くたびに香るいつもと違うシャンプーの匂い。
お風呂でふざけあったせいで風茉君も私と同じフルーティな匂い。
その匂いに誘われて、すっと首筋に指を這わせて髪の中に指を潜り込ませると、頭を抱き寄せた。
―――いつも自分がしてもらってることをそのままお返しすればいいんだよ。
一美ちゃんの言葉を思い出す。
手探りで耳たぶを探し出して、唇を押し付けた。
軽くくわえて、舌先でチロチロと舐める。
くすぐったいんだけど、相手の吐息が感じられていつもドキドキしてた。
ローブの胸元から手を差し入れて体中を撫でる。
いつも風茉くんが私にしてくれてることなのに、
「いつの間に、こんなこと覚えたんだ。」
って少し色っぽい声で言ってた。
次の瞬間、ローブの中から手を引き抜かれて頭の上でまとめられた。
「お仕置きなんだから、もうさせてやらない。」
胸元に布のすれる感触を感じた。
そしてゆるく手首に何かが巻かれる感触。
「プレゼントは一人でゆっくり楽しみたいタイプなんだ。咲十子にも邪魔させてやんねーよ。」
そこからはいつも以上に、されるがままになってしまって気持ちよすぎて何がなんだか分からなくなってた。
……………。
「おーい、咲十子ちゃん?聞こえてる?…そんなに良かったんだ。」
「え?あ、…うん。…結局、私、余裕なくなっちゃって。気が付いたらお昼だったの。」
「そっかぁ。風茉、まだ手加減できないんだね。咲十子ちゃんも大変だね。」
きっと、最後のほうは窓の外が白み始めてた、っていうのは言わないほうがいい気がする…。
「…お祝い。任せといて!でも、風茉君には内緒ね。」
ちょっと恥ずかしかったので、しばらく作業に集中するフリをしてなにも話さなかった。
□ □ □
ようやく下準備は終了して、いよいよ仕上げというときになって気が付いた。
あれ?そういえば、風茉は今日から3日間、出張じゃなかったっけ?
いくら、おっちょこちょいなところがあるとはいっても咲十子ちゃんも知らないはずないよね…。
目の前にある大量の酢飯と具材、そして、咲十子ちゃんの顔を交互に眺めた。
鼻歌を口ずさみながら、手早く巻きすを使っている。
私は真中に巻き込むだけで精一杯だけど、咲十子ちゃんの巻き寿司は、具が花模様になっていた。
咲十子ちゃんの方のお重は私がメールで送った写真のように綺麗だった。
それに比べて、私のほうは…。
まだまだ、練習が必要みたい。
咲十子ちゃんは続いて、押し寿司に取り掛かるらしい。
抜き型を準備する、咲十子ちゃんに一応確認してみた。
「ね。咲十子ちゃん。風茉って今日から出張だよね?こんなに作って大丈夫?」
型に酢をつけながら、咲十子ちゃんは幸せそうに答えた。
「うん。実はね。今夜だけヘリで帰ってきてくれるんだって。」
「…。えぇ!!?風茉がヘリで帰ってくるの!?」
聞き間違いかと思った。
でも、少し頬を紅潮させて微笑む咲十子ちゃんを見る限り、冗談ではないらしい。
「そうなの。無理しないでっていったんだけど、誕生日だけじゃなくて2人の記念日だからって。」
なるほど、そういえばそうだった。
昨年、おばあさまを焚きつけて2人の仲を進展させたのは私と鉄だった。
そういうことか…。風茉と一緒に出張に行ってるお父様に電話してちょっとからかってやろうかしら。
4月からは東京本社勤務の鉄だけど、今はまだ、NY。
相変わらず幸せそうな2人に、ちょっと嫉妬した。
「それにね、全部私たちだけで食べるんじゃなくて、押し寿司はメイドさんたちに差し入れ?なの。日ごろの感謝をこめてね。」
自分の幸せにだけ溺れてないで、周りの人のことも考えてるんだ。
やっぱり、すごいな。咲十子ちゃん。
とりあえず、ここまでです。
九鉄×一美サイドもそのうち書くつもりです。
それでは…。
バスローブ風茉とやさしく縛られる咲十子モエ…!(*´Д`)ハァハァ
レスありがdです。
しかし、読み返してみたら矛盾が…。
風茉くんの誕生日とメールの日にちがあってないorn。
日にちを直すのを忘れていた模様。
細かい上にウザーなレスですみません。
>655
何をおっしゃいますやら、チトーモうざくないナイナイ(・∀・)!!
いつも楽しみにしてますのよ、木登りブタさん。
どこにも出掛けられないGWの、楽しみにさせていただきます!!
657 :
こぱんだ:04/05/01 01:43 ID:9FH/MPrG
こぱんだです。HPへのあぷ作業終わりました。
木登りさんお疲れ様です。
新作すんばらしいです。
658 :
名無しさん@ピンキー:04/05/13 11:42 ID:ZPcuqtft
人いないねー。
659 :
名無しさん@ピンキー:04/05/13 19:53 ID:SeeGMjAQ
また人大杉かな 最近不安定ですな
ほしゅほしゅ
660 :
名無しさん@ピンキー:04/05/17 07:17 ID:O4Ze35k4
大切なスレをほっしゅ
新刊発売保守。
…ユーリ×晴海を唱えてみる…
晴海も好きで萌えてるんだが…からんだ話ミタコトナイ
664 :
こぱんだ:04/05/22 11:59 ID:Rd5yT4nV
木登り様の新作いただきまして、アプ作業も終わりました。
メガネプレイ…
見てきました
メガネプレイ・・・もっ、萌ええぇぇぇ!!はげしくGJです
>663
晴海イイ!ですよね
自分は健三×晴海・・・
晴海エロモエはするけど
エロは読むのは好きだが書くのが苦手だからな
晴海モエ神はいないのか…
>>666 あなたが神です。
ぜひ晴海のエロを…。
待ってます!お願いします!
・・・晴海はスキだけど、エロはなんかヤだ
・・・晴海はスキだけど、エロはなんかヤだ
虎×多由カプも読んでみたいナ
今健三×晴海を書いてみてるんだがちょっと長くなりそうだ
おまけにエロエロって感じにもなりそうにないんだが
このスレ的にはエロ度は高い方がいいんだろうか?
>>670 多由耶は萌える
人大杉解除なの?またすぐ戻ったらたまらんけど…。
>671
すごく楽しみ。個人的には萌えさえあればエロ少な目でもなんでもあり。
あとうたかたさんの続きとか、木登りぶたさんの九×一とかも待ってます。
>>671 前、本番ない話もあったしいいんじゃない?
>>672、673
そか、アリガトン。
神々の前で恐れ多いけど、投下します。
健三×晴海なんで、妄想カプ・近親相姦・晴海エロ苦手な人御注意。
+ + + +
「じゃぁ私もう寝るね」
ご飯は要らないから、と、家に着くなり自室に閉じこもってしまった。
学校では、いつもどおりだったのに、帰り道、二人きりになった途端に、いきなり黙りこくって。
ぼくが頑張ってひとりでぺちゃくちゃ喋ってる横で、深いため息ばかりついて。
ぼーっとしてるから、どうしたの?って聞いたのに、それにも返答なし。一体どうしたんだ、本当。
「どうしたの?おれでよけりゃ、聞くよ?」
しめだしくらった扉の前で、部屋に向かって話しかけてみるけど、小さく「何でもないから、大丈夫よ。心配かけてごめんなさい」と返したきり、部屋の中からは物音もしない。
強引に聞いて答える人じゃないだろうから、とりあえずご飯だけでもと、ひとりキッチンへ向かう。
「坊ちゃま。晴海お嬢さまはどうなされたのですか?」
キッチンに着くなり、ぼくこそが尋ねたいことを聞かれた。
流石に、いつもと様子が違うことに気付いたのだろう。ぼくの分だけをよそいながら、婆やが心配そうな顔で見てくる。
だけどさっきの言葉の通り、余計な心配はさせたくないだろうことはうかがえたので、適当に学校の用事で忙しいらしい、などとごまかしておいた。
「ごはん、部屋まで持ってくよ」
そう、要らないとは言ってもご飯を抜くのは本当はよくないし、後から食べたくなるかもしれないし。
お盆の上におかずとごはんをのせ、慎重に階上へと向かう。
「どうせ読んだところで返事ないだろうし。この辺においとけば出てきた時気付くかな」
そっとかがんでドアの横に、音を立てないよう気を使いながらお盆を置く。
そしてそのまま、今度は自らが食事にありつこうと身を起こした、その時。
嗚咽が、聞こえた。
(!!?)
まさか、まさかと思い、耳を澄ますと、扉の向こうから、微かながらに鼻をすする音がする。
(ウソだろっ…!?)
晴海が、まさか晴海が泣くなんて。
生まれてこの方、聞いたことも見たこともない。
逆なら数え切れないほどあるけど。
(いや、でも…)
考えられないことじゃない。むしろ普通だ、当たり前のことだ。
血も涙もないわけじゃなし、今は思春期、悩むことも色々あるだろう。
まして晴海は女の子だ。
友人関係や、恋のひとつやふたつが破れたとかで、涙を流すことだって…。
「………」
恋、なんて考えたとたんに、胸の中にじわりじわりと黒いものが広がる。
ないとは言い切れない。いつもは厳しい顔つきをしてるけど、決してしの姫ほど美人だとも言えないのだろうけれど、可愛い。
誰が否定しても、ぼくだけはそうと言い切れる。
顔が同じ人間に、こんなことを言ったら、ナルシストだとか誤解されそうだけど。
あの頑固なまでのまっすぐな考え方も、聡明さも、強さも、全部…ぼくは、好きだ。
「!!」
自分の思ったことに、思わず顔に朱が走る。
悶々とした気持ちが湧き出て、居心地が悪くなってしまったので、ぼくも寝室に引きこもることにした。
「おれもご飯要らない」と伝えて、婆やの悲鳴を無視して階段を駆け上がる。
先程の、問題の部屋の、すぐ向かいの部屋が僕の寝室。
何でこんなに近いんだと、部屋の配置を呪いながら、音を立てないようドアを開く。
「…………」
――――――頭の中でまで否定したって、報われないから、開き直ろう。
ぼくは、晴海が好きだ。
姉弟のそれと違って、一人の人間として、女の子として。
だから、晴海がもし他の男と…なんて考えたら、どうやったって歓迎の心持にはなれない。
そして、ぼくも驚くほどの希少価値を持つ晴海の涙が、誰か他の人間のために流れたのかなんて考えたら…
ムカムカして、イライラして、総じてとても腹が立って…だけど何より、とても悲しくなる。
そして。
「自分勝手だな…おれ」
思考が随分とんでしまったことに気がついて、思った。
「他の男と」「見たことない」…これじゃただ、自分の思い通りにいかないからって機嫌を損ねてる子供と同じだ。
本当に大事なのは、滅多に弱みを見せない彼女が、こらえ切れないほどの悲しさを抱えているかもしれないという事実。
「あーあ」
ばたり、とベッドに沈む。
上着は脱いでるからいいけど、ズボンとワイシャツはしわくちゃになっちゃうかもな…。
そう思いはするけど、もう起き上がる気力はない。
ただただ、ぼーっと、天井を眺める。
(そういえば、本当に、晴海が泣いたところ見たことないな)
胸の痛みに拍車をかける事実の再認識。
ぼくこそ涙が出そうだ、と呟いたのは、目の端から雫がこぼれた後だった。
679 :
671:04/06/11 01:31 ID:PYXx4Tj1
たちまち今日はこれまでで。
健三、コミクス調べても一人称が「ぼく」「ボク」「おれ」と落ち着きがないんで、
台詞は「おれ」で以外「ぼく」にすることにしました。
こんな感じで場面がのろのろ、完投まで時間かかるかもしれませんが
気長に待ってて貰えたら嬉しいです。
おぉ!新作がきてる
健三のとまどいが(・∀・)イイです。
楽しみにしとります。
そういえば、480KBで容量オーバーになるんだよね。
新スレタイとかテンプレとかも考えたほうが良いのかな?
健三×晴海がキター・・・!
続きとのしみにのんびり待ってますYO! ノシ
レスくださった皆さん、ありがとうございます。
続き投下します。エロへはまだまだ長い道が…
+ + + +
日をまたいで朝日が昇っても、ぼくの心が晴れることはなかった。
昨日とはうってかわって、ぼくも押し黙ってしまったものだから、学校までのぼくたちの間には象より重い沈黙が漂っていた。
晴海は、才蔵やしの姫の姿を見つけるなり、表情も態度もがらっと変わっていたけれど、ぼくはといえば、そう器用にいかない。
一人鬱々と、晴海の後にくっついていくのが精一杯だった。
「三好君…どうかなさいましたか…?」
門で合流した才蔵が心配そうな声をかけてきたけど、聞こえない振りをした。
嘘はつきたくないし、でも本当のことも言いたくない。
残された手段は、沈黙しかないんだから。
放課後、多少なりに元気が回復したぼくは、それでも部活には出られそうもないので、同級の部活友達に休みの伝言を頼んだ。
本当は、自分で言いにいくのが筋なんだけど…今日は、晴海と一緒に帰りたくない。
一緒に帰れば、昨日のことを問い詰めずに入られないから。
そして、出来れば出会うのも避けたかった。「休む」なんて言ったら、逆に色々聞かれて、そ こから糸がほどけるように昨日のことが出てくるとも限らないからだ。
部室近くは、そういった意味では危険がいっぱいだから、なるべく近寄らず、密やかに帰るしか方法はない。
連絡を頼んで、机から教科書を出そうとした時、はた、と才蔵に目がとまった。
「――――――しの姫でも、泣いたりすることあるのかなぁ」
ふと思ったことが、ぽろ、と口からこぼれてしまった。
「しのぶさまが、何か?」
あ。…と気付いても、もう遅い。
いつものごとく、教室外へ流れ込んでいった、千代さんとしの姫の乱闘終了待ちの才蔵は、ぼくの独り言も漏らさず耳にしたようだ。
おまけに内容はしの姫。
興味津々、とばかりに、キラキラ輝く無邪気な瞳を向けられたら、観念するしかないじゃないか。
「…才蔵は見たことある?」
座ってるぼくからは、立ってぼくを見下ろしてくる才蔵の顔がよく見える。
大きな眼鏡の奥にある、同じく大きな目をまるくする。
そして、問うてくる。
「な、何を…?」
「しの姫の涙」
「ええええっっ!!?」
マッチに火がついたみたいに、燃え上がるように顔が赤くなる。
…面白い。
困ったような目をしてるけど、口元はどうしても笑ってしまうようだ。
本当、才蔵ってしの姫のことが好きなんだなぁ。
でも、今日はからかいたくて聞いてるわけじゃない。
昨日のアレ以来、ずっと澱んでる気持ちを晴らすために、同じく想い人のいる人間に話を聞こうと思っているだけだ。
「なな、何をいきなり尋ねられるかっ」
口をぱくぱく、陸に上がった人魚のように呼吸もままならない才蔵に、更なる追い討ちをかけてみる。
「見たことある?おれと晴海、しの姫とは結構小さい頃からの付き合いなんだけど…見たことないんだ。
逆は…まぁ、それなりにあるんだけど。
才蔵なら、しの姫と仲いいし、もっと小さい頃一緒に住んでたりもしたみたいだし?
なら、そんな情景目撃の一度や二度くらいあるかなって」
赤い顔のまま、口をあんぐりあけて固まってる。
目線はぼくの頭上をこえて窓の外。
おそらく何も見えていない。
頭の中で何かぐるぐる回っているんだろう、面白いほど分かりやすい。
かといって、そのままでもつまらないので、ぱちん、と手を叩くと、慌てて頭をぴぴぴとふってぼくを凝視する。
「あの、その…いえ、なんというか…それは…」
しどろもどろになりながら、なにやら哀願するような、そんな眼差し。
だけれどぼくが目線をそらさないでいると、観念したようにうつむいて、ポソポソと白状し始めた。
「……あ、ありま…す…」
「………」
本当に情けない話だけど、期待してしまった答と違ったことに、いくばくかの安堵と、置いていかれたような、円の外に独りでたたずんでいるような疎外感を感じてしまった。
好きな人の、弱い部分を、普段他人には見せない部分を、才蔵は見たことがあるのだ。
「…へーえ…」
「なんだ、あるのか。」
そう思ってしまう自分の考えが本当に見苦しい。
だけど、昨日からの胸のモヤモヤはそんなことを気にして思考を制御できるほど生易しいもんじゃない。
考えたくなくても考えてしまって、どんなに気をつけていても、気付けば険阻な顔つきになっていた。
「三好君、今日朝から何だか…」
何かを言いかけた才蔵の言葉を、すさまじい足音・土煙・そして声がさえぎる。
その中に想う人を見つけて、ぼくのため息はさらに深いものになった。
「しの姫ー!!廊下を走るもんじゃありませんっ!」
「おまえだって走ってるじゃないっ」
廊下の向こうを右から左へ、瞬く間に走り去って行く二人。
しの姫を走らせる原因になった千代さんはいつしか消えている。
ははぁ、しの姫どっかで何かを壊したな。それを晴海に目撃されたに違いない。
しかし、何故ここに晴海が。
部活じゃないのか、今の時間。
「まだ来て幾日も立たない新参者が言うのもなんですが…僕には、三好さんにおいてもなかなか想像つかないですよ…」
はは、と乾いた笑いをうかべる才蔵。
そりゃそうだろう、だってぼくだって…
「でも三好君は、ご兄弟ですから、三好さんの色んな姿を御存知なんでしょうね」
――――――御存知ないよ。
晴海は、家でも、学校でも、同じ。
昨日みたいなことは本当に稀で、落ち込むことがあるのかなんてふざけたことを思うほど、負の感情とは無縁に見える。
いつもぼくの前を歩いているから、ぼくには晴海の表情がわからない。
感情の起伏も理性で抑えてるフシがあるから、素直な感情をあらわした…泣いた、姿なんて。
「見たことないよ」
「えっ、みよしく…っ」
「―――…健三っ」
才蔵が驚いて口を開く。しかしそれを、今ぼくの思考を占拠している、大事な大事なお姉さんがさえぎった。
いつの間にそこにいたのか、廊下側の窓からこちらを見てる。
「なに、晴海」
つとめて普通に返しながら、「お姉ちゃん」から「晴海」と呼び捨てにするようになったのはいつだったかなんて、考えていた。
ぼくの気持ちが変わってからか、それとも呼び方が先だったか…何にせよ、最初に呼んだ時はひどく怒られた。
二回目は返事をしてくれなかった。
でも、三回目は、ちょっと照れながら返してくれた。
「もう帰るわよ。しの姫、多分私がここにいたら教室に帰ってこないから」
「部活は!?」
「今日体調が悪いから、休むの。あなたも休むんでしょう?」
さっきまで、廊下の端から端まで走りまわっていたのに、体調が悪いって…。
しかもぼくの情報まで握っているとは。
もろくも計画第一号が崩れ去って、ショックが隠せない。
幸せと共に逃げていくため息。
いや、ため息と共に幸せが逃げるのか。
手と手を取り合ってぼくの幸せは遠ざかり、現実の二文字が重くのしかかる。
「何ため息ついてんのよ」と、通りすがりにあたまをこづかれた。
「しの姫…何やったの」
「廊下で鬼ごっこ中に、職員室へ行く途中の私にぶつかり、提出されたクラスの宿題(プリント&ノート)が窓の外にまで散らばった」
何か、その情景がこれ以上ないくらい鮮明に想像できる。
「あちゃ。全部みつかった?」
「なんとかね。
必死で集める私を尻目に、抜き足差し足で逃げ出そうとしたから、教育的指導を…」
「なるほど」
晴海の話を聞きながら、才蔵が蒼い顔をしている。
ぺこぺこ頭を下げる才蔵に、「奥君が謝ることじゃないわよ」と苦笑して、帰り支度を始めた。
ああ、あれだけ気を使って、安全な家路を模索していたのに、何故この人は。
休みの理由は聞かれなかったとは言え、今一緒に帰るのを拒否すれば絶対に怪しまれるに違いない。
それだけは避けたい。
「しの姫はたぶん国語準備室だと思うわ」
「あ、ありがとうございますっ」
しの姫と自分、二人分の鞄を引っさげて、ぱたぱたと教室を走り去っていく。
そんな才蔵の残した足音を聞きながら、ぼくはやはりすっきりしない気持ちで、腰をあげた。
689 :
671:04/06/12 01:27 ID:5TEv2y6F
今日はこれまでで…。
一文が長くて読みづらかったらすいません。
次スレいくまでに何とかなるだろうか…(;´Д`)
671氏乙です
禿げしく続きが気になるYO・・・!(*´Д`)
文章読みにくくないです。
晴海の涙のわけが気になる〜。
温かいお言葉ありがとうございます。
続きを投下します〜。
+ + + +
帰り道。ともすれば登校時よりも重苦しい空気になりそうなものを、今日は晴海が防いでいた。
明らかに、普段と打って変わって饒舌になっているのだが、ぼくは「うん」とか「へぇ」とか「そうなんだ」なんて返すので精一杯で、一分おきに沈黙が流れた。
家まであと数十メートルといったところで、完全にネタが尽きてしまったのか、両親の旅行の話になった。
…昨日の帰りにぼくが話したのと同じだ。
気付いてないんだろうか。
「お母さん達、今頃楽しんでるかしら。仕事休んでまで行ってるんだし」
「うん…」
「そういえば今日、お手伝いさん休みなんだって。ご飯の支度はできてるらしいけど。えっと、鍵、鍵…」
「へぇ…」
「旅行のお土産、何がいいかしら。韓国っていったら、何があったっけ…」
「そうなんだ…」
「―――健三!!」
いきなり、なんでもない普通の会話の流れを破って、大きな声が上がった。
流石にびくっとして晴海をみやると、とても不機嫌そうな顔でこちらを睨んでいる。
ああ、もう玄関先、鍵も開けられてあと少しって所だったのに…。
ドアの前に立ちふさがれて、困惑して、次の言葉が紡げないでいると、痺れを切らしたかのように第二声が。
「聞いてるのっ?」
「ははは、ハイ!き、聞いてるよ。何なの、一体…」
「嘘を言うものじゃありません!「何かしら」って聞いて、「そうなんだ」って答は、どう考えたって適当じゃないわ。本当は、全然聞いてなんかいないんでしょう!」
「………」
聞いてる。
だけど昨日、ぼくがこの話をした時に、その適当じゃない答え方をしたのは他でもない、晴海自身だ。
別にわざと真似してるとかじゃないけど、答えるだけでも努力を要するのだから、味気ない返事でも仕方ないじゃないか。
だからこそ、昨日の晴海もこんな答え方をしたのだろうし。
とはいえ、それをそのまま告げるわけにも行かないので黙っていると、更なる追い討ちがかかる。
「健三、あなた朝からなんか変よ。ずっとぼーっとして、浮かない顔して。何か悩みでもあるの?」
また、ぼくがした質問。
何だか珍しくイライラしてしまって、どこか意固地になってしまったのか、ぼくも昨日の晴海の言葉を繰り返す。
「何でもないよ。心配しないで」
「何でもないわけないでしょう?明らかにおかしいわよ」
ああ、もう。
なんてこった。
双子って言っても、ここまで似るもんなんだろうか。
なんだって、昨日のぼくと全く同じ言葉を吐いて来るんだ。
おなかのあたりが熱くなって、ぎりっと拳を固めて黙っていると、左手首をつかまれて、腕を引っ張られた。
「…ねぇっ」
「――…晴海はっ…!」
「!!」
掴んでいる手を掴み返して、扉にダンッと押し付けた。
じん、と手の甲に痛みを感じて、怒りの中でも彼女の手をかばったのが分かった。
イライラする。
かばってしまったことも、それなのにぼくに怯えた表情を向ける晴海も。
「晴海はさ…ぼくを心配してくれてるんだよね、それはわかるよ。
聞いてくるのも、ぼくを理解しようって言う気持ちの表れなんだろうって…。
けど、わかってる?気付いてる?
ぼくは昨日、同じことを聞いたよ。
だけど晴海は教えてくれなかったじゃん。
晴海が晴海のことを教えてくれないんなら、ぼくも晴海にぼくのことを話したくない」
顔は、見れなかった。
言い終わっても、やりきれない気持ちでいっぱいだった。
強く握りすぎていたことに気付いて、力を緩めると、手の中からずるっと腕が滑り落ちていく。
…怒鳴って、怖がらせたいわけじゃない。
こんなこと言うつもりなかった。
なのに…。
「…ごめんな、さい…」
小さく震える声に、さっと怒りから醒めた。
聞いたことがないくらい、弱弱しい声だった。
慌てて正面を向くと、右手を胸の前で握り締めて俯いている。
そして、ショックで固まっているぼくに背を向けて、急いで家の中へ入っていってしまった。
696 :
671:04/06/13 02:00 ID:DwrlCafT
今日はここで一段落…少なくてすいません(;´Д`)
ちょっと暗くなってしまってますが、一応ピンクの未来は待ってますんで…
次の次あたりエロのヨカン(・∀・)
また続きが!671氏仕事が早くてらっしゃる・・・!
エロなしでも楽しませていただいてますYO!
今後の展開にドキ(・∀・)ドキ
わお!晴×健(・∀・)イイ!
来るたびに更新されていて驚きです。
671サンガンガッテ!
699 :
こぱんだ:04/06/13 23:24 ID:xFd6Qdho
神がキターーー。
>>671さま
まとめHPにうpしてもよかとですか?
本当に皆さんレストンクスです…っ!
元気やる気でまくります。がんがります。
>>こぱんだ氏
ありがとうございます…神々と並んで生き恥を(;´Д`)
もしうpしてくださるのなら、
>>683の前に++++を入れてやってください…すいません;
では投下します。今日は長いです(;´Д`)
+ + + +
その後は散々だった。
どちらも夕食は要らないと、すぐに部屋に閉じこもってしまったから、まだ七時も回らないうちから、家の中は真夜中のようにしーんとしていた。
そんな状態で、八時を過ぎたあたりから、家のどこかでかたんかたんと音がしていた。
気に止めることも出来ず憂鬱な気分で天井を眺め続けて数十分、こんこんと扉を叩く音がした。
「…お風呂支度したから、入りなさいよ」
うん、と頷こうとしたけれど。
その声を聞いて、さっきの「ごめんなさい」が呼び起こされて、声が出ない。
ぼくがこたえられないでいると、扉の向こうから気配が消えた。
無視したと、思われただろうか。
「はぁ………」
取り返しのつかないことは、どうしようもないから取り返しがつかないというんだ。
言葉の意味を、身をもってかみ締めながら、よろよろとお風呂の準備を始めた。
+ + + +
風呂からあがって、ぼくは自室に戻ることもできず晴海の部屋の前でたたずんでいた。
理由は、今手にしている、薄ピンクのパジャマのズボン。
着替えを置こうとしたら、これだけ忘れ去られていて、放っとくのも部屋の外においておくのもあまりに冷たい仕打ちだし、
かといってそのまま部屋に戻ろうものなら下着泥棒と変わらなくなってしまう。
要は気軽にノックして、「忘れてたよ」だとか言って渡してしまえばすむのだ。
そうだ、これを機会に、さっきのことも謝れる。
言ってしまおう、言ってしまえ。
すう、と大きく息を吸って、深呼吸。震える手を叱咤しながら、こんこんと扉を叩く。
「……あれ?」
中からは、何の反応も返ってこない。
まさか、さっきのぼくの「無視」(そんなつもりはなかったけど)の仕返しに、晴海も?
「…は、はるみ…?」
声をかけてみる。返事はない。
まさか、泣いて―――――――
「…何やってるの?」
「ひゃぁぁっ」
後ろから部屋の中にいる人の声が聞こえた。
いや、いるはずの人の声が。
あんまりに唐突で、あんまりに近くから聞こえたものだから、思わず素っ頓狂な声が上がる。
驚いて振り向くと、すぐ後ろにお盆を抱えた晴海がいた。
「…ご飯、温めなおして、持ってきたの。昨日、持って来てくれたでしょ?」
はい、とわたされて、条件反射で受け取ってしまい、あっと気付いた時にはもう部屋の中に入ってしまっていた。
折角のチャンスだったのに、呆けている間に逃げてしまった。
おまけに、ズボンも渡せていない。
とりあえず、ご飯を部屋に置きに行ってから、もう一度向かいの部屋をノックする。
「どうぞ」
許可を確認してから、そっとノブに手を回す。
ゆっくり部屋の中に入っていくと、丁度晴海は明日の授業に必要な教科書類を鞄に入れているところだった。
どんな表情をしているのかは、こちらからはうかがえなかったけれど、立ったままでいるのも不自然なので、もう少し奥まで行って、ベッドに腰掛ける。
(あれ?)
固い感触。見れば、布団がない。どこやったんだろう、と首を傾げていると、準備の終わったらしい晴海がこちらを向く。
その瞬間、とんでもない光景が目に飛び込んできた。
「ねぇ、健三」
「え、あ………、って、晴海!!?」
ししし、下!
ズボンでもスカートでも何でもいいけど、何で穿いてないんだっ!?
かろうじて上の裾が太ももを少し隠しているくらいで、ちょっと動いたらし、し、下着が…見えてしまうくらいの。
ぼくが、顔を赤くしたり蒼くしたりしながら注いでいる目線が、自らの下半身に向けられているものと気付いた晴海は、
しかし平然と「そうそう、お風呂場に忘れちゃって」なんて言ってのけた。
あ、そうだ、そうそう今言えば…
「こ、こ、これでしょっ」
「あ、持って来てくれたの。ありがとう」
震える手で差し出せば、笑顔で受け取る。
それはいいんだけど、何故そこで着用せずに、脇においてしまうのかっ!
相変わらず晴海は立ったままで、丁度ぼくの目の前に腰がくるものだから、目のやり場にとても困る。
え、遠山の目付…なんて、剣道の用語を心の中で呟きながら、視線を扉の向こうへ。
「わ、忘れるもんじゃないだろ」
「着がえ持って行ったのはいいけど、寒かったから。お風呂場、冷えるでしょう?」
あぁ…と、自分が震えながら着がえたのを思い出して、納得。
って、納得したからって問題は解決しない。
なるべく考えないようにしながら、とりあえず話を探す。
「あ、えっと…ふ、布団!どこやったの?ないじゃん」
「あぁ、隣の部屋にしいたの。そう、私あなたに話があって…今日、一緒に寝ない?」
隣の部屋って、ぼくらの部屋か。
寝室は別にあるけど、小さい頃の名残で、二人の部屋というのがある。
よくそこで、ぼくは漫画を読んだり、テレビを見たりしている。
…じゃなくて。
最後の言葉が、あまりに自然に空耳と思えるほど、唐突なものだから、会話の流れ上うんと承諾してしまった。直後、あれ?と思い直して、気付いた途端思わず大きな声が出た。
「はぁっ!?」
「昔はよくやったじゃない。
だって健三、怖がりだったし」
む、昔は昔だ。
ぼくらもう、中学生だぞ!?
「あなたの分は、お父さんのをしいてるから、大丈夫よ」
そう言う問題じゃないだろう…。
無理だよ、と言おうとしたけれど…。
多分、これは晴海なりに気を使ってのことだと思ったので。
先にやられちゃったなぁ、と苦笑した。
「ねぇ晴海」
「何?」
行くわよ、と出て行こうとする晴海の手を掴む。
そしてそのまま引き寄せて、ベッド際の椅子に座らせる。
「…ごめん」
「え?」
「どなったりして、ごめん。怒ったわけじゃないんだ」
握った指先が温かくて、ぼくの手が冷えていたことを知った。
その温かさが、もう一押しの勇気をくれる。
「晴海が泣いてた理由が、知りたかったんだ」
「…知って…?」
言葉にはせず、目でうなずく。
よかった、謝ることが出来て。
何の免罪符になるわけでもない、だけど何も言わなかったら、絶対に後悔してただろう…。
ほっとして、つないだ指を離す。
そしたら…手を引く間もなく、逆に握り返されていた。
「………私も、謝らなきゃいけないわ」
じんわりと、温かさに包み込まれる感触。
全身の体温が上がった気がした。
+ + + +
「…奥君と…」
「才蔵?」
心臓の音でうるさい中、静寂と緊張を破ったのは、あまりに突飛な名前だった。
何故そこで才蔵が?
まさか晴海、才蔵が…?
聞き返すと、くすっと笑って、言い直す。
「しの姫が、でもいいのだけど。
あの二人、仲がいいわよね?」
「そ、そうだね」
よかった、違った。
もし晴海が才蔵を好きだったとしたら、ぼくも悲しいけど、晴海も悲しい。
どうあっても、才蔵はしの姫以外を好きになることは出来ない、そんな気がして。
報われぬ想いの苦しさは、ここ数年味わってきたぼくにとって、想像するに容易いから。
この人が、そんな思いをすることがなくてよかったと思ってから、「ぼくもよかった」と呟いた。
「何がよかったの?」
「あ、いや、なんでもないなんでもない」
「………。ちょっと前だけど…しの姫と奥君が、長く休んでいたでしょう?
あの間に…憶測だけど、二人に何かしらの転機があったんじゃないかって思ったの。
だってしの姫が、あんなに優しく笑うの、初めて見たから…」
最後の辺りが、独り言のようになっていて、晴海もそれに気がついたようで。
はっとぼくを見て、付け加えた。
「…登校してきた日に、どこか空気が違うと感じたわ。
それまでの、透明な、居るのが当たり前のような関係から、暖かい光のような関係に見えた。
不思議に思って、どうしたかって聞いたの。そしたらしの姫、何て言ったと思う?」
「…わかんない」
「微笑みながら…「水の泡ですって」って言ったの。
くすくす笑いながら、何度も呟いてた。
よく意味が分からなかったけど、その笑顔で…あぁ、人に、心から安らげる場所というものがあるとするのなら、しの姫はそれを見つけたんだろうなって。
そして、多分それはきっと、奥君なんだろうって」
思ったのよ、と微笑んだ。
だけど、その笑顔は…彼女が話している、「安らかな」ものとは全く違っていて。
悲しみを堪えた、儚いもので。
「ここ最近、ずっとそれについて考えてた。
ガラにもないかも、しれないけど…私にも、そんな相手が居るだろうか。
安心して、全てを任せられる人が、いるだろうか。
考えたら寂しくなった。言い切れないから。
だけど誰に言うことも出来ないし、外には出さないようにしていたのだけど…」
「限界に達したのが、昨日だったってわけだ…」
小さく頷く。
ガラにもなく、とか、言い切れない、とか、ぼくからしたらとんでもない台詞だ。
まさか晴海がそんなことを考えていただなんて。
目頭が熱くなった。
気付けなくてごめん。
頼りにならなくて、ごめん。
「健三が心配してくれたのは分かった。
それなのに、言葉にはできなかった。
もし、健三が困ってしまったら?
あなたは優しいから、笑い飛ばしたりはしないだろうけれど、考えても仕方がないことを相談して、悩ませたら…。
それが怖くて、言えなかったの。
それが悲しくて、気付いたら、涙が出てた…」
ぼくの手を握っている指に、力が入る。
「でも、それはすぐに止まったの。
今じゃなくても、いつか私にも、そんな人が現れてくれるかもしれないし。
問題は、その時、あなたには?…って思ってしまったことだった。
健三には、そんな誰か、が居るんだろうか。
考えた途端、何故だか、本当にわからないけど、引いてた涙が、また溢れてきて…今度は、止まらなかった」
小さく、震えているのが分かる。
安心させるように、ぼくも柔らかく握り返した。
どうして?と尋ねたかったけれど、続いた言葉がそれを遮る。
「…朝になって、何とか気持ちが落ち着いて、さて学校へ行こうかって時に、今度はあなたが 落ち込んでるじゃない。
あなたに元気がないと、私もなんだか元気が出なくて。
それで、授業中に考えた。
もしあなたに、何か悲しいことがあった時に、それを打ち明けたり心を安んじたりすることが出来る人が、まだいないのだとしたら。
私がそうあれたら…そんな存在になれたら、って思ったのね。
だから帰り、あんなに食い下がっちゃって…話してくれないことに、正直苛立った。
だけど、別に何か特別な関係でもないのに、ただの姉弟なのに、干渉しすぎだったわよね。
言われて気付いたの。
あなたが怒ったところなんて、はじめて見たから…」
今は反省してるの、と笑う。
ごめんね、と言う。
…違う、そうじゃない。
伝えなければならない言葉が、どうしても出てこない。
晴海の顔がぼやける。涙が出そう。
でもだめだ、今は、ぼくは泣いちゃいけない。
いつまでも、涙をぬぐってもらう弟のままじゃ、いけない。
声にならない言葉の代わりに、ベッドから立ち上がって。
指をほどいて、背に手を回して、抱きしめた。
肩に額を押し付けて、ふるふると首を振る。
「け、健三っ?」
すぐそばから聞こえる声が、耳をくすぐる。
好きなのに、こんなに好きなのに、どうして隠していられると思ったろう。
ぽんぽん、と頭を撫でられて、心と声を縛っていた紐がほどけていく。
もう大丈夫だ。
かがんだままでは辛いので、名残惜しくも身体を離す。少し赤い顔で見上げてくる目を、すっと見据えて、深呼吸。
「おれは…」
同じ理由で悩んでた。
互いに遠慮して、相手の領域に踏み込めずに居たから。
ぼくが、一歩でもいい、足を踏み入れることが出来たら。
「…ぼくは。晴海がそう言う存在になってくれたら良いと思う。
それに…。
ぼくも、晴海にとってそんな存在になりたい」
なれたら、じゃなくて、なりたい。
「それって…?」
「…ぼく、晴海が好きなんだ」
―――言ってしまった、とは思わなかった。
伝えたくて、言葉にしたから。
もう一度、謝った時と同じように、手を引きよせた。
温かかった指先が、今はとても熱い。
そのことに、喜んでもいいだろうか。
例えぼくのこの気持ちが、晴海を困らせてしまったとしても。
「…健三…」
ごめんなさい、と続くかな。
もしかしたら、詰られるかもしれない。
心なしか震えていたような気がする、そんな声に続く二の句を、祈るような気持ちで待つ。
「――――…隣…に……、行きましょう」
予想していた言葉とは、どれとも違っていた。
隣?
…隣の部屋ってことは…もしかして…?
「…それって…」
思わず立ち上がってしまう。
てのひらが熱い。いや、もう身体中が熱い気がする。
「何もないとは、言い切れないよ…?」
忠告はしたんだ、だってぼくだって年頃なんだ。
好きな人と一緒に寝て、何もしないと約束することは、どれほど難しいか計り知れない。
やましい気持ちと理性がせめぎあって、熱を生じている。
燃えるように熱いぼくの指を、晴海が両手で握り返した。
「…何があっても、大丈夫だと思える気持ちを――――――あなたに預けてもいいかしら」
向けられた笑顔に。
ついに堰をきった涙が、溢れてとまらなかった。
710 :
671:04/06/14 02:19 ID:VNcIMtTG
今日はここまで。
長い上にまだかYO!な進行ですが、ようやく次エチー突入です。
とりあえず、健三から健三の所以たる無邪気さが消えてることに気付いて
健三ファンの方に申し訳なくガクブルですが見逃してください(;´Д`)
晴海なら「中学生が、まだ早い!」とか言いそうですが、とりあえず板の趣旨上w
711 :
こぱんだ:04/06/14 11:14 ID:Fgw4WmYn
おつです!今夜あぷ作業入ります。多分…アヒャ
お名前は数字のままにしますか?
712 :
671:04/06/14 15:59 ID:wVg7qkFf
>>こぱんだ氏
ありがとうございます。
名前は数字のままで結構ですYO。
こちらも今夜エロ作業に入…多分…がんがります(・∀・)
「…何があっても〜預けてもいいかしら」のとこが晴海っぽくて(・∀・)イイ!
テストカキコです。
突然失礼しました。
おひさしぶりです。神様降臨ですね〜!
671さん、連日乙です!
しかも連日、萌えさせていただいております。
今夜はいよいよ…とのこと、楽しみにしております。
では、ご挨拶まで…。
716 :
こぱんだ:04/06/15 01:23 ID:SH3Yy3RK
うp完です。
どきどきの展開〜楽しみ。
>>こぱんだ氏
乙です。ありがとうございました!
何か不思議な気持ちです…
他にもレスd!
憧れの神にもレスもらえてウレスィ…!
では投下します。
+ + + +
二つ並べて敷いた布団の上で、向かい合って、互いの服を脱がせることに。
まずは晴海から。ぼくの首元に、細い指が伸びる。
小さい頃は、ボタン掛けもボタン外しもうまくできなくて、べそをかいては晴海にやってもらっていた。
「いい加減一人で出来るようになりなさいよ」と言いながら、ぼくの胸元を軽やかに行き来する晴海の指先を、なんだか不思議な気持ちで見ていたものだった。
今は、震える指が、服がはだけるたびにぴくりと動くことに、胸が熱くなる。
ノドの奥から何かが出かけて、でも静かに見守っていたくもあって、口は開いたり閉じたり忙しかった。
「…なにか、言いたいの?」
そんなぼくの様子に気付いたか、丁度全てのボタンを外したところで晴海がぼくの顔を覗き込む。
相変わらず眉は吊りあがって、しかめ面でぼくを見てる。
いつも見ている顔なのに、とても可愛く感じてしまって、閉じかけた口を開いてにこりと笑った。
「や…、なんだか、ドキドキするね」
言うんじゃなかった。
口に出してしまってから、ぼくの顔も晴海の顔も仲良く真っ赤になってしまった。
晴海はいいにしても、ぼくなんか自分で言った言葉に自分で赤面している。
恥ずかしい。
あはは、と照れ隠しに苦笑いするぼくのあたまを、晴海は照れ隠しで小突いた。
「一々言わないでよろしい」
ちょっと声が上ずってた気がする。晴海はそのまま、はぁ、とため息をついてうつむいてしまった。
まだ上はボタンが外れただけで、完全に脱げてはいないのだけれど。
無理強いはよくないよね、と諦め、今度はぼくが、薄ピンクのパジャマに手を伸ばす。
「…!」
小さな肩がびくっと揺れた。
可愛い。
白い小さなボタンに指をかけると、ぼくもまた震えているのが分かった。
ありゃ、と苦笑しながら、一つ一つ外していく。
だんだん見えてくる白い肌が、何故だろう、見たことがないわけでもないのに初めて目にしたような気持ちになる。
隙間からのぞくふくらみを確認した瞬間、ぱっと顔に火がついた。
本当、本当、初めて見るわけじゃ全然ないのに。
顔が燃えそうに熱くて、思わず目をそらした。
今からこんなに興奮してどうするんだ!一生懸命自分に言い聞かせる。
落ち着かない指は、ぼくも同じだ。
ならば晴海は、ぼくのこんな姿を見て、何を感じているだろう。
晴海も、ぼくと同じように、苦しいくらい胸のうちを震わせているだろうか…。
ふと目線をずらすと、わずかに口の端の上がっているのがわかった。
「…上手になったわね」
「な、何年前の話…」
空気中に、ぴんと張っていた一本の糸がぷつりと切れた。
思わず脱力して、どちらともなく笑い声が出始めた。
くすくすと二人で無邪気に笑って、また、どちらともなくちゅっと口付けた。
「ん…」
目を閉じている晴海がとっても可愛くて、なんだか焦ってしまう。
前から可愛いと思っていたのに、わかっていたのに、こんなに可愛い女の子になってるだなんて、と今更ながらに気恥ずかしくなる。
軽くついばむだけのキスを何度も繰り返して、その間にボタンを全て外すことには成功した。
手元に目をやれないために、時折ぼくの指が晴海のお腹に触れたりして、その度にはねる身体がとても愛しかった。
「…外し終わったよ」
口付けをやめて、ボタンにかけていた手を離すと、ぱち、と晴海は目を開く。
そしてぼくの目を見るやいなや、それこそボンッと音がしそうな勢いで赤面して、前を隠そうと慌てたせいかバランスを崩してぼくに倒れ掛かってきた。
ぼくが胸に感じた柔らかい感触に言葉を失っているうちに、「ゴ、ゴメン」とさっきよりも遠く後ずさってしまった。
「…ねぇ、晴海」
「なな、何よ」
布団だけを見つめて、あくまでぼくと目を合わせようとせず、上ずった声でそれでも強気に答えるこの人が、ぼくはどうしても好きで好きでたまらないみたいだ。
ずっとそばにいて、長いこと一緒に過ごしてきたからだろうか。
普段は空気のようにかんじていたこの愛しさが、今この瞬間に溢れて過呼吸になってしまっている。
思わずほころんでしまう口元に、それはさらに感じられた。
「これ、忘れてた」
身体を傾けて、綺麗に結んである頭の後ろに手を伸ばした。
白いリボンが、先程目にしたこの可愛い人の肌のようで、一瞬触れるのをためらってしまったけれど。
ひとりで小さくうなずいて、片端を持って引っ張ると、いともたやすくする、とほどけた。
ぱさり。
うつむく晴海の頬を、やわらかい茶色の髪が覆い隠す。
それがうっとうしいのか、晴海はすっと顔を上げた。
髪を解くと、いつものポニーテールからがらりと印象が変わるのは前からだったけど、今はこの状況もあってか、柔らかなウェーブがとても淫らに見られた。
「健三…?」
両手がリボンを解いたままで固まっていることを不思議に思った晴海が、上目遣いにぼくの 表情をうかがってきた。
なんてことを、今ぼくはとても淫猥な思考に頭がとらわれてるっていうのに。
性的なことに興味が無さそう、とかいつまでも純粋そう、とかよく言われて。
確かに、そこまでがっついた気持ちを抱くことはなかったけれど、今は違う。
とても好きな人だから、心に抑制がきかない。
もうきっと、晴海が怒っても泣いても、止めることは出来ないだろう。
「どうかしたの、ねぇ、けんぞ…、ん…っ」
宙で固まっていた手を、華奢な肩へとおろす。
ぼくの名前を呼ぼうと言うのか、開きかけた口に、自らの唇を近づけて…。
今度は、深く口付けた。
722 :
671:04/06/15 02:28 ID:/uIEeA/4
今日はここまでで… ス イ マ セ ン … !
これじゃまるでエロサイト業者みたいな手口(;´Д`)
エロ神様は時刻構わず降臨なさるので…ではでは。
723 :
こぱんだ:04/06/16 01:02 ID:EubvKjyt
うp完です。
671タンのエロ神様ありがとう〜
671さん、乙です!
髪をおろした晴海はいつもとのギャップでカワイイだろーなー(*´∀`*)。
健三も671さんも671さんのエロ神様wも頑張れ〜!!
あ、あと、かか…神って私のことですか、そんなとんでもない!
まだまだへっぽこ修行中ですよ。
そのうち、続きが持って来れるようにがんがりますw。
725 :
こぱんだ:04/06/20 22:57 ID:Xj2VZWdC
別バージョンHPをあぷしてます。
よかったらごらんください。
次回のキリ番さんは12222です。
秘密ページに行ってみてください。
ほす。
てか、671タン続き待ってます。
遅くなりましたが続きです。
イエ、実はただでさえ皆様のお眼鏡にかなうようエロ苦戦しているところに
マイ愛車が 事 故 り ま し て …(;´Д`)
かなり遅くなってしまいましたが、待っていてくださる方がいてウレスィ!
本当ありがとうございます。
+ + + +
傾いだままでは辛いので、そのままゆっくりと身体を倒す。
いわゆる、ディープキスなんて、したことないけど。
ぼくの名前を呼んでくれたその唇が、あんまりに可愛らしかったので、ぺろっと舐めてから口の中へ舌を差し入れる。
驚いたのだろう、閉じられた歯列を割って、その奥にある舌を見つける。
逃げるのを、追いかけて、自らのを絡め、吸う。
棒付キャンディを舐めるみたいにして、生まれてはじめてのキスを、思う存分堪能する。
「ふぁ、ん…ッ」
ピチャピチャという小さな水音と、どちらともなく口の端から漏れる吐息が、しんとした部屋の中で響いている。
(…なんっか…スゴイ気持ちイイ…)
入り込んだ口腔はとても熱くて、心地よい。
ぱ、と瞼を開いてみると、あちらはぎゅっとかたく目を瞑っている。
だけど、はじめがちがちに硬直していた身体からは、少しずつ力が抜けてきているようで、ぼくの服の裾を握り締めていたのが、だんだんほどけていくのが分かった。
「ん、は…っ」
キスを終え、口を離すと、鼻にかかった、甘ったるい声が聞こえた。
それを間近で聞いて、おまけに舌と舌とを二人の唾液がつないでるなんて、そんなものを直視したら晴海だけじゃなく、ぼくまで真っ赤になってしまう。
ぷつりと切れた糸が、そのまま唇の端から顎にかけてはりつく。慌ててこすろうとした腕を取り、口を近づけて舐め上げれば、小さく高い声があがる。
その、いつもは聞かない甘い声を、もっと聞きたくなって。
「好きなとこ、触っていい?」
返事は、返してくれなかったけど、拒絶はされなかったんだから、いいってことにしてしまおう。
都合よく解釈したぼくは、どうやったら晴海が、またあんな声を出してくれるんだろうなんて考えながら、まずは先程目にしてユデダコになった、胸のふくらみに手を伸ばす。
「ぁっ」
声が上がったのは、中心にある飾りに指が触れた時だった。
それを確認して、ふくらみを柔らかく包みながら人差し指でこね回すと、だんだんかたく、とがってくるのがわかった。
声と一緒に、身体もきちんと反応を返してくれることが嬉しい。
そしてどんどん貪欲になる。
もっと、もっと、今まで見たこともない、聴いたこともない晴海の姿が見たくて。
身体をずらして、もう片方の手も胸元におろし、両手で両胸を刺激すると、晴海の息が上がってくるのが分かる。
どんな顔をしてるのかな、と見上げると、頬を赤くして眉をひそませ、快楽の波に流されまいと堪えている表情が見えた。
「ここが、好き…?」
問うた声に、驚いた。
晴海だけじゃなく、ぼく自身もびっくりした。
こんな静かな、かすれた声を、ぼくは多分出したことがない。
別の人になったみたいな、不思議な気持ちに戸惑っていると、さっきより更に顔を赤らめた晴海が、消え入るような声で肯定を示した。
「…ぼくも好きだよ…」
ぴんと張り詰めているそれに唇を寄せる。柔らかくはさんだり、舌で包み、舐めたりすると、指より心地いいのか、身体の震える回数が増えた。
「ぁ…やっ」
口は胸元から動かさずに、すっと下腹部へと手を忍ばせる。
なめらかなお腹を撫でながら下へさがっていくと、下着に爪先が引っかかった。
そのまま、中へと手を滑り込ませ、柔らかな叢をかき分けた奥には…湿った感触が。
「晴海…ここ、なんか湿ってるよ…?」
割れ目付近を指でなぞると、さらに水が染み出してくる。
晴海も気持ちよくなってくれてるんだ、って思うと、とても嬉しくて。
間を割って、潤っている箇所に指を一本、差し入れる。
「ひぁ…っ!」
びくっと身体が跳ね、一際高い声が上がった。
頭をガツンと打つような、ひどく官能的な声。
「やっ…、な…かっ、ヘン…ッ」
抜いたり挿したりする度に、声とともに熱い蜜が溢れてくる。
指を追加し、その蜜を一滴たりとも残すまいとかきだすけれど、際限なく溢れる液体は秘所から零れ落ち、下着にシミを作るだけ。
そして晴海は、そこをそんなにも乱れさせておきながら、声を堪えようと口を手で覆ってしまっていた。
「ふぅ…ッんっ、んっ…」
「声、もっと出していいのに…」
胸への愛撫をやめ、手をはがそうとすると、片方の手ではしっかり口元を抑えながら、もう片方の手で弱弱しくぼくの手を握る。
けれど、力が入らないのか、細い指は簡単にずり落ちていく。
なのに…。
「晴海…」
その指は、何度も何度もぼくの手首にまとわりつく。
ずり落ちても、ずり落ちても。
まるで最後の砦を守るように。
(…………ちぇっ)
そうなると、何故だか無理矢理にでも声を上げさせたくなる。
ぼくですら、周りが全く見えないくらい、晴海にとらわれているのだから、晴海にも、恥じらいも何もかなぐり捨てて、ぼくを全身で感じてほしい…。
「ぁ…っ?」
指を抜いて、濡れた爪をぺろっとなめる。
それと同時に、自分の両手を自由にするために、絡んでいる指を振りほどき、足を大きく開かせてから、間に顔を埋めた。
「…!!」
慌てて起き上がった晴海の吐息を後頭部に感じながら、蜜を吸っているパンティーをずらすと、ピンクに熟れた秘部が露わとなる。
それを堪能するためにもと、片足から抜いて足首までずり下げた。
そして、開けた秘所の中心でぷっくり膨れている突起をつまみ、口に含む。
「え…っ!?」
時折触れる指先に、一番敏感になっていたのを知っている。
現に今も、舌を絡めただけで、電流が流れたかのように身体が大きく跳ねたのだから。
「んっ!」
三本に増えた指を一時に挿し入れ、先ほどはゆっくりとしていた抽送もはやく激しいものに切り替える。
水音もだんだん大きくなり、そしてついに、晴海の手が口元を離れ、ぼくの髪の毛をきゅっと握った。
途端、頑なだった晴海の口からは甘い声が次から次へと零れ落ちていく。
「や、めて…、んっ、けんぞ…あぁっ」
イヤ、だね。ぼくは、これが聞きたかったんだ。
ともすれば、耳にするだけで頭の中が沸騰して、欲望が彼女を傷つけてしまうほどに我を失ってしまいそうな。
「…ホンッ、ト、や……ッ!」
言葉にすることは今は出来ないけれど、指を止めないことでぼくがその申し出を拒否したことは伝わったのだろう。
呼吸も荒く、これ以上の快楽を拒む晴海を無視して、口の中の芽を強く吸う。
「ひぁぁっ…っ、ん、く…っ」
ビショビショになった指から甲へと蜜が垂れ、それでも指を休ませることないぼくの髪に、熱い雫が滴り落ちたのが分かった。
痛くなるほど強く引っ張られていた髪。
そこから、急に痛みが消え、気付けば手は添えられているだけ。
「晴海…?」
頭を上げて、俯いて隠れている頬に手を寄せ、そっと上向かせる。
「はるみっ?」
瞳が、うるうるしてる。
目尻には、小さな涙の粒が浮かんでいる。
…泣いてる。
「ご、ごめんっ、ぼく思わず…ッ」
謝りながら。
なんと、そんな泣き顔が可愛いなんて、思ってしまってるぼくがいる。
矛盾した気持ちで混乱した頭に、上ずった、震えた声が響く。
「…恥ずかしい…健三の前で、あんな声たくさん…だして…」
「え?」
小粒の涙がどんどん大粒になっていく。
「…何か私、おかしいのよ……健三の触ったところ、全部おかしいの」
だけど、それでも我慢してるんだろうって言うのは、流れ落ちることのない雫から見てもよく分かった。
当人が、いかほどに心を痛めているのか、ぼくには図る術もないけど。
その言葉は、ぼくの身には有り余るほどの嬉しいもので。
むしろぼくこそ、想いの程度をはかろうと意固地になっていたことが、恥ずかしい。
恥ずかしがっても何でもいい。それがぼくのものならば。
「…ぼくは、うれしいよ」
「…?」
「晴海が、あんなに可愛い声を出したり、こんなに可愛く泣いたりするのも、ぼくのせいなんだって思ったらさ」
「健三…」
ゆれて、零れ落ちそうになっている雫を、舌ですくう。
「晴海は、うれしい?」
いつもの笑顔で、にこっと笑って見せる。
すると、もう片方のまだ潤んでいる瞳が、ぼくの舌を待たずに涙をこぼした。
「…うれしい」
そしてまた、ぼくの目の前で、いまだ見たことのない、綺麗な笑顔が花開いた。
733 :
671:04/07/07 02:12 ID:+4HjdM0u
今日はここまで。
後一回で終わるかな?と思いマス。
それにしても、前回(本誌今回お休みですが)の健三に萌え(*´∀`*)
…アボーンでは書き込めなかった…何故…
キタァ(゚∀゚)ァァ( ゚∀)アァ( ゚)ァア( )ァァ(` )アア(Д` )ァア(*´Д`)アァン
晴海がかわいいでつ(*´д`*)ハァハァ
735 :
こぱんだ:04/07/12 00:12 ID:V6/PcbQN
こそーり更新してまつ。
やはり次スレタイトルは
【奥君の】高尾滋作品2【早撃ち大王!】 ?
個人的には
【もうそれを】高尾滋作品 2【知っていた】
とかも考えてみました。
ここまで書いて思ったけど、次スレいるよね??
480KB過ぎたら、一週間カキコないとdat落ちしちゃうんだよね?確か。
書き込めなくなるんだったっけ?
かきかき
738 :
こぱんだ:04/07/19 04:04 ID:kcOpKjmj
色々更新しました。
キリ番ページをど う し て も読みたい方はこぱんだに
メールくれるとさくさく教えちゃいます。
(メールはホットメールとかの捨てアドで大丈夫だよん)
739 :
こぱんだ:04/07/21 00:51 ID:ZqvHVyNG
↑改めて観たら何か最悪な書き方してしまいました
すみません。逝ってきます。
||
∧||∧
( / ⌒ヽ ウツダ シノウ....
| | |
∪ / ノ
| ||
∪∪
あぁ、うたかたさん逝かないで〜。
いつもいつも、更新感謝です。
671さん
山場キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!
って感じです!
オフでいろいろ大変そうですね〜。
お体にお気をつけてください。でも、続き待ってますw。
さて。連休で、ちょっとだけ続きを書いたので、投下していきます。
今や気温が40℃近いというのに、春に真冬を思い出している話…_| ̄|○
季節感が無いにも、ほどがあるって感じですが。
短いですが、どうぞ↓。
□ □ □
押し寿司を準備しておいた箱につめる。
一美ちゃんが作っておいてくれた錦糸玉子と桜でんぶ。絹さやと木の芽で飾り付けていく。
私ができることはこれくらいしかないけど、いつももお礼の気持ちをこめて丁寧に作った。
風茉君が、「やっぱり咲十子は皆のことを考えずにはいられないんだな!」って笑う顔が眼に浮かんだ。
もちろん、一番喜んで欲しいのは風茉君だけど、その喜びを周りの人と共有できれば最高だと思う。
でも本当は、自分だけが幸せで怖いのかもしれない。
風茉くんが16で、私が23。
年齢の差は変わらないけど、以前に比べれば外見の釣り合いが取れてきた。
自分で言うのも少し悲しいけど、私はかなり童顔なのでよく高校生に間違われちゃう。
だけど、2人の距離もどんどん近づいているみたいで嬉しい。
一日、一日過ぎるごとに2人の距離が縮まっているようで毎日が本当に怖いくらい幸せ。
ただ、傍にいるということがこんなに幸せな人なんて、風茉君以外には現れないと思う。
飾り付けを終え、メッセージカードを書くためにキッチンカウンターに座った。
すると、長くて綺麗な黒髪がほほにかかってくるのもかまわずに、
巻きすと奮闘している一美ちゃんが見えた。
表情は真剣そのもの。手つきも最初に比べてずいぶん慣れてきたみたい。
お父さんにあげるセーターを作っているときから思っていたけど、
一美ちゃんって本当に好きな人のために一生懸命になれる子だと思う。
じっと見ていると、いつの間についたのか、顎の辺りにご飯粒がついてた。
うーん。美少女ってすごい。
ご飯粒をつけてても、可愛らしい。
九鉄さんも、幸せモノだなぁ。これだけ積極的に思ってくれるんだもん。
―鉄はね…。背中が開いたデザインが好きみたいなの…―
ぼんやり、色々考えていると、突然、ついさっきの一美ちゃんの発言が浮かんできた。
…そうよね。好きな人の好みに合わせようとするのは普通よね。
…でも、…なんだか、自分好みの女性に育てているようで、イケナイことのような気がしてしまった。
自分の何でもすぐに表情に出てしまう顔が憎らしい。きっと、顔が真っ赤になってる。
ふと、顔をあげた一美ちゃんと目があって、ますます慌ててしまった。
「さっちゃん?どうしたの?…もしかして、また風茉とのこと考えてた?フフフ。顔が真っ赤だよ?」
にっこり微笑む一美ちゃんは、間違いなく可愛かった。
そして、その分私は後ろめたくなってしまった。
□ □ □
それにしても咲十子ちゃんのあのポヤーンとした顔。
一体、風茉のヤツどれだけ無茶したんだろう。
去年までまるでそーゆーことに興味がなかった(と思われる。)咲十子ちゃんをその気にさせたばかりか、
思い出すだけで、赤面しちゃうくらい印象に残ることをしちゃってるんだよね〜。
…いけない。我ながら、ちょっと欲求不満なのかしら。
人さまのそーゆーことを心配しちゃうなんて。
それもこれも、お父様が鉄を早く帰してくれないのがいけないんだから。
あ、あと、鉄のせい。
だって、私がこんな思いをするほど、鉄を恋しくさせたのは、鉄本人なんだから。
まきすに海苔をおいて、酢飯を載せて、具を載せて…。機械作業で手を動かしていると、
鉄の声が聞こえてきた気がした。
「かなり腕を上げたな。奥さん。」って。
嫌だ、なんだか私まで、あのクリスマスの日を思い出してるみたい。
思わず顔を上げて、咲十子ちゃんがこっちを見ていないことを確認した。
いけないいけないと思いながらも、頭の中ではあのクリスマスの日が再生され始めていた。
□ □ □
あのあと、確かに九鉄は、こう言葉を続けた。
「一美は俺の喜ぶことを全部知ってるもんな。飯の好みも、セックスの好みも。」
「んやぁ。そんなこと、言わないで…。」
そのときはもう、頭の先から足の先まで、痺れきっていた。
でも、もっともっと欲しくて、鉄を感じたくて、自分が壊れちゃったみたいだった。
「俺、初めての時に、お前が俺のことを全部教えてくれって言うから、本当に全部教えてきたんだぞ。」
私の髪を撫でていた掌に力が入って、また鉄の胸に抱き寄せられた。
安心する、鉄の匂い、鉄のぬくもり。
大きくがっしりした胸板に、本当に小さく私のモノっていう印をつけた。
「どうしてお前って、そんなに俺の気にいることばかりするんだ…?ほんと、一美には敵わないな…。
実は、初めての時から思ってたんだ。」
首を上に向けると、鉄の喉仏が見えた。
視線をずらしていくと、私が付けた痕が真っ赤になって残っていた。
「…鉄だけ、覚えてるなんて、ズルイ…。私、初めてのときなにがなんだかわからなかったのに…。」
「くくく。そうなんだ?そりゃあ、可愛かったぜ。あの時のお前。怖くて震えてるくせに強がったりして…。」
鉄の胸の上に載っていた、身体を、コロンと転がされた。
私に覆い被さるように重なった鉄の顔は、なんだか悪戯っ子みたいに楽しそうだった。
「もう一回、あの時と同じように抱いてやるよ。そうすりゃきっと、思い出すだろ?」
唇を重ねて、深いキスをする。
すっかり馴染んだ、鉄のキス。
頬を片手で包まれて、舌を絡め獲られるともう鉄以外は目に入らなくなった。
以上です。
中途半端なところで、すみません。
あと、思っていた以上に容量とってしまったみたいです…。
すみません ;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
キタ(゚∀゚)--------!!
なんてエロティックな関係なんだ、九一!!
やっぱり鉄と一美はイイ(*・∀・*)!
Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン
こここ、こぱんださん!!そしてうたかたさん!すみません〜。
寝ぼけた頭で投下したら、思い切り失礼な間違いを…。。・゚・(ノД`)・゚・。
まさに鬱だし脳状態…。
あ、あと、こぱんださんの新作イラ、拝見しましました。
双子萌え〜(;´Д`)ハァハァ
>>745、746さん
レスありがdです。九一て妄想しやすくて、大好きですw。
748 :
こぱんだ:04/07/26 01:54 ID:pwI8/YM7
何日かぶりにネット繋げて、
スレ覗いたら新作が!!!!
うぉぉぉぉぉ キタ------(゚∀゚)--------!!
というわけで更新しますた。
749 :
名無しさん@ピンキー:04/07/29 13:21 ID:qAUTgMQM
続きまだー(AA略
先を待ちつつ捕手
ほしゅしゅ
はぁはぁ…しのぶ様ぁ…はぁん…ぴくっ…………
さいぞーのひとりエッチ保守
補習
ほしゅ?
風茉・咲十子は風茉が18歳になるまでは結婚しないのだろうか。
長い婚約期間だなw
756 :
名無しさん@ピンキー:04/09/22 01:58:59 ID:O1WElF0g
ほしゅ
誰かー!いませんかー?
半年ほど前にフルバ・スキビ目当てに(立ち読みがめんどくなったので)花ゆめ購読開始。
そこではじめててるてるを読む。
おもしろそう!!(だけどなんかかなり重要な回を最初に読んじゃった感はあった)
↑ちなみに49話。その後55話以降は花ゆめ買い続けてる。
9月末、ついにコミックス1巻を買ってみてなんかもうハマる。2巻も買う。
しかし教育実習(1ヶ月)に突入。
続き読みたさに苦しむも、そんなことする余裕もない苦しい日々。
そして3連休をむかえ、7巻までの大人買いの暴挙に。
おもしろかった〜〜〜〜!!!(でも自分の首は絞めた)
先を知る前に、最初から読みたかったなぁ・・・と思わされました。
あと2週で実習あけたら、その他の作品も読んでこのスレも読破したい・・・
だれもいないのをいいことに・・・失礼申し上げた。
またディアマを読んで出直してきます。