【ジャンヌ】種村有菜作品2【満月】

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904憂×氷月:05/03/11 17:08:46 ID:u/qxJyyG
ドアの向うから声に氷月はびくりと反応して私を見た。
「憂様、見つかってしまいます、どうかお止め下さい」
本当に困った顔をして氷月は私を止めようと必死で小声で囁く。
でも私は垂れてきた髪をかき上げて彼のを根元まで咥えた。
「っ…く、ぅ…」
ぶる、と氷月が震えて私の頭を押さえた。
「姫様?」
外から心配そうな声が掛けられた。
氷月は私とドアを何度も視線で往復すると困ったように眉根を寄せて少しだけ上ずった声で、
「今憂様は眠ってます。もう少ししたら僕が起こしますのでっ…!」
言い訳をしようとした氷月のを強く吸った瞬間語尾が震えた。
「氷月様?」
心配そうな声に氷月は声を作ってすぐに何でも有りません、と答えた。
「必ず連れて行きますので」
その声に扉の向うから了解の声が聞え、足音が遠ざかるのを氷月が緊張した顔で見ている。
私はと言うとそんな彼の態度を楽しみながら舌で何度も根元から先端を往復していた。
犬のようにただ舐めて、時折吸って、軽く歯でこすって。
その度に氷月は苦しそうな、何とも言えない顔で声を漏らさないように唇を噛んで堪えていた。
905憂×氷月:05/03/11 17:19:54 ID:u/qxJyyG
口の中で氷月のが固さを増していた。
そろそろ彼も―――多分、我慢が限界なんだと思う。
氷月のを口から出すと私の唾液が彼のを濡らしていた。
「……入れて」
ドレスの裾を捲って下着を脱ぐ。
「何を言ってるんですか憂様」
氷月が悲しそうな顔で私を見た。
「ご飯前にそのような事をしてしまえば匂いで勘付く者も出るでしょう。
それに僕は―――」
彼の言葉を無視して、もう熱くなってるそこを指で開いくとくちゅっと音がした。
氷月に良く見えるように指で広げ、彼を見る。
「―――入れなさい」
拒否権は無いと言うのを示すように『命令』すると氷月は諦めたように溜息を一つ吐いた。
「分かりました」
氷月の顔から表情が消えて、彼は私を抱き上げた。
無言のままベッドにそっと横たえて邪魔になったドレスの裾を汚れないように捲る。
いつも命令をする時はこうして氷月はベッドへと私を運んでいた。
どんな時も、床に押し倒すと言う事は無くて
―――乱暴にされたりしないのは彼の中で私は大事な存在なんだろうか。
それとも、私が姫だから―――お姉ちゃんの妹だから、そうやってするんだろうか?
身体だけは火照ってどうしようもないのに、一度も私は氷月を本当に感じた事が無い。
氷月の本当に好きな相手は私じゃない。それは分かっているのに。
無言のまま氷月の指が私のあそこをなぞる。事務的に、何を考えてるのか分からない顔で。
906憂×氷月:05/03/11 17:28:00 ID:u/qxJyyG
彼の指が敏感な所を探る。
「んあぁっ…!」
それに声が自然と漏れて、指が触れる部分からくちゅりと音がした。
氷月の指が中を少しの間出し入れを繰り返して、すぐに抜かれた。
「―――入れますよ」
そう囁いて氷月が中に入ってくる。
私の上に彼が重なって、ゆっくりと彼自身が中を占めていくのを感じた。
「あっ…あああっ!」
何度入れられてもする何とも言えない異物感。
氷月の顔を見ると少しだけ赤い顔で私を見ていた。
彼が動くたびに声を漏らす私と、ただ黙ってそれを見ている氷月。
身体は重なっているのに心は重なる事はない。
いつもそうだから早く慣れてしまいたいと思っていた。
身体だけでも彼と一つになれるのなら、私はそれで幸せだから。
そう思いたくて私はシーツを強く握り締めた。
視界が滲むのも、彼が中で動くのが気持ちいいからなんだ。
胸が痛いような気がするのも全部気のせいなんだ。
「っ…」
―――氷月。
名前を呼びそうになって抑えた。呼んでも多分彼は応えてくれない。
氷月に伸ばしたいと思う手で必死にシーツを掴んで、この行為がずっと続けばいいと思っていた。
愛情が無くても、彼と触れ合えるなら。
涙が頬を伝うのを感じながらただ氷月を見つめていた。
907氷月×憂:05/03/11 17:36:15 ID:u/qxJyyG
どうしてこんなことになったのかと思う。
彼女の中にから引き抜くと微かに音がして口を開いた秘所から僕が出した精液がどろりと溢れてきた。
静かに呼吸する憂様の胸が上下するのを見ながら僕は自分のしていることに対してただ嫌悪を募らせるばかりだった。
「大丈夫ですか?」
僕の呼びかけに小さく頷いて憂様は笑った。
「氷月の赤ちゃん―――できればいいのに」
ぼそりとだが確かに呟く声に僕は何も返せなかった。
彼女のことは嫌いじゃない。いや、多分好きなんだと思う。
ただ分からないだけで、どうすれば僕がした事を償えるのかが分からなくて。
最初は命令されるままに憂様を抱くだけだった。自分のした事の責任はとらなければならない。
だから彼女が望む事はなんでもしてあげようと―――そう思っていた。
抱く事で僕が与えた傷が少しでも楽になるのなら、と。
けれど抱く内に憂様を愛しいと思う自分に気付くようになっていた。
僕の腕の中で泣く彼女を守りたいと思うようになっていた。
908氷月×憂:05/03/11 17:47:35 ID:u/qxJyyG
だが気付くのが遅すぎた。
僕は彼女を強姦した上に違う女性の名前を呼んでしまった。
そんな僕が今更憂様に「好きだ、愛してる」なんて言って優しくして良いはずが無い。
もしあんな事をせずに自分の気持ちにもっと早く気付いていれば優しくしたに違いない。
愛の言葉を囁いて、髪を撫でて、普通に接して。
そんな風に逆滝くんが響古様にするように優しく接してあげられただろうなと思う。
「…余り遅いと怪しまれますよ」
精液を拭いながら囁く。
「そうですね」
事務的に行為のあとを処理しながら僕は静かに自分の心が沈んでいくのを感じていた。
こうして身体だけを重ね、彼女を僕が汚していく。
本来なら僕が守らなければいけない存在なのに―――僕が傷つけ、少しずつこの人を壊していく。
どうすればいいんだ。
誰にも言えない言葉を心の中だけで呟き、服を整える憂様を見つめた。
909氷月×憂:05/03/11 17:48:58 ID:u/qxJyyG
暗くてすみません。活気が戻りますように|´・ω・)
910名無しさん@ピンキー:05/03/11 22:39:15 ID:ALZ/KNhH
乙デス! ちなみに次は逆滝響子が見たいでつ(*´Д`)
911名無しさん@ピンキー:05/03/12 04:25:39 ID:5KLoyAfO
「ぁう…や、ぁ…」
休日の夕方、マンションの一室――日下部まろんの部屋では
精一杯の理性で自分の欲望を押さえ、割れ物を扱う様に恋人の身体に触れる青年と、
今にも泣き出してしまいそうな表情で唇を噛み締める――唇が切れてしまうから、
そんな風に我慢なんてするな、と優しい恋人は言ってくれたが――少女がベッドに横たわっていた。
柔らかく胸を愛撫していた青年の手が、スカートの裾から入り込み
少女の白く華奢な足をマッサージしつつ徐々に上へと上がってくる。
はぁ、と緊張のほぐれか又は心地よさからか、少女の口からため息が漏れた。
青年が行為を先に進めること無く、そのまましばらく太腿を揉みほぐしていたのは
躊躇いと不安のせいであるという事がその表情から読み取れた。
しかし少女はうつ伏せになっており――かろうじて顔は横を向いているが――
恋人の表情には気付いていないと思われた。
やがて青年は意を決したように、その手をそっとショーツの上に滑らせた。
その動きにピク、と少女の身体が跳ね、目がきつく瞑られた。
「…まろん」
柔らかく名前を呼んだあとの、大丈夫か、と言う言葉はすんでのところで飲み込んだ。
大丈夫な訳がないから。
今だってまろんはこうして必死に堪えている。
辛くて怖くて、彼女は今にも壊れてしまいそうなんだ。
「稚空……どうしたの?」
彼の心の内を読み取ったかのように、泣きそうな目でまろんが微笑んだ。
その目を見ると辛くなる。
「…何でも、ない」
その声は絞り出したような、呟きに近かった。
912名無しさん@ピンキー:05/03/12 04:26:36 ID:5KLoyAfO
駄目だ。俺が不安になっちゃいけない。
そう思うと同時に、じんわりと熱いまろんのそこに添えられた手を動かす。
上下に往復し、触れるか触れないか程度だった指に少しだけ力を入れる。
まろんの呼吸が先程までよりも早くなった。
「ん、ぁ…はぁ、ぁ、…ぁんっ」
特に敏感な場所を指で柔らかく転がしてやると高い声を上げ、まろんの身体が跳ねた。
少し赤く色付く耳も、唇で、舌で、愛撫してやる。
まろんが気持ち良さそうにとろけた表情をするから、少しだけ余裕が出て来て
ベッドとまろんの身体の間に手を割り込ませスカートを脱がせようとした時。
「ゃ…やだぁあっ」
水分を含んだまろんの拒絶の声に、一瞬何もかもが止まったようだった。
もちろん稚空も例外では無く、まろんのすすり泣くような声が耳に入るまでぼんやりとしていた。
「ぅ、っ…ごめ、ん…ごめん、ね・…」
その言葉に応えず、泣きじゃくるまろんの上から身を起こし、座ったまま彼女の着衣の乱れを手早く直す。
いいよ。気にするな。まろんが悪いんじゃない。また次頑張ろう。こんなことなんでもないよ。
俺は平気だよ。焦らなくたっていいじゃないか。
まろんを慰める言葉はたくさんあった。
でも、それのどれ一つとして稚空のまったくの本心を表すものではなかった。
何も応えない稚空に、まろんが不安そうに口を開く。
「き、嫌いに、ならないで…次は、がんばる、から…」
泣いているから途切れ途切れに聞こえるまろんの言葉に、胸が痛くなる。
「…嫌いになんてならないよ。大丈夫だから」
「ち、稚空が、怖いんじゃない、の…怖くなんか、ない、の、に…」
それなのに――――
913名無しさん@ピンキー:05/03/12 04:28:14 ID:5KLoyAfO
「もうわかったから。いいよ、怒ってなんかない」
怒る事なんて出来るわけない。
「とりあえず、今日は帰るよ。鍵閉めるの忘れるなよ」
今の自分に出来る、精一杯の笑顔でまろんにそう伝える事が出来て良かった。
本当は帰りたくなんて無かった。一秒だってまろんの傍にいて、その傷を癒してやりたい。
でも、俺が傍に入ることはまろんの為にはならない。
以前はごめんなさい、私が悪いの、と泣きじゃくるまろんを置いていく事なんて出来なくて一晩中そばにいた。
触れるだけでまろんが怯えるから、抱きしめて安心させてやることも出来ずに。
そんなもどかしい思いをする俺を見て、まろんは更に頑張ろうとした。
抱きしめてくれる?
キスなら大丈夫かもしれない。
そんな言葉を無理して口にするまろんを見ている方が辛かったから。
その俺よりまろんはずっとずっと辛い思いでそう口にしているだろうから。


まろんがこうなったのは、ノインに犯されそうになってからだった。
しばらくはショックで食事もとれず、可哀想なくらい泣いて、吐いて、痩せた。
それでもしばらく経つと少しずつだけど、元のまろんに戻っていった。
そして数ヶ月前のある日。
もう大丈夫だと思うの。だから、私、稚空に抱いてほしい。
まろんはそう口にした。
今だったらわかるけど、それもきっとまろんの本心ではなかったんだろう。
俺がまろんにキスしたり、迫ったりしなくなったから不安だったんだと思う。
でも、その日のまろんは抱きしめて、キスするだけで限界だった。
それさえも震えていて、それから先は顔を真っ白にして泣いていた。今日のように。
それからも何回かこういう事があって、少しずつだけど前に進めている。まろんの気持ちを犠牲にして。
914名無しさん@ピンキー:05/03/12 04:30:48 ID:5KLoyAfO
名古屋稚空が自分の部屋に戻ったとき、まだ日は沈んでいなかった。
はあ、と大きくため息を吐き自己嫌悪に落ちいってしまう。
もちろんノインのことは憎い。前世の恋人だからと言ってまろんはあいつの物ではない。
嫌がるまろんの声が聞こえなかった訳ではないだろう?まろんが受け入れていた訳ではないはずだ。
ただ、それと同じ位自分がこういうときに焦らずにまろんを包んでやれない事も腹立たしい。
表面上は優しい言葉をかけてやれても、心の底では早く抱きたくて堪らない。
だから無理しているまろんに気付いているくせに誘いを断らずに、結果的に泣かせてしまうんだ。何度も何度も。
それともう一つ―――
そのときインターホンの音がなり、はっと顔を上げる。
のろのろと立ち上がりドアを開けると、そこにはまろんの親友でもあり
将来は婦警を目指すだけあって、正義感の強い少女――都がたっていた。
「あ、ごめん、寝てた?これ、お母さんが作ったんだけど、良かったら夕ご飯に食べて?」
見ると、手には温かそうなシチューが抱えられている。
「いや、起きてたよ。いつも悪いな。ありがとう」
そういって受け取ると、都はいいえ、それじゃあね、といって笑って帰ろうとした。
「……都」
呼びかけに、彼女の肩がびくりと震えた。
「上がるか?」
ゆっくりと振りかえった都の目には困惑と、ほんの少しの喜びが感じられた。
そしてゆっくり首を縦に振り稚空の後について寝室へと入っていく。
これが彼女の、そして彼のもう一つの罪。
915名無しさん@ピンキー:05/03/12 04:32:00 ID:5KLoyAfO
初めてこうなったのは、まろんとの2回目の行為も未遂に終わったときだった。
あの時はもう少し遅い時間で、都は数学の課題を聞きにきた。
都が玄関先で数学を教えて欲しいと言った時、稚空は酔っているようだった。。
別に、未成年が飲むんじゃないわよとか、そういうことを言おうとしたわけではないけど
稚空の目が悲しげに沈んでいるのを見た時、何とも言えない気持ちになった。
無理に上がり込み、何とか稚空から訳を聞き出したとき、彼女の口は無意識のうちに言葉を発していた。
身体だけでも、まろんの替わりにならない?と。
稚空は目を白黒させ、そんなのはいけない、都が辛いだけだ、と彼女を説得した。
それでも良かった。都は稚空が好きだったから。
すごくすごく好きなのに、稚空が見ているのはいつもまろんだったから。
何言ってるの、あんたは最低な女よ。まろんが哀しむわよ、と言う声が自分の中から聞こえた気もした。
でも、都が稚空に抱きつき、酔い任せの稚空がそれに応えた瞬間その声は消えた。
916名無しさん@ピンキー:05/03/12 04:43:02 ID:5KLoyAfO
おひさしぶりです〜、98です。
流れを変えた皆さんがた、乙です!
携帯さんの稚空×他の女とか氷月×憂を読んでいて
稚空×都が思い浮かんでしまいました。
ずっとロムらせて頂いてたので、久しぶりに書くと時間かかりますね。
原作のノインに襲われた直後なのにもう元気になってるまろんには
ちょっと納得行かなかったので書いてみました。
メインが稚まろなのか稚空都なのかわかりませんが…
でも稚空まろんに萌えてるのには変わりないので
都とのエロシーンには自信ないんです。
なのでリレーにして頂けると助かります。
もしくは半端ですがこれで完結としてみていただいても結構です。
もういいかげん眠いので文章ボロボロですみません

それでは、他の書き手さん達の作品も楽しみに待ってます。
917名無しさん@ピンキー:05/03/12 13:07:06 ID:7FIo/Env
都をリビングに通し、何か飲むか?と聞くと、都はなんでもいいわ、と言って笑ってみせた。
その顔付きがどことなくまろんに似ていて‥ 稚空はおもわず胸が苦しくなる。
まろん‥今頃‥泣いてんのかな‥
稚空がそう思ったとき、彼は入れかけていたコーヒーをこぼしてしまった。
「あっつっっ!」
幸い火傷はたいしたことはなかったが、心配そうに都が近づく。
「大丈夫?」
下から覗き上げる都に「‥入れなおさなきゃな。」と苦笑してみたが、都には「もういらない‥」と言われてしまった。
「もう‥無理しないでよ‥私の前では強がらなくていいの‥」
都はそのまま稚空にめいっぱい抱きついたが、稚空は抱き返せずにいた。
「‥ねぇ、抱いて‥」
都のその言葉に稚空はとまどったが、ふいに都が彼の頭をくい、と寄せ舌を割り込ませ、彼を求める。
そんな都の強引な仕草に、稚空は、流されてしまおう、と思った。 というより、都の大胆な行動にそう思わされた。
「都っ‥」
都にとって稚空の腕は、とても心地良いものではなかったが、彼のその胸の隙間を埋めてあげたかった。
「ベッド‥行こうか。」
稚空に手をひかれ、二人は今日も、罪に溺れる。
918名無しさん@ピンキー:05/03/12 13:10:20 ID:7FIo/Env
ここからのえっちな描写は次の方にお任せしますw
>>98様新作乙です!
ちょっぴり調子乗って続き書いてみちゃいました(´∀`)エヘ
お気に召せば光栄でつ(・ω・)
919名無しさん@ピンキー:05/03/12 18:08:21 ID:BwlUSBLH
背徳感あるストーリーだなぁ
920名無しさん@ピンキー:05/03/13 23:26:48 ID:pPA2c2Dq
>>917

寝室のベッドに都を横たえ、その上に稚空が覆い被さる。
それまでは二人とも、互いにどちらかが拒み、この関係が今日かぎりで終わるのを心の奥底で期待する。
玄関先で帰ろうとするとき呼び止められないことを。
上がるか?と尋ねても都が断ることを。
「抱いて」という自分を稚空が拒むことを。
そして二人にとって大切な人を裏切る行為に、自分自身の心が歯止めをかける事を。
もうこれ以上の罪を重ねないために。
しかしベッドに倒れ込んだ瞬間に、その甘く他人任せな期待は砂のようにサラサラと二人の中で崩れ落ちる。
身体と罪を重ねる度、それは例外なくそうであった。

都の細い身体を貪欲なまでに掻き抱き、首筋に舌を這わす。
応えるように背中にまわされる手や、髪を撫でてくれる指が不安や焦りを和らげてくれるようで心地良かった。
こんな風に性急な行為にまろんはひどく怯えるから。
彼女自身の中のよみがえる嫌悪感や恐怖を、歯を食いしばって耐えるのに精一杯で
稚空が、抱き返してくれる腕を求めている事に気付ける余裕を持ち合わせていないから。
舌を這わせたまま、都の上着を捲り上げ、下着越しに柔らかな胸を揉みしだく。
はぁっ…、と都の吐く荒い息にまた身体が熱を増した。
「ゃ…あっ」
稚空によって下着が外され、直に胸の突起に触れられたとき、思わず声が喉をつく。
膨らみかけたそこを指の腹で転がされ、ときに爪で引っ掻かれる。
熱くなった自分の身体と対照的に、ややひんやりとした稚空の指。
耳を噛まれると無意識のうちに稚空のシャツに掴まっていた。
921名無しさん@ピンキー:05/03/13 23:35:35 ID:pPA2c2Dq
名前入れ忘れましたが98です。
リレーに参加して頂いた方ありがとうございます。
最終的には稚まろになるのか稚空都になるのか分りませんが、
まろんにばれちゃうのもいいかなぁとか考えてます。
もしくは隠したままなんとかH成功とか。
どうにしろ暗くなりそうですが、展開は次の方にお任せします!

携帯様はじめ、リレー希望様&SMリレーの続き、水無月×都様の
続きもハァハァしながら待ってます。
頑張って下さいね。
922名無しさん@ピンキー:05/03/17 17:16:46 ID:yh9jYtXV
age
923携帯:05/03/20 21:33:26 ID:81mjgX7Q
はぁ…、と唇を離すと熱い吐息が漏れる。どれくらいの間こうして互いの唇を求め合い舌を絡めていただろう。長い間こうしていた気もするし一瞬の様な気もして再び唇を重ねる。
「ん…ふ……ふやけちゃぅょ…ゃっ」
白い肌を桜色に染め俺の唇を指で押さえながら戸惑った瞳で見つめてくる。そんな瞳で見つめられるとどんどん欲求が大きくなっていく。
「っ、ゃ…私は…もぅ稚空の彼女じゃなぃ…ん…」
半ば強引に唇を塞ぎ言葉を止める。今はそんな事聞きたくない、聞きたいのはまろんの甘く漏れる吐息とまろんの身体が奏でる卑屈だが神秘的な和音。
924携帯:05/03/20 21:34:02 ID:81mjgX7Q
「っ…ゃっ、離してっ、ぃゃあっっ」
手首を捕まれ、いきおいよく壁に追いやられ背中を打つ。どれだけ抵抗しても稚空の手はびくともせず震えるまろんの首もとに舌を這わす。
こんなのただの自己満足に過ぎないと頭では分かっていても身体が言うことを聞かない。まるで自分の身体ではないように…。

「んんっ、ぁ…ゃんん…」
ゆっくり首筋を舐めると甘い声が面白いように漏れる。その声が漏れる度恥ずかしそうに唇を噛み俯く。唇を切るから噛むのを止めろとよく注意したな、と頭の後ろで思い出がよぎる。

925携帯:05/03/20 22:27:37 ID:81mjgX7Q
書き込み遅くなってすみません。98様お久しぶりです。
少し見ていない間にたくさんの小説がアップされていて私的にかなり嬉しいです。氷月×憂は切ない気分にさせられましたし稚空×都もリアルでとても良かったです。
更新遅くてかなり矛盾が多い物語になってしまってますが最後まで読んでいただきたいです。
私的な話ですが【オペラ座の怪人】をつい最近みたのですがノインの心情を描いたような映画でした。私的の感じ方なので皆がそう思うかは保証できませんが一度見ていただきたいなぁと思います。では。
926577:2005/03/24(木) 02:14:09 ID:/8Xpl6DR
お久しぶりすぎて申し訳ありません。
あわせる顔(?)がないので、夜中にこっそり続きの一部を投下して行きます。
PCがあぼーんしてしまい、ほぼ仕上がっていた小説も一緒にあぼーんされ、
しかもこれだけバックアップ取れていなかったのが原因です。
927577:2005/03/24(木) 02:15:09 ID:/8Xpl6DR
何度も唇に優しい感触が降りる。
その感触は、たまに頬や額をたどり、また唇に戻ってくる。
何度かそれを繰り返した後、水無月は都をゆっくりと抱えあげた。
「お姫様抱っこだなんて、ガラじゃないから恥ずかしいよ」
俯き加減でポツリと漏らすと、
「いいじゃないですか。僕だけのお姫様、って事で」と、それこそガラでもない言葉が
返ってきたので、さらに気恥ずかしくなってしまった。
たまらず顔を上げたら、思いっきり目が合ってしまったので、
照れ隠しに首をのばして頬にキスをしたら、額へお返しのキスが返ってきた。

水無月はゆっくり都をベッドに横たえ、窓際へ歩く。
(あ、カーテン閉めてくれてるんだ・・・)
自分を簡単に抱え上げた両腕。そっとベッドに下ろしてくれた、優しい瞳。
思い返して、かぁっと、頬に朱が走る。
都はぎゅっと、両目を閉じた。
928577:2005/03/24(木) 02:16:34 ID:/8Xpl6DR
ベッドのスプリングが軽く沈む。水無月がこちらにきたことに気づき、都の体が心持ち
固くなる。
どうしていいか分からないのでそのままじっとしていたら、まぶたに軽く口づけされた。
恐る恐る目を開けると、少し緊張した面持ちの水無月がこちらを見つめている。
「い・・・、委員・・・」少し張り詰めた空気を和らげたくて言いかけた言葉を、水無月は制した。
「ちゃんと、名前で呼んで下さい」
「え?」
思わず目を開けると、少し照れたような、困ったような水無月の顔が、近くにあった。
「ちゃんと、僕の名前で言って下さい。"委員長"じゃなくて僕の名前で」
「や、大和・・・?」名前を呼ぶだけなのに、言いなれてなくてつっかえてしまう。
だが、水無月は嬉しそうに微笑み、都に覆いかぶさると、首筋に顔を落とした。

「好きです。都さん・・・」
水無月は左手で都の右手をぎゅっと握り締め、空いた右手をウエストに添える。
何度も好きだと繰り返しながら、都の首筋を軽く啄ばむ。
「ふ・・・っ」小さく漏れる吐息。
「くすぐったいですか?」
「ううん。そうじゃないけど、何だか変な感じ・・・」
「なら、これは?」
言うと、都の首筋を舌でなぞる。
「やぁ・・・っ!」
濡れた暖かいモノが首筋を往復するたびに、ざわざわとした感触が都を襲う。
929577:2005/03/24(木) 02:17:27 ID:/8Xpl6DR
顔を真っ赤にさせ、声を上げるまいと歯を食いしばる表情が可愛くて。もっとそんな顔が見たくて、
水無月はウエストに添えていた手をゆっくり上へ滑らした。
「ぁ・・・」
服の上から、胸にそっと触れる。
ゆっくりと円を描くように、服の上から胸を揉みしだきながら、都の唇を唇で塞ぐ。
「んっ・・・ふ・・・」
舌を唇から差し入れ、歯列を軽くつついてやる。
それでも都はぎゅっと歯を噛み締めたままなので、水無月は服の裾から手を入れ、下着越しに
胸を少し強く掴んだ。

「やぁっ・・・」思わず声をあげる都。
軽く口を開けた隙に、水無月は舌を都の口腔へ差し込んだ。
「ん・・・ぁ・・・っふ・・・」
戸惑う都の舌を己の舌で追い、絡めながら。右手は胸をいったん離れ、洋服のボタンに手をかけた。
深いキスを繰り返しながら、ゆっくりと胸のボタンを外していく。
一つ外す毎に、白い肌が少しずつ現れる。
まだ少し寒い外気に現れた肌が触れる度、都の体に細かい震えが起こる。

頭がくらくらする。・・・いや、頭の芯が、ぼうっとしてくる。
(どうしたのよ、私・・・)混乱する都の頭にも、次第に霞がかかっていく。
930577:2005/03/24(木) 02:24:19 ID:/8Xpl6DR

胸の鼓動は一向に収まらないし、何だか何も考えられない。
(もっと、余裕があると思ってたのに・・・っ)
水無月の唇に、指先に、自分が解けていくのが分かる。
触れられる度に、震える体。
我慢しても、出てしまう、声。
恥ずかしくて、死にそうなのに、でも、嫌じゃない。

それは、自分を少しでも安心させようと握ってくれている手があるからなのか。
目が合うたびに降ってくる、キスのせいなのか。

そんなことを思っているうちに、上着のボタンは全て外されてしまった。
「や・・・っ、見ちゃだめ・・・っ・・・。んんぁ・・・」
舌を絡め取られているから、上手く喋れない。
水無月はしばらく下着越しに胸の感触を楽しむと、ブラの肩紐をずらし、都の背中に
手を滑り込ませて、ホックを外しにかかった。
・・・が。
931名無しさん@ピンキー:2005/03/25(金) 11:37:09 ID:Ad+NpBcg
>>926
お久しぶりです
93298:2005/03/28(月) 01:52:27 ID:xtHkENXq
その時、ベッドサイドに置いてある稚空の携帯から、電話の着信を知らせる音が鳴り響いた。
思わず二人の身体がびくりと震える。
稚空が都の上から退き、ベッドに座りなおして携帯を手にすると
その液晶画面には恋人の名前が表示されていた。
それを確認した彼は、少しだけ都に視線をやると、まろんだ、と呟き通話ボタンを押した。
都が口の動きだけで、帰るわ、と伝え衣服を整える。静かに寝室のドアが締まる音が聞こえた。
「…はい」
『ぁ…もしもし、稚空…?』
どちらかと言えば予想外な、稚空の低く沈んだような声に電話の向こうで
まろんが自信なさげに声をひそめるのがわかった。
「どうした?何かあったのか」
そんなこと聞かなくても、理由なんてわかりきっているけれど。
今日みたいに俺に拒絶の声をあげてしまった彼女は、しばらくするといつもこうして電話をかけてくるから。
『あの…さっきは、ごめんね。今日は大丈夫かなって思ってたんだけど…』
嘘だ。ベッドに組み敷いたときからまろんの顔色は悪くて、髪や額にキスするたびに身体を強張らせていたくせに。
『……明日、会える?あの、私、頑張るから…』
最後の方は声が掠れていて、やっぱりあの後も一人で泣いていたんだろうという事が伺えた。
「…なぁ、そんなに思い詰めるなよ。俺はゆっくりでいいんだから」
稚空の頭の中で、白々しい、と吐き捨てるような声がした。
93398:2005/03/28(月) 01:58:04 ID:xtHkENXq
全くそのとおりだった。
まろんが俺をも怖がる理由。
それは、理性の届かない俺の心の奥底にもあの男――ノインと同じ欲望が渦巻いているからだ。
まろんが欲しい。繊細でこわれやすい彼女の心も、柔らかで華奢なその身体も。
誰にも渡さずに自分だけのものにしてしまえたら。
彼女の全てをこの腕に閉じ込めてしまえたら。
俺以外のものを見えなくしてしまえたら。

いっそ傷つけてでも抱いてしまえたら――

いつだって俺のそんな歪んだ独占欲があの男と重なるから、彼女を怯えさせてしまう。
あの男と同じである俺の存在を、まろんが受け入れる日なんて永遠にこないんじゃないか?
『でもね、前よりずっと平気になったよ。稚空が傍にいてくれたから』
まろんの作ったような明るい声に心が黒く渦巻く。
本当にそうなのか?あんな言葉、全部嘘なのに?お前の傍にいた俺は偽物なのに?
本物はこんなにも醜くて最低な心を持っているのに?
93498:2005/03/28(月) 01:59:08 ID:xtHkENXq
それでもまろんが平気になったと言うなら、それはまろんの心が恐怖に少しずつ慣れてきたからだ。
前に進まなきゃ、と焦る気持ちが、彼女の心を削り取っていくから。
『…もしもし?稚空…?』
「…ごめん、疲れてるんだ」
精一杯抑えたつもりだったが、突きはなしたような声色はきっとまろんに伝わってしまっただろう。
でも、もう今夜はまろんの声を聞きたくなかった。
まろんを傷つける言葉を言わずにいられる自信がないから。
まろんに拒絶されるのが怖いから。
『あ…ごめんなさい……』
稚空はいや、と小さく呟いたあと、努めて明るい声を出した。
「こっちこそごめん。明日、また連絡するよ。おやすみ」
『…うん、おやすみ』
まろんの沈んだ返事を聞いてから電話を切る。
あの日から俺たちはギクシャクしつづけている気がする。
お互いに相手を傷つけないように、自分が傷つかないように、過剰に気を使いすぎているせいで。
こんな風になる前は幸せだった…
そう考えながら、稚空の意識は深い眠りに落ちていった。
93598:2005/03/28(月) 02:12:04 ID:xtHkENXq
稚空×都のリレーって書き難いのかなぁと思って
都とっとと引っ込めちゃいました。
三者三様のどろどろした気持ちって言うのも書くの楽しそうだなと思いましたが
皆さんがリレーに参加して下さる方が嬉しいので。
もし宜しければどうぞよろしくお願いします。

577様の都は可愛いですね。キャラが上手に立っているので萌えも倍増です。
なぜ自分の都はこんなにダーク過ぎる…orz
原作でもチュー未遂どまりだったのに…
携帯様も待ってます。ちーまろ大好きですからw
御二方含め、他の書き手さんもがんがって下さい!
そろそろ新スレの予感ですね。嬉しい限りです。

936携帯:2005/03/28(月) 19:14:05 ID:dAIVfAL0
どんどん小説が投稿されて嬉しい携帯です。
委員長×都は甘甘でいいですねぇ。初初しくて二人のどぎまぎ感がとてもいいです。
稚×都×まも人間の裏側が見えて楽しませてもらっています。私的にシリアスが好きなので続きがとても気になっています。
そういえばもう新スレの時期ですね。私は携帯なので立てる事ができないのでどなたか立てて下さると光栄です。
937名無しさん@ピンキー:2005/03/28(月) 23:02:08 ID:vSNU83Rm
もしかしてこのスレ書き手さんはいるのに他の人殆どいないの?
でも漏れは待ってまつ!神様がた乙!
938名無しさん@ピンキー:2005/03/30(水) 19:49:07 ID:/Z4ML9Tn
オペラ座の怪人とノインの心情が凄く重なるのがすごくわかるよ〜


そんな自分はきっと変人だと思う・・・





939名無しさん@ピンキー:皇紀2665/04/01(金) 01:05:12 ID:SLHEj81n
新スレ立てますた。
【ジャンヌ・シンクロ】種村有菜作品3【満月・キョ-コ】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1112285045/
940名無しさん@ピンキー:2005/04/03(日) 23:15:25 ID:UzgKXPab
駄目元で7巻の初夜シーンお願いしてみます・・・
941名無しさん@ピンキー:2005/04/06(水) 23:30:43 ID:/TrsS59c
あれ セックスすたの?
942名無しさん@ピンキー:2005/04/07(木) 07:00:02 ID:eQgyGCtI
セックスしても変身できたから純潔じゃなくても心が純潔なら純潔だという最終的な話を理解汁
943名無しさん@ピンキー:2005/04/07(木) 16:08:42 ID:GKFmvPRl
>>942
そういやジャンヌが言ってる「悪魔にとり憑かれた看守に純潔を奪われてしまった」
これ犯されたって意味なんだな。消防の頃は理解できなかった。
944名無しさん@ピンキー:2005/04/13(水) 01:43:18 ID:+Yu2rWru
まさか連載当初、こんなアダルティな要素が入るとは思ってなかった・・・
純潔とか消防解んねーだろ?
945名無しさん@ピンキー:2005/04/17(日) 02:46:36 ID:xXjMB6s6
>>944
「愛」やら「友情」みたいなもんと考えたんじゃね?
946名無しさん@ピンキー:2005/05/20(金) 21:33:05 ID:jh7imI+c
次スレ立ったんだから埋めましょう
947名無しさん@ピンキー:2005/06/05(日) 18:56:34 ID:0iDxnaiN
うめ
948名無しさん@ピンキー:2005/06/18(土) 04:41:57 ID:oPNk8dIV
949名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 05:57:32 ID:0EClJFjt
梅 ウメ
950名無しさん@ピンキー:2005/06/20(月) 22:52:14 ID:awZJ8L2F
まろんたん♪
951名無しさん@ピンキー:2005/06/21(火) 05:04:33 ID:2Vtn7Tm6
稚空♪
952名無しさん@ピンキー:2005/06/24(金) 12:19:29 ID:09auwT5V
953名無しさん@ピンキー
>>943
お前21歳未満だろ