ここは週刊少年ジャンプに連載されていた講談社文庫・安能務氏原作を
藤崎竜氏がオリジナル色をふんだんに加えて漫画化した「封神演義」のエロパロスレです。
連載は3年近く前に終了しましたがまだ萌えている方々もいることでしょう。
紂王×妲己・武王×邑姜・黄飛虎×賈氏・蝉玉×土行孫などの原作カップルの他、
男キャラの女体化エロももちろんカモーンщ(゚Д゚щ) カモーン
※sage進行でおながいします。
※容量が450KBに近付いてきたら次スレの検討をおながいします。
※801はここでは禁止、801板の方でおながいします。
前スレ
今こそ 封 神 演 義 で !
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1053402676/ スレとしてのまとめページはまだありませんが、
職人さんの一人、KINO ◆Nq.KINOKeY の作品のまとめページはこちらです。
封神の他のジャンルもあります。
ttp://sendai.cool.ne.jp/kino2/
_,,.. -──- 、_
,. ‐''"´ ``'‐.、
,.‐´ ,. . i l i ト、 、 `‐、
/ / / /i l| }l| i} }.ハヾ、ヽ ヽ
/ / / / / l| / j| |l.} l| ヽ ト、 }ヽヽ
// / { /i 〃 _//- j/ l|/| | `゙ヽti、}i ト、},
j/ ノ | |〃'"〃 / リ リ _,,,!|,,,j }ヽ、}
レ'〃 {l {/ _,ニ二_ ' ィ:;;__i}゛ハハ}|
丿イ |l / /{i:;;__i} {i::;;,,i! ,' i{ '
/ / |l /、 {!::;;,,,i ヾ;;:j!_' i l|{
/ 〃 {| /j |l { ( ヾ=-' `  ̄ ハi l|
ハ/|{ |l / |l l|ヽニ、 ' ' ' , 'i| ト、l| ロリータが230げっとなの〜
' ' ヽ{l/|l l| l| _, `jヽ ´ ,/ハリ l|ヽl|
>>228 アナタのちんちん今までで一番小さ〜い
_゛-‐|l リ" ' `.ーー- '、il |{リ lノ|丿 |リ
>>228 おんぷちゃんの抱き枕で寝てるのみた事ある〜
, '" l|リ { ヽ l}|
>>228 包茎って臭いからきら〜い
/ り 、 _,- i l}j
>>228 いやだ〜ちんちん勃起してそのサイズ〜 ?
/ l|j ー ' | _ 〃
>>228 そんなにわたしのオシッコが飲みたいの〜?
/ / ,.-、' ヽ '"
>>228 汚らわしいから触らないでね〜
/ / }/`ヽ )
>>228-228 わたしのタテスジでも見てオナニーしてな(プ
3 :
名無しさん@ピンキー:03/07/23 00:40 ID:kUp6r9SA
記念カキコ
 ̄ ̄ ̄ ̄-----________ \ | / -- ̄
--------------------------------- 。← >2
_______----------- ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ / / | \ ッ
./ / ./ | \ ツ
/ / / | | | |
ヽ/、 / │ ─┐ ,ノ
/⌒/ / \ / │
∧ ∧,〜/ \ / \ ,/ .─┴─
( /⌒ ̄ `ヽ _ノ / __ノ
/ ヽ `ー''´,-'⌒ヽ ┼─┼
/ ∠__ _/ヽ │ │ \\
( \ / / ヽ、_/´ \ ノ
 ̄ \/ ( く `ヽ、 /
\____>\___ノ
/__〉 `、__>
↑道徳真君
新スレで最初の仕事がこれか…自分。
228になにかあるんだろうか…
前スレはまだ埋めないほうがいいですよね?
新スレそうそうコテが消えてました。
さて、引っ越し祝いにこっちに落とすか、あちらにおとすか。
まぁ、どっちにしろエロパロではないというのがネックなのですが…。
6 :
きじ:03/07/23 02:36 ID:lutXci85
>>1 お疲れです!
古本屋でつい封神本買ってしまいますた。
女殷洪×殷郊はありっすか?(近親相姦?!)
良ければ投下していいですかね?
後、貴人×望が好きだなあ。(直接エチーじゃないかも知れない)
投下許可が出ればいいのですが……
7 :
きじ:03/07/23 02:38 ID:lutXci85
ぬあっ?!あがっちゃったよう!
スレたて乙です。
>きじさん
よろしいんじゃないでしょうか?
投下してくださいな!
9 :
前スレ519:03/07/23 19:03 ID:TIrwvh9g
>>1さん、お疲れさまです。
ところで、前スレ
>>648の続きは、こちらとあちら、どちらに投下すればいいでしょうか。
一つの話がスレまたぐのも何だかなぁ、とは思うのですが・・・
こちらでいいんじゃないでしょうか!☆-(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ノイエーイ !!!
きじさん、519さん、щ(゚Д゚щ)
さて、KINOも投下するか。
それでは、前スレ
>>648の続きを投下させていただきます。
・・・こんな妙なブツを、スレ跨いでまで投下していいのかと思いつつ。
神農の反応に満足し、伏羲は愛撫を続ける。
胸元に口吻けて紅い痕を残し、時には舐めあげ。それでも決してその頂には触れず。
指先はその身体の線を殊更ゆっくりと撫で上げる。
焦れたように神農が身体を揺らしても、伏羲は気にも留めない。
更に焦らすように、口唇と手による愛撫を胸に与え続け。
不意に、その頂を指で摘み上げた。
「…ぁあっ…ん……っはぁんっ…」
待ち焦がれていた刺激に、神農が嬌声をあげる。
幼さの残る顔は情欲に火照り。
更なる快楽を求め、身を捩り艶めいた声をあげ。
これを見、そして聞きたいがために、伏羲はただ焦らし続けるのだ。
自分を欲させたくて。
そこに愛情などなくてもいい。
情欲からでも、快楽のためだけであっても、それでも欲してくれるのならば。
「あっん……んん…っ」
胸の頂を舌で転がし、時には吸い上げ、それを繰り返す。
次第に堪らなくなったのか、神農は内股を擦り合わせながら身を捩りだした。
一糸纏わぬ姿よりも、服を肌蹴られたまま快楽に悶えるその姿は、より一層淫らに思わせる。
だが、更にその淫らな姿を曝け出してやりたい。
そう思わずにいられない。
以前に神農を抱いた他の男たちすら知らない彼女の姿を見てやりたい、
そうすることで、そんな彼女を自分だけのものにしたいのだと。
そんな子供じみた独占欲が起こさせる思いなのかもしれない。
内股が合わさっているといっても、ほっそりとした脚では完全に合わさることなどない。
脚の付け根を撫で下ろしながら、伏羲の指は隙間から神農の秘所へと到達する。
蜜が溢れんばかりとなっているそこは、難なく指を受け入れた。
「ぁんっ! や…やぁ…っ…んん…っ」
神農は恥らうように顔をそむけ、伏羲の指を追い出そうとするかのように脚を擦り合わせる。
一体、どれだけの男にどれほど抱かれてきたのかは知らないが。
それでもなお恥らう姿を見せるのは、伏羲にとっては嗜虐心が煽られるだけであった。
脚の間に強引に身体を割り込ませ、脚を閉じられないようにする。
「っや…ぁ……」
「嫌ではないだろう? これだけ感じておいて……」
そう言いながら、伏羲は更にもう一本の指を秘所へと侵入させる。
…ぐちゅん……くちゅ……くちゅ…
二本の指で締めつけてくる中をかき回すと、更に蜜が溢れ、卑猥な水音が耳に届く。
「くぅ…ん……あぁ…っぁん……ふぅ…っん……」
指の動きに合わせて喘ぐ神農の耳元に、伏羲は口を寄せた。
「またえらく濡らしてるじゃないか……淫乱だな」
「ち、ちが……ぁうん…っ…ぁああっ」
伏羲の指が秘所の突起を擦ると、途端に神農の口からあられもない嬌声があがる。
羞恥にまみれ、それでも快感を与えられれば素直に反応してしまう。
全身に巡る快感を何とかしようと、神農は無意識に腰を揺らす。
早く来て欲しいと、それは無言の催促である。
けれども伏羲は、その訴えを無視する。
相変わらず秘所を二本の指で弄びながら、舌で胸を愛撫し始めた。
繰り返される快感の波。
何度も絶頂に近づきながら、達しそうになると伏羲は愛撫の手を緩めてしまう。
自分が、次々と襲いくる快感の波にただ弄ばれる木の葉になったようで。
それがもどかしくて伏羲の名を呼んでも、
「どうした?」と、皮肉ったような薄い笑みを浮かべるだけなのである。
伏羲に抱かれる時は焦らされることが多いけれども、
しかしここまで焦らされたことなど無かった。
視界は霞がかかったよう、気は狂う寸前かもしれない。
「―――どうして欲しいか、言ったらどうだ?」
ひどく遠くから、その声が聞こえてきたような気がする。
思考能力など無くなっているに等しい神農に、羞恥心はもはや残っていなかった。
あるのは、快楽を求める本能のみ。
「…っ…ねが…っ……ぁん……って……ぇ」
「……もっとはっきりと言ったらどうだ」
秘所はすでに三本の指を呑み込み、その蠢きは確実に快感を全身に送り出す。
更に胸の頂を噛まれ、神農は思わず「あぁぁんっ!」と嬌声を洩らした。
「どうした? それでは…わからんが……?」
余裕ぶった言葉を発するも、しかし伏羲も限界は近かった。
それでも、どうしても言わせたいのだ。
神農の口から、自分を、他の誰でもない、伏羲自身を求める言葉を。
何もかもがこれで最後ならば。
せめて最後だけでも、求められたい。求められて、神農を自分のものとしたい―――
「……ぁん……っ…おねが…い…っ……っしいの…っ」
途切れ途切れに神農の口から洩れる言葉には、切なさすら混じっていて。
「…ふ…っき……きて…っ……ほしい…の…っ」
―――とうとう、望んだものを得た。
秘所から指を抜き取ると、指に絡み付く滴り落ちるほどの蜜を舐めあげる。
そして神農の両足を高く掲げて自分の肩に乗せると、限界に来ていた自身を下衣から取りだし、
一気にその秘所を貫いた。
「あああぁぁんっ!」
指とは明らかに違う質量と熱を持ったものが、唐突に神農の内部に侵入してくる。
軽い傷みを感じると同時に、神農はそれが望んだ快楽をもたらすものだということもわかっていた。
ゆっくりと、次第に激しくなる抽送に翻弄されながら、
それでも貪欲に快楽を得ようと、神農は腰を振る。
形が変わるかと思うほど強く胸を揉みしだかれ、
互いの唾液が交じり合うほどに深い口吻けを繰り返し。
それでもまだ物足りないかのように、神農は腕を回して伏羲を引き寄せる。
―――愛されなくても構わない。
―――ただこの瞬間だけは、あなたは私のもの。
―――私を壊して、滅茶苦茶にして。あなたの手で……
「…ん…っふぁ……ふっ…き……ぁあん…っ!」
切れ切れに名前を呼ばれ、焦点の合っていない潤んだ瞳には、それでも自分の姿だけが映り。
それで、満足だった。
それが、至福だった。
絶頂は近い。
「く……っ神…農……っ!」
「んん…っやぁ…っああああっ!!」
同時に快楽の絶頂に達し。
二人は崩れるようにその場に倒れ込んだ。
どれほどの時間が経った頃か。
荒れ果てた大地に立つ二人。
着衣を整え、すでに情欲の名残はない。
それでも、二人の間に存在した時間が幻想だったわけではないのだ。
――愛してる。誰よりも。
そう言えたならば。
「――…ごめん、ね……」
しかし神農の口から発せられたのは、謝罪の言葉だった。
伏羲を一人残してしまうことに、どうしても罪悪感が残ってしまう。
けれども、神農にはこの星と同化しなければならない理由がある。
女禍によって荒廃したこの星に、再び生命力を与えること。
この星の未来を自分たちが奪い上げないこと。
同化することでしか、それを成すことはできないのだ。
それに……一人残る伏羲に、こんな感情は押しつけられない。
もう、口吻けることも、抱きしめあうことも―――触れることすら、できなくなるのに。
一方的にこの感情だけ押しつけてしまっては、その想いの行き場はどうなってしまうのだろう。
だから、言わないのだ。言えないのだ。絶対に。
それでも、愛してるから。
それは、決して言葉にできない想い―――
引きとめたかった。
引きとめ、自分の腕の中に残し、誰に憚ることなく抱いていたかった。
しかしそれは、神農の死と同義なのだ。
弱りきっている彼女の身体は、長くはもたないだろう。
この星と融合すれば、彼女の意識は生き長らえることができるのだ。
それこそ、この星が存在する限り。
―――それでいい。そう思う。
愛しているからこそ、そう思うのだ。
まさか自分が他人を愛するなど考えたこともなかったが。
二人の目が合う。
もう一度、抱きしめたい。
もう一度、抱きしめられたい。
もう一度、口吻けたい。
もう一度、口吻けられたい。
しかし、それをしたら。
二度と、離せなくなる。
二度と、離れられなくなる。
だから、二人は寄り添わない。
「――…ありがとう……さよなら」
それだけ言って。
神農の姿は、大気中に溶けるかのように消えた。
最期に切なげに微笑んだ彼女の姿は。
今まで見たどの彼女よりも、美しく。
伏羲の頬を、一筋の雫が伝った。
懸念していた通り、女禍の封印は完全ではなかった。
女禍の目を欺くために、名を変え姿を変え。
伏羲は幾度となく世界の滅びを見てきた。
そのたびに、この星が―――神農が泣いているような、そんな気すらした。
だからこそ。
「それは正義と言えるのか!!!」
燃燈道人の言葉を、王奕という名の伏羲はあっさりと否定する。
「正義である必要などない」
薄っぺらな建前など、なんの役にも立ちはしない。
すべては神農のため。
今やこの星そのものである彼女。
この自分の為に最期まで泣いてくれた。微笑んでくれた。
そんな神農のために。
そのためだけに、今、ここに存在しているのだ。
正義であろうとなかろうと。たとえ罵られようとも。
この星の未来を、神農を救うことができるのならば、自分はどう呼ばれても構わない。
「……この計画は女禍に気付かれぬよう極秘とする。
私も元始天尊の弟子という事にしよう」
計画の一端を話しながら、伏羲は別のことを考えていた。
計画通りに進めば、自分はこれから自身のこれまでの記憶を消すことになる。
女禍の目を欺くため。元始天尊の弟子に成りすますため。
……それでも、ありえないとわかっていても。
もし神農に再会できたとしたならば。
その時は彼女のことを覚えていたいと、似合わぬ感傷が胸中をよぎる。
そんな感傷を振り払うかのように、伏羲は軽く頭を振り。
そして。
「計画の実行はおよそ2000年後……歴史が殷から周に変わる時。
―――これを封神計画と名づける」
すべてが、始まる。
すべては、唯一愛した存在のために―――
‐了‐
以上で終了です。
シリアスって難しいですね・・・もっと軽いの書けばよかったかも。
それこそエロコメでも。
・・・この二人でエロコメできるのか謎ですが。
それでは、こんな妙な設定の話を読んでくださった方々、
どうもありがとうございました。
>519さん
キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━ !!!
フッキタン、めっさカコイイじゃないですか!!!
エロコメ!!!期待してます!!!
519さんの素敵過ぎる話の後に前スレにちょっと投下したチャイルドプレイを投下するつもりだったのですが…
みなさまの余韻をぶち壊すことになるんで持ち帰ります。
KINOも男太公望、機会があったら書けるといいなあ。
23 :
きじ:03/07/24 00:05 ID:hFdmy9IU
>>519 乙っす! めちゃかっけ〜!
KINOさま、期待してるです!
しょぼssを投下してもよいのやら、迷っております……。
はふぅ……。
>きじさん、いや、自分のはあれなんですよ。
エロでもなんでもなく、単に書きたかった話を書いたやつなんです。
これがあればこの先道徳普賢を書くにも、読んでもらうにも何かと便利になるかな、と。
きじさんのお話キボン。切実にキボン(*´Д`*)
えーと、投下させていただきます。前スレの埋め立てにとも思ったのですがスレ立て1さんに敬意を表して
こちらに。引っ越し祝いにもならないようなもんですが。
道徳と普賢のエロ無しのしょーもない話です。
ただ、自分の書くこの二人の日常はこんな感じだろうと。
現在趙公明編をやってます。息抜きに時折関係ない話を書きながら進めてます。
なので、駄目な方はスルーでおねがいします。519さんの (・∀・)イイ!!話の余韻を
かなり壊すこと間違いなし。
これと武王即位(投下しそこなった話)と迷いましたがたまには路線を変えてみようかとも。
某スレのエロコメの神に触発されましたが、駄目でした。向き不向きってあるんですよ、きっと。
異説封神演義
〜〜〜チャイルドプレイ〜〜〜〜
「だからね、一々私に相談するってのはどうなのよ」
俺の愚痴に付き合わされて少しうんざりしている太乙を見ながらため息をつく。
分かってるんだけどね、同期のよしみできいてくれてるってのは。
「直接普賢に聞けばいいじゃないか、そんなこと」
聞けないからこうして相談してるんじゃないか。
「第一、急にどうしてそんなことを思ったのかが分からないね」
まぁ、なんていうか。
たまたま用事があって赤精のところに行ったわけで。
そしてら噂の奥さんの可愛らしさに当てられて……ちょっと憧れたわけでして。
でも、普賢にそんなこといったら核融合という素敵な贈り物を貰うから、いえないでこうしてる。
「だってさ……赤精のとこの紫苑……可愛いんだよ」
「そっちの趣味があったのか…道徳」
「そうじゃなくて、あの甲斐甲斐しさっていうか…あの赤精にだぞ」
太乙はやれやれっていった感じだ。
「普賢だって十分道徳の面倒見てると思うけど?」
「見てもらってると思うけど、なんていうか…こう…」
普賢に不満があるっていうわけじゃないけれども。
「もうちょっと甘えてくれたら……いいなぁって」
普賢はそんなに俺に甘えることはない。
せいぜい何か頼みごとがあるときとか、あとは……何かねだる時。
ちょっと上目で見られて、いいように使われてる気もするけど。
だって、潤んだ目で『お願い……』とか言われれば男ならぐらつくだろ?
切なげに吐息こぼして『嫌……』って言いながらねだられてみろよ。
頬なんか染めて俺に必死になって抱きついて。
耳元でなんか言われれば十二仙なんて立場、忘れるだろ?
「つまりは自分のわがままを満たしたいわけだ」
「そうなるのか?」
「じゃあさ、普賢が何が好きか知ってるかい?」
太乙はにやにやと笑う。なんか少し……気に食わない笑みだな。
「子供だよ、子供」
「はぁ?」
「子供が好きなんだよ。普賢はちっちゃい子とかには優しいだろ?」
子供ねぇ……言ってくれりゃすぐにでも作るんだけど。
いや、作ってるつもりなんだけども、お互い仙人同士だから上手く行かないっていうか。
予定としちゃ今頃ちょっと重そうに腹なんか摩っててもいいはずだったんだけどね。
「だから、一回道徳も子供になればいいってわけだよ」
「どうしろっていうんだよ……」
やっぱ太乙の考えることはわからない。
子供になれって?なんだそれは。
「まぁ、早い話が実験体になって欲しいんだけどね」
「…………」
またか。
この間も妙な薬作って太公望にこっぴどく叱られたばかりだろ。
その前はナタクに殺されかかってだろ、お前。
「効果は三日。三日後にうまく迎えに行くから。存分に普賢に甘えておいで」
渡された丸薬はやけに苦くてきつかったけれども、目が覚めた時、俺は見事に子供になっていた。
「普賢、一寸いい?」
「……太乙、変な薬なら飲まないよ」
あ、やっぱし普賢も同じこと言ってる。そーだよな、いつも俺たちが被害被るんだからさ。
「いや、子供を預かって欲しいんだ」
「子供?」
そういって太乙は俺を普賢の前に差し出した。ぱっと見は五歳児。
普賢が興味ありげに俺を覗き込んでくる。
うわ……こうしてみると唇の形とか滅茶苦茶に綺麗だ……。
道衣から覗く肩とか、下手すればさらし巻いた胸なんかまで見えてるんだけど。
「どうしたのこの子?」
「道徳のとこに弟子入りすることなんだけどね、彼は今下山してるから帰って来るまで頼めないか〜と」
「太乙が見ればいいんじゃないの?」
う、普賢にしては珍しい突っ込みが。
「私は教育は専門外さ。それに……こんな小さい子なら母親が恋しいだろう?」
「そうだよね……じゃあ、道徳が帰ってくるまでね」
「頼んだよ、普賢」
普賢は太乙に手なんか振って、それから俺を見た。
「ねぇ、君の名前は?」
「…えっと…その…」
なんて答えりゃいいんだよ。そこまで考えてなかった。
「その……真……」
嘘じゃない。『清虚道徳真君』それが俺の仙人名だから。
「そう、ボクは普賢真人といいます。よろしくね、真」
そういって普賢は俺と手を繋ぐ。
こうしてみると案外均整の取れた体付き。指とかも細いし、肌の色も凄く白い。
うなじとかも……夜見るのとは全然違って見える。
「困ったお師匠様だね、君を置いてどっかいっちやうなんて」
「あー……うん……」
太乙の言ったことは嘘じゃなかった。普段俺に接するのとはまるで違う。
普段の俺ってもしかしてかなり虐げられてる?
「えーと、俺はなんて呼べばいいの?」
「そうだね、じゃあ……普賢でいいよ」
この三日間、どれだけ違う顔が見れるだろう。
そんなことを考えながら俺と普賢は歩いていた。
「少し暗くなってきたね。夕飯にしようか」
普賢は普段俺にするみたいに手際よく料理を作る。
ぼんやりと見てるといい匂いがしてきた。いつもよりも手が込んでないか?
ああ、預かってる立場だからか。それはそれでなんか……悔しい。
「食べられないのってあった?」
「ううん。全部美味しかったよ」
「ありがとう、そういってもらえると嬉しいな」
言ってるだろ、毎日!!なんだよ、この扱いの差は!!
俺がおんなじこと言うとたまにつんとした態度とるだろお前。
「お皿はそこに置いててね」
「あ、うん。ご馳走様」
「いい子だね、真」
俺の頭を優しく撫でてくれる手。あ、なんかいいかも…こういうの。
花なんか飾って、誰か待ってた?
それが俺以外だったら嫌だな……っていうか誰だよ、他に勝手に来ようなんて考えてるやつは。
「ねぇ普賢、この花綺麗だね」
「あ、うん。君の師匠が遊びに来る予定だったんだけどもね……」
やばい。そうだ。俺だ。
よりもよってなんで今日に限って太乙の誘いに乗ったんだ、俺!!
この間の喧嘩の侘びだって入れるつもりだったじゃないか。
それで、ちょっと二人でゆっくり出来たらな…とか考えただろうよ。
「あれでも十二仙だからなにかと忙しいみたいだし」
俺の向かいに座って普賢は俺にも小さな碗を出してくれた。
ちょっと飲んでみると、なんか甘い味がする。
「あれでも?」
気になるだろ。どう思われてるのか。
「単純で、単細胞で、直感で行動するんだ、あの人」
ちょーーーーっと待て!!!普賢、お前俺のことそんな風に見てたのか!!??
確かにそうかもしれないけれども、他に言い様があるだろ。
「武器とか使うのは凄く上手いんだけど、頭使うのは駄目っぽいんだよね」
なんか泣きたくなってきた。俺ってそんなもんなのかよ……。
「いいとこないじゃん……それって」
「でもね、優しいよ。他人のことを思いやってくれる。間違ったことは嫌いだし。
どんなにがんばっても勝てないしね」
「勝てないって?そんなに強いの?」
そりゃ……武道系は自信あるけれど。
「いろんな意味でね。とても強い人だよ」
そんな愛しそうに話すなよ……。
幸せそうな顔して話すんなら、普段の俺の前でもそういう表情(かお)見せてくれよ。
もしかして、そんなこと考えてくれてる?
俺が来ないときは俺のこと考えてくれてる?
「普賢は、俺の師匠のこと、好きなの?」
うわ、なんで耳まで染めてんだよ。俺が聞くといつも『知らない』で済ますだろ。
「うん……好きだよ……」
嬉しいけど、すっごく嬉しいけど……それ、俺の前で言わないだろ。
どうしよう、もう少し問い詰めてみるか。
いつも素直じゃない普賢がどこまで俺のこと思ってくれてるか教えてくれよ。
「どこが好きなの?」
きわめて純粋そうな五歳児の振りして聞いてみる。
「え…その……」
俯きながら、ちょっと目が潤んでる。
あれって、照れてるのを隠す時の癖だ。たまに見ると可愛くて抱きしめたくなる。
「あったかいとこ…かな……」
「いいとこなくても?」
「……ちゃんとしてると結構格好いいとこもあるよ……」
俺って、もしかしなくても愛されてる?自惚れてもいいよな?普賢。
「ごめん、ボクお風呂に入ってくる……」
照れ隠しの時っていつもそうだ。風呂場か書庫に逃げるよな。
「あ、真も一緒に入ろうか」
嘘だろ!?俺が同じ事したときは核融合だったじゃないか。
ちょっと覗いた時もオートで小規模爆発仕込んでただろうが。
これって、子供って……結構得かも。
まぁ、風呂場でも色々と発見はあったわけで。
例えば、右腕から洗う事とか。湯船に香油入れたりしてるとか。
背中の線が綺麗で、括れた腰がやけに色っぽくて。
それで俺の髪とかも優しく洗ってくれて……。
だから、それ、普段の俺にもしてくれよ。なんで駄目なわけ。
照れとかそんなんだったら余すことなく全部見せてもらってるんだけどなぁ。
「ちゃんと肩まで浸かって」
湯気の中だと、違った顔に見える。
あ、あれってこの間俺が付けたやつだ。まだ、残ってる。
あの時は結構燃えたんだよな。包丁で指切って、その指咥えてるの見たらなんか、こう…来たって言うか。
「普賢、これどうしたの?」
子供だったら聞いても怒んないだろ?核融合とかされる危険はないし。
「え、あ、その……」
胸のところにまだ残ってる噛痕を指先でちょっと押す。
もしかして、やばいかな。
「…んっ……」
あ、違った意味でやばい。もしかして、もしかする?
「虫?」
「そ、そう。虫に刺されたの」
作り笑い。今度は少し加減しよう。あれだけ残ってるって事は普賢も痛かったはずだ。
反省します。確かに単細胞で直感型です。
子供には本当に優しい。
多分、普賢本来の性格なんだろう。
再度反省。嫉妬に狂ってる自分が恥ずかしいです。
のぼせる前に風呂から出て、やっぱし普賢はすごくよく面倒見てくれて。
ああ、だからそれをやって欲しいわけ。
窓開けてぼんやり空なんか見て少し熱い身体を冷ます。
「どうぞ」
小さな皿に盛られたのは甘い氷菓子。
同じものを普賢も手に持ってる。
「ありがとう」
なんだろう、なんの果物だ?甘いけども、すっきりした甘さ。
俺、こういうの結構好きなんだよ。
「どうかな?」
「うん、美味しい」
「良かった。今度作ってあげようかな」
それって、それって、俺だよな?俺以外は認めない。
ぽふぽふと頭を撫でる手。
お互い結構意地張ってるところ、あるよな。
自分でもどうしようもないくらいにはまってる事は自覚してます。
その笑顔に惚れてます。自覚してます。独占欲の塊。
自分がこんなに嫉妬深かったなんて気付かなかった。
「風邪引かないうちに寝たほうがいいよ」
「うん」
寝かしつけてくれるのはまるで母親のようで、昔自分が子供だったころのことを思い出した。
もう、母は居ない。ずっと昔に土に還った。
子供になると体力もそうなるのか俺はそのままうとうととしてたらしい。
目を覚ました時、普賢はまだ窓のところに居た。
寝巻きの胸元が少しはだけて、妙に色っぽい。
肩肘ついて、少し開けた窓から空を見て、そしてため息をついた。
そんなに思い悩んだ表情しないでくれ。
見てるこっちが苦しくなる。
「普賢?」
「…ああ、起きちゃったの?」
「どうしたの?何考えてたの?」
普賢は『なんでもないよ』って笑った。でも、そんな表情してなんでもないわけが無い。
なんでだよ。俺ってそんなに頼りない?
「寒いでしょ。もう寝ようか」
あの時誓ったはずなのに。もう、泣かせないと。
何が十二仙だ。惚れた女一人守れないなんて。
「普賢、もし俺が大人になったら俺のお嫁さんになってくれる?」
普賢はちょっと吃驚した顔で、それから俺の頭に手を置いて笑った。
「ごめんね。それは無理かも」
「どうして?」
「あのね……」
屈んで俺の耳元で普賢が言った言葉を俺は生涯忘れることは無いだろう。
だって『ボク、多分違う人のお嫁さんになるかもしれないから』だぞ!!
それって、それって、俺だよな?
俺以外居ないよな?
まさか、玉鼎とか言わないよな、普賢。あいつのことちょっと苦手って言ったじゃないか。
ああ、今すぐ抱きしめたいけど……子供の身体じゃどうにもならない。
伸ばせない手は、あまりも小さくて。
「真が立派な道士になる頃、きっと良い子が仙界いりしてると思うよ」
頬を撫でる手はあったかくて、笑う目は、優しい。
「風邪引いちゃうから、寝ようか」
包まれるみたいに、普賢に抱かれて眠る予定だったんだけども……寝れるわけが無い。
心臓はばくばくいってるし、かなり挙動不審かも。
なんといいますか、既に熟睡してる普賢は自分の胸に俺を抱いてるわけで。
結果的に俺はその胸に顔を埋めてるという。
いい匂いと、小さな寝息。
ちょっと開いた唇とか……やばい。落ち着け、俺!!!
今欲情したって何にも出来ないだろうが。
普通だったら絶対味わえないある一種極楽な環境。
いつもは俺の胸で寝てるから。こんな風に抱かれるってのはまず無い。
上目で見ると、長い睫が目立つ。形のいい鼻とか。
考えてもどうにもならない。
いいや、寝よう……寝れるのかなぁ……俺。
少し寝不足で雨の音で目が覚める。
出された朝食を平らげて昨日のように普賢を観察することにした。
相変わらず何か難しそうな本を読みながら一人で何か考えている。
ああ、そうだ。物理学が専門で、時折心理学とか哲学も研究してるんだった。
俺みたいに身体だけで十二仙入りしたわけじゃないんだよな。
「雨だね」
少し顔を上げて、普賢は俺を見た。
「そうだね」
雨は好きじゃない。トレーニングが限定されてくる。
「ボク、雨は好きなんだ」
「どうして?」
雨なんてうっとしいばかりだろ。
「だって、雨がふったらここに来る人がいるから」
雨の日は一緒に過ごすことが多い。時間を持て余すなら、同じ空間に居たいから。
なぁ……それをこの姿じゃない俺に行って欲しいって思うのは、我侭なのか?
言葉で聞きたいんだ。
「師匠?」
「うん。雨の日くらいしか一緒に居れないけれどね」
そっか……一日雨の時はそういや一緒に居られる。
いつもそんな風に待っててくれたのか?
四六時中一緒に居ることは立場上無理だってお互い知ってるけれども。
お前を不安にさせないための何かを考えるよ。
頬を濡らす涙の冷たさは、忘れていいから。
「きっと師匠も普賢のことが大好きだと思うよ」
「ああ、そうかもね。あの人あれで倍率高いらしいから」
ちょっと待て!!それはなんだ、どーゆー意味だ!!!???
お、俺が倍率高いって何なんだ!!??
出所はどこなんだよ、普賢。
「倍率って?」
「たまに下山するでしょ、女官とか結構よってくるらしくて…望ちゃんに、
あ、望ちゃんていうのはボクの友達なんだけどね」」
太公望……余計なことを。
確かに寄ってはくるけれども殆どが物珍しさかそれか不老不死目的だろ。
「ボクも下山してみようかな……久しぶりに」
駄目だ。絶対に。それだけは。
なんで飢えたケダモノの中に極上の肉を投げ込むようなことしなきゃなんねーんだよ。
「望ちゃんと話したいこともあるしね」
太公望を呼びつけよう。普賢の下山だけは断固阻止する。
第一お前が下山するほうが野郎共が寄って来るっつーの!!
ああ、駄目だ。反省も空しく嫉妬心が……。
と、兎も角だ、下山だけは勘弁してください。
一日の大半を書庫で過ごして、気が向けば書を認めたりして普賢は過ごしているらしい。
その合間に俺の相手をしてくれたり、簡単な学問を教授してくれたり…少し頭が良くなった様な気がする。
この数日で知らない顔を随分と見た。
俺は結構普賢を傷つけてたのかもしれない。
不貞腐れた顔とか、拗ねるのは照れ隠しであって俺のことを嫌に思ってるわけではないし。
俺が来ないときも俺のことを考えてくれてるのはよく分かった。
一体俺はお前の何を見てきたんだろう。
喧嘩もたまにはいいスパイスになる。そうだろ?
核融合だけは勘弁して欲しいが。
そうやって残りの時間を過ごしていたところに太乙が来た。
「普賢」
「あ、太乙。どうかしたの?」
「その子を帰して来ようかと思って。もう少し母親の近くにおいてあげたほうがいい気がするんだよね」
太乙は俺の手を取る。
「道徳のところの門下でしょ?あの人に言わなくていいの?」
「さっき連絡はつけたよ。そのほうがいいって。そろそろ戻ってくるころだと思うよ」
普賢は少し屈んで、俺の頭を撫でる。
「もう少し大きくなったら、また遊びにおいで」
「うん」
すぐに行くから。
一人にはしないから!!
見送られながら俺たちは太乙の研究室(ラボ)に戻った。
時計を見ながら数えていくと時間切れなのか元の身体に。
「どうだった?楽しかったかい?」
「まぁ、色々と思うことはあったよ」
「妙にすっきりした顔してるのがなんかむかつくね」
「俺、普賢のとこ行ってくるから」
後ろでなんだかんだと言う太乙を振り切って、足早に向かう。
待たせたくないんだ。
あんな顔して待っててくれるって知ってしまったんだから。
「普賢!!」
肩で息をして。
「ああ、お帰り。そんなに急いでどうしたの?」
「そ、そのだな…子供を作らないか?」
普賢の表情が固まる。
しまった……もっとその前に言うことがあっただろうが!!!
確か前置詞とかそんな言葉が。
「……それはこんなに日が高いうちから使う言葉なのかな?」
うっとりするような微笑。
ああ、その顔に惚れてます。
でも、その顔の後って……。
「!!!!!!!!」
結果、言葉足らずの俺は核融合を食らいまして痛い目にあいました。
誤解を解くのに時間を要しました。
結局惚れてるのは俺ってこと。
いや、相思相愛って言ってもいいよな。
すいません、書きたかっただけなんです。堪忍してやってください。
いや、趙公明の間に玉鼎と普賢とか書いてたり、三姉妹をどう料理するか考えてたり、
今のところ一番書きたい仙界大戦は長くなるなぁとか考えてたり……
煮詰まると関係ない話ばかりが生まれるんです。
>KINOさん
いいですね、こういうラブラブものも好きですよ。
ひとつなぎのスレの影響がすごいような……。
普賢は女でも藤崎版っぽさはあったんですけど、道徳の方はなんていうか、サ○ジ?
これはこれで面白いんで、個人的にはOKですけど。
って、なんか愚痴みたいでスマン。
>41さん
そうそう、影響受けたんですよ。
そんで玉砕してます。いいんです。
惨事wとはうーん……KINO的には別な漫画の人のキャラをちょっと借りました。
まぁ漫画自体あんまり持ってないんであれなんですが。
あと、スレ汚しにならないようにKINOのHPにBBSくっつけました。
言いにくいことはそちらに〆(゚▽゚*)
朝から纏めてるけれども終わんない、終わんない。
趙公明も終わんない終わんない。
今、削除依頼いってきたんですが弾かれまくり……
だれか代わりに削除依頼おねがいしてもよろしいでしょうか?
レス番は26−38です。
あとは暫くおとなしくします。ああ、もう、駄目……。
人様に迷惑掛け捲り…
藤崎版をかなり崩壊させてしまいましたね。すいませんでした。
ごめんさい。ごめんさい。
あぼーん
あぼーん
>KINOさん
削除依頼までするほどのことじゃないと思いますよ?
>41さんもただの感想として書いただけだと思いますし、
気になさらないほうが。
KINOさんがそんな反応をされると
自分なんか書けなくなっちゃいますw
遅まきながら、新スレ立て乙かれさまです。
519さんの完結してる!
>>17-20の流れ、離れたくないとか記憶が消えてしまってもとか
シリアスものの王道なんだけど萌えてしまいました。
で、KINOさん。GHBさんも書かれてるように、削除することないですよ。
一連のKINO作品の中でも、漏れはかなり気に入りましたよ。
これまた王道の幼児化モチーフで、うまくツボを押さえてるし、
濡れ場無しなのに萌えてしまう、かなりの秀作だとおもいますた。
どうしても削除するなら、サイトの方には残してね。
えーと…本来に戻って趙公明編です。
ただ、今書いてますが長いです。
どんな風に繋がっていくかもまだ細切れ状態です。
ただ、投下する前にもうすこし書く個人キャラを掘り下げたいという思いもあります。
平行して書いてるものが何本かあるので…趙公明編は暗い話が多くなりそう(まぁ、これぞ本懐、KINOですが)
エロコメはやっぱできない〜と痛感しました。
あちらのスレのかたは神です。
自分は所詮自分です。
かけるようなものしかかけない。たまにこんな風に落ちますがいつものことと思ってくだされば幸いです。
でわ、暫く趙公明編、お付き合い願います。
でも、疲れたらまったく関係ない話も投下させてくださいね〆(゚▽゚*)
異説封神演義
〜〜〜〜趙公明攻略 赫い夢〜〜〜〜〜
聞仲もせめて来ない今、前進するだけさせようと太公望は指揮を執る。
途中の関所は素通り同然で通過。
殷王朝への不信は周への期待として。
(民はここまで疲れておるか……時間は少ない……)
「師叔」
「天化。何か異常はあったか?」
「いんや。それよか皆疲れてるっぽいさ」
黄家の第二子、天化。勢いよく太公望の護衛をかって出ている。
「ここいらで休息とするか。時期に夕暮れじゃ。これ以上の進軍は今日は無理じゃのう」
「俺っちみんなに伝えてくるさ」
天化を見送り、太公望は空を仰ぐ。
吉凶でいうならば不吉な予感のする夕暮れだ。
(胸騒ぎがする……何も起きねばよいのだが……)
それはまるで血塗れた雲の様で、まるでこれから先の未来を暗示しているかのようだった。
狙うのはあくまで無血開城だった。
しかし、王太子二人を始めとして双方に多くの犠牲者が出ている。
誰も傷つかない戦とありえない。それは分かっている。
それでも、誰かが血を流すのを黙ってみていることは出来ない。
それが『偽善』であろうとも、そうせずには居られないのだ。
何もしないことの『善』と行動を伴う『偽善』との違い。
それがエゴであるとしても、見過ごすことが善ならば彼女は偽善者になることを選ぶ。
「御主人、少し寝たほうがいいっすよ」
「そうだのう……」
昔からそうだった。決まって蒸暑い夜に見る夢。
小さな生き物が身体にたかり、侵食していく真っ赤で生暖かい感触。
どろりとしたものは瞼を犯して、目玉まで蕩けていきそう。
もがいて、手を伸ばしても誰も助けてはくれない。
(……誰………?)
それは憶えのある匂い。その香りがゆっくりと消えていく。
(……駄目!!そっちに行っては……!!!)
叫んだはずの声は喉元で消え、空しく指は宙を掴むだけ。
(……!!!……)
消えるときにかすかに見えた横顔。
肩で息をしながら、胸を押さえる。まだ、動悸は治まらない。
(…嘘だ……そんなことがあるはずがない……)
両手で頬を押さえても、不安が消えない。心成しかまだ……視界が赤い気がする。
道衣を纏い、彼の人を探して外に出る。
寝ずの陣営。その中に彼の姿は無い。
「これは軍師様。こんな夜更けにどちらへ?」
衛兵の一人が太公望を気遣ってか声をかけてくる。
答えるのももどかしく、微笑んでその場を去っていく。
(どこにいるのだ……どこに……)
暗闇の中、必死に探して。
(もうこれ以上……)
行き止まりで小さな崖の近く、満天の星を見ながら彼は一人佇んでいた。
「天化!!」
「師叔?どうしたさ。もう寝たんじゃ……」
振り返る天化に飛びつき、太公望はその体を抱いた。
「良かった……」
「師叔?」
わけも分からずに天化はただ太公望の体を抱く。
「どうしたさ?何かあったさ?」
「……いや……悪い夢を見ただけじゃ……」
安心したように天化の鼓動を聞きながら、太公望は少しだけ零れた涙をそっと隠した。
「そんなに怖かった?」
まるで子供の様にしがみつく彼女が愛しくて、天化はその髪を優しく撫でる。
今、こうして彼が生きていることが、当たり前のことが嬉しい。
揺ぎ無く前を見て、己の信じる道を進むその姿。
「すまぬ……邪魔をした……」
優しく押し返して、身体を離そうとする。
「なんで離れんの?俺っちもっと師叔とこうしてたいさ」
「天化」
引き寄せた身体を受け止め切れなくて、天化は太公望を抱いたまま後ろに倒れこむ。
「って〜〜〜〜!!」
「すまん、大丈夫か?」
「ああ、でもこの体勢なんか好き……」
天化の顔を覗き込む太公望の腰を抱く。
「師叔、泣いてた?目、赤いさ」
「……嘘は付けんな……」
決まりが悪そうに笑い、天化の頬に手を当てる。
「泣くこと無いさ、俺っちはここにこうして……生きてるさ」
その手が、声が、何もかもが奪われるのが嫌で。子供のように駄々を捏ねた。
たとえ夢でも、在ってはならないと。
「俺っちは死なない。師叔守るって決めてるから。聞大師からも、妲己からも」
そう言ったその瞳は微かな曇りも無く、ただ未来と彼女だけを見つめていた。
この男には裏表が無い。策略で生きる自分とはまるで違う。
だからこそ、引き寄せられて離れられない。
「何時の間にそんなことを言うようになった?」
その傷に唇を落として、彼女は笑う。
「何時までも弱いままじゃいらんない。強くなきゃ……黄家の男じゃないさ」
日々を重ねるごとにその戦乱は増していき、犠牲を多く伴う。
失うことはあまりにも唐突に、そして簡単に起きる。
この身一つで何もかもが終わるのならば喜んで差し出そう。
目を潰して、耳を削いで、肌を焼いて、もう誰も傷つかないのならば。
「師叔、余計なことは考えちゃ駄目さ。師叔には俺っちたちがいる。皆それぞれに強くなったさ……
認めたくないけどもヨウゼンさんとかも強くなった」
「……心の強さでおぬしに勝てるものなどおらぬよ……」
いくら力を強めても、その核となるものはあまりにも脆く、弱すぎる。
けれども、人はその脆き核でいくらでも強くなるから。
守りべき物が出来た人間は死を恐れるようになり、戦地に向かせるべきではないと誰かが言っていた。
戦に必要なのは死ぬことを恐れない者だからだ。
しかし、待つものが居るものは恐怖を超える力を持ち得る。
必ず帰ると誓うから。もう一度、その手に触れるために。
「いい男になったのう……天化」
浅く重ねた唇。
「おぬしにしばらくわしの命……預けても良いか?」
「師叔、本気で言ってるさ?」
太公望の身体を抱き上げて、天化はまじまじと彼女を見つめた。
「総合的に見て、おぬしに頼みたいのだ。天化、わしを守ってくれぬか?」
「えーと、師叔って軍師さね。えっと……」
衣類についた埃を払い、天化は太公望の前に跪いた。
本来彼女は崑崙の幹部。
天化から見れば師である道徳真君と同格である。
「紫陽堂道徳真君門下、黄天化。この命に代えてもお守り致します」
普段の天化とは別人のようにその声が耳にこだまする。
そしてその手を取ってそっと唇を当ててきた。
「なんてね、俺っちがやると似合わないんだけどさ」
「……いや、惚れ直したぞ、正直……」
少年は強くなる。少女のために。
少女はその身を出しだす。この命を預けると。
「師叔とこうやって二人だけって久しぶりさ」
太公望の道衣の紐を解きながら、天化はそんなことを呟いた。
慣れた手つきで一枚ずつ落として行き、むき出しの肩口に軽く噛み付く。
誰も来ない様な森の近く、互いの手で衣類を落としあう。
同じように天化の首筋に唇を落として軽く吸い上げる。
「くすぐったいさ」
「いつもおぬしがわしにするようにしたつもりだが?」
悪戯っぽく胸板に触れる指先を取って、舐め上げる。
「んー、するのもされるのも好き」
背中を抱いて、顎に手をかける。何回か唇をかみ合って、離れるころには銀糸が伝った。
唇の端を指で軽く拭って、両手で頭を押さえて再度口付ける。
「……っ……どこでこんなことを……」
「秘密。師叔だって……色々してるさ」
抱きすくめられたまま、唇は乳房に下がる。
片手は腰に下がり、空いた手は少し張っている乳房に沈む。
利き腕を失くして以来、右手を同様に使えるようにするために太公望は夜中に剣を取っていた。
時には天化の父である黄飛虎を相手に果敢に挑む。
道士は筋力で天然道士に勝つことはほぼ不可能。
ましてそれが武道の達人相手ならば尚更だ。
緊張は解けるまもなく、次の夜がやってくる。
腕も、脚も、満身創痍に近かった。
「親父相手に剣振るってんの見た……だから俺っちも少しだけどコーチに鍛えてもらったさ」
天化と太公望の共通点は己の努力を外部には決して漏らさない所にある。
聞仲との一戦で各人は己の実力を知った。無論、天化も。
男の意地と、悔しさは彼の器を広げ、その強さを引き出した。
「…っあ……」
擽る様に乳首を噛まれてあえぎ声が漏れる。
ちゅっ…と音を立てて唇が離れて括れた腰に赤い痣を付けた。
後ろから抱きしめるような形のまま指先を降ろして、腹部の窪みの辺りを摩る。
「…や…っ……」
「師叔、知ってるさ?師叔は意外なとこでも感じるって」
唇は肩甲骨に雨を降らして、舌先が角ばった骨をなぞる。
時折甘く噛みながら、そろそろと指先を下げていく。
「……あっん!」
うなじから、耳朶の後ろへ。唇は止むことなく降って来る。
「こーゆーとことか……」
攻め上げる天化の手に自分の手を重ねて、彼女は止めようとする。
「……嫌?」
囁きながら、耳にかかる息に力が奪われていく。
少し節くれた剣士の指先は濡れた入り口を焦らすように摩る。
煙草の匂いの染み付いた髪が頬を掠めて。
「嫌じゃないさね……師叔……」
ゆっくりと沈む指先はその感触を楽しむかのように内側を押し上げる。
根元まで沈めて、指に絡む体液を遊ばるとぐちゅぐちゅと濡れて曇った音。
「〜〜〜〜っ!!!」
「まだ、駄目。もうちょっと……」
首を傾けて、天化の頬に手を伸ばす。
誘いに乗るように、舌を絡ませて求め合う。
神経は過剰になり、かかる吐息だけで身体は震える。
指を抜いてそのまま胸を弄って、濡れた体液を絡ませた。
「ああっ!!」
「こーゆーときの師叔って凄く……やらしくて可愛い顔してる……」
だらりと力の抜けた脚を開かせる。膝を立てさせて、受け入れやすいように。
「!!」
抱かれる感覚に胸が震えた。
「あ!……んんっ……!!」
背中越しに、感じる鼓動が心地よくて何もかもを預けたくなる。
自分を抱く天化の手に同じように手を重ねて、引き寄せて。
「…師叔……好き……」
打ち付けられる度に濡れた秘部が天化を締め上げて『もっと……』と誘う。
「やぁっ……!!」
「嘘……好きなくせに……こーゆー風にされるの……」
汗ばんだ肌と、わずかに残る香油の匂い。
「そんな目で見られると……もっと苛めたくなるさ……望……」
重ねた手を解いて指を絡ませて。引き寄せてそっと接吻した。
すべてを生み出すこの手が愛しくて、愛しくて……何もかもが欲しくなる。
「ああんっ!」
突かれながら指先が肉芽を嬲る。
「あ……っ……あ!!!!」
抱えた膝が震えて崩れ落ちていく。
「そんなに良かった……?」
力なく下がる腕と、荒い息。
「…今度は俺っちを……望の中で……」
抱き寄せて、奥を目指して。
「ああっ!!!!」
ぎゅっと目を瞑って上がる嬌声は骨まで溶かしそう。
寄り添って、手を重ねて、その魂まで融合させたくて。
「っは……!!……天…化…っ!」
縋るような口付けは、お互いに欲しかったもの。
少し開かせて指を咥えされると従順に舌を絡めてくる。
「……望……」
突き上げられるたびに揺れる髪にさえ、身体は震える。
それが肩口を噛む男のものならば尚更。
「……守るから……必ずっ……」
口腔を蹂躙していた指を外すと名残惜しそうに糸を引く。
「……天化……っ……」
熱さと眩暈の中、分かるのは互いの心音だけ。信じられるのはこの体温。
一際強く突き上げられて、絡む肉がきつくなる。
「あっ!!あああっ!!!!」
「……っ……望……!」
指を絡めて、二人で崩れる。
何もかもが愛しかった。
夜風の冷たさに体が震える。
本能的に暖かさを求めて肌を摺り寄せると待っていたかのように抱き寄せられた。
「目、覚めたさ?」
「……ん……」
少し恥ずかしそうに目を伏せる。その顔が愛しくて天化は額に接吻した。
「どうしたさ?」
「いや……わしもおぬしにいいようにされるようになったものだ……」
まだ少し、身体の奥が痺れて熱い。
「天化……わしと約束をしてくれぬか?」
「約束?」
「……わしを残して……死なないでくれ……」
「……うん……俺っちは死なない。だって……」
閉じた瞼に悲しいくらい優しい口付け。
「……望を守るから……」
強くありたいのは自分のためではなく、貴女のため。
何もかもを差し出して、守りたいと思うのです。
少年はいつしか男になり、女を守ると言う。
必死に運命に立ち向かう彼女を守り、その剣ですべてを振り払う。
「……好きだから……望が……」
「……わしもおぬしが好きだ……」
貴女の声が、力をくれる。だから、何も怖くない。
『好き』とか『愛してる』とかそんな陳腐な言葉よりも。
今、こうしていることが大事だから。
この温もりを手放せずに、二人で堕ちて行く。
道士二人。折れた翼でどこまでも沈みたい。
水底まで沈んで、朽ちてしまえれば………。
「……俺っちに望って呼ばれるの嫌?」
煙草に火を点けて天化は太公望を見る。
「わしが嫌だと言うならばどうするつもりだ?」
「ん〜……嫌だって言わないって知ってるから」
重ねた唇。ほんのりと煙草の味がした。
「今日は恐い夢見なくていいさ。俺っちがいるから」
「そうじゃのう……守ってくれるのだろう?」
くすくすと笑う姿が愛しくて、何もかもが変わるこの世界で唯一つ変わらないと信じているから。
一人で泣く夜を止めたくて。
この、途方にくれる夜が嫌いと貴女が泣くから。
(……守るって決めたんだ……全部から……)
貴女が泣かないように、これ以上悲しい夢を見ないように。
この命を賭けてでも貴女を守りたいのです。
わがままで、子供で、決まった命数にあがらうことでも。
ただ、貴女を守りたいのです。
よく晴れた空のした、太公望ははるか遠くに思いを馳せる。
因縁の地へ。そして、何もかもが終わるはずのその地へ。
「師叔!」
「天化」
「これあげるさ」
手にしたのは蒲公英。可憐な黄色。
「天祥と見つけたさ。師叔にあげたくなったから」
「ありがとう」
祈るような言葉。
頬についた小さな傷を太公望の指がなぞる。
「あまり無茶はするな。傷ができておる」
「ん……」
手を振って前線に戻る天化を見送り、静かに笑う。
あれは悪い夢。そう片付けた。
王都朝歌はもうすぐ。
運命は静かに忍び寄る。
 ̄ ̄-----________ \ | / -- ̄  ̄ ̄ ̄ ̄-----________ \ | / -- ̄
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┼┐ / ./ | \ ( ) / ./ | \ /
││ / / | ./ \ / / | /|
─┼─ / | / / \ / | ./ .|
─┼─ .ノ ,/ / \ \ │ /|
_____ ,./ // | \ ヾ っ ._____
(_____二二二二) ノ ( (. | ( (二二二二_____)
^^^' ヽ, | |
ダブルで討ってみました。今のところ望の最後は決まってます。
なるべく、丁寧に書きたいと思います。
天化と望、ヨウゼンと望、仙界大戦。
まずは趙公明攻略をがんばろうと思ってます〆(゚▽゚*)
KINOさんガンガレ!
えーと・・・
調子に乗って伏羲と神農のエロコメっぽいものを投下しようかと思ったら。
・・・KINO様とネタかぶりまくりなので、やめます。
伏羲の子供化(幼児まではいってないけど)ネタだったんですわ・・・
まぁよいです。自己満足で終わっておきます。はい。
わたくしめの拙いSSに感想くださった皆様、ありがとうございました〜。
ん、お疲れ様でした。
519さん、行かないで〜〜〜〜。
投下してください。・゚・(ノД`)・゚・。見たい……(*´Д`*)
現在続きを書いてます。恐ろしく暗い、重い、しかも変解釈。
自分はダーク系の話が好きなんで、今から楽しみだ(・∀・)
えーと、現在恐ろしく暗い趙公明の第二話書いてます。
自分なりに封神台のことなんかも考えながら。
ただ、すさまじく暗く重いので投下すべきか否か。
投下OKならば書きあがりしだい、投下させていただきます。
暗い話щ(゚Д゚щ) カモーン
俺は楽しみにしてるぜ。
長い、暗い、重い、訳分からないという四重苦な話になっております。
ただ、これがあるのとないのとでは多分つながりが違ってくるかと……思ってはいます。
仙界大戦に繋げるための話でもあるんで。
う〜ん、暗いのがダメな方はスルーでお願いします。
趙公明攻略は結構救えない話が多いんで……
異説封神演義
〜〜〜〜趙公明攻略 因縁〜〜〜〜〜〜
王都朝歌に進軍は続く。上空からはもう、目前だ。
殷の民は武王である姫発に淡い期待を。
「御主人、もうすぐ朝歌っす」
「うむ……久しいのう……」
さまざまな因縁渦巻く王都は、彼女が最後に目指す決戦の場所。
過ぎた日々が走馬灯のように駆け巡り、そして、それを打ち消すように頭を振った。
「御主人、今度は勝てるっすかね」
「いや、勝たねばならんのだよ、スープー」
そして、この日々を終わらせる。それが目標なのだから。
(おかしい……あの妲己がなにも仕掛けてこないはずが無い……)
女二人、その智謀合戦は見事なものでお互いに引けを取らない。
(……なにかあるはずだ……わしがあやつなら……ここでわしを討つ)
予想しうる全てことを思えば頭痛がしそうだ。
「太公望、何考えてんだ?」
「いや……わしが妲己ならばどうするかと思ってな」
太公望は周の擁する最高の策士。その彼女が不安そうな顔をするのを発は見逃さなかった。
「深く考えんなって。もうすぐ全部終わらせてさ、その……」
「……そうじゃのう、発」
微笑とは裏腹に、心中は穏やかではない。
あの妲己が何もしてこないはずがないのだ。
「……?……娘……?」
唇が妖艶に笑った。
「久しぶりね、太公望ちゃん」
「……妲己!!」
目を見張る太公望の前、傾世元嬢は脱己を包みその姿を現していく。
何もかもが妖艶で、美しい。
伸びた手足も、豊満な乳房も、なだらかな双球も。男ならば抱きたいと思わせるその身体。
そして、魅入られたら最後。深い瞳も。
「いけない、君たちは下がって」
ヨウゼンは兵を非難させ、天化は太公望の前で宝剣を構える。
「なんのつもだりだ?」
「あら、この間はうちの太子がお世話になったみたいじゃないの。そのお礼を言いによ」
穏やかな笑みを浮かべる唇。
「それともう一つ……あなたがどれだけ強くなったのか確認しておきたくてね」
「確認だと?相変わらずふざけたことを」
浮かぶ汗。妲己本人の登場は予想外だった。
支配者は表に出ることは少ない。その典型がこの殷の皇后『蘇 妲己』なのだから。
「師叔、下がってるさ!!」
「天化!!」
「こんな好機ないさ。だって……敵の親玉がここにいるんだからな!!」
その声を合図に道士たちは一斉に妲己を狙う。
四方八方からの攻撃を妲己は薄く笑いった。
手にした羽衣が優雅に舞い、光を帯び始める。
「衝撃波!!!」
びりびりとした空気の緊張は肌を直接刺し、彼女の頬に一筋の傷をつける。
抉られた大地は夥しい範囲で全ての生命が生き絶え、その衝撃の強さを物語った。
「まだまだね。趙公明ちゃんとでも戦ってもっと強くなってね……」
「私に下山命令?」
渡された巻物に目を通して雲中子は目を細めた。
「ええ、怪我人が凄いことになってるみたいです。おそらくは師叔たちも」
使いのものは白鶴童子。太公望同様に原始天尊の門下の一人である。
「太乙真人さまも下山命令が出てます。他には普賢真人さまの門下生、それから……」
「私と太乙の二人が下山していいものなのか?封神台のシステムエラーは……」
言いかけて彼女は口を噤んだ。
封神台は教主原始天尊の管理する独立したシステム。
それを作り上げたのは太乙真人、雲中子を中心とする研究開発計画班だった。
「いや、私が原始天尊さまに会いに行けばよい話だ」
「命令はお二人同時に下山するようにと」
「……食えない御方だ。私に下山しろとは……」
封神台は些細なことがきっかけで崩壊するかもしれない危険な代物。
その監視役に太乙真人、雲中子の二人が居るのだ。
(なにをお考えだ……私たち二人が邪魔だと……)
「こんにちは、白鶴」
「普賢真人、これはこれは。ご機嫌の程は?」
「雲中子に面会を。いいかな?」
普賢は白鶴童子を下げ、雲中子に軽く頭を下げた。
「普賢、もしや……」
「ボクの弟子たちもみんな下山命令が出たよ。どういうことかな……」
普賢真人の専門は物理学と数学。
あらゆるコード解析とパターンの作成は天才的としかいえない。
「道徳のところの天化はもっと早くに下山命令が出ていた。うちの雷子も」
雲中子は横目で窓の外、浮かぶ教主殿を一瞥する。
「今になってボクの門下一同を下山させるのはどういうことなのかな……」
「私と太乙にも下山命令が出ている。ご丁寧に二人一緒にだそうだ」
僅かに眉を寄せて、普賢は唇に指を当てた。
「やっぱり、そういうことなの?」
「おそらく。まだ少し時間はある。私もやらなきゃいけないことも山積だしね」
普賢の弟子たちの殆どは普賢同様に学者肌が多い。
ただ一人違うのはモクタク。普賢にとっての一番の愛弟子である。
「たいした御老人だ……さすがは道行の……いや、これは過去の話だな」
「仙界の禁忌。口は災いの元、一番の敵はその息子とでもいっておこうか?」
「知っておるのか」
「前に道行から。同じ女だから……」
沈み行く太陽は赤黒く、まるで血の様。
「ねぇ、雲中子……僕たちはどこへ行くの?」
普賢は沈む夕日を見ながら小さく呟いた。
「なるほど。普賢のところも根こそぎ持っていかれたってわけか」
食事を終えて、道徳は普賢の問いにそう答えた。
彼の専門は戦士の育成。その多くは崑崙を守る優秀な者たちだ。
しかし、今回の封神計画に抜擢されたのはもっとも暦の浅い天化。
道徳の頭の中にも符合しないものはあった。
「どういうことなんだろう……」
「いや、俺はてっきり天化の場合は御母堂とかの関係もあっての参戦かと思ってたんだが……」
「もしそうなら……どうしてボクが崑崙(ここ)に残っているの?」
「………何が隠されている?俺たちにさえしられていないことか……?」
普賢の表情が少し曇る。彼女はあれから考え得る全ての事柄の予想を立てていた。
その中からあくまで数字の上でだが、答と呼べそうなものをいくつか弾き出した。
「この計画、そんなに簡単なものでもないのかもね」
普賢の笑みは仄暗い。まるで封神計画を見据えるように。
彼女は何故に自分が十二仙に在籍しているか、常に疑問を持っていた。
能力の上でならば専門分野は分かれるが雲中子が名を連ねていてもおかしくは無いのだ。
仙人としても彼女のほうが長く、知に長けている。
「ねぇ、前に言ってたでしょ?仙界入りした時のことを」
「ああ」
「十二仙に在るべき者を考えてたの……どうしてボクが要るのか」
祈るように指を絡め、普賢は目を閉じた。
「わかんないよ……何もかもが嘘に思えてくる」
並べられた数字は嘘偽り無く事実を告げている。
その事実が、信じることの出来ないことばかりなのだ。
「太公望なら、事実を知ってるんじゃないのか?」
「多分……望ちゃんも知らないと思う。知ってたら……この計画を実行するなんて思えない」
仮説ばかりが部屋中を埋め尽くす。何度試みても数字は同じように並ぶだけ。
否定と肯定。
彼女は頭を抱えた。何もかもが虚偽にしか見えないのだ。
「ごめんね、こんな話につき合わせちゃって」
席を立とうとする手を掴む。
「帰るのか?」
「そんな気分じゃないから」
「この間のことなら謝る……」
その手を包んで、そっと胸に寄せた。
「……一つだけきいて欲しいことがあるんだけど、いい?」
「うん……」
「ボクはあなたを信じてる。あなたがボクを信じてるなら……一緒に来て」
差し出された手を取る。
その言葉はまるで心を拘束するよう。
静かに、静かに、運命は二人を捕らえていく。
書庫の奥から通じる地下。螺旋階段を二人はゆっくりと下りていく。
「こんなものが隠されてたのか……」
何もない空間に、灰色の階段だけが存在する世界。
一段下がることにまるで拒むように空気が絡んでくる。
その先に現れた扉の前にまるで守護するようにカラクリ人形が立っていた。
「普賢真人、この人は?」
「いいからどきなさい。命令だよ」
「しかし……」
「キミの主人(マスター)が誰なのか忘れたの?」
普段見ることの無い、冷たく無機質な顔と声に道徳は戸惑いを覚えた。
扉に手が触れると、静かに内部への誘いが始まる。
道徳の手を取り、普賢は慣れた足取りで奥に進んだ。
「!!」
それは太乙真人の研究室(ラボ)よりも精巧な造りで、幾つもの画面が宙に浮かんでいる。
その周りを光を帯びた数字が規則的に回り、まるで何かの暗号のよう。
「何なんだよ、これ……」
「封神台の管理システム」
普賢の指先は居並ぶボタンを次々に押していく。
その度に浮かぶ画面(モニター)の色が点滅し、変わっていった。
「ここはあくまで補助だけどね。主だった所は太乙が管理してる。ボクと雲中子はそれぞれ
こんな感じのを管理してきたの」
「どういうことなんだ」
「考えてもみて。妲己一人を倒すのならば崑崙の総力を持ってすればわけないじゃない」
手を止めることなく、普賢は続けた。
「でも、そうしなかった。ううん、出来なかった。どうして?」
「なにが言いたいんだ」
「裏があるってことだよ、道徳。僕等はあの御老人に乗せられたってこと」
手が止まり、画面には封神台の現状が映し出される。
「封神台のシステムは、転生すら出来ないように魂を補完すること。ううん……投獄、かな」
「投獄って……犯罪者じゃあるまいし」
「これから僕たちは罪を犯すから」
椅子に座り、普賢は足組む。
そして、その灰白の目が道徳を捕らえた。
「封神計画という名の罪をね」
「俺には……お前が言ってることがさっぱりわからん……」
こめかみを押さえ、道徳は頭を振った。
「罪なんて別にどうだっていいことだし、これといって興味も無い。でも、今から僕たちは参戦していくんだよ。
だから、あなたをここに連れてきたの。ちゃんと言っておきたくて」
傍らの道徳真君の手を取り、認証のための画面にそっと押し当てる。
光の輪が彼を包み、流れる数値と共に静かに消えていく。
「これで道徳もここに入れるよ。ボクが居ない時でも」
「だから……」
「もし、ボクが封神台に飛んだら、これをここに差して」
ちゃり…と音を立てて小さな鍵を差し出した。
「そうすれば、少なくてもここは機能しなくなるから」
「普賢……」
「もし、あなたが封神台に行く事があるならば……ボクはこのシステム全部を破壊(デリート)するよ
封神台を崩壊させて、あなたを助ける」
幾重にも重なる光の輪が、まるで縛り付けるように普賢を包んでいく。
「あなたがボクを守りたいってくれたように、僕もあなたを守りたいから」
それはぞっとするほど美しい光景で。
「あなたを信じたから。それだけは忘れないで」
言葉は呪文のように心を縛り付ける。
彼女はここに縛り付けられていたのだ。
螺旋階段の奥底、誰にも知られることの無いこの秘密の部屋に。
「もう逢えないなんて、嫌だから……」
その鍵を受け取ることは教祖への裏切り行為。
「わかった。俺もお前を信じる」
鍵を受け取り、懐に入れた。
「人の心なんて、脆いものなのよ。雷子」
物憂げに雲中子はそんなことを言った。
「あ〜?なんだよ急に」
気だるそうに出された碗に雷震子は彼女の好きな茶を注ぐ。
立ち上る湯気と香りは五臓六腑に染み渡るようで、甘く幸福感を与えてくれた。
「私は近いうちに下山するよ。お前はここに残って皆を守りなさい」
「何言ってんだよ」
「教主命令だからね。太乙共々に下山することになった。生きていればまた逢えるから」
雲中子は出された茶に口を付ける。
いつも赤い紅を引き、仙道にあるまじき態度の彼女。
崑崙の仙道は皆、女であることを捨て去った者たち。
その中に於いて彼女だけは自分は未だ現役の女だと誇示するような生き方をしてきた。
他人に振りまわされることなく、支配されること無く、まさに君主の如く。
その彼女が『命令』という言葉で姿を消すというのだ。
「雷子、死なないでおくれ……」
「さっきから……わけわかんねぇよ」
手を伸ばして、褐色の弟子の手を取り指を絡めた。
その力なさはまるで崩壊寸前の砂の城のようで、儚く、弱々しい。
唇を彩る赤によく似た石の指輪。
それは厳しく優しい師のために雷震子が探してきたものだった。
「雷子、これだけはもって行かせて。あとは、おいていくから」
顔は伏せたまま。雲中子は唇だけで笑った。
「お前が私の弟子でよかったよ。姫昌に感謝しなければ」
「まるで最後の別れみたいなこと言ってんじゃねーよ!!馬鹿師匠!!」
「馬鹿だよ……馬鹿でいいんだよ、雷子」
その時に見た彼女の顔はまるで泣くことを堪えた子供のようだった。
「頭の良すぎる子は可哀想だ。余計な未来まで見えてしまう……」
「師匠………」
「雷子、もうじき全てが終わって始まる。お前の思う道を行きなさい」
下山命令は今回だけにあらず、幾度か彼女には出ていたのだ。
それを通例とばかりに断り好きな研究に没頭してきた。
何人かの優秀な弟子たちは同じように崑崙の研究班に在籍している。
雲中子はその中、ただひたすらに封神台の開発に勤しんできた。
教主は今回の下山についてある条件を提示してきたのだ。
封神計画終了後、雷震子を人間に戻すと。
数日考え彼女はその命を受ける。
望んで仙道になったものではない。待っている家族も居る。
あるべき場所に帰してやろう。そう考えたのだ。
「師匠はどうするんだよ!!」
「私?私は……罪を償うよ……この罪をね……」
裸足の爪先が触れるたびに点滅する床板。
いや、薄く張った水面に似た床のような物といおうか。
「太乙」
真っ白の道衣を纏った道行天尊。画面を見ながらあれこれと思案する太乙真人の傍らに座り込む。
「道行、どうかしたのかい?」
「胸騒ぎがした」
七部の下穿きから伸びた足。踝の辺りから小さな光の輪が生まれる。
「未だ儂を認識せぬか、ここは」
「いや、さっき他で異物が混入したからね」
ゴーグルを外して太乙は画面を手元に寄せる。
「普賢か……」
「道徳を認証させたってとこだね。ボクがキミをここに連れてきたように」
先にこの掟を破り、教主に悟られぬように背いたのは太乙真人。
同じことを思い、彼女を母体機能(マザー)に認証させたのだ。
「このままにしておくと濡れ場の生中継になりそうだ」
「消してやれ。変態が」
道行の指先が画面を閉じていく。やれやれといった顔だ。
浮かんでは消える光はまるで人の世の様。
音も、風も無く、ただ在るだけの空間。
「ここは好きになれぬ……昔を思い出すから」
憂い顔。道行は自虐的に笑った。
「僕は、キミの過去は気にならないといったら嘘になる。色んな噂も聞いてるしね」
「……まぁ、強ち嘘ではない噂だがのう」
「けれどね、僕が愛しいと思うのは今ここに居る君だから」
たった一人、罪を抱いて。
誰にも告白できずに彼女は未だに時の檻に閉じ込められたまま。
この魂の牢獄から出る日を思いながら、永遠に近い時間を一人で過ごしてきたのだ。
「あの御老人の裏をかかなければ、君を救うことが出来ない……」
「………」
「一人で何千年も……だから、今度は僕が君と一緒に居たいんだ」
悠久の時の流れの中、たった一人この牢獄に繋がれたまま。
「そのためにこの開発に乗ったんだ。そうすれば君を……」
「太乙」
その声を耳を塞いで遠ざけた。
年老いることがなくなった代償なのか、誰かの優しさと好意に臆病になった。
「あの人のミスは、君と僕を出会わせたことだ」
その手に繋がれた見えない鎖を。
「儂に囚われるな……」
どうにかして引き千切りたいのです。
「無理だよ。もう、手遅れさ」
「…っあ……は……っ……」
冷たい石床に肌が触れるたびに光が生まれる。
重なっては消えていく、淡い光。
ばらばらと崩れていく光の断層と腕の中の女の痴態が何とも言えずに扇情的だ。
「そんな気じゃなかったんじゃないのか?」
肌を滑る指先。
細く浮き出た鎖骨を噛んで、その下を軽く吸い上げていく。
「あ!……やぁ……」
下穿きを剥ぎ取って、細い腰を抱き寄せれば倫理とか観念とかそんなものはどこかに消え去るから。
仙人として最も忌むべき欲求の肉欲に溺れたこの身体。
背中に指を這わせて、その線をなぞる。
膝の上に普賢の身体を乗せて、顔を覆う手を外す。
(大分慣れてきたよな……まぁ、俺が開発したのか……)
「……んっ……」
細い顎を取って唇を噛みあって。そのうちからの芯まで熱くなってくるから。
普賢の手が伸びて道徳の頬に触れる。
そのまま唇を寄せて、舌を絡めて吸い付く。
(多分、こんなことするような子じゃなかったんだよな……)
たくし上げた道衣から零れる乳房が誘う。
(あー、やばい……俺、かなり本気だ……)
人間として生を受けていた時はそれなりに恋をして、それなりの経験をしてきた。
仙界入りしてからは慣習で一切の欲を断ち切ったつもりだった。
それを簡単に解いてしまったのがこの少女。
まるで曲がった釘が刺さったように、引き抜こうとすればするほど深みに嵌った。
一度解かれた欲求は、歯止めがきかない。
「……ごめん……」
「……どうしたの?どこか痛い?」
「いや、俺がもしかしたらお前に犯罪の片棒担がせたのかもしれない」
腰を浮かせて、そっと沈ませる。
「っ!!」
「俺がこんなことしなければ……お前はきっと……」
続けようとした言葉を普賢は唇で塞いだ。
誰かのせいではなく、誰かのためでもなく。
「後悔した?」
「いや、むしろ……」
体勢を変えて、普賢の身体を組み敷いた。
「…やっ……!!」
「光栄だよ……」
絡まる肢体の傍ら、支えを失った画面たちはばらばらに落下していく。
「あっ!!」
唇を舌でなぞって、逃げようとする手を押さえた。
太腿と言うには細いそれを掴んで、より奥を目指す。
理性が囁く。
この女に深入りするなと。
頭の中で幾度となく警鐘がなる。
止めておけと。
(……どうにもならないってやつなんだ……理屈が見つからない……)
本能が彼女を選んだ。
もう、止められない。
「色々と調べたんだ。封神台のことを」
太乙と道行は背中合わせ、その手を繋いだ。
「その気になれば僕でも封神台を破壊出来るらしいね。解析できないプログラムじゃなかった」
崑崙最高の精密頭脳を持つ男は不適に笑った。
「……………」
「パスワードは予想通りだったよ。あの方も所詮は人間だったんだ」
手を解いて。今度はその指を絡めた。
「何だと思う?」
「言わずともよい……」
「……まだ愛されてるって思ってる?あんな酷い人なのに?」
「そんなこと……」
絡めた指がかすかに震えた。
「母体機能の認識は道行、君の名前だ」
「……………」
背中越し、俯く顔が分かった気がした。
揺れた巻き毛が光を生む。
「三つの管理機能はそれぞれ違う認識がある。雲中子のところは『竜吉』そして普賢のところが……」
太乙真人は一呼吸置いてこう言った。
「伏羲。これだけが分からないんだ。いくら探っても出てこない」
指を解いて、道行は太乙真人と向かい合う。
爪先が床に触れるたびに幾重もの光が生まれて壊れる。
繰り返される破壊と再生。
「儂はあれに愛されているとは思わんよ。過去のことじゃ」
「それでも君を縛るだけの力をあの人は持ってる……なにがいいのさ!あんなやつの!!」
道行の肩を掴み、太乙は揺さぶる。
「よしなよ……あんな人。僕のほうが君に優しく出来る……」
自虐的な声。
「君を泣かせたりしない……乗り換えなよ……」
「儂はあれに思う心はないよ……」
伏せられた長い睫が震えた。
「僕のことを好きになりなよ……そのほうがいいよ……」
退くことも進むことも奪われた彼女を救いたくてあらゆる手段で太乙は検索をかけた。
結果分かったことは認識に相応しく彼女の魂の半分は封神台にあるということ。
ある程度の仙人の力を母体としたその機能。
欠けた半身は時を止めた。
初期の機能として、魂の補完が出来るかどうかの実験もかねてだったのだろう。
おそらくは自分の前任者たちが教祖の命を受けて施したのだ。
最も手近で、そして力のあるものを。
「太乙」
「……何?」
「儂をここから出してくれるのか……?」
そっと伸ばされた手。
「もう、一人は嫌……」
その手を取る。
「大丈夫。僕がいる。独りにはさせない」
運命はそっと二人を見据えた。
衝撃波が収まり、ようやく土煙が引いた頃、異変に気が付く。
「スープー?スープー!?」
探しても探してもどこにも見当たらない。
絶えず離れることのない忠実な霊獣。
「師叔!親父もいないさ!」
「まさか……」
最悪の事態が頭を過ぎり、打ち消すように強く振った。
『さて、諸君のお探しの方々はどこに居るかな?』
声の方向を太公望は凝視した。
「……何なんだ。あやつは」
『はじめまして、僕は趙公明。少し手荒だが人質を取らせてもらったよ』
金髪に西洋風のいでたちの男は軽やかに笑った。
「ふざけたことを……」
『そんな恐い顔は君には似合わないね。いや、その顔も美しいか……罪なことだ』
無表情で、冷たい瞳。
傍にいた天化ですらその表情(かお)に背筋が凍るのを感じたほどだ。
「スープーたちは無事なのか」
『もちろんだよ。君たちが助けに来るならね』
「そうか。ならば行こうではないか。お前の元へ」
空気はまるで剃刀のように肌を裂く。
『そうそう急がなくてもいいよ。素敵な舞台を準備しようじゃないか。明日の正午、この場所で』
「スープーたちに何かしてみろ。わしはおぬしを許さぬ」
人質に取られたのは四不象、発、土行孫、武成王。
『楽しみにしてるよ、君が僕のところに来るのを』
「ああ、待つがよい」
その後の言葉を太公望は静かに殺した。
お前を殺しにいくのを……と。
暗い、長い、重い……そのうち軽い話を持って来ようと思ってますので暫くはご容赦ください。
きじさんやGBHさん、他の方は……〆(゚▽゚*)
86 :
きじ:03/07/29 01:39 ID:NKExpNfQ
お久でっす。
女殷洪×殷郊投下いたしまス。スマソ。
暗いです。暗暗ですわ。封神されてこようかな……。
87 :
きじ:03/07/29 01:39 ID:NKExpNfQ
微かに、それは感じる。
ちりちり、ちりちりと音を立てて……。
衣擦れの音、奥に潜む寝息。僕には、それが悲しさを誘うのだ。
傍で眠る殷洪の、長い黒髪をそっと梳く。するすると指を流れ、
優しい香りを漂わせる。
時は満ちた。
もう、後戻りはしない。
後は、僕を繋ぎ止める小さな硬い鎖を、断ち切れるかだけ。
母上、どうか、見守っていて下さい。
母上、どうか、『妹』だけは死なせぬよう。
水関の韓栄に命じ、界牌関に馬を飛ばした。
数が揃わねば話にならない。7万の兵馬で何とかなると思えないが……。
兵は疲れきっている。もはや忠誠心など役に立たない。勝機は……ある
だろうか?
「やめなよ兄様!」
黄巾力士が視界に入る。殷洪が見えた。
「本気で太公望と戦うつもりなの?!」
「当たり前だ、私は殷の太子なんだからな」
「そんなっ……、だって……師匠たちも言ってたじゃないか!」
僕の言葉に、殷洪の表情に焦りが見えている。師匠である広成子、赤精子
は言っていた。太公望に従わねば、死をもって償わねばならぬ、と……。
88 :
きじ:03/07/29 01:40 ID:NKExpNfQ
「殷洪よ……、降りて来い」
僕は、手を伸ばした。
殷洪は黄巾力士から身を躍らせ、関の上に降り立つ。兵達は矛を向けたが、
僕が制すると、静かに去っていった。討って出る支度の為に。
もし周が来たとしても、僕が『番天印』で迎え撃てば、問題もない。
「もう、やめよう?兄様。僕らは国を棄てたんだよ?」
埃にまみれた、乾いた風にあおられる『殷』の軍旗。そして、殷洪の黒髪。
「僕は殷の王だ。それは変わらない」
「お願いだよ……」
少しだけ、顔が歪む。殷洪は姜氏……母上に似ていると思った。
「なら……、そうだな、服を脱いで跪き乞うてみろ」
「に、兄様……」
「どうした?出来ぬのか?」
兵が何かを囁いているのが、視界の端に見て取れた。
殷洪は顔を真っ赤にして僕を見ている。目に涙を溜めて。唇をかむ仕草は、
昔から変わっていない。
「冗談だ。お前はそんな辱めなど受け入れられぬだろう?去れ、殷洪」
これぐらい言えばいいだろう。番天印で脅せばすぐに去る。そう 、思っ
ていた。
89 :
きじ:03/07/29 01:41 ID:NKExpNfQ
殷洪は胸の留め具に手をかける。頬を、涙が伝った。
「本当に、……辞めてくれるよね」
「殷洪……」
やめろ、やめてくれ……。
「兄様……」
「くそっ」
僕は、殷洪を抱きしめていた。抱く、というより、しがみついたようなも
のだった。震えている、その幼い身体は僕の腕に余る。殷洪の叫び声が、僕
の心をずたずたにしていく。僕の身体に爪を立て、殷洪は泣いていた。
その声を聞かないように、僕は殷洪の唇を唇で塞いだ。顔を背けて逃げよ
うとするのを手で押さえ、引っ込めた舌を吸い、重ねる。
暴れる足元がもたつき、腰から崩れようとする、片手でそれを支え、石の
上に座らせる。そして僕は、殷洪の胸元をまさぐる。
道衣の裾をたくし上げる。片手に収まる程の乳房に触れると、背が弓なりに
しなった。乳房の先をさすると、殷洪の喉が鳴いた。
「ふっ……んんっ……」
腿を持ち上げ、股の間に僕がいる。そっと唇を離すと、唾が糸を引いて雫
を垂らした。はあっ、はあっ、はあっという獣のような息遣い。
やめて、というか細い声を無視して、たくし上げた道衣から現れる乳房に口
付け、舌をのばした。腰紐を緩め、ぐいと手を入れる。
「やっ、やめて……やあっ、あっ」
「……殷洪」
「いやあっ、あっ、んっ、んんっ」
頬を上気させて、突き上げる声を押さえようと抗うが、水関に、甘ったる
い声が響いていく。肉を割り、さする度に声が漏れる。
僕は、自分に与えられた使命、罪から逃れたかったのかも知れない。
90 :
きじ:03/07/29 01:42 ID:NKExpNfQ
「……僕は、死ぬだけかもしれない」
「ああんっ!……あっ、……さまあっ」
「でも、そこから逃げられないんだ。……僕は、『そこ』に生まれたから」
殷洪が、声すら出せずに震えていた。息遣いしかしない。
「……冒涜であっても構わない」
二、三度震え、がくりとうなだれた。その部分だけは熱く、別の生き物のよう
に胎動している。さらに弄ぶと、がくがくと身をよじって果てた。
僕の鼓動が、大きくなっていくのが聞こえる。
殷洪を抱え上げ、僕の上に座らせる。抱き締めながら、一気に侵入させた。
ぎゅうと締め上げられ、僕も声を上げそうになった。 身体の隙間を埋めるよう
に抱き、突き上げる。殷洪の喉辺りに浮いた汗が、髪を張り付かせている。
「……血のつながっ、など……、糞食らえだっ、くっ」
「ああっ!いやああっ」
「殷洪……、生きてっ……くれ……ううっ」
嫌々と黒い髪を振り乱して、僕にしがみつく。柔らかな匂いは、母上と同じだ。
「兄さまあっ……、兄さまあっ……!」
首筋にかみつかんとする殷洪に、僕は泣き出しそうになっていた。実を結ばな
い精を放ちながら。
破瓜の血が指に見えた時、母上の自決した血を思い出した。
僕は、鎖を断ち切れないでいる。
91 :
きじ:03/07/29 01:44 ID:NKExpNfQ
短編っぽくしてみますた。
はあ……。封神されてきます。
ドゴーン! ←魂魄飛んでいく音
92 :
王天君:03/07/29 17:41 ID:jMRiNGD6
ふっ、つかまえたぜ・・・
きじよぉ、逃げられると思ってんのかぁ?
この宝貝『写刷陣』のなかで、書きつづけて
もらうぜ。くっくっくっくっく・・・・・
>きじさん、殷洪萌え(*´Д`*)むしろキタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!
いいものをご馳走様です。
ピーマスにのって迎えに……
>王天君
うあはは。今からある意味あなたを調理するのが楽しみです〆(゚▽゚*)
……なんてね。につまってます。焦らずに行こう……
暗いエロ話なんてありですかね?
いや、本筋とかはまったく無視した話で。
調教?までは行かないんですが救いようの無い話。
94 :
きじ:03/07/30 02:13 ID:98rBUEs/
>>92 王天君っすか?!ひいい……。私は封神さえ、選べない人間でしゅか。
>>93 KINOさま
喜んでいただけたのなら、ゴマ粒程、私の心は癒されますた。
素晴らすぃい事です。
新たな小説、お待ちしてますです。.:*・゜(ノ´Д`)ノ゚・*:.・゜゚・*:.:*
新スレに入ってからディープな内容が続いとる(w
職人さんたち、がんが!
今更ながら、殷洪って女の子顔だよなー。藤版の封神されるエピも好きだ。
そして王天君、(・∀・)bグッジョブ!!
>きじさん、きじさんのお話も待ってます(*´Д`*)
封神台に飛ぶのは寧ろ自分です……
>95さん、ディープですか。うはは。
趙公明編、暗い、長い、重いの三重苦となっております。
合間を縫って調教ものというかなんつーか痛い話かいてますが…。
書いてて自分が連動していたくなってどうするって感じになってます(;´Д`)
現在三話目書いてます。
ああ、早く書ける腕欲しい〆(゚▽゚*)
KINOさん、調教(・∀・)イイ!
頑張って下さい。
スランプ……とも違いますが、ドツボに嵌ったというか.……
立て続けに暗い話を二本同時進行させてるせいか(;゚▽゚)
>97さん、
調教っていうか監禁というか、強姦というか、崩壊ものというか…
いや、一片の救いも無い話としか。暗いエロ物?ですかねぇ。
明るいエロ物が書きたいような気がします……
異説封神演義
〜〜〜趙公明攻略 嫉妬〜〜〜
時間は明日の正午。そういわれてしまえばその時までを埋めるしかない。
「太公望、あの方はやばいわよ」
「やばいもなにもスープーを取られておる。やるしかあるまいて」
「あのヒトさぁ……」
金号出身の蝉玉は続ける。
始祖である通天教主を筆頭にその下の三強、十天君と系列があるらしい。
三強とは妲己、聞仲、そして趙公明。
「あれが三強というツラか……」
「金号はね、秘密主義が徹底してるからあたしも初めて見たんだけども……」
二人のため息が重なる。
「まぁ、妲己、聞仲共にいずれはやらねばならん。ならばここは趙公明で腕試しといくか?」
太公望は道士連中を見つめた。
相手にとって不足はない。
「俺っちはその話乗るさ」
「あたしはハニーを助けなきゃ!!」
「師叔の命ですしね。僕も参加しますよ」
太公望はからかたと笑う。
「ならば明日の正午までは自由時間としよう。各々好きに過ごすが良い」
特にすることも無くヨウゼンは哮天犬にもたれて一人考え事をしていた。
いや、考えた振りというほうが正しいだろうか。
「ヨウゼンさん、ちょっといいさ?」
「珍しいね。君が僕のところに来るなんて」
ヨウゼンの真向かいに座り天化は慣れた手つきで煙草に火を点ける。
上がる煙にそぐわない少年の顔つき。
「ヨウゼンさんって、師叔に好きって言われた事あるさ?」
「……どうしてそんなことを聞きたいんだい?」
「ん〜、俺っち昨日言われたから。師叔に好きって」
意味深に笑う瞳。
「守ってくれって。この命預けるって言われたさ」
「……………」
「あのヒト、皆に優しいから」
箱から一本取り出しヨウゼンの手に乗せる。
「要らないよ。好きじゃないんだ」
「そう。師叔は結構好きみたいだけど」
天化の吸い差しを太公望は時折奪う。それかまったく別に火を点けるかのどちらかだ。
「何が言いたいんだい?」
「別に」
少年の特有の皮肉めいた笑い。喧嘩は正面から売る性質だ。
天才にも意のままにならないことがあると天化は挑発してくる。
「俺っちヨウゼンさんには負けないから」
「僕も……君だけには負けない」
美しく残酷な女は、その眼で何もかもを奪っていく。
「俺っち、『望』の護衛に行くから。時間取らせてすまなかったさ」
「気をつけて。くれぐれも師叔に傷など負わせないように」
「じゃあね、ヨウゼンさん」
天化の姿を見送り、ヨウゼンは唇を噛んだ。
ぎりぎりとした感触と、流れる血液の味。
(すいぶんと正面から喧嘩を売られたものだ……)
一番欲しかった言葉を先に奪われた。
能力で劣っているわけでもなく、おそらく数値の上では自分のほうが上だろう。
それでも彼女が選んだのは自分ではなく、彼だという。
(師叔……どういう心算なのですか……?)
歯が爪に触れ、がつりと噛みあう。
剥がれ落ちる爪と生暖かい血の流れにようやく事態を把握した。
これは『嫉妬』だ。
欲して止まないあの人の心の欠片を得たと宣言する少年への。
(師叔……僕では駄目なのですか……?)
この腕の中、彼女はいつもその身を預けてくれる。
けれども……その心には触れさせてはくれない。
痛む親指をそっと隠す。
まるで動揺を隠すかのように。
「やっと見つけたさ。師叔」
何事も無かったかのように岩場の上、太公望は印を結び瞑想に耽っていた。
趙公明と当たるのならば仙気を溜める必要がある。
そのための仙穴にその身を置いていたのだ。
「天化か……」
「師叔、膝貸して」
印を解かせて天化は太公望の膝に頭を乗せる。
「さっきヨウゼンさんのところに行って来た」
「珍しいこともあるよのう。喧嘩でも売ってきたのか?」
「なんで分かったさ」
「当たってしまったか……冗談のつもりだったんじゃが」
天化の髪を撫でながら太公望はやれやれと首を振る。
手を伸ばして彼女の頭を押し、自分の唇と重なるようにさせた。
煙草の味の接吻も、もう慣れた。
「男の意地。あの人には負けたくないさ」
力だけではなく、強さを解いてくれた人は傷付くことを恐れない。
「ヨウゼンさん、焦ってた。師叔……ヨウゼンさんには好きって言わないさ?」
「安売りはせぬ主義じゃからな。重みがなくなるであろう」
「ん……でもやっぱ俺っちは師叔に好きって言いたい」
「言われるのは嬉しいよ。ただ、わしは言わぬだけで」
優しく触れる指先。その手は風を生み、自在に操る。
本気で当たれば例え天才道士であっても相殺するのがやっとであろう。
教主の下、彼女は隔離された空間でその力を育ててきた。
時折見せるその片鱗が、恐くて……魅かれる。
「……望……」
あなたのために強くなるから。
「俺っちのこと……好き?」
「ああ……好きだよ……」
何も要らない。あなたがいてくれるだけで良いから。
「なんで泣きそうな顔してるさ……?」
「今こうして居られる事が……幸せだと思えるからかのう……」
それは嵐の前の静けさ。
穏やかな陽だまりに包まれていた。
大分使い慣れてきた左腕を摩りながら、太乙真人から渡された薬を口にする。
拒絶反応を防ぎ、より効率よく意思が伝達されるように太公望に義務付けられた行動の一つ。
「……っは……どうも好きになれぬ味じゃ」
苦いものと辛いものは得意ではない。
水で流し込んで口直しとばかりに昼間に見つけた洲桃に噛り付く。
「師叔、少しよろしいですか?」
「手短に頼む。そろそろ休もうとおもっておったところじゃ」
指先に残る甘みに唇をつける。
「手短に出来る自信がありません……」
「……立ち話もあれだ。座るがよい」
手を拭いて、下ろしていた髪を簡単に纏めて簪で留めた。
螺鈿細工のそれは黒髪の彼女に華を沿え、その艶を際立たせる。
「どうした。何かあったか?」
「昼間……天化君に喧嘩を売られましたよ」
「そういえばあやつも言っておったのう……あれは血の気が多いからな。多少のことは大目に見てやってくれ」
「大目に……ですか……」
「おぬしは本来ならば仙人として名乗っていてもよい立場じゃ。日の浅いあれのことは……」
「他に関しては寛容でも、あなたのことを大目には見れません」
「……………」
少し視線を落とし、太公望はヨウゼンに洲桃を一つ手渡した。
「やる。まずは食うが良い。空腹だとロクなことを考えん」
「空腹……ですか……」
「腹が満たされればそれなりに落ち着き、思考も安定する。まぁ、普賢の聞きかじりじゃがな」
そう言うと太公望もまた一つ口にする。
はぐらかすことの天才は呑気に洲桃を齧りながら自分にもそうしろと促す。
そのはぐらかしを解いたのがあの少年なのだ。
空腹は食物を入れれば満たされる。
ならば……この空虚な心は何を入れれば満たされる?
「僕が欲しいのは洲桃でなくて、あなたの心です」
「……そんなことを寝る前に言われてものう……明日のために体力は温存しておきたいのだ」
「ちゃんと聞いてください、師叔!」
「……分かった……」
寝巻きの襟元を直し、太公望はヨウゼンと向き合う。
崑崙の幹部。教主の直弟子。周の軍師。
多角的な顔を持つ一人の少女の目は、天才と呼ばれる男の心を奪った。
「わしの心とな……得てどうするつもりじゃ?」
「分かってます。これは……嫉妬です。彼への……」
「少しわしも意地悪が過ぎたかのう。嫉妬とはおぬしらしくない」
なら、自分らしいとは何なのだろう。
「師叔にとって僕はどう映ってるのですか?」
「そうだのう……多少自信過剰なところはあるが頼りにしておるよ」
「では……何故、天化君に護衛を……」
手を伸ばし、ヨウゼンの額に指先をつける。
前髪を軽く弾いて、ゆっくりと撫で摩った。
「あれは心の強さがある。おぬしよりも、わしよりも」
「心の……強さ……?」
「多少性格に問題はあるかもしれぬが真っ直ぐで良い眼だとは思わぬか?」
手を取って、ヨウゼンはそれを自分の頬に触れさせた。
「能力だけならおぬしのほうが格段に上じゃよ、ヨウゼン」
笑う顔が愛しいと思う。
それを自分ひとりだけのものしたいと。
「今夜はゆっくり休んだほうがいい。明日はあの趙公明と当たるのじゃからな」
「……師叔、ここに居てはいけませんか?」
「…………」
「ここに居させてください……」
「好きにするがよい。ただ……わしは眠いのじゃ……」
目を擦るその小さな手。
この計画の実行者がこの人でよかったと思う。
おそらく他の誰かの下に付けといわれたならば従うことは出来なかったはずだ。
全てを受け止めて、空の下で笑うヒト。
伸ばした手にはいつも光が抱かれている。
「……一緒に居られれば……それでいいんです……」
ヨウゼンの傍らに立ち、少し屈んで額に接吻をする。
「わしの悪い癖だ。子供を放置することは出来ぬ」
「子供?」
「わしに見えるのは泣きそうなのを堪えてる子供じゃよ」
小さく『そこに居る天才道士には内緒だがな』と加えた。
飾り物の簪は転がり、解かれた髪は闇に溶ける。
自分の上に降る男の髪を軽く引くと、弄る手が止まった。
「どうかしましたか?」
「いや……おぬしも変わったと思っただけだ……」
裸の身体が二つ絡まる。ぼんやりと闇に浮かぶ白い肌がやけに艶かしい。
「僕がですか?」
「よく笑うようになった。いいことではないか」
首筋に降る唇。悪戯に伸ばした指先を噛まれて身を捩る。
「師叔もよく笑ってますよね……」
「そうかのう……スープーがおるからかのう……」
耳朶を噛まれて少しだけ高い声が上がる。口元を片手で押さえて太公望はヨウゼンの胸を押す。
「早く……助けに行かねば……」
さらさらと自分の上に降る髪。
「……あっ…!……」
「僕が嫉妬するのは彼だけじゃないようです……」
脚を広げられ、舌先が媚肉をなぞり上げる。
探られながら指は内側を犯し、ひくつくそこが絡みつく。
「…んぅ……ヨウ…ゼ……!!……」
ぬるりとした感触を楽しむかのように指は奥のほうで動き、その度に揺れる腰が淫靡に誘った。
「……師叔……」
「!!」
唇を深く重ねたまま、ヨウゼンは彼女の中に自分を埋め込む。
上がる声を封じて、そのまま舌を吸い合ってはんれるのが嫌だとばかりに押さえ込まれる。
「あ!!」
びくんと揺れる腰つき。
男に広い背中に手を回し、力任せに引っ掻く。
細い爪が食い込み、皮膚を浅く裂く感触にヨウゼンの眉がわずかばかり寄せられた。
上がる息と絡まる吐息。
窮屈そうに折られた膝。押し割って絡まった肢体が二つ。
「んんっ!!!ヨウゼ……あっ…ん!!」
「……いつか、僕のことを好きになってくれますか……?」
その目は悲しげで、天才と謳われる男とは思えないくらいに脆弱で。
「…っは……!!!……」
繋がった部分が、じんじんと熱い。
剥がれた爪。血の滲んだ親指を咥えて舌でなぞった。
「……この爪は……どう…っ…あ!」
「……子供染みたことをしてしまいました……」
指先でヨウゼンの髪を留める髻を外す。
ばさりと降ってくる髪に太公望は笑った。
「……綺麗……」
「?」
「……おぬしは綺麗じゃのう……」
「何を言ってるんですか……師叔……」
吹きかけられる吐息に心が震える。
「こうしているときのあなたが一番綺麗ですよ……」
言われて照れがあるのか太公望はヨウゼンの髪を少しばかり強く引いた。
「痛いですよ、師叔」
「……歯の浮くようなことばかり言うからじゃ……」
絡まったまま笑いあう。それは些細なことで、とても幸せで。
この幸福の中でまどろんだままでいたいという思い。
二人折り重なったまま息絶えることができたなら。
「あっ……はんっ!!!……!」
押さえつけられたまま突き上げられて、一際高い嬌声が上がる。
舌先がぺろりと唇を舐めて、そのまま歯列を割って口腔を蹂躙する。
「……ふ…ぅ……っ……」
「……いつか、僕もあなたのことを呂望と……呼んでもいいですか……?」
一度離れた唇を、彼女のそれが追った。
軽く触れてすぐに離れて。そして、耳元で小さく囁いた。
「……好きに呼ぶがよい……」
「……もう少し、僕が勇気を持てるようになったら……」
柔らかい身体は溺れるには十分すぎた。
今更手放すことがどうしてできようか。
(ああ……こんな感情も持ち得るのか……)
嫉妬。そんなものとは縁遠いと感じていた日々が懐かしくさえ思える。
傷つく事を恐れずに自分の刃をその身に受けたあの日。
逝ってしまった人を涙を隠して見送ったあの日。
子供が一人泣いていると、心を覗かれたあの日。
「……師叔……っ……」
「やぁっ!!!あッ!!」
逃げる腰を抱き寄せて、一番奥深いところで絡み合う。
男の熱さを抉るように感じたいと身体が求める。
「〜〜〜っ!!!」
寄せられた眉と喘ぎながら半開きの口唇。
垂れた涎を唇で吸い取って、主に返す。
「…くぅ……っ……ヨウゼ……!」
ぷるんと揺れる胸を掴んで、軽く噛む。
「やっ!!」
休むことなく揺さぶられて濡れきった身体が二つ落ちるために加速していく。
「……師叔……っ!」
「あ!……ヨウゼ……ッ…!!!!」
二人同時に重なった声。
だらりと投げ出された身体とは裏腹に心は少し近づいたような気がした。
苦々しく煙草を揉み消して天化は空を仰いだ。
(……なんで他の男連れ込んでるさ……)
新しく火を点けて手持ち無沙汰に野路を歩く。
「……何してるさ、蝉玉」
「……天化……」
得にすることも無く天化は彼女の横に座り込む。
「要る?」
「好きじゃないの。要らないわ」
「ふ〜ん。女って煙草嫌いなほうが多いさ?」
立ち上る煙をぼんやりと眺める。
「普通はそうじゃないの?」
「師叔は結構好きみたいだから」
「それ、あんただから我慢してんじゃないの?太公望ってあんまり自分を主張しないじゃない」
「あの人、自分の欲求には忠実さ。酒、煙草、男、他にあったかな……まぁ、そんな感じ」
蝉玉は膝を抱えたまま小首をかしげて天化を見た。
「その自称恋人の天化クンはなんでこんなところにいるのかしら?」
からかう様な口調。
「……間男に隙を突かれたさ。ちょっとばっかタイミング逃した」
決まり悪そうに答える声に蝉玉は堪えきれずに笑いだす。
「間男ってヨウゼン?おっかしー!!本当に見てて飽きないわ、あんたたちって」
「そりゃどーも」
二本目に火を点ける。
ぼんやりとつく灯りはどこか優しい。
「前から思ってたんだけどもなんであんた達太公望が好きなのよ」
「あー……笑うなよ」
「何よ」
「俺っちの一目惚れ」
嘲笑を覚悟していたが蝉玉は穏やかに笑うだけ。
「なんだ、あたしと同じじゃない」
「そっか……」
足を伸ばし、前のほうに手をぐんと伸ばす。
「あの人は、綺麗な人さ。綺麗なんだけど、なんつーかさ、上手く言えない」
その独白は。
「脆くって、強くって。優しくて柔らかくて気持ちいーっていうかさ……凄ぇ欲しい人」
ぽつりぽつりとこぼれる。
「笑ったり、怒ったりいつも忙しい。でも……一番好きな顔はさ……」
慣れた手つきで小さくなった煙草を弾く。
「してるときにちょっと苦しそうに笑って、イキそうな時の顔かな……」
「……それ太公望が聞いたらあんた封神台直行よ」
「だって可愛いんだから仕方ないさ。男ってみんなそーゆー顔が好きさね」
「サイッテー」
やれやれといった感じの蝉玉の手を天化が掴む。
「何よ」
「試してみる?俺っち結構いいかもよ?」
「な……」
そのまま引き寄せて、いつもするように唇を重ねた。
「…っは……何すんのよ!」
「……やっぱ止めた。詰まんない。師叔のほうがイイ」
蝉玉は指で唇を拭う。
「誰か連れ込んでても俺っちあの人じゃなきゃ嫌さ……」
バンダナを解いて、夜風に髪を泳がせる。
「あー、なんでこんなにヤキモキしてんだろ」
「それってやきもちよ。嫉妬ってやつ」
「嫉妬?」
「そ、自分のほう見ないで余所見ばっかしてるからいらいらしてくるの。あたしがそう」
うふふと笑って蝉玉は天化の頭を撫でる。
「愚痴くらいおねーさんが聞いてあげるわよ」
「誰が。そっちこそ浮気性のモグラしっかり捕まえたほうがいいさね」
笑いあってじゃれあって。
「ねぇ、あたしたちいい友達になれると思わない?」
「友達ならなれそうさね……」
「がんばろーよ。あたしはハニーを助けるの……」
それは同じように誰かを守りたいと思う瞳。
「俺っちは望を守るさ……嫌なこと全部から」
少し重い身体を引きずって、傍らで眠るヨウゼンの唇に触れてみる。
よほど疲れているのか寝息がかかるのが分かった。
(……眠らせておくか……)
まだ少し熱い身体を冷まそうと天幕の外に出る。
簡素着と擦れる肌。
足元に転がる吸殻。
(……煙草……聞かれておったか……)
あれこれ考えても仕方の無いことに、ため息だけがこぼれた。
どれを取るといわれても、選べない。
何一つ失いたくないのだ。
(子供はわしじゃ……どれも失いたくない……)
ふらふらと歩きながら星を数える。
「望」
「天化……」
「ヨウゼンさんは寝てるさ?」
「ああ……」
自分の吸いさしを太公望の口に咥えさせる。
そのまま受け止め、軽く吸い込んで煙を吐き出す。
「!」
おもむろに重なった唇。
「消毒。おやすみっ」
足早に去っていく姿を見送りながら、立ち込める煙を見つめる。
「あやつのほうが上手かのう……」
まだ少し残る煙草を咥え、太公望は満足げに笑った。
時間は指定された正午よりも少しだけ早い。
「相手は一筋縄ではいかぬようだ。皆、気をつけるのじゃぞ」
湖に浮かぶ巨大な船を見つめる。
(スープー、待っていてくれ……)
太陽が頭上に昇り、時間は正午。
ゆっくりと幕が開き始めた。
ようやく次から趙公明編の戦闘が書けるかな?
あとは仙界大戦とその次のためにこの話を書きたくて…場面は浮かんでるのに、それを表現できないもどかしさ。
あとは同時進行でバカップルの調教?ものとカキ氷に錬乳かけてクリームかけたみたいなやつとか書いてます。
夏です。カキ氷…〆(゚▽゚*)
KINOさん乙!本チャンより消毒に萌えてしまったよ。
あと天化と蝉玉の関係が今後楽しみでつ。
書けないときは無理しないでくだちい。うp早いから心配。
これは他の職人さんたちにもでつ。ありがたいんだけどね。
カキ氷。食べる以外の用途もありまつか?(w
∧_∧ ∧_∧
ピュ.ー ( ・3・) ( ^^ ) <これからも僕たちを応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄ ̄∪ ̄ ̄〕
= ◎――――――◎ 山崎渉&ぼるじょあ
 ̄ ̄ ̄ ̄-----________ \ | / -- ̄
--------------------------------- 。 ←山崎&ぼるじょあ
_______----------- ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧ ∧ / / | \ イ
( ) / ./ | \ /
_ / )/ / | /|
ぅ/ / // / | / .|
ノ ,/ /' / |│ /|
_____ ,./ // | / .─┼─ |
(_____二二二二) ノ ( (. | / ┼┐─┼─
^^^' ヽ, | | /. ││
軽いエロコメかいてます。気楽にがんばるさ。
>114さん、あはは。あそこは自分で書いても好きな場所でした〆(゚▽゚*)
現在バカップル&ヨウゼン天化呂望の3Pなるか?を書いてます。
さっきから書き始めました。
調教ものも一緒にやってますが……
妲己×竜吉のレズ調教モノキボンヌ
>>117 漏れも大期待。
せっかくだから宝貝使いまくっていぢめまくってほすぃ。
あぼーん
便乗。
藻いらもキボン。
しかしながら妲己ちゃんはどーやって忍び込むのだろう?
>>120 そんなの、王天君を使えば一発ぢゃないか。
あ奴はどこにでも出没できるし、人攫いも自由自在♪
そうか!!その手があったか。
王天君に踏まれて続き書きに逝ってきます
誰かかいてくだちい、おながいします(*´Д`*)
>>117 そのネタ、同人本で出てたな。「公主リョージョク」だっけ?
でも、公主は仙人界じゃないと生きてけない。
苦しいハァハァと気持ちいいハァハァで次第に訳がわからなくなり、ついには自分を見失って堕ちてゆく……。
ちょっと前だとオクにハクユウコウと妲己もの18禁出てたんだけども
どーも趣味に合わなかったんで見送ったのですが…うーん( )y-~~( *゜)y-~~( *゜ー)y-~~(*゜▽゜)y━~~
>>120
妲己ちゃんショートワープぐらいなら自分でできますよ。
(参照・単行本第5巻、10巻)
>126さん
今読み返してきますた。
この先のどこかで使おうと思います。
まずは書け、自分。ふらふら変なもんばっか書いたり収集したりしてるなと、言ってみる。
>>125
確かヴァルキリーものの同人描いてる方ですよねそれ。
あの人の絵は個人的には好きでした。
>128さん
自分かなり狭い世界の作家さんしか読んでなくて。
未だに書棚が変わりません。年に数冊買うくらいで。
自分的に好きな作家さんはいるんですが探しても探しても出てこない。・゚・(ノД`)・゚・。
多分もう他に行ったんだ…むしろ再燃した自分があれなんだ……
>130さん、
ありがとです。ブラウザ使いなのでそのままとびました(゚∀゚)
世の中道天多いんだよね……否定はしないが……
そんで他所様のコーチ、やけにカコイイのですよね。
我の書くコーチは……ゴ━━━(#゚Д゚)=○)゚Д)、;'.・━━━ルァ!!
仙界大戦で自分の理想とするものが書ける様にがんがります。
ほんで、しょーもない話を二本かいてます。
さくさく書けてるんでそのうち投下させてください。
KINO様、楽しみに待ってまつ(・∀・)ワクワク
えーとぬるい話を投下させていただきます。
まずはバカップルのほうから。
この話は二つありまして、これと呂望サイド。
望ちゃんのほうは現在書いてます〆(゚▽゚*)
しょーもない話です。本編の欠片もありません。どの辺の場面設定なのかは皆様お好きにどうぞ。
嫌いな方はスルーでお願いします。
たまには明るく?しょーもない話もいいなぁと。
では、よろしくです。
〜〜〜〜咲き乱れよ乙女たち〜〜〜〜
話したいことも溜まりに溜まり、同期の二人は時間など忘れてしまう。
崑崙に戻るならと天化も太公望を追いかけて、一緒にこうしている。
「なんで俺の所でこの二人は優雅に茶を飲みながら談話してるんだ?」
「俺っちもそれはすごーく疑問さ」
「そしてなんでお前もいるんだ」
「そりゃあ師叔が行くとこなら俺っちも一緒に居たいからついてきたさ」
悪びれずに答える弟子に道徳真君は頭を抱えた。
しかも当人たちは話に花が咲き一向に終わる気配は無い。
「表で相手でもしてやろうか?」
「師叔と普賢さんの話聞いてるほうがいいさ」
咥え煙草で天化は笑う。
「コーチも混ぜた貰ったらいいさ」
「いや、いい。あいつらの話はよく分からん」
雑談から専門的な話まで、太公望と普賢は止まることがない。
それを区別することなく織り交ぜながら話すのだ。
戦況について話したかと思えば杏仁豆腐の作り方になり、さらに野路で見かけた兎の話。
まるで掴めないその話に道徳真君は眩暈を覚えた。
(……今更ながら普賢がわからんっ……)
「そういえばのう、これを持ってきたんだが……」
太公望はごそごそと酒瓶を取り出す。
「どうしたの?」
「なに、発の部屋にあったものを拝借したまで。なんでも好きにしろと常日頃言われておるからのう」
次々に出てくる酒壺酒瓶に普賢はうふふと笑った。
「じゃあ、これもどう?」
いつも持ち歩く籠の中から出たのは薄紅色の酒の入った小奇麗な瓶。
「原始様のところからちょっと持ってきちゃった」
「久々におぬしと呑むのもいいのう」
(ちょーっと待て!俺が酒飲ませようとしたときの拒否っぷりは何だったんだよ!)
同じように普賢に酒を勧めて、力一杯拒絶された過去を持つ男はこの状況を憮然とした顔で見る。
「じゃあ、夕方頃から始めるってのはどう?」
「ヨウゼンも戻っておるからのう。あれも呼ぶか」
「人数は多いほうが楽しいしね」
「ならわしは野暮用を済ませてくるとするか。天化も来るか?」
「ん。なんかいい酒の肴とか見つかるかもしれないさね」
二人を見送って普賢は籠を卓台の上に乗せる。
篠で編まれた籠は暇潰しに作ったものらしい。
中から次々に出てくる酒類。
「おい、俺が飲ませようとしたときは嫌がってただろ」
「酒癖悪い人と呑むのが嫌なだけだよ。昔はよく望ちゃんと仙桃で作ったし」
仙界きっての酒好きの一人に数えられる太公望。
十二仙の一人の慈航と呑み比べをして勝ったという事実もある。
その太公望と普賢はよく呑んでいたと言うのだ。
「俺そんなに酒癖悪いか?」
「べろべろになって人の服脱がしてやるだけやってさっさと寝て起きたら何も憶えてないってのは
酒癖が悪いっていわないのかな?」
そうなのだ。
酔った勢いであれやこれやと普賢に要求した挙句何一つ憶えていない。
頭痛に苛まされながら目を覚ますと酷く疲れ切った顔で眠る普賢の姿。
慌てて記憶を引っ掛けても何一つ無い真白の状態。
重そうに身体を起こした普賢は一言「顔洗って髭剃ってきて」とだけ。
不機嫌そうな顔つきに痛んだ胸の感触はまだ憶えている。
「俺が悪かった……反省してます」
「望ちゃん、呑むと面白いから」
あれこれと昔の話を嬉しそうに話すのを見ながら道徳真君は頭の中で別のことを考えていた。
(絶対に酔い潰す。覚悟しとけよ……)
男と女。裏腹な目論みが二つ。
(先に潰さないとまたやっかいなことになっちゃうしなぁ……)
「何嬉しそうに笑ってるの?ボクそんなに弱くないよ」
「別にそんなつもりなんてないぞ。普賢こそ何考えてたんだ?」
「なら良いけれども。望ちゃんとよく酒の池作って遊んだなぁ……白鶴とかも巻き込んで」
笑う姿。言葉尻から察するに普賢真人も嫌いではないらしい。
(笑ってられるのも今だけだからな……見てろよ)
上機嫌でトレーニング器具を片付ける姿を見ながら普賢は唇だけで笑う。
(自分で片付けまでやってるし……その下心、討たせてもらうよ)
対極府印を撫でながら、恋人たちは騙しあい。
傾くツキはどちらにつくのか。
頭上に月が昇る頃、青峰山では仙道たちでの宴会が催されていた。
次々に空になっていく酒壺に太公望はにやりと笑う。
「天化、樽に水を入れて持ってきてくれるか?」
「了解さ」
両肩に乗せた樽には溢れる寸前の水。
それに仙桃を放り込んで枡で掬って太公望は満足気に飲み干していく。
(おいおい……飲みすぎだろうが太公望……)
横目でちらりと普賢真人を見ると同じように枡に口をつけている。
(って普賢も!?)
ほんのりと頬と肩口が赤くなってはいるがまだ口調もしっかりとしてた。
「道徳、はい」
空になった枡を奪われて、溢れる寸前の状態に。
そして、まるで水のように普賢はそれを飲み干して行く。
(……枠……ですか……?)
小さな唇が木枠に触れ、横目でちらりと見てくる。
(……おい、お前それって俺に喧嘩売ってるだろ……)
元来負けず嫌いな男。
勢い良く煽って負けじと飲み干した。
「そうそう、それくらい呑めなきゃ」
「そうよのう、天化、おぬしの師匠は中々の酒豪じゃのう」
女二人は男三人を気にすることもなく次々と酒を水のように呑んで行く。
「ヨウゼン、水汲んできてくれる?」
「普賢さま、お言葉ですが師叔も普賢さまも呑みす……」
ばちばちと音を立てる対極府印にヨウゼンは言われるまま水を汲みに向かった。
天化は何だかんだと理由をつけて太公望に絡んでいるが、ただでさえ不落のこの道士。
天化の考えなど見透かしたかのようにのらりくらりとかわしていく。
「しかし、暑いのう……」
少しだけとろんとしてきた目で太公望はそんなことを呟いた。
徐に道衣の紐を解き、上着を一枚落とす。
「師叔、こんな所で脱いじゃ駄目さ〜。脱ぐなら俺っちが脱がせてやるから」
「そうか、すまんのう」
「いいっていいって」
役得とばかりに天化の指が更に一枚落としていく。
幾重にも重ねられた道衣はまさに難攻不落に相応しい。
「天化君、ちょっと待ってくれる?」
「何さ〜?ヨウゼンさんも脱がせて欲しいさ?でも俺っち男脱がす趣味はないさね〜」
泥酔寸前なのか天化の視点は定まらない。
「ヨウゼン、おぬしまだシラフじゃのう……天化」
「はいよ〜」
ふらふらとヨウゼンの襟首を掴み、酒樽の中に頭から突っ込む。
「…っは!!天化君!!!」
ごほごほと咳き込み、喉を下る清酒の味に身体が痺れた。
「シラフは駄目さ〜、ヨウゼンさん」
「ほれ、呑むがいい。酔わぬ宴会ほどつまらぬものは無いぞ」
更に進められてヨウゼンも覚悟を決めた。
「分かりました。戴きましょう。どうなっても知りませんよ」
太公望と普賢に負けず劣らずの勢いでヨウゼンは次々に枡を空けていく。
「負けてられないさ〜。俺っちも〜」
(我が弟子ながら何という体たらく……情けないぞ、俺は……)
その間も普賢真人は黙々と一人枡を空けていた。
時折なにやら太公望と耳打ちし合いくすくすと笑う。
(やば……俺も限界かも……)
回りだしそうな景色を見ながら道徳真君はぼんやりと手にした枡を見つめた。
すでに仙桃は何個入れたか分からない状態。
やんややんやと騒ぐ弟子を見ながら少し痛くなってきたこめかみを押さえていた時だった。
「道徳」
すでに半分出来上がった状態の普賢真人。
何気なしにその手が伸ばされぎゅっと抱きついてくる。
「ふ、普賢!?」
普段ならば絶対に起きない事態に狼狽する。
ぐっと頭が引き寄せられてそのまま唇が重なった。
(もしかして、もしかしなくても酔ってますか……?)
まるで房中の様に絡ませてくる舌先。
(そんな風になんて滅多にしないだろ……嬉しいけどさ……)
とろんとした三人の視線などお構い無しに普賢はそのまま幾度と無く接吻する。
「普賢さんも意外と大胆さね〜。ね、師叔〜」
「あ?わしの酒が呑めんのかヨウゼン」
「いえ〜、その、師叔は〜……」
尚も煽る太公望。同様に真っ赤になった顔の天化。沈着冷静が崩れたヨウゼン。
(もしかしなくても俺が一番シラフか……?)
にこにこと笑いながら普賢は耳に額にと甘く口付けてくる。
「道徳……」
耳元に唇を落として、小さく囁く。
「する?」
「ふふふふ、普賢っ!!??」
心臓直撃のその言葉。掛かる息にも甘い香り。
「するの?しないの?どっち」
上目でとろとろの瞳で軽く睨まれれば断る言葉など見つからない。
「……します」
自分の首にしがみ付く少女の頭を撫でながらぼんやりと考える。
(この誘い、乗らなかったら男じゃないだろ)
同時に昼間の素っ気ない態度が頭を過ぎった。
(泣かせてやるからな、覚悟しろよ……普賢)
膝抱きにして、その身体を抱える。
「太公望、普賢が潰れたから俺らは先に帰らせてもらうよ」
「そうか……途中で落としたとかうっかり池に捨てたとか無いようにな」
薄着一枚纏った姿の太公望。
肩口と胸の膨らみが読み取れるほど。
隣ではヨウゼンの枡に天化が溢れる寸前まで酒を注いでいる。
「それは無いから安心してくれ」
「そうか、気をつけてな」
少しふらつく足で道徳真君は普賢真人の洞府へと向かう。
「師叔〜、帰るってここがコーチの家さぁ」
へろへろになりながら天化は笑い出す。呑めば笑い上戸になるらしい。
「仙道は本来、色欲は無いはずなのだが……おぬしら見てるとそうも思えんな……」
「俺っちあの人の弟子だからしょーがないでしょ」
「あやつらはあれで十二仙のはずだが……」
「コーチの場合は老いらくの恋さねぇ。まぁ、多分素がスケベさね、あのヒト」
籠に入った桃を齧りながら太公望は転がる酒瓶をちらりと見た。
無数に転がるそれらと樽。量に換算すれば道徳真君の倍以上はざっと飲んでいる算段だ。
「あれは量を飲むからのう……あそこにあるのは全部普賢が一人で空けたのじゃ」
「……普賢さんってやっぱわからないさ〜……」
「顔に出ぬからのう」
ふぅとため息をついて、太公望は天化の枡に酒を入れた。
倒れるように寝台に押されたのは道徳真君。
(ちょっと待て!普賢!!)
たどたどしい手つきで上着に手を掛けて来る。
「上手く出来ないや……」
酔いの回った指先は上手く金具を外せず、もどかしげに動く。
「そんなことしなくていいから」
その声を無視して、普賢は自分の道衣を脱ぎだす。
ばさりと落ち、現れる半裸の身体。
「何で?たまにはボクだってしてみたい」
唇を軽く尖らせてそんなことを言い出す始末。
(これは……据え膳か……?だったら素直に戴くのが礼儀だよな)
窮屈そうなさらしを解くと、形のいい乳房が目を奪う。
軽くその先端を摘むと切なげに声が上がる。
「あん……」
指先が乳房に沈むと、その手を取り上げられた。
「痛いよ……そんなにしないで……」
潤んだ瞳で見つめられれば、抑えていた気持ちが高揚する。
首筋に軽く口付けられて、その感覚の奇妙さに思わず苦笑した。
鼻筋、額と唇は甘く降り注ぐ。
自分で上着を脱ぎ捨てて、そのまま普賢の下穿きを剥ぎ取る。
括れた腰と、伸びた脚。
「やぁんっ!」
柔らかい胸を弄る手。時折きゅっと摘まれて上がる嬌声がいつもよりも甘い。
(酒の力って……ある意味凄いかも……)
普賢の手が下穿きの紐に掛かって、ゆっくりと解く。
(……おい!普賢!!)
腹筋に触れる指先にこそばゆさを感じる。
引き締まった筋肉質の身体。長年の功夫の賜物でもあった。
「普賢っ、それはしなくていいからっ」
「だって望ちゃんに言われたんだもん」
軽く頬を膨らます仕草。これが普段見ているはずの普賢真人とは思えない。
(太公望、何を教えてんだよ……)
「好きなら……してあげなって……」
自分に覆い被さるその痴態がやけに艶かしくて。
「……嫌……?」
「……嫌じゃないから困るんだよ……」
立ち上がったそれに指先が掛かる。
(一回してもらったら、次も期待しちゃうだろ……)
舌先が掠めて、たどたどしく不慣れながらに上下していく。
(やばっ……かなりいいかも……)
ちゅっ…っと音を立てて唇が触れては離れる。
小さな舌がまるで別の生き物様に這い、舐め上げる。
強要した事も、懇願したことも無いが、それでも愛撫してくれるのは、愛されてるからだと自惚れたい。
「…っ……もういいよ……」
腕を取って自分の腹の上に乗せるとぬるりとした感触。
(ちょっと苛めてみるか……酒入ってるし、いつもよりは素直になってるかも……)
無骨な指が濡れた秘所に沈む。
「あんっ!」
「俺にしながら感じた?」
「…ん……違っ……!」
「じゃあ……なんでこんなに濡れてるわけ?」
耳まで赤くなる姿。指の付け根まで沈めると腰が妖しく動く。
「…!…あ!んんっ!!!」
「正直に言わないとこのままだけど?」
ちゅくちゅくと淫音が神経を刺激する。
親指はその周辺を軽く撫で上げて、震える肢体に応えて指を増やす。
(まぁ、言ってみるだけなら怒んないだろうし……第一俺がこのままだと辛い)
焦らしながら僅かばかり指を動かす。
「…っは……ぁ…ん!」
「どうだった?感じた?」
「……うん……」
(やばっ……可愛いっ……!!)
崩壊寸前の理性を辛うじて繋ぎ止めて、少しだけ身体を起こした。
(んじゃあ、もう一個だけ。わがまま言わせてくれ、普賢)
指を抜いて、軽く舐める。
「上になってみるか?普賢」
「え……」
「自分で挿れてみせて」
「……ん……何か恐いよ……」
ちょっと不安そうな顔が逆に心に火を点ける。
躊躇いがちな腰に手を回して引き寄せた。
「おいで、普賢」
伸ばされた手を取って。
「…っあ!」
両手で細い腰を抱いて、ゆっくりと誘導する。自分の上で喘ぐ様は扇情的を通り越した。
無意識の媚薬ほど性質の悪いものは無い。
そして、それに染まった自分も。
「きゃ……んっ!!」
半開きの唇。染まった頬。仰け反る白い喉元。
それを作り上げたのは自分だという自負と独占欲。
ぐいっと引き寄せるたびに半泣きの顔が切なげになる。
(やばい……止まんないかも……)
立てられた膝を折って、軽く引き抜いて形勢を変える。
形良く撓った足首を掴んで一気に突き上げていく。
「!!」
甘い悲鳴は接吻で消して、懇願する目に従う。
背中に回された手が抱きついてくる感触と爪が食い込む僅かな痛み。
(……痛ってぇ……)
手加減など一切無しで爪は背を滑る。
(まぁ、これくらいは我慢するけどさ)
前髪を上げて頭を押さえつける。形のいい額に浮いた汗。
「……何笑ってるんだ?」
「…好き……」
「…………」
(普段からこうだといいんだけどな……普賢……)
見せまいとしまいこんだ筈の気持ちが解かれてこぼれてくる。
「……俺のこと好き?」
「…大好き……」
こつんと額が触れる。
(素直じゃないし、冷たいときも多いし、理屈屋だけども)
「…っは!……やんっ!!」
「……普賢……」
(俺やっぱ、お前じゃないと駄目みたいだ……)
ぐちゅぐちゅと濡れた音と絡みつく脚。
(訂正、泣かせることはしません……お前に泣かれるのは何であれ辛いから……)
「んぅ……あ!!やぁっ!!」
竦む肩に噛み付いて、小さな跡を残す。
柔らかい胸と隙間無く重なって、括れた腰を抱き寄せより奥を求めて。
その声と香りに溺れてしまう。
(あー、もう……堕落でもなんでもいい……俺はこいつが居ないと駄目なんだよっ……)
少しだけ開いた唇に、自分のそれを重ねて声を奪う。
例えどんな風に揶揄されても。
君が好きです。
「……頭痛い……」
ずきずきと痛むこめかみと喉の掠れを感じながら普賢真人は重い身体を起こそうとした。
しかし、思い通りにならない肉体は力を失って上手く起こすことが出来ない。
「……なんでボク裸なの……」
片手で額を押さえながら必死になって夕べの記憶を思い起こす。
でてくるのは泥酔した仲間たち。
(……やられた…っ……潰すつもりが潰されたっ……)
体中に点在する痕跡から察するにどうやら相当なことをしてらしい。
追い討ちをかける頭痛と腰痛。
「ん?起きたのか……?」
「…………」
「言っとくけどな、夕べのことは俺じゃないぞ。お前が誘って乗っかってきて……」
「…え……嘘……」
「……まったく憶えてないのか……?」
小さく頷いて、普賢は耳まで真っ赤に染める。
「いや、俺は嬉しかったけどな。普段のお前からは考えられないようなことまでしてもらったし。
たまには酔わすのもいいな〜って思えるよな、あーゆーことしてもらうと」
からかい半分、道徳真君は嬉しそうに笑う。
それが更に普賢真人の羞恥心に火を点けた。
きゅっと唇を噛んで軽く睨んでくる目には薄っすらと涙が溜まっている。
(やば……泣かせちゃったよ……俺……)
両手で顔を覆ってぽろぽろと涙をこぼす様はまた別物で扇情的だ。
「あー、だからその……」
「もう……やだっ…」
「悪かった悪かった、俺が悪かったから。確かに嬉しかったけど、言いすぎたのは認めるから」
「頭は痛いし、腰は痛いし、喉は痛いし……もう……」
自分の胸を押し返して、泣き止まない姿。
「まぁ、あれだけやったら腰も痛くな……」
「それ以上言わないで!!」
「あだだだだっ!!!悪かったって!!!」
力一杯耳を引っ張られて、必死になって宥める。
怒り心頭、普賢真人は転がっていた対極府印を手にして恋人を見据えた。
「待て!!だから夕べはっ……」
「……ダメ……頭痛いし、力も入んないよ……」
枕に顔を埋めて、力なく腕を伸ばす。
(確かに飛ばしすぎました……反省します……)
結局、酒の勢いも手伝い回数を数えることは途中で放棄した。
お互いに頭痛と腰痛を抱える結果が全て。
「…肩は見えるからやめてって言ってるのに」
「あー……ごめん……」
「知らない。こっちこないで」
言われても後ろから抱きしめて、頬を寄せる。
「…痛いってば……顔洗って髭剃ってからにして」
態度とは裏腹にその声は柔らかい。
そのまま両手で乳房を包み込み、身体を寄せる。
「どーせ太公望たちも似たような状態だろうしさ」
「……ちょっと待って、望ちゃんも酔ってた?」
「ああ、お前よりか呑んでたんじゃないかな」
「……何か壊してないといいけど……」
昔を思い出すような表情。
「は……はい?」
「望ちゃん、酔うと物壊すから」
「……紫陽洞、大丈夫なのか……」
「望ちゃんだけならまだしも、天化とヨウゼン付だしね」
違った意味で道徳真君は頭痛を覚えた。
教訓。
『酒は呑めども呑まれるな』
そういうことらしい。
お決まりの酒ネタですが、書きたかったので〆(゚▽゚*)
他所様のコーチはカコイイのですがうちのコーチは(ry
基本的にこの人はあの天化のお師匠様だと思ってやってください。
しかし、我の書く天化は下手すりゃヨウゼンよりも女の経験はありそうだ。
さて、飯くって望ちゃん側の続きを……「乙女たち」なので。
タイトルはとあるバンドさんの歌ですが何となく。
KINOさん乙です(*´Д`*)チョピーリ大胆なフゲン萌え、、、
別スレでKINOさんのSS読んできたばかりです、たくさん書いてるんですね、
ご自愛くださいませ、
KINOさま乙!です。今回も美味しく頂きました!いつも質の高いSSを
アリガトウー!ここにくるのはいつも楽しみです。 (;´Д`)ハァハァ
私も普賢萌えー。コーチもイイ!望ちゃん側も楽しみにしてます。
前スレ、埋め立てようとしたら容量オーバーくらいました。・゚・(ノД`)・゚・。
完結編投下の最中に……業者!!
ああ、少数派の方が増えてる(゚∀゚) 嬉しい。
道徳普賢はちっくりちっくりですが長い話を書いてます。保管先に。
望ちゃんも今書いてるのですが、明るい話は楽しい〆(゚▽゚*)
前スレ埋め立て用の本当に短い話、ここに持ち込んでもいいもんでしょうかね?
ただ、ここに書かせてもらったものとはまったく別物です。
まさか業者であれだけKB取られるとは……490KBだから安心してたら512オーバーが出て……
前スレに育ててもらったんでDATに行くときはせめてもの恩返ししたかったのに。・゚・(ノД`)・゚・。
KINOさんありがd!道徳普賢シリーズマンセー!
シリアスものもいいけど、KINOさんのラブコメ好きだわー、漏れ。
前後不覚で大胆な普賢、萌え萌え (*゚∀゚)=3ムッハー
前スレコソーリ楽しみにしてたのに、業者で埋まったのか!!
ゴ━━━(#゚Д゚)=○)゚Д)←業者、;'.・━━━ルァ!
他の人が桶だったら、つづきよろしこ。
このスレええの〜
>>117
激しくキボンヌ
アソパソマソ日記があまりにも面白かったのでコピペいじりしてます〆(゚▽゚*)
洒落になんない内容になってきた……
藻いらもキボンヌ。
呂望日記
【7:12】ヨウゼンと天化の喧嘩で起床。まだ眠い。顔を洗う。あの二人のせいで寝不足。ちょっと肌荒れ気味。
【8:22】朝食のかわりに桃を三つばかり拝借。
「またあなたは倉庫から取ったのですか」旦の言葉だ。うるさいんだよ。わしは生臭はくえんのだ、菜食主義。
「軍議には遅れないで下さい」うるせぇんだよこの長帽子が。
【10:35】ダルい軍議に出席。庭では相変わらずあの二人が揉めてる。うるさい。封神台に送るぞ。
【10:43】「プリンちゃ〜ん!」発が叫んでいる。わしにどうしろっていうんだ。
【10:50】発捕獲。街娘に百烈脚を入れられたらしい。うだつの上がらない奴だ。
【11:03】今日は曇りだ。気分が盛り上がらない。早く部屋に戻ってゆっくりしたい。
【11:46】発がニヤニヤしている
【12:30】軍書のまとめ完了。
【12:40】 ちょっと外出。
【15:45】お腹がすいた。とりあえず桃を口に詰める。また少し太るかもしれない。
【16:11】みんなで談笑。旦の説教にみんながいらつく。
【17:20】申公豹 登場。
【17:22】「呂望、少し痩せましたか?」 相変わらず元気な奴だ。
「ただでさえあなたは自分で抱え込みすぎですから」本当はどうでもいい。むしろ最近太った気がしてならない。
【19:40】天化に襲われる。せめて室内にしてくれ。誰かきたらどうするんだ。
【19:42】「師叔から手を離しなさい!」ヨウゼンだ。タイミングが良すぎる。どこから見ていたんだ?
【20:43】「いい加減にせんか!」さようなら、お二人さん、こんにちは自分の時間。スープーが心配そうにしている。
【20:45】「御主人、晩酌でもどうすか?」気の利く霊獣だ。
「でも呑みすぎはダメっすよ!」この言葉には飽き飽きしている。
【21:49】本日の業務終了。
【21:53】発が来た。「呂望……、」いきなりどこを触って……。やめれ。一日労働で疲れておるのだ。
【22:30】終身希望。最近睡眠時間が減ってる。横では発が呑気に寝ている。
明日こそは平穏無事な一日でありますように……。
Q1「あなたの名前はなんですか?」
A1「道士名は太古望」
Q2「お仕事は?」
A2「周の軍師兼阿保の監視役」
Q3「いつも気丈にふるまうのは辛くないですか?」
A3「正直、めちゃくちゃ辛い。一度泣いた」
Q4「嫌いな人は誰ですか?」
A4「妲己」
Q5「本当ですか?」
A5「はい」
Q6「本当の事を言って下さい」
A6「趙公明」
Q7「それはどうしてですか?」
A7「根本的に意見が合わない」
Q8「それはどうしてですか?」
A8「たぶん嫌がらせ」
209 水先案名無い人 sage 03/08/06 14:02 ID:NxA5IrMe
Q9「普賢さんをどう思いますか?」
A9「可愛い」
Q10「道徳さんと玉鼎さんをどう思いますか?」
A10「どっちかというと、色ボケ仙人」
Q11「大公 望という偽者がありますが」
A11「あれは別物」
Q12「一番されて嫌なことは?」
A12「無理な体位の強要」
Q13「それはどうしてですか?」
A13「いや・・・次の日に響くから」
Q14「姫発に一言」
A14「頼むからもうちょっとしっかりしてくれ」
Q15「いやな思いでとかありますか?」
A15「寝室に踏み込まれた(早朝)」
Q16「誰にですか?」
A16「旦」
Q17「それはどうしてですか?」
A17「たぶん嫌がらせ。発が居る時限定だから」
Q18「よくヨウゼンさんと天化さんがあなたをとりあってますが、どちらが好きですか?」
A18「どっちも程よく」
Q19「それでは姫昌さんは?」
A19「姫昌は特別。」
161 :
名無しさん@ピンキー:03/08/07 02:22 ID:pVdca4vy
あえて妲己に変化したヨウゼンがイイのは俺だけですかそうですか
>>157 > 【11:46】発がニヤニヤしている
ワラタ
KINOさんが壊れてる……。
……うん。そろそろちょっと……。
ドリームの逆ハーモノみたい。
167 :
名無しさん@ピンキー:03/08/07 21:24 ID:H1Od/5Ye
荒らすなよ夏厨
お前らネタ投下しろ
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あはは、そうですね。
ではしばらく退散いたします。
ご迷惑ばかりかけてすいません。
以後のことはよろしくお願いしますね。
業者も一杯きてますなぁ……夏休みか……
なくして久しいな…休みすらねぇよ.…
工エエェェΣ(゚д゚lll)ェェエエ工
KINOさんの書く話大好きだったのに…。
戻ってくるのを楽しみに待ってます(つД`)
あはは、すいません。
確かに妄想の産物でイメージ破壊しまくりですしね。
続きとかは一応書いてるんで補完先においては行くと思います。
藻いらもここ、大好きでした(´ー`)y─┛~~
>165、すまんかった。
あとはよろしく。
>172、ありがと。そんな言葉もらえるなんて思ってなかったから嬉しい。
罵詈雑言は覚悟してるから。
再見〆(゚▽゚*)
そのうちまたお許しがでるころお邪魔させてくださいませ。
スレの繁栄を本日旧暦七夕に。
K-KINO
KINOさんカムバーック…(´・ω・`)
165は責任もってSS書くんだろうな?
それも面白いやつなんだろうな
人の楽しみ奪いやがって
とりあえず165、出て来い。藻前の話くらいは聞いてやる
176 :
名無しさん@ピンキー:03/08/08 22:12 ID:6xvc8XZn
age
177 :
名無しさん@ピンキー:03/08/08 22:33 ID:CCqck7F2
このスレ、もう( ´∀`)つ ミイラネ
誰だよ、他板にさらしたのは
えーと、失礼しますね。
補完先、削除してまいりました。ウイルスメールが素敵過ぎて(゚∀゚)
なんというか……困ります。
まあ、自分の脳内産物の垂れ流しなんであれなんですが「師ね」とかだけしかないメールとか
もらっても返答にこまるので(師ねって言われてもね。仕事持ちなんで自分師ぬと迷惑掛かるのよ。
またどっかに引っ越してこっそりとは運営すると思うんで、運が良かったら(悪かったらとも言うが)
よろしくおねがいいたします。
一ROMとして覗きに来ますね。コソーリ。
最後に、読んでくれた人ありがとう。(´ー`)y─┛~~
それから精神的ブラクラ踏んだ!って思った方ご愁傷様。
エロパロ板はもっと素敵なのが一杯あって奥深いぞ。
180 :
王天君:03/08/08 23:42 ID:3WO9R0+3
しまった!捕まえ損ねたか・・・
いや、きっと他の俺がやつを捕まえてるはずだ・・・
それまでマザーのところでも攻めてるかな・・・
ものすごい勢いで罵倒されたわけではない……よね?
罵詈雑言は覚悟してるとか言いつつ、ちょっと否定的な書き込みがあったくらいでいなくなるというのは……。
まあ、去るというのを無理に引き止めるわけにもいかないんで、あれですけど。
残念です。
いや、斜め上行くようなものを貰ってしまいましてね。
「師ね」とかはまぁあれですがまだ可愛いもんで、まあある意味ものすごいものは貰いました。
んでも、書きたいことはあるんで一人で書いてます。
むしろウイルス駆除でPCのほうがやばい状態になってます。
でもここ職人さん一杯居るし、誰かがまた何かを投下してくれると思うんで……
あと、自分同人女じゃないよ……そこだけ分かってもらえると。
単なる変人。801が好きならはなから801板に行きますわな。
183 :
名無しさん@ピンキー:03/08/09 20:25 ID:r5TaV6h6
あげ
KINOさんが801女じゃないのは分かるよ。漏れの知る限りでは十二仙とかのキャラをオリジ化してでもエロを描く801女は、まず居ないからな。
(オリジがイクナイとは言ってないよ全然!むしろ漏れ的には大歓迎だった)…よほどヒドイ内容のスパムメールばかり届いたと思われます。
ドゾゆっくり休んで下され。そしてまた他の板でもいいし、ここでもいいし素敵な話を出してくだされ名前変えてもいいから。
待ってまつ。
なんか、久しぶりに着てみたら、
ちょっと寂しい事態になっているようですね。
戻ってこられるのをお待ちしています。
結局神はいなくなってしまわれた・・・・・・
復活の日をマッタリお待ちしております。
でも取りあえず妲己×竜吉ヲレもキボンヌ。
なんかKINOさんっぽい感じのひとが書いてるスレ見つけたけど。
本人なのか微妙だ......
信者扱いされても好きなものは好きなんだよ
早く戻ってきてくれ
とりあえずチュウ王×だっきかけよ
>188誰に言ってんの?
191 :
名無しさん@ピンキー:03/08/11 00:50 ID:qPdufsno
とりあえずkinoさんカムバーック
武王×ユウキョウとか読んでみたい。
年齢的にタイーホされるか?
kinoさんのSSが激しく読みたい
あぼーん
えーと……はい……
引っ越しました。
当分はエロ無し話(趙公明)なので、どっちにしてもここには不向きだと思っております。
エロありは番外や他で書いてます。
ttp://yellow.ribbon.to/~kino2/ とりあえず、サロン板や、漫画板住人の方はわしの話は無視してくれ。
見るな。そうしかいえません。
大人の良識、信じさせてください。
196 :
名無しさん@ピンキー:03/08/11 20:43 ID:u5gDc8Xg
あぼーん
198 :
名無しさん@ピンキー:03/08/12 01:36 ID:8fxbDMBe
キタワァ*・゚゚・*:.。..。.:*・゚(n'∀')η゚・*:.。. .。.:*・゚゚・* !!!!
200 :
名無し:03/08/12 22:17 ID:bs3t8Yu3
ガンガレ!!
('A`)
ほとぼりが冷めて、お叱りが解けるまで待っててくれますか?
待ってます待ってます!
204 :
名無しさん@ピンキー:03/08/14 12:21 ID:plFf/GGM
205 :
名無しさん@ピンキー:03/08/15 08:51 ID:+OSMOstk
206 :
名無しさん@ピンキー:03/08/15 09:42 ID:+OSMOstk
207 :
名無しさん@ピンキー:03/08/15 10:15 ID:+OSMOstk
きじさんやGBHさん、ナツキさんは来ないのだろうか
209 :
名無しさん@ピンキー:03/08/15 13:45 ID:+OSMOstk
今だからこっそり言うのだが、
太公望が同時に4人の男に体を許している(悪く言うと股を開いている)にもかかわらず
いくら昔のことでも「生涯に一人だけ」とか書くのは、正直やめて欲しかった。
求められれば誰にでも足を開く肉便器的な状況で清純なイメージを匂わせてもモニョ。
返信要りません。
ああ、あれねーまったく別モンで書いたやつなんで無視してもらっても。
自分も自分の書く太公望が清純だとは思ってないし。
でも、まるっきり汚れてるとも思ってない。そのときにただ、書きたい物を短編で書きました。
前スレDAT逝きさせるになんか綺麗な話とか書けたらな……みたいな。
でもね、批判とかでもなんでも反応があるのは嬉しい。ただ、「変」とか言われても沈むから。
210みたいに言ってくれると自分も考えねばな、とか思うしね。
叩かれて何ぼ、書いて何ぼ、だと思うようになったし。
肉便器の解釈は人それぞれだろうけども、自分的にはあれくらいだとちと違ったり。
解釈が違うから面白い。
なにがいいたいかといえば210に」「ありがとう」ってこと。
長文失礼。
212 :
名無しさん@ピンキー:03/08/15 18:44 ID:+OSMOstk
前スレ投下途中で書き込み不能になったんだっけ。
で、完全版のほうは自サイトにおいてます。お暇なときでもよろしゅうに。
でも、批判とかって読んでくれてる人しかしてくれないんだよ。
言われても直せないあるだろうし、読むに耐えないものだって書くだろうし。
本筋と「宵篝」は矛盾だらけなんだ。申公豹でロストバージンしてる望が昌相手に初めてなんてありえないし。
批判的な事を書いてはいかんと思ってたので黙ってたが…
>>210に同意。太公望のキャラに違和感感じてた。
清純なのか淫乱なのかよくわからん。
せまってくる男キャラを利用してるようにも見えたし。
ただ太公望に違和感感じてたけど、更新は楽しみで
毎日覗いてたよ。話は面白いと思ってた。
勝手なことばっかり言ってすまん。
利用してる>はあたりです。利用してるから。
頭の中には大まかな流れはあるんだけども書く速度も追いつかないって言うか。
かつ、分量不足。これは自分の修行不足とも言うけどね。
二面性ってのを心もって書いてるつもりだったからそう思ってもらえるのは嬉しい限り。
素に戻って文を書けばこんな風になるけれども、だまってるよかイイかと思って。
今のところエロ無しの文しかかけてないし、ここに投下するのもどうかって感じだしね。
コミックスを完全リスペクトすれば何もかけないし、崩しすぎてもそれはそれで成り立たない。
自分なりに模索しながら書き進めているけれども、それが吉凶どうでるかは分からない。
仙界大戦のころにはまたここにこれるんじゃないかと思ってます(いやほんと今本編エロなしでどーじた自分って感じで)
エロ無しでよかったらちょい上に出たところにupしてるんで。
216 :
独り言:03/08/16 00:54 ID:oJpHQosN
今までずっとロムってただけだけど、ここの小説いつも楽しみにしてた。
最初、女体化ハァ?って思ったけど、漫画とは区切って読めたし、どうアレンジしてくか楽しみだったから。
さんきゅー。
ちょっとサロン板でへこんでたんですけど、開き直りました。
でも、できればsageてね。
神として毅然とした態度取れとか書かれても自分神ってレベルじゃないしさー、どうにもならんよ。
って思ってたし。キャラに対する愛は曲がってるかもしれないけれども、どの話も足りない頭で必死に書いてる。
好きでも嫌いでもどっちでもいいんだ。読んだ人に何かが残れば。
ただ「子ね」とかそんなことじゃないんだったら。
朝から何書いてんだろね。好きなss書きさんが復帰したからかな?
※一介の名無しのクセに長いです。ゴメンナサイ
>>216に賛同しまっす。
以前に一度、感想書いただけでほぼロムってた私ですが、
「エロパロだから」というだけでなく、ひとつの物語としても十分楽しませて頂きましたv
あれだけキャラの多い漫画で、これだけ性格を書き分けられるのは愛がある証拠ですよ。
ちなみに、『神として…云々』とかいうはシカトでいいと思います。
『神』は、自分でそう名乗っているわけではないし、周りの読者の希望的観測から生じるエゴだから。
なんにしろSSを持ってこないことには動けないし、スレも機能しないってことなんだろうなぁ。
開き直りました。言いたい人は言ってくれ。
んでもな、なんか言うんだったらその文才生かしてSS書いてみようぜ。
わしも好きな人がいてその人に触発されて寄り付かなかったエロパロの住人になったし。
書くのも楽しいよ。悶えるけれども。恥部晒しの感覚に近いしね。
それでも、書くって楽しい。
ようやくその人のSSが読めて嬉しい気持ちがある。
自分も一読み手だから。そんでちょっとだけ書き手。
もうちっと待っててください。SS持ってきますんで。いい加減名無しでもあれなんでコテに戻します。
あぼーん
ヽ(*´Д`*)ノヤッター!!
あ、追加です。書いてみようぜ発言はここじゃなくて他板の方宛です。
ただ、キモイとか言われてもわしもハァ?でしたからねぇ
だから、キモイんなら書いてみようぜ!と。それであたらしい作家さんがでてきたら凄くいいと思うし。
223 :
956:03/08/18 06:46 ID:1qryQzLq
他の人が投稿できない雰囲気だったのと、
なんだか私信のやり取りみたいなのはいやだな…。
私も210さんと同じく、なんであんなに誰にでもとは思ったし、
あんなに誰からも…というのもちょっととは思う。
でも好きに書くのがパロディだから、そこは自由に買いてもいいとは思うんですよ。
ただやっぱりスレの私物化状況は勘弁。
意図してないとは思うけど、そう見えちゃうので。
了解。
サイトも出来たことだし、引っ込みます。気分悪くさせてごめん。
>223、楽しみしてるんでSSよろしく。
何にしろ、SSがこないことにはスレが機能しないからね。
それはわし以外の誰かがやってくれる。
ただ言うだけ言って何もしないとあれなんで何か一個くらいは持ってきます。
それくらいは許されるかな?いや、ダメならダメでいいんだ。
久々に来たらなんか大変なことになってるが
私にはKINOさんに非があるとは到底思えんのだが……。
少なくともKINOさんは真っ当にスレを回してたと思うわけだが。
>>223 「他の人が投稿できない雰囲気」と仰ってますけどKINOさん以外の人も投稿していたのは何とされます?
しかも明らかにマターリスレで誰が入ってきても「いらっしゃーい」と歓迎してくれる雰囲気だったんですが。
少なくとも私は投稿しにくいスレだなんて微塵も思わなかった。
あと、「私物化してる」とも仰ってるが、単にKINOさんの書く量が他の職人さんに比べて
大量だったってだけの話だと思う。仮に他の職人さんがKINOさんと同じくらい投稿していたら私物化なんて
誰も思わなかっただろう。その程度のことだ。
実際、他の住人もそれでオッケーだったわけだし。
スレの流れを変えたかったのならもっと早くからそうして意見を述べておくべきだったんじゃないでしょうか。
自分は望ちゃん全然大丈夫だった。むしろ彼女(wの心理はとても分かりやすかった。
この心理を理解できない人ってきっと人間の弱さを許せない人なんだな。自分のも他人のも含めてさ。
新作SS、KINOさんも223氏もがんが。楽しみに待たせて貰います。
226 :
956:03/08/18 13:19 ID:lQ5uiLKV
>この心理を理解できない人ってきっと人間の弱さを許せない人なんだな。
人によってとらえ方違うからそれは言い過ぎ。
むしろ、違う感じ方する人に狭量だと思えるよ。
223は雰囲気とか私物化のはSSのことじゃなくて、やり取りのことだと思うけど?
SSを書くのは自由だと言ってるし。
ちょっとスルーできなかったのでカキコしました。
消えます〜。
227 :
245:03/08/18 13:23 ID:lQ5uiLKV
ごめんなさい!ナンバーが…?
自作じゃないです。
223氏とは別人です…。
228 :
245:03/08/18 13:24 ID:lQ5uiLKV
また…。
スルーしてください。
えーととりあえずですが、本来は過程を書いて投下したかったものをUPさせていただきます。
これはあくまで仮説です。だからこの先この終わりを迎えるとは思いません。
書いてしまったから多分違う終わり方になります(わし、根性曲がってるから)
信じてもらえるか分からないけども、わし、このスレ大好きだよ。
SS書くことの楽しさを憶えたし。だから、このさきもこのスレでわしのようにSS書くのが楽しい!って言う人がでてくることを望みます。
私物化っていわれたらもう何もできないし、でも、言われっぱなしも嫌だ。
だから、SS書いてるんだし、態度で現していきます。
書いて何ぼ、叩かれて何ぼ。自分の好きなSS作家さんもそんなことを言ってました。
でも、ここのみんなに批評されたり、たたきも含めてもらった言葉はわしにとっては宝物です。
まだまだ、この先も呂望と付き合いながら話を沢山書いていくとは思います。
封神好きな人はまだまだ居るしね。わしもその一人。
書くことは苦しく楽しい。だから、見るもの含めて参加するって楽しいこと。
せっかくだから、書いてみよう。そんな人がでてくることを望みます。
『君無き世界で』
何もかもが終わったら……待っていてくれる?
「教主さーん!!」
武吉を背に乗せながら四不象は教主の下へ。
全てがおわり、この蓬莱島ではヨウゼンを教主として人間、妖怪双方の管理役を立て、
新たな形での共存を始めようとしていた。
「四不象、僕の事はヨウゼンのままでいいよ。教主だなんて思ってないからね」
「んじゃあ、ヨウゼンさん」
「何か用なんじゃないのかい?」
「そうなんす!!ご主人の情報があったっス!!」
女禍との戦いの後、太公望の姿は消え、まるでこの世界から消滅したかのようで。
どこを探しても、どんな手段を使っても、果ては神界にいる普賢や天化の協力を仰いでもその姿は見つからなかった。
爪の欠片一つ残さずに、消えてしまった人。
一度だけ、武王の前にその姿を見せた後の消息は掴めないまま、悪戯に日々は過ぎていた。
「師叔……いえ、伏羲はどこに?」
「斉の国に居るらしいっす」
「意外なところに……見つからないはずだ」
名を変え姿を変え、彼女は小さな国の宰相としてその身を置いているという。
望んだのは平穏。
自分の名を捨てて、一人の人間としてこの世界に埋没しようとしているのだ。
「ボクと四不象でお師匠様の所に行ってこようと思います」
「いや、僕が行くよ。あの人には一回お灸を据えないといけないしね」
口実を作れば、少しは分がある。
一筋縄ではいかない女が相手だ。
「その間はあの二人にここは任せようと思う。僕はあくまで纏め役だからね。多少の時間は作れるさ」
たった一人で、誰にも何も告げずに。
想いは胸の中にだけ、ひっそりと。ただただ、痛みを身ごもるように育て上げた。
この世界を誰よりも愛して、そして憎んだ人。
(まだ……答を貰ってないんだ……)
宰相としての評判はそこそこに高いが、目立つ異様な行動も無い。
それは彼女一流の策略であり、他人の目を欺くもの。
出る杭でなければ打たれることは無い。
黒衣の宦官は回廊を歩き、腕には木蓮の花を。
死者を弔うべき百合と木蓮を絶やすことなくその部屋には置いていた。
「少しお休みになられていかがですか?」
「それではお言葉に甘えてそうさせていただきますね」
黒髪を風に靡かせて、慣れた足取りで奥へと進む。
女性の宰相は物珍しかったが、その能力を買われ彼女はそれなりの地位を築いていた。
それでも、目立たぬように、ひっそりと、ただ流れるだけの日々を甘受していたのだ。
(一日疲れたのう……早めに休むか……)
萱を下ろして、香炉に火を落とす。
白樺の香りは安眠を誘うためのまじない。昔、父母が愛したものだった。
戦い抜いた日々を忘れることは無い。
この腕の中、大事なものを幾人も見送った。
自分の進むべき道を教えてくれたのは去り行く人。
傷ついて、泣きながら進んだあの日が、今は愛しいとさえ思える。
道はそれぞれに違い、待ち受ける未来も違う。
全てを知りながら共に歩んだ。その想いはこの胸の中未だに生き続けているから。
目を閉じて、眠りを待つ。
あれほど好きだった酒もやめて一切の道楽を絶った。
ただの人として生きると決めたあの日から、全ての過去は胸の奥深くに沈めた。
強さとは力ではなく、受け入れることと教えてくれたのはあの日々。
「……師叔……起きてください……師叔……」
身体を揺さぶられ、懐かしい声が耳の奥に響く。
「……師叔……」
「ここにはそのようなものは居らぬが?お人違いであろう」
顔を上げることなく、声だけで答える。
「ならば伏羲とお呼びすればよいのですか?」
「斯様なお人もここには居らぬ。お帰りを」
はぐらかす声に苛立って、手首を取って身体を起こさせる。
少し不機嫌そうな顔。幾分か痩せた様にも見えた。
「師叔、このようなところにいたのですね」
「師叔とは?わしは姜子牙と申すもの。お人違いであろう」
目の前に居るのは確かに捜し求めた人。
たった一人、自分の全てを受け入れてくれたその人の姿。
「帰りましょう……一緒に……太公望師叔……」
「そのものは亡者。囚われることの無いよう……」
「師叔!!」
「ごまかしきれぬか……」
諦めたように笑い、手を解く。
「何用じゃ?ヨウゼン」
「一緒に帰りましょう。在るべきところへ」
「わしは人として生きようと思う。この国で」
「みんな……あなたを待っています。いえ、僕が……あなたの居ない日々に耐えられないんです……」
慣れた手で髪を留める。久しく見ることの無かったその動作ですら胸を締め付けた。
「わしはおぬしを利用するだけ利用した。おぬしの父君を殺したのも……わしだ」
夜着姿。幾度と無く抱いたはずの身体。
これだけ近くに居るのに、遠くに感じて触れることさえ出来なくて。
「のう、ヨウゼン……長い夢だったように思えぬか?」
「……夢……ですか……?」
「何もかもが綺麗で、儚く……愛しかったと思う。わしは、わしとしての日々を失った。得たものもあるが
失くしてしまったものも沢山あるのう……。この身体も既にわしのものではない。いや、わしと
いう人間はもう居ないのだよ……」
そっと触れてくる指先。
「おぬしは少しも変わらぬのう。融通が利かぬところもそのままじゃ」
笑う顔、小さな唇、伏せた睫。
「みなは変わらずに?」
「ええ……うるさいぐらいに元気ですよ」
「おぬしならばあやつらを纏められるからのう。わしは必要ないのだよ」
見つめてくる瞳。
「泣きそうな顔をするでない……ヨウゼン」
「どうすれば……いいのですか……?」
「わしのことは忘れよ。わしに囚われることなくおぬしの道を進むがよい。わしは……死人じゃ」
暗い回廊をただ一人、明かりも灯さずに歩く人。
一寸先すら見えなくても、臆することなく進んでいく。
「……ません………」
「?」
「あなたの居ないこの世界なんて要らないと言ったんです」
全てが終わって、あれほど望んだ日々が来ても。
そこにあなたが居ない。
ただ、そこに居てくれるだけでいい。
君無き、この世界など要らない。
「僕が、妖怪だと言ったときあなたは何も言わなかった。ただ、僕の名を呼んでくれた」
「……………」
「あなたの声が聞けないだけで、こんなにも不安になるんです」
「ヨウゼン、わしの最後のわがままをきいてくれぬか?」
「……………」
「わしのことは……忘れてくれ」
手を伸ばして、その身体を抱きしめる。
逢いたくて、逢いたくて。
「嫌です……っ!!出来ません!!」
同じように背を抱いて、胸に顔を埋める。
懐かしい心音と香り。
悪戯に身体を重ねた日ですら、優しい陽だまりの中。
「やっと……やっと見つけたのにあなたはまた消えてしまう!!」
「ヨウゼン……」
触れた唇も、滑る指も。
拒むことなく、彼女は受け入れる。
組み敷かれた身体にはかつての傷は何一つ無く、まっさらでただ美しいだけ。
自分を庇い盾となった時の傷も。
ふざけて残したはずの傷も。
強いものに立ち向かった時の傷も。
何も残っていない。
「……師叔……」
震える指で、髪を解いて、そっと唇を降らせる。
まるで初めて誰かを抱くような感覚が胸を過ぎった。
「……ヨウゼン……」
何度も何度も、接吻けて、離れていた時間を取り戻すかのように。
空白を埋めて、確かめるかのように肌を会わせた。
耳朶を噛んで、舐め上げると肩が竦み、吐息がこぼれる。
その反応が愛しくて、指先を沈めていく。
柔らかい乳房に小さな噛痕を残して、軽く吸い上げる。
「…っあ!」
舌先が秘裂をなぞり、肉芽を舐め上げると括れた腰がびくんと跳ねた。
逃げようとする身体を押さえつけて、責め上げる。
「…や……っ!!……やめ……て…っ!!」
上がる声は唇で塞いだ。
逃げられないように、逃がさないようにその手を戒めた。
濡れた秘部に指を沈めて押し上げる。
「痛っ……!!」
「……師叔……?」
寄せられた眉と歪む表情。
「……は……ぁ……!」
身体は何もかもを覚えているのに、たった一つ忘れている。
欲しくて、欲しくて、夢にまで見た。
最後に見たのは皆を守る後姿。
伸ばした手は触れることも出来なかった。
「……呂望……」
それはかつて父母だったものが自分に与えてくれた最初の贈り物。
愛して、守られていた日々。
「……ヨウゼン……」
胸を重ねて、呼吸を合わせる。
「……できるだけ……力を抜いてください……」
出会った頃はこんな思いを抱くなんて思わなかった。
一人で生きることは出来ないと教えてくれたあの夜。
かかる月を見ながら肩を寄せ合ったあの夜。
降り行く雪の寒さを口実に暖めあったあの夜。
いつも、前にはあなたが居た。
頼りないその小さな身体で懸命に運命に歯向かっていた。
「やられっぱなしは悔しいから」はにかみながら笑ってた風の中。
片時も忘れたことは無かった。
永遠なんて無いと分かっていても、あなたに触れる時はいつも永遠を感じていた。
何もかも分からない虚偽の世界。
自分すら偽り続けた世界でたった一つの真実だった。
「……あ!……っ!」
破瓜の痛みに上がる息。
繋がった部分がじんじんと傷む。
軋む身体を抱いてくる男の背に手を回して、きつく抱きつく。
「……呂望……」
目尻の涙を払って、瞼にそっと接吻する。
突き動かすたびに上がる悲鳴すら愛しくて、止まらない。
「どこにも行かないで下さい……もう……」
心も身体も何もかもを重ねて。
ただ一度だけ、永遠を信じたかった。
「……苦しくは無いですか……?」
疲れ切った顔をする彼女を腕に抱き、そんなことを聞いてみる。
「一度滅んだ身体だ……蘇生の際に何もかもを失っておったのだ」
「それでも、嬉しいと思うのは浅ましいですか?」
髪を撫でながら、小さな額に唇を落とす。
「帰りましょう、呂望。一緒に……」
右手に左手を重ねて指を絡める。
「ヨウゼン、前に一度わしは死に掛けたことがあった。趙公明の森の中でな」
昔話でもするかのように彼女はぽつりぽつりと紡ぎ出す。
「その時に……おぬしを残して死んでいくことだけが心配だった。おぬしが何であれ、わしに
とっては掛け替えの無いものだったから……妖怪だの、人間だの、そんなことは取るに足らんこと
だったのだよ……」
「……呂望……」
「傷の舐めあいでも、馴れ合いでも、それでも傍にいて欲しかった。わしらは……似たもの同士だったのかも
知れん……おぬしには心配ばかりかけたのう……」
目を閉じて、離れないように互いの身体を抱き合う。
「わしを捕まえることが出来たのはおぬしだけじゃよ、ヨウゼン」
「離しませんよ……もう二度と……」
寂しがりの魂が二つ。
ただ、寄り添っていた。
目覚めの空気はやめに冷たく、身体を起こす。
「……呂望……!?」
はらりと落ちてきたのは一枚の手紙。
小さな文字で書かれたのはたった一言「捜してごらん」と。
「ええ……見つけますよ……」
道衣に身を包み、宙を舞う姿。
彼女は自分の腹を愛しげに摩った。
(まいったのう……まさかこうなるとは……)
始まりの人の能力と人間の身体の融合は思わぬ方向へ運命を変えた。
(まぁ、育てるのも悪くはあるまいて)
うふふと笑って、この世界を旅する姿。
ほんの少しだけ遅れてもう一人の道士が追いかけてくる。
風のようにかわしながら、彼女は少しだけその足跡を残していた。
「見つけてごらん」そう、囁くように。
飄々と進む姿。
「見つけましたよ……呂望……」
大輪の木蓮の下で、微笑む姿。
手を伸ばして、そっと引き寄せる。
「……ただいま……」
「……おかえりなさい……呂望……」
昔、二人でこっそりと見上げた木蓮。
好きだと言っていたこの場所だと信じていた。
「ここだと……思いました……」
離れたくないと思うこの気持ちに名前をつけるならば。
おそらくこれを「愛」と人は言うのであろう。
「さぁ、帰りましょう。僕らのいるべきところへ」
かつて始まりの人といわれた少女は若き教主の傍。
半人半妖の子供を抱え、今日も穏やかに微笑んでいる。
またね〆(゚▽゚*)
追伸:まだまだ先は長く続きます。これは『あくまで』仮説。この最後には絶対しないと決めてたり。
何でかってと書きたい最後は本当はこれじゃないのさ。
あれだけ沢山キャラがいるんだから、使わない手はない。
まだまだ、呂望とKINOは一緒に歩いていきます。
手に負えない娘だけどね。
241 :
名無しさん@ピンキー:03/08/18 18:25 ID:Q4XXklDy
242 :
名無しさん@ピンキー:03/08/18 19:18 ID:Q4XXklDy
243 :
名無しさん@ピンキー:03/08/18 23:48 ID:Q4XXklDy
244 :
56680:03/08/18 23:49 ID:D8BjrDEi
あぼーん
246 :
名無しさん@ピンキー:03/08/19 07:54 ID:6asfb9A3
↑アゲルナヨ!
248 :
名無しさん@ピンキー:03/08/19 10:26 ID:6asfb9A3
249 :
名無しさん@ピンキー:03/08/19 13:38 ID:6asfb9A3
250 :
名無し:03/08/20 16:51 ID:ZxJSoplQ
あげますよ。
251 :
名無しさん@ピンキー:03/08/21 12:27 ID:RqN9v7W4
女体化はもういいや・・・
そろそろこのスレ削除依頼出してくるか
それか自然消滅を待つかだな
友達かに貸した単行本が返ってきたら、書こうと思ってたの
だが・・・・二週間後じゃ、もうだめぽかな。
ちなみに、よーぜんと望ちゃん(番外編の主人公)。
前に楊の字とノゾミちゃんのSS読んだことがあったなぁ
意識したことは無かったけど、なるほどこの組み合わせもありかと思った。
ノゾミちゃん好きなので投下希望です。
256 :
253:03/08/22 23:09 ID:sRB7aXvN
>>255 SS見つけられたんだ、いいなあ。いくら探しても、楊とのぞみちゃんの
お話はみつけられなかった。しかたがないので、自分で書こうともくろんで
みました。しかし、コミックスがないので、服装とか口調のこまかいところが
わからなくて・・・・そのうちがんばって投下します。
>>256 おお! なんだかものすごく気になる! 読みたい!
楊ゼンとのぞみちゃんかぁ。確かにアリかも。
いつまでも待ってますよ、ふふ。
258 :
257:03/08/25 21:38 ID:PJGYHtme
……名前欄消すの忘れてた……
逝ってきまつ……
のぞみちゃんって誰でつか?
オリキャラ?
だったら……
(´・ω・`)
望ちゃんは、「異説封神演義」の主人公。フジリューの
2冊目の短編集「DRAMATIC IRONY」に収録されてるよ。
補足。
のぞみちゃん…大公・望(たいこう・のぞみ)。
『異説・封神演義(DORAMATIC IRONY―藤崎竜短編集・2収録)』の主人公。
れっきとしたフジリューのキャラ。
「のぞみーひとの喜ぶようなことをするのがすきだわー」と本人は全くの善意で行動しているが、
気付かないうちに裏目の結果を引き出している(しかも本人無自覚という素敵なキャラ。
(『のぞみちゃんは類稀なるトラブルメーカー』 BY ようぜん)
背が低くて目が大きく、髪を耳上で二つに結ってるプリチーな女の子で、
「ゾッフィー」と唾液吐き散らしながら鳴く不気味な四不象を連れています。
保守
のぞみちゃん見てきた。
………………
…………
……
(´・ω・`)ショボーン
ロリじゃん。
四不象は変な鳥だし。
紂王太ってるし。
妲己も違うし。
('A`)
いや、まあ、それをここで言ってどうするんだと言う。
あれを書いたのは作者だし、
本編だって登場人物が多いんだから苦手なキャラの一人や二人いるだろ。
でも、それをこのスレで愚痴るのは違うんじゃねーの?
心の中に留めておこうぜ、兄弟>263
KINOさん帰ってこないかな。
便乗して叩いたけど、読みたいです。
>>263 ありゃ、読み切りに仕立てたネタっすよご主人。
ただ、紂王と妲己は異説の方が
実際の歴史に近いんだろうなあ、といってみるテスト。
> ただ、紂王と妲己は異説の方が
> 実際の歴史に近いんだろうなあ、といってみるテスト。
同意。
フジリューの封神演義を読んだ原作ファンも、
太公望は若いし
武王はナンパだし
胡喜媚はロリだし
(´・ω・`)ショボーン
とかなったのかもねえ。
268 :
きじ:03/09/01 23:00 ID:BRZGQ8/d
超お久しぶりに現れました、『きじ』どぅえいっす。
何か大変そうな感じ……。
投下してもいいんですかねえ…?(特に考えてはいませぬが)
269 :
きじ:03/09/01 23:02 ID:BRZGQ8/d
うわわわっ、ageちゃったよ〜〜〜!!
ごめんなしゃ〜い! 鬱鬱……。
氏んで侘びを……。
きじさん!どうか投下ぷりーずです!!
氏なないで下さい…
271 :
きじ:03/09/03 01:15 ID:eh2vtLJj
こんなおいらだけど、見捨てないでね。(´・ω・`)
何を投下しませうかねえ。
いまブリーチ板も途中なんで、今んとこ話練り上げ中でっす。
ここでまた妲己×竜吉キボンヌ
・・とぶり返してみたり。
無論他でも可ですよ。
愛ある太公望×竜吉公主キボンと言ってみる。
それなら自分は武王×邑姜をキボンと言ってみるであります!
発邑マンセー!!
ってな訳で、漏れも発邑キボンヌ
276 :
きじ:03/09/06 01:16 ID:CN4hDwKD
ふむふむ……。
でも。
邑姜ちゃんの資料ないっす〜!
どっかにホムペないですかねえ……。はふう。
277 :
きじ:03/09/06 03:18 ID:CN4hDwKD
劉環×蝉玉のゴカーンってのはどうでしょう??
ストーリーかなり曲げてしまいますが……。
>277
後ろから土竜爪で刺すぞテメエ!
・・・というストーリーラインなら文句無し!
>277
天化と土行孫も乱入して4P・・・
ダメデツカ?
280 :
名無しさん:03/09/06 22:07 ID:mGzA8gfq
きじさんリュウカン×蝉玉のゴーカン… 読みたいッス!頼んます!
281 :
名無しさん@ピンキー:03/09/06 22:14 ID:2zyITRlG
282 :
きじ:03/09/08 00:55 ID:uqn4PThR
「僕だって本当は、あなたにこんな事したくないんだ」
カリカリ、と万里起雲煙の弦がないた。大気が唸り、矢を形成していく。
「でも、あなたが正直になれるように、お灸をすえてあげるのも愛情、って
もんだろ?」
「劉環……」
蝉玉はそう吐き、右手の五光石を握り締めた。
「ハッ」
無数の矢が放たれるが、突き刺さる一瞬まで引き付け、跳んでかわす。
「この勘違いヤロー!!」
怒りの力を五光石に込め、劉環に向かって投げつける。
劉環は笑っていた。冷静にそれを捉え、弦を引き、矢を放つ。無数の矢は
対消滅し、むなしく蝉玉の手に五光石は舞い戻る。
「……んっ」
宝貝に力を吸われ、ふっと気を散らせた瞬間。
そこに、二の矢が迫っていた。
……かわせない!
「きゃあっ!」
矢は足元の岩盤を穿つ。風圧で身体が浮き上がり、砕けた岩たちはその下
に満ちた溶岩に呑まれる。
反射的に残っていた足場に手をかけ、辛うじて落下を防いだ。だが……。
「……ああ」
ず、ず、と指が滑り落ちてゆく。
「五光石……のせいなの……?」
283 :
きじ:03/09/08 00:56 ID:uqn4PThR
ぐい、と何かが引く。
「劉環……」
にこり、と劉環は微笑み、右手一本で蝉玉を引き上げる。宙吊りのままでも、
蝉玉は鋭い眼で劉環を見る。
「放しなさいよ、劉環!!」
「……僕は、あんまり無理やりって好きじゃないんだけど」
空いていた左腕で、蝉玉の腰を抱き、唇を首に這わせる。嫌、と抵抗するも
のの、力なくしなだれるだけだった。時折、びく、びく、と痙攣を見せる。
「こうなること……、分かってたよね?」
劉環は蝉玉を抱えたまま、抉れた穴から少し離れる。
「やめて……、放してよ……」
熱にうなされているように懇願するが、劉環は微笑んだまま。
「……髪を、下ろしたほうが好きだな」
両側の髪留めを外すと、ふわり、と緩み、蝉玉の頬にかかる。その髪を梳き
ながら、劉環は口付けをする。逃れようとする蝉玉の舌を絡みとり、頬の裏側
をなぞり、唇を吸い、甘噛みする。
右手は鎖骨からの、その柔らかな曲線をなぞり、弄ぶ。その動きに合わせて
蝉玉の伏せられた睫毛が反応しだすのだ。
「どうしたの?……声を出してもいいんだよ」
腹に手を当て、ぐいと服を捲りあげ、乳房を弄びはじめる。
「うっ……ん……」
蝉玉は奥歯をかみ締め、頬を上気させて堪えている。その様子が、劉環には
あまりにも扇情的に感ぜられる。下半身の猛りは、もう抑制などきかない。乳
房に顔を寄せ、吸い付く。
「はあっ!……んあっ、あっ……いっ!!」
硬くなっている先端を舌で転がし、歯を立てる。吸い付く音が、耳に届く程。
284 :
きじ:03/09/08 00:58 ID:uqn4PThR
「……仲間が、見てる」
乳房を撫ぜていた右手は、そのまま脇を滑り、腰にあった布を捲りあげていた。
「くっ、……あんた、最てぃあんんっ」
そしてその奥、湿り気を帯びた中心に手を伸ばしていた。
「ああ、……濡れてるよ」
「うるさっ……、ちがぁんっ、あっ……いやぁっ!」
手の平で尻を撫ぜながら、中指で腿の付け根の線をなぞり、滴るその中心を擦
るたび、蝉玉の身体が跳ねる。ぴちゃ、くちゅ、と粘つく音と共に。
「おねがっ……やめっ……、うあっ!あっ、あっ、はっ」
「どうして?こんなに悦んでいるのに?」
脇から指を侵入させる。
「ああああっ!」
指の腹で肉壁を擦り、首筋に口をつける。指が動くたび滴る雫が、床に滲みを
つくる。自然と、蝉玉の足が開いている。
「僕の指が、そんなに好きかい?……ああ、その顔、とても可愛いよ」
指を咥えさせながら、そっと蝉玉の腰を支えたまま劉環は床に座り、胸に抱く。
そして尻を上に突き出させた。
丁度、隙間にはさまってしまった太公望と、その隙間から覗く天化に「それ」
を見せるように。
二人は声を発せず、そして「それ」から、眼をそらせずにいた。
その様子を、劉環は眼を細めて笑った。
「蝉玉さん、やつらが、あなたを見ているよ。……いやらしい眼で」
そう耳元で囁くと、中心を覆っていた薄布を膝まで下ろした。蝉玉が喚こうと
息を呑んだ瞬間、肉の窪みに隠れていた尖りに触れる。
「ふぁああんっ、あっ、んんっ、……っ、……ぁっ」
「もう、ダメかい?」
抵抗は、そこまでだった。腰をしならせ、指と快楽を喰らうことだけしか、蝉玉
には出来なかった。
息を呑み、小刻みに震えた。指を咥えたそこだけは、痙攣を続けていた。
285 :
きじ:03/09/08 00:58 ID:uqn4PThR
「師叔、……どうすりゃいいさ……」
天化が、喉に絡ませながら声を発した。
「事が終わるまで待て」
「なっ、何でさ?!」
太公望は、静かだった。
「他に方法があるのか?……堪えろ、天化よ」
歯の軋む音が、太公望の背後から聞こえた。
溶岩で揺らぐその姿態から、天化は目を逸らせずにいた。
体液でてらてらと光り、指を咥えている肉唇。時折波が来た様に震える白い尻。
ぞくぞくと上り詰めてくる、揺らぎ。
敵に対する攻撃性、ではない、何かが天化を侵食していた。
劉環は鎌首をもたげる、己が欲望を外に晒した。丁度、蝉玉の鼻先に。
「ううっ……、やあ……」
そう言いながら、もぞもぞと後退しようとする蝉玉の尻を抱え、劉環はまた、滴
る腫れた肉を捻りあげる。
「あううっ、あん!」
「……逃げるなら、『あいつ』が奴らを焼いちゃうよ……」
「んんんんっ!」
「仕方ないなぁ」
ため息をつき、劉環は両腕で蝉玉の腿を抱え、膝に座らせる。
「い……、あぁ……」
受け入れることを拒否しようと膝で立とうとするが、腿は震えて身体を支えきれ
ないでいた。剥き出しになった乳房を劉環がなぶると、嫌がることもせず、嬌声を
あげるだけしか、蝉玉には出来なかった。
「自分で、入れるんだよ」
尻を揉み、その後ろの穴を擦り始める。その度に上ずった声を漏らしながら、そっ
と肉棒にあてがう。先端が、ぴちゃ、と吸い付いてくる。
「うう……。こんなの……」入らない、と言おうとした瞬間、先が蝉玉の肉を割った
が、痛みはなかった。それからは、簡単だった。
286 :
きじ:03/09/11 02:12 ID:VzGmjvZ+
「はぁぁ……、んっああっ……」
奥まで貫かれると、蝉玉は劉環にしがみつき、乳房を擦り付けていた。
「いいっ……、ああん、はっ、んん……ぁはん」
自然と身体を揺らし、劉環の唇に唇を重ねた。劉環も蝉玉の乳房を揉み上げ、肉を
咥えている下の口をなぞり、硬くなっている隆起を撫でる。
「うあああっ、んんんんっ……ぁ……、は……、はぁん」
「……うっ、……く」
汗が、飛び散る。
「んぅっ、ぁはっ、あん……ぁ……ぅ……」
閉じられていた蝉玉の瞼がぴくぴくと動き、身体がもう一度、痙攣した。劉環もま
た、蝉玉を抱えたまま動きを止めた。
繋がったままのその下に、ぽたり、ぽたり、と白濁の溜まりがあった。
287 :
きじ:03/09/11 02:13 ID:VzGmjvZ+
「師叔っ!もう許せねぇさ!」
莫邪の宝剣を振り下ろすが、轟音を立てただけだった。壁の欠片すら舞おうとはし
ない。口の奥で悪態をつく。
「……退け、天化よ」
鋭く静かな声が言った。
天化が振り向く間も無く、水が太公望、天化を飲み込み、壁を破壊した。濁流となっ
て溶岩に流れ込むと、急激に加熱されたために水蒸気で部屋は満たされる。
蝉玉は必死に逃げなければ、と身体をよじるが、劉環が腰を抱いたまま、離そうと
はしない。劉環は、囁くように言った。
「……ゆけ、火鴉壺」
もこ、と溶岩が盛り上がると、天井まで伸びるような火柱を上げ、ゆっくりと水平
にそれは広がってゆく。水平に伸びた溶岩は翼となり、大きく羽ばたくと、熱風が衝
撃波となって全てを押しやった。
288 :
きじ:03/09/11 02:38 ID:VzGmjvZ+
劉環は蝉玉の腰を掴むと、ゆっくりと持ち上げる。ごぷ、と音がすると白濁の溜ま
りが大きくなった。蝉玉はとても自力で立つことが出来ず、その場にへたり込んでし
まった。劉環はす、と服を正すと、蝉玉に口付けた。
「そこで待っていて。邪魔者はすぐに片付けるよ」
そう言って、柔らかく笑った。
霧が晴れると、宝貝である『火鴉壺』に向かい合っているのは、長い髪をした、女
だった。辺りには、彼女を守るように水の塊が漂っている。
「……水は、火を諫める。そなたに勝機はない」
そう言うと、水は糸のように幾重にも伸び、火鴉壺を捕らえる。水蒸気をあげ、溶
岩の鳥が鈍い石色へと変わっていく。
「……竜吉、公主……!」
劉環の表情が歪み、万里起雲煙をもつ手が震える。
「あいつだけでも……!」
つがえた弓の先を、奥にある、巨大な砂時計に向ける。
289 :
きじ:03/09/11 02:39 ID:VzGmjvZ+
「甘いさ!」
ふっ、と風が凪いだ。
甲高い音を立て、万里起雲煙が弾き飛ばされる。飛び出してきた天化の後ろに、割
れた砂時計が見えた。劉環は小さく舌打ちをし、後ろへ飛ぶ。宝剣の閃光が胸すれす
れを水平に走った。
そのまま後ろへ駆け、弓を取ろうとした。だが水の矢の方が早く、手足を深く穿っ
た。呻く間も無かった。
天化が踏み出す。劉環は床に倒れようとしていた。
「終わりさ!」
振り向いた劉環の瞳に、天化が……閃光が……、映っていた。
「劉環!」
蝉玉の声が、辺りに溶けた。
……だが、その声は届くべき人に届かず、閃光に呑まれた。ぼんやりと魂の残光を見つ
めている。
あれは、夢……?
はっとしたように頭を振った。
「……大丈夫、ハニー?!」
290 :
きじ:03/09/11 02:41 ID:VzGmjvZ+
すんまそん、よく分からん終わり方です。
続きそうなヨカーンでもあるし……。
長くなってしまった……。
反省点いっぱい過ぎ。
喜んでいただけたらうれしいでっす。
291 :
きじ:03/09/11 02:42 ID:VzGmjvZ+
終わり、とか書くべきだったなあ。
読みにくくてごめんにゃ〜。
なにやら、人が減った・・・。
きじさん、がんばってくだされぃ。
みんな神のサイトに移動しちゃったんだよ・・・。
正直、このスレであの人を超えられる神は出てこないと思う。
叩かれるのは2CHでSS書く人の宿命だろうし。
きじさん乙!
何か誰かに見られてるって構図は、こう・・・萌えry
見せ付けられた天化や太公望が可哀想になったりw
>>293 規制に引っかかって書き込みできなかっただけだよ。他の神に
失礼なこと言うんでねえよ。
きじ神、乙! 蝉玉キュートでよろしいです! 続きがあるなら
ぜひ見たい。
296 :
きじ:03/09/15 23:14 ID:TwijMGzO
ありがとふ・゚゚(*/ロ\*)゚゚・。
天×蝉かも?!、と予告してみる……。
気長に待ってにょ(爆)。
>天×蝉
楽しみにしていますyo!!
待ってるにょ。
そろそろ竜吉公主の出番が来てもいい頃じゃよ?
封神スレがあったなんて!
太公望×妲己
は、ありませんでしょうか。
読めたら氏んでもいいでつ(;´Д`)ハァハァ…
>300ゲト
どれもみんな読んでみたいッス〜
封神スレ需要復活の兆し。
「わしを捕えて何をする・・・・」
両手を後ろに縛られ、あぐらをかいた状態で、
太公望は言った。捕えられ、自らの生死を握られている
絶体絶命の状況だというのに、その瞳は光を失ってはいなかった。
「あら、そんなこと・・決まってるじゃないンv」
そう言って、弧の化身は、玉座から腰を浮かせ、ゆっくりと歩を進めた。
だだっ広い室内に、ヒールのカツンという音が響き渡る。
沈みかけた日の光が、歩み寄ってくる悪魔を照らし出し、
賢王を狂わせた、その妖艶なボディラインを浮き立たせる。
その完璧なまでの身体に、見とれてしまいそうになりながら、
何とか逃げ出す方法を頭の中で必死で考えていた。
目の前まで立ち止まると、腰をおり、自らを睨み続けている軍師を見つめ、
その顎を持ち上げると、強引に唇を重ねた。
「ぅむっ!!んーーっ!!」
抵抗を試みるが、両手を縛られた状態で、何かできるわけも無く、
唇を割り、口腔に舌が侵入してきた時には、抵抗を諦め
なされるがままになっていた。
「プハッ・・・・思ったとおり、若い男の子の唇はいいわねン」
唇を離すと、クスリと笑いながら、呟いたのだった・・・。
>299
こんなモンでどうかな?
ダッキの漢字が出てこないんで、代名詞で頑張ったけど
無理ぽでした・・・。文章が不自然なのはそのせい。
それともうひとつ。小さい「ん」が出ねぇ・・・・・。
需要があるようなら続き書くかもです。
では、スレ汚しスマソカッタ。
303 :
きじ:03/09/17 01:45 ID:vFFpVY7l
>>ソウル神
乙でいっす!
☆-(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ノイエーイ
待っております故……
304 :
きじ:03/09/17 04:16 ID:vFFpVY7l
望×公主もどきです……。
すまそ、投下しますです……。
________________
「公主、大事ないか?」
太公望がそっと差し伸べた手に、細い指が置かれる。
「……久しい外の空気に、あてられただけじゃ」
ふっと微笑んだ頬に、赤みが差す。赤雲、そして碧雲に支えられ、
立ち上がる。ふわり、と柔らかな黒髪が揺れた。
「……はよう、先へ」
「……」
表情を変えず、太公望は公主を見つめる。開きかけた唇が何かを言おう
として、でも言葉にならずに歪む。
「私は……大事無い」
ごく自然に、公主は空いた手で太公望の頬を包む。
「無理は、するな」
太公望は公主の柔らかな髪を撫でながら、少し微笑んだ。そして、すと視線を天化に向け、
行くぞ、と静かに言った。
「師叔、……おかしいさ」
太公望に肩車をしながら、足場を跳ねる天化が呟いた。
「な、何がだ?」
「あの仙人さんには、変に優しいさ」
「気のせいでは……ないのか?」
「いや」
きっぱりと言い放った天化の上から、うぐぐ、と言葉に詰まった呻き声がする。
「……やはり……か」
そっとため息をつき、囁いた。
305 :
きじ:03/09/17 04:19 ID:vFFpVY7l
封神計画など何も知らなかった頃、太公望は崑崙で瞑想をする毎日だった。
修行など、どうでもいい。
胸の奥から湧き上がってくる憎悪を、昇華出来ない苛立ち。生き残ってしまった、悲しみ。
その日、白鶴の目を盗み、隠れ場所としていた鳳凰山に向かった。
鳳凰山には唯一、水の満つ宮がある。そのほとりにある岩場に座り、仙桃の小枝にくくった
糸を垂らすのだ。勿論、針はない。
長く、瀟洒な鰭を持つ鯉の、鱗が時折、きら、きらと光を放つ。水面は揺れず、鏡か氷と思
わせる。動く魚を閉じ込めたような宮で、太公望は、ひとつ大きな欠伸をする。
ちりん、と鈴が鳴った。
「たれぞ、そこに?」
声を聞き、はっと太公望が顔を上げると、小枝の糸が揺れていた。
水鏡に波紋が広がり、鱗の煌きの中に、女が降り立った。裳に結わえられた鈴が、鳴ってい
るのだ。腿まで浸かってしまっている。
「そなたは、元始天尊さまの……」
太公望は慌てて小枝を下に置き、そして膝を折って頭を下げた。
「太公望と申します。竜吉公主さまの住まう鳳凰山と知りながら、このような非礼、お許しく
ださい……」
「良い、頭をあげよ」
ゆっくりと太公望が公主を見上げると、裳をするり、と脱ぎ捨て、水面に浮かべた。その瞬間、
白の裳は水に同化する。
「……そなた、逃げ出したか?」
やっと公主が出てきた、バンザーイバンザーイ
>302
(;´Д`)ハァハァ 続きキボンヌ
「妲己」を「だっき」で辞書に登録しておくと変換されますよ。
小さい「ん」は無いのでカタカナか何かで代用するしか無いかと…。
神が降臨されとる。幸せ。
>302
半角カタカナでも充分妲己ちゃんっぽくてイイ!
>きじさん
公主萌えな俺としては続きが気になって仕方ないです
楽しみに待ってます
太公望と公主キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!
ああもう幸せです。続きを激しく待っとります、はい。
保守の意味もかねて、王天君×太公望(TS)
を投下してもいいですか?
え?女太公望もうイラネ?キー
とりあえず厨王×ダッキを投下してからにしてください
312 :
きじ:03/09/23 02:20 ID:9qFIV4ED
久しぶりに投下するです〜。
_______________
太公望は、目を見開いた。
白い肌。細すぎる身体だが、女のその曲線は保ったまま。静謐な瞳だが、悪戯っぽく微笑む桜色
の唇は、幼さを感じさせる。
「ふふ、……修行を逃れ、私の沐浴を覗きにきたか?」
「……まさか」
くるりと太公望に背を向け、指で水を手繰る。
水は織られた布のように公主の指に絡み、その肢体に絡みつく。黒髪がふわりと舞うと、太公望
の目の前に揺らぐ。
横目で見据えられ、その場を立ち去ろうとした瞬間、小枝を蹴り、水の中へぽちゃん、と落とし
てしまった。しまった、と太公望が屈んで水底を覗くと、底はなかった。
奥で、きら、きら、と鱗の煌きが見える。
「……す、すまぬ、あなた様の宮を汚してしまった」
「ならば、取りにゆかぬか」
くすくす、と笑うと、太公望の腕を引いた。
「やめ、うわあっ?!」
太公望は素直に、派手な水音を立てて落ちた。
銀の泡の幕の向こうに、鯉がいた。沈んでいるのか、浮いているのか分からない。
ふと、心がざわめいた。
313 :
きじ:03/09/23 02:21 ID:9qFIV4ED
ぽこ、とひとつ空気を吐いたその瞬間、公主の腕が伸びる。はっと気づいた瞬間、太公望の唇が
桜色の唇で塞がれた。慌てて逃れようと水をかき、押し退けようとするのだが、水が、それを拒む。
そして、たゆたうようにと、促しているように思えた。
太公望の頬に添えられた手が、不意に懐かしさを呼び起こす。思い出さぬと決めながら、それで
も消えない過去に縛られる。優しい香りと、焼け爛れた匂い。
消したくない、消えてしまえばいいのに……。
そんなことを思いながら、太公望がゆっくりと公主を抱こうとした瞬間だった。公主はさっと身
を翻して煌きの中へ消えてしまった。しまった、と思っても遅い。
思わず水を吸い込んでしまうと、がぼぅっ、と泡を立てて息が逃げてしまった。暴れながら水面
を目指していると、下から圧力がかかる。
水が、蠢いている。
「ぷわぅはあっ!」
豪快な水音と共に太公望が現れると、その傍の岸に公主が立っていた。いつの間にか、いつも身
に纏っている衣の姿で。
耳まで真っ赤にして咳き込む太公望を見、眉を動かさずに言い放った。
「思い上がるな」
咳をやめ、顔を上げた。水に浮かびながら、太公望は公主を見据える。
314 :
きじ:03/09/23 02:47 ID:9qFIV4ED
「……なら、わしをからかったのですか?」
「修行から逃れたのを、咎められたとでも思えば良い」
「何を仰るか。戯言にしては面白くもない」
長い睫毛の奥で、冷ややかな瞳が太公望を捉える。
「……何が言いたい」
よいしょ、と岸に手をついて水から上がると、公主が瞼を伏せる。それと同時に、太公望の身体を
水がしゅるしゅると生き物のように伸び、大きな玉となって水面に落ちた。
もう太公望の身体は乾いている。
「あなたさ……おぬしは、卑怯だ」
道衣をととのえながら、公主を睨んだ。
「わしの心を覗いておいて、己は逃げるのか?」
「私は……、覗いてなどおらぬ」
声に、気迫が見えない。
「見えなかったと? 何も、……何も?」
公主は、何も言わなかった。
すまぬ、と太公望は呟き、その場を去った。だが、「逃げた」というのに等しかった。
何故、わしは苛立っているのだ?
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!! 続きおながいします
316 :
きじ:03/09/25 02:43 ID:wy+WN8bD
すんまそん、カキコ遅いです……。
____________
当然のごとく白鶴に見つかり、元始天尊から有難くもないお説教を延々と聞かされた。だが、そっと
特製耳栓をして聞く振りをした。まあ、それもいつものこと。
公主は、たばかった……のか?
冷たい視線、くすくすと微笑む顔。あどけない唇……。触れた感覚を、少し覚えている。
公主の宝貝、霧露乾坤網があの宮にはあった。
裳に代わり、そして溶け、そして太公望の身体からしゅるりと落ちた、それ。宝貝に飲み込まれた瞬
間、公主に飲み込まれたも同然。
すべてを見ることは不可能だろう。だが、感じ取ることは出来るはず。心の奥に刻まれた、その傷。
あやつは、泣いてはいないだろうか?
317 :
きじ:03/09/25 02:44 ID:wy+WN8bD
崑崙にも、夜は訪れる。闇夜は雲に覆われ、時折、切れ間から満つ月が覗く。
月光で、灯りは必要なかった。太公望はその光を頼りに、浄室に向かった。何故向かうのか、何か言
いたい訳でもない。なじりたいのでもない。ただ一つ、気にかかることがあったから。
天空に浮く足場を飛び、雲を渡し、そこを目指した。
だんだんと霧が立ち込め、道が薄い絹に遮られているように見える。仙人界では珍しい、青草を踏み
しめ歩いていると、ふと緑が途切れた。
浄室の周りは宮の水が取り囲み、立ち入ることが出来ない。
「さて、困ったものじゃな……」
岸にしゃがみこんだ太公望が、誰に聞かせる訳でもなく、呟いた。始めから、知っていたのに。手袋を
とり、水に触れる。針で刺したような、冷たさ。その周囲に波紋が広がり、消えた。飛び込めば浮くこと
も難しい。
もうやめよう。まさか、竜吉公主ともあろう者が……。
水から手を引いた刹那、それは止まった。
「……?」
指先の水粒を落とすと、波紋は出来ず、水面で弾けた。太公望はそっと足を出し、水鏡を踏む。波紋も
出来ず、水の上に立ててしまった。
「公主……」
ゆっくり、ゆっくりと歩みだす。
ドキドキハァハァ
319 :
名無しさん@ピンキー:03/09/27 15:11 ID:Dj0A7bKE
続き求む!
いまいいとこ…(;´Д`)ハァハァ
321 :
きじ:03/09/29 03:37 ID:qLdW5jXA
自分の声が聞こえると、心はざわめいた。喉が乾いて、苦しさが増していく。
落ち着け、と閉じた瞼の裏側には、頬に涙を伝わせる公主が見えた。
身を翻して、とはいかないものの、ようやく土塀を飛び越えると、開けた庭に出た。月明かりが差す縁
側を通り、灯りもない廊下を歩いた。ところどころに作られた、格子からの月明かりが助けになった。
時折靴音がする。おそらく衛兵か給仕だろう。見つかった時の弁解が面倒だと考えた太公望は、足音を
立てぬようにし、柱に身を潜めてやり過ごした。
長い廊下を歩いていると、部屋があった。扉のないその部屋の中を太公望が覗き込むと、そこは誰かの
寝室のようだった。窓際に寝台が置かれ、天蓋から薄い布が垂れている。月明かりで、人影が映っていた。
影が、振り向いたようだ。
「……誰?」
凛とした、でも小さな声だった。太公望は寝台に近づいて、
「眠れぬのか?」
と囁くと、小さく叫んだ人影は、すぐに薄布を捲った。目の前に、小さく座っている竜吉公主がいた。
「……どうして……?」
「ん? なに、月夜の散歩じゃ。今宵は満つ月ゆえ、心惑わされたかな?」
「下らぬ……」
ふい、と顔をそらし、窓の格子を指で撫でた。そしてかりかりと爪で掻き始める。その様子が、可愛らし
かった。太公望は口元をほころばせると、公主の頬にかかる髪を手で梳く。
と、途端にううん、と唸って逃げる。
もう一度、公主の傍に座りなおして頭を撫でる。また逃れる。
「……お前に、惑わされたかな」
322 :
きじ:03/09/29 03:38 ID:qLdW5jXA
手袋を取り、頬を撫でる。公主は逃げずに、太公望をまっすぐに見つめた。唇が、何かを言おうと震えだ
している。
「何だ?」
公主の瞳が、潤んだ。
「……許して」
そう、吐き出すように呟いた。
「あまりにも、恐ろしかった。私は、見る気などなかった。だけど、私の中に、全てが流れ込んできて、私
の中に入ってきて、全てを……乗っ取られたようで……」
「もういい」
「すまぬ、私は……」
言葉をさえぎるように、太公望は公主を抱いた。肩が、小さく震えているのが分かった。
「……人が、死んでいて、火の手が上がっていて……」
「それはわしの記憶だ。おぬしには関係ない」
震えは収まらない。公主の背をさすり、大丈夫だ、と耳元に囁いた。
「おぬしには、分からぬままでよいのだ。 人の死を、見ずともよいのだ……」
「……何故?」
「うん?……おぬしは、血に濡れなくともよい。血に塗れるな」
323 :
きじ:03/09/29 03:39 ID:qLdW5jXA
不意に、公主が太公望の胸を押した。
「私は、清いままで、いろと……?」
睫毛に月光の粒を纏わらせ、目尻から一筋、涙が落ちた。
「何も、知らぬままで、いられるのか?」
太公望の胸に爪を立て、ぎゅう、と道衣を握った。その手を、振り払うことをしなかった。その代わり、
頬の涙を手で払い、顔を引き寄せた。唇が触れるか、触れないかの距離。公主は目を伏せた。
「……わしは、もう血に濡れたもの。そなたとは違うのだ」
「ち、違わぬ……」
そう公主が言った瞬間、その唇に己の唇を這わせた。刹那、逃れようと身を引いたが、ゆっくりと力を抜
いていく。太公望の舌に舌を絡ませ、身を寄せていった。
だが、太公望がそれを制し、唇を離した。
「無理をするな」
子供をあやすように頭を撫で、微笑んだ。
「おぬし、震えておるぞ。 辛いのであろ?」
「辛くなど、あるものか」
また、公主の瞳から涙が零れた。太公望がそれを拭おうと、そっと右手を差し出す。
が、その手を打ち払い、公主は太公望の襟首を掴んだ。
「お前こそ、卑怯だ」
「……公主?」
「何故、私の心を砕いておいて、汚そうとはしない? 私は、死も血も知らぬままでいるのが正しいのか?
私は綺麗なままでいるためにいるのか? ……私だけ違うのか?」
震えた指先が、太公望の頬に触れる。
「私は、お前のそばにいてはいけないのか?」
イイヨイイヨー(・∀・ )
325 :
きじ:03/09/30 03:33 ID:LWZciwA3
「私は……、人として生きた、お前が……羨ましい」
「……そんなものかのう」
太公望は重いため息をつき、公主の首筋に唇を這わせた。公主がぴくりと身を震わせた瞬間、荒々しく襟
元を掴み、力任せに剥いだ。白い肌が、乳房がそこに晒される。
「人は浅ましく、脆く、愚かだ」
そっと乳房に触れる。公主は目をつぶり、仰け反った。
「……父上も、母上も、すべて火の中に消えた」
乳房の、その硬くなっている先端に触れる度、ぴく、ぴくと公主の長い睫毛が痙攣を始める。
「……んっ、う……」
太公望は空いた左手で、己の股にある膨張しきった「そこ」に公主の右手をあてがう。はっと目を見開い
た公主の頬が、上気していくのが見えた。公主が逃れようとするが、乳房を弄ばれると黒髪を揺らして呻き
始めた。
「わしは、汚い人間じゃ。……それでもよいのか?」
そう言い、太公望が手を緩める。急に罪悪感が湧き上がってきたのだ。
……わしは、間違ってはいないか?
刹那。
柔らかな胸に包まれ、黒髪が頬をくすぐった。
温かい肌。そして、耳に響いてくる公主の、大きな鼓動。
「……望」
ぽつり、と公主はそう囁いた。
326 :
きじ:03/09/30 03:33 ID:LWZciwA3
そっと、公主の腰紐を解く。するりと衣がめくれ、全てが晒される。
「望……、望……!」
太公望の首にしがみつき、名を繰り返す。言葉にならないこころが、溢れて零れていくように。
「公主……」
はあ、と漏れるお互いの吐息が、熱を持ち始めていた。
開いた衣に手を差し入れ、腿をさすり、柔らかな尻を撫でていく。
内腿をさすると、ぴちゃ、と液体に触れた。太公望の指がそれを上に向かいなぞると、そこは、太公望の
それよりも熱を放ち、蜜を垂らしていた。
「いやあぁぁっ」
首筋の手が、爪を立てる。
「だぁ……めぇぇっ、はあぁん!」
太公望は何も言わず、その蜜を指に含ませて肉を擦り、膨れ始めているその小さな芽をそっと揉んでやる。
「うあああぁんっ!……やぁあ……、あっ……ううっ」
ずるずると崩れ落ちていく公主に、追い討ちをかけるように乳房の先端を捻りあげる。がくがくと身体を
揺すり、悶えだした。
「公主……痛いぞ」
そっと中指を当て、中へと進入させていく。
「いいっ!……んんっ」
ぎゅうと縮こまった入り口は、中指一本すら狭すぎる。緊張をほぐしてやろうとするのだが、そう簡単に
受け入れようとはしない。太公望を拒むように。
がんがれー
(・∀・)イイ!!
続きキボーンヌ
竜吉公主タマ、可愛すぎです。
太公望、男前です。
(*´Д`)年寄り言葉カップル萌え〜
331 :
名無しさん@ピンキー:03/10/07 23:55 ID:lUV0gEz2
マダー?(・∀・;)
天化×蝉玉マダデツカ?
投下するならば書き上げてからにしてくれ。
もちろん投下してもらえるだけでもありがたいし読み手の勝手な意見だ。
誘い受けなレスをつけるならば多少の辛辣な意見は覚悟はしてると思うから言わせてもらう。
>きじ氏
334 :
きじ:03/10/09 22:06 ID:w5p8T9iF
>>333 ごめんなさいです。一応、決着つけてから投稿すればよかったって思います…。
どうしても書きたかった、というとエゴになるけどね。
いつか言われるのだと感じてたし。
早く書こうと思うと書けなくて…。すみませぬ。
急いで書くと矛盾ばかりになるし。
ああっ、言い訳ばっかりだ。
じゃ、望×公を書き上げてから、天×蝉書きます〜。
待ってて下さいまし。こんなに見ていてくれているのね…(涙)
335 :
きじ:03/10/09 22:07 ID:w5p8T9iF
ageちゃったよ。←死
すんません
>333様
確かにおっしゃってる事は正論ですが・・・
なら貴方も何か書いて下さいよ。
批評は心の中にそっと閉まっておいて応援してあげるのが読み手としての思いやりだと思います。
きじ氏、頑張ってくださいね。
マターリと応援しておりますから。
337 :
きじ:03/10/09 22:49 ID:w5p8T9iF
「望……、ううっ……、望!」
太公望が手を引こうとした瞬間、公主はそう叫び、首にしがみついた。
「はうっ……、やめる……な……」
身体が、震えている。
太公望は空いた片腕で公主の髪を梳き、大事ない、と囁いた。首筋に唇を這わせると、少し汗ばん
でいた。不意に公主が顔を横に振った。ふと身体を離してやると、公主は震える指で太公望の道衣を
引く。
「何じゃ……わしも脱げ、と?」
ふっと微笑み、止め紐を緩めると、ばさりと床に投げ捨てた。
「……あまり、格好のいいものでないがのう」
肋骨が少し、月明かりで浮き出ている。首筋は細く、かろうじて喉仏が影を見せる。公主は頬を紅く
しながら、そっと太公望の胸に顔を寄せる。大きい鼓動が、はっきりと感触として分かる。手を添え、
頬を擦りつけた。
太公望が肩を抱くと、さっきより、震えがなかった。そっと額に唇をよせると、公主が顔をあげ、
微笑んだ。
顎をもたげ、口づけをする。
お互いが望むように、お互いが求めるように。
公主を寝台に寝かせると、そっと秘部を指でなぞる。
「ああっ……、んんっ、あっあ……」
「……痛いことないぞ。……公主」
ひたり、とその頭を濡れた肉に押しつける。みちゃ、と音をさせながら肉を割っていく。
「ううっ!あああっ!」
部屋に響く、公主の叫び。
「いやあっ……! ううっんっ……」
やめるか、と太公望が言おうとした瞬間、声がした。
「公主さま?」
このスレってさ、書き手を追い出すの上手いよね。
自分のリクに答えないとすぐに難癖つけてさ。
何人の職人さんがここから去っただろうな・・・・・・
339 :
きじ:03/10/09 23:19 ID:w5p8T9iF
>>336 >>338 ありがとにゃ〜。
みんな見てくれているんだなあ。ちょと自覚足らなかったかも。
マターリ頑張る(?)よ。
だいぶ切れ切れになっちゃったんで、読みにくくてすまそ。
メモ帳に貼って読めば大丈夫!……だと、多分、思うなあ……(爆)。
いや、だからさ。
メモ帳に張って読めばとか書くくらいなら最初からまとめて投下すればいいだけでは?
読み手が書き手に求めることも買ってだけれども、
きじさんが言ってることも結構勝手だよ。
だったらサイトでも作ってゆっくり更新したら?って思うよ。
実際ここに来なくなった人でそうしてる人がいるしね。
悔しいのはその人が他のスレでSS書いてるってことなんだよな_| ̄|○
>340様
ならアンタも一度SS書いて下さいよ。
アンタのような発言をされると書き手の方が凄く傷付くのを分かっていない。
いろいろな事情でサイト作れないから(もちろん作った人や最初から持ってる人もいますよ)ここで書いているんでしょう?
上手い下手はともかくも他のサイトにないものを見てみたいからここに来てるんでしょう?
私も某スレでちょこっとSS書いた事がありますが340様のような事を言われて凄く傷付きました。
でも途中で投げ出したら「頑張って下さい」とカキコしてくれた方に申し訳ないから書き切りました。
私も、ネタがまとまったら一度ここにもSS投下してみようと思っています。
「今は」都合上無理ですが・・近いうちに・・!
最後に340氏に一言。
「他人様が一生懸命書いたSS批評する暇あったら黙って読みなさい」
>きじ様
ドキドキの展開ですね・・・・応援しています!
正直スレの更新スペースなんかどうでもいいです。
書き手の神が作品投下してくれるだけで満足。
投下の合間は大人しくROMってるかささやかな雑談をしながらスレの保守に徹する、これが読み手の美学ってもんヨ!
変な茶々入れたから出て行った神も居るんでしょう。
気に入ったら感想投下、気に入らなかったらスルーの何処が不満なの?
神もプライベートがある普通の人間だよ、時間の都合ってものも少しは考えないかな…。
例え少しでも書き上げた物は投下する神の姿勢は駄目なの?
それぞれの読みやすいスタイルとペースで投下しろとまで書き手に押し付ける必要は無いと思うよ。
書き手と読み手、双方で気配り無くしてどうすんのよ…。
>342氏
その通り!
まったりと神を応援しましょうよ。
344 :
きじ:03/10/10 01:31 ID:Oc/hUe9r
気づいたら、なんだか大きな反応が……。
う〜ん、正直、難しいところです。
早く書き上げたい。でもすぐには書ききれない。
そういう、「申し訳ない気持ち」で、ちまちま更新させてもらってます。
誰も書き込まない間が、とてもつまらないと思うから。
楽に読めるよ、という意味で「メモ帳に〜」と書き込みました。
身勝手な言葉、ととられたら申し訳ないことです。ごめんなさい。
HP作る、というのも、それはそれで正解だと思います。
でも、私はしない。それだけ。
書き込み方なんて、自由ではないの?
それすら許されないのであれば、書くな、ということですか?
結構。
なんせ、私自身、この子達(小説達)がどういう結末になるのか未だ分かりません。
強制されて書くと、この子達がどうも迷い出します(笑)。
後は見てくださる方にすべてを委ねます。
俺は(*´Д`)ハァハァできりゃ、何でも良いです。
望×竜いいよ、いいよ〜〜〜
神様たち、頑張ってくんさい。
マンセー意見だけになってきてるね。
きじさんとその信者のスレにしか見えないや。
これじゃ自分みたいに投下しようと思ってもできない雰囲気だよね。
340の言ってることも分かる。
ここはにちゃんだって言うのは好きじゃないけれども、スルー出来ないほどの
態度だから>340みたいに書かれるんだと思う。
自分はかつてここで同じことをある人に言った。
再度あなたにも言おう。
このスレはあなた一人のものではない。
委ねるのではなく、自分でケリ付けて下さい。
>>346 あなたも狡い言い方をされますね。
職人なら黙って投下。餌をちらつかせて意見を統率しようとするやり口は汚い
ですよ。
読み手の「読みたい」と言う気持ちを逆手にとって、巧妙に職人を追い出そう
としているようにしか思えない。
私は他スレの職人ですけど、自分が投下できない雰囲気だと判断するのなら、
雰囲気が変わるのを待つなり、自分で別の所でうpするなり、好きにすればい
いだけの話。
ここは2ちゃん。職人の投下の形式は、他スレを読めば分かるとおり細切れ連
載あり、まとめての投下あり。それは職人個人の自由。
そして読み手は残さず食べて、建設的批判をするなり、マンセーをする。
いちゃもんつけたい時は黙ってそれを飲み込んでスルーがルールだと思うが。
そもそもあなたが本当に職人かどうかも疑問だ。
投下する意思のある職人なら、その以前の意見とやらのレス番をコテにして、
分かり易く名乗ってから意見したらどうだ?
>>346 私の意見は元からマンセー意見じゃありませんが?
何でもマンセー意見に変えられちゃあタマッタもんではありませぬ。
基本的なルールは
>>347氏も言ってる通りでは?
何でも吐き出せば良いというモノでもない、最低限のルールを守れないのが問題だといっているのよ。
ルールを守る=双方への気配り=スレの雰囲気の保守に繋がると言う事ではないの?
そういう意味では
>>330氏、
>>340氏、
>>346氏の意見は少々違うと思うのよ。
私自身はエロパロ板では魔導スレとメガテンスレの遅筆な職人なんだけどもね。
人間気配り忘れちゃオシマイよ。
350 :
きじ:03/10/10 16:08 ID:Oc/hUe9r
うむむ……。
別に私は独占しようなんて気持ちはさらさら無いです。
ですが、行動がそう思わせていたのならば、ごめんなさいです。
私は、特に気にせずに投下していたものですから、「出来ない雰囲気」
っていうのがよく分からなかった。
一人で投下しすぎちゃったのかなぁ……。自重します。
要するに
>>346は自分に自信がないから、他の職人がマンセーされている状況が気
に喰わないってだけの話だろ?
真に自信があれば、きじさんマンセーの空気の中でも、それを塗り替えるぐらいの
もの凄いSSを投下すると思うが。
職人なら職人らしく、SSで勝負しろよ。
こっちが唸らされるものが来たら、喜んでどんなに気にくわないヤシにも心の底
からマンセーするから。
待ってるよ、
>>346
>きじさん
あなたは気にすることないんだが、もしこの状況を収めようとして下さるのな
ら、全部書き上げた上でまとめて投下された方がいいのかもしれない。
時間がかかっても構いませんので、ゆっくりと書き貯めてください。
ゆっくりとお待ちしますので。
>>351の言う通りだよ。
きじさん、あなたが気にする事は全く無いよ。
今回の件はあなたに非がある訳ではないのだから。
これからもどしどし投下してくれい!
354 :
きじ:03/10/10 16:23 ID:Oc/hUe9r
>>352 ありがとう。今度からそうします。
遅くなってしまうけど、待っていただけるのなら嬉しいかぎりです。
正直自分はきじ氏マンセーなんだが…
住民が批判的意見に対していっせいにある種攻撃的な反応をしているのは萎える。
マターリ進めたいのであれば途中からはスルーしてほしかった。
>>355 禿同。
批判レスすらスルーできずに、
住民が変にくそ真面目になんとか正論で潰していこうとするという
スレが荒れる典型的パターンにハマってますね。
>>346 お前のSSなんかいらないからどっか行ってくれよwwwwwwwwwwwww
小説あげて、読んで
皆で楽しめば良いのさ、それがすべてさ。
小さいことは言いっこなしさ
もっと各自己に自信もって、楽しんでいこうニダ。
小説を上げるも勝手、読むも勝手
無責任な桃源郷、それがここなのさ。
職人期待アゲ
>>346 おーい、自慢のSSはいつ頃投下してくれんの?
346での書き込みの口ぶりではもう出来てそうじゃないか。
職人さん君臨待ちアゲ
とりあえずage
結局職人を騙ったアンチである346に踊らされてしまったわけだが。
住人側で職人さんを護っていこうぜ。コンスタントに投下してくれる貴重な神を、住人側で放逐してどうする?
KINO神の時の二の舞はもうごめんだ
KINOさん、帰ってこないのかな。
またね〜って書いてあったから帰ってきてると信じてるんだけど。
あの人の話、好きなんだよ・・・・・・
スレ一覧から中国物の物語の代表の一つで探せばKINO見つかるよ。
そっち逝け
自分はきじ神を待つよ・・・・封神のキャラをそのまま
使って書いてくれる方が萌。
まあ、マターリと待ちましょうかねぇ
KINOさんは他スレでいくつか書いてらっしゃるよ。(>367もそのひとつ)
封神はサイトの方で更新されている。
新作もいくつかうpされてるよ。
365が言いたいのはなんでKINOさんがここには投下してくれないのに
他で書いたりしてるかってことじゃないのか?
厨王または侮王夫妻のはないものか
保守
374 :
名無しさん@ピンキー:03/11/07 20:45 ID:weNRYwaa
保守しますよ。漏れは太乙×公主なんかよいかと。
あれから一ヶ月。
そろそろきじさん投下してくれるんじゃないかあげ
保守
今日も保守
武王邑姜はスレ創立時から言われてるな
>374
うん!いいかも(それだけか)
王貴人・・・
男女カプで今も更新される封神エロSSが読めるのは
KINO神のサイトだけになったわけだが
きじさん、完結していなくていいので是非読ませて下さい。
お願いします。
>38
楊ぜんと女スースでのSSがあったような・・・。
更新されていてエロありのやつ見たことある。
あああああ、神様仏様普賢様。
武王とユウキョウタソのエロが降ってきますように…
kinoサイトなら期間限定で3Pもの乗せてるな。
>384
普賢様にワロタ
武王遊興ってオンでは一個しかないよな?
持ち帰り自由になってるし、拾ってきてうPするか?
あの邑姜タソは積極的過ぎるとオモタのは漏れだけですか
太公望遊興ならいくつかありますがな。ハアハアデキネエ
武王邑姜オンで一つか…マイナーナノハワカッテタケドサ
検索下手なせいで一個しか見つからないんだと思ってたよ _| ̄|○
どこの馬鹿だ。他のスレまで行って呼び込みしてるのは。
>>390(゚д゚)ポカーン
それぞれがオンで一つと言ってるものが別物で、実際にはいくつかあるってことはないか?
ないよな_| ̄|○
>383
間違えちゃったよ、ごめんなさい。
>38じゃなくて>382でした。気づくの遅いよ・・。
むしろ義父によるユウキョウタソリョジョーク木棒
保守…
〉393
養父だろ
ここ来て神のss見て、本当に感動した。
封神演義の事全然忘れて、ここ見つけて『暇つぶし見るか〜』と覗いてみた。
正直本編かなり忘れてて誰がどいつやらさっぱりわからんかったけど・・・
ここまで完成されたssは始めてだ。
『萌え』も、もちろんあるがここの作品はみなそれぞれの作品としてできあがっている。
まるで封神演義をベースにして作られた新しい作品だ。
それ故に私もここのssにはまった。ここのキャラに惚れた。はまった。おもしろい。とにかく本当によかった。
今日が休みでよかったよ。本屋に行って5巻まで買って来れたからな。
何が言いたいかよくわからん漏れだが許してくれ。
>396
でも、神はみないなくなったよ。
KINOさんもきじさんも。
それにしてもKINOさんのストーカーってしつこいな。
他板の海賊スレにも来てたぞ。
きじさんを追い出したのもあいつだろ?
職人なんだったら、他の職人嫉妬する前に自分でいいもの書いてくれよ。
あいつが常駐しているせいで、新しい神も登場しないんではと悲しくなる。
399 :
396:03/11/29 23:46 ID:txigbY2G
>>397 そうでつね・・・。
神はここ見てくれてるのか??戻って来て欲しいよ。
>>398 漏れに文才があれば・・・。ssとか書いた事すらないし、書こうとも思わなかったし。
でも・・・やはり漏れをここまで感動させてくれた神のssが読みたい。
会ってお礼がしたいくらいだ。(キモ杉?)
見てますが、書いていいものかどうか思案中です。
男女物も書いてはいるんですが……
401 :
396:03/11/30 23:25 ID:ecslY1OS
神!!カムバック!!
今までの事きにすんなとはずーずーしくて言えないがあなたを待っているヤシは沢山いまつよ。
漏れは貴方を待っている。いつになってもいい。また感動させてくれ。
貴方の一読者としてお願いだ。
荒れる元なのかもしれないけれども、コテ使います。
実際にここを見てる書き手は沢山いるとは思うけれども(自分も含めてね)
どうしたらいいか分からないってのが本音です。
実際にサイトも持ってるから、サイト引っ込め!っていわればそれまでだし。
396さんが指してるのが誰なのかは分からないけれども、スレ的にSSが入るだけで
ここ数ヶ月荒れてるのが書き手としては恐いというのが本音なんですよ。
スレの総意はどうなんでしょうか?
>>401が総意かと。
そりゃもちろん住人としてはKINOさんを含め全ての神の御降臨をお待ちしています。
でも虫が現れないとは言い切れないからな…。
サイトもっているのにの件なら、毎日KINOさんのサイトに通っている漏れでも、ここに投下してくれるのはとてもありがたい。
なぜなら携帯で見られるから。これは大きい(・∀・)
自分は、女体化太公望はご自分のサイトで、普通の男女ものだけをこちらに
というのが一番ありがたい。
女体化太公望は、もはやオリジナルの域に達している故反発もあるだろうし、
またここで四の五の言われるのは、KINO神も本意ではないだろうし。
もちろん、そんなのは面倒でイヤだと申されるのなら、それもまた神のご意志。
了承しました。
可能な範囲で参加させていただきます。
。・゚・(ノД`*)・゚・。生キテテヨカータ
KINOさん帰ってキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
きじさんも帰ってくるといいのだが・・・
。・゚・(ノД`*)・゚・。生キテテヨカータ2
色んな意味でネ申でつ。
きじさんもいつか投下してくださるはずだ。
あそこでストップは耐えられんよ…
409 :
396:03/12/03 22:46 ID:Sbtl5Axe
良かった。ただそれだけ・・・・。
・゚・(ノД`*)・゚・
そうか?サイト引っ込んでろよ。
ウザイ。
↑放置。
ノーマルなら、ロリ物でもいいのかと自問自答中。
>410
分かったからちょっと待て。
IDがなんか素敵・゜゚・*:.。..。.:*・゜シャラ(*゚∀゚*)ンラー!゚・*:.。. .。.:*・゜゚・
新種の携帯みたいだ。
吉備タソ(;´Д`)
◆更紗◆
「ねぇねぇ、お兄ちゃん誰っ?」
結い上げた髪のかわいらしい、幼げな少女が裾を掴む。
紫の色の瞳は上等な硝子。
丸く大きなそれは彼を捕らえてにっこりと笑う。
「おや、随分と可愛らしいお嬢さんだね。私は伯邑考と言う。お嬢さんは?」
優しく頭を撫でる手。
端正な顔立ちの青年は伯邑考と名乗った。
幽閉されている西伯侯の長男として、朝歌入りしたその人である。
「喜媚だよっ。お兄ちゃんはここに何しに来たの?」
「父上を返してもらうために。喜媚さんはどうしてここに?」
喜媚の目線にあわせて伯邑考はしゃがみ込む。
「喜媚ね、妲己姉さまとここで暮らしてるの」
その言葉に伯邑考はわずかに顔を顰めた。
皇后妲己は仙女と噂に聞く。
そして、蘇家に女は妲己ただ一人だけ。
その妲己の妹だとこの少女は告げたのだ。
「お兄ちゃんも姉さまに会いに来たの?」
「そうだね。喜媚さんの姉上様なら私の願いをかなえてくれるかもしれないね」
「姉さまね、三日くらい帰ってこないよっ。用事があるって出かけりっ」
羽衣をばさばさと振り、喜媚は伯邑考の周りをぴょんと飛び跳ねる。
(この子も仙人なのか?いや、しかしこのように幼い子が……)
ふわりと風に乗り、紅く染まった葉が一枚喜媚の頭の上にちょんと鎮座する。
それを取って彼は彼女の手にそっと握らせた。
「紂王のパパも出かけりっ。喜媚はお留守番で退屈せりっ」
「紂王陛下も御留守か……困ったものだな」
「お兄ちゃん、喜媚と遊ぼっ。二人なら楽しいよっ!」
ぺたぺたと小さな靴が鳴らす音。
伯邑考は仕方がないと小さく笑った。
結局、紂王の不在を理由にその日の面会は叶わず、当てられた部屋で伯邑考はため息をついた。
父である姫昌が幽閉されてから数年。
西岐で諸侯代理として政務を行ってはきたが所詮代理は代理と彼は結論付けていた。
父は朝歌へは決して来るなと残して西岐を出た。
(父上……命に従わぬ私をお許しください……)
祈るような気持ちで窓の外を見上げる。
赤く熟れた月。
腐った柘榴の様なそれはどろりとした光を注いでいる。
「お兄ちゃんっ!!起きてりっ?」
喜媚の声に我に返る。
「喜媚さん?こんな夜中にどうしました?」
「遊びに来たよっ!お兄ちゃん、喜媚と遊びっ!」
伯邑考に飛びついて喜媚はけらけらと笑う。
みたところ十代の初めの外見。
大きなリボンとひらひらとした西洋風の衣服がより一層幼さを強調していた。
「何してり?お兄ちゃん」
片手に四不象のぬいぐるみを抱いて、喜媚は伯邑考の顔を覗き込んだ。
ふわふわと揺れる毛先。
子供特有の柔らかさ。
「喜媚さんもこんな夜中にどうしました?もう、子供はお休みの時間ですよ?」
穏やかな声。
大きな手が喜媚の頭を撫でていく。
その感触にうっとりと目を閉じながら喜媚は呟く。
「喜媚、子供じゃないよ。貴人ちゃんよりも年上だよっ」
頬を膨らませて喜媚は彼を見上げる。
妲己のもう一人の義姉妹の『王貴人』は原型の石琵琶に戻り、あるところでそのときをひたすらに待つ。
妖怪仙人は永き年月と香気によって人型を取ることが出来るからだ。
「お友達ですか?喜媚さんの」
「妹だよ。喜媚の。貴人ちゃんはね、今ね、遠くに居るの。早く貴人ちゃんが戻ってくるといいのにな……」
少しだけ寂しげに瞳が潤む。
妲己ほどの思い入れはないものの、喜媚にとっても彼女は大事な妹なのだ。
たとえ外見が相反する姉妹であっても。
「お兄ちゃんも喜媚のこと、子供扱いしないで。喜媚、お兄ちゃんよりもずっとずっと永く生きてるよ」
「???」
「喜媚、仙人なんだよ。お兄ちゃん」
それを子供の戯言と位置付けた事は彼にとっての不幸だったのかもしれない。
その言葉を信じていれば、もしかしたらその運命は少しだけ違っていたのかもしれないのだから。
「ね、遊ぼ!喜媚ね、貴人ちゃんが居なくなってから毎日詰まんなかったんだ。妲己姉さまはいっつも忙しいし、
紂王のパパはなんか難しい本とか読んでるし、お城のおじさんたちは喜媚のこと馬鹿にするし」
拗ねたような口調は、寂しさの裏返し。
「じゃあ、少しだけ遊ぼうか。何をしよう、喜媚さん」
「んーっとね、お兄ちゃんのお話聞かせてっ!喜媚ね、色んなこと知りたいんだ。喜媚ね、頭良くないから
おじさんたちに子供扱いされるきがする。だから、いーーーっぱい色んなことを憶えておじさんたちを
吃驚させりっ!」
きらきらと大きな瞳は彼の眼を移す。
「そうですね。なら少しだけ……」
彼の言葉に耳を傾けながら、喜媚はうっとりと目を閉じる。
何千年と生きてきても、知らないこともあるのだ。
人の織り成す小さな愛憎劇。その合間にある細やかな甘さと残酷さ。
永き時を生きる彼女にとってはほんの瞬きするほどの時間を人間は生きる。
妲己のように深く人間に関与することのない喜媚にとっては伯邑考の話は物珍しく、興味深いものばかりだった。
その言葉の紡ぐ物語は何時しか彼女を眠りへと誘う。
終わる頃には小さな寝息が聞こえ始めていた。
(寝てしまった……やはり子供は子供だ……)
そっと髪を撫でて、寝台に横たえる。
まだ遠い夜明けを待ちながら伯邑考も目を閉じた。
「お兄ちゃん!おはよっ!!」
ゆさゆさと自分を揺さぶる手とその声にそっと目を開ける。
「喜媚さん……おはよう御座います」
「あのね!喜媚のことは喜媚でいいよ。お兄ちゃん」
「皇后の妹君を呼び捨てなど出来ませんよ」
不思議そうに喜媚は伯邑考の顔を覗く。
城の兵たちも自分のことを高位と見てくれることなどなかった。
同胞の仙人たちも妲己には礼をとるが彼女に対してはそれはない。
「ま、いっか。喜媚ね、お友達見つけたよっ。一緒に来っ!」
急いで着替えて、喜媚に手を引かれるままに庭先に出る。
「ほらっ!」
喜媚の指すほうには一羽の雉。
羽根は閉じたまま、水辺で足を休めている。
「喜媚もね、昔は真白な雉だったんだよ。それでね、色んなところを飛んでたの」
喜媚はそんなことをけらけらと笑いながら伯邑考に話すのだ。
空から見た人の世は色鮮やかで美しかったと。
「飛ぶことは自由じゃないよ。何時死んじゃうかわかんないから。でも、空はとっても綺麗だったよ」
遠くを見るように、紫の瞳はほんの少しだけ郷愁を帯びていた。
それは普段の彼女からは創造できないようなずっと大人びた顔。
自分よりも年上の淑女のような表情だった。
「あっ!!」
それはほんの一瞬の出来事だった。
門兵の槍で雉の首は飛ばされ、その周辺は赤黒く染まる。
「駄目だよっ!!」
駆け出して喜媚は兵士から鳥の身体を奪おうとする。
例え鳥であろうとも、国王の庭に入るものは処刑しなければならない。
それは定まられた法規であり、彼等はそれに忠実に行動しただけだった。
「やめて!喜媚のお友達っ!!」
「その鳥を返してあげて下さい。彼女は皇后の妹君ですよ」
伯邑考の言葉に兵はしぶしぶとそれを喜媚に渡す。
優美な羽根は赤く爛れ、首は薄皮一枚で繋がっている状態だった。
「この子、悪いことしてないよ。喜媚は、妲己姉さまみたいに頭が良くないからよくわかんないけど、
そうでしょう?人間はみんな勝手なんだ。喜媚たちの事なんか分かってくれない」
喜媚は腕の中の鳥を優しく抱きしめる。
妖怪も、動物も、人間から迫害されるとのは同じ事。
ましてかつての同胞のようなその鳥に加えられた行為は彼女の胸を鋭利に刺す。
妖精となり、仙人となっても大地の加護と香気は同じように生きるもの全てに平等に降り注ぐ。
まるで誰かの意思のように。
「そうですね……人間は勝手に殺し合い、大地を汚す。貴女の言うことが真理なのかもしれません」
泣きじゃくる喜媚の頭を撫でて伯邑考は天を仰ぐ。
(父上……このような子供ですら、世を憂いでます……私はどうしたらよいのですか?)
幽閉された父は人を見ることに長けていた。
「喜媚さん、この子を埋めてあげませんか?」
「埋めるの?」
「大地に還り、この子はやがて大きな樹を育てます。魂は天に昇り、身体は他の命を育てる……
この子は沢山の命に変わるんですよ」
溜まった涙を優しく指で払ってやると、赤い眼が見上げてくる。
「樹は、喜媚さんのことも見守ってくれます。寂しくはないでしょう?」
「うんっ!」
諭すような声。
それは今までの人間とは違った感触だった。
本来、妖怪は肉食であり人間はその食料として最適なものである。
喜媚とて例外ではなく、人を喰らって妖気を高め仙人となったのだから。
「おにいちゃん、喜媚にも優しいんだね」
「喜媚さんも、優しいですよ。友のために涙を流すのですから」
「お兄ちゃんみたいな人、初めて見たよ」
喜媚の手を取り、伯邑考は回廊を歩く。
木蓮の咲くその道は、噂に聞くものとは随分と違っていた。
非道なる皇后の住まうこの宮殿。
(一体何が真実だというのだ……?)
ただ、ただ、道は暗く伸びていた。
真夜中よりもほんの少し手前。
「お兄ちゃん、起きてり?」
四不象のぬいぐるみを手に喜媚がひょっこりと顔を出す。
寝台によじ登ると喜媚は伯邑考に抱きついた。
「お兄ちゃん。喜媚ね、色々考えたよ。妲己姉さまにね、、前に教えてもらったんだ」
「?」
ふいに喜媚の小さな唇が伯邑考のそれに触れる。
「き、喜媚さんっ!?」
「喜媚たちにはあんまり関係ないけども、人間はこういうことすると喜ぶって。紂王のパパもそうだったし。
だからね、喜媚ね、お兄ちゃんにもしてあげたいんだ」
子供の手が伯邑考の夜着を解く。
入り込んでくるその指先。動こうとしても体の自由が利かない。
(!?何故だ……!?)
ふわり、と羽衣からは甘い香り。
傾世元嬢の残り香が肺腑に染み込んでいく。
「お兄ちゃんは姉さまみたいなほうがいい?喜媚、何にでもなれるよ」
伯邑考の上に乗りながら喜媚は如意羽衣をぱさりと揺らした。
淡い霧が立ち込め、その中に見えたのは年の頃は二十歳ほどの女。
「喜媚がおっきくなるこんな顔になるんだよ」
「……喜媚さんは幾つになってもきっと喜媚さんですよ。もう、おやすみなさい」
「大丈夫だよ。喜媚、紂王のパパともしたことあるし、どうしたらいいか知ってるよ」
霧が晴れ、目の前には元の姿に戻った喜媚の顔。
にこにこと笑いながら指先が肌に触れる。
(陛下……なんというお戯れを……)
好色な紂王の噂は西岐にも伝わっていた。
蘇家の娘である妲己も紂王の命によって後宮入りしたのだから。
「喜媚ね、お兄ちゃんみたいな人間初めて見たよ。喜媚、お兄ちゃん大好き」
重なる唇に、入り込んでくる舌先。
頬に触れる手。小さな体が重なってくる。
膨らみ始めたばかりの胸。子供特有の曲線で構成された柔らかい四肢。
「お兄ちゃん、大好き」
耳を支配する言霊。
小さな指先が下穿きに掛かり、ゆっくりとそれに触れる。
ちゅぷ…唇が掠めて舌先がたどたどしく上下していく。
香炉の明かりだけの部屋にぴちゃぴちゃと殷音だけが響き、否が応でも耳の奥に沈む。
意思とは裏腹に、立ち上がったそれに喜媚は唇全体を使って舐め嬲る。
きゅっと目を瞑って舌を使う姿は、その手の趣味のものには珠玉の一品。
「……もう、いいかなっ……」
ほんのりと染まった頬と、火照った肌。
伯邑考の腹の上に乗ると喜媚は手を添えてゆっくりと腰を沈めていく。
「…あ……ぅ……」
手を取って自分の腰に回させて、喜媚は伯邑考を覗き込んだ。
「好きな人とするって姉さま言ってたよ。だから……喜媚はお兄ちゃんとしたいんだ」
小さな膝は微かに震えて。
その意思を汲むためか、羽衣の色香に浮かされたのか腰を抱く手に力が入る。
「あ!!ひ……あ!!」
ずい、と幼い子宮を押し上てくる感触に上ずる声。
しっとりとした皮膚が擦れ、切なげに首を振る姿。
根元まで体内に受け入れて喜媚はどうにかして笑おうと表情を作る。
「……喜媚、お兄ちゃん大好きだから、平気だよ……っ……」
それは運命の小さな悪戯だったのかもしれない。
ゆらゆらと揺らめく蝋燭の明かりのような不安定な思い。
『好き』それは神経を、脳を、脊髄を犯していく呪文。
ゆっくりと腰を上下させて、喜媚は伯邑考を飲み込んでいく。
「…んんっ!!!あ!ああっ!!」
甲高い声と、零れ落ちる汗。
言葉よりも饒舌な身体が二つ。
狭い内壁は意図せずとも男を締め上げてくる。
未完成の身体と、完成された精神。
「あ……喜媚……すご……っ……気持ち…い…!!……よぉ…!」
打ち付けられるたびに、震える腰。
貪るように接吻しあって、胸を重ねて。
そこに在ったはずの理性や倫理は捨て去った。
「あ!ひゃ……んっ!!」
ぬるぬると零れる体液が幼い腿を濡らしていく。
何度も何度も、押し上げられては引き寄せられその度に甘く鳴く声。
「ん!くぅ……!んっ!!」
ぐっと仰け反り、ぎゅっとしがみ付いてくる手。
「!!」
ばさりと伸びた真白の翼。
光の粉に包まれたそれから舞い落ちる白き羽。
喜媚の背から生えた一対の翼がぼんやりとした光を放つ。
(……まさか……本当なのか……?)
びくびくと痙攣する小さな身体を抱きながら、ぼんやりとした目で伯邑考は喜媚を見つめていた。
「あ!あああぁんっ!!!」
涙交じりの声が響いて、幼い胎は男の熱さをゆるゆると飲み込んでいた。
「妲己姉さまっ!!」
妲己が戻ってから数日、喜媚はいつものように四不象のぬいぐるみを手に回廊を歩いていた。
「あらん、喜媚」
「お兄ちゃん知らないっ?今日はね、あっちの池の方に行くんだっ」
「伯邑考ちゃん……どうかしらねぇ?ああ、喜媚はハンバーグは好きかしらん?」
唐突な問いに喜媚は少し考える。
「大好きっ!!」
「そう、良かった。今日のお昼はハンバーグよん。あっちで食べてらっしゃいねん」
来た道を戻る姿を妲己はじっと見つめる。
自分が居ない間にあったことは千里眼ですべて見ていた。
そして、喜媚の中に生まれた感情が自分たちには邪魔なものであるということも。
「いっただっきま〜っす!」
ぱくり、と一口食べて喜媚はそれが何かを瞬時に理解する。
「……お兄ちゃん……?」
大好きだった人の味はとても甘くて、涙が出た。
それは彼女が見せた最初で最後の涙だった。
「喜媚姉さま?どうかなさいました?」
欄干にちょこんと座って夕日を見つめる喜媚の隣に貴人が静かに立つ。
「ううん。ちょっと昔のことを思い出しただけだよっ」
ばさばさと如意羽衣をはためかせ、喜媚は回廊にたん、と降りる。
「珍しいですね。そういえば夕食はハンバーグだそうですよ。姉さま好きですものね」
「……喜媚、ハンバーグ好きじゃなくなったんだ。貴人ちゃん、お夕飯に行こっ!」
貴人の手を引きながら喜媚は回廊をぱたぱたを進んでいく。
(ハンバーグは好きじゃなくなったけど、お兄ちゃんのことは大好きだったよ)
大きな夕日は、昔大好きだった人と一緒に見たもの。
たった数日の思い。
それは甘い幻。
それでも、彼女の中に刻まれた小さな小さな恋。
重ねた思いは更紗の如く、ただ、在るがままに。
以上です。
あああ、リアルタイムで拝見しました!!
ありがとうございます。
428 :
名無しさん@ピンキー:03/12/09 11:17 ID:hYNOlyZD
KINOさん乙カレーです!
ラストは切なくなってちょっぴり泣いてしまいました。
えぇ〜話やぁ…。・゚・(ノД`)・゚・。ウエエェェン
KINOさん乙華麗!
投下しながら睡魔に襲われていたKINOです。
伯邑考が実際どんな感じなのかたった一話からは妄想にも限界がありました(*゚▽゚)
元々があんな話を書いてるので苦戦。属性が決定したような気がします。
こちらに投下してた話の続きはサイトで細々と更新してます。興味がありましたらよろしくお願いします。
いつのまにやらあれから二ヶ月すぎていた…
きじさん……
KINOもきじもいらん。帰れ
俺はKINOさんにもきじさんも来てもらいたいと思ってる。
今まで作品を楽しませてもらったし、また読めることを期待して待ってるよ。
>432
代わりに何か投下してくれるんですかい?ニヤリ
ここは漫画の封神演義?
知らない名前とかあるんだけど
んじゃ神農とか誰よ?
>>346さん、あなたの自信作はまだでしょうか。待ってるんですが。
神農はワンダースワンのゲーム2作目で
最初の人の一人として設定されている。
ゲーム内で『伏羲よ悲しむな…(以下略)』というような
メッセージを残し、地球と融合した。
あー……っと、まぁなんと言ったら良いのかは分かりませんが。
前のようにコンスタントには持ってこれないというのが実情です。
年明けくらいに燃燈x公主もってくれたらなぁとは思ってます。
楽しみに待ってます
442 :
名無しさん@ピンキー:03/12/26 11:34 ID:sbfHxHij
あ
コウシュホッシュ!
,,,,.,.,,,,
ミ・д・ミ
"''''''"
一応年末なので。
本年度はこのスレで育てていただきました。おかげさまでサイトなんかもやってます。
来年度はのんびりと時間のあるときに投下させていただきたいと思います。
KINO〆(゚▽゚*)
新年です。公主ものを投下させていただきます。
この話には続編がありますが、それはこちらに投下すると反発がありそうなのでサイトのほうにおいてあります。
あわせて読んでいただければ幸いです。
◆禁忌◆
誰にもいえない過去も、誰にも言わない過去もさりとて代わりの無いこととするならば。
言えない過去を「過ち」などと称することも無いのだろう。
ただ、一度きり。
そう、一度きりと。
「公主さまっ!!」
所用で公主は玉虚へと向かい、その帰り道のことだった。
「これしき……何故に今日に限って硝煙が……」
純粋な仙人同士を親に持つ仙界の奇跡は、その純血ゆえに外界の空気は身体を蝕むだけの毒と化す。
単独で動くことも儘ならない。ゆえに常に弟子の誰かが護衛についていた。
公主の弟子はみな女ばかり。
その美しさ故に鳳凰山は男子禁制とさせされている。
「誰か!!」
「よいのじゃ……一人でも行ける……」
ごほごほと咳き込む姿。苦しそうに荒げられた息。
「公主?こんな所でどうした?」
「道徳か……」
「道徳さま!公主さまが……」
掻い摘んだ説明を聞くと彼はひょいと公主を抱き上げる。
「運ぼう。体力だけなら自信はあるから」
「すまん……世話を掛ける……」
長い髪がさらさらと風にゆれ、ほんのりと白樺の香り。
浄室で焚き込める香は彼女の髪に、身体に染み付いていた。
仙界一の美女。
その名の通り美しく儚い少女。
その姿を見たものは崑崙でもごく僅か。
仙女は青白い顔で瞳を閉じていた。
「世話を掛けたな……まさか硝煙立ち込める場所があったとは」
公主は穏やかな笑みを浮かべて道徳に酒を進める。
「いや、やめとくよ。鳳凰山は本来は男子禁制だろう?酔ってなにかあったら大事になる」
冗談めいた声で彼は答えた。
「儂は何かあっても構わぬぞ。ここは……退屈すぎる」
香炉から立ち込める香りは本能を直に呼び覚ます。
ましてや相手は触れることすら叶わぬと言われる女。
「……大仙に手を掛けることは、俺には……」
男の手に、女のそれが重なる。
「一人で永き時間を過ごすのも、飽きたのだよ……それは、おぬしにもわかるであろう?」
「……教主に知れたら降格物の誘いだな」
「ここは崑崙で最も奥まったところ。誰に知れることもない」
そっと身を寄せる公主を力を込めないようにして、抱き寄せる。
ほんの些細な力でも、壊れてしまいそうな脆さをもつその純血。
彼女の出生は公認の秘密の一つだ。
薄く、柔らかい唇にそっと自分の唇を重ねる。
最初は僅かに触れるだけ。何度か繰り返して次第に深く重ねていく。
絡まった舌先と、舐めあうような音が室内に響き出す。
「……っは……」
ぴちゃ…離れる唇を糸が繋ぐ。
背中を抱かれて、何度も重ねて。その度に入る込んでくる男の息が身体を熱くする。
「…ふ…っ…ぅ……」
「初めてでは……無い様だが……」
「わしとて、女じゃ……他人が恋しいこともある……」
幾重の布を一枚ずつ剥いで行く。
甘い香りと女の柔肌が道徳の本能を呼び覚ますのにそう時間は掛からなかった。
鳳凰山は本来男子禁制の場所である。
崑崙の中でも独立した形態をとり、その主である竜吉公主を頂点に仙女、道女達が配置されていた。
竜吉公主は仙人と仙人の間に産まれた仙界の奇跡。
裏を返せば禁忌の子供でもあった。
強すぎる血の力は彼女を支配し、鳳凰山から降りることすら儘成らない程。
それでも、恨み言一つ言わずに彼女はただこの時の檻の中に座するのだ。
「公主さま、今日は雨もなく良い日ですね」
「ああ……空も雲も綺麗で何より……」
公主の弟子は全て女性。鳳凰山への番人ですら女剣士だ。
徹底した管理体制の下、竜吉公主はその中心に居る。
崑崙入りした少女の殆どは鳳凰山に住まうことが多い。
その結果他の洞府に女子が入ることが極端に少ないという。
色欲を断つことを求められる仙界においてはそれは良い均衡となっていた。
一部の若い道士たちから不満が出ている事を除いては。
尤も、不満を漏らし公主に手など掛けようとすればそれこそ大問題になることは明白だ。
何よりも、公主に触れることに出来る男など一体どれほどこの崑崙に居ようか。
「少しばかり外に出てみるとしよう、これほど快晴ならば」
ふわり。水をまとう仙女はその長い髪を揺らして宙を舞う。
ゆっくりと一つ一つ確かめるように。
従者の一人も付けずに、鳳凰山の宮の近くをのんびりと漂う。
「!!」
ぐい、と手首を掴まれる。
「はじめまして……竜吉公主……いや……」
少年は言葉を紡ぎなおす。
「異母姉さま……」
緋色の瞳と、同じように燃えるような色の鮮やかな髪。
年のころは十六、七ほどに見える。
公主とて同じような容貌だ。
「何故。儂を異母姉と?」
「私とは父が同じで御座います。異母姉さま……」
竜吉の手を取って、その甲に接吻する。
乾いた唇の感触がやけに印象的だった。
「私の名は燃燈。以後お見知りおきを……異母姉さま」
そう言うと燃燈は姿を消してしまった。
この鳳凰山は彼女の仙気で管理された言わば彼女の庭。
その中において燃燈は何の気もなしに姿を消したのだ。
「……面白い子供じゃ……」
その日以来、燃燈は誰にも気付かれることなく鳳凰山へとやってくるようになった。
竜吉公主は基本的に鳳凰山の外に出ることはまず滅多にない。
燃燈はそれを知ってか来るたびに花やら宝玉やら何だかんだと持ってくるのだ。
「異母姉さまはここにずっと居て、息が詰まることはないのですか?」
長い髪に指を通しながら、燃燈は呟く。
今日の土産は無口な彼女のために小さな小さな白兎。
「いや、もう慣れたよ……恐らくは父も母も同じように思っているのだろうし……」
物心付いた時から彼女はこの鳳凰山に『主』として祀り上げられてきた。
それは純血ゆえの強すぎる力と肉体の脆さを考えれば至極当選な答えだったのかもしれない。
それでも、母が恋しい時分にも逢うことさえも儘ならない。
隠れて泣いては、父母を思った。
涙を見せれば、従者たちは咎められ厳罰に処される。
自分が甘い立場ではないことは身を持って知っていた。
鳳凰山に身を置く事が事実上の『幽閉』であっても彼女は何も言わずにそれを受け入れたのだ。
「父は……どのような男なのじゃ?」
「……何も知らされてないのですか?」
「?」
両親に関することは一切告げられてはいない。
ただ、空想の中でだけ、優しげな父母を思うだけだった。
「異母姉さまの母上は……強く美しい方です。今も、このときも、異母姉さまを思ってます」
「そうか……一度で良いから、会いたいものじゃ……」
ため息混じりに生み出される言葉たち。
それは叶わぬものと知っていても、こぼさずにはいられなかった。
「父は……?」
「……知らないほうがいいですよ、異母姉さま」
腹違いの弟は口を噤む。
「そうか。それでも、お主がそのように優しいのはきっと父と母の血なのであろうな」
竜吉は心で相手を見る仙女。
何気ない動作で相手の全てを見抜くのだ。
「命はみな、柔らかく、愛しいのぅ……」
膝に乗せた白兎の頭を撫でる指先。
「燃燈。この子を母の元へ返してやってくれ。今頃きっと子が居らぬと必死であろう」
「異母姉さま……」
「儂のような思いはせずとも良いのだよ」
純血の仙女はただ微笑むばかり。
淡く儚げな影がゆらゆらと揺れていた。
「義母さま」
ふわふわと揺れる髪。同じ緋色の巻き毛。
「何度いえばわかる。儂はお前の母ではない」
「いえ、私のこの姿……貴女がもととしか思えません」
「儂が産んだのは後にも先にも娘一人。息子は産んだ覚えはない」
羽衣を纏い、道行天尊は腕組みをしながら燃燈を見据えた。
「第一、お前にはもう教えることなぞないぞ。術も習得したならば儂のところに通う義理もあるまい」
「いえ。義母さまは異母姉さまの血が入ってますから」
「お前、娘に会ったのか!?」
「ええ。鳳凰山に参りました。美しく儚く……強いところは貴女の映しかと思いましたよ……」
十二仙の一人として時折大義名分を掲げて道行も鳳凰山に足を向ける。
だが、一度として母と名乗りを上げたことはなかった。
「何を……話した……」
「いえ、取り留めのない話を。誰が親だとは一言も漏らしておりません」
ぎりぎりとした苦い思い。
それを噛み殺して道行は踵を返す。
「儂はお前に用はない」
「私が貴女にあるのですよ。義母さま」
ぐい、と手を掴み燃燈は道行を引き寄せる。
そのまま細い腰に手を回し、ぐっと抱き寄せた。
「私は、未だに誰も知りません」
「何が言いたいのだ」
「私の最初の相手に。貴女はあの人と同じ血が流れているから」
その言葉に血の気が引いていくのがわかった。
この男がこれから何をしようとしているのかを理解しながら。
自分ひとりが絶えればすむことならば甘んじて受ける。
だが、この男が真に求めるのは自分ではなく守り通されている娘のほうなのだ。
「よろしいですね?義母さま……」
穏やかな笑みとは裏腹な接吻。
目を見開いたまま道行は自分の唇が塞がるをただ受け入れるしかなかった。
ぎこちなく触れてくる指先は、まだ子供の様で道行は苦笑いを浮かべた。
僅かに震えながら、たどたどしく唇が重なる。
「先ほどの威勢の良さはどうした?燃燈」
「いえ、女体がこれほどに柔らかいものとは思いませんでしたので……」
ほんの少し力を入れるだけで、乳房は掌の中で形を変えていく。
すい、と伸びた指が燃燈の頬に触れる。
「儂と娘では似ても似つかぬ。あれはお前が嫌う父親の血を色濃く継いでおるからのう」
「……嫌な名前ですよ。貴女の仙名にまで支配を伸ばした」
「何故にそこまであれを憎む?」
少し焼けた肌が、ほんのりとした乳白色の肌に重なっていく。
「貴女が母ではなかったから」
燃燈は小さく笑う。
「この目も、髪も、貴女と同じ……私を産んだのは模造品の貴女……」
その手を取って、指の一本一本に唇を落とす。
不慣れな指先は道行の肌を滑り、ゆっくりと感触を確かめていく。
「義母さまは……異母姉さまによく似てますよ……」
震える指がたどたどしく身体をすべり行く。
「ならば、儂で留めておけ……あぬしとあれは……血が近すぎる……」
長い黒髪に櫛を入れる。
さらさらと流れるそれは指の隙間をこぼれ堕ちて行く。
(母は……私のことを思ってくれているのか……)
彼女の手にしている櫛が唯一母の残したもの。
緋色に朱の華が描かれ、どことなく持ち主の面影を浮かばせる。
(母様……この名はお二人が与えてくれものとお聞きします。一度で良いから、そのお姿を……)
逢えなければ、あえないだけ思いは募る。
異母弟は自分は母に似ていると言った。
仙界で生まれた限り、母となるものは極少数に限られてくる。
それだけ、崑崙には仙女たる者が少ないのだ。
(しかし、この黒髪……母のものとは思えぬ……)
夜着に身を包み、焚き詰めた香の中で目を閉じる夜にも慣れた。
例え飾りでも、鳳凰山には自分が必要なのは変えられないことなのだから。
「異母姉さま」
「……燃燈」
「今宵も、お変わり無きようで……安心しましたよ」
夜露に濡れた小さな花。指先で撫でるとはらりとその露が零れ落ちる。
「華の命は短いようですが、その命の美しさに惹かれぬものは居りません」
「永遠なるものなど無い……のう、燃燈……」
公主の手を取り、燃燈はそっと唇を押し当てた。
「燃燈?」
抱き寄せられて、折り重なるように唇が触れる。
初めて触れる他人の唇は、乾いた感触がした。
「異母姉さま……お願いで御座います。私のものになってくださいませんか?あなたをこの監獄から連れ出したいのです」
小さく呟く燃燈の声。
「儂は……鳳凰山(ここ)から出ることは罷りならぬ身じゃ……」
「あの男は……義母さまだけで飽き足らず異母姉さままでも閉じ込める!」
「母も、そうなのか?」
何も知らぬ純血の仙女は哀しげに笑う。
彼女の母の魂は、崑崙の最も奥まったところに幽閉されているのだ。
それを知る物は極小数。
実の娘にさえも名乗りを上げられぬ彼女の顔が燃燈の瞼を過ぎった。
(ああ……義母さまも異母姉さまも同じように笑うのですね……)
すい、と公主の指が伸び、燃燈の道衣に触れる。
「母がそうならば……儂一人、ここを出るわけにも行くまい。きっと母も……」
「異母姉さま……」
「燃燈。儂はこの運命を憎んだことは一度も無いよ。この身体に流れるのは確かに父と母の血……儂がここに在るのも、
おぬしとこうして逢えたのも、おぬしがここに在るのも、全てが繋がっているのだから……」
手折ることを禁じられた華の芯は強く、美しい。
男子禁制というだけではなく、彼女の今まで誰も触れることが出来なかったのはその気品故にだった。
同じ血を持つ故に強く惹かれあう。
「異母姉さま……」
「……燃燈、止めるのじゃ……このようなこと……」
しゅるりと帯を解いて、月光の元にその肌を曝け出させる。
乳白色の柔らかき女体。
そっと唇を押し当てて、その甘さを確かめた。
「……一度だけ、私のものになってください。今宵一晩だけでも……」
縋るような声を聞いたのは彼女只一人。
後にも先にもこの夜だけの出来事だった。
「……っは……」
組み敷かれて夜着を剥ぎ取られる。
焚き詰めた香の香りは、男の気配をも消し去った。
熟れた果実のような乳房。
震える指先を握ってそれを打ち消す。
小さな顎を押さえつけて、ゆっくりと舌を絡ませた。
「……嫌……離せ……燃燈……ッ…」
角度をずらす時にのみ許された呼吸。
細い首筋に顔を埋めて、折れそうな肩を抱きしめる。
「……嫌です……今宵一晩、離しませぬ……」
母を違えても、弟であることに変わりは無い。
生理的嫌悪ではなく、単純な恐怖感が彼女を支配していた。
ちゅっ…と唇が音を立てて首筋からゆっくりと下がっていく。
丸い乳房に触れて、小さな噛跡を残す。
両手でやんわりと揉み抱きながらその先端を舐め上げて、口に含む。
「……っは……ん……」
指先できゅっと捻り上げてれば、ぴくん。と肩が揺れて。
ちゅぷ…吸い上げて、女の身体を確かめる。
身体に染み付いた焚香は、燃燈の男としての本能を酷く刺していく。
舌先はそろそろと下がってなだらかな腹部へ。
臍を中心に舐め上げて、小さな腰骨をかりり…と噛んだ。
「あ……ぅ…!……」
背中を抱いていた手をそっと滑らせて小さな臀部を揉む。
苦しげな息と、生まれ始める吐息。
「……異母姉さま……」
「……!!……」
指先で確かめながら、舌先が突起を舐め上げていく。
赤く熟れたちいさなそれはまるで待っていたかのようで。
「……ひ…ぁ……ッ!!……」
ぎゅっと敷布を掴む指先に力が入る。
ちろちろと舌先は突付くように舐め上げて、唇が時折触れては離れた。
(……なぜ……こんなことを……)
決して他人に見せることの無い箇所を攻め上げられて、熱くなる身体を持て余す。
ちゅる…吸い上げる音と舌使いがじんじんとした痺れを伴って彼女の意識を蕩かし始める。
唇を指先で拭って、重なる唇の熱さ。
燃燈の手が触れるたびに揺れる肢体。
小さな膝を割って、濡れた身体を開かせる。
「……異母姉さま、辛い時は……私に掴まって下さい……」
ぐ…と括れた細越を抱き寄せて彼は女の入口に自分を沈めていく。
ぬめりと、絡みつく柔肉の甘さ。
腿を掴んで、ゆっくりと内側を抉って。
強張る異母姉の身体は、片手で押さえつけた。
狭い内壁は、燃燈をまるで拒んでいるかのようで。
中程まで腰を進めて、彼は腕の中で震える女を見つめた。
「……ッ……ぅ……」
誰かに自分の身体を晒すことも、抱かれることも無縁のことだと思っていた昨日は消えてしまって。
母が違えても、自分と同じ血脈を持つ男の腕の中に居る今日を想像することなど無かった。
自分が『女』だとうことも。仙女としては実力者でも。
押さえつけられて自由にされてしまう非力な生き物なのだと自覚させられた。
「……異母姉さま……お許しを……」
小さな唇を甘く噛んでそっと目を閉じる。
ず…と腰を抱かれて貫かれる痛みに公主はぎりり、と唇を噛んだ。
それが彼女に出来る唯一つの抵抗であり、異母弟への思い。
ぬちゅ、ぐちゅり…。
腰を打ちつけるたびに耳に入るのは互いの身体が生み出した体液の悲鳴。
「……ぅ……あ!!……っは…!」
敷布の上で乱れる黒髪と、こぼれる涙。
同じように感じる痛みはまるで彼女からの叱責のようで。
ただ、彼は目を閉じて女を抱くしかなかった。
根元まで沈めて、こぼれる汗と感じる体温。
簾に映るのは絡まった二つの影。
ゆらゆらと揺らめくのは影だけではなく、その不安定な思い。
ずきん。動かされるたびに感じる重く、鈍い痛み。
じりじりと繋がった箇所が悲鳴を上げるように燃燈に絡みつく。
小さな臀部を両手で抱いて、より奥を目指すのは男の本能。
それを受け入れて締め上げるのは女の本能。
白い腿を汚すは赤と白濁の混ざった体液。
「……異母姉さま……」
頬に手を当ててその瞳を彼はじっと見つめた。
敷布を握るか細い指先をとって一本ずつ接吻して、自分の背に回させる。
「あなたを抱く私を、お許し下さい……どうしても、あなたが……」
重なるのは数日前にみた異母姉と同じ血を持つ女。
(ああ……あの人はやはり違う……)
揺れる乳房をぎゅっと掴んでちゅぷ…と吸い上げる。
「んんッ!!」
びくつく小さな肩。細い爪にぐっと力が入る。
「……異母姉さま……異母姉さま……」
身体を貫かれ、泣いているのは自分のはず。
それなのに。
今、自分を腕に抱く異母弟の顔が泣きそうに見えるのは何故なのだろう。
震える腕も、乾いた唇も、こぼれる汗も、感じる体温も。
焚香よりも甘いと思える男の匂いも。
「……ひ……!!……ぅん…ッ……!!」
どれだけ声を上げても、誰も入ることの出来ないこの部屋は。
二人をただの男と女に変える。
ただ、二人がほんの少しだけ違えてしまったのは同じ血を持つということ。
互いに仙界の奇跡であるが故に、その血の流れゆえに。
求めることがあったということ
散らぬ華は在り得ずに。それでも華は咲き続け、咲き乱れる。
手折ったのは、若き仙人。
忘れることの無い傷を、その身体に刻んだ。
汗で張り付いた前髪をそっと払う指先。
消えた香炉に火を灯し、燃燈は彼女の小さな額に接吻した。
禁忌と言われれば言われるほどに求めて止まない恋。
同じ血といわれても、欲しくて欲しくてずっと手を伸ばしていた。
幽閉されていたのは彼女ではなく自分のこの思い。
解き放って、連れ出すように受け入れてもらいたかった。
甘い期待と残酷な現実。
指と指の隙間をこぼれる砂のような思い。
(……異母姉さま……私はこの命など要りません。貴女のために捨てたいのです)
いっそ、同じ父母から忌まれてしまえればどんなにか幸福だっただろう。
彼にとって彼を産み落とした母は、父が創り出した模造品にしか思えなかったのだ。
緋色の髪も、瞳も。
彼女の肉を一片も使わぬはずなのに、生き写しのよう。
異母姉の存在を知り、それが鳳凰山の主であることを知り彼は愕然とする。
竜吉公主を知らぬものなど、崑崙には存在しないからだ。
(異母姉さま……この先には大変なことが山のように御座います。義母さまも、おそらくは戦地に赴かれるでしょう……
あの方も、貴女のことを私同様に思っているのです……ただ、貴女に告げられないだけで……)
ぽろり。こぼれる涙を払う。
(この燃燈、命に代えても異母姉さまを御守り致します。そのための強さは手に入れました)
そっと上掛けを直して道衣を着込む。
明け方の気配は、彼が鳳凰山から立ち去るべきことを告げるから。
(愛しています……生涯、ただ貴女一人と……)
朝日を浴びる前に、彼は鳳凰山を静かに後にした。
以上です。本年度も何卒よろしゅうお願いいたします。
こちらこそよろしく!
モロの近親相姦ものなのに、ドロドロしたもののない切ないお話ありがとうございました。
何かこう胸がキューっとくる感じが素敵。
(;´Д`)イイ体してはる
>462
イイ体???
おッ封神スレなんてあったんだ、何かカンドー。
燃燈が熱血路線でシスコン暴走させてて'`ァ (;´Д`) '`ァ
465 :
名無しさん@ピンキー:04/01/12 23:53 ID:koC10lfp
hoshu
ダッキ×四聖の誰かキボーン
いやいや今こそダッキ×糸寸で
468 :
王天君:04/01/20 21:26 ID:bbBf1doL
おうてめーら。「保守」だとか「キボンヌ」だとか
ばっかりでよ。一向にスレが進んでねーじゃねーかよ。
KINO◆Nq.KINOKeY ばっかに負担かけさせやがって。
しかたねーからよ。この俺様がいっちょ昔話をしてやるよ。
な〜に、高々今から5000年ぐらい前の話だよ。
あんときゃ〜大変だったんだぜ?
太公望のヤロー、嬉媚みてーな小娘ごときに体消されて、
この俺様がわざわざ封神されるところを助けてやったんだからな。
「融合しよう、王天君…」
豪奢だが淋しい、質素だが麗しい、2つの世界を隔てる壁に開いた
姿見大の裂け目を挟み、二人の人物が見詰め合っていた。
1人は呂望姜子牙、二つ名を『太公望』。崑崙に所属する道士にして、
先頃建った『周』の軍師であった者。
1人は王天君。金鰲出身の仙人であり、幹部集団『十天君』の
最後の生き残り。
2000年前より決定付けられた、殷周易姓革命の遂行者たち。
二人だけの空間に、古時計のボーン、ボーン…という音だけが響く。
「言っておくが…融合後のオレ達がどんなモノなのかは
想像もつかねぇ。まぁあんたの清らかさとオレのステキさが
一つの肉体に同居することになるんだろうな」
ハァ……ここまで不幸かわしの人生。まぁよい!
体がないと何もできんわ!!
「行くぞ王天君!!!」
空間越しに二人が手を重ねると、辺り一面が白光に包まれていく。
まるで母の胎内であるかのような、やわらかく暖かい世界。
なんとも気持ちよいのぅ…融合がこのようなものなら別に
一端拒否する必要なかったやも知れんな。
「ヌクヌクしてる場合じゃねぇだろうが」
おぉ、王天君。どこに居るのだ?
「んなことはどうでもイイんだよ。それより太公望、おめぇ痛いのと
痛くないのどっちがいい?」
は?なんじゃその不公平な選択は。そんなこと訊かれたら当然
「痛くない……」
「へぇ〜。それでいいんだ?それじゃ…」
「わー!待てっ。やっぱ痛いほう!」
さっさと決めつけようとした王天君を遮って、
思わず選択を変えてしまう太公望。
「そんじゃはじめるか。ま、せいぜい痛くねぇようにしてやっから、
リラックスしてろ。」
ぐはぁ…選択失敗か…。しかし融合で痛い痛くないとは一体…?
「おいおい、処女娘じゃあるめぇし。そんぐらいわかんだろ?」
な…、儂はいやじゃぞ、男どうしなんぞ!
「その体で『男同士』なんて言われてもなぁ」
はぅわ!儂に乳がつい取る!あぁ、しかも大事な「ナニ」がない…
「そ、そんなに痛いものなのか?その、初めてのときというのは?」
「んー、そうだなぁ、個人差があっからわかんねぇけど、平気だって。
オレうめぇから」
仙道ともあろうものが色欲におぼれるとは…
性格的なものだが、何とはなしに嗜めようとしたが、不意に
王天君が覆いかぶさってきた。
「ま、一人エッチだと思えば抵抗ねぇだろ?なんせオレとお前だったら
究極の一人エッチってな」
「う…やっぱり痛いのはヤじゃ!」
途端に逃げようとする太公望。だがしかし、不安定な空間内で、
手をついた先からズブズブ沈んでいき、その場から動けない。
迫ってくる王天君を必死で押し戻そうとするが、それは無理で。
「うわっ…ちょっと待っ……・うぐっ!」
王天君は流石に自分の宝貝空間内であるだけあって、苦もなく
太公望を捕らえると、何の前置きもなくいきなり口唇を塞ぐ。
「言っとくが、オレの舌かんだらお前にもその痛みが伝わるかも、な?」
「んっ、んんんっ!」
儂の口唇を舐めた王天君は鬼畜そうに笑って釘を刺してきおった。
くそー、なんちゅう脅し方をしよるか王天君め。
悔しいが、思いっきり舌噛んで自分が痛かったらいやだしのう…
抵抗する力を緩めると、するっと王天君の舌が入り込んできて、
奥に逃げていたのに絡めとられた。
熱い下が熱心な動きで儂を吸い上げ、震える場所ばかりを狙って
くすぐってくる。逃げようとしても隙がない王天君にすぐに捕まり、
そして嫌ってくらい舐めあげられる。
「ん、んんっ、は…」
いやなのに、何度も同じことを繰り返されてるうちに
次第に息が上がってきた。なんか頭もぼーっとしてきたわい……
苦しくて王天君の背中にすがり付けば、さっきまで服を着てたのに
裸になってて……うわっ!儂も何にも着とらんではないか!
乾いた肌の感触にあせって身じろぐと、口唇からすぐの場所で
王天君が笑った。
「便利、だろ?」
「じゃからと言う、って…いきな…っ!」
文句を言おうとした途端、喉を舐められた。
そして肩へと滑った口唇は儂の脇へ辿り着くと、そこばかり狙って
舐めてくる。
「…っあ、やめ…うぅっ…」
王天君が舌を動かすたびに、太公望の体は跳ね上がる。
なんとまぁ、そんなところくすぐったいだけじゃとおもっとっとが、
気持ちいい……?
「ついでに、おまえの感じる場所もばっちりだぜ。
ホント便利だよな、オレ達って……」
王天君の手がじわじわと、太公望の小振りだがハッキリと存在感を
主張している胸を這う。全体を撫で回しながら尖り始めた
太公望の乳首を、イタズラしてきゅっと摘んできた。
うぅ…殷の嫁に迫られたときは鳥肌しか立たなかったのに、どうして
王天君相手じゃとこんなに敏感になっとるのだ?
気持ち的には抵抗したいのじゃが、体に力が入らぬ…
「それは仕方ねぇな。なんつっても、オレはおまえだかんな。
自分が触ってんのと一緒だしよ。ここでは感覚が全てだし?」
確かにどこを触られても、触れられた場所から蕩けていく気がして
抵抗できない。その間も王天君の口唇や手はからだを這い回り、
太公望が声を上げる場所ばかりを執拗に攻めた。
くぅ……なんでこやつは儂のはずなのに、こんなに上手いのだ?
「まぁ魂割られて2000年もたてば、お互い色々あらぁな」
む?意外とはっきりいわなんだな。
「お?もうビチョビチョじゃねーか。初めての癖に、やらしいな」
「や…かましっ…」
儂の疑問ににやりと笑った王天君は、すでに大洪水になっている
秘唇を指でやさしくかき回し始めた。
「はぅん!」
王天君が言うように、感覚というものを剥き出しにされているような、
直接、快感の中枢を触られているような、味わったことのないほどの刺激だった。
「おまえこうされんの好きなんだな。どうだ?他人に
掻きまわされてる感覚は?気持ちいいんだろ?」
「…っ…バカ…やめぃ…」
入り口をしつこく弄られてつま先に力が入る。
反応してしまう箇所を抑えられているため、気持ちとは裏腹に
腰が勝手に動いていた。
「やめろって言われてやめるわけねぇだろぉ?ほらほら、どうなんだよ。
ココも触って欲しいっていってるぜ」
「ぅあっ…王天っ…もっ…!」
言葉でも嬲られて、一気に体温が上昇する。そのまま王天君に
陰核を弄られて、太公望は呆気なく果てた。
「ふぅっ、も、もう触るでない!」
頂点に辿り着いたにもかかわらず、その快感がなかなか去っていかない。
これが女の体か…意識を保つので精一杯じゃ…
「っ、放さぬか。儂らはもう行かねば」
慌てて体を起こそうとしたけど肩を押された。その拍子に
開いた脚の間に王天君が体を割り込ませてくる。
「大丈夫だって。ここでの出来事なんざ現実の時間で言ったら
瞬き程度のもんだぜ」
「…ホントじゃろうな…?」
なかなか去らない快感に息を詰まらせながら訊くと、王天君は
手についた太公望の愛液を舐め取りながら肩をすくめた。
「あぁ、だから安心しな。ほらほら、まだ終わりじゃねーぜ?」
「う…うぁっ?」
王天君は脚を持ち上げると、準備が整っている剛直を入り口に擦り付ける。
マジっすか?そこまで…やってしまうのか?
「おいおい、いまさら怖じ気づいてんじゃねーぜ?オレと融合するんだろ?」
「うっ…」
それを言われると何も抵抗できぬではないか。
王天君の指が再び膣をかき回す感触に口唇を噛みしめた。
先ほどの快感がまだ続いているせいで、指の本数が増えても
難なく飲み込んでいく。
「…っ…ふ…」
やはり儂の悦い所がわかるのか、的確な場所ばかりを執拗に攻めてくる。
膣を擦られる度、声を抑えるのに必死だった。
「悦すぎておかしくなりそうだろう?オレにも…伝わってきてるぜ?」
興奮して掠れた声が耳に吹き込まれた。それにすら感じて緩く頭を
振ったが、王天君の口唇は耳の輪郭を確かめるように這い回って離さない。
しつこくされればされるだけ、ゾクリと腰が震えた。
「いい感じじゃねーか。そんなにオレの指が気に入ったか?」
「っく、誰が…」
出入りする場所から嫌になるくらい濡れた音が聞こえてきて、
絡み付いているのが自分でもわかった。そしてそう思ったときには
王天君の指は引き抜かれて、代わりに熱いものが触れてきた。
「望…」
「はっ…あ、あぁ…!」
切っ先を儂に擦り付けた王天君が、ゆっくりと挿入ってくる。
痛みはなかった。それより、ただ熱い……
王天君が進んでくるたびに、胸がせり上がる様な圧迫感を感じて、
上手く息ができない。それに息苦しさに混じって、蕩けそうな感覚が
腰から湧き上がってくる気がする。自分の体が変わっていくようで、
少しだけ怖かった。
「ほら、息吐けって」
「…っ……はぁ…」
軽く頬をたたかれてようやく息を吐き出した儂は、その途端、体を
揺すられて変な声を上げていた。
ナント…全然痛くないとはのぅ。それどころか、挿入している
王天君の感覚まで伝わってきているみたいな…。
「へぇ?オレのも…っ、わかるようになってきたんだ?」
「…んぁ、ふうん…」
体についていくのが精一杯で、返事をしている余裕はないが、
王天君との一体感が強まっているのを確かに感じていた。
それにしても、ここまでヤらねば融合とはできぬものなんじゃろうか?
じゃが、宝貝空間を解けばよいのではないか?
…ということはもしや。
「別に交わらんでもいいってことっ…うぁぁん!」
「バッカ…急に絞んな…って」
怒鳴ったせいで体に余計な力が入り、思い切り王天君を締め付けてしまった。
そのおかげで儂もかなりダメージを受け、震えが止まらん…うぅっ。
「…くのっ、は、ハメよってからに…」
「おぅ、いいハメ具合だぜぇ?いいじゃねぇか、お互い……
分かり合うには、やっぱコレが一番出し、な?」
「う…あぁん…っ…」
言葉を奪うようにがくがく体を揺さぶられて、目の前が真っ白になる。
あまりの快感に喘ぐように顎を反らすと、王天君の舌が舐め上げてくる。
「これでよりいっそう融合度が高まるかも…な?」
「んっ…んあっ…!」
文句を言おうと口を開いたのに、出てきたのは喘ぎ声だった。
くのぉ、高まるかも…てなんじゃいっ?
儂は普通に体を欲しただけじゃというに…!
王天君に対する文句は色々あるが、そんなことも考えられなく
なるほどの刺激が襲ってくる。王天君の感じてる快感が流れ込んできて、
どっちの感じているものかすらわからない。
あるのはただ、気持ちいいという感覚だけ。
極みに向かって上り詰める思いが一つになって……
「これで、次に目ぇ開けた時には現実だ。けど、大丈夫。オレ達なら…」
体の外と中で弾けた気がした。それと同時に白い光が儂等を包み込んで…
人とは違う姿をしたものたちが、こちらに向かって笑顔を向けてきた。
「王天君…?」
「いえ違います異母姉様!あれは……」
空間宝貝『山河社禝図』の闇空間に注がれる光の中、
雄々しく立つ人物を見て、楊戰は尋ねる。
「太公望師叔?」
「――――誰の事だそれは?」
「我が名は伏羲!!始まりの人が一人である!!!」
〜追想終了
とまぁ、これがあん時の真相ってわけだ。
あぁ、この話したこと、呂望にはないしょにしておけよ。
あいつこの話になんか負い目感じてるらしくてよ。
じゃ、またな。おめーらもなんかSSでも書いて
俺を楽しませてくれよ。
最初801アラシかと思ったら・・・
GJ王天君
うわぁ、新しいのが投下されてる。
これはなんというか、801かそうでないか
ぎりぎりの所のような気がする。
ネタが投下されてもこの閑散っぷり……
もう時代じゃないと言うことだろうか?
でも王天君GJ。次は十天君との絡みを頼むよ。
少し前の本スレの流れで(*´Д`)ハァハァ再燃
ユウキョウたん……武王にどんなプレイ仕込まれてんの……?
他人の夢をのぞき見してウン千年の老子仕込みのテクで
遊侠が武王をヒィヒィ言わせてます
誘狂色気なさ杉
色気なさすぎなくせに非処女なところが
かえって(*´Д`)ハァハァじゃないか!
その通りだw
TU-KA武王さん、若い時は多額の借金抱え込むまで豪遊して
落ち着いてからはかなり年下に調教かヒィヒィかよ(*´Д`)ウマー
老子に冷たい目で教えられながらオナニーする遊興たん(*´Д`)
最終回直前の頃の成長邑キョウタソからは
何となく非処女(人妻?)オーラを感じる。
・・・つうか部王のやつれ方がぁゃしい
子作り頑張りすぎだよ藻前(w
ユウキョウタソのエロを全く想像できない漏れは
おまいらや本スレの椰子の妄想がききたくてたまらない
>>490(*´Д`)
王天君×竜吉とかキボンヌ・・
悪いが本スレ608=
>>492。
あれは前スレで別の椰子が言ってた言葉…
>494ナイス
496 :
名無しさん@ピンキー:04/02/03 01:22 ID:BQ88NOJ2
497 :
名無しさん@ピンキー:04/02/03 02:09 ID:GS8k3hzA
だっき無いの?
498 :
失礼:04/02/03 02:15 ID:GS8k3hzA
>498
わしですか?何かしましたか?
で、エロパロ職人マァダァー???(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
某月某日
竜吉公主を囲んで飲む会開催
参加メンバー 竜吉公主 天化 天祥 蝉玉 土公孫 セキ雲 碧雲 太公望
当初の予想に反し、公主がまっ先にグデングデン
竜吉公主 「なんだよー!こちとら大人だぞー!!」
蝉玉 「はい公主!大人の付き合いっていうとやっぱりエロエロですか!?」
竜吉公主 「エロエロよー!!」
蝉玉 「おお!例えば!?」
竜吉公主 「例えば…」
太公望 (やばい…)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
天祥 「えっと…どういう意味…?」
碧雲 「しっ!黙って聞いてなさい!大人になれば分かるから!」
翌日…
竜吉公主 「うう…頭が痛い……なんじゃ?」
一同 「あ!竜吉公主先生!おはようございます!!」
竜吉公主 「!!??」
太公望 「ふう…(遠い目)」
乱交かー?!
あずまんがネタじゃねえのか
504 :
名無しさん@ピンキー:04/02/24 15:58 ID:0jKQ/kmQ
保守してみる。
変り種ばかり書いてるためかノーマルもののネタ切れ。
コミックス読み直して武王x邑姜は書こう書こうと思っても自分が書いてるもので
その時間軸にあわせないと書けない事に気付く。
そのうち軽めの紂x喜媚か、発x喜媚とか考えてますが…
最高
,,,,.,.,,,,
ミ・д・ミ
"''''''"
509 :
名無しさん@ピンキー:04/03/09 22:29 ID:yH8kKLP3
保守
ほんとにご免、発って誰か教えて
福山雅治
遊興の主人
周の王
姫昌の次男
俺最初漫画よんだとき普賢って絶対女だと思ったよ
なんか「望ちゃん」言うし、太公望の彼女かと(ry
SSが来ない......人もいない
>515
コッチの世界に来ませんか?
518 :
名無しさん@ピンキー:04/03/26 23:56 ID:nw7G3F9h
赤雲はアイドル系などとワケのわからない事を言いながら保守。
密かに慈航と赤雲はいいような気がする。
なんとなく、だけど。
521 :
名無しさん@ピンキー:04/04/05 19:14 ID:y/p3DOEv
邑姜たんのパンティラ
522 :
名無しさん@ピンキー:04/04/09 17:17 ID:naKTb+IW
ご主人×女人化スープー見たい・・・・・・・・・。
>>162 8ヶ月の放置を経て俺は同意。
大丈夫、おまいは一人じゃない。
雲中子にニヤニヤされたい〜保守age
525 :
名無しさん@ピンキー:04/04/12 00:37 ID:57yIbD6Q
>524激しく同意…。雲中子の顔は結構イヤラシ系だとオモ。
526 :
名無しさん@ピンキー:04/04/12 08:50 ID:ARnjQHJL
雲中子可愛いvv
色モノ三仙人のセットになると、もっと好きだぁ
527 :
名無しさん@ピンキー:04/04/12 18:43 ID:57yIbD6Q
オリジナルキャラ出していいなら書いてみたい気もする>雲中子。
でもそんなのダメだよねOTL
>>527 個人的にはお願いします。激しく見たい!!
イヤラシ系雲中子萌え(;´Д`)ハァハァ他の方はどうでしょうか?
529 :
名無しさん@ピンキー:04/04/13 00:35 ID:/Iyht5sr
>527
激しく待ってます(゚▽゚*)ノ
SAGE忘れ……バイオキシンZ食って逝って来ます
どっちが女でもいいから普賢×太公望キボン
>531
本気ならば普賢x女太公望ならばうけます。
>>532 本気です、是非お願いします。
あの二人が俺は一番萌えるので
>533
了解しました。しばしお待ちを。
おっと、シラネー間にお取引が!
楽しみにしとります。
そして何気にダッキ×太ハム望きぼん…
仲間少なそうだ…
しまった…あげてしまった。_| ̄|○スンマセン
居員で内科医?
>>536 同志よ!!
妲己と太公望萌え
人が戻ってきてるようで嬉スィ
>>532 もちろん、そちらでだよね?
もう荒れるのは勘弁なので…
荒れる元ですか……わかりました。
投下はやめます。今後も。
雑談とかには混ぜてやってください。
それも駄目ってなら、それでもいいです。
>>541-542 ?よく事情が飲み込めないのですが…
楽しみにしていたのですが、普賢x女太公望は書いてくださらないのでしょうか?
>543
いえ、現時点でエロの手前まで上がってます。前半後半に分けて書いていく予定だったんですが。
荒れる元だから、投下するなといわれれば、投下できないんですよ。
普段書いてるものがものだけに楽しんで普x女望は書けてます。
>>544 おお!書いてくださってるのですね
出来たら是非投下していただきたいのですが…
そもそもエロパロスレなんですし、ダメなんでしょうか?
しかしほかにネタがないなら拒まざるというもnうわなにをするやめろ
>567
今後一切SS投下はしないんで安心汁。
とりあえず、ほかスレとほか板で投下先は探すんで。
>>548 そうっすか…。まあ気長に待っとります。
と言うことで他の神щ(゚Д゚щ)カモォォォーン
保守
551 :
名無しさん@ピンキー:04/04/20 21:28 ID:oTIN9+RU
ダッキ×太公望
(もちろんダッキが太公望を犯す設定)
を誰か書いてください!
この王道がこのスレではほとんど無いではありませんか!
誰でも良いので書いてください!
>>551 今書いてるから、できれば投下するよ。
投下しないかもしんないから、期待しないといて
553 :
名無しさん@ピンキー:04/04/21 07:39 ID:0Ab6ublS
ありがとう!
ぜひ頑張ってください!
554 :
名無しさん@ピンキー:04/04/22 17:16 ID:mNw58Zl0
待ってるぞよ
妲己×紂王
妲己×聞仲
妲己総攻めキボ〜ン…
556 :
名無しさん@ピンキー:04/04/23 07:35 ID:iHFPh+cy
ダッキ×
なら誰でもOK
ほす
558 :
名無しさん@ピンキー:04/04/30 18:52 ID:0pZF9Mx9
近頃王貴人に萌えてきた
王貴人肉奴隷化小説を誰か書いてくれ
普賢x女望ちゃんにリクをくださった方、他スレですが投下完了いたしました。
良かったら見てやってください。
それでは。
>>559 すみませんがどこに投下したか教えていただけないでしょうか?
せめてこの板かだけでも教えてもらいたいんですが…。
この板です。男体化の方をお借りしました。検索はご自分でヨロ。
それでは。
ほしゅ
563 :
名無しさん@ピンキー:04/05/08 10:49 ID:GHr/w3WY
ダッキ×王貴人
レズキボンヌ・・・
太公望×王貴人
調教されるようなのがいい。
565 :
名無しさん@ピンキー:04/05/15 20:48 ID:Rg+WdfxT
保守ります
>>559 リクエストした者です、読ませていただきました。
普賢がよかったです、有難うございます!
月並みで恐縮ですが、これからも頑張ってください
保守
568 :
名無しさん@ピンキー:04/05/26 02:03 ID:bcI7Jv76
何だかんだで道徳っていい男だよな。
569 :
名無しさん@ピンキー:04/05/28 18:48 ID:a/dBoQzf
邑きょう(?)×発
邑きょう×太公望
キボンヌ
570 :
名無しさん@ピンキー:04/05/28 22:41 ID:MTJFLFDb
邑姜が攻めなのか。
571 :
名無しさん@ピンキー:04/05/29 16:15 ID:wPtmz7hQ
逆もまた良いかも・・・
ところで邑きょうの漢字はどうやって出したんですか?
572 :
名無しさん@ピンキー:04/05/29 23:38 ID:2T69tbed
普通に「きょう」で出したよ。出ない?姜。
573 :
名無しさん@ピンキー:04/05/30 15:11 ID:T5w3cPMa
全く出てこない。チクショー!!
自分のパソコンはWINDOWSXPなんだがWINDOWSXPで出た人いる?
ちなみに>>561は女性キャラは書かないのですか?
女体化ばかり目に付くんですが・・・
あの人は文才があるのでぜひ封神の女性キャラも書いてほしい
しょうが → 生姜
コピペで単語登録の方が早いけど
575 :
名無しさん@ピンキー:04/05/30 21:48 ID:/1aENJjK
邑姜、出てきたー!!
>>574さん本当ありがとうございます!!では神をひたすら待つ
(自分には全く文才がないから全然だめだ(TдT)
公主たんハァハァ…
577 :
名無しさん@ピンキー:04/05/30 23:05 ID:784NPgHh
エロなしでいいなら公主総受けとかかけそうだ。だがここはエロパロ…。
妲己×竜吉キボンヌ
579 :
名無しさん@ピンキー:04/05/31 17:35 ID:trH2eDDY
邑姜×武王
ダッキ×邑姜
太公望×邑姜
発には積極的な邑姜
ダッキに色々教えてもらう邑姜
総キボンヌ
妲己総受け希望できませんか?
あとロリ純愛ものをもっと
581 :
名無しさん@ピンキー:04/06/02 19:17 ID:Ezlme5p9
ここは女体化しかないのか
582 :
名無しさん@ピンキー:04/06/03 21:04 ID:vqi+1Y6T
神を待つ
>573
普通のCPも書いてますよ。あちこちで。
他のところでもし見たらよろしくです。
それとトリップ変更です。もし万が一前のトリップで投下があっても自分ではありませんので。
>>KINO氏
ノーマルも書くのなら一度ここにも書いてくれ。
題材は天化×蝉玉。パラレルでも何でも良いので甘々なヤツを頼みます。
いや、ここにもノーマルもの投下してるよ。
伯邑考x喜媚とネントウx公主。
586 :
名無しさん@ピンキー:04/06/09 13:07 ID:Ol3i2Zrw
そういや此処天×蝉なかったよね。
たまにはダッキたん男に犯されろ
588 :
名無しさん@ピンキー:04/06/09 20:24 ID:byzAEJQ3
ダッキ×邑姜
キボン
太公望×妲己。
本編終了後の後日談て感じで。
590 :
名無しさん@ピンキー:04/06/12 01:39 ID:jZ+KxnZH
>>589 あなたは俺ですか
太公望×妲己はげしくキボンヌ!
できることならラブなのを!
敵同士とはいえ、お互いに特別な感情持ってたんじゃないかと妄想せずにおれない・・・
妲己が消えるとこ読むたびに切なくなる・・・
591 :
名無しさん@ピンキー:04/06/15 17:25 ID:NDOVKa5P
あえて紂王×黄氏などと言ってみる。
592 :
名無しさん@ピンキー:04/06/15 17:57 ID:TKB47KaD
もう女体化は腹いっぱい
原作でちゃんと女であるキャラのエロは見たいが
女体化なんてホモパロの一種だ。数字板でやってくれ
きの、ホモサイトで管理人の好きじゃないカップリングの
話を出して荒らすなよ。
?( ゚д゚)
なぜいまさらその話が?
聞仲絡みのエロパロって皆無だよね。
触れちゃいけないようなキャラだからだろうか。
妲己×聞仲のエロキボン
妲己に激しくもてあそばれる聞仲とかいいなあ
縛られて屈辱の中好き放題される聞仲
598 :
名無しさん@ピンキー:04/06/21 23:41 ID:5YYerOBu
楊ゼン×碧雲なんてどうだろ。碧雲の誘い受け。
「楊ゼン様…あの時のお礼がしたいと思いまして…」月光を背に裸体を晒す碧雲。服を着ていた時でもわかる形のよい乳房とそれとは対象的に引き締まった腰と脚。それより何より屋外で女が自らあられもない姿になっている事に、楊ゼンは妙な興奮を覚えた。
とかさ。
599 :
名無しさん@ピンキー:04/07/01 18:10 ID:I0mSB1fC
妲己タソ希望!
600 :
名無しさん@ピンキー:04/07/09 22:24 ID:iv62WIsT
蝉玉萌えはいないですか?
ノシ
ノシ
エロSSなら天蝉キボンヌ
モグラの立場が
>>603 なんかワザと突き放してる感じがするんだよねモグラって。
一人の女を愛する事が出来ないらしいし
病床の姫発を邑姜がリードしてあげるエロきぼん
男性向け封神サイトってなかなかないものだなぁ。
捜してるのに・・・・・ううっ・・・
>>595 まぁ、300年間一途に片思いな人だからね…
金光聖母希望
>>608 たとえ押し倒したとしても
スカートの下には何もなし。股もなし。脚もなし。
ああどうすれば・・・
>>609 「力では私にたどりつけない」と言われ、GAMEOVER
>>609 妖怪仙人なんだから人間に変化できるだろ。
金鷙島の中だから半妖体(流石に原型じゃない…はず)になっていたに過ぎない。
十天君は総じてプライド高そうだし。
612 :
名無しさん@ピンキー:04/07/19 16:23 ID:4rvAGLyk
妲己×聞仲書いてみようかなぁ
613 :
名無しさん@ピンキー:04/07/19 18:17 ID:hqsatO7D
おお!いよいよ神が降臨か!
期待してます!
614 :
名無しさん@ピンキー:04/07/21 00:30 ID:VHy8JwIQ
>>607 聞仲が最後に殷王家の墓に立ち寄った時、余りのラブっぷりに驚いたもん。
てゆか(朱氏の夫の)王サマも一緒に眠っているはずなのに
「私達の子、殷のために…」てマズくないかい?(汗
この漫画の影の主人公は聞仲だったと言っても過言ではない気がする。
一番苦労して一番シリアスで一番かっこいい最期を遂げられた。
人気投票で躍進した度合いもダントツだし。
616 :
名無しさん@ピンキー:04/07/27 02:52 ID:kcAK6afc
ちょっとageて保守
617 :
名無しさん@ピンキー:04/07/27 15:16 ID:OZvDUJgs
道徳×公主などどうだろう。
618 :
名無しさん@ピンキー:04/07/28 21:54 ID:skEb/4ut
待て待て。
張奎・高蘭英夫妻の寝所を覗いてみたいとは思わないか?
よくやった。蘭英。
620 :
名無しさん@ピンキー:04/07/29 00:33 ID:ygmGBDBu
蘭英えろいよね
しかも毅然としてて格好いいし
ファッションセンスは問題ありだがな。
まーダンナもあんなんじゃあ仕方ないか。
622 :
名無しさん@ピンキー:04/07/29 20:39 ID:fj7Z3Mcd
妲己と女普賢でレズ
それよりも妲己と竜吉でレズの方が読みたい
624 :
名無しさん@ピンキー:04/07/30 12:56 ID:uTe5xhw8
妲己×嬋玉
妲己×邑姜
妲己×黄氏
の三発で、お送りします。
>>590 激しく道衣。
趙公明の半妖体から復活するとことか
王貴人が太公望に返り討ちにあってレイープされるのきぼん
627 :
名無しさん@ピンキー:04/08/03 20:35 ID:MWzS5idl
むしろ陳唐×貴人で。
628 :
名無しさん@ピンキー:04/08/03 21:15 ID:DAwCqzJU
>626
なんかそんなのどっかで見たぞ?
629 :
きじ:04/08/06 00:34 ID:WDgbuDCC
おひさしぶりです、きじです。
生活パターンの劇的変化によってこちらにこれませんでした。
あと、皆様に不快な思いをさせてしまったことへの罪悪感もありますた。
ごめんなさい (つД`)
もし皆様が良いと仰るなら、もう一度書きかけの分を書かせて頂きたいと
思ってます。推敲に少々時間はかかりますけど……
でも荒れさせたくないなぁ……
神降臨!
こなくていい
632 :
名無しさん@ピンキー:04/08/09 16:21 ID:6TrZaYQR
カエレ
633 :
名無しさん@ピンキー:04/08/09 22:15 ID:n83syD9a
漏れは見たいが。
書いてくれるなら誰でもいい
漏れはイラネ
きじさんおかえりなさい!!
>>631−632
>>635の言ってる事は気にしないでください
出来れば妲己×邑姜キボン
漏れは妲己×公主をきぼんぬする。
絶世の美女同士のレズはいいものだ
もう忘れたよ、何があったとか(マジ)
↑禿同
別に誰も気にしてないと思う。
だから見せry
漏れも、読みたい書き手さんが居るんだ。
呼んでみようかな。他のスレにはいるんだし。
きじです。
じゃあ名無しとして、もっかい小説乗っけさせてください〜
手始めに望×公なんですけど、いかがでしょ?
もうちょっとなんですけど。(仕事でなかなか執筆が……)
妲己×邑姜って、そのあたり(後半)のストーリーうろ覚えなんですよね。
マンガ喫茶行かなきゃ書けない……
644キニスルナ
望竜歓迎!
きじさん、あなたのSSがどうとかじゃなくて聞いてほしい
原作を知らない、読んでない、憶えてないというならば
書かないでください。
ブリーチスレを追われたからですか?ここは避難所じゃないんです
それから、どこかのサイトで困った書き込みは止めたほうがいいですよ
管理人さん困ってたから
作品を読んでない人のSSは、読み返す気にならない。
>644に同意で
他所に逝ってください
もう一度芳信演技を読み直してから書き始めれば済む話です
ブリーチスレのことなんて知ったことかいな。
ちゃんと本人、読み返してから書くって言ってんだから、そうカリカリせんでも。
漏れ個人はきじ氏のSS自体が苦手だ。
なんつーか……キャラが好きなわけでも封神が好きなわけでもないのが伝わってくる。
スレ住人にマンセーされるのを期待してるだけっていうか。
だったらまだKINO氏の方が好きだ。封神好きなんだなってが伝わってくるからな。
サイトで読んでるけども、スレでも読みたい。
また、追い出しにかかるんだろうけどな。住人が。
あの時援護できなかったから、今言うよ。
KINO氏、見てたらもう一回ここに来てくれ。
漏れみたいにあなたを待ってる香具師も居るんだ。
>>650 他の職人けなして、もう一人を持ち上げるなんて真似はやめとけ。
KINOさんの立場になってものを考えろよ。きじさんとはそれなりにここで仲良くやってた
んだし、そんな書きこみされた後にまともな神経の人間だったらのこのこ出てこられない
っての。
どうせ650は、誰が来ても叩いて追い出しにかかる荒らしの典型だ。
この露骨な誘いに乗ってきたら、それを口実に叩きまくるに決まっている。
無視しておけ。
喜んでいるヤシの方が圧倒的に多いと思うので気にする必要はない。
過去に何があったかなんて別にどうでもいいよ。
650じゃないけども、漏れもKINOさんには帰ってきて欲しい。
でも、過去に何があったかはどうでもいいって言ってるのに、
KINOさんの時は「荒れるから」で追い出してたよね。
だったらさ、はっきりと言えばいいと思う。
KINOさんにはもう来るな、きじさんだけは帰ってきていい。
漏れはKINOさんにも帰ってきて欲しいよ。
本当に、ここが過去に何があったか関係ないっていう人間が多いんならね。
ぶっちゃけ予告なしの匿名で投稿キボンヌ……(´・ω・`)
そうすりゃこんなふうにあれることもない。
一年ほど前に「異説封神演義」のよーぜん×のぞみちゃんでお話書きたいと口走った
まま、ばっくれていた
>>253です。HDDがあぼーんしたり、仕事が変わって多忙だったため
投下できずにいましたが、半分ぐらいデータをレスキューできましたので、まずその半分
だけ置いていきます。残りは来週ぐらいに投下予定。
ネタは封神演義の番外編・藤崎竜作「異説封神演義」(コミックス「DRAMATIC IRONY」
に収録済。主人公、大公・望(たいこう・のぞみ)ちゃんは困った人を助けるのが大好きな、
女の子の仙人。頑張りすぎで常に周囲にトラブルを招き寄せる)ですので、「本編のパロ
じゃないと」という方はスルーして下さいませ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
暗君の治める殷王国を滅ぼし、傾いた人の世を正す。
それが、我ら仙人界の意志。
そのために、大公・望ちゃんを地上へ送り込むと聞いたとき、僕は別に反対を
しなかった。むしろ、彼女のトラブル・メーカーぶりが妲己のもたらした悪事と
混乱を必ずや上回ると、誰より確信してしまったぐらいだ。
そして、実際、すべてがその思惑通りに進み、殷は滅亡の淵へ向かって転がり
出す。僕の仕事は遠い周の地で武王を説得し、彼が政を成すための先鞭をつける
こと。武王はその名の通り、武断の人。いくらか時間はかかっても、きっと殷を
倒し天下を鎮め、革命をやり遂げるはず。
なんてたやすい、なんて楽な仕事だろう。
この天才道士・楊ゼンにはあまりに荷が軽い。
そう、僕は心から思っていたんだ。
あの時。
彼女が「あたしね、紂王のお妃になったのよー」などと、言い出すまでは-------。
「え?」
言われたことが咄嗟に呑み込めず、僕はただ彼女を見返した。
いつも通りの屈託のない笑顔。それを、朝歌の月が青白く染めている。
地上でボランティアに精を出す彼女が、幾度呼べども報告にやってこない。
業を煮やした元始天尊様に様子を見てこいと命じられ、僕が周の地から殷王宮
まで足を伸ばしたのは、今朝方のこと。
彼女はいつも通りせわしなく働き続けていて、なかなか僕に構おうとしない。
結局、差し向かいで話ができたのは、こうしてとっぷりと日が暮れてからだった。
「だからねー、あたし、王様の愛人になったのー。ちゃんとしたお妃の位とか、
こーんな大きなお部屋とか、いろいろ貰っちゃったー」
望ちゃんはゆったりとしたいつもの口調で説明した。
「あ、あいじん? きさき?」
なななななんで、どうして、そんなことになったっ!?
相手はあの紂王だよ? 女で国を傾けた無道昏君だよ?
その、山ほどいる愛人の一人になるなんて、君は何を考えてるんだ!
血相変えて問いつめたい衝動に駆られたが、口に出しては、
「お妃の部屋にしては殺風景だね」
などと、周囲を見回して批判するのが精一杯。
実際、そこは広さだけは充分あるものの、調度品は質素な寝台が一つと机が一つ
あるきり。御簾も敷物もろくになく、とても妃ともあろう女の部屋とは思えない。
「なんかきれえな家具とかおよーふくとかいっぱいあったんだけど、みーんな
売って炊きだし代にしちゃったー。大きなお鍋に、お米がいっぱい買えたよー!」
いかにも彼女らしい言葉に、僕は少しホッとした。
同時に、次の疑念が胸に押し寄せてくる。
「こんな部屋に……王がくるのかい?」
「うん。ときどき」
「そう」
そうか。
来るのか、あの男が。
そりゃあ、来るだろうとも。
ここはあいつが彼女に与えた部屋で、彼女があいつの妃だというなら。
でも、けど、しかしだね……。
「よーぜん? どーしたの、怖い顔してー」
無邪気にそう訊ねる彼女は、仙界を駆けめぐっていたときのまま。
少女のような姿の、愛らしい笑みの望ちゃんのまま。
まるで変わっていないのに……あんな男の慰み者になっているなんて。
息が苦しい。
胸の底が熱く、ギリギリと痛む。
こんなことなら、あんな計画なぞに荷担するんじゃなかった。彼女を地上へ遣わす
ことに賛成なんてするんじゃなかった。周に行ったりせず、朝歌で彼女の手伝いでも
しているんだった!
こんなことなら。
こんなことなら、僕が。
僕が、誰より、先に。
そう思った、刹那。
僕のどこかで何かが弾けた。
寝台の上に押し倒され、上着に手をかけられても、望ちゃんはまだ何が起こって
いるのか判っていないようだった。僕は半ば馬乗りになって彼女を寝具の上に押し
つけ、手袋やマント・長衣などを一つ一つ剥ぎ取っていく。
「よーぜん?」
大きな目を更に見開き、彼女が僕を呼ぶ。
「よーぜん、なにを------」
質問は、唇で封じ込めた。
ただただ貪るように、重ね、塞ぎ、吸い上げる。
ようやく我が身にとんでもないことが起きていると認識したらしい望ちゃんは、
唇を僕に奪われたままバタバタと手足を動かし始めた。
が、もう遅い。
少し顔を離し、咄嗟に息を継ごうと口を開く彼女の中へ、自分の舌をもぐりこませ
唾液ごと絡め取った。歯列をなぞって舌を這わせ、深く浅くと繰り返しながら小さな
口内を思うさま嬲っていく。
「んーっ、んんーっ、んー!」
望ちゃんは僕の下でもがき続ける。
無駄な努力……いや、それどころか、服の大部分ははだけ、肌のほとんどを露わに
した状態での可愛らしい抵抗は、男の嗜虐心に火をつけるばかりだ。
血の上った、やんわりとした頬。
目尻に浮かぶ涙。
そして、暴かれた服の間から覗く二つの膨らみ。
白くふっくらとしたそれは、望ちゃんの小柄な体に見合った小ぶりなものだけど、
綺麗な丸いラインを描き出して誘っている。子供のように見えても、彼女は僕より
も(実力はともかく)上位で年長の道士。
そして、いまは人妻に……なってしまった。僕の、知らないところで。
少しだけ乱暴な所作で、僕は乳房の一つに手を伸ばす。
力をこめるとあっけないほど簡単にそれは形を変え、でも思ったよりはしっかりと
した弾力で僕の指を楽しませる。頂を飾るピンク色の突起が、手の平の下で次第に
しこっていった。
乳首を口に含もうと重ねた唇を離した瞬間、望ちゃんが悲鳴をあげた。
「ヤダヤダ、なんでこんなことすんのぉ、よーぜぇんーっ」
涙混じりの言葉に、躊躇う気持ちが僕の内に芽生えた。今更ながら胸が痛む。
『君が好きだよ』
『他の男なんかに、触れさせたくなかった』
長年、暖めてきた、想い。
それを伝えれば……君は判ってくれる?
自分がこれからしでかすことを、少しは許して受け入れてくれるんだろうか?
いくらかの逡巡のあと、僕は意を決して口を開いた。
「望ちゃん、僕はね……」
しかし。
「ゾッフィィィー!」
突然、寝台の影から奇妙な声が轟いた。
見ると、いつの間に沸いて出たのやら望ちゃんのペットの四不象が僕らを見下ろし
しきりに叫んでいる。
「ゾッフィーゾッフィー、ゾッフィィー!」
いちおう神獣らしいがいつ見ても不気味な生き物で、いったい何を考えてこんな
のを連れているのかと、僕は望ちゃんのセンスをしばしば疑っていた。
その上、こんな大事な場面に突然出てきて奇声を発するとは。
少し痛い目に合わせてやろうかと三尖刀を引き寄せた、そのとき。
「そうかぁー! 判ったよ、よーぜん! 望は頑張るよー!」
ぴょこんと飛び起きた望ちゃんが、イキイキとそう宣言した。
「が、頑張る?」
話の流れがまったく見えず、僕はまじまじと彼女を見返す。その大きな瞳の中に
は決意が漲り、矢継ぎ早に飛び出す言葉は真剣そのものだ。
「王宮で立派に愛人やるには、望はそーゆー功夫(クンフー)が足らないもんねぇー」
「クンフー?」
「スープーの言うとおりだよー! ありがとうー、よーぜん。あたし、一生懸命修行
するー」
「修行ーっ?」
どうして、そうなる?
一世一代の告白をこれからしようってところだったのに、なんでこうなる?
何故、君はいつでも僕の発想の、斜め上斜め上へと行ってしまうんだ!?
僕は目だけを動かし、四不象を見た。ヤツは何もかもを悟ったような眼差しで、
幾度も頷いている。君……いったい何を望ちゃんに吹き込んだ? 聞き出したいのは
山々だが、僕にはこいつの言葉なぞ判らない。
「哮天犬!」
結局、僕は犬の姿の忠実な宝貝に、この邪魔者を排除させることにした。
「四不象と遊んでこい! なるべく、遠くで! 一晩中!」
しなやかな体を躍らせて哮天犬は四不象に飛びかかり、その腕に食いついてズルズル
引きずっていく。露台の向こうから、「ゾッフィィ〜」という悲鳴が聞こえてきた後、
あたりはまた静まりかえった。
改めて、僕は彼女を見た。
彼女は、ニコニコと僕を見た。
おかしな連帯感に充ち満ちた、その笑顔。涙はすっかり乾いていて、めでたいと言え
ばめでたいんだが……
「ふぁいと・おー! いっぱーつ!」
なんだろう、何かが違う。これから秘め事を始めようという男女の間に流れるそれ
とは、空気が決定的に違う。
でも。
「よーぜん、望はちゃんとガッツでやるよー。きっちり教えてねー?」
肌も露わな姿なまま、しっかり抱きついてこられてしまったら、もうそれまで。
なんでもいい。
どうでもいい。
ムードの善し悪しなんか、知ったことじゃない。
君を泣かせず困らせず、手に入れられる。卑劣だ軟弱だと謗られようと、こんな千載
一遇の機会を逃せるものか。
「……そうだね、望ちゃん」
背に回ってきた小さな手を外し、僕はそこへとキスを落とす。
いつも大きな手袋に包まれているその手は、こうして見ると一段と白くかそけない。
くすぐったそうに身を竦める彼女をゆっくり抱き寄せて、僕は囁いた。
「僕が全部、教えてあげる---------」
【続く】
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
名前欄記入をしくじって、 「1」が二つになってしまいました。すみません。
663 :
sage:04/08/27 10:01 ID:moqIRu/t
朝から妹にムラムラしちまったでねぇか。
俺も全部教えてやりてぇし。
わりぃ。ツッテクル
望ちゃん(;´Д`)ハァハァ
続きをお待ちしておりますよ・・・
自分、ロリではなかったのに萌え。
神再降臨待ち。
望ちゃん、かわええ……
予告せずに書いて、ソレに萌えるスレで良いと思うよ
ほっしゅ
望ちゃん神降臨お待ちしております〜age!!
データのレスキューはできたのかな?
ご感想下さった方々、ありがとうございます。後半は元のデータがほとんど使えず
大部分書き直しに。お待たせしてすみませんでした _| ̄|○
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
彼女の淡い緑の髪に指をくぐらせ、ゆっくり解く。
しっとりとした質感を手の平に返しながら、それは白い敷布の上に広がっていった。
戯れに頭を撫でたりしたことはあったけれど、こんな風に触れたのはもちろん初めて
だ。感慨深く、僕は顔を埋め、小さく息をつく。吸い込むと、彼女の匂いが強くした。
甘い、桃のような香り。
「あ、あんまり髪に触らないでー」
「どうして?」
「だって、望のはもこもこで固いんだもんー」
拗ねたように言いながら彼女は手を伸ばし、自分の体の上へ落ちかかっていく僕の髪
を掴み、指に絡めた。
「よーぜんの髪は、まっすぐできれいねー。つるつるしてて、気持ちいいー」
「そう?」
「うん。望もこーいう髪だったらいいのにー。竜吉ちゃんとか、ああいうのなら嬉しい
のになー」
「僕は望ちゃんのがいいよ」
力をこめて僕は言い募り、
「望ちゃんがずっといい」
それから、またキスをする。
彼女は今度は暴れることなく、それを受けてくれた。
それどころか、僕が舌を動かすと、ぎこちなくもそれに応えようとする。軽くつつき、
それから絡め、軽く唇を噛んでは離す。本気で、「一生懸命修行する」つもりなのか、
それとも、あの昏君に覚えさせられたことなのか?
「はぁ……っ」
何度も何度も繰り返すうち、彼女の体から力が抜けていく。
漏れ落ちる彼女の吐息が思いのほか熱く甘いことが、密やかに嬉しく、同時にとても
癪だ。
「……ぁっ」
性急に唇を進め、耳をねぶり、頬を滑らせ、喉元へと口付ける。僕が舌を動かすたび
に、彼女はぴくりと小さく身を震わせた。
「望ちゃん、感じる?」
「よ、く……わかんな、い……っ」
途切れ途切れの言葉が返ってくる。顔を真っ赤にし、何かをこらえているような
表情が、また一段と愛らしい。ささやかな二つの乳房も、それと一緒にふるふると
震えている。
さあ、さっきの続きだ。
僕はそこへと唇を落とす。すっかり屹立したピンク色の先端を呑み込み、軽く歯を
立てた。
望ちゃんの声が高くなる。
構わず、左右の胸を代わる代わる舌と指とで愛撫し続けた。頬を寄せ、甘く噛み、先端
のかすかな窪みへと舌を押しつけ強くねじ込む。てらてらと自分の唾液で彼女の体が光る
様は、ひどく刺激的だ。
「よ、よーぜん、なくなっちゃうー、そんなにしたら望の胸、なくなっちゃうーっ」
可愛い訴えに苦笑しつつ、僕はゆっくりと彼女の肌の上へ手を滑らせていった。
平らなお腹をさすり、腰骨のあたりを触れ、それから更に下へ。
やっぱり小さな望ちゃんのお尻は、僕の手に少し余るぐらい。それをそっと掴み、やわ
やわと揉みしだけば、また彼女の喉から声が漏れ落ちる。
「ふ、ふっん、あっ、ふえ……」
鼻に絡んだ、子犬のような声色と息づかい。大きな目はすっかり潤んで、視点がもう
定まっていない。
淡い茂みに指を這わせた瞬間、望ちゃんは小さく叫んだ。
「ひゃっ!」
僕は、少しだけ嬉しくなる。
そこはもう、柔らかくぬかるみだしていた。
そのまま脚を割り、大きく開かせる。
こんな月明かり程度では、正直、そうそうはっきりとは見通せない。でも、指に絡む
粘り気のある液とくちゃりというかすかな水音が、彼女の欲情を僕に知らせてくる。
「やだー、よーぜんっ」
見られたことが恥ずかしかったのか、彼女は僕を押しのけ、固く膝を合わせた。
「ガッツで頑張るって、決めたんじゃなかった?」
「ううーっ」
「ねえ……望ちゃん?」
言いながら、合わせた膝の上へとキスを落とす。ゆっくりと太股を撫で上げ、茂みの
生え際へ指を絡め、そよそよと柔らかく動かす。
望ちゃんはしばらくアウアウと唸っていたけれど、次第にその両足から力が抜けて
いった。僕が再び脚の間へ手を差し入れても、彼女は大きく目を見開いただけ。もう
抵抗しない。
よくできました、と、いささか意地悪く呟き。
僕は、彼女のそこへと唇を落とした。
「ふああああっ」
熱く濡れた入り口を舌でさすり、彼女の小さな芽を見つけ出す。半ば銜えるように口に
含むと、望ちゃんの体が大きく跳ねた。
「ダ、ダメ、そこ、ダメぇ……」
「じゃあ、こっちは?」
すっかり濡れそぼっている彼女の中へ、舌を沈める。ジュルリとことさらいやらしい
音をたてて、溢れる彼女のものを啜り上げ、柔らかな肉へと舌を何度も這わせた。
「ひゃあぁっ」
がくがくと望ちゃんの腰が揺れる。
逃げようとしているのか、縋り付いてきているのか、判断のつかないその動き。いつ
の間にか僕の頭にかけられていた彼女の手にも、力が入っているようで入っていない。
さっき褒めてくれた髪へ、細い指がただ絡みついてくる。
たまらない。
興奮で、脳髄が焼き切れそうだ。
彼女の声が、汗が、吐息が。そして何より、目前で蠢く女の部分が、僕を誘う。
同時に、この様子を他の男−−−よりにもよってあの紂王も、眺めたことがあると
いう事実が、僕を苛んだ。
まったくどうして僕は、元始天尊様の計画なんかに乗ったんだろう?
何故、望ちゃんを一人で朝歌なんかに差し向けてしまったんだろう?
身のうちに吹き荒れる後悔と嫉妬とが、そのまま激しい欲望に結びつく。早く、彼女
が欲しい。もうこれ以上は我慢できないと、自分の下肢が熱く訴えてきていた。
「望ちゃん、もういいね?」
許可を得るようでいて、その実、相手の意など介するつもりもなく、僕は彼女の膝裏
を掴み広げる。
そのまま、彼女の入り口に怒張した自分のそれをあてがい、一気に腰を進めようとした。
の、だけど。
「いったあああああああーーーーいっ!!!!!」
望ちゃんの絶叫が、がらんどうの部屋の中に響き渡った。
「いたいー、痛いよ、よーぜんーっ!」
僕に下半身を捕らえられたまま、望ちゃんは暴れ出す。
「痛いって、まだ全部入れてないけど」
というか、入らない。
さっきから、かなり頑張って突っ込んでいるっていうのに、彼女のそこはあまりに
狭くきつく、ちっとも先に進まないのだ。無理矢理腰を押し出し、なんとか収めると、
めりめりと柔肉の裂けるような感触が伝わってくる。
「く、くるしい、よぉー」
喘ぐ望ちゃんの様子。
そして、繋がったところから溢れてきた鮮烈な色に、僕は悟らざるを得なかった。
「望ちゃん……」
確認する声が、思わずうわずる。
「まさか、君、初めて……なんだ?」
「そぉよーっ! だからそーゆークンフー足りないって言ってるじゃないーっ」
足りないだろう、そりゃ。
処女がそんな功夫……つまり経験値を……蓄えていたら怖すぎる。
「でも、妃の部屋に時々来て、紂王はいったい何を……」
「なにってー、妲己ちゃんと三人ですごろくとかー」
「すごろく……」
紂王よ。
おまえは余すところなく大馬鹿なのか? それとも、そんなにも妲己が怖いのかい!?
心の中で冷静にツッコむ一方で、僕はあまりの嬉しさに眩暈がしそうだった。
望ちゃんが、汚されていなかった!
それどころか、僕が、この僕が「最初の男」だなんて!
「ふぇぇ、痛いよー。よーぜんー、たすけてー」
目に涙を浮かべて、望ちゃんはしがみついてくる。
でも、
「もうやめる?」
と訊ねると、ふるふると頭を振った。あくまで一生懸命頑張るつもりらしい。
両手を合わせ、指を絡め、僕はゆっくりと彼女を宥める。
「大丈夫だよ。君も道士なら習っただろう? 痛みはある程度コントロールできる
から。ほら」
愛撫するためにではなく、呼吸を合わせるために引き寄せ、じっと鼓動を聞かせる。
本当はこのまま激しく突き動かしてしまいたい。けれど、懸命に己を押さえ、彼女が
落ち着くのをひたすら待った。なんと言っても、彼女は初めてなんだから。これ以上、
痛めつけたりしたくない。
「ふえ……ふうぅぅ、んっ」
大きく体を震わせて、望ちゃんは僕に縋り付く。その吐息が、自分の胸元に落ち
かかってくる。甘さは既に抜け落ちて、ぜいぜいとひどく苦しげな息づかい。
こんな卑怯な男を、それでも信じて頼ってくる彼女が、泣き出しそうに愛しい。
そこに、僕が望むような愛があるのかどうかは……こうなってもまだ判らないけれど。
そうして、彼女が苦痛を僕が快楽を耐える時間が、しばらく続いた。
荒いばかりだった彼女呼吸が少しずつ静まり、痛々しく上下していた肩も落ち
着いてくる。
僕は合わせたままだった手を外し、上半身を起こす。そのままゆっくりと、彼女の
下腹部へ指を這わせた。
「あ……っ」
繋がったままの入り口をそっとなぞり、小さな肉の芽をまた摘む。くりくりと円を描き、
時折、軽く押し潰す。
「ん……あぁ……っ」
痛みのないよう、快楽だけが伝わるよう、指の腹で慎重にそれを撫で回し続けると、
少しずつ彼女の反応が変わっていくのが判った。苦痛で歪んでいた顔が再び紅潮し始め、
片手で懸命に僕の髪の先を、もう片手でシーツを掴む。間断なく喘ぎを零す口元に、
小刻みに揺れる指先に見て取れる、悦楽の表情。ぎちぎちとこちらが痛むほどだった
膣内が、次第に僕の体に馴染んでいく。
頃合いを悟って、僕はゆっくりと動き出した。
望ちゃんは、一度、引きつれたような声を上げたけれども、それだけ。痛いという
悲鳴は上がらない。
「んんっ! あぁ、ふあっ!」
僕の動きに合わせて、小さな体がしなやかに跳ねる。
さっきよりもいっそう早く甘い彼女の呼吸。それと同じようなリズムで、彼女の中
が熱く狭く、僕を締め付ける。絡みつく彼女の中は暖かくて気持ちがよくて、気が遠く
なるほど。
だんだんと僕はその感触に夢中になり、気が付けば懸命に腰を押し進めていた。
「う……く……っ」
「やっ、は……よーぜん、ダメ、ダメっ」
「っつ!」
掴まれた髪に、突然、鋭い痛み。引きずられ、僕は彼女の上にぶつかるように覆い
被さってしまった。
「離れない、で、よぉ……抱っこし、て……っ」
途切れ途切れの声が訴える。
僕の首へと回ってくる、細い両腕。ぎゅうっと全身を押しつけられ、頬を何度も擦り
寄せられた。涙に濡れた、つややかな果実のような彼女の頬を自分のそれで感じる。
「望ちゃん……っ」
君って子は、なんてなんて、可愛いんだろう。
そっと唇を寄せれば、懸命にそれに答える。
泣きながら、それでもひしっとしがみついてくる。
もっと楽しみたい、とか。イヤらしいことを山ほど教え込んでやろう、とか……そんな
欲が一瞬にして吹き飛んだ。
後に残ったのは、一つになりたいという気持ちだけ。
早く、君と溶け合ってしまいたいという願いだけ。
「ひっ……や、あああっ」
明らかに速度の増した僕の動きに、望ちゃんの体が大きくしなる。イヤイヤするよう
に振られた顔を掴み、また唇を何度も重ねた。
小さな体を半ば抱え上げ、ひたすらに突き込み、強く抱きしめる。
大きな寝台が二人分の体重と震動とで、ギシギシと唸った。互いの体を濡らす汗と液
とが、寝具をも湿らせる。
「よーぜん、よー……ぜんっ……!」
背に回された指が自分の肉を抉るのが判ったけれど、痛みは不思議と遠い。柔肉を
穿つ音、彼女の艶かしい吐息、それから下肢を灼く熱い快感のみがひどく鮮やかで。
「ふっ、や、はう、あああんっ」
「く、うっ、ん……」
そして、程なく、僕の腕の中で望ちゃんの体が大きく痙攣した。
同時に、打ち込んだ自分の物がこれまでにないほど、締め付けられる。
「望ちゃん……っ」
僕は、彼女を呼び。
そして、そのまま、すべてを解放した。
かすかな音と震動で、僕は浅い眠りから引き戻された。
のろのろと顔を上げると、布をぐるぐると体に巻き付けた望ちゃんが寝台から降りて
いこうとしているところ。
「望ちゃん……」
「あ、よーぜん? 起きちゃったー?」
アハハーといつもの笑顔でそう言われ、こっちの方がなんだか恥ずかしくなる。
白い布の隙間からは、点々と紅い痕が見えた。なんの痕かは、言うまでもない。
「こんな時間に……どうしたんだい?」
「望はいっつもこれぐらいに起きるのよー」
「まだ月が出てるのに?」
「だってー、いまから始めないと、みんなの朝ご飯に間に合わなくなっちゃうー」
数千人分の炊きだしを朝夕やっているせいで、自分はとても忙しいのだと彼女は
極めて神妙に主張する。
少し休んで、それからまだ一,二度ぐらい睦み合おうと思っていた僕は、少し
だけ焦って彼女を引き留めた。
「でも、体は平気? 痛くないのかい?」
「大丈夫ー」
そんな人の気など知らず、望ちゃんは簡単に請け合い、あちこちに放り出された
服を拾い集めようとしている。
「まだチョット痛いけどー、長めにお風呂つかってれば、治ると思うのー」
いや、たぶん……それは却って痛いと思うよ、望ちゃん……
「望ちゃん、こっちにおいで」
「でもー」
「大事なお話があります。こっちに来なさい」
こちらも極めて真剣に手招きをした。
望ちゃんは少しだけ首を傾げ、それからこっくり頷いて寝台に戻ってくる。
ちょこんと横に座った彼女と向き合い、僕はこんこんと言い聞かせた。
「あのね、望ちゃん。今日覚えたことをすぐ試してみちゃダメだよ。僕以外には」
「えー、どーしてー?」
やっぱり、『どうして』ときたか。
まあ、動機が『修行』ならば、それも仕方がないのかもしれないけれど。
「それはね……」
僕は僕で、自分が死ぬほど嫉妬するからだと言ってしまえば早いものを、またも
口に出来ず。
「今日教えたことなんて、まだ初歩の初歩だから」
と、もっともらしく告げた。
「そうなんだー。すっごく奥が深いのねー」
鼻に皺を寄せ、彼女は真剣な面持ちで答える。
「そうだよ。もっと色々教えてあげるから、それまでは絶対に試したりしないこと」
「そっかぁー、そうするー」
彼女は、それはそれは真面目に頷いた。
浅ましい時間稼ぎが、それでも功を奏しそうなことにホッとして、僕は彼女を
引き寄せる。まだ少し汗ばむ、細い体。頬や額に張り付く髪をはらってやると、
彼女は無邪気に微笑んだ。
「望ちゃん……ボランティアもいいけれど、たまには周にも遊びにおいで」
名残惜しさに僕は腕に少し力をこめ、半ば嘆願するように言った。
「周ー? 誰かそこで困ってる人とかいるのー?」
「いや、あそこは姫一族がきっちり取り仕切っているから、特には」
「じゃー、いかなーいー」
……想像の範囲内と言えばそうなんだが、あまりにすげない答えにがっくり
くる。ああ、処女の一つや二つで、望ちゃんが変わるだなんて少しでも思った僕が
馬鹿だったとも。
「僕が、望ちゃんに会えないと困るんだけど」
思わずひがみ口調で呟くと、彼女は大きな目を愛らしく和ませる。
「だったら、よーぜんが殷にくればいいじゃなーい。とびっきり足の早いわんこ
だって持ってるんだから、いつでもおいでよー」
まるで子供を言い諭すように望ちゃんは言い、
「のぞみも、よーぜんに会えると嬉しいよー」
僕の頭を撫でて、笑った。
−−−−ああ、望ちゃんだ。
ごく当たり前のことに、僕の胸は熱くなる。
竜吉公主のような完璧な美貌も、妲己のような妖艶な魅力もないけれど、元気で
いつも明るい、これが……僕の好きな相手。大公・望ちゃん。
髪をくぐる小さな指の暖かさが、胸に染みる。
いいこイイコというまじないのような言葉に、泣きたくなった。
こみ上がる愛しさが胸を塞ぎ、僕の中から言葉を押し出す。
「……望ちゃん、僕は君が好きだよ」
あれほど、口に出せずにいた告白が。
「本当に、好きなんだ」
本当に自然に喉から滑り出した。
彼女は、僕を見上げ、少しだけ目を丸くする。
「ありがとー」
そして、いつものように笑った。
「あたしも、よーぜん大好きー。また、いろいろ教えてねー」
そのまま、望ちゃんはお風呂に入って炊きだしに行くと宣言して出て行ってしまい、
僕はぽつねんと広い部屋に取り残された。キス一つ、させてもらえないまま。
ああ、望ちゃん。
君の『大好き』は、僕のそれと、微妙に違う意味なんだろうなあ……たぶん。
あんなにさらっと口に出せる分だけ、どこか角度がズレているに違いない。
哀しい確信に苛まれ、僕はごろりと横になる。
乱れたままの寝具には、まだ情事の香りが強く残されていた。
傾いた月に青白いそれに、僕は先ほどまでの彼女を思い出す。
女の顔で、女の声で、この腕の中にいた望ちゃんのことを。
「まあ……いいか」
いまはつれなく扱われても、この瞬間、君に一番近い男は間違いなくこの僕。
君のあの顔も、あの声も、いまはまだ僕だけのもの。
いつかは君の『博愛』から『博』の字が取っ払われ、僕の言う「好き」の意味を
ちゃんと判ってもらえることを信じて、頑張るしかない。
「いくよ、哮天犬」
朝の気配が、空の端に忍び寄ってきた頃。
僕は手早く服を整えて、露台に立ち、自分の宝貝を呼ばわった。白い毛並みを夜風
に泳がせて、哮天犬が飛んでくる。
さあ、こうしてはいられない。
さっさと周へ取って返して、一日も早く武王に兵を挙げさせなければ。
それでもって、あの昏君が望ちゃんに対して本当に変な気を起こすその前に、息の
根を完全に止めてやる。ああ、人間界のことは人間同士でカタをつけさせるなんて
取り決めしたヤツが、心の底から恨めしい。そうでなければ、この僕がいますぐ
王宮ごと灰にしてやるものを。
物騒な計画を一つ一つ数えながら、僕はひとり空を駆る。
眼下では、ちかちかと朝歌の灯りが瞬いてた。
ひどく弱く頼りないそれは、けれど人が生きている証拠。
その火を消すまいと頑張り続ける小さな仙人がいると、いったいあの中の何人が
知るのだろう?
本当の本音を言えば、この先歴史がどうなろうが、人間たちがどうなろうが、僕
には預かり知らぬこと。
それでも。
雲の合間に消えゆく街を見下ろして……僕は、彼女に救われる世界の幸福を思った。
【劇終】
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
途中、またナンバーリングしくじりまして、すみません…… (´・ω・`)
の、望ちゃんとよーぜんキターーーーーGJ!!
ひそかに第2弾ないかなと考えていたとこでした。
なんかここで書かれてる望ちゃん触り心地よさそうだハァハァ( ;´Д`) 質感がすごい伝わる。。
よーぜん望ちゃんのネ申、キターッ!
656さんサンキューサンキューサンキュー!
エロくて可愛くていいす−
すっげーうまくて可愛くてエロくて良かった!
ありがとう!
個人的には、あなたは界王神だ!
なんていいスレなんだ・・・・!!!!
「黒点虎。そんなに気になるのなら、行って来ればどうです?」
「えっ、いいの? 申公豹」
崑崙も金剛山も落ちた今、他の霊獣の存在は黒点虎にとっても気がかりな問題。
できれば、直接状況を聞きたいところなのだろう。先ほどからそわそわしているのが
彼にはよく判った。
「私も妲己と二人で話がしたかったところです。千里眼だけでは詰まらないでしょう。
たまには直に話してみるといい」
「それじゃお言葉に甘えて」
「いってらっしゃい。黒点虎ちゃん」
妲己もにっこり笑って手を振っている。
それなりに長い付き合いなのは自分もよく知っているし、たまには自分も抜きで
本当に二人きりで話してみるのも彼らにとってはいいことかもしれない。
――でも妲己と違って、申公豹は一人じゃあまり遠くにいけないんじゃ……。
微かに後ろ髪を引かれる気もして、彼は一度振り返って言った。
「夕方には戻るね」
「ええ。ここにいなければ適当に探してください」
「判った」
陽は南中からやや降下し始めたばかり。
幽玄雅美たる霞をたなびかせた霊峰。大きな一枚岩の上、道化のような化粧を
施した男は、こんなところでも何故か豪奢なソファに身を沈める傾城の美女を
振り返った。
白い肌を惜しげもなく晒した衣装が不思議と嫌味にならない。
それはおそらく、彼女の持つあまりの完璧さゆえなのだろう、と彼は思う。
――どこか嘘のある美。
「的を射た表現なのでしょうね」
本来なら、完璧すぎるものに劣情は催さない。自らとかけ離れているからだ。
「なぁに?」
「何でもありませんよ」
妲己は体をずらして、自分の横のスペースをポフポフと叩いた。
「よかったら隣にいらっしゃいな。岩の上に座るのは嫌でしょん?」
「そう言えば――」
ハタと気付く。「座るものを見送ってしまいましたね」
どこから取り出したのか、妲己はサイドテーブルに茶まで用意し始めている。
「やっぱり、あなたは判っていたのね。もし、二人きりで会えるとしたら、
今日が最後だということに」
「今、確信に変わりました。そんな気はしていたのですが」
湯気の立つカップを受け取って彼女の隣に座る。
その体から臓腑にまで染み込みそうな甘美な香が漂う。
それは完全に彼の嗅覚を支配し、紅茶の匂いをかき消した。
茶の表面を見つめたまま、飲もうとしない彼に、妲己は何も入れてないわよん、
と首を傾げた。
「猫舌なんです」
「そう言えばそうだったわねん」
クスリと笑って、両手で持ったカップに唇を寄せた。
「……ひょっとしてあなたには、わらわの目的まで知れているのかもねん。
残念だわん。本当は太公望ちゃんと二人きりの秘密にしたかったのに」
「それはいただけませんね。彼は私のライバルですから、彼が知ることは
私も知っていなくてはならない」
沈黙が流れた。だが、けして居心地の悪いそれではない。
カップを置いた妲己はしどけなく体をずらして、面白そうに申公豹の横顔を眺めていた。
化粧を落とせば、それなりに可愛い顔をしていそうである。
彼のポリシーとセンスなのだろうが、もったいない気もする。
――そうねん。わらわも一度でいいから素顔を見てみたかったわん。
思わず零れた口元の笑みを扇で隠す。
沈黙を破ったのは、一口カップに口をつけ、顔を歪めた申公豹の方だった。
「やはりあなたは嘘をついていた。女禍をも騙し、自分の真の目的を
達成しようとしているのですね。
何をしようとしているのかも、大体判っているつもりですよ。
だから……、もうあなたと会えないと思うと残念です」
「まさか申公豹がわらわを惜しんでくれるとは思わなかったわん」
「少なくとも短い付き合いではありませんしね。それに、ひょっとしたら私も誘惑の術に
かかってしまったのかもしれません。今日は何故だか――」
サイドテーブルにカップを置いて妲己に向き直る。指を伸ばして、その癖のない
柔らかい髪を肩口のあたりからそっと梳いた。
「あなたをどうにかしてしまいそうですよ」
見詰め合ったまま数瞬。
それは妲己にとっても意外な言葉だった。とっさに反応に詰まって、
見開きかけた目を何とか抑える。
――でも、それもいいかも知れない。
この掴み所のない男を少し掴んだ気持ちになるのもまた、一興。
目をそらしたのは彼女の方。
たっぷりと含みを持たせた視線を斜め下に泳がせる。
薄く唇を開いて首を傾げると、男の指に絡め取られた髪がさらさらと流れ落ち、
透き通った首筋が露わになる。
申公豹の手が妲己の持つ扇と傾世元禳を掴んで後ろへ放り投げた。
「あはん。こんなときに何かするほど野暮じゃないわん。わらわを信じて?」
「他の誰を信じたとしても、あなただけは信じませんよ」
「酷いわん……。……お茶が冷めちゃう」
「どうせ喉は渇きます」
雷公鞭も遠くに投げやり、二の腕を掴んで妲己を引き寄せると、
白い喉に軽く歯を立てた。
「……こんなところで?」
微かに眉根を寄せて、妲己が囁く。媚を含んだ声音に首の後ろが粟立つのを
感じながら、男はその耳に唇を寄せた。
「あなたともあろう人が……。待てると思いますか?」
耳朶を擽る低い声に吐息が漏れる。
「あなたともあろう人が待てないなんてね。ふふ……。でも、この手は嫌。
優しくして?」
白い指を伸ばして、猫の爪のような鋭い突起を持つ手袋をそっと剥がす。
両手ともはずしてそっとソファの下に落とした。爪がコツンと岩にあたる小さな
音を合図に、二人はそっとソファに沈んだ。
霧は深くなり、岩棚は白くけぶり始める。
視覚が意味を成さなくなってくると同時に、他の器官がひどく鋭敏になる。
鎖骨のくぼみを舐める舌は甘い汗が湧き出てくるのを味わい、
銀色の髪に絡みつく細い指は、頭皮に触れるだけで媚薬を塗りこめられている
ようだった。
ゆるゆると指が首元に降りて、きつい留め金を外し、彼の肌を外気に晒した。
男は彼女の動きには構わず、たっぷりとした胸の谷間に舌を到達させる。
乳房の先端にかかる滑稽なほど小さな布を脇へどけると、
まろび出てきた乳房は彼の手には少し余るほどの大きさ。
柔らかく揉み上げられると同時に、指の間からのぞく淡く鮮やかな突起を
ちろりと舌先で舐められ、彼女は高い嬌声を上げ大きくのけぞった。
すかさず背筋を撫で上げてくる固い指によって、えもいわれぬ波が、
下半身から二つの頂きを越えて喉にせりあがってきた。
その勢いのまま、男の服に手を掛け上衣を脱がせてしまう。
冷たく湿った掌で、首筋からうなじ、耳元、胸からその先端の小さな飾りまでを
嘗め回し、そのまま男を引き寄せる。
彼は肩から腕を覆う大仰なまでの着衣を女の身体から引き剥がした。
薄い肩を掴んでソファに縫い止め、初めてその唇に唇を重ねた。
背中に回された手がゆっくりと動いている。
唇を吸い、歯列を割って舌を進入させる。
絡めとろうと伸びてくる相手の舌から逃げ、歯の裏をなぞり、上辺を舌先で嬲ると、
背中に爪が刺さった。
微かに目を開けると、細められた目がもっと、と言わんばかりに彼を煽った。
女の身体から力が抜けてしまうまで口腔を蹂躙した後、縺れた舌を解いて
銀色の糸を引かせながら唇を離す。
霧は晴れない。
飽和するほど密度の上がった空気は息を削らせ、恥知らずなくせに腹の読めぬ
互いの視線を柔らかく遮った。
申公豹は妲己を引き起こすと、そのままうつぶせにソファに押し付けた。
「やん! 乱暴にしないでったらん」
クスクス笑いながら異議を唱える妲己に覆いかぶさりながら、耳朶をペロリと
舐めて鋭く囁く。
「その余裕がいつまで続きますかね」
「試してみれば?」
「言われずともそうするつもりですよ」
もともと半裸ともいうべきの体から、胸と秘部を覆う布を破り取る。
妲己は不満そうに唇を尖らせたが、何も言わなかった。
体に残るのはガーターベルトとそれに吊られた腿の半ばまであるブーツだけ。
それは全裸より余計に卑猥な姿だった。
舌を項に這わせながら、体をねじって抵抗するのを体重をかけて抑え込む。
「あんっ」
背筋を這い回る舌がさらに快楽を煽る。知らず妲己は自身の手で上半身を支えて
仰け反っていた。
今度は後ろから両手で乳房を掴み、その先端がソファに触れるか触れないかくらい
のところまで、再び体を押しつけさせた。
きつく掴んだ乳房を動かして、乳首には指を触れないまま、ソファにごく軽く
こすって愛撫した。
「やぁん、意地悪……」
舌は背中を這い回り、今度はしなやかな二の腕の裏に移動した。
舌先で触れるか触れないかの愛撫に妲己の唇から吐息が漏れる。
「あはぁ……」
「変わったところで感じるのですね」
「……わらわの体は男を狂わせるための武器のひとつ。あなたが意図して触れれば
そこはすべて性感帯よん。あんっ、息がくすぐったい……」
「なるほど」
グリグリと今度は指で乳首を嬲る。
「ああっ……」
高い声を上げてさらに仰け反るのをくるりと回転させて、仰向けにさせた。
妲己の背中の下から回した右手で右の乳房を愛撫する。
脚を絡めて膝を開かせ、左手で内腿を撫で、左の乳房に唇を寄せる。
ブーツの履き口からさわさわと撫で上げる指が脚の付け根にたどり着いた時、
微かに湿り気を感じた申公豹は、うっすらと上気した妲己の顔を盗み見た。
「まだこれといったことはしていないのですがね」
「……焦らされるのは嫌いじゃないわ」
与えられる快楽を期待して潤んだ瞳が嗤う。
「霧が出てて良かったわん……。上から見られたら、お嫁にいけない格好ね」
「あなたは殷の皇后だったはずですが」
敢えて乳頭には触れずに乳輪を嘗め回す。逆の乳首はコリコリと摘み上げられ、
二種類の快楽に妲己の息がどんどんと荒くなってくるのが判る。
左手でそっと入り口に触れる。柔らかい茂みを襞に沿って撫で、捲っていく。
「はぁん……」
妲己は自分の小指を噛んで横を向いた。
うぶな男は言わずもがな。
それなりに慣れた男に対しても、むしろ演技ではないかと疑わせる余地を
持たせることによって、行為に没頭させる魔力すら感じる表情。
なるほど男をその気にさせる仕草や表情は自身で言うとおり完璧なようだ。
じんわりと広がったそこは熟しきった果実のように指を飲み込んでいく。
左手の中指を第二関節まで差し込んだところで、微かな違和感を感じた。
奇異に思いながらも二本目の指も後に続かせ、根元まで差し込む。
とたんに絡み付いてくる媚肉のえもいわれぬ感触にほぉっと感嘆する。
なるほど、男を蕩けさせる名器だった。
親指で肉襞をかき分け、陰核を擦る。
「やぁ、ああっ!」
突然の激しい反応に、得たりとばかりに乳首を口に含む。
乳首を転がし、陰核を押しつぶすと同時に挿入した指を曲げる。
「はぁっ……! っそこ、いいの……」
「ここですか?」
乳首を咥えたままくぐもった声で応えながら陰核をグリグリと嬲る。
「あはん! そこも……、全部いいわぁっ!」
三箇所を同時に嬲られる悦楽に、長い睫毛が震える。
申公豹の体に押さえ込まれた腕を必死に伸ばして彼の腰にしがみ付く。
女の体の中で最も鋭敏な部分に執拗に刺激を与え続けられ、妲己がだんだん
高みに達しつつあるのが判った。
内壁は貪欲に指を絡みつくくせに、無意識に脚を閉じようとする抵抗が心憎い。
――こんな反応をされると、うっかり特別な感情を持ちそうですよ。
高みに追いやりながら内心ほくそ笑む。
「あっあっ、……ああああーっ!」
びくんと体が跳ね上がり、次いで弛緩した。
荒い息を吐きながら、申公豹の胸に額を擦り付ける。
華奢な体を抱き寄せ、息を整えようとしている唇に触れるだけの口付けを落とした。
そのまま、滑らかな肌の感触を楽しみながら髪から漂う甘い香りで肺を満たす。
しばらくして、妲己は自力で体を起こして申公豹を覗き込んだ。
「わらわばっかり気持ちいいんじゃ、悪いわん。……あなたはまだ、
全部脱いでもいないし」
熱っぽく濡れた目に囁かれ、彼も自身がすでに準備万端であることに気付いた。
「なら、気持ちよくしてもらえますか?」
「そのつもり。それに……、男の人は一度イッた方が感度が上がるらしいわん。
試してみたくはなくて?」
ベルトを外して長いズボンと下着を同時に脱がせると、ソファに座るように促す。
すでに屹立したものを両手で持ち、うっとりと呟く。
「素敵……。意外と男らしいのね」
小さく舌を出して裏筋を舐め上げた。
両手を添えて、何度も下から上へ舌を這わせる。時々カリ首に沿って舌を
回すように舐めたりもした。
あらかた舌を這わすと、先走りを舐め上げてほんの少しだけ口に入れて吸う。
先端の割れ目に下を這わせていると、申公豹が頭を押さえつけてきた。
押さえられるままに、咥内に収まるところまで咥え込む。
少々もてあます大きさのものをなんとか頭を上下させて吸いながら、
入りきらない部分に手を添え、こちらはこちらで上下運動を行う。
頭に置かれた手が彼女の頭を撫で始めた。
髪の毛が絡まされる直前に、添えていた手を付け根に固定し、ゆっくりと喉の奥を
開くイメージで根元まで飲み込む。
喉の奥で締め付けられた彼自身がビクンと震える。
変わらず表情の読めない顔だが、額に浮かんだ汗と泳いだ視線が余裕のなさを
表している。
舌を絡みつかせて、思いっきり吸引する。
「う……」
眉根を寄せて彼がうめく。その表情が面白くて、何度も抽送と吸引を繰り返す。
頭に置かれた指が痙攣するように髪を掴んだ。
「そろそろイきますよっ……!」
コクンと頷いて、唇と指にさらに力を入れた。
「はぁっ……」
喉の最奥まで突っ込んだところで彼のものがさらに膨れ上がり、迸った液体が
流れ込んできた。
えずきそうになるのを抑えて飲み下し、余さず吸い取りながら口を離した。
力の抜けた体をソファに預けたまま、息を弾ませ虚空に目をやる申公豹の姿は
妲己にとっては初見のもので、思わずくすりと笑みが漏れた。
――この人、案外かわいいわん。女の扱いが意外と上手なのは驚いたケド。
ほとんどが霧による水滴だと判った上で、男を煽るために呟いた。
「凄い汗……」
化粧のはげかけた頬を舐める。
膝に跨って犬のようにペロペロとやっていると次第に男の素顔が覗き始めた。
「思ったとおり……。結構イイ顔をしてるのに、隠してるのは勿体無いわん」
至近距離で眼球がギロリと動いた。
「私は自分の趣味にケチをつけられるのは非常に嫌いです」
「あはん。自分の好みを伝えただけよん」
絶世の美貌でにっこり微笑まれると毒気を抜かれる。ほっと息をついた。
「さて。オイタはこれで終わりですか? あなたも随分と焦れているように
思えますが」
妲己の局部に触れる膝はしとどに濡れている。
「そうねん……」
腰をひくつかせて妲己は笑った。「これからはお互いに気持ちよくなるって
ことでどうかしら?」
腿に襞が絡みつく感触が背中を駆け上った。
「いいですね」
妲己の指が陰嚢をくすぐっている。萎えたはずの欲望がすぐに頭をもたげて来た。
「凄い回復力……」
いたずらをしていない腕を申公豹の首に回して唇を交わす。啄むようなそれから
次第に深さを求め、舌を差し込んでいく。
唾液を交換し合う水音が聞こえ始めるころ、申公豹は妲己の尻を掴んで引き寄せた。
余った手で手近な胸丘を揉み、先端を爪で弾く。
「あふん……」
舌を絡ませたまま、妲己が悩ましく喘ぐ。
頭の中で何かが崩れていくのが自分でもわかった。
一度達した方が興奮するのは事実のようだ。
毒と判って出された料理を平らげるような気分――。
この女を滅茶苦茶に犯してやりたい。
抉って掻き回して突き上げて奥まで探って、本気で泣かせてやりたい。
そんな凶暴な思いが沸き上がる。
濁った情欲をとどめようと思えばできないことはない。しかし、その選択肢は
見もせずに捨て去った。
――らしくもない。自ら罠に飛び込むなどとは……。
――そろそろねん。
自分も悦楽の波に流されてしまいそうだ。その前にこの男の理性を突き崩さなくて
面白くない。
唇が離れ、しどけなく唾液を口角からたらした茫漠とした瞳で、しかしひたと彼の
目を見つめる。惑いを含んだ愛撫に一際強い刺激を受けた瞬間、狙い済まして名を呼ぶ。
「由っ……!」
――由。
にっこり笑う女の顔が甦った。
目の前の美女とは似ても似つかない、しかしとても人好きのする愛らしい笑顔。
記憶の底に沈殿したまま、掬い上げられることのなかった澱のような追憶。
咄嗟に喉を掴んでソファに引き倒した。岩の上ではないのが彼の最後の自制だった。
「うう……」
首を絞められ頭が痺れる。脚を割られ、男が体を入れてくるのが判った。
体制を整えるのももどかしく、欲棒が侵入してきた瞬間、信じられない激痛が奔った。
「いやあああぁぁぁっ!!」
喉を締め上げる腕に爪を立て引き剥がそうともがく。
むしろ驚いたのは申公豹の方だった。
頭から冷水を被されるような絶叫だった。
手を離し、押し入った体を止める。慌てて結合部を見やると、半ばまで埋まった
自身に鮮やかな赤い液体が一筋伝っていた。
「なっ……」
肩で息をしながら横たわる妲己は、しばらく茫然自失となっていたが、やがて
のろのろと手の甲で目を覆った。
「……忘れてたわ。この体では、男を受け入れたことがなかったの……」
「……」
「不便な体……。元が未成熟だったせいね……」
「しかし、あなたは紂王に抱かれていたのでは?」
「あの人はわらわのテンプテーションの虜。体を使う必要もなかったわん」
確かにひどくきつかった。指に感じた違和感は半月状の処女膜。
気付かなかった迂闊さに臍を噛む。
判っていたら、それなりの愛し方をしたものを――。
そこまで考えて、申公豹は自嘲した。
愛す、だなどと戯言を。妲己に対して特別な感情などありえない。
そう。彼女の苦悶の表情を目の当たりにした今でも、いきり立った彼自身は
いっかな収まる様子がない。
それは絶望的なまでに忘れたいと願っていた過去に、土足で踏み込まれたことに
対する意趣返しなのかもしれない。
しかし、情事において肉体的な苦痛を相手に強いるのは彼の美学に反する。
肉体ではなく、心を抓む征服こそ今の望み。
「これはあなた自身がもっと乱れるしかありませんね。処女ならばそれなりの
楽しみ方をさせてもらいます」
はっと妲己が息を呑んだ。
固さを保ったままの乳首を軽く吸ってやる。
「あん……」
軽く弛緩した隙に少しだけ進める。また妲己の眉根が寄った。
一層固く尖った乳首の周り、乳輪に沿って舌を這わせる。甘い吐息。
また少し進む。妲己が悶えた。
「一気に来て……」
「無茶な」
「ふふ……、優しいのね」
「……」
両手を華奢な腰骨に当て、ぐっと身を沈めた。
体の力を抜こうと意識しているのだろうが、うまくいかずに妲己が呻く。
申公豹の体が止まった。
「最後までいきませんね」
「え?」
「判りませんか? もう子宮口です。指一本ほど残りました」
「……」
申公豹は腰を引いた。
「あ……」
途端に引きとめるかのように、襞が絡みついて来る。彼女自身も彼の腕を掴む。
亀頭だけを残して、彼は一息ついた。
「出ては行きませんよ。ただ、……痛いくらいです」
再度挿入する。一度開かれたことにより、体のほうも先よりは容易に彼を受け入れる。
最奥まで到達すると、最初の挿入よりほんの少しだけ奥まで入っていた。
下腹に掌を当てて、親指で秘部を探り、腫れ上がっている小さな花芽を指の腹で擦った。
「あん!」
びくんと跳ね上がる。
愛撫の手は止めない。徐々に刺激を強くしながら切なげに柳眉を顰める様子を眺める。
「ひゃっ、ああ! そんな……」
ふるふると首を左右に振りながら甘い声を上げる。それは嬌声以外の何物でもなかった。
成熟しきった姿態に未成熟な器官。
その不均衡を均衡へ近づける行為はめくるめく陶酔を呼び起こす。
「感じているのですね。いい子ですよ」
片手では変わらず女の体のもっとも敏感な部分を弄り、逆の手で腰を抱き、彼は器用に
抽送を始めた。妲己の体を気遣ってゆっくりした動きだが、徐々に彼女の息が
荒くなっていく。
――悔しい……。
何も知らない小娘のごとく、良いようにあしらわれている。
ギリと奥歯を噛み締めて、やたらと優しい抽送と駆け上ってくる快感に耐える。
こんなはずではなかった。考えられない失態だった。
確かにテンプテーションが完全に近づいて、男を誘惑するのに体を使う必要が
なくなっていた。男に抱かれるのも随分と久しぶりなのは判っていた。
そう、判っていたはずだった。もし、本気で体を求められた時に抵抗できないのは
この男ぐらいだということも。
――それにしても、こんな男に……。
初めてなのが判っていたら、それを与えたい相手は他にいたというのに。
時折感極まったように嬌声を上げるが、随分と大人しくなってしまった相手に
申公豹は胡乱な目を向けた。
「――人の過去を調べ上げておいて、自分は誰のことを考えているのです?」
「……どうしてそんなことを訊くのん?」
「相当ショックだったようですね。考えていることが正直に顔に出ていますよ。
とはいえ、忘れないでください。今、あなたを抱いているのはこの私なのです」
ニヤリと口角を上げる笑みが憎らしい。引っ掻いてやろうかしらん、と思いつつも
諦めがじわりと心に広がってくる。
何を考えているか判らない最強道士。
傍観者に徹しているようで、いつ何の気まぐれから厄介な敵と化すか判らない。
いざというときのために集めておいた情報の中でも、心を挫くには最高のもの。
タイミングさえ間違えなければ、これほどの決定打もあるまい。
そして、快楽と憎悪に同時に苛まされ、束の間落ちていく彼が見えるはずだった。
彼女は追い立てられながらも、嗤っていればよかった。
事実、首を掴んで引き倒されたときに、彼の自制はほとんどなくなっていた。
それでも、短慮を起して、ここで妲己を殺すほど愚かでもないことは判っていた。
そこまで考えていたというのに……!
――完全にわらわの負けね……。ぬかったわん……。
両手を申公豹の首に回し、伏目がちに媚態を演じる。
「気もそぞろだったのは謝るわん。もう、好きにして――」
一瞬の後、激しい抽送に突き上げられた。
「いいでしょうっ! 何も考えられないくらい滅茶苦茶にしてあげます。
私のことがけして忘れられないように!」
「あああっ!」
つながった部分は溢れた体液に赤いものを滲ませるが、本来は経験豊富な女。
しなやかな身体はどんな要求にも見事に反応し、その様は十二分に申公豹を満足させた。
上で下で、淫らに舞う姿は脳裏が痺れるほど官能的だった。
「ああっ……、もっと!」
あられもない啼き声に厚い箍がひとつずつ剥がれていく。
やがて二人はソファから崩れ落ちて、一枚岩の上でまぐわった。
いつしか申公豹を根元まで受け入れることができるようになった妲己は、四つん這いで
後ろから責め立てられていく。
ぷっくり膨れ上がった乳首が岩に擦れるたびに意識が途切れそうになる。
「もうっ……! ああ! ダメぇっ!」
我を忘れて振り乱す髪を掴んで肩越しに振り向かされた。
互いに伸ばした舌先が触れ合う。申公豹の舌が唇に触れたとき、腕から力が抜け
岩棚に突っ伏する。
「限界ですか? では私もそろそろイかせてもらいますよ!」
言い終わると同時に狂った奔流が妲己の意識を攫っていった。
自身の欲望をすべて注ぎ込んだ申公豹は、ゆっくりと体を離すと片膝を立てて
座り込んだ。荒い息を整え、体内に籠もった熱が冷めるに任せる。
眼を閉じてうつぶせのまま横たわる妲己の体は、しばらく小刻みに震えていた。
背骨を撫でるとぶると大きく身を捻る。未だ絶頂の只中にいるようだ。
美しい顔を緩ませ、多幸感に身を任せている様子はたとえようもなく扇情的で
またぞろ邪な考えが沸き上がってくる。
意識下の媚態にもそそられるが、無意識下のそれはまた格別だった。
ひょっとすると、これが彼女の真骨頂なのかも知れないと思う。
萎えきらないものが、所在なさげに鎮座していた。
そこに塗れたうっすらと桃色がかった互いの体液は、いくらもせぬうちに固まり
始めるだろう。
しばらくして、妲己が身を起こした。
汗と霧による水滴で顔や肩に張り付いた髪を両手でかき上げる。
あらわになる白い脇に浮き上がった静脈を切り裂いてやりたい衝動に駆られた。
「随分と汚してくれましたね」
冷たい声にも、妲己はとろんとしたまま彼を見る。
伸びてきた指に局部を弄られても、微かに息を弾ませるだけでされるがままだ。
「これで終わるなんて思っていないでしょうね?」
自分の絶倫さに驚いているのは、むしろ彼自身の方だった。
「おや、泣いているのですか? 光栄ですね」
目尻に溜まった涙を音を立てて吸い上げる。
震える長い睫毛の下からは新たな涙が溢れ、嗜虐心に火がついた。
離した指の間に濁ったブリッジができる。
「汚れているのはお互い様のようですね。では、私はあなたが綺麗にしてください。
あなたの方は私が綺麗にしてあげます」
「?」
「やれやれ。まだぼんやりしている」
二人の体液に濡れた指を口に突っ込まれる。
突然の行為にくぐもった声を漏らしたが、素直にそれを舐めしゃぶる。
「そう。そんな風に私のものを綺麗に舐めてください」
岩の上に直に寝転がった申公豹の上にさかしまに乗りかかるように指示され、
おとなしく従った。
陰嚢から棹に向かって舐めるうちに、だんだん意識が鮮明になってきた。
甘噛みされる太腿の内側。視線で嬲られる秘所。
じんと子宮が収縮した。
怒張が張りを取り戻していく。これに再び貫かれるのだと判っていても
舌の動きが止まらない。
昇り詰めた後に訪れる墜落。そして再び強引に持ち上げられていく。
激流に呑まれたのは自分の方だということを否応なしに認識させられる。
泣きたい訳でもないのに、また涙が産まれた。
ブーツを外され、足の指の先から舌が這う。
体中の至るところに紅い花びらを散らされる。
彼女が負けを認めた以上、未だ続けられる行為は陵辱以外の何物でもない。
それなのに、何故こんなに丁寧な愛撫と口付けが与えられるのだろう?
荒い息を吐いてもなお醒めた眼とは対象的に、ときに激しく乱暴に、
ときに優しく柔らかく。
この体を使うならば、もっと好きにすればいいのに――。
自分の悦楽のみを求めて、飽くまで貫き続ければいい。
まるで、あなたの感じる姿を見ることで興奮する、と言わんばかりの指と唇に、
心まで震わされる。
堕ちていく錯覚に思わずその胸に縋る。
鼻につく汗の匂い。それすらも愛しい。
ああ、そこ……、もっと……。お願い、やめないで。ああ……。
垂れ流す蜜と耳から注ぎ込まれる甘美な毒。
初めて感じる芯まで蕩けそうな悦びと切なさに溺れた。
それを与えるのが、目の前の男だということが苦しかった。
官能の虜となった二人は、二匹の獣となって時間も忘れて交わった。
肌を滑る透明な液体は汗だけになっていた。霧はとっくに晴れていた。
山際からはゆるゆると日の名残が押し寄せてきていた。
「申公豹ったら、すっかり僕のことを忘れてるよ」
上空からその様子を呆れたように眺める霊獣が一頭。
冷めた紅茶を口移しに飲み合うのを見て溜息をつく。
黒点虎はある種の突然変異個体であったため、幼いころの記憶にはあまりいい
思い出がない。
それでも、すわ同族が絶滅の危機かと思うと、いてもたってもいられない気持ちに
なった。自分でも不思議なことに。
生き残った同族を訪れると、彼も有名になったもので随分と熱烈な歓迎を受けて
逆に驚いたぐらいだ。とりあえず種の存続に問題はないと聞かされ、安堵して
戻ってきたら、この有様である。
最初、鬼気迫る様子で女を組み敷いている男が彼だとは思えなかった。
正確には思いたくなかった。
千里眼で一通り周りを見回して、再びそちらを確認して申公豹だと判断した時は
へなへなと腰が抜けた(気がした)。
安心と驚愕と脱力で自分自身訳がわからない気分のまま、程よく離れた中空に
座り込む。
後脚で頭を掻きながら、さて、どのタイミングで姿を現すべきか考える。
とはいえ、まだしばらくは己が主人は自分を思い出さないだろうと思うと、
再び溜息が漏れた。
万物の総量は一定だという。
その万物とやらが、一体何を指すのか彼は知らない、興味もない。
それでも長く生き、生まれて来るものに形を与え、土に還る者たちを見続けて
いるうちに、その言葉が真実であることだけは知っていた。
聞仲に対する台詞は、半ばほど自分に向けたものでもあった。
聞仲は彼を残して死んでいく者たちのことをけして忘れようとしなかった。
しかし、申公豹は総てをできるだけ忘れようとした。
正確には、その者たちへの想いを。
それは、彼は自分が人間であることをよく理解していたからだ。
人の心は強くもあり儚くもある。
守るものがあると人は強くなるという。だがそれは詭弁だと彼は思う。
守るということは裏を返せば、守るものに縋って生きているのだ。
ただ純粋に毅くあるためには、何も持たず無頼であることが一番簡単だ。
だから忘れる。
本当に大事なものが眼に見えなくて、心にあるというのなら忘れてしまえばいい。
そのスタンスからして聞仲とは対象的である。
彼の美学は、聞仲の生き様と真っ向から対立する。
にもかかわらず、彼は聞仲を気に入っていた。
まるでコインの裏表のような、同じ直径の円に描き出されるまったく違った模様。
それを見つめていることが心地よかった。
彼に対して奇妙に優しくなれる自分をまるで人事のように面白く感じた。
そして聞仲が封神された今、申公豹は彼のことも忘れるだろう。
愚かな心にがんじがらめにされたまま逝ってしまった男の一人として記憶に残るだけだ。
そう、自分と同じく。
彼は自嘲した。
束縛を嫌って自由気ままに生きているように見せかけていても、法律のように
厳しく作り出した美学に囚われた自分に、自由などない。
だが、目の前で全裸で湖に浸かる女は違っていた。
何者にも囚われず、己が望みに忠実に生きている。
真円どころか、柔軟に形を変える枠組み。
描き出すことが可能なキャンバスなどどこにもないだろう。
方向の読めぬベクトルは、いつしかねじれの位置にいるはずの彼にも
影響を与えていた。
忘れられるはずもない……。
彼女は、近く永遠を手に入れるのだから。
淡い月の光に照らされ、銀色に輝く湖の真ん中に佇む女は美しかった。
とうに体中を洗い流したにもかかわらず、飽きずに潜っては浮かび上がり、
空を見上げる。
全身に散る小さな痣や擦り傷すら彩る美影。
滴る水が銀色に光り、何よりも美麗な装飾品となっては、彼女を引き立てた。
さっさと体を洗い流し、衣服を下だけ身に着けた彼は、倒れた木の幹に座り込んで
何も言わずに妲己を見つめていた。
――天女なら、羽衣を奪えば空に帰れなくなるというが……。
何を奪っても、彼女はこの腕から擦り抜けていくだろう。
それでいい。それでいいのだ。
怒りや憎しみはもう消えた。
途中から完全に我を忘れて、妲己を求めていた。
柔らかい肌。そこから漂う汗に塗れても甘い香り。
あられもなく喘ぐ姿を見たいがために、意地の悪い言葉を囁きながら、全身を
探ってポイントを絞り込み、自分でも粘着質だと思うほどに責め立てた。
掌に吸い付くような滑らかな肌に、歴代の男と同様に、彼もまた酔っていた。
肌を合わせたときは特別な感情を持ちやすいものだ、と自らに言い訳しながら、
彼女を愛した。
やがて木々の向こうに月を見送って、妲己が湖から上がってきた。
長い髪から滴る水を絞り、当たり前のように申公豹の上着を羽織る。
「……送りますよ」
「どこまで?」
「さあ? 朝歌でないことだけは確かですね」
「あなたの隠れ家は嫌よ。これ以上はもう無理」
「私も無理ですよ。信用がありませんね」
「あなたが最初に言った台詞、そっくり返してあげるん」
傍らでゴロリと横になっていた黒点虎が身を起こした。
大きくなった瞳が真円を描いており、虎だというのに巨大な猫のように愛らしい。
妲己に喉を撫でられ、気持ちよさそうにゴロゴロ言う。
「送ってちょうだい。方角は教えるから、何も訊かないで?」
申公豹に抱かれるような形で黒点虎の上に横座りする。
肩に顎を乗せ、腕を回すと傾世元禳が二人に巻きついた。
妲己に指示されるままに黒点虎を走らせる。
「私はむしろあなたが羨ましいのかもしれません」
妲己は無表情のまま前を見ていた。
「物質は必ず残り、壊れ、新たなものとして生まれ変わります。
では、その心は、記憶は、想いは、どこへ行くのでしょうね」
語尾が微かに震えて、風に溶けた。
巻きついた傾世元禳がするりと離れた。
「……ここでいいわん」
肉眼で確認できる位置に、面妖な形の島が浮かんでいた。
ゆっくりと減速して止まった黒点虎は首を傾げた。
――千里眼では見えない。見えるのに……。なんでだろ?
妲己は離れない。訝しげに覗きこむ彼に軽く首を振る。
「もう少しだけこのままでいさせて?」
一個の個体でいること、誰かに縋ることができるのは、これで最後だろう。
はからずもそんな機会を与えてくれた彼に、ひっそりと感謝した。
恐らくは互いに裏黒い欲望から始まった情事で、こんなにも満たされた気分に
なることがあるとは知らなかった。
だから、これは嘘ではない。
「愛しているわん……」
総てを――。
「わらわを羨ましいと言ったわねん?」
顔を上げた妲己は、申公豹の目をまっすぐ覗き込んだ。
「ええ」
「なら、あなたも一緒に来る?」
否定を確信している声に、申公豹は眼を伏せた。
「あなたがやろうとしていることは、総ての存在に恵みを与え、あやして、
いつも見ている。
そういうことです。まるで深い慈愛を持つ聖母のようですね。
大地と海が、女に例えられる理由でしょう。
そんな真似は私にはできませんよ……。
私は男ですから。
――女でもない。住む世界を失ったわけでもない。ただの、男ですから」
それは別離の言葉だった。
「そう」
すっと体を離して、宙に浮かんで背を向ける。
肩越しに振り返った笑みには、万感の想いが込められているように見えた。
「さよなら。申公豹」
その姿が闇に溶けるように消えていく。
残ったのは煌めく星空だけだった。
「行っちゃったね……」
大きな眼を瞬かせて、黒点虎が呟いた。
「申公豹?」
帰らないの?と続けるつもりが、優しく頭を撫でられて黙り込む。
申公豹は妲己の消えた方向をいつまでも見つめていた。
<< 終 >>
ネ申って唐突にやってくるもんなんだな……素晴らしいッス28さん!
ネ申の作品堪能させて戴きました!
ありがとうございます!
すごい...
すごいもん読んだ…
今まで様々な神の降臨に立ち会ったけど素晴らしいです、このレベルの高さは
スレッドストッパーになってるな、いろんな意味で。
>718
漏れの感覚だと、ワンピーススレがレベル高いと思う。
スレの雰囲気が「女子寮」って感じだから、あなたが男性だとツライかもしれんが。
>>719 >718ではないがワンピスレ見てきました。
…覚悟はしていたつもりでしたが腹の底からげんなりした。
ありゃ「寮」じゃねぇ、「巣」だ…
他所の話は其の辺で。
今こそ妲己と太公望の話を!
スレ違いの上、そういうこと言うのはイクナイ
l\l\
( ゚∀゚) | | ガッ
と ) | |
Y /ノ 人
/ ) < >
_/し' //. V |
(_フ彡 . | 凡 | …。
| |
| | ___
|>720| || | .|\
| | || | | /ヽ
|_旦_| || | | / ヘ
|| -「-|| ||.|||./ /
||ヽ」 || ||.||//
. |||ヘじ<|| ||||. ヾ
/⌒ \V/ ̄\ (っ彡)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
そういうことを書かないのも大人だ。
724 :
720:04/09/16 01:35:30 ID:gbjpef8M
>>723 当て付け目的でわざと書くのもいやらしい大人のやりかたなのだ。
ものごっつ嫌悪感を感じたのは事実だしー(・∀・)ニヤニヤ
↓こう書けば、本物の>720が「漏れを騙るな!」と現れてスレが伸びる、と。
そんな話どうでもいい。
封神のエロを求めるのがこのスレの正しい在り方なのだ。
今こそ邑姜を
>687-714 を書いた者だが、レスが遅くなって申し訳ない。
読んでくれた人、レスをくれた人、本当にありがとう。
俺のオナニーに付き合ってくれて、嬉しいよ。
礼を言うべきなのは、むしろ俺のほうだ。
あと、もう一個書いてしまったので、保守ついでに投下していきたいと思う。
ただ、これはどちらかというとエロは少なめで、しかもかなり抑え目な表現を使っている。
さらに長い。
ありていに言うなら、前のにも増して俺のオナニー以外の何物でもない。
とはいえ、俺としては虚淵玄氏(こんな大家と比べるのはおこがましいが)の作品が18禁で
あるのと同じような意味で、エロなくしては完成しないものだと思っている。
そんなのに付き合うほど暇じゃねぇ、という人は、どうかスルーして欲しい。
愚かであることがすなわち過ちであるなど、誰にも言わせはすまい――。
そう言ったのは、倣岸なまでに気高く美しい男だった。
誰かを思い出して薄く笑った。
妄執さえも綺麗な人だった。
月の明るい夜だ。
そして、しんしんと染み込むように寒い夜である。
蘭英は壁に作り付けの炉の前で、椅子に腰掛けて夫を待っていた。
炉の火が弱くなる。炭を取りに行ったところで、ガチャリと扉が開く音がした。
「蘭英。起きてたのか」
遅くなるだろうから先に寝ていろと伝えていた。妻は炭を足しながら呟く様に言う。
「一人では寒くて眠れないわ」
僕は湯たんぽ代わりかよ、と苦笑いするが、その実、待っているだろうことは想像していた。
だから、宴もたけなわの頃、「妻帯者は大変だね〜」などと冷やかされながらも、さっさと
「蓬莱島も軌道に乗ってようやく一周年ご苦労様パーティ THE・二次会」とやらを辞してきたのだ。
張奎の秘書的存在である蘭英も、一次会には参加していたが二次会は辞退した。
共に帰ろうとする夫を「あなたはお付き合いがあるでしょう」と残してきた。
この状況が、数千年後に人間界でのお決まりのシチュエーションになるなど、彼らにも想像できまい。
閑話休題。
まあ二次会くらいなら、と思っていたが、酒が絡むとくどくなるヨウゼン(絡んでくるのは百歩譲って
許そう。しかし、感極まって押し倒すのだけはやめてくれ)に、蓬莱島の空気とハイなテクノロジーで
なんとか健康を取り戻した竜吉公主にベッタリシスコン丸出しの燃燈道人(……竜吉公主には悪いが、
彼女以外には無害だから、まあいいだろう)、他人の服の中にまでカメラを探し出す太乙真人(おまえ、
本当は酔ってないだろ?)、人の酒に怪しげな薬を垂らしまくっている雲中子(家庭内害虫にしか見えない
コウモリになるのは御免だ)etc.etc.に、付き合いきれんわ、と逃げてきたというのが、
まあ一番正しいところだ。
「お風呂が沸いてるわ。背中を流します」
夫の上着を脱がそうと近づいて、顔を顰める。匂う。眼の下もなんだか赤い。
「あら嫌だ。結構深酒したの?」
「あんまり飲んでないつもりだけど……。でも、ヨウゼンにやたらと絡まれたからな……」
「お湯の温度を少し下げてくるわ。お水を飲んで待っていて」
妻の背中を見送りながら、ああこれが内助の功というヤツなんだなあ、とにへらと笑う。
やっぱり酔っている。
内助の功どころではない。
ここのところ張奎は蘭英に頼りっぱなしだ。
というのも、彼は極度の機械音痴らしく、太乙真人プロデュースの蓬莱島管理システムがまったく
使いこなせない。要領を得ない説明書と思ったとおりに動かないコンピュータに、イライラして禁鞭を
取り出したところを太乙に見つかり、ナタクに取り押さえられ、九竜神火罩に三日間閉じ込められた。
「いいかい、張奎くん。プログラムってのは思ったとおりには動かないんだよ。書いたとおりに動くんだ」
太乙はそう言って説教するが、むしろそれはあんたの問題じゃないのか? と隣にいた雲中子は
思ったとか思わなかったとか。
それ以来、鍵板を叩いてシステムを扱うのはもっぱら蘭英の仕事だ。
ここで彼の名誉のために補足しておくが、聞仲の元で培った政治的手腕はやはり秀逸で、ヨウゼンも
燃燈も一目置いている。特にその人事管理能力は高く、ただでさえ人間と妖怪が揉め事を起こして
捗らぬ諸々の作業工程を迅速にすることに大いに貢献していた。
はぁ、聞仲様ならきっと、こんなものもあっという間に使いこなしてしまうんだろうなぁ、と思うと
やはり悲しい。事実、聞仲は金鰲島の中枢システムを手足のごとく扱った。
人間少しは不得手なものがあった方が可愛げがあるというのに、その完璧超人ぶりは一体なんなのか。
そして、こんな寒い夜は、張奎に彼を思い出させる。
影を追いかけているつもりはない。しかし、ふとした折に強い郷愁と微かな寂寥感を伴って、
彼の後姿が脳裏に浮かぶ。神界に行けばいつでも会えるのは判っている。それでも、会いに行く
踏ん切りがつかない。
――もう少し僕も飲んでくればよかったかもしれない……。
蘭英が部屋に戻ると、脱いだ服を握り締めたまま月を眺めている夫の姿があった。
凍える夜の冴えた月の光を見ていると、蘭英も彼の人を思い出す。
「お風呂、もういいわよ」
こちらを向いた夫の、ほんの少しだけ無理な笑顔が寂しかった。
蘭英が初めて聞仲にまみえたのは、秋の終わりだった。
四ヶ月以上音沙汰のなかった太師が、朝歌に帰ってきたその日だった。
四聖と黒麒麟を従え、門をくぐった聞仲を目ざとく見つけた張奎は、慌てて烏煙の首を回らせた。
堂々とした長躯には確かな威厳があり、整った顔立ちには厳しさが前面に表れていた。
凍える冬が似合う人だと思った。
「聞仲様、今日はどうかゆっくり休んでください。僕が太師府に行って言付けてきますね!」
太師直々に「私の代わりが務まる」と太鼓判を押されたにも関わらず、夫はそんな雑用を自ら買って出る。
嬉しさに飛び跳ねるように駆けていく夫の後を烏煙を曳いて追う。
数歩進んだところで、錆を含んだ声に呼び止められた。
「高氏。張奎には世話をかけて済まぬ。貴女も何かと大変だったろう」
振り返った欄英は、即座に膝を折って頭を下げる。
「いえ。夫に目をかけて頂いていることこそ光栄至極。拙は我が夫に従うまで。太師直々にお言葉を頂くなど、
勿体なく存じますわ」
「そんなに畏まるな。張奎もあのとおりだ」
敬意を表してやまない相手に、それでも夫は砕けた丁寧語で接していた。
必要以上に慇懃にならずとも、強く結びついた縦の関係を彼女も好ましく思う。
「夫を立てるか。良い夫婦だな。……羨ましい限りだ」
仮面に隠れた横顔は、自分には見えない遠景を見つめているようで、微かに胸が痛んだ。
差し出された手を丁重に辞退して立ち上がる。
殷の現状に関する会話を二言三言交わすうちに、その人となりが尊敬に値するものだと言うことが判った。
部下の妻の内助の功にも敬意を払う。この方になら、自分も自然と付いていこうと思うだろう。
「……私を愚かと思うだろうか?」
不意に投げかけられた静かな疑問に、意味を掴みかねて首を傾げる。
「民は新たな器を求めている。殷はもう古いのだそうだ。それでも拘り続ける私は、やはり愚かなのだろうか」
「……」
ああ、これは独白なのだ、と勘付いた。
だからこそ、是とも非とも応えるのが憚られ、口を噤む。
「……すまんな。聞き流してくれ。少々真面目すぎるきらいがあるゆえ、張奎に問うことはできなかった。
貴女ならば忌憚のない意見を聞かせてくれるかと思ったのだ」
「……申し訳ございません」
これは言い訳だ。直感的にそう思う。
この太師は、夫が自分に心酔していることを判りすぎるほど判っている。
だから言えなかったのだ。内に芽生えた惑いの言葉を。
――優しい、人ではないか。
「それでも――」
冷たくなり始めた風が、聞仲の固い髪を揺らしていた。
「愚かであることがすなわち過ちであるなど、誰にも言わせはすまい――。
私は私の道を進み、殷を再び甦らせることでそれを証明しよう。とうに、袂は分かたれている。
力を、借りるぞ」
無言で叩頭する。
――あの男が横にいた頃は、誰を敵に回しても怖くはなかったのにな……。
悄然とした夫の姿が思い出された。
夫が信頼されているのはよく判っていた。
しかし、未だ彼は、武成王には及ばない。少なくともこの太師の心に占める比率では。
それを何より不甲斐無く思っているのは夫自身なのだ。
――どうか、あの人を追い詰めないでください……。
祈るように願って見上げた顔はそれでも毅然としていて、過去への妄執まで美しい人だと思った。
それが、蘭英の見た聞仲の最後の姿であった。
大きな岩風呂は大人四人が入っても、ゆったり体を伸ばすことができる。
蘭英は背中を流す、と言ったが、正直寒すぎてそれどころではなかった。
ざっと体を洗って、普段よりはいくばくかぬるい湯に浸かる。
自分も体を洗い流した蘭英が隣に滑り込んできた。
ふっと笑って、岩の陰から銚子と猪口の乗った盆を取り出す。
「迎い酒には少し早いけど、飲みたい気分なんでしょう?」
「……ありがと。飲むだろ?」
「ええ。飲ませてくださる?」
驚くほどしっかりした女なのに、たまに甘える姿が可愛い。
酒を口に含んで、その肩を抱き寄せた。
口移しに飲ませながら、もう片方の指で嚥下する喉の動きを楽しむ。
顔を仰け反らせた蘭英の目に、窓の外に煌々と輝く月が見える。過去を思って自分を抱く夫は、
いつもより少しだけ強引になる。そして、そんな夫に自分もどこか耐え難い衝動に駆られ、
わざと煽るように激しく応じてしまう。
明日に残らなければいいけど……。
そんなことを思いながら、張奎の顔を両手で包んだ。
酒と同時に雪崩れ込んでくる夫の舌を絡め取り、吸い上げる。
舌の中央の窪みを、自身の舌で軽く擦る。
んっと鼻を鳴らす夫の息までも吸い上げながら、もっと彼の傍に寄った。
夫の指先が湯船の中で自分の髪を弄んでいる。髪にまで神経が行き渡っているかのように、
その動きは心地よく体に響く。
絡めた舌を解き、そのまま夫の首筋に唇を落とす。掠るように唇を動かし、少しだけ出した舌で
ちろりと舐め上げる。うんっと眉を顰める顔が愛らしくて、もっともっと虐めたくなる。
耳朶を舐め、尖らせた舌を耳孔に差し込み蹂躙する。
張奎の息が荒くなる。髪を弄る指に力が入り、上ずった声で抗議する。
「……酷いよ、蘭英。ここでするつもりなんてなかったのに……」
唾液で濡れた耳に、わざと息を当てるようにしてクスリと笑う。
腿に当たる彼自身がムクリと起き上がってきた。それを脚を動かして悪戯する。
不意に張奎が彼女の肩を掴み、岩に押し付ける。反らされた喉に唇を這わせ、鎖骨の窪みに移動する。
どこへの愛撫が効果的なのか、抱き慣れたこの体に関しては知り尽くしている。
「あぁ……ん」
窪みを舌先でちろちろと舐めると、蘭英の体が竦み、窪みがさらに深くなる。
体をさらに密着させるように夫の頭を抱え込む動きは、張奎の劣情を煽った。
もう片方の鎖骨を背中越しに廻した指で愛撫すると、微かに外に向いた我儘な乳房が彼の肩に当たって
潰れた。
おもむろに彼は妻の手首を取り、頭の上で一つにまとめた。片手でそれを抑えつけ、もう片方の手で
危ういほど括れたわき腹を撫でる。
「あなた……?」
顔を離して妻の体に視線を這わせた。欲を塗りこめたまなざしは、静かで真剣だが、稚い顔立ちゆえに
余計に蘭英に羞恥心を抱かせ、カッと体を熱くする。
朱が走った顔から細い首。まなざしを逃れようと微かに身じろぎするたびに白い喉がひくつくのが判る。
ゆるくウェーブのかかった金糸のような髪は、言い知れない熱を持った視線に呼応するように流れ、
しどけなくうなじを晒し、耳に触れては吐息をつかせる。
儚げに薄い耳朶は敏感な部位のひとつだ。視線で舐めあげると長い睫毛が震えた。
無防備に露わにされた脇は、透き通って繊細な静脈が浮かび、しなやかな二の腕に吸い込まれて消えた。
すべらかな肌をなぞると、押さえつけられたせいで赤くなった長い指に辿り付く。
湯船に浮かぶ形よい乳房の先端は、その視線だけで既に充血して固く尖っていた。誘うように揺れる。
「蘭英、感じてるの? 触ってもいないのに……」
紅く染まった顔を背け、蘭英は目を伏せる。
「黙ってたら判らないよ……」
ピンッと鴇色の突起を弾いて、その眼を覗き込む。
「ひゃんっ」
太腿を撫で上げ、膝を抱え上げる。腕を解放すると、その手はすぐに張奎の首に巻きついた。
「そんな目で見られたら、すぐにおかしくなってしまうわ……」
「今更? 相手は僕なのに?」
あなただからこそ、と答える代わりに細い指が門渡りをくすぐった。
フッと浴室の灯りが消えた。
「……暗いわ」
「月が充分明るいよ」
胸の谷間に顔を埋めるようにして、両の乳房に吸い付く。紅い花びらが舞った。
蘭英の指が彼の乳首を捉えた。薄く小さなそれを指の腹で撫でるように愛撫すると、ほんの少しだけ
主張をするように立ち上がる
お返しとばかりに、妻の乳首を口に含む。それを舌先で転がしながら、彼女の腰を抱いて引き寄せた。
「はぁんっ、んっ……」
蘭英の手は力なく彼を引き離そうとするが、軽く歯を立てられダラリと垂れ下がった。
月明かりに照らされたその顔を見て張奎は、本当に綺麗な女だと思う。細部まで大げさなほど
作りこまれた造形は、素顔の美しさもかくや、ほんの僅かな化粧で艶やかに咲き誇る。
蘭英自身は薄化粧でも厚化粧に見えて嫌だ、とぼやくが、言いたい奴には言わせておけ、と張奎は
思っている。彼女の真の美しさなど、自分以外の誰も知らなくて良い。
美人で、気が利いて、仕事も家事も完璧で、なおかつ強い。もったいないくらいできた妻だ。
「……どうしたの? あなた」
見惚れていると、蘭英が体を沈めて彼を覗き込んだ。
「綺麗だよ、蘭英」
こんなときでもないと照れて言えない。逆に言えば、不器用な自分がこんな台詞を言える今のような
瞬間が不思議であった。
ふわりと笑った蘭英は、夫に縋りつくようにして、その胸板の窪みに舌を這わせる。
片手は、湯の中ですでに屹立した彼自身をゆっくりと扱いていた。
――ちょっと気を抜くとコレだもんな……。
どうやら彼はこの妻には勝てそうにない。
絡み付いてくる細い指先に、駆け上る快楽が絶頂が近いことを教えてきた。
蘭英の腕を退け、背中から指を伸ばして襞をまさぐった。湯船の中で、湯とは違うとろりとした
感触が彼の指に纏わり付いた。
準備はできている。
抱え上げていた膝裏を肩に乗せると、蘭英が彼自身をそっと導いた。
その指に促されるまま、一気に突き入れる。
「あ……っ!」
「んっ……」
包みこむようないつもの感覚に加え、水圧のせいで狭まった内壁が、想像以上の強さで彼を咥え込む。
ゆっくりと動き出し、内襞を肉棒で掻き回しだすと、背に回されている妻の腕が切なさを訴えるかの
ように力を込めた。動きに合わせてチャプチャプと揺れる水音、ねだるように動かされる蘭英の腰、
さらに硬く、大きさを増す自分自身が、彼の脳裏を痺れさせる。
「はぅ……あっ、いい……ッ」
背を仰け反らせる蘭英の格好は、必然的にツンと上を向いた乳房を夫の目前に晒すことになる。
優しく誘うそれを片手で揉み、先端を舌を出して舐める。唾液を絡ませ、わざと音を立てて
ぴちゃぴちゃとやっていると、焦れた様に彼女の腰がグラインドし始めた。
「はぁ……んっ、あなた、お願い……っ」
乳房から手を離し、腰を抱えなおす。強く突き、こねくり、中を抉るように回し、動きを合わせて
挿入を激しくする。腰を動かすたびに飛沫を立てるようになった湯は、2人の交合を
さらに円滑にしていく。
甘い吐息が叫ぶような嬌声に変わる。
「ひゃっ……! ああっ……!」
間断なく声を上げる妻の口を塞ぐ。くぐもった喘ぎ声すら喉の奥から直接的に快楽神経を刺激する。
彼女の内部は彼を融かしてしまいそうに熱く、体を沈めるときつく締めつけ、腰を引くと内襞が
留めるように絡み付いてくる。
糸を引きながら唇を離すと、長い髪を振り乱し、濡れた瞳で強請る。
「もっと深く……っ!もっと奥までください……!」
貪欲に重なり合いを求める彼女の両脚を肩に担ぎ上げ、深さと激しさをさらに増す。
肉棒の切っ先が最奥に突き刺さる感触に、蘭英は喉を仰け反らして喘いだ。
限界だった。
「蘭英……、もうっ……!」
「いいわっ……! 来て――」
しなやかな両脚がピンと伸びる。彼女の秘所が痙攣するように男根を締め付けた瞬間、彼もまた
夥しい自身の欲望を放出した。生々しい感触に突き抜けるような絶頂感を味わうと同時に、
背筋を走るゾクリとした心地良さを感じた。
未だ繋がったまま、縁に背中を預けて荒い息を繰り返す妻の体にしがみ付く様にしながら、
のろのろと目を上げた。
寒さは既に感じない。それでも、冴え冴えとした月の光は、肌に冷たかった。
朝歌に向かう魂魄を見送ったあの日の夜も、今夜のような美しい月夜だった。
途切れることのない悪夢の中、彼の偶像をいくつもいくつも叩き割った。
欲しいのはこんな形骸ではなかった。
己でも解せぬ叫びをあげながら、拳が破れても半狂乱になって壊し続ける。
血まみれの手を大地に付いて崩れ落ちた。
置いて行かないでください。
こんな僕を笑ってください、窘めてください、叱ってください、許してください
――認めてください……!
それはすべて、あなたでなければ意味がなかった。
いつか、あなたの隣で、誰よりもあなたに信頼されるものとして存在したかった。
焦がれるほどに惹かれていた。
敬虔な狂信者である自分にとって、神とは真実あなたのことだった。
あなたでなければ意味がないと思うこの自分の意味など、もはやどこにもないのだ。
……あなたがいなければ――!
その日、きっと自分は泣くと思っていた。しかし、心とは裏腹にからからと乾いた眼球は、
ついに一滴の涙も流すことはなかった。
濡れたままの髪が牀榻に広がる。
終わる頃には乾いているだろうか?
ぼんやりそんなことを考えながら、羽織っただけの夜着の胸元を合わせる。
完全に肌蹴られた下半身は、ぽっと熱を持っていた。
足の指を三本同時に頬張った夫が、指の間を舐めている。
「はぁ……ん」
じわりと背筋を伝ってせり上がってくる快楽を感じて身を捩ると、敷布の染みが広がった。
足の裏を唇が這う感触に、湿った吐息が漏れる。
熱に浮かされるような夜の終わりは、まだ遠い。
封神台の上でこちらを振り返った影に、忘れていた何かを思い出した。
驚いたように目を瞠った影は、ゆっくりと彼の名を呼んだ。
口元に浮かぶ柔らかい笑みに、絶えて久しかった涙が零れた。
心臓と脳に急速に血が集まり、駆け出す手足の鈍さがもどかしかった。
「聞仲様ぁっ!!」
目の前に立つ聞仲は、霞に遮られて穏やかに眩しい夕陽を背負っていた。
それは、奇しくも彼が封神されたあの日の、あの夕陽に酷似していた。
ぜいぜいと息を切らせ聞仲の前に立った時には、もはや彼の顔は涙でまともに見えなかった。
ゴシゴシと拳で眼を擦り、なんとか見上げようとするが、うまくいかない。
嗚咽混じりの声で何度も何度も名前を呼ぶ。
目の前にいるのに叫ぶようなそれを、しかし聞仲は何も言わずに待った。
言いたいことはいっぱいあったはずだった。伝えたいことが、訴えたかったことが、訊きたいことが、
導いてもらいたいことが、山ほどあったはずなのに何一つ思い出せない、言葉にならない。
しばらくしてやっと眼を上げると、禍々しいくらい赤い太陽が視界いっぱいに広がり、聞仲を呑み込んだ。
紅く、爛れ落ちる蒼穹の錯覚――。
流れる涙が思い知らせる。
彼はもう自分と同じ世界にはおらず、自分の前を征く導はもういない。
喪失は過去へと流れ、胸の痛みだけを残して去っていく。
進んでいるはずなのに自分だけ取り残されたような気分は、歩む力を緩慢に殺いでいく。
人はそれを絶望と呼ぶ。死に至る病だという。
それでも自分は生きている。血を流し、涙を流し、こんなにも、こんなにも生きているというのに!
「僕の前に、あなたがいないのが許せない……! あなたを殺した太公望が許せない!
そのうえ、今度は聞仲様が何を棄てても守ろうとした殷を滅ぼすだって!? 許せない! 許せない!
何様のつもりだ、ちくしょうッ!!」
搾り出した言葉は、自分でも悲しくなるほど子供の駄々めいていた。
「ああ、でも! 会ったらその場で八つ裂きにしてやるって思っていたのに! あなたに会えると
言われたらそれもできなくなった! もうどうすればいいのかわからない! あなたのために何をすれば
いいのか判らない!! 聞仲様が守れなかったなら、僕が聞仲様の大事なものを守りたかった!
でも、もうそれが何なのかも判らない! だって、あいつはッ! 太公望は! 僕が聞仲様のことを何も
判っていないと言う! 教えてください! 僕はどうしたらいい!? 僕はあなたのために何ができますか!?
あなたのために……!」
再び嗚咽が漏れる。
そんな自分自身を、どこか客観的に眺める自分がいる。
馬鹿みたいだ。何故僕はこんなに泣いている?
この人はこんな穏やかな顔をしているのに、何のために僕はこんなに泣いている?
一体誰のために?
思考が袋小路に入って、ぐるぐると回る。誰のために? 誰のために?
……否。
本当は知っていた。
僕は、僕のために……、泣きたかったのだ。
「私のために戦うな」
低い声に、握った掌から血が流れているのに気づいた。
「私は私の守りたいものを必死になって守っただけだ。それが、何かに縋る愚かな行為だったとしても、
私は後悔していない。私は私のために生きた」
聞仲の強さは、何よりもその強靭な意志だったのだ。
何かを守ろうとする狂おしい想い。
喪った際には総てが脆くも崩れ落ちる諸刃の剣。それを恐れもせずに握り締め、死なば諸共と猛進した。
鮮烈なまでに美しかった。そんな彼に憬れていた。そんな彼になりたかった。
「できうる限りのことをした。だが、民心はすでに殷を向いてはおらず、私は歴史の狭間の徒花と消えた。
気に病む必要はない。おまえは自分のためにどこへでも行くといい」
「……」
「おまえは、自分のために戦え……!」
指から力が抜けた。突き放すような言葉なのに、不思議と暖かさを感じた。
泣いていると思っていたが、いつしか涙は止まっていた。
「僕は……」
自分が恥ずかしい。
自分の意志で何も守ろうとせず、総ての指揮をあなたに任せていた。
あなたと共にあなたの大事なものを守ることが、自分の目的だと錯覚して。
総ての責任をあなたに負わせていた。自分が痛むことすらせずに。
だから僕は弱い。こんなにも、弱い。
「聞仲様になりたいと思っていました……」
どうすることが、あなたになることなのか知りもせずに。
「今、やっと判った気がします」
劣悪な猿真似にどれだけの価値があるというのか――。
嗚咽が止まっても、しゃくりあげる息とあきれるほど流れた鼻水が止まらない。
「かっこわる……」
「落ち着くまでここにいろ。そんな顔を奥方殿には見せられまい」
「はい……」
勧められたのは聞仲らしい、質素だが品のある籐の椅子。ぽんっと大きな手巾を投げられる。
心遣いが嬉しかった。
滅多に見れないその表情が、その眼が、優しくて優しくて、優しすぎて胸が詰まって苦しかった。
振り向くな。
強い想いが背中を押す。
振り向きたいという欲望がないわけではなかった。
それでも視線は前方の地に張り付き、自らと共に進み、引き剥がすことができなかった。
振り向けば、あらゆるものがものすごいスピードで自分だけを残して過去に去っていきそうで、
どうしても振り返ることができなかった。
ごちゃまぜになった感情の中、真に必要なものを拾い出すことができなかった。
ただ、時間が欲しい、と願った。
ちゅぷ、と音を立てて指が粘る糸を引く。そこから手を離し、次は顔を近づける。
「はぁっ……」
夫の息遣いを感じ、蘭英が敷布を摘んだ。
一枚一枚襞を舐め、舌がクレヴァスを目指す。
寒さのためにすぐに閉まってしまうそこを、丁寧にほぐしながら舌を差し込んでいく。
途端に溢れ出す透明な蜜を、舌を筒状にして啜り上げた。少しだけ苦い彼自身の残滓すら
飲み下しながら、派手に嫌らしい音を立てると、その舌がきつく締め付けられた。
指を使って薄い皮を剥き、鼻先で真珠のような小さな花芽をつついた。
「いやぁあっ……!」
腿が彼の頭を強く挟み込む。
湿っているせいで跳ねのなくなっている髪を掴んで、絶頂が近いことを伝える。
今度はぷっくりと勃起している陰核を巻き込むように舌で包む。
「ひゃんっ!」
蘭英の体が弓なりに仰け反った。
強弱をつけて舐めると、小刻みに震えていた声がどんどん大きくなり、強く押しつぶした瞬間に
高い悲鳴となり、引き攣れたように強張っていた体が弛緩した。
髪を切った。
気分転換だよ、と笑う夫の髪に鋏を入れる。
切った瞬間パラパラと外側に跳ねる髪は、色質が違えど、どこか聞仲のそれに似ていた。
それでも、恐ろしく眦の切れ上がった聞仲と、キリッとしてみてもどこか愛らしさの抜けない
大きな眼を持つ夫とでは、まったく違って見える。
その違いは、蘭英をホッとさせた。
全身を舐めようと体を上げてくる夫を押しとどめる。
「私にも、あなたを食べさせて……」
頷いた彼は牀榻の上に座った。
こちらはきっちりと着込んだ白い夜着を脱がせていく。
彼の脚を広げて、中心に顔を近づける。半ば大きくなっていたものを取り出すと、
ぱくりと咥えた。口の中で、どんどん大きくなっていくのが楽しい。
「もっと吸って……、少しだけ歯を立てて……」
夫の要求に忠実に応えていく。その口の端から唾液が漏れる。
「顔を見せて……」
喉の奥で鈴口を締め付けながら、上目遣いで蘭英が張奎の顔を覗き込む。
眉根を寄せ、悦楽に嘘のつけない真摯な眼で彼女を見る夫が堪らなく愛しかった。
舌を張り付かせて、顔を上下させる。
「うぁっ……」
奥歯を噛み締めてこらえる張奎だったが、何度も繰り返されるうちに腰椎から背骨に向かって
電気が走った。固く眼を閉じて天井に顔を向ける。
――やばいかも……。
体を捻って彼を咥え込む妻は、未だ離れる様子がない。
痛いくらい張り詰めた欲望が律動を始める。
「蘭英……。そろそろ――」
先走りを口元から垂らした妻が、綺麗に微笑んだ。
牀榻に脚を投げ出して座る張奎の上に、蘭英が跨った。
屹立したものを指で支えて、体を沈めていく。
お互いの体に腕を廻し、視線を絡めあう。柔らかく、しかし今にも泣き出しそうなそれは、
なんとも言えない切なさを呼び起こした。どちらからともなく唇を重ねる。
それでも――。
と張奎は思う。
禁鞭は、禁鞭だけは、自分の手元に置いておきたかった。
彼の気高さと誇りの象徴でもあった宝貝を誰か他の者が使うのは、考えただけでも耐えられなかった。
ならば、自分が使う。
彼の誇りを最もよく知る自分が使うことが、彼の誇りを守ることにもなるはずだ。
愚かなだけの妄執と後ろ指差されるなら、きっとそのとおりなのだろう。
それでも、譲れない。
聞仲の影を追っている証拠と見做されても致し方ない。
今は追っているだけでも構わない。
いずれは追いつき、追い越し、彼を越える。禁鞭を使いこなすことが、その最初の一歩になるはずだ。
仙人界が落ちた跡で泥に塗れた禁鞭を拾い上げたとき、体の力を根こそぎ持っていかれそうなほど
強い波動に震えるような感慨が奔った。
丁寧に汚れを払い、その柄を強く掴む。
自分は弱くなどない。今、覚悟を掴んだ。
褥の中の声は密やかに、しかし間断なく続く。
絡み合うのはむしろ体ではなくて、境界をなくした心の方だ。
自分という形骸が激しくしぼんでいき、代わりに空気の密度が極限まで高まっていく。
それはあたかも自分という膜を隔てて、空気という溶質の中に自らの内部が溶媒として溶け込んでいくか
のようだ。
変化した浸透圧は、容赦なく形骸を破壊してゆき、空気はすでにあらゆるものを取り込んでいる。
自分であったもの、彼女であったものが混在し、そこには自我やら想いやら妄執やらも含まれているようだ。
阿頼耶の闇と同じく、森羅万象すべての無意識が集まり、自らだけが微かに意識を再構築している気がする。
実体を持たない意識だけの存在。
その闇の中、小さな光を宿す瞳が瞬いた。
「ああ……っ! 張奎――」
「……蘭英!」
互いを確認するために名前を呼び合う。
それは、別の物であることを認識するために、二人でいることを知るために必要な儀式。
このまま溶け合ってしまうのは容易だ。でも、それでは一人でいるのと変わりはしない。
別々に生きているからこそ、寄り添うことができるのだ。
絶妙な距離をとって暖め合うヤマアラシの姿が普段の二人だとしたら、褥の二人は鋭い針に血を流すと
しても、極限まで近くにいたいと願っている。
固く肌を重ねて、腰を動かす。
苦しいほどの悦楽が牙を剥く。その苦痛すらも分け合いながら忘我の境地を目指す。
二人で一つのような錯覚にさえ陥るというのに、交じり合いながらも遺恨なく再び別のものとして
存在できる。そんな相手は二人といない。
もがくように足掻き続ける現世とはまったく違った次元で、なくてはならない存在。
感じるのはほんの微かな光。それでも、真闇の中ではこの上ない灯びであった。
昏い絶望の最中、自分でも気づかぬ間に縋りついた蜘蛛の糸はこれではなかったのか?
「あの人は必ず……、必ず禁鞭を使いこなして、勝つわ!!」
それは確信だった。
自分が信じなくて、誰が信じるというのか。
震える心を握りつぶしながら、蘭英は立っていた。睨むように闘技場の土を見つめる。
夫は何も言わなかった。それでも、自分には判る。
自ら痛む覚悟を手に入れた以上、進めなくなった者には死しか待っていない。
ならば、ここは勝つしかないのだ。
あの人を乗り越えるためにも――。
深く繋がった体が、びくんと跳ねる。
――蘭英!
濡れた瞳が甘い煌めきを溢す。
最奥まで突き上げて、固く抱き締める。絶頂に悲鳴を上げた体の重みが圧し掛かる。
ヒュンッ、ヒュンッと禁鞭が風を切った。
伸縮自在の身を蛇のようにくねらせて張奎の周りをのたくる。
「禁鞭の真の力もってすれば、これしきの土をはじき飛ばすなんて楽勝なんだ……」
敵が何かをわめくのが判った。だが、耳に入らない。
素晴らしく高揚した気分が、彼の血を沸騰させていた。
禁鞭が彼に応えた。彼の思いを受け入れてくれた。
前の主と同じく気位の高かったそれが認めてくれたことは、張奎にとっては彼の人が認めてくれたのと
同意だった。
ズラズラと身を起こす奇怪な植物の妖怪が見える。
手の中で禁鞭が身を捩った。彼を拒否したときとは異なり、今度の動きは優しかった。
――大丈夫だよ……。まだ戦える……。
怒りに震える呼気がビリビリと鼓膜を振動させる。大きく吸って、止まった。
来る!
「行こう、禁鞭!!」
ぐっと腰を落として地を踏みしめる。
手首の捻りを利かせて大上段から振り下ろし、遠心力を殺さぬまま、返す腕で内から外へと
斜め上に振り切った。
その動きが激しい縦波と横波に分散され、前方・後方、上下左右から高覚を襲う。
一撃一撃が岩山を粉砕する破壊力。
激しい土埃の中、最後に跳ねた舌が、真正面から高覚の顔面を貫いた。
するすると体から力が抜けていくのを感じながら眼を閉じる。
「さようなら。聞仲様……」
最後の偶像が砕け散った。
「――!」
声にならぬ叫びをあげて、総てを解き放った。
絡み合って牀榻の上に倒れる。
荒い息を整えつつ、腕の中で恍惚として笑みを浮かべる妻の額に唇を落とす。
どんなときも常に傍らにあったぬくもりを手放したくなかった。
しなやかな体を自分の上に乗せたまま、朝まで泥のように眠ろう、と眼を閉じる。
月はいつの間にか窓から消えていた。
斜めに差し込んでくる朝日を受けて、張奎は眼を覚ました。
牀榻には誰もいない。
脱ぎ散らかした夜着などは綺麗に片付けられ、汗だくだったはずの体もやたらとさっぱりしている。
女というのは怖いものだ、とこういうときに思う。
完全に気をやっていたはずなのに、しばらく後には、何もなかったように起きだして、
総ての後始末をしてしまっている。その頃に男は完全に夢の中だ。
そして、翌日の朝は平然といつもどおりに振舞うのだ。
朝餉の匂いがする。
はぁ、と溜め息をついて体を起こす。少しだけ昨日の酒が残っており、頭が痛んだ。
さすがに夜着は着ていなかったが、厚い上掛のおかげで寒さはない。
牀榻の横にすでに今日着る服が一式吊り下げてある。
それを布団の中に引っ張り込んで、中でもぞもぞと着ていると蘭英が顔を出した。
「ご飯できたわよ。あら。少しお酒が残ってる?」
「うん……。食べる前に鍼うってくれる?」
「了解。起きるときについでに敷布を換えてくださる? 椅子の上に新しいの置いてあるから」
完璧な妻は、人を使うこともうまい。うまく夫を操って、彼でできることは大抵やらせてしまう。
そのせいか張奎の淹れる茶は美味だ、という噂もあるが、それはまた別の話。
「わかった……。あふ……」
大きく欠伸をしながら、張奎は言われたとおりに敷布を替えるべく、牀榻から降りた。
宿酔いもすっきりで出勤した張奎は、教主の執務室から見える園林を見て絶句した。
「……なんじゃこりゃ〜!!」
ややあって発せられたあまりにもベタな叫びに、半死半生の顔をした教主殿は耳を塞いで抗議した。
「張奎くん、……響くからあんまり大きな声をださないでくれないかな?」
「いや、アレ見たら誰でも叫ぶって。つーか、どういうこと!?」
「……多分、武吉くんだと思うんだけど……」
「……締め上げて、全部元に戻すように言ってくる」
「お手柔らかに……、ってちゃんと事実確認してからね」
「判ってるよ、そんなこと」
足裏を床に叩きつけるようにして去っていく張奎と、入れ違いに蘭英が姿を現した。
「今日の執務の確認ですけど……、あら、教主も宿酔い?」
「昨日は記憶がないんだよ、情けないことに。ああ、燃燈様は今日は休みだから。あらかじめ休暇を
取っとく辺りが、あの方の凄いとこだね」
教主って呼ばれるの、まだ慣れないなあ……、と机に突っ伏しそうになるのを必死で抑えるヨウゼンを見て、
クスクスと蘭英が笑う。背後に回って、何も言わずに太陽針を放った。
「!」
驚いて振り返ったヨウゼンが、もう一度驚いて頭を振った。
「……凄い。張奎くんが元気なのはこのせいか」
「スッキリされてようございましたわ。まずはこちらの確認からよろしくお願いします。張奎は
それどころじゃなかったでしょう?」
「……貴女にはかなわないね」
窓から見える園林の木々は、片っ端から逆さまに植えなおされ、広がった根が空を向いていた。
太陽は高く眩しいのに、陽光にはさほど熱を感じない。
肌をなぶる風は、未だ突き刺さるほどに冷たい。
ふと高い木の枝に眼を留めて、蘭英は少し笑った。
傍らでは、疲れた顔をした張奎が、四肢を伸ばして寝転んでいる。
「今日は仕事になんないね……。僕は一日、昨日の乱痴気騒ぎの後始末になりそうだ」
例の件は、武吉が真っ青になって、あっさり自分の罪を認めた。
「ごめんなさい! ごめんなさい! 全部自分で責任もって直します!」
と疾風のように走り去り、本当に一刻もしないうちに総ての木が元に戻っていた。
唖然とする張奎の前に土下座して謝り続ける彼を見て、張奎もまあいいか、という気分になってくる。
本来ならしかるべき罰則を与えるべきなのだろうが、竜脈の上にある木々のこと、元に戻った以上
大事もないだろうし、武吉をやんやの歓声で煽り立てた連中が多数いた、ということが判明したので、
そいつらを見つけて扇動罪に処す苦労を考えると、無罪放免にしておいた方が、彼にとっても楽だった。
それはそれで済んだのだが、結局、酔った勢いで痛んだ動産・不動産は数知れず、下手人を洗い出しては
復旧に当たらせる、という作業は難航を極めた。
それで様々な業務に支障が出るのはもはや避けられず、その遅れの概算を責任者と協議し、報告書を
教主に提出するのは彼の仕事だ。
すでに蘭英に言付けた分は、彼女がシュミレートした上で報告書を作成済みだ。
その合間に、日常の業務も片付けているのだから、本当に有能な秘書である。
「助かったよ、感謝してる」
とはいえ、ここが無事でよかった、と上体を起こして庭院に眼をやる夫が、何を考えているのかは
すぐ判った。ここは、禁城のそれにどこか似ているのだ。
そこで彼は、太師が王達に剣術の稽古を付けるのをよく見ていたという。
「……会いに行きますか?」
意外なほどあっさり首を振る。
「いや、いいんだ。僕はもう、あの方を追いかけているわけじゃない。それに、今行っても
追い返されるよ。未だ落ち着いたわけではなかろうってね」
会いたくないわけじゃないけどさ――。
脚を振って飛び上がる。つんと高い蒼穹が迫った。
にしてもっ、と体を捻って背骨をぼきぼき言わせながら、張奎はぶうたれた。
「今日走り回って気づいたんだけど、体がなまってるね。一発こう、スカッと暴れてみたいな……
ってオイ!」
「?」
真っ赤になって、必死で何かを摘んで胸から喉に上げる仕草をする。
「ジッパー! もっと上げろって!」
「え?」
覗き込んだ豊かな胸の上部には、くっきりと紅い痣が二つほど。
「あらまあ。気づかなかったわ」
「あらまあっておまえ……。鏡くらい見ろよ! 派手な顔して全然身なりとか気にしないよな」
「派手な顔って……。これは生まれつきです! 身なりもあなたに言われたくありませんわ」
プイッと横を向く。
あ、マズい。怒らせたかも……。
今度は少し青くなって、先ほどの発言を修正しようと頭をめぐらせる。
しかし、生来の性分からなかなか気の利いた言葉など思い付けるはずもなく、こんなとき誰ならうまく
場を収めるかなどと考えてしまう。
赤くなったり青くなったり、夫の百面相にさすがに気の毒になって、蘭英はクスッと笑った。
それを見て、張奎もほっと息をつく。よかった。なんだかよく判らないが、妻の機嫌は直ったようだ。
あいつら、だから今日はお疲れですね〜、なんて意味深に言ってきやがったのか。てっきり、騒ぎの
後始末のことだと思ってたよ。疲れてんのはいつもだっつーの。夫婦だからいいだろ、まったく……。
腕を組んでブツブツ文句を垂れる張奎を、蘭英は眼を細めて見つめていた。
「相変わらず仲良くていいことだね」
突然闖入してきた第三者の声に、弾かれたように二人がそちらを向く。
御神酒徳利みたいだ、とヨウゼンは声に出して笑う。
「いつからいた?」
「さあ? 体がなまってる、辺りかな」
……全部聞いてやがったな!
再び真っ赤になってヨウゼンを睨み付ける。
先ほど少しだけ彼の顔を思い浮かべたなんて、口が裂けても言えない。
「宿酔いじゃなかったのか?」
「君の優秀な秘書殿が治してくれたよ。おかげで助かった」
なるほど、と少し恨めしげに蘭英を見る。
手にしたノート型のコンピュータを吹きさらしの廊下に置いて、ヨウゼンは庭院に下りてきた。
「体がなまるというのには僕も同感だ。どうだい? ちょっと手合わせしてみないか?」
「お! いいな。相手にとって不足はない」
「およしなさいな。ここで禁鞭を振り回すつもりなの?」
「え……、でも、さすがに今外に出るのは職務放棄だろ」
「ダメよ。あなたと教主じゃ『ちょっと』では済まないわね。特にあなたよ。武吉くんのことを
どうこう言えないような、とんでもないことになるのは間違いなくてよ。二人を止められるだけの
ツッコミ役はここにいないもの」
これにはヨウゼンも、うっと詰まって苦笑いした。彼女にとっては二人ともボケらしい。
「それに、ほら」
ここを壊すわけにはいかないでしょう?と、蘭英が指差す方向を見ると、大きな梅の木の高い枝に
ほんの二つ三つ、小さな白い花があった。
砂を含んだ一際強い風が吹き、花が揺れた。三者三様に目を細める。
冬はもう、終わろうとしていた。
<< 終 >>
ソウルハック3P ってことで。
ところで、張奎って妖怪仙人らしいが、原型は何なんだろう?
ダンゴムシ?
ネ申降臨!
まさしく理想の蘭英姐さんがここにっ!!!
神様を見つけました
だんごむし(爆笑
ええーとグッジョブです、聞仲ファンとして涙でました。
いい女だな奥さん。旦那かわいいな。
さりげなく教主も武吉っちゃんもかわいいなー、すげえ良かったです。
|∀゚)ダレカイルー
太公望×竜吉公主のラブラブSS投下してもいいかな?
762 :
761:04/09/22 19:58:52 ID:I2fpAnn6
うお! 名前欄元のまんまやんw
後でレスしようと思ったが、いるのバレたから、まあいいや。
>759 ダンゴムシに反応してくれてありがとう。
投下が増えると嬉しいな。
>>756 神グッジョブ!素敵なお話サンクスです。
ていうか胴体だんごむし、顔だけ張奎
っていう想像してしまった私って・・・
>>760 ドゾー。竜吉さん受けは色っぽくて好きですよー。
・・・ところで老子女体化受けとか望んでる自分は外道?
764 :
夜の旅人:04/09/22 20:22:22 ID:kGZ1grPH
今から太公望×竜吉公主のSS投下させていただきます。
警告
1、携帯からの投下なのでなにか不備があるかもしれません。
2、ラブラブの甘甘のキャラ壊れで、エロ度低めになっとります。
3、原作の世界も、かなり壊してしまっています。
以上のことに注意して、拙作ですが楽しんでもらえたら幸いです。
765 :
夜の旅人:04/09/22 20:33:34 ID:kGZ1grPH
「最初で最後の望み」
太公望×竜吉公主
歴史の道標を倒して数か月後…
諸国を放浪していた太公望は、竜吉公主に呼び出され、彼女の住まいである新しい仙人界へと向かっていた。
いくら怠け者の太公望でも、死期が近い、かつての大戦の功労者である彼女の呼び出しとあっては、出向かざるを得ない。
「しかし急用とは…いったい何であろうか?」
仙人界に着くと、太公望は呟きをもらし、公主の元へと向かう。
「公主、わしじゃ」
「うむ、入ってくれ」
一言かけて彼女の部屋へと入る。
空気を浄化するためのお香の匂いで、部屋は満ちていた。
<竜吉公主>純粋な仙女である彼女は、かつての崑崙山のような、清浄な空気の中でしか生きられないのだった。崑崙山が落ちた今、彼女の命は刻一刻と削られていた。
「赤雲、碧雲」
公主が声をかけると、脇に控えていた二人の侍女は、軽く会釈をして部屋から出て行った。
その様子を訝しがりながらも、太公望は公主の急用とやらを聞く。
766 :
夜の旅人:04/09/22 20:43:16 ID:kGZ1grPH
「公主よ、して急用とは何なのじゃ?」
「…太公望」
公主は澄きった玉音でゆっくりと、話し始めた。
「私はもう長くはないじゃろう。後一年か、二年か…どちらにせよ仙女として、悠久の時を過ごして来たこの身としては、瞬く間のような短さよ」
太公望は眉をひそめたが、沈黙をもって続きを促す。
「私は今まで、己を殺し、仙人界のために尽くして来た。しかしいざ死が近づいて来た時、自分の中に、どうしようもない願望が、湧いて来たのじゃ…」
公主はここで一回話を区切ると、深く息をついた。そのおだやかな顔が、僅かに朱を帯びたようだった。
「私の最初で最後の望みじゃ。太公望よ私を抱いてくれ」
一瞬の間の後、太公望の双眸が驚きのため見開かれた。
「なっ…」
思いもよらない公主の言葉に絶句する太公望。
公主はそんな太公望の顔を見て、表情に僅かな憂いを浮かべた。
「私とでは嫌か?」
声も少し沈んだものとなる。
「い、嫌ではないが…どうしたのじゃ?そんな急に」
なんとか平静を保ち、言葉をつむぐ太公望。そんな彼に公主は想いをぶつける。
767 :
夜の旅人:04/09/22 20:50:43 ID:kGZ1grPH
「急では無い。私は前々からお主を好いておった。前々からと言っても、たかだか七十年余りじゃがな」
普通の人間からしてみれば、それは一人の人生にも値する長い時間だった。
「しかし公主よ、解っておるのか?その身体で男と交われば、さらに命を縮めることとなるのじゃぞ」
公主は純潔であった。純粋な仙女である彼女は男と交われば、それだけで命を削られてしまうのだ。ましてや今の状態で交われば、確実に死が目前まで迫る。
「こんな身体だから、こそじゃ。最後に好きな男と結ばれたい…そして願わくば、おぬしと子を成したいのじゃ…私という存在が、確かにこの世界にいたという証が、欲しいのじゃ」
「公主…」
公主の熱い想いを聞き、太公望は戸惑っていた。しかしそれ以上に、そこまで覚悟を決めて自分を求める彼女を、愛おしいと想う気持ちが彼を、満たしていた。
「どうじゃ、太公望。私を抱いてはくれぬか?」
「………わかった。そなたの望みを受け入れよう」
しばしの沈黙。その後太公望は明言した。
768 :
夜の旅人:04/09/22 21:15:33 ID:kGZ1grPH
公主のいる天蓋付きの寝台へと、近づく太公望。
彼女の前に立ち、その頬に手を触れる。彼女の肌はまるで、赤子のそれのような触り心地であった。
「しかし、この事が燃燈に知られたら、わしは殺されてしまうかも知れんのう」
笑いながら軽口をたたく太公望。そんな彼を見て公主は微笑んだ。
「私の最後の望みじゃ、異母弟も解ってくれよう」
公主は太公望の背に手を回し、彼を抱き締めた。温もりが伝わってくる。
「うむ」
太公望も公主を抱き締める。右手を彼女の頭、左手を腰に当て、優しく自分の胸へと引き寄せる。彼女に心地良い鼓動が、伝わってくる。
「太公望…愛しておるぞ」
「うむ。公主よ、わしもおぬしが愛おしい」
「嬉しい…」
二人はしばらくの間、抱き合った。そしてどちらが先に、ということもなく唇を重ねた。
唇を重ねたまま、太公望は公主を寝台へと、優しく押し倒した。
公主の長く、艶やかで、美しい黒髪が寝台の上に広がる。
太公望は唇を離すと、彼女の衣に手をかけた。
「フフ…、何千年と生きてきたが、口づけなぞ初めてじゃった。男の前で衣を脱ぐのもな」
公主は自分の衣を脱がす太公望を、愛おしそうに見つめ、微笑んでいる。
そんな公主の視線を心地良く感じながら、太公望は衣を一枚、一枚、丁寧に剥いでいく。
769 :
夜の旅人:04/09/22 21:26:34 ID:kGZ1grPH
やがて公主は、一糸纏わぬ生まれたままの姿となった。
まるで雪のような白い肌、そこには一点の曇りもない。黒髪との対照が至高の美しさを醸し出している。
「美しい…」
太公望は心の深淵からそう思った。
「そんなに凝視しないでくれ…面映ゆいのじゃ」
公主は頬を染めた。
「ああ、すまない。おぬしがあまりにも美しかったので、ついな…」
公主は頬を更に紅くすると、恥ずかしそうに背けてしまった。
太公望は自らも衣を脱ぎ去り、公主に覆いかぶさった。
「あっ………」
再び二人は唇を重ねた。しかし今回のそれは深く長い。太公望は公主の唇に何度も吸い付きやがて唇を覆い、舌を出してきた。公主は初め戸惑ったが、やがて太公望に応じ、口を開き、自らも舌を出した。二人の舌がいやらしく絡み合う。
「んっ…はぁ、あ、…うんっ…はぁ…た、太公望っ」
すっかり上気した顔で公主は喘ぎを漏らす。その瞳は潤み、耳朶は真っ紅に染まり、口辺には、どちらのものとも区別が付かない唾液が、流れる。
「んっ…公主、公主っ!」
太公望も興奮が高まってきたのか息が荒くなっている。二人が唇を離すと唾液が煌めき、糸を引いた。
770 :
夜の旅人:04/09/22 21:48:11 ID:kGZ1grPH
太公望は、はやる気持ちを抑え愛撫を続ける。公主の首筋に軽く口づけをして、そこから鎖骨へと優しく舌を這わせていく。
「んっ…ふぁっ!…はぁん」
初めての快感に身を震わせる公主。
太公望はそんな公主の様子を見て、さらなる興奮を覚えたが、決して欲望にかられることなく、彼女の玉体を愛でていく。
公主のそのふくよかな乳房を両手で包み込み、強すぎず、弱すぎず絶妙な力加減で揉み、彼女をさらなる快感へと導いていく。
「んっ!胸が…なにか…おか、しいようじゃ…はぁ、んっ気持ち良い…」
公主が、感じているのを確認すると、太公望は桃色の美しい突起を口に含んだ。さらに舌をつかい丁寧に愛撫する。
「あっ!あ…あ、はぁ、き……いい」
愛おしい男の優し過ぎる愛撫に、公主は言葉に出来ぬほど、感じていた。
太公望は頃合いを見計らい、公主の秘部へと手を伸ばす。
「ひゃんっ!」
公主は今までに、あげたことのないような奇声を発した。彼女の秘部は濡れてはいたが、まだ男を迎えるには充分とはいえなかった。
太公望は、公主の膨らみから顔を上げると、彼女の足へと愛撫の場所を移した。
長く細い、しかしそれでいて適度に肉付きの良い、完璧な脚線美を誇る彼女の足に舌を這わせる。
足首からふとももへと、太公望の顔が上がってくるのにあわせて羞恥の余り、公主は足を閉じてしまった。
「公主よ、足を開いてはくれぬか?これでは何もできん」
「し、しかし、私はそんなことをしたら、慙死してしまうやもしれん」
「大丈夫じゃよ、それに今更恥ずかしがることもあるまいに」
太公望は公主の足を少し強引に開き始める。彼女も観念したのか閉じていた力を緩める。
771 :
夜の旅人:04/09/22 22:26:23 ID:kGZ1grPH
薄い陰毛に覆われた公主の秘部が、あらわとなる。
「公主よ、おぬしはこんなところまで…美しい」
「…っ!!」
絶句して、巨大な羞恥心のため顔が真っ赤に染まる。
それにも構わず太公望は未到の聖域へと顔を近づけていく。
「た、太公望!ま、まっ!!」
公主は、音にもならない声をあげて、その美しい肢体を大きくのけ反らせた。太公望の舌が彼女の最も敏感な部分に触れたのだ。
公主の割れ目からは、初めての男の侵入を促すように、愛液が溢れ出す。その様子を見て、太公望はすでに大きく勃起した自分の陽物を、彼女の秘部へと近づけていく。
太公望は顔を、再び公主の顔へと近づける。彼女は時期を悟ったのか息遣いを整え、話し掛ける。
「いよいよじゃな…」
「なるべく痛みのないようにするが、どうなるか分からん…もし苦痛なよ…」
「かまわん、覚悟はできておる。おぬしの気遣いは嬉しく思うが、心配は無用じゃ」
太公望の心配を打ち消すように、公主が彼の言葉を遮った。
公主の決意を受け止めて、太公望は大きく頷いた。
「うむ。ではゆくぞ」
公主は身体を強張らせ、力一杯敷布を握り締めた。
公主は自分の秘部に、硬く熱を帯びた何かが触れるのを感じた。彼女が何千年もの間、守り抜いてきた純潔が今、奪われた。
「つぅっ!!」
激しい痛みが公主を襲う、思わず鳴咽と共に涙も零れ落ちる。
そんな公主とは逆に、太公望は凄まじいほどの快楽を得ていた。しかし彼は独りでその快楽を貧ろうとはしない。彼女とその快楽を共有しなければ、意味がないのだ。なにより死を覚悟してまで純潔を捧げてくれた彼女に、自分も精一杯応えてあげたかった。
「公主…」
太公望は堅く敷布を握り締めた公主の指を解き、自分の指を絡めて、掌を重ねた。
「少し、力を抜くのじゃ。焦ることはない。ゆっくり、ゆっくり慣らしてゆけば良い」
「う、うむ…」
公主の強張りが少し緩んだ、太公望の陽物がゆっくりと、彼女の深い部分へ挿入されてゆく。
772 :
夜の旅人:04/09/22 22:41:06 ID:kGZ1grPH
太公望は挿入を続けながらも、公主を快楽へと導くため様々な箇所を愛撫する。前戯で彼女の感じる箇所は把握ずみであった。そこを重点的に攻める。
「あ…うっ…つ!!……あっ!ひあ…あっ、あんっ…はっ」
いつしか鳴咽は、快楽の嬌声へと変わっていった。
「う…はぁ、はぁ、感じて、おるのか?」
「わっ、分からない、でもなんだか身体の奥から何か、はぁんっ!」
公主が、徐々に感じているのを確認すると、太公望は腰を動かし始めた。
「あ!太公望、うっ、動!!あっ…ふああっ…はぁ……あんっ!」
太公望の技巧により、公主は破瓜の鮮血も乾かぬうちから、大いに感じてしまっていた。
「うっ!公主、公主っ!」
そんな公主を見て、太公望も快楽を深めていく。自然と動きも激しいものとなる。
朦朧として薄れゆく意識の中で、公主は確信にも似た思いを得ていた。
自分の純潔は、この男に捧げるためにあったのだと。自分はこの瞬間のために、今まで生き永らえてきたのだと。
彼女は、太公望に巡り会わせてくれた運命と、自分の永い生命に感謝した。
それが例え誰かによって、仕組まれたものだとしても…
この快楽と、幸福感はどうしようもなく本物で、間違いなく自分だけのものなのだから。
太公望もまた得たことの無い程の快楽、幸福感を味わっていた。
愛しい者と行う、生命としての呆れる程純粋な性愛の行為。それは人ならぬ仙人をして、ここまで驚心動魄させられるものなのかと。
「はぁんっ!あ…ん…あっ…太公望!私、もう、ああっ!」
「公主!わ、わしも限界じゃ、はぁっ…くうっ!」
二人は同時に絶頂へと達した。
太公望の熱い精液が、公主の膣内へと勢いよく流れ込んだ。
773 :
夜の旅人:04/09/22 22:51:58 ID:kGZ1grPH
太公望の熱い精液を感じながら、公主は願った。自分の身体に新たな生命が宿る事を、愛しい男の、子を産める事を。
それが天文学的な数字を、分母に持つ確立であることは知っていた。
自分の存在が、すでに奇跡である事も知っている。
それでもその奇跡を、願わずにはいられなかった。
全てが終わり、太公望は公主の横に寝転がり、彼女の髪を優しく撫でて微笑んでいる。
公主は愛おしい男に抱かれた幸福感をしっかりと噛み締めて、深い眠りに落ちていった。
774 :
夜の旅人:04/09/22 23:08:26 ID:kGZ1grPH
約九か月後、それは起きた、まさに愛の奇跡としか言いようの無い出来事だった。
竜吉公主は一つの命を産み落とした、玉のような女の子であった。
しかし公主はそれから日増しに衰え、ついにその日を迎えた。
公主の部屋にはたくさんの仙道達が、彼女の死を看取ろうと集まっていた。
公主は一人、一人に声をかけてゆく。
「教主よ、後の仙人界を頼む」
「燃燈よ、おぬしの姪っ子じゃ。よく面倒を見てやってくれ」
「赤雲。今まで良く尽くしてくれた。礼を言うぞ」
「碧雲。おぬしにも迷惑をかけた、礼を言う」
あるものは悲しみに咽び、またあるものはそれを堪え、ただ沈黙した。
「最後に、太公望と話がしたいのじゃが…」
公主がそう言うと、燃燈は皆に合図して共に部屋の外へと出て行った。
775 :
夜の旅人:04/09/22 23:27:35 ID:kGZ1grPH
部屋の中には太公望と公主、そしてその子供だけが残った。
「太公望よ、その子を頼んだぞ…」
子は、太公望の腕の中で寝息を起てている。
「うむ、心配するな。任せておけ」
太公望は力強く頷いた。公主は微笑むと話を続ける。
「のう、お主は輪廻というものを知っておろうか?はるか南西の思想なのじゃが」
「うむ、生まれ変わりの事じゃろう」
「そうじゃ、私はそれを最近信じるようになってな」
「ほう、それは何故?」
「フフ…そう考えれば死ぬ事など恐れるに足らん…むしろ生まれ変わり、またおぬしと出会い恋が出来ると思うと、どこか小気味良くすらある」
「それはそうじゃが…生まれ変わったら、互いのことは、分からんのでは無いか?」
「みつけてみせるさ」
公主は弱々しくもはっきりと断言した。
しばし沈黙が流れる。
そして公主が再び口を開く。
「おぬしと共に過ごした七十年余り、そして想いが通じ合ったこの一年、それだけが私の悠久の人生の中で燦然と煌めいておるわ」
「公主…」
太公望は腕を伸ばしその頬に触れた。
「太公望よ…愛しておる」
「わしもじゃ、愛しておるぞ」
公主はもう一度だけ微笑み、そして二度と口を開くことはなかった。
水滴が太公望の頬を伝い、腕の中の子供の頬へと落ちた。その瞬間彼女は母の死を感じたのか、大きく泣き出した。
太公望はぼやける視界の中、彼女をあやし続けた。
(完)
776 :
夜の旅人:04/09/22 23:38:47 ID:kGZ1grPH
やっと終わりました。長々とスマソ。
しかも全然エロくないし(鬱
最後の竜吉公主の死の部分は書くかどうか迷いました。蛇足になってなければよいのですが…
感想等あれば聞かせてもらえると幸いです。
GJ!
むしろ最後のシーンが無ければ話の纏まりが薄くなってたかも。
携帯からって所が凄いよ!
乙でした。そしてGJ!
最後のはあった方がいいよ。
切なくていい話だと思う。
蛇足だが、もうちょっと文章がこなれるとイイカンジ。
何で死んじゃったんだよーーーーーーーー!!!!!!!!(号泣)
781 :
名無し@ミルキー:04/09/23 14:28:16 ID:CvqgMI7U
公主さまの最後には少し感動。
んでちょっとエロがありながら切なげな話ってのも
ケータイでレスってのもスゴイ
自分的にはネ申降臨
過去レスを見ると、ここでは太公望と妲己の話キボンヌの人が多いようだが、
何を求めてるの?
エロはまあ当然なんだけど、敵なのに何らかの心のつながりがある、ってところ?
微妙な感情っつーかなんちゅーか、そういうものなのかな?
感想書いてくださった皆さん、ありがとうございます。
最後の場面も好評を得たようで嬉しいです。
今回の話はシリアスだったので、次回書くとしたら明るくして、もっとエロをいれたいと思います。カップリングも未定ですが…
太公望×公主のラブエロな日々とか。
妲妃のエロCG描いたんですけど投下していいですか?
いや、角煮じゃないのは分かってますけど、CG1枚のためにスレたてるのもなんだし、
挿絵っていう名目でネ…ダメ?(´・ω・`)
よかです
788 :
785:04/09/26 02:33:32 ID:IKBdJCI1
了解です。消されにくいうpろだ知ってますか?
「秋耳研究所」でぐぐりなさい。そこが一番投下しやすい
790 :
785:04/09/26 02:53:11 ID:IKBdJCI1
>>790 おお! 他のスレを見てる間に!
こりゃまたエロいな……。
漏れ的には抜けるが、モザイクなしの珍棒てんこもりなので、ダメな人はご注意って感じか。
ところで、鬼畜陵辱系はこのスレ、ダメなの?
GJ!! 汁っ気があればもっと良かったかも。
この調子で竜吉、蝉玉もキボンヌさせて下さい。
(あとついでに蝉玉の場合は野郎は何とか天化でお願いしたい…)
>>791 ありですよ
793 :
785:04/09/26 03:23:07 ID:IKBdJCI1
>>791 >漏れ的には抜けるが、モザイクなしの珍棒てんこもりなので、
>ダメな人はご注意って感じか。
先に断っていなかったから、
>>791さんのこの言葉がなかったら
一部の人に怒られていたかも。ありがとうございます。
>>792 そのうち時間があるときに…。あまり期待はしないで下さい。
>>790 いいものを有難う!
妲己タソ・・・・ハァハァ
795 :
ミルキー:04/09/28 21:09:58 ID:p+sFf2zi
「子供だ子供だと思っておったが、なかなかどうして……」
朝歌は禁城。豪奢な露台のある立派な部屋。天蓋付きの寝台。
周国は武王の寝室である。
遷都を控えた彼は、その皇后となる予定の少女と共に、現在はこの部屋で夜を過ごしている。
その露台に這うように何者かの影がある。
始まりの人が一人、その名も伏義。しかし、実は王奕と名乗り、地球の人間の器に収まっており、
かつ、半分に割られ、王天君になってみたり、残り半分は呂望だったり、姜子牙だったり、いろいろあった。
とまれかくまれ、面倒だから太公望ということにしておく。
知る者のみぞ知る先だっての女禍との戦いにおいて、総ての仙道の代表として彼女と直接拳を交えた者だ。
そして、彼は勝利し、地球は守られた。
いわば救世主である。
「うむむ……。発め、後一年などとぬかしておったが、それを待てずに手を出したのではないか?
邑姜がやたら慣れておるようだが……」
数分後。
「イヤらしい音だのう……。ここまで響いてくるとは。しかし、発はうるさい! 男の喘ぎ声なぞ
聞きとうもない」
繰り返すが、彼の名は(以下略)太公望。
救 世 主 である。
「太公望」
「お、やっと体勢を変えるのか」
「太公望?」
「発! 邪魔だ! よく見えんではないか」
「太公望……」
「うむむ。邑姜もいい声で啼くのう」
「太公望!」
「やかましいわ! 男の声なぞ聞きとうもないと言うとろうが! ――男の声?」
(そんなに必死だったの?)
「って、申公豹! おぬし何故ここに?」
「あなたがここにいる、と黒点虎に聞いたので来たまでです。お久しぶりですね。
……ところで、何をしているのです?」
(見れば判るでしょ?)
「シッ! 気付かれたら困るのだ。これからがいいところだからのう」
「いいところ……?」
(本当にわかってないの?)
「わしの邪魔をせんのなら、おぬしも好きにせい」
(結局続けるんだね。申公豹も一緒に覗いちゃってるし……)
「うお! いきなりそうきたか。積極的だのう……。しかし、発は遊び人ではなかったのか?
邑姜に押されっぱなしのように見えるぞ」
(なんか太公望の人格を疑いたくなってきたよ……)
「……なんというか、本命相手には緊張してうまくいかないタイプなのでは……?」
「なるほどな」
(申公豹……、口開いてるよ)
「うーむ。わしならそこでこう手を廻して――」
「私は後ろのほうが好みですね……」
(………………(゚д゚lll))
――スパコーン!
(!? ハリセン?)
「うぐぐぐぐぉ……! うわっ! 旦!」
「太公望……、あなたという人は……! 今や小兄様は御世継ぎを作らねばならぬ尊い身。
その寝所を覗き込むなど言語道断! 今日という今日は許せません! 軽犯罪法一条二三号
および私が個人的に何らかの罪を上乗せして、極刑を言い渡しついでに執行致します!
御覚悟めされいっ!! 成敗ィィィィィィッ!!」
(軽犯罪法って……、どこの法律?
個人的に上乗せ……?
ハリセンで成敗は無理だと思うけど……。
つーか、キミ、どっから出てきたの?
ダメだ!! どこからツッコんでいいか判らないよ!)
張り上げる大声に寝台の上の二人が同時に身を起こした。
「マズイ! 逃げるぞ! 申公豹ッ!!」
「はい……! ってなんで私まで!!」
(ちゃっかり見てたくせに)
「お待ちなさい! 太公望ッ!! フーッッッホワチャーッッッッッッ!!!!」
(うわ、飛んだ! 足から火が出てるよ! とんでもなく臭そうだよッ!)
「あれは……! 熾炎脚!! 旦め、いつの間にあんな必殺技をッ!!」
(今の若い子は知らないよ、ス○パー○トリートファイ○ー2のフェ○ロンなんて)
「あれを食らうとさすがに彼岸が見えそうですね……」
(臭いから? ねえ、臭いから!?)
上空へ逃げる二人(と一頭)に、さすがの周公旦も追跡しきれない。
「おのれ〜! 太公望オオォォォォォォ!!!」と尾を引く叫びを残して落ちていく。
(生きていると、何か大事なものを棄てなきゃならない瞬間ってのがきっとあるんだろうね……)
ふうっと溜息をつき、胸中で合唱する黒点虎であった。
ネタなのに長くなった…… _| ̄|○ スマソ
保守代わりってことで許してくれ
>800
俺は十分堪能できたぞ。
黒点虎のツッコミと旦に笑った。
ほとんど関係のないタイトルにも笑った。
>>800 GJ。
読んでて、つい
「発の正妃に納まるべく、老子の修行君DXで夜の修行に励む邑姜たん」という妄想までしてしまった
修行君DXにそういう機能あったら面白いな
特訓君だよ
最近は雑談書き込みもないな……。
保守代わりに、習作を一本投下させてもらうよ。
王貴人のレイプもの。
鬼畜ってほどではないが、そういう傾向のものが苦手は人はスルー推奨。
後、四聖が好きな人も読まない方がいいと思われ。
ちっとも「聖」じゃない……。
爆破の衝撃で王貴人は一気に廃屋の壁まで吹き飛ばされた。
したたかに背中を打ちつけ、ゴフッと口から血の塊が飛び出す。頭の上からは崩れた屋根の破片が降り、
貴人の額を割った。
「ぐっ……」
血が眼に入り、赤く霞んだ視界に笠を被った男の姿が見えた。
こんなヤツに……! ……こんなヤツらに!
ギリと奥歯を噛もうとしたが、再び喉から溢れてきた血のせいで、それは叶わなかった。
視界がふっと翳り、次いで黒く染まって意識が途切れる。
「殺してないだろうな、王魔よ」
「……今から確認する」
瓦礫を擦り抜けながら、王魔は倒れている貴人に用心深く近寄る。その脇を人頭大の水玉が
擦り抜け、貴人の頭に覆いかぶさった。
「何をする? 高友乾」
「手っ取り早く調べてやろうとしてるんだ」
ややあって、貴人の喉がのけぞり、もがくように腕がのたくる。
周囲が赤く染まった空泡がゴボリと上がった。
「生きてるな」
水を引かせると高友乾はニヤリと笑った。再び王貴人の体が崩れ落ちる。
「では、聞仲様に合流しよう。ソレは狐を釣る餌になるからな」
「待てよ、王魔」
端整な顔が下卑た笑みを浮かべる。
「雉の方はいかに奴らでも、もうしばらく時間がかかる。聞仲様は狐を追っている。
そっちはもっと手間取るだろう。俺たちには時間があるってことさ」
「何が言いたい?」
ギロリと睨むと、高友乾ははっと肩を竦めた。
「おまえ、アレ見て何も感じないか?」
視線の先には王貴人が倒れている。
ただでさえ露出の多い服の裾が捲れ上がり、腿が付け根まで露になっている。しとどに濡れた服は
全身にピッタリと張り付き、丸く形よい乳房はおろか、その先端の突起までが見て取れる。
半開きの唇が荒い息を吐き、そのたびに微かに胸が揺れた。
息を呑む。
今の今まで、王魔はそんなことには無頓着だった。王貴人のことは、ただ倒すことを言い渡された獲物
としか認識しておらず、そこに劣情を抱くことなど考えてもみなかった。
しかし、意識した瞬間、ひくりと下半身が反応する。
「まさか、貴様……」
「別にいいよ、おまえが何も感じないなら。俺だけ楽しませてもらう。アレは後で俺が連れてくから
先に行ってれば?」
「しかし、いかに敵と云えど、女にそんな真似は聞仲様が――」
「バレなきゃいいんだよ。それに『できれば殺さずに連れて来い』と言われただけだ。命令違反とは
言えないだろ」
「ぐ……、知らんぞ、私は! せいぜい、聞仲様に気づかれないようにしろ!」
「大丈夫大丈夫。全部洗い流して持ってくから」
さらりと言い捨てて、高友乾は王貴人に近寄り、いきなり無造作にその胸の突起を摘み上げ強く捻った。
「ひっ!」
王貴人の喉から引き攣ったような声が漏れる。
「何、感じたの? それとも痛かったか? まあ、どっちでもいいけど」
短い上衣の裾をたくし上げると、ぶるんと揺れながら白い乳房が露わになる。先ほど乱暴に嬲られた
乳首は色濃く立ち上がっていた。それに吸い付きながら、もう一方の乳首を摘んでコリコリと捻る。
「うっ……」
口の端から血の泡が零れた。反応に気をよくした高友乾は、捲れ上がった布の合間から彼女の秘部へ
指を侵入させる。
「ここはどうかな? びしょ濡れだが、これは水被ったせいだよな」
下着の上からゴムマリのような弾力を持つ陰唇を割り、指をスライドさせる。先ほどの戦闘で水を
被ったため、ぐっしょり濡れてはいるが、内部から染み出たものではない。
高友乾は下着を脇で結んである紐を解き、貴人の秘所を晒した。指で陰唇をえぐるように抉じ開け、
花弁の合わせ目を強く押し潰すように擦る。
「いゃあっ!」
強すぎる刺激のせいか、女体がびくんと跳ね、貴人が目を開けた。
「えっ……?」
目の前の男がニヤリと笑う。その唇が露わになった乳房を刺激している。股間に伸びた指が、くんっと
花芯を持ち上げた。
「ひゃっ……。な、何よ、あんた! 何してるの!?」
「うるさいぞ、琵琶」
途端にわめきだす貴人を黙らせるべく、口に含んだ乳首をガリと噛む。
痛みに貴人が、ひっと呻いて身を捩った。
その間に、高友乾は陰核を嬲っていた指を一気に二本、膣内に侵入させる。
「痛ッ!!」
「ちっとも濡れてないじゃないか。少しは反応しろよ」
「けっ汚らわしい! 離れなさい!!」
「おまえ、自分の立場がわかってるのか?」
「!」
――そうだ、確か私はこいつらと戦って……。
黒く染まる視界が甦る。
状況を思い出した貴人は、いきなり暴れだした。平手で顔を張り、足を上げて高友乾の肩を蹴って距離を取
――ろうとしたが、振り上げた腕は手首を掴んで止められ、蹴りは体を捻ってかわされる。
逆に容赦なく手の甲で張り飛ばされ、唇の端が切れた。
「ううっ……!」
痛む頬を自由な手で押さえるが、両手をまとめて頭上に捻りあげられてしまう。
「嫌あぁっ!!」
すっかりパニックに陥った王貴人は、両脚を滅茶苦茶に動かして抵抗する。
「ちっ、往生際の悪い」
けして戒めが解けるわけではないが、虫の息であるはずの女から思わぬ強烈な抵抗を受けて、
高友乾は苛立った。
「こんのアマッ! てこずらせやがって!!」
片脚を抱え上げ抵抗を封じ、暴れるもう一方の脚に苦戦していると、不意に腕の抵抗が無くなった。
「?」
「腕は私に任せろ。おまえは早く目的を済ませてしまえ」
「王魔――」
高友乾が口の端を吊り上げた。「恩に着る」
「アンタまで……!」
視線を上げて王魔を見る王貴人の顔に、絶望の色が浮かぶ。眼が合った王魔が、残酷に笑ってみせた。
「……うわ、マジでヤバイくらい眼がサドだな。おまえが責めた方がいいんじゃないの?」
「ふざけるな。私は妖怪女になど興味はない」
「ふん、そういうことにしといてやるよ」
「何を――、何言ってるのよ! 離しなさい! 離せっ!!」
「こんなに乳首勃てて、全然説得力が無いぞ。本当は感じたいんだろ?」
「馬鹿なこと言わないで! いい加減にしてよっ!」
「じゃあ、自分で見てみろよ」
両膝を抱え上げた高友乾が、彼女の体を丸めるように持ち上げた。仰向けに寝転んでも脇に流れない
張りのある乳房が嫌でも目に入る。
噛み跡の残る乳首は真っ赤に充血して、痛々しいほど膨れ上がっていた。
「……そんなっ、こんなの嘘よっ!」
「素直じゃないな。まあ、俺はどっちでもいいけど」
陰部がよく見えるように大きく広げた股間に顔を近づけ、いきなり包皮ごと陰核を噛む。
「嫌ぁっ!! 離して……!」
頭を激しく振って貴人が泣き喚いた。その目尻から涙が飛び散る。
喉の奥から血の味が消えない。内蔵がどこか痛んだ。しかし、その耐え難い痛みを掻き消すほど激しい
痛痒が全身を苛んでいる。
「ん? ちょっと濡れてきてないか?」
膣口に舌を触れさせる。「やっぱりな。女の味がする」
「……そんなことない!」
大声を上げると、再び腹に痛みが走った。しかし、先ほどより心なしか和らいでいる。
高友乾が唾液をたっぷりと絡ませた舌を膣内に突き込んだ。そのまま、唾液を次々と送り込む。
「う……」
面妖な感触が沸き起こる。眉をひそめて耐えていると、顔を上げた高友乾が鼻を鳴らした。
「ふん、色っぽい顔するじゃないか。本当なら一回その口に突っ込んでやるところだが、
噛み切られてはかなわんからな」
噛み切る……。
――そうか……。
舌を噛み切って石琵琶に戻ってしまえば、この責め苦からも逃れられる。
元型を晒すことは、妖怪仙人にとって何よりの屈辱である。しかし、現在進行形で進められているこの屈辱
――人間の女であるがゆえの屈辱の方が、今の貴人には耐えられなかった。
やるなら、舌を噛む力が残っている今のうちだ。
実行に移そうとした瞬間、片腕を膝で押さえ付けた王魔が、強引に歯列を割って、口に布のようなものを
詰め込んだ。
――!
「今、元型に戻られては困る。狐をおびき出す餌になってもらうまでは、人の形のままでいてもらおう」
――読まれた!
押し込まれた布(恐らくは彼女自身の下着と思われる)が喉まで圧迫し、もはや自分の意志では
口を閉じることすらできない。
――なんてこと……!
「琵琶ゆえにさぞかしいいよがり啼きをしてくれるだろうと思っていたんだが、残念だな。
ま、あまり時間もないことだし、下の口で楽しませてもらうよ」
言うなり、あわただしく下履きを脱ぐ気配がした。熱く固い物が秘所に押し当てられている。
――嫌! やめてっ!
ぶんぶんと首を振る。その反応を面白そうに高友乾が覗いてくる。
「やめてくれって言いたそうだな。でも、それがありえないってことも判ってはいるんだろ?
頼りの姉たちも今は交戦中だ。誰も助けてはくれないさ」
大粒の涙が零れる。肉棒が薄い皮の上を何度も往復し、陰芽が限界まで尖りきっていく。
むず痒い衝動に腰を捻って逃げようとするが、強く押し付けられた脚がそれを許さない。
男は厭らしい笑いを口の端に貼り付けたまま、微妙な責めを続ける。
――こんなのって……、こんなのってない! ひどい……。
ヤリたければさっさと突っ込んで、勝手に満足して終わればいい。
なのにこの男は自分の反応を楽しんでいる。強引に犯されているというのに、感じてしまう女の、
その生理を嘲笑おうとしているのだ。
貴人は男を睨みつけた。涙に濡れた目では迫力がないのは判っている。
しかし、それが彼女にできる唯一の反撃だった。
「素直じゃないなぁ。しょうがない。手っ取り早く先に挿れてやるよ」
ずぶりと音を立てて肉棒が押し入ってきた。
先ほど流し込まれた唾液のおかげでスムーズな挿入だったが、いきなり奥を突き上げられ、体が仰け反った。
傷の痛みにくぐもった悲鳴が漏れる。
「うわ、絡み付いて吸い取られそうだ。たまらん……」
ゆっくりと数回抜き差しする。抵抗のおさまった体に圧し掛かり、乳房にしゃぶりつく。
小さな乳首を散々弄り、舌で突付きながら言う。
「おまえはどうせ死ぬんだ。だから、今生の思い出にたっぷり楽しませてやるよ」
またしても、ぶんぶんと首が横に振られる。
「まったく、本当に強情な女だな。まあ、そんな女を強引に犯すのも、また楽しいもんだ。――王魔。
手伝ってくれ」
「――手伝う?」
怪訝そうな王魔に、上半身を起した高友乾が貴人の物欲しげに立ち上がった乳頭を爪で弾く。
「胸を弄ってやれよ。突っ込むだけじゃ芸がないからな。どうせなら感じさせてやろう」
「むぐっ! んん〜!!」
――一人じゃ感じさせられないからって二人がかりなんて……、この下手糞!!
そう叫んでやりたかったが、王魔の親指の腹が先端を撫で、途端に奔る電流のような感覚に呻いた。
ぴくんと小さく体が跳ねる。
小刻みに与えられる振動に加え、今度は高友乾が陰核を剥いて直接指先で擦る。
くぐもった喘ぎが漏れ、貴人は目を見開いた。
「気持ちいいんだろう? 正直になれ」
ふるふると頭を振るが、完全に否定はできなかった。
意識を取り戻したときに比べ、今は確実に痛みがひいていた。
無論、治癒したわけではない。
脳内麻薬の仕業だ。
戦闘直後という異常な状況、そして、女の体の中で最も敏感な三つの突起を同時に嬲られている現状。
分泌された脳内麻薬は強力な鎮静作用を発揮し、同時に快楽神経を活性化させ、貴人の肉体を
淫らに反応させていく。そして、体の反応に心が流される。
――こんなの、……嫌っ……!
同意のない性交で女が感じることはない、と言う。感じ難いの確かに事実であろう。
しかし、複数の男に敏感なところを嬲られ続け、感じない女などいない。
責めはけしてやむことがない。休む間もなく与えられる愛撫に昇らされ、ふいに気が遠くなる。
だが、次の瞬間に百年の眠りも醒めるような強烈な別種の刺激を受け、女は叫ぶ。
「びゃっ!」
指が菊門をこねる。すでに零れ始めた潤滑液を絡め、ゆっくりと入り口を撫で回す。
時折突付かれ、丹念に弄られるうちに、固く閉じられたそこが徐々に柔らかくなっていく。
――そこは……! そこは駄目ェッ!
彼女の心の叫びも空しく、長い指がずるりと直腸に侵入した。
中指一本を丸々と飲み込んで、本来なら受け入れるものではない器官がその指をぎゅっと咥え込んだ。
同時に膣も強く肉棒に絡みつく。
「んんっ! ん……!」
「なんだ、後ろも開発されてる感じじゃないか。後でこっちも可愛がってやるからな」
容赦なく二本目を挿入する。
体全体を揺らして抵抗するが、男たちにとっては嗜虐芯に火をつけるだけの行動だったようだ。
揺れる乳房を鷲掴みにして、王魔が揉みしだく。頭頂に熱く脈打つものが当たっている。
――はあっ、あああっ……!
肉棒と指に腹の中を蹂躙され、わけのわからない感覚に貴人は気が狂いそうだった。
王魔が貴人の乳首を指先でコリコリと転がし、弾き、つまんでは引っ張る。
男たちの指の動きに息が漏れる。痛みとも痒みとも判断しかねる奇妙な感触が貴人の身体を支配する。
身体をくねらせ、感覚を誤魔化し、その責めに負けまいと抵抗を続けたかったが、徐々に理性が
覆い隠されていくのを止めることができなかった。
思わず、さらなる快楽を求めて、自ら腰を動かした。
「だんだん素直になってきたな。おまえ、本当は凄い淫乱なんじゃないの?」
屈辱感を煽る言葉に涙が溢れる。
菊座に捻りこまれた指を何度も曲げたり伸ばしたりされる。直腸の粘膜を直接的に刺激され、堪え切れずに
貴人が啼き声を上げる。ぐいっと信じられない力が男の指を締め上げた。
「おぉ……。前も後ろもいい具合に締まってきたな。後ろか? 後ろがいいんだな?」
執拗な言葉に思わず貴人がそこに意識を集中したとき、高友乾ははぐらかすように指を引き抜いた。
代わりに腰を掴んで、ゆっくりと膣の方の肉棒を抜き差しする。
加えて、最奥まで突き上げたときに円を描くように腰を回す。陰毛が絡みつき、男の付け根に刺激された
陰核がぴりぴりと痺れた。ねだるように腰が動く。
――こんなの嫌よ……。感じたくなんか…………、感じたくなんかないのにっ!
必死で理性を掻き集めようとするが、男たちの粘着質な責めに、なけなしのそれは集めたそばから霧散する。
彼女の腰が、自分とは別の生き物のように回り始めた。
「それでいい。じゃ、こっちもそろそろ気持ちよくさせてもらうぞ」
腰の動きが激しくなる。蠢く上半身を押さえるように王魔が逆さまに乗りかかってきた。
小石のように固くとがった乳首をきつく噛まれる。
掻き回される内部と、潰すように下腹部を押し付けられ、こねくり回される花芯に頭の中が真っ白に
なっていく。
――嫌っ嫌ぁっ! ああ……、でも、でも、……気持ちいいっ!
きゅっと膣が収縮する。搾り取られる感触に高友乾が喘いだ。
「はぁっ! 凄いキツい……。俺もそろそろイきそう……」
「中に出すなよ」
「ん?」
「おまえのモノでいっぱいなった場所になど、挿れたくはないからな」
「……なんだ、結局おまえもヤるんじゃないか。じゃ、どいてくれ。顔にかける」
強烈な抽送にがくがくと体が揺れた。すでに快楽の壷と化した膣が意志とは裏腹にぐいぐいと
男根を締め付ける。
「むぐっ……、んんんっ!」
――駄目っ……! イっちゃう!
一際強く肉棒を押し込められた瞬間、貴人は自身の欲望に屈服した。
女の体が突っ張ったまま痙攣を始めた。
王魔がぱっと身を引くと同時に、高友乾が貴人の体から杭を抜く。腹の上に乗りかかるような形で
自身を彼女の顔に向け、精液を放った。
ピチャっ、ピチャッと断続的に生暖かいものが頬にかかる。とたんに強い刺激臭が鼻をついた。
「ぶっ……」
微かな吐き気がする。しかし、靄がかかったように痺れた頭のせいで、ぴくりとも体は動かない。
男の暢気な声が耳を素通りしていく。
「結構長生きしてるけど、俺も若いな。飛距離長ッ」
「……阿呆か」
「次、おまえだろ。嫌だと言うワリにはあっさりイってやがるし、もう押さえる必要はなさそうだな」
目を閉じたまま荒い息を繰り返す王貴人に、抵抗の様子はまったく感じられない。
促された王魔が、開いたまま力なく投げ出されている女の脚の間に膝を立てて座り込んだ。
腿の下に自らの脚を差し込んで腰を上げさせる。
そのまま完全にいきり立っている自身を下穿きから取り出して、文字通り女陰にぶち込んだ。
「うっ……」
王貴人の眉が微かに寄る。だが、未だ絶頂感から抜けられない彼女はまともな反応ができない。
「これもいらないな」
高友乾が口から彼女の下着を取り出した。微かに血の混じった大量の唾液が糸を引く。
「ごふっ」
「存分に啼き声を聞かせてもらおうじゃないか。この女、中も凄くイイだろ?」
「ああ。だが、反応が欲しいところだな」
「突き上げて起こしてやれ」
言われたとおり、王魔が激しく貴人を突き上げる。
「……ひゃんっ! はぁっ……!」
「お、いい感じ。ほら、しっかりしろ」
ぺちぺちと頬をはたかれて、彼女はうっすらと目を開けた。霞んだ視界に次の男が自分に圧し掛かっている
のが判った。
「そんな……、もう嫌ぁ……」
「そんなこと言うなって。おまえも気持ちよくてイッたんだろう? 王魔も気持ちよくしてやってくれよ」
「ひっ! あああっ、んん……!」
顔を下着のかろうじて汚れていない部分で拭いてやってから、高友乾は貴人の顔の上に跨った。
「口が手持ち無沙汰だな。俺のモノを綺麗にしてくれ」
言うなり、放出からほとんど時間のたっていないにも関わらず、再び固くなりつつある男根を口に突っ込む。
「むぐっ!」
いきなり喉を奥を突かれ、貴人が呻いた。しかし、舌は従順に肉棒に絡みつき、自らの愛液と男の唾液と
白濁液の混じった液体を舐め取り、嚥下していく。
怪しげに腰が蠢き、ひくつく下の口も、王魔の一物を絡め取る。
「おおっ……。具合が、いいな……」
王魔が眉根を寄せた。
高友乾は、舌の愛撫と喘ぎ声の振動で再度屹立した自身で、彼女の喉を犯す。
「ふぐっ! むうあふんっ!」
頭を押さえつけ、逃げられないようにして何度も抽送を行った。カリ首を唇に引っ掛けるまで腰を引き、
再び根元まで咥え込ませる。
一方、ゆっくりとしたストロークで膣を味わっていた王魔は、真珠のように固く立ち上がった陰芽を
直接摘み上げて、クリクリと捻っていた。
貴人が喉の奥で悲鳴を飲み込んでいるのを感じて、高友乾は自身の肉棒を引き抜いた。
名残惜しげに舌が追いかけてくる。
「悪い悪い。モノ足りないか。じゃあ、今もっとよくしてやるからな」
高友乾が王魔に目配せして、貴人の上半身を持ち上げた。対面座位で王魔が彼女の体を支える。
後ろから高友乾の亀頭が、過たず菊門にずぶりと刺さる。
「あああっ!」
強い刺激に貴人が仰け反った。先ほど指で慣らされたため、特に抵抗もなく、ぬぷぬぷと音を立てて
後ろの穴も貪欲に肉棒を飲み込んでいく。
「すっげ、締まる……」
「こっちもだ……」
膣壁は全体でねとりと男根を絞り、菊門は輪のような刺激で肉棒を締め上げる。
強い圧迫感に、二人の男は息を呑んだ。
薄い肉壁一枚を隔てて互いのものが腹を合わせている生々しい感覚。
どう動きを合わせようかと逡巡していると、貴人が自ら腰を振り始めた。
「あふ、あはぁん! なんで……、こんなっ……!」
「なかなか可愛い声を出すな。いいぞ、もっと啼け」
「何が疑問だ? どうしてこんなに気持ちいいのかってことか? それはおまえが淫乱だからさ。
そら、どんどんイケよ!」
「嫌ぁっ! あぁんっ!」
もはや自分の意志とは無関係に、腰を上下させる動きが止まらなくなってきていた。
揺れる乳房に王魔が吸い付き、高友乾が後ろから乳首を摘む。同時に頭を掴んで振り向かされ、
高友乾の舌が唇を割って侵入し、口中を舐めまわす。
「あっ、ひゃん! あはぁんっ!」
口と乳房と女陰と菊座とを同時に犯される感触に、貴人の意識は飛びかけていた。
同時に理性と矜持が消し飛んでいく。
どちらがどこを犯しているのかも判らない
長い生の中、体を預けた男の数は、数えるのも面倒なくらいである。
しかし、こんなに感じたことはついぞなかった。
複数の男に犯される事がこれ程までに心地良いのかと、今、初めて思い知らされた。
前後を同時に貫かれながら、さらに左右の乳房を揺さぶられ、乳首が捻られる。
陰芽を摘まれ、押し潰される。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はああっっっっ!!」
繰り返される責め苦に頭の中がどんどん白く塗りこめられて行く。
ただ強引に犯されるだけならよかった。
しかし、女の体を知り尽くしたような攻撃に、耐えることができない。
女の性感帯は陰核に集中している。王魔は判らないが、高友乾の方は確実にそれを知った上で
彼女の肉体を愛撫していた。挿入してからもしつこく根元を擦り付けてきたのがその証拠だ。
そして、直腸への刺激は男女ともに強い快楽を呼び起こす。
無理矢理犯されて絶頂を感じるなど、屈辱以外の何物でもない。
それでも、気持ちよすぎて抵抗ができない。
ただただ嬲られるままに身を任せ、あまつさえ、自らも悦楽を求めて体を動かしてしまう。
――駄目……、また、イカされてしまう……!
半狂乱になって貴人は頭を振った。口中を犯していた高友乾の舌が離れる。
「あぁん! はぁっ! もうダメッ! いいっ、いっ!!」
膣壁がいっそう強く男根を締め付ける。全身がぴんっと跳ねたまま固まった。
頭の中で幾万もの光が弾け、そのまま彼女は意識を手放した。
「うおぉ……、出るッ!」
ほぼ同時に王魔も深く挿し込んだまま射精した。
迸る粘液の脈動が生々しく伝わり、高友乾の一物が不可思議な感覚で刺激される。
王魔が離れるのも待ちきれず、彼は無我夢中で中を穿った。
意識を失ってなお、男を搾り取ろうとする後門に腰が抜けそうだ。
肉が妖しくくねる。この女の肉体は気をやっても快楽に貪欲で、それを甘受すべく蠢くものらしい。
先ほど感じたくるみ込むような膣とはまた違った、ぐいぐいとただ貪り取るような刺激。
しかし、それがまたよい。
あまりのきつさに一度射精しているにもかかわらず、ほどなく彼も達した。
今度は王魔が、彼の迸りを感じ取る番だった。
ぐったりとした女を挟んで、二人は荒い息を吐きながら目を見交わした。
慌しい行為だった。それゆえに非常に名残惜しい。
しかし、行為を続けたり、余韻に浸っている暇はなさそうだ、と互いの目が告げる。
時間が迫っていた。
王貴人の服で体を拭った男たちは、衣服を整え、立ち上がった。
「行かないとな」
「ああ。……しかし、この女、もったいなくないか?」
「何がだ?」
「九竜島に連れ帰って、色々仕込んでやりたいって思ったからさ。適当に砕いた石とか持ってって、
王貴人だ、って言い張ってこっそりお持ち帰りしない?」
「さすがにバレるだろう、それは」
「そうかぁ……、残念」
ちぇっと舌打ちすると。高友乾は混元珠から滝のように水を放出して、貴人の体を乱暴に洗い流した。
服を直して横抱きに体を抱える。そのとき、貴人の唇が微かに動いた。
――姉さま?
そういえばこの王貴人の義姉は、絶世の美貌を誇る女狐だ。真ん中の姉である雉も美少女だし、
三姉妹揃って手篭めにできれば楽しいだろうな、と邪なことを考える。
しかし、そんな欲望を下手に口に出そうものなら、岩をも砕く鞭に打ち据えられ自身の命が危ない。
おカタい上司の厳しい横顔を思い出し、先に飛び立った王魔を追って、彼もまた仲間の下へ向かった。
<< 終 >>
レイプモノが難しいことを実感。
改めてクリ○ゾンを尊敬した。
精進あるのみだな……。
よかったよー(・∀・)貴人たんハァハァ(;´Д`)'`ァ'`ァ
乙、よかったよ。
でも2chで栗無損を評価するレスを見たのは初めてだ。
煽りではなく珍しかったのでな。
抜けますた (*´д`*)ハァハァ
823 :
819:04/10/18 23:31:02 ID:OiPVsRkk
レス、サンクス。
このスレは優しいな。
>>820 IDが貴人
>>822 そう言ってくれるのが一番嬉しい。
>>821 うむ。確かに俺も見たことがないw
とはいえ、今回屈辱モノっつーかなんつーか、このテの話を書いてみて、堕ちていく様を描くのは
マジ難しいと感じたんだ。
これを量産できるのは、単純にスゲーって思ったワケよ。
元々あのエロ絵の構図がツボくるんで好きだったんだが、確かに色々アレなところがあるわなw
二次創作の醍醐味である、「そのキャラである必然性」があまり感じらr(ry
……ま、色々あらーな。
やっぱダッキはテンプテーションの副作用でアレしまくりーの上から下から飲みまくりーのだと思うのよ
コーエーの封神演義(ゲーム)の白鶴童子たんってかなり萌えないか?
826 :
SS保管人:04/10/26 01:40:38 ID:uhqWQ27d
コテで失礼。
>保管人さん、サイトリンクOKです。
よろしくおねがいします。
此処のほかに、何箇所かも対象になるのでしたらサイトのほうに連絡先がありますので
そちらのほうにおねがいします。
スレ汚し、失礼ヽ(゚▽゚*)
828 :
819:04/10/26 02:40:51 ID:l9kAWcqA
>>826 4つほど名無しで落とした者ですが、OKです。
いつもご苦労様です。
>>826 よーぜん×のぞみちゃんのお話を書いた者です。
お申し出、ありがとうございます。ですが、自分の作品の収蔵は
遠慮させていただきたく……申し訳ありません。
830 :
SS保管人:04/10/29 00:01:59 ID:GtiD/573
収蔵させてもらいました。
乙です。
しかしよーぜん×のぞみちゃんがないのは残念。
此処で目に焼き付けとこう。
SS保管人様
乙です。
漏れも>831に同意。
このスレがhtml化されたら、永久保存ですな。
最初で最後だから。そんな風に自分に言い訳をした。
予感はあった。彼が天幕を訪ねて来た時から。いや、武人としての最後の奉
公として、この遠征への従軍を願い出た時から。
後宮に入ってしまえば、もう二度と戦場へ出ることはない。もし、そんな機
会が訪れたとすれば……それは国の存亡が懸かった戦になるだろう。
王婦が戦場に立つことを許されるのは、王自身が親征する時のみ。
そして、今までは武人として仕え、これから妃として仕える王は、決して軍
事の才に恵まれているとは言いがたいから。
この戦も明日には勝敗を決するだろう。戦場での最後の夜。
今まで、戦場で女として扱われたことは一度もなかった。今の自分の地位と
実力であれば、それも当たり前のことだが、まだ力弱く、一将兵に過ぎなかっ
た頃からずっとそうであったのは、考えてみれば、彼が守ってくれていたから
だったのかもしれない。
その彼が、今、自分を女として扱おうとしている。
「聞…仲君……」
急に思い立ったかのように唐突に朱氏の手首を捕らえたきり、ただじっと敷
物に視線を落としていた聞仲が顔をあげる。
「いいよ、君だったら」
朱氏は、自然に笑みを浮かべられる自分に、ああそうか、と思う。
「朱氏……」
ためらい、切なそうに眉を寄せる聞仲がいとおしいのだ。
「君だったら、きっと嬉しいよ」
だから、そんなに自分を責めないで。
そんなにまっすぐ見つめられて、幸せじゃない女なんていない。
「聞……」
ふいに、きつく掴まれていた手首の感触が消えた。
気づけば、聞仲の胸に抱きしめられていた。
「朱氏……」
名前を呼んだきり、続きを飲み込むようにして聞仲は朱氏の肩口に額を押し
つけた。
「……言えない。伝えずにこんなことをするのは卑怯だと分かっているが……
言えないんだ」
聞いている方の胸が抉られるような声で、やっと絞り出された言葉の意味。
「うん。止めない私も卑怯だから…さ」
ゆっくりと、体を押し倒される。将軍級のための質の良いものとはいえ、あ
くまで質素な野営用の天幕だ。数枚の敷物の下は地面だが、草原地帯であるた
め、不快さはなかった。
じっと見つめられて、自然に目を閉じる。
唇に吐息が触れて、次に心地よく乾いた感触が触れてくる。
触れて、すぐに離れて、そして確かめるようにゆっくりとまた触れて来る。
繰り返し、繰り返し。
熱を孕んで息苦しくなり、無意識に開いた唇に、温かい何かが滑り込んで
来る。
「……ん…っん…」
生なましさに体温が上がった気がした。
ちゅ…と濡れた音がする。
「っふ……」
自分のものとは思えない鼻にかかった声。
ふいに、聞仲がくちづけを解く。
「あ……」
驚いたような顔をした聞仲がそこにいて、朱氏はいつの間にかくちづけに
流されていた自分たちに気付く。
朱氏の声に我に返った己が逆に恥ずかしかったのだろう。聞仲は、ほんの少
し目を細めて笑みを浮かべた。
そして、また真剣な表情で、今度は朱氏の着物の袷に手を伸ばした。
ゆっくりと寛げられていく襟もと。そっと解かれていく帯。
少しずつ、肌がさらされて行く。
「や…やだっ」
ただただ真摯なまなざしに見つめられて、決めていたはずの覚悟が揺らぎ、
朱氏は思わずうつぶせに体を返して、露にされた胸を隠そうとした。
「逃げてもかまわない」
耳元でやさしい声がした。
背中に絡んでいた衣服を押し下げて、大きな手のひらがゆっくりと背中を
撫で下ろしていく。
「っくすぐった…い」
脊椎をたどるように、何度もくちづけを落とされる。
思わずにぎりしめた手を、男の手が上から包み込んだ。
はっとして、振り返ろうと体を浮かせた瞬間、もう一方の手が乳房にまわ
される。
「あっ」
下から包み込むように撫でられて、寒気に似た感覚が背中を這い上がる。
胸の突起を指がかすめて体が小さく跳ねる。
「あん…っあぁっ!」
余計に、壊れ物を扱うようになっていく愛撫に理性を壊されていくみたい
でたまらなくなる。
うなじを吸われて、胸の先を指先で何度も撫でられて。
重ねてくれていた手は、いつしか下肢に伸ばされていて…。
「やっ…いやっ…」
驚いて体をよじるが、背中から覆いかぶさられて逃げられない。
「やめない…」
擦れた声でささやかれて、力が入らない。
「……っん……あっ…」
今までのどこへの触れ方よりもやさしく、触れて来る。触れられて、ぬめ
りを引き出されて。
指を、差し入れられた。
「あんっ」
異物感に息を飲む。
ゆっくりと中を探られて、体が熱を増してくる。
「は…あん……んぅっ…あぁっ…」
指が抜かれる感触にも声がこぼれる。
「はっ…はぁっ……はぁっ……」
乱れた息がおさまるまで、抱きしめる腕に身を任せざるを得ない。
「……聞仲君……」
体を仰向けに返されて、見詰め合う。
切れ長の瞳に、欲情の色。
朱氏は、うなずいた。
いたわるように、額に、まぶたに落とされたくちづけ。
ゆっくりと重ねられた唇と唇。
下肢に、熱を感じた。
痛みと、熱だけしか感じなかった。
けれど……ただ、切なくて嬉しかった。
※ ※ ※
たった一度だけ。それは、ただ、絆を確かめあうだけのような行為だった。
二人しかしらない儀式だった。
その後、無事に戦場から帰った朱氏はその戦果の祝いとともに後宮に入り、
のちに一人の男児を出産する。
異民族の度重なる襲来により滅びかけた殷王家を、聞仲の養育と補佐を受
けて建て直すことになる運命の男児であった。
朱氏が正妃になってすぐに仙人界に入り、そして、彼女が息を引き取る間際
まで殷を離れていた聞仲には、彼だけが知らなかったことがある。
彼が朱氏からたくされた子が、当時の殷王のたった一人の子であったことで
ある。
=了=
始めまして。ドキドキしながら習作を投下させて頂きました。
ストイック×初めてさん、のエロを目指したんですけど難し
かったです。攻め視点の方がエロくしやすいのかなあ。
精進いたします。
>>838 GJ!
初々しさ満開のエロ、というよりむしろエッチていう感じでよかった。
本編ですら童貞臭漂う聞仲らしくて(・∀・)イイ!
エロは難しいな。
喘ぎが多いので、もう少し下品な表現を使うとかなりエロくなるとは思うが
そうなると、書きたいモノとのバランスが難しいかも。
>>838 こういうのもまたイイじゃないですか。
お疲れさまですたー
841 :
838:04/10/30 17:22:58 ID:P24FFCbD
>839.840
ありがとうございます〜。
>本編ですら童貞臭漂う聞仲
じ…実はこのお話の中だと実際聞仲はこれ以後エッチしなかったり…
男性キャラ相手に変なコト考えててごめんなさいごめんなさい
三百年以上エッチなしって…仙人だからいいのかな……
>喘ぎが多いので
喘ぎ少なめで、淡々と書けたらなあ、と自分の理想系が見えました。
頑張ってみます。アドバイスありがとうございます。
こう…初々しくてドキドキどぎまぎするようなのを書きたくなりました。
伏?
それに引き換えダッキの場合はあの食っちまった猿を食う前に喰っちまうぐらいやりまくりなんだろうなと。
844 :
名無しさん@ピンキー:04/11/02 12:31:17 ID:4m1YvTen
age
伯邑考x喜媚キボンヌ
狐と望の話きぼん。
二人とも相手のことを特別視してるように感じたので。
金タク×赤雲きぼん。
なんか、赤雲って、顔やノリが殷氏に似てるなーと思ったら
萌えてしまいました。
次スレどうする?
藤崎総合もあるけど、封神は封神でこのままいくか?
オケイ
>>848 需要はありそうだが、書き手が少なそうだな。
即死防止策を練らんと。
ただ、このまま封神だけ独立だと重複扱いになるんだよな。
書き手も少ない現状からすると、総合に合流したほうがいいのかもしれん。
住人がかぶってるんだったら合流してもいいのかな?とも思います。
総合の方にも聞いてみますか?
最近はこのスレも静かになったしね。
合流しても迷惑ではなさそうだ。
漏れは総合にいったことないが、向こうがOKならそれでいいんでは?
合流してもいいけど、あっちはここで揉めたコテハンの
天下だよ。同じことが繰り返されないといいんだけれど・・・・
>>854の理由もあるので合流という形はとらないほうが良いと思う。
次スレがたてばそれでいいし、そうでなかった場合、
SS書きたい人が適切と思う場所でやればいいのでは?
>854
コテハンで失礼します。
なら、自分が消えればいいってことですか?消えましょうか?
それで、スレが良くなるのなら。
>>856 アンタの相変わらずの笑いを取るセンスは最高だ!
ご自分では気付いてないであろうキレが素晴らしいよw
スレを飛び越えてわざわざやってくるあたりなんというかなんつーか
あらら…。書きたい人は書く、読みたい人は読む。
読みたくないものがあったら読まないでいいでしょうに。
とりあえず、結論は出ましたね。統合はなしで。
お互いいい思いしないようだから。
書きたい人は書く!読みたい人は読む!眼鏡の時は・・・・・まじめぶっている!!
次スレのテンプレどうするよ?
TS物は不可で行くか?
個人的にKINO氏のは好きなんだが、統合は無しのほうがいいと思う。
住人だって違うしな。
まずはテンプレ考えて早めに立てたほうがよくないかと思ったんだが。
863 :
854:04/11/05 23:58:57 ID:ib7LVRMJ
>>856 消えろなんて、一度も言ってないが・・・・こっちでの揉め事を、あっちに
持ちこみかねないからどうか?って気持ちだったんだけど。俺の書き方
も悪かったが、一足飛びに極端な結論に飛びつかないでくれ。あなたの
作品は個人的には好きなだけに、残念だ。
864 :
名無しさん@ピンキー:04/11/08 02:32:51 ID:SjVJTQCI
まあまあ、マターリしる。
じゃあ統合は無しでOKな。
誰かテンプレよろ〜
まだ早いような気が?
866 :
名無しさん@ピンキー:04/11/16 23:08:22 ID:Khst6rYn
ネタもないのに揚げます
冗談抜きで金光聖母きぼん
ほす
この過疎なら言える
妲己多分アニャル好き
アナル好きなんかじゃないやい
大好きなんだよ
キノ消えろ〜
赤雲ちゃんって、碧雲より絶対かわいい。おっぱいふにふにしたい。
3巻で碧雲が岩盤にはさまれてるシーンで、碧雲のスカート(?)がまくれあがって、お尻が丸見えだった。
赤雲の方が目が大きくって童顔系なのに、碧雲よりも芯が強いと思う。
ギャップがたまらん。
11巻の胸の谷間がちょこっと見えてるってだけでハァハァしてしまいまつた(´д`*) >赤雲
ここで望竜キボン
天化×蝉玉キボン
>>879 考えてみりゃ封神カプで一番メジャーなのにここでは一回もないんだよな…何故だ?
漏れもキボンヌ
付け加え。男女カプでね
趙公明編で、「女は下がってるさ!」とか天化が言ってて萌えた。
やさしいんだけど、主導権は渡さないタイプだろう。
思えば趙公明編が一番面白かったなぁ。
>「女は下がってるさ!」
あの言葉で「絶対天化のヤツ蝉玉に惚れてるな」と確信したよ。
土行孫が蝉玉だけを突き放す(まぁピンチのときにはきちんと助けるけど)理由は
天化の気持ちを薄々知っていたんじゃないかと妄想したり…
いいね〜天化×蝉玉
>883
そ…それは禿げ上がるほど良い!
蝉玉って、何気に女の子扱いされてると思う。牧野の戦いの時も、
ちょっと楊ゼンにかばわれてるみたいな絵があったし。
>>885 …そういや揚ゼン、何気に蝉玉のオヤジさんの事をパパって…<8巻参照
>>883 それは漏れも思った。
趙公明編では天蝉のコンビが際立っていたからなおさらだハァハァ
天化の死のあとは梅山怪七人衆(原作での最後の妖怪仙人集団。特に袁洪はズバ抜けて強い)編が潰れちゃった(何だあの馬鹿げた展開は)からなぁ。
ここでのSSぐらいでは思いを遂げさせてやってくれよ神よ…
ほのかに両想いと、天化の片思いを蝉玉が受け入れるのとどっちが
萌えるかな。自分は後者萌え。
私も後者。
なんとなく天化の片想いってのが萌えだよ。
天化は他に恋愛経験なさそうだから衝動的にセンちゃんに抱きついちゃったりして
んで濃い顔になる…と。
どっちかというと後者だがパラレルでイチャイチャしてる二人もイイ。
うーん奥が深いよ天蝉
暫く見ない間に甘酸っぱいスレになってるw
点線イイヨイイヨー
891 :
名無しさん@ピンキー:04/12/03 21:02:56 ID:fDcqGpH0
あげ
892 :
名無しさん@ピンキー:04/12/03 21:27:12 ID:RQv6sVKK
ここはパラレルOKなの?
特に制限はないよ
冒頭に付け加えておけばモーマンタイ
ついでに碧雲や赤雲のSSキボンヌ。
あ、それいいな。
結構いいキャラだし。
妲己やら公主ががっつんがっつん犯されてるほうが好k
いやなんでもない続けてくれ
金タク×赤雲よければ書きたいのですが・・・・・。
>>847をみたら萌えてきちゃって・・・・・。
おお!!神様!!
期待しとります。
>>896 公主はともかく、妲己はされてるというより自分からry
>897さん
847っす!連載中からずっと読みたいと思ってたんで嬉しいです!
期待してます!
ここで黄氏をキボンしてみる。
第三妃ってことは紂王とも何回かヤってんだろうなぁ・・・
ほしゅ。キビもいいよね。
碧雲赤雲のレズプレ・・・lp;wせdrftgyふじこlp;@:
>>902 それも見たいが妲己タンと竜吉タンのレズプレイも見たい
無論天蝉も大歓迎
>>903 同意はしてるけど、碧雲赤雲みたいに接点ないしなぁ。
「ここで捏造ですよ」が出るかねぇ?
>>904 ここはパロOKでしょ? 拉致ればいい事
…そういやひと昔前の同人で似たようなネタがあったが妲己たんが脱がなかったので買うのやめた
>>905 「公主陵辱」でしょ?あれ読んだことないな〜
ためしにあげてみる。
でっかい声では言えないけど、某保管サイトにまだあがってるよん
頼む、もっとでっかい声で言ってくれ。
クソムゾンはやめとけ
公主さまに惹かれて買ったのは一生の過ちだった
パワーマ○リックスってどう?妲己タソがジョカの手下のザコどもにレイープされる香具師。
なんか今赤雲碧雲で書いてみてる。書いてる最中だから投下しないかもだが;
只エロってるだけだよママン・・・・・orz
是非キボン。超キボン!!!
エロってるだけ全然オッケー!
914 :
912:04/12/13 22:48:15 ID:1e+CWxdr
>>913 そうか、有難う。
ついでに。
どっちがタチでも良いだろうか?
書いてる流れは赤雲→碧雲っぽい感じなんだが。
投下不確定とか言ってるくせに何度もスマソ
>>912 どっちだろうと良い。
藻舞の欲望のままに書いてくれ
ところで、容量的に次スレ検討な訳ですが・・・テンプレとかどうしようか。
需要はあるけど書き手は少ないとか、総合があるから重複しちゃってるとか
いう意見が前にあったので、いっそ「封神演義総合」とかどうだろう。
あんまり状況変わらないかな?コーエイの太公望×蝉玉とか太公望×白鶴とか
ちょっと書いてみたいんだけど。安能版も漫画もゲームもアニメ設定も神話
もどんと来い!って感じで。以前、仙界伝関連で神話キャラの話書いてらした
職人さんもいたし。
ただ、別作品(例えば漫画とゲーム)共演はNG,とかルールは決めないと荒れる
心配はあるけど。他のスレでたまに荒れてる女性化の扱いとかも考えないと。
>>907 公主陵辱発見。あなたのゆーてるのがココなのかはわからないが、ググったら簡単に見つけられた。微妙だつた。絵が似ても似つかないカンジ。
クソムゾンにあのトーンが表現できるわけがない
女性化は不可でいいんじゃね?
KINOのせいでここも荒れたし。
その意見には同意だが、名前を持ち出して蒸し返すこともなかろうて。
個人的にはその職人さん好きなんで。
このスレにまだKINO好きの香具師が居たことに驚いた
別にKINO氏は好きでも嫌いでもない。
だが己語りとかあまりそぐわない発言があるとは思っていた。
>>219>>222他板に書けば荒れるのからそちらで書かなかった
のだろうが、だからといってここで書くのはどうかと思った。
ただ読み手なので文句を言ってはいけないと思って
当時は何も言わなかった。
でも今は荒らしのほうがウザイ。
今ならいえるよな、KINO、うざいから二度と来るなってことだな
>>923は
注意書きにKINOは投下不可とか入れてもいいくらいだと思うが。
>>924 今言いたいことは
>>922=
>>924=ID:2RhrMN6/は
お前がイタイイタイと騒ぎ立てるKINO氏よりずっと
うざいから二度と来るなってことだよ
>>923は
注意書きに粘着荒らしはレス不可とか入れてもいいと思うが。
自分も女性化は不可希望。人数が少ないとはいえ、せっかく魅力的な女
性キャラばかりの作品なので。
その方が通りすがりの人に原作に興味を持ってもらいやすいのではない
かとも思うし。自分が萌えるばかりでなく、封神もっともっと広めたい。
粘着荒らしとコテハン叩きはレス不可というのは?
剣道経験者がいたら教えて欲しいのだけど、あらかじめどう打ち込むか決めて
立ち会う稽古はなんていうんでしたっけ?
次スレ保守用に天蝉書いてるんですけど、そこで行き詰ってしまいまして。
>>927 かかり稽古だったと思う。
女性化はおれも不可希望。キャラ設定を変えてしまうともはやそれは藤崎で言うところの二次的(メタ)なものになってしまうし。やっぱ藤崎の封神演義で想像しやすいSSがいい。
KINOさんは別に嫌いじゃない。長文も全然結構。ただ、キャラ女性化ってのがなじめないだけ。そんなかんじです。
>928
サンクス!
テンプレ修正。
※職人さんは投下時1レス目か名前欄などをご利用の上、カプやシチュをご明記
下さるようおながいします。(例:太公望×妲己 陵辱系 等)
後はOKかと。乙GJです!
注意書きとして
※煽り・叩きは完全スルーで。レスするあなたも荒らしです。
みたいなのはいるかな?
>>933 おお、過不足ない感じで素敵なテンプレです。
他の方の反応をしばらく待って、異存が特にないようなら立てましょうかのう。
乙です!
次スレ辺りになんか投下しようかと思っとります。
モツカレー
一応つっこんどくと「おながい」は2ちゃん語だぞ。
発生は別の場所かもしれないが結構有名だと思っていたんだが…
そっか、2ちゃん語か。私もどーもワクワク読んでから混乱して駄目ですね。
シオが使ってるのは確かに2ちゃん語なんですが。
荒れたことがあるから、注意書きはお固くてもいいかなーとは思ってます。
新スレまだかな ワクワク((o(゚▽゚○)(○゚▽゚)o))ドキドキ
そんじゃ、そろそろ立ててみるか
駄目だ、誰か頼みます。
新スレまだかな ワクワク((o(゚▽゚○)(○゚▽゚)o))ドキドキ
乙カレー!!!!
此処を埋めなきゃいかんでないの。
萌えネタでもないかな・・・・・・
女禍様にたのんで消滅させてもらう?
埋めるのならば貸してくれ
949 :
名無しさん@ピンキー:04/12/26 00:18:31 ID:pwxM+TJQ
↑どうぞ〜。
なんに使うのー?おもしろかったらいいよ。
ところで、もしSSで埋めたてる場合、女性化は無しでお願いしたい。
ここからの流れで新スレに話題を持ち込まれるのも困るので。保守のため、
埋めのために規制緩くして荒れたスレをいくつか見てるので。このスレまで
は女性化OKになってはいるけど、次スレのためによろしくお願いします。
個人的にはしりとりとか、何かゲームか、テーマ決めて萌語りとか来ると
嬉しいが、女性化でさえなければSSも歓迎。
952 :
名無しさん@ピンキー:04/12/26 12:56:18 ID:HGQSPpgi
>>951 本当にそう思ってんのか?
実は女性化でも良いと思ってんじゃないのか?
IDがTSになってるぞ?w
まあ、それはともかくage
>>952 おまい、目のつけどころがおもしろいわ。とりあえず、俺も嫌だぞTS。
955 :
名無しさん@ピンキー:04/12/26 21:41:01 ID:dgKvyiBm
みんな、3がなんだか寂しげだよ。
あっちが落ちては元も子もないがな。
956 :
名無しさん@ピンキー:04/12/27 18:32:07 ID:R1bJxPL9
うめ
957 :
名無しさん@ピンキー:04/12/27 18:55:03 ID:R1bJxPL9
うめ
958 :
名無しさん@ピンキー:04/12/28 16:24:30 ID:4ti90GDb
うめ
959 :
張圭:04/12/28 17:46:40 ID:0cBoFmP3
何万貫もの土で埋めてやる!
960 :
燃燈:04/12/28 20:22:33 ID:0nDs+nWS
961 :
張圭:04/12/30 00:44:52 ID:XW0vLVzO
>>960 本番はこれからということだな?(禁鞭を構えつつ)
・・・だれやねんこれ
というわけで虜岳萌え
埋め
萌え
965 :
張圭:05/01/03 16:47:50 ID:nO9dw2Vl
土埋め
いつまでたっても埋まらないここに萌え
967 :
張圭:05/01/05 01:09:19 ID:4d3xXGxI
たとえ誰が来ても蘭英はわたさん
蘭英みたいなブスいるかボケ
969 :
神鷹:05/01/05 21:53:09 ID:q6X+j97B
グモグモ
>>970 ヌルポッ
ヌルポッ
ネルポッ!!!!
972 :
張圭:05/01/08 02:24:59 ID:9k+kfYMV
土埋め
土埋め参加(´∀`)ノ
梅
笑えるくらい埋まらんな。
うめますよ
977 :
張圭:05/01/12 09:46:39 ID:Ym+aQPdI
土埋め・・・だいぶ飽きてきた
今日中に埋める
埋め。
ちょっとお手伝い、埋め
なんとなく、産め
産むのかよ!!
果たして埋まるのだろうか…。
埋め
985 :
名無しさん@ピンキー:05/01/12 23:19:12 ID:NnJ0FHSI
埋め上げ。
986 :
張圭:05/01/12 23:23:44 ID:Ym+aQPdI
埋まれー!
今日中に埋まったら、碧雲と赤雲のエロ書くよ
無理でしたー
ウメアー!!!!
何が何でも今日中に埋め。
埋まらないな・・・・・・・・・
992 :
張圭:05/01/13 18:07:59 ID:Pj6nY0FK
なんとしても埋める
ume
梅梅
梅梅梅
あ
あ
998 :
名無しさん@ピンキー:05/01/13 18:36:36 ID:mcXDWr3h
ヽ(゚∀゚ヽ)
生め
1000!!!!
1001 :
1001:
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。