【キャラ×オリキャラのSS】

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1名無しさん@ピンキー
一般的に痛いといわれるこの手のSS
ひっそりこっそり楽しみましょう。
2蔵×梅:03/06/21 00:20 ID:bVmhQDzy
【1】

「大きいvV」
その服はメルには大きすぎて、腕を伸ばしても指先が少しはみ出るくらいの袖で丈もお尻がすっぽり隠れてしまう。

「なんか鞍馬に抱きしめられているみたい」
その服からはほのかに薔薇の香りがした。
持ち主の残り香だ。

 彼からは、いつもするかしないかの花の香りが漂っていた。
特に香水なんかはつけていないらしい。
それでも彼からは花の香りがするのだ。
メルがその香りを嗅ぐのは、彼がメルに触れたとき、それもぎゅっと抱きしめられた時に限られていた。

 だから。
メルはその香りに包まれて、ちょっとだけ幸せな気分に浸っていた。

 今、その服の持ち主である鞍馬は、メルを一人部屋において、仕事に出かけてしまっている。
急な仕事らしく、それでもすまなそうに「夕方までに戻るから」と言い残して出ていってしまったのだ。
その時、上着を忘れてってしまった。
大分暖かくなってきたから、昼間は上着はなくてもいいけど夜になるとちょっと肌寒い。 
3蔵×梅:03/06/21 00:21 ID:bVmhQDzy
sageわすれた。。。鬱だ。
4蔵×梅:03/06/21 00:22 ID:bVmhQDzy
【2】

「それまでに帰ってきてくれるといいけど・・・」
メルは彼が少し心配になる。
風邪など引くはずもないのだけど、それでも寒さは感じるだろう。
でも風邪を引いたら、ずっと枕元で看病してあげて、昼も夜も一緒にいられるのになーなんてことを考える。

 ようは暇なのだ。
一人で寂しいのだ。だから思考が止まらない。
離れているからずっと鞍馬のことを考えずにはいられない。

 メルはふと立ち上がり、冷蔵庫を漁り始めた。
鞍馬が帰ってきたら温かいものが食べたがるかもしれない。
何か作って待ってようと思ったからだ。 

「キャベツにベーコンに・・・常備野菜の玉ねぎとジャガイモがあるからスープにしようかな」

 さっそくメルは料理の準備を始める。
エプロンをつけるために、鞍馬のだぶだぶの上着を脱いでイスにかけた。
すると何かが床に滑り落ちる音がした。

「・・・なにかな?」
メルは屈んでそれを拾い上げた。
見ると小さなビニール袋に何か粒状のものが入っている。

「これは・・・種だよね?」
アーモンドをそのまま半分くらいに小さくした形の、ラピスラズリのような色をしたそれは、植物の種のようだった。

「魔界のかな? すごくキレイ」
メルはそれを袋から取り出してみた。
手のひらに乗せて、じっと眺める。夜空の青だ。
5蔵×梅:03/06/21 00:22 ID:bVmhQDzy
「でもなんの種だろう」
メルはふと何かを思いついた。出来心ってやつだ。
左手に妖力を集め、種に注ぎこむ。
でも種の様子は変わらない。

「やっぱり鞍馬のようにはいかないか」
出来ないのはわかっていたのだ。
自分には植物を操る力はない。
メルはそれをビニール袋に戻そうと指でつまんだ。

「きゃ・・・」
メルは種を床に落とした。

「どうしよう!?」
それはもはや種ではなかった。
小さな種からは青白い蔓がぐんぐん伸びて枝分かれし、今にも天井に届きそうになっている。

「うそっ!」
枝分かれし成長を続ける蔓は、天井にぶつかった後、狙いを定めたかのようにメルに向かって伸びてくる。
メルはすごーく慌てた。
今はないはずのしっぽが逆立っているような感じだった。
こんなことになるとは思っていなかったのだ。
しかし、大変なことになるのは、まだこれからだった。
6蔵×梅:03/06/21 00:26 ID:bVmhQDzy
「大変なことになっちゃった」
メルは蔓をかいくぐり、その素早さを生かして、とにかくその場から逃げ出そうとする。
足元に伸びる一本の蔓を飛び越え、目の前に伸びる蔓を右手で払う。
でも、払いきれないものが首に延びてくる。
なんとか左手でガードしたものの、そのまま腕に蔓が巻きついてしまった。

「きゃーっもうっ!」
自由な右手で蔓を外そうとするが、直径1cmもないのにびくともしない。
それどころか右手にもそれが伸びてきてしまい、メルは左右の手を植物に拘束される形になる。
足をじたばたと動かして蔓から逃れようとするが、それもままならない。
あっという間に蔓は足首に絡まってくる。
左腕に蔓が巻きついてから10秒足らずで、メルは宙に吊るされてしまった。
7名無しさん@ピンキー:03/06/21 01:14 ID:WF7Fkf4i
こういうスレ、マッテマシタ!密かに構想してるメルタンエロネタがあったもので(´∀`)
1タン乙です!

それでは、続きを(;´Д`)ハァハァ しながら待ってます
8名無しさん@ピンキー:03/06/21 08:43 ID:4xf3OJqT
>>1さん、乙! 漏れ実はPC持ってなくてコハク見たことないんだけど 2〜6って蔵梅というよるか触手系?? さすがメルたんw
9あぼーん:あぼーん
あぼーん
10名無しさん@ピンキー:03/06/23 21:56 ID:ObY7N4pR
続きマダー?(・∀・)
11名無しさん@ピンキー:03/06/24 03:22 ID:g+q5X2ad
某機動戦艦やら某剣客物やらのゲーム版主人公はここで
いいの?
12名無しさん@ピンキー:03/06/24 06:25 ID:J0Jg9EUY
どうだろう、ちょっと趣旨が違うかも。
多分ここは「アイタタなファソが、自分若しくは管理人のオリキャラとキャラの恋人設定を作ってる」
とか、そういうののエロパロをする場所じゃないのかな。

だから、ゲーム版の主人公っていうある意味オフィシャルな物は別かと。
13名無しさん@ピンキー:03/06/24 16:14 ID:tSkNZBzi
14あぼーん:あぼーん
あぼーん
15sage:03/06/24 23:34 ID:lSDguk75
「あっ、や。はなし…ぐうゥ」
首に巻き付いた植物の蔓が梅流の体を空中に釣り上げる。
「うぐ、うう、う」
梅流は首に巻き付いてきた蔓を引きほどこうと必死にかきむしったが、ロープの
ように細い蔓はますます強く締め付けてくる。
梅流にはだぶだぶの蔵馬のパジャマしか着ていないことがアダとなり、
ほっそりとした別の蔓が、梅流のむき出しの白い太ももをつたってくる。
「あっ、いやっ、ぐうっ!」
蔓を払いのけようとし両手を伸ばした梅流の首を触手が締め上げた。息が詰ま
り、気が遠くなる。
股間に押し当てられた蔓の先端は薄い下着越しに梅流の割れ目をさする。
「あっ・・・やだ・・・あぁ・・・」
涙を滲ませながら梅流がもがけばもがくほど、容赦なく植物は絡みつき、
とうとう足の付け根から下着の内側へと侵入した。
邪魔者もなく、梅流の秘めた部分へと進入していく。
むっちりとして肉付きのよい太股の隙間から入り込んだ触手は、
奥まったところに息づく少女の秘めた花園にたどり着いた。
その周辺を刺激していく。指はさらに進み、ついには梅流の秘苑を捉えた。
16名無しさん@ピンキー:03/06/24 23:35 ID:lSDguk75
しっかりとすぼまった無垢な裂け目にそって、前後に動きながらやんわりと梅流を
刺激する。
「あぅ…っん…」
かん高い悲鳴が梅流の口からあがった。
大事な部分をいじり回す触手。
蔵馬にしか触らせたことのない大切な場所へ。
(蔵馬・・・蔵馬・・・・助けて!!!)
払いのけたくても、両手は首を締め付ける蔓を離すことができない。
触手のような蔓の動きからわずかでも逃れようと、両足を強く閉じてなんとか蔓の動きを封じ込めようとするのだが、両足の付根にまで入り込んだ蔓の動きを止めることは不可能だった。
強く弱く蔓が梅流の敏感な隆起をなぞるにつれて、堅く口を閉ざしていた肉唇が
少しずつ緩み始める。
「あうん…くうっんん」
梅流は堪えきれずに噛み殺した甘い吐息を漏らした。
肉莢の上から敏感な芽にバイブレーションを送り込まれると、腰を中心にして熱いう
ずきが全身に広がっていく。
もがいていた梅流の抵抗が目に見えて弱まり始めた。
17名無しさん@ピンキー:03/06/24 23:36 ID:lSDguk75
「…くっ…ん…」
膨らみ始めた淫芯や肉唇を揉み擦りするのにあわせて、唇を噛みしめて堪える梅流
の体も小刻みに震え、喉の奥で悲鳴をあげた。
梅流の身体の変化を感じ取ったかのように、蔓はその動きをいっそう激しく、ま
た細やかに変化させ、巧みに梅流の体を追いつめてゆく。
梅流の秘めた部分がぱっくりと口を開き、乙女の滴をしっとりとしたたらせ始めて
いる。
「…あっ!」
屈辱に耐え堅く閉じていた瞳が何かに脅えるように再び開いた。
両足の間で蠢いていた蔓が淫裂をくつろげ、秘孔の入り口をなぞりあげた
梅流の体がびくりと硬直した。
「や…、いや…、や…こんなの・・・くらまぁ…あんっ」
締め付けられた姿で梅流はかすかに首を振る。
梅流の果蜜を滴らせ、肉襞の感触を確かめながら蔓はゆっくりと無垢な少女の処女地へと進入していく。
「あっ…く…!」
梅流の浅瀬の部分に沈みこんだ蔓が激しく震動すると、くちゅくちゅと泡立つよ
うないいやらしい音が梅流の耳にもはっきりと聞こえた。
「うっ…あっ、ああっ…ああっ…やあっ…あああんっ!!!」
梅流の肢体がぶるぶると震え、悲鳴が高まる。
もはや、その声に官能の響きが混じるのを止めることはできない。
18名無しさん@ピンキー:03/06/24 23:40 ID:OpYmTvB6
19名無しさん@ピンキー:03/06/25 00:40 ID:wrIrDC2j
[くっ…たまんねぇ…]

俺はたまらずママの秘部に熱くいきりたった俺自身を押し当て貫いた…ママにキスをしながら腰を動かす。
博士から挿入は一日一回だと言われ、それに精液には子宮を収縮させる働きがあって早産すると注意されたから
妊娠してからコンドームするようにしている。
大事なママのためだから仕方ねぇ…ママと一つに繋がってると本当に幸せだ。
俺のでママがこんな淫らになってる…
「あっ…ジェット…もう…」
ママがかすれ声であえぐ…
俺はしっかりママを抱きしめ舌先で乳首を転がした…
「ママ…もっと早く動かしたい…」
ママは無言でうなずく。
俺は本能のままに腰を動かし互いに上り詰めた。

某009のジェット×オリキャラ(管理人)のエロ日記より
20あぼーん:あぼーん
あぼーん
21あぼーん:あぼーん
あぼーん
22名無しさん@ピンキー:03/06/26 21:52 ID:CvW9X3UH
違っていたらスマソなのだが、勝手に人のSSの続きを書くのは
エロパロ板ではどうかと思うyo。まして放置は3日間なのだし。
23あぼーん:あぼーん
あぼーん
24あぼーん:あぼーん
あぼーん
2577780:03/06/26 23:31 ID:7yZ1xx+n
26あぼーん:あぼーん
あぼーん
27名無しさん@ピンキー:03/06/27 20:05 ID:Af/Gdrbu
責任もって完結くらいしろや
ヘタレ逃亡するくらいなら駄スレ立てんなやヴォケが
28名無しさん@ピンキー:03/06/27 20:40 ID:kHYVwdfJ
>27
だから3日放置くらいで完結する気がないと思うのは間違っていると思うよ。
この板は一週間放置で続き書くとかザラだから
29あぼーん:あぼーん
あぼーん
3055493:03/06/27 20:52 ID:/+xBpGb6
31あぼーん:あぼーん
あぼーん
32あぼーん:あぼーん
あぼーん
33名無しさん@ピンコ立ち :03/06/28 23:36 ID:DegXPn7O
続きガンガレ(・∀・)いい感じじゃないか!
34あぼーん:あぼーん
あぼーん
351:03/06/29 12:05 ID:xX/jtldr
考えてた展開は触手→蔵梅だったんだが。
・・・自分で書くより、他人のSS見るほうが楽しいから
15さんの続きもみたいってことで是非書いてください。
私も書きたくなったら>>6の続きから分岐で書くから。
同じ展開にならないんなら、こういうのも楽しいかも。
36名無しさん@ピンコ立ち:03/06/29 12:18 ID:7+D6InIN
おはよーです
分岐して色々読めるなんて面白いね
楽しみにしてるから分岐点誘導してから
続き書いてくれ
37あぼーん:あぼーん
あぼーん
38名無しさん@ピンキー:03/06/30 13:31 ID:096TwhkF
蔵X梅。
触手プレイから魔界の住人に陵辱まで
期待してますage
39あぼーん:あぼーん
あぼーん
40名無しさん@ピンキー:03/07/03 14:11 ID:LqJQGXWR
保守カキコ
41名無しさん@ピンキー:03/07/03 19:56 ID:a2oFcHs3
[お昼寝中か…♥]

今日昼間出かけてて帰ってきたらママがベッドで昼寝してした♥
どうやらぐっすりみたいだ。
そっとうなじにキスをする。
…軽くしてただけなのに…
だめだ…おさまらねぇ…
俺はママを抱きしめ首筋を愛撫して服や下着を脱がせ…
いきなり俺のを挿入した…
「んんっ…や…パパ…あっ…」
「…起きたのか?…どうだ…こういう起こされ方は…」
「あっ…ああんっ…」
結合部分からはもう密が滴り落ちている…
「もう…こんなに濡らして…ヤラしい子だな…後ろ向いてごらん…」
ママを後ろから思い切り突き上げる…
「ママ…ママ…愛してる…」
後ろからしっかりママを抱きしめた…
42名無しさん@ピンキー:03/07/03 21:49 ID:IolK+7oR
[こんなこと…]

内診という診察をされてるそうだが…診察中感じないのかな?
「こんな風に指挿入されてるのか?」
「いやぁ…そんな風にはしないよぅ」
「俺だけになのか?そんな顔するのは…?」
「そう…だ…よ…ああっだめぇ…」
おれは二本指を挿入し内襞をかき回し親指で花芯をまさぐった…
「いいぜ…ママ…最高だ…」
いつもより乱れて…潮を吹く…
「いつもより凄いぜ」
「だ…だって…パパの指…いつもより…激しく動かして…んんっ…」
俺はママに熱く口づけ舌を絡ませ愛撫した…

ママはそのまま果てたみたいだ。いくら博士とはいえ俺の大事なママに指を挿入するなんて…
大切な診察だと言うことは分かってるさ…でも…フランソワーズには俺が心配するから黙って
いたというが…ママ…俺のものだ…おまえは俺だけのものだからな…愛してる…息のあがっ
ているママに口づけた…
「パープル…俺のパープル…」
全身を愛撫し、さっきまで俺の指が挿入っていた秘部に舌を這わしパープルを味わった…
すでに秘部は熱を帯び溶けだして花芯はぷっくりと膨らんでいた。パープルのココは俺だけの
ものだ…俺は花芯を唇で摘みだし吸い上げた…。

43名無しさん@ピンキー:03/07/04 02:26 ID:Oh8CiOgk
[別れるのは辛いぜ…]

寝息を立てているママの頬に軽くキスをして俺はフランスに飛び立った…
三日間もママに会えなくなると思うとすげぇ寂しい…
くっ…ジェット気流が目にしみるぜ…
44名無しさん@ピンキー:03/07/04 14:08 ID:np/jW5jt
梅流タソ………………ハァハァ(´д`;)
45名無しさん@ピンキー:03/07/05 21:43 ID:D1JbOiYc
梅流………………ハァハァ(´д`;)by蔵間
46名無しさん@ピンキー:03/07/05 21:54 ID:JGmUDI/i
(お昼寝中か…♥の続き)
[ママ…愛してる…]

後ろからママを貫く…
もうこんなに蜜を溢れさせて…
ジュブジュブとイヤらしい音がする…
「凄いな…ママ…凄い音してるよ…」
「ああっ…パパ…やあっ…凄いのっ…ああっ…イッちゃうよ…」
「いいぜ…ほら…ここも……」
俺は堅く隆起してるママの花芯に指で溢れた蜜を塗りつけそのまま転がした…。
ママの内壁がきつくしまってきてヒクつき始めているどうやら絶頂を向かえたみたいだ…
かなり俺自身を締め付けている…
「ママ…最高だよ…綺麗に舐め取ってあげるよ…」
そう言うと秘部から俺自身を引き抜いた…
蜜が滴り落ちる…
「もったいないな…こんなに垂らして…」


                         つづく
47名無しさん@ピンキー:03/07/06 14:37 ID:2l6TSd4/
その「パパ」っつのは誰よ。
48名無しさん@ピンキー:03/07/06 18:33 ID:C4n1M+wc
002
49あぼーん:あぼーん
あぼーん
50名無しさん@ピンキー:03/07/06 19:56 ID:2l6TSd4/
>48
んじゃカプは002×パープルで妊婦ファック物ってことでオケ?
51名無しさん@ピンキー:03/07/06 20:04 ID:C4n1M+wc
>50
ファイナルアンサー
パープルってのは管理人のオリキャラらしい。詳しいことはわからんが
>19を見てね
52名無しさん@ピンキー:03/07/07 07:50 ID:aV1063kc
某ヲチスレの派生スレだったが予想外の方向に展開してる。
名前のところだけ脳内変換させてもらおう。
53あぼーん:あぼーん
あぼーん
54あぼーん:あぼーん
あぼーん
55あぼーん:あぼーん
あぼーん
56あぼーん:あぼーん
あぼーん
57名無しさん@ピンキー:03/07/14 19:05 ID:6i+kFpAg
(ママ…愛してる…の続き)
[フィニッシュ♥]

背後からママの秘部に下を這わせた…
いままで俺のを根元までくわえこんでたトコ…甘酸っぱいパープルの味がする…
溢れでたミルクのような蜜を舐めとりさらにコリコリしている花芯に刺激を加えた…
胞皮を剥き舌先で転がす…
「やあっ…ああんっ…パパぁ…」
「またこんなに濡らして…」
秘部からはまた蜜が滴り始めていた…
ママも俺のを舌で舐め始めていた…
「イイぜ…ママ…」
互いに結合していた部分を舐め合い愛撫する…
「凄くヤラしくなってるぜ…ココ…」
わざと音をたてて舌を這わした…
「ママ…ああっ…出る…出していいか…?」
「…うん」
発射と同時にママが力強く俺自身を握りしめた…射精時間が長くなり快感が増す。
ママは全て俺のを飲み干してくれた…。
して欲しい事を言わなくてもママは分かってしてくれる…
ママが気持ちイイ事は同時に俺もされて気持ちイイ♥
俺はママを抱きしめ二人で眠りについた…

                           おわり
58あぼーん:あぼーん
あぼーん
59あぼーん:あぼーん
あぼーん
60山崎 渉:03/07/15 11:04 ID:vhmwz+RP

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
61あぼーん:あぼーん
あぼーん
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あぼーん
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あぼーん
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あぼーん
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あぼーん
68ぼるじょあ ◆yBEncckFOU :03/08/02 04:48 ID:JhYl1NY6
     ∧_∧  ∧_∧
ピュ.ー (  ・3・) (  ^^ ) <これからも僕たちを応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄ ̄∪ ̄ ̄〕
  = ◎――――――◎                      山崎渉&ぼるじょあ
69あぼーん:あぼーん
あぼーん
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85名無しさん@ピンキー:03/08/08 23:52 ID:FlyfFlL0
ほしゅ
86あぼーん:あぼーん
あぼーん
87あぼーん:あぼーん
あぼーん
88あぼーん:あぼーん
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89あぼーん:あぼーん
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90あぼーん:あぼーん
あぼーん
91あぼーん:あぼーん
あぼーん
92山崎 渉:03/08/15 16:49 ID:7WSqfyM8
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン
93パズー:03/08/17 17:17 ID:2hfb+KBz
>>1-92
痛すぎる!!!
バルス!!!!!!!!!!
94あぼーん:あぼーん
あぼーん
95名無しさん@ピンキー:03/08/28 19:59 ID:SnAOcNXy
保守してみようか
96名無しさん@ピンキー:03/09/13 18:16 ID:RZMb8sAV
この「あぼーん」だらけのスレを保守してなんになる?

と思いつつも保守。
97名無しさん@ピンキー:03/09/23 11:07 ID:TMnTs6nV
圧縮近し よって保守
98名無しさん@ピンキー:03/09/24 21:04 ID:gIKAdRB6
こんなスレあったんだ!
…いわゆるドリー夢ってやつだよね?萌えー。
ジャンルは何でも良いんでつか?
99名無しさん@ピンキー:03/09/27 02:09 ID:6IORinqL
>>98
今はもう放置状態だから何でもいいんじゃね?
元々はネトヲチ絡みだったんだけどね
100名無しさん@ピンキー:03/10/02 09:02 ID:N18xOzcu
あげ
101名無しさん@ピンキー:03/10/10 04:03 ID:O/0XTskn
 
102名無しさん@ピンキー:03/10/12 05:04 ID:R8qbB72E
2get
103名無しさん@ピンキー:03/10/22 12:38 ID:+oKqfxHC
ネタ投下OKっすか?
104名無しさん@ピンキー:03/10/22 19:33 ID:FzK0ghg+
>>103
投下してやってくれい
105鳴門×遊女A:03/10/22 20:08 ID:+oKqfxHC
【中忍ナルト×遊女A】
 その女は十六か十七、二十歳は迎えていないように見えた。
 ほの暗い月光の下、黒い艶やかな髪は背中から腰まで波打つように流れ、瞳の色もやはり漆黒、しっとりと白い皮膚と対比して美しい。
 女の着ている小袖は木の葉、散り落ちる紅葉と落ち葉を染め抜いた、
 この街の女なら誰でも着るようなものをザラリと纒い、やはり誰でも着るような紺の太い帯を締めている。そして常緑の松の下に立ち、何か編んでいる。
 よく見ると鈴を付けた結芸。
 それは一種の女のマジナイ…と彼は恩師に聞いた事がある。
 戦や、危険な任務に向かう男達を待つ(松)女の、この里になんと多い事か。
 そして任務や、他のやむにやまれぬ事情故に、他の里の女と交わる事の多い男の、なんと多い事か。
……そしてそんな男に想いを寄せ、その命と魂を組み縛って引き止めたい女の……
道理の通らぬマジナイに縋ってまで、祈る事すらかなわぬ女の……
気持ちの、なんと強い事か。
(俺には誰もいないけどな。)
 酔いに任せて、名も知らぬ女に、フラリとナルトは近寄っていった。
 別に何も悪い事はしていないと思う。
 女の足には装飾用の鎖がついている。
 つまり女は男の情欲に対して何も言えない身分のもので、ナルトはしかるべき金を女に渡せばそれですむはずだ。
106鳴門×遊女A:03/10/22 20:09 ID:+oKqfxHC
数時間ほど前まで、ナルトは中忍の仲間達と酒を飲んでいた。
 長かった大蛇戦争が終わり、暗く長い忍者大戦へと時代は流れている。
 中忍になってすぐの任務は、血生臭く、あまり人様に誇れるようなものではなかった。 腐っていたナルトはいつも通り先に中忍になっていたシカマルたちと飲み、何の弾みか話は女についての武勇伝に向かっていった。
 ナルトは話に混じれなかった。
 かつての教師達が色に関しては、実に中途半端な事しか教えてくれなかったのである。
 その様子を見た中忍の青年達は、いずれナルトが任務で差し支える事があるのでは、と危惧した。
 …当然だ。
 そして、シカマルを始めとする青年たちは、善意からナルトを女の宿へ連れて行こうと言いだし、
 ナルトは興味本位とちゃちなプライドからシカマルたちについて行った。
(お前は五代目か付き人にとっくに可愛がられていると思ってたのに、何にも知らないんだもんなぁ。)
(るせえな、乳はともかく、五十過ぎの婆だぞ。)
 憎まれ口を叩きつつ、色町の門をくぐった時、ナルトは期待と不安に胸を躍らせていた。
何故、自分を偏愛する五代目や、想いを寄せる忍びの名門の娘が、そうした事について何も教えてくれないのか……
 ナルトは無知すぎた。
107鳴門×遊女A:03/10/22 20:10 ID:+oKqfxHC
三軒目の遊女の宿からすげなく締め出しをくらって、仲間の青年達は目を白黒させていた。
 通常、額当てを見ただけで手をもみしぼって酒と女を回してくる宿屋の主人達は、
 考えられないほど慇懃無礼にナルト達を扱った。
 酒の入ったいた事もあり、仲間の一人が逆上して一般人相手につかみかかったほどである。
 勿論、シカマルが止めに入ったため、大事にはならなかったが、ナルトの耳はそのとき悪意に満ちた一言を捕らえた。
 宿の主人のナルトを見る排除と排他の目。
(……狐憑きが!)
 子供の時とは全く違う形で、ナルトへの迫害は始まっていた。
 四代目火影を消滅させ、木の葉で破壊と虐殺の限りを尽くした九尾にまつわる少年に、色の手ほどきをしたい遊女など、いないのだ。
 いたとしても、子を成す直接の行為は……禁じられていたのだ。
 それはナルトの知らないところで。
 大人の女達は直接的な記憶からナルトを拒み、少女達は大人の女のまねをした。
 それは九尾の罪でナルトの罪ではないが、遊女達を責める気持ちは不思議とナルトの中には起こらなかった。
「悪い、シカマル、俺もう帰るわ。」
「……ナルト?」
「お前らは楽しんで行けよ。俺、何だか眠くなっちまった。」
「お前……」
 勘の良いシカマルは、とっくに気付いていたのだろう。
 幼い頃のナルトへの迫害が、まだここに残っている事を。
 うかがうような視線をナルトに向ける。
 ナルトはただ笑って、シカマルに軽く手を振った。
 シカマルが何か言ったような気がしたが、ナルトは聞く気も起きず、
 ただ背を向けて色町を後にした。
108鳴門×遊女A:03/10/22 20:10 ID:+oKqfxHC
帰路、その女に会ったのだ。
 松の下で結芸を編む、鎖で足を縛られた女。
 男に何をされても、ただ受け入れるしかない女。
 ナルトがその女に近づいていった時、そこに何があったのか、
 …本人ですら分からない。
 ただ乱暴に結芸を編む手を掴みあげた時、女は悲鳴を上げる事もなかった。

 地面に落ちる、色とりどりの細い紐。
 白い、細い、柔らかい、何もかもナルトと違う腕。
 はかなげな花の香りとくらくらする匂い。
 長い髪の毛。
 ぎり、と手首をひねって組紐の長さを確かめようとする。
 酒のせいか……下腹の熱い痛みのせいか。
「!」
 一体、何が起こったのかナルトは分からなかった。
 気がついた時、ナルトの手は女の手首から外され、自分は地べたに転がっていた。
(…何だ一体?)
 中忍の自分に抵抗すら許さず、簡単に転がすとは。
 それらしい気配は、まるでなかったが。
 …ナルトは感覚を研ぎ澄まし、チャクラを確かめる。
 だが、自分と同じく地面に膝をついて、必死に組紐をかき集める女の姿に、忍びらしき動きはなかった。
 女は弱い月光の下、地面に落ちた組紐を一本一本拾うのに、酷く難儀しているようだった。
109鳴門×遊女A:03/10/22 20:11 ID:+oKqfxHC
 細い糸を拾い上げて女に手渡す。
 息を飲んで、じっと自分を見上げる、女の黒い瞳・・・。
「誰に渡すの?」
 ぽつりと言ったナルトに、女は酷く哀しげに微笑んだ。
 柔らかくほころぶ口元を、ナルトは憮然と見返す。
 女は静かな仕草で、一本の組紐を、ナルトの肘の辺りに結びつけた。
「あ、おい・・・」
 意味が分からず、ナルトは紐をほどこうとしたが、女は立ち上がって、膝の土を落とすとナルトの方に視線を送った。
 そのまま、顎だけで指図を送る。
 ついてこい、と。
(ああ、そうか。)
 女は全く自分の事を分かっていないのだ。

 暗い室内、掘っ立て小屋のような家に、不似合いな青い畳の匂い。
 蛾の群れ飛ぶ行灯、先ほどまで誰か人がいたような。
 黒い川の流れる音、他に何も聞こえない。
 す、と女が襖を開く。清潔そうな、敷き布団に枕はない。
「意味、分かってるのかよ……」
 耳に聞こえた自分の声は、弱々しく消え入りそうだった。
 香炉に灯をともし、女は酒を用意する。
 既に軽く酩酊していたナルトは一度断ったが、女は静かに酒を注いだ。
 水のような喉ごしだが、知らない味の酒に、ナルトは眉をひそめる。
 眼で女にきくが、女は何も言わずに自分の椀に酒を注ぎ、一息に飲んだ。
 白い頬はたちまち酒気に桃色に染まる。
 ナルトはそれを見て、奇妙に喉の奥が乾くのを感じた。
 生唾を飲み込んだナルトの椀に、女はまた酒を注ごうとする。
 ナルトは咄嗟にその手を掴み、自分の方に引いた。
 女は抵抗するそぶりすら見せず、ナルトの肩にもたれる格好になる。
 そのままナルトは着物の袷に指を入れ、白い肌の感触を確かめた。
 ありがちな言葉だが、ナルトはそんな柔らかい物質がこの世にある事を初めて知った。
 忍びの指先に、女の胸は破滅的なほど柔らかい。
110鳴門×遊女A:03/10/22 20:11 ID:+oKqfxHC
 ちりちりと、香炉の中で木ぎれが燃える。
 古い家の、特有の香りを消すために付けたものなのか。
 嗅覚と、触覚から自分の中の何かが麻痺し、かわりにゆっくりと原始的な衝動が首をもたげてくる。
 ナルトは黙って女の胸をさすり続ける。不意に、女が唇を強く噛んだ。
「……イタイのか?」
 それは自分が女の胸の先端を、強く擦ったからか。
 それとも他に女はこらえているものがあるのか。
 女は眉間に皺を寄せたまま、首を横に振るだけで、何も答えない。
 しかし肩の上に無理に横抱きにした姿勢は苦しいのかもしれない。
 ナルトは女の細腰を左手で支えながら、畳の上に女の体をゆっくりと仰向けに倒した。
 そのまま、女の襟元を両手で掴み、乱暴とは思われないように気を付けながら左右に開く。
 女が咄嗟に両手で顔を隠そうとした。ナルトはその手首を掴んで、顔の両脇に抑えつける。
 女は困ったようにナルトを見ている。
 冷たい夜気にさらされた白い胸の先は、小さく尖っている。
「何か言えよ。」
 弱い声で、ナルトはそう言った。女は目を伏せている。
「口、きけないのか?」
 女は何も言わなかった。
 その、何か決意を固めたように引き結んだ唇に、ナルトは吸い付こうとした。
 女が身をひねった。
 抗う両手をひとまとめにして右手で押さえつけ、両脚を開かせて膝で押さえ込み、左手で女の顎を掴む。
 その気になれば、その首を握りつぶせると、力で威嚇する。
 それに対し、女はとても遊女とは思えない鋭い眼光を返してきた。
 ナルトはため息をついた。
「分かったよ。ごめん。」
 結局、拒まれるのか。ナルトは女から身を離し、起きあがろうとした。
 これ以上、惨めになるのはイヤだった。
 ところが、女は慌てたのか勢いをつけて上半身を起こし…ナルトの額に額をぶつけた。
111鳴門×遊女A:03/10/22 20:12 ID:+oKqfxHC
「イテ!」
「アイタ!」
 どちらかともなく悲鳴をあげ、ナルトは額を手で押さえた。
 女も声もなく赤くなった額をさすっている。
 その様子からいって、ナルトを攻撃するつもりではなかったらしい。
「おい、大丈夫か。俺、結構、石頭だから…。冷やすか?」
 そう言って、ナルトはポーチの中を手で探り、湿布を探した。女は湿布を渡そうとするナルトの手を止め、不意におかしくなったのかくすくすと笑い始めた。
「・・・笑うなよ。」
 こういう局面で、自分よりも経験のある女に笑われるのはいい気持ちはしない。
 怒って言ったナルトの様子がよけいにおかしかったのか、女は笑うのをやめなかった。
「笑うなってばよ!」
 下忍の頃の口癖を出してナルトが怒鳴る。
 女は妙に嬉しそうな顔になって、瞳をうるませ、ナルトの頬に唇を寄せた。
 ふて腐れて反応しないナルトの右手を取り、自分の胸にもう一度持っていく。
 ナルトが動かないと、自分の両手をナルトの右手に重ね、ゆっくりと揉み始めた。
 咄嗟にナルトは反応出来なかった。
 女の白い指の動き、胸の感触。
 間近にある優しげな顔が次第に紅潮し、吐息が耳にかかる。
 そして、滅多にかいだ事のない・・・欲情した女の、におい。
 ナルトは、女の体を強く引き寄せ、胸を乱暴につかみあげた。
 女が痛そうな声を立てたがもう歯止めなどきかない。
 上をむいたツマミを人差し指でこね、引っ張る。
 自分の指先で形を変える柔らかい肉を何度ももみしだく。
「ん…あ、あ…。」
 淡い桃色の唇から漏れる切なそうな声に耳をそばだてる。
 そうして、ナルトは女の胸に顔を埋め、歯を立てそうになる自分をこらえながら、舌を使った。
 温かくなめらかな皮膚の味を確かめるように何度も口全体を這わせ、そのまま顔を滑らせて、胸の突起をしゃぶる。
「や……はぁ、う……!」
112鳴門×遊女A:03/10/22 20:13 ID:+oKqfxHC
 何かおびえたように息を切らす女の頬をなでてなだめ、ナルトはじっとその表情を身ながら、音を立てて吸い上げる。
「くっ、うぅ……。」
 しびれたように体をふるわせる女の腕から着物をはぎとる。
 腰を縛る帯のあたりに着物は引っかかった。
 帯を解こうと、焦ってナルトはただ片方の紐を力任せに引っ張った。
 キチンと帯を締めていた女にとってはたまったものではない事など、疎いナルトに分かる訳がない。
 遊女は自分の立場も忘れてナルトの顔面を手のひらで思い切り押しのけた。
「何だよ、いいだろ。もっとしても。」
 それでもナルトはそのまま帯を引っ張った。女が今更照れているのと勘違いしたのだ。
 女はナルトの手首を叩いたが、そのまま、きゅう、というような声を立ててのびてしまった。
 窒息のあまり一時的に動けなくなったのだ。
「あ、あれ・・・?」
 ただ女の裸体をみたいと夢中になっていたナルトはそこに至っていくらか冷静さを取り戻した。
「お、おい、大丈夫か!」
 ナルトが遊女の肩を軽く揺さぶると、女はすぐに目を見開き、ぽろぽろと涙を流し始めた。
 喉が引きつったように鳴っている。
 呼吸の調子を取り戻すための身体の防衛なのだがナルトは自分が非力な女をいじめて泣かせたと解釈した。
「ご、ごめん。ごめんな。俺、乱暴だったな。俺、してもいいんだと思って、ほら、す
るのに着物って邪魔だしさ。こういう時は男が脱がしてやるもんだって昔の俺の先生が
だからさ、な。泣くなよ。ただ、その、したくて、見たくて。」
 そう言いながら、ナルトは女の背中を何度もさすった。
 女は落ち着きは取り戻したようだが、困ったように目を伏せてナルトから顔を背けている。
 ナルトは押していいのか引いていいのか分からず女の動きを待つだけだ。
 やがて意を決したのか、女は自ら着物の裾をめくりあげ、膝を立てた。
 左膝と右膝の間は肩幅程度に広げられている。
113鳴門×遊女A:03/10/22 20:14 ID:+oKqfxHC
 着物を着ている女は、当然、下着をつけていなかった。
 足袋の先が震え、細い装飾の鎖がシャラシャラと鳴った。
 ナルトの視線は着物の奥に固定されたまま、動かない。動きようがない。
 それを悟ったのか、女は困った顔のまま裾をめくっていた指を離し、自分の奥に向け、指二本で中を開いた。 
「そこ……」
 ナルトは顔を近づけた。
「どうすりゃいいの?」
 どこまで赤くなるのかという勢いで女の顔が染まっていく。
 時が止まったような数秒の後、女はナルトのジッパーに手をかけた。
 ビクリと動いたナルトの肩に触れて抵抗を制し、ジッパーの上から二度、三度と指でこすると、反応を示していた雄が元気よく動く。
 それに苦笑をもらしながら、女は中忍服のジッパーを下ろし、ナルトの下着の中から自身を取り出した。
 白い指先がグロテスクなほど熱く膨張したものに絡みつき、手のひらに汗をこすりつけるようにして動く。
 ナルトは声を殺して女の責めに耐えた。
 しごく動きに頭の芯がふらつくような感覚さえ覚え、何とか目に力をこめてそれをとどめようとすると、眼前には白く柔らかい女の皮膚。
 寒いのか、肌は粟立っていた。
 ナルトは女の背中に腕を回して胸に息を吐きかける。
「んっ、あっ・・・」
 誘うような吐息と拒むような声がナルトの耳に木霊する。
 室内に立ちこめた香木の燃えた匂い、冷めて靄のかかった月光。
 それらが全て、ナルトの快楽を追い上げる。
「ふうっ・・・くっ・・・」
 ナルトの顔に、汗がにじんだ。
 それを見計らい、女は上気した顔を、ナルトの雄に近づけた。
 白い歯がのぞく。桃の紅に縁取られた口が開き、彼女はナルトを銜えた。
 目を閉じて、ゆっくりと舌を動かす。
114鳴門×遊女A:03/10/22 20:14 ID:+oKqfxHC
「・・・う。」
 ナルトの喉からせっぱ詰まった息が漏れる。
 それに気づいたのか女はナルトの根本をきつく指で押さえた。
 痛みに似た感覚にナルトの背筋がピンと張った。
 女は口全体と舌を使ってナルトを濡らし始めた。
 白い肩が動く。懸命に動く指、健気な舌。時折聞こえる、鎖の揺れる、音。
「……っはっ……」
 喉が灼けるように熱くなっていく。全身から汗がにじみ出る。
 自分の男くさい匂いが、女にまでうつりそうだ。
 やがて十分にナルトを濡らした事を確認したのか、女はナルトから口を離した。
 ぬめった糸が不自然なほどおおとなしい女の口の周りを汚した。
 肩で息をしながら、女は腰をあげ、自分の入り口にナルトをあてがった。
 そこはナルトがふれていないにもかかわらず、湿り気を帯びて温かかった。
 ナルトは自身の先端にそれを感じ、女の腰を力強く掴んだまま、思い切り自分で突き上げた。
「ひっ、いっ……」
 女の顔が、苦痛に歪み、結芸の糸が・・・ちぎれた。
 白く丸い光が瞼の奥で破裂し、獣じみた息を喉の奥で止める。
 冷ややかにさえ渡っていく視界の中で涙に濡れた女の顔が何かとダブって苦しいほどだ。
 焦りを誘う血のような匂いと人工の香りが鼻孔を灼く。
 灼きついた青い記憶が研ぎ澄まされていく感覚にストップをかけ、混乱していた感情は隅から隅まで片づけられる。
(あれは・・・あのとき・・・)
 ツン、と鼻の奥がわさびを塗りつけられたように痛んだ。
 自分の太股の上に座り込んで荒い息を吐いている<遊女>の四肢を強く抱きしめ、ナルトはささやいた。
「なあ、紐・・・買うよ・・・」
 自分が涙声なのに気づきながら、ナルトはしとどに濡れそぼった結合部を更に混じり合わせるために体を動かした。
 つきあげられ、揺すぶられ、糸と鎖に縛られた女体は少年の欲望を満たすためだけに震えて引きつる。
115鳴門×遊女A:03/10/22 20:15 ID:+oKqfxHC
 終わりを目指してナルトは息を荒く、本能に基づいてえぐり取るような動きを繰り返す。
恥辱に似た快感は、やがて引きちぎるような激痛を伴い女の女たる羊水の中に放たれた。
子供のような悲鳴を上げて、女はナルトの胸に崩れ落ちた。

…これが釈迦結び、こっちが八重結び。わかるか?ナルト。
 結び方にはそれぞれ意味があってな、これは元々女の人が作った<記号>だ。
 文字は元々男の文化で、女性はそこから疎外されていたからな。
 言葉以外の方法で正確に気持ちを伝え合うために<結び>を芸にまで高めたんだ。
 一つの紐でもこれだけ複雑な絡み方があって
 二つの紐だとここまで結びつけることができて
 言葉よりもよっぽど複雑で繊細なものだよ。
 第一、ほどかれても、もう一度、結び直す事も出来る。
 諦めない限りは何回でもやり直せる・・・ほら、 これが・・・

 ゆっくりと女の体を畳に横たえナルトは思い出す。紐を買う意味を教えてくれた教員ともう何年、逢っていなかったろうか。
 自分が一時の快楽のために紐を買った事を知ったらなんというだろうか。

 結ばれた紐はほどく事が出来る。
 ほどかれた紐は結び直す事が出来る。
 しかし同じ結び目は、二度とは作れない・・・。
116鳴門×遊女A:03/10/22 20:16 ID:+oKqfxHC
【一旦終了】

自己レス。 長ッ!意味不明!!
117名無しさん@ピンキー:03/10/28 13:32 ID:CVI7vReC
もしかするとナルトスレあるかもしれないけれど、
ムードがあってなかなか良かったよ。
118名無しさん@ピンキー:03/10/28 17:34 ID:k3v8GucW
116です。
ナルトスレに一応、オリキャラ登場のものの扱いについて
聞いたら意見が二分したのでこちらに投稿させてもらいました。
レスありがとうございます。
119名無しさん@ピンキー:03/10/28 21:45 ID:52ow9T9g
>>116
イチャパラの方から来ますた。
いや〜、凄く良かったでつ!そのミステリアスな遊女にハァハァしまつた!
120名無しさん@ピンキー:03/10/29 12:58 ID:4v60c3U5
>>116
ドリは苦手なはずなんだが・・・萌えました!!
121名無しさん@ピンキー:03/10/29 12:59 ID:4v60c3U5
ギャー!!ageてしまいました(鬱死)
122名無しさん@ピンキー:03/11/01 00:51 ID:IOSrhfd3
>>121
気にスンナYO!
123名無しさん@ピンキー:03/11/03 23:17 ID:OcwI84vL
ネタ投下よろしいですか?
124名無しさん@ピンキー:03/11/03 23:23 ID:+97mikrO
>123
OKかと
125百合×マネージャー:03/11/04 00:10 ID:wM3KYee3
【百合×マネージャー】
ある晩のこと。
静まりかえった城内に、か細い足音が響く。
音は均一していて、城の奥へ奥へと進んでいく。

城の主であるユーリは、その足音の行方を耳で追っていた。
音は少しも乱れずに近づいてくる。
しばらくして一度止まり、再び均一した音が響く。
・・・いつもどおり、階段を上がる音。
やがて上がりきったのか、今度は更にか細い足音がこちらに向かってくる。
今のように耳をすませていなければ、聞き逃すほどに小さな音。
その音が最も近づいたとき、部屋の扉が音もなく開かれた。
「・・・入れ」
ユーリは横になっていたベッドから上半身を起こすと、足音の主にそう声をかけた。
「あ・・・起こしてしまいましたか?」
少しの間をおいて、声が返ってきた。足音と同じくか細い、少し高めの声。
返事に遅れて、声の主が姿を見せる。
少し色あせた緑色の髪を肩口まで伸ばし、薄い青の瞳を持つ少女。
就寝前なのか、薄い服の上に厚めの長い上着を羽織っている。
両手には銀の盆を持ち、上に水差しとコップを乗せていた。
「すみません、出来るだけ静かに歩いてきたんですけど・・・」
少女は実に申し訳なさそうな顔で言う。
「謝ることはない。まだ寝付けていなかったからな。」
ユーリは特に気にする様子もなく返し、少女に側に来るよう告げる。
少女は静かに歩いてくると、ベッドの脇にある棚に持ってきた盆を置いた。
そしてユーリに手招かれ、少し近づく。


今日はもうこの辺で。
続きは明日書きます。
126名無しさん@ピンキー:03/11/04 13:06 ID:CIeWYGQe
>125
ガンガレ!焦らすな!
127百合×マネージャー:03/11/04 22:46 ID:ZKjfTftg
どうも。
続き書きにますた。
128百合×マネージャー:03/11/04 22:48 ID:ZKjfTftg
「お前はどうした、やはり寝付けないのか?」
少し見上げる形でユーリは言う。
「いえ、私は明日からのスケジュール確認と調整を。」
「こんな時間までか・・・マネージャーというのも大変だな。」
ユーリの言葉に、マネージャーと呼ばれた少女は少し微笑む。
「これも皆さんが活動しやすくなるためですから」

少女は、ユーリ率いるバンドの専属マネージャーとして働いている。
元々は国の遥か東で暮らしていたのだが、ふとしたことからユーリに出会い、そのまま気に入られて城へと招かれた。
そして城に住み込みで働くようになり今に至る。

少女は上着のポケットから白い紙を取り出した。
どうぞ、と言ってユーリに渡す。見てみるとそれは細かく記されたスケジュールだった。
ざっと確認し終わると、ユーリは満足そうに笑みを浮かべる。
「ここまで組まれていれば問題ないだろう。」
少女も嬉しそうに微笑む。

「ところで・・・お前はもう寝るのか?」
目を通し終わった紙をたたみながら、ユーリが聞いた。
「え?あ・・・はい。明日も早いですからそろそろ・・・」
唐突に聞かれ、少女は少し戸惑うように答える。
その様子を見て、ユーリは少し口元を歪ませる。
「そうか・・・」
そう呟き、ベッドから降りて少女の前に立つ。
「私はどうやら疲れが足りないようだ、寝付けないでいてな・・・」
そう囁くと、怪訝そうに見上げる少女を見てニヤリと笑う。
そしてそのままベッドに押し倒した。
129百合×マネージャー:03/11/04 22:50 ID:ZKjfTftg
「きゃ・・・っ」
突然の事に少女は思わず声を上げる。
その拍子に開かれた薄い唇に、強引に口づけた。
「っ・・・・!」
何が起こったのか分からないまま、舌が挿入される。
少女の頭はすっかり混乱して真っ白になっていた。

長いキスの後、ユーリは静かに口を離した。
ようやく解放された少女は、酸素を求めて荒い呼吸を繰り返す。
その様子を見ながら、ユーリは更に笑みを浮かべる。
「この程度の口づけで息が上がってしまうとはな・・・」
そう言われて、少女はユーリを見上げる。
その歪んだ口元を見て、初めて自分の置かれた状況を理解した。
「っ・・・ユーリさん・・・・」
恥ずかしさのあまりに顔が熱くなる。
しかしユーリは悪びれる様子もなく、上着に手を掛ける。
「丁度良い疲れが必要だ・・・付き合ってもらおうか。」
戸惑う少女の耳元でそう囁き、上着を剥ぎ取った。
「っ!・・・や・・・止めてください・・!」
身の危険を察し、少女は必死に逃れようと抵抗する。
だが、周りより華奢だと言われているがユーリも男である。
到底敵うはずもなく、いとも簡単に服のボタンを外されていく。
そして少しの抵抗も受け付けないまま、服を剥いだ。
あらわれた白い肌―――その首筋にユーリは再び口づける。
「ゃ・・・っ」
生温かい感触に、少女はびくっと体を震わせた。
その反応を楽しむように、今度は舌を這わせていく。
首から肩、鎖骨へと下り、時々軽く牙を立てる。
130百合×マネージャー:03/11/04 22:51 ID:ZKjfTftg
「・・ぁ・・・・」
その度に少女は震え、小さく声を漏らす。
一通り少女の反応を楽しむと、ユーリは少女の胸元に掛かる服を払いのけた。
まだ成熟しきれていない白い膨らみに手を掛け、ゆっくりと揉みだしていく。
「やぁ・・・・っ」
途端、今までに経験したことのない感覚が身体に走った。
ユーリは容赦なく膨らみの先端の淡い桃色の突起を指先で刺激する。
「ぁ・・やぁぁ・・ん・・っっ」
快感が電撃のように身体に伝わっていく。
少女はびくびくと体を震わせ、静かな室内に甘い声を響かせる。
「これだけでもう感じているのか?・・・敏感だな・・」
妖艶な笑みを浮かべ、ユーリは少女の耳元で囁く。
恥辱を覚えた少女は肩を強ばらせ、ユーリから顔を反らす。
少女の様子に満足げに笑うと、ユーリはもう片方の膨らみの突起を口に含んだ。
そのまま軽く舌で転がし、指での愛撫も再開する。
「っあ・・・ぁ・・・っっ」
ビクンと体を震わせ、少女は身体を仰け反らす。
ただでさえ感じてしまっている所を同時に責められ、感度は着実に高まっていく。
再びその様子を楽しむかのように、ユーリは口に含んでいた突起を強く吸った。
「ふあぁ・・ん・・・っっ」
いきなり襲ってきた強い快感に、少女は声を上げる。
それと同時に、突然下着の中がじわりと濡れていく感触があった。
思わずびくっ、と震えた少女の反応を、ユーリは見逃さなかった。
胸への愛撫を止め、手をゆっくりと下へと伸ばす。
「ゃ・・・ユーリさ・・・っっ」
ユーリの手の気配を感じ、少女は真っ赤に顔を染めながら慌てて足を閉じる。
「ここまで感じておきながら今更嫌がることはなかろう?」
131百合×マネージャー:03/11/04 22:54 ID:ZKjfTftg
「ここまで感じておきながら今更嫌がることはなかろう?」
ユーリは一言言い放ち、少女の閉じた太股の隙間から手を滑り込ませ、あっさりと足を開く。
そのまま押さえつけると、空いている手で下着の上から撫で上げた。
「ひゃぁぁん・・・っっ!」
先程とは比べものにならない快感が下半身を走る。
「少し触れただけだというのに・・もう濡れているのか・・・」
ユーリは口元を歪ませ、下着の中に手を入れて一気に引き剥がす。
「っっ・・・!!」
恥辱のあまりに赤面し、少女は再び足を閉じようとした。
しかし、ユーリの手によって押さえられているため、敵わない。
ユーリは露わになった秘部に、静かに指を滑り込ませた。
「っやぁぁぁ・・・っっ!」
更に上回る快感が、一気に身体を突き抜ける。
ユーリは容赦なしに深く指を挿入し、密壺を掻き回す。
「や・・・やぁぁぁんっっ・・っ」
少女は甘美の声を上げ、快楽に脳内を洗脳されていく。
初めて快楽を覚えた秘部からは、留めなく愛液が溢れ出す。
「こんなに濡らして、声を上げて・・・お前はいやらしいな・・・・」
ユーリは恍惚とした笑みを浮かべ、少女を見下ろす。
恥辱と強い快楽に耐えきれず、少女は逃れるように身体を捩った。
「このまま最後まで慣らしてやろうとも思ったが・・・私もそろそろ耐えきれないな・・・」
そう言ってユーリは、少女の髪を優しく梳く。
そしてすっかり潤んだ青い瞳を見ると、少女の秘部から指を引き抜いた。
「っ・・ゆ・・・り・・さ・・・・」
快楽に呑まれて震える身体を隠すように抱き、少女はか細い声で呟く。
これ以上のことはもう耐えられない―――潤んだ瞳がそう訴えている。
それを静かに見下ろしていたユーリは、少女の額に軽く口づけた。
そして、既に高ぶっていた自分の半身を取り出す。
「痛みがあるのは初めだけだ・・・すぐに慣れる・・・」
132百合×マネージャー:03/11/04 23:10 ID:ZKjfTftg
身体を強ばらせる少女にそう囁き、軽く耳を噛む。
その拍子に、今まで強ばっていた少女の身体から力が抜ける。
そして少女が言葉を理解するのを待たずに、彼女の秘部へ自らの半身を挿入した。
「っひ・・・あぁぁ・・・・っっ!!」
途端に鈍い痛みが少女を襲った。
それと同時に、今までのを遙かに上回る快感が全身を駆けめぐった。
「・・・動くぞ」
静かに諭し、ユーリは少しずつ動く。
初めこそは痛みが酷かったが、動かれる度に痛みはなくなっていく。
「ぁ・・あぁ・・・・っっ」
痛みに喘いでいた声が、次第に甘美な響きに変わっていった。
痛みの代わりに、だんだんと快楽の波は強まって来る。
その様子を確認すると、ユーリはだんだん速度を上げていった。
「ゃ・・・ぁ・・・あぁぁん・・・っっ」
少女の膝はがくがく震え、快楽に呑まれていく。
「・・・そろそろイかせてやろうか・・?」
動かすペースを緩めずに、ユーリは快楽に喘ぐ少女に囁いた。
少女は潤んで歪んだ視界の中、必死にユーリを求める。
――ギリギリに高ぶった感情に、こんな目を向けられたら耐えられるはずがない。

強く揺さぶりをかけ、突き上げて、ユーリは少女の中に欲望を放った。
声にならない叫びをあげて、少女は果てた。
133百合×マネージャー:03/11/04 23:10 ID:ZKjfTftg
ぐったりとした少女を抱き締め、ユーリはベッドに横たわった。
全身で荒い呼吸を繰り返す少女の頭を、何度も撫でる。
「・・・・少々手加減が出来なかったな・・」
そう呟くと、ユーリは少女の額に口づけた。
少女は少し反応したが、しばらくして深く、ゆっくりとした呼吸をするようになった。
――明日は、ゆっくりと休ませてやることにするか――
そんな事を考えながら、少女を見つめる。
火照ったままの顔は疲労に満ちていたが、安らかな寝顔をしていた。
「・・・・本当に、お前は愛らしいな・・・」
薄く笑って言うと、ユーリはベッドの掛け布団に少女を抱いたまま潜った。



ある晩のこと

歪んではいるが、深い愛情を持つ主が眠りについたのは、夜も更けた頃であった。



fin
134【後書き?】:03/11/04 23:17 ID:ZKjfTftg
長すぎヘタレで申し訳ない・・・(´・ω・`)
135名無しさん@ピンキー:03/11/04 23:26 ID:CIeWYGQe
>134
美味!
最後の一文が好きです
136名無しさん@ピンキー:03/11/11 16:14 ID:ucmM1P1R
誰かネタ投下しないのかな
137123:03/11/11 22:52 ID:3s0K4bqM
>>136
またポプソでマネージャーネタなら出ますが・・・
138名無しさん@ピンキー:03/11/12 02:26 ID:TX/jRqt7
>137
私は好きだな。あなたの文章。
書いてくれたら正直嬉しい。
139123:03/11/12 16:08 ID:r8y2YdtX
>>138
ありがd、そう言ってもらえて嬉しいです(´∀`*)

では出来次第投下させていただきまつ。
奇跡4にしようか妖怪にしようか・・・
140名無しさん@ピンキー:03/11/14 01:09 ID:3emvBAi5
う〜ん。自分も忍者×遊女ネタ頑張ろうかな。
141名無しさん@ピンキー:03/11/24 20:32 ID:3ombraqo
>>137さん
すごく良かったです!
ポプエロSSスレに投下してもいいんじゃないですか?
あそこオリ伽羅可かわからないけど試しに聞いてみては…。
142123:03/11/24 22:21 ID:p05zRk5V
まだ出来上がらないのに書き込んでスマソ。

エラーのせいで投稿できてなかったみたいでつ。
>>135タソもありがd(*´∀`*)

>>141
ありがd、気に入ってもらえて嬉しいでつ。
あっちはなんか叩かれそうなんで遠慮してるのですよ。

試しに聞いてみるか・・・?
143141:03/11/25 02:26 ID:AdGUUH+9
>>142
やっぱあっちはダメかなぁ…もしそうでもここに読みにくるのでガンガレ!
せっかくの職人さんつれていったら、ここでも怒られるかもしれないしw
144123:03/11/25 17:36 ID:a6soLyDs
>>141
応援ありがd、やっぱり本拠地のここで頑張ります(*´∀`)

では作品が出来上がるまで。。ノシ

145名無しさん@ピンキー:03/11/30 03:39 ID:9dKZjRdB
>>144
新作期待してます〜
146名無しさん@ピンキー:03/12/08 22:36 ID:cMMRcGJp
  
147名無しさん@ピンキー:03/12/10 13:21 ID:IrRyWl8S
-
148名無しさん@ピンキー:03/12/13 17:58 ID:sEwl/ofB
保守。
や、やばい位置に・・・
149名無しさん@ピンキー:03/12/14 18:23 ID:gN4LVxN/
案山子×遊女B

自分の上に這っていた男が、いきなり背を震わせて振り返る。
「何か…?」
 忍び相手の商売をしていて数年。
 驚いたり、騒いだりはご法度と分かっているから、女は男の首にしがみついて耳に囁く。
「そのまま、動いていて。」
 言われるが、ままに。女は性の器官に神経を集中し、<仕事>を始めた。
 みだらに喘ぎ、うめき、鳴く。
 そんな自分を浅ましく辛く思っていたのはいつごろまでだったのか。
 それにあわせてくる男の腰の演技は、いまだに。
 いまだに……哀しいが。

 カカシは女を屠るふりをして、敵を屠った。
 ここは花の街。
ただの遊女ではなく、<忍び専門>であり、特殊な訓練をされている娘が多い。
 そのような訓練を受けるぐらいならば、アカデミーに入学すればよかったようなものだが…。
「どうしたの。」
 淫行に耽る上忍の背中を襲い、頭蓋骨を破壊された敵の忍の顔を、女はしげしげと見つめている。
「あまり見るものじゃないよ。まだ仕事があるんだろ。」
「…うん……。」
「お前の乱れ姿で救われる男は多いんだからさ。床の中で、流血沙汰の話なんか、するんじゃないよ?」
 そう言って、カカシは女の血飛沫を浴びた顔をなでる。
 何故か、彼の手は白い綺麗なままだった。
「また、違うなぁと思って……。」
「違うって?」
「私、くノ一の訓練は受けられない事を知っているでしょう。」

150名無しさん@ピンキー:03/12/14 18:24 ID:gN4LVxN/
「ああ」
 カカシは頷いた。
「お前のその足じゃーね。」
 彼女の足の腱はスッパリと切断されていて、走ることすらかなわない。
「私は女だから…生き残ったけれど。私をこんなにして、家族を殺した忍の顔は、まだ覚えているよ。」
「ふうん?」
「ここで働くのは…私みたいのばっかりだから、イチイチ覚えてられないか。」
 女はそう言って、頭を砕かれた忍びの顔を床に放った。
 カカシは答えずに、ただ女の体を抱き寄せた。
「忍者に恨みを持って関わってしまったら…仕方ないよね。大切なものを守りきれなくて、こうなっちゃったんだから…仕方ないよね。」
「お前は…忍者の屍骸が好きなの?」
 宥めるように背中を撫でるカカシに、女は困ったような笑い声をたてた。
「嫌いだよお。忍者なんか。」
 では何故にこんなところで仕事をしているのか―――――
 やるせなさを愛撫でごまかし、カカシは女に戯れかかる。
 光のない死体の瞳が二人を見ている。
 血の臭いと、<死>の放つ、あの、臭い――――――――――――
「なあ」
 女の深い傷を持つ脚を高く抱え上げて、カカシは言った。
「俺の死ぬときの顔を見ても、誰にも話さないでいてくれるか?」
「………。」
 覆面の忍者にはそれなりの過去があるだろう。それを、分かっていて、
 女はあざけるように答えなかった。

151名無しさん@ピンキー :04/01/15 01:40 ID:5YkUtmdf
ageますよ
152名無しさん@ピンキー:04/01/21 17:57 ID:XyRIlNXv
一輝といきなり出現した義姉ってーのはイカガ?
まだ処女な義姉を一輝が…と言う
ちょっとはげしめのレイープ系

―その女はある日突然俺達の目の前に現れた。
歳の頃は16,7か、大人しそうな外見にセミロングの黒髪を一つに縛っている。
紺のジャケットを肩に掛け、ジーンズのミニスカートの下に黒い長めのスパッツ、ジャケットと同色のスニーカーを履いている。
「何の用だ?」珍しく城戸邸に帰っていた俺は訝しげにその女に話しをしようと肩に手を乗せた。
するとその女は「初めまして、一輝さん、いいえ、…一輝!!」
そう言うが否や奴は俺の背中に手を回し抱きついて来た。
ちょっ…、ちょっと待て、貴様、今何と言った!?俺の頭はその一言でパニックに陥った。
「自己紹介、遅れちゃったわね。私の名前は朱美、貴方達の義姉。
私こう見えても19歳なのよ。」
19と言っていたがあまりそうには見えない。
ひとしきりそう喋り立てるとそいつ―朱美はニコリと微笑んだ。
「これからもよろしくね、一輝。」

ウガアアアアア!後がもう書けねェ!!
誰か続き頼んだ!!
153名無しさん@ピンキー:04/01/22 11:20 ID:80zi9EzU
<152
中途半端なトコで止めるなや
154名無しさん@ピンキー:04/01/22 12:09 ID:80zi9EzU
朱美が来て数ヶ月が経った。
瞬や星矢達は朱美と仲良くやっている。この間氷河は奴と親しげに話してた。
(あんな女のどこが良いのだろう)
トレーニングを終えて、俺はそんな事を考えながら風呂場のドアーを開けた。
―そこにはシャワーを浴びる朱美がいた。
都合が善いのか悪いのか朱美本人はまだ俺が来たのに気付かないらしい。
湿気で肌にはり付いた黒髪、どこかぽぉっとした瞳、血の巡りの為かうっすら赤い唇、
いつも真っ白だが桜色に染まった肌、男の手にすっぽり収まってしまいそうな乳房―
俺は息を飲んでそれをただ見つめていた、そして俺の中に一つの欲が生まれた。
―コノオンナヲドンナコトヲシテデモホシイ…
―テニハイラナイナラバコワシテデモモノニシタイ
浅はかだと思うならば笑えばいい、俺は朱美の中に『女』を見いだしたのだ―

どなたか続きプリーズ、漏れにはエロ描写の素質が無い(´ロ⊂)ワァァァン

155名無しさん@ピンキー:04/01/22 16:29 ID:80zi9EzU
でもガンガッテ続き

朱美の裸体を見たその日から3日が経った。
沙織さんは仕事の為、氷河と紫龍は恩師に会う為、瞬は師匠の墓参り、星矢は星の子学園の皆に会いにと
各々が出掛けてしまい城戸邸には俺と朱美の二人きりになってしまったこととなる。
「一輝は何処かに出掛けないの?」自分に対して俺が邪な思いを抱いてる事なぞ知らず朱美が尋ねてきた。
「ああ…、俺は群れるのが嫌いでな。」(―無防備過ぎてとても19には思えない)
そう思いつつ俺はぶっきらぼうに答えた。
すると朱美はクスクスと笑い出した。「な、何が可笑しい!?」
「フフフ…だって星矢君達の言ってた通りなんだもの、『一輝は群れるのが嫌いなんだ』って。
本当のことなんだ、アハハ…あ〜、可笑しいっ」
笑顔で他の奴らのことを話す朱美を見て俺は胸が焼ける思いになった。
―ヤメロ、ヤメロ、オレイガイノ名ヲヨブナソンナエガオデ―
「一輝?」奴が笑うのを止める。
―コノ感情ハナントイウノダロウ?―
「一輝…!どうしたの?怒ったなら謝るからっ!」
―狂気?嫉妬?イズレニセヨロクナモノデハナイ
デモコノ女ヲジブンノモノニシタイ、タトエ命ヲ奪ッテデモ―
そんなことを考えながら気付けば朱美をソファーの上に押し倒していた。
「…一輝?」目に涙を溜め、震えた声で奴は問い掛けてくる。
その姿を見た俺に誰かが囁いた。今思えばそれこそが『狂気』だったのかもしれない。
―ホシイナラムリヤリニデモダイテモノニシテシマエ…
―ソノオンナヲホッシテルンダロ?
その誘惑に敗北した俺は朱美のブラウスに手を掛け、思い切り引き千切った。
「いやぁぁぁぁっ!一輝、止めてぇぇぇっ!!」泣き叫ぶ朱美を押さえ付け俺は義姉の唇を貪った。
その膨らみを隠す邪魔な下着を毟り捨て、裸の乳房に顔を埋めて義姉の顔を眺めた。
「い…嫌…、一輝止めて…っ」瞳からは止め処なく涙が溢れそれが一層俺の欲を煽った。



156名無しさん@ピンキー:04/01/23 14:47 ID:DLGaJvJ7
>>155
エエヒトヤナ・・・
157名無しさん@ピンキー:04/01/23 17:47 ID:mDtJ0LOv
続きでオマ。

「…黙れっ!」俺はそう朱美に言い放ち白桃のような膨らみの乳房を鷲づかみにした。
「痛…っ!」朱美は痛みか拒絶の為か身を捩った。きっと奴から見れば今の俺は正気の沙汰ではないように見えるのだろう。
白く男の手の為に出来てるかと思わせる奴の乳房を弄びながら義姉の穿いているタイトスカートを捲りあげて、下着を脱がせた。
いや、剥ぎ取ったと言った方が良いかもしれない。そして俺自身もシャツを脱ぎ捨て、朱美の上に覆い被さった。
「…や…嫌…っ、嘘でしょう?ねぇ止めて一輝!」朱美の瞳に恐怖の色が伺えた。
―ヒッシニ叫ンデモナニニナル?ダレモコナイ
―オマエハオレノモノダ、イッショウハナサナイ…
「止めて一輝――――っ!!」
下着を剥ぎ取ったタイトスカートから覗く秘部はしっとりと濡れていてまるで俺を強請っているかのように思えた。
「綺麗だ…」そう俺は呟き足に滴り落ちる蜜を舌で絡め取った。
「ひ…っ、やだ…っ、あぁ…っ」朱美の唇から甘い声が漏れ始める。
―タリナイ、コンナモノジャマダ―
そう思い直接秘部に舌を這わせ蜜を啜った。
「ひゃ…、やめ…っ、はぁ…っ、こ…なの…、いや…っ、あはぁ…っ」
―モットソノコエヲキカセテ、オレノ名ヲヨンデ―
その情欲が限界に達した俺は義姉の蜜の滴る壺に己の欲望を捻じ込んだ。
「やっ、ああっ!」その瞬間奴はその裸体を仰け反らせて悲鳴に近い嬌声を上げた。「あっ、や…っ、嫌っ、いやぁ―――ッ」絶望に近い色を宿していた瞳には違う『何か』が生まれてきているようだった。
朱美の目は涙が出て来ていたが、もうそれは衝撃からの涙ではないことが分かり始めていた。





158名無しさん@ピンキー:04/01/24 14:29 ID:V3k5n5hR
朱美の締め付けに蕩けそうな錯覚を覚えつつ腰を打ち付けながら、
俺は奴の中にある違和感に気づいた。
何かに引っ掛かる感触とその『何か』が破れる感触―
義姉と自分自身が繋がっている秘部を見るとそこから鮮血が滲んでいる。
「いた…っ、一輝っ、おねが…、やめ…っ!」揺さ振られながら奴は悲鳴をあげる。
(処女だったのか…!)泣き叫ぶ義姉を見ながらも腰を揺さ振る俺の中の何者かが囁いてくる。
―モウヤメテヤレ、カノジョハイマキズダラケニナッテイル
―ソノママハテテシマエ、ヤツハモウオレノモノニナッタノダカラ
そして俺はまたその誘惑に敗北した。「出すぞ…」
悲鳴が甘い声に等しくなりつつある義姉の耳元でそう囁いた。
すると朱美は甘い夢から一気に悪夢の中に突き落とされたかの如く目を見開き、俺の体を押し戻そうとした。
段々上り詰めるような感覚の中俺は朱美を抱き締め、激しく腰を打ちつけた。
「あぁ…っ、や…、一輝…っ、あ、はぁ―――――っ!!」
薄れ行く意識の中俺は奴の中にたっぷりと自らの欲をぶちまけた―
ソファーの上で眠る奴に俺は背を向けた。
あの出来事は自分の技をかけた為、恐ろしい夢だったとしか記憶には残らない。
背中を向けて俺は眠る朱美にこう呟いた、「愛してる…」と。
そしてそのまま俺は城戸邸を去って行った…
―Fin―

こんな駄文ですがどなたか感想下さい。






159名無しさん@ピンキー:04/01/26 20:51 ID:GiM2F7Nh
>158
乙。一輝かこええ
160名無しさん@ピンキー:04/01/26 23:12 ID:bvNSUfyY
ガッシュスレに書こうとしたらこっちを紹介されました。
161名無しさん@ピンキー:04/01/26 23:13 ID:bvNSUfyY
 ひどい目にあった。
 魔物の子供と知り合って、その力を利用して好き放題やったのはいいが、さあこれから本番だ、という直前に本は焼かれて魔物は強制送還されてしまった。
 ブラなんとかいうひねたガキとシェリーと名乗ったいかにもお嬢様なたかピー女だったが、やたら滅多らに強かったのは確かだ。勝負以前の一方的な負けだった。
 魔物がやられている間に這々の体で逃げ出したのだが、向こうは魔物の本を燃やすことにしか興味がなかったようで、とりあえず見逃してもらえたようだ。
 今までに奪い取った現金でしばらくは遊んで暮らせそうなのが唯一の慰めだが、これがなくなったら詐欺師稼業に逆戻りだ。
(くそっ。あの女。魔物さえいなけりゃ好き放題色々としてやるんだが。ま、ちと俺の趣味からは年齢が上だが、それならそれでその手の趣味の連中に…)
「!?」
162名無しさん@ピンキー:04/01/26 23:14 ID:bvNSUfyY
 声をあげそうになって危うく抑え、立ち止まる。
 道路の向こう。おっかなびっくりできょろきょろしている少女。
 可愛らしい、その気のない人間でも思わず抱きしめたくなるような少女。
 しかし驚いたのはそこではない。少女の手に持っているもの。
 本だ。
 どう見ても魔物の本だ。
 ということは、あの少女も魔界から来た子供なのか。
 なるほどあんな可愛い魔物の子供もいる訳か。
 これは…。もしかすると楽しめるかもしれない。
 魔物の子供から聞いた話を思い出す。そう。うまく口先で誤魔化せば…。
 しばらく観察を続けて確信した。
 少女は道路を渡るおばあさんの手を引いたり、転んだ子供を起こしたりしている。
 いわゆる優しい子。
 詐欺師から見ればただの「カモ」だ。
 そして魔物の子供である限り、恐らくは世間知らず。
 「カモ」どころか、背中にネギをしこたま背負っている獲物だ。
163名無しさん@ピンキー:04/01/26 23:15 ID:bvNSUfyY
 ティオはまだ人間界に来たばかりだった。まだ魔物どころか本の主にも会っていない。
 今はまだ人間界自体が珍しいだけだ。
 その年の女の子にふさわしい猫のような好奇心で辺りをきょろきょろと眺めている。
 その仕草自体がある意味不自然と言っていいのだが、ティオの場合はそれも絵になっていた。
 今はまだ好奇心と物珍しさが勝っているが、不安が多少なりとも心にあるのは間違いない。
 魔界で仲良しだったマルスにでも会えれば運がいいかもしれない。
 キャンチョメやガッシュもどこかに来ているはずだが、あの二人は自分と出会うどころか三日もしない内に強制送還されそうだ。
「あれ。その本?」
 突然かけられた声に驚くティオ。振り向くと、若作りな男が立ってる。
「ああ。ごめん。驚かせちゃったかな。なんか今、その本が輝いて見えたような気がしたものだから」
 明らかな嘘だが、ティオにはわからない。
「貴方、この本が読めるの?」
164名無しさん@ピンキー:04/01/26 23:17 ID:bvNSUfyY
 前に同じような本を持った人間を見たことがある。
 魔物の名前は聞かなかったのでわからない。
 その人間に話を聞いたが自分が主になるとは思わなかった。
 町中で目立つようなことはしない方がいいので本は読まない。
 穴のある理屈は口調と熱弁で誤魔化す。
 とにかく自分がティオの味方、それもかなり頼れる知恵の持ち主だとアピールする。
 (詐欺限定だが知恵があるのは事実だ)

 ティオはそれらの言葉をたやすく信じた。
 というよりも疑うことを知らないのかもしれない。
 本が読めるふりをしただけなのに、本当に読めるかどうかすら確かめようとはしない。
 しかし、ティオが特別騙されやすい訳ではない。
 見知らぬ土地で、頼れる存在を本能的に求めたとしても仕方のないことだろう。
165名無しさん@ピンキー:04/01/26 23:19 ID:bvNSUfyY
あと続きます。ってまだエロに入ってねぇっっっっ(笑)
166名無しさん@ピンキー:04/01/27 12:23 ID:B49tjjOE
>>159
ありがとうございます!一輝カコヨカタですか。
よろしければまた某闘士義姉ネタ書かせて頂きます。
>>165
良い感じです、ティオがピュア…v
167ティオの話の続き:04/01/28 01:32 ID:Z9GqArdB
 以前の魔物から聞き出しておいた情報を小出しにしていれば、魔本を読んでいるふりを続けることが出来る。
 ティオには、自分の魔本を読めないものが魔界の情報を持っていることなどは想像も付かないだろう。
 とりあえず、慣れるまでは隠れていた方がいい。
 ある程度他の者たちが戦って数が減るのを待った方がいい。
 そういうと、ティオは丸い目を見開いてこちらを見上げてきた。
 どうしたのかと思うと、「すごい。頭いいのねっ」と素直に喜んでいる。
「頭のいい人が私のパートナーでよかったわ。ありがとう」
 とっさにティオを抱き上げる。
 慌てるティオだが、抵抗のそぶりはない。こちらを完全に信頼しているのだろう。
「褒めてくれてありがとう」
 言いながら、柔らかい頭に手をやる。
 清潔な香り。
 石けんの香りとはまた違う。純粋な香りと、少女特有の乳臭さが混ざった香り。
 深呼吸したい思いを堪え、わずかに息を吸い、頬と頬を当てる。
「僕も、パートナーがこんなに可愛らしい子で嬉しいよ」
 照れたように微笑むティオ。しかしすぐに頬を離す。
「あン…じょりじょりするわ。おひげを剃らなきゃダメよ」
「それじゃあ、買い物をしてから僕の家に行こうか」
「お買い物?」
「ああ。今日はお祝いをしなきゃ」
「お祝い?」
 きょとんとした表情で小首をかしげ、言葉を繰り返すティオ。
「何のお祝いなの?」
「もちろん決まってるさ」
 とっておきの笑み。これまで何人も騙してきた笑み。
「僕とティオが出会った記念だよ」
 一瞬間が空き、ティオの顔がさらにほころぶ。
 怖いと思っていた、怯えていた異世界でこんなにいい人が自分のことを待っていてくれた。
 今までの怯えや恐れが全て歓びに変換されていく。
「さあ。行こうか」
「うん!」
168ティオの話の続き:04/01/28 01:34 ID:Z9GqArdB
 多めに食料品を買い込む。実際のお祝いはするつもりだ。
 ティオという獲物を捕らえたお祝いを。
 そして、ティオに荷物番をさせると、お祝いとは何の関係もないいくつかのものを密かに買う。
 密かに買ったものを見るだけで、ティオは逃げ出すだろう。
 もちろん、見せる気はない。今のところは。
 買い物を終え、帰ろうとしたところで、胸を押さえて一瞬うずくまる。
「どうしたの!?」慌てるティオ。
「大丈夫。ちょっとした発作だよ。心配するほどの事じゃない」
 持病があると嘘を付き、外出しにくい状況を作り上げる。
 これでしばらくの間、ティオと家の中に閉じこもる理由ができあがった。
 荷物を持つと言って聞かないティオに小さな袋を一つ渡し、アパートの一室に着いた。
 外見の割に中は広く快適だ。
 男の一人暮らしの割には片づいている。
 いつ誰が来てもいいように、正体を明かす危険のあるものは常に片づけて隠してある。詐欺師の心得だ。
 まずは食事の支度。
 ティオは皿を並べたりしているが、どうも料理は出来そうにない。なんとなく落胆した気分になるが、今日のメインディッシュは料理ではないのだ。
「缶詰ばかりになっちゃったね」
「これは保存用だからね。何かあったときのためにね。準備しておいた方がいいだろ。戦いの中で何があるかわからないからね」

 人間とは、ここまで本気で自分たちのことを考えてくれるものなのだろうか。
 いや、この人は特別なんだ。そして自分はとても幸運なんだ。こんな頼りがいのある人と巡り会えるなんて。
 ティオの中ではそんな想いが大きくなっている。

 テイクアウト用とはいえとても美味しい料理を二人は平らげた。
 前の魔物と同じく、ティオも魚料理が好きなようだ。
 あらかた食べ終わったところで一本の瓶を取り出す。
 乾杯用のシャンパンだといい、アルコールが入っているからダメかな、と悪戯っぽい顔で言う。
 案の定、ティオは一口くらいなら大丈夫だと思う、と答えた。
 クラスにシャンパンを注ぎ、隠し持った粉を落とし込む。
 そして、ティオがそれを飲むのをじっと見つめていた。

 準備……完了。
169ティオの話の続き:04/01/28 01:36 ID:Z9GqArdB
 くたっとした表情のティオは、無防備に足を投げ出してソファにもたれている。
 緊張が解けたこととこれまでの疲れ、そして安心感とアルコール、さらに薬のため、酩酊したように顔がほてっている。
「ティオ?」
 名前を呼ばれて顔を上げようとするがうまくいかないようだ。
「頭が…グルグルする」
「気分が悪いの?」返事は予想できている。
「ううん。なんか目が回るの…」
 予想通りの答え。
 以前の魔物にいくつかの薬を服用させてサンプルは取っている。
 必要なだけの薬の種類と量は把握しているのだ。
「疲れてるんだ。今日はもう寝た方がいい」
「うん」立ち上がろうとするティオに手を貸し、そのまま抱え上げる。
 ベッドに運ぶと静かに横たえる。
「服を着たまま寝るつもりかい?」
 スカートをたくし上げると、純白の下着が見えた。
 そのままたくし上げ、胸元までいった辺りでティオがもぞもぞと動く。
「駄目…」
 聞こえないふりで、そのまま首までいって脱がすのを止め、バンザイした両腕と顔をワンピースの中にすっぽりとくるむ。
 首から下は袖無しのインナーとショーツ、そして靴下だけだ。
 急いで、勝っておいた細引きヒモでワンピースを巾着状に縛る。
 くぐもった声が聞こえるが、緊迫した口調ではない。まだ自分がどうなっているかわかっていないのだろう。
 少し考えて、ショーツをおろす。
 小さなその部分が見える。
 舌を当てる。
 指と指の間を舐めているような舌触り。髪の毛の香りと似た体臭。
 ゆっくりと舌を動かしながら、くびれのほとんどない腰を手のひらで大きくもみほぐす。
「ふあ…」
 ティオは腰のマッサージのような動きに気を取られ、股間で行われていることまで神経が回らない。
 ただでさえぼんやりとした感覚が体中を覆っているのに、マッサージの心地よさが他の部分への注意を奪っている。
170ティオの話の続き:04/01/28 01:39 ID:Z9GqArdB
 どれほどの時間がたったか。ティオの呼吸は少しずつ荒くなっていた。
 唾液で十分に湿った場所に指を当て、舌とは違うリズミカルな振動を与える。
「んっ…んっ」
 呼吸の中に、指の動きに合わせた吐息が混ざり始める。
 右手の指が震動を送り続け、左手が巾着をほどいた。
 すぐに左手はティオの細い両手首を掴む。
「んっ…あっ……」
 泣き顔。ティオは涙を浮かべていた。
 上気した表情で、汗が髪を頬に張り付かせている。
「んっ…どうして?」
 声を出すのが苦痛のようにも聞こえる口調でティオが訪ねた。
「どうして…こんなことするの?」
 右手の動きがやや強くなり、ティオは唇を噛むように首をすくめた。
「んあ、どうしてっ?」
「可愛いから。ティオがとっても可愛いから」
 息を吸おうと口を開いたところに唇をかぶせる。
「んーんー!」
 指がさらに早く、確実に、しかし優しく動く。
 左手の下のティオの手が握り拳を作るように力を入れた。
「ごめん」唇を離し、ささやくように言う。
「でも、ティオが可愛いから。可愛い子にはこんな事がしたくなる」
「ん…私…」
「可愛い子にはこんな事がしたくなるんだ、人間は」
「そんな…」
「可愛くて、好きな子にはね」再び口づけ。
 唇を甘噛みするようにくわえ、舌でくすぐりながら左右に動かす。
 それに併せて秘部を擦る指。
「んーーーっ!」
 絶頂を体験するにはまだ幼い。だが、ある程度の快楽を受け取ることは十分に出来ているようだった。
 (これが、魔物の子供か…)
 ベッドの横からの金属音にふと見ると、隠れて買ってきたものが袋からこぼれている。
 (あれも、使ってみなくちゃな…)
171名無しさん@ピンキー:04/01/28 01:41 ID:Z9GqArdB

 終わらない…。
 えーと、続けちゃっていいですか? このまま。
 完結まであと2、3日かかるかも・・・
 
172通行人:04/02/09 18:43 ID:k55zWyyV
暇があったら「キノの旅」のキノとオリキャラで新しい奴書こうかな…
173名無しさん@ピンキー:04/03/10 19:01 ID:9ZwerviM
保守あげ
174名無しさん@ピンキー:04/03/18 19:21 ID:mlPo5OfW
age
175名無しさん@ピンキー:04/03/26 18:03 ID:1zJWigoY
上に参ります。
176名無しさん@ピンキー:04/03/27 10:49 ID:uPiZI9ZF
てかいい加減続き書け。
このままじゃマジでこのスレ落ちるぞ。
177名無しさん@ピンキー:04/03/30 04:35 ID:G8BObOy1
このスレは
とにかくキャラ×オリキャラSSうp汁!
でいいの?
178名無しさん@ピンキー:04/03/30 09:13 ID:mXTHHMzA
>177
そのようだ。
オリキャラは脳内設定をきちんと描写しないと読んでる側がわけわからんので難しいよね。
179177:04/03/30 13:12 ID:G8BObOy1
>>178
サンクス
大分前に書いたやつを加筆修正して、更には投下型にしてから(うpろだ使う仕様だったので)
一気に全部投下、つー感じで
ちっと時間かかるけどね
180名無しさん@ピンキー:04/04/04 08:15 ID:BR0fgH3Q
あげ
181四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 10:25 ID:iXUsr2gB
177です
うpするのは週刊少年ジャンプに掲載中のBLEACHの妄想ネタです
該当スレでは既出なので読んでる人もいると思います
知らない方は原作で主人公の一護が異界に向かうまでを流し読みしてくれたら
非常に助かったりします
既存のキャラである浦原が原作に登場する前に何があったのか、という
内容なので、正直言ってオリキャラ×オリキャラかも
で、長いですがうp開始
182四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 10:27 ID:iXUsr2gB
「本日から副長という事になりました。よろしくお願いします、浦原隊長」
紅姫はそう言っていつもの無感情な表情で頭を下げた。
早いな、と思いつつ返事をする。
「ああ、よろしくな」
紅姫。黒い長髪を首の後ろで束ね、すらりとした身体。整った顔立ちで、女性にしてはやや低い声。
目の輝きは膨大な知識と鋭い思考をを凝縮したような印象だ。
結構名の知れた名家の次女で、周囲の反対を押し切って入隊した。名前だけではやっていけない
世界だからすぐに戻ってくるだろうと家の者達は楽観視していたそうだ。
体力が追いつくまでは苦労していたようだが、それ以後は着実に実績を伸ばした。
一度だけ任務中に重傷を負い長期に渡り治療院の世話になっていたが、その後は
実力を生かす機会を逃さず、階級は近年稀に見る早さで上がっていった。
家の者はことある度に危険だから辞めろ、お前には似合わないと辞めるように説得したが、全て無視。
そんな経緯で紅姫は家を嫌っている。家の名前を呼ばせないように初対面の者には名前だけを言い、
家の名で呼ぼうものなら相手が誰であろうと暫らくは口を利かない。
もう少しくだければ良いだが、こればかりは本人がどうにかするしかないだろう。
第三席になったのが半年前、そして副長として目の前に立っている。
突然に扉が開かれ、一人の男が入ってきた。
「隊長!」
と元副長、現三席が駆け寄り報告した。
「強力な虚でした。私達では対処出来ません。どうかお願いします」
つい先ほどこの隊の管轄に虚が出現し、三名の隊員が向かっていたのだが珍しく出番らしい。
「そうか、わかった。副長、行くぞ」
「了解しました」
三席は顔を歪めているが、見たところ身体に外傷はない。自分の弱さを責めているようだ。
こいつも真面目すぎるのが難点だ。
「ま、そんなに思い詰めるな。ここで休んでいろ」
声を掛け、部屋を出た。
183四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 10:30 ID:iXUsr2gB
その虚は辛うじて人型で、細長い骨細工のような外見で脆そうにみえるが、確かに強い。これなら
三席が倒せないのも頷ける。他の隊員も牽制しか出来ないようだ。
「よし、お前達は引け」
既に虚の意識は俺と紅姫に集中していたが、傷を負った二人は油断せずにじりじりと下がる。
さて、と一歩足を進めると、すぐ傍を紅姫が通り過ぎる。
「私が」
とひと言だけ残してさくさくと雑草を踏み分けて進む。
「やばそうなら手を出すからな」
そう言って俺は静観を決め込む。紅姫への信頼と、その戦い方への興味がそうさせた。
彼女は斬魄刀を止め以外では抜かない。鬼道だけで虚を倒すと言って良い。
迷いなく直進しながら、紅姫は袖を捲くり白い腕を剥き出しにする。懐から小刀を取り出し、
手の平に深い傷をつける。当然のように血が流れるが、彼女は構わずに印を結び、言を唱える。
虚は間合いに侵入した敵に腕を振るうが、紅姫は危なげなく回避しながら術を完成させた。
組まれた両手の前には、その手と同じ大きさの何十という火球が生まれ、虚に次々に飛び掛かり、
その身体をばらばらと崩していく。
紅姫は大げさに腕を振り、周囲に血を飛ばしながら次の術に取り掛かる。虚も黙っている筈がなく、
俊敏に移動し苛烈な攻撃をするが、紅姫は無駄の無い回避をしながら氷槍を創り虚を貫く。
虚は距離を取ろうと後方に跳躍した。その足が着地の瞬間に何の前触れもなく弾ける。
雑草に付着した紅姫の血に触れたのだ。その間に虚に張り付いた血がざわざわと集約し、
片膝を固定してしまう。大きく踏み込もうとしていた虚は無様に転がり、紅姫の血で更に傷付く。
紅姫は自分の血を使い、攻撃できるのだ。彼女が言うには鬼道の一種だそうだが、
これまでの常識を覆す能力だ。間違いなく紅姫だけの特殊能力で、恐らくは一代限りの特異能力だ。
虚は強引に片足で跳ね殴りかかる。しかし紅姫の放つ雷光ではじき返され、固定されている膝を
意識して体勢を整えようとするが、その束縛は既に解かれていて余計に体勢を崩し、背中から
倒れてしまう。起き上がろうする矢先、巨大な火球が腹部を直撃する。四肢には鬼道で凶悪化した雑草が
絡みつき自由を奪う。次いで肩や胸の紅姫の血が剣になり、虚に乱立する。
184四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 10:32 ID:iXUsr2gB
感情が一切排除された声は一瞬も途切れずに響き、その腕の動きも星々の運行のように乱れない。
相変わらず凄まじい。剣の腕前は五席にも劣るが、鬼道なら全ての隊長より上だろうか。
そして光の矢を全身に浴びせかけ、斬魄刀で止めをさした。
自らの血で腕を赤く濡らし、相手を朱に染め周囲をも同じく緋色で埋め尽くす。紅姫とはよく言ったものだ。
傷付いた手に治癒術を施しながら何事もなかったように俺の前で報告した。
「終わりました」
「ああ、ご苦労さん」
あれだけ血を失っても顔色や呼吸は戦闘前と何ら変わるところがない。
やせ我慢しているという事もあり得るが、それはそれで大した精神力だ。
腰にある短めで反りがない斬魄刀を見ながら俺は言う。
「それも使えるようになれると思うけどな・・・あれだけの見切りと体捌きなら、もっとやれるだろう」
紅姫は俺を冷たく見詰めて言った。
「この細腕で虚を斬るのは効率的ではありません。中途半端な技術を二つ持つよりは、
 極められた一つの技術を持つべきではないでしょうか」
堅苦しい口調で、とてもじゃないが可愛げがない。が、無駄な軋轢を生むつもりはないし、
こちらが折れるか。
「いや、決定的な弱点を作らないで欲しいって事さ」
背を向けてこれ以上話さないと意思表示して歩き始める。紅姫も何も言わずに俺に続いた。
185四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 10:34 ID:iXUsr2gB
共同の大浴場で湯船に浸かり、ぼんやりと副長のことが頭に浮かぶ。
もうちょっと感情を出してくればやりやすいんだがな・・・俺が読み取れるようになれば良いのか?
ま、これからは一緒にいる時間は増えるからな。少しは解るようになれると思うが。
と言っても、もう3ヶ月が経つ。思い切って飲みに誘ってみるか・・・
何でこんなに気にしてるのか、自分でもよく解らない。隊長と副長の連携が良いに越したことはない。
上手くかみ合う為の取っ掛かりすらない現状をどうにかしたい、では少し足りない感がある。
ま、時が経てばはっきりするか。
平服を着て夜風に当たりながら部屋に戻る。副長以上の部屋には風呂が付く。しかし大浴場の開放感
や風呂上りに涼ませてくれる機能はない。台所もあるのだが、食堂のように料理人がいることもなく、
・・・この二つを存在させている理由は謎だが、放っておこう。
副長の部屋の前を通り過ぎる。と、かんかんとやや硬い音が聞こえる。
「・・・、・・・」
僅かに紅姫の声もするが、よく聞こえない。
襖に嵌めてある曇り硝子をを軽く叩き、反応を待つ。音と声は止まらずに聞こえ、思い切って開けてみる。
紅姫は背中を向けていて、座布団に正座していた。
「ほ、よっ、それ、よいしょ」
声を上げる度に白い紐が繋がった赤い玉が黒髪の上に飛び上がり、落下する。
紅姫の視線はその玉に向けられているらしく、首が玉にあわせて上下している。
感情がこもった声。副長ではなく、紅姫としての声だ。何だか悪戯をしたくなった。
少し脅かしてやろうか。
足音を立てずに彼女のすぐ後ろで膝を折り、遠慮なしに肩に手を置く。
座った姿勢で一寸ほど跳ね上がり、着地と同時に体ごと振り向いた。
驚いた顔で、口を開け閉めしている。手にしていた道具を背中に隠すことは忘れない。
流石だな、と思いつつ紅姫の声を待つ。
「た、た、隊長!」
おお、叫んでる。あの鉄仮面副長が、頬を染め感情丸出しで。
「ああ、隊長だぞ」
などと普通の反応を見せてみる。
186四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 10:36 ID:iXUsr2gB
今更気が付いた。洗髪剤の香り、束ねられていない流れる髪、白を基調とした浴衣。
両手を後ろに隠す仕草。結果として突き出された、平均よりも小さい胸。
女性だと意識させるのには十分な情報が、俺を少しだけ動揺させる。
「あ、と。勝手に入って悪かった。で、何してた?」
「その、・・・ええと・・・」
紅姫の混乱は一向に収まらないらしく、いつもの冷静な声と明瞭な返事がない。
それなら、と俺は身を乗り出して紅姫が隠している物を見ようとするが、紅姫もそれを阻止しようと
体を捻る。しかし死角から伸びていた俺の腕が目的の物を捕らえた。
こんな手に引っかかるとは・・・
「あ─、・・・っ」
紅姫はまじまじとそれを観察する俺を見て、俯いて何も言わなくなった。
俺は意図的に明るい声で言ってやった。
「さてコイツをどうやって入手したのでしょうか?
 1、瀞霊廷で買った。
 2、手作り。
 3、友人から貰った。 
 さあ、はりきって答えをどうぞ!」
数秒後、沈んだ顔と声で紅姫はようやく答えた。
「・・・言わなければ、いけませんか?」
本当に残念そうな言い方だ。全く、しょうがないな。
俺は彼女の膝にそれを、けん玉を返してやった。
「鍵くらい掛けろ。しかし、まぁ・・・」
奥の箪笥には人間界でしか手に入らない玩具や置物がこれでもかと置いてある。
魚の形をした提灯や三角の旗。曲がりくねった針金、その向こうにある暦には何やら沢山の文字が
書き込んである。
言うまでもなく、正規の手続きを踏まずに向こうに行くのは規律に違反している。
これだけ人間界の物があり、人間界の情報に精通しているということは、違法な手段で、しかも頻繁に
行き来している何よりの証拠だろう。
「俺じゃなかったら問題になってたぞ」
「はい、すみません」
187四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 10:38 ID:iXUsr2gB
紅姫は真面目な性格だから、明日には全部撤去してしまうだろう。やっと見つけた彼女の趣味。
どれほど大事なものかは解らないが、俺に奪う権利はない。
「こいつらをどうしろって言わないが、・・・見つからないように用心してくれよ」
紅姫は何も言わずに目を伏せている。もう一歩、か。
「俺の部屋にはいつ来てもいいからな。良かったら、また来てもいいか?何か面白そうなのがあるし」
そこまで言うと、紅姫は顔を上げて微笑んだ。
「はい、よろこんで」
暖かい視線と優しい声に、俺は安心することが出来た。
188四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 10:40 ID:iXUsr2gB
数日後に律義に紅姫は俺の部屋に来た。
「・・・凄い、ですね」
「そうらしいな。皆そう言うよ」
壁際にこれでもかと積まれている書物に、紅姫は目を丸くして驚いている。
俺自身は慣れているから殆ど気にならないのだが、やはり他の人にとっては珍しい光景なのだろう。
「ちょっと待ってろ。お茶煎れる」
台所で湯を沸かしながら久しぶりに茶筒を明ける。匂いは、よし。
きゅうすに茶の葉と湯を入れ、二つの湯飲みと一緒に居間に持っていく。
紅姫は食い入るように書物の題目を目で追っていた。
「そんなに珍しいか?」
俺は部屋の真ん中のちゃぶ台に座り、湯飲みに茶を注ぐ。
「どういう基準で、集めてるんですか?」
料理、哲学、医療、図鑑、経済、、あらゆる分野が混ざっているのが不思議だと思っているようだ。
いや、普通はそう思うか。
「なに、その時に目に付いたのを選んでるだけだよ。紅姫はこういう雑学には詳しいのか?」
「いえ、私は鬼道関係のは読みますけど、この手のは殆どないです」
二人で茶を飲み、少し沈黙が続いた。
「それにしても、凄い数です。好きなんですね」
「そうだな・・・内容よりも、書いた人の熱意に触れていたいのかもしれないな」
「熱意、ですか」
「ああ。こいつを一冊書き上げる労力や時間は実際相当なものだと思うんだ。その辺りを
 想像すると、俺も負けられないなって思える。・・・そう思いたいから読んでいる、かな」
「・・・あの、もしかして、料理とか洗濯とか出来るんですか?」
紅姫の目はそれらの書物に向いている。
「一応な。意外と面白いもんだ」
最近は全然やってないが、そこそここなせる自信はある。
189四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 10:42 ID:iXUsr2gB
気が付くと紅姫の湯飲みは空になっていた。
「もう一杯飲むか?」
「いえ、そろそろ戻ります」
そう言って立ち上がり、歩きかけて止る。
「何冊か、借りても良いですか?」
いつもの感情の薄い表情だが、目の輝きが好奇心の強さを語っている。
そんな顔をしてくれたのが少し嬉しかった。
「いいぞ。気に入ったら返さなくてもいいからな」
では、と先程見ていた料理の書物を持ち、紅姫は自室に戻った。
190四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 10:44 ID:iXUsr2gB
数日後。
いつもの様に風呂から上がり戻る途中、紅姫の部屋からどさりと音が聞こえた。
人が倒れる音だ。まさか。
襖を開けると、予想通りに彼女が畳に俯せになっていた。両方の肘と膝で体を支えているが、
息は荒く、それ以上は何も出来ないようだ。
傍に寄り、声を掛ける。
「紅姫、どうした?」
「ただの、貧血、です。・・・大丈夫、ですから」
その声はとても小さく、細い。大丈夫なはずがない。早く寝かせてやらなければ。
俺は無言で寝室に入り、押し入れから布団を出して敷く。
立とうとする紅姫を抱き上げ、その軽さに驚いてしまう。・・・いや、当然か。
他の者と違い、紅姫は筋力を使わない戦い方をするのだ。
出来るだけ静かに寝かせる。もっと酷くなるかもしれない。しばらくここにいて様子を見よう。
幸いにも貧血の症状は悪化せず、時が経つにつれて回復していく。
こんな体であの技を使うのは止めろと言いたいが、言ってもきかないだろう。これまで上手く
やれていたのだから、心配はいらないだろう。が、それでも不安になってしまう。
「隊長」
紅姫が俺に顔を向けて言った。
「ありがとうございました。帰られても結構ですから」
「本当にいいのか?」
「後は寝ていれば回復します」
顔色は大分良い。声もしっかりしている。一応釘を刺してておくか。
「そうか。無理なら明日の仕事は休んでもいいからな」
立ち上がろうとすると、く、とこもった音が聞こえた。
俺、ではない。紅姫はというと、赤い顔で向こうを見たまま動かない。
「・・・・・・・・・・・・」
沈黙が俺の考えを肯定していた。
191四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 10:46 ID:iXUsr2gB
「ふ、ははは」
何だか可笑しくて、つい笑ってしまった。
「笑わないで、ください」
表情は冷静を装っているが、声音は明らかに拗ねている。こんな声は初めてだ。
「いや、悪い。飯食ってないんだろ?何か作ってやるよ」
そう言い残して寝室を出て台所に行く。
飯は炊けている。そして料理に必要な器具や調味料は揃っている。
今置いてある材料で消化の良いもの。粥だろうな。
手早く小鍋で作り、木製の小さい杓子を添え盆に乗せ寝室に持っていく。
紅姫は上体を起こして待っていた。その期待に応えられる出来なら良いのだが。
「お待たせ。粥、作った」
彼女の膝に置くと、固かった頬が緩む。
「良い匂いです。・・・頂きます」
蓋を開け、杓子で軽く混ぜて口に運ぶ。
感想を聞きたいが、紅姫が言い出す迄待つことにする。
何度か食べて、ようやく言葉を発した。
「おいしい・・・」
何の飾りもない素直な表現が、とてもうれしい。
「そりゃ良かった。作り方、教えておくか」
つらつらと調理手順を説明する。紅姫は軽く頷きながら聴き、説明が終わると味を確かめるように
一口食べた。何やら難しそうな顔だ。
「どうした?」
「いえ・・・少し、悔しい気がして・・・」
お嬢様育ちの身ではあるが、男に料理で負けるのはすんなりと納得出来ないようだ。
「俺がこれ以上、上手くなることはないよ。紅姫ならすぐ追い越せるぞ」
俺としては最低限のものが作れればそれで良いと思っている。
「いつか、必ずお返しします」
俺の言葉に触発されたらしく、力の入った声だ。それがいつになるかは解らないが、期待して
待っていよう。
192四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 10:48 ID:iXUsr2gB
そろそろ時間も遅くなったし、戻るか。
「じゃ、帰るよ。出来るだけ寝てろよ」
寝室を出ようとすると、背中に紅姫の声が届いた。
「隊長。ありがとうございました」
俺は首だけを回し、紅姫を視界に入れて返す。
「気にしなくていいよ」
彼女ははっきりと微笑んでいた。自然な、無理のない笑顔だ。
つられて俺も笑みを浮かべてしまう。
もっと見ていたいが、帰ると言ってしまった以上、眺め続けるのはいかにも間抜けだ。
惜しいな、と思いつつ部屋に戻った。
193四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 10:51 ID:iXUsr2gB
翌日の朝。紅姫は時間通りに仕事場に来た。
仕事も何の変わりもなく効率良く進め、完全に回復したことを示しているようだった。
その姿に、俺はやはり安心してしまう。
そして終業時刻。
紅姫がしずしずと俺に寄り、口を開いた。
「もし良ければ、晩ご飯をご一緒したいのですが・・・」
早くも「お返し」をしたいらしい。断る理由もなく、俺は承諾した。
「それで、全部紅姫が?」
「いえ、ご飯とお味噌汁だけ用意しておいてください。おかずは私が作ります」
完成したら持っていきます、と言うとぱたぱたと帰った。
俺は言われた通りに飯を炊いて味噌汁を煮て待つ。
しばらくすると紅姫が大きめの鍋をもって現れた。
「まだ手の込んだものは作れないですけど・・・」
緊張した顔で言うと、ちゃぶ台に乗せて蓋を開けた。
様々な食材が湯気の向こうに見えた。匂いも良い。野菜は少々不格好だが、形そのものは
崩れていない。
深い皿に採り、早速食べてみる。素直に美味いと思った。煮込まれているものの種類は
決して少なくはないのだが、どの組み合わせでも問題なく味わえる。
飯と味噌汁を時折口にして、煮物に集中する。
ふと紅姫の視線にようやく気が付いた。
「悪い。これ、美味いな。正直言って、驚いてる」
ほぅ、と息をひとつ吐いて緊張を解いて紅姫は箸を動かし始めた。
「良かった・・・何も言ってくれないので不安でした」
「俺より才能あるぞ、絶対」
あの書物を貸してからの僅かな期間でこれほどのモノができるのだから、大したものだ。
194四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 10:53 ID:iXUsr2gB
食べ終わり、茶をすすりながら話す。
「紅姫に友達とかいないのか?」
「昔からひとりでいるのが好きでしたから、特に親しい人はいません」
「ふぅん・・・それで、気晴らしに人間界に行って遊んでる、か?」
「そう、ですね・・・」
壁の時計が深夜と呼ばれる時間に差し掛かる事を教えてくれた。
紅姫も俺の視線を追い、同じ事を確認したようだ。
「そうだ、この煮物の作り方を伝えておきます。まず、・・・」
「いや、いいよ」
紅姫の言葉を遮って、俺は続ける。
「紅姫がもっと美味い料理を作れたら、その時は誘ってくれればそれでいいよ。
 ま、もし気が向いてくれたらで良いから・・・また美味いの食わせてくれよ」
それ以上にこういう事をしてくれるのが嬉しいのだが、言わないでおこう。
紅姫は俺を見詰め、照れた顔で頷く。
「はい、私、頑張ります」
余計な重圧だったかな、と少し後悔する。
それから間もなく紅姫は部屋に戻った。
紅姫の態度はここ数日で随分と砕けてきた。俺以外の者にもそうしてくれると良いのだが、
もう少し時間が必要か。
195四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 10:55 ID:iXUsr2gB
それからも紅姫との交流は続き、互いの部屋に相手の持ち物が馴染むようになった頃。
俺が知恵の輪に苦戦していると、紅姫が声を掛けてきた。
「今度の休みは、予定はありますか?」
俺や紅姫のように立場が上になると、休みといっても仕事場に行かなくても良い程度の[一日待機]で
しかないが、月に一度、完全に自由になれる連休がある。明後日とその翌日がそれだ。
「いや、特にない」
いつもの休みと同じく部屋にいるだろう。流魂街出身の叩き上げにとっては帰る家もなく、
のんびりと羽を伸ばすしかない。
「あの、私と一緒に出掛けませんか?」
見ればひどく緊張した面持ちで言っている。こんな必死な紅姫は初めてだ。
「いいぞ。で、どこにって、・・・・・・もしかして?」
こくんと頷いている。
あちらの一般常識は解っているが、足りないものも多い。
「義骸とか金とか・・・そう、だったな」
そういう事に慣れている人物が、目の前にいるのだ。
何やら自信たっぷりの顔を僅かに覗かせると、紅姫は言う。
「用意してあります」
行き先等もしっかりと考えてあるに違いない。全てを任せっきりというのは男としては
不本意だが、仕方ないだろう。
「解った。よろしく頼む」
「お任せください」
誇らしげに胸を反らせている紅姫。あちらではどんな顔をするのだろうか。
196四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 10:57 ID:iXUsr2gB
約束の日になった。
言われた通りの時刻に紅姫の部屋に行く。
彼女は俺を招き入れると、内鍵を掛け、言った。
「そちらの箱に隊長の義骸が入ってます。服はそれですから」
長く大きな木箱とすぐ傍の衣服を指さし、明快に説明する。
「着終わったら呼んで下さい」
紅姫はそう言うと寝室に入った。その中で俺と同じことをするのだろう。
箱を開ける。その義骸はよく出来ていた。正規の手段なら技術開発局から借りるのだが、
紅姫は恐ろしいことに自分で作ってしまった。こんなものまで作れるとは・・・
義骸は当然のごとく裸で、性器も付いている。付いているのだ。色はともかく、
形はほぼそのままである。・・・かなり、恥ずかしい。紅姫はどのように見て
触れていたのか、考えるのは止めよう。顔をあわせられなくなる。
ちなみに局の借り物にはない。向こうの人間との過剰な関係を持たせない為だ。
「隊長?」
襖の向こうからの紅姫の声に我に帰る。悩んでいられないな。
「もう少し待ってくれ」
急いで義骸に入り、畳まれていた洋服を着る。着てしまってから気が付いた。
味覚はまだ解らないが、他の感覚や筋力は入る前とかなり近い。まず問題なく動けるだろう。
「いいぞ、紅姫」
俺の声に紅姫は姿を見せた。
白い無地の長袖に、桜色のスカート。小さな赤い鞄を持っている。
長い髪は束ねられず、さらさらと流れている。
いつもの和服と違い、手に取るように判る女性らしい柔らかい丸みに目を奪われてしまう。
「・・・似合いませんか?」
「いや、よく似合うよ。うん」
見惚れる、という体験は初めてだと思う。それくらい紅姫は綺麗だ。
俺の服は襟の付いた長袖とズボンだ。双方が黒で、死覇装と大差がない。
「お似合いですよ。・・・浦原さん」
隊長と呼ばない。こちらの事は忘れて楽しもうという意志表示で間違いないだろう。
「それならいいんだが・・・で、どうやって行くんだ?」
「簡単ですよ。こちらにどうぞ」
197四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 10:59 ID:iXUsr2gB
紅姫は寝室に俺を入れ、部屋の奥にある「門」を見せた。
壁に取り付けられた呪符が、人間界へ繋がる四角い入り口を造っていた。ちょうど人一人入れる
大きさで、その門の向こうには、既にあちら側の光景が見えている。時折形が歪むが、
俺はその安定度に絶句してしまう。任務で使う門はもっと大きいが、形は常に変化し見ていて不安を
覚えるものだ。
術についての知識は一通りあるが、どうやってこれ程の安定度を実現させているのか見当もつかない。
「なあ、どうすればこうなるんだ?」
「秘密、です」
目の奥にある堅い決意を隠すような微笑み。俺は追及が不可能だと判断せざるを得ない。
今日は、こちらの事は忘れる日だったな。
「悪い。今のは無かったことにしてくれ。・・・通っていいんだよな?」
「いつでもどうぞ」
俺は先程の失言を償うつもりで紅姫より先に入った。

連れてこられたのは、所謂「遊園地」と呼ばれる娯楽施設だった。
季節は初夏の少し前あたりだろう。昼過ぎでも気温はそれほど高くはないが、日差しは強い。
紅姫は慣れた様子で他の人間と同じように入場券を買い、俺達は揃って中に入る。
しかし・・・
「今のは本物ですよ。安心してください」
俺の思考を見透かすように言う紅姫。最初は偽装術を施した紙だった、か。
いや、ここまで来て余計な事を考えるのは止めよう。
「こういう所は初めてなんだけど、どれから回るんだ?」
努めて明るい声で、園内の地図を指さす。
「ふふ、覚悟してくださいよ」
言うなり紅姫は俺の腕を引っ張り歩き始めた。
198四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:02 ID:iXUsr2gB
地獄、だった。
手にある案内書の「ジェットコースターの殿堂」という別名は誰もが頷くだろう。
あらゆる種類のものが、冗談のような数で存在し、いずれも狂っているとしか思えない質だった。
俺が朧げに思い出せるのは、縦横無尽に暴れまくる景色と他の人間の悲鳴、そして
紅姫の楽しそうな笑い声だった。
「はぁ〜」
ようやく終わりらしい。魂が抜け出しそうな溜め息が出てしまう。
紅姫は晴れ晴れとした笑顔だ。
「大丈夫ですか?初心者向けのだけを選んだつもりですけど」
あれで?良く言うよ・・・
「最後、あれにしましょう」
指さすのは観覧車だ。あれなら、いいか。
「おう、最後だな」
乗ってから今日のことをあれこれと聞いてくる。ジェットコースターに乗っている間に
彼女は何度も俺に呼び掛けたそうだが、全く記憶にない。
初心者向けでこの有り様だ。この先は命の危険を覚悟するべきかもしれない。
「本当に好きなんだな、お前」
「ふふ、そうなんですよ」
素直に答えを返してくれる。
「そうですね・・・次の休みは違うところにしましょう」
「そうしてくれると、助かる」
と言ってみたが、実際どうなるか予想はつかない。次も生き延びることが出来るだろうか。
紅姫は何も言わずに外の風景に見入っている。好奇心旺盛な瞳で、こんな一面も持っている
普通の女だと思い知らされる。・・・それに、こいつがあんなにも笑うなんて思ってもみなかったな。
天気は良く、夕焼けの兆しの黄色い光がきれいだと思える。
「・・・いい眺めだな」
「そうですよね・・・」
変化が乏しく、常に閉塞感が付きまとう世界。
安定はしているが、それは本当に価値がある世界なのだろうか。
不安定で危険が多く、目を背けたくなる事件が絶えないこの世界の方が、
よほど魅力があると思えてしまうのは間違った感性なのだろうか。
199四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:04 ID:iXUsr2gB
「はい、お疲れ様でした」
義骸から出ていつもの姿に戻った紅姫が言った。満足そうな、少し残念そうな表情だ。
「ん、楽しかったぞ、紅姫」
「はい。来月も、出掛けましょう」
「お手柔らかにな」
本当に、いい体験をさせて貰ったと思う。だから。
「え、あ」
もう少しだけ、感じていたいというのは、悪いことなのか。
何をしている。紅姫の気持ちを確かめずにこんなことをするのは、卑怯だろう。
離れたくないなら放せ得たいのなら棄てろ続けたいなら終わらせろ。
今は、駄目だ。
「・・・・・・っ!」
理性を総動員して、胸から紅姫を解放する。
「悪い。今のは、忘れてくれ」
俺は視線を逸らしたまま言い、背中を向ける。
また来たいなら、帰るのだ。部屋から出ようと足を進める。
手を掴まれた。込められた力の弱さが、俺を強く束縛する。
「そんなの、無理です」
小さい声。振り返ると、濡れた瞳。
吸い寄せられるように再度抱きしめる。細くて、柔らかい。その当たり前の事実が、
俺を昂ぶらせる。
微かな呼吸音が乱れていく。す、と服が擦れる音に顔を下に向けると、紅姫が見詰めて
いた。俺の背中に回された腕が、紅姫と離れている部分を少なくする。
無言で俺を感じたいと言っている。自分を感じて欲しいと言っている。
それは、俺も同じだ。
閉じられた唇を重ね、伝わる温かさが俺と紅姫の時間を奪う。
200四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:06 ID:iXUsr2gB
紅姫が頬を染めて離れ、言った。
「布団、敷きますね・・・」
「・・・そうだな」
すぐにでも抱きたいと思っていたのが恥ずかしい。青臭いガキと変わらないな、全く。
紅姫は俺の手を引いて寝室に入った。押し入れから布団を出して敷いている。
その姿にすら艶があるように感じられて、激情を抑えるのがやっとだ。
紅姫は作業を終えると俺に体を向け、迷いを表情に表していた。
「その・・・一組では、足りませんね」
再び背中を見せ、腕を伸ばす。もうそんなことはしなくていい。
「一つで、いいよ」
後ろから白い手を掴み、俺に向き直させる。
空いている腕を背に回し、二度目の口付け。
先程の「触れる」ではなく「溶け合う」ことを目的とした、激しい行為だ。
舌に舌を巻き付け、唇に唇をこすり付ける。
「あん、・・・・・・は、ん・・・んは、ふ、・・・」
俺の手は紅姫の腰や胸を求めて這いずりまわっていた。華奢な身体をくねらせ、
紅姫はその快感を素直に表している。
「は、んふ・・・ふは、はぁっ」
酸欠で、思考が鈍る。大きく酸素を取り込もうとしても、紅姫が許してくれない。
俺の顎を両手で固定し、尚も続行する。がくりと紅姫の膝が揺れた後、くたりと身体
から力が抜けた。抱いていなければ倒れていただろうか。
はあ、はあ、は、ふう。
同じ空気を吸い合い、小休止する。紅姫は甘えるように俺の胸に顔を埋めた。
「どきどき、してます」
そりゃあ、そうだ。あんなに苦しくて、それ以上に気持ちいいことなんて滅多にないからな。
だがな、紅姫。
「お前も、同じだろ。それに、まだ序の口だぞ」
一層強く、押し付けてくる。恥ずかしいのか、期待しているのか。
俺はそのまま抱き上げて、布団に寝かせた。
熱を帯びた頬が可愛い。手で撫でると、覚悟を決めたように目を閉じた。
201四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:08 ID:iXUsr2gB
胸の帯を解き、その下の紐も解く。ゆっくり、焦らすように。
紅姫は解きやすいように身を動かすだけで、抵抗はしなかった。
着物を開く。白っぽい肌襦袢が上下していた。羞恥心で腕が閉じようとしているが、紅姫は
懸命に耐えている。俺は我慢できずに、最後の一枚を取り除いた。
紅姫の香りがふわりと広がった。
その素肌は、月の白さだった。決して押し付けがましくなく、見ているとどこまでも
吸い込まれるような白さだ。
綺麗な身体。触れば、崩れてしまいそうな儚さ。手では駄目だ。力が入りすぎてしまう。
隠されないように、雪色の腕を押さえ付けるのに使おう。
俺を誘うように膨張と縮小を繰り返す胸骨。その上の可愛らしい双丘。迷ってから、
右を選んで接吻した。
「ん、・・・」
ひくりと震え、始まりを悦んでいる。離して、別の所にもう一度。
「・・・は、ん」
もっと、だ。もっとこの反応を見たくて、次から次へと狙いを変えて、口付ける。
「あ、ん、・・・はぁん、う、ふあ」
浅い快感も繰り返されると大きな波になるのだろう。震えが揺れに変わっていく。
何だか逃げられそうな気がして、俺は彼女の両足の間に腰を据える。
思い切って唇で挟んでみる。
「ああ、ああん!」
表面は信じられない位に柔らかく、少し強めに掴むと、筋肉のほど良い硬さが感じられる。
その二つの官能的な感覚が、儚い印象を完全に打ち消した。
手を放し、紅姫の背中を引き寄せる。口は夢中になって女性の象徴を攻めていた。
「あ、ん!・・・くふ、ふぅん!」
ぐちゃぐちゃに濡れた胸に、更に興奮してしまう。
下は、どうなっているのか。指で軽く触れただけで、胸と変わらないくらいに溢れていたのが
解った。
202四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:10 ID:iXUsr2gB
いつの間にか紅姫は目を開けて、俺に訴えていた。待たせるつもりはなかったのだが、
焦らしすぎたか。
「悪いな、紅姫」
俺は膝立ちになり袴を下げ、腰帯と褌を取る。突き出た俺の性器は紅姫のと
同じく濡れていた。それを見た紅姫の身体はより赤く染まっていく。
俺は紅姫の秘所に性器の先端を合わせ、僅かに侵入させる。
「っは、あぁ!」
小さく鋭い喘ぎに、本能が勝手に腰を進ませる。理性を大量に消費させても、
一気に貫くのを防ぐのが精々だ。
「ああ、は、あ、ぁあん」
ずぶずぶと、確実に埋まっていく。紅姫との距離が縮まって、零になった。
「ん!は、・・・んん」
虚ろな目で下腹からの快楽に耽っている。
紅姫の身体を少し抱き上げて、半開きの唇に口付ける。
意識が幾分鮮明なったのか、とろける瞳で紅姫は言った。
「熱い、んですね」
「当たり前、だろう」
優しく寝かせ、俺は無言で始めた。
「あん!・・・ああ、ん!は、あ!」
中は十分にぬめっていて、俺の性器を追い掛けるように、熱い襞が常にうねっていた。
出来るだけ優しく、と思っていたけれど、残っていた理性は簡単に底をついてしまい、
俺は本能の猛りをそのまま動きにしてしまう。
「あ、あ、あっ!ひ、い・・・ああん!」
理性という障壁が消え、先程の何倍もの快感が俺を襲い、俺を突き動かす。
粘度のある液体を混ぜる音に汗が弾ける音。それらと高い悦声と低い唸りが俺達を包んだ。
甘い痺れが、脊柱を駆け上がって来ている。紅姫にも分けてやりたくて、何度も身を沈めた。
「っ!や、あん!あ、は、はあ!んあ!」
「う・・・あ、ぐ、ううっ!」
紅姫は背を反らせながら渾身の力で俺を締めつけ、俺は全力の打突で応じた。
203四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:12 ID:iXUsr2gB
千切られそうな蠢動に、最後の力で最奥を貫く。
「く、う!っ!・・・っ!んあああああ!」
「う、ああ!」
呼吸さえ忘れ、注ぐ。
「は・・・・・・う、ん・・・あ・・・」
「あ・・・く、う」
数回に渡る放出。紅姫も受け止める度に、痙攣した。
紅姫の胸に崩れ落ち、余韻に浸りながら、呼吸を整える。
余力が出来、自分の性器がまだ張り詰めているのに気が付いた。
ふと柔らかい何かが額に触れ、顔を上げると紅姫が微笑んでいる。
「服、脱いで、んふ、いませんよ」
そういえば、着たままだったか。その言葉のもう一つの意味にも気が付き、
何だか急に恥ずかしくなってしまう。
「そうだよな。今、脱ぐよ」
身体を起こすと、皺だらけの紅姫の服が目に入る。脱がせた時とはまるで違う。
そんなに激しくしていたのか。
性器を抜いて、膝立ちのまま背中を向けて羽織を脱ぐ。何となく見られているとやりにくい気がしたからだ。
と、温かい何かが後ろから巻き付いた。はぁ、と熱い吐息が背に吹き付けられた。
「大きい、です」
紅姫が後ろから抱きついて、俺の胸を撫でていた。
紅姫は舌と手で俺を味わい、俺は紅姫がしやすいように正座する。
手は腹まで下降し、背で踊る舌はより活発になっていく。ぴたりと密着している胸、その向こうの
鼓動が早くなる。つられるように、俺も息が荒くなってしまう。
触れられるというのは、こんなにもいいものだったのか。
ついに、いや期待通りに、繊細な十の指が性器に辿り着いた。
「は、・・・あ、紅、姫」
その白い触覚は、ゆるゆると撫でるだけで、きつく絞るようなことはしなかった。
くちゅ、と表面の液が泡立つ淫靡な音。
俺も手を被せてもっと強くさせてみたいが、ひどく幼い行為に思えて、躊躇ってしまう。
このまま達してしまうのが嫌だと中断させるのも、馬鹿らしい。
204四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:14 ID:iXUsr2gB
どうすることも出来ずに、紅姫の手が熱心に蠢くのを眺めるしかなかった。
「う、んっ、は・・・はぁ」
危うく放ってしまいそうになり、何とか押し留めた。
するりと紅姫の手が俺を解放し、振り返る間もなく俺は口付けられ、押し倒される。
どさ、と着地した直後に紅姫が俺の腹に跨がり、俺達の液を薄く塗るように腰をずらして
紅姫は身体を俺に重ねた。突き出した尻の割れ目に、俺の性器が当たっている。
らしくもなく俺は戸惑い、呼び掛ける。
「・・・紅、姫」
俺の声に顔を見せた。動揺した表情で尻を上下させ、竿をしごいている。
「ん、は、浦原、さぁん・・・ん、ああ」
秘所の疼きに耐えられず、恥じ入りながら俺を求めている。瞳に貯まった水分が頬を
伝って落ち、俺はその涙と呼ばれる水を舌で拾ってやった。
「なに我慢してるんだ、紅姫」
挿入なら、何時でも出来るだろうに。
「だって、その・・・恥ずか、しい」
「そんなこと、ないだろ。ほら、腰、上げて」
指示通りに紅姫は体を動かし、俺は秘所に性器を触れさせた。
腰を手で支え、動かさない。この先は彼女にさせよう。
見詰めると、紅姫はおずおずと尻を下げる。
「や、は、あああ!」
重い一撃に、紅姫は早くも達しそうになっている。俺も同じだ。
彼女はぶるぶると震える身体をどうにか持ち上げ、二撃目。
「きゃあん!」
びくりと白い身体をのけ反らして、止る。既に秘所以外の筋肉に力が入らないのか。
それなら、助け船を出さないと。
丸い尻に手を伸ばす。その感触を楽しみたいけれど、限界がすぐそこまで近付いている。
だから、上げて、下げる。
「はぁぁあ!」
「は、ぐ」
どす、と快感を突き刺し、突き立てられる。ぎりぎりと締められ、必死の想いで三撃目。
「んああああ!」
205四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:16 ID:iXUsr2gB
俺の腕は疲れ切ってしまって、動かない。他の手段は、腰を揺するくらいか。
ぐちゃぐちゃの中を、一番奥から掻き混ぜた。入り口も丹念に擦ってやる。
「ああ!ん、や!あん!きゃあああ!」
ぎゅう、と強引に静めるように内壁が圧迫し、それに加えて性器の先端が擦られる快楽が
俺をもっと狂わせる。
紅姫の尻を鷲掴みにして、俺に押し付けながら、揺する腰と逆の方向に動かす。
「うあ、べに、っ、ひめぇ、ぐ、う!」
「うら、ああん!あ、ああ、あ!ふあぁぁああ!」
どく、どく、どく。
鼓動か、噴出か。その音と灼けるような快楽を共有し、気が済むまで貪り合った。
はぁ、と紅姫は震える息を吐くと俺に身体を投げ出した。
その重さが嬉しい。暫くじっとしていよう。

「一つでよかったですね」
抱いている紅姫が言った。二人を包んでいる布団はとても温かくて、ずっとこうしていたい。
ずっと変化がなかった日常が終わり、明日からは少し気恥ずかしいけど新しい生活に変わる。
嬉しくて、紅姫を引き寄せる。自然な笑みで、俺をさらに喜ばせてくれた。
唐突に視線を逸らし、とても辛そうな顔になる。
「私は、貴方が思っているような者ではありません・・・」
過去なんでどうでもいいだろう。
「それでも、ずっと傍に居ても、良いですか?」
だから、そんな顔をするな。
黒髪に手を添えて、強く胸に押し付けてやる。紅姫も安心したように背中に腕を回してくれた。
もう離すものか。
206四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:18 ID:iXUsr2gB
次の連休も人間界に出掛けた。
「映画」というやつで、紅姫が期待して待ち続けた作品らしい。
広い室内暗くなり、幕が開く。
そこそこ面白い。演出は凝っていて話の内容も悪くはないのだが、所々に変な流れの悪さがある。
紅姫は泣いてる。意外だ。涙脆い方ではないと思っていたが、そうでもないのか。
終了し、明るさが戻る。
「良かったですね」
やや迷って、答える。
「そうだな、それなりにな」
紅姫が気に入ったならそれでいいか。
それから食事をして帰ろう、となったのだが。
「あら、もう飲まないんですか?」
俺に気を遣って和食になったが、紅姫は酒を遠慮なく飲んでいる。
その色っぽい顔は魅力的ではあったが、無事に戻れるのだろうか。
「心配ないですよ。駄目ならどこかに泊まって、明日帰りましょう」
「駄目ならって、お前・・・」
既にできあがっている。けらけらと笑ったかと思うと、俺を惚けたように見詰めたりしてる。
限界だな、これは。
「紅姫、そろそろ出ようか」
暴れるのはなさそうだが、寝られると非常に困る。俺ひとりで宿泊施設を探し、
更に手続きなど不可能ではないだろうか。
「うん、そうします」
赤い顔で頷いてくれた。
何とか支払いを済まし、ふらつく紅姫を半ば支えるようにしてしばらく歩く。
酔いが覚めてきたらしい。足取りは確かになり、はっきりとした声で言った。
「飲み過ぎました。失敗です」
「気にするな。目の保養にはなったよ」
紅姫としては納得出来ないのか、僅かに俯いたままだ。
「で、泊まるのか?」
「・・・はい。帰るのは、無理そうです」
207四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:20 ID:iXUsr2gB
来る時は簡単だが、帰るとなると人除けの結界などが必要で結構手間がかかる。
義骸から出ればと思えるが、義骸が酔えば魂も影響を受けざるをえない。
義骸から抜け出す為には、魂が正常である事が要求される。そして今は心身共に酔っている。
斬魄刀があれば俺が穿界門を開くのだが、さすがに持ち出せなかった。
何にしろ酔い潰れてくれなかったのは助かった。
「そこに、泊まりましょう」
そこそこ値が張りそうな雰囲気だが、他に見当たりそうにない。
紅姫は受付で二人部屋を借り、早速部屋に向かった。
紅姫は入るなり洋式寝具に腰を下ろす。俺も隣に座る。
和式の布団とは違い、かなりの弾力がある。
「水、持ってくる」
そう言って立とうとすると、紅姫は肩で俺に寄り掛かった。
「もう少し、このままで居て下さい」
静かな時が訪れる。無音で手を握られ、紅姫がこちらを見ていた。覚めかけて平素に戻っていた
頬が、また赤くなっている。
何も言わずに唇を重ねる。紅姫の手を握り返し、舌を伸ばす。
流れ込む暖かい唾液。残っていた酒に紅姫の味と香りが程よく混ざっている。
美味い。俺にとっては最高の酒だ。口内からその銘酒を出来るだけかき集め、飲む。
俺だけ味わうのも悪いな。今度は紅姫に飲ませてやる。俺と同じように紅い舌を暴れさせ、溜飲した。
一度口を離して、もう一度重ねた。
俺達だけの銘酒を何度も酌み交わす。口も手も結び、夢中になって飲んで、飲ませた。
紅姫は気が済んだのか、唇を離すと服を脱ぎ始めた。俺も続く。
洋式の下着は初めて見る。最も女性を感じさせる部分だけが巧妙に隠され、何ともいい感じである。
「・・・どうですか?」
「うん、いいよ」
寝具に座らせ、胸を下着越しに撫でる。布地はさらさらと手触りがよく、高級品ではないだろうか。
「ん・・・はぁ、あ、ん・・・」
ふと気がついた。
208四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:22 ID:iXUsr2gB
「なあ、紅姫」
「何、ですか・・・は、ぁ」
「いつもより大きく見えるぞ」
「気のせい、です」
「そうか?}
たくし上げ、露にすると見慣れた形になった。乳首を指で転がし、更に訊く。
「大きく見えるような構造なんだろ?」
「ん、そう、です。私、小さいから・・・ああん」
そんな事はしなくても良いのに・・・
「俺は、この形が一番好きだぞ」
押し倒して、膨らみを舌で濡らす。左腕を背に巻き、右腕は股に埋め秘所を下着の上からなぞる。
「んあ、や、あぁん・・・」
するするという音がやがて聞こえなくなり、きゅ、と湿った感触になる。その下の情景が見たい。
俺は紅姫を解放し、彼女の太股の隣に座った。
「脱がすよ」
手を掛け、ゆっくりと脱がしてやる。紅姫はこれ以上ないぐらいに頬を赤くして、羞恥を示している。
白布から薄い茂みが覗き、股間と両脚の隙間が白で埋まって、また見えるようになった。
扇情的な光を放つ細い糸が秘所と下着を結んでいた。
「っ・・・浦原さ、ん・・・恥ずかしい、です」
脱がした後、入り口を指で軽く弄ぶ。とろとろと蜜が絡み付いて、俺は堪らず中指を入れた。
「んあ!・・・くぅ、うん!ふ、ん!」
きりきりと締められ、指では物足りないと訴えている。が、俺も同じだ。
深く、繋がりたい。
抜いて、紅姫をうつ伏せにさせた。彼女も俺がどうしたいか理解していて、何も言わずに四つん這いの
姿勢になった。丸い尻に手を乗せる。
「ん!・・・ぁ、ん」
ひくりと揺れた。いつもより、感じてくれているような気がする。確かめなきゃ、な。
狙いを定め、一気に貫く。
「んああああ!あ!は、あ・・・」
209四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:24 ID:iXUsr2gB
理性の大半が焼失した。神経が剥き出しになったような刺激。
まだ最初だというのにこんなにも気持ち良い。やはり、いつもと違う。
簡単に果てるのが嫌で、動きは可能な限り遅くした。
「く、ああああ!・・・ふ、うん・・・やあああ!」
奥を突く度に背骨を反らし、達してしまいそうな肉圧になる。
突撃の為の引き抜きにも震え、次に期待しているように背を丸めた。俺が貫くと紅姫も背筋を伸ばす。
紅姫も凄く感じている。こんな、顔が見ないままで終わるのは、好きではない。
懸命になって性器を抜き、寝具に尻をついて座る。
「紅姫、来るんだ」
汗で光る身体で横たわる姿は余りにも妖艶で、待っているのも辛い。
荒い息をしながら身体を起こし、俺のモノを受け入れながら座る。
「はぁあああ!はっ・・・あ、ん」
心を焦がす快楽に目が虚ろになっている。
寝具の弾力を利用し、思い切り突き上げる。
「ひゃ、ああ!ああ!あ!あ!あん!」
ぎしぎしぎしぎしぎしぎしぎし。
寝具の悲鳴。肉の連結部の軋み。理性の絶叫。どれでもいい。
理性が燃える炎が全身を熱くする。
「ま、ってぇ!うら、は、あぁん!」
紅姫が、呼んでいる。止めて訊いた。
「どうした、紅姫」
「あ、ふ、・・・ん、は」
答えはなく、大きい呼吸を繰り返している。
快楽を鎮める時間が必要らしい。口から滴り落ちる涎を唇で拭いてやると、ようやく言った。
「良すぎて、その、恐いんです・・・」
その台詞に黙っていられる男がいるものか。
抱きしめて口付けし、俺は言う。
「もう喋るな。舌、噛むぞ」
210四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:26 ID:iXUsr2gB
抱いたままで激しい縦揺れを再開させる。黒い髪が波打つ。小さい胸とそれに乗っている下着も
一緒に揺れて、俺を欲情させる。
「きゃ、あ!あぁあ!ひ、ん!ん!んああ!」
全身の熱が性器に集中していく。紅姫の中も外もこれ以上はない、というくらいの熱さだ。
溶岩のように赤く煮えたぎっているのだろう。
限界、だ。
「紅姫、っ!」
「はいっ!は、あああああああ!」
灼熱に、白熱をぶちかまし、叩きつける。染み込ませる。
「あ、んん、・・・は、はぁ・・・」
眉間から力が抜け、皺が消えていく。身体の緊張を解いて俺に体重を預け、一体感を感じてくれていた。
211四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:28 ID:iXUsr2gB
ただの一回で完全に果ててしまったが、いつも通りの満足感はあった。
「凄い声だったぞ」
「だって、良かったんですから・・・あっちの方、敏感にし過ぎました」
納得だ。だが、俺としては・・・
「悪いんだが、むこうと同じくらいにしてくれるか?」
「・・・どうしてですか?」
「良すぎて、ゆっくりしてやれないからな」
快感に責められて交わっている、という感じが強すぎる。やはり丁寧に時間をかけて、したい。
頬を染め、紅姫は了承してくれた。
「解りました。あちらに合わせておきますね」
むこうに戻ったらもう一回抱くか、と馬鹿なことを考えてしまう。
ふと今までずっと頭にあった疑問を口にしてしまった。
「紅姫は・・・何でこんなに人間界に興味を持ったんだ?」
あちらの生まれなら、こちらの情報を得る機会はまずないし、仕事で来るにしても長時間はいられない。
文字通りの箱入り娘だった紅姫は、どうやって興味を持つほどの情報を手にしたのだろうか。
「私の家の事は知ってますよね」
失敗だった。家の事に及ぶ話だったのか。
「いや、悪い。話したくないならいいんだ」
「いいんでよ・・・何代か前の当主が遊び人で、家の権力を使ってやりたい放題してた
 そうなんです。それで、こっちにも頻繁に来ていて、こちらから帰る度にお土産として
 玩具を持っていきました。私、小さい頃はこちらの玩具でよく遊びました」
そうか・・・玩具だけではなく、それ以外の情報も多く伝わったのだろう。
「子供の頃は、人間界で暮らすのが夢でした。毎日が楽しくて、幸せだろうって思ってました」
夢、だな。間違いなく。
もしこのまま逃げたとしても、必ず追っ手が来るだろう。隊長、副隊長が何人も差し向けられ、
捕らえられた後はどうなるか。厳しい懲罰か極刑か。死ぬまでいかなくても、牢獄暮らしは
避けられない。
「諦めてますよ、それは」
「ま、こっちで暮らすのも大変だろうしな」
月に一回くらいが丁度いいのだろう。
212四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:30 ID:iXUsr2gB
ぐ、と抱きつきながら紅姫は言った。
「それに、こちらに来れなくても、私は幸せです」
・・・恥ずかしい。けれど、俺は紅姫を幸せにしてやれているという事が、とても嬉しい。
しかし、与えられるものの方が大きいのが悔しい。大したことをしてやれないのが残念だ。
もっと沢山のことをしてやりたい。大きな何かを与えて、幸せを感じさせてやりたい。
「何もしてないよな、俺は・・・」
「そんなことないです。・・・十分、貰ってます」
焦る必要はないか。必ず何かが見つかるだろう。とりあえずは、今の関係を深めよう。
「浦原さん・・・」
紅姫は呟くように続けた。
「何があっても、ずっと傍にいますから・・・」
強い決意が秘められた言葉。何かあったのか。
「どうした、紅姫」
少し待ったが返事はなかった。聞こえるのは穏やかな寝息だ。
一緒にいてくれるならそうして欲しいと思が、改めて言う理由が解らない。
ま、無理やりに知る必要もないか。
そこまで考えると心地よい眠気に力を抜いた。
213四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:33 ID:iXUsr2gB
「・・・起きて下さい、朝ですよ」
「時間なんですから早くしてください」
「浦原さん?」
214四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:35 ID:iXUsr2gB
「浦原さん!」
その声に俺は目覚め、斬魄刀で迫り来る虚の足を次々と斬り落とした。
追撃はなく、距離を取りながら状況を改めて確認した。
今回の相手は巨大な蜘蛛に似た風貌だ。全ての部分が堅い殻で覆われ、厄介なことに
常に壊死と再生を繰り返す。傷付けた殻はあっという間に剥がれ、再生されてしまう。
長く鋭い足も同じく切り落として間も無く新しく生える。
多数の足を全部斬り、胴体に一撃を加えるのは不可能に思えた。
紅姫の術も堅い殻によってごく表面を傷つけるだけに終わってしまう。
血を付着させても、殻と一緒に地に落ちてしまい効果がない。
虚は様子見の姿勢を崩していないが、こちらは完全に手詰まりだ。一気に攻められたら、終わりだ。
他の所で虚と戦っている三席が戻っても結果は同じか。
「大丈夫ですか?」
すぐ後ろの紅姫の声に答えた。
「ちょっと殴られただけだ、心配ない」
先程無理に斬ろうとしたが、この有り様だ。不覚にも一瞬気絶し、夢などを見てしまった。
・・・こいつだけは死なせない。生き延びさせる。俺がしてやれる事はそれしかない。
肩越しに紅姫の顔を見た。不安そうな表情で、俺を見詰めていた。
最後は笑った顔を見たかったが、仕方がないか。
「紅姫、後を頼む」
これ以上は幸せに出来ないが、許してくれ。
地を蹴り飛ばし、間合いを詰める。8本のうち5本は斬れる。残りが俺の命を奪うだろう。
しかし、死んでしまう前にやつに致命傷を負わせるのは可能だ。
紅姫を守るのは可能だ。それが、俺の望みだ。
横からの突き刺しを斬る。1。
袈裟斬りのような一撃を払う。2。
真正面からの速い突きは身体を捻りながら回避し、刃を叩きつけた。3。
両足を狙うなぎ払いを斬り上げる。4。
腹を吹き飛ばす斬撃も力づくて退ける。5。
胴体に刀の先端が届く距離。まだ倒せない。深く斬り裂けない。後一歩。
視界の隅から現れた鋭い足。腹から胸に大きな損傷を受けるのは間違いない。だが、即死はしない。
踏み込んで、殺せる。望みは叶う。
215四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:37 ID:iXUsr2gB
どす。衝撃で身体が止った。派手に血が飛ぶ。胸に暖かい感触。
紅姫の血が、霞のように広がり、盾を創った。再生した足の攻撃を防いでいる。
降り注いだ大量の血が虚が離れようとする動きを完全に封じている。
お前、何、してる。
紅姫は、俺の抱きついて切り裂かれ、早口で言った。
「ああ時間がない私ごとあいつを貫いてください早くして浦原さん!」
致命傷。助からない。紅姫。俺は、こんな時なのに何もしてやれない。
痛そうだ。苦しそうだ。辛そうだ。
「早くっ!」
叱咤の声に、従っていた。
真っ赤な刀身が、紅姫の腹を通り抜けた刃が虚に刺さる。
彼女の力も虚に入り込み、爆散した。
顔を見せたくて、身体を上向きにさせると紅姫の斬魄刀が落ちた。
がしゃ、と一点の曇りもない白刃が覗く。
何で笑ってるんだ、紅姫。
「これで、いいんです・・・これで、浦原さんは死ななくて済むし、私の願いは叶うんです・・・」
お前が死んだら、そんな事に意味はないのに。
意味があるのなら、何でそんな、今にも泣き出しそうな顔をしてるんだ。
「・・・・・・・・・・・・早く、してください、ね。ずっと、待ってますから」
言うと、紅姫の身体は赤い霧になって、彼女の斬魄刀に吸い込まれた。
死んだのか。遺体を俺に見せたくない、ということなのか。
だが。
「隊長!」
三席の声。
「副長は?どこにいるんですか?」
あいつは、紅姫は・・・生きている、気がする。
「あいつなら、死んだ。虚に喰われてな」
生きているとなると色々と面倒だから、いや、違うか。生きているかもしれない、という
ことを俺だけのものにしたいのか。
三席は紅姫の斬魄刀を見ると、辛そうな表情で納得したようだった。
「・・・爺さんには、俺が話す。戻るぞ」
216四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:39 ID:iXUsr2gB
爺さんは俺の説明で満足したのか、追求はしなかった。
俺と紅姫の関係を知っていたからかもしれないが、あっさりと部屋に戻してくれた。
彼女の遺品である斬魄刀の所持も許可された。
紅姫。本当に死んだのか。疑問に思えてならないのは、間違いなのか。
「待ってますから」
死ななくて済む、と言った直後にこんな、俺の死を願う言葉を言うのだろうか。
・・・最後に、冗談を言いたかっただけではないのか。
下手な冗談で、俺がより長く生きることを望んだのではないか。
・・・あいつは、紅姫は冗談を言う性格ではない。この刀から解放してくれるのを
期待しているのではないか。どうやって、そんなことをすれば良いのだ。
何か、取っ掛かりがないかと紅姫の部屋に入る。・・・無意識に、寝室の襖を開けようとしていた。
明日にしよう。頭を冷やしてから来るべきか。
冷静でいられる自信がない。
三席が正式に副長に戻るのは、早くても来週だ。それまであいつはこの部屋には入らないだろう。
まだ、時間はある。
不意に気が付く。丸い手掛けの触感が、俺の部屋と違う。滑り止めが貼ってある。
何故だろう。全く意味がないな。・・・回せる、のか?
上には動かない。下には回る。滑り止めが真下に移動すると、それ以上は回らなかった。
変わった音や振動などはなかった。部屋の物が動いた気配もない。
回す前と何も変化はない。ないのか。。。
ついでに寝室を見ておくか。すぐに出れば、取り乱すことはないだろう。
襖を開ける。見慣れた寝室ではなかった。
広い部屋に変貌していた。左には大きな机が三つ並んでいる。いずれにも分厚い書物が、
山積している。
右には書物を収める棚が並んでいる。高く、幅もある。
「秘密、です」
紅姫はそう言っていた。秘密の部屋。研究室と呼ぶべきか。
建物の構造に、明らかに合わない広さだ。紅姫の独自の術で造られた空間を利用しているに違いない。
この室内で、鬼道を探求していたのだ。誰も入らせずに一人で、孤独に。
217四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:42 ID:iXUsr2gB
棚にあるのは手製の資料のようだ。鬼道の知識が全くない者にも理解出来る簡単なものから、
研究院ですら不明とされる分野を明確に解説しているものもあった。
禁術も調べ尽くされている。それと同程度の術が、二百近く開発されていた。
それらを確実に上回る術も百に迫る数で記してある。
・・・紅姫の鬼道の資質は、俺の想像を遥かに越えていた。
恐らく、今までの先人達の全ての資質を合わせても、紅姫一人に遠く及ばないのだろう。
次元が違いすぎる。この表現すら、適切ではないだろう。それほどの違いを感じさせる。
膨大な資質に抗えずに、半ば戦うように開発に打ち込んでいたのだろう。
三つの机に目を向ける。
左は鬼道の机か。書物にも埃が厚く積もっていて、術の開発は随分と前から止っていた、
あるいは終わっていたのだろう。見たことがない補助器具もある。
続いて中央。義骸関係の研究をしていたようだ。こちらも使われなくなって大分経つようだ。
左の机ほどでもないが、埃が乗っている。
右の机。最近まで使用されていたようだ。埃はなく、書物よりも手製の資料が多い。
斬魄刀についての研究のようだ。
一番手前にある資料によると、魂を斬魄刀に封じる術が完成していたらしい。
・・・この術を使ったのだ。
死の寸前の、零に近い規模に薄められた存在になって初めて成功する、転送の術。
・・・後ろに並ぶ資料に、初心者向けの資料が入っているのはやはりおかしい。
紅姫一人が使うものなら必要がないものだ。彼女は自分が消えた後、誰かがここを訪れることを
予測していたのか。
・・・解放して欲しい、ということなのか。
「待ってますから」
解った。助け出してやるからな。そしてお前の夢も叶える。
分厚い埃を払い、鬼道用の机に座る。紅姫の実力に近付くのが第一歩だ。
待て。その前にこの研究室を俺の部屋から入れるようにしなければ。三席が来る前に終わらせる。
立ち上がり、資料の題目に目を移した。空間制御の方法はどれに記してあるのだろうか。
218四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:44 ID:iXUsr2gB
それからは文字通り寝食を惜しんで研究室に入り浸った。
焦るなと自らに言い聞かせて術への理解を深める。
・・・仕事が邪魔だ。このままでは永遠に紅姫を助け出す力を得られない。
俺の望みと彼女の願いを叶える為にも、ここから出る必要があるだろう。
あの爺さんならどんな説得も意味がないだろう。隊長格の人物を外に放つ。俺でも相当な危機感を持てる話だ。
しかしやり遂げなければならない。
どうすれば可能なのだろうか。
219四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:46 ID:iXUsr2gB
「もっと強くなれよ」
穿界門を通る他の隊員を横目で見ながら、俺は副長に言った。
帰りが遅いので来てみると、案の定苦戦していた。仕方なく助けてやった。
防御は良いのだが、どうしても攻撃に難がある。そろそろ思い切った攻めを覚えて欲しいものだが。
「は、精進します」
真面目な返答だ。・・・本当に頼むぞ。
今日が最後なのだから。
「さて、爺さんを呼んで来てくれるか?」
は?と言葉の意味を理解出来ないでいる。無理もないが。
「どういうことですか?」
いや、すぐ来られるのも良くはないな。
俺は思い直し、困惑の副長に言う。
「ああ、悪い。そうだな・・・ちょっと寝ててくれよ」
副長が再度疑問の表情を作る頃には、俺の手刀が彼の首筋を一撃していた。
うつ伏せに倒れ、窒息しないように仰向けにする。
研究室に繋がる門を造り、するべき作業を頭の中に描く。
さて、急ぐか。
220四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:48 ID:iXUsr2gB
少し離れた場所に穿界門が開いて、三名の死神が現れた。
止まることなく俺に接近し、先頭の剣八が言った。
「浦原、どうした?虚はいないみたいだが」
戻った隊員達は規則通りの行動をしてくれたようだ。隊長が長時間帰らない場合は自分達で確認せずに
まずは総隊長に報告。・・・良し。
しかし、流石爺さんだ。こいつに副長の八千流、三席の斑目も加われば倒せない虚はいないだろう。
最悪の事態、即ち俺が虚に倒されているのを危惧した人選だ。
ま、その想定すら超える悪い事件になるのだが。
「何だその格好は・・・」
紅姫と人間界へ行った時の服なのだが、説明は要らないだろう。
「剣八、爺さんを呼んでくれるか?」
「ああ?ここに、人間界にか?」
怪訝な顔だ。すぐに解るだろう。
「そうだ。話したいことがあってな」
「・・・どういう、話だ。聞かせろ」
何か感づいたらしい。多分合っているな。
「そっちに戻らない事にした」
「ほほう、つまり、俺達の敵になるってことか?」
好戦的な笑みで、微妙に俺の思惑と違うことを言う。
「ちょっと違う。そう受け取られてもしかたないが・・・行って来てくれないか、剣八」
「敵なら、倒すのが当然だよなぁ」
聞けよ。既に戦うつもりらしく、斬魄刀を抜いている。そして周囲の者を圧倒する霊圧。
八千流も斑目も戸惑い、どうにも出来ないでいる。
そうだな、呼ぶだけならこいつ以外の者でも良いだろう。
「戦うのか?」
「おうよ。遠慮なくやれる良い機会だしな!その女物の斬魄刀なんか捨てろ。そこに転がってる
 三席のを使え。待ってやるからよ!」
「そうか・・・」
221四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:50 ID:iXUsr2gB
す、と揃えた二本の指を剣八に向ける。
「は、おいおい、まさか知らない筈がないだろう?」
知っている。剣八は剣での戦いを何よりも好む。故に術を使わせない為に、羽織の裏側には
対術用の護符をこれでもかと縫い付けてある。廷内で最も術に対する耐性が高いのは間違いない。
剣の腕前は一級品であり術も通じないとくれば、誰もがこいつとの揉め事を避ける。
「はっ、まあ良いさ」
刃が欠けた刀を持ち、無造作に歩み寄って来る。
全く、理解不能な男だ。何故そんな紙切れに依存していられるのか。
「縛道の一、塞」
足を止め、がっくりと両膝をつき、続いてうつ伏せに倒れる。
おや、思ったより効いたか。
「手前、何、しやがったっ!」
「何?対人間用の縛道だろ。一番低級な縛道だよ。知らない筈がないだろう?」
冷や汗を掻いている。らしくないぞ剣八。
「嘘だ、ありえねえっ・・・」
「一応手加減はした。それでもこれだよ」
ぐ、と言葉に詰まっている。紅姫なら、口も利けないだろう。
「その程度の護符に頼るのは止めた方がいいぞ。無効化するまでもないからな」
護符を無効にする術は俺と紅姫以外で知る者はいない。
倒れる剣八に近付き、俺も腰の得物を抜く。
「大丈夫ですよ、八千流さん。後はなにもしませんって」
側面から強烈な剣気を叩きつけてくれる彼女に声を掛けるが、信用してくれない。
ふむ、動いてくれそうにないか。
「斑目くん」
「は、はい!」
普通に呼んだだけなのだが、やけに驚いている。怖がっているのか。
「そういうことだ。護廷十三隊総隊長、山本元柳斎重國を呼んできてくれ」
「承知しました!」
叫ぶと、穿界門に走りだした。
「・・・手前ぇ、本気か、浦原」
「だから、お前の考えと違うよ、剣八」
222四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:52 ID:iXUsr2gB
一際大きな門が現れ、開く。
爺さんを中央に両脇に隊長が二人ずつ。その後ろには副長が付いている。
合計十人。即座に動かせる最大限の人員だろう。一番後ろには斑目の姿があった。
俺の足元に倒れる剣八を見て、それぞれが異なる反応を示している。
場に満ちた霊圧が渦を成して荒れ狂っている。弱い虚なら居るだけで簡単に消し飛ぶだろう。
重々しく爺さんは口を開いた。
「話とやらを聞かせてもらおうか、浦原」
「既にご存知では?ソウル・ソサエティには戻らないと」
「撤回するなら、まだ間に合うぞ」
それまでの霊圧の嵐が嘘のように静まった。何のことはない、乱舞すらも許さない高純度の霊圧になっただけだ。
やはり、聞いてはくれないか。
「そんな気は全くありません」
「・・・全く、お前という奴は」
爺さんが俺を睨みながら言うと、爆発音と同時に四本の刀を紅い盾が防いでいた。
ぎぎ、と刃が噛みつこうとしているが、紅姫は相手にしていない。
副隊長達の背面からの鬼道は俺の造った反射壁が遮る。
「──っ!!」
静観する爺さんを除き、皆驚愕の表情だ。まさか防がれるとは思っていなかったのだろう。
「全力なら、皹(ひび)の一本くらいは入ってたかもしれないですね」
嘘だ。全力であっても完璧に防いだだろう。
俺は視線を落とし、言う。
「この人のように地味なやり方で宜しいですか?派手な方法もありますが」
その気になれば一瞬でこの辺りを五回程焼け野原にする熱地獄に出来るし、
稲妻の巨大な檻で周辺を封鎖し、一人一人を確実に倒すことも可能だ。
だが、それは敵を造る結果しか生まない。俺と彼女の生活を危うくするだけだ。
俺以外の全ての顔が強張る。剣八を術で束縛したという事実で何を伝えようとしているのか解るだろう。
さて、これで話は通りやすくなった筈だ。
223四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:54 ID:iXUsr2gB
「・・・退け」
爺さんの命令に従い、全員が速やかに退く。
「要求は、何だ」
爺さんは素早く計算したようだ。この場で重要人物が何人も死傷するよりも、俺一人を手放す方が
得策である、と。
「知っての通りですよ。人間界に居させて欲しい、と。ああ、ただでとは言いません。
 人間界常駐の支援要員という扱いに変えてくれれば良いのです」
「・・・それだけ、か」
「そうです。貴方達と敵対するつもりは毛頭ありませんよ」
爺さんは今だに決心がつかないようだ。
それなら、見せてやるか。
俺はあちらに繋がる門を斬魄刀なしで開く。ざわ、と彼らの気配が揺れた。何を驚いているのか・・・
そして、門に手を押し当てた。
ばちばちと火花が散り、門の向こうに手は入らない。
「ご覧の通りです。既に行けない術を施してあります。力づくでは何があっても戻れない身体ですが」
「・・・その義骸の怪しげな術を解けるのは、お前だけか?」
「そのようです」
ふん、と爺さんは息を吐いた後に言った。
「よかろう。後で連絡をやる」
帰るぞ、と言うなり俺に背を向けて歩き出す。八千流が剣八を、斑目が気絶したままの三席を抱えて
穿界門に入った。
門が消え、俺と紅姫だけが残る。
ざあぁと風が通り、ようやく巡ってきた始まりを実感する。
これからだ。
紅姫、一緒に暮らそう。必ず幸せにするからな。
224四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:56 ID:iXUsr2gB
人間界に定着して、それなりの時間が経過した。
一人の死神が尋ねて来た。名は朽木ルキア。死神の力をある事情で失ってしまい、回復の為に義骸を
都合して欲しいとの事だった。
俺は見抜いていた。失ったではなく奪われたが正しい表現だろうと。
恐らくは力が戻るようなことはない。
回復までの時間をどのように過ごすのか訊くと、失った原因である人間の家に押しかけるそうだ。
その人間は結構な霊力の持ち主で、死神業の代わりを務めることすら可能だと言う。
・・・あちらに戻っても、ただでは済まされないだろう。戻されるまでの僅かな間に出来るだけの
思い出を作らせたい。紅姫と同じ構造の義骸を与えよう。尤も、外見上の違和感を埋める為に
体型をかなり幼くする必要はあるか。
急に紅姫の血縁が出来たようで、それだけでこの女を特別視してしまう。
しかし朽木ルキアは俺のことを全くと言っていいほど知らない。徹底した情報操作が行われたのだ。
あちらから手を出してくる事態はまだない。油断は禁物だが、爺さんは俺をどうこうするつもりは
ないらしい。その時への準備もしてあるが、そうならないに越したことはない。
その後は様々な事件が相次ぎ、死神の力を得た少年と知り合い、あろう事かあちらに連れ戻された
朽木ルキアを助け出すという無茶に付き合っていた。
俺としても助かってほしい。出来るだけの手は尽くした。
結果は運次第と言わざるを得ないが、俺がやれるのはここまでだ。
成功したとしても、俺が直接関わった事件だ。あちらは黙っていないだろう。
どう対応するべきか・・・口で説得したいものだが。
閉店後、何時ものように研究室で机に向う。
ふと新聞の折り込みチラシを思い出す。
「そういえば、隣町に新しいたこ焼き屋が出来たらしい。・・・必ず連れていくからな、紅姫」
そう言うと、腰の紅姫はほんの少しだけ俺に身を寄せた。
「解ってる。約束だ」
紅姫を助け出す方法はある。まだ時間が掛かるが、実現出来る。
待っていろ、紅姫。もう少しだ。
225四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 11:58 ID:iXUsr2gB
これ以上は無理か。
転送した際に零に近付いた魂は、斬魄刀という身体を得てある程度は戻った。
が、やはり長くは持たない。時間を追うごとに希薄になり、もうすぐ消える。
紅姫をこの刀から出してやる術は完成した。だが、出した直後に次の身体である義骸に入れる力は
俺にはない。義骸には特殊な回復術が施してある。紅姫が入ってくれれば、完全に元に戻る。
この術を斬魄刀にかけるだけの実力は身につかなかった。
紅姫は自分の意思で義骸に入らなければならない。希薄な魂は、それを考えるだろうか。
分の悪い賭けだ。だが、これしかない。
・・・始めよう。もう時間はない。
座った姿勢で始める。完成後、立っていられるか解らないからだ。
補助器具を併用し、術を完成させる。
疲労で身体が重い。しかし倒れる訳にはいかない。
すぐに紅姫は姿を現した。あの日と全く同じだ。目に光がない事以外は。
俺を認識していない。夢遊病者のようにゆっくりと首を巡らせ、ゆらゆらと部屋を歩く。
足元の義骸を無視し、彷徨う。
その姿が、急速に薄れていく。
まだ間に合う。早く気付いてくれ、紅姫。
待った。
動きが遅くなる。立ち止まり、思い出したように歩く。
待った。
紅姫の身体が透け、向こうの壁が見える。止まったままの時間が長い。
待った。
足首から先と手が見えない。膝や肘もどうにか見える程度だ。
目の前が暗くなる。心が絶望と悔恨に埋もれていく。
・・・認めろ、浦原。
全部、間違いだったという事を。
226四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 12:00 ID:iXUsr2gB
彼女は助け出して欲しいと言ったのか。「これで、いいんです」
人間界で俺と暮らしたいと言ったのか。「諦めてますよ、それは」
紅姫が言った願いはこれだけだ。「ずっと傍に居ても、良いですか?」
たった一つの願いすら続けられないようになろうとしている。
挙句に彼女の存在すら無き物にしようとしているのではないか。
勝手な思い込みで紅姫の意思も願いも存在もを壊そうとしているのは誰だ。
与えようと躍起になり、全てを奪う結果しか生まない行為をしたのは誰だ。
誰なのか言ってみろ、浦原。
言えないのか浦原!
「私は幸せです」
俺は、紅姫を不幸にした。幸せにしてやると誓っておきながら、この有様か。
莫迦な男だ。救いようがない莫迦だ。
「好きだ、紅姫」
ずっと言えなかった言葉。このひと言と引き換えに、何もかも喪う事に今更気が付くとは。
紅姫・・・結局、何もしてやれなかったな。ごめんな。
許してくれないだろうけど、何度でも謝る。この身体が朽ち、魂すら潰えるまで続ける。
俺がしてやれるたった一つの事だ。最後のわがままだ。後はなにもしない。
俺が終わるまで、続ける。ごめんな、紅姫。
「─、・・・」
・・・何の音だ。
顔を上げると紅姫が俺に抱きついた。義骸に入って、俺の肩に顎を乗せていた。
聞こえた。小さく掠れた声で、確かに言った。
ありがとうございました、と。
何言ってる。それは俺の台詞だろう。ありがとうな、紅姫。よく待ってくれた。
すうすうと穏やかな寝音。疲れただろう、ゆっくり休め。今度は俺が待つ番だよな。
ずっと傍にいてやるから、安心しろ。
この重さが嬉しい。
間に合ったのだ。間違っていなかったのだ。
もう一度、彼女の願いを叶えられる。
227四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 12:02 ID:iXUsr2gB
「・・・この間の休みって新婚旅行?」
「いや〜黒崎サン!遂に!長年の努力が実を結んだのですよ!
 黒崎サンだって念願の彼女、ゲットしたんでしょ?知ってますよ」
「・・・うるせー」
「ははは。・・・これで、良かったんですよ」
「おう。そうだな」


228四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/05 12:05 ID:iXUsr2gB
長いと言いながらもそれぞれの場面はもっと字数を使わないといけねーのかな
と思えてしまう
もっとやれるようになりたいな、と
229名無しさん@ピンキー:04/04/06 15:06 ID:xMa6xkRB
こう言う系の小説を書いている人たちが
集まっている板ってあるの?
230名無しさん@ピンキー:04/04/09 19:27 ID:eiRs8sgd
>四条氏
とりあえず乙!
久しぶりにこのスレにネタ投稿ありがd
ブリーチ最近読んでませんが、十分楽しめましたぞよ。
231四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/11 03:16 ID:JTXWFZQk
>230
レスありがとう
んで紅姫視点の補完SSがあるわけですが、うpした方が良いんでしょうか
232230:04/04/11 12:40 ID:oiB4yQnv
>231
個人的には大歓迎です。
ぜひお願いします。

233四条 ◆JeifwUNjEA :04/04/23 03:52 ID:kS6u5qNa
>>232
了解っす
が、何やら色々なイベント様が群れを成して大名行列してやがります
もうちっと待ってホスィ
234230:04/04/23 21:24 ID:AdY6BGKD
>四条氏
ありがとうございます。
それまで保守しとくんで、楽しみに待ってます。
235名無しさん@ピンキー:04/04/27 19:13 ID:Eo3X8xaN
保守あげ
236四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 16:24 ID:MmxMCnHb
お待たせしますた
うp開始
237四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 16:26 ID:MmxMCnHb
幼い頃、私は幸せだった。
名家の次女として生まれ、遊び人だった先人の名残である人間界の玩具で良く遊んだ。
近所で手に入る物よりも確実によくできていて、大きくなったら人間界で暮らそう、と
本気で願っていた。
母は私を産んですぐに亡くなってしまったのでどんな人かは覚えていないが、それが嫌だとは
思わなかった。
友達もいた。数える程だったけれど、何度もお互いの家に遊びに行ったものだ。
生まれ付き舌の感覚が鋭いらしく、食事の後の普通の感想を料理人達が聞きに来るのが
当たり前だった。あんないい加減な言葉が参考になる、というのが不思議だ。
何でも理屈から考えてしまう少々捻くれた性格だったが、父や使用人などは
頭が良い、と褒めてくれた。そう言われるのが嬉しくて、学校では勉強に力を入れ、
試験では常に上位にいた。所謂塾や家庭教師などを薦められたが、私はそこまで
時間を使いたくはなかった。相変わらず玩具で遊ぶのが楽しかったし、友達とも
出来るだけ一緒にいたかった。
名のある家に生まれた以上、将来の選択肢は決して多くはないと解っていた。
人間界で暮らす、という夢は既に諦めていたが、出来るだけ自分を隠さなくてすむ
選択をしようと心に誓っていた。
238四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 16:29 ID:MmxMCnHb
ある日の事だ。
果物が食べたくなり、厨房の包丁を勝手に持ち出して誰もいない居間で果実の皮を
剥き始めた。初めてのことだ。上手くいく筈がなく、案の定指を切ってしまった。
久しぶりの痛み。我慢しきれなくて泣いてしまう。
使用人がすぐにやってきたが、五歩程度まで近付くと、そこから動かない。
ひどく驚き、恐れている表情だ。
早く手当てをして欲しくて私は近付いた。が、それまでの距離を更に遠ざけるだけだった。
明らかに怯えた様子で、私から離れようとしている。一体何なのだろう。
「じゅう」
足元からの奇妙な音が聞こえた。目を向け、目を張った。
私の血が床を焦がしている。
「じゅう」
怖い、と思った。こんな話は聞いたことがない。
私の身体はどうなってしまったのか。私は、何なのか。
「じゅう」
周囲の音が聞こえない。真っ直ぐ立てているのかも解らない。ざわざわと私を中心に
何かが渦巻いている。そこにいた使用人はいない。怖い。誰か来て欲しい。
声が出ない。大勢の人が遠くから私を見ている。誰も来てくれない。
空気が重い。何もない居間。何かあった筈の居間。なくなった理由は。
「ごお」
239四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 16:31 ID:MmxMCnHb
目が覚める。私の部屋だ。他には誰もいない。あれからどうなったのか、覚えていない。
悪い夢なら良かった。指に巻かれた包帯。それでも否定したくて、居間に向かう。
時刻は深夜だった。起きている者はいなくて、明かりも最低限に抑えられていた。
薄暗い居間。異様な、居間と呼ばれていた空間。
調度品の全てが切り裂かれ、なぎ倒され、砕け散っている。あの時私が立っていた所を
中心に、床に渦巻き状の深い傷跡が刻まれていた。
夢なら覚めて欲しい。夢であって欲しい。夢になって欲しい。
解っている。そんなのは無理だ、と。
・・・誰か、来た。誰でも良いから、私を元気付けてくれないだろうか。心配はいらない、と。
でも、それ以上に怖かった。私を普通の者として見ない目が。
独りではない事を確認したい。独りになってしまった事は確認したくない。
静な足音が私にのし掛かる。どうする。・・・どうする。
私は部屋に逃げ帰った。
多分、どちらであってもその返答を否定しただろう。
こんな身体で心配がない筈がない、或いはこんな身体だけど私は普通の子だ、と。
そんな主張をしなければならないのが、とても嫌だ。
私は、どうしたら良いのだろう。誰か教えて欲しい。
240四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 16:33 ID:MmxMCnHb
あの日を境に誰も傍に寄ることがなくなった。
友達は追い返され、親しかった使用人はよそよそしい態度。
姉は何か言いたそうな素振りも見せていたが、父─当主の視線に簡単に制止させられた。
当主は私に目を向ける事がない。声も掛けない。そして私がいないものとして振舞う。
何だ、この家は。こんな家だったのか。
日が暮れる頃には部屋に閉じこもった。
生活は激変した。
食事の時刻になると、部屋の前まで誰かが近付き、すぐに去っていく。
扉を開けると盆に乗った食事が置いてある。勉強は時々添えられていた書物でした。
遊びは部屋にある玩具で済ませた。
食事も勉強も遊びも、一人になった。当然だ。こんな化け物を、普通の中に混ぜるのは
危険なだけだし、私もそれを受け入れた。
寂しい。受け入れた筈なのに、誰かに接したい。気を紛らわそうと玩具で遊んでも、
その感情は膨れ上がるばかりだ。泣いてもすっきりしないだろうし、独りで泣くのは
とても辛いことに思えた。必至に歯を食いしばっても嗚咽は止らないし、涙もぼろぼろと
流れてしまった。始まったらどうしようもなく泣き崩れるだけだった。
ざあと渦巻きが生まれ、私を支えてくれた玩具が吹き飛ばされる。嫌だ、堪えないと。
何とか収めることは出来た。でも玩具の半分は使い物にならなくなってしまった。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
一生懸命に謝りながら、私は宝物を入れる箱に丁寧に並べた。
241四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 16:35 ID:MmxMCnHb
渦巻きの正体は霊力と呼ばれるものだ。何とか制御する術を身に付けないと、先程の
惨劇を繰り返してしまう。外に出られても、誰かを傷つけてしまう。
莫大過ぎる霊力を自分の意志で出して、収める。私の人生で初めての具体的な目標だった。
それと平行して、血についても調べた。
随分前に貰った工作用の小刀で指を少しだけ切った。熱くて痛い。落ちる体液が床を焼く。
訳が解らない。こんなの、どうしろというのか。怪我をする度に周りを焼かねば
ならないのか。
途方に暮れ、目の前が暗くなるというのを実感した。
痛みが引くにつれて焼ける音が小さくなるのに気付く。私の感情と繋がりがあるのか。
痛くないと自分に言い聞かせながら、もう一度血を流してみる。
やはり、そうか。焼け方が随分と弱い。感情を殺せば、その分変化はなくなるようだ。
臨機応変に感情を殺す。・・・出来るようになれるだろうか。
我慢していた痛みが堪え切れなくなり、僅かに声になってしまう。
「ぱん」と血が破裂した。
吃驚した。・・・どうやら、そういう事らしい。
変化を殺している状態に、生かす感情を加えてやることで今の破裂が起こるのだろう。
だが、役立つなんてとても思えない。
莫大な霊力。感情で性質が変化する血。
本当に、私は何なのだろうか。
大き過ぎる霊力が血を変質させるのか、逆に過度に特種な血が巨大な霊力を生むのか。
・・・どちらにせよ、この二つと一生付き合わなければならないのだろう。
何としてでも制御し、普通の生活に戻りたい。
この願いだけは捨てられなかった。
242四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 16:37 ID:MmxMCnHb
霊力への集中を解き、窓から外を見る。
同じ季節を見るのは何度目だろう。青々とした木の葉に触れたい。爽やかな風に身を
任せたい。降り注ぐ光の下で走ってみたい。
風呂と排泄は皆が寝静まった後に済ませた。その後ならば、屋敷を
歩いても良さそうだったが何が起こるのか不安で結局は一度もなかった。
欲しい物があれば紙に書いて扉の向こうに置けば翌日には届いている。
誰の声も聴かず、姿も見ない生活。
よく狂わないものだと我ながら呆れてしまう。
あの日から比べると、女性らしい身体になったと思う。顔立ちについては比較の
しようがないので何とも言えないが、変化はしている。
女としての幸せを得られるようになっていく。だが、私はその舞台にすら立てないでいる。
霊力の制御は大分上達した。中程度の放出はいつでも出来る。炎や氷等への変化もやれる。
少し疲れるが、数種類の状態を同時に造ることも可能だ。
こんな生活で感情の抑制を覚えろというのは無理があるけれど、突発的な感情の大波
にも冷静に対処しているつもりだ。あの日のような暴発はない。
血の分析も済んでいる。最近では複数の血痕に同時に違う変化をさせられるようになった。
更に固まる前ならば思い通りに形状を変化させる術も覚えてしまった。
・・・外に、出たい。きっと上手にやれる。何とか切っ掛けが欲しい。無理やり出ても、
失敗するだけだろう。
夜になると、大勢の人の喧騒が僅かに聞こえた。時々このような会食がある。どんな集まり
かは知らないが、私には全く関係がないことだ。
243四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 16:39 ID:MmxMCnHb
・・・私の扱いはどうなっているのだろう。巧く誤魔化しているのだろうが、気にはなる。
死んでいることにはなっていて欲しくはないが、その可能性は低くないだろう。
とんとん。
そうでなければ、病か、気が触れた、か。
出られてもまともな環境を整えるのには時間が要るだろう。
本当に辛いのはこれからかもしれない。
とんとん。
何か、私を認めさせる武器がほしい。無論暴力では駄目だ。それを選択したら、
私は確実に終わってしまう。
何か、ないだろうか・・・
とんとん。
─・・・、まさか。この、扉を叩く音は。
とんとん。
誰か、来た。
思いもよらない事だ。どうする。・・・どうする。
扉の向こうの誰か。私に会いに来た人。話せる。見てもらえる。聞いてもらえる。
そう意識すると長く溜め込んでいた感情が噴出しそうになった。
机に片手を付き、大きく呼吸する。
・・・よし。心に蓋はした。でも、大丈夫だろうか。・・・開ければ、解る。
扉までの距離が遠く感じる。近付くと、蓋が緩み始める。押さえつけ、声を出した。
「誰、なの」
予想外に大きな震える声。そして、大人びた声。これが私の声なのか。
諏訪野でございます、と懐かしい声が聞こえた。
諏訪野。使用人の長を務めていた人。昔、庭で遊んでいるといつも見守ってくれた人。
その声とかつての記憶に導かれるように、扉を開いた。
諏訪野がいた。でも、こんなに小さかっただろうか。顔のしわが増えて、髪もより白くなった。
柔らかい笑顔だけは変わっていない。
244四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 16:40 ID:MmxMCnHb
「久しぶりでございます、紅姫様」
記憶通りの優しい声に何故か動揺してしまう。何を言えば良いのか。私が言いたいことは・・・
「ああ、お綺麗になられました。見違えるようです」
私を見てくれている。・・・何を言おうか。迷った挙句、会いに来た理由を訊いていた。
「何故、ここに来たの?」
ちらりと部屋に視線を流し、諏訪野は言った。
「最後のご挨拶に参りました」
とりあえず、中に入れなくては。誰かに見られてはいけない。─見られたくない。
「・・・中に入って」
嫌になるくらいに冷たい声。こんな声を聞かせたくはないのに、こんな声音しか出せない。
失礼します、と諏訪野は私の部屋に入る。
扉が閉まる音が響き終えた瞬間、思考が白くなった。心の蓋が呆気なく吹き飛び、私は─
彼の手を握っていた。
暖かい手。私は、この時を待ち望んでいたのだ。こうして誰かに触れるのが、何よりの願望だった。
「ありが、とう、諏訪野・・・」
来た理由はどうでもよかった。こうして会いに来てくれたという事実が嬉しかった。
やっと感謝の言葉を言うと、それ以後はずっと堪えていた寂しさが音として部屋を満たし、
熱い水滴となって彼の手を濡らした。
諏訪野はじっと見て、聞いて、触れてくれた。私の身体と心を。
彼も泣いていた。その流れる涙はどんな意味があるのだろう。
245四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 16:42 ID:MmxMCnHb
「お勤めが今日限りとなりましたので」
諏訪野は来た理由を簡潔に話した。あの当主も彼の最後の願いは退けられなかったのだ。
後任の人物も育っていて、彼が言うには有能な人間らしい。
当主の意向を的確に理解し、実行するという点については自分より優れているだろうと話す。
当主は相変わらずで、姉は当主の若い頃にそっくりらしい。
「私の扱いはどうなっているの?」
僅かに目を伏せて、言った。
「心の病、当主様はそのように公言しておられます」
私と会うのを厳しく禁止し、その理由は危害を加えられるからだと言う。
その事に苦言を述べる者も多かったが、強引な理由で辞めさせたそうだ。
この屋敷で私と面識があるのは当主、姉、諏訪野の三人だけだ。そして明日からは二人だけになる。
・・・この後、誰かが来ることはない。
「私は、ここから出られないのかもしれないのね・・・」
覚悟はしていたけれど、やはり衝撃は大きい。
家の名前を守る為に食事を与え物を渡し、そして外に出さない。自害や餓死では噂になるから。
だから、老いて衰弱死するまでここで暮らさせる。・・・どうする。
諏訪野は私の顔を見て微笑んだ。
「紅姫様は強い心をお持ちですね」
「・・・何故?」
「このような辛い事実にも平然としておられます」
「・・・そんな、大層なものではないわ。諦めが悪いだけよ」
そう。まだ諦めていないから、暴発していないだけだ。完全に暴力以外の方法がないと
確信すれば、それを選択する。とはいえ手詰まりであるのも事実だ。どうする。
「紅姫様が理性的なお方で嬉しく思います。正直に申しあげますと、このお部屋に入った後、
 何かしらの仕打ちを受けるものと考えておりました」
それは、そうだろう。長年に渡って軟禁し続けたのだ。
私が家の者に対して相当の恨みや憎しみを持っていると考えるのは当然の事だ。
「安心して、と言っても信用して貰えないだろうけど・・・私は貴方には何もしないから」
「承知しております」
246四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 16:45 ID:MmxMCnHb
諏訪野は一点の怯えもない瞳で頷いて言う。
「紅姫様は一般社会で立派に暮らせます。私が保証いたします」
それは嬉しいけれど。
「でも、出る方法がない」
「はい。用意してあります」
言うと、扉の傍に置いてあった風呂敷の包みを私の前で開く。
複雑な模様の札が数枚、床に置かれた。
「それは?」
「はい、知人に鬼道─霊力の制御法に精通する者がおりまして、無理を言って試験段階の
 術札を借りて参りました」
札を手に取って観察する。繊細な模様は造った術者の霊的な感性をそのまま現しているのだろう。
緻密な構成だ。それだけに高度な霊力の流れになるのだろう。
今の私に、これ程細かい出力は無理だ。
「何だか、凄い。うん、ちょっと憧れる」
このような物が作れるようになれたら、私は体内の霊力を完全に制御したと言えるのだろう。
「ご理解、出来るのですか?」
「私も霊力との付き合いは長いから。詳しい知識はないけれど、何となく解るの。
 ・・・物質化、ではない。何だろう・・・何か作る筈なんだけど」
ほお、と諏訪野は驚いた様子で私を見詰めている。
霊力の操作に想像の力は必須だと経験で知っている。この札からは何かを操るような印象も受ける。
正体がはっきりしない。
「どんな術?教えて、諏訪野」
「はい。空間に作用する術で、発動させるとまず門を造り、次に遠い所にも同じ門を造るそうです。
 そしてこちら側の門とむこう側の門を直接繋ぐ通路を造る、そのように聞いております」
造り、操る。空間そのものを変化させるとは、相当な術者なのだろうか。
「試験段階らしいけど、何が問題なの?」
「はい。この札だけでは完全に安定させるのが不可能で、通路自体も短時間で消えてしまうそうです。
 渡る者自身が霊力を発しながら移動する。それが必須の条件だと言っておりました」
それならばやれる。これまでの成果を試し、更にはこの屋敷からの脱出も可能かもしれないのだ。
遂に、出られる。
247四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 16:47 ID:MmxMCnHb
「紅姫様、もうふたつだけ、問題があります」
私の興奮を冷ます声。諏訪野はあえてその声音で言ったのだ。
「ありがとう、諏訪野。少し先走っていたのね」
「いえ・・・その問題のひとつは、何処に出口が造られるのか全く予想出来ないということです」
発動した者と札の直線上に造られるのは間違いないのだが、その距離を調節する方法がないと言う。
出口が屋敷の敷地外なら良いが、失敗ならばこの部屋から出るだけかもしれないし、
出口が壁の中などの可能性もある。
楽観視は出来ない。
「この札は一度しか使えないの?」
「はい。それが最後の問題です。・・・どうしても賭けになってしまいます。確実な方法は
 見つかりませんでした。申し訳ございません」
苦い表情で頭を下げる諏訪野。
咎めるなど出来るものか。
「でも、出られる方法はこれだけなのでしょう?ありがとう諏訪野。貴方が探してくれなかったら、
 私は確実にこのままだった。諏訪野が謝罪する理由はないわ」
「・・・もっと早い時期に会いにくるべきでした。このような状況になってしまった原因に、
 私の不甲斐なさも含まれております」
堅苦しい性格は昔と変わらない。放って置いたら何時間でも謝り続けるだろう。
「良いのよ。こうして償いに来てくれたのだから、諏訪野が謝ることはないの。
 この話は終わりです」
「お心遣い感謝いたします、紅姫様」
248四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 16:49 ID:MmxMCnHb
札の使い方を教わり、彼は言った。
「そろそろ時間です。最後にお召し物をお受け取り下さい」
諏訪野は札が乗っていた服を持ち、私に手渡した。
一見地味だが生地そのものは高そうだ。私は早速両手で広げてみた。
「良いものみたいね。ありがとう、諏訪野」
諏訪野はこれは心外といった顔で言う。
「少し丈が短いかもしれませんが、ふむ、それ程おかしい印象はありませんな」
確かに短いような気がする。それでも着たい。最後の贈り物かもしれないのだから。
「紅姫様は、もしお屋敷から出られたとして、その後はどうなさいますか?」
諏訪野は私の行き先が決まる迄匿うつもりのようだ。
これ以上してもらうのは気が引ける。それにとりあえずの場所だが、当てがある。
「護廷隊に入ります」
あそこならば、この家の者でも強引な方法を使うことは出来ないだろう。
入隊と同時に寝床と食事は確保出来る。問題は除隊させられないように失敗をせずに
訓練や任務を続けることか。
体力への不安は大きいが、努力して克服するしかない。
「左様でございますか。どうかご自愛下さい」
真摯な眼差し。・・・切り上げよう。決心が鈍る。
私は安心させる為に手を握り、微笑んで言う。
「貴方も元気で・・・ありがとう、諏訪野」
「はい、どうかお気をを付けて。紅姫様」
一礼し、諏訪野は出ていった。時刻は深夜には少し早いといったところだ。
出るならば早朝だろう。護廷隊の詰め所なら記憶している。今行っても不審者として捕まるだけだ。
身の回りの物をまとめ、着替える。
私を支えてくれた玩具は持って行けない。残念だが、いつか帰って来れる日までここに置いておこう。
私は自らの立場を確立させる為に行くのだ。それが成ったなら必ず帰ってくる。
約束する。待っててね、皆。
249四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 16:51 ID:MmxMCnHb
窓の外が明るくなり始めた。
良い頃合いだろう。
私は教わった通りに札に込められた術を発動させる。
五枚の札が音もなく宙に浮き、それぞれが五角形の頂点となり空間と空間の境目を造り出す。
そして境目の内部の空間が消え、奥に向う通路が現れた。琥珀色の壁で作られ、私が立ったまま歩ける
程度の高さがある。
諏訪野が言った通りだ。成型する五枚の壁は常に形状を変化させていて、波のように唸っていた。
壁の凹凸により、出口が見えない。屋敷の外に出られるのだろうか。
・・・迷っていられない。行かなければならないのだ。
決意し、足を踏み入れた。感触は鉄のように硬く、それなのに柔らかく変形する。
私が霊力を発すると、通路の変形は一瞬で収まった。遠い出口から光が届いている。・・・出られる。
床が小さく隆起と陥没を繰り返した。気が抜け、放射する霊力が不足したのか。
改めて心を緊張させて歩き出す。安定に必要な霊力は私にとってはそれ程重荷ではない。
出口は遠いが、十分持つだろう。
250四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 16:53 ID:MmxMCnHb
無事入隊を果たし、訓練と任務を繰り返す日々が続く。
予想通りに体力のなさが悩みの種だったが、それも近頃では克服し始めた。
家の者が頻繁に訪れて私を家に戻そうとしたが、完全に無視してやった。
私の身が心配だからと言うが、本当にそれだけかと訊くと途端に黙り込む。
私が間違いを犯し、家の名に傷が付くことを恐れているのがあからさまに解った。
一度でも戻ったらもう出られないだろう。
諏訪野が言う通りらしい。私は人目を引く容姿のようで、結構声を掛けられた。
それ以上に『名家の次女』というのを計算している目。あまり気分の良いものではなかった。
そのような扱いでは誰かと付き合うつもりにはなれず、曖昧に流して済ませていた。
意識して冷たい態度をしている訳ではないのだが、どんな人でも数日で諦めた。
話しかけるどころか、目を合わせる事さえなくなる。
そんなものなのだろうか。もう少し根気が必要なものではないのか。
偶然聞こえた会話で、その疑問は氷解した。
家の者が私に近付く人にあらぬ事を吹き込んでいるらしい。そうでなければ金品で懐柔し、
私と接するのを止めさせているようだ。
怒りを通り越して呆れてしまう。そうまでして私を独りにしたいのか。誰かを傷つけ、家名に
響く事を避けたいのか。どうかしている。
それ以来、家の名前で呼ばれるのが嫌になってしまい、自己紹介の際には自分の名前だけを
言うようになった。
ようやく鬼道の訓練が開始された。霊力の扱いならそれなりの自信がある。きっと上手くやれる筈だ。
鬼道で名を上げて家に私を認めさせる。目標にやっと近づける。
251四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 16:55 ID:MmxMCnHb
・・・合わせるのがやっとだった。ひどいものだった。
私ではなく、訓練の内容が。何故言葉など使うのだろう。あんなに効率が悪く、時間も手間もかかる
方法が正しいとされているのが理解出来ない。
更には霊力を同時に複数の状態へ変化させるのは理論的に不可能とされていた。
私に任せてくれれば、言われるままに霊力を変えて見せたのに。
炎に氷を突き刺し、それらを突風で吹き上げ稲妻に変化させ地に落とす。
少しだけコツが要るだけで、誰でも出来る筈だ。
教官の言動から察するには、こういった私のやり方に気付く気配すらない。
よく教える立場にいられるものだと感心してしまう。下手な反抗は後々面倒に発展するだろうから
未熟な振りをしてつまらない訓練に付き合ったが、次の訓練には出る気がしない。
廷内の鬼道に関する書物も漁ってみたが、私がやれているのに実現不可とされるものが幾つもあった。
いっその事、教官の前で私の力を見せてやろうか・・・
いや、違う。これは紛れもない大きな機会だ。
戦闘任務のある護廷隊や、霊力制御の研究機関でもある技術研究局ですら誰も気付いていない鬼道。
一般人にも説明出来るように理論を確立させる事が出来たなら、間違いなく私の名前はこの世界に轟く。
私の名前と家の名が常にひとつとなって知られるようになる。
目標である『自らの立場の確立』を達成出来るのではないか。
上の者と共同で研究するならば環境や道具等は楽に手に入るだろう。しかし
それは嫌だ。大部分がその人の成果として世に広まるだろう。
誰にも見られず。知られないように研究する方法。・・・どうする。
・・・あの札、あの術を応用しよう。空間を制御し、私だけの研究室を造る。
幸いにも札の模様は忘れていない。同じものを作るのはそれ程難しくはないだろう。
私ならやれる。将来への道がはっきりと見えた。
252四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 16:57 ID:MmxMCnHb
失敗した。
任務中に判断を間違えてしまい、重傷を負ってしまった。
治療院で完治を待っている。時間をかけないと治らない種類の怪我だそうだ。
鬼道の才女と渾名が付き、術の研究が軌道に乗り始めた所だった。早く治してあの部屋に戻りたい。
誰も入れないように細工してあるので秘密が漏れることはないが、折角気付いた方法を書き留める
ことすら出来ない。こうしている間にも様々な課題が浮き上がり、解決の方法を模索してしまう。
・・・止めよう。考える程に研究室に戻りたくなる。そして戻れない現実に直面させられ、
精神面への負担が増すばかりだ。
研究室の手製の資料は大分増えた。私独自の補助具も作成し、将来訪れるであろう一般人向けの
資料も作ってある。今までの鬼道の常識を覆す理論も完成し、後は実践するだけといった術も多い。
・・・もう家に戻っても良いかもしれない。
私の名前で数ある理論のいくつかを公開させ、その反響が私を自由にするだろう。
任務に追われる事なく研究に没頭出来る。魅力的な環境が整う。
私自身も鬼道の研究が面白いし、家の者もそれを支えるだけで家名が高くなる。
このような命に係わる怪我もしなくて済む。・・・悪くない。
決めた。家の誰かが見舞いに来たら話そう。私は家に帰ると。
一週間経った。
人選で揉めているのだろう。誰でも良いのに。
二週間経った。
鬼道への対策を練っているのだろうか。私は何もしないのに。
一ヶ月経った。
私の決心は変わらない。早く来て欲しいくらいだ。
二ヶ月経った。
何故来ないのだろうか。
三ヶ月経った。
来ない理由を考える。考える。・・・考える。
253四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 16:59 ID:MmxMCnHb
そして退院の日。理由が解った。
死ぬなら死ね。迷惑を起こす前なら死んでも構わない。そういう事だ。
見舞いにより、私が快方に向うのを危惧したのだ。
それほど家名が大事なのか。──止めよう。
家の名を高める事で私を認めさせるのは止めよう。
完膚なきまでに叩き潰してやる。
屋敷の者を全て殺し、周辺の者も巻き込む。破壊と虐殺をもって私の存在を最大限に示す。
人々は家の名を意識する度に私の名前と凶悪な印象を思い浮かべるだろう。
歴史上の大罪人として記録に残す。私と家名は常に一緒になる。
誰もが私を家の一員として見做し、一家で最も有名な者になるのだ。
必ず、実現する。決めた。

研究室に戻ってからは破壊術ばかりを開発した。
私の中の渦巻きが煩い。赤い螺旋。気分が悪い。何かにぶつけてすっきりしたい。
研究室の隣に新しく部屋を設ける。実験用の大部屋で、中央に檻を作った。
強力な呪いとも言える治癒結界を内部に生成させる。
後は虚を捕らえ、この中に入れるだけだ。
254四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:01 ID:MmxMCnHb
任務中に半ば偶然だったが虚を生け捕ることに成功した。
虚は檻から脱出しようと全力で殴り、体当たりをしている。
その程度で壊れるような生温い作りではない。
ごうごうと渦が煩い。もういい。やってしまおう。
とりあえず弱らせる為に霊力の弾丸で虚の肩を集中攻撃する。表面が破れ肉が裂け骨を砕く。
虚は肩を庇うが、弾丸の軌道を変えてやるだけで全く無意味なものになる。
千切れかけた腕がぶら下がる。意味不明な叫び。煩い。
霊力の鎖で磔にして、損傷の回復を待ってやる。死なれたらまた調達しなければならないからだ。
外見上は元通りでも痛みは残るらしい。グウウウゥ、と唸っている。
不意にびくりとその身体を震わせた。何だろう。
ああ、そうか。私の笑みに驚いているのか。思い切り衝動を叩き付ける対象が出来たことに、
私は喜びを隠しきれない。
さあ、始めよう。今まで堪えていた分を出し尽くそう。
すべてをぶちまけよう。
火傷に凍傷を重ね切傷で埋め尽くし骨も絶ち脱臼も忘れないそして打撲で黒く染めてから
刺傷を何百と造りもう一度焼いてきれいに真っ赤に何もなかった事にして、
切って凍らせて殴って撃つ削ぐ打つ斬る剥がす割る捩じ切って潰して折曲げて貫く。
く、ふふっ。
壊す。壊す。壊す。
指の先から体の中心まで丁寧に丁寧に痛みつける。
一切手を抜かずに狂おしい純白の愛に匹敵する高密度の闇色の憎悪を塗り固める。
体内の渦は収まらないし私も抑えない。溢れる、解放する。
虚が叫んでいる。ありったけの気力で私を圧倒しようと叫んでいる。
「ガアアアアぁアアあアァあはアアアあはアは!はははッはァははははははっ!」
どうしたの?私の声の方が大きいじゃないの。
知らなかった。思いっきり出すのって、こんなに気持ち良いんだ。もっと早く気付けば良かったかな。
もっとすっきりしたい。私は檻に入り、虚に近付く。霊力で爪を創り、
挿す挿す挿す開く入れ掴む千切る、引き裂く混ぜる捏ねる出す引っ張り出す抉り出す突っ込む。
逆流なんかさせないよ穿つひゅうひゅう笛みたいだね流し込む霧になって吹き出るびくんびくん。
255四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:03 ID:MmxMCnHb
苦しむ虚が当主と重なる。私の苦しみはそんなものではなかった。
辛そうに悶える虚が姉と重なる。この程度で辛そうにするな。
私はずっと苦しかった。辛かった。もっと苦しかった辛かった。
ねえ、知ってる?
何回季節が変わったと思う?日が昇ったのは三桁を下らないのよ?
時計の短い針なんて何千回も回ってるのよ!?
今にも狂ってしまいそうな状態に何万時間も耐えてるのよ!?
何故こんな目に遭わねばならないの!?何なの?いつまで続くの!?
何回死のうとしたのか知ってる?その決意を何回殺したか知ってるの?
いつまで死に続けて殺し続けなきゃいけないの?
私が一体何をしたというの?いつになったらこの屋敷から出られるの?
もう大丈夫なのよ?ちゃんと生活できるんだよ?迷惑なんてかけないんだよ?
父さん、何故あの時はっきりと言ってくれなかったの?
姉さん、何故あの時何も言わなかったの?
わたしは何なの?
どうして、どうしてだれも触れてくれないの?
こんなに頑張ってるのに、まだお部屋から出れないの?
お父さん、何ででわたしはだれともおはなししちゃいけないの?
おねえちゃん、なんでわたしと遊んでくれないの?
おかあさん、なんでわたしをうんだの?
わたしは生まれちゃいけないこだったの?いらない子だったの?
いっしょうけんめいかんがえたんだよ。ひとりでかんがえたんだよ。・・・わかんない。わかんないよ。
なんでおそとにでちゃいけないの?だれかといっしょにおしょくじしちゃいけないの?
おともだちとおべんきょうしちゃいけないの?
どうしてだれもいないの?どうしてわたしはひとりなの?
わたし、わるいことをしたの?
わるいことをしたから、こんなにさびしいんでしょ?これってばつなんでしょ?
どうしたらゆるしてくれるの?
ねぇ、おしえてよ。わたし、しりたいだけなの。
どうして?どうして、こうなっちゃったの?
ほんとはなにもしてないんだよね?わたし、わるくなんかないんだよね?
こたえてよ。おねがいだから。
256四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:05 ID:MmxMCnHb
ふらりと身体が揺れた。
私は、泣いているのか。理由が解らない。
虚は瀕死状態になってしまった。この檻の中でも回復には時間が必要だろう。
私には十分な余力があるが、今日は止めよう。何だか気持ちが萎えてしまった。
胸の渦の勢いはなくなって、霧に変化しふわふわと漂っている。
こんな事では駄目だ。もっとしっかりと気持ちを持たないと。
やり遂げなければならないのだから。
257四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:07 ID:MmxMCnHb
階級が上がり副長になった頃でも、いくら全力の破壊術をかけてもすっきりしない。
霊力の殆どを出し尽くしても、物足りない。頭の中の渦がなくなる事がない。何故だろう。
…そうなのだ。虚では駄目なのだ。人のかたちではないから、すっきりしないのだ。
だがそれは避けなければならない。知性の高い人をさらうのは危険だ。
必ず誰かが気付き、調査が始まるだろう。そうなれば私自身にもその手は伸びるだろう。
万が一、この事が露呈したなら目標は達成出来なくなる。そんな最悪の事態にしてはならない。
開発した術については全てを確認し終えている。無理にさらう必要はないのだ。
思い付くあらゆる方向は検討したが、これ以上開発出来るとは思えない。・・・この辺りが限界か。
実験室を消そう。虚が予想外の行動をするとは思えないが、万全を期す為だ。
そして暫らくは休養し、体調を整える。
そのように決めてしまえは自分でも驚くほど時間を持て余した。
霊力を出来るだけ温存する為に息抜きに行っていた人間界へ渡るのも止めて、部屋の玩具と遊ぶ。
久しぶりに楽しい。昔を思い出す。そうだ、あの頃はこんな毎日だった。
一番のお気に入りはけん玉だ。
木と木が当たる音が心地よく、自在に跳ねる玉がいかにも楽しそうで、全然飽きない。
こうして遊べるのは後僅かだ。その思いが私を夢中にさせた。自然に声が出てしまう。
何だか、自分の声には聞こえない。こんな声、出せたんだな・・・
258四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:09 ID:MmxMCnHb
─!肩を叩かれた。見られた─!
振り向くと彼がいた。…この遊びも終わりか。少し残念だけど、仕方ない。
だが彼は私の玩具はそのままで良いと言ってくれた。
それどころか、また来ても良いかと言う。
帰り際に笑顔を見せてくれた。とても自然な目で笑ってくれた。瞼に焼き付いて消えてくれない。
もう一度見たい。どうすれば見れるのだろうか。
数日してから彼の部屋に押し掛けた。結局、彼に笑ってもらう方法が解らなかった。
何か手掛かりが欲しくて、来てしまった。
…とりとめのない雑談をしながら、ある書物が目に止った。
訊くと、彼は料理が出来ると言う。私の味覚が衰えていなければ、彼を喜ばせることが出来る
かもしれない。あの笑顔を見れるかもしれない。
その書物を借り、台所で初めての料理をする。材料を上手く切れない。調味料を間違えてしまう。
それでも味覚は昔のままだったらしい。助かった。

何とか出来上がった。手の込んだものではないし、材料の切り方は下手だ。でも味はそこそこだと思う。
早速、彼に食べて欲しくて誘ってみる。
快く承諾してくれた。
彼の部屋に持っていき、ちゃぶ台に乗せる。どうだろうか。美味しいと言ってくれるだろうか。
彼は何も言わずに黙々と食べている。私の視線に気付き、美味しいと言ってくれた。
安堵感が心に広がる。─良かった。
彼は素直に私を褒めてくれた。…私を見てくれている。家の名前を気にせず、私だけを見ている。
胸が熱い。もっと見て欲しい。どうすれば見て貰えるのだろうか。
そればかりを考えるようになった。
259四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:11 ID:MmxMCnHb
彼との付き合いは続き、時間と共に胸の熱は高まる一方だった。
ひとりで居る時も考える。彼は今何をしているんだろうか。何を考えているのだろうか。
どうしたら、喜んでもらえるだろうか。…そうだ、人間界に連れていこう。
私の気に入ってる所に行こう。きっと楽しんでもらえる筈だ。
彼の義骸も作らないと。それから、服も用意しなければ。
義骸は自分のものと同じく、人間に限りなく近い構造にした。
技術研究局から盗んでも良いのだが、完全に間違っている構造なのが私としては気に入らない。
顔や厚い胸、太い腕などは作っていて楽しかったが、性器には苦労した。
…色々と想像をかき立てられてしまい、正視するのも難しい。小さすぎるのは失礼だと思うけれど、
大きすぎるのもそれを期待してると思われそうで気が引ける。私としては、やはり満足したいし、
それなりのものはあって欲しい訳で、でもその欲求をそのままカタチにしてしまうのはどうかと思う。
結局、技術研究局の今では使われていない情報を元に、標準の大きさにした。
私の変な意志が入っていない分、納得は出来るか。
機能が正常か調べる為に中に入り、検査もした。
視線が高い。一歩ごとの動きが大きく、違う世界に居る気分になってしまう。いつも使っている道具が
小さく感じられる。彼の手はこんなに大きかったのか。
五感は問題ない。そして、性器である。神経の通り方は標準の筈だが、私自身には付いていない器官だ。
全くの未知の感覚、本来なら知りようがない感覚を試そうと手を添える。
・・・意味があるのだろうか。
私には本当とどれほど違うのかは解らないし、知ってどうなるものでもない。
それに、一方的に彼を辱めるだけではないのか。彼はこの時を知らないけれど、それだけに
余計なことはしたくない。
知的好奇心を断ち切り、義骸から抜け出る。・・・性器の機能に関しては私自身で確かめるのが一番だろう。
そのような雰囲気になれれば良いけれど、・・・そういえば私の義骸も試してない。
彼に確かめてもらおう。それが良い。
とは言え、彼が私を想ってくれているというのが前提である。それを確かめるのはとても困難に思えた。
だが急ぐ必要はない。今は私を見てもらうのが先決だろう。
焦ったら失敗する。今までそうして来た様に、一歩一歩を確実に進めよう。
260四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:13 ID:MmxMCnHb
彼は私の提案を受けてくれた。
規則を破り人間界に私用で来ることに抵抗感はあったようだが、私を信頼してくれた。
嬉しい。出来れば体で表現したいけれど、流石に躊躇われた。
それでも手を繋いでいるだけで笑みが浮かんでしまう。想っている人が傍にいる事が確かめられるだけで
こんなにも心が高揚するものなのか。
「そんなに好きなのか?」
彼は私の顔を覗きながら言った。確かにその通りだけど、そんなのはどうでも良いくらいに、今が楽しい。
「私は、好きですけど」
何が、は言わなかった。その対象は二つだから、そのひとつは口にするにはまだ早すぎるから
言わなかった。
「なら期待するからな」
「楽しいですよ」
楽しい。本当は彼といるだけで十分なのだ。こちらに来る必要は全くなくて、ふたりきりになりたかった
だけだ。目的地に着くまでのこの時が何よりも良いものに思える。
そして目的地に到着し、ふたりで思いっきり楽しんだ、とは言えなかった。
彼は不慣れな乗り物に翻弄されていただけで、楽しかったのは私ひとりだ。
失敗だったかな。嫌われるまではいかないだろうけれど、このような事は繰り返さないようにしないと。
次があれば、心を落ち着ける所に誘おう。
楽しんでもらえる事をしよう。今日は楽しんでもらえなかった。
少量の満足感と沢山の不満足感が体中で争っていて、彼を送り出すこの時になっても
上手く笑顔が作れない。
折角の休日が、こんな終わり方になってしまうのか。嫌だ。何とか、しなきゃ─
突然に視界が暗くなった。
「え、あ」
驚きの声をあげながらその理由を知った。背中の一部と、体の前面が触れているのは。
じわりと温かさが染み入ってくる。昼間に手から伝わる温かさは私の楽しさを倍増させたけれど、
今の半身から得られるそれは、私の心を焦がすだけだった。熱い。熱くて、溶けてしまいそうだ。
このまま溶けてしまったら、どんなに──
261四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:15 ID:MmxMCnHb
と、彼が離れる。熱が冷める、冷めてしまう。
何故、やめてしまうの?
「悪い。今のは、忘れてくれ」
彼はそう言うと背中を見せた。
強引だから、私が嫌がっているだろうから止める。そう考えているのか。
私は、続けて欲しい。強引でも無理やりでも構わない。
「そんなの、無理です」
ちゃんと責任を持って、最後までしてください。その想いを込めて手を握る。強くは握れない。
私の意志を押し付けたくはなかった。彼もそうしてくれたのだから、私も倣うべきだ。
不安げな顔。手はそのままで、私を見詰めている。
数秒に満たない静止、そして彼は体内の欲求に抗えずに私を抱きしめた。
彼の大きさを改めて実感する。逞しい身体、ゆっくりとした呼吸。
お互いの意志を確認する口付けを交わす。
彼はこの場所で始めようとする気配をこれでもかと発していた。私としても嫌ではなかったが、
出来れば寝室で、布団の上でしたい。余計なことを考えず、彼だけを感じたい。
布団を敷く途中でされてしまうのかな、との考えもあったが彼は待ってくれた。
敷き終わると始める切っ掛けをどうしたら良いのか迷う。
真正面から見据えられた状態で抱きつくのはあまりにも恥ずかしい。だからといって、
お願いしますと手をついて言うのも違う気がする。
もう一組敷ながら考えよう。再び押し入れに腕を伸ばす。
─と、彼の手が私の手を包んでいた。
髪に熱い息が被さる。
その後はただただ肌を重ね合った。心そのものを触れられる嬉しさとそれに付随する快楽に私は酔った。
意識が途切れ、自分を失いそうになってしまう。何とか持ちこたえても、間を置かずに
気が遠くなる。この快感に塗り尽くされたら終わりだと自らに言い聞かせ、一方でそうなってしまいたい
と考える自分に従おうとしている。
・・・彼はどう考えているのだろう。
無理をせずに失神して欲しいのだろうか。それとも堪えて交わり続けるのを望んでいるのか。
私は、続けたい。彼の最後まで付き合ってあげたい。
262四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:17 ID:MmxMCnHb
荒い息で何度目かの消滅を必死でやり過ごし、彼の胸に倒れた。
体中の力は消費し切っている。次は耐えられないだろう。耐えられない、というのはどんな感覚なのだろう。
彼は私を優しく布団に寝かせて結合を解き、掛け布団の中で抱きしめてくれた。
今まで生きてきて最も満ち足りているのだろう。特に理由がないのに笑顔になっている。
この時がずっと続いて欲しい。
・・・彼が居なかったら、今頃どうしていただろうか。死んだ赤と燃え盛る赤の中で
笑っているのか、泣いているのか。或いはその両方か。
結局は彼等も私を支えてくれたのだ。その気があれば食事に毒を仕込み、弱らせてから
そういった処理に長けた者を使って仕留める程度の事は出来た筈だ。
当主がそれを実行しなかったのは、私への感情を断ち切れなかったからだろう。姉が来なかったのも、
身の危険を感じればこそだ。もし私でも似たような選択をしてしまうだろう。
治療院に誰も来なかったのは遠まわしな離縁状のつもりだったのだ。それ以来、家の者は誰一人として
私に姿を見せず、気配すらないのがその証拠だ。
・・・責められるものか。
私は、自己満足の為だけに彼等と、全く無関係な周辺住民を死なせようとした。
何て、ひどい女。
実行していないから罪ではないかもしれないが、私は罰を受けるべきだ。そうしなければ自分が許せない。
彼に全部話せば、多分許してくれるだろう。だから話さない。一生胸のわだかまりを抱え、
この幸福感を本物にさせない。偽物の幸福感に私は生きる。
私はひどい女だから、罰を受けなければならない。
これからもずっと彼の傍にいて、心の隙間に目を向けながら生きよう。彼を見てはならない。
最も望むもののすぐ前で立ち止まり、目を逸らし手を伸ばさない。何があっても自分のものにしない。
どんなに欲しくても歯を食いしばり爪が食い込む程に拳を握り、その場に立ち尽くす。
それが私の罰だ。

彼のモノになろう。
何かの物として彼の傍にいられたら、私の望みはその物が消滅しない限り持続する。
偽物の幸せに縛られ続けることが出来る。私にとって最も相応しい終わり方だ。
彼が肌身離さない物とは何か。どうすればそうなれるのか。
263四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:20 ID:MmxMCnHb
二回目の人間界での休日を過ごし、そして次の月の連休。
私は遅めの昼食の後に彼の部屋に行く。彼が誘ってくれなかったら私が呼んでいただろう。
そうなっていたら二人でゆっくりと過ごすつもりだった。特に何をすると決めないで羽を伸ばすだけ
の休日。それでも夜になれば偽者の幸福感を求めているのだろう。
週一回の非番では何も出来ない分、行為が激しくなってしまうのは想像しやすい。
これから彼の部屋に行っても、私が呼んでいた時と同じことをするだけだ。
それでも嬉しくて、頬を染めながら彼に返事をしてしまった。
・・・嬉しいのか。辛いだけではないのか。求めるものにどれだけ近付けても手にしないなら、
それは生き地獄と呼べるだろう。
それでも構わない。私は永遠にそこに居続ける。
ひどい女。もっと罰しなければならない。
264四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:23 ID:MmxMCnHb
彼の部屋に入る。彼は笑顔で招き入れてくれた。
早速、といった感じで鍵をかけて私を後ろから包む。
「おかえり」
違う。私の居場所ではない。こんなにも温かくて心安らぐ所は、私には相応しくない。
違う。違う筈だ。そうでなければならない。
「ただいま、戻りました」
見せ掛けの返事。本心とは掛け離れた言葉だ。どんなに自然な声でも本音ではない。
その筈なのに、そう思わなければならないのが、辛い。
肩越しの口付けを交わし、彼に体を預けた。
彼の口付けは終わらず頬や耳にも届く。腹にあった手は胸と腰を強く撫でている。
その愛撫は服を隔てていて、私が受ける感触は手の動きとは違いとても弱い。
もどかしさに身を捩りながら私は言った。
「もう、するんですか?」
彼は珍しく幼い笑みで言う。
「嫌か?」
明らかに期待が込められた声。稚拙で、それだけに誤魔化せない要望だ。
真っ直ぐに受けてはいけない。それをしないのが私の罰。
「仕方ない人ですね」
彼の頬に手を当てながら二度目の口付け。その間、部屋で動く物体はひとつもなかった。
平穏な静寂と、本物に限りなく似た偽りの幸福だけがあった。
彼が離れ、喜びの表情で私を抱きかかえた。そしてややおどけた声で言う。
「一名様、ご案内ー」
彼は寝室への襖を足で開け、私の目には綺麗に敷かれた布団が写る。彼を見上げると、
照れ笑いしている。つられるように私も胸が高鳴る。
偽物でもこんなに嬉しいなら、本物はどんなに素晴らしいのだろう。
・・・駄目だ。駄目なんだ。
265四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:25 ID:MmxMCnHb
布団に寝かされ、大きな身体が被さってきた。
首筋に柔らかい唇が押し当てられ、片方の手は帯を解き始めている。
もう一つの手は私の肌に触れていて、撫でると脱がすを両立させている。
先ほどのもどかしさが溶け、女としての機能が目覚めていく。
「はぁ・・・ん」
吐き出される息が熱っぽい。私には見えないけれど、肌も染まっているのだろう。
両肩が外気に晒される。上半身の右半分は既に触れられ、腰の左側と左足に彼の目が届く状態。
そして彼は要領よく私を生まれたままの姿に、しなかった。何故だろうか。
身体を起こし、きまりが悪そうに彼は言う。
「その、何だ、脱ぎかけって色っぽいんだよ」
「・・・そうなんですか?」
そんなものなのか。よく解らない。
「お前の身体はきれいだし、何回見ても飽きないんだけど、偶には、こういうのも良いなって思うんだけど」
要するにこのまましたいらしい。彼が望むなら、拒む理由など何処にもない。
それでも、
「しわだらけになってしまいますよ、服が」
「気にするな。俺しか見ないんだから」
私の主張は彼の勝手な都合で却下された。少年のような笑みで言われては、どうにも出来ない。
「・・・本当に、仕方ない人なんですね」
引き寄せ、唇を重ねた。隙ありと彼は私の左膝を持ち上げで胴体を滑り込ませる。
とろりと尻の谷間に秘蜜が伝わるのが解った。
「あ、・・・」
羞恥で顔が一層熱くなる。
始めからそれ程経っていないのに、私の身体は彼を受け入れられるようになっていた。
いつから、こんなにいやらしい身体になってしまったのか。
私の思考を見て取ったのだろう。
「そんなに変なことじゃないぞ。前の休みから、一回もしてないんだから、な」
興奮を高めた彼は下半身を露出させながら言い、力強く膨張した性器が目に入った。
266四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:27 ID:MmxMCnHb
何だか、前よりも大きい気がする。見るほどに秘所の疼きが強くなり、胸の鼓動が早くなってしまう。
・・・欲しい。満たされたい。
「どうした?」
彼の声で我に帰る。
「あの、・・・ええと」
急かすような言葉が出せる筈がなく、だからといって他に適当な言い訳も見つからない。
「…ごめんなさい」
何となく謝ってしまった。早くしたいのは彼も同じだし、邪魔をしてしまったのは悪い事だと思えた。
彼は気にした素振りを見せずに言う。
「いや、俺も見惚れてたから、お互い様だろ」
彼は性器を私の入り口にあてがい、先端を少しだけ入れた。
「ん、あ…」
やはり、大きい。前よりも一回りも二回りも太い、気がする。
たったこれだけなのに圧迫感は強く、一体感も同様に高い。
進入は止っている。見上げると、彼も戸惑っているようだった。
「はぁ、なんか、この間よりも、良いな」
結合部から離れた彼の視線をまともに受けてしまった。興奮に彩られた顔。
どくんと心臓が加速する。何で、こんなになっているのか。
「悪い、待たせたな」
言うと、侵入を再開させた。
「は、…う、んああ…ん」
じりじりと灼けるような快楽がせり上がってくる。目の焦点が合わなくなり、全神経で彼の
性器の動きを追っていた。あと少しで全部入る。奥に届く。
ずん、と急激な白い波に襲われた。
「ゃ!…ああ、ん、は、あ…」
彼は堪え切れず、一気に奥まで突き入れたのだ。その行為が彼自身の昂ぶりを現していて、
訳もわからず私は嬉しくなる。下腹の甘い痺れは尚も持続していて、うまく思考が働かない。
目を閉じて心を落ち着かせる。…良し。
267四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:29 ID:MmxMCnHb
瞼を開く。彼の顔が文字通り目と鼻の先にあった。
恥ずかしさを意識しながら私は言う。
「何、ですか?」
「…入れた直後の顔って、可愛いんだ。どうしても近くで見たかった」
聞く側の私でさえ赤面してしまう言葉。彼はそれにも気付けない程、衝動に駆られていたのか。
濃い視線を送られ、深い口付けをされる。
私の存在を確認するような、ゆったりとした舌の動き。
「ん、・・・んふ、んん、は、ん」
唾液の混ざる音と息が漏れ出す音だけが聞こえ、堪らない気持ちになる。
ひとつになってしまえば後は登りつめるだけ、という安易な予想は外れていた。
私を欲求の捌け口にはしたくないという意思が感じられる。嬉しい。
大きな背中に手を回そうとしたが、叶わない。彼の指が絡まり、布団に押し付けられている。
逃がしてなるものか。そんな心が伝わって来そうだ。
彼の腰が波を打ち始める。私から離れることなく中を撫でてくれている。
口での愛撫も続いていて、頭がどうにかなりそうだ。
「ん、ん・・・ぅん!はああ、ん・・・ん!」
性器による愛撫に、前後の動きが加わった。少しだけ離れて、入れる。ぐるりと撫でて、鈍い衝撃が
背骨を貫く。止まることなく刺激が送られて、息が荒くなってしまう。
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。口を塞ぐものがない。彼の唇はすぐ傍にあり、何度目かの我侭をかたちにした。
「悪い。・・・我慢、出来ない・・・っ!」
ぐ、と身体を起こして性器を引いた。先端が辛うじて中に残り、終わりの始まりであることを告げる。
心の準備が整う前に最奥まで満たされた。
「うあああ!」
268四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:32 ID:MmxMCnHb
私の艶声が響き終える間もなく引き抜かれ、突き入れられた。
「あ、ん!・・・は!う、・・・あ、うああ、あああ!」
彼の動きに私は翻弄される。ごつごつと脊髄まで届きそうな挿入。彼の表情は恐いくらいに真剣で、
私の全てを欲していた。・・・駄目、だ。何もかも教えては、ならない。
「く、う!ああん!だ、だめぇ!・・・や、ああん!」
「何が、駄目なん、だ?言って、くれないか?」
獣のように激しく交わりながらの会話。・・・言ってしまったら、本物になってしまう。
偽物の幸せで、我慢しなきゃいけない。ひどい女は、罰を受けなきゃいけない。
「ごめん、なさい・・・はぁん!ふ、あああ!」
「う、あ・・・いつでも良いから、はぁ、言ってくれ、よ・・・っ!」
がつんがつんと大きかった揺れが次第に小刻みになっていく。快楽が心の閂を軋ませる。
言ってはいけない。・・・言いたい。言いたい。閂を内側から蹴破ろうとする欲求が際限なく膨らむ。
言えない。聞いて欲しい。
「わ、わたし・・・っ!わた、しっ!」
彼は私を抱きしめ、尚も腰を振るう。彼の耳が口元にあり、どんな小さな声も聞こうとしている。
心から聞きたがっている。言って、しまいたい。
「ごめんなさい、ごめん、なさいっ!きゃ、あああああん!」
何て、ひどい女。あんなにも悪い事をしようとしたのに、自分勝手な都合の為だけに話さないのに、
幸せが欲しい。駄目。本物が欲しい、駄目だ。
彼の背中から手を離さなきゃいけない。でも、離したくはない。ずっとこのままでいたい。
それでも、やめなくちゃいけない。そうすると決めた筈なのに。
・・・快感で頭が回ってくれない。・・・わたしは、どうすれば良いの?
「わた、っ!っ!・・・く、ああああ!」
「く、う!・・・っ!」
野太い咆哮と最も強力な快楽が私を襲う。
彼は私の身体が折れそうな程強く抱きしめ、性器が心臓に届きそうなくらいに腰を突き出して
がくがくと痙攣しながらその想いを迸らせた。
269四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:34 ID:MmxMCnHb
全身を駆け巡る快楽。私は息すら止めて、飲み込まれないように飲み干した。
「ん!…は、んん!」
一息つく度に自分を失いそうになり、身体に再び散った快感に目覚めさせられる。
身体を震わせ、何度も快楽を飲み直しながら私の両腕が彼と同じく背中を引き寄せているのを知った。
それだけではなく、脚が彼の尻に巻きつき、性器をより深い所まで押し込もうとしている。
・・・言えなかった。これで良かった筈だ。
彼は私の中の余韻をも味わおうと重ねた唇から舌を通し、腰をくねらせている。
少しずつ、収まった興奮が盛り上がってしまう。
「ん、あ・・・はふ、っ・・・はぁ」
名残惜しそうに頬に口付けて離れた彼は、とても穏やかな表情だった。
私に静かな視線を落とし、何も言わない。
・・・待っている。私が心の内を開かすのを期待してくれている。
今、言わなかったらどうなってしまうのか。彼の心は離れてしまうのではないのか。
こうして交わる事もなくなるのか。・・・この温もりを手放す。独りに戻る。
嫌だ。それだけは嫌だ。・・・言うな。誓いを破るな。私は許されてはいけない。まだ許す気にはなれない。
─いつになったら、許せるようになるのだろうか。
「無理、させたか。・・・そんな顔するな。悪かった」
自分がどんな表情なのか解らないけれど、彼は優しく頭を撫でてくれている。
いつかは言わなければならないだろう。・・・今は言えない。まだ、言えない。
「・・・ごめんなさい」
私は小声で謝った。何も言わずにはいられなかった。応えられないなら、素直に謝罪するしかない。
彼は微笑んで再び私を抱き締める。何もなかった様な優しい抱擁。
・・・言うべきだったのかもしれない。言わない限り、何かをする度に新たな重荷が増し、
心の壁は厚くなる一方だ。
─それでもいい。それが彼の傍にいられる代償であるなら、いつまでも払い続ける。
この身が潰え心が擦り切れるまで。
270四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:37 ID:MmxMCnHb
ついに私の望みが叶おうとしている。
これで良い。完璧な方法を採り、これ以上はないと断言できる状況で実行出来た。
─その筈なのに、何故こんなに後悔しているのか。
彼はとても辛そうな顔で私を見詰めている。言葉を噛み殺し、その身の衝動を抑えている。
これが、私の望みだったのか。・・・・・・違う。
彼が苦しむ事を全く予想していなかった。考えもしなかった。自分の願望だけを見て、それ以外の
ことは一切排除していた。莫迦だ。最後の最後に気付くとは。
終幕の寸前にこんなにも重い罪を犯してしまった。
それを償う時間はない。方法もない。心が裂けそうな感覚。・・・最悪だ。
ひどい女は最低の女に成り果てた。これこそが神が下した罰だ。避けることは許されない。
本当に、やらなければ良かった。こんな事になるなんて。
強引に彼を眠らせて私だけで始末するべきだった。・・・今更、どうすることも出来ない。
このまま消えるしかない。
視界が赤く染まり始める。四肢の感覚が消えていく。時が無くなる。
神様、最後に少しだけ言わせて下さい。
「ずっと、待ってますから」
もし許されるなら私を、──────・・・・・・・・・・・ ・・・ ・・
271四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:40 ID:MmxMCnHb
赤が広がっていた。
どこから始まってどこで終わるのか、焦点が目の前なのか遠く離れた所なのかも解らない。
赤。
この赤から放れることも、近付くことも出来なかった。
最初は身から零れる赤。意志と無関係に触れる物を焼き、制御に苦労した赤だ。
次は心を染めた復讐の赤だ。勝手な思い込みに胸を燃やし、くすんだ赤と輝く赤で私を認めさせようとした。
そして温かい赤。彼の温もりにどれだけ救われただろう。私自身の生き方を見詰め直す切っ掛けであり、
絶対に手に入れないと誓った赤だった。
最後の赤。私の望みが叶った証拠であり、私にとって最悪の結末を招いた赤。
名前が示す通り、赤で埋め尽くされた人生だった。
もう戻れない。解っている。・・・戻りたい。彼にもう一度だけでも抱きしめてもらいたい。
解っている。この終わりを受け入れなければならない。どうあっても覆らないだろう。
それでも最後には、最後なのに私の新しい望みを言ってしまった。
もし私が許されるなら戻れるのだろう。可能性は零ではない程度。
彼が私の研究室に気付き、更にはここから戻る方法を発見する。私ですらその方法の手掛かりは見つからなかった。
・・・あり得ない、か。
272四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:43 ID:MmxMCnHb
不思議と手足の感覚はまだあるが、動かしても見えないし、そもそも立っているのか寝ているのかも解らない。
暑さ寒さを感じない。音や匂いもない。赤いだけの世界だ。
普通の人ならこの赤い世界を不快に思うのだろうけれど、私にはそうは感じない。
──赤。私の根源であり、全てを表す色だから。
何だか眠い。慣れ親しんだ赤に心が拡散していく感覚。さらさらと崩れ、赤と一体化していく。
自分の末期だというのにとても落ち着いている。当然か。今ここには私が係わったあらゆる赤があるから。
ようやく自分を把握したのだろう。感情の起伏さえも支配下にあると言い切れる。
眠ろう。目覚めの可能性は低い、いや殆ど無いだろうけれど、この終わり方なら納得出来る。
・・・そうでもないか。
彼の口から一番聞きたかった言葉が出なかったな。彼は行動で代弁していたけれど、やっぱり聞きたかった。
彼が望まないことをしてしまったのだから、これ位の罰は仕方ないだろう。
私は彼を不幸にした。それが全てだ。弁解のしようが無い、真っ当な結果。
はぁ、あんなに色々やったのにな…空振りだったな。
本当にごめんなさい。
273四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:45 ID:MmxMCnHb
呼ばれた、気がした。
ありえないと確信していた目覚め。意識出来るのはその事実と、暗闇だけだ。
どうして私は消えなかったのか。…違うか。まだ消えていないだけだろう。赤の世界さえも認識出来ない程に私は崩れて
いるのだ。何の拍子で自身を取り戻したのかは不明だけれど、終わりは間近だ。
…ひどく寒い。ぎしぎしと身が削られるような冷気が私を包んでいる。…寒い。
誤魔化そうと仕方なく歩く。進んでも曲がっても止まっても黒一色の景色。
幼い頃に戻った感じがする。懐かしい。独りきりになった最初の夜もこうだった。とにかく寒くて、寂しい夜。
握り締める布団も湧き上がる悲しさもないけれど、死んだような静寂だけは同一だ。
…何も残らなかった。何も残せなかった。それは生きた証拠がない、ということだ。
最低な女にはお似合いだ。間違いない。
…それなのに、どうしてこんなにも心が痛いのか。どうして認めたくないのか。
──こんな筈じゃなかったのに。どうして…こうなってしまったのか。
今更どうにもならない。それを理解しながら、それでも思考を止められない。
もっと早く家の事を捨ててしまえば良かったのか。捨てきれると断言出来るのか。こんなにも悩んで、迷って、
それ程までに大きい存在を無きものと扱える訳がない。…帰りたかった。見て欲しかった。
こんな私を好いてくれる人も居る。きちんと玄関から帰って、別れを告げたかった。父と姉に会って、彼を紹介したかった。
…夢だな。私が壊した夢。恐らくは私の本当の幸せ。
もう戻れない。解っている。その筈なのに。
274四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:48 ID:MmxMCnHb
ふと足元に暖かい外気が触れた。膝を曲げて手探りで確かめてみる。…何だろう、これは。
私ひとりが丁度納まるくらいの範囲が暖かい。堪らずその狭い空間に身を横たえた。
これも懐かしい。彼と初めて交わった後の布団もこうだった。
…もう、あんな幸せは戻らない。
すぐにその熱は私に奪われて、凍りそうな床と身を包む冷気がより確かに感じられるようになる。
横になっているのが辛く、私は立った。
胡坐をかいて俯いている彼が目の前に居た。…幻、だ。こんなものを私の心は作ってしまったのか。
消える寸前の悪あがきだろう。それでも会えた事には変わりなく、嬉しい。
暗くなる意識を感じながら彼の名前を呼んだ。
律儀に反応してくれた。残念ながら笑顔ではなかったけれど、私を見てくれている。
身体に力が入らなくなって、彼に向かって倒れてしまう。どさり、と受け止められる感触まであった。
たとえ幻でも彼に会えて、この広い胸の中で終われるなら文句などない。
良かった…ああ、そうだ。最後にお礼を言わないと。
ありがとうございました。
275四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:51 ID:MmxMCnHb
冷たい。…眩しい。
これが魂の戻るところなのだろうか。輝きながら波打つ白い闇、頬を滑る冷たい風。さわさわと木の葉が揺れる、音…?
眩しさは一層厳しくなって、たまらず目を隠す。…隠す?
何で、そんな事が、出来るのか。そんな事が解るのか。
意識が鮮明になるにつれて、混乱も大きくなってしまう。
終わったのではないのか。消えてしまった筈だ。…私は。
光を遮る手は温かく、頬を撫でる風は心地よく、…これも、幻なのだろうか。
手を退かして差し込む光に耐えながら目を開けた。全く見知らぬ天井。左には初めて見る絵柄の押入れ。
右に目を移すと、彼が胡坐をして腕を組んだまま俯いている。ゆっくりと上下する肩。静かな呼吸。眠っているらしい。
…本物、なのだろうか。
身体を起こして、その時になって布団で寝ていたのに気がついた。服も着せられている。
そんな事よりも彼だ。身を乗り出して顔を隅々まで観察した。
無精髭が生えている。口は僅かに開いていて、頬の筋肉が緊張しているようには見えない。
髪はぼさぼさだ。きっと自分で切っているのだろう。長くはないけれど、清潔だと評するには程遠いか。
全体的に私の記憶にある頃よりも、やや老けた感がある。それでも十分に若いと言えるだろう。
手を伸ばしかけて、止める。…触れられない。もし幻だったら、触れた途端に消えてしまいそうで怖い。
本物ではないとしてもずっとこうしていたい。
すると、僅かに瞼が震えてそろそろと目が開いた。
視線がぴたりと一致した。幻。本物なんかじゃない。…本物ではいけないのか。
瞳が揺れている。段々と、濡れていく。口元も変化し、いつか見た子供じみた笑顔になった。
…本物。これが偽物なら、何が本物なのだろうか。
確かめたくて何かを言おうとしたけれど、言葉が見つからない。何か言わなくちゃ…
「おはよう」
彼が言った。確かに聞こえた。私も何か、言わないと…
276四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:52 ID:MmxMCnHb
優しく手を握られた。大きくて、温かい手だ。血液の流れを感じる。僅かな震えもある。
偽物じゃない。
「悪い、おかえり、だったな」
ぐい、と抱きしめられた。
彼の匂いと存在が胸に満ちる。…本物だ。
ようやく、声が出せた。
「わた、し?」
許されても良いのだろうか。本物を手にしても良いのだろうか。
今度こそは彼と向き合っても良いのだろうか。
彼の腕に力が込められた。優しく、それでいて力強い抱擁だ。何があっても離さないという意思。
私は、戻って来れたのだ。
「約束してくれ。もう、勝手に消えるな。ずっと、ここに居ろ。良いな?」
不安そうな声で、私に同意を求めている。…怖いのだ。
怖いのは私も一緒だ。これから全てを話すのだから。
合わせられた胸を離し、正座して彼を正面から見つめる。
「聞いて下さい。ひどい女、なんですよ?」
私は今までの事を一切省かずに話した。私の身に起こった事。考えた事。しようとしていた事。
言葉を重ねるごとに自分の身勝手さを思い知らされる。怖い。彼は許してくれるのだろうか。
真剣な表情で彼は聞いている。ひとつも口を挟まずに、ただただ聞いてくれている。
私の震えはますますひどくなっていく。どんなに強く手を握っても治まってくれない。
とてもではないが許される気がしない。私は、この人の傍にいられないのか。
「…本当に、良いのですか?」
訊ねずにはいられない。私に対する気持ちは確実に変化した筈だ。彼の好いていた私とたった今形成された私とでは
天と地程の違いがあるだろう。思い込みが激しく自分の欲求のみ追い求めるひどい女。
彼の顔を正視出来ない。きっと、愕然としているだろう。
「・・・お前は」
277四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:54 ID:MmxMCnHb
逃げたい。これ以上は聞きたくない。偽物の幸せで満足するべきだった。
私には本当の幸せはないのだ。何故、求めてしまったのか。
「悪くなんかないだろ」
・・・何を、言うんですか。
「誰もお前を責める事はしなかっただろう。誰も傷つけなかったから、誰も責めないんだ」
嘘です。私は、貴方を傷つけた。
「俺だってお前を責めないぞ。こうして助けられたのも、お前のお陰だ。・・・俺を傷つけたと思ってるなら間違いだ。
 だから、」
両手で顎を持ち上げられた。目に映ったのは、涙をたたえた笑顔。
「好きなだけ俺を見てもいいんだぞ。気が済むまで傍に居てもいいんだぞ。もう、我慢しなくてもいいんだぞ」
本当なのだろうか。私は、我慢しなくても良いのだろうか。
「言葉、だと解りにくいか?」
再度抱きしめてくれた。鼓動がはっきりと感じられる。
私と彼を隔てるものはない。遂に、なくなったのだ。・・・そうか。これが、本当に嬉しいという感情だ。
視界が歪んで、次の瞬間にはぼやけてしまって何も見えない。
あるのはきれいに輝く白い波。──私の新しい色だ。本当にきれいだと思う。
私一人の中に置いておくのは勿体無い。彼だけじゃなくて、出来る限り多くの人に分けてあげよう。
周りの人たちを幸せにして、時々でいいから彼に甘えさせてもらう。
これが私にとっての幸せ。いつまで続けられるか解らないけれど、この道をまっすぐ歩こう。彼がいる限り間違うこともない。
今まで色々あった。無駄な事なんてひとつもなかった。辛い事も苦しい事もあったから、私はここにいる。
──歩こう。彼と一緒にどこまでも歩こう。
止まってなんかいられない。

278四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/03 17:58 ID:MmxMCnHb
ナズェゴンナルビィギガヨワイドディスカ!?
オジエデグリダヅィヴァナザン゙!

オンドゥル語楽しすぎです

ケッチャコ最高
279名無しさん@ピンキー:04/05/03 20:40 ID:iJcdro/N
>四条氏
乙です。
280名無しさん@ピンキー:04/05/04 00:58 ID:4AOWTttO
初カキコ

想像してたのとちょっと違う感じのスレだなぁ

>四条さん 乙であります
281四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/06 15:10 ID:7YWsDLL6
>>279-280
どもー
ブリーチスレでは思いっきりスルーだったので嬉しいです
何とかリベンジしたいが・・・

ついでだ
もうひとつオリキャラが出てくるSSを某スレにうpしてあるんですが
そのキャラはエチーしないし登場も中盤以降だし、でも話の核になってたりする訳ですが
このスレには微妙に合わないかも
リンク張った方が良いですか?
282名無しさん@ピンキー:04/05/06 19:31 ID:P6OJCVoQ
>281
どんなのか読んでみたいのでお願いします。
283四条 ◆JeifwUNjEA :04/05/08 04:27 ID:xlnelJet
>>282
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1060786530/
の291からです
PS用ゲームソフト「ガンパレードマーチ」をやり込んだ人を対象にしてるので
ちと解りづらいかも
今まで書いたSSの中では一番まともだと思う

過去ログ漁ればヤバイの1&3とヤバイの2へのリンクありまっせ
284名無しさん@ピンキー:04/05/10 21:05 ID:c23l10vO
>283
おお、サンクス!
早速読みに行って来るよ。
285名無しさん@ピンキー:04/06/02 20:51 ID:JLImMph6
保守
286名無しさん@ピンキー:04/06/04 21:00 ID:RyiI6yt9
保守
287名無しさん@ピンキー:04/06/09 19:34 ID:yu6XFTjJ
キャラ×オリキャラか。
もう落ちたスレであったなそういうの。
288名無しさん@ピンキー:04/07/04 13:11 ID:tHlxEUy0
元ネタはわからなかったけど面白かったです
289名無しさん@ピンキー:04/07/19 23:53 ID:T+lqaJkk
 
290名無しさん@ピンキー:04/07/26 01:32 ID:Tpf6gFgP
保守
291名無しさん@ピンキー:04/07/27 09:39 ID:EdqeXjF4
age
292名無しさん@ピンキー:04/08/12 23:46 ID:HkdO0LmD
293名無しさん@ピンキー:04/08/21 01:40 ID:fNiXe7aT
遥かとかフルバでもいいんだろか…
294名無しさん@ピンキー:04/09/06 04:04 ID:2ksYeqj9
いいよ
295ゆーすけ:04/09/24 17:28:24 ID:MBq/tW07
鋼の錬金術師にでてくるライラ(アニメオリジナル)というキャラとのえっちな日常をかいてもいいでしょうか?
誘導されてここに来たのですが。
漏れ(自分)とライラというキャラのSSということで、ここに書き込ませてもらいます。
296名無しさん@ピンキー:04/09/24 17:56:44 ID:7nNxc9fW
よいですよ
297名無しさん@ピンキー:04/09/28 16:08:06 ID:zUGnAzaR
>>ゆーすけ氏
ってか、書くならさっさとしてもらいたい
298名無しさん@ピンキー:04/09/28 23:24:17 ID:mUdh8dpS
書き込みテスト
299ゆーすけ:04/09/28 23:25:20 ID:mUdh8dpS
ノートンを入れたため、書き込みできずにいたので、申し訳ございませんでした。
しばらくお待ち下さい・・・
300ゆーすけ:04/09/29 17:53:15 ID:abSsiU5l
>>296
ありがとうございます。

俺はゆうすけ。錬金術を学ぶために、この国にやってきた。
汽車を乗り間違えてきた先は、鉱山の町であった。
どうやらこの町の支配者の軍人は、国家錬金術師のチビに倒されて、
町の人々に追い出されたとの話を聞いた。
なぜかこの町の人々は浮かれっぱなしで、宿泊しようにもできそうにない。
仕方なく隣の町まで歩くことにした。
どちらにしろ、肌の色が違う東洋系の人間には冷たいであろう・・・
やっと隣町まで歩いてきたのだが、すっかりあたりは暗くなってしまった・・・
宿を探すか・・・その前にビールでも飲んで喉の乾きをなんとかしよう・・・
ある一軒の酒場を見つけた。そこで一杯でも飲むとするか。
ゆうすけ「親父さん、ビール一杯くれ!」
親父「あいよ!あんたこの辺の人間ではないね?留学しにきたのかい?」
ゆうすけ「まあ、そんなとこですかな?」
そんな話をしていると、ある一人の女が目についた。
黒いシャツをきていて、かなりのミニスカで、頭はおかっぱである。
どこか東洋人らしい面影を持つその女が、気になって仕方なかった
301ゆーすけ:04/10/04 19:02:09 ID:NnXsp/f8
俺はその女をずっと見ていた。
すると女の横に体格のいい男が何人か現れた。
男1「へへへっ・・・ねえちゃん一人で酒飲んでいるんかい?
   俺達と飲まないかい?」
男2「こんなミニスカはいているってことは・・・欲求不満か?」
男達はその女のことを嫌らしい目で見ながらにやにやしていた。
女はまったく相手にはしてはいなかったようだが、少し苛立っているように見えた。
男1「ねえちゃんシカトかよ?これからいいとこいかねえか?」
男はそんなことを言うと、女の腕を掴んだ!
女「汚らわしい!触らないで!」
女はキっ!と睨むと、男の顔面に拳を振り上げた!
ばごっ!
男は女の一撃であっあり倒れてしまった!
女「そうやって私の邪魔ばっかりして!もうっ!」
女はそんなことを言いながら、ヒステリーっちっくに暴れ始めた!
302ゆーすけ:04/10/12 15:29:47 ID:K0ruWek6
女は飲み屋の椅子を持ち上げたりして、暴れていた!
俺はなんとか止めようと思い、女に近づいた!
俺「おい!もうその辺にしないか!」
女「うるさい!あなたも私の邪魔をするの?」
女はなかなかやめようとしなかった・・・
仕方ないので、力ずくで止めようとした・・・
俺「・・・悪いな・・・」
俺は女の溝に軽くパンチをした。
女「ぐぼっ!」
女は気を失った・・・俺は女を抱き抱えるようにしてその場を後にした
303名無しさん@ピンキー:04/10/12 19:24:57 ID:y/Eir0T0
とりあえず、「た」連発と全行「!」をやめろ。話はそれからだ。
304名無しさん@ピンキー:04/10/12 23:06:40 ID:FKnXES9W
ステルヴィアのゲームの主人公×誰かとか
305名無しさん@ピンキー:04/10/27 14:34:01 ID:TXVdPWaC
ある漫画に他の漫画やゲームのキャラを乱入させるSSもここで扱ってますか?
306名無しさん@ピンキー:04/10/28 13:21:30 ID:CDEGPLel
面白ければOKだと思われ
307名無しさん@ピンキー:04/10/28 23:44:20 ID:8YIAJhjp
>>305
ゴッタ煮なSS投下スレ
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1074534222/

オリキャラが出ないならこっちが良いかと
308名無しさん@ピンキー:04/11/28 01:06:14 ID:Yo6/mybm
ゲームの違うキャラ×キャラは駄目なの?
309名無しさん@ピンキー:04/12/20 01:05:58 ID:9KvpjR6t
age
310名無しさん@ピンキー:04/12/26 05:14:01 ID:doTsmRbj
原作キャラ×原作に登場する無機物を擬人化したオリキャラはスレ違いでしょうか?
311名無しさん@ピンキー:04/12/26 09:55:41 ID:VW7Apa4u
まーいいんでねーの過疎ってるし
書いてくれとりあえず

なんの原作?
312名無しさん@ピンキー:05/01/14 14:56:20 ID:o1SEhbtc
以前某アニメスレでオリキャラ小説書いてくれと言ったら、ボロクソ叩かれた。
そうか・・・オリキャラネタは世間ではそんなに痛いものだったのか・・・・・・。
それでも書いてくれと言うのは結局自分の好みを押し付けることに
なってしまうのかねえ・・・?。やはりこうなったら自分で書くしか・・・・・・!?。
313名無しさん@ピンキー:05/01/17 06:56:32 ID:nNt58/xk
age
314ひろき ◆Sx9Q8iIcHw :05/02/01 22:10:05 ID:seEPp86N
自分とハガレンのキャラとのえっち話ならOK?
キャラスレで妄想書いていたら、違う場所でって言われたからさ。
315名無しさん@ピンキー:05/02/02 09:32:31 ID:d2kK2qTh
キャラ×オリキャラ
だったらOKな
316ひろき ◆Sx9Q8iIcHw :05/02/02 14:25:46 ID:5IA1OFEp
>>315
レスサンクス。俺のいた場所は辛い思いをしている人とかいたから元気づけてあげようと思ったんだが、
エロいのはヤメレって言われたんだ。
そのすれに書いたコピペを貼るよ。

俺の名はひろき!ライラと付き合ってもう何年になるんだろうか?
そんなライラがマスタングと浮気をしたらしいとの裏情報を得たのだ!
さっそく問いただす・・・・・
ひろき「ライラ!何か俺に隠し事をしていないか?最近そわそわしているぞ!」
ライラ「別に・・・気のせいでしょ・・・」
どうやらライラは嘘をつくのが下手らしく、あきらかに顔に嘘とでていることに気がついていない
ひろき「・・・そうか・・・いや、風の噂によると、マスタングとホテルに入ったのを見たという奴がいるんだが・・・」
ライラ「・・・えっ?」顔がどんどん緊張した顔になっていく・・・
ひろき「実はエンヴイーホテルで撮った写真を持っているんだが・・・」
ライラ「そこには行っていないわよ!ラースホテルよ!・・・あっ!」
俺の誘導尋問にまんまと乗せられたライラ・・・顔が赤くなる!声を荒げて叫ぶ・・・
ライラ「何よ!あんただって私に構わず2ちゃんねるばかりやって・・・
    しかも他のアニメの女の子のことも好きなんでしょ?ガンスリのヘンリエッタとか・・・」
かなり興奮しているらしく、怒鳴るように叫ぶライラ・・・だが、所詮逆ギレである。
ひろき「ライラ・・・ごめんよ・・・」
俺は悲しそうな顔をしながら、ライラに熱い口付けをする・・・舌を激しく絡めまわす・・・
ライラ「・・・ちょっ・・・ちょっと・・・ひろき・・・」
必死に抵抗しようとするライラ・・・だが俺たちはしばらく口付けをやめることはなかった・・・
何分たっただろう・・・ようやく落ち着きを取り戻したライラ・・・
317ひろき ◆Sx9Q8iIcHw :05/02/02 14:29:26 ID:5IA1OFEp
ライラ「・・・ごめんなさい・・・私・・・理由・・・言い訳になるんだけど、それはさっき言ったとおり・・・
    これで何度目・・・なのかな?」
今にも泣きそうなライラを優しく包み込む俺・・・
ライラ「・・・ひろき?」
少し驚いたような顔をするライラ・・・
ひろき「確か最初はエドと・・・だよね?エドがやらせろ!と言って無理やりやられたって言っていたけど、
     真相はかわいかったから、味見したくなって、ライラのほうから・・・だよね?」
ライラ「・・・・うん・・・」
力なくうなずくライラ・・・
ひろき「二度目は・・・確かアーチャーだっけ?顔色があまり良くない人・・・あの人が私の部下になれ!と言ったことに
    対して断ったから・・・と言っていたけど、実は・・・隠れマッチョ・・・だったからだよね・・・  
    それを見た君が・・・その後アーチャーは何故か半分機械になっていたよね・・・詳しいことは・・・いいや・・・」
ライラ「・・・・うん・・・」
俺は浮気事件のことを言うたびに、ライラの体を強く抱きしめる・・・その度にライラは体をびくっとさせる・・・
言葉ではいい表せられないが、無言の説教・・・か?

318ひろき ◆Sx9Q8iIcHw :05/02/02 14:31:20 ID:5IA1OFEp
何度も浮気をしてしまったライラ・・・もちろん俺にも非があるのは言うまでもない・・・
俺が重い口を開く・・・・
ひろき「もう何度目だろう・・・もう言葉で真相などを言いたくないよ・・・今回の件も・・・
     マスタングのほうから・・・ではなくて、君が・・・真相はリザと離れているときに味見したかったから・・・
     そんな真相かな?」
優しく、だが・・・重く語る俺がいた・・・
ライラ「・・・・・もう・・・・しません・・・本当はあなたが好きなの!でも・・・それでもたまにはっ・・・て・・・」
半泣き状態のライラ・・・それでも俺は・・・今回はきちっと言わなくてはならない・・・
人に注意や説教をするというのは・・・正直つらい・・だが、時としては・・・重く口を開ける俺・・・
ひろき「・・・・今回ばっかりは・・・お仕置き・・・だね。何度も・・・やっているから・・・ね。」
ライラ「・・・ええ・・・どんな・・・お仕置きでも・・・受け入れるわ・・・」
ひろき「俺・・・今まで黙っていたけど・・・隠れSなんだ・・・」
ライラ「・・・えっ?・・・」
驚くライラ・・・それもそうだろう。何度も浮気したのに、その度に優しく「もうしないでね」と語る彼にそんな性癖が・・・
ひろき「だから・・・今日は・・・ちょっとばかり・・・激しく・・・いや・・Sっぽく・・・
    もしかしたら・・・いじめちゃうかも知れないけど・・・いいかい?
    それが嫌なら・・・別れよう・・・か・・・さすがに何度も浮気しているからね・・・
    顔には出さないんだけど、正直・・・ぷっつんしそうなんだ・・・」
優しく語る俺・・・ライラの顔を見ると・・・どっちも嫌だ・・・そんな顔であった・・・
ライラは結局俺をとることにしたのであった・・・
ライラ「・・・わかったわ・・・あなたの・・・好きに・・・して・・・」
319ひろき ◆Sx9Q8iIcHw :05/02/05 21:49:42 ID:uqG1nWve
ひろき「さあ・・・泣かないで、ライラ・・・俺君のことが好きだからさ・・・」
ライラ「・・・ええ・・・」
俺とライラはエッチグッズのある店に向かった・・・
ひろき「今日はちょっぴり激しくいこうか・・・ね?」
ライラ「・・そうね・・・私も・・・たまには・・・本気でいこうかしら?」
320名無しさん@ピンキー:05/02/06 11:45:33 ID:DQwXMJgX
「」前に名前を入れるのはどうかと…
321名無しさん@ピンキー:05/03/15 14:25:35 ID:e+XjnTqE
あげ
322名無しさん@ピンキー:2005/03/24(木) 06:57:34 ID:K9Tpy/S3
保守
323名無しさん@ピンキー:2005/03/24(木) 15:30:46 ID:dxo4CAFt
保守
324名無しさん@ピンキー:2005/03/25(金) 03:47:18 ID:SynrV8K1
age
325名無しさん@ピンキー:2005/03/28(月) 07:13:13 ID:xl9zT31+
ここだと何の作品でもアリだけど、やっぱその作品がとくに好きな人に
見てもらいたいっていう欲望があるじゃん?人の心理としてどうしようもなく。
でも他スレではオリネタは痛がられるし・・・このジレンマがどうにかならんか・・・
326名無しさん@ピンキー:2005/05/22(日) 04:13:06 ID:+Y56xeIm
327名無しさん@ピンキー:2005/06/04(土) 09:05:43 ID:fJpR2A+z
保守
328名無しさん@ピンキー:2005/06/06(月) 15:53:15 ID:67vJUFYh
しっかし最近人来ませんね、ここ。
329名無しさん@ピンキー:2005/06/19(日) 15:28:44 ID:ILnrbr02
よし!もう一度スレッド保守だ!!
330名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 08:55:28 ID:RoyMZaKa
ほすあんどあげ
331名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 12:01:03 ID:El9q9av8
鋼の錬金術師でエド×オリキャラ書いていい?
332名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 19:39:42 ID:tcnwT4Yx
『書けるものなら書いてみろぅおおおお━━━━!!!』

と叫んでみたり。待ってるよん。
333名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 21:37:44 ID:YW3cSUll
んじゃ、書きますね。
次から。
334名無しさん@ピンキー:2005/08/05(金) 21:55:46 ID:YW3cSUll
愛しくてたまらないから、キスをしたり、抱きしめたり、
けれど、それだけじゃ愛のすべてを表現できなくて。

- 愛の表現 - ←題名

「ユキ…。」
「ん…。」
さっきから何回もキスを繰り返す、エドとユキ。
2人は恋人なのだから、そんなことは普通のこと。
「…。」
「エド?」
キスはエドによってピタリととまった。
「…足りない。」
「え」
エドの言葉を訊き、少し顔がひきつるユキ。
「それは…。どういうことかなぁ…?」
「犯らせてv」
「やっぱり、そうなる…のっ!?」
エドはユキの体を軽々と持ち上げた。お姫様抱っこの状態になる。
「ちょっ…エドワード…さん…?」
「なんだ?ユキ」
「どこにいくのかな〜?」
「ん。ベット。」
「いやぁ〜〜〜!!!!!!」
そんなユキの声など聞かずにエドの足はベットの方へ進む。


次くらいからエロいれます。...多分。
335名無しさん@ピンキー:2005/08/06(土) 19:48:15 ID:hZOnyHMD
エドは抱えていたユキをベットに寝かせて、
ユキの上にエドが覆いかぶさるように乗ってきた。
「いーや!やめてよ!ね、エド?」
「ベットの上で言われても無理。」
「えぇ…」
「なぁ…いいだろ…?」
ユキのうなじをぺロ、と猫のようになめる。
「〜〜〜!///」
「な…?」

...そんな声で言われると、駄目だなんて言えなくなる...

「…いいよ。」
「ん…。」
甘い甘い、深い深いキスをする。唇をしめて、侵入を拒むが
舌で無理矢理唇をわって、舌を絡めあう。
唇を離すと名残惜しく銀色の糸がひく。
ユキの着ている服を脱がして、下着姿にする。
ブラジャーの上から胸を揉みしだく。
「ぁっ…はゃ…んぁ…っ」
ブラジャーの下から胸の小突起が主張しはじめる。
「ユキの乳首…上からでもわかるほど立ってぜ…?」
「//////////」
そしてエドはブラのホックを外し、ユキを上半身何も見につけぬ状態にした。
胸を揉めば、少し変形して元の形に戻る。
そんな行為をしばらく続けた。

まだ続きます。
336名無しさん@ピンキー:2005/08/07(日) 07:10:09 ID:cKNATxL5
久々に来たら少し人来てた

がんばって盛り上げやう
337名無しさん@ピンキー:2005/08/15(月) 21:38:13 ID:hiD2mIee
続きです。


エドは胸を愛撫していた手をユキの白い肌をすべり、下腹部へ。
割れ目をつうっ、となぞる。
「はぁっ…ん」
「こんなに濡れて…そんなに感じてたのか?」
「や…ちがっ///…ぁあんっ…」
エドはユキの花びらを舌で舐める。ピチャピチャ、といやらしい音が部屋に響く。
「ぁ…やぁっはん…っ」
そしてエドワードがユキのナカに指を入れた。
「はぁあんっ…!ひぁ……や…っ」
「何本だと思う?」
「そ、んな…!わか……らないっ!」
「3本。」
ユキのナカでエドワードの指がバラバラに動く。
そしてぐっ、と指をまげた。
「っあぁん…や、はぁ…!!」
「ココがいいの?」
「や…が…ぅ…やぁ!」
「ココがいいんだな?」
「はぁあっ…!」
エドはユキが嫌がっているのもわかっているが、ユキの弱いところを責め続ける。

とりあえず、ここまで。
338名無しさん@ピンキー:2005/08/16(火) 22:01:41 ID:EmGSzqLq
投下はありがたいし、文章も悪くない。
ただ、照れの表現に////を使うのは厨とされるので、
やめた方がいいと思うよ・・・
339名無しさん@ピンキー:2005/08/17(水) 14:42:56 ID:aTBrRctq
>338

いやぁ、癖になっているようで…気をつけよ。
340ベルセルク1:2005/09/08(木) 19:59:14 ID:CRArarju
雑踏の中に覗いた金色の髪の少女の背を、息を切らして追いかける。
吐く息が白い。聖都の冬は冷たく厳しい。重苦しい灰色の空に遠くから鐘の音が鳴り響く。
「ファルネ−ゼ様!」
怪訝そうに振り向いた顔は、主人の少女とは似ても似つかぬ見知らぬ顔だった。
失礼、と言い残して彼は踵を返した。見失った幼い女主人の行方の手掛かりでもないかと、焦りながら灰色の街を見回す。
街角で「寒い、温かい飲み物が欲しい」と命じられ、言われるままに調達してきてみれば、主の姿はかき消えていた。
気まぐれな女主人は、時折屋敷から抜け出して下町のそぞろ歩きを好んだ。
お目付け役として供をするのは決まって年若いセルピコだ。
ファルネ−ゼの寵用を受けることは、屋敷では「災厄」の別名義だ。
(退屈してそこらを見物していらっしゃると思ったが…。まさか誰かに連れ去られたか)
石畳を踏み締めながら、不吉な考えが頭をよぎる。慌てて打ち消そうとしたが、いったん沸いた疑念はみるみる心の中で膨らんでゆく。
忍んで外出する時は、無用の危険を避けるため、ファルネ−ゼは侍女の粗末な平服に身を窶していた。裕福な家の娘と看破される可能性は低かったが、しかし幼い少女がかどわかされて売り飛ばされる話など珍しくもない。
(屋敷に帰って報告した方が良いか…)
探せばすぐに見つかるだろう、という淡い期待を抱いたまま、もう半時間ほど街をさ迷っている。神のおわします祝福された街、とは名ばかりの、持たざる哀れな貧民がひしめいている、聖なる都。
騎士隊に報告し、捜索隊を組織して多人数でファルネ−ゼの行方を探した方が、賢明かもしれない。
(…そして、私は職を失う、か)
元よりファルネ−ゼの気まぐれから拾われた身だ。それが元に戻るだけのこと、そう思いつつ、名状しがたい寂寥を胸に覚えた。
そうなれば、もうあの少女と自分とは、完全に切り離され、別の世界に分け隔てられる。
せいぜい姫君が豪華な馬車に揺られて街路を通り過ぎるのを、黙って道端で見送るだけだろう。…そう思うと、奇妙に胸が痛んだ。


「ちょっと、そこの兄さん」
突然肘を掴まれた。しゃがれた女の声が耳に飛び込む。
物思いにふけりながら、いつのまにか下町の路地裏に入り込んでしまっていたらしい。
吐瀉物と何かの腐った臭気が鼻をつく。酒場の裏側だろう、薄暗い、いかがわしい雰囲気が立ち込めている。
声の主に目をやり、即座に彼は目を背けた。
女は三十代の半ば過ぎに見えた。大柄で、肉付きの良い体型に、豊かな長い黒髪を身に纏うように垂らしている。
毒々しい化粧と胸の膨らみをあけすけに覗かせた、派手だが安っぽい衣装。…街娼だ。
「兄さん、ちょっと遊んでいかないかい?」
女は厚く塗った唇を歪め、淫蕩な笑みを浮かべた。
「…申し訳ありません、急いでいますので」
降り払い、先を急ごうとしたが、女は執拗だった。
「つれない事お言いでないよ。ネェ、安くしとくからさ」
女が体を寄せ、きつすぎる香水と体臭の混ざり合った匂いが、むっと鼻をついた。
嫌悪の情を面に出すまいとしながら、セルピコは無言で女の手をほどこうとする。
小姓のお仕着せにはヴァンデミオン家の紋章が縫い付けられている。女は目敏くそれに気づいたのだろう、扱いやすそうなカモを逃がすまいと必死だ。
色仕掛けが通じないと見たのか、女は急に涙っぽい声で喋りだした。
「…ねえ、兄さん、あたしにゃ、家で腹を空かせた子供が待ってるんだよう。兄さんにも兄弟の一人や二人はいるだろう?人助けと思ってそのついでにちょいとお楽しみ、って訳にいかないのかい?」
どうせ嘘だ、相手をしている暇などない、と思いつつも心が揺らいだ。
ほんの数年前、日がな一日残飯を漁って街をさ迷っていた自分の姿が不意に浮かぶ。
セルピコの肘を掴む爪を真紅に染めた女の手は、静脈と節くれの目立つ、荒れた手だった。
この女と自分の間にどれだけの差があるというのだろう、…あるいは母と。
「高貴な貴族の若様から寵愛を受けた」それだけをプライドの拠り所にしている哀れな母。
(あの人は、あなたのことなど愛してはいなかったのですよ…)
苦い思いが込み上げてくるのを、呑み下し、ふり払う。
小銭を与えてとにかく立ち去ろうとポケットを探った時、鋭い声が背後から飛んだ。
341ベルセルク2:2005/09/08(木) 20:01:16 ID:CRArarju
「セルピコ、何をしているの?」
「ファルネ−ゼ様!」
どっと安堵の思いが込み上げ、セルピコはファルネ−ゼの姿を見やった。
あまり似合わない質素な平民の服を着込んだ女主人が、狭い路地裏に立ち、冷たい目で二人を見つめている。
「その者は、なんなのセルピコ」
彼は気の緩んだ女の手をふりほどき、ファルネ−ゼの元に駆け寄った。
「なんでもありません。…ご無事で良かった、心配しました」
「お前って案外鈍いのね。さっきから後をつけていたのにまるで気付かないんだから」
(…一声かけてくれれば)
経験上、ファルネ−ゼに何を言っても無駄な事は骨身に染みて心得ている。
「…とにかく、もうお屋敷に帰りましょう」
背後で女が小さく舌打ちする音が聞こえた。
肩越しに背後を見ると、女は腕を組み、ふて腐れた表情で汚れた壁にもたれていた。また新しい男が通りかかるのを、そこで待つのだろう。
そうやって客を取り、僅かな金と引き換えに体を売って毎日を暮らす…。女の子供は、母親をどう思っているのだろう、という思いがちらりと頭をかすめた。
「さ、ファルネ−ゼ様」
ファルネ−ゼを促したが、主人は何故か動かなかった。
けばけばしいドレスを着た女の方を、一心に凝視している。
「…ねえ、セルピコ。たまにはお前にも褒美を与えてやった方がいいかしら」
抑揚のない、一切の感情が欠如した声で彼女が言った。
女に向けたファルネ−ゼの瞳は、その女を通り越し、どこか自分にしか見えない幻視を見つめているように見えた。
感情のうかがいしれない、生身の人間の眼というより、無気質な碧玉を嵌め込んだかのような眼。己の内側に潜む、底無しの虚無感しか映していない瞳だ。
ファルネ−ゼが常軌を逸した凶行に及ぶ直前には、いつもこんな瞳をする。
じわり、と嫌な汗が額ににじんだ。
「…いえ、私は特に褒美などは」
言い終える前に、ファルネ−ゼは路地裏の女に声を掛けていた。
「そこの女!お前は春をひさぐ卑しい生業の者か!」
女は露骨に不快気に顔をしかめた。
「…ちょっと、お嬢ちゃん。あんた、礼儀ってもんを兄ちゃんから習いなよ」
汚い路地裏に、チリン!と澄んだ高い金属音が響いた。
女は目の色を変えて足許に転がる金貨を拾った。歯で噛んで確かめ、本物と悟るとギラギラした瞳をファルネ−ゼと彼に向けた。
「…ふうん、まあ、礼儀知らずでも客は客、ってね。お嬢ちゃん、何がお望みだい?」
彼は傍観者のように女主人と娼婦の会話を眺めた。
ファルネ−ゼを諫めて屋敷に帰るよう促すべきだ、と思いつつ、それがまるで無意味なことを知る彼は、ただ黙って立ち尽くした。
(…私は、この方の所有物だ)
「女、この者と私の前でつがって見せろ」
彼は自分の母親とさして年の変わらない娼婦を見、この女と寝るのだな、と無感動に思った。
342ベルセルク3:2005/09/08(木) 20:03:02 ID:CRArarju
路地裏と同様に、その部屋は薄汚く、みすぼらしかった。
女が寝起きに使っている部屋らしく、どこか生活臭が漂う。なんとなく、セルピコが母親と暮らしていた荒ら屋を思い起こさせる雰囲気があった。
安普請の狭い寝台は、二人分の重みに耐え兼ねて軋むような音をたてた。
女はセルピコの股間に顔を埋め、熱心に舌で彼の性器に奉仕していた。女の分厚い舌が獰猛に這い回り、与える刺激を他人事のような気持ちで味わう。
間近で見る女の肌は荒れていた。すさんだ生活が、女の容貌を磨り減らし、削り取っていった跡がうかがえた。
最初彼の倍以上の年齢に見えたが、もしかするともっと若いのかもしれない。
目の前で揺れる、肉ばかりは豊満な尻を両手に掴んだ。こね回すと、くぐもった呻き声を上げながら女は尻をうねらせ、擦りつける舌に力を込めた。
視界の端に映るファルネ−ゼの視線を想った。
家具の少ない粗末な部屋の中、一つきりの椅子に膝を抱えて座り込み、じっとこちらを凝視している。
彼の主が、自分とこの女の痴態を見ているのだ、そう思うと妖しい胸のたかぶりを覚えた。
目を閉じ、蔑みを浮かべた主の冷たい瞳を思い浮かべる。
(…ファルネ−ゼ様のため…)
とたんに、女の熱い口腔に呑み込まれた器官が硬度を増した。
上気した顔の女が、名残惜しそうに彼の器官の先端にくちづけ、唇を離した。長い涎の糸が、唇と性器の間で一瞬つながる。
「…兄さん、やっとその気になってきた?」
口の端を拭い、女が笑みを浮かべながら、彼を引き寄せた。そのまま、女の体に重なるように寝台に倒れ込む。
豊満な女の肉体に四肢を絡め、ファルネ−ゼの視線を意識しながらくちづけた。
女が熱っぽく応じ、互いに舌を絡め合う。
ファルネ−ゼは先刻から微動だにしない。ぴくりともせず、部屋の備品と化したかのように凝固している。…ただ、その両眼だけが、薄暗い部屋で夜に見る獣のような光を湛えていた。
あの眼が見ているのだ、と思うと我知らず、呼吸が荒くなった。
息苦しくなり唇を離すと、女が好奇心で黒い瞳をきらめかせながら尋ねた。
「…ねぇ、兄さん、あんた初めてかい?」
どう答えるか少し迷ったが、素直に答えた。
「…はい」
くくっ、と女が目を細めて嬉しそうに笑った。きつい厚化粧の下の素顔がうっかり垣間見えたような、笑い方。…そんな風に笑うと、女は随分若々しく見えた。
「そう、光栄だよ。じゃあ、うんとサ−ビスしてやんなきゃね。…ま、余計なオマケがちょいと邪魔だけど」
女の視線が、ちらりとファルネ−ゼの方に向かう。
ファルネ−ゼは自分が話題にされていると知ってか知らずか、相変わらず沈黙したままだ。
「…あんたも苦労してるみたいだねぇ…。かわいそうに…。」
呟きながら、女は彼の肌を彩る鞭の跡に指を滑らせた。まだ赤く疼く傷跡を、慰めるように舌を這わせる。
傷をなぞる生暖かい濡れた感触が、一昨日の熱い痛みの記憶を蘇らせた。
幼い主人の甲高い叱責の声、鞭がしなり空を切り裂く音、口の中に広がる血の味、撃ち込まれる灼熱した痛み。
彼女の打擲に、時折混じり気なしの殺意を感じた。彼個人にではなく、世界のすべてのものに対する憎悪だ。何も彼も破壊したい、灼き尽くしたいと荒れ狂う、強烈な激情。
皮膚の上を這い回る舌の感触に、ファルネ−ゼの貌を重ねた。
彼女であれば、傷跡を噛み破り、滲み出る彼の血に舌鼓を打ちながら、微笑むだろう。
心の中で、ファルネ−ゼの名前を呟いた。
身動ぎし、女の腰を掴むと、女の手が添えられ、導かれた。
どろりとした熱い感触が彼を包み込んだ。
女の生々しい呻き声が、室内に響く。
狭い寝台を揺らしながら、肉付きのいい太股を抱えてひたすら突き上げた。
肉と肉の擦れ合う湿った音が、女の呻き声の間に混じる。
セルピコは、女と繋がりながらファルネ−ゼの方へ真っ直ぐ顔を向けた。
彼の主人がどんな顔をしているのか見たかった。
命令どおりに街の娼婦とつがっている自分を見て、何を感じるのか。
嫌悪の色を顕すのか、それとも貴婦人らしい冷たい侮蔑を投げかけるのか。
…ファルネ−ゼの顔は、快楽に蕩けていた。
両膝の間を腕が割り、スカ−トの奥に手を潜り込ませている。開いた膝の間で、繊細なレースで飾られた白い下着越しに指が蠢く様がのぞいた。
熱く潤んだファルネ−ゼの瞳は、寝台で絡まり合うセルピコと娼婦に向けられている。
セルピコの視線に気付いていないのか、それとも召使の眼など虫の視線同様の無意味な代物なのか。セルピコの目の前でファルネ−ぜは自涜に耽り続けた。
半開きの幼い唇から、こらえかねたような喜悦の声が零れはじめる。
343ベルセルク4:2005/09/08(木) 20:03:56 ID:CRArarju
ふいに女が両腕を彼の首に絡め、引き寄せられた。熱い呼気が耳元で囁く。
「…お高くとまってたって、所詮、貴族なんてあんなもんさ」
目に汗が流れ込んで、ひどく染みた。
締めつけられるような胸の痛みが、どこから来たのかわからない。
女の豊かな乳房の谷間に顔を埋めた。熱い肉の感覚に溺れて、胸の中で焦げつく想いを忘れてしまいたかった。
しばらくの間あやすようにセルピコの髪を撫でていた女は、やがて体の位置を変えるよう促した。仰向けになった彼の体にまたがる格好で、女が馬乗りになる。
一瞬だけ、上に乗った女の視線がファルネ−ゼへ飛ぶのが見えた。
自涜に没頭する貴族の令嬢に向けた眼は、嘲りも蔑みもなく、ただ冷たく醒めていた。
女はセルピコの顔を見下ろすと、意味あり気に笑った。…共犯者の笑顔だ。
「…さあ、あんたの御主人様を楽しませなくっちゃあね」
言いながら、女は腰を使い始めた。ファルネ−ゼの存在を意識しながら、見せつけるように激しく尻を上下させる。
女の喉から獣じみた喘ぎ声が漏れ始め、豊かな長い黒髪が、女が首を振る度に扇のように揺れる。飛び散った汗の飛沫がセルピコの顔に降りかかった。
成熟した女の熱い喘ぎ声と、少女の細い喜悦の声が入り交じり、奇妙なハーモニーを奏でた。
セルピコは横たわったまま、女に身体を委ねた。肉の鞘が彼を包み、快楽を絞り尽くしたいというかのように貪欲に締め上げる。彼は自分の感情と無関係に反応する肉体を、ただ不思議に思った。
先に達したのはファルネ−ゼだった。高いソプラノの悲鳴が、震えながら部屋の空気を切り裂き、絶頂を迎えるとしだいに細く消えてゆく。
彼の主人が満足したのなら、自分は命じられた役目を果たせたのだな、と薄く思った。
女のせわしない喘ぎ声だけが部屋を満たしてゆく。
かすかなすすり泣きが聞こえた気がした。
小さな子供がしゃくり上げるような、やってしまった悪戯を、ひどく後悔しているような、哀切な響き。
気のせいだ、と彼は自分に言い聞かせた。…それに、彼の主人は泣き顔を見せることを許さないだろうから。
泣き声はぷつりと途絶え、再び女の呼吸だけが部屋の澱んだ空気を支配した。
女の念頭からファルネ−ゼの存在は消え、ひたすら自分の快楽に没頭しているように見えた。
体をうねらせ、深く腰を沈めながら、貫かれる悦楽に我を忘れたかのような声を漏らす。
量感のある尻が落ちる度に、女の膣からは大量の粘液が溢れて、彼を包み濡らした。
344ベルセルク5:2005/09/08(木) 20:04:31 ID:CRArarju
突然ファルネ−ゼが音を立てて椅子から立ち上がった。
ぼんやりと横目で窺う彼の視線に気付いた風もなく、夢遊病者のような足取りでファルネ−ゼは寝台の脇の燭台の前に立った。燐寸を擦る擦過音が響き、薄暗い部屋に小さな橙色の光が点された。
セルピコは炎を見て口中がからからに乾いてゆくのを覚えた。彼の主人がこよなく愛するものを知っている。それは、炎と捧げられる生け贄だ。
揺れる蝋燭の光にファルネ−ゼの横顔が浮かんだ。魅入られたように炎をみつめている。瞳の中に照り返された炎があやしく踊っていた。
蝋燭を握り近付くファルネ−ゼに女が気付き、喘ぎながら笑いかけた。嘲りを笑顔と声に滲ませながら、ファルネ−ゼに話しかける。
「…なあに、お嬢ちゃん、あんたも混ざりたいっていうの?」
女が最後まで言い終える前に、ファルネ−ゼは女の髪を掴むと無造作にその顔に火を押しつけた。
女が顔をのけ反らせて絶叫した。肉と脂の燃える香ばしい匂いが漂い、一瞬彼を咥えていた女の内部が激しく痙攣した。
顔を押さえた女が、彼の胸の上にどっと倒れ込んだ。
しばらくの間、女は喉の奥から唸るような苦鳴を漏らして震えていた。
突然我が身に生じた理不尽な苦痛の理由をようやく理解すると、激しくファルネ−ゼを仰ぎ、憎悪の滴る声で怒鳴りつけた。
「なにしやがんだい!?畜生!こんな真似してただですむと思ってんのかい!?」
ファルネ−ゼの耳には女の声が聞こえた様子はなかった。火の消えた蝋燭を名残惜しげに見つめている。
「…消えてしまったわ。セルピコ、火をつけて頂戴」
燐寸箱が投げつけられ、彼の額にぶつかった。
「ふざっけんな!このくそがき!」
激昂した女が、ファルネ−ゼにつかみかかろうとする。
セルピコは咄嗟に女の体にしがみつき、押さえ付けた。主人に危害を加えさせるわけにはいかない。たとえ、女の怒りがごく当然で正当なものとしか思えなかったとしても。
この期に及んで女と体が繋がっているのが、ひどくグロテスクで滑稽な冗談のように思えた。
ファルネ−ゼは寝台に金貨を放り投げ、澄んだ声で告げた。
「お前の苦痛を買いたい。火傷一つにつき、金貨一枚」
セルピコの腕の中で、もがいていた女の体が静止した。怒りで赤黒く染まっていた顔が、みるみるうちに紙のように白くなった。
女は金貨を見、ついでファルネ−ゼをみつめた。再び金貨をみつめ、二つの間を視線が激しく往復する。
ふいに粗末な部屋の入り口の扉が開いた。
薄汚れた身なりの小さな男の子が、扉の間から不安そうな表情でこちらを覗き込んでいる。
少年の姿を認めると、女は狼狽した手つきで敷布を掴み、裸体を覆い隠した。密着しているセルピコを乱暴に押し退ける。
「ばか!仕事中は外で遊んでろって言ったろ!とっとと出ておゆき!」
「…でも、すごい悲鳴が、外まで聞こえて…。……お母ちゃん、…その、顔」
怯えた表情で少年が女の爛れた片頬に目を向けた。
「なんでもないったら!あたしの言いつけがきけないのかい!とっとと出てゆけって言ってんだよ!」
一瞬少年の幼い顔に、傷つけられた表情が浮かんだ。それはすぐに馴れきった諦めに変わり、母親の言いつけ通りにドアを閉じた。
扉を閉める直前に、少年の視線が寝台のセルピコに向けて飛ぶのを感じた。…幼い瞳には、母親を金で買って抱いている男への、敵意と憎しみの光が確かに宿っていた。
小さな足音が遠ざかる間、誰も口をきかなかった。
ファルネ−ゼだけが、何も聞こえていなかったように超然としている。
のろのろした仕草で女は金貨を掴んだ。その姿は、疲れきった老婆を何故か連想させた。
女はファルネ−ゼを見上げた。しわがれた声で言った。
「…金貨五枚。商売道具を台無しにされるんだ、そのぐらいは貰えなくちゃ割りに合わないよ。…それから、顔は、もうやめて」
ファルネ−ゼは無言で服の隠しから四枚の金貨を掴みだすと、無造作に女へ投げた。
彼女の視線がセルピコへ向かう。
ファルネ−ゼは微笑した。花のように甘い微笑みを浮かべて、女の皮膚の断片が芯にこびりついた蝋燭を、彼に向かって突きつけた。
「…さあ、セルピコ、火をつけて。それから、この女が暴れないように押さえていて頂戴」
セルピコは主人の微笑みをみつめた。その微笑をこの上なく美しいと感じ、魅了される自分自身を悟った。
彼の魂の所有者は、どうしようもなくこの少女なのだ、と。
そして、敷布の間から燐寸箱を拾いあげた。
345ベルセルク6:2005/09/08(木) 20:05:24 ID:CRArarju
その夜のファルネ−ゼの打擲はことのほか激しかった。
女の部屋を去り、屋敷に戻って他の召使い逹と一緒に台所で簡素な夕食を済ませた後、ファルネ−ゼからお呼びが掛かった。…予想どおり、彼の主人は荒れ狂っていた。
ファルネ−ゼの私室で、壁に背を向け、ひたすら主の打擲に耐えた。背を伝い落ちる滴が、足下で小さな血溜まりを造っている。
飽くことのない執拗さでファルネ−ゼは鞭を振るい続けた。
これが、下されている罰だと思えば、むしろ痛みが心地好かった。
ファルネ−ゼに背を焼かれ、彼の腕の下で組み伏せられていた女の眼を思い出す。屠殺場で生きたまま皮を剥がれる動物のような眼だった。
女は、我慢強かった。布を口に噛み締め、炎が肌を嘗める苦痛に無言で耐え続けた。
結局、女が音を上げる前に手持ちの路銀が尽きた。お忍びの散策で、たいした金は持ち歩いていなかったことが、幸いした。…もしもそのまま続けていれば、女の肌は火傷の跡で隙間なく埋め尽くされていたかもしれない。
「…お前は、あの女のことを考えているんでしょう?」
ふいに鞭を振るう手を止め、ファルネ−ゼが詰問した。
返事を要求されているのだろうか、と迷ううちにファルネ−ゼが再び鞭を振るった。
「答えなさい!」
「…考えていました」
「汚らわしい!…お前は、汚い!…あんな、あんな下賤の者と!」
ファルネ−ゼが吐き捨てるように叫び、怒りに任せた打擲が、また叩きつけられる。
主の怒りの一片が理解できたような気がした。…彼が、命令通りに女と寝た事を、怒っているのだ。ファルネ−ゼの命令をもしも拒否していれば…、やはり激怒したろう。
(…あなたは、なにが欲しいのですか?)
尋ねてみたい、と思ったが口に出して主に問うことはこれからもないだろう。
彼の主はその答えを知らないのだから。
心の赴くまま、欲することを行って、…それでいて、この少女は満たされず、不幸だ。
ファルネ−ゼを救う事など自分にはできはしない。でも、その矛盾も理不尽さも激情も、何もかも受け止める事なら、できるだろう。
「…お前は、汚いっ、…きた、ない…」
罵る主の声に、嗚咽が混じり込んでいた。
かわいそうに、と思う。泣かないでほしいと思う。
鞭が止まった。独り言のように、ファルネ−ゼが呟いた。
「…違う、ほんとうに汚いのは、お前じゃないわ…」
振り返って、ファルネ−ゼを抱き締めたかった。
あなたは少しも汚れてなんていない、私にはどんな時でもあなたは眩しいくらいにきれいな方だと、そう言いたかった。
何も言えず立ち尽くすうちに、ファルネ−ゼが力のない声で退室を命じた。
無言で服を着込み、ファルネ−ゼに一礼する。
ファルネ−ゼは俯き、放心していた。その姿は迷子になって途方に暮れている子供のように見えた。
重い扉を閉じ、部屋の外で、一人呟いた。
「…私は、ファルネ−ゼ様のものです。これからも、ずっと…」
346名無しさん@ピンキー:2005/09/10(土) 01:44:53 ID:XlrOsDAA
>>340-345
素晴らしい!オリキャラ出していながら原作を全く壊していないところがいい。
個人的にはこの原作キャラ二人のがっちゅんも好きなんだが
こういう関係性が本来は原作の二人らしいとも思う。GJ!!
347名無しさん@ピンキー:2005/09/10(土) 01:46:36 ID:XlrOsDAA
>>346追記
あ、でも虐待系の描写がある時は、事前に注記があった方がいいかも。
自分はこの程度は全然平気だけど、苦手な人もいるから。
348名無しさん@ピンキー:2005/09/10(土) 11:24:36 ID:mQctGCb1
>>347
感想と忠告ありがとー。
虐待系、言われたらそうだな、気つかなかった…。さんくすっ。
えと、本スレで「誰ですか?」の人は同じ方と思うのでこちらでお答え。
…書いた本人です…。いや、最初本スレに投下した後で、細かいヘンな部分とか、直したい部分がちょろちょろ出てきて…。
書き直したところは、書いた本人は気になるけど、他人は気にしないよーなもんだと思うのですが、…どーしても直した方を誰か見てほしいなー、と思ってしまい。
ここ過疎気味だし、スレの趣旨にはあってるので「いいかなー」とか思って直した方投下しましたのです…。
二重投稿、は…やっぱ痛い厨房行為か、とは思っております、はい…。
もうしないよー。反省。
349 ◆ccqXAQxUxI :2005/09/18(日) 22:18:52 ID:WF6hLpz0
近々お世話になりそうなので保守
350 ◆ccqXAQxUxI :2005/10/05(水) 21:16:45 ID:ASrx1+hx
もう10月になってしまった・・・・・
351名無しさん@ピンキー:2005/10/19(水) 00:39:04 ID:cRQj6pGo
10月ももう半ばを過ぎてしまった

保守っとこ
352名無しさん@ピンキー:2005/10/26(水) 22:44:28 ID:f87GTzxx
何日おきぐらいに保守るのが無難だろう。。。
もうすぐ11月ですな。
353名無しさん@ピンキー:2005/11/02(水) 23:55:27 ID:YBe0qVN1
一週間たったから保守、と。
容量500超えたスレが一週間で落ちたんだけど、生きてるスレとでは落ちるスピード違うのかね?
こっちは三週間ぐらい書き込みなかった時期あるんだが。
354名無しさん@ピンキー:2005/11/09(水) 00:38:40 ID:qwqkK8s5
保守
355名無しさん@ピンキー:2005/11/17(木) 23:35:11 ID:CqkukBlQ
保守
356名無しさん@ピンキー:2005/11/18(金) 22:13:01 ID:16qrcU7K
中学生アカギ×オリジナル女の子でお願いします!
福本作品大好きなのに女っけないからさ…

どうかお願いします
357名無しさん@ピンキー:2005/11/20(日) 17:22:35 ID:jRFsQe+o
近いうちにポプソの笑顔×オリか、灰×オリ投下したいんだが大丈夫かな?
358名無しさん@ピンキー:2005/11/20(日) 17:23:35 ID:jRFsQe+o
うぉぉぉぉぉ…
sage忘れスマソ…orz
359名無しさん@ピンキー:2005/11/21(月) 22:20:32 ID:1epsL5KM
>357
スレ保守のためにも是非お願いします。
360名無しさん@ピンキー:2005/11/29(火) 05:23:35 ID:dGVztMGT
保守
361名無しさん@ピンキー:2005/12/07(水) 13:04:27 ID:Y7060llz
オリキャラ×某種運命のレイです。

俺は…男なのに、レイが好きで仕方ない。
なのに…レイは、なぜ俺を見ない。

「やっ……も……ゆるし…てぇ…///」
「可愛いね。レイは。」
彼は、レイの唇にキスをする。

「なぜ…俺を見ない…なぜ議長ばかり見る…あんな奴の…」
「ギルの悪口…言うな…///」
「俺より議長の方が好きなんだな。」
「・・・・・。」
「ほら、黙った。そういう悪い子には…お仕置きが必要みたいだな。」
「…っゃあああぁぁぁ!!!///」

中途半端で終わらせます。
オリキャラ×レイでしたーw
362名無しさん@ピンキー:2005/12/18(日) 00:45:59 ID:297rGtb9
保守
363名無しさん@ピンキー:2005/12/26(月) 00:37:28 ID:lxWh2fim
保守
364名無しさん@ピンキー:2005/12/31(土) 05:36:51 ID:140AcVFM
ハート様×オリキャラ とか
365名無しさん@ピンキー
保守