公衆便所・小野田優良
この物語は、小野田優良という名の女性に求められて書いたものだ。優良には、夫の真がいる。ご主人は優良の秘密の新生活のことに
まだ気づいていない。優良は真にその新生活のことについて話をしたいと思っていたが、なかなか、話すことができないでいたのだ。
僕が優良に初めて会ったのは、僕がバイトをしていたフォト・スタジオでだった。僕は写真家の卵。アマチュアの作家でもある。優良は、
僕が書いたものを読んで、僕に近づき、彼女の物語を書いて欲しいと言ったのだった。
僕が弟子になってついている写真家が江尻さんだ。彼は、街を歩いている優良を見かけた。モデルを捜していて、優良ならいいだろうと
判断したのだった。僕は、最初は彼女のことをモデルとしてはどうかと疑っていたが、江尻さんは違う。彼は、ホットな気分になっている
女性を捜し出すコツを身につけているようなのだ。
江尻さんのもとで働くようになってから1年経っていた。彼は、撮影のためにアシスタントが必要になると、いつでも、どんなときでも
僕を呼び出す。そうして、ふさわしいと思うことを僕にさせるのだ。だが、これは貴重な経験だ。江尻さんは、大抵の女性なら「いい男」
と言うに違いないタイプの男だ。背が高く、幅広の肩、両腕は筋肉隆々で、ウエストもきっちり引き締まっている。黒の直毛の長髪で、
背中の真ん中まで伸びたポニーテールにしている。
僕が初めて優良と会ったのは、彼女の最初の撮影のとき。江尻さんに、新人の撮影があるので手伝ってくれと電話で呼び出された。
江尻さんのその日最後の撮影の仕事が優良だった。彼女は時間通りにスタジオに来て、紹介された。
「すごい美人だ」というのが僕の印象。背中までの長くて綺麗な黒髪で、とても可愛らしい。顔つきも、その可愛らしい髪に完全に
マッチしていた。愛らしい顔なのだ。キュートでセクシーな笑顔をしてて、見蕩れてしまう可憐な瞳。年齢は推測できなかったが、
実年齢より若く見られているのは間違いない。
「江尻さん、私、とても神経質になってるわ」
江尻さんは優良の肩を叩いて、なだめた。
「優良、リラックスするんだよ。楽しくなるはずだから、大丈夫」
江尻さんの隣に立つと、優良はとても小柄に見える。多分、身長は平均的だと思うが、そのプロポーションには目を吸い寄せられる。
ピチピチのジーンズと白のブラウスの上からも、その体の見事な曲線が分かる。胸は、細身の体つきのために大きく見えるのだろうと
思っていたる、じっくりと見てみると多分Fカップは必要だと思えた。靴はローヒール。一日中ショッピングして歩いても疲れないような
靴だ。つまり、全体的に見て、優良は平均より相当、上クラスの美女で、若い主婦そのものといった印象の女性だった。
江尻さんは、背景幕の前に置いた椅子に優良を案内した。二人はしばらく軽い雑談を交わし、その間に江尻さんはカメラの調節をしていた。
ようやく江尻さんが言った。
「じゃあ、そろそろ、君の美しい顔を何枚か撮影することにしよう」
優良は江尻さんのお世辞に顔を赤らめ、江尻さんはシャッターを切り始めた。数枚撮影した後、江尻さんは一時、撮影をやめた。
「優良、ちょっと居心地が悪いのかな。何か気になる事があるのかな?」
優良は、神経質そうに、深呼吸をした。
「どうやっていいのか分からないんです。こういうことしたことがなくって」
江尻さんはにっこりと笑った。
「優良、君はすごく美しいんだよ。そうじゃなければ、僕は、モデルになってくれとは頼まない。ただリラックスして、僕に、その美しい
笑顔を見せてくれればいい。お願いだ。今のところは、それだけでいいんだから」
江尻さんの落ち着かせるような言葉に、優良は少しリラックスした。素晴らしい笑顔を見せてポーズをとる。
「そうだ、いいよ」
江尻さんは再びシャッターを切り始めた。さまざまな角度から写真を撮るため、動きながら撮影をし始めた。
「僕に顔を向け続けて、ついてきて」
そう言いながら、優良の周りを回ってシャッターを押す。優良もそのうちコツを飲み込んだようだ。
「そう、そこで、にっこり笑って!」
江尻さんの指示に優良は従った。
数分間、これを続けた後、江尻さんは別のポーズや表情を求めた。優良は初心者にしては、上手にこなしているように見えた。
フィルムを2本消化した後、江尻さんは一休みした。
「じゃあ、今度は、素敵なナイト・ガウンを着てみようか。君のサイズは4だったよね?」
優良は頷いたが、ちょっと困ったような顔をしていた。それを見て、江尻さんは着替え室を指差した。
「着替え室は、そこの先だよ。衣装はそこのラックにある。衣装にマッチする靴も見つけて履いてくれ」
優良は着替え室のドアの中に姿を消した。
10分後、優良はハッと息を飲むような明るい緑のガウンを来て再び姿を現した。裾の長いガウンだが、両脇にスリットが入っている。
彼女が歩くと滑らかそうな脚がチラチラと見えた。靴はガウンにマッチした、踵がとても高いヒールだった。多分、15センチはある。
優良は、その高いヒールにちょっとつまずきそうにはなっていたが、それでも身のこなしは十分で、素晴らしい見栄えだった。
次のセッションはスツールを使わないで行われた。江尻さんは、優良に動きの指示を出しながらシャッターを切った。優良は、ポーズを
とるたびにどんどん上達していった。モデルをする天性の才能があるようだった。そして、なんと言っても、あのセクシーさ。
江尻さんはさらに2本フィルムを取り終えると、一時、休止した。
「ちょっと休もう。何か飲むかな?」
優良はちらりとあの魅惑的な笑みを浮かべた。
「ええ、ありがたいわ・・・私、どうかしら?」
江尻さんは素早く返事した。
「ファンタスティックだよ! 本当にモデルは初めてなのかい?」
優良は嬉しそうな興奮を表情に浮かべた。
「本当よ。初めてなの」
僕は二人のグラスにワインを注いだ。優良はちょっと啜って言った。
「次は、何をしますか?」
江尻さんが言った。
「その服でもそれだけセクシーな君だ。君が着たら最高にホットになると思うドレスもあるんだが、着てみるかい?」
優良はためらいがちに頷いた。「まずは、どんな服か見てみたいんですが、それでもいいですか?」
「もちろんだとも」
江尻さんはワードローブに行き、2分ほどして戻ってきた。シンプルなデザインの黒のミニドレスを持っていた。そのドレスの主要な
特徴は、何はおいても、丈の短さと、ホールターのようなストラップの肩紐、そして、ざっくり切れ込んだ胸元にあった。コットンの
生地のように見えた。
優良はそれを見て、頭を横に振った。
「どうかしら。こういうのは一度も着たことがないの。夫の真さんが、そのドレスを着た私を見たらどう思うか、全然、想像ができないわ」
「感銘を受けるに違いないよ。ご主人は君がここに来ているのを知っているのかな?」
「いいえ。今朝はお話しを聞くだけと思って、ここに来たから・・・」
慎ましやかなこの女性に、江尻さんはにっこりと微笑みかけた。
「どうかな、試しに着てみるだけでもいいんじゃないかな。着替え室で鏡を見てチェックしてみるといいよ。もし、大丈夫だと感じたら、
出てきてくれ。そうしたら何枚か写真を撮ろう。もし、それを着てみて居心地が悪いと感じたら、やめることにするから」
優良は「やめる」と言う言葉を聞いて、顔をしかめた。彼女が撮影を楽しんでいるのは明らかだった。江尻さんからドレスを取る。
「分かりました」
着替え室に向かう彼女の顔には、心を決めたような表情が浮かんでいた。
数分後、優良は江尻さんと彼のカメラの前に立っていた。タイトなミニドレスに身を包み、ヒール高15センチの黒いハイヒールを履いた
優良は、ホットそのものだった。ドレスは彼女の曲線豊かな体を包み、完璧と言える形のお尻を美しく見せている。優良はブラを外した
ようで、硬くなった乳首がドレスの上から見えていた。長い黒髪は、黒ドレスとのコントラストでとりわけ美しく際立っていた。
シャッターを切る江尻さんに合わせて、優良は、経験豊かなモデルのように、体を揺らしポーズをとった。顔は、以前にも増して、
紅潮してセクシーな表情を帯びていた。彼女が、この極度にセクシーなミニドレスを着て、実に気分を良くしているのは明らかだった。
「優良、横のラインと背中からのショットを撮るから、くるりと回転してくれないか?」
横を向くと、細いウエストの上、豊かに盛り上がっているFカップの胸のラインがはっきり分かり、実際以上に大きく見えていた。僕は、
変身を遂げた優良に驚嘆していた。今、彼女が楽しんでいるのは確かだ。
江尻さんは、優良を励ましたり、指示を与えたりして、さらにフイルム3本分の撮影をした。その後ようやく休憩を入れる。
「一休みしよう、優良。君は素晴らしい仕事をしているよ。自分でも分かってるかい?」
「ありがとう」
感謝をした優良は、江尻さんに、あの男をイチコロにする笑顔をちらりと見せた。あのセクシーなドレスを着た優良が、あの笑顔を見せる
のを見て、僕は股間が固くなるのを感じた。多分、優良は江尻さんにも僕と同じ効果を与えていたと思う。
僕は2人のグラスにワインを注ぎ足し、2人はしばらく、それを啜りながら雑談をしていた。
「この仕事、楽しんでいるかい?」
「ええ、もちろん。モデルをするのがこんなに楽しいとは思わなかったわ」 ウキウキとして返事していた。
「そのドレス、どんな感じ?」
優良はパッと顔を赤らめた。
「最初は、こんな露出したのを着れるか自信がなかったの。でも、今は、このドレス、気に入ってるのよ。これを着ると、自分が
セクシーになったような気がして」
江尻さんは、こういうきっかけとなる言葉を決して逃さない。
「優良、君は実際、すごくセクシーなんだよ」
優良は、恥ずかしがって、うつむいた。
江尻さんは優良のあごに手をかけ、顔を上げさせ、恥ずかしがる彼女に微笑みかけた。
「君は、人に誉められることに慣れなきゃいけないな。モデルを続けるなら、これから、もっとたくさん誉められることになるんだから」
興奮してか、優良の瞳が輝いた。
「私がモデルとしてやっていけると、そういう意味なの?」
江尻さんは頷いた。
「君がやりたいと思うモデルのタイプによるけどね。ファッションモデルになるのはとても難しいし、残念だけど、君はあの手の仕事を
するにはちょっと背が低い。でも、モデルには他にもいろんなタイプの仕事があるんだよ。君がその気になればの話だが・・・」
「私は、あなたが私をファッションモデルとして選んだと思っていたのだけど。今している仕事は、それですよね?」
江尻さんは頷いた。
「最初の何枚かは、君を、カメラとこの撮影の作業に慣れさせるための僕なりのやり方だったのだよ。だけど、そのミニドレスを着た君を
見たら、君の場合、ランジェリーのモデルかヌード・モデルでの将来性が高いと分かったんだ」
江尻さんの言葉に、優良は口をぱっくりと開けたままになっていた。体が震えていた。
「ヌード・モデルなんてできないわ。夫が理解してくれないと思うし」
江尻さんは、優良を落ち着かせるために、両手を上げておどけて見せた。
「おっと! やりたくないことは、一切やらなくていいんだよ。ただ、君なら、その方面のモデル業で大成功するだろうと、感想を言った
だけなんだ。服を脱げば脱ぐほど、セクシーになればなるほど、お金はどんどん増えていく。君のご主人のことについて言えば、
自分の妻がヌードモデルになるのを見て喜ぶと思うよ。賭けてもいい」
優良は頭を振った。 「そうは思わないわ」
「いいかい? 今日の撮影で僕が君に払う金額の3倍はもらえるんだよ」
それを聞いて、優良は考え始めたようだった。
「どうなのかしら」 軟化しているようだった。
「ともかく、君が素敵なのは確かだし」
優良はちょっと悪戯そうな笑みを浮かべて江尻さんを見た。
「3倍・・・えーっと、どういうことをすればいいの?」
「君にランジェリーを着てもらう。それから、ゆっくりと、下着を脱いでいってもらえればいいんだ。君のその素晴らしく美しい顔、
キュートな笑顔、そしてセクシーな体。君ならカメラのフィルムも溶かしてしまうくらい、ホットな写真ができると思うよ」
「うふふ」 優良から小さな笑い声が漏れた。
江尻さんの、女性をおだてる手管には本当に驚かされる。ほどなくして、優良は江尻さんの言う通り、カメラの前に戻っていた。薄地の
黒いブラとパンティ、黒のストッキングとガーターベルトの姿で。靴は前と変わらず、黒のハイヒール・パンプス。優良は恥ずかしそうな
表情をしていたが、見事なほどセクシーだった。江尻さんは、彼女をソファに座らせ、様々な背景画を試しては、さらに何枚か写真を
撮っていた。
僕の方はビデオカメラを操作していた。ビデオも使う目的は2つある。ランジェリーのビデオは高値で売れるというのが一つ。もし、
優良の写真がかなり良いとなれば、ビデオも販売できるかもしれない。2つ目の理由は、もし万が一、モデルが、後でセクハラの訴えを
起こす場合に備えて、江尻さんは撮影の記録をとっておくのを望んでいるという点である。江尻さんは、以前、そのようなことで火達磨に
なったことがある。
江尻さんは、優良にソファの上にあがって、様々な角度から体を見せるように指示した。優良からは、すでに、恥ずかしがる様子は
消えていた。今は、魅了的な表情を浮かべて、猫のように体を動かしている。彼女は、確かに、モデルの仕事に関しては初心者なのかも
しれないが、男の興味を惹きつけることには長けていると僕は思った。それに、モデルを行う技術も素早くマスターしていってるように
見えた。
「優良、ブラをゆっくり脱いでいってくれないか?」
江尻さんがそれを求めたとき、さすがに彼女もたじろいでしまうのではないかと思った。だが、その予想に反して、優良は、ブラに手を
かけ、ゆっくりと、誘惑するようにして、それを外していったのである。中からは、僕が知るうちでも最高の乳房が姿を現していた。
自分自身でその双乳をゆっくり揉み、乳首をつまみあげて、勃起させる。さらに、ソファの上、四つんばいの姿勢になって、胸を下げて、
クッションに触れさせ、ゆっくりと体を前後に動かして、クッションの生地に乳首を擦りつけだした。乳首を生地に擦られ、快感が生じて
いるのだろう。優良は口を半開きにして、うっとりとしていた。彼女が感じてきているのは明らかだった。
「優良、いいよ。じゃあ、今度はパンティを脱いでくれないか?」
江尻さんの指示に、優良は、ソファから降り、カメラに背中を向けて立ち上がった。振り返って、誘惑的な表情でカメラを見つめながら、
ゆっくりとパンティを降ろし、床へと脱ぎ落とした。キュートな漆黒の陰毛が尻肉の間からはみ出しているのが見える。それから、
慎ましやかな表情に変わって、ソファに腰を降ろした。実に清楚な貴婦人のように両足をそろえて横に流して腰を降ろす。しかし、
その清楚で無垢な表情は、彼女が唇を舐め、ゆっくりと脚を開いていくのにあわせて、徐々に、淫らな表情に変わっていった。
彼女の右手は、ゆっくりと腹部を下方に這い降りていき、クリトリスのところで止まった。
江尻さんも僕も、このセクシーな優良を撮影しつづけていた。彼女は決して僕たちをがっかりさせることはなかった。ソファの上、
ゆったりと体をくつろがせ、寝返りを繰り返し、その驚くほど魅力的でセクシーな女体の隅々まで、江尻さんと僕のカメラに晒して
くれたのだった。僕は、優良の変身に畏敬の念を感じていた。あの可愛らしく恥ずかしがり屋の主婦が、いまや淫らなセクシー爆弾女に
変身している。江尻さんの表情や態度が彼女を変えたのか、それともワインのせいなのか。僕には分からない。お金のためだったのかも
しれない。いずれにせよ、優良は、官能的に熱く燃えた女性に変わっていた。
撮影が終わった。江尻さんは、優良の魅力的な表情と彼女の努力に対して絶賛の言葉を告げた。それに、彼女のこの種のモデルをする能力
の素晴らしさにも驚嘆していた。
ひとしきり賛辞を述べた後、江尻さんが言った。
「君なら最高作を作れると思う企画があるんだが。やってみたいかな?」
優良は顔を崩して、嬉しそうな笑みを浮かべた。
「ええ、もちろん。どんな企画ですか?」
「人気がある海外の男性雑誌向けに男女のシリーズ物を撮影しているんだよ」
江尻さんの返事に、優良は顔を曇らせた。江尻さんはさらに続けた。
「まあ、君が断る前に、これだけは言わせて欲しいんだが、もし、少しでも撮影で不快な感じになったら、すぐに教えてくれれば
いいんだよ。僕にとって、君はとても貴重な存在だ。君にはいつも快適にモデルをして欲しいと思っている。その撮影は、単に、ポーズを
とるだけのものになるだろう。セックスのシーンがあるのでは、と気になっているのだったら、あえて言うけど、そのシーンはない」
「いえ、ただ、夫にどう言ってよいか分からなくって・・・」
「ご主人も連れてくるといいよ。きっと気に入ってくれると僕は信じている」
「ちょっと考えさせてください」
「でも、あまり時間をかけて考えないようにお願いするよ。撮影は今日から1週間後の翌日に行うつもりだから。早めに返事が欲しいんだ」
*
*
*
1週間後、優良は戻ってきた。こちらにつくとすぐに、彼女は江尻さんに、撮影でどのようなことがあるのか質問を始めた。
「タツヤはいつでも、ここに来れる。君も彼を気に入ると思うよ。まずは、2人とも服を着たままの状態から撮影を始める。次に、
タツヤが君の服を脱がせていく。それから、今度は君が彼の服を脱がす。最後に、僕が、君とタツヤの絡みのポーズを指示することにする。
そういう手順だよ。ところで、君のご主人の真さんはどこに?」
優良は後ろめたそうな顔になった。
「まだ夫に言う勇気がなくって・・・」
「ご主人にお話しした方が、気が楽になると思うよ」
「ええ、分かっています。早めに、話すつもりです」
江尻さんは調子をちょっと明るく変えた。
「ところで、衣装係は君のヘアとメイキャップについて、第1級の仕事をしたようだね」
優良はパッと顔を明るくさせた。確かに優良は素晴らしかった。どうやら、ヘアを明るめにコーティングして変えたようだった。
明るくキラキラ輝くような黒髪に変わっていた。それにメイキャップの効果か、上品でありながらとてもセクシーに見えていた。衣装は、
前と同じ、黒のミニドレスとヒール高15センチの黒のハイヒールだった。それに加えて、黒ストッキングとガーターベルトをつけていた。スカートの裾からチラチラとガーターが見えている。優良は超高級コールガールのように見えた。
男優のタツヤが到着し、早速、互いの紹介がなされた。優良は、セクシーな笑みを浮かべながらタツヤを見つめていた。優良の瞳が
キラキラ輝いていたのは確かだと思う。タツヤは背が高く、ウエイトリフティングの選手のような体格をしている。タツヤは大きな手で
優良の小さな手を取り、身をかがめて、騎士が王女にするように、彼女の手にキスをした。優良は少し顔を赤らめた。
「江尻さん、いつになく冴えているじゃないか。彼女には1発でノックアウトさ」
「彼女、最高だと思わないか?」 江尻さんも嬉しそうに言う。
「まさに最高だ! 俺は、特に可愛いくて綺麗な髪とキラキラ輝く瞳の女性は大好きだしね」
タツヤは改めて優良の体を頭からつま先まで見て、こう付け加えた。
「それに、なんて美しい体の曲線。これなら例の雑誌も大変な売れ行きになりそうだ」
明らかに、優良は、褒められることに慣れていなかったのだろう。盛んに褒めちぎられ、少し体をくねらせながら話しを聞いていた。
ようやく口を挟む。
「素敵なお世辞ばかり言われて、私、恥ずかしいわ」
「いや、いくらでも褒めてあげる価値が十分にあるよ、優良」
タツヤが返事した。
江尻さんがセットを指差すと、優良はそこへ向かった。僕たち3人とも、歩いていく優良の素晴らしい後姿を見るために首を回して
振り向いていた。あのミニスカートだと、かろうじて彼女のお尻が隠れている程度なのだから。
江尻さんは、まず、互いに腕を回して抱き合うようにタツヤと優良にポーズをつけ、撮影を開始した。優良が15センチのヒールを
履いていなかったら、タツヤの身長では優良に覆いかぶさるような格好になっていただろうが、ヒールのおかげでバランスが取れている。
江尻さんは、タツヤに優良の首筋に甘噛みするように言った。優良は両腕をタツヤの首に巻きつけ、タツヤは優良のか細いウエストを
押えていた。優良は頭を後に倒し、タツヤが彼女の首や肩にキスをしやすいようにさせていた。首筋へのキスを受け、優良はうっとりと
した表情で目を閉じていた。彼に融けいるように抱かれ、胸をタツヤの胴体に押し付けている。前に彼女がヌードになったときや、今回の
撮影の、この最初の段階を見た時点で、僕は、優良は実は非常に情熱的な女性なのではないかと思うようになっていた。
タツヤと優良が、典型的なロマンチックな雰囲気になっている典型的なカップルを演じ続ける間に、本来あるべき姿が徐々に姿を
現してきているように感じた。もはや、ポーズに関する指示は必要でなくなっていた。タツヤは優良の首筋や肩先を愛撫し続け、
江尻さんは黙々と写真を撮り続けていく。優良も、タツヤに首筋を甘噛みされながら、彼の耳や頬にキスを返し始めていた。タツヤも、
ゆっくりと頭を上げて、優良の耳や頬にキスをしていく。2人が唇を合わせ、情熱的なキスを始めるのは、もはや、当然の成り行きに
なっていた。