両手を上げて降参のポーズを取るクミの胸ぐらを、掴み上げる。
「ひゃっ。ほ、ほんと、冗談だってば。ミユキちゃんと私は、親友でしょ?
ね? ね?」
ミユキは、眉根を寄せて哀願するクミを地面に押し倒した。
「きゃあ」
「舐めた真似してんじゃないよ!」
倒れたクミは、泣きそうな顔で詫びてくるが、
「ごめん、ごめんなさい。勝手なことは、もうしないから。お願いだから、許
して」
「消えな。二度と、私の前に顔出すんじゃないよ!」
到底許せるものではない。この場で半殺しにしないだけでも、感謝して欲し
いくらいだ。
と、赦免される気配のないことを悟ったクミは、立ち上がり表情を一変させた。
「あぁ、そうよ! お金がなかったら、誰があんたとなんかつるんでるもんか。
あんたにちやほやしてるやつは、みんなそうよ。なによ、女王様気取りで。馬
鹿馬鹿しくて、もう付き合ってらんないわよ。喜んで、こっちから消えてやる
わ。ばぁ〜か」
一気に吐き出して舌を出すと、クミは背を向けて駆けだした。
ミユキは我知らず、拳を爪が食い込むほど強く握りしめていた。怒りを通り
越して、殺意が湧く。
クミを追って走り出そうとするが、腕を掴まれて立ち止まる。
振り返り見ると、ケイが申し訳なさそうな顔をしている。
「ミユキ……」
ミユキは、ケイの手を勢いよく振り払った。
「触るんじゃないよ。あんただって、金が目当てだったんだろ?」
「あ、あたいは……」
ケイは口ごもった。ほら、反論できないじゃないか。
(まあ、いいさ。こっちだって最初から、友達だなんて思っちゃいなかったん
だから)
都合よく顎で使えるから、側に置いてやっていただけだ。だから、裏切られ
たなんて思わない。なにも失っていない。それに、今は――
ミユキは、まだ茫然とベンチに座っていたシンジに目を向けた。
近づいて、手を取って立たせる。
「行くよ」
「ど、どこへですか?」
「家。嫌とは言わないよね?」
そう今は、この少年がいる。本当に欲しかったものを自分は手に入れた。だ
から、他のどうでもいいものなんて、なにもいらない。
萌、萌え死ぬぃ…あぶらびゃ!!?
938 :
名無しさん@ピンキー:03/09/05 20:52 ID:Pn++YnxU
よし、あげよう。
一言だけ・・・いい!!
捨て台詞吐くクミたんイイ!
クミちゃんはここで退場なのか、はたまたアスカにつくのか!
それとも大穴で第三勢力なのか!!
楽しみ。
942 :
名無しさん@ピンキー:03/09/05 23:05 ID:bSI1X1I9
ここにティッシュ置いときますね
_,,..i'"':,
|\`、: i'、
.\\`_',..-i
.\|_,..-┘
えっ、足りない?。じゃあ、もう一個置いときますね
_,,..i'"':,
|\`、: i'、
.\\`_',..-i
.\|_,..-┘
>>942 _Д_
つ[ネピア]
サンクス(;´Д`)ハァハァ
ミユキたん…すごい寂しいかわいそうな人だね、見ててせつない。
そしてくみたんの凶悪ぶりハァハァ(;´Д`)
是非、この本編が終わったあとにサイドストーリーもしくは
パラレルワールドでクミ×シンジを書いてほしかったり・・・
ああ、シンジきゅんに狂っていく人たち・・・
「あたし」
ミユキは、インターホンに向けてつぶやいた。
すぐに、鉄製の門が音を立てて開き始める。
ミユキは完全に開ききるのを待たず、人が通れる隙間ができたところで中に
進んだ。
門から家までは二百メートルほどあり、ミユキは帰ってくるたびにうんざり
とした気分になる。
腕を掴んで――そんなことをしなくても、逃げはしないだろうが――歩かせ
ているシンジが、きょろきょろと辺りを見回した。
「どうかした?」
「あ、いいえ、すごい大きなお家だなって思って」
「そうね……」
陰鬱に同意する。誇らしい気持ちなど一切ない。
敷地も家屋も、親子三人で暮らすにはあまりにも広すぎる。だいだい両親は、
あちこち遊び回っていて、家にいる時間はほとんどないのだ。
見栄と無駄の塊。まるで実体のない、虚ろな空間。
ようやく玄関にたどり着き、扉を開ける。
「おかえりなさい、ミユキさん」
中では給仕服を着た二十歳前後の女性が、出迎えている。家政婦の桃井だ。
「あら、お友達ですか?」
「あぁ」
曖昧に頷いて、二階の自室に向かおうとするのだが、
「あ、あの、お邪魔します」
「いらっしゃいませ」
シンジは、律儀に 桃井に向かって挨拶する。
「いいから、いくよ」
ミユキは苛立たしくシンジの手を引いて、階段を登った。
かなり長編になりそうな予感…それだけ気合が入った作品なんだろうな。
そして新キャラ、メイドの桃井さんが…ああ、気になる。
ミユキって、大地主の娘かな?
あの決戦要塞都市に好き好んで引越してくる金持ちはいないだろう。
遷都計画で一儲けした成金かな?、その辺、コンプレックス持っていそう。
神期待sage
さて、どうなる…。
そろそろ新スレを建てたほうがいいでないの?と言ってみるテスト
では自分が建てようと思うけどいいですか?
OKなら今からたてます。
OK
微熱氏
>14>15>22>23>31
>105>192>193>248>249
>255>256>270>282>283
>288>295>296
>322>323>333
◆pcuNHWKE2Q 氏
堕ちゆく魂
>20>33>34>47>71>117 (完)
その瞳に映りしモノ
>217>226>227>236>246>247
>254>267>276>286>287>302
>304>307
◆6gYxGxJvo2氏
>132>133>134>135>231>232>233
>241>242>243>263>264>265>266 (完)
(名称不詳)氏
>158>159>160>161>162>165>166>167>168>169>170
あのじ ◆lGlh4qGedo 氏
>195>196>197>198>199>200>201>202>203>204>205>206>207>208>209>210
疲れた。途中まで。
こうしてまとめてみると微熱氏とあのじ氏だけじゃなかったんだね。なんというか粒ぞろい?
個人的には(名称不詳)氏の作品がツボ。
こういう彼女の前で無理やりっていうのは専門的には何プレイっていうのかな?
>>964 「対面プレイ」という言葉を使ってるサイトを見掛けた覚えがある。
汁文庫の引き気味氏でしたか。只者ではないと思ってましたが高名な書き手さんだったんですね。
汁文庫は作品紹介文だけでイタモノ耐性のない自分にはお腹いっぱいでしたが、各スレに投下された
シンジきゅんへの愛にあふれたカキコを見ればこれが氏の作品だというのも納得ですね。
>対面プレイ
了解しました。おかげでまたひとつ賢くなりましたw
必死なアスカ様がやむにやまれずというのもいいが
あのじさんの作品、「閉幕拒否する人々に対する考察」「聖把恋多淫日之説話」あたりを思い出させる、
よわシンとそれを取り巻くおねいさま方もいい。
アスカ様が躊躇する壁をあっさり越えて、
おねいさまがシンジをアフアフさせるのは、歯を食いしばってシンジに向かうようなアスカと比べると
軽くあっけらかんとした空気が気持ちいい。
必死なアスカ様、必死な分空まわり、シンジに迫りながらもまぬけな展開に
レイがニヤリとしてオチのコメディ路線を思いついたが、エロが入らない、ダメだ。
倉庫が消えたとあったから驚いたがこっちのほうが生きてるようで、
ttp://ftom.bebto.com/ 消えてなくてよかった。
6月以降更新はないが、気長に復活の日を願う。
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