【強い男を】女が男を倒す[Part2]【強い女が】

このエントリーをはてなブックマークに追加
11
Part2です。
ルールは2〜をどうぞ。
21:03/05/24 14:37 ID:LgjrJ10Q
どんな内容?
・強い女が強い男を倒すことに興奮する人達のためのスレッドです。
・舞がテリーを倒したり春麗がリュウを倒したりする感じです。
・弱い男を強い女達が犯す(逆レイプ)するのとは全然、違います。
・強い男が女にやられてどんどん弱い男になっていくのはhitです。
・格闘で倒したり、性技で圧倒したり、倒す方法は自由です。

・小説を書いてくれる人は神様です。
・みんなで是非、感謝レスをして下さい。
31:03/05/24 14:41 ID:LgjrJ10Q
お勧めリンク

妖女回廊…エロ限定
ttp://www.akane.sakura.ne.jp/~vamp/abyss/index2.html
強い男が強い女に性技で狂わせられます。
4名無しさん@ピンキー:03/05/24 15:09 ID:7hyJVNnx
>>1さん乙!
できればsage進行のほうが良いのかな。
5あぼーん:あぼーん
あぼーん
6名無しさん@ピンキー:03/05/25 00:02 ID:rdByXmux
スレ立て乙です。
あとこれも。

前スレ

女が男を倒す
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1004857505/
7前スレ811:03/05/25 00:45 ID:ZuMjg0n1
>>1さんスレ立て乙カレー

なんか献上したいところですが、ネタが定まってないのです。
とりあえずヒーローモノ?がポンと頭に浮かんだんですが。簡単に説明すると
「ヒーローが、悪の女幹部やダークヒロイン、もしくは味方のヒロインに敗北→エッチ」。
妄想パウワァーを全開にして浮かんだのがコレ。アホすぎです。
漏れ、TVや漫画で主人公が女性に追い詰められるシーンに出くわしては(;´Д`)ハァハァしてる気が・・・
そう考えるとガキの頃は、特撮モノとかでハァハァなシーンに頻繁に遭遇してたんでしょうね(w
8名無しさん@ピンキー:03/05/25 02:16 ID:4AVfPyHD
初カキコです。
811さん
そのシチュエーションは私が戦隊物を子供の時に見てたときからあこがれてました。なにげに自分の性の目覚めの原点かもしれない・・・
逆パターンはよくあるんんですけどねー。すっごい楽しみなのでそのネタに是非トライして欲しいです。このトピは個人的にすっごく好きなのでまたちょこちょこおじゃましまーす。 
9名無しさん@ピンキー:03/05/25 10:23 ID:vNRuqanY
まさかこのスレがパート2まで行くとは
>>1さん乙です

10あぼーん:あぼーん
あぼーん
11名無しさん@ピンキー:03/05/25 14:56 ID:M7yVrw+x
ごくせんの山口久美子が、敵のヤンキー男集団を格闘でボンボコ倒す。
12あぼーん:あぼーん
あぼーん
13811:03/05/26 03:17 ID:GWiZM+iF
SSが完成するまでは雑談してみるテスト。
というわけでこのスレの住人にぴったりな格闘マゾ御用達ゲームをお聞かせくださいな。
オイラ的殿堂入りはエキサイティングプロレスシリーズですが、皆さんはありますか?
「んなこと聞く暇あったらSS書け上げろや」とか言っちゃイヤソ
141:03/05/26 16:39 ID:lWXv8tBe
デッドオアアライブ、キングオブ、ストファ、闘神伝。
妄想を武器にすれば、キャラクターがかわいいだけでOKです。
15名無しさん@ピンキー:03/05/26 17:43 ID:eErr0P89
なるだけ長身でスタイルのいい女がいいと言ってみるテスト
16名無しさん@ピンキー:03/05/26 21:02 ID:0ntbufpo
>>13
エキプロ4は3とちがって美女がつくれて良いです
が、ひとつ不満が
関節技極めたあと自分からすぐにとくなと・・・
17名無しさん@ピンキー:03/05/27 12:00 ID:VM7XORHh
チュンリとキャミイの存在は衝撃だったなぁ。 女に負けた上に罵られたり嫌味を言われるんだから。 DOAも一見格闘技に縁の無さそうな巨乳美女に ボコボコにのされるというシチュエーションにハァハァ
18名無しさん@ピンキー:03/05/27 19:17 ID:ImuZbNzW
昔の格ゲーは、勝ち台詞に加えて敗れた相手の負け顔があったから良かったよね。
あれがあったから、勝者の優越感と敗者の屈辱感が存分に伝わってきたし。
最近は2Dの格ゲーすら無いもんなあ、負け顔……。
191:03/05/28 00:49 ID:Xl6OjbRj
96の勝利シーンはよかったっす。
敗者が後ろで倒れてるところが最高ですね。
20山崎 渉:03/05/28 13:25 ID:3MGJJ1xD
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉
21811:03/05/29 02:14 ID:3ptO3T0U
やっぱり勝者と同時に敗者も描写されると萌えますよね。
スト2や竜虎シリーズの「やられ顔」、闘神伝のコンテニュー画面、
あと>>1さんの言うようにKOF96には萌えました。
エキプロシリーズのレスラーエディットで女子高生作って、そのキャラに
現役バリバリのレスラーが関節技かけられてギブアップ、というアホな遊びしたり(w
シチュエーションが重要かな、と。ただ負けるだけじゃなく+αがあってはじめて(;´Д`)ハァハァに至るという。

SSは骨組みが出来上がったところです。ただ、ヒーローものっていっても色々あるので
どういったヒーローが負けるのが一番萌えるのか検討して、修正していこうと思ってます。
来週には投下する予定であります。
22名無しさん@ピンキー:03/05/29 13:11 ID:zN8X8FXo
俺ゲームってほとんどやらないから知らないキャラばっかりだ・・・
ここ見てるとやりたくなってくるな。PS2買おっかな
23名無しさん@ピンキー:03/05/30 07:09 ID:GM5eNEO4
どうもお久しぶりです。最近めっきりこのスレにはご無沙汰だったんですけど、
何時の間にか新スレが立っていて驚きました。
それもこれも811さんの力作で前スレが素晴らしい形で完結したお陰ですね。
どうも有り難う。
「仮面ライダークウガ」をネタに新しいSS書いてみたんですが、
クウガVS女怪人って内容なんですけど、怪人体はともかく人間体は滅茶苦茶妖艶な美女だから、
一応このスレの趣旨に合っていると思いましたので、書き終わった部分を貼っておきます。
(もしも今811さんが作成中のSSと被っている部分があったらごめんなさい)
 ショパンの「革命のエチュード」の音階に合わせる形で選択したプールに出没し、音符の長さに合わせた数の人間を殺害するゲームを次々と繰り広げていた未確認生命体第38号。
ゲームのルールを解読した五代雄介達は都内のプールを遊泳禁止にして先手を打つが、今度は海水浴場へと38号が現れる。

 銃声の轟きと共に、ウミヘビの姿を持った怪人、未確認生命体38号の胸部が弾けた。
「一条さん、皆を早く」
「分かった」
 間一髪で駆け付けた五代雄介は、ライフルを構えた隣の一条に人々の避難を任せると、走り出し、叫んだ。
「変身!」
 掛け声と同時に赤の輝きが雄介の体を包み、その身をクウガの基本形態、マイティフォームと変貌させる。
 皆の笑顔を守りたい――。
 その熱い思いがクウガの胸の内を満たし、全身から力をみなぎらせる。
「はあっ!」
 高々と跳躍すると、クウガは眼下のグロンギ目がけて拳をふり抜く。が、かわされる。
今度は回し蹴り。やはり軽々と避けられる。
それでも、そこから更に連続してマイティフォーム最大の武器である肉弾攻撃を繰り出すが、
その度に38号は海水に濡れた全身を揺らしながら、巧みなステップでクウガの攻撃をかわし続ける。
「くっ!」
ゲームの複雑化と比例するかのように、流石に手強い。このままでは埒が明かない。
クウガは後方にハイジャンプして38号との距離を取ると、全速力で駆け出し、砂浜を蹴った。
「うおおおおっ!」
 右足の先端に全エネルギーを収束し、蹴り出す。必殺のマイティキックだ。
 この速さと威力ならば。
 虚を突かれたのか、38号は猛スピードで落下するクウガを見上げたまま、動くことが出来ない。
 捉えた――。
 しかしその確信も空しく、右足は空を切った。クウガは慌てて宙で体勢を整え、着地する。
 次の瞬間、背後に殺気を感じた。
25前スレの424:03/05/30 07:23 ID:GM5eNEO4
「うわあっ!」
 無造作に振り抜かれた38号の右腕がクウガを軽々と頭上に浮かせ、数メートル後方の物置小屋にぶち込んだ。
「くそっ!」
 体の芯に刻まれたダメージを気合で必死に振り払うと、クウガは何とか起き上がり、前方に悠然と佇む38号を睨んだ。
 クウガの気迫にも微塵の表情の変化も見せず、38号は無防備な姿勢のまま、初めて言葉を発する。
「ギンボンザブダダ ゴ・べミウ・ギ レ」
 そして今度はゆっくりと、抑揚の無い日本語で。
「クウガの力もこの程度か……。所詮我等ゴの敵ではない」
 その余裕の仕草が、クウガの心に昂りを与える。
 ――強い。今までの未確認生命体達とは一味も二味も違う。だが、このまま好き勝手に遊び半分で人間を殺戮されてたまるものか!
「はあっ!」
 クウガは腹の底から声を絞り出すと、水の戦士、ドラゴンフォームへと変身した。
 この姿ならば、スピードでは負けないはず。
 クウガは足元の木の棒を蹴り上げ、ドラゴンフォームの武器、ドラゴンロッドへと変化させると、それを脇に構え、真っ直ぐべミウに向き合う。
「たあっ!」
 クウガは間合いを詰めると、両手に握り締めたロッドをべミウの顔面目がけて斜めに振り上げた。
 しかしべミウは屈んでこれをかわし、反撃の跳び蹴りを繰り出す。
それを反応よくクウガはロッドを反転させてガードすると、べミウの懐に潜り、膝蹴りを食らわそうとする。
しかし、またもべミウは反応よく後方に跳び退きこれをかわすと、間合いを離し、右足のアンクレットを手に取った。
すると、瞬く間にアンクレットがドラゴンロッド以上のリーチを持つしなりある鞭へと化した。 
 こうなってしまうとべミウの方が有利だ。再び距離を詰めるべく、クウガは踏み込もうとするが、それより早くべミウの鞭がうなった。
「うわっ!」
 べミウの一撃を浴びた右肩のプロテクターが、一瞬にして真っ白に凍結していた。
 何人もの人間を死に至らしめたべミウ最強の、冷凍鞭だった。
 
26前スレの424:03/05/30 07:25 ID:GM5eNEO4
 ダメージに怯む間もなく、二撃、三撃、四撃目がクウガに加えられる。
「うわっ!ぐぅっ!あぁっ!」
 逃れようと必死に身を捩り、砂を蹴るが、不規則な動きの冷凍鞭の先端がかすめただけで、クウガの右膝が、左肩が、左脇腹が次々と凍結していく。
 たまらずに、クウガは後方にハイジャンプし、レンジの外へと逃れた。
 ――このまま、このままだとやられる。
 ドラゴンフォームのスピードですら、べミウに太刀打ちすることが出来ない。
 ならば――。
「はあっ!」
 再度の叫びと共に、クウガの全身が新たな変化を遂げた。
金と紫の甲冑に身を包んだその姿は、大地の戦士、タイタンフォームの強化形態、ライジングタイタンだった。
形態と同じく、ドラゴンロッドから変化したライジングタイタン専用の武器、ライジングタイタンソードを右手に持つと、クウガはべミウに向かって一直線に走り出す。
その間にも容赦ない冷凍鞭の雨がクウガの体のあちこちを凍結させるが、それでも構わずにクウガはべミウに向かい続ける。
「うおおおっ!食らえ!」
 ありったけのエネルギーを込め、べミウの腹部目がけてソードを突き出す。
 肉を切らせて骨を断つ、渾身の一撃だった。
 が――。
27前スレの424:03/05/30 07:27 ID:GM5eNEO4
「そんなもので私は倒せない……」
 全身全霊を込めたクウガの一撃は、べミウを貫くことは愚か、僅か数ミリの傷さえ付けることすら適わなかった。
クウガの一撃をべミウはかわすどころか防御もせず、強靭な表皮と腹筋で完全に受け切っていた。
「ぐうっ!うおおおっ!」
 それでもクウガはソードを両手で握り締め、懸命に刺し貫こうとするが、クウガより小柄なはずのべミウの体はびくとも動かない。
 と、べミウが無造作に右腕でソードの切っ先を掴んだ。
すると、クウガから加えられる力を物ともせずに、ソードが数センチ押し戻され、べミウは何事もなかったかのように腹部に浮かび上がった封印のエネルギーを左手で消し去った。
 馬鹿な。スピードは愚か、パワーですら……。
「お前の力では、遊びの相手にすらならない……」
 言葉と共に、不意にべミウの姿が変化を帯び、その全身が収縮していく。
 最早クウガの相手をするのはこの姿で充分とばかりにべミウが化した人間体は、黒絹の輝きを持つ長い黒髪と紫に染めた潤いのある形良い唇を持ち、
銀のドラゴンの刺繍を刻んだ黒いチャイナドレスに身を包んだ、冷たい美しさを秘めた小柄な若い女性だった。
28前スレの424:03/05/30 07:30 ID:GM5eNEO4
「ぐうっ!ううううっ!」
 人間の姿になってなお、べミウは右手でソードを握り締めて加えられる力を受け止めたまま、
今やグロンギに対して無力な存在となった目の前の古代リント族の伝説の戦士、クウガを無表情に見つめる。
「哀れだ、クウガ。無力と分かっていながら、ゲームの邪魔をする……」
 言葉の途切れと共に、べミウは軽やかな動作で左拳をクウガの顔面に振るった。
 マスクがひび割れ、いとも簡単にクウガの体が浮き上がる。
「がっ!」
 勢いよく砂浜に激突し、仰向けに倒れたクウガに、最早ほとんどのエネルギーは残されていなかった。
ベルトが輝きを失い、全身真っ白な未完全形態グローイングフォームの姿になってしまう。ソードも既に、元の木の棒へと戻っていた。
スリットからしなやかな両脚を覗かせ、べミウはゆっくりクウガに歩み寄ると、
激痛と疲労感に微かに身悶えしているクウガの腹筋へと光沢ある黒靴を履いた右足を載せる。
惨めな敗者をなぶり尽くすように、べミウはじわりじわりと足の裏へと力を込めていく。
「ああ、あ……」
 見た目の細足とは裏腹に、強烈な力を伴って腹筋にめり込む右足に呻き声を上げるクウガにも眉一つ動かさず、べミウは執拗に力を込め続けてく。
「あぁ……」
 変身の解除と共に、雄介の意識は深遠の淵へと沈み込んだ。
 眼下に横たわる、最早クウガではない、只の無力な一人の青年を見下ろし、べミウは唇の両端を吊り上げた。
「今は眠れ、クウガ。次に目覚めた時、お前は我等のゲームの洗礼を受ける……」
 一時の甘い眠りについた今の雄介に、べミウのつぶやきが届いていたはずがない……。
29811:03/05/30 18:16 ID:tBrMnYYG
>>424さんキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
再び424さんの作品を見ることが出来て大感激です!
文章で(;´Д`)ハァハァしたあと、仮面ライダークウガの公式サイト逝ってきますた。
ここに登場するベミウがどんな怪人か気になって。
「人間体」に変身できるのが良いですね。美人さんだし(w

ネタが被る云々は気にせず、ガンガンいってください!
オイラも頑張るであります。
30名無しさん@ピンキー:03/05/31 11:32 ID:zUTy8UmS
お疲れ様です
31名無しさん@ピンキー:03/05/31 16:27 ID:hK4R8/WD
>>424さん乙です
   
32名無しさん@ピンキー:03/06/01 09:22 ID:TAl2LQui
職人さんが書いてる小説のキャラは2種類ありますね
クールビューティーor愉快犯的な女

正直どっちも守備範囲だけど俺は前者が好み
だから今回の話は良かった
33名無しさん@ピンキー:03/06/02 12:56 ID:mL20Apj1
>>424さん面白かった」
>>811さん楽しみにしています
34あぼーん:あぼーん
あぼーん
35あぼーん:あぼーん
あぼーん
36あぼーん:あぼーん
あぼーん
37あぼーん:あぼーん
あぼーん
38名無しさん@ピンキー:03/06/02 20:47 ID:rMHVAqOo
424さん最高!前から特撮モノを
見たいと思ってたんですが、
この度職人さんが実現してくれて感激しました。

っていうかおまいら、淡泊な感想が多すぎだYO
39名無しさん@ピンキー:03/06/02 22:46 ID:spjKKY+X
続きを早く!!!!! 
40あぼーん:あぼーん
あぼーん
41名無しさん@ピンキー:03/06/03 22:52 ID:HUgtidV1
>>39
みたいな発言は控えて下さい。
>>424さん
神様、ありがとうございました。
42名無しさん@ピンキー:03/06/04 12:08 ID:zmE7PyCH
素晴らしい作品をお待ちしておりますm(_ _)m
43名無しさん@ピンキー:03/06/04 16:48 ID:CmpZ0xe9
S男が調教されてMにされていく
こんなの好きな日と居る?
44名無しさん@ピンキー:03/06/06 07:07 ID:+tcVXMPn
ahe
45あぼーん:あぼーん
あぼーん
46名無しさん@ピンキー:03/06/07 14:37 ID:wq8PjxxP
ダウンタウンのごっつええ感じがDVD化するみたいですね
キャリー東野入れてくれないかなあ
Tバック姿の千葉ちゃんに失神させられ負ける
リベンジでもう一度対戦するも、チョークでギブアップ
47あぼーん:あぼーん
あぼーん
48811:03/06/09 00:33 ID:3g9VuOA8
   ||
 Λ||Λ
( / ⌒ヽ
 | |   |
 ∪ 亅|
  | | |
  ∪∪
   :
   :

 ‐ニ三ニ‐

仕事がクソ忙しくてSS作成どころではありませんでした・・・・
気合入れて書き上げますんで、もう数日ほどお待ちください。
本当に申し訳ないでつ
49名無しさん@ピンキー:03/06/09 04:21 ID:qBbmWehS
ガンガレ
期待してまつ

50名無しさん@ピンキー:03/06/09 04:31 ID:KpNvtrpE
>>46
僕は二度目の対戦しか見てないんですけど、最初はどうやって失神させられたの?
当時、あれを見て大興奮。千葉ちゃんのTバック巨尻で顔騎されたかった!
確か千葉ちゃんって60kg近くありましたよね。小柄な男どもより重いんだな。。。
ぜひDVD化してほしいなあ。。。どこかにリクエストできないんでしょうか?
51あぼーん:あぼーん
あぼーん
52名無しさん@ピンキー:03/06/09 20:36 ID:4OXURiMB
>50
そうそう。
僕も2回目のはビデオに録ったけど1回目の詳細がわからない。
誰か詳細知りませんか?
53あぼーん:あぼーん
あぼーん
54424:03/06/10 00:05 ID:2HcrhpXI
すいません、ようやく続きが仕上がりましたんでupしときます。
相変わらず書くの遅くてごめんなさい。

 頬に差す日差しの眩しさに、雄介はようやく意識を取り戻した。
 ずきずきと頭が痛み、全身が鉛のように重い。
 俺は?あの時、未確認生命体との戦いに敗れて……。
 そこまで思い出し、雄介ははっとなって両目を開けた。
 開いた視線の先、人間体のべミウが恐ろしいほどの無表情で雄介を見下ろしていた。
 起き上がろうとする。が、手足を自由に動かすことが出来ない。
 見てみると、べミウの冷凍鞭が鎖のように雄介の両手と両足に絡みつき、その動きを封じ込めていた。
「目覚めたか、クウガ」
 べミウは相も変らず無感情につぶやくと、屈み込み、顔を雄介の手前まで近付けて、じっとその瞳を見据える。
「俺を、俺をどうするつもりだ!」
 感情の起伏を露程も感じさせない漆黒の瞳を真っ直ぐに見返し、雄介は問うた。
グロンギへの怒りと憎しみに満ちたその視線をべミウは動じることなく受け止めると、右手で雄介の顎を掴み、くいと持ち上げる。
55424:03/06/10 00:08 ID:2HcrhpXI
「目標の数のリントは既に仕留めた。ゲリザキバスゲゲルは既に果たされた……」
「何……だと?」
 べミウの言葉に雄介の表情がさあっ、と凍り付く。同時に熱い悔しさの炎が、雄介の全身を駆け巡った。
 先手を打っておきながら、殺戮を阻止することが出来なかった……。
「くそおっ!」
 手足を拘束されているのも忘れて、雄介は顔を真っ赤にしてべミウに掴みかかろうとする。
体を激しく揺らし、懸命に抵抗の意を表すが、べミウはそれでも雄介の顎を掴み続けたまま、不意に左手で平手を振るった。
 小気味良い音と共に、雄介の体は冷たい床の上に打ち付けられる。
 唇が切れて雄介の頬を一筋の血が伝う。
「くっ!」
 抑え切れない激情を露わにするように、雄介は倒れた姿勢のまま何度も荒く息を吐き出しながら、べミウを睨み続けた。
 だがその気持ちとは裏腹に、冷凍鞭は雄介の全身にぎっちりと食い込み、幾ら力を入れてもびくともしない。
変身の出来ない今の状況では、怪人体のべミウは愚か、人間体でもまともに抗することは不可能だ。
いやそもそも、先程の戦闘で力のほとんどを使い果たした今の雄介には、最早変身するエネルギーすら残されていなかった。
 もう一度よく周囲を見回している。ただっ広い室内の空間、所々に錆付いて放置された機械群、
窓の外から差し込む日差しと聞こえてくる波音から判断して、どうやらここは廃工場らしい。
辺りに人の声が全く聞こえないのと、戦いからしばらく時間が経っていることを考慮すると、一条達警察の救援が駆けつける望みは限りなく薄かった。
56424:03/06/10 00:14 ID:2HcrhpXI
そんな圧倒的有利な状況を理解してか、はたまた、クウガという障害を軽々と退け、見事ゲームを達成した己の力に絶対的な自信を持ってか、
べミウはチャイナドレスのドラゴンに右手を添えると、静かな声で告げた。
「これから私はザキバスゲゲルへと進む……。ダグバを殺す日も近い……。クウガ、お前には感謝している。お前の存在は程よくゲゲルを引き締めてくれた……」
 クウガの必死の戦いすら、適度なアクシデントと言わんがばかりの口ぶりに、屈辱の感情が雄介の胸の内を満たしていく。
「そのお礼だ、クウガ。今からお前の魂を奪わせてもらう……」
「ど、どういうことだ?」
 余りにも抽象的なべミウの言葉の意味が分からず、雄介は思わず聞き返した。
「『魔王』という曲を知っているか?」
 雄介の問いには答えずに、べミウは逆に聞き返した。
「『魔王』?」
 頼りない小中高の音楽の記憶を頼りに、雄介はべミウが聞いた曲の情報を引き出してみる。
 しばしの思案の後、おぼろげながら記憶の断片が浮かび上がった。
 思い出した。確か『魔王』とは、病気の子供が父親に馬で運ばれている最中に、魔王に連れ去られ、死んでしまうという内容のシューベルトの曲だったはずだ。
だがそれが、べミウの言葉と何の関係が?
「戦士姿を消す時死と邪悪の恐怖再び大地に蔓延らん。私は死のコンダクター。美しく死を奏でるだけ……」
 一向にべミウの言葉の意味が分からず、雄介は再び問うた。
「だから、一体どういうことなんだ?」
 再度の雄介の問いに、べミウは頬を緩め、初めて愉悦の感情を表した。
57424:03/06/10 00:19 ID:2HcrhpXI
「クウガ、お前のその力、封じさせてもらう。我等の言い伝えにこうある。『グロンギの女とクウガが契りを交わしし時、太陽は永遠に闇に葬られん』」
 初めて分かったべミウの言葉の意味に、雄介の内より戦慄が走った。
 クウガの力を封じられることは、イコール未確認生命体達の暴挙を止める手立てを失ってしまうことだった。
 言い終わると、べミウはこつりと靴音を鳴らし、一歩一歩ゆっくりと雄介に近付く。
「く、くそっ」
 どうにか逃れようと、雄介は身を捩じらせるが、全身を拘束された今の状態では、所詮徒労に過ぎなかった。
 べミウは歩く速度を速め、先回りすると、雄介の右手の甲を踏みつけ、動きを封じ込める。
「うああっ!」
「無駄だ、クウガ。お前は私から逃れることは出来ない……」
 悲鳴すら葬送曲の一節として堪能するように、べミウは繰り返し踏み躙ると、腰を落とし、
二つの掌で雄介の頭を挟み込んで起き上がらせ、艶やかな紫の唇を雄介のそれに押し当てた。
「んくっ!」
 ほんのり温かな、濃密のエキスが雄介の口内へと流れ込む。
その甘さは、かつて雄介が一度だけ味わったことのある、人間の女のそれと何ら変わらぬものだった。
 べミウもまた接吻をじっくり味わうように、更に唇を押し当て、するりと舌を雄介の口腔へと侵入させる。
「う、うう……」
 絶え間ない卑猥な水音と、鼻腔を満たす女の香りが、雄介から次第に抵抗する意思を削ぎ、何時の間にかその身をただべミウの為すがままにさせていた。
 こんな馬鹿なことが……。
 懸命に心の中で叫び続ける理性とは裏腹に、雄介の本能は正直に、べミウを人間にとって憎むべき存在である未確認生命体としてではなく、一人の魅惑的な人間の女として捉えていた。
 抗することを忘れ、べミウの行為を受け入れた瞬間、クウガはグロンギに対して二度目の敗北を喫した。
58424:03/06/10 00:22 ID:2HcrhpXI
 一度ならず、二度までもクウガに屈服を味わわせたことにべミウは満足げな笑みを浮かべると、唇を放し、雄介のジーンズの内側へとすっと右手を挿し入れた。
「リントの男はここを女に触られると、喜びを感じるのだろう?」
 しっとりと水気のあるべミウの掌が一物を揉みしごく度、雄介の体内を心地良い感覚が伝導し、その膨らみを大きくしていく。
 べミウは右手で一物を握り締めたまま、ジーンズ、トランクスと、フリーの左手で器用に雄介の下衣を剥がしていく。
「大きな生殖器だな、クウガ」
 露わになった一物に見とれた如くつぶやくべミウとは対照的に、雄介は今まさに奈落の底へと叩き落とされた心境だった。
 俺は未確認生命体に……。
 憎むべき人類の天敵を倒せなかったばかりか、こうして屈辱を受け、その上あろうことかその行為に確かに欲情している自分が何よりも憎かった。
 屈辱と恥辱に苛まれる雄介を一層なぶるように、べミウは唇を吊り上げ、右手の速度を上げていく。
「恥ずかしがるな。お前は今、私に感じているのだろう?」
「ああっ!」
 快楽が更に増し、そのまま雄介の身を官能の悦びの世界に墜とそうとする。
性欲が自分の全てを飲み込もうとする最中にも、雄介は歯を食いしばり、拳を握り締め、
蝋燭の残り火の如く微かな己の理性を呼び戻そうと懸命に戦い続けるが、それすらも絶え間なく湧き上がる快楽の前では無力だった。
「う、ああっ!」
 とうとう耐え切れず、まばゆいばかりの黄金の液が一物から跳ね上がる。
59424:03/06/10 00:27 ID:2HcrhpXI
「綺麗だ……」
 ねっとりと自分の掌を濡らすその液を、べミウは洗顔クリームのように押し伸ばすと、雄介の顔面へと塗りたくる。
そして精液まみれになったその顔を、ぺろりぺろりと舌で嘗め回した。
「うああ、う……」
 こそばゆい感触が顔面を這い、べミウの唾液が濡らしていく度、雄介は顔を赤らめ、微かに体を震わせる。
「これがクウガの味か……」
初めて味わう人間の精液の味をたっぷり堪能するように、べミウは額から、鼻、顎へと、雄介の顔面を丁寧に舐め続けていく。
一しきり舐め終わると、
「まだ、これで終わりじゃない……」
べミウは不意に立ち上がった。そしてするすると己のチャイナドレスを脱ぎ始める。
衣服を脱いで初めて雄介の眼前に晒された人間体のべミウの裸体は、グロンギの女戦士に相応しく、
程よく全身が引き締まっており、その形良い乳房はくっきりとしたボディラインに綺麗な凹凸を刻んでいた。
それに加えて、微かに光を反射するその艶のある肌は、腰まで伸びた黒髪を一層映えさせていた。
そこには並みの人間の女をはるかに超越した、男が本能的に求める官能の美が収斂されていた。
「リントの男は、女の胸で生殖器を触られると、より喜びを感じるのだろう?」
 言いながらべミウは再び腰を落とし、二つの乳房でぱんぱんに膨れ上がった雄介の一物を挟み込んだ。
「ふふふ……」
 べミウが愉快げに上半身を揺らす度、弾力に溢れた双丘が一物を刺激して、手淫をずっと上回る、新たな心地良さが雄介の全身を蝕んでいく。
「うあっ!」
 またも噴き上がった大量の精液が、べミウの双丘をどろりと濡らし、淫らな染み後を刻み込む。
それを嬉しそうに眺めやると、今度は短めの陰毛に覆われた薄紅色の己の秘所を雄介の一物の先端にそっと触れさせていく。
60424:03/06/10 00:33 ID:2HcrhpXI
「ん、ああっ!」
 挿入の痛みに顔を歪め、呻き声を上げる雄介を更に苛めるように、べミウは残酷に微笑むと、更に腰を沈めて一物を秘肉に食い込ませる。
身を捩じらせれば捩じらせるほど、べミウの屈強な秘肉が強く一物を絞り上げ、雄介を極上の快感の虜としていく。
「あ、あうっ!」
 既にあれだけの精液を吐き出したにも関わらず、性欲は貪欲で、更に多量の迸りをべミウの内部へと猛烈に吐き出していく。
 じんわりと内に染み渡る精液にべミウは微かに頬を染めながら、より激しく腰を揺すり立てる。
「ああっ!ううっ!」
 脂汗をだらだらと流す雄介とは対照的に、べミウは汗一つ流さず涼しげに、無尽蔵のそのスタミナで攻め立て続けた。
「そうだ、じっくり味わえ、クウガ。お前は最早無力な存在。私のゲゲルをただ指をくわえて見ることしか出来ない微小な存在。
自分の非力さを呪いながら、私の中に身を堕としていくがいい」
 体だけでなく、その心までズタズタに蹂躙しながら、べミウはその柔らかな乳房を雄介の胸板に押し当て、
耳たぶを甘噛みして、容赦なく精液を搾り取っていく。
 絶頂の回数が二桁に近付こうとしたとき、遂に雄介の意識が途切れ、崩れるようにべミウの胸の中へとその顔を沈み込ませた。
 それは、古代リント族の伝説の戦士、クウガの永遠なる眠りでもあった。
 安らかな眠りに就いた雄介を優しく抱き締め、頬にそっと接吻して狂宴に終幕を告げると、べミウはすっと起き上がり、音も無くまたチャイナドレスを身に纏う。
「クウガよ、安らかに。……お前は殺さない。惨めに生き延びて、為す術も無く私とダグバの戦いの行く末を見守るがいい。さようなら……」
 別れの言葉を残すと、べミウは悠然とその場から立ち去っていく。
 この後、黒衣を翻して世界に究極の闇をもたらす存在のことを、今この時の誰もが知る由が無い……。
61名無しさん@ピンキー:03/06/10 04:14 ID:fRgbxxZm
424さんキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
今回も素晴らしい、感激しますた。特に性的能力でもクウガを圧倒的に上回ってる
っていうのが最高。余裕でクウガをイカせるっていうのがたまらなかったですよ!
自分もこういう女に犯されてみたいなぁ。。。。

>>52
50です。ビデオに録画したんですか?っつーことは映像を繰り返し見られる。。。。
うらやましい限りです。確かコーナーの冒頭で千葉ちゃんの体重が紹介されたような
記憶があるんだけど。。。。もし正確な体重を知ってたらご紹介いただけませんか?
62あぼーん:あぼーん
あぼーん
63あぼーん:あぼーん
あぼーん
64名無しさん@ピンキー:03/06/10 08:05 ID:bax/vYv4
65あぼーん:あぼーん
あぼーん
66あぼーん:あぼーん
あぼーん
67名無しさん@ピンキー:03/06/12 16:08 ID:4CJ/wBbk
424さんまってました、ありがとう
抵抗できない状態でってのがいいスねー
自分の運命がすべて女ににぎられてる興奮!!
また待ちつづけます
68名無しさん@ピンキー:03/06/14 11:32 ID:uJ78piTA
東野は坂木優子にも負けてた
69名無しさん@ピンキー:03/06/15 16:54 ID:oOr3C4Vp
人いねえ
俺が小説化居てやろう
70名無しさん@ピンキー:03/06/15 20:06 ID:5O0h7VMy
71名無しさん@ピンキー:03/06/16 11:21 ID:QJ5yag1s
424さんはやくきてー
もうだめだー
新作よよみたい
72名無しさん@ピンキー:03/06/16 14:01 ID:lObz0bPh
待ちつづけてやろう



73あぼーん:あぼーん
あぼーん
74名無しさん@ピンキー:03/06/17 01:52 ID:GKoY+M3l
>72
氏ねよ
75名無しさん@ピンキー:03/06/17 03:24 ID:AJeAQOfK
61です。このスレからズレる話題だからこれでおしまいにするけど、61に書いた話題、
さっきガールビーツボーイの顔騎スレッド見たら、千葉ちゃんのプロフィールが掲載されて
ますた。紹介してくれた人、ありがとー。。。。って、ここに書いても見てないかな。。。。
そこに書かれてたように、僕も千葉ちゃんの体重は60kg近いだろうと思ってました。
76424:03/06/17 13:01 ID:+o44KFVq
新しいSSの格闘部分が出来上がったんで貼っときますね。
今回はローズVSベガです。

「フハハハハッ!」
 気絶したリュウの頭を左手で掴みながら、ベガは哄笑を上げた。
 ベガが総帥として君臨する秘密結社シャドルーが進めてきた、強靭な肉体を持つ格闘家達を素体とした戦闘人間による世界征服計画。
その野望をまた一歩現実のものとしたベガは、己のサイコパワーの高まりを感じていた。
「強くなりたいという貴様の願い、このベガ様が叶えてやるぞ!」
 一際強く五本の指をリュウの顔面に食い込ませると、ベガはゆっくりと左手を離した。
 どさっ、と崩れ落ちたリュウをベガは愉悦の表情で見下ろす。
 後は我がサイコパワーでこ奴の眠れる力を引き出しやるだけよ……。
 邪悪な力で思うままに世界を蹂躙する己の姿を脳裏に思い浮かべたそのときだった。
 大気の揺らぎと共に、サイコパワーに反応する「力」の存在をベガは察知した。
 突如として前方に七色に輝く二つの光球が現出し、その中央へと一つの人影が浮かび上がる。
やがて光球が消滅し、ゆらりと大地に降り立った人影の正体、それは長いウエーブを描いた独創的な赤髪を持ち、
真紅のコートとストッキングに身を包み、晒した肩に黄色のストールを掛けた大柄な淑女だった。
 こつり、とハイヒールを踏み鳴らすと、淑女は真っ直ぐにベガを見据える。
77424:03/06/17 13:05 ID:+o44KFVq
「ようやく見つけたわ、秘密結社シャドルーの総帥、ベガ」
「貴様、何者だ?」
 凛としたその瞳を真っ直ぐに受け止め、ベガは問う。
ベガのサイコパワーは、淑女の内からみなぎる独特のオーラの存在、サイコパワーとは正反対でありながら、
互いに惹かれ合う精神の「力」の存在を敏感に感じ取っていた。
 噂には聞いていたが、もしや……。
「私の名はローズ。正しきソウルパワーを操る者……」
 ローズが告げたその正体に、ベガはにやりと唇の両端を吊り上げた。
「ほう、ソウルパワーの使い手がまだいたとはな」
 ソウルパワー、それは、この世で唯一邪悪なサイコパワーに対抗しうる正しき精神を源とする「力」だった。
だがその使い手の数は時代の流れと共に減少し、今やサイコパワーの使い手と同じく、誰も詳しく知る者のいない謎多き存在と化していた。
 そのソウルパワーの使い手が、事もあろうにわしの前に現れるとは。
「サイコパワーに抗するソウルパワー、初めてこの目にしたぞ。このわしに何の用だ?」
「ベガ、貴方の過ち、もう放ってはおけない……」
 ローズは闘気を込めた双眸でベガを睨んだ。
「私の使命は貴方を封じること……。サイコパワーもここまでよ!」
 ローズの宣告を、ベガは嘲笑った。
「ふん、下らぬ正義感か。わしと互角の力を持ちながら、愚かな女よ!」
「黙りなさい。貴方の悪のサイコパワー、許す訳にはいかない。最後のソウルパワーの使い手として、私がその力、永遠に封じます!」
「出来るもなら、やってみるがいいわ!ソウルパワーの使い手はいずれ葬らねばならぬと思っておった。
ここで貴様を倒せば、わしの野望を邪魔する者は誰もおらぬ。死ね!」
 言葉が終わった瞬間、ベガは猛然とローズに襲い掛かった。
巨体に似合わぬ俊敏さで跳び上がり、両脚を連続で振り下ろしてローズの細身目がけてダブルニープレスを仕掛ける。
 しかしローズは高々と跳躍してこれをかわすと、ストールを翻し、勢い余ったベガの背後へと回り込む。
78424:03/06/17 13:07 ID:+o44KFVq
「させるか!」
 勘良くローズの狙いを察したベガは素早く土を蹴り、振り向き様にサイコショットをぶつけようとする。
「ソウルリフレクト!」
 が、次の刹那、ローズが前面に広げたストールがまばゆい光を放ち、驚くべきことにまるで鏡の如く、
サイコショットをベガの方へと弾き返した。
「ぬおっ!」
 想定外のローズの反撃の前に、ベガはサイコショットを避け切れず、自身のサイコパワーの塊によってのけぞってしまう。
「おのれ、小癪な技を……」
 唇から垂れる血を、赤い軍服の袖で拭いながら、ベガはローズを睨んだ。
「飛び道具など所詮は子供騙し。私には通用しないわ」
 余裕すら感じさせるような優雅な所作で、ローズは再びベガと対峙する。
 流石にソウルパワーの使い手。今までの連中のように一筋縄ではいかんか。
 ならば!
「ふん!」
 瞬間、ベガの姿が消えたかと思うと、突如としてローズの背後に現れていた。
ベガワープの奇襲に、虚を突かれて反応の遅れたローズを見逃さず、ベガはサイコパワーを纏った右拳を振り上げる。
「もらった!」
 がん、と鈍い音と共に、拳に衝撃が伝わる。
 ベガの拳は確かにローズを捉えた。だが、無様に地面に膝を付いたのはベガの方だった。
「ぐう!」
 とっさにローズが構えた、ソウルパワーを用いた右腕のガードは鋼以上の硬度を持ち、ベガのサイコパンチすら弾き返していた。
ベガが怯んだ瞬間、ローズは電光石火で反撃へと転じる。
79424:03/06/17 13:09 ID:+o44KFVq
「はあっ!」
 掛け声と共に、ハイヒールの踵がベガの腹筋にめり込み、すかさずローズはアッパーへと繋げる。
「ソウルスルー!」
 その細腕でいとも簡単にベガの巨体を浮き上げると、ローズは狙っていたとばかりに跳躍し、地面目がけて勢いよく投げ飛ばした。
「ぬおっ!」
 ソウルパワーの連携攻撃をまともに浴び、ベガは全身を蒼白い炎に包まれながら思い切り土を噛む。
「おのれ!おのれぇ!」
 それでもかろうじて立ち上がり、口に溜まった血と土と前歯を吐き出しながら、ベガは獣の如き形相でローズを睨み付ける。
 馬鹿な!このわしが!こんな女に遅れを取るなどあっていいはずがない!
 必死の形相にも微塵も動じず、ベガの焦りを見透かしたようにローズは両腕を組む。
「もうお止めなさい。いつの世も正しい者だけが生き残るのよ。ベガ、貴方のサイコパワーでは私を倒すことは出来ない」
 その一言は、己の強さに絶対的な自信を抱いていたベガのプライドを一層ズタズタに引き裂いた。
「わしの力を侮るな!」
 憤怒の感情を爆発させると、ベガは己のサイコパワーを総動員して猛然とローズに向かっていくが、
その度に蝶の舞いのようなローズの軽快な動きにかわされ、ソウルパワー仕込みの反撃を浴びせられていく。
「はあっ!」
 サイコクラッシャーがかわされた次の刹那、ストールを絡ませたローズの右腕がベガの腹部にねじ込まれる。
「やあっ!」
「ぬおおおっ!」
 さながらドリルの如く、ソウルパワーを帯びたローズの右腕がベガの腹部を抉っていく。
「ぐおおっ!」
 突き抜ける激痛に絶叫しながらも、ベガは懸命に右腕を突き出し続けた。
 より一層ローズの右腕が食い込む。だが、ローズはあまりに攻撃に気を取られ過ぎていた。
80424:03/06/17 13:13 ID:+o44KFVq
「ふん!」
 突然ベガの右腕が勢いよく突き出され、次の瞬間、ローズの細い体はベガの大きな掌の中に捕らえられていた。
 ベガの身を削った一撃が、ローズの僅かな油断を突いたのだ。
「し、しまった!」
「ふ、ふふっ。小娘が手こずらせおって……」
 ベガは邪悪な笑みを浮かべると、思い切り右手に力を込めた。
「あ、ああ……」
 腰がくびれ、ローズは逃れようと必死に両腕に力を込めるが、万力のように食い込んだベガの掌はびくともしない。
「我がサイコパワーの恐ろしさ、思い知れ!」
 今までの屈辱を倍返しするように、ベガはありったけのサイコパワー注ぎ込みより一層ローズを締め上げる。
「あああ……」
 呆けたように口を開いて弱々しいつぶやき声を上げながら、次第にローズの全身から力が失われていく。
「ふははは、死ねい!」
 ベガが勝利を確信し、止めを刺そうとしたその瞬間だった。
 不意にローズの体が歪み出す。すると摩訶不思議なことに、徐々に握り締めた感触が弱まり、まるで雲の如くローズの体が消え去ってしまった。
「ば、馬鹿な……」
 辺りを見回しながら、呆然とするベガを嘲笑うように、突然背後よりローズの声が響き渡る。
「邪な心の貴方には私を捉えることは出来ない……」
 振り向くと、驚愕すべきことにまるで手品のように同じ姿をした幾人ものローズが立ちはだかり、ベガを指差していた。
「覚悟はいい?」
 宣告と共に、ソウルパワーの力で生み出された幾人ものローズはあっという間にベガを取り囲むと、嵐の如き猛攻を叩き込む。
 幾十もの拳がベガの鼻を潰し、軍帽を弾き飛ばし、蹴りが右腕を折り、左足を挫く。
打ち込まれる数え切れぬ連打にダメージを刻み込まれながら、ベガは懸命に反撃の拳を突き出すが、空しく幻影を捉え続けた。
「がああ……」
 ようやくローズの猛攻が途絶え、再び一人の姿に戻ったとき、ベガは最早半死半生だった。
81424:03/06/17 13:15 ID:+o44KFVq
 軍服は至る部分が破れてぼろぼろで、その顔面からは破裂した水道管のようにあちこちがひび割れて、
そこから蒼白いサイコパワーが漏れ出し、シャドルーの総帥としての威厳は露程も残されていなかった。
 ふらふらのベガにローズはゆっくり近付くと、
「ベガ、あなたもここまでよ!貴方のサイコパワー、永遠に封じます」
 裁きの一言を告げて止めの一撃を放つ。
「はいっ!」
 ローズは二つの掌でベガの頭を挟み込むと、そこからソウルパワーを送り込んだ。
「うがああああ!」
 脳へと直接膨大なソウルパワーを送り込まれ、ベガは張り裂けんばかりに両目を見開きながら、絶叫を上げた。
 やがてソウルパワーが全身を侵食し、邪悪なサイコパワーを完全に封じ込めると、ベガはがくりと膝を付き、そのまま地面へと倒れ伏す。
 ベガの意識が途切れると、ローズは懐からタロットカードを一枚抜き取り、それを眼下の惨めな結末を迎えた悪の帝王に放り投げる。
「レッスンはここまでよ、ベガ。世に悪の栄えた試しは無い……」
 ローズはつぶやきを残すと、何処ともなく去っていく。
 ベガの上に放り投げられたカード、それは破滅を意味するカードだった。
82名無しさん@ピンキー:03/06/17 22:31 ID:niX8ROO0
811
前スレの作品よましてもらいました
忘れられない夜になりました
83名無しさん@ピンキー:03/06/18 19:01 ID:3wEOZ/2e
>>811の作品が読めるのは2CHだけ
84名無しさん@ピンキー:03/06/18 21:28 ID:nlCpcWcM
424さん来たーー
ローズは去っていくのですか?
引き返せローズ、そしてもっとベガをいじめろと僕は思いました
きっと続きがあるのだと信じ待ち・・・
さらに新作に期待
85811:03/06/19 00:36 ID:eumMec/I
あのう・・・楽しみに待っててくださってる方には本当に申し訳ないんですが、
正直に言いますと、『ヒーローモノ』が頓挫しかけてまつ・・・。
ほんで同時進行してたソウルキャリバー2ネタのほうが完成に近い状態に。

しばらくヒーローモノは凍結して、キャリバのほうを完成させて貼ることになりそうです。
嗚呼、己の遅筆が憎い。そんな間にも424さんのSSに(*´∀`)ハァハァ
86名無しさん@ピンキー:03/06/20 09:05 ID:XYT7jkHz
811さん2個も書いてるんですか?素晴らしい
87あぼーん:あぼーん
あぼーん
88あぼーん:あぼーん
あぼーん
89あぼーん:あぼーん
あぼーん
90名無しさん@ピンキー:03/06/20 17:11 ID:k1myle1g
広告は止めてね
91名無しさん@ピンキー:03/06/20 22:55 ID:aayYotQj
広告がいやなときは、多分sageてた方が良いよ。
92名無しさん@ピンキー:03/06/21 10:06 ID:tJIAI4H6
ソウルのエッチネタは非常にすくないだけにとても期待してます
前スレでもずいぶんお世話になったし
811さんがくるまで待ち
93名無しさん@ピンキー:03/06/21 11:15 ID:0K6+CtIY
sageで
94名無しさん@ピンキー:03/06/21 18:38 ID:cEXi21de
みんなもSSに挑戦しよう
95名無しさん@ピンキー:03/06/21 23:36 ID:Al5RQ6fP
単なる自己満足だけでなく、世のため人のためにもベガを倒すローズに萌え
96名無しさん@ピンキー:03/06/22 15:20 ID:Q9TCwRw6
97あぼーん:あぼーん
あぼーん
98名無しさん@ピンキー:03/06/24 16:03 ID:F72Fd4J/
すばらしいホームページ教えて
99名無しさん@ピンキー:03/06/25 16:49 ID:NborfnUA
何かねたないっすか
100名無しさん@ピンキー:03/06/25 18:29 ID:omdy0d2x
811さぁぁぁぁんん
さみしぃぃよよよよょょょ
あ、俺キャリバーはカサンドラがすきなんでその方向でお願いします
101名無しさん@ピンキー:03/06/25 23:55 ID:yfLVHHE8
劇場版「のび太の小宇宙戦争」で怯えるスネ夫を置いて、
迎撃に飛び出すしずかちゃんがいい感じだ。

相手は無人戦闘艇だからちょっとスレ違い気味……
102名無しさん@ピンキー:03/06/26 11:53 ID:TK+E6isC
駄魔って待て。
103名無しさん@ピンキー:03/06/26 23:53 ID:rgD4ow9f
>>101
それを少しアレンジして無人戦闘艇を指揮してるヤシがいる艦を強襲して
そいつを生け捕りにする様を考えてみたり。
104名無しさん@ピンキー:03/06/27 08:55 ID:WSZXpDHI
ドラえもんではないなあ
105名無しさん@ピンキー:03/06/27 16:24 ID:k2LtFWuJ
だれか女子に負けたという実話教えて
106あぼーん:あぼーん
あぼーん
107名無しさん@ピンキー:03/06/27 18:38 ID:Pk7VWFIo
ageるな馬鹿が
108名無しさん@ピンキー:03/06/27 18:38 ID:kd+jcnLc
キャミィ VS ザンギエフ は、どうか
109名無しさん@ピンキー:03/06/28 11:19 ID:WH/XDr1l
>>108
昔カードダスでザンギエフに幸せ投げしてるキャミィがあったな
そういや
110名無しさん@ピンキー:03/06/28 11:53 ID:qqIpvB8B
昔のキャミイは小悪魔的な性格で勝ち台詞には凄く萌えたんだがなあ。
シリーズですっかり定着してしまった今のシャドルーバージョンのキャミイは、
機械的かつ無感情すぎて全然シチュエーションが思い浮かばなくて鬱。
111名無しさん@ピンキー:03/06/28 18:56 ID:PKl8ipTC
>>110
そう、もっと勝ちほこってもらわないと負けたかいがないってもんだ
112811:03/06/28 19:51 ID:hVNCrGkf
明日キャリバのタキ×御剣を投下します。
散々待たせて申し訳ありません(;´Д`)アウアー
113名無しさん@ピンキー:03/06/28 22:32 ID:kL5OOK2x
やたーーっ、811さん期待の新作
いまからたのしみに待ちの姿勢で寝ます
114あぼーん:あぼーん
あぼーん
115名無しさん@ピンキー:03/06/29 09:17 ID:XQCksWTd
期待待ち
116あぼーん:あぼーん
あぼーん
117あぼーん:あぼーん
あぼーん
118名無しさん@ピンキー:03/06/29 17:53 ID:CpA+mvdf
>>112おおまじですか。待ちに待ってました
119あぼーん:あぼーん
あぼーん
120811:03/06/30 04:00 ID:6C0QGaZe
寝ちゃった・・・
遅くなりましたが、投下します。
待たせてゴメンナサイ
121811(1/18):03/06/30 04:01 ID:6C0QGaZe
「また貴様か!いいかげんにしろ!」
御剣の視線の先には、真紅の衣装に身を包んだ女が立っていた。
薄い生地が身体にぴっちりと張り付き、魅惑的な女体のラインを惜しげもなく披露している。
「ふふふっ。懲りないヤツ」
そう言うと同時に、女が高く飛翔する。
次の瞬間、彼女は御剣の目の前に立っていた。
「あれだけ痛めつけられてもまだ懲りないのか?アレはお前みたいなのが触れていい代物じゃないのよ。
 早いとこ諦めて手を引きな。また悔しい思いをしたくないならね」
「なんだと!?相変わらず可愛げの無い女だ」
御剣は歯軋りしながら眼前の女――多喜を睨みつける。

かつて御剣は、ソウルエッジを求める道中に封魔のくノ一と名乗る彼女に完膚なきまでに叩きのめされた経験が何度かあった。
国では「鬼神」とまで呼ばれ、恐れられる御剣が味わう新たな敗北。
自分が負けるのは鉄砲だけだと頑なに信じ続けていた彼にとって、
女に一対一で負けたという事実はかつてない衝撃をもたらした。
それでも諦めずにソウルエッジを求めて旅を続けた御剣であったが、御剣が邪剣に少しずつ近づくたびに
目の前に多喜が現れる。そして彼女の警告に少しも耳を貸そうとしない御剣は、毎度のように叩きのめされていたのだ。
その後、ソウルエッジが破壊されたとの噂を聞いても御剣は諦めようとはしなかった。
それからも旅をしながら、御剣は今まで以上に鍛錬に打ち込んだ。
厳しい鍛錬で自信を取り戻した彼は、万全の状態で再びソウルエッジを求める旅に出た。
だが、そこに再び多喜が現れたのだ。
122811(2/18):03/06/30 04:02 ID:6C0QGaZe
目の前に立つ、自分の旅路を何度と無く邪魔した女の身体は、完璧といっていいほどの肉体美を備えていた。
大きく柔らかそうな乳房、形の良い張りのある尻、むっちりと肉の乗った太もも・・・。
更には、鍛え上げられた筋肉が適度に乗った脂肪の下から存在を主張し、しなやかな美をもたらす。
男なら誰でもむしゃぶりつきたくなるような至高の女体。

それを隠そうともせずに、逆に薄い生地の衣装で際立たせているのだから、男にとっては堪ったものではない。
御剣もまた、多喜に対して同じような邪な妄想を抱いていた。
今度こそ勝ってやる。そうして、この生意気な女を犯しまくって、よがらせてやる・・・・
多喜に目を付けられ、散々に痛めつけられている彼のそれは、特に強いものがあった。

「ふん、丁度良い。鍛錬の成果、見せてやる!!」
殺気と、そして殺気とはまた別の猛り狂った情念を全身から発しながら、御剣は刀を抜いた。
それを知ってか知らずか、不意に微笑を浮かべる多喜。
「ふふ・・・いざ」

お互いに構えを取り、にらみ合う。
両者ともに隙が無く、摺り足で間合いの取り合いを続けていた。
が、その膠着は御剣によって打ち破られる。
一気に間合いを詰め、斬りつけてきたのだ。
それをすばやい身のこなしで避け、そのまま後に廻る多喜。
攻撃に移ろうとしたが、それよりも速く御剣が振り向きざまの斬撃をくりだす。
紙一重で避けたものの、攻撃の芽を潰された多喜は、一旦離れて仕切りなおそうと試みるが、
御剣はそれを許さず次々と斬撃を繰り出していく。
123811(3/18):03/06/30 04:03 ID:6C0QGaZe
だが、多喜も慌てることなくそれらをかわし、受け止め、受け流す。
結局御剣の連続攻撃は実ることなく、再び離れた間合いでの睨みあいに入った。
御剣は密かに舌打ちをした。厳しい鍛錬を経てもなお、この女を仕留めることが難しいと実感したためである。

「ふふ、どうした?鍛錬の成果とやらは無駄振りの多さか?ん?」
多喜の方はというと、構えを解いて、いつもの調子で御剣に嘲笑を浴びせている。
いかにも馬鹿にしたかのような言い方と表情に、御剣は頭に血を上らせた。
・・・それが多喜の意図するところとも気付かずに。
「こ・・・この女・・・どこまで俺をコケにしやがる!!」
ギリギリと刀の柄を握り締める御剣。怒りで顔が上気し、目が血走っている。

「もう許さん!ぶった斬ってやる!」
「・・・・・」
御剣の怒声に対しても、多喜は冷ややかな笑みを浮かべるのみであった。
「うおおおおお!」
気合とともに鋭い一太刀を繰り出す。だが――――――
「甘い」
カキィッ!
甲高い衝撃音。次の瞬間、御剣は多喜に背を向ける格好で体勢を崩されていた。

124811(4/18):03/06/30 04:03 ID:6C0QGaZe
「しまっ―――――」
やられる。恐怖心が御剣の心理を一瞬支配した。とっさに振り返りながら、防御の姿勢をとる。
だが、御剣を待ち受けていたのは腕を組んで自分を見下ろす多喜の姿であった。
その顔には、余裕の笑みが浮かんでいる。
「どうした?臆したか」
「ぬうう・・・!」
あの状態なら御剣に致命的な一撃を加えることも出来たはず。にも関わらず、多喜は攻撃しなかった。
お前など、その気になればいつでも仕留められる。そう言わんばかりの態度であった。
「ちいいいっ!」
再び猛然と斬りかかる御剣。
「無駄だ!」

キィンッ

だが、再び絶妙のタイミングで受け流され、大きくバランスを崩してしまう。
そして、またしても多喜は攻撃に移ろうとしない。ただ、御剣が体勢を立て直すのを冷笑を浮かべて見つめるのみであった。
「こっ、このっ・・・!」

キンッ、・・・キィンッ・・・・カキィッ・・・・

意地になって次々と斬撃を繰り出す御剣であったが、そのいずれも多喜の身体に触れることすらなく、右に左に受け流されるのみ。
多喜もまた、自分に圧倒的に有利な状況を作り出しているにも拘らず、攻撃の姿勢を微塵も見せなかった。


125811(5/18):03/06/30 04:04 ID:6C0QGaZe
遊ばれている。

御剣がそのことに気付くのにさほど時間は掛からなかった。
ブルブルと身体を怒りで震わせ、多喜にも聞こえるほどの音を立てて歯軋りする。
加えて、変わらず冷笑を浮かべたままの多喜の姿が、余計に御剣を逆上させていた。
「なめるなぁああああ!!」
絶叫して鋭い突きを繰り出す。

・・・・しかし、次の瞬間に地に伏していたのは御剣のほうだった。
「うっ・・ぐぅっ・・・」
脇腹の辺りを押さえて悶絶する。何が起きたのか、まったく見えなかったし、理解できなかった。
ただ確かなのは、多喜が自分の腹部に強烈な一撃を見舞ったということだけ。
やっとのことで顔を上げると、そこには多喜が腰に手を当てて仁王立ちしていた。
その顔からは、今まで浮かべていた冷たい微笑が消えうせている。
「これだけ?口ほどにも無い」
そう吐き捨てると、多喜は御剣の横面を思い切り蹴り飛ばした。
「ぐぉあっ!」
御剣の口から歯が吹き飛び、地面に転がった。
ボタボタと口の端から血が流れ落ち、腕に赤い斑点を作った。
126811(6/18):03/06/30 04:04 ID:6C0QGaZe
「うっ・・・ぐぅう・・」
それでも刀を握り締める手は緩まず、御剣はゆっくりと立ち上がり、再び構えを取った。
だが、疲労と突然のダメージのせいか、すでに肩で息をしているように見える。
「負けん・・・・負けねえぞ・・・・」
気合をぎらつかせながら御剣が放った一言に、多喜は呆れたように首を振る。
「これで最後よ。・・・・いい加減に諦めな」
「こちとら遊びじゃねえんだ!諦めてたまるか!」
多喜の最後の忠告にも、御剣は応じようとしない。多喜はひとつ大きな溜息をつくと、強い口調で言い放った。
「わかった。そのつもりなら容赦はしない。覚悟!」
その言葉とともに、多喜が構えを取る。次の瞬間、多喜はすでに御剣の懐に潜り込んでいた。
「ちぃっ!」
慌てて間合いを取ろうとする御剣だが、多喜はその暇をも与えずに次々と攻撃する。
消耗した体力では多喜の素早いラッシュを捌ききることは出来ず、次第に多喜の為すがままに痛めつけられるようになった。
体中に痣ができ、足元がふらつきはじめる。特に刀を振るう両腕は集中的に痛めつけられ、
それがまた多喜の連続攻撃への防御を難しいものにしていた。
もはや御剣は満身創痍となっていた。攻撃はおろか、防御もままならず、ただ多喜の連打を浴びるのみ。
変わらないのは闘志だけだが、実を持たない闘志など、多喜の前では無意味であった。

ガツッ!

多喜の蹴りが御剣の顎に直撃する。御剣は仰け反りはしたが、倒れる様子は無い。刀で身を支え、地面を舐めることを拒否していた。
だが、多喜はそれ以上攻め立てようとはせず、忍者刀を鞘に収めた。そして、おもむろに御剣に近寄る。
そのまましばらく御剣の顔を見つめていたが、御剣の眼光が衰えていないことを悟ると、突然平手打ちを喰らわせた。
だが、その程度の衝撃でも、御剣の足元は頼りなくガタつきはじめ、とうとうもんどりうって地面に倒れてしまった。
127811(7/18):03/06/30 04:05 ID:6C0QGaZe
一度倒れてしまうと、一気に体中から疲労が噴出してきた。
身体を起こそうとしても、痛みと疲れで首を持ち上げるだけにとどまり、
散々に痛めつけられた両腕はもはや自分の体重を支えることもできず、
数十秒間の悪戦苦闘の末、御剣は荒い息を吐きながら仰向けに寝転んだ。
だが、苦痛に目を閉じていた御剣が瞼を上げた瞬間、目に入ってきたのは、
自分とは対照的に汗もかいておらず傷一つ付いていない多喜の美しい顔であった。
多喜が御剣の身体に馬乗りになって、その顔を覗き込んでいるのだ。

(美人だ・・・・)

御剣は自分の置かれている状況も忘れて、多喜の美貌に見とれていた。
「これで、終わりよ」
多喜の宣言にも、御剣はただ、呆けた表情で聞き入るのみだった。
気が付くと多喜の長い脚が首に絡みつき、呼吸を阻害される感覚に御剣は顔をしかめた。
むっちりとした女の肉の柔らかい感触の下に、鍛え上げられた筋肉の躍動を感じる。
目の前には、薄い生地に透けて多喜の股間の茂みが確認できる。
鼻からは女体の甘い香りが入り込み、朦朧とする意識の中で、御剣はむしろ極楽にいるかのような心地よさを感じていた。
ふと、首筋に感じる多喜の太ももの筋肉が膨張するのを感じ取ると、次の瞬間に御剣の意識は暗闇へと落ちていった。
128811(8/18):03/06/30 04:06 ID:6C0QGaZe
「う・・・むぅ・・・。・・・!!」
御剣は開けた目に光が差し込むや、飛び起きた。
「ぐぉっ!?痛つつつつっ!」
だが、全身に走る痛みですぐに地面に倒れてしまう。そこへ、誰かの足音が聞こえてきた。
「やっと起きたと思ったら、すぐこれか。騒がしい男」
声のほうへ顔を向けると、多喜の真紅の衣に包まれた、すらりと伸びた美しい脚がそこにはあった。
視線を上に向けようとするが、それを待たずに多喜が御剣のすぐ傍に屈みこむ。
「お前に訊きたい事がある」
「・・・なんだ」
「邪剣の欠片を持ってるだろう。渡せ」
「知らん。なんのことだ」

御剣は確かに「なにか」と共鳴する不思議な欠片を持っていた。
そして、多喜の求めるものがそれだということもすぐに理解した。
だが、ソウルエッジ発見の貴重な手がかりとなれば、渡すわけにはいかない。とりあえず、知らない振りをすることにした。

「とぼけるな。私の滅鬼丸が反応してる。持っているはずだ」
「知らんものは知らん」
「・・・そうか。では取引といこう」
129811(9/18):03/06/30 04:07 ID:6C0QGaZe
「取引だと?」
「そうだ。お前が欠片を渡しさえすれば、お前の望みを叶えてやってもいい」
「望みを叶えるだとぉ?馬鹿馬鹿しい!やってられるか!」
多喜から顔をそむけ、反発の意を示す。だが、それを無視して、多喜は御剣の身体の上に馬乗りになった。
「・・・・・これでもか?」
そう言って多喜が印を結んだ次の瞬間、御剣はぎょっとした。
忍装束が跡形も無く消えうせて、多喜がその極上の女体を全てさらけ出していたからである。
「なっ、なっ・・・・」
「どうだ?私は本気だぞ?」
身体に劣らず艶かしい微笑を浮かべ、御剣の顔のそばに両手を着く。
御剣は目の前で妖しく弾む美巨乳に釘付けにされながらも、やっとのことで口を開いた。
「ちょっ・・・ちょっと待て!俺の望みと、お前が裸になるのとどういう関係が・・・」
それを聞くなり、多喜はくすっと笑って答えた。
「誤魔化してもお見通しよ。お前、私に欲情していたんだろう」
「うっ・・・・」
いつのまにか硬く勃起していたペニスを、布の上から擦りたてられる。
「渡せば、味わってもいいんだぞ?この身体を・・・・」
突然、多喜が御剣の顔面にその巨乳を押し付けた。甘く柔らかい感触に股間の肉棒がますます硬さを増していく。
空いている手で勃起の具合を確かめ、多喜が問い詰める。
130811(10/18):03/06/30 04:08 ID:6C0QGaZe
「ふふっまた硬くなって・・・渡す気になったのか?」
押し付けていた乳房を離し、御剣の答えを待つ。
「う、うるせえ!お前の言いなりにはならん!絶対に渡さんぞ!」
「・・・持ってるんだな?」
しまった、という顔をしたものの、逆に開き直って御剣はわめきちらす。
「ああそうだ、持ってるとも!だがな、だからってなんだ!絶対渡さんぞ!死んでも渡さん!!」
だが、そこまで言って御剣は口を噤んでしまった。
多喜の顔に、ぞくりとするほど冷たい微笑が浮かんでいたからである。
「そうか・・・ならば仕方が無いな。交渉は決裂だ」
「ふ、ふん・・・・」
「おとなしく渡していれば、極楽を味わっていられたというのに。これからお前を待ってるのは地獄よ」
そう言うと、多喜はすぐに御剣が身に着けているものを脱がしに掛かる。痛めつけられた身体は思うように動かせず、抵抗できない。
「なっ・・・なにを・・・」
驚いて御剣が尋ねる。多喜は、冷たい視線を御剣に浴びせながら言い放った。
「二度と私に逆らえないように、徹底的に責めてやるのよ。快楽が苦痛になるほどにな」
とうとう下帯まで剥ぎ取られ、御剣は全裸に剥かれてしまった。
精神は多喜の誘惑を振り切れても、身体はいまだに抑えがたい情欲に蝕まれていた。
股間の肉棒はこれ以上ないほどに硬く勃起している。
131811(11/18):03/06/30 04:08 ID:6C0QGaZe
「大方、私を負かしでもしたら強引に犯そうとしてたんだろう。そんなことを二度と考えられないようにしてやる」
そう言って、多喜が御剣のペニスを優しくしごきたてる。
すぐにその動きは激しさを増し、しなやかな指が容赦なく亀頭を、肉棒の竿を擦り上げる。
ただ激しいだけでなく、十本の指が複雑に絡みついて絶妙の快楽を供給してくる。
「うっ!?」
多喜の凄まじい技巧の前に、御剣は早くも我慢汁を漏らしていた。
尿道口がぱっくりと開き、ヒクヒクと蠢く様を見ると、多喜は一旦愛撫を中止し、
髪留めを取り外した。はらり、と美しい黒髪が流れ落ちる。
「覚悟するがいい。たっぷりと狂わせてやる」
そしておもむろに亀頭に口を近づけ、尿道口のみをネロネロと舐りまわし始めた。
「おっ、おぉおおおっ」
激しい快楽に身を戦慄かせる御剣。だが、次の瞬間には、更に大きな快楽の渦が彼を襲った。
「ぐうぉおおおっ!」
多喜の右手には自らの長く美しい黒髪が握られていた。
さらさらとした手触りのその髪をまるでハケのように使って、カリ首を撫で回している。
柔らかい毛先が、容赦なくペニスの泣き所を刺激する、未知の快楽。
尿道口とカリ首という二つの大きなペニスの弱点を同時に突かれ、御剣はあっという間に上り詰めていく。
132811(12/18):03/06/30 04:09 ID:6C0QGaZe
「ぐっ、ぐあああっ!」
「まだだ。まだ狂っていないだろう?」
愛撫を中止し、冷たく言い放つ多喜。
そして頃合を見て、再び髪と舌で亀頭を責めたてる。
味わったことのない、ネットリとしたしつこい責めに、御剣はすぐさま限界を迎えてしまう。
身体をよじらせ、必死に意識を保とうとする。だが、それも空しく、ペニスの奥からじわじわと射精感がこみ上げてくる。
「うぉっ・・・うぉおおおお!」
「出るのか?ならば果ててしまえ。もっともっと狂わせて、何もでなくなるまで搾り取ってやるわ。ふふっ」
そう言って亀頭の頂点にある割れ目を舐め上げる。そのまま、舌をペニスの中に潜り込ませるように尿道口をほじくる多喜。
ビクビクと肉棒が震え、射精への欲求をアピールする。
「ぐううううう!!」
ドビュルルッ!ビュルルルルッ
とうとう耐え切れずに、多喜の口に向けて大量の精液を放つ御剣。
「んっ・・・」
多喜はぱっくりとペニスを呑み込んで、放出された大量の精液を余さず口の中に受け止める。
しかし、御剣の肉棒が精を放ってなお萎えようとしないのを確認すると、
すぐさま口の中に溜めた精液を御剣のペニスにまぶし、今度は乳房でペニスを挟みこんだ。
「こいつで快楽という地獄を味あわせてやる。何発出せるか、見ものだな。ふふふふっ」
133811(13/18):03/06/30 04:10 ID:6C0QGaZe
そう言うが早いか、多喜は双乳を交互に上下させて御剣のペニスをしごきたてた。
まぶされた精液が至高の潤滑剤となり、この世のものとは思えぬ圧倒的な快楽に、御剣は再び上り詰めていく。
「うっ!うがあああああ!」
ビュルルルルル、ズビュッ、ビュビュッ・・・
二回目にも関わらず、大量の精液が多喜の胸に放出される。
だが、御剣が射精の余韻に浸ることも許さず、ふたたび乳房がペニスを激しく責めたてていく。
射精によって敏感になっているにも関わらず、さらに激しい快楽を与えられ、御剣のペニスは二度、三度と
立て続けに精を放っていった。それでも精液にまみれた乳房はペニスを咥えて離そうとせず、
御剣は萎える暇も無く、ただただ地獄の快楽に呑み込まれていった。
ぐちゅっ、にちゅっ、ぶちゅっ、ぐちゃっ・・・・
卑猥な音を立てながら、なおも多喜の乳房は御剣を責めたてる。
乳房だけでなく、胸の谷間から顔を出した亀頭には、漏れなく舌での愛撫が待ち受ける。
「うっ、うああっ・・・!も、もう出ねぇ!許してくれ!!」
だが、多喜はそんな哀願には耳を貸さず、なおも激しくペニスを責め続ける。
「ぐっ・・・うぁっ、ぐああああっ!!」
ビュッ・・・・ビュルルッ・・・
胸に放たれた精液の量が、目に見えて減っていると判断して、多喜はようやく御剣の性器を乳房から開放した。
激しい責めの連続で御剣のペニスは真っ赤になり、多喜の胸の谷間では、大量の精液が糸を引いていた。
134811(14/18):03/06/30 04:11 ID:6C0QGaZe
「では、そろそろ頂くとするか・・・私の膣内にな」
「なっ・・・・なんだと・・・?」
「まだ出るようだからな。徹底的に絞ってやる」
そう言って、再び御剣の上にのしかかる多喜。その顔は上気してほんのりと赤くなり、異常な色気を放っている。
「くっ・・・や・・止めろ!!」
「ふふふ・・・嫌なら私を跳ね除けてみろ。出来るものならな」
「こっ、この・・・!」
不意に御剣が多喜の手を掴む。自分の身体の上から跳ね除けようと、渾身の力を腕に込めるが、
痛めつけられた両腕には上手く力が入らない。逆に多喜に手を取られ、押し込められていく。
必死に押し返そうと力を込めるが、痛みと疲労が邪魔していつもの怪力が発揮できない。

結局、多喜に力比べで屈してしまい、地面に押し付けられる格好となってしまった。
怪我のせいとはいえ、女の細腕に力で屈服させられるのは御剣にとってこのうえない屈辱であった。

身を震わせて悔しがるが、多喜はそんな様子を楽しんでいるかのように、微笑を浮かべて御剣の顔を見つめていた。
そして、おもむろに御剣の乳首を舐め上げて、しこり立たせると、追い討ちをかけるように言い放った。
「抵抗しても、無駄よ。お前は私には勝てない」
「くっ・・・」
左手でペニスを撫で擦り、右手で右の乳首を弄び、舌で左の乳首をネットリと舐りまわす。
たちまちのうちにペニスが硬さを増していき、さらなる快楽を求めてビクビクと脈動した。
135811(15/18):03/06/30 04:11 ID:6C0QGaZe
「さぁ、たっぷり味わいな」
多喜が膣に御剣の肉棒をあてがい、ゆっくりと挿入していく。
女陰はすでにぐっしょりと濡れており、多喜が御剣を果てさせることに少なからず興奮を覚えていたことを物語っていた。
ぐちゅ・・・
「うんっ」
「ぬおおおっ」
挿入しただけで、御剣は果てそうになるほどの快楽を味わっていた。
襞が特にカリのあたりに絡みつく。多喜の顔を見やると、ニヤリと妖しい笑みを返される。
これは、多喜の房中術によるものだったのだ。
「んんっ・・・動くわよ」
「くっ・・・」
ずちゅっぶちゅっにゅちゅっぐちゅっ・・・・
「うおおおおおっ!?」
挿れただけで果てそうになるほどのものを激しく動かされて、御剣はガクガクと腰をふるわせて悶え狂った。
「ぐぁああああ!」

ビュッ!ビュルルッ!

さっそく多喜の膣内に精を放つ。だが、多喜のほうは満足することなく、逆にペースを速めて御剣のペニスを責めたてる。
136811(16/18):03/06/30 04:14 ID:6C0QGaZe
「んっ、あふうっ・・・はぁあ、どうだ?気がおかしくなりそうだろう」
「あぐうううっ、うがぁあああ!」
「これは男の精を全部抜きとって、姦殺するための房中術だ。このまま、快楽地獄を味わってもらうわよ」
ずちゅっずちゅっずちゅっずちゅっずちゅっ・・・
「おぁああああ!」

ビュゥウウウッ、ビュルルッ・・・

再びの射精。だが、御剣にはこれを悦楽として受け入れる余裕はもう無かった。
「ぐぁああああ!も・・もうやめ・・・」
「あふぅっ、ふふふっ、犯そうとしてた女に逆に犯されるなんて、本末転倒もいいところだな?ん?」
「あ・・・が・・ぁあ・・」
「んんっ・・・はふっ、んっ・・・もう喋ることもできんのか?ほーらほら、もう一度果ててしまえ!ふふふふふっ」
突然、多喜の膣の締め付けが強くなる。ペニス全体にくまなく襞が張り付き、極上の快楽をもたらした。
ぎゅっちゅぎゅっちゅぎゅっちゅぎゅっちゅ・・・・
「あぁあああ、もう、私も・・・・あふぅ、んん、あああぁっ!」
「あぐぅうううっ!ぐぉおおおおおお!」

ドビュルルルルルッ!ビュゥウウウッ・・・

「きゃぁああああああ!果てるっ、果てるぅうう!んぁあああ!」

           ・
           ・
           ・
           ・
137811(17/18):03/06/30 04:14 ID:6C0QGaZe
事を成し終え、さすがに体力的に辛いものがあったのか、多喜はしばらく御剣の身体の上に突っ伏して、ぜえぜえと肩で息をしていた。
呼吸を落ち着けると、膣から御剣の肉棒を引き抜いた。さすがにくったりと萎えてしまっている。
すぐに呼吸を落ち着けた多喜とは対照的に、御剣は今まで窒息していたかのように大きく、荒い呼吸をしていた。
多喜はゆっくりと立ち上がり、仰向けにぐったりと横たわる御剣を見下ろす。
「ち・・・畜生・・畜生が・・・」
ぜえぜえと荒い息を吐きながら、やっとのことで上体を起こして、御剣が口を開いた。
「俺は、諦めんぞ・・・。絶対にソウルエッジを手に入れる・・・」
「・・・まだ、懲りないようだな」
呆れたように言うと、多喜は御剣の前に立ちはだかる。
御剣の目の前に、さっきまで自分から精を散々に搾り取った女陰があった。未だにヒクヒクと蠢き、淫らなオーラを発している。
おもむろに、多喜がそこへ手を添える。つぎの瞬間、多喜の小さな喘ぎとともに、黄金水が勢い良く噴出した。
「ぐっ・・・・!!」
御剣の顔面に、黄金水がたっぷりと浴びせられる。
「こうすれば、すこしは頭が冷えるか?」
「く・・・ううう・・・」
抵抗することも出来ず、黄金水を浴び続ける御剣の股間に、変化が起きた。
精を放ちきったはずのペニスが、再びムクムクと勃起したのだ。
138811(18/18):03/06/30 04:15 ID:6C0QGaZe
多喜は放尿しながら、その様子に嘲笑を浴びせる。
「ふふ、こんなことをされて興奮したのか?ならばこっちにもくれてやろう」
今度は御剣のペニスの張り切った亀頭に向けて、黄金水が降り注いだ。
「うううっ・・・ぐぬうううう・・!」
黄金水を浴びながら、ビクビクと脈動する御剣のペニス。
しばらくすると、永遠に続くかと思われた放尿も終わり、あたりにはむせ返るような濃い臭いが充満した。
「これに懲りたら、二度とあの剣を探そうなんて思うんじゃないよ。おとなしく国へ帰りな!」
多喜の強い言葉にも、御剣は声を絞り出して反発する。
「俺は諦めん・・・ソウルエッジは、俺のもんだ」
ふぅ、と一つ溜息をつき、多喜は印を結ぶ。すると、消えうせたはずの忍び装束が再び彼女の身を包んだ。
「命を獲られなかっただけ、ありがたく思いな」
愕然とする御剣を残し、多喜は砂塵とともにその姿を消した・・・・。
139811(あとがき):03/06/30 04:18 ID:6C0QGaZe
ちょっとあっさりすぎたかも・・・
とりあえず状況描写をもっと上手くやれるようになりたいでつ。
ところどころ強引に話を展開させてるし。話の結びなんて特に。

ともあれ、お粗末さまでした。
また何かネタ無いか探ってきます。でわでわー
140名無しさん@ピンキー:03/06/30 13:57 ID:AZTTvKEc
激しくよかったでつ!
次も期待してるのでがんがってください!
141名無しさん@ピンキー:03/06/30 17:00 ID:sr8ACSGu
さすがタキたん、見事な忍法だw
142名無しさん@ピンキー:03/07/01 15:23 ID:XbohmZQh
最初のに比べると室は落ちるけどよかったです
言葉責めがもっとほしいっす
143名無しさん@ピンキー:03/07/01 22:22 ID:cR8eDGXF
811サンまたまた俺のかたよった性癖を満たす(変態)すばらしい作品を
普通に騎上位で犯されるだけならたいして興奮せんのだが、その内容が拷問チックで
しまいにゃ聖水と。そのとことんバカにしくさりやがるとこがもう・・・
つまりなにがいいたいかというと゛どうもありがとう゛と
ただ御剣が衰弱するまで責められる描写がもっとながければよかったのだが
って、わがままはいいません
マジでまたきてください
144名無しさん@ピンキー:03/07/02 10:09 ID:2JtiYuLV
元ネタが分からないけども興奮しました
格闘の描写よりもエロのほうが良かったです
力でも屈服してしまう所がスキです
145名無しさん@ピンキー:03/07/02 18:11 ID:OlWrUPba
これで二週間は持ちますな
146名無しさん@ピンキー:03/07/02 21:37 ID:B0zKdGzn
俺も文才があれば自分で書くのだが
妄想の中ではいろんな作品ができているのだが
今日も妄想の中で興奮の絶頂なのだが
もう連続2発目なのだが
またまだ限界にむかって挑戦中なのだが
811サンあなたのおかげで記録更新できそうなのだが
147名無しさん@ピンキー:03/07/03 00:37 ID:1JvlI7hB
マクロスでゼ軍の女性兵士がバルキリーをあっさり撃墜して、
そのパイロット(若くてプライドの高い将校)を女の技でも倒すのはどうよ?
148名無しさん@ピンキー:03/07/03 09:19 ID:EQyNtgcb
otukare
149あぼーん:あぼーん
あぼーん
150:03/07/04 23:06 ID:4qgJkz/q
更新希望
151名無しさん@ピンキー:03/07/05 18:19 ID:OjpQU4bf
久しぶりに見たら811さんのSSが出来てるじゃないですか
何度も立ち向かっていくがことごとく敗北する。最高ですね
152あぼーん:あぼーん
あぼーん
153名無しさん@ピンキー:03/07/05 19:55 ID:vCwhioCk
ホームページやっと立ち上げたのに(まだかなり未完成)
誰も来てくれません、よかったらきてほしー・・
で、なんか書き込んでくれるとうれしーのだが・・・
テーマは女性に拷問される、なのです

http://www5e.biglobe.ne.jp/~aniasi/

来〜て〜、さびしーよー
154あぼーん:あぼーん
あぼーん
155名無しさん@ピンキー:03/07/05 22:05 ID:20Giejii
>>153
何を書きたいとか、コレは書かないなどちゃんとしたビジョンを示してくれなきゃ
藻前のオナニーに過ぎないぞ。
156名無しさん@ピンキー:03/07/06 01:52 ID:zb/Ra8tr
>153
まず、来てくれた人が興味を持続していける程度にはコンテンツを増やして、それから
一般公開すべき。
そうでないと、来訪者の興味を持続させることができずにサイトが衰弱死するぞ。

当初は来訪者の反応がなくて寂しいのは当たり前。反応する材料がまだ無いのだから。
せいぜい精進しる。
157名無しさん@ピンキー:03/07/06 12:35 ID:xX8x/age
>153
やけに二次創作が多いけど、オタク系か?
まあ、ハードSMよりはいいが。
フェチもからめてたらおもしろうだ
158名無しさん@ピンキー:03/07/06 16:58 ID:RM8LnAUe
811は絵の上手い奴と組んで何か作品出して
159あぼーん:あぼーん
あぼーん
160あぼーん:あぼーん
あぼーん
161名無しさん@ピンキー:03/07/07 09:06 ID:gX6xsOqg
>153
きらめき高校イイ
162あぼーん:あぼーん
あぼーん
163あぼーん:あぼーん
あぼーん
164名無しさん@ピンキー:03/07/07 17:06 ID:z+yN2jV3
いい加減sage進行でいこうよ・・・・。
おまいらage杉
おかげで広告書き込まれ杉

なんでこんなにageまくるんだか
165あぼーん:あぼーん
あぼーん
166あぼーん:あぼーん
あぼーん
167あぼーん:あぼーん
あぼーん
168あぼーん:あぼーん
あぼーん
169名無しさん@ピンキー:03/07/08 00:13 ID:myExqFlL
「悶絶!! お仕置きハイヒール」って知ってる?
170あぼーん:あぼーん
あぼーん
171あぼーん:あぼーん
あぼーん
172あぼーん:あぼーん
あぼーん
173あぼーん:あぼーん
あぼーん
174名無しさん@ピンキー :03/07/08 18:53 ID:cGV5edvZ
保守
175あぼーん:あぼーん
あぼーん
176424:03/07/09 08:19 ID:WiroGz8e
随分と遅くなっちゃったけど、ようやく続きのSSが出来上がったんで貼っときますね。
その間に投下された811さんのSSには(*´∀`)ハァハァさせて頂きました。くの一(*´∀`)ハァハァ。


「むう……」
目が覚めたのは不思議な香りが漂う薄暗い一室だった。
ここは?わしはローズとの戦いに敗れ、葬り去られたのではなかったのか?
欠けた前歯、軍帽を失いくしゃくしゃになった髪、所々に血を滲ませてぼろぼろに破れた軍服、とうに剥ぎ取られたマント、
力を消耗し果てて重たくなった体――。敗北によるこれらの無残な傷跡が、ここが天国でも地獄でもなく、
紛れもなく現実の続きであることを物語っていた。
ゆるゆると身を起こし、振り返る。その視線の先にローズがいた。
豪奢なテーブル・クロスを敷き、左右に燭台を二つ並べた低いテーブルにローズは腰掛けていた。
戦いの時に着ていたコートとストールではなく、真紅のシルクにフリルの彩りをふんだんに施し、
胸元の大きく開いたイブニングドレスを纏ったローズは、額にソウルパワーの紋章を浮かばせ、
勝利の証たるひび割れたベガの軍帽を右の親指と人差し指で弄びながら、その神秘操る眩惑の瞳でベガをじっと見据えていた。
微かな蝋燭の炎に照らされながら、ローズは静かに言葉を発する。
「気が付いたようね、ベガ」
「……何故わしを殺さない?」
 問いにすぐには答えず、ローズは軍帽をテーブルに置いて立ち上がると、ゆっくりベガの前へ歩み寄る。
 ベガの視界に露わになるその優美な全身は、満身創痍の惨めたる敗者の己と華麗な勝者たるローズとの対比を一層際立たせていた。
177424:03/07/09 08:22 ID:WiroGz8e
「サイコパワーを封じ、シャドルーも壊滅させた今、使命は果たされたわ。『力』を失った貴方にはもう帰る場所はないし、誰も付いてこない。
最早この世に災いをもたらす元凶足りえない、只の一介の無力な男に過ぎない今の貴方を敢えて殺さねばならない理由など何処にも無いでしょう?」
余裕を含んだ声でローズは言う。サイコパワーさえ封印されていなかったら、今この距離、この無防備な姿勢ならば、その華奢な体を拳で打ち抜くことすら可能な筈。
だが、その全身から湧き上がる目には見えないオーラ、同種の「力」の操り手たるベガ故に感じ取ることの出来るおびただしい量のソウルパワーが、
ベガの脳裏に先程の戦いの悪夢を蘇らせ、本能的な恐怖に畏怖したまま、ただ憎悪の瞳で睨み付けることしか適わなかった。
「わしを……どうするつもりだ?」
「ベガ、貴方は今まで数え切れない程の悪行を積み重ねてきた。多くの人々を傷付け、殺めてきたわ。だから貴方はその償いをしなければならない」
「償い……だと?」
「貴方を葬ることは何時でも出来る。でもそれでは貴方に『死』という安易な安らぎを与える結果にしかならないわ。
貴方にはそう……私の側に仕えてもらい、その邪な心が完全に消滅する日まで、残りの一生を捧げてもらいます。それが貴方の犯した過ちの報いよ」
178424:03/07/09 08:26 ID:WiroGz8e
ローズが下した裁きに、ベガはたまらず怒号を上げた。
「ふ、ふざけるな!そのような屈辱、みすみす受け入れるわしだと思うてか!
サイコパワーを奪われ、最早貴様を倒すことが不可能ならば、自らの手で悪の帝王として相応しい最後を迎えるまで!」
 意を決し、ベガは己の舌を噛み切ろうとする。だが、その寸前、ローズが右の掌を前方に突き出すと、どうしたことか、
まるで金縛りのように見えない力がベガの全身を縛り付け、一分の動きすらも封じ込めてしまった。
(こ……これは?)
 言葉を発することすら出来ず、動揺するベガに、ローズは掌を掲げたまま答える。
「あの時……、私が貴方の脳へと送り込んだソウルパワーは、邪悪なサイコパワーを封じ、体内の至る所へと浸透したわ。
すなわち、今の貴方の五体は正しきソウルパワーによって支配されている。それがどのような意味を持っているか……もうお分かりでしょう?」
 ローズの真意を悟った時、ベガの全身に戦慄が走った。
 五体をソウルパワーによって支配されること――それはすなわち、憎しみの心を己の「力」の根源とするベガのローズに対する完全なる屈服であり、その身の隷従を意味していた。
「貴方の体は既に貴方の物ではないのよ。償いを果たすまで、死の世界へ逃避することは絶対に許されない。
貴方の体の至る部分――まばたきの一つ、指の一本一本の動きまで、全ては私の意志に委ねられているのよ」
(おのれえっ!)
 今にも燃え上がらんばかりの憎悪の感情を瞳に浮かべ、ベガは声にならない怨嗟の叫びを上げる。
 その視線すらも、ローズは何のたじろぎもなく蒼の両眼で真っ直ぐに見つめ返す。
「随分と私が憎いようね?でもこの破滅の結末は、貴方が神秘の「力」をおとしめし時から、必ず迎えねばならないよう必然付けられていたの。
その憎しみを捨てない限り、貴方は永遠にこの牢獄から逃れ出す術は無いわ」
 ローズの言葉にも構わず、ベガの憎しみは最早殺意と怨念と化し、その微塵の輝きもない二つの白眼から今にも溢れ出さんとしていた。
179424:03/07/09 08:29 ID:WiroGz8e
「言葉で言っても分からないようね。ならば、仕置きを与えます」
 ローズはそう宣告すると、掲げた右の掌からソウルパワーをベガに向かって放出する。
蒼白い輝きが見る見る内にベガの全身を包んだか思うと、次の瞬間、ベガは糸の切れたマリオネットのように背中から倒れ込み、口から泡を吹き出し始めた。
(ぬおおおおお……)
 まるで一万ボルトの電流の如き刺激がベガの内部を走り抜け、脳を、心臓を、内臓を猛烈にシェイクする。
「苦しいでしょう、ベガ?でもその苦しみは今まで貴方が殺めてきた人々の何百分の一にしか過ぎない……。
貴方はきっと私のことを嫌な女と思うでしょうね。けれどそれも仕方無いわ」
(こ、こむすめがぁっ!)
 悶絶しながらもなお憎しみを募らせるベガに、ローズは更なる仕置きを与える。
「まだ憎しみを捨てきれないようね……」
 言うと、そのままの姿勢でこつりと一歩踏み出し、赤いハイヒールの踵をベガの鳩尾に載せる。
(ぐおおお……)
「さあ、憎しみを捨てなさい。貴方を誤った道へと導いたその禍々しき憎しみを捨てぬ限り、貴方の魂に真の安らぎは訪れない」
 ローズがハイヒールで踏みにじる度、電流の上から被せられる新たな激痛がベガの意識をブラックアウト寸前にまで至らせる。
180424:03/07/09 08:32 ID:WiroGz8e
 このまま、このまま、わしは死ぬことさえ許されず、いいように嬲られるのか……。
 途切れそうな意識をかろうじて保ち続けながら、ベガは蝋燭の残り火のような気力でローズを睨み、懸命に抵抗の意を表し続けた。
 と、そのとき、ローズが不意に掲げた掌を下ろした。途端にソウルパワーが消え、ベガは己の動きを取り戻す。
載せたハイヒールも下ろすと、ローズはドレスの裾を上げながら、静かにベガの隣へと腰を落とす。
 ようやく苦痛から解放され、夥しい脂汗を流しながら荒い息を吐くベガを眺めながら、ローズはチッチッ、と舌を鳴らす。
「大丈夫?貴方もなかなか強情なようね。私のソウルパワーによって貴方のサイコパワーが最強で無いことが証明されたばかりで無く、
こうしておめおめと生き延びて辱めを受けるのが余程悔しいのかしら?でもそれを招いたのは他ならぬ貴方自身……。無駄な抵抗はお止めなさい」
「くっ、わしを嬲りたければ好きなように嬲れ。だがわしは屈せぬぞ。決して憎しみを、悪の心を捨てたりはせぬぞ!」
 ベガは唇を噛み締め、悲壮な決意をローズにぶつける。
 それは、悪の帝王を自負するベガの最後の意地だった。例え戦いに敗れても、その邪悪な心までローズに屈してしまう訳にはいかないのだ。
181424:03/07/09 08:35 ID:WiroGz8e
だがローズはそのベガの抵抗すら見越していたように、妖艶な笑みをたたえた。
「哀れな……。どうやら貴方には肉体的苦痛よりも、もっと別の手段を用いた方が良さそうね……」
 そこまで言うと、ローズは何を思ったのか、激しい疲労で抗することのままならないベガの上半身をそっと両手で起こすと、
突然その頭をぎゅっと自分の胸の中へと埋めさせた。
「んぐっ」
 半ばドレスから剥き出しになったその豊満な乳房が柔らかく顔面を包み込み、温かな人肌の感触と共に甘くほのかな体臭がベガの鼻腔へと流れ込む。
「んんっ……」
 息苦しさにベガが顔を赤らめるのも構わずに、ローズはなおもその巨体を抱き続ける。
「ぬうっ……」
 次第に込み上げる衝動を抑え切れず、ベガの股間は瞬く間に変化の膨らみを生じていく。
(わしに屈辱を与えた女に、欲情を抱くなど!)
 だが、必死に意識で拒絶しようとしても本能は正直で、ベガは今、ローズを憎むべきソウルパワーの使い手としてではなく、
紛れもなく一人の魅惑的な女として捉え、確かに肉欲の念を抱いていた。
 そんなベガに駄目押しを掛けるように、ローズは甘く囁く。
「我慢をする必要など無いのよ、ベガ。間違い無く今の貴方は私に対する憎しみよりも、欲情の方が勝っている。
さあ、憎しみという枷を捨て、私の中に溺れ、悦びを感じなさい」
 その囁きが、かろうじて抵抗を続けていた意識の牙城をついに粉々に打ち砕き、
次の瞬間、ベガは母乳を求める赤子のようにローズの乳房へとむしゃぶりついていた。
182424:03/07/09 08:39 ID:WiroGz8e
ドレスの上部がずり落ち、体が僅かに仰け反る。
 女王へと忠誠を誓った眼下の兵士を満足げに見下ろし、ローズは聖母の如き微笑みをたたえた。
「上出来ね。貴方はようやく憎しみを捨て、これから私の元で償いの日々を送る道を選んだ……」
 最早かつての悪の帝王としての威厳と面影は跡形も無く消え失せ、何度も頷くベガの頭をローズは優しく撫で回す。
「そのご褒美よ……」
 ローズは告げると、ベガの体を自分の胸から離し、静かに立ち上がる。
と、不意にテーブルの蝋燭の炎が眩しく燃え上がったかと思うと、ローズの姿が消えた。
そして次の刹那、戦いでベガを完膚なきまでに打ちのめした時と同じく、寸分違わぬ姿形をした幾人ものローズが現れると、口々に告げた。
「ソウルイリュージョン……。ただひたすらに力のみを追い求めるサイコパワーと異なり、ソウルパワーは無限の可能性を秘めているわ。
さあ、存分に味わいなさい……」
 言葉を終えると、本体と何ら変わらぬ妖しさと高貴な美を秘めた実体を伴うローズの分身達は、次々とベガに纏わり付くと、各々の行動に取り掛かる。
 一人がするりするりとベガの衣服を剥ぎ、露わになったその巨大な一物に、別の一人がそのふくよかな胸を押し当て、
更に別の一人がベガの唇を貪り、今度は新たな一人が背後からベガの首筋へと甘い吐息を吐き掛ける。
「ぬおおお……」
 幾人ものローズ達が織り成す性技のオーケストラが、ベガの体内の至る所から快楽の泉を湧き上がらせ、絶頂寸前へと至らせた。
「く……、ふぁっ……」
 弾力溢れる双丘に幾度も幾度も揉みしごかれ、ついに堪え切れず、一物の亀頭から黄金液が跳ね上がる。
その液を乳房にどっぷり浴びたローズの一人は淫靡な笑みを浮かべると、その味わいに酔いしれるように、飽くことなく舌で舐め回していく。
183424:03/07/09 08:42 ID:WiroGz8e
今度は、双丘の隙間から潜り込んだ別のローズの掌が、優しく一物を包み込む。
さっきとは異なる、巧みな指使いが与える繊細な快楽が、ベガを新たな絶頂へと誘い込む。
「ふんがあっ……」
 再び吹き上がる黄金液にも構わずに、今度はまた別のローズがベガの両脚を持ち上げ、尻肉を押し広げると、
黄金液でたっぷりと湿らせた親指を躊躇い無く尻穴へと差し込んでいく。
「ふぐおおっ!」
「覚悟はいい?」
「それじゃあ駄目」
「やるじゃない?」
「そこまでよ」
 極楽の境地とは正にこのことだろうか?
「薔薇(ローズ)」の花びら達は何時果てることもなく軽やかに舞い踊り、責めの演舞を繰り広げ続けた。
 ズビュビュビュビュ〜!
精液の一滴まで搾り取られてようやく狂宴が終幕し、ローズの姿が一つに帰した時、ベガは崩れるようにローズの胸の中で眠り果てていた。
 ローズは息一つ乱すにふっと口元を緩めると、眠りの淵に沈んだ従者にそっと語り掛ける。
「どうやらもうお休みのようだけど、まだまだね。でも構わないわ。
貴方が無償の奉仕にその身を費やし、全ての償いを果たした日にこそ、本当の私の体の全てを味わわせてあげるわ」
この日から、ここイタリア北西部、ジェバの「占いの館」において、そこの主である絶世の美女とその従者との奇妙な物語が始まりを告げるのであった――。
184424:03/07/09 08:44 ID:WiroGz8e
 翌日――。
 戦いの疲れを入浴で癒したローズは、ゆっくりとその身をバスタブから起こす。
「ふう、やはりお風呂に入ると心も体もリフレッシュするわね」
 束ねて上げた髪をバスタオルで包み、その珠色の肌に湯滴を滴らせながら、ローズは脱衣所の前に歩み寄ると、
ガラス戸の向こうに控える人影へと声を掛けた。
「いい湯加減だったわ。体を拭いてもらえないかしら?」
 すっとガラス戸が開き、人影が姿を現す。人影――大柄で筋骨隆々としたオールバックの男は、一礼すると、
黙々とタオルでローズの体のあらゆる部分――髪の毛一本一本から顔、首筋、乳房、脇の間、腹部、秘所、指先の一本一本まで丁寧にタオルで雫を拭っていく。
 この美の女神アフロディーテ顔負けの艶やかな裸体を持つ絶世の美女、占い師ローズこそが世界を破滅から救ったことを誰も知らない――。
185811:03/07/09 11:58 ID:Tgzio+ip
424さんキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!

正義の女王様(;´Д`)ハァハァ…
でもオイラはネタすらまだ浮かんでなかったり(´・ω・`)
186名無しさん@ピンキー:03/07/09 16:30 ID:bgwQBKIX
お二方とも良作を次々と出してくれてますね
男一人ににXP(;´Д`)ハァハァ

いつか二人の強烈なコラボレーションが見れる日を待っています
187あぼーん:あぼーん
あぼーん
188あぼーん:あぼーん
あぼーん
189あぼーん:あぼーん
あぼーん
190あぼーん:あぼーん
あぼーん
191あぼーん:あぼーん
あぼーん
192あぼーん:あぼーん
あぼーん
193あぼーん:あぼーん
あぼーん
194あぼーん:あぼーん
あぼーん
195名無しさん@ピンキー:03/07/12 15:02 ID:hj+Vf8wI
広告ばっかり
196あぼーん:あぼーん
あぼーん
197あぼーん:あぼーん
あぼーん
198名無しさん@ピンキー:03/07/12 20:08 ID:5eP4iwCx
何か最近、他板でもひどくない? >広告
pink鯖以外のとこでもさぁ・・・
199あぼーん:あぼーん
あぼーん
200あぼーん:あぼーん
あぼーん
201あぼーん:あぼーん
あぼーん
202あぼーん:あぼーん
あぼーん
203名無しさん@ピンキー:03/07/13 16:14 ID:QQ0l5OHK
何この広告の羅列は
204kk:03/07/13 22:43 ID:5vyneQb9
j
205山崎 渉:03/07/15 11:07 ID:vhmwz+RP

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
206あぼーん:あぼーん
あぼーん
207あぼーん:あぼーん
あぼーん
208名無しさん@ピンキー:03/07/16 14:23 ID:akyTbhwN
age
209名無しさん@ピンキー:03/07/17 12:03 ID:U9XCHYxc
なんと言う寂れようだ
だれかSSを
210あぼーん:あぼーん
あぼーん
211名無しさん@ピンキー:03/07/17 12:31 ID:6LKU62Gy


@新作@新作@新作@新作@新作@新作@新作@新作@新作@新作@新作@

人気爆発新作ベスト5入荷
 白石ひより SNAPSHOT 岡崎美女 POISON 宝来みゆき パンドラ
 持月真由 水中SEXのAQUASEX 超売れ筋 無修正DVDなら 新宿歌舞伎町直送
  http://adult.csx.jp/~hamster/index2.htm
  店頭販売の売れ筋のみ厳選してみました 安心の後払い
         白石ひとみ 小森詩 山田まり 長瀬愛
@@ 及川奈央 レジェンド @@ 堤さやか 東京バーチャル 依然大好評
   http://adult.csx.jp/~hamster/index2.htm  
  サンプル画像充実  見る価値あり  最高画質

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@     
 
212あぼーん:あぼーん
あぼーん
213あぼーん:あぼーん
あぼーん
214あぼーん:あぼーん
あぼーん
215名無しさん@ピンキー:03/07/17 22:36 ID:enGm2zLt
何かこのスレやたらと広告ばっかり貼り付けられるね。狙われてるのかな?
お陰で最新SSもほとんど流れちゃったし。
216あぼーん:あぼーん
あぼーん
217あぼーん:あぼーん
あぼーん
218あぼーん:あぼーん
あぼーん
219あぼーん:あぼーん
あぼーん
220あぼーん:あぼーん
あぼーん
221名無しさん@ピンキー:03/07/21 23:34 ID:uhIRFxzC
ss職人さん戻ってきてくれ
222あぼーん:あぼーん
あぼーん
223名無しさん@ピンキー:03/07/22 19:56 ID:opNSAa+A
come back
224名無しさん@ピンキー:03/07/23 11:06 ID:gBipRfQA
激しく廃れてるな
225あぼーん:あぼーん
あぼーん
226あぼーん:あぼーん
あぼーん
227811:03/07/23 12:26 ID:wApZOIKn
どうもです。なんか前回のレス以来久々になってしまいましたね。
一発へタレ文投下して盛り上げてはみたいんですが、
ちょうど仕事が忙しくなる時期ゆえ、さらに遅筆になってます(;´Д`)
ちょっとずつ書いてはいるんですが、ね・・・・。ほんとに申し訳ないです。
あまりアニメや漫画を見ない人間なので、エロパロのネタに困っていたってのも少しありますが。
書きあがるまで気長に待っていただけると嬉しいです(←身も心もヘタレ)

あ、あとsage進行でいったほうがいいかもです。
age→広告age→広告age→広告age→広告age・・・と永久コンボの恐れもありますし(w
では仕事に戻りますですー。
228811:03/07/23 13:02 ID:wApZOIKn
ちょっとしたおみやげ 天外魔境のアーケード版格ゲーより
コピペし、スペースを消して見てください。「都合により書き込めません」なので。

ht tp :// rodi ary.z ive.n et/c gi-bi n/u p/so urce/u p03 51.j pg

実はこうまでするほど面白いモノではありません(w いや、ホントに
偶然発見して萌えたのです。こういうことをサラリと言ってしまう女性は好きですね。

では本当に仕事に戻ります(苦笑
229名無しさん@ピンキー:03/07/23 16:23 ID:u5WO9qJ6
これ格ゲーですか。いいですね
230名無しさん@ピンキー:03/07/24 09:50 ID:a6wWzkDp
811さん御久しぶりこんごもよろしく
231名無しさん@ピンキー:03/07/24 15:21 ID:N2J+v6yd
お久しぶり−府
232名無しさん@ピンキー:03/07/25 16:35 ID:+MoyTfl3
前スレ上げてるアフォがいたので、つい一通り読んで(;´Д`)ハァハァしてしまいました。

一番のお気に入りは424さんのキング対リョウかなー。
811さんの処女作もマゾっ気を強烈に突いた名作ですな。
それにしても、書き始めの頃にエゴマゾどもに好き勝手言われても
ぶち切れなかった424さん、尊敬しまつ。俺なら多分プッツンしますよ、あそこで。

>>811さん
エロパロのネタに困っているならオリジナルでも良いと思いますよ。
424さんのオリジナルにも思いっきり興奮しましたし。
でも、オリジナル作品に拒否反応起こす人も居るのかな?
233あぼーん:あぼーん
あぼーん
234名無しさん@ピンキー:03/07/26 10:39 ID:I8D8kunl
オリジナルで無問題
235名無しさん@ピンキー:03/07/26 17:07 ID:UxXNuXyi
俺が一番好きだったのは811の処女作
その次が舞VSりゅう
でも811のしょ女作がダントツ
236あぼーん:あぼーん
あぼーん
237あぼーん:あぼーん
あぼーん
238あぼーん:あぼーん
あぼーん
239名無しさん@ピンキー:03/07/27 10:53 ID:jpFbee2I
ageてないのに広告貼られるね
240名無しさん@ピンキー:03/07/27 11:02 ID:8oisxpif
広告は一切無視の方向で
241名無しさん@ピンキー:03/07/27 19:08 ID:vL+oYoZR
7・20後楽園ホール
彩丘という女子選手が男に判定勝ちしたみたいですね
242名無しさん@ピンキー:03/07/27 21:14 ID:GlxB1ZI4
1勝12敗2引分け、”カワイイ”がウリの男だがナー
243あぼーん:あぼーん
あぼーん
244あぼーん:あぼーん
あぼーん
245名無しさん@ピンキー:03/07/28 17:05 ID:U46o19BK
何?えっ冗談でしょ・・早くたってよ。早く最強の男の本気を見せて」
女子ファイターは男子世界チャンピオンを見下ろして言った。しかしチャンプは足が思うように動かず立つことが出来なかった。完全に効いてしまっていた。しかしそれを悟られてはならなかった。男として世界チャンプとして・・・
「今のはスリップだ。ダウンじゃない。全然効いていない」
そう言って男は賢明に立ちあがった。悟られては行けない悟られては行けないのだ。
{ノーダウン!!ファイト}レフェリーが言った
「今のがノーダウンなの?やっぱり格闘技の世界って男尊女卑なのね。いいわこれぐらいのことは覚悟してたから」
男は距離を追き体力回復に努めた。女子に奪われた体力を・・・

続きよろしく
246あぼーん:あぼーん
あぼーん
247あぼーん:あぼーん
あぼーん
248あぼーん:あぼーん
あぼーん
249あぼーん:あぼーん
あぼーん
250あぼーん:あぼーん
あぼーん
251名無しさん@ピンキー:03/07/30 09:15 ID:GqBEGlpn
エアマスターとかうまく使えないだろうか。
マキは無理としても、崎山とか。

マキ×佐伯は無理かのう。
252名無しさん@ピンキー:03/07/31 20:29 ID:yApep1o2
アテナでキボンヌ
253あぼーん:あぼーん
あぼーん
254あぼーん:あぼーん
あぼーん
255あぼーん:あぼーん
あぼーん
256あぼーん:あぼーん
あぼーん
257あぼーん:あぼーん
あぼーん
258あぼーん:あぼーん
あぼーん
259ぼるじょあ ◆yBEncckFOU :03/08/02 04:43 ID:e3EGd7L5
     ∧_∧  ∧_∧
ピュ.ー (  ・3・) (  ^^ ) <これからも僕たちを応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄ ̄∪ ̄ ̄〕
  = ◎――――――◎                      山崎渉&ぼるじょあ
260あぼーん:あぼーん
あぼーん
261あぼーん:あぼーん
あぼーん
262あぼーん:あぼーん
あぼーん
263あぼーん:あぼーん
あぼーん
264あぼーん:あぼーん
あぼーん
265名無しさん@ピンキー:03/08/05 21:03 ID:G4i2ISQJ
エロパロの関連スレ以外にもキャリネタってあったんだね。
しかしこの姐さんはこのスレ的にどうなんかな…

http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1053754327/121-139
266名無しさん@ピンキー:03/08/05 21:04 ID:G4i2ISQJ
誤爆スマン
267名無しさん@ピンキー:03/08/05 22:13 ID:HMaDu6F4
>>265
そのスレからキタヨー

結局、上手いこと棲み分けをするしかないでしょうね
このスレで多喜姐さんを使うとしたらああいう形しかないわけで
テキストの姐さんもサロンやキャラ板の姐さんも似合わないから。

色んな職人さんがそれぞれの味を出せる懐の深さは良いキャラの証。
これからも各板の職人さんを応援したいです。
268811:03/08/06 00:57 ID:kjvaXnrX
>>265
ども、書いた者です。実はそのキャリバースレの住人だったりするのですが(w、
この話でのタキの性格、自分としては「裏タキ」程度の感覚で書いてました。

私の性癖が「タキ姐さんにいぢめられたい(;´Д`)ハァハァ」というマイノリティなものなので、
一般的に愛されているタキ像からかけ離れてしまっているのは承知してます。
(それは私の文章力の無さにもよるものではありますが)
それで気を悪くしてしまった人も居るでしょうけれど(割と特殊な性癖だけに特に)、
どうか「こういう変態もいるんだな(w」程度に思ってくれると幸いです。
267の方が仰るとおり、棲み分けが大事だと思いますですよ。こういう場合は特に・・・


あと、近日中に新しいの投下できそうです。もうしばらくお待ちください。
269あぼーん:あぼーん
あぼーん
270あぼーん:あぼーん
あぼーん
271あぼーん:あぼーん
あぼーん
272424:03/08/07 04:48 ID:LrE/27W1
新作出来上がったんですけど、前フリが長くなり過ぎて全部貼ろうかどうか迷っているところです。
セラムン物なんですけど、どうでしょうか?皆さんの意見をお聞かせ下さい。
273名無しさん@ピンキー:03/08/07 07:45 ID:YTu+LMh4
>>811さん
楽しみに期待しとりますぞ。
>>424さん
おお、新作っすか!
全部貼っちゃってよいですよー。
がつーんといっちゃってくださいよ。
274あぼーん:あぼーん
あぼーん
275名無しさん@ピンキー:03/08/07 09:49 ID:ONDWsUd1
>>424さん
全部はってください
読みたくない人は飛ばすでしょうし
276424(1/33):03/08/07 12:03 ID:skeJHwAB
それじゃ、貼り付けますね。今回のはかなり原作ネタが深くなってしまった上に、
途中からはギャグみたいな感じになってしまったので正直不安なのですが、
本筋から読まれたい方は14以降から読んで下さいね。

ゾイサイトとの戦いの最中、セーラームーンを庇って深手を負ったタキシード仮面はダークキングダムに捕らわれ、
クインメタリアの暗黒パワーを浴びせられる。洗脳され、ダークキングダム最高幹部エンディミオンとして目覚めたタキシード仮面は、
最後の四天王クンツァイトと凌ぎを削りながら、クインメタリア復活の為セーラームーンの持つ幻の銀水晶を手に入れんと様々な作戦を用いるが、
そのことごとくが彼女を始めとするセーラー戦士達の活躍によって粉砕されてしまう。
数々の失敗の前に業を煮やしたエンディミオンはついに最終作戦を発動させる。
クインメタリアの力で蘇った再生妖魔達を夜のネオン輝く東京の街に解き放ったエンディミオンは、巨大な映像となって夜空に現れ、
セーラー戦士達が東京タワーに来るよう言い放ったのだ。東京の人々を守る為、そしてエンディミオンとの決着を付ける為、
五人のセーラー戦士達は迷わず東京タワーに向かう。

 都心に駆け付けたセーラー戦士達を待ち受けていたのは、破壊の限りを尽くす再生妖魔達だった。
かつてセーラー戦士達に倒されたモルガ、キュレネ、デレーラ、ヤシャ等が、
逃げ惑う人々からエナジーを奪い取り、ショーウィンドウを粉々に砕き、建物に鋭い爪跡を刻んでいる。
五人は人々の避難を手伝いながら素早く妖魔達の前に立ちはだかると、怒りを込めた瞳で睨み付けた。
「皆の憩いの街を悲鳴で染め上げるなんて許せな〜い! 空き缶をリサイクルするならとってもエコロジストだけど、
一度倒された妖魔をリサイクルしようなんて言語道断横断歩道よ! この愛と正義のセーラー服美少女戦士、セーラームーンが月に変わってお仕置きよ!」
 ムーンの名乗りに、他の四人も次々と続いていく。


277424(2/33):03/08/07 12:06 ID:skeJHwAB
「同じくセーラーマーキュリー! 水でもかぶって反省しなさい!」
「同じくセーラーマーズ! 火星に代わって折檻よ!」
「同じくセーラージュピター! 痺れるくらいに後悔させるよ!」
「同じくセーラーヴィーナス! 愛の天罰落とさせて頂きます!」
 セーラー戦士達の登場に、各々破壊を繰り広げていた妖魔達は一箇所に集まって向き合うと、不敵な笑みを浮かべる。
「現れたなセーラー戦士供! かつて貴様達に敗れ、地獄の淵を彷徨ったこの恨み、思い知るがいい!」
「エンディミオン様が相手をするまでも無い。ここで我等が葬ってくれる!」
「死ね!」
 獣の如き雄たけびと共に、妖魔達は一斉に襲い掛かる。
 宙に浮かび上がり、伸縮自在な両腕を伸ばして襲い来るモルガを五人は散り散りに跳んでかわす。
その瞬間、僅かにバランスを崩したムーン目がけて、巨大な両翼で上空を舞ったキュレネがすかさず超音波を発射する。
「危ない!」
 間一髪マーズに突き飛ばされてムーンは危うく難を免れるが、直撃を浴びた背後の電話ボックスが木っ端微塵に吹き飛んだ。
「ひ、ひえ〜」
「ほら、ぼ〜っとしてるんじゃないわよ」
「ゴ、ゴメン……」
 ムーンとマーズがやり取りを交わす間にも、デレーラがジュピターとヴィーナス目がけて口から、
絹のようにしなやかかつ鋼のように強靭なガラスの糸を執拗に吐き掛ける。
「くそっ、これじゃきりが無い」
「焦りは禁物よ、ジュピター」
 二人が防戦一方を強いられる反対側では、マーキュリーとヤシャが対峙し合ったまま、互いに隙を探り合っていた。
 お多福の面を被ったヤシャ相手では、表情の変化から動きを先読みすることが出来ない。
だがそれでもマーキュリーは冷静にその頭脳で、この劣勢から脱する勝利の方程式を解き続けていた。
(相手は四人でこちらは五人、このまま戦力を分散させて戦うのは得策じゃないわ。あたしが皆をサポートして各個撃破に持ち込まないと)
解を弾き出すや否や、マーキュリーは素早く行動に移った。
「シャボ〜ンスプレー!」
 マーキュリーの両腕から放たれた七色のシャボンが周囲に拡散し、たちまち夜の街を濃霧に包み込む。
278424(3/33):03/08/07 12:09 ID:skeJHwAB
「な、何だこれは?」
「おお、体が冷える……」
「皆、今よ!」
 妖魔達が戸惑い、うろたえている内に五人はすかさず一箇所に集中し、必殺技の構えを取る。
「いくわよ、セーラームーン!」
「オッケー!」
「ファイヤーソウル!」
「ムーンティアラ〜アクショ〜ン!」
 ムーンの放ったティアラに紅蓮の炎がかぶさり、モルガ目がけて唸りを上げる。
「シュープリームサンダー!」
「クレッセントビ〜ム!」
 ムーン達とほぼ同時に放たれたジュピターとヴィーナスの合体技、雷を帯びた一筋の閃光がデレーラの胸を打ち貫く。
「ぎゃああああ〜!」
 断末魔の叫びを上げて灰と化すモルガとデレーラを尻目に、息つく間もなく五人は残りの妖魔の殲滅に移る。
「クレッセントビーム!」
「こんなもの!」
 ヴィーナスの攻撃をキュレネは急降下して避けるが、次の瞬間、跳躍したマーズが眼前に迫っていた。
「悪霊退散!」
 アクロバットに宙を反転してマーズが貼り付けた魔除けの札が、キュレネの動きを停止させ、
その隙を逃さずにジュピターのアンテナから放たれた雷がキュレネを真っ黒に焼き焦がし、勢いよく地面に叩き付ける。
 後は一匹。ヤシャを残すのみだ。
「おのれ、おのれえ〜!」
 追い詰められ、憎悪の叫びを発したヤシャはお多福の面を剥ぎ取り、夜叉の顔を露わにすると、
額に生えた二本の鋭い角を突き出しながら、五人に向かって猛スピードで突っ込んできた。
「ムーンティアラ〜アクショ〜ン!」
 すかさずムーンが放った反撃のティアラがヤシャの右腕を弾き飛ばすが、それでもヤシャは構わずに走り続ける。
「死ねえ!」
 慌てて五人は回避するが、一瞬マーキュリーの反応が遅れる。それを見逃さず、ヤシャは標的をマーキュリーに定めると、素早く身を翻した。
「ああっ……」
 マーキュリーがかわそうとするより早く、ヤシャの角が懐に入る。ヤシャの捨て身の一撃がマーキュリーを捉えんとしたまさにその瞬間だった。
279424(4/33):03/08/07 12:11 ID:skeJHwAB
「マーキュリー!」
鬼の如き形相でジュピターがタックルを食らわせて吹き飛ばし、危機一髪、マーキュリーは九死に一生を得た。
「おのれえっ! よくも邪魔を!」
 すんでのところで止めを刺し損ねたヤシャは怒号を上げ、狙いをジュピターに変えて再度攻撃を仕掛ける。
だが迫り来るヤシャにも構わず、ジュピターはその場から一歩も動こうとしない。ヤシャの角がジュピターの腹部を抉ろうとするその瞬間、
「でえええええい!」
 ジュピターはありったけのパワーで逆にがっしり角を掴んで握り締めると、ヤシャの体を思い切り宙に放り投げた。
「今だ、ヴィーナス!」
 宙を舞い上がったまま、身動きの取れないヤシャにヴィーナスのクレッセントビームが炸裂した。
「あれ、口惜しや〜!」
 ヤシャが空中で爆散してやっと妖魔達が全滅し、ようやく辺りが平穏さを取り戻すと、セーラー戦士達はほっと安堵のため息を付く。
「ふい〜、ようやく片付いたよ〜」
「危ないところをありがとう、ジュピター」
 笑顔で礼を言うマーキュリーに、ジュピターは照れ臭そうに頬を掻いた。
「気にすることは無いよ。仲間を助けるのは当たり前だろ」
「取り敢えずこれで東京から妖魔達を追い払うことが出来たのかしら?」
「そうだといいんだけど……」
 事態の沈静化を願うマーズとヴィーナスだが、事がそう簡単に収束しそうでないことは薄々感付いていた。
「今調べてみるわ……」
 マーキュリーはゴーグルを掛けて懐からコンピューターを取り出すと、指先をキーボードの上で躍らせ、今現在の東京の状況を調べ始めた。
ディスプレイとの睨めっこがしばらく続き、やがて結果を写し出すと、マーキュリーは思わず驚きの声を上げた。
「何ですって? 妖魔が現れたのはここだけじゃない、東京タワーを中心とした東京の至る所で妖魔の生体反応を探知したわ」
 最悪の事態に皆の顔に緊張が走る。
280424(5/33):03/08/07 12:14 ID:skeJHwAB
「くそっ! エンディミオンの奴め! ふざけた真似しやがって!」
 ふつふつと湧き上がる怒りの感情に、ジュピターは無意識に拳と拳をぶつける。
「タキシード仮面様、どうしてこんなことを……」
 今は変わり果てたかつての憧れの人の悪行に、ムーンは悲しげに視線を伏せた。
「悲しんでいても何も始まらないわ。ダークキングダムに操られているあの人を、あたし達が、そしてあなたが救ってあげるのよ」
 マーズの叱咤にムーンは顔を上げ、自分自身に言い聞かせるようにつぶやく。
「うん、そうだよね。何とかあたし達がタキシード仮面様を助けてあげないと」
「その意気よ、セーラームーン。でもまずは妖魔達を片付ける方が先決ね。東京にこれ以上被害が広がるのを食い止めないと」
 ヴィーナスの言葉にジュピターも続く。
「そうだね。一刻も早く連中を追い払わないと。マーキュリー、東京で暴れている妖魔の数はどれくらいなんだい?」
「ちょうど十体。それぞれ新宿、銀座、六本木を襲っているわ。一体一体倒していたら、とてもじゃないけど被害を抑え切れないわ」
「なら二手に分かれましょう。攻撃力のことを考えて、あたしとジュピターが銀座を、
セーラームーンとマーキュリーとマーズが新宿、六本木を担当して、妖魔を倒しながらそれぞれ反対側から東京タワーを目指しましょう」
「でも、人々の避難はどうしよう? 皆が逃げ惑う中じゃ、戦闘に巻き込みかねない」
 ジュピターの心配に、ヴィーナスはウインクを返す。
「そのことならルナとアルテミスを通じて既に手は打ってあるわ。
警視総監に事の事情を説明して、警官達に人々を東京タワー近辺から避難させるよう頼んであるから。
こう見えても、桜田警視総監とは顔見知りなのよ」
「うわ、ヴィーナスちゃんったらすっご〜い」
 感激するムーンに、ヴィーナスはえっへんと胸を張る。
「当然。伊達に皆より長くセーラー戦士やってる訳じゃないわ」
「銃後の憂いもこれで無くなったようね。急ぎましょう」
 マーキュリーの言葉に他の四人が頷くと、五人のセーラー戦士は夜の街へと溶け込んでいった。
281424(6/33):03/08/07 12:18 ID:skeJHwAB
 銀座――普段の日はお洒落に着飾った男女が行き交う夜の街も、今はセーラー戦士達と妖魔達との激しい戦いが繰り広げられる戦場と化していた。
「でええええい!」
 既に人々が避難し、ほとんど無人となった大通りを、ジュピターは四体の妖魔達相手に縦横無尽に駆け巡る。
「うりゃあああ!」
 不気味な蜘蛛の妖魔、ウィドーが口から吐き掛ける蜘蛛の糸を巧みにかわしながらジュピターは疾風のように、
炎のテニスボールを放るべく構えたテスニーの顔面に痛烈な跳び膝蹴りを食らわす。
「ぶあっ!」
 勢いよく地面に叩き付けられたのを逃さず、すかさずヴィーナスが、
「クレッセントビ〜ム!」
 必殺技で一閃のもとに葬る。
「食らえっ!」
 今度は左手から、巨大なトカゲの妖魔イグアーラの尻尾がしなるようにジュピターを襲う。
「はっ!」
 紙一重でハイジャンプしてかわすと、獲物を捉え損ねて勢いの削がれた尻尾を掴み取り、ジュピターは思い切り己の体を回転させる。
「もう一度、地獄に帰りなぁ!」
 ジュピターの十八番、ジャイアントスイングがイグアーラを十メートル先のブティックのショーウィンドウまで吹き飛ばし、
ガラスが木っ端微塵に砕けるのと同時に、またもヴィーナスのクレッセントビームが炸裂する。
イグアーラの死亡を確認する間も与えず、今度は背後からキガーンが迫ってくる心臓を狙い、突き出された鋭い爪を持つ右腕をジュピターは気配を読んで、
間一髪でいなすと、逆に右腕を掴んで背負い投げへと繋げる。そして衝撃でキガーンが呻き声を上げている間に、
「シュープリームサンダー!」
 額のアンテナから放った雷撃がうずくまるキガーンに止めを刺した。
282424(7/33):03/08/07 12:20 ID:skeJHwAB
ジュピターはヴィーナスと背中合わせになると、素早く残りの一体、ウィドーの相手に移った。
「さあ、掛かってらっしゃい」
 ヴィーナスは囮になるべく、ウィドーの周りを全速力で走り出す。
「きしゃああ!」
 まんまとこちらの罠に掛かったウィドーは、ヴィーナス目がけて蜘蛛の糸を吐き出す。
その行動を待っていたとばかりにヴィーナスは翻ると、必殺技の構えを取った。
「クレッセントビ〜ム!」
 ヴィーナスの指先から発した閃光が、襲い来る蜘蛛の糸を真っ二つに引き裂き、そのままウィドーの口を打ち貫いた。
「ぎゃあああああ!」
「こっちも食らえ!」
 駄目押しにジュピターが背後から放ったシュープリームサンダーが瀕死のウィドーを昇天させた。
 妖魔達が全滅したのを確認すると、二人は顔を見合わせ、東京タワーの方角へと視線を向ける。
「セーラームーン達の方は大丈夫かな?」
「あの三人も立派なセーラー戦士よ。きっと、上手くいっているはず。皆を信じて、東京タワーに急ぎましょう」
「そうだね。よ〜し、待ってろよ、エンディミオン」
 ジュピターは腕を鳴らして気合を入れると、休む間もなく駆け出した。その後をヴィーナスが続く。
 夜空にそびえ立つ東京タワーは、混乱の最中の今夜も変わらぬ極彩色の光を放ち続けていた。

283424(7/33):03/08/07 12:23 ID:skeJHwAB
 新宿に現れた妖魔達を撃退したムーン達は次の目的地、六本木で新たな三体の妖魔達と死闘を繰り広げていた。
「死ねえっ!」
 ホウセンカが容赦なく投げ付ける鳳仙花爆弾を三人は必死にかわし続ける。
「うわっ、うわっ、ひえ〜」
 耳障りな炸裂音が響く度、道路が陥没し、周辺のビル群の壁にひび割れが刻まれる。
「食らえっ!」
 無数に放られる鳳仙花爆弾の間隙を縫ってグレープが左手を巨大な植物の棘と化して、逃げ惑うムーンに狙いを定め、猛然と突っ込んでくる。
「ファイヤーソウル!」
 棘の先端があわやムーンの眼前に迫ろうとした瞬間、マーズの放った火の玉がグレープを牽制し、
ムーンは慌てて距離を離してマーキュリーとマーズと一固まりになった。
「も〜、あんたは相変わらずノロマなんだから」
「ゴメン、助かったよ……」
「二人とも油断しないで。あの妖魔達は連携攻撃を得意としているわ」
 ムーンとマーズの気を引き締めながら、マーキュリーはゴーグルを掛けて三体の妖魔達の弱点を探る。
 かつて人間の愛に目覚めた四天王ネフライトを不意打ちで葬った憎むべき妖魔、グレープ、スズラン、ホウセンカ達は、三身一体の優れたチームワークを誇っていた。
(向こうが一糸乱れぬ連携攻撃を仕掛けてくるのなら、まずはそれを分断させないと)
 周到な計算に基づいた勝利のヴィジョンを脳裏に描くと、マーキュリーは両手を突き出し必殺技の構えを取った。
「お願い、二人共。あたしが援護するから妖魔達の連携を崩して」
「ようし、チームワークにはチームワークで対抗よ。行くわよ、セーラームーン。あたし達の力を見せてやりましょう」
「分かったわ」
「シャボ〜ンスプレー!」
 周囲を濃霧が覆いつくしたのをきっかけに、ムーンとマーズは攻勢に転じる。
「それっ!」
 動揺し、何とかセーラー戦士達の姿を見つけ出そうときょろきょろするグレープの懐に入り込むや否や、
マーズは剃刀のように鋭い後ろ回し蹴りを叩き込む。
「ぐっ!」
 ハイヒールの先端がこめかみにめり込み、そこから緑の血が滴ると、
「貴様あっ!」
 グレープは激怒の感情を弾けさせ、背を向けて素早く離れるマーズを追いすがる。
「追うな!グレープ!」
 スズランが慌てて制止するが、
「待てえっ!」
 手傷を負い、完全に逆上したグレープの耳に最早その声は届いていなかった。
285424(10/33):03/08/07 12:28 ID:skeJHwAB
その隙に、ムーンもまた未だ状況を把握出来ないでいるホウセンカの背後に忍び寄ると、
「セーラームーンキック!」
 左手を地面に付いて半回転し、勢いよくホウセンカの両脚を払った。
「ぶあっ!」
 腰から地面に激突したホウセンカは起き上がると、
「小娘めっ!」
 ヒットアンドアウェイですかさず逃げの姿勢に入ったムーンの後を、凄まじい剣幕で追った。
「ホウセンカも止せ!奴等の思う壺だ!」
 スズランの必死の警告も、グレープと同じくホウセンカには何の効力ももたらさなかった。
 濃霧を掻き分けながら、しばしマーズを追っていたグレープだが、やがてその後姿を見失ってしまう。
 と、不意に前方に人影らしきものが浮かび上がる。
「そこかあっ!」
 それが間違い無くマーズであると確信したグレープは、躊躇い無く左手の棘を影目がけて思い切り突き出した。
 ずぶっ、という鈍い音と共に、心臓を突き刺す感触がグレープの左手を伝わる。
「くくっ」
 仕留めたマーズの恐怖に満ちた死に顔を思い浮かべ、グレープは思わず笑みを漏らす。
 だが、ようやく霧が薄れ、影の正体がグレープの視界にはっきり映った時、その感情は戦慄に取って代わられた。
286424(11/33):03/08/07 12:29 ID:skeJHwAB
白目を剥いたホウセンカが、棘に突き刺されたまま息絶えていた。
「あ、ああ……」
 同士討ちに茫然自失となるグレープだが、罪悪感を抱く暇は与えらなかった。
「はっ!」
 背後から迫り来る殺気に気付いた時は、もう遅かった。
 光り輝くムーンのティアラが、一瞬にしてグレープを砂塵に化せしめた。
 霧が完全に晴れた時、只一人生き残ったスズランは完全に三方をムーン、マーキュリー、マーズに取り囲まれる形となっていた。
「ムーンティアラ〜アクショ〜ン!」
「シャボ〜ンスプレー!」
「ファイヤーソウル!」
「ぎゃああああ!」
 それぞれの方角から繰り出される必殺技の嵐に、スズランもまた為す術無く土へと還っていった。
287424(12/33):03/08/07 12:32 ID:skeJHwAB
ようやく妖魔達を片付けると、三人は一箇所に集まり、南南西の方角を振り向く。
眼前のテレビ朝日本社ビルの裏から覗く東京タワーの展望台は、セーラー戦士達の来訪を今か今かと待ちわびているかのごとく、爛々と輝きを放ち続けていた。
「あそこにタキシード仮面様がいる……」
「いよいよ決戦ね。何としても今日でエンディミオンとの決着を付けないと」
「ええ。そしてダークキングダムに操られているあの人を助けてあげないと。それが出来るのはうさぎ、あなただけよ」
「あたし達も力を貸すから、頑張りましょう、うさぎちゃん」
「必ず衛さんと幸せになるのよ。そうじゃないと、このレイちゃんが許さないから」
 かつて衛と付き合っていたにも関わらず、その複雑な感情を微塵も見せずにムーンを気遣うマーズの優しさに、
ムーンは胸の奥から熱いものが込み上げてくるのを抑え切れなかった。
「自信を持ってうさぎちゃん。銀水晶の力なら、衛さんを一途に思う気持ちがうさぎちゃんにあるなら、きっとあの人を正気に戻すことが出来る筈」
「……ありがとう、レイちゃん、亜美ちゃん」
 掛け替えの無い親友達の励ましが、ムーンに取っては何よりの力の源だった。
 ムーンはきっ、と表情を引き締めると、遥か向こうにそびえる東京タワーの展望台を見上げる。
「……待ってて、衛さん」
 意を決すると、ムーンは足取り強く駆け出し、その後をマーキュリーとマーズが続いていく。
 これから待ち受けているであろう激戦の予感を胸に秘めて――。
288424(13/33):03/08/07 12:33 ID:skeJHwAB
「ようこそ、セーラー戦士の諸君。私が凝らした趣向は楽しんで頂けたかね」 
 東京タワーの展望台に辿りついた五人のセーラー戦士達を、
エンデミィオンは甲冑に身を固め、長剣を腰に携えて悠然と待ち構えていた。
 展望台の中は青・赤・緑のライトアップが施され、幻想的な雰囲気を醸し出しているが、
この場にいる六人を除いて人の子一人見当たらない。
「どうやら見事妖魔達を退けたようだが、それでこそ君達だ。邪魔な者達には既にここから立ち去ってもらった。
思う存分決着を付けさせて貰おうではないか。そして、幻の銀水晶は我がダークキングダムが頂く」
289424(14/33):03/08/07 12:35 ID:skeJHwAB
口元に笑みを浮かべて鞘から長剣を抜くエンディミオンをジュピターは怒りを含んだ瞳で睨み付ける。
「ふざけるな! 何の関係も無い東京の人達を巻き込みやがって! そんなにあたし達と決着を付けたいって言うなら、望みどおり引導を渡してやるよ」
「蘇った妖魔達は全て倒したわ。タキシード仮面、いえ、エンディミオン。あなたの策もここまでよ」
 凛然として言うマーキュリーに、エンデミィオンは余裕とも取れる言葉を返す。
「だから言っただろう、趣向だと。私が送り込んだ再生妖魔達を君達は見事倒した。
私が全力を持って戦う以上、君達はそれにふさわしい相手でなければならない。丁度いい練習相手だったろう」
「戦いをゲームのように語らないで。あなたのその趣向とやらのせいで、どれだけの人が苦しみ、街に甚大な被害を及ぼしたと思っているの? 
あたし達がダークキングダムに洗脳されたあなたの目を覚ましてあげるから、覚悟しなさい!」
 ヴィーナスもまたエンディミオンを指差し、強い闘志をぶつける。
「エンディミオン、あなたの周りには禍々しい妖気が漂っている。悪霊退散があたしの家の家業。
あなたを支配するその邪悪なエナジーをこのセーラーマーズが祓ってあげるわ!」
 勝気なマーズの宣言をエンデミィオンは鼻で笑う。
「頼もしい言葉だが、いつまでその強がりが続くかな?」
 不敵な自信を見せるエンデミィオンをムーンは真っ直ぐに見据え、言った。
「……衛さん、あたしもう逃げない。あたしに銀水晶を扱えるだけの力があるのならば、必ず皆を守ってみせる! あなたを救ってみせる!」
 エンディミオンに対して、そして自分自身に対してそう誓うと、ムーンはムーンスティックを取り出し、ムーンヒーリングエスカレーションの構えを取った。
290424(15/33):03/08/07 12:40 ID:skeJHwAB
「そうはさせん!」
 だがスティックから浄化の力を引き出すより速く、エンデミィオンは身を沈めると、
一瞬にしてムーンとの間合いを縮め、長剣を振りかぶった。
「セーラームーン!」
 四人のセーラー戦士達の悲壮な叫び声が展望台中に響き渡った。
「……くっ!」
 だが長剣はキン、と乾いた音を立て、宙を跳ね上がっていた。
まさにムーンを一刀両断にしようとした寸前、頭上に突き出されたムーンスティックが鋭い切っ先を受け止め、弾き返したのだ。
 慌てて横に転がって間合いを離すムーンにエンディミオンはすかさず追撃を掛けようとするが、そこを横からジュピターが割り込む。
「あんたの相手はあたしだぁ!」
 闘気を体全体から放出し、ジュピターはエンディミオンがこちらを正面に捉えるまでのタイムロスを逃さず、怒涛のラッシュを仕掛けた。
「うらららららあっ!」
 左右の連打から左回し蹴り、そしてそこから反転しての後ろ回し蹴り、と息つく間もない連携攻撃にも関わらず、
エンディミオンは涼しい顔で避け続けるが、その背後から今度はマーズが援護に入った。
「たあっ!」
 マーズが足元を狙ってスライディングを、そして間合いを詰めたジュピターが膝蹴りを繰り出すが、
やはりすんでの所でハイジャンプされ、かわされてしまう。
「ふふ、どうした?君達の力はその程度か?」
 唇の片端を吊り上げながら力の差を見せ付けるエンディミオンだが、愛と正義のセーラー戦士達に諦めの二文字は無い。
 エンディミオンが地面に着地するその瞬間を狙って、ヴィーナスが右手の人差し指を突き出す。
「クレッセントビ〜ム!」
 眩い光を放ちながら、閃光が一直線に長剣を握り締めたエンディミオンの右腕目掛けて唸りを上げる。
しかしエンディミオンが流れるような動きで剣身の表面をスライドさせてガードすると、呆気無くあらぬ方向へと弾かれてしまった。
291424(16/33):03/08/07 12:42 ID:skeJHwAB
エンディミオンは長剣を掲げたまま、再び一固まりになって対峙するセーラー戦士達を悠然と見据える。
「なかなか楽しませてくれるが、まだまだだな。今の君達の力では万に一つの勝ち目も無い。さあ、潔く観念して、大人しく幻の銀水晶を渡すんだ」
「言ったはずよ、衛さん。もう逃げないって。絶対に最後まで諦めたりしない」
 ムーンは強い口調で言い返す。
 例え劣勢にあっても、その闘魂を萎えさせるようなセーラー戦士達では無かった。
「何とか、この状況を好転させないと……」
 ゴーグルを掛け、エンディミオンの弱点を探るマーキュリーだが、そこにムーンが囁いた。
「皆、あたしに考えがあるの……」
「セーラームーンに?」
 驚いたように聞き返すヴィーナスに、ムーンは頷く。
「うん、それは……」
 ムーンはエンディミオンに聞き取られないよう、小声でその内容を四人に告げる。
「へえ〜、セーラームーンにしては上出来な作戦じゃない」
 感心するマーズと同じく、ジュピターも賛同の声を上げる。
「よし、それでいこう。このまま奴にいいようにさせる訳にはいかない」
「どうやら皆の意見が一致したようね。後はあたし達が囮になってその隙を作り出せばいい……」
 勝利への糸口を懸命に模索する五人に対し、エンディミオンは小馬鹿にするような笑みを浮かべる。
「何を企んでいるか分からんが、無駄な悪あがきは止すんだな。君達が束になっても私には適わない。この冷徹な事実を直視するんだ」
292424(17/33):03/08/07 12:45 ID:skeJHwAB
明らかに五人を見下した態度のエンディミオンに、ジュピターが鋭い眼光を向ける。
「あんまり図に乗るんじゃないよ。自分の力を過信していると、今に足元掬われるよ」
「ふふ、ならばせいぜい悪あがきして私を見返してみせるのだな」
 あくまで強気の姿勢を崩さないエンディミオンの正面に、凛としてヴィーナスが立ちはだかる。
「もちろんそのつもりよ。例え一人一人は欠点を持っていても、互いに補い合って不可能を可能にする――それがあたし達セーラーチームよ。
皆、あたし達のチームワークを見せてやりましょう」
「オッケー!」
 ヴィーナスの合図をきっかけに、ムーンを除く四人の戦士達は横一列に並んで一斉に駆け出すと、
マーズが左手に、ジュピターが右手に回り込み、そしてマーキュリーとヴィーナスが正面を突いて、三方からエンディミオンに突撃を掛ける。
「皆程パワーは無くても、スピードなら!」
 ヴィーナスを先行したマーキュリーは、エンデミィオンのリーチぎりぎりの距離まで近付くと、躊躇い無く突っ込んだ。
「死にに来たか!」
 長剣が首を刎ねるより僅かな速さで、マーキュリーは体を沈めて左手へと転がり、かろうじて難無きを得る。
 数本の青髪がぱらぱらと宙を舞った。
「上出来よ、マーキュリー!」
 マーキュリーの引き付け十分、空振りしたエンディミオンが体勢を整えるより速く、顔面を目がけたヴィーナスの跳び蹴りが空気を斬った。
「くっ、ちょこざいな」
 舌打ちしつつ、エンデミィオンは慌てて屈んでいなすが、その次にはマーズとジュピターの波状攻撃が前後より待ち構えていた。
293424(18/33):03/08/07 12:50 ID:skeJHwAB
「でやあああっ!」
 膝まずいた瞬間を狙ったジュピターの正拳を、一瞬の差でこちらが捉えられるより速く、
掌で相手の腕を払う形でいなすと、背後から繰り出されたマーズの上段回し蹴りを肘でブロックする。
「ぐっ!」
 肘から伝わる衝撃に初めてエンディミオンが苦痛に顔を歪める。
「まだまだこっちもいるわよ!」
 今度はヴィーナスだ。
四人のセーラー戦士達は入れ替わり立ち代わり攻撃をしては素早く離れるという、息の合ったコンビネーションを何度も何度も仕掛けた。
 一進一退の攻防が繰り広げられる中、ムーンは慎重に勝負を決する一撃を放つタイミングを見計らっていた。
(皆が体を張って作ってくれるこのチャンス、絶対に無駄にする訳にはいかない)
「やっ!」
 十数発目の正拳がかわされた瞬間、ジュピターは右の耳の薔薇のピアスを取り、エンデミィオンの顔狙って放ると、迷わず踏み込んだ。
エンデミィオンがピアスをかわす。そして次の刹那、
「もらったあああ!」
「ぐあっ!」
 ついに初めて、ジュピターの蹴りがエンディミオンの体を捉えた。反射的にピアスを上半身の動きのみでかわした為、足元がお留守になってしまったのだ。
 吹き飛んだエンデミィオンはそのまま背中から、数メートル後方のエレベーターに激突する。ムーンはその隙を逃しはしなかった。
「ムーンティアラ〜アクショ〜ン!」
 ムーンの意図を察した四人がすかさずその場から跳び退くのを確認すると、
ムーンは黄金色のティアラを、いやそれだけでは無い、青、赤、緑、黄と、それぞれ異なる輝きを持った数々のティアラを、間断無く放り投げた。
「うおっ!」
 四方から襲い来る五つのティアラを目の当たりにして、エンディミオンは初めて気付いた。ムーンと同じく、他の四人の額からもティアラが失われていたことを。
「こんなもの!」
 起き上がり、長剣を掲げるエンディミオンだが、ティアラはムーンによって絶妙のコントロールを受けていた。
一つを長剣で叩き落とし、もう一つを側転してかわすが、さながら生物の如く不規則な動きを見せる三つ目のティアラに、ついに長剣を薙ぎ払われてしまう。

294424(19/33):03/08/07 12:52 ID:skeJHwAB
「しまった!」
 急いで長剣を拾おうとするエンディミオンだが、それが命取りになった。
僅かな瞬間、エンディミオンの注意が長剣に払われたのを狙ったかのように、新たなティアラが甲冑の背中の部分に炸裂した。
「うおおおおっ!」
 目を張り裂けんばかりに見開き、その場をのた打ち回るエンデミィオンを見下ろし、ムーンは返って来た五つのティアラを順にキャッチする。
「やったね、セーラームーン。ムーンティアラアクション乱れ撃ち成功だね」
「これであたし達のティアラを託した甲斐があるってもんよ」
「セーラームーン、今の内にあなたの愛のエナジーでエンディミオンを浄化するのよ」
 マーキュリーの言葉にムーンは頷き、
「これで最後よ。衛さん、どうか昔のあなたに戻って」
 強い願いを込めてムーンスティックをしっかりと握り締めた。
「ムーンヒーリングエスカレーション!」
 一際高いムーンの叫び声と共に、スティックから神々しい光が降り注ぎ、見る見る内にエンディミオンを包み込んでいく。
「お、おおお……」 
 エンディミオンの中の邪悪なエナジーは懸命に抵抗を続けるが、それもやがて弱まり、そして……。
295424(20/33):03/08/07 12:54 ID:skeJHwAB
「リフレーッシュ!」
 浄化が達せられた証たる絶叫を発し、長剣と甲冑を失うと、エンデミィオン、いや地場衛はその場に倒れ込んだまま意識を失ってしまった。
 すかさずマーキュリーが駆け寄って心臓の鼓動を確認し、「問題無し」のウインクをムーンに送る。
「良かった……」
 安堵と共にどっと疲れが込み上げ、ムーンは涙を浮かべて思わずその場にぺたりと座り込んでしまった。
「これで安心ね、うさぎ。もう二度とあの人を離すんじゃないわよ。何があっても……」
 後ろからマーズが優しくムーンの肩を叩く。その瞳にはムーンと同じく、光る雫があった。
「ありがとう、レイちゃん。ありがとう、皆」
 止めどなく涙がムーンの頬を濡らし続ける。
 何物にも変え難い親友達との絆のおかげで、ようやく、ようやく、衛を邪悪なエナジーから解放することが出来たのだ。
その喜びに、ムーンは溢れ出す涙を抑えることが出来なかった。
「良かった、良かったよぉ……」
 嗚咽を繰り返すムーンの傍らにヴィーナスが立ち、静かに言った。
「帰りましょう。帰って、改めて衛さんとの再会を喜びましょう」
 その言葉に、ムーンは、そして他の皆は笑顔で頷く。
 そんな五人を祝福するように、ほのかに月光が展望台の中を照らし続けていた。

296424(21/33):03/08/07 12:56 ID:skeJHwAB
衛を救い出すことに成功した五人は気絶した衛を取り敢えずまことのマンションに運び、その意識が回復するのをじっと待ち続けていた。
テレビから流れるニュースは、セーラー戦士達の活躍によってようやく街が平穏を取り戻しつつあるのを伝えていた。

「う、うう……」
 微かな呻き声と共に、衛の眉が揺れ動く。
 観葉植物が多く置かれたまことの寝室で衛の側にずっと寄り添い、その瞬間を待ちわびていたうさぎは、弾かれたようにすがり付いた。
「衛さん、衛さん」
 うさぎの呼び掛けに答えるように、衛の両目がゆっくりと見開かれていく。
「ここは……?」
 うさぎに支えられて衛は身を起こすと、きょろきょろと辺りを見回す。
「気が付いた、衛さん? ここはまこちゃんの家よ。衛さんは今までダークキングダムに洗脳され、操られていたの。
でも大丈夫。衛さんを支配していた邪悪なエナジーはもう浄化したから」
 事情を説明するが、衛は顔を呆けさせたまま、ぼんやりとうさぎを眺めたままだ。
 不意に、衛は震える声でつぶやいた。
「……ここは何処だ? 俺は誰だ?」
 ふるふるとわななく唇から漏れるそのつぶやきに、悪い予感がうさぎの胸の内を走った。
「どうしたの、衛さん?」
 話し掛けるうさぎにも構わずに、衛は両手で頭を抱えると、何度も自問自答を繰り返した。
「俺は誰だ? どうしてここにいる? 俺は一体何者なんだ? 何故ここにいるんだ……」
「衛さん、しっかりして。あなたは地場衛さん。『クラウン』の元基お兄さんと同じ大学に通う大学生よ」
「地場衛? それが俺の名前なのか? 分からない。ああ、何も分からない……」
「衛さん、ねえどうしちゃったの? しっかりしてよ、衛さん……」
297424(22/33):03/08/07 12:59 ID:skeJHwAB
二人のただならぬ様子に、隣室で待機していた他の四人が寝室に入って来る。
「どうしたの? うさぎ」
 レイの問いに、うさぎはふるふると首と振った。
「分からない。衛さん、何も覚えていないみたいなの。それどころか、自分が誰なのかも分からないみたい……」
 うさぎの口から告げられた思いもよらぬ事態に、四人は絶句してしまう。
「ようやく、ようやく邪悪なエナジーから解放されたのに、こんなのってあんまりだよ。衛さんが可哀相過ぎる……」
 次第にうさぎの声が涙で詰まってくる。
沈痛な面持ちでまことが亜美に聞いた。
「ねえ亜美ちゃん、何か分からないのかい?」
「おそらくショックによる記憶喪失ね。あくまで一時的なものだと思うけど、記憶を取り戻すまでどのくらい時間が掛かるかはあたしにも分からない……。
何かきっかけがあれば、それを早めることが出来るかも知れないけど……」
「きっかけ……」
 亜美の言葉の意味をしばし脳裏で噛み締め、うさぎは何かを思い立ったように煌めきを瞳に宿すと、次の瞬間、自分の唇を衛のそれとそっと重ね合わせた。
「うさぎちゃん?」
 唐突なうさぎの行為に、驚きがその場を支配する。接吻をぼんやりとした表情のまま甘受している衛を、うさぎは涙を浮かべて見つめながらより一層唇を押し付ける。
298424(23/33):03/08/07 13:01 ID:skeJHwAB
「……ん、んん……」
 熱い吐息がうさぎの喉の奥に流し込まれる。
舌と舌とを絡ませ、衛の温もりを感じ取りながら、うさぎは今までずっと憧れ、今日初めて味わうことの出来た接吻の甘みを一瞬足りとも逃すまいと、意識の全てを集中させる。
「ん、あ……」
 意識の絶頂にうさぎの頬が紅に染まる。両手で衛の髪を優しく梳き、しばしその状態を保ち続けた後、うさぎは衛の顔を静かに引き離した。
「思い出して、衛さん。あたし、お団子頭の月野うさぎです。どじで、泣き虫で、おっちょこちょいで、いつもあなたと喧嘩ばかりして……。
そんな頼りないあたしだけど、あなたはタキシード仮面様としていつも優しく見守ってくれた……」
 ほんの些細な記憶でもいい。何とか衛に記憶を取り戻して欲しくてうさぎは懸命に語り掛ける。
 しかしやはり衛は頭を抱えたまま、何度も何度も首を振る。
「……お団子頭? 月野うさぎ? タキシード仮面? 何だか懐かしい響きがする。だが、分からない。頭がもやもやするんだ。君は俺に取って何なんだ……」
「衛さん、思い出して……」
 うさぎのかすれ声も今の衛には届かない。見兼ねたレイがうさぎの肩に手を置いた。
「うさぎ、気を落とさないで。焦らず、時間を掛けましょう」
「何か衛さんの中で強く印象に残っているうさぎちゃんとの思い出は無いのかしら? 同じ時を分かち合った共通の行為と言うべきものが……。
その一部でもいいから思い出すことが出来れば、希望は見えてくるのに……」
 一人言ちながら、事態を打開する策を模索する亜美。
 そのときだった。亜美のつぶやきを耳にした美奈子が、ぽんと膝を叩いた。
299424(24/33):03/08/07 13:04 ID:skeJHwAB
「あ、もしかしたら……」
「どうしたんだい? 美奈子ちゃん」
 如何にも「閃いた」と言わんがばかりの美奈子のアクションにまことが聞いた。
「……あたし、いい考えが浮かんじゃったのよ」
「それ、本当かい?」
 思わず声が大きくなるまこと。他の三人の視線も美奈子に集まる。
「衛さんの記憶を取り戻す何か良い方法が見付かったの?」
 尋ねる亜美に、美奈子は自信満々に首を縦に振った。
「うん。うさぎちゃんと衛さんの前世の関係は、熱い恋に落ちた男女の仲よね。その記憶を取り戻す、おそらく一番良い方法を思い付いたのよ」
「それは?」
 思わず声をハモらせて聞き返す四人に、美奈子は拳を握り締めて答えた。
「それは、男女の営みよ。前世で二人が交わした熱い契りを今ここで再現すれば、きっと衛さんも記憶を取り戻してくれるんじゃないかしら?」
「はあ?」
 美奈子が告げた思いもよらぬ提案に、皆狐につままれたようにぽかんとしてしまう。
「それって、セックスをするってことだよね? 突拍子も無いなあ……」
 頬を赤らめながら呆れるまことに、美奈子は強い調子で反論する。
「どうして? やっぱり男と女の仲ですもの。肌と肌とを触れさせて二人が一つになった瞬間こそが一番脳裏に焼き付いていると思うの。
あたしとアランの時がそうだったし、それこそがこの広い世界で赤の他人同士である男と女が愛と言う絆で結ばれた何よりの証じゃないかしら?
まこちゃんだって、失恋した先輩とは一度ならず熱い夜を過ごしたんでしょう?」
300424(25/33):03/08/07 13:08 ID:skeJHwAB
「そ、それはそうだけど……。でもあたしにとっての先輩の思い出は、それだけじゃないよ。
お弁当作ってあげたり、学校の帰り道他愛の無いおしゃべりを楽しんだり、お菓子屋さんでケーキ奢ってもらったり、たまの日曜に一緒に映画観に行ったり……。
その一つ一つがあたしに取っては掛け替えの無い大切な思い出だよ。
それに、美奈子ちゃんの意見を実行したからと言って、必ず衛さんの記憶が蘇える保証がある訳じゃないし……」
 美奈子の意見に有効性をある程度は認めつつも、やはり躊躇いを見せるまことに、美奈子は一層力説する。
「まこちゃんの言うことは分かるわ。あたしだってセックス以外にも、忘れ難いアランとの思い出は数え切れない程あるし。
でも、何はともあれチャンレンジしてみることが重要じゃないかしら? 『杏子酒より梅が安い』って、諺もあることですし。
少なくとも、一つの参考にはなると思うわ」
「それを言うなら『案ずるより産むが易い』だけど、確かに美奈子ちゃんの言うことにも一理あるかも」
 諺の誤用に訂正を入れつつも、亜美は美奈子の意見に肯定的な姿勢を見せる。
「亜美ちゃん……」
 戸惑うまこと。
 亜美とて初めの内はまことと同様に、美奈子の意見を余りに突拍子も無く感じたが、その内容をじっくりと吟味し、
今の所他に取り立てて有効な手立ても見当たらないことも考慮してみると、次第と良策のように思えてきたのだ。
「心理学でも『全ての人間は(性欲)に支配されている』という考えがあるにはあるから。
うさぎちゃんがセックスをすることによって衛さんの性欲を満たしてあげることが出来れば、
ペニスとヴァギナの触れ合いによる温もりが引き金となって、もしかしたら衛さんの記憶を呼び戻すことが出来るかも知れないわ……」
 普通の女の子なら赤面してしまいそうな卑猥な単語を思案顔でさらさら言ってのける亜美に、レイは思わずジト目でつぶやいてしまう。
「案外亜美ちゃんも大胆ね……」
 そのつぶやきを知ってか知らずか、亜美は意を決したように視線をうさぎに向けた。
「賭けてみる価値はあると思うわ。うさぎちゃん、後はあなた次第よ?」
301424(26/33):03/08/07 13:11 ID:skeJHwAB
亜美の問いに、うさぎは涙を拭いながらこくりと頷く。しかし……。
「衛さんの記憶を取り戻せるのならあたし何でもやる。でも、やり方が分からないよ……」
 そうつぶやくと、うさぎは目線を伏せた。そうなのだ。うさぎはまだ中学二年生。性交の具体的方法を知らなくても致仕方の無い年頃だった。
「本で何回か見たことはあるけど、実際に出来るかどうか自信が無いよ……」
 不安に駆られるうさぎの前に美奈子が進み出た。
「そのことについては心配しないで。まずはあたしがお手本を見せてあげるから」
「美奈子ちゃんが? でも……」
「大丈夫。中出しはしないわ。それはうさぎちゃんにしか許されないし、うさぎちゃんがやらねばならないことだから。
だからあたしは上手く衛さんの性欲を満たしてあげるだけ。中出し以外の方法で衛さんを慰めてあげるだけよ。
伊達に失恋を経験している訳じゃないし……。ねえ、まこちゃん?」
 うさぎの不安を払拭するように、美奈子は取り立てて明るい声でまことの方を振り向く。
「そう……だね。他に方法が思い浮かばないのなら、美奈子ちゃんの言うとおりやるだけやってみた方がいいかもね。
うさぎちゃんがそれでいいと言うのなら、あたしも協力を惜しまないよ。あたしの失恋が、うさぎちゃんの役に立てるなら」
 やっと美奈子の意見に納得し、心強い言葉を掛けるまこと。
 しばしの沈黙の後、ようやくうさぎは頷いた。
「……分かった。まこちゃん、美奈子ちゃん、お願い……」
302424(27/33):03/08/07 13:13 ID:skeJHwAB
覚悟を決めたうさぎに、美奈子はまことと顔を見合わせると、
「それじゃ、いくわよ……」
 衛の傍らに寄り、すっと腰を落としていく。
そして己の上衣たる紺色を基調としたセーラー服を脱ぐと、同じように未だに呆然としたままの衛の衣服にも手を掛ける。
「思い出して、衛さん。前世においてあなたがセレ二ティと交わした熱い夜を」
 おずおずと怯えたような表情を作りつつも、されるがままに衣を引き剥がされていく衛に語り掛けながら、美奈子は黒いブラジャーのフックを外し、形良い乳房を晒す。
「セレ二ティ……?」
 その青色の瞳をじっと見詰めたまま、美奈子は右手で衛の左手を掴むと、ぐいと手元に引き寄せ、自分の右胸へと押し当てた。
「そう、あなたはセレニティから愛撫を受け、悦びを感じていた筈。言葉に表すことの出来ない幸せを……」
 言いながら美奈子は衛の残りの一糸、トランクスまで脱がすと、露わになったしな垂れた男根を、空いている左手で優しく包み込んでいく。
「こう、いえ、こんな感じかしら?」
 左の掌に感じる弾みの付いた柔らかさと、股間から伝わるリズミカルな圧迫感が、
「ん、あう……」
 不意に衛の口から嬌声を漏らさせる。すると徐々に男根が膨張していき、瞬く間に誰の目から見ても明らかな堂々たる巨根を築き上げる。
「あなたのこの大きなペニスをセレニティは優しく揉みしごいてあげた……」
 美奈子の手淫が速度を上げた。ぐっ、ぐっ、と五本の指が男根に食い込む度、衛の内より何とも形容し難い心地良さが湧き上がり、
「んあっ!」
 次の瞬間、頬の火照りと共にどろりとした白濁の液が亀頭より吹き上がる。左手を濡らすその液を美奈子はぺろりと舐めると、衛の頬に塗り付け、
「こうしてセレニティは、あなたから巧みに精液を搾り出していた筈……」
 記憶の断片を引き出すように、衛の耳元でそっと囁く。
303424(28/33):03/08/07 13:16 ID:skeJHwAB
「そうだ……、遠い遠い、遥か昔、俺は確かに誰かに慰めを受けていた……」
 衛はつぶやくと、美奈子の胸に触れている右手にぎゅっと力を込める。
そのつぶやきは、衛がおぼろげながらも過去のヴィジョンを取り戻しつつある何よりの証拠だった。
美奈子の主張は決して的外れではなかったのだ。
「やった、やったわ、うさぎちゃん。間違いなく衛さん、かつての記憶を取り戻しつつあるわ……」
 顔を赤めながら笑顔を向ける美奈子に、うさぎもまた喜びの声を上げた。
「後ほんの少しで衛さん、昔を思い出してくれるのね……」
「よし、ここまで来たら後は一気に押すだけだね。よく頑張ったね、美奈子ちゃん。後はあたしに任せてよ」
 まことの申し出に美奈子は頷くと、静かに衛の体を引き離し、
「お願い、まこちゃん」
 バトンタッチする。入れ替わったまことは精液にまみれた衛の前に屈むと、美奈子と同じようにセーラー服を脱ぎ、ブラを脱ぎ、がっしりとした裸の上半身を晒していく。
「こうやって、先輩も喜ばしてあげたもんだよ……」
 言いながらまことは、美奈子を遥かに上回るその豊満な乳房を、未だに硬さを失わない衛の男根に押し当て、掌で寄せては離し、寄せては離しを繰り返していく。
「ん、あう……」
「どうだい、衛さん? 前世のうさぎちゃんも、こんな感じに衛さんを癒してあげたんじゃないかい?」
 男根が乳房の奥深くに飲み込まれる度、衛は微かに身悶えし、口から唾液の糸を引いていく。
「あ、ああ、そうだ。この感触、確かに俺は味わった。だがそのときはこんなにボリュームが無かったような……」
 またも溢れ出る精液で、まことの乳房を一杯に濡らしながら衛が漏らしたつぶやきに、うさぎは思わず顔を真っ赤にしてしまう。
「ちょ、ちょっと衛さん。それって、あんまりじゃない……」
「まあまあ。それはどうしようもない事実なんだから……」
「レイちゃん!」
 お約束の漫才に突入している二人は放っといて、まことはまさに今愛撫の佳境に入ろうとしていた。
304424(29/33):03/08/07 13:19 ID:skeJHwAB
「さあ衛さん、思い出すんだ。うさぎちゃんと過ごした愛の日々を。互いに深い絆で結ばれて、慰め合った幸せな時を。ああ、先輩……」
 自分もまた思い出に浸るように、まことは激しく上半身を揺り動かし、飽くことなく衛の男根をシェイクし続ける。
「あ、んん……」
 快楽に身を堕とす喜びに全身を蝕まれ、衛は一層の迸りを亀頭から弾けさせていく。
 と、不意にまことが身を起こした。
昂った感情を表すように、荒々しく息を吐き出しながら髪飾りを解いてセミロングになると、瞳をとろけさせて横たわる衛を見下ろす。
「はあ、はあ……。思い出してくれたかい、衛さん」
「記憶の彼方で、ある人と共にこの悦びを分かち合った。だが、何かが足りない。遥か昔に味わった悦びは、もっと幸せに満ちていた……」
 そうつぶやいたまま、衛はぼんやりと天井を見上げてしまう。困惑顔を浮かべるまこと。亜美が口に手を当てながらつぶやいた。
「何かが足りない……。手コキやパイズリだけじゃまだ完全に性欲を満たしてあげることが出来ないのかしら……」
「だからどうして亜美ちゃんがそういう単語、知ってるのよ。
でも、それならあたしも力になれるかも。実はね、一度だけ衛さんに頼まれて、変わった愛撫をしてあげたことあるのよ」
 亜美に突っ込みを入れつつも、今度はレイが喜び勇んで衛の前に進み出る。
「レイちゃん、何をするつもり?」
 心配げに尋ねるうさぎに、
「じゃん」
 と、レイが取りいだしたるはマーズのシンボル、赤いハイヒール。
305424(30/33):03/08/07 13:21 ID:skeJHwAB
「まさか……」
 顔にたら〜り汗を浮かべるうさぎをよそに、レイはそれをしっかり両足に履くと、淫靡に瞳を光らせて衛を見下ろし、
「衛さん、思い出して! ほんのすぐ昔、そう三ヵ月前にこうしてあなたを慰めてあげたでしょう! ほら、こうして! こうして! こうして!」
 突然鼻に付く甲高い声を上げると、腰まで伸ばした艶のある黒髪を激しく振り回しながら、怒涛の勢いで何度も何度もハイヒールの踵で衛の股間を集中的に踏み付ける。
「つおっ! ぐおっ! あひぃ!」
 絶叫を上げつつも、衛の男根はレイの愛撫からしっかりと美奈子とまことのそれとは異なる悦びを感じ取り、
またもじくじくと多量の精液を吐き出して、ベッドの上に恥ずかしい染み跡を刻んでいく。
「ねえ、思い出してよ、衛さん! あなたは遠い昔、ここにいる月野うさぎ、プリンセスセレニティと愛し合った筈でしょう!」
「だはっ! ぐおっ! こ、こんなに荒々しい悦びは初めてだ……」
「ええっ! ふざけないでよ、衛さん! 前世でうさぎもこうやってあげたんでしょう! ほら! ほら!」
 衛の男根よりもむしろ己の感情を爆発させて、一層踏み付けを激しくするレイから流石に殺気めいたものを感じ取ったのか、慌ててまことが止めに入る。
「レ、レイちゃん。そこまでにしときなよ、ほら。衛さんのあそこがぼろぼろになっちゃうよ……」
「そ、そうね……。ごめんなさい、途中で何が何だか分からなくなって……」
 まことの制止にようやく落ち着きを取り戻したのか、レイは熱い吐息を何度も何度も吐き出しながら、衛の側から離れる。
「やり過ぎだよ、レイちゃん……」
 完全に引きまくりのうさぎだった。
「こ、怖い……。思い出せない、君達は誰なんだ……」
レイのハードプレイがよっぽど堪えたのか、衛は子犬のように震えたまま、怯えた声でつぶやく。
「あ〜あ、これじゃ逆戻りだよ……」
「せっかくあたし達がいい所までいったのに、誰かさんのせいで……」
 まことと美奈子のボヤキがレイのハートのずしりと刺さる。
306424(31/33):03/08/07 13:24 ID:skeJHwAB
 と、そのときだった。亜美が思い立ったように、おずおずと手を上げた。
「ねえ、皆、今度はあたしにやらせてもらえないかしら?」
「亜美ちゃんに?」
 驚き、聞き返す四人に亜美は躊躇いがちに答えた。
「ええ……。まこちゃんや美奈子ちゃん達のおかげで、大分衛さんの記憶を引き出すことが出来た。
でもまだ衛さんは完全には満足していないみたいだから、今度は後ろの穴から悦びを与えたいと思うの」
「アヌス責めねぇ……。亜美ちゃんも大人しい顔して、意外とエッチねえ……」
 亜美の大胆な提案に美奈子を始め、皆顔を引きつらせてしまう。
「そ、そうじゃないわ。様々な角度から悦ばせることが、一番衛さんの記憶を蘇えらせるのに有効だと思うのよ……」
 顔を真っ赤にしながら弁解する亜美に結局押される形でうさぎは、
「わ、分かったわ。亜美ちゃんがそこまで言うなら……」
「ありがとう、うさぎちゃん」
 礼を言うと、亜美は横たわる衛の前にすっと座り込み、その体を裏返しにして目指すアヌスの一点を正面に向ける。
「いきます……衛さん」
 宣告と共に、衛の精液をたっぷりと塗りたくった亜美の右の親指が高々と振り上げられ、唸りを上げた。
「づおおおおお!」
 そして地を這いずるような衛の低い叫び声と、ずぶっと確かに後ろの穴を貫いた挿入音。
「感じるでしょう、衛さん? かつてセレニティがあなたに捧げたこの悦びを!」
「づっ! こんな悦びを味わった覚えは……」
 衛のかすれ声にも構わず、
「いいえ! あなたは確かにこの悦びを味わった筈よ! 思い出して! アヌスを責められる快楽を!」
 亜美は左手でしっかりと衛の尻穴を押し広げ、探り当てた一点を何度も何度も突き回していく。
「づぐっ! だが、いい……」
 絶え間ない激痛に身を捩らせながらも、そこより湧き上がる今までとは異なる悦びの虜にされたように、衛はだらしなく口元を弛緩させていく。
307424(32/33):03/08/07 13:28 ID:skeJHwAB
「そう……でしょう? かつてのあなたに取ってこの悦びこそが一番の至福の時だった筈。そして、今のあたしに取っても……」
 衛に負けずに、亜美もまた己の内より湧き上がる昂りを抑えることが出来なかった。
 このまま衛の尻穴を責め続け、そして最後は……。
「あら……」
 亜美の妄想はそこで途切れた。湯気が上がらんばかりに体中を火照らせ、その場に倒れ込んだ亜美に、慌ててまことが駆け寄る。
「亜美ちゃん、しっかりするんだ」
 まことの呼びかけも空しく、亜美の意識は今や完全に肉欲の天国に昇天していた。亜美のスカートの中をまさぐってみる。掌にじっとりとした液がこびり付いた。
「……ったく、一体どんなこと想像してんだよ、亜美ちゃん……」
 呆れ返りながらまことは、気絶した亜美をベッドから離れたソファーに寝かせる。
 ようやく苦痛から解放されて力が抜けたのか、身を震わせては呆け、身を震わせては呆けを繰り返す衛を、うさぎは愁いを帯びた瞳で見詰めたまま、思い詰めたような声を上げた。
「もうこんな衛さん見ていられない。こんなに衛さんが苦しむのを見るの、たくさんだよ。次はあたしがやってみる。
それでも駄目だったら、あたし、何時までも衛さんが記憶を取り戻してくれる日を待つから」
 うさぎの悲壮な覚悟に、レイが神妙な顔で聞いた。
「本当に大丈夫? うさぎが衛さんを悦ばせるってことは、あなたの処女を失うことなのよ。覚悟は出来ているの?」
 レイの問いに、うさぎはしっかりと頷く。
「……うん。自信は無いけど、それで衛さんが記憶を取り戻してくれるのなら……」
 うさぎはまたも涙を溜めて決意を表すと、セーラー服を脱ぎ、スカートを脱ぎ、ブラを脱ぎ、パンティを脱いで、小柄で若さ故の艶と張りを持ったその裸体を、皆の眼前に晒していく。
「お願い、衛さん……」
 うさぎは願いを込めてそうつぶやくと、相も変わらず呆けた顔の衛の上に馬乗りになり、徐々に濡れ始めたサーモンピンクの己の秘所を血管の浮き出た男根の先端にそっと触れさせていく。
「……んっ!」

308424(33/33):03/08/07 13:32 ID:skeJHwAB
そのまま挿入を開始しようとするが、不意に浮かび上がる一つの疑問。
 こんなに大きなペニスがあたしの中に……?
 急速に湧き上がったそのことに対する不安と恐怖が、すんでの所でうさぎの秘所を衛の男根から引き離す。
「うさぎ……」
 心配げにつぶやくレイ。
 駄目、怖がっちゃ。記憶を失った衛さんの苦しみに比べたらあたしの痛みなんか……。
 自分の胸の内のなけなしの勇気を振り絞り、うさぎは再度己の秘所を衛の男根に接触させる。
「う……んんっ!」
 決意が萎えないよう、今度は躊躇わず、一気に男根の半分近くを挿し込んだ。
「くぅ、痛ぁ……」
 生まれて初めて味わう挿入の痛みに、うさぎは涙を滲ませる。その眼下では、先程までの呆け顔とは対照的に、煌きを取り戻した衛の姿があった。
「……ん、んくっ。この感触……」
 処女故の締め付けのきつさが、熱さを伴って衛の分身をがっしりと食い込み、逃れようの無い快楽の境地に引き込んでいく。
「ねえ、衛さん、思い出してよ。前世の月の王国で、あなたと将来を誓い合い、こうして共に悦びを分かち合った幸せな時を。
あなたは優しい人。タキシード仮面様としてあたしのピンチを何度も救ってくれた。……んんっ!」
 何とか記憶を取り戻して欲しくて、うさぎは切々と語り掛けながら更に腰を落としていく。
「ん、んんっ!」
 ペニスが更に深く押し込まれるのと同時に、うさぎの顔がますます苦痛で歪んでいく。
 今にも手を差し伸べそうな程、心配げに見守るレイ達を視界の片隅に捉えながら、
うさぎは瞳をきつく閉じ、滴る汗で顔中を濡らして、ペニスを根元まで挿し込んでいく。
「ああ……、温かくて気持ちいい。この温もり、俺に何かを語り掛けている……。何だ……?」
「弱いあたしが戦いで挫けそうな時、逃げ出したくなった時、あなたはいつも側にいて、あたしに戦う勇気を与えてくれた……。あうっ……」
 ペニスがようやく膣の根元まで収まると、痛みに構わず、ゆっくりゆっくりと腰を上下に揺り動かしていく。
「ほら、思い出すでしょう? こうしていると。あなたがあたしに悦びを与え、あたしがあなたに悦びを与える。あたしとあなたは一つ。二人で一つなのよ」
「んあっ。懐かしい。でも思い出せない。俺は一人ぼっちなんだ。俺は自分が誰だか分からないんだ……」
「違うわ……。あたしがいる。あなたは一人ぼっちなんかじゃない……」
「ああ、うあっ。教えてくれ? 君は、君は誰なんだ?」
 今にも達してしまいそうな快楽に身を悶えさせながら、衛は必死に問い掛ける。込み上がる悦びの波と共に後僅かで蘇りそうな己の記憶を取り戻す為に。
 突き抜ける破瓜の激痛と戦いながら、うさぎは優しく答えた。
「あたし、月野うさぎです。お団子頭の月野うさぎです。あ、あああっ!」
「月野……うさぎ? ん、ああっ!」
 そして次の瞬間、うさぎの中で咲き乱れる白百合の花があった。衛の分身の細かい粒子達が、じわりじわりとうさぎの内に拡がっていく。
「衛さん!」
 堪え切れず、うさぎは衛の背中に両手を回し、その胸板に頬を押し付けた。愛しい人の温もりを、匂いを一瞬足りとも逃すまいと。
 例え記憶が戻らずとも自分は一生この人に付いていく。うさぎは今、衛との行為の中に決して他の何物でも得ることの出来ない甘い幸せの時を感じていた。
永遠とも思える一瞬にうさぎはその身を委ねる。
「……うさぎ」
不夜の夜明けは、突然に訪れた。耳元に届く微かな声に、うさぎは弾かれたように視線を斜めに動かす。
「全てを思い出した。ありがとう、うさぎ……」
 夢では無かった。かつての思い出を取り戻した地場衛が、そこにいた。
「衛さん……」
 限りない喜びに、うさぎの瞳から大粒の涙が溢れ出す。そんなうさぎを衛はしっかりと抱きしめて慰める。
「また共に同じ時を歩んでいこう……」
「もちろん、もちろんよ……」
 しゃくり上げながら、うさぎは嬉しさを表すように何度も何度も腰を揺り動かす。
 衛もまたしきりに腰を上下させ、いとおしいうさぎの愛撫に答えていく。
 そんな二人を、涙を浮かべながら見詰めるレイ達の姿があった。
 もう決して離さない。決して……。
 今宵、ミラクルロマンスが始まりを告げる……。
310あぼーん:あぼーん
あぼーん
311名無しさん@ピンキー:03/08/07 14:26 ID:S2q17upo

ものすごい数のサンプルと画像を集めてみました。モロ
動画系サンプル集、新たにアップ!
こきすぎ注意
http://vs2.f-t-s.com/~moemoe/index.html
312あぼーん:あぼーん
あぼーん
313あぼーん:あぼーん
あぼーん
314あぼーん:あぼーん
あぼーん
315あぼーん:あぼーん
あぼーん
316あぼーん:あぼーん
あぼーん
317あぼーん:あぼーん
あぼーん
318あぼーん:あぼーん
あぼーん
319名無しさん@ピンキー:03/08/09 15:55 ID:veQXz24A
424さん新作キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
こういうのも漏れ的に有りですよ!ハァハァさせて頂きました
320あぼーん:あぼーん
あぼーん
321あぼーん:あぼーん
あぼーん
322あぼーん:あぼーん
あぼーん
323あぼーん:あぼーん
あぼーん
324あぼーん:あぼーん
あぼーん
325あぼーん:あぼーん
あぼーん
326あぼーん:あぼーん
あぼーん
327あぼーん:あぼーん
あぼーん
328あぼーん:あぼーん
あぼーん
329あぼーん:あぼーん
あぼーん
330あぼーん:あぼーん
あぼーん
331あぼーん:あぼーん
あぼーん
332???:03/08/12 00:38 ID:dlTQu5PT
333あぼーん:あぼーん
あぼーん
334あぼーん:あぼーん
あぼーん
335名無しさん@ピンキー:03/08/12 18:46 ID:CMJ5GT0V
http://beauty.real-top.com/cgi-bin/potop.cgi?action=in&ACC=2748
220.144.187.170 , Air1Aaw170.ngn.mesh.ad.jp?
336あぼーん:あぼーん
あぼーん
337???:03/08/15 01:47 ID:b5Q7rUnG

338山崎 渉:03/08/15 16:20 ID:7WSqfyM8
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン
339名無しさん@ピンキー:03/08/16 07:00 ID:+F4Wavng
山崎パンバスター
           _
          /  _`j
        /  /`ー'ヽ←ジャム
        〈  `ヽ   `ヽ ↓
        `、  ヽ,∧_∧ ゜。 '(⌒V⌒)
   イッタダキ  〉  (   ゚) ゚' o.ヽ^^/ グニュウゥゥッ
     マーース./ ノ    ̄⌒ヽ ⊂「  〉つこ・これからも…ふぐおっ!!
         ノ  ' L     `ヽ./ ∠)
       / , '    ノ\  ´  /
      (      ∠_  ヽ、_, '
       i  (      ヽ
   _,, ┘  「`ー-ァ   j
  f"     ノ   {  /
  |  i⌒" ̄    /  /_
  ヾ,,_」       i___,,」
340名無しさん@ピンキー:03/08/16 16:47 ID:VdLvp59B
ochiru
341あぼーん:あぼーん
あぼーん
342あぼーん:あぼーん
あぼーん
343名無しさん@ピンキー:03/08/18 20:31 ID:Q4XXklDy
アダルト高校生プライベトサイト!!
http://66.7.65.90/sou/koukousei/
218.41.123.78 , p297b4e.t128ah00.ap.so-net.ne.jp ?
344名無しさん@ピンキー:03/08/19 16:03 ID:6asfb9A3
アダルト高校生プライベトサイト!!
http://spazio.quipo.it/monika2001/xxx/
345あぼーん:あぼーん
あぼーん
346名無しさん@ピンキー:03/08/20 17:21 ID:GrG9/hvJ
なんだ横こ
347名無しさん@ピンキー:03/08/21 01:49 ID:ES6LCW5I
粘着な広告のせいで、住人がめっきり減ってしまった…。
348名無しさん@ピンキー:03/08/21 09:17 ID:xP34TxnH
SSさげ
349名無しさん@ピンキー:03/08/22 10:02 ID:mZRM19st
再製してくれ
350名無しさん@ピンキー:03/08/22 12:27 ID:OiC3ye2D
SSが投下されるまでは雑談をしてみると言ってみるテスト。
このスレの住人は男が女に倒される描写を強く望んでいる人と、
男が女に犯される描写を強く望んでいる人のどちらが多いんだろうか?
それによって、今まで投下されてきたSSに対する評価も違ってきそうだな。
351名無しさん@ピンキー:03/08/22 21:06 ID:GOuPuolh
男が女に犯される描写を望む。
女に関しては、強いだけでなく美人で上品な感じだと(;´Д`)ハァハァ
倒す際も力任せでなく、技や素早さで相手を圧倒すると(・∀・)カコイイ
352名無しさん@ピンキー:03/08/23 09:21 ID:TdSWXa3c
もちろん倒される描写
353名無しさん@ピンキー:03/08/23 10:25 ID:B6Y0UNRV
もちろん押し倒される描写
354あぼーん:あぼーん
あぼーん
355名無しさん@ピンキー:03/08/23 13:51 ID:UavA2PJU
>351 後者ですな。
折角のエロパロ板だし、ね
356名無しさん@ピンキー:03/08/24 17:16 ID:0HqcH/Sx
kekeo
358名無しさん@ピンキー:03/08/25 16:05 ID:sE2b1ZTF
一対一だけじゃなくて一対大勢の戦いでもいいのかな。
ベルトアクションの女キャラみたいに。
359名無しさん@ピンキー:03/08/25 18:30 ID:/D81aeAu
>>358は女ザコスレの住人かな?あそこの1の「攻撃させてマゾっ気を味わう」には
激しく同意して、しかもそういうSSを書いてくれた神も光臨したんだが・・・
どうもS傾向の住人が主流みたいだね。

美女集団によってたかってボコボコにされ、
女達に囲まれ、嘲笑を浴びるなかで遂には力尽きる。
ニンマリ笑みを浮かべた美女達に見下ろされる画面があらわれ、GAME OVERの文字が・・・
こんなゲームあったら欲しいけど、どこも作りそうに無い罠

しかしこういう性癖もつと、たかがゲームにもしょっちゅう興奮しちゃうな。
真三国無双で、まだ育成始めたばかりの弱いキャラで難しいステージに特攻して
女武将と直属の近衛女兵に良いように痛めつけられた時は不覚にも勃起しちまった。

ともあれ職人さんの復活&新規光臨キボン。
無理はして欲しくないんだけどね。811氏とかはリアル生活がマジ忙しそうだし。
それまでは雑談とネタ発掘、妄想カキコでいきましょうや。
360名無しさん@ピンキー:03/08/25 20:29 ID:G+z4T2uW
>359
すみません、スレ違いですが、あそこでSS書いてた職人未満修行中です。
こちらも、いつもROMらせていただいております。

あれを書いてる途中で書き込み規制を貰ったり、
メインでやってるキャラの誕生日が立て続けにやって来たりで、
続きが延び延びになってしまっております。
おりますが……ちゃんと最後まで書きますので、
今しばらくお待ちください _| ̄|○ ドゲザー
361オリジ:03/08/25 23:06 ID:sE2b1ZTF
「あらら、もうすっかり日が暮れちゃった」
少女・・・ルチアの肩までで切りそろえられた茶髪が秋風に揺れ、耳に付けられたイヤリングがそれに花を添える。
「明日になっちゃうとギルドはもう仕事くれないしなぁ」
夕刻になると防犯上、交通の要所にある関所は閉じられてしまう。次の日の朝にならないと再び開くことはない。
ルチアは関所の壁にしつらえてある、役人以外は登る事を禁じられている梯子におもむろに手をかけた。
「な、なんだお前は!通行証を見せよ」
梯子を登るルチアの姿を見た役人が慌てて声をかける。
「無い、って言ったらどうする?」
「・・・だったら関所の外で野宿でもしろよ」
「か弱い女の子を一人外に放置プレイ?随分とおめでたいわね」
ルチアはとうとう最後の段に手をかけた。
「おい、それ以上登るとここから突き落とすぞ!また明日の朝になってから来い!」
役人が槍を構える。
362オリジ:03/08/25 23:06 ID:sE2b1ZTF
「役人ってのは、融通が利かないからダメなのよね。本当に頭のカタい連中ばかり」
「貴様、言わせておけば・・・」
役人が怒ってルチアに槍を突き出した。ルチアは突き出された槍を片手でぐいと掴むと、
「ええぇぇぇいっ!!」
「うわあぁぁぁっっっ!」
役人ごと下に投げ落としてしまった。
投げ落とされた役人の絶叫など、ルチアは全く気にもかけなかった。
「そっちから先に仕掛けて来たんだからこれは正当防衛よっ」
ルチアはさっさと一番上まで梯子を登った。
「関門破りだっ」
「狼藉者だっ」
「出会えっ。出会えっ」
関所上で何をするまでもなくぼんやりと時間潰しをしていた役人も一斉に駆けつける。
「おとなしく捕まれ」
「捕まえられるもんなら捕まえてみなさいっ」
役人が槍を突きつけてくる。それなりに突きは鋭いが、ルチアにとってはあまりにもスロー過ぎた。
役人の槍をひったくったルチアは、その槍で力一杯役人の尻を叩きつけた。
腰骨が折れたような音がして、役人が地面にもんどり打って倒れる。
ルチアはまっ二つに折れた槍を見て、ため息をついた。
「こんな安モノじゃとても人なんて殺せないわよ」
「召し取れ、召し取れっ」
一斉に役人が飛びかかってくるが、誰一人としてルチアに触れることさえ出来なかった。
363オリジ:03/08/25 23:07 ID:sE2b1ZTF
「ええい、話のわかんない奴らね」
ルチアは役人のうちの一人の足を無理矢理ぐいと持ち上げると、自分を中心にして
コマのようにグルグルと回転しはじめた。
ルチアの回りにいた役人が次々とはじきとばされていく。
「終わりよっ」
ルチアが手を放すと、捕まれていた役人は遠心力で遠くに吹っ飛んでいった。
ルチアが気を抜く間もなく、背後から槍を持った役人が襲いかかる。
ルチアはそれを見透かしたかのように振り向くと、敵が振り上げるナイフを蹴り飛ばした。
敵にその時、焦りの表情が浮かんだかどうか、そんな事はルチアにとってどうでも良かった。
地面に槍が落ちて乾いた金属音を立てるのとほぼ同時に、役人の身体は地面に大きく跳ねていた。

数分経った頃には、ルチアの足下に倒れている役人が数多く転がっていた。
関所の上に立っているのはルチア一人だけだった。
「太守には歯が立ちませんでした、とでも報告しときなさい」
彼女はもう邪魔者がいないことを確認すると、関所の上からひらりと飛び降りる。もちろん着地もきちんと決めて。
ルチアは華麗な着地に自己陶酔しながらも、関所の上でよろよろと立ち上がる役人の姿を見逃さなかった。
(なんだ、まだいたのね)
必死によろよろと立ち上がった役人は、ルチアに向かって矢を発射した。だが、その矢もルチアの前では止まった矢に過ぎなかった。
「ふふっ、無駄なあがきはやめることね」
ルチアは飛んできた矢を事もなげにパシッと払い落とした。
ルチアは夕暮れの街道を颯爽と駆けていった。あたかも一陣の風のように。
364名無しさん@ピンキー:03/08/26 10:58 ID:yCdacnFn
久しぶりのSS乙
365名無しさん@ピンキー:03/08/26 12:49 ID:0CcZZlHj
張飛かよ
366名無しさん@ピンキー:03/08/26 18:23 ID:chJWsSV6
(´-`).。oO(ルチアって何のキャラだろう・・・
367名無しさん@ピンキー:03/08/26 18:42 ID:ToNDmQiQ
>>365
漏れも思った(w
確かに横山三国志の張飛っぽい・・・ってか殆ど場面一緒?
368名無しさん@ピンキー:03/08/29 09:53 ID:mmHq+uL3
nana
369名無しさん@ピンキー:03/08/30 08:54 ID:ByS5nZEN
張飛?
370名無しさん@ピンキー:03/08/31 10:30 ID:ONHopXhR
そんなこと言うなよ
371名無しさん@ピンキー:03/08/31 11:31 ID:6YjFz/Sq
アテナキボン
372名無しさん@ピンキー:03/09/01 16:47 ID:QBSUE+jJ

   〃∩ ∧_∧
   ⊂⌒( ・∀・) 続きまだかな〜 
     `ヽ_つ ⊂ノ 
373名無しさん@ピンキー:03/09/01 19:03 ID:ZQ1WWIyV
神降臨を待て
374名無しさん@ピンキー:03/09/01 22:00 ID:z0ZnUQQd

   ★新作をどこよりも早く更新/無修正DVD販売★
初々しい女の子や、(゚Д゚;三;゚Д゚) 痴女のお姉さんがいっぱい!!
       http://adult.csx.jp/~kouryakuero
     ☆安心後払いの迅速発送でお届け致します☆
  ロリ/お姉さん/熟女/女優モノ何でもあるよ(*´∀`*)ハァハァ
もちろんあの娘も━━━━ヾ(。Д゚)ノ゙━━━━!!!!!!!!

218.47.145.208 , i145208.ap.plala.or.jp ?
375名無しさん@ピンキー:03/09/02 10:15 ID:qqnqWHi5
〃∩ ∧_∧
   ⊂⌒( ・∀・) 続きまだかな〜 
     `ヽ_つ ⊂ノ 


376名無しさん@ピンキー:03/09/03 10:02 ID:Bl6gHAnA
811に期待挙げ
377名無しさん@ピンキー:03/09/05 18:54 ID:IX/hcS3i
神降臨
378名無しさん@ピンキー:03/09/05 20:41 ID:332zhZ9t
ユリキボン
379424:03/09/08 00:55 ID:LsiCiEXK
どうもお久しぶりです。新しいSSの格闘部分が仕上がったんで、貼っておきますね。
今回は、以前書いたローズのSSの続編を書いてみました。

 サイコパワーを永遠に封じ、災いは未然に食い止められた――筈だった。
ベガは「力」を失い、秘密結社シャドルーは滅び、確かに再び世界に平穏な日々がもたらされた。
ローズが戦いを終え、ジェノヴァの占いの館でまた元の占い師として悠々自適の生活に戻って早一年。
しかしこの数日、ローズの胸の内には急速に湧き上がる何かの不吉な予感があった。
「神秘の力をおとしめしサイコパワーは天の裁きを受け、終末を迎えた。ならばこの拭い切れない不安、
確かに感じる邪悪な『力』は一体何なのかしら?ソウルパワーともサイコパワーとも異なる……」
 金の首飾りと耳飾りを身に付け、纏った紅く艶(つや)やかなイブニングドレスの大きく開いた胸元から、
こぼれ出さんばかりに豊満な乳房の半分以上を晒し、
テーブルの上に並べたタロットカードを目にも止まらぬ速さで切りながら、
ローズはその正体を探ろうとする。ふと部屋の片隅へと視線を送ると、真っ白な法衣に身を包んだ従者ベガが跪き、
頭(こうべ)を垂れたまま微動だにせずローズからの命を待ち続けていた。
 既に憎しみの牙を引き抜いたベガが道を誤ることは二度と無い。ならば「力」を操り、
この世界の正義のバランスをかき乱そうとしているのは誰か……?
 しばしの間、カードがテーブルクロスの上をせわしなく行き来し、
やがて一枚のカードがローズの右の人差し指と中指の間に挟まれる。
「これは……?」
 両目を細め、ローズはカードに描かれた絵図を凝視した。
380424:03/09/08 01:00 ID:LsiCiEXK
 タロットが指し示した答え、それは正位置の「塔」のカードだった。
「予期せぬ出来事を象徴する『塔』のカード……。どうやら、私の預かり知らぬ所で再び邪悪な『力』が生まれ、
ソウルパワーに反応しているようね。それは『殺意の波動』。操る者の名は豪鬼……」
 導き出された予感の正体が、「力」の使い手の姿を伴い、ビジョンとなってローズの脳裏に浮かび上がる。
 背中の部分に朱で「天」の文字を刻んだ黒ずんだ胴着から鎧の如き筋肉を盛り上がらせ、
全身から夥しいまでの殺気を迸らせた男の姿はさながら修羅のようだった。
「狂った野獣の目を持つ男……。盲目的な強さへの渇望が、『波動』の力を邪悪なまでに歪め、
殺意に満ち溢れたものへと変貌させてしまったようね」
 人間誰しもが秘めている「波動」の力を、ここまで禍々しきものに化さしめた者がいたとは。
正直、ローズは幾ばくかの驚きを禁ずることが出来なかった。
「……このまま、のんびりと占い稼業を続けている訳にはいかないようね」
 決意の光を蒼の両眼に湛(たた)え、ローズは静かにテーブルから立ち上がる。
 例えサイコパワーが滅びても、この世に災いをもたらしかねない邪悪な力、争いの元となる負の力が生まれいずる限り、
それと対峙し封じ込めることが、使命を果たした今でも変わらぬ、只一人の正しきソウルパワーの使い手であるローズの務めだった。
「しばらくの間、私はここを離れるわ。後のことはお願いするわ」
 ローズはベガに命じると、テーブルの引き出しから黄色いストールを取り出し、
それを縦に伸ばして巨大な「愚者」のタロットカードと化さしめて己の全身を覆い尽くすと、瞬時にして真紅の闘衣に身を包む。
「どんな力も正しく使わねば無意味なの。正しき己を失い、邪悪な力に身を堕とした者よ。その報いを受けなさい……」
 言葉の終わりと共に鮮やかな七色の聖なる光がローズを包み込み、やがてそれが収まると、ローズの姿は何処へと消えていた――。
381424:03/09/08 01:03 ID:LsiCiEXK
「弱さは恥と知れぃ!」
 血みどろで眼下に倒れ伏したファイター、ダンを無表情に見詰めながら、豪鬼は地の底から響くような声でつぶやいた。
禁断の技「瞬獄殺」を会得し、師をも倒してもなお、真の強さに対する豪鬼の飢えは、止まるところを知らなかった。
「我は満たす者は何処に……」
 轟鉄、剛拳、そして元……。これまであらゆる強敵が豪鬼に倒された。「殺意の波動」の前に為す術もなく沈んでいった……。
 最早己を越える者がこの世に存在せぬのなら、この世に生きる道理も無しとさえ思った。
 だが、「死合う」にふさわしき相手は唐突に現れた。
 ある日、豪気は「気」や「波動」と異なる独特の「力」の存在を感じ取った。
 それはほんの一瞬しか感じ得なかったが、確かに内に膨大な闘気を秘めていた。
 その時における豪鬼の歓喜の感情は、言葉に言い表しようも無かった。
 かような「力」を持った強者が、まだおったとは。この現世(うつしよ)、まだまだ計り知れぬわ……。
 その日より、「殺意の波動」を纏った鬼は、「力」の持ち主を探り当てるべく、
有象無象の格闘家達の返り血で拳を染め上げる日々を繰り返していたのだった。
382名無しさん@ピンキー:03/09/08 01:04 ID:jmyfZa00
リアルタイムで読めるとは、ラッキー。
383424:03/09/08 01:08 ID:LsiCiEXK
と、その時だった。突如として風が吹きすさび、前方に虹色の光球が現れたかと思うと、その中央へと人の影が浮かび上がる。
そして影がゆらりと大地に降り立つと、光球は弾け、跡形も無く消え去ってしまった。
 影の正体、それは、ほっそりとした体躯をコートにタイツ、ストッキング、ハイヒールと紅(くれない)で統一された衣装で包み、
晒した肩から黄色いストールを掛け、整った目鼻立ちに紅(べに)で染めた形良い唇、独創的なラインを描いた紅いロングの髪を持つ、
ミステリアスな美貌を秘めた大柄な淑女だった。
 コツリ、とハイヒールを踏み鳴らして一歩踏み出すと、淑女は真っ直ぐに豪鬼を見据える。
「以前より感じていたパワー、あなただったのね?」
「……」
 淑女の問いに豪鬼は黙したまま答えず、じっと見返す。
 つい先程まで戦いが繰り広げられ、血の斑点が地面に染みを刻んだこの場にはあまりにも場違いな、
優雅な外見を伴って現れた淑女。
 だが豪鬼は、確かに淑女の内に満たされたオーラから、かつて一度だけ捉える事の適った得体の知れぬ「力」と等しき存在を感じずにいられなかった。
 ついに現れおったか、我を満たすやも知れぬ者よ。よもや、かような娘であったとは。ならば尚のこと面白い……。
「お聞きなさい、強さに取り憑かれ、獣の道に身を堕とした者よ。私の名はローズ。正しきソウルパワーを操る者……」
 娘の正体が何であろうとどうでもいい。豪鬼にとって唯一意味を成しているのは、
今眼前にいる娘がその見た目からは想像も付かぬ程、強大な「力」を纏った闘士であること、只それだけだった。

384424:03/09/08 01:11 ID:LsiCiEXK
「豪鬼、あなたはただ純粋に強さのみを求め、己を鍛錬し、自らの意志で修羅の道を歩んでいるのかも知れない。
しかしその過程であなたは師を殺め、多くの格闘家達を屠(ほふ)り、『波動』の力を邪悪なまでに歪め、
禍々しき殺意に満ち溢れた『殺意の波動』へと変貌させてしまったわ。あなたは最早人とは呼べない、人の愛も知らず、
魂の安らぎも知らない、我武者羅に力のみを信望する鬼と化してしまったのよ。人に過ぎたる邪悪な力、
『殺意の波動』は必ずやこの世に災いをもたらし、多くの罪無き人々を地獄の淵へと誘(いざな)ってしまう。
そのような事態、決して見過ごす訳にはいかない。この世に只一人残された正しきソウルパワーの使い手として、
あなたのその邪悪な『殺意の波動』、この私が永遠に封じます」
 名前から過去まで、豪鬼の心の中の全てを読み取っているのかのように、ローズは凛と言い放つと、身構える。
 見る見る内にローズの全身より蒼白き光が陽炎さながらに揺らめき立ち、闘志の衣(ころも)を豪鬼の前に露わにする。
 ローズがソウルパワーと呼ぶ、そのかつて見たことの無い凄まじき「力」の現出を目の当たりにして、
豪鬼は武者震いを抑えることが出来なかった。
 これぞ、これぞ、我を満たす「力」。存分に「死合う」べき相手……。
 豪鬼もまた「殺意の波動」を赤い湯気の如く全身から立ち昇らせ、ローズと対峙する。
385424:03/09/08 01:13 ID:LsiCiEXK
「我は拳を極めし者なり。うぬの力、試させてもらう。我が最強の拳、しかと受けよ」
 それ以上の言葉はいらなかった。豪鬼は高々と跳び上がるや否や、右の掌を突き出し、
地上のローズ目掛けて「殺意の波動」の塊、斬空波動拳を連続して三発放った。
しかしローズは動じることなく素早くストールを前面に掲げると、己の防壁とする。
「ソウルリフレクト!」
 輝きを帯びたストールが勢いの付いた三発の斬空波動拳の行く手を遮ったかと思うと、
次々と「殺意の波動」の塊を弾け散らせ、黒い光の破片を一つ残らずストールの輝きの中に飲み込んでしまった。
「ぬう……」
 今まで戦ってきた相手の誰もが用いたことのない、何とも面妖な技の前に、
豪鬼は僅かな動揺を覚えながらも、地上に着地すると構わずに二撃目の姿勢に入る。
「むん!」
 先程よりも強烈な紅蓮の炎を纏った灼熱波動拳が、唸りを上げてローズを襲わんとするが、結果はやはり同じだった。
燃え盛る炎の球も、掲げられた絶対の盾の前に砕け散り、跡形も無く吸収されてしまう。
「ちぃ……」
 舌を鳴らす豪鬼に、ローズは揺るぎ無い自信に溢れた声で告げる。
「飛び道具など私の前では何の意味も持たないわ。あなたが幾ら『殺意の波動』の塊を私に撃とうとも、
ストールを媒介として伝達されるソウルパワーが邪悪な意志を浄化し、残りのパワーを自らの糧(かて)として取り込む。
つまりあなたの技は私に通じないばかりか、ソウルパワーの高まりを手助けしてくれているのよ」
 ローズの言葉が嘘でないことは、今の事実で証明済みだ。ならばもう飛び道具は使うことが出来まい。
 得手とする幾つかの技が封じられ、豪鬼が微かな劣勢を感じている隙に、ローズはすかさず反撃へと移る。
386424:03/09/08 01:16 ID:LsiCiEXK
「これはそのお礼よ。受けてみなさい」
 ストールの先端が力一杯に突き出され、棒のように一直線にぴんと伸びると、
そこからスパークした七色の光の球が豪鬼に向かって放たれる。眩(まばゆ)い輝きを放つ光の球に捉えられる寸前、
豪鬼は反応良く前方に跳躍し、急降下する勢いを利用して痛烈な蹴りを繰り出す必殺技、天魔空刃脚で攻防を入れ替えようとする。
 が、それより先にローズが仕掛けた。
「ソウルスルー!」
 豪鬼が蹴りを構えるよりも速く、光の麟粉を振り撒きながら跳び上がったローズが眼前に迫ったか思うと、
不思議な力でぐいと手元に引き寄せらせ、次の瞬間、豪鬼の体は蒼い炎に包まれながら地面に叩き落とされていた。
「ぬおっ!」
 襲い掛かる灼熱感と激痛に呻きを上げながらも郷鬼はかろうじて立ち上がり、
微塵の輝きも持たない赤く濁った瞳で、軽やかに着地したローズを睨み付ける。
 傷付いた野獣の如く、全身から殺気を迸らせた豪鬼にも、ローズは幾ばくもの動揺も見せず、余裕すら感じさせる所作で豪鬼を見詰め返す。
「もうお止しなさい。邪悪な力を幾ら用いようとも、決して私を倒すことは出来ない。このまま『殺意の波動』に身を委ねていれば、
あなたに待ち構えているのは破滅の運命だけよ。悪いことは言わないわ。大人しくソウルパワーによる洗礼を受けなさい。
そうすれば、あなたを蝕む邪悪な力は消滅し、必ずやまた人としての道を歩き始めることが出来る筈」
387424:03/09/08 01:19 ID:LsiCiEXK
「ぬし……よもや、自ら拳を下ろすつもりではあるまいな?」
「これは最後の警告よ。これ以上の無駄な抵抗を諦め、『殺意の波動』を捨てなさい。
さもなければ、容赦はしません。あなたには後三秒だけ猶予を与えるわ。一……」
 ローズのカウントダウンが始まる。しかし如何様な言葉を受けようとも、「死合う」以外に豪鬼が望むことなどある筈が無かった。
「二……」
「拳士が己から拳を捨てるなど笑止の限り。我、魔道に堕ちるとも、我を満たす者と只『死合う』のみ」
「三。やはり、言っても分からないようね。ならば仕方がありません。ソウルパワーの全てを持って、あなたの拳を封じましょう」
 宣告と共に、ローズは双眸に闘気を湛え、己の「力」を高める。
先程よりも遥かに強烈な蒼白き光が、闘魂の炎となって、その身から燃え滾(たぎ)っていた。
 おお、おお、まだかような力を残していようとは……。
 豪鬼は興奮のあまり、ダメージにも構わず猛然とローズに突っ込む。
「ぬん!」
 体重を乗せた右拳でローズの顔面を狙うが、右腕でガードされ、弾き返される。
今度は左拳を腹部にねじ込もうとするが、またも左腕のガードで遮られる。
更にローズの脚を挫(くじ)こうと右の脚を払うが、やはり膝を突き出され、ブロックされてしまった。
それでも豪鬼は絶え間なく連撃を繰り出すが、その度に驚異的なスピードで自分の思うがままの部位に「力」を集中させ、
光の防壁としてしまうローズに、何のダメージも与えることが出来ない。
ローズの華奢(きゃしゃ)な細腕細脚は、何倍もの筋肉を誇る豪鬼の肉弾攻撃をことごとく受け止め、跳ね返していた。
 拳が軋みを上げ、滝のような汗が豪鬼の体中を濡らす。
「拳を極めし者の力とは、この程度かしら?殺意だけに塗(まみ)れたあなたの拳に、このソウルパワーの盾を打ち破ることは不可能よ」
 豪鬼とは対照的に、汗一つ流さずに連撃をいなし続けるローズに、豪鬼は徐々に焦りの感情を覚える。
 このままでは埒(らち)が明かぬ。ならば……。
388424:03/09/08 01:22 ID:LsiCiEXK
「ふん!」
 あらん限りの力を込め、ローズの顎を目掛けて左拳を振り上げる。またしてもローズのガードに防がれるが、それは囮に過ぎなかった。
「滅殺豪昇竜!」
 右の拳に集められる限りの「殺意の波動」を凝縮させ、振り抜く豪鬼必殺の一撃。
 初めてローズの顔に驚きの色が走る。
 例え娘が「力」を用いようとも、これを防ぐことは適わん。
 しかし不思議なことに、豪鬼が右拳を振り抜くのと一瞬の差で、ガードされた左拳にローズが掌を触れさせたかと思うと、
その瞬間、何とも形容し難い感覚が豪鬼の全神経を駆け抜け、震えを伴わせたままその動きを麻痺させてしまった。
「おおお……」
 豪鬼の内へと浸透するローズの「力」が、豪鬼の体を蒼白い光で包み込み、あらゆる意志での動きを封じ込めてしまう。
それはほんの僅かな間に過ぎなかったが、ローズに反撃の暇(いとま)を与えるには充分過ぎる時間だった。
「そこまでよ!」
 豪鬼がようやく己の動きを取り戻した時、既にローズの右腕が腹部にねじ込まれていた。
「ソウルスパイラル!」
 光を放ち、ローズの右腕に螺旋状に絡み付いたストールが、ドリルとなって分厚い豪鬼の腹筋の壁を抉(えぐ)り、激烈な衝撃を内臓に叩き込む。
「ぶはぁっ!」
 血と胃液が入り混じった飛沫(しぶき)を吐き出し、宙を舞った豪鬼は数メートル後方の大木に、激しく背中を打ちつけられる。
 息も詰まるような痛みが、豪鬼をその場に倒れ伏させたまま、微かな身震いを与える。
389424:03/09/08 01:25 ID:LsiCiEXK
 起き上がることの適わない豪鬼を見下ろしながら、ローズは右の人差し指を鼻先に突き出し、チッチッと舌を鳴らす。
「まだまだね。闇は決して光を飲み込むことは出来ない。乱れたあなたの『気』で私を倒すことが出来ぬのもまた必然。
いつの世も、正しい者だけが生き残るのよ」
「ぐう……、ぬう……」
 胴着をズタズタに切り裂かれ、数え切れぬ手傷を負わされ、身悶えしながらも、
「死合う」ことにのみ己の生き様を見出す鬼は、決してその闘う意志を萎えさせようとはしなかった。
 やっとのことで起き上がり身構える豪鬼を、ローズは余裕を含んだ瞳で見据える。
「あら、まだやる気かしら?どうやらあなたのことを少しばかり甘く見過ぎていたようね」
「我の『殺意の波動』、未だ死せず……。ふぬぅぅぅぅぅぅ!」
 その場にいるローズ以外の生ける者全てが震えを抱かん程の雄たけびを上げると、豪鬼は全身全霊を賭けて「殺意の波動」を己の内に収束させる。
 最早、我に残された勝機は微かなものなり。ならば、己の死力を持って「瞬獄殺」で屠るのみ。
 自らの命さえ滅ぼしかねない禁断の技、「瞬獄殺」。しかし、最大の強敵を仕留めることが出来るのであれば、
命を捨てることなど何の悔いがあろうか。
「むん!」
 閃きと共に、豪鬼は溢れんばかりの「殺意の波動」を滾らせ、この世の誰もが不可視であろう速さでローズの懐に入り込んだ。
 かつてこれ程までに高め得なかった最大限の「殺意の波動」の前に、ローズですら驚愕の表情を浮かべ、思わず頬を強張らせる。
 黒き光が豪鬼とローズを飲み込み、骨がひしゃげ、折れ、砕ける音と、ローズの悲鳴のみが辺りに響き渡った。
 光が収まった時、巨大な「天」の赤き湯気を背中に背負い、血塗れのローズの骸(むくろ)の前に立ち尽くす鬼の姿があった。
390424:03/09/08 01:29 ID:LsiCiEXK
「我、最強の拳を持ってついに『死合い』を制したり!」
 豪鬼は今、言い表しようの無い高揚感と充足感に浸らずにはいられなかった。
 「死合う」べき相手と「死合い」、流血の末仕留め果たしたのだ。
 豪鬼はもう一度感を極めるべく、眼下の骸を見下ろす。
 ぴくりとも動かぬ、ぐしゃぐしゃになった見るも無残な死体――の筈だった。
だがしかし、そのローズの体が突然怪しげに光り出し、豪鬼の視界に映る色彩が徐々に薄まったかと思うと、
まるで蜃気楼のようにその場から消え果ててしまった。
「ぬう、これは……」
 驚きを隠せない豪鬼を嘲笑うかの如く、不意に背後より声が響き渡る。
「『力』に強さしか求めない愚かな者よ……」
 振り返ると摩訶不思議なことに、微塵の違いも見せない幾人ものローズが立ち並び、豪鬼を指差していた。
「あなたが仕留めたのは、ソウルパワーによって作り出された私のイリュージョン。邪悪なあなたには私の真の姿を捉えることは適わない。
あなたの『殺意の波動』、永遠に封じさせてもらいます。覚悟はいい?」
 宣言と共に、十を数えるローズ達は驚きの収まらぬ豪鬼を一瞬にして取り囲むと、勝負を決するにふさわしき、猛打の演舞を繰り広げる。
 一人のローズが豪鬼の足元をスライディングで狙い、それをかわさんと跳躍したのを逃さずに二人目のローズがソウルスルーで地面に叩き落し、
そこを三人目のローズが「力」で固めた手刀を、四人目が「力」で固めた拳を振るい、豪鬼に呻く間も与えずに、
五人目、六人目がハイヒールの踵を鳩尾(みぞおち)にめり込ませ、七人目と八人目が左右から「力」を纏ったストールを振りかぶる。
391424:03/09/08 01:32 ID:LsiCiEXK
「ぬお……、お……」
 数え切れぬ連撃に、血と歯と涙を飛ばし、ぼろぼろに破れた胴着の胸元から大きな数珠を掛けた痣(あざ)だらけの上半身を晒し、
豪鬼が跪いた時、ようやくローズは一つの姿に帰すと、カツッと、ハイヒールを踏み鳴らした。
「これで最後よ、豪鬼。私のソウルパワー、とくと味わいなさい」
 裁きの一言を告げ、ローズは二つの掌で豪鬼の頭を挟み込むと、
そのまま跳躍して豪鬼の頭を支点として逆立ちの姿勢になり、膨大な「力」を注ぎ込む。
「はいっ!」
「ふぬおおおおっ!」
 鮮やかな着地と同時にローズの「力」が豪鬼の内の全てを満たし、その五体を蒼白き炎で包んだ時、
「殺意の波動」が永遠なる消滅を迎えた瞬間だった。
 もう内からは、「殺意の波動」の燻(くすぶり)りも何も感じない。
 あるのはただ完全なる敗北を喫したことに対する、虚無感だけだった。
 ローズはストールを己の前面に掲げると、巨大な「愚者」のタロットカードと化さしめ、その裏側に身を隠す。
 数度の煌きの後、カードが一筋の閃光となってローズの右の人差し指に収まり、
閉じ行く豪鬼の両眼に再びローズが全身を晒した時、豪鬼はその強烈なビジョンを脳裏に焼き付けずにはいられなかった。
 およそ戦いの場に相応しく無い、艶(あで)やかな紅いドレスを纏ったローズが、
半ば剥き出しのふくよかな乳房の間に一枚のカードを挟み、穏やかな笑みを湛えながら悠然と立っていた。
「チャオ」
 その妖艶な声を微かに聞きながら、豪鬼の意識は真っ白な眠りの淵へと沈んでいった。
392名無しさん@ピンキー:03/09/08 16:31 ID:+kTy2/wk
今までのSMビデオが物足りなく思える過激すぎるアブノーマル映像の数々!
http://www.oshioki.net/video.html
61.199.55.48 , p3048-ipadfx01maru.tokyo.ocn.ne.jp ?
393名無しさん@ピンキー:03/09/08 19:02 ID:6bnMVYrZ
ローズ様、続きがくるとは思っていませんでした!
チャオなさらずに豪鬼も下僕にしに戻ってきてください。
それともベガだけで十分か?
394名無しさん@ピンキー:03/09/08 20:01 ID:MZLDMXQq
(´-`).。oO(ローズ様の天才的な寝技を見たひ・・・
395名無しさん@ピンキー:03/09/08 22:56 ID:uM0paoHt
豪鬼には他に女王様が現れるんだろうか、と勝手に予測してみるテスd
現れるとしたら誰になるんだろう (;´Д`)ハァハァ
396名無しさん@ピンキー:03/09/08 23:27 ID:2dYo8s8B
ジャイ子。
397名無しさん@ピンキー:03/09/09 21:09 ID:2+fs7nls
>>395について考えてみた…が、
カプコンはカプコンでも、ヴァンパイアシリーズのキャラが思い浮かぶ
398名無しさん@ピンキー:03/09/10 20:13 ID:5epInM9Q
負けた男をもっとバカにしてほしい。
そういうのはダメ?
399名無しさん@ピンキー:03/09/11 01:30 ID:7mn0w1d3
意外とさくらだったりしてw
さくらのスカートの下のブルマを目にした豪鬼は
悪の武道家から単なるエロオヤヂと化し(;´Д`)ハァハァ
400名無しさん@ピンキー:03/09/11 03:01 ID:OEcyE+An
圧倒的な力量差でねじ伏せる、というのはイマイチ苦手だなぁ。
もう少し接戦を展開して欲しいと思う。エロにこんなこと言うのは野暮だとは思うが、ワンパターンになってしまっている。
401名無しさん@ピンキー:03/09/12 00:02 ID:CMzKRCKu
>>400
>>276-309に投下されたSSなんかは?
402名無しさん@ピンキー:03/09/12 09:38 ID:X1Vscb3J
旧スレの811が最高だな
403名無しさん@ピンキー:03/09/12 12:41 ID:qRUg5pD1

こんなシチュエーションに萌える・・・
■高校の体育のプールの時間のあと、
「ほら、クラスの女子全員の前でパンツ脱ぐんだよ。」と言われる。

■会社のOLたちに「セクハラのこと言われたくなかったら、
女の子全員の前でオナニーしなさいよ。」と言われる。

つよいおんなのこ
http://www.sony-mix.com/chijo/top.html
404r:03/09/12 12:55 ID:DUPHtzHE
宣伝御願いします。週間人気ページランキング ダントツ 一位
アダルトショップリンク集。

女性の方にも安心してお買い求めになれる親切なサイトばかり
是非ご覧下さい
http://www.h3.dion.ne.jp/~party-d/
405名無しさん@ピンキー:03/09/13 18:54 ID:ObJnyjJ7
ウィップとかどうですか?
4061:03/09/15 02:58 ID:w03/Y6kZ
お久しぶりです。
最近は、性技だけで男が女に狂わさせられるシチュエーションに萌えています。
力では圧倒的にその女よりも勝るのだけれど、快感に堪えられなくて負けてしまう、という感じです。

お勧め
ttp://www.akane.sakura.ne.jp/~vamp/abyss/library/libtop.html
http://akane.sakura.ne.jp/~vamp/abyss/gallery/illust02.html
妖女回廊 休止中なのが残念。
下のジェリーウーマンは最高です。

ttp://www.sam.hi-ho.ne.jp/monga/ura7-0.html
9と10の、主人公がマリーに快楽責めされるところがいいです。
その後にその快楽が身体に染み付いてその女との試合で悶えてしまうところが最高です。

力、だけでなくフェロモンや性技だけで強い男を倒す女に萌えます。
ファンタジー系にこういう小説がないか、探しています。
4071:03/09/15 03:00 ID:w03/Y6kZ
すいません。↑のレス、直リンになっていました。
URLはコピペして下さい。消してもらえるか分かりませんが削除依頼へ行ってきます。

お久しぶりです。
最近は、性技だけで男が女に狂わさせられるシチュエーションに萌えています。
力では圧倒的にその女よりも勝るのだけれど、快感に堪えられなくて負けてしまう、という感じです。

お勧め
ttp://www.akane.sakura.ne.jp/~vamp/abyss/library/libtop.html
ttp://akane.sakura.ne.jp/~vamp/abyss/gallery/illust02.html
妖女回廊 休止中なのが残念。
下のジェリーウーマンは最高です。

ttp://www.sam.hi-ho.ne.jp/monga/ura7-0.html
9と10の、主人公がマリーに快楽責めされるところがいいです。
その後にその快楽が身体に染み付いてその女との試合で悶えてしまうところが最高です。

力、だけでなくフェロモンや性技だけで強い男を倒す女に萌えます。
ファンタジー系にこういう小説がないか、探しています。
408通りすがりの”削除”イライラ:03/09/15 21:14 ID:RwJI0psE
>>407
削除依頼間違ってますよ、
削除理由は削除のガイドラインからでないと絶対に削除されません。
409名無しさん@ピンキー:03/09/16 10:06 ID:crq3v3Lv
GOODな情報戴きました
410名無しさん@ピンキー:03/09/16 15:21 ID:Z3ft9kDY
ここの女の子サービスいいよ
http://www5d.biglobe.ne.jp/~eye/
411名無しさん@ピンキー:03/09/16 18:34 ID:K9vOvXv1
>>407マリーいいですね。主人公はマリーに負けてほしかった・・・
 
412名無しさん@ピンキー:03/09/17 11:50 ID:WVzCG9a8
>>411
自分でマリーが勝つシナリオを作れば良い
413名無しさん@ピンキー:03/09/17 12:24 ID:3x+YPddX
なんか巣の作品って長い割に、満足できる展開は少ない。
414名無しさん@ピンキー:03/09/17 12:25 ID:GFt4n4s6
直アポ可・援交は禁止
http://www.tour-box.com/net/ys4/rank.cgi?mode=link&id=424&url=http%3a%2f%2fwww%2epink7%2enet%2fdic%2f
61.197.68.235 , pl747.nas921.ma-shizuoka.nttpc.ne.jp ?
415名無しさん@ピンキー:03/09/17 18:15 ID:h6K1FUIM
マリーにずたずたに引き裂かれろよな
416名無しさん@ピンキー:03/09/17 18:37 ID:Yo+W9g7C

夜の生活・・占い・・過激
http://www.usa-dvd.com/love/
417名無しさん@ピンキー:03/09/17 18:41 ID:f9OYcUPo

萌える画像いっぱいあるね、画像UP板もあった。
http://www.mx-style.com/photos/moe.html
418名無しさん@ピンキー:03/09/17 18:56 ID:kPpIHPWQ
女が男を犯す。
http://www.dvdtheworld.com/
419名無しさん@ピンキー:03/09/18 09:42 ID:nay5YEUE
ドラゴンボールのランファン思い出した
ということでランファンが天下一武道会で優勝するSS希望
420名無しさん@ピンキー:03/09/18 10:54 ID:IXeLdBrY
二千円で使い放題☆
http://srv.cocospace.com/eDEAI/?oid=love2-net&sid=196944
ポイント制じゃないからじっくり口説き落とせるよ!
61.25.29.37 , 61-25-29-37.home.ne.jp ?
421名無しさん@ピンキー:03/09/18 15:44 ID:6Ja+Ijdy
性技だけで強い男を倒す女
これ最高
422名無しさん@ピンキー:03/09/18 18:47 ID:UQYIFHEK
1さんありがとう。9と10さいこう
423名無しさん@ピンキー:03/09/18 21:32 ID:YqKD8NaM
424名無しさん@ピンキー:03/09/19 10:39 ID:DOpg3AdI
age
425名無しさん@ピンキー:03/09/19 15:36 ID:r5F+sPl9
426名無しさん@ピンキー:03/09/19 18:08 ID:5JDym1/C
F・マリー様イイ!!
427名無しさん@ピンキー:03/09/20 09:08 ID:NKIWaQCj
ああ女の子に負けて犯されたい
428名無しさん@ピンキー:03/09/20 11:53 ID:Pmz3X/OU
ss降臨age
429名無しさん@ピンキー:03/09/20 22:18 ID:MX4778ja
妹に負かされるのは駄目なの?
430名無しさん@ピンキー:03/09/21 03:49 ID:52E6kAq3
何かネタないのーーーー
431名無しさん@ピンキー:03/09/22 10:04 ID:QED/Tf53
人いねえなあ
432名無しさん@ピンキー:03/09/23 12:46 ID:4Q6gAFz+
age
433名無しさん@ピンキー:03/09/23 12:50 ID:sCp7/Lem
 妹は好い!!
434名無しさん@ピンキー:03/09/23 18:38 ID:Fwv+AiUI
今日マラソンで女子に負けた
435424:03/09/24 05:51 ID:D3CkZLk2
この前のSSの続きが仕上がったんで、貼っときますね。

「チャオ」
 紅い、女神の姿が脳裏からいつまでもいつまでも離れない。
 この世で二度と等しき存在と巡り合える事は無いだろうと思い込ませる程の、戦う者としてでは無く、
只一人の女としての極上の美を収斂させた一輪の薔薇。
「大丈夫?」
 甘く囁くように、紅(べに)で染めた潤いある唇を薔薇が近付ける。
視界へと入る、真紅のイブニングドレスの大きく開いた胸元からはみ出した、熟れ頃の果実。
たわわに実る、薄い白みを帯びたその肌色の球を視界の正面に捉えた瞬間、豪鬼の脳内はスパークし、
微塵の迷いも無く衝動の駆られるまま二つの球に跳び付いた。
 掌で揉み解し、頬をこすり付け、突起を舌で嘗め回し、その弾力と硬さを存分に味わう。
 この世の何物にも変え難い悦びの時を満喫する豪鬼に薔薇は聖母のように微笑みかけ、優しく彼の頭を撫でる。
 永遠にこの瞬間から去りたくない。ずっと薔薇の元に……。
「ぬう!」
 そこで豪鬼は目が覚めた。
 小窓から柔らかな日差しが差し込む部屋の、一人用にしては広く、
清潔できっちりとベッドメイキングがされたベッドに豪鬼は埋まっていた。
傷には手当てが施され、服も戦いでずたぼろに破れた胴着では無く、一分の汚れすらない真っ白な法衣へと着替えさせられていた。
「殺意の波動」を失った故か、いつもであればかすり傷程度に過ぎないダメージでさえひりひりと痛み、ずきずきと頭に響き渡る。
「波動の殺意」の永遠の消滅は、かつての強靭な回復力ばかりか、これまでずっと豪鬼を支え続けてきた価値観すら消し去っていた。
あれ程までに望んでいた強さに対する渇望はもう露程も内からは沸き上がらず、無類の力を豪鬼に与えた殺意のみなぎりも最早雲散霧消してこれっぽっちも感じない。
 ただ果てしない喪失感が豪鬼の胸の内にぽっかりと大きな穴を開けていた。
 豪鬼はゆっくりと上半身をベッドから起こす。ふと股間に温もりを感じる。右手を法衣の下腹部へと差し入れる。じっとりとした液が掌にこびり付いていた。

436424:03/09/24 05:55 ID:D3CkZLk2
と、ちょうどそのときだった。部屋のドアが開き、全知全能の女神、
夢の中で豪鬼を慰めた時と同じ艶ある紅装束を纏ったローズが、コツッとハイヒールの靴音を響かせながら姿を現す。
「チャオ」
 夢と同じ、戦いで豪鬼を打ち破った時よりも一層の親しみを込めた声で、ローズはベッドの上の豪鬼に近付き、腕を組んで見下ろす。
「傷の具合はどうかしら?この三日間、あなたはずっと眠りっ放しだったのよ」
 圧倒的な強さで戦いに勝利した者の余裕なのか、限りない慈しみを含んだ表情でローズは敗者たる豪鬼を見下ろす。
「……何故、我を救い、かような施しをする?我はうぬの葬るべき相手の筈だ?」
 どくんどくんと急速に速まる心臓の鼓動を抑えるように視線を外し、豪鬼は自分では答えの分からぬ問いをローズにぶつける。
 敗れし者地に伏し、己が命を朽ち果てさせる。故に「死合い」なり。それが如何なる理由で?
 ローズは静かに答えた。
「豪鬼、どうやらあなたは勘違いをしているようね。私は格闘家ではないもの。勝ちを誇り、無益な戦いを繰り広げ、無用な殺生を犯すつもりなど毛頭無いわ。
私が憎み、葬らねばならぬものは只一つ。この世に災いをもたらしかねない邪悪な『力』、それだけよ。
『殺意の波動』を既に滅した以上、あなたを敢えて殺さねばならぬ理由など何処にも無いでしょう?」
「我は、拳士なり。真の強さのみを求め、戦いの中にこそ己の生き様を見出してきた。だが、うぬに屈し、『殺意の波動』を失いし今は異なる。
殺意も感じぬ。強さも欲せぬ。我がこれまで追い求めし物は全てが消え失せ、何の執着も抱かぬ。今の我は、ただ生き恥を晒す腑抜けと成り果てた……」
「殺意の波動」ばかりか生気すらも消え果てたかのように、輝きの無い瞳で漏らす豪鬼だが、
「あら、それはどうかしら?」
 ローズはあっさりと否定する。
「『殺意の波動』から解放され、盲目的な強さへの渇望を捨てた今のあなたは決して生き恥など晒していない。人はどうあがいても獣になることは出来ないわ。
愛を捨て、喜びを捨て、悲しみを捨てて、殺意のみに支配されてひたすらに強さを追い求めても、待ち受けているのは身の滅亡だけだわ。
真の強さとは己の肉体の頑強さでは無い。魂に宿りし闇に負けない心。強さは誇示する物では無く、内に秘める物よ」

437424:03/09/24 05:57 ID:D3CkZLk2
「内に、秘める……」
「そう。ソウルパワーの洗礼を受け、あなたの魂を蝕みし闇は滅した。後は魂の復活を促すだけ。
でもそれをするのは私ではない。他ならぬあなた自身よ」
「分からぬ。最早何も分からぬ……」
 敗北の果てに角を折られ、牙を引き抜かれ、金棒を奪い捨てられて、これまで微塵も疑うことの無かった生きる標(しるべ)を失った鬼は、
放心したままがくりと首をうな垂れる。
 そんな運命の歯車を狂わせた鬼に導きを示すように、ローズは言葉の一つ一つを紡ぎ出していく。
「何も焦ることは無いわ。答えが分からぬのなら、少しずつ探していけばいい。
自分の罪を悔いる心があれば、どんなに複雑に絡まった運命の糸も解きほぐすことが出来る。豪鬼、私の側に仕え、これまでの罪を償いなさい。
私の力であなたの運命を変えることは出来なくとも、正しい道へと誘(いざな)う手助けをすることは出来る。
あなたは決して一人では無い。同じように償いの道に生きる同志(とも)もいるわ。償いの末に、魂の復活を果たすのよ」
 ローズはすっと腰をベッドに下ろすと両腕を豪鬼の頭に回した。
「我は、我は……」
 なおも逡巡する豪鬼に安らぎを与えるように、ローズは豪鬼の顔を胸の中に埋(うず)めさせ、柔らかな肌で抱擁する。
「大丈夫、大丈夫だから。安心して私に身を委ねなさい……」
 その瞬間、迷える鬼は救いの光をついにローズの中に見出した。
「我を導いてくれ……」
 かすれた声で漏らすと、豪鬼は夢の中と同じく、ボリュームと弾みに満ち溢れたローズの二つの膨らみにむしゃぶり付き、
一瞬足りともその味わいを逃がすまいと強く顔を押し当てる。
438424:03/09/24 06:02 ID:D3CkZLk2
 右手で軽く豪鬼の頭を撫でながら、ローズは不意に左手を法衣の股間の部位に当てがった。
「濡れているわね。これこそかつてあなたが失ってしまった人としての悦びの一つ。
人の女の温もり、柔らかさ、香りをゆっくり思い出しなさい。」
言いながらローズはするりと法衣を脱がせ、己もまた紅いドレスの一つ一つを脱いでいく。
ハイヒールを脱ぎ、金の耳飾りを外し、最後に金の首飾りを外したローズは、それを豪鬼の首にそっと掛ける。
「これはあなたが背負いし罪の証。私への誓いを忘れ、再び闇に飲み込まれそうになった時、それを祓い、あなたに罰を与える。
あなたが真に魂の復活を成し遂げた時のみ、取り外すことが出来るわ。信じなさい、あなたの魂の力を」
 ローズの言葉の一つ一つ、そして体に刻み込まれたローズへの誓いをしっかりと豪鬼は胸の内で噛み締める。
「今は一時の安らぎを、あなたに……」
 薔薇すらも自ら名前を捧げたであろうと思わずにはいられない、高貴な美と瑞々しさに満ちた裸体を晒したローズは、
裸の豪鬼を仰向けにベッドの上へと寝かせる。
 と、ベッドの感触とは異なる弾力を豪鬼は背中に感じた。振り向くと、何時の間にかもう一人のローズが笑みを湛(たた)えてベッドの上で寝ており、
倒れ込んだ豪鬼を背中からしっかりと抱きしめた。更にもう一度振り向くと、幾人もの裸体のローズ達がベッドの脇に立ち並んでいた。
「お、おお……」
「さあ、覚悟はいい?」
 妖精のような微笑みを浮かべて宣告すると、ローズ達は一斉に豪鬼へと纏わり付く。
 一人のローズの真っ赤な唇が豪鬼の唇に押し当てられ、卑猥な水音を立てながら舌が豪鬼の口腔を犯していく。
次に別のローズが二つの掌でそそり立つ豪鬼の一物を包み込み、何度も何度も揉みしだき、
亀頭から溢れ出した精液が掌とベッドシーツをどろどろに濡らしていく。
「んくぁ……」
 その液をローズは豪鬼の顔面に塗りたくり、押し伸ばすと、唇を貪っていたローズと競い合うように舐め回していく。
こそばゆい感触が豪鬼の顎から額に、そして後頭部へと伝わっていく。
その間に別のローズが今度はその豊満な乳房で豪鬼の一物を挟み込むと、弾みを付けて上体を揺り動かす。
439424:03/09/24 06:05 ID:D3CkZLk2
サンドイッチのように上下をローズの裸体に挟まれて、凶悪な弾力が股間と背中を襲い来る度、
豪鬼は口から唾液の糸を引き、快楽の境地へと己を堕ちさせていく。
「んぉあ、うあ……」
 更に別のローズが豪鬼に覆いかぶさって乳首を噛み、舌で転がしていく。と、そこから五人目のローズが加わった。
他のローズ達の間をすり抜けるように腰を落としていくと、未だに硬さを失わぬ豪鬼の一物に薄紅色の己の秘所をそっと触れさせていく。
「ぬおああぁ……」
 一物をしっかりと飲み込んだ肉の壁がきつく絞り上げ、熱さを伴ってより一層込み上げる性感に豪鬼は頬を弛緩させながら身悶えする。
「うがああああ!」
 次の瞬間、豪鬼はありったけの迸りをローズの膣の中に弾け飛ばし、悦びの雄たけびを上げる。
豪鬼と同じように頬を染め、肉欲に溺れるローズだが、それでもまだ飽き足らずに、激しく腰を揺り動かし、豪鬼の精液を搾り上げる。
「それじゃあ駄目……」
「ふぬおおおお……」
 再び、迸りがローズの内に流し込まれた。自分の温もりを豪鬼に伝えるように、ローズは右の掌で豪鬼の胸板をさすり、長く紅い髪を触れさせていく。
「ふぬあ、はあ……」
 絶え間ないローズの責めに体中を汗で濡らし、何度も大きく息を吐き出す豪鬼だが、無限のソウルパワーを内に秘めているローズに疲れの言葉は無かった。
「まだ終わりじゃないわ」
 言葉と共にローズはすっと起き上がると、豪鬼の唇を貪り続けていたローズとハイタッチして、それぞれの役割を交代させる。
440424:03/09/24 08:04 ID:D3CkZLk2
「レッスンはこれからよ」
 漏らした妖艶な声が、第二幕の始まりの合図だった。
 新たなローズが腰を落とし、一物を秘肉に食い込ませ、更なる精液を搾り取っていく。
 薔薇の花びら達が入れ替わり立ち代わり一物を可愛がる度に、激しい脱力感に襲われているにも関わらず、
豪鬼は幾度も幾度も絶頂を迎え、全身をローズ達の柔肌に埋めさせ、その中に溺れていく。
 一人、二人、三人、四人、五人、六人、七人、八人……。
 ローズ達がようやく一人の姿に帰し、世界が桃源から現実に引き戻された時、
豪鬼は至福の笑みを浮かべたまま安らかな眠りに就いていた。
「まだまだヒヨッ子ね。でもいいわ。これからあなたには魂の復活を果たす為の、長い長い道のりが待ち構えている……。
今はしばし安らかにお眠りなさい」
 豪鬼の頬にローズはそっと唇を重ねて円舞曲(ワルツ)に別れを告げると、ドレスを纏い、静かに部屋から立ち去っていく。
今日この日より、気高き薔薇の物語に新たなる一ページが書き加えられるのであった――。

441424:03/09/24 08:09 ID:D3CkZLk2
「それはとても困難な道のりに見えるかも知れない。でも立ち止まっていては駄目。怯まずに立ち向かっていきなさい。
逃げる心からは何も生まれないわ。恐れず飛び込むのよ。その先にはきっと光が見える筈」
「そう……ですよね。初めから諦めていちゃ、始まりませんよね。ようし、駄目元でアタックしなきゃ」
 ローズが導き出した占いの答えに勇気付けられたように、金髪の少女は大きな声で言うと椅子から立ち上がり、頭を下げる。
「どうもありがとうございました」
「また道に迷うようなことがあれば、何時でもここを訪れなさい」
「はい」
 少女はもう一度頭を下げると、足取りも軽く部屋を後にしていった。
 今日も多くの人生に迷いし人々が救いを求め、ローズの「館」へと訪れる。
ローズは過去を占い、現在を占い、未来を占い、漂う運命の糸を紡ぎ、人々が正しき道に進んでいけるよう手助けをする。
ふとローズは両脇に控える二人の従者達へと視線を送る。
日々を償いに生きる豪鬼とベガは、片膝を付き、頭(こうべ)を垂れたまま、微動だにせず主たるローズからの命を待ち続けていた。
 
442424:03/09/24 08:12 ID:D3CkZLk2
と、その時だった。何かの予感がローズの脳裏を貫いた。
「……感じるわ。新たな邪悪の意志を。独善の正義の元に力でこの世界を治めようとする者。その名はギル。
どうやら、私に安息の日々は訪れないようね」
 ローズはすっと立ち上がると、机の引き出しから取り出したストールで瞬時にしてドレスから真紅の闘衣に着替える。
この世に災いをもたらしかねない者が現れる限り、その前へと敢然と立ちはだかり、邪悪な野望を粉砕せしめることこそ、
これまでローズが果たし、そしてこれからも果たさねばならぬ、唯一残されしソウルパワーの使い手としての務めだった。
 ローズは振り返ると、二人の従者達へと命じる。
「ベガ、豪鬼。私はこれから戦いの場へと赴かねばならないわ。邪悪な意志を持つ者を討ち、その力を封じねばならない。
しばしの間、『館』の事をお願いするわ」
 凛とした声でローズは告げると、闘志の光を蒼の双眸に湛える。
「正義を見誤りし者よ。その言葉が持つ真の意味を思い知りなさい……」
 ローズの全身から沸き上がる蒼きオーラが眩い七色の光を発した時、ローズの姿は何処へと消えていた。
 気高き薔薇には棘がある。この世界を幾度も破滅の危機から救い、正義のバランスを保ち、
平穏を維持している薔薇の存在を誰も知りはしない――。
443名無しさん@ピンキー:03/09/25 00:46 ID:LnyyIKp6
444名無しさん@ピンキー:03/09/25 09:41 ID:5oBl5tiS
乙。今日の夜に読ませて戴きます
445???:03/09/26 00:07 ID:Sycy159r
シチュ的には好いですが、豪鬼とべガのムサイ顔が浮かんできて萎えます。
446名無しさん@ピンキー:03/09/26 01:29 ID:q4gw51RD
ムサイ顔をも見事なヌキ技で穏やかに変えてしまうローズタン(;´Д`)ハァハァ
447名無しさん@ピンキー:03/09/26 23:14 ID:leOGFH2B
下僕を増やしても変わらず気高いローズ様に栄光あれ。
448名無しさん@ピンキー:03/09/28 13:24 ID:N46e0RaK
449名無しさん@ピンキー:03/09/28 19:45 ID:6sjxU42P
アテナで昇天
4501:03/10/01 01:05 ID:xEe/laWn
>>424さん
素晴らしい作品、ありがとうございました。

最近、女にくすぐられて男が狂ってしまう、というシチュに萌えています。
力が強い男が、力の弱い女にくすぐられ、力を発揮できずに狂う、といった感じです。
451名無しさん@ピンキー:03/10/01 18:14 ID:xtfKig4S
age
452名無しさん@ピンキー:03/10/02 12:43 ID:f0Szu/4w
453名無しさん@ピンキー:03/10/04 01:33 ID:M0clG/h/
ところで1よお前の作品はどうなったんだ?
454名無しさん@ピンキー:03/10/05 10:14 ID:mQ7RAnyx
一口に女が男を倒すと言っても、皆どこら辺の舞台設定を求めているんだろうな?
格闘物、ファンタジー系、ヒーロー物、現代劇、学園物、はたまた時代劇か……。
455名無しさん@ピンキー:03/10/05 13:57 ID:YRr5yAvj
格闘と学園を絡めたジャスティス学園ってどうよ?
4561 ◆0uXqFOC2zc :03/10/05 21:59 ID:1C/Y0yHh
>>453
固定を使うことにしました。

脳内では完成しているのですが、文にしていません。
想像して楽しんでいるだけです。申し訳ありません。
457名無しさん@ピンキー:03/10/05 23:43 ID:CnCMXXdX
少しだけでいいから教えてYO
458名無しさん@ピンキー:03/10/06 17:47 ID:uQ/DEzOq
ヒーロー物、学園物、格闘物、全部イイ!!
459名無しさん@ピンキー:03/10/07 09:07 ID:455ybKcw
age
460名無しさん@ピンキー:03/10/07 23:03 ID:thjl9asS
ほしゅ
461名無しさん@ピンキー:03/10/08 18:10 ID:fJQ40bL2
紫ナコルルはどう?
462名無しさん@ピンキー:03/10/08 22:32 ID:BiDt+MhT
動きはいいが、ちと乳が足らん。
むしろアイヴィーの方が・・・
463名無しさん@ピンキー:03/10/11 17:04 ID:SW3JiPny
ミステリアスでクールで絶世の美女で正義の味方のローズ様に萌え。
464名無しさん@ピンキー:03/10/11 17:58 ID:Z14mNGoA
下がりすぎ
神降臨期待age
465名無しさん@ピンキー:03/10/11 23:48 ID:a30LOS4p
強くてプライドの高い、男尊女卑の考えを持つ男が女子に負ける
466名無しさん@ピンキー:03/10/12 01:26 ID:PrS1lhq6
時期的にそろそろ424氏の作品が投下されるころかな
467名無しさん@ピンキー:03/10/12 10:09 ID:8zmPRJgk
811氏はもう来てくれないのかなあ
468名無しさん@ピンキー:03/10/15 23:29 ID:a/sGazkI
ttp://www.42ch.net/UploaderAnime/source/1066227142.jpg

規制につき携帯から失礼。
支援になればと思い、ヘタレながら絵を描いてみますた。
よろしければドゾー
469名無しさん@ピンキー:03/10/16 12:33 ID:rHVtXWqV
上のパワーメーターがいいですね
470名無しさん@ピンキー:03/10/16 13:02 ID:2PRfsbJy
健全なプロレス漫画のワンシーンに見える。
471名無しさん@ピンキー:03/10/17 08:30 ID:FEMTZp1q
GIRLが勝利して
472名無しさん@ピンキー:03/10/17 17:11 ID:Tu1++6Tt
girl beats boyに飢えてます
473名無しさん@ピンキー:03/10/18 14:18 ID:F+oRaygP
kakiko
474名無しさん@ピンキー:03/10/18 14:39 ID:szbWWZUM
生まれて一度も女性に敗北喫したことがない男尊女卑衆5人と
最強の男勝り女性陣5人がそれぞれ戦う。


…というネタをバキを見ながら妄想してた今日この頃。
475名無しさん@ピンキー:03/10/19 11:33 ID:za7qnO4b
その妄想を文章化してくれ。お願い
476名無しさん@ピンキー:03/10/20 09:12 ID:5hf4DNlo
age
477名無しさん@ピンキー:03/10/20 17:02 ID:WiacMQUf
K−1チャンピオンがラウンドガールに・・・
478名無しさん@ピンキー:03/10/21 13:22 ID:4uVeCRMp
come on
479名無しさん@ピンキー:03/10/21 14:22 ID:jR7aLhjv
424はまだかもしや見捨てられた?
見ているならたまには顔を出してくだされ
480名無しさん@ピンキー:03/10/22 16:20 ID:TdCGFOb4
「あ・・・・そこは駄目だ・・・」
「どうして?感じているんだろう。こんなに堅く立ち上がっている」
「でも痛い・・・」
「わかった。優しくするから」
ttp://www1.ttcn.ne.jp/~gensou-teien/page035.html
481名無しさん@ピンキー:03/10/24 19:36 ID:q5uEf0/0
ハンター×ハンターの猫娘は強すぎ
482名無しさん@ピンキー:03/10/25 19:48 ID:kKSIaDVG
女の子に
483名無しさん@ピンキー:03/10/26 14:03 ID:K9YKNPsN
age
484名無しさん@ピンキー:03/10/28 12:24 ID:QVgffj+n
ss
485名無しさん@ピンキー:03/11/01 11:23 ID:iQeR91OD
Rミカ対ザンギエフ、さくら対りゅう希望
486名無しさん@ピンキー:03/11/02 09:45 ID:ez/iT5UC
age
487名無しさん@ピンキー:03/11/02 15:05 ID:fU+uSJJs
それプッチンプリンのおっさんやがな
488名無しさん@ピンキー:03/11/03 09:12 ID:rKFJmJhm
誰か何かネタない?
489名無しさん@ピンキー:03/11/03 11:46 ID:aPYmFNj7
aaaaagggee
490名無しさん@ピンキー:03/11/03 16:21 ID:XgREXU0a
SS書いてーーーーーーーーーーーーーーーーー
491名無しさん@ピンキー:03/11/06 20:48 ID:2QEb67XU
オリジナルでよければ、SS書こうか?
492名無しさん@ピンキー:03/11/06 23:01 ID:rdnr6oxw
おお、新たな職人さまが!
ぜひお願いします
493名無しさん@ピンキー:03/11/07 22:03 ID:Xw49vaPD
神候補キタキタキタキタ
494名無しさん@ピンキー:03/11/08 02:25 ID:CVqG9sGE
上に要望のあった、さくら対リュウを書いたよ
えらく長くなりそうだから、とりあえず途中まで
ただし、エロ度少な目
495名無しさん@ピンキー:03/11/08 02:29 ID:CVqG9sGE
「リュウさんですよね? 突然ですが、手合わせお願いします。」
いつものように山奥で修業をしていたリュウの元に、一人の少女が訪れた
やや短めのスカートにセーラー服。どう見てもこの場に不釣り合いの格好だ
「無理だ。危険すぎる。」
少女の頼みを無視し、再び修業を始めるリュウ
両手に気の力を込め、一気に放出する。彼の得意技だ
「波動拳!」
気は実体化し、数メートル先の木を薙ぎ倒した
「これで分かっただろう」
「こういう事ができれば良いんですね?」
諫めるリュウをよそに、先ほどの彼の動作を真似る少女
「波動拳!」
少女の放った気が、先ほど彼が薙ぎ倒したものよりもさらに大きな木を薙ぎ倒した
「君、名前は?」
「さくら。春日野さくらです。」
リュウの問いに、満身の笑みを浮かべて答えるさくら
「分かった、さくら君。あくまで一人の格闘家として君との勝負を引き受ける。いいね?」
「はい、ありがとうございます!」
笑顔をそのままに、凛々しく構えを取るさくら
こうして、リュウとさくらの対決は始まりを迎えた

先陣を切ったのは、リュウの方だった
重く力強いパンチを、さくらの腹めがけて打ち込んだ
が、さくらはそれを余裕でかわし、逆にカウンターをリュウの脇腹に放つ
「っぐ!」
思わずリュウが呻く。その表情は、驚きに満ちていた
そのスピード、その反射神経、そのパワー。全てが予想以上だった
「油断していると、負けちゃいますよ」
その言葉に全く偽りはなかった。この闘いで油断をするということは、即ち負けを意味する
「完全に本気でいかねばならないようだな」
リュウの瞳に、久々に格闘家としての闘志の炎が燃え上がった
496名無しさん@ピンキー:03/11/08 02:31 ID:CVqG9sGE
再びリュウが攻撃を仕掛けた
今度の攻撃は、先程の様に単発では無い。パンチ、キックを織り交ぜ、一発をガードしても
またすぐに次の攻撃が来る。攻撃と攻撃の間隔が短く、カウンターは狙えない。
それでいて、一撃で相手をダウンに追い込むほどの威力、まさしくリュウの本気だった
が、さくらはそれをガードで対応。攻撃がパンチからキックに切り替わるほんの一瞬の隙を突いて
カウンターのローキックを見舞う
その動きをリュウは読み、敢えて相打ち覚悟でミドルキックを放つ
キックの軌道の先はさくらの頭部。多少のダメージは食らうが、命中すれば勝利はリュウに転がり込む打算だ
が、さくらのキックは驚異的な速度だった。女性特有のしなやかなバネを利用したキックは、
重く遅い男のキックのスピードを遥かに超え、一方的に攻撃を命中させることに成功した
しかし、そんなさくらでも予想できないアクシデントが発生した。さくらのキックが、リュウの股間に命中したのだ
「ぐぁぁぁぁ!!」
恥も外聞も無く、股間を押さえて悶絶するリュウ。その有様を見て、慌てるさくら
「あちゃ〜。やっちゃった〜」
497名無しさん@ピンキー:03/11/08 02:32 ID:CVqG9sGE
見るに見かねて、リュウの背中をさすって介抱するさくら
「大丈夫ですか、リュウさん? 痛くないですか?」
返事も出来ないほどの激痛に耐えているリュウは、ただ呻くばかり
その様子を気の毒そうに見守り、介抱を続けるさくら
「それにしても、男の人って不便ですよね。こんな攻撃されやすい場所に、とっておきの急所があるなんて」
「・・・・・」
「もし急所攻撃有りの勝負だったら、男の人じゃ、絶対に女の人に勝てませんよね」
「・・・・・・・・」
「あ、もちろん今のは反則ということでノーカウントです。回復したら、また再開して良いですよね?」
その時、リュウの背中にあったさくらの手がゆっくりと下がり、やがてリュウの股間に届いた
先程まで大の男を圧倒する闘いをしていた者の手とは思えない、女性らしい柔らかな手の感触に
股間を包まれ、リュウは抵抗空しく勃起した
「ぐぁぁ・・・」
その勃起が、さらに股間の痛みを倍増させていることにさくらは気付かない。本人は介抱のつもりなのだが・・・
「あ、ごめんなさい。強かったですか」
「い、いや。大丈夫だ・・・」
男の情けなさを痛感しつつ、リュウは押し黙る
こうしてリュウとさくらの対決は、一時の小休止を挟むこととなった

(続く・・・?
498名無しさん@ピンキー:03/11/08 18:23 ID:pWfV7zF3
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
いい感じですよー、特に
>「もし急所攻撃有りの勝負だったら、男の人じゃ、絶対に女の人に勝てませんよね」
こういうことをサラリと言ってしまうさくら萌え。続きも期待してます(・∀・)
499名無しさん@ピンキー:03/11/08 18:39 ID:P4DIxY9Y
リュウはさくらにとって憧れの存在であり
あこがれのリュウ彼の背中を追って、日々ストリートファイトに奮闘していた


500名無しさん@ピンキー:03/11/08 19:19 ID:OLQTW6P9
今日のセーラームーンでスポーツで女子に負ける男子というシーンがあったらしいね
501名無しさん@ピンキー:03/11/08 19:20 ID:OLQTW6P9
素晴らしい作品です。制服の少女に負けてしまうなんて相当な屈辱でしょうね
502名無しさん@ピンキー:03/11/08 20:41 ID:xXuljgQ4
SS乙彼。
503名無しさん@ピンキー:03/11/08 21:43 ID:ZzHKgYgJ
金蹴り食らってうずくまってる時に攻撃すれば楽に勝てるのに
わざわざ回復するまで待ってあげる余裕のさくら。屈辱的だな
504名無しさん@ピンキー:03/11/09 09:51 ID:gw6b5HS+
続く?ってどういうことですか お願いだから続けてください
505名無しさん@ピンキー:03/11/09 13:55 ID:v/m9kUO7
乙です続き期待してます
506494:03/11/09 19:03 ID:PQf7O7yz
「もう大丈夫なんですか?」
「あぁ。もう何ともない」
心配そうに尋ねるさくらに、リュウは答えた
股間の激痛という地獄を体験したリュウだが、さくらの助けもあり何とか回復した
「じゃ、第2R開始ですね」
「望むところだ!」
先程のまったりムードとはうって変わり、厳かに構えと間合いを取る両者
こうして、リュウ対さくらの勝負は再開された
507494:03/11/09 19:05 ID:PQf7O7yz
(あのスピードは驚異だ。下手に近づけば危ない)
遺憾ながらさくらのスピードが自分のを超えていることを認めたリュウは、作戦を変更することにした
自身のリーチの長さを利用し、ヒットアンドアウェイで相手の体力を削るのだ
「そんな攻撃、当たりませんよ」
が、リュウの攻撃は簡単にさくらに避けられた。何度も何度も
業を煮やし、踏み込んで攻撃を当てようとすると
「隙あり!」
「ぐぁ!」
鋭いさくらのローキックが、リュウの足に命中する
さらに体勢を崩したリュウの顔面に、さくらのパンチが炸裂した
「ぁあぁ・・・」
亀の様なガチガチなガードで身を固めつつも足元のふらつくリュウにとどめを刺すべく
尚もさくらはローキックを見舞おうとするが・・・
ガクンッ
あまりに強烈なさくらの攻撃に耐えられなくなったリュウが、片膝を落としてうなだれた
そしてさくらのキックの先は、またしてもリュウの股間に・・・
(ダメッ!)
ギリギリの位置でキックを寸止めにし、リュウとの間合いを空けるさくら
急所攻撃による勝利は、さくらの格闘家精神に反する
それをやれば、どんな女性でも男性に勝ててしまう。そんなものは勝負として認められない
「リュウさんも男の人なんだから、こういう所は女のあたしが手加減してあげないとね」
激しい格闘で制服のスカートに付いた土埃を払いながら、さくらはつぶやく
「これだから男の人ってやりにくいんですよね。女の人相手なら、全力で勝負できるのに」
以前、豪鬼とか名乗る男を急所攻撃一発で再起不能にしてしまった過去を持つさくらがそうつぶやいた
「大丈夫ですか、リュウさん。まだ立てますか?」
508494:03/11/09 19:07 ID:PQf7O7yz
一方、リュウのダメージは深刻だった
肉体はもちろん、精神へのダメージ。リュウの格闘家としての、そして男としてのプライドはズタズタに引き裂かれた
(相手は女の子なんだぞ! それも年下の!)
まだこの勝負で自分が一撃たりとも相手に攻撃を与えていない事実に気付き、リュウは愕然とした
(このままでは終わらせない!)
怒りにも似た闘志を燃やしながら、リュウは再び立ち上がった
「あ、リュウさん。まだ・・・」
「真空波動拳!!」
リュウの体を気遣うさくら目がけて、リュウはとっておきの必殺技を見舞った
それは完全な不意打ちだったが、今のリュウにそれを躊躇する余裕は全く無かった
試合開始直前に放った波動拳とは比較にならないぐらい巨大な気の固まりが、さくらを襲った
ゴォォォォ!
「やったか・・・?」
「・・・っくも」
リュウは上空からさくらの声が聞こえるのを聞いた。上を見上げた瞬間
「やったなぁ」
リュウの視界に、スカートの中の白いショーツが目に入った
パアァァン
「ぐぉぉぉ」
空中からさくらの跳び蹴りをまともに食らい、リュウはそのまま大の字に倒れた
先程の真空波動拳を間一髪特大ジャンプで避け、そのままキックをお見舞いしたさくらだった
そして倒れたリュウの首を押さえつけるように、そのまま太股で絞めつけた
「くっ・・・ いき・・・ で・・・ ない・・・」
509494:03/11/09 19:08 ID:PQf7O7yz
女性の太股が絞めつける力は、男性のそれよりはるかに強い
かつて経験した事のない苦しみを覚え、リュウは狼狽した
「さっきの不意打ちのお返しです」
澄ました顔でそう答えたさくらは、さらに絞めつけの力を強めた
そしてリュウの抵抗が弱まったのを確認して、さくらは自分の背中に位置するリュウの道着から帯を解き
太股を首で絞めた状態のまま、手探りで股間部分に指を忍ばせた
「・・・・っ!」
声にならない声でリュウが抵抗するのを無視し、さくらはリュウのペニスを掴んだ
「気絶するか射精したら、リュウさんの負けで良いですね?」
悪戯っぽい笑顔で問いかけながら、さくらは首の絞めつけを少しだけ弱めた。代わりに、ペニスへの刺激を強めた
「うぐっ・・・ やめ・・・ ろ・・・」
虚ろな目つきでさくらに懇願するリュウ。だが、さくらは止めなかった
「不意打ちなんて格闘家にあるまじき行為をしたお仕置きです。ちゃんと受け・・・ きゃっ!」
ペニスを掴んでいた手に違和感を感じ、さくらは思わず手を引っ込めた
そして手に付いた精液を見て、さくらはようやく状況を悟った
「リュウさん早すぎます! まだ30秒も経ってないじゃないですか!」
が、苦しみと快感の狭間にいるリュウの耳には、その抗議の声は聞こえなかった
「分かりました、リュウさん。しばらく寝ていて下さい」
再び首の絞め付けを強めたさくらに抵抗できず
リュウの意識が途切れたのはそのすぐ後であった
510494:03/11/09 19:14 ID:PQf7O7yz
意外に反応があったので、調子に乗って続き書いてみました
例によってエロ度少な目(後半ちょっとだけ)
もしかして、これの続編がエロパートになるかも知れないけど
正直エロは苦手なので、何事も無かったかのように違う作品書くかも

とりあえずリクは受け付けますが、ヘタレなのであまり期待しないように
511名無しさん@ピンキー:03/11/09 19:40 ID:Lz9Y73EC
good job!!
512名無しさん@ピンキー:03/11/10 08:59 ID:Q2epGCy3
リクエスト受け付けてくれるんですか?
513名無しさん@ピンキー:03/11/10 15:19 ID:ocBIorb+
リクエスト・・・。
女性が異常に強いファイアーエムブレムで何か書いて頂ければと思ってみるテスト。
514名無しさん@ピンキー:03/11/10 16:55 ID:B+wf/8vj
さくらは手加減してるのにりゅうは本気・・しかも卑怯な手を使っても
年下の女の子に勝てない
515マンソン:03/11/10 23:16 ID:XDZ5EqVZ
誰かエロリッチの逆襲、サキュバスの巣、妖女回廊を超えるサイト知りません?
516名無しさん@ピンキー:03/11/11 04:40 ID:8rhGWRAv
大男を小さい娘が倒すのが見たい。
身長比2:1位の。
517名無しさん@ピンキー:03/11/11 13:51 ID:GTvRvVaS
エロパート少なくても全然OKです
リュウを倒した後のさくらの言葉、さくらにまさかの敗北をしたリュウの言葉が聞きたい
518名無しさん@ピンキー:03/11/12 11:47 ID:nD3pXIEP
494さん、これからも調子に乗って書きつづけてください

新体操の選手やレオタードの女の子軍団が、鍛えられた脚力を武器に
ハイキックや技で、強い男たちをズタズタにするみたいな小説はないですかねえ。

519名無しさん@ピンキー:03/11/12 23:16 ID:viOdq4rI
>>517
きゅうしょげり を やぶらぬかぎり おまえに かちめはない!
520名無しさん@ピンキー:03/11/13 11:32 ID:RR5LRhCk
SS乙彼
521名無しさん@ピンキー:03/11/14 09:21 ID:ipELiQV+
格闘家最強を目指していたはずが女子高生に負けてしまったリュウ
522名無しさん@ピンキー:03/11/14 17:12 ID:ZN5VlASA
職人さんが来るとレスも結構付くね
523名無しさん@ピンキー:03/11/14 19:15 ID:02ZS+ruc
リクエスト
レスリングの合宿で男子オリンピックメダル候補が
階級が下の女子に10ポイント奪われ完敗してしまう
524名無しさん@ピンキー:03/11/14 20:23 ID:Nr8/nN6w
アテナとかユリとか
525名無しさん@ピンキー:03/11/15 13:36 ID:doZUBho7
むしろ格闘技の経験のない女の子のほうがいい
526名無しさん@ピンキー:03/11/15 14:31 ID:v3jRz9k0
>>525新体操やバレエなど柔軟性を持った女子に自分の強さに自信を持っている男が負けるSS希望
527名無しさん@ピンキー:03/11/15 14:41 ID:L/UYktVJ
このスレ的には、エアマスターはどうなの?

血筋は間違いなく格闘系だけど、ストリートファイトはじめたばっかの
女子高生(シロウト)に、大の男がばんばん負けてる。
528名無しさん@ピンキー:03/11/15 19:55 ID:tSBtHV02
折笠麗子とか?
529名無しさん@ピンキー:03/11/16 01:17 ID:9rYNTqfF
絵が・・・なあ。
530名無しさん@ピンキー:03/11/16 01:43 ID:/azb/Bue
美人で実は強いというキャラがこのスレでは受けそうだと思われ
5311:03/11/16 10:21 ID:lUww1MMc
すいません。今まで書き込み規制でした。
>>494=神様
最高の作品でした。十分すぎるほどエロいです。
やはり格闘で、太腿で相手を窒息させるのは最高ですね。
532名無しさん@ピンキー:03/11/16 14:29 ID:vlVgm4/7
>>531
狂おしく同意
533494:03/11/16 15:00 ID:IMLzzMQs
「こ、ここは・・・?」
「気が付きましたか、リュウさん」
裸で寝かされているリュウ、その体は傷だらけであったが、すでに手当されているようだった
そしてそれをリュウの真横で体操座りの格好で見守るさくら
まだ朦朧とする意識の中、リュウはここが自分の寝泊まりするテントの中で
目の前にいるのが、先程の闘いで自分を打ち負かした少女だという事を思い出した
「一体何のつもりだ!」
「裸でそんなに凄んでも、怖くありませんよ」
逆ギレするリュウを余裕の笑顔でなだめるさくら
「・・・っぐ。おのれっ」
「ほらほら。ケガ人なんですから、寝てないと」
怒りに任せて起きあがろうとするリュウを、さくらは人差し指一本で押し返した
情けなくさくらの指一本に屈したリュウは、気まずさからしばし黙りこけた
「・・・。なぜ俺は裸なんだ?」
「そうですよね。リュウさんだけ裸じゃ不公平ですよね」
リュウの問いに納得したのか、突然制服のリボンを外すさくら
「な・・・ 何をしている」
「やだ。リュウさんって、ホントに鈍いんですね」
さくらが制服を脱いで下着姿になった時、ようやくリュウは自分の身に降りかかる災厄を予感した
「や・・・ やめろ」
恐怖さながら逃げだそうとするリュウを、さくらは両腕を押さえつけて押し倒した
「ふふっ。リュウさんってカワイイ」
(ば、馬鹿な・・・!)
ケガをしているとはいえ、相手は高校生の女の子。自分が本気を出して振りほどけない相手では無いはず
(女がこんなに強いとは)
自分を打ち負かした女を見上げながら、リュウは己の無力さを痛感した
534494:03/11/16 15:00 ID:IMLzzMQs
「本当は、こんな事するつもりじゃなかったんです」
マウントポジションの体勢でリュウの動きを完全に封じたさくらが、急に口調を変え語り出した
「今日はリュウさんと全力で勝負して、リュウさんに勝って一流の格闘家として認めてもらって、
それから一人の女としても認めてもらって、私の初めてを捧げるつもりでした」
「・・・。」
「でも、リュウさんったら全然弱くてその上卑怯者で、すごくがっかりしました。正直に言っちゃいますけど
今のリュウさんにだったら、友達のヨウコちゃんでも勝てちゃいます。まだ入門して半年の女の子ですけど
今のリュウさんよりはずっと強いです」
「だ、黙れ!! それ以上言うと・・・」
屈辱の言葉を浴びせ続けたさくらに対し我慢の限界が来たのか、リュウは我を忘れて力を振り絞るが
さくらは冷静にそれを片腕で押さえつけ、さらにもう片腕の方の指をリュウの股間に絡ませた
「・・・っな?」
予想外の反撃に戸惑うリュウに、さくらは尚も語り続けた
「それ以上言うと・・・ 続きは何ですか」
リュウから全身の力が抜け、顔に快感の表情が浮かび上がるのを見届けたさくらは、さらに指の動きを強めた
「本当にヨリコ先輩の言った通り。男の人って、本当にここが弱いんですね」
「っぐ・・・」
「今日の勝負だって、ずっとここを膨らませてたんじゃないですか?」
「な・・・ どうして」
「前にこんな邪魔なものぶら下げてたんじゃ、どんなか弱い女の子にも勝てませんよ」
「や・・・ め・・・ っ・・・ ろ・・・」
リュウが射精寸前だと悟ったさくらは、その寸前で指の動きを止めた
「はい。リュウさんのお言葉通りやめましたけど」
悪戯っぽく言い放つさくら。瞬間、リュウの顔に絶望の表情が浮かび上がった
(あぁ・・・ したい。ヤリたい、ヤリたい、ヤリタイヤリタイヤリタイヤリタイ・・・)
プライドも何もかも投げ捨てて、リュウはその手をさくらのショーツにのばす。さくらは敢えて抵抗をせず
ショーツがリュウの手によって下ろされた
535494:03/11/16 15:01 ID:IMLzzMQs
「どうですか、綺麗でしょ」
「はぁ・・・ はぁ・・・」
薄いピンク色の割れ目を覆うように僅かに生えた陰毛。今のリュウには、その視覚だけで射精できる程だった
「ヨリコ先輩のアドバイスでわざわざ剃ってきたんですよ。あとゴムとかも用意して、下着だってこれ勝負下着
なんですから。それに昨日は美容院にも行って、今日はお風呂に2回も入って、あと男の人が好きそうな香水
とかも付けてきて、リップも塗ってきたし、歯だって一生懸命磨いてきたし、お化粧もしてきたし、
これでもリュウさんに気に入られる為に色々気を使ったんですから」
だが、そんなさくらの言葉も届かず、リュウの視線はさくらのアソコに釘付けになったままだった
「でも、全部無駄になっちゃいました。今のリュウさんに、あたしの初めてを捧げる価値はありません・・・」
声のトーンを落とし、寂しそうにつぶやくさくら
「だから、もうこれでおしまいです」
ずり下げられたショーツを元に戻し、すっと立ち上がるさくら
再び絶望の表情を浮かべたリュウの尻目に・・・
「じゃ、そろそろお別れですね」
足先を背中後ろの位置まで大きく振り上げ、その反動をフルに利用し特大の蹴りをリュウの股間にねじ込んだ
「ぐぅぁぁぁああああああああ!!!」
絶叫をあげ、のたうち回り、悶絶するリュウを無視し、さくらは制服に着替えた
「着替えるから見ないで下さ・・・ って、そんな余裕無いみたいですね」
この世の最後のような苦しみを味わっているリュウを見て、さくらは自分が女に生まれた幸運に感謝した
「さようならリュウさん。もう会うことは無いでしょう」
荷物をまとめ、最後に一瞥した後、さくらはテントを立ち去った
「ぐ・・・ ぐぁ・・・」
その瞬間、リュウの股間からピンク色の精液が飛び散ったが、さくらがそれを見ることはついに無かった

こうして、リュウの格闘家生命、そして男としての生命は終わりを告げたのであった
536494:03/11/16 15:10 ID:IMLzzMQs
生まれて初めて、エロシーンなるものを書いてみました

む、難しい・・・ 何度読み返してもあまりエロくない気もしますが、気にしない
あと、微妙にさくらが怖いです。さくらファンの人、どうか見なかった事にしておいて下さい

リクエストについてですが、ファイアーエムブレムに関してはキャラ死にまくりで途中放り投げた経験あり
の為、リク不可とさせて頂きます。ご了承下さい(この辺がヘタレ)
次は、適当にオリジナルの新体操モノでも書いてみようかと                イツニナルカハワカラナイケドネ
537名無しさん@ピンキー:03/11/16 16:44 ID:kldr/MUl
good job
さくら対りゅう編は終わりだと思っていたので得した気分です
538名無しさん@ピンキー:03/11/16 19:59 ID:PiBA5jTM
DOAの鬼畜あやね×レオンとかガドウきぼんぬ

・・・っと言ってみる
5391:03/11/16 20:32 ID:LybJavIf
>>494=神様
お疲れ様でした。次回作にも期待しております。
私も早く舞vsテリーものを完成させたいです。
540名無しさん@ピンキー:03/11/18 14:07 ID:r9i6NeNt
「や・・・ やめろ」
恐怖さながら逃げだそうとするリュウを、さくらは両腕を押さえつけて押し倒した
「ふふっ。リュウさんってカワイイ」
(ば、馬鹿な・・・!)
ケガをしているとはいえ、相手は高校生の女の子。自分が本気を出して振りほどけない相手では無いはず
(女がこんなに強いとは)
自分を打ち負かした女を見上げながら、リュウは己の無力さを痛感した

ここが大好きです
力でも女に負け、女子の強さを実感させられる。最高ですね
新体操物イツマデモマッテマス

541名無しさん@ピンキー:03/11/18 14:13 ID:TTN0g5t5
http://movie99.e-city.tv/

やっぱりインターネット!
モロ動画見たい放題!

http://movie99.e-city.tv/
542名無しさん@ピンキー:03/11/20 12:10 ID:H20KGHRA
エロ描写があると格闘で女に負けた事実が鮮明になるね
543名無しさん@ピンキー:03/11/21 09:24 ID:Tv0W3lTf
>>494さんthanx素晴らしい作品ありがとう、1さんの作品も楽しみです
544名無しさん@ピンキー:03/11/21 16:39 ID:ELt7w+WQ
チアリーダーに負けて犯されたい
5451:03/11/21 18:42 ID:LKFSOPe3
「あぁ、めんどくさいな〜」
欠伸をしながら舞はつぶやいた。

ここはKOF個人大会の対戦会場。
まさに今、テリーボガードと不知火舞の対戦が始まろうとしていた。
目の前の対戦相手を観察するテリー。

テリー「日本の忍者か。予選を勝ち抜いてくるってことは
相当な使い手なのだろうがどうしてもそうは思えないな。」

それもそのはず、艶やかな黒髪に細く引き締まるウェスト。
エロティックなくびれのラインに適度に肉のついた太ももと尻。
格闘かと呼ぶにはあまりにも女の身体。

舞「あら、どうしたの?」
546名無しさん@ピンキー:03/11/22 13:09 ID:35NhYRnt
キタ−−−−−−−−−−−−−!!
547名無しさん@ピンキー:03/11/22 17:53 ID:6CQQtn9o
続き期待age
548名無しさん@ピンキー:03/11/22 19:49 ID:fyVxLiUS
舞対テリー
549名無しさん@ピンキー:03/11/22 20:13 ID:fyVxLiUS
フェイスシッティング希望
5501:03/11/23 14:43 ID:fOszCwdx
緊張感のない笑顔で不意に話し掛ける舞。
ハッとするテリー。
(そうだ。俺は何を気を抜いているんだ。
親父の仇をとる為にも必ず、この大会で優勝しなければならないんだ。)
絶対に負けるわけにはいけない。改めて気を引き締めるテリー。

テリー「悪いが女子供だからって手加減はしないぜ。」
舞「ふふ。それはこっちのセリフよ。くの一の戦い、とくと見せてあげるわ!」

ファイト!
5511:03/11/23 14:50 ID:fOszCwdx
二人が同時に仕掛け、一瞬のうちに距離が縮まる。
力任せのパンチを浴びせるテリー。舞はそれを2本の腕でガードする。
しかし、そのまま身体が後方に吹っ飛んでしまう。ザザー。

舞「驚いたわ。すごい力ね。」
ガードの上からの衝撃を受けて出た鼻血を拭いながら、なおも微笑んでみせる舞。
テリー「手加減はしないと言ったはずだぜ。ギブアップしたらどうだ?」
舞「冗談でしょ?」
舞が仕掛ける。今度はさっきよりも断然に速い!!
直線に向かってくる舞を、今度は速さを重視したジャブで迎え撃つテリー。
しかしそれを紙一重で見切り、かわしてみせる舞。
テリー「ぐっ!」
次の瞬間、舞のミドルキックがテリーのボディをとらえた。
すかさず距離をとるテリー。
(大丈夫だ。予想以上に速いが、やはりパワーは並。)
5521:03/11/23 15:02 ID:fOszCwdx
舞「さぁ! どんどんいくわよ!」
舞が距離を縮めてくる。速い!
(あの速さは厄介だ。まずは距離を空ける!)
ガードの姿勢から突然、パンチを繰り出すテリー。
テリー「バーンナックル!」
オーラを纏った超高速の拳が舞を襲う。
しかし、不意をつかれた舞だが、それを難なくかわしてみせる。
そして相手のガードごと吹っ飛ばそうと考えていたテリーが逆に不意をつかれてしまった。
舞「とうっ!」
体勢を崩したテリーのボディに、再び舞のミドルキックが直撃する。
テリー「ぐふっ」
さらに肘打ちをボディに食らわせる舞。
舞「たぁっ!」
テリー「ぐふっ! ちぃ!」
大振りのフックを繰り出すテリー。それを難なく避ける舞。
今度はパンチにキックなども交え、素早いコンビネーションで
攻めるがそのどれもがかわされてしまう。
舞「ほらっ! どうしたの?」
隙をみて、舞の強烈な肘打ちがボディを直撃する。
テリー「ぐふっ!」
5531:03/11/23 15:17 ID:fOszCwdx
テリーの3メートルほど前まで離れ、次の攻撃を待つ舞。

テリー「がはぁ。…はっ!」
しかし突然、テリーの身体が動かなくなる。
舞「ふふ。苦しいでしょう?一番、負担のかかる場所を何回も叩いたからね。」
やられた。同じ場所を叩かれていたのか。一撃一撃の威力がないため、気付かなかった。
後から津波のように襲ってきた、恐らく肝臓へのダメージに息もままならなくなるテリー。
テリー「かはっ!はっ。」
バシッ!
中腰で腹を抑えるテリーの顔を扇子ではたく舞。
舞「顔のガードががら空きよ。そんなにボディへの攻撃が怖くて?うふふ。」
テリー「くっ!冗談がきついぜ!」

力を振り絞り、再びコンビネーションを繰り出すが、全てかわされてしまう。
舞「あら。動きが遅くなってるわよ?」
身体が言うことをきかない。先程より動きが遅くなっているのは明らかだ。
バシッ!
再び、扇子で顔をはたく舞。
舞「そんな動きじゃくの一の動きはとらえられなくてよ。」
5541:03/11/23 15:25 ID:fOszCwdx
テリー「はぁっ!くぅ!」
バシッ!
扇子でテリーの顔をはたく舞。
パンチをかわされては扇子で顔をはたかれ、
キックをかわされては扇子で顔をはたかれるテリー。
バシッ!
テリー「くっ!」
バシッ!
蚊ほどの威力もない扇子の連続攻撃だが、思わず動きが止まるテリー。
テリー「がふっ!」
その瞬間、強烈なミドルキックがテリーのボディを直撃する。
再び同じ場所だ。気合で誤魔化していたダメージが一気に現実となる。
テリー「が…ぁ。」
完全に動きが止まるテリー。
バシッ!扇子で顔をはたく舞。
舞「おほほ。ほら。どうしたの?」
バシッ!
足がふらつき、情けない内股を作ってしまう。
舞「あら。本当にもう終わりなの?まだ忍術も使ってなくてよ?」
(く、苦しい。身体が動かない。まずい。)
5551:03/11/23 15:34 ID:fOszCwdx
(本当にこのままでは負けてしまう。)
舞「17歳の女の子に負けるなんて。そんなんじゃ父親の仇なんて討てなくてよ?」
(くっ。ふ。そうだ。こんなところで負けるわけにはいかない。)
拳にオーラをためるテリー。
(一撃。一撃に…かける。)
足を半歩動かす。
バシッ!
その瞬間、また扇子で顔をはたかれるテリー。
(はぁ。かっ。)
駄目だ。少し、抵抗を受けただけで身体が動くのを拒否してしまう。
拳にためたオーラが一瞬のうちに消えてしまう。
舞「あ〜あ。残念ね。暇つぶしに里を抜け出してきたのに、こんなにレベルが低いなんて。
せめてもうちょっと頑張って欲しかったわ。」
テリー「がっ!はっ。」
(駄目だ。やはりどこかで油断していたんだ。特徴は捉えた。来年は必ず…)
5561:03/11/23 15:56 ID:fOszCwdx
舞「そんなにいじめても可哀相だから、そろそろトドメをさしてあげる。
最後にくノ一流の拷問を見せてあげるわ。」
テリー「っ!?」
次の瞬間、高々とジャンプする舞。
そのまま股を広げ、テリーの顔を挟み込む。
そのまま仰向けに倒れこんでしまうテリー。
太腿で顔を挟まれ、口と鼻の部分は布を挟み、秘所の部分に圧迫される。
テリー「うぐっ!く!」
息が…できない! 苦しい。
舞「どう?私の太腿の感触は?まさに極楽でしょう?復讐の機会を与えないためにね。
今まで何人もの忍を狂わせてきたのよ?うふふふ。」
テリー(は、はぁ〜〜)
確かに、今までに味わったことのない肉の柔らかさが顔を挟み込み、
さらにこのフェロモンたっぷりの香りが脳を刺激する。
呼吸の苦しさが重なって、気が狂いそうになってしまう。
テリー「ぐっ!や…め……」
舞を睨みつけるテリー。
5571:03/11/23 16:06 ID:fOszCwdx
舞「うふふ。強がっちゃって。それもそうね。父親の仇をとるんだから。」
テリー(そうだ。こんな…無様な…)
舞「さぁ。使命と快楽。どちらをとるのかしら?
このまま溺れちゃえば楽になれるわよ。うふふふ。」
誘惑の言葉に、精神が揺れる。
次の瞬間、太腿の締め付けをきつくする舞。
(…っ!……)
完全に、息ができなくなるテリー。(がっ…がっ!)
そして再び、締め付けを緩める舞。空気が戻る。
テリー「かっ!はぁっ!……はぁっ!」
必死に空気を吸い込むテリーだが、同時にあの、
脳を刺激する女のフェロモンが大量に入ってきた。
テリー「はぁ。ぁ・・・。」
使命感や屈辱感など、一度に吹き飛ばしてしまう魔性の香り。
グラッと気を失いそうになり、既に半分、白目の状態になってしまうテリー。
(は…あ・・・もう……ぁ……どうで…も…ぁ)
舞「うふふ。限界ね。さぁ、落ちちゃいなさい。」
今度は優しく、太腿の締めを強めていく舞。
くノ一の女肉の中に埋もれながら、これまで支えていたテリーの使命感がついに崩れ去った。
白目で恍惚の表情を作りながら泡を吹くテリー。股間からは激しく精を放っていた。

……

一方、別会場では、ダルそうに、柔道着についた埃をはたくユリの姿があった。
後ろには、ムエタイ姿の鉢巻の男が、情けなく白目を剥き、倒れていた…。

5581:03/11/23 16:09 ID:fOszCwdx
初めて書いてみました。
完全に自分の好みのまま書いたので価値観が合わない人もいるであろうし、
また映像が浮かばないような幼稚な文章になってしまってるかとも
思いますが、どうか容赦してやって下さい。
しかし、こんな方向が好き、と思ってくれた方は是非、感想を下さい。
次は続編でアンディ対キングを書いてみたいと思います。
5591:03/11/23 16:12 ID:fOszCwdx
しつこいですが、もうちょっと太腿の部分を長く書いた方がよかったですね。
この悔しさは次に活かしたいと思います。では!
560名無しさん@ピンキー:03/11/23 17:33 ID:iB9QMEA8
漏れは、5歳の時両親事故であぼ〜ん&漏れ施設送り(w
1年後に遠い親戚の養父母(感謝)が漏れを引き取ってくれたんだけど
家業が今で言うソープ&キャバレーの自営業だった(当時はトルコ風呂)

仕事で忙しい養父母のかわりに漏れを育ててくれたのはソープのお姉さんらだった。

学校から帰るとお姉さんらと一緒に控え室で宿題やったり、お風呂みんなで入ったり。

今考えると贅沢三昧と言うべきか(笑)

お姉さんらはホント優しくて、優しくて。。。
お陰でグレもせずこれまでまっとうにやってこれました。

と、感謝しつつ。。。


コピペだが、これを題材にしたSSキボンヌ
561560:03/11/23 17:34 ID:iB9QMEA8
失礼、やっぱ別の場所で頼んできます
562名無しさん@ピンキー:03/11/23 19:38 ID:hhqxiK80
パワー<スピード=男<女
いくらパワーがあっても当たらなければ全く無意味
563名無しさん@ピンキー:03/11/24 01:13 ID:DO8tLUxF
>>560
こっちのスレ向けのネタだと思われ
ttp://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1044677038/l50
564名無しさん@ピンキー:03/11/24 01:20 ID:A5DHLlSV
ヴァリアブル・ジオのキャラってどうよ?
565名無しさん@ピンキー:03/11/24 04:15 ID:jFeD5jas
1さんのSS最高!舞ちゃんのムッチリ太ももによる悩殺技、たまんないっすね!
アンディ対キング、すごーく楽しみです。小柄なアンディの場合、二人の体格は
そんなに変わらないでしょ。大柄でパワーのあるキングに体力的にも押されて
敗北、トドメは金髪外人特有の肉付きのよさそうな尻で顔騎圧殺希望です。
566名無しさん@ピンキー:03/11/24 08:46 ID:DwFMLJyJ
1さんオツカレ。職人さんが2人居ると良いですね
もうちょっと試合中の言葉責めがほしかったかな
567名無しさん@ピンキー:03/11/24 11:41 ID:Nql6v3oT
たまんねーーー
5681:03/11/24 17:03 ID:r+x5Y7KB
大会初日は大波乱であった。
大方の予想が外れ、共に優勝候補であった テリーボガード、
ジョーヒガシの2人がそれぞれ敗退してしまったのだから。
さらにテリーを打ち負かした舞はというと、「試合がつまらない」
との理由で準決勝出場の権利を棄権してしまった。
主催者側は急遽、代わりに戦える選手を探さなければならず、混乱している状況だ。

一方、明日にはアテナvsリュウ、キングvsアンディの試合が控えていた。
リュウは宿舎近くの森で、最後の調整をしていた。
格闘家として世界一になる。その目標に、もうすぐ辿り着こうとしている。
大木に向かい、正拳突き、上段蹴りなどを丹念に繰り返すリュウ。
(完璧だ。今までで最高のコンディション。明日は実力を十二分に発揮できそうだ。
今大会、最大の強敵と見ていたテリーも、それを破った舞も消えた。後はアンディ対策をするのみだ!)
飛翔拳は波動拳で相殺できる。勝機は残影拳へのカウンターだ。
カウンター攻撃に最適な速さとダメージ、その最良のバランスをリュウはものにしていた。
(いける!)
と、その時である。リュウは後ろに人の気配を感じた。
そこには長髪の少女が立っていた。
少女「こんにちは。」
569名無しさん@ピンキー:03/11/24 17:11 ID:Uw5YNKLa
>>1
テリーvs舞めちゃめちゃ最高!!
これからも楽しみに待ってるからがんがってくだちぃ!!
5701:03/11/24 17:34 ID:r+x5Y7KB
夜の月の灯かりが少女を映し出していた。
サラッとした長髪に、くりっとした大きな瞳。
民族衣装に包まれた細身の身体が印象的な中国系の少女。

少女「あなたがリュウさんですよね? 私はアテナといいます。
明日の、あなたの対戦相手です。」
リュウ「君が?」
(出場選手の応援に来た、一般人とばかり思っていたリュウは
信じられないといった様子で目の前の少女を見る。)
アテナ「ええ。私も明日に備えて調整をしていました。
明日はお互い、悔いの残らない試合をしましょう。」
胸に付けた出場許可証を見せ、あどけない笑顔でそう話すアテナ。
(確かに…とても信じられない。)
5711:03/11/24 17:42 ID:r+x5Y7KB
リュウ「悪いが、とてもそんな気にはなれない。明らかに君は格闘には不向きの身体。
どうやって予選を勝ち抜いてきたのかは知らないが、大会に出場するのは危険。
すぐに出場を取り下げるべきだ。」
意外な対戦相手を知り、リュウは突き放す。
(KOFはスポーツではない。相手を殺すくらいの気持ちで戦いに臨む場だ。
私が本気を出せば、恐らく、この少女を殺してしまう。かといって、戦いの場で一度、手加減なんてすれば
精神的にコンディションが崩れ、アンディ戦に大きな支障をきたしてしまいかねない…。
いや、そんなことはどうでもいい。自分の拳は人を傷付ける為の武器ではないんだ!)
思いもしなかった問題がここでリュウの前に姿を現した。

アテナ「見かけを気にせず、どうぞ、本気で闘ってもらってけっこうですよ。
私も相手に失礼のないほどの実力は付けてきたつもりです。」
相手に見下されながらも、それに不快を感じることもなく、爽やかな笑顔でそう話すアテナ。
リュウ「いや。悪いができない。ここでどうか、出場を取り下げてもらえないだろうか。」
あくまでも相手の安全を気遣うリュウ。
アテナ「申し訳ありませんが、それはできません。
私もあなたと同じく、強い気持ちでこの大会に出場しました。

これでどうでしょうか? ここで少し組み手をしましょう。
必ずあなたと闘える資格があることを証明して見せます。
また、もし自分が未熟だと判断すれば、出場は取り下げたいと思います。
どうかお願いします!」
必死に、頭を深々と下げるアテナ。
真剣な眼差しにリュウの心は揺れる。
リュウ「…分かった。だが危険だと感じたら、すぐに止めるぞ。」
アテナ「はい! ありがとうございます!」

そうだ。相手も強い信念を持ち、臨んだ一人の格闘家。
だが、まだ未完成のはず。今は将来を潰さぬよう、眠ってもらう。

真剣に構える2人を月明かりが照らす。
572名無しさん@ピンキー:03/11/24 18:43 ID:UozqKO6k
アテナとの試合は眼中になく決勝で当たる可能性の高いアンディのことを考えているリュウ
しかし・・・
ああ続きが楽しみだ
5731:03/11/24 23:03 ID:TLDrjsqW
アテナ「いきます!」
リュウ(さぁ、来い! 予選を勝ち抜いてきたその実力、確かめてやる!)
リュウはこんな少女を危険な場に出した予選敗退者達に怒りさえ、覚えていた。
アテナが仕掛ける。真っ直ぐ向かってきたかと思うと突然、バックステップする。
リュウ「!?」
さらにまた真っ直ぐ向かってきたかと思うと左右にステップを繰り返す。
バックステップ、左右の動き、直線のダッシュ、一連の動きがパターンとなり
単純に繰り返され、次第に何人ものアテナが動き回っているような錯覚がしてきた。
リュウ(分身!?不思議な動きだ!)
5人のアテナが徐々に近づいてくる。
そしてそのうちの一人が貫手を繰り出してきた!
リュウ「だが!」
その貫手をガードする気配もなく顔面から受けに行くリュウ。
アテナ「!?」
すると貫手のアテナはリュウをすり抜けてしまう。
リュウ「こっちはダミー。はぁっ!」
残った4人のうちの一人に正拳突を繰り出すリュウ。
アテナ「うっ!」
次の瞬間、分身は全て消え、正拳突きを受けたアテナが4,5メートル後方に吹っ飛んだ。
アテナ「ぐふっ!は。」
膝を地面に付き、お腹を抑えるアテナ。
アテナを見据え、仁王立ちで腕を組むリュウ。
5741:03/11/24 23:05 ID:TLDrjsqW
リュウ「なるほど見事な分身だ。だが俺の目は誤魔化されない。
今ので20%ほどの力。やはり本戦に出場するのは危険だ!」
アテナ「強いですね。ですが私も負けません!」
次の瞬間、アテナの両手が光る。
アテナ「サイコボール!」
両手を合わせて前に突き出したかと思うと、光の玉がリュウを目掛けて飛んできた!
不意をつかれたリュウだが超高速の玉を、左に受け、かわした。
と、次の瞬間、さらに次の玉が飛んできた!
リュウ(れ、連続!?)
第二弾を間一髪でかわす。がさらに次の玉がくる!
リュウ(気を操ることができるのか!?それも相当な使い手だ!)
第3弾をかわし、くる第4弾の玉に対してオーラの塊を放つリュウ。
波動拳だ!
アテナの放った光の玉を突き破る波動拳。
アテナ「!?」
そのままアテナを直撃する!ドゴッ!
アテナ「ぐふっ!」
後方に吹っ飛ぶアテナ。
5751:03/11/24 23:37 ID:TLDrjsqW
リュウ「君の実力は分かった。相当な使い手だ。
君の気ならば並の格闘家じゃ確かに手も足も出ない。
はっきり言って本戦でも十分に通用するレベルだろう。
先程は馬鹿にして悪かった。非礼を詫びよう。
だが正直、相手が悪い。それでも私の敵にはならない。」
アテナ「そのようですね。さすがは今大会の優勝候補です。」
土埃をはたきながら、目の前の相手を尊敬の眼差しで見つめるアテナ。
リュウ「どちらにしろ、ここで出場を辞退した方が良いようだ。」
厳しい表情で言い放つリュウ。
アテナ「でもまだ諦めません。中国の秘術で絶対に貴方の力を封じてみせます!
もう少し、付き合って下さい!」
笑顔が消え、真剣な眼差しでリュウを睨むアテナ。
5761:03/11/24 23:38 ID:TLDrjsqW
リュウ「秘術だと?」
アテナ「はぁ!」
次の瞬間、先程よりも大きな光の玉を放つアテナ。
リュウ「!?」
難なくそれをかわすリュウ。
アテナ「とう!」
掛け声と共に、かわした光の玉が戻ってきた!
リュウ「なっ!?」(操作!?)
すんでのところでそれをかわすリュウ。
リュウ(驚いた。気を込めた玉を自在に操作できるとは。)
さっきの秘術とやらがハッタリでないとしたら注意するのはこの気の塊だ。
世界には気に不思議な力を込める術者もいると聞く。食らったらまずい!)
アテナ「やりますね!でも絶対に捕らえてみせます!」
スピードをだんだん増してきたサイコボールを左右上下にかわすリュウ。
(それなら…!)
勢いをつけて向かってきたサイコボールをかわすリュウ。
かわされたサイコボールのコントロールをアテナがほんの一瞬だけ、失う。
その隙を見逃さず、速いダッシュでアテナの目の前に詰め寄るリュウ。
アテナ「…。」
リュウ(術者を叩いてしまえば問題はない!)
アテナの胸倉を両手で掴み、そのまま首締めに持っていくリュウ。
リュウ「終わりだ!」
5771:03/11/25 00:06 ID:9oq4otmu
両腕に力を込め、一気にアテナの意識を奪おうとするリュウ。
だが次の瞬間、奇妙な感覚に力も意識も逆に奪われてしまう!
リュウ「……!?は…ひひゃあはははははははははははっははっははははは」
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ…
リュウ「ひややひゃひゃはははははひゃはひゃひゃはははは」
リュウ(な、なんだこれ…は……ははひゃひゃははははひゃひゃはっは)
なんとアテナの両手の指がリュウの脇をくすぐっているのだ。
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ…
リュウ「ひひゃはははは、な、なにゅいをひゃははははひゃひゃひゃ」
思ってもいなかった攻撃にどうすることもできないリュウ。
10本の指はそれぞれが別の生き物であるかのように、脇を素早く動き回り、
信じられないほどのくすぐったさをリュウに与えていた。
思わず地面に倒れこんでしまうリュウ。アテナの10本の指もそれを追う。
倒れたリュウの脇を、マウントポジションの体制でアテナがくすぐる。
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ…
5781:03/11/25 00:09 ID:9oq4otmu
リュウ「ひぎゃひゃはははははああひゃはははははやはやはははっははは」
やっと脇をくすぐられていることに気付くリュウ。
アテナ「さっきのサイコボールはフェイクです。
リュウさんが私の手が届く場所まで近づいてくるのを誘いました。」
笑い悶えるリュウとは対照的に、それを見つめながら静かに落ち着いた口調で説明するアテナ。
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ…
もちろん、指の動きは休めない。
リュウ「ははやはやはははっはははははははひゃひゃははははひゃひゃひゃひぃぃひひ」
あまりのくすぐったさに、アテナの説明も満足に聞き取れなくなるリュウ。
信じられない殺人的なくすぐったさ。頭が狂ってしまいそうだ!
(こんな…や…ははひゃ…はははははは…ぬけださ・・ひゃははははあああはやひゃひゃ)
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ…
リュウ「ははやはやはははっはははははははひゃひゃははははひひゃはっはゃひゃひゃ」
リュウ(あひひゃひゃ! くすぎゅったひゃはやはははは…くすぎゅったいぃぃひゃははは)
顔面は紅潮し、口からは涎が飛び散っている。
アテナ「大袈裟に秘術と言いましたが、これは私の国に古来から伝わるくすぐりです。
捕らえれば耐性を付けてない者は絶対に抜け出すことはできません。」
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ…
リュウ「やめっははやめははひゃひゃはやはやめはやめはははははっひゃひゃひゃひゃひゃひゃははは」
全身から汗が飛び散り、大声で笑え悶えるリュウ。
アテナ「どうやら耐性は全くないようですね。」
首を限界まで反らせ、涙を流しながら泣き叫ぶリュウを冷静に分析するアテナ。
10本の指はなおもリュウの脇を執拗に襲っている。
5791:03/11/25 00:25 ID:9oq4otmu
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ…
リュウ「あひゃははははひゃひゃはははっははははひゃひゃひゃはははは」
(死ぬ…しぬぅひひゃひゃはははははははひゃははひゃひゃひゃははひゃはははは)
リュウ「やめちぇ、やめちぇぇぇひひゃくりひゅひゃはははひゃひゃひゃははははひゃひゃははははは」
泣き叫び、請う。とても格闘家とは思えないほどの崩れた表情だ。
アテナ「苦しいですか?」
あくまでも冷静にリュウを観察するアテナ。
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ…
突く、揉む、撫でる、強弱もそれぞれ別に10本の指がリュウの脇を襲っている。
リュウ「っははははははひし、ぢにゅぅぅひひやひゃはやはははっははひゃひゃはははは」
顔を限界まで紅潮させ、白目を剥き、涎を垂らし、汗を散らし、首を反らせ、泣き叫ぶリュウ。
こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ…
リュウ「あひひひゃはあははっはははははははははははひゃひゃはひゃひゃひゃははあっはやひゃ」
アテナ「そろそろ限界のようですね。」
やっと手を止めるアテナ。
5801:03/11/25 00:57 ID:9oq4otmu
地獄のようなくすぐりから解放され、大きく息をつくリュウ。
リュウ「はぁっ…はっ…はぁ…はっ…はっ…は、はぁぁぁぁぁぁ〜」
何時間、何日、何年もくすぐられていた気分だ。
しかしやっと身体が楽になったものの、次の瞬間、物凄いじれったさが襲ってきた。
5811:03/11/25 00:58 ID:9oq4otmu
気付くと股間が信じられないほどに膨張している。
アテナはいつの間にかマウントポジションの姿勢を離れ、横にしゃがんでいる。
自分の股間に驚いているリュウの様子を見ながら、アテナが優しく話す。
アテナ「射精したいですか? くすぐりは極度に高い快楽です。
くすぐったさを感じれば自然に身体は反応してしまいます。」
リュウ「はぁっ…はうぅぅぅ…」
リュウ(苦しい。このじれったさに気がおかしくなってしまいそうだ。)
アテナ「さぁ。これで私でもリュウさんに対抗できることを証明しましたね。」
にっこりと笑顔をつくるアテナ。
リュウの身体はくすぐりの疲労のため、完全に、指一本さえも動かない状態である。
リュウ「はぁぁ…はぁ……はぁ……」
優しく微笑みながらアテナが話す。
アテナ「明日はお互いにベストを尽くしましょう。」
立つ間際にリュウの股間をさわっと一撫でするアテナ。

次の瞬間、リュウの頭に強烈な電撃が走り、視界が真っ白になった。
ぶぶぶぴゅぴゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる…
5821:03/11/25 01:01 ID:9oq4otmu
くすぐりで蓄えられ続けた恐ろしいほどの性感。
それを抑えていたダムの鍵をいともあっけなく16歳の少女に開けられ、
火山が噴火したかのように、物凄い勢いで股間が精を放つ。
ぴゅーーーーーーーーーーーーぴゅーーーーーーーーーーー
背中を限界まで反らせ、紅潮した顔で泣き叫び、最高の快感に悶え狂うリュウ。
ぴゅーーーーーーぴゅーーーーーーーーーーーーーーー
リュウ「あひゃっあはっっらっあらひゃはやひゃぃいいぃぃはいいいいいいひぃぃぃ」
ぴゅーーーーーーーーーーぴゅーーーーーーーーーーー
リュウ「ひゃぃいいいいいぃぃぃはひゃはははっはひゃひゃひゃひゃはははああぁぁぁっぁ」
ぴゅーーーーーーーーーーーーー! 精がいつまでも止まらない。
リュウは今、天にも昇る気分であろう。
ぴゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リュウ「いいいいいいいいいいぃぃぃ…いっいいいぃぃぃぃひぃぃ」
よじれ悶えるリュウを背に、気にする素振りもなく去るアテナ。

真夜中の森にリュウの叫び声だけが響いていた。
583名無しさん@ピンキー:03/11/26 09:59 ID:eJ3POZAv
くすぐりはあまり萌えない・・・
584名無しさん@ピンキー:03/11/26 10:40 ID:UdfzXhvl
>リュウ「ひゃぃいいいいいぃぃぃはひゃはははっはひゃひゃひゃひゃはははああぁぁぁっぁ」
↑萎えまくり
585名無しさん@ピンキー:03/11/26 15:20 ID:zCrDf8PB
KOF系で庵がイロエロされてるのはあんまり見ないね。
個人的には某ムエタイ海王みたいな扱いを受けてる庵が一度見てみたい気もするのだけど。
586名無しさん@ピンキー:03/11/26 17:28 ID:ZarmId+l
くすぐりもそれはそれで良しかと^^

アテナから気を打ち込まれる度にフラッシュバックを起こして
悶え狂う体質に変化してしまっているとか…いいかもね
587名無しさん@ピンキー:03/11/26 18:39 ID:2rD62hB4
まあ賛否はアルだろうけどssオツカレ
588名無しさん@ピンキー:03/11/27 08:40 ID:BnB0GP0B
否だば
589名無しさん@ピンキー:03/11/27 18:00 ID:p6l6/wsD
1が建てたスレで1がダメ出しされてるのはパラドクスっぽくて象徴的な事だとは思うんで
あえて言わせてもらうけど

正直な所このスレの「強い男が強い女に」ってのは細かく規制しすぎじゃないか?

そうなってくると、ぶっちゃけ
強い、弱い、男、女のそれぞれの組み合わせで4種類スレがあってもいい事になるんだが
そんな住み分けには全く意味があるとは思えんのよ。
「女が男を倒す」コレで十分なんじゃねーの?

この類の性癖なんざ、おもいっきりマイノリティな趣味だろうし
ある程度規制は緩くしておいて色んなストライクゾーンを持つやつが
お互い派閥争いをしながらでも切磋琢磨できるような土壌を作った方が
広がりもでるだろうし結果的に良いとおもうんだがなぁ。
590名無しさん@ピンキー:03/11/28 17:01 ID:r3Uks0Zc
かっこいい589
591名無しさん@ピンキー:03/11/28 18:53 ID:ZIThP8uF
592名無しさん@ピンキー:03/11/28 19:08 ID:STlqhCZR
まあまずはネタかSSを貼れ
話はそれからだ
593名無しさん@ピンキー:03/11/29 08:52 ID:lscTSk33
特殊な人が集まるスレなんだから仲良くしなはれ
594名無しさん@ピンキー:03/11/29 16:21 ID:ZyKv2Oui
 うしとらのキリオが西カマイタチのナオにズタボロにされて
最終的に射精するSSキボン


ショタ萌えも混じってるがね(;´Д`)ハァハァ
595名無しさん@ピンキー:03/11/30 14:49 ID:gL5wX/lM
どんなSSでも女>男なら大歓迎
596名無しさん@ピンキー:03/11/30 19:08 ID:xQk0d7A9
強くても、和田ア○コみたいなのはちょっとw
597名無しさん@ピンキー:03/12/02 12:03 ID:nijPY2Ro
ラウンドガールに負けるボクサー
598名無しさん@ピンキー:03/12/02 17:26 ID:PGgAsd0M
>597
確かK-1のタイピングソフトだかでそんなのがあったっけ。
うーん、SSにしてみたいよ。
599名無しさん@ピンキー:03/12/02 17:31 ID:gk/JBa63

600名無しさん@ピンキー:03/12/02 17:54 ID:Dwz3pwDF
ウルフやオルガに苛められるスネークを読んでみたひ・・・
601名無しさん@ピンキー:03/12/03 11:57 ID:7T/IPBRH
>598よろしくお願いします
602名無しさん@ピンキー:03/12/03 18:12 ID:wlfdQOsT
>>598私からもお願いします..
603名無しさん@ピンキー:03/12/05 02:15 ID:P5QeCO0M
何だかんだでこのスレももう600か。前スレも合わせてSSも結構溜まったもんだ。
604名無しさん@ピンキー:03/12/05 11:27 ID:eOVBlh0U
http://members.jcom.home.ne.jp/naburi/guest.html
女性の能力開放良いですよ
605名無しさん@ピンキー:03/12/05 17:51 ID:R5MuF0Dp
>>604最高ぬきまくり
606名無しさん@ピンキー:03/12/06 13:35 ID:5JYWEvrm
iイイ
607名無しさん@ピンキー:03/12/07 14:41 ID:CxuOXZU2
あげ
608名無しさん@ピンキー:03/12/08 16:58 ID:En0flfbI
>>604good job
609名無しさん@ピンキー:03/12/10 11:38 ID:0LxhRFa1
ねたがない
610名無しさん@ピンキー:03/12/10 22:18 ID:VOFkpwm0
サムスピあたりはどうよ?
611名無しさん@ピンキー:03/12/11 18:49 ID:vka3RZ66
ttp://free.adult-deai.net/rank/ranking.php
ここのチャットのどこかで、「強い男を女が倒す」イメチャしたり、
妄想を語り合ったりしませんか?
それっぽい待機メッセージで待っていてくれれば。
612名無しさん@ピンキー:03/12/12 08:38 ID:PHW2FItD
ageるよ
613名無しさん@ピンキー:03/12/13 18:45 ID:UT3B7ZGR
イメチャ系にはユカナみたいな性悪女がいるのでオススメできない。
むしろツリー型BBSの方が話題が細分化できて便利だ罠
614名無しさん@ピンキー:03/12/13 23:29 ID:PySvI6Eh
お前ら007ゴールデンアイを見れ
615名無しさん@ピンキー:03/12/14 15:02 ID:g32MRec5
mita
616名無しさん@ピンキー:03/12/15 22:56 ID:GzVfHg24
ネタなさげなのでSS書いてみまsita
よかったらどぞう。
ポイントズレてたらスマソ(;´Д`)
617リュウvsキャミ:03/12/15 22:57 ID:GzVfHg24
「誰だ?そこいるのは分っている。出て来いよ」
辺り一面は既に静寂と暗闇に包まれていた。
聞こえるのは時折はぜる焚き木の音と、かすかな虫の声。
修行のため、山篭りをはじめてどれくらいが経ったのだろう。
ふとそんな事を考えながらも、暖を取り一日の身体の疲れを癒していた。
この突然の訪客があるまでは―――

格闘家として名を馳せているリュウにとって、いつどんなときも
他者からの挑戦を受ける事はめずらしくはない。
だが、この日だけは違った。
同じ格闘家として肌に感じる異様な威圧感。
鍛錬を積んだ者だということは容易に想像できた。
気配は完全に消しているが、その内に秘めた殺気だけはひしひしと伝わってくる。
(この感じは・・・)
いつもならば気配を感じても声を掛けることなどしないリュウだったが、この時ばかりは
そうもできなかった。

618名無しさん@ピンキー:03/12/15 22:58 ID:GzVfHg24
「貴様が、リュウか?」
木々の陰からうっすらと影が伸び、現れたのは一人の少女。
「そうだが・・・。君は?」
「答える必要はない」
一見して諜報員のようでもあるが、その肌の露出の多さに
リュウは少なからず戸惑いを隠せない。
まるで水着を思わせる青い戦闘服は、彼女の身体のラインをこと細やかになぞり、
ハイレグカットが長い脚をいっそう際だたせている。
「俺と戦う・・・つもりのようだな」
「こちらキャミィ。目標、確認。任務を遂行する・・・」
耳の通信機からこぼれるかすかな機械音。
「やはりシャドルーか」
リュウが呟く。
キャミィは長い三編みの髪束を後ろに振り払うと、ゆっくり身構えた。
大きく深呼吸し、彼も拳を構える。
「私を女だと甘く見ないほうがいいぞ、リュウ」
「誰であろうと、全力で戦うことに変わりはないさ」
619名無しさん@ピンキー:03/12/15 23:00 ID:GzVfHg24
二人が動き出したのは同時だった。
一斉に距離を詰めようとするキャミィ。
「いくぞ!波動拳!」
それを迎え撃つかのようにリュウの手から青白い光弾が
解き放たれた。
キャミィは大きく跳躍し、光弾を飛び越える。
(早い!)
そして忍者のように木の幹に吸い付くとその反動を利用して
すさまじく鋭い蹴りを放つ。
「昇竜拳!」
ゴォォォー!
リュウの拳とキャミィの蹴りが激しくぶつかり音をたてた。
「くっ!」
キャミィは体勢を崩しながらも、片手を地面につきながら着地する。
そしてすかさず全身を矢のようによじり、リュウの足元に襲い掛かかる。
「スパイラルアロー!」
(この間合いを一瞬で!なんという瞬発力だ)
リュウは彼女の足先を左腕で受け流しながら、ボディにカウンターを狙う。
筋肉をえぐる感触。リュウの右拳は確実に彼女の腹部を捉えていた。
「うあぁっ!」
キャミィの顔が苦痛で歪んだ。だがそれも一瞬の事。その表情は
すぐさま厳しさを取り戻す。リュウはさらに左肘打ちで顔面に狙いを定める。
「てやッ!」
しかし彼女は頭をそらしギリギリの所でかわす。そしてリュウの左腕を両手で掴むと、そのまま頭に脚をからめて
大きく身体をそらせる。
白く引き締まった二本の大腿部が、容赦なく首を締め付け始めた。
620名無しさん@ピンキー:03/12/15 23:01 ID:GzVfHg24
リュウの顔に焦りの色が浮かぶ。
「ぐ、しまっ・・・」
「ターゲット、ロックオン!」
透き通る声が高らかに響いた。その刹那、彼女はあらゆる神経を研ぎ澄ませ全身をバネにする。
彼女の細い下肢は、もはや凶器以外の何ものでもない。
「うあああッ」
リュウの身体が大きく宙を舞った。そしてグルリと1回転すると、
今度は頭から地面へ吸いつけられるように落ちていく!
ドォォォーン!

いつのまにか焚き火の炎は、もう消えかけくすぶっていた。
辺りは月明かりだけで照らされている。
「・・・気絶したか」
彼女は腹部を押さえながら、よろよろと立ちあがった。
「く・・急所をはずして戦うというもやっかいなものだな」
大の字になって倒れているリュウを見下ろしながら呟く。
(こいつはやはり、私に手加減していた・・・)
「ちっ」
彼女は振り返り、耳の通信機に手を当てる。森は以前と変わらぬ静けさを保っていた。
ピーザザー・・・ザー・・
「ベガ様・・今ヤツを倒しました。いえ、死んではいません。
イエッサー。予定通り目標の遺伝子サンプルの摂取に入ります」
通信を切り、腰のポーチからアンプルを取り出すとすばやくリュウの腕に注射する。
「う・・・あ・・・」
まだ虚ろな目で意識が戻らないリュウ。
キャミィは帯に手をかけると、胴着を器用に脱がせていった。
「・・な・・・何をしている・・んだ?」
「少しじっとしていて貰うぞ。お前の精子を頂く」
621名無しさん@ピンキー:03/12/15 23:02 ID:GzVfHg24
「な・・・なん・・だと?」
思考能力が十分に戻っていないリュウには、今の状況が理解できない。だがそんな彼をよそに
キャミィの指先はリュウのペニスをインナーごしに捉え、そして優しく愛撫し始めた。
「うっ」
リュウが声にならない叫びを上げるが、彼女の手が休まることはない。
(身体が・・・うごかん)
インナーも脱がすと、リュウのペニスがあらわになった。
キャミィは顔を近づけ、チロチロと舌を這わせながら丹念に舐める。
白い吐息がペニスを暖かく包みこみ、そして空に消える。
彼女は指先の中でペニスが徐々に硬さを帯びているのを感じた。
「く・・やめろ。やめ・・るんだ」
「気持ち良くないか?私は・・こういうことには慣れていなくて、あまり上手くない」
キャミィの唇がペニスから離れ、キラリと透明な糸を引く。
「そういう・・・問題じゃない・・うッ」
「こんなに大きくして・・・いやらしいぞ」
容赦なくこみ上げる射精感を堪えながら、リュウはかすかな理性と戦っていた。
目の前で懸命に奉仕する、まだ年端もいかない娘を眺めながら――。
キャミィの頬は次第に紅潮し、強がりながらも興奮しているのが見てとれる。
「んっ・・んっ」
気付くと彼女は右手でペニスをしごきながら、左手で自らも慰めて始めていた。
「あっ、あっ、あんっん・・」
徐々にエスカレートしていく舌使い。指先。
そして、切ない喘ぎ声とともに高まる劣情。
622名無しさん@ピンキー:03/12/15 23:03 ID:GzVfHg24
キャミィが身体の向きを変えると、彼女の形のいい子尻が目の前に広がる。
当然、濡れそぼった秘所もよく見える。いや見せている、と言ったほうが正しいのか。
「私のここ・・見て、興奮する・・か?」
余程恥ずかしさを堪えているのか、小声で振り返りながら尋ねるキャミィ。
彼女はスーツの股部を横にずらし、ピンク色の割れ目をむき出しにする。うっすらとした控えめの茂みが
まだ未発達な女の身体を連想させた。
キャミィが、自らの指でその可憐な蕾を刺激する度に
たらたらと愛液がリュウの口元にこぼれていった。
「うあああ・・・」
キャミィの行為は留まるところ知らない。
その卑猥な光景にリュウは罪悪感すらをも感じていた。
「もうダメだ、いくッ!!」
その途端、
リュウのペニスが大きくのけぞり、大量の精を放った。
一回、二回・・・三回。痙攣するたびに多量の精液がキャミィの顔汚していく。
ねっとりとした質感。白く濃厚なそれはツンと鼻をつく男の匂い漂わせていた。
「・・ようやく、射精したか。サンプルを取るには十分すぎる量だ・・まったく」

彼女は顔についた精液を舐めずりしながら、にやりと笑った。

end
623名無しさん@ピンキー:03/12/16 01:11 ID:EINV5xQx
(・∀・)ニヤニヤ
624名無しさん@ピンキー:03/12/16 08:05 ID:7t0ArHAl
>>616
いやー、なかなか(・∀・)イイ!!よ。
また期待してまってます。
625名無しさん@ピンキー:03/12/16 08:59 ID:KBCGq+U+
久しぶりのSSサイコーー
626名無しさん@ピンキー:03/12/16 11:24 ID:9C9bsl4t
>>613
>イメチャ系にはユカナみたいな性悪女がいるのでオススメできない。
>むしろツリー型BBSの方が話題が細分化できて便利だ罠

いやいや、そもそも「イメチャしたい」ってことだから。
BBSじゃ、リアルタイムで話せないじゃん。
イメチャの意味わかってる?
627616:03/12/16 20:11 ID:gGmdu6M1
勢いで書いてしまい
お見苦しい点がいくつも。

レスさんくすです(・∀・)
ネタ浮かんだらまたかいてみるね!
628名無しさん@ピンキー:03/12/16 21:58 ID:oV3USqV7
イメチャの意味は分かるけど、実際になりきりエロ会話になるまでの道のりはかなり長い。
私書箱に登録したり、落ち合う時間を決めたり、予想以上の手間が必要となる。
せっかく話が盛り上がっていても「急用」で突然打ち切られることもしばしば
過大な期待を寄せるより、話題交換程度が無難
629名無しさん@ピンキー:03/12/17 13:25 ID:07dLKvEb
うーん、それは、個人の好みの問題で、言い方悪くて申し訳ないけど大きなお世話では?
多少面倒やリスクがかかってもしたいって人だっているかもしれないわけだし。
自分、なりきりイメチャしたことあるけど、展開が早い遅いかなんてのも、
お互いの力量によるというかケースバイケースだし、早いときは早い。
630名無しさん@ピンキー:03/12/18 23:04 ID:dnJltFMM
このスレッドに投稿しているSSに触発されて、一つ書いてみました。
お気に召すかどうか甚だ不安ではありますが……
取りあえず貼り付けてみます。
631名無しさん@ピンキー:03/12/18 23:11 ID:dnJltFMM
人里離れた山の奥に、さほど大きくない寺がある。
外見から判断すれば「寺」ということになるのだが、実際にそこでお経を唱えたりするわけではない。
しかし「修行」することには間違いない。「仏」の道ではなく、「武」の道であるという違いだけだ。
そこで一人の男が自らの肉体の鍛錬に励んでいた。大木に向けて拳を出し、蹴りを放つ。
その鋭さは、長年培ってきた努力の賜物であると、彼は自負していた。
彼が大木に蹴りの一撃を見舞った際、人の気配を感じた。
この場所には、自分の他に誰もいないはずだった。汗を拭いながら周囲を見回す。
夏の学生服を着た少女が、鞄を抱えたまま彼の挙動を見つめていた。
彼は訝しげに少女を見る。肩より下くらいまで伸ばした栗色の髪、朴訥を貫いていた彼も思わず見とれてしまったプロポーション。
だが、自分には身に覚えがなかった。彼女は何者なのか? 突然のしかも意外な闖入者に声を荒げて言った。
「門にある看板が読めなかったのか!?」
少女はきょとんとした無邪気な表情で見つめ返す。彼の苛立ちに拍車がかかった。
「出て行け! ここは女人禁制ゼヨ!!」
少女は一瞬呆気に取られたが、下がるどころかくすくす笑いながら一歩前に進んだ。
「やっだぁ……そんな時代錯誤、超ナンセンスよ!」
少女は鞄を地面に置いて、両手を腰に当てて言い返す。一歩も退く気もない態度と侮蔑を含んだ笑いに、彼は怒りで顔面蒼白になった。
しかし怒りで我を忘れるようなことがあってはならない。常に己を律すること、そのための修行である。「熱かったので心頭滅却しなかった」では本末転倒だ。
だが、この女は俺のことをナメている、という思いは消えなかったし、それがいくら水をかけて憤怒の炎を鎮めようとしても抑えられない一因だった。
ナメているのであれば黙らせるだけだ。この女を門外に放り出せば修行の再開が出来る。
彼の足は靴を履いておらず素足だった。石畳の上をひたひたと、スニーカーを履いている少女に近づく。そして威嚇するように睥睨した――彼の少女に対する最後通牒のようなものだった。
だが、それでも少女は怯むことなく屹と睨み返した。
それで、今まで我慢して耐えてきた理性の箍が外れた。
彼は彼女の襟を掴もうと腕を突き出した。
632名無しさん@ピンキー:03/12/18 23:17 ID:dnJltFMM
パシッ。彼女の手によって、彼の丸太のような腕が払われた。
傍目から見て華奢な腕だが思いも寄らぬ力に、彼は驚愕の色を隠せない。
払われた手が横にスライドし、その隙に彼女の拳が鳩尾を捕らえた。
ドスッという手ごたえありの音。彼は当然のことながら腹筋を鍛えている。だから素人ならば壊れるのは拳の方のはずだった。
だが油断していたとはいえ、彼女のそれは重い一撃だった。彼はバックステップして用心深く構える。
少女は酷薄な笑みを浮かべて拳を握り締めた。
――この女、闘い慣れをしている……。
彼は頭を切り替えねばならなくなった。
自分よりも年下の小娘に翻弄されていることに憤りを感じたが、このままだと本当にやられてしまいかねない。
「どうしたの? こんな小娘なんて一捻りにしてやるって顔してたのに」
彼の沈痛な表情に反比例して、彼女はくすくすと愉しむ余裕があるような笑みを漏らしていた。
彼には夥しい汗が全身に滴っていたが、彼女は現時点では汗一つかいていなかった。先ほどの一撃もあって、彼から積極的に攻勢に移るには躊躇いがあった。
「そっちが来ないなら、こっちから行かせてもらうわ」
彼は注意深く構えて様子を伺うつもりだったのだが、彼女はスッと離れていた彼の鼻先まで接近していた。
そしてまたしても右拳でボディブローを入れようとする。彼はガードを下に下げて防ごうとする――が、右拳が腹の寸前で止まり、左拳が無防備な彼のテンプルにヒットした。
ガンッと衝撃音とともに彼は後ろに仰け反った。なおも少女は追撃を開始する。
「えいっ!」右の拳が鼻のあたりに命中した。腕で顔を防ごうとすると今度は鋭い蹴りが胸板を抉った。もう小娘がどうとか形振り構ってはいられなくなっていた。ただ、攻撃を防ぐという本能的行為に没頭するしかなかった。
スカートの足から繰り出すハイキックが綺麗にヒットして、彼は仰向けに倒れた。
先ほどの鼻の一撃で鼻血が止まらず口に入っていた。口の中も切れていて血の味しかしなかった。
彼には、自分が血を滴らせながら倒れている意味が理解できないでいた。
633名無しさん@ピンキー:03/12/18 23:25 ID:dnJltFMM
何故倒れているのか?今までこれほど手酷くやられたことはなかった。
敗北と無縁だったわけではないが、自分が傷ついたのと同じように相手にもダメージを与えてきた自負があった。
しかし……
「……無様ね」
パンパンと埃を払うように両掌を叩き、彼女は見下ろすように睥睨していた。少し近づけばスカートの中身が見えてしまうきわどい位置に横たわっていたのだが、彼にそんな余裕はなかった。ほんの少し前に睥睨していたのは自分だったはず……なのに。
彼は片膝を付いて立ち上がった。肩で息をしている。顔の右半分は腫れているらしく、視界が狭まっている。
「くっそおおおぉぉっ!!」
羞恥と憤怒とが綯い交ぜになって、彼は特攻を開始した。もう戦い方を講ずる余裕すらなくなっていた。
彼女は彼の腕を難なくかわすと、カウンターの平手打ちをお見舞いした。
パァンと小気味良い音が彼の左頬に高らかに響いた。その一発で彼は尻餅を付いた。
彼女は彼の襟を掴んで立たせると、嫣然と微笑みながら彼の両頬を平手で叩いた。
しばらくの間頬を打つ音が間断なく境内に響いた。
彼は引き剥がそうとしたが、華奢であるはずの彼女の手は彼の腕をしっかり掴んだまま離れない。
右、左、右と彼の首が音とともにスイングし、とどめとばかりに、少女は渾身の力で平手を彼の右頬に叩きつけた。
彼の眼に火花が散り、吹っ飛ぶように倒れた。  
634名無しさん@ピンキー:03/12/18 23:30 ID:dnJltFMM
修行の成果も然ることながら、それでも彼は完全にノックアウトはされなかった。立ち上がり、ファイティング・ポーズを取る。
満身創痍だったが、このままでは終われないという羞恥心がまだ勝っていた。
そして、まだ完全に諦めていたわけではなかった。一太刀浴びせることができれば、逆転の可能性もあるのだと信じていた。
「ウラアァァッ! 青狼牙!!」彼はダッシュした。滑るように静かだが、ダメージを受けた身体では信じられないような速さだった。
肘で一撃を見舞ってから、アッパーカットのような上段跳び蹴りをする、彼の必殺技だった。
彼は彼女の虚を突いたと思った――が、突進先の彼女の姿が消えていた。
突き出した彼の肘が空を切り、彼女の二の腕が突如それを掴んでいた。
今や完全に虚を突かれたのは彼の方だった。彼女は身体を捻り、一瞬腰を落としてから上げる。いとも容易く彼の身体が宙に浮いた。
「えいっ!」裂帛したかけ声とともに、転がるように仰向けの状態で、彼は地面に叩きつけられた。
激しい衝撃が身体全体を覆い、苦痛の呻き声を上げた。打ち所が悪かったらしく、そのまま白目を剥いて失神した。
意識がブラックアウトする前に、侮蔑や憐れみなどが混じった彼女の笑みが、焼き付いたように絡み合った気がした……。
635名無しさん@ピンキー:03/12/18 23:37 ID:dnJltFMM
顔の辺りから、火花が出るような衝撃を間断なく受け、彼はうっすら眼を開けた。
眼を開けた瞬間、ピシャリと鋭い音とともに首が横にスイングした。
頬が焼き鏝でも捺されたかのように熱く、痛い。
「――お目覚め?」
目の前に少女の姿が飛び込んできた。仰向けに倒れていた彼の身体に跨って、扇ぐように右掌を振っていた。
「ちょっと叩きすぎたかな」彼女はくすくす笑いながら、彼の両頬を指でなぞった。
「いつまでたっても起きないから……何発もビンタしちゃった。手形がついちゃうくらいに」
彼女は立ち上がると、少し離れたところに置かれていた鞄を取り、埃を払った。
「まだ全然闘えるけど、このままじゃ闘いじゃなくて弱いものいじめになっちゃうから、これくらいにしといてあげる」
彼は反論しようもなく、歯噛みするしかなかった。
「それにしても……」彼女は無残に倒れている彼を指さす。
「いくら修行を積んでてもこの程度なのね。一生男だけでやってたら? それが無様なあなたにお似合いね」
彼の視界がぼやけた。彼は涙を流していた。堪えようとすればするほど、それは無様に零れ落ちた。
とことん年端もいかないような女の子に叩きのめされ、いいように侮蔑されても為す術もない自分の無力感に。
「フフフ……泣くほど悔しい? 再戦望むならいつでも相手してあげるわよ。でも、今のままじゃ結果は見えてると思うけど」
636名無しさん@ピンキー:03/12/18 23:40 ID:dnJltFMM
泣きじゃくる彼を指さしながらひとしきり哄笑したあと、彼女は先程彼が鍛錬していた大木に視線を向けた。
そして瞬く間に数発の蹴りを叩き込んだ。大木は衝撃を受けて勢いよく撓り、周囲に葉っぱを撒き散らした。
「こんなものかな」
満足そうに頷くと、彼女は倒れた彼をそのままにして悠々と立ち去った。
来たいときに来て、帰りたいときに帰る、それが許される威厳のようなものを感じられた。
呼び止めて仕返しがしたかった。しかし自分にそんな力はなく……
ただ勝ち誇ったまま悠然と立ち去る彼女の遠ざかる後ろ姿を凝視するしかなかった。
自分は間違っていたのだろうか? 今までの修行は全部無駄だったのだろうか?
彼は自分のプライドを粉砕した彼女を憎み、そして何もできない自分を憎んだ。
彼は横たわったまま、涙を流し続けていた。彼女の姿が見えなくなってからも、閑散とした空間で、枯れるまですすり泣いていた。

Fin.
637630:03/12/18 23:45 ID:dnJltFMM
取りあえずこれにて終わりです。
初投稿で数多くの至らない点(例えば非エロであることとか)があるかと思いますが、
神降臨を待つ合間、ということで少しでも楽しんでいただければと思います。
638名無しさん@ピンキー:03/12/19 02:32 ID:khf3jJj9
(*´д`*)b グッジョブ
639名無しさん@ピンキー:03/12/19 03:34 ID:jlvhPuMu
ぐっじょーぶ!d(`*д*´)b
640l:03/12/21 22:11 ID:QIQUZ/1A
gfh
641630:03/12/22 01:40 ID:gqzAtuf+
ありがとうございます。
頭の中では妄想がいくつもの渦巻いているのですが、いざ書き出すとなると……
また機会があれば書いてみようと思います。
642名無しさん@ピンキー:03/12/22 09:14 ID:1D8ooRqs
SS乙彼、
643名無しさん@ピンキー:03/12/23 10:00 ID:19nP4oci
鍛錬に鍛錬を重ねた男が女子高生に負ける。最高ですね
644名無しさん@ピンキー:03/12/23 10:39 ID:XKffvQgJ
>>643
武装錬金
645名無しさん@ピンキー:03/12/23 22:50 ID:rm/8SZED
TQNに強姦されたいハァハァ
646名無しさん@ピンキー:03/12/24 08:47 ID:j+rtZQr+
逝きたい
647名無しさん@ピンキー:03/12/26 09:10 ID:U+2gQvLh
れすが少ないぞ
648名無しさん@ピンキー:03/12/27 09:51 ID:xdidXcWR
age
649名無しさん@ピンキー:03/12/28 11:16 ID:K+DPathL
さみしい
650名無しさん@ピンキー:03/12/30 11:43 ID:UCHPOm+H
下がりすぎなのであげます
651名無しさん@ピンキー:03/12/30 23:00 ID:ZWWaRNpB
なんかスレタイにある種の必死さを感じてウけた。
652名無しさん@ピンキー:03/12/31 02:08 ID:/vtXSkOB
ハイパースト2買った。あの小悪魔なキャミイが再び!
勝利台詞も意地悪な感じだし、マゾ的にはやはりこうであって欲しい。
ZEROシリーズのキャミイは勝利台詞もそっけなくてイヤだったんだよね。

とりあえず現在確認した限りでも
・「何ならもう一度戦ってみる?わたしの勝ちに決まってるけどね。」
・「あら、そんなに早く降参しちゃっていいの?」
・「もうちょっと骨のある人だと思ったのに、見掛け倒しもいいとこ・・・。」
・「みっともない顔・・・。自分の未熟さを呪うことね。」
・「フフ、私みたいな小娘にやられちゃって、悔しくないの?」
・「ちょうどいい準備運動だったわ。また相手してあげる。」
・「格闘家が聞いてあきれるわ。もっとマシな戦い方はできないの?」
などなど、屈辱感を煽る素晴らしい台詞の数々が!

最近の格ゲー女キャラはこんな台詞言ってくれないからなぁ・・・この頃のキャラは良かった。
653名無しさん@ピンキー:03/12/31 03:16 ID:LUJO+9Ov
>>652
「あなたぐらいの相手ならもう何百人も倒して来た。甘く見ないで」なんかもいいよね。
特にスト2キャラの中でも強いイメージのあるリュウやガイルなんかでプレイした時に吐かれると、
キャミイの底知れぬ強さと己の力に対する絶対的な自信が感じられて。
654名無しさん@ピンキー:03/12/31 11:22 ID:aZzdsKr4
>>652
いいですねえ
655名無しさん@ピンキー:04/01/03 01:42 ID:CVhPlPT2
大学を舞台に硬派の代表の応援団とヤリサーの女が対決なんてどうだろう?
656名無しさん@ピンキー:04/01/04 14:27 ID:C2rZ5GqB
応援団対チアリーダーの対立は面白そう
657名無しさん@ピンキー:04/01/04 19:49 ID:wrfkS2ZY
どっちかといえばチャラチャラした感じのチアリーダーの方がいい。
なんか体育会系丸出しだと援団とたいして変わらんw
658名無し:04/01/04 22:19 ID:XN+qhhUv
チアガールいいね
659名無しさん@ピンキー:04/01/06 18:06 ID:ZonpxI8o
チアのパンチラハイキックくらいたい
660名無し:04/01/08 20:57 ID:FvDfYozk
揚げ
661名無しさん@ピンキー:04/01/12 17:29 ID:Q8P76sGZ
ho
662名無しさん@ピンキー:04/01/12 22:51 ID:hmy6eOZ9
663名無しさん@ピンキー:04/01/14 14:40 ID:EqbPRPJd
カレリンがバキのように噛ませ犬になる小説が読みたい、と。
じゃあ相手は梢で。
664西:04/01/15 01:57 ID:z/3mPzPv
相手は
665名無しさん@ピンキー:04/01/16 04:26 ID:+pqXrwBH
GOOD
666名無しさん@ピンキー:04/01/16 09:53 ID:hsakX5D4
やばい
レスが付かなくなってきてる
667名無しさん@ピンキー:04/01/17 10:54 ID:5ekYg+kO
668名無し:04/01/18 01:42 ID:qi4Ka0go
こういうの結構好き
669名無しさん@ピンキー:04/01/20 17:13 ID:HMZdXdzf
h
670あかさ:04/01/21 22:41 ID:RVB+IRiW
あげ
671:04/01/23 23:28 ID:0nc1iX8v
あげ
672名無しさん@ピンキー:04/01/24 19:47 ID:xt733lWx
673名無しさん@ピンキー:04/01/28 08:47 ID:dlUjDUye
H
674名無しさん@ピンキー:04/01/29 21:06 ID:5XiAaYn+
H
675名無し:04/02/01 10:07 ID:NiTi37ts
あげ
676名無しさん@ピンキー:04/02/03 08:58 ID:PJ9PPuEI
H
677名無しさん@ピンキー:04/02/03 15:34 ID:oIAR5UNv
オリジナルの需要はありますか?

格闘ゲームの知識が無いので、オリジナルしか書けません。
すこし長くなりそうですが。
678名無しさん@ピンキー:04/02/03 18:32 ID:N3B1gTFP
お願いします。
679名無し:04/02/03 20:09 ID:ttxIVO2P
なんでもOKです
680名無しさん@ピンキー:04/02/03 22:15 ID:gONDcDzd
キタワァ━━━━━━(n‘∀‘)η━━━━━━ !!!!!
681677:04/02/04 10:51 ID:Esh64oW9
SS投下します。

至らない点が多々あると思いますが御許しを・・・。
682拳闘士ライ  1/16:04/02/04 11:05 ID:Esh64oW9
荒くれ者が集う酒場、深夜とは思えぬ喧騒がそこにはあった。
ここには場違いと思われる娘と屈強な男が、周りの視線を集めていた。

「調子にのんじゃねえぞぉ お嬢ちゃん。ぶっ殺されたいのか」
「不満は依頼人に言えば。要はあんたは役立たずなんだよ」

どうやら何かの依頼の件でのトラブルらしい、
ここは護衛や賞金稼ぎなどの腕に自信がある者の溜まり場で、大抵の喧嘩には
皆見向きもしないのだが、この状況は人目を引くのに十分であった。
娘は見た目はうら若き乙女であり、しかも屈強な大男を前にしても少しも動じない。
ライはこの少女、気が触れているのかと思った。勝気にも程がある。

「シュリカー、やっちまえ!」

野次馬の歓声に余裕気に手を振る様子から、少女はシュリカというらしい。肩まで届く栗色の髪と
意思の強そうな同じ色の瞳。腰丈のマントと膝丈のスパッツが、少し彼女を幼く見せていた。

大男はシュリカの人をこ馬鹿にした様子に怒り心頭である。腰掛けていた椅子は後ろに倒れ、
杯は転げてテーブルは酒浸しである。  …しかし、何故周りの人間は彼女を煽るのだろうか。
少女の顔面が大男の拳によって、ひしゃげるのは見たくない。酒の余興には最悪だ。
ライはため息をつきながら杯を置き、喧騒の中に歩を進めた。

「そこまでにしろ」

酒場の雰囲気が一変した。皆、見慣れない男が今の声の持ち主だと悟る。
背丈は180cmはあるだろうか、短い黒髪と右ほほにある大きな傷が印象的だった。

「てめえはすっこんでな。じゃ、あれか?お前が迷惑料でも払うってハナシかぁ?」
「話の経緯は知らないが、娘が殴られるのを黙って見てられる程 俺は無情じゃないんでね」
「あんたウザいよ、消えな」

シュリカはライの仲裁に感謝するどころか、はねのけてしまった。
683拳闘士ライ  2/16:04/02/04 11:08 ID:Esh64oW9
シュリカは笑いながら続ける。

「数分後この床に這いつくばってるのは、あたしじゃないって」

「シュリカ、頼むから暴れるのは外でやってくれ」

酒場のマスターがカウンターの中から懇願する。途端に店内でどっと笑いが起きた。

「このアマぁっ」

その瞬間、怒りが限界まできたのであろう大男が突進してきた。
ライは大男の動きを予知していた。
大男がシュリカに到達するより先に、彼の脛をライは思い切り蹴り付けていた。
大男はよろめき、ライに両目を見据えた。

(そうだ、俺が相手だこっちに来い)

ライは間髪居れずに顔面に右ストレートを放った。
周りの野次馬達はさっと身を引き、大男はテーブルを巻き添えにしながら床に崩れた。
衝撃で宙を舞った酒瓶が、くるくると回転しながら大男の頭に落下し、小気味良い音をたてて割れる。
空を掴む様にもがいていた大男の手は、ばたりと床に落ちた。

「騒いですまなかった」

ライは僅かに乱れたマントを整え、マスターに銀貨を投げてよこした。
そしてシュリカの方に向き直り、諭すように告げた。

「元気なのはいいが、このままだと命を落とすぞ」

シュリカは無言だった。明らかな敵意をライに向けている。
目は刺すように睨み付け、唇は噛み締めているために血のように赤くなっていた。
ライはため息をつき、野次馬が見守る中酒場を後にした。
684拳闘士ライ  3/16:04/02/04 11:16 ID:Esh64oW9
酒場を出たライは人気の無い夜道を歩いていた。
気に入る宿が見つからないわけではない。 …尾けられている。

大男が回復する程の時間は経っていない。酒場で銀貨を出したことが原因だろう、
と考えながら横道に入る。住宅街から突然開けた野に出た。
ずっと向こう側には農道らしき道がある。ライはこの場所に満足し、後ろを振り返った。

そこに居たのは予想していた姿では無かった。月光に照らされた、一人の娘がそこに立っていた。

シュリカ…とかいったか。
ライはそこに不穏な空気を感じていた。

「何か用か」

シュリカは緩い足取りでライに近づいてきた。

「さっきはよくも恥をかかせてくれたね」

ライは、この少女の持つ空気の意味に気が付いた。
この娘は自分が想像していたよりも、タチが悪いらしい。
さっと周りに視線をやるが、今のところ自分達二人以外の他は、気配は無い。

「あーゆう事されると依頼に影響がくるんだよ」

「……」

「他所もんの背中に隠れてたシュリカ、なんて」

彼女は握り拳を目の前に掲げて吐き捨てた。

「ここで評判がどれだけ大事か …あんたに判る?」
685拳闘士ライ  4/16:04/02/04 11:17 ID:Esh64oW9

ライは己が差し出がましい行為をしたのを知った。
そして彼女に対する酒場の連中の歓声の理由も。
しかし、この小柄な娘があの大男を打ちのめすのを想像出来ないし、
己の良心がそれを黙って見るのを許さなかった。

「君は…男を、戦いを甘く見ている」

「……」

「今まで上手くやってきたつもりらしいが、それは運が良かっただけだ」

「……ふざけんなよ?」

シュリカの声のトーンが低くなった。
月光を浴びて、彼女の肌が陶器の様に 瞳は宝石の様に輝く。

腰丈のマントの胸元に、ちらりと光が走った。
その途端、翻るマントのみをそこに残したまま、シュリカが素早く間合いを詰めてきた。
先程の光は、マント留めのブローチを外した際の反射であった。

ライは困惑しながらも、真正面に迫るシュリカを捌こうと身構えた。
その瞬間、シュリカが目の前から消えた。
咄嗟にライは一歩後退した。やはりシュリカは地に両手をつき足払いにきていた。
それから体を真っ直ぐ伸ばすように、下から拳を突き上げるシュリカ。
僅かに地面から足が離れていた、体重をすべて乗せたアッパーだった。
686拳闘士ライ  5/16:04/02/04 11:18 ID:Esh64oW9

ぎりぎりでそれをかわしながら、ライも同様にマントを胸元で外していた。
この少女のスピードを相手にするには邪魔だった。

外したマントを少女の目の前に放りながら、ライは真横に素早く移動した。
女子供に手を挙げる趣味はライには無い。今までも、これからも。
シュリカは目の前に広がるマントに気を取られず、視界を確保するために後退した。

「俺は君とは戦いたくない」

地面にマントが落ちる音。

「俺の拳は女を殴るための拳じゃ…」

シュリカはライに最後まで言わせなかった。
間合いを詰めながらのワン・ツーに、回し蹴りのコンビネーションだった。

「馬鹿にするなぁああぁぁぁああ!!」

ライは後退しながら避けていたが、少しドキリとした。
右足の地面が不安定だった。
きっと昔に切り株か何かを掘り起こした跡なのだろう。
その瞬間、シュリカの右肩が震えた。
(ストレートか!?)
ライは両手でガードの構えを取った。

しかし、シュリカのそれはフェイクだった。
687拳闘士ライ  6/16:04/02/04 11:20 ID:Esh64oW9

右と思ったシュリカの動きは左に転じ、ライの肝臓をえぐった。

小さな拳がめり込む音を聞いた。
ライの上半身は思わず前に傾いた。
それを逃すまいとシュリカは右拳でライのガードを
はじき、次いで左フックでライの顎をしたたかに打ちのめした。

(そうだ、冷静に考えれば判ることじゃないか。
彼女の身長で俺の顔面を真っ直ぐ捉えられるワケが無い。)

こんな小柄な相手と戦う事はライにとって初めてのことであった。
コンビを決められ甘くなったライのガードをかい潜り、再びボディにシュリカの拳が入る。
予想以上の衝撃をやり過ごしながら、彼女の上下の攻めのバランスの良さに感嘆していると
間髪入れずに少女はしなやかなローキックを放った。

足場の悪さも手伝い彼の足はもつれ、その場に膝をつく形になる。

空気を切る音が聞こえる。
まずいと思った瞬間、ライの後頭部に衝撃が走った。
シュリカの踵だった。

「甘いのはあんただろ」
688拳闘士ライ  7/16:04/02/04 11:23 ID:Esh64oW9

崩れるように地に這いつくばるライの頭上から、少女の声が落ちてくる。
ライは土の味を味わうのは久し振りだと思いながら、
自分の中に沸き立つ感情を感じていた。
…この、人を舐め切った年端もいかない少女に、
無抵抗でいる必要性はどこにあるのかと考えはじめてきた。
この少女の強さの理由は意外性だ。
流石に彼女が言う様に、自分が無意識に舐めていた事を認めよう。

(…もう手の内は読んだ。)

顔の土を拭いながら、ライはゆっくりと立ち上がった。
後頭部がひどく痛むが焦点はしっかりしている。
彼女が小柄だったことに救いがあった。

「スピードはあるが、それだけだな…」

「…は? 一発でも当ててから言えば?」

口の減らない。
ファイティングポーズを取りながら、ライは自分が倒したあの大男に今は同情していた。

ライは手始めにローキックを見舞わせた。
体格差を意識しているであろう彼女はライの予想どうり
膝を曲げてのブロックはせず、バックステップで蹴りをかわす。
後退したかと思うと、彼女はその足で地を蹴り身を低くしながら素早く間合いを詰めてきた。
ライも同時に間合いを詰め、真っ直ぐ伸ばした掌底で彼女の左肩を突いた。
カウンターを喰らい大きくバランスを崩すシュリカ。
左肩を突いたその手で彼女の衣服をわし掴み、力任せに地面に引き倒した。


689拳闘士ライ  8/16:04/02/04 11:24 ID:Esh64oW9

どうと地に背中をつけたシュリカの上に、ライは覆い被る。
もう片腕をシュリカの喉元にギロチンさながら固定して自由を奪う。
組み敷かれた悔しさで睨み付けるシュリカ。
ライの顔に彼女の乱れた息がかかる。
彼女のきめ細かな肌と赤い唇。
月光を反射させる澄んだ瞳にライは内心息を飲んだ。

シュリカはライの両腕を、自分の両腕で抱き締めるように固定すると
腰を大きく浮かせて弾みをつけた足先で、ライの後頭部を蹴りつけた。
先程、踵が落ちてきた箇所だった。
ライの目の前に星が散り、シュリカの身体にまともに己の身体を預ける形になった。
シュリカは精一杯身をよじるが、ライの大きな身体の下から逃れることは無駄に終わった。
それにカッとなった彼女は、ライの左耳に力いっぱい噛み付いた。

「ぐあ!」

(なんてじゃじゃ馬だ!!!)

激痛で半身を起こしたライから、シュリカは体を半転させて逃れ、素早く構えた。
荒い息を吐く唇はライの血で染まっている。
地に膝をつき、血を滴らせる耳を手で押さえているライを、好機とばかりに少女は蹴り上げようとした。
その瞬間、ライは自分の頭を狙う少女の蹴りを片腕でブロックする。
それと同時に両手で彼女の足首を捉え、力の限りに放った。
数メートル先で彼女はバウンドしながら土埃をあげた。
地面への衝撃で呼吸が一瞬不自由になったらしく、動作が鈍く肩で息をしている。

立ち上がりながらライは叫んだ。

「これで仕舞いか?!」
690拳闘士ライ  9/16:04/02/04 11:28 ID:Esh64oW9

怒りに満ち溢れた瞳で、のろのろと立ち上がるシュリカ。投げられた際に右足を痛めたらしい。
ライはこれで終わったと安堵した。早く終りにしたかった。
しかし、少女はライに憎々しげに視線を据え付けたまま、後ろの腰に手をやったかと思うと
綺麗に折り畳まれた細身の鞭を取り出した。

ライの背中に冷たい汗が流れた。
この少女のこの自尊心の高さに、彼は正直恐れを感じつつあった。
戦いを避けられなかった己の未熟さに歯軋りをする。すべては自分の油断が招いたのだ。

「その気らしいな、…もう手加減はしないぞ」

ライには最終勧告のつもりだった。しかし、シュリカの最後の理性を吹き飛ばさせるのには
十分すぎた。彼女は格下に扱われることに、過剰に反応する人間だった。

「ざけんな!!!!!」

   ヒュン      バシイッ

「っぐはっっ!」

鞭はライの厚い左肩を、空気と一緒にしなやかに切り裂いた。鮮血が吹く。

「その余裕がいつまで続くか見ものだよ!!」
 
   ヒュン      ピシャアッ

「うぐっっ…」

ガードが間に合わない。今度はライの左腰を、しなやかな爪は捕らえた。
鞭の切り裂くような音と、シュリカの興奮していく笑い声が闇夜に響いていく…。
691拳闘士ライ  10/16:04/02/04 11:30 ID:Esh64oW9

十数発は受けたであろう。
ライの破れた衣服は自らの血で染まっていた。
ライにはもう、相手が少女という気後れは感じなくなっていた。
少女の獣じみた興奮に限界は無いようで、立場は違えど
ライと同様に息を乱していた。
彼女の頬は上気して桃色になっている。

シュリカは鞭を手繰り寄せ、こびり付いたライの血痕を撫でながら恍惚な表情を浮かべる。
ライのこちらの動向を探るような視線に、彼女はまだ仕置きが足りないと判断し
再び大きく鞭を振りかぶった。

その瞬間を逃さず、ライは傷ついた体ながらも彼女に向かって走り出した。
まだ振りかぶった腕が伸びきっていないシュリカの、愕然とした瞳を真っ直ぐ見据えながら。
シュリカの懐に入り、肩に体重を乗せた渾身のタックルを見舞った。
少女は鈍くうめきながら宙に浮き、地面を回転しながらもんどりうった。

シュリカは伏せたまま少し身悶えし、そして静かになった。
ライはほっと息をついた。
彼女は意識を失ったらしい、このままこの場から去ろう。
自分のマントを少し離れたところに見付け、よろよろとその方向へ歩みを進めた。

そのとき、少女はせきをきったように激しくむせだした。
背を向けていたライは振り返る。
その時だった。

闇を切り裂いて、熱い抱擁がライを捉えた。
シュリカの鞭が、ライの両腕を上半身の脇に固定するように、幾重にも絡み付いていた。

692拳闘士ライ  11/16:04/02/04 11:34 ID:Esh64oW9

ライは確実に少女の手の内に落ちた。
彼はそれをはっきりと確信した。
シュリカは土と草で全身は薄汚れ、擦り傷だらけだったが、魅惑的な微笑を浮かべていた。
右手には鞭がしっかりと握られている。
ライは思わず後退するが、それは自らの戒めを更にひどくする結果となった。

「…いいザマ…」

瞳に狂気と恍惚の二つの光を宿しながら、シュリカは鞭を両手でゆっくりと手繰り寄せる。
引き寄せられるのを踏み留まろうとすると、容赦なく鞭は体に食い込んでくる。
この窮地をどうしたら脱出できるのか、ライは必死に頭をめぐらせた。
再び体当たりをしても、頭突きをしても、振りぬきの悪い蹴りを繰り出しても、
彼女から逃げられる自信が無かった。

今やライは蜘蛛の巣にかかった哀れな獲物だった。
そうだ、気が付いたらいつのまにか彼女のペースだった。
一体いつから蜘蛛の糸は吐き出されていたのだ?

シュリカは余裕を無くしたライの目の前に立ち、いたずらそうな瞳を向けた。

「自分より格下と思ってた相手に、なぶられる気分はどう?」

何を思ったのか、シュリカがぴたりとライに身体を寄せてきた。
ライの胸元に両手を添え、下から見上げるその姿は、まるで甘えてくる恋人のようだった。

「酒場でのあんたのスカした顔、思い出したらゾクゾクする。こうやって滅茶苦茶にしたかった」

ふふふ、と微笑みながら話すシュミカに、ライは横っ面を鞭のグリップで殴りつけられた。
ライの唇は切れた。
693拳闘士ライ  12/16:04/02/04 11:35 ID:Esh64oW9

ライの内膝を蹴り上げて、彼が膝を崩す形になったと同時に
シュリカは両手でライの胸を思い切り突き飛ばした。
スローモーションのように、ライは背中からゆっくりと地面に倒れる。
柔らかい地面なので、さほどの衝撃は無い。

シュリカは猫のような俊敏さで、ライの身体に馬乗りになった。
ライの脇腹を両太腿で挟みぐいぐい締め付ける。ちょっとやそっとじゃ振り落とせない。

「ここから見下ろす男の顔が…あたしは大好きなの」

シュリカはそう呟きながら、ライの首に両手をかけ体重をのせてくる。
ライの首は鍛え上げられ、太い。シュリカの少女らしい小さな手ではなかなか締め上げられない。

「…ぐぅ…調子に乗るなよ、…小娘が…」

それを聞くとシュリカは更に体重をかけながら、ライの顔めがけて唾を吐いた。
少女の唾に塗れたライの顔は赤黒くなっていく。
ライは彼女を乗せたまま右に左に身体を揺するが、がっちりと膝の力で組み敷いている
シュリカに対して、何も形勢は変わりはなかった。

暫くしてライの虚しい抵抗が収まると、シュリカは大きな息を吐きながら、腕の力を緩めた。
ライは身体を震わせながら喉をひゅうひゅうと鳴らし、久し振りの酸素にありついた。
体中の毛穴から、汗がどっと出てくるのがわかる。暫く息を整えるのに必死になった。

(ふざけやがって、引き裂いてくれる!)

ライは歯を食いしばり渾身の力を振り絞る。上半身の筋肉が隆々と盛り上がり血管が浮く。
細身の鞭がところどころで悲鳴のような軋む音をたてる。ライは獣のようなうなり声をあげた。

その時、ヒヤリとした感触がライを襲った。
694拳闘士ライ  13/16:04/02/04 11:37 ID:Esh64oW9

予想外の箇所でそれを感じた為、ライには最初思考が追い付かなかった。
そしてシュリカが、随分と下半身の方へ移動しているのに今更気付いた。

少女は短刀で、ライの皮のズボンの股間部分を手際よく切り裂いていた。
ライはその一連の行動を見て、背筋に冷たいものが走る。悲鳴が口から漏れそうになった。
そこは短刀片手にまさぐるところではない。

シュリカはライの腰周りにある皮のベルト、小物入れ、腰当て等も剥ぎ取っていく。
月明かりが照らす野で、ライは少女に馬乗りにされながら股間だけをあらわに晒す姿になっていた。

「…ななな、なんのつもりだ!やめんかっっ!」

先程悲鳴をあげそうになった羞恥から、ライは今まで以上の怒声を少女に浴びせた。
屈辱と怒りでライの目は血走っている。
身体の自由を奪っていなければ、少女はその気迫に押され、恐怖を覚えたはずだろう。
ライの枷となっている鞭の巻きつきに、確認のためか少女はちらと目をやった。

「格闘家がこんな姑息な真似をするのか!!!」
「性根の腐った売女め!いますぐそこから降りろ!!」

必死に身をよじりながら、ライは矢継ぎ早に少女を罵倒した。
プライドの高い彼にとって、拳で叩きのめされた方が遥かにましだった。
賊に襲われ悲鳴をあげる村娘のような風体を晒す自分が、この上も無く惨めだった。

「……っ」

ライは身体をびくりとさせた。
馬乗りになったシュリカが、意外にもたおやかな手つきでライのそれを包んだ。
自らの体を支える片手をライの胸に置き、もう片手を後ろ手でやわやわとライ自身を揉みしだく。
シュリカの掌は温かく、柔らかだった。小さな掌で撫で、さすり、擦り上げる。
愛撫を続けながらライの顔を覗き込む少女の肩越しに、大きな月が見下ろしていた。
695拳闘士ライ  14/16:04/02/04 11:41 ID:Esh64oW9

ライは自分を見下ろすシュリカの瞳を見詰めながら、この状況を把握出来ずにいた。
彼女の真意を測ろうとその瞳を見詰めているうちに、くすぐったいような快感が
波のように押し寄せてくる。それを認めたくなくてライは顔をそむける。
少女はそれを無言で見詰めた後、身体を滑らせながら下へ移動し、ライの両足の間に膝をつく。

少し頭をもたげているライ自身の根元に両手を添え、暖かく濡れた舌で舐め上げた。
ライは思わず身体を硬くした。
根元から大きく舐め上げたと思うと、硬くした舌でくびれをなぞり、亀頭部分を口に含んだりする。
少女の顔を覗くと、こちらを上目遣いで見詰めながらちゃぷちゃぷと音をたてている。
柔らかい口に亀頭を含んだまま吸い上げ、同時に掌で太い棹部分をしごき上げる。
思わずライはくぐこもった声を漏らした。

途端、少女の動きが止まった。
ライは思わず反応した自分に激しく後悔した。少女は勝ち誇ったような瞳でこちらを見詰めていたからだ。

「正直で可愛いね、これ」

唾液でぬらぬらと光る、そそり立ったライ自身から唇を離しながら、それをシュリカは指ではじいた。
羞恥と屈辱で、ライは顔が赤くなるのを感じた。
シュリカは自らの中指をぺろりと唾液で塗らし、ライの亀頭に優しくあてた。

「あんたみたいなスカした男はね」

少しずつ言葉を区切りながら、ライの身体で一番敏感であろうそこを、ぬらぬらと円を描くように擦る。

「精神的に辱めたほうが」

ライの身体と同時に、ライ自身も小さく上に跳ねるように反応する。
棹の根元から垂れ下がる袋をも、シュリカの柔い掌に優しく揉みしだかれていた。

「堪えるでしょう?」
696拳闘士ライ  15/16:04/02/04 11:49 ID:Esh64oW9

袋を揉みしだかれ、指でくびれを愛撫され、
唾液で光る登頂部分をチロチロと舌で弄ばれた。

「ふっ!汁が溢れてくるよ アハハハハハ!!! 本当に可愛くて食べちゃいたい! 」

「うおおおっやめろぉ!やめてくれぇ!!」

身を硬くして堪えていたライは羞恥で思わず叫び、身体を揺すって虚しい抵抗をした。

シュリカはふっと腰を浮かしたかと思うと、身体を反転して再び腰をおろした。
ライに背を向ける形で、彼の顔面に勢いをつけて跨ったのだ。

「あまり大声を出すと人が来ちゃうよ?あたしはギャラリーがいても構わないけど?」

シュリカはそのまま身を伏せた。69の体勢になる。
身体が小柄な分、ライ自身を全部口に収めるほど丈が届かないのだが。
袋を両手で柔らかく揉みしだきながら、亀頭部分を唇で含み、舌を使いちろちろと口内で愛撫した。
ライの顔を太腿でぎりりと締め付けながら、シュリカは己の股間を押し付けて彼の口を塞ぐ。

やわやわと揉みしだく柔らかな愛撫と、刺激的な舌先の愛撫。
女独特の香りに包まれながら、快感を伴う熱を帯びた息苦しさにライは襲われた。

ぐいと、更にシュリカは己の股間を押し付けながら、冷たく吐き捨てた。

「大事な部分が かじられたくなけりゃ ご奉仕しな」

瞬間、本能的に何を言われているかライは悟った。
慌ててシュリカの股間にむしゃぶりついた。彼女はスパッツを着用したままだ。
生地が邪魔をして、彼女が望む刺激が与えづらい。
ライは唇と舌を駆使して、彼女の秘境を必死に愛撫した。
697拳闘士ライ  16/16:04/02/04 11:52 ID:Esh64oW9

「止めたらガブリといくよ」

彼女はそう告げると、ライ自身への愛撫を再開した。
さきほどよりも激しくしつこく責めあげ、そしてライの顔を両太腿できつく締め付けていく。

シュリカの暖かで湿った舌は、まるでそれ自身が独立した生き物のように
ライの肉棒をねっとりと包み、こすり、時には突付いた。
絡み付いて離れない激しい責めを見せたかと思うと、唾液の糸を引きながら
触れるか触れないかのギリギリのところで舌先を這わせたりする。
ライが思わず腰を突き上げると、シュリカの蔑んだ含み笑いが聞こえてくる。
それに激しい羞恥を覚えながらも、猛々しくなっている己自身を
彼女が深く深く咥え込んでくれない事に、ライは切ない気持ちになるのだった。

愛撫に喜ぶライの身体が、弄ばれることを頑なに拒否する彼の自尊心を激しく打ちのめす。
しかも、彼の顎はシュリカを喜ばせるのに必死でもあった。

もはや、ライは蜘蛛の巣でもがき、ますます深みにはまる獲物そのものであった。
彼女の責めにライが不覚にも果てそうになると、
シュリカはライ自身のくびれ部分を唇でぐっと押さえ、それを許さない。
その苦しさにライの彼女への愛撫が停止してしまうと、
彼女は袋を包んだ掌にぎゅっと力を込めるのだった。
それを幾度も幾度も繰り返していった。

意識が混濁するライの耳に、シュリカの声が聞こえたような気がする。

「…泣いて許しを請うまで 逃がさないからね…」
  
苦痛と快感が織り交ざった果てしない波に、ライはゆっくりと沈んでいった。


698名無しさん@ピンキー:04/02/04 21:45 ID:6cQm7QQs
すごくいいよー!!!
久しぶりの作品ということもあったしマジ最高!!!
よければまた書いてね!!!
699名無しさん@ピンキー:04/02/04 22:13 ID:OQS3rAwR
乙です!
700名無しさん@ピンキー:04/02/05 03:52 ID:VcKU35QZ
サイコーデスタ(´∀`
701名無し:04/02/06 15:47 ID:D/spwg8q
GOOD JOB
702名無しさん@ピンキー:04/02/10 19:19 ID:wqS0FQ4p
GJ GJ GJ GJ GJ-----!!!
703名無し:04/02/13 00:21 ID:CVE2+/Oh
久しぶりに来たらグッドな作品があるじゃないですか 職人さんありがとう
704名無し:04/02/19 23:59 ID:c2EQMJx7
あげ
705名無しさん@ピンキー:04/02/24 11:12 ID:knuagdRc
age
706名無しさん@ピンキー:04/02/29 23:12 ID:POZGcWem
 | ,,∧
 |ω・´ミ  とりあえず・・・勝手に続き書いて見てもええか?
 ⊂ミ     おもろなかったらスルーしてな。
 |ノ
 |


ライとの戦いを終えたシュリカは、宿への道を急いでいた。
時折右脚がズキンと痛むが、歩くのに支障があるほどではない。
むしろ、ライが気絶するまで行った激しい行為のおかげで、一時的に力がみなぎっているようにも思えた。
今夜はとりあえずギルドに戻ろう、と思い、自然と足が速くなる。

すると、住宅地の中から女性の悲鳴が聞こえてきた。はっきりとこちらに
聞こえるほどの大きな悲鳴だった。様子がみたくなったシュリカは自然と歩みを早めた。

「放してー!」
住宅地の外れで、男たちに捕まって引っ立てられていく一人の少女がいた。
周囲には人さらいと思われる男達が何人かいた。一人は騎馬に乗っている。おそらくは
この男が人さらいの大将格なのだろう。

シュリカは狭い路地からその一部始終を目にした。幸い人さらい達はこっちに全く気づいていない。
(アイツは・・・この町の鼻つまみ者のゲルド・・・こんな事をやっていたのね)
鼻つまみ者を懲らしめ、人を救ったということで評判も上がる。さらには報酬も請求しようと思えば請求できる。
シュリカの心は決まった。
707名無しさん@ピンキー:04/02/29 23:13 ID:POZGcWem
シュリカは男達の一人を狙って、物陰から表に走り出して跳び蹴りを食らわせた。
少女に集中していた男のうちの一人がそれを側頭部にモロに喰らって吹っ飛ばされる。無論起きあがらない。

「あああっ!?」
「なっ、なんだ!?」

男達が動揺する。シュリカは男たちが動揺している間に、少女の腕を取る。

「逃げて!」

シュリカがそう叫ぶと、少女は戸惑いながらも、裏道へと走っていった。

「おい、シュリカ、何のつもりだ」
大将格の男・・・ゲルドが馬上から冷たい視線でシュリカを見つめる。

「通りすがりの正義の味方・・・とでも言っておくね」

シュリカはフフンと鼻を鳴らす。

「この人数を前にお前一人でやり合おうってのか?勇気と無謀は全く別物だぞ」

ゲルドはライよりは少し背は低いが、筋骨隆々の男だ。人によってはライよりも強く見えるかも知れない。
手には長い槍を持っていた。お互い、顔には見覚えがあった。
708名無しさん@ピンキー:04/02/29 23:14 ID:POZGcWem

「無謀かどうか、アンタの体で試してみる?」

シュリカは指をパキパキと鳴らし始めた。

それを見たゲルドが、かかれとばかりに目配せをする。部下達が一斉にシュリカに襲いかかってきた。

フッ!という風を切る音がする。ゲルドの部下が槍を振り下ろした音だ。
シュリカはそれを左にすっと動いてかわす。その部下にシュリカが足払いを喰らわせると、
部下はもんどり打って地面に倒れていた。

間髪入れずに別の男が襲いかかってくる。懐に入ったシュリカは男の左腕を取ると、
前方にいた二人に向かって投げ飛ばした。三人が一団となって地面に転がった。

今度は前後から同時に敵が襲ってくる。

「はあっ!」

シュリカの空気をも斬りさきそうなほどの旋風脚が前後から襲ってきた2人を同時に蹴散らす。
ドゥ、という音とともに2人が地面に倒れ込んだ。
709名無しさん@ピンキー:04/02/29 23:16 ID:POZGcWem
「もうこれで残ってるのはアンタだけよ」

シュリカがどうだと言わんばかりの表情でゲルドを見る。

「人の縄張りに踏み込もうってヤツか・・・それなりの覚悟はあるんだろうな?」

ゲルドは手に持った槍を頭上でグルンと一回転させてシュリカの方に向ける。
こっちは馬に乗っている。相手は徒歩。どう考えても自分の方が有利なはずなのに、
シュリカは落ち着き払った表情をしている。それがゲルドにとってはたまらなく不快だった。

シュリカも対抗して、足下に倒れている部下が持っていた槍を1本手に取った。
双方の間にピリピリとした空気が流れている。

「死ねいっ!」
先に槍を突き立てて仕掛けてきたのはゲルドだった。

(続く・・・)
710名無しさん@ピンキー:04/03/01 21:07 ID:385tnUi7
勝手に書くなよ。
それぐらい最低限のルールだろ。
711名無しさん@ピンキー:04/03/02 00:33 ID:X+10qRKF
つーかオリジナルは単純な力では劣るものの、
武器やら策略やらを駆使して勝つ女というのがポイントだったのに
コピ厨はそこら辺を無理矢理自分好みの絶対的強者の描写に書き換えてやがる。
勝手な方向性をつけてその上「続く」とは・・・目的が明らか過ぎて萎え。

人の作品の方向性を勝手に捻じ曲げるような真似は最低。
自分好みの物が書きたきゃ一から書け。
712名無し:04/03/06 07:02 ID:Qez5Jlce
誰かー
713名無しさん@ピンキー:04/03/06 07:24 ID:6Gwe7SuV
本日のラッキースレ
http://etc.2ch.net/test/read.cgi/denpa/1078276440/

このスレに(・∀・)ブイブイ!! と一言書き込めば
幸せが訪れるでしょう
714名無しさん@ピンキー:04/03/09 11:54 ID:oTzGmk6T
age
715名無しさん@ピンキー:04/03/11 09:45 ID:N5Oq+CNI
ag
716名無しさん@ピンキー:04/03/16 14:56 ID:Sl+dEGBS
おちろばか
717名無しさん@ピンキー:04/03/18 17:42 ID:/hlufryu
職人いらっしゃーい
718名無しさん@ピンキー:04/03/20 21:30 ID:lgut5RDI
あげ
719名無し:04/03/22 09:43 ID:obBpwl2r
落とさないぞ
720名無しさん@ピンキー:04/03/22 13:05 ID:Y90S8s1f
保守
721名無しさん@ピンキー:04/03/22 15:15 ID:U9cCzTKW
722名無し:04/03/22 20:54 ID:obBpwl2r
見れねえ
723名無しさん@ピンキー:04/03/23 00:55 ID:msA2v4Dy
あけ
7241:04/03/25 21:22 ID:oD89MS5T
先日はくすぐりで不快にさせて
しまってすいませんでした。
4ヶ月謹慎したんで許して下さい。
725名無し:04/03/25 22:02 ID:+SgbY9z1
許してあげる
726名無しさん@ピンキー:04/03/26 18:14 ID:OHLFUJ4n
おい、1氏!
続きずーっと期待してんだからな!!
727名無しさん@ピンキー:04/03/28 14:46 ID:HKzSxkfl
H
7281:04/03/28 20:37 ID:c+PS5Lea
春麗&さくらvsテリーの調教ものをやってみようと思います。
まずはストリートファイターの方の設定を調べてみようと思います。
7291:04/03/28 21:56 ID:c+PS5Lea
今年も第2回キングオブファイターズが開催される。

大会を一週間後に控え、山奥で一人、大木を相手に打撃を繰り返す男の姿があった。
彼の名はテリーボガード。
前回、大会に優勝し、ギースハワードを倒して父の仇を討った男だ。
テリーは今回、ただ純粋に、格闘家世界一の座に就くことを目指し、訓練に励んでいるのであった。
テリー「はっ!」
ズシン!!
テリーが身体を回転させてクラックシュートを浴びせると、大木が大きく揺れる。
修行のテーマであった、「スピードを落とさずパワーを付けること」、
テリーはこの課題をクリアした達成感を感じていた。
テリー「OK。完璧だな。」
今日は軽く汗を流した程度、大会までは、このペースで大丈夫。
そう思って宿舎に戻ろうとしたテリーであるが、木陰に、若い女が二人、立っていることに気付く。

女「こんにちは、テリーボガードさん。」
テリー(いつの間にいたんだ。)
一人はチャイナ服、もう一人は制服を着ている。恐らく、あの制服は日本人だろう。
チャイナ服の女「特訓、見させてもらったわ。すごいパワー。さすが前回の優勝者ね。」
テリー「ずっと見てたのか?」
チャイナ服の女「ええ、飽きなかったわ。」
制服の女「言っとくけど、別にあんたのファンじゃないからね。」
無愛想な表情で制服の女がつぶやく。
テリー(?)
7301:04/03/28 22:06 ID:c+PS5Lea
第2話

てっきりファンの女性かと思っていたテリーには、制服の女性の言葉が意外であった。
テリー「ファンじゃないのか?知り合いだった覚えもないが。」
チャイナ服の女「実は偵察に来たの。前回優勝者がどれくらいの実力なのか、をね。」
微笑を浮かべてチャイナ服の女性が言った。
よく見ると女性はかなり魅力的だ。
膨らみから分かる豊満な胸、露出した肉付けのいい太もも、
鋭くはっきりした瞳を始めとする、バランスのとれた顔、
何よりも魔性を思わせるフェロモンが漂っている。
テリー(おっと、こんなことを考えるのは悪い癖だな。)
テリー「とすると、あんたらまさかスパイなのかい? それにしては堂々としたスパイもいたもんだな。」
先程の思いを隠すかのように、落ち着いた表情で話すテリー。
テリー(どうせ、本戦に出場できもしない小者達が仕向けたんだろう)
チャイナ服の女「いいえ、スパイじゃないわ。」
731名無しさん@ピンキー:04/03/28 22:24 ID:Md/Zh0yr
期待
7321:04/03/28 23:43 ID:c+PS5Lea
>>729
第3話

テリー「よく分からないな。」
ファンでもなければ、雇われたスパイでもない。
このチャイナ服の女のフェロモンもあってか、テリーはこの状況がよく飲み込めていなかった。
チャイナ服の女「偵察に来たのは、戦いの参考にするため…」
テリー「?」
チャイナ服の女「私達自身が大会に出場するのよ。」
テリー「え?」
その意外な言葉にきょとんとしたすぐ後、思わず笑ってしまうテリー。
テリー「ははっ。悪いジョークだな。何がしたいんだ。」
しかしチャイナ服の女は微笑の表情を全く崩さない。
チャイナ服の女「ふふ、冗談じゃないわよ。私の名は春麗、こっちの子はさくら。
今回のキングオブファイターズに参戦するの。もう申し込み済みよ。
今回は一応、参考に、と思ってあなたの修行を見に来たのよ。」
…。ごく自然に喋るこの口調が嘘をついてるとは思えない。
7331:04/03/28 23:44 ID:c+PS5Lea
>>729
第4話

テリーは100歩譲った立場で女達に問い掛ける。
テリー「正気なのか?女がダイエット格闘技の腕試しに出るような場所じゃないぜ?」
その言葉に、さくらがムッとして口を出す。
さくら「ダイエット格闘技?あんた、女だからって馬鹿にしてるんじゃないの?こっちはしっかりとした流派なのよ!」
テリーはため息をつき、面倒くさそうに、返す。
テリー「馬鹿になんてしてないさ。男と女の区別を付けてるだけだ。『女だって』って言ってどこにでも参加できると思ってたら大間違いだ。」
顔を真っ赤にするさくらを軽く制して春麗が前に出る。
春麗「あら、説得力がないわよ。だって前回の大会には女性は出場していないんだから。
それも女性禁制というルールがあったからね、実力で出れなかったわけじゃないわ。
でも最近は、女性の格闘家も委員会に認知され始めてきて、今回のルールでは女性禁制が取り外されたの。
今大会では女性の優勝候補もたくさんいるのよ。不知火舞やブルーマリー、麻宮アテナにキャミィなどね。
女性格闘家を倒したこともないあなたに、馬鹿にされる筋合いはないわよ?」
さくら「そうよ、あんたなんか井の中の蛙ってやつよ。」
何かと突っかかるさくら。こちらも相当の美人だ。
制服の上からもはっきりと分かる胸に、ミニスカートから見える太もも、
力強い瞳と合わさって、その身体を称すなら、健康的なエロティックである。
春麗の言葉、どれも知らない名前ばかり。テリーは馬鹿々々しくなってくる。
734_:04/03/30 12:45 ID:fqvVEoY1
久々のSS乙彼
春麗たちと今戦うのか、トーナメントで戦うのか
どちらにしても楽しみです
735_:04/03/30 14:20 ID:fqvVEoY1
テリーが優勝したときは女が不参加って言うのがいいね
7361:04/03/30 21:00 ID:EhWTic66
>>729
第5話

テリーはいい加減、二人を追っ払いたい気持ちでいっぱいになった。
突っかかられるのが面倒くさい、というのもあるが、二人の女としての色気に戸惑ってもいた。
テリー「分かったよ、頑張ってくれよ。本戦で戦えたらいいな。」
そういって背を向けて宿舎へ向かおうとするテリー。
テリー「まぁ出場できたらな。」
二人に言いたいように言われた悔しさから、少し大人気なく、捨て台詞を残すテリー。
しかし、それがさくらをまた刺激してしまう。
次の瞬間、テリーの頭に痛みが走る。
テリー「痛(つ)っ!」
さくらが石ころをテリーの頭に投げたのだ。
これにはテリーもムカッときてしまう。
テリー「このガキ、何しやがる!」
振り返り、罵声を浴びせるテリーだが、さらに大きい声が返ってくる。
さくら「ふざけんじゃないわよ!前回優勝者だかなんだか知らないけど調子乗ってるんじゃないわよ!」
真っ赤な顔で怒鳴るさくら。テリーも引けない。
テリー「調子乗ってるのはお前らだろうが!女のクセして格闘技なんかにでしゃばってんじゃねえよ!」
その「女のクセ」という言葉が、さらにさくらをカンカンにさせてしまう。
7371:04/03/30 21:03 ID:EhWTic66
>>734
レス、ありがとうございます。
今度は不快を与えぬよう、頑張りたい次第です。
7381:04/03/30 21:45 ID:EhWTic66
>>729
第6話

さくら「あんたこそチンケな大会で優勝したくらいででしゃばってるんじゃないわよ!どうせグズみたいなやさ男ばかり倒してきただけのクセにいい気になんないでよ!」
前回の大会を死に物狂いで勝ち抜いてきたテリーにこの言葉は、最高の侮辱であった。
テリー「お前ら、その言葉忘れんなよ!予選会場で潰れた顔、拝んでやるよ!」
さくら「もうこいつ許せない!」
テリーに飛び掛ろうとするさくら。しかしそれを、春麗がその前に手を出して制す。
春麗「まぁ、二人とも落ち着いたらどう?」
さくら「だって、春麗さん、こいつが!」
にらみ合うテリーとさくら。
春麗「テリーさん、失礼したわ。この子、男性に対してコンプレックス持ってるから熱くなっちゃったみたい。私からも謝るわ。今回はなかったことにしてもらえないかしら?」
春麗が止めに入ったおかげでなんとか落ち着くテリー。
テリー「もういいから帰ってくれ。」
そういって地面に唾を吐き捨てるテリー。
落ち着こうとしたがそれを見て、やはりカッとなるさくら。
さくら「やっぱりこいつ許せない!」
春麗の手をどけようとするさくら。
こいつが男だったらとっくにボコボコにしてやってるのに。
そう思いながらさくらを睨むテリー。
春麗「分かったわ。テリーさん、私と軽く、一試合、交えてくれないかしら?」
意外な言葉に一瞬、思考を失うテリー。
テリー「えっ?」
春麗「最初に失礼をしたのはさくらだけど、このままじゃこの子、気が済みそうにないの。
女性を馬鹿にする気持ちはよく分かるわ。生物学的に見れば男性に比べて女性は非力だから。
でも実際に、一試合対戦してみれば、女性だって戦える、ということを理解してもらえると思うの。」
テリー「…。」
春麗「もちろん、対戦してみて私が、やっぱり戦うに値しなかったら、意見を変えてもらわないでけっこうよ。
その時もさくらも納得できるでしょうしね。どうかしら?」
さくら「でも春麗さん、それなら私が!」
前に出ようとするさくら。しかし春麗は少し微笑む。
春麗「あなたは駄目よ。頭に血が上っちゃってるからね。少し冷やしたらどう?」
7391:04/03/30 21:46 ID:EhWTic66
>>738
×その時も
○その時は

です。
740:04/03/31 02:07 ID:3Zdck7Cz
GOOD 試合が楽しみ
741_:04/03/31 08:34 ID:WqO4fq6A
乙。続き期待してます
7421:04/03/31 12:21 ID:JZ9VOSye
>>729
第7話

さくら「…。はい。」
拳を握り締めながらも春麗の言葉に従うさくら。下を向いている。
テリー「…。」
春麗「テリーさん、どうかしら?別に本気で殴り合うと言っているわけじゃないわ。受けてもらっていいと思うけど。」
今までの人生の中で、テリーの中にはなかった『男vs女』という概念。
ありえないこと、として飲み込んだテリーはそれを拒否した。
テリー「断るよ。まぁ、KOFで合った時には受けてやるよ。」
春麗「…。そう、残念だわ。」
微笑の表情を変えず、了承する春麗。
『残念だけどいいわね』、さくらに目でそう言い聞かせている。
背を向け、宿舎に歩きだすテリー。
面倒になりそうなので、『怪我をしたら困るからな』という言葉は、我慢して出さないでおいた。
さくら「へ〜、逃げるんだあ♪」
不意にかけられた言葉に、振り向くテリー。
さくらが両手を頭の後ろにやったポーズでニヤニヤしている。
テリー「なんだって?」
さくら「『春麗さんが怖くて逃げるんだ』って言ったの。ダサいわね。じゃあね〜♪」
そういって笑みを浮かべるさくら。
春麗「ふふ。さくら、困らせちゃ駄目よ。」
見ると春麗もクスクス笑っているではないか。
ここまでプライドを刺激されたら引き下がれないテリー。
テリー「やってやるよ。」
気付くとその言葉を口にしていた。
7431:04/03/31 12:24 ID:JZ9VOSye
妄想しながら書いてるのでところどころで展開が飛躍してたりしたらすいません。
744名無しさん@ピンキー:04/03/31 16:40 ID:DGj1+H6p
非常に( - _ - )イイッ!
どんどん気にせずに妄想かいちゃってねー!
7451:04/03/31 17:27 ID:JZ9VOSye
>>729
第8話

テリーの言葉に微笑む春麗。
春麗「あら、いいのかしら。なんかこの子が催促しちゃったみたいだけど。」
テリー「…。」
面倒なこと言ってしまったな、と舌打ちするテリー。
さくらはまだニヤニヤ笑っている。
さくら「無理しなくていいのよ。大会まであと一週間は逃げてられるんだからさ。クスクス♪」
何かと挑発するさくら。テリーも、さくらがそうやって、対戦を促そうとしていることくらい、分かっていた。
さくら「考えてみればそうよね。『女に負ける』、なんて男からしたら赤っ恥もいいところだもんね。
    無神経なことをお願いしてごめんなさいね。撤回していいのよ。私はもう大丈夫だから♪」
テリー「黙ってろよ、クソガキ。あんたと対戦すればいいんだろ?」
と、もう腹をくくって春麗を見据えるテリー。
春麗「ええ、軽くだけどね。お互い、前哨になればいいわね。」
相変わらず、落ち着いた笑みを浮かべている春麗。
これから戦う雰囲気は全く伝わってこない。
テリー「…。」
さくら「本当にいいのかしら? 春麗さんにコテンパンにされて泣いちゃった人たくさん見てきたわよ♪
    前哨戦どころか、このままリタイアにならなきゃいいけどね。クスクス。」
テリー(口の減らないガキめ。こいつだけはこの女を倒した後、一発殴って…)
春麗「では早速始めましょう。」
小さな声だが、春麗のその一言がテリーの思考を遮った。
錯覚だろうか、今まで経験したことのないような威圧感を感じたテリー。
場に、特有の、ピリッとした雰囲気が広がる。
春麗がかまえる。表情は、より一層、妖しい笑みを浮かべている。
右手と一緒に、右足を軽く前に出すかまえは、太ももを色っぽく見せる。
7461:04/03/31 17:42 ID:JZ9VOSye
>>729
第9話

テリー「本当にやるのか…。」
まだ現実に半信半疑で、ゆっくりとかまえをとろうとするテリー。
さくら「早くしなさいよ。」
さくらが野次を飛ばす。それを無視してかまえをとるテリー。
テリー(ボディに一撃食らわせて終わりにするか。)
春麗「さくら、開始の合図をしてもらおうかしら。」
さくらの方を向いて、そう告げる春麗。
さくら「あっ、はい。」
向き合うテリーと春麗。
テリー「…。」
春麗「こんなに早くお手合わせできるとは思わなかったわ。
    男性チャンピオンの実力、見せてもらうわよ。」
微笑みを浮かべながら春麗が言う。
さくら「では…はじめ!」
さくらの大きな声とともに、場に緊張感が漂う。
テリー(どういう攻撃をしてくるのか、全く分からないな。少し様子を見てみるか。)
かまえをとったまま、動かないテリー。同じくかまえをとったまま、春麗が言う。
春麗「意外と慎重なのね。私からいかせてもらうわ。」
そう言うと同時に、高く飛び上がる春麗。
テリー「っ!?」
すごい跳躍力だ。周りに生える木の頂点まで届くんじゃないか、と言っては大袈裟だろうが。首を上げて春麗の動きを追うテリー。
テリー(なんだ、この動きは…!)
春麗は空中で妖しく、変化した動きを見せ、落下してくる。そして…
バシッ!
テリー「がっ!」
上からの攻撃を経験したことのないテリーは、攻撃をかわすことができなかった。春麗の右足爪先が、テリーの頬をとらえたのだ。思わず顔を抑えるテリー。すかさずかまえをとる春麗。
テリー「くっ!」
7471:04/03/31 18:06 ID:JZ9VOSye
>>729
第10話

まさか、一撃食らうとは思わなかった。これがテリーの感想だ。
攻撃をしかけてきたら、そのカウンターでボディに一発、それで決めるはずだった。
その予定を狂わせられたテリーは、少し戸惑った。
テリー「…。」
さくら「春麗さん、ナイス!」
さくらが笑顔で喜んでいる。
相変わらず、色気たっぷりの、右足を差し出したかまえで、春麗が口を開く。
春麗「あらっ、当たってしまったみたいね。空中からの攻撃には慣れていなかったかしら?」
挑発ではないのだが、笑みを含ませた一言に、ムッとなり、言い返すテリー。
テリー「まぐれでいい気になるなよ。」
春麗「でも、これで油断は解いてもらえたかしら? あなたも実力を出してちょうだい。」
どんな言葉にも、落ち着いた笑みで対応する春麗。さくらと比べ、大人だ。
さくら「負け惜しみ言ってるんじゃないわよ!動きを追えてなかったくせに! 春麗さん、決めちゃって下さい♪」
さくらの野次を無視して、春麗を睨むテリー。
テリー(…。それなら、一気に終わりにしてやる…。)
テリー「いくぞ!」
次の瞬間、力強い踏み込みとともに、高速で、春麗の目の前まで移動してみせるテリー。
春麗「!?」
テリー「はっ!」
そしてボディブローを浴びせる。
『ズン』、という音とともに、後ろに吹き飛ぶ春麗。
テリー(…。終わったな。)
勝ちを確信するテリー。ところが、春麗は上手くバランスをとり、着地する。しかも、ガードしていたではないか。
春麗「ふう…。すごい一撃ね。」
テリー「!?」
確かに全力で叩き込んだわけではないが、それなりには力を込めた。
しかもあのタイミングでガードされるとは…。
余裕ともとれる妖しい笑みを崩さず、再びかまえをとる春麗。
7481:04/03/31 18:10 ID:JZ9VOSye
>>729
第10話(修正)

春麗「ふう…。すごい一撃ね。」
余裕ともとれる妖しい笑みを崩さず、再びかまえをとる春麗。
テリー「!?」
確かに全力で叩き込んだわけではないが、それなりには力を込めた。
だが仕留めることはできなかった。
しかも、あのタイミングでガードされるとは…。

---------------------------------------------------------
ちょい最後の方を修正します。
すいません。土下座してますので、許して下さい。
749奈々氏:04/04/01 08:53 ID:HPCSMZFt
精神的に追い詰めていってほしい。
750名無し:04/04/01 18:16 ID:e3O2D8Ni
良いですね。春麗からどんな業が繰り出されるのか、テリーをどう追い詰めていくのか楽しみ
751:04/04/02 00:15 ID:4dnyEMmc
いい
752_:04/04/02 09:11 ID:QI/BJr5q
期待AGE
753夢よい:04/04/02 13:25 ID:4dnyEMmc
待機
754揚げ:04/04/03 19:50 ID:IBc7gBV+
生殺しやがな
7551:04/04/03 22:33 ID:osw+QjN0
>>729
第11話

相変わらず、魅力的な太ももを強調するかまえの春麗。
空中からの攻撃、速いガード、目の前の相手を厄介だ、と思い始めるテリー。
テリー「…。」
春麗「さぁ、行くわよ。」
微笑を崩さない春麗。再び、空高くジャンプする。
テリー(また空中からか。今度は見極めてやる。)
後ろにステップし、春麗の動きを冷静に追うテリー。
先程と同じくらいの位置まで上がる春麗。
すると今度は、足で木を蹴り、スピードを増してテリーに向かい、落下してくる。
テリー「っ!?」
ビシッ!
突然のスピードの変化に戸惑い、対処できずに再び、一撃を受けてしまうテリー。
春麗の右足爪先がテリーの頬にヒットする。
テリー「ちぃっ!」
崩れようとする体勢をすかさず整えるテリー。
さくら「ヒットヒット〜♪」
さくらがガッツポーズで喜ぶ。
クソガキが、どう思いながら春麗を睨むテリー。
すると春麗の姿がそこにはない。
7561:04/04/03 22:55 ID:osw+QjN0
テリー「何っ!?」
頭上を見上げると、既に、次の空中攻撃の体勢に移っている春麗。
春麗「さぁ、行くわよ。」
テリー「くっ!」
まだしっかりした対策がないまま、とりあえず、後ろにステップし、春麗の動きに集中するテリー。
テリー(こうなったら、降り際を叩くしかない。)
そう思い、ガードの姿勢をとるテリー。
そこに春麗の右足爪先蹴りがくる。
ガッ!
腕にヒットした感触を得たテリーはすかさず、攻撃の姿勢に入る!
テリー(えっ?)
右手拳を突き出そうとするが、春麗の姿が視界になかった。
春麗「ふふっ、こっちよ。」
声のした方を見上げると、春麗は、テリーのガードした腕を踏み台にし、そこから再び空中にジャンプをしていた。
テリー(なっ!)
何も考えられないまま慌てて、再び、ガードをしようとするテリー。
しかしその前に顔面に右足の爪先がヒットする。
バシッ!
テリー「ぶっ!」
先程よりも強い衝撃、鼻血が出てしまうテリー。
しかも、それを踏み台にし、さらに春麗がジャンプする。
今度は低いジャンプの軌道だ。
春麗「ほらっ!」
体勢が崩れたままのテリーの頬に再び、春麗の右足爪先がヒットする。
バシッ!
テリー「っ!」
さらに空中へと上がる春麗。
7571:04/04/03 23:07 ID:osw+QjN0
>>729
第13話

今までの攻撃の中で、一番、高い位置までジャンプする春麗。
ガードしても駄目、かといってカウンターも難しい。
その間にも春麗が下降してくる。対策を練る時間もない。
さくら「春麗さ〜ん、トドメさしちゃって下さ〜い♪」
テリーは冷静に考えられないまま、無意識のうちに行動に出る。
春麗「あらっ。」
クスッと微笑む春麗。
なんとテリーもジャンプをしていたのだ。
空中攻撃には空中で、というなんとも苦肉の策である。
足から向かってくる春麗に対して、拳を繰り出そうとするテリー。
しかし…
バシッ!!!!
春麗は右足爪先で、テリーの拳に、器用にクロスカウンターを決める。
今までの最大のダメージを喰うテリー。
そのまま地面に叩きつけられ、後ろに転げるテリー。
テリー「がっ!」
やっと、春麗が地上に着地する。
春麗「どうかしら? テリーさん。」
倒れたままのテリーを見下ろしながら、腰に両手を当て、胸を張ったポーズで言う春麗。
7581:04/04/03 23:07 ID:osw+QjN0
ちょい雑かもしれませんが、お許し下さい(´・ω・`)
今度、これ系の投稿サイト作りたいですね。
7591:04/04/03 23:54 ID:osw+QjN0
>>729
第14話

すぐに立ち上がり、鼻血をぬぐうテリー。その様子を見ているままの春麗。
春麗「テリーさん、これで女性も男性に対抗できる、ということを理解していただけたかしら?」
首を少し横に傾けて言う春麗。表情は微笑んでいる。
テリー(くっ。)
睨んだまま、テリーは何も言い返せない。確かに致命的なダメージではない、だが、対応ができなかったことは、事実だからだ。
さくら「さぁ、降参しなさいよ。『すいませんでした』って。」
さくらが腰に両手を当て、前かがみになってテリーに言う。
さくら「でもいい気味ね、全然春麗さんの攻撃避けれないんだもん♪」
優越感たっぷりといった表情で言い放つさくら。その言葉に、思わず拳を握り締め、強く言い返してしまうテリー。
テリー「馬鹿を言うな。あんな奇策、慣れればなんてことはない!」
大きな声が辺りに響き渡る。
春麗「あら、そうかしら?」
微笑みを崩さないまま、すぐに問い返す春麗。
テリー「それに力だって足りない。何回受けたってダメージもないしな。」
春麗を睨みながら、言葉を返すテリー。相変わらず春麗は微笑んでいる。そこにさくらが割り込む。
さくら「強がり言ってるんじゃないわよ!」
テリー「所詮、女が参加できるものじゃないんだ、格闘技はな。」
さくら「ふざけるんじゃないわよ!負け惜しみ!」
敵意満々の表情で、怒鳴るさくら。
テリー「ふざけてるのはお前らだ! 手加減しているうちに返れ!」
テリーも我慢できずに、怒鳴る。すると春麗が再び、静かに、妖しい雰囲気をかもし出す、かまえをとる。
テリー「っ!」
それに反応し、思わずかまえをとるテリー。
春麗「それなら、私の攻撃を一度でも避けることが出来れば退散しようかしら。」
テリー「…! なんだと?」
春麗「ふふ、言葉通りよ。もう慣れたのかしら?」
一段と妖しい笑みを浮かべる春麗。実際、テリーは対策ができていない。しかし先程、さくらとのやりとりで出てしまった自分の勢いを、止めることが出来なく言い返してしまう。
テリー「当たり前だ! 無駄だってことを教えてやる!」
760名無し:04/04/04 02:44 ID:twJQ37mN
投稿サイトイイ そして空中さっぽうで翻弄されるテリーイイ
7611:04/04/04 16:16 ID:/M15Yr6R
>>729
第15話

春麗「そう、楽しみだわ。クスクス。」
春麗が笑みを含ませる。心なしか、最初よりも随分と挑発的になっている。
さくら「強がり言って後悔してるんじゃないの? 謝るなら今のうちよ♪」
さくらが野次を入れる。
テリー「ちっ。」
舌打ちをするテリー。
テリー(確かにダメージが強大というわけではない。しかし、あの変則的ない動きを避けることははっきり言って、難しい…。どうする?)
『避けることができなかったらまずい』、この気持ちが、さらにテリーを焦らせていた。
右足をゆらっと上げる春麗、魅力的な太ももが一層際立つ。
春麗「ふふ、次は本気で行こうかしら。あなたが避けるからかまわないわよね?」
クスッとした表情で告げる春麗。
テリー「本気だと?」
春麗「ええ、仕留めるつもりでいくから、油断しない方がいいわよ。」
警戒心を刺激され、思わずかまえた拳に力が入るテリー。
テリー「」
春麗「クス、それなら安心ね。行くわよ。」
そう言ったと同時に飛び上がる春麗。
テリー「くっ!」
また一連の状況と同じく、上を見上げ、かまえをとるテリー。
春麗の空中攻撃への、対応策がなかった。
7621:04/04/04 16:31 ID:/M15Yr6R
>>729
第16話

最頂点に達し、下降してくる春麗。
テリー(くっ、集中してパンチを当てるしかない!…っ!?)
今までで一番速い下降に戸惑うテリー。
テリー(は、はや…)
春麗がテリーへ向かい急下降する。
テリーがそれをめがけて無意識で、拳を、突き出すが…。

ガツゥッ!!!
テリーの拳に再び、クロスカウンターを合わせ、顔面に攻撃をヒットさせる春麗。
しかも今度は、体重を乗せる形で、『膝』をぶつけていた。

…………
…………
テリー(……?…………ぁ…わ…………?)
真っ白な視界の中を彷徨うテリー。
…………
ゆったりとした時間の流れを感じるテリー。
やがて回転する景色が、ぼやけて見えてきた。
テリー(………………は………!!)
やっと意識して、景色を見るテリー。
クラッ。
テリー(は!?)
自分が倒れようとしていることに気付き、慌てて体勢を整えるテリー。
テリー(…な………)
やっと記憶を取り戻す。どうやら春麗の膝を喰らい、立ったまま、一瞬だけだが失神してしまったことを、認識するテリー。
7631:04/04/04 16:54 ID:/M15Yr6R
>>729
第17話

ガクッ。
膝が笑っていることに気付くテリー。すぐに体勢を整える。
テリー「くっ。…はっ!」
対戦中だったことに気付き、前に立っている春麗を睨むテリー。
春麗は腕を組み、両足をピッタリつけたポーズでテリーを見ていた。
春麗「もう大丈夫かしら?」
妖しい微笑を浮かべながら尋ねる春麗。
テリー「なんだと?」
膝をまともに喰らい、失神しかけてしまったことを認めたくないため、隠したいため、つい大きい声を出してしまうテリー。
春麗は全く、姿勢を崩さない。
春麗「ふふ、目が上に上がっちゃってたから、そのまま倒れちゃうかと思って見てたの。」
テリー「な。」
春麗「でも大丈夫だったみたいね、安心したわ。」
テリー「くっ。今のは…」
春麗「今の膝で倒せるレベルなんて、とんだ期待外れね。」
テリー「なに?」
春麗「クスッ。女でも充分、格闘の世界に足を踏み入れることができるって理解したの。
    そしてあなたは私に敵(かな)わない。」
テリー「なんだと、貴様!」
もうはっきりと、春麗の挑発的な態度が伝わる。その印象の変化に混乱するテリー。
春麗「いらっしゃい。私に一撃でも与えることが出来たら帰らせてあげる。」
そういってかまえをとる春麗。
テリー「!?」
言葉は理解しているが、ただ顔を強張らせることしかできないテリー。
7641:04/04/04 17:14 ID:/M15Yr6R
>>729
第18話

さくら「クスクス♪春麗さん、かわいそうですよ〜♪」
さくらが喜びたっぷりの表情で春麗に呼びかける。
春麗はその言葉にクスッと笑う。
テリー「なめやがって、この女…。」
一層、強く春麗を睨むテリー。
しかしさらに春麗は、かまえたまま、クスッと笑う。
春麗「来ないの? 安心しなさい。もう飛ばないであげるわ。」
その一言に先程のことが頭にめぐり、さらにプライドを刺激されたことで、逆上するテリー。
テリー「この野郎がぁ! 行くぞ!」
春麗に一直線に突っ込んでいくテリー。春麗はその場から全く動こうとしない。
右拳を力任せに春麗めがけて振り下ろすテリー。
しかし、春麗は少し横に移動し、その細い腕を向かってくるテリーの右肘に当て、力を加える。
テリー「!」
右拳の進行方向を崩され、勢いも止めることが出来ず、前のめりに姿勢を崩してしまうテリー。
テリー「くっ!」
キッと春麗の方を振り返り、今度は春麗のボディをめがけて、拳を突くテリー。
しかしまた春麗は横に移動し、それをかわしたかと思うと、両手でその突き出た手の肘をつかみ、クッと引っ張る。
再び、前のめりに姿勢を崩してしまうテリー。今度は転びそうになってしまう。
さくら「春麗さ〜ん♪」
さくらが春麗に声援を送る。
姿勢が崩れたため、地面に両手を付き、すぐに立ち上がろうとすると、頭にコツッとした、軽い刺激を感じるテリー。
なんと、春麗がテリーの前に回り、かかと落としを形だけ、決めていた。
7651:04/04/04 17:29 ID:/M15Yr6R
>>729
第19話

テリーはちょうど、陸上選手のクラウチングスタートの体勢。
そのテリーの頭に、かかと落としの体勢で、右足を乗せている春麗。
テリーが顔を上に上げると、春麗の胴着の下着が見えたが、そんなことはどうでもよかった。
テリー「くぁっ!」
頭に足を乗せるという屈辱の行為に、怒り、力のままに足をどかそうとするテリー。
すると春麗はすんなり足をどけ、後ろにステップする。立つテリー。
さくらがおかしくてたまらない、といった様子で笑っている。
テリー「この野郎…」
あまりの悔しさに、春麗を睨まずには見れないテリー。
春麗はかまえたまま、表情を崩さない。
春麗「クスッ。」
テリー「うおぉぉ!」
怒りに身を任せ、再び突っ込むテリー。
少しだけ、考え、力を加減し、スピード重視で拳を繰り出すが、全く効果はない。
再び、春麗の細い腕に往(い)なされ、体勢を崩してしまうテリー。
さらに春麗が、今度は足を軽くひっかけ、転ばせる。
春麗のすぐ前で、正座をしているような状態になってしまうテリー。
そのテリーの頭に手を添える春麗。
春麗「どうしたのかしら? 降参する?」
テリーを見下した角度から春麗が言う。
プライドがズタズタになり、さらに怒りが込み上げてくるテリー。
テリー「うおおぉぉぉぁぁ!!」
7661:04/04/04 17:39 ID:/M15Yr6R
>>729
第20話

ジャンプして後ろに下がり、かまえをとる春麗。
春麗「怖いわね。」
春麗をめがけてパワーウェイブを放つテリー。
光のオーラが地面を這い、春麗を襲う。
しかし、遠距離のため、容易にかわす春麗。
春麗「あら、これがパワーウェイブ。参考になるわ。」
クスッと笑ってみせる春麗。
テリー「うおぉぉ!」
怒りに任せて何発もウェイブを放つテリー。
春麗「ふふ。」
しかし、当然のごとく、全て春麗はかわしてしまう。
何十発も放った後、スタミナを消費し、動きが止まってしまうテリー。
テリー「くっ、…はぁ…。」
春麗「もうスタミナ切れかしら? 情けないわね。」
右足太ももを強調するかまえのまま、春麗がまたクスッと笑う。
テリー「くっ、ぅ…。」
すると春麗が右足を上げ、下着が見えるようにする。
春麗「ご褒美よ。私に当てることが出来たら見せてあげる。」
さくら「あはは! 春麗さん、いいんですか〜♪」
さくらが相変わらず笑っている。
テリー「こ、この野郎…」
悔しくて悔しくてたまらないテリー。
その様子を楽しむかのように、春麗が微笑む。
春麗「いらっしゃい、ぼうや。」
テリー「この野郎ぉぉ!!」
その赤ちゃん言葉にテリーの怒りは限界点を越えた。
7671:04/04/04 18:00 ID:/M15Yr6R
第21話

テリー「ぐあぁぁ!!」
威嚇する声をあげて春麗に突っ込むテリー。春麗は全く、表情を崩さず、テリーを迎える。春麗の服を強引に掴むテリー。そのまま、倒しこもうとすると春麗の平手打ちがテリーを襲う。
パシッ
テリー「くっ、ぐぅ!!うおぉぁ!」
力任せに、地面に押さえ込んでしまえば、この女を倒すことが出来る。テリーの頭にはそれしかなかった。両手で春麗の右肩部分と左脇部分の服を掴みながら、地面に倒そうとするテリー。しかし春麗は体を器用に動かすことで、テリーが込める力を拡散してみせる。
パシッ
春麗「クスッ。強引にやっても無理よ。」
テリー「ぐぅっ!」
パシッ
テリー「ぐっ!」
パシッ
テリーの力を拡散させる度に、平手打ちを喰らわせる春麗。平手打ちが目をかすんだせいで、テリーが涙をこぼす。
テリー「うっ」
パシッ
春麗「泣いてるの? 情けないわね。我慢しなさい。」
パシッ
すると、その言葉がさらに涙を促してしまう。原因はどうあれ、『涙を流した』という事実が悔し涙を助長してしまったようだ。ついに本当の涙を流してしまうテリー。
テリー「ぐ…うぅ!」
パシッ
春麗「クスッ。無駄よ。」
パシッ
さくら「泣いてる〜♪ダッサ〜い♪」
『力任せでも春麗を倒すことが出来ない』、テリーの頭はその事実で埋まっていた。拡散させては平手打ちを繰り返す春麗。
テリー「ぐっ、ぐうぅっ!」
パシッ
テリー「がぁ!」
パシッ
春麗「泣いてるだけじゃ倒せないわよ、ぼうや。」
テリー「ううぅ、ぐぁっ!」
パシッ
7681:04/04/04 18:09 ID:/M15Yr6R
第22話

どんなに力を入れても拡散され、春麗を倒すことが出来ないテリー。
パシッ
パシッ
やがて、春麗が平手打ちの回数が増えてくる。
春麗「頑張りなさい。」
テリー「うぅ、ぐぉ!」
パシッ
パシッ
春麗「ほらっ」
パシッ
微笑みながら、春麗は平手打ちを続ける。とても、大の男が女の体を掴んでいる状況とは思えない。
パシッ
テリー「うぅっ」
パシッ
テリー「ばっ」
パシッ
春麗「どうしたの?」
パシッ
テリー「ぐっ、あ」
パシッ
春麗「うふふ。」
パシッ
パシッ
そのうち、上手く力を入れることすらできなくなってくるテリー。
春麗「ほらっ」
パシッ
パシッ

パシッ
『敵わない』、その絶望から、テリーはもう力を込める意志すらなくしてしまう。その平手打ちを喰らうと、ついにその場に膝を付き、倒れてしまうテリー。
7691:04/04/04 18:34 ID:/M15Yr6R
>>729
第23話

ちょうど先程と同じく、春麗の前で正座している状態になったテリー。再び、春麗がその頭に手を添える。
春麗「もう終わり? 情けないわね。」
見下しながら、春麗が言う。
テリー「うう…。」
その言葉に言い返せないテリー。
さくら「あ〜、つまらないの♪」
さくらは上機嫌で、両手を伸ばし、欠伸をしている。
春麗「ふふ、終わりみたいね。」
テリー「…。」
正座状態で、下を向いたまま、目を合わせることが出来ないテリー。
春麗「これで理解してもらえたかしら? ふふ。
    それどころか、逆にプライドを傷付けてしまったようね。」
さくら「春麗さん、もう、かわいそうですよ♪」
さくらが満面の笑みで二人の元へに歩み寄る。まだ春麗とテリーの姿勢は変わらない。
さくら「それにしても情けないわね。」
テリーに向かってさくらが言う。
さくら「あれだけ女を馬鹿にしてたのに、一発も当たらないで負けちゃうんだもん♪」
テリー「…。」
春麗がクスッと笑いながらもさくらを制す。
春麗「さくら、止めておきなさい。」
さくら「何回も落ちちゃいそうで助けられてたわよね♪春麗さんに感謝しなさい♪手加減してあげたんだからね♪」
テリー「…く…」
春麗を倒せるイメージが浮かばないテリーは、立ち上がることが出来ない。なんとか、さくらを見返すことしか出来ないテリー。しかし、正座の姿勢で、春麗に頭に手を添えられたまま、睨んでも、全く威圧感はない。
さくら「な〜に? 文句あるわけ?」
優越感たっぷりの表情で、首を少し傾け、言い放つさくら。
テリー「…ない。」
さくら「な〜に?」
テリー「まだお前に負けたわけじゃない!」
16,7歳の娘に馬鹿にされ、思わず、言葉を返してしまうテリー。
7701:04/04/04 18:51 ID:/M15Yr6R
>>729
第24話

テリーの放った一言に、思わず吹き出してしまうさくら。春麗もクスッと笑う。相変わらず、手は頭に添えたままだ。
テリー「お前に言われる筋合いはないと言ったんだ、クソガキが!」
そう言うと、勢いに任せて春麗の手を振り払い、立ち上がるテリー。
さくら「涙まで流してたくせに、また負け惜しみ? 情けないわね〜。」
テリー「なんだと…」
さくらが腰に両手を当てたポーズで言う。
さくら「じゃあ、私もあんたと戦うわ♪」
テリー「なに?」
さくら「私があんたをKOしてあげるって言ってんの。全然大したことないから、あたしでも大丈夫って言ってるの♪」
そういってニコッと笑ってみせるさくら。クスッと笑う春麗。
テリー「この野郎…」
ニコッとした表情のままのさくら。
さくら「うふふ、それとも怖いの? それなら許してあげてもいいのよ♪」
これ以上ない侮辱に、もはや人間として退くことができなくなってしまったテリー。
テリー「…やってやるよ! 後悔するなよ、クソガキ!」
『このガキだけはぶん殴らないと気が済まない』、もはや、テリーの頭にはその気持ちだけしかなくなってしまった。
さくら「あはは♪おっかしい♪赤くなってんの♪じゃあ、私が楽にしてあげる♪」
一層、ニコッと笑い、春麗の方を向くさくら。
春麗「ふふ、しょうがないわね。じゃあ、合図をするわよ。」
テリー「…。」
拳を握り締め、さくらを睨むテリー。
『こいつだけは絶対に許せない』、テリーがかまえる。
それを見ながらも、腕を後ろに組み、胸を突き出したポーズのまま、全くかまえようとしないさくら。
7711:04/04/04 19:02 ID:/M15Yr6R
>>729
第25話

テリー「なめやがって…」
さくら「ニコニコ♪」
春麗「はじめっ!」
春麗の合図とともにテリーがさくらに突っ込む。
とにかく、さくらを殴る、その気持ちだけが優先していた。
するとさくらは全くその位置を動かないまま、テリーを待つ。
テリーは難なく、さくらの胸倉を掴むことができる。
胸倉を掴まれたまま、さくらは笑ってる。
さくら「ほら、殴ってみなさいよ♪」
そう言って頬を差し出して見せるさくら。
テリー「この野郎!」
力のまま、さくらのその頬を殴ってみせるテリー。
バキッ!
口から血を流しながらも、立ったまま耐えてみせるさくら。
テリー「くっ!」
春麗がクスッと笑う。
春麗のダメージが残っているせいか、大きなダメージを与えることが出来ない。
しかしそれよりも、自ら殴られて、耐えてみせる様が、それまでの女性像と全く違い、テリーは戸惑ってしまう。
テリーの方を睨み返し、力強く笑ってみせるさくら。
さくら「きかないわよ!」
テリー「くっ!」
バキッ
もう一発、胸倉を掴んだまま、テリーが殴る。しかし、さくらは倒れずに視線を返す。
(だ、駄目だ。力が入らない…。)
バキッ
さらにテリーが殴る。すると今度はさくらがテリーを殴り返す。
バキッ
テリー「ぐはっ!」
7721:04/04/04 19:14 ID:/M15Yr6R
>>729
第26話

さくらに殴られ、少し体勢を崩すテリー。さくらも胸倉を掴んでいる。
テリー「クソがっ!」
バキッ
さくら「がっ」
テリーが力を込めてさくらを殴る。しかし、またさくらが堪え、殴り返す。
さくら「たあっ!」
バキッ
テリー「がぁっ!」
テリーが血を吐く。『力が入らないとは言え、絶不調というわけじゃない。殴り合いで負けることなんてできない。』、その気持ちがテリーを支える。
テリー「うおぁ!」
バキッ
さくら「がっ!」
一層の力を込め、テリーが殴り返す。それでも堪えるさくら。
テリー「くぅぅ」
さくら「まだまだよ! たぁっ!」
バキッ
テリー「ぐはっ!」
さくらが力強く殴り返す。テリーの足が少し笑ってしまう。『痛い』、初めてその感情を感じてしまうテリー。
(このガキに負けることなんてできない!)
テリー「くあぁ」
バキッ
さくら「くっ!」
テリーが殴り返すが、今度は弱々しいパンチになってしまった。さくらが再び殴り返す。
(痛いっ!)
テリーが殴り返し、またさくらが殴り返す。
(痛い、痛いっ!…痛い!)
ついにテリーのパンチがスカスカな威力になってしまう。
7731:04/04/04 19:32 ID:/M15Yr6R
>>729
第27話

バシィっ……
テリーのそのパンチに、さくらの顔はビクとも動かない。
テリー「…う…。」
(さくらのパンチが、く…)
さくら「全然きかないわよ! たぁっ!」
バキィッ!!!
今までで一番、力強いストレートがテリーの顔面を襲う。
テリー「っっ!!」
その衝撃に堪えられないテリーの目が上に上がり、白目になりかける。半分、気絶した状態だ。
足は完全にユラユラの状態になってしまった。
それでもさくらが胸倉を掴んでいるため、倒れることは出来ない。
テリー「……ぁ………」
意識がなくなりかけたところに、再びさくらの一発が襲う。
さくら「たぁーっ!」
バキィッ!!!!!!!
先程よりもさらに強いストレートがテリーの顔面をとらえた。
テリーの首が、折れるか、というくらい後ろに一瞬曲がった後、戻る。
力強い表情で微笑み、胸倉を掴んだまま、テリーの顔を見るさくら。
テリーは完全に白目になり、力の入ってない口を開けたまま、気絶していた。
両手はブラブラと垂れ下がり、足は内股状態のまま、さくらに胸倉をつかまれ、支えられていた。
そのまま、胸倉の手を離すさくら。地面に情けなく、崩れ落ちるテリー。
ちょうどさくらの足元に仰向けに倒れてしまった。意識があれば、スカートの中を覗けるだろう。
口を大きく開けたままで白目の表情は、見ようによっては大笑いしているようにも見れる。
そのテリーを見下したまま、微笑を浮かべているさくら。
春麗もクスッと笑っていた。
7741:04/04/04 19:33 ID:/M15Yr6R
とりあえず一段落。もうちょい続けたいと思います。期待を外れぬよう頑張ります。
775名無しさん@ピンキー:04/04/04 19:35 ID:XXVvA/wv
いいよー!
もうお父さん期待しまくっちゃう!
7761:04/04/04 19:45 ID:/M15Yr6R
>>775
ボーダーラインを最低限にしておいて下さい(((;゚Д゚)))ガクガク
7771:04/04/04 20:20 ID:/M15Yr6R
>>729
第28話




テリーがやっと意識を取り戻す。
(…俺は…そうだ、さくらに負けて………!…縛られてる!?)
テリーは大木に背中を付けた形で座らされ、両手を上げたまま縛られている。
テリー「くっ」
力を入れるが、硬く結ばれていて、全く外すことができない。
春麗「気付いたかしら?」
テリー「はっ」
気付くと、春麗がテリーの前に立っていた。
さくらは近くの切り株に座って足を組んでいる。
テリー「こ、これは何のつもりだ。」
春麗を睨み、状況を問うテリー。
春麗「ふふ、まだ聞いてないから、聞こうと思って。」
テリー「何?」
春麗が口に指をやり、クスッと笑う。
春麗「降参の言葉よ。『前回チャンピオンの私は女に勝つことが出来ませんでした』、この言葉を聞きたいの。」
テリー「なんだと…」
春麗「女性が出場できるようになったとはいえ、実際のところ、女性格闘家は、まだ世間の風当たりが悪いの。
    でもチャンピオンのあなたの敗北宣言を聞けば世間も納得して、待遇がマシになると思うわけ。
    偵察のつもりだったけど、いい収穫を持って帰れそうだわ。」
テリー「く…」
負けたのは事実のため、言い返すことが出来ないテリー。
春麗「ふふ、実際、泣いて負けたんだから言えるわね。しっかりと録音しておくわ。」
そう言ってレコーダーを見せる春麗。
これ以上、恥をかくわけにいかない。その思いがテリーに、反撃の気持ちを生む。
テリー「ふざけるな!」
7781:04/04/04 20:46 ID:/M15Yr6R
第29話

春麗はクスッと笑いテリーに言葉を返す。
春麗「あら、ふざけてないわ。事実をそのまま口にしてほしい、と言っているだけよ。」
落ち着いた春麗とは違い、テリーは額に汗を流している。
テリー「まだ試合に負けたわけじゃない! それに負けたなんて思ってない!」
必死で言い返すテリー。春麗は表情を崩さない。さくらが後ろで笑っている。
テリー「と、とにかくKOFでお前らを倒してやる!」
春麗「困った子ね。あれだけ泣いたくせに、まだ負けを認められないのかしら。
    あなたはもう本戦に出場することはないわ。」
困った表情を微笑で作ってみせながら、返す春麗。
テリー「な、なんだと!」
春麗「出場しても私には勝てないわ。無駄ってことよ。だから、あなたはただ言葉を言えばいいだけ。」
そう言いながら春麗が、ゆっくりと歩み寄ってくる。
春麗「それに、あなたが駄々を捏(こ)ねるなら、こっちにも方法があるのよ。」
テリー「なに…」
顔を、テリーの目の前まで近づけ、クスッと笑う春麗。
春麗「やがて、あなたの方から好きなだけ叫ばせてあげる。」
テリー「ど…」
テリーが言葉を出そうとすると、春麗がテリーの前で綺麗な人差し指を立てる。
春麗「クスッ。こういうこと…。」
その指で、テリーの右脇を直線に撫でる。
さわーーっ
テリー「はぅぅっ!!」
突然襲った不思議な感覚に、背筋を伸ばし、思わず情けない声を出してしまうテリー。
春麗「クスッ。初心(うぶ)ね。」
テリー「な、何をするつも…」
さわさわーっ
テリーが言い返す間もなく、今度は春麗が両手でテリーの両脇を撫でる。
テリー「はわぁぁ」
くすぐったいが、くすぐったすぎない、微妙な感覚がテリーを襲う。
これは『快感』だ。春麗が快感で屈服させようとしていることを悟るテリー。
7791:04/04/04 21:21 ID:/M15Yr6R
>>729
第30話

テリー「き、貴様! このために…」
上半身を脱がされていることに今になって気付くテリー。
春麗「クスッ」
テリーの言葉を無視して、春麗がさらに両手で脇への愛撫を再開する。
テリー「っ…はああ」
なんとか堪えようと口を閉じるテリーだが、体を襲う快感に負け、声が出てしまう。
春麗「随分敏感ね。苛め甲斐があるわ。」
さらに脇から下り、下腹の部分を全体的に撫でる春麗。
テリー「っ…は………はあああ」
春麗「…ここが弱いのかしら?」
やがて一部分を集中的に撫でる春麗。
テリー「ぅ…うああああ」
(な、なんなんだ、この指使いは………はあぁ…)
春麗の指使いは絶妙で、撫でられるたびに脊椎に電気が流れたみたいに、背筋が伸びてしまう。なによりも、甘い声が出てしまう。大人が子供を相手にしているかのように、弄ばれているテリー。くねくねと身体をよじらせて快感に震える。
春麗「まだ軽く撫でているだけなのに、感じやすいのね。」
手を止めて春麗が言う。
テリー「はぁはぁ…。……や、止めろ。」
息を整え、テリーが春麗を睨む。しかしその視線に力はない。春麗がテリーの前まで顔を近づけ、言う。
春麗「ふふ、強がっちゃって可愛いわね。
    止めてほしいなら、降参の言葉をもらおうかしら。」
テリー「くっ、だ、誰が!」
今度は、胸の部分を一撫でする春麗。
テリー「あっ!…」
春麗「そうよね、このまま、気持ちよくなりたいものね。」
妖しい笑みをテリーに向ける春麗。
テリー「ば、馬鹿を言うな! 気持ちよくなんて…」
本心とは裏腹に、気持ちよくない、と強がるテリー。
春麗「クスッ。気持ちよくないの? それなら気持ちよくしてあげるわよ。」
7801:04/04/04 21:23 ID:/M15Yr6R
今日は終了します。
781名無しさん@ピンキー:04/04/04 21:54 ID:9OJaXWj7
寸止め 乙!!!!
782最高:04/04/05 00:52 ID:cj6yOQp9
た、たまらん 凄いよ、
783_:04/04/05 18:29 ID:/u0Cu5yG
春麗いいですねえ
784ななし:04/04/05 20:34 ID:cj6yOQp9
抜かせてもらいました。さくらの存在がいいっすね。いちいちプライドを刺激して。あとはテリーを再起不能にしてください
785age:04/04/05 23:03 ID:cj6yOQp9
KOFの大会で大観衆の前でさくらに負けるテリーも見てみたい
786_:04/04/06 09:49 ID:jg/Mufr8
>>729さん、すばらしいSSです。特にすきなのがテリーが一瞬気絶してしまうところです。一瞬というところが味噌ですね
       気絶してしまうとそこで終わってしまいますからね


>>785客席には前回チャンピオンの圧倒的勝利を疑わない女性ファンたち、そしてテリーの強さに憧れを抱く男性ファンたち
   その憧れのチャンピオンが女子高生に弄ばれる。それもなかなか良いですね
   
   
  
787カツ:04/04/07 01:02 ID:gNaZBJ/d
あげ
788ななし:04/04/08 01:46 ID:7UThtJ4Q
さくらに力勝負で負ける
789:04/04/08 11:03 ID:7UThtJ4Q
はまってしまった
790_:04/04/08 11:18 ID:gNZF1Zvs
>>1
GOOD JOB
殴り負けて失神させられるところが好き
791:04/04/08 11:23 ID:7UThtJ4Q
あIDが
792_ :04/04/09 17:47 ID:QxS9Bmd7
age
793666:04/04/11 11:58 ID:1touWRDX
ichiou agetokimasu
794名無しさん@ピンキー:04/04/12 00:03 ID:AzscWBkt
>>780
nice fight
795画像ほしい:04/04/13 16:01 ID:kuwm49cm
チュンリーが男を倒している画像ない?
796名無しさん@ピンキー:04/04/13 18:56 ID:pix2wlky
>>795
半角へ逝け
7971:04/04/14 18:20 ID:yZLZQgHT
すいません、期間が空きました。けっこう、とっておきのができたのでもう少しだけ忘れないで下さい。
798名無しさん@ピンキー:04/04/14 18:46 ID:vj8Nnvii
リョウカイ
799対にきた:04/04/14 20:05 ID:p24WlCuu
あれ入れない
800名無し:04/04/16 16:28 ID:ULkvu86c
期待AGE
801424:04/04/18 01:26 ID:AMi7WS6h
どうもお久しぶりです。以前何回かこのスレにSSを投下した424です。
ここ最近はずっとPCと疎遠な環境だったんですが、
久しぶりに来て他の職人さん達が投下されたSSに刺激され、
もう一度ストZEROのローズをネタにSSを書いてみました。
格闘部分まで書き終えているのですが、貼ってもよろしいでしょうか?
1さんの大作が完結されていない時点で投下するのは、少々心苦しいのですが。
802名無しさん@ピンキー:04/04/18 06:47 ID:uiyCdGB8
>>801
ぜんぜん問題なし!!
ばんばん頼む!!!
803_:04/04/18 10:10 ID:92jUlxDZ
1さんをちょっと待ったほうがいいかも
804682〜697:04/04/18 12:53 ID:2eoA0VpN
オリジナルSSの「拳闘士ライ」を書いた者です。
自分も続き書いています。
805名無しさん@ピンキー:04/04/18 21:35 ID:/umdCI3/
1はくすぐり小説をけなされたので寸止めという手段に出ました。
申し訳ありませんでした。このスレを見捨てないでください>>1
806名無し:04/04/18 22:25 ID:Q2tEgG++
職人さんが帰ってキターーー
807名無し:04/04/18 22:59 ID:Q2tEgG++
中村真衣いいなあ
808424:04/04/19 01:49 ID:lK13NAhZ
取り敢えず序盤の部分だけ貼っておきます。
以降の部分はその後の様子を見てからということで。

古い石造りの家々が立ち並んだジェノヴァの港町の一角、お目当ての「館」の前にようやく辿り着いた時、
少年は猛スピードのスケートボードに急ブレーキを掛けて地面に降り立つと、その一際古めかしく妖しげな姿を感慨深げに見上げた。
「へへっ、ようやく見つけたぜ」
 まだ幾らか無邪気さを残した年相応の顔立ちとは対照的に、余計な贅肉など一分も感じさせぬ筋骨隆々の逞しい上半身を、
腕部を露出した真っ白な中華風の胴着で覆い、黒一色の巧夫ズボンを履いた少年は、目深に被った青い帽子のつばを上げ、笑みを漏らす。
「今度こそ感じさせてくれよ。世界の壁って奴を」
 期待をこめて少年はつぶやくと、スケートボードを左腕の中に抱え、
後ろに束ねた一本の黒い三つ編みを揺らしながら、真っ直ぐ「館」の玄関へと歩いていく。
 確かにここにいるはずの強敵を求めて、ユン・リーは――。
809424:04/04/19 01:54 ID:lK13NAhZ
ルネッサンス調の装飾が施された木製の扉を開いた途端、不思議な香りが流れてくる。
室内は薄暗く、赤絨毯を敷き詰めた細い廊下が玄関から真っ直ぐに続いていた。
ユンは扉を静かに閉めると、奥の方から漏れてくる蝋燭らしき微かな灯りを頼りに、ゆっくりと廊下を進み始める。
百歩歩程進むとやがて少し広めの部屋に着き、薄明かりを帯びた紫の帳が視界の正面に映る。
ユンはそのまま帳の前まで歩むと、両開きのそれを躊躇い無く開けた。
捜していた"人物"はそこにいた。
正面の、豪奢なテーブル・クロスを敷いて左右に燭台を二つ置いた低いテーブルに、
不思議なウェーブを描いた紅い髪を持つ女が、腰掛けていた。
髪の色と同じ真紅の鮮やかなイブニングドレスを纏い、金色の首飾りと耳飾りを身に付け、
何かのペインティングらしき紋章を額に刻んだ女は、現れたユンを別段気に留めることも無く、
テーブル・クロスの上に並べたタロットカードを目にも止まらぬ速さで切り続けていたが、
やがて一枚のカードを右の人差し指と中指の間に挟むと、視線をユンへと向ける。
「ようこそ、私の店へ。香港の街の若きリーダー、ユン・リーさん」
 女の挨拶に思わずユンはぎくりとなった。
 確かにユンは女のことを知っている。正確に言えば、一度だけ向こうに気付かれずその姿を目撃したことがあるのだが。
しかし、女にとってユンは初対面の相手である筈だ。それが名前は愚か、ユンの素性まで知っていようとは。
810424:04/04/19 01:57 ID:lK13NAhZ
 ユンの動揺に答えるように、女はピンクのルージュを塗った艶のある唇を動かす。
「驚くことは無いわ。人の心を読むことも、未来を占うことと同じ。
心を沈め、精神を集中すれば、自ずとビジョンとなって浮かび上がる」
 未だ収まらぬ動揺を何とか抑え、ユンは足元にスケートボードを置くと、女に言葉を返す。
「それもあんたの『力』って訳か。ローズさん?」
 余計な前口上を排し本題から切り出したユンに、ローズは眉一つ動かすことなくこちらを見据える。
「あの時確かに誰かの視線を感じてはいたけれど、あなただったのね」
「ああ。俺は見たんだ。あんたが只者じゃないところを」
 詳しい事情を説明する前に、ユンの生い立ちを少々説明しよう。
811424:04/04/19 02:03 ID:lK13NAhZ
 ユンは双子の弟のヤンと共に赤ん坊の時両親と別れ、上海で菜館を営む祖父の元で育った。
ユンとヤンにとって祖父は育ての親であり、格闘技の師匠でもあった。
弟共々、祖父よりクンフーを始めとする様々な中国拳法を仕込まれたユンは、
いつしか悪漢、暴漢達から街を守る若きリーダー、若き双龍として人々から頼りにされる存在となっていた。
 喧嘩の仲裁、街の人々に筋の通らぬ因縁を吹っ掛けるチンピラの退治は日常茶飯事で、
銃を持ったヤクザ達を相手にしたことも間々あった。そのことごとくにおいてユンのクンフーの強さは圧倒的であり、
成長期の頃には既に香港で最強の呼び名を欲しいがままにしていた。
唯一、ユンに匹敵する強さを持っていたのがヤンであったが、
それでもやはり度々祖父の前で行う真剣勝負においてはユンが兄である風格を見せ付けて、常に僅差を制して勝利していた。
 若くにして自分が知りうる世界において最強の地位に到達したことは、また退屈な日々の始まりでもあった。
かつてはしきりに街にちょっかいを出していたヤクザやチンピラ達も、今はユンを恐れて寄り付こうともしない。
たまに命知らずな連中がアウトロー達の英雄なりたさに喧嘩を仕掛けてくるが、どいつもこいつも碌な闘い方も知らない雑魚ばかりだ。
 ――俺はこのまま、香港でお山の大将を気取っていていいのか?
 その思いはしきりに脳裏を掠め、まだ見ぬ世界への誘惑が絶えずユンを懊悩させた。
 ――確かめてみたい。広い世界で俺のクンフーがどこまで通用するのか。でも街のことはどうする?
 飽く事なき己の強さに対する探究心と街を仕切るリーダーとしての責任感とのせめぎ合いが、ユンから生来の陽気さを奪い、鬱屈とした日を幾日も過ごさせた。
812424:04/04/19 02:07 ID:lK13NAhZ
 そんなユンを吹っ切れさせたのが、弟の一言だった。
「行って来いよ、兄貴。この街は俺一人で守ってやる。世界の壁を乗り越えた兄貴と俺で、本当の世界一を決めようぜ」
 いつもは冷静沈着なヤンのその熱い言葉に背中を後押しされ、ユンは強敵を求める旅への決意を固めたのだった。
 ヤンや街の皆に温かく見送られながら、こうしてスケートボード片手に世界各地を巡り歩くユンの旅が始まり、
中国大陸を皮切りに、日本、アメリカ、ロシア、タイ、ベトナム、インド、エジプト、ドイツ、フランスと、多くの国々を訪れた。
 世界は確かに広く、行く先々でユンが出会ったファイター達は、
香港に居たままでは決してまみえることの無かったであろう、猛者ばかりであった。
 天安門広場で戦った女刑事はユン以上に「気」の扱い方に熟練していたし、
インドで出会った修行僧は手足をゴムのように伸ばしたり、口から火を吹いたりと摩訶不思議な術でユンを仰天させたし、
ロシアの闘技場に現れた熊の如きプロレスラーはユンが何度も拳を叩き込んでもなかなか膝を付こうとはしなかったし、
アマゾンの洞窟で遭遇した奇妙な風体の老人は外見からは信じられぬ手強さで随分とユンを手こずらせた。
 何れの相手も己の腕と格闘スタイルに誇りと自信を持った真のストリートファイターばかりであったが、
ユンもまた持てる力と技の全てをぶつけて勝利をもぎ取っていった。
813424:04/04/19 02:10 ID:lK13NAhZ
 一戦一戦勝ちを重ねる毎に心地良い充実感がユンの内を満たしたが、その一方で拍子抜けしたのも事実であった。
 ――何だ、思ったより世界の壁もたいしたこと無いな。変わった奴等が多かったけど、もしかしたらヤンの方が歯応えあったかな?
 旅を続ければ続ける程、想像していた以上の自分の強さに改めて驚かされたが、
それは同時にまたどうしようもない退屈な日々へと引き戻されてしまうので無いかという危惧をユンの心に抱かせた。
 ――こんなもんじゃない筈だ、世界って奴は。まだまだ何処かに俺の知らない、強い奴がいる筈だ。
 ともすれば慢心しそうになる自分の気持ちを引き締め、更なる強敵を求めてユンが辿り着いた地がイタリア、ジェノヴァだったのだ。
 潮風の香り漂う港町を颯爽とスケートボードで駆け巡る内、ユンはある噂を耳にすることになる。
 噂は、最近イタリア全土で急速に台頭してきた新興のマフィアに関するものだった。
フィリッツ・ファミリーを名乗るそのマフィアが根城をジェノヴァに移した為、
暴力の嵐が吹き荒れることを恐れた街の人々が震え声でこれからの身の振り方をどうするか相談していたのだった。
814424:04/04/19 02:13 ID:lK13NAhZ
 ――マフィアか。香港で暴れていたヤクザ達を思い出すぜ。
 理不尽な暴力を振るう者達に我慢出来ない正義感の強さがユンの性分だった。
 ――よし、腕試しがてら奴等をこの街から追っ払ってやる。
 そうと決めるが否や、強敵捜しはさて置き、早速ユンはフィリッツ・ファミリーの情報収集に取り掛かった。
 数で劣っていても、頭を潰せばヤクザ者などどうにでもなる。その為には組織に関する情報が必要だ。
フィリッツ・ファミリーのボスの行動パターンを中心に探ること二週間、ついにユンはボスの死角とも言えるファミリーの行動を探り当てた。
 それは月の最後の木曜日、決まって行われるファミリー最大の取引だった。
麻薬、銃器、臓器密売と、ファミリーの資金源の生命線とも言えるこの大掛かりな取引では、
ナンバー2を始めファミリーのメンバーの多くが取引場所へと顔を出す為、ボスの居るアジトの警備が普段より若干手薄になるのだった。
 待ちに待った決行の日、ユンは日が暮れるのを待ってからいよいよアジトへと乗り込んだ。
 ――蛇が出るか。獣が出るか。
 闇夜に紛れてアジトの入口のすぐ手前の物陰に身を隠すと、ユンは切れ長の両眼を細くする。
 いつもよりやり易くなったとは言え、やはりマフィア達の本拠地だ。並の一般人ではとても近付けない雰囲気が漂っている。
相当の抵抗を覚悟しつつ、ユンは下手な小細工を拝して敢えて正面突破を選んだ。
 タイミングを見計らうと、ユンは疾風の速さで入口目掛けて駆け出す。
 数秒で入口が眼前に迫るが、そこでユンを待ち構えていたのは驚くべき光景だった。
815424:04/04/19 02:18 ID:lK13NAhZ
  サングラスを掛けた黒服の男二人が、アジトの前でうつ伏せになって倒れていた。その傍らには黒光りする拳銃が落ちている。
すかさずユンが男達の側によって脈を図ってみると、弱々しくも確かに動いている。どうやら気絶しているだけらしい。
だが誰がこんな真似を?対立する組織か?
出端を挫かれた格好となってしまったユンは、今この場で何が起きているのかを確かめるべく、アジトの内部へと踏み込む。
そこで目にしたものは、更にユンを驚かせた。
入口の男達と同じく、室内の至るところで意識を失ったヤクザ達が横たわっていた。
その数は一ダース以上。それとほぼ同数の銃器共々、広い部屋の中に無造作に散りばめられていた。
驚愕の色を隠せないまま、ユンは更に奥へと進む。
廊下でもまた、何者かに倒された男達の姿が度々見られた。
それを横目に、おそらく対立組織の襲撃を警戒した為であろう必要以上に入り組んだ廊下を進み続けると、
やがて最奥部に分厚い鉄扉をあつらえ、その脇にけばけばしい獅子の彫刻を飾った特徴的な一室が見えてくる。
――あれがきっとボスの部屋だ。
ユンは拳を固めると、左足を踏み込んだ。
816424:04/04/19 02:20 ID:lK13NAhZ
「アタァッ!」
 ユン必殺の、力一杯の正拳突きと共に突進する絶招歩法。
 轟音と共に鉄扉がひしゃげ、ぶち破られた。
 内部からの応戦に対応出来るよう、すかさずユンはクンフーの構えを取り、闘気を剥き出しにする。
 しかしボスが本来居る筈の、高価なデスクの革張りの座椅子はもぬけの殻で、
代わりにボディガードらしき悪相の男達が三人、重なるように倒れ込んでいた。
「またか。……ったく、一体全体どういうことだよ。さっぱりだぜ」
 依然として何が何だか分からぬ状況に、ユンが戸惑い交じりのため息を漏らした時、
 ドォン!
 突如として銃声が響き渡った。
 緊張が走り、ユンは弾かれたように振り向く。
 銃声は、入口の方からだった。
 ――ここを襲撃した奴か?それとも、まだ誰かが隠れていて?
 様々な可能性を考えながら、ユンは走った。
 更に銃声。
 十秒も掛からずに入口の前に着くと、ユンは自分の「気」を消して、ドア際の壁にへばり付いてそっと表を覗いた。
「野郎っ!」
 ファミリーの生き残りらしい黒服が、誰かに向かって拳銃を突き出していた。銃口の先へとユンは視線を移す。
 ほっそりとした体躯をコートにタイツ、ストッキング、ハイヒールと紅で統一された衣装で包み、
晒した肩から黄色いストールを掛けた背の高い女が、黒服と対峙していた。
817424:04/04/19 02:22 ID:lK13NAhZ
 ――あの女は?
「死ねぇ!」
 ユンが飛び出す間も無く、黒服が怒号を上げてまたも発砲する。
 ――危ない!
 ユンは思わず息を飲んだ。
 だが次の瞬間、女の全身が陽炎さながらに揺らいだかと思うと、跡形も無く消え去っていた。
「!」
 目を丸くした黒服同様、ユンも呆気に取られる。
 そして、女は何時の間にかすっと黒服の背後に現れると、妖しく青色に輝いた右手で黒服の首筋へと手刀を叩き込む。
「ぐっ!」
 その一撃で、いとも簡単に黒服は崩れ落ちた。
 ――強い!
 他の仲間達のように白目を剥いて気絶した黒服を一瞥すると、またも女は五体を揺らめかせた。
一瞬にして七色の光が女を包み込む。今度は気配そのものも消え、再び女が姿を見せることは無かった。
 俄かには信じられぬ眼前の有様を、ユンはただ狐に抓まれたかのように呆然と見守ることしか出来なかった。
「……消えた。一体何なんだよ、あの女?まさか他の連中もあの女が?」
 目の前の事実が持つ意味の全てをユンが知るには、次の日の朝まで待たねばならなかった。
818424:04/04/19 02:25 ID:lK13NAhZ
「おい、聞いたか。フィリッツ・ファミリーのボスが捕まったらしい」
「何でも誰かにのされた状態で、自分の指紋の付いた大量の麻薬と共に警察署の前に放り投げ出されていたらしいぞ」
「それだけじゃないぜ。ナンバー2も港の取引現場で手下共々誰かにやられて、
そこを踏み込んだ警察に一網打尽にされたらしい。おまけにアジトの連中も皆半殺しの目に遭ったそうだ」
「お陰でファミリーはほぼ壊滅状態だってよ」
「何処のどいつだよ?こんな真似仕出かしたのは?」
「誰だっていいさ。間違いなくそいつはこの街の英雄だ」
 夜が明けるとすぐに、そんな会話が朝日に包まれたジェノヴァの街の至る所で交わされていた。
「そういう……、ことだったのか」
 笑顔と歓喜の声で溢れた人ごみの間を、スケートボードで巧みにすり抜けながら、ユンは自分が真実の目撃者であったことを悟った。
 ――全ては、あの女の仕業だったんだ。俺と同じように、ファミリーを壊滅させる為に。
 それが分かるとユンの胸の内からは、自分の目的が先を越されて達成させられた悔しさよりも、
むしろ女に対する興味が猛烈に込み上げて来た。
 ――凄い女だ。あれだけの数のヤクザを相手にたった一人で。
 アジトで意識を失っていたヤクザ達の数は、突入前にユンが想像していた以上に多数だった。
今にして思えば、もしも予定通りに自分一人でアジトのヤクザ達を相手にする事態になっていれば、
果たして無傷で勝利を得られたかどうかは果てしなく不透明だったに違いない。
それをあの女は一人で。それもあんな細い腕、細い脚で。
その上、取引に参加していたファミリーのメンバーをのしたのもおそらく彼女であろうから、
結果としてフィリッツ・ファミリーのほぼ全員を敵に回したことになるのだ。
819424:04/04/19 02:26 ID:lK13NAhZ
 ――知りたい。あの女のことをもっと。直に会ってあの不思議な強さの秘密を知り、出来れば闘ってみたい。
 純粋なストリートファイターとしての本能が、女の正体を探る為の行動にユンを駆り立てた。
 その日から、ユンは女の独特の風貌、服装を数少ない手掛かりとして、ジェノヴァ中を奔走した。
 行く人行く人にジェスチャーを交えながら女の特徴を説明し、懸命に情報を求めた。
 スケートボードのローラーをすり減らすこと五日間、やっとこさユンは女の正体を突き止めることに成功した。
 決定的な情報をもたらしたのは、ある金髪の少女だった。
「あ、その人きっと占い師のローズさんよ。この街の一部の人の間では評判よ。
あたしも前に占ってもらったことがあったけど、凄く良かったわ。女の子でも羨むぐらいのとても綺麗な人なの」
 ――こうして、辿り着いた先がこの「館」だったのだ。
820名無しさん@ピンキー:04/04/19 19:23 ID:fCI6ve8M
お、来てるね。実は俺もローズあたりのお姉さんキャラで
1本書こうかなと思ってたんだが本家降臨で続編に期待大です。
俺最近の格闘ゲームとかあんまし詳しくないんだけど他にいい感じの
お姉さん的キャラっていないもんですかね?
821:04/04/19 19:44 ID:0qeb5Mmq
1SS乙彼
それにしても人少なくねえか
みんな人大杉で入れないのかな
822424:04/04/20 00:51 ID:tZI9NvPE
一部始終を説明し終えたユンに、ローズは静かに尋ねた。
「それで私に何の御用かしら?私はあくまで占い師。職業外の願いであれば、ご遠慮願いたいけれど」
 自分の秘密を知っている男を目の前にしてもなお平静さを崩さないローズに、
ユンは唇の片端を吊り上げてへへっ、と笑った。
「やっぱりあんた、全てお見通しだ。俺があんたの秘密をネタに強請りに来た、とは思わなかったのかい?」
「どれだけ繕っても、心は嘘を付けないわ。あなたがそんな卑屈な男であれば、街を仕切ることは出来ないし、
たった一人でマフィアに立ち向かおうとも思わない。そうでしょう?」
 あたかもこれまでのユンを何処かにおいて見ていたかの如く、ローズは問い返す。
「……」
 またも的確な指摘に、ユンはしばし黙してしまう。
「それに……」
「それに、何だい?」
 ユンの催促には答えず、不意にローズは二本の指に挟んだタロットカードを大きく開いたドレスの胸元へすっと動かした。
 どきり、とユンの胸が鼓動する。
 躊躇いも無く、そのままローズは半ば素肌を剥き出しにした豊かな双乳の隙間へとぎゅっとカードを押し込む。
絶世の美女が振り撒いた色香に思わずユンの頬が火照り、極上の眺めから慌てて視線を帳へと逸らした。
 な、何だ、この女。俺をからかっているのか?
823424:04/04/20 00:53 ID:tZI9NvPE
 狼狽を隠せないユンを嘲笑うように、ローズはふうっ、と吐息を漏らした。
「その年で人々を纏める程の器を持っていても、やはりまだまだ子供ね。
これしきの刺激でうろたえるようなあなたが、私を手玉に取れるかしら?」
 最早完全に主導権はローズのものだ。
 何とかペースを自分の方に取り戻そうと、ユンはやっとの思いで言葉を返した。
「ず、随分はっきり言ってくれるね」
 とてもじゃないが、この女の前では誤魔化しなど通用しそうに無い。
 このままフェイクを絡めて責めても、逆にやり込められるだけだ。
「どうやらあんたにゃ、賢しい小細工なんて無意味なようだな」
「あら、賢明な判断ね。素直に話した方があなた自身の為よ」
 ならば単刀直入にぶつかるのみ。
 ユンは自分がここに来た目的、そして何の為にローズを捜していたのかをありのままに話し始めた。
「だったら、包み隠さずに言うぜ。俺は、ずっと俺より強いかも知れない奴を求めて世界を旅して来た。
俺のクンフーが世界で通用するかどうか確かめに来た。だからこうしてあんたを捜して会いに来たんだ。
マフィアをたった一人で壊滅させるぐらい強いあんたに」
「つまり私と闘いたい。そういうことね?」
 本質を突いたローズの問いに、ユンははっきりと頷いた。
「ああ。俺と闘って欲しい。俺のクンフーと、あんたの『力』のどちらが強いか、確かめてみたいんだ」
824424:04/04/20 00:56 ID:tZI9NvPE
 熱を込めて頼み込むユンだが、ローズの答えはそっけないものだった。
「生憎と、私は格闘家ではないわ。無益な闘いは望まないし、無闇に『力』を見せびらかすつもりもない」
「だったら、どうしてわざわざマフィアのアジトなんかに乗り込んだんだよ?」
「あれは、彼等が正義のバランスを崩し、人々に無用な害を与えたから。
何人であろうと、この世に多大な災いをもたらそうとする者に戒めを下すこと。
それが唯一のソウルパワーの使い手である、私の務め……」
 ソウルパワー?それがローズの『力』の源なのか?
 その言葉が持つ意味をユンが自分なりに思索している内にも、ローズのそっけなさは更に増す。
「最強と言う名の空虚な自己満足に浸りたいだけならば、お帰り願えるかしら?
あなたみたいな元気な子の相手になれる人は、私以外にも幾らでも居る筈。他を当たって頂ける?」
 二度に渡る子ども扱いに、流石にユンはむっとしながら言い返した。
「そんな安っぽい気持ちじゃない。ただ純粋に自分の力を確かめてみたいんだよ。正直勝ち負けなんかはどうだっていい。
この広い世界で俺のクンフーがどこまで通用するか、それを試してみたいだけなんだ。
狭い香港の中じゃ決して味わうことの出来ない世界の壁って奴を感じてみたい。あんたはきっとその壁なんだよ。
あんたがたった一人でマフィア達の相手をしているのを見た時、俺にはピンと来たんだ」
 なかなか上手く言葉で言い表せずとも、自分の熱意が生半可なものではないことを分かってもらいたく、ユンは弁を振るい続けた。
 身を乗り出さんばかりの面持ちで説得を試み続けるユンに、ローズはしばし無言のままじっと見詰め返す。
 俺のこの気持ちは本物なんだ!
 心の中においても、ユンは叫び続けた。
 その時、燭台に乗せた蝋燭の炎が揺らぐ。
 ローズがゆるりと立ち上がった。
825424:04/04/20 00:59 ID:tZI9NvPE
「……どうやら、あなたの言葉に偽りは無いようね」
 そして初めての微笑みを、その秀麗な顔に浮かべた。
「こうして目の当たりにして、分かったわ。あなたの魂は、決して闇に犯されない強さと輝きを秘めている。
力に驕ることもなく、力に溺れることもなく、力を盲目的に渇望することもなく、その可能性を求めているのね。
あなたのような人を見たのは、久しぶりだわ。あなたが皆に信頼され、香港の街を仕切ることが出来る理由もそこにあるのね」
 やはり、ローズはユンの全てを見抜いていた。
 穏やかに語るローズに、ユンはポリポリと頬をかく。
「へへっ、何だか照れ臭いぜ。気持ちいいんだ。
色んな国を回って、色んな奴等と闘って、広い世界の中で俺の強さがどれ程のものなのか確かめられるって事は。
俺が闘った奴等の中にも、俺と同じように自分自身を試したい、世界の広さを知りたいって奴は結構居たぜ」
「そうね。私には分かりようも無いけれど、己の全力を尽くした闘いの中で一際強く輝く人達は確かに存在するようね。
でもそれは一歩間違えれば、力を誤った方向に使いかねない。どんな力も正しく使わねば無意味なの」
「俺は違う。俺が力を使う時、それは弱い者を守る時と互いに納得しあった上での試合の時だけだ。
俺は、絶対あんたが言う闇になんかには負けないぜ」
 ローズを見上げてユンははっきり言い切ると、
「だから、お願いだ。どうか俺と手合わせしてくれ」
 帽子を脱いで頭を下げ、もう一度真摯に頼み込んだ。
826424:04/04/20 01:04 ID:tZI9NvPE
 数瞬の沈黙の後、ついにローズは静かに頷く。
「分かりました。あなたならば、『力』の全てを見せても良さそうね。望みどおり相手をしましょう。
あなたのクンフーの力、存分に見せてもらうわ」
「よしっ。サンキュー、ローズさん」
 喜びの余り、ユンは思わずガッツポーズを取って跳び上がった。
 ローズは振り返ると、後ろの帳に向かって声を掛ける。
「ベガ。豪鬼。ギル」
 すると、僅かに帳が開き、暗闇から真っ白な法衣に身を包んだ三人の男達が現れる。
 おそらくローズの従者と思しき三人、オールバックで肉付きの良い男と、阿修羅のように逆立つ髪を頭上で一本に束ねた男と、
まるで突然変異の如く右半分に青色の肌を左半分に赤色の肌を持った長髪の男は、深々と一礼すると、ローズの傍らに跪く。
三人の首元にはローズがしていたのと同じ、金色の首飾りがはめられていた。
「少しの間、ここを留守にするわ。後の事は任せるわ」
 下した命に、三人の従者達が頷いたのを確認すると、ローズはユンの前へと歩み寄り、
己の胸元を近付けるようにゆっくりと上半身を屈めた。
 甘い女の香りがユンの鼻腔を満たし、たわわな巨乳と共に挟まれたタロットカードが目と鼻の先に突き付けられる。
「さあ、カードをお引きなさい。闘いに相応しき舞台へとあなたを誘ってあげる」
 またどうしようもなく込み上げる欲情を全身の筋肉を張り詰めさせて懸命に堪えながら、ユンはぴっとカードを引き抜いた。
カードを抜く勢いに、双乳がたゆんと震える。
 途端、視界が縦横にぶれ、歪み、暗闇に包まれ、ユンは危うく平衡感覚を失しそうになる。
 やがて異変が収まり、ユンの目の前に広がった空間――そここそがローズが用意した、これから繰り広げられる闘いの舞台だった。
827:04/04/20 21:31 ID:U9pe+Zg7
乙 しかし1さんはどうしたんだ
828名無しさん@ピンキー:04/04/22 02:40 ID:xmyyA5gC
>>424

ローズキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
続き楽しみにしております。

829:04/04/22 13:24 ID:eRDh5ntl
下がりすぎ。あげます
830名無し:04/04/22 22:19 ID:KGjD1/Wo
すばらしい作品を有難う そして1よ、待ってるぞ
831424:04/04/23 04:07 ID:4pjHx/xG
昼下がり、潮の香り、古い街並み、そこは誰も居ない波止場だった。洒落たデザインの船が幾つも岸壁に係留されている。
 石畳の地面に降り立ちローズと対峙したユンは、脱いだ帽子を愉快そうに指先で弄びながら口笛を鳴らした。
「やっぱあんた凄えや。一瞬でこんな場所まで。ここがあんたのステージって訳かい?」
「そうよ。ここならば、私の『力』で誰も側に近寄ることは出来ない。思い切り闘いたいあなたに取っては願っても無い場所でしょう?」
 何時の間にかローズの格好は、ユンがマフィア達のアジトで目撃した時と同じ、真紅の闘衣へと変化していた。
額の紋章も既に消えている。
「ああ、その通りだ。ここでなら余計な邪魔は入らない。これはお互いの全力を尽くした試合だ。どっちが勝っても恨みっこ無しだぜ」
 こうして間近に向かい合うと、改めてローズの背の高さを感じる。ユンが格闘家としては小柄だからというのもあるだが、
スタイルの良さも併せれば一流のモデルと言われても何の差し支えも無かった。
しかし優美な外見とは裏腹に、得体の知れない強さを内に秘めていることを自分だけは知っており、
今まさに己の持てる力量の全てを持ってそれにぶつかっていこうとしている。心地良い緊張感がユンをわくわくさせた。
「準備はいいかい?」
 言いながらユンは帽子をまたかぶって黄色い籠手をぎゅっときつく引っ張ると、左の掌と右の拳をパンと合わせ、軽く一礼をする。
 それに対し、ローズはコツリ、とハイヒールを踏み鳴らして一歩踏み出すと、懐から取り出した一枚のタロットカードを宙へと放り投げた。
「これが地面に付いた時、勝負の開始よ」
 カードはローズの遥か頭上まで到達すると、潮風に流されながらやがて引力のままに地面へと落下する。
風の向くまま宙をさすらい、やっとカードの端が地面に触れた刹那、二人は闘気の奔りと共に身を動かした。
832424:04/04/23 04:13 ID:4pjHx/xG
 飛び道具を持たないユンの最大の武器は、己の肉体と疾風の如き速さを活かしたクンフーの打撃技だ。
ローズの「力」の全貌が分からぬ以上、自分の得手とする接近戦に持ち込むべく、ユンは真っ先に仕掛けた。
「アタァッ!」
 リーチぎりぎりに間合いを詰めると、ユンは右拳を引いて崩拳の体勢に入る。
 すかさずローズは右腕を青色に輝かせて掲げ、防御の構えを取る。
 よし、掛かった。崩拳はフェイントだ。
 心の中のガッツポーズと共にユンは体を沈めると、迷わずストッキングに包まれたローズの細脚を狙った。
「ハイッ!」
 前掃腿での脚払い。
 今から下段防御をしても間に合いはしない。
 しかし確信空しく、初撃の洗礼を浴びたのはユンの方だった。
「うあっ!」
 ハイヒールの踵が筋肉の鎧を纏った左肩に突き刺さり、ユンは勢い余って後方にもんどり返る。
 ユンの前掃腿をローズは防御するどころか、とっさにストールを右腕と同じように青く輝かせ、
それをまるで一本の支柱の如く地面に突き立てると、己の支えとして全身を大地と平行にぐるりと回転させて、
カウンターの跳び蹴りを放ったのだった。
「くっ」
 ローズの追撃を防ぐべく、ユンは受け身を取ってすぐに起き上がると、構えを取ってまたローズと向き合う。
 これがあの女の「力」の使い方か。びっくり箱のようだぜ。
 ユンがこれまで闘い、倒してきたファイター達の誰も見せたことの無い、
何とも変わった技に戸惑いを見せながらも、ユンの闘争心はいささかも揺るがない。
 俺のクンフーだってまだまだこんなもんじゃないぜ。
 口の中に入り込んだ砂の粒を唾と共に吐き捨てると、
ユンは間合いを計りつつ、前後左右の小刻みなフットワークでローズに狙い所を定めさせない。
同様にクンフーの構えを取る両腕も蛇のように不規則に揺らし、いつでもローズからの攻撃に対応出来るようにする。
 前に僅かに一歩。すぐに引く。小さく左側に重心を落とし、今度は大きく右側へとステップする。
追って、ローズもユンの方向に重心を移した。
 今だ!
 チャンスを嗅ぎ取るや否や、ユンは跳躍した。
833424:04/04/23 04:15 ID:4pjHx/xG
「トゥーッ!」
 高々と跳び、最高点に到達すると同時にローズ目掛けて右足を突き出して急降下する。
狙い通りの逆光を背にした雷撃蹴に、ローズの反応が遅れる。
 ガン!
 かろうじてガードの体勢を取ったローズの右腕と勢いの付いたユンの右の踵が激突し、甲高い音が辺りに響く。
 硬い。まるで鋼のようだ。だが、懐にさえ入り込めれば。
 ソウルパワーで強化されたガードの前にさしてダメージを与えることは適わずとも、
ユンはローズが次の行動に移るよりも速く、連撃を仕掛ける。
「ハァーッ!」
 踏み込んでの左肘打ち。
「ハイッ!」
 そこから上半身を切り返しての右正拳突き。
「ハイッ!」
 更に切り返しての左掌底。
「ハイッ!」
 また踏み込んで、今度は右膝蹴り。
 三つ編みを激しく揺らし、躍動するユンの肉体から繰り出される疾風の如き技の連続に、
防戦一方のローズの腕が軋みを上げ、雫が飛び散る。
「アイヤーッ、ハイッ!」
 そして槍雷連撃仕上げの渾身の二段跳び蹴り。
「ああっ!」
 ついにガードが弾け、フィニッシュの蹴りをまともに食らったローズは地面を擦りながら後方へと吹っ飛ぶ。
「よしっ」
 見事決まった必殺技に、ユンは呼吸を整えながらぎゅっと拳を握り締め、容赦無く追い討ちを掛ける。
 今、攻めの流れは自分にある。このまま攻め続け、一気に勝負を決めてやる。
834424:04/04/23 04:23 ID:4pjHx/xG
「アタァッ!」
 ユンは大きく踏み込むと、絶招歩法でようやく起き上がったローズを狙う。
数メートルもの間合いを一跳びで縮め、ローズの顔面に拳を向ける。
 またもローズはガードで精一杯――の筈だった。
 ユンの拳がローズのガードを捉える。と、同時にローズが突き出した左の掌が僅かにユンの体を触った。
何の威力もダメージも無い、本当にただ触れたという程度だった。が刹那、不思議な感覚がユンを襲った。
「アイヤァ……ッ」
まるで電流でも流されたように、全身が痺れ、ユンは意思での体の動きを失ってしまう。
それはほんの一瞬に過ぎなかったが、ローズに逆襲の暇を与えるには充分過ぎる時間だった。
「覚悟はいい?」
 ストールごと振り上げてのローズのアッパーがユンの顎を正面から捉える。
ユンの五体が浮き上がったのを追って、ローズもまた光の鱗粉を振り撒きながら浮き上がった。
「ソウルスルー!」
 不思議な力でユンの体を引き寄せての投げ落とし。
 青い炎に包まれながら、ユンは背中から地面に落下する。
「ううっ!」
 全身を走る激痛に息が詰まり、ユンは呻き声を上げたまま、しばし起き上がることが適わなかった。
 くっ。あれもあの女の技の一つか。気の一つも抜けやしねえ。
劣勢を覆したローズは、カツッと地面に着地すると軽く両肩を上下させる。
「掌で触れることさえ適わなければ、危なかったわ。あなたの強さ、正に龍と呼ぶにふさわしきものね。
少なくともスピードは、豪鬼やベガを遥かに上回っている。流石に世界の壁を求めているだけのことはあるようね」
「褒めてもらって嬉しいけれど……、俺のクンフーはスピードだけじゃないぜ」
 何とか起き上がって体勢を整えながら、ユンは不敵な笑みを漏らす。
835424:04/04/23 04:25 ID:4pjHx/xG
「まだまだ、全ての手の内を晒している訳では無いようね」
「へへっ、それはあんたも一緒だろ」
 未だ痛みは治まらず、胴着が裂けて素肌が剥き出しになった部分から血が滲んでいるが、
まだまだ戦意を喪失させる程のダメージではない。
いやむしろ、ローズの未知なる強さと技に対してのチャレンジャースピリッツがどんどんユンの心を満たしていった。
 ローズもまた、真紅の闘衣のあちこちが埃に塗れ、ストッキングには切れ目が入っているが、
立ち居振る舞いからは微塵の焦りも感じられない。
 闘いはこれからだ。俺の本当の力、見せてやるぜ!
「ハイッ!」
 掛け声と共に、ユンはローズの目の前から姿を消す。
 いや、消えたのではない。
 体を沈め、相手に背中を向けた姿勢で一気に間合いを詰め、勢いのままに背中でタックルを浴びせる鉄山扉。
 それをローズに避ける間も与えぬ猛スピードで仕掛けると、ユンはローズのガードに向けて全身のパワーを爆発させる。
836424:04/04/23 04:27 ID:4pjHx/xG
「うくっ……」
 ガードごとローズのスレンダーな体躯が後方に退き、ガリガリと音を立ててハイヒールが火花を散らす。
 ユンの肉体に幾つもの細かな凹凸を刻む引き締まった筋肉は、決して飾りでは無い。
腕、肩、胸、首、腹筋、背筋、大腿、下腿――想像を絶する修練によって鍛え上げられ、
柔軟かつ必要最小限に洗練された全身の至る部位の筋肉は、驚異的なスピード、
そしてクンフーの奥儀によって瞬間的にはプロレスラーさえも凌駕する程のパワーを小柄なユンにもたらしていた。
 ガードをしても完全には防ぎ切れぬダメージに顔を歪めるローズを逃がさず、ユンはまたも連撃に繋げる。
「ハイッ!」
 跳躍しながら身をひねらせての回し蹴り、旋風脚。
 ガードされても構わずに、ユンは掌底、平手突き、肘打ち、膝蹴り、回し蹴りと、
あらゆるクンフーの打突技を積極的に仕掛け、次々とローズに叩き込んだ。
「見切れるかい?疾風の攻めを?」
 ガッ、ガッ、と幾度も重い音が響き、衝撃で両者の体が振動する。
 純粋なパワーとスピードなら、圧倒的にこちらの方に分がある。ならば、今度はあの変な返し技を仕掛ける隙さえ与えるか。
「ハイハイッ!」
更には正面蹴りの側蹴腿に貫き手の蛇形手。
しかしそれでもローズは冷静さを崩すことなく、ユンが攻撃を繰り出す度、
確実に狙われた部位を青く輝かせて防壁とし、怒涛のラッシュを耐え続けた。
 糞っ、相変わらず硬い。普通の技だけじゃ駄目だ。このままじゃこっちが先にへばっちまう。やはりもう一度大技を狙わないと。
 先程よりも「力」を消耗している筈なのに、
なおも堅牢さを誇るローズのガードにユンが焦りを感じた時、気持ちに僅かな隙が生じた。
837424:04/04/23 04:30 ID:4pjHx/xG
「はいっ」
 苛立ち混じりにユンが右拳を大振りした瞬間、ローズも同時に青く輝く手刀を振りかぶった。
 バシッ、と音を上げて狙い通りにユンの右腕を外に払うと、
待っていたとばかりにすかさずローズはがら空きになった懐へと踏み込む。
 やばい!
 慌ててユンは後ろに反り返った。
「ソウルスパイラル!」
「ハッ!」
 ストールを巻き付かせたローズの右腕が、輝きを纏ってさながらドリルの如く突き出されたのと、
ユンがバク転で後方へと離れたのはほぼ同じタイミングだった。
 ドリルの先端がユンの胴着をかすめる。
が、ユンのスピードは紙一重の差で、ローズの技の有効範囲から脱出することを可能せしめていた。
「しまった!」
 形勢逆転となる筈だった必殺技をかわされ、初めてローズの顔に動揺が走る。
 よし、何とかかわした。今度はこっちの番だ。
 体勢を立て直すや否や、今度はユンが猛ダッシュでローズの懐を狙う。
 一瞬にして引き戻した闘いの流れを逃がすことなく、すぐさまユンは反転攻勢に移る。
 ピンチの後にこそチャンスありだ。勝負を賭けた必殺技ならば、その分直後の隙も大きい筈だ。
読み通り、ユンの動きにローズは碌に対応出来ない。
今度こそ!
ユンは一撃必殺の間合いまで入り込むと、大きく左足を踏み込むと同時に二つの掌をローズの腹部へと突き出した。
838424:04/04/23 04:32 ID:4pjHx/xG
「ハイッ!」
ボォン!
「あぁ〜!」
一際激しい衝撃音と共にローズの体がくの字に折れ、数十メートル後方へと吹き飛ばされる。
踏み込んだユンの左足が地面をえぐり、石畳に陥没痕を残していた。
全身の「気」を瞬間的に極限まで高め、発徑による一撃を相手にぶち込むクンフー奥儀の一つ、虎撲子。
その威力は大岩を一撃で木っ端微塵にし、食らわせた相手に全身がバラバラになるかと錯覚する程の衝撃を与える。
ヒューゴー、アレックス――何人ものユンより遥かに巨大なファイター達が、この技の前に肋骨を折られ、その身を沈めていったのだ。
「これで決まりだぜ!」
 ユンは帽子を脱いでくるりと指先で弄ぶと、白い歯を覗かせた。
 地面に倒れ伏したままのローズはぴくりとも動かない。
 当たり前だ。虎撲子をまともに受けて起き上がれる訳が無い。
 確信した勝利に、ユンは小悪魔的な笑みを浮かべる。
「つまんねぇな」
 多少の苦戦はあったもののまたも証明された己の強さに、ユンは喜びよりも落胆の方を強く感じていた。
 ちぇ、あんたでも世界の壁は感じさせてくれなかったか。
 ユンが今まで見てきた格闘の常識を覆す「力」の使い手すら、倒した。
その事実は、最早この世界全体において自分に適う相手は誰もいないのではないかという思いを、ユンに抱かせるには充分だった。
 ユンはもう一度ローズの方を見る。気でも失っているのか、ローズは仰向けに倒れたまま、吹きすさぶ風に身を晒し続けていた。
 世界最強って、こんなに呆気ないものなのかな?正直、がっかりだぜ。
「自惚れるのは、まだ早いんじゃないかしら?」
 突然鼓膜を伝った囁きに、ユンはぎょっとなって振り返った。
839424:04/04/24 10:09 ID:NuVPbbRr
 何と、ユンのすぐ後ろに何事も無かったかのようにローズが立っていた。
「なっ!」
 反射的にユンは後方に跳び退くと、ローズが倒れていた地面を顧みる。
「そ、そんな馬鹿な!」
 摩訶不思議なことに、さっきまでローズが倒れ伏していた筈の地面は、
ただ風に吹かれた砂塵が舞っているのみだった。
「何をそんなに驚いているの?まだまだね」
 虎撲子によるダメージなどまるで無かったかのように、
ローズは右の人差し指を鼻先に突き出してチッチッと舌を鳴らし、余裕すら見せる。
「くっ、調子に乗るんじゃねぇぜ!」
 どんな技を使ったか知らないが、そんな無防備な姿勢で!
 すぐに気持ちを切り替えたユンはまた前進し、まったく攻撃の気配の感じられないローズに掴みかかる。
 あっさりとローズの両肩を両手で鷲掴みにしたユンは、思い切り右膝を振り上げた。
「ヘアッ!」
 確実に腹を打ち付けた感触がユンの右膝に伝わり、ローズの全身が激しく揺れる。
 掴んじまったらこっちのもんだ。女の腹を膝蹴りするのはあんまり趣味じゃないが、これも真剣勝負だ。
悪く思わないでくれよ。
 両肩を押え付けるユンの両腕をローズは必死にほどこうとするものの、両者の腕力の差は明白だ。
ユンの屈強な二本の腕はびくともしない。
「ヘアッ!ヘアッ!ヘアッ!ヘアッ!」
 二発、三発、四発、五発。膝蹴りをボディに叩き込む内、次第に抵抗するローズの力が弱まり、
とうとう糸の切れたマリオネットのように両腕を垂らし、ぐらりとユンの方へと体を預けてしまう。
「へっ、今度こそ」
 既に意思での動きを失ったローズの体をユンは抱き止めると、引き離そうとする。
 と、そのときだった。
840424:04/04/24 10:16 ID:NuVPbbRr
 不意にユンの視界に映るローズの全身が揺らぎを見せる。
すると、掌に触れていたローズの肌の感触が徐々に弱まり、やがて消え失せ、
さながら霞の如くその姿も、そしてユンに圧し掛かっていた重みさえも完全に無くなってしまった。
「な……」
 またも起こった俄かには受け入れ難い現象に、
ユンの思考は激しく混乱し、何度も何度も辺りを見回す。
 何なんだよ、これは?まさか、フィリッツ・ファミリーのアジトで見たのと同じ……。
これが、あの女の本当の「力」なのか?
 今ユンは初めて、闘いの中において為す術も無く相手に翻弄される焦りを味わっていた。
 どこだ?あの女はどこにいった?
 鳥肌さえも立ち、夥しい汗がユンの三つ編みを、逞しい肉体を濡らす。
「!」
 格闘家としての第六感がユンに何かを警告した。
 とっさにユンは己の身を翻す。
 そこでユンが目にしたもの、それこそローズが見せた真の「力」だった。
「知りなさい、上にはまだ上がいることを。あなたにはまだ頂点を極めさせる訳にはいかない……」
 ユンの視線の先に、互いに一分も違わぬ姿形を持った幾人ものローズが立ち並び、こちらを見据えていた。
「あ、ああ……」
 ユンの心が驚愕に囚われている間にも、
ローズ達は瞬時にユンの四方八方を取り囲み、逃げ場を完全に封じる。
「あなたの『気』の力、確かに見せてもらったわ。今度は私がレッスンをしてあげましょう」
 八人のローズ達は宣言すると、
一斉にカツンとハイヒールを踏み鳴らし、ユンへの攻撃を開始する。
 絶体絶命――。だがユンは圧倒的に不利な現実に陥ってもなお、
決して絶望と言う名の毒に侵されること無く、気高き龍としての魂を捨てなかった。
841424:04/04/24 10:19 ID:NuVPbbRr
「ハァー!」
 ありったけの気力を振り絞って全身より凄まじいオーラを発し、ユンは襲い来る八人のローズ達に立ち向かう。
瞬間、ユンの体がローズと同じく二人にも三人にも四人にも五人にも増え、残像を残した。
 クンフー奥儀の一つ、超スピードで己の姿を幾人にも錯覚させて相手を圧倒する技、幻影陣。
 文字通りユンの切り札、死力を賭した超必殺技だった。
 前後より殴り掛かるローズ達の拳を、二人のユンが太い腕で受け止める。
その瞬時、別のローズがスライディングでユン達を狙うが、二人同時にタイミング良く跳躍する。
更なるローズがハイヒールの踵を突き出そうとするが、別の方向からのユンの絶招歩法に牽制される。
ユンの帽子が宙を舞い、一人のローズのストールがはたき落とされる。
 幾十もの拳が、脚が、常人では目視することの出来ない程の速さでぶつかり合い、何重にも響きを奏でた。
「ハイッ!」
 ついにユンの虎撲子がローズの一人を捉える。
 しかし悲鳴を上げたローズは陽炎のように消失してしまい、ダミーの一人に過ぎなかった。
「く、糞っ!」
 どこだ?どこにいる本体は?
 あくまで動きの速さによって残像を増やすだけの幻影陣と異なり、
分身したローズ達はそれぞれが確かな実体を伴っていた。
 次第に焦燥感を強めるユンとは逆に、ローズの誰もが落ち着き払い、
顔色一つ変えずに無数の打撃を捌き続けていく。
「ソウルイリュージョンと互角以上にやり合う人なんて、この世で初めて見たわ。
やはりあなたは香港の中だけに止まっているべき器では無いようね」
 七方から紡ぎ出した言葉と共に、ローズの一人が放ったソウルスパイラルをユンは危うくかわす。
 それぞれが異なる動きを見せるユン達とローズ達の技の乱舞が、大気と大地を大きく揺るがした。
「へアッ!」
 ようやくユンの一人が膝蹴りを鳩尾に叩き込んで二人目のローズを仕留める。
 だが長引く超スピードの維持に、ユンの足元は徐々にふら付き、眩暈が襲い、残像の数を減らしていく。
対照的に分身の何人かを葬られながらも、ローズは無限とも思えるソウルパワーの力で多勢を保っていた。
842424:04/04/24 10:21 ID:NuVPbbRr
 八対五から七対五、七対五から六対五、六対五から六対四、
六対四から六対三と移り変わり続ける乱戦は、次第にユンの敗色が濃厚になりつつあった。
 段々とスピードが落ちてローズの攻撃をまともに浴び、胴着が裂けて分厚い胸板が覗き、
青黒い痣が数を増し、三つ編みが縮れる。
「ア、アタアッ!」
 残像も既に消え、スタミナのほとんどを使い果たしたユンの絶招歩法は、
もう五人のローズの誰にもかすりさえしない。
「そこまでよ」
大技を外し、バランスを崩してよろめくユンを見逃さず、二人のローズが左右から挟み込むと、
ユンの二本の腕にそれぞれの腕をしっかりと巻き付けて、完全にその動きを封じ込める。
残りの三人のローズ達は一列に並んでユンの前に立つと、六つの青い瞳で真っ直ぐに見詰めた。
「大丈夫?」
 三人の声が重なり合ってユンの耳に響く。
「俺は……、まだ負けちゃいないぜ……」
 身はぼろぼろになって碌に抗えずとも、未だユンの闘魂は死んでいなかった。
843424:04/04/24 10:26 ID:NuVPbbRr
「あなたの強さと魂の輝き、認めましょう。ようやく出会うことが出来たのね。
いつか私を越える可能性を秘め、『力』を託し得る器を持った人と」
「『力』を、託す……?」
「そう。だから今はしばし眠りなさい、若き龍よ」
 中央のローズが静かに告げると、両手を青く輝かせ、そっと二つの掌でユンの頭を挟んだ。
「ウッ……」
 視界を包む青い光と共に脳から伝わる気持ちいい感覚がユンの全身の力を吸い取り、抵抗する意志をも奪っていく。
 負ける……のか、俺は?
 だが、不思議と悔しさは感じない。
 ……そうか、俺はずっと追い続けていたんだ。
父のように厳しく世界の広さを戒め、母のように優しく温かく俺が進むべき道を導いてくれる存在を。
それが、あんた……。
「レッスンはここまでよ」
 ローズが掌を放し、両腕の拘束を解いた途端、ユンの小柄な体は正面のローズの胸の中へと沈み込んだ。
 その横顔は、激闘で傷付いた体とは対照的に、穏やかさに満ちたものだった。
 一陣の風が吹く。
 何時の間にか、ローズとユンの姿は跡形も無く消え去っていた――。
844名無しさん@ピンキー:04/04/24 17:17 ID:BJsOO7R/
今回はエロスなしで、完結してもらいたいものだ GJ!
845エクエクエクエクエクセレン:04/04/28 09:28 ID:x1XCzvap
age1さん待ってまっせ
846名無し:04/05/01 00:09 ID:oR/ElSjc
あげ
847名無しさん@ピンキー:04/05/02 23:29 ID:uxSubVzJ
アゲ
848_:04/05/04 01:36 ID:bbXIZJJ2
落ちる
849田中雅美:04/05/04 01:37 ID:bbXIZJJ2
あげます
850ゴラッソ:04/05/04 13:53 ID:S1OgWu9B
1さんまだーーーーーっb
851名無し:04/05/05 15:28 ID:iYOdinQ7
オリンピック出場選手の人数で女子が男子を初めて上回った。
852名無しさん@ピンキー:04/05/05 15:32 ID:0slrr+Gx
fu-nn
853名無しさん@ピンキー:04/05/08 15:27 ID:bPInS0iE
バレーボールage
大山加奈age
854名無しさん@ピンキー:04/05/08 20:57 ID:NAB+SPV/
123
855名無し:04/05/09 01:48 ID:H/YtNsNo
もう待てない
856名無しさん@ピンキー:04/05/09 03:27 ID:M2rh2SdN
このスレがダメなのは名無したちにスレを盛り上げようとする気概が欠けてるからなのでは・・・

そんな漏れは屈強な男が女複数人に良いように痛めつけられるシチュが好き。
真三国無双とか、敵が雑魚兵から武将まで全員女のステージがあればよかったのに。
そんで女兵士の大軍にのされて侮辱・挑発の嵐を浴びた後、女大将の前に引きずり出されてトドメの一撃、
最後は女戦士達の慰み者として徹底的に嫐られる。こんな趣向はこのスレでは異端だろうか。
857名無しさん@ピンキー:04/05/09 03:45 ID:2PUUJBRW
つづきかもーーーーん。
858名無しさん@ピンキー:04/05/09 11:54 ID:HIHlP+99
俺は1対1で武器なし素手勝負がスキ
特にボクシングでレオタードの女性にチャンピオンが負けるのが最高
859名無し:04/05/10 20:42 ID:tUanAikk
女子バレーや競泳選手たまらん。
860名無しさん@ピンキー:04/05/11 19:29 ID:r93FJfgi
栗原恵女王様に負かされたい
861さげ:04/05/12 16:34 ID:f9aACqEo
あげ
862名無しさん@ピンキー:04/05/14 00:00 ID:zr/mPSdu
1はもう来なくていいよ。
863682:04/05/15 09:33 ID:QBw9t++i
オリジナルSS「拳闘士ライ」の作者です。
他の方達の作品が完結するのを待っておりますが、このスレが沈みそうで不安です。
続きうp宜しいですか?(かなり変態ちっくですがご容赦を)

どなたかご指示ください。
勿論他の方の作品が優先でも構いません。
864_:04/05/15 09:48 ID:M3MDrZXx
スレ立てた人に聞いてみてください
僕ごときでは判断できないです
865名無しさん@ピンキー:04/05/15 09:51 ID:rrxoD5sQ
>>863
もちろん大歓迎だともさ。
みてくれやこのスレの廃れっぷりを。
1氏といい424氏といい682氏といい、全く音沙汰なかったんで
いったいどうしたんかと思ったよ。
他の未完の作者さんたちも気楽に続編投下してほしいね。
書く速さは自分のペースでいいから。
866682:04/05/15 10:07 ID:QBw9t++i
THX。投下します。
867シュリカ  1/17:04/05/15 10:08 ID:QBw9t++i
月明かりがこうこうと照らす野に
水気を含んだ音と、乱れた吐息が静寂を打ち破る。
あたかも獣が獲物をむさぼっているような、そんな異質な雰囲気を醸し出していた。

ライは苦しそうな声を出していた。

「…っふう はぁ…  …頼む、後生だ…  うぅ……」

シュリカは彼の男根から口を離し、まとわりつく唾液を拭う。

「なあに?  どうして欲しいの?
 …止めて欲しいの?  …それとも…  ん? どっち?」

「…ふぅっ  はぁっ…  ……」

ライは解放を許されない苦痛を、これでもかとしつこく味わされていた。
唾液で光る彼自身は、もう刺激に対して痛みを伴う程であった。
時折ライの腰はびくんと跳ね、その度にシュリカに意地の悪い笑みを浮かばせる。
息が荒く、目を伏せたままのライは何も答えようとしない。
彼女が何を言わせようとしてるかぐらい、想像がつく。

  ……調子に乗りやがって。

慈悲を請うのも快楽行為をねだるのも、髪を掻き毟りたくなるくらい屈辱だった。

ぱさり、と衣擦れの音がライの耳に入る。
無意識に薄く目を開けた彼は、息をのんだ。

シュリカはライの胴体を跨ぐように仁王立ちしていた。
その彼女は、膝丈の皮ブーツ以外、何一つ衣類を身に纏っていなかった。
868シュリカ   2/17:04/05/15 10:09 ID:QBw9t++i
森を駆ける鹿を思わせるような、引き締まった肢体。それでいて柔らかな曲線を描く腰。
たわわに実る果実のような乳房に、ツンと上を向く薄紅色の乳首が少女の主張をしていた。
月光が彼女の肌をつやつやと反射させ、まるで水を浴びたようだとライに錯覚をさせた。

「苦しそうな顔  …もっと見せてごらん」

恍惚な表情を浮かべて唇を舌で塗らすシュリカ。なんて大人びた顔をするのだろう。
ライはその恐ろしく美しい生き物に目を奪われていた。

M字型に膝を折り曲げ、腰を落とすシュリカ。彼女の右手はライ自身に添えられていた。
シュリカの秘所が目に飛び込んでくる。
塗れて光るそれは美しく、そしてあまりにも卑猥だった。
舌と指で堪能したい。どこまで蜜を溢れさせるのだろう、と男心を刺激した。
身体の自由を奪われている絶望感。
ライはそれを戦いの時以上に痛烈に感じた。

思わずライは心の中で「あ!」と叫んだ。
彼女が薄紅の割れた果実に、猛々しいライ自身の登頂部分をあてがったのだ。
彼女は、伏目がちにライの股間に腰を沈めていった。
亀頭の形そのままに彼女は押し広げられていく。
ライは自分の赤黒い分身が、これ程ゆっくりと女の中に咥え込まれていくのを
まじまじと見たのは初めてだった。

ライは、思わず歯を食いしばった。
背筋をゾクゾクと寒気に似たようなものが走る。
彼女の中はこんなにも熱いのに。
濡れて柔かく熱い窮屈感がライを襲う。
幸福感と獣じみた衝動が繰り返しやってくる。
散々焦らされていたライ自身は、それほど敏感になっていた。
869シュリカ   3/17:04/05/15 10:10 ID:QBw9t++i
はあ、と切なそうに吐息をつくライをシュリカは見詰めていた。
そして、沈めた腰を素早く浮かす。
彼女のその動きはライに快感を与えた。しかし、それきりだった。
ヒヤリと濡れた男根を風が撫でる。
シュリカは腰を浮かせてライ自身を抜ききっていた。そして笑う。

「哀しそうな顔」

ライは泣きたくなった。
あれを味わせておいて取り上げるのか。
泣きたい気持ちが通り過ぎると、今度は激しい怒りが込み上げてくる。
シュリカを睨みつけ、ライは低い声で吐き捨てる。

「変態め…  死にやがれ」

罵倒したことで気持ちに余裕が生まれてきた。
ライがそんな自分を心の中で誉めていると、シュリカが素早く腰を沈める。

飲み込まれるように埋まる肉棒。腰に痺れが走る。
快楽の奈落へ急激に突き落とされ、ライは思わず声を上げた。

「可愛い声出しちゃって ふふ」

リズムカルに、それでいて速度を上げていく上下運動。シュリカの形の良い乳房は水面のように揺れる。
彼女はライを深く深く呑み込み、そして浅く引っ掛け、肉襞で擦りつけると、きつく締め上げる。
二人の結合部分は汗と愛液で濡れ、獣じみた音をたてた。
870シュリカ   4/17:04/05/15 10:11 ID:QBw9t++i
ぬぷっぬぷっぬぷっぬぷっぬぷっぬぷっ

「うっ くはぁ っうぅ はあっ」

シュリカの躍動に合わせて声が洩れるライ。

「はあ …はあっ 可愛い…可愛いよ  あんた」

「っう  うぅ  はぁっ… うう」

女を抱いて声が洩れるのは生まれて初めてだった。自分の声が他人のように聞こえる。
しかし、今の状態のライは女を抱いているのではなく、抱かれているのだが。

  俺は 俺は一体どうしちまったんだ。

唇を噛み締めて、上がる声をこらえるライ。眉間には皺が寄っている。
その表情が、シュリカを幸福に満たすことも知らずに。

ぴしゃん!

「気持ちいいって言ってごらん!」

唇を噛み締めるライの、横っ面に平手を浴びせる。

その衝撃で、ライは唇に込めていた力が抜ける。
すかさず躍動を止め、下腹に力を込めて締め上げるシュリカ。

「う… はあぁっ」

ライは一際大きく声を上げた。シュリカはとても狡猾だった。
871シュリカ   5/17:04/05/15 10:12 ID:QBw9t++i
きつくきつく締め上げたまま、美しい獣は再び上下に動いてライを擦り上げる。

「いい声!!  はあっ はあ ……たまんない」

「…はっ …はっ くっ …はぁ」

ライの吐息に激しさが増す。シュリカの動きとその吐息はリズムが重なっていた。
彼女はタフだった。額に汗の玉を光らせているが、攻撃の手を一切休めなかった。
そして、時折ライをきつく締め上げて鳴かし、誰が強者なのか強く自覚させた。

がくがくと揺さぶられるような激しい衝動。奥底から何かが込み上げてくる。
それは、速度を上げてライを支配し、思考とは別のところから矢継ぎ早に襲いかかる。

  俺は  俺は犯されて いる の か

腰が砕けそうな、終りを感じさせない快感。
何故か恐怖感を伴いライを不安にさせる。

「気持ち良いって 言えないの?」

  果てたい 果てたい

ライは強くそれを願った。

  この女が 恐ろしくてたまらない

シュリカが、突然動きを止めた。
自分は知らずにそれを口に出していたのかと、思わずライに錯覚させた。
872シュリカ   6/17:04/05/15 10:14 ID:QBw9t++i
ぬぷり と 蜜が溢れているそこから、ライ自身を引き抜くシュリカ。
意識が朦朧としているライには、彼女が何故そうするのか様子を伺う余力は無かった。
果てしない快感の波から逃れられた彼は、自分の意識を手繰り寄せようと懸命だった。

シュリカは、ライの太い腿を抱えていた。膝を折り曲げさせ、開脚させる。
両太腿が、両脇に固定された手に触れる。
ライは仰向けのカエルのような姿勢をとらされていた。

「あんたが気持ち良いのは これかもね」

シュリカはそう言い終わるやいなや、鞭のグリップを舐め上げた。
ライの自由を奪う鞭の余った部分は、彼の腰の位置から伸び、まるで動物の尻尾を思わせる。

シュリカの唾液でグリップは月光を反射させた。
彼女は満足げにそれを一瞥する。

そんな彼女の様子を知らないライは、力無く目を伏せて息を乱したままであった。

思わずライの身体は飛び跳ねる。自分の尻穴に、何かが強く押し付けられている。
大きさと形から、彼女の指ではないと即座に知った。

「なっ 何をする  …やめ やめてくれ」

「力を抜かないと辛いよ」

「やめろおっ 頼む  …頼む後生だ やめてくれっ」

自尊心の強い彼が少女に懇願する。
閉じようと必死なライの両足を、シュリカは片手と片膝で押さえつけた。
873シュリカ   7/17:04/05/15 10:14 ID:QBw9t++i
「力抜きな  入らないじゃないの」

シュリカはふう と溜息をつき、グリップを無理に押し付けるのをやめた。
ライが安堵したその瞬間。シュリカは、彼によく見える高さに小刀を光らせた。

「入らないから 入り口を広げよう」

「うわああぁぁ!!!」

ライは叫んだ。
何て恐ろしい女だ。冷酷で残忍な、少女の姿を借りた悪魔。
ライは抵抗を止めた。懇願も無駄だと知った。
観念したように全身から力を抜き、服従の意を彼女に示した。

ライの自尊心はたった今死んだ。
彼の、両膝は小刻みに震えていた。

「最初からあたしに従っていれば」

グリップを手にするシュリカ。可笑しくてたまらないらしく、口端が上がっていた。
乾いていたのだろう、再び舌で唾液を塗りたくる。

「気持ちいいって 素直に言ってたら  …ここまでしなかったのに」

そんなのは嘘だった。
ライがどう振舞おうと、彼女はどこまでも彼をいたぶるつもりだった。
つまらない意地が己を更なる窮地に追い込んだと、そう聞かせることで、彼を絶望感で満たす。
彼女の責めは徹底していた。

クスクス声を立てて笑うシュリカ。狂気そのものが姿を成していた。
874シュリカ   8/17:04/05/15 10:15 ID:QBw9t++i
再びライにグリップをあてがうシュリカ。
優しさを込めた声で彼を導く。

「力を抜いて 息を吐いて …そう  …そうよ」

「ぅう…  はあっ はあっ」

異物が挿入された事の無いライのそこは頑なだった。
皮膚を、肉を押し分けながら、ゆっくりと差し込んでいくシュリカ。

「息を吐いて 止めないで…  …そう 上手よ…」

先が入ると後は比較的早かった。捻りながら残りを埋めていく。
時折ライの身体の奥から抵抗があったが、シュリカはそれに構わず力を込めた。

とうとう、ライの尻穴はヒクつきながらも、ぎっちりとグリップを咥えこんだ。
彼は全身からどっと汗を噴出させ、身体の緊張を解き哀しげに息をつく。
痛みを伴う激しい圧迫感。太い楔を埋め込まれたようで、身体に力が入らない。

「う、うう…」

「…素敵  あんたって何て可愛らしいの」

笑みを浮かべるシュリカの頬は上気し、瞳は輝いていた。  

「いやらしく咥えちゃって」

ライはぐったりと力無いまま横たわっていた。
少しでも身体に力を入れると、途端に「それ」は激しく自己主張し、圧迫感を与えるのだった。
875シュリカ   9/17:04/05/15 10:15 ID:QBw9t++i
シュリカは蔑みを含んだ微笑みで、ライの耳元に口を寄せて呟いた。

「あんたは元々そういう素質があったんだよ」

ライは思わず眼を見開いた。シュリカはそのまま言葉を続ける。力強く言葉を切りながら。

「誇り高い男は 死を選ぶ」

「あんたは!  ケツマンコ掘られて!  喜ぶ男なの!!!」

そう言い終るやいなや、シュリカは身を仰け反らして高らかに笑い声をあげた。
ライの顔は血の気が引き、何か言いたそうに口を動かすが、それは何も音を成さなかった。

この美しい悪魔は、ライの身体だけでなく精神にも爪をたてた。
ライは気が狂いそうであった。このまま粒子になって消えてしまいたいと願った。
男の中の男として、誇らしく生きているつもりであった。
しかしこの少女の前には、自分は何て愚かで矮小な人間なのかを思い知らされた。

シュリカは腕を大きく振り被り、続けざまに2発ライの頬を張り倒した。
そして、先程己が脱ぎ捨てた短スパッツを腕を伸ばして掴む。

「今更 舌なんて噛ませないよ」

頬の痛みに歪むライの顔を掴み、口内にスパッツをねじり込んだ。

「言ったろ? 泣いて許しを請うまで  逃がさないって…」

シュリカは口端を上げながら、ライの耳にそう囁く。
言葉を発する自由までも奪われたライには、それはどうしても無理な条件だった。
876シュリカ   10/17:04/05/15 10:16 ID:QBw9t++i
「さあ、どうして欲しい?」

シュリカはライの両足の間に胡座をかき、それに肩肘をつきながら尋ねた。
もう片手は、弄ぶように彼の肉棒に愛撫を与えている。
ライの口内には丸めると拳大のスパッツが埋まっていた。

「…そうか」

シュリカは、ライに深く差し込まれたグリップに手を伸ばした。

「ここが疼いて 仕方がないか」

グリップから伸びる鞭の根元を、シュリカはしっかりと握る。
そして、ゆるやかに短く出し入れを始めた。

「ぐっぐっ…ぐぅ ぐっ…」

ライは顎を仰け反らし、ぎりりと口内の布地を噛んだ。
下腹部と尻穴が悲鳴を上げる。
引き抜かれる時は排便そのものの感覚で。
突き入れられる時は、まるで息の根を止められるような苦痛だった。
それが交互に連続してやってきて、身体の芯を掻きまわしていく。
ライは、身体を強張らせながら、鼻で僅かな酸素を得るのに精一杯であった。

「ぐぐぅ… ぅぐっ …ぐっ」

「はあ……可愛い…  もっともっと  滅茶苦茶にしてあげる」

シュリカはうっとりとした表情で、ライの反応を始終見詰めていた。
グリップを握る手に力を込めると、ぐぐぐと奥深くまで差し込んだ。
877シュリカ   11/17:04/05/15 10:16 ID:QBw9t++i
「…ふぐっっ!」

腸壁を突き上げてくる強烈な楔。
ライは思わず身体を反らし、身をよじって逃れようとする。
しかしシュリカは体重をかけた膝で押さえ付けてくる。
根元まで埋め込まれたグリップを素早く引き抜き、再び勢いをつけて奥深く貫く。

「むがっ! むぐぐぐ…」

赤く燃えた鉄の棒を、身体深く埋め込まれている感覚。身体から力が抜けていくのを感じた。
ライの目は血走り、虚空を見詰めていた。
シュリカはそんなライを一瞥した後、彼の男根に接吻を浴びせ、そして咥え込んだ。

シュリカは彼をグリップでリズムよく突きながら、口で彼自身を責めた。
頬を窪ませて根元から吸い上げ、唇は男根をきつく包み、搾る様に上下に擦り上げる。
舌はねっとりと絡みつき、唾液がじゅぷじゅぷじゅぷと音をたてる。
腰が抜けそうな甘美な責めと織り交ざりながら、肉を掻き分けて己の内部を規則的に行き来する塊。
ライは快感と苦痛の狭間に自らを横たえた。
ただ肉体だけがシュリカに呼応し、責めにうめきを上げる性の玩具であった。
ライの目にはもう力はなく、布地を詰め込まれた口端から唾液が伝い落ちていた。
そんな彼を支配する感覚が、少しずつ絶頂を迎え初めていた。
ライの鼻息が浅く速く小刻みになり、眉間には深い皺が刻まれた。

「…ふっ ふっ ふっ ふっ …うぅ」

一瞬、ライの身体が緊張で強張った。
その瞬間を見計らい、シュリカは素早い動きでライの睾丸を握り締める。

「むぐうぅぅぅっっ!!」
878シュリカ   12/17:04/05/15 10:17 ID:QBw9t++i
ライは弓なりに跳ねた。
そして身を震わせながら身体を折り曲げた。目は血走り、汗の玉が光るこめかみには血管が浮いていた。

痛みで縮こまる男の上に、彼女は馬乗りになった。

「果てていいと誰が言った!」

シュリカは彼の頬に強烈な平手を浴びせる。

「あんたはどこまで変態なの」

そう言い放ちながらシュリカは腰を浮かした。
恐怖のあまり萎え始めていたライの男根に片手を添え、器用にも自らの中に埋めていく。
彼女のそこはひどく蜜を溢れさせていて、腰を沈め終えた彼女は目を閉じながら短く身体を震わせた。
柔かく熱い肉でライはすっぽりと包まれる。
その肉は柔かくもありながら、きちきちに隙間なくライに吸い付き圧迫していた。

うっとりとした様子でシュリカは目を開いた。
ライの腹部に両手を乗せ、彼女はゆっくりと腰を動かし始めた。動きは緩慢ながら巧みであった。
彼女の窮屈な中にはザラつく箇所があり、ライ自身の先がそこで擦れるよう計算され
時折締め付けては圧迫し、そして入り口にライのくびれを引っ掛けたりしていた。
その動きにライ自身は再び堅さと大きさを取り戻し始めた。
額に前髪を張り付かせていたシュリカは、動きを止めたかと思うと吐息と共に身体を震わせる。
瞳を潤ませながら息を乱す彼女は、傍らの小刀に手を伸ばし、ライの戒めを切り裂いた。
鞭で縛り付けられていた両腕は始めは感覚が無かったが、ライは反射的にシュリカの乳房に手を伸ばした。
その為にシュリカは戒めを解いたのだと、ライは即座に理解していた。
彼女の形の良い乳房はライの力加減で幾らにも姿を変えたが、それを押し返すような張りも存在していた。
ライの大きな掌で包むように掴むと、指の間には白いふくらみ達が顔を覗かせる。

シュリカはそれに満足したように、再び腰を動かし始めた。
879シュリカ   13/17:04/05/15 10:18 ID:QBw9t++i
吸い付くようなシュリカの肌を、今ライは始めて両の掌で知った。
ライの掌は彼女の乳房から脇腹、太腿までを確認するように撫でさする。
磁器のように月光を反射させる少女の身体を触感で楽しんだ。
そしてその掌は再び上半身へと還り、上下にゆさゆさと揺れていた乳房を受け止める。
生意気そうにツンと上を向いた乳首とその周りは薄紅で色づいていて、口に含みたい衝動に駆られる。
その可愛らしい突起を指でつまみ、しごき上げるとシュリカは切なそうに短い声を上げた。
快感に声を漏らす彼女を見るのは初めてで、その声はライに言いようもない興奮を与えた。

乳房を揉みしだかれながら、彼女は上下の動きを速めていく。二人の激しい吐息のリズムが重なっていく。
シュリカは途切れ途切れに「命令」を男に与えた。

「あんたの  ケツマンコの」

「モノを  ひねり出して  ごらん」

息を荒げながらシュリカが言う、その意味をライはすぐには理解出来なかった。
すかさずシュリカの右手がライの頬を打つ。

「クソするように ひねり出すんだよ!」

今度はその手の甲で逆の頬を打ち付けられた。
爪が当たったのだろう、彼の頬には血が滲んだ。

「う…  ぅぐ…」

従順な下僕に成り下がったライは、主人の言い付けに従った。
下腹に力を込めるが、なかなか思うように身体が言う事を聞かない。
苦労している彼を見下ろしながら、シュリカは腰の動きを止めず執拗に快感を与え続けている。
彼がぐずぐずしていると、彼女は再び手を振り被る。
先ほどよりも強烈な平手が飛んできて、ライは目の前に星が散るのを見た。
880シュリカ   14/17:04/05/15 10:18 ID:QBw9t++i
ライは喉の奥で獣のような低い唸り声を発しながら、全身に力を込めた。
尻穴に埋まっていたグリップ部分が少しずつ姿を現した。
その感覚は排便そのもので、ライは気が狂いそうな屈辱に見舞われた。

「恥かしいね」

そう言い終るやいなや、シュリカはライ自身をきつく締め上げた。

「豚だよ まるで」

身体をびくんと反応させ、排出する行為を中断しライは肩で息をしながら悲しげに顔をそむけた。
その横顔に手を添え、シュリカは彼に正面を向かせた。
彼の口内を埋める衣服を取り除き、替わりに彼女は自らの指を二本挿入した。
はじめ彼はそれに戸惑い、身を強張らせて舌で彼女の指を外に押し出そうとした。
しかしシュリカの指は優しく彼の舌を探り、撫でた。
反射的にライはシュリカの細い二本の指に吸い付いた。逃がさぬよう必死に音を立てて舌を絡ませる。
赤子がやっと与えられた乳にすがり、むしゃぶりつく様であった。
ライにとってこの行為は自らを幸福感で満たし、そして主人から与えられる快感を増幅させた。

「あたしの  可愛い豚ちゃん」

男に指を吸わせてやりながら、シュリカは腰を上下に振るのを止めない。
ライの舌と、愛液で濡れた二人の結合部分は競うように音を立てた。

「さあ ケツから」

「大きいモノを  ひねり出しな」

吐息混じりにシュリカは言葉を切らせる。彼女の細い顎から汗が雫となって落ちた。
881シュリカ   15/17:04/05/15 10:19 ID:QBw9t++i
ライは今度こそ と下腹に力を込めた。
ご主人様を失望させて見捨てられたくなかった。
そのご主人様は、彼が必死になればなるほど執拗に責め上げるのだが。
みりみりと後ろからグリップが顔を覗かせるのに伴い、シュリカはライ自身を擦り上げる。
速度を上げて深く浅く出し入れし、ライの眉間に深い皺を刻ませ、声を漏らさせた。
息を荒げながらシュリカは嬉しそうに見下ろす。

「はあっ  可愛いよ… あんたの鳴く声」

グリップは半分ほど排出すると後はたやすかった。
シュリカのとめどもない責めに翻弄されながら、ライは力を振り絞った
彼に圧迫感を与え続けていた熱い楔はぬるりと姿を現し、勢いをつけて地面に落ちた。

「ぅああ……!」

思わずライは声を上げた。
グリップがすべて己から出切った瞬間、足先から腰、背中、頭にかけて冷たい電流が走った。
その瞬間を待ってたとばかりに、シュリカは躍動の速度を更に上げる。
彼女は追い討ちをかけるようにライに肉の快楽を与え続けた。
身体を揺さぶられるような狂気じみた快感に、ライは呼吸を許されない。

「ア! ア! ア! ア!」

宙を見据えながら全身が強張るライ。
弓なりになろうとする彼の身体を、シュリカは逃がさぬよう覆い被さるようにして執拗に腰を動かした。

「頑張ったね  いいこだ」

ライの両掌は、吹き飛ばされないよう怯える様に、シュリカの乳房をはっしと掴み、
唾液で濡れ開いた口には、彼女に指を差し入れられたままであった。
882シュリカ   16/17:04/05/15 10:22 ID:QBw9t++i
ご主人様に許しを戴いた。

シュリカの言葉にライはこれ以上もなく歓喜した。
もう己の意志が適うはずもないところまで到達していた。
絶望を感じながら絶頂を迎えようとしていたところに、お許しのお言葉を戴いた。

ライは狂気と歓喜の渦に身を委ねた。
奈落に突き落とされているような。
天高く放り上げられたような。
びくんびくんとライの身体が跳ねる。目を伏せているにも関わらず、視界は真っ白になった。

ライは身も心も少女に捧げた。

彼の喉奥はごぼごぼと泡を立てている。
うっすらとした意識の中、陸の上で溺れている自分に疑問を抱くライ
自分の喉元に、温かいお湯のようなものを感じる。
しかし不可思議なことに、己の身体は急速に凍えていくのだ。

シュリカが、血で染まった顔で見下ろしていた。
彼女の右手には、月光を反射させながらも赤黒い小刀。

自分は喉を斬られたのだとライは悟った。

彼の瞳には、恐怖も悲哀も絶望の色もなかった。
彼は解放されたのだ。
永遠に続くかと思われた己の狂ったような衝動と、この美しい悪魔の責めから。

眠い

彼は そのまま目を閉じた。
883シュリカ   17/17:04/05/15 10:24 ID:QBw9t++i
二つの意味で果てた男を、シュリカは見下ろしていた。
手にしていた血染めの小刀を口元にやり、ぺろりと舐める。
ひどく疲れた様にゆっくりと立ち上がり、小刀をひゅんと一振りして血のりを振り捨てた。
柔かい皮で仕立てられた上着を拾い袖を通し、腰部分に固定された鞘に小刀を納める。
戦いで痛めた足をひょこひょこと引きずり、ずいぶん前に脱ぎ捨てたマントを拾った。
軽く土を払い、彼女は優雅な仕草で身に纏う。
短めのマントは白く可愛らしい尻を丁度隠す丈であった。
男の口を埋めていたスパッツには見向きもせず、彼女はそこからゆっくりと立ち去る。


身なりを整え姿を消すまでの間、少女はそこに横たわる息耐えた男に一瞥もしなかった。
ただ月の光だけが、男を照らしていた。

                                        終
884作者:04/05/15 10:25 ID:QBw9t++i

ここまで読み終えてくれて感謝です。
885名無しさん@ピンキー:04/05/15 10:39 ID:rrxoD5sQ
イイヨイイヨー
支援いれたほうがよかったかな?
読むほうに入れ込んでだもんでw
大作御疲れ(´ー`)y─┛~~
886名無しさん@ピンキー:04/05/15 17:53 ID:7Hd+B+N5
1はもう必要ネ
シュリカに感謝
887682:04/05/16 23:23 ID:Pwe7WnzZ
「大作御疲れ」←この言葉に感激しました。
どうもありがとうございます。
SS書きの楽しさに目覚めてきました、このスレのおかげです。

自分のSSは板違いだな、と激しく思いました。
格闘系のゲーム・アニメに疎いので、オリジナルという方法で逃げました、すみません。
また何かネタがあればお邪魔しますので、その時はよろしくお願いします。
888ななし:04/05/17 12:24 ID:SCFBtD3e
シェリカ読ませていただきました
口の中に履いていたスパッツを詰め込まれるなんて屈辱的ですね
ケツマンコ大好き
889名無しさん@ピンキー:04/05/17 12:40 ID:ZV0iWzJ0
俺なんかもアニメ・ゲーム一般にあんまし強くないんで、
ここみたいなシチュエーション系スレがないと居場所なくなっちゃうんだよね。
もうそろそろエロパロ板からエロSS板に改名してもいいと思うんだけど。
890名無し:04/05/18 22:32 ID:EBqOrhb0
久しぶりにきましたが僕は格闘シーンも好きだが負けたあとの、屈辱的な性技によって逝かされるのもイイですね
891名無しさん@ピンキー:04/05/22 09:51 ID:VqeRPlAR
SS乙彼
シェリカ良かったです。言葉攻めがスキなので最高でした。
完全にシェリカがライを見下した口調だったのが良かったです
892ぎrl:04/05/24 16:56 ID:TH9as/Sb
ss乙
age
893名無しさん@ピンキー:04/05/24 17:33 ID:uMJUyP2s
894名無しさん@ピンキー:04/05/24 22:11 ID:QNTTQhsK
1sine上げ
895七資産@ピンキー:04/05/25 13:36 ID:iaQx1O9a
暇なのであげます
896名無し@ピンキー:04/05/27 12:40 ID:AkMyS+1c
1光臨期待age
897名無し@ピンキー:04/05/30 13:39 ID:3YYFY7+z
あげ
898名無し@ピンキー:04/06/01 09:51 ID:AdLNAHS2
WWEで女子王者誕生記念age
899名無しさん@ピンキー:04/06/06 09:15 ID:Oom/uWI3
>>898
あんな八百長プロレスを観て何が面白いのかが理解できないけどな。
900名無しさん@ピンキー:04/06/06 23:31 ID:wzNd9L8u
つーか八百長じゃないプロレスなんて有り得ないだろ
901名無し@ピンキー:04/06/07 11:36 ID:pYCnq7+7
age
902名無しさん@ピンキー:04/06/10 14:24 ID:aRmSTTsg
1しねあげ
903名無しさん@ピンキー:04/06/12 10:33 ID:jStvcfJ0
hoshu
904名無しさん@ピンキー:04/06/14 01:50 ID:0dravD5U
905名無しさん@ピンキー:04/06/15 21:58 ID:4ruP/TtR
キャッツアイの瞳がレオタード姿で男と闘って打ち負かす話が見たい。
906名無し@ピンキー:04/06/16 10:57 ID:lIifKBMw
ペプシのCM良いですね
格闘技の聖地コロッセオが3人の女戦士に占領された
907名無し:04/06/16 21:16 ID:nAUQONKQ
世界仰天ニュース 私には勝てないわage
908なさ:04/06/18 00:13 ID:e9xIX4GD
AGE
909名無し@ピンキー:04/06/21 19:15 ID:4dEKYnxT
あげ
910名無し@ピンキー:04/06/23 17:54 ID:PsYe248G
あげ
911名無し@ピンキー:04/06/24 13:35 ID:A0ofsBao
age
912名無し@ピンキー:04/06/27 11:35 ID:zdE3XGEh
落ちすぎだろ
913名無しさん@ピンキー:04/07/01 19:08 ID:/f7NJaT7
ああ
914名無しさん@ピンキー:04/07/03 13:31 ID:rDkHMVKN
ビューナスAがグレートマジンガーを倒す小説キボンヌ
915名無し@ピンキー:04/07/04 16:20 ID:yR6F1uIJ
1さん続きまだーーーー
916名無しさん@ピンキー:04/07/04 16:54 ID:+nY48qzQ
>>914
ビューナスAとグレートマジンガーが戦っていました、
ビューナスAがグレートマジンガーにパンチをしました
グレートマジンガーは倒されてしまいました。
                      おわり
917:04/07/04 22:57 ID:pHLK9ifW
誰かいませんかー
918名無しさん@ピンキー:04/07/05 21:46 ID:ggZuFFh5
>916
興奮した!
919名無しさん@ピンキー:04/07/06 01:04 ID:ThwTYmcj
戦隊ヒロインが洗脳されて、悪の女戦士としてヒーローをぶちのめす。
ターボレンジャーにはたしかあった。最高。
920名無し@ピンキー:04/07/09 11:14 ID:jta4HpSh
あげ
921名無しさん@ピンキー:04/07/11 00:36 ID:gB8zSqtf
922名無し@ピンキー:04/07/13 09:35 ID:n8856md9
このスレの最後にでっかい花火打ち上げてください。SS職人さん
923名無し@ピンキー:04/07/14 08:33 ID:eMuG7L4p
あげるぞ
9241 ◆fMMfCLbQfk :04/07/15 20:34 ID:sR4u8P20
すいません1です。
一度勢い止めてしまうと本当に止まってしまいますね。
なんとか続けたいと思うのですが。
925名無し@ピンキー:04/07/15 20:35 ID:LRbKJTCB
よろしく。待ってましたよ
926名無し:04/07/15 23:11 ID:c7mXwz1t
1さん久しぶり。このスレ締めてください
927名無し@ピンキー:04/07/16 09:03 ID:EvVcEeRo
おっはーー
928名無しさん@ピンキー:04/07/16 18:45 ID:aZ4XHvHV
>>924
というかこれ以上はさすがにM属性の豊富なこのスレの住民も待ちきれません。
続き楽しみにしとりますよ。
929げて:04/07/17 00:00 ID:pQNq9QUx
まさか2スレ終わるまでこのスレが続くとはね
930名無し@ピンキー:04/07/17 11:02 ID:kzOuqWE3
KOFでのさくら対テリーが見たい
今度は万全の体制で臨み・・・・
931名無し:04/07/17 21:04 ID:pQNq9QUx
大観衆の前で負ける
9321 ◆fMMfCLbQfk :04/07/18 04:11 ID:dJpJUU+E
続き書きたいです。
読み直して流れ変えないようにします。

あと頑張るのでPART3立てましょう。
933名無しさん@ピンキー:04/07/18 07:47 ID:URk3kqms
>>932
がんがれ、期待してるよ。
934名無し@ピンキー:04/07/18 16:12 ID:v4gSBzRh
おまえもがんばれ
935名無し@ピンキー:04/07/19 14:39 ID:nMdwnX0B
テリーを本戦に出場させてね
936名無しさん@ピンキー:04/07/21 00:57 ID:Ie1A3Z6A
ひょっとしてまた放置プレイでしょうか?
937名無し@ピンキー:04/07/23 18:41 ID:+RukNNoH
みんながんばったss書いてage
938名無し@ピンキー:04/07/24 19:55 ID:UgRddofl
まだかよう
939名無しさん@ピンキー:04/07/25 03:17 ID:YFkiS3zl
待ってるだけってのもなんだし、好きなシチュとか見たいキャラとか言おうぜ。

個人的にはゲッターロボの翔が、素早い剣裁きで號を翻弄するのが見たい。
940名無しさん@ピンキー:04/07/25 16:19 ID:1mK1eCtc
サムライトルーパーの4人を圧倒的な強さで涼しい顔して嬲り殺す女妖邪カユラ。
機動刑事ジバンを息の合った格闘術で翻弄する人間体のマーシャ・カーシャ。
941名無しさん@ピンキー:04/07/26 22:04 ID:nx2q5dQs
ビューナスAが戦闘訓練でマジンガーシリーズのロボを蹂躙
942名無しさん@ピンキー:04/07/27 01:57 ID:HOXRnbDB
>>941
しつこいなお前
943名無しさん@ピンキー:04/07/27 02:34 ID:4cPz7k/s
>>941
そんなあなたにオススメのゲームを紹介しよう。
PS2ソフト「神魂合体ゴーダンナー!」。スーパーロボット同士がガシガシ殴りあう格闘アクションゲーム。
登場する女性型ロボットは全部で5体(うち2体はカラー違いなだけだが)。
何故か乳揺れする女王様系ロボもいるぞ。

こいつを買って思う存分女性型ロボットにぶちのめされてこい。

というわけで俺はDOAの爆乳娘たちに失神するまで代わる代わるボコられた後、
無理矢理たたき起こされて、再び失神するまでおっぱいビンタの嵐に襲われたい。
とどめにカウパー液も出なくなるまで集団逆レイプ。
944名無し@ピンキー:04/07/27 09:33 ID:AV7RXr4U
俺は1対集団では燃えない
やっぱり1対1
945名無しさん@ピンキー:04/07/27 15:28 ID:Cbq+vN6t
うん、俺も1対1。もしくは女1対男多数。
屈辱を味わうには対等な立場か数的優位にありながらやられることが必要
946名無し@ピンキー:04/07/28 08:32 ID:DgdzwwSU
無敵無敗のプロレスタッグチャンピオンが女子シンクロペアと水上デスマッチ
水中に引きずり込まれて、何も出来ず・・・・
「水上でなら勝てるのに」と叫ぶチャンピオン
しかし水上でも・・・・
947名無しさん@ピンキー:04/07/28 10:48 ID:iFspM7Vc
ほしゅ
948名無しさん@ピンキー:04/07/29 06:55 ID:Rd/M+Fgv
949名無し@ピンキー:04/07/30 09:32 ID:iQaxnJyp
まだー
950名無し@ピンキー:04/08/01 13:35 ID:P4tokmRX
女子プロレスラーと男子のジュニアヘビー級が戦えばいい勝負になると思うんだけどなあ
951名無しさん@ピンキー:04/08/02 21:26 ID:1aLQ6aiU
井上京子とタイのオカマが試合してケチョンケチョンにやられたべや
952名無し@ピンキー:04/08/05 18:00 ID:HlhyWYvb
さがりすぎだよ
953名無し@ピンキー:04/08/06 09:04 ID:93qCrKRV
hosyu
954名無し@ピンキー:04/08/07 14:12 ID:We/l4FjG
1さん早く
955424:04/08/07 15:07 ID:gPZS9p8O
すいません、また書くの遅くなって。
後一息のところまで書き上げたんで取り敢えず書き上げた分だけ貼っておきます。

何も見えない、何も聞こえない、漆黒の闇に支配された一室――。
 直立したユンは瞳を閉じ、胸の前で両手を合わせ、精神を研ぎ澄ましていた。
 微細の揺らぎすらせず、こうして暗闇に佇むこと十時間以上。
恐ろしいまでの静止した時間を耐えに耐え続けたユンだったが、その忍耐も最早限界に達しようとしていた。
 三つ編みが、法衣が夥しい汗でびしょびしょに濡れ、気を抜けばたちまちに叫び出してしまいそうだ。
 静寂が途絶えたのは、ユンの精神の糸が緩みを見せたその瞬間だった。
 空を切る殺気にユンは両目を煌めかせ、振り向いた。
「アタァッ!」
 殺気目掛けたユン渾身の手刀。
 ビシッ!と音を上げ、殺気は床に叩き落された。
「ふうっ」
 ユンは呼吸を整え、感覚を頼りに撃墜した殺気の許まで歩み寄り、それを拾い上げる。
「くそっ!」
 途端ユンの内に悔しさが広がり、それと同時にどっと疲労感が身に圧し掛かかった。
956名無しさん@ピンキー:04/08/07 15:07 ID:c61a00F0
>>954
                              ((( ))) っ
                              (´Д` ;) っ
                               / つ_つ   <キモッ
                              人  Y
                             し'(_)
957424:04/08/07 15:10 ID:gPZS9p8O
「まだまだね」
 憂いを帯びた声が暗闇に響き、ユンの視線の先にぽうっと小さな七色の光が灯る。
その傍らに映える真紅のドレスは、さながら真夜中に咲く薔薇のようだった。
 コツリ、コツリ、コツリ。
 右の掌に浮かべたソウルパワーの光球を蝋燭代わりに、ローズはユンの側まで歩み寄ると、
微かな吐息を漏らす。
「少しは上達したようだけれど、牛歩に等しきね。
あなたがソウルパワーの全てを会得するには、まだまだ時間が必要なようね」
 ローズはユンの指先に挟まれたタロットカードをピッと自分の指先に移すと、表の絵図を見る。
 軽く折り目の付いた「愚者」がローズを嘲笑っていた。
「また失敗だぜ……」
 ユンはため息を吐くと、手の甲で顔の汗を拭った。
「ユン、焦っては駄目よ。ソウルパワーとは、精神の力の無限なる進化。
精神が乱れれば乱れる程、その極意からは遠ざかっていく。
今はまだはかばかしい結果が表れずとも、雑念を排して己の精神の力を高めることだけに集中しなさい」
「は、はい。精神の力、か……」
 ユンはつぶやきながら、ぎゅっと右の拳を握り締めた。刹那、ほのかな蒼き輝きが拳を覆う。
 ユンがローズを「師」と仰ぎ、こうして「館」での修練に明け暮れるようになってから早2ヶ月。
僅かずつではありながら、確かにユンは自分の中におけるソウルパワーの萌芽を感じずにはいられなかった。
958424:04/08/07 15:13 ID:ohX+OEwb
 あの日、ローズに喫した敗北こそがユンにとっての新たなる人生の始まりだった。
 あの闘いでユンは、世界の真の広さを、本当の強さとは何かを思い知らされた。
 勝者たるローズが敗者たるユンに与えたものは屈辱では無く、むしろ憑き物が落ちたような清々しさだった。
 ――やはり上には上がいた。この広い世界の中じゃ、俺はまだまだ未熟な若者に過ぎなかったんだ。
 同時にこれから目標とし、追い越すべき存在を得られたことへの限り無い喜びが、ユンの心に溢れた。
 ――強さは誇示するものではなく内に秘めるものよ。
 自身のその言葉を最も実践し、体現しているローズに、ユンは尊敬にも似た憧れの感情を抱かずにはいられなかった。
 それまで無敗のユンをも遥かに上回り、もしかしたら真に世界最強と呼ぶにふさわしき力を持っているかも知れないのに、
敢えて人目に晒そうとせず、自分が必要と判断した時にのみ片鱗を覗かせるローズ――。
959424:04/08/07 15:16 ID:ohX+OEwb
 ――壁は、確かにあの人の中にあった。なりたい。俺もあの人のように強く。
 ソウルパワーの力を用いたローズの手厚い看護を受け、
「館」の柔らかなベッドで気力と体力を取り戻していけばいく程、ユンの中ではその思いが強くなっていった。
 弟子、いや従者でも構わないから、ローズの側にいて、薫陶を受けたかった。
 傷付いた体が完全に癒えた時、ユンは決心すると両手を付いて頭を下げ、
ある限りの誠意を尽くして自分の思いの丈をローズにぶつけた。
 ――お願いだ、いや、お願いします。俺をここにいさせて下さい。
俺は、俺はあんたからもっと色んなことを教わりたいんだ。
 時折言葉を詰まらせながら何度も懇願するユンを見下ろし、ローズは不意に微笑みを浮かべた。
 ――あなたがそう言うのを待っていたわ。あなたは、強き心と闇に負けない魂の輝きを持つ龍。
この世で初めて出会えた私の「力」を託しうるかも知れない人。
けれど、あなたの力の多くは未だ眠りに就いている。
ユン、あなたがその覚醒を望み、茨の道を歩む決意があるのならば、私は出来る限り光明を導きましょう。覚悟はいい?
 ユンは即座に肯定の意を返した。迷いや躊躇いなど微塵もある筈が無かった。



960424:04/08/07 15:17 ID:ohX+OEwb
この2ヶ月の間、ローズがユンに与えた課題の一つが精神の洗練だった。
 闇の中で長い時の流れに身を委ね、静止したまま無心を心掛ける。
そして不意にローズが投げてくるタロットカードを手刀で迎え撃つのだ。
 ――あなたが真にソウルパワーを会得した時、手刀は真剣となってカードを二つに切ることも可能な筈。
 そうローズに言われ、ユンは何度も何度も挑戦するのだが、未だ一度として成功した試しは無い。
 ユンがソウルパワーの使い手として産声を上げることは何とか叶った。
しかしローズの継承者足りえるには、更なる修行が必要なのだ。
「人間誰しもが持ちし『気』の力と異なり、心強く清らかな者でなければ『ソウルパワー』を操ることは許されない。
例えるなら、それは魂に宿りし闇を切り裂く光の剣。
この世に災いをもたらさんとする者と対峙し、邪悪な力を封じねばならぬ宿命を帯びている。
だからこそ、その使い手は己を律し、精神の力を高め、心の中に自ら枷を嵌めねばならないの」
 ソウルパワーを操る者としての心得を静かに諭すローズに、ユンは黙したまま自分の蒼き握り拳を見詰めた。
 魂に宿りし闇を切り裂く光の剣……。
 自分がこれから継ごうとする神秘の「力」は、肉体の強さでは無く精神の強さ、
そして「悪」と戦う者としての自覚と責任を求めているのだ。
「きっと掴んでみせるぜ、ソウルパワー」
961424:04/08/07 15:18 ID:ohX+OEwb
ユンは決意を新たにすると、一際強く拳を握り締めた。
 不意にローズが、蒼く輝かせた掌ですっとユンの額を包み込む。
 温かな感覚が全身に拡がり、まるでユンの内に眠るソウルパワーと呼応しているようだった。
「少しずつではあるけれど、確かにあなたのソウルパワーは日々強くなっている。
龍の目覚めは、そう遠くは無いわ。迷わずに信じなさい、あなたの力を」
 気品に満ちた声で言葉を紡ぐローズを、ユンは畏敬の念を持って見返した。
 その皺一つ無い艶やかな美顔の前髪の生え際には、
ソウルパワーを極めし者の証たる神々しい紋章が浮かび上がっていた。
 ローズは掌を離し、ソウルパワーの輝きを消すと、言った。
「今日のレッスンはここまでよ。お風呂に入って汗でも流しましょう。支度をして貰えるかしら?」
962424:04/08/07 15:21 ID:ohX+OEwb
 「館」における様々な家事雑用も、弟子としてのユンの務めだった。
朝晩の入浴を楽しむローズの為、ユンがその都度浴室とバスタブを掃除し、水を満たして湯加減を調整する。
いつものように手順の全てを終えた時、ドレス姿のままのローズが脱衣所に現れ、ユンはすかさず脇へと退く。
ローズは微笑むと、優しくユンの頭を撫でた。
「ご苦労様」
 ユンが奉仕をする毎、ローズは労いの言葉を掛け、ささやかなご褒美をくれる。
そして何の恥じらいも、躊躇いも無く、ローズはするりと着衣の全てを脱ぐと、裸体をユンの眼前に晒す。
 すらりと伸びた余分な脂肪を感じさせぬ細身に豊満な乳房。
 美の女神さながらに高貴で魅惑的なそのボディは、気高き薔薇としての美しさと強さを内包している――。
 日課であるにも関わらず、こうして一糸纏わぬローズを間近にする度、
どうしてもユンは胸の鼓動の速まりを抑えることが出来なかった。
 そんなユンの心の動揺を見透かしてか、ローズはもう一度ユンの頭を撫でると、浴室の中に消えていった。
 その間ユンは脱衣所に膝を付き、ローズが入浴を終えるまでじっと待ち続ける。
 二十分、三十分、四十分……。
アンティークな壁時計の針が刻みを続けるが、それでもユンはただひたすらに「師」が風呂から上がるまで、じっと待ち続ける。
 一時間近く経った時、ようやくローズが入浴を終えた。
 

963424:04/08/07 15:23 ID:ohX+OEwb
 湯気と湯滴を全身に纏ったローズがガラス戸を開いて脱衣所に歩を進めると、
すかさずユンはその前に進んで用意したバスタオルを構えた。
 ウェーブ交じりに腰元まで伸びる潤いを帯びた紅髪を手始めに、
ユンはローズの裸体を滴る雫の一つ一つを丁寧にバスタオルで拭っていく。
顔、首、乳房、秘所――。
ほのかなボディソープの香りに鼻腔をくすぐられながら、ユンはローズの柔肌をバスタオルで包んでいった。
 ユンが全ての雫を拭い終わると、ローズはバスローブを纏い、聖母のような慈愛に溢れた表情で再度の褒美をくれる。
「ありがとう、いい湯加減だったわ。湯が冷めない内に、あなたも早く入っておきなさい」
 長い指でユンの前髪を梳いて、ローズは足音も無く脱衣所から去っていった。
 ユンは頬を赤めながら、その背中をいつまでもいつまでも見送り続けた。
「師」に仕え、力と技と心を鍛え、その御心に触れながら共に歩んでいく――。
 ユンが「館」に来た日より始まりし、至福の日々だった。

964424:04/08/07 15:23 ID:ohX+OEwb
 ユンの修練に休息の日は無かった。
「むん!」
「ハイッ!」
 突き出された豪鬼の正拳をユンは紙一重の差で見切る。
「たあっ!」
 今度はベガが背後から狙ったミドルキックを、
「ヘアッ!」
 ユンは体を翻しざまに右腕にソウルパワーを纏って、がっしりと受け止める。
 ユンはそのまま体を沈めると、無駄の無い動作でベガの太い足を払う。
「ぬうっ!」
 ベガの巨体がいとも簡単に浮き上がる。
 更なる撃を仕掛けようとするユンだが、一方的な展開は豪鬼が許さなかった。
「はあっ!」
 宙で体をコマのように回し、幾重もの蹴りを放つ豪鬼必殺の竜巻斬空脚。
「くっ!」 
一際強い殺気にユンは追撃を中断し、バク転で退かざるを得なかった。
その隙にベガが体勢を立て直し、また二対一の熾烈な激闘が再開される。
「ぬん!」
「ハイッ!」
「でやあっ!」
 強靭な筋肉と筋肉とのぶつかり合いが空気を震わせ、軋みを上げ、汗を飛ばす。
 ベガのダブルニープレスをユンは体の軸を僅かにずらしていなすと、三つ編みを大きく揺らし、地を蹴った。
「ハイイィィィィッ!」
 瞬間弾けた疾風が、ベガとの連携を狙った豪鬼よりも速く、ユンを懐に潜り込ませることを可能とする。
「アタァッ!」
 ユンの蒼き拳が豪鬼の胸板をまともに捉えた。
「うぬぅ……」
 その一撃で豪鬼は膝を付き、首を垂れて床に沈み込む。ユンはそのまま体を反転させると、残るベガに猛然と突っ込んでいった。
「むうっ!」
 一直線に迫り来るユンに、ベガも姿勢を低くし、スライディングで迎え撃つ。
965424:04/08/07 15:25 ID:ohX+OEwb
「ハイッ!」
 しかし次の刹那、ユンの体は軽やかに宙を舞っていた。
 ベガがスライディングを仕掛けるタイミングを見計らい、
ユンは前方に跳び込んでベガの両肩を掴むとそのまま支点として前転する。
「ぬおっ!」
 持ち前のスピードと柔らかな体捌きを活かした前方転身でベガのバランスを崩してユンは着地すると、
しっかりとベガの両肩を鷲掴みにしたまま、渾身の膝蹴りを叩き込む。
「ヘアッ!」
「ぶぐうっ!」
 ベガの巨体が大きく揺れ、捩れた。構わずユンは膝蹴りを続ける。
「ヘアッ!ヘアッ!ヘアッ!」
「ばあっ!」
 ベガの顔面が激痛に歪み、飛び散った胃液がユンの法衣に当たる。
 ベガは懸命に抵抗の意を表そうとするが、
丸太のような両腕を持ってしてもがっちりと食い込んだユンの十指を引き剥がすことは適わなかった。
「ぐぅ……」
 五度目の膝蹴りがボディに刻まれた時、ついにベガは力尽きた。
 豪鬼と同じく地に倒れ伏し動かなくなったベガを見下ろすと、ユンは右脚を上げてクンフーの構えを取って勝利の雄叫びを上げる。
「ハアアアァァァァッ!」
966424:04/08/07 15:26 ID:ohX+OEwb
 その時だった。腰掛けていた玉座からローズが身を起こし、ギルを脇に従えてユンの側まで歩み寄る。
「勝負は付いたようね」
 ここは昨日の暗室とは打って変わり、天井を極彩色のステンドグラスに覆われ、
玉座の前に石造りのステージを設えた、太陽の光溢れる室内闘技場。
 週に一度ローズの前で行われるこの試合も、精神の鍛錬と同じくユンに与えられた修練の一環だった。
 最初の頃は豪鬼だけを相手に苦戦の連続だったが、
今ではこうしてベガを加えた多勢に無勢の状況下においても見事勝利を収められる程、ユンの強さは成長を遂げている。
 跪いたユンを眼下にし、ドレス姿のローズはふっと息を吐き出す。
 その正面顔はステンドグラス越しの逆光を浴びて、鮮やかな輝きを放っていた。
「前よりもずっと技にキレと威力が出てきたわね。
ソウルパワーを得たことにより、あなたのクンフーは生まれ変わろうとしている」
 内に秘めるソウルパワーの大きさは未だローズの足元にも及ばぬが、
それは確かにユンのクンフーに新たなる可能性をもたらしていた。
 ソウルパワーを纏うことによって鋼と化したユンの肉体は、
以前を遥かに上回る攻撃力と防御力を発揮出来るようになった。
拳は相手のガード如何に関係無く確実に深いダメージを刻み、肉の防御壁はどんな攻撃をも耐え凌ぐ――。
そのスキルアップは格闘家として小柄というユンのウィークポイントを補って余りあるものであり、
元来のスピードと相俟って、純粋な肉弾戦における強さを極限にまで引き出していた。
967424:04/08/07 15:28 ID:ohX+OEwb
「けれど驕っては駄目。あなたが目覚めさせたソウルパワーの力は、まだまだ微々たるものに過ぎない。
無闇に器から水を汲めば、すぐに無くなってしまう。器が小さければ、尚のことよ。
だからこそ精神を鍛錬し、ソウルパワーをコントロール出来るようにする必要があるの」
ローズの言うとおり、更なるソウルパワーの強化と共に、
その完全なる制御こそがこれからユンが努めねばならぬ課題だった。
ソウルパワーは肉体能力を高める反面、使い果たした時に多大な疲労と負担を使い手に与える。
いわば両刃の剣としての側面を持っている故に、力の使い所の冷静な判断が求められているのだ。
「それにベガと豪鬼の二人に勝利したとは言え、かつての邪悪な『力』を失った彼等相手に手こずっているようではまだまだよ。
安易に現状に満足すること無く、己の『力』を磨き続けなさい」
「は、はい」
 ローズはそこまで言うと、気絶したベガの側に寄って膝を落とし、掌に浮かべた温かな蒼き光をベガの首筋へと押し当てる。
「うっ」
 軽い呻きを上げてベガは意識を取り戻した。
 ソウルパワーの力を自然治癒力の促進に用いるローズのヒーリング。
 ユンとは異なり、ローズのソウルパワーは多岐に渡る用途と効能を持っていた。
(これが……あの人の『力』。何時の日か俺もあんな風になれるだろうか?)
 ユンは羨望の眼差しでローズを見上げ続けていた。
 ローズがベガの治癒を終え、次に豪鬼へと取り掛かると、ユンはベガの許に寄り、法衣に付いた埃を払ってやる。
 ユンと同じくローズの側に仕え、修練の手伝いもしてくれるベガ、豪鬼、ギル。
 ローズが語った所によると、弟子であるユンとは違い、三人ともかつて犯した過ちを償う為、
「館」での日々を送っているそうだ。
 だが彼等の過去がどうであれ、ユンにとっては一つ屋根の下の掛け替えの無い仲間達だった。
 豪鬼も意識を取り戻すと、またローズはユンの側に歩み寄って告げる。
「レッスンはここまでよ。お風呂に入って汗でも流しましょう。準備の方をよろしくね」
 ユンは頷くと、そのまま浴室へと駆け出そうとする。が、ローズが呼び止めた。
 振り向いたユンにローズは頬を緩めると、囁くような甘い声で言った。
「今日はよく頑張ったわね。後で特別のご褒美を上げるわ」
968名無しさん@ピンキー:04/08/07 23:43 ID:0sNZpBJR
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 ご褒美!ご褒美! 
  ⊂彡
969名無しさん@ピンキー:04/08/09 01:40 ID:F/3L+qRV
「もう逃げられんぞ霞、抜け忍の末路を知らぬわけではあるまい。覚悟。」
深夜2時、墓場。忍びの里を抜け出し逃げつづけてきた霞だが、追っ手をふりきれず追い詰められてしまった。
霞を追い詰めたのは忍びの中でも若手実力者ヒデキだった。
「殺生は好まないのだけど仕方ないわね。」
「裏切り者には死を!死ねぇぇ!!!」ヒデキは拳を振り上げながら霞におどりかかった。
対する霞は複雑な印を結びはじめる。
「影縫いの術!!」「は?」
霞の印を結んだ手から白光が溢れだし、ヒデキを飲み込んだ。
「なんじゃこりゃぁぁ!!」
ヒデキの身体は弛緩し、指先さえ動かせなくなり、たまらず仰向けに倒れこんでしまった。
「貴様、なにをしたっ!」
「ふふっ♪あっけなくかかったわね。もうあなたはなにをされても抵抗できない・・、
どうしてあげましょうか?」
残忍な笑みをうかべながら悠然とヒデキに近づく霞。
「おっおのれっ!!こんの、卑怯も、うぶっ!!」
霞はヒデキの股間を思いっきり踏みつけ、そのまま踏みにじる。
「生意気な態度はやめることね、さもないとみじめな殺し方を選んでしまいそう・・」
「ぐぁっ!が!」
霞の足のかかとが股間をひねりこんだ。
「ふふっ・・いい格好ね、
男の急所を女に責められてどんな気分なのかしら?」
「あっ・・や、やめろっ」
霞は玉よりもペニスを中心に体重をこめて踏みにじる。
「どう?痛い?それとも、気持ちいい?」
「ぐあっ!!」
ヒデキは屈辱に歯軋りしながらも、快感を覚え始めた自分に困惑する。
「あら、あらら?あはは・・♪
大きくなってきたわよ、こ・こ。
こんなことで勃起させてしまうなんて安っぽい男ね〜。」
970名無し@ピンキー:04/08/09 18:50 ID:D3Z2kmeB
>>996
良いですねえ。短いけど急所をついてるって感じです
971名無し@ピンキー:04/08/10 09:09 ID:9RQANjuZ
minnna お疲れ
そしてもうすぐぱーと3に突入
972名無し@ピンキー:04/08/13 20:18 ID:tI0yTa/i
age
973名無し@ピンキー
age